寂しそうなその背中に寄り添うのは間違っているだろうか? (壊れたオモチャの兵隊)
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プロローグ
ファミリア加入編1
迷宮都市オラリオ。
神々が降臨する以前の『古代』とよばれる時代から多くの英雄たちが数多の冒険譚を紡ぎ出してきた世界有数の大都市であり、世界で唯一の迷宮都市。
ある者は純粋に自分の力試しに、ある者は自分が英雄になることを夢見て、また、ある者は富を蓄え、女性に囲まれるために……。
様々な人間が訪れては無数の出会いが生まれていく。
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辺りは喧騒に飲まれていて、とても活気がある。
僕、
僕は極東の貴族の次男で家督を継ぐわけでなく、また、家督争いが起こらないように武者修行にこの都市にきた。
まだ、11才と幼い歳で家を出されて少し辛い面もあるが、武士たるもの弱音は吐いてはならないと自分に言い聞かせること、今日この頃、迷宮都市を回っている訳ですが…。
(な〜んで、どこも僕をファミリアに入れてくれないんだ!)
絶賛、たらい回し中です…。
(なんで、なんでなの!? やっぱり武術があんまりだからなの?ちくせうッ!?
こんなことなら、しっかりと武術も習っておけばよかった……。)
「ん~、うちは十分に人数がいるからなぁ、サポーターもいるし、ゴメンな、少年」
「わかりました、お時間を作ってくれてありがとうございます。」
今も、ファミリアの加入に失敗してこれで13件目です……。
「すいません。」
兄上のサポートのために文官としての仕事しか、学んでいなかった僕は武術は嗜む程度、頼りになる当てもなくて全くファミリアに加入できない。
「すいません、そこのあなた。あのっ!?」
そこには、幼いながらも綺麗と思わせるエルフの少女がいた。
「ん?」
「この剣はあなたのですか?」
彼女が差し出すのは年期の入った、いかにも業物と思える、
「ッて!?それ僕のじゃないですか!まさか、スリですか?そうなんですか?」
全く嘆かわしいことだ、この都市はやはり冒険者が多いということで犯罪も多いのだろう、こんなに綺麗な僕と同じ年齢ぐらいの少女でさえ、犯罪に手を染めてしまっ「何を言うのですか!これはあなたが置き忘れたのではないですかッ!!」 ッガツッ!?
痛い。拝啓 女の子に殴られる今日この頃、父上、母上、そして兄上、お元気にしてますか?僕は今、女の子に殴られた訳ですが、この都市ヤバイです。拳の痛さが女の子だと言うのに兄上と同じに感じます……。
そんなことを思って僕は殴られたためか、はたまた空腹のためか気を失った。
誤字・脱字、間違いがあれば、教えてくれるとうれしいです。
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ファミリア加入編2
ご了承ください。
<謎の少女>
やってしまいました。
さっきまで騒いでいた少年につい、イラッときて殴ったら、気を失わせてしまった…。
私はいつもこうで泣きたくなる。昨日もファミリアの仲間に迷惑をかけてしまったし…。
そんなふうに自身のことを憂いていると
「リュ~、ちょっと待ってってぇェぇぇぇえッ!?ちょっとどうしたの!男の子が倒れてるよ!大丈夫ッ!?」
「リア……、その……。」
私は自分が少年の気を失わせたことをリアに伝えました。
「ちょっともう〜、リューってば〜、しょうがないな、ッふふ
ちょっと待っててねすぐヴィルさん呼んでくる。」
「ありがとうございます、リア」
「あ、リュー、男の子は女の子に膝枕されると嬉しいらしいよ〜」
私は彼女が言ったことを理解する前に彼女はすぐに走っていきました。
しばらくぼーとして、すぐに顔を真っ赤にさせ、そして恥ずかしく思いながらも私は少年の顔を見ます。
短く切りそろえてある黒髪にどこか可愛くて愛嬌のある顔、いいところのお坊ちゃんを思わせるような風貌だが、しかし、よく見るとところどころくすんでいたり、破れていたりしてまるで落ちぶれた貴族のようだ。筋肉のつきはそれなりにはあるようだ。
少し汚いこと
しかたないと思いながらも私は少年の頭を膝の上にのせた。
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目を覚ますとそこは知らないところだった。
「知らない天井だ……」
そんなことを言いながらも自分がどうしてここにいるのかを思い出そうとする。特に鍵がかけられてはいないから、牢屋ではないはずだ。だって僕は何もしていないし?腹がすきすぎて知らない僕がじゃが丸くんを食べたとかないよな……違うよな?いくら3日間何も食べてはいなかったからってそんなことはないはずだ。
「あ、起きてましたか」
そんなはたから見たら馬鹿なことを真剣に考えていると、ロングスカートを穿いた綺麗なエルフの少女が現れた。
「えっと君は……あぁ、あの時の暴力少女か」
「誰が暴力少女ですか、だいたいあの件はあなたが剣を忘れたのが行けないんでしょ!」
少女は顔を赤くして怒る。
「まぁまぁ、リューそんな怒らないで殴ったのは事実だし」
「うぅっ…」
そんなことを言いながら可愛いワンピースをきた愛想のいい犬人の少女も入ってきた。
「それに君もだよ〜レディーに何を言うのさ」
「ご、ごめんなさい」
「うん、許そう」
「リアなぜあなたが答えるのです。」
「ふふっ、良いではないか、良いではないか!」
あの二人の少女はずいぶん仲が良いらしい。
