一人の男とガールズバンド達 (AZAZEL)
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番外
イラストォ


※クッソグッダグダなので暖かい目で見て下さい
⚠️注意:クッソグッダグダなので暖かい目で見て下さい

大事な事なので二回言いました、それでもおkという方は本文どうぞ


はいどうも、作者のAZAZELデス

まあ題名からお察の方も多いでしょうが…なんとね、今回ね……超絶嬉しい事に幸貞君の絵を描いて貰っちゃいました

 

超感謝、ドゥゲザして崇め奉ってもいいくらいと言うかさせてくれ

 

ていう訳で↓にあるので見て下さい

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この絵を描いて下さったのはミラティブという配信アプリで仲良くさせて頂いている方に描いて頂きました

マジ神、超神……いや本当に有難い(語彙力)

 

多分、御本人のTwitterにも上がっていると思ったので自力で探して下さい…名前を出していいかは御本人に確認が取れてないので

 

そして本編どうしたクソ作者と思った方々、只今作者は就活に直結する大事な中間テスト中なのです

これ落とすとかなりヤバイのでマジで勘弁して下さい

 

テストが終わったらスグに書くのでお兄さん(お姉さん)許して!

 

はい、という訳です…本編はスグに書くからね?勘弁してね?(執拗い)

ていうかこれって1000文字なきゃ投稿できないんですね…何話したらいいか分からない

 

正直イラストしか上げる積りしか無かったので相当困ってる作者です

そうだ、もう一つの方も上げておきましょう…これはいずれ本編に出そうと思ってるやつです

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

扱いとしてはストラップです、どのタイミングで出すかは未定です

あと何かリクエストとかがあったら是非活動報告欄にコメントをお願いします(執拗い)

 

いやまあ、正直な話ね?リクエストとか難しいだろこの作品ってのは何となくわかってます

もしアレだったらifルートとかでも構いませんのでどうかこの作者めにネタを分けて頂けたら幸いです

 

はぁ、あと300文字も何を書けというのやら……ヤンデレの話でもしましょうか?

 

え?止めとけって?じゃあ止めます…ならミラティブについて少し話しましょう

 

知っている方もいると思いますが、Mirrativ(ミラティブ)というアプリがあります

このアプリを使うと誰でも簡単にスマホからLIVE配信したり他の配信を見たりで出来ちゃうアプリなのです

 

最低限のネットマナーを守れば基本的にみんな優しいです、但しマナー違反者には結構容赦が無い人達もいますので使う際にはご注意を

 

さて、こんなグッダグダな作者の話を聞いて頂き本当に有難うございます…今日『頂き』って文字多いな

 

んなこたァどうでもいいんだよ、本当にグダグダで申し訳ありませんでした

 

では皆様、『一人の男とガールズバンド達』いつもお読み頂き有難うございます

これからもよろしくお願い致します




ここまで御付き合い頂き誠に有難うございます


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本編
1話


二次創作は初投稿ですので、どうかお手柔らかに頼みます
キャラが違う等の事は大目に見てもらいたいですが、唯喋り方が違うという場合は教えて頂けると幸いです
因みに不定期更新ですのでご注意を

余り過度な期待はしないで下さい、え?期待してないって?HAHAHA、デスヨネー

では楽しんでいただけると光栄です


将来の夢は何か……そう聞かれれば『平穏で静かな日々を過ごしたい』、そんなどっかの爆殺魔じみた事を言っていた

 

決して俺は手を見て興奮したりはしないのでそこんとこ宜しく

 

唯、俺は昔からそんな事を思いながら…そして目指しながら生きてきた

平穏で、静かで…それが夢であり目標であったから

 

「お願い!この通りだから!!」

 

「絶対嫌だね、断固拒否する」

 

「お願いだよ〜!アタシと幸貞(ゆきさだ)の仲じゃ〜ん!」

 

「い・や・だ、何と言われようが絶対にお断りだ」

 

自己紹介が遅れたな、俺は導寺峠(どうじとうげ) 幸貞

どこにでもいるような普通の男子高校生の根性を捻じ曲げて性根を腐らせた様な男さ

 

それでもって俺の前にいるのは幼馴染、今井リサ

めっちゃギャルっぽいが普通に良い奴である

 

「大体、何で俺なんだよ…他に適任者が居ただろうが」

 

「だって幸貞、頭いいでしょ?それにお金の回し方とかチョー上手いし…絶対マネージャーに適任なんだって」

 

「マネージャー位だったら他の奴でも成り立つっての」

 

「アタシの身近には幸貞しかいないの、お願い!」

 

「何度言われようが絶対にやらないからな」

 

何をこんなにせがまれてるかと言うと…最近、リサはRoseliaと言うバンド始めたらしい

そこのマネージャーをやってくれと頼まれたのだ

 

因みにそこにはもう一人幼馴染がいるのだが、やりたくない理由の内面倒臭いからの次に挙げれられる理由がそれだ

 

「本当にマネージャーが欲しいんだったら他を当たりな」

 

「む〜……ケチだなぁ」

 

「俺は平穏で静かな日々を送るのが夢なんだよ、面倒事に巻き込まれてたまるかよ」

 

「まだそんなジジ臭い事言ってるの?」

 

「喧しいわ、じゃあ俺は帰るからな」

 

何か言いたげな顔を全開に出したリサを完全無視して家へ帰る

 

現在、親父と母親は単身赴任で家にいない…まあ仕送りは毎月送られてくるし量がかなりえげつない

家では姉二人と暮らしている

 

あぁ、そんな事よりまた明日も学校だァ…巫山戯やがってこの野郎め

因みに俺の通う学校は花咲川学園高校、最近まで女子校だったのだが試験的に共学となっていた

 

頭もそこそこで家から近いし共学の試験生に選ばれれば豪華特典も付いてくる、こりゃ受けるしかないっしょ

 

 

 

 

 

 

そんな事を思ってた頃が自分にもありましたよええ、俺は別に出会いを求めて花咲川に行った訳では無い……まあそれなりに女友達増えたよ?但し大半の奴は相手するだけ面倒臭い

 

「たぁだぁいぃまぁ」

 

「何そのやる気の無いただいま……おかえり」

 

「いいだろ別に、そんな気分なんだよ」

 

「またリサちゃんから誘われたの?いい加減に諦めて話に乗ったらいいじゃない」

 

「お断りDA、面倒ごとに首を突っ込むのは嫌いなんだよ」

 

今話しているのは下の姉、導寺峠 華蓮(かれん)

俺とは違ってやれば出来てしまう秀才型、身内贔屓無しに美人でスタイルいいと思っている

因みに俺はやったら出来そうだけどやらない奴である

 

まあ不思議な事に彼氏を一回も作ったことがないのである

 

まあ姉と言っても、俺より数分生まれるのが早かっただけなので年齢は同じ

 

「本当、アンタの性格って誰に似たのかしら?」

 

「さあね、そんな事どうでもいいだろ」

 

「……まあそうね、姉さん帰ってきたら晩御飯にするから」

 

「へいよ」

 

という訳で一番上の姉が帰ってくるまで部屋に籠る事にしました

まあ音ゲーやってるだけなんですがね

 

30分たった頃に姉が帰って来た

 

「ただいまー、ちょっと遅くなっちゃってゴメンね〜」

 

「いいよ別に、着替える序に幸貞呼んできて」

 

「はいよー」

 

という会話が聞こえたのでそろそろこの部屋に姉が来るな

 

「幸貞ー!姉が帰ったぞー!」

 

「うるせぇ」

 

「あでっ!」

 

思いっ切り近くにあったタオルを姉に向けてぶん投げる

 

此奴は導寺峠 晶奈(あきな)…導寺峠家の長女であり、華蓮と同じ位に美人である

そしてこの人はやらなくても出来る天才型

 

姉妹揃ってハイスペックなのは勘弁して下さい、俺は一体誰の血を引き継いだのやら

 

「ご飯出来るから降りてきてだってよ」

 

「はいはい、了解しましたよ」

 

飯食ってさっさと寝よ……あ、勿論風呂は入るよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

「じゃあ行ってくんね」

 

「いってらーしゃぁぁぁい」

 

「ウゼェ」

 

「酷い」

 

「コントやってないで早く行きなさいよ」

 

「今のは晶奈が悪いだろ」

 

「遅れるわよ、早く行きなさい」

 

「へーい」

 

という訳で学校へ向かいますか

あー面倒臭いなー、何が面倒かって面倒なんだよ(語彙力)

 

「あ!幸貞君だ!」

 

「はい出たー、面倒臭いの出たー」

 

「いきなり酷い!?」

 

「なあなあ香澄ちゃんや?人が学校面倒臭いって思ってて心が折れそうな所にトドメを刺しに来るのはどうかと思うなー」

 

「えぇ!?」

 

「何言ってんだよお前、そんなもんお前次第だろうが」

 

はい正論頂きましたね

 

初めに話しかけてきた娘は戸山香澄、やたらと元気で俺の周りをチョロチョロチョロチョロしている

次の娘は市ヶ谷有咲、金髪ツインテでツンデレは鉄板だよね

 

あと二人ともpoppin'partyというバンドをやっている

 

「半分冗談だよ、悪いな」

 

「半分は本気なんだな…」

 

「学校面倒臭いは本音って事だよ、それじゃ先行くから」

 

「あっそう、また後でね」

 

「へいへーい」

 

因みに香澄は「あ!ちょうちょだ!!」とか言ってフラフラどっかへ行ったので有咲に任せた

 

てかガキかよ

 

さあ、少し歩いてスグに校門へと着きました

急いで教室に向かわな「幸貞くーん!」ければ………

 

「あー人違い人違い、幸貞なんて人は此処にはいませーん」

 

「何が酷くない!?」

 

「俺は丸山彩なんて人は知らないのでこの辺で」

 

「ちょ、ちょっと待ってよ〜!!」

 

「……はぁ、何か用ですか?丸山先輩」

 

「私の扱い酷くないかな〜…」

 

この人が一つ上とか信じたくない

丸山彩、pastel*paletteと言うとアイドルバンドのリーダー兼ボーカル

 

「ねぇねぇ、今日お昼一緒に食べない?」

 

「他の人誘えばいいじゃないですか」

 

「いいじゃんいいじゃん、一緒に食べようよ〜」

 

「じゃあジュースおごって下さいね先輩、それじゃ」

 

「え!?ちょっと待ってよ!?」

 

逃げる様にすササッと走る、一直線に教室へ向かった

やっと俺の安全地帯へと入れる…ここに来るまでかなり疲れたんだが、もう帰って宜しいか?

 

あ、ダメだ…お昼行かないと多分泣かれる

 

「はぁ、面倒臭いなぁ」

 

「おはよう、幸貞」

 

「近い近い、花園さん近い」

 

目の前に顔がサムズアップされた、ビックリするから止めてくれ

花園たえ、香澄(あたまわるいこ)と同じ位にバンドに所属する天然(?)な娘

 

「急に横から出てこないでくれ、心臓に悪い」

 

「おたえ」

 

「断る、たえ」

 

「おたえ」

 

「たえ」

 

「おたえ」

 

「たえ」

 

「おたえ」

 

「たえ」

 

「………ねえ、いつまで続けてるの?」

 

「どちらかが折れるまで、甘く見るなよこういう意味不明な所では俺のメンタル強度は百べぇだ」

 

「面倒臭いし性格悪いよそれ」

 

この娘は山吹沙綾、たえ(おたえ)コイツ直接脳内に…!?

まあそんなこたァどうでもいい、まあ上のヤツと同じバンド

 

そんでもって商店街にある山吹ベーカリーってパン屋の娘

 

「まあ面倒臭いので俺は早めに退却しマース」

 

「あ、逃げた」

 

「結局逃げるのね」

 

そそくさと自席へと逃げる、メンタルは耐久できるけど面倒臭いが勝つな

 

「あぁ、お昼面倒臭い」

 

「ちゃんと食べなきゃダメだよ?」

 

「そういう事じゃないんよ沙綾さん、流石に俺でも食べる事まで面倒だとは思わない」

 

「あ、そうなの…じゃあどうしたの?」

 

「何その『あ、意外』みたいな言い方は…はぁ、丸山先輩に昼飯誘われたんだよ」

 

「良かったじゃん、アイドルと昼食取れるんだよ?」

 

「いいや良かないね、俺は一人黙々と食べたいんだ」

 

「だから友達できないんじゃないのかな?」

 

「別に要らんだろ友達、出来て得する事あるか?」

 

「そういう所が悪いと思うなぁ〜」

 

だってあんなの薄い言葉ひとつで成り立ってるボロボロな建前だろ?そんなもの作る必要ないって

 

まあこんな捻くてるから屑なんだよね〜、そこははっきりわかんだね

 

「ああそうだ、チョココロネに合うハーブティー作ったからりみに渡しといて」

 

「お、新作?分かった」

 

紙袋を鞄から取り出し沙綾へと渡す

 

りみってのは牛込りみ、まあこの流れから言うとお察し香澄達と同じバンド

確か上の学年ににお姉さんが居たような気がしたけど、あまり知らない

 

因みにりみちゃんはチョココロネ教徒である、それはもう凄まじい…その為前に『チョココロネに合うハーブティーでも作ろうか?』って言ったらめっちゃお願いされた

 

正直に言って可愛かった

 

「あ、そろそろチャイム鳴るね…そう言えば香澄来てないね」

 

「朝から蝶々追いかけてるよ、多分有咲が捕まえに行った」

 

「あー…香澄をね、じゃあ私は席に戻るね」

 

「んー」

 

ホームルームや授業なんかは特にこれといってなかった

ああ、敢えて言うなら遅刻ギリギリに香澄が滑り込んで来たぐらいだろう

 

有咲も大変だなぁ(他人事)

だってこの後が大変なんだもん仕方が無いだろ

 

という訳でお昼がやってまいりました

 

「ゆっきさっだくーん!」

 

「はーい脳内ピンク先輩お呼びでしょうか」

 

「本当に私に対して酷くな〜い!?」

 

「幸貞、相変わらずだね」

 

「あ!彩せんぱーい!」

 

「香澄ちゃーん!」

 

今の内に逃げようかな、今だったら行けるよな…よし行こ「あれ?どこ行くの幸貞?」

 

わぁお、沙綾さんタイミングゥ

 

「あ!逃げないでよ幸貞君!」

 

「チッ、さては狙ったな沙綾」

 

「ご名答」

 

「本当だったのかよ畜生」

 

「じゃあ行こー!」

 

ちょっち待ってちょっち待って、流石に手を繋ぐのは不味いんじゃないでしょうか?貴女アイドル、私一般人…Do you understand?

 

そんなことを言う暇もなく引っ張られて行く

 

「何処まで行くんですか?」

 

「中庭だよー、今日は温かいし外で食べよう!」

 

「へーい」

 

引っ張られるまま中庭へと連れ出された、真ん中にちょうど木が生えておりそれを囲むようにベンチがある

 

まあそこで食べるんだろうな

 

「あ、見えてきた」

 

「ああ、そうですね……ん?」

 

ふと、ベンチに座る女性が見えた

長く煌めく金色の髪、どっからどう見ても日本人には見えない綺麗な顔立ち(ガッツリ日本人)

 

………成程な、そういう事が

 

「あら、彩ちゃん来たのね」

 

「うん!ちゃんと幸貞君も連れてきたよ、千聖(・・)ちゃん!」

 

「そうみたいね」

 

嵌めやがったな脳内ピンクめ、こんちくせう



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2話

お気に入りが20件にいっていて正直ビックリしています

予想以上と言うか普通にもっと少ないかと思ってましたので、登録をして下さった皆様ありがとうございます

では本編どうぞ


「じゃあご馳走様でした」

 

「ええ!?」

 

「まあ待ちなさいよ幸貞君」

 

速っ、いつの間に俺の近くへ…阿修羅閃空でも使ったのかね?

肩を掴まれ、そちらの方へ顔を向けると

 

「お久しぶりね、ゆ・き・さ・だ・君」

 

「こんにちは女王様、俺はモダ〇ン5でキルレ上げなきゃいけないから帰りますね」

 

「誰が女王様よ、まあ元より逃がすつもりはサラサラ無いけどね…貴方さっき彩ちゃんと手を繋いだでしょ?」

 

チッ、脅しに入りやがった…はぁ、こうなったら面倒臭いからなぁ

癪だが従うか

 

「はいはい、一緒に食べればいいんでしょ?」

 

「あら、話が早くて助かるわ」

 

仕方無いので嫌々ながらベンチへ腰掛ける…すると左に白鷺先輩、右に丸山先輩が座る

 

何この嬉しくない両手に花

 

「じゃあ食べましょう」

 

「そうだね、いっただっきまーす!」

 

「はぁ、何故この配置」

 

「何か言ったかしら?」

 

「イイエ、ナンデモ」

 

言うと碌でもない事になりそうなので黙っておくことにした

手持ちのサンドイッチを膝の上へ出しラップを広げ、口へ運ぶ

 

「それで、俺を呼んだってことは何か話すことがあるんでしょ?」

 

「私が単純に貴方と昼食を取りたいって選択肢は無いのかしら?」

 

「有り得ないですね、存在し無いですよそんなもの」

 

「…まあ理解が早くて楽だけど、イマイチ詰まらないわね」

 

「それで、本題は?」

 

「単刀直入に言うけど、私達のマネージャー…いいえ、お手伝いでもいいの…なる気はない?」

 

何度目だろうかね、このお誘い

残念ながら俺の答えはいつだって同じで変わることがない

 

「お断りします」

 

「……はぁ、だろうと思ったわ…ならこれだけ教えて頂戴」

 

「何ですか?答えられる範囲なら答えますよ」

 

「今の私達に足りない物って、何かしら?」

 

「足りない物ですか?」

 

「そう、初めて貴方に歌を聞いて貰った時に貴方が言った事よ…私達には何かが足りないって」

 

あー、そういやそんな事を言ったな

香澄経由で丸山先輩と仲が良くなって(一方的)、それでもってセンスある!とか香澄が豪語するもんだから聴いてくれって言われた時のか

 

「それで、何かしら?」

 

「んー、本当に足りない物を分かっていない…ってのが足りないんじゃないですかね?」

 

「それだと質問の反復なのだけれど?」

 

「いやだって考えてみて下さいよ、俺は貴女達じゃない…考えを聴くことが可能だとしても完全に理解することなんて到底不可能なんですから、本当に足りないものは自分しか分かりませんよ」

 

まあ、こんなの答えを出すという道を避けるための言い訳みたいなものだけどね

 

「でも口出しをしたのは貴方よ?」

 

「まあそれはそうですね、でも俺が答えを出したところでそれは俺の考えであって貴女達の考えじゃない…それじゃ意味が無いんじゃないんでしょうか?結局のところ自分を自分で何処まで理解出来るかって話ですから」

 

「……言いくるめるのが上手いわね、貴方」

 

「信念も誇りも捨てて身軽になった人間の考えってやつですよ」

 

「トコトン駄目人間なのね……まあいいわ、己は己で磨けってことね」

 

「まあそうゆう事ですよ、それで納得して下さい」

 

「仕方無いわね」

 

取り敢えずお昼を乗り越えることが出来た俺氏、一先ず安心できる

いやーあの女王様相手にどれだけ持ち堪えられるかと思ったが、案外上手くいったな

 

さぁて午後の授業頑張ってさっさと帰ろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんて事は出来ませんでした、なんでや…何がいけないんや……

 

「幸貞くーん!私達のセッション聞いてよ!」

 

「嫌だね、俺は早急に駅前のゲーセンに行ってC□UNIT□Mやらなきゃいけないんだ…あと少しで金レートなんだよ邪魔をするなァ」

 

「え〜いいじゃん〜、一曲!一曲だけだから!」

 

「嘘おっしゃい、一曲で終わった試しが無いだろうが」

 

香澄が俺の腰から離れません、コイツ何気に力強いんだよ

しかもサラッとたえまで俺を羽交い締めにして引き戻そうとしてきやがる

 

何素知らぬ顔してんだよお前

 

「HA☆NA☆SE、俺はゲーセンに行きたいんだ」

 

「うぅ〜!一曲だけだから〜…お願い!!」

 

「そろそろ諦めたら幸貞、私腕疲れてきた」

 

「なら離せばいいんじゃないでしょうかたえさん、そしたら万事解決だ」

 

「おたえ、さんはいっ」

 

「だが断る、たえ」

 

「おたえ」

 

「たえ」

 

「おたえ」

 

「たえ」

 

「おたえ」

 

「たえ」

 

「またやってるの……コラ香澄、そろそろ離してあげなよ」

 

おお、ナイス沙綾様…俺もそろそろ腰の力がやばくなってきてた頃だったんだ

 

「えぇ〜、沙綾はいいの?幸貞君程適任者はいないんだよ?」

 

「本人が嫌がってるのに無理矢理はダメだよ」

 

「うぅ〜……はーい」

 

「はぁ、明日腰筋肉痛かな…結構きつい」

 

「また気が向いたら言ってね幸貞、待ってるから」

 

「そうかい、まあいつ気が向くか分からんけどな」

 

そう言って教室を出て行った、目指すはゲーセン一直線

もう誰にも俺を止められねぇぜ

 

そんな事を思ってた時期が俺にもありましたよ……校門の前にリサが立っていたのだ

 

「あ!やっと来た、もー待ちくたびれちゃったよ〜」

 

「じゃあ帰ればよかったんじゃ無いッスかねリサさん」

 

「むー、そんな言い方する事ないじゃん幸貞」

 

「こりゃ失礼、言葉選びは苦手でね…それで何用かね」

 

「久し振りに一緒に帰ろうかなーって思ってね」

 

「え、でも俺これから駅前のゲーセンに…」

 

「ん?何?」

 

「イエナンデモ」

 

何で俺の知り合い女性陣は皆怖いんでしょうか、やっぱり男は尻に引かれるのがオチなのか…

 

「……それで、お前の後ろにいる銀髪の美少女さんは誰かね?」

 

「えーっと、あはは…」

 

苦笑いを浮かべながらバツの悪そうな顔をするリサ

最初から気まずくなるの分かってるなら二人で帰ればよかったのに、何を血迷ったのかね

 

「久し振りね、幸貞」

 

「ああ、随分と見ない内にまたクールになったな…友希那」

 

もう一人の幼馴染み、湊友希那がリサの陰に立っていた

俺とコイツは別に仲が悪い訳では決して無い、だが昔から俺はコイツが苦手だった…付け加え前に俺が言った言葉により更に関係がギクシャクというか気まずくなっている

 

どう考えても自業自得ですねはい分かります

 

「ていうか、友希那がいるなら二人で帰ればよかったんじゃないか?」

 

「リサがどうしても貴方と帰りたいっていうから、仕方無くよ」

 

「あ、そう……じゃあ帰るぞ」

 

だがその後、皆喋ろうとしなかった…というか迂闊に喋れない

 

(おいリサ、お前がこの状況を招いたんだからどうにかしろよ)

 

(ええ!?そ、そんな事急に言われても…)

 

アイコンタクトでリサへそう訴えかけるが、あまり期待できそうにないな

チッ、元凶のクセに

 

(後で覚えてなよ?)

 

心読まれてーるね、おおくわばらくわばら

共通な話題とかもないし…まあバンドの話はしない方がいい、また面倒臭くなる

 

この空気…思った以上にキッツいなぁ〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私には幼馴染みが二人居る

一人は今井リサ、昔から人に気の使えるいい友人だわ…今のRoseliaだってリサの支えは大きい

だから感謝するべき親友であり、大切なバンドの仲間

 

そしてもう一人、導寺峠幸貞

幸貞もリサと同じ頃から一緒にいた、第一印象はかなり大人びていた

子供とは思えない程に物静かで冷静沈着という言葉がピッタリだった

高校までは特に何も無く静かに過ごしていたと思う

 

高校になって、私がバンドを始めた頃…一番最初は昔からの友人に聞いてもらおうと思っていた

リサはバンドメンバーなので、残っているのは彼だけだった

 

演奏後は「良かった」としか言わなかった…しかし私はどうも気になって帰り道に感想を更に追求した、そして彼が言った言葉

 

「バンドとしても演奏としても申し分無い程に完成されている、だが一体感が足りない」

 

「一体感?」

 

「ああ、お前達の目標は何だ?FUTURE WORLD FES.に出る事か?ならばメンバー全員がその目標だけに向かって歩いているのか?」

 

「私達は同じ志を持って集まったのよ、同じ目標を目指して歩いているの…馬鹿にしないで」

 

「本当にそうか?そう思っているのならお前らはまだまだ甘い、全員がお前のように一つの目標へと志せてはいないな…別の問題を抱えてそちらにも悩んでいる…それじゃあ同じ目標を持ってるとはいえねぇな」

 

一息付き、また口を開く

 

「お前らにとって友情ってなんだ?絆ってなんだ?」

 

「いきなり何よ……長い付き合いから生まれる信頼感じゃないかしら」

 

「ほー、成程……ならお前らにそれはあるか?」

 

「…何が言いたいのかしら?」

 

「信頼感…絆…友情…こんなモノ言葉一つで言い表せてしまう程に脆く弱い繋がりだ、他人に自分達が持つその繋がりがどれ程強いモノだと示すには言葉なんかじゃ伝わらねぇな…ま、あとはバンド仲間達と話し合って決めてくれや」

 

そう言いながら背を向けて歩いて行く…しかし、途中で足を止めてこちらに振り向いた

 

「ああそうだ、水色の髪した女の子…あの子は気を付けた方がいいぞ、ありゃ両刃の剣だ」

 

そう言い残して帰った

 

それから暫く時間が経ち、彼のお陰かバンドとしても私達個人としても成長した

彼の助言通り、一度集まり目標への話し合いをした…そして一つの目標へ全員の姿勢を向ける事が出来た

 

そして恐らく彼が危惧していた紗夜について、妹との付き合い方が分からず悩んでいたという事も分かった

それについても少し進歩があり、少なからず昔よりは前に進めたと思っている

 

そして私は幸貞をRoseliaへ勧誘した

 

「幸貞、Roseliaに入ってみる気はない?」

 

「…俺がお前のバンドへか?」

 

「そう、貴方のお陰で私達は更に成長する事が出来た…でもまだ上を目指して歩む積もりよ、だから貴方の力を貸して欲しいの」

 

「悪いがその誘いは断らせてもらおう」

 

迷う素振りもなくそう断言した

 

「理由を聞いてもいいかしら?」

 

「理由ねぇ…気を悪くさせたら済まんな、俺はお前が苦手なんだ」

 

正直に言って衝撃だった…彼から苦手意識を受けたことではなく、彼が苦手意識を持つことに

 

「……私、貴方に何かしたかしら」

 

「ああいや、そういう訳じゃないんだ…別に俺はお前の事を嫌ってる訳じゃない、少し苦手なんだ」

 

「……そう、なの」

 

「お前の音楽へ向く姿勢も、音楽へ掛ける情熱も全て認めているしむしろ尊敬する……だが、それでも俺はお前がどうも苦手だ」

 

彼はそれだけ言うと、背を向けて帰ってしまった

 

私自身を否定されたような気がした

 

 

 

 

 

しかし、不思議と嫌な気持ちは湧いてこなかった…寧ろ心がまた熱くなった

いつか必ず彼に私達の音楽を…そして私自身を認めさせる、そう心に強く思った




評価をして下さった
wakron様

まっp様

新庄雄太郎様

本当にありがとうございます、


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3話

これでいいのか、これでいいのか(困惑)

幸貞くんのキャラが自分の中で安定しない、良い奴なのか屑なのか……頭の中では駄目人間にするつもりなんですが

取り敢えず本編どうぞ


かれこれ沈黙を保ちながら歩くこと数十分、矢張り欲というのは我慢出来ない

道のり的に駅前通りが帰り道から見えてしまう…そして自動的にゲーセンが目に入ってしまうのだ

 

「……なぁ、やっぱゲーセン行ってきていい?」

 

「え?あ…う、うん…そう言えば校門でそんな事言ってたもんね」

 

「悪いな、どうもゲーセンが目に入ると欲が抑えられないもんでな」

 

「いいよいいよ、無理言ったのはアタシだし……あ!そうだ!アタシもついて行っていい?」

 

はい?何を仰ってるんだねこの娘は

何が楽しくて俺と一緒にゲーセンへ行こうと思ったんだよ

 

「何言ってんだよお前、俺は音ゲーしかやらないから来ても詰まらんぞ」

 

「いいのいいの!一回幸貞がその音ゲー?って言うのをやってるところ見たいし!」

 

「それは私も少し興味があるわね」

 

何を仰ってるんだね友希那さん、貴女そんなタイプじゃないと思ってたのは俺だけなのか?

 

「ほら〜、友希那も興味あるって言うし…いいでしょ?」

 

「……はぁ、この時間帯は馬鹿な奴等が多いから気を付けろよ…特にお前ら周りと比べりゃ綺麗なんだから」

 

「へぇ〜………へ?…うぇ!?」

 

「…っ!?」

 

「何急に、どうした」

 

「い、いいいいいま…き、綺麗って」

 

「おう、言ったけど」

 

「………貴方、鈍感よね」

 

え、ああ…まあよく周りからは「鈍いな〜お前」と言われるけど

 

何せ肺気胸やってかなり進行してたにも関わらず剣道・水泳と肺に負担かかる運動ばっかりやってたからな

医者行ってビックリだよ、あと一歩で死んでたかもしれないってさ

 

本当笑い事じゃないよねハハハハハ

 

「何かよく分からんけど、取り敢えず行くぞ」

 

妙に顔の赤い二人に首を傾げながらゲーセンへ向かう

 

「幸貞って唐突にああ言うことサラッと言うから狡いよね」

 

「まぁ、それが彼だから」

 

「ん?何か言ったか?」

 

「ううん、な〜んにも」

 

「ええ、別に何も」

 

何か白々しいんだが、まあこういう話を根掘り葉掘り聞くのは良くないと思うから聞かないが

 

という訳で着いてC〇UNIT〇Mに直行、この時間帯は空いてるからレンコンし放題だぜ

てな訳でやりまショウタイム

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お〜!凄いね幸貞!!」

 

「ああああああ1missったァァァァァァ……もう最悪だよべらんめェ、こん畜生が」

 

「何か幸貞が情緒不安定なんだけど、大丈夫?」

 

「大丈夫だ、問題ない」

 

「そ、そう…」

 

最悪だろ全く、まあ今のやつはそこまでフルコンしたい曲って訳でも無いし別にいいけど

 

「お前らなんか飲むか?付き合ってくれた礼に奢るけど」

 

「え、でもアタシが勝手に付いてきただけだし悪いよ」

 

「リサの言う通りよ、別に奢ってくれなくても…」

 

「まあ黙って奢られろ、男が気前張ってんだから大人しく聞いとけ」

 

「…はぁ、じゃあアタシは紅茶で」

 

「しょうが無いわね…私はお茶でいいわ」

 

「はいはーい、じゃあちょっと待ってロッテのトッポ」

 

自動販売機は確かあの角だよな……紅茶か、午〇ティーでいいか

お茶は△鷹でいいか、あれ美味しいし……あ、でも確か友希那って苦いの駄目だっけ

しゃーないな、〇ーい〇茶にするか

 

………はっ、俺の面倒センサーが反応した

これはまさかリサと友希那が馬鹿共に絡まれてるとみた、置いてこなきゃよかった

 

角から出ると案の定、頭の悪そうなDQN(偏見)に絡まれていた

 

「なぁイイだろ姉ちゃん達、俺達と遊ぼうぜ?」

 

「いやあの、私達友達待ってるんで」

 

「それってもしかして男友達?そんな奴より俺達と遊んだ方が絶対楽しいって」

 

「そうそう、俺の音ゲー見てるより遊んできた方が楽しいよ」

 

「……ねぇ、何でサラッとそっち側にいるの?」

 

「え、だって面倒だし…こっちの方が楽だと思って」

 

「幸貞、最低よ」

 

「ちょ、友希那さん酷いッス」

 

「あん?…うおお!?いつの間に!?」

 

DQN達(偏見)の後から援護射撃していたのがバレた

友希那様がまるで養豚場の豚を見る目で俺を見てくる、やめてくれ…何か目覚めそうだから

 

スっと二人の後ろへ回り込む

 

「いやー悪いね君達、コイツら俺の連れなんで」

 

そう言いながら二人の肩を掴み、自分の方へ寄せる

俺の方が背が高いので頭の上から顔が出る

 

そして心做しか二人の耳が真っ赤なんだが…何かごめんね

 

「おいおい独り占めはズリーんじゃねえの?」

 

「そうだぜ、一人貸してくれよ」

 

「何言ってやがる馬鹿共、コイツらは高ぇぜ?」

 

二人の肩を引き後ろへ下がらせる

 

「貸してもらいたきゃ手前の身体で払いな」

 

五人の内、真ん中に立っている男の顔面に俺の足がめり込む

瞬間…鈍い音と共にその男は後ろへ吹っ飛んだ

 

「な、何しやがる!!」

 

「ちょっと幸貞!!」

 

「まあまあ黙って見てんしゃい、何の問題も無いから」

 

「何の問題も無いって貴方、そう言う問題じゃないわよ」

 

「んー?学校にバレるってか?まあ取り敢えず見てなさいって」

 

前に視線を戻すと一人が殴り掛かって来ていた、馬鹿は単調で扱いやすい

本当に助かるね

 

「主は言いました、自分の右頬が打たれそうになったら…右手で受け流し相手の右頬へ左ストレートを打ち込み、すかさず右脚で相手の左頬に蹴り込みなさいと……なんてね」

 

また一人顔面に蹴りを受けてダウン

コイツら弱過ぎじゃねぇか、何かこっちが虐めてるみたいじゃねえかよ(煽り)

 

「ほらほらどうした、もう尻尾巻いて逃げんのか?詰まんねぇな」

 

「嘗めてんじゃねえぞテメェ!!」

 

また一人突っ込んでくるので顔面へ大振りの蹴りをお見舞する

また大きく吹き飛び、地面へ伸びる

 

「俺は手前らの事を嘗めちゃいないさ、嘗める価値なんか微塵にも無いからな」

 

残り二人の顔を鷲掴みにし、力を加えていく

若干ミシミシと嫌な音が聞こえるがそれは気の所為気の所為

 

「いだだだだだだだ!?」

 

「ぎゃああああああ!!あ、頭が割れるぅ!!!」

 

「情ねぇ声出しやがって、男ならもっとシャキッとしろ馬鹿野郎」

 

一発づつ膝蹴りを鳩尾へとブチ込み、床へ放り投げる

それと同時に店内へ怒号が響き渡る

 

唖然としていた二人は唐突の大音量に肩をビクッと揺らす

 

「おいゴラァ餓鬼共!!店ん中で喧嘩するなって何回……ん?なんだ幸貞か、何奴ボコしたんだ?」

 

「ようおヤッさん、コイツら」

 

「あ!コイツら前に当たりクジの商品が入ってるショーケースブチ壊した奴らじゃねえか!お手柄だな幸貞!」

 

「ん〜、まあ喧嘩ふっかけたのは俺だけどね」

 

「ンな事はどうでもいいんだよ、結果的に良けりゃな……そんでそこで腰抜かしてる嬢ちゃん達は?お前のコレか?」

 

そう言いながら小指を立てる、おヤッさん…表し方が古いぜ

 

「そんな訳ないだろ、幼馴染みだよ幼馴染み」

 

「随分と別嬪な幼馴染みを持ってんな幸貞、この幸モンめ!」

 

「はいはい、それより自己紹介でもしたらどうだおヤッさん」

 

「それもそうだな、俺は鬼牆(おにがき) 玄四郎(げんしろう)ってんだ宜しくな!」

 

見た目はどう足掻いてもヤッさんなおヤッさん、このゲーセンの店長である

大柄で声もデカく野太い上に顔まで厳ついときたもんだ、初対面の人は確実に「あ、この人ヤバいお人だ」と思うかもしれない

 

が、おヤッさんは普通に気前のいいオッサンである

そして俺の通うこのゲーセンには世間一般で言う不良(馬鹿共)と言われる奴等が沢山いる

 

だから人は余り近寄らない、まあいつも音ゲー台空いてるから不良様々なんだけどね

 

「よ、よろしくお願いします」

 

「宜しくお願いします」

 

「いやーにしても幸貞にこんな別嬪な幼馴染みがいるなんてなぁ、しかも二人もよお」

 

「その話はもういいだろ、てかもうそろそろ帰るぞお前ら」

 

「あん?もう帰んのか?なら今度来た時に500円分奢ってやる」

 

「いつも悪いなおヤッさん、じゃあな」

 

「おう!」

 

因みに帰り際、入口付近に不良共が屯していたのだが俺が近づくと「「「あ!幸貞さんチィーーーッス!!!」」」と言ってどいてくれた

 

この前ボコした奴等だわ

 

「何か幸貞、番長みたいだね」

 

「今の時代に番長とかいるのかね、流石にもう時代遅れだろ」

 

「あはは、それもそうだね〜」

 

その後は二人と他愛もない話をしながら家へ帰宅した

家に帰ってからは特に無かった……いや、敢えて言うなら晶奈が「ねぇねぇ!!どっちが本命なの!?ねぇねぇ!!」と煩かったので蹴り飛ばした

 

てか何の話?

 

 

 

 

 

 

翌日(休日)

 

やっヴァイ、ゲーセン行き過ぎて金が無いや

これどうしようかな…あっそうだ(唐突)バイトでも始めようかな

 

コンビニは……あ、ダメだリサがいる…一緒の所はちょっと勘弁

後は〜…沙綾のところもいいかなって考えたけど、他の奴らに見られたら面倒だな

 

時給いい所は……お、Circle?ライブハウスか

……自分から音楽に関わりに行くあたり俺も馬鹿だよなぁ

 

「君が幸貞君で良いのかな?」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

てな訳で面接受けに来ましたよはい

やっぱ金には負けるよね、しょうがないね

 

このまりなさんって人、めっちゃ綺麗やな

 

「えっと、音楽の経験とかある?」

 

「いえ、無いですが幼馴染みが音楽をやっていまして…多少の事は分かります」

 

「機材とか扱えたりする?」

 

「扱えますね」

 

リサとか香澄とかあとピンク頭()とかがたまに頼んでくるからね

 

「……よし!君採用!」

 

「はい……え?早くないですか?」

 

「機材扱える人材は貴重だし、何より男手が欲しかったからね!」

 

との事で早速今日からお仕事が始まるそうです(現在9時)

それでいいのかまりなさん、まあいいんだけども

 

「取り敢えず今日は予約があるバンドがあるからセッティングとか頼める?」

 

「やる事さえ分かってれば問題ないです」

 

「うん!よしよし、やっぱり男手がいると楽だね〜」

 

上の話と全く関係ないがさっきまりなさんから聞いたんだがこのライブハウスはどうやらガールズバンドが多いらしい、というかブームらしい

そうなのかー、と思いつつセッティングを始める

 

このアンプ調子悪くないか?線とか接続関連じゃないとするとアンプ自体に問題があるのか

いま工具って持って来てたっけな、荷物の中に簡易工具があった筈だが

 

工具を持ってきて少し作業しているとまりなさんが来た

 

「どうー?上手くやって……ってうわ!!何してるの!?」

 

「あ、どうも…いやアンプの調子が悪そうだったので、少しメンテしてます」

 

「で、でもあと一時間で来ちゃうよ!?」

 

「十分で終わるんで問題ないです」

 

「え!嘘!?速すぎじゃない!?」

 

それから十分

 

「後はこの辺をチョチョイとして……はい、終わりました」

 

取り外していた部品を全てつけ直し、試運転をまりなさんにしてもらう

 

「す、凄い…前より音が綺麗になってる」

 

「よし、じゃあ取り敢えずセッティングは終わりですかね…次の仕事は…」

 

「幸貞君!!」

 

「な、何でしょうか」

 

「ウチで正式に働かない?」

 

「えっと、それはここに就職するという事ですか?」

 

「そう、勿論答えは急がないからしっかり考えて…それに高校を卒業してからでいいから」

 

「わ、分かりました…取り敢えず考えときます」

 

まりなさんの目がガチだった、ここに就職かぁ…バイトの時給から見るに正社員の給料は悪くは無いだろうけど

まあ、急がなくていいって言われたし…じっくり考えるか

 

「受付の仕方はこんな感じかな、まあ基本的に予約の人が確認して鍵渡すだけだから難しくはないかな」

 

「接客は出来なくは無いので、多分大丈夫です」

 

ていうか受付は基本的に暇らしい、楽な仕事もあったもんだな

てか本当に暇だった、予約のバンドが来るまで誰も来なかった……が、問題なのは来たバンドというのが

 

「えっ!幸貞君ここで働いてるの!?」

 

「香澄!あんまデカい声出すな…ってマジか!?」

 

おおジーザス、なんという事だ……いやてか完全コイツらがバンドやってんの忘れてた俺の所為だなうん




因みに肺気胸の話は作者の実話です

病院行ってレントゲン撮って先生の「これダメだね」その一言で入院が決定しました
手術して完治して今はバリバリ元気です


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4話

お気に入りが50件になってて、正直ビックリしてます

と言うか、もう本当…見てくれてるだけでありがたいです、これからも頑張っていく次第ですので今後ともよろしくお願いします

では本編どうぞ


しかし、まさか予約のバンドがコイツらとは思ってもいなかったZE

 

「本当に幸貞だ〜、バイト始めたの?」

 

「よう沙綾、まあ最近金欠気味なんでね」

 

「うちで働いてくれればよかったのに、そしたら色々と面白そうだったんだけどなぁ」

 

「一回考えて『無いな』って判断を下したから」

 

「何かそれ酷くない?」

 

それに基本的に俺って接客したくない派なんだよね、どうも苦手なんだよね

まあ下手くそって訳じゃないし出来ないわけじゃ無いから…ま、多少はね?

 

「まあそれより、はいこれ鍵」

 

「あ、どうも…じゃあ頑張ってね、ほら行くよ香澄ー!」

 

渡した鍵の部屋へ向かう…と、その前にチョココロネ教徒のりみちゃんがこちらへ来た

 

「あ、あの…ハーブティーありがとうござましたっ!」

 

「ああ、どういたしまして…チョココロネとどうだった?」

 

「凄く合いました!本当に美味しかったです!」

 

「おうそうかい、じゃあバンド頑張ってね」

 

「は、はいっ!ありがとうございます!」

 

そう言って走っていった

あのチョココロネ狂信さえなければ完全に美少女だと思うんだよね

 

暇だな…新聞でも読むか

近くの棚に音楽雑誌やらと何故か新聞が刺してあったので、それを少々拝借しようかな

 

少し時間が経ち、次の予約者が来たようだ

 

「すみませーん、予約してたものなんですが」

 

「はい、では名前を教えて頂きたいのですが」

 

「羽沢で予約してると思います」

 

「羽沢……ありました、ではこちらの鍵です」

 

「ありがとうございます!皆行くよー!」

 

またガールズバンドなのかな、てか羽沢って…確か商店街に羽沢珈琲店ってあったよな、あそこの娘さんなのかな?

 

てか待って何あの娘、背高っ…凄いな女の子なのに、そしてイケメンだなルックスが

 

話が少し聞こえてきたのだが、どうやらメンバーがあと一人来てないらしい

遅刻か、まあ大目に見てやれよ…ん?自動ドアの向こうで走っている女の子が見える、あの娘かな

 

ちょっち待って…何あれ、嘘だろデカっ

いや何がって、もう…デカいんだよ(語彙力)いやてかデカい(説明不要)

もう走ってると揺れる揺れる、凄いなあの娘…まあジロジロ見てるのは失礼だろうから新聞へと視線を戻す

 

赤いメッシュが入った娘に怒られていたが、スグに部屋へ移動した

 

それからは大分暇だった、客は来ないし予約者もさっきのグループで最後だったようで来ない

ずっと新聞読んでるってのも詰まらないのでとある資格の過去問集を読みながら頭の中で解いていた

 

「幸貞君お疲れ様〜、今日は初日だしもう上がっていいよ」

 

「あ、お疲れ様です」

 

「どう?仕事の方は」

 

「まあ大丈夫ですね、心配な事は無かったですし」

 

「そっかそっか、それは良かったよ…あ、そうだ…今度はいつ来れるかな?」

 

「そうですね…正直言って毎日暇なので、行けない時だけ連絡します」

 

「本当に!それは助かるな〜」

 

「じゃあ俺はこの辺で」

 

「うん!お疲れ様!」

 

何だかんだあったが、この仕事は中々いいな

天職っぽかったし…暫く頑張ってみよう

 

帰宅

 

「おかえり、どこ行ってたの?」

 

「ただいま…俺、バイト始めたから」

 

「えっ…ふーん、そうなの…まあ頑張ってね」

 

「一瞬だけ『え?出来んの?』みたいな目で見るのやめて貰っていいっスかね」

 

「そんな事オモッテナイヨ」

 

「片言になってんぞおい」

 

実の弟に対して酷くないかね華蓮

俺だってなぁ、やれば出来る事だってあるんだよ(震え声)

 

晶奈には『幸貞がバイト?風邪でも引いたの?』と、割とガチめに心配されたので頭に唐竹割りを撃ち込んでおいた

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

はい学校ですね、面倒臭いね

通学路じゃ天災に遭遇しそうになるし、かと思えば学校付近で金色の異空間に鉢合わせそうになるわと大変だったんだよね

 

「その内ピンク頭か女王様に出逢いそうで怖いなぁ、早く避難しないと」

 

「ユキサダさん!おはようございます!」

 

「うおっ、何だイヴか…驚かせんなよ」

 

若宮イヴ、丸山先輩達と同じアイドルバンドに所属している

元モデルらしくスタイルすごい(語彙力)

 

あとフィンランドとのハーフだそうだ、白髪が似合っていたので初めはロシアかと思っていた

 

「おはよう、相変わらず元気みたいだな」

 

「はいっ!そういえば先程、彩さんが探していましたが…何か用事があるのでしょうか?」

 

「多分しょうもない事だろうから気にしなくていいと思うよ」

 

「そうですか?」

 

無垢っていいよね、相手するにあたって凄い楽な気持ちで接することが出来るから

言っておくが無垢と馬鹿は違うからな、そこら辺は勘違いしないでくれよ

 

「それじゃあ俺は教室に行くから、またな」

 

「分かりました!また私達の音楽を聴いてくださいねっ!」

 

「ああ……まあ、気が向いたらな」

 

「はいっ!」

 

いつ気が向くかは分からないけどね、そう思ったが口には出さなかった

取り敢えず教室に行こう

 

その後は特に無かったかな、うん…いつもの授業風景だったよ

香澄が居眠りして、当てられ有咲に助けを求め有咲が渋々救いの手を差し伸べるという風景

 

まあ俺も寝てるから何とも言えないケドネ

 

そんでもって放課後、バイトに行くか……そしてさっき思い出したんだが、Roseliaもガールズバンドじゃね?いやいやでもライブハウスは他にもある訳だしウチをピンポイントで使ってるなんてことは無い……と、いいなぁ(懇願)

 

「こんにちは、まりなさん」

 

「あ!こんにちは幸貞君、今日も宜しくね」

 

「はい、それで今日の仕事は何でしょう」

 

「機材とかは私がやっちゃったから、受付お願いできるかな」

 

「分かりました」

 

という事で、ある資格の過去問題集を読みながら暇を潰していた

数十分経った辺りで予約者の人が来た

 

「あのー、上原で予約してたんですが…」

 

「上原さんですね、こちらの鍵になります」

 

あ、この娘あれだ…凄い子だ

間近でみると本当に凄いなコレ…何をどう育てたらああなるんだろうな

 

「君もガールズバンドをやってるんですか?」

 

「はい!after glowって言うんですけど…知ってますか?」

 

after glow…夕焼けか

んーーーーーー…なんかリサから聞いたことあるような無いような

 

「すみません、ここ最近は音楽にあまり触れていなくて」

 

「ああいえ!気にしないでください!そういえばお兄さんは最近入った人ですか?」

 

「はい、昨日からバイトで入りました導寺峠幸貞といいます」

 

「私は上原ひまりです、これから宜しくお願いしますね…あっ!メンバーが来たのでまた今度お話しましょう!」

 

「はい、では頑張ってください」

 

あの赤いメッシュが入った娘…どっかで見たことあるような気がするんだよなぁ

なんとなく引っかかるような……まあいいか

 

過去問へと視線を戻し、さらに数十分が経った

お客が来た

 

「すみません、氷川で予約していた者です」

 

今一番聞きたくない名前が飛び込んできて裏方へ走り出したくなった

 

「……って、導寺峠さん!?」

 

「………ヒトチガイジャナイデスカネ」

 

「そんな訳無いじゃないですか、私はこれでも人の顔を忘れたことはありませんよ」

 

「よし分かった鍵渡すから早く行ってくれ、リサとか友希那とか来る前に早くほら早くハリーハリー」

 

「そ、そんなに急かさなくても」

 

「それじゃ一旦俺裏方下がるから」

 

「いや、それを私に言われても…」

 

取り敢えず何とかなったかな、アイツらが来る前にとっとと裏方に下がって避n「さよー!鍵借りれたー?」

 

何でいつもこうタイミングが悪いのかな、俺もしかしてタイミングに嫌われてる?

 

「はい今井さん、今借りれましたよ」

 

「じゃあ早く行こ……う………え?」

 

これもう逃げていいですかね?俺頑張ったよね?もうゴールしていいよね?

 

「ゆ、ゆゆ幸貞!?」

 

「リサ、あまり大きな声を出さないで頂戴…周りに迷惑がかかるわよ」

 

「あ、ごめん…じゃなくて!幸貞が!」

 

「幸貞?彼がどうかした……の…」

 

「ジブン休憩入りますので何かあればまりなさんに聞いて下さい」

 

早口でまくし立て、走って裏方へ逃げる

ヤバイヤバイヤバイ…途轍も無く面倒臭くなってしまったよこの野郎め

 

冷や汗が止まらない、若干鼓動も早くなっていた…アイツらにバレるのは一番不味いだろぉ……唯えさえ音楽関連でギクシャクしてるってのにこんな場所(ライブハウス)で鉢合わせは不味いだろ

 

ああもう本当、俺の静かな暮らしは何処へやら……時給に釣られて働き始めた俺が悪いんだけどさ

 

「おつかれー…ってうわぁ!?だ、大丈夫!?」

 

「は、はははは…やっていける自信が無くなってきました」

 

「ええ!?何があったの!?」

 

「ああああもうやだァ…おうち帰りたい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「落ち着いた?」

 

「はい、本当に済みませんでした…」

 

「それで何があったの?もう予約の人もいないし私でよければ聞くよ?」

 

ああ、貴女が女神か…

 

「あの、実は……」

 

一先ずまりなさんには俺には幼馴染みが二人いて、同じガールズバンドに所属している

俺は若干ではあるが音楽から逃げていた節がある為、ここで働いているのがバレた今…後が怖すぎて二人に顔が出せない

 

と言うか、ここでアイツらが練習してるとなると「ちょっとセッション聴いてアドバイス頂戴」って言われるのが増えるかもしれないし最悪の場合は強制連行される

 

という事を話した

 

「あー成程ね」

 

「それに俺、一人の方にはお前のこと苦手宣言してるんで尚更顔向け出来ないってことなんですよ」

 

「別にアドバイスくらいはいいんじゃないかな?」

 

「いや、それをしてしまうとアイツらが更に諦め悪くなって俺に付き纏うので絶対に嫌です」

 

そんな面倒事は真っ平御免被りたい

俺は、俺の夢は…静かで平穏に暮らしたいんだから

 

「何かすみません、俺の事なんか気にして下さって」

 

「いいよいいよ!困った時はお互い様ってね…それに悩みがあるんだったら相談に乗るからさ、いつでも話してよ」

 

まりなさんの女神力半端ない、何この人いい人過ぎでしょォ

 

 

 

 

 

 

俺はなぁ、幸せの山を使って不幸の谷を埋めたいんだよ

不幸のドン底が無ければ、幸せの絶頂も無い…そんな平坦な人生を送りたい

劇的じゃなくていい、刺激的でもなくていい…唯ひたすらに静かに生きていきたい

 

さぁて、取り敢えず頑張りますか




そういえば新しいイベが始まりましたね
対バンライブかぁ、面倒臭いなぁ…取り敢えず星3は回収しなければ



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5話

どうも皆様、更新が少し遅れてしまいました
恐らく時折亀更新にのるとおもいますがどうか勘弁してやって下さい

それはそうと、皆の一人称が「私」だか「アタシ」だか分からなくなってきた今日この頃

では本編どうぞ


頑張るとか言ったものの、どうすればいいか分からない俺氏

取り敢えず今は受付に座って新聞を読んでます

 

はぁ、今日のシフトは閉店までだからなあ…こんな個人的な事で早退するのも如何なものだと思うし

 

「幸貞さーん!鍵返しに来ましたー!」

 

「はいお疲れ様、夜道には気を付けろよ…特に香澄」

 

「はーい!」

 

「……有咲よろしく」

 

「…何で私が…」

 

「だってお前保護責任者だろ?」

 

「何でそうなるんだよ!」

 

はいはいそんな事言ってたってどうせ香澄のこと見張ってんだろ?有咲ちゃんのツンデレは見飽きたからこの辺で流しておく

 

五人揃ってライブハウスから出ていく……とスグに香澄が石にツマづきかけていた

そして案の定、有咲に怒られている…それを宥める沙綾と後ろで苦笑いを浮かべるりみちゃん

 

おい花園、お前なんでこっち見てんだよ

 

見んじゃねぇよ

 

はぁ…やっぱりよく分からんな彼奴は、天然なの?それだとしてもアレは異常だと思うんだが

まありみちゃんというチョココロネ教徒が居る時点で何も言えねぇんだけどね

 

「お兄さーん、鍵返しに来ましたよー」

 

「ああ、お疲れ様です」

 

凄い娘…基ひまりちゃんが鍵を返しに来た、どうやらafter glowの方も終わったようだ

 

「お、お兄さん?ひまりちゃんいつからそんなに仲良くなったの?」

 

「さっきちょっと話したんだ〜、昨日からバイトで入ったんだって」

 

「そうなんですか、私は羽沢つぐみっていいます…よろしくお願いします!」

 

「もしかして商店街にある羽沢珈琲店の娘さんですか?」

 

「そうです、若しかして居らしたことありますか?」

 

「まだ無いので、今度行ってみようかと思ってたところなんです」

 

「そうなんですか!そしたら是非来て下さい!」

 

そんな事を話していると、後からイケメン女子と赤いメッシュが入った娘…そして銀髪のふわふわした娘がこちらへ来た

 

「つぐとひまり、随分と仲良さげじゃないか」

 

「あ、ゴメンね皆…ついつい話し込んじゃって」

 

「いいよ〜別に〜…それより〜、おに〜さんは誰〜?」

 

「昨日からバイトで入りました導寺峠幸貞といいます、よろしくお願いします」

 

そろそろ皆疑問に思ってくる頃かと思うから言うが、基本的に初対面の人に対して俺は敬語を使うのでそこんところよろしく

 

「私は〜青葉モカで〜す、よろしく〜…あ、好きな物は〜山吹ベーカリーのパンで〜す」

 

「それ言う必要あったか?」

 

苦笑いしながらそう指摘するイケメン女子、てかちょっと待てよ…この声は聞いたことがあるような気がする

 

「若しかして日k「違います、宇田川巴だ…よろしくな?」アッハイ」

 

アレおかしいな、声的に伝説のババァかと思ったんだが…どうやら人違いのようだ

俺あの声結構好きなんだけどなぁ、間違えたかな?

 

え?これ以上はタブー?何言ってるか分からないけど止めておくか

 

「ほら〜、蘭も自己紹介したら〜?」

 

「分かってるよ、美竹蘭…あとむず痒いからアタシには敬語使わなくていいから」

 

「あ!私も敬語じゃなくていいですよ!」

 

「OK分かった」

 

「早っ」

 

「正直な話、あんまり敬語得意じゃないんだなこれが」

 

美竹…美竹か……あ、引っ掛かってたこと思い出したわ

 

「君あれか、美竹のおヤッさんところの一人娘さんか」

 

「…父さんを知ってるの?」

 

「ああ、偶にお茶してるくらいの仲だよ」

 

まあお茶するって言っても紅茶じゃなくて緑茶だけどね

と言うか、余り多くは無いがそれなりにお宅の方へお邪魔させてもらっていたのだが見事に一度もエンカウントしなかったと考えると…最早奇跡だな

 

見た目はおヤッさん程ではないが結構厳ついよな、お母さんは美人だったわ

 

「いやしかし、世間は狭いもんだな…まあ時間も遅いし夜道に気をつけて帰りな」

 

「はい、じゃあ今度私の店にいらしてくださいね」

 

「時間が出来たら行ってみるよ」

 

「じゃあお兄さんも仕事頑張って下さいねー!」

 

ふぅ、もう時間も遅くなってきたな……後はアイツらだけか、残ってるのは

はぁぁぁぁ、帰ろうかな…でも戸締りしなきゃいけないし

 

「あ、あの……」

 

でもなぁ、逃げたら明日が大変だろうしなぁ…学校が同じって逃げ場無いよな

 

「えっと…ゆ、幸貞さん?」

 

何かこう考えてると学校休みたくなってくるな、もう心折れそうなんだけど

 

「あ、あの!!」

 

「うおぉい……あ、ゴメン燐子ちゃん…考え事してた」

 

「い、いえ…大声出して…すみません」

 

この娘は白金燐子、人見知りが凄い…あと何気にスタイルも凄い

引っ込み思案気味だがオンラインゲーム内では結構喋る、Roseliaに居る最年少の娘とやってるらしい

 

俺も一度やったのだが、アレはダメだ…のめり込み過ぎて一時期ゲーム内ランキングで一位に君臨していた時があった

流石に『あ、これ廃人になるな』と思った為、引退した

 

「これ…鍵を返しに来ました」

 

「ああ、練習終わったのね…お疲れ様」

 

「は、はい…ありがとうございます……あの、それで…友希那さんが後で来て欲しいって…」

 

「……マジで?」

 

うっせやろ、こんな怖い呼び出しある?

何だろう、最近女子からの呼び出しでいい思いをした事がない(1、2話参照)

 

行かなかったらそれはそれで面倒だな…しょうがねぇなぁ

 

「分かった、今から行くよ」

 

「はい…私と今井さん…あこちゃんは、先に帰ります」

 

「おう、夜道には気をつけるようにな」

 

「ありがとうございます」

 

そう微笑んで外へ出て言った

何あれ天使、クッソ可愛いんだけど

 

りんりんに癒されたから頑張れる気がしてこなくもないな、うん

 

「居るか友希那」

 

「ええ、居るわよ…早かったわね」

 

「まあ別にこれといって仕事もないし…それで、何の用かね」

 

「自分自身じゃもう分かりきってるんじゃないかしら?」

 

「おうおう言ってくれるねぇ、それじゃあ俺の返答も分かりきってるんじゃないのかね?」

 

「だから貴方を呼んだのよ」

 

どうゆう事かね…よく分からんな

 

「それはどうゆう意味かね?」

 

「今週末、私達はここでライブをするの…それを観て、感想を頂戴」

 

そういや、まりなさんがそんな事を言っていたな

確か他にもガールズバンドが出るんだったよな

 

「……へぇ、そうなのか…まあそれぐらいならしてやるよ」

 

「あと貴方の基準で構わないわ…私達に評価を付けて、もし貴方の納得する評価が私達に付いたなら…Roseliaのサポーターになってもらうわ」

 

「…それを俺に言うってことはそれなりの自信と覚悟があるって事でいいよな?」

 

「当たり前よ、私達はもうとっくに覚悟なんて決めてるの」

 

……なら、お手並み拝見といこうかな

それにその日はここの手伝いをしなきゃいけないし、丁度いいか

 

「言いたい事はそれだけか?」

 

「ええ、時間を取らせて悪かったわね」

 

「気にすんな、こちとらも暇なんでな……それで、紗夜から何か言いたいことはあるかね?」

 

ビクッと扉の向こうで肩を揺らす紗夜

俺は結構こうゆうのには敏感なんでね、人の気配とかは割と分かる

 

「…気付いていたんですか」

 

「まあ、燐子が紗夜の名前を言ってなかったのもあるし…それ以前に俺相手に隠れようとするのが甘いな」

 

「何者ですか貴方は」

 

「屑」

 

「自分で言います!?」

 

「自覚を持ってる屑人間程タチの悪い輩はいないぜ?」

 

まあ無自覚な屑もそれはそれで厄介だけどね

最早あれだよな、天災だよね

 

「それで、紗夜は何で盗み聞きしてたのかね」

 

「ぬ、盗み聞きって…まあ確かにそうですけど……私は単純に湊さんが心配で…」

 

「ほぉう、心配とは?」

 

「いえ、練習の時からそうだったんですが…何やら相当な覚悟をしていたので…何事かと思ったんです」

 

「さ、紗夜!」

 

「俺をライブに誘う為にそんなに覚悟しなきゃいけないの?俺ってどんな扱いな訳?そんな告白する訳でも無いのに」

 

「こっ、告白なんてしないわよ!」

 

な、なん…だと

あの鉄仮面地味た友希那が焦っているだと…

 

「おい顔真っ赤だぞお前、いい写メ貰ったな」

 

「どれですか?」

 

「これ、よくね?」

 

「後で送って下さい」

 

「止めて、今すぐ消しなさい」

 

「ところがどっこい止められない止まらない」

 

「早く消しなさい」

 

「申し訳ございませんお客様、もうそろそろ閉店のお時間ですのでお帰り願えませんかね?」

 

「………」

 

「いやぁ、ちょっ…苦しいっス、友希那さん」

 

胸倉を掴まれ締め上げらた

しかも目のハイライト消してるんだけど、すげぇ怖い

 

「分かった分かった消すから」

 

「早くしなさい」

 

「はいはいって………あ、間違えてリサに送っちゃった☆ちょっち待て話し合おうじゃないかええ?暴力じゃ何も解決しないゾ」

 

「何故幸貞さんはそうも湊さんを煽れるのでしょう」

 

「そんなの簡単な事さ、昔から知ってる友人程弱点を知り尽くしている相手は居ないということさ」

 

いやまあ実際、友希那が超絶猫好きだというのも幼馴染じゃなかったら想像すら出来ないだろう

 

まあ猫を愛でながら自分でも『ニャー』とか言ってる姿見た時は鼻から萌えが吹き出そうになったよ

 

「ほら画像消したからさ」

 

「…まあいいわ」

 

お許しが出た、だが甘いな友希那

あの短時間の間に画像のバックアップを取ることなんて俺にとっちゃ朝飯前だぜ

 

後で紗夜に送っておこう

 

「ほれ、そろそろ時間も遅いしはよ帰りな」

 

「はぁ、疲れたわ…帰りましょう紗夜」

 

「お疲れ様です、では行きましょうか」

 

「夜道にはお気を付けてお嬢様方」

 

ふう、なんとかこの時間も乗り越えられたな…にしても、彼奴から俺をライブに誘うとは意外だな

 

「幸貞くーん?何処にいるのー?」

 

おっと、美人さんがお呼びだ

早く駆けつけるのが紳士の嗜みってやつだぜ

 

「何でしょうかまりなさん」

 

「あ!いたいた、そろそろ閉めるから戸締りの確認を手伝って欲しいの」

 

「分かりました、じゃあ俺は正面の方を確認してきますね」

 

「それじゃあ私は裏を見てくるから、宜しくね」

 

取り敢えずここの仕事もなんとかなりそうだな、この調子で頑張ってくか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして週末、え?早過ぎる?あんまり気にしない方がいいぞ

 

「幸貞君チラシいる?」

 

「貰っていいですか」

 

「余ってるしいいよ、はいこれ」

 

えーっと、どこが出るのかな〜っと

poppin'party、after glow、Roselia、pastel*paletってマジか…アイドルも来るのかこれ

えー次は…ハロー、ハッピーワールド…か、コイツらも来るのか

 

後は…glitter★green?これは知らないな、初めて聞いた

 

「まりなさん、このグリッターグリーンって知ってますか?」

 

「ああ、その子達はね…確か幸貞君が通ってる花咲川の先輩達らしいよ」

 

「へぇ、そうなんですか」

 

何だろうか、途轍も無く面倒臭い事になる未来がみえる…はぁ、頑張ってみるか




音ゲーって楽しいですよねぇ
やった分だけ上手くなって、スコアが上がっていくのが実感出来る

何事も努力が大事って事ですね…まあ、音ゲーやる気力を勉強に回せって話しですよね
俺の事だわ


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6話

どうも皆様、お待たせ致しました…え?待ってないって?あ、そうスカ
お気に入りが70件いってて驚き中のAZAZELデス

まあそれは置いておいて、新星4の薫さんが欲しい
最近本当に星4が当たらなさ過ぎてワロエナイ、イベントの方は星3の回収が済んだので一先ずは一段落です

よし、では本編どうぞ


さてと、機材やらなんやらの仕事は終わったし…暇だな

 

「ユッキー!!!」

 

「危ねっ」

 

飛び込んできた天災をひらりと躱す、何事も無かった様に取り敢えずスタジオから出ようとすると腰に抱きつかれる

 

何だお前ら、揃いも揃って俺の腰に何か恨みでもあんのかよ

 

「ひっどーい!女の子が自ら飛び込みに行ったのに避けるなんて!」

 

「知るか、俺に常識が通用すると思ったら大間違いだぜあと離れろ」

 

「やーだもーん、アタシを避けた罰だ!」

 

「歩きづらい」

 

「じゃあおんぶして?」

 

「意味わかんないてか登るな」

 

こいつ蝉みたいに引っ付きやがったよ

ああ、こいつは前に言った天災…基天才の氷川日菜、天才故の考えがあるので時偶槍を放つことがある

 

酷い時は爆弾を素知らぬ顔してブチ込んでくる、後始末が大変なんだよね

 

「日菜ちゃーん!どこ行ったのー?」

 

「丸山先輩、これどうにかして」

 

「あ、幸貞く…ってうわっ!?日菜ちゃん!?」

 

そういやよくよく考えるとこの天災も俺より一つ上じゃね?うっわマジかよ、嫌な事実再確認しちまったじゃねぇかよ

 

「ちょっと女王様呼んできて」

 

「千聖ちゃんの事そろそろ名前で呼んであげてよ…取り敢えず分かった」

 

まあ考えておこう、唐突に千聖とか呼んでみて反応を……あ、駄目だ

足蹴にされる未来しか浮かんでこねぇや

 

「ねーねー、よく考えるとさー…アタシってユッキーの一つ上だよね?」

 

「何だよ急に…お前が二年生ならそうじゃないのか、というかだからどうしたんだよ」

 

「何で彩ちゃんは丸山先輩なのに私の事は『お前』とか、『天才』とかでしか呼ばないの?」

 

おい、字が違うぞ

天才じゃなくてお前は天災の方だから

 

「せめて名前で呼んでよー、ほら日菜って」

 

「氷川妹」

 

「そんなのやーだー!日菜って呼んでよー!」

 

「喧しいぞ駄々っ子め、そろそろ本番前なんだからバンドの所に行けって」

 

「呼ぶまで離れないもん」

 

「うっそでしょお前、何の拷問だよこれ」

 

「ほらはーやーくー!」

 

「煩いっての、ほら女王様がご到着なされたぞ」

 

「誰が女王様よ」

 

笑顔を浮かべながら若干青筋を立てる女王様

流石アイドルいついかなる時も笑顔を忘れないその精神に感服するぜ

 

「日菜ちゃん、貴女はアイドルなんだから行動は少し考えてから動いてちょうだい」

 

「うん!だからしっかり人目につかないようにここまで来たよ」

 

「そうゆうことじゃねぇよ、てかお前は忍者か」

 

「と言うか日菜ちゃん、そろそろ打ち合わせをするから来てくれなきゃ困るんだけど」

 

「ちぇー…しょうがないなぁ、ちゃんとアタシ達も見てよね!」

 

「はいはい観るよ」

 

それだけ言うと女王様に手を引かれていった

俺の周りにいる女の子って何でああも元気ハツラツな小学生みたいなのが多いのかな(例、香澄)こっちは脳味噌まで小学生だけどな

 

「さてと…そろそろ始まるのかな、行くか」

 

両開き扉を開け、中へ入り後ろの角へもたれ掛かる

 

ライブ会場って久しぶりに来たが、やっぱり盛り上がり様は凄いよね

最初は確か香澄達か、友希那達までは時間があるし……いや、仕事も無いし観てくか

 

ライブ会場の明かりが落ち、ライブが始まる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うん、香澄は香澄なのが一番いいな

なんと言うか…元気なバンドだったわ、あれはアレでRoseliaやパスパレと違った良さがあるな

 

次はafter glowか、説明には王道ロックだっけな

随分と判定がシビアなのを選んだな、詰まらないやつはトコトン詰まらない

はてさて見せてもらおうかな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほう、これまたRoseliaとは違った方面のロックだな

これはこれで面白い…それぞれの個性が活かされてるな

 

次は……ああ、パスパレか

どのぐらい成長してるか…とか偉そうな事は言えねぇな、曖昧なアドバイスしか出してないのに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うん、まあ悪くないよな

途中で日菜が俺に気が付き、ウィンクを送ってきたが手で払っておいた

 

アイドルバンドとはまた珍しいもんを作ったよなぁ、当初は色々とあったらしいけど上手くいってるみたいだし

えー次は…………ああ、ハロはぴねはいはい

 

グリッターグリーンってのが大トリやるのか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駄目だ、視線がどうもミッシェルに集中する

いやだってさ…あんなんいたら嫌でも見るでしょ、美咲ちゃんいい仕事してるよ

 

次Roseliaか、まあ聞いたら裏方に戻ろうかな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ、駄目だ…どう足掻いても自分が嫌な奴になる

 

屑だ…愚図だ……そして馬鹿だ…………だからいつまでも俺はアイツが苦手なままなんだ

 

本当、自分が嫌になってくる

 

気が付けば俺は会場から出ていた、自分でも分かるくらいに変な顔をしている

これじゃ駄目だな、暫くは友希那達に顔見せられねぇや

頭が痛い…気持ちも悪い、気分は最悪過ぎる

 

それから少し裏方の方で横になっていた、気分は大分良くなってきた

 

「はぁ…そろそろ受付に戻るか」

 

「幸貞君、大丈夫?」

 

「え、ああ…大丈夫ですよまりなさん、御心配お掛けしました」

 

「無理しないでね?」

 

「はい、もうすっかり良くなりましたから」

 

受付の椅子に腰掛け、少し天を仰ぐ……ふう、何とか大丈夫だな

そういや友希那に感想と評価言わなきゃいけないんだっけか、その内自分からくるかな……今は動く気にならない

 

「幸貞、大丈夫?」

 

「あー?ああ、リサか…俺は至って普通だぞ」

 

「嘘つき、アタシ達の演奏聴いてる時の幸貞…何かすっごい苦しそうな顔してたよ」

 

「…何だ、見てたのか」

 

「どうかしたの?何かあるならアタシが聞くよ、力になれるか分からないけど…それでもアタシは幸貞の力になりたいの」

 

「………外行くか」

 

まりなさんに許可を貰い、circleから少し離れた場所にある公園へ二人で向かった

 

公園には人っ子一人居らず、閑散としていた

 

「さて、何から話そうか…一先ずは今俺の現状でも教えておくか」

 

「……話したくなかったら話さなくてもいいんだよ?」

 

「気にすんな、俺からここに連れてきておいて話さねぇなんて馬鹿な事はしないさ」

 

今の俺は、特定の感情というモノが嫌いだ

『恋愛、友情、信頼、情熱』等の感情が大が付く程に嫌いで嫌悪感しか湧いてこない

 

昔から人の気持ちには敏感な方で、今では滅多に無いものの少し前迄は少しでもそんな感情を感じ取ると吐き気がする程に気分が悪くなった

 

言葉で簡単に言い表せてしまう感情、大してそんな事を思っていなくとも声に出して発してしまえばそう思ってるものだと相手を勘違いさせる事の出来る

だから、この感情が大嫌いで仕方が無い

 

「…と、まあ取り敢えずはこんな感じかな」

 

「ごめん…本当にごめんね…」

 

「何でお前が謝る、これは俺の勝手な意見でしかも相当捻じ曲がった価値観だ…別にお前が謝る必要なんてどこにもない」

 

「でも、アタシはずっと幸貞と一緒に居たのに…少しも気付く事が出来なかった、気付いていたらアタシにだって何が出来たかもしれないのに」

 

「…大体、この価値観が出てきたのは中学入ってスグだ…あの頃はお前も友希那も色々と大変だっただろ」

 

「で、でも…」

 

「まあいいから続きを聞きなさいな、何でそんな価値観が生まれたか話すから」

 

俺には二人の姉がいた

長女の晶奈は何もやらなくとも何でも出来てしまう所謂、天才と呼ばれる奴だった

次女で双子の姉である華蓮は努力することが大好きだった、それ故に努力だけで晶奈と並ぶ程に何でも出来た…所謂、秀才だ

 

そして俺は、晶奈と同じ天才型だった…スペックは劣るが、それでも周りから見れば充分にハイスペックだった

しかしそれは小学生まではよかった…問題は中学に上がってから

 

俺は晶奈や華蓮と同じ中学に入った、勿論リサと友希那も一緒のな

そして俺はこの時初めて受けた言葉が『お前もやっぱり凄いな、まあ姉達の方が出来ていたけどな』

 

悪意が無いのは分かっている、だがどうしてもその言葉が受け入れられなかった

 

そして、今の俺が出来上がるキッカケとなった事

親友だと信じ、信頼し…互いを理解し合い情熱をブツけ合える仲間だと思っていた奴等から『お前相変わらず凄いな…でもやっぱ、お前の姉ちゃん達の方が凄いよな』

 

その瞬間、俺は空っぽになった

結局、コイツらも俺のことをか分かってはいなかった…うわべだけの言葉で成り立っていたボロボロで薄っぺらい関係だった

 

それから俺は習い事を全て辞めた

姉に連れられ始めた剣道、柔道、空手、弓道、総合格闘技…その他にもあったがもう忘れた

俺がどれだけ頑張ろうと、俺に対して評価が下る訳じゃないことが分かった今…やる価値が無くなった

 

勿論、親父や母さん…晶奈と華蓮にはどうしたのかと心配された

尋常じゃない程の習い事だったが、今まで嫌な顔一つせずに習っていた俺が唐突に全て辞めたいと言ったから当然と言えば当然だ

 

晶奈と華蓮には『私達がいけなかったの?』とか『私がいるから嫌なの?』と聞かれたが、俺は別に晶奈と華蓮が嫌いな訳じゃない

俺への評価が出ないなら、やる価値がないと思っただけなのだから

 

俺は小学生の頃から『平穏な日々』が夢だった、やる価値がないならやる意味が無い上に夢の障害になると判断したからだ

 

そして俺は、人の感情を信じなくなった…加えて、それに対して嫌悪感すら覚える様になった

 

「友希那の歌へかける情熱や、お前らへの信頼感…それらは本物だと分かっている……だがな、俺はどうしてもその感情については気分が悪くなる」

 

「だから、友希那が苦手だって言ったの?」

 

「ああそうだ、その感情が本物であれ嘘であれ…俺にとっては側に生理的に受け付けないものをドンと置かれるのと同じだ、その感情自体が生理的に受け付けないのだから」

 

「…幸貞……」

 

「まあ、こんなの世間一般からしてみれば屑みたいな考え…っておい、急になんだよ」

 

突如、リサの腕が俺の首へ回り抱き締められた

そして……リサは泣いていた

 

「おいリサ?どうしたんだよ急に」

 

「……気付いてあげられなくて、ごめん」

 

「あのなぁ、俺は別にその事で傷付いたとか引き籠もりになったとかそう言う話じゃないんだぞ?まあ多少の感情不信にはなったけどさ」

 

「ううん、そういう問題じゃない……昔から近くにいたのに、幸貞の気持ちに気が付け無かった事が情けなくて……」

 

「こう言っちゃ何だが、その時にもしお前が気付いたとしたら友希那はどうなってた?お前の支えがあったから今の友希那とあの情熱があるんだろ、結果オーライ万々歳じゃねえか」

 

「……幸貞はもっと自分を大切にしなさい」

 

「はいはい、善処しますよ」

 

さて、あいつら(・・・・)もどうやら聞いてた様だな

態々自分から言いに行く手間が省けたと考えるか、面倒な事になったと考えるか

 

取り敢えず今はリサのアフターケアだな




ユッキーと聞くとfutureな日記が頭を過ぎりました、ヤンデレは至高
誰かBanG Dream!でヤンデレ作品を書いて下さる方は居ないのか(人任せ)

次回はまた何時になるか分からないのでご了承ください
それでも見てくれる皆様、本当にありがとうございます


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7話

はいどうも皆様、AZAZELデス

新イベントに新しい友希那さんが…!!クッソホスィ…
笑いながらハミングするやつが来ましたね、アレすげぇ長い
タップするの正直疲れます

では本編どうぞ



「ほら泣くなって」

 

「うん、ごめんね」

 

取り敢えずリサを首から離し、指でリサの涙を拭ってやる

そして両手で頬を挟み、視線をこちらに向ける

 

「いいか?昔の俺はもう居ない、今の俺は今が作ってる…だから余計な事を考えずにお前はお前の今を生きて自分を作れ、後は友希那とかRoseliaの面倒も見てやれ……いいな」

 

「う、うん…分かった……あと、その…ち、近いから」

 

「ん?ああ悪いな」

 

耳まで真っ赤だな、何かごめんね

ふぅ…今からcircle戻るのか、何か面倒臭くなってきちゃった

 

「この事は友希那に話した方がいいのかな…」

 

「それについては心配しなくていいぞ、アイツとその他二人程聞いてたから」

 

「えっ!?じゃ、じゃあアタシが幸貞に抱き着いたのも……ううううう」

 

「え?何どうしたよお前」

 

両手で顔を覆い地面へしゃがみこんでしまった、心做しかさっきよりも顔が赤くなってる気がする

 

「取り敢えず戻るか」

 

「………うん」

 

circleに戻る…が、ドアの前で立ち止まる……俺の面倒センサーが反応したぜ

こいつァくせェ、面倒な臭いがプンプンするぜぇ

 

「どうしたの幸貞?」

 

「いや、ちょっと…ね、先行ってて」

 

「え?あ、うん」

 

取り敢えず中に入ろう、じゃ無ければ始まるもの始まらない

フロアには香澄達ポピパと、もう一つのガールズバンドが立ち話をしていた

 

誰だろうか、アレがチラシに書いてあったグリッターグリーンってやつなのかな?

