俺のラノベは間違っている (もよぶ)
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第一話

アニメしか見てないですが、ふと思いついて書きました。
文章書きなれていないので駄文ですがお暇ならおつきあい下さい


いつもの奉仕部、今日は材木座が書いてきたラノベの批評をする日

今回のラノベはダブルヒロインのラブコメ、かなりの力作だと材木座は自信たっぷりに言っていた。ちなみに由比ヶ浜は今日約束があるとかで不在、よって雪ノ下と比企谷の二人から批評されるわけだが、このラノベが彼らの今後を変える物になるとはまだ二人は知る由も無かった。

 

「なあ雪ノ下、このラノベについて俺は言いたいことがかなりあるから俺からでいいか?」

「あなたがそうしたいならそれでいいわ」

雪ノ下は軽くOKを出す。

 

「よし、んじゃあ始めるか」

比企谷は付箋を大量に貼った原稿の束を取り出し話し始める

 

「まずだな、このヒロインなんだが、黒髪ストレートの金持ちの令嬢とギャルっぽい感じの幼馴染ってステレオタイプすぎないか?安直すぎるだろ」

 

「八幡よ、やはりヒロインが二人だったらタイプの違うのが欲しいではないか、それにご令嬢ときたら清楚系、幼馴染ときたら明るいギャル系、家に押しかけて朝起こしにくるまでがセットではないか」

 

「だからそれが…つかそれはお前の趣味だろ、まあいいか、まあこれはこれとしてだ、主人公が目つきの悪い学校の嫌われ者ってのもな、ハーレムものの主人公って大概葉山みたいなイケメンだろ」

 

「いやだからそれは…」

 

ひたすら設定にダメ出ししていく比企谷

 

「んでいろいろあって令嬢の方と主人公が惹かれあうわけだ、でも二人がここまで好意を見せてるのにそれになかなか気が付かないってのはこの主人公おかしくないか?」

 

それを聞いた雪ノ下は何言ってんだこいつという顔をする

それに気が付かず比企谷は言う

 

「なあ雪ノ下、お前はどう思うよ?」

「比企谷くん、あなたは一回鏡を見ることをお勧めするわ」

「意味が分からんな」

比企谷は顔をしかめて話を続ける

 

「んでだ結局令嬢と交際するこになりお互いの家に報告に行くわけだ、そして両家の親から猛反対を食らうと」

「うむ、身分違いということで特に令嬢の親の方から強い反対が来るのだ」

「それは…あるかもな」

比企谷はちらっと雪ノ下を見る

 

「ま、まあそれでだ、そっからの展開にまた言いたいことがあるんだが」

「うむ、この後の展開がこのラノベの肝なのだ」

「肝じゃねぇよ、なんで駆け落ちとかしてんだよ、こいつら高校3年だろ、せめて高校卒業しろよ!なんで我慢できねぇんだよ!しかもこいつら頭いい設定だろ!実は勉強ができるだけの馬鹿なのか?」

 

「そこは色々葛藤があったことを書こうとしたが何しろ我にはこういう経験が無くてだな、うまく書けなかった」

 

「そこを書けよ!肝なんだろ?んで駆け落ちした二人は北へと旅立ちついた先が北海道って北に行きすぎだろ!」

 

「そこはまあ我には北海道に叔父がいてな、夏休みとかに遊びに行くから情景が浮かびやすくてな、それに逃亡者は北に行くというのが定石らしいし」

 

「逃亡者って犯罪者じゃないんだから…つかついた先で運よく夫婦でやってる小さな町工場の社長に拾われてって雇ってもらえたってご都合主義もいいところだろうが」

 

「ああ、それもだ、叔父の兄弟がまさにそれでな、小さな工場を経営してるんだが、跡継ぎいないから自分の代で工場を閉めないといけないといけないと言っていて、我も叔父に連れられて見に行ったことがあってな、猛烈にスカウトされた、無論断ったが誰でもいいから来てくれないかとか言っていたな、頭が良くて品行方正なら履歴書いらんとか言ってたな」

 

「え?そうなの?こんなご時世にもの好きもいるもんだな、つかそんなのは例外中の例外だろう、不特定多数に見せる小説にそれ書いてもご都合主義としかみられんぞ」

 

「我もそう思うがこうでもしないとこの二人に未来はないだろう、駆け落ちものって大体が悲壮感漂うものばかりではないか」

 

材木座と比企谷が言い合ってる最中雪ノ下が割り込んでくる

 

「材木座くん、その工場の話は本当なのかしら?」

「本当だが、雪ノ下殿、いかがなされた?工場経営に興味でもおありか?」

「いえ、そういうわけではないのだけれど…」

 

「ま、雪ノ下の工場経営の話は置いておいてだ」

比企谷が話を戻す

「令嬢と主人公が6畳一間風呂なしトイレ共同のボロアパートに一緒に住むことになるようだが、令嬢にはこんなクソ狭い部屋で生活なんて無理だろ、少しは考えろよ」

 

「あら、私なら好きな人と一緒ならどんなに狭くてもボロでも構わないわ」

「それは雪ノ下だからだろ、雪ノ下なら確かにどんな環境でもやっていけると思うが普通に考えて無理だろ、風呂無いんだぞ?」

 

「それなら心配いらぬ!近所に銭湯がある設定だからな!抜かりはないわ!」

材木座が口を挟む

 

「まあ確かに一緒に銭湯に行ってる描写あるけどさ、赤いタオルをマフラー代わりにした彼女って、これ神田川だよね?彼女の優しが怖かったとか完全に神田川の歌詞パクってるよね?まさかこれが書きたかったの?」

 

「うむ、我の親父殿が好きでな、我も歌えるぐらいよく聞いたのだ、ちょうど情景がマッチしてることに気が付いて入れた、後悔はしていない」

 

「あら、私もこの歌好きよ?比企谷くんにはこの良さがわからないのかしら?」

 

「雪ノ下まで…もうわかったよ、百歩譲ってこれは良しとしよう、んでしばらくの期間工場で働いてると幼馴染も押しかけてくるんだよな」

 

「うむ、これぞダブルヒロインラブコメの真骨頂だろう」

 

「真骨頂じゃねぇよ、幼馴染まで6畳一間って狭すぎるだろ、つか普通に考えて男の方はやばいだろ、色々爆発しちゃうよ?倫理的に問題のある行動しちゃうよ?」

 

「大丈夫だ、描写が抜けていたが少し広いところに引っ越している設定だ」

「いや広くても無理だろ、同じ屋根の下に年頃の男女同居とかってダメだろ」

 

「そこは主人公の頑張り次第だな、それに最後には両方と結ばれる設定だし」

「そこだよ!そこが一番の突っ込みどころだよ!令嬢を正妻にして幼馴染を公認の愛人とかっておかしいだろ、なにより世間様がゆるさんだろ」

 

「うむ、一般人ならばそうだろう、しかしこの段階まで来ると工場は主人公の頑張りで大きくなって社長になっている、権力者となれば愛人の一人や二人いてもおかしくなかろう」

 

「いやおかしいからね?いないのが普通だからね?それに社員に知られたら一気に信用ガタ落ちだよ」

 

