らき☆べる【Lucky★Bell】 (あずきシティ)
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本編
[第1話]転校生


3月某日 陵桜学園

 

 

鈴木「ここか……まさか俺が主人公にありがちな転校生になるとはな……俺、一体誰に話してるんだ?」

 

 

彼の名前は鈴木善治。多分、どこにでもいる普通の男子高校生でした。でした、と過去形なのは彼が転校生だからです。転校生とは往々にしてラブコメの主人公になるなど、普通の男子高校生が経験しないことに巻き込まれてしまうのが一般なのです。

 

学年は1年。ただし来月からは2年になるのですが。

 

 

鈴木「どこに行けばいいんだ?……とりあえず……職員室か?」

 

 

果たして彼の場合はどうでしょう。迷子になることも無ければパンをくわえた女子高生と曲がり角でぶつかったりする事もなく彼は職員室に辿り着きました。彼はそのままノックして職員室に入ります。

 

 

鈴木「失礼しまーす。今日、転入してきた鈴木です。」

 

 

1人の女教師がその声に反応してやってきました。

 

 

桜庭「あー……鈴木か。担任の桜庭だ。」

 

 

鈴木(ちっ……ちっさい……しかも取っつきにくいし……)「よ、よろしくお願いします。」

 

 

桜庭「よろしくと言っても今日だけだがな。今日は終業式だ。体育館に案内する。校長のありがたーい話を聞いてくれ。」

 

 

鈴木「あ……はい。」(何か話さないと間が持たねぇ)

 

 

そう思う彼でしたが転入初日、何も話題は持っていません。一言も会話をすることなく体育館に着き、終業式が始まりました。当たり前と言えば当たり前ですが校長の話など誰も聞いません。

 

 

校長「んにゃんにゃんにゃんにゃ~むにゃむにゃむにゃ」

 

 

鈴木(というか校長も話してないし……雑なお経みたいになってる……)

 

 

校長「んにゃんにゃ。有意義な春休みを過ごすように。」

 

 

鈴木(あ、最後だけまともに言った。)

 

 

桜庭「うし。一応、教室に案内するぞ。今日だけのだがな。まぁ気楽にしてくれ」

 

 

鈴木「あ…、はい。」(気楽に……って無理だろ。あの先生、さっきから表情変わらんし……)

 

 

桜庭「ここだ。入れー」

 

 

 

 

桜庭「よし、そんじゃま、席に着けー。転校生を紹介するぞー。」

 

 

教室はザワザワしますが桜庭先生は気にしません。

 

 

桜庭「転校生の鈴木善治くんだ。2年で同じクラスになったら仲良くしてやってくれ。鈴木、あの席な。」

 

 

鈴木「え?自己紹介とか無しですか?」

 

 

桜庭「必要か?今日でこのクラスは終わりだぞ?」

 

 

鈴木「……そうっすね」

 

 

桜庭「じゃっ、さっさとプリント配って終わりだ。」

 

 

非常にあっさりした桜庭先生のホームルームが終わり、彼は日が日だったためにちやほやされることもなく教室をあとにしました。

 

 

鈴木「おっ……校内に自販機か……なんか買ってみるかな……」

 

 

―チャリンチャリン

 

 

―ガシャン

 

 

鈴木「ん?何も押してないのに何か出てきた……しょうが湯?しかも冷えてやがる。湯じゃねぇ……!」

 

 

と文句は言いつつ彼はしょうが湯(コールド)をしっかり飲みます。

 

 

鈴木「……まじぃ……。」

 

 

??「あ!鈴木くーん?」

 

 

と彼はどこからか声をかけられました。

 

 

??「その自販機、壊れてるわよ……ってもう遅いか……。」

 

 

鈴木「ん?あー遅いです……。えーと……」

 

 

かがみ「鈴木くんで合ってた?私は柊よ、同じクラスの。って言っても今日だけだし分かんないよね?」

 

 

鈴木「すいません、分からなかったです。鈴木で合ってます。同じクラスの柊さんね。わざわざ自販機のこと言いに来てくれたの?そういう係?」

 

 

かがみ「違うわよ。そんな係無いから。たまたま見かけたから声かけただけ。」

 

 

鈴木「まぁそんな係無いよな。」

 

 

こなた「おーい!かがみー!」

 

 

かがみ「おっと……友達が呼んでるわ。また次も同じクラスになったらよろしくね」

 

 

鈴木「あっ、はい。次、同じクラスになったらよろしく。」

 

 

鈴木「……壊れてんのか、この自販機……。誰かと話すきっかけになったと喜ぶべきか……?いや次、同じクラスとも限らんし、クソまずいしょうが湯の対価としては微妙だな……帰るか。ん?……あ、バス行った……最悪……」

 

 

 

 

 

バス車内

 

 

つかさ「そう言えばお姉ちゃん、さっき男の人といたね。」

 

 

こなた「さては……かがみに春が来たかなー?」ニヤニヤ

 

 

かがみ「そっ、そんなんじゃないわよ!転校生なんだけどね、あの自販機を知らなかったみたいだから教えてあげただけよ。」

 

 

つかさ「へー。」

 

 

みゆき「そうでしたか。」

 

 

こなた「えー?つまんなーい。フラグ立てようよ~!」

 

 

かがみ「ゲームじゃないんだから……」

 

 

こなた「というかこんな時期に転校なんて怪しいね。実は謎の団体に所属する一介の男子高校生に身をやつした超能力者とかじゃない?」

 

 

かがみ「あんたアニメ見過ぎだ……。とにかく今日、転校してきたばかりだし何も無いわよ。」

 

 

みゆき「あ、駅に着きましたよ。」

 

 

こなた「そうだ!みんなカラオケ行かない?」

 

 

かがみ「おー良いわよ」

 

 

みゆき「ではせっかくですので」

 

 

つかさ「4人でカラオケって珍しいよね。」

 

 

こなた「よし、歌うぞー!」

 



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[第2話]実質的な転校初日

4月某日 陵桜学園

 

 

クラス発表

 

 

鈴木(ってもまぁ……転校生の俺は自分のクラスの場所以外、見るもんも無いけどな。友達もいないし。……あーそう言えば柊さんは同じクラスだったりするご都合展開は……)

 

 

鈴木「あぁあるんだ……まぁ向こうが覚えてるとも限らんしとりあえず教室行くか」

 

 

 

 

教室

 

 

鈴木「当たり前だが誰も知っている人がいない……」

 

 

鈴木善治はぼやっと自分の席に座っていました。すると前の席の男子生徒が話しかけてきました。

 

 

白石「えーと……終業式の日に転校してきた鈴木……だっけ?」

 

 

鈴木「お……おぅ。すまんが……どなた?」

 

 

白石「僕は白石みのるです。一応、前のクラスで同じだったんで、よろしく。」

 

 

鈴木「あ、どうも。改めて鈴木善治です。よろしく。」

 

 

白石「こっちに来て友達とか出来たか?」

 

 

鈴木「いや……多分、まだだな。しょうが湯の洗礼は受けたが……」

 

 

白石「うわっ……誰も言ってくれなかったのかよ……」

 

 

鈴木「いや、言ってくれた人はいたんだが……言われたときには遅かったというか……」

 

 

白石「なるほどな。その言ってくれた人とは何も無かったのか?」

 

 

鈴木「一応、自己紹介して『次、同じクラスならよろしく』とは言ったものの……」

 

 

と辺りを見回すとだいたいの生徒が登校していますが、柊かがみは見つかりません。クラス発表にあった柊は「かがみ」ではなく「つかさ」の方だったのですが、それを知らない彼には無理もありません。

 

 

鈴木「確かクラス発表の時にいたような書いてあった気がしたんだが……いないなぁ。苗字しか聞かなかったし同じ苗字の人がいただけか……?」

 

 

白石「ふーん。まぁ同じ学校ならクラス違ってても会う機会くらいあるだろうし、いいんじゃないか?」

 

 

鈴木「それもそうだがな」

 

 

―キーンコーンカーンコーン

 

 

鈴木「ところでこの学校はチャイムが鳴ったときに先生がいないのは普通なのか?」

 

 

白石「いや……そんなはずは無いんだが……」

 

 

―ガラッ!

 

 

黒井「よしみんな席つけー!」ゼェゼェ

 

 

鈴木(髪ボサボサだなぁ……何かあったのか?まぁ良いけど)

 

 

黒井「うちが担任の黒井やー2年になったし、ちょっとは気ぃ引き締めて頑張りや……」バタッ

 

 

鈴木(うわー説得力ねぇなー……)

 

 

しばらくして

 

 

黒井「ほな出席とるでー〇〇ー」

 

 

鈴木(さて、出欠確認か……まぁ普通に返事するけどな)

 

 

黒井「白石ー」

 

 

白石「はい」

 

 

黒井「鈴木ー」

 

 

鈴木「はい」

 

 

鈴木(そう言えば例の柊さんは返事した人を見れば真相が分かるな)

 

 

黒井「高井ー、高岡ー、高倉ー、高崎ー、高島ー、高野ー」

 

 

鈴木(今がタ行だしもうすぐか……)

 

 

黒井「男のほうの高橋ー、女のほうの高橋ー、高穂ー、高宮ー、高村ー、高谷ー、高安ー、高山ー、高良ー」

 

 

みゆき「はい」

 

※モブの返事はカットさせていただきました。

 

 

鈴木(ていうかうちのクラス「高」多いな!)

 

 

黒井「柊ー」

 

 

つかさ「はい」

 

 

鈴木(やっぱり別人だ。「柊」ってよくある苗字でもないのにまさか同じ学年に2人もいるとはなー)

 

 

黒井「ほな、出席確認もしたし」

 

 

鈴木(いよいよ自己紹介か?)

 

 

黒井「クラスもそないガラッと変わったわけちゃうから自己紹介もええやろ。プリント配ったら今日はお終いやー。みんな1年間、仲良くしぃやー。」

 

 

鈴木(うわっ……何、その転校生いじめ)

 

 

彼は結局、ホームルームが終わって白石と一言、挨拶する以外に何もありませんでした。

 

 

 

 

バス車内

 

 

こなた「そう言えば春休み前にかがみがフラグ立ててた人と運命の再会は出来たー?攻略出来そうー?」

 

 

かがみ「誰もフラグなんて立てとらん。でも、そうねー確かに見なかったわね」

 

 

こなた「誰とも同じクラスにならない不幸なかがみんなのであった。」

 

 

かがみ「変なナレーション入れんな!」

 

 

つかさ「ちなみにゆきちゃんは委員会でここにはいないよー」

 

 

こなた「つかさ、いきなり誰に説明してるのー?まぁいいや。そう言えばその転校生、何て名前の人なんだい?」

 

 

かがみ「え?確か鈴木くんだったかな」

 

 

こなた「うわーありきたりな苗字だね。」

 

 

かがみ「アンタそりゃ失礼だろ。」

 

 

こなた「下の名前はー?」

 

 

かがみ「聞いてないわね……」

 

 

こなた「えーつまんないよー。探し当てて運命の再会をするには手がかりが少なすぎるよー」

 

 

つかさ「でも鈴木くんって確かクラスにいたよね?」

 

 

こなた「え!?マジ?」

 

 

つかさ「うん、多分いたと思うよ。良かったね、お姉ちゃん。」

 

 

かがみ「つかさー、何が『良かったね』なのかしら?」

 

 

つかさ「え?なんとなくー」

 

 

こなた「実の妹からも応援されてるんだし攻略しちゃいなよー?」

 

 

かがみ「誰も攻略するなんて言っとらんわ!」

 

 

こなた「じゃあ私が攻略しちゃおうかなー」

 

 

かがみ「あのな……現実とゲームをごっちゃにしちゃいかんだろ。」

 

こなた「む……。」

 

かがみ「とにかく、迷惑かけたりしないようにしなよ!」

 

つかさ「駅着いたよー?」




ナレーター「ふぅ・・・ひとまず私の誘導はこの回で終わりですなー。」

作者「お疲れさまでしたー」

ナレーター「結局、あとでオリキャラ側で出るけどね」

作者「まぁ実は完結まで書き終わってるもんねw」


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[第3話]現国

翌日

 

 

黒井「ほな今日から授業始まるさかい、気い引き締めや。知らん先生もおるかもしれんけど気ぃ抜いたらあかんでー。ほな」

 

 

―ガラッ

 

 

鈴木「なんというか黒井先生は馴染みやすくて良いが……この学校はあんな先生ばっかりなのか?」

 

 

白石「いや、黒井先生が珍しいだけだよ。まぁノリも良いし面白い先生だがな」

 

 

鈴木「で、1時間目は現国の水野って書いてるがこの先生は……どうなんだ?」

 

 

白石「さぁ?僕も知らない先生なんで……」

 

 

―ガラッ

 

 

水野「はーい、始めまーす。」

 

 

鈴木(なんだ普通のオッサンか)

 

 

水野「まぁ、お前誰やねんって感じでしょうから自己紹介しますと、水野ですー。紹介終わり。」

 

 

鈴木(はやっ)

 

 

水野「何か質問ありましたら挙手でー」

 

 

シーン……

 

 

水野「まぁ最初の時間ですし、いきなり授業してもなぁ……って思うんですけども……無いですか?質問」

 

 

こなた「はい!」

 

 

水野「はい、えーと……ちょっと待ってくださいねー……えーと……はい、泉さん」

 

 

こなた「ネトゲしますか?」

 

 

水野「ネトゲはしません。家にはプレステ2しかないんで。……泉さん、1ポイント。あ、私の授業は基本的にポイントが100ポイント溜まったら景品と交換なんで頑張ってポイントを集めてくださーいね」

 

 

鈴木(今の質問だけでポイントがもらえるのか……前言撤回だな。普通のオッサンじゃない。ちょっと変なオッサンだ)

 

 

こなた「じゃあはい!」

 

 

水野「はい、泉さん」

 

 

こなた「何歳ですか?」

 

 

水野「27歳です。泉さん、1ポイントね」

 

 

白石「え!?」

 

 

鈴木「ちょっ!?」

 

 

水野「今、ザワツいた人、手を挙げてください。」

 

 

鈴木(えっ……どうする?正直にあげた方がいいのか?)

 

 

白石「……はい」

 

 

鈴木(白石が手を挙げたし俺も挙げるか……)「はい……」

 

 

水野「では、えーと白石くんと鈴木くんはマイナス10ポイントでーす」

 

 

鈴木「え!?」

 

 

白石「マジかよー」

 

 

水野「他、質問ありますかー」

 

 

こなた「はいはいはーい!」

 

 

水野「泉さん積極的にポイント取りに来るねー、何でしょう?」

 

 

こなた「彼女はいますか?」

 

 

水野「……ぁ?」

 

 

鈴木(なんだか急にあの先生の雰囲気が変わったぞ)

 

 

水野「泉、マイナス3000ポイント。では授業始めますので」

 

 

こなた「ウソー!?」

 

 

水野「教科書とノートを出してくださーい。」

 

 

鈴木(さらに訂正だ。あの先生、かなり変だ。)

 

 

---

 

水野「では授業終わりまーす。」

 

 

つかさ「こなちゃん、大変だったねー」

 

 

こなた「まさかいきなりマイナス3000なんて思ってなかったよー」

 

 

みゆき「デリケートな問題だったのかもしれませんね」

 

 

つかさ「授業は面白かったんだけどねー」

 

 

みゆき「確かにユニークでしたね」

 

 

こなた「私は狙ってる感じがして微妙だったなー」

 

 

つかさ「狙ってるって何をー?」

 

 

こなた「ん?生徒人気を」

 

 

つかさ「そ……そうかな」

 

 

こなた「まぁ悪い人じゃ無さそうだしいいか。」

 

 

つかさ「でもこなちゃんはマイナス2998ポイントだよね」

 

 

こなた「まぁあの先生ならおだてりゃ何とかなりそうじゃん。例の転校生くんもマイナスなんだし、むしろフラグ立てイベントに使えそうじゃない?」

 

 

みゆき「フラグ?旗を立てるイベントですか?」

 

 

こなた「まぁー分からなかったらいいよ。」

 

---

 

 

昼休み

 

 

こなた「ってことがあってさー」

 

 

かがみ「そりゃアンタ、デリカシー無さ過ぎだろ」

 

 

こなた「まぁそうかもしれないけどさー。質問求められたから聞いただけじゃん」

 

 

かがみ「ちなみにその先生って誰よ」

 

 

こなた「水野だよ。ちなみに例の転校生、鈴木くんもマイナス10ポイントされてたし」

 

 

かがみ「あ、その先生ウチのクラスにも来たわー。光源氏のことを『ロリコン』って言ってたわね……。ってか鈴木くんもアンタの同類だったの?」

 

 

こなた「さぁ?同類かどうかは分かんないー。27歳って聞いて驚いてたら減点されてたから」

 

 

かがみ「え!?アレで27歳なの?」

 

 

こなた「うん、免許証見せてもらったけど間違いなかった。」

 

 

かがみ「うわー、ってか生徒に免許証見せるなよ……。」

 

 

こなた「ところで鈴木くん、あそこで白石と昼ご飯食べてるけど呼ばなくて良いの?」

 

 

かがみ「だーかーらー!なんでそっち方面に持って行くのよ!私は鈴木くんとは一回話しただけで何もないわよ!」

 

 

こなた「いやー良い反応ですなー。ナイスツンデレ」

 

 

かがみ「ツンデレ言うな!」

 

 

こなた「それはそうとかがみん?」

 

 

かがみ「今度は何?」

 

 

こなた「鈴木くんに思いっきり聞こえてる。こっち見てるよ。」

 

 

 

 

 

鈴木「なんか……俺の話題で盛り上がってるような」

 

 

白石「確かに盛り上がってんなー」

 

 

鈴木「どうすっかなー」



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[第4話]自己紹介

 

昼休み・続

 

 

こなた「せっかくだし呼んでみよう!」

 

 

かがみ「やめとけ。限りなく迷惑だろうから」

 

 

こなた「おーい!鈴木くーん!」

 

 

かがみ「って聞いてないし……マジで呼ぶか」

 

 

鈴木「泉さんだっけ?何?」

 

 

こなた「かがみが話があるって!」

 

 

かがみ「ちょっ!おまっ」

 

 

鈴木「って柊さんか?……あれ?クラス名簿に名前があって……授業中はいなくて……昼休みにはいる?どうなってるんだ?」

 

 

こなた「そりゃかがみはサボリ……」

 

 

かがみ「いい加減なこと言わないでくれる?」

 

 

つかさ「多分、このクラスの柊は私です。」

 

 

鈴木「へぇ?じゃあ友達同士で同じ苗字の人がいるんだ?珍しいね」

 

 

かがみ「というか私たち、双子なのよ。改めて自己紹介すると私は隣のクラスの柊かがみ。で、こっちは妹のつかさ。」

 

 

つかさ「つかさです。」

 

 

鈴木「あ、はい。へぇ双子…ってそれもそれで珍しいな。よろしく。」

 

 

こなた「で、私は泉こなたね!こなたでいいよ!」

 

 

みゆき「私は学級委員の高良みゆきです。何かお困りのことがあったらご相談ください。」

 

 

鈴木「ご丁寧にどうも……鈴木善治です。って自己紹介してないのに何で名前知ってたんだ?」

 

 

こなた「そりゃ水野先生の授業でマイナス喰らった仲じゃなーい」

 

 

鈴木「いや、一緒にしないでくれ。こなたは自爆で俺は不可抗力だろ。」

 

 

かがみ「確かにアレで27は不可抗力ね……」

 

 

つかさ「確かにね。」

 

 

??「にしてもリアルにハーレム状態は危険だよ~鈴木くんはこれから夜道に気をつけた方がいいねぇ」

 

 

こなた「確かにね~ギャルゲーではありがちなシチュだけどね」

 

 

鈴木「というかサラッと男子が入ってきたけど俺がいなかったらコイツがハーレム状態だったんじゃないか?」

 

 

こなた「みずりんはそんなんじゃないよー。ちょくちょく女子会に化けて出てるし」

 

 

かがみ「確かに水原くんは男子って感じがしないよねー」

 

 

つかさ「そだねー」

 

 

鈴木「どう反応すりゃいいんだ?……何?彼は重い設定の持ち主?」

 

 

??「いや、まったく。ノンケですよ。4話まではオリキャラ紹介回なんでね。今回は私の出番ってわけ」

 

 

みゆき「水原さん、メタ発言はやめてもらえませんか?」

 

 

水原「おっと失礼。まともに紹介しますと私は水原と申します。性別は見ての通り男です。どうぞお気軽に『みずりん』とお呼びください。」

 

 

鈴木「お、おぅ。よろしく。」(見ての通りって後ろからふわっと入ってたら見れねぇよ!)

 

 

こなた「そういえばみずりんって1年の時からちょいちょいしゃべってる割に謎だよねー」

 

 

水原「まぁ……謎ってか薄っぺらいだけかな」

 

 

こなた「自分で言うか……」

 

 

水原「まぁまた同じクラスなんでよろしく」

 

 

―キーンコーンカーンコーン

 

 

水原「おっと授業ですな。ではっ」

 

 

鈴木「おっ、じゃあな」

 

 

つかさ「またねー」

 

 

こなた「ばいにー」

 

 

かがみ「にしても鈴木くんはまともそうで良かったわ。あんたの同類じゃなくて」

 

 

みゆき「あの……かがみさん、授業は?」

 

 

かがみ「あっ!」

 

---

 

 

数日後のホームルーム

 

 

黒井「ほな、席替えは月曜の朝には黒板に書いとくさかい、くじ引いて番号言ってなー」

 

 

白石「なんか僕のくじだけ何も書いてないんですが……」

 

 

黒井「あーそれハズレや。今から遠足の話し合いするからまとめ役頼むで」

 

 

白石「マジっすか!?」

 

 

こうして白石が教壇に立ち話し合いになりました。

 

 

白石「えーと……遠足ですが、どこが良いでしょうか?場所かやりたいことを言ってください」

 

 

黒井「定番言うならBBQやな」

 

 

こなた「はいはーい!アキバ!」

 

 

みゆき「歴史資料館なんてどうでしょう?」

 

 

つかさ「水族館とか行ってみたいかも~」

 

 

鈴木「東京ドームシティは気にはなるがな……」

 

 

―しばらく後

 

 

白石「では提案していただいた意見をもとに黒井先生と予算なども含めて話し合いたいと思います。」

 

 

黒井「何になっても文句は言ったらアカンでー」

 

 

―キーンコーンカーンコーンスープ

 

 

黒井「ほな、今日はここまで~。月曜の席替え楽しみにしときー」

 

 

---

 

バス車内

 

 

こなた「誰かとフラグ立った?」

 

 

鈴木「?」

 

 

かがみ「こなたの言うことは気にしないで良いわよ」

 

 

鈴木「だな。何か触れてはいけない気がする。」

 

 

こなた「じゃあ、わかりやすく言うよー。誰か気になる人とかいないのー?」

 

 

鈴木「いないかなー。」

 

 

こなた「えーつまんなーい。すぐ近くに美少女が4人もいて誰ともフラグ立たないのー?今、みゆきさんは委員会でいないけど」

 

 

つかさ「こなちゃん、私より説明台詞入れるの上手だね~」

 

 

こなた「つかさが何言ってるかたまにわかんない。」

 

 

かがみ「というかさりげなく自分で自分を美少女って言ったな……」

 

 

鈴木「まぁその点は肯定するが今のところ気になる人はいないかな。」

 

 

こなた「ん~残念。あ、駅着いたね。」

 

4話終



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[第5話]遠足といえばおやつは?

月曜日 バス車内

 

 

かがみ「おはよう。」

 

 

つかさ「おはよー」

 

 

鈴木「おはよー。まさか朝から双子姉妹と会うとは……」

 

 

かがみ「なんか引っかかる言い方ね」

 

 

鈴木「別に。深い意味はねぇよ。というか柊さんが」

 

 

つかさ「zzz……」

 

 

かがみ「あー、いつものことだから気にしないで。というか『柊さん』だと分かりづらいし下の名前でいいわよ」

 

 

鈴木「あ、そう?で、つかささんが大変なことに……」

 

 

かがみ「いつもだから気にしないで。」

 

 

つかさ「zzz……」

 

 

鈴木「なんか、すごいバランス能力だな……。」

 

 

 

--教室

 

 

鈴木「俺の席は壁側……なのは良いとして他の席がどうも見えない力が働いたとしか思えないんだが」

 

 

水原「まさに5方面作戦ですな。」

 

 

鈴木善治の席は壁側でした。そして真後ろに泉こなた、左斜め後ろに柊つかさ、左隣に水原、左斜め前に白石みのる、前に高良みゆきというネタ配列になりました。

 

 

こなた「よろしくね~」

 

 

鈴木「何か企んでないか?」

 

 

こなた「別に~」

 

 

―キーンコーンカーンコーン

 

 

黒井「よーし、席つけー。白石~前来いー」

 

 

白石「はい、ということで遠足はBBQになりました。当日は観光バスで自然公園的なところに行きます。」

 

 

黒井「というわけやー。班分けは揉めると面倒やから今の席のままで決めるでー」

 

 

ということで鈴木善治の班はご近所のメンバーそのままに泉こなた、柊つかさ、高良みゆき、白石みのる、水原となりました。

 

 

鈴木(知ってる人間だけで組めるのは喜ばしいこと……なのか?)

 

 

黒井「バスの席とか詳しいことは次決めるからなー」

 

 

---

 

こなた「フラグ立てイベントの予感だね。」

 

 

鈴木「なんとなく言いたいことは分かるが……まぁ現実的には有り得んだろ。」

 

 

こなた「そんなかがみみたいなこと言ってもしょーがないじゃん♪楽しまなきゃ損だよー」

 

 

鈴木「まぁ楽しまなきゃ損って意見には同調するけども。フラグ立てって……」

 

 

水原「まぁ~あっても良いんじゃない?」

 

 

鈴木「またサラッと入ってきたなー」

 

 

水原「他人様がフラグ立て頑張ってるのを見るのは楽しいからねぇ」

 

 

こなた「そだねー。みずりんは立てなくていいの?」

 

 

水原「ん?どういう意味かなー?」

 

 

こなた「内心美味しいと思ってるんじゃないのー?」

 

 

水原「ま、否定はしないけどね。」

 

 

鈴木「さっきから何の話をしてるんだ?」

 

 

こなた「分からなきゃ分からないでいいよ」

 

 

水原「世の中、知らない方が幸せなこともあるしねー」

 

 

―キーンコーンカーンコーン

 

 

---数日後

 

 

黒井「ほな、いよいよ月曜は遠足やさかい、バスの席決めるでー。こればっかりはクジで決めるとアレやけど……普通に決めたら白石か水原あたりがぼっちになりそうやしなー」

 

 

白石「えっ」

 

 

水原「リアルなこと言うのはやめてもらえませんか?」

 

 

黒井「冗談やって~。まぁ真面目な話、お前ら2人の席は決まってるんやけどな。」

 

 

白石・水原「え?」

 

 

黒井「白石はウチの隣の席で雑用や」

 

 

水原「雑用は1人で良いですよね?私は普通に……」

 

 

黒井「水原はガイドの席やで。ガイドさんおらん分、運転士さんと打ち合わせとかやったってや」

 

 

水原「ええっー!?それこそ、先生の仕事じゃん」

 

 

黒井「適材適所や。気にしたらアカン。他は班のメンバーで適当に席決めてや。」

 

 

鈴木「とは言っても白石、みずりんと消えた俺は一体、どうすれば……?」

 

 

こなた「私たちの誰かと組めば良いじゃん。」

 

 

鈴木「は?」

 

 

こなた「私たちかがみがいないから3人だし」

 

 

鈴木「ほう。1人余るからその1人と隣で良いじゃないかって?」

 

 

こなた「そゆこと~」

 

 

鈴木「で、誰が余るんだ?」

 

 

こなた「誰でもいいよ。鈴木くんが選んでー」

 

 

鈴木「はい?」

 

 

こなた「なんなら私を攻略してもいいんだよ~」

 

 

鈴木「攻略って……まぁ、言い出しっぺの法則ということでこなたは俺と座るか?」

 

 

こなた「おk。それで席書いてくるね~」

 

 

―キーンコーンカーンコーン

 

 

黒井「ってわけでいよいよ月曜は遠足やで。遅刻すんなや~。食材の買い出しは予算預けとくから土日のうちに済ましときや~。それと水原は日曜日にバス会社に打ち合わせやからな~。」

 

水原「まぁ拒否はしませんしできませんけど」

 

 

かがみ「おーす、一緒に帰ろー」

 

 

こなた「ちょっと待って~。」

 

 

かがみ「何、クラス行事か?」

 

 

こなた「うん、遠足の件でちょっとね。」

 

 

かがみ「そういえば遠足どこ行くのよ?」

 

 

こなた「うん?BBQだって~」

 

 

かがみ「へぇー、私たちと違うのね。」

 

 

こなた「寂しいの?」ニヤニヤ

 

 

かがみ「ちっ、違う!」

 

 

こなた「寂しがり屋なかがみ萌え~」

 

 

かがみ「ってか話し合いがあったんじゃないの?」

 

 

こなた「おっと、そうだった。ゴメンゴメン」

 

 

つかさ「で、買い出しだよね。前日の日曜日に誰が行くか、だっけ?」

 

 

こなた「荷物持ちに男手が借りたいところだね~」

 

 

 

白石「すいません……。僕はC○C○壱でバイトが……。」

 

 

 

つかさ「何時から何時?」

 

 

 

白石「朝5時~夜10時までです」

 

 

 

つかさ「どんだけ~」

 

 

 

水原「私は日曜日に黒井先生の代わりにバス会社と打ち合わせが……」

 

 

 

みゆき「大変ですね。」

 

 

 

鈴木「となると、俺が行くしかないな……。」

 

 

 

みゆき「大丈夫ですか?都合が悪いのに無理なさってるとかなら遠慮なさらずに……」

 

 

 

鈴木「いや、大丈夫なんだよなぁコレが。」

 

 

 

こなた「じゃあ決まりだね。あとは誰が行くかだけど……みゆきさん遠方だしキツくない?」

 

 

 

鈴木「え?そうなの?」

 

 

 

みゆき「は、はい……。東京なので……」

 

 

 

鈴木「じゃあ高良さんも無理に来なくても大丈夫じゃないか?」

 

 

 

つかさ「そだねー」

 

 

 

みゆき「お気遣いありがとうございます。」

 

 

 

こなた「じゃあ私とつかさと鈴木くんで決まりだね。時間は……」

 

 

 

こうして日曜に買い出しに行くことになりました。



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[第6話]はじめてのおつかい?

―日曜日 駅前

 

 

鈴木「誰もいない。まぁ10分前行動したからか……?」

 

 

つかさ「ごめーん、待ったー?」

 

 

鈴木「いやー待ってない……ってなんでかがみさんがいるのかな?」

 

 

かがみ「アンタがつかさに変なことしないか見張りに来ただけよ」

 

 

鈴木「しねーよ。どんだけ信用無いんだよ。……ってよく考えれば知り合って間もないから当然か……。とはいえこなたもいるのに余程、信用無いのか……。」

 

 

かがみ「あっ、そんな気にしないで?それとこなたは来ないわよ。」

 

 

鈴木「何だ?寝坊か?」

 

 

つかさ「こなちゃんねー、急にアルバイトが入ったんだって~」

 

 

鈴木「なるほどな。一体、どこでバイトしてるんだ……?想像できんぞ?」

 

 

かがみ「コスプレ喫茶」

 

 

鈴木「あっ(察し)」

 

 

つかさ「今度、行ってみようよー?」

 

 

鈴木「あ……うん。はい。」

 

 

かがみ「とりあえず今日は買い出しじゃなかったの?」

 

 

鈴木「あ、ソウデスネ。デハ、イキマショウ。」

 

 

---

 

スーパー

 

 

鈴木「来たは良いけど何を買うんだ?」

 

 

つかさ「こなちゃんからメモは預かってるよ。」

 

 

鈴木「なんか明らかに嫌な予感が……ん?そうでもないな。ものすごく、まともだ……。」

 

 

かがみ「アンタ、意外と失礼ね。」

 

 

鈴木「意外と……か。俺のイメージはそんなに良いものなのか?」

 

 

かがみ「そっ、そんなこと無いんだから。普通よ、普通!」

 

 

鈴木「さいでっか。」

 

 

つかさ「お姉ちゃん~、鈴木くーん」

 

 

かがみ「何?」

 

 

つかさ「焼きそばの麺って好みのメーカーとかある?」

 

 

鈴木「特に無いかな?というか麺?」

 

 

つかさ「なんかーBBQの網以外に鉄板があるから焼きそばも作れるんだって~」

 

 

鈴木「なるほどな。」

 

 

つかさ「鍋もあるからカレーとかも作れるらしいけど、その材料も買う?」

 

 

鈴木「いや、そんなに買っても食べきれないだろ。」

 

 

つかさ「そっか~そうだよね~。」

 

 

鈴木「とりあえずメモの物をカゴに入れてどう考えても足りなそうなら、その時に考えようぜ」

 

 

つかさ「うん。」

 

 

かがみ「おやおや仲がいいわね~」

 

 

鈴木「何だよ?」

 

 

かがみ「別に~。何でもありませんよ~。」

 

 

鈴木「アレか?クラスが違って遠足がこなたたちと一緒に行けないのが寂しいのか?」

 

 

かがみ「だからそんなんじゃないってば!」

 

 

鈴木「そういえばかがみさんのクラスはどこ行くんだ?」

 

 

かがみ「東〇ドームシティよ」

 

 

鈴木「遊園地か。良いと言えば良いが一緒にまわる友達がいないとキツいよなぁ」

 

 

かがみ「なっ、別にクラスでハブられてる訳じゃないんだから!」

 

 

鈴木「ん?俺、そんなこと一言も言ってないぞ?……まぁあれだ。東京ドームシティなら別に遠足関係なく友達同士で行っても良いような場所だし今度、また行ったら良いんじゃないか?」

 

 

かがみ「そうね……なんかうまく言いくるめられた気がするけど」

 

 

つかさ「あとはこれと……これと……」

 

 

鈴木「おっと、俺は荷物持ちで来てたんだし手伝ってくる」

 

 

---

 

鈴木「結構、買ったなぁ。」

 

 

つかさ「6人分だしね~」

 

 

鈴木「それもそうか……。まぁこれで足りない心配は無さそうだな。」

 

 

つかさ「そだね~。」

 

 

水原「おっすー」

 

 

鈴木「あれ?みずりんじゃん何してんの?」

 

 

水原「今、打ち合わせの帰りー」

 

 

つかさ・鈴木「お疲れ様ー」

 

 

水原「買い物帰りー?」

 

 

つかさ「うん」

 

 

水原「じゃあ買い物荷物預かるわー。私、明日は営業所に朝一で行くし先に荷物積み込めるからさー」

 

 

鈴木「え?いいのか?」

 

 

水原「大丈夫大丈夫。白石くんじゃないからWAWAWA忘れ物とかしないし。誰かさんに『男子って感じがしない』って言われたし、今くらいはカッコつけたいよねーってだけ」

 

 

かがみ「えっ!気にしてたの?」

 

 

水原「さぁねー。というわけで荷物を」

 

 

鈴木「はいよ。よろしく頼む」

 

 

水原「はいさ~!じゃっ!」

 

 

鈴木「さて、俺らも用事は済んだし帰るか?」

 

 

つかさ「そだね~。」

 

 

かがみ「そうね。じゃ、また後日ね。」

 

 

鈴木「はいよ。じゃ、またー」

 

 



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[第7話]家に帰るまでが遠足です

 

―遠足当日の朝

 

 

黒井「全員揃っとるなー?」

 

 

水原以外全員「はーい」

 

 

黒井「ほな、もうバスが来るから預ける荷物を用意しとけー。貴重品とかは身につけとけよー」

 

 

―バス到着 ドア開

 

 

水原「先生、おはようございます。」

 

 

黒井「おはようさん。下に積み込む荷物はあっちやで」

 

 

水原「了解です。」

 

 

---

 

バス出発

 

 

水原「えー、おはようございます。代役ガイドのみずりんこと水原でーす。これからウン時間かけて自然公園的な場所に向かって参りまーす。お手洗いなどにいきたい場合はお早めにお知らせくださーい。」

 

 

こなた「なんか似合ってるけど所詮、男じゃ萌えないね。」

 

 

水原「とりあえずビンゴカードは用意してますので、ビンゴ大会をしましょうか。速く揃った方には景品がございまーす☆」

 

 

こうしてバス車内ではビンゴ大会が行われることになりました。

 

 

しばらくして

 

 

水原「はい、29番!」

 

 

白石「よし!来た!ビンゴ!」

 

 

つかさ「白石くんが1番ってくさいよねー」

 

 

こなた「そだね。先生の横に座ってるあたり、イカサマの臭いが……」

 

 

鈴木「失礼だろ。って言いたいが確かに怪しい早さだ。」

 

 

水原「1番でビンゴの白石くんはなんと!ハイ○イン320個が進呈されます!」

 

 

白石「えっ?」

 

 

こなた「ハ○ハインって赤ちゃん用のおせんべいだよね」

 

 

つかさ「320個ってどんだけー」

 

 

鈴木「あれは羨ましくないな」

 

 

水原「さて、次の番号行きますよ~!」

 

 

―しばらくして

 

 

こなた「やっと私もビンゴだよ~」

 

 

鈴木「ほぅ、景品はハイハ○ンじゃなくて良かったな。」

 

 

こなた「まぁ黄金糖1個じゃ大して変わらないけどね。」

 

 

鈴木「最初の方が景品は悲惨だったなぁ。俺はハ○ハイン1個だぜ?赤ちゃん用だからだろうけど味がほとんど無いし……」ポリポリ

 

 

みゆき「私は赤ちゃん用のかっぱ○びせんでしたよ。とてもヘルシーでした。」

 

 

こなた「みゆきさんにも容赦ないね~」

 

 

つかさ「3人とも良いなぁ~。私なんてまだビンゴすら揃ってないよ~」

 

 

こなた「そうなの~?うわっ穴は開きまくってるのにリーチだけでビンゴが揃ってない……」

 

 

水原「まもなく一発目のSAに着きますので~、ビンゴは次が最後になります!77番!」

 

 

つかさ「あっ、ビンゴだ~」

 

 

水原「はい、柊ちゃん!他の方いませんか?……いませんね!では景品はラストワン賞ということでこちら!」

 

 

こなた「うわっ……ラストワン賞とは言えこれは凄いね……」

 

 

鈴木「なんというか……。」

 

 

つかさ「黄金糖、沢山だよ~。後で皆で分けようね~。お姉ちゃんの分も残しとかなきゃ。」

 

 

みゆき「さすが黄金糖1kgはすごい量ですね。」

 

 

鈴木「普通、ありがた迷惑だよなぁ……。」

 

 

こなた「というか景品はどれも微妙なのが多かったね。」

 

 

水原「ということでSAでございまーす。出発は9時45分、バスのナンバーは351です。間違えずに帰ってきてくださいね~」

 

---

 

 

水原「はい、時間予定通りの到着でございます。私の仕事は一旦、ここまでなので黒井先生、あとよろしくお願い。」

 

 

黒井「よっしゃ、ほなバス降りたらウチに着いてきてな~。着いたらさっさと準備せな食べる時間無いから急ぐんやで~。」

 

 

―ドア開

 

 

黒井「こっちや~」

 

 

水原「ふぅ、疲れた疲れた」

 

 

こなた「ねぇみずりん、あのビンゴ景品ってどうなってるの?」

 

 

水原「ん?景品?あれは……私の案と黒井先生の案を混ぜてるんですよ。ハイハイ○は黒井先生の案です。」

 

 

こなた「ふーん。でもう一つ、あのビンゴカード何か怪しいんだけど?」

 

 

水原「はぁー、こなたんには敵わないなぁ。そうですよ。あれは私のオリジナルビンゴカードですよ。まぁ安心してください。余興のために白石くんがトップになるようにしただけで他は細工してません。一応、オフレコで」

 

 

こなた「ホントに余興だけかなぁ~?」

 

 

黒井「おっしゃ、着いたで~」

 

 

水原「では、この話はここまでで。」

 

 

こなた「むぅ、はぐらかしたか……。」

 

 

 

―BBQ会場

 

 

こなた「じゃ男子は火をつけといて~私たちは野菜切ったりしてるから」

 

 

水原「ういっす」

 

 

白石「了解です」

 

 

鈴木「じゃ、俺はチャッカマン借りてくるわー」

 

 

水原(話すこと無いっすな……)

 

 

白石(話すことが無い!)