 

「あっ!幸貞君!私達のライブ見てた!?」

 

「よう香澄、ああ見てたよ…お前らしくて良かったよ」

 

「ホントに!?ヤッター!」

 

「うわ!?ちょ!抱き着くな香澄!!」

 

まあいつも通りの光景ですね分かります、ツンデレ口では嫌とか言ってても本当は嬉しいの分かってんだぜ?

 

だからそんな微妙な目でこっちを見ないでくれ

さっきの話を聞いていた他二人の内一人が有咲である、俺の事をどう見ていいか分からなくなってるな

 

「ふーん、君が幸貞君か〜」

 

「えーっと…失礼ですが何方でしょうか」

 

「ああゴメンね、私は牛込ゆりっていうの…宜しくねっ」

 

そう言ってウィンクを飛ばしてきた、何この人可愛い……が、それと同時に面倒臭いな多分

 

と言うか牛込って…

 

「若しかしてりみちゃんのお姉さん?」

 

「ピンポーン大正解!」

 

「そうでしたか、俺は導寺峠幸貞といいます」

 

「りみから聞いてるよ〜、いつも楽しそうに君の事話すから最初は恋人でも出来たのかと思っちゃったよ〜」

 

「お、お姉ちゃん!」

 

「HAHAHA、そんな訳ないじゃないですか」

 

「え〜、私は結構アリだと思ってるよ?」

 

「それはどうも、俺はいつでもフリーですから」

 

「お、言うね〜」

 

本当に姉妹なのだろうかこの人達は、ゆりさん滅茶積極的やぞ

引っ込み思案なりみちゃんとは真反対だな…よく考えればウチの奴もそうか、晶奈とか俺と真反対だし

 

「あ!それよりさ!君の作るハーブティーすっごく美味しんだよ!」

 

「それはどうも」

 

「だから今度私にも作ってくれない?」

 

「リクエストして頂ければいつでも作りますよ」

 

「ホント!じゃあ今度お願いするね」

 

そう言ってまたウィンクを飛ばしてきた、あっざと

さては天然だなこの先輩、まあ花園たえとかいう最強の天然には敵わなさそうだけど

 

「じゃあばいば〜い」

 

どうやらこのあと用事があるとかでゆり先輩とバンド仲間の方々は先に帰った

 

「ご、ごめんね幸貞君…お姉ちゃんが」

 

「別に謝られることはされてないって、今度お姉さんにハーブティーのリクエスト聞いておいて」

 

「うん!ありがとうね」

 

「気にすんな……で、有咲…ちょっとお話しようか」

 

そう声をかけるとビクッと肩を揺らした、完全に油断していたようだが俺が逃がすと思ったら大間違いだぜ

 

「有咲と何かあったの?」

 

「いや、そういう訳じゃないぜ沙綾さん…まあ少し話すだけだから」

 

「よく分かんないけどお邪魔なら行くね、ほら行くよ香澄達ー」

 

流石沙綾、いつでも気を使えるって素晴らしいね

そんな訳で今の状況は有咲と俺二人きりの状態、ここから何が始まるかって別に告白ではない

 

というかそんな雰囲気じゃねえ

 

「それで、どっから聞いてたのかな」

 

「……け、結構最初の方から…お前が昔話始めるあたり」

 

「本当に最初じゃねえかよ、まあいいや……で、お前はどうしたいんだよ」

 

「そんな事言われても……私だってわかんねえよ」

 

「だろうな、じゃあ別にそれでいいんじゃねえのか?別に答えを出す必要性なんて何処にもないし誰も求めてない」

 

「は?な、何言ってんだよ…お前の事でもあるんだぞ?」

 

「と言うか正直な話面倒臭いからいつも通りでいろよ、俺が何であれお前はお前だろ…一々ちょっと暗い過去聞いたくらいで態度変えられてもこっちが困る」

 

「……はぁ、お前らしいな…考えてた私が悪かったよ」

 

「そうだろ、じゃあお前も早く帰って身体休めろよ」

 

さて、有咲とは話したが……まあもう御一人様は多分大丈夫だろうけど、今度一回話しとくか

 

取り敢えずまりなさんとこ行かなきゃ

 

「あ、お帰り幸貞君」

 

「すみません、仕事大丈夫ですか?」

 

「うん!出ていく前に幸貞君が殆ど終わらせてくれたからね……そ・れ・で〜?彼女さんとはどうだったのかなぁ〜?」

 

「彼女?……ああ、リサは唯の幼馴染みですよ」

 

「え!?そうなの!?」

 

そんなに驚く事でも無いんじゃ……俺に彼女が出来たら多分、どっかの国が無くなると思うよ

 

だって彼女とか面倒臭いじゃん

 

「えーそうなの〜、随分と仲良さげだったからデキてるのかと思ったんだけどな〜」

 

「そんな訳無いじゃないですか、それに俺はモテませんよ」

 

「ホントに〜?幸貞君モテそうだけどなぁ、若しかしたら気付いてないだけかもよ」

 

「そうですかね、自分で言うのもなんですが俺は結構人の感情には敏感ですよ」

 

「ふふ、そう思ってるのは自分だけかもよっ」

 

「……まあ、結局人の心なんてものは計り知れませんからね」

 

「それもそうだね、じゃあ後はライブの片付けだけだから頑張っちゃおう!」

 

片付けはものの数分で終わった、「今日は忙しかったし、もう帰っていいよ」とまりなさんからスマイルを頂いたのでお言葉に甘えることにした

 

……のはいいんだが、そう言えばまだ友希那に会って無いな

 

会った方がいいのやら、会わない方がいいのやら……まあ行くか

 

「…って、ようリサ」

 

「あ、幸貞…今なら友希那は一人で控え室にいるよ」

 

「そりゃどうも、他の娘達は?」

 

「あこと燐子は先に帰って、紗夜は日菜に捕まってると思うよ」

 

「紗夜に関してはご愁傷様だな、じゃあちょっくら行ってくる」

 

どうせ友希那の事だから俺の話を聞いてかなり考え込んでるんだろうよな

 

控え室の椅子に座り右手を顎に当て俯きながら何かを考え込んでいる友希那を見つけた

 

「よう友希那さんや、少しいいかね」

 

「っ!…ええ、構わないわ」

 

「……まあ、その様子だと予想通りに考え込んでたな」

 

「…な、何のことかしら」

 

「おいおい、昔からの仲だろ?俺が人の気配や感情に敏感な事は知ってる筈だろ、と言うかここまで言ったら何が言いたいか分かるよな?」

 

友希那は目を逸らし、視線を合わせようとしなかった

明ら様過ぎるだろ友希那さんや

 

「……いやまあね?俺もこれ『あ、コレ話すタイミングま不味ったな』とは思ったけどさ、まあいずれは話す積りでいたし」

 

「……私は、貴方に対してどうすればいいのかしら」

 

「どうすればって、別にどうもして貰わなくていいんだけど…と言うかさ、別にお前が気にすることでも無いんだよね」

 

正直な話、コレって俺の心情問題だし…結局の所は俺がどうにかするしかないからね

 

「はい、じゃあこの話はお終いな…結論から言えば今まで通りでいろ、じゃなきゃ俺が困る」

 

「…まあ、貴方らしいと言えば貴方らしいわね…何だか考え込んでいた自分が馬鹿みたいよ」

 

「俺の事で悩むとか、そんな暇があるなら歌詞の一つでも考えてた方が有意義だぞ」

 

「貴方はもう少し自分を大切にしなさい、自分で言う程貴方は屑じゃないわよ」

 

「そいつはどうも」

 

という訳で、この話はここで御開としました

重い話とか俺苦手なんだよね、空気に付いていけない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「たでーま」

 

「お帰り、夕飯もう出来るから手洗ってきなさい」

 

「うーい…あれ?晶奈はどうした」

 

「友達とご飯行くから要らないんだってさ、何でも金持ちらしいよ」

 

「……ふーん、そうかい…何となくだけど碌でもない事を話してる気がする」

 

「そうかしら?…そうそう、迎えに来た車が白塗りのリムジンだったんだよね」

 

ん?んんんん?白塗りの……リムジン………マジで言ってんのか?

 

「どうしたのよ、鳩がタネマシンガン受けたような顔して」

 

「どんな顔だよそれ、何と無くその車に見覚えがあってね…しかも悪い方で」

 

「そう、まあ災難に遭わなければいいわね」

 

嫌な予感しかしないしなぁ、やだなぁもう面倒臭いなぁ

と言うか華蓮さんは随分と人事だな全く、まあ俺もそうゆう時は人事で済ませるから何とも言えないけど

 

明日は……日曜か、昼まで寝るか…起きてモダコ〇5をするか

最近やっとステ7武器を解放できたから無双したいんだが…起きたくないから寝るか

 

「幸貞、貴方は明日どうするの?何か予定とかある?」

 

「いや別に、昼まで寝てるつもりだけど」

 

「そう、お昼私から友達と遊ぶから適当に食べてね」

 

「…てか友達いたんだね」

 

「貴方と一緒にしないで貰える?私は貴方より性格いいのよ」

 

「どの口が言ってんだか、まあお昼は適当に済ますよ」

 

「悪いわね」

 

「気にすんな、いつも作って貰ってんだから」

 

そうなると家では俺と晶奈が居れば二人か…でも大概アイツは日曜日遊びに出掛けるからな

昼は確実に居ないか、となると一人か……外で済まそうかな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はいという訳で皆様おはようございます

お昼ですね、時計の針は十二時を回っております……身支度して食べに行こう

因みに予想通り晶奈は出掛けてた、その方が楽で助かる

 

さてと、駅前まで行って何か食う

 

そんな訳で移動中……あら?アレは女王様と花音ちゃんじゃないか

あ、女王様が気が付いた……ん?何かこっちに走って来てんだが

 

「丁度いい所に居たわね幸貞君、少し助けてくれないかしら」

 

「事と次第によってですかね」

 

「簡単に説明すれば今から来るガラの悪い連中を追っ払ってくれると助かるわ」

 

「……何したかは聞かないでおくが、あんまり馬鹿共は挑発してやるなよ」

 

「あら、何のことかしら?」

 

読めんだなぁこれが、どうせ女王様が馬鹿共を言葉責めして逆上させたんだろうな

 

取り敢えず、食前の運動と行きますか




あ、因みにハレ晴レユカイは初見フルコン出来たのでテンション高めで喜んでました

はい、私事で申し訳ございません
皆様もイベント頑張ってください


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8話

オリキャラ出ます、はい…オリキャラ出ます

大事な事なので二回言いました、もしオリキャラが気に入らない等がありましたらそっとブラウザバックして下さい

では本編どうぞ


そして数秒経つと、如何にもチャラチャラした連中が怒り心頭な様子でこちらへ三人程走ってきた

 

「見つけたぞクソアマ!!」

 

「覚悟は出来てんだろうな!?」

 

「こいつら?」

 

「そうよ」

 

うっわ、頭悪そうだな〜コイツら…見るからにDQN感が半端ないんだけど

ここまで来ると逆に可哀想になってくるな

 

つーかどんな煽り方したらここまで怒るんだよ

 

「そこどけテメェ!後ろの女に用があんだよ!」

 

「落ち着けよ馬鹿、こんな所で大声出すなみっともねぇ」

 

「うるせぇ!!いいからどけって言ってんだよ!」

 

一人のDQNが俺の肩に掴みかかる……が、そう簡単に掴ませる俺だと思うなよ

 

肩に伸びた腕を掴みこちらへ引っ張る、ツマづいた勢いで倒れかかるDQNの鳩尾に膝蹴りを一発

悶えるDQNにもう一発、顔に喧嘩キックをお見舞い

 

「触んなよ、DQNが伝染るだろうが」

 

「な、何しやがるテメェ!!」

 

「何って、蹴っ飛ばしただけだが?それに運がねぇなお前ら…ここが何処だかわかって喧嘩売ってんのか?」

 

「は?何言ってんだお前」

 

そう、ここは俺の行きつけゲーセンの真ん前…つまり少し騒げば不良君達が出てくる訳で

 

「何処の誰だか知らねぇがうるせぇぞ、集中出来ねぇだろうが」

 

五、六人程の不良共がゾロゾロと店の中から顔を出す

その内、先頭にいたリーダーらしき奴が

 

「あ、幸貞さんこんちわッス!!!」

 

「よう、タイミングが良いなお前ら…ちょっとコイツらシメといてやれ」

 

「ん?こいつらに何かされたんですか?」

 

「まあ少し絡まれてな、面倒だから後は宜しく頼むよ」

 

「それはいいですけど…既に一人ボロボロじゃないですか」

 

「勇敢にも立ち向かった蛮勇の残骸さ、路地裏にでも引っ張ってけ」

 

「了解ッス、おらお前らさっさとしろ」

 

轟沈した一人は脚を引き摺られ、残り二人は強制連行されるように店の裏へと連れていかれた

 

「……はぁ、ほら終わったぞ」

 

「貴方、実は番長なのかしら」

 

「そんな訳、前にリサにも言われたわ」

 

「あ、あの…ありがとう…ございます」

 

「ああ、気にすんな……お前らは何してたんだ?」

 

電車の乗り継ぎが下手くそな女王様と、とんでもなく方向音痴の花音ちゃん…遠出どころかお出かけにすら向かない二人が揃って何をしようとしてたのか

 

「貴方、失礼な事考えたでしょ?」

 

「さぁてね、どうだかな」

 

「ふぅん…まあいいわ、隣駅の喫茶店まで行こうとしてたのだけれど道迷ってね…それであの人達に絡まれたって訳」

 

隣駅って、こっから1kmも離れて無いんだけど…活動範囲狭すぎじゃねえかな

 

「それで女王様があの馬鹿達を煽ってここまで逃げてきた訳と」

 

「別に煽ってわないわよ、事実を述べたらアッチが逆上したのだもの」

 

「へぇ、そうかいそうかい」

 

「あら、信じてないわね」

 

「信じられる方が逆に凄いと思いますが?」

 

「…まあ、それも一理あるわね」

 

一理どころかド正論な気がするのは俺だけか

そして俺は何故か花音ちゃんから苦手意識を頂戴している為、常に花音ちゃんは女王様の後ろに隠れている

 

「なんだろう、他の奴らからはどう思われようが何とも思わないが…花音ちゃんに避けられると心にクる」

 

「日頃の行いじゃないかしら」

 

「俺別に不良じゃないもん、心は綺麗じゃないが目立った行動はしてない」

 

「ご、ごめんなさい」

 

「まあ花音は元から人見知りだし、相手が男性なら尚のことよ…気にしなくていいと思うわ」

 

「本当にごめんなさい…」

 

ふぅ、さてと…これからどうしようかな

そういやまだ飯食ってないんだよな俺、腹減ってきたな

 

「じゃあ俺はこの辺で失礼するよ、まだ昼飯も食ってないもんでね」

 

「あらそうなの、なら私がご馳走しましょうか?」

 

「え、いや別に大丈夫だけど…」

 

「助けてもらった御礼をしたいし、丁度いいじゃない…ねえ花音?」

 

「そこで花音ちゃんに振るのはどうかと思うなぁ」

 

「ふぇぇ!?わ、私は…お、お礼はしたいけど……」

 

何この娘カッワイイわぁ、隣にいる女王様の所為で余計に引き立って可愛いなぁ

 

「あら、今凄く失礼な事を言われた気がしたわ」

 

「気のせいじゃね?」

 

「そうかしらねぇ」

 

目を薄くして俺を見てくる女王様、何か心まで透かしてそうで怖いなその視線

 

そうそう、完全に忘れてたけどこの前公園で話聞いてた最後の一人は女王様でございます

まあこの人は自分で解決しそうだし、今度少し話そうかな

 

「……わ、私もご馳走します」

 

「え、その方針で決まったの?」

 

「花音もそう言うんだから行きましょうか」

 

「つってもどこ行くんだよ」

 

「特に決めてないのならそこのファミレスでいいかしら?」

 

「あー……まあ何でもいいよ」

 

という事でファミレスで御飯を奢ってもらうことになりました

 

店内に入ってからというもの、視線が刺さる刺さる…特に野郎共の視線が凄まじいなこれは

時偶目が合う野郎達がいるのだが、超絶に嫌な顔されるのでお返しに嘲笑してやったら顔真っ赤にしてた

 

「貴方さっきから何ニヤニヤしてるの」

 

「悦楽愉悦極楽優越、人の不幸は蜜の味…ってね」

 

「成程、私達を餌に周りの反応を楽しんでるのね…本当にやる事は屑ね」

 

「褒め言葉どうも」

 

「なら御礼の一貫で少し手伝ってあげるわよ、ほらフォーク貸して」

 

「何するんだよお前…まあいいけど」

 

女王様に奢ってもらったパスタを食べていたのだが、フォークを貸せとの命令が出たので不思議に思いながらも手渡す

 

すると皿まで持ってかれた、そしてフォークにパスタを巻き付け…

 

「はい、アーンして」

 

「………成程、お前も大概だろ」

 

「ふふ、いいじゃない別に…ほらアーン」

 

「いいだろう、乗ってやろう」

 

女王様のアーンを頂戴したところで野郎共が血涙を流さんばかりの勢いで悔しがり始める

 

「花音もやる?」

 

「ふぇぇ!?わ、私は…ちょっと」

 

「お前…そこで花音ちゃんに振るのはどうかと思うなぁ(二回目)」

 

「あらいいじゃない、面白そうなんだし…それに花音も御礼をしなきゃ」

 

「いや別にこんな事で御礼しなくても、それにお前面白そうって言ったよな?隠す気ないよな?」

 

「初めから隠す気なんてサラサラないわよ」

 

ハッキリ言いやがったよ、確かに最初から隠してる素振りなんて微塵も無かったけどさ

 

「それで、どうするの花音?」

 

「いや、別に無理しなくても…」

 

「わ、私も…やります!」

 

あ、この娘結構流されやすいな

女王様からフォークを受け取り、パスタを巻き付け俺の方へ差し出す

 

「あ、あーん」

 

「はぁ、無理しなくていいって言ったのに…まあ美味しく頂戴しますよ」

 

花音ちゃんからパスタを食べさせてもらうと、机を叩いて悔しがるやつがさ出る始末

HAHAHAやっぱ楽しいなぁ

 

「今の貴方、凄く幸せそうな顔してるわよ」

 

「え、そう?まあ楽しいからね」

 

「それは何よりよ、そろそろ行きましょうか…ダーリン♪」

 

「うおっ」

 

「ち、千聖ちゃん!?」

 

うわキッツおっと唐突の事でつい本音が出てしまった

女王様はそう言いながら俺の腕へ抱きついてきた、この人も割と有るんだな

 

何がとは言わないけどね

 

「何気にお前もこの状況楽しんでるだろ」

 

「人の屈辱的な顔って素敵じゃない?」

 

「激しく同意する」

 

「ほら早く行きましょう、時間は有限なのよ」

 

「ハイハイ分かりましたよ、花音ちゃんも行こうか」

 

「は、はい……ってぇぇぇ!?」

 

HAHAHA可愛いこの娘、すげく可愛いわぁ…愛で甲斐があるな

 

因みに今俺がしたのは花音ちゃんの手を握り椅子から立たせ、そのまま身体を側に抱き寄せた

 

「中々大胆なのね貴方」

 

「こうなったらとことん楽しまなきゃな、この状況」

 

「ふぇぇぇぇ!?」

 

「何かごめんね花音ちゃん」

 

最早昇天しかけてる奴までいるな、ご愁傷様…会計を済ませファミレスを出たところで離れる

 

「貴方との食事は大分楽しかったわ、またしましょうね」

 

「ああ良いとも、俺も随分と楽しめた…またお願いしようか」

 

「ふぇぇ、ふぇぇぇ」

 

「うおっと、危ねぇ」

 

「あらいけない、花音がショートしてるわ」

 

「まあアレに付き合わせちゃったからな、ゴメンね」

 

限界が来たのか、フラッと倒れそうになったので支えに入る…元はと言えば俺の所為だし

煙を出す勢いで顔を真っ赤にしている花音ちゃん、視線は様々な所へいき焦点があってない

 

「大丈夫かー?意識あるかね?」

 

「う、うぅ…恥ずかしい」

 

「今度やる時は花音は抜きね」

 

「OK、その方が良さそうだ」

 

結構、歩けそうも無いので俺が背負って家まで送ることにした

俺の所為だし

 

序に女王様も送っていくか

 

「おーい、家着いたよ花音ちゃーん」

 

「う、うう…あれ?私…何で……」

 

状況把握、そしてまた赤面し始める花音ちゃんホントに可愛い

 

「な、ななな何で私はこんな状況に!?」

 

「悪い悪い、俺が悪ふざけしたら花音ちゃんが歩けそうになくてな…俺の所為だし送ったんだよ」

 

「へ?あ…そ、そうなんですか…あ、ありがとう…ございます」

 

「悪いの俺だし、気にしないで」

 

花音ちゃんを降ろし、ここで別れた

取り敢えず女王様送ったら家帰って…モダ〇ン5やろう

 

そんな事を思いながら歩いていると、不意に前から白い車が走ってくるのが見えた…それも、リムジンだ

 

「どうしたのよ急に止まるなんて、それに顔も心做しか青いわよ」

 

「いや、気の所為であってくれと願ってる」

 

「何の話をしているの?」

 

するとそのリムジンは俺らの横に停まった、ああー…やっぱりそうかァ

うわぁと思いながら右の掌で顔を覆う

 

助手席の所から黒服SPが降り、一番後ろのドアを開けると…中から蒼眼の銀髪ロングて背の高い美人が出てきた

 

白のスーツに白のシルクハットを被ったそいつの顔は女性らしさを醸し出す反面、何処と無くイケメンな空気も出していた

 

簡単に言えば薫さんタイプ

 

「やあ、久し振りだね…旦那様」

 

「だ、旦那様?ちょっと幸貞君、貴方いつの間に……って、真顔で固まらないで説明してくれる?」

 

そりゃお前、そもそも此奴の住んでる場所外国なんやぞ?昨日の話から察しはついてたけどそれでも固まりたくなるわ

 

「ははっ、如何したんだい?若しかして僕に会えた事がそんなにも嬉しかったのかい」

 

そう言ってそいつは俺の前に跪き、俺の片手を取り自分の掌へ乗せる

 

「会いに来たよ、僕の旦那様」

 

「カエレ」

 

「ゆ、幸貞君?大丈夫?」

 

「もう…何でお前ここに居るんだよ、ホント……ああもう」

 

「あ、あの…取り敢えずお名前をお伺いしても宜しいですか?」

 

「ああ、これは申し訳ない…僕は宮代(みやしろ)アリア、宜しくねдочь(お嬢さん)




10連が見事に爆死し終わりました、友希那さんクッソホスィ
この際蘭ちゃんでも構わねぇ、取り敢えず星四をくれェ

今回のイベント、星三が2枚配布されてましたね…まあ彩ちゃん可愛いし何でもいいや



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9話

え?GLAMOROUS SKYがカバー?嘘マジでやったコレ

HYDE好きとしてはLADY STEADY GOに続いてHYDEが来てるから結構テンション高めなんですが
このままの勢いでGOOD LUCK MY WAYとかもやってくれないかな

バンドリ一周年おめでとうございます、もう101曲になるんですね
expertオールfull comboまで後3曲頑張りたい

では本編どうぞ(唐突)


「カエレ」

 

「ははは!そんな事を言って、本当はユキも僕に会いたかったんじゃないのか?」

 

「カエレ」

 

「嗚呼、その辛辣な態度もご無沙汰していて…身体に響くよ」

 

「〇ね」

 

「矢張り僕は君無しでは生きられないようだよ!」

 

「何なのかしら、このカオスは」

 

そんなの俺が聞きたいわ

唐突に現れたかと思ったら毎度の如く此奴は……しかも無駄に育った身体で抱き着こうとするから余計にヤバい

 

何だよそれ、メロンでも入ってんじゃねえのか

 

「抱き着こうとするなよ、暑苦しい」

 

「いいじゃないか、久し振りに会えた愛しき人なんだ…スキンシップくらいさせてくれ」

 

「お断りDA」

 

「嗚呼、でも僕は君の発する辛辣な言葉や暴言だけでも聞けて幸せだよ」

 

もうやだこの変態、生憎と俺は隣の女王様みたいにドSでは無いんだ

それに虐めてくれと言われて虐めるより、嫌がる奴を虐める方が楽しい

 

「もう女王様コイツあげるよ」

 

「何で私に押し付けるのかしら、それに私は女よ?」

 

「だってほら、コイツどっからどう見てもドMだし…女王様と気が合うんじゃ…」

 

「嫌よ、それに私は嬉々として来る人より反抗的な人を躾てあげるのが好きなの」

 

「流石ドS」

 

「誰がドSよ」

 

真性のドSは自覚が無いからな、まさにこの人なんじゃないのか…流石は女王様だな

 

「おやおや、僕を置き去りにして二人でお話かい?」

 

「出来るならそうしたいがな……で、何で日本に居るんだよお前」

 

「それは勿論、君に会う為さ…あれ以来連絡すらしてくれないのだから少し心配になってね」

 

「誰が好き好んでお前と連絡取らなきゃいけないんだよ、仕事はどうした」

 

「そんなものは既に終わらせてきたさ、来月分までな」

 

「チッ、相変わらずお早いことで」

 

「何故舌打ちしたかは聞かないが、暫く此方に住むことにした」

 

………はぁ?マジで言ってんのかよコイツ

 

確かに此奴の稼ぎ方はどこで出来るしけど、家はどうするんだよ…流石にウチはキツいし絶対泊まらせねぇ

 

「お前住む所はどうする積もりだよ」

 

「フフッ、僕を見くびって貰っては困るよ旦那様…もう土地を買収して家を建てたさ」

 

「うわ流石金持ち」

 

「そろそろいいかしら幸貞君、結局この方は何者なの?」

 

「ロシアにある三大財閥の一角、正式名称『露西亜総合企業統括財体』…そこのトップに当たる人の一人娘、今じゃ跡を継いで此奴がトップだよ」

 

「まあ僕は基本的に株投資やらで稼いだお金を組織に使ってるくらいしかして無いけどね」

 

それが出来る時点で頭おかしい事に気付くべきだとは思わんかね

 

しかも此奴が投資する株は必ずと言っていい程に大成功する、FXも初心者狩りせずに堂々と成り上がってく始末

頭おかしい

 

「そういう訳だ旦那様、暫くは毎日会えるぞ」

 

「御免蒙る、お前と毎日会うとか精神的にもたない…良くて年一かな」

 

「そうか、君はそう言うプレイがお好みか…僕を焦らして焦らして、その様子を楽しむ積りなんだね」

 

「お前マジで一回ブッ飛ばすぞ?」

 

「安心したまえ、僕はどんな君でも愛しているさ」

 

「氏ね」

 

そろそろ一回ブン殴ってもいいよね?俺大分我慢したよ…偉いよね、凄いよね

 

あ駄目だ、こいつ殴ったら御褒美になっちまう

 

「取り敢えず僕はまだやる事があるからこの辺りで失礼しよう、ではまた会おう」

 

「二度と俺の前に現れるなよ」

 

やっとこさ面倒臭い奴が居なくなった、にしてもコッチに住むのかァ…面倒な要素が満載な日常なのに更に追加されたよ

 

いっその事この街から逃げるって手もあるけど…それはそれで面倒臭いな、特にリサ辺りが

下手したらヤンヤン(病ん病ん)されそうだから

 

「取り敢えず帰りますか…悪いな女王様、ここ迄でいいか?」

 

「構わないわよ、疲れてる様だし早く帰りなさい」

 

「ああ、お言葉に甘えるとするよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま」

 

「お帰り、何か疲れてるけ如何かした?」

 

「まあ、白塗りのリムジンに遭遇したって所かな」

 

「ああそう、あの娘まだ幸貞にゾッコンなのね」

 

「らしいな…取り敢えず一回あのクソ親父ブッ飛ばさなきゃ気が済まねぇ」

 

「『逆玉だ!』とか言って勝手に婚約者として提案出したのは父さんだっけ、まあそれで即時OK出す向こうも向こうだけど」

 

「母さんにも相談せずにな、アイツマジでブッ飛ばす」

 

「関節もキメていいと思うわよ」

 

そんな話をしていると晶奈も家へ帰って来た

 

「たっだいまー、何の話してるのー?」

 

「幸貞がアリアちゃんに会ったんだって」

 

「あ、やっぱり?昨日言ってたんだよね〜」

 

「なら早く言えこの駄目姉貴」

 

「痛っ!?」

 

チョップを頭へと撃ち込む、そういや昨日アリアと食事してたんだっけかコイツ

まあ会いに来るって話を聞いたところで逃げられるかってなると難しいよね

 

「痛いなーも〜、そもそも昨日から私幸貞と顔合わせてないじゃんよ」

 

「…そういえばそうか、晶奈が帰ってくる前に寝てたな俺…朝も出てった後起きたし」

 

「そしたら今のチョップ理不尽じゃん!」

 

「知るか、甘んじて受けろ」

 

「酷っ!」

 

はぁ、まあ幸いな事かアイツの年齢は20歳を超えている

同じ高校に転校生が…みたいな展開にはならない事が唯一の救いか

 

更に読んで教師として、と言うのも無いだろう…アイツにそんな事をしてる暇が無いのは知りたくなくても知ってる

 

「ほらご飯出来たわよ、早く食べなさい…明日からまた学校でしょ?」

 

「そうでした、面倒臭い」

 

「私も仕事だ〜、面倒臭いなぁー」

 

「姉弟して何言ってんのよ、まあ私も人の事は言えないけど」

 

流石家族、皆思ってる事がほぼ同じ

皆そこら辺は母さんに似たんだろうなぁ、まあ唯一クソ親父の遺伝受けてるのは晶奈だろうな

 

そう考えるとクソ親父の遺伝子って結構弱いのな、母さんが強烈なのは何となく分かるけど

その後は特に何も無く……

 

 

 

 

 

 

翌日

 

「行ってきます」

 

「いってらっしゃーい」

 

「あれ?晶奈今日は遅いのな」

 

「何か午後からでいいって言われた、しかも出張だって」

 

「ふーん、まあ大方アリアの所にでも行くんじゃないのかな」

 

「だろうね、早く行かないと遅刻するよ」

 

「へーい」

 

流石はロシア三大財閥、来日…と言うより移住に近いけどもう知れ渡ってるのか

 

それでもってゴマスリも早いこと早いこと…ま、知った話じゃないけどね

 

「あ、おはよう幸貞!」

 

「ん?ああ、リサ……と、銀髪美少女さんですか」

 

「名前で呼びなさいよ」

 

「そりゃ失礼」

 

「そう言えばさ、この街にこころの家並みの豪邸ができたって知ってる?」

 

「あ……(察し)ふーん……(納得)」

 

そういやどの位面積ある土地買ったか聞いてないな

まあそりゃそうか、下手すりゃ弦巻家より財産ある財閥の頭だもんな

 

豪邸建てたって驚きはしないよな

 

「あれ?若しかして知ってた?」

 

「ああ、まあね…と言うか微塵も興味ないからどうでもいい」

 

「そうなの?驚くかと思ったんだけどな〜」

 

「取り敢えず学校行こうぜ」

 

という訳で二人と学校へ向かう

流石にアイツは顔出さないか、時間帯が時間帯だしパソコンの画面と睨めっこしてんだろ

 

言っておくがニートじゃないからな、株価と睨めっこしてるんだよ

 

「はぁ、面倒臭い…もう色々と面倒臭い」

 

「いつにも増して元気無いね幸貞、何かあったの?」

 

「んー、まあ敢えて言うなら面倒事が舞い降りた…かな」

 

「幸貞の言う面倒事って両極端だからな〜、それ本当に面倒事?」

 

「俺にとってはね……まあお前が気にすることでもない」

 

ここまで来て気付いたけど友希那一回も喋ってないな

と言うかさっきから塀の上を歩く猫を凝視してる、そんなに気になるなら行けばいいのに

 

そしてそれを横目に微笑ましく見やるリサ、そして居た堪れない俺

俺は一体どんな反応をしてればいいの?

 

なんてことを考えてる内に学校へ着いた

 

「今日はバイトだから帰りは俺早いから」

 

「うん、分かった」

 

そういや予約リストの中にRoseliaあったな、どの道また会うのか

教室まではピンク頭や異空間に遭遇すること無く辿り着けた

 

「あ!幸貞君おはよー!」

 

「はいおはよーさん」

 

「幸貞、何かやさぐれた?」

 

「やさぐれたんじゃなくて窶れたな、たえさん使い方間違ってるぞその日本語」

 

「あ、そっか……あとおたえ」

 

「断る」

 

「おたえ」

 

「たえ」

 

「おたえ」

 

「たe「はいはいもうその辺にしときなって」…ストップが早いな沙綾」

 

「もう先生来るんだから席に座りなよ」

 

いつも通りのホームルームだった、ギリギリに香澄が滑り込んできて出席簿で叩かれてた

 

『たたかれた』じゃない、『はたかれた』だ…滅茶苦茶イイ音鳴ってて痛そうだった

 

そして昼休み

 

「幸貞ーーーー!!!」

 

「うわぁぁぁぁぁ異空間が来おったぞぉぉぉ」

 

花咲川の異空間こと弦巻こころが何故か俺の所へやって来た

何でや、俺が何したんや…ココ最近静かに昼飯が真面に食えない

 

「何だよこころ、何か用か?」

 

「ちょっと幸貞に聞きたいことがあってね!宮代アリアって人知ってる?」

 

「あん?急になんだよ」

 

「昨日ウチに来てお父さんと話してたのよ、そしたら何度か幸貞の名前が聞こえて…どんな関係?」

 

「さぁ?俺は知らないね(大嘘)」

 

「むむむむ、本当に?」

 

「ああ、本当に」

 

「……何で幸貞の考えてる事はいつも分からないのかしら、本当に不思議だわ」

 

「どうせ俺は何考えてるか分からない得体の知れない物体ですよ」

 

「そ、そこまでは言ってないと思うよ幸貞君」

 

りみちゃんからのフォローが入ったが、まあ実際そうだろうよ

感が鋭く大抵の人間なら嘘や隠し事を見事に見抜くこころが唯一俺の考えてる事だけは分からないと言うのだから

 

自分ポーカーフェイスには自信ありますんで、それだけの問題じゃないような気がするけど

 

「聞きたいことはそれだけよ!じゃあまたね!」

 

嵐の様に去って行ったな、思ったより早く行ってくれたから後は静かに昼飯が食えるな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

さて、バイト行きますか

はい到着、え?速すぎる?そういう事は気にしない方がいいよ

 

えー今日の予約は……ポピパにRoseliaとアフグロか、いつもの面子だな

 

「やっほー幸貞、鍵借りに来たよ」

 

「よう沙綾、ホレ」

 

「ん、ありがとう…幸貞も仕事頑張ってね」

 

「おう、ありがとな」

 

続いてRoselia

 

「ああ!幸貞さん!」

 

「おや、あこか…そう言えばここに来てから顔合わせてなかったな」

 

「バイト始めたんですか?」

 

「ああ、ちょっとゲーセン行き過ぎて金無くてね」

 

「そうなんですか〜、そう言えばアッチの方はもうやらないんですか?」

 

「あー…うんまあ、またやり始めると多分今度こそ俺は廃人になる自信があるから」

 

「ハマってましたもんねー、でも残念ですよ〜…ゲーム内史上最強の人とプレイ出来なくなるって」

 

「まだあの記録塗り変わってないの?」

 

「勿論ですよ!あんな偉業は誰も成し遂げられないですよ!」

 

前言った俺が廃人になりかけたPCゲームの話ね

ゲーム内で超高難易度クエストと言われる『覇帝の討伐』ってのがあるんだが、ソロで五連戦を回復無しのノーミスノーダメージを成し遂げてしまったのだ

 

少し引き継いだ才能の無駄遣いとはまさにこの事だな、てか最早これ廃人のレベルだよね

 

「あこの憧れです!」

 

「そいつは嬉しいね…そろそろ時間じゃないか?」

 

「あ!そうですね、今度はりんりんも一緒で話しましょうね!」

 

「ああ、バンド頑張れよ」

 

「はい!」

 

よくよく考えるとあこってどのバンドと比べても最年少だよな

一人だけ中学生か…まあ趣味に関しては何も言うまい

 

続いてアフグロ

 

「幸貞さんこんにちは」

 

「ああ、こんにちはつぐみちゃん」

 

「いつも何を読んでるんですか?」

 

「これ?第三種電気工事士の過去問、まあ簡単に言えば国家資格」

 

「国家資格ですか……受けるんですか?」

 

「まあね、今度試験があるからそれに向けてチョロっと読んどこうかなって」

 

「頭いいんですね幸貞さん、凄いです!」

 

「はは、まあ俺なんて端くれだがな…メンバーがお待ちかねの様だよ?」

 

「あ!すみません、じゃあお仕事頑張って下さい!」

 

「ああ」

 

はぁ、平穏って…こんな感じなのかな




第三種電気工事士をどうやら俺はこのままの勢いで高校を卒業すれば筆記が免除になるそうです

後は実技経験を積めば取れるとか、頑張ろう

お気に入りが100件でマジかと思いなが感謝感激です


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10話

バーに色が入った……だと!?うわマジですか……割とテンション高めになりますね

こんな作者の趣味全開なssを読んで下さり本当にありがとうございます、これからも何卒お付き合いお願いします

では本編どうぞ


今日は土曜日、日が飛んでる?気にするなって前にも言ったろ

まあ休みの日だからダラダラしてようかと思ったのだが

 

「悪いんだけど幸貞、少し買い物に付き合ってくれない?」

 

「珍しいな、華蓮が俺に頼み事とは…それで何買いに行くって?」

 

「音楽CDを買おうと思ってね、幸貞の趣味は私とよく似てるから少し手伝ってもらおうかと思って」

 

「ほー成程、別にそれくれらいなら構わんよ」

 

という訳で電車を少し乗り継ぎCDショップへ

まさかタワ〇コまで行くとは思ってもなかった、確かにここは確実だけどさ

 

はぁ〜、たけぇビルがいっぺぇだぁ

 

「コッチまで出てくるとは思いもよらなかったんだが」

 

「言うの忘れてたわ、私基本的にCDはここでしか買わないの」

 

「左様でございますか」

 

人混みって嫌いなんだよね、鬱陶しくて仕方が無い

そもそも都会があまり好きでは無いな、さっき言った通り人多いし色々と周りの音が煩いし

 

まあ良い所もあるけどね

 

「ありがとうね、付き合ってくれて」

 

「どの道暇だったから構わんよ」

 

華蓮の買い物が終わり店から出る、CDは三枚程購入し満足そうだった

しかし矢張り人混みってのは慣れんな、早く帰って静かなところでゲームしたい

 

「すみません、少しいいですか?」

 

唐突に後から声を掛けられた、振り返るとそこには黒いスーツを着て眼鏡を掛けたTHE優男みたいな男が立っていた

 

「何でしょうか」

 

「私はこういう者でして」

 

そう言って華蓮へ名刺を渡す、そして

 

「アイドルに興味はありませんか?」

 

どっかで聞いたことのある様な一言が飛んできた

やめろお前、俺それちゃんと見てないから全然分からないぞ

 

おっと話がズレたな、失礼

 

「……だってよ華蓮」「……だってよ幸貞」

 

保々…いや、全く同じタイミングでそう言った

 

「はぁ?俺な訳ないだろどう考えても」

 

「何言ってんのよ、アンタ顔だけはいいじゃない」

 

「おい、その言い方だと俺の性格が悪いみたいな言い方じゃねえかよ…まあ全くもってその通りだけどさぁ」

 

「え、ええと…私は御二人に言った積もりだったんですが…」

 

若干苦笑いをしながら俺達の間に入って来た

アイドル、アイドルか……駄目だ、ピンク色の頭でピンク色の脳内をした人しか頭に浮かんでこない

あと金髪ロングの女王様が頭を支配してる、イメージ最悪だなおい

 

「俺も?言っておくが全く興味無いからな」

 

「まあ私も興味は無いわ、正直面倒な話なのよね」

 

二人揃って迷う素振りすら見せずにキッパリと断言する様に断りを入れる

 

「まあそう言わずに、ここは一つ話だけでも聞いて下さい…お時間は取らせませんから」

 

「そう言う後付の文句が一番信用できないんだよね」

 

「…まあ、頭ごなしに断るのも如何なものかと思うし…話だけなら聞きましょう」

 

「え、行くの華蓮」

 

「取り敢えず話だけ…ね」

 

「それは俺にも付いて来いと言ってるのかね?……はぁ、どの道暇だからいいけどさ」

 

有無も言わさない笑顔を頂いたので仕方無く話だけは聞くことにした

何故だろう、俺の周りにいる女の子はこんなにも怖いのか

 

そんな訳で勝山(かつやま) (あきら)…ああ、名前は名刺から見た

 

「その名刺もう一回見せてくれない?」

 

「別にいいけど、何かあったかしら?」

 

「んー、まあ少し気になる事がね…………あ、この事務所…パスパレが所属する所だ」

 

「それって最近有名になったアイドルバンドじゃない、結構有名な所の人なのね」

 

はーん、そうなのか………ちょっち待ってものすげく行きたく無くなってきた

パスパレがいる事務所とか行きたくないんだけど、頭ピンクとか女王様に捕まったら碌でもない事になるし

 

よく考えれば天災がいるじゃねえか

 

「うっわマジか…帰っていい?」

 

「ここまで来て帰る気?」

 

「アッハイ、スイマセン」

 

「分かれば宜しい」

 

うわーん、お姉ちゃんが怖いよぉ…昔は可愛かったのになぁ、あの頃は最早遠い空の彼方……日が経つのは早いのォ

 

「ここが事務所になります」

 

うん、まあ特にこれといった特徴は無いな…言葉で表わせと言われると困る分類に入る建物です

 

応接室的な所へ案内された

 

「それじゃあ少し説明しようか」

 

掻い摘んで話をしよう、パスパレがアイドルバンドというジャンルを成功させた事により他の事務所からも業界進出を狙ってアイドルバンドを企画しているらしい

 

まあ簡単な話それの対抗でもう一組出そうって言う狙いらしいが…

 

「もし俺達が楽器を弾けなかったらどうする積もりで?」

 

「勿論その場合はボーカルに回ってもらうか、レッスンを受けて覚えてもらう積もりでいます」

 

そう言えばパスパレも最初は皆初心者から始めたんだよな、それもそうか

まあ俺と華蓮は基本的に二時間程あれば大抵の楽器は弾けるから何の問題も無いが…

 

「で、話を聞いた限りどうよ華蓮さんや」

 

「……因みに、バンドと言うからにはメンバーがいるんですよね?」

 

「はい、もう既に二人は決まっているのですが…二人だけでは流石に少な過ぎると思いまして」

 

「それで私達を勧誘したと…まあ分かりました、その人達とは会えますか?出来れば演奏も聞きたいのですが」

 

「分かりました、では本人達に確認を取ってきます」

 

どうやら他の二人もこの事務所内に居るらしいな

 

「というかそこまでやる必要あるのか?」

 

「ここまで来たらやる所までやるわよ、他のメンバーがどの程度に実力があるのか…貴方も気になるでしょ?」

 

「律儀だねぇ、話聞いて帰るつもりだったんだけど…まあ無いと言えば嘘になるかもな……ならその話に乗ろうか」

 

暫くすると勝山さんが帰ってきた、どうやら他のメンバーも俺たちの事を見たい様なのでメンバー達のいる部屋へ向かうことになった

 

「はじめまして、私は原田(はらだ) (ゆい)と言います…よろしくお願いします!」

 

茅原田(ちはらだ) (いずみ)です、よろしくお願いします」

 

………………は?

勝山さんの胸倉を少しギュッと掴む、そこから一気にこちらへ引き寄せる

 

「なあディレクターさんや、女の子だなんて聞いてないぞ?しかも二人共…コイツは一体どうゆう事かね?」

 

「あ、あはは…えっと、やはり女の子だけのアイドルバンドだと同じになってしまうので…男の子が一人くらいは居たほうがいいかと」

 

「成程なぁ、それで男が一人しかいないと聞けば高確率で断られるから黙っていたと…ほぉ、いい度胸をしてるじゃねえかよええ?」

 

「はい、あの…本当に申し訳ありません」

 

嵌めやがったなこの野郎

 

原田と名乗った娘は茶髪のボブカット…そして流石はアイドルの卵、ルックスはそんじょそこらの娘より頭一つ抜けて可愛い

 

茅原田と名乗った娘は黒髪ロングのストレート、クールビューティだね

可愛いというよりは綺麗という言葉が似合う

 

「別にいいじゃない幸貞、ハーレムよ?」

 

「貴女が良くても他の娘達が居るでしょうが、そもそも実姉を含めたハーレムとか誰得だよ…どこのラノベだよ」

 

「まあいいじゃない「いや良くねぇよ」取り敢えず許可を取って貰ったんだから演奏は聴くわよ」

 

「へぇへぇ分かりましたよ」

 

原田さんがギターボーカル、茅原田さんはキーボード

まあでも最悪この二人だけでもやれるよな、ギターとキーボードあれば割と色々出来るぜ

 

取り敢えずお手並み拝見しますか

 

「よろしくお願いします!」

 

「お願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

演奏が終わった

 

うん、あれだな…上手いよ

確かに上手いけど、それだけだね…それ以外に何も感じなかったな

 

「……どうやら華蓮さんも同じ意見の様ですねぇ」

 

「まあ双子だし、考える事も似るわよ」

 

「あの…如何でしたか?」

 

「ハッキリ言うわよ、貴女達の演奏は上手いわ…でも唯上手い、それだけね…それ以外何も感じなかったわ」

 

流石双子、全く同じ意見だな

その言葉を聞くと二人は揃って首を傾げる

 

「ええと…詰まり、どうゆう事なのでしょうか?」

 

「まあ今の感想じゃその反応よね、少しストレート過ぎたわ…悪いわね」

 

「ああいえ!わたしに理解力が無いだけです、気にしないで下さい!」

 

「そうね、簡単に言うと…正直な話、演奏や歌が上手いアイドルなんてゴロゴロ居るのよ…それも下手すれば貴女達よりも上手い人も居るわ」

 

「まあ詰まり、言い方は悪いがその程度だとスグに潰れるって事だよね」

 

そう口を挟む、華蓮は『またそういう言い方をして』と言いたげな顔で俺をジトーッと見てきた

悪いがこれは俺の性分なんでね

 

「この…程度、ですか」

 

「ああそうさ、確かに周りから見れば上手いだろうよ…だけど芸能界で生きていこうとするならその程度…って評価になるね」

 

「……なら…貴方々はどうなんですか?」

 

「ち、茅原田ちゃん!」

 

「ん?俺達?」

 

今まで黙っていた茅原田さんが喋り始める

 

「そうです、私達は貴方々が勧誘される少し前からこの業界を見てきました…なのに貴方々はそれをさも知っているかの様に話すのはそれなりに自分達に自信があるからですよね?」

 

「自信、自信ねぇ…自信なんてモノはそもそも存在しないよ、所詮言葉である上に存在した所でどうにかなる訳でもない…あった所で何の役にも立たないモノを態々持っている程俺のキャパシティに空きは無い」

 

「流石私の弟、捻くれてるわね…まあでもそんな返答じゃ納得しないでしょう?だったら私達も演奏するわよ」

 

「え、そんなこと聞いてないよ姉さん」

 

「止めなさいよ急に姉さんとか呼ぶの、気持ち悪いわよ」

 

そんな酷い、事実的に姉だから姉さんって呼んだのにこの返事だよ…まあ確かに俺も自分で言ってて気持ち悪かったから否定は出来ない

 

「分かりました、聴かせてもらいます」

 

「原田さんもそれでいいかな?」

 

「は、はい…」

 

「で、何やるのよ華蓮さんや」

 

「貴方が決めていいわよ、無理矢理突き合わせてるんだし」

 

んー…どうしようかな、そうなると

 

「あ、貴方のやってる音ゲーの曲でもいいわよ…ていうかそれにして、短くて済むから…あと歌詞があるやつね」

 

何でもいいとか言った癖に注文出してきよったぞこの人、さっきの言葉と矛盾してるじゃねえかよー

 

まあどうでもいいけど

 

「あっそう、じゃあMUSIC PЯAYERでいい?」

 

「無理、私今あんなテンション高い声出せない」

 

「じゃあCYBER GANG」

 

「あれボーカル声低い普通の男じゃない、無理だわ」

 

何でもいいとは一体なんだったのやら、結局貴女が指示するんじゃないですかよ

 

「じゃあGLAMOROUS SKY」

 

「だからボーカル男じゃない、まあ行けなくはないけど…ていうかそれ音ゲーじゃなくない?」

 

「何言ってんだよ、最近追加されたじゃねえかよ」

 

「……ああ、そうね…取り敢えずその話はここまでにしておきましょう、後々面倒だわ」

 

何の話をしてるかは分からないが、面倒事は御免なのでここまでにしておこう

 

「じゃあそれでいいわね」

 

「ああ、俺ドラムやるからギターボーカル宜しくね」

 

「分かったわ……と言うか、よく良く考えれば最初から私が歌う前提なのね」

 

「当たり前でしょ」

 

俺が元気に歌ってる姿とか想像してみろよ、それこそ気持ち悪いだろ

取り敢えずやりますか




イベントのEXトライマスター称号…あと28フルコンだけなんですが、やっぱ28って難しですね

前回はシュガソンをフルコンしましたがココ最近調子悪くて全然出来ません
カプリチオとRe:birthday難しくないですか?ノーツの降り方が意味わかんない

以上バンドりの話でした


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11話

最近オリキャラばっかりでしたね、何かすいません

取り敢えず今回からは原作キャラの方々にも戻ってもらうので勘弁して下さい
では本編どうぞ


演奏が終わる、いやー久し振りにドラム叩いたけど疲れるねこれ

それにGLAMOROUS SKYって結構激しめなんだよね

 

「と言うか華蓮、何故に英語Ver.で歌ったよ」

 

「気分かしら…これと言って理由は無いわよ」

 

さいでございますか、さてさて…アイドルの卵ちゃん達の反応を見ようじゃないか

 

「す、凄いです!ボーカルも…ギターもドラムもプロ以上でした!!」

 

「…貴方々は、一体何者何ですか?」

 

おっ、クールビューティちゃんの表情が驚愕に染まってるなぁ

これはこれで新鮮味があって宜しいな

 

「何者ねぇ、一般人……って言っても信じてはくれなさそうだね」

 

「貴方が一般人?寝言は寝て言いなさい」

 

「人の事言えない貴女に言われたくないね」

 

「……まあ、これが私達と貴女達との差よ」

 

「……それ程までの実力を持っているのに、何故貴方々は普通に暮らしているんですか…」

 

まあご最もな意見ですわな

俺と華蓮、それに晶奈も加えても一緒にバンドでも組めばそりゃ売れるだろうさ

 

まあ、実際そんな面倒臭い事なんて絶対やらないけどね…特に俺が

 

「逆に聞くが普通に暮らしてはいけない理由がどこにあるのかね?」

 

「そ、それは…」

 

「別に才能があるからそれを活かせなんて義務は何処にも存在しない、した所で従わないけどね」

 

「……才能が無い者達への侮辱だと思いたければ思えばいいわ、けどそれを思った時点で自分自身を無能と決定付たのは自分よ」

 

「残念ながら君達と俺達じゃ信念や性格、心情なんかがまるで違う…グループとしての仲間を見つけたいなら他を当たりな…ま、いざとなれば甘える事の出来る相手が見つかるといいな」

 

そこでまた華蓮に睨まれる

だからねぇ、俺は生憎こういう性分なんだってば…それにこれくらい言ってあげないとこの娘達への為にならない

 

「私達は甘えたくてメンバーを集めていたんじゃない…!」

 

「君がそう思っていても事実的に他にメンバーが居ればいざとなった時に甘える事が出来るだろ?口ではそう言ってもその状況が来た時に耐えられるのかな?」

 

「っ……」

 

「……悔しかったら二人で成り上がってみろよ、そしたら話でも文句でも聞いてやるよ」

 

踵を返しドアへと向かう、その途中に立っていた勝山さんの肩へポンッと手を乗せる

 

「まあそう言うことだ勝山さん、やる気の無い奴等を雇ってもいい事は何も無いぜ?ここは諦めておいてくれや」

 

「……はぁ、分かったよ…素直に手を引くよ」

 

「話が分かる人で良かったわ、じゃなければ……彼女達の、若しくは貴方の信念が木っ端微塵だったかもね?」

 

悪どい笑を浮かべる華蓮、おぉくわばらくわばら

ほら見ろ勝山さんの笑顔が見た事ないくらいに青ざめてるぞ、まあ俺も華蓮と同じ意見だけどさ

 

ドアを開け、外に出る

 

「……おやおや、パスパレの皆さん…どうも」

 

「ええ、こんにちは幸貞君…こんな所で会うなんてね」

 

あらあら、何やら女王様がご立腹…お怒りになられてますね

それを後ろからオロオロと眺める麻弥ちゃんと丸山先輩&イヴ…あ、俺基本的に自分の学校にいる先輩以外には軽いんでそこんところよろしく

因みに花音ちゃんは別枠だから

 

ていうかそこの天災、ガン見してくんな…

 

「はぁ…面倒臭いなぁ、華蓮先帰ってて」

 

「いいのかしら、貴方一人でどうにか出来るの?」

 

「するしか無いでしょうが、それに貴女が居ても状況は変わりゃしないよ」

 

「邪魔者は早々に退散しろって事ね、そうさせてもらうわよ」

 

背を向けて手を振りながら帰っていった

 

いやまぁ別に邪魔という訳じゃ無いけど、恐らく女王様が用事あるのは俺の方だし

華蓮が居てもやる事無いのよね

 

「…今のはお姉さん?」

 

「ああ、双子のな…それで何か用かね、女王様?」

 

「あの子達は一応私達の後輩なの、後輩のデビューを邪魔されて怒らない先輩は居ないと思うのだけれど?」

 

「成程ねぇ、なら女王様…貴女は彼女達を餓死させたいのかね?」

 

「……餓死?」

 

「餌を与えられ自立心を無くした生き物は餌を捕ることを止める、何故か分かるか?誰かしらが餌を持ってきてくれると勘違いするからだ、そしてやがて餓死をする」

 

女王様以外は意味が分かっていないようで首を傾げていた、まあ流石女王様だよな

伊達に芸能界を長く経験してないわ

 

「貴女ならこの意味が分かる筈だし、どれ程大事な事なのかも理解できる筈だ…いいや、理解が出来なかったら貴女は今ここ(芸能界)に居ないだろう」

 

「……そうね、確かにそれは大事な事だわ…けれど、少し位は協力してあげてもいいんじゃないかしら?」

 

「甘いねぇ、甘々だ…そこで少しでも飴を上げてしまうと人というモノは堕落してしまう、鞭を振るうところはとことん振るわなくちゃいけない」

 

まあそれ以前に面倒臭いってのがあるんだけどね

平坦で平凡な人生を送りたいって言ってんのにアイドルやるとか矛盾もいい所だろ

 

「それに俺が態々協力してやる義理もないでしょう?」

 

「ゆ、幸貞君!それは言い過ぎだと思うよ!」

 

「言い過ぎも何も事実ですから丸山先輩、誰がなんと言おうと俺は俺の道を歩いて生きて行くんです…俺の道だけが俺を創るのだから」

 

ま、世間一般的にはこういう生き方をしてる奴の事を自己中…と言うのだけれどね

自覚がある分まだ俺はマシだと思ってるよ…いや、まあ自己中なだけで害悪ではあるけどさ

 

「まあ、あの程度信念を否定…と言うか刺激されたくらいで壊れるなら元からこの世界(芸能界)には向いていなかったってことでしょうね」

 

「もし彼女達があれでアイドルを諦めたらどうする積もりなのかしら?」

 

「人生諦めも肝心ですよ?所詮その程度だった…って事が証明されるだけでしょうよ、まあ自分達で決める事なんですから外野がどうこう言う問題じゃないと思うんですがね」

 

基本的にこういう事柄は第三者が介入すると余計に面倒な方向へ進んでいく事が多い

選択肢としては、見守るしか無い……一つしか選択肢が無いものは選択肢とは言えないけどね

 

「俺もそろそろ時間なので、一つお節介を焼きましょうか」

 

「……何かしら」

 

「女王様、貴女は今幸せですか?」

 

「何よいきなり……少なくとも不幸ではないわよ」

 

「左様ですか、人間の人生ってのは誰しも歩めば幸福の山と不幸の谷を歩む事になる…貴女は今少なからず幸せの山を登っている、然し軈て山を登りきるとその先には谷が待っている」

 

ま、俺みたいな人生を送ろうとして無ければの話だけどね…何事にも例外ってのはあるものだよ

 

「谷を登る時、仲間や友人を頼るのもいいですが結局最終的に決定を下すのは自分自身ですからね?その時になったら考えればいい事ですけどね…まあ、精々押し潰されない様に……千聖(・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行っちゃった……あれ!?今千聖ちゃんのこと名前で呼ばなかった!?」

 

「と言うか、未だに千聖さんの事名前で呼んでなかったんッスね」

 

「……あれ?日菜ちゃんは?」

 

「ヒナさんならユキサダさんの後を走って追い掛けて行きましたよ」

 

「あの、さっきから千聖さんが固まったままッスよ」

 

「………っ~〜~〜!!!」

 

「うわぁ!?千聖ちゃんが真っ赤になってるよ!?」

 

「幸貞さんの名前呼びって結構破壊力あるッスよ、ジブンも最初ヤバかったッス」

 

「私もでした!」

 

「イヴちゃんまで……そしたら名前で呼ばれてないの私だけ!?」

 

「大丈夫ですアヤさん!ヒナさんもまだ呼ばれた事ないって言ってました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うわははははは

どうだ、まあ場面が場面だったけど女王様の事を唐突に呼び捨てしかも名前呼びにしてやったぞ

反応が見れないのが残念だが爆弾を落とせたから満足だわ

 

「ねぇユッキー、さっきのやつの意味って何?」

 

「うわぁおビックリしたなぁ、いつの間に居たんだよお前」

 

「んー?さっきから居たよ?」

 

「あっそう、それでさっきのって…餓死の話か?」

 

「そうそう、アタシ良く分かんなかったからるんってこなかったんだよね~」

 

何だよ、てっきり天災(天才)だから理解してるのかと思ったんだが…まあ女王様より芸能界歴は短いから仕方無いか

 

事務所のロビーにソファがあったのでそこに座る、すると後から首に両手を回して顎を頭の上に乗せる天災

最早突っ込むのも面倒だからいいや

 

「餓死ってのは仕事がゼロの状態が続く事、それで餌が仕事の事な」

 

「へぇ~、それでそれで?」

 

「あの娘達が若しアイドルデビューをしたとするだろ?最初の内はお前らの影響が少なからずあるから仕事は来るだろう…だがな、人ってのは飽きってのが来るもんだ…その時にどれだけ自分達だけで仕事を見つけられる力があるかって話だ」

 

「それで態と突き放したの?」

 

「そうだ」

 

「ふーん、本当にそれだけ?」

 

「他に何があると思う」

 

「ユッキーが他人の為だけに言動を起こすとは思えないなーって」

 

「お前俺の事をなんだと思ってんだよ…まあ事実だけど、それを話してやる義理はないね」

 

「えー!!おーしーえーてーよ~〜!!」

 

「嫌だね」

 

実際面倒臭いだけだからな、まああの二人ならあの程度言われただけじゃ折れはしないと思ってるけどね

華蓮と俺のダブル攻撃を受けてなお目の中にある信念は折れてなかったからな

 

「ねぇユッキー、ユッキーが努力してる事って何?」

 

「何だよ急にそんなこと聞いてきて」

 

「だってユッキーっていっつも人に対して意見を言う時って人よりも歩いてきた様な意見を言うじゃん?」

 

「そうか?……まあ敢えて言うなら成る可く努力せずに人生を歩む事を努力してるかな」

 

「何それ~、矛盾してるじゃ~ん……でも何となくユッキーが言うとるんってくるなぁ、ふっしぎー」

 

「あっそ…ま、お前もそこそこで頑張っとけよ」

 

頭の上にある天災の頭を一撫でする、すると何故か顔は見えないがコイツが言うところのるるるるるんってなってるのが分かる

 

「ねぇねぇユッキー!もう一回撫でて!!」

 

「断る、次のイベントか何かでパスパレとして大成功したら撫でてやるよ」

 

「ホントに!?嘘つかない!?」

 

「何でそんなに必死なんだよ…嘘つかないよ」

 

「じゃあアタシ頑張っちゃうからね!」

 

「はいはい、頑張れ頑張れ」

 

この後、事務所の受付嬢さんに天災と恋人なのかと聞かれたが全力で誤解だということを説明した

 

そういや受付嬢さん、俺達がソファ座ってるところを滅茶微笑ましく見てたなぁ




結局EXトライマスター取れませんでした、もうやんなっちゃいますね自分が

取り敢えず次のカバー曲が何か楽しみに待ってるところです


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12話

最近始めたゲームで三国-IKUSA-と言うのがあるんですが、もうどハマりしちゃって
課金は絶対しませんがそれでもかなりのペースでやりこんで…音ゲーに手をつけてない始末

音ゲーって、やってないと腕落ちますよね

取り敢えず本編どうぞ


さて、今日は前より一日経って日曜日だ

 

本当にする事が無くて暇なんだが、バイトでも行こうかと思ったのだが「休みの日は休まなきゃダメだよ?」とまりなさんに言われてしまったので行きたくとも行けない

 

「あ"あ"~暇だ……あっそうだ(唐突)、羽沢珈琲店でも行こうかな」

 

大分前に暇があったら行くよとか言っておいて行ってないな

行く行く詐欺になっちまうじゃないか

 

という訳で商店街にやって来ました、久し振りだなここに来るの

えぇと…あ、こ↑ゲフンゲフン…少し声が裏返ってしまった様だな、取り敢えず羽沢珈琲店へと着いた

 

「いらっしゃいませー…あ!幸貞さん!」

 

「どうも羽沢さん、約束通り来たよ」

 

「お待ちしてました!ではそちらの席へどうぞ」

 

指定された席へとすわる、雰囲気いいなぁこの店…落ち着ける

まあ珈琲店…詰まりはカフェみたいなもんだしな

 

この場合は喫茶店の方がいいのかな?まあそこら辺の細かい事はいいか

 

「へいらっしゃい!ご注文はなににしやしょー!」

 

「イ、イヴちゃん!うち喫茶店だから!」

 

「そうだな…大将、マグロ二貫」

 

「幸貞さん!?」

 

「かしこやりやした!タイショー!マグロ二貫!」

 

「うぇぇぇぇぇ!?」

 

何だ、イヴはこんな所でバイトしてたのか…コイツはたまげたなぁ

ていうかアイドルがバイトしてたら結構宣伝としては活躍するよね、まあそんな事は置いておいて…目を回してる羽沢さんをどうにかしなきゃな

 

「冗談だよ冗談、普通の珈琲で…あ、ブラックね」

 

「かしこやりやした!」

 

「や、止めてくださいよ幸貞さ~ん」

 

「ごめんゴメン、イヴがああ言う事言うからついつい乗っちゃったよね…ってか、イヴここでバイトしてたのか」

 

「はい、何でも日本文化を学びたいとかで」

 

日本文化を学ぶのに何故喫茶店というチョイスをした?相変わらずよく分からん感性をお持ちのようで

 

「では、少々お待ちくださいね」

 

ふむ、然し二人とも美人なだけあってウェイトレス姿が途轍も無く似合うな

イヴに至ってはそもそもモデルだし似合わない訳が無いんだがな

 

何かあれだなぁ、リサとか友希那辺りにメイド服でも着てもらいたいな

リサは割とノリノリで着てくれるかもしれないけど、友希那がなぁ…猫耳とか付けさせたらもう完璧じゃね?リサも喜びそうだな、あと香澄とかも

 

そう言えば香澄の髪型ってどうなってんだろ、常にあの猫耳の様な髪型から崩れないけどワックスとか使ってるのかな?いや女の子だから使ってはいないか

 

「お待たせ致しました、コーヒーになります」

 

「ああ、どうも」

 

色々と考えていたら注文した珈琲が届いた

 

一口啜る……あメッチャ美味いなコレ、今まで飲んだことねぇよこんなに美味い珈琲…超美味い

 

「羽沢さん、この珈琲って誰が入れてるの?」

 

「私のお父さんです、お味は如何でしたか?」

 

「すげぇ美味い、冗談抜きで」

 

「ありがとうございます、お父さんも喜びます」

 

カウンターの方を見やるとoh…It’s Dandyな男の人が立っていた

あの人かな、そう思っているとコチラに小さくグッと親指を立ててきたので立て返しておいた

 

あの人だな

 

「それよりいいのかい?他にもお客さんがいるけど、俺となんかと話してて」

 

「イヴちゃんも居ますし、一区切りも付いてるので多少は大丈夫です」

 

「そうかい、ならいいけど……」

 

次の瞬間、羽沢さんの後ろを通るイヴが転けた

しかもトレーに恐らく注文された品であろう珈琲を乗せたまま、すかさず席から立ち上がりトレーに手を伸ばす…そして珈琲が溢れる前にトレーを平行に戻しながら受け止める

 

そして空いている腕をイヴの腰へ回す、緊急事態だから許してくれよ

つーか腰ほっそ、何だコイツ…ああモデルか(納得)

 

「……っと、あっぶねぇ…これ何処のテーブル?」

 

「え?……あっ、ええと…アソコの方です…でもユキサダさん…」

 

「お前今ので足挫いただろ」

 

イヴの視線が指す方へ目を向けると、20代程の女性が座っていた…と言うかどうやら現場を目撃されたらしく驚いた顔をしていた

あとすっごい美人

 

ていうかさ、この街ってやけに美人の人多くない?美少女もいっぱい居るし…凄くね?

 

「…はぁ、柄でも無いけど…少しやってみるか」

 

「え?幸貞さん?」

 

トレーを持ったまま注文をしたお客さんの所まで歩いて行く

 

「御騒がせ致しました、ご注文の御品です…お嬢さん」

 

「は、はいっ…あり、ありがとう…ございます」

 

成る可く良質な声でやった…ていうかこの人、若干声裏返ってたな

はぁ、柄でも無い事はしない方がいいな

 

「君、ウチでバイトしないかい?」

 

早っ、Dandyなおヤッさんがいつの間にか俺の肩を掴んでいた

 

「いや、俺別のバイトをやっているので…流石に掛け持ちは…」

 

「なら今日だけで構わない、イヴちゃんの代わりをやってくれないか…恐らくあの捻り方じゃ今日は無理だろうかから」

 

確かにイヴの捻り方は結構痛そうな捻り方をしていた、今日一日は無理しないで休んでいた方がいいだろう……はぁ、仕方無いか

 

「分かりました、今日だけですよ」

 

「ありがとう、助かるよ…勿論お給料は上乗せしておくから」

 

という訳でウェイトレスに着替えてきた、やだよもぉ帰りたい

接客業ってのが一番俺は苦手なんだよ…常に自分ではない自分を作ってなきゃならないから疲れる

 

何故作るかって?素のままで接客したらクソだと思うよ?

 

そしてこの日は一日羽沢珈琲店で臨時アルバイトとして働いた

羽沢さん、さっき一区切り付いたって言ったじゃん…メッチャ人来るんだけど、しかも殆どが女性客

 

え?一緒に写真?ちょっと店長この店はそんなサービスしてるんですk……え、何?サービス料も出るって?…そ、そんなん言われたらぁ…やるしかないやんけぇ…

 

「ハァ、チカレタ」

 

「済みません幸貞さん、写真撮影までして貰っちゃって」

 

「いいよいいよ、その分サービス料が発生するらしいし…貰うならちゃんとあれ位粉すさ」

 

「本当に済みません…これ、私が入れた珈琲です」

 

「ああ、どうも」

 

うーむ、美味いな…お父さんに負けず劣らずに美味い

だが流石は年の功と言ったところか、深みがお父さんの方があるな

 

「どう…ですか?」

 

「美味しいよ、お父さんに負けてない位に」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「さてと、もう一頑張りしますか」

 

てな訳で閉店までフル稼働で働きました、客足が引かねぇのなんの

いつまで経ってもピーク状態だよ止めてくれ全く

 

「ありがとう、これはお給料だ」

 

「はい、どうも……何か多くないですか?」

 

「サービス料も入って上乗せもあるから、その位が妥当だと思うが」

 

「……左様でございますか」

 

まあ貰えるモノは貰っておいて損は無いか、circleの日給を軽く超えてきたから結構ビックリしてる

一応circleはこの街で一番時給が高い筈なんだけどねぇ

 

ま、気にしたら負けだな

 

「また暇な時は手伝ってくれ」

 

「気が向いてやる気が出て更にコンディションが良かったら考えますね」

 

「大分ハードルが高いね…」

 

しかもやるとは言ってないからな?考えるってだけで断る可能性も大いにある

 

取り敢えずそんな感じで羽沢珈琲店を後にした……明日学校じゃぁん、面倒臭い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえねえ幸貞!これ何!?」

 

「何が何、何の話してるんだかさっぱり分からないんだが…主語をつけてくれ」

 

「ああゴメンゴメン、ちょっと急ぎ過ぎちゃった」

 

昨日の羽沢珈琲店でのバイト疲れを若干引き摺った月曜日、月曜というだけで気が滅入るのに疲れてるから尚更帰って寝たい

 

そんなことを思いながら歩いているとリサに捕まった

 

「昨日アタシの〇wit〇erに流れてきたんだけどさ、えーっと……あった!ほらコレ」

 

「どれ……ああ成程、現代のSNSって怖ぇ」

 

そこにあった写真は、俺のウェイトレス姿だった

隣に恐らく投稿者であろう人が写ってるから昨日一緒に写真撮ってくれって言っていた人の何れかだろうな

 

まあ別に俺は気にしないが本人に確認取るとか気を付けた方がいいと思うがな

 

「何が嬉しくて俺とのツーショットを上げるのやら」

 

「誰でも上げると思うけどなぁ…ほら見てここ、いいねの数凄いでしょ」

 

「うわ何それ気持ち悪っ、丸山先輩よりいいねとかRT来てるじゃん」

 

「サラッと彩をディスらないの」

 

「そんな積りは無くも無かったんだがなぁ」

 

「若干自覚あったんじゃん」

 

さぁて、何の事やらな

と言うか恐らくだがこの人以外にも投稿した人は居るだろうなぁ、そうなると羽沢珈琲店が一躍有名になるんじゃないか?

 

それはそれでいいか、結果オーライだな

でもそうなるとちょくちょく顔出さなきゃならなくなるのか俺、それは面倒だわ

 

「そう言えばここって羽沢珈琲店だよね?何で幸貞がウェイトレス姿に?」

 

「臨時アルバイトだよ、偶々その時にイヴが足挫いてな…それの埋め合わせだよ」

 

「へぇ~そうだったんだ、凄い似合ってるよこの制服」

 

「そりゃどうも」

 

そんな訳で学校到着、リサと別れて教室へ向かった

 

「あ、幸貞おはよー」

 

「おう、おはよう沙綾」

 

「ねえねえ、これ見た?」

 

そう言ってさっきとは別の投稿写真を見せてくる沙綾、やっぱり他の人も投稿してたか

 

「それとは違うやつだが、見たよ」

 

「そうだったんだ、それでそれで~?何で幸貞が羽沢珈琲店の制服を着てるのかな~?」

 

「イヴが足挫いたから臨時で入ったんだよ、一日限りの出血大サービスだよ…もう二度とやりたくないけどね」

 

「え~そうなの?ウチでも接客やってもらおうかと思ったんだけどなぁ~」

 

「俺接客業は好きじゃないんだよ、疲れるから」

 

「一回だけさ、ね?一回だけでいいからやってくれないかな?頼むよ~」

 

「それ相応の見返りがあるならやるけど、そうだな……お前んとこの制服ってどんなの?」

 

「え?…ええと、女の子がこれで…男の子がこれ」

 

「ふむ……じゃあ手伝う代わりに女子用の制服を二着貰っていいか?」

 

「ま、まあ全然いいけど…何に使うの?」

 

「それは後でのお楽しみ」

 

よし、材料調達出来たな

後は少し癪だがアイツに頼んで作って貰うだけだな

 

何するかって?内緒ってさっき言ったろ、まあ俺の考える事だから碌でもない事ってのは確かだよ…自分で言うのもなんだけどね




ARCAEAって音ゲー知ってますか?

