断片のダスト (サンハテナ)
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こたつとキタキツネとカピバラ

エロとかはない
オチもない


夕食のキタキツネとギンキツネ

キタ「ジャパリまん、おいしいな」

 

 

ギン「キタキツネ、今日はちゃんとお風呂入ったのね」

 

 

キタ「失礼だなぁ…ボクだってお風呂くらい入るよ!」

 

キタキツネは口を膨らませながら3の口になっている。

 

 

ギン「そうね、ごめんなさいねっ」

 

キタキツネかわいい。

 

 

ギン「あっそうだ、カピバラ見なかった?」

 

辺りを見まわした。

 

 

キタ「え、えーとお風呂にいたよ…」

 

 

ギン「あーいつもいるわね、お風呂にいるのならいいわ」

 

 

キタ「ここらへん山なのに、よく歩いてくるよね…」

 

 

ギン「まあねぇ、カピバラだって元々熱い水辺にすむのに、なんでこんな辺境にきてくれるのかしら」

 

 

キタ「それは、たぶんカピバラはすごく温泉が好きなんだよ…さっき聞いたけど、ボクも好きだから気持ちわかる…」

 

 

ギン「あれ?お湯に入るのは嫌じゃないの?」

ギンキツネは不思議そうな眼差しでキタキツネを見ている。

 

 

キタ「前は嫌だったけど、でも最近は好きになってきたのかも…」

 

 

ギン「そうなんだ、それはよかったわ…」

するとすぐに3の口になって

 

 

キタ「よかったってなにー、本当にそうなの?実はボクに言えることが一つなくなってさみしいんじゃないの?」

そう言ってにへらと笑った。

 

 

ギン「そうかもね、でもできることが増えるのは嬉しいでしょ?」

 

 

キタキツネはすこし笑って

キタ「うん…」

 

 

ギン「ふふっ、意外と素直ね」

 

 

??「あーいい湯だったよよよ」

 

 

キタ「うあ!カピバラ…!」

 

 

ギン「噂をすればね!」

 

 

カピ「あーギンキツネさん、いつもお世話になってるよよよ」

 

 

ギン「いえいえこちらこそ」

 

 

ギン「ちょうどキタキツネと、カピバラさんがこんな寒いのにわざわざきてくれて、有難いねって話をしてたんですよ」

 

 

カピ「ボクは寒い苦手だけどここの温泉は好きだから、どうしても入りに来たくなっちゃうんですよよよ」

 

 

キタ「カピバラ!こたつに入ってジャパリまん食べよっ」

 

 

カピ「あーぬくいよよよ」

 

 

キタ「はい、ジャパリまん」

キタキツネはカピバラの目の前にジャパリまんを出した。

 

 

カピ「ありがとうねねね」

カピバラはキタキツネにもたせたまま、食べだした。

 

 

ギン「あんたたち、仲良いわね」

 

 

 

キタ「…あー寝ちゃった」

カピバラは机に頬をつけて、コトっと寝てしまった。キタキツネはほっぺをつんつんしている。

ギンキツネはお茶をすすりながら、カピバラの様子を見る。

 

 

ギン「寝させてあげなさい」

ギンキツネはそう言った。

 

 

キタ「えーこたつで寝たら風邪ひくよ?」

 

 

ギン「でもたぶん起きないでしょう?」

 

 

キタ「本当かな…」

 

 

ギン「わたしもそろそろお風呂入るから、先に寝ててもいいわよ」

 

 

キタ「うーん、大丈夫。」

ギンキツネはすこし振り返ってキタキツネを見てから、部屋を出た。

 

 

キタキツネはギンキツネがいなくなると、すぐさま

 

キタキツネは確かめるようにカピバラの丸いほっぺをつつく。

キタ「えいえい」

 

 

カピ「あー、やめてよよよ…」

 

 

キタ「あれ?起きてるの?」

 

 

カピ「うう…」

どうやら寝言らしい。

 

キタ「ふふ…」



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アミメキリン

キャラが上手く表現できない
なんか考えてるうちに何を書いていていいのかわからなくなった
アミメキリンのエロを書きたかった…


 アミメキリンはタイリクオオカミの取材に同行していた。

今度の題材は西洋旅館だ。その取材のため、旅館のオーナーに話をつけてもらい、話を聞いていた。

 

「この旅館には何人くらいのお客さんがいるんだ?」

「はい、今は数人ですね。団体様がいらっしゃったらもっと多くなるんですけど」

 

 先生はオーナーからいろいろなこと聞いているけど、私には先生に頼まれたもっと重要な仕事があるの。

 

 

 旅館の客室202玄関にて

 

アミメ「角が生えたその見た目!あなたはヤギね!」

オーロックス「ぜんぜん違うぞ!私はオーロックスだ。」

アミメ「おかしいわね…名探偵であるこのアミメキリンが間違えるはずないわ…あなた嘘ついているわね!」

 

 

???「んん?その台詞どこかで…。」

アミメ「誰!?そこのフレンズ、出てきなさい!」

 

???「あー、思い出しましたわ、確か『アニマル探偵ギロギロ第四十三話「白ヤギと黒ヤギ事件」』の回のギロギロのラッキービースト(従者の獣)が老人を変装したヤギだと勘違いして、見当違いなこと言ってしまうシーンでしたよね。」

アミメ「え、すごい!すごいわ!あなた、なんで知ってるの!」

 

???「そうですか?wまあ伊達に『タイリクオオカミお姉さま』のフアンじゃないですからね」

アミメ「あなた!名前は?名前!」

 

イタリ「私はこの204号室に暮らす『イタリアオオカミ』です。お姉さまの原作一応全部読んでますよ、私はお姉さま自身の方が好きなのだけど」

アミメ「私も先生の、原作読んでるの!まさかちゃんと読んでる人は初めて会ったわ!!」

イタリ「原作フアンは数少ないですからね。素人にヤギの話なんて通じないでしょう?」

 

アミメ「あの、いつからファンなのですか!?」

イタリ「あーいつからだったか、ともかくお姉さまの最初のマンガを読んだのは私だし、取材も協力したのも私、マンガを皆さんに広める手助けをしたのも私なので…。」

イタリ「ちなみにあなたが読んだであろう原作は、実際にお姉さまの描かれた漫画を、私が忠実に真似たものなんです」

 