 

 

鈴木「チャッカマン借りてきたぞ。」

 

 

水原「よし!着火材を燃やせwww燃やせww燃やせwwwww」

 

 

鈴木「ん?みずりんが壊れた……。」

 

 

白石「あれ?うまく火がつきませんね?」

 

 

こなた「こっちはだいたい出来たけどそっちはどうー?」

 

 

水原「隊長、火がつかないであります!」

 

 

こなた「その話し方だとみずりんの方が隊長だよね。」

 

 

つかさ「隊長ってケ□ロ?」

 

 

水原「そうであります!」

 

 

みゆき「酸素が足りないのかもしれませんね。」

 

 

鈴木「それだ!」

 

 

水原「あっ、それなら……」

 

 

こなた(軍曹から普通に戻ったな……)

 

 

水原「うちわ、よろしくです!」

 

 

みゆき「え?私ですか?」

 

 

水原「うん。言い出しっぺということで。パタパタっとよろしく。」

 

 

みゆき「は、はい!」

 

 

---

 

しばらくして

 

 

白石「こういうところで普段のしがらみから解放されて食べるのは美味しいなぁ……」

 

 

水原「白石くんも苦労してるんだね~。全っ然、興味ないけど」

 

 

鈴木「そういえば焼きそばは誰が作るんだ?なんか調理は女の子に任せっぱなしの気がして悪いんだが……」

 

 

こなた「まぁ一理あるかもしれないけどそんなに気にしてないよ~」

 

 

つかさ「私はお料理大好きだから気にしてないよ?」

 

 

鈴木「そう言ってくれるとありがたいが……俺やるわ。だいたい出来そうな気がするし。」

 

 

水原「じゃあこれを頭にまいてこれ装備して」

 

 

鈴木「ん?タオルを頭にまいて黒縁の伊達メガネか?」

 

 

水原「そう。これで誰でもビッグ〇ディにそっくりに!」

 

 

みゆき「ププッ……」

 

 

つかさ「確かに~」

 

 

こなた「やばい、似てる~」

 

 

鈴木「おまっ!俺は認めん!そんなこと認めないからな!」

 

 

水原「冗談だよ~。冗談!さぁそば焼いておいで~」

 

 

鈴木「ぜってー冗談じゃないな……。アイツの分だけ秘密に持ち込んだタバスコを大量に入れてやるフッフッフッ」

 

 

こなた「ん~何か企んでるね~」

 

 

鈴木「ん?あっいや……そんなことは無いんだからねっ」

 

 

こなた「なんか、語尾が気持ち悪いよ……。」

 

 

鈴木「ちっ……誤魔化せないか……。」

 

 

こなた「で、何しようとしてたの~?協力してあげるよ?」

 

 

鈴木「いや……あれだ。アイツの焼きそばにこれを混入させようかと……。」

 

 

こなた「ほぅ~?鈴木屋、お主も悪よのぅ~」

 

 

鈴木「お代官様程では~って何を言わせるんだ!?」

 

 

こなた「何言ってるんだ……。ほらほら、いい感じに焼けてきたよ~。毒を盛るなら今のうち~。」

 

 

鈴木「おっ、そうだな。人をビッグダディと呼んだ罰を思う存分……」

 

 

黒井「おっ、ウマそうな焼きそばやな~。ちょっとその皿によそったヤツ、貰ってええか~?」

 

 

鈴木・こなた「あっ……」

 

---

 

みゆき「その後、泉さんと鈴木さんは黒井先生にたっぷり絞られたそうで、後片付けの時には姿を見せませんでした。」

 

 

つかさ「ゆきちゃん、誰に話してるの~?」

 

 

みゆき「さぁ?誰にでしょう?」

 

 

水原「しかし現役飲食店バイトがいて助かった。黒井先生に戦力2人奪われたのになんとかなっちゃうからなぁ~」

 

 

白石「恐縮っす」

 

 

こなた「ふひ~」

 

 

鈴木「やっと解放された……」

 

 

水原「お疲れ様。こっちは白石くんのお陰でだいたい片付いたよ。」

 

 

こなた「さすがセバスチャン」

 

 

鈴木「この後は公園で自由時間が1時間くらいあってからバスで帰るそうだ。」

 

 

水原「じゃっ、一旦解散だね。またバスで会おうぞ~」

 

 

 

 

 

 

―バス車内

 

 

水原「ということでお疲れさまでした。バスはただいまから学校に向けて帰りますが……一応、カラオケ設備はありますけどやります?」

 

 

こなた「はいはーい!」

 

 

水原「はい、カタログ」

 

 

鈴木「えらい積極的だな。」

 

 

こなた「こういう時は歌わないとね~……!!」

 

 

鈴木「どうかしたか?」

 

 

こなた「思った以上に曲数が……」

 

 

鈴木「確かにカタログがペラペラだもんな……歌える曲が無いオチか?」

 

 

こなた「いや、あるにはあるんだけど……」

 

 

鈴木「じゃあなんだ?マニアック過ぎて誰も知らないから怖いとかか?あんまそういうのを気にするとも思えないが」

 

 

こなた「超有名だよ。ただ大人の事情的にマズいような気がして」

 

 

鈴木「そこは気にしなくていいんじゃないか?」

 

 

こなた「そだね。えい送信!」

 

 

―God knows...

 

※演奏中は諸事情によりカット

 

 

こなた「ふぃ~」

 

 

鈴木「声がいつもと違う……というか歌うまいな……なんというか別次元というか……本人のような気が」

 

 

こなた「はい、それ以上危ない発言はストップ。」

 

 

みゆき「でもとてもお上手でしたよ。」

 

 

つかさ「さすがこなちゃんだよね。」

 

 

水原「後の人がプレッシャー過多で歌えなくなりそうですな。他、歌いたい人はいますか~」

 

 

―シーン……

 

 

水原「ここは黒井先生、歌っときましょか?」

 

 

黒井「くかーくかー」zzz

 

 

水原「教師が寝るってありかよ……じゃあ雑用の白石!」

 

 

白石「え!?僕ですか?」

 

 

水原「だって誰も歌う気配無いし……。」

 

 

白石「分かりました……。ではっ」

 

 

こなた「ふふっ面白いことになってきたね!」

 

 

―白石みのる、熱唱。

 

 

鈴木「やべぇ……イメージに合わず歌うめぇ……」

 

 

こなた「セバスチャンめ……まさかこんなに……」

 

 

水原「はい、空気読まず白石がハードル上げまくったのでカラオケ大会は終了でーす」

 

 

白石「え?僕のせいですか?」

 

 

こなた「確かにハードル上げたのは否めないねぇ~」

 

 

水原「これからは日も傾きつつありますので多分、寝たい方が多いでしょうから一旦、静かにします。学校到着前にまた案内しますのでゆっくりしてください。」

 

 

こなた「だってさー」

 

 

鈴木「zzz……」

 

 

こなた「おぅふ、こっちも寝てるか……。仕方ない、寝るかなー」

 

 

 

水原「みんな気を抜いてるみたいだが…家に帰るまでが遠足でっせフフフ…」

 

 

 

つかさ「zzz...」

 

 

 

水原「まぁ悪だくみはやめとこかな…」

 

---

 

数日後

 

 

黒井「明日からゴールデンウイークやけど遊んでばっかりやなしにちゃんと宿題せぇよー。それと真ん中にある平日は学校あるからなー。『休む予定』は認めんでー。ほな今日はここまで。」

 

 

鈴木「なんか、白石っていつもバイトしてる気がするなぁ。終礼終わったらすぐ帰るし。」

 

 

こなた「なんか大変らしいよー。」

 

 

鈴木「ふーん。」

 

 

こなた「そういえば、鈴木くんって勉強得意?」

 

 

鈴木「中の上くらいじゃないか?それがどうした?」

 

 

こなた「いやぁ別に~。そうだ、連絡先交換しようよ。」

 

 

鈴木「それは構わんが……どうしてだ?」

 

 

こなた「やだなぁ。親睦を深めようと言うだけだよ~。宿題写させてもらおうとか考えてないよ~」

 

 

鈴木「ストレートに言ったなぁ~……まぁ良いけど。ほれ」

 

 

こなた「かがみに頼むとうるさいからね~」

 

 

鈴木「そりゃ自分のためにならんからだろ。」

 

 

こなた「かがみと似たようなこと言って……お似合いなんじゃない?」

 

 

鈴木「はぁ?何言ってるんだか……」

 

 

こなた「おっと、今日はバイトがあるんだった。ばいにー」

 

 

鈴木「はいよ、またな。…ゴールデンウィークか…」

 

 



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[第8話]ゴールデンウィーク

 

 

みき「かがみー、みゆきちゃんからお電話よー」

 

 

かがみ「はーい」

 

 

みゆき「宿題の答えあわせを兼ねて勉強会をやりませんか?」

 

 

かがみ「おーいいわね、やろうやろう」

 

---

 

みき「かがみー、こなたちゃんからお電話よー」

 

 

こなた「あー宿題の掃除を兼ねて勉強会でもってね?」

 

 

かがみ「ちょっと待て!アンタの場合、私の宿題写すだけでしょーがっ!!聞き捨てならねぇっ!」

 

 

---

 

柊家

 

 

こなた・みゆき・水原「お邪魔しまーす」

 

 

つかさ「いらっしゃーい」

 

 

かがみ「上がって上がって~。」

 

 

―しばらくして

 

 

こなた「かがみ~、ここ教えて~」

 

 

かがみ「え~また?こうするのよ」

 

 

みゆき「かがみさんは宿題、終わりましたか?」

 

 

かがみ「だいたいね。どうしても分からないのが1問があってね~」

 

 

みゆき「確かにこの問題は難しいですよね……」

 

 

こなた「ねぇかがみ、これは?」

 

 

かがみ「これはこうよ!…で、この問題はどうするんだっけ?」

 

 

水原「こんな感じでどうよ?」

 

 

かがみ「なんというか……斬新なやり方ね。ものすごく回り道してる気がするけど……」

 

 

水原「私、頭悪いからさ~噛み砕いて簡単に簡単にして解くんでね。」

 

 

みゆき「この問題はここはこうすると……」

 

 

水原「あっ!4行で収まった!私のノート3ページ分の計算は一体……」

 

 

こなた「ねぇ、かがみ~」

 

 

かがみ「アンタ、さっきから自分で考えてないだろ!つかさは真面目に……」

 

 

つかさ「zzz……」コクン コクン

 

 

かがみ「ほれ」ツン

 

 

つかさ「はぅ!」ピコーン

 

 

かがみ「もう!ちゃんと自分でしっかりやらないと!休み明けのテスト、ひっどい結果になっちゃうわよ?」

 

 

つかさ「そうだよね……しっかり頑張らないとね……」

 

 

こなた「私は一夜漬け得意だから大丈夫!」

 

 

かがみ「お前もちょっとは努力しろ!」

 

 

水原「まぁまぁ……得意分野を磨けば良いではないか~」

 

 

かがみ「一夜漬けが得意なんて絶対後悔するわよ?」

 

 

こなた「いいもーん。こんな時のためにお助け呼ぶもーん。」

 

 

かがみ「誰よ、お助けって?」

 

 

こなた「鈴木くん」

 

 

かがみ「そりゃアンタ、向こうに迷惑だろ」

 

 

こなた「別に良いって。俺もちょうど宿題の確認がしたかったーって」

 

 

かがみ「だからってね」

 

 

こなた「え~それとも呼んじゃいけない訳でもあるのー?」

 

 

かがみ「なっ、そんな訳、無いわよ!呼びたければ呼べばいいじゃない!」

 

 

水原「メンバー追加ですな。盛り上がって参りました~」

 

 

かがみ「勉強会が盛り上がるのもどうかと思うけどね。……アレ?」

 

 

こなた「どったの、かがみ?」

 

 

かがみ「水原くんよね?」

 

 

水原「え?はい、そうですよ。」

 

 

かがみ「いつからいたの!?」

 

 

水原「最初からいましたし何度か会話もしてますよ?」

 

 

かがみ「嘘っ!?気付かなかったわ!」

 

 

水原「またまた~」

 

 

みゆき「お恥ずかしながら私も気付きませんでした……」

 

 

水原「マジっすか!?普通にさっき話しましたよね?え??」

 

 

こなた「まぁまぁーそれだけ馴染んでるってことだよ、みずりん」

 

 

水原「それは喜んでいいのか微妙ですがね」

 

 

―ピンポーン

 

 

みき「かがみー、つかさー、お客さんよー」

 

 

かがみ「はーい」

 

 

みき「いつの間に男の子の友達を連れてくるようになったのかしら?お母さん嬉しいわ。」

 

 

かがみ「そっ、そんなんじゃないわよ!」

 

 

鈴木「ええ、ご期待に添えずに、すいません、お邪魔します。」

 

 

水原「誰も私に気付かない……」

 

 

こなた「ある意味、信頼されてるんだよ~」

 

 

水原「喜んでいいのか……?」

 

 

鈴木「おーす」

 

 

みゆき「こんにちは」

 

 

つかさ「いらっしゃーい」

 

 

こなた「おーす」

 

 

水原「毎度。」

 

 

鈴木「おー揃ってるな。」

 

 

こなた「ということで鈴木くん!宿題写させて!」

 

 

鈴木「やだ」

 

 

こなた「ここで宿題写させてくれたらフラグゲットで私の好感度うpだよ?」

 

 

鈴木「だから言ってるだろ。写すだけじゃ意味ないって」

 

 

かがみ「おー、鈴木くんがまともな思考で助かるわ」

 

 

こなた「何!?ここは私じゃなくてかがみの好感度うpイベントだったか!?」

 

 

かがみ・鈴木「だからそんなんじゃないって!」

 

 

こなた「そんなに綺麗にハモっても説得力無いよー?」

 

 

かがみ「なっ!」

 

 

鈴木「たまたまだ。」

 

 

こなた「ムキになるところが怪しいー」

 

 

かがみ「だから!何もないってば!みゆき、水原くんからも何か言ってあげて!」

 

 

みゆき「泉さん、かがみさんもお困りですしこの辺で……」

 

 

水原「そうだねぇ~一応、勉強会だし続きは勉強会終わってからにしましょう」

 

 

かがみ「ちょっ!それ後回しなだけだ!」

 

 

 

 

 

―夕方

 

 

かがみ「今日はこれくらいにするかー?」

 

 

鈴木「だな」

 

 

つかさ「ちなみにゆきちゃんは家が遠いから先に帰ったよ。」

 

 

こなた「全然写させてくれなかった……」

 

 

水原「当たり前だな」

 

 

かがみ・鈴木「当たり前だ!」

 

 

水原「ほらね、相性ピッタリだからハモるんだよ。私だけハモらなかったじゃん」

 

 

かがみ「ほ~、勝手にひとんち上がり込んでよくも偉そうなことが言えたわね?」

 

 

水原「いや、最初からいましたから!」

 

 

こなた「でもみずりんの言うとおり、お似合いなんじゃないー?」

 

 

かがみ「もうダルいからつっこまなくていい?」

 

 

鈴木「他人より自分を気にしろよ。テストが悲惨になってもしらねぇぜ?」

 

 

こなた「フフン、特技一夜漬けで乗り切って見せるぜ!」

 

 

かがみ「ほほ~う、言ったわね。鈴木くん、連絡先交換しましょ?あのバカが私たちに泣きつかないようにね。」

 

 

鈴木「ん?了解。じゃあこなたが泣きついてきたら報告するわー」

 

 

こなた「嘘っ!?」

 

 

かがみ「やっぱりそれが狙いだったか……」

 

 

つかさ「じゃあまたねー。」

 

 

水原「お邪魔しましたー」

 

 

こなた「ばいにー」

 

 

かがみ「じゃね!」

 

 

鈴木「では、また」

 

 

-休み明け

 

テスト返却

 

 

かがみ「どうだった?」←85点

 

 

つかさ「聞かないでって感じで……」←58点

 

 

水原「いけたはずなんだけどなー、時間がまったく足りず……」←56点

 

 

鈴木「良いと思ったんだが……かがみさんには負けたぜ……」←84点

 

 

こなた「おかげさまでバッチリ!」←86点

 

 

かがみ「納得いかねぇ!」

 



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[第9話]Let's summer!

-教室

 

 

こなた「今月、親戚のお姉さんが結婚するんだけどさ」

 

 

つかさ「わぁジューンブライドだね~いいな~」

 

 

水原「ジューンブライドってマジであるんだ……」

 

 

鈴木「まぁそりゃあるだろ」

 

 

こなた「こんなジメジメした暗い時期なのになんで幸せの代表なんだろね?」

 

 

つかさ「う、う~ん……」

 

 

こなた「困ったらみゆきさんに聞いてみよう」

 

 

みゆき「え?何故6月に結婚すると幸せかですか?」

 

 

こなた「うん」

 

 

みゆき「一般的に6月JUNEはローマ神話の女神ユノJUNOに由来すると言われています。ユノはギリシャ神話ではヘラという女神で結婚や出産を司っているんです。」

 

 

水原「プシュッ……プシュッ……」

 

 

鈴木「みずりんがパンクした。まぁいいか」

 

 

みゆき「ですからヘラの月である6月に結婚した人は守護され祝福されると言われているんです。」

 

 

つかさ「へぇ~」

 

 

こなた「……ヘラってゼウスの奥さんだよね?」

 

 

みゆき「はい、そうですね~」

 

 

こなた「ヘラって激しく嫉妬深いイメージあるからやっぱり幸せって感じがしないんだけど」

 

 

みゆき「う、う~ん……」

 

 

水原「まぁなんだ。嫉妬心は愛深き故のことだよ。愛されてるって証拠なんだし、やっぱり幸せなんじゃないか?」

 

 

鈴木「お?なんかまともそうなこと言ってる。」

 

 

こなた「でも一方通行の愛がストーカーとか事案を発生させてる気がするんだけどね~」

 

 

水原「ゴフッ……」

 

 

鈴木「あ、みずりんが倒れた。」

 

 

みゆき「だ、大丈夫ですか?」

 

 

こなた「大丈夫だよー、私が精神的にツラいとこをツいてみただけだから」

 

 

鈴木(みずりんは何か弱みでも握られているのだろうか?)

 

 

---

 

数日後、朝

 

 

かがみ「今年ももうすぐ夏休みねー」

 

 

つかさ「そうだねー」

 

 

かがみ「海にプール、夏祭り、他に何か定番てあったかしら」

 

 

こなた「夏と言えば年に二回の祭典!戦場の有明!なんと言ってもコミケでしょ!」

 

 

かがみ「いやいやいや、それはアンタだけですからっ!みゆきは何か夏休みの定番ってある?」

 

 

みゆき「そうですねぇ……一応、今年も海外へ旅行に行く予定がありますね」

 

 

かがみ(今年もって言ったか!?このブルジョワめ!)

 

 

こなた「男子勢は?」

 

 

鈴木「適当にまとめんなよ。俺は予定無いかなぁ。なんとなく海は行きたいが……」

 

 

水原「私は18きっぷ片手に1人旅を適当に」

 

 

白石「僕はバイトとあきr……ある仕事の手伝いで」

 

 

鈴木「そうだ、折角だし海くらいはみんなで行かないか?」

 

 

こなた「おっ!ナイスアイデア!」

 

 

鈴木「7人となると……車とかはキツそうだし……まぁその辺りは直近で考えればいいか」

 

 

こなた「だね~いざとなったらみずりんがきっぷとかは手配してくれそうだし」

 

 

 

水原「予算に合わせて組んでみせるぜっ!」

 

 

 

鈴木「夏休みで最初にあるイベントは夏祭りだっけ?」

 

 

 

こなた「そだよ~」

 

 

 

鈴木「じゃその時に打ち合わせればいいか」

 

 

 

水原「では、その時までに正式に人数を決めましょう」

 

 

 

白石「あの、僕は…」

 

 

 

鈴木「一応、頭数には入れといてやるから予定が分かったら教えてくれ。ほい、俺の連絡先だ」

 

 

 

白石「あ……どうも。」

 

 

 

―7月7日 柊家

 

 

こなた「誕生日おめでとー」

 

 

みゆき「お誕生日おめでとうございます。」

 

 

鈴木「誕生日おめでとうさん」

 

 

水原「ハッピーバースデー!です!」

 

 

つかさ「わ~ありがとう~」

 

 

かがみ「サンキュー!」

 

 

みゆき「これ、つまらないものですがお誕生日プレゼントに……」

 

 

かがみ「わ~何?何?」

 

 

みゆき「ペアのネックレスです。」

 

 

つかさ「わぁ~きれい~」

 

 

こなた「これ、つまらないものですが~」

 

 

かがみ「お?何?……え?」

 

 

こなた「団長腕章。ツンデレには似合いそうだから。」

 

 

かがみ「アンタの方が似合ってるだろ……いろんな意味で……つかさは?」

 

 

つかさ「え?……」←某コスプレ用制服

 

 

こなた「高かったんだよ~大事に着てね~」

 

 

鈴木「俺からも大したもんじゃないが……気に入ったら使ってくれ」

 

 

かがみ「おお……。私が白のリボンで」

 

 

つかさ「私が黒のリボン?」

 

 

鈴木「そう。」

 

 

かがみ「ありがとう……。でも私たちの色の好みと逆よ?」

 

 

こなた「それは好みより似合う似合わないで選んだんじゃないー?」

 

 

鈴木「まぁそんなところだ。それと白石からも預かってる。今日は言えない用事で来れなかったんでな。」

 

 

かがみ「白石くんからは封筒?……中見て良いのかしら?」

 

 

こなた「まさか現ナマだったりして~」

 

 

かがみ「うわっ……C○C○壱のクーポン……」

 

 

鈴木「アイツも苦労してんだ……。察してやってくれ……。」

 

 

かがみ「う、うん……」

 

 

水原「私からはさらにつまらないものですが……」

 

 

かがみ「な、何これ?まさか……宝石とか言うんじゃないでしょうね?」

 

 

水原「いえ、近所で拾ったきれいな石です。」

 

 

かがみ・つかさ「……あーアリガトー……。」

 

 

水原「いやぁ反応見てたら二人って似てないようで似てますよねぇ~。スイマセン、そのプレゼントはドッキリです。まぁその石は欲しいなら差し上げますけど。ということでこちらが私からプレゼントです。冷凍庫で保存してくださいね。」

 

 

つかさ「わぁ~ありがとう~」

 

 

水原「どういたしまして。」

 

 

かがみ「ねぇ?まぁまぁ大きい気がするけど何が入ってるの?」

 

 

水原「季節的にあず○バー24本入りにしてみました。」

 

 

かがみ「今度はまともなモノなのね。ありがとう。」

 

 

こなた「24本という量には突っ込まないかがみなのでしたー」

 

 

かがみ「うるさいっ!」

 

 

つかさ「あ、そうだ。クッキー焼いたんだよ?せっかくだし上がって~」

 

 

こなた・みゆき・鈴木・水原「お邪魔しまーす。」

 

---

 

 

こなた「やっぱりつかさが作るクッキーおいしいね」

 

 

つかさ「ありがとー。」

 

 

かがみ「今回は私も一緒に作ったのよ。教わりながらね」

 

 

こなた「………。」

 

 

かがみ「どうしたのよ?」

 

 

こなた「そう聞くと美味しいのとそうでないのがある気がしてくるから不思議だよね」

 

 

かがみ「なんだと!?」

 

 

こなた「そうだよねー?みずりん?」

 

 

水原「へ?いや、まったく。とても美味しく頂いております。」

 

 

こなた(こいつ、まさかつかさのクッキーだけ選んでる!?いや、いくらなんでもみずりんにそんな能力ないか……。)「じゃあ鈴木くんは?」

 

 

鈴木「ん?いや、全部美味しいぞ?2人とも料理が出来るって羨ましいものだな」

 

 

つかさ「えへへ~」

 

 

こなた「おやー?鈴木くんは知らないのかなー?かがみって実は料理とか家事とか」

 

 

かがみ「こなたー?」ピキピキ

 

 

こなた「かがみん凶暴!」

 

 

鈴木「こなたは一体、何を言おうとしてたんだ?」

 

 

水原「水野先生の好きなことわざは『知らぬが仏』」

 

 

こなた「聞きたければ本人から聞いてー?」

 

 

鈴木「ふーん。まぁ言っちゃマズい内容なら聞かないことにしとくわー」

 

 

かがみ「べ、別に私はつかさに比べたら家事が苦手なだけよ!」

 

 

鈴木「なんだ、というか苦手とか言いつつこんな美味しいクッキーが作れたら問題無いんじゃないか?」

 

 

かがみ「そ、そう?ありがと……。」

 

 

こなた「あ~かがみ照れてるのー?」

 

 

かがみ「違っ!そんなんじゃないって!」

 

 

鈴木「あの二人、よっぽど仲がいいよなぁ。」

 

 

みゆき「ですね。まさしく喧嘩するほど仲がいい。でしょうか?」

 

 

水原「ふぅーん……。あ、今年の夏まつり関係の情報なんですがね~」

 

 

こなた(みずりんは面白くなくなって話題を切り替えたか…)

 

 



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[第10話]空に消えてった…

―夏休み直前

 

 

水野「私、夏休み中は色々用事があって学校には来ませんので。現代文の夏休みの宿題は分からないところがあっても質問しに来るな?Go○gle先生に聞きなさいね。ちなみに宿題もキッチリポイント加算するから『考えても分かりませんでした~』は-5000ポイントで逝きますんで。じゃっ!」

 

 

―ガラッ

 

 

つかさ「先生の用事ってなんだろうね?」

 

 

鈴木「実家が米農家で異常気象から米を守るとか?」

 

 

水原「自宅警備員紛いな行動をしてるだけとかかな?」

 

 

こなた「可能性的には一番あり得るねー」

 

 

みゆき「あの……自宅警備員とは?」

 

 

水原「あぁ、いわゆるニートですわ。」

 

 

つかさ「先生が休みになるとニートって、どんだけ~」

 

 

 

 

―夏休み前最後のホームルーム

 

 

黒井「長い休みに入るケド学生の立場を忘れんと節度をもって過ごすように。……問題おこしたらセンセの休みもなくなるんやからマジで頼むで~」

 

 

白石「ばっさり言ったなー!」

 

 

鈴木「まぁ……それが黒井先生の持ち味……か?あ、海行く日決まったら連絡するから。」

 

 

白石「おっす!では、」

 

 

鈴木「俺も帰るかー」

 

 

かがみ「やーっと休みに入ったわよーっ、あんたの顔を毎日見なくてすむと思うと気も楽だわ。」

 

 

こなた「まぁ、休みと言っても黒井先生とはほぼ毎日会うコトになるけどね。」

 

 

鈴木「ほぅ、補習か?」

 

 

こなた「ネトゲでパーティー組んだりしてるし。」

 

 

かがみ「それもどうなのよ。」

 

 

鈴木「まぁ……仲良きことは良きかな?……あ、いっそ海行くのに黒井先生に引率頼めないか?」

 

 

こなた「ありかも。黒井先生が車持ってたら運転手も頼めるしね~」

 

 

つかさ「でも私たちって、こなちゃん、お姉ちゃん、ゆきちゃん、鈴木くん、白石くん、水原くん、私だから1台で乗れなくない?」

 

 

水原「7人……無理だと少なくとも誰か1人は……」ガクブルガクブル

 

 

こなた「あ~親戚のお姉さんも車持ってるから大丈夫だよ。」

 

 

鈴木「まぁ白石くんが行けるかは怪しいが明日には休みを教えてくれるらしいし」

 

 

みゆき「とりあえず、明日の夏祭りの時に決めましょうか?」

 

 

こなた「そうだねみゆきさん!じゃ明日の夕方5時に駅前で!」

 

 

 

―翌日 夕方5時 駅前

 

 

 

水原「遅いなぁ……まぁうちの部活には平然と2時間くらい遅れるやつがいるけど」

 

 

鈴木「まぁ、もうすぐ来るだろ。浴衣らしいし着付けに時間かかるとかじゃないか?」

 

 

水原「なるほど、浴衣ですか。なら仕方ない。いやぁ~眼福眼福」

 

 

鈴木「……なぁ。こないだから気になってるんだが、お前は誰目当てなんだ?こなたとの会話を聞いてるとどうも誰か狙ってるように思えるんだが……」

 

 

水原「……。まぁー……当たってても正解とは言わないよ。ただ、あなたは人のことよりもっと自分に気にかけたらいいんでないかい?ふとしたキッカケに死亡フラグが立っても知らないよ?」

 

 

こなた「やふーっ!」

 

 

水原「こんばんはー」

 

 

つかさ・かがみ・みゆき「こんばんは」

 

 

鈴木「よし、行くか?」

 

 

水原「こっからバスに乗りますよ。ちょうど来てるし、……混んでるなぁ、ヨイショっと」

 

 

バス運転士「満員なりましたので発車します。」

 

 

こなた・つかさ・かがみ・みゆき・鈴木「え?」

 

 

水原「あれ?」

 

 

―プシュー ガガガガッギュイイイイン

 

 

こなた「なんか先に1人行っちゃったね。」

 

 

鈴木「そうだな……俺らは次に乗ればいいか」

 

 

つかさ「そだねー。」

 

 

―数分後

 

 

かがみ「おっ、来たわね」

 

 

―プシュー

 

 

運転士「ご乗車しましたら前後分かれて奥までお詰めくださ~い」

 

 

こなた「一番前の席座るねー。」

 

 

かがみ「つかさー、あんたよろめくと危ないからそっち座りなさい。」

 

 

鈴木「俺は立っとくわ」

 

 

かがみ「みゆきは痴漢に狙われるといけないしここに立ったら?」

 

 

みゆき「あ、ありがとうございます。」

 

 

こなた「そう言ってうまく誘導しつつ鈴木くんの隣に立つかがみんなのでしたー」

 

 

かがみ「たまたまよ!」

 

 

こなた「こりゃ壁ドンイベントで1枚絵のチャンスかなー?」

 

 

運転士「発車いたします。手すり吊革にお掴まりください。」

 

 

こなた(ん?運転士の後ろ姿、どっかで見たことあるような?)

 

 

かがみ(どこかで聞いたことある声ね?)

 

 

鈴木(なんだろ……どっかで聞いたことあるような?)

 

 

運転士「チッ……渋滞しとるなぁ最悪や……」

 

 

みゆき(心の声が漏れてますね。)

 

 

つかさ「どんだけー。」

 

 

運転士「はよ動けよ……。」

 

 

―プシュップシュッ

 

 

こなた「あちゃー運転士さん相当イラついてるね。」ひそひそ

 

 

かがみ「ちょっと怖いわね」ひそひそ

 

 

―プシュップシュッ

 

 

鈴木「うーん、なんかの空気の音で煽ってるしな…クレームでもつけるか?」ひそひそ

 

 

こなた「んー。単に心の声が漏れてるだけなんだろうけど」ひそひそ

 

 

鈴木「名前だけ覚えとくか……!」ひそひそ

 

 

 

かがみ「どうしたのよ?」ひそひそ

 

 

 

鈴木「いや、運転士の名前が……これ、先生じゃないか?」ひそひそ

 

 

 

こなた「水野って……確かに名前は同じだけど……」ひそひそ

 

 

 

かがみ「まさか……まさかね。ねぇ確認してきてよ」ひそひそ

 

 

 

鈴木「俺か?」ひそひそ

 

 

 

こなた「うん。適任だね」ひそひそ

 

 

 

鈴木「しゃーねーな。」ひそひそ

 

 

 

 

鈴木「すいません、あと何分くらいかかりそうですか?」

 

 

 

運転士「そうですね……渋滞もあるんで……あっ」

 

 

 

鈴木「やっぱり……水野先生何やってるんですか?」

 

 

 

水野「いや……バイト。みんなには言わないでね。」

 

 

 

鈴木「みんなねぇ……」

 

 

 

こなた「先生!私たちも見てました!」

 

 

 

水野「おぅふ……。バス代タダとか成績上げろは無理だけど言うこと聞きますので学校には黙っててください……。」

 

 

こなた「ん?いま何でもって」

鈴木「じゃあ先生、連絡先付きの名刺もらえませんか?何かあった時には連絡しますので」

 

 

水野「はぁ……はい。名刺は無いからメモではい」

 

 

 

鈴木「大丈夫、無理なことは言いませんよ」

 

 

 

水野「えぇ……あ、そろそろ渋滞抜けるんで話しかけないでくださいね?」

 

 

 

鈴木「はいよ」

 

 

 

 

 

―夏祭り

 

 

水原「いやぁ……置いてきぼりはあっても、まさか先に行くことになるとは……」

 

 

こなた「まぁ珍しいシチュ経験出来て良かったじゃん」

 

 

水原「よくねーよ。王道シチュに巡り会いたいわ……」

 

 

こなた「それは無理じゃない?みずりんは脇役だし」

 

 

水原「何とも言えないなぁ……脇役か……」

 

 

ゆい「おーい!こなたじゃーん」

 

 

鈴木「ん?婦警さんが呼んでるぞ?」

 

 

水原「まさか……お巡りさんのご厄介に……?」

 

 

かがみ「こなたの知り合い?こんばんわ」

 

 

こなた「親戚のゆい姉さんだよ」

 

 

ゆい「よろしくーっ!ハメを外しすぎないようお姉さんたちのいうことを聞いて早めに帰りなヨ?」

 

 

かがみ(いやいや私達同級生っすから!こなたを基準にするな!)

