クローゼットの奥がガリアだった件 (ロンメルマムート)
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クローゼットの奥ってナルニア◯ですか?

はい、例のやつのリメイク作。(と言い張るほとんど別物)
東京とか静岡なんて地理わからないんじゃい!大阪ならわかる。


 クローゼット。だいたいの家にある服とかガラクタとかをぶち込む部屋。

 ほとんどの場合中にあるのは古い制服、小さくなってきれない服、なんで買ったか分からないダサT、たまに着る勝負服、大昔のダイエット等の遺物etc…

 基本的にはろくなものは入ってないと思う。

 さて、そのガラクタを掻き分けた先に何があるか?

 100パーセント壁である。

 でもナルニア◯は田舎の屋敷の田舎の衣装ダンスの奥にあった。

 じゃあうちのクローゼットの奥は?何もないと思うじゃろ、あったよ。

 

---------

 

 えーレディースエンドジェントルメン。私は大阪府在住の井上茂、16歳、高校一年生です。

 趣味は模型とゲーム。若干のオタク気質持ちで好奇心は人一倍ある人間だと思います。

 1日の予定はいつも朝起きて、飯食って、学校行って、帰ってきて、飯食って勉強して、模型とゲームして寝る。そんな生活している普通の人です。

 親は公務員の共働き、見ての通り普通の日本人でした。

 ある日、時は2017年10月の某日、つい2週間前に模型コンテストがあってぼろ負けして次のコンテスト目指してタ◯ヤの灰色熊を作ってたんですが、自分の部屋の罪プラもとい積みプラしか入ってないクローゼットから物音がしたんで部屋にあったダイオラマのベース用角材と有機溶剤を取り出して臨戦体制を整えて、気分を上げるためにアイルランドのcome on Black and Tans 全開で流してクローゼットを開けたんだよ…

 そしたら…

 

「だ、誰ですの!」

 

「ひゃ!」

 

 なにやらブロンドの白人ので訛りのある英語(よく英語を聞くんで綺麗か訛ってるかは分かる)を話す貧乳メガネと薄めのブロンドの綺麗な英語を話す巨乳がいたんだよ。

 すぐに叫んだ。

 

茂「動くなクソッタレ!ポリッツィアイ呼ぶぞ!」

 

 なんでドイツ語のポリッツィアイで言ったかは知らん。

 

「それはこっちのセリフですわ!誰ですの私の屋敷にこんなガラクタを放り込んで住み着いてる不届きものは!」

 

茂「はぁ?屋敷ってこっちにセリフじゃい!我が家に勝手に入り込んでその上プラモをガラクタ扱いとはテメーこそ何様じゃいマザーファッカー!」

 

「マ、マザーファッカー!?なんなのこの礼儀知らずが!」

 

茂「ヤルかクソッタレ、こっちだって男じゃ!」

 

「私だってウィッチですわ!トネール!」

 

 その瞬間、貧乳メガネが電撃みたいなのを撃ってきた。

 だけど、外した。そしてそのせいでブレーカーが落ちた。

 

茂「テメーブレーカー落とすとかどういう気だ!」

 

「電気なんて通ってないから問題ないでしょう。」

 

茂「はぁ?電気が通ってないって災害でも発展途上国でもないのに何言ってんだ?ここは日本。

  英語でジャパン!核二発くらって奇跡の復興果たして世界第3位のGDPを誇る世界トップクラスの経済大国!

  アジアで唯一の先進国、WW2前は列強の一員にして極東の憲兵だった国!」

 

「極東の憲兵は扶桑ですわ!ここはガリアですわ!」

 

 金髪メガネが答える。

 

茂「扶桑?それって日本の古い美称じゃん。ガリアはフランスの別名でカエサルのやつが有名だけど、

  え、ちょっと待てよ。落ち着こう。一旦冷静になろう。」

 

 俺のその言葉で3人は一旦冷静になった。

 

茂「すまんがお前らはここをどこだと思ってる?」

 

「どこって…パ・ド・カレーじゃないんですの。」

 

 メガネが答える。気がついたが巨乳の方完全にビビってるし…

 

茂「パ・ド・カレーって…ここは日本の大阪。パ・ド・カレーはフランス北部の町じゃん」

 

「大阪は扶桑では?」

 

 大阪という単語に反応する。てかさ、

 

茂「今更なんだがなんで途中から日本語で話してんだ?

  日本語わかるなら良いけどさ。とりあえず自己紹介しよう。武器は下ろしてさ。」

 

 そうだ、なんで初めから対話しようとか考えなかったんだろ。

 

ペリーヌ「そうですわね。私はペリーヌ・クロステルマン。でこちらがリネット・ビショップですわ。」

 

 メガネがペリーヌと名乗って自己紹介する。

 巨乳の方はリネット・ビショップって言うらしい。

 

茂「井上茂です。以後よろしくお願いしますね。」

 

 とりあえず今は現状維持。親が帰ってきてからどうにかしよう。




アイルランドの曲ってさ、ノリ良くてイイよね。
フィネガンズウェイクとかCome on Black and Tansとかやたらノリが良くて好き。
最近アイルランドにハマり気味。

ちなみにクローゼットのサイズは大体2m×2mです。


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パンツ丸出しでアニメで70年前で要素が多すぎてエラー起こしそう

バイプレイヤーズもっと早くから見ればよかった…面白すぎだろ…


 それから数時間、母さんが帰って来るまで下のリビングで待たせることにした。

 リビングに入れた二人は不思議そうに周りを見てる。

 

茂「とりあえず俺は親に連絡するんで。何も触るな。いいね?」

 

リーネ「は、はい。」

 

ペリーヌ「分かりましたわ。」

 

 そう言って2人はリビングの椅子に座る。

 俺は母さんの携帯に電話をかける。

 だけどボタン押しても動かない。

 

茂「ん?なんで動かない…あっ、ブレーカー落ちっぱなしだった。」

 

 我ながら何という凡ミス。

 キッチンに行ってブレーカー戻して電話掛けてと。

 

母『もしもし。』

 

茂「母さん、色々不味い事が起きた。」

 

母『不味いってどう言うこと?何やったの?』

 

茂「えーまあそのー口で説明すると長くなる。見ればわかるけど。」

 

母『分かった。早めに帰るから帰って来るまで悪化させないで。』

 

 ブチっと。

 親に連絡した、あとなんだ?ああお茶。

 

茂「一応椅子に座ってて。お茶用意するから。」

 

 キッチンに行って急須取って、お茶入ってるな。コップを二つ取ってお茶を入れて2人に出した。

 

ペリーヌ「ありがとうございます。」

 

茂「まあいいよ。それにしてもあんたの名前さ、どっかで聞いたことあるんだよなぁ?」

 

 座りながら俺が話す。するとペリーヌが、

 

ペリーヌ「それはそうですわ。私は元は501にいたウィッチですから。」

 

 501?それってさ、

 

茂「501って第501重戦車大隊?それともSS第501猟兵大隊?」

 

 陸軍脳の俺にとっては501は重戦車大隊しか出てこねえ。501〜509の番号全部重戦車大隊だろ?

 後者はマイナーだけど。なにせその次が第502猟兵大隊ってフリーデンタールだからなぁ…

 

ペリーヌ「501といえば第501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズですわ。

     そんなことも知らないんですの。」

 

茂「なにそれ?国連軍の統合任務部隊?第一ウィッチってなんぞや?あのさっきの電撃もあんのか?」

 

 まずウィッチってなんなんだよ。魔女?

 

ペリーヌ「ウィッチはウィッチですわ。こうして魔力が使える人の事ですわ。」

 

 そう言ってペリーヌの体が光った。うわぁしゅごい頭から猫耳出てるよ…猫嫌いだけど。

 あとさ気になるんだが、

 

茂「あのさ、今更なんだがズボン履いてくれる?」

 

ペリーヌ「?何言ってますの?ズボンなら履いてますわよ。」

 

 ペリーヌが答えた。は?何言ってんだこいつ。それはどう見てもパンツですよね?ズボン?せめてスカートぐらい履けよ。

 

茂「あのーすごい言いづらいんだがそれはどう見ても俺の中の常識ではパンツって定義されるものだった気がするんだが。」

 

ペリーヌ「これはズボンですわ。」

 

茂「うん、君らの常識ではそうかも知れんがこっちの常識だとパンツって言って丸出しにしたらブタ箱に放り込まれるやつよ。

  せめてスカートぐらい履いてください。」

 

ペリーヌ「スカートって何ですの?」

 

 WTF!何言ってんだこいつ。

 

茂「は?何言ってんだ?スカートだったら世界中にあるぞ。アフリカのど田舎ですらスカート履いてるのに。

  スコットランドのキルトみたいなやつだよ。」

 

ペリーヌ「それはベルトですわ。」

 

 もうわけわかんねえ…パンツがズボンでスカートがベルトとか何をどう間違えたらそうなるんだよ…

 まあ家から出なけりゃ問題はないが。

 

茂「まあ外に出れば問題だけど家の中なら何の問題もないからこれ以上言う気は無い。」

 

 とりあえず釘を刺しとこ。すると今度はリーネが聞いてきた。

 

リーネ「あの…あれなんですか?」

 

 リビングの真ん中に置かれた液晶テレビを指差す。

 

茂「何って?テレビだけど?」

 

リーネ「テレビって何ですか?」

 

 ちょ、待てや。テレビが分からんとは…今やアフリカの最奥地はおろか南極、宇宙にもあるぞ…

 

茂「え、ちょっと待って。テレビが分からないの?今や超の付く辺境とか田舎でも1台ぐらいはあるもんだぞ。

  分からないとか1940年代じゃあるまいし。今や21世紀に入って17年も経つんだよ。」

 

ペリーヌ「何言ってますの。今年は1944年ですわ。」

 

茂「1944?ならヨーロッパは戦火のど真ん中、6月6日のDデイに連合軍が上陸してらあ。今年は2017年。平成29年だよ。」

 

 1944とは…1944なら電子レンジすらねえじゃねえか…テレビはアメリカで試験放送中らしいが…

 てか1944って世界大戦ど真ん中、まだ最後の一年だからいいとしてそれでも戦争中、しかもフランスって戦後の方が大混乱してたような記憶があるんだよなぁ…

 大丈夫かよ。

 

茂「あー確認だがキャベツはいないよな?ヤンキーとトミーが開放してアスパラガスが偉ぶってるよな?」

 

ペリーヌ「何のこと言っているのですか?ガリアならネウロイから解放されましたわ。」

 

茂「ネウロイとはなんぞや?というかそちらの歴史とやらを聞かせてくれない?そっちの方が手っ取り早い。」

 

 これ以上話し続けたらどうしようもない。

 まとめて聞いた方が手っ取り早いよ。

 俺の言葉にペリーヌは、

 

ペリーヌ「いいですわ。簡単な流れですけど…」

 

 そう言ってかなり簡単な歴史を話してくれた。

 それによると…

 

・古代から怪異、今で言うところのネウロイと何度も戦争があった。

 

・その怪異とやらにまともに勝てるのはウィッチぐらいしかない。

 

・で、その怪異が39年に黒海から来て瞬く間にヨーロッパは壊滅。

 

・それに対抗するためにできたのが統合戦闘航空団。501はガリアの北にあるブリタニアでブリタニアの防衛とガリアの解放が主任務。

 

・ペリーヌとリーネはそこの部隊にいた。

 

・501の活躍でガリアは解放されて今ペリーヌ達はペリーヌの故郷の復興に従事。

 

 と、こんな感じですか。

 

ペリーヌ「ところでそちらの歴史はどうなんですの?」

 

茂「まあ少なくともウィッチも怪異もネウロイも影も形もない。

  詳しくは中学の歴史の教科書あるからそれ読んで。説明めんどいし。」

 

 そう言ってリビングの隅に放置されてた中学時代の歴史の教科書を放り投げる。

 2人はそれを読み始めた。しばらくすると全部読み終わったのか頭をあげる。

 そしてリーネが衝撃を受けたような声で聞いてきた。

 

リーネ「こ、これに書いてあることは全部本当なんですか?」

 

茂「全部本当も何も教科書だよそれ。間違ったことが書いてないと思う。」

 

 間違ったことは書いてない、筈だよ。多分。たまに文科省で揉めてるけど。

 そういや最初に話してたのはなんだっけ?

 

ペリーヌ「そういえば私の名前聞いたことがあるってどう言うことですの?」

 

茂「ああ最初その話ししてたな。あんまり覚えてないんだが軍人でそんな名前のやついたような…

  あー思い出せん。こういう時のグーグ◯先生だな。」

 

 ペリーヌが聞いてきたが全く思い出せない。

 なんでスマホ出して検索と。

 ペリーヌとリーネはスマホを不思議そうに見てる。

 

茂「クロステルマンっと…

  あー思い出した自由フランス軍のトップエースピエール・クロステルマン!この人の自伝だ!」

 

 そうだそうだピエールクロステルマン!フランス軍一のエースで著作もある人!

 で、そんなこと思って検索結果を下にスクロールさせたら…

 

茂「は?へ?え?どゆこと?」

 

 とんでもないものがあった。

 何があったか?下にスクロールさせたら画像検索の結果って出るだろ?

 そこにな、ペリーヌが居たんだよ。

 なんで…なんで…なんでペリーヌがいるんだ!なんでペリーヌが画像検索のトップ候補に出てきてる!

 一体何がどういうことなんだ!もお訳わかんねえ…

 

ペリーヌ「茂さんどうしました…え?これどういう事ですの!」

 

リーネ「ペリーヌさんがいる…」

 

 俺の反応が気になったのかスマホをペリーヌたちが後ろから覗いて俺と同じように驚いてる。

 

ペリーヌ「どう言うことですの!なんで私がいるんですの!」

 

 そう言って俺を揺らす。

 

茂「揺らすな!俺が知るわけないだろ!とりあえず調べるから揺らすのやめろ!」

 

 とりあえずニコニ◯大百科のページ開いてと。

 ふむふむ、要約すればパンツじゃないから恥ずかしくないとかいうストライクウィッチーズ、略称ストパンのキャラクターね。

 ペリーヌさんは階級が中尉で、坂本少佐とかいう奴が好き、ツンデレねうん。

 これ知ったらコイツどんな反応するんだろ。とりあえずこれはかなり重要な情報だなうん。

 

茂「あー、ペリーヌ。とりあえず椅子に座って。今から言うことをよく覚悟して聞いてくれ。」

 

ペリーヌ「は、はい。」

 

 俺の言葉に普通ではないものを感じたのか素直に椅子に座って。聞こうとする。

 リーネも同じように聞こうとする。

 

茂「どうやらこちらではペリーヌは存在する。」

 

ペリーヌ「え?どういう…」

 

リーネ「どういうことですか?」

 

 リーネとペリーヌが反応する。

 2人とも状況を飲み込めてないなうん。俺もだけど。

 

茂「ただし、アニメのキャラクターとして。

  つまりあんたらはこの世界の娯楽として存在するんだ。信じられないと思うが真実だ。」

 

ペリーヌ「はぁ!?それって私たちはフィクションの存在ということですの!」

 

 ペリーヌが信じられないようで叫ぶ。そりゃ誰だって自分の人生がフィクションなんて信じられないだろう。

 こちらの都合で殺されたり生かされたりするのは残酷すぎる。

 

茂「そう言うことになる。よくわかんないがそれなりに人気の作品で10年ぐらい前のアニメ。

  去年の冬アニメで3期になるブレイブウィッチーズがやっていたらしい。」

 

ペリーヌ「そ、そんなのあ、ありえません…私たちがフィ、フィクションの存在なんて…」

 

 まあ動揺するよなぁ…

 今度見ようかねストパン。ガルパンは見たけど。

 まだこいつら来て1時間も経ってないのに衝撃的事実が多すぎだ…これ以上何も起きなきゃいいけど…




この作品ではストパンは存在します。
ただし主人公は知りません。

一応時系列ではガリア解放直後という設定です。


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世の中不都合な真実とやらが存在することは知っていたけどそれがこんな身近にあるとは思ってなかった

そういやストパンの九九式13ミリってエリコンがベースらしいけどエリコンってAPIブローバック方式だからコッキングの時に圧縮空気が必要なんだよなぁ…
どこに圧縮空気あるんだろ?


 

ペリーヌ「本当に私たちがフィクションなのですね…お母様もお父様もガリアもあなた方の都合で…」

 

リーネ「芳佳ちゃんと仲良くなったのもそういう話だったから…」

 

茂「あーうん。ごめん、ほんとごめん。」

 

 ペリーヌが落ち込んで床にうずくまる。

 3人でとりあえずアニメなのが真実かどうか調べようと思ってネットに転がってた1期1話見たけど本当だった。

 ばっちしペリーヌ出てた。リーネはあんまり出てなかったけど。

 それでこれが現実だと知ってリーネは放心状態、ペリーヌはショック状態になってる。

 本当に衝撃的だったんだなぁ…他人事だから大した衝撃ないけど。

 他人の不幸はなんとやらだからねぇ…

 日和見?人でなし?なんとでも言え。

 

茂「そういえば2人とも軍人だったな。」

 

ペリーヌ「ええ、一応中尉ですわ。」

 

リーネ「階級は曹長ですけどそれがどうかしましたか?」

 

茂「失礼しました!」

 

 そう言って敬礼する。

 中尉って一応士官だからね。(イギリス海軍では階級自体がないけど)

 

ペリーヌ「別に敬礼なんてしなくても良いですから。」

 

茂「でも現役の軍人に敬意を払うのは普通でしょ。」

 

 現役でも元でも軍人には最大限の敬意を払うのが自分の中のルールだから。

 

茂「そういえばさっき銃使ってたけど今持ってる?」

 

ペリーヌ「え?ええ。」

 

茂「日本だと銃は一切ダメなんですよ…この国世界で一番銃規制厳しいから。

  せめて弾全部抜いてくれる?」

 

 日本の銃規制は世界一厳しいから仕方ない。

 二人ともしぶしぶホルスターからPKKを出し、マガジンを抜いて、弾倉からも弾を抜く。

 

茂「そういえば気になったけどあの足にはいてたストライカー何とかってなに?」

 

 うん、あれすごい気になる。よく見えなかったけど。

 

ペリーヌ「ストライカーユニットですわ。私たちの空を飛ぶ鉄の箒ですわ。」

 

茂「ほー。なるほどね。」

 

 すると突然

 

ピンポーン

 

 チャイムが鳴った。

 

茂「誰だ?二人は黙ってリビングから出てこないで。いいな?」

 

リーネ「は、はい」

 

ペリーヌ「わかりましたわ」

 

 二人が返事するとインターフォンを押す。

 

茂「はい。」

 

母『お母んだけど。』

 

茂「早くない?」

 

母『緊急事態って聞いてたし帰る途中だったから』

 

 なんだ、母さんか。

 

茂「ペリーヌ、母さんだ。とりあえず座ってて。」

 

 取り合えず二人を座らせて玄関に行ってドアを開ける。

 

母「茂、問題ってなに?」

 

茂「まあ、見ればわかる。とりあえずリビング覗いてみて。」

 

 ドアを開けてすぐ40代の普通のおばちゃん(ヒョウ柄の服は着てない)が入ってきた。母です。

 すぐに返事してリビングを覗くように言う。

 そしてリビングを少し覗くと詰め寄ってきて。

 

母「なんでペリーヌさんとリーネちゃんがいるの!どういうことよ!」

 

 え、何で知ってるの?

 

茂「突然沸いてできたというか俺の部屋のクローゼットから突然出てきた。マジで。」

 

母「え、それ本当?」

 

茂「多分本当。今でもたぶん部屋つながってると思うから見てきて。」

 

 俺がそういうと母は階段を上がって俺の部屋を見に行く。

 そしてすぐ戻ってきた。

 

母「本当だわ。」

 

茂「てか、なんで知ってるの。ペリーヌとかリーネのこと。」

 

 なんで知ってるんだ?

 

母「見てた。ストパンも2期もブレパンも。

  毎月コンプティー〇とか購読してるし秘め歌も買った。」

 

 うそぉ…オタクだったのかよ…

 そういや父さんはパソコンオタクだしこの家オタクしかいないのかよ…

 

茂「えぇ…」

 

ペリーヌ「あの、茂さん。どうかしましたか?」

 

 そんなこんな言ってるとペリーヌがリビングから出てきた。

 

母「あ、どうも。井上茂の母の井上花です。」

 

ペリーヌ「どうも。ペリーヌ・クロステルマン「知ってますよ」え?」

 

母「いやねえ。ストパンは1期も2期もブレパンも全部見たんで知ってますよ。」

 

 おお、今一番気にしてることぶち込むのかよぉ…

 

ペリーヌ「えっと…」

 

母「別に遠慮しなくてもいいですよ。全部わかってるんで。」

 

 いや、そういっても遠慮するものはするよ。

 

母「まあとりあえず、これからどうしましょ。」

 

 それな。

 

茂「とにかく今わかってる情報を整理しよう。

  ペリーヌたちの世界のどこか、たぶんペリーヌの家だな、そこと俺の部屋のクローゼットが繋がった。

  それは少なくとも結構安定したもの。

  で、ペリーヌの世界はこっちだとストライクウィッチーズって作品の世界。

  で、時期は44年10月っと。」

 

 まあ色々面倒なことになりそうだな。

 

茂「で、どうする?そろそろ晩御飯の用意しないと。

  ペリーヌたちはどうする?食べる?」

 

 そういやもう6時過ぎてる。

 とりあえず飯食ってからにしよう、うん。

 そんなこと言ってるとまたチャイムが鳴った。

 

ピンポーン

 

茂「誰?父さん?」

 

 こんな時間に来るのって父さんぐらいだよな?

 めんどくせぇ…

 

母「はい、井上です。」

 

父『俺だ。』

 

 あ、父さんだ。

 どうしようかねえこの状況…

 

ペリーヌ「えっと…今のは…」

 

茂「ああ父さんです。」

 

 ペリーヌが聞いてきたので返す。

 横ではドアが開いてハゲ頭の40代のおっさんが入ってきた。父です。20代後半からハゲ始めてたらしいです。

 

父「ただいまー、って。茂、その子誰?彼女?」

 

 すぐに気がついて聞いてきた。

 

茂「そう言うじゃない。なんて言えばいんだろ…新しい同居人?」

 

母「いわゆるゲート繋がった系のやつ。茂の部屋のクローゼットが繋がった。」

 

父「ファー!ちょっと行って見てくる!」

 

 なんでそれでわかるの…もう嫌この家族…

 数分して降りてきた。

 

父「マジだわ。ヒャッホー!最高だぜー!」

 

 なんでゆかりんがインストールされてんの親父。

 

茂「なあペリーヌ。世の中不都合な真実ってあるじゃん。

  それがこれ?」

 

ペリーヌ「心中お察しいたしますわ…」

 

 なんだろう…ペリーヌとは気が合うような気がしてきた…




次は買い物回かな?(なお作者は今年の2月までチュニックがどんな服かわかってなかったぐらいアパレルには疎いです)


ところで茂をウィザード化させる案とさせない案あるけどどっちがいいんだろ?
前者ならペリーヌ達(含むアメリ―)が現用装備使う、後者なら特に変更なし
話的には前者のほうが面白くなるけどなぁ…


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現実とは大概不愉快で想像の斜め上を行くことがあるがここまで酷いか?

買い物回(買い物に行ってるとは言ってない)
分かる人には分かるネタが増えます。


茂「で、さぁ…

  色々どうする?

  おそらく今後も繋がったままだろうし、寝るとことか向こうの状況とか。

  第一、泥棒入らない?」

 

母「とりあえず向こうってどんな感じ?