あのゲーにだけは唯一課金しましたね、楽曲開放の為に
まあ唯、課金楽曲は課金するだけあってクソ難しかったです

以上私事でした


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13話

ちょっと早めに出せたよ
今回幸貞の幸貞らしくない言動が多発してる気がするのは俺だけかな…

取り敢えず本編どうぞ


さて、皆様には校外学習なるものはあっただろうか

 

校外学習とは、学校の外へ出て色々な人やモノを見て…或いは体験を通して学びを得るという活動だ

保育園や幼稚園で言うなら遠足…小学校で言うなら社会科見学…中学校で言うなら職業体験

 

と、まあ様々であろう…なら高校ではどうだろうか

大学に進学する者も居れば、卒業と同時に就職する者も少なからずいる

その為にも社会というモノを見て学び、実際その時になって自分がどう動くかを考える手助けにする為に行うものだと俺は思っている

 

なのだが…

 

「高校生にもなって何故に山登りなんてしなきゃならねぇんだよ」

 

「激しく同意するわ、意味が分からないわね」

 

今俺は…校外学習でとある山の麓に居る、因みにこの校外学習は花咲川学園高等部と羽丘女子学園高等部との合同で行われる

そして今俺の横にいるのは華蓮である

 

言い忘れていたが、華蓮の通う高校は羽丘である

 

「…にしても、この山…本当に本格的な登山者向けの山じゃないか?」

 

「あら知らないの?結構有名な山よここ、上級者向けって話でね」

 

「本当に阿呆なのか学校側は、たとえ高校生だと言えど上級者向けの山に登らすって…馬鹿だろ、しかも九割以上が女子だぞ?」

 

「そうね、呆れて馬鹿とも思えないわよ」

 

そう、忘れてはならないのがここにいる大半…いや、保々全員が女子学生なのである

羽丘はそもそも女子学園だし、花咲川も試験的に男子学生を導入しているだけなので現在校内にいる男子人数は俺を含めて三人

 

なので俺は他の男子生徒の顔を知らない、まあ元より興味も無いけど

 

「そう言えば貴方、友達いるの?」

 

「友達はどこからが友達なのかね?どこまで親睦を深めていれば友達と言えるのかね?」

 

「聞いた私が悪かったわよ、機嫌直しなさい」

 

「別に機嫌は悪くないさ…そう言う貴女は居るのかね?」

 

「…まあ、居なくは無いわよ」

 

「左様ですか、因みに誰?」

 

「今向こうから来てるわよ」

 

華蓮が指す方へ視線を向けると、周りの空気が輝いて見えた

そして周りには黄色い悲鳴を上げる女子生徒達が一杯いた…よく見たらひまりちゃんの姿も見えるんだが

 

「おい、あれってまさか…」

 

「そのまさかよ、私としては友達になった積もりはないのだけれど…向こうが向こうだからね」

 

「はぁ、こいつはたまげたなぁ…まさかお前の友達がアレだとは」

 

「おや、やっと見つけたよ華蓮」

 

そう言って黄色い悲鳴を上げている女子生徒達に別れを告げるイケメン…いや、イケ女かな

 

「済まないね子猫ちゃん達、私には先客がいるんだ…寂しいがここでお別れだ」

 

「誰も一緒に行こうなんて言ってないのだけれどね」

 

「…何かお前、あの人を扱う姿が女王様みたいだな」

 

「女王様?……ああ、千聖ちゃんの事ね…そうかしら?」

 

「ああ、似てる」

 

そんな事を話していると、向こうからイケ女…基、瀬田薫がやって来た

 

「お待たせ華蓮」

 

「別に待ってもいないし呼んでもないですよ、瀬田先輩」

 

あ、そう言えばこの人二年だっけか…普っ通に忘れてたわ

にしても我が姉ながら辛辣な一言ですなぁ

 

「おや?久し振りじゃないか幸貞」

 

「そうですね、薫さん…相変わらずの御様子で」

 

「家族でお話中だったかい?」

 

「そう言う訳じゃ無いですから、もう華蓮連れて行って問題ありませんよ」

 

「サラッと姉を売るんじゃないわよ」

 

「そうかい、じゃあお言葉に甘えて華蓮を借りて行こうか…では行こう華蓮!」

 

「はぁ、もう面倒臭い」

 

珍しいな、華蓮が面倒臭いと口に出すのは

基本的に俺と晶奈は常日頃から面倒臭いと口に出しているが、華蓮は心で思ってはいても口に出すことは少ない

 

流石は薫さんってところかな

 

さて、俺は一人で登ろうかな…

 

「あ!居た居た、おーい幸貞ー!」

 

「ん?ああ、リサか…どうかしたのか?」

 

「どうかしたかって、普通に一緒に行こうって誘いに来ただけだよ」

 

「Roseliaのメンバーと登ってくればいいだろ、俺は一人で登る積りでいたんだが」

 

「そんな寂しい事言ってないで行こう?皆待ってるんだから」

 

そう言われて腕を引っ張られる、というかその口振り的にRoseliaのメンツはあこ以外揃ってるのね

 

「ええ…まさかRoseliaの中に俺を入れる積もりかよ」

 

「いいじゃんいいじゃん、人は多い方が楽しいよ?」

 

「はぁ、そうかい」

 

リサに引っ張られ連れてこられた場所には…友希那、燐子ちゃん、氷川先輩、そして何故か天災とピンク頭

 

「何でお前もいるんだよ」

 

「おねーちゃんが居るから」

 

「成程シスコンか…それでそこのピンクは?」

 

「何でそんなに私の扱い雑なの!?私一応先輩だよ~!?」

 

「そんな妄言はどうでもいいです、取り敢えず何で居るんですか」

 

「も、妄言って…事実なのに……日菜ちゃんに引っ張られて来たら、何故かここに」

 

「自分でもよく分かってないパターンですね」

 

まあそんな事だろうとは思ったけどね、この天災だから丸山先輩を引っ張り回してんだろうな

 

「まあ取り敢えず山登り頑張ろー!」

 

「面倒臭い疲れた眠い寝たい帰りたい帰っていい?もう帰っていいよね?」

 

「ダメです導寺峠さん、これも授業の一環ですから…自然から学ぶ事も沢山あるんですよ?」

 

「流石ですね氷川先輩、優等生っぷりが半端ないです」

 

「私は至って普通です…導寺峠さんが不真面目過ぎるんです」

 

そんな事は無いと思うけどなぁ…無いと……な、無いと思うけどなぁ(冷汗)

ええ不真面目ですよ私は、どうせ捻くれてる屑野郎ですとも

 

「あ、幸貞が不貞腐れてる」

 

「どうせ俺は捻くれてる屑野郎ですよ」

 

「さよー、幸貞傷付けちゃ駄目だよ~?」

 

「わ、私の所為ですか?」

 

と、まあ冗談はさておき…登山の時間が始まりました

結構しんどそうだぞこの山道……燐子ちゃん大丈夫かな

 

「この山道、思ったより険しいですね」

 

「さっき調べましたがまあ何せ本格登山者の人達がきつい山だって評価が付いてましたからね」

 

「……何故そんな山を選択したのでしょう」

 

「さぁ、そんな事は学校側に聞いて下さい」

 

「む~、おねーちゃんさっきからユッキーとばっかり話してる~!アタシつーまーんーなーいー!」

 

「煩いぞ駄々っ子、少しは静かに山を登れ」

 

「ヤダヤダー!そんなのちっともるんって来ないもん!」

 

「日菜、余り騒がないで頂戴」

 

「おねーちゃんまでひどーい!」

 

「ちょ、ちょっと待って三人共!何でこんなに凸凹してる上にかなりの急勾配な道を何事も無くスイスイ歩けるの!?」

 

リサのストップが掛かり後ろを振り向くと、案の定燐子ちゃんは若干バテていた

友希那はこれと言って息は上がって無かった、流石はボーカルの肺活量

 

リサは若干疲れてた

 

「普段から体力作りをしていればこの程度は問題ありません」

 

「そ、そう言う問題じゃないと思うんだけどなぁ」

 

「しかしそれを言うなら…その有り得ない程に膨れ上がったリュックを背負っているのに私達と同じペースで着いてこれている導寺峠さんの方が可笑しいと思いますが」

 

「何だよ氷川先輩、人を変人みたいな言い方をして」

 

「一体それには何が入っているんですか?膨らみ方が以上ですよ」

 

「お昼ご飯」

 

「………そうですか」

 

あ、面倒になったな氷川先輩

そうそう、今日のお昼は持参です…しかも頂上で皆と一緒に食べるんだとよ

 

何だそれ、本当に遠足じゃねえかよ

 

「燐子ちゃん大丈夫かね?」

 

「は、はい…何とか…」

 

「無理しないように気をつけて下さいね」

 

「ありがとうございます、幸貞さん」

 

よく良く考えると燐子ちゃんって俺の一つ上か……俺さん付けで呼ばれてんだけど

まあいいか、花音ちゃんと同じで特別枠だな

 

リサと友希那に関しては幼馴染だし今更感があるし多分敬語使うと気持ち悪いって言われるな…確実に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから少し歩いた所に休憩所があった、そこで我が姉と再会した

 

「あら幸貞、案外早かったわね」

 

「おや華蓮、随分と早いペースだな」

 

「ええまあね、瀬田先輩も付いてきてるわよ…あの人割りと体力あるのよね……私の方が早いしそれ持っていこうか?」

 

「いいのかね?荷物持ちは行きにジャンケンで決めたが…」

 

「別にいいわよ、組み立てる(・・・・・)のは貴方だし」

 

「そうかい、じゃあ頼むよ」

 

因みに華蓮も俺と同じ位の大きさがあるリュックを背負っている、そして今俺のリュックを前に抱えている状態である

 

「じゃあ先行くわね」

 

「おう、頼んだ」

 

そう言って薫さんに一声掛けてから再び歩き出す華蓮

と言うか何気に貴女薫さんに一声掛けてから行くのね、律儀なこったなぁ

 

「おーい幸貞ー…あれ?リュックどうしたの?いつの間にか金華ハムに変わってる」

 

「華蓮が持っていった、休憩はもういいのか?」

 

「うん、燐子も行けるって」

 

「了解、じゃあ行くか」

 

そっから暫く歩いていた、しかし燐子ちゃんがとうとう体力の限界が来てしまったようだ

どうしようもないので取り敢えず俺が看る事にして、皆には先に行ってもらった

 

「何かあったらちゃんと連絡してよ」

 

「了解、ありがとなリサ」

 

「ううん、じゃあ燐子を宜しくね」

 

さてと、取り敢えず休憩をとってみてから考えるか

 

「す、すみません…幸貞さん……私の所為で…」

 

「気にする事は無いよ、俺も疲れてたし」

 

それから数十分経ったが、どうやらまだ動けそうになかった

 

「ゆ、幸貞さんだけでも…先に行って下さい」

 

「んー…そうもいかないんだよなぁ……仕方無いか、燐子ちゃんちょっと我慢してね」

 

「え?…な、何を……きゃっ!」

 

燐子ちゃんをおんぶして行く事にした、流石にここへ一人女の子を置いて行く訳にもいくまいよ

 

と言うか背中に当たる二つの双丘が柔いこと柔いこと、役得役得ゥー

こう見る燐子ちゃんも中々に大きいなぁ…ナニがとは言わないが

 

「ほ、本当に…すみません…幸貞さん」

 

「気にしないで、と言うより大丈夫?急に背負ったりしたけど」

 

「だ、大丈夫…です……す、少し恥ずかしいですが」

 

「ゴメンねー、でも流石に置いて行くのは男として少しアレだったからね~」

 

「ありがとう…ございます」

 

やだ天使この娘……

 

暫く歩くと、切り株に座っている人を見つけた

あれは……お、男?いや女……でもズボン履いてるな

 

「君、どうかしたのかね?」

 

「あっ…え、えっと…足を挫いちゃって」

 

最近俺の周りで足を挫人が多いのだが気の所為か?

この前だってイヴがアシクビヲクジキマシター状態になってたし

 

「友達とかは?」

 

「先に行ってもらってます」

 

「そうかい…燐子ちゃん、ちょっと降りてもらっていいかな?」

 

「は、はい…分かりました」

 

燐子ちゃんを一時的に背中から下ろし、金華ハムを開ける

 

中から包帯、医療用テープ、ネット、湿布を取り出す

まずは湿布を貼って…それから包帯を適量巻く、そんでもって包帯をテープで止めてその上にネットを付けて…

 

「はい完成、応急処置」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「あの…幸貞さん、何でそんなものが入ってるんですか?」

 

「いつ何処で自分が怪我するか分からない世の中だからね、常に持ち歩いてる」

 

「そ、そう…なんですか」

 

さて、この男?はどうするか

応急処置をしたとはいえまだ歩ける状況じゃないだろう、と言うか怪我人が出るような山を選ぶな学校

 

「君、名前は?」

 

「僕は柴岡(しばおか) 陽音(あきね)って言います…もしかして導寺峠君ですか?」

 

「ん?そうだけど…なんで知ってるんだ?」

「この学校って男子生徒が三人しか居ないじゃないですか、僕はもう一人の男子生徒と友達で…消去法的にそうかな…って」

 

「ほぉ、成程ね…因みに君まだ動けないだろ」

 

「は、はい…恥ずかしながら」

 

「燐子ちゃんもう歩ける?」

「はい…大丈夫です」

 

「よし、じゃあいくか」

 

「え?うわっ!?」

 

この柴岡君、かなり背が低い

それでいて顔が中性的な女よりの顔をしていたため分からなかったが、男のようだ

 

声質まで女らしいからもう分かんないね

という訳で(?)取り敢えず今度は柴岡君をおぶって歩いて行く

 

「わ、悪いよ導寺峠君!僕は置いて行って構わないから!」

 

「まあそう言うなって…それより導寺峠って面倒臭いだろ、幸貞でいいぞ」

 

「じゃ、じゃあ…幸貞君」

 

「そったら俺も陽音って呼ばしてもらうぞ」

 

「…うん、いいよ」

 

「幸貞さん…友達出来て良かったです」

 

「何ですかね燐子ちゃん、まるで俺がボッチだったみたいな言い方をして」

 

「だって…いつも一人じゃないですか」

 

「………いや、そうでもないぞ…俺は一人でありたいが思った程一人になれてない」

 

「………よく良く考えると…そうですね」

 

てかコイツ物理的に軽いなおい、ちゃんと飯食ってんのかよ

まあそれを言ったら燐子ちゃんもすっごい軽かったけど…まあ違う圧はかかってたけどね

 

取り敢えず頂上を目指しますか




山登り編はまだちょっと続きます

バンドリで星四が出ねぇ…この前の友希那さんホスィかったなぁぁぁ


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14話

そうだよ、矢張り幸貞はこうでなくては
前回のアレは何だったのだろうか、泉にでも落ちて綺麗な幸貞と入れ変わったのかな?

まあ取り敢えず本編どうぞ


陽音を背負い歩く事数十分、第二の休憩地点が見えてきた

 

「思ったより長かったな、大丈夫か燐子ちゃん」

 

「はい…私は、大丈夫です」

 

「本当にすみません幸貞君」

 

「気にするなって、俺も唯の気まぐれだから」

 

休憩地点には結構他の生徒達が溜まっていた、すると一人のイケメン君……基、男子生徒がこちらに走ってきた

 

「陽音!大丈夫か!?」

 

「あ!裕次君!」

 

ああ、そう言えば友達だって言ってたな…いやぁ、俺には些細な友情でさえも眩しく見えますよ本当

若干の嫌悪感と共にだけどね、本当この性格はクソだと思うよ

 

「もしかして君が導寺峠君か?初めまして、俺の名前は紅崎(あかさき) 裕次(ゆうじ)だ…宜しくなっ!」

 

「自己紹介どうも、導寺峠幸貞だ…面倒だろうから幸貞で構わんぞ」

 

「じゃあそうさせてもらうぜ…あっと、ところで幸貞…もしやずっと陽音を背負って来たのか?」

 

「別にこいつの体重程度なら何の問題もない、では陽音を返すぞ」

 

背中から陽音を下ろす

 

にしてもコイツイケメンやなぁ、薫さんとはまた違ったタイプのイケメンだ…いやそもそも薫さんは男じゃないけどね

 

背は俺と同じ位で割とがっちりしてるな、運動部かな?

 

「ありがとな幸貞!また学校で会おうぜ!」

 

「縁があればな、何せ三人しかいないんだからな…」

 

「おう!絶対探してやるから覚悟しとけよ!」

 

マジか、じゃあ俺は全力で逃げようかな……まあそんな性格の悪いことはしないけどね

え?何?…お前そもそも性格悪いだろって?

 

うるへぇ、余計なお世話だ

 

「幸貞さん…またお友達出来たんですね」

 

「お友達、ねぇ……あれを友達と関係付けていいのか、結構な迷い所なんだがな」

 

「そう言う…性格の悪いことばっかり言うから…お友達少ないんですよ」

 

「俺はそれでいいと思ってるからなぁ、今更これを変えろという方が無理な話ですな」

 

「……私とも…友達じゃないん…ですか?」

 

「さぁ?どうでしょうね…貴女が思ってる通りに思えばいいんじゃないですかね、それを決めるのは俺じゃなくて貴女の心意気次第なんだから」

 

「…ふふっ、否定しないなら…やっぱり幸貞さんは…いい人です」

 

俺がいい人だなんて、天使やこの娘

もし俺がいい人なら世界に存在する保々の人が聖人じゃないかな?

 

「あ!幸貞ー!燐子ー!」

 

「おうリサ、さっきぶり」

 

「今井さん、ご心配お掛けしました」

 

「二人共追いついてよかったぁ~、心配したんだよ~!」

 

「スマンな、ところで他の奴らは?」

 

「友希那は…あそこで蘭と話してる」

 

蘭って…ああ、美竹のおヤッさんとこの一人娘さんか

氷川先輩は大方、天災の相手をしてるんだろうな…丸山先輩は多分香澄とかパスパレの人達と喋ってんだろ

 

じゃあ俺は友希那の所にでも行くか

 

「よう友希那、さっきぶり」

 

「幸貞、追いついたのね…良かったわ」

 

「あっ、幸貞…さん、久し振り」

 

「おう久し振り蘭ちゃん…ってか同級生だし呼び捨てでいいぞ別に」

 

「そう、じゃあそうする」

 

「あら、幸貞は美竹さんと顔見知りだったの?」

 

「あそこでバイトしてるからな、顔見知りくらいにはなるさ」

 

「…それもそうね」

 

そりゃcircleはライブハウスですからね

と言うより、何の話をしてたんだこの娘達は

 

「そう言えば何の話をしてたんだ?」

 

「バンドについてよ」

 

「そうなのか」

 

珍しいな、友希那が他人へバンドについて話すとは…あれから成長したんだねぇ友希那も

 

幸貞さん嬉しくて御涙頂戴だよ

 

「友希那~幸貞~!そろそろ行くよ~!」

 

「おう、分かった…て事だけど友希那、行くか?」

 

「ええ勿論、じゃあまたね美竹さん」

 

「はい、また今度…湊さん」

 

蘭ちゃんと別れて再び山を登り始めるRoselia&more

俺と氷川先輩と天災は相変わらずのハイペースで歩き続け、途中で立ち止まってリサ達を待つということを繰り返していた

 

山を登り始めて数時間が経過

 

「結構登りますね、この山」

 

「そうですね…思った以上に道のりが長いですね、氷川先輩は体力の方は大丈夫ですか?」

 

「ええ、まだまだ余裕です」

 

「天災は…まあ余裕だよな」

 

「よっゆーだよっ!」

 

「はいはいそうかい、まあ問題は後ろ組の娘達ですかね」

 

「そうですね…こうも長く続くと流石に皆さんも疲れてきますよね」

 

後ろを振り向き友希那達の様子を見る、矢張りこうも長丁場だとキツいわな

本当何でこの山を選んだかね学校側よ…もっと簡単な所にしとけば良かったのに

 

「…お、あそこに頂上まであと1kmって書いてありますよ」

 

「本当ですね、漸くですか」

 

その事を友希那達にも伝え、リサが「あと一息だぁ~!」と気合を入れていた

にしてもこの山、行きは良い良い帰りは怖ひで言うのなら…行きは怖ひ帰りは良い良いであり(マス)

 

詰まり登りの道がクソきつかったけど頂上に近づくに連れて足場が平になってきた

 

「やっと着いたか…はぁ、疲れた」

 

「はー!やっと着いたぁ~!……わぁ~!見て見て幸貞!すっごい眺めだよ!」

 

「ん?ほぉ、こりゃ絶景だな」

 

山の頂上からは、我が街が一望出来た

空も澄み渡り太陽が輝いていた…ふむ、お天気で良かったな

 

「おねーちゃんおねーちゃん!すっごいよぉ!」

 

「分かってるわよ日菜…本当、綺麗ね」

 

景色を一望した後、どうやら俺達はかなり早く着いてしまったらしく周りに全く生徒がいない為ベンチやらで休憩していた

 

まあ主に早く着いた理由として俺と氷川先輩と天災が原因だけどね

 

「そう言えば氷川先輩、今回の校外学習の目的…何だが分かりますか?」

 

「……そう言われてみれば考えていませんでしたね、良ければ教えて下さい」

 

「大方、さっきの景色を見せて豊かな感性やらうんたらかんたらとか言う詰まらない御託を並べる為のモノですよ」

 

「…はぁ、言っている事は恐らく間違っては無いと思いますが…導寺峠さんが言うと刺々しく聞こえるのは何故でしょうか」

 

「まあニュアンス的には悪意を持って言ってますからね、下らない御託の為に態々こんな事されられたかたと思うと時間の無駄だと思いましてね」

 

「社会に出てから豊かな感性は重要ですよ、今の内に養っておくのが最善だと思います」

 

「今の社会、感性が重要なんて言ってる人は極わずかなほんのひと握りですよ」

 

「全く、そう言った捻くれた考え方をしているから貴方は友達が少ないんですよ」

 

「いやいや、今の時代は最早結果が全てですから…過程なんてモノを一々見てる人なんてのは居ないんですよ、言い方が悪いですが結局はどんなやり方にせよ結果良ければ全て良し…なんですよ」

 

「本当に貴方という人は……はぁ、何故もそんな考え方に行き着くんでしょうか」

 

俺の性分…ってのは心の中だけに留めておこうか、こんなモノ完全に単なる俺のエゴだからな

 

「感性の違いじゃないですかね?ほら、俺って中々の駄目人間ですから」

 

「…人は人それぞれの考え方がありますから、私からこれ以上意見を言うのは止めておきますが…余りご自分を否定しないようにして下さい」

 

「俺は自分自身を否定した事は無いですよ、俺自身の事は俺が一番よく分かってますから……まあ、自虐気味なのは認めますがね」

 

「貴方はご自分が思っている程駄目な人間ではありません、それは私も湊さんも思っている事です…何故そうも自身に否定的なのですか」

 

……自分に持つ自信(自身)なんてものはとうの昔に俺の中で崩れ去ったモノだ

結局、何処まで行こうと俺は俺なのだから…昔の俺はもう居ない、今ココにある自分だけが自分自身だ

 

結局俺はアイツら(華蓮・晶奈)の端くれなのだから

 

だから俺はこれからも自分を肯定しながら否定して生きていくのだ

 

「矢張り、こんな捻くれた俺の意見を真っ向から自分の意見で真剣に返してくれる氷川先輩は好きですよ」

 

「なっ…!?す、好き!?」

 

「……勿論likeですよ?」

 

「そ、そうですよね!likeの方ですよね!」

 

何を焦っているんだか、俺にはチョットワカラナイデスね

まあそんな事を話してる間にその他生徒達も次々と到着し始める

 

そんな感じで全員が集まった、てか人数多い…てな訳でお昼ご飯の時間です

 

「幸貞、これ」

 

「はいよ華蓮さん」

 

華蓮から荷物を受け取り、リュックから組立式サイドテーブル付きバーベキューコンロを取り出す

脚を立て、サイドテーブルを取り付ける…もう一つのリュックから食材や木炭、ジェル燃料を取り出す

 

その間に華蓮はその辺から枯葉や枯木を集めてコンロの中へ入れていた

そんでもって木炭を枯木枯葉で包み、ジェル燃料を垂らしてマッチで点火

 

この間僅か三分

 

「……導寺峠さん…これは一体」

 

「どっからどう見てもBBQですが…如何しましたか氷川先輩」

 

「如何したもこうしたも何故こんな所でバーベキューなんてしてるんですか!?」

 

「お昼ご飯が持参でしたので、持参しました」

 

「幸貞、さっさと食べちゃいなさい」

 

「あいよ」

 

「じ、持参って……はぁ…もう」

 

何やら呆れた様な諦めた様な溜息をつく氷川先輩

その間にも華蓮はドンドン肉や野菜を焼きそれをひたすら俺が食べ続ける、因みに華蓮は俺が食べ終わってから食べる

 

「うわっ!ユッキーのお弁当ってバーベキューだったの?あ!おねーちゃん今度ウチでもバーベキューやろうよ!」

 

さすが天災、発想の切り替え方が猛スピード過ぎて着いて行けないよ

 

「幸貞、お肉頂戴」

 

「はいあーん」

 

「あーんぐっ……美味しい」

 

「そうかい」

 

横からたえが入ってきたので焼きたてを一枚あげた、すんごい美味しそうに食べるのね貴女

 

「お、おたえ…今の完全に関接…」

 

「ん?何?」

 

「いや、気にしてないならいいや」

 

沙綾が何かを言おうとして止めた、まあ花園相手だからそこまで気にしなくていいと思うぞ

 

因みに花園にあげる肉を掴んだ割り箸は俺が使ったものです

 

「幸貞くーん!私にもちょーだい!」

 

「はい」

 

「んむっ…ん~美味しぃ!」

 

「ユッキーユッキー!アタシにもアタシにも!」

 

続いて香澄と天災もやって来た

 

なんだか餌を欲しがる雛鳥に餌付けをしてる気分になってきたな

コイツら何の躊躇いもなく俺の使った割り箸で肉食うんだもん、まあ俺が気にしてないのもあるけどさ

 

それダメだろ男子

 

「幸貞、肉なくなったよ」

 

「あいよ」

 

リュックから鉄板を取り出し、バーベキューコンロの上へ乗せる

残った野菜を鉄板へ移し、麺を投下してソース掛けて鉄ヘラで麺が焦げ付かないよう焼く

 

はい、焼きそばですね

因みに鉄ヘラは俺のオーダーメイド

 

かなりの量を焼いたがものの数分で全て平らげた華蓮、流石俺の姉

 

「ご馳走様」

 

「お粗末様」

 

食べ終わるとすぐに片付けを初めて三分後には綺麗に片付く、コンロの出し始めから片付け終わるまでの間に先生には一度も見られていないのでご安心を

 

「何事も無かったかの様に片付いてる…」

 

「……本当、何者なんですか導寺峠さんは…」

 

沙綾と氷川先輩が呆然とさっきまで俺と華蓮が食事していた場所を眺めていた

 

この後は特に何もなく下山してこの日は解散となった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰宅

 

「はぁ、疲れた」

 

「そうね、久し振りに身体動かしたから少し怠いわね」

 

「おっかえりー二人共」

 

「ただいま…珍しいわね、姉さんが夕飯を作ってるなんて」

 

「まあ二人共居ないし疲れてるだろうなーってね」

 

「うわ、晶奈が気を使うだと?明日は槍でも降るんじゃないか」

 

「幸貞の中で私の扱いは何なの!?」

 

「バカと天才は紙一重って言うだろ?お前は馬鹿の方だと俺は思ってるよ」

 

「お姉ちゃんに対して酷くない!?」

 

今日の夕ご飯は晶奈の得意料理『チキン南蛮』でした…美味しゅう御座いました

翌日は何故か休み、何でも山登りの疲れを取れだそうだ

 

そんな訳で一日circleで働いてました

んでもって翌日、金曜日……何で水曜校外学習、木曜休みで金曜学校来なきゃいけないんだよ

 

もう金曜も休みでいいだろ

 

「はぁ…面倒臭い……」

 

「あ、おはようございます…幸貞さん」

 

「ん?…ああ、美咲ちゃんか…おはよう」

 

「幸貞さん身体とか大丈夫ですか?私昨日からずっと脹脛が痛くて」

 

「筋肉痛かね、使わない筋肉で使ったんじゃないか?これ上げるから後で貼っときな」

 

リュックから湿布を出して二枚渡す、美咲ちゃんは若干苦笑いしながら受け取った

 

「何で湿布なんて持ってるんですか」

 

「常に常備してるから、何があるか分からん世の中だからね」

 

「そう言う問題ですかね…まあ、ありがたく貰っておきます」

 

「それじゃあ俺は教室行くから、またな」

 

「はい、また会いましょうね」

 

それにしても筋肉痛か、ミッシェルの中に入ってるから体力や筋力はそこそこあると思っていたんだが…

 

まあ登山で使う筋肉って日常生活じゃ余り意識して使う部位じゃないからね

はぁ、取り敢えず今日も頑張ってこう




最近モダコン5が楽しくて楽しくて、まあプレステージ武器を解放しまくってるのはありますが…無課金ですからね?

バンドリは配布美咲ちゃんを取ったのであとは適当にやりながらまりなさんからご褒美を貰い続けて行こう

以上私事でした


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15話

他の方の作品を見てて『ああ、コラボとかもやってみたいなぁ』とか思いつつも自分にその技術があるのかと思っているAZAZELデス

まあ取り敢えず本編どうぞ


とある日、いつもの通りcircleて受付をしていた

アフグロの羽沢つぐみちゃんは予約時間の十分前にはいつも着いており、大概話をしているのだが

 

「あの、実は幸貞さんに頼みたい事があって」

 

「俺に?まあ俺にでも出来ることなら別にいいが」

 

「次の日曜日に少し遠い所でフェスがあるんです、そのフェスは自由参加が出来て私達も出ようって言ったんですが…参加資格にマネージャー、若しくはサポーターのどちらかが居ないと駄目なんです」

 

「へぇ、珍しいフェスもあったもんだな……それ若しかして俺にサポーターをやってくれって事?」

 

「はい…あっ!勿論予定とかその他諸々含めて良ければなんですが…」

 

サポーターねぇ…Roseliaのサポーターを断り続けてる手前、やっていいのかは悩むんだが…

 

「蘭ちゃんもひまりちゃんも出たいって言ってたんですが…」

 

そんな事言われて…

 

「ダメ…ですか?」

 

そんな頼まれ方をしたら健全な男子高校生には断るのは無理でしょうがよ

 

天使かよこの娘…いや小悪魔?これ素だから天使だな

俺の周りに天使多すぎじゃね?俺いつ天に召されても可笑しくないんだが

 

「分かったよ、その日限定でアフターグロウのサポーターをやるよ」

 

「ほ、本当ですか!ありがとうございます!」

 

「もう一回言うがその日限定だからな?」

 

「はい!それでも全然いいです!」

 

場所や詳しい時間なんかは後で連絡してくれるそうなので、つぐみちゃんのL〇NEを貰った

名前を『天使』に変更しておいたのはまた別の話

 

その夜

 

えーっと…場所は……葉山って、マジで言ってんのかよ

こっからだとクッソ遠いぞおい…しかも彼処最寄り駅ないから新逗子駅から歩かなきゃいけない

 

ていうか夏でもないのに葉山って、まあ冬にやるよりはマシだけどさ

 

「俺次の日曜日出掛けるから宜しく」

 

「ふーん、珍しいわね…何しに行くの?」

 

「その日限定でガールズバンドサポーターでフェスに行ってくる」

 

「そう、まあ気を付けてね…何処まで行くの?」

 

「葉山」

 

「へえ、はや……葉山?何でそんな所まで…」

 

それは俺が聞きたいけどね、高級住宅街だけど別にこれと言って無いからなぁ

あるとしたら一色くらいかな

 

「まあ兎に角そこまで行ってくるから」

 

「……まあ、何でもいいわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

週末

 

おはようございます、朝四時起きですよ四時

剣道の試合でも無いのに早起きするのは何時ぶりだろうか…基本的に休みの日は昼まで寝てるからな

 

眠い

 

さっきつぐみちゃんからLIN〇が入っていたのだが

 

『おはようございます幸貞さん!

 

今日は本当にありがとうございます、朝早くからですみません(>_<)

 

今日一日頑張りましょう!٩(^ᴗ^)۶』

 

本当…天使かよ、もう召されても文句ねぇわ

取り敢えず朝飯作ろう

 

「あら、おはよう」

 

「………ん?何してんの華蓮」

 

「何って、見た通り朝ごはん作ってるんだけど?」

 

「え、ああ…うん、何で?」

 

「私はいつもこの時間には起きてるわよ?まあ知らないと思うけど…序だから貴方の作ろうと思ってね」

 

「お、おお…そりゃどうも」

 

流石華蓮さん、姉弟思いの良い姉さんだよ

本当誰に似たんだか……いやガチめで誰の血を引いてんだ?親父も母さんも気なんて使えないぞ

 

あの人達自分の事で精一杯だから

 

そんな訳で華蓮の作った朝ご飯を食べて家を出る、五時の電車に乗るからそれまでに駅へ向かう

因みにアフグロの皆とも駅で待ち合わせをしている

 

「あ!おーい幸貞さーん!」

 

「おはようつぐみちゃん、随分と早いね」

 

「それを言ったら幸貞さんも早いじゃないですか」

 

十分前行動、これ社会的に当たり前…行動は余裕を持って行いましょう

 

「それで他の娘達は?」

 

「巴ちゃんとひまりちゃんはそろそろ来ると思いますが…多分蘭ちゃんは時間ピッタリ、モカちゃんは最悪遅刻してきます」

 

おいさっき俺の言った事と真逆の事をしてる奴が二人もいるぞどうゆう事だ

まあ蘭ちゃんは遅刻しないだろうが…あの青葉モカとか言うのは普段からのんびりしてるからなぁ…まあ納得だな

 

それから十分後

 

「す、すまんつぐ!モカを起こすのに手間取って…!」

 

「大丈夫だよ巴ちゃん、時間には間に合ってるから」

 

日kん"ん"っ…失礼、巴とひまりちゃんがモカを引っ張って来た

因みに蘭ちゃんは既に到着済み

 

「お兄さん今日は宜しくお願いしますね!」

 

「おう、取り敢えずそろそろ行かないと電車行っちまうぞ」

 

えっちらおっちらと電車を乗り継ぎなら目的地である葉山を目指す、まあ駅で言えば新逗子駅ね

 

そう言えば今日行かないってまりなさんに連絡して無いな、しておくか

 

…………あ、返信が…え?そのフェスにパスパレも出るって?

嘘でしょ帰りたくなって来たよ僕

にしてもパスパレも色々な所で活動するようになってきたな

 

「あ、お兄さんこれいりますか?」

 

「おう、ありがとう」

 

ひまりちゃんから貰ったお菓子を食べながら晶奈から来ていた〇INEの返事をする

どうやらクソ親父と母さんがゴールデンウィークに帰ってくるらしい

 

クソ親父には一発決定してるので楽しみにしてるか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

電車移動なっがかったなぁ、疲れた

 

「やっと着いたー!」

 

「あれ~?海って見えないの~?」

 

「こっからじゃ海は見えないな、そもそもここまだ逗子市だから…あそこに見えるトンネル抜けたところが葉山だよ」

 

「幸貞さん詳しいんですね、来たことあるんですか?」

 

「んー…来たと言うよりは連れてこられたの方が正しいかな、こっちに知り合いが居てね」

 

「葉山にですか?お金持ちなんですねぇ~」

 

「うん、まあ…金持ちだね」

 

そして会場まで歩く事30分、本当最寄り駅が最寄りじゃねえんだよ

会場には既に幾つかのバントが到着していた

 

「あぁ!!ユッキー!」

 

「出たな天災め…っておい、こっち来んじゃねえよ」

 

「とうっ!」

 

「危ね」

 

飛び付いてきたのでスルッと避ける、何事も無かった様に歩き去ろうとすると腰に抱き着かれる

何これデジャヴ

 

「ひっどーい!また避けたな~ユッキー!」

 

「あれを避けるなと言う方が難しいだろうな、反射的に身体が拒否反応を示して避けたくなるんだから仕方が無い」

 

「日菜ちゃーん!勝手に走っていかないで~!って幸貞くん!?」

 

「oh.....Dejavu……丸山先輩これ連れてって」

 

「…って言われても、もう日菜ちゃん完全にくっ付いちゃってるよ」

 

いつのにか背中に登って蝉になっていた、何してんだよ天災

俺は俺で仕事あるのに

 

「幸貞さーん、そろそろ受付に…ってうわあ!?」

 

「ああ、つぐみちゃん…ちょっと待っててねこれどうにかするから」

 

中々離れないんだよねコイツ、その細腕の何処にそんな馬鹿力があるんだよ

悪戦苦闘していると…

 

「丸山さーん!氷川さん見つかったー?」

 

「あ、ここに居ますよ」

 

「はー良かっ……何してるのよ」

 

「あ、どうも柿谷さん」

 

「ああ幸貞君!久し振りだね…って言うか氷川さん、私達受付を済ませてないんだから早く来てちょうだい」

 

この人は柿谷(かきたに) 悠香(ゆうか)、パスパレのマネージャーさん

前にパスパレの演奏についてアドバイスをした時に知り合った

 

めっちゃ美人なんだよなこの人、「元アイドルですか?」って聞いたら「やだなぁもう、お世辞を言っても何も出てこないよ~」と言っていた

嘘でしょ違うの?って思ったのは今でも覚えてる

 

「ちぇ~…分かりましたー」

 

「じゃあまた後でね幸貞君」

 

「はい、では」

 

そんな訳で受付を済ませて暇な時間に入った、アフグロの皆とは余り関わることが無かったからなぁ…よく良く考えると本当にアフグロとは関わってないな

 

ポピパは高校同じだし、Roseliaはそもそも幼馴染がいるし…パスパレも何だかんだで知り合いだし…ハロハピに関してはこころが勝手に俺を連れてきて半場無理やり知り合った

 

「そう言えば幸貞さんって他のガールズバンドとは仲良いんですか?」

 

「んー…まあ何だかんだで知り合いだね、唯一アフグロには俺と友達の娘が居なかったから中々ね」

 

「そうなんですか~、ならこれから仲良くしましょうね!」

 

「おう、宜しくね」

 

「はいっ!」

 

なんだこの娘、天使か?天使なのか?

ええ娘やなぁ本当、沙綾もリサもそうだけどここまで心が綺麗だと見てる俺の汚さが顕になるよね

 

「そう言えば宇田川って確かあこも宇田川だよな?」

 

「ああそうだよ、あこはアタシの妹だからな」

 

「はえーそうなのか、世間は随分と狭いもんだなぁ…そう言えば蘭ちゃんの親父さんとも知り合いだからなぁ」

 

「そう考えるとアフグロとも割と繋がりがありましたね幸貞さん」

 

「そうだね…世間は狭いねぇ」

 

その後、フェスが始まるまでかなりの時間がある為アフグロの皆と話した

スタッフさん達も慌ただしくなってきたところで、矢張りハプニングとは起こるものだな

 

「ん?彼処どうしたんだ」

 

「何かトラブルじゃないですかね?」

 

「随分と手古摺ってる様だけど……ちょっと行ってくるか」

 

ピアノの近くまで行き、スタッフに尋ねる

 

「どうしました?」

 

「ん?君は……えっと、誰?」

 

「サポーターで来てる者です、それでどうしましたか?」

 

「実はピアノ線が切れてしまって…今居る技術スタッフにピアノが得意分野の方が居なくて…」

 

「成程、少し失礼しますよ」

 

あープッツリいっちゃてるねぇ、こりゃ大変だわ

背負っていたリュックの中から簡易工具箱を取り出す

 

「え?ちょっ、君!?」

 

「変えの線あります?」

 

「な、直せるのかい?」

 

「まあこの位なら数分で終わりますけど」

 

「す、数分って…取り敢えずこれ変えの線だけど」

 

「はいどうも」

 

プッツリいってるのは線を全部変えなきゃ行けないから本当はもっと掛かるんだけどね

まあ時間も時間だからさチャチャッと済ませる方法でやるか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 

「出来ましたよ、確認お願いします」

 

「……か、完璧です」

 

「それはどうも、じゃあ俺はこれで」

 

「き、君!」

 

「はい?」

 

踵を返したところでスタッフの男性に肩を掴まれるたので振り返る

 

「ウチの技術スタッフになる気はないか?」

 

「あー、いや…俺はそういうのに興味無いので」

 

「そ、そうなのか…それだけの才能が有るのに勿体無い」

 

「はは、済みません…ではこれで」

 

勿体無いねぇ…こんな才能、実際のところ超えようと思えば超えられる

いい例がウチの姉である華蓮だ、彼奴は努力で天才を負かす…誰だってやる気と努力で天才を超えることだって出来なくはない

 

唯、誰も彼も天才が相手なだけで『まあ彼奴は天才だし、俺は適わない』という先入観にまず入る

そう思った時点で勝てる訳が無い、勝てる道理がない

 

まあ、そんな事は今はどうでもいいな…それより今日一日、友情やら信頼やらに当て続けられるが……持ち堪えてくれよ俺の精神

 

「あれ?どこ行ってたんですかお兄さん」

 

「ちょっとした手伝いをして来てね、まあそんな大した事じゃ無かったから」

 

「ピアノ線を一本取り替えることが大した事じゃ無いって…凄いなアンタ」

 

「何だ、見てたのか巴?」

 

「まあチラッと話し声が聞こえただけだよ」

 

「そんな難しい事じゃないさ、まあ切れ方の状態にもよるけどね」

 

さて、そんな話をしている内にも一刻一刻と時間は進んでいく

本番三時間前、大まかなリハがあるとの事で一旦アフグロのみんなと別れる

 

「あ、やっほー幸貞君」

 

「ああ、柿谷さん」

 

「いやーまさかこんな所で君に会うなんてねぇ」

 

「まあ俺もパスパレがこんな所まで活動域を広げてきている事に驚きですよ」

 

「小さいフェスでも出ておけばそれなりに名前は売れるからねぇ、まあ意地汚い考えと言えば考えなんだけどね」

 

ピロッと舌を出しながら笑う柿谷さん

ここにも天使がおったな、本当に俺の周りには天使が多い

 

「そういう積み重ねが大切なんじゃなですかね、今となってはそれなりに有名じゃないですか」

 

「そこは有難い限りだよ、それに少なからず幸貞君の出してくれた課題も結構皆にとっては為になったのよ?」

 

「課題も何も、あんな曖昧な感想は課題でも何でもないですよ…唯単に俺の思った事ですから」

 

「何はともあれ彼女達の為にはなったんだよ、そこは誇るべきだと思ってね」

 

誇るねぇ…俺は俺が楽になる様な答えを出した積り出いたからなぁ

とても複雑な心情だよ今、まあ結果オーライって事かな

 

「何時だって俺は俺の事で精一杯ですから、あの感想だって俺が後々楽になる様に言ったんですから」

 

「それ本当?でもどう楽になるの?」

 

「ああいう感想は後々で俺がアドバイスを与えたり、彼女達から追求されたりという確率が少ないですからね」

 

「……そっか、成程…自分自身は自分だけが磨けるって意味合いだったもんね、例え幸貞君に聞いてもそれは自分だけが分かってるみたいに言えばいいのか」

 

「お見事、その通りです…まあご覧の通りそんな意味合いを含めて言ったんですから、課題でも何でもないですよ」

 

「幸貞君ってやっぱり頭良いよねぇ、それでも彼女達にはいい刺激になったから結果オーライだね」

 

「そうなっているなら幸いです」

 

と、まあこんな感じで柿谷さんと暫く話していた

リハも終わり向かえるは本番だけとなったアフグロの皆と合流し、本番まで待つことにした




因みに作者は1回だけ夏に葉山に行きました
同級生が住んでいるのでじゃあ海行こうって事になって

俺の地元からだとクッソ遠いですけどね


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16話

新イベの武士イヴちゃんかっわいいっスねぇ、めっちゃホスィんですが

新しい曲のA to Zの歌詞を聞いて、発音の所為なのか何故か頭にゴットゥーザ様が出てきた
分からない人はググッてね

では本編どうぞ


遂にフェスがスタートした

俺の想像してた二倍近くの観客が押し寄せ芋洗い状態になっていた

 

「うわぁ、あんなにお客さん一杯居るんだ」

 

「何だ、今更緊張してきたのかつぐみちゃん」

 

「そ、そりゃあ誰だって緊張しますよ」

 

フッとアフグロのメンバーに目を向けると、まあ皆揃いも揃ってガチガチになってんのよ

モカでさえ少し固まっている

 

「……はぁ、お前らなぁ」

 

「だ、だってお兄さん!あんなにお客さん居るなんて思ってなかったんですよ!」

 

「いやまあ俺も想定以上だったけどさ…」

 

「ですよね!?」

 

うん、はっきり言ってもっと小規模のフェスだとガッツリ思い込んでた

だから観客人数もこれの半分、若しくは三分の一程度だと思っていたんだが……ところがどっこい、これが現実

 

「とは言ったものの、この道を選んだのはお前らだろ」

 

「いや、まあそうですけど…」

 

「いいか、お前らはどんな場所や状況下でもお前らなんだよ…それに第一、演奏者が楽しめなくて観客が楽しめるかってんだよ…お前らはお前らの演奏を彼奴等(観客達)に叩き付けて来ればいいんだよ」

 

それを言うと、アフグロは揃って顔を見合わす

そして蘭ちゃんが

 

「……詰まり、『いつも通り』って事だね」

 

「うん!そうそう、いつも通りいつも通り」

 

「いつも通り~」

 

「おう、いつも通り」

 

「よーし、頑張っちゃおー!」

 

仲間内で纏まったみたいだな、このノリなら充分だろう

緊張も解けたみたいだな

 

「アフターグロウさーん!スタンバイお願いしまーす!」

 

「よし、じゃあ行ってこい…お前らのいつも通りってのを魅せてきてやれ」

 

「うん……ライブ、成功させてくる」

 

微かに蘭ちゃんが微笑んだ、こう見ると可愛いなぁ

 

アフグロの出番はそりゃ大成功してたさ、まあ俺が柄でもない事を言ったからそれなりの成果は出して欲しかったし

後に続いたパスパレも随分と大盛況でかなりの盛り上がりを見せた

 

と、まあここまでは良かったんだが…フェス後半戦、二つのバンドから唐突なキャンセルが入ったらしい

 

「どうするんだよ、流石に終了一時間前にお客さんを帰せないぞ」

 

「何処かのバンドにもう一回頼むか?」

 

「そのほうがいいと思うが…取り敢えず片っ端から声掛けるぞ!」

 

そんな感じの話をしていたスタッフさん達を横目に見ていた

あれだけ熱狂してテンションがハイボルテージの観客を終了一時間前には帰せねぇわな

 

俺もアフグロの娘達に声を掛けてくるか

 

「あれ?若しかして貴方、DJ-MEGAさんじゃ?」

 

「……ええと、何方でしょうか…それで何故その名前を?」

 

「ああ失礼!自分は今日のフェスでDJをしていた者なんですよ、いやぁ~まさかこんな所でお会いできるなんて!」

 

「はぁ、それはどうも…然し何故俺なんかを?」

 

「DJ界を知る者で貴方の名前を知らない人なんて居ないですよ!ふらっと現れ数々の大会で優勝を総ナメにして突如姿を消した伝説のDJなんですから!」

 

聞いてる自分が恥ずかしくてしょうがないよ

 

昔に息抜き程度で少しDJを齧っている時期があったのは確かだ、でも本当に息抜き程度にしか思っていなかったからな?

名前からお察しだが完全に分かる人には分かるあのキャラから丸パクリする位だからな?

 

「そ、そう言ってもらえるとは嬉しい限りです」

 

「あ!後でサインお願いします!……ところで今は何故こんなに慌ただしく?」

 

「ああ、何でも二つのバンドが急に来れなくなったらしくて…それの埋め合わせをどうするかっていう事になってまして」

 

「それは大変ですね……あ!ならMEGAさんがDJをやればいいんじゃないでしょうか?」

 

「え?俺ですか?でも台も無ければ何も持ってないですよ俺」

 

「自分ので良ければお貸しします!と言うか是非使って下さい!」

 

何でこういう時に限って俺はiPodを持ってきてしまったんだろうか、俺の選曲する曲全部入ってんじゃねぇかよ

 

「iPodとか繋げます?」

 

「繋げますよ!」

 

「………はぁ、マジかぁ…コレやらなきゃ駄目なヤツなのかなぁ」

 

「じゃあ自分スタッフさんに言ってきます!」

 

何か勝手に話がドンドン進んで行くんだが、そんな訳で急遽飛び入り参加する形で俺はDJをやらされる事になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後のバンドが終わり、遂に俺の番になる

 

『ここで緊急参戦したDJが登場だ!!!!嘗て数々の大会において優勝を総ナメにしたが突如としてDJ界から姿を消した男……しかし、今…此処に再び姿を現した!!!!C'mon!!!DJ-MEGA!!!!!!!!!』

 

やめろよそう言う紹介の仕方をするの、すっげぇ恥ずかしくて出ずらいじゃねえかよ

 

そしてステージに立つと今までに見ない程の歓声が飛んできた

どうやらさっきのDJも言っていたのだが、割と隠れDJファンが多い様だ

 

こうなったらやってやるよ、完全に俺の趣味全力全開にチョイスした曲でやってやるよ

 

「頭振り過ぎて脳震盪起こすんじゃねえぞお前ら?」

 

そう言うと更に歓声が大きくなった

 

 

 

 

 

以下選曲ダイレクト、かけた順に

 

FLOWER(DJ YOSHITAKA)

Garakuta Doll Play

GOODTEK

B.B.K.K.B.K.K

Oshama Scramble!

Supersonic Generation

Devastating Blaster

TiamaT:F minor

怒槌

Schrecklicher Aufstand

FREEDOM DiVE

AMAZING MIGHTYYYY!!!!

極圏

Conflict

まあ後は割愛って事でetc…

 

そして最後は…

 

「HAHAHA, Guys, Turn right for India…………The wheel to the right」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、フェスは一時間遅く幕を下ろした

ちょっと盛り上げ過ぎたわ、途中から参加者のバンドの人達も観客に紛れてたからな

 

もう保々ディスコ状態だよね

 

「いやー楽しかったぜ本当!」

 

「うん!幸貞さんのDJがすっごいノリノリで楽しかった!」

 

「お兄さんDJ出来たんですね!」

 

「まあ昔に息抜き程度でちょっとばかし齧った程度だけどね」

 

「齧った程度でアレって……やっぱ幸貞って…」

 

「何?」

 

「……いや、何でもない」

 

蘭ちゃんが何かを言いかけたが、引っ込めてしまった

 

ああそうそう、因みに今はアフグロの皆と新逗子駅まで歩いている途中です

帰る直前、天災に捕まりそうになったが柿谷さんが何とかしてくれたので助かった

 

またここからえっちらおっちらと電車で帰るのか、面倒臭いなぁ

 

電車に乗り数分揺られたとこでアフグロの皆は疲れたのだろう、皆寝てしまった

俺の右隣はつぐみちゃんで、左隣はひまりちゃん

 

二人共…寝るのは良いんだが二人揃って俺に寄り掛からないでくれ

何がヤバイって両脇から凄ぇいい匂いが香ってくるんだよ、然もひまりちゃんに関しては双丘がえらいこっちゃ

 

役得と前向きに考えるにはちょっと状況的にキツい

 

「……あと何駅だ?……八駅…はぁ」

 

そう言えば今日一日、精神的に参る事は無かったな…俺も成長したのかな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあその後は特に何もなく地元に帰ってくる事が出来た

アフグロの皆から御礼を言われ、解散した

 

にしても、だいぶ遅くなってしまったな…現時刻は11:55、もうそろそろ日を跨いでしまう

明日学校だっけ?……ああいや、祝日だったな

 

でも確かcircleはやってたよな、よし行くか

 

「たでーま……って、もう寝てるか」

 

「あ、おかえりー」

 

「珍しいな、晶奈がこの時間に起きてるのは」

 

「まあ明日休みだし、寝付きも悪いから我が弟が帰ってくるまで待ってようかなぁってね」

 

「どうも、そりゃご苦労な事で」

 

「ふっふー、感謝したまえ~…それでどうだった?」

 

「まあそれなりには楽しかったよ」

 

「そっ、それは良かった…そうだ聞いてよ幸貞~、私の上司がさぁ~……」

 

この後、晶奈の愚痴を聞きながら華蓮が作り置きしてくれた夕飯を食べて寝た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

「おはようございます」

 

「あ!おはよう幸貞君、別に休みの日は来なくてもいいのに」

 

「まあ暇なんで、今日は予約入ってますか?」

 

「うん、いつもの子達がね」

 

「そうですか…じゃあ俺は機材のメンテナンスでもしてきます」

 

「了解~」

 

という訳でスピーカーやらアンプやらを少し分解して中のメンテをおこなっていると、電話のバイブレーションが鳴った

 

今は仕事中だが……まあ暇だしいいか(良くはない)

 

「はいもしもし?」

 

『あっ、美咲です…えっと、幸貞さん?』

 

「ああそうだよ、珍しいね君から俺に電話とは…それでどうかしたかね?」

 

『今って時間ありますか?』

 

「今バイト中だけど……まあこれといって忙しくは無いから別にいいよ」

 

『だ、大丈夫なんですか?バイト中ですよね?』

 

「まあ暇だし、circleに居るから来てくれたら相手するよ」

 

『あ、分かりました……え!?circleでバイトしてるんですか!?』

 

「ああ、うん…そうだよ」

 

『わ、分かりました…取り敢えず向かいますね』

 

しかし珍しい事もあったもんだな、美咲ちゃんから直接俺に電話とは……

 

あ、因みに何故俺が美咲ちゃんの連絡先を知っているかというとだな…偶にこころが行方不明になるから捜索の為にだ

 

暫くして美咲ちゃんがやって来た

 

「あ、こんにちは幸貞さん」

 

「おう、それで話って?」

 

「アタシって一応ハロハピの中だとDJって役割なんですよ、それで偶に有名な人の動画とか見るんですが……その中でこれを発見しまして」

 

「まあ何となく動画の内容は分かったよ……ほらねやっぱり、情報社会って怖いねぇ」

 

デジャヴ過ぎてワロエナイ

俺が昨日DJしていた動画が某動画サイトにアップされていた、まあ別にいいんだけどさぁ

 

「まあんなこったろうと思ったけどね……それだけを伝えに?」

 

「あ、はい…直接言って見せた方がいいかなって」

 

「そりゃありがとう…ところで最近はハロハピどうなの?」

 

「ハロハピですか?……まあいい意味でも悪い意味でも相変わらずですよ」

 

「そりゃ良かったな、この前に此処であったLIVE以来見てないからな」

 

「もうあの三人はいつも通りですよ…本当、花音さんがいてくれて良かったです」

 

ああそっか、この娘は一年生で花音ちゃんは二年生だっけか

花音ちゃんが二年生な事をすぐに忘れてしまうなぁ、イカンイカン

 

「まあお疲れ様」

 

「ありがとうございます…何かすみません、愚痴みたいになっちゃって」

 

「気にしなくていいよ」

 

という訳で美咲ちゃんと別れ、また作業に戻っていた

暫くしてメンテが終わり、受付に座り雑誌を読んでいた…予約の時間に近づきバンドの娘達がちらほら現れた

 

「あ!ねえねえ幸貞!これ見た見た!?」

 

「ようリサ、それ美咲ちゃんに見せてもらった」

 

「何か最近幸貞がTw〇t〇erに回ってくる事多くない?」

 

「そうだなぁ…現代社会のSNSって怖ぇ」

 

まあ何でもいいや、取り敢えず今日も一日頑張ろう




さて、幸貞君の選曲…全部分かった人は居るかな?

因みに俺はSEGAの某台を叩く音ゲーで知りました、元が洗濯機のヤツが何個か混ざってることに最近気が付きましたね
あと16マスのヤツね



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17話

ほ、星四が…星四が遂に出ましたよ久方振りに
しかも二体

大天使ツグミエルと花音ちゃんでした、花音ちゃんhshs
新規イヴちゃん欲しかったけどまあ星四出たからまあいいや

では本編どうぞ


「ねえねえ幸貞、今度の土曜日って暇?」

 

「何だよ沙綾、突然そんな事を聞いて」

 

「何でもいいじゃん、それで暇なの?」

 

「まあ暇っちゃ暇だが……何かするのか?」

 

「よし、じゃあその日朝の7時にウチの店に来てね…宜しく!」

 

「…………ああ、バイトか」

 

という訳で今週の土曜日は山吹ベーカリーでバイトをする事が決定した

成る可く裏方に回りたいなぁ、SNSを出回るのはもういいよお腹一杯だよ

 

まあでもバイトの報酬で制服貰えるし…ま、多少はね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、という事で今現在は山吹ベーカリーにてバイト中で御座います

裏方に回りたかったがそもそもパン作りとかド素人もいいところなのでレジ打ち&接客になった

 

「後でお父さんがパン作り体験するかって聞いてたよ?」

 

「お、マジで…今後の為にやらせてもらおうかな」

 

「今後の為って…いつ使うの?」

 

「さあ、覚えておいて悪い事は無いだろ」

 

「……まあそうだけどさ」

 

そうそう…さっき自分でやって驚いたのだがレジ打ちが初見で出来た

コンビニの店員さんのを見ていたのをこんな感じかな?的なノリでやってみたら出来てしまった

 

「何で初めてなのにレジ打ちそんなに早いの?」

 

「やる事さえ分かってれば簡単」

 

「…成程、流石は幸貞」

 

まあ俺も一応、天才の端くれではあるからな…要領さえ掴めば後は簡単作業

 

「……なあ、何故俺が接客する女性の方は皆滑舌が怪しくなるんだ」

 

「それ本当に気付いてないの?」

 

「え、そりゃ気付いてないから聞いてるんだが…」

 

「……ふーん…幸貞ってその内ストーカーとかやられそうだよね」

 

「やめてくれ、そんな面倒な事は御免蒙る」

 

「なら早く気付いた方がいいと思うけどなぁ~」

 

と、まあこんな風に沙綾と駄弁ったり接客したりとそんな感じで時間が過ぎて行く…昼が過ぎピークを超えたあたりで沙綾のおヤッさんから呼ばれたので裏方へ

 

「改めて宜しくな、幸貞君」

 

「はい、こちらこそよろしくお願いします」

 

「いやーしかし沙綾が男を連れてきた時は流石にビックリしたよ」

 

「まあお宅の娘さんとはそう言う関係じゃないのでご安心を」

 

「ははは、まあそこの辺りは基本的に心配はしてないんだけどね…娘の選んだ相手が目に余る程の人間じゃなければ文句は言わない積りだから」

 

目に余る程の人間か…目の前にいる俺は如何なモノなのかな、まあそんな事はどうでもいいのさ

 

取り敢えず沙綾のおヤッさんにパン作りの基本を教わり、生地作りや生地のこね方…オーブンの使い方や焼く時の注意等を聞いた

 

「…にしても、君本当に初心者か?普通の人はそこまで出来ないと思うんだが」

 

「まあ要領はいい方だと自分でも思ってるので」

 

「要領がいいだけではそこまで出来ないと思うんだが…」

 

こうおヤッさんは言ったものの、教えれば教える程スポンジの様にドンドン吸収していく俺を見ていて楽しいのか本当に色々な事を教えてくれた

 

「そうだ、新商品を出そうと思っているんだが…何か良いアイディアは無いかな?」

 

「俺が出していいんですか?ド素人もいいとこですよ?」

 

「こういうのって素人の人から聞くのが一番良いんだよね、あと今回作ろうと思ってるパンのイメージがイメージだし…それに君は最早素人と呼んでいいのか分からないし」

 

…まあそこら辺に関しては俺からはノーコメントで、時間が作り上げる才能ってのも存在してるから

 

「因みに今のところどんな感じのを考えてますか?」

 

「学生向けに作ろうと思っててね、片手で簡単に食べられる物がいいと思ってるんだ…まあだから君の意見も聞きたいと思ってね」

 

「成程…学生向けにですか」

 

「うん、それに男の子も女の子も食べれる物を考えてるんだ」

 

詰まりは余りガッツリし過ぎていないものか、なんか難しいなぁ

もう一層の事チーズケーキとかでいい気がするんだが……チーズか、いいなコレ

 

「アンパンの応用で中にチーズとか入れてみたらとうですか?」

 

「チーズパンか?確かにそれだったら男女共に食べられるが…何処と無く物足りないような気がするぞ」

 

「まあ素のパン生地とチーズだけじゃ味気ないでしょうから、少し辛味のある素材を生地に練り込んでおいたらいいでしょう」

 

「ほう、成程」

 

「あとはこんな感じの味付けソースを掛けておけば」

 

「それいつの間に作ったんだい?」

 

「暇を見てここにあった材料を少し拝借しながらです」

 

「それで味は……美味しいじゃないか、それにこれだったら割と色々な種類のパンに合うな」

 

材料?企業秘密だよ、正直な話遊び半分で作ってたソースだから余り覚えてないってのが本当

 

あ、材料はここから拝借したって言ったけどちゃんと量を見て迷惑の掛からない量を拝借したからな

 

「焼き加減は強火でパリッと仕上げれば宜しいかと」

 

「よし、取り敢えず作ってみようか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな感じでどうかな?」

 

「……OKです、じゃあ味見をしましょうか」

 

「………これ、凄いな」

 

「ですね、自分でここまで行くとは思ってなかったですよ」

 

「と、取り敢えず沙綾にも味見をしてもらおう」

 

てな訳で沙綾を呼んできて味見をしてもらった

 

「これ幸貞が考えたの?」

 

「そう、まあ作ったのはお前のおヤッさんだけどね」

 

「………本当、幸貞って何者なの?」

 

「と言われましてもねぇ」

 

そして俺の考えたパンは即販売決定となった

因みに、冷めるとチーズが固まってしまう為取り敢えず限定40食で売り出した

 

売上次第で変えるそうだ

 

「今日は助かったよ、ありがとうね」

 

「いえ、こちらこそ貴重な体験ありがとうございました」

 

「あ、待って幸貞……はいこれお土産」

 

沙綾が持ってきたのはビニール袋一杯のパン、それと紙袋

ああ、そう言えば報酬を頼んでおいていたな

 

「どうも、パンまで悪いな」

 

「いいのいいの、また暇が出来たら手伝いに来てよ」

 

「それのコネかこれは」

 

「そこら辺は幸貞の好きに解釈してね」

 

「……まあ暇が出来たらな」

 

「うん、じゃあまた学校でね」

 

そんな訳で帰宅、お土産のパンは晶奈と華蓮にあげた

晶奈と華蓮が絶賛するんだから確実に美味いんだろうな、流石は沙綾のおヤッさんだぜ

 

翌日

学校だぜ畜生

 

まあ朝は特にこれといって無かったから割愛な、昼の時間になりいつも通り昼飯を食おうとしていると

 

「やっと見つけたぜ幸貞!」

 

「どちら様ですか」

 

「酷くねぇかおい!?」

 

「冗談だよ裕次、唯でさえ男子生徒の人数が少ねぇのにお前みたいなキャラの濃い奴を忘れるかって」

 

「喜んでいいのか悪いのか分かんねぇ…まあいいや、昼飯食おうぜ」

 

「別に構わんが…何処でだ?」

 

「屋上だよ、陽音も待ってるからよ」

 

との事で屋上で昼飯を食べる事に、久し振りに静かに食えそうだな

屋上に着くと陽音がこちらに手を振っていた

 

「久し振りだね幸貞君」

 

「山登り以来だからな、基本的に俺教室から出ないし」

 

「まあでも探すのは余り苦労しなかったけどな」

 

「そうなのか?」

 

「うん、幸貞君割りとこの学校じゃ有名だよ…何でも出来る人だって」

 

「何でも出来る訳じゃ無いけどね」

 

「教室の蛍光灯一個増やしたりクーラーのメンテナンスをしたりする奴がそれを言ってもねぇ」

 

「その話知ってたのか」

 

「聞いたんだよ」

 

まあ電工二種持ってるから問題無いよね、それに先生から頼まれてやった事だし

俺が何でも出来ると思ったら大間違いだゾ

 

「そうだ!二人ともこれ見て!」

 

「え?うおっ!そのパン買えたのか!」

 

「どのパn……」

 

「これ百食限定で全然買えないんだけど、今日やっと買えたんだ!」

 

「ラッキーだな陽音!だよな幸貞!」

 

「お、そうだな(適当)」

 

「何か反応薄いな幸貞、もしかしてこのパン知らないのか?」

 

「ええ!?今ネットとかでも有名になってるよ!」

 

いやこれがよく知ってんだよなぁ、作ったの俺だし

まさかまたSNSにお世話になるとは思っても無かったよ、てか百食に引き上げたんですね

 

「生地の辛さとチーズのまろやかさが合って美味しいんだよ」

 

「だよなぁ、俺も前に偶々別の学校にいる友人に一口もらったが本当に美味いよなぁ」

 

「へ、へぇ…ソウナンダ」

 

「幸貞君も一口食べる?」

 

「いやいいよ、そのパンは陽音のだろ?お前が味わって食べな」

 

「そう?じゃあお言葉に甘えるよ…本当に美味しいなぁこのパン、考えた人は凄いと思うよ」

 

「だよな!一度でいいから会ってみたいぜ」

 

おっと、沙綾からLIN〇が入った

陽音と裕次が俺から視線を外している間に内容を確認する

 

ええと何々…今何処にいるかって?屋上だよ…っと、丁度良かった?何が?

次の瞬間、屋上の入口が開いた

 

「ここに居たんだ幸貞、話がしたくて探してて丁度通りかかったんだ~……って、若しかして邪魔しちゃった?」

 

「いや別に、大丈夫…だよな?」

 

「おいおい幸貞~、もしや彼女さんか~?」

 

「残念だったなぁ、違うんだよこれが」

 

「本当か~?まあ話があるなら俺らは待ってるよ」

 

「あ、直ぐに済む話だから私は後ででも構わないよ!」

 

「それは俺が面倒だから今聞く」

 

「いいならいいけど、あ…ウチのパン食べてくれてるんだ、ありがとう!そうそうそれの話なんだけどさ、百食限定にしたよって言いに来てね」

 

「ああ、そのはなs……あ」

 

その話をこのタイミングでするのかよ、本当に俺はタイミングというやつに嫌われてるんじゃないかって思ってきたよ

 

陽音と裕次がメッチャこっちを見てくるんだよ、やめろその視線

 

「も、若しかして…このパン作ったのって…幸貞君?」

 

「あれ?言ってないの幸貞?」

 

「………おい」

 

「あ、あれ?若しかして言っちゃ駄目だったかな?」

 

「…………そうだよ(本気)」

 

「「え、ええええええええええ!?」」

 

二人の合唱が響き渡った…ああ、面倒臭せぇ

 

「ほ、本当に本当なの!?」

 

「マジで言ってんのか幸貞!」

 

「こんな事で嘘ついてもしょうがないだろ、気になるならあの娘に聞いて」

 

グルッと後ろを振り向き、沙綾の方を見る二人

 

「ほ、本当だよ」

 

「マジかよ…まさかこんな近くにいるとは思ってもみなかったぜ」

 

「まあ俺が作ったていうか、正確には提案を出したに過ぎないけどね」

 

「それでもこれを考え付く時点で凄いと思うけどなぁ」

 

この後、二人からの質問攻めに遭った俺氏

対応するのがもう疲れたよ本当




今度の遠足、八景島シーパラダイス行くらしいんですよね
高校生にもなってシーパラって…一体何すんだよ

一日フリーパス貰えるらしいッスね

以上私事でした


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18話

だ、誰か…誰かBanG Dream!のヤンデレを増やしてくれ(人任せ)
ヤンデレって……素晴らしいものだと思うんですよね

まあ何故こうなってるかって、BanG Dream!のヤンデレが少ないんだよ
ああそうそう、結構ハーメルンには同士が居てビックリしましたね

そんなこたァどうでもいいんだよ、本編どうぞ


さて、今日は一日休み…何も無い日だ、丁度いい

何が丁度いいかって?この前に沙綾から貰った制服があるだろ、それの加工をしてもらう

 

「……もしもし?」

 

『おや、君から僕へ直接連絡を取ってくれるとは嬉しいね…若しかして遂に僕との婚姻を決意してくれたのかな?それはいい事だ!それで式はいつにする?僕は何時でも構わないいや今日でも構わないさ!』

 

「天地がひっくり返って地球が滅びようともそんな事はありえないから安心しろ、それにお前に用がある訳じゃない」

 

『何だ、そうなのか…それは残念だ……それでは何用で僕に連絡を?』

 

「用があるのはお前の姉だ」

 

『ほう、詰まりは僕から連絡を取ってくれと?それぐらいならお易い御用さ…少し待っててくれ』

 

そう言って少しの間沈黙が流れる、暫くしてからアリアが戻って来た

 

『OKだそうだよ、今日中に向かうと言っていたよ…何でも「愛しの義弟の為なら何だってしたげる!」だそうだよ』

 

「誰が義弟だ」

 

『では、姉がそちらにお邪魔するから』

 

「はいよ」

 

そう言って電話を切る、アイツ相手にするのはやっぱ面倒臭いわぁ

何て事を思っていると外で車が止まる音が聞こえてきた

 

ああそうそう、因みに今日は華蓮も晶奈も出掛けており家は俺一人……アイツら休みの日はよく俺を一人にするな、そう言えば

 

まあだから何だという話だが…っと、ご到着なされたようだな

玄関の扉を開ける

 

「ハロー!ユーちゃん!」

 

「はいはいどうも、アリスさん」

 

「久し振りだねぇ!また一段と凛々しくなって…義姉ちゃん嬉しいよ…!」

 

「アンタの義弟になった覚えは無い、あと永遠にそんな時は訪れないから安心しろ」

 

「え~!!だって今日私を呼んだのってアリアちゃんのウェディングドレスを作る為じゃないの~!?」

 

「そんな訳ないだろ、別件で来てもらったんだよ」

 

「ちぇ~なーんだ、アリスさんのモチベーションガタ落ちだよぉ~」

 

何だろう…この人からは晶奈のそれと同じものを感じ取れる

 

宮代アリス、アリアとは違い金髪だが髪型は同じロングストレート

話の通りアリアの姉、この人は婚約全面肯定派なのでいつアリアと結婚するのかと毎度煩い

 

因みに大分前から日本に住んでいる

 

こう見るとアレだな、この人リリカル的な何かのなのはに出てくる金髪過保護執務官の人に似てるよな

現実世界にこんなえげつないスタイルの人いるんだなぁ(感心)

 

「ふぅ…それで、私に頼み事って何かな?」

 

「これを加工して衣装を作ってもらいたくてな」

 

「衣装?…まさかユーちゃんが着るって事じゃないよね?」

 

「勿論、着るのは俺じゃなくて女の子だ…構想は今から練る」

 

「成程成程、話に聞く幼馴染の子達かな?」

 

「ご名答、という訳でやりましょうか」

 

そうそう、この人は海外的にも有名なデザイナーである

自分だけのブランドを持ち、数々の賞を取っているらしい

 

何だかな、俺の周りは随分と才能に満ち溢れてるようで…本当、何でこうも天才ばかりが揃うのやら

 

「取り敢えずどんな色合いにしたい?」

 

「あの娘達はイメージ的に黒が強いから、やっぱ黒かな」

 

「そうなの…じゃあここは敢えて白とかはどう?」

 

「真反対の色か……何かそれもいい気がしてきたな、偶にはそういう色も」

 

「でしょ?じゃあベースは白で決定ね」

 

因みに元となる服は沙綾から譲ってもらった山吹ベーカリーの制服、これをベースに作っていくつもりだ

 

「真っ白の中にある黒ってのもいいだろ」

 

「さっすが私の義弟!そのギャップもまた味なのよね!」

 

「誰が義弟だ……ああ、後はあの娘達は基本的にフリルとかスカートよりはズボンとかの方が似合うから」

 

「リョーかい、じゃあ下はスカートじゃなくてズボンで決定ね」

 

「…あっ、ドレスとかでもいいぞ」

 

「えっ!そう言う事は早く言ってよユーちゃん!もうズボンで構成立てちゃったじゃんよ~!」

 

いや、さっきの間1秒くらいしか無かったぞ…クイズの早押し並のスピードで言えと?