 

 

こなた「みんな同級生だよ」

 

 

ゆい「なんとっ!いや~ごめんごめん体格差があったからつい、ね。それにしても最近の子は発育いい子が多いんだネ」

 

 

かがみ(いやだから!こなたを基準にするなーっ!)

 

 

鈴木「かがみさんや、言いたいことが顔に出てるよ。」

 

 

こなた「あ、射的屋さんだ。姉さん射的とか得意じゃない?」

 

 

ゆい「はっはっは。何を隠そう署ではガンナーゆいちゃんと言われるほどの腕前よ?」

 

 

こなた「おーっ」

 

 

鈴木「日本で銃撃ちまくる警官なんていないはずだし怪しいなぁ……」

 

 

こなた「はい」

 

 

ゆい「あれ!?あれ~?射的ってライフル??」

 

 

こなた「頑張って」

 

 

ゆい「うぬぅ……むーーん………ん~~~」

 

 

警官「成実、お前熱心に何やっとんねん?」

 

 

ゆい「はっ!……あれ~っ」

 

 

こなた「ゆい姉さん連れて行かれちゃったね。」

 

 

 

 

みゆき「かがみさんは遊ばないんですか?」

 

 

かがみ「ん~それじゃ折角だし金魚すくいでもしようかな」

 

 

金魚すくいの店のオッサン「はい、毎度~」

 

 

かがみ「お?……う゛っ……手も出してないのに何故逃げるっ」

 

 

こなた「かがみが凶暴だって本能で悟って逃げてるんじゃない?」

 

 

つかさ「あっ、ほらそこに一匹いるよ!?」

 

 

かがみ「よし……やったー!ゲットだぜっ!」

 

 

こなた「あっ、かがみ、ポイが……」

 

 

―チャポン

 

 

かがみ「……。」

 

 

鈴木「オッサン、今のは?」

 

 

オッサン「ダメだねぇ~残念だけど」

 

 

かがみ「もう諦めるわよ……」

 

 

鈴木「オッサン、じゃあ次、俺で」

 

 

オッサン「はい、毎度~」

 

 

鈴木「どれどれ……そんなにすくうのが難しく……なかった。かがみさん、一匹取れたぞ。」

 

 

かがみ「何よ自慢?」

 

 

鈴木「いや、欲しかったんだろ?やるよ」

 

 

かがみ「……え?いいの……?」

 

 

鈴木「あぁ、そのつもりで取ったんだし」

 

 

かがみ「あ、ありがとう……。」

 

 

こなた(ふふーん。やっぱりお似合いな2人だし引っ付けてみたいなー。)ニヤニヤ

 

 

黒井「よっ!みんな揃っとるナ」

 

 

こなた「あ、先生も来たんですか」

 

 

黒井「この辺で祭りがある聞いて折角やからーって来たんや」

 

 

水原「今日は彼氏さんとかと一緒ですか?……あれ?」

 

 

黒井「んなワケないっ。そんなんおらん」

 

 

ゆい「また会ったねーっ。人数も増えて楽しそうだねっ………今度こそ本当に育ちのいい子だよね?立派なボディで。」

 

 

こなた「担任の先生だよ。」

 

 

ゆい「えっ、すいません……早とちりしまして……」

 

 

こなた「親戚のゆい姉さん。婦警さんだよ。」

 

 

ゆい「いやぁ、今日は夏祭りということで見回りの仕事がありましてね~」←お面、金魚、ヨーヨー、リンゴ飴装備

 

 

黒井(仕事ぉ~?むっちゃ楽しんどるやん)

 

 

 

ゆい「じゃっまたね~」

 

 

黒井「そういえばあっちのカレーの屋台で白石がバイトしとったで」

 

 

鈴木「そうですか、じゃあ後で覚えてたら行きます」

 

 

こなた「多分、忘れるけどね。」

 

 

黒井「じゃなー」

 

 

かがみ「そういえば、つかさ知らない?」

 

 

みゆき「あれ?いらっしゃいませんね」

 

 

鈴木「そういえばみずりんもいないな。」

 

 

こなた(こりゃフラグ立て頑張ってるのかな?)「まぁいいんじゃなーい?」

 

 

―ピロリロリン♪

 

 

鈴木「ん?ちょうどみずりんから電話だ」

 

 

こなた「おっ、まさか朗報かなぁ~」

 

 

鈴木「え?マジか……おう、了解。」

 

 

こなた「みずりん何だって?」

 

 

鈴木「つかささんがハグレたのに気付いて探しに行ったけど見つからないって……」

 

 

かがみ「大丈夫かしらあの子……」

 

 

鈴木「とりあえず俺も探しに行く。3人は……カレーの屋台あたりで待っててくれ」

 

 

―ダダダダッ

 

 

こなた「了解」

 

 

かがみ「私も探しに行くわ。見つかったら連絡して?」

 

 

みゆき「分かりました。」

 

 

---

 

 

水原「さて、応援を頼んだがひいちゃんは一体どこに消えたんだ?」

 

 

水原「というかここはどこなんだ?……まさか私が……迷子かな?アハハ……やべぇ」

 

 

---

 

かがみ「いないわねー。まさかもうみんなと合流出来たとか?……」

 

 

 

 

鈴木「確かこの入り口から来て金魚すくいの時にはいたはずだが……どこなんだ?」

 

 

 

 

つかさ「ふぇ~。みんなとハグレちゃった……。けどバス停ならみんなが帰るときには合流できる……かな?」

 

 

??「おーい!」

 

 

つかさ「え?」

 

 

??「やっと見つけた!大丈夫か?」

 

 

つかさ「鈴木くん?」

 

 

鈴木「あぁ、そうだ。みんなが待ってるし行くぞ?ケガとかしてないか?大丈夫か?」

 

 

つかさ「うん!大丈夫!」

 

 

かがみ「おーい!鈴木くーん!」

 

 

鈴木「はいよー。」

 

 

かがみ「あ、つかさ見つかったんだ。良かった~。……アレ?もしかして私、お邪魔だったかしら?」

 

 

鈴木「いや、そんなこと無いぞ。よし、待ち合わせ場所に戻るか」

 

 

かがみ「そう……良かったわ。じゃあ戻りましょ」

 

 

 

 

―カレー屋台の近く

 

 

こなた「お~見つかったんだ。良かった良かった」

 

 

つかさ「ごめんね~こなちゃん、ゆきちゃん」

 

 

かがみ「なんかどっと疲れたわ……。そろそろ帰りましょ」

 

 

鈴木「だな。じゃ次に会うのは海行く日か?」

 

 

こなた「そだね。あ、黒井先生もゆい姉さんも行くって。運転手さん頼もうと思ったけど2人とも軽自動車だし全員は乗れないって」

 

 

鈴木「その件は俺に考えがあるから任せろ。」

 

 

こなた「ん。じゃあ任せるよ。今日のところはこれで帰るかー」

 

 

かがみ「そうね」

 

 

つかさ「そだね」

 

 

みゆき「そうですね」

 

 

白石「あのー僕の屋台のカレーは……」

 

 

鈴木「今からカレーは重いし要らないそうだ。」

 

 

白石「は……はい……」しゅん

 

 

---

 

水原「柊さーん、柊ちゃーん、ひーちゃーん……いったいどこなんだー……どこにいるんだー……というかここはどこなんだー……」



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[第11話]夏だ!海だ!線香花火だ! part1





こなた「夏だ!海だ!……ということで姉さんも先生も引率よろしく。」

 

 

黒井「運転は誰に頼んだんや?」

 

 

鈴木「水野先生が"快く"引き受けてくれました。」

 

 

かがみ「でも私達で9人よ?1台でいけるのかしら?」

 

 

鈴木「先生はいけるって言ってたけど」

 

 

白石「でも、その肝心の水野先生が見えませんね……」

 

 

こなた「まぁちょっとの遅刻くらいは大目に見てあげよーよ。」

 

 

こなた「ゆい姉さん、運転ヤバいけど水野先生ならプロのドライバーだし安心だからね」ひそひそ

 

 

鈴木「教師でプロのドライバーが副業なのはどうかとは思うがな」ひそひそ

 

 

―ブロロロロ

 

 

つかさ「あれ?バスが来たよ?」

 

 

水原「どう見てもバスですね」

 

 

こなた「どっからどう見てもただのバスだね。」

 

 

―プシュー

 

 

水野「おはようございます。とりあえず乗って乗って~」

 

 

鈴木「先生?マイカーじゃないんですか?」

 

 

水野「いや、マイカー持ってないから会社から借りてきた。」

 

 

かがみ(それってアリなのか運転士!?)

 

 

水野「とりあえず乗って適当に座って~。それと申し訳ないけど一応、誰か道案内とかのお手伝いさんとして一番前の席に座ってください」

 

 

ゆい「じゃあ私が座るよ~。交通安全課だし交通ルールはまかせたまへ~」

 

 

---

 

走行中

 

 

ゆい「あっ追い越し……」

 

 

こなた「ゆい姉さん、スイッチ入ったみたいだね。ハンドル持たせなくて正解だよ」

 

 

―ブロロロン!ガァァァン!

 

 

こなた「……え?」

 

 

かがみ「こなた……もしかして……」

 

 

鈴木「先生もハンドル握ると変わるタイプ……か?」

 

 

水野「逃げきれると思うなよ……」

 

 

―ギュィィィィン!

 

 

白石「あっ、お茶が」

 

 

水原「おぅふ!お茶がペットボトルごと!?ヒデブッ!」ザバーン

 

 

---

 

山道

 

 

ゆい「仕掛けるポイントは……この先の5連続ヘアピンカーブ!」

 

 

水野「フフ……了解!」

 

 

―キュュュュー!

 

 

かがみ「何!?このチョメチョメDみたいな走りは!?」

 

 

つかさ「……。」←既に意識無い

 

 

水野「ぶっちぎったぜ!」

 

 

ゆい・水野「いぇい!」

 

 

---

 

夕方・海岸

 

 

水野「じゃあ、駐車場探してくるよー」

 

 

―プシュー。ブロロロロ……

 

 

白石「すまん……。」ウォェッ

 

 

水原「いや、悪いのはあんな運転した先生だよ……。」

 

 

鈴木「……風邪ひくなよ?」

 

 

こなた「みずりんなら大丈夫じゃなーい?……というか私が……酔った……。」

 

 

黒井「……さて……旅館でも探そか?」

 

 

 

 

―旅館の近く・夜

 

 

こなた「いやぁまさか鈴木くんが花火を持って来てくれたとはね~」

 

 

鈴木「浮いた交通費を回しただけだ」

 

 

こなた(どっかの誰かさんに似て意外と素直じゃないなぁ……)

 

 

―プルルルル プルルルル

 

 

水原「誰かケータイが鳴ってますよ?」

 

 

白石「あっ、僕だ……。ちょっと失礼……はい、はい……えっ?今からですか?はい……はい……失礼します」

 

 

こなた「どったの~?

 

 

白石「Pから呼び出されまして……」

 

 

つかさ「P?」

 

 

白石「あっ、いや……バイト先のえらい人に……今から来るようにと」

 

 

水原「マジか!?」

 

 

白石「マジです。」

 

 

水野「ヤッホー、やっとタ○ムズ見つかったよ~」

 

 

鈴木「先生、すいませんがかくかくしかじかで白石を送り届けてやってください。」

 

 

水野「えっ~!」

 

 

こなた「ゆい姉さん」

 

 

ゆい「へ?あっ!先生、私のお世話になりたくなかったら白石くんを送り届けてあげてね~」

 

 

水野「まさかの脅し!?」

 

 

ゆい「これで良かったの?」ひそひそ

 

 

こなた「姉さんGJ」ひそひそ

 

 

みゆき「こうして白石さんと水野先生は帰郷しました。水野先生はまた帰ってくるのですが。」

 

 

つかさ「ゆきちゃん、誰に説明してるの?」

 

 

みゆき「さぁ?誰にでしょうか……」

 

 

鈴木「そんなことより花火しようぜ」

 

 

かがみ「どれくらい買ってきたの?」

 

 

鈴木「ほれ」ドサッ

 

 

かがみ「たくさん買ったわね……」

 

 

こなた「よっしゃー!遠慮なく行くぜぇ!」ブシャァァァァ

 

 

鈴木「いっそ清々しい豪快さだな」

 

 

つかさ「線香花火ある?私、線香花火大好きなんだ~」

 

 

鈴木「それがセットには線香花火が入ってなかっからみずりんに頼んだんだ。」

 

 

水原「へ?」

 

 

鈴木「あれ?一昨日頼まなかったか?」

 

 

水原「頼んだのは線香花火?」

 

 

鈴木「あぁ。まさか忘れたのか?」

 

 

水原「いや……間違ってお線香買ってきた……。」

 

 

 

鈴木「なぜだ!?」

 

 

ゆい「あちゃー。まぁ線香花火が無くてもいいんじゃない?」

 

 

水原「買ってきます!」

 

 

つかさ「買ってこなくてもいいよ?大丈夫だよ~?」

 

 

水原「いや、買ってきます!ではっ」

 

 

 

―ダダダダッ

 

 

かがみ「止める間も無く行ったわね。つかさも線香花火が無いくらい気にしないのに……」

 

 

こなた「良いじゃん。行かせてあげなよ。人には各々、事情があるんだよー。」

 

 

鈴木「そんなもんか?」

 

 

こなた「そんなもん。察してあげなよー」

 

 

かがみ・つかさ「……?」

 

 

黒井「だいたい職場の男はロクなんがおらんねんなー」

 

 

ゆい「はははそーですねー」(なんで私絡まれてるのかなー)

 

 

こなた「ほら、先生たちだって楽しんでるんだし」

 

 

鈴木「楽しんでるのか……アレは?」

 

 

こなた「細かいことは言いっこ無しだよ。」

 

 

―数十分後

 

 

つかさ「水原くん、遅いよね。もう花火終わっちゃう……」

 

 

こなた「だねー。確かに遅いかも」

 

 

鈴木「ちょっと、電話かけてみるか」

 

 

みゆき「それが……水原さんの携帯ならそこに落ちてます。」

 

 

鈴木「ありゃ……仕方ない。これは俺が預かっておく。もしかしたら先に部屋にいるかもしれないしな」

 

 

こなた「そだね~。じゃあ一旦、旅館に戻ろうか~」

 

 

 

 

―男子部屋

 

 

鈴木「まぁ……広々してんなぁ……。先生いないし、白石帰ったし、みずりんも失踪したしこんなもんか……寝よ。」

 

 

 

―朝・男子部屋

 

 

鈴木「さて、起きたら部屋に2人ほど転がってるが起こすべきだろうか?……しかもわざわざ線香花火買ってきてるし……ん?レシートあるな……どこまで買いに行ってるんだか……しかも時間が2時17分……書き置きだけ残して寝かしといてやるか……」

 

 

―コンコン

 

 

鈴木「ん?どぞー」

 

 

みゆき「おはようございます。ご準備は整ってますか?」

 

 

鈴木「俺はな。この二人は……知らん間に帰ってきたようだがしばらく寝かしといてあげようかと」

 

 

みゆき「分かりました。では行きましょうか。」

 

 

こなた「ちなみに私はもう水着来てるよーん」

 

 

鈴木「……俺は突っ込まん。絶対に突っ込まんぞ。」

 

 

こなた「そういうニーズもあるんだよ。」

 

 

かがみ「そういうニーズの人は海なんか来ないんじゃ」

 

 

―海

 

 

黒井「何が楽しいて教え子と海来なアカンねやろなー」

 

 

ゆい「そ、そーですねー」

 

 

黒井「まぁあんなんみたいに妥協したん連れてるくらいやったら1人の方が気楽やでなー」

 

 

ゆい「そ、そうかもしれませんねー?」

 

 

黒井「まぁ今は晩婚化も進んどるんやし焦らんでもゆっーくり探したらええねん、なぁ?」

 

 

ゆい「んん……」(既婚者って言いにくいなぁ……)

 

 

鈴木「なんか、見てて切ないなあの2人。」

 

 

こなた「そだねー。」

 

 

鈴木「それはそうとその浮き輪は?こなたは泳げるんじゃないのか?」

 

 

こなた「スク水には浮き輪。これ鉄則だよ~?それに泳げるからってがっつり泳ぐ訳じゃないんだし。」

 

 

鈴木「なるほど。それもそうだな。言われてみれば俺も泳げるけどがっつり泳ぐつもりは無いしな。」

 

 

こなた「まぁ、ゲームとかだと海イベントは誰かが溺れて人工呼吸という名のキスフラグなんだけどねー」

 

 

かがみ「それはゲームの中だけでしょ?」

 

 

鈴木「だな。こなたは浮き輪あるし柊姉妹は浮き輪につかまってるし、それにそもそも足が着く深さだ。」

 

 

こなた「オマケに泳げないみゆきさんは砂浜にいるもんねー。」

 

 

水原「おはよーございまーすー!」

 

 

鈴木「おっ、やっと来たか。」

 

 

かがみ「遅かったわね~」

 

 

鈴木「そう言ってやるなよ。線香花火のレシートに2時17分って書いてたんだし」ひそひそ

 

 

かがみ「2時17分って……よくやるわ……」ひそひそ

 

 

鈴木「まったく、なんでそこまで……ん?」ひそひそ

 

 

かがみ「どうかしたの?」

 

 

鈴木「いや、何でもない。」(なるほど、そういうことか。)

 

 

つかさ「さっきからこそこそ話してどうしたのー?」

 

 

こなた「きっとなんでもないよ~」

 

 

こなた(黙っといてね)←アイコンタクト

 

 

鈴木(了解)←アイコンタクト

 

 

こなた「そういえば夏の海はナンパのメッカなのに私たちってそういうのは縁がないよね」

 

 

つかさ「私達じゃね~」

 

 

水原「そんなことは無いでしょ」

 

 

かがみ「まぁうっとおしくなくていいけどね、それにだいたいこんなのがいるから家族連れの姉妹と思われてるんじゃないのー?」

 

 

鈴木「というか俺たちがいるからじゃね?」

 

 

水原「男女比あってないけど、まぁ野郎がいたら話しかけにくいだろうねぇ」

 

 

かがみ「で、水原くんは来たばっかりだけどもうお昼ね。」

 

 

こなた「そだね~。お昼食べに海の家行こうか~」

 

 

鈴木「だな」

 

 

---海編は続きます



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[第12話]夏だ!海だ!線香花火だ! part2

―夜・男子部屋

 

 

鈴木「おっ、こなたからメールだ。わざわざ何だろうかな」

 

 

 

今日はお疲れ~。今から怖い話しに行くから危ないものは片付けといて~。それとみずりんの件は本人が何も言わないから今の間はそっとしておいてあげてね~。

 

 

 

―バタンッ

 

 

こなた「やふ~。夏と言えば怪談!ということで来たよ!」

 

 

鈴木「メールと同時にやってくるのか……。にしても全員勢揃いだな。」

 

 

水原「いらっしゃーい。」

 

 

水野「ギョッギョッ」

 

 

こなた「全員じゃないとおもしろくないしね~」

 

 

つかさ「私は遠慮したんだけど……ね」

 

 

かがみ「つかさは怖い話とか苦手だからね。」

 

 

こなた「さて……。」

 

 

―パチン!(電気切る音)

 

 

こなた「これは実際にあった話らしいんだけど、ある映像ソフト卸会社の人が仕事を終えて帰ろうとしていつものように夜遅くバスに乗ったのね。」

 

 

つかさ・みゆき「」ガクブル

 

 

こなた「その人の家は路線の終わりの方にあったんだって。で、途中他のお客さんがだんだん降りていって、ついには乗客はその人1人だけになったんだけど……」

 

 

かがみ・水原・黒井・ゆい「」汗

 

 

こなた「運転手さんはもう誰も乗ってないって勘違いしたらしくて……」

 

 

鈴木(なかなか話術あるな。俺はオチ知ってるけど)

 

 

こなた「なんと……」

 

 

かがみ「……」冷や汗

 

 

つかさ「」ゴクッ

 

 

こなた「大声で『断然2人は○○キュア』を歌い出したんだよ!」

 

 

水野「い゛や゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

黒井「うるさっ!」

 

 

こなた「なんで先生がそんな反応なのさ?」

 

 

水野「だって……だって!生徒に黒歴史晒されたらそうなるでしょ」

 

 

かがみ「えっ?」

 

 

水野「それ……実話というか犯人は私です。歌ったのはプリ○ュアではなく『かえして!ニー○ックス』だけど」

 

 

つかさ「どんだけー」

 

 

こなた「なんか一気に興ざめだね。」

 

 

鈴木「じゃあまだ時間も遅くないし肝試しでもするか?」

 

 

こなた「おっ!いいね!」

 

 

水野「じゃあゴールはここの駐車場にしようか。近くもなく遠くもないちょうど良い距離だし」

 

 

黒井「うちらもやるんか?」

 

 

ゆい「いや私達は……スタートに黒井さん、中間地点に私、ゴールに運転士の先生でいいんじゃない?」

 

 

水野「了解。じゃあゴール地点で待ってるよ。」

 

 

ゆい「じゃあ私は中間地点行くね~」

 

 

黒井「ほなうちは旅館出たところで待ってるからどうやって肝試しするか考えとき~」

 

 

鈴木「どうやって肝試しか……」

 

 

こなた「まぁくじ引きだよねー。ほい」

 

 

かがみ「アンタ、変なところで用意がいいな。」

 

 

こなた「同じ番号がペアってことで。二人一組だよーん」

 

 

鈴木「了解」

 

 

 

 

―旅館・入口

 

 

黒井「ほな地図は渡しとくで。まず一組目は?」

 

 

こなた「はいはーい!」

 

 

水原「それと私です。」

 

 

黒井「二組目は?」

 

 

鈴木「俺と」

 

 

みゆき「私です。」

 

 

黒井「残った柊姉妹が」

 

 

かがみ「はい。最後に出発です。」

 

 

黒井「途中に成実さん立ってるからちゃんと挨拶しぃや~。それとなんやトラブったらすぐ連絡するんやで」

 

 

全員「はーい」

 

 

黒井「ほな1組目、行ってき」

 

 

こなた「ふぃー」

 

 

水原「了解です」

 

 

 

 

―こなた・水原ペア

 

 

こなた「みずりんは肝試しとか怖くないのー?」

 

 

水原「別に~。だってただの公道だし。むしろアンタの発言の方が怖いよ。いろんな意味で。」

 

 

こなた「ふーん。じゃあもっと怖い発言してあげようか?」

 

 

水原「いやぁ……まぁ……いいや。どうぞ?」

 

 

こなた「みずりんってさー……つかさのこと好きだよね?」

 

 

水原「……えぇ。おぅ…えぇ…?誰かに言ったかなー?どっから聞いたのさ?」

 

 

こなた「聞かなくても見てりゃ分かるよ。鈴木くんも感づいたみたいだし。まぁ幸か不幸かつかさとかがみは気付いてないみたいだけど。」

 

 

水原「ふーん……。」

 

 

こなた「まぁ鈴木くんには口止めしてるし大丈夫だよ。なんだったら協力してあげようかー?」

 

 

水原「うーん……協力は要らないかな。未来は自分で切り開いてナンボでしょ。」

 

 

こなた「なるほどね~。でもなんか死亡フラグみたいなのが見えるよ……。」

 

 

水原「その時は……仕方ない。無理にくっつけようとしたところで無理なものは無理だしね~」

 

 

こなた「鮮やかすぎる考えだね。ギャルゲーにはいないタイプのキャラだよ……」

 

 

水原「そりゃギャルゲーの主人公は補正かかりまくってるしね。それに私は脇役なんでしょ?」

 

 

こなた「そだね~。脇役は当たって砕けてオーマイガーッが基本だしね~」

 

 

水原「脇役云々は嘘でも否定してくれや。」

 

 

こなた「自覚あるんだし良いじゃん♪」

 

 

水原「まぁいいか。言うとおりなんだし」

 

 

 

 

―みゆき・鈴木ペア

 

 

みゆき「よろしくお願いします。」

 

 

鈴木「よろしく。」

 

 

みゆき「こうして鈴木さんとお話するのも珍しいですね」

 

 

鈴木「言われてみればそうだな。にしても見かけによらず話しかけやすくて助かったよ」

 

 

みゆき「え?話しかけにくそうに見えますか?」

 

 

鈴木「ほら、美人だし、委員長だし、頭いいし、高嶺の花って感じがね」

 

 

みゆき「そうなんですか?」

 

 

鈴木「いや、まぁ勝手なイメージで悪いんだけどね。にしても怖くないの?」

 

 

みゆき「少し怖いですが大丈夫ですよ?」

 

 

鈴木「まぁ……ただの道だしな」

 

 

みゆき「……そうですね」

 

 

 

 

―つかさ・かがみペア

 

 

かがみ「ほら!行くわよ!」

 

 

つかさ「お姉ちゃん怖くないの?」

 

 

かがみ「何言ってるの?ただの道よ?」

 

 

つかさ「そ、そうだよね。」

 

 

かがみ「そうよ!ちゃっちゃと終わらせちゃいましょ!」

 

 

つかさ(お姉ちゃんもちょっと怖いんじゃ……)

 

 

-

こうして夏の夜は更けていきました。この後?特に何もありませんでしたよ。



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[第13話]夏が終わり…

―夏休み終盤

 

 

こなた「宿題写させて~」

 

 

かがみ(電話)「嫌よ」

 

 

こなた「宿題写させて~」

 

 

鈴木(電話)「嫌だ。自分でやりな。」

 

 

こなた「やっぱり似てる……そんなとこまで似なくて良いのに……」

 

 

 

 

―夏休み明け

 

 

こなた「ということで昨日徹夜でやったから眠いんだよ~」

 

 

つかさ「私も何故だか分からないけど眠い~」

 

 

かがみ「つかさは昼まで寝るクセつけるからでしょ?」

 

 

こなた・つかさ「……ふぬぬ……。」ウトウト

 

 

かがみ「こいつらだらしないとこばっか似やがって!」

 

 

鈴木「まぁ……言ってやるな……」

 

 

 

 

―放課後

 

 

鈴木「夏休み終わったら結構すぐに体育祭なんだな」

 

 

こなた「そだよ~。あ、そっか~鈴木くんは転校生だから知らないんだっけ」

 

 

かがみ「大変ね。もう種目は決めたの?」

 

 

つかさ「うん。お姉ちゃんはどの競技にでるの?足が速いしリレーとか?」

 

 

こなた「いや、かがみはパン食い競争でしょ。食い意地で速そう」

 

 

かがみ「もしかしなくてもケンカ売ってるだろ……。」

 

 

鈴木「かがみさんは食いしん坊キャラなのか?」

 

 

かがみ「違うわよ!こなたが勝手に言ってるだけ!」

 

 

こなた「わ~怖い怖い」

 

 

鈴木「それは失礼しました。……で、結局何に出るんだ?」

 

 

かがみ「……。」

 

 

こなた「ねぇ?図星?図星?」

 

 

かがみ「こいつマジむかつく!」

 

 

こなた「それはそうと借り人競争ってあるじゃん?」

 

 

つかさ「あの紙に書かれた人を連れてくる競争?」

 

 

こなた「そう。それで呼ばれたことがあるんだけど、結局何で呼ばれたか分かんないんだよねー。」

 

 

つかさ・かがみ・鈴木(言えない要素に心当たりが多すぎる!)

 

こなた「あぁ分からないことはみゆきさんに聞いてみよう。」

 

 

かがみ「聞くなよ。限りなく答えづらいから」

 

 

鈴木「マジでWi○ipediaみたいな扱いだな……。」

 

 

つかさ「というか、ゆきちゃんは委員会でいないんじゃなかったっけ?」

 

 

こなた「あぁそうだった……じゃあみずりんは」

 

 

鈴木「諸事情でいない」

 

 

こなた「仕方ない。この際、セバスチャンは」

 

 

鈴木「白石はカレー屋でバイトだ。」

 

 

かがみ「諦めなって……」

 

 

水野「知らぬが仏……かもしれないしね。」

 

 

こなた「そうですね……って先生!」

 

 

水野「どうした?」

 

 

こなた「先生に言われた通りGo○gle先生に聞いた答えを書いたのに再提出ってひどくない!?」

 

 

水野「まぁーコピペバレバレはダメってことだよ。だいたい一番上に表示されたサイトからコピペしたろ?」

 

 

こなた「え?うん」

 

 

水野「あのサイトは私が生徒を釣るために作ったサイトだから書いてること自体むちゃくちゃなんだよ?」

 

 

こなた「ええ~!何裏工作してるのさ?」

 

 

水野「釣られてるwwww乙wwwwざまぁwwwwm9(^Д^)プギャーwwwww」

 

 

こなた「先生、リアルの会話で草生やすのやめてもらえません?一般人が引いてますよ」

 

 

つかさ・鈴木「うわぁ……」

 

 

水野「まぁそういうことで頑張れや!じゃなー」

 

 

こなた「あれでよく教師になれたね……」

 

 

かがみ「まったくね……」

 

 

鈴木「偽サイト作るって暇すぎるだろあの教師」

 

 

 

 

―数日後 放課後

 

 

かがみ「ということで、体育祭に向けて自主練とかしてるわけよ。スポーツの秋って言うしね。」

 

 

こなた「でもそれって本当に体育祭のため?」

 

 

かがみ「どういう意味よ?」

 

 

こなた「その後の本番に向けてじゃないの~?」

 

 

鈴木「いくらなんでもパン食い競争だからパン取る練習ばっかり……とかじゃないだろ?」

 

 

かがみ「……。」

 

 

つかさ「そういえばお姉ちゃん、最近部屋でジャンプしてない?」

 

 

鈴木「まさか……俺、地雷踏んだか?」

 

 

かがみ「そ、そうよ!家でパンを取る練習もしてるわよ!つかさも余計なこと言わないでよ!」

 

 

つかさ「ごめん、お姉ちゃん」

 

 

こなた「ふふふ~なんだかんだ言って素直に認めるかがみ萌え♪」

 

 

かがみ「うるさいなー!」

 

 

鈴木「まぁ……なんだ。頑張れや」

 

 

かがみ「私より他のみんなはどうなのよ?」

 

 

こなた「みゆきさんはリレーになったよ。」

 

 

鈴木「最初は障害物競争に立候補してたのにな」

 

 

かがみ「第1希望にならなかったんだ。ジャンケンとかに負けたの?」

 

 

鈴木「いや、こなたが」

 

 

こなた「みゆきさん、体の凹凸が激しいから障害物はダメだよ~。色々くぐるし」

 

 

鈴木「といってキャンセルになった。」

 

 

かがみ「そりゃ中年オヤジのセクハラだろ……。」

 

 

鈴木「まぁ……言ってやるな。今に始まったことじゃない。」

 

 

こなた「それにみゆきさんは足速いからリレーで良いんだよ。適材適所ってやつだね!」

 

 

かがみ「四字熟語で何でもごまかせると思うなよ……」

 

 

 

こなた「あはっ☆」



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[第14話]スポーツの秋

―体育祭当日

 

 

黒井「いよいよ今日は体育祭本番や!練習の成果を見せたるんやで~!」

 

 

こなた「先生!あんまり練習してませんが本番に強いタイプです!」

 

 

黒井「はっきり言うなや!」

 

---

 

 

水原「まずは5m走DEATH!」

 

 

こなた「そういえばみずりんはここんとこ見ないと思ってたら今日の実況があって準備が忙しかったんだってね」

 

 

つかさ「クラス対抗でクラスごとに色が別れてるんだよね?」

 

 

みゆき「そうですね。私たちのクラスは赤、かがみさんのクラスは白、他には青や緑もあります。」

 

 

鈴木「説明ありがとう。とっても分かりやすかったぜ」

 

 

みゆき「いえいえ」

 

 

つかさ「どういたしまして~」

 

 

鈴木「俺のクラスは白石が出てるのか……」

 

 

水原「さぁ5m走、今、スタート!ゴール!!大接戦につき写真判定でございます!」

 

 

鈴木「大接戦というかすぐ終わったよな……」

 

 

こなた「言っちゃいけない約束だよ……」

 

 

水原「写真判定の結果が来ました。1着は赤」

 

 

白石「よっしゃぁぁぁぁぁ!」

 

 

水原「あっ、失礼しました。赤はフライング失格っすね」

 

 

白石「えぇ?」

 

 

黒井「白石!反省文5枚や!!」

 

 

白石「そんなぁ~」

 

 

鈴木「持ち上げて落とすスタイル……」

 

 

こなた「あの実況わざとじゃない?みずりん絶好調だね。」

 

 

---

 

水原「次はパン食い競争でございま~す!」

 

 

鈴木「頑張れー」

 

 

つかさ「お姉ちゃーん頑張ってー!」

 

 

こなた「勝ちなさ~い、女の子はエレガントに♪」

 

 

かがみ「エレガントなパン食い競争などあるか!」

 

 

水原「さぁ、まもなくスタートです!」

 

 

モブ「位置について!よーいドン!」

 

 

かがみ「てぃりゃぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

水原「今、スタートしました!白が集団を大きく引き離して一気にトップ独走だ!」

 

 

こなた「流石かがみ……色気の欠片もない勇ましさだね……。」

 

 

鈴木「言ってやるな。きっとアレが魅力なんだろ……多分な。」

 

 

こなた「棒読みだね。」

 

 

水原「さぁ白がパンに飛びついた!」

 

 

かがみ「はむっ……ん!!」

 

 

―ガシャーン!