「それは大丈夫だ、なにしろ学生時代に主人公を慕ってくれてた友人たちが続々と集結して会社を盛り上げてくれてるからな、事情を知ってる人で周りをがっちり固めてるから無問題だ、みんな幸せ大団円、これ以上何を望む?」

 

「そこも突っ込みどころの一つだよ!主人公嫌われ者じゃなかったの?なんで友人がたくさんいるんだよ?確かに駆け落ち前のエピソードで何人か登場してたけどさ、なんでそいつらが集結してんだよ、RPGのラスボス戦みたく怒涛の展開だよ。」

 

「そうはいってもおぬしだってボッチと言うくせに我とか戸塚殿とか友人知人は結構いるのではないか?」

「戸塚は別だ、お前はしらん」

「冷たい奴だな、まあいい、これでおぬしの評価は終わりか?では雪ノ下殿お願いする」

 

まだいろいろ言いたそうな比企谷を尻目に材木座は雪ノ下の方へ向く

「私からは…」

 

 

~~~~~~~~~

 

 

一通り評価が終わり、いつものようにコテンパにされた材木座は席を立つ

「毎度のことながら貴殿らは厳しいな、ではラノベを回収しよう」

そういいコピーを回収しようとしたが

「いやこれはこっちで捨てるからいい」

「私も自分で捨てるからいいわ」

なぜか二人とも原稿を渡そうとしない

 

処分の手間が省けたと材木座は奉仕部を後にするが階段付近まで来たとき

「ちょっと待ちなさい」

振り返ると雪ノ下が材木座をいつになく真剣な目で見ている

「な、なんでしょうか?」

「先ほど話に有った工場の連絡先と場所を教えなさい」

「へ?本当に工場経営に興味が?」

「あなたの意見は聞いてないわ、教えるの教えないの?どっち?」

 

どんどん雪ノ下の目つきがけわしくなってくる

「い、今はわからぬ、家に帰らぬと」

「では連絡先を交換しましょう、光栄に思いなさい、私の連絡先を知っているのはこの学校でも数人だけよ?あと余計なメールや電話をしてきたら社会的に抹殺するから覚悟してね?」

 

本当は胸がときめくはずの女子との連絡先交換がなんでこんな脅迫じみた展開になってるんだろう、そう思いながら材木座はビクビクしながら連絡先を交換し、家に帰ると二度とかかわりたくないと思いつつ即座に工場の連絡先をメールした。

 

その一週間後比企谷八幡と雪ノ下雪乃は学校から姿を消した。

 

 

 



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第二話

二人がいなくなったことに始めに気が付いたのは八幡の妹の小町だった、

朝は普通に学校に行くといい出て行ったのにもかかわらず夜になっても連絡もよこさない上にこちらからいくら電話をしても全くでない、

 

あれほどブラコンの兄と連絡が取れないのは異常だと感じ知り合い全員に連絡したためだ、その際雪ノ下雪乃から返信が全くないことに疑問を感じたことから雪ノ下の失踪も発覚したため大騒ぎになった、何しろ地元では名士の御令嬢が同学年の男子とともに消えたのだ。

 

警察関係はおろか雪ノ下建設のあらゆる関係者が地元を奔走し足取りをつかもうと躍起になったが千葉駅でそれらしい制服姿の男女を見たという証言を最後に足取りは全くつかめなくなってしまった。

 

学校でも大騒ぎになっていた、渦中の雪ノ下雪乃は学校でも指折りの有名人である、対して比企谷八幡も別な意味で有名人であったので

なぜあの二人が?と噂が噂を呼んでいた。

 

 

「なぜこんなことになってしまったのだ」

材木座はつぶやく

「我はラノベを見てほしかっただけなのに」

しかし今更どうしようもない、言ってしまえば行動したのはあの二人の勝手である、こちらには責任が無いともいえるが行動の引き金を引いたのは自分という罪悪感があった。

 

いっそのことラノベのことを先生とかに言った方がいいのだろうかとも思ったが彼らの選んだ行動を尊重しようとする思いもあり、黙っていることにした。

 

そもそも材木座は比企谷と違い正真正銘のボッチである。

親しいものは学校にはいないため奉仕部とのつながりも誰にも知られていないのである。

教室では原稿用紙に向かって一人ニヤニヤしてる変人というのが周りから見た彼の印象であるため今回の騒動に関係してるとは誰にも全く気が付かれる心配は無かった。

 

そんなおり、材木座一家の夕食時に義輝の父からうれしい?ニュースが聞けた

「義輝、叔父さんの兄弟の工場を覚えているか?ほらあのスカウトされそうになったとこ」

「覚えてるがそれがどうかしたのか?」

「うむ、あの工場にお前と同じぐらいの年の妙なカップルが来たそうだ」

「ほうほうそれで?」

「女の方は美人で男の方は目がちょっとおかしい人相だったそうだが、男の方が工場に来るなり「ここで働かせてください!」といって土下座したんだそうだ」

 

表では平静をよそうが、無事工場にたどり着いたのか、よかった

噂の中には心中したとか言ってる人もいたのですごく心配してたんだぞ

と心の中で思う義輝

 

「んでその男女だいぶ訳ありみたいで名前以外はどこから来たのかとか一切教えてくれないんだと」

そりゃそうだ、つか名前教えて大丈夫なのか?

「んで名前もなるべく他人には口外しないでくれとのことでな俺も教えてもらってない、つかこの話自体家族以外にするなと言われている」

「結局訳有カップル雇ったのであろうか?」

「それがそのカップル、試に働かせてみたら働きぶりがすごいから即採用したんだと、なんでもあっという間に工場の資料の整理やら紙資料を電子データ化したりして呑み込みも早いし礼儀正しいし、叔父さんもどっかの御令嬢と御子息が駆け落ちでもしたんじゃないかって笑っていたよ」

 

八幡は一般家庭だから叔父さん半分正解だ

 

「住むところも昔従業員がいたとき寮として使ってて今はアパートとして貸し出してるところがあるからそこに住まわせてるんだそうだ」

「まさかそこはもしや風呂なしトイレ共同とかではあるまいな?」

「さすがに今のご時世それはないよ、八畳一間の1Kの普通のアパートだってさ、一人一部屋のつもりだったけど二人一部屋で十分ですと言って受け付けなかったそうだ」

 

ふむ、神田川は実現することは無さそうだな、現実問題として風呂が無いのはきついし共同トイレってのもちょっと嫌だしな

 

「避妊はしろよって言葉で二人とも顔を真っ赤にしてたそうだがな」

そう義輝の父は言いゲラゲラと笑う、どうも酒が入ってきてるようだ

友人をダシにした下ネタで盛り上がりたくは無かったので早々に食事を終えて自室にこもる

 

これから我はどうすればいいんだろうか

何しろ味方になれるとしたら我しかいないのだ

彼らの為になんかできることは無いのだろうか、考えても出てこないので宿題を済ませて早々に寝ることにした。

 



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第三話

数日後、平塚先生の授業が終わった後

「材木座ちょっと顔を貸せ」

と呼び出しを受ける。

案の定噂の二人についてなにか知らないかということだったので知らぬ存ぜぬを突き通す。

 