アミメ「驚きです!ヤギ監督って呼んでいいですか!?」

イタリ「それはちょっと…どうせなら、イタリアン大明神くらい申し上げても良いんですよ?w」

アミメ「イタリアン大明神様!!」

オーロ「おいおい…」

 

 

イタリ「こほん、でご要件はなんですか?」

アミメ「あっそうだった、私には大切な取材がありました。実はですね…」

 

 実はこの取材旅行には目的が二つある。一つは西洋旅館の調査。もう一つは近辺で噂を調査することだ。そこでタイリクオオカミはアミメキリンに二つ目の最近あった噂を聞いて回らせていた。

 

オーロ「最近あったことか」

イタリ「何かあったかしら」

 

 

イタリ「ああ、そういえば三日前の夜、私が一人で部屋のお風呂に入ってるとき…」

そういうと何かオーロックスも気が付いたようで、

オーロ「ああ!突然電気が消えたことがあった!」

 

 

イタリ「はい…幸い、私は夜目が効きますし、直ぐに直ったので大丈夫でしたが…」

 

 どうやら最近この館で大きな停電があったらしい。

 

アミメ「やっぱり!確かに周辺の地域でも、日時は違いますが、停電の被害が出てるらしいのです!」

 

 

イタリ「あー私もその話、聞きました、ちょっとした世間話ですが…」

アミメ「これは事件の香りがするわね」

イタリ「まずは何か事件の証拠を探さなければ、ですね?」

タイリクオオカミ「お、やってるね」

アミメ「先生!」

イタリ「お姉さま!」

 

 

 タイリクオオカミは現れるとイタリアオオカミとアミメキリンの目は輝き出した。

 

 

イタリ「ごきげんよう!お姉さま!」

タイリ「ああ、ごきげんよう!最近会ってなかったね」

イタリ「ええ、すこし忙しくて…でもすごく会いたかったです!!」

 

イタリアオオカミの目は一見落ち着いて見えるが、その目の奥はハートになって、よくみると顔も紅潮している。

 

 

アミメ「先生!これは事件です。犯人とその証拠を早急に発見しなくては!」

 

アミメキリンは拳をグッと握りしめて、息巻いている。

 

タイリ「ああ、そうだね。でもそれより気になっていることがあるんだけど、アミメくん、原作読んだんだね?」

アミメ「え、えーと、はい、実は博士助手に文字をすこしだけ、教えたことが…あっこのことは内密にしてください…で…文字を教えるのを条件にして先生の原作を全巻読みました!」

タイリ「へぇそうなんだ、どうだった?」

アミメ「面白かったです!特に十八話のどたばたと怪盗との熾烈な攻防が凄まじく良かったです!」

タイリ「それはよかった」

 

イタリ「タイリクオオカミお姉さまぁ!それより、ラッキー(従者)を雇ったなんて聞いてないですよ!」

タイリ「アミメキリンのことかい?」

イタリ「そうですよ!違いますか?この方はお姉さまの何なんですか!?」

 

 

タイリ「アミメキリンはアシスタントでもラッキーでもなくて探偵だよ?」

イタリ「探偵?…この子が?そうなんですか?」

 

 じぃとイタリアオオカミはアミメキリンの目を見る。

 

アミメ「な、何です?その目は!そうです!わたしは先生のファン兼探偵です!!」

 

 

タイリ「名じゃなくて迷う方だけどね?まだひよっこだからね!」

アミメ「先生!私はヒヨコじゃなくて、キリンです!」

 

 その発言にイタリアオオカミとタイリクオオカミは同時に笑った。

 

イタリ「ふふーん、まあいいでしょう。」

イタリ「でもお姉さまについていくならもっと修行しないといけませんね!」

イタリアオオカミは試すような笑顔でそう言った。

アミメ「わかっています!」

イタリ「ホントかしら?」

 

 その後も私、アミメキリンは聞き込み取材を続けました。

そして私たちはついに犯人を見つけました。

 

旅館内の公衆トイレにて

 

???「ギャジャーン!」

 

 その個体は一匹。セルリアンナンバー125『デンジャ』でんきとかげセルリアン。

その体の茶色い模様はまるで雷のようにギザギザとしてたシマシマで、その体はオレンジ色でぷよぷよした体を持つ。

 太いしっぽと、太い足で、実質的な三足歩行をしている。サンドスターによって皮膚から電気を発する。

普段は雷の火炎などから、サンドスターを得ているが、雷が少なくなると、フレンズの里の前に現れる。

個体によって大きさが違うが、その大きさは、最大の大きさとして、体長2mほどにもなる。

ただしこの館にいる個体は比較的に平均体長で、1.1mほど。

 

 

アミメ「ついに見つけましたよ容疑者!現行犯逮捕です!」

アミメキリンはそういってデンジャに思い切りタックルを仕掛ける。

デンジ「イジャーン!ビビビッ!!」

 

 しかしデンジャはその尻尾で飛び上がり三人の頭上を通る。

 

タイリ「逃げたぞ」

 アミメキリンはあえなくヘッドスライング。

 

イタリ「逃がしません!!」

 イタリアオオカミは持ち前のフットワークでそのセルリアンを捕まえた。

イタリ「ゲットしました!」

 

 イタリアオオカミは尻尾を捕まえた。イタリアオオカミの手にはゴム手袋をしているため、電気が通らない。

 

イタリ「きゃー!」

 

 しかし突然を別の方向から隠れていた別のデンジャが襲ってきた。

驚いて怯んだすきに、セルリアンたちは一目散にトイレから出ていった。

タイリクオオカミとイタリアオオカミは急いで、セルリアンを追う。

 

イタリ「あーんもう、あいつら、連携ができるんですね」

タイリ「どうだろうね」

 

タイリ「うーん追い付けそうもないな…ここはいったん退散しよう…」

イタリ「はい」

 

 二人はスピードを落とす。

 

アミメ「待ちなさーい!!」

イタリ「キリンさんも呼び戻しますか?」

タイリ「そうだね」

 

タイリ「どうだった?」

アミメ「うーん、逃がしました」

イタリ「ナイスファイトでしたよ!」

アミメ「先生、先輩、ありがとうございますね」

タイリ「しょうがないさ、私たちはハンターじゃない」

イタリ「まあ本当は捕まえたいですけど、ここはお姉さまの言う通り引きましょうか」

タイリ「深追いは得策じゃないよ、正体はわかった、あとはハンターに任せよう」

 