 

 

水原「おっとアクシデント!」

 

 

こなた「さすがかがみの食い意地はハンパないね」

 

 

鈴木「それ以上はやめとけ。殺されるぞ……」

 

 

---

 

こなた「お疲れー」

 

 

鈴木「お疲れ様。」

 

 

かがみ「ありがとう。わざわざ見なくても良かったのに」

 

 

こなた「いや~かがみ、勇ましかったよ~」

 

 

かがみ「そうやっていじられるから見なくてよかったんだよ!」

 

 

水原「次の100m走に出場の選手はそろそろご準備くださーい」

 

 

鈴木「こなた、次だろ?」

 

 

こなた「おっとそだね。行ってくるよ」

 

 

水原「さぁ100m走まもなくの出走です!」

 

 

つかさ「こなちゃん頑張れ~」

 

 

鈴木(みずりんはずっと実況席にいるなあ……どんな気持ちなんだか……)

 

 

水原「今スタートォ!全者横並びのスタートですが、おっと赤の選手がグングン伸びてきた!速い速い!今赤がぶっちぎって1着でゴールイン!!」

 

 

---

 

つかさ「こなちゃんお疲れ~」

 

 

鈴木「えらい速かったな……」

 

 

こなた「こういうのはイメージが大事だよ。指だけでなく10円玉や定規を駆使するのさ。」

 

 

鈴木「昔のゲーム機かよ……」

 

 

かがみ「えらく懐かしいイメージだな……。」

 

 

水原「これより、昼休憩となります。競技再開までしばらくお待ちください。」

 

 

鈴木「昼からはつかささんがハードル走、かがみさんは走り幅跳び、ラストイベントがクラス対抗リレーだな。」

 

 

かがみ「そういえば鈴木くんは何に出るのよ?」

 

 

鈴木「俺か?俺は借り人競争だ。」

 

 

こなた「私を借りるときは何て書いてるか教えてね~」

 

 

鈴木「……場合によってはな」

 

 

こなた「むぅ。そういえばこういう借り人とか借り物競争って無茶振りが定番だよねぇ~」

 

 

かがみ「アニメとかゲームだけだろ!」

 

 

こなた「無茶振りされたら鈴木くんはどうする?」

 

 

かがみ「スルーですか……。」

 

 

鈴木「内容によるが無茶振りに乗るか逆ギレするかな」

 

 

こなた「へぇ……内容によっては乗るんだ……。『好きな人』とかって書いてたら?」

 

 

鈴木「いたら連れて行くだろうなぁ。内容を伏せるかどうかは気分次第だが。いなかったらキレて苦情を入れる。」

 

 

こなた「なんか至極まともだね。かがみは?」

 

 

かがみ「当たってみないと分かんないわよ。まぁそれもふまえて出ないのが一番じゃない?」

 

 

鈴木「出場者がいる前で言うなよ。」

 

 

かがみ「ご、ごめん」

 

 

鈴木「まぁ気にしてないからいいよ。だいたい俺が何故借り人競争選んだかも覚えてないし」

 

 

かがみ「そ、そう?」

 

 

こなた「ん~午後が楽しみだね~」

 

---

 

 

 

水原「お待たせいたしました。午後の競技が始まります!まずはハードル走です!」

 

 

つかさ(いよいよ私の出番だ……えーと……)

 

 

みゆき(回想)「ハードルは歩数でタイミングを合わせるといいそうですよ。1、2、3です」

 

 

つかさ(1、2、3……1、2、3……)

 

 

モブ「位置について!よーいドン!」

 

 

つかさ「あっ!」

 

 

水原「さぁ今スタート!おっと赤が出遅れた!緑がやや先行でしょうか!まもなく一つ目のハードルです!」

 

 

つかさ「右足から出したから1、2、3?」

 

 

―ガシャーン

 

 

つかさ「左足にえーと1、2、」

 

 

―ガシャーン

 

 

つかさ「3、2、3あれ?」

 

 

―ガシャーン

 

 

つかさ「さー、ざー、えー、3」

 

 

―ガシャーン

 

 

鈴木「全部倒してる……」

 

 

こなた「ある意味才能だね」

 

 

水原「青が今、1着でゴールイン!」

 

 

つかさ「あじゃぱー」

 

 

―ガシャーン

 

 

鈴木「実況とはいえ一切触れないのはみずりんなりの優しさか?」

 

 

こなた「というか感情が出てないように見えるね。」

 

 

みゆき「公私の切り替えがお上手なのかもしれませんね?」

 

 

こなた・鈴木(知ってるの!?)

 

 

かがみ「何?なんの話?」

 

 

つかさ「ただいま~えへへ~」

 

 

鈴木「お疲れ様。」

 

 

こなた「お疲れ~。次はいよいよ鈴木くんの借り人競争だねっ!」

 

---

 

 

水原「さぁ借り人競争です!ルールを簡単に説明いたします。スタートの合図で書かれた内容を確認し指定の人物を連れてゴールするのがこのレース、鬼畜な指令も用意されており運の要素も大切です。噂に聞いたところ『80歳以上』や『恋人または好きな人』なんてクジもあるのだとか。さぁ選手がクジを引き終わりました!まもなく出走です!」

 

 

モブ「位置について!よーいドン!」

 

 

緑モブ「うわぁ!やべぇクジ引いちまった!『ナレーター』って誰だよ!」

 

 

水原「おっと緑の選手がうなだれております!とんでもないのを引いたか!?」

 

 

鈴木(さて俺は……あー仕方ない。連れて行くか……)

 

 

水原「さてスタート地点で倒れている選手もいますがだいたいの選手が観客席に人捜しに向かっております!」

 

 

こなた「見た感じ、目的分からず探してる人と目的分かってる人が半々くらいだね。」

 

 

かがみ「鈴木くんはどうなのかしら?」

 

 

みゆき「一目散にこちらに向かってませんか?」

 

 

こなた「向かってるね~。さては例の『好きな人』でも引いたかなぁ?」

 

 

鈴木「おーい!」

 

 

かがみ「おいおいマジで来たよ。」

 

 

鈴木「つかささん、ちょっと来て」

 

 

つかさ「え?私?はい」

 

 

水原「おっと赤の選手がやってきました!他はまだ見つかってない模様!赤の選手が今一着でゴールイン!」

 

 

こなた(みずりんも心中穏やかじゃないだろうね)

 

 

みゆき(それを一切見せない水原さんはすごいです……)

 

 

かがみ「何?何黙ってるの?」(もしかして鈴木くんはつかさのことが好きなのかな?みんなそれを知ってて黙ってるの?)

 

 

こなた「いやぁ……うちのクラスの圧勝だね。ごめんねかがみ~。」

 

 

かがみ「いや、別に良いわよ」

 

 

鈴木「ただいま」

 

 

こなた「お疲れ~」

 

 

みゆき「お疲れ様です。」

 

 

かがみ「お疲れ様!1着おめでとう!」

 

 

つかさ「お姉ちゃんどうしたの?なんだか機嫌が悪そうだけど……」

 

 

かがみ「なんでもないわよ!鈴木くんはつかさのことがその……す……好きだっただけでしょ?」

 

 

こなた「え?そうだったの!?」

 

 

みゆき「驚きです。」

 

 

鈴木「ん?なんか勘違いしてないか?」

 

 

かがみ「勘違いじゃないでしょ?だからつかさを連れて」

 

 

つかさ「勘違いだよお姉ちゃん」

 

 

鈴木「そうだ。メモに書いてたのは『末っ子 ※一人っ子不可』だぞ?」

 

 

かがみ「え?」

 

 

こなた(まぁそんなとこだろうとは思ったけどね)

 

 

鈴木「何をそんなムキになってるんだ?」

 

 

かがみ「なっ、何でもないわよ!つかさをアンタみたいなフワフワした男に任せるのは不安に思っただけよ!なんか文句ある?」

 

 

鈴木「そうか、それほど俺は残念に見られていたのか……フワフワか……」

 

 

かがみ「そ、そんな落ち込まないでよ!ただちょっとつかさを任せるには不安なたけよ!そこまで自信無くさなくても良いじゃない!」

 

 

こなた「ねー?かがみって意外と良い人でしょ?」

 

 

鈴木「だな。ちょっと落ち込んでみるとすぐフォローしてくれるし」

 

 

かがみ「謀ったな!!」

 

 

こなた「ほらほら、かがみ。そろそろ出番でしょ?行かないと」

 

 

かがみ「あっ、うん。行ってくるわ。あとで覚えときなさい!」

 

 

鈴木「いってらー」

 

---

 

 

 

水原「続きまして走り幅跳びです」

 

 

あやの「あっ」ドサッ

 

 

こなた「あ~手が付いたとこまでになっちゃうんだ~」

 

 

つかさ「あっ、お姉ちゃんの番だよ~」

 

 

かがみ「とりゃぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

こなた「流石かがみん。色気が欠片もなく勇ましいね。」

 

 

鈴木「コピペ乙」

 

 

かがみ「やったぁ!……あ゛っ」ドサッ

 

 

こなた「砂にまで突っ込むか……」

 

 

鈴木「大丈夫なのか……あ、大丈夫そうだな。」

 

 

こなた「姉妹揃って砂が大好きなんだね~」

 

 

つかさ「えへへへ……」

 

 

鈴木「いやいや笑ってなくてキレても良いと思うぞ?」

 

 

こなた「でもつかさが怒ってるのは想像できないよね~」

 

 

鈴木「確かに」

 

 

こなた「かがみは怒ってばっかなのにねぇ~」

 

 

かがみ「ほぉ~!」

 

 

こなた「あ……」

 

 

---

 

水原「次は女子クラス対抗リレーでございます!」

 

 

かがみ「みゆきは何番目なの?」

 

 

つかさ「ゆきちゃんはね、アンカーなんだよ~」

 

 

鈴木「誰かが言ったとおり適材適所なんだろうな」

 

 

こなた「そだねー」

 

 

水原「さぁ選手揃いました!まもなくスタートです!」

 

 

モブ「位置について!よーいドン!」

 

 

水原「さぁ一斉にスタートしました!あまり差がつきませんが微妙に赤が先頭に出てますでしょうか。第一走者ではあまり差がつかないままコーナー曲がって第二走者にバトンが渡ります!」

 

 

こなた「それはそうと今更ながらに思ったんだけど」

 

 

かがみ「何?体育祭の必要性に疑問でも感じたわけ?」

 

 

こなた「いくらなんでもそこまでひどいことは考えないよ。体育祭じゃなくて、実況の必要性があるのかと……」

 

 

鈴木「どうなんだろな。実況無くても見りゃわかるといえば分かるんだが」

 

 

かがみ「ほら、つまらないこと言ってないで。もうすぐみゆきの番よ!」

 

 

水原「さぁいよいよアンカーにバトンが渡ります!トップの白、アンカーにバトンが渡りました!続いて」

 

 

つかさ「いつの間にか私たちのクラスがビリになっちゃってるよ!」

 

 

水原「赤もバトンが渡り、いよいよラスト1週です。おぉっと!!赤がものすごい勢いで追い上げてきた!伸びる伸びるグングン伸びる!」

 

 

つかさ「ゆきちゃん頑張れ~」

 

 

鈴木「頑張れー!」

 

 

水原「いよいよ最終コーナー!怒涛の追い上げを見せた赤が最後の1人も捕らえようとしている!しかし、白も粘る!さぁ大接戦!勝つのはどっちだ!?」

 

 

モブ「ゴール!」

 

 

水原「ほんの僅かな差でしたが……赤です!赤が僅差でこの接戦を征しました!」

 

 

こなた(さすがみゆきさん、観客サービスも忘れないねぇ~。字面だけじゃあんまり伝わらないけど)

 

 

鈴木「しかしほんとにすごかったな。」

 

 

かがみ「そうね…あの牛蒡抜きには恐れ入ったわ……。」

 

 

鈴木「まぁそれもなんだがこなたも1位穫ってたしかがみさんだって出た競技はすべて1位だった気がするし。周りは1位だらけで、すごいなぁと」

 

 

かがみ「ありがとう……でもアンタだって他人の妹使って1位穫ったじゃない」

 

 

鈴木「そりゃそうだけど……なんか言い方にトゲがあるな。すまんかったって。大切な妹さんを連れ出して」

 

 

かがみ「わ、分かればいいのよ。」

 

 

つかさ「私はそんなに気にしてないから大丈夫だよ~」

 

 

かがみ「まぁつかさもこう言ってるし、許してあげるわ」

 

 

鈴木「ありがとうございます、かがみ様。」

 

 

モブA「え?様付け?」ザワザワ

 

モブB「何?あの子同級生も様付けで呼ばせてるのかしら」ジロジロ

 

 

かがみ「かがみ様って言うな!」

 

 

鈴木「何故か謝ることになり何故か礼を言うことになった俺からのささやかな仕返しだ、かがみ様。」

 

 

モブ「」ザワザワ

 

 

かがみ「あーもうっ!呼び捨てでも何でも良いからかがみ様はやめろって!」

 

 

鈴木「なんか本気で嫌がってるしこれくらいにしといてやるか。」

 

 

こなた「何やらいい雰囲気ですねお二人さん」

 

 

かがみ・鈴木「そんなんじゃない!」

 

 

こなた「まぁ良いんじゃない?体育祭とか文化祭とかイベント事で接近するカップルは多いんだし」

 

 

かがみ・鈴木「人の話を聞け!」

 

 

こなた「そーですかそーですか。はいはい分かりましたよー。」

 

 

かがみ「なんかアイツ勘違いしてるね」

 

 

鈴木「ギャルゲー脳恐ろしや」

 

 

つかさ「閉会式始まるよー。」

 



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[第15話]いよいよ文化祭編突入!

-中間テスト返却

 

 

水原「体育祭終わったらすぐテスト突入だもんなぁ~ズタボロでしたぜ」

 

 

こなた「と言いながらみずりんは平均をしっかりキープしてる件」

 

 

鈴木「まぁ俺はいつも通りだったでな。」

 

 

かがみ「私はちょっと調子落としたわ……」

 

 

つかさ「私はいつもより良かったよ~」

 

 

かがみ「にしてもあの現代文のテストよ。『Kと同じ立場で相談した親友に恋人を取られたらあなたはどう思いますか?』とか『あなたが先生の立場ならKに譲りますか。それとも先生のように先取りしますか。理由も含めて書きなさい』とか謎過ぎる問題が多かったわ……」

 

 

こなた「あぁ、今回のテスト作ったのは水野ティーチャーだからね」

 

 

かがみ「それで変わった問題が多かったのね。変わった先生は変わった問題を出してくるわけだ」

 

 

水野「柊さん(姉)、-500ポイント」

 

 

かがみ「ゲッ!」

 

 

水野「壁に耳あり障子に目あり。陰口は聞こえないようにするのがマナーだよ。」

 

 

みゆき「でも、先生。どうしてあのような字数制限無しの記述問題を多数出題されたのですか?」

 

 

水野「ん?そんな生徒の作文作成能力を上げようとかじゃないよ。」

 

 

かがみ(違うんかい!)

 

 

水野「勉強勉強って言っても面白くないしね。それにこの学校の生徒はだいたいが真面目だからわざわざ言わなくても勉強してくれるしね。」

 

 

かがみ「まぁ例外もいるけどね。」

 

 

こなた「なんで私の方を見るのかなー?」

 

 

水野「ただねぇ、実際に考えてほしかったんだ。先手必勝は本当なのか。でも後手後手で勝てるのかどうか。自分だけの解答を見つけてほしかったんだよ。人生は一度きり。悩んでる暇なんて無いんだぞってね。前進あるのみ。ぶつかったらその時はその時さ☆」

 

 

こなた「先生、運転士のバイトでもそんな感じで前進あるのみ、ぶつけてもその時はその時なんですか?」

 

 

水野「いや、まったく。だってぶつけたら請求ヤバいし。」

 

 

かがみ(この教師、説得力ねぇな!)

 

 

水野「まぁあんな変なテスト、受験生には出せないしね。今だから出来ることかなと思って出してみたんだよ。」

 

 

鈴木「へぇー。」

 

 

水野「まぁなんだ。今しか出来ないことを見つけてやることだね。青春は待ってくれないんだよっ!」

 

 

こなた「先生が言っても説得力無いですケドねー」

 

 

水野「まぁそうだね。さて、テスト終わったわけだし。次は文化祭だっ!がんばりたまえ!」

 

 

水原「今しか出来ないことですか……」

 

 

水野「そう!今しか出来ないことを自分で見つけろ!……おっと!バイトがあるんで失礼!ではっ」

 

 

かがみ「バイト隠す気無いよね……」

 

 

こなた「まぁ『壁に耳あり障子に目あり』って言ってたしバレても怖くないんじゃない?」

 

 

かがみ「よー分からんわ。」

 

 

鈴木「にしても次は文化祭か……。ここの文化祭はどんなんなんだ?」

 

 

かがみ「2日間開催よ。結構大きなイベントね。」

 

 

こなた「それなりに楽しいしねー。そういえばクラスで何するかもう決まった。」

 

 

かがみ「えっ……?まだ決まってないの?」

 

 

鈴木「まだ期間もあるし普通じゃないのか?」

 

 

かがみ「まぁ……うちのクラスが早くに決まっただけかな?」

 

 

つかさ「お姉ちゃんのクラスは何するの?」

 

 

かがみ「うーん。まぁそれは当日のお楽しみね。まぁ来なくて良いわよ?」

 

 

こなた「ん?かがみは何か隠してるなー?」

 

 

かがみ「なんでもないわよ。」

 

 

鈴木「結局、うちのクラスは何するんだろうな」

 

 

みゆき「次のホームルームで決めるそうですよ。一応、自分では『文化祭のルーツを調べて年代毎に特色などをまとめて展示する』というのを提案しようと思っているのですが」

 

 

こなた(やばいっ!それはつまらなそうだ!何か提案しないと!)

 

 

鈴木(ここの文化祭はそんなにお堅いのか……?ってこなたの顔をみる限りそんな訳ではないみたいだな……。)

 

 

水原(今しか出来ないこと……か)

 

 

水原「すいません。私、本屋に寄りますので。ではっ」

 

 

こなた「ばいにー」

 

 

鈴木「どうしたんだろな急に」

 

 

こなた「何か思いついた顔してたし文化祭アイデアでも閃いたんじゃない?」

 

 

鈴木「なるほどな。みずりんのセンスじゃ不安しか無いけどな。」

 

 

こなた「いやいやそんなこと無いよー。本気の時にはなかなかのセンスなんだし」

 

 

鈴木「本気の時って……あぁなるほど」

 

 

かがみ「なんか水原くんが本気って想像つかないわね。こなたほどじゃないけどいつも勢いばっかりな気がしない?」

 

 

こなた「まぁーまぁーかがみ、きっとみずりんは文化祭に本気なんだよー。脇役キャラなのに大変だね~」

 

 

鈴木「脇役キャラって……」

 

 

こなた「本人も認めてるよー」

 

 

かがみ「まぁあながち間違いじゃないかもね。」

 

 

鈴木「まぁ間違いじゃないからなぁ……コメントし辛いぜ」

 

 

 

―ホームルーム

 

白石「ということで文化祭の出し物について何か提案がある方は挙手してください。」

 

 

みゆき「はい。文化祭のルーツを調べて年代毎の特色などをまとめて展示するというのはいかがでしょう?」

 

白石「はい?はい、書きますね。他にはー?」

 

こなた(いかん……何も考えてなかったよ……)

 

 

鈴木(文化祭実行委員の白石でさえ若干ビビってるな。)

 

こなた(この状況じゃみゆきさんの案になってしまう……!)「はい!喫茶店!」

 

白石「はい、喫茶店ですね。」

 

こなた(しまった!つい言ってしまった……言い出しっぺは仕切りとかさせられそうでヤなんだよ……)

 

水原「はい、演劇。」

 

こなた(お!みずりんナイス!あとは演劇に決まれば私が面倒事を背負うことは無い!)

 

白石「他にはありませんか?……では多数決で決めましょうか……」

 

多数決の結果、喫茶店と演劇で接戦となり演劇に決まりました。

 

白石「さて、演目はどうしましょうか……?」

 

 

―シーン

 

黒井「水原は何かアイデア持ってるんちゃうん?」

 

こなた「そだよね~。餅は餅屋って言うし」

 

鈴木「餅は餅屋?」

 

こなた「劇やるならひとまず演劇部に任せてみようってことで」

 

 

鈴木「ふーん。ってみずりんが演劇部って初耳だぞ」

 

こなた「それより、みずりん。君が積極的に動くってことは何か案とかあるんじゃないのー?」

 

水原「まぁありますけど……そこまで私がでしゃばっていいのかなー」

 

黒井「ええんちゃう?このままやったらジリ貧なりそうやし。なんやったら前に出てええで」

 

水原「そうですか。では失礼して……。高校の演劇では比較的有名な作品なんですが……これなんてどうでしょうか?」

 

こなた(みずりん、やる気満々じゃん……)

 

 

水原「ストーリーを簡単にご説明しますね。タイムトラベルが実用化された時代のお話です。でもタイムトラベルによる歴史改変が問題化していました。主人公のニュースキャスター柿本光介も過去を改変されます。そもそも柿本には恋人で教師のはるかがいたのですが、このリア充をよく思わない人はいるんですね。それがはるかの元同僚のサルマル。彼はタイムトラベルをして柿本とはるかの仲を引き裂こうとするんです。」

 

 

こなた(どこにでもいるんだねー困ったちゃんは)

 

 

 

水原「で翌日。さらに過去が改変されます。なんとはるかは1年前にサルマルと結婚していて柿本も同じくニュースキャスターのヨシノさんと婚約してるんですね。」

 

 

鈴木(ややこしいぞ?まとめると柿本とはるかが付き合ってたけどサルマルがはるかを横取りして柿本はヨシノさんっていう同じニュースキャスターと引っ付いた。ってことか?)

 

水原「柿本はTV局をやめ車を売りすべてを投げ出してはるかを取り戻すべくタイムトラベルをします。どうなるかは……お楽しみにって具合でしょうか」

 

白石「ありがとうございます。で、他に案がなければ決まりですが?」

 

 

―シーン

 

 

こなた「じゃあ私は賛成しとくよ~みずりんがいつになく本気だし」

 

みゆき「そうですね。面白そうですし。」

 

 

鈴木「仕方ない。俺も応援するぞ」

 

黒井「水原、今台本あるかー?」

 

水原「はい。ありますが」

 

黒井「ほな明日までにコピーして全員分は用意したるから後は頑張りや~。」

 

水原「ありがとうございます。」(あれ?もしかして私、仕事丸投げされてる?)

 

白石「では台本には目を通しておいてください。次のホームルームで配役や役割分担を決めますので。水原くんが後はすべてやってくださいね。提出資料の準備だけは僕がしますので」

 

 

水原「サンキュー。って仕切りとかまとめは私?」

 

黒井「適任やろ。」

 

 

水原「はぁ……。」

 

 

 

―翌日、台本配布後の放課後

 

かがみ「おーす、こなたー。帰ろー」

 

 

こなた「ごめーん、台本読んでるから先帰っていいよ~」

 

かがみ「そう?ていうか劇するんだ?」

 

 

こなた「そうそう。みずりんが珍しく超本気だったしね」

 

かがみ「ふーん。水原くんの超本気って想像がつかないわ……」

 

水原「失礼な言い方だなー」

 

かがみ「うわっふ!いたんだ……」

 

水原「まぁ……たまには本気にならないとね。」

 

鈴木「だいたい読み終えたがメインは4人か?」

 

こなた「主役は柿本とはるか、サブ主役がサルマルとヨシノ、あとは脇役かなぁ。話の展開的にこの4役が私たちになりそうな予感だね!」

 

みゆき「泉さん、メタ発言は控えてください。それに別のクラスのかがみさんを除くと私たちは泉さん、つかささん、鈴木さん、水原さん、私の5人ですよ?」

 

つかさ「あ……私は衣装とか道具係とか裏方が良いかな……」

 

鈴木「となるとピッタリ4人が男女比そのまま4役当てはまるんだな。」

 

こなた「と言ってもみずりんは脇役だからどうなるかわかんないけどねー」

 

水原「そだねぇ……まぁ何になっても私は良いけどね」

 

こなた「何が何でも裏方がいいとかないの?」

 

水原「ん?その辺はそない気にしてないよ。」

 

鈴木「そうかい。俺が裏方の方が良いけどな」

 

こなた「まぁそうはならいんだろうねー」

 

水原「ではとりあえず、また明日ってことでね」




演劇やろうぜ!と持ち出した台本はとある演劇集団さんの作品で高校の演劇部が演じていることも多々あるハートフルコメディ作品です。
ちなみに私は演じる側でこの作品にかかわったことはありませんがw


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[第16話]舞台にかける青春?

―翌週のホームルーム

 

 

水原「さて、配役を決めましょうか。裏方から先決めるとだいたい『役者出来る気しない』タイプの人が乱発しそうなので役者から決めます。」

 

 

こなた「ちなみにみずりんは普段どんな役してるの?」

 

 

水原「私?私はだいたい3枚目脇役かなぁ」

 

 

こなた「なんだ、素のみずりんと変わんないじゃん。脇役ばかりなのは演技力に不安があるからなんじゃなーい?」

 

 

水原「なっ、なんだと?この際なんではっきり言いますが、脇役の方が大変なんですよ。主役はただセリフ言ってりゃ良いですが脇役はセリフもないのに表現し続けなきゃならんくて大変なんですよ!」

 

 

こなた「ふーん……じゃあ主役やったら?まぁモテモテの柿本くん♪ってイメージじゃないしサルマルかなー」

 

 

水原「おまっ!」

 

 

モブA「まぁやる気ある奴がやったらいいんじゃない?」

 

 

モブB「似合ってる似合ってる」棒読み

 

 

モブC「いーじゃん」棒読み

 

 

鈴木「圧倒的な支持じゃないか。決まりで良いだろ」

 

 

こなた(モブたちは自分に回ってこないように必死だね……)

 

 

水原「分かりました。良いでしょう。やってやるDEATH!」

 

 

こなた「おーナイス!なんなら私も役者やってみてもいいよ~。一回やってみたかったし。」

 

 

水原「よし、じゃあはるか役な」

 

 

こなた「え゛っ?メインヒロインですか?オカシクナイデスカ?」

 

 

水原「はい、おかしいですが頑張ってください。異論ある方?」

 

 

―シーン…

 

 

水原「ほらね?大丈夫!大丈夫!なんだったら柿本役は決めてくださって構いませんよ。」

 

 

こなた「って言われてもモブに当てれないし男子となると鈴木くんかセバスチャン白石しかいないしなー。主人公みたいなポジションだから鈴木くんで!」

 

 

鈴木「はっ!!?」

 

 

水原「異論ありませんか~」

 

 

鈴木「異議あり!俺は演技力自信ないしそもそも未経験者だし!」

 

 

こなた「大丈夫大丈夫。大丈夫だよね、みずりん?」

 

 

水原「まぁやる気次第でどうにでもなりますので大丈夫ですよ♪他に異論ありませんか~」

 

 

―シーン…

 

 

水原「はい、決まり。ヨシノさん役は……」

 

 

みゆき「あの……私がやってみたいのですが……」

 

 

水原「はい決まり」

 

 

鈴木「はやっ」

 

 

水原「だって似合ってるし自分で手を挙げるってのはやりたいからでしょ?『似合ってる』と『やる気』が揃えば特に問題なし!他にやりたい人もいないっぽいし」

 

 

こうして他の役割もポンポンと決まりました。ちなみに本編では触れられてませんが柊つかさは制作になりました。水原的には面白く無いかもしれませんが適材適所の言葉通りになったようです。

 

 

水原「では役者組は土日の間に台本を覚えろ。とは言いません。ですが台本を持ったまま話して動ける程度には流れをつかんでおいてください。再来週には覚えてね。来週の月曜から順次練習していきましょう!私からは以上です。」

 

 

―練習初日

 

 

水原「では練習いきましょう!」

 

 

みゆき・鈴木「こんばんは。ニュースプラネットの時間です。」

 

 

鈴木「政治、経済、科学に教育」

 

 

みゆき「国際問題からご近所の噂話までホットな話題を冷めないうちにお届けします」

 

 

水原「どう思う?」

 

 

こなた「なんというか……」

 

 

水原「コメントに困るよねぇ。一旦、止めます。気楽にお願いします。何て言うかなーこう、もっと楽しんでください。」

 

 

鈴木「なんか指摘がむちゃくちゃだなぁ。」

 

 

みゆき「あの……もう少し分かりやすくお願いします」

 

 

水原「うーん。あれこれ私が言うと私の感性100パーセントになるんでよろしくないですねん。なんで好き放題やって。問題がある時だけ止めるから。」

 

 

こうして同じ場面を繰り返すこと数時間。下校時間となりました。練習していたのはおもに2人だけでしたが。

 

 

水原「すいません、私のわがままで付き合ってもらって……」

 

 

みゆき「それは構わないのですが」

 

 

こなた「みゆきさんはだいぶいい感じになったよね~。それに引き替え鈴木くんの大根っぷりには困っちゃうね~。」

 

 

鈴木「るっせー。」

 

 

水原「とりあえず堅い。気楽に気楽に」

 

 

鈴木「出来たら苦労しねーよ!」

 

 

水原「専門家とか評論家が見に来る訳じゃないんで遊んじゃってください。ちなみに私は専門家気取りの自称作家先生にネットで酷評されたことがありますけど。」

 

 

こなた「そりゃー災難だったね~。」

 

 

鈴木「遊ぶってどうすれば」

 

 

水原「テンション上げてはっちゃけろ!ダメなら私が止める。」

 

 

かがみ「水原くん、あんまり無茶振りしちゃダメよ。」

 

 

水原「おっふ!いつの間に……」

 

 

かがみ「ちょうどつかさと帰ろうとした時に見かけたから寄ってみたの」

 

 

つかさ「お疲れ様~」

 

 

水原「お疲れ様です。私、そんなに無茶振りしてました?」

 

 

つかさ「う、うん。ちょっとね」

 

 

こなた「でも鈴木くんの大根っぷりも大概だからね~。かがみからもなんか言ってあげて~」

 

 

かがみ「え?まぁ……頑張りなさい。」

 

 

鈴木「お……おう。」

 

 

 

水原「とにかく。文化祭は楽しまなきゃ損だから!楽しめ!」

 

 

 

こなた「そだよ~。鈴木くん楽しんでないのが見え見えだから」

 

 

 

鈴木(いきなり役振られて楽しむ余裕なんかねーよ)

 

 

 

かがみ「そうね。確かに楽しんだらそれでいいのかもね」

 

 

 

こうして練習初日は終わったのでした。

 



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[第17話]告白

それから数日後。やっと鈴木善治も調子をつかんできた頃でした。

 

鈴木「って今日のシーンはこれか……」

 

こなた「そだね~」

 

鈴木「マジでやるのか……」

 

こなた「まぁゲームみたいにキスシーンまである訳じゃないんだし良いじゃん」

 

鈴木「それでも恥ずかしいし、だいたい何のゲームの話なんだそれは」

 

こなた「何のゲームだろうね~さぁ練習始めようか。」

 

みゆき「では、お願いします。」

 

鈴木「好きでした会うのは今日が初めてだけどずっとずっと好きでした」棒読み

 

みゆき「すいません。止めて良いですか?」

 

こなた「だね~今のはひどいよ~。言われても何も感じなかったもん。」

 

鈴木「すまん。でもやっぱり言いにくいセリフだ……。」

 

こなた「言いにくくてもやらなきゃダメじゃん。私を落とすぐらいの勢いで頑張りたまへー。はい、もう一回。」

 

鈴木「はい……。スキデシタアウノハキョウガハシメテダケドズットズットスキデシタ」超早口

 

こなた「はいかっとー。早口過ぎて聞き取れないよ。」

 

鈴木「そんなこと言ったって、こんなこっぱずかしいシーン!拒絶反応がぁ~」

 

こなた「一番おいしい場面じゃん。何?拒絶反応って」

 

水原「そうだぞー?ファン獲得できる絶好の場面やで?」

 

鈴木「うわっ!いきなり出てきたな。『やで』って……」

 

みゆき「裏方さんと打ち合わせは出来たのですか?」

 

水原「はい。まぁ裏方さんも色々あって大変そうだったよ。こっちよりはマシだったが」

 

鈴木「悪かったな!」

 

水原「ということで多分、時間足りないから私は来週から下校時間過ぎても作業出来るように届け出を出してくるんでしばらくあの大根役者を頼んますわ~」

 

こなた「了解~」

 

みゆき「わかりました。」

 

鈴木「大根役者って腹立つ言い方だなぁ。上から…まぁ言われても仕方ないか……。」

 

こなた「分かってるなら頑張ってね。」

 

みゆき「ではほんの少し前の場面からやってみましょう。どうぞ!」

 

モブA「先生は柿本光介みたいな人が好きだったんじゃないんですか?」

 

こなた「好きって言っても出会わなきゃ結婚も出来ないじゃない」

 

モブA「そんなの分からないですよ?誰かが先生のことを待ってるとは思わないんですか!?」

 

―タッタッタッ

 

鈴木「はじめまして柿本光介です。」

 

モブA「キヤッホンモノ!」

 

モブB「ちょっ柿本さん!」

 

鈴木「す……あー……すきでした。会うのは今日が初めてだけど……ずっとずっと好きでした……」

 

みゆき「カットです!」

 

こなた「あちゃー。なんで途中までいい感じだったのに。急におかしくなっちゃうかなー」

 

鈴木「やっぱりなぁ……恥ずかしいというか言いにくいというか……」

 

こなた「何回も何回もそんなこと言ったって仕方ないじゃん!私にそのセリフを言うのがウソでもそんなに嫌なの!?」

 

鈴木「だいたい元はと言えばこなたが俺にこの役を回してきたんだろ!?」

 

こなた「どうしても嫌なら言えば良かったじゃん!私は鈴木くんなら似合うと思ったから指名したんだよ!?」机ドン!

 

みゆき「あの落ち着いてください。」

 

こなた「もういいよ。今日は練習やめて帰る。みずりんには風邪とか適当に言っといて」

 

鈴木「ちょっ、待てよ」

 

こなた「だっていつまでも改善されないんだもん。演技でも思いっきりやってほしいけどもういいや。勝手にすれば?じゃっ」スタスタスタ

 

かがみ「ちょっと?すごい音聞こえたしこなたはどっか向かったしどうしたの?」

 

つかさ「大丈夫~?なんかすごい音が……ってこなちゃんは?」

 

みゆき「……かがみさん、つかささん。ちょっと待っててください。みなさん、今日は解散にしましょう。」

 

モブ多「は……はいお疲れ様でした」

 

鈴木「お疲れ様でした。」スタスタスタ

 

かがみ「ちょっとみゆき?どうなってるの?どうしたの?なんか鈴木くんも凄い暗い顔で何も言わず帰ったし。」

 

つかさ「そうだよ。何があったの?言える範囲で教えて?」

 

みゆき「はい……」

 

―みゆき事情説明―

 

みゆき「……ということなんです。もう今日は練習出来そうにもないので解散にしました。私は水原さんが帰ってくるまで事情説明のために残ります。」

 

かがみ「にしても鈴木くんも困ったもんだけどこなたもこなたねー。よっぽど楽しんでたのかしら?」

 

つかさ「そうだねお姉ちゃん。こなちゃん口では文句言いつつもすごい練習楽しそうだったし……。」

 

かがみ「私、鈴木くんと話してくる。こなたも明日には頭も冷めてるでしょうし。一観客として楽しみにしてるんだから中止とかになってほしくないしね」

 

みゆき「かがみさん、ありがとうございます。」

 

かがみ「みゆきはこなたの方なんとかしといて。頼んだわよ」

 

みゆき「分かりました。」

 

かがみ「じゃ」スタタタタ

 

つかさ「あの……私は?」

 

みゆき「出来ればこのことは裏方さんには言わないでもらえますか?不安にさせたくありませんので」

 

つかさ「分かったよ。さっきの音はちょっと誰かが転んだことにしとくね」

 

みゆき「はい、お願いします。」

 

つかさ「じゃあ私は自分の仕事に戻るよ。」

 

みゆき「はい……さて、水原さんにはどう説明しましょうか……。」

 

 

 

 

―バス車内

 

鈴木(はぁ……俺なにやってるんだろうなぁ……こなたを怒らせてしまったし……)

 

かがみ「ちょっと?ねぇ、ちょっと?」

 

鈴木「ん?あ、かがみか……。」

 

かがみ「っていつの間に呼び捨てなのよ……。」

 

鈴木「体育祭の時に良いって言ってなかったか?」

 

かがみ「そういえば言ったわね、そんなこと。」

 

鈴木「嫌なら戻すけど?」

 

かがみ「いや、別にいいわよ」

 

鈴木「そう?じゃ、そういうことで」

 

かがみ「はい、また明日ね……ってんなわけないでしょ」

 

鈴木「バレたか……」

 

かがみ「バレてるわよ。何があったか説明してもらえる?」

 

鈴木「……はい……。というかまぁたった一言、どうしても詰まるセリフがあるだけなんだが……それでこなたがキレた」

 

かがみ「どんなセリフよ?」

 

鈴木「待て、ここはバスの中だぞ?」

 

かがみ「別に大声でやらなくていいわよ?日常会話くらいの大きさで言ってくれたらいいから。文化祭はこのバス以上の人がいるのよ?」

 

鈴木「いや、でもなぁ……」

 

かがみ「ほら!別にセリフ一言くらいじゃネタバレにはならないって!ズベコベ言わずにセリフ一言くらい言いなさいよ。」

 

鈴木「……。」

かがみ「こりゃこなたが怒るのも分かる気がするわね……。」

 

鈴木「分かった!言う!言うから!」

 

かがみ「やっとか。セリフ一言にどんだけ時間をかけるんだか……」

 

鈴木「言うぞ?……好きでした。会うのは今日が初めてだけどずっとずっと好きでした。」

 

 

かがみ「えっ?」

 



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[第18話]それも演技

―教室

 

水原「お疲れ様~」

 

みゆき「あっ、お疲れ様です。えーと水原さん、どうしましょう……」

 

水原「あ~うまくいったみたいですな」

 

みゆき「はい?」

 

―バタン!