「そうか、やっぱりお前もしらないか…実は由比ヶ浜がな、毎日奉仕部の部室に来て居てな、二人はもういないのだからといっても、ここにいると二人が帰ってきそうだからといって下校時刻までずっといるんだよ、始めは三浦や海老名もいたんだが、いまはずっと一人だ、お前に言うのもおかしいと思うがなんか声でもかけてやってくれ、私も行って話し相手になったりしているが正直どうすることもできん」

そういって先生はうなだれてしまった。

 

その日の放課後とりあえず行ってみるかと特別棟の方へ足を向けるがふと気が付く。自分が行って何を話せというのだろうか?それに女子との会話が苦手というかまともに話せない。それに気が付いてとりあえず自販機で飲み物でも飲んで心を落ち着かせようとしていると特別棟の方へ行く二人の女性が見えた、部外者のようだが二人ともすごく美人で誰かを連想させる顔つきをしていた

 

ジュースを飲み終わり覚悟を決めて奉仕部の部室の前まで来る、扉を開けようとして手をかけたときに中から平塚先生と誰かが言い争ってる声がしたので、やっぱ入るのやめようと思ったが時すでに遅く扉は開いていた。

 

中には先ほど見た女性二人組、平塚先生と泣いている由比ヶ浜がいる、状況がつかめずオロオロしていると

 

「あれーあなたも奉仕部の関係者かなー」

部外者の一人が声をかけてくる

「え?え、まあそのようなものですが、ど、どちらさまでしゅか?」

「わたしはねー雪乃ちゃんのお姉さん、んでこっちがお母さんなんだよ」

 

と雪ノ下の姉を名乗る女性はにっこり笑う、ものすごい美人だ、雪ノ下の姉というのもうなずける。

「雪乃ちゃんの居所しらない?」

途端に殺気のこもった目つきに変貌する、視線で人を殺すとはこのことなのだろうか、母親と紹介された方もこっちに強烈な視線を浴びせてくる

 

「そいつは部員ではないし今回の事件とは無関係だ、勘弁してやってくれないか?」

平塚先生が助け舟を出してくれる、雪ノ下の姉は途端に道端に落ちてるゴミを見るような目つきに変わり

「もういいや出てっていいよ」

と追い出される格好で部屋をでる。

 

このまま追い出されるのも何か癪なので中で何を話しているか盗み聞きをしてやろうと思い隣の部屋へ向かう

「話の内容によっては奴らの助けになるやもしれんしな」

隣の部屋は運よく別な部活が使っていたのか鍵は開いていた。

「これは僥倖、運は我に味方してくれていたようだ」

そう思い中に入りさっそく聞き耳を立てる

 

「あなたの監督不行き届きでしょう」

これは雪ノ下の母の声だろうか、平塚先生をなじるようなねちねちと文句をつけている、

「なんであなたのようないい加減な人が教師に…」

かなり酷いことを言っているようだ。

 

「ねえ本当に知らないの?」

これは雪ノ下の姉だろう

「ヒッキーもゆきのんもどこに行ったかなんて本当に知らないんです」

由比ヶ浜はもうずっと泣いているようだったがそれを意に介さず尋問のように質問を繰り返していた。

「じゃあもう一回始めから聞くね?あの日の前日の二人の行動をもう一回始めから…」

 

これはもう地獄だ、駆け落ちとはこうも周りを不幸にするものか、

「気軽に書いたラノベがこんな状況を生み出すとは」

材木座は罪悪感でいっぱいになった。

いっそのことみんなにあの二人はここでーすと言えたらどんなに楽か、

しかしそれをしてしまうと更なる地獄が待っているのは容易に想像がつく。

 

ふと雪ノ下の連絡先が登録されてたことを想いだす。藁にもすがる思いで、雪ノ下に今の状況をメールする、由比ヶ浜と平塚先生を助けてくれと。

メールを送って数分後隣の部屋の様子が一変する、

「雪乃ちゃん!?今どこにいるの!?え!?帰らないってどういうこと!?居場所は絶対突き止めるから!え?誰も知らない!?どういうこと!?」

どうやら雪ノ下が姉へと電話してるようだった、しばらく話をしていたようだが姉の

「雪乃ちゃん!?」という絶叫にも似た声とともに終話したようだ、突然静かになった

 

扉が開く音が聞こえる、ようやく帰るのかとホッとしていると

「この責任は平塚先生、あなたに取ってもらいますから覚悟しておいてください」

この声は雪ノ下の母だろうか、捨て台詞が聞こえる、こういう捨て台詞はアニメ等では負けた奴が発する言葉だが今回は相手が悪かった。

 

それから数日後平塚先生は教師を解雇されることになった。



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第四話

今日は平塚先生の最後の授業になる、奉仕部の面々はアラサーだのなんだのとからかってはいたが、生徒にはかなり人気があり、泣きつく生徒も少なくなかった。

材木座はあることを思い立ち職員室へ向かい平塚先生を探す、先生はもう最後だからと自分の席でたばこをガンガン吸っているようだった。灰皿がたばこで山盛りになっていてそこだけ煙幕が張っているかのようだった。

 

「おお、材木座じゃないか、どうした?」

先生は相変わらずの調子のようだ。

「先生はここを辞められたらどうされるおつもりです?」

「こう見えても蓄えはあるからな、全国ラーメンめぐりでもしようかと思っている、全国回っていればそのうち比企谷と雪ノ下に会えるかもしれんしな」

先生は遠い目をして言う

「あと比企谷にあったらまず顔面を思いっきりぶん殴ってやる、もう教師で無いわけだから遠慮することは無い、あいつめ、更生の為に奉仕部に入れたのに雪ノ下を誑し込みやがって」

と鼻息を荒くして指を鳴らし始める、八幡よ、よく今まで五体満足でいられたな。

「ま、あの二人ならどこでもやっていけそうだしあまり心配はしていないんだがな」

そう言うと平塚先生はにっこりと笑う。

こんないい先生に気に入られてあの二人は幸せもんだなと材木座は軽い嫉妬心を覚える。

 

「ところで先生はかなりのラーメン通とお聞きしてるのですが耳寄りなお話がありまして」

「ほう、どんな内容かな?」

「実は親戚の工場に若い夫婦が入りまして、その奥さんが作るラーメンが絶品なんだそうです」

「ほほう、興味深いな」

「んで近くラーメン屋も立ち上げたいと思ってるそうですが何しろ味がわかるのが周りにあまりいなくてラーメンに詳しい人にアドバイスが欲しいとか」

「なるほど、それで私が試食してアドバイスをすればいいわけだな!」

「その通りです、どうでしょうか?全国めぐる前に一度行ってみていただけないでしょうか?場所は北海道なのですが…」

先生はどうせ暇になるんだし北海道は札幌ラーメンがあるしということで二つ返事でOKを出してくれた。

「ではこちらが場所になります。」

材木座はそういい、例の工場の住所が書いてある紙を渡す。

「連絡もしておきますので。では先生、今までどうもありがとうございました。お元気で」

「ああ、最後にいい情報をありがとう、材木座も元気でな」

 

職員室を後にしたあと雪ノ下へメールする材木座

「職を失った独身アラサーがそのうちそちらへ向かう、詳しいことは本人へ聞いてくれ、あと八幡は殴られる覚悟しとけと伝えてくれ」

 

 

数日後、材木座一家の夕食時義輝の父がまた情報を持ってきた。

「義輝、叔父さんの兄弟の工場だが、今度はまたすごい人が入ったそうだ」

「どのようなお人なのであろうか?」

「なんでも長髪のとうが立ってそうな美人でな、来るなり「うまいラーメンを食わせてくれると聞いてきたのだが」とか言っていてな、何のことやらわからずにいると前に入社してた元ご令嬢が出てきて先生!といって抱き着いたそうだ」