  1期の最後とかで乗ってたけどあんな感じ?」

 

 夕食後、母、父、俺、ペリーヌ、リーネを集めて緊急の会議が始まった。

 ちなみに夕食はどういうわけか中華料理、しかも山盛り。ついでにやたらペリーヌ達に優しい。

 実の息子<ペリーヌ達なのは何となく別った。訴訟。

 

リーネ「そうですね…荒れ果ててますね…」

 

ペリーヌ「ええ。満足に寝れそうなところさえありませんわ…」

 

 二人が暗い顔で話す。結構大変なんだな向こう(他人事)

 

母「そう…ならうち泊まってく?この家無駄にデカいし布団も2人分ぐらいなら余裕だしね」

 

茂「え、ちょっと待って何言ってるの?」

 

 は?なんでこいつら泊めるわけ?厄介ごとに巻き込まれたくないんだよ。

 事なかれ主義?悪かったな。

 まあこの家無駄にデカいからなぁ…

 もとはといえばひい爺ちゃんが陸士、陸大卒のエリート軍人で日中戦争、ノモンハン、マレー、ビルマとかで戦った軍人で終戦後に色々あって市議会議員から市長、さらに府議会議員になって最終的に衆院議員になったからねぇ…爺ちゃんもこの町の市議会議員やってたけど。親父?政治家にはならなかった。

 で、そのひい爺ちゃんが貰った給料とか資産でこの無駄にデカい家(300坪地下1階地上2階建て、ガレージ付き、13年前にリフォームして結構新しい、庭はない。家族の2/3が花粉症)を建てたわけ。

 まあデカすぎて使ってるのガレージ、地下室いくつか、キッチン、部屋いくつか、リビングダイニングぐらいなんだけどね…残り全部物置か何にもないよ…

 その割家具がイケ(訴えられます)とかニト(訴えられます)が多かったり服がユニク(訴えられます)だったり車がホン(訴えられます)なんだよなぁ…車がホン(訴えられます)は嫌なんだよケツが痛い。

 

ペリーヌ「え、いいんですの?」

 

リーネ「ご迷惑になりませんか?」

 

母「いいのいいの。ほぼほぼ同居人でしょ?困ったときはお互い様だから」

 

 勝手に同居人扱いすんなよ。

 これから同居人が増えるのかぁ…というか絶世の美女二人と一つ屋根の下とかなんてハーレム。

 これ学校でバレたら色々ヤバい、うん。幸い学校がちょっと離れてるからいいけど。

 

茂「ところであんたら服とか持ってるのか?」

 

 興味本位で聞く。

 

ペリーヌ「ええ。着替えぐらいなら。」

 

茂「それってあのズボンって言い張ってるパンツとその軍服みたいなのもか?」

 

ペリーヌ「もちろん。」

 

茂「色々不味いな。うん。」

 

リーネ「不味いってどういう事ですか?」

 

茂「さっきも言ったけどそういう格好はこの国だと即豚箱送り、軍服も色々不味いわけよ。」

 

 うん。色々面倒なんだよ。

 

母「大丈夫よ。私のお古あげるから。」

 

茂「全部ババくさい奴じゃねえか!」

 

母「わかってるわよ。今度の週末、服とか買いに行きましょう。」

 

リーネ「え、良いんですか?」

 

 ええ…確かにうち近くにショッピングモールあるけどさぁ…ほらあれじゃん。70年前と現代じゃあ色々違うんですけど…

 

母「それまで数日あるからこっちのこと調べてて。茂、あとでパソコンの使い方教えてあげて。」

 

 ええ…なんで面倒ごと押し付けられるの…

 パソコンってどちらかというと習うより慣れろ的な物じゃん…

 はぁ…なんで今日こんなに色々あるんだよクソッタレ。あーもう腹いせにリーネの胸揉んでやろうか?いややったらあの貧乳に雷撃食らうな。それはやだなぁ…あとでストレス解消にWOW(訴えられます)で神風で初狩りしてやろう。

 

ペリーヌ「あの茂さん?どうかしましたか?」

 

リーネ「なんかすごい嫌そうな顔してましたよ。」

 

茂「別になんでもないよ。なんでも…」

 

 はぁ…とにかく嫌だよ…もう。というか俺の模型部屋大丈夫か?無駄に部屋山ほどあるから寝室は隣だけどあの部屋パソコンと勉強道具と模型道具と積みが山ほどあるんだが…

 

茂「そういや俺の部屋どうなるんだ?正直泥棒に入られそうで怖い。」

 

母「そうね、後で全部移しましょう。」

 

 ええ…寝る前に用事増えたじゃねえか…

 この後日付が変わるまで自分の部屋の物を隣の別の部屋に移した。終わった頃には深夜1時を過ぎてた。

 翌日、色々あって宿題をやってなかったことに気が付き学校で大目玉喰らったのは余談であるじゃねえ!

 あいつらどうやって責任取るつもりだよ!

 その日家に帰ると一日中ストパン1期のDVDを見ていておっぱいが丸出しで写っていたことに詰め寄ってきた二人に当り散らした。

 因果応報だ!

 

---------

 

 その週の週末、母さんと親父はペリーヌたちを連れて近くのショッピングモールに買い物に行くのだが俺は行かない。

 だって理由ないもん。できる限り外に出たくないタイプの人間なんだ。悪いか?第一ファションとか全くわかんねえんだよ。

 興味ないことには一切労力をかけたくないタイプの人間なんだ。

 まあ恐らくだけどそんなに混んでないだろ。

 大阪は忌々しき首都と違って割とショッピングモールは空いてるもんだ。そもそも東京は頭おかしいんじゃないのかとか思うぐらい人多すぎなんだよ!なんなんだよあの朝のラッシュ時の山手線!人多すぎなんだよ!第一たかが十数センチの雪で大騒ぎとかバカだろほんと。だから東京は行きたくないんだ。

 

 で、3人が買い物に行ってる間俺は何をしているかと言うと警備。

 もう一度言う、警備だ。

 なので元模型部屋で即席のバリケード(物置に眠っていた古いタンス)の上にペリーヌが使ってたブレン(恐らくブレンMK.Ⅱ。ブレンの最も一般的なモデル。ちなみにブレン自体は一部は湾岸戦争!まで使われた。何やってんだよ…なおインド軍では現役)を構えてコレクションからドイツ軍のフリッツヘルメットを引っ張り出して被ってます。最悪のパターンを想定してんだよ。

 

茂「はぁ…クッソ暇な上にブレンがクソ重いじゃねえか。」

 

 ブレンが重い…暇だけなら今床にノートパソコン広げてるから割と楽だけどブレンが重い…

 調べたら10キロもあるじゃん…

 

茂「はぁ…ブレン、こいつ10キロもあんのかよ…どうりで重いわけだ。

  ペリーヌはこいつを軽々扱ってたけどもしかして下筋肉?え?じゃああのペチャパイも筋肉?」

 

 ああ、筋肉だからあいつ貧乳なんだ。え?でもボーイズってどのぐらいあるんだ?ふむふむ、調べたら15キロか。

 あれ?じゃあリーネのアレも筋肉?いやあれはモノホンのパイオツだ。筋肉じゃない。多分脂肪の下にすごい筋肉があるんだろうなぁ…

 

茂「ちょっと待て。俺は今何を考えてるんだ?」

 

 銃の話か?それとも二人の男のロマンの話か?まあどっちでもいい。

 とにかくブレンが重すぎるんじゃい!

 結構好きなアサルトライフルHK416いくらだよ。は?バリエーションで色々あるけど4.2キロ!

 

茂「はぁ…こいつの半分以下かよ…ヘッケラー&コッホHK416欲しいなぁ…」

 

 次の瞬間、なぜかブレンが光り出した。

 そしてそこには黒光りするAR10系の特徴を持ったアサルトライフル、HK416があった。

 

茂「な、なんじゃこりゃー!」

 

 一体何が起きたんだクソッタレ!ん?なんか頭に生えてるぞ!羽かなんかか!?

 一体何が起きたんですか神様…死ぬ?死ぬの?やだよまだオクチャブリスカヤ・レヴォリューツォヤイベント終わってないんだよ!ついでにクリスマスガチャもまだなんだよ!さらに言えばタミ◯のBf109とアーチャー作る前に死にたくないし11月には大阪でホビーショーなんだよまだ死ねないよぉ…




最後のネタの解説
オクチャブリスカヤ・レヴォーリュツィヤイベント
・・・WOWSで実際に10月にやってたイベント。オクチャ(ryはガングートのソビエト時代の名前。

クリスマスガチャ・・・WOWSのクリスマスコンテナの俗称

タミ◯のBf109とアーチャー・・・ちょうどこの時期発表されてた新製品。Bf109はマジでスゴイ品。まだ作ってないけど。アーチャーはタミ◯らしさいっぱいの安心安全のクオリティー。おススメです(ダイマ)

11月のホビーショー・・・一昨年からやってるイベント。今年は出世してインテックス大◯でやるらしい。




ウィッチ化(ウィザード化)させたぞー!
ぶっちゃけウィッチ化させた最大の理由が日本だと銃器や軍用品の入手に制限があるのが理由。
だってそうだろ!ペリーヌにG36使わせたいんだ!
アメリーにガリル使わせたいんだ!
リーネにコード機関銃使わせたいんだ!
宮藤に62式使わせてヒーコラ言わせたいんだ!(鬼畜)
トゥルーデにミニガン使わせたいんだ!
サーニャにM202使わせて説明書を読ませたいんだ!
エイラにミサイル撃って笑いたいんだ!
シャーリーに現代の戦闘機自慢してぐぬぬって言わせたいんだ!
ハルトマンに現代のお菓子自慢して懐かれたいんだ!
なんか悪いか!


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ウィッチはじめました(冷やし中華はじめました風)

割と早くできた。
にしてもトゥルーデ×ガトリングガンは人気だねぇ…

注:最初のところは3人称視点です。


母「いやぁペリーヌちゃん、リーネちゃん。いっぱい買ったねえ。」

 

リーネ「本当にいいんですか?こんなに買っちゃって。」

 

母「いいのいいの。」

 

 茂の身にとんでもない事態が起きて数時間後、買い物に出かけていた一行が戻ってきた。

 一行はショッピングモールで服や日用品などを購入して家に戻ってきたのだ。

 そして母親はいつも通りにチャイムを鳴らして息子を呼び出す。

 

母「茂、おかんだけど。」

 

茂『はーい。その、ペリーヌすぐ来てくれない?』

 

ペリーヌ「はい?なんですの?」

 

 

 

---------

(side茂)

 

 

母『茂、おかんだけど。』

 

茂「はーい。その、ペリーヌすぐ来てくれない?」

 

ペリーヌ「はい?なんですの?」

 

 おお帰ってきたよぉ…これどうするんだよ…この頭に生えた羽。科学的にどう説明するんだ?

 それともあれか?ペリーヌたちみたいなウィッチって奴なのか?

 気がついたらペリーヌのブレンがHK416になってたしよ、どうすんだよ…

 そんなこんなで言ってるとドアが開いてペリーヌが入ってくる。

 

ペリーヌ「茂さん、どうか…え…嘘…」

 

茂「ペリーヌ…俺死ぬの?」

 

 ペリーヌが入ってきて玄関で立っていた俺を見てペリーヌが絶句する。まあ仕方ないよね。頭に羽が生えてるんだから。

 

ペリーヌ「茂さん…あなたウィッチだったんですの?」

 

 なんとなく予想していた言葉が返ってくる。

 

茂「ああ、うん。

  留守番中にHK416欲しいなあとかボヤきながらペリーヌのブレン触ったらブレンが光ってHK416になってこうなってた。これってあんたらと同じことが起こったって理解してOK?」

 

ペリーヌ「多分そういうことだと思います。ところでそれ引っ込められますか?」

 

茂「やろうとしたけどなにやっても無理。戻し方教えて。」

 

 ペリーヌの質問に無理だと答えてペリーヌにやり方を聞く。そこへペリーヌの後ろから荷物を抱えた母と親父、リーネがやってくる。

 

リーネ「お、重い…」

 

父「おい、茂。男なんだから手伝え。」

 

母「男の子なんだから手伝いなさい。」

 

ペリーヌ「あの…茂さん、それどころじゃないんですよ。」

 

 母と父が手伝えと言ってくるがペリーヌが事情を説明しようとする。

 

母「え?何やって…え?なにそれ?」

 

父「何って…ワォ…」

 

リーネ「茂さん…それって…」

 

 3人が玄関に荷物を置くと俺を見て驚く。

 

ペリーヌ「おそらく私たちと同じウィッチになったものかと…すみませんでした。」

 

母「良いのよペリーヌちゃん。お陰でいいもの見せて貰ったわ。

  あ、コントロールとか基本的なことはよろしくね。」

 

 ペリーヌが謝るが母の反応がおかしい。あーもう嫌この家。

 

ペリーヌ「そうですか。それじゃあ茂さん。今から私が魔力のコントロールを一通り教えますからついて来てください。」

 

 そう言うとペリーヌは俺の手を引いて二階に上がるとクローゼットを通ってガリアの方に向かう。

 ガリアの方は初めて来たが荒れ果てていた。ただ繋がっていた部屋は片付けがされていて掃除もされていた。

 それを見て呟く。

 

茂「へえ、意外に綺麗なもんだな。」

 

ペリーヌ「ええ。ここ数日片付けをしたのである程度は片付けました。」

 

 へえ、俺の知らないところでそんな事してたんだ。お疲れ様です。

 

ペリーヌ「さてと茂さん、あなたの使い魔は何かしら。」

 

 そう言うとペリーヌは俺の頭の羽を観察する。

 

ペリーヌ「羽ですから鳥系ですわね。この色合いからしてモズかしら?モズを触った経験は?」

 

 観察してペリーヌが聞いてくるがモズなんて図鑑ぐらいでしか見たことねえよ。

 

茂「まずモズなんて図鑑ぐらいでしか見たことねえぞ。まあ大阪府の府鳥がモズらしいけど。」

 

 動物なんて大っ嫌いなんだよ。なんで動物園は大っ嫌いです。なんであんな臭いところ行かなきゃなんねえんだよ!水族館の方がよっぽどいいわ!快適だし魚臭いだけだし魚臭いとか普通にキッチンで嗅ぐし魚は陸に上がればほぼ無害だし。

 お陰で子犬すら触れない、というか子犬でも来たら逃げる。あと虫も無理。気がついたら手にカメムシ付いてたのが未だトラウマ。

 

ペリーヌ「まあ稀に接触した記憶がないのに使い魔になっている事がありますからね。それは良いでしょう。

     それじゃあ使い魔を引っ込めてください。」

 

茂「で、どうやって?」

 

 ペリーヌが羽を戻すように言うがそこがわかんないんじゃい。

 

ペリーヌ「そうですね…戻れって念じてみてください。」

 

茂「それだけ?」

 

 嘘ぉ…もっと複雑なものだと思って色々漁ってたの無駄だったじゃん…

 とりあえず、戻れと念じる。戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ・・・

 

ペリーヌ「もう大丈夫ですわ。戻りましたよ。」

 

茂「え?戻った?ところでこれって外でとっさに出るとかない?」

 

 正直外でこんなことバレたら大変とかじゃないよ。

 

ペリーヌ「そうですわね。トネール!」

 

茂「ギャー!」

 

 俺が聞いたらペリーヌが電撃撃ってきた。しかも直撃した。

 とりあえず気がついたら手足に若干の痺れがあるけど特に問題はない。

 

茂「ペリーヌ、何したよ?」

 

ペリーヌ「とりあえずシールドが貼れるかどうかやってみたんですの。

     どうやらあなたは無理なようですわ。」

 

 それで?

 

茂「それとこれとどう言う関係が?」

 

ペリーヌ「シールドは外で身を守るために使うことがあるんですけどそれができないって事は咄嗟に自体にシールドを貼れないのでそれからバレる事がないってことですわ。まあ戦闘では致命的ですけど…」

 

 そうなのか…まあ戦争なんて行かねえからそのあたり嬉しいけど。

 

茂「そ、戦争なんていかねえから関係ないよな。」

 

ペリーヌ「ええ。基本的には関係ないですからね。

     で、次は固有魔法ですわ。心当たりは?」

 

 固有魔法ってあれだろ?ペリーヌの電撃とかだろ?

 

茂「あるよ。ペリーヌのブレン触ったらHK416になった。」

 

ペリーヌ「HK416ってなんですの?」

 

 そうかー知らないかー。

 まあM16とかと比べると知名度低いからなぁ…

 

茂「手っ取り早く説明すると銃。ちょっと現物取ってくる。」

 

 俺が答えると立ち上がって部屋に置いてきたHK416を取り戻る。

 

茂「はい、これがHK416。」

 

ペリーヌ「これ本当に銃なんですか?」

 

 そういやM16が初めて投入された時マテルのおもちゃとか言われてなぁ…

 現代じゃあこういう黒くて金属以外の物質を大々的に使った銃って普通だけど大戦時にはそう言うのないよな。

 

茂「ちゃんとした銃ですよ。

  HK416はドイツのヘッケラー&コッホ社がアメリカのM4カービンの後継として開発した銃。

  基本設計はM16などAR-10系列に準じていて信頼性が高く、その上性能もいい、更には軽いという。

  弾は5.56×45㎜NATO弾を使用してる。」

 

ペリーヌ「色々分からないんですけど銃なんですね。

     で、ブレンがそれに変わったんですよね?」

 

茂「そういうこと。これってどう言うこと?」

 

 ペリーヌが俺の説明を聞いて理解する。

 ペリーにはそれを聞いて暫く考えると結論を出した。

 

ペリーヌ「もしかしたらあなたの固有魔法は何かを別のものに変えるって事じゃないかしら?

     そうですね…このティッシュを他のものに変えてみてください。」

 

 ペリーヌの結論はなにかを別の物の変えるのが俺の固有魔法とのこと。

 で、それをチェックするためにペリーヌはポッケからポケットティッシュを出して渡す。

 何に変えよかなぁ…

 

茂「えい!あ、コピー用紙になった。」

 

 とりあえずA4のコピー用紙になれって念じてみたらコピー用紙10枚になった。

 これで確定かな?

 

茂「これで確定かな。

  ん?そういやブレンって10キロぐらいあるけどHK416って4キロしかないんだよなぁ…

  余った6キロ分はどこいった?」

 

ペリーヌ「確かに。質量保存の法則がありますから綺麗さっぱりこの世から消えた訳じゃありませんわ。

     もしかしたら…」

 

 ペリーヌがそう言うと俺を見る。なんで見るんだ?

 

茂「何かございましたでしょうか?」

 

ペリーヌ「ええ。ユニットでは足を入れるところが異空間と繋がってるのを思い出してもしかしたら使い魔が持ってるかもって思いましたの。

     何か今の状態で作ってみてください。」

 

 なるほどなぁ。んーじゃあこれどうかな?

 そう思って俺はあるものを作る。

 

ペリーヌ「これって…あれですの?あのガラクタ。」

 

茂「失敬な。ガラクタじゃねえよ。プラモじゃい。

  タコ◯のキングタイガー初期型ツィメリットコーティング付き。絶版になったから今だと手に入れにくいんじゃい。」

 

 俺が出したのはタコ◯の1/35キングタイガー初期型ツィメリットコーティング付き。

 ちょうど同じ時期にライバルのモ◯が出したキンタに押されてセールスが失敗、そのまま絶版となった品。

 でも絶版になったからと言って悪いわけではなくツィメリットコーティングがモールドされ、フルインテリア、キレキレのモールドに徹底して正確な設計という良品というのを飛び越えて至高のキングタイガーのキット。

 ただ高い。ここ数年プラモ自体が高騰気味とはいえ一万近いのはお財布が痛い。というわけでまさか絶版になるとは思わず買わなかった結果俺の積みの中にこいつがない。

 

ペリーヌ「とりあえず余った質量はストックとして保存されるのは分かりましたわ。」

 

茂「そうだな。とりあえず今どんだけストックあるんだろ?」

 

 そう思って俺はストック全部使って金塊を出してみる。

 そしてそれなりの重さの金塊ができた。

 

茂「多分これがさっきまでのストック全部らしい。」

 

ペリーヌ「ストック全部を空にするために金塊ですか…」

 

 なんかペリーヌが呆れてるんだが?まあ塩の塊でもよかったけど塩だと使い道ねえし。金だったらそれだけで価値がありますから。

 まあとにかく、ウィッチになってそれなりに分かったからのいいか。

 

ペリーヌ「ん?もしかして茂さんの固有魔法って復興に役に立つ?」

 

茂「え?」

 

 なんだろ…急にこれから馬車馬みたいに働かされそうな予感がするぞ…

 嫌だよ…まだ高校生なんだよ…なんで16から24時間働けますかなんてやりたくねえよ…




こちらが主人公の設定にございます。


名前:井上茂
誕生日:9月11日
身長:151センチ
出身:大阪府
使い魔:モズ
固有魔法:複製
 元々普通のオタク気味の軍事趣味・共産趣味モデラ―だったが訳あってウィッチになる。
 基本は一般人で事なかれ主義。面倒ごとには巻き込まれたくないタイプの人間。
 固有魔法の複製はAの物を別のBに変えることができるもの。
 ただしBの質量がAより大きい場合は複製不能。仮にAの質量が1tの場合合計1t分の別の物を複製できる。
 なおその際質量が余るがそれはストックとして必要に応じて使用可能。
 つまり100キロの物から80キロの物を作ると余る20キロをストックとして必要に応じて使える。
 複製できるのは本人が見た目を知っているもの。なので実は応用でフィギュアの自作なども可能。
 その他の能力としてはシールドは張れない(素の状態では。ユニット履けば最低レベルはできる)、飛行能力初期宮藤以下、コントロールは割とマシ。
 なお能力が能力、その上一般人なため戦闘には関わらない、内政全振り。
 名前のモデルは井上成美。誕生日はアメリカ同時多発テロの日から。
 

ストパンSSでも少ない内政全振りという能力。
戦闘能力ゼロというなかなか希少なの。
固有魔法自体は実はスター・トレックのレプリケーターに着想を得てます。
なお中身がどうこうとか考えると瓶や食器といった恐ろしく単純な物しか出来ないので無視。

今更ながらトゥルーデ×バルカンネタはこっちの感想欄でやってくださいお願いします(なぜか別作の感想欄で盛り上がってる)


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執事という生き物がこの世に存在したんだ…

執事登場回というよりメインキャスト全員登場回。



やっとスマホデビューしたぞ!


茂「しかしもう2週間か。早いもんだな。」

 

リーネ「ええそうですね。紅茶いります?」

 

茂「ちょうだい」

 

 早いものでもうペリーヌ達が来て2週間がたった。

 この2週間、色々あった。

 まずウィッチと判明してからはペリーヌが俺にパ・ド・カレー中に転がっていた車やら戦車やら大砲やらの残骸を持ってきてそれを全部食料やら生活必需品やら住居の材料やらに変えろと言ってきた。

 俺はどうだったかというと嫌だった。だってよぉ変えろって言ったのが戦車だけでソミュアS35、ルノーB1、FT-17、オチキスH35/38/39、ルノーR35、ルノーR40、FCM36、ルノーD1、ルノーD2、AMC34、AMC35、AMR33、AMR35、Ⅲ号戦車の初期型(E・F型が中心だけど何故か超レア物のA型・B型・C型・D型も混ざってた)、Ⅲ突のO~A型、Ⅳ号戦車のA~D型、Ⅱ号戦車のa型~C型、Ⅰ号戦車のA型~B型、35(t)、38(t)、巡航戦車MkⅠ~Ⅳ、歩兵戦車MkⅠ・MkⅡだよ。ミリオタとして言うとこんなの変えれない。だって史実では永遠に消え去った車両ばっかじゃねえか。

 なんで無理言って敷地内に置き場作ってそこで全部稼働状態に修理、保存することにした。

 なおペリーヌからは「なんでそんなの作るのですの?」とか言われたけど無視した。

 一応これ“戦車だけ”だからね?装甲車も含めるとカールスラントだけでsd.kfz221/222/223/231/231(6-RaD)/232/232(6-RaD)/247/263/263(6-RaD)/250/251/252/253/254、kfz.13、ADGZもいるんだぞ。

 これにおフランスとトミーがプラスだぜ。しかもこれ自走砲、装甲牽引車、ハーフトラック、乗用車、トラック、バイク、大砲など軍用車両抜きだからな?