 

こなた「やふ~。ごめんねみゆきさん。みずりん、あんな感じで良かった?」

 

水原「うん。想像以上。上出来上出来」

 

みゆき「あの……お話が見えないのですが……」

 

 

こなた「ごめんね~みゆきさん」

 

水原「彼に発破をかけるためにわざとキレてもらったんですよ。」

 

みゆき「え?」

 

こなた「ちょっとイラついてたのは事実だけどね。私だって子供じゃあるまいし本気で怒ったりはしないよー」

 

みゆき「あの、発破をかけるというのは?」

 

水原「鈴木君はねーイマイチ本気度が低いように見えたから本気になってもらおうとね」

 

こなた「みずりんが言ったんじゃ『俺は本気だ!』とかって言い合いになって殴り合いになっても大変だしね。」

 

水原「勝ち目ないし。」

 

こなた「だったらいつもゆるーりまったりの私が怒ったら鈴木くんも変わるかなぁ~と」

 

みゆき「なるほど……。でしたら私にも言っていただければ」

 

こなた「それはアレだよ。敵を騙すならまず味方からだよ~」

 

水原「まぁ敵はいないけどね。あ、別のクラスの人って意味じゃ釣れてたが……。」

 

こなた「そだね。いや、アレはアレでいいんだよ。かがみなら鈴木くんにうまくやる気出させてくれるんじゃない?」

 

みゆき「でも、もしうまくいかなければどうなさるおつもりで……?」

 

水原「その時はその時。そこまでしても何ともならないなら役降ろして代打探すなり何なりするよ。」

 

こなた「でも多分、鈴木くんなら大丈夫。」

 

水原「まぁ悪い奴じゃないし、そう信じたから実行したのよさ。」

 

みゆき「信頼なさってるのですね……。」

 

こなた「みゆきさんのことも信頼してたよ~。」

 

水原「あの場をうまくまとめてくれるだろうって信頼をね。さて、私とこなたんはこれから誤解を与えてしまった他のメンツに謝ったり謝ったり謝ったりしないといけないから失礼するよ。お疲れ様。」

 

こなた「みゆきさん、明日が楽しみだね~。今日は迷惑かけてごめんね。じゃ~」

 

みゆき「あ、はい。お疲れ様です。」

 

こなた「それとみずりん」

 

水原「はいよ?」

 

こなた「役者以外にかがみとつかさも釣れたじゃん?かがみには明日まで黙ってるとしてつかさには今日謝っといてー」

 

水原「了解~」

 

---

 

水原「とりあえず学校内にいる人には説明してきたからあとはひーちゃんに説明しないと……あれ?私、誰にこんな説明してるんだ?……まぁいいや。お疲れ様でーす!」

 

白石「おっ!お疲れ様。役者チームなんかあったのか?」

 

 

 

水原「知ってるのか?」

 

白石「いや。ただ凄い音が聞こえて様子見てきた柊さんが暗い顔して帰ってきたから。誰かが転んだって聞いたけどそんなに深刻なのか?」

 

水原「いや、深刻ではない。裏方さんは心配しないでくれ。」

 

白石「そう?なら良いんだが……。」

 

水原「一応、柊さんにだけは事情説明しとかないとだしちょっと借りて良いかな?」

 

 

白石「ん?それはちょっとなぁ……。あ、必要なものの買い出しがあるからそれ買いに行ってもらおうか?荷物持ちしてくれるとこちらとしても助かるんだが」

 

水原「あ、了解です。」

 

白石「柊さん、ちょっといいかな?」

 

つかさ「はい?」

 

白石「ちょっとこれ買ってきてくれないか?」

 

 

つかさ「う、うん。結構な量だね」

 

 

水原「私が荷物持ちしますのでご心配なく」

 

 

つかさ「え?あっち(役者チーム)はいいの?」

 

 

水原「まぁその件も含めて説明しますので。行きましょうか」

 

 

白石「買ったものは明日、持ってきてくれたら良いから今日は解散で大丈夫です。」

 

 

つかさ「え?あ、はい。じゃあ、お疲れ様です。」

 

 

 

―再び戻ってバス車内

 

 

かがみ「ちょっ?え?何?なんでいきなり?劇の話してたよね?」

 

鈴木「うん。今のが俺が言えなかったセリフだ。」

 

かがみ「……あ!そういうことね……。確かに簡単には言えないわ……。しかも初めて会うとか意味わかんないし……。」

鈴木「その辺の意味は当日までお楽しみ……って言うか出来ないから困ってるんだよなぁ……。」

 

 

かがみ「やっぱりその……好きじゃない人に告白するのは演技でも戸惑うの?」

 

鈴木「だな……。だから苦労している。」

 

 

かがみ「まぁ分かると言えば分かるけど……」

 

鈴木「で迷惑をかけちゃったわけだ……。どうしたもんかなー」

 

 

かがみ「どうするもこうするもこなたにちゃんと謝って許してもらった上でちゃんと演技をやりきるしか無いんじゃないの?」

 

鈴木「だよな……。」

 

かがみ「こなたが好きじゃなくても嫌いでも割り切ってやりきりなさい!」

 

鈴木「……」

 

かがみ「返事は!?」

 

鈴木「はい」

 

かがみ「いい!?ちゃんと演技して劇を成功させるのよ!約束だからね!?」

 

鈴木「はい!…ってなんでそこまで?」

 

 

かがみ「それは…単に劇を楽しみにしてるだけよ!」

 

 

鈴木「あーうん……あ、そうだ」

 

かがみ「何よ?」

 

鈴木「俺、こなたのこと嫌いじゃないからそれだけ誤解しないでくれな?」

 

かがみ「え?……うん。」

 

鈴木「友達としては好きだ。ただ恋愛対象として見れないのは事実だが……。」

 

 

かがみ「そう……。わたs」

 

運転士「お客さん、終点ですよ!」

 

鈴木「あっ、降りなきゃ!」

 

かがみ「とにかく明日から」

 

 

鈴木「ちゃんとやる!約束は果たす。」

 

 

かがみ「分かってるじゃない」

 

鈴木「もちろんだ。じゃっまたな!」

 

かがみ「はい、またね。」

 

 

-1本後のバス

 

 

水原「ということなんです。ご心配おかけして大変申し訳ありません……。」

 

つかさ「いいよ~。ちょっとびっくりしちゃったけど……」

 

水原「本当にすいません。あ、あともう一つお願いがあるのですが……」

 

つかさ「ん?何?」

 

 

水原「ひいら……いや、かがみさんにはこの件は一旦、バラさないでもらえますか?」

 

つかさ「え?なんで?」

 

 

水原「理由は私にも分かりませんがこなたさんからそうリクエストされましてね」

 

つかさ「う、うん……。」

 

 

水原「本当にご迷惑をおかけして申し訳ないですがよろしくお願いします。」

 

つかさ「うん。私から一つ気になったことがあるんだけど、いい?」

 

水原「はい?」

 

つかさ「なんで敬語なのかなー?って」

 

 

水原「……うーん。なんでかなー。多分、気分。」

 

 

つかさ「そっか~。気分なんだ~?」

 

水原「はい。なんでちょくちょく話し方が変わるんで。まぁ緊張したりすると丁寧語オンパレードになったりするかなー……」

 

つかさ「そうなんだ~。じゃあさっきも緊張してたの?」

 

 

水原「ええ。そりゃもうね。あんな場面見せちゃって嘘でしたーなんて言ったら殺されちゃうかなーと」

 

つかさ「え~殺さないよ~」

 

 

水原「まぁ冗談ですけども、申し訳ないことしちゃったのは事実ですので多少の誠意はお見せすべきかと思ったわけですよ」

 

つかさ「なるほどぉ~」

 

水原「あ、そろそろ着きますね。ささっと買っちゃいましょうか。めっちゃ買うもんあるな……」

 

つかさ「そだね~」

 

 

―柊家

 

 

つかさ「でね~、水原くんが荷物持ってくれたんだけど」

 

かがみ「へーいいとこあるじゃん」

 

 

つかさ「袋が崩壊してガムテープがコロコロ転がって大変だったよ~」

 

 

かがみ「へ、へー……」

 

つかさ「そういえば、お姉ちゃんはどうだったの?」

 

かがみ「え?……まぁなんとかなるんじゃない?あれでならなきゃ困るわよ。」

 

 

つかさ「へぇ~。そんなに何かあったんだ~?」

 

 

かがみ「何もないわよ?ただちゃんとやるように約束したから大丈夫なんじゃない?」

 

 

つかさ「お姉ちゃん、結構鈴木くんを信頼してるんだね~。」

 

 

かがみ「そんなんじゃないわよ!誤解を生むような言い方やめてくれない?」

 

つかさ「え?誤解ってどんな?」

 

かがみ「……まさか、わざと?いや、つかさに限ってそんなことは無いか……。そういえばこなたは何かメールとかで言ってた?」

 

 

つかさ「え?あ~……うん。もう怒ってないって」

 

かがみ「おーそりゃ良かった。劇楽しみにしてるからさっさと仲直りするようにって伝えといて」

 

 

 

つかさ「うん!」



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[第19話]仲直り

―翌日

 

 

鈴木「すんっっっした!」スライディング土下座

 

 

こなた「いいよいいよ~。私こそ昨日は怒ってごめんね~。」

 

 

水原「さて、今日は昨日の場面からいきましょうか。」

 

 

―練習中

 

 

こなた「だいぶマシになったね~」

 

 

水原「ですな。」

 

 

みゆき「良かったです」

 

 

鈴木「まぁ……やらなきゃならんしな……。昨日は迷惑かけてすまなかったで」

 

 

こなた「まだ上が目指せるとは思うけどね~」

 

 

鈴木「ううっ!」

 

 

水原「まぁそうだけどあんまりいじめすぎるなよ~。最初と比べればマシになったんだし」

 

 

みゆき「水原さんの言い方も結構厳しいような……」

 

 

水原「まぁ本番まで油断せずいこう!ってこと」

 

 

こなた「おぉ~どっかのテニス部部長みたいだね!ルックスは全く似てないし残念だけど」

 

 

水原「うっせーよ」

 

 

かがみ「お疲れー。今、大丈夫?」

 

 

こなた「おっ、かがみん。さては自分たちのクラスからハブられたのかなー?」

 

 

かがみ「違うわよ。こなたがハブられてないか見に来たのよー?」

 

 

こなた「大丈夫だよーかがみじゃあるまいし♪それにかがみが心配してるようなことも無いから安心して~」

 

 

かがみ「あんたが思ってることなんて無いわよ。まぁ何ともないなら良いわ。じゃあね」

 

 

こなた「かがみも素直じゃないなー。まぁいいや。みずりん、この後どうするの?今日は帰っちゃう?」

 

 

水原「え?後のシーンの練習もやりますよ?」

 

 

こなた「ですよねー」

 

 

―数時間後

 

 

水原「では、これにて今日の練習終わります。明日はいよいよ最初から最後まで通しますでー今日はゆっくり休んでくださーい。」

 

 

こなた「はいよー」

 

 

鈴木「お疲れ様~」

 

 

みゆき「お疲れ様です」

 

 

こなた「さ、帰ろ帰ろ!」

 

 

水原「あ、私は今から裏方さんと打ち合わせてみます。」

 

 

こなた「はーい。じゃねー」

 

 

---

 

 

水原「お疲れ様で~す」

 

 

白石「お疲れ様。そっちはどう?」

 

 

水原「なかなか良くはなったねぇ。まぁあとはアクターズハイに期待するしか。そっちは?」

 

 

白石「それがまだ……。」

 

 

水原「ですよねー。えらくこだわりがあるみたいで不安はあったけども……。」

 

 

白石「いやー、モブあるあるでやる気ないヤツとかすぐ帰るからなー。というか僕もバイトがあって早く出ないとマズいんですが……」

 

 

水原「何?文化祭実行委員が現場放り出してバイトか?」

 

 

白石「でも時間通り行かないとあきr……店長に殺される……。」

 

 

水原「だからってねー。現場監督が現場をほったらかしか~。よし行ってこい!ここは俺に任せろー」

 

 

白石「それ死亡フラグ!まぁ恩に着るよ!」

 

 

水原「バイト代は還元してくれよー。お疲れ様~」

 

 

白石「お疲れ様~!」

 

 

水原「さて、サービス残業で現場監督しますか……ってマジで残ってる人間少ないなぁ……」

 

 

かがみ「少ないというか私たち3人だけじゃない……」

 

 

水原「正規の人間が1人しかいないとか大事故だねー」

 

 

つかさ「仕方ないよ。みんな部活とかバイトで忙しいし仕方ないよ~」

 

 

水原「あぁ癒される……じゃなくて、我々も帰りましょうか。」

 

 

つかさ「あ、ごめん。作業しないと本番に間に合いそうにないから先に帰ってていいよ~」

 

 

かがみ「さっきからこの調子。責任感が強いのよねーこの子は。」

 

 

水原「いやぁ助かります。」

 

 

かがみ「水原くんも先帰ってて良いわよ。私が一緒についてるから。」

 

 

水原「うーん……そう言われても一応(偽物)現場監督だし万一事故とかあるといけないから帰れないなぁ~」

 

 

かがみ「なんか偽物って聞こえたけど」

 

 

水原「まぁそういうわけで私も残りますよ。」

 

 

つかさ「いいよ、悪いよ~」

 

 

水原「まぁそう気にしないでおくれ。仕事だし何よりこういう居残り作業が楽しいんじゃん。青春の一コマ的な」

 

 

かがみ「それっぽいこと言うわね」

 

 

水原「あと、ほっとけないしね。マジで何かあったときに後味悪いから」

 

 

かがみ「なるほどね」

 

 

つかさ「じゃあ、これお願いして良い?」

 

 

水原「はいよーお任せーください。まぁ黙々と作業しても面白くないですし何か話しませんか?」

 

 

かがみ「良いけど何話すの?」

 

 

水原「何も考えてません……」

 

 

かがみ「ネタ振りするんだったら考えときなさいよ……」

 

 

つかさ「こういう時ってどんな話が定番なんだろー?」

 

 

かがみ「というか水原くんって1年から知ってる割に謎だらけよね……」

 

 

水原「そう?私も二人が双子でB型、誕生日が7月7日でかがみさんが成績優秀で真面目さん、つかささんが料理上手でマイペースだけどちゃんと仕事はしてくれるし癒しだし毎日楽しそうで携帯にタママが付いてるってくらいしか……」

 

 

かがみ「めっちゃ知ってるじゃない……」

 

 

水原「じゃあ私に質問大会でもします?そんな私に興味無いでしょうけど」

 

 

かがみ「まぁ……そうね。」

 

 

水原「盛り上がりそうな話題で」

 

 

 

かがみ「盛り上がりそうな話題って無茶振りね……」

 

 

水原「時間帯的に怪談はちょっと早いし」

 

 

つかさ「ひっ……怪談はちょっと……」

 

 

かがみ「それに水原くん、ネタあるの?」

 

 

水原「無いです。」

 

 

かがみ「話が続かないわねー。そういえばこなたが言ってたんだけど文化祭とか体育祭で急にくっつくカップルっているじゃない?」

 

 

水原「ほう。確かにイベントは楽しいしあんまりしゃべらない人としゃべったりして魅力に気づいたりするのかもねー。でかがみさんが誰かとくっつきたいと?」

 

 

かがみ「そうじゃないわよ!私はそんな人いないわよ!」

 

 

水原「さいでっか。他にも公演とかでもよくくっつく人がいますしねぇ。」

 

 

つかさ「イベント毎はどこでも同じなんだね~」

 

 

水原「ちなみに恋愛モノのテレビドラマとかで主演の役者さん同士が引っ付いたりするでしょ?あれって役の感情と自分の感情がごっちゃになるんですよね~」

 

 

かがみ「へぇー」

 

 

水原「だから共演からの電撃結婚したら電撃離婚する事が多いんですね。」

 

 

つかさ「じゃあうちのクラスの劇でいうと水原くんや鈴木くんはこなちゃんが」

 

 

水原「かがみさんがいるしそれ以上はネタバレになるからやめてー。まぁつかささんが言ってることに私はならないね。鈴木っちは知らんけど。」

 

 

かがみ「それって演技力と関係あったりするの?下手な役者ほどそういうことが多いとか」

 

 

水原「無いんじゃない?ただ切り替えがうまいか下手かとかかなー。役者ってのは、私の場合だけど台本と似たような場面を思い出すなり考えるなりしてそれを再現するんですよ。」

 

 

つかさ「へぇ~。練習中、水原くんがこなちゃんが本気で好きに見えるのって」

 

 

水原「こなたんを別の人に置き換えて演じればキレイに出来ちゃう訳よ。」

 

 

つかさ「なるほどぉ~演技って奥が深いようで単純なんだね」

 

 

水原「私とかプロじゃないし『ホンモノに見えるニセモノの感情』なんてうまく作れないし表現もできない。だったら『ホンモノの感情』を代用しちゃえってことなのさ。」

 

 

かがみ「あのー。演技の話題で盛り上がってるけど水原くん墓穴掘ってるわよ?」

 

 

水原「へ?」

 

 

かがみ「あんた今の言い方だと好きな人がいるみたいじゃない」

 

 

水原「お!?あ・・・え?お?あ?」

 

 

つかさ「へぇ~好きな人いるんだぁ~誰なの~?」

 

 

水原「ん?さ、さぁどなたでしょうか~?」

 

 

かがみ「誰なの?言っちゃいなさいよ?」

 

 

水原「いやぁ……この場では言えませんねぇ……」

 

 

つかさ「え~言えないんだ……。そういえばこっちは今日の分の作業終わりそうだよ~」

 

 

水原「こちらも終わりそうなのでそろそろ帰りましょうか。」

 

 

かがみ「うまく逃げれたわね。」

 

 

水原「逃げれただなんてそんな……機会があれば言いますよ。でもそんなに興味ないでしょ?」

 

 

かがみ「まぁねー。つかさとかみゆきだって言われたらいろんな意味で話は変わるけどそうじゃなかったらそんなに」

 

 

水原(汗)

 

 

つかさ「片付け終わったよ~」

 

 

水原「了解です。では引き上げましょうか。」

 

 

 

 

 

―柊家

 

 

かがみ「今日のらっきー☆ちゃんねるも面白かったわねー。それにしても水原くんの好きな人って誰なのかしら。つかさ心当たりある?」

 

 

つかさ「うーん、分かんない。お姉ちゃん興味あるの?」

 

 

かがみ「いやー水原くんに特別興味があるわけじゃなくて、他人の恋愛話って面白いじゃん」

 

 

つかさ「確かにそれはね。でも水原くんって演劇部の用事とかでよく他校行ってるし他校の人とかじゃない?」

 

 

かがみ「うーん、確かにそうかも。もっと身近な人なら面白いのに。」

 

 

つかさ「そだねー。否定してたけど実はこなちゃんとか?もしくはゆきちゃん?」

 

 

かがみ「やっぱり考えても分かんないわね……。よく思考回路が謎だし。」

 

 

つかさ「そだねー。誰とでも仲良いし分かんないねー。」

 



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[第20話]言わなきゃならないことはあるside water

水原「さぁ行くぜー!通すぜー!」

 

 

こなた「おぉーやる気だねー」

 

 

水原「前日なんだしやる気出さなきゃ。」

 

 

みゆき「頑張ります。」

 

 

鈴木「そうか……いよいよ明日か……。」

 

 

水原「ということで今日の通しは途中で一切止めません。セリフかんでも間違えても止めませんので。」

 

 

こなた「先生ー!わざと暴走はアリですかー!?」

 

 

水原「人気アニメ風に言うと『だんどり!』。これだけは守ってください。制限速度遵守で暴走願います。」

 

 

こなた「うわっツッコミ待ちだったのにマジレスされた!」

 

 

―通し練習終了

 

 

黒井「お疲れさん。なかなか感動やったで~」

 

 

水原「先生、見てたんですか?」

 

 

黒井「せや、明日もちゃんと見るさかい、きばってや~?」

 

 

こなた「はーい!先生!ジュースおごってくださーい!」

 

 

黒井「えっ?うーん、まぁしゃーないな。」

 

 

みゆき「良いんですか?」

 

 

黒井「こんな時やしかまへんよ。その代わり明日は頼むで~目指せ表彰や!」

 

 

こなた「はーい♪」

 

 

黒井「ほな差し入れ買ってきたるわなー」

 

 

水原「ありがとうございます。では黒井先生が帰ってくるまでに通しで気になったところを軽く確認します。まず2ページの……」

 

 

―省略

 

 

水原「……ということであまり深くは考えなくてかまいませんが少し気にかけていただけると助かります。」

 

 

黒井「お待たせー。いろんなん買ってきたから喧嘩せんとわけやー?」

 

 

モブ「おぉー!」

 

 

こなた「先生GJ!」

 

 

黒井「ほななー」

 

 

みゆき「先生、ありがとうございました。」

 

 

かがみ「お疲れ様。調子はどう?」

 

 

こなた「ばっちりだよ!かがみん」

 

 

鈴木「まぁ明日を楽しみにしとけ。」

 

 

かがみ「ふーん、そこまで言うなら楽しみにしとくわ。」

 

 

水原「裏方さんも終わってます?」

 

 

かがみ「さっき見てきたらつかさ一人残ってたわ。他のみんなは仕事終わって帰ったみたいだけど」

 

 

こなた「あちゃー。つかさだけ仕事が終わらないんだ?」

 

 

かがみ「そうなのよ。手伝うって言ってもこれは私のクラスの仕事だからーって譲ってくれないし。」

 

 

こなた「なるほど。つかさ真面目だしねー」

 

 

水原「あ、ちょっと失礼しますね。私着替えてきます。汗臭くてヤだろうしサ。」

 

 

こなた「確かに臭いねー。その演技が」

 

 

水原「んん?ナンノコトヤラサッパリ?」

 

 

こなた「いや大して汗かいてないじゃんw まぁいいよー行っておいで。玉砕してくればいいじゃん♪」

 

 

水原「ひでぇけど言い返せないねぇ!じゃっ失礼。」スタタタタ

 

 

かがみ「水原くんどうしたのよ?」

 

 

こなた「さぁ?きっと何でもないよ。」

 

 

---

 

水原「お疲れ様~」

 

 

つかさ「お疲れ様~どうしたの?」

 

 

水原「いや、作業の手伝いをって来たんだけど」

 

 

つかさ「だいたい終わったから大丈夫だよ~」

 

 

水原「みたいだね。」

 

 

つかさ「明日は頑張ってね~」

 

 

水原「ほーいさ。あ、そうそう。昨日の話の続きをしましょうか?」

 

 

つかさ「え?話せないんじゃなかったの?」

 

 

水原「確かに昨日のあの場では話せませんでしたねぇ」

 

 

つかさ「もしかして水原くんの好きな人ってお姉ちゃんなの?」

 

 

水原「いえいえ……ふぅー………私が好きなのはあなたですよ。柊つかささん。」

 

 

つかさ「え?……えぇ~!?私?」

 

 

水原「はい。昨日、話題に上がっちゃったんでお伝えだけしておこうと……。」

 

 

つかさ「でも私、水原くんを男の子として見てなかったから……」

 

 

水原「うん知ってる。だからお伝えするだけでお付き合いしたいとかそんなことはありません……って言ったら嘘ですけど、ただ知っておいて欲しかっただけなんです。」

 

 

つかさ「うん……ごめんね?」

 

 

水原「謝らなくて良いですよ。お友達でいいのでこれからもよろしくお願いできますか?」

 

 

つかさ「うん。お友達で良いなら……」

 

 

水原「はい、ということでそれだけです。みずりんの告白タイム終了。さぁさぁ片付けて明日に備えましょう!」

 

 

つかさ「そだね。」

 

 

水原「あ、あともう一つお願いですが、変な気は遣わないでね。私は言ったとおり今は付き合いたいとかありませんし、あなたに好きな人がいればちょっとくらいは応援しますし。」

 

 

つかさ「うん。今は好きな人はいないけどね。」

 

 

水原「私のことはそんなに気にしないでくださいね。それとかがみさんが役者んとこにいましたねぇ。つかささんを待ってるみたいなんで呼んできますね~。」

 

 

つかさ「は~い、じゃあまた明日~」

 

 

水原「はい、また明日です~」

 

---

 

 

水原「かがみさんや、つかささん作業終わったみたいでっせ」

 

 

かがみ「おーサンキュー。じゃあ私は帰るわ~よそのクラスにこれ以上お邪魔するわけにはいかないしね」

 

 

鈴木「まぁそんなに気にしてはないがな」

 

 

かがみ「そう?じゃあまた明日ね。期待してるわよ?」

 

 

鈴木「おうよ!」

 

 

こなた(さてと、今宵はみずりんにメールで詰問だな~メシウマ~)




side water ということは…


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[第21話]本番!

今回、ほぼ舞台のみとなります。ご容赦ください。


―舞台裏

 

 

こなた「いよいよ本番だぜぇ」

 

 

鈴木「おうさ!」

 

 

みゆき「みなさん、頑張りましょう!」

 

 

水原「行くぜ!」

 

 

 

 

―客席

 

 

つかさ「いよいよだね~。」

 

 

かがみ「というかつかさはここにいて良いの?」

 

 

つかさ「うん。劇の間はやることが無いから観てて良いんだって~」

 

 

かがみ「へぇ」

 

 

―ブー

 

 

つかさ「ベル鳴ったね。あっ携帯切らなきゃ。お姉ちゃんは大丈夫?」

 

 

かがみ「え?あっ、ヤバッ……切ってなかったわ……」

 

 

 

 

―♪~

 

 

ヨシノ(みゆき)・柿本(鈴木)「こんばんは」

 

 

柿本(鈴木)「ニュースプラネットの時間です。」

 

ヨシノ(みゆき)「政治経済、科学に教育、国際問題からご近所の噂話まで、ホットな話題を冷めないうちにお届けします。」

 

 

柿本(鈴木)「司会は私、柿本光介と」

 

ヨシノ(みゆき)「サクラダヨシノです。」

 

 

柿本(鈴木)「最後までごゆっくりお楽しみください。」

 

---

 

つかさ「ここの音楽、私が選んだんだよ~」ひそひそ

 

 

かがみ「へぇー」(何よ、心配するほどじゃないじゃない。ちゃんと演技出来てるじゃん。)

 

---

 

 

サルマル(水原)「はるかさんから聞いたでしょ?僕のこと」

 

 

柿本(鈴木)「ちょっとだけ。」

 

 

サルマル(水原)「僕は振られた男だけど、はるかさんの幸せを誰よりも願ってるんです。もしかしたら、あなたよりも……」

 

---

 

かがみ「水原くんが『僕』ってなんか新鮮ね。」ひそひそ

 

 

つかさ「え?そうだね。」ひそひそ

 

 

かがみ「にしてもこのサルマルって人、どんだけ未練タラタラなのよ……まぁある意味、似合ってるけど。」ひそひそ

 

---

 

柿本(鈴木)「他人の過去をいじくり回して何が面白いんだ!」

 

 

サルマル(水原)「……失礼。」スタタタタ

 

 

柿本(鈴木)「サルマルさん!」

 

---

 

かがみ(わっ、びっくりした!本当にキレてるみたいね。凄いじゃない……。)

 

---

 

柿本(鈴木)「もうやめてください!はるかの幸せを誰よりも願っているなら……」

 

 

サルマル(水原)「……ささの葉はみ山もさやにさやげども吾は妹おもふ別れ来ぬれば……。」

 

---

 

つかさ「お姉ちゃん意味分かる?」ひそひそ

 

 

かがみ「気になるなら帰って調べなさい。授業でやったから。」ひそひそ

 

 

-

 

 

かがみ(いよいよサルマルさんがはるかを奪っちゃったわね……どうなるのかしら)

 

---

 

柿本(鈴木)「僕との過去はどうなるんだ!?」

 

 

はるか(こなた)「それはもう……どこにもない」

 

 

柿本(鈴木)「頭の中にあるだろ?忘れてないだろう?」

 

はるか(こなた)「忘れるわけないじゃん……3年も一緒に過ごしてきたのよ?」

 

 

柿本(鈴木)「それを捨てるつもりなのか?」

 

 

はるか(こなた)「捨てるんじゃなくて、なくしてしまったの……」

 

 

柿本(鈴木)「サルマルがやったんだ!」

 

 

はるか(こなた)「そうかもしれないけど今のあたしには、そうまでしなければならなかったあの人の気持ちがわかるの……」

 

 

柿本(鈴木)「僕の気持ちはどうなるんだ!?」

 

 

はるか(こなた)「ごめんなさい……でもあなただって、別の誰かと出会わなかったの?」

 

 

柿本(鈴木)「出会ったよ」

 

 

はるか(こなた)「結婚は?」

 

 

柿本(鈴木)「ぎりぎりセーフってところだった。」

 

---

 

つかさ「ゆきちゃんかわいそう……」ひそひそ

 

 

かがみ「そうね、ヨシノさんは気の毒ね……」ひそひそ

 

 

かがみ(男の人って好きじゃなかったらあんな風に捨てちゃうのかな……)

 

 

 

---

 

 

ヨシノ(みゆき)「それなら1年だけ戻ったら?結婚する直前に」

 

 

柿本(鈴木)「10ヶ月しか戻れないんですよ……」

 

 

ヨシノ(みゆき)「10ヶ月しか戻れないのは滞在時間が1時間だからよね?もし1年戻ったら滞在時間は?」

 

 

サルマル(水原)「滞在時間は1時間って決まってるんですよ!」

 

 

ヤマノウエ(モブ)「トラベラーが迷子になって、2時間や3時間ってのはよくある話です。短くなったって問題は無いでしょう?」

 

 

サルマル(水原)「規則は規則だろっ!」

 

 

ヨシノ(みゆき)「1000万で1年戻るとしたら、滞在時間は?」

 

 

ヤマノウエ(モブ)「きっかり45分!」

 

 

ヨシノ(みゆき)「柿本くん……」

 

 

柿本(鈴木)「……ヨシノさん」

 

 

ヨシノ(みゆき)「成功なんか祈らないからね」

 

 

柿本(鈴木)「行ってきます。1年前の3月へ」

 

---

 

つかさ「ゆきちゃん切ないね……」ひそひそ

 

 

かがみ「……そうね」ひそひそ

 

 

つかさ「…お姉ちゃんどうしたの?」ひそひそ

 

 

かがみ「何もないわよ」ひそひそ

 

 

 

---

 

 

ヤマノウエ(モブ)「わかりました。でも、本当に一言だけですよ?」

 

 

柿本(鈴木)「春山はるかさんですね?」

 

 

はるか(こなた)「……ええ」

 

 

柿本(鈴木)「はじめまして。柿本光介です」

 

 

ヤマノウエ(モブ)「さぁ、もういいでしょ?」

 

 

柿本(鈴木)「好きでした!会うのは今日が初めてだけど、ずっとずっと好きでした!」

 

 

ヤマノウエ(モブ)「柿本さん!」

 

 

柿本(鈴木)「僕はただ、あなたと出会いたくて―

 

 

ヤマノウエ(モブ)「さぁ!」

 

 

はるか(こなた)「あたしのこと、知ってるんですね」

 

 

柿本(鈴木)「秋山の黄葉を茂み迷ひぬる―

 

 

ヤマノウエ(モブ)「いきますよ!」グイグイ

 

 

 

はるか(こなた)「―妹を求めむ山道知らずも」

 

---

 

つかさ「凄いね……本当に恋人さん同士みたい……」ひそひそ

 

 

かがみ(問題のシーンはここだったのか……何よ、本当に問題無いじゃない……本気でこなたが好きみたいに見えるわね……)

 

 

 

---

 

 

柿本(鈴木)「春山はるかさんですか?」

 

 

はるか(こなた)「……ええ。」

 

 

柿本(鈴木)「はじめまして、柿本光介です」

 

 

はるか(こなた)「初めてじゃありません。1年前にお会いしました」

 

 

柿本(鈴木)「覚えてたんですか?」

 

 

はるか(こなた)「ええ」

 

 

柿本(鈴木)「失礼ですけど、今、結婚してらっしゃいますか?」

 

 

はるか(こなた)「いえ」

 

 

柿本(鈴木)「しなかったんですか?どうして?」

 

 

はるか(こなた)「1度はしようと思ったんです。でも、誰かが待っているような気がして」

 

 

柿本(鈴木)「……待っていたんです。1年前から。いや、3年前から。いや、もっともっとずっと前から。あなたに出会うために。」

 

 

 

―パチパチパチパチ

 

 

こうしてクラス劇は終幕となりました。

 

 

つかさ「すごかったねー私、感動してちょっと泣いちゃった」ウルウル

 

 

かがみ「……」

 

 

つかさ「…お姉ちゃん?」

 

 

かがみ「別に泣いてなんか無いわよ!さっクラスの仕事しなきゃっ。つかさ、また後でね!」

 

 

つかさ「……うん。」(いくら何でもハンカチを持ちながら言われてもなぁ……)

 

 




この作品には続編がありまして…
そこではるかは若くして亡くなっていることが判明しています…


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[第22話]文化祭はまだまだ続く!