「ほほう、それでそれで?」

「んで男の方も出てきたんだが男を見るなりものすごい速さで顔面を殴り飛ばしてな、そのままマウント取ったかと思うと今度は泣きながら男を殴ってたそうだ」

「なかなか凄惨な光景であるな」

「どうも先に入ってた男女の恩師だったらしい、詳しい理由は言わなかったが教師を続けられなくなったのでラーメンを食うついでに二人に会いに来たんだとか」

「んでその人はどうなったのだ?」

「雇ったそうだ、先に入った二人のおかげで工場の生産性がアップしたとかで金回りが良くなってるからそろそろ人を増やしたいとおもっていたそうだからちょうどよかったんだと、細い女性なんだが力があるからと現場で働くことになったらしい」

「それはよかった」

表面上はそう言ったが実はあまり良くないのではと考えていた

平塚先生がいない今由比ヶ浜殿が一人ぼっちになってしまったではないだろうか?

 

その晩雪ノ下へどうしたらよいかの相談のメールを送った。

 

次の日の放課後。比企谷と雪ノ下の計画を由比ヶ浜へ伝えるため材木座は奉仕部の部室に来ていた。

部室には由比ヶ浜が以前雪ノ下が座っていたところに一人で座り本を読んでいた。

「あー失礼する」

ぱっと顔を上げる由比ヶ浜

「なんだ中二かぁ、ラノベはもう読まないよ、あたしは今ぶんがくしょうせつっての読むのに忙しいんだからね!」

そう彼女は言い本の表紙を見せる

「銀河鉄道の夜か、いいチョイスであるな」

女子相手に自然と声が出ることに自分でも驚いている、雪ノ下の姉と対峙したからだろうか、女子が大した脅威に思えなくなってるのかもしれない

「へっへーそうでしょ、ママに勧められたんだ、これなら結衣でも読めるでしょって」

あーそういうことか、つかその本は小学生でも普通に読むレベルなのだが、思わず苦笑してしまう。

「ちょっと何笑ってんの?あたしが本を読むのってそんなにおかしい?優美子にも笑われたし」

とだいぶご立腹のようだ、

「いやそうではないのだが…」

とここで今日来た目的を思い出す。

「実は由比ヶ浜殿ご相談が、」

ここまで言いかけたときに部室の扉がガラッと空き

「ひゃっはろー」

聞き覚えのある声が後ろからする、この声は雪ノ下姉だ

 

「あれー?由比ヶ浜ちゃん今日は一人じゃないんだー」

「ヒッキーとゆきのんから連絡なんてきてないよ、帰ってくれませんか?」

冷たくあしらおうとする由比ヶ浜だが

「んもーつれないなー」

としつこく食い下がる雪ノ下姉

あの二人にとって由比ヶ浜は大切な友人である、故に雪ノ下姉も連絡があるだろうと思ってこうやって来るのかもしれない

 

「ところでそこの人は?なんか見覚えあるね?」

「この間あなたとあなたの母上がいらしているときに顔を合わせたものです」

「あーあの時の、あの時はごめんねー気が立っててさー」

という雪ノ下姉は口では謝罪してるが目が全く笑ってない、何なんだろうこの人

 

「っていうかさー二人とも仲よさそうに話してたじゃん、なーにー?付き合ってんの?」

いったいこの人は何なんだろうか、とここで材木座は雪ノ下から言われた計画を思い出す。

「ねーねー由比ヶ浜ちゃんそこんとこどうなのー?」

 

見ていて激しく不快になる問い詰め方だ、材木座はだんだんイラついてくる

「中二とはそんなん「そうだ、我と由比ヶ浜殿は付き合ってる!」」

もうやぶれかぶれだ、材木座は高らかに宣言する

 

雪ノ下姉は目を丸くして言う

「はぁ~?本気で~?由比ヶ浜ちゃんってこんなのが趣味だったんだ~?」

由比ヶ浜は今の状況がつかめずオロオロしている

「由比ヶ浜殿が一人辛そうにしていたのでな、我が色々相手しているうちに付き合うことになったのだ」

「へ~傷心の女の子に優しくして付け入ったんだ~、由比ヶ浜ちゃんってこんなデブが趣味だったんだね~気持ち悪~い」

いいぞうまい具合に勘違いしてくれたようだ、しかしこの人超怖い

「わ、我のことは構わないが由比ヶ浜殿のことを悪く言うのはやめていただきたいでしゅ…」

雪ノ下姉の気迫に押されてどんどん気持ちがしぼんでいくのがわかる

 

「もしかしてさ~雪乃ちゃんの部屋に有った気持ちの悪い自作の小説って君が書いたの~?前あった時関係者みたいなこと言ってたよね~」

まさか、今回の引き金になったラノベのことだろうか?

だとしたらまずいかも、材木座の背筋に冷たい物が流れる、

「そ、そうだが」

だんだん雪ノ下姉の顔が恐ろしいものになっていく

「あんな気持ち悪いもの二度と雪乃ちゃんに見せないでね、漢字に無茶苦茶なルビが振ってあったり、女の子が無駄に脱いでいたり、今回の事件と関係あるかと思って我慢して最後まで読んだけど人生の時間を無駄にしたって感想しかないわ」

 

あーそっちの方か、つか捨てずに取っていてくれたのか、律儀なものだ

「あとさー傷心のところをちょっと優しくされたからと言ってこんな妄想ばかりたくましい男になびくなんて由比ヶ浜ちゃんは比企谷君に対する思いもその程度だったんだ、これって裏切りだよね」

由比ヶ浜はもう泣きそうな顔をしている

 

「そ、その辺で勘弁してくれぬか、も、もう我々にかかわらないでいただきたいのでしゅが…」

材木座はなんとか声を振り絞って言った。

「もういいよ、由比ヶ浜ちゃんがこんな下らない人だと思わなかった、もう二度と話しかけないでね、もちろん君もね」

そう雪ノ下姉は宣言し部室から出て行った。

 

「ふー怖かった」

材木座は倒れるように椅子に座る

「中二どういうこと?説明してくれるよね?」

由比ヶ浜は困惑した表情で材木座を見る

「その前に雪ノ下の姉上が聞き耳たててたりしてないか確認してくれぬか?我は疲れてもう立てぬ」

由比ヶ浜は部室から確認の為出ていく、しばらくした後戻ってきて

「うん、もう外に出たみたい、窓から見えたよ」

「では話そう、雪ノ下殿の計画を」



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第五話

「まず、雪ノ下殿と八幡なのだが、二人とも生きている」

「なにいってるの!あたりまえじゃん!噂見たく二人が心中だなんて…そんなことあるわけないじゃん…でもよかった…」

若干そういうことも予想してたのだろう、うれしくて少し泣いているようだ

「でもどうしていなくなったかはわからん」

 

「それさ、この間ゆきのんのお母さんが来たとき言ってたんだ、ゆきのんは高校卒業と同時にどっかの会社の偉い人と結婚する予定だったんだって」

「なんと!でも姉がいるではないか、普通姉が先に嫁に行くのでは?」

「ゆきのんのお姉さんね、陽乃さんって言うんだけど、陽乃さんは婿養子を取る予定だから嫁に出せないって言ってた」

「なるほど、そういうことなら合点がいく」

 

「それでね、あたしも知らなかったんだけど、ヒッキーも初め結婚を阻止しようとしてゆきのんの家まで直談判に行ってたんだって、なんど追い返してもしつこいぐらいに来てたんだって、でも学生の分際でうちの責任とれるのかって言ったら来なくなって、その数日後に居なくなったんだって、ゆきのんのお母さんね、お前たちのせいだ、お前たちのせいでうちは大損害をこうむっている!って言ってゆきのんのことなんか心配する気配すらなかったんだ、まるでゆきのんを道具みたいにしか見てないみたいでね、こんなのゆきのんがかわいそうだよ…」

 

