一般魔戒騎士 マサヒロ (元ラヴァル流アラブリ)
しおりを挟む
一般魔戒騎士 マサヒロ
草木も眠る丑三つ時……そんな詞の一文を思い出しながら俺は眼前の黒い影に魔戒剣を叩き込む。
目の前の黒い影───よくある悪魔に骸骨と蝙蝠を足して割ったような見た目の
ちなみにコイツはホラーの中でも最弱・下級とされ、戦闘力も低いとされる素体ホラー……某RPGゲームのスライム似た位置付けである(ただしレベル一桁の冒険者では手も足も出ず殺される)
ほとんどのホラーが魔界からゲートを通りこちら側である人界に出現する時この姿であるが『とある条件』を満たした場合その姿形、強さが大きく変わるがそうなる前に狩るのが魔戒騎士である俺の『お仕事』であるが、そのなんだ……まあ、その前段階のゲート壊せばそれで良いのだが何事も見落としがあるのだ。
だから目の前の奴さんもこうして現界する訳だが───全く迷惑な事この上ない……誰が好き好んで命のやり取りをせにゃならんのだ。
「───誰か変わってくれないかなー───」
そんな愚痴をこぼしながら素体ホラーの攻撃を捌く───こちらが守りに徹していることに痺れを切らしたのか素体ホラーは右腕を大きく振り上げて自身の持つ鋭い爪で攻撃するが、それを左手に持つ魔戒剣で受け流しつつ無防備になったヤツの横っ腹に蹴りを入れて吹き飛ばす。
───吹き飛ばして体制を崩したヤツに間髪を入れず魔戒剣を突き立てた……油断無く容赦無くヤツが消滅する瞬間まで俺は剣先を引かずに視界に捉えていた───
ホラーの消滅を見届けた俺は少し余裕が出来たので左腕の少々歪な装飾が特徴的な腕時計に目をやる───
現在の時刻は深夜二時をちょっと過ぎていた───この時間帯は所謂オカルト的にも……そしてホラー的にも一番ハッスル出来る時間帯らしくホラーの出現率も中々高い……がこの時間帯さえ過ぎればホラーの出現率も下がっていく傾向があるらしい。
「ふう……サルパ、他にホラーの気配は?」
「うむ、マサヒロよ。今宵は他に気配は無い。これで打ち止めのようだ、よし!寿司でも食い行くか!」
俺の言葉に腕時計の装飾がカチカチと動きハスキーな声で言葉を返す───コイツは俺の相棒であり魔導具でもある、名は『サルパ』 旧魔戒語で【顔見知り】って意味らしい………それはそれとして───
「───サルパ…俺の懐事情はお前も知っているだろう? そんな余裕はない!大体お前は食べれないだろう!?」
何がよし!っだ、まったくこの魔導具は何処でそんな言葉を覚えたのであろうか。
こうしてサルパとくだらない会話をしながら帰路につく俺であった。
これはごくごく一般的な魔戒騎士で『転生者』でもある俺、勇崎 マサヒロが人々をホラーから護る『守りし者』としてこの世界で生きて行く非シリアス系で
感想とかあれば連載しようと思います。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
魔戒騎士職場BLACK! part1
俺はまた『ソレ』を掴み取り『ソレ』を余所へ放った……そしてまた新しい『ソレ』を手にし、再び放って……またそれを繰り返した。
「違う、違う、違う、これも違う───」
既に時間の感覚失われ身体が重い。
さながら俺は無間(無限)地獄に罰として墜とされた罪人であろうか……しかし手を動かなければならない。
動かなければ本物の罰が下るかもしれないのだから────
突然だが、俺こと勇崎 マサヒロは転生者である。
何をとち狂ったことを言っているのか思われるかもしれないがこれはガチなヤツである。
前世の自分が平凡でそこそこ幸福な人間だったとかどのような最後をむかえたのは朧気にしか思い出せないが、多分転生トラックさんの轢き逃げアタックが死因ではないかと推測した……その割にチートくれる神様に会っていない気がする。会っていれば今よりも俺の人生イージーモードなのになー……神様は俺のこと嫌いらしい(泣)
少々話が脱線してしまったが自我が芽生え始めた幼児の頃であっただろう……何かピコーンっときた時、知識が頭の中に入ってきた。
そして気付いたのだ、此処は前世の自分が生きた世界ではなく『牙狼の世界』なのだと。
「んー、これも違う、くそ、これもはずれか───」
───牙狼 GARO───
2000年代の初頭頃に深夜枠で放送された現代を舞台にしたダークファンタジー系特撮ドラマである。
その頃に日曜の朝に放送されている戦隊モノや一部を除く平成仮面ライダーシリーズとは違いかなり大人向けに創られた作品であった。
単純に残酷な内容だったり女性のアクターさんがビーチクを隠さない仕様の敵キャラであったりとアダルト寄りの路線を走っていたのである(おっぱいはもっと大きい方が好みです!)
放送当時の前世の俺はまだガキであったからか深夜に放送された牙狼の内容(一話)に魅力を感じずスルーした。
しかし数年後に俺は牙狼に再会した……そう、パチンコ屋で!!
──────────────────────
俺はまた『ソレ』を一つ掴み、すぐに後ろに積み上げられたダンボール箱に無造作に放り捨てた───ダンボール箱は幾つも重なり積み上げられそれらで摩天楼の如くダンボールタワー群が出来てしまいそうだ。それら全てのダンボール箱の中は無数の『キン消し』が詰まっていた。
そして未だに床に転がっている『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』『キン消し』───そう、此処は『キン消しの世界』……っと錯覚できるほどにキン消しがこの空間に散乱しているのだ。
此処は俺の職場である『湾岸博物館』の地下駐車場の更に奥にある保管場所の一室だ。
───あと『キン消し』とは漫画家 ゆでたまご先生の代表作漫画『キン肉マン』のグッズ一群である、詳しくはググってくれ・・・。
ここまで早数時間、俺は無心で陰我が宿るキン消しを
「あのロリババア上司め……面倒くさい仕事は全部押し付けやがって!」
脳裏に浮かぶのは二次元から出て来たような年齢不詳の見た目十代半ばの上司である彼女のサドっ気のある笑みを作る顔が想像できる。
ただいま俺のストレスはマッハで衝動に任せて魔導火ムカチャカファイヤーして『キン消し』を焼き払いたいがそれは出来ない……この『キン消し』は俺の貴重な
普段は寡黙な良い子ちゃんで通っている俺でも愚痴をこぼしたくなる……このままだとキン消しで溺死か圧殺しってしまうと思う。
何もかも嫌になってしまった俺はキン消しの山をベットにして大の字に寝転んだ。
「あー最後に休憩したのは昼の食休みの時だったしこれ以上は頭禿げそうだから休憩だ!休憩!あとサルパ・・・お前の方でまだ邪気とか陰我は探知できないか?」
俺は左腕に巻かれた時計型魔道具で相棒のサルパに聞いてみた。
「・・・すまないな、マサヒロ。 この『キン消し』の中に間違いなく邪気を帯びたモノを感じ取れるがぼんやりとした気配しか分からない───」
そう、本来であれば魔導具など使用すればあっさりと見つけられる陰我付きのオブジェが見つけられないので弱っているのである。
「くそ忌々しい……期限なんて有って無いようなもんだし軽く仮眠する、はい! 決定! サルパ君、ちょうど良い時間で起こしてくれ!」
「あ、おいマサヒ「Zzzzz」って早!!」
こうして俺は職務放棄に等しい眠りの世界へと旅立った────そして室内の僅かな『気配』は動き始めた。
十数分後か数時間か経過したとき『ソイツ』はキン消しの海から這い上がるように立ち上がった。
『ソイツ』はこの魔界騎士が油断するのを待っていたのだ……何せ魔戒騎士は自分達ホラーの天敵であり、直接的な戦闘で勝つのは難しい────なら奇襲で痛手を負わせれば良いとと判断し、ほぼ無音で跳躍して全体重を乗せて横たわる魔界騎士の頭を踏み潰さんとした────がそれに合わせるように魔戒騎士は身体を跳ね上げて起き上がった。
「これでも魔戒騎士だし
俺はさっさとコトを終わらせるため魔戒剣を抜刀し、構えて相手のホラーの姿を見定めたが思わず息を呑んだ───
「イチバーン!!」
俺の頭を踏み潰そうとした『ソイツ』は右手を天に突き上げ人差し指をピンと立て騎士など恐くないっと自己主張するのは素体ホラーではなく───
「────ネプチューンマン・・・だと!?」
漫画『キン肉マン』の作中屈指実力者にして
ってな具合でかなりおふざけが入ってしまいますがまた読んでね!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
魔戒騎士職場BLACK! part2
難産とかじゃなくてこの更新速度が実力なんです(泣)
『全身に電気が走る』
そんな表現が世の中にある。
もちろん比喩的表現であり、実際は体調不良による神経過敏や人間の思考の中の閃きや驚愕の瞬間などに使われる喩えだ……そう、所詮喩えであり『全身に電気が走る』ような事はまず起こることはない。
しかし実際に『全身に電気が走る』そんなことが事が己に身に起こったのであれば運が無い事だ……。
さて、何故こんな話をしているのかと言うと────―――――
「
ネプチューンマン――――身長240cm、210kgの巨体から繰り出される一撃は人型で在りながら人間のそれとは大きく掛け離れたパワーを……まあ、奴さんはホラーだから見た目とか大きさとかあんまり当てにはならんがそれにしたって――――
その迫る豪腕をバカ正直に受け止めたのは明らかな間違いだった。
「――――――――────ッッッガァァ!?───」
ソレを魔戒剣で受けた俺はその瞬間、大砲から打ち出された弾の様に後方の金属製の保管場所の扉ごと通路の突き当たりまで吹き飛ばされた。
不幸中の幸いと云うべきか左手に持った魔戒剣の刀身に右腕を押し当て十字の形で受けて耐え切れずに……扉まわりの金具が老朽化が進んで脆くなっていたおかげでクッションとなったが―――――暗転する視界と痺れる両腕、激しく打った背中の痛み肺から一気に吐き出される空気、そして震える脚―――頭は打っていないためか思考は思いのほかクリアだ。
ガクガクと震える膝を痺れの残る手で持った魔戒剣を杖替わりに立ち上がる(魔戒剣を手放さなかった自分を褒めたい)
この威力は『電気』なんて表現が陳腐に思える…所詮プロレス技のラリアットと舐めていた……否、舐めていなくてもネプチューンマンの『
吹き飛ばしてくれたおかげで距離が大きく開き、何とか体勢を立て直した俺は前方の遥か先の扉が無くなった保管場所から出てくるネプチューンマンが視界に入る…しかしヤツはホラーである筈だから呼称としてはホラー・ネプチューンマンの方が正しいだろうか―――――などと暢気な考えが一瞬よぎるがヤツはレスラーの低空タックルよろしく中腰の体勢のまま距離を縮めてくる。
ありゃちょっとした重機だ……それが時速100キロオーバーで迫ってきているのだからもう笑えないが、まだ目で追える――――正面からその動きに合わせて刃を当てて―――――迫るホラー・ネプチューンマンの身体がブレて一瞬姿を見失う――――――その瞬間背後から筋肉質な手足が俺の身体を締め上げる!
───ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、イケナイ、コノ、ワザヲキメサセテハイケナイ!───
俺の身体を締め上げるこの技はネプチューンマンの代表的な
「
―――――
故に俺は一刻でも早くこの技から抜けなければならないため―――
「サ、サルパーーーー!!!」
ただでさえ数が少ない『手札』を一枚切ることにした…。
「―――やれやれ、しかたがない――――」
俺の左腕に巻かれた時計型魔導具であるサルパから魔導火が漏れ出て時計で言う所の時針、分針、秒針を魔導火で摸して炎の刃が回転し、ホラー・ネプチューンマンの身体を切り裂いた。
切り裂かれたホラー・ネプチューンマンは身体から力が抜けるように膝を折、直に消滅した。
あとに残るのは上半身の部分が傷だらけの『ネプチューンマン』のキン消しが転がっていた。
キン消しを取り込んでその『キャラクター』になる、もしくは真似るホラーってところか…。
「うわー、考えれば考えるだけ恐ろしいホラーだったな……『ネプチューンマン』ならあとマグネットパワー使って来られていたら負け確だったが…ふう―――」
撃破したホラーの能力に戦慄し、安堵し、何気なく保管場所の方に視点を向ける…そこから出てくる『キン消しホラー』が嫌でも目に入った…まだ終わっていなかった(泣)
「―――――いま一息ついている所、残念なお知らせがある――――」「うん、しってる!」
ゾロゾロゾロゾロゾロゾロっと…出てきやがって…イメージは素体ホラー千体撃破に似てきた。
「さっきのヤツと比べれば一体一体は大したことはないだろうが、消耗したお前じゃあこの数はかなり骨が折れるぞ!マサヒロ」
俺はそのセリフに答えるように魔導火ライターの火力を
ちょっと前に黄金騎士の真似事で魔導火を自在に操り纏う『烈火炎装』をしてみたら―――全身を魔導火に巻かれて
――――――うわ、俺の知ってる烈火炎装より魔導火の出が大きすぎてかなり燃費が悪い上にカッコ悪い人間キャンプファイヤーみたいで……ヤバい、これじゃあ名前は───
「『劣化炎装 魔導──火達磨!!』」
出来れば使いたくなかったよ。この場で最も撃破効率の良い手段ではあるがデミリットが存在する―――
―――――知ってるか?炎って燃料が無いと燃え続けないんだぜ……―――――
昔、魔導火を多様する魔戒騎士の先輩が当たり前の事を言っていたが、その表情はどこか影が有ったな……今なら分かるその意味が!魔導火もタダじゃないってことをな!(先輩は後に『炎上騎士』って称号をもらっていたと思う)
そして、俺自身が一つの炎の刃となって『キン消しホラー』達を切り捨てた、一体五千円を超える買取価格を持つキン消しのホラーであろうと……。
―――――一つ剣を振れば八千跳び、二つ剣を振れば二万跳び……これ、麻雀の点棒じゃないんだぜ……俺のボーナスがリアルに消し飛ぶんだぞ!!!!!!! クソたれー!!!!!!!
―――進むも地獄退くも地獄―――この時のマサヒロは正にこの言葉が当てはまる不幸に見舞われるのであった。
この場に居るのはマサヒロでは無い。鬼の形相に血の涙を流す憐れな一匹の男である(合掌)
その場に残るキン消しホラー達は覚悟を決め、地獄の餓鬼の如く俺に殺到する。
────今こそ、立て! 修羅の如く!────byマサヒロ。
そこから先の事はあんまり覚えてない……無心かつ無我の集中でひたすら魔戒剣を振るったからな……途中ぷりぷりマンとかキン骨マンとかマイナー枠が出てきた気が……うゥ、頭が。
俺が正気を取り戻す頃には辺り一面の足元には切り裂かれた無数のキン消しの転がっていた…さながらキン消しの墓場か地獄が出来上がっていた。
時は既に次の日の朝をむかえて、日が高く昇っている。
「ハア……うまく売れば五百万のオーバーのボーナスが入ったかもしれないのに、結局手元に残ったのは『コイツ』だけか……でもホラーが『コイツ』に変化しなくて良かった──」
俺は頭を垂れながら懐の内ポケットから今回唯一の『戦利品』を取り出した『戦利品』のキン消しのキャラクターの名前は『マンモスマン』
キン肉マンに登場した超人の中で語弊があるかもしれないがライバル系敵キャラ以外で唯一『最強』の候補に挙げられる恐るべき超人でこのキン消しは高価で取引される事がある代物だ。
偶然にも予備知識で知っていた俺は『マンモスマン』を仕分けを始めて早々に見つけてそそくさっとチョッパ……否、いち早く回収したためにホラー化の難を逃れたキン消しである。
『マンモスマン』を片手に帰路に着く……報告なんて後でイイ、今は睡眠が欲しい、休みたい。
過度の戦闘で重くなった心と身体に鞭を打ち、脚を動かすマサヒロであった。
今回、ボーナスどころか骨折り損の草臥れ儲けってな具合の主人公 マサヒロ。
次回以降に彼に幸福が有らんことを…。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
登場キャラクターの設定(暫定)
私は大好きだよ(FGOマテリアル見ながら)
登場キャラクター紹介
主人公 魔戒騎士 勇崎 マサヒロ
身長170㎝(自己申告) 体重80㎏前後
何の因果からか牙狼ワールドに転生してしまった不幸系(金運)主人公にして魔戒騎士の中でも最も数が多い『無名の騎士』の一人である。
主力の魔戒剣のみで素体ホラー相手にタイマンならとりあえず負けない程度の実力。
複数体なら袋叩きにされる確率大。
時計型魔導具 サルパ
サルパは旧魔戒語で『顔見知り』と読む設定です。
基本穏健派のホラーであるが怠惰的で自分で人間を狩るより魔戒騎士と契約した方が腹が満たされ楽なので魔導具してるというある種の駄目なホラーである。
緊急時は時計の針に魔導火で出来た炎の刃を投影し回転させて攻撃する。
これが無ければマサヒロさん身体はホラー・ネプチューンマンに真っ二つされデッドエンドでした。
事実上サルパがホラー・ネプチューンマンを倒したようなモノである。
マサヒロさんはサルパさんに脚を向けて眠れませんわー。
ホラー・ネプチューンマン
ネプチューンマンのキン消しを起点に発生したホラー(正式名称不明)
オリジナルのネプチューンマンの姿に戦闘力をほぼ再現する事が出来る…空想の産物であるマグネットパワーさえも時間さえ有れば具現化できただろう…チートじゃん。
『無名の騎士』が彼と戦闘した場合喧嘩ボンバーでマッチ棒みたいにボキボキ折られて敗北してしまいます…魔界騎士さんは素手キャラ相手に初手素手戦闘しちゃいますから…予備知識が有ったマサヒロはこれだけは幸運でした。
マサヒロが倒された展開だとキン消しホラー達を率いて『完璧』なる存在になるべくとりあえず『ネプチューンマン』の能力を完全にモノにする所から活動していきます。
改めてホラー・ネプチューンマンの事を考えていたらホラーに関節技が使えるホラーってかなり危険だと気が付きました。
タフガイ揃いの魔戒騎士さんは基本的チャンバラと打撃主体の格闘戦がメインだから畑違いの関節技を決められた日には…(戦慄)
ホラーさん達は嬉々とした表情で魔戒騎士に関節技を仕掛けてくる時代が来るかもしれません。
ネプチューンマンの他に悪魔将軍やキン肉マンスーパー・フェニックス、マンモスマンっといった所謂最強厨なメンツが候補にいましたが作中最強クラスなためマサヒロじゃあ相手にならない(笑)
悪魔将軍は自身の特殊能力『硬度調節機能』で身体をダイヤモンドクラスの硬さを軸に圧倒的パワー・スピード・テクニック、残虐ファイトでマサヒロを蹂躙の後、人間界に潜んでいるホラーを勧誘し鍛えホラー超人軍団を結成し魔戒の者達と全面戦争に発展する予定。
キン肉マンスーパー・フェニックスはまず相手にせず潜伏、後にキン消しホラー軍団を育成して暗躍する新シリーズが始まります。
唯一マンモスマンはマサヒロ相手に純粋に戦い、勝利してまた他の騎士と戦ってと終わりなき戦いの日々に明け暮れるだろう…と思います…うん、コイツが一番害がない(錯覚)
いやー実は結構世界が危なかったのですよ。
マサヒロくんお手柄だよ!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
彼女は南の番犬所の上司様 前編
やっとおんにゃのこが出てきたよ、ヤッター!