 ミリオタからすればフランス戦の生きた資料が山ほどあるぜ!

 

リーネ「ところで茂さん、さっきからなに作ってるんですか?」

 

 紅茶を渡したリーネがさっきから俺が作ってるプラモに興味を持つ。

 

茂「ああ、ドラゴ〇のⅢ号戦車F型。ほら倉庫にこいつがあるでしょ?

  それで積から引っ張り出して作り始めたんだ。」

 

 俺が作ってたのはドラゴ〇のスマートキットⅢ号戦車F型。

 ドラゴ〇はモールドの良さと精度、それにマイナー車両を出してくれる中国のメーカーにございます。

 説明書がアレだったりドラゴソ語だったり組みにくいところがないことはないっていう欠点があるけどいいメーカーですよ。数年前までは。

 今はクソみたいな説明書(資料必須、経験必要)でクソみたいな箱絵(某模型屋にそこら辺の美大生に欠かせたほうがマシとか言われるレベル)でクソ高い(何故か20年以上前のクソキットに7000円分捕られる)とかいうモデラ―のSAN値をがりがり削るメーカー。

 それでもここからしか出てないのが山ほどあるせいでこの地獄に足を踏み入れざるを得ない。

 まあ割と2014年辺りまでならいいのが多いから。

 一応このキットは傑作だから。なにせライト用のコードまでついてるんだぜ?しかもこれ、あのクソ材質履帯になる前に入手したヤツ。

 まあ正確には転輪が違うからフランス戦は作れないんだけど…

 

リーネ「そうなんですね。でもあれどうしたんですか?あのブルなんとか。」

 

茂「ブルムベアね。あれ今放置してる。」

 

リーネ「え、もったいなくないですか?あのいっぱいあるのも」

 

 俺の返答にリーネが驚く。

 まあ普通の人からすれば驚くけど俺らモデラーの生態では割と普通ですよ。

 製作途中でほかの作り始めるとかやる気が尽きて放置するとか。

 モデラーの積と同様に常人には理解できんだろ。

 

茂「そうか?そういうんだったらリーネも何か作ったら?

  作り方とかぐらいなら教えられるぞ。」

 

リーネ「えー!無理ですよ!そんな細かいの」

 

茂「大丈夫だって。始めは簡単なのからやるし意外と簡単だからさ!」

 

 うん、プラモは簡単ですよ!手先が器用とかその辺りは慣れですしタミ〇とかは親切設計&超わかりやすい説明書&超組みやすいですよ!

 だからみんな!プラモ作ろう!(ダイマ)

 

リーネ「えぇ…」

 

茂「作ろう!息抜きにもなるし楽しいぞ!今なら教えるぞ!」

 

リーネ「な、なら一個だけ…」

 

茂「よし、言質取ったぞ!早速作るぞ!リーネ、来い!」

 

ペリーヌ「茂さん、リーネさん何やってるのかしら?」

 

 リーネを連れて積部屋に行こうとしたらペリーヌがやってきた。

 

茂「リーネがプラモ作りたい(嘘)から積部屋に行こうとしてた」

 

ペリーヌ「はぁ…そんなことしてる暇があるなら手伝ってくださいな。」

 

 俺の答えにペリーヌが呆れたように言う。

 

茂「で、なんなんだよ。今日は何を作ればいいんだ?先週は屋敷の大改造したじゃねえか」

 

 俺の固有魔法が分かってペリーヌが最初にした(というか俺が無理やりさせた)のは屋敷の修理、改造。

 だってさ、中の繋がってるんだぜ?ぶっちゃけ離れみたいなものだからそこが壊れてるのは正直色々不安。災害とか防犯とか防疫とか防犯とかで。

 

 なんで最初に屋敷の大改造をしたわけ。

 主な改造点は

・発電機の追加(潜水艦用エンジンと最新のリチウムイオンバッテリーを無理やりつなげた品)

・オール電化

・IHキッチンの使用

・武器庫の追加

・太陽光発電システムの追加

・防犯システムの追加

・光ファイバー回線の追加

・インターネットシステムの追加

・車両保管用倉庫の追加

・防音・防熱化

・アスベストの除去(当時は結構な建物で使われてた)

・家電製品の設置

・電力システムを200V60Hz化

・外壁の材質変更

・射撃場の追加

・地下室の追加

・細部の修正

・秘話装置の設置

・スーパーコンピュータルームの設置

 これだけやった結果見た目は普通の屋敷だけど中身は最新設備のハイテクシステムになった。

 

 で、次にやったのが復興のための設備提供。

 周辺から残骸やらゴミやらかき集めて食料(缶詰中心。勿論現代の激ウマの代物。ラベルは剥がしてるけど)・衣類・生活必需品・住居(クォンセット・ハット。ザ・パシフィックで海兵隊の兵舎に使われてるシーンがあった)にした。

 あと自衛隊で一番活躍してる装備である野外炊具1号(改)と野外入浴セット2型、浄水セット(逆浸透型)、野外洗濯セット2型(文字通り野外で被服を洗濯する機械。謎)を用意、炊き出し等に使用してます。

 評判はいいらしい。流石数々の災害派遣で大活躍した装備。

 

茂「で、今日は何なの?倉庫の戦車どうにかしろだったらぶち殺す。

  5.56mm弾は痛いらしいぞ。内臓抉りまくるらしいし」

 

ペリーヌ「違いますわ。実はこれが届きましたの。」

 

 そういうとペリーヌは手紙を見せる。そこには何やらフランス語が書いていた。

 

茂「ふん、ふん、ふん。で、なんて書いてるの?」

 

 それを聞いてペリーヌがずっこける。〇本新喜劇かな?

 

ペリーヌ「ガリア語分かると思いましたわ!」

 

茂「すまねえ、フランス語はさっぱりなんだ」

 

 うん、英語の点数すら悪いんだ。割と真面目にリーネに英語教えてもらおうとか考えてるんだ。

 

ペリーヌ「はぁ…ざっくり言いますと私に子供の頃から付いていたジャン・ポールという執事がいるんですけど彼が来るんですよ。

     それで、貴方達のことをどうするベきかというのを相談したくて」

 

茂「成る程ね。それにしても執事という生き物がこの世に存在していたとは…」

 

 執事ってこの世に存在したんだ…ずっと創作の中の存在だと思ってた…

 

ペリーヌ「あなた執事の事なんだと思ってたんですか?」

 

茂「いや、一般人だからね?」

 

リーネ「私たちは子供のころから執事がいたので慣れてはいますが茂さんは普通の人ですから。」

 

ペリーヌ「そういえばそうでしたね。あんな大きな家に住んでましたけど一般人でしたね」

 

 俺の感想に二人が返すけど二人とも子供のころから執事がいるとかどんな家だよ。

 え、もしかして二人ともお嬢様?

 

茂「今更だけど二人ともお嬢様?」

 

ペリーヌ「ええ。私はこのあたりの領主ですから」

 

 何それこいつら結構すごいかったのか…

 

茂「ところでその執事っていつ来るの?」

 

ペリーヌ「ええと確か明日ですわ」

 

茂「おい、もっと早く言えバカタレ」

 

 明日ってなぁ…バカじゃねえのか?

 

ペリーヌ「それに関しては申し訳ありませんでした。」

 

茂「で、さあ。どうすんのよ。執事ってほとんど家にいるでしょ?

  隠すなんて無理だぞ。」

 

 毎日朝から晩までいるのに隠せれるか?

 

ペリーヌ「そうですわよね。話すべきかしら?」

 

茂「話すべきというかそれ以外選択肢ないでしょ」

 

 うん。選択肢なんてあってもないようなものでしょ?

 

ペリーヌ「そうですね。話すべきですわよね」

 

 俺の言葉にペリーヌは納得する。

 

茂「そうだと思うよ。あ、説明は任せた。」

 

 説明はしてくれ。フランス語はさっぱりなんだ。

 

 

----------

 

 翌日、学校から家に帰ってペリーヌのところに行くとそこにはペリーヌと髭を生やしたおじさんがいた。

 おじさんが俺に気が付きペリーヌに聞く。

 

「お嬢様、こちらのお方は?」

 

ペリーヌ「さっき言った茂さんですわ。」

 

ジャン・ポール「さようでございますか。

        初めまして茂様。クロステルマン家の執事、ジャン・ポールと申します。

        以後、お見知りおきを。」

 

 執事は俺に自己紹介してお辞儀する。

 

茂「あ、どうも。井上茂です。以後よろしくお願いします。

  えーと、ペリーヌこれが昨日言ってた執事?」

 

ペリーヌ「ええ。執事のジャンポールよ。扶桑語もできますから心配しなくて結構よ」

 

 日本語出来るってのは有難い。

 フランス語も英語も無理なんだよ。

 

茂「有難いっちゃあ有難いけど執事に頼むのってなんか遠慮するなぁ…

  できれば自分でやりたいってところあるし」

 

ジャン・ポール「別にお気になさらずお使いくださいませ。

        ところでつかぬ事をお聞きしますがお嬢様とはそういう…」

 

茂「は?」

 

 ジャンポールが突如爆弾を投下した。え?俺とペリーヌがそういう関係か?

 

ペリーヌ「ジャンポール、冗談にもほどがありますわよ」

 

茂「ないない。」

 

 絶対ないよなぁ…ペリーヌ可愛いけど気が強いし、リーネとかちょっと気が弱い子のほうが好きだなぁ…

 

茂「で、今日どうする?そういやリーネは?」

 

 気が付いたけどリーネいないよね?

 

ペリーヌ「リーネさんなら庭の手入れ中ですわよ。」

 

茂「ふーん。じゃあ俺はプラモいじってるから…」

 

 ペリーヌの話を聞いて俺は模型部屋から道具を取りに行こうとするがペリーヌが肩をつかんだ。

 

ペリーヌ「ダメですわよ。今日は車と重機を調達してもらいますから」

 

茂「そんな殺生なー!」

 

 普通にプラモ作らせろクソメガネ!畜生覚えてろクソメガネ!

 

ペリーヌ「何か悪いこと考えてないかしら?」

 

茂「ナンデモアリマセン」

 

 怖いよペリーヌ…

 

 

---------

 

 その頃、屋敷の前では…

 

「やっと着いたぁ…ペリーヌさんの屋敷に行こうとしたら道間違えてブーローニュ行くなんて…」

 

 一人の赤毛の少女がやってきた。

 

リーネ「あ、どうかしましたか?」

 

 それに庭の手入れ中だったリーネが気がつき声をかける。

 

「あの、ここってペリーヌさんのお屋敷ですか?」

 

リーネ「はい、そうですけど…どちら様でしょうか?」

 

アメリー「あ、はじめましてアメリー・プランシャールです。これからよろしくお願いします!」

 




正直アメリーの口調がいまいちよく分からない…


次は修羅場かケンカかな?

ハセガワからストパンフィギュアと飛行機プラモのセットが出るらしい。
買わないけど(買う金ないし飛行機はトム猫とゼロ(マガジンキット)積んでるし)
なお一番うれしいのはWLの朝霜と霞な模様


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この話の主題は二つ!車!アナウサギ!勘違い!

注:この話はネタ全振りです。
あとアメリーが酷い目にあいます。アメリーファンの皆さんごめんなさい。


茂「ペリーヌ…助けて…」

 

ペリーヌ「ア、アメリーさん…」

 

アメリー「ペリーヌさんは離れてください。ヤリますから」

 

 なんで俺今、屋敷の壁に追い詰められてるんだろ…

 てか何この子突然リーネ一緒に現れて俺のことを泥棒だかペテン師だかみたいな扱いして襲ってきた…

 ちょっと振り返ってみるわ

 

 

---------

 

約一時間前

 

茂「で、ペリーヌ。今日はなに作りゃいいんだ?」

 

ペリーヌ「車と重機ですわ。」

 

 ペリーヌに連れられて俺は中庭に作られた瓦礫集積所にいる。

 この集積所は俺の固有魔法用に特に使い道のないただのゴミである瓦礫を片付け名目でここに集めて俺の固有魔法を使って物資に変換するために作った。

 

茂「車ねえ…ジープじゃいかんのか?」

 

ペリーヌ「ジープよりは良いのが作れますでしょ?」

 

 うん…まあそうなんだけど…

 

茂「趣味全開でもいいのか?」

 

ペリーヌ「ええ。」

 

 よし言質とったぞ!

 それを聞くと俺は瓦礫に近づいて固有魔法を使う。

 

茂「そりゃっとな!それのほいっとな!ではいっとな!よしできた」

 

 掛け声とともに瓦礫から数台の車を作った。

 振り返ると執事が驚いた表情で見ていてペリーヌがその横で手を組んでみていた。

 

ペリーヌ「茂さん、何作ったんですか?」

 

茂「ん?まずこちらがシトロエン社製のシトロエン11CV。

  世間一般ではシトロエントラクシオンアバンとして知られる名車にございます。」

 

 ペリーヌの質問に俺はまず作った一台のセダンにもたれかかって説明する。

 

 俺が作った1台目の車両がシトロエン社のシトロエン11CV。

 どう言う車かというと世界的にも非常に早い時期に前輪駆動とモノコック構造を採用した先駆的車両です。

 1930年代にフランスのシトロエン社が開発した車両でとにかく高性能。ドイツ軍がこれを徴用して大々的に使っていたほど。

 総生産台数75万台、1934年から57年まで製造されたクラシックな名車です。

 実は俺、これが結構好きでプラモも何個も積んでる。このザ・クラシックセダンな見た目がいいよねぇ…

 

茂「続いてこちら!シュタイアー1500!

  重統制自動車の代替品としてオーストリアのシュタイアー社が開発した軍用車両。

  ドイツ軍車両好きにとっては絶対に外せない車両!カッコいいでしょ?」

 

 2台目の大きな車両に触りながらペリーヌに説明する。

 

 2代目はドイツ軍車両好きには知らないものはいないシュタイアー1500。

 最近某御殿場の中古車会社が輸入したことでも知られる軍用車両。

 とにかくカッコイイ。ドイツ軍車両トップクラスのカッコよさがある。

 

 続いて俺はその隣に置かれたOD色のジープを大きくしたような3台の車に近づく。

 

茂「車はアメリカで生まれました。

  ドイツの発明品じゃありません。ステイツのオリジナルです。

  しばし遅れを取りましたが、今や巻き返しの時です。

  軍用車両がお好き?ではますます好きになりますよ。見てくださいダッジWCの最新モデルです。

  んああ仰らないで。2台がオープントップ、でも屋根なんて見かけだけで戦場だと見にくいし、夏は熱い、風を感じられないろくな事はない。

  パワーもたっぷりあります。どんな重いものだって運べます。

  どうぞ回してみて下さい、いい音でしょう。余裕の音だ、馬力が違いますよ」

 

ペリーヌ「これ一番気に入ってるのは値段だって言う流れかしら?」

 

茂「言いたいならどうぞ?少なくとも俺は逃げる。」

 

 俺が某コマンドー風に説明したのはダッジWC-51、-52、-53。

 

 それぞれダッジWCのモデルの一つ。

 51、52はオープントップのウェポンキャリア、53はハードトップのキャリーオールトラック。

 運搬能力は全て3/4トンしか無理だが非常に優秀な車両にございます。

 

茂「えー続いてはこちら、え?オンボロトラック?イエス、それが味があっていいんです。

  ソ連製ZIS-5、GAZ-AA、GAZ-AAAトラックです。愛すべきオンボロトラック。

  ああ最高、これだけでご飯三杯は食える。」

 

 その隣に作ったのがソ連製の3台のトラックZIS-5、GAZ-AA、GAZ-AAAトラック。

 3台とも恐ろしくオンボロに見えるけどその通りです。

 だがそれがいい!オンボロがいい!味があって良いではないか!

 理解できない?さてはアンチだなオメー

 

茂「続いて、デカァァァァァいッ説明不要!!8.52m‼︎18t‼︎

  sd.kfz.9‼︎だー‼︎」

 

 続いて説明したのがドイツ軍ハーフトラックの中でも最強のパワーとデカさを誇るsdkfz9、通称18トンハーフトラック。

 とにかくデカイ、無骨、カッコいい。元々戦車回収用だから仕方ないね。

 てかスキャンメルとかドラゴンワゴンの方がこいつより大きんだよなぁ…

 

 そして次の車両の説明にいこうとするとペリーヌの後ろからリーネが来ていることに気が付き声をかける。

 

茂「ようリーネ。どうした?」

 

リーネ「あ、茂さん。ペリーヌさんは…」

 

ペリーヌ「どうかしましたか?」

 

 リーネの声を聴いてペリーヌが振り返りリーネに聞く。

 

リーネ「そのアメリーさんって方が来たんですけど…」

 

ペリーヌ「アメリーが来たんですの?」

 

茂「あのーアメリーって誰っすか?」

 

 リーネの話を聞いてペリーヌが驚く。でもアメリーって誰?

 

ペリーヌ「アメリーは私が501に入る前にいた部隊にいた同僚ですわ。

     ワイト島にいたらしいですけど来たんですか?」

 

 へー元同僚なんだ。

 

茂「で、何しに来たんだ?」

 

リーネ「それが…ペリーヌさんを手伝うために来たそうです」

 

ペリーヌ「それって…」

 

 リーネの話を聞いてペリーヌがこっちを見る。

 なんで見るの?

 

茂「何見てんだ?」

 

ペリーヌ「あなたのことどうすればいいのかしら…」

 

 あっ…それ結構大問題じゃね?

 隠す?無理だろ。俺いないと色々面倒だし。

 追い返す?それが一番現実的だけどちょっと酷い。クリーンで清廉潔白な人間でいたいからなぁ…

 話す?一番後味のいいプランだけど色々面倒。面倒ごとには巻き込まれたくない。

 そんなこんなを手を組んで考えているとペリーヌが声をかけてきた。

 

ペリーヌ「茂さん?どうします?」

 

茂「どうしようもねぇ…追い返す?」

 

ペリーヌ「確かにそれが一番現実的でしょうけどそれはそれで…」

 

 そんなこんな話し込んでいると足音が聞こえてきた。

 

アメリー「リーネさーん!どこにいるんですかー!あっいた!」

 

リーネ「ア、アメリーさん…」

 

 何やら赤毛?栗毛?の少女がリーネに話しかけてる。

 

アメリー「リーネさんどうなりました?ペリーヌさんは…」

 

リーネ「そ、それは…」

 

アメリー「あ、ペリーヌさん!お久しぶり…」

 

 リーネと話しているとペリーヌに気が付き話しかけるがその隣にいた俺にも気が付く。

 

茂「あ、だいぶ不味い?」

 

ペリーヌ「だいぶ不味いですわ」

 

茂「どうする?処す?」

 

ペリーヌ「なにする気ですの?」

 

茂「ボコるか消すか」

 

ペリーヌ「暴力的じゃない方法はないんですの?」

 

茂「ない」

 

アメリー「ペリーヌさん、その人は…今話していたこと聞いてしまったんですけど…」(フランス語)

 

 二人で話し込んでいると赤毛が聞いてきた。

 少なくとも二人ともフランス語で話してるから何言ってるか分かんない。

 

ペリーヌ「その…」(フランス語)

 

アメリー「扶桑語で消すとか言ってませんでした?」(フランス語)

 

ペリーヌ「それは…」(フランス語)

 

アメリー「え、もしかして…」(フランス語)

 

 なにやらフランス語で話していると赤毛がこっちを見る。

 

茂「ん?何?」

 

アメリー「ペリーヌさん、私に任せてください」(フランス語)

 

ペリーヌ「え?」

 

 一度ペリーヌの方を見て何か言う。ペリーヌは何やら驚いた表情をしてる。

 すると赤毛が何やらウサギの耳を出して近づいて来た。

 

茂「えーWhat are you going to do?」

 

 拙い英語で聞く。

 

アメリー「今すぐここから出て行ってください!」

 

茂「What!Are you crazy?」

 

 まさかこの英語を使う日が来るとは…

 

アメリー「狂ってません。さっさと出て行って消えてくださいこのペテン師!」

 

茂「おいおいおいおいあんたなんか大事な部分を勘違いしてねえか?俺のどこがペテン師なんだ?」

 

 うん、なんでペテン師なんだ?道化ですらねえぞ。俺清廉潔白で品行方正、公正明大だぞ(自称)

 そう言ってこの赤毛を説得しようとする。

 だが赤毛はどんどん近づいていきその気迫に俺も後ずさりする。

 そして背中が壁にぶつかり追い詰められると赤毛は思いっきり俺をビンタした。

 

茂「痛ぇ…何するんだよ!」

 

アメリー「実力行使です!」

 

茂「え…ペリーヌ…助けて…」

 

ペリーヌ「ア、アメリーさん…」

 

アメリー「ペリーヌさんは離れてください。私がヤリますから。」

 

 ペリーヌに助けを求めるが赤毛は聞く耳を持たない。

 

茂「あーもう実力行使だクソッタレ!痛い目に遭いたくなかったら今すぐどけ!」

 

アメリー「いやです。その言葉そっくりそのままお返しします。」

 

茂「はん、後悔しても知らんぞ!」

 

 そう言うと俺は固有魔法を使いある特殊な弾を装填したベネリM4スーペル90を作り構える。

 そしてそいつに撃つ。

 

アメリー「痛っ…アァーー!」

 

 弾をモロに食らった赤毛はそのまま電気ショックを受けて気絶して倒れる。

 それを見てペリーヌが驚き駆け寄る。

 

ペリーヌ「アメリーさん!大丈夫ですの!茂さん!何したんですか!」

 

茂「ペリーヌ、多分大丈夫。そいつ気絶してるだけ。」

 

リーネ「何撃ったんですか?」

 

茂「テーザー弾だよ。大丈夫、食らったのは普通のスタンガンと同じものだから。」

 

 俺がベネリM4から撃ったのはテーザー弾。正確には名前が違うらしいけど強力な非致死性兵器の一つ。

 なんで赤毛は電気ショックで気絶してるだけ。

 まあ多分大丈夫でしょたまにショックで心停止する奴もいるけど…あれ?そうなったらヤバくね?

 

 

---------

 

約一時間後

 

アメリー「ん…んん…あ、ここは?」

 

茂「お、気がついたか」

 

 ベットに寝ていた赤毛改めアメリーが気がつく。

 俺がこいつを気絶させた後、すぐにベットに寝かせた。

 それで大事をとってその日の予定は全てキャンセルしてアメリーを寝かせたベットの横で3人で色々やっていた。

 

アメリー「え?ひゃ!」

 

茂「その反応はないでしょ…」

 

 俺の存在に気がついてアメリーが驚く。

 

リーネ「アメリーさん、大丈夫ですか?」

 

アメリー「はい、ちょっと痺れが残ってますけど。」(英語)

 

ペリーヌ「そう、それは良かったわ。」(英語)

 

 リーネが心配して聞くとアメリーは腕を回して答える。

 それを聞いて隣で紅茶を飲んでいたペリーヌが安心する。

 

アメリー「その、ペリーヌさん。その人はなんなんですか?」(フランス語)

 

ペリーヌ「茂さんよ。(フランス語)茂さん、自己紹介してくださる?」

 

茂「I’m Shigeru Inose. Nice to meet you.」

 

 アメリーが俺の事を聞いて来たみたいなので自己紹介する。

 

アメリー「どうも、アメリー・プランシャールです。あ、扶桑語で結構ですよ」

 

茂「そ、そっちの方が楽だわ。なにぶん典型的日本人なもんで英語もフランス語もドイツ語もさっぱりでな。」

 

アメリー「はは…その…ペリーヌさんとはどういう…」

 

茂「それは、まあ同居人?」

 

 アメリーが俺のことを聞いて来たのでペリーヌと顔を見合わせて答える。

 

ペリーヌ「そうなるんでしょうけど…話すべきかしら?」

 

茂「話した方が色々楽だ」

 

 ペリーヌが俺に話すべきか聞いてきて俺は即答する。

 もうここまで来たら選択肢はひとつだけだ。本人にとってはあんまり嬉しくないだろうけど。

 

ペリーヌ「そう。アメリーさん、これからかなり衝撃的な話をしますので覚悟してください。」(フランス語)

 

アメリー「は、はい」(フランス語)

 

 ペリーヌは俺の答えを聞いて深呼吸すると真剣な口調で話し始める。

 それからペリーヌは暫くフランス語で話した。

 フランス語がちんぷんかんぷんだから何言ってるかはよく分からないが一度持っていた俺のスマホで何かを見せたりして話し終わるとアメリーは呆然とした後目を潤ませて泣き始めた。

 何か泣き叫ぶがフランス語なので全く分からない。

 それから数分すると落ち着いたのか話して来た。

 

アメリー「茂さん…でしたよね?さっきペリーヌさんが言ったことは本当なんですか?」

 

茂「あー何言ってたかはよくは知らんがフィクション常々については本当だよ」

 

アメリー「そうなんですか…」

 

 俺の言葉を聞いてアメリーは俯く。

 そして一度深呼吸すると話す。

 

アメリー「ペリーヌさん、リーネさん、茂さん、これからよろしくお願いします。」

 

茂「え?これからあんたここで世話になるの?」

 

アメリー「はい、ダメでした?」

 

 ダメじゃないけど…どうしようこんな思いっきりドストライクな女の子が一つ屋根の下とか理性保てるか?