 

ていうか頭の中で完成させるの早すぎなんだよ貴女

 

「え~じゃあどうする?ドレスでもう一回考える?」

 

「いや、もうズボンでいいよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほんの数分で衣装が完成した、いや本当仕事が速過ぎるこの人

アリアもそうだが流石は大企業を背負ってるだけあるな、時間が命とはこの事だな

 

「はいかんせーい!どうどう?いい感じに仕上がってると思うんだよねぇ!」

 

「俺の構想通りだな、流石天才デザイナー」

 

「もうっ!煽ててもアリアちゃんとの婚姻届しか懐から出てこないぞっユーちゃん!」

 

「そんなもん要らん、今すぐ破棄しても問題あるまい」

 

「え~!酷いなぁユーちゃん……何でそんなにアリアちゃんとの結婚が嫌なの?逆玉だしこれから楽して生きていけるんだよ?」

 

「聞きたいかそれ?」

 

「うん、まあ気になるし」

 

「……俺の人生に不幸は要らない、その代わり幸せも要らない…唯只管に何も無い人生を歩んで行くことだ、例え他人から見れば幸せ事でさえ俺にとっては邪魔な物でしかない」

 

「うわぁ何その考え方~、如何にも捻くれてる感丸出しじゃん」

 

「うるせぇ放っとけ」

 

そんなもん散々言ってきた上に自覚してるから言われなくても分かるわい

詰まらない人生こそが俺の目標なんだよ

 

「もっと刺激ある人生歩んでみたら~?そしたら何かしら価値観が変わるかもよ」

 

「嫌だよ面倒臭い、それにこの性格は生まれつきだ…今更どうなるもんでもないだろ」

 

「可愛くない子供だったんだね」

 

「煩せぇやい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

「………もしもし、ようリサ」

 

『幸貞からアタシに電話するなんて珍しいね、どうしたの?』

 

「今暇か?」

 

『え?まあバイトもバンドも無いし暇だけど…』

 

「よし、OKだ…あと出来れば友希那も連れて俺の家に来て」

 

『きゅ、急にどうしたの本当に……取り敢えず友希那連れて行けばいいのね』

 

「ああ、宜しく」

 

それから数分後、リサと友希那が我が家にやって来た

……にしても随っ分とラフな格好ですなぁ君達、リサのジーパン&パーカーが凄い似合う…友希那のブカブカパーカーも眼福だが、それが本題じゃあない

 

「急に済まんなお前ら」

 

「ううん、アタシも友希那と暇してたところだったし大丈夫だよ」

 

「何だ、リサの家にいたのか友希那」

 

「ええ…まあ、本当は作詞の筈だったのだけれどね」

 

「あ、あはは…全然浮かばなくて」

 

「じゃあ丁度いい息抜き替わりだな」

 

「それで何するの?」

 

「お前ら二人にはこれを着てもらおうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ^~いっスねぇ、こりゃいい絵だわぁ

 

「どう?似合ってるかな…」

 

「似合ってるよ…既に友希那は気に入ってる様だし」

 

全身鏡の前で様々な角度から自分の衣装を見ていた…心做しか目がキラキラと輝いている様にみえる

 

「お!友希那も似合ってるじゃ~ん!」

 

「リサも似合ってるわよ」

 

いや^~お二人共お似合いで

親父の所から一眼レフかっぱらっておいて良かったわぁ

 

「でも急にどうして?」

 

「ん?まあ気分的にね、つぐみちゃんの所でバイトしてたら『ああ、リサとか友希那にメイド服とか着させてぇ』って思って…でも気付いたらいつの間にか衣装になってた」

 

「最初の思考が残ってなくて良かったよ」

 

因みにどんな衣装かと言うと

 

上下共通して白がベース、上のデザインは山吹ベーカリーの制服を崩さない程度にしながら燕尾服を元として作った

左胸から背中にかけて模様の刺繍が入った黒いレースが付いている

 

下はズボンで、白地の上にランダムで切口の様な形をした黒い線が入っている

 

これ白のルクハット被ったら完全にアリアだな

 

「幸貞、この衣装貰えるかしら」

 

「その衣装は元々お前らに上げる為に作ったから好きにして構わんよ」

 

「ありがとう……あと出来ればで構わないのだけれど…」

 

「何?」

 

「この衣装、次のライブで使わせて欲しいわ」

 

「……ん?詰まりそうなると後三着必要になるのか、まあ俺は構わんがデザインは俺がやったものの制作自体は別の人だから…取り敢えずその人に聞いて見なきゃ分からんな」

 

「そう、出来ればでいいわよ」

 

「まあ待ってロッテのトッポ」

 

確かあの人、アリアの所に行くって言ってたし多分居るよな

取り敢えず電話かけてみよう

 

「もしもし、アリス居るか?」

 

『おや、ユキじゃないか…姉さんか?今そこに居る、変わろう………ハイハーイ!アリアちゃんから変わってアリスさんだよ』

 

「どうも、昨日は衣装ありがとう」

 

『そんな気にしなくていいよ~!それでまた何か頼み事かな?』

 

「実は幼馴染から大絶賛を頂きまして、ライブ衣装として着たいって言ってるんだ…それの許可と許可を出してくれるならあと三着作って欲しい」

 

『勿論OKに決まってるよ!』

 

「それはどうも…ああ、忘れてたが二人分は特注で作らなきゃならんから二人の写真送るわ」

 

『分かった、じゃあ任せときなさい!』

 

通話を切る、まさか友希那から是非使いたいと言われるとは…

ほぼ遊び半分で作ってたからなぁ、まあ結果オーライだね

 

「……許可出たよ、あこと燐子ちゃんのは特注で作って貰うから少し時間かかるの思うよ」

 

「ええ、問題無いわ」

 

「……あれ?なんでその二人だけ?」

 

「そりゃリサ、あこは完全にお前らと一緒の衣装だと身長的に大き過ぎるだろ」

 

「あ、そっか…じゃあ燐子は?」

 

「燐子ちゃんは圧倒的胸囲の問題だよね、どう考えても君達のじゃ足りな…あの、痛いんだけどちょっと」

 

リサと友希那に脛を蹴られた、しかも無言だから怖いんだけど

 

「……幸貞のバーカ」

 

「何だよ、別に気にする様な事じゃないだろ…あんなもんただの脂肪だ」

 

「それでも女の子にその話は駄目でしょ」

 

「そんなの気にするなって、そもそも言われて気にするって事は自覚があるって事だろ友希那さん取り敢えず抓るの止めて」

 

さっきから無言でずっと俺の横腹を抓ってるんだけどこの人、しかも結構食込んできてるから割と痛い

 

「幸貞の自業自得だよ~だ!」

 

「分かった分かった俺が悪かったよ、ほら機嫌直せって」

 

近くに丁度友希那の頭があったので撫でておく

するとみるみる内に顔が赤くなり抓る力が弱くなっていった、照れてるの?照れてるんだね?

 

はぁ、にしても…本当に人の心って分からんなぁ




同士の方がいましたら声掛けてくださいね
因みに俺のヤンデレ愛は結構引くものなので気軽に声を掛けると後々後悔するかもしれないのでご了承下さい

え?自覚あるなら止めろって?

それが出来るならとっくに鎮火してる


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19話

やりましたよ、EXチャレンジマスター取れましたよ
27以上のハロハピ曲Excellent以下20以内が1番キツかったっですね
シュガソンかファントムシーフって……どっちもムズイよ……

さて、私事は以上にして本編どうぞ


はぁ、学校って何故こんなにも面倒なのだろうか

今スグにでも帰りてぇ

 

因みに今はお昼休み

 

「あ、幸貞パンいる?昨日の売れ残った物をどうにかしたくて」

 

「貰う、因みに何がある?」

 

「えっと…焼きそばパンにピザパン、ガーリックパンとかハムチーズエッグにカレーパンかな」

 

「何でそんなに重いもんばっかり残ってんだよ」

 

「私にも分かんないよ…それでどれ欲しい?」

 

「じゃあ全部貰うわ」

 

「重いとか言いつつ全部食べるって…まあ別にいいんだけどさ」

 

「よぉ幸貞ー、飯食おうぜ」

 

そうそう、陽音と裕次は俺のクラスを知ってから毎日昼飯を食べに来るようになった

 

「あ、二人ともこんにちは」

 

「何だ、また山吹さんと食べてたのか?」

 

「パンのお裾分け貰ってた」

 

「二人共仲良いよね」

 

「んー…まあ、そうだな」

 

「何よ、その曖昧な答え方」

 

と、まあこんな感じに駄弁りながら四人で昼食を取っていた

するとバタバタと誰かが走ってこの教室へ向かってくる音が聞こえてきた

 

「ゆ、幸貞くーん!!お願いだから助けて下さい!!」

 

「断る」

 

「ええええ~~!!!!お"ね"か"い"た"か"ら"~!!」

 

「それアイドルが出していい声じゃないですよ」

 

藤〇竜也みたいな叫び方をするな、絶対それ女王様が聞いてたら怒られるヤツだぞ

 

「ほ、本当に今ピンチなの!助けて幸貞君!」

 

「三回まわってワンと鳴いたら考えてやろう」

 

「鬼畜かよ幸貞!?」

 

「ワンッ!」

 

「あ、本当にやったよこの人」

 

何だこのカオス、いやまあ引き金は俺と言っても過言ではないけどね

 

「取り敢えず話だけ聞きますよ、何をそんなに焦ってるんですか?」

 

「じ、実はね…柿谷さんが熱で倒れちゃって、それも大変な事なんだけど…柿谷さんって私達専属のマネージャーで基本的に人に自分の仕事を教えない人なの、だから柿谷さんの仕事って事務所の人達すら誰もよく分からなくて……それで臨時として幸貞君に頼みたくて!」

 

「いや俺に頼みに来るのは可笑しくないですか?同じ事務所の人が分からないのに俺が分かる訳が無いじゃないですか」

 

「そ、それ何だけどね……前にもし私が動けなくなったら幸貞君に渡してって言われた物があって…」

 

「……このノート?」

 

「うん」

 

ノートの表紙には『マネジメントの基本』と書かれており、中は恐らく柿谷さんの字であろう文字で色々と書いてあった

 

あの人もし自分が動けなくなった時に俺に引き継げるように色々と準備してたのかよ……何か末恐ろしいな

 

「つってもこんなの読んだだけでマネージャーなんかは……………はぁ、見返りは?」

 

「え?」

 

このノートめっちゃ分かりやすいんだけど、マジなんなのあの人…俺にやらせる気満々じゃねぇかよ

 

あの人とも仲はいいからなぁ、無下には出来ないか

 

「見返りですよ見返り、何かそれ相応の報酬はあるんですか?」

 

「も、勿論だよ!」

 

「まあそうは言ってもまだ考えて無さそうですね……はぁ、やりますよ」

 

「あ、ありがとう幸貞君!!じゃあ放課後迎えに来るからそのまま事務所に行こう!!」

 

あ、今日からなんですね

……って待てよ、いきなりド素人をブチ込んでいいのか?

 

丸山先輩もう居ないし…まあなる様に成るべ

 

「はぁ、面倒臭い」

 

「何だかんだ言って幸貞も優しいよねぇ」

 

「何だよ沙綾、その反抗期の息子が見せた一瞬の優しさを慈愛に満ちた目で見つめる母親の様な目は」

 

「無駄に長いし妙にリアルだね」

 

「幸貞君って変な所で細かいよね」

 

「喧しいわ」

 

「……あっ、ていうか今のってパスパレの丸山彩さん?」

 

本当に不意に思い出した感じで裕次が発した

丸山先輩…気付かれてないとは何か可愛そうになってくるな

 

「え、今更かよ裕次」

 

「きゅ、急な事過ぎて反応出来なかったが…まさかお前パスパレと関係あるの?」

 

「いや別に、これと言ってないけど」

 

「あー、幸貞って結構色んなパイプ持ってるんだね」

 

「パイプって…別にそんなつもり無いぞ沙綾」

 

「でも事実そうじゃない?」

 

「もう幸貞が何なのか分からなくなってきたな」

 

「幸貞君って凄いんだね」

 

「小並感な感想ありがとう陽音」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

「お待たせ幸貞君っ!」

 

「面倒になってきたので成る可く来ない事を願ってました」

 

「酷い!?」

 

「取り敢えず行きましょうか」

 

「更にスルー!?」

 

横で喚く丸山先輩は放っておいて歩みを進める…そう言えば事務所に行くのはこれで二度目なんだよね

前に一度、華蓮とスカウトされた時に行ったことがある

 

「…ここに来るのも久し振りなのか」

 

「そう言えば大分前だけど事務所にいたよね」

 

「そうですよ…そう言えば、あの状況だと盗み聞きしてたんですか?」

 

「あ、あははは…ゴメンね、どうしても気になっちゃう話題だったし…何よりあの千聖ちゃんが気になるっていうから」

 

「ああ、成程…普段なら止めそうですよね」

 

さて、取り敢えず俺は先ず挨拶しに行かなきゃならんのか

こんなド素人が行っていいのやら

 

「じゃあ俺は色々と挨拶とかあるから」

 

「うん、分かった…じゃあ後は自分達で出来る事をやっておくね」

 

という事で事務所長部屋を探す、壁に掛かっている案内図等を宛に事務所内を歩いていると

 

「あれ?もしかして君、幸貞君?」

 

「えっと……ああ、勝山さんか」

 

「久し振りじゃないか、と言うか何故ここに居るんだ?もしかして気が変わってアイドルに?」

 

「そんな訳無いです、柿谷さんの代わりで来ました」

 

「ああ!柿谷さんの代わりで来る人って君だったのか!」

 

「もしかしてもう話行ってるんですか?」

 

「ああ来てるよ、柿谷さん本人が優秀な代わりを呼んでおくから心配しないでってね」

 

「無駄にハードルが高いんですが」

 

「はは、まあ取り敢えず今は所長でも探してるのかな?そしたら私でよければ案内するよ」

 

「助かります」

 

勝山さんに案内してもらい所長へ会いに行った

 

所長…女の人だった、しかも柿谷さんに劣らない程に美人

黒髪ロングが似合ってますよ

 

て言うか何か俺の周りにいる大物っていうか凄い人って女の人多くね?何か狙ってん?

 

「こんにちは、君が幸貞君?私は城山(きやま) 朱音(あかね)

 

「はい、素人なので足を引っ張らないよう頑張りたいと思っています」

 

「気にしなくていいよ、それに悠香ちゃんから聞いてるけど君中々優秀みたいじゃない…パスパレの子達を熱くさせる原動力になったって聞いたよ」

 

「いえいえ、そんな大それた事なんてしてませんよ…紛れもなく熱くなったのは彼女達の意志なんですから、そこに俺は関係ありませんよ」

 

「あらあら、随分と謙虚ね…それじゃあ早速だけど仕事の手伝いをして貰おうかしら……と言っても私達でも悠香ちゃんの仕事って把握してないのよね」

 

「その辺事情は聞きました、それに何故か自分用にノートを作っていたみたいで…それを読んだので大抵の事は把握しました」

 

「そうなの?あの子ったら、最初から君に目を付けてなのね」

 

「はは、まあ複雑な気持ちですね」

 

城山さんへの挨拶を終えたので早速仕事を始める事に

てかマネージャーって何すんの?と思ったそこの貴方、そう貴方です

 

柿谷さん著筆の『マネジメントの基本』によると

えー…具体的にはスケジュール管理や宣伝活動、マスコミ各社への出演交渉等を行う

芸能人マネージャーの場合、その人がどれだけ活躍し輝いていけるかを補佐しサポートしていくのが仕事である

 

と書いてある、あと因みに

 

※とは言っても幸貞君は素人だと思うので交渉や宣伝活動等は他にいる代わりの人が行ってくれるので気にしないでね

 

この辺すっごい抜かりなく書いていて正直引くレベル

 

「さてと、じゃあ俺はスケジュールとかその辺をやるとしますか」

 

「幸貞君、これパスパレのスケジュール表ね…何か私のケータイにメールで送られてきたからコピーしておいたよ」

 

「用意周到ですね…何か怖いですね」

 

「……そうだね」

 

柿谷さんはアレなのか?自分が熱で動けなくなる事を予測でもしていたとでも言うのかね

 

因みにサポートには知り合いという事もあって勝山さんが担当してくれることになった

 

「このスケジュール凄いですね、全部柿谷さんが考えたんですか?」

 

「そうだよ、基本的に私達は彼女の仕事内容は知らないからね」

 

「はぁ、これは単純に凄いですわ」

 

二ヶ月先以上の予定がビッシリ書いてあった

それにパスパレには現役女優の女王様もいるので調整等も抜かりなく

 

これ俺何もしなくて良くないか?

 

すると一人の男性が勝山さんの所へやって来た、中年のダンディな人だな

 

「勝山君、少しいいかな?……おっと、話中だったか」

 

「少し外していいかな幸貞君」

 

「ええ、大丈夫ですのでお構いなく」

 

「悪いね…実はこの会社に交渉をしようと思ってるんだがどう思うかね?」

 

「この会社ですか…大手ですしいいかもしれませんね」

 

「あ、その会社は余りお勧めはしませんよ」

 

あ、やっべ…つい声に出てしまった

ポッと出の若造が余り調子こいた事はしない方がいいな

 

「その理由を聞いてもいいかね?」

 

「その会社、最近株価があまり良くないんですよね…そう言った所は絶対とは言えませんが何かしらの面倒事を抱え込んでいる事が多くて」

 

「…成程、取り敢えず一旦調べてみるか」

 

「何かすみません、見ず知らずの若造が意見を」

 

「いや、気にしないでくれ…様々な意見を取り入れるのは大切だ……ところで君は誰だね?」

 

「柿谷さんの代わりで来ました」

 

「ああ、君がそうなのか…何かと分からない事があったら聞いてくれ、それじゃあ頑張れよ」

 

そう言って歩いていった、何か背中が凄いかっこいい…語彙力皆無だけど凄いかっこいい(小並感)

 

「今の人って?」

 

「私の上司だよ、いい人でしょ」

 

「はい」

 

それから数分、スケジュールに関して勝山さんからアドバイスを貰いながら訂正点などを探していた

 

すると先程の勝山さんの上司さんがまたこちらへ来たのだ

 

「君凄いな…よく調べてみたらこの会社、ついこの前に社内で問題を起こしていたようだ」

 

「お役に立てたのなら光栄です」

 

「君のような若い青年が何故株価なんて知っていたんだ?」

 

「ええと…まあ知り合いが株に関しての仕事をしてる人でして、偶に手伝ったりとかしているので」

 

昨日、偶々アリアから頼まれてサーチしてたんだよね

調子のいい企業や悪い企業で分けて見てたから丁度覚えていた

 

「幸貞君、本当に何でも出来るんだね」

 

「何でもは出来ませんよ、俺は俺の出来る事が出来るんです」

 

「まあその出来る具合が人一倍凄いってことだな、逸材だな君は…いっそこの事務所に就いてもらいたいくらいだ」

 

そんな話をしていると、パスパレのレッスンが終わるようなので顔を出しに行くことになった




そう言えば幸貞君はめっちゃ最初の方に一度だけ白鷺先輩って言ってるんですよね
自分も最近見直してて気付きました、て言うか普通にキャラが安定してない時のミスですね

まあ直すつもりは無いので良かったら探してみて下さい


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20話

ゴールデンウィークがそろそろ来ますね
俺は小説仲間の友人宅へ泊まりに行くことになりました

この友人を含めて何故か俺の周りはメチャクソに頭の良い奴が集まるのは何故でしょうか?俺馬鹿の分類なのに…

では本編どうぞ


さて、そんな訳でパスパレの娘達に会いに行く

 

「あれー?何でユッキーがここに居るの?」

 

「柿谷さんの代わりだよ、て言うか丸山先輩から聞いてないのかよ」

 

「わ、私はちゃんと言ったよ!?」

 

「そうだっけー?覚えてないや」

 

何だこの天災、本当に天災(天才)なのかね

 

「ユキサダさん!よろしくお願いしますね」

 

「自分もよろしくッス」

 

「はいどうも宜しくね」

 

「まさか柿谷さんの代わりが貴方だとは思いもよらなかったわよ」

 

「俺もビックリですよ……ああそうそう女王様、貴女再来月ぐらいまでにパスパレ以外の仕事について確認したいから後で宜しく」

 

「ええ、分かったわ」

 

「おぉ~、何かユッキーがマネージャーっぽい」

 

「ぽいじゃなくて事実代理マネージャーだよ」

 

そして思ったんだがこれから何すればいいの?この後についてノート読んでくれば良かったな

 

「因みにこの後どうするんだ?お前らは解散ってことでいいのか?」

 

「うん、基本的に私達はこのまま解散かな」

 

「了解、まあ別に俺が来た意味は無かったな…ああ、汗かいてるだろうから体冷やさないように…後もう暗いから夜道には気を付けて」

 

「はーい分かりましたよユッキー!」

 

「基本的に天災と女王様については余り心配してないから他の娘達ね」

 

「ちょっと、こんなか弱い乙女に対して酷くないかしら?」

 

「か弱い?どの辺が?」

 

「引っ叩くわよ」

 

止めてくれ、そう言うのは貴方のファンである人達にやって差し上げろ

半数以上が泣いて喜ぶぞ

 

さて、彼女達も帰った事だし…後は何をするんだ?勝山さん辺りに聞いてみるか

 

「あ、幸貞君…丁度良かった、少し話を聞いてくれないか」

 

「ああ、勝山さん…話とは?」

 

「これはオフレコで頼みたいんだけど……実はイヴちゃんが前から誰かに付けられてる気がするって言うんだ、若しかしたら悪質なストーカーに遭っているのかもしれないと思って」

 

「ほう、それはまた………それを何故俺に?」

 

「君ならどうにか力になって貰えそうだと思ってね」

 

「随分と買われたもんですね俺も、まあ策は無くは無いですよ?」

 

「本当かい?」

 

「ええ、その代わり…それを行うにあたってはイヴ自身の協力も必要になりますが、それでもいいなら構いませんよ」

 

と言うかそれを聞いた瞬間に保々犯人がどう言った人物なのかは用意に把握出来た

後は頭出すのを狙って引っこ抜けばいい

 

まあ予想が当たってればの話ですがね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「という事で、イヴは今日俺と帰ります」

 

「本当は反対したいのだけれど…貴方が一緒なら大抵の事なら平気ね」

 

「イヴちゃん!何かあったらスグに幸貞くんを頼るんだよ!」

 

「はい彩さん!」

 

何か俺を肉壁に使うみたいな言い方なんだが…まあでもそうなるわな

 

「じゃあお前らももう帰れ、夜道には気を付けるように」

 

「はーい!」

 

「さて、じゃあ俺達も行きますか」

 

「はい!よろしくお願いしますユキサダさん!」

 

しかしなぁ、暗い夜道をこんなスタイルすごい(語彙力)娘と歩くとなると

色々危なく聞こえてくるわ

 

「帰り道はいつも通りでいいから」

 

「分かりました」

 

それから暫くイヴがいつも通っていると言う帰路を二人で歩いていた

そして少し住宅街から離れ、人の気配が無い所を通り掛かる

 

「い、いつもここで視線を感じるんです」

 

「だろうな、こんな絶好のスポットは無いからねぇ…あと五秒位かな」

 

「え?な、何がですか?」

 

「三…二…一……そら来るぞ」

 

と、次の瞬間…パシャッ!と音を立ててフラッシュライトが俺とイヴを照らした

 

「ひ、ひひひ…あのアイドルバンドの若宮イヴが男と熱愛報道とは…これは特ダネだな!」

 

「なっ!ち、違います!」

 

「何だ、唯のパパラッチか」

 

「証拠も取れてネタは揃ってんだよ!これで俺も一儲け……あ、あれ?俺のカメラは?」

 

「はー、パパラッチの癖にいいカメラ使っなんなぁ…いやだからこそ…かな」

 

「な!お、お前返せそれ!!」

 

物体から意識を外した人間の視線を掻い潜って物を取ることなんて容易い

男は慌てて俺の手にあった一眼レフをブン取り返す

 

「しゃ、写真は…ひひひ、ちゃんとあるな」

 

「まあ別に写真の方は弄って無いからな」

 

「週末に出る雑誌を楽しみに待ってな!ひひひひ」

 

何だあの気持ち悪い生物は、UMAとして認定してもらえそうじゃないか?

 

「ユ、ユキサダさん!追わなくていいんですか!?」

 

「別に深追いする必要性は無いよ、貰うもん貰ったし」

 

「え?ど、どう言う事ですか…?」

 

ピンッと親指で先程取ったものを弾き、弾いた手でキャッチする

物の構造を触って理解するのは得意なんでね、三秒近く触ってれば大体分かる

 

「それは?」

 

「あのカメラに入ってたメモリーチップ、画像の保存がここにされるだけで実際見るだけならカメラから抜かれてても平気な物もあるんだよね…但し画像の取り出しはできないけど」

 

「成程!流石ユキサダさんです!そのチップは壊すんですか?」

 

「甘いなぁイヴ、ああ言う奴のこう言った物ってのは…案外楽しいモノが入ってたりするんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、放課後

 

事務所のパソコンを使っていいと許可を貰ったので早速始めるか

専用のチップ挿入機に入れ、パソコンへ繋げ画像を読み込む

 

因みに周りにはパスパレの皆が居る、何せレッスンが終わってスグだからな

 

「さてさて、お宝拝見と行きましょうか」

 

「何だか楽しそうに見えるのだけれど?」

 

「実際のところ、コイツから色々と解決に繋がる物が出てくると見てるからな」

 

画面にはパスワードを入力して下さいの文字が出てくる

高々八桁のパスワードを解析するのに三十秒も要らない、十五秒位で終わる

 

パスワードを打ち込み、五回目辺りでヒットする

 

「…あれ?何で幸貞君パスワード分かるの?」

 

「パスワード解析ってのには色々とコツがあるんだよ、覚えれば誰でも簡単に解けるようになる」

 

「恐過ぎるわよそれ」

 

「御安心を女王様、正直この内容を公言した所で理解できる人間なんて居ないでしょうから」

 

「……本当に何なのかしら貴方」

 

「酷い言われようだな全く」

 

そんなことを言っていると、画像の読み込みが終わり画面一面に写真が大量に出てくる

 

「コイツはとんだ収穫だな」

 

「な、何これ…」

 

「イヴちゃんは向こうに行ってましょうね」

 

「え?え?チ、チサトさん?」

 

「最低ッスね、人として」

 

そこにあったのは、明らかにプライベートのイヴを隠し撮りした写真が大量に出てきたのだ

間一髪で女王様がイヴを向こう側に連れて行ってくれた、無垢な子にこれは悪影響だわな

 

パパラッチ兼ストーカーって訳か…まあ予想は付いてたけど

 

「こんなもの早く消去するべきッス!」

 

「いやいや、そんな勿体無いことしないよ…活用出来るものは枯れ果てるまで使わなきゃ損だろ」

 

「……何をする気かしら貴方?」

 

「こんなにいい材料が揃っておいて揺すらない方が可笑しいだろ」

 

お楽しみの時間はこれからだぜ…?まだまだこんなもん序の口だろ

 

「……幸貞君、貴方今結構悪どい顔してるわよ」

 

「ん?これは失礼」

 

という事で、今日もイヴと帰ることになった

と言うかまだ柿谷さんは寝込んでいるらしい、お見舞いとか行った方がいいのかな?

 

あまり病人の所へドカドカと行くのは良くないと思ってるんだが

 

「お、お前!」

 

「あん?ああ、お前か…また会うとは奇遇だな」

 

「俺のカメラに入ってたメモリーチップを返せ!」

 

「さぁて、何の事だかな」

 

「と、惚けるな!」

 

「そうそう、話は変わるんだがこの近くで偶々偶然にもカメラのメモリーチップを拾ってなぁ…そっから面白いモンが大量に出てきたんだよ」

 

コピーした写真を数枚、男に見せつけるように取り出す

するとみるみる内に男の顔は青褪めていく

 

「お、お前!その写真…まさか!」

 

「おや?まさかこの写真に見覚えがあると?若しかして道端に落ちていたあのメモリーチップは貴方ので?」

 

「い、あ……ぐっ…!」

 

この場合、はいと肯定することもいいえと否定する事も出来ない

 

YESの場合、この写真を撮ったのが自分だと言う事になり即刻ストーカーでお縄を頂戴させられる

NOの場合、メモリーチップは返って来ずデータは相手の手元…そして写真の事につい調べられたら時間は掛かるにしろ何れお縄を頂戴させられる事になる

 

さあ、君ならどうするかな?

 

「お、俺は『鬼牆組』の奴と知り合いなんだぞ!い、今ここで俺が電話すればいつでも呼べる…!」

 

「咄嗟の言い訳にしては苦しいにも程があるな、下らない」

 

「へ、へへへ…強がってられるのも今の内だぞ!」

 

「そこまで言うなら今から確認取ってみるか」

 

「へ?」

 

携帯を取り出し電話をかける、数コール後にあの人(・・・)電話をした

 

「もしもしおヤッさん(・・・・・)、今暇?ちょっとおヤッさんの組に知り合いがいるだのと豪語してる奴が居るから確認して欲しくて…悪いな、場所は住宅街に入る前の細道だ」

 

数分後

 

黒塗りの高級車(笑)が到着した

中から厳ついオッサン共が数人降りてきた、そして後ろのドアを開けるとサングラスに黒スーツと激厳つい御粧ししたおヤッさんが降りてきた

 

「よう、久し振りだな幸貞」

 

「悪いなおヤッさん、突然呼び出しちまって…予定は平気だったのか?」

 

「ああ、あんな会合抜け出してきても問題ねぇよ」

 

会合やってたのかよ、それ抜け出して来るって駄目じゃね?

 

はい、皆様…お名前からお察しかもしれんが鬼牆組組長こと鬼牆玄四郎さんです

後付けが過ぎるって?何言ってやがる、俺は一言もおヤッさんが893じゃ無いなんて言ってないぞ

 

そこ、言い訳とか言わない

 

「そうそう、この中年知ってるか?」

 

「ん~?俺は知らねぇが…お前ら知ってるか?」

 

「あ!そいつ多分俺の下にいる野郎がカメラ仲間って言ってる奴ですぜ!」

 

「下の下じゃねえかよ、よくそんなんで豪語出来たな」

 

「…おっ!?ア、アンタ若しかして若宮イヴちゃんで!?」

 

「ひっ!…は、はいそうです」

 

突然の事で咄嗟に俺の背後へ隠れるイヴ、厳つい顔してるんだか少しは控えろっての

 

「おいタニ、怖い顔してんだから大声出して近付くなよ」

 

「あっ…す、すまんな嬢ちゃん…と言うか坊ちゃんパスパレと知り合いだったんだな」

 

「ああ、まあそうだよ……ふぅ、さて…取り敢えず人さまに迷惑かけたんだ、落し前は付けなきゃならねぇよな?」

 

俺がそう言うと、他の鬼牆組のヤッさん達が中年の両腕を掴み取り押さえる

 

「まあ一発は確定でいいよなぁ?」

 

「おう幸貞!一発キツいのいったれ!」

 

「やっちまえ坊ちゃん!」

 

「いけ行けー!」

 

止めろお前ら、野次を飛ばすんじゃない

指の関節をゴキッと一鳴らしする……そして思いっ切り中年の左頬へ拳を減り込ませる

 

鈍い音を発しながら中年は宙を舞った




因みに上記の友人は医薬品系に進むそうです
それだけの頭を持ってるのは知ってますが何故そんな奴が俺と友人してるんだか分からないッスねぇ

音ゲーにしか脳がない……いや、それすら怪しい奴と連むとは
いやまあ有難い限り何ですがね?


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21話

さあ皆様、ゴールデンウィークが始まりましたよ
俺は何故か火曜と水曜に学校へ行かなきゃ行けないのですが、休みにしたらええやんけ

まあ取り敢えず本編どうぞ


殴り飛ばした中年は鬼牆組のヤッさん達に組まで連れていかれるそうだ

最早俺の管轄外だからどうなろうと知った話じゃない、因みに組総出でパスパレファンである

 

さっきも

 

「いやー、やっぱ間近で見るイヴちゃんはクッソ可愛ええわぁ」

 

「そう言えばタニはイヴ推しだったな」

 

「そうですぜ坊ちゃん」

 

「何言ってやがるオメェ、日菜ちゃんが一番に決まっとるやろが」

 

「アァん!?もっぺん言ってみぃ!!」

 

「あの天真爛漫系の元気っ子な日菜ちゃんが一番言うとんじゃワレェ!!」

 

「うるせぇぞテメェら!!ドジっ娘でポジティブ思考の明るい彩ちゃんこそが一番だアホンダラ共!!」

 

「いやこれは頭相手でもコレだけは譲れねぇですぜ!清楚の中にも醸し出される女王基質を持つ千聖様こそが一番でぇ!!」

 

「馬鹿言え!麻弥ちゃんこそ一番だ!!隠れ巨乳であのフヘヘ笑いが堪らねぇだろうが!!なぁ坊ちゃん!?」

 

「知るか、組ん中で小競り合いを起こすなお前ら…あと此処は住宅街に近いから余り大声出すな」

 

女王様だけ様付けなのは少し笑えたが、まあ見ての通りである

おヤッさんですら丸山先輩ファンなんだからもうしょうがないよね?

 

中年?その後キッチリ組まで護送されましたよ、嫌な護送だねぇ

翌日、柿谷さんが復活した様で

 

「幸貞君ほんっとぉにありがとぉぉ!!!」

 

「いえお気になさらず、体調が戻って何よりです」

 

「何だか私の居ない間に問題まで解決してくれたらしくて本当に頭が上がらないよぉ!!本当にありがとうね!!」

 

と、感謝の言葉と高級菓子折りを貰った

家かえって華蓮、晶奈と食べるか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日が経ち、ゴールデンウィークの到来である

と言っても特にする事も無いので家でダラダラしている

 

「あー…そう言えばクソ親父と母さん帰ってくるんだっけ?」

 

「そうよ、まあ何日に帰ってくるか聞いてないけど」

 

「そうなんか、まあ適当に待ってればそのうち帰って「ガチャ!」来るだろ……」

 

「来たね」

 

「噂をすると何とやら…だな」

 

玄関の鍵が開く音が聞こえたので向かう、一番に晶奈が入ってきた

 

「どこ行ってたんだよ晶奈」

 

「んー?お父さんとお母さんに迎えに来てって言われたから行ってた」

 

「…そうかい」

 

なら全員に連絡を寄越せよ、今日帰るってことぐらい

次に母さんが入ってきた

 

「ただいま、久し振りね貴方達」

 

「ああ、お帰り母さん」

 

「お帰り、お母さん」

 

さて、準備するか…ドアの近くまで行く

体を大きく後へ捻る、足…腰…胴体…肩…腕…拳の順に力を移動させながら捻った体を戻す勢いで拳を突き出す

 

「やぁ!ただいま我が愛娘と愛息k「いっぺん氏んで来い」うべらぁ!?」

 

先日中年に食らわせた殴りと同じだ、我が母直伝『全力殴殺(ブッパなし)』だ

 

「あらあら、また一段とキレが増したわね幸貞」

 

「そりゃ母さんとは違って男だから、筋肉の付き方は違うさ」

 

「それもそうね…秋人さん、いつまでも伸びてないで早く入りなさい」

 

「す、涼寧…私の心配はしてくれないのかね…?」

 

「秋人さんより子供達の方が大切です」

 

「わお辛辣ぅ、流石我が母」

 

では紹介しておこう

 

導寺峠 秋人(あきひと)、俺の親父である…この人も昔からやらずに出来る天才だったらしい

今はセールスマンとして各地を飛び回っており、一昨年辺りから海外にも行くようになった

 

何度か会社側から個人経営した方がいいんじゃ?と言われたらしいが『面倒臭いんで』の一言で一脚したらしい

 

導寺峠 涼寧(すずね)、こっちは母さん

常に無表情、俺でさえ感情を読むのが難しい…簡単に言えば至極淡々としている

 

母さんは華蓮が受け継いだ努力の天才、凡百事柄に対して天才を努力のみで打ちのめす人だ…因みにそれを嬉々としてやる辺りは俺が引き継いだみたいだな

 

そしてこの人は専業主婦だ、今は忙しい親父の為に一緒について行ってサポートをしている

そこら辺を見ると矢張り母さんも親父に惚れてんだなぁ…と、思う

 

「うぅ、久し振りに会って早々に息子に殴り飛ばされるとは…父さん幸貞に何かしたか?」

 

「今アリアが日本にいるんだよ…しかもこの街に、確かに許嫁を決めるのは親の勝手だが俺に何の報告も無し母さんへの相談も無しにってのを思い出して腹が立った」

 

「おお、アリアちゃんが日本に越してきたのか…いやでもあの時は酒も進んでアリアちゃんのお父さんとも話が弾んでしまってね?悪いとは思ってるよ」

 

「おう、もういっぺん殴らせろや」

 

「止めて!暴力反対!!」

 

「酒に飲まれた挙句の果てに酔った勢いで許嫁か、いい度胸してんじゃねえかああ?」

 

「いやああ息子がグレた!華蓮!晶奈!助けてくれ!」

 

「自業自得、甘んじて受けなさい」

 

「頑張れ~お父さん」

 

「娘達も冷たい!!す、涼寧!君は…」

 

「関節までなら許しますよ幸貞、それ以上は私の仕事です」

 

「こっちも私の敵なのか!?」

 

取り敢えず背負投をしておいた、背中からビターンッていくように落としといたよ

痛そうだね(他人事)

 

「あ、言うの忘れてたんだけどさ幸貞」

 

「何?」

 

「多分その内にあの娘も帰ってくると思うからね」

 

「それをさっさと言わんかい」

 

「いやーそれがねぇ、折角久し振りに家族が揃うからお前も帰ってきたら?って聞いたらさっき返信が来てさぁ」

 

うっわ面倒臭い、果てしなく面倒臭いんだけど

実の家族に言う事じゃないがあまり帰って来て欲しくない

 

「それより幸貞!友希那ちゃんやリサちゃんとの仲はどうなんだね!?」

 

「は?別にこれと言って何も無いけど、何を望んでたんだよ」

 

「何だぁ~詰まらんな、もっと色の付いた話を期待してたんだがなぁ」

 

「逆に考えてみろ、俺が色の付いた話をするとか気持ち悪いだろ」

 

「うわ気持ち悪い」

 

「無いわ~」

 

「何でアンタらが答えんのかねSisters」

 

お前ら唯単に言いたいだけだろ絶対

そう言えばさっきリサから連絡入ってたな、確か休み中にフェスへ行こうだとか

 

そんな気力があったらいいね

 

「あの子達って昔から幸貞と仲がいいじゃないか、だから少し位進んだ話しの一つでもあると思ったんだがな」

 

「はいはいそうかよ」

 

「幸貞、今日何か食べたいものあるかしら?」

 

「夕飯?別になんでもいいよ、あれだったら華蓮か晶奈に聞いて」

 

「そうするわ」

 

母さんの会話への介入の仕方がピンポイント過ぎて本当に凄いと思う…スナイパーかよ

 

久方振りに母さんの作る晩御飯を食べた、相も変わらずクソ美味いことこの上ない

 

「幸貞!久し振りに私と風呂入るか!」

 

「断る、一人で入って来い」

 

「辛辣だなぁ、まあいいか」

 

いいなら最初から声を掛けてくるな

まあこうは言っても別に俺は親父の事が嫌いな訳じゃない、ていうか寧ろ感謝してる

 

仕送りは毎月三人で使い切れない程の量を送って来るし、こまめに生存連絡はしてくれる…まあそうそう死ぬとは思ってないがな

 

仕送りに関して恐らく、一緒に居てやれないのと母さんまで連れて行ってしまっているという事について親父なりに申し訳ないと思っているのだと思う

 

別にその程度でどうにかなる三人じゃないと親父だって分かってると思うが、そこは親の性なんだろう

 

「ん?LI〇Eか、誰からだ?…………え、マジか」

 

どうやら明日もゆっくりは出来なさそうだな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

「ちょっと買物行ってくる」

 

「行ってらっしゃい…あ、序に味噌買ってきてくれるかしら」

 

「分かった…そう言えば親父は?」

 

「まだ寝てると思うわよ、秋人さん休みの日は中々起きないわよ」

 

そこら辺は俺が引き継いでるのか

さて、取り敢えずスーパーに向かうとしますか

 

「あれ?幸貞君じゃないか」

 

「おう陽音、何だお前ここでバイトしてたのか」

 

スーパーにて商品陳列をしている陽音に遭遇した、制服がよく似合ってるよ男の娘

 

「うん、結構前から働いてるんだよ」

 

「そうなのか、俺自身が余りスーパーに行かないからな…知らかったよ」

 

「そうなんだ~、それで今日は何でスーパーに?」

 

「ああ、味噌を頼まれてな…あとドクペを一箱」

 

「ド、ドクターペッパーを?幸貞君好きなの?」

 

「いや、俺じゃなくて身内がな」

 

「へぇそうなんだ、ちょっと待ってて今持ってくるね」

 

「え、いや悪…い……って、行っちまったか」

 

暫くしてダンボール箱と味噌を持って陽音が帰ってきた

よくよく考えるとドクペダンボールで置いてる店って全然ないよな、珍しいなぁこのスーパー

 

「悪いな陽音、にしてもそんな細腕でよく持ってこれたな」

 

「あはは、よく言われるけど僕だって男の子なんだよ?それに今は趣味もあって鍛えてるからね」

 

そう言って力瘤を作るジェスチャーをする、あと君は男の子じゃ無くて男の娘な

 

「そうなのか、その趣味についても今度聞かせてくれよ」

 

「勿論!じゃあまたね!」

 

陽音スマイルを貰い店から出る

あんなに輝いた笑顔なんて俺は作れないよ、俺の笑いは殆どが嘲笑だからな

 

嫌な奴だなぁ、自覚あるなら止めろってね…だがコレがやめられないのが本当の屑なのだよ

 

「たでーま」

 

「おかえり~、どこ行ってたの?」

 

「買物、晶奈これ母さん所に持って行って」

 

「はいよ~」

 

晶奈に味噌を手渡す

さてこのダンボールどうしようかな、どこに置いておこう

……まあ取り敢えずは俺の部屋に置いておくとするか

 

現在正午少し過ぎ、昼飯を食べ終わり部屋でダラダラしてます

因みにお昼はラーメンでした

 

あ、つぐみちゃんから〇INEが

ゴールデンウィーク中にアフグロで出掛けるのか………え?俺も付いてくの?

 

流石にそれは駄目でしょお…女の子五人の中に男一人はさぁ

何かアリアからも来てるし、長期休暇だし新婚旅行(ハネムーン)でも行こう?

取り敢えずお前一人で逝けと返しておいた

 

「……そう言えば下が静かだな」

 

降りてみるとテーブルに置き手紙が

 

『何かトラブったみたいだから会社に顔出してすぐに済ませてくるね、夕飯までには帰るから

 

P.S.晶奈と華蓮は遊んでくるみたいだよ

 

By 父』

 

左様ですか、お疲れ様ですな…と、インターフォンが鳴った

どうやらご到着の様だな

ドアを開ける

 

「只今帰りました、お久し振りです兄さん」

 

「お帰り、優珠(ゆみ)

 

何年ぶりかはもう覚えていないが、久方振りに家へ我が妹が帰ってきた




最近、音ゲーエリアに小学生が増えてきていてビックリしています
CHUNITHMとかやるんだね君達、流石に銀レ以上は居ませんでしたがね

でも案外これが上手くてね、驚きでしたよ

以上私事でした


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22話

今回、地の文がかなり多くなっておりますのでそこの所ご了承下さい

ゴールデンウィークなのに何故火曜と水曜に学校来なきゃ行けないんだろうか、面倒臭いです

では本編どうぞ


導寺峠優珠(ゆみ)、双子の……いや、三つ子の妹である

容姿は華蓮にとても似ており、これまた華蓮と同じで秀才型

 

背丈は俺より少し低い程度なので女性の枠で見れば高い方である

 

この娘は中学を卒業すると同時に親父の元で色々と学ぶ為に高校に進学しなかった、まあ早い話中卒で親父の元に就職した

勿論最初は親父や母さんは意見した…が、元々ウチの親達は本人に後悔が無ければいいと思っているので優珠の意思を聞いてスグに引いた

 

それから一年程経つと優珠は親父と共に各地を飛び回り始めた、そして更にそこから半年程経った頃には海外にまで着いて行っている事を知った

 

そこから今日まで時折連絡は来ていたものの、家には帰って来ない日々が続いた

 

………と、まあ長々と我が妹について話したが…根本的なコイツが何故その様な行動に至ったのか、その原因と言うか元凶というか

 

まあ話し方的にお察しで俺ですよ

いや、まあ俺とは言っても優珠が勝手に解釈した所や彼女の意思決定等もあるんだがな

 

まあ簡単に言えば……本人曰く『兄さんの為』だそうです

 

「兄さん、これ私の通帳です」

 

「え…ああ、そうか……………どうしろと?」

 

「早く受け取って下さい」

 

「いや何故?」

 

「好きに使って構わないので、兄さんが持っておいて下さい」

 

「えぇ、そんな事言われても…」

 

押し付けられてしまったので渋々受け取る、一応中を確n…………うっわなぁにこれぇ

はぁスゲェなおい、一般人でこんなに稼げるんだなぁ(現実逃避)

 

「父さんが毎月仕送りをしてると思いますが、それは飽く迄三人で使う用の仕送りですよね?それだともし自分で使いたいお金がある時に好きに出すことができませんから、少ないですが私の所から使って下さい」

 

「少ない?この額が?」

 

「はい、この程度ならスグに稼げます」

 

こいつはたまげたなぁ…こんなに近くにもアリアみたいなのが居たのか

 

「そう言えば兄さん、今井さんや湊さんとは相変わらずなんですか?」

 

「ん?まあそうだな、特にこれと言って無いけど」

 

「そうですか、それは良かったです」

 

「え、何で?」

 

「もし兄さんが堕落しても貰ってくれそうな人達だからです、特に今井さんは面倒まで見てくれそうなので…まあ最終手段は私が面倒を見ますが」

 

「…あ、そう…て言うか堕落とか絶対しないから」

 

「それもそうですね」

 

確かにヒモも悪くは無いと思ってはいる節があるのは否定出来ない

 

だが俺の目標である山も谷も無い平坦な人生において、ヒモ生活など言語道断

金は自分で稼ぎ自分で使う、これに限る

 

「ああそうだ、俺の部屋にドクペ置いてあるんだった」

 

「えっ?本当ですか?」

 

「飲むか?まあそもそもお前の為に買ってきたんだけどな」

 

「飲みます」

 

明らかにいつもより声のトーンが高くなったな

まあと言っても他人が聞いても分からない位の差だけどね

 

俺の部屋に到着、ドクペのダンボールを前に起き一本を手渡す

 

「はい、これね」

 

「ありがとうございます兄さん」

 

一本をイッキ飲みした、スッゲェなおい…それ100mlじゃなくて500ml缶だぞ

一本飲み干すと更に次の缶へ手のを伸ばす、最終的に五本を飲み干した

 

「相変わらず好きだなそれ」

 

「はい、美味しいですから」

 

「美味しいのかぁ、俺にはよく分からんなぁ…」

 

「そうですか?」

 

「何か色んなモノが混ざってごった返してるから味が分からん」

 

「私はこの位ごった返してる方が落ち着きます」

 

「……まあ、自分から見た他人の感性なんざ分からないもんだからな」

 

「そうです、人の心とは常に変わり行くので特定や完全理解など到底不可能なのです」

 

流石は俺の妹、よく分かっていらっしゃる

それが出来たら最早そいつは人間じゃないな、別の生き物だ

 

「にしても、いつからお前は俺の思考と似るようになったんだか」

 

「小学生の中学年からです、私は兄さんに教えられて来たと言っても過言では無いと思っています」

 

「何と悪影響な、飽く迄俺は反面教師の積りでやってたんだがなぁ」

 

「そんな事はありません、兄さんの考え方は人によっては嫌悪感を抱く人も居ますが世の中には必要です」

 

「それはどうも」

 

別に洗脳した訳じゃ無いからな?さっきも言ったが俺は飽く迄反面教師の積りでやっていた

 

こんな人間を増やしちゃアカンやろ、それに身内だから俺みたいにはなって欲しくなかったんだがな

 

「本当、何でこうなったかなぁ」

 

「私は後悔してません、寧ろ誇りに思っています」

 

「そうなって欲しくなかったから落ち込んでるんだよ俺は」

 

さて、そろそろ止めないとドクペを飲むペースがえげつない事になって来てるんたが

何本目だよそれ、体壊しそうだから兄さん心配

 

「なあ優珠、そろそろドクペ飲むの終わりにしたらどうだ?」

 

「え?…あっ………ご、ごめんなさい兄さん」

 

「いやまあ飲んでもらう為に買ったから別に良いんだけどさ、今飲み切らなくてもいいんじゃないか?」

 

「は、はい………わ、分かってます」

 

本当にドクペ好きなのね貴女

家じゃ優珠しかドクペ飲まないし問題は無いけどね

 

「さて、これから何するか……ん?リサからか……え"」

 

次の瞬間、家のインターフォンが鳴った

マジかよ…今LIN〇でリサから『暇だから家行くね!』と来たのだが、まさかメッセを見て三秒で来るとは思ってなかったよ

 

「誰かお客様ですか?」

 

「いや、リサだよ」

 

「そうですか、なら私は自分の部屋に移動します」

 

「別にいいぞ気なんぞ使わなくて、それにお前も久方振りにあいさつしておけ」

 

「はい、わかりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わぁ!優珠ちゃん久し振り~!」

 

「はい、御無沙汰しております」

 

「何年ぶりだろうね!あの頃と比べて大分綺麗になったねぇ~」

 

「ありがとうございます、今井さんも相変わらずお綺麗ですね」

 

「ホント~!ありがとね!」

 

女子トークに花が咲いている様なので俺は暫く撤退しようかな

じゃあ取り敢えずもう少しばかりアイツの昔話に付き合ってくれたまえ諸君

 

小学生の頃…華蓮や晶奈は様々な習い事をしていた、今考えると本当に化物なんじゃないかと思う程の量だった

そんでもって親父や母さんは仕事で保々家にいない…そうなると必然的に習い事が姉達より少ない俺が優珠の相手をする事になるのは当然だ

 

昔から俺は今の考え方を持ってはいたが、今より捻くれては無かった

 

だがまあ普通の人から見たら子供の癖に奇妙な性格だと気味悪がられる事は目に見えるので妹はそうならないよう反面教師の様に俺の考え方を教えていた

 

まあ結果的にそれが駄目だったみたいですね、中学年辺りから保々俺の思想と同じ物を抱くようになっていたよ

 

「お兄ちゃんの考え方は社会的に見て受け入れてくれる人は少ないと思う、でも私はその考え方が好き」

 

「お、おう…そうか」

 

もうこんな反応しか出来ないよね、これ小学五年生が言ってるんだぜ?信じられるか?

 

と、最初はこんな感じだったんだが…何時からか俺の思想を抱くのではなく俺の思想を叶える為の思想を抱くようになっていた

まあ簡単に言えば俺の夢を叶えることが夢…みたいな感じだな

 

あと気付いたことは、優珠が俺に抱く感情は尊敬や崇拝に近いことが分かった

 

いつからこんな事になったんだろう…自分で原因が分かってない以上、下手に手出しは出来ないから見守るしか選択肢は無いんだよね

 

「幸貞~?何ボーッとしてるの?」

 

「ああ悪い、女子トークの邪魔しないようにしてたらつい考え込んじゃってな」

 

「あ、ゴメンね?私達ばっかり話してたみたいで」

 

「気にするな、久し振りに会ってるんだから好きなだけ話しとけ」

 

寝ようかな、アイマスクとかあれば良いんだけど…

 

「兄さん、アイマスクです」

 

「え、あ…おう、ありがとう」

 

何で俺が欲しいと思った物が出てきたんだろうか……偶然だよな?て言うか偶然であってくれ頼むから

 

取り敢えず貰ったし付けて夢へ落ちるとするか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、兄さんの思想や歩もうとする人生…それら全ての支えになりたい

 

私は家族の事が好きだ…それは殆どの人が想っている事だと思う

母さんも父さんも、華蓮姉さんもアキ姉さんも…皆好きだ

でも、私が想う兄さんへ対しての『好き』という感情は…何か違うような気がする

 

勿論それは恋愛感情で無い…確かに兄さんは魅力的な男性ではあるけど血の繋がった兄に対して恋愛感情を抱く程、私はアブノーマルでは無いと自負している

 

これは……そう、尊敬なんだと思う

 

小さい頃からずっと兄さんは自分の考え方について教えてくれた…しかし、兄さんはそれらの考え方をしては駄目だと執拗く私に言った

 

何故だか私には分からなかった、小さい私にはその考え方こそが生きる道においては最善なのではないのかと思っていた

だが歳を重ねるに連れて、その意味を理解した…それと同時に私はその考え方が好きだと言う想いがより一層強くなった

 

だが、考えてみて欲しい…中学二年生がそんな事を考えていると思うと、気味が悪くてしょうがないだろう

それに加え、私は華蓮姉さんと同じでやれば何でもできてしまった…それらも含めて私は中学二年の頃、主に同級生の女子達から嫌がらせを受けていた

 

嫉妬や渇望等の様々な感情があったのだろう

やられる事と言えば、態と聞こえるように悪口を言ったり…すれ違いざまに肩を当てられたり等実に幼稚なものばかりだったので、そこまで気にはしていなかった

 

だがある日

 

「お前、前から思ってたけどムカつくんだよ!」

 

「少し頭と顔が良いからって調子乗りやがって、ウザイんだよ!」

 

学校の帰り道、質の悪い連中に絡まれてしまったのだ

数人の女子とガラの悪い男達が私の前に立っていた

 

「…はぁ、帰りたいのだけれど…どいてくれる?」

 

「ああ!?今の状況分かってんのかよお前!」

 

「帰れると思ってんの?頭湧いてるんじゃないの」

 

「湧いてるのは貴女達でしょう、幼稚な事しか出来ないと思えば今度は逆上ですか…呆れて物も言えませんね」

 

「お、お前…今更後悔すんなよ!やっちゃって!」

 

ガラの悪い男達がニヤニヤと私の方へ近づいて来る、猪里なれば母さん直伝の護身術を使えばどうにでもなるのだが…生憎私は制服だった

 

何か問題でも起こせば彼女達が学校側に言いかねない

 

「何してんだ優珠」

 

「…兄さん」

 

そこへ、偶々帰りの兄さんが通りかかった




新しいイベント始まりましたねぇ
みっくみくにしてやんよがカバーされましたね

一瞬、彩ちゃんのシテヤンヨ姿が一瞬浮かんだ…ファンの人マジでごめんなさい


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23話

あ、あれ?可笑しいな、ヤンデレ気味にする筈じゃ無かったのに
こんな筈じゃ無かったんだけどなぁ、可笑しいなぁ(稲淳風)

まあいいや、取り敢えず本編どうぞ


偶然にも学校帰りの兄と出会った

 

「何してんだ優珠」

 

「…兄さん」

 

「あん?誰だテ……ゆ、幸貞さん!!チィーッス!!!」

 

「「「こんちわッス!!!」」」

 

突然のこと過ぎて私は唖然とした、それは同級生の女子達も同じだった

複数人いたガラの悪い男達が一斉に兄さんへ向かって頭を下げたのだ

 

「あ?…ああ、お前らか…人様の妹に何か用か?」

 

「え!?この子幸貞さんの妹さんだったんですか!こいつは失礼しました!!」

 

「声デケェよ、住宅街近いんだからあんまり大声出すな」

 

「はい!すいません!!」

 

完全に舎弟のような扱いになっているガラの悪い男…何故兄さんがこんな奴らと知り合いなのか不思議でたまらなかった

 

「ちょ、ちょっと!早くやっちゃいなさいよアンタ達!」

 

「いや無理、この人と喧嘩するとか地雷が大量に埋まった大地に走り出すのと変わりねぇ」

 

「はぁ!?約束が違うじゃんか!」

 

「だから金は要らねぇよ」

 

「そう言う問題じゃ…!」

 

「……成程、お前ら雇われたのか…いくら貰った?」

 

「一万やるからムカつく女を痛めつけてくれって、その後は好きにしていいって言われました」

 

「痛めつけるねぇ…良かったなお前ら、ウチの妹はお前らじゃ倒せないな」

 

「マジっすか!?流石は幸貞さんの妹さんッスね!」

 

最早これでは男達がどちらの味方なのか分からない、と言うか完全に手懐けられている

 

「まあ大方…嫉妬やら羨望、渇望を抱いてイライラしたから優珠に突っかかってんだろうな」

 

「う、煩い!ソイツが調子乗ってんのが癪に障るんだよ!」

 

「お前らは何を思ってこの下らない世界を生きてるんだ?他人を羨む為か?他人に嫉妬する為か?そんな生き方しか出来ないなら早々に今持ってる夢を捨てた方がいいな、まあ持ってるかすら怪しいけど」

 

「は、はぁ?何言ってんだアンタ?」

 

「才能ある者に嫉妬するのも羨むのも構わない、だが所詮それをする奴等ってのは決まって自分の限界を決めつけてる者達だ…『私はここ迄努力した、でもアイツは天才だから追いつかない』、こんなものは言い訳に過ぎない」

 

「ウチらは別に…」

 

「馬鹿を言え、相手に突っかかりちょっかいを出す時点で羨んでるも同然だ…羨むという事はそれを自分が持っていないから羨むんだ…ああそうだ、無能者ってのは何もしない奴のこと指す…出来なくともやる根気がある奴だけが才能を掴むんだ、よく覚えておけ……お前達は見ていて実に下らなく哀れで愚かだ」

 

「っ!……」

 

「…はぁ、じゃあ帰らせてもらうぞ」

 

兄さんは言いたい事だけ言うと、私の肩を叩いてから帰路に戻った…多分帰るぞって意味なんだと思うので兄さんの背中について行く

家までの帰り道、兄さんと私の間には沈黙が続いた……私か耐えきれなくなり兄さんへ話しかける

 

「に、兄さん…あの、さっきはありがとうございました」

 

「ん?ああ、気にすんな…唯の気紛れだ」

 

「……兄さんは、ああいう事は無かったんですか?」

 

「さぁね、あったのかもしれないし無かったのかもしれない…一々あんな下らない事の相手をしてやれる程俺は暇じゃないし優しくない」

 

「…やっぱり、兄さんは私の目標です」

 

「止めろよマジで洒落にならないから…本当にもう何で君はそうなっちゃったかなぁ」

 

でも私じゃ兄さんの様に自分の道だけを貫く事は恐らく出来ない、兄さん程肝が据わっていないから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兄さんに助けてもらった時、不意に疑問に思った…昔の兄さんはもっと表情が豊かだった気がするのだ

いやまあ昔から無表情で何を考えているか分からない人ではあったが、それでも昔の方がまだ感情が出ていた………筈だ

 

いやそうだ、そうに違いない

 

まあいい、その事が少し気になりアキ姉さんや華蓮姉さんに聞いてみる事にした

 

「あ、あ~…うーんとね、実の所私達も分からないんだよね」

 

「切っ掛けと言って良いのか分からないけど、ある日突然全ての習い事を辞めるって言った時からかしら」

 

「え?そうなんですか?」

 

「そうなんだよね~、理由は一切話してくれないし何があったかも話してくれなくて…」

 

「それまで嫌な顔一つせず文句すら言わなかったから流石に驚いたわ……私達に原因があるんじゃないかって、幸貞自身は強く否定していたけれど」

 

「あの時…幸貞は何も思ってなかったなぁ、怒りも悲しみも苦しみも……有るべき筈の負の感情が全く無かった、だから私にもどうしていいか分からなくて」

 

「……まあ一つ言える事としては、昔の幸貞はもう居ないって事ね」

 

「多分、なんだけどね…本当に推測でしかないけれど……あの時から幸貞の中で何かが壊れたんだと思う」

 

何故私は気付かなかったのか、気付けなかったのか…その自負の念が心の中で渦巻いてどうにかなりそうだった

 

私は、誰よりも兄さんの理解者でありたかった…誰よりも兄さんの考え方が好きだったのに……何故、なぜ何故ナゼ何故何故何故何故なぜなゼ何故ナぜナゼ何故!!!!!!!!!

 

…………失礼、少し取り乱しました

 

だから私は、もう兄さんが自分を…自分の心を壊さないで済むようにしなきゃいけない

二度と兄さんにそんな思いはさせない、だから私は……私は兄さんの為に思想を抱く

 

兄さんの思い描く思想の為に、私は私の思想を抱き続ける………全ては兄さんの為に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふぅ、よく寝たな…今何時だろう

アイマスクを外し時計を見る…5時か、結構寝たな

 

「おっはよ~幸貞」

 

「ようリサ、まだ居たのか」

 

「何よ~その言い方、可愛い幼馴染がまだ帰ってないんだから感謝しなさい」

 

「へえへえ感謝してますとも、そう言えば優珠はどうした?」

 

「お茶を入れに行ってるよ」

 

するとドアがガチャッと開き、お盆にコップを三つのせて入ってきた

 

「おはようございます兄さん、そろそろ起きる頃だと思ったので兄さんの分も入れてきました」

 

「お、おお…ありがとう」

 

何で分かんの?人の意識が覚醒するのって完全ランダムなんだけど、なんで特定出来てるんですかね

 

「……そろそろアイツらも帰ってくるか」

 

「はい、アキ姉さんと華蓮姉さんは五時半には帰ってくるそうです」

 

「そうか…どうだリサ、夕飯食ってくか?」

 

「え?いいの?」

 

「一人分増やすのにそこまで時間も掛からないし、時間も時間だろ」

 

「じゃあお言葉に甘えようかな~」

 

てな訳で今夜の夕食はリサと共に食べました………それ以外に特に無かったんだよ

 

翌日

 

暇だから羽沢珈琲店に行く事にした、そったら優珠もついて行きたいとの事なのでつぐみちゃんに紹介しておこうかな

 

「いらっしゃいませ~…あっ!幸貞さん!」

 

「お久し振り、つぐみちゃん」

 

「はじめまして、妹の優珠と言います」

 

「あっ、羽沢つぐみです…妹さんいらっしゃったんですね」

 

「まあ長期休暇中だから帰ってきてる感じかな」

 

「普段は何を?」

 

「父の元で手伝いや、最近では自ら売り込み等に行っています」

 

「えっ!?もう働いてるんですか!?」

 

待って、自ら売り込みに行ってるのは俺も初耳だぞ

親父の元で助手をやってるとしか聞いてないぞ

 

取り敢えず席に案内された

 

「兄がお世話になってます」

 

「いえいえ!こちらこそ助けてもらってばかりです!」

 

お前は俺の母親か、まあ確かにうちの母親はそう言った事は一切しないけどさ

 

「ああそうだ、前につぐみちゃんから誘ってもらった出掛けることだけどさ…流石に俺は遠慮しておくよ」

 

「そうですか~…残念です」

 

「ごめんね、でも女子高生五人の中に一人男が混ざるのもどうかと思ってね」

 

「そうですよね…また今度誘いますね!」

 

「ああ、宜しくね」

 

取り敢えず珈琲を注文した

 

「……いい人ですね、羽沢さん」

 

「ん?ああ、そうだな…と言うかスッゲェいい娘だよ」

 

「ふむ、兄さんがそこまで評価するとは…メモに加えておきましょう」

 

何かチラッと『兄さんが堕落した時の駆け込み口』とかいう題名の欄に羽沢つぐみと書き加えられていた

 

その他に今井と見えた、リサも入ってるのか…つーか心配しなくても俺は堕落しやしないからな

 

「お待たせしましたー!」

 

「お、イヴか」

 

「あ!ユキサダさん!この前はどうもありがとうござました!」

 

「ああ、そういやそんな事あったな…そうだ、タニからサイン頼まれてたんだが…えーっと……あった、この色紙に書いてやってくれないか?」

 

「その位お易い御用です!」

 

タニが泣いて喜ぶな、家宝とか言って崇めそうだけど…これ以上は怖いから想像しないでおこうか

 

「はじめまして、妹の優珠と申します」

 

「はじめまして!若宮イヴです!ユキサダさんには妹さんがいたんですね」

 

「ああ、まあな」

 

イヴも戻っていき、再び優珠と二人の時間がやって来た

 

「……今のってパステルパレットの方ですよね」

 

「何だ、知ってたのか」

 

「はい、ウチの会社でもファンの方は多いですから」

 

「はーん、そうなのか…パスパレもそこまで広がっているとは、恐れ入ったな」

 

「兄さん知り合いなんですか?」

 

「まあ、ウチの学校に二人程メンバーの方が居ますからねぇ」

 

「そうなんですか……それは是非会ってみたいですね」

 

おっと、多分これはまた『兄さんが堕落した(ry』の欄に追加出来る人材を探しに行く目だぞぉ

 

「ま、まあ…また何時かな」

 

「よろしくお願いします」

 

一番有力なのは女王様だけど……あの人だと飼い殺される未来しか見えないから断固としてお断りしたい

 

そんなのファンの方々に喜んで譲るよ

 

「そう言えば優珠、この休み中は家に居るのか?」

 

「はい、休みが終わればまた社宅の方に戻ります」

 

「そうか……お前にとって、人生ってなんだね」

 

「私にとっての人生は私の歩むべき道であり、私の思想を叶える為の道のりです…何と言われようと変える積もりはない道です」

 

「……はぁ、そうかい…べつに文句を言うつもりはねぇよ」

 

たとえ言ったところでこの娘が道を変えるとは思えない、それは俺自身がそうである様に優珠もそうだ

 

自身の性格が分かっているからこそ、一番俺の影響を受けている優珠の性格もよく分かる

 

だから、俺はもう何も言わない…俺の考え方に感化された時点で最早自分の人生では無い…せめて少しでも自分の納得いく道を歩んで欲しい、兄として




補足

妹ちゃんが何故こんなにも幸貞君に懐いてるかと言うと、簡単な話一番接している時間が長かったからです

さて、そろそろGW編(自称)も終わりに近づいているという事は、リアルのGWも終わりが迫っているという事……フザケヤガッテェェェ!!!!(シュワちゃん風)


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24話

いああ、休みがぁ…休みが終わるぅ
しかも休みが終わるとテストが近づくぅ、嫌になりますね本当

まぁ、取り敢えず頑張ろう

では本編どうぞ


さて、長かった長期休暇も終わりに近づいてきたな……巫山戯んなよこん畜生

 

はぁ、まあいい…長期休暇の終わりも近づいたという事なのでcircleでは『最後くらい我を忘れて弾けちゃおう!』というキャッチコピーで様々なバンドを呼び、毎日の様にライブをしていた…正直よく集まるなぁという感想がある

 

勿論、中にはあの娘達も混ざっている…というか全員が皆勤賞である

若いって素晴らしい

 

「幸貞くーん!アンプのメンテナンス頼めるー?」

 

「了解しました」

 

そんな訳だ、俺もcircleで仕事をしている

 

「スタッフさん、俺のエレキが調子悪いんだが…見といてくれるか?」

 

「ああ、そこに置いといて下さい」

 

「スタッフ君!私のベース見といてくれない!?」

 

「はいはい、ちょっと待って下さいね」

 

お前ら…せめて自分の楽器くらい自分で見てくれよ、何で俺の仕事がこんなに増えてんだよ全く

 

しかも殆どの人達は一度ここで楽器をメンテしてあげた人達なんだよね

 

「ゆ、幸貞…随分大変そうだね」

 

「沙綾か、何故だか皆俺に楽器のメンテを頼みに来るからな」

 

「そりゃあ幸貞のメンテナンスした楽器を一度でも使ったらねぇ、自分のメンテナンスじゃ物足りなくなるよ」

 

「そいつは嬉しい事だが有難迷惑な話だ」

 

まあこの程度、数十分で終わるから何の問題も無いけどね……いや、俺の仕事が増えるから止めてくれると嬉しいな

 

「そういや、ポピパの方はいいのか?」

 

「うん、今休憩中だし…出番も少し先だからね」

 

「へぇ…今日だけで何回出るんだよ」

 

「確か三回か四回位かな、場合によっては増えるかもしれないけど」

 

「一日中ライブやってるからなぁ、そりゃ回すのも大変になるか」

 

「まあでも、何回出てもお客さん達は大きい歓声で出迎えてくれるから楽しいよ」

 

満面の笑みでそう言われてしまった

いやぁ眩しいっすねぇ沙綾さん、俺はそんな事言うの無理だなぁ

 

「じゃあ私はそろそろ戻るね、お仕事頑張ってね」

 

「ああ、お前も無理すんなよ」

 

沙綾の背中を見送り、再び作業へと戻る

そう言えば優珠もそろそろ社宅に戻るんだよなぁ…今度会えるのはいつか分からないし、何かしてやりたいがなぁ

 

て言うか社宅って…アイツまだ高一なんだよなぁ、まあそこら辺はもう考えてもしょうが無いんだよね

 

「やっほー!久し振りね幸貞!」

 

「ああ、こころ嬢か…何か用か?」

 

「いえ別に!そこに幸貞が見えたから声を掛けてみただけよ!」

 

「左様ですか、ハロハピの方はいいのかね」

 

「ええ!まだ出番は先だから大丈夫よ!」

 

「へぇ、そうか……で、いつまで居る気だ」

 

「え?そうね………分からないわ!」

 

面倒くせぇコイツ……いや失礼、実際そうだったからつい本音が

まあ作業も終わったから暇っちゃ暇なんだけどさ

 

「あ!いたこころ、そろそろ始まるから準備するよ」

 

「あら美咲!もうそんな時間だったかしら?」

 

「忘れないでよもう…すみません幸貞さん、こころが邪魔とかしませんでしたか?」

 

「いや大丈夫だよ、やるべき作業も終わってたから」

 

「本当にすみません、ほら行くよこころ」

 

「分かったわ!じゃあまたね幸貞!」

 

異空間が去って行くなぁ

あの娘は天真爛漫な性格さえどうにかなれば唯の美少女なのに、それに人の気持ちにも気が付きやすいと言う特技を持ってるんだから尚のこといい美少女なのに

 

まあ、あの天真爛漫なのがいい所なんだけどね

 

「はぁ、さて次は何を…ん?優珠からか」

 

え、今から来るの?しかも晶奈と華蓮も来るってか、何しに来るんだよ

忙しいから勘弁してくれないかな

 

「やっほー幸貞ー、お疲れ様」

 

「ようリサ、さっきステージに出てたみたいだな」

 

「あ、見てたの?」

 

「いや、友希那の声が聞こえてきたんでな…生憎、見に行ける程の暇は無かったんでな」

 

「そんなに忙しかったんだ、本当にお疲れ様」

 

「労い有難く貰っておくよ」

 

「受付にいるって事は大方済んだの?」

 

「暇になっただけだ、その内また楽器メンテしてくれやらとゾロゾロ来るだろ」

 

「あはは、人気者ですなぁ幸貞君」

 

余り嬉しくはない人気だけどな、こんな人気ならいくらでも譲ってやる

 

「それで、君の調子はどんなんだねリサ」

 

「アタシ?アタシは絶好調だよ!」

 

「そりゃ良かったよ…にしても、相変わらず友希那のファンは多いな」

 

「それはウチの友希那ですから!まあ薫のファンも凄いけどね」

 

「アレは比べちゃいけない、熱狂度が段違い過ぎる」

 

「だよねー」

 

どんなもんかって?そりゃ凄いよぉあの娘達、黄色い声援が度を過ぎて黄金色に輝いてるよね

その内、声でレーザービームでも出せるんじゃないかな

 

結論、とんでもねぇ

 

「じゃあアタシは戻るねー」

 

「ああ、しっかり身体休めとけ」

 

「ありがとね」

 

さて…そろそろウチの連中が来ると思うが、一体何をしに来るんだろうかね

 

「来ましたよ兄さん」

 

「うおお、ビックリさせんなよ」

 

「うわぁ~本当に幸貞がバイトしてる~」

 

「あら、ビックリね」

 

「何だテメェら、おちょくりに来たなら帰れ」

 

「あははは冗談冗談、このイベントって自由参加なんでしょ?だからほら」

 

まあ、見えてはいたんだけどね…敢えてスルーしてた

華蓮はギターケース、晶奈はベースケースを担いで来ていた

 

「参加しに来たのか、なら参加者名簿に名前書け…順番は今現在で最後に出るバンドの次だ」

 

「りょうかーい」

 

「……………おい待てテメェ、なんで俺の名前書いてんだよ」

 

「ん?そりゃあ幸貞も出るからに決まってるじゃん」

 

「はぁ?忙しいんだから勘弁してくれよ」

 

「でもドラム居ないと盛り上がりに欠けるでしょ?あ、キーボードは優珠ちゃんがやるから」

 

「いやそれはどうでもいいんだよ、何で俺が出なきゃいけないんだよ」

 

「ほら、優珠ちゃんだってそろそろ戻っちゃうんだし…最後くらい一緒にね?」

 

なんだとこの野郎、狙って言ってやがるなコイツめ……はぁ、仕方ねぇな

て言うか、俺がドラムなのは確定なのね

 

「まりなさん、何か俺も出る事になったんで外していいですか?」

 

「幸貞君出るの!?いいよいいよ!ここは私にドーンッと任せて楽しんできてね!」

 

天使だ、天使が居るぞここに…もー本当に天使過ぎるやろこの人ぉ

 

「許可取れたよ」

 

「おっけぃ、じゃあ準備しちゃおうよ」

 

「はいはい分かりましたよ」

 

「幸貞、これ貴方のスティックね」

 

「用意周到なこっちゃな、最初からやらせる気満々かよ」

 

「当たり前じゃない、初めから貴方が叩く前提で話を進めてたでしょう」

 

「いやまあそうだけどさ」

 

「兄さん、ここのキーボードってどんな物ですか?」

 

「裏方に置いてあるから後で見てこい」

 

「分かりました」

 

はぁ、面倒臭いなぁ……まあ、頑張るか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういや何やるの?」

 

「ん?決めてないよ」

 

「はぁ?じゃあどうするんだよ」

 

「その時に私が気分で決める!」

 

「巫山戯んな」

 

「えぇーいいでしょ別にぃ、ボーカルは私なんだし私がきめていいでしょうよぉ」

 

「だからお前と演奏するのは面倒臭いんだよ、お前の気紛れでやられるのが一番面倒なのにさぁ」

 

「諦めなさい幸貞、これもまた運命よ」

 

「厨二臭い台詞で丸めようとするな」

 

「兄さん、姉さん達…そろそろ出番みたいですよ」

 

「じゃあパーッと行っちゃいましょうか!」

 

「はぁ、これだから馬鹿の相手は疲れるんだよ」

 

「あの人は馬鹿じゃなくて一応天才よ」

 

そんな事は知ってらァ、俺が言ってんのは人間性的に馬鹿なんだよって話だ

天才は天才でも、人間性が馬鹿だと話にならない…まあ晶奈はそこまで酷いとは思って無いけどさ

 

て言うか一応って……

 

「ヤッホー皆!私の事はアキちゃんって呼んでね!じゃあ一曲目行っちゃおうか!to Labyrinth!」

 

またそう言うマニアックな曲を選ぶ、まあ俺も好きだからいいんだけどさぁ

 

この後、熱狂し過ぎて長い時間俺達が演奏する事になってしまった

さて…このままじゃ尺に収まらんからお待ちかねダイジェストで行こうか

 

濡れずの願いゴト

SIGNAL ROMANCE

MAZE

妖仙ドライヴ

RED ANGEL

想いが歴史に変わる時

 

ここでボーカル交代

 

「私ちょっと喉疲れたから交代するねー、華蓮ちゃんよろしくっ!」

 

「はいはい交代しました、取り敢えずノンストップで行きますよ皆様」

 

瞬間エヴァーラスティング

艶でや雲海花嵐

FAKE THE STROBO LIGHTS

LOST MY WAY

LOST IN THE ABYSS

Goldrop

My Dreamer

Puppet in the dark

take a shot

-UKIYO-

 

明らかに華蓮が歌ってる時の方が多いなおい…まあ多分、本人も歌ってて楽しくなってきてんだろうね

 

でもぶっ続けでドラムを叩かされてるこっちの身にもなれ、しかも何が来るか分からないから構えてなきゃいけねぇんだぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ"~づがれだ」

 

「お疲れ様です、兄さん」

 

「優珠もお疲れ…やっぱりアイツらには付いてけねぇわ」

 

「姉さん達は特別ですからね」

 

「本当、天才だよねぇあの人達」

 

若干一名に関しては人間性を置いといての話だがな、執拗い様だが何度も言うからな

 

「もう流石に懲り懲りだな」

 

「…でも私は、兄さんと思い出が残せたので良かったです」

 

「らしくねぇ発言が聞こえたなぁ、まあどう思おうがお前の勝手だがな」

 

「フフッ、照れ隠しですか兄さん?」

 

「さぁてどうだかね」

 

さっきから遠巻きにニヤニヤと眺めてる晶奈とリサが凄ぇ腹立つ

華蓮は真顔でこっち見てくるんだが、偶に親指を立ててくるのが腹立つなあの野郎

 

はぁ…いい思い出ねぇ、なってくれたなら嬉しい事だがな

 

翌日

 

「じゃあ父さん達はまた行くな、その内休みが取れたらまた帰ってくるから」

 

「よし、次はドロップキックで御出迎えしてやる」

 

「止めてくれよ本当!?やられたら死んじゃうからな!?」

 

「三人共、何かあったらスグに連絡するのよ」

 