以前にも話題に出したが
前世では牙狼に出会い…その…そこそこパチンコで稼がして頂きました!(敬礼)
そこから俺はこの牙狼の世界に入門することになるが…まさかその世界に転生するとは使徒ホラーさんでも想像できないだろう…だといいな。
牙狼の世界に転生した当初こそ混乱したが、まあ幸い転生者恒例の赤ちゃんプレイだけは回避したから良しとしよう(赤ん坊からなら羞恥心で死ねる)
幸い俺の両親は魔戒法師であり徐々に自分の周りの環境を把握してここが牙狼ワールドと理解した時…正直頭を抱えた。
だって分かるだろ…ここは一歩間違えば死亡フラグと不幸フラグ満載の牙狼の世界だぜ?
一般ピープルとして生きるには中々リスキーで容赦がない世界だ、時たまマップ兵器みたいに広範囲の地域の人間を一瞬で捕食する恐ろしいホラーもいる訳だが、この世界は戦闘能力のない人間は素体ホラーに
────うわ、俺なんちゅう世界に転生したねんって愚痴りたくなる、そりゃ俺だって二次作品が乱立する現代に生きた男(ライトオタク)である。他所の転生モノみたいに俺つえーしたりハーレム作ったり…ハーレムはいいや俺どこの世界に生きても女の子を満足させる甲斐性とか無いだろうし…もうちょっと生き死にのかからない世界に転生したかったです、GODよ…あ、そういやー神様には出会ってなかった(苦笑い)…さて俺は最終的にとある決断をした、それは────
「魔戒法師に俺はなる!」
どこかの未来の海賊王ようなノリなセリフを吐いたがまあ、両親は法師だしコネはある、多分大丈夫!
こうして俺は魔戒法師を志すのであった。
先日、『泣いてキン消しを斬った』俺は(別に馬謖やら孔明と関係ないし、使い方も勿論違う)使いすぎた魔導火の補充の為ある場所に向かっていた。
実は拙者、ただ今物凄く憂鬱です。
……失礼、普段と違う一人称を使ってしまった…あなたの隣の守護者こと一般魔戒騎士、勇崎 マサヒロです…。
さて、何故俺氏は憂鬱だと云うと電話をかけてくる某怪談少女風に表現するなら…「私マサヒロ今南の番犬所の前にいるの」である。
────『南の番犬所』────
そう、此処こそブラック企業の如き魔戒騎士社会の中でもドス黒き環境(主に金銭面)と名高い南の番犬所である。
外観はさながら魔王城……俺の心は曇り空のまま門をくぐり、目の前の大仰な扉に設えたドアノッカーを叩く。
「ハァ~イ!」
程なくして中から少し間が伸びた女性の返事が返ってきて、扉は開かれた───
「よくお越し下さいました~、マサヒロ様~」
開け放たれた先を見た俺は思わず膝が抜け、地につけて掌を作り両手を合わせた───無意識に涙を流しながら……。
───そこに憂鬱な雲を晴らす『山』があった───それも二つ────
「あのー…マサヒロ様?」
───その『山』は大きく、神々しく、温かく…もはや『霊峰』と
「………マサヒロ様?」
───…先ほどから聞こえる可愛らしい声に合わせてその双対を緩やかながら弾ませる…この声はきっと『
「マ~サ~ヒ~ロ~様~」
声の主である…女魔戒法師の間で流行りの設えの服にスカートが長い正統派のメイド服(ミニスカなど邪道、中身はドロワーズに限る!)と所謂『童貞を殺す服』を全て足して三に割ったような『童帝でも殺せる服』にランクアップした魔改造服を着こなす…多分神官見習いの少女なのだろう…俺はその胸部装甲(強)見上げながらそう彼女の正体を考察する。
「・・・・・・」
そして俺を怪しむ眼差しはそのゆるふわな容姿なためかまた可愛らしい…それにしても見事な胸部だ…この世界が牙狼ワールドで無ければ口説く所だが色欲の陰我でホラー呼びたくないので我慢我慢───俺は立ち上がりながら地につけた両膝を軽く叩いて払った。
「長く返事を返さなくてすまなかった…だが、ありがとう!これで俺はまだ戦える!」
「…あ! お待ち下さい マサヒロ様―――」
───さて『
瞬間、俺の背中に衝撃と痛みが走る───この『通り抜ける』ような衝撃に痛み、俺は知っている!
痛みに耐えかねて俺は背後に再び目をやる…そこに右拳から湯気或いは蒸気のようなモノを漂わせた全身純白の少女が立っていた…唯一の例外である黒い瞳からハイライトだけは消えて───
───「マー君…愛しの
全身純白の少女…彼女の名前は『オルト』
俺の上司であり、此処『南の番犬所』の総責任者の神官でもありその他諸々で腐れ縁の所謂『のじゃロリババア』である。
おっぱい神官見習い・・・評価 あざとい
のじゃロリババア上司・・・評価 あざとい
・・・後悔はない。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
彼女は南の番犬所の上司様 俺と彼女の出会い編(回想)
最近リアル方で保留に斬馬剣が刺さって連チャンしたり、続きを書き直したり、初打ちだったゴールドストームが爆連して久々に二万五千発オーバーしたり寝落ちして続きが消えていたりといつの間にやら前回投稿から一週間経ってしまいましたが今回はストーリーは大して進みません。
だけどこれは記さねばなりません・・・書けば出る!!(錯乱)
何も俺は漠然と魔界法師になると決めた訳ではない。
そう…『この勇崎 マサヒロには夢がある!』…いや失礼、使い古されたネタを使ってしまった。
まあ、今世の両親はそこそこ高名な魔戒法師だと云うことが大きな選択材料でもある。
他には魔導具開発の一任者でそこそこの数の特許を持ってる。
それだけで中々の高収入でありだから我が家は割と裕福で俺は結構なお坊ちゃんだと思う…そんな俺は次男坊(お兄ちゃんは五歳年上でしかも魔導具開発で論文だけでも評価貰ってる凄い人…うーん魔導法師大学かな?)
『魔導具開発』
その言葉を聞いた俺はピーンときた。
うろ覚えだが劇中で自称天才の傘使いの魔戒法師がぼやいていたな…たしか────
────『ウンタラカンタラヘタレハツゲンやってられるか!俺は後方でのんびり魔導具作る生活がしたい!』────
────だったかな?原作知識もかなり昔のモノだし大まかにしか思い出せないや。
だが、この牙狼ワールドで俺の生きる方針は決まった!
