ヤンキー娘は女神の義声の所有者 (星の御子)
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ヤンキー娘、目覚める。&設定
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『ツッ!?』ガバッ!
目を覚ました少女はベットから飛び起きた。
冷や汗と脂汗が混じりあい、荒い呼吸を繰り返す。
やがて落ち着いたのか、少女はゆっくりと息を吐いた。
『…嫌な夢』
少女はノロノロとベットから降りると、顔を洗いに洗面台のあるバスルームに向かった。
バシャッ!
少女は顔を洗い終わると小さめのタオルで水気を拭き取り、着替え始めた。
濃い青のTシャツの上に黒いパーカーを羽織り、膝下まである黒のロングスカートそして腰まである青く綺麗な髪をヘアゴムでポニーテールにし、黒い肩掛けリュックを手に取り、黒いショートブーツを履くとドアノブに手を掛けた。
『…いってきます』
そういうと少女は外に出た。
パパパー!!
ブロロロ
ガヤガヤ
ドカーン!←
アパートの外に出て見る光景ははっきり言って異様だった。
目が大量についた大男
昆虫のような顔の女性
そんな異形を喰らう巨大な化け物
ここは異界と現世が交わる街、
この町は三年前まで「ニューヨーク」だったのだが、突如開いた「ゲート」によって一夜にしてこのHLが構築された。
この一連の出来事は「大崩落」と呼ばれ、いまだに原因は分かっていない。
大崩落から三年、今この町は今後千年の覇権を争う戦場となっている。
この物語はそんな街にとある目的のためにやって来た少女…
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設定
『こんな「声」なんか…欲しくなかった!!』
『救うんだ…私の、この「声」で!』
『愚者共よ、私に従え!』
誕生日 8月6日
年齢 17歳
髪 青色でアホ毛のある腰までのロングヘアーで、大抵はポニーテールにしている
容姿 目はつり目気味で水色、顔立ちは目を除けば美人で、左の口元にホクロがある
背丈 レオと同じくらい
服 Tシャツはいろいろな種類があるが、基本は濃い青のTシャツの上に黒いパーカーを羽織り、首から何かの鍵を下げており、膝下まである黒のロングスカートを履き、黒いショートブーツを履いている
こんな感じの子です!
(服装が設定と少し違うんですがそこはご了承ください。)
性格 見た目で誤解されがちだが、正義感が強く困っている人をほっとけない優しい心の持ち主
能力 『女神の義声』その声は生き物全てを魅了し、相手を意のままに操ったり、所有者の周りにある電子機器を狂わせたりできる
アマネは一年前にHL付近に観光に訪れたときにアマネの姉『
所有者は舌にセフィロトの樹のような模様が浮かび、能力を使うとき、口の前に神々の義眼を使ったときのような陣が展開される。
所有者は裏のオークションで数十億の値で取り引きされる
その他 両親は既に他界しており肉親は姉だけ
両親や姉と髪の色が違い、両親や近所の人からは気味悪がられていた
実はかわいいものが大好き
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ヤンキー娘、人助けをする。
side Amane
「オールドファッション三つとストロベリーリング五つくださーい」
『かしこまりました』
「店員さ~ん!このドーナツポップ一番大きいの二つとブラックコーヒーとカフェオレ二つづつ~!!」
『少々お待ちください』
皆さんこんにちは。
ただいま私、アマネ・ミソラは…
絶賛バイト中です。
因みに私がバイトしているのは某人気ドーナツショップで、主に品出しとレジ打ちを担当している。
時計の針は二本とも空をさし、人(人ではない者が大半だが)がどんどん入店してくる。
レジに並ぶ列が途切れ、一息ついていると不意に肩を叩かれた。
振り返ると、緑色の肌の額に二本の角が生えた大柄な異界人の男が立っていた。
「お疲れ、アマネちゃん」
『店長…』
この
HLに来たばかりの頃、バイトを探して町を歩き回っていた私に声を掛け、雇ってくれたのもこの人だ。
「今日はもう上がっていいから、お昼食べておいで」
『え…でも、まだ勤務時間「そう言ってこの前お昼食べないで倒れちゃっただろ?」うっ;』
「ほらほら、今日は上がって上がって!これは店長命令だよ!!」
『(職権乱用…)…わかりました』
私は渋々うなずき、裏口から店を出た。
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『ハァー…』
私はHLに来てからお金をためて買った青いベスパにもたれかかって大きなため息をはいた。
店を出た私は、よく昼食を取るお気に入りのレストランに向かったのだが、サイとイノシシを足して二で割った様な巨大異界生物のせいで全壊してしまったのだ。
『…食べずに戻ろうか((グギュ~
………』
昼食を取るのを諦めて店に戻ろうかとも思ったが、腹の虫がもう限界だとでも言うように大きな音をたてている。