「まあ連絡しなくてと自分達で解決出来ると思うよ~、お母さん達こそ無理しないでね」

 

「まあ、それもそうね」

 

「……兄さん、行ってきます」

 

「ああ、行ってらっしゃい」

 

そう言って頭を撫でた…いつ以来だろうかな、優珠の頭を撫でてやるのは

あの頃と変わらない程に髪の毛は綺麗だな……

 

「あーあ行っちゃったぁ、これで私達の休みも終わりかぁ」

 

「…そうね、また日常が戻ってくるのね」

 

「面倒くせぇ…学校とか行きたくねぇなマジで」

 

はぁ…さて、休みも終わっちまったなぁ

これからまた、いつも通りの日常にシフトチェンジされるのか…取り敢えず頑張ろう




今回の選曲は殆どの人、若しかすると全員の人が分からないでしょう

一応説明しておくと、全て東方Projectのアレンジ曲です
その中でも私が好きな曲を選びました

東方好きでアレンジ曲も聞くよって人がいればワンチャン分かるような曲選でいきました
いや、完全に作者の趣味で申し訳ない


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25話

最近、幸貞君の関係が羨ましくなってきた作者です
自分で書いておいてなんなんだよね

まあ、現実にこんな事があったらそれはそれで面倒臭そうだなぁ…と、思っています
幸貞君の才能があるからこそ楽に熟せてるんだよねぇ

では本編どうぞ


長期休暇が終わった……いや、よくよく考えると何故か間の火曜と水曜は学校に行かされたな

 

その二日間も休みでよくね?巫山戯んなよ全く

 

「おはよー幸貞」

 

「…ああ、リサか」

 

「何か元気ないねー、もう今日から学校なんだからシャキッとしなよ」

 

「学校だから元気無いのに学校だから元気出せとは無理な話だな」

 

「そんな事言ってると青春無駄にするぞ~?」

 

「もう青春は終わってるから問題無い」

 

「何言ってんの!まだまだこれからだよ!」

 

だといいんだけどな、俺にとっては青春なんてモノに時間を費やすなら自身の道を歩む為に時間を費やす方が効率的だな

 

「あ~、また屁理屈考えてるなぁ~」

 

「さてどうだろうね、まあ少なくとも共感はしてないな」

 

「だから彼女とか友達が出来ないんだよ」

 

「要らない要らない、俺がそんなものを作ったら世界が滅びると思っていいよ」

 

「またそう言う事を…」

 

「ほら、お前はあっちだろ…美少女様が待ってるぞ」

 

「むぅ……」

 

面倒見がいいんだが口煩いお袋みたいになってるな、ウチの母はそう言う事しない人だから新鮮だな

 

基本的に自分の信じる道を行けって人だし

 

リサと分かれて学校へ向かう、誰にも鉢合わずに教室へ辿り着けるといいn「幸貞くーん!」

 

俺は何も見てないな、うん…ピンク色の頭をした頭の中もピンク色の人なんて見てない見てない

気の所為だ気の所為、だから俺はこのまま教室に向かうぜ

 

「え!?ま、待ってよ~!」

 

「ええい煩い、もう精神的に疲れてるんだから俺に関わるんじゃない」

 

「酷いよぉ~!スグに済む用事だから待ってってば~!」

 

はぁ、仕方が無いので早歩きを止めて振り返る

 

「貴女からの用事ってのは大概女王様が絡んでるから余り聞きたく無いんですが」

 

「きょ、今日は千聖ちゃんから頼まれた訳じゃないよ…別の人達から頼まれたけど」

 

「別の?他にいるパスパレの娘達か?」

 

「ううん、違うよ」

 

え?じゃあ誰だ?丸山先輩の知り合いだったら…後は香澄とかだけど、香澄な訳が無いしクラス同じだからそこで言えばいい話

 

だとしたら一体誰だ?全く分からん

 

「それでその人達は誰なんですか?」

 

「えーっとね…秘密!」

 

「面倒くせぇ」

 

「ねー!私に対して酷すぎるよー!!」

 

襟を掴み前後に揺らしてくる、だって事実だしぃ

てかこの人めっちゃイイ匂いするんだけど、流石はアイドル

 

「はいはい悪うござんした」

 

「思ってなーいー!!絶対思ってないでしょー!!」

 

「何ですか今日に限ってこんなに食い付いてくるなんて」

 

「私だって怒る時は怒るんだよ!!」

 

それで怒ってるなら可愛いもんだな

ウチの華蓮さんとかキレたらえげつないぜ?一回ナンパを執拗くされた時、ブチギレて回し蹴り顔面に入れてたぞあの人

 

しかもその後ゴミを見るような蔑みの目で見てから何も言わずに去ってくんだぞ?傍から見てるとクッソ怖いわ

 

「分かりましたから、取り敢えずクラス行かないとチャイム鳴りますよ?」

 

「むぅぅ…後で覚えておきなよ」

 

「自分そんなに記憶力は良くないので忘れてるかもしれないですね」

 

「むぅぅぅぅ!!」

 

「それではバイなら」

 

逃げるが勝ち、長期戦は面倒臭いと見た

クラスに着いたから一先ずは俺の勝ちだな…後は撤退戦をどう切り抜けるかだな

 

「おはよう幸貞、朝から彼女さんと喧嘩かな?」

 

「あんな彼女は要らない、貰えるならつぐみちゃんとか花音ちゃん辺りがいいな」

 

「おお?それは何でかな?」

 

「楽」

 

「最低だよ幸貞」

 

「辛辣だなぁ沙綾さんよ」

 

「いや、当たり前の意見だと思うよ」

 

左様ですね、ド正論ですわ

まあだから俺は絶対に彼女とか作らない、俺が作りたくないし

 

授業風景は特に何も無かったから放課後

未だにムスッとした丸山先輩、覚えてたのか…てっきり鳥あtゲフンゲフン、極楽蜻蛉だから忘れてると思ったよ(結局悪口)

 

「俺が悪いですから、そろそろ機嫌直してください」

 

「ふんっ、知らないもんだ」

 

「はいはい機嫌直して下さいねー」

 

「うにゅぅぅぅ」

 

頭を撫でくりまわす、さり気なくその勢いで丸山先輩の髪型をポニーテールへと変える

 

「あれっ!?私の髪型変わってない!?」

 

「ほう、やっぱりどの髪型も似合いますな」

 

「うぐっ……ほ、褒めたって許さないんだからね!」

 

「取り敢えず行くなら早く行きましょうよ、その人達も待ってるんじゃないんですか?」

 

「…何だかスッキリしないけど、分かったよ」

 

それで向かうはこの前に俺が臨時で働いた丸山先輩の事務所

矢張りそっち関係の人って事だけは当たってるっぽいな

 

「……って、ここに来るとよく会いますね…勝山さん」

 

「君こそ何でそんな頻繁にアイドル事務所に来るのさ、本当になる気無いんだよね?」

 

「ありませんよ、巡り巡って何故かここに辿り着いてしまうんで」

 

「もういっそアイドルになりなよ」

 

「お断りします」

 

「言うと思った…それで、今日はどんな要件で来たんだい?」

 

「丸山先輩が俺を呼んできてくれと誰かに頼まれたらしくて……そういやあの頭ピンクは何処に」

 

「頭ピンクって…丸山さんなら受付をしに行ったよ、来客証を貰いに行ったんじゃないかな」

 

ああ成程、ならせめて一言ぐらい掛けてから行ってくれよ

勝山さんは他の仕事があるとの事で別れた、暫くして丸山先輩が帰ってきた

 

「幸貞くーん、これ持っててね」

 

「どうも」

 

証明書を首から下げ、また丸山先輩の案内に着いて行く

そして目的地、基案内された場所は練習スタジオ

 

「若しかしてアイドルですか?」

 

「そうだよ、二人組のね」

 

「ふーん、二人組ねぇ」

 

「どうしたの?」

 

「いや、最近二人組で売れてるアイドルが居たなぁって思いまして…顔までは覚えてませんが」

 

「意外だね、幸貞君がそう言う事に興味持つなんて」

 

「興味は無いですが、まあ二人だけでよくやってるなとおもいまして」

 

「成程~…あ、練習終わったみたいだよ」

 

との事なのでスタジオの中に入と、丸山先輩はスグに出ていった

 

中に居たのは茶髪のロングストレートの娘と、黒髪ポニーテールの娘が居た

運動後の息が上がった女の子って可愛いよね、汗もまたアクセントになって……まあそんな話はいい

 

取り敢えず今俺の前にいるのは紛れもなく結構な美少女二人だ、正直な話俺はこの娘達が誰なのか分からない

 

「あっ!幸貞さん!ご無沙汰してます!」

 

「…お久し振りです」

 

それでいて向こうは俺に面識があるときたもんだ、こう言った場合が一番厄介だな…どう対処するか

 

「……えっと…若しかして私達の事覚えてないですか?」

 

「…………………………………………あっ、ああ~」

 

「やけに長い間ね」

 

「まあまあ、髪型変わってるんだし気付けなくてもしょうが無いよ」

 

思い出したわ、あれだこの娘達…原田ちゃんと茅原田ちゃんだ

人の印象って髪型一つでガラッと変わるもんなんだね

 

「成程、デビューすると同時に髪型を変えたのか」

 

「そうなんです、泉ちゃんは元々ロングだったからいいんですけど…私なんて昔からボブだったので伸ばすのに苦労しましたよ~」

 

「癖毛とかあるからな、ストレートに戻すのにはそれなりに時間は掛かるな」

 

「そうなんですよね~」

 

「……それで、そんな売れっ子の君達が一般人の俺に何の用かね?」

 

「初めて会った時、私達が二人で成り上がれたら話でも文句でも聞いてやるって言ってましたよね」

 

「なので幸貞さんとお話したいなぁ~って思いまして」

 

お話?OSHANASHIとかじゃないだろうな、嫌だよそんな何処ぞの白い悪魔みたいな事されたらたまったもんじゃない

 

「そういや前に柿谷の代理で来た時は君達を見なかったな」

 

「あはは、お恥ずかしながら私達も忙しくなってしまったものでして…あの日からライブが入ってて」

 

「ほぉ、そりゃ予想以上に随分と売れてるようだな」

 

「有難い限りです」

 

「……それで、俺とお話とは一体何なのかね?」

 

「一度ちゃんと御礼を言いたかったんです」

 

「御礼?何言ってんだよ、御礼される事をして無いどころか下手したら恨まれる様な事をしたんだぞ俺は」

 

「いいえ、貴方からの意見を聞いていなければ今の私達は居ません…確かに最初は腹が立ちましたが、そこから長い間考えた時…初めて貴方が何故あの言葉を選んだのかが分かったんです」

 

「ほぉう、そこまで成長…いや、ある意味悪影響か」

 

また二人程、感化されてしまった人が増えてしまったらしいな

いや駄目だろ

 

「にしても、何故皆して俺の意見を超ボジティブシンキングで考えられるのかねぇ…時々怖くなってくるよ」

 

「そうですか?幸貞さんって結構無自覚でいい事言ってるんですよ」

 

「いい事?何言ってやがる、俺は俺の為にしか意見はしない…それ以外は正直どうでもいい」

 

「なら私達に意見したのは何故ですか?」

 

「俺が後々面倒にならない様にだ、本当ならお前らとはもう会わない予定だったんだがな…そうなる言い回しや言葉を選んで言ってたからな」

 

「確かに意味に気が付かなければもう二度と会いたくはなりませんよ、気が付かなければの話ですけど」

 

えー何それー、じゃあもっと難しくさらに遠回しで言えばいいのかな?

でもそうなると傍から聞くと唯の悪口なんだよなぁ

 

「あっ!折角だから私達の歌を一曲聞いていって下さいよ!」

 

「いいのか?お前らこの後予定とかは」

 

「私と結は何もありません、貴方がいいならやらせて下さい」

 

「まあ俺はいいが……じゃあ聞かせてもらおうかな」

 

「はい!じゃあ少し準備するので待ってて下さい」

 

……ほう、ツインボーカルでギター&ベースか

てか茅原田ちゃんドラムやってなかったっけ?ベースも引けるのか、凄いな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……ど、どうでした?」

 

「前より大分いいんじゃないか?何かを掴めてるみたいだし」

 

「その何かとは何ですか?」

 

「さぁ?俺は知らないよ、自分達で分かっているならそれでいいんじゃないかな……俺が知ったところでどうなる訳でも無いし」

 

「フフッ、そうですか……そうですよね」

 

そう言って茅原田ちゃんは俺に微笑んだ…うん、可愛いね

 

しかし懐かしい音を聞いたな…いつ以来だろうかな、多分だが友希那達のを聞いた以来か

そうだな…敢えて言うなら、決意の音…かな

 

我ながらクッサイ台詞を吐いたもんだ、らしくない事はしないのに限るな




アイドルの友達か……あ、劇団四季の先輩はいるな
まあ男ですけども、いい人です

そんなこたぁどうでもいいんだよ
さて、そろそろネタが尽きてきた頃合なんですよね…マジで何しようか
あ、要望とかあれば感想でお知らせ下さい

感想稼ぎとか言わないで、マジでネタが無いんだって


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26話

時期的にリアルで体育祭が近づいて来ました

一年は肺気胸で出れ無かったんですよね、因みにウチの高校は相撲体操とかいうのをやるんですが…これがまた太股がキツいことキツいこと

もうパンパンですよ
さて、では本編どうぞ


さて、時期的に我が校でもそろそろ体育祭というものが始まる時期になってきた

 

だがここで一つ考えて欲しい、ここは花咲川学園…そう、元女子高だ

試験的に男子を取り入れ始めたばかりなので、前にも言った通り俺…陽音…裕次の三人だけである

 

詰まりだ……俺達は一体どうすればいいんだね?

 

「はぁ、本当にどうすんだよ」

 

「何が?」

 

「ビックリするから急に話しかけるなたえ」

 

「おたえ、それで何考えてたの?今日の夜ご飯?若しかしてうさぎのこと?」

 

「たえ、まだ朝なのになんでもう夕飯の事を考えるんだよ…あと兎は論外」

 

「おたえ、うさぎの事を考えないなんて幸貞大丈夫?おっちゃんの写真でも見る?」

 

「たえ、何故うさぎの事を考えることが常識みたいになってんだよ…どう考えても可笑しいだろ」

 

「おたえ、可笑しくないよ…寧ろ何で皆考えないの?」

 

「たえ、それを当たり前だと思ってるのはお前だけだ」

 

「ねえ二人共、喋る前に一々それ言うの面倒臭くないの?」

 

「沙綾よ、これは仕方の無いことだ…どちらか一方が諦めるまでこの下らない戦いは続くのだよ」

 

「下らないって言うなら自分から止めればいいじゃん」

 

「生憎と変な所で強情なんでね」

 

面倒臭そうな顔をするなよ沙綾、割と傷付くぞそれ

あと天然(たえ)は兎の写真を近付けてくるなよ、序にお前も近いから…あ、めっちゃいい匂いするわ

 

「兎の写真は別にいらねぇよ、いいから席戻れ」

 

「えー可愛いのに…今度うちに見に来る?」

 

「遠慮しておく」

 

「そう、残念」

 

女子がホイホイと男子を家に呼ぶんじゃないよ

はぁ、何かメッチャ話が逸れたな

 

話を戻すが時期的にそろそろ体育祭が近付いて来ている訳だ、だが女子と男子では体力や筋力に差があるだろ?だからどうするんだろうと思ってな

 

まあ例外というモノは何にでも存在するものだ、氷川先輩に関しては男子に引けを取らないどころか勝るだろう

逆に陽音は…まあ、な?察してくれ

 

「体育祭かぁ…面倒だな」

 

「ちゃんと参加しなよ幸貞、何かちゃんと男子の事も考えてやるらしいよ?」

 

「そうなのか?まぁ、それに期待するしかないか」

 

さて、今日は授業がない代わりに体育祭の準備とのことだ

体育祭実行委員会が中心となって準備を進めていくらしい、しかしまぁよくそういう事を好き好んでやろうとする人がいるもんだ…俺は面倒だから御免蒙りたい

 

「導寺峠く~ん、これ持って行ってくれる~?」

 

「分かりました、少し待ってて下さい」

 

「あ!裕次君!後でこっちも手伝ってくれる?」

 

「了解了解!ちょっと待っててね!」

 

男手はやはりあると便利なようで、俺と裕次は結構いい感じに使われている…え?陽音?ああ、アイツは…

 

「は~癒されるぅ~」

 

「陽音く~ん、私もう疲れちゃったよ~」

 

「え、えっと…あの…そ、その…」

 

ま、まあ…何て言うんだろうな

女子の癒し係として活躍しているよ、それはもう大活躍してるさ

今の状態は複数人の女子に交代交代に撫で回されてる

 

やめろ陽音、その助けを求める目で俺を見るな…お前に群がる女子の中になんて行きたくない

 

「な、なあ幸貞…陽音の奴大丈夫かな?」

 

「関わらない方が身の為だぞ、唯でさえ忙しいんだから」

 

「……それもそうか…すまん陽音、許してくれ」

 

「触らぬ神に祟りなしだ」

 

さて、俺は別の手伝いに行くか

確かこの材料をもってきてくれって言ったかな、取り敢えず行こう

これ以上ここにいると陽音に呼び止められそうだからな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとうね導寺峠君」

 

「いえ、この位なら大丈夫です」

 

ここはどうやら入場門と退場門を作ってるらしいな、それの材料か…成程ね、そりゃ重いわ

 

「何か手伝いましょうか?」

 

「本当に?じゃあこの部品を作ってくれるかな」

 

設計図を渡された、取り敢えずこの通りに作ればいいってことだよな

どうやら門のアーチらしいな

自分、手先は器用な方だしこういう作業は嫌いじゃない

 

数十分経った頃

 

「失礼します、進み具合はどうですか?」

 

「あ、委員さんお疲れ様です…そうですね、今のところ順調に進んでますよ」

 

「そうですか、アーチの方はどうですか?」

 

「ああ、それなら…ってえええ!?」

 

「ん?あら、氷川先輩どうも…って言うか氷川先輩って風紀委員ですよね?」

 

「手伝いとして各仕事場の現状確認をしているんです、それで何に驚いたのですか?」

 

「ど、導寺峠君にはこの部品だけを頼んだんだけど…もう九割方アーチが完成してるじゃん……」

 

あれ?この部品だけだっけ?……何か最初の方、確かにこの部品を指して喋っていたような気がしなくも無いな

 

「そうでしたか、暇だったのでこの設計通りに作ってましたが」

 

「流石ですね、そのアーチは作業が一番大変なので時間が掛かると思っていましたが…それでしたら最初から貴方に頼めば良かったですね」

 

「まあ多分話を聞いた時点で断ってたと思いますけどね」

 

「でしょうね、今回は運が良かったようです…さて、一番面倒なアーチはこのまま導寺峠さんに任せて他の作業を進めましょう」

 

「わかりました!」

 

え?引き続き俺にやれってかコレ、まあここまで来たら別にいいけどさ

どうせ暇だしヤスリとかニスとかで綺麗にしておこうかな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「導寺峠さん、そちらはどうで…す……か」

 

「ん?ああ氷川先輩、どうなさいました?」

 

「……アーチの完成度だけがやけに高くなりますね」

 

「そうですか?まあ少し磨き過ぎて光沢がえげつない事になりましたが」

 

「何ですかそれ、最早鏡じゃないですか?」

 

「そんな事は……無きにしも非ずですかね」

 

ちょっと気合入れ過ぎたわ、何かに没頭する事なんて久し振り過ぎて抑えられなかったな

まあいいんじゃないかな、出来がいい分には

 

「うわ凄い、どんな磨き方したらこんなになるんだろう…」

 

「何かもう逆に怖いわ」

 

「どれどれ?何これ…スゲェ……」

 

俺作のアーチに先輩方が集まってくる、自分の仕事はいいんですかね貴女方は

ていうかよくよく考えてみると、今ここにいるのって俺以外は皆年上じゃね?

 

まあそんな事はどうでもいいな、仕事は終わったし戻ろうかな

氷川先輩に一声掛けて、教室へ戻った

 

教室に着くなり陽音がジトーっと俺の方を見てきた、どうやら解放されたらしいな

 

「幸貞君…もう嫌い」

 

「機嫌直せよ、俺だってあの中になんて飛び込んで行きたくない…その内ケーキでも奢ってやるからよ」

 

「……仕方ないから許してあげるよ」

 

チョロい、ていうか自分で言っといてなんだけどケーキで釣られるとは…女子っぽいな陽音

まあこれでお許しが貰えたからいいか

 

「手伝いの方はもう終わったの?」

 

「ああ、多分な…若しかしたらまだ何か残ってるかもしれないから何とも言えんがな」

 

「お疲れ様、体育祭が楽しみだね」

 

「楽しみ、かぁ……」

 

「楽しみじゃないの?」

 

「さあどうだろうな、面倒という気持ちも無くはない」

 

そう言えば男の事も考えてやるって言っていたがこの場合、陽音は一体どうなるんだ?……いや、考えるのはよしておこう

 

そんな訳で準備だけで一日が終わった、さっさと帰ろう

ハイ到着、速い?気にす(ry

 

お?電話か、誰からだ………アリア?あんまり出たくないんだけど

 

「はいもしもし」

 

『久し振りだね旦那様、ゴールデンウィークの時は随分と連れないことを言ってくれたじゃないか』

 

「文句言う為に電話したなら切るぞ」

 

『そんな訳がないだろう、実はお得意先からいい秘境の宿があると聞いてね…是非とも君と一緒に行きたいと思っているんだよ』

 

「へぇ、因みにどんな所だ?」

 

『意外だね、食い付いてくるとは…ええと確か……山奥の知る人ぞ知る所だった気がするな、詳しい場所は余り教えられなくてね』

 

「何だ、有名人でも来るのか?」

 

『まあそこら辺の関係者が多くてね…そうそう、あと二人位なら連れていけるから幼馴染ちゃん達でも誘ってくれ』

 

「いいのか?ていうかもう行く前提になってるんだが」

 

『行くんだろ?』

 

「いやまあそうだけど…」

 

『じゃあ詳しい事はまた連絡しよう、ではな旦那様』

 

久方振りだな、アイツの誘いに乗るのは

因みに俺は秘境とか結構好きである、人目を気にせずに居られるし何より人の心を気にしなくて済む

 

だから俺は都会より田舎の方が断然好きだ

 

……と言うか、俺に幼馴染が居ることアイツに教えた記憶が無いんだが……何で知ってんだ?

多分あいつのことだから調べたんだろうが、普通にプライバシーの侵害なんだが

 

まあ別にいいけど

 

はぁ…にしても、体育祭面倒くせぇ…あ?メール?

 

『そう言えば体育祭が近い様だね、仕事も一段落済んだから見に行かせてもらうよby君の嫁』

 

ええ…来んのかよ、しかも何だその最後

嫁じゃなくてお前はまだ許嫁だろうがよ、貰ってやる気はないから永遠に他人だがな

 

「幸貞、体育祭いつだっけ?」

 

「確か明後日の土曜日」

 

「そう、じゃあ弁当作って持ってくわね」

 

「そうかい…華蓮さんは体育祭いつかね?」

 

「私はまだ先よ、姉さんも行くって言ってたわよ」

 

「晶奈も来んのかよ…ああそうだ、アリアも来るって言ってるから色々よろしく頼んだぞ」

 

「はいはい」

 

ん?アリアが来るとすると…スゲェ、学校に弦巻家当主の娘と露西亜総合企業統括財体の現当主が居ることになるのか……考えてみるとえげつねぇ

 

「そう言えば貴方の所って男は三人しかいないんでしょ?どするのかしら」

 

「なんかそれについては学校側がどうにかしてくれるらしいが……まあ三人と言うよりは実質二人だけどな」

 

「そうなの?」

 

「ああ、女の子みたいな男…所謂男の娘と呼ばれる分類に分けられる奴がいるから」

 

「成程…なのかしらね」

 

しかもこれまた顔まで整ってると来たもんだ、下手な女子より可愛いからなぁアイツ

別に俺はそっちのケがある訳じゃないから誤解するなよ?飽く迄外見的に見たらの話だ

 

「まあ精々頑張りなさい、何に出るか決まってるの?」

 

「玉入れとリレー」

 

「何故玉入れ」

 

「楽だから」

 

「……そう、まあそんな事だろうとは思ったわよ…リレーは?」

 

「男子は強制参加&アンカー決定」

 

「成程ね…あら?二チームよね?三人じゃ分けられないじゃない」

 

「男の娘は応援だ」

 

「あっ……ふーん(察し)」

 

ドンマイ、陽音…お前はもう若干女の子認定されてるっぽいぞ




銀髪で旦那様って呼ぶと最早どこぞのVYouTuberのヨ、ヨメ…とかいう人がいたなぁ
パ、パクってないですからね!?作者も今気づいたんですよ!

ほ、ほら!ヨ(ryはショートじゃないすか!アリアちゃんはロングストレートだからさ!

はい、取り敢えずマジでパクってない事だけは言わせて(懇願)


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27話

※この回はゲームの方であったイベントとは全く別物なのでご了承下さい
OK? OK!(ブラウザバッk(ry
やめてくれよ本当に

取り敢えず本編いこうか


さあ始まってまいりましたよ体育祭

え?この前は二日前だったじゃないかって?そんな事きにs(ry

 

まあ取り敢えず、体育祭が始まりましたよ

 

「おお、紅組応援団にははぐみがいるのか…まあ予想通りだけど」

 

「だよなぁ、知り合いなんだけどさ…元気が凄いよね」

 

「何だ裕次、知り合いなのか」

 

「そうだよ…ていうか幸貞がはぐみを知ってるって事も驚きなんだが」

 

「まあ別にいいだろ……もしかして仲良いのか?」

 

「まあ、うん…一方的ではあったけど」

 

大変そうだなそれは(他人事)

まあこちとらには香澄とかたえとか扱いが面倒な奴が居るからなぁ

 

「対する白組はチアガールですか…あ、丸山先輩」

 

「え!?マジで何処!?」

 

「そんなに食い付くことか?」

 

「当たり前だろファンとして!」

 

「そいつは失礼しましたよ」

 

あ、何気に女王様が紅組の応援団にいる…しかも学ラン着てるし

いやぁ、にしても本当に何でも似合いますな貴女は

 

「……ん?おお?」

 

「どうした幸貞?」

 

「いや、あれ見ろ」

 

「どれだよ……んん?おお!?」

 

先程言ったように、白組応援団はチアガールである……そう、チアガール(・・・)である

なのに何故、その中に陽音の姿があるのだろうか

 

「いやまあ似合ってるけどさ、動きのキレもいいし」

 

「さっきから見ないと思ったら…まさかあんな所にいたのか」

 

「お前同じクラスなのに知らなかったのか?」

 

「全然そんな話は聞いてないぞ、確かに皆からメッチャ勧められてはいたけどさ」

 

勧められてたのかよ、まあ確かにこんな逸材がいたら勧めたくもなるか

しかもこれまた違和感がないと来たもんだからな

 

あ、氷川先輩とイヴも学ラン着てる…似合うね~

 

「そう言えば幸貞は何に出るんだ?」

 

「玉入れとリレーだけだよ、お前は?」

 

「奇遇だな、玉入れとリレーは一緒だ…リレーに関しては強制だったけどな…後は障害物競走に出る」

 

「そうか、じゃあその時は野次を飛ばしに行ってやる」

 

「敵同士だからってそれは止めてくれよ、距離のハンデも付いてるんだからさ」

 

成程、距離でもってハンデを付けたのか

そこら辺よく考えられてるな、少し上から目線だが感心する

 

「あ!やっほーユッキー!」

 

「げぇ、何でいるんだよお前」

 

「げぇって何さ!おねーちゃんが居るならアタシもここにいて当然だよ!」

 

「成程シスコンか、麻弥ちゃんも来てたのね」

 

「はいっス!彩さん達の応援に来たっス!」

 

「そうかい、因みに丸山先輩が白組で女王様とイヴは紅組だ」

 

「彩さんだけ違う組っスかぁ、幸貞さんはどっちっスか?」

 

「俺は紅だよ」

 

「ええ!じゃあ彩さん本当に一人じゃないっスかぁ」

 

「まあこればっかりはしょうが無いよ…で、お前はいつの間に蝉になってるんだ」

 

「ここは眺めがいいねー、おねーちゃんがよく見える!」

 

いつの間にやら背中に登られ、おんぶする形になっていた…まあ見やすいなら何よりですよ

 

「ゆ、幸貞…俺は全く話について行けないんだが」

 

「ああ、悪い悪い…でも紹介する必要も無いだろ?」

 

「いやそうだけどさ、何でそんなにお前は仲が良いんだよ」

 

「そりゃあ丸山先輩と知り合いだからな」

 

「それで済ませていいのかこれ」

 

「別にこれといって話すことは無いぞ?取り敢えず俺は席に戻るわ」

 

「お、おう」

 

背中から天災をひっペがし、麻弥ちゃんへ渡しておいた

席に戻る途中、何かVIP席みたいなのがあった…まあ予想はつくけどね

 

「おや、ユキじゃないか」

 

「やっぱお前だったかアリア」

 

「やっほーユーちゃん、私も応援に来たよ~」

 

「姉妹でおいでなさったんですか、まあありがたいこっちゃな…今は何処に行ってたんだよ」

 

「弦巻家の方に挨拶しに行ったのさ、御息女が出ておられるらしくてな…流石に当主様は居られなかったが奥様が居られてな」

 

「成程…貴女達も大変なこったな」

 

「なあに、礼儀として当たり前のことだ」

 

「そうかい…じゃあ俺はそろそろ行くわ」

 

「ああ、また後で会うじゃないか」

 

さて、自分の組へ戻るとするか

どうやら応援合戦が終わったみたいだな、応援団の娘達が自分の組へ帰って行ってるな

 

「お疲れ様です、丸山先輩」

 

「あ!幸貞君見ててくれた?」

 

「見てましたよ…にしても、イヴも女王様も学ランがよく似合ってましたな」

 

「ねえねえ、私は?」

 

「ん?……ああ、似合ってましたよ」

 

「何でちょっと言わされてる感があるの?」

 

「冗談ですよ、似合ってました」

 

「ありがとっ!」

 

ほう、今日はポニーテールか…後で写真を撮ってタニにでも送ってやるか…字的には贈ってやるの方がしっくりくるな

 

「そう言えば天災と麻弥ちゃんが来てましたよ」

 

「え!?そうなの!?」

 

「応援に来たそうですよ、後で会ってきたらどうですか」

 

「うん!そうするね、教えてくれてありがとう」

 

「お気になさらず」

 

おや、どうやらmy sister達がおいでの様だからいっちょ行きますか

何か華蓮さんの手に重箱が見えるのだが…それもしかして昼飯?

 

「お、幸貞が体操着きてる」

 

「そりゃこれから運動しますからね」

 

「これお弁当ね、後で持っていくから」

 

「やっぱそうだったか・それ全部が俺のじゃないよな?」

 

「当たり前じゃない、私達の分も入ってるわよ」

 

デスヨネー、流石にそれを一人では無理だわ

お、種目が始まったみたいだな…最初は二人三脚みたいだな

 

確かウチの組は沙綾とたえが出てる筈だな

おお、流石夫婦…息ピッタリだな

 

「じゃあ俺は戻るから」

 

「分かったわ、まあ頑張ってね」

 

「頑張ってね~」

 

「へいよ」

 

次の競技は何だったかな……徒競走ですか、陽音が出るとか言ってたな

これは見なくてはいけない(使命感)

あ、陽音のハンデは随分と軽いですなぁ…お、始まったな

 

何気に陽音も運動できるんだなぁ、普通に速かった…おお、氷川先輩とはぐみだ……うっわ何あれ速っ

氷川先輩とはぐみにもハンデあった方がいいんじゃね?

 

ていうか貴女達は仲間なんだから競い合うなよ

 

「幸貞ー、次の競技幸貞が出るやつだよー」

 

「ああ、ありがとうな沙綾…随分と早く回ってきたな…後が暇になりそうだ」

 

入場門へ向かう、アーチがスッゲェ輝いてる…アレ俺が作ったやつやな

いい感じに光が乱反射して光ってるからあまり眩しくはないな…うん、良心設計

 

「お、花音ちゃんも出るのか」

 

「あ…ゆ、幸貞君…走ったりするのは苦手だから…」

 

「成程……じゃあ燐子ちゃんも同じ理由かな?」

 

グリンと後ろに振り返り、燐子ちゃんの方へと顔を向ける

後ろにいたなら話し掛けてくれればいいのに

 

「はひっ!…は、はい…そうです」

 

「ああごめんね、驚かせちゃったみたいで」

 

「あ、いえ…大丈夫…です」

 

「あ、幸貞君も出るんだね」

 

「おお陽音、お前徒競走と連チャンで出るのか…大変だな」

 

「まあね、でも玉入れはあんまり体力使わないから大丈夫かなって」

 

「成程」

 

因みに言うと、応援の時に気付いたかもしれないが陽音と裕次は白組である

裕次の方は既にスタンバってる、はやいっスね

 

何気に丸山先輩とみさきちゃんがおる…あ、そしたら向こうにはこころ嬢もいるのか

 

「じゃあまた後でね幸貞君、絶対負けないからね!」

 

「まあ健闘を祈るよ」

 

「むむ、その言い方だと超自信ありげにきこえるよ」

 

「そりゃあるからな、取り敢えずさっさと持ち場に戻りな」

 

「うん、勝つからね~」

 

そう言って白組の列へ戻って行った

 

さて、ここからは玉入れのルール説明といこうか

一般的なルールは保々皆がやったことがあるであろうルールだ、3.5m程の高さがあるカゴにボールを入れる競技だ

 

そしてここからが特殊ルール、男子はカゴを中心とした半径1.5mの円内から球を投げることを反則とする…らしい

 

要は遠くから投げろという話だ

 

「ふむ、なかなかいいハンデだ」

 

「が、頑張って下さい…幸貞君」

 

「花音ちゃんもね」

 

さて、そんな訳で玉入れの入場が始まった

ほう…結構距離があるなあの円、まあいいハンデにはなると思うが

 

ボールは全部で100個、円内にも円外にも玉は散らばっている

 

『では!よ~い…スタート!!』

 

開始の合図と共に円外を小走りしながら玉を拾い上げホイホイと投げていく、投げた玉は全てカゴの中へ吸い込まれるように入って行く

 

ものの数秒で円外にあった玉は最後の一つに

そしてその一つを足の上に乗せた後、蹴り上げ…籠の中へシュゥゥゥゥゥッ、超エキサイティング

 

どこのツクダさんですかね

 

「もう終わりか、何か詰まらなかったな」

 

「ゆ、幸貞さんが…速すぎるんだと……思います」

 

「そうなのか…あ、燐子ちゃんそしたら玉くれる?」

 

「え…い、いいですけど」

 

ポンと俺の手に燐子ちゃんが持っていた玉を渡してもらう、そのままポイッと投げるとカコン…という音と共にボールはカゴへ入った

 

「はい」

 

「え?ええ?…は、はい」

 

またポイッと投げカゴへ入れる、それをひたすら繰り返し燐子ちゃんの手持ちである玉を全部入れた

 

「あー…円内に入り玉を取って円外に帰るってのは面倒だから取ってきてくれる?」

 

「あ、分かりました」

 

「悪いね」

 

そ言うと燐子ちゃん以外の子達も俺の元へ玉を持ってきた、俺の周りには無数に玉が転がっている状態になった

それを拾い投げ、拾い投げを唯々続けていく、終了時間の10秒前にはラスト一個になっていた

 

会場は大盛り上がりである

 

『おおっとーー!!なんと紅組は玉がラスト一つになってしまったァァァ!!白組も負けずに入れ続けているが果たして間に合うのかァァァ!?』

 

あの実況テンション高っ

 

『残り10秒だァァァァ!!紅組のラスト一つの玉は未だに幸貞君が掌で弄んでいるぅ!!これは白組への挑発かァァ!?』

 

「何でそんなにテンション高いんだよ、てか今幸貞君って言った?誰がやってだこの実況」

 

「確か…牛込ゆり先輩って、人でした」

 

うっそりみちゃんのお姉さんじゃないですか、ていうかこんなにテンションの高い声出せたんだな

りみちゃんとは本当に真逆だな

 

さて、残り6秒…白組応援席に体を向ける、詰まりカゴは俺の背中側にある

 

5秒…後ろへ玉を高く投げる

 

4秒…3秒…2秒…1秒と、応援席の娘達に見えるよう指でカウントダウンをする

 

そして、一度手をグッと握り…パッと開くと同時にカゴへボールがガコン…と入り、終了のホイッスルが鳴り響く

 

『ここで終了ゥゥゥ!!最後の最後にカッコよく決めてくれたァァ幸貞クゥゥゥゥン!!!』

 

本当にテンション高いなおい、キャラ的に大丈夫か?

まあ取り敢えず結果発表を聞こうか




体育祭編は二回に分けて投稿するのでよろしくお願いします
幸貞の周りって本当に美人ばっかりだね

構成してる人が言ってもあれだけれども

活動報告にて要望を聞いて(という名のネタ集め)ますので、何かあれば書いて下さると助かります


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28話

テストゥ中のAZAZELデス
合間縫って書きましたァ、そしていつの間にかバーが真っ赤になっててうれすぃです

評価する時は低評でも高評でもコメを付けてくれると有難いです


玉入れの結果は紅組100個、白組45個だった…圧勝だね

 

さて、そんな事より午前の部が終わりお昼ご飯の時間だ

因みに俺と裕次がでるリレーは最後の最後、大トリの種目である

 

あれだな、簡単に言えば代表リレーみたいなやつだ…俺たちはあれか、男子代表で出るのか

 

「幸貞、昼飯食べるよ」

 

「ああ、了解」

 

向かった先のレジャーシートには何故か宮代姉妹に加えてリサと友希那がいた

来てたのかよお二人さん

 

因みに、リサと友希那は宮代姉妹と面識がある…しかも何故か仲が良い

 

「やっほー幸貞、応援に来たよ~」

 

「左様ですか…いつから来たんだ?」

 

「晶奈さんに教えて貰って幸貞が出るタイミングで来たんだよ」

 

「じゃあ玉入れは見てたのか?」

 

「うん見てたよ!凄かったね!」

 

「……相変わらず、容赦無いわね」

 

「人間皆平等だ、誰であろうと全力で叩き潰す」

 

「はぁ、それも相変わらずね…」

 

しかし友希那が来るとは驚いたな、まあ大方リサに引っ張ってこられたんだろうがな

 

「早く座ったらどうだユキ?ほら、僕の隣が空いているぞ」

 

「遠慮しておきます」

 

「も~そう連れないこと言わないでよっ!」

 

「ちょ、引っ張らないで下さいよアリスさん」

 

アリスさんに無理矢理座らされてしまったな、しかも宮代サンドなんだけど

あーあ、周りからの目が痛い痛い…お父さん方達の目線が特に痛い

 

アンタら子供相手にそんな嫉妬の篭った目を向けるな、てか奥さん居るんだろ

 

「午後は何に出るんだユキ?」

 

「リレーだけ、それも一番最後」

 

「ほう、大トリと言うやつか…楽しみに待っているぞ」

 

「あ!そうだ!もしユーちゃんが一番になれたらアリスさんからご褒美あげちゃうよっ!」

 

「別に要らないっす」

 

「ええ~!!こんなことは滅多にない事なんだよ~!」

 

「それにリレーなんで俺一人の力じゃどうにも出来ない」

 

「えぇ~アリスさん乗り気なのにぃ…」

 

そんな事言われましてもねぇ、まあ負けてやる積りも毛頭無いけどね

タダで負けるのはしょうに合わない

 

「まあ心配しなくても幸貞は勝つよね~?」

 

「おいおいリサ、そんな事はなってみないと分からんぞ?」

 

「負けず嫌いなのは貴方も私も同じでしょ」

 

「負けず嫌いねぇ……果たして俺はそうなのかなぁ」

 

自分ではよく分からんな…まあ友希那がそうなのは知ってるけどね

よく蘭ちゃんの張り合ってるのをcircleで見かける

 

仲がよろしくてなによりです

 

「さて、そろそろ俺は戻るとするよ…お昼ご馳走さん」

 

「お粗末様……程々にしときなさいよ」

 

「気分による」

 

自分の応援席へ戻る、周りにもちらほらと戻って来ている生徒達が見えた

午後は最後まで何も無いんだよな…どうしようかな

 

「おや、導寺峠さん」

 

「おや、氷川先輩…こんな所で何を?」

 

「私と貴方は同じチームでしょう?私がここに居ても可笑しくは無いと思いますが」

 

「あー…それもそうですね、先程は徒競走お疲れ様です」

 

「有難うございます、導寺峠さんは午後何に出られるのですか?」

 

「大トリのリレーだけですね、それまでやる事がないので暇です」

 

「そうですか…私は何故かリレーに出てはいけないと言われまして」

 

そりゃ氷川先輩とはぐみがウチのチームにいるからなぁ、一緒に出られたらたまったもんじゃないだろ

 

向こうにはこころ嬢が居るとは言え、流石にはぐみ&氷川スペックには適わないだろ

 

「まあしょうがないですね」

 

「その回答だととても納得はいかないのですが…」

 

「世の中納得出来ないモノの方が圧倒的に多いですよ、諦めて下さい」

 

「……捻くれた答えなのに正論を言われているようで腹が立ちますね」

 

「解せぬ上に理不尽です」

 

正論だろこれは

納得出来ないモノなんてそこらじゅうに溢れてる、それを納得するまで突き詰めるなんて時間が足りなさすぎる…人生諦めが肝心な時だってあるんだ

 

「また捻くれた事を考えてますね」

 

「さてどうでしょう…ところで氷川先輩は午後は何に出るんですか?」

 

「明ら様に話題を変えましたね…私はパン食い競争に出ます」

 

「じゃあもう勝ち確ですね」

 

「何故ですか」

 

「そりゃ氷川先輩とたえが出るからですよ」

 

「たえ?……花園さんですか?」

 

「知ってるんですか」

 

「ええまあ、名前だけは」

 

流石優等生、恐らくこの流れだと全校生徒の名前は分かってるぞこの人

基本的に他人への興味が無い俺からしてみるととんでもない能力だぜ

 

「まあ頑張って下さい」

 

「導寺峠さんも頑張って下さいね」

 

「どうも……にしても、氷川先輩は氷川先輩ですね」

 

「何がですか?」

 

「それです」

 

腰を指さす

半袖ジャージを短パンジャージへINしてる、まっじめー

 

因みに俺は出してる

 

「ああ、これですか…服装の乱れは心の乱れ、整えるのは当然です……そう言えば導寺峠さん、服装が少し乱れてますね」

 

「そうですか?自分ではそうでもないと思っていますが」

 

「いいえ乱れています、私が直してあげます」

 

「おっとそれには及びませんよ、俺にはこれがお似合いですから」

 

「ダメです、先程丸山さんも直したのですから導寺峠さんも直してください」

 

氷川先輩の両腕が短パンの淵へ伸びてきたのでガッと掴み阻止する

つーか氷川先輩力強いんだけど、攻防戦が押され気味になってきている

 

ていうか丸山先輩はもう既に餌食となったのか、南無三

 

「あ!おねーちゃーん!!って、何やってるの?」

 

「ひ、日菜!?」

 

「今だけはナイスタイミングと言ってやろう天災」

 

突如として現れた天災にが氷川先輩の背中へ飛びついた事により、迫る手の力が弱まった

 

その隙にバックステップで距離を取れた

 

「ふう、危ねぇ」

 

「日菜!急に飛びつかないでと言ってるでしょう!」

 

「え~だっておねーちゃんが居たら抱き着きたくなるんだも~ん」

 

「危ないから止めなさい!」

 

さて、天災の相手をしている内に俺はオサラバさせて貰おうかな

気付いてなさそうだしとっとと逃げるとしますか

 

はぁ、疲れた……あ、丸山先輩

 

「どうも、丸山先輩」

 

「あ、幸貞君」

 

「……本当にINしてるんですね」

 

「あ~コレ?紗夜ちゃんにね~…私はダサいから嫌だったんだけど」

 

「そうですか、俺は先程それから逃げてきました」

 

「え~!何それ狡い!!」

 

「逃げれる力量がない丸山先輩が悪いですね、恨むなら自分の無力さを恨んで下さい」

 

「むぅぅ…」

 

「律儀に入れてないで出せばいいじゃないですか」

 

「そうするとまた紗夜ちゃんに言われちゃうじゃん」

 

確かにそうだな、しかも二回目だから更に追加で何かを言われそうだな

流石は風紀委員様だぜ

 

「まあご愁傷様です」

 

「幸貞君狡~い」

 

「そんな事を言われましてもねぇ…取り敢えず俺はそろそろ席に戻りますよ」

 

「うん、リレー頑張ってね」

 

「どうも」

 

お、どうやらパン食い競争が始まったみたいだな

氷川先輩はっやい、そして何故かたえもはっやい…パンだからか?よく分からないけクッソ速い

 

裕次の障害物競走?なんの面白みもないからカット

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぁ、さてさて…とうとうリレーの番が来てしまいましたよ

早すぎる?気にすんな

 

今はスタンバってます

 

「よう幸貞、調子はどうよ」

 

「そこそこ…お前はどうなんだよ裕次」

 

「バッチリさ、ぜってぇ負けないからな」

 

「そう、まあ頑張ってくれよ」

 

「なんかその言い方スッゲェ腹立つ」

 

「逆撫でするように言ってるからね」

 

「本当に嫌な奴だよな!?」

 

おいおい、今更かよ

大分前から言ってる事だと俺は思ってたんだがね

 

「はぁ、本当は出たく無かったんだよ普通に…走るのとか面倒臭いし」

 

「それもう末期だろ」

 

「だろ?自分でもそう思ってるよ」

 

「自覚あんのかよ…お、始まったみたいだな」

 

『さあレースの幕が切って落とされたァァァ!!紅組は白鷺さん!白組は奥沢がトップバッターだァァ!!』

 

相も変わらずテンションの高いことだな

なんか美咲ちゃんも女王様も速いんだけど、てか紅組なのに白鷺って……何かめっちゃコッチ見てんだけどあの人(女王様)、しかもあの笑い方スッゲェ怖い

 

女王様から俺の所まで結構離れてるぞ?この距離で心読んだのかよ、最早エスパー超えてるだろ

 

『ほぼ同じにバトンが託されたァ!!さぁここからどちらが追い上げて行くのかァァァァ!?!!?!』

 

あ、あの娘達陸上部の娘だ

何で知ってるかって?クラスでの走者決めで知った

 

「なぁ幸貞、実況の人何でこんなにテンション高いんだ?」

 

「さぁ?前見た時は落ち着いてる人に見えたんだけどなぁ」

 

「会った事あるのか」

 

「ああ、同じクラスにいる子のお姉さんだってよ…妹ちゃんの方は大人しいんだけどね」

 

「へぇ、そういう事もあるんだな」

 

『さあ次の走者は紅組は北沢さんと弦巻さんだァァァ!!これは面白い組み合わせだァァァァ!!』

 

「なかなかフェアな組み方をしてるな」

 

「確かにそうだな、はぐみと弦巻さんは二人して身体能力が異常だからな」

 

「お前こころ嬢のこと弦巻さんって呼んでるの?」

 

「いやだって、知り合いじゃないしご令嬢じゃん」

 

「ふーん、そういうもんか」

 

さて、次の走者は俺達なんだよな

若干ではあるが白組の方がリードしているようだな

 

『さぁいよいよラストバッターだァァァァ!!花咲川男子代表の二人だァァァァ!!!』

 

うおお、牛込先輩が身を乗り出してるよ…そこまでテンション上がるか普通?

そうそう、因みに紅一点の反対語は存在しないそうです

 

あと男子は校庭一周と1/4(250m)走るんだって

 

「悪いな幸貞、お先行かせてもらうぜぇ!!」

 

「はいはい」

 

そう言って走って行く裕次、あー思ってたより離れたな

 

「ご、ごめん導寺峠君!」

 

「気にすんなって……どうせスグ追い付く」

 

「え?」

 

バトンを受け取った瞬間に地面を蹴る、そして25m程離れていた裕次に一瞬で追い付く

 

「よう裕次」

 

「はぁ!?」

 

「にしてもよぉ、男子だけ校庭一周と1/4ってキツくね?女の子達は半周か一周なのにさ」

 

「何でこの速さで並走しながら余裕で喋れんだよお前!!!」

 

「学校のマラソンとかであるさ、『一緒にゴールしようね』の一言程信じられない言葉って無いよね」

 

「知るかぁぁぁぁぁ!!!」

 

「お、あと50mか…そいじゃお先」

 

「えぇぇぇぇぇ!?」

 

『ゴォォォォォル!!最後に圧倒的な差を見せつけて勝ったのは紅組幸貞クゥゥゥゥン!!!』

 

「はぁ…はぁ……お前、マジでバケモンだろ…」

 

「化物とは失礼だな、(れっき)とした人間だ」

 

「う、嘘付け…絶対人の皮被った…バケモノだろ」

 

「お前それは俺に対して失礼過ぎるだろ」

 

「今のは絶対そうとしか思えねぇ」

 

化け物呼ばわりとは…確かにそう思えなくは無いけどさ、それを言ったら華蓮とか晶奈とかは一体どうなるんだよ

 

あの人達俺より化物たぞ

 

そして俺の一位通過により、紅組は晴れて優勝を勝ち取りましたとさ




『火蓋が切って落とされた』って言葉は無いらしいですね
正しくは『火蓋を切る』だそうです、幕が切って落とされたと混合して使われやすいだとか

俺は割と単語や言葉の意味を調べてから使う方なので、学べることが多くていいっすね


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29話

バンドリの二次を書いてる筈なんだけどなぁ…なんかオリキャラがドンドン増えてくる

そして恋愛はないはずなんだけどなぁ…ま、まあ?多分無いって言ってるし、多少はね?

はいすいません、では本編どうぞ

※日本財団は実在した為、日本企業統括財団へ改名しました


体育祭も無事に終わり、今日は日曜日…因みに明日も振替休日との事で休みです

なので家でゆっくりする予定、家には誰も居ないし

 

いつも通りですよええ、昼に起きたら見事に誰もいない…机の上にメモがあったけど『腹が減ったら適当に食え』としか書いてなかったよ

 

はぁ…この扱いは何なのか、まあ楽でいいんだけどね

 

するとピンポーンとインターフォンが鳴った、誰だ?晶奈が頼んだ宅急便でも届いたか?

ドアを開けた先にいたのは…満面の笑みを浮かべたこころ嬢だった

 

「………何しに来た」

 

「幸貞!これから出掛けるわよ!」

 

「は?」

 

何処へ?…そう聞こうとした時には既に黒服さん達に両腕を抑えられていた

宛ら捕獲された宇宙人の様な形で引き摺られ、車へ乗せられる

 

「やあ、旦那様」

 

「おいこころ嬢、何でこいつまでいるんだよ」

 

「一緒に行くからよ?」

 

「当たり前でしょみたいに言わないで…で、何処に行くんだよ」

 

「夕刻から企業が集まる会食があってな、僕の旦那様として紹介しようと思ってね」

 

「はぁ?止めろよ面倒臭い」

 

「いや止めないさ、これで既成事実が作れるというなら私は喜んでやろう」

 

「今スグ窓から放り投げるぞこのクソ野郎」

 

「はぁう!御無沙汰していた所為で身体に染みるよ…」

 

「相変わらず仲が良いみたいね!」

 

HE★N★TA★Iだ、何だこいつは…たまげたなぁ

ていうか普通にコイツがそうだって事を忘れてた…あとこころ嬢、これのどこが仲良さげに見える?

 

「それで、本当の所どうなんだよ」

 

「ふっ、全てお見通しという訳か…なに、実のところ僕と婚約をしたいと言う者が現れてな」

 

「そいつはめでたいそれでいつ式を挙げるんだ?喜んで行ってやろう」

 

「甘いな旦那様、僕は例えどんなに魅力的な殿方が言い寄ってきても旦那様への愛情は揺らがないのさ…正直な話、旦那様以上に魅力を感じる殿方は居ないがな」

 

「チッ、詰まんねぇな…それで俺を直接連れ出して見せつけに行く訳か……それはいいが生憎と俺はドレスアップに似合う服は持ってないぞ」

 

「そこは任せなさい!今かは私のお家に行って幸貞に似合う服を探して上げるから!」

 

成程、だから少し早い時間帯で迎えに来たのか…にしても、こんな変人の事を好きと言うやつが居るのか

 

若しくは唯単に此奴の財産へ目が眩んだか…どちらにせよ俺にとっては好都合なんだがなぁ……まあ、昔の好だ…頼まれ事の一つや二つくらいは聞いてやるけどさ

 

そんな訳で弦巻邸

 

真っ黒のタキシードをお借り致しました

 

「お前は相変わらず白のタキシードか、それに白のサファリハットも…か」

 

「僕と同じ型の帽子で黒色があるが…いるか?」

 

「あるなら貰おう」

 

「幸貞幸貞!私はどうかしら!」

 

真っ赤なドレスか……赤が似合う娘ってのは大概、綺麗に見えるもんなんだよね

 

「似合ってるよ」

 

「ありがとう!」

 

着替えも終わったところで、これから出発だそうだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会場は何かでっかいホテルだ、ここ確かミシュランか何かで星三つとか貰ってなかった?こいつはたまげたなぁ

 

会食ってか、パーティーだな…バイキング形式で歩き回ってるよ

アリア曰く挨拶回りとかは来なくていいから呼びに行く迄は好きに飲み食い好きにしててくれだそうです

まあとの事なので本当に好きにさせてもらおうかな

 

歩いているホールスタッフ的な人から飲み物を貰った、匂い的に酒だろうが何も言われなかったし良いよな(16歳)……俺はそんなに老けて見えるかね?まあアリアの隣を歩いていたってのもあるだろうけどさ

 

あ、こころ嬢のはちゃんとジュースだ…色的にジンジャエールかな

 

「げっ、シャンパンかよ…出来るならテキーラをボトルで欲しかったな」

 

「あらあら、随分と度数の高い物がお好きな殿方なのね…お酒は度数が強ければ美味し訳じゃなくてよ?」

 

「高々11%ちょっとのアルコールじゃ酔えるものも酔えませんよ…失礼、お名前をお伺いしても宜しいですか?」

 

(わたくし)も名乗らず急に声をお掛けして申し訳ございません、私は神田(かんだ) 茂國(しげくに)の娘…神田 楓姫(りおん)と申します」

 

こう名乗った美人さん…黒髪をストレートに伸ばしているのだが、これがまた綺麗な事綺麗な事

恐らく年齢は20前半だろうな、アリアとあまり変わらない

 

確か神田重工って企業があったよな…しかもかなりの大手で世界にも進出してるとか

 

因みに、アリアのおヤッさんが現役のトップだった頃…親父の仕事について行ったロシアにて、テキーラでおヤッさんが酔い潰れるまで付き合った事がある

俺はピンピンしてたけどね

 

「私は……アリアとこころの友人、ですかね…導寺峠幸貞と言います」

 

「まあ、御二方の御友人様ですか」

 

「ええ、まあ……飽く迄私は彼女達の友人ですので私は偉いわけじゃありません」

 

でもよく良く考えると、ウチの親父が所持しているパイプってどれも之もとんでもない人達ばっかりだよな

 

「あら?そうでしたの…てっきりもう自分の会社をお持ちなのかと思っていました」

 

「ははは、まさか…生憎ながら私は人の上に立つような器では無いので」

 

「かと言って誰かの下について働くって感じでも無さそうに見えますよ?」

 

「おや、見抜かれていましたか…出来るならこの先も一人で生きて行きたいんですがね、どうやらそうもいかなさそうなんですよ」

 

「ふふっ…貴方様は面白いお人ですね」

 

「それはどうも」

 

にしても、何でこの人は俺に話し掛けてきたのやら

まあコッチとしては俺も一応男ですし?嬉しくない訳では無いが、こう言う人は何を考えているか分かりずらい…特にデカい企業なんかはそうだ

 

正直な話、あまり相手をしたくない

 

「………貴方様は、何も感じないのですね」

 

「はい?何の話ですか?」

 

「…あまり人には言わないのですがね、私は人の感情に敏感なんです…こころちゃんもそうだけれども、彼女の場合は感情の変化に気が付き易い」

 

「感情の変化というより、他人の心情が手に取るように分かる…だから相手が何を考えているか分かる……って所ですかね」

 

「え?な、何故私の言葉を…」

 

「さぁ、何故でしょうかね……お互い、詮索されるのは好まないところでしょう?」

 

「……それも、そうですね」

 

「他にも男性は居られますし、そちらへ行かれてはどうでしょう」

 

「……私はあまり好きではありません、出来れば近づきたく無いのです」

 

成程、人の心後読める…それ故に欲望塗れや特に強く邪な感情を持った者達を嫌い、遠ざける

大方あそこら辺の奴らはこの人に邪な気持ちを抱いたり財産目当ての欲望塗れの奴らが多いって事かな

 

「……別に、気にする事は無いと思いますけどね」

 

「それでも…それを理解していても、分かってしまうと耐えられないのです」

 

「まあ、俺は男ですし…女性の方が抱く心情なんてものは理解できかねないですから」

 

「申し訳ありません、このような場で私情を聞かせてしまい」

 

「構いませんよ、それで少しでも気が楽になるのなら幾らでも」

 

「優しいのですね」

 

「…俺は別に優しくは無いです、俺の発言なんてモノは裏を引っくり返せば自分の為にしかならない…そんなモノばかりですよ」

 

事実、俺はこの人に対して話を聞く事は出来る…だが実際に問題解決を出来るかと言えば答えはNOだ

 

結局の所、俺は傍観者であり続けるのが望みだからな

 

「こう言った事は、損得抜きに言葉を掛けるのと掛けないのでは大違いですよ」

 

「掛ける言葉にもよると思いますけどね…」

 

「先程会ったばかりの者が言うのも失礼かと思いますが、何故貴方様は自虐的なのですか?」

 

「自分の性格を一番わかっている上で、その性格が駄目だと理解した上で止められない自分への術無しの感情が行き場に迷っているんですよ」

 

「迷っているんですか?」

 

「こういうもんだと割り切ってる……いや、答えから逃げているのかもな」

 

「勝手ながら、貴方様にいつか答えが出る事を願っています」

 

「そいつは光栄だ…しかし、何故俺なんかに話しかけてきたのですか?」

 

さっきも言ったが、それが気になってしょうがない

俺は人混みがあまり得意ではない、気になった料理と飲み物を貰ってからは端に避けて辺りを静観していた

 

普通なら声はかけないと思うんだがな

 

「何故でしょう?」

 

「質問を質問で返されても困るんですが…」

 

「私自身も何故貴方様に声を掛けたのか、その理由がハッキリしないのです」

 

「興味本意なのかもしれませんね」

 

「まあ、人って生き物は大概そんなものですから…では、俺はアリアがお呼びの様なので失礼します」

 

「はい…お話の相手をなさって下さりありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、お呼びかアリア」

 

「ああ、そろそろ言っていたのが来る頃だ…にしても、楓姫とあそこまで親しげになるとは…流石旦那様だな」

 

「何だ見てたのか…あの娘は俺と同じだ、だが感性が全く別物だったな」

 

「旦那様の様な感性を持った人間がこの世に沢山いたら凄まじく面倒な事になるだろうな」

 

「うるせぇ…因みにお前に婚約を申し込んだ奴は何者だ?」

 

「日本企業統括財団という所があるのだが、そこの統括リーダー…詰まりはトップにあたる人の御子息さ」

 

成程、ボンボンの坊ちゃんですか

まあこれだけしか情報がない状態で相手を判断するのは失礼だろう、実際に会ってみないと分からない

 

「おや、来られたようだぞ」

 

瞬間、入口の方へ人が殺到し始めた

うわスッゲェあれ…媚び売りの為に行ってるんだろうなぁ、滑稽に見える

 

「いつもあんな感じなのか?」

 

「まあ、ここに集まる企業の中じゃウチに次いで規模が大きいからな」

 

「お前ん所には来ないのか?」

 

「僕だってそうさ、まあ旦那様は見ていなかったようだがな」

 

「まあお前にも他の奴らも興味が無いからな」

 

「ははは、相変わらず辛辣だな」

 

おや、人がはけていく

おん?……超爽やかイケメンさんじゃないですかヤダー

 

「宮代さん、また会えて光栄です」

 

「またお会いしましたね、諒英(りょうえ)さん」

 

うっわぁ、しかもこう言うタイプの人間は俺が一番苦手としてるタイプなんだよ

心の底から本当の優しさを醸し出す人間は裏表がない分、人の気持ちを理解することがあまり得意では無い

 

だからこそ、その優しさが刃になっている事に気付かない




オリキャラ多すぎじゃね?大丈夫かなこれ…

まあいいか(開き直り)こころ居るし?まあまだマシでしょうよ
因みにこの回はあと1話ある予定なのでどうかお付き合い下され

次ぎの話がいつ上げられるか分からないんですかね、なるべく早くします


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30話

もう30話になるのか

正直な話、お気に入りが480件行くとか全く思ってなかったですよ
バーもいつの間にか真っ赤になってたし…いや本当、皆様ありがとうございます

こんな作者の趣味全開な作品を読んでいただいて
取り敢えず本編いきましょうか


『日本企業統括財団』…日本に住んでいれば何処かしらで一度は耳にすることがあるであろう、巨大な財団である

 

俺さ、財団って聞くとSCP財団しか出てこないんだよね

因みに好きなのはSCP-682ことみんな大好きクソトカゲとか、『さ わ や か』で有名なSCP-076とかね

如何にも『ぼくのかんがえたさいきょうのえすぴーしー』感がある奴らだが、設定や実験資料などを見てると面白い

 

ヤッベェ話がとんでもない方向に逸れたな、戻そう

 

それでもってこの日本企業統括財団を纏め上げているのが、諒英(りょうえい) (あつし)という男である

 

それでもって今俺の前に立つこの男、巨大財団を一人で纏め上げる男の一人息子である

名前は確か諒英 椿(つばき)だったかな

 

諒英とか完全に名前だと思った奴、残念だったなぁ苗字だよ

 

「ええと、君は宮代さんのご友人かな?」

 

「まあ…そんな所ですかね、初めまして諒英さん…導寺峠幸貞と申します、導寺峠と呼びづらければ幸貞で構いません」

 

「ではお言葉に甘えて幸貞と呼ばせてもらうよ、私は諒英椿…椿と呼んでくれて構わないさ……それと、無理に敬語を使わなくていいよ」

 

「そいつはどうも、硬っ苦しいのはどうも苦手でね」

 

「はは、その方が私も気が楽でね」

 

あ~この人マジで苦手だわ、最近は慣れてきているものの…こうも『優しさ』なんて感情に当て続けられるとキツい

 

この諒英椿という男…背丈は俺とほぼ同じ、容姿はさっきも言ったが爽やかイケメンである

それでもって優しさを兼ね備えている、確実に俺なんかよりこの人と婚約した方がいいでしょ

 

「諒英さん、紹介が遅れたが…彼が僕の許嫁なのさ」

 

「おお!そうなのか!……君が彼女の許嫁か」

 

許嫁……ねぇ、コチラとしては腐れ縁にしか思ってないんだけどねぇ

まあ今は話を合わせておきますか

 

「そうだ、少し幸貞と話していいかい宮代さん?」

 

「ああ構わないさ、僕はあちらでこころと話しているとするよ」

 

えぇ~…二人きりですか、まあ別にいいけど

そんな訳でアリアは向こうにいるこころの方へ歩いて行った

 

「………君が宮代さんの許嫁だと思うと、私は羨ましいよ」

 

「別に欲しけりゃくれてやるよ」

 

「おいおい、許嫁がそんな事を言って良いのか?」

 

「許嫁なんてのはただの口約束だ、婚約するかどうかなんてのは本人次第だろ…現に俺はする気は無い」

 

「そうなのか?てっきり私は両想いだと思っていたんだが」

 

「別に嫌いでは無い…だがな、俺と婚約したところでいい事なんて一つも無いぞ」

 

寧ろこの爽やかイケメンと婚約した方が断然いいに決まっている

恐らくこう言ったタイプの人間は、相手に尽くす事を幸せと認識している人が多い

 

愛する人の幸せな顔を見れるだけで私は幸せだ……みたいなクッサイ台詞を吐くんだぜ?俺には無理だね

 

「そんな事は無いと思うよ…心から好きな人と婚約出来るなんて、こんな幸せな事は他に無いさ」

 

「それは両想いの間柄であるからこそ現れる感情だ、残念だが俺はアリアの事をそこまで特別扱いしてはいないしする積もりも無い」

 

「何故そこまで彼女を拒むんだ?聞くところによるとかなり前からアプローチをされてるらしいじゃないか」

 

「何故かって?アイツの為だよ」

 

「宮代さんの……為?」

 

「ああそうさ、もし仮に俺とアリアの婚約が成立したとしてだ…いつかアイツは壊れる」

 

「こ、壊れる?それは一体…」

 

「鈍器を振り回す者の近くに物を置けば壊れるのは当然だ…俺は時偶、気が付かない内に凶器(狂気)を振り回す事があるからな…知らぬ内に壊してる事がある」

 

黙り込んでしまう椿、まあこんな返し方されたら誰だって黙り込む

だってこの人達からしてみれば俺の内心事情なんて知った事じゃないんだから

 

「・…でだ、椿…君にとって幸せとは一体なんだ?」

 

「きゅ、急に何を…」

 

「いや、聞き方が悪かったな…君の思う、アリアに与えたい幸せとは何だ?」

 

「彼女への幸せ?」

 

「君はアイツと婚姻を結びたいんだろ?それはアイツを幸せにしたいって気持ちの表れじゃないのかね、だからそれを聞かせてくれと言っているんだ」

 

今は昔と違う

『君を幸せにしたい』何てドラマの様な台詞を言われたところで、その人を信用できる訳が無い

 

物理的且つ合理的に理解を得ないと、人間というものは簡単に信用しない

 

「…私は、彼女に普通の家庭を持つ幸せを上げたいと思っている…若くして大きな組織のリーダーになったんだ、そんな事を考えてる暇は無いと分かってはいる…それでも、その幸せを彼女に与えてあげたいんだ」

 

「成程、それが君の思うアイツへ与えたい幸せか……君は優しいな」

 

「いや、婚約するならこの位は当然だと思っているよ」

 

「そうか…確かに君は優しいな、凡その人が君の優しさに癒され心を掴まれるだろう……だがな、それは99%の人間がという話だ…残りの1%は何も思わないのさ」

 

「まさか…その1%が宮代さんだとでも言うのか?」

 

「ご名答、まさにその通りだよ」

 

まあ、これはアリアと長く付き合ってきた俺だからこそ分かったことだ

まだ付き合いが浅い椿が分る筈が無い話だ

 

「いい事を教えてやる、アイツが本当に求めているのは…自分自身だけを見てくれる人だ、言い方が悪いがそれだけあればアイツは満足する」

 

「それはどういう事なんだ?」

 

「俺は君がアリアの資産目当てだなんて勿論思っていない、だが君は組織や名誉なんかを全て引っ括めてアリアの事を好きだと言っている」

 

「確かにそうだ、私は彼女の持つ組織や名誉…そしてその権威、全て纏めて彼女が好きだ」

 

「残念だがアイツはそんな事を求めていない、何も無しに純粋に自分だけを見てくれる人を求めてる…組織も名誉も権威も何もかも全てを抜き取り本当の自分自身(・・・・・・・)だけを見てくれる人をな」

 

「……何故君はそれを私に教えてくれるんだ?こう言ってはなんだが、もし彼女と婚約すれば一生遊んで暮らしていけるんだぞ?」

 

「生憎と権力や金には興味が微塵も無くてね、そういうモノは面倒事を呼ぶだけだ……アイツを射止めたいなら気長に付き合う事だな、時間から知り得る事もある」

 

「…そうか、彼女が君の事を好きな理由が分かった気がするよ」

 

「あっそう…じゃあ、そろそろいいかね?」

 

「ああ、長々と付き合わせて悪かったね」

 

そう言って椿と別れ、アリアの方へ向かう

ん?こころ嬢と話していると言ったが…肝心のこころ嬢が見当たらないな

 

「ようアリア、こころ嬢はどうした?」

 

「おや、話は終わった様だね…こころは他の方へ挨拶をしに行ったよ」

 

「ほう、そうなのか…」

 

ん?何だあれ

 

会場の済に恐らく飲み物であろう液体が零れておりますが、その近くにそれが入っていたであろうグラスが落ちていた

 

会場を歩いていたスタッフを呼んだ

 

「あ、済みません…ここに飲み物が零れているんですが」

 

「も、申し訳ございませんお客様!今スグに片付けを致しますので!」

 

「ああいえ、さっきまでこんな所に零れていたかなぁと疑問に思っていまして」

 

「私がここを見たのは確か数分前です、その時は見受けられませんでしたが…」

 

「そうですか…ふむ、ジンジャエールか」

 

零れた飲み物を指で掬い、匂いを嗅ぐ

この会場でジンジャエールを飲んでいたのはこころ嬢だけだったな…何で分かるかって?子供が他にいないからだよ

 

「じゃあ取り敢えずこれは片しておいて下さい」

 

「畏まりました、すぐに片付けを致します」

 

俺はジンジャエールの匂いを辿りながら会場の外へ出る…コッチは確か御手洗があった方だな

誰だ今犬とか言った奴、言っておくがコレに関しては華蓮がダントツにスゲェからな

 

匂いだけで人を見分けるとかマジで犬かよ

 

男子トイレの前に着いたのだが

 

「清掃中……か」

 

一応ドアノブを捻るが、鍵がかかっている様で動かない…仕方が無い、強行突破で行こうか

 

思いっ切りドアを蹴り、ブチ抜く…扉はくの字に大きく曲がり外れる

 

「何だ!?」

 

「なっ!?気付かれたのか!?」

 

「だ、誰だ!」

 

「お、ビンゴ」

 

中にいたのは布で顔半分を覆い、サングラスを掛けて顔を見えない様にした如何にも怪しい男三人

 

そしてトイレの真ん中には、恐らくクロロホルムとかそこら辺で眠らされたであろう縛られたこころ嬢がいた

 

「何する積もりか知らねぇが、止めておいた方が身の為だぞ」

 

「うるせぇ!見られたからにはお前もタダじゃ済まさねえぞ!」

 

一番近くにいた奴が俺に銃を向ける、残念ながら飛び道具が無いんだよねぇ

ここは大人しく両手を上げておくか

 

「へっ!素直じゃねえか、動くんじゃねえぞ」

 

そう言って近づいてくる男………阿呆め

射程圏内に入った瞬間、男の手首に左手でチョップを叩き込み銃を落とす

 

ノンストップでそのまま右拳で顔面を撃ち抜く、この表現が一番状況が分かりやすと思うぞ

 

「なっ!?テメェ!」

 

落ちた銃を足で蹴り上げ、キャッチする…そして銃を抜こうとした男の頭へ投げる

 

もう片方は腹を蹴り飛ばし、壁に激突させておく

頭に銃が当たり、ピヨってる奴の顔面を掴み個室のドアへ叩き付ける

やっべドアにヒビ入っちゃった

 

良い子は真似しないでね、危ないから

 

「全く、世話の焼けるお嬢様な事だな」

 

「こころ様!どこに居られるのですか!」

 

おや、黒服さん達の声が聞こえてきたな…あまり大事にならないようさっさと済ませるか

 

こころ嬢の縄を解き、その縄で馬鹿三人を縛り上げておく

俵担ぎでこころ嬢を持ち上げ、御手洗から出る

 

お姫様抱っこ?そんなロマンティックな事を俺がすると思ったのかお前ら

 

「どうも黒服さん」

 

「導寺峠様!丁度良いところに……こ、こころ様!?」

 

「お探しのお嬢様ですよ、あと男性用の御手洗に面白いものが転がってるんで拾っおいて下さい」

 

「は、はぁ…分かりました、誠にありがとうございます御座います…また何か御礼をさせて頂きます」

 

「そうかい、じゃあ期待してるよ」

 

そう軽口を叩いて会場にいるアリアの所へ戻る

 

「どこへ行ってたんだい旦那様」

 

「まあ少し野暮用がね…」

 

その後、発見された馬鹿三人はそのまま御用

誘拐未遂だが恐らく公にはしないだろう、ホテルの面子的にも不味いものがある

 

まあその方がコッチとしても楽だからウィンウィンだな




幸貞君って本当に何者なんでしょうね、書いてる本人ですら分からなくなってくる

まあ、幸貞君のチートをもっと見たいって感想にも来たし…取り敢えずはこのままでいいか(思考放棄)


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31話

電工2種の試験が明日だって、勉強しなきゃ…

まあそれはソレ、これはコレだ
オリジナルとか書きたいなぁとか思ってる今日この頃、でも此処って結構オリジナルにシビアな気がしてるから出す度胸が無い

取り敢えず本編どうぞ


とある日…学校が終わり帰りの準備をしていると、リサからLIN〇で『今日はバンドの練習があるから、先に帰ってね☆』と来ていた

 

元から君と帰る予定は無かったんだがこれ如何に

 

バイトも無いし珍しく一人で帰れたので覚醒楽奏メタフィクションを口ずさみながら帰っていた、分からなかったらググッてね

 

「~♪…ん?猫?」

 

帰路のど真ん中にちょこんと黒い子猫が座っていた、因みに俺は猫派です(唐突)

まあ基本的に動物は好きだね…人間みたいに脳内でゴチャゴチャと考えてから動く訳じゃなく、気紛れで動いてくれるから楽しい

 

じっとしているので、少し撫でてから抱き上げる

何だろう、この猫誰かに似てるな……気怠げでやる気の無さがヒシヒシと伝わってくる

 

「……あっ、モカか」

 

「呼ばれて飛びでてジャジャジャジャ~ン」

 

「お呼びでない今スグ帰れ」

 

「オ~、ワタシニホンゴワカリマセ~ン」

 

I didn't ask the lady,hurry up go away.(私は貴女を求めていない、早くどこかに行け)

 

「そもそも~、呼んだのは幸貞さんじゃないですか~」

 

「はぁ…それで、お前だけってことは無いんだろ」

 

「モチのロンですとも~、皆向こうの方にいますよ~」

 

自分の後ろを指さすモカ、目を凝らしてみるといつものメンバーが息を切らせながら走って来ていた

 

「モ、モカちゃ~ん!急に走って行かないで~!」

 

「モカ!急に走り出すなよ!」

 

「ご苦労なこったな、こんな幼馴染に振り回されるとは」

 

「あ、幸貞…何でモカといるの?」

 

「よう蘭、どこからともなく急にこいつが出てきた」

 

「ふーん…ところで何してたの?」

 

「何かこの猫が誰かに似てる気がしてな」

 

すると抱き上げていた猫は俺の掌からすり抜け、腕を伝って俺の頭へと登った

頭の上でぐでっ、と落ち着いた

 

「ん~…あっ!幸貞に似てるんじゃないか?」

 

「俺?巴にはそう見えるのか…」

 

「いや、私もそう見えるけど」

 

「蘭ちゃんもかよ…俺こんなにやる気のない目してる?」

 

「「「「してます(ね)」」」」

 

「ハモらなくてもいいんじゃないかな…」

 

頭の上にいる猫を撫でながらそう言う…この猫、絶妙なバランスで俺の頭から落ちてこない…やりおるな

 

「じゃあ俺は帰るから、またね」

 

「「「「え?」」」」

 

「さよ~なら~」

 

何かまたハモってる気がするが、早く帰りたいのでスルーしていくスタイル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか頭に乗せたまま帰るとは思わなかった…」

 

「同意するぜ蘭…と言うか、何であの猫も落ちないんだろうな」

 

「ん~…爪を立ててるとか?」

 

「ひまりちゃん、流石にそれは無いと思うけど…」

 

「お腹空いた~、今からパン買ってい~い~?」

 

「何でモカは無反応なんだよ…まあそれがモカらしいんだけどさ」

 

「幸貞だったら夜ご飯の事を考えてるかもね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブエッキシっ」

 

誰か噂してやがるな……そう言えば今日の晩飯何かな?