 というか面倒ごと増えたような気がするぞ…




出した車両は全部作者の好みですね。

テーザー弾はフューチャーウェポンで見て以来気に入ってる兵器。
どういう兵器かというとスタンガンの弾丸版だと思ってください。口径は12ゲージしかない見たいだけど。


最近オーストラリアのある出版社の出したスターリングラード戦の戦記を知ったんだがその内容がぶっ飛んでた。
戦死者全員の記録を漁って兵士個人単位での戦歴とかヤバすぎるよ…

そういえばもう静岡ホビーショーまで一ヶ月切りましたね。
早く来ませんかねぇ…タミヤが35で機動戦闘車出すとか楽しみすぎるよ。
WLもいぶき出すらしいし48もトムにゃんこのDとケッテンクラートの新セットにイージーエイトとか出るしきっと何か会場発表新製品もあるだろうから楽しみ。
個人的には名作88かⅣ凸かPak40かPak36/37のリメイクかアキリーズ欲しいですね。


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Q、トリックオアトリート!A、トリートするからトリックして!

もしペリーヌとリーネとアメリーにトリックオアトリートって言われたら諭吉出す自信がある。

短いしオチもないです。


ラストオブカンプフグルッペⅥ買ったら第950(インド)歩兵連隊で「ホモセクシャルの痴情のもつれ」による殺人事件の話が出て来て引いた。
あとヴィーキング師団の分遣隊がヤークトパンター乗って連合軍の後方荒らし回った話とかノルウェーで放置プレイされて忘れ去られた2個師団、アラブ義勇兵、エストニア義勇兵、ガリツィア義勇兵の話にオストプロイセンの戦いの序章とかあってすごいおススメ。意外と共感できる話もあるかも?


茂「そういやもうすぐハロウィーンだなぁ」

 

 ある日。アメリーが来てから数日後、リーネとアメリーと一緒に俺が作ったモロゾ◯のプリンを食べているとふとそろそろハロウィンなことに気がつく。

 

リーネ「そういえばそうですね。」

 

アメリー「でもこの辺りには子供いませんよね?」

 

茂「え?」

 

 そういやまだこのあたり解放されてひと月程度しかたってない上に周囲が色々面倒らしいね。

 なんでも結構な割合の土地の地権者が死んでそれを相続する人も行方不明らしい。

 おかげで復興自体は町やインフラ中心にものすごい勢いで進んでる(すでに周辺道路の9割が修復済み。鉄道も既にダンケルク~カレー間は復旧済み来週にはカレー~ブーローニュ間とカレー~リール間が復旧予定。水道は7割、電気は8割、ガスは4割の地域で修復済みらしいけど水道以外は電気不足とガス不足でほとんど使えない)だが周辺の農業に関しては土地の問題であんまり進んでない。

 とりあえずガリア政府通じて地権が明確なものからやってるが結構な割合で地権者・相続人全員死んでるがある。その土地自体はクロステルマン家に収容したけど。

 それでこのあたりまだあんまり人がいない。まあそのおかげでカレー=ダンケルク空港の拡張工事にゴーサイン出せたけど。

 

 元々カレーにはカレー=ダンケルク空港って飛行場が史実で現代でも存在するんだけどこの飛行場の滑走路は長さが確か1900mしかない。これだと当時は長いかもしれないけど50年70年単位で見ると短すぎ。

 なんでこの滑走路を3000mにする計画を勝手に提案した。大義名分として飛行場の輸送力強化もつけて。

 で、ペリーヌが二つ返事でOK出した。こっちの世界見て航空産業が今後どうなるか知ったから飛行場の拡張は即断したらしい。

 ただ色々面倒なんでペリーヌの元上司経由でカールスラント軍に提案してるらしい。行動力あるなぁ…

 ちなみにここまで大体2時間です。

 

 まあそれは置いといてこのあたりそんなに人がいない。

 ほぼ軍関係者か復興に来た元住民だけ。

 ちなみに俺の存在はペリーヌの親の知り合いの子供で手伝いに来たってことになってるらしい。

 

茂「まあ良いんじゃない?日本じゃハロウィンなんて一年で一回だけコスプレして街中出歩ける日だから。」

 

リーネ「そうなんですか。」

 

アメリー「それじゃあ私たちがコスプレするんですか?」

 

茂「ダメか?衣装はこっちで調達するし」

 

 まあ俺の固有魔法使えばほぼタダでとんでもない衣装とか作れるからね。

 ここ一週間前後色々やってきてわかったのが裏技で適当に表紙をでっちあげればとんでもない本まで作れるってことがわかった。

 なので例えばレ・◯ゼラブルの脚本とか曲の楽譜とか文字通り適当な表紙をつけた状態で作れば作れる。

 しかも恐ろしいのがこれ本だけじゃなくて箱いっぱいのなんたらとかでもOKな事。

 まあお陰でイグラとかストレラとかスティンガーとかLOWとかカールグスタフとかが説明書ごと作れたね。

 なんでこの屋敷には世界最新とは言えないけど当時としてはオーパーツな携帯式地対空ミサイルや対戦車ミサイルが配備されてもはやネウロイはおろかパットンだかロンメルだかの大戦車軍団がJV44かJG52連れて来ても立ち向かえる(勝てるとは言ってない)鉄壁の要塞とかしてます。

 

茂「偶には息抜きぐらい必要でしょ?」

 

ペリーヌ「あらそれをいつも模型ばっかり作るかゲームか勉強しかしていないあなたが言うことかしら?」

 

 そんなこと話していると俺の後ろにペリーヌが現れた。

 

茂「ペリーヌ、帰ってきたんだ。」

 

 振り返って答える。

 ペリーヌ、昨日からサン・トロン(現シント・トロイデン)だかアーヘンだかマースリヒトだか行ってたらしい。

 アーヘンつったらアルザス・ロレーヌの隣だよな。久しぶりにシャーマンでも作ろうかね?でもとりあえず今は目先のⅢ号作るか。

 

ペリーヌ「ええ。飛行場についてはミーナ中佐は輸送力強化と補助的な補給ルートの確保として賛成してくれましたわ。

     それと最近の復興の話とかもしたわね。それとプリン一つ下さらない?」

 

 へえそんなこと話してたんだ。

 とりあえず飛行場の拡大はめどがついたな。

 

茂「はいよ。ペリーヌ、ハロウィンする?衣装はこっちで用意するぞ。」

 

 プリンを渡しながら答える。

 

ペリーヌ「人の話を聞きなさい。まあ偶には息抜きは必要ですからやってもいいですわよ。」

 

茂「よし、言質取ったぞ。やるぞ!」

 

 ペリーヌがハロウィンにOKを出したぞ!よし!

 すると3人が言ってきた。

 

ペリーヌ「あ、その衣装はそのさ、坂本少佐のでお願いしますわ。」

 

リーネ「あんまり恥ずかしいのはちょっと…」

 

アメリー「そのペリーヌさんのがいいです。」

 

 なんでや…別に俺の好き勝手させろや…つーか最後、隣にご本人いるやん…そいつに聞けよ…

 

ペリーヌ「それなら私のを貸しましょうかアメリー?」

 

アメリー「え?いいんですか!」

 

 アメリーが喜ぶ。ヨカッタネーウン。

 畜生。アメリーにイスラエル軍の軍服着せる計画が頓挫しやがった。

 

ペリーヌ「ええ。それと…なんで私だけプッチンプリ◯なんですか?

     明らかにあなた方の食べてるものと違う気がするんですけど。」

 

 酷使しやがった報いだ。まだ毒入れてないだけマシだろ。

 

ペリーヌ「茂さん、こんな言葉ご存知?」

 

茂「ん?」

 

ペリーヌ「食い物の恨みは怖い。トネール!」

 

茂「ギャーーーー!!」

 

 

 

---------

 

 

 数日後、ハロウィンがやってきた。

 

茂「で、どうだ?ペリーヌ?アメリー?リーネ?」

 

 ハロウィンとは言ってもほとんど内輪で仮装する程度の話。

 なんでただ執事とペリーヌとアメリーとリーネと俺で仮装する程度の話です。

 ちなみに俺はハンガリー国境警備隊1940sの格好をしてる。ラスカ◯Ⅴの第16SS擲弾兵師団ライヒスフェーラーSSの章でハンガリー国境警備隊の兵士とRFSS師団の兵士の写真があったんだがその格好がかっこよくて作った。

 

ペリーヌ「あ、ありがとうございます!ああ〜少佐と同じ服〜」

 

 ヘブン状態の坂本少佐とやらと同じ服着たペリーヌが答える。

 おお…心停止するなよ…

 

アメリー「ペリーヌさんの服、ちょっとキツイです。主に胸が」

 

 続いてペリーヌの服着たのはいいけど実は着痩せするタイプだったせいである部分がキツイアメリーが言う。

 いろんな意味でアメリーが可愛すぎて死にそう。スマホで撮ったけど死にそう。

 

リーネ「なんで私だけこれなんですか?」

 

 最後に特にオーダーがなかったから童貞を殺す服もとい神戸〇の服を着せたリーネが言う。

 あーうん。色々凶器だ。胸とかふとももとか胸とか。こっちもこっちで似合いすぎる…

 写真撮ったけどヤバい。本当に童貞殺せるわ、うん。

 

茂「あーうん。似合ってるよ。うん。」

 

ペリーヌ「鼻の下伸ばしながら言わないでください」

 

 感想を漏らすとヘブン状態から正気を取り戻したペリーヌが突っ込む。

 

茂「この状況で鼻の下伸ばさない男がいるか?絶世の美女3人のコスプレとか…」

 

ペリーヌ「もう一度やりましょうか?」

 

 ペリーヌが帯電しながら返す。

 お願いだからやめてくださいお願いします何でもしますから。

 

ペリーヌ「ところで、トリックオアトリート」

 

茂「ん?」

 

 するとペリーヌが真顔でトリックオアトリートとか言ってきた。

 え?今?

 

ペリーヌ「トリックオアトリートって意味わかってるかしら?」

 

茂「意味ぐらい分かるよ。お菓子なんてないからトリックしろや。」

 

ペリーヌ「じゃあ遠慮なく。」

 

 そういってまた帯電し始める。

 

茂「ごめんなさい。プリン出すから許してくださいお願いします。」

 

ペリーヌ「そうすればいいのよ。」

 

 すぐに土下座してモロゾ〇のプリンを渡す。

 お願いだからもうミストラル級強襲揚陸艦2番艦の名前の攻撃はやめてください。

 

リーネ「私たちにもないんですか?」

 

アメリー「プリン欲しいです。」

 

 すると今度はリーネとアメリーがねだってきた。

 めんどくせー。執事に作ってもらえ。俺が来たせいで執事の役割が減ってんだぞ。

 

茂「めんどくせぇ…それに例の言葉お前ら言ってねえだろ。」

 

リーネ「そうでしたね。トリックオアトリート」

 

アメリー「トリックオアトリート!」

 

茂「面倒だからトリックでいいとは思うけどとりあえずはいお菓子。」

 

 別にペリーヌ以外ならトリックでもいいんだけどアメリーとかリーネの食べてる姿見てるとこうなんというか可愛くて癒されるんだよねぇ…

 まあこの二人ならトリックでもいいんだけど。

 ペリーヌの場合トネールがトリック越えて殺しに来てるからなぁ…

 そんなことを思いながらハリ◯のバームクーヘン(一番大きいサイズ)を一つ作って出す。

 だけど見慣れないのかアメリーとリーネは不思議そうな目でバームクーヘンを見る。

 

アメリー「あのこれなんですか?」

 

茂「ん?バームクーヘン。多分日本で一番有名なドイツのお菓子。確かドイツだと別の名前だった気がする。

  まあそもそも超マイナーな奴らしいし。」

 

 バームクーヘンってドイツだと超マイナーらしいからなぁ…

 まあ美味しいからいいんだが。特にハリ◯は。梅田の阪◯の地下にあって行けばいつも大行列で大人気だからなぁ。

 

茂「調子に乗って一番大きいサイズ作ったけどこれだと一人で食えないよな?」

 

リーネ「そうですよね。分けっこします?」

 

茂「賛成。んじゃあ執事に頼んで皿とフォークを3人分…」

 

 バームクーヘンを食べるために執事に皿とフォークを頼もうとすると背後になにか怖いものを感じる。

 振り返るとペリーヌがいて聞いて来た。

 

ペリーヌ「あら茂さんは食べないんですか?」

 

茂「やっぱ 4人分で…畜生取り分が減ったじゃねえか(小声)」

 

 クソ、アメリーとリーネと俺で分けっこしようと思ったのにペリーヌが出て来やがった…

 取り分減るじゃねえか…

 

ペリーヌ「聞こえてますわよ?」

 

茂「おう聞こえるように言ったんだよ。たくプリンあるから我慢しろや。ついでに甘いもんたくさん食ったら太るぞ。」

 

ペリーヌ「あら。私はどこぞの学生と違って毎日鍛錬しているので消費するカロリーの量も違いますから糖分が必要なんですの。

     それに甘いものは別腹ですから。」

 

 そういや甘いものは別腹っていうしこいつ地味に毎日レーピアの練習してるからなぁ…

 フェンシング選手にでもなるのかね?というか胸ねえの毎日運動してるから脂肪がつかないからじゃ…




モスクワの戦勝記念日パレードが今年はどういうわけか凄いショーみたいだった。
なんかファンシードリルが凄いかっこよかった。

さてと、今週末はホビーショー、それに明日はホビーショーの業者公開日。ニューキットのニュースが世界中を駆け巡るぞ!オラワクワクするぞ!寝られねえ!


本当にどうでもいい話だけどフランスのミストラル級強襲揚陸艦2番艦の名前は実はトネールなんです、しかも調べて初めて知ったけどフランスのブルゴーニュにトネールって町があるみたい。
あとハロウィンの日はメーデー民にとってはローズローンの悲劇ことアメリカン・イーグル4184便墜落事故の日なんですよね。

久しぶりにバームクーヘン食いてえ…特に◯リエのやつ。


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NR○力の高い話

銃器に関する回。
なんかすごい久しぶりな気がする…

地味にカルスラ組登場。


 ハロウィンから数日後の11月初頭、一昔前と違いこのころになってやっと紅葉の季節なった頃…というか最近紅葉の時期遅くない?この間なんて2週連続で台風来たぞどうなってんだよ地球。やっぱ地球温暖化か?

 まあそんなどうでも良いことを考えながら前の週末にホビーフェスでゲットしたアーチャーのテストショットをどう料理するか考えながら家に帰って自分の部屋に行く。

 すると

 

茂「ただいまー。アメリー、ペリーヌは?」

 

 部屋にはアメリーが何故か本棚の某アニメ監督Mの雑記帳を読みながらポテチとコーラ飲みながら寝転んでた。

 

アメリー「ペリーヌさんたちは今来客と一緒にいますよ。」

 

茂「そ、でさなんで俺の本読んでんの?」

 

 

--------

 

 

 その頃ペリーヌたちはというと。

 

ミーナ「そう。順調なようね復興は」

 

ペリーヌ「ええミーナ中佐。

     今はインフラ整備を優先してますが並行して100年先まで使える都市計画を計画中です。」

 

 ミーナ、バルクホルン、ハルトマンが来ていたため応接室(普段使ってる部屋は事務室。客人を通す部屋ではない)で5人でお茶をしながら話していた。

 

バルクホルン「100年先?」

 

リーネ「100年先です。20、30年の短期的ではなく100年。

    最低でも70年は使える都市計画にする予定です。」

 

ハルトマン「へえすごいね。ところで物資とかはどうしてるの?」

 

ペリーヌ「それは…先方との約束で詳細は言えませんの。」

 

 ハルトマンがふと物資の話を出すが茂がリサイクルして作ってるとはとても言えないためやんわりと隠した。

 

ミーナ「そうなの。それじゃあそろそろ帰ろうかしら?」

 

バルクホルン「ペリーヌ、リーネ、邪魔したな。」

 

 そしてミーナ達は立ち上がって屋敷から出ようと廊下を歩く。

 

ハルトマン「それにしてもすごいよねペリーヌ。」

 

バルクホルン「ああ。まさか100年先まで考えるとはな」

 

ミーナ「まさかあんなこと考えてるなんて。」

 

 そんなことを話していると向かいから扶桑人の少年とウィッチらしき少女が何やらケースと箱をもって歩いてくるが3人は気にせずすれ違う

 

「~Deutschland, einig Vaterland~♪」

 

 カールスラント語らしき単語に気が付いたミーナは振り返るが少年たちは振り返ることなく行ってしまう。

 

バルクホルン「どうしたミーナ?」

 

ミーナ「え、ええ。なんでもないわよ。」

 

 バルクホルンの声に我に戻りこのことを忘れてそのまま基地へと戻っていった。

 だがこの次の夏、訳あって衝撃的な出会いをすることはまだ知る由もなかった。

 

---------

(Said茂)

 

茂「Und die Sonne schön wie nie~♪

  über Deutschland scheint, über Deutschland scheint~♪」

 

アメリー「茂さん、ところでさっきから何鼻歌歌ってるんですか?」

 

茂「東ドイツ国歌廃墟からの復活だよ。個人的に世界で最もカッコいい国歌の一つだと思ってる」

 

 あの後、実はやりたいことがありアメリーと一緒にあるものを持ってペリーヌのところに向かった。

 その時鼻歌で廃墟からの復活を歌ってた。

 さっき多分ミーナ中佐らしき人とすれ違ったけど大丈夫かな?

 

アメリー「ところで茂さんは何する気なんですか?」

 

茂「ん?いやいい加減こいつを撃ってみたくてな。」

 

 今日やること、それは今背中に背負ってるHK416を撃ってみる…というより本格的に銃の扱い方を教えてもらう。

 だって家にHK416があるとかおっかないもん。ちゃんと扱い方学んでから使いたいもん。

 

アメリー「そうですか。私もその中のHk何とかって気になってたんですよ。

     それに未来の銃って言うのも気になりますし。」

 

茂「なら、作るか?ガリルかG36、なんだったらAK-12でもいいぞ。」

 

アメリー「半分ぐらいなにっているか分からないんですけど。」

 

茂「まあ銃だね。アサルトライフルだけど。少なくともブレンなんかよりずっといい。

  ただ弾がなぁ…この時代存在してないし」

 

 AK-12もガリルもG36も全部弾がないんだよなぁ…5.56mmNATO弾は60年代、5.45×39mm弾は70年代なんだよな。

 大戦期はいわゆるフルサイズライフル弾の全盛期でアサルトライフルなんてこの時代に一番最初のが生まれたからなぁ…

 そんなことを考えているとペリーヌ達のいる応接室についた。

 応接室に入ると片付け中の二人に声をかける。

 

茂「ようペリーヌ、ちょっと教えてくれ。」

 

ペリーヌ「茂さん、なんですか?」

 

茂「いや、銃の扱い方についてだよ。ほら、うちHk416あるでしょ?

  あれ撃ってみたいんだよ。それに、ペリーヌも最新鋭の銃器を使いたくない?」

 

ペリーヌ「まあ確かに。ブレンはかなり重いですから最新の武器を使ってみたいですわ。

     リーネさんは?」

 

リーネ「私も最新のライフルとか気になります。」

 

茂「じゃあとりあえず基本的な銃の扱い方から教えてくれ。」

 

ペリーヌ「いいですわよ。ジャン・ポール、ここはお願いしますわ。」

 

ジャン・ポール「はい、お嬢様」

 

茂「うわ!いたの?」

 

 突然ジャン・ポールが出てきて驚く。

 いたんだ…気が付かなかった…なんかごめん。

 

 

---------

 

 屋敷の敷地内に作られた屋外射撃場につくとケースから弾薬とライフルを出してペリーヌ達に見せる。

 ペリーヌが俺に聞く。

 

ペリーヌ「で、撃つのはHk416ですわよね?」

 

茂「うん。」

 

リーネ「何度見ても思うんですけどこれ本当に銃なんですか?」

 

 するとリーネがHk416について聞いてきた。

 

茂「銃だよ。まあ明らかにペリーヌ達の知っている銃と見た目が大きく違うけど銃だよ。

  プラスチックが多く使われているからこういう見た目なんだよ。まあ現代では多くのライフルでプラスチックを使ってるから大体全部こんな風に真っ黒だよ。」

 

アメリー「へえ、そうなんですね。」

 

茂「で、プラスチックが多用されているため重さは僅か4キロと少し。

  その性能から主に特殊部隊で使われていることで有名でかの悪名高いテロリストウサーマ・ビン・ラーディンを殺害した銃でもある。

  こいつはどういうわけかHk416A5、米軍の新型ライフルとして開発されたけどその計画が予算を理由に潰されたので居場所がなくなった可哀そうな奴。」

 

 Hk416について説明する。

 

ペリーヌ「改めて説明されるとすごいですわね、これ。

     ブレンは10キロもしますから肩が疲れますわ。」

 

リーネ「ボーイズはもっとしますから…代わりの銃を作ってくれたら楽になるんですけどね…」

 

茂「作ろうか?独断と偏見で選んだ奴になるけど?」

 

ペリーヌ「え?いいんですの?」

 

茂「うん。まあリーネのオーダーだけは難しいけどそれ以外なら何とかなるよ。」

 

ペリーヌ「ではお願いしますわ。」

 

 ペリーヌから許可が出るといくつかの銃を作る。

 一応弾の規格等を合わせた方が都合いいから候補は限られるなぁ…

 

茂「まあエイッとな!」

 

ペリーヌ「で、何ができたんですの?」

 

リーネ「機関銃?」

 

 そこには黒い銃がいくつかあった。

 俺はその中から一つを取り説明する。

 

茂「えーまずこれはドイツ製H&KG36A2。

  現役ドイツ陸軍の最新鋭アサルトライフル。弾は5.56mmNATO弾。

  アダプターを付けるとSTANGマガジンも使用可能。

  規格は基本NATOなんで色々と都合がいい。

  信頼性は抜群だがアフガンで色々問題起こして現在裁判沙汰になってる。」

 

 説明したのはドイツ製H&KG36A2。最近問題起こしまくって色々ヤバいドイツ軍の最新ライフル。

 

ペリーヌ「最後が凄い気になるんですけど…というか5.56mm?威力不足ではありませんか?」

 

茂「まあ色々あったんだ、アフガンで。

  で、5.56mmは弱いと思うかもしれないけど実はこれが結構いい。

  昔は7.62×51mmNATO弾を使ってたんだけどこれがフルオートで撃つと大変なことになった。

  反動が強すぎてコントロールが難しかった。

  で、そこで弾を小さくしてみたのが5.56mm弾。

  弱いと思うかもしれないけど実際は非常に優秀。

  またマンストッピングパワーでは劣っているが弾の一部に空洞を作ることで人体にあたると弾が回転して内臓を抉るようにできてる。

  近距離でしか威力は発揮しないけどそもそも遠距離戦が減った現代ではこれで十分。

  こいつが届かないときはマークスマンライフルか機関銃の出番ということですみわけされてるから問題なし。」

 

ペリーヌ「そうなんですか。」

 

茂「それにそれでも火力が足りない気がするならグレネードランチャーつけようか?