最後の方は言葉にならならず由比ヶ浜はまた泣いてしまう。

「それで駆け落ちか、八幡はやる男だとおもっていたがここまでとはな、やはり我のラノベが原因なのだろうか?」

 

由比ヶ浜がようやく落ち着いたところで材木座は問いかける

「それで由比ヶ浜殿は八幡達のところに行きたいか?」

「当然じゃん!」

 

「それが全てを捨てることになってもか?八幡も雪ノ下殿も家もなにもかも捨てたのだ、おぬしにその覚悟があるか?」

「え?あたしもそうしないといけないの?」

「当然であろう、雪ノ下殿の家は相当の権力者だ、足取りをつかまれたが最後一気に逆戻りになる、八幡と雪ノ下殿との努力を無駄にするわけにもいくまい」

「うーん、そっか、そうだよね、でもいきなりそう言われても…」

「まあじっくり考えるとよかろう」

「うん…」

 

「それと実はおそらく我だけ雪ノ下殿と連絡を取れる立場にあるようだ、最も連絡するときは主にトラブルが起きたとき限定だが」

「え?そうなの?あたしがいくらメール送っても電話してもダメだったのに、なんで?」

「それは今回のようなことが起きるのを見越してだろう」

「どういうこと?」

 

「問い詰められても知らない物は言いようがないということだろう」

「なにそれひどい!」

「あと着信やメールの痕跡を残さないってこともあるだろう、むしろそっちかもな」

「そっかーそれなら納得だ」

「それに由比ヶ浜殿は思ったことが態度に出やすいから、安易に連絡をとってしまうと、周囲から親しい二人がいなくなったのになんであいつはいつも通りなんだと不審に思われる可能性があるということも言っていたな」

 

「うー、それはあるかも…あ!でも今教えてくれたよね、どうして?」

「うーむここからが本題なのだが…」

 

「由比ヶ浜殿、我とその…期間限定で付き合ってくれないだろうか?」

「へ?中二と?どうしてそうなるの?」

「それはだな…」

 

材木座は計画のあらましを話す。

八幡も雪ノ下殿もいずれ由比ヶ浜殿も希望があれば呼び寄せるつもりでいるということ、今までは言わない方が由比ヶ浜殿の為だと思っていたこと、でも状況がどんどん悪化してくのでそれまでずっと自分たちのことを黙っているのはあまりに残酷なことだと気が付いたということを話した。

 

「そっか…ゆきのんもヒッキーも私のことを考えてくれた上でのことだったんだね」

「うむ、あの二人がおぬしを見捨てるわけなかろう、むしろ心配していたぞ、八幡なぞは由比ヶ浜殿がとち狂って自分で作った飯を食って自殺とかしてないかとまで言っていたが、いったいなんのことだ?」

「中二には関係ないよ!ヒッキーもひどい!ちゃんと練習しているんだよ!最近サボり気味だけどさ…でもさっきも言われたけどあたしって態度に出やすいから今後はちょっとまずいかも…」

 

「うむ、そこで先ほどの話に戻るのだ、彼氏、まあつまり我のことだな、それから慰められたことにして元気を取り戻したという風にすればいいということだ」

「え?それって中二と嘘の付き合いするってことだよね?そんなことをゆきのんとヒッキーが本当に言ったの?」

「まあ嘘の告白をして、嘘の関係を築くだけだ、本気でどうこうするわけではないので安心してほしい」

由比ヶ浜の目が途端に険しくなる。嘘の関係、嘘の告白、奉仕部にとって大変トラウマがあるワードのようだ。

 

実はこの案の原案を出したのは材木座本人だった。



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第六話

話は先日の晩に戻る

 

相談メールを出した後、何度もやりとりを繰り返しいくつか案が出たがどれも由比ヶ浜自信が演技をする必要がありそれは当人とっては無理だろうという結論になった、やはり第三者の演技によってカバー出来る案が必要になった為だ。その為材木座が

 

「期間限定で彼氏でも作って慰められたことにすればよかろう、葉山殿あたりに全部話をすればきっと協力してくれるのでは?」

 

そう返事をしたとたん、圧倒的な文章量で猛烈な抗議のメールが来た、曰くあいつは信用ならないや、葉山の精神ではだれもすくわれない、そもそもなんでそんな提案をするのか、馬鹿なのか、死にたいのか等、葉山は相当あの二人から嫌われてるようだった。

 

一通り罵倒のメールが来た後しばらく他の案を考えてみるが思いつかないので風呂に入ったりして小一時間過ごしていると、着信があったようだ、相手は雪ノ下、かけなおすと出たのは比企谷だった。

 

「八幡!おぬしの声を聴くのは久しぶりだ!携帯はどうしたんだ?」

「この身分で使えるわけないだろ、つか相変わらずうぜぇな」

「そういうな八幡!おぬしの無事な声を聴けただけで感涙ものだ!我はうれしいぞ!」

「ああ、色々あったんでな、なんとか無事だ。」

 

「しかし本当に駆け落ちとはな、実は少しだけ我の親父殿から工場の話を聞いている、無論他言はしていないがな!、さすが八幡、我にはできないことをやってのける、そこにしびれるあこがれる~」

「ちゃかすなよ、俺も必死だったんだ、なあ材木座聞いてくれ」

「どうした改まって」

「すまん、お前には沢山迷惑をかけてしまっているようだ」

 

「何を言う!おぬしと我は魂でつながっている言わば盟友というべきものではないか!それにお前の役に立てて我は逆にうれしくあるぞ!」

「そっか、そういってくれると助かる、それでだ、迷惑ついでに由比ヶ浜のことなんだが」

「うむ、なにかいい案でもあるのか?我にはとんと思いつかん」

 

「雪乃と話し合ったんだが、もうこれしか案が考えれらないんだ、材木座、本当にすまないと思っているし本当はこんなこと言いたくないんだが」

こやついつの間にか雪ノ下殿を名前呼びとは、いろいろ想像してしまうではないか

「なんだもったいぶって、早く話せ」

 

「由比ヶ浜と付き合ってくれないか?」

「は?」

「詳しく言うとだ、卒業までの期間限定でだ、いや、その間お前と本物の仲になってしまうんだったらそれはそれでいいんだ」

「なんで?我が?」

 

「事情を知ってるのがお前しかいないからだ、すまない、雪乃と話し合った結果これしかなかったんだ、由比ヶ浜は修学旅行の件もあってたぶん拒絶するかもしれないしお前にとっても嫌な思いをさせてしまうことになる、本当にすまない」

「我は別にかまわんよ?」

「本当か?」

 

「本当も何もおぬしら公認であのような女子と期間限定とはいえ付き合えるなんて我からしたら夢のような申し出だ、もっとも由比ヶ浜殿がどう答えるかだが」

「そういってくれると助かる、本当にすまない」

「そういうわけだから」

突然電話の声が変わる、雪ノ下に変わったようだ

 

「あなた、由比ヶ浜さんになにか卑猥なことやいかがわしいことをしてごらんなさい、ちょうど新しい工作機械を買うことが来たのよ?1/1000ミリ単位であなたの余分な肉をそぎ落として理想的な体型に削ってあげるから覚悟しなさい、それとあとで計画の詳細をメールするからしっかり読んでね?」

この女こえー、やはりこれは血筋なのだと実感する

 

「ひゃ、ひゃい、わかりましゅた」

氷のような冷徹な声におもわず噛んでしまう。

なぜこのような女子を八幡は気に入ったのだろうか。

 