 

「たでーま」

 

「お帰り、そろそろ夕ご飯にするから着替えてきて」

 

「へいへい」

 

自室に行き、制服から部屋着へ着替える

そう言えばアリアから秘境宿に誘われてたんだな…リサと友希那だけじゃいつも通りだし、アリア頼んで裕次と陽音達も行けるか頼んでみるか

 

「たっだいまー!」

 

「早かったね姉さん、もう夕ご飯出来るから序に幸貞呼んできて」

 

「おっけ~」

 

と、着替えている内に晶奈も帰って来た様だ

チャチャッと部屋着のパーカーに着替え、晶奈が扉の前に来るタイミングを見計らって思いっ切りドアを開けた

 

ゴンッ!と鈍い音が鳴り響く、おでこ痛そ~

 

「あべし!?」

 

「あ、スマン態と」

 

「わ、態とでもね…やっていい事と、やっちゃダメな事があるんだよ…幸貞」

 

「扉の前に立つ貴女が悪い」

 

「私が呼んできてって言われたの聞いてたでしょ!?扉の前に立つって分かってたでしょうが!」

 

「だから思いっ切りドアを開いたんだろうが」

 

「この愚弟が……」

 

「なんだとこの愚姉が」

 

「喧嘩してないで早く下に降りて来てくれる?もうご飯出来てるんだけど」

 

「「はーい」」

 

まあ、こんな事では喧嘩にはならない…そこそこ仲は良いと思ってるからな

それに晶奈も華蓮と同じであまりキレる事が無い、と言うか怒らない

 

しかし全く怒らないという訳では無い、数年に一度ブチギレる…勿論それは完全に相手に非があり殴っても問題ないような状況の時だけだ

 

それはもう凄まじい…男勝りの怒号を飛ばしヤッさんの様な言葉遣いになり、終いには母直伝『全力殴殺(ぶっぱなし)』を放つ

 

だからこそ滅多なことが無い限りは怒ることがない

 

「「「いただきます」」」

 

今日は回鍋肉に餃子と炒飯か…随分と高カロリーなものばかりですな、さては学校で腹が立つことがあったな華蓮

 

「……ねえ、幸貞」

 

「なんだい華蓮さん」

 

「さっきから気になってたんだけど、そのフードに入ってる猫は何?」

 

……………あっ、忘れてた

なんかすっごい馴染んでて普通に猫の存在を忘れてたわ、いい感じに俺のフードに収まってるし

 

「あ、本当だ~…フードに猫入ってるじゃん、拾って来たの?」

 

「どうだろう、そうなるのか?何か抱き上げたら腕伝って頭の上に乗られてさ…それから完全に存在を忘れてた」

 

「最早鈍感とかそう言うレベルじゃ無くなって来てるわよ」

 

「それでどうするの?今更外に出せってのは可哀想じゃない?」

 

「飼うなら飼うで別にいいわよ…仕送りは余る程あるし、子猫一匹なら余裕で養えるわよ」

 

「じゃあ猫の用品やら用意するものは俺が買ってくる、餌やりとかはもし俺が忘れてたやっといてくれ」

 

「丁度明日休みだし行ってきなよ」

 

「ああ、そうする」

 

という訳で、今日から我が家に黒猫が一匹増えました

 

翌日

ウチの姉妹達は基本的に休みの日は必ず家にいない、という訳で俺は用品を買いに出かけるか

 

出かけようとすると、フードへうちの猫が入ってきた…え?一緒に行くの?まあ別にいいんだけどさ……黒フードに黒猫だからもう分かんねぇなこれ

 

てな訳で買いに行くか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えーっと先ずは…キャットフードかな、でもコイツ子供だしどうなんだろう…

 

ま あ い い か

 

低塩分の煮干しも買っておくか、水とか餌の皿はいくつか皿をかっぱらって代用すればいいし

後はトイレとそれ用の砂だな……結構な荷物になるなこれ

 

取り敢えず会計を済ませる

 

「一度に買おうとか思わなければよかったな…やけに荷物が増えてしまった」

 

まあ致し方なし、さっさと帰って色々と準備しなくちゃな

 

「あれ~?こんな時間に外に出てるなんて、珍しいね幸貞」

 

「おやリサさんですかい、まあちょっと買い物にね」

 

「そうなんだ~…って、うわっ!何その量!?」

 

「一度に済ませようとか思ってた自分を殴りたいね…そう言えば友希那とは一緒じゃないのか?」

 

「今待ち合わせしてたんだ~、これから友希那とお買い物だよっ」

 

リサはまだ分かるが…あの友希那が買い物と言うと音楽関係しか思い付かんな

服とか買ってる姿が想像出来ない、まあだからリサが連れて行くんだろうな

 

「お待たせしてしまってごめんなさいリサ…あら、幸貞?」

 

「おっ!来たね友希那~、今幸貞と喋ってたんだよ~」

 

「そうなの…それで、幸貞の持ってるその大量にある荷物は一体何かしら?」

 

「そう言えばアタシも聞いてなかった」

 

「ペット用品だよ…それも猫用ね」

 

「猫……!」

 

流石は友希那、ねkと言いかけた辺りで既に目の色が変わっていた

本当に好きだよね君

 

「へー!猫飼い始めたの?」

 

「ん~…拾った、と言うかついて来たって言い方が一番しっくり来るんだが…まあ飼い始めたのは事実だな」

 

「じゃあ今度幸貞の家に見に行っていい?友希那も見たがってるし」

 

「猫なら俺のフードに入ってるぞ」

 

その瞬間に友希那が俺の背後を取った…何だコイツ、暗殺でもする積りかよ

 

「焦るなよ…ほら」

 

フードから抱き上げ、友希那へパスする

 

「猫…!にゃーん」

 

「おうふ…」

 

「ゆ、友希那が尊い…」

 

友希那はリサと俺に会心の一撃を放ってきた、尊さ的に最早瀕死レベルまで追い込まれたんですが

 

鼻から尊さが溢れ出しそう

 

「リサ、写真撮っておけ」

 

「分かってるよ、こんな貴重で激レアな瞬間を逃してたまるもんですか」

 

しかしあっちの(友希那)はにゃーにゃー言っているが、うちの猫さんは全然鳴かないな

多分鳴くことすら面倒なんだろうね、何となく分かる

 

「ああそうだ、アリアが旅館に泊まりに行かないかって誘われたんだが…お前達もついて来るか?」

 

「え?いいの?」

 

「別に、寧ろアイツから誘ってきたらどうだって言われたからな…行くなら日程とか後で教える」

 

「じゃあ折角だしついて行っちゃおうかな~、友希那にはアタシが後で聞いておくよ」

 

「そうかい…予定ではあと二人程男友達を誘う積りだから」

 

「えっ…幸貞って、友達いたんだ…」

 

「おう何だ文句あるのかよリサさんよぉ」

 

「てっきりアタシ達とか他のバンドにいる娘達だけと仲が良いと思ってたから」

 

「別にアイツらとも仲が良い訳じゃないぞ、花音ちゃんと燐子ちゃんは別だがな」

 

「なんで変なところで素直じゃない上に変に素直なの…」

 

「だってそれ以外のヤツらは大概相手にするだけ面倒だから」

 

「ふーん…幸貞は大人しい娘が好みと」

 

「まあ出来ればその方が好ましいな…友達付き合いとしてだけどね」

 

「だろうと思ったよ」

 

「そろそろ友希那呼ばなくていいのか?出掛けるんだろこれから」

 

「それもそうだね…ゆっきなー!そろそろ行くよー!」

 

すると友希那の腕の中に収まっていたうちの猫さんは、飛び降りて俺の方へ寄ってきた

 

何故か猫さんにめっちゃ見つめられたので抱き上げると腕を伝ってフードに戻った……自分じゃ届かないから手伝えって事だったのか

そういや名前決めてないな…帰ったら決めるか

 

「じゃあまたね幸貞」

 

「ああ」

 

「そ、その…幸貞……ま、また…」

 

「はいはい分かってるって、機会があったら触らせてやるよ」

 

「あ、ありがとう」

 

どんだけ猫好きなんだよこの娘、普段のクールさから一転してるギャップが凄まじいよな本当に

まあ友希那も女の子ってことか……こう言うと友希那を女の子扱いしてないみたいな言い方になるがそういう訳じゃないからな?

 

取り敢えず俺もさっさと帰らねば




俺は猫派です(唐突)

別に犬も嫌いではないですが、猫の方が断然に好きですね
てかまあ基本的に動物は好きですね

ああああ試験とか嫌いだよこんちくしょうがぁぁぁぁ
取り敢えず頑張るか…以上私事でした


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32話

投稿遅れてマジすいません

作者的に、もう夏前まで待って夏回に突入するか…と思ってたので構想練りつつ(そんなに練ってない)時期を待ってたと言い訳をさせて下され

本音的には何書いたらいいか分からない時期だった(要はネタ切れ)
まあ夏というネタが入ってきたので、取り敢えず頑張ります

では本編どうぞ


さて、時期はそろそろ夏…太陽の陽が照りつけ大地が焼ける季節

 

「ここで幸貞にもんだーい!」

 

「急になんだよリサ」

 

何故かリサが俺の家に押しかけてきた、まあ今日は休みだし姉二人もいつもの様に居ないので別にいいが

 

「今からアタシがやろうとしてることは何でしょーか!」

 

「水着買いに行くとか言うんだろ?絶対嫌だからな」

 

「幸貞なら一瞬で答えるだろうな〜って思ったけど、やられてみると案外詰まんないね」

 

「それを俺に言わんで」

 

するとリサはどこかに電話を掛け始めた、アリアか?いや確かアイツは夏に本国へ帰るとか言ってたし

どうもあの姉妹は暑いのに弱いらしい、まあ生まれがロシアだし仕方ないね

 

「……うん、うん…じゃあ今からね〜」

 

「終わったか?で、誰と話してたんだよ」

 

「ふっふっふ〜…日☆菜」

 

「は?」

 

次の瞬間にはインターフォンが鳴っていた

ガタッと二人して立ち上がると同時に、俺はリサの両肩に手を置き押え付けるように力を掛ける

 

てか来るの速スギィ

 

「まあまあお客人様、ゆっくりここで座っていればよろしかろう?」

 

「いやいやいや、押し掛けたのはコッチだしこれくらいはアタシがやるよ」

 

「何言ってやがるリサ、そんなのいつもの事だろ気にすんな」

 

「でもこのまま幸貞行かせたら絶対追い払うでしょ、折角呼んだのに意味無いじゃん!」

 

「お前本音がダダ漏れになってんぞ、て言うか当たり前だろそんなの追い払わない方がおかしい」

 

リサと格闘していると、急かすようにインターフォンを連打し始める訪問者

インターフォンでマリオを演奏するな、つーか出来んのかよそんな事

 

「……はぁ、取り敢えず出てくる」

 

「追い払っちゃダメだよ?」

 

「分かったよ」

 

ドアを開けると、案の定天災がムスッとした表情で待っていた

 

「もー遅い!待ちくたびれちゃったよ!」

 

「なら別に帰ってもよかったんだぞ、寧ろその方が俺的に嬉しい」

 

「それは絶対やだもーん、りさちーがユッキーと水着買いに行くって言うから来たんだもん」

 

「それでいいのか女子高生……で、氷川先輩的にそれは如何なんですか?」

 

何故か氷川先輩も来ていた、ストッパー係としては持ってこいなんで寧ろいて欲しかったから丁度いい

 

「わ、私としては…その…つ、付き合ってもいない人とそのような場所に行くのは…あ、あまり良くないと思います」

 

「ええーー!!おねーちゃん一緒に行こうよぉ!!」

 

「おい、なんで行く前提で話を進めてんだよ」

 

「え?ユッキー行かないの?」

 

「行かねぇよ、何でも不思議そうに聞いてくんだよ」

 

「だって女の子が水着選ぶんだよー?嬉しくないの?」

 

「いや全然、家でダラダラしてる方が数百倍魅力的」

 

と言うかまず外に出たくない、こんなクソ暑中で態々外出する理由が見当たらない

そもそも何故海に行く前提で話してたんだリサは

 

「ねーいこーよー!!」

 

「喧しい、行きたいならリサと氷川先輩がいるだろ」

 

「それじゃ全然るんって来ないの!!」

 

「知るかよ」

 

「何〜、まだ言い合ってるの?」

 

俺の肩に顎を乗せ、後からひょこっとリサが顔を出す

すっごい密着してるんですが、コイツ割とデカいんだよな…本当に高2かよ

 

「いいじゃん幸貞〜行こうよ〜」

 

「このクソ暑い中外に出るって?論外だね、俺は家にいる」

 

「幸貞さー、休みの日って全然外に出ないじゃん」

 

「今のは聞き捨てなりませんよ導寺峠さん、休みの日だからといって一日中家で寝ているのは体良くありません…適度に外へ出て運動しなくては学生としての健康を損なうかもしれません、いいですか?もう導寺峠さんも高校せ(ry」

 

「あっ、狙いやがったなリサ」

 

「ふっふ〜ん、狙い通り」

 

「聞いているんですか導寺峠さん?」

 

「分かった分かった、行けばいいんだろ行けば」

 

リサと日菜は『イエーイ』とか言ってハイタッチをする、テメェら後で覚えておけよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、そんな訳でショッピングモールまで出てきましたよ…超不本意だけどな

 

「なぁ、本当に俺も一緒に入らなきゃ駄目なの?」

 

「幸貞に感想貰おうもしてるのに本人が来なくてどうするの」

 

「その役割は俺でなくてもいい気がする」

 

「ダーメ、ほら行くよ」

 

男一人、何が悲しくて女性物の水着売り場へ入らなきゃアカンのや

こういうのは燐子ちゃんとか花音ちゃんに着させて恥ずかしがる姿を見る方が楽しいだろ

 

そこの君達もそうだろ?

何の話かって?別に気にする事はない、ただのメタだ

 

「ねえねえ!ユッキー的にこれとかどう?」

 

「ん?…ああ、いいんじゃね?」

 

「えーなんかテキトー」

 

「正直な話、お前ら何でも似合うからどれがいいとか困るんだが」

 

「ねえユッキー、それ素で言ってる?」

 

「はぁ?何の話してんの?」

 

「幸貞って唐突に凄いこと言うからねー、日菜も気を付けておきな」

 

「うん、そうするよりさちー」

 

さっきから何の話してんのコイツら?全くついていけないんだが

因みに氷川先輩はあっちの方で顔を赤くしながら水着を見てる、(うぶ)か貴女は

 

「うん〜…どれがいいかなぁ」

 

「日菜だったら〜…これとかどう?アタシ的に日菜のイメージカラーが水色なんだよね」

 

「あ!これるんって来た!」

 

「ホント?よっかた」

 

因みに未だに顔を赤くしながらその辺にある水着を見て回る氷川先輩、恥ずかしいけど気になって見て回ってしまう初な女の子だね

 

「買うもの決めたからお会計済ませてくるね〜」

 

「楽しみにしててよユッキー!」

 

「はいはい、分かったからさっさと行ってこい…俺は外にいるぞ」

 

「分かった〜、じゃあパパっと済ませてくるね」

 

店を出る前に氷川先輩にも声を掛けてくか

 

「氷川先輩、俺はもう外に出てますが…まだ見てますか?」

 

「わ、私も外に出ます」

 

「氷川先輩は買わなくていいんですか?」

 

「別に私はいりません、夏休みは遊びに行く時間など無いので」

 

「バンドですか?」

 

「それもありますが、勉強や自主練習もありますので」

 

さっきリサはウキウキ気分で水着を買いに行ったのだがこれ如何に

まあ詰め込み過ぎるのも宜しくないし、時偶の休養も大切だぞ

 

友希那とかも同じこと言いそう、てか絶対言う…そしてリサに引っ張られて海に連れてかれるんだろうな

 

「お待たせー!」

 

「来たか…で、この後どうするんだ?」

 

「そろそろお昼の時間だし、どうせなら食べていく?」

 

「アタシさんせーい!おねーちゃんもいいでしょ?」

 

「私はどちらでも構いません」

 

「そう、じゃあ食べてくか」

 

という事なので、お昼は某イタリアンファミリーレストランに入った

めっちゃ安いよねここ

 

と言うか氷川姉妹の食べる量がえげつない、一人で2000円分位の量を平らげてた

まあ俺もそのくらい食べたけどさ、男子と女子じゃ食べる量は違うじゃん?俺と同じ量食べるとかヤバいだろ

リサはパスタ食ってた

 

「はーお腹いっぱい!」

 

「ゲーセンで使う金が残ってくれるから安くて助かる」

 

「幸貞ってそれ以外にお金使わないの?」

 

「使わん、別に欲しい物がある訳でもないのに無闇に使うか」

 

「男の子ってそう言うもんなのかな〜?」

 

「知らんな」

 

さて、買い物も終わって飯も食ったし…もう帰りたいんだが

 

「すみません、御手洗に行ってもいいでしょうか?」

 

「あ、俺も行くわ」

 

「分かった〜、じゃあアタシ達はあっちで待ってるね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ〜スッとしたぜぇ、取り敢えず氷川先輩待ってよう

 

「あっ、待っていたんですか導寺峠さん」

 

「まあ一応、変な奴に絡まれてもこっちが面倒なんで」

 

「ふふっ、そうですか」

 

待って、何かデジャヴ…大概リサとか友希那辺りを女の子だけで待たせてるとアレなんだよね

 

「おっ、2人とも可愛いね〜…俺達と遊ばない?」

 

「あの〜友達待ってるんでそう言うのはちょっと…」

 

「いいじゃんいいじやん、友達って女の子?だったら皆で遊ぼうぜ」

 

出 た な D Q N

ほら見ろこうなってんだろ全く…はぁ、面倒臭いなぁもう

 

「導寺峠さん、あれ…」

 

「分かってますよ、俺がどうにかしてきますから」

 

「……すみません、頼みました」

 

「頼まれました」

 

リサと天災の方へ歩み寄る、すると逸早く天災が俺に気が付いた

なんかこう、パッと表情変えて尻尾振ってる様に見えるな…犬だ、まさに犬だな

 

「あ?誰だお前、いきなり出てきやがって」

 

「悪いがそいつらは俺のツレなんだわ」

 

「はぁ?おいおい横取りは感心しねぇなあ」

 

「それに…そんなに遊びてぇなら俺が相手になるぞ?顔面戦闘力共」

 

その一言だけで3人いた男達全員が青筋を立てた

馬鹿は扱いやすくて助かる、簡単にこっち(喧嘩)方面へ引きずり込める

 

解決(物理)が早くて楽だわぁ

 

「あぁ!?舐めてんのかよテメェ!」

 

「ハイハイ御託はどうでもいいからさっさと済ませね?丁度そこにいい感じに人が来ない場所があるんだ」

 

「上等じゃねえか!」

 

数分後

 

「はぁ〜つっかえ」

 

「あれ?あの人達は?」

 

「随分とあそこの床が気に入ったみたいでな、気絶するように眠ったよ」

 

「それ普通に気絶したんじゃないの?」

 

「知らん、根性の無い奴らだったけどな…もう帰ろうぜ」

 

という事で帰宅

家に着くとこの前拾った猫が俺の足元へ駆けてきた、因みに名前は『ユキ』になった

黒猫なのに雪って…と思ったが、正直他に考えるのも面倒なので決定した

 

しかしアリアは俺の事をユキと呼んでたよなぁ、まあいいか

抱き上げると腕を伝って頭の上へぐでっと落ち着いた

 

「ただいま…あら、貴方も今帰ったの?」

 

「ああ、少しリサ達の買い物に付き合わされてな」

 

「その買い物水着と見た」

 

「何で分かんだよ怖いわ」

 

「時期的に夏に近付いてくるし、リサちゃんならそうだろうなぁとおもってね」

 

「さいですか」

 

「あら、ユキはまた頭の上に鎮座してるのね」

 

「どうやらお気に入りの様ですよ」

 

「そう…じゃあ夕飯作るから待ってなさい、姉さんもそろそろ帰ってくると思っわよ」

 

「へいよ、部屋で待ってる」

 

部屋に戻って音ゲーをしているのだが、ユキが全く落ちてこなくてスゲェ

どんなバランスで俺の頭に落ち着いてるんだこの猫

 

しかも一回も起きないし、こいつはたまげたなぁ

 

まあこの後は特に何もなく、夕飯食って寝て終わり

明日学校やんけぇ…さっさと夏休みに入らんかなぁ




最近、部活(剣道)を引退しましたぁ…チカレタ
団体で当たりは最悪でしたが、俺は一本取られて取って…最終的に引き分けたんで良しとしましょう
まあチーム的には一回戦敗退ですがね、笑えよ

その帰りにカラオケに行きましたよ、楽しかった(小並感)

以上私事でした


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33話

はいお久し振りです皆様、作者ことAZAZELデス
就活に響いてくる中間テストを無事に終え、多分このまま行けば大丈夫そうですね

さて、時期も夏というイベントへ一刻一刻と近づいてますねぇ
書けるネタが増えてきそうで俺は嬉し、というか助かる(歓喜)まあそんなわけなのでどうかこれからもよろしくお願いします

では、本編どうぞ


クソあちぃ今日この頃…まだ梅雨が開けていないにもかかわらず、何処も彼処も高気温を叩き出していた

 

「あっつ〜い…幸貞く〜んあっつ〜い」

 

「丸山先輩、存在が暑苦しいです」

 

「えっ!?私そんな暑苦しい!?」

 

どこかの太陽(もど)きよりは暑くないけどね

もっとぉ、熱くなr(ry

 

まあそれはどうでもいい、俺は今何故か丸山先輩と昼飯を食っている…よく分からんが連れてこられた

因みに女王様は飲み物を買いに行った

 

「はい、飲み物買ってきたわよ」

 

「わぁ!千聖ちゃんありがとう!」

 

「ほら、貴方にも」

 

「ああ、悪……」

 

こいつホットコーヒー買ってきやがった、くそやられた

通りでニヤニヤしながら自ら名乗り出た訳だ…狙ってやがったなこの野郎

 

「本当、いい性格してるよなアンタ」

 

「え?ちょ、ちょっと!何で少しづつ私のほっぺに近づけてくるの!?」

 

「そういう貴方もいい性格してるじゃない」

 

「待って幸貞君!熱い!ほっぺ熱いからぁ!」

 

丸山先輩の頭を鷲掴みして、逃げれない様にしながら頬へ熱々のコーヒーを押し当てる

 

「冗談よ、こっちも買ってきてあげたから」

 

「最初からそれを渡して下さい」

 

押し当てていたコーヒーを離し、受け取った炭酸飲料を丸山先輩の頬へ当てる

 

「ひゃっ!はぁ〜冷たーい」

 

「そのコーヒーは要らないなら貰うわよ」

 

「別にいいですよ、飲みますから」

 

「そう、律儀ね」

 

無料(タダ)ほど美味いものはない」

 

「前言撤回するわ、とんだ屑ね」

 

ひでぇ言われようだなぁ全く、誰しも人から奢ってもらう飯は美味いと感じるだろ?

人間なんてそんなもんだぜ

 

「で、何故俺を昼に誘ったんですかね」

 

「相変わらず嫌に鋭いわね…変な所で鈍感の癖して」

 

「大概貴女方に誘われる時は何かしら面倒事を持ってくるんで」

 

「あら、酷い言われようね」

 

「事実ですし今までの経験上、そんな事しか無かったんですよ」

 

「そうだったかしら?あんまり覚えてないわね」

 

すっとぼけてんなこの人、確信犯じゃないですかヤダー

満面の黒笑を浮かべながらこっちを見るんじゃないよ、笑顔が黒く輝いてるから

 

「冗談よ、いつも助かってるわ」

 

「左様ですか…で、今日呼ばれた理由は?」

 

「まあザックリ言えば仕事のお手伝いをして欲しいの」

 

「まあいつもの事ですね…何のですか?」

 

「撮影の付き添いよ…ほら、柿谷さんも女性じゃない?そうなると男手が足りなくて」

 

「要は荷物持ち兼雑用か、まあ別にいいけど」

 

「ありがとうね、幸貞君」

 

次の休みに朝から事務所へ集合らしい、どうやら撮影場所は少し遠い様なので柿谷さんの車で向かうそうです

一体どこまで行くんでしょうねぇ、姉達は休みの日家にいないからユキを家に残していくのは少し不安なのだが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

てな訳で日は過ぎ去り休みに突入

 

「あ!おはよう幸貞君、毎度の事ながらごめんね〜」

 

「どうも柿谷さん、別に気にしなくていいですよ…もう慣れてきたんで」

 

「もういっその事マネージャーになる?」

 

「やめておきます」

 

超輝く笑顔で言われたので俺も満面の笑みで返しておいた

柿谷さんの車デッカイワンボックス、まあパスパレ5人と俺が乗れるんだもんな

 

「やっほー!おはようユッキー!」

 

「はいはいおはようさん、朝から元気だねぇ君」

 

「ユッキーも一緒に来るって言うから昨日からるんって来てたんだ!」

 

「左様ですか」

 

そう言えば座席の組わせはどうするんだろうか

いやもうここは俺が前に座って後部座席にあの娘達を座らせればいいだろ

 

寧ろそれ以外ありえないよな、当たり前だよなぁ

そんなことを思っていたら全員が揃ったようで

 

「じゃあ揃ったみたいだし、皆車に乗っちゃって〜」

 

「あら?どこに座ろうとしてるのかしら幸貞君?」

 

「何処って、普通に柿谷さんの隣だろ」

 

「ええー!!一緒に座ろうよ〜!!」

 

「えぇ、何でよ」

 

「一緒にすーわーろーうーよー!!!」

 

「ほら、日菜ちゃんが言うんだから早く後部座席に座りなさい?」

 

「えぇ....(困惑)」

 

そんな訳で何故か1番後ろの席にイヴと天災に挟まれる形で座らされた

因みに女王様が柿谷さんの隣、真ん中は丸山先輩と麻弥ちゃん

 

この座席組み合わせで車が動き出した

 

「ねーねーユッキー、最近のおねーちゃんどんな感じー?」

 

「氷川先輩?そうだな…」

 

何かそういえば最近、これまた何故かリサと友希那に連れて行かれ強制的にRoseliaのアドバイスをする事になった時があったな

 

確かその後にいつものファミレスに寄って飯食って帰って…隣が氷川先輩とあこに挟まれてたなあの時は、前の席に友希那とリサと燐子ちゃんが座ってた

 

それで本題なんだが、氷川先輩は頼んだハンバーグを綺麗に平らげていたのだがポツンと人参だけが残っていた

 

「あれ?氷川先輩、それ食べないんですか?」

 

「っ…え、ええ…もうお腹が一杯になってしまったので」

 

「そうなんですか…じゃあ食べましょうか(・・・・・・・)

 

「いいんですか?」

 

残った人参をフォークに刺し、持ち上げ……スッと氷川先輩の口へと運んだ

突然の事で氷川先輩は一瞬何をされたか分かっていなかったが、みるみる内に顔が青ざめていった

 

そして急いでコップを手に取り、勢い良く水で流し込んだ

笑ってない目をしながら満面の笑みで俺を見てきた

 

「………導寺峠さん?」

 

「いやほら、言ったじゃないですか…『食べましょうか』って、イントネーションだけで意味が変わるって日本語は難しいですねぇ」

 

「そう言う問題ではありません」

 

思いっ切り俺の両頬を引っ張る氷川先輩、結構痛いんだが

流石に力で女の子には負けないので、両頬から氷川先輩の手を引っぺがす

 

「ちょ、痛いですよ…しかし意外ですね、氷川先輩にも苦手なモノがあったとは」

 

「べ、別に苦手なモノの一つや二つ私にだってあります」

 

「いや〜しかし風紀委員様にまさか嫌いな食べ物があるとはなぁ、出されたモノは食べなきゃ作ってくれた人に失礼では?」

 

「うっ…そ、それは…そうですが……」

 

「じゃあこれも食べなきゃダメなんじゃ無いですか?」

 

満面の笑みを浮かべながら人参を刺したフォークを氷川先輩に近づける

一瞬で青ざめ、俺の腕を掴み抵抗する

 

「幸貞〜、もうその辺にしといてあげなよ〜」

 

「いやー、ね?氷川先輩を弄る事ってあんまり無いから楽しくてつい」

 

「相変わらずの性格をしてるわね、幸貞」

 

「ていうかお前ら二人分かってるんなら助けてやれよ」

 

「やってる本人が言うことかしら?」

 

ド正論でございますね、とまあこんな事があったなぁ

 

「いや、別に特に無いけど」

 

「え〜そうなんだ〜、何かあると思ったんだけどなぁ」

 

「その割には随分と長いこと考えてなかったかな幸貞君…」

 

まあ言いませんけどね、言ったら言ったで面倒臭そうなんでね

そして丸山先輩、それは言わないお約束

 

しっかしかれこれ1時間程車は走っているのだが、目的地につく様子は無い

結構遠い所なんだな

 

そしていつの間にか俺の膝には天災が横たわっていた、寝てるわこの娘

 

「なあイヴ、これ今どこに向かってるんだ?」

 

「チサトさんから聞いてませんか?」

 

「いや何も」

 

「これから海で撮影があるんですよ!」

 

「へぇ………ん?海?」

 

「はい!」

 

あっ…(察し)ふーん

読めたぞこれ、さては水着撮影だな…あの人(女王様)自分が楽しむ為に俺を呼びやがったな

 

まあ女の水着どうこうで俺がどうなるとも思えんが、一杯食わされたのはしてやられた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

という訳で海に到着致しました、荷物降ろしをして海辺目をやる

どこの海だか知らないが超綺麗だな

 

「幸貞くーん!こっちだよー!」

 

「はーい」

 

柿谷さんに呼ばれたのでさっさと向かいましょうかな

 

「まあ予想通りだわな」

 

「詰まらない反応ね、もう少し慌ててもいいんじゃないかしら?」

 

「俺が慌てると思うか?」

 

「想像できないから見てみたいと思うんじゃない」

 

「はいはいそうで御座いますか」

 

予想通りパスパレの水着撮影会でした、全員イメージカラー通りの水着を着てるから笑ったけど

 

いやーしかし流石はアイドルだわ、健康的な肉体をしていますわ

そしてやはり麻弥ちゃんが一番だな…何がとは言わないけどね、まあ女性はそこだけが大事という訳じゃないし

 

しかしこう見ると本当ひまりちゃんえげつないモン持ってるよなぁ、何食ったらあんなに育つんだか

 

「みてみてユッキー!これ前に一緒に買いに行ったやつなんだよ!似合ってる?」

 

「似合ってる似合ってる、だから取り敢えず飛びつこうとするな」

 

「ありがとユッキー!」

 

「だから飛びついてくるなって言ってんだろが」

 

頭を抑えて飛び付けないようにしてはいるが…ていうか水着の状態で男に抱きつこうとするなよ

 

「ていうかさっさと撮影に行ってこい」

 

「ほら日菜ちゃん、早く行かないとスタッフさんが困ってるわよ」

 

「はーい」

 

パスパレの娘達が撮影に入ったので暇になった、しっかし海が綺麗だなぁ

そして何より暑っつい、ひたすらに暑い…マジ溶ける

 

「お疲れ様、幸貞君」

 

「ああ、お疲れ様です柿谷さん」

 

「毎度付き合ってもらってごめんね〜」

 

「まあ暇なんで構いませんよ、やる事もないんでね」

 

「そうなの…それで〜、皆の水着はどうだった〜?」

 

少しニヨニヨしながら聞いてくる柿谷さん、そう言えばこの人ってこういう人だったなぁ

 

「どうも無いですよ、皆似合ってましたし」

 

「あはは、流石は幸貞君…あれじゃ動じないか〜」

 

「何を期待していたんでしょうね、全く」

 

「いや〜幸貞君もお年頃の男子高校生だから、何かあるかなぁ〜ってね」

 

「生憎と俺は普通では無いんでね、そこら辺の男子高校生と比べられちゃ困りますよ」

 

「自信満々に言うところじゃ無いと思うんだよねそれ」

 

知ってますよ、だがこれが俺の個性だ

誰にも無い…ていうかこんなの量産されてたまるかって個性だからな

 

因みに撮影が終わった後、時間が余ったらしくパスパレの娘達は海で遊んでいた

そして相変わらずの女王様、全員に日焼け止めを塗っていた辺り流石ですわ…抜かりなし

 

そんな感じで俺の一日が終わった………しかし夏かぁ、何するか全然予定決めてないな

 

まあ家で適当にゴロゴロしてるか、多分優珠も帰ってくるだろうし………何だかんだで予定埋まりそうだな畜生




新しいイベントはトラマスでしたね
なんか今回のトラマスはめっちゃ簡単に感じました、イベント初日に回収できましたよ

星三も回収したんであとは適当に遊んでることにしました

皆さんもイベント頑張って下さいね


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34話

はいお久し振りです皆様

夏イベ…そう、水着イベが始まりましたよ
20連引きましたがイヴちゃんも有咲ちゃんも来ませんでした畜生

さて、それはそうと俺の小説でも水着回なるものを書こうと思っていますが…誰を出しましょうか
まあ友希那さんとリサ姉は確定してますが、他どうするかな

まあそれはそれで、本編どうぞ


さて、俺にも夏休みという名の長期休暇がやってきた訳だ

だが俺だって男子高校生、有り余る体力を程々に使いたいなぁと思う今日この頃…だが面倒なのはお断りだ

 

そんな訳でcircleでバイト中、まりなさん曰く『夏休みなんだから皆と遊んで来なよ〜!』らしいが…はてさて皆とは誰の話かな?(すっとぼけ)

 

「にしてもあっちぃですねぇ…」

 

「ホント暑いよねぇ〜」

 

「まあここはクーラー効いてますから涼しいですけど、外は半端ないッスね」

 

「だねぇ〜…あっ、今日はポピパにRoseliaとafter glowって幸貞君の知り合いが沢山来るからね」

 

「うーわマジですか、面倒くせぇ」

 

「相変わらずだねぇ幸貞君…」

 

だってねぇ、こんなクソ暑い中であんな面倒な奴らと…特に香澄とか花園とかさぁ、ポピパの奴しか上げてないのは別に悪意じゃないからな?

 

いやまさかね、俺がそんな事をね

 

「幸貞君は夏休みに予定とかないの?」

 

「いや、特に無いですね」

 

「そうなの?てっきりあの娘達と出掛けるのかと思ってたんだけどなぁ」

 

「まあ若しかしたら連れ出されるかもしれませんがね」

 

「あー……成程ね」

 

そんな事を話していると、どうやらアフグロの娘達が到着したようだ…一番にひまりちゃんが駆け込んできた

あんまり走らない方がいいと思うよ、うん…何故って?そりゃあなぁ、あんなデカいもん持ってたらねぇ?

 

あと汗とかで服透けた(ry

 

「涼しー!」

 

「こんにちは、相変わらず元気いいねぇ」

 

「あ!お兄さんこんにちは!まりなさんもこんにちは!」

 

「ひまりちゃんこんにちは〜」

 

「これ予約の鍵ね、クーラー効いてるとはいえ水分補給は忘れんなよ」

 

「「はーい!」」

 

つぐみちゃんとひまりちゃんが元気な返事を返してきた

あ"〜癒されるねぇこの娘達

 

アフグロの娘達が行ったあと、若干ニヤニヤしたまりなさんが話しかけてきた

 

「やっぱり仲良いねぇ〜幸貞君」

 

「そうですかね…まあ、仲が悪い訳じゃないんでそうかもしれませんね」

 

「素直に仲良いって言えばいいのに…捻くれてるよねぇ」

 

「それが俺なんでね」

 

「まあ確かに幸貞君らしいと言えばそうだけどさ」

 

そうだよ(便乗)

まあこれがなかったら最早俺の個性なんてものは無いと思うね

 

次にやってきたのはRoseliaの娘達、燐子ちゃんが大丈夫じゃなさそう

 

「ようお前ら、水分補給ちゃんとしとけよ」

 

「やっほー幸貞、相変わらず変な所で気が使えるよね〜」

 

「何だよ変な所って…まあ自覚は無きにしも非ずだけどさ」

 

「多少はあるんだ…」

 

「幸貞、早く鍵を頂戴」

 

「ああはいはいこりゃ失礼……はい、これな」

 

銀髪美少女様に急かされてしまったよ

友希那へ予約されていた鍵を渡すと、全員に声をかけてさっさと行ってしまった

 

「あ!そうだ!」

 

「おん?どうしたあこちゃん」

 

「幸貞さん幸貞さん!夏休み中に一緒にゲームしましょうよ!」

 

「ゲームってアレのこと?別にいいよ、連絡くれればいつでもするよ」

 

「わーい!やったねりんりん!」

 

「いいん…ですか?幸貞さん、予定とかは…」

 

「別にこれといって無いし、偶には廃人になるのも悪くない」

 

「そ、そう…ですか…」

 

「じゃあ今度やりましょうね!」

 

ご機嫌にスキップしながら友希那達が入っていった部屋へ向かったあこちゃん

そんなに嬉しい事なのかそれ…

 

「幸貞君、そのゲームって何?」

 

「ネットのオンラインゲームですよ、名前まではしっかり覚えてないんですがね」

 

「へぇ〜、幸貞君もネットゲームとかするんだ」

 

「まあ正直アレは別物と考えてますよ…何しろ俺を廃人にまで至らしめたゲームですから」

 

「そ、そうなんだ…面白いの?」

 

「詰まらないゲームをやり込む程暇じゃないですよ」

 

「だよね〜」

 

最後にご登場はポピパだ、香澄がひまりちゃん同様に駆け込んできた

その後からいつものメンバーが来て……ん?何でりみちゃんのお姉さんが一緒に居るんだ?

 

「幸貞君にまりなさん!こんにちはー!」

 

「はいはいこんにちは、そんなデカい声出さなくても聞こえてるよ」

 

「あはは…こんにちは香澄ちゃん」

 

「はいこれ予約の鍵ね、ちゃんと水分補給しとけよ」

 

「幸貞って変な所で気が使えるよねぇ」

 

「沙綾、それリサにも言われた」

 

「ふふ、そうなんだ」

 

少し微笑み、部屋へと向かっていく紗綾…と、それについて行くポピパ一行

そして何故かここに残るゆりさん

 

「久し振り〜幸貞君っ」

 

「どうもゆりさん、にしても何でここに?」

 

「幸貞君に夏に合うハーブティーを作ってもらおうかな〜って思って」

 

「それだけだったらりみちゃんに頼めば良かったんじゃ?」

 

「後はまあ暇だからかな、幸貞君とお喋りでもしようと思って」

 

チラッと隣を見ると、いつの間にかまりなさんの姿が消えていた

あの人こういうの好きだよねぇ…二人きりになったらからって別に対して変わらないけどさ

 

「何かまりなさん居なくなったんで、そちらの椅子を使っても構いませんよ」

 

「え、でも帰ってくるんじゃ」

 

「いや、当分帰ってこないんで」

 

確信を持って言えるね、ゆりさんが帰ると同時にひょっこり顔を出すと予言しておこう

 

「そ、そう?ならお言葉に甘えて〜」

 

「それでゆりさん、何を話しに来たんですか?」

 

「実はこれといって無いけど…あ、そうだ!文化祭あるのは知ってる?」

 

「ああ、まあ先生が言ってましたから…多少の事は」

 

「お、なら話が早いね…その文化祭でライブをやろうと思ってるんだけど、幸貞君出てみない?」

 

「俺がですか?でもメンバーはどうする積もりですか、俺一人じゃ出来ませんよ」

 

「そこなんだよねぇ、弱る所は…幸貞君の腕前はりみから聞いてるから知ってるんだけど…」

 

あれりみちゃんいつ聞いてたの?ああ、ゴールデンウィークの時か

ていうか何でお姉さんに言っちゃったかなりみちゃん…

 

「あー……因みに他校から呼ぶのはありですか?」

 

「それなら大丈夫だよ、出張演劇で瀬田薫って娘が来るらしいし」

 

「え?来るんですか?」

 

「うん、何でも白鷺千聖ちゃんとロミオとジュリエットをやるとか何とか…それで、それがどうかしたの?」

 

「羽丘に姉がいまして、姉なら組んでも大丈夫かと…それに多分成人した姉も来ると思いますし」

 

「おお!そうなんだ!ならお二人に頼んでおいてくれる?」

 

「構いませんよ、助力出来るなら光栄です」

 

「うん!りみがあれだけ絶賛するんだから間違いないと私は思ってるよ!」

 

どんだけ絶賛したんですかねりみちゃんは…

そんなにハードルをガン上げされても困るんだが、まあやれるだけやるけどさぁ

 

「あっ、私はそろそろ時間だからこれでお暇させて貰うねっ!お喋りしてくれて有難うね幸貞君!」

 

「暇が潰せたなら何よりです、ハーブティーは早いうちに作ってりみちゃんに渡しておきますね」

 

「うん!宜しくねっ!」

 

ウィンクをして去って行くゆりさん、最後の最後であざとさを残して帰って行くか…やりますねぇ

 

「お話し終わった?」

 

「予言通りひょっこり現れましたねまりなさん…って、そのクーラーボックス何ですか」

 

「いやぁ何かね、外に出てたら急に強面の方に声を掛けられて『幸貞への差し入れだが、みんなで食べてくれ』って」

 

「……因みに名前聞きました?」

 

「確か鬼牆?って言ったかな」

 

あーやっぱおヤッさんかぁ、ていうか何であの人俺がここで働いてるの知ってるんだ?まあ調べ様なら幾らでもあるけどさ

 

「幸貞君のお知り合い?」

 

「そんな感じですね、中身なんですか?」

 

「あっ、まだ確認してなかった」

 

クーラーボックスを開けると、中には大量のアイスがドッサリと入っていた

流石おヤッさん太っ腹ァ、ていうか本当に優しいよなあのヤッさん

 

「おおアイス!皆も呼んで食べよっか!」

 

「そうですね、時間的にもいい休憩時間になりそうですし」

 

「じゃあ私が呼んでくるね」

 

「わかりました」

 

数分もしない内に今日来ていた全員がフロアに集まった

飛びかかろうとしていたモカの首根っこを掴み、並ぶように全員へ指示した

 

分配が終わったので一休みしていると

 

「幸貞あーん」

 

「ん?おぐっ……」

 

「美味しい?」

 

「うん、美味いな」

 

リサがアイスを口へ突っ込んできた、結構冷たかったから柄にもなくビックリしてしまったな

 

「幸貞は食べないの?」

 

「俺は別にいいかな」

 

「そう?冷たくて美味しいのにな〜」

 

そう言って隣へ座るリサ

しかしまあこう改めて見回してみると…美少女ばっかりだなぁ、ここには居ないがパスパレだってアイドルだし…ハロハピのアイツらだって可愛いからなぁ

 

花音ちゃんと美咲ちゃんは可愛いからか(確信)

 

「いや〜こう見ると幸貞も友達増えたよね〜」

 

「まあそうだな、知り合いは大分増えたな」

 

「む〜…素直じゃないなぁ幸貞〜このこの」

 

「捻くれて者ですから…ていうか頬を突くな」

 

「お兄さ〜ん、もう一本いいですか〜?」

 

「何だモカ、もう食ったのか…別にいいが食い過ぎると太るぞ」

 

「幸貞…あんまりそういう事を女の子に言わないの」

 

「こういうのははぐらかさずにストレートに言った方がいいんだよ」

 

するとモカは「ふっふっふ〜」と含みのある、そして何処と無く態とらしい笑いを浮かべて

 

「大丈夫ですよ〜、カロリーは全部ひーちゃんに送ってますから〜」

 

「ちょっとモカ!?」

 

「……ほう、成程」

 

「お兄さん!?」

 

それならその育ち過ぎた双丘の説明がつくな、モカから送られたカロリーを全部吸い取ってると考えればまだ納得は出来る

 

と、ひまりちゃんが半泣きで俺の方へ駆け寄ってきた

 

「お、お兄さん…私ってやっぱり…ふ、太って?」

 

「いや全然」

 

「で、でも…最近体重が…っ」

 

いや、多分それ双丘が育ってきてるだけなんじゃ……

あとその体型で太ってるとか言うと世の中全ての女性を敵に回すと思うぞ

 

「そこまで気にしなくていいと思うがな…ていうかその気持ちがあるならアイスの二本目を食べるなよ」

 

「あっ!いや、これは…その……」

 

「おいモカ、誰が三本目食っていいって言ったよ」

 

「え〜ダメなんですか〜?」

 

「駄目だ、食い過ぎ」

 

「そんな〜」

 

モカからアイスを取り上げる

そのまま戻すのもアレだし、俺が食うか…アイスなんて何年ぶりだろうか

 

買ってはいるが、晶奈が殆ど食べちまうからなぁ

 

さて、取り敢えず今日の残りも頑張りますか




そうそう、夏休み中に一度だけ会社見学があって…そこで雰囲気何かを見て本当に受けるかどうかを決めるらしいですよ(私事)

そろそろ就活も本格的に始まってきそうなんですよ
失踪と勘違いされない程度にこの小説も上げるつもりなので、皆様これからも御付き合い下さいませ

ではまた


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35話

夏だ、海だ、水着だ
てな訳で水着回だぜ(゚∀゚ )ヒャハハ、友希那さんの水着実装はまだですか

ああ、そろそろ夏が終わるな…終わりそうなのに夏イベ回全然書いてないじゃん作者頭やばいよ
頑張りますわ

取り敢えず本編どうぞ


「幸貞、海行くわよ」

 

「………は?」

 

只今の時刻8時を少し過ぎた頃……寝起き一発目に我が姉の華蓮から言われた言葉がこれだ

 

何を言ってるんだこいつは

 

「何言ってんだこいつみたいな目で見ないでくれる」

 

「起きてすぐにそんな言葉を投げられてもそんな感情しか湧かねぇよ」

 

「まあ確かにそうかもね…でも事実は事実よ、早く準備しなさい…因みに貴方の海水浴道具は準備済みだから着替えて顔洗って朝ごはん食べて来なさい」

 

既に準備万端なのかよ、用意周到にも程があるだろ

ベッドから起き上がりパパッと着替えと顔洗いを済ます、下に降りると晶奈が朝食を食べているところだった

 

「にしても、何でまた急に海なんて言い出したんだ」

 

「あーそれ私が会社から『海の家使い放題券※ドリンク飲み放題、食べ物は別料金』を貰ってきたからだよ…因みに券があれば人数関係無しだってさ」

 

「成程ね、しかも期限が今日までって…悪意しか感じないんだが」

 

「まあそれはしょうが無いじゃない、そんな訳でこの券が有効な内に行こうってなってね」

 

「因みにそれ何時決めた」

 

「昨日の23時」

 

もっと余裕を持って言ってくれmy sister…まあ券を貰ったのが昨日らしいし、仕方が無いと言えば仕方が無いか

 

「何で行くんだ?」

 

「私が車出すよー…ああ、因みにリサちゃんと友希那ちゃんも一緒に行くから」

 

「…あ、そう……」

 

「そろそろ来ると思うよ」

 

まあそんなこったろうとは思ったよ

晶奈の言う通り、数分したら家のチャイムが鳴った…勿論の事リサと友希那がドアの前に立っていた

 

「おっはよー幸貞!」

 

「おはよう、幸貞」

 

「ああ…おはようさん、お二人共……て言うかお前ら昨日23時まで起きてたのか?」

 

「まあ色々とやることがあったからね〜」

 

「私も少し歌詞を考えていて、遅くなってしまったわ」

 

「成程ね…それで良くOK出したな、特に友希那」

 

「……リサに無理矢理連れて来られたのよ」

 

「はい乙」

 

「因みに友希那の水着はこの前出掛けた時にこのアタシ監修だから期待しておきなよ!」

 

まあ、んなこったろうとは思ったけどね

 

そして水着までリサに選ばれたのか、まあそういうセンスはこの娘に任せておいた方がいいと思うけどね

 

「揃ったー?」

 

「あっ!晶奈さん今日はよろしくお願いします」

 

「気にしなくていいよ、こう言うのはお姉さんに任せときなさい」

 

「華蓮はどうした」

 

「もう来るから先に車乗っちゃって…おっ、相変わらずカッコイイねぇ友希那ちゃ〜ん」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「はよ車開けろや」

 

何してんだよこいつ、車乗せるなら早くドアを開けろっての…その後華蓮も揃い家を出た

座席順は俺が助手席、後ろに華蓮とリサと友希那を座らせた…生憎とウチの車はワンボックスじゃないんでね

 

そう言えばどこ行くか聞いてないな

 

「どこの海行くんだ?」

 

「葉山だよー、私の友達がそっちに住んでるしシャワー借りようと思ってね」

 

「…友達ってまさか、アリアじゃないだろうな」

 

「さっすが許嫁分かってるぅ〜」

 

「ぶっ飛ばすぞテメェ」

 

「酷い!」

 

「てかアイツの場合、住んでるんじゃなくて別荘だからな…えげつねぇわ」

 

予想はついてた、だがこいつに言われると何故か途轍もなく腹が立つ

 

葉山ですか…俺は二回目だな、アフグロの娘達と遠征ライブに行って以来だな

アリア達はどうやらこっちに居るらしいな、夏はいつも本国に帰ってたと思ったんだがな

 

「そんな訳だからえっちらおっちら行くよ〜」

 

「葉山か…この前は春先だったし、夏場は初めてか」

 

「取り敢えず楽しみにしときなって」

 

楽しみにねぇ、俺としては家でダラダラしてたかったんだがな

 

ここ最近は何だかんだと連れまされたし、バイト先でアイツらの相手したりしてんだからな俺は

 

「あ!そう言えば今日は浜辺の方で小さいフェスがやってるらしいよ!因みに自由参加!」

 

「そうなの……これなんて読むのかしら…いっしょく?」

 

一色(いっしき)な」

 

「……す、少し忘れてただけよ」

 

やっぱポンコツだなこの銀髪美少女、歌とか音楽に関しては良いんだが…どうも他の事はポンコツだよな

 

あと必死に笑いを堪えてるリサが面白い

 

「んで、出るのかね友希那」

 

「私は、そうね……リサが出てくれるならやりやすいわね」

 

「勿論アタシは友希那が出るなら出るよ〜!」

 

「幸貞はどうするの」

 

「華蓮、語尾が上がってないからクエスチョンが付いて無くて威圧感があるんだが?」

 

「別にそんな積りは無いわよ?唯、幼馴染二人が出るのに我が弟はどうするのか気になっただけよ」

 

嘘吐け絶対出させる気だゾ

このクソ暑い中なのに何でフェスなんかに出なきゃいけんの

 

「俺は出ないよ、疲れる」

 

「あっそう、まあそんな事だろうとは思ったわよ」

 

「なら最初から聞かんでくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな訳で葉山にあるアリアの別荘へと到着した

執事さんが出迎えてくれ、アリア達がいる部屋まで案内をしてくれた

 

「やあ、久し振りだね皆様」

 

「荷物はその辺に置いといていいよー」

 

「何だ、姉妹揃って居るのか…てっきり本国に帰ったのかと思ってたんだが」

 

「ふふ、僕も最初はそうしようかと思ったんだが…今までに旦那様へ水着を見せたことがないと思ってな」

 

「因みにアリスさん特製水着だから期待してなよユーちゃん!」

 

「ハイハイ左様ですか…」

 

「それでは女性の方々は僕に付いてきてくれ、更衣室まで案内しよう」

 

俺以外は全員女性なんで俺は一人部屋に残されたんだが、どうしろと?

そう思っていると執事のお爺さんが対応してくれた

 

「幸貞様はここでお着替えになって下さいませ」

 

「ああ、どうも」

 

用意周到に華蓮が準備した水着へ履き替える

て言うかこの別荘凄いな…浜辺まで歩いて行ける距離にあるとかマジかよ、流石はロシアの財閥

 

「……それにしても幸貞様、かなり鍛えてらっしゃるのですね」

 

「いや、過去にやってたモノの名残ですよ」

 

「昔に何か嗜まれておられたのですか?」

 

「まあ少し、興味本意で武道系に手を出してた時期がありまして」

 

「そうで御座いましたか…今はもう?」

 

「はい…まあ何と言いますか、飽きましたかな」

 

「成程、左様で御座いましたか」

 

確かに、あんまり自分の体とかジロジロ見ないから気が付かなかったが…割と筋肉付いてるな

 

何か人を上に投げて落ちてきたところにラショォモォォォンとか出来そうだな

ネタが分からない?グーグル先生に聞いてきなさい

 

「お連れの皆様も準備が出来た様なので向かいましょう」

 

「そうですか…え、アイツらもう海に居るんですか?」

 

「先に向かってしまった様です」

 

アイツら……はぁ、まあどうでもいいけどさ…置いてかれると何か腹立つな

執事さんに案内され、砂浜へと向かう

 

「あ!幸貞おっそ〜い」

 

「お前らが置いていったんだんだろうがよ、遅いと言われる筋合いはねぇ」

 

「旦那様、僕の水着はどうだい?」

 

「あん?……ああ、いいんじゃない」

 

「可愛い?可愛いよね?そりゃアリスさん特製だから可愛いよね!」

 

「貴女がそう言わなきゃ素直に言ってましたね」

 

いやまあ素直に言えば可愛いと言うよりはエロいわ、コイツ体型えげつねぇ

あとアリスさんも中々の体型してるからな…何だぁこれは、たまげたなぁ

 

「ねーねー幸貞、アタシはどうよ?」

 

「ギャルっぽい」

 

「何か酷くない?」

 

「冗談だよ、似合ってる…それで友希那はどうした」

 

「あー…恥ずかしいんだってさ」

 

「成程、まあそんなこったろうとは思ったよ…それで何処にいるんだ」

 

「アタシの後ろ」

 

あ、ホントだわ…縮こまってて全然気が付かなかった

白い水着に黒パーカーですか…水着パーカーってセンスいいよね

 

「へぇ、パーカーか」

 

「な、何よ…変かしら」

 

「いや、似合ってると思うよ」

 

「……そ、そうかしら」

 

うん、いいね

ウブな感じがまたいいね、流石は銀髪美少女だわ(?)

 

さて、来たはいいんだが何をするのやら…正直海遊びとかピンと来なさすぎて困ってるんだが

 

「取り敢えず泳ごー!」

 

「あ、おいリサ……まあいいか、お前らはどうするんだ」

 

「僕はその辺を散歩しているよ」

 

「アリスさんはリサちゃんと泳いでくるー!」

 

「私は………す、少し歩いてくるわ」

 

アリスさんとリサは元気だなぁ…俺は無理だわ

友希那は何か猫みたいだな、怖いけど興味本意でビクビクしながら波に触ってるの可愛いわ

 

「お前らは?」

 

「私は泳ぐ!」

 

「私は…そうね、どうせだから泳いでこようかしら」

 

おや、華蓮は珍しくアウトドアスタイルですか…折角だから楽しんでこよう精神なんだろうな

 

さて…俺はどうしようかな、俺も適当にその辺を歩いてるか

 

「見て見て蘭ちゃん!カニ!カニいたよ!」

 

「わ、分かりましたから日菜先輩…少し落ち着きましょう」

 

「わあ!彩先輩の水着可愛いですね!」

 

「ひまりちゃんありがとう!ひまりちゃんのも可愛いよ!」

 

「夏はやっぱ海だな!暑さ忘れて遊びまくるぜ!」

 

「流石お姉ちゃん!あこも張り切っていっちゃうぞー!」

 

何だあのカオス、見た事ない組み合わせの面子だなおい

まず蘭ちゃんと天災に関わりがあったことが驚きなんだが…確かに高校同じだけどキャラと性格が全く逆じゃん

 

まあそこは天災スペックなんだろうから気にしないでおこう

 

あと巴はいつでも熱いんだな、松岡〇造みたいだな…今日から君は、富z(ry

 

「あれ?幸貞さん?」

 

「おう、つぐみちゃんもやっぱり居たか」

 

「あ!ユッキー!みてみてみてみて!カニ捕まえた!カニ!」

 

「うるせぇ、何でそんなにテンション高いんだよお前」

 

「だってー仕事以外且つ友達と海に来るなんて初めてなんだもん!」

 

「はいはいそうですか…宇田川姉妹は揃ってご参加か」

 

「おうよ!本当はアタシがアフターグロウの皆から誘われてたんだが、あこがどうしてもって聞かなくてな」

 

矢張り妹には甘いのか巴よ…一応妹は居るが、あの娘は既に自立して最早俺が甘やかされそうになってるからイマイチ分からん気持ちだな

 

……いや、兄としては駄目なのでは…だがあの娘を止める権利は俺にないからなぁ

 

「そうですかい…因みに向こうにリサとか友希那達がいるぞ」

 

「え?もしかして来てるんですか!?」

 

「ああ、まあな…そうだ、お前らは一色のフェスには出るのか?」

 

すると全員が頷いた、いや頷くのはいいんだけど天災とか丸山先輩はどうするの

 

まあそれはどうでもいいか、取り敢えずcircleでのバイトとあまり変わらない予感がしてきた




あー書こうと思ってる夏イベ回もあるんだが…いかんせん創作意欲が湧き立たない

そんな事言ってないで早く書けって話なんですがね、夏休みが終わるまでには色々あげたい

頑張りすかぁ、皆様もどうか御付き合い下さい


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36話

ゆ、ゆきにゃんの水着\( 'ω')/ウオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーッッッッッッッッッッッッッッ!!

うっせやろ!?(歓喜)俺の想いが運営に届いたか
黒水着バラの模様入りとか運営分かってるぅぅ〜

取り敢えず何としても当てたい、課金迷ってんだが

まあいい、取り敢えず本編どうぞ


天災達と別れ、また適当に浜辺を歩き始める

 

フェス何時って言ってたかな、3時だったかな

まだ2時だし時間はあるな……いや、時間があると暇なんだがな

 

「あら、幸貞君じゃない」

 

「……おや、女王様ですか…ってよく見りゃ麻弥ちゃんとイヴも居るじゃねえか」

 

「はは、こんにちはっス」

 

「こんにちは幸貞さん!」

 

パスパレが勢揃いしたなこれで、どうせ多分この娘達もフェスに出るんだろうし

 

にしてもこの娘達もスタイル凄いよなぁ、うん

 

「……幸貞君って割と…いや、結構筋肉質なのね」

 

「まあ服の上からじゃわからないですからね、昔にやってた習い事の残り香ですよ」

 

「人一人を殴り飛ばすのも納得出来るわね」

 

「何かあまり褒められてる気がしないんですが、気の所為ですか?」

 

「気の所為じゃないかしら?」

 

「おお…!サムライですね幸貞さん!」

 

「あ!ちょっ!イヴさん!」

 

「別に侍では無いんだがなぁ…あとイヴちゃん、余り男の人をベタベタ触るのは良くないよ」

 

腕やら腹筋やらを触り始めるイヴ……そういう事をすると勘違いして爆死する男の人って多いから止めようね

 

「どうせ貴女達もフェスに参加するんですよね?」

 

「どうせって何かしら、文句でもあるの」

 

「まさか、丸山先輩や天災達が来てたのってやっぱそういう事かと納得しただけですよ」

 

「あら、二人にあったの?」

 

「会いましたよ、一緒に来たんですか?」

 

「まあそうなんだけど…日菜ちゃんが彩ちゃん連れてどこかに行っちゃってね」

 

「成程、まあフェスの時間には戻ってくると思いますよ…じゃあ俺はまたその辺をフラフラして来ますわ」

 

「そう、じゃあまた後で会えたらね」

 

後会ってないのはポピパとハロハピに燐子ちゃんか…何か普通に居そうだなぁ

 

でも燐子ちゃんはどうなんだろうか、あこちゃんと一緒に居なかっまた所を見ると家に引き篭もってると思うんだが……………あ?

 

「…何してるの」

 

「た、助けて下さい…!幸貞さん…!」

 

「あっ…幸貞君」

 

「何で人混みダメコンビで纏まってるの、こころとか美咲ちゃんは?」

 

「それが…その……弦巻さんは着いたらスグにどこかへ行ってしまって、奥沢さんはそれを追いかけて」

 

「はぐみちゃんと、薫さんもどこかに行っちゃって…」

 

何してんだよあの人達、まあ美咲ちゃんはしょうが無いとしてそれ以外よ

よりによってこの娘達を置き去りにしちゃ駄目でしょうがよ

 

「成程ね…さて、どうしたもんかな」

 

「うう…人が、多い…おうち、帰りたい……」

 

「り、燐子ちゃん…折角来たんだから」

 

「……にしても、二人共水着姿とは…珍しくアウトドアスタイルでこれはこれでいいな」

 

しかも燐子ちゃんは黒のワンピ型水着か、いいねぇ…黒ってのがセンスを感じる

花音ちゃんは水色か…まあイメージ通りというか、しかしそれでもいい

 

「あら!幸貞じゃない!」

 

「はぁ、はぁ…あ、幸貞さん」

 

「お帰り美咲ちゃん、お疲れさん」

 

「いや本当、疲れました」

 

「毎度毎度ご苦労様だな、この破天荒お嬢様のお世話とは」

 

「私がやらないと誰も出来ないじゃないですか」

 

「ご最も」

 

それもそうだな、花音ちゃんはそういうの向いてないし…それ以外の2人は論外だし

 

結果的に苦労人役が美咲ちゃんに回ってくるのか…ご愁傷様

 

「じゃあ俺は適当に歩いてくる、お疲れ美咲ちゃん」

 

「うわっと…あ、ありがとうございます」

 

スポドリを美咲ちゃんへ渡しておいた、勿論俺の飲みかけじゃねえぞ…新品だ

まあ実際の所は自分用に買ってたんだがな

 

このペースだとポピパの娘達にも会うな絶対、俺の勘がそう囁いてるぜ

 

「あれ?幸貞じゃん、やっほー」

 

「よう沙綾、お前が居るって事はアイツらも居るってことか」

 

「正解、アッチで遊んでるよ」

 

「あ!幸貞君こんにちは」

 

「ようりみちゃん、お姉さんは元気か」

 

「はい!幸貞君のハーブティー楽しみにしてましたよ」

 

「そうかい、尚の事気合い入れて作らなきゃな」

 

「幸貞は何でここに?」

 

「姉に連行された」

 

「あ〜…成程」

 

あ、香澄達がこっちに向かって来たな

そこに居たのか有咲…詰まり香澄達の面倒を見ていたんだなご苦労なこった

 

「ああ!幸貞君やっほー!」

 

「よう、相変わらず元気だな…そこのツインテは元気なさそうだが」

 

「あ、当たりめぇだろ…コイツらの相手にどんだけ体力使うと思ってんだよ…」

 

「マジお疲れ」

 

やっぱ変人の集団には苦労人が一人は居るんだな…ご愁傷様としか俺は言えんがな

 

「幸貞も来てたんだ、なんか意外」

 

「俺は来たくて来た訳じゃ無いがな…やっぱお前達もフェスに参加するのか?」

 

「おたえ、香澄が出るって言うし…面白そうだから出るよ」

 

「たえ、こんなクソ暑い中ご苦労なこった」

 

「おたえ、幸貞は出ないの?」

 

「たえ、俺は出ないよ…疲れるし面倒臭い」

 

「おたえ、出ればいいのに…絶対楽しいと思うよ?」

 

「たえ、俺は別に楽しさは求めてないんでな…楽な方を選ぶ」

 

「毎度思うんだけどさ、二人共それやってて飽きないの?」

 

「何だ、珍しく止めないんだな沙綾…別に楽しくはないが恒例じゃないか?」

 

多分そこの天然は楽しんでるんだろうけどな

何となくコイツをそう呼ぶと負けた気になるから絶対呼ばないというなんか知らん面倒なプライドが働いてる

 

「その方が面倒だと思うんだけど…」

 

「気にすんな、気にするだけ損するぞ」

 

「……はぁ、それもそうかもね」

 

「んじゃ俺は戻るわ、じゃあな」

 

来た道を引き返して行く、時間的には…あと30分でフェスがスタートか

会場はどうやら近いようだし、歩いて帰ればいい感じの時間になるかな

 

そんな訳で

 

「ただいま」

 

「あら、お帰り幸貞」

 

「よう華蓮さんや、そろそろ移動するのか?」

 

「そうね、時間もいい感じだしそろそろ行こうかしら…皆を呼んでくるわね」

 

「はいよ」

 

リサとアリスさんは遊びっぱなしだったのか、晶奈とアリアはいつの間にか用意されたパラソルの下で休んでるし

まあ多分あの執事さんが用意したんだろうが、さすがに有能過ぎだろ

 

友希那は……よく見たら浮き輪で寛いでるな

 

華蓮が全員に声をかけ終わり、会場へ向かう…その途中でアフグロとあこちゃんに合流した

因みにピンク頭と天災はもう居なかった…が、その代わりと言ったら変だが…意外な人を見つけた

 

「あれ…氷川先輩、意外ですねこんな所にいるなんて」

 

「どうも導寺峠さん……わ、私だって来たくて来た訳じゃありません」

 

「にしては水着まで着てやる気満々ですね」

 

「こ、これは日菜が勝手に!そ、それにここへ連れてこられたのも日菜の所為です!」

 

「まあいいじゃないですが、フェスあるみたいですし…それに何の因果か知りませんが貴女のバンドメンバも揃ってますよ」

 

「そうなんですか?湊さんが居るのも意外ですね」

 

「そっちはリサに連れてこられたんですよ」

 

「ああ、成程…理解出来ました」

 

「これから会場に向かいますが、一緒にどうです?」

 

「私も向かう所なので丁度いいですね」

 

という訳でRoselia組も揃ったんだな……何というか、何だこれ(語彙力)

どんな運命の周り方だよ全く

 

会場は既に大勢の観客で賑わっていた、受付は別の場所でやってるらしいので暇だし着いていく事にした

あとは勝手に俺の名前を書いていないかの確認も含めて

 

「まだ受付はやってるみたいだな」

 

「開始時間ギリギリまで大勢の参加者を募りたいんでしょうよ、盛り上げり為にも」

 

「まあだろうよな」

 

「どうせなら貴方も出たらどうよ」

 

「そうだよ幸貞ー私達も出ようよー」

 

「嫌だよ面倒臭い、そもそも俺のスティッk……あんのかよ」

 

「当たり前じゃない、私の抜かり無さに平伏しなさい」

 

「うるせえよ」

 

本当なんなんだこの姉、なんか怖いわ

どうせ晶奈もこの後引きずると駄々こねるからなぁ…やるのかぁ面倒臭いなあもう

 

「分かったよやればいいんだろやれば」

 

「諦めついたのね、じゃあ受付してくるわ」

 

因みにあの娘達は無事全員が合流してバンドごとに分かれて受付を済ませたようで、控え室に行っている

 

さて…面倒臭いけど、やりますか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結構いろんなバントが来てるみたいだな

まあ規模的には結構大きめらしいし、それなりに人は集まるのかな

 

確か順番はポピパ、パスパレ、ハロハピ、アフグロ、Roselia、俺達か…最後に縦ノリ系を詰めた感じだな

 

 

「で、今日は何するんだね晶奈」

 

「私の気分!」

 

「またかよ…別にいいけどさぁ」

 

そんな訳で演奏してきました、え?早い?何言ってるか知らないね

因みにやったのはafter light(HYDE)

Roseliaは熱色スターマインやってたけど、あれいいよねぇ

 

おい、熱盛スターマインとか言ったの誰だよ

 

今回のフェスは長引くこと無く、トラブルなく順調に進み終わりを迎えた…取り敢えずチカレタ

 

「じゃあ帰ろっか、アリアありがとね!」

 

「構わんさ、またいつでも言ってくれればシャワーや更衣室程度貸すさ」

 

帰り道、疲れが溜まった様でリサと友希那は車で眠りについた

 

晶奈はドライバーだから当たり前だが、俺と華蓮も起きていた…まあ基本的にうちの家系は馬鹿みたいに体力と能力があるからな

 

「楽しかった〜?」

 

「お前がやけにアップテンポな曲を選んだお陰様で疲れたわ」

 

「いいじゃん別に〜、雰囲気的にノリのいい曲がいいと思ったんだもーん」

 

「ああいう曲ってのは大概ドラムスタートなんだよ、気まぐれで選ばれるこっちの気にもなれ」

 

「それでもついてこられるんだから良いじゃない」

 

「俺を貴女達みたいな化物と一緒にしないでくれ、精一杯なんだよ」

 

「姉を化物呼ばわりしないでくれるかしら」

 

「同じ様なもんだろ貴女達」

 

「それ幸貞も人のこと言えないからね〜」

 

俺はまだ端くれだから十分人間の内だろ

 

え?銃で武装した人間を三人同時に制圧出来る時点で人間じゃない?ちょっと何言ってるか分からないな

 

まあ確かに、化物の端くれも化物の内か……

 

にしても、何故今日だけでcircle使用バンドの娘達全員と鉢合わせたのやら

リサと友希那は仕方ないとして他は何の因果だよ本当

 

俺の夢は叶うのかねぇ、平穏で静かな日々か……今の状況じゃ程遠いわな、まあでも…俺は俺の今を生きる




そうだよ、俺はHYDE好きだよ
あの人ももう40超えるのに頑張ってるよなぁ

まあ俺の年代でHYDEを好きだという人はまずいないね、ていうか世代的にお母さん世代だししょうがないね

ガルパの曲はガルパ・ピコが狂おしい程に好きです(唐突)

以上、私事でした


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37話

もう10月かよ早いなぁ…
俺もリアルで文化祭が始まりますね、学生生活最後の文化祭ですよ

いやぁ就活終わったんですがなんせレポートが面倒臭いのなんの
やめたくなりますよぉ

だから小説の方のペースは許して下さい!何でもしますから!

では、本編どうぞ


夏休みが終わってから少し……いや、結構経ったな

もう気が付けば9月の中旬になってるよ…本当、面倒臭い

 

今は昼休み、沙綾からパンを貰いながらボーッとしていた

 

「あ、そう言えばそろそろ文化祭の時期か…」

 

「急にどうしたの、まあ確かにそうだけど」

 

「いやまあ、ゆりさんにバンド出ないかって言われたのを今思い出した」

 

「え?そうなの?」

 

「ああ、華蓮と晶奈を呼んでいいからやってくれないかってね」

 

「へぇそうなんだ…ポピパは香澄がやる気満々だから、りみりんからゆりさんに通してもらって出ると思うよ」

 

まあ大体予想はついてた、香澄ちゃんは元気だねぇ本当

 

そう言えば何かアリアも有志として店舗を出すとか何とか言ってた気がするな

別にいいんだが一体何をする積もりでいるのやら、金持ちに有志をやらせると怖いんだよね

 

ウチには既に弦巻家というデカいのが居るんだよなぁ

 

「このクラスは何やるんだ?」

 

「一応もう決めたんだけど……幸貞その時寝てたよね」

 

「寝てたな」

 

「はぁ…メイド喫茶だってよ」

 

「うっわどテンプレ…まあそれはいいんだが、当日って男子は入れるのか?」

 

「共学化の節もあって完全フルオープンだってさ、だから男子問わず入れるし丁度いいんじゃないかってさ」

 

「へぇ…それ俺はどうすればいいの、流石にメイドは嫌だよ」

 

「流石にさせないよ、でも執事服は着てもらうってさ」

 

「マジかよ」

 

確定事項なのかよ…いやメイド服じゃないだけいいけどさ………あ、そうだ(唐突)

陽音にメイド服を着させよう(名案)絶対似合うと思うんだよね(確信)

 

「メイド服はどうするんだ?……ああいや、何となく予想ついたわ」

 

「こころの家から借りるのよ」

 

「ですよねぇ」

 

知 っ て た

 

まあそうなるよね、なんならアリアも来るんだし俺から言えば貸してくれるよなぁ……て言うかガチもんのメイド服を借りれるって異常だよな

 

さて、そんな訳で確か来週から文化祭の準備だったな…多分また男手が足りないからあっちこっちで働かされるんだろうなぁ、氷川先輩に頼んで時給でも貰おうかな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで文化祭の準備期間へ突入しました…速い?メタな事は置いておけ

 

準備期間中は午前で授業が終わり、午後の時間全てを準備に当てて良いそうだ

適度にサボりたいのが本心だが…そうもいかなさそうなんだよなぁ

 

「そうです、貴方にサボる時間はありませんよ導寺峠さん」

 

「ナチュラルに心読むよ止めていただけませんかね、氷川先輩」

 

「貴方の考えてる事は大体予想が付きます、前回の体育祭準備での反省を活かして導寺峠さんには特別日程を作りました」

 

「えぇ...(困惑)マジですか」

 

「本当です、なのでこの通りに動いて下さいね?もしサボるなら……今井さんと湊さんにチクります」

 

「それは卑怯ですね氷川先輩、特にリサにチクる辺りかなり卑怯です」

 

「それが嫌でしたらしっかり働いて下さい」

 

「分かりましたよ、じゃあ行ってきます」

 

「はい、お願いしますね」

 

何でリサにチクられるのが嫌かだって?何かにつけてアイツは俺を説教してくるからな、それに友希那が加わるとさらに面倒臭い

 

お前らは俺の母親か…まあそういう気質はあるよな、うん

 

「取り敢えず頑張ってね幸貞、後でパンあげるからさ」

 

「俺の労働力は随分と安いもんだ…パンは貰うけど」

 

「言うと思った、じゃあ行ってらっしゃい」

 

「へーい、行ってきますよ」

 

ええっと、先ずは二年の先輩達か

日程表に書いてある場所は……教室か、おぉここかぁ

 

「あ!やっほー幸貞君!」

 

「そう言えば二年生でしたね、丸山先輩」

 

「そういえばって何!?私ちゃんと幸貞君の先輩だよ?て言うか先輩だよ?もっと優しくしてくれても…」

 

「無理です、敬語使って貰えてるだけ有難く思って下さい」

 

「酷くない!?」

 

「相変わらずね、幸貞君」

 

教室から女王様が顔を出す、でもこの人達確かクラス違うよな……何で丸山先輩ここに居るんだ?