  最近の大概のアサルトライフルはグレネードランチャーが装着できるように出来てるし。」

 

ペリーヌ「なら試しにそれもお願いしますわ。」

 

茂「あいよっせと。どうぞH&KのAG36グレネードランチャー。

  銃身の下につけるタイプのランチャーで単体でも使用可能。弾は40×46mm擲弾。

  貫通力はないけど榴弾、成形炸薬、ガス弾、ゴム弾なども発射可能。」

 

 ペリーヌに言われて作ったのがドイツ製H&KAG36グレネードランチャー。

 G36と組み合わせて使えるグレネードランチャー。

 まあ正直グレネードランチャーつけるよりかは人間工学的に疲れにくいフォアグリップつけた方がいい気がするんだけどね。それにさ、フォアグリップつけるとカッコいいし。

 次にアメリーが聞いてきた。

 

アメリー「で、これはなんですか?少しよく茂さんが言ってるAKに似てますけど。」

 

茂「そりゃあ似てるよ。だってそいつはIMIガリル。作った中では一番古いけど信頼性ではピカイチ。

  あの伝説的信頼性を誇るAKシリーズ、その異端児の一つ。

  なにせ中東の西側筆頭とも言えるイスラエル軍が中東戦争で手に入れたAKをパクってできたのがこいつ。

  AK譲りの高い信頼性にさらに命中精度と人間工学が応用されて扱いやすくなった。

  ちなみにこいつはその中のガリル・エース22。最新鋭のモデルで重さは僅か3.3キロしかない。」

 

アメリー「ところでこのギザギザってなんですか?」

 

 するとアメリーがガリルについたピカティニーレールについて聞いて来た。

 

茂「そりゃあピカティニーレールだよ。

  これにライトやフォアグリップ、レーザーポインターをつけて使う。」

 

アメリー「レーザーポインター?」

 

 今度はレーザーポインターについて聞いてきた。

 

茂「レーザーを出す機械だけど。レーザーってのは光の一種で直進性が高い。

  軍事用では誘導用や照準用に頻繁に使われてるよ。

  一応レーザーを航空機に当てるのは日本だと航空法違反だから絶対するなよ。」

 

アメリー「そうなんですか。」

 

茂「で、最後にリーネ。ハンガリー製のゲパードGM6Lynx。

  対物ライフルというジャンルでは最軽量なクセして最大10+1発装弾可能で連射力も最高とか言うバケモノ。」

 

 最後にリーネに見せたブルパップ式の独特な銃がハンガリー製ゲパードGM6Lynx。

 ブルパックで独特な見た目のクセにハイスペックな色物。

 

リーネ「なんというか…すごい見た目ですね…」

 

 まあブルパップ式は当時から(今でも)イロモノだからね…

 

茂「ブルパック式だからね。

  ボルトや弾倉がトリガーやグリップより後ろにあるのをブルパップ方式って言う。

  で、この方式を使ってる銃は現代では結構あってステアーAUGやイギリスの時々弾が出る銃剣付き紳士の棍棒やイスラエルのタボール、フランスのFA-MASとかもこの方式。」

 

リーネ「紳士の棍棒って何ですか?」

 

 するとリーネがL85のことについて聞く。

 

茂「L85。キングオブクソ銃のトップテンに入るほどのクソ銃。重い・ジャムる・弾倉外れるその他トラブルのデパート。

  ヘッケラー&コッホが介入してマシになったけどまだ色々あるらしい」

 

 L85ってまだ色々あるからね…それに英軍って銃剣突撃大好きだから…21世紀入ってからだけで20回以上やってるらしいし…流石紅茶をキメてるだけ違うわ…

 

茂「間違っても欲しいとか言うなよ。おすすめはしないから。うん。」

 

リーネ「は、はあ…」

 

茂「まあこれで揃ったことだしじゃあ撃ち方教えて?」

 

 これで全員分の説明が終わったので本題の射撃をペリーヌに教えてもらう。

 

ペリーヌ「ええ。まず、構えてみて。」

 

茂「こうか?」

 

 とりあえず言われた通り肩に銃床を当て、左手でフォアグリップを持って右手でグリップを保持して構えてみる。

 

ペリーヌ「あら、筋はいいのね。だけどここと、ここ。それにここがダメね。

     そんな撃ち方すれば身体を壊してしまいますわ。」

 

 その構えを見たペリーヌが俺の身体を動かして修正する。

 

茂「えっと…これで良いのか?」

 

ペリーヌ「ええ。あ、耳栓はしてください?」

 

 最後にペリーヌが耳栓を渡してそれをつけてから構える。そしてHK416の安全装置を解除、セミオートにして撃ってみる。

 

パン!

 

茂「く…反動が意外と強いな…」

 

 弾は派手に外れる。それにしても意外と反動が強いな。

 

ペリーヌ「まあ初心者にしては上出来ね。感想は?」

 

 するとペリーヌが感想を聞いて来た。

 

茂「意外と大変なんだな射撃って。ただこれは病みつきになりそう…」

 

ペリーヌ「そう。それは良かったですわ。

     リーネさん、ついでに私たちも久しぶりに撃ってみましょうか。

     腕が落ちてますでしょ?」

 

リーネ「そうですね。」

 

アメリー「賛成です!」

 

 するとペリーヌたちが俺が作った銃を持って射撃の準備を始めた。

 あ、良いこと思いついたぞ。

 

茂「じゃあ4人で誰が一番多く的に当てられるか勝負するか?それぞれ10発ずつで。

  勝ったら好きなもの一つ作ってやる。俺が勝ったらペリーヌ、一週間休ませろ。」

 

ペリーヌ「いいですわ。あとでば泣きを見ても知りませんわ」

 

 ふふ、休みのためだ。レーザーポインターもあるから勝てそう。

 

 

 

 

 

 

 リーネ半端ないってもー!あいつ半端ないって!ゼロインしてない銃でめっちゃ弾ど真ん中に当てるもん!そんなんできひんやん普通、できる?できるんやったら言っといてや、できるんやったら…

 やっぱいくら扱い慣れてない銃渡しても現役軍人には勝てなかったよ…

 この後リーネに無茶苦茶紅茶の茶葉を作った。




・NRA
アメリカ最大のギャング集団、又の名をアメリカライフル協会という。
正直アメリカの犯罪の9割はこいつらさえいなければなくなると思う。
でも銃規制されるとそれはそれでロマンが…
とりあえず何でもかんでも銃で解決しようとする考えはダメだと思う。

・アーチャーのテストショット
某スマホゲームのキャラクターのフィギュア…ではない。
静岡の某T社が出したアーチャー対戦車自走砲のテストショット。
会場限定先行販売という響きに乗せられてホイホイされた人…私です。(小遣いないのに買ってしまった)
静岡で16式は買ってないぞ!本当だからな!罪には自衛隊なんて一台も入ってないからな!

・Mの雑記帳
某M監督の妄想作品。めちゃくちゃ面白い。某ナントカで破廉恥な豚の原作もこれ。
とりあえず泥の中の虎の映像化してくださいお願いします何でもしますから(何でもとは言ってない)

・廃墟からの復活
東ドイツ国歌。カッコいい。赤とプロシアが混ざった名曲。
というか東ドイツはプロシアと赤が混ざった結果神曲しかない。
そこ、エロゲーとか言わない。
とりあえず東側の歌には著作権ないから多分大丈夫…


最後は今流行りの大迫半端ないって。時期違う(半年以上前)けどリーネの射撃の腕を言うならこれが一番だった。


どーでもいいけどさ、なんでウィッチって陸軍の軍服(フェルトグラウは陸軍とSSの服。空軍はフェルトブラウ。なんで実は伯爵とエーリカが一番規定通り軍服着てる)着て、SSの規定(カフタイトルを左腕につけるのはSSの規定。国防軍は右腕)でカフタイトルつけてるんだろ?


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誕生日パーティーは突然に

糖分要素なんてねえぞ。

3期どうすりゃええんや…


茂「え?アメリーの誕生日を祝いたいから手伝って?」

 

ペリーヌ「はい。アメリーの誕生日は11月18日ですの。」

 

 ある日、来月の期末テストの勉強をしているときのこと。

 突然ペリーヌが言いだした。

 

茂「18日って次の土曜じゃん。

  今日水曜だぞ。」

 

ペリーヌ「分かってますわ。

     思い出したのが昨日でしたの…」

 

 ペリーヌが気まずそうな雰囲気を出して言う。

 

茂「アホだな。」

 

ペリーヌ「ええ。そうですわね。あなたには言われたくないけど」

 

茂「あ?この間の中間で英語で90点台出したんだが?」

 

 ペリーヌに返す。この間の中間テストではリーネたちが来たせいで必然的に英語の使用量が増加した結果否が応でも英語力が爆上げしました。

 それまでは英語は赤点ギリギリでしたが一気に学年トップテン入りしました。

 数学?化学?物理?聞くな、赤点ギリギリだから。

 最近はフランス語も習ってます。理由?なんとなく。以上

 

ペリーヌ「それはよかったですわね。で、参加するのかしら?」

 

茂「まあね。だってアメリーだし。」

 

ペリーヌ「そうですわよね。茂さんはアメリーさんのことが気になってるんですわよね。」

 

茂「え?」

 

 ペリーヌ、今なんて言った?というか何で知ってるの?

 

茂「おい!それどこで聞いた!」

 

ペリーヌ「聞いたも何も普段から「アメリー可愛い」とか言ってたりアメリーを目で追ってたりしてたらバレますわよ。

     幸いアメリーさんは知りませんけど。」

 

 ペリーヌにつかみかかって聞くとどうやら行動とか言動でバレてたらしい。

 身に覚えがある。

 

ペリーヌ「大丈夫ですわよ。

     アメリーさんと付き合いたいのなら私たちは応援しますわ。」

 

茂「いいのか?」

 

ペリーヌ「ええ。」

 

 こっちは初恋だからなぁ…童貞だし。

 ペリーヌ達に助けてもらわないとDT返上なんて無理だよな…

 

茂「ならお願いします!アメリーと付き合いたいです!

  お願いします!何でもとは言いませんけどなんかするから!」

 

 とりあえずペリーヌに土下座する。

 それにペリーヌは若干引く。

 

ペリーヌ「茂さん、一つ聞きますけど貴方どうしてアメリーさんと付き合いたいのかしら?」

 

茂「まあ、その、可愛いし、気が弱いところが好きだし、控えめだし可愛いし、とにかくかわいい」

 

ペリーヌ「単純ですわね…まあいいでしょう。」

 

 正直に言うとペリーヌが若干引く。てめえが聞いたんだろ?

 

ペリーヌ「あ、この件はアメリーには秘密ですわよ、サプライズでやりたいですから」

 

 最後にペリーヌが付け足すとこの件は終わりになった。

 

 

---------

 

 

 そしてアメリーの誕生日になった。

 二階にある自分の部屋から降りてリビングに行くといつものようにリーネとアメリー、それに母さんが朝食を作ってた。

 普段から向こうにはたった4人しかいないから食事などはこっちでしてもらってる。

 すると気が付いたアメリーが手にハーブティーを入れたポットを持ってご機嫌な様子で話しかけてくる。

 

アメリー「あ、茂さん!おはようございます!」

 

茂「ん、休日の朝からうるさいよ」

 

 土曜の朝だって言うのにうるさいよ。

 

アメリー「茂さん、今日何の日か知ってますか?」

 

茂「クルセイダー作戦が開始した日でガイアナジョーンズタウンで人民寺院の915人が集団自殺した日だろ。」

 

アメリー「…酷いです…」

 

 正直に答えたら何故かアメリーがへこんだ。

 間違ってはいないだろ、間違っては。

 すると続いて寝癖が付いて優雅とは程遠い状態のペリーヌが来た。

 

ペリーヌ「おふぁようございます…」

 

 欠伸をしながら挨拶する。最近はこういう優雅とは程遠い素ともいえる姿見せてくれるのはいいけどもうちょっとしっかりしてくれ。

 

アメリー「おはようございます!ペリーヌさん!」

 

ペリーヌ「おはようアメリー。朝から元気ね」

 

 こちらもアメリーが元気よく挨拶する。

 

アメリー「はい!ところでペリーヌさん、今日何の日か知ってますか?」

 

ペリーヌ「今日?確かミーナ中佐たちとアラスで会う予定がある程度ね。

     アメリーにもついてきてもらうわよ」

 

 で、やっぱりあの質問をするがペリーヌははぐらかして外に連れ出す用事を伝える。

 

アメリー「は、はい…」

 

 それを聞いてアメリーが落ち込む。ヤバくね?

 

茂(リーネ、あれ不味くない?)

 

リーネ(多分不味いですよ。まあペリーヌさんがどうかしてくれると思いますよ?)

 

茂(リーネ、お前ナチュラルに結構きつい事言ってるぞ。)

 

 リーネがしれっと結構きついこと言ってる…

 最近リーネが結構腹黒いんじゃないかとか思い始めた…

 

 

---------

 

 

 ペリーヌとアメリーがアラスに行っている頃、俺とリーネはパーティーの準備をしていた。

 そしてその準備は固有魔法のおかげで10時ごろまでには終わってしまった。

 

茂「リーネ、暇だな」

 

リーネ「そうですね~」

 

 暇だ。模型出来ないし勉強する気にはならないし。

 

茂「映画かアニメでも見るか。リーネも見るか?」

 

リーネ「別にいいですけど何見るんですか?」

 

 リーネもいいらしい。

 何見ようかねえ…

 

茂「どれ見ようかねえ…

  ダ○ケルクにバトルシッ○にスターウォ○ズ、シン○ゴジラ、コマンド○、遠すぎた○、プライベート・ライア○、レ・ミゼラブ○、ハクソー○リッジ、FUR○、フルメタル○ジャケット、ヒトラー最後の1○日間、スターリ○グラードの93年版と2002年版、ハドソン川の奇○、父親たちの星条○、硫黄島から○手紙、○本のいちばん長い日、終戦○エンペラーとかもあるしなぁ…

  アニメでも劇場版ストパンとか劇場版ガルパンとかもあるしなぁ…

  どれ見たい?」

 

リーネ「別にどの映画でもいいですよ?」

 

 どれでもいいらしいのでテレビ台の下のDVDラックからDVDを取り出す。

 

茂「久しぶりにこれ見ようか。劇場版ガルパン。」

 

リーネ「劇場版ガルパン?」

 

 劇場版ガルパンが分かんないか~布教し甲斐があるな~

 

茂「手っ取り早く説明するとガルパンはいいぞの一言です。

  じゃあ見るぞ」

 

 ディスクを取り出して再生する。

 

 

   ~2時間後~

 

 

茂「感想は?」

 

リーネ「なんか色々凄いです…

    あとミーナ中佐とかエイラさんとか芳佳ちゃんと声がそっくりな人出てません?」

 

 そういや中の人が同じキャラそこそこいたな。

 

茂「そう、ついでにアニメ版も見よう」

 

 

~ぶっ通しで見ること5時間後~

 

 

リーネ「ガルパンはいいぞ」

 

 やったぜ。布教成功。

 ただもう5時半じゃねえか。というか7時間ぶっ通しでガルパン見てたのかよ。

 

茂「あー、なんかもう5時半だけど…」

 

リーネ「確かペリーヌさんたちが戻ってくるのって6時ぐらいですよね?」

 

茂「ちょうどよく時間潰れたな」

 

 ペリーヌ達は予定だと6時ぐらいに帰ってくる予定だから丁度良く時間がつぶれた。

 

茂「そういやプレゼント用意してなかったな…」

 

リーネ「え?私は用意してますよ。

    実家で取り扱っているティーカップですけど」

 

 そういやアメリーにあげるプレゼント用意していなかった…

 どうしようか…

 

茂「どうすればいいと思う?リーネ?」

 

リーネ「どうしましょうか…花束とかどうですか?」

 

茂「無理。花粉症。」

 

リーネ「ティーポットはペリーヌさんと被りますよね…

    服は?」

 

茂「好み分からない上にファッションセンスゼロですが何か?」

 

リーネ「…お金?」

 

茂「急に生々しくなるな。まあこの世に金貰って嬉しくない奴はいないよな。

  でもさ、日本円向こうじゃ使えないぞ。」

 

リーネ「リベリオンドル建てで作ればいいんじゃないですか?」

 

茂「それに気が付いたんだが向こう、物資不足で買えるようなものないだろ」

 

リーネ「あ、確かに。詰んでますよね?」

 

茂「詰んでる。」

 

 リーネと話し合ったけど何にも出てこない。

 マジでどうすりゃいいんだ?

 そんなことを話しているとジャン・ポールがやって来た。

 

ジャン・ポール「リーネ様、茂様、お嬢様とアメリー様がお戻りになられました。

        準備をお願いします。」

 

 帰ってきたらしい。

 急いでリーネと共にクラッカーの用意をして屋敷側の会場のドアのそばに隠れて準備する。

 そして開くとクラッカーを鳴らして

 

「「アメリー!誕生日おめでとう!」」

 

アメリー「ふぇ!?」

 

 アメリーは驚いて突っ立っていた。

 一瞬遅れてアメリーはやっと状況を理解する。

 

アメリー「え!誕生日だって覚えていてくれてたんですか?!」

 

ペリーヌ「ええ。だからサプライズで祝おうと思ったんですの。」

 

リーネ「ペリーヌさんの発案なんですよ?

    サプライズパーティーをしようっていうのは」

 

 アメリーにリーネが内情を教える。

 というかこれペリーヌ発案なんだ。

 

アメリー「そうだったんですか?」

 

ペリーヌ「ええ。誕生日おめでとう、アメリー」

 

アメリー「ペリーヌさん!一生ついて行きます!」

 

 アメリーが感動して泣きながらペリーヌに抱き着く。

 そこまで感動するかよ。

 この後まあ色々あって歌歌ったり、母が乱入してプレゼント持ってきたりケーキ食ったりしてプレゼントを渡すことになった。

 

ペリーヌ「私は兎の柄が描かれたティーポットですわ。

     大切に使ってください。」

 

 最初にペリーヌが横25×縦20×高さ20㎝くらいのラッピングした箱を渡す。

 ティーポットらしい。

 

リーネ「私はティーカップのセットです。」

 

 次にリーネが横20×縦15×高さ15㎝くらいのラッピングされた箱を渡す。

 ティーカップのセットって…家に腐るほどカップあるぞ。

 

アメリー「ありがとうございます!大切にします!」

 

ペリーヌ「喜んでくれて良かったわ。」

 

 アメリーがまた感動してる。

 喜怒哀楽が激しいなぁ…

 

アメリー「あの…茂さんは?」

 

 アメリーが聞いてきた。

 こうなるともうあの手しかねえな…

 

茂「その…大変申し訳ございませんでした!」

 

アメリー「え?」

 

茂「誕生日プレゼントを用意するのを忘れていました。

  許してください!何でもしますから!」

 

 アメリーに聞かれたので土下座して謝る。

 これ以外手段が見つからなかった。すまん。

 

アメリー「忘れた…」

 

 アメリーはショックを受ける。

 本当にごめん。

 

アメリー「茂さん…最低です」

 

 本当に申し訳ございませんでした。

 とりあえず暫く土下座して謝ってからペリーヌに話しかける。

 

茂「なぁ、例の話は…」

 

ペリーヌ「無しね。最低ですわよ、パーティー開いたのにプレゼント用意してないなんて」

 

 本当に申し訳ございませんでした。




リーネちゃん、ガルパンお姉さん化。すまん…

3期さ、どうすればいいんだろうね…
劇場版の直後に色々させるつもりだからそれがもしかしたら破綻するかも…


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聖夜の密談はコタツの中で

話が滅茶苦茶飛びます。
今後の話に関する話し合い回でもあります。

さてと、ホビーショーどうするかね?


茂「ああ…あったけぇ…出たくない…」

 

ペリーヌ「出てきなさい!いつまでコタツに入ってるんですか!

     リーネさんとアメリーさんも何か言ってください!」

 

リーネ「茂さんミカン取ってください。」

 

アメリー「私の分もお願いします」

 

 12月半ば、期末テストも返されて英語で98点取って大喜び(理数系は聞くな)しているある日、リーネとアメリーと共に引っ張り出したコタツに入りながら映画「日本○いちばん長い日」を見ているとペリーヌが呼びに来た。

 出てたまるかよ、今年ラニーニャ現象で冷夏で暖冬だったはずなのに全然あったかくねえじゃねえかよ。

 というかまずカレーの方が寒いじゃなねえか、雪降ってんだぞ雪。

 大阪は台風が夜中に通過するものレベルで気象災害とは無縁の地域な上に冬場は寒いだけで雪なんてほぼ降らない。

 なので割と東京が高々10センチの雪で大騒ぎするのを大笑いして見てるようなもんです。

 

ペリーヌ「堕落してますわよ!はぁ…坂本少佐がこれを見ればどうなることやら…」

 

茂「ペリーヌも入ろうぜ。

  もう二度と出たくなくなるほど良いものだぞ、炬燵は。」

 

アメリー「あったかいですよ〜」

 

ペリーヌ「だ、誰が入りますか!」

 

茂「神は言っている、コタツに入れと」

 

ペリーヌ「それはあなたの神が言ってるますのよ、というか茂さん!

     サトゥルヌスの準備がありますから出てください!」

 

 ペリーヌが俺を無理やり引っ張り出そうとする。

 なんだよ人が気持ちよくコタツでゴロゴロしてるのに。

 

茂「ヤダヤダ出たくない!助けて意地悪な貴族様がいじめてくるー!」

 

ペリーヌ「いつまでふざけてるのですか!トネール!」

 

茂「ギャー!」

 

 

---------

 

 それから少しして。俺はペリーヌの屋敷の庭でサトゥルヌスの準備としてツリーを見繕っていた。

 多少ふざけていたら(穏当な表現)してたらペリーヌがトネール食らわして来た。

 で、現在サトゥルヌスの準備中なんですがサトゥルヌスってなんすか?

 調べたらゴヤの名画が出てきたんですが

 

茂「ペリーヌ、凄いしょうもない話するけどサトゥルヌスって何ぞや?

  調べたらゴヤの我が子を食らうサトゥルヌスが出てきたんだけど子供を食う祭りじゃないよな?」

 

ペリーヌ「ゴヤのあの作品とは全く関係ない、とは言い切れませんけど基本的にそちらの世界のクリスマスと大して変わらないイベントですわよ。」

 

 なんだクリスマスと一緒なのね。

 

茂「そーなの。じゃあまさかプレゼントも…」

 

ペリーヌ「ええ。アメリーさんにプレゼント渡すなら次がチャンスですわよ」

 

 とりあえずペリーヌにプレゼントのことを話す。

 

茂「ところでアメリーには何渡せばいいんですか?

  女の子にプレゼントなんて渡したことないです」

 

ペリーヌ「そうですわね…うーん、そうだお茶菓子なんてどうかしら?

     我々の世界には甘いものはあんまりありませんし」

 

 菓子か!花より団子だもんな!

 

茂「そうだな、和菓子の詰め合わせとか?」

 

ペリーヌ「そういうのがいいですわね」

 

 よし、お菓子の詰め合わせで決定。

 ただなんかねぇ…お中元ぽいのは気のせいか?