 

こなた「さて劇は終わっちゃったね~」

 

 

つかさ「そうだね~」

 

 

鈴木「なんか一気に終わった感じだな……」

 

 

みゆき「そうですね。でも文化祭は明日もありますし今日もまだ半日ありますよ?」

 

 

こなた「そうなんだよね~。終わったようでまったく終わって無いんだよね~。ということで!」

 

 

鈴木「おっ?」

 

 

こなた「かがみんのクラスに行ってみたいと思います!」

 

 

つかさ「そういえばお姉ちゃんのクラス何やるんだろ~?」

 

 

鈴木「確かに聞いても教えてくれなかったよな。」

 

 

こなた「そこでだ諸君!コレを見たまえ!」

 

 

みゆき「これは文化祭パンフレットですね」

 

 

こなた「これによるとかがみのクラスは~喫茶店となっているのです~」

 

 

鈴木「へぇー。」

 

 

つかさ「喫茶店か~」

 

 

みゆき「そうなんですか~」

 

 

こなた「何かおかしいと思いませんか?」

 

 

つかさ・みゆき・鈴木「?」

 

 

こなた「普通の喫茶店でかがみが変に隠すわけないじゃーん」

 

 

鈴木「で、何かありそうだと?」

 

 

こなた「そゆこと!さぁ行くよ!行くよ!」

 

 

鈴木「……どうする?」

 

 

つかさ「私は行ってみたいかな。こなちゃんも行くし」

 

 

みゆき「では私もご一緒しますね」

 

 

鈴木「行くのか……。じゃあ俺も行くか」

 

 

---

 

 

こなた「ふふーん。ここだね♪」

 

 

鈴木「なるほど。そりゃ隠すわな……」

 

 

つかさ「私、メイド喫茶って初めてだよ~」

 

 

みゆき「私もです。」

 

 

こなた「さてさて入店してみますかな~」

 

 

―ガラッ

 

 

かがみ「お帰りな……うげぇ」

 

 

こなた「やほー。4人だよ~」

 

 

かがみ「……4名様ですね、こちらにどうぞ……」

 

 

こなた「あれぇ~店員さん、聞こえないなぁ~」

 

 

かがみ「こちらにどうぞ!」

 

 

つかさ「お姉ちゃん似合ってるよ~かわいい~」

 

 

鈴木「だな。似合ってる似合ってる」

 

 

かがみ「からかわないでよ!」

 

 

こなた「いや~良い反応ですなぁ~」ニヤニヤ

 

 

かがみ「はい!これメニュー!」

 

 

こなた「いいツンデレっぷりだね~」

 

 

かがみ「ツンデレ言うな!」

 

 

こなた「写真に撮っていい?」

 

 

あやの「申し訳ありません。撮影は禁止ですので……」

 

 

こなた「ちぇー……」

 

 

かがみ「峰岸サンキュ!で、ご注文は……」

 

 

―十数分後

 

 

かがみ「ありがとうございました。」

 

 

こなた「またくるよかがみん♪」

 

 

かがみ「疲れるからもう来んな……」

 

 

鈴木「という割に満更でも無い感じはしたけどな」

 

 

かがみ「うるさい!」

 

 

鈴木「すいません。」

 

 

 

 

―数時間後

 

 

こなた「いやぁ色々回ったね~」

 

 

鈴木「あそこの焼きそば絶対、ソースケチってるよな。」

 

 

こなた「そだね~。というか味が無かったしね~」

 

 

つかさ「にしてもお姉ちゃん頑張ってたねぇ~」

 

 

みゆき「そうですね。」

 

 

鈴木「料理がすべて冷凍食品なのは……まぁ仕方ないか」

 

 

こなた「まぁかがみが料理すると鍋とか爆発しちゃうし?」

 

 

つかさ「いくらなんでもそれは」

 

 

鈴木「無いだろ」

 

 

こなた「まぁ鈴木くんは知らない方が幸せだろうねー♪」

 

 

鈴木「どういう意味だ?」

 

 

こなた「どういう意味と思う~?」

 

 

鈴木「お前、絶対面白がってるだろ。」

 

 

こなた「だって2人とも反応が面白いんだもん♪」

 

 

鈴木「俺からは手が出せないから後でかがみから鉄槌が下るだろうな。」

 

 

こなた「そっ、それだけはご勘弁を……」

 

 

鈴木「もう遅い。通報済みだ。明日はクラスの当番じゃないらしいから覚悟しとけって」

 

 

こなた「うぅ……というか明日はかがみのメイド姿が見れないってことじゃん。」

 

 

鈴木「残念だな。」

 

 

つかさ「そだね~」

 

 

こなた「鈴木くんだって残念って思ってるんじゃん……」

 

 

鈴木「なっ……まぁかわいいのは事実だし良いだろ!」

 

 

こなた「はいはいそーですねー」

 

 

みゆき「あの……皆さん?そろそろ1日目終了でホームルームに戻らないと……」

 

 

こなた「そだね!さぁ我がクラスに戻るか……」



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[第23話]ほんわか文化祭2日目

―翌日

 

 

かがみ「こ~な~た~!」

 

 

こなた「ひぃぃかがみ様!お許しを~」

 

 

鈴木「なんかこういうのを見ると『喧嘩するほど仲がいい』ってのがよく分かるな」

 

 

つかさ「そだね~。」

 

 

かがみ「どこがだ!」

 

 

こなた「素直に認めたがらないかがみ萌え~」

 

 

かがみ「うるさいっ!鈴木くんも余計なこと言わないの!」

 

 

鈴木「すいません。」

 

 

こなた「いやぁ~尻に敷かれてる感じがいいね~」

 

 

かがみ・鈴木「オイ!」

 

 

こなた「ツッコミも息ぴったり♪」

 

 

鈴木「もう俺からは何も言わん……」

 

 

かがみ「そうね、それが一番賢い選択ね……。そういえば今日はどこ行くのよ?」

 

 

こなた「ん~これが一切決まってないんだよね~。S○S団みたいに3対2に別れて不思議探しでもするー?ちょうど5人だし」

 

 

かがみ「しねーよ。というか間のO(オー)を○(まる)に変えたからってそれで隠せてるつもりか?」

 

 

こなた「まぁかがみはどうせ出店の食べ物全部食べて回るつもりでしょー?」

 

 

かがみ「そっ、そんなこと無いわよ。ただたこ焼きとポテトとピザとポップコーンと焼きそばと」

 

 

鈴木「かがみ、墓穴掘ってる。」

 

 

かがみ「はっ!冗談よ、冗談!そんな食いしん坊とかじゃないんだから!?」

 

 

こなた「無駄な抵抗ですな~。食いしん坊かがみんは既にバレバレですよ♪」

 

 

鈴木「それにあの焼きそばはソース抜きに等しい。やめとけ。」

 

 

かがみ「ふーん……焼きそばはハズレなのね。というかアンタ今、私が食いしん坊って部分否定しなかったでしょ?」

 

 

鈴木「ふ、ふいはへんへひふぁ(す、すいませんでした)」←ほっぺたつねられてる。

 

 

―カシャ

 

 

かがみ「ちょっ、つかさ!何撮ってるのよ!?」

 

 

つかさ「えへへ~ごめんごめん。こなちゃんに頼まれちゃって~」

 

 

こなた「思わぬ伏兵に要注意だよ!お二人さん♪」

 

 

かがみ「あーもうっ!鈴木くん!何とか言ってやって!」

 

 

鈴木「なんでそこで俺に振るんだ!……こなた、そろそろやめてやってくれ。あんまりイジりすぎは良くないぞ?」

 

 

こなた「はいはーい。私たちはお似合いな2人の邪魔をしないように退却しますかね~」スタタタタ

 

 

かがみ・鈴木「はっ!?」

 

 

つかさ「ふぇっ?なんかそういうことらしいからじゃね~。待ってこなちゃーん!」

 

 

かがみ「ちょっ、つかさ!?」

 

 

鈴木「あっという間に2人にされてしまった……」

 

 

かがみ「どうするのよ?」

 

 

鈴木「うーん……2人で回るか?あいつら見つけたらとっちめたら良いんだし」

 

 

かがみ「じゃなくて……」

 

 

鈴木「あ、『あいつら』はマズいな。基本的にこなたの単独犯だし」

 

 

かがみ「そうじゃなくて、せっかくの文化祭なのに私と回っていいの?」

 

 

鈴木「ん?良いんじゃないか?俺は女の子と2人で回れるなら幸運だと思うが」

 

 

かがみ「そ、そうなの?」

 

 

鈴木「あ、すまんな。俺では不満だよな?」

 

 

かがみ「そんなことは……無いけど……。いいわ、どこ回る?」

 

 

鈴木「うーん。さっき言ってた出店回るか?」

 

 

かがみ「いいの?」

 

 

鈴木「まぁ文化祭って基本的に飲食店多いし良いんじゃないか?」

 

 

 

---

 

 

こなた「うーん。あのぎこちなさがギャルゲーと違っていいね~」

 

 

つかさ「お姉ちゃん怒ってないかな~」

 

 

こなた「大丈夫だよ。楽しそうじゃん♪」

 

 

つかさ「確かに楽しそうだね。でも尾行なんかして良いのかな……。」

 

 

こなた「いいのいいの。見つかって怒られるのは私なんだし♪」

 

 

つかさ「あ、そっか~」

 

 

 

こなた「え?それ肯定されるの?」

 

---

 

 

鈴木「結構、食ってないか?」

 

 

かがみ「そう?普通じゃない?」

 

 

鈴木「たこ焼き、イカ焼き、たい焼き、広島焼き、ピザ、ポテト、焼き鳥、ポップコーン……結構食べてないか?」

 

 

かがみ「うっ言われてみれば……じゃあ何か観に行く?」

 

 

鈴木「だな。って言っても俺は芸術の心得があるわけじゃないし……。」

 

 

かがみ「あ、これなんてどう?」

 

 

鈴木「何?小神あきらビックショー?小神あきらって誰だ?」

 

 

かがみ「人気のアイドルらしいわよ。こなたがファンらしいわ。よく知らないけど」

 

 

鈴木「ふーん、じゃあ行ってみるか」

 

 

 

 

―体育館

 

 

かがみ「なんとか間に合ったようね」

 

 

鈴木「だな。もう曲の前奏かかってるし」

 

 

 

白石「愛しい人のあの胸に、たどり着くのはいつの日か……流れ流れて一人旅。あの日の言葉を道連れに、面影探してどこまでも。歌っていただきましょう。小神あきらさんで『三十路岬』」

 

 

あきら「♪一人語りしてもいいですか」

 

 

 

鈴木「アイドルって言うからどんなA○Bかと思ったら……」

 

 

かがみ「中学生くらいかしら。」

 

 

鈴木「というか演歌って……。」

 

 

かがみ「ジ○ロもビックリね……。」

 

 

こなた「あ、二人ともここにいたんだ」

 

 

かがみ「『ここにいたんだ』じゃないわよ、まったく……」

 

 

こなた「でも2人で文化祭回ってきたんでしょ?」

 

 

かがみ「それはアンタが無理矢理したんでしょ!?」

 

 

 

こなた「楽しかったんじゃないの?」

 

 

 

かがみ「そりゃ楽しかったけど……」

 

 

 

こなた「なら良いじゃん♪」

 

 

 

かがみ「でも鈴木くんが」

 

 

 

鈴木「俺も楽しかったし別に気にしてないぞ?」

 

 

 

こなた「ということで良いじゃん♪」

 

 

 

かがみ「……うーん。まぁ今回だけは良いわ。」

 

 

 

こなた「楽しくても素直に認めたがらないかがみ萌え~」

 

 

 

かがみ「うるさいわねっ!」

 

 

 

鈴木「そうだぞ?さっきから同じようなこと言ってたらコピペと疑われるぞ?」

 

 

 

つかさ「コピペってどんだけ~」

 

 

 

 

あきら「♪三十路岬~」

 

 

 

白石「小神あきらさんありがとうございました。それではここでフリートークに……」

 

 

 

 

鈴木「そう言えば白石がしれっと司会なんだな。」

 

 

 

こなた「文化祭実行委員で選ばれたらしいよ。」

 

 

 

鈴木「なるほど。それで忙しいから文化祭準備の時に姿を見なかったのか……」

 

 

 

つかさ「裏方の仕事では結構見かけたんだけどね」

 

 

 

鈴木「へぇ」

 

 

 

こなた「誰かさんは大根役者過ぎて他にかまけてる余裕が無かったからじゃな~い?」

 

 

 

鈴木「うっ」

 

 

 

かがみ「もう終わったことだし良いじゃない。それに凄かったしね。本気でこなたが好きみたいに見えたわよ」

 

 

 

こなた「かがみん、それはいくらなんでもべた褒め過ぎない?」

 

 

 

鈴木「人の黒歴史で盛り上がるのはやめてくれないか?」

 

 

 

かがみ「あーごめんごめん。でも一つだけ聞かせて?」

 

 

 

鈴木「なんだ?改まって……」

 

 

 

かがみ「その……水原くんが言ってた演技のコツを実践したの?」

 

 

 

鈴木「へ?」

 

 

 

こなた「何、コツって?」

 

 

 

かがみ「アレ?知らないの?」

 

 

 

こなた「みずりん、何も気の利いたアドバイスなんてしてくれなかったよ?」

 

 

 

かがみ「そ、そう?なら何でもないわ。うん。気にしないで」

 

 

 

こなた「ふーん……後でみずりんに聞こうっと……」

 

 

 

かがみ「劇はもう終わったんだし聞かなくていいじゃないの!」

 

 

 

こなた「いやぁかがみが気にする理由が知りたくてね~」

 

 

 

かがみ「別に知らなくて良いから!」

 

 

 

鈴木「やっぱり2人とも仲良いなぁ~」

 

 

 

かがみ「どこがだ!?」

 

 

 

こなた「恥ずかしがらなくてもいいよかがみん♪」

 

 

 

かがみ「かがみん言うな!」

 

 

 

白石「これにて小神あきらさんのステージは終わりです。」

 

 

 

あきら「みんなー今日はありがと☆」

 

 

 

白石「来賓のみなさま、これにて陵桜学園桜藤祭のプログラムはすべて終了となります。本日はお越しいただきありがとうございました。在校生の皆さんはこの後、閉会式がありますので、各クラスに集合してください。」

 

 

 

 

こなた「そういうことだからかがみん、まったねー」

 

 

 

つかさ「お姉ちゃんまた後でね~」

 

 

 

鈴木「じゃあまたな」

 

 

 

かがみ「えっ?あっ、うん。また……」

 

 

 



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[第24話]遊びに行こう

―桜藤祭から数日後

 

 

黒井「ほな、また月曜な。土日やけどちゃんと宿題しーや?」

 

 

水原「おっつー」

 

 

こなた「おーみずりんお疲れ~。そう言えば文化祭で劇終わってからみずりんの姿見無かったけど何してたの~?一人悲しみに打ちひしがれていたの?」

 

 

水原「ちげーよ。業務ですよ業務」

 

 

鈴木「業務って大げさな……」

 

 

水原「部活の方が大変でしてね~。気が付いたら文化祭はほとんど終わってましてね。ラスト30分だけ暇があったから池を眺めてました」

 

 

こなた「うわぁー非リア充ぼっちの悲しみを見た」

 

 

つかさ「誰かにメールしてくれれば合流出来たのに……」

 

 

水原「いやぁ……私、ここにいる人全員の連絡先知りませんよ?」

 

 

こなた「あっ……そう言えばじゃあかがみのメイドも見てないの?」

 

 

水原「見てませんねぇ」

 

 

こなた「え~っもったいないなぁ~あれほど完璧なツンデレメイドはそう見れないよ?でしょ鈴木くん?」

 

 

鈴木「まぁツンデレって部分はスルーしておくとして確かにかわいかったのは事実だな」

 

 

水原「はぁ~それは確かに惜しいことをしたかもしれませんねぇ……」

 

 

かがみ「惜しくない惜しくない」

 

 

こなた「おっかがみ!いつの間に……」

 

 

かがみ「ついさっきよ。ってか水原くんは本気で惜しいとは思ってないでしょ!」

 

 

水原「まぁそうですけどね。で、本題なんですけど、これ観に行きませんか?」

 

 

こなた「何?」

 

 

鈴木「桜ヶ丘女子高等学校」

 

 

つかさ「文化祭?」

 

 

みゆき「桜高の文化祭ですか?」

 

 

水原「そう。基本的に一般開放らしいし観に行きません?」

 

 

こなた「それ、全員で行こうって言うの?それとも特定一人を誘ってるの?」

 

 

水原「いや、全員ですよ?さっき白石に聞いたらバイトがあるんで無理らしいけど」

 

 

 

こなた(まぁ私らはカモフラージュだろうけど)

 

 

鈴木「なるほどな。いつなんだ?」

 

 

水原「明日です。」

 

 

かがみ「明日っていきなりだなぁ」

 

 

みゆき「あの、すいません。明日は予定があってですね……」

 

 

水原「あら。」

 

 

つかさ「私は大丈夫だよ~」

 

 

かがみ「まぁ急だけど私も大丈夫ね」

 

 

こなた「明日なら行けるかなー」

 

 

鈴木「まぁ俺も暇だし行かせてもらおうか」

 

 

水原「では5人で決まりですね。集合時間は……」

 

 

 

 

―翌日

 

 

水原「おはようございます」

 

 

鈴木「おはよう」

 

 

つかさ「おはよ~」

 

 

かがみ「おはよう。こなたは相変わらず来てないわね」

 

 

水原「ですねぇ」

 

 

こなた「ごめーん!遅れた!」

 

 

かがみ「遅いよ!また寝坊でしょ?子供かアンタは……」

 

 

こなた「いやぁ~早く準備が出来たからネトゲーし始めたら止まらなくなってね~」

 

 

鈴木「なんというか寝坊よりもアレだな……」

 

 

かがみ「子供以下……」

 

 

こなた「そこまで言わなくても良いじゃん」

 

 

水原「さて行きましょうか」

 

 

こなた「みずりんのスルーもなかなかヒドいよね……」

 

 

 

 

―桜高

 

 

かがみ「なかなか趣があっていい建物じゃない」

 

 

つかさ「そだね~」

 

 

こなた「どうする?どっか乱入しちゃう?」

 

 

鈴木「乱入は無いとしてもまぁ何するかくらいは決めといたほうが良いだろう。」

 

 

こなた「じゃあ今度こそS○S団のように2手に別れて行こうか!」

 

 

かがみ「またそのネタか……」

 

 

水原「O(オー)が○(まる)になるネタですね」

 

鈴木「まぁたまには良いかもな。でもどうやって決めるんだ?」

 

 

こなた「じゃじゃーん!つまようじ~」

 

 

かがみ「そんなもんいつも持ち歩いてんのか……。」

 

 

水原「まぁ良いんじゃないですか?」

 

 

で、くじ引きの結果はこうなりました。

 

印無しが泉こなた、柊かがみ、水原。

 

印有りが柊つかさ、鈴木善治となりました。

 

 

つかさ「よろしくね~」

 

 

鈴木「おぅよろしく。」

 

 

かがみ「つかさに手を出したら許さないからね!」

 

 

鈴木「出さねーよ。」

 

 

こなた「大丈夫だよかがみん♪鈴木くんはそんなこと出来ないくらいヘタレだよ」

 

 

鈴木「なんかしゃくに障る言い方だな。」

 

 

こなた「まぁ2人で"普通に"楽しんできたら良いじゃん。さぁ皆の衆、楽しむぞよ」

 

 

つかさ「じゃあまた後でね~」

 

 

かがみ「何かされそうになったら言いなさいよ。じゃあね」

 

 

鈴木「何もしねーよ。じゃあまた」

 

 

こうして2手に解散したのでした。

 



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[第25話]おうえん!

―泉こなた&柊かがみ&水原チーム

 

 

水原「とりあえず挨拶に回りたいのですが……」

 

 

かがみ「うん、良いわね」

 

 

こなた「そだね~。こんな不審者丸出しのみずりんを招き入れてくれた人に挨拶くらいはしないとね~」

 

 

水原「不審者丸出しって……」

 

 

―移動先

 

 

かがみ「何?部室?というかなんで迷わずこれるのよ?」

 

 

水原「何度か出入りしてますので」

 

 

こなた「女子高に出入りって犯罪者じゃん」

 

 

水原「無視しますね。ノックしてコンコーンと」

 

 

―コンコン

 

 

三和「はい、あっ、お久しぶりです。」

 

 

水原「お元気そうで何よりです。お招きありがとうございます。あ、こちら差し入れです。」

 

 

三和「ありがとうございます。あ、少し話していきますか?」

 

 

水原「あーちょっと待ってくださいね。……少し話していきます?」

 

 

かがみ「うーん……」

 

 

こなた「せっかくだし良いじゃん。ちょっと気にならない?みずりんを招いた人に」

 

 

かがみ「確かにちょっとだけ気になるわね」(水原くんの好きな人かもしれないしね。)

 

 

水原「じゃあ少しお邪魔しましょうか」

 

 

三和「どうぞ」

 

 

―室内

 

 

水原「あ、ご紹介しますね。こちら三和さん。演劇部の人で……えーと、まぁ……」

 

 

三和「よろしくお願いします。何かお困りのことがあればお気軽にお声掛けください。えーと……水原さんの妹さん?」

 

 

水原「いえいえ同じクラスの泉こなたさんと柊かがみさんです」

 

 

かがみ「よろしくお願いしますー」

 

 

こなた「よろしく~。というか妹ってそんなに」

 

 

三和「あ、大変申し訳ありません。失礼しました。」

 

 

こなた「まぁ慣れてるから良いんだけどね~。そう言えば三和さん礼儀正しいけど何年?」

 

 

三和「1年ですよ?」

 

 

水原「え!?」

 

 

かがみ「なんで水原くんが驚いてるのよ……」

 

 

水原「いや、めっちゃしっかりしてるし同期かと……」

 

 

かがみ「あんたも知らんかったんかい……」

 

 

三和「あ、今日公演ありますのでもしよろしければ観に来てくださいね」

 

 

こなた「ちゃっかり宣伝……。気に入ったよ。観に行こう」

 

 

三和「ありがとうございます。」

 

 

水原「では、そろそろお暇しましょうか」

 

 

かがみ「そうね。色々見て回りたいし」

 

 

こなた「かがみの場合は食べ歩きでしょ」

 

 

水原「では、お邪魔しました。失礼します。」

 

 

三和「差し入れありがとうございました。ではまた」

 

 

―室外

 

 

こなた「みずりんを呼ぶくらいだからどんな変態かと思ったけど普通の人だったね」

 

 

かがみ「三和さんね。確かに美人だったし水原くんとなんで接点があるか謎だわ」

 

 

水原「同じ班だっただけですよ。で、どこに行きます?」

 

 

こなた「やっぱり食べ物屋さんかなぁ~。かがみが何か食べないと力が出ないでしょ?」

 

 

かがみ「私は昔のヒーローか!?……でもそうね~クレープは気になるかしら。いやクレープはデザートだし、まずはこっちのカレーかな……あ、陵桜で焼きそば食べてないし焼きそばもありかしら」

 

 

こなた「払いはみずりん持ちだから気にせず食べたまへ~」

 

 

水原「ぶへっ!?」

 

 

かがみ「え!?いいの?悪いわよ……?」

 

 

水原「…いやぁ……良いですよ。おごりますよ。」

 

 

かがみ「いいの?じゃあカレーに行こうかしら」

 

 

こなた「ん。了解」

 

 

水原「カレー屋は……近くですな」

 

 

こなた「こうすればかがみはみずりんに気を遣って食べ過ぎることもないし、みずりんの株も上がる。一石二鳥なのだよ」ひそひそ

 

 

水原「なるほど。後者はどうでも良いが前者は大事だね」ひそひそ

 

 

こなた「ということで私にも何かおごってね。」ひそひそ

 

 

水原「それが狙いか!?」ひそひそ

 

 

 

―柊つかさ&鈴木善治チーム

 

 

鈴木「うーん、どうする?」

 

 

 

つかさ「結構、たくさんあって迷っちゃうね。まだこの時間だと食べ物屋さんには早いし……」

 

 

 

鈴木「お?これなんてどうだ?」

 

 

 

つかさ「えっ?お化け屋敷……?それはちょっと……」

 

 

 

鈴木「もしかしてお化け屋敷とか苦手な人か?」

 

 

 

つかさ「う、うん……ちょっとだけ」

 

 

 

鈴木「そうか。ならどうしようか……。あんまりここで2人ではしゃぎすぎてもアイツに悪いような気がするし……」

 

 

 

つかさ「鈴木くん、心の声が漏れてるよ?それにその件は気にしなくても大丈夫と思うよ?」

 

 

 

鈴木「へ?あっ、すまんすまん。……って知ってるの!?」

 

 

 

つかさ「ま、まぁ……」

 

 

 

さわ子「あなたたち、ちょっといいかしら?」

 

 

 

鈴木「ん?ここの先生に話しかけられた?」

 

 

 

つかさ「気のせいじゃない?」

 

 

 

さわ子「気のせいじゃないわよ。ちょっと頼みたいことがあるんだけど?」

 

 

 

鈴木「えーと、俺たちですか?」

 

 

 

つかさ「私たち、桜高の生徒じゃないんですが……」

 

 

 

さわ子「だからよ。うちの生徒には頼めないことなの……」

 

 

 

鈴木「うーん……」ひそひそ

 

 

 

つかさ「なんか深刻そうだし話くらいは聞こうよ」ひそひそ

 

 

 

鈴木「だな……」ひそひそ

 

 

 

さわ子「話はまとまったかしら?」

 

 

 

鈴木「はい、一応は」

 

 

 

さわ子「ねぇ?どちらか裁縫とか得意?」

 

 

 

鈴木「俺は残念ながら」

 

 

 

つかさ「私は得意ってほどじゃないけどちょっとくらいなら」

 

 

 

さわ子「よし!ついてきて!」

 

 

 

つかさ「え?」

 

 

 

鈴木「行くしかなさそうだな……」

 

 

 

―被服室

 

 

さわ子「この浴衣の防寒バージョンが作りたいの!」

 

 

 

鈴木「ちょっと待ってください先生!それ別に他校の生徒にやらせなくても良いですよね?」

 

 

 

さわ子「ふふふ……これはステージ衣装よ!だからうちの生徒にはギリギリまで内緒にしておきたいの!」

 

 

 

鈴木「俺たちが見に行く可能性は考慮してないんですか?」

 

 

 

さわ子「あっ……」

 

 

 

つかさ「鈴木くん、私はお手伝いしたいけどどうかな?」

 

 

 

鈴木「いいのか?出店とか回らなくても」

 

 

 

つかさ「こっちも楽しそうだしいいよ~」

 

 

 

さわ子「ありがとう!」

 

 

 

鈴木「仕方ない。なら手伝うか。俺は中学校の家庭科レベルしか出来ないけど。」

 

 

 

さわ子「十分よ!私が2着、あなたが2着、そこの少年は1着でいいわ!急ぐわよ!」

 

 

 

つかさ「お~!」

 

 

 

鈴木「了解」

 

 

 

―しばらくして

 

 

 

つかさ・鈴木・さわ子「完成~!」

 

 

 

鈴木「ちなみに何のステージ衣装なんですか?」

 

 

 

さわ子「軽音部のバンド演奏よ!」

 

 

 

つかさ「へぇ~かわいい衣装だね!私、バンドと言えば怖い感じだと思ってたから~」

 

 

 

鈴木「そんな歴史の遺物みたいなの今時いないだろ」

 

 

 

さわ子「……。」

 

 

 

つかさ「では、私たちはこれで。ステージ楽しみにしてます」

 

 

 

鈴木「だな。」

 

 

 

さわ子「ちょっと待ちなさい。せっかくだし軽音部に挨拶くらいしていってよ?」

 

 

 

鈴木「ん?いや……」

 

 

 

つかさ「そんなにおじゃまして良いんですか?」

 

 

 

さわ子「良いわよ。たまには全く知らない人が来た方が刺激になるだろうし」

 

 

 

鈴木「な、なるほど……。」

 

 

 

―コンコン

 

 

 

さわ子「どうぞ」

 

 

 

??「失礼します。ヤッホーさわちゃん」

 

 

 

鈴木「さわちゃんって?」ひそひそ

 

 

 

つかさ「先生のことじゃない?」ひそひそ

 

 

 

さわ子「こっちの2人が衣装を手伝ってくれた……えーと名前なんだったかしら」

 

 

 

鈴木「自己紹介がまだでしたね。陵桜学園2年の鈴木善治です。」

 

 

 

つかさ「同じ陵桜2年の柊つかさです。」

 

 

 

唯「桜高2年で軽音部の平沢唯です。よろしく~」

 

 

 

鈴木・つかさ「よろしく~」

 

 

 

さわ子「じゃあ軽音部のみんなに御披露目に行くわよ!」

 

 

 

鈴木「着替えるなら俺、一旦出とくわ~」

 

 

 

―数分後

 

 

 

唯「どうかな~?」

 

 

 

鈴木「お~」

 

 

 

つかさ「似合ってるよ、かわいい~」

 

 

 

唯「どうも~」

 

 

 

さわ子「さぁ唯ちゃん、部室に行くわよ!」

 

 

 

鈴木「じゃっ俺はこの辺で」

 

 

 

唯「え~!もうちょっと顔出していきなよ~。みんなにも紹介したいし」

 

 

 

つかさ「じゃあせっかくだしお邪魔しようかな~」

 

 

 

鈴木「店とか回らなくていいのか?」

 

 

 

つかさ「うん!」

 

 

 

鈴木(なるほど、姉とは違うな……)

 

 

 

―音楽準備室

 

 

 

さわ子「ちゅいーす」

 

 

 

律「空気読め!……って後ろの2人はどなた?」

 

 

 

さわ子「鈴木くんとつかさちゃんよ。」

 

 

 

律「そんなお客さんのカップル連れ回して何してたんだよ!」

 

 

 

鈴木「いや、カップルじゃ」

 

 

 

つかさ「ないよ~」

 

 

 

律「そうなんですか……でさわちゃん何してたの?」

 

 

 

さわ子「ふふふ……あの浴衣の防寒バージョンを2人に協力して作ってもらってたんです!」

 

 

 

律「部外者に何頼んでるんだ……」

 

 

 

さわ子「そしてこれがその衣装です!」

 

 

 

唯「失礼します~」

 

 

 

律「唯!」

 

 

 

澪「来てたんなら真っ先にうちに来い!」

 

 

 

律「ずっと待ってたんだぞ!」

 

 

 

紬「間に合って本当に良かった……」

 

 

 

唯「えへへ心配おかけしました」

 

 

 

鈴木「なんか感動の再会みたいになってるな」

 

 

 

つかさ「だね~。」

 

 

 

梓「最低です。こんなみんな心配してたのに」

 

 

 

澪「梓が一番心配してたんだからちゃんと埋め合わせしろよ」

 

 

 

唯「え!?あずにゃん……」

 

 

 

梓「……まったくダメすぎです……だいたい風邪をひいたときに」

 

 

 

唯「あずにゃん、ごめんね。心配かけて。私精一杯やるよ、みんなと一緒に、ね?最高のライブにするから。」ぎゅ

 

 

 

梓「……特別ですよ?」

 

 

 

唯「仲直り~むちゅちゅちゅ~」

 

 

 

―パチン!

 

 

 

唯「本当に私のこと心配してたのかな……」

 

 

 

澪「多分。」

 

 

 

鈴木「いやはや仲良きことは良いですなぁ」

 

 

 

つかさ「そだね~」

 

 

 

鈴木「では、そろそろ俺たちは失礼させてもらうよ」

 

 

 

つかさ「唯ちゃんまたね~」

 

 

 

唯「またね~つかさちゃん」

 

 

 

律・澪「あ、ありがとうございましたー」

 

 

 

唯「あれ!?ギー太は?ここに置いていったよね!?」

 

 

 

律「あ、あれ憂ちゃんが持って帰ったぞ!」

 

 

 

鈴木「なんか……トラブルみたいですね……」

 

 

 

つかさ「もしかして楽器を忘れちゃったの?」

 

 

 

唯「……うん」

 

 

 

さわ子「しょーがないわね。これ(さわ子のギター)、使いなさい」

 

 

 

唯「さわちゃん……」

 

 

 

律「ギー太じゃなくて良いのか?」

 

 

 

唯「というか……ギー太以外のギター弾けない」

 

 

 

律・澪「だろーなー」

 

 

 

唯「おっしゃー!取りに帰ってくる!」

 

 

 

律「さて、メインのギター&ボーカルが消えた。ステージに間に合うかどうかは怪しい。どうしようか。」

 

 

 

つかさ「代わりの人とかいないの?」

 

 

 

律「ボーカルは澪がやって」

 

 

 

澪「ひぃ!」

 

 

 

律「仕方ないだろ。」

 

 

 

澪「う…うん…」

 

 

 

律「リードは梓、出来るか?」

 

 

 

梓「は……はい」

 

 

 

律「となると後は梓のパートを誰かが代わりにやってくれると良いんだが……」

 

 

 

さわ子「教師が生徒のイベントに参加するのは望ましくないしね……」

 

 

 

紬「あの!お二人はギターとか出来ますか!?」

 

 

 

鈴木「やっぱりそうなるよな……」

 

 

 

つかさ「ふぇっ!?でも私、ギターはちょっと……」

 

 

 

律「ですよねー。」

 

 

 

鈴木「もし見つからなかったらどうなるんだ?」

 

 

 

紬「演奏が少し残念な感じに……」

 

 

 

鈴木「したくないんだよな?」

 

 

 

律・澪・紬・梓「はい!」

 

 

 

鈴木「なら仕方ない。俺に参加させてもらえないか?」

 

 

 

つかさ「えっ?」

 

 

 

梓「ギター出来るんですか?」

 

 

 

鈴木「歯ギターとか特殊なのは無理だが少しくらいなら……練習出来る時間はどれくらいあるんだ?」

 

 

 

澪「ちょうど30分くらい……。」

 

 

 

鈴木「よし、1曲だけならなんとかする!それで良いかな?」

 

 

 

律「はい!」

 

 

 

鈴木「じゃあつかささんは悪いが先に講堂に行くなり他のみんなと合流するなりしといてくれ」

 

 

 

つかさ「うん。」

 

 

 

鈴木「せっかくなのにすまんかったな」

 

 

 

つかさ「いいよ~。頑張ってね!みんなで見に行くから!」

 

 

 

鈴木「了解!かがみたちにもよろしく!」

 

 

 

律「よーし!じゃあ臨時メンバーでやるか!」

 

 

 

澪「おー?」

 

 

 

紬「おー!」

 

 

 

梓「先輩……」

 

 

―昼過ぎ・講堂

 

 

こなた「そろそろ演劇部だねぇ~」

 

 

水原「楽しみだなぁ~」

 

 

つかさ「あっ!お姉ちゃ~ん!」

 

 

かがみ「つかさじゃん。どうしたの?というか鈴木くんは?」

 

 

つかさ「それがね、かくがくしかじかなの」

 

 

こなた「えぇ~!」

 

 

水原「軽音部は演劇部の次……。つまり私たちは」

 

 

かがみ「しばらく講堂から動けないわね。」

 

 

こなた「面白くなってきたぜー!」

 

 



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[第26話]けいおん!

 

 

―演劇部の公演終了

 

かがみ「演劇部って堅苦しいイメージあったけどなかなか面白かったわね」

 

こなた「そだね~」

 

水原「まぁ実際、堅苦しい”だけ”のところもあるけどね……」

 

かがみ「次はいよいよ軽音部ね」

 

こなた「かがみんどっきどきだね!」

 

かがみ「そんなこと無いわよ。」

 

モブ「次は軽音楽部『放課後ティータイム』の演奏です」

 

つかさ「幕が開いたよ~」

 

こなた「なんか、全員顔がこわばってるね」

 

 

律「1!2!3!」

 

―♪~

 

澪「♪ふでペンFUFU」

 

 

かがみ「にしても鈴木くん、何事もないように弾いてるわね」

 

こなた「こんな特技があるなんて知らなかったよ。」

 

つかさ「すごいなぁ~」

 

水原「……。」

 

かがみ「でも楽しそうじゃないわね」

 

こなた「そりゃピンチヒッターだからね。もともとの人の方が良いんだよかがみ……。アニメとかだとギリギリ間に合うのが鉄板なんだけどね~」

 

かがみ「現実はアニメみたいにうまくはいかないのね……」

 

こなた「かがみ、珍しいね」

 

かがみ「何がよ」

 

こなた「てっきり『当たり前だ!アニメと一緒にすんな』って言うかと……」

 

かがみ「……そうね。なんであんなコメントしたか謎だわ……。」

 

 

澪「♪待っててふでペン ♪ごめんねボールペンはお休みしてて ♪かなり本気よ☆」

 

 

こなた「そういえばさっきからボーカルの子、チラチラ舞台袖見てるね。メインが来ないから焦ってるっぽいなぁ」

 

かがみ「その割に演奏のレベルは高いわよ……みんな見とれてるし」

 

こなた「そだね。ってそれかがみもでしょ?」

 

かがみ「……まぁ……」

 

 

澪「♪かなり本気よ☆」

 

 

―バタン!