 

「女王様と丸山先輩ってクラス違くないですか?」

 

「ええ違うわよ、彩ちゃんが少し遊びに来てただけよ」

 

「左様ですか…こちとら何故か勝手に日程組まれてるってのにいい御身分ですなぁ」

 

「えっ…日程なんてあるの?」

 

「氷川先輩に組まれてました」

 

「流石は紗夜ちゃん、抜かりないね」

 

本当、止めていただきたい

まあ立ち話もこの辺にして、女王様のクラスではコスプレ喫茶をやるらしい

なので外に出す看板作りと道具運びをお手伝い

 

て言うかコスプレ喫茶も一歩道逸れたらメイド喫茶なんじゃ……

 

「……本当、何でも出来るわよね貴方」

 

「一応天才の端くれなんでね、まあ工作は元から好きでしたし」

 

そんな感じで看板が十分足らずで完成した、本来なら四十分とか何とか言ってたけど…まあこの大きさならそこまでかからないだろ

 

「じゃあ俺は次の所に行ってくるんで」

 

「ええ、お疲れ様」

 

「うい、どうもー」

 

女王様がいるクラスでの仕事を終え、次は隣のクラスだな

確かこっちに丸山先輩居るんだよな…って事は氷川先輩も居るってことか

 

「丸山先輩、このクラスは何やるんですか?」

 

「ビンゴ大会やるんだ〜」

 

「ほう、そうですか…それで俺はなんの準備をすればいいんですか?」

 

「えっとね〜、高い位置に装飾品付けるからそれを手伝って貰える?」

 

「了解です」

 

氷川先輩も割と背は高い方だと思ったんだが、あの人風紀委員会だし他にも色々とやる事があるんだろうな

 

「あ、燐子ちゃん」

 

「幸貞君…こんにちは」

 

「前から思ってたんだけどさ、何で幸貞君は燐子ちゃんの事は呼び捨てなの?」

 

「何ででしょうね…何となく?」

 

「わ、私は…先輩っぽく、無いですか?」

 

「いや〜そういう訳じゃ無いんですがね、なんかこう……自分でも分かりませんね」

 

「試しに私の事も彩って呼んでみてよ」

 

「ピンク頭」

 

「ひ〜ど〜い〜!!」

 

華麗にスルーしながら装飾品をつけて行く、そう言えば花音ちゃんって女王様と同じクラスだっけか

 

さっき見なかったけどどっかに出てるのかな?流石に学校内で迷子ってのは無いだろうけど………無いよな?

 

「さてと、じゃあ俺は次の所に行ってきますね」

 

「うん!ありがとうね、頑張ってね〜」

 

丸山先輩に見送られ、教室から出る

ええっと…次は三年生か、あんまり知り合い居ないから少し肩身が狭いな

 

「……ん?何してんの花音ちゃん」

 

「ふぇ!?あ…ゆ、幸貞君」

 

「どうも、それで何してるんですかね」

 

「あ、えっと…その……第三準備室って何処だっけ…」

 

「………三階の三年教室側を見て一番奥です」

 

「あ、ありがとう」

 

マジで迷ってたよ…今時は携帯という物があるんだから女王様に連絡取って聞けば良かったのに

 

て言うかまさか今の今まで彷徨ってたのか?

 

「……まあいいや、取り敢えず行こう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ!幸貞君じゃ〜ん!」

 

「ああ、そう言えばゆりさんって三年生でしたね」

 

「そう言えばって何さー、私は先輩だぞ?」

 

「これは失礼しました」

 

「ふむ、よかろう!ところで何しに来たの?」

 

「氷川先輩からの御達しで色んなところを手伝って回ってる次第です」

 

「あ〜成程、いい様に使われてるね…」

 

「そこら辺は言わんといて下さい」

 

あんまり気にしたくない部分だから

ゆりさんのクラスはれか、見るからにお化け屋敷だな…なんかこう、女の子しか出てこないお化け屋敷って……アレだよね

 

まあそれはいいさ

 

「お化け屋敷ですか?」

 

「ピンポーン!…って、まあ見れば分かるかな」

 

「じゃあ取り敢えず俺は何を手伝えばいいですかね」

 

「そうだな〜……じゃあ道具作りの手伝いしてちょうだい」

 

「了解です」

 

どうやら、と言うよりやはりと言ったほうがいいか…ここの仕切り役はゆりさんみたいだな

既に作業をしていた先輩に挨拶をし、手伝いを始める

 

何処と無く香澄に似た喧しs……いや、元気さを持つ先輩と共同しながら小道具を作っていった

途中、その先輩から『君名前は?…導寺峠幸貞君?そうだな……じゃあ君はダークマター幸貞君だ!』

 

たえと同じソレを感じた、何その売れなさそうな芸名

 

「何ですかダークマターって」

 

「ほら、宇宙にある真っ黒の暗黒物質」

 

「いやそれは知ってますけど…何故ダークマター?」

 

「うーん何でだろう…君からはそんな感じがするからかな?」

 

……意外と鋭いじゃないか

あと真っ黒の暗黒物質だと頭痛が痛いみたいな感じで変ですよ

 

「取り敢えず小道具終わりましたよ」

 

「あっ!ありがとー…って、凄いねこれ」

 

「まあ少し気合い入っちゃいまして、クオリティ高いですよねこれ」

 

「自分で言うのもどうかと思ったけど、確かにこれは凄いわ」

 

貞子の飾り物が凄いクオリティで出来上がったな…うん、まあ俺は満足満足

 

そんな訳でその先輩に挨拶をし、ゆりさんへ報告しに行った

 

「終わりましたよ」

 

「おお、早いねー…あの子なんか変な事言わなかった?」

 

「何かダークマター幸貞君って芸名付けられました」

 

「あはは…やっぱり言ってたか、一応渾名だから芸名じゃ無いよ?」

 

「にしても中々のセンスだと思うんですが」

 

「まあひなちゃんワールドだし仕方ないかな〜」

 

なんぞやそれ、花園ランドみたいなソレを感じるんだが…香澄の元気さとたえの天然を持っているとは、強いな(確信)

 

「じゃあまあ、あまり気にしないでおきますね」

 

「うん、そうしといて」

 

「それじゃあ俺の仕事はこれで終わりなので、では」

 

「ありがとね〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ〜疲れた」

 

「お疲れ様、はいこれパンね」

 

「おう、有難う」

 

沙綾から貰ったパンを齧りながら椅子にだれていた

うちのクラスは大分飾り付けなんかは済んだみたいだな、あとは当日に机を並び替えて弦巻家からメイド服を借りれば万事OKか

 

「そう言えば有志でアリア出すって言ってたな…」

 

「アリアって?」

 

「俺の知り合い、こころ嬢並に金持ち」

 

「へぇ〜そんな人が有志出すんだ」

 

「本人から聞いたからな、まあ何をするか聞いてなかったから怖いんだがな」

 

本当、金持ちの感覚ってよく分かんねぇからな

 

まあいいや、それより当日はどうやって過ごそうか…執事服着させられるって言われたなそういや、あーめんどくせーマジで

 

適当にパッパっとやって終わらせたいな(願望)




ゆりさん以外の3年生キャラが分からない、まずいですよ

そもそもゆりさん自体も既にキャラ崩壊してるんじゃないかと思ってるんですがね、まあそこら辺は置いておきましょう

取り敢えずこんな感じで超不定期投稿になりますがご了承ください、ではまた


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38話

俺もそろそろ文化祭だぜHAHAHA
なんかウチのクラスは映画館やるって言ってましたね

そう言えば前に追加されたRって曲、控えめに言ってクッソ好きなんですが…CD欲しいわぁ、金ないけど

まあ私事もこの辺で本編どうぞ


さあということでもうそろそろ始まりますよ文化祭

 

え?何?時間が経つのが早いって?ちょっと何言ってるか分からないですね、んな事気にすんな

現在は最終準備中

 

「ふむ……いいね」

 

「そう?ありがとう」

 

「山吹ベーカリーの制服とはまた違っていいね」

 

よくよく考えるとうちのクラス顔面偏差値高い、高くない?

ポピパの娘達もそうだけど、クラス全体的に可愛い子多いと思うんだよ

 

全員メイド服が似合うの何の

 

「て言うかこのメイド服スゲェー、こんな造りしてんだな」

 

「あんまり間近で見ること無いもんね」

 

「ああ、て言うかそんな機会ある方が怖い」

 

まあ執事服は見たけどねこの前、それはそれで怖いな

ああそうそう、俺のシフトはお昼あたりからだそうだ…まあ理由は一番客が入る時間だからだとよ

 

『えー長らくお待たせ致しました、文化祭スタートの…って、ゆりさん!?いきなりなんですか!?』

 

『硬い硬い!折角の文化祭なんだからもっとテンション上げてかなきゃ!じゃあ文化祭スタートするぞ~!!』

 

またあの人か、本当にりみちゃんのお姉さんかあの人……性格が真逆過ぎて怖いんだけど

 

そしてりみちゃんの顔が面白いくらいに真っ赤っか

 

「お、お姉ちゃぁぁぁぁん……!」

 

「まあ、何だ…ドンマイ、りみちゃん」

 

「うぅぅぅ……恥ずかしいよぉ…」

 

その場で蹲ってしまったりみちゃん、有咲と沙綾が慰めに入った…天然っ娘は頭を撫でてる

 

香澄?メイド服ではしゃいでるよ

 

「…お、どうやら開園のようですぜ」

 

「よーし!張り切って頑張っちゃうぞー!!」

 

勢いだけで香澄がそう叫ぶと、何故かクラス全員がそれに反応するように『おー!』っと拳を突き上げた

やっぱあれだな、こういう時ってのは勢いが大切だな…うん

 

「さて、俺はどうしようかな…出番まで暇だし、ライブも午後からだったな確か」

 

「あ、そう言えば幸貞も出るんだったね」

 

「その言い方だと沙綾も出るのか?」

 

「まあ私っていうかポピパかな」

 

「成程…さて、どうしようかなぁ」

 

「……あ!なら裏方手伝ってよ!」

 

「裏方?まあ、簡単な料理くらいなら作れるぞ」

 

「それで十分、あと幸貞のクオリティは知ってるから期待してるね」

 

変に期待しないで頂きたい…という訳でお仕事開始の時間だ

沙綾と香澄は呼び込みで表に出ていき、たえと有咲はなかで接客を始めた

 

ていうかスッゲェ人が来る来る、しかも男女問わず…俺も裏方やりますか

 

「俺も裏方手伝うよ」

 

「あっ!幸貞君ありがとう!」

 

「は〜…成程、ガスコンロとかでやるのか」

 

「そうそう、あんまり大きい料理は出せないけどある程度は出来るからね」

 

メニューは市販のホットケーキとかなのかと思ったら、どうやらうちのクラスに居る娘達は女子力が高い様でシフォンケーキとかプレーンオムレツとか作るらしい

 

凄いな君達…いや本当

 

「幸貞君って何か料理出来たりするの?」

 

「まあ基本的になんでも出来るかな、作り方さえ知ってればね」

 

「おぉ…流石だね」

 

喋りながらフライパンだけで生地をひっくり返してい貴女も凄いと思うよ

 

料理方面は女の子達で普通に間に合ってるので俺は飾り付けや盛りつけを担当する事になった

て言うかガスコンロでよくそこまで出来るな

 

「昼前だってのに結構入るな」

 

「予想以上に受けが良いみたいだね、買い出し組も動き出してるし」

 

「まあ何よりこの学校自体可愛い子多いからな、それに本場のメイド服がプラスされれば人も来るだろ」

 

「呼び込みやってる沙綾ちゃんも香澄ちゃんも可愛いよねぇ〜」

 

「沙綾に関して言えばパン屋の手伝いしてるから接客には慣れてるってところもあるんだろうな」

 

裏方組のクラスメイトと表組を見ながら話していた

たえや乗り気じゃ無かった有咲、恥ずかしがっていたりみちゃんも慣れてきたのか客を捌く捌く

 

「さて、私達もうかうかしてられないね!裏方も裏方で頑張るよー!」

 

「「「「おー!!」」」」

 

よくよく考えると俺昼辺りから表出るのか…その後ライブって中々ハードスケジュールだな

 

まあ裏方仕事じゃ俺はあんまり動いてないけどね

 

「幸貞君って確か昼から表組だよね?そろそろ上がっておく?」

 

「飾り付けと盛りつけしかやってないし、まだこっちで手伝う積もりでいる」

 

「ありがと、助かるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、そんなこんなで時間は流れ……

 

「こ、これは…中々」

 

「予想以上というか、予想外というか……」

 

今何してるかって?執事服に着替えてきたんだよ、因みにこれも弦巻家から借りてきたそうだ

 

「俺のシフトは確か二時までか…二時半からライブがあってそれまでに着替え終わらせなきゃならんのか、面倒臭い」

 

「じゃあ幸貞君には呼び込み頼もうかな、香澄ちゃんと交代してきて」

 

「沙綾はどうするんだ?」

 

「沙綾ちゃんには引き続き呼び込み、慣れてるみたいだから頼んじゃった」

 

「さいですか、じゃあ行ってくるわ」

 

という訳で香澄と交代すべく教室の外へ出る、キャピキャピしながら通る人通る人に声を掛けてる姿が見えた

 

女子高生って言うか元気のいい小学生に見えるのは俺だけか?

 

「香澄、交代だとよ…中でお客の相手してくれ」

 

「おお!幸貞君すっごい似合ってる!!」

 

「そいつはどうも、ところで沙綾は?」

 

「さーや?見てないけど」

 

「マジか…まあいいや、取り敢えず交代な」

 

「はーい!」

 

どこ行ったんだ?俺じゃあるまいしサボるなんて事は無いだろ、て言うか沙綾だし先ず無いな

 

あっ……(察し)DQN?DQNなのか?まあこの際そんなことはどうでもいいか、取り敢えず男に絡まれてるな

 

「な〜いいだろ少しくらい、一緒に案内してくれって〜」

 

「あの、困りますって…私まだ仕事中なんで…」

 

「まあまあそう言わずにさ」

 

「勘弁してくれ、俺の仕事が増えるだろうが」

 

「あっ、ゆき……さ、だ……」

 

「誰だよお前、折角いい感じだったのに台無しじゃねぇかよ」

 

何で一瞬固まったの沙綾さん

 

よく今のでいい感じとか言えるなコイツ……やっぱDQNみたいですね

いつの間にか沙綾が俺の後ろへ隠れていた、やけに動きが早いな君…そんなに嫌だったの?

 

「困りますよお客さん、この娘が居ないと俺の仕事が増えるんで面倒なんですよね」

 

「ああ?知るかよ、俺はその子に用があるんだよ…執事さんには用はねぇ」

 

「と言うか、貴方自分がカッコイイとでも思ってるんですかね?」

 

「はぁ?何だとテメェ…」

 

「いやいや、まさかご自分のお顔をご存知ないのではと思いましてね…その顔で誘って乗る女の子が居ると思われてるのですか?」

 

「……おい」

 

「ああそうだ、貴方にピッタリの小道具でもお教えしましょうか?鏡って道具なんですが、それで一度ご自分のお顔をご確認なさってみて下さい」

 

「舐めてんのかテメェ!!ぶっ殺す!!」

 

はい乗った、勝ったわ風呂入ってくる

なんて馬鹿な事をやってる暇は無いのが現実、さてどうしたものか

 

とは言ったものの流石に校内暴力沙汰はかなり宜しくない、ならここは

 

「よっ、はっ…と」

 

「え?…いだっ!?」

 

馬鹿正直に顔面ストレートで来てくれたから楽に出来たな

 

何したって?飛んできた拳を往なして、腕掴んで胸ぐら掴んで反対側に殴る勢いに乗せて背負い投げしただけだよ

これぞ正に当て身投げ、どこ総帥様だよ…ダメだコレSNKネタが知らない人はマジでわかんねぇや

 

え?もう暴力起きてるって?殴り飛ばしてないから多少はね?

 

「沙綾、先生呼んできて」

 

「……あ、うん!分かった!」

 

「さてと、ここをこうして…あれ、こうだっけか?それでこうして」

 

「いだだだだだ!!?」

 

「よく覚えてねぇや、素人がやるもんじゃねえな」

 

護身術の固め技をやろうと思ったんだがどうもうろ覚えだったから止めておいた

下手にやると骨の一本とか行くからね

 

その後、駆け付けた先生(生徒指導)の手によって別室へ連れて行かれた…因みに女の先生だけど空手の黒帯な、おお怖っ

 

「幸貞は怪我ない?」

 

「無いよ、怪我しないようにアイツを取り押さえたんだから」

 

「そう、良かった」

 

一時的に場は騒然としてしまったが、雰囲気は戻ったからまあ問題無いべ

て言うか見た事のある銀髪がコッチに来たんだが

 

待って、そう言えば俺知り合いに銀髪ロングって二人居たな…まあいいや

 

「流石だね旦那様、しかし君が殴り飛ばさないなんて珍しい事もあるもんだな」

 

「TPOを弁えて殴り飛ばしてるからな、その辺は他の馬鹿共と比べられちゃ困る」

 

「いや、殴り飛ばしてる時点で違和感持とうよ…て言うか旦那様?」

 

「ああ…そう言えば会うの初めてだっけか、コイツが有志出すって言ってたアリアって奴だよ」

 

「宜しくね、可愛いメイドさん」

 

「凄い薫さんっぽさを感じる」

 

薫さんからシェイクスピアを取ったらこんな感じかな、まあ薫さんより女性としての主張が激しいがな

 

何の話?男なら察しろ

 

「結局どんな有志出したんだ?」

 

「簡易的な配給をさせて貰ってるよ」

 

「……へぇ、因みにメニューは?」

 

「国産和牛を使ったスープを振舞ってるさ、旦那様も気になったら行ってみてくれ」

 

「んな事だろうとは思ったわ…思ってたよりはスケールが小さかったがな」

 

「ははは、僕だってその位は弁えるさ」

 

まあ国産和牛を無料で提供する辺りは既にどうかしてるけどな

話聞く限りじゃ寸胴っぽいし………何キロ必要なんだ?やっぱ頭おかしいわコイツ

 

「しかし……良く似合っているよ、旦那様」

 

「そいつはどうも」

 

「おっと、そう言えばメイドさんの名前を聞いてなかったな」

 

「あっ、山吹沙綾です…宜しく御願いします」

 

「改めて、アリアだ…以後お見知りおきを」

 

その後、アリアは有志の方に戻るとの事で帰って行った

さて、俺はこの後はライブに出なきゃならんし…そろそろ仕事に戻らんとな

 

て言うか華蓮達ちゃんと来るよな?心配になってきた

一応そういう伝えは送ったんだけどなぁ……まあ大丈夫だよな

 

「綺麗な人だね〜」

 

「見た目はな、中身は薫さんからシェイクスピアを抜き取った残念さんだがな」

 

「そう言えば結局どういう関係なの?」

 

「クソ親父が勝手に決めた許嫁」

 

「このご時世で許嫁とか初めて見たよ…本当にいたんだそういうの」

 

「俺もビックリだわ……まあこの話はこの辺にしておくぞ、さっさと仕事しなきゃならんからか」

 

「そうだね、じゃあ行こうか」

 

そんな訳で呼び込み頑張りますか




ヤンデレが欲しいなぁー、バンドリのヤンデレが欲しいわぁー
なんか最近少ない、少なくない?
ヤンデレ作品の方も若干減って来た気がしなくもない

まあんなこと言うなら自分で書けよって話ですけど私見る専なんですよね(他人任せ)
クソ野郎だな作者、誰かオラにヤンデレを恵んで下され(どこまでも他人任せ)


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39話

もう12月になりそうですねぇ、一年も終わりますよ
俺は来年から就職して働きだしめますが…取り敢えずそれまでは遊んで回るか

では、本編どうぞ


さて、そんな訳で呼び込みをやっていとあっという間に時間が過ぎていたようだ

 

「俺はそろそろ上がるけど、沙綾はどうするんだ?」

 

「私も上がるよ、午後のライブもあるし流石に疲れちゃった」

 

まあ午前中からぶっ通しで呼び込みやってるからな、流石に疲れるだろうよ

さてと、俺はチャッチャと着替えて正面のステージに行かなきゃならんのだっけか

 

「じゃあステージまで一緒に行くか?」

 

「いいよ、ついでに他のクラスも見てみようよ」

 

「おお、良いな」

 

ていう事で沙綾と他のクラスも回ることにしたので着替えて待つ事にした

 

「お待たせ」

 

「おう、じゃボチボチ行こうか」

 

はぇー、他のクラスはこんなんやってんのか……縁日に休憩所、的当てはまあ縁日に被ってなくはないが

あとはお化け屋敷にお化け屋敷、お化け屋敷…お化け屋敷………

 

何だこのお化け屋敷地帯、どんだけ密集してんだよ

 

「幸貞、あれって…」

 

「ん?……あ、友希那とリサ」

 

「お、ヤッホー幸貞」

 

「あら、こんな所で奇遇ね」

 

「お前ら来てたのか……で、何でこの地帯に居るの?確かリサ、お前お化けとか苦手じゃなかったか」

 

「え?あっ、ああうん…た、たまたま通りかかっただけだよ」

 

「折角だから入るか、序に沙綾もな」

 

「「「え?」」」

 

綺麗にハモったなお前ら

正直な話、俺はお化け屋敷が苦手ではない…いやまあ得意かと言われると答えはNO何だがそれは一人の時に限る

 

周りに人がいるとその人達が悲鳴を上げる為、俺は驚くタイミングを逃してしまう…結果的に残るのは周りへ向ける生暖かい視線と苦笑いだけである

 

「どうせまだライブまで時間あるし、時間潰しには丁度いい…どれにする、よいどりみどりだぞ」

 

「ま、ままま待って幸貞!」

 

「はいはいちょままちょままま、さっさと決めてくれ」

 

「何で行く前提なの!?そこからおかしいと思うんだけど!?」

 

「だって暇だろ?それに決して俺はお前をお化け屋敷に入れて楽しもうとか思ってないからな、安心しろ」

 

「思ってるじゃん!絶対思ってるやつじゃんそれ!!」

 

「ほら見ろあの二人、もう腹括ってるぞ」

 

友希那と沙綾の目が据わっていた、なんか怖いけど取り敢えず覚悟は出来たみたいです

 

「リサ、諦めなさい…もうこれは運命なのよ、幸貞にここで捕まった時点で決められた運命(さだめ)なのよ」

 

「リサさん、諦めましょう…もう無理ですよ」

 

「ふ、二人共〜!」

 

「リサ…覚悟は出来たか?俺は出来てる」

 

「アタシは出来てない!!」

 

「つべこべ言わない」

 

「い〜や〜!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ〜…嫌だって言ったのにぃ〜」

 

「大丈夫だって安心しろよ、沙綾も友希那も居るんだからさ」

 

「怖いものは怖いの!」

 

因みに今の状況、リサは俺の右腕にガッチリしがみついている

友希那は左腕の袖を掴み、沙綾は友希那の隣を歩いている…入って十秒も経ってないが既にこの状態だと先が思いやられる

 

「ほら、歩かないと終わるもんも終わらんぞ」

 

「……目瞑ってる」

 

「はいはい、足元にお気を付けて下さいよお嬢様」

 

そんな感じで歩み出す我ら一行、しっかし良くできてるなぁここのお化け屋敷

小道具なんかも完成度が高いし、マネキンとか使ってるっぽいな

 

まあ俺作の貞子には劣るがな

 

「ギャァァァァァ!!!」

 

真っ黒のカーテンに隠れていたお化けがバッと姿を表し、叫び声を上げる

 

「キャァァァァ!!?」

 

「っ!?」

 

「うわぁビックリしたぁ…」

 

「ああ、ビビったな」

 

リサが思いっ切り腕に抱きつき、友希那は声は上げていないものの腕に抱きついてくる

俺と沙綾はケロッとしている

 

「あんまりビックリしてなさそうだよな沙綾、もしかして得意?」

 

「割と好きな方だよ、ここのお化け屋敷結構面白いね…て言うか幸貞の方こそ驚いて無さそうじゃん」

 

「これでも結構驚いてんだぞ、一応」

 

友希那さんは腕から離れる様子がありませんね…これは最後までこのパターンかな?

因みにお化けはカーテンの中に戻って行った

 

「うぅぅ〜らめしやあぁぁ〜〜!!」

 

「ヒィィィィ!!」

 

「ヒッ!」

 

「うらめしやか…じゃあ表はパン屋か雑貨屋だな」

 

「何の話してるの幸貞…て言うかパン屋か雑貨屋って、何でそのチョイス…」

 

「なんとなく」

 

 

 

 

 

 

「うヴァァァァァ!!」

 

「イヤァァァ!!もう嫌!!」

 

「!!…っひぅっ!?」

 

「あのゾンビ…中々の特殊メイクじゃなかったか」

 

「通り過ぎた後だけどよく平然とそう言う事言えるよね」

 

「俺はどこに居たって俺だ、やる事なんて変わりはしない」

 

て言うか友希那の悲鳴が可愛すぎる件について、しかもその度に腕に抱きついてくるから尚可愛い

 

さて、そんなことを思っている内にもう出口が見えてきた

 

「出口!?早く出よう幸貞!」

 

「分かってるよ……ん?これ開かないんだが」

 

「え?な、何で…」

 

「あ、本当だ…開かない」

 

まあこういう仕様なんだろうな、見事に友希那とリサは引っかかって盛大にビビってるけど

だからと言って教える気は無いけどね、詰まらないし

 

心做しか沙綾も少しビビってる希ガス

 

「まあ慌てんなよ、たかがお化け屋敷だぞ?」

 

「苦手だって言ってるじゃん!!」

 

「そうでした」

 

「ゆ、幸貞…湊さんさっきから喋らないんだけど……」

 

「気にすんな、相当ビビってるから放っておいてやれ」

 

しかし手が込んでるなぁ…因みに今後ろからゾンビメイクのお化け役が近付いてきてる、気配で分かった

 

「うヴァァァァァァァ!!」

 

「いやぁぁぁぁ!!!」

 

「っにゃう!?」

 

「お、開いてんじゃーん」

 

ギリギリに開ける演出か、中々面白いな

結果はリサと友希那がノックアウトされて沙綾が結構ビビったか…うん、面白いね

 

「どうだったよ沙綾」

 

「最後のやつは結構驚いたよ、面白かったね……それで、えっと…お二人は大丈夫ですか?」

 

「ひっぐ…も、もうやだぁ」

 

「ほら、もう終わりだから泣くなよリサ」

 

「だっでごわがっだんだもん!」

 

「て言うか友希那、最後にゃうって言わなかったか?」

 

「言ってないわよ」

 

なら目を見て話してくれますかね友希那さんや、俺は間違いなくこの耳で聞いたからな

 

そして一生忘れることは無いと思え

 

「さて、暇潰しも出来たしステージに行くか」

 

「そうだね、ポピパの皆も着いたって連絡来たから」

 

「随分お早い到着だな、俺らも早く行くか」

 

「もしかして幸貞、ステージ出るの?」

 

まだ少し赤い目を擦りながらリサが聞いてきた、泣き顔の美少女もいいが泣き終わったあともいいな……何言ってんだこいつ

 

「ああ、先輩に頼まれてな」

 

「そうなんだ…じゃあ私も見に行く、友希那も行く?」

 

「ええ、折角だし見て行こうかしら」

 

「そうかい、じゃあこのまま向かうか」

 

それはいいんだが、そろそろ腕を離してくれないかねお二人共……周りの視線が痛い

 

主に男子勢からの視線が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな訳でステージに到着、リサと友希那とは一旦別れ裏方へ沙綾とやって来た

それでウチの姉さん達は何処に居るのやら

 

沙綾は早々にポピパの娘達を見つけてそっちへ行ったが

 

「あ、幸貞来た」

 

「ここに居たのか晶奈、華蓮」

 

「執事服、似合ってたわよ」

 

「何だ見たのか……それで、役割分担はどう為さるお積もりで」

 

「いつも通り私がボーカル兼ギターやって華蓮にはベース、幸貞はドラムで優珠ちゃんにはキーボードをやってもらうよ!」

 

「まあいつも通りだな…………ん?優珠?」

 

「お久し振りです兄さん」

 

背後から声が聞こえたので振り返るとかなり近くに我が妹が立っていた、流石にビックリして少し後ずさってしまった

 

てか君仕事はどうした

 

「うぉい、ビックリさせんといて下さいな…て言うか何で居るの」

 

「兄さんの文化祭があると聞いたので、父さんに言ったら行って来て良いよと言われたので」

 

「そ、そうかい」

 

会うのはゴールデンウィークぶりか、夏休みはなんだかんだで帰って来れなかったらしいし

親父が言っていたが、仕事が立て続けに立て込んだらしい

 

「まあいいか、それで何やる」

 

「私の気分!」

 

「出たよまたそれか…まあもういいよ」

 

「何歌おっかなぁ〜」

 

「毎回毎回、本当に勘弁してくれっての」

 

「諦めなさい幸貞、これも運命よ」

 

「前にも言ってなかったかそれ」

 

そんな訳で今回も晶奈の気分セレクトになりました、激しいやつとかマジ勘弁して欲しいんだよね

大概ドラムから入るから曲名聞いて速攻で動き出さないといけないから神経削られるんだよ

 

早押しクイズ並の反射速度でドラム叩き出しとか鬼畜以外の何者でもないだろマジで

 

「あ、出番だってよ」

 

「分かった、じゃあ行くわよ貴方達」

 

「了解、優珠キーボードは?」

 

「借りれるそうなので、此処に有るのを使わせて貰います」

 

「成程、さっさと行ってチャチャッと終わらせますか」

 

ステージに上がってみると、割と観客は集まってるみたいだ

まあ俺たちの前にポピパやってたからな…あの娘達もそこそこに有名になってきたらしいね

 

さて、何をやるのかな…うちの姉さんは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局やったのは閃光のブリューナクだったよ、よくあんな声出せんな

まあピアノ始まりだから今回無茶振られたのは優珠だった様だな……まあアイツなら余裕だと思うけどね

 

て言うかアレにドラムって存在しないから何気に一番の無茶振りは俺か巫山戯んな

 

「この後はどうするの幸貞」

 

「まあ別に特に無い」

 

「そう、まあ私達はやる事やったし帰るわね…ああ、アリアちゃん所のスープ美味しかったわよ」

 

「あっそう、まあ気が向いたら行く」

 

「そう、じゃあ帰るわね」

 

晶奈と華蓮は帰って行った……で、優珠はと言うと俺と見て回りたいらしいので案内する事にした

 

「兄さんのクラスは何をしているのですか?」

 

「メイド喫茶だとよ、行ってみるか」

 

「はい、是非」

 

という訳で優珠を連れて行ったのは良いんだが

 

「やだ幸貞君ったら!こんなに可愛い妹さんが居たなんて……!」

 

「ねえねえ優珠ちゃん、ちょっとこっち来て」

 

「あ、あの…えっと」

 

そんな感じで衣装班に捕まって連れて行かれた…アイツの戸惑う顔って初めて見た気がするな

 

数分後、可愛らしくメイド服に着替えさせられた優珠が帰ってきたのは何となく予想はつくだろう

 

そして何を仕込まれたか知らないが、俺に対してお帰りなさいませご主人様を言わなくても良かったんじゃないか…あと満更でも無さそうな顔しないで、君本当に堕落させに掛かりかねないから

 

まあそんな事もあったが、文化祭も終わりを迎えた




あ、そうそう
来年の二月辺りに親知らず抜くんですが、その過程がなんか凄かったんですが

まあ歯の麻酔は別にいいんですけど、足への局所麻酔はマジで勘弁したい…もう二度としたくない(切実)


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40話

もう一年も終わりを迎えますね……早いなぁ
俺はもう来年から社会人ですよ社会人、学生生活ラスト満喫しよう

それはそうとバンドリに新しいバンドが追加される様ですね
これはあれかな、出せと言うことかな(小説に)そんなんバッチコイだぜ、唯まだキャラが分からないからアニメに出て喋りだしてからですけどね

では本編どうぞ


文化祭も終わり、皆のテンションもほとぼりが冷めて来た

 

いつも通り学校に行って帰っての繰り返しをしていた……いや、て言うか俺の望む日常ってこんな感じだよな

面白くなくていいんだよ、詰まらなくていい…不幸せは要らない代わりに幸せも要らない

 

そう、これこそ理想的だな

 

「嗚呼、いい日常だ」

 

「何言ってるの幸貞」

 

「まあ少し想う所があってね」

 

「ふーん…パンの余りいる?」

 

「貰う」

 

今日という日もまた過ぎていく、そして明日がやって来てまた過ぎて…何も無い日常が身に染みるぜ

 

ここ最近本当に忙しかったな本当…あと相変わらずだがパン美味い

 

「本当によく食べるよね」

 

「まあ男だし、食べ盛りだからじゃないのか」

 

「にしても結構な量だと思うんだけどね……」

 

「そうか?まあいい、もう放課後だがお前は帰らないでいいのか?」

 

「うん、今日はポピパは無いし店の手伝いも遅いし」

 

「そうか、じゃあ俺は帰るわ」

 

「分かった、じゃあまた明日ね」

 

沙綾と別れて昇降口から外へ出る

今日も学校楽しかったなー、早く帰って音ゲーしなきゃ(使命感)

 

と、校門に見知った奴が居た

 

「や、やっほー…幸貞」

 

「何してんだリサ、こんな所まで来て」

 

「いや〜……じ、実はね?」

 

校門の横にリサが立っていた…のは良いんだが、何故かバツの悪そうな顔で言い淀む

 

すると

 

「お前が導寺峠幸貞って奴か」

 

見知らぬ奴の声が後ろから聞こえたので振り返る…黒髪の短髪でそこそこイケメンな男が立っていた、因みに背は俺より少し低い

 

「ああそうだが、お前誰?」

 

「俺は貴島(きしま) 隆人(りゅうと)、お前からリサさんを奪いに来た…!」

 

「は?何つったお前?」

 

「だから、お前からリサさんを奪いに来たんだよ!」

 

……何言ってんだこいつ、頭大丈夫か?

唐突に出てきたと思えばお前の女を奪います宣言、そもそもリサは俺の女じゃなくて友希那の正妻だからその辺は友希那さんに聞いて

 

「おいリサ、こいつ誰だよ」

 

「いや〜…何かここの文化祭に来た時に会った人なんだけどね、何かその後から執拗くって」

 

「それはいいが何で俺の所に来た」

 

「そ、それは…アタシしが苦し紛れに気になる人がいますって言っちゃって……」

 

「ほう…それで俺の名前を出したと、いい度胸してんなお前」

 

「ご、ゴメン!親しい男友達なんて幸貞くらいしか居なくて…」

 

うわ超面倒臭いんだけど、絶対に関わりたくないレベルで俺の思う面倒臭い人種なんだけどコイツ

 

「えーと、貴島君とか言ったっけ」

 

「そうだ」

 

「結局、君はリサの事を好きになって事でいいのか?」

 

「そういう事だ、花咲川の文化祭で一目惚れしちまったのさ……俺はお前なんかに負けるつもりは無いからな」

 

「知らねぇよ、そもそも俺とリサは付き合って無い」

 

「噓を吐け、結構親しげな様子だったじゃねえかよ畜生」

 

「幼馴染だから多少はね」

 

「何!?幼馴染だと!?何だその羨まポジション!代われ!」

 

「コイツ面倒臭い」

 

マジ何なん?何しに来たのコイツは

さっきから言ってるけど奪うも何も俺の女じゃないって言ってるやん

 

「結局お前は何がしたいんだよ、用がないなら帰るぞ」

 

「ふっ、帰ってもいいがそれは敗北を認めることになるぞ?」

 

「好きにしろ、俺には関係無い」

 

「え、ちょっとマジで帰るつもり?」

 

「何なんお前、帰るっつってんだろ」

 

「自分の彼女が取られそうなんだぞ?」

 

「違うって言ってんだろ阿呆」

 

「リサさん!こんな薄情者よりおれを選んで下さいよ!」

 

「人の話聞けよ馬鹿野郎」

 

あー面倒くせーマジで…何て事を思っていると、聞き慣れた声が後ろから聞こえた

 

「お、久し振りだな幸貞」

 

「うん?どちら様?」

 

「久し振りだからって扱いが酷くないか?」

 

「冗談だよ裕次、陽音はどうした?」

 

「バイトがあるって先に帰ったよ、て言うか幸貞はこんな所で何してるんだ?」

 

「まあ何て言うか、面倒なのに絡まれてね」

 

親指でリサへ猛烈アタックを仕掛けている貴島を指す、見事に苦笑いで返されてるのにそれに気が付けない残念頭さんだな

 

「何だアレは…もしかして修羅場とか言うやつだったのか?」

 

「全然、唐突に出てきたと思ったらお前の彼女奪う宣言をかまされてね…正直な話俺も何を言われてるか分からない」

 

「なんじゃそりゃ」

 

「導寺峠幸貞!」

 

裕次と話していると唐突に名前を叫ばれたのでそちらに目を向ける、何故か覚悟を決めた貴島が居た…何だお前

 

て言うか学校の正門に近いんだから余りデカい声を出すなよ全く

 

「何、どうするか方針は決まったか?」

 

「ああ決まったさ…導寺峠幸貞、俺と勝負しろ!」

 

「勝負ったって何するんだよ、ゲーセン行って格ゲーでもやるか?」

 

若しくは音ゲーのスコア対決でもいいぞ、最近ウニのレートが右肩上がりで調子がいいんだ

 

「ふん、そんな事はしない……男なら拳で十分だ!」

 

「殴り合いの喧嘩がお望みで?OKやろうじゃないか」

 

「おい待て幸貞!何で嬉しそうに即決してんだよ!?」

 

「や、やめといた方がいいよ?」

 

「大丈夫ですよリサさん…知らないかもしれませんが、俺ボクシングでそこそこ強いんですよ」

 

何その誰得情報、別に知りたくなかったんだが………あと多分、リサが心配してるのはお前が喧嘩出来るかじゃないと思うぜ

 

しかし血の気が多い奴で良かった、楽に片付く

 

「じゃあ場所を移そうか、此処じゃ不味いだろ」

 

「ああ、そうだな」

 

という訳で近くの公園へ場所を変える、この時間帯なら人は通らない…居たとしても猫と戯れる銀髪美少女が偶に出没するくらいだからな

 

「んじゃ場所はここでいいか」

 

「ああ、俺が相手だった事を恨むんじゃねぇぞ」

 

「はいはいそうですねー」

 

「ふん、その余裕っ面を歪ませてやる……!」

 

ファイテングポーズを取る貴島、なかなか様になってるじゃないか…そう言えばボクシングやってんだっけ?そりゃ似合うわな

 

「……シッ!」

 

「危なっ」

 

右のジャブをスルッと躱す、急に動き出すのはどうかと思うよ君……まあもう勝負は始まってる的な感じだろうな

 

次は右か…そんで左拳のボディブロー、続けて右ストレート

恐らくそこそこのボクサーでも反応出来るか怪しい速度で今のを的確に打ち込んでくる、確かにこりゃ素晴らしい才能だわ……まあ、天才ってのはその上を行くんだがな

 

何せ、天が与えた才だからな

 

今のを全て捌き、往なし…躱しきる

 

「て言うか容赦無さすぎだろ、こちとら素人だぞお前」

 

「……お前、本当に素人か?」

 

「ああ素人だとも、ボクシングの経験なんて微塵も無いね……疑問か?己の拳が全て避けられた事が」

 

「………何者だ」

 

「唯の一般ピーポーだよ…少し根性と性根が腐ったな」

 

次の攻撃はさっきの速度より更に上がってラッシュを打ち込んできた、一応あれでも手加減してくれてたのね

 

そしてラッシュの最中、ウィービングで避けながらちょこちょこ腕や脇腹や水月の辺りに軽く拳を当てていた……何かって?唯の嫌がらせだよ

 

「どう言う積もりだ、何故本気で打ってこない」

 

「今の全部俺が本気で打ったら瞬殺だぞお前…それじゃお前の格好がつかんだろ」

 

「…成程、煽っているのか」

 

「よく分かってるじゃないか、俺の性格はそういう性格なんだよ」

 

「腐ってやがるな」

 

「言っただろ、俺は少し根性と性根が腐った一般ピーポーだって」

 

「お前のような一般人が居て堪るか」

 

だよね〜、俺もそう思う

まあ御本人がお望みならば…少し本気を出してあげようかな、正直に言えば俺が飽きてきた

 

飛んできた右ストレートを捌き腕を掴む、そして右腕を振りかぶって…………思いっ切りぶん殴る、これぞショート版『全力殴殺(ぶっぱなし)

 

「結構効くだろこれ」

 

「っ…!ああ、かなり効いた」

 

「で、どうするよ……まだ続けるか?」

 

「はっ、今は腕を掴まれたからくらっただけだ…普通に動けばお前のノロマな拳なんぞ躱せる」

 

ほぉ…ならちょいと本気を出しながらおちょくるか

 

俺は基本的に見て覚える人間だ

大概のスポーツはアスリートのプレイを見て、見様見真似で動けば出来てしまう

 

詰まり、今俺の前にはボクシングのプロが居る…俺はこいつを見れば見るほど強くなる

相手は俺を指定ターン以内に倒さなければ超絶強化されてしまうというハンデを背負っていると言う訳だ、どんな鬼畜ゲーだよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから6分程度が過ぎた、貴島は肩で息をしている一方…俺は以前として余裕を保っている

別に見栄っ張りではない、普通に疲れてないだけ

 

「な、何なんだよお前…化け物か」

 

「人聞きの悪い事を言うな、俺は列記とした人間だ」

 

そろそろ可哀想だしクリーンKOでも取ってやるか

貴島が力を振り絞って右ストレートを打つ、右側へ身体を逸らして拳を避け…元の位置へ戻す勢いで左頬へ強烈なフックをお見舞いした

 

顎を狙わなかっただけ良心的だと思ってくれ

 

俺の一撃をくらった貴島は身体が倒れるのに抵抗せず、そのまま地面へ堕ちた

まぁよくよく考えると顎を狙わずにただのフックでKO取るほうが相手にとっては痛いんだけどねHAHAHA

 

「ま、マジかよ幸貞…」

 

「まあこんなもんだろ、取り敢えずこいつが目を覚ますまで待つか」

 

「幸貞!」

 

「ハイなんでしょうリサさん」

 

「やり過ぎちゃダメでしょ!!」

 

「えっと…はい、すみませんでした」

 

「もう、気絶させるまでやらなくてもいいでしょ…」

 

だってコイツ無駄にやる気満々なんだもん、答えてやるのがスポーツマンだろ

 

え?どの口が言うかって?ちょっと黙ってなさい

 

「でもまぁ、取り敢えずありがとう…幸貞、元はと言えばアタシが悪いんだし」

 

「まあ気にするなよ、取り敢えずこの馬鹿をベンチに寝かせるぞ」

 

それから三分程経った頃、貴島は意識を取り戻したようだ

取り敢えず状況説明をしてやると、見てからに落ち込んだ…まあ素人に負けたんだからそらそうよ

 

「は、はは…素人に負けたのか俺は……」

 

「相手が悪かったな、まあこれも運命だと思って受け取れ」

 

「はぁ……何か今までの俺が馬鹿みたいだな」

 

「実際のところ実力のある馬鹿だからなお前、相手の力量も分からないままじゃどんな事であろうと長続きしないぞ」

 

「忠告どうも……」

 

そんな訳で、取り敢えずの所この件は終わりを迎えた




新しいバンド、控えめに言って好きでした

だ、ダメだ…俺はRoseliaが好きだっていうのに…Roseliaよりも重い音のロックが響きまくってて畜生
て言うかR・I・O・Tが反則過ぎる、何んで俺の好きな感じのどストライク取りに来てんだよお前

あ^〜好きだわ(即堕ち)


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41話

皆様あけおめです()

いやー本当に申し訳ない、年越す前に一話上げようと思ったんですが…ガキ使見てるうちに筆がノら無くなっちゃって…本当すみません

という訳で、今更感が満載な年明け編です

では本編どうぞ


さて、リサの一件も終わり年も越して冬休みも終わった……いやーこの期間何してたんだろうな俺

 

まあ実際の話、遂にP〇4買って滅茶苦茶やり込んでたんですよねー作者様(AZAZEL)

 

『やめろお前メタい話を振るな、て言うかお前(キャラ)(作者)に話しかけるな…そういう作品じゃなかったろ』

 

おおこれは辛辣、まあ柄にもないことやったな確かに……さてと、冬休みも終わったし学校始まったちゃったよ畜生

 

「おっはよー!幸貞君!そして明けましておめでとう!!」

 

「ああおはよう、明けましておめでとう…こんなクソ寒いのに相も変わらず元気だなお前」

 

「冬ってなんかキラキラドキドキしない!?」

 

「しない、て言うかお前いつもしてるじゃん」

 

「えー?そんなことないよー」

 

保護者(有咲)どこいった保護者(有咲)、俺だけじゃ対処しきれないぞこのお星様

 

ていうか多分全員おいて走ってきたなコイツ、何でこんなに元気ハツラツなんだよ

 

「待ってよ香澄〜!」

 

「は、早いよ香澄ちゃ〜ん!」

 

向こうから三人が息を切らしながら走って来るのが見える、因みにあと一人は余裕な顔してるな…なんでお前はお前でそんなに体力あるんだよ

 

「お前急に走り出すんじゃねぇよこのバカ!」

 

「ご、ごめんね有咲〜」

 

「やっほー幸貞、あけおめ〜」

 

「ことよろたえ」

 

「おたえ」

 

「たえ」

 

「おたえ」

 

「たえ」

 

「おたえ」

 

「たえ」

 

「久し振りに聞いたねそれ、て言うかまだやってたんだ」

 

「俺は絶対に折れんぞ…あと明けましておめでとう」

 

「うん、今年もよろしくね」

 

という訳でポピパ勢とはあけおめことよろを交わした、さっさと教室に避難しないとピンク頭とか女王様とかが来ちゃうな

 

金色は金色でも異空間が来るかもしれないな、それはそれで面倒臭いから逃げるけど

 

「あら、誰から逃げるって?」

 

「読心やめてもらっていいですかね女王様」

 

「大体予想つくのよ貴方の思考…はぁ、明けましておめでとう幸貞君」

 

「これはどうも、今年はあまり宜しくしたくないですが宜しくお願い致しますね」

 

「千切るわよ」

 

何を千切るんですかね…ああ、ナニをか

まあそんな下ネタは置いておいて……ピンク頭が見えないなそう言えば

 

「丸山先輩はどうしたんですか」

 

「彩ちゃんは寝坊したそうよ」

 

「新年早々、氷川先輩に絞られるとは…御愁傷様なこったな」

 

「まあ自業自得よね」

 

「仰る通りで」

 

さて、今度こそ教室に行こうっと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

始業式は早々に終わり、序に言えばホームルームも直ぐに終わった

今日は始業式って事なんで授業は無く、そのまま下校

 

暇だしcircleに行くか

 

「明けましておめでとう御座います、まりなさん」

 

「うん!明けましておめでとう幸貞君!今年も宜しくね!」

 

「はい、今年も頑張らさせて頂きます」

 

さて、今日の予約バンドは…まあいつも通りだな

準備はまりなさんがしてくれたそうなんで、俺は受付をやる事に

 

小説片手に暇していると

 

「幸貞ー!明けましておめでとう!」

 

「おう、明けましておめでとうリサ」

 

「明けましておめでとう幸貞、今年も宜しく」

 

「どうも友希那、明けましておめでとう」

 

Roselia様が御到着なされたよ、因みにまだこの二人しか居ないから御一行様じゃないけどね

 

「他のメンバーはまだ来てないのかい」

 

「うん、燐子は生徒会で紗夜は風紀委員の色々があるから遅れるって…あこはまだ終わってないってさー」

 

「……貴方、燐子と紗夜と同じ高校じゃ無かったかしら」

 

「俺が知ってるわけないだろ、て言うか燐子ちゃん何故に生徒会?」

 

「何か先輩に次期生徒会長に指名されたとかなんとかでね」

 

マジか、はー世界は予想外な事が起こるなぁ…て言うか予想外過ぎるわ

あの燐子ちゃんが生徒会長って…マジかよえぇ....(困惑)

 

いやこんな事言ってたら本人に失礼だけどさぁ

 

「すみません、遅れてしまいました」

 

「す、少し長引いてしまって…すみません…!」

 

「お待たせしましたリサ姉!友希那さん!」

 

「お、来た様ですよお二人さん…三人共明けましておめでとう」

 

「明けましておめでとう御座います導寺峠さん、今年も宜しくお願いします」

 

「あ、明けまして…おめでとう御座います、幸貞さん」

 

「開けましておめでとーう幸貞さん!」

 

三者三葉とはまさにこの事か、まあ皆様年明けも元気なようで何よりり…そんな訳で友希那に鍵を渡すとスタスタとスタジオへ向かっていった

 

さて次は…アフグロか

 

「明けましておめでとう御座います幸貞さん!今年も宜しくお願いします!」

 

「明けましておめでとう!今年も宜しくな!」

 

「明けましておめでとうお兄さん!」

 

「三人共元気だねぇ、お兄さんそんなに元気出ないよ…明けましておめでとう」

 

「あけおめ〜ことよろ〜」

 

「八文字だけで済ませられるって略語って凄いよね、あけおめ」

 

「……明けましておめでとう」

 

「こりゃどうも、明けましておめでとう蘭ちゃん」

 

て言うか流石モカ、年明けでもそのだらしなさはブレないな……まああんまりこの娘と関わってないけど

 

蘭ちゃんは相変わらずクールな様です、つぐみちゃんは天使で巴は熱い…背後に元プロテニスプレイヤーが見える気がしなくもない

心做しかひまりちゃんの双丘が大きくなっtおっと、誰か来たようだ

 

さて次は……ハロハピか

 

「やっほー幸貞!明けましておめでとう!」

 

「はいはい、あけおめこころ嬢」

 

「ゆーくん明けましておめでとーう!」

 

「おおはぐみか、明けましておめでとう」

 

「明けましておめでとう幸貞、年明けの挨拶というのは何とも…嗚呼、儚い」

 

「何言ってるか分からんが明けましておめでとう」

 

何でもかんでも儚いんだなこの人は……さて、ハロハピ屈指の苦労人様がお見えになられたな

 

「お疲れ美咲ちゃん、明けましておめでとう」

 

「あ、幸貞さん…明けましておめでとう御座います、はい…まあ、疲れましたね」

 

「ゆ、幸貞さん…明けましておめでとう御座います」

 

「おお花音ちゃん、明けましておめでとう」

 

あ^〜花音ぢ ゃ" ん"はがわ"い"い"な"ぁ"^〜、相変わらず天使ですわ天使

美咲ちゃんは新年早々から振り回されてるみたいでね、まあドンマイ

 

「幸貞幸貞!もう新年の抱負は考えたかしら!」

 

「ええ?いや全然考えて無いけど」

 

「あたしはね!今年も世界中に笑顔が溢れるように頑張るって抱負にしたの!!」

 

「ああ、そうですか…て言うかそれが目標なんじゃなかったか」

 

「ええそうよ!でもあたしの抱負でもあるの!」

 

「へぇ、そう……で、なんで俺に言ってきた」

 

「幸貞は何か抱負は無いのかしら?」

 

「考えて無いってさっき言ったでしょうが……まあ敢えて言うなら、静かで平穏な日々を過ごす、かな」

 

「あらそうなの…なんだかつまらなそうじゃないかしら、もっと面白くて楽しい方がいいわよ!」

 

「はいはいそうかい、余計なお世話だよ」

 

面白くも楽しくも無ければ辛くも苦しくも無い、そんな日々を手に入れるのが俺の夢何だがなぁ…自ら地雷を踏みに行ってる感があるな

 

でも俺だってそこまで極まった屑じゃない、向こうからコミュニケーションを求められれば反応するさ

唯求めてくる相手に変人が多いだけだ、うん俺悪くない

 

「ねーねー、ゆーくんっていっつもなんかの本読んでるよねー…なんの本?」

 

「ああこれ?この前に取った電験三種ってヤツの参考書、暇潰しに読んでる」

 

「でんけんさんしゅ?はぐみわかんないや」

 

「まあ取るのは難しいが取ったらこっちのもんって資格だよ」

 

「ゆーくんって頭いいんだね〜」

 

「まあそれなりにね」

 

これでも天才の端くれですから………お前これまではぐみと全然喋ってなかったろとか思ってる奴ら、言っておくが俺は北沢精肉店の常連なんだよ

 

休みの日とかでもコロッケ買いに行く位に常連なんだよ、だって美味いし花蓮と晶奈も好きだからな

そこで店番してるはぐみにエンカウントするから普通に喋る仲だ

 

さて、残るはパスパレか……まあでも女王様とイヴにはもう挨拶済ませたんだよね、女王様と会った後にイヴとも会ったし…丸山先輩は見てないけど

 

「て言うかあの人達って基本的に事務所で練習してるから、来ないだろ」

 

「ところがどっこい、これが現実」

 

「何でお前がその台詞知ってるんだよ」

 

「アタシ結構好きだよ?カ〇ジ」

 

「女の子が観るようなアニメじゃ無いだろ……」

 

「ユッキー、アタシのこと女の子って…やっさしー!」

 

「さいですか、明けましておめでとう」

 

「あけおめユッキー!」

 

本当、神出鬼没だよなこの天災…て言うかパスパレって今日予約入ってたっけか

 

するとヒーヒー言いながらピンク頭が入って来た

 

「もう急に走らないでよ日菜ちゃ〜ん!」

 

「遅いぞ彩ちゃん!」

 

「て言うか貴女達って今日予約入れてたっけ?」

 

「いえ、入れてないわよ幸貞君…空いてるかしら?」

 

「おや女王様、まあ空いてますが…何故急に」

 

「気分よ気分」

 

いやまぁ正直なんでもいいんだけどさ、もし空いてなかったらどうする積もりだったのかねこの人達…なんか無理にでも空けろとか言いそうだけどなこの人(女王様)

 

「あ!明けましておめでとう幸貞くん!今年もよろしくねっ!」

 

「ああどうも丸山先輩、あけおめことよろ」

 

「何か酷くない?」

 

「明けましておめでとう御座いますッス、幸貞さん」

 

「おう明けましておめでとう、麻弥ちゃん」

 

さて、取り敢えずこれで全員に新年の挨拶は出来たか…律儀?まあ付き合いがある人にはしておかなきゃなぁ

 

アリア?年越した瞬間に電話が飛んできたよ、『初旦那様だね』とか意味不明な事言ってたけどな

因みにアリスさんにも済ませてある、アリアの後に掛かってきた

 

はぁ…俺の静かな日々は何処に……自業自得な部分はあるが、それでもここまで酷くなるとは思わなかった…別に嫌いじゃないけどさぁ

まあこれも運命と言うやつなのかね、俺はこういう星の元に生まれてきたという訳なのかな

 

「……あ、おヤッさんに言うの忘れてた…後でメールしておこう」

 

なんだかんだお世話になってるからな、あの人にも

さて、今年も一年…そして今日という日も頑張って行きますか…面倒臭いがね




ああそうそう、RAISE A SUILENの娘達も勿論出します…なので一期見てないのに二期からアニメを見始めました

取り敢えずスレインの娘達が全員登場するまでは原作寄りになりますかね〜、あと後付設定もあるのでそこの辺りご了承下さいませ

では、今年も一年宜しくお願い致します


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42話

という訳で原作突入ですはい
一期を見ずに二期から見始めるという暴挙に出でたAZAZELデス、前にも言った希ガス

まあそんなことはいい、て言うかアニメの方まだチュチュと六花ちゃんしか出てないやんけ!ワイのパレオちゃんはまだかね?

おっと危ない、俺は友希那一筋だ…君達は何も聞いていない、いいね?

さて、では、本編どうぞ


さて、この季節になると一つの大きなイベントがある…そう、進級と卒業だ

 

三年生にとっては進学か就職か…まあ殆ど進学だろうが、それでも大きな分かれ道にぶち当たる時期

俺達は学年が一つ上に上がり、新たな事が始まる時期だ

 

そんな訳で俺も二年になりました……え?原作は二年になるまでに三年掛かってないか?原作とかちょっと何言ってるか分からないな

 

まあいい、そんな訳で二年生になりましたとさ

 

「本当に燐子ちゃんが生徒会長になったのか…はー、世界は分からんな」

 

「導寺峠さんおはようございます……雰囲気はやる気が無いのに服装だけはしっかりしてますね」

 

何か校門の近くで受付?的な事をしている氷川先輩に出会った、開口一発目からかなり辛辣

 

「まあ自分真面目ちゃんなんで」

 

「どの口が言いますか、今年からは一年生が入ってくるんですからしっかりして下さい」

 

「善処します」

 

後輩が出来たからって変わる俺じゃないがね

 

ああそうだ、ここで一つ途轍も無くどうでもいい話をしよう…あれだったら聞き流してくれて構わない

 

とある友人とこんな話をしたんだ、学園系ギャルゲーに最も適している学年とは何年生か……もう既にどうでもいいかもしれないが話し続けるぞ

 

まあそこで考えた結果、主人公を高校生として考えた場合は高校二年生が一番適しているという結論に至った

理由としては、より多くのシチュエーションを味わえる所だ

 

高校は三年間、二年生とは丁度真ん中…詰まるところ後輩・同級生・先輩、そして幼馴染にぶっ飛んで先生という視点も有りだ

更に他校に手を伸ばせば後・同・先の三点セットが更に着いてくる

 

上記の理由から高校二年生という立ち位置が最も適しているだろうと成った

…………何でこんな話したかって、自分が高二になってその話を思い出しただけだよ

 

「そう言えば氷川先輩、一年生に男子生徒は居るんですか?」

 

「残念な事に今年はゼロ人です…どうやら試験を舐めていたらしく、受けた人数は多かれど全員が合格点に満たないそうです」

 

「そりゃ馬鹿ですね…そう考えると俺達の代はそこそこ優秀ですね」

 

「まあそうですね…導寺峠さんも他のお二人も、余裕の合格点超えだったらしいですからね」

 

「あんなの参考書見れば解けますよ、寧ろ何処に間違う要素があるんだか」

 

「天才は出来ない人の苦労を知らないものです」

 

「正にその通りですね…まあ他人に興味なんて有りませんがね」

 

「余りそういった事は人前で話さない方が良いですよ……呼び止めて長話に付き合わせてしまって申し訳ありません」

 

「お気になさらず、話に乗ったのは自分ですので」

 

それに話を振ったのも俺だからな、本当に律儀だよなこの人…悪く言えば堅物、良く言えば優等生……か、難儀なもんだね

 

「……まだ話を続ける様ですが、燐子ちゃんはそこで何をしているのかね?」

 

「ひゃっ!……あ、幸貞さん…おはよう、ございます」

 

机の裏に体育座りをしている燐子ちゃんを発見した…まあさっきから気になってはいたんだけどね

 

「おはようございます、何でこんな所に座り込んでるの」

 

「こ、この後…み、みみみ皆の前で話すんです……だから、その…失敗しないように、練習…してるんです……」

 

「ああ成程、まあ頑張って下さい」

 

「はい…頑張り、ます」

 

大丈夫じゃない未来しか見えないな…うん、本人には失礼だけれども

 

お?向こうから走ってくるのは……金髪ツインテールでツンデレと言うどテンプレ少女の有咲ちゃんじゃないか

 

「よう有咲、おはよう」

 

「ああ、おはよう…て言うか何でここに居るんだ?」

 

「氷川先輩と少し話してたんだよ」

 

「へー…って、白金先輩は何でそこに……」

 

「全校生徒の前で話すんだからな、まあ緊張して当然だろ」

 

「あー…そっか、朝会で話すんだったな」

 

「じゃあ取り敢えず俺は教室に行くわ、仕事頑張れ有咲と氷川先輩…後燐子ちゃんは………取り敢えず頑張れ」

 

無責任だが今の俺からはこの言葉しか掛ける励ましの言葉か見つからないんだ、スマンね

 

そう言えばうちの学校もクラス替えがあるらしい、まあ今日じゃなくて明日らしいが…まあ正直何でもいいんだけどね、出来れば裕次と陽音と一緒のクラスになりたい想いはあるがな

 

「あ、おはよー幸貞」

 

「おはよう沙綾さん…その紙袋はあれかね」

 

「あはは、まあ…うん……余ったパン要る?」

 

「有難く貰いますよ」

 

そんな訳で朝の定型文を交わした、そして珍しい事に香澄が遅刻又はギリギリに登校せずに普通にやって来たのだ

 

いやー驚きですわ、有咲と一緒じゃないから下手したら学校来ないんじゃない無いかと思ってたよ

 

「おっはよー幸貞くん!」

 

「ああ、おはよう…今日は遅刻ギリギリじゃないんだな」

 

「うん!今日は有咲と一緒に来れないし、早く来てみんなに会おうと思って!」

 

「成程ね」

 

そういう原動力で動いるのか…流石香澄と言うかなんと言うかな、まあ友達想いのいい娘なんだよね

 

まあキラキラドキドキとか素で言ってなければもっといいんだけど

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、結果から言うと案の定燐子ちゃんは詰まってしまいました…まあしょうがないね、皆生暖かい目で見てたよ

 

まあそんな事もあったがその後は普通にホームルームやって下校になりましたよ

 

「ねーねー幸貞ー」

 

「どうしたリサ、てか他の娘達は?」

 

「休憩中〜、それでさ幸貞!今度アタシ達主催ライブする事になったんだ〜!」

 

「へぇ、そりゃ凄いな」

 

「む〜…返事が冷たい〜」

 

「そんな事言われても…しかし主催ライブするのか、大変だな」

 

「そりゃ大変だよ〜…って、主催ライブなにするか知ってるの?」

 

「別に知ってて悪い事じゃないだろ…企画の制作と進行、運営の管理にゲストを呼ぶならゲストの勧誘と対応…チケットの値段設定に枚数と売上把握、会場決めと交渉とHP(ホームページ)の作成…それに何より学生の持てる金額で金を回すのが大変…………何見てんだよ」

 

久方振りに見たな、コイツのω

 

知ってるか皆、この記号ギリシャ文字Ω(オーム)の小文字なんだぜ…因みに使う時は抵抗値の値を示すときに使う単位オーム(工業高校感)

 

「ねぇねぇ幸貞〜」

 

「絶対に嫌だからな、マジで面倒臭いからこれだけは本当に嫌だぞ」

 

「まだ何も言ってないじゃん!?ね〜お願い幸貞!手伝って!」

 

「こういうのはやり始めちゃうと凝り性だから果てが無いんだよ、だから嫌なんだよ」

 

「勿論タダとは言わないからさ!アタシ達を助けると思ってね?お願い!」

 

俺の手を両手で握り、カウンターから身を乗り出してこちらへ前のめりになるリサ

近いんだよなぁ貴女、何処からか漂う女の子特有いい匂いとかが色々ともう……

 

「ああもう分かったよ、やりゃいいんだろやりゃ……はぁ、幼馴染みの好ってことでやってやるよ」

 

「本当!?ありがとう幸貞!!」

 

満面の笑みが眩しいねリサさん…あとサラッと抱き着かないで貰えますかね

貴女結構、色々と育ってるからあんまり密着されるとさぁ……

 

そういうのは天災で間に合ってるから

 

「会場は決まってるのか?」

 

「うん、おおよその目処は立ててるよ…まあほぼ決まりかな、あとチケットももう考えてはあるけど値段がね」

 

「そこはお前のコミュ力に任せる、会場は後で俺も見ておくから教えてくれ…後はHPの作成とゲストはどうするんだ?」

 

「HPは燐子があらかた作ってくれたよ、ゲストさんも決まったから後は練習とチケットかなぁ」

 

なんか大分出来てない?俺の出る幕は無いような気がするんだが

……いや、俺の本領は当日か…裏方に技術&照明なんかは全部俺がやる羽目になると思うからな

 

何せウチの銀髪美少女様は大層我儘でね、願わずともスグにご指名がはいるだろうさ…まあそれだけ信頼されてると考えれば嬉しいのかね

 

「さて、久方振りにやる気出しますか……徹夜が続きそうだなぁ」

 

「アタシ達もアタシ達で出来る事はやるからさ、幸貞一人に背負わせる気はないよ!」

 

「それはどうも……まあ、君達は当日出演するんだから練習もしなきゃいけないんだろ?」

 

「うっ……ま、まぁ…そうだけど…」

 

「当日にバテられても世話無いからな、程々にしとけよ」

 

「うん、ありがとう…じゃあアタシは戻るね〜」

 

幼馴染みからの頼み事は断れないか………俺も甘いねぇ、まあそんな事を考えてる時点で厨二臭いな

 

まあ与えられた仕事はキッチリ熟す主義なんでね、そこら辺はご心配無く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、そこから更に日は経った

チケットについてはリサのコミュ力で片が付き、会場との交渉に資金の運用…更には企画関連全てを俺がやった

 

あの娘達には練習に励んでもらう様に手を回しまくった、端くれとは言え天才が本気出したらこんなもんよ

 

「え?ポピパをゲストに呼ぶって?」

 

「ええ、急遽なのだけれど…大丈夫かしら?」

 

「まあ全然大丈夫だけど、取り敢えず会場の方に聞いてみてからだが…大丈夫だろ」

 

「彼女達は本気だったわ…出来れば出して上げたいの」

 

「君にそこまで言わせるか……ならもし駄目と言われたら、無理矢理にでも捩じ込んでやるよ…その辺は任せとけ」

 

「ま、まあその…程々にしなさいよ」

 

「安心しろ、別に法に触れるような事はしないさ……要は触れなければいいんだ」

 

「………凄く心配なのだけれど」

 

「冗談だよ、本気にするな」

 

にしてもポピパなぁ…色々頑張ってるんだねぇ、沙綾には世話になってるし(パンのお裾分け)一肌脱ぎますか

 

てな訳で交渉してみたら、寧ろ歓迎されたので余裕でした

現在俺は家でパソコンをカタカタと打っています…何してるかって?チケットの状況整理とHPの更新やらなんやらですわ

 

「……ん?どうしたユキ」

 

パソコンの横にmy cat基、うちの猫‪であるユキがチョコんと座った

なにもせずにジーッと俺を見つめてくる……何がしたいの君は

 

腕を出すと伝って俺の頭へ落ち着いた、成程そういうとこだったのね

 

因みにこの子は俺の部屋で寝ている…ある時は枕の横に、またある時は腹の上で寝ている事もあった

基本的に俺は寝相が悪い訳ではないし、寝てしまうと何があっても基本的には起きないのでユキも好きに寝ている様だ

 

「さてと…こんなもんにして寝るか」

 

アイツら(Roselia)のライブまで残り少しか




そうそう、俺年明けてから星四が五体当たったんですよね
まあ一体ははぐみで被ったんですが

俺もう1年の運使い果たしたんじゃね?と思いきや、FGOでイリヤとすり抜けナイチンが当たるという

なんだ今年、どうしたんだ俺…これ後が怖いぞと思ってる今日この頃


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43話

そろそろバレンタインですね、て言うか明日ですねそれ
という訳でバレンタイン編もやりたいと思ってるんですが明日に投稿できるか分からないのでその辺は御容赦お願い致します

あと今更過ぎますが幸貞君が使う『娘』の読み方は大概『むすめ』では無く『こ』なので一つ宜しく

PS4のサイコブレイクばっかりやってる今日この頃、借り物なんですがね

では、本編どうぞ


時間が経つのは早いものだ…来週だと思ってたものがもう今日になってしまった

さぁて、Roseliaの主催ライブが始まって参りましたぞ

 

会場入りは一番早く、リハまでの時間を準備に費やす…キッついよなぁこれ

今日に限っては流石に俺一人では出来ないのでRoseliaの娘達にもやってもらっている

 

「友希那、照明とかのセッティングはリハの時でいいのか?」

 

「ええ構わないわ…それに、貴方がやるんでしょ?」

 

「え、まあ……そうなるのかな?」

 

「そう、なら何の心配もしていないわ」

 

その信頼は有難く受け取っておくが…やっぱりそうなりますよね、俺がやるんだよね知ってました

 

という訳でスタッフの方々に説明を少々………と、している間にどうやらポピパが到着したらしい

控え室に戻ってみると

 

「何だねこの大惨事は」

 

「え?何で幸貞ここにいるの?」

 

「幸貞君だ〜!おはよう!」

 

「ああ、おはようお前ら…で、何がどうなってこの大惨事だ」

 

俺の目に広がっているのは、Roseliaの面子が屍のように倒れているという光景だ

まあ俺が殆どをやったとはいえ、コイツらはコイツらで動いてたみたいだからな……まあ疲れたんだろう

 

「…う、うぅ…やばい、寝ちゃってたのか」

 

「わ、私とした事が…」

 

「おはようリサと友希那、お疲れのところ悪いがポピパが到着してるぜ」

 

「あ、ああ!ごめんね!」

 

いつのにか起きていた氷川先輩が話し掛けてきた

 

「導寺峠さん、確か私達より仕事の数多かったですよね…何でそんなにケロッとしているんですか」

 

「まあ基本的なスペックは天才なんでね、この程度で音は上げませんよ」

 

「やっぱり……凄い、ですね…幸貞さん」

 

「それはどうも燐子ちゃん、それよりリハをそろそろ始めるんで寝起き早々悪いですが、準備よろしくお願いしますね」

 

「はい、わかりました」

 

さて場所は変わってステージ、リハをやる為に移動して参りました

まあ俺は表じゃなくて裏側にたって照明を弄ってる最中なんですがね

 

いや然しここのライブハウスは照明の機器と音響の機器が近くにあってよかったよ、行ったり来たりしなくて済むからな

まあ勿論スタッフの方々にも手伝っては貰うが、殆ど俺一人でやる…やるんなら徹底的にやるからな

 

それから時間が少し流れ、遂に本番だぜ

流れ的にはゲストバンドが最初にやって締めにRoseliaを持ってくる感じだ

因みにゲストバンドのトリはポピパに設定しておいた

 

しかし、前まではこういうライブハウスとかは感情に当てられるから苦手だったんだが…数熟す内に慣れたのか

人間の適応力は凄まじいねぇ……まあだからといって嫌悪感は無くならないがね

 

さて、ポピパの出番も終わり大本命のRoselia様達のご登場だ…Roseliaの時間を見計らって会場入りする人も居るみたいだな

 

しかし、何か足んねぇよなぁ?と言うか何かモワモワする、最近徹夜続きで昨日に至ってはオールしてるからな、深夜テンションが抜けてない

 

「あ、すみません…今いいですか?」

 

「はい、どうしましたか?」

 

「俺達が最後の予約だった気がしたので、少し延長をさせて頂きたいのですが」

 

「全然いいですよ!寧ろ歓迎です!…しかしお客様の中には学生さんも多くいるので、あまり遅くまでは」

 

「その辺はこちらで調整します、延長の件有難う御座います…あともう一つ、頼みたい事が」

 

「何でしょう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、準備は整った……何するかって?久方振りにテンションが高いからな、少しばかり俺も前に出ようと思ってね

 

「おお、お疲れさん…そんな所に突っ立ってどうしたお前ら」

 

「え?あ、ああ…お疲れ様幸貞」

 

「おう…で、なしてそこに立ってた訳」

 

「まあ、ちょっとね」

 

ほう?成程、詰まるところステージから帰ってきたところで友希那…と言うよりはRoseliaとpoppin'partyの違いみたいなのを感じたかな

 

「お前らが何を思ってるかは知らないが…まあなんだ、少しばかり延長するから見行きな」

 

「え、延長って…何するんだよ?湊さん達が終わったら終わりじゃないのか?」

 

「まあまあ有咲、そう焦るな…お楽しみにしておけ」

 

「幸貞が自分からなにかするって珍しいね」

 

「おう言ってくれるなたえ…まあ間違いじゃないなら否定はしないが、最近徹夜続きだし昨日に限ってはオールナイトしたからな……テンション高いんだよ今」

 

「夜遅くになると急にテンションが高くなるってやつ?」

 

「そう、所謂深夜テンションってやつだ」

 

「じゃあ…今の幸貞君はスーパー幸貞君って事!?」

 

「ネーミングセンスが皆無だが、まあそういう事だな」

 

激レアだぞ激レア、やる気を出した俺なんて五年に一度見れるか見れないかだからな

 

何だったらツチノコ並にレアだぞ

 

「じゃあそういう事だから……時には思い詰めるのもいいが、今はライブだ…せめて楽しんで帰れ」

 

「………うん!ありがとう幸貞君!」

 

俺のプライドでもあるからな、やるんだったら徹底的に…観客に心残り一つ残さないで最後の最後、燃え尽きるまで楽しませるまでだ

 

Roseliaの出番が終わる……だがライブはまだ終わらない

 

「あれ?幸貞どうしたの?」

 

「何、少し柄にも無く高ぶってるんでな…俺も久方振りに前に出るだけさ」

 

「え?でも時間が…」

 

「安心しろ、延長済みだ」

 

メタリックな質感のピエロ面を被り、ステージへと出る…会場じゃチラホラ気が付いてる人達も居るようだが……まあ分からなくても雰囲気でノれるだろ(適当)

 

まあ選曲は俺なんでね、いつも通りですよええ

 

しっかしここのライブハウス珍しいもんを置いてある、ピアノ付きDJブースなんて久し振りに見たな…やってた頃に自作したのを見た以来だ

 

さぁ、ダイジェストの時間だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Goodbye Boss

極圏

ouroboros ~twin stroke of the end〜

Gate of doom

Schrecklicher Aufstand

folern

Lost Civilization

carmine:scythe

Sheriruth

Tiferet

混沌を越えし我らが神聖なる調律主を讃えよ

Grievous Lady

World Vanquisher

 

因みに今回はピアノパートがあるものをチョイスした、折角ピアノ付きDJブースなんだから存分に使わなきゃなぁ

 

ピアノパートは俺が全て演奏しましたさ勿論

 

「相変わらず出鱈目みたいな器用さね、貴方」

 

「歌姫様からお褒めに預かり光栄の限りですわ」

 

「それにしても、そのお面は何なの?」

 

「ああコレか?俺の出てたDJの大会って服装自由なのが多くてな、覆面やら仮面やらを付けてるやつも居たからな…まあ俺もそれに肖ってみようと思ってね」

 

「幸貞さんのお面カッコイイ~!!あこもライブの時に付けてみようかなぁ〜…ふっふっふっ〜、我が闇の力を封印せし仮面…え、え〜と」

 

「やめとけ、ドラムなら特にな…視界は見えずらいわ酸素少ないわでいい事ないぞ」

 

「ちぇー…分かりましたー」

 

それに俺の仮面はお手製だし、ちゃんと鉄板から加工してるからまんま鉄だぜこれ

家庭用工具だけで加工すんのかなり大変だったな……まあ普通こういうのって専用の機器を使うのが当たり前なんだけどね

 

そんな話はどうでもいいか

 

「取り敢えず俺はポピパ達を見送ってくるわ」

 

「分かったわ、私達は裏方で待ってるわ」

 

「いや別に悪いし先に帰ってもいいぞ」

 

「いいのよ、今日一日で貴方がどれだけ仕事をしたか……せめてお礼をさせて頂戴」

 

「……左様ですか、じゃあ俺も早めに帰ってくるようにしますよ」

 

そう言って正面ドアの方へ向かった

どうやら、まだポピパ達は自動ドアの前で固まって話をしている様だ

 

「よう、お疲れさん」

 

「あぁ!幸貞君もお疲れさまー!!」

 

「お、お疲れ様でした…幸貞君」

 

「おう……それで、その娘達は誰かね?」

 

ポピパ達に混じって青髪の娘と茶髪の娘が居るんだが、俺完全に初対面なんだが

 

「初めまして、私は戸山明日香と言います…姉が毎度ご迷惑を掛けてるようで、すみません」

 

「あ、へぇ…香澄の妹さんで、導寺峠幸貞です」

 

姉と性格が真反対……俺と晶奈みたいだな

て言うかこの姉にしてこの妹は一体どこから生まれてくるんだろうか、姉がこうだからこうなったってのも有り得るか

 

「わ、私は朝日六花と言います!よろしくお願いします!」

 

「ああ宜しく、さっきも言ったが導寺峠幸貞だ」

 

後から沙綾に聞いたが、二人共羽ヶ丘らしいな

あと朝日六花ちゃんは最近こっちの方へ越してきたとか何とか、それも音楽をやりたいからって素晴らしいね本当

 

「じゃあ俺は戻るわ、Roselia達を待たせてるんでね」

 

「分かった、じゃあまた学校でね」

 

「ばいばーい」

 

裏口で待ってるって言ってたよな、通り過ぎるスタッフさんへのあいさつも忘れずにしながら裏口を目指す

 

裏口から出ると、友希那が誰かと喋っていた…他のメンバーは見当たらないところからまだ何かやってるんだろうな

 

「おや友希那、取り込み中か」

 

「……いいえ、もう切り上げようと思ってたところよ」

 

「ちょっと待って!私はまだ…!」

 

「ようネコミミヘッドフォン、これで自信を折られるのは二回目かな」

 

「うっさいわ!ネコミミヘッドフォン言うな!…ってお前はピエロ野郎!!」

 

「久方振りだな、相変わらずの自信家のようで何よりだ」

 

因みにネコミミヘッドフォンってのは、コイツが何故か常に付けてる猫耳付きヘッドフォンから取った渾名だ

因みにピエロ野郎は俺が大会でやる気がある時に限って付けてたピエロの鉄仮面から取られた

 

確か聞いた名前はチュチュ、本名は知らんが以前にとあるDJ大会で優勝した時に声を掛けられた

 

 

「何でお前が…そう言えばライブの最後にも出てて来てたな」

 

「と言うかこのライブにおける企画作成と運営に予算管理…更に果ては音響&照明全て俺がやったからな、居て当たり前だろ」

 

「本当に化け物だなお前」

 

「酷い言われ様だな…それで、今回は友希那を勧誘してる訳か…それで断られたとな」

 

「……まだ私は諦めた訳じゃない」

 

「何度も言ってるでしょ、私達は私達の音楽で上を目指す」

 

「っ…」

 

ああ、二人の話に全く関係ないが言い忘れてた事があった……俺、自信家ってのは嫌いなんだよね…俺自身がクズになるから

 

どうもその自信をへし折りたくなる、とてもね




ウニの話になりますが、新しいデュエルでスザクCV決定おめでとうございます
しこりん基、岡本信彦さんがCVとは…若本さんに続き中々に人選センスが輝いてますなSEGA様

その内CV杉田智和のキャラ何か出ないかな

ダイジェストタイムがあったのでウニの話しました、因みに一曲だけとある有料音ゲーから引っ張ってきましたが、分かりましたかな?