『ハアッ…別のところ探そ…』
そう呟いてベスパを発進させようとしたその時…
「さっさと来いや!」
『わっ?!』
急に怒鳴り声が聞こえ、何事かと思い振り返ると、全壊したレストランの先にある裏路地へ続く道に、
『ッツ…!!』
私は慌ててベスパから降りると、その路地裏に急いだ。
「~~~!?」
「~~!!」
路地裏に近づくと怒鳴り声が聞こえ、ソッと物陰から様子をうかがう。
そこに居たのは少しダボついた服を着た濃い藍色に近い癖付いた髪に糸目の少年と、少年を片手で押さえつけるライオンの顔に虫の複眼を持つ大柄な異界人、二足歩行の狐と狸を合わせたようなヒョロッとした異界人がいた。
押さえつけられている少年はなんとか逃れようともがいているが、異界人はびくともしない。
「う~~?!」
「暴れんな小僧!なーに、商品を少し貰うだけだ…大人しくしてれば痛くはねぇよ」
「キヒヒッ、そうそう!俺たちも早く終わらせたいし、暴れたら商品を傷付けちまうかもしれないからなぁ~」
「むぐっ、む~!!!」
下衆な笑みを浮かべる二人の言葉を聞いて、少年はさらに激しくもがく。
商品
貰う
傷付けてしまう
これらのワードから弾き出される答えは…
『(臓器の密売!!)』
そう、二人の異界人はあの少年の臓器を取り出し、それを売り捌こうとしているのだ。
「おい、速いとこ終わらせるぞ」
「ヘイッ!」
「?!ふぐ~!?!?」
大柄な異界人の横に控えていたヒョロい異界人は、足元にあった黒い鞄からナイフの様なものを取り出し、それを少年に向ける。少年は必死に抵抗するが、ナイフの切っ先は無慈悲にも少年に向かっていく。
『チィッ!』
私は舌打ちをすると足元にあったレンガを手に取り、それを大柄な異界人の横面めがけて投げつけた。
ガンッ!
「グアッ!?」
「アニキッ?!」
「!?」
レンガは見事に命中、大柄な異界人はレンガがぶつかった際に脳が揺れたのか、その場に蹲ってしまった。
私は急いで状況が理解できず座りこんで呆然としている少年に駆け寄る。
『大丈夫!?』
「ッ!き、君は((『話は後!早く逃げるよ!!』あ、ちょっと?!」
私は少年の手をとり立ち上がらせると、ダッシュでベスパのところまで戻り、メットインに入れていた予備のヘルメットを少年に投げ渡し、自分用のヘルメットを被り、ベスパに乗る。
『早く乗って!』
「えっ、で、でも((『つべこべ言わずに、さっさと乗る!!』は、はいっ!!」
ベスパに乗るのをためらっている様子の少年に、痺れを切らして思わず怒鳴り付けると、少年は慌てて私の後ろに乗る。
『しっかり捕まってなさいよ?』
「はいっ!」
少年の手が私の腰辺りに回されたのを確認した私は、エンジンをふかし、ベスパを急発進させた。
後ろからあの二人組の怒鳴り声が聞こえるが、それを完全無視し、他の車の間を縫うように走り抜ける。
暫くベスパを走らせ、大通りに近いところにベスパを止めた。
私と少年はベスパを下りると、ホッと一息付いた。
『ここまで来れば大丈夫ね…怪我はない?』
「は…はい…」
『なら良かった!』
私は少年からヘルメットを受け取り、それをメットインにしまう。
すると、
「あ、あの…」
『ん?どうしたの?』
「どうして、俺を助けてくれたんですか?」
『へ?』
唐突な問いに驚いた私が少年を見ると、少年は眉をハの字にして私を不安げに見ていた。
二人の間に暫しの沈黙が訪れる。
私は暫く少年の顔を見つめた後、フッと笑った。
『あなたを助けた理由は…
私があなたを助けたいと思ったからだよ』
少年は驚いたようにこちらを見ると、クスリと笑った。
「御人好しなんですね」
『そこは正義感が強いって言ってほしいかな』
「はいはい」
『ちょっとなーに、その適当な返事は~!』
「…ブフッ!!」
『…プッ』
『「アハハッ!!」』
二人は暫く笑いあっていたが、ふと少年が思い出し訪ねてきた。
「そう言えば、貴方はどうして彼処に?」
『私?私はグギュルル~…お昼忘れてた…』
会話の途中に唸り声をあげた腹の虫に、私は顔を真っ赤にして俯いた。
『(恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい…!!なにこんなときにお腹鳴るの私のバカァ…!!)』
「…ブッ、ククッ」
『(しかも笑われた?!)』
ガビーンと古い効果音がしそうなほどショックを受けていると、笑いが収まったらしい少年がこう言ってきた。
「助けてくれたお礼に、俺のおすすめの店に案内しましょうか?」
『!い、良いの?』
「勿論!」
『ありがとう!えーっと…』
「あっ、そう言えば名乗ってませんでしたね
俺はレオ、レオナルド・ウォッチ!」
『レオナルドね!私はアマネ、アマネ・ミソラよ!』
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女神の調べを宿す少女
この出会いは偶然か
或いは必然か
それは
神のみぞ知る…
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