 こうして犯人は取り逃がしたのですが、その後しばらくしてハンターがあのセルリアンを生け捕りにしたと連絡がありました。




あんまりアプリ版みてないからかもしれないけど
個人的にセルリアンがよくわからん
ポケモンみたいなもんだと勝手に認識してる


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変化

いつか書いたか忘れたし
続きも思いつかんけど
一応書いてあったからおいておく


朝日が部屋のベッドの上を住人を照らす。

 

その姿は素っ裸で乳房も外性器にも何も着ていない。彼女は赤子のように、無垢で、ただ親指を咥えて寝ていた。

 

 

 

少女「う…うっうーん」

 

 

 

目を開けると私の部屋だった。いつもの場所のはずなのに、あまり現実味がない。

 

全て夢の続きのように形はボワッと白い。

 

明りは消えておらず、体は寝起きなのに汗だくで熱を帯びている。

 

悪夢をみた朝のようだが、私の記憶にその記憶はない。

 

 

 

少女「……?」

 

 

 

私はいつもと同じく準備して、準備をして?

 

気が付いた。私は何をすればいいかわからない。というかここがどこかもわからない。ここいたという存在を知っているということだけはわかるのに、全て何か嘘だか錯覚だかではないかと思えるほど、わからない。

 

説明を求めて、理由を求めて、私は外に出た。

 

 

 

彼女は掛け布団から無垢な少女のありのままの姿を晒して、体を起き上がらせ、外に出た。

 

もしも彼女を見つけるものがいたら、きっと彼女のことを無垢な少女だとは思わないだろう。

 

しかしそれが真実であることは、話してみて、立ち振る舞いをみて、感覚的にはわかるはずだ。それを信用するかは別として。

 

少女はその姿のまま、アパートのコンクリートの階段を慎重に四足でおりて、坂道を四足で駆け下りて下にある駅に向かう。

 

 

 

たしかあそこには大きな家があったはずだ。この四角い家と同じ、いやこの家のような壁はないがそれより幾分か大きな家があったはずだ。例え自分の居場所がわからなくても、そこにたどり着けば仲間に会えるはず。

 

 

 

真実を話すならこの少女はキツネから変化した女の子なのだ。しかも自分では変化に気づいていない。

 

だからこの状況が人にとってどんなに変な状況かも気が付いていない。

 

駅にやってきた少女はどんな扱いを受けるか想像に難くない、おそらく乗客は騒ぎ、駅員が飛び出し、そして捕まる少女。そうなればいくら無垢なる少女でも、誰も信用しない。

 

 

 

私は駅を一目するとそこに誰もいないことを認めた。おかしい、いつもならここにフレンズが数人いて、みんなで世間話なんかを話すのに加わるってのに、周りを見ても誰もいない。

 

 

 

そうか世間は真昼時だった。しかもここは無人駅、それでは誰もいまい、ならば見つかるはずもない。

 

これでよかった、これで一安心、そう思ったのも束の間、その音は大きな振動を持ってやってきた。

 

それは電車の音だった。答えは簡単だが、その慌てようは一通りではない。なぜなら、彼女にとって乗り物という存在がいることすら、認識していないからだ。彼女はホームをくるくると回った後に、ベンチの背もたれの上を駆け回り、そしてそのベンチの下に隠れた。幸いこのことが功を奏して、駅員の襲来から隠れることに成功したがビクビクとして動けなくなってしまった



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夕暮れ空に思いを重ねたら

その悲鳴はサーバルの大きな耳にだけに届いた。

 

「鳴き声が聞こえる…」

 

「え?」

 

そのサーバルの真剣な表情に嫌な感じする風が流れる。その意味は感じ取ってはいけない。とにかく邪推より今は見ることが大切だろう。

 

しかし走るたびに風は強く感じられる。ぼーぼーとした不吉な風が何か良からぬことを知らせるように。

 

サーバルはサバンナを疾風の如く走りぬける。

 

 

 

僕が追い付くとそこには蒼く目玉の大きなものがいた。

 

それはゲートの進行を妨げるように、大きな触手を広げたセルリアンだった。

 

「あれも…セルリアンですか…?」

 

サーバルさんは深刻な眼差しをしている。

 

「あの声、食べられちゃってるかもしれない。」

 

僕とサーバルさんは草陰に隠れていた。

 

「え、たべられて…」

 

辺りは一帯は茶色っぽいサバンナの延長だが、遠くゲートの向こうには青緑のウッソウとした木々が見える。

 

でも森の近くのはずなのに動物の鳴き声はせずに、セルリアンの不思議な声のような音と、強い風の唸るような鳴き声だけが鳴っている。

 

「たすけなきゃ…。」

 

サーバルさんはそう呟くと、光る手の攻撃を構え、セルリアンの、眼前に出ていった。

 

 

 

しかしサーバルは攻撃を打ち止める。

 

さっきもやったことだが、セルリアンは蒼い氷のような石を叩きを入れることで四散する。

 

しかしながらサーバルの前にいるセルリアンにはその石がないのだ。

 

「石がないよ!どこ?」

 

前傾姿勢のまま、光る手を準備していたサーバルはキョロキョロと周りを見渡すが、どこにも弱点である石はない。

 

その間にセルリアンの突進が飛んでくる。間一髪、前傾姿勢から反転して、サーバルジャンプでかわす。

 

7~8mほど間合いをジャンプを取ってから、右足で着地する。

 

 

 

 

 

 

 

 向こうのジャングルとサバンナを繋ぐゲートは、橋で繋がれていた。橋の上の夕暮れ空で、サーバルとかばんは向かい合う。

 

 

 

「じゃあ気を付けてねっ!ジャングルちほーでも図書館に行きたいって話せば、フレンズの子が案内してくれるはずだから!」

 

そうか…もうお別れなんだ…

 

 

 

「ほんとに…サーバルさんがいなかったらボク…」

 

 

 

「かばんちゃんはこんなにすごい技を持っているだもん!何があっても大丈夫だよ!」

 

二人で折った紙飛行機を見ながら話すサーバルさん。

 