ではまた次回


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44話

バレンタインだお(白目)

もう三月?ちょっと何言ってるか分からないな、俺の中ではまだ二月だ(?)
取り敢えず何でもするんで許して下さい(何でもしますとは言っていない)
てな訳でバレンタイン回です、遅れてすみませんでした

では、本編どうぞ


Roseliaの主催ライブが終わり、若干仕事漬けだった日々からおさらばした

帰り際に出会ったネコミミヘッドフォンは諦め悪く友希那にメモリースティックを渡していた、突っぱねられてたけど

 

何かそこだけ見るとヤバい取引みたいだよな、てかコイツのやる音楽ってデスクトップミュージックだったのか…分からなかったらググッてね

 

という訳で普通に学校です

 

「やっほー幸貞、おっはよー」

 

「おはよう、幸貞」

 

「ああ、おはよう……何でここに居るの君達」

 

家出たところにリサと友希那が立っていた…基本的に俺は家を出る時間が早いので一緒になる事はなかった、時偶二人が早起きして登校する事はあった

 

「途中まで一緒に行こうと思ってね〜」

 

「はぁ、さいですか…まあ行くか」

 

えっちらおっちらと学校に向けて歩き出す、2月なのでまだまだ寒い…雪とか降られても困るんだよね

 

はしゃぎ出しそうなのは奴等は心当たりあるが

 

「……ねぇ幸貞…今日なんの日だか知ってる?」

 

「は?今日?2月14日だろ……ああ、成程」

 

「気が付いた?」

 

「バレンタインか、もうそんな時期になったのか……」

 

「せいかーい!という訳で、はいあげる!」

 

「え、えっと…私からも、はい」

 

なん…だと…?リサから貰えるのは何となく分かるが、まさか銀髪美少女様から貰えるとか予想外過ぎる……マジか

 

しかも手作り感が半端ない

 

「態々悪いな、ありがとう…にしても友希那がくれるとは思っても無かったんだが」

 

「アタシと一緒に作ったんだよ~、友希那が自分から言ってくれたら張り切っちゃった!」

 

「ま、まぁ…貴方には最近色々とお世話になったから、そのお礼よ」

 

「そりゃどうも、有難く貰うよ」

 

二人してクオリティ高っけぇ、これお返し頑張んなきゃ駄目なやつですかね

まあこんな美少女様達からチョコ貰えるとは男冥利に尽きるんですがね

 

「それじゃあアタシ達はこっちだから、またね~」

 

「ああ、そこそこにお返し用意しとくから…期待はするなよ」

 

「幸貞が作るなら期待しとくよ~」

 

「人の話を聞け……」

 

リサ達と別れ、学校に着いた

 

ああそうそう言い忘れてたことがあった、Roseliaの主催ライブで色々と立て込んですっかり忘れてたがクラス替えを行ったんだ

するとどうだろう、学園長の計らいか陽音と裕次と同じクラスになったのだ

 

「おはよう幸貞君」

 

「おお陽音か……て言うか席順までお前達と近くって、最早狙ってるとしか思えねぇな」

 

「あはは…だよねー」

 

「おーす、おはよう」

 

「あ、裕次君おはよう」

 

「……その右手に持つ紙袋は何なんだね」

 

「ああコレ?まああれだよ、所謂バレンタインってやつだよ」

 

モテるだろうなぁとは思っていたが、まさかここまでとは思いもよらなかったな…紙袋いっぱいのチョコとか初めて見たよ

 

「裕次君食べ切れるの?」

 

「まあ頑張るしかないよな」

 

「精々頑張れよ、食べ過ぎの鼻血には気を付けとけ」

 

「はいはい、そう言う幸貞は貰ってないのか?」

 

「幼馴染から貰ったよ、それだけさ」

 

「嘘吐け、絶対山吹さんとかからも貰えるだろお前」

 

あーそう言えばそうだな、沙綾とクラス一緒だし貰えるかもしれんな

確かたえだけがクラス離れたんだっけか……まあドンマイとしか言い様がないから何とも言えんが

 

「陽音はどうだ?貰ったりしたか?」

 

「あ、うん…まあ裕次君よりは貰えなかったけどね」

 

「こんなに貰っても逆に困ると俺は思うんだがな」

 

「まあそんな事言うなって、折角くれたんだからな」

 

「ヒュー、イッケメェン」

 

「お前にだけは言われたくない」

 

そんな感じに駄弁っていると、ポピパの娘達が登校してきた…そしていつもの様に沙綾がパンが入った袋をくれた

 

「幸貞ー、はいこれあげる」

 

「おお、ありがとう……チョコパンが多いなおい」

 

「バレンタインだからね、勿論手作りだから期待してね?」

 

「そりゃどうも、美味しく食べさせて頂きますわ」

 

「因みに、ポピパのメンバーで一人ずつ作ったから五個なんだよ」

 

「え、マジで?」

 

愛されてますなぁ……いや有難い限りですけどね、天然(たえ)とかお星様(香澄)だとは言えかなりの美少女だからな

 

男としては好かれて悪い気はしない、面倒臭いけど

 

「後で食べるわ」

 

「うん、お返し期待しとくよ」

 

「変にハードル上げるな、やりずらいわ」

 

「あはは」

 

チャイムが鳴り、沙綾達は自席へと座った

さて…今日は特にとこれと言って用事は無いな、授業終わったらすぐ帰ろ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お昼、教室にて

 

「幸貞くーん!ハッピーバレンタイーン!」

 

「そう言うのって良いんですかね、アイドルとして……」

 

「まあ千聖ちゃんも渡すみたいだし、良いんじゃないかな?」

 

「えぇ....(困惑)、毒とか入ってないよな…女王様の事だから神経毒とかやりそうなんだが」

 

「へぇ、そう見える?」

 

「居たのかよ怖っ」

 

満面の黒笑いを浮かべてる女王様が居た、この人だから致死性の毒は入れないだろ…どっちかと言うとジワジワくるやつ選ぶだろうな

 

「失礼しちゃうわね本当、私がそんなことやる人間に見えるかしら」

 

「見えなかったら言ってないんですがそれは」

 

「喧嘩を売ってるのなら買いましょうか?」

 

「止めときます」

 

「あ、あはは~…と、取り敢えずはい幸貞君!」

 

「いつもお世話になってる御礼も兼ねてよ」

 

「はいはいどうも」

 

現役アイドルが一般男子高校生(自称)にチョコとか渡して問題にならないのかな

 

てか(自称)って何だよ、一般人だろ俺……え?違う?ウッソだろお前

 

「何かそこそこ貰えるな、チョコ」

 

「お、おおお前丸山先輩にチョコ貰ってなかったか!?」

 

「そう言えばファンだったなお前、まあ御愁傷様」

 

「その言い方スゲェ腹立つ」

 

「別に紙袋いっぱいに貰ってんだから良いだろ、我儘言うな」

 

「別に我儘言ってるわけじゃないよ、ただ一ファンとして何かこう…複雑に色々とあるんだよ」

 

「そうかい……まあ俺がどうこうできる問題じゃないから勘弁な」

 

てな事があり、放課後に至る

裕次や陽音とは遊ぶ事もある…が、大概二人揃ってバイトが入ってることが多いのでそこまで頻度は多くない

 

そんな訳で帰ります

 

「あっ…ゆ、幸貞さん……」

 

「おや燐子ちゃん、生徒会は?」

 

「今日はお仕事が無いので、このままcircleに行こうかと……それで、その…」

 

あんまりこう言う雰囲気にしないで頂きたい、凄く勘違いしそう…多分と言うか十中八九でバレンタインだろうけどそこまで恥ずかしがられると色々とクる

 

しかも燐子ちゃん美少女だし、デカいし(説明不要)…俺じゃなきゃ落ちてたゾ

 

「こ、これ…普段の御礼です……」

 

「ああ、バレンタインね…有難く貰いますよ」

 

「で、では私はこれでっ…!」

 

駆け足で昇降口へ向かって行く燐子ちゃん、何だかんだとチョコ貰えるなぁ…て言うか知り合いに女の子多くね俺、男子の友達なんて裕次しか居らんやん

 

陽音?あの子は陽音と言う性別だか、多少はね

 

「……何だか告白されてるみたいでしたね、導寺峠さん」

 

「うおっ、居たんですか氷川先輩」

 

「ええ、私も今日は仕事が無いので…それに、私も貴方に渡そうと思っていましたし」

 

「それはどうも、燐子ちゃんのアレは天然って所が罪深いですよね…何人の男子がアレで勘違いを起こすのやら」

 

「………導寺峠さんは恋愛に興味無いのですか?」

 

「恋愛ですか?まあ別に興味ありませんが、一般男子高校生並の性欲や感情は有りますよ」

 

「ま、まあそうならいいのですが……あまり感情的になりませんし、そういったものも表に出すことがないのでたまに心配になるのですが」

 

「……気にかけて頂いて有難い限りですな、まあ気にしなくても大丈夫ですよ…て言うか思ったんですが何でチョコ二個なんですか」

 

「日菜からの分です、渡しておいてと言われたので」

 

「ああ、成程」

 

本当にいいのか、それでいいのかアイドル……事務所的に大丈夫なのかよこれ

所長の城山さん辺りに聞いてみるか、勝山さんでもいいけど

 

さて、本当に帰りますか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「たでーま」

 

「あらお帰り…随分とチョコ貰ったみたいね」

 

「え、ああそうだけど…何で分かるの?」

 

「結構匂うわよ、カカオの香り…あと全部手作りみたいね」

 

「チョコはまだしも何で匂いだけで手作りか分かるんだよ、怖いわ」

 

「私の鼻を舐めない事ね、ちゃんとお返ししなさいよ」

 

警察犬とかそのレベルだよな最早、手作りと市販じゃカカオの香りが違うってか?まあ俺は分からんが

 

しかしこのチョコどうしようか…いやまあ食べるけどさ、量がね

 

「そろそろ晩御飯にするから着替えてきなさい」

 

「ウイッス……そう言えば華蓮はチョコ貰ったのか?」

 

「何よ急に、と言うか女の私に聞くことかしらそれ」

 

「いや、そもそも前提としてバレンタインに女性が男性にチョコを渡すってところから間違ってるだろ…本来贈り物をする的な風習なんだから男女関係ないし、あとチョコも関係ないし」

 

「大元を辿ればね……まあ確かに貰ったけど、それが何よ」

 

「いや、唯単に貰いそうだなと思ってね」

 

「今の時代、日本じゃ友チョコなんてものも有るんだし不思議じゃないでしょ」

 

「まあね」

 

それ本当に友チョコ何だろうか、コイツ薫さんとはまた違うイケメンだしモテるからな……同性に

 

多分俺の見立ては数個本命と見た、まあ俺家族だけどその辺ノータッチなんで同性でもいいと思いますよ

 

「なあ華蓮さんや……貴女恋愛とかに興味ある?」

 

「生憎、色恋沙汰は面倒なだけだから手を出す気にはなれないわね」

 

「流石姉弟、同じ意見か」

 

「にしてもこれまた急に何よ」

 

「いや、氷川先輩に少し聞かれてね…まあ俺も興味は無いけど」

 

「………そう、まあ早く着替えて来なさい」

 

「へーい」

 

恋もまた感情、愛情という名の感情

 

本当にその愛は俺へ向けた愛なのか?その感情に嘘偽りは無いのか?ああもう色々と面倒くせぇな、本当に

愛情なんて、感情なんて…信用するだけ疲れるだけだろ、だったら最初っから信頼も信用もしなければいい

 

本当、いつからこうなったのやら……まあ、俺が腐ってるのは今に間に始まった事じゃないし今更だ

今を作るのは今の俺だ、だから俺は俺として生きるだけだ




因みに俺は叔母二人からチョコレート貰いました、美味しかったです

バレンタインにチョコとか中学の時に気の利いた後輩がくれた時以来だな、女友達はいるけどそこまで深く仲良い訳じゃないし…若しくは物理的距離が約400km離れてるとかしか居ないからな

基本的に付き合いは程々深く程度なんで、まあお話するのは嫌いじゃないんですがね


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45話

知ってる人はお久のAZAZELです
新社会人として働き始めて一週間と半分…いやーキツいっす、やる事全てが初めてだからこれもうわかんねぇな

まあ語録吐き出す位には元気です

金曜はゲーセンでウニだ…関東地方のとある県のとある市のSEGA CLUBに出没してます、まあどうでもいいね

そんな感じです、大分時間が空いてしまって申し訳ないです…今回からアニメ二期の続きですね
では本編どうぞ


ヴァレンタインが終わって月日が大分経った、ホワイトデー?そら俺の手作り菓子折りを貰った全員に渡したさ

 

どうやら学校の方は羽丘と共同で文化祭をやるらしく、それに向けて着々と準備が進められていた…こちとらの生徒会長が燐子ちゃんなのも驚きだが向こうは天災(日菜)か……

 

ま、つぐみちゃん頑張って(他人事)

 

「そろそろ文化祭の時期だね~」

 

「ああ…唐突に何だよ陽音」

 

「いや特に意味は無いけど、今年は僕も出ようかなって」

 

「出る?一体何にだね」

 

「フッフッフッー……バンドだよ」

 

その笑い方パン好きの超絶マイペース野郎、若しくは最年少厨二少女みたいな笑い方だな

 

て言うか陽音バンドなんてやってたのか…そう言えばいつぞやか趣味がある的な事を言ってたな、いつだったか忘れるくらいに前だが

夏休みくらいか?

 

「バンドって事は、何かしらの楽器が演奏出来るって事か」

 

「あー、陽音はドラムメッチャ上手いぞ」

 

「あー!言わないでよ裕次君!」

 

「悪い悪い、陽音が珍しくバンドの話してるから気になってな」

 

「何だ知ってたのか裕次」

 

「おう、俺も陽音と同じバンドだからな」

 

まあ裕次は弾けそうな気がする、しかし陽音がドラムか…世の中何があるか分かったもんじゃ無いな

 

しっかし、俺の周りは楽器が弾けるやつが多いな全く

 

「因みに他は?」

 

「ううん、二人だけだよ」

 

「詰まり裕次が歌うのか…まあお前基本的に何でも出来そうだよな」

 

「お前にだけは言われたくないな、因みにギターボーカルだから」

 

ギターとドラムだけのバンドか……いつぞやか俺と華蓮がやったな、勝山さん元気かな(唐突)

そう言えば文化祭では寄せ集めのバンドが披露されるとか何とか聞いたな

 

ピンク頭(丸山先輩)家庭的ギャル(リサ)小動物(花音ちゃん)、後大天使ツグミエル(つぐみちゃん)超絶マイペース(モカ)だったかな

 

まあ当日分かるだろ

 

「まあ頑張れ」

 

「幸貞は出ないのか?前みたいにお姉さんと出ればいいのに」

 

「俺は極力出たくないんだがねぇ、あの人達がなんと言うかによるな」

 

「じゃあ俺は今年も出るに一票だな」

 

「僕もかなぁ」

 

「まあそうならない事を俺は祈ってるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえねえ幸貞、今大丈夫?」

 

「どうした紗綾、パンか?」

 

「いや違うんだけどさ、幸貞って確かRoseliaの主催ライブを手伝ってたなぁって思って」

 

「自分達がやるから教えて欲しいってか?」

 

「まあ…そんなところかな、でも基本的に自分達で作りたいからアドバイス……みたいな?」

 

「まあ別にいいけど…『場所、資金、内容、チケット、ゲスト、時間』後はこれらを掘り下げろ、掘り下げ方は自由だ」

 

「わわっ!?ちょ、ちょっと待って!」

 

慌ててメモを取る紗綾、取り敢えず今言った事をやっときゃ何とかなる

掘り下げるってのは例えば『時間』ならば開始時間とか、他には全体でどれだけかかるのか…みたいな感じに掘り下げればいい

 

まあ敢えて言わないけど、自分達でやりたいと言ったんだからそこまで口は出さん

 

「まあ何かあったらまた聞け」

 

「うん、大分参考になったよ…これ御礼のパンね」

 

「はいはい毎度あり」

 

そう言えばGalaxyでライブした時に香澄が口走ったとか有咲が愚痴ってたな…ポピパが主催ライブか、まあ頑張れよ

 

他人事風なのは何度も言うが『自分達でやりたい』と言ったからだ、向こうから言って来る分には良いが、俺が全てやってしまっては元も子も無い

 

ここはポピパの力量とやらを魅せて貰おうかな

てな訳で放課後、とある奴に頼まれて高級そうな高層マンションへ来ていた

 

「ういーす」

 

「来たわねピエロ野郎」

 

「来なくていいなら来ないぞネコミミヘッドフォン…それで、俺にデスクトップミュージックを習いたいとはまた急だな」

 

「ここへ来てアンタに会ったのも何かの縁だわ、私のperfectなmusicの為にも…私自身も力をつけなきゃ元も子も無いの」

 

「へぇ…まあ別にいいが授業料は高いぞ」

 

「幾ら取る気よ」

 

「生憎と現金は腐る程持ってるんでな、金は要らねぇ」

 

「What!?アンタHigh school studentじゃないの!?」

 

「高校生ですが何か、知り合いに株が大得意の奴がいてな…手伝った御礼に三割程な」

 

「アンタ本当に何者なのよ…て言うかそしたら何が欲しい訳よ」

 

「別に、何も要らね」

 

「……Really?それじゃあアンタに何の得も無いじゃない」

 

「特損でお前の依頼を受けたと思ったのか?心外だな、俺は基本的に人間に対して期待はして無い」

 

「理由を聞いて余計にアンタが捻くれてるってのが分かったわ」

 

何で依頼を飲んだかって?気分だよ気分、言われりゃ誰であろうとどんな奴であろうと大抵のお願い事は飲む

 

だが命令はNGだ、命令されると逆らいたくなる性でね

 

「そいで、他のメンバーはまだ来てないのか?」

 

「そろそろ来ると思うわよ」

 

「こんばんはチュチュ様ー!」

 

「……様?お前いつからそんなに偉くなった」

 

「Don't mind……彼女が勝手に呼んでるだけよ、パレオよ」

 

パレオ……て言うかこの娘頭スッゲェ色してんな、カラー的に見ればパスパレっぽいけど…普通にそんな髪してたら奇抜以外の何者でもないぞ

 

「………チース」

 

「ヤンキーだな、紛うことなき」

 

「彼女はマスキング、Drumの担当よ」

 

「………誰だアンタ?」

 

「そこのネコミミヘッドフォンにデスクトップミュージックを教えに来た人間だよ」

 

「へぇ、チュチュが教わるねぇ………アンタ、導寺峠幸貞だろ」

 

What?何故この娘俺の名前知ってるん、ビックリし過ぎてネコミミヘッドフォンの嗜みル〇語みたいになっちまった

 

藪からスティッ(ry

んなこたぁどうでもいい、何故俺の名前を知ってるかだ

 

「何故に君は俺の名前を知ってるのかね?」

 

「業界だと有名だぞ、結構な……ところでアンタ、ケーキなら何が好きだ」

 

「ケーキ?また唐突に……チョコ系統かな」

 

「………あっそう、覚えとく」

 

何だったん?てか目付き悪いなおい、なんて思っているとまたドアが開く

入って来たのは黒髪ロングのクールビューティ、友希那と同じ…では無いな、コッチの方がまだ元気が有る

 

「チュチュ、その人は?」

 

「私のアドバイザーよ、悔しいけどコイツの腕は確かね」

 

「アドバイザーと言うより教師だな、お前より圧倒的に俺の方が技術がある」

 

「精々吠えてなさい!いつか私のperfectなmusicでアンタを抜く!」

 

「やれるもんならやってみな」

 

「仲が良いのか悪いのか…アタシは和奏レイだ、チュチュはレイヤとか呼んでるから適当に呼んでくれ」

 

「ああ、まあ宜しく」

 

和奏レイねぇ…友希那よりは喋るし人当たりもいいが、何処と無く友希那に似たクールさがある……か

 

友希那に対人スキル身に付けさせたらこんなんになるんじゃね

 

「あれ?何で幸貞居るの?」

 

「俺も何でおまえがここに居るか知りたいんだが、お前ポピパの方はどうしたんだよ?」

 

何故か花園がこの場に居た、まあ大方臨時で入ったサポーターみたいな感じじゃないかとは思うけど

 

理由は正直どうでもいい

 

「ポピパは……勿論続けてる」

 

「そうかい、まあ別に好きにすればいいと思うけど」

 

「ハナゾノと知り合いだったのアンタ?なら紹介は不要ね、このメンバーで私達のperfectを創るのよ」

 

「ほーう…まあ別にどうでもいいけど、さて…時間は有限、さっさと始めるぞ」

 

しかしここスゲェなおい、個人のスタジオがあるマンションとか見た事ねぇよ

確かコイツ飛び級した帰国子女だったか?まあ頭が良いのはいい事だが…まだまだ子供だな

 

「そこ、もう少し上げろ」

 

「Why?ここの音程は変化させたら変になるでしょうが!」

 

「馬鹿おっしゃい、楽器全体を見て音程を考えてから文句を言いなさい」

 

「うぐっ………わ、分かったわよ」

 

「いいか?ここをこうすると……あら不思議、完璧だろ?」

 

「成程……」

 

そんな感じで講義をしている

まあ元の腕はその辺に転がってるデスクトップミュージシャンよりは遥かに上だ、言えば直ぐに理解する

 

「えっと…幸貞、だっけか?楽器も弾けるんだってな」

 

「あぁ…まあ弾けることには弾けるが」

 

「試しに何か弾いて見せてくれよ」

 

「………アタシのドラム使うか?」

 

「良いのか?ならちょっと叩くか」

 

不良少女…基マスキングのドラムセットを借りて少し叩く事にした、何を叩こうかしら

 

よし、pretty girlにしよう…誰のかって?ラルクのだよ

 

「マジで気持ち悪いな、なにより何でそんなに叩けんだよ」

 

「体が勝手に動くからなぁ、まあ慣れだな」

 

「じゃあ次ギターやって」

 

「何サラッと混じってんだお前、別にいいけどさ」

 

という訳でたえのリクエストにより引き続きギターを弾くことになった…ウニラーとしてギターと言えばGodspeed、Godspeedと言ったらGate of fate

 

これしか無いだろ(偏見)

 

「今のって何?」

 

「何とは何?普通に音ゲーの曲だけど」

 

「へぇ、やっぱ幸貞って凄いね」

 

「ではキーボーも弾いてみて下さい!パレオの物を使っていいので!」

 

またやるの?次はキーボードかぁ…まあ無難に(?)World Vanquisherでいいか、うんそれがいい

 

まあ俺の好みですけどね、ドイツ人でも良かったけどやっぱバンキシャかな

 

「……マジで何でも出来んのな」

 

「これでも天才の端くれなんでな」

 

「端くれねぇ…そんな枠組みで収まると思ってるのかしら」

 

「そりゃあ、俺以上の天才が身内に居るからな…アイツらと比べたら端くれもいいとこさ」

 

「Really?アンタより出来る人間が居るなんて思えないんだけど」

 

「いやいや、アイツらの方が出来てるよ…やる事成す事、人間性もな」

 

「………まあ、アタシは深く聞かねぇよ」

 

「存外に察しが良いなマスキング、人間誰しも黒い部分は持ってるものなんだよ」

 

「……佐藤ますきだ、マスキングはチュチュが勝手に付けた」

 

「そいつは御丁寧にどうも」

 

どうもこの娘は不良少女じゃないらしいな、まあロングスカートにスカジャンとかいつの不良だよって感じだがな

 

だけど着てるスカジャンの背中に刺繍された可愛らしいウサギがまたなんとも……ギャップがエグいっす

さて、学校では文化祭もある訳だ…色々とやる事があるな、面倒臭い




今週の土曜は高校の友人と昼飯食ってきます、食べ放題らしいんですが俺最近お腹は空くのに食べられなくなっちゃってます

まあ多分、疲れてるんだとは思いますが何せ自覚がないもので

基本的に毎日ヤンデレ小説は巡回してるのでアナタの作品に感想を投げ込むかもしれませんので悪しからず

この小説は行けるとこまで行きます、それでもいいと言う方はそれまで御付き合いくださいませ
ではでは


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46話

どうもお☆ひ☆さ…………いやーマジすんません
仕事忙しくなるし筆は乗らないしでなんかもう……ね?いやホントゴメンなさい

バンドリ三期が始まって、アプリの方には新しいバンドが追加されるし…三期が終わればSUIRENも追加されるし……これはやるしかないでしょうと思って頑張りました
取り敢えずさっさと2期分の話を終わらせないとね

では本編どうぞ


文化祭の準備も着々と進んで来ている、て言うか開催日って何時だっけ

 

「という訳で導寺峠さん、これは貴方の工程表です」

 

「今年もですかそうですか」

 

「男子生徒は三人しか居ませんから、予定を組まないと引っ張りだこかサボる人もいますので」

 

「裕次君はモテモテだねぇ、羨ましかないけど」

 

「喜んで下さい導寺峠さん、貴方もこんなにモテモテなんですよ」

 

「嬉しくないんで結構です」

 

そんな感じで氷川先輩から工程表(強制)を貰った、なんてこったパンナコッタ…予定がぎっしりじゃねえかコノヤロウ

 

「あーはいはいやればいいんでしょやれば」

 

「ええ、サボる様なら今井さんに言いますので」

 

「又それですか……別にいいですけど」

 

そんな訳で工程表によると最初は三年生から手伝う事になっている

 

そう言えばピンク頭も女王様も三年生か…そしてりみちゃんのお姉さんことゆりさんは留学か、てか留学って凄いな

 

「あ!幸貞君きた! 」

 

「どうも丸山先輩、今年はなんの出し物をするんですか?」

 

「今年はメイド喫茶なんだ〜」

 

「随分と在り来りなのを選びましたね、女王様のメイド姿か……属性を付けるならドSだな、て言うか支配する側じゃねよくよく考えれば」

 

「あら、何かしら幸貞君?」

 

「いえ別に、特に変わったことはありませんよ女王様」

 

背後に立たないで頂きたい、刺されそうで怖いから

後ろへ振り向くと満面の黒笑を輝かせた女王様が立っておられた

 

「どうも女王様、丸山先輩とはまた隣のクラスですか」

 

「ええそうよ…それより、幸貞君がここに居るって事は今年も紗夜ちゃんに引っ張り出されたのね」

 

「不本意ながらそうですよ」

 

「でも幸貞君が居てくれるとすぐに終わっちゃうからすごく助かるんだよね!」

 

「そりゃどうも丸山先輩」

 

「それじゃあ高い位置の飾り付けとかお願いしていい?」

 

「了解です」

 

ぱっぱと終わらして帰りたい……あっ、次たえのクラスや

しかしメイド喫茶か…あれ、去年ウチやらなかったっけ…しかも弦巻家から借りてきたガチモンのメイド服使ったような気がするけど

 

「あ、あの…幸貞さん、これもお願いします」

 

「へーい………あれ?燐子ちゃんって丸山先輩と同じクラスでしたっけ?」

 

「そうです…幸貞さんは今年も、氷川さんにお願いされたんですか?」

 

「お願いっていうか脅迫っていうか」

 

「ま、まぁ…去年と同じ、ですね」

 

選択肢が二つある様に見えて実質的に答えが一つしかないモノはお願いとは言わない、お願いしている皮を被った命令だね

 

抑々(そもそも)、何故リサに言いつけるという答えに至ったのやら……まあ傍から見れば確かに俺の保護者はリサみたいなところはあるけども

 

「あ、幸貞さん…少し、お願いがあるんです……」

 

「お願い、と言いますと」

 

「今回の文化祭は、羽丘と合同で行う…という事は知っていますか?」

 

「まあ天災から直接聞きましたし、リサからも聞きました」

 

「それでなんですが、羽丘に持っていく物があるんですが…その荷物が少し重くて……幸貞さんに頼めたらな…って」

 

「ああ、成程…まあ別にいいですけど、その辺は氷川先輩に聞いてみないと」

 

俺の工程管理してるのあの人だし、まあ羽丘に届けに行く間は合法的にサボってるも同然だしいいか……二駅だけど

 

「あ、幸貞く〜ん!これちょっとお願いしていい〜?」

 

「なんだピンク頭、ちょっと忙しいから待っててくれますかね」

 

「うぇーん!幸貞くんがいじめるよ燐子ちゃ〜ん!」

 

「お、女の子に意地悪はダメですよ…!」

 

「善処しましょう」

 

さてと、取り敢えず氷川先輩を探して聞いてみますか

と思ってたけど割と早く見つかりました

 

「羽丘に届け物ですか……分かりました、導寺峠さんの分は何とかしますので白金さんの依頼をお願いします」

 

「了解です、まあなるべく早く帰ってくる気ではいますけど……アッチには貴女の妹様がいらっしゃるんでね」

 

「はぁ……日菜がすみません」

 

「別に氷川先輩が謝る事じゃないと思いますが…取り敢えず行ってきます」

 

荷物は生徒会室にあるみたいなんで取りに行く……だが何だろうか、すごく厄介そうな気配が生徒会室からプンプン漂ってくる

 

あんまりこの扉開けたくないな……ええいままよ

 

「あ〜!!幸貞くんだー!」

 

「何でお前が居るんだよ……よう有咲、羽丘に持っていく荷物取りに来たんだがどれだ?」

 

「燐子先輩が言ってた助っ人って幸貞だったのか……ここに置いてあるダンボール全部だよ」

 

「これはまた多いな…それなりに重いし」

 

「何往復がするつもりだけど……手伝いの方は大丈夫なのか?」

 

「まあこっち優先でいいと氷川先輩は言ってたから、いいんじゃないか?それに荷物を届けてる間はサボっても怒られないから俺としては役得なんだが」

 

「ブレねぇなホント」

 

「当たり前だ、俺は俺でしかないからな」

 

すると嫌に静かだったお星様(香澄)突如机をバン!と鳴らしながら立ち上がった、急に音を立てるなよビックリするだろ

 

「…………ああ!そうだ幸貞くん!幸貞くんって歌詞作りしたことある?」

 

「急に立ち上がったと思えばまた唐突だな……歌詞作り、した事ないな…基本的に俺が作る音楽はボーカル無いからな」

 

「え?お前曲作るの?」

 

「ああ、まあ今は作ってないが昔趣味で少しな」

 

「へぇ〜そうなんだ!どんな曲作ってたの?」

 

「端的に言えば音ゲー曲のアレンジ、これがまたよくウケたんだよなぁ」

 

今も偶に音ゲー曲を勝手にアレンジしてみたりはするが自分の中だけに留めてる、あんまりDJ MEGAだった自分の全盛期を思い出したくないから

 

黒歴史とまでは行かないけど若気の至りってのは怖いなぁ

 

「と言うか、何で急に歌詞作りの事なんて聞いてきたんだ」

 

「今度のライブに新曲を歌おうと思ってるんだけど、みんな忙しそうだから今回は私が歌詞を作ってみようと思ったんだけど……難しくて〜」

 

「いつもは誰が作ってるんだ」

 

「いつもはおたえが作ってるんだけど、おたえは今修行中だから私が頑張ろうと思って!」

 

「ふーん、修行中ねぇ……まあ頑張るのもいいが張り詰めすぎんなよ、取り敢えず俺はこれ運ぶか」

 

「え、一人で行くつもりか?」

 

「ん?だって箱は全部で5つだろ、片手に3個と2個を持てば往復せずに済むぞ」

 

そう言いながら箱を上に重ね、3個持上げる

まあそこそこ重いがバランスさえ崩さなければ苦にはならない程度だな

 

「……これ結構重いんだけど」

 

「まあ男子と女子じゃ筋肉量が違うからな、じゃあ俺はもう行くがこれだけで大丈夫か?」

 

「あ、ああ…うん、大丈夫だ」

 

さて、じゃあさっさとこの荷物を羽丘にお届けしに行きますか

そんな訳で電車を使いえっちらおっちらと向かう…………そして到着しました、早い?気にすんな

 

こっちはこっちで準備にで忙しそうだな

 

「で、この荷物はやっぱ生徒会室に運ぶものだったのか……」

 

「やっほーユッキー!ユッキーが羽丘に居るっていうのもなんかるんっ!てくるね!」

 

「俺は全然こないな」

 

「ゆ、幸貞君それ一人で運んで来たの?」

 

「ああつぐみちゃん、この量で何往復するのも馬鹿らしいからな」

 

「この量って…そこそこあると思うんだけど」

 

「気にするな」

 

して、荷物も届け終わったし俺はさっさと帰りたいのだが……この天災が帰してくれるのやら

まあ帰してくれないなら帰してくれないでここに居座ってサボるけどな

 

「じゃあ俺はこれで帰るぞ」

 

「あ、待ってユッキー!これから文化祭ライブの公開リハやるんだ、折角だから見ていってよ!」

 

「誰が出るんだそれ」

 

「えっとね〜……リサちーと彩ちゃんに花音ちゃん、モカちゃんにつぐちゃん!」

 

「ふーん……見事にバイトしてる()が揃ったな」

 

「流石ユッキーそこに気がつくとは!だからバイトの応援ソング歌うんだって〜!」

 

「成程……まあ聞くだけ聞いていこうかな、どこでやるんだ」

 

「あっちの講堂!」

 

こいつに道を聞いたのが悪かったな、羽丘なんて来た事ねぇのにアッチとか言われても分かるわけないだろ……まあいいや適当に歩いていけば見つかるだろ

 

「……と、こんな所で会うとはな銀髪美少女」

 

「貴方その呼び方いい加減どうにかならないの……それに何故ここに?…ああ、文化祭の準備」

 

「ビンゴ、まあそんなところだ…ところで講堂がどこにあるか分かるか?」

 

「講堂ならその道を真っ直ぐ行けばあるわ…それじゃあ、私は帰るわね」

 

「どうも、お疲れさん」

 

友希那に教えて貰った道を歩いて行くと人だかりができているのが見えてきた…アレだな

あの集団に紛れる度胸はないわ、もう少し人が掃けたら入るか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、入れたはいいけどどこに行こうかな……こんなに女の子達が居るとマジで居ずらいな

 

「あ、幸貞…荷物運びお疲れ様」

 

「おお沙綾…にポピパ達か、何で居るんだ?」

 

「幸貞が行ったあとに追加で荷物が来たんだよ、それで届けに来たら公開リハやるとか言ってたからな…見ていこうって香澄がうるせぇから」

 

「え〜!有咲も見たそうにしてたじゃん〜!」

 

「あ、アタシはそんな事思ってねぇかんな!」

 

「はいはいツンデレ乙、そういう事ね……たえはどうした?」

 

「サポートギターで行ってるバンドの練習だってさ、ライブが始まるまではずっとあるみたい」

 

ふーん、ネコミミヘッドフォンの所か……そういやライブやるとか言ってたなアイツ

てか普通に忘れてたけど俺もまた来いって言われてんだったな、面倒臭いしバックレようかな……それはそれで面倒だから止めとくか

 

「あ、始まるみたいだよ」

 

「みたいだな……断言しよう、丸山先輩は必ず噛む」

 

「嫌な予言しないであげてよ」

 

「これは予言じゃない、今から起こりうる事実だ」

 

ほら噛んだ、まあ愛嬌があっていいんじゃない(適当)

しかしこう見るとすごい揃ってるな、アフグロにRoseliaにハロハピにパスパレか…まあ上手くやってるみたいで何よりだが

 

「ライブよかったね〜!」

 

「うん!私達も文化祭ライブ頑張ろうね!」

 

「あと主催ライブもだかんな」

 

「流石有咲〜!」

 

「抱き着くな!」

 

「じゃあ俺は帰るぞ、お前らも程々に頑張れよ」

 

「うん!幸貞くんも主催ライブ来てね〜!」

 

あんだけ元気があれば多少は大丈夫だろうが……問題はたえか、まあ本人はポピパはちゃんと続けるとは言っていたが

レイヤだっけか、あのクールっ子…確か幼馴染だったな、一緒にバンドやっちゃうと何かしらあるんじゃねぇかな

 

まあ俺が気にしてもしょうがないし、後は成るように成るだろう……こんな事俺が考えたってどうにもならないしな




話変わるけどウニでようやっと虹レに到達できたよ……感激ですわー、あとBad Apple!!のRemix超カッコイイ

てかRoseliaの新カバーが林檎マークだっけ?あれ本当にBad Apple!!なのかね、神曲だからバッチコイだけど

それじゃあそんな感じで、次回は早めに投稿出来たらいいな(願望)
気長にお付き合い下さると幸いです、ではでは


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47話

はいどうも、本気出して書くって言ったんで書き上げました
そろそろ前書きで喋ることが無くなってきた今日この頃、そう言えばこの前にやってたRoseliaイベの星4友希那さん当たったんですよね

母親の車に乗ってる時に当ててちょっと叫びそうになった

このイベでFWFに参加したんでしたっけ、いやぁ夢叶ったんやなって…それ編も書くか

では本編どうぞ


「ようネコミミヘッドフォン、また来たぞ」

 

「アンタその渾名どうにかならない訳?」

 

「他にないくらいお前にピッタリな渾名だと俺は思うんだが?」

 

「どこがよ!………もういいわ、今日も頼んだわよ」

 

「はいはい」

 

そんな訳でネコミミヘッドフォンに今日もデスクトップミュージックを教えていく……流石に飲み込みが早い、最強を作るとか言ってるだけはあるな

 

「なあ幸貞、お前確かチョコ系等のケーキ好きだっつったよな?」

 

「おうビックリするから唐突に声掛けんでくれるかますきさんや、確かにそうだけどどうしたんだ急に」

 

「いや、これお前にと思ってな」

 

「おおガトーショコラ……これどうしたんだ、態々買ってきたのか?」

 

「いや、アタシが作った」

 

「ふーん……え、作ったの」

 

「……なんだ、文句でもあんのか?」

 

「いや全然、取り敢えず頂きますわ」

 

うん、美味しい(ガチトーン)

本当に美味いなこれ……やっぱ、人は見た目で判断しちゃいけないんやな

 

「どうだ?」

 

「美味いぞこれ、クオリティ高いな」

 

「…………そりゃどうも」

 

「あらあら、マスキングさんが照れてますよ」

 

「うるせぇ」

 

おお、珍しくカラフル頭の()がますきをからかいにきたな

しかしいつ見てもこの娘すごい髪の色してるよなぁ……ツートンカラーでシマシマって、どうやって染めてるんだそれ

 

香澄もそうだが、不思議な頭してる娘多いよな…二重の意味で

 

「男の人にケーキを振る舞うのは初めてなんですかー?」

 

「おい、うるせぇぞ」

 

「その辺にしてやれよカラフル頭、そろそろますきさんの堪忍袋が爆発するぞ」

 

「アタシはそんなに短気じゃねぇよ」

 

「私はカルフル頭じゃないです〜!パレオです〜!」

 

「はいはい鳰原れおなちゃんごめんなさいね」

 

「幸貞さんって絶対私達をあだ名で呼んでくれませんよね〜、何でですか?」

 

「何でと言われてもなぁ、気分としか」

 

「私の事パレオって呼んでみてくださいよ、もしくはチュチュ様でもいいですよ」

 

「ようネコミミヘッドフォン、調子はどうだ?ダメそうだなそれじゃあ綺麗な音は出ないぞ」

 

「うっさいわ!パレオ!こいつに私の話題を振るんじゃないわよ!絶対皮肉で返してくるんだから!!」

 

「ご、ごめんなさいチュチュ様〜!」

 

皮肉とはなんだ、俺は優しさで教えてやってるのに…このネコミミにはその有り難さが分からないのか

 

これぞまさに猫に小判ってやつか…………我ながら寒いな

 

「いいからさっさとそこのキー直せ、それでもっかい聞き直してみろ」

 

「ぐぬ……分かったわよ」

 

「幸貞は相変わらずだね、でもチュチュを言いくるめられるのは幸貞くらいじゃないかな」

 

「お疲れ様レイ、まあこのネコミミヘッドフォンは自信家なだけあって実力はあるが俺程じゃないからな…まあ俺が教えてんだからお前の目指す最強の音楽ってやつは作れる様にはなるよ」

 

「頭を叩くんじゃないわよ!……見てなさい、絶対アンタなんか抜かしてやるんだから」

 

「楽しみにしてるよ」

 

「あはは、本当に仲が良いのやら悪いのやら…と言うか、幸貞は本当になんでも出来るね」

 

「何でもなんて出来ないさ……俺は俺の出来ることをやってるだけ、俺以上に出来る奴を嫌ほど見てきたからな…ま、俺も天才の端くれですからね」

 

しかし、この和奏レイという人物…本当によく出来た性格をしているよ……俺が自分の事を「天才の端くれ」という度に悲しそうな顔をする

 

だが敢えて何も言ってこないんだろうな、それを言ったところで俺が救われる訳じゃない事をよく分かってる

 

「よし、じゃあ、そのノリで私の事もおたえって呼んでみよう」

 

「ハナゾノ」

 

「むぅ、何で私だけそっちで呼ぶの……」

 

「そうですよーズルいですよー!私の事もパレオって呼んで下さいー!」

 

「ええい黙ってろ頭不思議っ娘共め」

 

「頭不思議っ娘……それどっちの意味で言ってんだ?」

 

「なあますき、お前はどっちだと思う」

 

「………………ノーコメント」

 

逃げたな見た目不良っ娘、まあ正解はどっちもだがな

因みに頭不思議っ娘の中にはネコミミヘッドフォンも入っているゾ

 

「あははは、本当…幸貞は面白いね」

 

「そいつはどうも」

 

……だからその悲しそうな目で俺を見るのはやめて下さいませんかね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「文化祭当日になりました、晴れました」

 

なんだその挨拶……そして最後はるんでしめるんだろ分かります

今日は花咲川と羽丘の初合同文化祭当日である……そしてスイレンの初ライブだったか

 

なんかネコミミヘッドフォンが友希那にチケット渡したけどブンカサイとかいうので行かないとか言った……て、喚いてたな

まあ友希那、猫カフェ楽しみにしてたし……多分自分が思ってる猫カフェと違うだろうけど

 

さて、そんな訳で文化祭始まりました

 

「ゆっきさっだくーん!一緒にまわろう!」

 

「おう元気だな香澄、まあ別にいいけどお前受付あるんじゃないのか?」

 

「あ!そうだった!」

 

「忘れんなよ……あと俺は午前中でいなくなるからな、クラスの出し物は任せたぞ沙綾」

 

「私に投げるのね……でも午後からいなくなるって、どこ行くの?」

 

「どこぞのネコミミヘッドフォンに今日だけでもいいから来てくれって言われたんだよ、文化祭があるから嫌だって言ったんだが他の奴らからも頼まれたからな」

 

「ああ、おたえがサポートで行ってるバンドの……そうなんだ」

 

「そう…それまでなら付き合ってやる、それに俺には行かなきゃならない所がある」

 

「行かなきゃならない所?」

 

そう、それは3年A組……ここのクラスは猫カフェを出し物にしたらしい、あと分かってる人は分かってるだろうがこのクラスが誰のクラスか覚えているか?詰まりこういう事だ

 

「いらっしゃ……あ、幸貞」

 

「ようリサ、友希那…うん、似合ってるぞ」

 

猫耳を付けた我が幼馴染が二人並んでいた……いやー似合ってるよー二人共

しかし猫カフェに一票に入れた筈が、まさか自分が猫になるカフェだとは思わなかっただろうな

 

「なんかこう、それっぽい格好とかない?」

 

「ほほーん?ならこんな感じでどう?」

 

「あーいいねぇそういうの、そこの銀髪美少女も同じ格好をしてくれたらもっといいんだがな」

 

「……いやよ、絶対」

 

「そうか、ならこうしよう……主催ライブの借りはこれで済ませよう」

 

「っ!……そ、それは卑怯よ…幸貞」

 

「卑怯で結構、俺は外道の道を歩いてでもその写真を撮る」

 

それが男のサガってやつだろう、相変わらずリサはノリノリでやってくれるけどな

 

そして友希那……いや、ゆきにゃも渋々ながらリサの隣に並び……リサと同じポーズ…猫の手をして胸の前に寄せる、そして上目遣い

いやーこの構図は素晴らしいね、猫耳カチューシャを考えた人は天才だよ

 

「いい写真が撮れた、お疲れさん二人共」

 

「もう二度としないわ」

 

「どんな写真になった〜?……わ〜お、凄いねこれは」

 

「この写真どうしようか……何だったらRoseliaグループに流すか」

 

するとビクッと友希那の肩が揺れた……まあ恥ずかしいもんねこの写真、写ってる姿すら顔真っ赤っかだもん

久方振りにこんな友希那の顔みたな、眼福眼福

 

「………何が望みなのよ」

 

「そんな外道を見る様な目でヒロインが悪役に負けた時の台詞を吐くなよ……まあ外道なのは否定しないけど」

 

「あははは、なんかホントに幸貞って悪役みたいだよね…」

 

「よーしそんな事を言う悪い猫達は俺が撫でてやろう」

 

「うにゅっ!?」

 

友希那とリサの頭をわしっと掴み、わしゃわしゃと撫で回す

ちゃんと髪が乱れないように気を付けながら、そしてコイツらが気持ちいいように撫で回す

 

よし、俺も満足した

 

「じゃ、頑張れよお前ら」

 

「う、ん…じゃあ、また…幸貞」

 

教室から出る前にクラスの先輩に声を掛けられた

 

「あ、あの二人ふにゃふにゃになってるけど大丈夫?」

 

「まぁ大丈夫じゃないですかね、そのうち元に戻ると思いますよ」

 

「……リサちゃんの言ってたな年下の幼馴染って君だったんだね、本当に仲良いね」

 

「そう見えましたか…まあ、腐れ縁もいいとこですからね」

 

さて、ここで時間を潰していたらそろそろいい時間になってきたな……俺と出るか

 

廊下を歩いていると、ふと見知った顔が横を通り過ぎた……ゆり先輩、帰国してたのか

その他にもグリグリだっけか?その先輩達が居た……そしてあの先輩に唐突に肩を掴まれ捕まった

 

「おお!?その横顔はダークマター幸貞君だな!!」

 

「あべしっ……よく分かりましたね、ひなこ先輩」

 

「わっはっは!どうだ凄いだろ!」

 

「へーへー…ゆり先輩も帰ってらっしゃったんですね」

 

「うん、これから香澄ちゃん達にサプライズしに行くんだ〜」

 

「ほーう、それはまた…まあ俺はこれから少し用事があるんで学校から居なるんで、今挨拶できてよかったです」

 

「え?そうなの?」

 

「ええ、少し頼まれ事がありましてね」

 

「そっか〜…君ともゆっくり話したかったけど、残念」

 

「すみません、では俺はこれで」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今のがゆりの気になってた後輩って子?中々イケメンじゃない」

 

「別にそういう意味で気になってたって訳じゃないからねリィ……りみが男の子を話題に出した事が珍しくて気にかけてただけだよ」

 

「ふーん?……まあいいけど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「乙、温まってるかお前ら」

 

「なんだかんだ言って来てくれる幸貞さん…私大好きですよー!」

 

「はいはいそうですか……ネコミミヘッドフォンはどこ行った」

 

「チュチュなら会場で準備してるよ、手伝ってきてくれないか」

 

「まあその為に来た様なもんだしな、そりゃ行くよ」

 

「ああ、頼んだよ」

 

と言ったものの、会場の準備はネコミミヘッドフォンが済ませてるんじゃないのか?まあ二人で確認することも大事だしな

 

会場に着くとネコミミヘッドフォンが最終確認らしきことをやっていた

 

「よう、出来栄えはどうよ」

 

「やっと来たわね…出来栄えは完璧よ、ライトも音源もステージも……あとは私達が最強のmusicを奏でるだけよ」

 

「そうですかい……それで、何で俺を呼んだんだ」

 

「アンタには照明と音響の最終確認をして貰いたいのよ、ハナゾノから聞いたわよ…Roseliaの会場設営はアンタがやったらしいじゃない」

 

「まあな……幼馴染から頼まれればやってやるのが幼馴染ってやつよ」

 

「アンタ……本当に何でも出来るわね」

 

「俺は俺が出来ることしかやってないよ……それが多いか少ないかなんて誰かが決められる事じゃないだろ、俺への頼み事はそれだけか?ならさっさと終わらせるぞ」




てか新しいバンドもそうだけどアニメ3期が終わればスイレンも参戦するんだっけか、これでやっとキャラが掴めそうだな

新しいバンド、モルフォニカだっけか?あれドラムとヴァイオリンはガチ勢らしいね
またキャラ掴まなきゃ行けないのか……忙しいなあ(興奮)

ではでは、また次回お会いしましょう


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48話

そろそろ小説の方も2期分の終わりが見えてきたな、三期どうすっかなー……RoseliaのFWFイベのも書きたいしな、といってもイベストーリーちゃんと読んでないからほぼ創作になるけど

まあ三周年と新バンド追加まであと5日に迫った訳ですんで、ちゃっちゃと2期分終わらせて新バンドに備えなきゃ(使命感)

では本編どうぞ


「もう最高だったわ!perfect!それ以外の言葉は要らないわ!」

 

「ハイハイ凄かった凄かった」

 

「私達RASの初ライブに相応しいライブだったわ!」

 

「おーそりゃ良かったな」

 

「…………なんかお前、機嫌悪いか?」

 

「別にぃ?機嫌はよろしゅうございますけれども何か」

 

「それ絶対嘘だろ……」

 

別にぃ?アンコール2回も受けるなんて聞いてないからって怒ってないですしぃ?無駄に俺の仕事を増やすんじゃねぇよとか思ってませんしぃ?

 

「それよりたえ……お前明日間に合うのか」

 

「………間に合わせる」

 

「あっそう……まあ好きにしろ」

 

俺は明日コッチに来る積もりはサラサラない、呼ばれようが何しようが絶対にこっちには来ないということを全員に話してあるから大丈夫だろうけど

 

まあたえが間に合うかどうかも正直な話、俺には関係ないんだがな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、という訳で文化祭二日目は一日居られるゾ

と言っても特に見て回るものも無いし、適当にフラつきますか

 

「おお、幸貞君はっけ〜ん」

 

「あらゆり先輩、昨日ぶりですね」

 

「昨日のお仕事はどうだった〜?上手くいった?」

 

「上手くいきましたよ、俺が行かなくても大丈夫そうなくらいに」

 

「そっか……今日は一日いられるの?」

 

「はい、折角の文化祭ですからね…二日目は一日参加するから絶対に行かないと断ってきましたから」

 

「良かった〜、じゃあ今日はゆっくりお話できるね」

 

ゆっくりお話できますね……一体なんのお話するんですかね、て言うか俺ゆり先輩とそんなに仲良かったっけ

りみちゃん経由で知り合って少し話しただけだと思ったんだが……まあいいか、ゆり先輩美人だし

 

「それに今日は学祭のライブもあるから、見れてよかったね」

 

「ああ、そう言えば……今日でしたね」

 

「ライブは午後からだから、午前中は私に付き合ってね」

 

「勿論構いませんよ、俺も暇ですし」

 

そんな訳でゆり先輩とキャッキャウフフ……はしてないが、世間話をしながら屋台を歩き回った

所々ゆり先輩が奢ってくれたので、お返しで俺も奢り返したりした

 

「おや、旦那様じゃないか」

 

「随分と久しいなアリア……また有志か」

 

「旦那様も一つどうだい?……おや、隣の女性は?」

 

「ああ、ここのOGだよ…今は海外留学してるんだが帰国中なんだとよ」

 

「成程…では二人分だ、受け取ってくれ給え」

 

「ハイハイどうも……すっげえなこの肉」

 

凄く高そうな肉(小並感)が入ったスープを貰った……なんかゆり先輩が固まったまま動かないので取り敢えず呼び掛けてみる

 

「ゆり先輩、何固まってるんですか」

 

「……あっ…ご、ごめんね幸貞君…なんか凄いオーラの人を目の当たりにして固まっちゃった」

 

「凄いオーラの人……此奴がねぇ………なあ、少し思ったんだがお前は許嫁が他の女性と歩いていて良いのか?俺が言うのもなんだがさ」

 

「別に構わないさ、それだけ旦那様が魅力的という事なんだろう?僕としても嬉しい限りさ」

 

「え、許嫁…?」

 

「ああ、此奴と俺は許嫁なんですよ……まあ俺は認めた覚えはないんですがね」

 

「許嫁ってまだあるんだ……」

 

て言うかアリアのポジティブシンキングは凄いな……その発想に行き着くとは、流石と言うか何と言うか

さて、取り敢えず貰うものは貰ったしそろそろ行くか

 

「じゃあなアリア、またどこかで会えたらな」

 

「ああ、勿論さ…僕は旦那様の居る場所へなら何時だって行こう」

 

「や、来なくていいです」

 

「嗚呼っ…!久々の辛辣な返し、身に染みるよ……!」

 

ダメみたいですね

早いとこ立ち去ろう、長居してもゆり先輩に悪影響だな

 

「いやはや、なんかすみませんねゆり先輩」

 

「いやいや…ちょっとビックリしたけど、なんか刺激的だったよ」

 

「なら良かったですけど……なんか時間もいい感じになってきましたね、そろそろライブが始まるんじゃないですか」

 

「そうみたいだね、じゃあ講堂に行こうか」

 

さて、講堂にやってきたがまあ凄い人が居る

確かポピパの前はバイト組だっけか……トリだが、たえは大丈夫か?

 

昨日の様子からじゃアンコールは二回以上受けてもおかしくはないと思うんだがな、それだと間に合わないんじゃないか

 

「……ゆり先輩、すみませんが少し裏見てきますね」

 

「え?う、うん…何かあったの?」

 

「いえ……まだ何も起きてないと思いますが、起きそうな気がして」

 

「………うん、分かった…何かあったらあの子達を助けてあげてね」

 

「………分かりましたよ」

 

ステージの裏方へと向かう、そこには燐子ちゃんと天災(日菜)…そしてたえの居ないポピパがいた

まあやはりと言うか…まだ来てないのか、そろそろバイト組の曲も終わるぞ

 

「よう、問題発生か」

 

「あ、幸貞……うん、おたえからまだ連絡が来ないんだ」

 

「おーおー…だと思ったよ、そろそろバイト組が終わるぞ…どうするんだ」

 

「おたえが来るまで待ってもらうとか!」

 

「いつ来るか分からないのにー?」

 

「まあ天災の言う通りだな……まあ、ある程度なら伸ばせるかもな」

 

「じゃあ時間稼ぎしなきゃね!行ってくるー!」

 

「わ、私も…!」

 

でも時間稼ぎするって言ったって、丸山先輩にトークを任せるのはちょっと……噛んで愛嬌を出して伸ばせるだけ伸ばすか(ゴリ押し)

 

「あ、あのっ!私もなにか手伝えないでしょうか!」

 

「ん?……ああ、君は確か…朝日六花ちゃんだっけ?」

 

「は、はい!ライブハウス以来です!」

 

「何かって言われてもねぇ、ていうか俺に言われてもねぇ……朝日ちゃんって何出来る」

 

「はい!ええと…ギ、ギターが出来ます!」

 

「ほう、成程………そこそこ出来そうだな…よし、ギターパフォーマンスは出来るか?」

 

「できます!」

 

「OK、じゃあギター持ってステージ出て…あんまり待たせると丸山先輩のキャパがオーバーしちゃうから」

 

「分かりました!」

 

さて、これで1分と少しはもたせられるな……その後はどうするかな、我が幼馴染に頼むか…やってくれるかなー友希那

頼めばやってくれそうな気はするけど……リサにもお願いするか

 

「さあさあ耐久戦はこれからだ、どこまでいけるかなぁ」

 

てか朝日ちゃんのギターしゅごい……ちょっと甘く見てたわ、ごっつ上手いやんけあの娘

 

「リサ、少しお願いがあるんだが……」

 

「大丈夫だよ幸貞、分かってるって」

 

「……そうか」

 

「うん、大丈夫…幸貞、あんまり張り詰め過ぎないで」

 

「………張り詰めてる積りは無かったんだがな、急かしてるみたいで悪かったな」

 

「ううん、そうじゃないよ…無理し過ぎないでね」

 

「へいよ、善処しまする」

 

幼馴染にはなんでもお見通しってか、別に無理してる積もりも無いんだがな

朝日ちゃんのギターパフォーマンスが終わるとアンコールの嵐が巻き起こる…あらあら、目を回しちゃってるよ

 

と、あこちゃんと燐子ちゃんがスタンバってるな

 

「じゃ、アタシも行ってくるね」

 

「悪いな、頼んだ」

 

「アタシ達に任せなって」

 

そう言って笑いながらステージへ出て行く……幼馴染には敵わんな、全く

友希那と氷川先輩も出て来てくれた…よし、これで3分はもたせられる……これで来なかったらどうするかな

 

「沙綾、たえからはまだ連絡は来ないのか」

 

「うん……まだ、来ないかな」

 

「そうか……」

 

「……ねぇ、幸貞…もし、おたえが来なかったら…」

 

「さあな、俺に聞くな…俺がどうにかできる問題じゃないだろ」

 

「そう、だよね……ごめん」

 

Roseliaの曲もそろそろ終わるな……まだ相変わらずたえからは連絡が来ない、か

さてはて、どうしたもんかな

 

「ユッキー……」

 

「……なんだその目は」

 

「ここにピアノ付きDJブースがあるんだけど……」

 

「なんであるんですかねえそんな物…何、俺にやれと」

 

「お願い!ユッキー!」

 

「ええ....(困惑)」

 

「幸貞…お願い」

 

「幸貞くん……」

 

「…………分かった分かったやればいいんだろやれば……4曲だ、『掴み、中、ラストスパート、フィニッシュ』言っとくが会場の雰囲気からしてそれが限度だ」

 

「ありがとう、本当にありがとう…幸貞」

 

「俺はお前らにとって最高の終わり方も最高の始まり方も用意してやる、それを活かすかどうかは……まあたえ次第だな」

 

さて、じゃあ行きますか……Roseliaが終わり会場が沸く

いつものピエロ仮面を持ちステージへ出る…中曲は長くしてやるか、そこだけで5分くらいは稼げそうだ

 

「……あら、貴方も出るのね…幸貞」

 

「ああ、お疲れさん友希那…取り敢えず引き延ばせるとこまで引き延ばすよ」

 

「……そう」

 

さぁ、ダイジェストの時間だ

 

 

 

 

 

 

 

 

Battle NO.1

 

混沌を越えしブラスターに希望と涙を添えるゾ〜(怒槌)このFinite、電撃ィ!終焉、FDいいっすか?ドイツ人だからinfernoのリトハにぶち込んでやるぜー いきなり炎上してすみません!神威してください!ガラクタしminor!(Original Remaster)

 

Climax

 

最強STRONGER

 

中曲長くするって言ったよなぁ?当たり前だなぁ?

混沌(以下略)だけで4分48秒も稼げたゾ〜、さて…これでもたえは来れないか

 

「……ふぅ、やれるだけはやったさ……これもまた一つの経験だろうさ」

 

「……ごめんね、幸貞」

 

「別にお前が謝ることじゃないだろ、誰が謝ることじゃない……これも一つの経験だ」

 

沙綾の頭をぽんっと叩き、俺はステージから出て行く…ここから先は俺の出る幕じゃない、彼女達が解決すべき問題だろう

裏方の道を歩いていると、ゆり先輩が居た

 

「……ポピパ、出来なかったね」

 

「バンドの掛け持ちなんて上手く行くとは思いませんがね……まあ、こういうのも経験しておいて損はないと思いますがね」

 

「何だか幸貞君は、いつも大人だね」

 

「さあどうでしょうね…大人と言うよりは、じじ臭いだけだと思いますよ」

 

「……でも、そんな君だから私は少し心配かな……何でもかんでも一人で抱え込んでいそうで、それでいて黙っていそうで」

 

「心配される程、弱々しい精神はしてないですよ…それに面倒事を抱え込むなんて事、態々しませんからね」

 

「……だといいんだけどね……私はこれで帰るよ、ポピパの子達にヨロシクね」

 

「はい、またいつか会える日まで……」

 

何でもかんでも抱え込む…ねぇ

1人で解決できやしない事を抱え込むなんて無責任な事しませんよ……俺は俺の出来る範囲のことをやってるだけですよ

 

出来ない事を率先的にやれる程、俺は出来た人間じゃない




バンドリのヤンデレでも書こうかな(唐突)
最近あんまりバンドリのヤンデレもの見なくなっちゃったし、これは自分で書けと言っているのか?

まあなんにせよヤンデレは至高、はっきりわかんだね

それじゃあまた次回お会いしましょう


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三周年記念

ガルパ三周年おめでとうございます

という事で三周年記念話です、本編とは全く関係ないと言うか最早ifの世界です
どんなifかって言えば、出てくる女の子達が幸貞ガチ勢だっだらという話ですね

本編じゃ付かず離れずの距離を保っているからね、ifやるんだったらこれがいいかなって

じゃあ番外どうぞ


おはよう諸君、突然なんだが一つ聞いてもらいたい事があるんだ……朝起きてら何故か布団が膨れ上がってるんだ

 

何を言ってるか(ry

 

もう何回目だろうね……そろそろ俺も疲れたんだけど

 

「おはようさん、いつになったら俺の布団に潜り込むのを止めるんだ……友希那」

 

「貴方が私に振り向く日までよ」

 

「生憎と永遠に訪れないな、その日は」

 

「なら私も永遠に続けるわ」

 

平行線って怖いな、でも俺は折れんぞ

俺の幼馴染である銀髪美少女こと湊友希那……何故だか知らないがどうも俺を振り向かせたがる

 

別に誰を好きになろうが知ったこっちゃ無かったんだが、まさか当の自分になるとはな……絶対やめといた方がいいと思うよ

 

「はぁ……休みの日だってのに無駄に早く起きたな」

 

「ところで幸貞、貴方今日も暇よね?」

 

「今日()と言ったな貴様、それは聞き捨てならんぞ…まるで春休み中俺が暇人の様に過ごしているかのような物言いだな」

 

「事実じゃない」

 

「確かに外へ出掛けてはいないが暇人ではない、俺も俺でやる事はあるんだよ」

 

「ゲーセンとか家でゲームとか()かしたらキスするわよ」

 

「いやーキツいっす」

 

という訳で友希那と出掛ける事になりました

晶奈にそれを言ったらサムズアップしてきたので取り敢えず蹴り飛ばしておいた

 

休みの日なのに家の外へ出るなんて……何でそんな事しなくちゃいけないんですか

 

「それで、どこ行くんだ」

 

「ここよ」

 

「何のチラシだそれ………ほう、猫カフェが近くにできたと」

 

「ええそうよ、一度行ってみたいと思ってたの」

 

まあ貴女猫好きだもんね、ていうか一人で行ってきたら?そんな事言ったら怒られちゃうだろ(自問自答)

別に俺ついて行かなくても良くないか……もういいや

 

「にゃーちゃん…!」

 

「おーおー相変わらずだな………ここの珈琲美味いな」

 

めっちゃモフモフしてますやん幼馴染さんや…しかしいつもああ感情豊かならもう少し友達も増えるんじゃないか

 

「でも友希那ああなっちゃうと止まらないからね〜、それはそれで制御が難しいかも」

 

「かもな……で、何で居るんだねリサさんや…と言うかナチュラルに心読まないでくれます」

 

「幸貞が何考えてるかなんて大体分かるよ…てか出掛けるならアタシに声掛けてくれてもいいじゃん、水臭いなぁもう」

 

「それは友希那に行ってくれ、て言うか何で分かった」

 

「昨日から友希那がすっごいソワソワしてたから簡単に予想がついたよ、それにここに猫カフェができたことは知ってたし」

 

「流石は幼馴染さんですな、お見通しですか」

 

「まあね〜……このコーヒー美味しいね」

 

「おいそれ俺の珈琲、まだ半分くらいしか飲んでないのに……まあいいや、もうやるよそれ」

 

流石に幼馴染とは言え女の子が口付けたカップを使う気にはなれん……てかコイツよく俺の使ったカップ平然と使えるな、本当によく分からん

 

「あらリサ、いつの間に……」

(私はリサを呼んだ覚えはないのだけれど?)

 

「友希那が猫と戯れてる間にだよ〜」

(友希那だけに抜け駆けさせる訳ないじゃん)

 

なんか目線で別の会話してるなこの二人……まあ何話してるかなんて興味は無いけど

この娘達たまに目線で会話し始めるからこれもう分かんねぇな

 

おん?メッセージか、誰からだ……燐子ちゃんからか

 

「幸貞、誰からのメッセージよ」

 

「幸貞〜?アタシが居るのに、他の子から来たメッセージなんて見てるのかなぁ〜?」

 

「うおっ、ビックリするから急に近くに現れんといて」

 

友希那は俺の膝に顎を置き、リサは俺の背後から肩に腕を回して頭に顎を乗っけてきた……お前ら距離が近いんだけど

 

「それで誰からよ」

 

「燐子ちゃんからだよ……なんか今暇かって聞かれただけだよ」

 

「燐子……ふぅん、それで何で答えたのよ」

 

「勿論暇じゃないって返したよね?」

 

「え何その圧は……幼馴染二人に捕まってるから暇ではないって返したよ、今は返信待ちかな」

 

「ふむ宜しい」

 

お、返信返ってきた……今どこにいるか?近くに出来たって言う猫カフェに来てますよ…っと

しかし何で唐突に居場所なんて聞いてきたんだか

 

「幸貞、もしかして燐子に場所教えた?」

 

「何で?」

 

「今燐子からメッセージ来たんだけどね、笑顔の顔文字に今から行きますってだけ来たからさ」

 

「え何それは、怖」

 

すると猫カフェのドアが開く音がした、燐子ちゃんってそんなに早く移動できたっけ?そんなまさかね

と思っていた頃もありましたよ、何故かニッコニコの燐子ちゃんと若干青ざめ気味の幼馴染二人

 

何これ

 

「あ、幸貞さん…こんにちは」

 

「ああ燐子ちゃん、何か機嫌悪い?」

 

「いいえ、悪くありませんよ?」

 

「そう……まあ、ならいいけど」

 

「幸貞さん、これから少しお二人とお茶をしてきます……宜しいですか?」

 

「別に構わんよ俺は……じゃあお先に帰るよ」

 

代金だけ置いてそそくさと逃げてきた

何せ幼馴染二人の顔が真っ青になってるし、視線は窓の外に逃げてるし…何か燐子ちゃんの雰囲気怖いし

 

あの場に留まる理由が全く無い

 

よし、パンでも買いに行くか

 

「いらっしゃいませ〜……って、幸貞か」

 

「俺で悪かったな」

 

「あはは、ごめんごめん」

 

何パンを買おうかな……ピザパンにガーリックトースト、照焼チキンなんていつの間に作ったんだ

この辺を買っていこう

 

「相変わらずカロリーの高そうな物ばっかりだね…」

 

「いくら摂っても身についてるんだから分からないんだよ」

 

「今の言葉は全ての女子を敵に回したよ……はいこれお釣り…と、オマケね」

 

「オマケ?……チョコパンか」

 

「うん、新作を作ってみようと思ってね…少し装飾とかしてみたんだ」

 

「へぇ…この葉っぱか?」

 

「そうそう、なかなかいい感じじゃない?」

 

「まあ悪くは無いな……有難く貰っておくよ」

 

さて、家に帰って食べるとするか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、おかえりー…早かったね」

 

「ああ、なんかよく分からんけど用事が出来たみたいでな…先に帰ってきた」

 

「ふ〜ん、そうなんだ」

 

「……晶奈、何ニヤニヤしてんだよ」

 

「べっつにぃ〜?」

 

「折角お前にパンを買ってきてやったのに、残念だがこれは全部俺が貰うとするか」

 

「ごめんごめんって!! 謝るからパン頂戴〜!!」

 

本当ガーリックトースト好きだなコイツ

俺はピザパンと照焼チキンを食べるか…あと沙綾からオマケで貰ったチョコパンもあったな

 

「……ん?そのパンどうしたの」

 

「ああ、なんかオマケで沙綾がくれたんだ…新作を試しただかなんだかで」

 

「へぇ……まぁ、なんて言うか…頑張りなよ幸貞」

 

「は?なんだよ急に……………あっ(察し)」

 

この葉っぱアイビーじゃないですかヤダー……いやーキツイっす(本音)

なんやろね……何でこんな…………もういいや(諦め)

 

もうどうにでもなれと思いながらパンをヤケ食いした

 

パンを食べなが少し考えていた……何時からこんなガッツガツに来るようになったっけ、アイツら

全然覚えてないんだけど……てかガッツかれる理由も分からないんでがそれは

 

「………何だよ晶奈」

 

「ん〜?全く分かってない様な顔してたから」

 

「サラッと人の心を読むの止めてもらいませんかね」

 

「姉弟なんだから大体分かるわよ、ひとつ教えてあげる……貴方が例えそう思っていなくても、相手からしてみれば捉え方が違うかもね」

 

「そう言うもんか……まあ、価値観が違えばそうなるか」

 

「この一言だけで察せるなら苦労しないと思うんだよねぇ、まあ貴方そういう性格だししょうがないか」

 

「ただいま、何の話してるの」

 

「幸貞が面倒な性格してるって話」

 

「ああ、それ不治の病みたいなものだから諦めた方がいいわよ」

 

「言ってくれんな華蓮さんや」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の幼馴染は不思議な人間である

高校生のくせに無駄に達観して物事を見ている様な、はたまたどこか諦観しているような……正直全く分からない

 

友希那は友希那で何考えてるか分からない様に見えるけど、割と分かりやすい…まあ幼馴染だからって言うのもあると思うけどね

 

中学の時、友希那のお父さんが音楽を辞めてから少し経った時……幸貞に相談をした

 

『リサか…珍しいな、電話掛けてくるなんて』

 

「ああ、うん…ちょっと幸貞に相談したい事があって」

 

『相談?俺にか?止めといた方がいいと思うんだがそれは』

 

「幼馴染で友希那とアタシの事を知ってる人じゃなきゃダメなの……話だけでもいいからさ、ね?」

 

『……後で後悔するなよ、俺に相談なんて持ち掛けた事』

 

「あはは……それでえっとね…」

 

そこから今まであった事を幸貞に話た

友希那のお父さんが音楽を辞めた事、友希那が変わってしまった事……幸貞はまるで他人事の様に相槌を打ちながら聞いていた

 

『へぇ…親父さん、バンド辞めたんだな』

 

「うん、それで友希那も………アタシ、どうしたらいいか分からなくなっちゃって」

 

『別に特別することは無いだろ…寧ろ変に刺激して友希那が変な方向に行く方が怖いんじゃないか、励ましたい気持ちは分からなくないが下手に言葉を掛けるなよ』

 

「じゃ、じゃあどうしたら……」

 

『どうしたらって言われてもな………お前は先ずお前の事を考えたらどうだ、人の事を気に掛けるのもいいが自分のケアもしとけよ…先にお前が参っちまうぞ』

 

「でもっ…!今の友希那、見てられなくて……」

 

『はぁ……そう、じゃあ友希那とは俺が話してこようか?』

 

「えっ……?」

 

『何だ、俺じゃ不安か……なら別にいいんだけど』

 

「あっ…う、ううん!違くて!め、珍しいなって思って……幸貞がそんな事言うの」

 

『………まぁ確かにそうかもな、唯の気紛れに過ぎないだろうけど』

 

でもそんな気まぐれが私にとっては……いや、私達にとっては唯一の救いだった

そこまで言うと過剰と思うかもしれないけど、アタシにはそれぐらいの事だと思っている

 

幸貞なら何か友希那へいい刺激を与えられるんじゃないかと、どこか心の中で思っている

幸貞と電話をしてから数日経った日、友希那が少しだけ前の友希那に戻っている気がした

 

幸貞………前に、人の感情が嫌いだと言っていたよね……そんな捻くれてるそんなどうしようも無い貴方の事を…アタシは一番信用してる、一番想ってる、一番考えてる、一番心配してる

 

そして、一番愛してるよ……幸貞




アイビーってキヅタ属だけど花言葉もちゃんとあるみたいなんですよね、まあ気になったらググってみて下さい
まあ色んな意味で有名なので、知ってる方は知っていると思いますが

ガルパの話になるんですが、ドリフェスと30人確定ガチャを引いたら星四を7枚抜きしました…序に言えばフェス限蘭ちゃんとりみちゃん来ました……や っ た ぜ
俺今年で逝くんじゃね(震え声)

モルフォニカはピンクの髪の子以外は星3以上が来ました

俺はそんな感じの三周年でした、ではまた会う時まで


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