俺は魔導具を作る後方支援系魔戒法師になって将来的には魔界竜の養殖したりパチンコ限定だった大号竜(超巨大亀型)とか作って特許とって不労収益で悠々自適なぬくぬく暮らしをする。
え?、ホラーと戦ったり、原作キャラと絡まないのかって?…勘弁してくれよ。
俺のような精神前世引き継ぎの一般人メンタルがホラー相手に殺し合い上等な日々なんてしてみろ…禿げちまうよ!
あと俺のような世界の不純物は原作キャラと絡むと…物語に粗が出来る可能性がある上に某歩く不幸フラグさんとエンカウントした日にはどんな災難が降りかかるやら(ガタブル)
まあ俺が余計なコトせず本来の流れ通りなら優秀有能な騎士や法師が頑張るから大丈夫だ、問題ない!
最悪原作に関わることがあってもラスボス戦にロケランみたいな最終武器をへりから投下する役くらいで済ませたいなーって思ってる。
うん!素晴らしい!自画自賛したくなるぜ!!…だが俺の目論見は────
────初っ端から座礁した────
本日、十歳になった俺は右手の魔導筆で宙に円を描くが『何も起きない』
あれ~?最初は両親に練習用の魔導筆を貰ってお兄ちゃんに導師役頼んでいざ!って始めたら…魔導力は有るはずなのに何も出ない。
これじゃあ誰も笑顔にできないよ!(俺自身も)
「クソーース!!!」
初代CRの魔戒チャンスを賭けてキバさん相手に戦いを挑むけど棒立ち被弾が当たり前の牙狼さんが攻撃喰らった時みたいに天に吠えてしまった。
────「うわぁーお前才能無いのぅ~」
それは俺が魔戒法師の修行を始めて半年くらい経った頃だろうか…十歳になった(某魔法先生と同じだね!)俺は魔導力を魔導筆の先に乗せて具現化する魔導文字の修行に苦戦した。
「法師必須の魔導文字のセンスが致命的に無い」
そんな時かなり上から目線の随分と失礼な『真っ白な』女の子が外見に似合わないババア口調で俺にダメ出しをしてきた。
俺もその時疲労やら上達しないイライラなどが積もっていた…普段は口にしない汚い言葉で女の子に反論してしまった…今にして思えばそれは分岐点だったのかもしれない。
「ほぅー・・・儂に意見するとは生意気な小僧じゃなぁ…」
俺が口答えしたのが気に入らないのか彼女はスローな動きで右手に拳を作り更にゆっくりと近づき俺の腹にそれを押し付けた瞬間、俺の身体はくの字に曲がり口からせり上がる吐瀉物を撒き散らしながら吹き飛ばされ、意識も遠退いた。
そして俺は失いつつある意識の中で十歳児にワンインチ(達人級)、或いはゼロ距離パンチ(こちらも達人級)打ち込むのはかなり大人気ないと思った。
それが俺と体術を筆頭に様々な事柄で師事する事になる『オルト』との馴れ初めであった。
─────「考え事とは余裕じゃなぁ?」
「どちらかといえば現実逃避なんだけどね…」
さて、そろそろ現実を直視するとしよう────
────ただいま俺はオルトに服を剥ぎ取りされてパンイチ(ボクサーパンツ)で革張りの寝台に四肢を縛り付けられている。
そして白いフリフリドレスから身軽な『格好』に着替えてきたオルトは粘度のある半透明の液体が入った容器を持って所謂馬乗りの体勢で俺の下腹部辺りに跨がった────頬を吊り上げたその笑みからサドっ気を感じながら俺はされるがままに蹂躙される事を悟った。
絵図はマニアックでアレですが大丈夫!
えろいことにはなりません(確信)
さて、また続きを書かなきゃ!!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
彼女は南の番犬所の上司様 中編 (物語は殆ど進まず)
エロ文章読んで参考にしたりパチンコ牙狼でプレ単引いたり師匠の性格とか考慮して文章を打ち直したりFGOで皇女様召喚したり等日々を過ごしている中、少しずつですがお気に入り登録が増えるのは中々良いものですね。
後冒頭の文章がR指定に引っかかると思った方がいましたら感想にアウト!って警告くれたら有難いです。
最初に灯りの乏しい薄暗い天井が目に入る。
この光景を某人型兵器の少年パイロットが見たなら「知らない天井だ」みたいな台詞を口にするだろうが俺自身はわりと見覚えのある天井であり、特に混乱する事も無い。
───ッン!…ハァー、ハァー、ハァー、───
ギシギシと寝台が軋む音と既に『出来上がった』艶やかな女性の嬌声にも似た荒い息遣いだけ室内に響く。
彼女は十代前半の手足の伸びきっていない細身の身体で俺の上で前後運動を繰り返し、その額には薄らっと汗をにじませて息を乱していた。
最初こそ野暮ったい白衣を纏ったその姿に『男性』を刺激させる要素などなかったが…今は汗で白衣は肌に張り付き、起状の乏しい彼女の肉体の線を強調する、これは視覚的に思わぬ伏兵だった認識する。
幼さを残しているが将来は美女になるだろうと予感させる美貌の頬はほんのりと朱色に染まっている。
チロチロと揺れるロウソクの火はどこか浮き世離れして儚げな彼女のその容姿に妖艶さを加えるには十分な力を持っているようで俺はその姿に魅入られて……目を離せない。
───クチャ、クチャ、クチャ───
次に耳に入るのはいつの間にやら手にした容器から粘着質な液体を指先で掬い手のひらに伸ばし手遊びするようにワザとらしく音を立てる。
「───……ッツ!!───」
粘液を纏ったか細い指で俺の火照った身体を一撫でられるたびに背筋にチリチリと電気が走り、ソレを耐えるために思わず唇を噛み締めてしまう…いいや、噛み締めることしかできないのだ。
「───ッフフフ…───」
今の俺の反応に興が乗ったのか控えめながら笑みを浮かべる。
気を良くした彼女の眼は小悪魔じみた光を爛々と輝き放ちながら先ほどの前後運動よりも体重をかけて挑発的な激しい動きで俺の胸板に両手を滑らせダメ出しの様に押し付ける。
彼女の純白の真珠を想わせる肌が先ほどよりも密着する。肌から滴る汗はその激しさ動きから霧状に弾け、濃厚な甘い香りとなって鼻腔を突き刺す───魅了するフェロモンと化したソレは暴力的に俺の本能を揺さぶる。
今の俺は四肢の身動きを封じられ、どうする事もできない現状に脳裏にフツフツと沸く『欲求』、こんなものが延々と早三時間も続く、拷問の域に達しようが彼女にされるがまま…ただ耐えることしかできない。
──────もう我慢の限界だ!!──────
誰かが叫ぶ──否、この叫びも俺自身の物で間違いない……人なら誰もが内に存在する『欲求』と呼ばれる獣(俺)が理性の檻の中で絶叫に似た訴える声と共に暴れようとする。
その檻から獣は最初こそ荒々しく訴えるが直に静かになる、そして俺に甘言を囁く。
───…もうお前は十分に耐えた、こんな拘束なんて実はいつでも壊せるのだろう…いい加減自分に正直になれ───
その言葉に気づかされた───さっきまで力の出せなかった全身が、手足が、身体の芯まで血が滾る。
──────そうだ!縛られた両手足の拘束など魔戒騎士の身体能力なら難なく壊せる!─────
その言葉で俺の
俺は渾身の力を込め拘束を引きちぎり、解き放たれた『欲求』のまま恩師でもある彼女に全てを吐き出した──────
──────「し、師匠!さっきからすげー痛「施術の途中だ! 動くな!」グフゥ!?」……理不尽である。
マウントポジションからの顔面に容赦なしの右拳の『鉄拳制裁』…これで心が折れないヤツは存在しないと俺は思うね……ちなみにここまで俺の妄想力(エロ)フィルターでどうにか耐えて誤魔化してたけど流石に『欲求』(痛み)には勝てなかった、身体は正直なんだよぅ。
因みにあの軟膏、
実態は下着姿(パンイチ)の俺を寝台(黒い合成革を張った芯が木製の堅いヤツ)の上に縛りつけて男の身体のあんな所やこんな所をベトベトの軟膏を塗りたくられる『軟膏プレイ』(雑)でありオルト師匠の服装自体も現代の看護師然のパンツスタイルの白衣だ…実に色気も何も有りはしない。
これが昔ながらのナース服(スカート)ならフェチズムを刺激されるだろうが、残念だが…
──────断っておくが俺、幼児体型の寸胴ボディになんの魅力なんて感じない(しかもこれに姉属性を付けてくるなんて前世実姉持ちとしては)ここまで来るとすんごいマイナスである。
俺に夜の『心滅獣身』させたかったらもっとくびれがあってたゆんたゆんに揺れるボイン(死語)でナイスバディ(これも古い)を持つ女の子d「さっきから欲望が口から駄々漏れだ!」ッガァ!?……そして再び俺の顔面に拳が振り下ろされる(今回は左拳)
さて、途切れそうな意識の中、事の始まりである三時間前を思い返す…これは所謂回想である。
俺は先日、キン消しホラー相手に使いすぎた魔導火の補充とか心もとない金銭の相談とかその他の目的のために南の番犬所に来たが魔導火その他の事が些細なことだと片付けられるほどに…見事なK点越えの胸部を持つ見習い神官ちゃんから元気を貰った俺は満足して帰ろうと踵を返したその時、背に凄まじい衝撃を受けた俺は身動きがとれなくなってしまった。
俺の背中に鋭い『崩拳』を叩き込んだ純白のフリフリドレスを纏った外見は十代前半の少女の名はオルト、一時的にその瞳は生気が満ちた光の代わりに怒気の帯びた漆黒色が支配していた(泣)。