 

 

「何の動物かわかったらまたサバンナちほーによってね?」

 

手に持った紙飛行機を持ったまま、明るい調子で言うサーバルさん。僕はどうにも情緒的になってしまう。

 

ああ、風は止んで周りは静かなのに、心は無性に音がする。音は声となって、僕の体をサバンナに留めようと、『僕の体』を引き留めようするのに、『僕の心』は探求を理由に動かそうとする。止まってはいけないという心と止まりたいという体が頭の中でなんども出たり入ったりする。

 

葛藤の中でサーバルさんが声をかけてきた。

 

「」

 

ありがとうサーバルさん。二人は別れを惜しんで、それでも会話を短く、かばんは先を急いだ。

 

夕焼け空は影の二つを映し出し、一つ失い、残った一つも消えていった。




けものフレンズっぽいものを書いてるときに書いたやつ
めっちゃ抜けがあるけど書きたいところだけ書いたやつ


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煌めく浜辺

ラッキービーストは消えた。

海はキラキラと光の効果を出している。

過去を取り込む異物はフレンズや火山のエネルギーを吸って大きく大きくなってそれから海に戻った。

これはフレンズの勝利だ。

しかしまだだ!勝つこととはみんながいなければ、本当の勝利とは言えない。

 

早朝には満ちていた干潟も徐々に引いて、

濃霧の中、浜辺のフレンズたちはラッキービーストの痕跡を探していた。

可能性が消えたわけじゃない。僕たちは希望をもって捜索を続けていた。

捜索を依頼された使者たちは海をも歩く。

サーバルとかばんも浜辺で痕跡を探している。

 

ラッキービーストが見つかった。

そこには一体のラッキービーストがいた。

「ハジマシテ、僕ハ『ラッキービースト』ダヨ、君ノ名前を教エテ?」

しかしその声は『あのラッキーさん』のものではない。

「やっぱり……このボスも違う……」

サーバルちゃんもそう呟く。

同じ型のラッキービーストは見つかっても、かばんとサーバルと冒険したあの個体はどこにもいない。

 

「あっ……」

かばんは浜辺の中で、何かを見つけた。

それは小さなレンズのような形をしたもの。青くて愛嬌のあったあの体はないがあれは確かにラッキーさんについていたものと同じもの。

「ボス…私たちのために…」

サーバルは浜に落ちていたそのレンズのようなもの形をしたものを拾い上げる。かばんはベルトを拾い上げる。二人は共に悲しみと思い出の回想の中で自分の手にあるそのモノを観ていた。

太陽を霧が覆ってぼうっと光る。二人は共に座ったまま、そのまま下を向いたまま…

 

突然サーバルが叫ぶ。

「オハヨウ、かばん。」「うわあああああ!!喋ったあああああああ!!」

その声は確かにラッキーさんだった。

しかしサーバルは驚いた拍子に、あのラッキーさんを海の中に投げてしまった。

「あ、あの声ラッキーさんだよ!拾わなきゃ!!」

 

 

 

「はぁはぁ」

アードウルフは長い眠りから目覚めた頭の欠片の中に残っていた記憶

いかなきゃ

あの子に出会って言いたいことがあるんだ

黄色い「ねこみみ」、大きな「ひとみ」、長い「てあし」あとは「かばん」、夢の中で、確かに二つの何かそれが見えた。

いやあれは夢ではない、確かにそこにあった。

出会ったことのないフレンズがいた。それが「かばん」だった。

アードウルフだよどんなに姿が変わったって私と話したあのアードウルフちゃんは一人しかいない

アードウルフちゃん…ちゃんと覚えてくれたんだね

すぐに救出したから?

この子は…




けものフレンズっぽいものとして前に書いたやつを出しておこうと思って出してみた
断片だけど進められる気がしないので出しておく


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旅の恥の書き捨て

なんか違う


―――また外は静かに波の音が聞こえる。部屋の中の扉を閉めて満月の夜、音のない静かな海だけ見える。

熱を帯びた体。部屋の中はリョコウバトの息遣いだけがある。目を瞑ると頭の中は同じホテルのお客であるキュルルが思い浮かぶ。

 

「はぁっ…はぁっ…なんでヒトが…んんんっっ」

 

息遣いが荒いまま、欲望に身を任せると、手が股の方に伸び、自分の勃起していたちっちゃい突起に触れる。撫でるように手で刺激すると、びりびりとした刺激が脳に上がって気持ちいい。最近自分の心が癒されたいと何故かこれをしてしまう。正直みっともない恰好でするからあまり好きな行為ではない。

 

「こんなの嫌ですのに……でも……きもちいい…」

 

さらに弄って弄って繰り返し繰り返し弄り続けて…

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

キュルルは一人で篭っていた。

厚いカーテンに閉じられた部屋の中でキュルルの呼吸が聞こえる。

 

「はぁ…はぁ…」

 

僕の名前はキュルル。キュルルは部屋の中で下半身を脱いだまま、ベットの上でたまの自慰を終えた。

 

「よし!いこう!」

 

僕は決意するとズボンを穿いて立ち上がる。最近の僕はずっと一日中籠って、絵を描いていたりかと思えば、一日中エッチな妄想して自慰をしたりして…だいぶ怠惰な生活だけど、楽しいんでいる。昔、彼女(カラカル)に貰った透明で小さく綺麗なビードロの玉も、粘土でつくった彼女のいじめるためのおもちゃも今は単なる置物になってしまったけど…でも別に無問題だよ。今日もオオミミギツネさんとエッチしたよ。妄想の中でね。僕はロビーに向かっていた。

 

ホテルはまもなくお昼になろうとしている。果てしない海、「みゃーみゃー」とウミネコが鳴いて空を飛ぶ。遠くに海を越えてみえてくる大きな建物がある。海の上に立つホテルは7階建てで、屋上にはイルカを模した形になっている。あれが僕のいるホテルだ。

 

