うちはサスケだけど、闇堕ちしたくないです....... (お )
しおりを挟む
プロローグ
すみません、ものすごく短いです。
その世界は、他のどの世界より、破滅的で、残酷で、どうしようもない世界だった。
ようやく自分のアパートについた僕は、早く寝ようと急いでシャワーを浴び、着替えて、歯を磨いていた。
ふと本棚を見ると、僕が初めてハマった漫画の「NARUTO」が目についた。 学生時代はこの本を何度も何度も読んでいたなあ。
最近仕事が忙しくなってしまい、趣味に掛けられる時間はほとんどなくなってしまったが、充実した日々を送るのはとても心地よく、将来への希望がある。(ちょっとブラックだが)
明日は待ちに待った日曜日、僕はその日だけは趣味に費やすと決めている。もう一回NARUTOを読み直すのも良いかもしれない。
NARUTOの登場人物は誰もが格好よく、僕はこの漫画で隠れ中二病を発症させた。 ......思い出したくない。
ベットに潜り込む。明日は5時半に起きる必要がない。疲れた身体を休めて、明日はあの漫画を読もう。
この時はそう思っていた。
気付くと、僕は暗い空間に浮かんでいた。
夢だろうか? とても疲れていたから滅多に見ない夢を見ているのかもしれない。
身体の感覚はなく、流されるままに空間を漂っていた。
暫くすると、空間全体が揺れ始め、意識が薄れていく。
自分の身体が動き始めたときには、既に意識を手放していた。
起きると、そこは簡素なベットの上だった。
体は重く、目は霞んでいる。
その上、体の中心に何だか奇妙な熱の塊があるように感じられる。
おいおい、今日は日曜日だぞ? もっとテンションを上げないと。
声を出そうとしたが、呂律が回らずに、「ふへぁ~」という声が出た。
そばには人がいたようで、起きた僕に気付くと、何やら言いながらどこかにいってしまった。
え? 何でいるの? ここは病院か? 明日の会社行けるかなあ......
その時に見えた、その人の背中に描いてあった卓球ラケットのようなマーク、どこかで見たことがあるような気がする。
眠い。 猛烈に眠い。
人が部屋に走り込んできたときには、もう眠りに落ちていた。
4、5日寝ては起きてを繰り返し、僕は一つの結論に達した。
僕は赤ちゃんだ。(混乱)
しかし、そうとしか思えないのだ。
体は動かない、他の人が妙に大きい、声が出ない。
これはもう確定だ。
更に、この夢が夢でない可能性が出てきた。
皆は夢の中で寝たことはあるか?
僕はない。
あと、授乳時に嫌がって手足をバタバタしたらどこかに当たり、とても痛かった。
自分がどうなってしまったのか不安で、心配だ。
でも、やることもないし、授乳→寝る→起きる→授乳 を繰り返していく。
また、寝ている間に場所が変わったようで、僕は布団に寝かされるようになった。
90日(昼と夜を数えた)ほど過ぎると、僕はものがよく見えるようになり、あることに気づいてしまった。
あれ? あのマーク、うちは一族じゃね?
これが夢である可能性が高くなってきた。そうに違いない。そうであってほしい。
認めたくないが、僕はNARUTOの世界に生まれ直してしまったようだ。
嫌だ。こんな殺伐した世界に居たくない。
元の世界に戻りたい。 仕事したい。
しかも、うちはって滅ぼされるじゃん。子供含めて。うちはイタチに。
詰んだ、終わった。
はは、人生オワタ......
次の日、僕のところに母親らしき人と五歳ぐらいの子供が来た。
彼らは布団の横に座ると、僕を抱き上げた。
「サスケ、貴方のお兄さんですよ」
と、母親が言うと、僕をその男の子に近づけた。
「うん、......君の兄になるイタチです、よろしく」
その男の子は妙に理知的な挨拶をしてきた。
僕は動けなかった。
あの、イタチだ。 対して、僕はサスケだ。
「どうしたの、サスケ?」
固まったままの僕を心配した母親が何か言ってきたが、聞こえない。
僕は気を失った。
それから何日か経ち、僕が冷静になった頃。
僕は、自身が進むことになる血塗られた道を再確認していた。
うちはサスケは主人公のライバル的存在で、かなりブラックな道を歩む。
幼い頃に兄がうちは一族を滅ぼし、天涯孤独になる。
復讐を誓い、その為だけに里を抜け、大蛇丸の下へ行く。
そのあとも危険な橋を何度もわたり、最終的には主人公の敵になる。
このように、このまま行くと僕も血で血を洗うような所へ行くのだろう。
ダメだ、命がいくらあっても足りない。絶対に死ぬ。
それを回避する為に、今から行動し始めなければ。
もう帰りたい。
目次 感想へのリンク しおりを挟む