南の番犬所の責任者で俺の上司であり魔戒関係の『剣』以外の技術・技巧の師でもあり血縁とか書類上とかも一切の関係はないが俺の
彼女に出会った始めの頃に少年時代の俺はからかい半分で『オルトおねぇちゃん』なんて呼んだ事が運の尽きだったのかもしれない…後々聞くと、どうやら弟ような存在が昔からご所望らしくその席に俺が収まってしまった。
そして出会った僅か数日で「儂の弟兼弟子にしてやろう! 感謝するのじゃ!」とその絶壁の如く真っ平らな胸を張って偉そうに(実際に結構なお偉い様)腕を組みをし、俺に呵呵と満足気に笑い宣言しやがった。
こうなれば後の祭りと表現するべきか、前世から刷り込まれた絶対権力者『姉』に逆らえない性(さが)とか宿命(カルマ)とか背負っているらしい俺の魂に添えられた彼岸花である(この花自体は美しいが飾るには不吉さが付きまとう…縁起的な意味で)
そんな師匠兼姉とは魔戒騎士として独り立ちしても何かと縁があり今は『師匠弟子』と『義姉義弟』の関係の他に『上司部下』の関係が足されて上下関係の三重苦があり実は非常にめんどくさい物である。
しかも師匠は割と『構ってちゃん』でスルーすると拗ねる、泣く、殴るの三拍子が定番の行動パターンでもある(曰く、弟とは姉の相手をするモノだそうだ)。
今回のように間が悪いとマッハの速度で殴って来る…その度にアテナの聖闘士かな?って俺は時々勘ぐってしまう(この世界にそんな超人戦士集団が居たなら…もう少し魔戒騎士は楽できるだろうなー)
師匠はマッハ突きを簡単に打ってくるが受け側としては堪らない。
いくら耐久値に定評のある魔戒騎士ボディでも喰らえば一時的に身動きが出来なくなるとんでも威力だ。
動きを止められた僅かな時間で体勢を崩されて大体捕獲される…今回もそのパターンである。
「……マー君、儂に挨拶もせず玄関先でトンボ返りとはツレナイノー…」
そんなことを呟きながらいつの間にやら間合いを詰めた師匠は俺の体、具体的には腰に腕を絡めて力を込める。
その細腕、少女然の外見からは想像もできない力で俺の身体は宙に浮いた──────…あ!これはイケナイ。
そう思考した瞬間、彼女の力任せにそのままブリッジする要領で反り投げを放たれた!
俺は師匠を引き剥がす事はかなわず一瞬の浮遊感の後、叩きつけられた衝撃で意識を混濁させるのであった。
成人男性をスープレックスで沈める少女の画が出来上がるがそのブリッジをした姿を見たレスラーがいるならば十点満点の『人間橋』(にんげんきょう)と評価するだろう。
絡めた両手を腰から抜き離れるとブリッジの体勢から立ち上がった、同時にマサヒロは力無く無様に大の字で地面に転がった。
「ふう…体から焼け焦げた血と肉の匂い……またやったな、馬鹿弟子め」
僅か数秒だったが密着すれば嫌でも解ってしまうこの匂い…。
儂は弟子の持ちものである魔導火ライターを取り出し残量を確認した。
「ほぼ残り無しか。」
─────魔導火を辛うじて扱える程度の未熟者がまた烈火炎装のマネごとなんぞして無茶をしおる…。
自身の弟子から魔導火で火傷を負った特有の匂いからやらかした事を察し、内心で毒づいた。
ほぼ気絶してアホ面を晒す弟子をこのまま軒先で放置するわけにもいかずとりあえず所内に運ぼうかと一瞥して彼の懐から転がり出た物に目が行った。
それは先日ホラー討伐の報酬代わりにくれてやったキン消しの一つだと思い出し拾い上げた─────キン消しから僅かながら邪気の残り香から既に宿った因果は消滅済みと分かった。
─────確かコレは有名番組で話題と価値を取り上げられて日本全国のおもちゃ屋(廃業含む)で眠るデットストックを譲り受けた品々だった…だがコレを集めたのは活動資金を日々捻出することで頭が一杯なヤクザ者の集団だったのが悪かった。
集めた人員の中にキン消しの正確な価値を知った忠誠度の低い若い衆がが心変わりをして血迷ってキン消しを総取りしようとした。
それが元で欲に目の眩んで身内同士で切った張ったの内輪もめが始まり多くのヤクザの命を散らし、いろいろあって儂の手元に来た。
こうしてこのキン消し達は正真正銘の『血に塗られたキン消し』となった…コレは確かに邪気と陰我が満載する要素がモリモリの代物じゃが、いかんせん数が規格外の大型ダンボール十数個ものキン消しの山が在ると陰我を祓うのも大仕事。
ヒジョーにめんどくさいので弟子に丸投げした(押し付けた)。
─────「持つべきものは愛弟子じゃな!イイじゃろ?おまえさん、キン肉マン好きじゃろ?」─────
番犬所に呼び出してちょい不機嫌そうな仏頂面のマサヒロだったが二つ返事で引き取ってくれた(その後邪気が付いた品があるからソレの処理云々伝えたら目が死んだ)
──────火傷、陰我の残りカスが付いたキン消し、ほぼ空の魔導火ライター…簡単に推測すると浄化が間に合わずホラーが出現して苦戦した…と、こんな流れか。
「・・・・・・・・・・・・うん、儂は悪くない・・・。」
だが儂が怠けたから弟子であるマサヒロがツケを払ったようなモノになってしまうか…こう考えると師匠で有り姉でも有る儂自身の胸の内につっかえ棒が引っかかったように気分が良くない。
「…仕方が無い、今回は儂のメンツと優しさに免じて手厚く施してやるかの。」
そう一人ゴチリながらマサヒロを番犬所内に運ぶように手配した。
魔戒騎士の耐久力を誇るべきかドロドロされた意識でも芯の根っこのような感じの部分は起きているようで触覚と聴覚はまだまだ働いていた。
断片的にだが───「魔戒剣どころかカラダと衣服まで邪気まみれじゃなぁー」とか「まったく…首からしたに軽度じゃが広範囲の火傷──これはヒドいぞ、解っているじゃろぅ? 馬鹿弟子め」やら愚痴が聞こえる…あ~今起きたらクドクド文句を言われるだろう。
このまま芯の部分も意識を落としてしまおうかと思案中「もう、起きているのは分かっているぞ、馬鹿弟子よ。」
「……やっぱり分かりますか、師匠」
閉じていた瞼を開き、既に施術服に着換えた師匠がいた。
「まったく…言いたいことは有るがそれも施術が終わってからにしてやろう。ほれ、施術が終わるまで天井のシミでも数えておれ。」
……うーん~なんだか生娘を抱くヤリて男みたいなセリフだなー、某赤い鎧の猛竜さんも良い感じに熱く青臭い性格のくせに指技だけで女の子満足させるテクニシャンだった気がするなー…どこで覚えたんだろう。
疑問ついでにオルト師匠に一つ質問をしてみた。
「師匠、そういえば何でも俺は手足を縛られているんでしょうか?」
「縛ってないとマー君、逃げ出すじゃろ?」
「 」
行動パターンを読まれてはもう言葉も出ない…そのまま黙り、思いのほか施術中の時間の流れが長く感じながら身体の節々に痛みが出てきたので俺は冒頭のエロ妄想へと逃げたのであった。
次回、早めの投稿を心がけますが、基本行き当たりばったりなのでご容赦してください。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
彼女は南の番犬所の上司様 後編
なんだかんだでオルト師匠の施術(医療行為)もひと段落し、俺はもう立ち上がって良しとされた時、
────コン、コン、コン、コン────
戸を規則正しく叩く音が部屋に響き、師匠が返事をすると、
「オルト様~お預かりしましたマサヒロ様の衣服の洗濯・浄化終わりましたのでお持ちしました~!」
この間延びして柔らかさと安らぎを兼ね揃えた優しさ溢れる声が俺の耳に届く。
─────薄暗く閉じられた空間は今開かれ、一筋の光りと共に一人の天使が入ってきた…玄関先で俺に癒しをくれた驚異的な胸囲を持つ天使こと、神官見習いちゃん(仮称)が師匠に剥ぎ取られた俺の服をわざわざ持ってきてくれたらしい…そして俺は彼女の姿に今再び視線を釘付けにされた。
彼女の姿は数時間前のモノと変わりはないが、両手で保持した俺の服(綺麗に折り畳まれた)がその胸の立派な双対を押し上げて先ほどよりも視覚的に凶悪なモノに押し上げられていた。
────おい! そこ替われ!────口には出さないが俺はその時ばかりは無機物である服に嫉妬したのであった。
「……………あ、ごめんなさい~服をどうぞ~」
見習い神官ちゃんは俺の方に顔を向けて服を抱えたまま少しの間、動きを止めていたが俺が胸に送る熱い視線を服の催促と判断して急いで渡してくれた。
…もう少し眺めていたかったと少しもったいないと感じながら早々に着替えを始めようとした瞬間、俺はある致命的な事実に気がついた…そうだ、パンツは今履いているベトベトの物しかないのだった。流石にこのままズボンを履くほど俺は勇者じゃないしだからと言って脱いだところで……くだらないことかもしれないが魔戒騎士とて現代っ子、パンツの装備品が無いだけで戦闘力が下がってしまうことがある(俺調べ)。
まあ、魔戒騎士の中でも全裸で勇ましく闘える騎士もいるが俺にはできない…他所様の天才肌な人種とは違いノーパンでズボンを履くのに抵抗があるんだよ!あと急いでいる時になにかの拍子で皮とか毛がチャックに巻き込まれて大惨事になるだろ!!