 まあそう言う細かいことは気にする気は無いが。これ以上考えたらあの時の二の舞だし。

 するとペリーヌがため息をつく。

 

ペリーヌ「はぁ…ガリアが解放されて早3ヶ月、茂さんのお陰で復興は想像以上の速度で進んでいるとはいえ人がいないですわね…

     このツリーを見てくれる子供も片手で数えるほどしかいないですわね…」

 

茂「そうだな」

 

 ペリーヌが飾られた立派なツリーを見ながら言う。

 労働者と兵士以外だとほとんど民間人はいないからな…

 ドーバー・カレーの連絡船が復旧してないしインフラは軍が優先、金も物資も何もかもが不足してるからな…

 史実でも戦後フランスは経済が崩壊して鉛筆と紙を手に入れるだけでも苦労したなんて話聞くし。

 

茂「まあ来年はきっと良くなるさ。

  劇場版とかOVAでもそこそこ良くなって人も多かっただろ?」

 

ペリーヌ「その通りなればいいですけど…

     この世にはバタフライエフェクトってあるでしょう?

     ニューヨークの蝶の羽の瞬きが北京で竜巻になるようにその通りにならなければいいんですけど…」

 

 バタフライ効果か…考えたらだいぶ不味いな…

 

茂「なあペリーヌ、そういや今まで来年の予定考えてなかったよな?

  どうする?劇場版とかOVAとか2期とか」

 

ペリーヌ「ええ、どうしましょうか?

     正直なところ本来の歴史に介入して良いのかしら?

     犠牲が出ることを知っていて、結果とそうなる経緯を知っていると介入したくなりますけどそうなれば蝶が瞬くだけで済まないことぐらいは承知してますわ。」

 

茂「瞬かず蜘蛛に襲われるのを待つか、飛び立って蜘蛛から逃げるのか、別の蜘蛛に襲われるか、鳥に襲われるか、どれを選んでも不味いな。

  どうする?俺はこう言う小難しいことは分からん。

  ペリーヌに任せる。」

 

 介入するか否か、こう言う問題はペリーヌに任せる。

 他国民が介入したら内政干渉だ。外交問題になるぞ。

 

ペリーヌ「あら、茂さんもなかなか詩的なことを言うのね。

     どれかを選ぶなんてここで話せる事ではないでしょう?

     リーネさんとアメリーさんの意見も必要よ」

 

茂「あの二人の意見も必要だよな。

  準備も終わったし戻ろ、こたつに還りたい…」

 

-----------

 

ペリーヌ「というわけで二人の意見を聞きたいの。

     歴史に介入するか否か、どうかしら?」

 

 部屋に戻ったペリーヌは炬燵に入ってリーネとアメリーに今後の話をする。

 それに二人は悩んでいるようだ。

 

ペリーヌ「あくまでこれは私の意見であってあなたたちが従う必要はないわ。

     それにもしあなた達が反対なら私もこのことは忘れるつもりよ。

     このことは下手をすれば茂さんの存在が露見するだけでなく私たち自身の身も危ないことを重々承知して意見を聞きたいの」

 

 ペリーヌが悩む二人にあくまで二人が反対するならこんなことを忘れるという。

 そしてその危険性も説明する。

 それを聞いて二人が決断する。

 

リーネ「ペリーヌさん…私は、ペリーヌさんの意見に賛成です。

    このままだと何人もの人たちを見殺しにすることになります、私にそんなことはできません…

    だから助けられるなら助けたいです!」

 

アメリー「私も同じです。

     見殺しになんてできません!できるだけの事をしたいです!」

 

ペリーヌ「リーネさん、アメリーさん…」

 

 二人は賛成だった。

 

茂「よーしこれで決まりだな、で具体的に何するんだ?」

 

ペリーヌ「そうですわね…まず介入が容易そうな劇場版から行きましょうか。

     具体的に何をしましょうか?」

 

 早速具体的な計画を立て始めた。

 まず劇場版から。

 

茂「そうだな…お前らは正史通り介入するのはいいけどそれだけじゃ足りないよな」

 

アメリー「ですよね…ネウロイの巣を攻撃すれば別だと思いますけど」

 

茂「巣の攻撃か…それならたぶん行けるぞ。

  ロシアのイスカンデルとかトーポリMは慣性誘導だからGPS衛星も何も必要ないから位置と正確なデータさえあれば攻撃できる。」

 

 確かイスカンデルとトーポリMは慣性誘導だからGPSも何もいらずに攻撃できる。

 ただ命中率はよくないが。

 

ペリーヌ「なんですかそれ?」

 

茂「ロシアの最新鋭短距離弾道ミサイルとICBM。

  核だって積めるぞ」

 

リーネ「茂さん、お願いですから核だけはやめてください」

 

 ペリーヌがイスカンデルとトーポリMが分からないんで説明する。

 どちらもロシアの最新鋭弾道ミサイル。

 弾道ミサイルなんで簡単には迎撃できないしそもそも宇宙空間飛んでる。

 

ペリーヌ「とりあえず劇場版は先んじてネウロイへの先制攻撃としてトーポリMとイスカンデルを使用するでいいかしら?」

 

茂「それがいい。

  後ついでだがこれもトラヤヌスとかに使えるぞ。

  ここの近くの森を拠点にするならトーポリMとかならそこからヨーロッパ中どこへでも攻撃可能だ」

 

 イスカンデルは射程400キロだけど距離の単位が小さいヨーロッパなら結構遠くまで攻撃できる。

 

茂「一応グーグルアー○でイスカンデルの射程測定してみたらここからなら大体コブレンツ郊外辺りかドルトムントまで攻撃できる。

  劇場版用なら十分だろ」

 

ペリーヌ「ええ。問題はトラヤヌス用。

     ここからヴェネチアまで直線距離で1000キロ、トーポリMの方は?」

 

 とりあえず距離を測定したらここからならドルトムントまで攻撃できる。

 その代わりヴェネチアは攻撃できないけど。

 

茂「10000キロから11000キロ程度。」

 

ペリーヌ「十分すぎるわね。」

 

茂「ただ弾頭が核。通常弾頭に変えればどうにかなるだろうが費用対効果が悪いぞ」

 

ペリーヌ「そこまでは気にしてないわ、攻撃できて十分な効果を出せれば十分よ」

 

茂「そうだな。パイロットがいれば爆撃機とかJDAMを運用できるんだが…」

 

ペリーヌ「そうですわね…

     シャーリーさんはパイロットライセンスを持ってますけど無理ですわね」

 

茂「ああ。現状はこれが一番か」

 

 とりあえず二人で話し合い現状をまとめペリーヌが結論を出す。

 

ペリーヌ「とりあえず当面は

     ・イスカンデルとトーポリMの運用慣熟

     ・それによるネウロイへの攻撃

     ・運用拠点の確保

     の三つ、それに茂さんを飛べるようにするのが優先ですわ」

 

茂「え?ちょっと待って、最後のなに?」

 

 最後俺を飛べるようにするとか聞こえたんすが。

 俺がユニット使えるようにするのか?誰が見るんだよそんなもん。

 

ペリーヌ「そのままですわよ。

     使い魔が鳥なんですから飛べますわよね?」

 

茂「無茶苦茶すぎない?」

 

 強引すぎるよ。

 

ペリーヌ「大丈夫ですわよ、訓練は私たちがしますし道具一式はあなたが自前で調達できますでしょ?」

 

茂「無茶苦茶すぎるよ…第一いつやるの?」

 

 うん、毎日忙しいのにいつやるって言うんだ?

 

ペリーヌ「あら、明々後日終業式でそれから2週間冬休みでしょ?」

 

茂「デモーフユヤスミハイロイロアルカラクンレンナンテデキナイデスヨ?」

 

ペリーヌ「両親がコミケで3日間いなかったりそもそも予定なんて殆どないでしょ?」

 

 なんでペリーヌが冬休みの予定知ってるんですかね?

 というか母さんたち今回もコミケ行くんだ…

 まーた変な薄い本が増えるよ…ただせめてR18本はちゃんと片づけてくれ、たまにリビングの机の上に置かれてるのは気まずすぎる。この間なんてペリーヌが見つけて酷い目に遭ったよ…

 

茂「でも、ユニットないでしょ?」

 

 一応ここにはユニットは一機もない。

 なんでか?使わないだろ?

 

ペリーヌ「作ればいいじゃない」

 

茂「何そのパンが無ければケーキ食えば良いじゃない的発想」

 

 さも当然のように俺が作れとか言ってきた。

 いや、いくらストパンの画集持ってたりしてもそれはないよね?

 ペリーヌって結構傲慢で無茶苦茶なことたまに言う気が…

 

ペリーヌ「あら?茂さん何か失礼なこと考えてないかしら?」

 

茂「ナンデモナイデス」

 

 怖いよペリーヌ。

 あーあ、俺の冬休みどうなるんだろうねー




実は静岡ホビーショーと2期六話の話って日付が近い(2018年度の場合5月10日から13日までの4日間、内一般公開日は12・13日。6話は5月16日までの数日間)

茂にユニット使わせるのは割と初期から考えてるネタです。
ただユニットは現代の技術でエンジン以外塗装に使う塗料まで全部魔改造予定


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飛行訓練(強制・拒否権無し)

かなーり適当な話。
これ終わったら一気に2月まで飛ぶ(ペリーヌ誕生日回)
ペリーヌ誕生日回終わらせたらトラヤヌス作戦支援でトーポリぶち込む話になるのか?


茂「俺の冬休み…冬休みが…」

 

アメリー「茂さん、早く習得すればそれだけ休みも増えますから、ね?」

 

茂「そういう問題じゃないんだよな…」

 

 あれから数日後、終業式があった日(地味にクリスマスイブ)の午後、俺はアメリー、ペリーヌ、リーネと共にペリーヌの屋敷の一角にいた。

 なんでか?あの飛行訓練マジでやる気なんだよ。

 

ペリーヌ「さてと、茂さん、ユニット4機と発進台用意してくださらないかしら?」

 

茂「はいはい、ほいっとな。」

 

 言われた通りにユニットと発進台を用意する。

 ユニットはウルトラマリン4機とVP何とか1機、塗装が違ったり主翼の先がちょっと違うけど。

 

茂「これで満足か?」

 

ペリーヌ「ええ。茂さんのことですから側以外全部改造されてるんでしょうね?」

 

茂「そうだよ。

  機体全体の素材を複合素材に変更、迷彩を現代のロービジ塗装に、電波吸収塗料にしてステルス性を向上、主翼の先にシミタール・ウィングレットを追加して機動性を向上させて長距離飛行用にINSも装備してみた」

 

 どうせ性能向上を求められるだろうから先手を打っていじくりまわして大改造してみた。

 どんな改造かと言うとまずユニットのエンジン以外の部材の全てを複合素材、つまるところ軽量で頑丈な炭素繊維に変更、これで重量を半分以下に削減。

 さらに塗装を現代のロービジ塗装とステルス機用の電波吸収塗料にしてステルス性と低視認性を追加、さらに主翼の先に最近のエアレースでよくつけられてるウィングレット(ただし形状はエアレース機ではなくボーイング737MAXがモデル)を追加した。

 ウィングレットの追加で空気抵抗と翼端渦が軽減、これで燃費等が向上する、はず(ウィングレットつけたエアレース機は結構いるけどシミタール・ウィングレットじゃない)

 で機体の重量が軽くなったんでそこに長距離飛行用にINS、慣性航法装置を搭載してみた。

 INSは使い方と正確なデータさえ打ち込めば正確な位置を出してくれるからね。

 

ペリーヌ「それってつまり現代の航空機の最新技術を使って大改造したって事でいいのかしら?」

 

茂「そう理解して構わん。

  もしこれがスピットファイアならリノのアンリミテッドクラスで優勝できるようなバケモノだよ。」

 

ペリーヌ「形式名をつけるとしたらウルトラマリンスピットファイアMkⅨアンリミテッドですわね」

 

茂「アンリミテッド…無制限タイプって結構ヤバイな…

  というかカッコよすぎる…」

 

 俺の話を聞いてペリーヌが名前をつけた。

 まあ改造機ってだけよりむしろこっちの方がいいな。

 アンリミテッドとかカッコ良すぎて痺れるぜ…

 

ペリーヌ「それじゃあどうしましょうか?リーネさん、アメリーさん、先に飛ばしてみますか?」

 

リーネ「いいんですか?」

 

ペリーヌ「ええ、茂さんが使うのはスピットファイアですから。

     それにどれだけ性能が変わっているか見てみたいですし」

 

茂「うん、それにまだ死にたくないし」

 

リーネ「え?爆発するんですか?」

 

茂「改造したけど安全を確認できないってやつだ。」

 

リーネ「ええ…」

 

 なんかリーネが引いてるけど実際そうなんだよな…

 いくら改造しても安全基準に達しているか確認できないんだよな…

 

茂「リーネ、選択肢は二つだ、自分で飛ぶか無理矢理飛ぶかだ」

 

リーネ「それ選択肢ないですよね?」

 

茂「そうだよ。

  飛んだら最高級紅茶やる」

 

リーネ「分かりました…やりますよ…」

 

 必死の説得で何とかリーネの首を縦に振らせた。

 で、リーネはユニットを履いて離陸する。

 

ペリーヌ「リーネさん、どうですか?」

 

 離陸してからは地上から無線機(デジタル式。なんで出力とか雑音のなさは比べ物にならない)でペリーヌが呼びかける。

 

リーネ『ペリーヌさん!すごいですよ!

    速さも加速も機動性も段違いです!

    それに軽くなって扱いやすいです!』

 

茂「そうか」

 

 リーネの話によると期待通りの性能を発揮してるらしい。

 やったぜ。

 

茂「じゃあ後はペリーヌとアメリーがテストフライとして俺は部屋で模型…」

 

ペリーヌ「茂さん、何しれっと逃げようとしてるのですか?

     逃がしませんよ?」

 

 どさくさに紛れて模型部屋に逃げようとしたらすぐにペリーヌに捕まった。

 なんでだよ。

 

茂「いやだいやだ飛びたくない!害虫のように地べたを這いずり回りたい!」

 

ペリーヌ「いつまで言ってるのですか!

     あなたに拒否権はありませんわ!」

 

茂「助けてアメリー!意地悪な貴族様がいじめてくるー!」

 

アメリー「茂さん、早く飛びましょう!」

 

茂「裏切り者!」

 

 なんか二人に前後挟まれてユニットのところまで引っ張られた。

 畜生覚えてろ。

 で、そのまま無理矢理足を自分用のユニットに入れられて使い魔の耳と羽が出て、さらに下に青い紋章が出てきた。

 

茂「えーと、これでいいのか?」

 

ペリーヌ「ええ、これで問題ないですわよ。

     とりあえずユニットにもっと魔力を流してみてください」

 

 

茂「え?流すってどうやって?」

 

 流すってどうやってやるの?

 

ペリーヌ「どうって…そうね、念じてみればいいのかしら?」

 

茂「またそれかよ」

 

 とりあえず念じてみた。

 するとエンジンが回って美しいロールスロイス製エンジンの至高の調べが聞こえてきた。

 

茂「ロールスロイス製エンジンの至高の調べだ…」

 

ペリーヌ「ダンケルクね。

     とりあえずユニットも回ったことですし私について離陸しなさい。」

 

 気が付いたら隣でペリーヌが同じようにユニット履いてた。

 離陸しろというけどそれはそれで不安だよ。

 

茂「いや、怖いんだけど。

  いきなり単独で飛べと?」

 

ペリーヌ「大丈夫よ、私が手を握って差し上げますから」

 

 不安を口にしたらペリーヌが手を差し出した。

 とりあえずペリーヌの手を掴む。

 

アメリー「茂さん、一応離陸の見本をやりますから見ていてください」

 

 すると今度はいつの間にかユニット履いてたアメリーが見本として横から離陸する。

 

ペリーヌ「では、茂さん、あんな感じで離陸しましょうか」

 

茂「お、おう…」

 

 ペリーヌの左手を必死で掴みながら二人で見よう見まねで離陸する。

 離陸してとりあえず巡航高度まで上昇しようとする。

 

ペリーヌ「茂さん、どこまで上昇する気ですか?」

 

茂「最低1500」

 

ペリーヌ「1500mですか?」

 

茂「いやフィート。というか1万まで上昇したい」

 

ペリーヌ「何でそこまで上昇する必要があるのかしら?」

 

茂「いや、このあたりの最低降下高度分かんないし」

 

ペリーヌ「最低降下高度?」

 

 ペリーヌが再抵抗降下高度で首を傾げる。

 まあメーデー民ぐらいしかこの意味わかんないしその怖さも理解してないからね。

 

茂「滑走路を目視できるまでそれ以上降下してはいけないって高度。

  それより下がると何かとぶつかる可能性がある。

  これ守らなかった結果大惨事になったこと一杯あるから。」

 

ペリーヌ「え…大惨事?」

 

茂「大惨事、例えばクロスエア3597便とかポーランド大統領専用機とか。

  どっちもわざと無視して霧とか雲の中の森や山に突っ込んだ。

  特にポーランドの場合政府の要人400人のうち100人が一度に死んだ」

 

ペリーヌ「え…」

 

 なんか引いてるけど大惨事だからね?

 二人でとりあえず安全な高度まで上昇するとリーネとアメリーが寄ってきた。

 

リーネ「茂さん、大丈夫ですか?」

 

アメリー「何か問題ないですか?」

 

茂「多分大丈夫…」

 

ペリーヌ「ええ、問題ないみたいよ。

     それじゃあ私の手を放して一人で飛んでみて」

 

 二人に返事すると今度はペリーヌがまだペリーヌの左手を掴んでる右手を放せと言ってきた。

 

茂「え?怖いんだけど」

 

ペリーヌ「大丈夫よ、何かあればすぐに助けますから」

 

茂「ほんと?」

 

ペリーヌ「なに疑ってるのよ」

 

茂「いや、怖いもんは怖いし…」

 

ペリーヌ「大丈夫だから」

 

 ペリーヌの説得で恐る恐る手を放してみる。

 

茂「ひ…えっと、飛べてる?」

 

 話してみたらそのまま真っ逆さまに落ちるわけでもなくとりあえず飛べてる。

 

リーネ「大丈夫みたいですね。」

 

ペリーヌ「じゃあ、私に続いて飛んでみてください」

 

茂「は、はい…」

 

 とりあえずペリーヌについていって旋回したり上昇したり降下したりをそれから15分ほど繰り返した。

 それが終わるとまたペリーヌの手を掴んで着陸した。

 

茂「じ、地面だ…」

 

ペリーヌ「地面に着いたのですから手を放していいわよ。

     それと、どう?空を飛んでみて」

 

 地面につくとペリーヌが感想聞いてきた。

 

茂「変なアドレナリン出すぎてヤバい。

  後変な筋肉使ったみたいで身体中が悲鳴上げてる。

  今日は早く寝たい」

 

ペリーヌ「そう、良かったわ」

 

 とりあえず答えるけど普段から運動不足なのと変な筋肉使ったせいで身体中が悲鳴を痛い。

 こりゃ明日は筋肉痛だわ…

 そしてユニットを元の場所になおしてから部屋に戻るとコタツに入って昼寝した。

 

---------

 

 それから暫くして

 

茂「ん…ん?」

 

 目が覚めたがどうも柔らかいものの上に頭が置かれてる気がする。

 何が起きてんだ?

 

リーネ「あ、茂さん、起きましたか?」

 

茂「ふぇ?え?リーネ?」

 

 リーネに声かけられて声がした方を見るとリーネのおっぱい越しに見えた。

 え?どういう状況だ?寝ぼけた脳みそフル回転して状況を整理する。

 

茂「えっと…え?膝枕?」

 

 ちょっと待てや、なんで今リーネに膝枕されてんだ?

 どういうことだおい。

 

リーネ「ダメでしたか?」

 

茂「いや、ダメというわけではないです。はい。

  むしろ嬉しいといいますか、疲れが吹っ飛んだといいますか…」

 

 ダメとか聞いてくるけどさ、リーネに膝枕されてダメな男はアレなタイプかホモォだけだぞ。

 あー最高だわ…もう死んでもいい




魔改造スピット爆誕。
そういえばリノエアレースってスピットファイアベースのレース機いないんだよね。
Yak系とかも最近出てきてるのに。

汝スピットファイアを愛せよ(スピットファイア教団)


とりあえず茂は1日でペリーヌの手握ったりリーネに膝枕されたりしてるから爆発すればいいのに(おい)


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弾道ミサイル、イージスシステム、ロマーニャへ

オリンピックは別に名前出していいよね?最近だけど
多分ワールドカップも出すし。

話進みすぎてこの話で2期入る。(というか最長)


茂「ペリーヌ!そのカニ俺の!」

 

ペリーヌ「早い者勝ちですわ」

 

茂「知るか!」

 

 2月のある日、俺たちはカニ鍋をつつきながらコタツに入ってテレビを見ていた。

 何を見ているかというと

 

アメリー「あ!始まりましたよ!オリンピック!」

 

リーネ「二人とも喧嘩はやめましょうよ…」

 

 平昌オリンピックの開会式。

 ちなみに親父共は開催期間中向こう行ってる。

 なんでもこのために溜め込んだ有給全部使ってる。ワオ。

 

茂「平昌始まった。」

 

ペリーヌ「私たちの世界には朝鮮文化はありませんから気になりますわ」

 

リーネ「ですね。中華料理とか韓国料理もありませんし。」

 

アメリー「餃子とかピビンパとか美味しかったですよね。

     私たちの世界にないのがもったいないですよね」

 

 向こうの世界韓国とか北朝鮮とか中国無いから中華料理とかないんだよね。

 まあその分北のチビのロケットマンのせいで朝から叩きおこされたり、厚顔無恥の肥溜めのわけわかんない主張をその同調者共々延々聞かされたり、いまだ自分たちが世界の中心で大正義だと思ってる誇大妄想癖のある上に超大国なせいで世界中で大迷惑をかけまくってるゴミクズコミーが存在しないから絶対向こうの方が平和だ。

 

茂「韓国とか中国は飯はうまいけどあそこまで国際的良識が欠如した国家なんてロシアぐらいだぞ。

  だったらそっちの方がずっといいわ」

 

ペリーヌ「まあ、ニュースを見る限りあの国は無茶苦茶やってますわよね…」

 

茂「うん、だからこっちのほうがずっといいよ」

 

 俺の話を聞いてペリーヌがニュースで聞いたあの国の国際的慣習ガン無視国際法無視の数々を思い出す。

 するとアメリーが話題を変えた。

 

アメリー「ところで、ペリーヌさん。

     今月末お誕生日ですよね?」

 

ペリーヌ「アメリーさん、覚えててくださったのですか?」

 

アメリー「はい!もちろんです!」

 

 ペリーヌに聞かれて胸を張って答える。

 可愛い。

 

リーネ「そういえばペリーヌさんのお誕生日近かったですね。

    茂さん、どうしますか?」

 

茂「祝えって言うんでしょ?ふぉのぐらい予想できるよ」

 

ペリーヌ「茂さん、豚肉食べながら喋らないでください」

 

 リーネが聞いてきたので豚肉を食べながら答える。

 

茂「まあ、世話にはなってるから手伝うけどさ」

 

ペリーヌ「明日は猛暑日になるのかしら?」

 

茂「なんだよ、その反応は。嬉しくないのか?」

 

 なんか手伝うって言ったらペリーヌに酷いこと言われた。

 酷いよ。

 

ペリーヌ「祝ってくださるなら嬉しいですけど正直そんなことしている暇なんてありませんわ。

     来月にトラヤヌスが迫っているのですからトーポリの運用をどうにかしませんと」

 

茂「といっても何とか二人で運用できるんだろ?

  アメリーとジャン・ポールにやらせればよくね?」

 

アメリー「しれっと逃げようとしないでください。

     それに大事をとってもうちょっと人手が欲しいです。

     付け焼刃で運用してる時点で…」

 

 先月、予定通りトーポリMを作って今月から夜中に打ち上げる形で運用を開始してる。

 運用担当は今のところペリーヌ、リーネ、ジャン・ポール、アメリー。

 一応今のところ事故無しで命中率ほぼ百パーセント。

 どうやって確認してるか?連合軍の無線を盗聴してる。

 これでだいたいどこに落ちたか分かる。

 多分バレたら全員スパイ罪で銃殺刑だけど。

 

茂「まあそれは置いといて、どうせペリーヌまだあるんだろ?