「まぁ、そんなことより、自己紹介といこうか、君?君はいったいどこの誰なんだい?」
「わかった。じゃあ、自己紹介といこうか。僕は琉楓、琉楓・タチバナだ。極東から冒険者になるために来た!」
「OK~、ルカね、じゃあ、ルーちゃんって呼ぶね?私はリアン 、リアン・アルバーナ、リアって呼んで、アストレア・ファミリア所属だよ。」
「ルカ、わたしはリュー 、リュー・リオンです。私もアストレア・ファミリア所属です。」
犬人の少女、リアは茶髪でボブショートの女の子だ。身長は僕より小さいながらも、とっても快活で向日葵のような少女だ。
対して僕を殴ってきたエルフの少女、リューは薄緑色の少女だ。ロングスカートの上から見えるしなやかな肉付きは少女でありながら、その容姿も相まって大人の色香を僅かに醸し出している。
「ねぇ、ルーちゃんはさ、もう入るファミリア決めたの?」
ぐっ…。痛いところをつかれた。
「いや、まだなんだ。ずっとたらい回しにされちゃって……。」
僕は情けなく答える。
「じゃあ、うちに入りなよ。」
「大丈夫なの?」
僕は心配そうに聞く。何回も断られて軽いトラウマになっているのだ。
「そんな悲しそうな顔しないでください。きっと大丈夫です。」
そうかな。まあなるようになるか。
「じゃあ、アストレア様のところにいこうか。」
そう言うリアに続いて僕も部屋を出た。
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ファミリア加入編3
今、僕の目の前には大きな扉がある。
ここに来るまでに見た扉とは少し違い、目を引きつけるのはアストレア・ファミリアのエンブレムだ。長衣を着た鶴のように見える目隠しをした鳥が両刃の剣を携えている様子でそれが扉に煌びやかと装飾されている。この扉をくぐれば、アストレア様とご対面だ。
この扉を抜けた先の世界には何があるかは未知数だ、自分の物語をどのように彩るかは神にでさえ分からない。
「さぁ、行ってこ〜い!ルーちゃん!!」
「う、うん」
「何を緊張しているのですか。大丈夫ですよ、ルカ。」
「ありがとう、リア、リュー。」
リアとリューから勇気をもらって、僕は扉をノックする。
…コンッコンッコンッ…
「どうぞー」
中からアストレア様と思われる女性の声が聞こえてきた。
「アストレア様、琉楓 タチバナ です。お話したいことがあり、参りました。」
「あぁ、聞いているよ、入ってくれ。」
扉を開けて中に入る。
部屋には調度品だけでなく、絵画や置き物、そして多くの書物があり、その中央の書斎机に美しい妙齢の女性が座っていた。
綺麗な金髪の髪にすごく女性らしい身体、落ち着いた雰囲気を身に纏い、その瞳はすべての人を平等に愛しているようだった。
「こんにちは、アストレア様」
「こんにちは、ルカくん、二人からは話を聞いているよ。さぁ、そこに腰掛けてくれ。」
僕は言われた通りにソファーに座る。こうして二人きりの状況になると上手く話せるか不安だ。僕は静かに深呼吸してもう一度、気を入れ直す。
「ファミリアに入りたいそうだね。まずは自己紹介をしてもらおうかな?」
そこから、僕は自分の出自や出来ることなどを話した。これで加入できなかったら、大変なので、必死に頑張る。アストレア様は時折、質問をしてくる。そして、最期の質問、
「じゃあ、ルカくん、これで最後だ、君にとって正義とはなんだ?」
この質問には困った。僕が生きてきた10年間でこんなことを考えたことはなかったからだ、しかし、答えはすぐに出てきた。それは僕が旅立つ前に父上が僕に授けた言葉だ、
『ルカ、武士たるもの泣いている者を見逃してはいけない。例え、笑っていてもその人の心が泣いていたら、寄り添い、力になってあげるんだ。他者を思いやってこそ、真の武士。誠の武士道だ。忘れるなよ、琉楓』
だから、それを答える。
「僕にとっての正義は泣いている人に気づき、寄り添い、力になって笑顔にしてあげることだと思います。それが僕の正義です。」
「うん。君の正義、とてもいいね!この先、様々なことがあるだろう、時には選択に迫られる場面も来るはずだ。その時に何を選ぶのか自分の中の確固たるものを大事にしなさい。」
「私は正義と秩序の神、アストレア。オラリオの治安は私たちが守っている、そんな意識をもって行動してね。それとそんな感じのファミリアだから、敵対するところもある、だから、危険なことも当然ある。それでもいいなら、入りなさい。これが最後の選択よ。」
そんなの答えは決まっている。正義の味方?おおいに結構。とてもいいところではないか。誰かのために、他者を思い、行動するとてもいいではないか。立派な武士になるためにも答えはこれしかないだろう
「私、琉楓 タチバナ 己の正義を貫く所存、アストレア・ファミリアに入れてください。」
進む先には光だけでは決して無く、
深い闇もおぞましい感情も降り注ぎ、
大事なものは失われ、奪われ、冒涜さえ受けるだろう。
だが、夜明けは必ず来る。
夜が明ければ、そこは、眩い光に溢れ、必ず満開の花が咲きほこっている。
これは1人の少年の物語。
こうして琉楓 タチバナ の【眷属の物語】は紡ぎ出され始めた。
琉楓 タチバナ
Lv.1
力 :I 0
耐久 : I 0
器用 : I 0
俊敏 : I 0
魔力 : I 0
《魔法》
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《スキル》
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