「・・・・・・・・」
俺は滅多にしない神妙な表情を作り義姉に問うた。
「おねえちゃん、ダメ元で聞くけど番犬所(ここ)にパンツの替えって置いてない?(マジで)」
「此処には女物しかないぞ…履いていくか?(笑)」
「…おねえちゃん、弟分でも成人した男にそんなジョークはちょっと・・・流石にノーパンは抵抗があるから代用出来る物で何とかするよ」
俺は僅かな望みを込めた問を姉貴分がくだらない冗談で砕かれたのでそそくさと代案として返してもらった衣服の上着、『魔導衣』の四次元ポケット(仮称)を物色した。俺は魔導衣から白い布の巻き物(あるいは反物と表現するのが正しいだろうか?)を取り出した。
コレは見た目こそよく在るサラシに近い物だが、しかし!なんと 霊獣の毛を少々(数パーセント)だが編み込まれた『試作品』だ…まあ製造理由とかセールスポイントはいずれ語ることがあるだろう。
え?なんでそんな物持っているかだって?俺、これでも魔導具開発の家の人間だぜ?死亡フラグとか全裸フラグを叩き折り生存フラグを立ってる事に色々と策謀してるんだよ!悪いか?
「・・・すまないが二人とも暫く後ろを向いていてくれ」
俺は室内の女の子二人(一人は語弊有り)に明後日の方角を向いてくれるよう促し俺はベトベトパンツを脱ぎ捨てた。
さて、コレを代用にして褌にする…一人で布を絞ると少々緩いかもしれないが贅沢を言っていられない。
────シュ、シュ、シュル、シュ、シュルリ……────
……室内に少しの間だが布が擦れる音だけが響くがソレも直に終わり最後の仕上げに腰の高さの背骨の位置に布を絞りあげて余った布はは折りたたんで適当に隙間に押し込む…着け心地はまあまあ、代用品としては上等だと思う。
俺は納得のいく具合に微調整をしようとした瞬間、尻にヒンヤリと冷たいモノが当たり揉まれた。
それに驚愕し振り返った…俺の腰より下に張り付くように接近したオルト師匠が一心不乱に俺の尻肉に触れていた!
────もみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみ────
「……おねえちゃん、なんで俺の尻を揉みまくってるの?」
────もみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみ────
「…………相変わらず良いケツしてるなっと思ってな」
────もみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみ────
「さっきまで俺の全身を合法的に触りまくってなかった?」
────もみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみ────
「それとこれとでは全く別モノじゃよ。寝そべって脱力した筋肉(モノ)も良いが立ち上がってそこそこ盛り上がった筋肉(モノ)も触りたくなっての」
────もみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみ────
「 」
端から見れば『褌姿の成人男性の尻を揉みまくる少女』とマニアックな光景になっている(誰得だ?)
残念ながらこのセクハラ爺ならぬセクハラ婆は暫く俺の尻を揉みまくったが、俺自身は物凄く不快なので頃合いをみて無言で素早く身支度を済ませるのであった…あと師匠、弟子の尻揉みすぎです。
────場所は移り此処は番犬所の中に在る師匠の執務室で俺は改めて目的を果たすため対峙した。
本来なら俺のような騎士は劇中登場する他の騎士たちと同じように謁見の間(みたいな専用スペース)に通されるが常だが俺は師匠の弟子なのでわりと執務室に通してもらえる。
この執務室は師匠の私室も兼ねており(寝室は別)少々場に相応しくない私物とか転がっているがそこはまた別の機会に触れるとしよう。
室内の雰囲気を先ず特出して挙げるなら内装は厳かでいて豪奢と表現すればよいのか……芸術的センスと共に時々自分のボキャブラリーの貧相さでモヤモヤする事があるがまあ、積極的に直す気はないけど。
──もみもみもみもみ──(スカスカスカスカ)──
この執務室の中で中心に位置する場所に如何にもと風な木製の広く豪華な机が鎮座し、それに見合う高級志向な革張りのリクライニング・・・よくある社長イスに背を預けるこの部屋の小さな主は虚空に両腕を伸ばしその先の両掌の動きがある種の名残惜しさの表れであろう。
──もみもみもみもみ──(スカスカスカスカ)──
師匠のやや斜め後方に見習い神官ちゃんが微笑を浮かべ背筋を伸ばし控えていたいるが師匠とほぼ同じ並びに立っているせいか彼女の胸の大きさがより際立つなと場違いな感想が出てきたがそれ以上に師匠の奇行にツッコミを入れるべきだと俺は判断した。
「・・・師匠、未練がましくエアーもみもみしないでくださいよ」
本来ならあまり口にすることではないが俺の指摘に師匠は形の良い眉を釣り上げ、唇を尖らす。
「ぶーーなんじゃ、弟子の身体の状態を把握しておくのも師匠の義務だと思うのじゃがなー」
セリフ自体は至極真っ当に聞こえるが不完全燃焼な欲求が不満タラタラの姿は不機嫌な幼女のそれだがこれでも南の番犬所をまとめる筆頭の神官である……俺自身『お仕事』があるのでいつまでも付き合っていられない…俺は話を切り出した。
「師匠…俺も騎士なんであまり時間に余裕がないんです! 色々端折ってアレですが、少しでも活動資金と魔導火の追加をくだちぃ!」
少々情けないが騎士も人なのだ、先立つものが無ければ飢えるのみ…危険手当のキン消しを換金できなかった俺の所持金は秀夫さん二人分を切っている。由々しき事態なのである。
「・・・まあ、あのキン消しの件に関しては儂にも非が有った。今回は特別にくれてやるが、あの烈火炎装もどきは使うな…次は火傷程度で────────あと
少し目線を宙に泳がせたが……直ぐに魔導火ライター(満タン)と諭吉さんが束で一本は入ってそうな分厚い封筒を投げて寄こしてくれて思わずニヤついてしまったが、最後の一言は聞き捨てならない。
──────『指令書』──────
それは番犬所やその上位機関である『元老院』から主に送られる封筒に入った情報や事例などが記された書類の総称だ。
内容を読み解くには魔導火で封筒ごと燃やし宙に魔導文字が浮かび上がるのがほとんどだ、牙狼ワールドがファンタジーに片脚突っ込んでいると実感できる時でもあるが正直リアルなら受け取りたくない物でもある。
「師匠」「おっと指令書を突き返すのは止めるのじゃぞ…これでも優しい案件を回してやっているのじゃし、現金が欲しくばホラーを狩れ、
ニヤニヤと口元を歪める師匠に俺の表情筋は鉄仮面の如くを決め込んだが「それができたら苦労しねーよ」っと内に吐き出すしかなかった。
「あーあー儂に汗をかかせ足腰を立たなくなるくらい奉仕(医療行為)させておいてその上金銭まで要求するとは身も心もボトボトじゃのーー(棒読み)」
これで話は終わりだと師匠は椅子から立ち上がり伸び伸びと背を伸ばすストレッチしながらフラフラと控えていた見習い神官ちゃんに…寄りかかり、その至宝の如き双山に顔を……U✩ZU✩ME✩TA!!!!!!!!!!!!!!