~~~~~~~~~

 

話は現在へと戻る

 

「まあ案自体は我が出したのだが、それ以外方法は難しいとのことでな、別に付き合うと言っても本気でやるわけではない、あくまでふりだ、ほかに好きな人が出来たならそっちにいってもいいし、むしろそっちの方がありがたいかもな、八幡は何やら修学旅行の件がどうこう言ってて因縁のようなものがあるようだし、由比ヶ浜殿が嫌ならまた考えるが」

 

「だって、それじゃ中二の気持ち踏みにじってるようなもんじゃん、あんまりだよ…」

「いや別に、むしろ由比ヶ浜殿のようなかわいらしい女子と形ばかりとはえお付き合いできるとはむしろ願ったりかなったりだが」

「ほんとうにいいの?」

 

「うむ、では由比ヶ浜殿、我とお付き合いいただけますかな?」

「うん、中二よろしくね」

そうしてここに期間限定の偽物カップルが誕生した。

 




書いてて思ったのですが材木座イケメンすぎますね
かなり違う気もしますがこのままいきます。

話に矛盾があることに気がついたのでちょっと修正しました。


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第七話

「でね中二、これからどうするの?」

「うむ、まずはだ」

雪ノ下から来た計画の詳細メールを見る

 

「うーむ、こっちに来るつもりがあるなら資格をとれとあるな、簿記とか会計とか由比ヶ浜殿は計算は得意なのか?」

「うん、数学とか複雑なのは苦手だけどさ文化祭の時会計事務ちょっと手伝ったりしてたからそういうのは大丈夫かな?」

「あと高校はちゃんと卒業しろとある、八幡も雪ノ下殿も今後のことを考えて仕事の合間に大検取る予定だそうだ」

 

「そうなんだ、ヒッキーもゆきのんも頭いいからね、すごいなぁ」

「他には高校卒業まで絶対居場所を教えるなともあるな」

「えーどうして?メールがダメなら手紙ぐらい書きたいよ…」

 

「由比ヶ浜殿の場合、教えると何も考えなしで来るかもしれないとか、不用意に送った郵便物から居場所がばれる可能性があるとのことだ」

「うー、そっかーんじゃあ卒業まで我慢だね!」

「いや待たれよ、本当にいいのか?きちんと考えさせてから行動させろとも書いてある、せめて一晩でも考えた方が良かろう、おぬしの人生だぞ?大学とかにもいきたいのではないのか?」

 

「うん、本当はさ、ゆきのんやヒッキーと同じ大学に行ってさ、また奉仕部みたいに一緒に居られたらなって考えてたんだ、でも二人ともい無くなっちゃったから目標も無くなっちゃってさ…」

また由比ヶ浜の顔が暗くなってくる

 

「うーむ、北海道の大学とかもあるが、得にやりたいことがあるわけでもないのにいきなり遠くに行くのも不自然だしな、雪ノ下殿の姉上はああいっていたがおそらくおぬしの行動は監視されてる可能性もある、おそらく我もそうであろう、目立つ行動は禁物だな。」

「そっか…少し考えてみるよ」

 

「そうした方がいいな、とにかく考えてみよ、我も毎日ここに来るようにする、形ばかりとはいえ彼氏役だしな」

「わかった、んじゃあ今日はもう帰るね」

「鍵は我が返しておこう、鍵の場所を覚えないといけないしな」

「ありがと、んじゃあね」

 

由比ヶ浜は軽く手を振って帰宅する

一人残った材木座はメールを再度見直す。要求事項はまだまだ多い

「さて、由比ヶ浜殿の決意がかたまったら我のラノベ読ませろともあるのだが、八幡は本気であの落ちを目指すつもりなのか?どうするつもりなんだろうか」

猛烈な不安に駆られながら材木座も部室を後にする。

 

結局由比ヶ浜は比企谷と雪ノ下とともに行く道を選んだようだ、ラノベを読ませたとき由比ヶ浜はかなり驚いていた

「ヒッキーとゆきのんはこれを目指してるの?」

「いやわからん、わからんがこれまでは微妙にシナリオ通りに来てしまってる、おそらくこれに近い何かの形を取ろうとしてるのかもしれない」

「こんなこと…でもこれならゆきのんともヒッキーとも…」

ぶつぶつ言っているようだが、こんなん許す親がいるとは思えない、やはり家を捨てないとどうにもならんだろう現実は厳しいのだ。

「ところで中二はどうするの?」

 

「我は物書き関係の仕事に就きたくてな、一応大学進学の予定だ、それにそのラノベには我のような人は登場していないであろう?」

「うーん確かになんか知り合いによく似た人たくさん出てくるけど中二みたいな人はいないね」

「八幡がパクリパクリとうるさかったのでな、現実をパクってやったのよ!でも自分をパクるのは気が引けたのでやめたのだ、そしてこの有様だ…」

「でもそのおかげでゆきのんは助かったんでしょ?よかったじゃん」

「よかったかどうかはまだわからん」

 

奉仕部では毎日資格の猛勉強、材木座も受験勉強の傍らネットから資格の過去問題を拾って来たり、取り寄せたりと細かい所を色々手伝っていた。その甲斐もあって由比ヶ浜は卒業までにいくつかの資格を取ることができた。

一応デートのようなこともしたが、資格試験の会場まで一緒に行くとか申し込みをするとかで大して色気のある話にはならなかった。

 

 