  大方復興がどうこう」

 

ペリーヌ「ええ。既にインフラはすべて復興、住居も3割が修復済みですけど戻ってきた人は戦前の2割…

     戦争で亡くなった人も含めても少なすぎますわ…」

 

茂「まあね…この辺は治安いいけど南に行ったらあれだろ、王党派なるレジティミストとボナパルティストが大暴れしてるんだろ。

  そりゃ来ねえよ」

 

 ペリーヌの心配はどうもカレーの人口が戻らないのが問題らしい。

 まあ多分南部が無茶苦茶だからこっちにも飛び火しかけるのが怖いんだろうな。

 おい共産党、仕事しろや。

 レジスタンスで名を上げたフランス共産党見習ってインターナショナルの太鼓を鳴らしながら王党派の反革命的勢力をセーヌ川に流して街路樹から吊るして革命に終わりがない事を見せつけろよ。(過激発言)

 

(side out)

---------

 

 数日後、そこから百数十キロ離れたある飛行場、この基地の中で一人の少女が頭を抱えていた。

 

ミーナ「はぁ…」

 

バルクホルン「どうした?ミーナ」

 

 頭を抱え溜息をついていたのはミーナ・ヴィルケ、元501でペリーヌ達の元上司、そんな彼女が頭を抱えていたのはここ数週間、年明け以降断続的に続く謎の勢力の謎の兵器によるネウロイへの攻撃だった。

 

ミーナ「トゥルーデ、貴方はあの攻撃をどう思う?」

 

バルクホルン「どこかの軍の秘密兵器じゃないのか?」

 

 ミーナの質問にバルクホルンが答えるがミーナの次の言葉に驚いた。

 

ミーナ「秘密兵器が宇宙に行くと思うかしら?」

 

バルクホルン「は?宇宙?」

 

 バルクホルンが驚くのも無理はない、史実では当時人工物で最も高く上がったのはドイツのV2、それもテスト時に垂直に打ち上げた結果上がったものであり誘導能力など皆無、そもそも当時の兵器の誘導システムなど目標の数十センチ圏内に正確に500ポンドの爆弾だろうが1トンのミサイルだろうが当てられる兵器と比べれば街の中のどこかに落ちる程度の誘導能力は極めて低い。

 だがこの攻撃は一度宇宙空間、即ち高度100キロ以上に上がってからネウロイを襲っていた。

 

ミーナ「そう、宇宙よ。先日複数のナイトウィッチを動員して発射場所と軌道を探索したところ発射場所はパ・ド・カレーの郊外パ・ド・カレーを中心とした半径15キロ圏内のどこか、軌道が発射後少なくとも高度100キロ以上まで上昇後、目標付近で落下、秒速数キロ以上の速度で目標に命中する。

    その精度は推定100mから1キロ。

    倉庫の報告書に書かれているわ」

 

 ミーナが説明書を見せながら説明する。

 この攻撃は現代で言う所のロフテッド軌道だった。

 連合軍はこの攻撃を探ろうと複数のナイトウィッチを動員した大規模作戦を実施し発射場所をパ・ド・カレーの半径15キロ圏内と確認した。

 だがそれ以上は何も分からなかった。

 

バルクホルン「パ・ド・カレーと言うとペリーヌとリーネがいたな。

       問い合わせたか?」

 

ミーナ「ええ、とっくの昔にね。

    でもペリーヌさんたちには心当たりはないそうよ。」

 

バルクホルン「そうか、なら何なんだろうな」

 

 二人は頭を抱えた。

 ただ二人は気が付かなかった、この電話を受けたペリーヌが慌てたことに。

 

---------

 

(side 茂)

 

 平昌オリンピックの開会式から数日後、俺は部屋で飛行機のプラモを作っていた。

 

リーネ「茂さん、なに作ってるんですか?」

 

茂「ん?ペリーヌへのプレゼント。ハセガ○のスーパーマリンスピットファイアMkⅦ/Ⅷ“尖形翼”だよ。

  実はな、これピエール・クロステルマン機が作れるんだ。

  だからそれ作ってペリーヌにあげようと思ってな」

 

 リーネが聞いてきたので説明する。

 作っていたのは○セガワのスーパーマリンスピットファイアMKⅦ/Ⅷ“尖形翼”、このキットはハ○ガワ特有の「既存キットに追加パーツとデカール入れてバリエーション」って言う無数にあるタイプのキットの一つ。

 数年前に発売されて去年ホビーショーのジャンク市で手に入れた品。

 このキット実はピエール・クロステルマン機のマーキング入ってる(というか箱絵)のでこれ作ってペリーヌに送ろうかな?とか考えてます。

 

リーネ「そうだったんですか、ペリーヌさんきっと喜びますよ。」

 

茂「だといいんだけどね…でそっちは?」

 

リーネ「はい、こんな感じですね。

    初めてですけどどうですか?」

 

 そう言ってリーネが俺に教えられながら作ってデカール貼りまで終わった○ミヤの1/35Ⅱ号戦車A型を見せる。

 リーネは最近、俺が模型作ってるのに興味を持って自分から作りたいと言い今現在俺に教えられながらⅡ号を作ってます。

 ちなみにこのキットを選んだのは「手軽に作れる」、「初心者おススメのタ○ヤ」、「簡単」、「基礎が詰まってる」、「比較的安い」、「モールドもいい」からです。

 一応同じメーカーのM5とも悩んだんだけどⅡ号はそこの倉庫にレストアされてるしそれ以外の回収された奴で動けそうなのは砲塔を取り外してトラクター代わりに街で復興の手伝いしてるからこっち選んだ。

 

茂「うん、シルバリングしてないみたいだしこのまま乾かしてからクリアーで保護、その後ピンウォッシュかスミ入れのどっちかしてストレーキング、埃のベースやってつや消しクリアーで保護、それでピグメントで埃まぶせてオイル汚れと煤汚れ、錆やればよし。

  初めてのわりに十分うまいよ」

 

リーネ「ありがとうございます茂さん。

    とりあえず乾かしますね」

 

 Ⅱ号を褒めるとリーネは喜びながらⅡ号を乾燥機(元食器乾燥機)にいれる。

 すると部屋のドアが勢いよく開いて息を切らしたペリーヌが入ってきた。

 

茂「ペリーヌ?どうした?」

 

リーネ「何かあったんですか?ペリーヌさん」

 

 とりあえず聞くとペリーヌが衝撃的なことを言った。

 

ペリーヌ「茂さん、不味いことになったわ。

     トーポリの攻撃位置が不正確とはいえバレましたわ」

 

茂「え?んな馬鹿な、この時代のレーダーじゃ影すら探知できない…」

 

ペリーヌ「ナイトウィッチよ、ナイトウィッチの魔導針がとらえたの。

     不正確とはいえ場所をパ・ド・カレーを中心とした半径15キロ圏内まで絞り込まれましたわ。

     暫くは攻撃を中止するべきよ」

 

 どうやらレーダーでは捉えられないがウィッチの魔導針なら捕捉できるらしくそれで捕捉、発射位置が大まかとはいえバレた。

 

茂「そうだな、今月はこれ以上やめよう。

  来月から再開、それでいいな」

 

ペリーヌ「ええ」

 

 俺がペリーヌの主張通り攻撃の一時中止を判断する。

 ビビリだし軍がこっち来るのも問題だから。

 最悪ペリーヌたち連れてゲート壊す可能性も。

 一応三人ともイギリスとフランスの偽造パスポート(なのだが実質本物)持ってるとはいえ不安すぎるから最終手段だけど。

 

茂「てかさ、トーポリを捕捉できるってナイトウィッチってイージスシステムでも積んでるの?」

 

ペリーヌ「茂さん、私も最初それを聞いた時同じ事思いましたわ。

     ある意味ナイトウィッチの見方が変わったわ」

 

 ナイトウィッチ半端ないって!イージスシステム使わずに弾道ミサイル捕捉もん。

 いや、これマジでヤバイから。というかヴェネチアへの攻撃大丈夫?

 

茂「あーヴェネチアへの攻撃とか大丈夫かこれ?」

 

ペリーヌ「あまり大丈夫ではありませんわ。最悪、この周囲にECMかけるべきね」

 

茂「え…ECM?ジャミングか?」

 

 ペリーヌがECMを提案する。

 ECM、いわゆる電子攻撃をしろだと?

 無線機全部プッツンだぞ。

 というか電子戦って電子攻撃機ぐらいしか思いつかないんだが。

 

ペリーヌ「ええ。別に電子攻撃機を作れというわけではありませんわ。」

 

茂「流石にグロウラーとか飛ばせないからね。飛ばせないよね?」

 

ペリーヌ「シャーリーさんでも…シャーリーさんなら逆に喜んで乗りそうですわね、グロウラー」

 

茂「俺もそう思う。グロウラー元々F/A-18だからな。」

 

 シャーリーって確か速度狂だからマッハ2とか出せるグロウラーとか作ったら乗りそう…

 いや、ミスってあぼーんする未来しか見えないけどさ。

 

茂「まあ艦艇用のレーダージャミングでいいよな?」

 

ペリーヌ「ええ。」

 

 艦艇用のレーダージャミング装置でも作って据え付けとくか。

 

 

---------

 

 一か月後、リーネとペリーヌは武器やら荷物やらを持って改修前のユニットを履いていた。

 

茂「無事帰って来いよ」

 

アメリー「ご武運を」

 

ペリーヌ「ええ、そう簡単に死ぬわけにはいきませんわ。

     アメリーさん、茂さん、任せましたわ」

 

リーネ「お願いしますね」

 

 何が起きてるかって言うといわゆる2期です。

 トラヤヌスが先週大失敗して色々あって501再結成だそうな。

 ちなみにこっちも支援で勝手にトーポリでトラヤヌス前後に数回攻撃して504の損害は正史よりかは多少マシだったらしい(連合軍の無線を盗聴)

 

茂「あいよ、で、荷物持ったか?」

 

 一応荷物を確認する。

 たまに忘れるからね?ここだとすぐ取りに戻るなんて無理だし。

 

ペリーヌ「ええ、着替え、銃、予備弾薬、グロック43も」

 

リーネ「このために新しい拳銃作ってくれるなんてありがとうございます、茂さん」

 

 一応ペリーヌ達には新しく拳銃、オーストリア製のグロック43を作ってあげた。

 グロック43はグロック17のコンパクト薄型モデル、なんで小さく扱いやすいんです。

 

茂「いや、あそこじゃ最新兵器で持ち込んでも不自然じゃないのは精々拳銃程度だろ?

  それにPPKよりグロックの方がずっといいだろ?」

 

ペリーヌ「操作が独特とはいえPPKより小さくて持ちやすいのいいですわね」

 

リーネ「確か人間工学?っていうのが取り入れられた設計でプラスチックが多用されて軽いです」

 

 グロックは操作が独特(ダブルアクションで安全性を追求したらそれ以前の拳銃とは違うセーフティになっちゃった)だけど人間工学に基づいて設計され、プラスチックの多用によりサイズや性能に比して軽いんだよな。

 

茂「んじゃあ次はいつ戻るんだ?」

 

ペリーヌ「一応次の休暇は5月頃に取るつもりですわ。

     ホビーショーなるものに連れて行ってくれるんですわよね?」

 

 次に戻ってくるのは5月にホビーショー連れて行くので5月半ばの予定らしい。

 ちゃんと戻ってくるかどうかは別だけどさ。

 

リーネ「それじゃあそろそろ行きましょうか。」

 

ペリーヌ「ええ、行ってきますわ」

 

 そういって二人は離陸してロマーニャに向かった。




ちなみに出てきたハセ○ワのスピットファイアのキットはつい最近再販されたので気になった方は是非。


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ロマーニャの日常

静岡イベントは飛ばした(酷い)
2期のある日(だいたい6話の直後前後、2018年の5月半ば)のことです。


 501が再結成して一ヶ月ほど経ったある日、ペリーヌはいつものように起きると身嗜みを整えていつものように食堂に向かった。

 食堂につくと宮藤が挨拶する。

 

宮藤「おはようございます、ペリーヌさん」

 

ペリーヌ「おはようございます、宮藤さん」

 

 それにペリーヌは返すとテーブルの上に置かれた新聞を手にとって読み始める。

 すると横から宮藤が声をかける。

 

宮藤「何か面白こと書いてますか?」

 

ペリーヌ「大したことは載ってませんわよ。

     やれ何処何処で戦いが起きた何処何処に辿り着いた、政治家のスキャンダル、汚職、ゴシップ、株価がどうこう、その程度ですわ」

 

宮藤「ならなんで読むんですか?」

 

 ふと宮藤は気になった。

 以前のペリーヌは新聞を読んでいるところはあまり見なかったからだ。

 

ペリーヌ「新聞は時流を掴むのにいいのですわ。

     できれば複数読んで各紙の論調を比較するのも面白いですわね」

 

宮藤「へぇ、そうなんですか」

 

坂本「感心だな、ペリーヌ」

 

 すると突然坂本がペリーヌに声をかけた。

 ペリーヌは驚いて振り返る。

 

ペリーヌ「坂本少佐!

     ええ、軍人としてだけでなくパ・ド・カレーの領主としても時流を掴む必要がありますから」

 

坂本「うむ、感心感心」

 

 坂本はペリーヌの態度に感心していた。

 ペリーヌは最近は坂本に対する過度の尊敬めいたものが減り常に落ち着いた感じであった。

 だがもちろんこの急な変貌に違和感を持っている者もいた。

 

シャーリー「なーんか最近ペリーヌが変わったよなぁ」

 

バルクホルン「そうか?リベリアン」

 

 シャーリーもその違和感を持った一人だった。

 最近のペリーヌとリーネの変貌にシャーリーは気づいていた。

 そのことを向かいに座るバルクホルンに言う。

 

シャーリー「だってさ、前だったらあんな風に坂本少佐に褒められたら『そんなことありませんことよ~』とか『もっと褒めてくださいまし~』とか言ってたのに最近は妙に落ち着いてるというか、ちょっと距離取ってるような気がするんだよね~」

 

バルクホルン「言われてみればそうだな。

       まあ、ガリアが解放されて落ち着いたんだろう。

       ペリーヌ達は半年でパ・ド・カレーを復興させたんだからな」

 

シャーリー「しかし、半年でパ・ド・カレーの住居の8割を直してインフラをすべて直すってすごいよな。

      最近は近くの飛行場の拡大工事までやってるよ」

 

 二人はペリーヌの態度が最近変わったということとパ・ド・カレーの復興のことを話していた。

 パ・ド・カレーの復興は他の地域と比べても目覚ましいものがあり他の地域と比べて頭一つ抜けていた。

 

バルクホルン「しかし、そんな物資どこで見つけてきたんだろうな?」

 

シャーリー「私も一回聞いたけど内緒らしい。」

 

バルクホルン「半年であれ程までに復興させられる人脈か…

       それがあったらカールスラントが解放された後楽になるな」

 

 シャーリーの言葉にバルクホルンはカールスラントの解放後のことを考えた。

 

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宮藤「ふんふんふ~ん♪」

 

 朝食後宮藤は廊下の掃除をしていた。

 ご機嫌なのか鼻歌を歌いながら掃除をしていた。

 するとふと廊下の隅に何かが落ちているの気が付いた。

 

宮藤「あれ?なんだろうこれ?」

 

 宮藤はしゃがんでそれを手に取った。

 それは非常に質のいい(当時比)紙に何かで印刷されたキリル文字の書かれたメモだった。

 

宮藤「なんだろうこれ?オラーシャ語かな?」

 

 宮藤は疑問に思いそれをポッケに入れ掃除を続けた。

 掃除が終わると宮藤はサーニャの下に行った。

 

 

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宮藤「サーニャちゃん、こんなの拾ったんだけど分かる?」

 

 サーニャたちの部屋についた宮藤はさっそくサーニャにメモを見せた。

 エイラはそれを見て宮藤に聞く。

 

エイラ「なんだこれ?」

 

宮藤「廊下に落ちてたの。もしかしてサーニャちゃんの?」

 

サーニャ「ううん」

 

 宮藤はサーニャに聞いたがこれはサーニャのではなかった。

 この基地でオラーシャ語ができるのはサーニャだけであり彼女でないということはさらに謎が深まった。

 

宮藤「そう、じゃあなんて書いてるかわかる?」

 

 すると宮藤は何が書いてあるか聞いた。

 サーニャは言われると書かれた文を読み始めた。

 

サーニャ「Страна Советов и Китай,Поляк и чех, румын, болгарин -Попробуй нас пересчитай!」

 

宮藤「えっと、どういう意味?」

 

 サーニャはその分を読んだが宮藤には理解できなかった。

 

サーニャ「えっと、それがよくわからないの。

     最後のПопробуй нас пересчитайは私たちを数えてみるがいい、的な意味なんだけど主語が全く分からないの」

 

 サーニャにもこの文の意味が分からなかった。

 

宮藤「え?どういうこと?」

 

サーニャ「まずКитай,Поляк и чех, румын, болгарин って部分。

     そもそもオラーシャ語にこんな単語がないの。

     頭文字が大文字だから多分固有名詞なんだと思うから恐らく何かの造語だと思うの」

 

 サーニャが言うにはオラーシャ語にはКитай、Поляк、чех、румын、болгаринという単語はないのだ。

 そもそも存在しない単語、さらに言えば書き間違いや綴り間違いとは違ってちゃんと発音できるオラーシャ語であった。

 

サーニャ「もっとわからないのが最初のСтрана Советов、Странаは国家って意味だけどСоветовの方はアドバイスとかヒント、会議、協議会的な意味のсоветの活用形なんだけどこれじゃあ会議の国っていう意味になるの」

 

宮藤「えっと、つまり文として通じるけどまったく意味をなさないってこと?」

 

サーニャ「そういうことよ。」

 

 つまるところこの文は読めるがまったくもって意味が分からない文であった。

 

エイラ「気味が悪いなぁ…中佐に見せたらなんかわかるんじゃないか?」

 

 このことをエイラは気味悪がった。

 エイラはこのメモをミーナに見せるよう言う。

 

宮藤「そうしてみるね、ありがとうサーニャちゃん、エイラさん」

 

 エイラに言われると宮藤は立ち上がってミーナの部屋に向かった。

 

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 その日の夕方

 

ミーナ「はぁ…いったい何かしらこれは?」

 

坂本「どうした?」

 

 メモを見ながら溜息をつくミーナに坂本が声をかける。

 かけられたミーナは坂本に振り向いた。

 

ミーナ「このメモよ」

 

坂本「なんだこのメモは?どういう意味だ?」

 

 そこにはオラーシャ語の文が書かれていた。

 宮藤が拾ったものがミーナの手元に来たのだ。

 坂本がミーナにどういう意味の文か聞いた。

 

ミーナ「それが分からないのよ。

    存在しない単語が書かれてるの。」

 

坂本「は?」

 

ミーナ「サーニャさんが言うにはКитай、Поляк、чех、румын、болгаринっていう単語は存在しないСтрана Советовっていう部分も理解できないそうよ」

 

 ミーナは坂本に文のことを説明した。

 

坂本「それで、誰のか分かったか?」

 

ミーナ「いいえ、基地のオラーシャ語ができる人全員に聞いたけど心当たりのある人はいないそうよ」

 

 ミーナは基地のオラーシャ語のできる人全員に聞いたが誰も心当たりがなかった。

 

坂本「謎だな」

 

ミーナ「それだけじゃないわ、これを見て頂戴」

 

 ミーナが不思議がったのはそれだけじゃなかった。

 ミーナは虫眼鏡を取り出すと坂本に見せた。

 

ミーナ「こっちは普通のタイプライターで打ち込んだ文章よ。」

 

 まずミーナは通常のタイプライターで打ち込んだ文を見せた。

 

坂本「そうだが、これがどうした?」

 

ミーナ「こっちがその文よ。おかしいと思わない?」

 

坂本「ん?こ、これは!」

 

 坂本はメモの文が通常と違うことに気が付いた。

 文は拡大すると活版印刷やタイプライターとは違う“点”で書かれていた。

 点で印刷する機械など坂本は知らなかった。

 

ミーナ「そうよ、点で印刷されてるの。

    おかしいと思わない?」

 

坂本「ああ、気味が悪いな。」

 

ミーナ「ええ。このことは秘密にしておくべきね」

 

坂本「そうだな」

 

 あまりにも気味が悪い話であったため二人はこのことを秘密にすることにした。

 だが、このメモに書かれた意味と書かれた方法を熟知する者は基地の中にいた。

 

 

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ペリーヌ「あれ?」

 

リーネ「どうかしましたか?ペリーヌさん」

 

 その日の夜、基地の電話を使ってどこかに電話をかけようとしていたペリーヌがポケットを漁るが何かがないことに気が付いた。

 

ペリーヌ「合言葉のメモがありませんわ」

 

リーネ「え!大丈夫ですか?」

 

 ペリーヌは合言葉が書かれたメモをなくしてしまった。

 リーネはペリーヌを心配する。

 

ペリーヌ「はぁ、まあいいですわ。あの程度の文でしたら暗記してますし」

 

リーネ「そうですか、よかった。」

 

 ペリーヌは合言葉の文を暗記していたため問題なかった。

 ペリーヌは受話器を取ると交換手に電話の宛先を伝えた。

 

ペリーヌ「ガリア、クロステルマン邸でお願いします」

 

 しばらくすると電話の向こうから男の声が聞こえた。

 

『こちらペリーヌ・クロステルマン邸。』

 

ペリーヌ「Страна Советов и Китай,Поляк и чех,румын,болгарин-Попробуй нас пересчитай!」

 

 ペリーヌは電話であのメモに書かれた文を言った。

 

『ようペリーヌ、生きてたか?』

 

ペリーヌ「生きてますよ、茂さん」

 

 相手は茂だった。

 あのメモは茂との合言葉に使う文だった。

 奇妙な印刷も現代のインクジェットプリンターによるものだった。

 すると二人はさっそく世間話を始めた。

 

茂『そ、こっちは平和だぞ。先週旅行にも行ったし』

 

ペリーヌ「知ってますわよ、どうでしたか?」

 

茂『最高だった。絶品のハンバーグとかも食べたし何よりアメリーと旅行だったし。

  あ、ちゃんとお土産は買ったぞ。賞味期限が切れる前に帰ってこい』

 

 茂とアメリーこの前の週末に静岡に旅行に行っていた。

 勿論目的は毎年5月のホビーショーだった。

 

ペリーヌ「賞味期限って…なんですか?ケーキ?」

 

茂『いや、干物と茶葉。

  焼津で買った干物と帰りに買った茶葉。」

 

ペリーヌ「微妙ですわね…紅茶?」

 

茂『いや緑茶』

 

 二人は電話で世間話を続けていた。

 ペリーヌは世間話からパ・ド・カレーの復興に話題を変えた。

 

ペリーヌ「そう。

     ところでそちらの復興はどうですか?」

 

茂『順調だね。春になってから急激に増えたし。

  それとイージスアショアとVLSも設置、これでICBMはおさらばだよ』

 

 春になるとパ・ド・カレーに住民が一気に戻ったため復興が進んでいた。

 さらに茂は固有魔法を使って裏の森の中にイージスアショアと艦載用のVLSを設置して新しい作戦に切り替えていた。

 

ペリーヌ「実戦運用は?」

 

茂『早速始めてる。とはいってもレーダー回してるけど殆ど使ってないね。

  何せVLS使う時ぐらいだし』

 

ペリーヌ「ところでVLSには何入れましたか?」

 

茂『アメリカのMk.41とロシアの3S14UKSK。

  両方ともトマホークとクラブM入れてる』

 

 VLSにはアメリカ海軍が使用しているMk.41とロシアの3S14UKSKを使いその中に対地攻撃用トマホークとクラブMミサイルが入れられていた。

 

ペリーヌ「両方とも確か巡航ミサイルでしたわよね?」

 

茂『ああ、とはいっても終末誘導はレーザー誘導が必要だからまだ使ってないけど』

 

 この二つは終末誘導が必要であったためまだ使っていなかった。

 

ペリーヌ「ところで、レーザー誘導装置ってありますの?」

 

茂『えっと、米軍のLA-16u/PEQ Handheld Laser Markerってやつ作ってそれ使うつもり。

  サイズが拳銃ぐらいしかないから楽だよ』

 

ペリーヌ「それ本当ですの?それならありがたいですわ」

 

 またレーザー誘導装置としてLA-16uを使うつもりだった。

 これは拳銃サイズのレーザー誘導装置であったため何かと都合がよかった。

 

茂『ああ、それとアメリーが代われと』

 

ペリーヌ「いいですわよ」

 

茂『アメリー、ペリーヌが代わってもいいって』

 

 話が済むと茂からアメリーに相手が変わった。

 これがここ最近のロマーニャの日常だった。




出てきたロシア語の文はソ連軍歌「連合軍の歌」の一番です。

面倒なのでこれで二期は終わらせる


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茂「居ない間に色々あったんだ」ぺ「色々が起きすぎ」

超久しぶり


 1945年6月末のある夜

 

茂「あーあ、ペリーヌ、聞こえるか?」

 

ペリーヌ『感度良好ですわよ』

 

 パ・ド・カレーのペリーヌの家の地下にあるCICから無線で数百キロ離れたところにいるペリーヌに呼びかけると返事した。

 大丈夫だな。

 え?何やってるって?