 

こなた「おっ?」

 

かがみ「ギター持った子が駆け込んできたわね」

 

つかさ「唯ちゃん!」

 

唯「お~!つかさちゃん!ピース!!」

 

つかさ「唯ちゃん頑張って!」

 

こなた「感動の再会シーンだね!」

 

唯「よいしょっと……あぁ……」

 

こなた「見え」

 

かがみ「オヤジかアンタは」

 

唯「よいしょっと……ふぅ……鈴木くんありがとう」

 

鈴木「よし、じゃあ後頑張れよ」

 

 

モブA「何!?あの子」

 

モブB「かっこいいー!」

 

こなた「お~!ライバル出現だね、かがみ」

 

かがみ「だから私はそんなじゃないわよ!」

 

三和「でも確かに何も言わず去っていく姿はかっこいいですよね」

 

かがみ「そうね。ってサラッと入ってきたなぁー」

 

水原「お疲れ様です。」

 

三和「お疲れ様です。」

 

 

唯「えー改めまして放課後ティータイムです。今日は私がギターを忘れたせいでこんなに遅れちゃいました。ギー太も忘れてごめん。」

 

 

こなた「なんか最終回な感じがするね!」

 

 

唯「目標は武道館とか言って私たちの軽音部は始まりました。」

 

 

かがみ「何気にMCうまいわねあの子……」

 

つかさ「唯ちゃんだよ~とっても良い人なんだ~」

 

かがみ「へぇ~」(つかさの良い人ってアテにならないけどね)

 

唯「今ここが、私たちの武道館です!最後まで思いっきり歌います。聞いてください!ふわふわ時間(タイム)!」

 

―♪~

 

 

かがみ「にしても歌詞が独特ね」

 

こなた「まぁ良いんじゃない?」

 

鈴木「こんな後ろで見てたのか?」

 

こなた「うん。今日のMVPさんお疲れ様です!」

 

鈴木「よせよせ。俺は一曲弾いただけだ」

 

つかさ「でも歓声が凄かったのは事実だよ~」

 

こなた「かがみもかっこいいって言ってたしね」

 

かがみ「なっ!そんなこと言って」

 

三和「あれ?私が言ったとき肯定してませんでした?」

 

かがみ「うぅ……」

 

鈴木「ま、それくらいにしといてやれ。明らかに困ってるし」

 

こなた「ふふーん」

 

鈴木「それよりライブ見ろよ!」

 

 

唯「ふわふわ時間♪」

澪「ふわふわ時間♪」

唯「ふわふわ時間♪」

澪「ふわふわ時間♪」

 

―ジャジャン♪ジャジャン♪ジャーン♪

 

水原「ええ顔してるねぇ~」

 

かがみ「確かにやりきった顔してるわね」

 

こなた「イイサイシュウカイダナー。でもここで終わらせるわけにはいかないよ!」

 

鈴木「何する気だ?」

 

こなた「アンコール!アンコール!」

 

モブ「おっ、アンコール!アンコール!」

 

鈴木「こなたもたまには良いことするな」

 

かがみ「ホント、たまにだけどね」

 

 

唯「もう一回!」

 

―ふわふわ時間(アンコール)―

 

唯「軽音大好き!りっちゃん!もう1曲!」

 

律「おっしゃー!」

 

和「唯!」

 

唯「あ、和ちゃん!」

 

和「もう時間切れよ!」

 

唯「えぇ~!」

 

 

こなた「なんかうまくオチたね」

 

鈴木「俺たちも帰るか……」

 

かがみ「そうね。他に気になるイベントもないし。」

 

三和「あ、はい。では私が出口までご案内します。」

 

水原「三和さん、ありがとね~」




今回でけいおん!回は終わりです。もしかしたらけいおん!のキャラクター自体はまた出てくるかもしれませんが。
ちなみになんでけいおん!なの?と言いますと、この作品書く前に原作をらき☆すたにするかけいおん!にするかで結構迷ってました。ただまぁけいおん!は女子高だしなぁ…他校設定にするのも共学設定にするのも私の中ではなんかなぁと思ったわけで。
(けっして共学設定でけいおん!の2次創作を書いてる方をけなすつもりはありませんよ。ただ私には書けないなぁと思っただけで)
でもけいおん!のキャラクター!も書きたいなぁってことでこんな登場の仕方をしました。


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[第27話]期末テスト終了

こなた「もうすぐクリスマスだね。プレゼント何かなぁ~」

 

 

つかさ「まだプレゼントもらってたんだ……」

 

 

鈴木「というか期末テスト終了って書いてあるのに期末テストネタ一切スルーかよ!」

 

 

みゆき「どこに書いてるんですか?」

 

 

鈴木「あっ、いや何でもない。」

 

 

水原「あるよね~、見えちゃいけないものが見えることって」

 

 

つかさ「そだね~私も時々、何故か変な説明しちゃったりしてね~」

 

 

水原「なんなんでしょうね、あの妙な感覚は」

 

 

つかさ「困っちゃうよね~。そういえばみんなはいつ頃までサンタさん信じてた?」

 

 

こなた「え?サンタクロースって実在しないの?」

 

 

つかさ「どんだけー」

 

 

鈴木「意外とピュアだな」

 

 

こなた「意外とって失礼だなー。うちサンタさんが来てくれないから代わりにお父さんがプレゼント買ってきてくれてたし。」

 

 

つかさ「な……なるほど……。ゆきちゃんは?私と一緒で結構信じてそうな気がするよー」

 

 

みゆき「サンタさんは私も信じ込んでいまして小さい頃、サンタさんにお礼の手紙を出そうとしていろいろ調べたこともあるんですよー。でも父や母に聞いてもわからなかったのでもっと一生懸命調べたら『サンタクロースの元ネタ』とか『サンタの起源』というフレーズにいきつきまして……かなり早いうちに夢が破れました。」

 

 

こなた・つかさ・鈴木・水原「うわぁ……」

 

 

つかさ「水原くんは?なんかそういうことをどう考えてるか謎なイメージがあるんだけど……」

 

 

水原「私?私はクリスマスプレゼントは親と買いに行ってたので夢もクソもあったもんじゃない。『サンタはいない』が当たり前でしたね……」

 

 

つかさ「なるほど……サンタだけでも色んな考え方の人がいるんだね」

 

 

こなた「そういえばみんな、年末にお祭りがあるんだけど行かない?」

 

 

みゆき「暮れのお祭りですか?面白そうなのですが年末は旅行がありまして……」

 

 

つかさ「暮れのお祭りか~うん、確かに楽しそう。私は大丈夫だよ!」

 

 

鈴木「俺も多分、行ける」

 

 

水原「私はちょっと分からないので行けるとも行けないとも返事が出来ないです。詳しく決まったら連絡ください」

 

 

こなた「じゃあみんなに冬休み入ったら連絡するよ~」

 

 

鈴木「了解。」

 

 

 

 

―数日後

 

 

かがみ「クリスマスはみんなでパーッと遊ばない?」

 

 

鈴木「おっ、いいね」

 

 

こなた「あ、ごめーん。クリスマスは用事があってね。」

 

 

かがみ「お?なんだー男関係か~?」

 

 

こなた「まぁそんなとこ~」

 

 

かがみ「おじさんとどっか出かける予定でもあるの?」

 

 

こなた「ん?お父さんには帰りが遅くなるっていってあるよ?」

 

 

鈴木「ほう?」

 

 

かがみ「!!まさか本当に彼氏とデートか!?」

 

 

こなた「期待を裏切るようで悪いけどただのバイトだよ。だいたい男の人しか来ないし間違いじゃないし。」

 

 

かがみ「なんだバイトか……抜け駆けかと思ったわよ」

 

 

こなた「クリスマスは限定イベントでね~サンタのコスプレするんだ~」

 

 

かがみ「あんたもそういうの好きね……」

 

 

鈴木「なら、クリスマスはこなたのバイト先にでも行くか!」

 

 

こなた「いいよー」

 

 

鈴木「なんちゃって~……ってえ?」

 

 

こなた「来てもいいよー?」

 

 

鈴木「普通、嫌がるんじゃないのか……」

 

 

こなた「見られるのが仕事だしね~」

 

 

かがみ「なるほど……」

 

 

つかさ「じゃあクリスマスはこなちゃんのバイト先に遊びに行くね~」

 

 

鈴木「行く気満々か……まぁ決まりだな。俺も特にクリスマス予定無いし」

 

 

こなた「一応、来る前に連絡してね。混んでることもあるし。」

 

 

かがみ「はいはい。分かったわよ」

 

 

鈴木「あ、かがみも行くんだ」

 

 

かがみ「何よ?来ちゃ行けないの?」

 

 

鈴木「いや、かがみなら引く手数多だろうしクリスマスも予定あるかと思ったが」

 

 

かがみ「そんなこと無いわよ!喧嘩売ってるの?」

 

 

鈴木「いや、別に喧嘩売ってる訳じゃねーよ。ちょっと意外だっただけだ」

 

 

かがみ「え?あ……そう……」

 

 

鈴木「じゃあとりあえず24日はこなたのバイト先に遊びに行くと言うことで決まりだな」

 



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[第28話]AKIBA'S Xmas

―12月24日 秋葉腹

 

 

かがみ「やっぱりここか……」

 

 

鈴木「まぁ……聖地みたいなもんなんだろ?一部の人種には」

 

 

つかさ「こなちゃんすごいなぁ~こんな大都会で働いてるなんて~」

 

 

かがみ「あんたは気楽そうでいいわね……とりあえず、ゲマズでなんか買ってきてほしいものがあるらしいから行きましょ」

 

 

―ゲマズの前

 

 

かがみ「ここね」

 

 

キモオタA「あのーすいません。1枚良いですか?」カシャカシャ

 

 

つかさ「え?」

 

 

キモオタA「おぉ~」

 

 

かがみ「ちょっと!」

 

 

??「おっ!三和さんじゃん!お久しぶりDEATH!」←飛び蹴り!

 

 

キモオタA「ぐへぇっ!」

 

 

水原「あれぇ~三和さんじゃない。すいません、人違いでした」

 

 

鈴木「どっから出てきたんだ!?」

 

 

かがみ「というか明らかに三和さんじゃないし、わざとよね」

 

 

水原「ところでお兄さん、今何撮ったんですか?」

 

 

キモオタA「へっ?アハハハハ……」

 

 

水原「画像消すかお兄さん消えるかどっちが良いかなー?ん?」

 

 

キモオタB「こっちも1枚お願いしますwww」カシャ

 

 

つかさ「私……神岸じゃないです……柊です……」

 

 

かがみ「ちょっ」

 

 

鈴木「オイ、何やってるんだ!?……あー2人ともとりあえず先、店に入っとけ」

 

 

つかさ「う、うん……」

 

 

キモオタA「ちゃんと画像消しました。」

 

 

水原「よろしい。さっさと消え失せてください。」

 

 

鈴木「アンタもさっさと画像消して散れ」

 

 

キモオタB「フヒヒwwwちょっとくらい良いじゃないっすかwwwww」

 

 

鈴木「なんなんだお前。勝手に写真撮ってその態度は」

 

 

キモオタB「ちょっwwwwマジギレwwwwwウケるwwwwww」

 

 

水原「お兄さん、良い根性してるねぇ~」

 

 

キモオタB「wwwww」

 

 

水原「鈴木ちゃん携帯奪って画像消して」

 

 

鈴木「はいよ」

 

 

キモオタB「そんなの聞いて携帯渡すわけ無いじゃんwwwwwwワロスwwwwwww」

 

 

水原「ふっ!!」←どこかに膝蹴り

 

 

キモオタB「うっ!!」

 

 

鈴木「携帯パクったぞ」

 

 

水原「ナイス!じゃさっさと消して携帯返して店内入りますか」

 

 

キモオタB「……。」

 

 

鈴木「完全にのびてるな……ほい携帯。」ガシャン!

 

 

―店内

 

 

かがみ「大丈夫だった?」

 

 

鈴木「まぁある意味、大丈夫じゃないだろうな……。向こうが。」

 

 

かがみ「へ……へぇ……」

 

 

鈴木「それよりそっちは目的のものが買えたのか?」

 

 

かがみ「それがル○ーシュのコミックが見つからないのよ」

 

 

鈴木「大人しく店員さんに聞いてみるか……」

 

 

かがみ「すいません店員さん、ル○ーシュのコミックはどちらですか?」

 

 

ひなた「あ、それでしたらこちらになります。」

 

 

かがみ「ニートギ○ス……タイトルくらい私たちにも分かるように説明しなさいよね……」

 

 

―店外

 

 

かがみ「こんな地図でどうやって来いって言うのよ……」←こなたの書いた地図見てる

 

 

つかさ「そういえばさっきいた水原くんは?」

 

 

鈴木「ん?そういえばいないな……。」

 

 

かがみ「というか私たち、今日3人で来たよね?」

 

 

鈴木「だよな?みずりんは一体、どっから現れてどこに消えたんだ?」

 

 

かがみ「相変わらずの謎っぷりね……。」

 

 

 

 

―コスプレ喫茶

 

 

鈴木「ここだよな」

 

 

かがみ「そうね……開けるわよ?」

 

 

つかさ「うん!」

 

 

―ガチャッ

 

 

こなた「お帰りなさいませ、ご主人様」

 

 

かがみ・鈴木「……うわぁ」

 

 

つかさ「わぁこなちゃんサンタさんだ~かわいい~」

 

---

 

こなた「こちらにどうぞ。最初の1時間は800円でソフトドリンクは飲み放題、お菓子は食べ放題だから」

 

 

鈴木「お、おう……」チラッ

 

 

 

客「このうな重ちょうだい」

 

 

長門店員「今はない」

 

 

客「じゃあエビピラフ……」

 

 

長門店員「今は出来ない」

 

 

客「えぇ~じゃあカレーライスでいいや」

 

 

長門店員「所要時間は15分。許可を……」

 

 

客「よし、やっちまえ」

 

 

 

かがみ「あんなんで商売になるのかしら……」

 

 

こなた「あんたたち!飲み物何にするか決まったの?」

 

 

つかさ「私、メロンソーダ」

 

 

こなた「ただのメニューには興味ありません!あんたはどれにするか決まったの!?」

 

 

鈴木「ちょっと待ってくれ」

 

 

こなた「団員にあるまじき遅さね!」

 

 

かがみ「それが客に対する態度か……」

 

 

こなた「ここではそれが仕様なの」

 

 

鈴木「じゃあ俺はウルトラトロピカルサンダーで」

 

 

こなた「団長命令よ、待ってなさい!」

 

 

かがみ「やれやれ……」

 

 

―しばらくして

 

 

かがみ「ねぇ、そのウルトラトロピカルサンダーってどういう味なの?」

 

 

鈴木「ん?」

 

 

かがみ「いやだって……言い表せないような色してるじゃない?どんな味なのかなぁって」

 

 

鈴木「まぁなんというか……飲んでみるか?」

 

 

かがみ「いや、いいわよ。だってそれ飲んだら……」

 

 

鈴木「あっ……そうだな。俺は別に気にしないが」

 

 

こなた「ふむふむ」

 

 

鈴木「こんな風に店員に見られてるしな。」

 

 

こなた「今からステージするから見ててよ」

 

 

鈴木「はいよ」

 

 

―ハレ晴レユカイを踊る泉こなたと長門店員

 

 

つかさ「わぁーすごいすごい~」パチパチ

 

 

鈴木「おー」パチパチパチパチ

 

 

かがみ(すごいわね……。)

 

 

こなた「ねぇかがみんどうだった~?」

 

 

かがみ「ま、まぁすごいのは認めてあげるわよ!」

 

 

こなた「ふふーん。でもさー、一人足りないんだよねー」

 

 

鈴木「確かに2人で踊ってても物足りないな……」

 

 

かがみ「私はやらないわよ!」

 

 

こなた「ちぇー……誰かオタクで踊れて萌え要素を持ってる人いないかなー」

 

 

かがみ「今の、私一つも当てはまって無いじゃない!」

 

 

こなた「そんなことないじゃーん。かがみってなんだかんだ言ってオタクだし頼めば踊ってくれそうだし萌え要素いっぱいだし」

 

 

かがみ「全部、アンタの妄想だろうが!」

 

 

鈴木「いやぁ、クリスマスでも二人とも仲良いなぁ」

 

 

つかさ「そだね~」

 

 

鈴木「うらやましいもんだ。ハッハッハッ」

 

 

かがみ「何言ってるのよ!?」

 

 

 

こなた「さて私は仕事に戻るかねーフンフン」

 






??「オタクでオドれてモえヨウソ、ワタシの出現フラグがタちました!」


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[第29話]お祭りへ行こう

-大みそかのO宮駅

 

駅員「最強線、最強の各駅停車ダァ閉まりまーす!!ご注意ください!!」

 

 

こなた「4人とも急いで!あらよっと!」

 

 

かがみ「朝っぱらから!よっと!」

 

 

つかさ「待ってこなちゃーん!ヨイショっと!」

 

 

鈴木「アイツどんだけ足早いんだ!?よっ」

 

 

駅員「はい、次の電車お待ちください!ダァ閉まります!」

 

 

水原「待ってくれ!!」

 

 

―プシュー

 

 

こなた・かがみ・つかさ・鈴木「あ」

 

 

水原「えっ!?」

 

 

駅員「はいオーライ!JR最強の各駅停車発射します!」

 

 

水原「今度は置いてかれるパターンかよ!?」

 

 

 

 

―車内

 

 

鈴木「一人駅に置き去りにしてきたが大丈夫か……?」

 

 

こなた「うーん……まぁみずりんなら会場までたどり着くことは容易だろうけども……」

 

 

つかさ「コミケって言うんだっけ?随分、朝早くからやるお祭りなんだね?楽しみだな~」

 

 

鈴木「噂には聞いたことあるが俺も行ったこと無いしなぁ~楽しみと言えば楽しみかなー」

 

 

かがみ「言っておくけど2人共、すんごい疲れるイベントよ?大丈夫?」

 

 

つかさ「うん!頑張る~」

 

 

鈴木「言っても、お祭りなら俺は楽しむからそこまで疲れないしな」

 

 

かがみ「本当に大丈夫なのかしら……」

 

 

 

 

―会場到着

 

 

鈴木「……なんだこの人だかりは……」

 

 

スタッフA「はーい!こちら赤信号でーす!」

 

 

鈴木「みんな殺気立ってる……。というか次元が違うというかなんというか」

 

 

つかさ「お姉ちゃんなんだかここ怖いよ……」

 

 

かがみ「だから言ったでしょ?」

 

 

こなた「そうそう今のうちに分担を説明しとかなきゃ。(中略)以上。質問は?」

 

 

かがみ「アンタってこういう時だけは凄まじい知性と情熱を発揮するのね……。」

 

 

こなた「フフフ、始まるよ。」

 

 

スタッフB「走らないでくださーい!!」

 

 

参加者「最初からクライマックス!」

 

 

売り子A「新刊の購入は一人4冊までとさせていただきます!ご協力ください!」

 

 

鈴木「うわぁ……」

 

 

--

 

 

かがみ「あの……すいません、Aの92ってここですか?」

 

 

売り子B「はい、あ、新刊1冊ずつですね1000円なります。それで?」

 

 

かがみ「ここの新刊は……」

 

 

売り子B「こちらになります。どっちも500円です。あ、お疲れ様でーす。差し入れのお菓子おいしかったですか?あ、はーい」

 

 

かがみ「あの、3冊ずつください」

 

 

売り子B「はい、ヌルヌル白石君とイケない黒石君ですね!3000円なります!」

 

 

かがみ「……!」(年齢指定じゃん!?)

 

 

 

---

 

 

鈴木「ここの新刊3冊ずつ」

 

 

売り子C「はい、4500円なります!」

 

 

鈴木「はいよ。……ここはミッションコンプリートか……ん?『鈴本善冶の冒険』『鈴本善冶は探偵』『鈴本善冶の憂鬱』ってえらく親近感あるタイトルだな……ある意味不気味だが……さて、次は……っと……」

 

 

 

---

 

 

つかさ「えーとここが東館だからこっちに向かって、あっ人波が……あの、すいません……私向こうにあっ……あれぇ~……」

 

 

―人波から抜け出した場所

 

 

つかさ「あの、すいません……東館はどちらですか?」

 

 

スタッフC「東館?ここは西館だから東館はあそこの通路を歩いていってね」

 

 

つかさ「それってどれくらいかかりますか?」

 

 

スタッフC「そうねー今だと1時間くらいかかるかもー、ゆっくりしていってね!」

 

 

つかさ「あぁ電話しなきゃ……繋がらない……」

 

 

 

 

―集合

 

 

つかさ「ごめんねこなちゃん……人波にさらわれるとどこ行くか分からないよね?このイベント……」

 

 

かがみ「トイレ並んだら1時間以上かかったわ……」

 

 

鈴木「俺は買うときの売り子の目が堪えたぜ……」

 

 

こなた「まぁ初心者にはツラいと思ってたよ。午後からはみんなでゆっくり回ろうよ」

 

 

かがみ「まだ回るんかい……」

 

 

 

---

 

 

こなた「にしても最近は自分のことをお客さんだと思ってる参加者がいて困るよ。もともとみんなで作るイベントだったのにね……あ、いちごちゃんだ!」

 

 

かがみ「いちごちゃん?」

 

 

こなた「いちご星からやってきたイタいキャラで今、人気になりつつある声優さんだよ!」

 

 

いちご「今日はありがと!これからも応援しなさいっ!」

 

 

ファン「はい!」

 

 

キモオタB「ねぇwwwここまできてサッポロのストラップ無いとか何?wwwwwお客様は神様だよ?wwwww俺ここまで来た意味無いじゃんwwwww」机ドンドン

 

 

かがみ・つかさ・鈴木「うわぁ……」

 

 

こなた「最近はあーゆー参加者がいるんだよ」

 

 

鈴木「アイツ、どっかで見たことあるなぁ……」

 

 

水原「やっと合流できた……」

 

 

こなた「遅かったね~」

 

 

水原「いやぁ……ね。着いてから探すのが大変でした」

 

 

こなた「そんなみずりんに残念なお知らせです!」

 

 

かがみ「もう私たち帰るのよ。」

 

 

こなた「十分見て回ったしね」

 

 

水原「あ……はい……」

 

 

 

こなた「よいお年をー!」

 

 

 

水原(無理やり締めたなぁ・・・)



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[第30話]初詣

―1月1日未明

 

 

水原「ふわぁぁぁぁ。あけましておめでとうござます。今年もよろしくお願いします」

 

 

鈴木「あけましておめでとうございます。今年もよろしく。お前もこなたに初詣誘われた口か?」

 

 

水原「そうですね。」

 

 

こなた「おーい!」

 

 

鈴木「お、来た来たと……お?」

 

 

こなた「あけおめ~」

 

 

??「こなた!まさか友達って……!」

 

 

水原「どなた?」ひそひそ

 

 

鈴木「知らん。俺に聞くな」ひそひそ

 

 

こなた「あ、こっち?うちのお父さん。」

 

 

水原「あ、これはこれは、おはようございます。水原です。」

 

 

鈴木「いつもお世話になっております。あけましておめでとうございます。鈴木善治です。」

 

 

そうじろう「これはご丁寧に挨拶ありがとう。その……君たちはこなたと……どういう関係なのかね……?まさか2人とも……」

 

 

こなた「2人とも友達だよ。お父さんが思ってるような関係じゃないよ。」

 

 

水原「ということです。ご心配無く~」

 

 

鈴木(ってか2人ともって疑ったことに疑問を感じろよ!)

 

 

そうじろう「なんだそりゃ良かった。今後ともよろしく頼むよ」

 

 

水原「はいさ。」

 

 

そうじろう「さぁ早く行こう。巫女さん♪巫女さん♪」

 

 

こなた「お父さん……心の声出てるよ……」

 

 

 

 

―神社

 

 

つかさ「お姉ちゃん眠いよ……」

 

 

かがみ「有明から帰ってすぐ家の手伝い……。確かに疲れたわね……」

 

 

こなた「おーい、あけおめー」

 

 

鈴木「あけましておめでとう~」

 

 

水原「あけましておめでとうございます。」

 

 

かがみ「お、来たんだ」

 

 

つかさ「みんな、あけましておめでとう~」

 

 

かがみ「こなた辺りは寒いから来ないかと思ったわよ。」

 

 

こなた「いやぁ~1年の計は元旦にあるから元旦に初詣行って1年の英気を養おうって」

 

 

かがみ「へー殊勝じゃない」

 

 

こなた「お父さんが。私は家でぬくぬくしときたかったよ」

 

 

そうじろう「どうも~」

 

 

かがみ「急に何かが引っかかるんですけど!?」

 

 

鈴木(なるほど……この父にしてこなたありか……)

 

 

こなた「巫女服新鮮~♪」

 

 

かがみ「オイ……」

 

 

こなた「どーせそこの2人もだし」

 

 

鈴木「ちょっ!?俺はちゃんと初詣しに来たんだよ!」

 

 

水原「私は……否定できない……一応反論しとくと…」

 

 

 

こなた「?」

 

 

 

水原「『巫女服』じゃなくて『巫女装束』な」

 

 

こなた「あ、そ。とりあえずお祈りしてくるよ~」

 

 

―お祈り中―

 

 

こなた「お祈り済んだよ~。つかさ達はお祈りした?」

 

 

つかさ「そういえばお姉ちゃん、さっきなんか熱心にお祈りしてたね~」

 

 

かがみ「ばっ……つかさはまた余計なことを……!」

 

 

鈴木「で、何お祈りしてたんだ?」

 

 

かがみ「別に大したこと無いわよ!ただ……今年くらいはつかさやみゆき達と同じクラスがいいなぁって思っただけよ!」

 

 

鈴木「ふーん……」

 

 

こなた「かがみんってさー、意外とかわいいよね~」

 

 

かがみ「うるさいな!そうやって茶化されるから言いたくなかったのに!」

 

 

つかさ「そっか……確かにお姉ちゃんだけずっと違うクラスだもんね」

 

 

かがみ「黒井先生に嫌われてんのかなぁ……」

 

 

水原「あるいは桜庭先生に好かれてるとかですかね?」

 

 

つかさ「私もお姉ちゃんと同じクラスになれるようにお祈りしとくよ~」

 

 

かがみ「つかさ……っ」

 

 

こなた「いやいや、かがみは別のクラスになってもらわないと」

 

 

かがみ「なんでよっ!?」

 

 

こなた「だって忘れ物したとき借りられないし宿題写してもバレないし」

 

 

かがみ「だったらあんただけ別のクラス行けよ!」

 

 

そうじろう「女学生っていいな~にぎやかで」

 

 

鈴木「心の声出てますよ。……にしてもクラス替えが近いのか……」

 

 

こなた「鈴木くんは誰かと一緒のクラスがいいとかあるの?」

 

 

鈴木「うーん……そうだなぁ、俺は転校生だし1年で仲良かった人とかいないから出来ればこのメンバーの誰かは同じクラスだと助かるが……」

 

 

こなた「誰かって誰~?」

 

 

鈴木「いや……誰でもいいかな」

 

 

かがみ「はっきりしないわねー。適当に誰かの名前を上げといたら良いのよ。どうせ同じクラスになるかどうかなんて分からないんだし」

 

 

こなた「かがみは夢がないねー」

 

 

鈴木「じゃあかがみと同じが良い……にしとく。話の流れ的にまたかがみだけ別のクラスになりそうだし」

 

 

こなた「ほぅ……」

 

 

鈴木「何ニヤついてるんだ……。俺は今のクラスでも良いけど変わるなら同じクラスになったことないかがみが良いかなって思っただけだ」

 

 

かがみ「同じクラスだったじゃない」

 

 

鈴木「1日だけだろ!適当に言っただけだ気にするな。」

 

 

かがみ「何よ適当って!」

 

 

鈴木「適当で良いって言ったんはどの口だ!」

 

 

こなた「いやいや2人とも新年早々仲良いね~」

 

 

水原「どこがだ!」

 

 

かがみ・鈴木「どこがだ!……ってあれ」

 

 

水原「どうせ言うと思って先にセリフ頂きました。」

 

 

 

かがみ「あぅ……」

 

 

 

こなた「みずりんGJ!」

 

 

 

水原「いやいやどーも」

 

 

 

つかさ「そういえば今年もおみくじとかやっていかない?」

 

 

 

鈴木「おっ、いいな」

 

 

 

―しばらくして

 

 

 

そうじろう「おっ!大吉!」

 

 

 

つかさ「新年早々、幸先良いですね~」

 

 

 

そうじろう「ホント良いものみれたし今年は良い年になりそうだよ」

 

 

 

こなた「ぬおっ……凶……」

 

 

 

つかさ「大丈夫だよ、こなちゃん……今が最悪なら後は運気上昇するだけだよ」

 

 

 

こなた「なんというかものは言いようだね」

 

 

 

鈴木「なんというか……商魂たくましいと言うべきか、さすがな切り返し方だな。」

 

 

 

水原「まぁあの眉毛をハの字にして申し訳無さそうに言われたらだいたいのことは水に流せそうだけど」

 

 

 

鈴木「さて、俺はどうかな。……中吉か。」

 

 

 

こなた「中吉が一番って言うくらいだし良かったじゃん。みずりんは?」

 

 

 

水原「どーかなー?……アレ?」

 

 

 

鈴木「どうだったんだ?」

 

 

 

水原「……白紙。」

 

 

 

 

つかさ「どうしたの?って、あ……」

 

 

 

水原「これって仕様?」

 

 

 

つかさ「ごめんね。これは印刷ミスだよ……何番だった?」

 

 

 

水原「18番」

 

 

 

つかさ「ちょっと待っててね。今、ちゃんと印刷されたやつ持ってくるから……あっ、すいません……私そっちに……えーと……」トコトコ

 

 

 

鈴木「珍しいな。白紙なんて」

 

 

 

こなた「まぁある意味、良かったじゃん」

 

 

 

水原「ある意味ね。というか人混みに飲み込まれた気がするけど大丈夫かな……」

 

 

 

―10分後

 

 

 

つかさ「ごめんね、はい18番」

 

 

水原「はい、ありがとう~。さて気を取り直して見てみるかな」

 

 

 

鈴木「どうだった?」

 

 

 

こなた「超大凶とか!?」

 

 

 

水原「……微凶」

 

 

 

こなた「は?」

 

 

 

鈴木「微凶?」

 

 

 

そうじろう「初めて聞いたね。」

 

 

 

水原「読んでみます。失せ物微妙に見つからないなり。病気微妙に尾を引くなり。争い事微妙に負けるなり。金運微妙に足りないなり。待ち人微妙に来ないなり……」

 

 

 

こなた「確かにつかさが来るまで微妙に待ったしね。当たってるじゃんコレ♪」

 

 

 

水原「すべて『微妙に』が書いてるんだけど……」

 

 

 

つかさ「アハハ……微妙ってことは相当悪いことは起きないよ~」

 

 

 

水原「そうね、そうだよね、そう信じて生きるしかないよね……。うん、そう思おう。」

 

 

 

かがみ「良いことがあるかないかは結局、本人の頑張り次第よ。おみくじは所詮、運試しだわ」

 

 

 

鈴木「まったく持って正論だが……」

 

 

 

こなた「関係者のセリフじゃないね。そういえば向こうに大きな鏡餅あったじゃん」

 

 

 

鈴木「あぁ確かにかなりデカかったな」

 

 

 

こなた「かがみの名前の由来ってソレとか?」

 

 

 

かがみ「うーん間違いじゃないわね。鏡餅の円は『鏡』をかたどってるんだけど鏡には昔から神様が宿るって言われてるのよ。だから神の恩恵を受けられるようになりますように、ってコトらしいわ。あと丸形には夫婦円満の意味もあるのよ。」

 

 

 

鈴木(由来とかは神秘的なのに本人はえらく現実的に育ってしまいましたなー。悪いとは思わないけど)

 

 

 

こなた「だいたい夫婦円満って言っても相手もいないじゃん♪」

 

 

 

かがみ「おまっ」

 

 

 

鈴木「それは俺もお前もそこの微凶くんも人のこと言えんだろ」

 

 

 

水原「うわっ、微妙なタイミングで微妙なネタ振られた!」

 

 

 

こなた「さすが微凶だね。というか鈴木くんは知らないみたいだけど私、結婚してるから」

 

 

 

鈴木「はぁ!?許嫁とかそういうタイプなのか?」

 

 

 

かがみ「鈴木くん、こなたの言葉を真に受けちゃダメよ。こいつが言ってるのはネトゲの話だから」

 

 

 

鈴木「なんだ……一瞬だけ本気でびっくりして損した……」

 

 

 

こなた「ネトゲでも結婚してるもーん。かがみたちよりは勝ち組だよー。」

 

 

 

鈴木「俺にはこなたが何言ってるか理解できない。」

 

 

 

かがみ「同感ね。私もよ。」

 

 

 

こなた「流石、似たもの同士……。にしても参拝客多いね。」

 

 

 

かがみ「正月だしね。まぁ有名どころの比じゃないけどね。」

 

 

 

こなた「この中で何人がお父さんや鈴木くん、みずりんと同じで巫女目当てかな」

 

 

 

鈴木「サラッと仲間に入れるな!」

 

 

 

かがみ「いや、そんなやついないって!多分……あれ?水原くんは否定しないの……?」

 

 

 

水原「ん?あーいや……巫女目当てというと正確には間違ってますよハイ」

 

 

 

かがみ「なんか引っかかるわねー。まぁいいわ」

 

 

 

鈴木「あ、そうだかがみ」

 

 

 

かがみ「何?」

 

 

 

鈴木「言い忘れてた。今年もよろしく。」

 

 

 

かがみ「え?あ、うん。よろしく……」

 

 

 

鈴木「さて帰るか」

 

 

 

こなた「そだねー」

 

 




いよいよ年明けですね。
ここまで原作をなぞってくる展開が多いのですが
年が明けてからは原作にない展開もあります。
1年生組の登場でキャラ紹介回もまたやってきます。
1年生組にもオリキャラがいます。

もっと混沌としてきます!!


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[第31話]正月気分

―始業日 放課後

 

 

こなた「いやぁ~お正月気分っていうけど確かに不思議な空気があるよねぇ~」

 

 

鈴木「俺から見るとこなたは年中お正月気分に見えるんだが気のせいか?」

 

 

こなた「む。そんなこと無いもん。学校始まったら空気変わるもん」

 

 

かがみ「こなたがお正月気分なのは置いといて確かにお正月って不思議な力が働くわよね~……」

 

 

鈴木「なんかブルーだな……聞かない方が良いか?」

 

 

かがみ「別に良いわよ……。三が日、家の手伝いであんな忙しかったのに……」

 

 

鈴木「のに?」

 

 

かがみ「体重がまた増えた!」

 

 

鈴木「そっちか。かがみは言うほど太ってないし問題ないだろ?」

 

 

かがみ「ホント……?」

 

 

こなた「いやいや鈴木くん、騙されちゃいかんぜ。こういう時、実は見えない部分が相当に……」

 

 

かがみ「ちょっとこなた!」

 

 

鈴木「いや、問題ないだろ。とてもそうには見えないし、仮にそうだったとしても『見えない部分』なんだから問題ないじゃん」

 

 

こなた「そう来たか。まぁよく考えたらかがみの場合は不思議でもなんでもなかったね」

 

 

かがみ「なんだと!?」

 

 

こなた「どうせアレでしょ?巫女お菓子巫女お雑煮巫女お菓子お菓子お菓子お菓子お菓子巫女お雑煮だったんでしょ?」

 

 

かがみ「そこまで酷くないわよ!」

 

 

鈴木「というかお雑煮は普通に食べるだろ。こなたは食べなかったのか?」

 

 

こなた「ウチお母さんいないからお雑煮とかほとんど食べたこと無い。というかお餅自体あんま食べないなぁ。」

 

 

かがみ「うわっもったいないナ~。お汁粉、お雑煮、きな粉餅、甘辛、からみ餅、磯辺焼……お餅のおいしい食べ方いっぱいあるのに~」

 

 

こなた「あーこりゃ来年もお餅で失敗するなー」

 

 

鈴木「というかヨダレふけ……」

 

 

かがみ「……は!」

 

 

 

 

 

―数日後の休み時間

 

 

つかさ「そういえば皆は初夢とか見た~?」

 

 

水原「私は生憎、覚えてませんね……。なんか微妙だった気はするんですけども……。汁石くんは?」

 

 

白石「白石ですけど。僕はそうですね……年末年始はバイトで寝る暇が無かったと言いますか……」

 

 

水原「うわっ……それ労基に引っかかるんじゃ」

 

 

白石「アシスタントに労基は無いんです……」

 

 

つかさ「あしすたんと?」

 

 

白石「あっ、気にしないでください。確か初夢って見ると縁起のいいものがあるんでしたっけ?」

 

 

つかさ「そうそう」

 

 

水原「一富士、二鷹、三茄子でしたっけね」

 

 

みゆき「正式には加えて四扇、五煙草、六座頭というのもあるみたいですよ。」

 

 

水原「まぁそんなんが出る夢、普段から見ないよね……」

 

 

つかさ「そ、そうだよね。ゆきちゃんはどんな初夢、見たの?」

 

 

みゆき「私ですか?私は靴箱を開けたら違う人の靴が入ってまして、仕方がないのでそれを履こうとしたらサイズが合わないという夢だったのですが……」

 

 

つかさ「へぇ~」

 

 

みゆき「その夢の意味を夢占い辞典で調べてみましたら、社会的地位が欲しいもののまだ実力が足りないということの暗示だそうです。どうやら靴は社会的地位を意味するみたいですね。」

 

 

つかさ「チーズケーキ?」

 

 

白石「結構、野心家なんですね。」

 

 

水原「分かるような……分からんような……。ということは将来の夢は総理大臣とかなワケ?」

 

 

みゆき「いえ、私の将来の夢は医者ですよ」

 

 

水原(アカン……TVドラマのせいで医者と聞いても腹黒い院内政治しか思いつかん……。)

 

 

つかさ「そういえばかなり昔だけどお姉ちゃんの将来の夢は総理大臣だったような……。」

 

 

水原「うわぁ黒歴史……。」

 

 

白石「かがみさんにもそんな過去があったんですね。」

 

 

水原「まぁ我々野郎共が言いふらすと原型を留めないことになりそうだし黙っとくしか」

 

 

白石「ありませんね。」

 

 

つかさ「え?何かマズいこと言った?」

 

 

水原「うん、だいぶ……。」

 

 

白石「まぁそういう無邪気さが魅力なのかもしれませんがね」

 

 

みゆき「それはあるかもしれませんね」

 

 

つかさ「お姉ちゃん人気者だなぁ~」

 

 

水原「そうだねぇ~。まぁ人気云々は別としてかがみさんに限らず魅力的な女の子が多いですよね」

 

 

つかさ「確かにこなちゃんもゆきちゃんも魅力的だよね~」

 

 

水原「つかささんもね。皆話しやすいし楽しいし美人さんだしね……とこれ以上言うと私が壊れる危険があるのでやめますけど」

 

 

みゆき「壊れるんですか?」

 

 

水原「うん。壊れる。色々封印かけてるからねー。まぁ気にしないでくれたまえ!」

 

 

みゆき「は、はい」

 

 

つかさ「あははは……」

 

 

水原「それにこうしてたわいない会話をしてる今が一番、楽しいですしね。」

 

 

つかさ「辛くなったりしないの?」

 

 

水原「全然。私が辛くなる要素なんてありませんよ♪」

 

 

つかさ「そっか~」

 

 

水原「さて、そろそろ休み時間も終わりますな。」

 

 

みゆき「そうですね」

 

 

―キーンコーンカーンコーン




とまぁふんわり正月気分回でしたが
この後は節分の豆まきや皆さんお待ちかねのバレンタインデー!
そして新たな仲間たちと進級…
物語は一気に進み始めます(多分)


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[第32話]豆まき

―キーンコーンスープコーン

 

水野「ほーい、授業始めるんで席座ってくださーい。ではまず……今日は何の日ですか?」

 

こなた「はい!」

 

水野「はい、泉さん。早くマイナスポイントから脱してくださいね~。で今日は何の日?」

 

こなた「バレンタインデー11日前です!」

 

水野「はい、その通り。正解です。私は常日頃から『リア充氏ね』と思ってるんでね。そのネタを振った泉さんはマイナス214ポイントとなります。」

 

こなた「ウソー!?」

 

水野「これでマイナス100万ポイント達成ですね。ミリオンおめでとう!……さて今日は節分です。」

 

鈴木(何だろう。節分にちなんだ文章でも読むつもりか?)