卒業式当日、学校に来るのも最後になった日の奉仕部部室

「今日で最後だな」

「中二、今までありがとう」

「うむ、由比ヶ浜殿も良く頑張られた、誇っていいぞ」

「えへへーありがとう」

「本当に行くのか?」

「うん、今日はクラスのみんなで打ち上げやるから明日だよ。ゆきのんが移動手段手配してくれてるんだ」

結局細かい打ち合わせなんかもあるので本人同士の連絡が必要になり携帯での連絡は記録が残るため自宅の電話で連絡を取っていたそうだ。

 

「左様か、それなら何も言うまい」

「中二は打ち上げとかいかないの?」

「ボッチの我にそんなお誘いがあるわけなかろう、もうしばらくここにいる」

「なんかヒッキーみたいだね…んじゃあね中二」

「うむ、八幡達によろしく伝えておいてくれ」

「あ!中二!ちょっと目をつぶって?」

突然妙なことを言い出す、言われるがまま目をつぶると、頬に柔らかい感触が

「今までのお礼だから、ヒッキーたちには内緒にしてね?」

そういってぽーっとしている材木座を残し由比ヶ浜は出て行った。

 

材木座とて男だ、正直由比ヶ浜へドキッとしたこともなんどかあったし恋愛感情が無かったというのは嘘になるだろう、しかし由比ヶ浜がこちら見るときは自分ではなく自分を通して比企谷や雪ノ下を見ているというのが透けて見えるため一定の距離を保っていたのだった。

 

「結局一人になってしまったな」

がらんとした奉仕部の部室を見てつぶやく、由比ヶ浜と過ごしてた間には生徒会長の一色やその他数名の女性も来たりしていたが、なにしろ男が材木座ということもあり女性は顔を出すだけでまったく寄り付かなかった。

ただ比企谷の妹小町だけは何か感づいてるらしく由比ヶ浜と真剣に話していることが多かった。

シスコンの比企谷のことだからおそらく連絡は取っていたのかもしれない。

こちらからの連絡も由比ヶ浜の件を最後に全くしていなかったため今となっては藪の中である。

 

「依頼も一件も無かったし人払いとしても役に立ったようだな」

最後にそういうともう誰も訪れることが無い部室に鍵をかけ材木座は卒業証書を手に学校を後にした。

 

 



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第八話

数日後予想通り由比ヶ浜が失踪したという連絡が卒業したばかりの高校から入った。傍から見れば付き合ってたわけなので連絡が来るのは当然だろう、由比ヶ浜の家には探さないでください、いつかきっと帰ってくるという内容の置手紙が置いてあったそうだ。

「いえ、卒業後やることができたので別れようという話になってそれっきりです」

そう材木座は言って電話を切った。警察や何か感づいた雪ノ下家からの追求があるかと思ったが結局そういうのも無く日々が過ぎて行った。

 

数日後、材木座一家の夕食時義輝の父がまたまた情報を持ってきた。

「義輝、例の叔父さんの兄弟の工場にまた新しい人が入ったそうだ」

「ほう、またであるか、してどのような方なのだ?」

「それが今時の女子高生みたいな感じの明るい娘でな、やっぱり先に入ってた人たちの知り合いだったみたいだ」

「どんどん仲間が増えていくな」

「しかもなんか今回のは来るなり男に抱き着いたりしてなんか大変だったらしい」

 

「ほほう、いわゆる修羅場というやつか」

「それがそうはならなくてな、元ご令嬢の方とも泣きながら抱き合っていて友人でもあったようだ」

「いわゆる恋敵というやつだな」

「それがどうもそんな雰囲気じゃ無いっぽくてな、住むのも3人でとか言い始めて叔父さんも絶句したそうだよ」

 

「いわゆるハーレムというやつか」

「結局アパートの空いてた別の部屋に住まわせているんだそうだがこれからどうなることやら、なんかお前の好きなアニメみたいな話になってきたな」

「アニメは結局殆どが大団円になるから安心して見れるんだが、現実は違うからな、安心して見てられんな」

「それもそうだな、現実は苦い物だ、若い連中に幸があるといいね、お前にもな」

なにか聞き覚えのあるセリフをどこかで聞いたなと思い夕食を食うことに専念した。

 

4月になり、材木座は大学に入学しそれなりの日々を過ごす、一人暮らしを始めたことにより、父から工場の顛末を聞く機会が無くなり、また大学に入るとサークル活動や何やらで忙しくなり次第に比企谷たちのことを忘れて行った。就職も順調に行き都内にあるそこそこの規模の出版会社に入社することができ、材木座はまたもや忙しい毎日を過ごすことになる。

数年後営業に出た先で偶然戸塚とであい飲みに行く約束をする。

 

その晩

「久しぶりだね」

「戸塚殿もおかわり無いようでなによりですぞ」

「あはは、その口ぶりまだ続いてるんだ」

「あーいやこれは懐かしくてつい、な」

 

それからひとしきり高校時代の思い出話に花を咲かせる

やはり一番の話題はアレだった。

 

「それにしても八幡と雪ノ下さんが一緒にいなくなるなんてね…」

一瞬ビクッとなる、そういえば自分はその関係者だったことを思い出す。

「義輝は奉仕部によく行ってたよね、なんか知ってたんじゃない?」

「我はただ自作のラノベの批評をもらいに行ってたのでよくは知らぬぞ」

「そっかーそれもそうだね」

 

さらっと流されホッとする、ふと居酒屋のテレビを見ると成り上がり特集とかいうのをやっていた

一代で会社を巨大な物にしたやり手の企業の特集らしい。

ちょうど北海道のとある工場の話をやっていた、小さな町工場から今や国を代表する国際プロジェクトにも関係することになったとのことで最新設備が整った工場の内容を映しているところだった。

 

ちょうど工場長がインタビューをうけていた、女性ということで余計に注目があるようだが、どう見ても見覚えがある顔だ。

「戸塚殿、あの女性だれだったかな?見覚えがあるのだが?」

「義輝!あれって平塚先生だよ!ほら!八幡達がいなくなった後学校をやめた先生だよ」

「あ!、んじゃあまさかここが?」

たしか叔父の兄弟の工場は昔お邪魔した時は繁盛していた時でも4,5人程度で回してた小汚い小さな工場だったはずだ、だが今見るとどう見ても別物だ、白い綺麗な壁、そこかしこに産業用ロボットが配置され100人規模はありそうな感じである。

 

カメラは工場からオフィスに切り替わる、事務員がたくさんいてPCに向かっている

「あれってもしかして由比ヶ浜さんじゃない?」

戸塚がまた叫ぶ、そこには特徴的なお団子ヘアーが映っていた。

 

カメラが切り替わる、今度は開発部だ、CADやら何やらが並んでるところにも見覚えのある青みがかったロングヘアーの女性が映る

「あれはもしかして川崎さん?」

これはどういうことだ?本当にあのラノベみたくみんな呼び寄せたのか?というかテレビなんかに出たら高校時代に奔走したことが無意味になってしまうではないか!