おほん、僕みたいな偉大な画家にもたまには休憩が必要である。部屋で休憩してもいいけど、今日の僕は広いロビーのソファで休息をとりたい気分だった。静けさの中、広いロビーにはガラス窓にソファーがならんでいる。僕はその一画のソファーで休息をとる。天井が高く、解放感がある。こうして目を瞑り、体の力を抜くと…遠い遠い昔、僕がここに来る前もよくソファーで寝ていた…ような気がする。正直小さいときのことなんてあまり覚えてないが。昔の僕は育てる母いなくて、施設に預けられてしばらく過ごしていた。でも今はそんなことは現実感がない。過去の過ごした来た日々が嘘みたいで、何しろ、今の状況と昔の状況の剥離がすごい。コノハ博士のところでみたあのかばんという人物の話だと人間はこのパーク内にはいないらしい。はぁ…僕がこの島にきて何日経ったんだろうか…まあ僕は絵がかけるならなんでもいいんだけどね。

 

「ブタさん!そこはもういいから入口の方のお掃除しなさい、いつお客がきてもいいように!」「はい!」

「ハブ!しゃんとしなさい。お客様にそんな姿みせたら失礼でしょ??」

 

これはこの人たちの日課みたいなものだ。ハブはお土産で店を営業している。ブタはホテルの館内のお掃除をしている。オオミミギツネはお客さん相手をしたり、他の従業を監視したりしてる。

 

「ハーブ??聞こえてるかしら?」

「あーもー!わかったわかった!」

 

僕はホテルと柔らかなソファーの上でなんとなく聞き耳を立てる。ハブはあまり勤勉ではない。でも商品の知識は豊富でお土産にあるものはだいたいわかるし、なんなら月一でどこかにいってお土産を買ってきたりするらしい。支配人のオオミミギツネによると、ジャパリまんの管理も上手でハブは仕事で集めてきたジャパリまんで品物を交換したり保存して置いたりすることが上手い…らしい。とてもそうは見えないけど。

 

「それにしても、いつまでいるんだろうな?あいつ」

「なんで?」

「もうだいぶいないか?」

「あの子は、喧嘩してここにきたみたいだから…しばらくはいるんじゃないの?」

というかお客様に失礼よ

「…あいつ大丈夫かな…」

「心配だったら話しかければいい」

「うーん…」

 

僕はソファーから外に目を向ける。大きな硝子の中には小魚が泳いでいる。いつも思うのはホテルの立地の異様さだ。外からみるとわかるけど、このホテルは周りが海、というかホテルが海の中にある。海の上にあるだけなら、ただ海が良く見えて良いホテルかもしれないが、このホテルには陸とを繋ぐ橋がない。海岸に桟橋があってそこからボートで入口に入らないとこのホテルには入ることができない。泳げるフレンズや飛べるフレンズならいいけど、ものすごく欠陥だと思う…実際客は僕しかいないし。まぁそのおかげで静かに楽しめるんだから僕はいいんだけど。オオミミギツネは暇が嫌みたい、退屈そうに受付にいる。ここのスタッフはハブにブタにオオミミギツネと三人だから、そんなに増えても困るとは思うけどね。ハブはそんなに真面目そうな感じじゃないし。ともかく僕はこのホテルのソファーの上で波の音を聞ていた。そうして平和な一日を過ごそうとしていたんだ。

 

「ん?あれ?ブタさんが静かね?」

 

 

「あれーブタさん静かね?」

「またお客でも来たんじゃねーの?」

 

ハブたちは僕がくるときもそんな話をしていたらしい。

 

「もーまさかそんなわけないわよ…そんなわけ…」

 

階段の方をちらっとみると、赤いスカートを穿いている令嬢が階段を下っていた。

 

「ってホントだわ!!」

「マジかよ!」

 

オオミミギツネは驚いた。ついでハブも驚いた。

なんと本当にお客が現れたらしい。

お客が現れたことで、スタッフたちは慌てているようだ。僕は聞き耳を立ててその声の様子を聴く。

 

「オオミミギツネさん…お、お客様です。お客様がいらっしゃいました…」  

「うわっ、うわ、ど、どうしよう…」

「名前でもきけよ」「え、でも…」

「私お部屋の準備してきます!!」

 

なんだかプチパニックになってるみたい、ブタさんは緊張して走ってこけてる。客の目の前だというのに話し合うハブとオオミミギツネさん。ハブとオオミミギツネさんの前には赤いスカートをきたフレンズが立っている。赤いスカートをきたフレンズはホテルの二人に話しかけた。

 

「あの突然すみませんが…私、リョコウバトと申します。あの…空いているお部屋はありますかしら?」

「いえいえご、ご丁寧に…えーと、そ、そりゃ、もうガラガラですので、えーとあの、あの私は支配人のオオミミギツネです、えー…速やかにお部屋を用意するので少々お待ちください!!」

 

そこに現れたのはリョコウバトという人らしい。オオミミギツネさんもぺこぺこ頭を下げながら客室に準備に向かう。リョコウバトさんはキョロキョロしてから茫然と立ち尽くす。僕はソファーの背もたれにぴたっと張り付いて、昨日ブタさんとオオミミギツネさんによってピカピカに磨かれたガラスに、淡く反射して赤い服の彼女の姿と横顔を僕も見る。

 

明るめの赤のベスト。それに連なる赤のスカートは下から白く、足のタイツは白から赤へ。

ガラス越しからでも姿はわかる。二本に束ねられたさらさらの青い髪と翼。

頭にはよくスチューワーデスの被っている舟形帽に、ジャパリパークでよく目にする「の」マークに羽が生えたデザインのバッジを中心にすえている。

スタイルが良くて、足が長く、お尻もちょうどいい大きさで立っている姿も凛としている。

横からみた顔は小さくモデルさんみたいで、それなのになんだか憂いを感じる瞳…キレイ。

その姿をみて僕はとてつもない胸の高鳴りを抑えらない。ドキドキと心臓の音が頭の中にまでコダマして、僕の思考を駄目にしてくる。

 

ハブはオオミミギツネさんがしばらく帰ってくる間にお話をしていた。

 

「海に沈んでるなんて最悪のホテルだろ?」

「面白いホテルですわね?」

 

リョコウバトは興味深そうにあたりを見回す。

 

「楽しそうだな」

「はい!こんなに大きな所でフレンズが働いてらっしゃるのは初めてみたので興奮します」

「そっか、まあ珍しいよな」

「あのちょっとみてまわってもよろしいですか?」

「どうぞご勝手にー」

 