 んなもんヴェネチアの巣をマルスより先に叩き潰すんだよ。

 どうやるって簡単だ、今ペリーヌは一応休暇扱いでこっちに戻っていることになってるんでパ・ド・カレーからVG39アンリミテッドを使ってパ・ド・カレーからヴェネチアに自衛用の米軍装備とG36A5&AG36、LA-16を持って行ってます。

 何やるかって言うと巡航ミサイルの最終誘導。

 LA-16でトマホークとかクラブを最終誘導する。

 

茂「こちらパ・ド・カレー、ミサイル第一波トマホーク15発、クラブ15発は発射した。

  5分後に第二波、10分後に第三波発射予定だ。

  向こうに大体1時間半後に到着予定、どうぞ」

 

ペリーヌ『了解、こちらもそろそろヴェネチア・ロマーニャ国境辺りですから30分後にはヴェネチアですわ』

 

 さっきミサイルを発射したので約1000キロ先のヴェネチアまで大体1時間ぐらい。

 その頃にはペリーヌはヴェネチアについているらしい。

 何分秘密なのでペリーヌは電波吸収材塗布のユニットを使って夜間に高速で低空を飛行するっていう結構難易度高いことをやりながらヴェネチアに向かってるんですよね。

 

茂「30分後かぁ…ふぁあぁ…眠い…もう11時だよ…」

 

ペリーヌ『寝ないでください!』

 

茂「分かってるよ…とりあえずゲームしながら暇潰すから」

 

 この作戦は夜中にやるので眠い、クソ眠い。

 なんでアメリーと交代でやる。

 さらに暇つぶしにゲームしながら待機する。

 そんな事をしながら1時間20分後、ペリーヌから通信が来た。

 

ペリーヌ『茂さん』

 

茂「何の用だ?」

 

ペリーヌ『そろそろ時間ですわよ』

 

 気が付いたら時間になってたらしい。

 さてと、お仕事しますか。

 

 

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(side out)

 

 その頃、ヴェネツィア。

 ネウロイの巣の真下という場所に一つの影が動いていた。

 その影は目にネウロイのような赤い光が4つ灯り手には真っ黒い見慣れない銃を持ちヘルメットと見慣れない装備を付けていた。

 だがこれは全部ある筋の人間から見れば簡単であった。

 その恰好は現用米軍装備そっくりであった。

 

ペリーヌ「目標捕捉、照準開始」

 

 それはペリーヌだった。

 ペリーヌはLA-16を構え頭の真上のネウロイの巣に照準する。

 すると突然闇夜に轟音が轟き始めた。

 そして轟音が近づくと十数個のロケットが現れネウロイを直撃する。

 

ペリーヌ「第一波命中、被害甚大」

 

茂『了解、5分後に第二波』

 

 暗視装置で被害を確認し無線で報告する。

 そして5分後、続けて轟音と共にまたもロケットが命中しネウロイの巣は半壊しコアを露出させる。

 

ペリーヌ「目標半壊、コア露出」

 

茂『了解、最後の一撃だ』

 

 さらにその数分後、ロケット弾が直撃するとネウロイのコアを破壊し巣を破壊した。

 

ペリーヌ「やりましたわ…」

 

茂『だな、流石サジタリウスの矢だよな』

 

ペリーヌ「無駄口叩いてないで帰りますわよ。

     夜が明ける前に帰りませんと」

 

 無線でペリーヌがそう言うと街の外れに隠されたストライカーを履き離陸した。

 

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 翌朝、ロマーニャ北部にいた兵士達、そして501は有り得ない報告を受けた。

 

坂本「は?巣が消えた?」

 

ミーナ「ええ、昨夜未明に突然。

    情報だと何者かが攻撃して破壊したという情報もあるわ」

 

 巣が突然消えたという情報に坂本が驚く。

 当たり前だが突然消えたという事自体が理解不能だった。

 

坂本「それで、どうなるんだ?」

 

ミーナ「一応私たちは様子見で来月の5日までは存続するみたいよ。

    それ以降は504に引き継いで解隊だそうよ」

 

坂本「そうか…しかし謎だな。」

 

ミーナ「ええ、情報だとまるでサジタリウスの放った矢のように外れることなく寸分たがわず命中したそうよ。」

 

坂本「サジタリウスの矢…か、気味が悪いな」

 

ミーナ「ええ」

 

 二人は攻撃した存在の事を気味悪がった。

 連合軍はこの攻撃したものの事をサジタリウスの矢と表現し始めた、そしてそれは偶然にもある作品でその兵器の事を指した名称の一つだった。

 

 

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(side 茂)

 

 ヴェネチアのネウロイを叩き潰してから数週間後の7月7日ペリーヌ達が帰ってきた。

 俺とアメリーとジャン・ポールは屋敷の前で帰ってくるのを待っていた。

 

茂「遅いなぁ…予定だと11時過ぎって言ってなかったか?」

 

アメリー「ですけど、あ!見えました!ほら!」

 

茂「あ、ほんとだ」

 

 腕時計を確認していると二人が乗ったジープがユニットを積んだトラックと一緒にやってきた。

 そして屋敷の前に止まるとアメリーが二人の乗ったジープに駆け寄る。

 

アメリー「ペリーヌさん!」

 

ペリーヌ「アメリーさん、茂さん、留守を預かってくれてありがとう」

 

茂「まあその分好き勝手させてもらったが」

 

 ペリーヌと早速雑談を始めた。

 しばらく立ち話するとリーネも連れて屋敷に戻っていつもの部屋で紅茶を飲みながらいつものように話し始めた。

 

茂「まあ無事帰ってきてくれて結構だよ、でヴェネチアぶっ飛ばしたけど良かったのか?」

 

ペリーヌ「ええ、坂本少佐も宮藤さんも魔力を失わずこれでいいのですわよ。」

 

 最初にヴェネチアのネウロイを吹き飛ばして良かったか聞いた。

 何せ最大の原作改変だからなぁ…

 

茂「ところで、連合軍はトマホークとかの件に気が付いて…」

 

ペリーヌ「攻撃した兵器の事を“サジタリウスの矢”と呼び始めたわね。」

 

茂「サジタリウスの矢って…ジパングじゃん」

 

ペリーヌ「ええ、初め聞いた時吹き出しそうになりましたわよ」

 

 トマホークとかクラブの件を聞いたら連合軍がそれに気が付いてサジタリウスの矢とか言ってるらしいって…

 酷いネタだ…

 するとペリーヌの方が手招きすると小声で耳打ちする。

 

ペリーヌ「ところで、アメリーさんとはどうなってるのかしら?」

 

茂「それが…全然。

  静岡行ったり時々二人で買い物行ってるけどその…」

 

 突然アメリーとの関係を聞いてきた。

 俺が答えるとペリーヌは呆れる。

 

ペリーヌ「はぁ、なら此処で言いなさい。」

 

茂「なんで!?ここでやる必要ないだろ!?」

 

 ここで告白しろとか言ってきた。

 なんでここで言う必要があるんだ?

 

ペリーヌ「ここでやらないと永遠にやらないですわよね?なら今すぐやりなさい!」

 

茂「う」

 

 正論すぎる…多分絶対言わない気がする…

 すると後ろからアメリーが声をかけてきた。

 

アメリー「ペリーヌさん、茂さん、二人で何話してるんですか?」

 

茂「アメリーには関係ない事だから」

 

ペリーヌ「大有りの話ですわよ。

     さあ、茂さん、話しなさい」

 

 ペリーヌが無理やり話させようとする。

 それに俺は抵抗する。

 

茂「なんでだよ!なんでここで話す必要があるんだ!」

 

ペリーヌ「今やらないと永遠にやらないですわよね?!」

 

茂「まだ告白するタイミングじゃないって!」

 

ペリーヌ「この意気地なし!その調子では100万年経っても絶対やりませんわよ!

     折角くっつけようと半年も色々やったのに…」

 

 また二人で口論を始めた。

 するとアメリーが話しかけてきた。

 

アメリー「あの…告白とかくっつけるってどういう事ですか?」

 

茂「え?…あ」

 

ペリーヌ「あ…」

 

 しまった、二人して口を滑らせた。

 

ペリーヌ「ほら、チャンスですわよ、やりなさい」

 

 この機に乗じてペリーヌが催促する。

 ああもう、やるしかないか…

 

茂「えっと、その、アメリー、もしかしたら嫌かもしれないしこの関係も壊れるかもしれないけど…

  好きです!つ、付き合ってください!」

 

 思い切って告白し、体を90度近く曲げて右手を差し出した。

 そして目をつむり覚悟をしているとアメリーの声が聞こえてきた。

 

アメリー「え、え、え、えええええええ!!!!

     私達、その、お付き合いしていたんじゃないんですか?!」

 

「「は?」」

 

 何やらアメリーが衝撃的な事を言った。

 驚いて俺は顔を見る。

 

ペリーヌ「え?どういうこと?」

 

アメリー「だ、だって、その、男の人と二人きりで旅行に行ったり、買い物したりするっていうのは、普通そういう仲の時だけですよね?」

 

ペリーヌ「あ、茂さん」

 

 ペリーヌが聞くとアメリーが説明した。

 それを聞いたペリーヌが俺を呼んだ。

 

茂「何、今ちょっと脳味噌がパンク状態」

 

ペリーヌ「簡単な話ですわよ、70年前と現代、それに日本と欧米での男女の関係の違いをご存知?」

 

茂「いや全く。それが…あ、もしかして…」

 

ペリーヌ「ええ、私たちの“常識”では二人きりで血縁関係のない年頃の男女が旅行だなんて、普通はお付き合いかそれに相当する関係でないとしません。

     一方で茂さんたちの“常識”では男女二人きりの旅行は極めて一般的、そう考えてくだされば。」

 

 どうやらアメリーは俺との常識の違いから勘違いしていたらしい。

 70年もあればそうだよな…1940年代の70年前って1870年代、まだ侍が刀持ってた時代だし…

 

茂「えっと、じゃあどうすれば?」

 

アメリー「その、茂さん」

 

 対応をペリーヌに聞いているとアメリーが声をかけ振り向いた。

 

茂「ア、アメリー…」

 

アメリー「茂さん、別に茂さんとならちゃんとお付き合いしても、いいですよ?」

 

 アメリーが上目遣いで聞いてきた。

 それに俺の中の何かが壊れた。

 

茂「アメリー!」

 

アメリー「キャ!茂さん!?」

 

 アメリーを力一杯抱きしめる。

 まだ押し倒さなかっただけ自制心が働いたと思う。

 

茂「アメリー好きです!大好きです!」

 

アメリー「茂さん…」

 

 アメリーに抱き着いて大声で叫んだ。

 それをペリーヌとリーネは暖かく見守っていた。

 するとふと、何かを思い出した。

 

茂「あ、そういえば。」

 

アメリー「どうかしたんですか?」

 

茂「明日、みんできだ」

 

 明日ワールドウィッチーズ10周年のイベントだ。

 まあ大した発表無いだろうな。

 

 

 

---------

 

 

 翌日

 

茂「はぁあああああああいいいいいいいい!!!!?????」

 

ペリーヌ「嘘ですわよねぇええええええ!!!!」

 

リーネ「こんなのありなんですかぁぁぁぁぁあああああ!!!!!」

 

アメリー「3人とも何かあったんですか?」

 

 俺とリーネとペリーヌがパソコンに食いついて叫んでいた。

 それに紅茶とお茶菓子を持って来たアメリーが引き気味に聞いた。

 

茂「何って…これ」

 

 俺はアメリーにパソコンの画面を見せた。

 そこにはとある発表が書かれていた。

 

アメリー「えっと…ストライクウィッチーズロード・トゥ・ベルリン?

     スオムスいらん子中隊リブート?

     ストライクウィッチーズ発進しますアニメ化?」

 

茂「大発表だよ!大発表!続編やるんだよ!2年後に!」

 

アメリー「おめでとうございます!ペリーヌさん!」

 

 アメリーにパソコンの画面に書かれたことを説明した。

 つまるところ、ストライクウィッチーズの続編をやるという話である。

 

ペリーヌ「色々不味いですわよー!」

 

リーネ「ベルリン、アレどう見てもベルリンの壁ですよね…」

 

茂「うん…ギュンター・シャボウスキー呼んで11月9日に10日付の国境の自由化に関する新布告を発表する?」

 

ペリーヌ「私の認識では直ちに、滞りなくという事です?」

 

リーネ「二人共気楽ですね…」

 

茂「気楽じゃない、大変な事態になってるから今だけは現実逃避させて…」

 

 RTBのせいで今月以降の予定が破綻!俺達の戦いはどうなるんだ!?

 続く!(大嘘)




みんできのRTB発表で予定が破綻した結果大混乱に陥ったパ・ド・カレーであった。
何せどうなるか分からないから対策も立てれない!


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737とアルンヘム

737-MAXが新たなDC-10になって草しか生えない。

アルンヘム編開始。


 夏休みに入る直前のある日、ふとあることに気がついた。

 

茂「なあ、飛行機どうする?」

 

ペリーヌ「え?」

 

 俺の発言にペリーヌが驚いた。

 

リーネ「どうしたんですか?急に」

 

茂「いやさ、今月の終わりには飛行場完成するでしょ?

  そこに一応クロステルマン家保有の格納庫もあるんだけど何を入れようかなって。」

 

ペリーヌ「だったら現代の旅客機か輸送機でいいのでは?」

 

 今月の終わりには完成予定のパ・ド・カレー空港の格納庫に何を入れるかという話をするとペリーヌが現代の旅客機や輸送機でいいと言う。

 

茂「無理だ、ここ近代的な計器着陸装置もGPSもないだろ?

  現代の旅客機も輸送機もこれと連動してるんだ、だから使えない」

 

アメリー「茂さん、候補はあるんですか?」

 

茂「まあね。

  候補はボーイング707、ダグラスDC-8、ロッキードC-130ハーキュリーズ、フォッカーF27、デ・ハビランドカナダDHC‐8、ボーイング737、ダグラスDC-9とか。

  それ以上に問題なのは、お前ら操縦できるの?」

 

 現代の旅客機は高度な電子装備を持っているがその装備はインターネットやGPSと連動して運用するので最新のは使えない、その上電子技術もないしまだジェットじゃなくレシプロ機時代だから候補になるのは設計の古い、それこそ50‐60年代の機ばかりになるんだよな…

 それにこの時代の機は殆どが機長・副操縦士・航空機関士体制だからパイロットは最低3人はいるんだよね…

 737とかDC-9とかは航空機関士がいらないし性能的にも十二分だけど。

 

ペリーヌ「一応ジャン・ポールは飛行機の操縦が可能でしたわよね?」

 

茂「え?」

 

 ジャン・ポールパイロットなの?

 

ペリーヌ「ええ」

 

ジャン・ポール「左様、執事たるもの一通りの乗り物の操作法は覚えておかなければならないので。」

 

茂「しゅごい」

 

 ペリーヌの後ろに立つジャン・ポールが答える。

 それに凄いという言葉しか出なかった。

 

茂「でさ、もう一人どうする?」

 

 だけどまだ一人いる。

 それを聞いているとアメリーがゆっくりと手を挙げた。

 

アメリー「茂さん、その、私でいいのでしたら…」

 

茂「え、いいのか?」

 

 アメリーに聞き返す。

 

アメリー「はい、ウィッチはパイロットへの転換がし易いって言いますし」

 

茂「そうなのか?ペリーヌ」

 

 ペリーヌにウィッチとパイロットの関係を聞いた。

 

ペリーヌ「ええ。シャーリーさんもパイロットの免許持ってますし。

     比較的簡単になれますわね。

     元々原理は似たようなものですし規定では1ストライカー飛行時間が1.5航空機飛行時間として換算されてますわね。

     事実上生身で飛ぶ関係で×1.5で計算されてますの」

 

茂「へぇー知らなかった。

  でも訓練どうする?夜間か?」

 

 うん、ジェット旅客機とストライカーは月と鼈だぞ。

 ましてや下手に訓練できないから夜間にやるしか…

 

ペリーヌ「勿論実機を飛ばすのは夜間でしょうけどシミュレーター忘れてませんこと?」

 

茂「ああ、あれか。

  あれと夜間の実機飛行の組み合わせ?」

 

ペリーヌ「そういう事ですわよ」

 

 納得した。

 シミュレーターと夜間実機飛行でどうにかするのね。

 

茂「で、それで決まればいいけどどれにする?

  お勧めは737-200だけど。」

 

ペリーヌ「それでいいですわよ。

     勿論アドヴァンスですわよね?」

 

茂「勿論、離着陸性能が高い方がいいだろ?

  それに航続距離も十分」

 

 737‐200は737の系列の中でも最も古くて形式としても2番目のタイプ、一番最初期のモデルの―100のストレッチ型(胴体延長型)で最初期の世代にあたる。

 作る予定の737‐200Advはその―200の離着陸性能を向上させたモデルで1971年生産開始。

 航続距離は4000キロ以上で座席数も130、この時代なら十分すぎる性能。

 

ペリーヌ「ところで飛行場の航法設備はどうなってますの?」

 

茂「勿論滑走路灯はつけるよ。

  後一応06にILSを設置予定。

  06ならうちの土地を使える、24は無理だ。」

 

 ペリーヌが計器着陸システムを聞いてきたので答えた。

 北東向きの滑走路06は進入コースの真下がクロステルマン家の土地なのでここにILSのT-DMEを、滑走路の端にグライドパスとローカライザーを設置予定。

 

ペリーヌ「それでお願いしますわ、さてとリーネさん、アメリーさん、茂さん、これから忙しくなりますわよ」

 

---------

 

 それから数日後

 

アメリー「アウターマーカー接近、高度2400。

     グライドパス、オンコース、DMEは5。

     滑走路視認」

 

ジャン・ポール「滑走路視認了解、フラップ5」

 

アメリー「フラップ5、こちらチャーリーロメオ737ブラボー、タワー滑走路24を視認、着陸許可を求む」

 

茂「タワー、チャーリーロメオ737ブラボー、滑走路24への着陸を許可。」

 

 俺とアメリーとジャン・ポールは屋敷の地下に設置したボーイング737‐200Advのシミュレーターの中にいた。

 何をやってるか?決まってるだろ、操縦訓練。

 一応今日はアメリーが副操縦士、ジャン・ポールが機長席について俺が航空管制官役。

 それから10分ほどして訓練が終わった。

 

アメリー「ふぅ、疲れました…」

 

茂「どうだ?737は?」

 

アメリー「色々変わっていて大変ですね、茂さん」

 

茂「だろ?」

 

ジャン・ポール「茂様、そろそろ私はお嬢様の所に」

 

 そう言うとジャン・ポールは立ち上がりシミュレーターがから出て行った。

 

茂「そろそろ俺達もいくか」

 

アメリー「そうですね、茂さん」

 

 それに続いて俺達もシミュレーターから出て行った。

 

---------

 

ペリーヌ「では、掃討作戦の間は私達は待機ですわね。

     了解です。ミーナ隊長もご武運を」

 

茂「なあアメリー、サン・トロンとセダンとディジョンのチャートっているかな?」

 

アメリー「茂さん、電話中ですから少し黙ってください」

 

 それから少ししてペリーヌは元上官と電話していた。

 そして同じ部屋で俺は737に乗せるチャートを選んでいた。

 当たり前だけど現代のチャート(航空用地図)はこの時代だと地形以外全く役に立たないのでほぼ全部新規です。

 まあ固有魔法のお陰でとりあえずこの時代の航空路図を現代の地図の地形データに合成するだけだし。

 

ペリーヌ「え?不審な電波?」

 

茂「ん?どうしたペリーヌ?」

 

 するとペリーヌが何か電話口で聞かれたようだった。

 

ペリーヌ「知りませんわ、こちらで少し調べてみます。

     では。

     茂さん、ちょっと」

 

 するとペリーヌは電話を切ると俺を手招きした。

 

茂「なんだ?」

 

ペリーヌ「不味いですわよ、どういうわけか現在テスト中のカレー空港のVOR/DMEをナイトウィッチが受信して聞いてきたのよ。」

 

茂「え!あれをか?

  ILSでも積んでるんじゃないか?」

 

 あれを受信するには専用の装置が必要だぞ。

 ナイトウィッチ凄いな…

 

ペリーヌ「どうします?空港が完全に再開したらアレを06で常時動かすことになりますけど。」

 

茂「ある程度誤魔化すしかないな」

 

 すると突然ドアが開き振り返った。

 するとジャン・ポールと子供を抱えたリーネが入ってきた。

 

リーネ「ペリーヌさん!」

 

ペリーヌ「どうしました!」

 

 ペリーヌはすぐに立ち上がってリーネに駆け寄った。

 この光景に見覚えがあった。

 

茂「なぁ、これ遠すぎた橋じゃね?」

 

アメリー「多分…」

 

 小声でアメリーと会話する。

 その間に例のユリウスもやってきていた。

 

リーネ「この子、熱が」

 

ペリーヌ「急いだ方がいいわね。

     ジャン・ポール、お医者様と客間の用意を」

 

ジャン・ポール「かしこまりました」

 

ペリーヌ「アメリーさんはお湯を沸かして」

 

アメリー「分かりました」

 

ペリーヌ「茂さんはこの子をお願い」

 

茂「えーめんどくせー小遣いくれるのか?」

 

ペリーヌ「一発食らわせますわよ?」

 

茂「はい、やります。」

 

 ペリーヌが指示して、なおかつ脅してきたので従った。

 ペリーヌのブレンガンで鍛えられた腕力相当強いから辛い。(辛い)

 各自動き始めると俺と例のガキ以外いなくなった。

 

茂「ああめんどくせえ、こっちこい、遠慮するな。」

 

「いいのか?」

 

茂「ここで黙って座っていればいい。

  お菓子ならキッチンにいくらかあるぞ、なんだったらジュースとかもある。

  後テーブルの上に置いてるのは触るなよ、そこに書いてる事を外に漏らせば俺達の首が物理的に飛ぶ。」

 

 とりあえず例のガキを椅子に座らせた。

 その間に俺はテーブルの上のチャートを片付ける。

 

茂「ところでガキ、名前は?」

 

ユリウス「ユリウス」

 

茂「俺は井上茂、おたくらの言うところの扶桑人てやつだ。

  お菓子とジュース持ってくる」

 

 ユリウスの名前を聞いてから俺はキッチンにお菓子とジュースを取りに行った。

 まあ面倒な事になるのは確定したな…

 

 

 

 




コールサインで出した機体記号CR-737Bは実在しない機体です。
CRそのものはクロアチアが独立した一時期に使用した物だけどクロアチアの機体記号はアルファベットだけなのでアルファベット+数字はない。
数字と番号は勿論ボーイング737から。


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