「あ!オルト様!」
突然の事に焦る見習い神官ちゃんだが師匠はそんなことにおかまいなしとスーハースーハっと深呼吸しながらその小さな手で大きな果実を弄ぶ。
始めは優しく、徐々にイヤらしく指技をおり交ぜながらピンク色のオーラで場を支配する。
その光景に俺は唖然としながらも師匠は気に止めずに「あー疲れた(棒読み)儂は今から湯浴みをするからのー、お前さんも一緒に入ってコレで癒してもらおうかのー」
グヘヘヘヘっと師匠は自分の顔と同じ大きさの宝珠を惜しげも無く手で転がしながら宣言した。
見習い神官ちゃんは俺にチラチラと目線を送りながらも嫌がる素振りもなく頬を紅く染めながらコクコクっと肯定の意の様に頷いた。
その答えに満足気に微笑むがやっている事はソープ嬢と入浴プレイを楽しもうとするエロオヤジと同じであるが見習い神官ちゃんが嫌がる素振りがなければ俺には立ち入ったことはできない。わりと日常的になっているようである種のショック状態に陥りながらも感想的に昔やってエロゲーの『胸の豊かな少女の身体を思いのままにする幼女(外見)』を思い出すなーっと思う辺り俺自身もタフなのかもしれない。
この二人の視界には俺なんぞ既にフェードアウトしているようでピンクなオーラとハートマークをまき散らしながら奥に存在するであろう浴場へと引っ込んでいた。
それを見送って何とも微妙な心持ちになる「うん、帰ろう・・・」もうここですることは無いようだ。
そして俺は番犬所の門をくぐり抜け何気なく振り返った。来るときはどす黒き魔王城のイメージだったの帰る今は女性の秘密の花園の如きドピンクな
おかしいな、肉体の疲れとか負傷と邪気は無くなったのに身体が重いなー。俺は懐にある封筒の重みを感じながら師匠は両刀だったななどと思い出しながら帰路についた。
──────その夜──────
「師匠ーーーーー!!!!!!また俺を騙したなーーー!!!!!!!!」
自室にて俺は絶叫した。
落ち着いた俺は(指令書のことは忘れ)ウキウキ気分で分厚い封筒を開いた──────中身は厚さのかさ増し分の指令書とビール券(350ml缶ビール共通券)50枚。
「せめて・・・ビン(633ml)でくれよーーー!!!!!」
一人の男の叫びにゲートから出てきたばかりの素体ホラーもびっくり。気まずそうに魔界に引き返したとかなんとかあったらしい。
超遅くなりましたすいません。
次回やっと魔戒騎士らしい仕事をするマサヒロにご期待(誰得?)
PS,暫くおんにゃのこは出てこない予定です。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
憂鬱と指令書 薄口
内容も短いですがご容赦を(平謝り)
俺こと勇崎 マサヒロがこの『牙狼ワールド』で生きるにあたって極力避けたい事柄がいくつかある。
目下の筆頭は主役回のシナリオがシリアスでほとんどの登場人物が幸福とは言い難い終わり方をする某双剣の白銀の騎士との遭遇とか使徒ホラー由来の魔界の遺物を探索する旅とか例を挙げればキリがない。
その中で避けたくとも避けられないモノがある、それは──────
──────指令書──────
元老院・番犬所などから送られる文字通り指令が記された物だがこれが内容によってはかなりの厄ネタである。
まあ中身を読む前に封筒の色で重要度・難易度がおおよそ判断できるが通常は赤色の封筒で渡される。
原作中では送られた時点で名持ちのホラーが現界しているのはほぼ確定な上に総じて手強いが牙狼さんはそんな奴らの相手を頻繁にしているのだから流石最強の称号を持つ騎士だと思う。
俺自身は直に受け取ったことは無いが指令の内容が拒否不可の高難易度確定の悪名高い『黒の指令書』とか緑色・青色と色違いで少々変わり種なモノもあるらしい(CRならよく見るけど)。
「はぁーー」
まるで連休明けの企業戦士の様なテンションがだだ下がりな俺の口から生気と覇気、霊魂やらが抜けるような溜息が出る。原因は前回、師匠に危険手当て代わりに渡された封筒だ。封筒の分厚さから期待値マシマシで開けてみれば中身は
テーブル上の『ビール券(所謂金券で一番安いヤツ)』と何気なく手に持つ『指令書』
前者は想像していた現ナマの諭吉さんとの価格差のギャップからと後者は未来に待つであろう困難な任務から目を背けるために俺は腐ってた。
以前の事だが指令書を受け取った時もホラー討伐が主な内容だったが対峙したホラーがクソ強くて死ぬほど辛かった。今だからこそ言えるがよく五体満足で生存できたと不思議に思う。
思い出すのはあのデカくて太くてにょろにょろしてそのくせガチ堅でテラテラしたホラー。遭遇したら暴れっぱなしで時々砲弾クラスの弾丸を暴れ撃ちしてくる危ないヤツだったな…名前は確かBIGま「おおっと、そこまでにしておけ」
不意に聞こえる声、その声の主は置時計よろしく台座の上に置いておいたゴツイ時計型魔導具のサルパ、数話ぶりのセリフがややメタいのは気にするな。
「サルパ、別段お前は読心とか出来るわけでもないのになんで「口に出てた」あ、そう…」
やはり基本独り暮らしだとついつい独り言が多くなってしまうようだ。俺自身そこまで人好きではないにしろ人間は一人だと人が恋しくなるという証明なのかもしれない(昔なんかの本で人が自分以外の人間に会えないと徐々に精神が病んでしまうような事を書いてあった気がする)
・・・良し!プラス思考で行こう!いつまでも腐っていると世界の平和とか俺の心の健康とかヤバイのでプラス思考で行かなくては…頑張れ俺!日曜日の夜のサラリーマンだって現実逃避するがその中の大半は月曜日の朝は企業戦士として襟元を正し自ら立ち上がり会社に赴くのだ(彼らと比べ俺は幾分か劣っているかもしれない…憂鬱だ)。
腐った思考を前向き補正して俺は自室のベットに寝っ転がりながらその厄介事の種である赤い色の指令書を眺めていた。
師匠に押し付けられる形で俺の手元に有る指令書だが正直指令イコール試練みたいな連想をしてしまう。俺個人としては避けられる試練は避ける主義なのだがコレは拒否ったあとが怖い…具体的に師匠からの鉄拳制裁とか御手当の面でだ。被害妄想的だが我が身とお給料を人質に取られているようなものだ。
ベットから上体を起こし魔導火ライターのフリント・ホイールを親指で走らせ、ノズルの先にオレンジ色の魔導火が着く。ゆらゆらと揺れる魔導火に指令書へと火を灯した瞬間、一般的な紙よりも遥かに早く燃え尽きた側から黒い紋様じみたモノが躍り出た。コレは魔戒の者からホラーさんまで使う独特で特徴的なこの文字は魔界文字だ(他に旧魔界文字なんて物もある)。他所様のファンタジーに例えるなら北欧系神話での力のある文字『ルーン文字』みたいなもので有り魔界文字をある程度理解し使えねばこの業界ではモグリ扱いされるから注意が必要だ(英語も怪しい俺は超勉強した、褒めてほしい)。
宙を泳ぐ文字は並び一つの文章となった。
『南の管轄B地区にて次の下弦の月の夜、多数のゲートが開く兆しあり。災いの芽を刈り取りホラー出現に備えよ』
「・・・要は近々ゲートが沢山開きそうだからさっさと潰してこい、ってことで良いんだよな? 時々思うけどさ、この文面って誰が考えているんだろうな。…まあ、そんなことはどうでも良いか」
風情もへったくれもない解釈だが問題ないだろう。だが気になるのはこの『下弦の月の夜』って所だ。俺の知識袋(矮小)の中に無い言葉だ。
「サルパ氏コレ分かる?」
「ああ、おそらくだが月の満ち欠けの名称の事だろう。よく聞く三日月や満月、それらと同じモノのハズだが・・・下弦の月は日付で示すなら23日頃、明日だぞ」
「明日か・・・今日だったら焦るけど、明日なら余裕があるな。」
分からない事は先人かぐーぐる先生に聞くのが一番だなっとかなり短絡的で向上心の欠片のない事を思いながら指令の内容に安堵した。
「……マサヒロ、大丈夫か?」
「んー、大丈夫さ。ゲートの出現が多数っても二十三十位だろう?明日、日の高い内に終わるさ」
俺はサルパに楽天的に返事をした───がそれがフラグだったと翌日気付くのであった。
早めに投稿したいなぁ(願望)
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
指令書ミッション前の朝のひと時