ハブはそそくさと持ち場に戻った。オオミミギツネとブタさんはまだ準備中。その間、リョコウバトさんはホテルを隈なくみながら、ゆっくりと歩いている。うわーどうしよう、近づいてきた…あまり今フレンズと関わりたくない。僕は目を閉じて、いびきをかいて、タヌキ寝入りをした。こうすればきっとスルーされるはずだ。彼女は周りをキョロキョロとみてからリョコウバトはすこし遠目でキュルルを見つけた。リョコウバトの体はゆらゆらと上機嫌であったのが、突然硬直するように止まる。

 

「………あ、あれは……ヒ、ヒト?」



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同じ穴の貉

フレンズ

人の形をした動物。

 

アライグマ

アライさんと言われることも多いアライグマのフレンズ。

 

アナグマ

穴を掘ることができるフレンズ。

 

 

おいタヌキ寝入りすなー

いやガチ寝なのだこれ

 

余計駄目だよ

夜の提灯に照らされた屋台の店主には顔がなかった。提灯はボウボウとその顔を怪しく照らす。それを見た人は恐ろしくなって青ざめ、そして、バタンキューと倒れてしまった。

 

「たぬたぬーやったでぽんぽこ!」それは喜び勇んで、腹太鼓を鳴らしたのだった。

 

 


 

 

「起きて起きて!朝ですよ!ごはんですよ!」「わーい、三日ぶりのごはんなのだー!」

 

アライさんは洞窟にいた。そこはアナグマの掘った洞窟で、アライさんはフェネックを探すためにそこに居候したのだった。

 

アライさんの後ろには縮こまったフレンズが横たわっていた。

 

「バクバクバク…」

「最近ですね、私が溜めたジャパリまんを盗む輩がいてですね…」

「それはパークの危機なのだ!」

「そうなんです!食糧が足りないのはみんなも同じですから…だからって盗まなくても一声かけてくれればいいのに…」

「あ、それとですね…行き倒れていた方を見つけまして…」「後ろの方なんですけどね」

「バクバクバク…」「あの三日ぐらいあのままなんですよ…心配で心配で…」

「うーん…」

 

その声はアライさんの食べてる後ろからした。

「う…うーん」唸るようにしたその声の主は…

あれは…アライさんと白髪に大きな白いしっぽを持った人がいる…周りは暗いな…

 

 

 

 

 

「あ、あの…ここは、どこでしょうか?」声の主は自分がわからないようだった。

なんだろう…狭くて…

 

 

 

「あー…覚えてないんですか?君、道端で行き倒れてたから、私が助けたんですよ」「……」

 

「私はここの横穴を掘ったアナグマです、以後お見知りおきを」

 

 

 

???「アナグマ…ですか…」

アナグ「そういうあなたの名前は?」

???「え、えーと、お、思い出せなくて…」

アナグ「え…最近生まれたフレンズですか?」

???「いや…その…よくわからないですけど…たぶんその記憶がないんです…」

アライ「アライさんはソイツを知ってるのだ!」

???「……」

アライ「こいつは確か…『たぬお』だか、『たぬきち』だか、『たぬぱんち』だか、『たぬたぬなんとか』だかなのだ」

アナグ「候補が四つ出ましたけど、何か思い出せそうですか?」

タヌオ「うーん、たぶんよくわからないですけど…『たぬパンチ』は違うと思います…できるなら『たぬお』でお願いします」

アライ「ラジャーなのだ!アライさんが詳しいのだ。『たぬお』は犬のナカマなのだ。でもよくアライさんの仲間と間違われるのだ。」

アナグ「あー…ムジナってやつですね!」

アナグ「私もよく、ハクビシンとかと間違われますよ」

アライ「たぬおは思い出せそうなことあるのか?」

タヌオ「いえ…わからないです」

アライ「だったらアライさんがフェネックを探しがてら、聞き込みをするのだ」

タヌオ「フェネック?」

アナグ「アライさんはフェネックの手がかりはまだ見つかりそうにないですか…?もしかして、もうこの地方にはいなんじゃ…」

アライ「そんなことないのだ。もしそうだとしても、絶対に見つけ出すのだ、フェネックはアライさんが守らないといけないのだ。」

アナグ「タヌオさんはこれからどうしますか?」

タヌオ「私は…ここにいます。外は怖いので…」

アナグ「そうですか。では私は食料の買い出しに行ってきますよ」

タヌオ「え…あ、はい」

アライ「ジャパリまんだけじゃダメなのか?」

アナグ「いやジャパリまん確かに栄養は高いですけど、穴掘りってサンドスターの消費が激しいので、他の食材もほしいんです。それに食材があった方が料理について研究がしやすいですし。」

「働きものですね、アナグマさん」

アナグ「生きていくことは何かを残さなきゃいけないって本で読みました。」

アライ「え、サンドスターって人がつくったのか?」

アナグ「私はそう思います。」




タヌキがアナグマの巣を借りるってところから
居候してるタヌキが浮かんでせっかくだからアライさんとアナグマとタヌキを一緒に暮らさせようと思った
あまり書く気がないのであまりちゃんとつくってないけどちょっとテスト投稿したいのでこうなった
2018年11月27日に考えたらしい


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「星間」

星と星との瞬きの中に、一つの宇宙船が空を飛んでいた。

それはかばんたちの船だった。かばんは人類を探すために地球を旅立ったのだ。

 

「人類はワームホールの向かう側にいる!」

 

博士たちの推測が正しければ確かにいるはずなのだ。フレンズたちのつくった船はワームホールを超えた。

 

 

ショックにより記憶を失ったサーバルは博士から再びかばんの星間の記録をみる。

「かばんちゃん!かばんちゃん!どうしてかばんちゃんは私を置いて行ったの?」

「……あの「フネ」には一人しか乗れないのですだから…」

「私諦めない!絶対かばんちゃんに絶対絶対会いにいくから!」

「無理なのです…あの「フネ」はかばんがいないとできないのですよ」

「そんなことない!私だって紙飛行機つくれたじゃない!フレンズの力があれば…」

「紙飛行機は素晴らしいですが、それとは違うのですよ」

 

この後サーバルはキュルルとイエイヌの力によって船を作り出すことに成功する。

 

 

ここで通信が途絶えました…

生きてるんだよね?それはわからないのです…

そんな…そんな…

かばんちゃんがいなくなったら…そうだ!私がかばんちゃんになればいいんだ!博士としょかんにいこう!!