 

材木座は焦り高校から一度も連絡していなかった雪ノ下へ電話をする。

数コールののち相手が出る。

「もしもし、どちら様ですか?」

「知らないふりはやめていただこうか、積もる話もあるかもしれんが、今テレビを見ているあれはどいうことだ、とうとうとち狂ったか?」

「久しぶりね、ふふふ、これは記念よ」

「記念?どういうことだ」

 

「会社が大きくなりすぎてとうとう実家にばれてしまったの、それで半年ほど前に実家から両親がやってきて一悶着あったのよ」

「大丈夫だったのか?」

「こちらは国のプライドをかけた国際プロジェクトに参加してるのよ?もう地方の建設会社や議員がとやかく言っても意味のないレベルまでなったということ、警備員を呼んで早々にお引き取り願ったわ、あとその場で八幡と結婚すると宣言もしたわ、このテレビに出たのはもう雪ノ下という苗字に縛られることは無くなった記念ということね、式はまだなのだけれど」

「そうであったか」

 

「ところであなたの後ろからやたらと名前を叫んでる声が聞こえるのだけど誰といるのかしら?」

振り向くと戸塚が酒を飲みながらアレは生徒会長の一色さん?あ!あれは戸部君だ!

とか叫んでる。

「戸塚殿だ、今日営業先で偶然会ってな」

「あらそう、ちょっと待ってね」

携帯の向こう側でごそごそと音がしたかと思うと

 

「戸塚か?戸塚ー!!」

「八幡、相変わらずだな」

「なんだ材木座か、戸塚に変われ!今すぐに!」

「はいはい、ちょっとまたれよ」

戸塚に携帯を渡す

 

「八幡!久しぶり!元気だった?!」

もう大喜びである、しばらく話をしていたがだんだんまじめな顔つきになり電話切る。

「義輝、僕は行くところできたんだ」

「八幡のところへか?」

「うん、八幡の仕事を手伝うことにするよ、しかも今度社内でテニスサークルも立ち上げるとか言ってて社会人大会も目指してるからぜひ来てくれだって」

「それは素晴らしいではないか、良かったな」

「じゃあ僕もう行くね、さっそく退職届書かなきゃ」

 

戸塚が出て行った頃ちょうどテレビには比企谷とその妻になる予定の雪ノ下が映ってる

二人ともなにやら苦労話をしていたようだが、無難なことしか言っていないようだった。

「ふん、我の書いたラノベに影響されて駆け落ちしたあげく周囲に多大なるご迷惑をおかけして申し訳ございませんでしたとか言えよ、八幡の奴」

 

すでにぬるくなったビールを煽りつぶやく

「ふ、また一人か、つか戸塚殿の分も我が払うの?あれ?」

まあ餞別がわりだなと自分に言い聞かせ空っぽになった財布を握りしめアパートに帰った。



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最終話

数日後どうやって調べたのか材木座のアパートのポストに結婚式の招待状が届く

北海道は遠いなと思いつつ材木座は一路八幡の元へ行くこととなった。

 

式は身内だけで行われるということで自分を含む数名しかない

というかその数名は全員高校時代の知り合いだけであった。

葉山や戸部のグループの面々、無論戸塚の姿もある、ただ由比ヶ浜の姿が見えなかった。

あーこれはアレか、あのラノベの結末通りの奴か、どんな内容だっけ?自分で書いたものだがかなり昔のことなので殆ど忘れてる、たしか主人公と二人のヒロインが式を挙げるというやつだったかな?え?マジでこれやんの?そう思っていたらまさにその通りになった。新郎を挟んでウェディングドレスに包まれた二人の新婦が並んで登場した。傍から見ると異常だろうがここにいる全員がそれを認めてる。式は滞りなく進みパーティー会場は比企谷邸で行われることになった。

 

比企谷邸までは全員でマイクロバスで移動だったが、ちょうど材木座の携帯に仕事の電話が入ってきた為、材木座だけ後から遅れてタクシーで行くことになってしまった。

「あのー運転手さん?本当にここでいいの?なんかの施設じゃないのこれ?」

材木座の目には長い塀と門が映ってる

「ええ、ここ間違いないですよ?」

運転手に料金を払い門を潜る。

「はえー、庭がやたら広い、つか家だけで我の実家の2倍、いや3倍はあるなこれ」

塀の中の比企谷邸は広く築山や池までもあった。よくぞここまで成り上がったもんだと材木座が感心していると

「やっときたか、そりゃ嫁が2人もいるんだし毎日知人が押しかけてくるんだから家はでかくないとな」

後ろからラフな格好に着替えた比企谷が声をかける。

「今バーベキューの準備しているからお前も早くこい、お前が来ないと始まらん」

 

材木座は振り向き様に言う

「八幡!バーベキューとはとうとうお主もリア充の仲間入りか?それよりもさっきはすごかったな、あんなん初めて見たぞ、ここについてから衝撃を受けっぱなしだ!」

「お前の脳内じゃ既に開催済みだろ、そもそもお前の書いたラノベ通りに事が進んで怖いぐらいだったぞ」

「いや我は何もしていないではないか、すべておぬしと雪乃殿や結衣殿の頑張った結果だ」

「俺はその時やるべきことをやっただけだ大したことではない、それより材木座お前で最後だ、お前もこっちにこないか?それ相応のポストを用意してある」

「八幡よ、あのラノベには主人公視点で書かれており、我のような存在のことは書かれていなかったはずだ、原作にない無いオリジナルキャラを登場させるとユーザーに叩かれる原因になるぞ?み○みけ2期のようにな、それに我は今の仕事が好きでな、まだ頑張るつもりなのだよ」

 

「そうか、お前らしい回答だな、路頭に迷った時は是非声をかけてくれよ、雪乃も結衣もいつでも歓迎するといっている。」

「その時は是非頼む、社内ニートのポジでいいぞ!」

「ふ、そうだな、考えておくよ、それよりなあ材木座」

「なんだ改まって」

「俺の人生は間違っていないだろうか?たまにふと不安になる」

そう言って比企谷はボロボロになったあの日材木座が書いたラノベを手渡す。

「実はこれを支えに頑張ってきたんだ、きっと全部うまくいくってな」

 

材木座はそれを懐かしそうにぱらぱらとめくり

「八幡、たしか我は言ったはずだ、我のラノベの結末はみんな幸せ大団円、これ以上何を望むんだ?と、そして我のラノベのストーリは今日終わったのだ、ここからはおぬしのラノベであろう」

「俺のラノベか…」

「そんなおぬしが書く前から間違ってるんじゃないか、不安だなどと言ってどうする、書いてみないと間違ってたかどうかはわからん!我がおぬしらに何度ダメ出しされたと思っておるのだ!間違ってても書き続けるのが大事だとは思わんか?」

 

「俺のラノベは間違っている、そう思っても書き続けるのが大事ってことか?」

 

「その通りだ!さすがわが盟友!さあ次は我が学校で奔走している間こちらでいったい何があったのかとくと聞かせてもらうぞ、特に神田川の下りはかなりお気に入りだったからな!実現したのかどうか大変気になる!むしろ歌いたいぐらいだ!今夜は寝かせないからな!!」

「うへぇ、勘弁してくれよ」

 

しかし本当にこんな結末になるとはな、やはり我の書いたラノベは間違っていなかった。




終わりです、材木座がイケメンすぎましたね。

ちょろっと加筆しました。


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