今回は短い上にお茶濁しみたいな内容になってしまいましたが所謂生存報告みたいなモノですのでお願いします。
───フっと目が醒めてしまった───
閉めたカーテンの隙間から覗く空はまだ朝日の登る気配のない色をしている。体感的に二時間ほど早く目覚めてしまったようだ。
・・・もう一度まぶたを閉じて二度寝という甘美な誘惑に負けても良いと普段なら思いかもしれないが今、この瞬間は不思議とそんな気にはなれなかった。
そして十分ほど何をする訳でもなくベットの上でゴロゴロしたりボーッと天井を見たりなどした後起き上がりたくないという精神的なまけ心と格闘して最終ラウンド判定勝ちした俺は復活したばかりのゾンビ(走らないヤツ)の様にノロノロと朝のお通じの為にトイレに入った。
「zzz…zzz」
朝一の用事を済ませた俺は卓の上で静かに寝息を漏らす相棒の時計型魔導具のサルパを見る。コイツ自身寝ていても時針の方は無休で動く・・・その先は四時を少し過ぎた位置を指していた。
今更もう一眠りする気もにもなれないので朝飯の支度をしよう―――――。
テレビの電源を点けて早朝のニュース番組をBGMに俺は手を動かす。
最初にコーヒーメーカーに適量の豆と水を入れスイッチオン(コーヒーの好みはイタリアンローストだが高いので最近は主にコロンビアの豆にしている)
数分後にできるコーヒーに合うのはやはりパン食(偏見)なので俺は冷蔵庫の中身と相談して簡素にホットドックにすることにした。
最初に手鍋に水道水を半分ほど注ぎソレをコンロに置き着火、火力は全開で沸騰するまで暫く放置する。
次に買い置きの一口コッペパン一つ一つにキッチンナイフで深めに切れ目を入れてゆく。
その後コッペパンの切った断面に辛子マヨネーズをスプーンで薄く伸ばす様に塗り、予め下処理を済ませてタッパに保存していたサニーレタスを冷蔵庫から取り出し水気を除く為に乾いたタオルで拭き取りコッペパンの大きさにちょうど良いサイズに千切り挟んでゆく。
合間を見て湯が沸騰し始めた手鍋に袋ウインナーを投入して中火位に火加減して煮えるまで出来上がったコーヒーを飲みながら待ち頃合いを見て手鍋の湯の中のホカホカのウインナーを湯切りの為にアルミ製のザルにあげる。
このまま少し置いておけばウインナー自体に帯びた熱で表面の水分は蒸発するのでコッペパンに余計な水分が付くことはない。
さて、適当な皿にレタスを挟んでコッペパン×8と湯気が立ち上るホクホクなウインナーを乗せて卓の上に並べる。他には冷蔵庫から野菜ジュースとトマトケチャップ、粒入りマスタード取り出し、二杯目のコーヒをカップに注いで朝の食卓の完成っと・・・んじゃサックと腹に収めるか。
コッペパンにウインナーを挟みケチャップ、マスタード、もしくはその両方をその上にかけて口一杯に頬張る。
ふかふかのコッペパンに内側に薄く伸ばした辛子マヨネーズ、一噛み毎に口に拡がるウインナーの肉汁とトマトケチャップ、マスタードの程良い味わいに挟んだサニーレタスがシャキシャキと歯ごたえを生み食欲を増幅させる。
目線はテレビに向けたまま一つまた一つとお手製のホットドックを口に放り込み数分後には全てのホットドックを平らげコーヒー啜るのであった。
これは寂しい独り身一般魔戒騎士のとある日の朝食風景である。
野郎の寂しい食事風景・・・つまらない、そしてすまない。
ゴンザさんに食事作ってもらえる冴島家が特別なんやでー。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
指令書ミッションから魔戒ラッシュ突入!(確変)ってパチンコなら嬉しいけどリアルだととんでもないね(悟り)
私、生きてましたよ~あと長らく放置してすいません。
本業の他に副業(バイト)を始めたら時間と心のゆとりが削れる削れる・・・まあ、言い訳なんですけどね。
いつも投稿作品の事を頭の片隅に生活をしていてようやく続き出来ました。
暇つぶしに読んでくれたら嬉しいです。
────ホラー─────
彼らは精神世界『魔界』から
まあ、メタな話をするならば牙狼ワールドに於いて分かりやすい人間に害を及ぼす敵役である。
ゲートから出現時は基本的に素体ホラーの姿で現れる。奴らは放置すると増えたり強化したりする上にそのままでも空を飛翔し、更に口が凄まじく臭いっと人間にとって百害あっても一利無しと言っても良い存在だろう。
さて、奴らが現れるゲートは前の段階がある。
それら名称を『オブジェ』と呼び、コレを見つけ次第その影に溜まる陰我を魔戒剣で突き刺し浄化する事が魔戒騎士の主な昼間の活動である。
雑踏っと人々が忙しなく行き交う繁華街の表通りとは正反対に人通りが疎らな裏通りの脇道、いわゆる裏路地に
雲が疎らな快晴の空の下、俺は───
「災いの芽、っと!」
渡された指令書の一文を呟きながら眼前のモヤモヤと黒い陽炎のような邪気を放つ『ソレ』に魔戒剣を突き刺す───途端にシュワシュワっと炭酸ガスが抜ける様な音とともに魔戒剣を鞘に戻しそれっぽく残心する。
本日、とある街の小汚い路地裏で目の前のモヤモヤ・・・もとい邪気以上陰我未満の 『ソレ』もとい『オブジェ』を手にする魔戒剣で突き刺し浄化する
「おい、マサヒロ 気配が消えるどころか増えているぞ!」
カタカタっと左腕から腕時計型魔導具である相棒のサルパが口のカタチを摸した装飾からの言葉に耳を傾けながら再び周囲探索に思考を切り替え裏路地の角を右に曲がる───
「───ああ、そうだな・・・だがいい加減嫌んなるなぁー───」
路地の片隅に放置された古タイヤ、ちょっと尋常じゃない悪臭を放つポリバケツの影、空家と化した店舗のシャッターに画かれた前衛的な
文字通り現在進行形で『オブジェ』を潰して回っているというの新たな『オブジェ』が出現し続けている。
その光景に俺は内心画像をネットに投稿して───「うわ、この裏路地邪気呼びすぎwww」───って他人事のように草生やしてよぉ!!!(泣)
そんな現実逃避じみた巫山戯た事を頭の端に追いやり再び『オブジェ』の浄化に没頭する俺である。
『オブジェ』は特殊な例えだが超常的ながら自然現象だと俺は解釈している。
前提として他所様の宗教観念を借りるとするなら『人も自然の一部』であると前提とし、人の心から生まれる負の思念や願い、願望などが絡んだ間接的原因あるいはバタフライエフェクトと表現して良いだろ。
それらの他に『土地』の力や『時期』やら様々な要素も含めなければならないが───さて、そんな偶然が幾つも話を例に挙げるがある一定の場所でこんなにも複数の『オブジェ』が出現するだろうか? あるとすれば各率の数時が天文学的になるだろう。
ぶっちゃけ闇落ちした騎士や法師が───あるいは『ホラー』が作為的に作ったと仮定した方がまだあり得る。
「───♪~♪~♪───」
───手にする魔戒剣がそれ相応に重いと感じられる程に疲弊し終わりの見えない浄化作業にストレスがマッハで溜まったりつつある時───如何にもお気楽そうなメロデイの鼻歌が耳に届いた。
「───」
こんな邪気だまりみたいな裏路地に場違いな鼻歌、俺はようやく見えてきた
今回の所謂
かなり見覚えのある『ソイツ』は鼻歌を交えながら電柱、今時ありえない程に無数に貼られたテレクラのシールに邪気を込めているのだろう『ソイツ』の後ろ姿を視界に収めてスニーキング・ミッションの得意な某蛇さんの如く背後に忍び寄り『ソイツ』の脳天に力いっぱい手刀を振り落とした!
「なにやってんじゃ!ワレーーー!!」
「ッッッツツ!!!!??───wう、う・・・あ、ま、マサヒロさんちーす・・・(。・ ω<)ゞてへぺろ───」
俺はテンプレヤクザみたいな恫喝行為を及んでしまうが反省しない───『ソイツ』は後頭部の痛みと突然の打撃に混乱しかかった頭を抱えながらもふざけた挨拶をする見た目、白地に有名ブランド『ルイ●トン』似の柄がレインボー色な全身に刻まれた素体ホラー・・・コイツの名は『サンセーイ』。
俺とは少し・・・不本意ながら縁のある、かなり変わったホラーである。
今回登場した『サンセーイ』君はCR牙狼シリーズを愛好している人にはピーンとくるかもしれません!
主な事はまた次回に(なお、次回投稿は未定の模様)。
目次 感想へのリンク しおりを挟む