 

かばんちゃんの影響

 

 

スマホ的なモノを持ったキュルルくん。地図を眺めているサーバル。カラカルはサーバルの付き添い。大きな建物、その中で博士と助手が紙飛行機で遊んでいた。キュルルは興味本位に疑問を投げかけた。

 

「博士、助手、それは何?」

 

すると博士たちはもう一度実演するように、もった紙飛行機を飛ばす。

 

「紙飛行機なのです。」

「紙飛行機です。」

 

二人はそういう風に横並びで言葉を繰り返すと、音もなくキュルルを横切り、地面に落ちていた紙飛行機を拾いにいく。

 

「こうやって紙でできた飛ばすことのできる玩具です。」

「我々ように静かに飛ぶのです。素晴らしい玩具なのです」

 

そういうとまた博士たちは紙飛行機を飛ばし、それを拾いにいく。

 

 

 

遊んでいるカラカルと博士たち。それをみるキュルル。後目に何かを思い詰めたように見つめるサーバル。

 

「私、どこかであの紙飛行機をみたような…」

 

 サーバルはいつもと違い何か不安そうな目で紙飛行機をみる。朧げな記憶の中から似たような記憶の中にそれはあったような気がした。サーバルの頭にはそんな思考がしていた。

 

「サーバル?どうしたの?」

 

 カラカルはサーバルの不安げな表情を気づき駆け寄ってくる。そんな様子をみた博士が思いがけない言葉をいった。

 

「やはり覚えていないのですか…」

「え?」

 

 

カラカルは怪訝そうな顔を浮かんでいたが、サーバルは一瞬驚いた後、すぐに決意したように口を開く。

 

「私、ずっとヒトのことについて考えていたんだ」

「とても大切なことだと思うんだけど、だけどなんでぜんぜんわかんない」

「ずっと思いだそうとしてるんだけど…」

 

そう打ち明けるサーバルの言葉は何か強い思いあった。博士たちはお互いを目配せして頷いてから、熱をもって言葉を返した。

 

「サーバル。お前は忘れているのです!人について、かばんについて、しかしこれはお前にとって良くない思い出なのです。それでも知りたいのですか?」

 

突然言われた言葉。しかしサーバルにとってそれは突然のことではなかった。最近ずっと考えてたことだ。博士たちは大きな建物の中の広い部屋に案内する。

 

「ここはとしょかんなのです」「キョウシュウにあったものは別のものですが…聞きたいことあったらなんでもきくのです、調べてやるですよ!我々は長なので…」「なんでも聞いてやるです!我々は長なので…」

 

 博士たちはサーバルを捜索していたらしい。確かに私にはしばらく記憶がない。たしか人と旅をしていたような…他のフレンズと出会うこともなく、私は気づくと部屋に一人でいた。カラカルが心配して訪ねてくるまでは私は一人で引きこもっていた。なぜそうしていたか、実のところあまり覚えていない。フレンズは元から一人で生きていくことができない。なぜならどんなに力を持っていても自分がどんな動物だと確証があっても、本当にそうだったと言えるのは記憶があったり、それを肯定してくれるフレンズがいるから。逆にいえば肯定されているならば、自分が一人でなければ私がどんな人間であったとしてもどうでもいい。正直私がどうであったかなんてそこまで考えたことはない。このよくわからない感情はサーバルがフレンズになる前は考えなかったこと。私には確かにサーバルだという記憶や自覚があったのに、ある時点での記憶だけすっぽり抜け落ちている。カラカルは今の私とある時の私しか肯定できない。過去の確かにあったようなあの時の記憶がない。

 

(確かに現実は残酷なのかもしれない。私にだって残酷さというものがどういうものかくらいわかる。ジャパリパークで多くのケモノたちが死んでいくこと、別れていくことを経験してきた。だからそれが辛いことだというのもわかる。だけどだからここで戦わないといけないんだ。)

 

そもそもサーバルがキュルルについてきたのもそういう理由のことだった。そう記憶を失ったという恐怖に打ち勝つにはいくら残酷であったとしても戦わなければならない。長い沈黙の後言葉を静かに紡ぐようにサーバルは発した。

 

「…博士!…助手!…私の記憶を全部教えて!!」

 

博士と助手は驚いた表情を浮かべてから…

 

「もちろんなのです」「心してかかるですよ」

 

そう返した。

 

 

 

「博士、その四角い箱は何?」「これはカセットなのです!」カセット?

 

博士たちはビデオデッキにビデオを入れてブラウン管のテレビのスイッチを押す。

 

「これには過去の記録を入れることができるのです」「博士たち、すごいね!」

 

「当たり前なのです!」

 

 

「人類はこの世界にはいなかったのです」

「この地球にはいなかったのです」

「かばんはこの世界の外に向かって希望を求めていきました」

 

博士と助手はいつもの調子で話す。

 

「なんで私をおいていったの?」

「それはかばんの思いなのです」

 

サーバルは疑問をぶつけると、すぐに博士たちはよどみなく答えを返す。

 

「そしてサーバルもあの時を了承したのです」

「……」

 

博士たちは、サーバルに対して気にせず話を続ける。

 

「かばんは二十年たってようやくワームホールにたどり着きました」

「きっとかばんは希望をみつけて戻ってくるのです」

「それまで我々が生きていけるかどうかはわかりませんが…」

「しかしかばんを信じて待つことが最善だと私たちは誓い待ったのです。」

「それは確かに成就しようとしているのです」

「だから…私たちはここでいつまでもまっているのです」

「ビデオをみるのをやめますか?」

「やめないで、今度こそは絶対に私はどんなに苦しくても絶対忘れたくない」

 

あの瞳、あの姿、確かにあれは夢でみた影…いや顔。確かにあの姿は…かばんちゃんだった。

 

「いかないでかばんちゃん…かばんちゃん」

「かばんちゃんっ…!!かばんちゃんっっ!!!」

 

フレンズは外の世界にいくと元の姿に戻ってしまうから映像が切り替わるたびにどんどん成長していくかばんちゃん。

 

 

 

紙飛行機

 

日も暮れて、キュルルたち一行は暗闇の中を進んでいた。

「暗いわねー」「大丈夫だよ!!夜行性だから!」「いやそういう問題じゃないわよね」

サーバルは得意げに親指を立てていたが、カラカルとキュルルはかまわず進んでいた。

「ひどいなーカラカルはー」「そんなことより速くこの森を抜けないとセルリアンに食べられちゃうわよ」

「ええーこわいな、はやくぬけだそーよカラカル!キュルル!」「うん!」「だから言ってるでしょ?」

キュルルはカラカルの後ろから腕をつかんで隠れるように進んでいた。月明かりだけを頼りに森を進んいる。

「キュルルちゃんこわいのー?」「だ、だって…」「やっぱりこわいんだー」「ぼくは怖くないよ!」「また強がって…」「そんなこと…カラカルだって怖いじゃないの?」「そらー怖いわよ、でもあんたほどではないわね」

「もーそうやって僕をイジメるんだから!」「うふふ!」

 

「誰か来たのです」「あいつらはカラカルと…」

 

「ん?」

サーバルとカラカルの耳が反応して二人は一緒の方を向く。カラカルとサーバルのフレンズは耳が良くすぐに反応する。

「今何か話し声が聞こえなかった?」

カラカルは自分の聞いた物音が正確であったのか確かめる。

「うーん、風が強くてわからなくなっちゃった…」

 

とそこに草陰から物音がする。二人は足を広げ、光った手の前に構えた。キュルルは問う。

 

「誰?セ、セルリアン?」

 

サーバルとカラカルは他の方向からの奇襲に備えて何かの位置を捕捉しようとしている。

 

「わからない…」

 

夜の森は風がざわざわと葉っぱを揺らし、その音の波の中で、体を背中合わせにしてキョロキョロと緊張していた。

 

「くるっっ!」「上から!?」

 

突然頭上に現れた音に注意を向けるサーバルたち。しかし次の瞬間、二人の間のちょうど死角の草むらから何かが現れる。

 

「え!」「サーバル!カラカル!向こうに!」

 

サーバルの方向に紙飛行機が飛んでいた。草むらから現れた中型のセルリアンは燃える紙飛行機の方に向かう。

 

「なにあれ」「……」

 

紙飛行機は飛んで、サーバルたちから離れていった。キュルルとカラカルは驚いていた。

 

博士と出会い

 

「はやくこっちにくるのです!!」

「我々についてくるのです!」

 

 

決意するサーバル

 

かばんをみて泣くサーバル

 

「僕が旅をして20年ほど経ったかな?長い間何もなくて寝て起きて、博士たちと話せてよかったけど、でも……サーバルちゃんともお話ししたいよ」

「サーバルちゃんがかえってこないから愛想がつきたのかもしれない、いやもしかしたらサーバルは食べられちゃったのかもしれない…」

「僕はそれでも絶対帰ってくるから…だからもし食べられてなかったら、いやできれば食べられちゃっても僕を思いだして、会いにきてほしい」

 

キュルルたちとの別れ

 

キュルルありがとう私に付き合ってくれて…

そんなこと…

あなたこういうときくらい素直になりなさい

うん、ごめん…僕は二人との旅は楽しかったよ

まだ生きていく道が決まったわけではないけど…でも僕がんばって探すよ

うんがんばって!キュルル!応援してるから!

うん、ありがとう…

 

さーどこに向かおうかしらね

あれ?カラカルもついてくるの?

何言ってるのー当たり前でしょ?あんた一人で生きていけるわけないじゃない

まあそうだけど…うーん、さっきありがとうっていっちゃったじゃーんさっきのありがとう返してよ

別にいいでしょ?ありがとうなんて減るもんじゃないし

まあそうだけど…

うふふ…あんたやっぱりおかしいわねー

なにー!僕はおこしくないぞ!カラカルがおかしいんだよ!

ふふふ…あなたはもー弄りがいがあるわねー?

もーなんなんだー僕はついていってやらないぞ!

えー困るー!うふふー

 

知性解放

 

最近かばんとの連絡は途絶えました。

 

かばんはいくつか星の先にあるワームホールに向かいました。

彼女は宇宙に向かったのです!人と出会うために!

そんなはずないよ!!私たちは本当のフレンズだもん!!

フレンズが、かばんちゃんが、私をおいていくなんて…そんなことあるわけがない!

 

この世界にはサンドスターがないからだから連れていけないけど…

サーバルちゃん…ありがとう…

いつか落ち着いたら連絡するから…だからそれまで元気で…

 

かばんちゃん…駄目だよ、止まって!!止まってよ!!かばんちゃん!かばんちゃん!

サーバル…これは録画なのです…

かばんちゃん…お願いだから戻ってきて!まだ話していないことたくさんあるの!

 

サーバルちゃんごめんね…

 

 

 

 

空をみてため息をつくキュルル。

僕はこの世界に迷い込んだ人なんだ。

丸い船に入って、そしてこの世界に落ちてきた。

 

キュルル?

そうだ!僕の家は空にある。

イエイヌのため、いやみんなを救うために僕はきっとこの世界に現れたんだ。

かばんさんが理解できたなら人である僕もりかいできるはずだ。たぶん。

ロケットをつくろう!僕らの故郷がそこにあるならいけるはずだよ。

 

私も手伝うよキュルル。

いつになく真剣なサーバルが話しかけてきた。

アタシも!我々も!フレンズたちが集まってきた。

あんたが決心したなら私も手伝うわよ

カラカル!




けもフレのインターステラ動画を見た後にケムリクサでアマプラ入った時についでにインターステラをみた
星間ってのは一期のサブタイトルがかばんちゃんの場所だったことに起因していて
インターステラーの翻訳でもある

インターステラ―は異常気象の地球を出て新たなる土地を探す話なんだけど
この「星間」も人類が地球を捨てた後の世界でどうするかみたいな話で
かばんちゃんやサーバルちゃんは外の世界に希望を持って向かう内容
本編だとここがお家エンドだったけど


舞台版けもフレとかけもフレ1自体がディザスター後記、ポストアポリプスものっぽいからある意味流れとして自然な気もする

個人的にサーバルが1でみせた知性解放が生かせたらな―と思ったんだけど
ちょっと知識とか諸々足りないから書ける気がしない

イエイヌとキュルルの人類との邂逅とかばんとサーバルの星間での再会を書きたかった


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