 

水野「ということで豆撒きします!」

 

全員「は!?」

 

水野「せっかくなんでね。雪合戦みたいに豆を投げ合ってもらいます。さぁ机を動かせ!チーム割り振りはこっちで決めるから!」

 

みゆき「あの……失礼ですが、食べ物を粗末にするのは良くないかと」

 

水野「安心しなさい。ちゃんと小袋に入ってるから。」

 

こなた「どう見てもオッサンのおつまみにしか見えないんですが……バス旅行に持って行きそうな……」

 

水野「こないだ黒井先生からもらったんですよね。柿ピーやら煮干しとアーモンドのやつやらピーナッツなんちゃらとか……私、豆あんまり好きじゃないのに。……よし!机動いたな!ルール説明するぞ!」

 

―ルール―

3チーム対抗戦で豆を投げる。豆に当たるとアウト。アウトにならなかった人が多い順に順位が決まる。審判は水野先生で授業終了5分前に試合終了。豆を食べて実弾の数を減らすなどの行為は反則。

なお、ここからは随時、ナレーターが実況いたします。

 

水野「チーム割り振りの結果はこうなりました。各自、自分のチームの場所に移動してください。」

 

Aチーム

こなた「フッフッフッ……あらゆるゲームで鍛えた腕前、見せてやるぜ!」

 

水原「私を甘く見ないほうがいいですよ」

 

 

Bチーム

鈴木「なんかAチームのうち2人は既に勝ち誇ってるな。」

 

つかさ「コレ当たっても痛くないのかな……」

 

みゆき「たまには本気を出してみましょうか……うふふ」

 

 

Cチーム

白石「なんで僕のチームは僕以外全員モブ!?」

 

----

 

水野「ちなみに勝利チームにはポイント、敗北チームはマイナスポイント、真ん中のチームはスルーということでいきます。豆まき大会、はじめ!」

 

各チームとも机に隠れながら豆を投げる雪合戦にありがちなスタイルを取りますが、いかんせん机の大きさには限度があります。

 

鈴木「とりあえず男子には遠慮なくてぃや!」

 

Cモブ「あ!?」

 

水野「Cチーム福田アウト!」

 

こなた「私は女子でも遠慮なく……鬼はぁぁぁぁ外ぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

Cモブ「きゃっ!」

 

水野「Cチーム坂本アウト!」

 

白石「なんか僕のチームだけやけに狙われてる気が……」

 

そうなんです。Aチームは泉こなたがすばしっこく豆を避けまくり、最初のうちは流れ弾にモブが被弾していたものの人数が減るとアウトになる人も減ってきました。またBチームは鈴木善治と高良みゆきが的確に状況を見て指示をしていました。

 

みゆき「高橋さん右斜めから来ます!避けてください!」

 

Bモブ「うん!」

 

こなた「ふふん、流石はみゆきさん……やるな……」

 

結果としてCチームが集中砲火される事態になったのです。

 

水野「Cチーム高谷アウト!」

 

白石「いつの間にか僕だけになってしまった……」

 

こなた「一旦、セバスチャンスルーで」ひそひそ

 

水原「了解」ひそひそ

 

Bモブa「へへっ、まずはCチームを最下位にしてやるぜ。おりゃ!」

 

Bモブb「マイナスポイントは嫌だしな。鬼は外ー」

 

Bモブc「あと1人から片付ける。くらえ!」

 

白石「よっ!はっ!よっ!これくらいあきら様の、よっ!しごきに、とぅ!比べたら、やぁ!」

 

Bモブc「避けやがって」

 

Bモブa「当たらないだと?」

 

Bモブb「すごいな……」

 

鈴木「ん?こなたたちの静かさが妙だな……」

 

みゆき「あっ!罠です!」

 

Bモブa「あん?グヘッ」

 

水野「Bチーム高安アウト!」

 

鈴木「なるほど……白石に気を取られてるうちにこっちのチームを叩くつもりか……」

 

こなた「気付いたようだね……でも、もう遅い!とりゃぁ!」

 

Bモブc「おっ!!避けれない!」

 

水野「Bチーム高山アウト!」

 

Aモブ「あ!」

 

水野「Aチーム高倉アウト!」

 

白石「僕を忘れてもらっては困ります……」

 

こなた「白石のクセに……」

 

こうして豆まき大会は順調(?)に進み、いつの間にかAチームは泉こなたと水原、Bチームは鈴木善治と柊つかさ、高良みゆき、Cチームは白石みのるだけになりました。

 

こなた「そろそろBチームを片付けるよ!」

 

水原「了解……えいやー!ってあれー手が滑ったー」

 

鈴木(つかささん狙ったもののスロー過ぎる。あれなら避けれそうだな。みずりんざまぁw)

 

こなた「もらったー」ヒュン!

 

ドサッ!

 

みゆき「鈴木さん!罠です!」

 

鈴木「何っ!?」バサッ

 

つかさ「ふぇっ?」パサッ

 

水野「Bチーム鈴木、柊アウト!」

 

鈴木「一体何が起きたんだ!?」

 

説明しますと水原が放ったスロー豆はそのまま柊つかさに向けて飛びます。そしてあまりにもスローなために油断したところで泉こなたが豪速豆を放ちスロー豆に当てます。これで水原のスロー豆が少しスピードアップして柊つかさに当たります。泉こなたの豪速球はスロー豆に当たったことで角度を変え油断しきった鈴木善治に直撃したのでした。

 

水原「うまくいきましたな」

 

こなた「あとはみゆきさんだけだね!」

 

ドサッドサッ

 

こなた・水原「ん?」

 

みゆき「勝負の途中で目を離すと痛い目に遭いますよ?」

 

白石「僕を忘れないでください!」

 

水野「Aチーム泉、水原アウト!Aチーム最下位!ならびに時間によりゲームセット!」

 

こなた「えっ!?」

 

水原「そんな~」

 

水野「Aチーム最下位により全員マイナス100ポイント!BチームとCチームは同率で全員50ポイント!」

 

つかさ「ゆきちゃんすごーい!」

 

鈴木「サンキュー。敵討ちしてくれて嬉しいぜ」

 

みゆき「いえいえ、そんな……偶然ですよ。」

 

白石「あの……僕は……」

 

水野「では敗北チームは机を元に戻せ!豆とか柿ピーは君らにやるから仲良く分けろよー」

 

こうして節分の1コマは過ぎていったのでした。

ちなみに水野先生はこの後、柊かがみのクラスでも同じことをし大量の豆やおつまみを持ち帰った柊かがみが悩むことになったのは言うまでもありません。

 

 

 




今思えばなんでこんな内容のない回を書いたんだろw
きっと豆まきをしたくなっただけだなぁw


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[第33話]バレンタインの朝

―2月14日 朝 バス車内

 

 

こなた「やふー」

 

 

つかさ「こなちゃん、おはよー。はい、これ!ハッピーバレンタイン!」

 

 

こなた「うぉ!中身まで丁寧にラッピングしてある……ハート型だし」

 

 

つかさ「あははーちょっと頑張っちゃったー」

 

 

かがみ「つかさはこういうトコ凝り過ぎなのよねー。朝までかかっていくつもいくつも作ってさぁ~どうせ義理なのに」

 

 

こなた「つかさー義理でも男子にはあげない方がいい。ここまでしてあると絶対、勘違いされるから」

 

 

つかさ「大丈夫だよ~。はい、鈴木くんの分」

 

 

鈴木「おおっサンキュ!……なるほど星型か……。今の流れ見てたから分かるけど、これでも十分勘違いされるぞ……」

 

 

つかさ「そ、そうかな……?」

 

 

鈴木「うん。とにかくありがとな!」

 

 

かがみ「ちょっと鈴木くん、まさかアンタ『つかさは俺のことが好きなのか?』とか考えてないでしょうね!?」

 

 

鈴木「考えてねぇよ!つかささんには俺なんかよりお似合いな奴がいるだろ多分」

 

 

かがみ「ホントにそう思ってる?鼻の下デレ~ってのばしてさ」

 

 

鈴木「まぁ……それは相手を問わず義理でも貰えたら嬉しいからだ!深い意味はない」

 

 

かがみ「ホントかしら……」

 

 

こなた「朝から元気だね、お二人さん」

 

 

かがみ・鈴木「どこがだ!?」

 

 

こなた「ほら」

 

 

水野「はい、お待たせしました。発車します。」

 

 

こなた「というかこの声は先生だね。もうバイト隠す気無いんじゃないかなコレ……」

 

 

水野「手すり吊革しっかりお持ちください動きます。」

 

 

鈴木「一応、会話が聞こえててもスルーらしいな。」

 

 

 

---

 

 

無線「全車に交通情報です。××交差点故障車のため渋滞しています。関係路線はお客様に早めのご案内をお願いします。」

 

 

水野「はぁぁぁ……」

 

 

鈴木「どうしたんです?」

 

 

水野「いや折り返しで渋滞に当たるなぁ……って話しかけないでもらえますか?」

 

 

鈴木「あ、すいません……」

 

 

こなた「あくまでも先生は営業モードだね。まぁ良いじゃん。私たちは渋滞関係無いみたいだし。」

 

 

かがみ「そうね……」

 

 

こなた「かがみ、バス乗ってから元気ないみたいだけど大丈夫?」

 

 

かがみ「ん?何でもないわよ……。」

 

 

 

 

―教室

 

 

かがみ「しかしまぁこの普通を装いつつも緊張感が見え隠れする空気はこそばゆいわねー」

 

 

つかさ「あ、でも少し分かるなぁ。こういう誰もが特別って思える日に告白したりされたりして想いが通じ合ったらすごく素敵だなって思うもん」

 

 

かがみ「は~つかさは乙女ですなぁ。私もお菓子会社の陰謀とまでは言わないけど」

 

 

鈴木「とは言え現実にそういうカップルは見たこと無いけどな。」

 

 

こなた「まぁゲームでは卒業式とか文化祭とか学校行事の方が大事だしね」

 

 

かがみ「TVの特集もどちらかというと義理チョコや自分用チョコの特集が増えたわね。」

 

 

こなた「で、かがみは美味しいチョコを食べまくってると。」

 

 

かがみ「そんなことないわよ!つかさが作ってるのを味見させてもらっただけなんだから!」

 

 

こなた「バラしてるバラしてる」

 

 

つかさ「そう言えばお姉ちゃんもチ」

 

 

―キーンコーンカーンコーン

 

 

かがみ「あっといけない!教室戻らなきゃ」トタトタトタ……

 

 

黒井「うーし席つけー。チョコのやり取りはまた後にしいやー」

 

 

―ガラッ

 

 

水原「ふぅセーフ!」

 

 

黒井「アウトや。どないしたんや?」

 

 

水原「いやぁ……バスが大渋滞で……。」

 

 

黒井「ふーん。ほな水原は今日1日雑用な」

 

 

水原「えぇ!?」

 

 

黒井「遅刻した罰や。それにどうせチョコもらったりする予定もないやろ?」

 

 

水原「そんなこと言ってるから結婚出来ないんじゃ……」

 

 

黒井「なんか言ったか?」

 

 

水原「いえ何も!」

 

 

こなた「みずりんも気の毒だねぇ~」

 

 

鈴木「まぁ……そうだな……。」

 

 

こなた「ところでチャイム鳴る寸前につかさが言いかけたことが気になるね~」

 

 

鈴木「……そうか?」

 

 

こなた「素直になりなよ~」

 

 

鈴木「だいたいこなたは何を期待してるんだ……」

 

 

こなた「なんだと思う?」

 

 

鈴木「……。無いだろ。いい加減にしないとかがみから怒られるぞ?」

 

 

こなた「鈴木くんは怒らないの~?」

 

 

鈴木「なっ!?」

 

 

黒井「コラァそこ!いつまでしゃべっとんねん!!」

 

 

 

こなた「ひぇ、そっちから怒られた・・・」



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[第34話]誰かがあなたを待っている

―終礼

 

 

黒井「ほな水原、そこのプリント配って~」

 

水原「はいです」

 

 

鈴木「いてっ」

 

こなた「どうしたの?」

 

鈴木「ちょっとプリントで切った」

 

つかさ「大丈夫?絆創膏いる?」

 

鈴木「あ、ありがとう、もらっていいか?」

 

つかさ「うん!……あれ……あ、ごめん……今日に限ってなかったよ……」

 

 

鈴木「あ……いや、気にしなくていいよ。ちょっと保健室行ってもらってくる。」

 

黒井「今日はここまで~」

 

鈴木「じゃあ保健室行ってくるわ。俺のことは気にしなくて良いから。じゃっ」

 

つかさ「うん……」

 

こなた「ばいにー」

 

黒井「水原ー、もうすぐコピー用紙が届くんやけど運ぶん手伝ってんかー?」

 

水原「あ、はい……校門ですか?」

 

 

黒井「せや。業者さん持ってきはるから頼むでー」

 

 

水原「了解です!行ってきます!」

 

かがみ「おーすこなたー。はい、これ」

 

こなた「かがみが!?私に!?チョコ!?」

 

かがみ「つかさが作ってたからついでよ!要らないの?」

 

こなた「………。」

 

かがみ「………?」

 

こなた「一見、万能そうに見えて不得手をさらすことによって影ですごい努力してるのを連想させるかがみ萌え♪」

 

かがみ「うっさい!早くしまえ!……そう言えば鈴木くんは?もう帰ったの?」

 

こなた「ん~?鈴木くんにチョコ渡したいのかな~?」

 

かがみ「べ別に特別渡したい訳じゃないわよ!余ってるしいつもお世話になってるから義理チョコくらいあげてもいいかなって思っただけよ!」

 

 

 

こなた「素直になればー?」

 

かがみ「だから!そんなんじゃないって!………多分」

 

 

こなた「そんな鈴木くんにどーしても義理チョコを渡したいかがみにお知らせです。鈴木くんは保健室に絆創膏をもらいに行きました。だから校内にまだいるでしょう。」

 

かがみ「ふーん……まぁこの場にいないなら渡さなくても良いか」

 

 

こなた「ふふーん。素直になった方が良いんじゃない?」

 

かがみ「だからそんなんじゃ」

 

こなた「じゃあ私はつかさと安売りされてる素材用チョコ買うから、じゃあね~」

 

つかさ「え?素材用チョコ買うの?」

 

 

こなた「うん。つかさも一緒に来て!」グイグイ

 

 

つかさ「あ、うん。じゃあお姉ちゃん、また後でね~」

 

 

かがみ「ちょっと……行っちゃった……。………素直に……ねぇ……。まぁどうせ義理だし今日は帰っても予定無いし、ちょっとくらい待ってみるかな……。」

 

 

―校門

 

水原「はいオーライ!オーライ!オーライ!ストップです!お疲れ様です~。こっちのダンボール4こですね?」

 

業者「はい。毎度あり~」

 

 

こなた「うわぁハードそうだねぇ」

 

つかさ「そだねー」

 

 

こなた「おっとバス来たよ!急がなきゃ」

 

つかさ「あっこなちゃん待ってー」

 

 

―保健室

 

 

鈴木「失礼しまーす」

 

 

天原「はい、どうされました?」

 

 

鈴木「あの……、プリントで指を切っちゃって……絆創膏もらえませんか?」

 

 

天原「あらあらそれは大変ですね。はい、どうぞ。良かったら市販品ですがチョコレートどうですか?」

 

鈴木「絆創膏ありがとうございます。……へ?チョコレート?」

 

天原「はい、実家から沢山、送られてきて余っているんです。」

 

鈴木「な……なるほど……。」(実家から沢山送られる?)

 

 

天原「今、お茶煎れますね~」

 

 

桜庭「なるほど、うまく考えたな」

 

 

鈴木「うわっ!桜庭先生いたんですか……。うまく考えた?」

 

 

桜庭「中に生徒がいたら外の連中……先生方もキョドったことは出来んだろう。」

 

 

天原「ははぁ、よくそういうことに頭が回りますね。その発想はありませんでした」

 

 

鈴木「あぁ……なるほど。確かに外に男性教師がやたらいるとは思いましたが……。今も耳を澄ましたら……」

 

 

―保健室外から

 

男性教諭A「ゲホッゲホッ、風邪かなー」棒読み

 

男性教諭B「えーとこの辺りに~落とし物が~」

 

---

 

鈴木「……。確かに鬱陶しい……。というかこれ美味しいですね。」もしゃもしゃ

 

天原「それより鈴木くんは良いんですか?」

 

鈴木「何がです?というか俺、自己紹介しましたっけ?」

 

天原「養護教諭ですから、なんでも知ってますよ。」

 

鈴木「理由になってないような……」

 

天原「それで、どうなんです?女の子からチョコもらったりしましたか?」

 

鈴木「ま、まぁ。義理ですが……。」

 

天原「放課後に呼び出されてたりとかはしないんですか?」

 

鈴木「あはは……ありませんよ」

 

天原「誰かがどこかで、鈴木くんのことを待っているとは思わないんですか?」

 

鈴木「……。ちょっと待ってください。どっかで聞いたことあるような発言ですが…」

 

 

天原「あら?バレましたか……。そうですよ。あなたのクラス劇のセリフを言っただけです。」

 

 

鈴木「先生、心臓に悪いこと言わないでくださいよ。」

 

天原「ビックリしましたか?でももしかしたら本当にあるかもしれませんよ?」

 

 

鈴木「まぁ、あったらいいですねー。あ、そろそろ良い時間ですしお暇させてもらいますね」

 

天原「そうですか?まだゆっくりしてても大丈夫ですよ?」

 

鈴木「いや、悪いですよ。誰かが待ってるかもしれませんしね~なんちゃって。では失礼しました。」(まぁあるわけないけど)

 

 

天原「はい、では気をつけてくださいね?」

 

 

―教室

 

 

かがみ「私、何してるんだろ?……別に渡さなくても良かったのに……。というかつかさがあんなすごいのを渡してて私がこんな形も不揃いなの渡すなんて変よね……。アホくさ……。帰ろ……。」

 



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[第35話]夢と欲望の(無い?)バレンタイン

―教室

 

 

鈴木「『誰かがどこかで、鈴木くんのことを待っているとは思わないんですか?』と保健室の先生に言われて教室に来てみたがもちろん誰もいなかった。というか保健室の先生の名前すら聞きそびれたな……。」

 

 

―シーン……

 

 

鈴木「というか俺、誰に説明してるんだ?……」

 

 

??「まったくですねぇ……。」

 

 

鈴木「!?何者!?」

 

 

水原「やだなぁ~。私ですよ。」

 

 

鈴木「なんだみずりんか……。まだ学校にいて何してるんだ?」

 

 

水原「黒井先生のパシリですよ。で労働報酬としてチ□ルチョコを貰い食べていたところ今度は石橋先生に校内の掃除を頼まれましてねぇ」

 

 

鈴木「チ四角ルチョコじゃ隠せてないぞ……。というか石橋先生って誰だ?」

 

 

水原「知らないなら知らなくて結構ですよ。で掃除というのは廊下に落ちてたりゴミ箱内に大量にあるラッピングゴミの回収でしてね。ハッハッハッ」

 

 

鈴木「目が笑ってないぞ……。」

 

 

水原「チ□ル1個で朝から夕方までこき使われ、さらに他人のチョコの後始末までさせられてね。うふふ」

 

 

鈴木(やべぇ……。怖い。みずりんがここまで怖く見えるとは……。)

 

 

水原「いやぁ……今だと不快な物を見たら何をするか分かりませんねハッハッハッ」

 

 

鈴木「お……。そうか……じゃあ俺は先帰るわ……。」(触らぬ神に祟り無しだ!)

 

 

水原「はい。お疲れ様です。」ニコニコ

 

 

鈴木「じ、じゃあ……」(目が笑ってねぇ!)

 

 

―ガラッ。スタスタスタスタ

 

 

水原(……ふぅ。ひっさびさに演技に使うオーラを使ったからしんどかったぜ……。)「もしもーし。鈴木くんはちゃんと走らせたよ。」

 

 

こなた(電話)「はいよ~。後はフラグが立ってればイベントだね!」

 

 

水原「だな。」

 

 

こなた(電話)「とりあえずありがとねー。じゃっ」プチッ

 

 

―ツーツーツー

 

 

水原「……。私何やってるんだろ……。掃除続けるか……。ハハッ……。」

 

 

―シーン……

 

 

水原「よく考えたら演技なんてしてないじゃん……。」

 

 

 

 

―バス停

 

 

かがみ「私ってば何してたんだろ……。こんなんだったらこなたやつかさと一緒に帰れば良かったわ……。素材用チョコを買うってよく考えたら、かなりおかしいし……。あいつら何企んでるんだか…」

 

 

―ブロロロ....

 

 

かがみ「おっ来た来た」

 

 

―プシュー。パタン。プシュップシュッ。ブロロロ....

 

 

―2分後

 

 

鈴木「よっこらせっと……。次のバスは……うわっ行ったところかよ……。」

 

 

―さらに2分後

 

 

みゆき「あ、鈴木さん。お疲れ様です。」

 

 

鈴木「ん?あぁお疲れ様。委員会?」

 

 

みゆき「ええ。今は結構忙しい時期なのですよ。」

 

 

鈴木「あぁ……大変だねぇ。」

 

 

みゆき「それでも今年は校内清掃をしなくていいので楽なんですよ。」

 

 

鈴木「へぇ……。校内清掃って委員会の仕事だったんだ?」

 

 

みゆき「ええ。ですが今年は石橋先生がやってくださるそうで私たちは早く帰ってよくなりました。」

 

 

 

鈴木「また石橋先生か。知らんけど」

 

 

 

みゆき「あ、そうでしたね。鈴木さんは2年になって転校してきたので知らないんですね。その石橋先生曰くチョコを渡したり、もらったりする人に気を遣ったそうです。鈴木さんは何をなさっていたのですか?」

 

 

鈴木「俺?俺はプリントで指切って保健室で絆創膏もらうついでに世間話して帰るところ。」

 

 

みゆき「そうなんですか?それは大変でしたね……」

 

 

鈴木「まぁ……大変と言えば大変だったかな……。保健室の先生にはちょっかいかけられるしバスは乗り逃すし……。」

 

 

みゆき「さらに誰かからチョコをいただけなかった」

 

 

鈴木「ちょっ」

 

 

みゆき「あれ?冗談のつもりだったのですが……。」

 

 

鈴木「いや、ごめんなさい。冗談に聞こえなかったもんで……。」

 

 

みゆき「すいません。もしかして誰かからもらえることを期待していたんですか?」

 

 

鈴木「いや、そういうわけじゃなくて冗談を言いそうにないからサ。ビックリしちゃった……。」

 

 

みゆき「そうですか?そんなに冗談とか言わなさそうに見えますか?」

 

 

鈴木「ま、まぁね……。あ、そんな気を悪くしないで。」

 

 

黒井「おーい高良ー」

 

 

みゆき「おや?黒井先生ですね?」

 

 

黒井「ちょっとええかー?お知恵拝借したいんやー」

 

 

みゆき「何か用事があるようなので失礼しますね。」

 

 

鈴木「お。了解。お疲れー」

 

 

―そして誰もいなくなった。

 

 

鈴木(冗談……冗談ねぇ……。俺はなんで一瞬冷や汗をかいたのかな……。)

 

 

 

-ラジオ放送-

 

あきら・白石「らっきー☆ちゃんねる」

 

 

あきら「はぁいナビゲーターの小神あきらです♪」

 

 

白石「アシスタントの白石みのるです。」

 

 

あきら「白石さん、今日が何の日か分かるー?」

 

 

白石「もちろんですよ!今日は何と言ってもバレンタインデーですよねー」

 

 

あきら「……チッ」

 

 

白石「あれ……?あきら様?違いましたっけ?」

 

 

あきら「えー?白石さーん、今日2月14日は……」

 

 

白石「一般に女性から男性にチョコを贈るとされてる日ですよね?」

 

 

あきら「はぁぁん!?今日2月14日は私!小神あきらの誕生日でしょうが!!」

 

 

白石「あ、あぁそっちですか!」

 

 

あきら「あんた今知ったでしょ?」

 

 

白石「い、いえ!ですが一般には今日は女性から男性にチョコを渡す日ですよね……?」

 

 

あきら「何?アンタもしかしてあたしからもらえるとか思ってるのー?」

 

 

白石「いえいえそんな恐れ多い!」

 

 

あきら「てゆーかさー、女の子の方が甘いもの好きだったりするんだし女の子がチョコもらう日にすれば良いじゃん。男性だと食べ残したりとかしちゃうけど女性だったらそれも無いし」

 

 

白石「でも僕はファンのみなさまからいただいた分はちゃんと食べますよ。食べ残したりとか誰かにあげたりはしませんよ?」

 

 

あきら「ふーん……。まぁそう言っても実際もらってないんでしょー?」

 

 

白石「いやぁありがたいことにね、今年はこんなに頂いちゃって」

 

 

あきら「ゲッ……チョットシライシサンソレマジッスカー」

 

 

白石「いやぁありがとうございます。あきら様もそんなにチョコ食べたいなら買ってきたらどうですか?番組終わったくらいにはだいたいのチョコが値下げされてますよ?」

 

 

あきら「いや、それってむなしくないですかー?」

 

 

白石「今時は結構、そういう方もいますし大丈夫ですよ?自分用チョコとか流行りですし。変じゃないですって!」

 

 

-柊家

 

 

かがみ「ふーん……。自分用チョコも変じゃないかー……。せっかくだし何か買ってこようかな?」

 

 

つかさ「でもさーかがみお姉ちゃん、1つ余分に作ってたんじゃなかったっけ?」

 

 

かがみ「え?あぁ……そう言えばそうね。でもいいわ。せっかくだし何か買ってくる。」

 

 

まつり「やけ食い?そんなんだからいつまでもダイエット失敗するんじゃない?」

 

 

かがみ「うるさいなー!今日くらい良いじゃない。だいたいやけ食いって何よ?」

 

 

まつり「だってかがみがわざわざ一つ余分に作るっておかしくない?そもそも作らない年もあるのに」

 

 

つかさ「そう言えばそうだね」

 

 

まつり「もしかして男?渡せなかったからやけ食いとか?」ニヤニヤ

 

 

かがみ「そんなんじゃないってば!じゃあ出かけてくるね!」バタバタバタ

 

 

まつり「あーあ行っちゃった」

 

 

つかさ「お姉ちゃんなんか今日は様子が変だな~」

 

 

まつり「まさかマジで男?つかさは知らない?」

 

 

つかさ「んー。ちょっと分かんないかな……」

 

 

まつり「まぁかがみに限ってそれはないか。どうせお菓子を食べる大義名分が出来て浮かれてるだけでしょ」

 

 

 

 

―バス車内

 

 

運転士「申し訳ありません。この先で接触事故があったそうでこの先、渋滞が予想されますのでお急ぎのお客様は次でお降りください。」

 

 

鈴木(と言っても俺は急ぎの用は無いし大丈夫か……。)

 

 

―1時間後

 

 

鈴木(とか思ってるうちに車内は俺一人になった。)

 

 

運転士「お客様は大丈夫ですか?」

 

 

鈴木「あっ大丈夫ですー」

 

 

運転士「降りたいときには言ってくださいね。」

 

 

鈴木「はい、ご丁寧にどうも」

 

 

―さらに1時間後

 

 

鈴木「運転士さんはいつも渋滞の時どうしてるんですか?」

 

 

運転士「それが……とても言いにくいんですけど私、今日がお客様乗せて走るの初めてでこういう時にどうしたらいいか分からないんです。」

 

 

鈴木「えぇ!?へぇー……1日目からこれって大変だね……。」

 

 

運転士「お客様に比べたら私は座ってるんでまだ大丈夫ですよ……」

 

 

鈴木「なんか……嘘臭いですよ……。」

 

 

運転士「そんなことありません!あ、今は他のお客様もいませんしラジオとか聞いていただいても結構ですよ?」

 

 

鈴木「良いんですか?って言ってもあまりラジオは聞かないからなぁ……。なんかオススメとかあります?」

 

 

運転士「この時間だと『らっきー☆ちゃんねる』とかかなぁ?」

 

 

鈴木「なるほど」

 

 

あきら(ラジオ)「女の子の方が甘いもの好きだったりするんだし女の子がチョコもらう日にすれば良いじゃん。」

 

 

鈴木(なるほどなぁ。それも有りなのかー。バス降りたら買いに行ってみるかなぁ)

 

 

運転士「あっ、渋滞抜けたんでここからは普通に走りますよー。気をつけてくださいね。」

 

 

鈴木「あっはい。」

 

 

―15分後

 

 

運転士「ご乗車ありがとうございましたー」

 

 

鈴木「どうもー……」(すっかり夜だな……。どっかチョコでも買いに行ってみるかな。もう安くなってる時間だろうし)

 

 

 




ラブコメ タグをつけときながらそれっぽい話がようやく出てきましたね。
すれ違う二人…そもそもすれ違ってる意識すらないよ!?バレンタイン編 次回 最終


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[第36話]コンビニで会う二人

―コンビニ

 

 

かがみ「あ!このポ○キー前から気になってたのよねー!値下げしてる!買っちゃってもいいかな」

 

 

 

店員「お会計270円なります。」

 

 

かがみ「あれ……あれ……えーと……おっかしいなぁ……財布忘れてきたかなぁ」

 

 

??「会計一緒でー」

 

 

かがみ「え?誰?」

 

 

店員「はい、438円なります。500円お預かりします。」

 

 

かがみ「ちょっと!勝手に何してるのよ!」

 

 

水原「ん?困ってそうだったから。財布忘れたんでしょ?」

 

 

かがみ「え?えぇそうだけど……」

 

 

水原「心の声漏れてましたよ。」

 

 

店員「62円のお返しです。ありがとうございました♪」

 

 

水原「はいよ、○ッキー」

 

 

かがみ「あ、うん」

 

 

水原「余計なお世話なのも期待はずれなのも知ってるから私はさっさと消えるとするよ。じゃっ」

 

 

かがみ「あ……行っちゃった……。何だったんだろ……。」ポカーン

 

 

??「おい、コンビニの入口に突っ立ってどうしたんだ?」

 

 

かがみ「へ?」

 

 

鈴木「かがみだろ?何してるんだ?」

 

 

かがみ「何ってちょっと買い物に来たんだけど」

 

 

鈴木「なるほどな……。ちょっと待ってろ」

 

 

かがみ「え?うん……。」

 

 

―数分後

 

 

鈴木「はい、これ。○ッキー。好きだったろ?ハッピーバレンタイン」

 

 

かがみ「えっ……あ、ありがとう……。あの……私からもコレ……。」

 

 

鈴木「お?」

 

 

かがみ「言っとくけど義理よ?義理だからね!?」

 

 

鈴木「俺まだ何も言ってないけど」

 

 

かがみ「別に嫌なら無理にもらわなくてもいいのよ?」

 

 

鈴木「いや、もらっとく。ありがとうな。」

 

 

かがみ「無理してない?」

 

 

鈴木「無理してない。ありがたく頂くとするよ。」

 

 

かがみ「そ、そう?じゃあ、また明日ね!バイバイ!」

 

 

鈴木「うん、また明日な。」

 

 

---

 

水原「もしもしーなんとか時間調整してうまく引き合わせれたよ。」

 

 

こなた(電話)「はいはーい。お疲れ様ー。」

 

 

水原「ホントに疲れた……。まさか3時間もフラフラすることになるとはね……。」

 

 

こなた(電話)「まぁ良いじゃん。良いもの生ライブで見れたんだし」

 

 

水原「私はそこまで見たかったわけでもないんだけどね……。面白いことも無かったし。」

 

 

こなた(電話)「まぁかがみだからね。おっとそろそろ休憩時間終わりだから切るね」

 

 

水原「はいはーい。」プチッ

 

 

リア充A「チョコ甘いね」

 

リア充B「今からチョコより甘い時間を過ごそ♪」

 

 

水原「はぁ……。何やってるんだ私は……。」

 

 

---

 

 

かがみ「ポッキー2つもある・・・ってか、そういえば・・・鈴木くんこんな遅い時間まで何してたんだろ・・・まさか私を待って?いやまさかね・・・」

 

 

---

 

 

鈴木「そういえばなんでこんな時間にコンビニでばったりかがみに会うことになったんだろ・・・義理でもわざわざチョコまで用意して・・・まさか俺に渡すつもりでこの辺で待ってたとか?・・・まさかそんなことはないか」



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[第37話]誤解

―昼休み

 

 

かがみ「そう言えばあんたの従姉妹って来年高校生になるんだっけ?」

 

 

こなた「そだよ~。うち(陵桜)受けて受かったって~。今日挨拶に来るよ」

 

 

かがみ「へ~。」

 

 

こなた「実家からだと遠いから4月からうちにくるんだよ。もともと妹みたいなものだし交流あったからあまり変わらないけどね」

 

 

かがみ「へぇーそうなんだ」

 

 

鈴木「でもこなたと比べたらどっちが妹か分かんないんじゃないか?」

 

 

かがみ「セリフ取られた……」

 

 

こなた「いやぁ、色んな意味で妹みたいなもんだから」

 

 

かがみ・鈴木(そんなにちっさいの!?)

 

 

つかさ「従姉妹さんここすんなり合格って頭良いんだね~」

 

 

かがみ「いやいや……それ自信過剰に聞こえるぞ?在校生なんだから……」

 

 

つかさ「あはは……私は多分ギリギリだったから……」

 

 

かがみ「にしても受験か~私たちもまた受験生なのよねー……」

 

 

こなた「受験か……するのかな?受験。」

 

 

かがみ「あんたはもう少し受験生の自覚を持った方がいいわよ……」

 

 

鈴木「すまん、ちょっとお手洗いに行ってくる……」

 

 

こなた「意外と何も考えてない人がもう一人いたね」

 

 

かがみ「そうね……。トイレ行くタイミングが良すぎだわ……。」

 

 

こなた「まぁ鈴木くんの場合はしっかり者が側についてるからかもしれないねー」

 

 

かがみ「何が言いたい?」

 

 

こなた「いやべっつにー」

 

 

 

 

―数日後 学校説明会・制服採寸

 

 

鈴木「何故皆は休みの日に学校に来なきゃならんのだ……。」

 

 

かがみ「知らないわよ……。私はたまたま風邪で休んだら当てられただけよ……。」

 

 

鈴木「俺はジャンケンで負けた……。まさか学校側のスタッフをさせられるとは……。」

 

 

かがみ「ホントにね……。」

 

 

水原「オイ!そんな仏頂面してちゃ新入生寄ってこないでしょ?」

 

 

鈴木「ちょっと待てや。お前ジャンケン勝ってたのになんでいるんだよ!」

 

 

水原「まぁなんだ……シード枠みたいなもんだよ……。」

 

 

黒井「コラァ水原!何しゃべっとんねん!石橋先生に言いつけるで!」

 

 

水原「はい!スイマセン!今行きます!」スタスタスタ...

 

 

かがみ「……大変そうね。」

 

 

鈴木「だな。というかアイツ、『教職員』とか書いた名札下げてたよな……。」

 

 

かがみ「きっと深く考えたら負けよ。」

 

 

??「あの……すいません」

 

 

かがみ・鈴木「はい?」

 

 

無口な子「視聴覚室はどちらでしょうか?」

 

 

鈴木「すまん、俺は知らん。」

 

 

かがみ「えーとこの廊下をまっすぐ行って突き当たりを右に行って真っ直ぐよ。」

 

 

無口な子「ありがとうございます。」

 

 

かがみ「どういたしまして。」

 

 

鈴木「視聴覚室か……視聴覚室で何があるんだ?」

 

 

かがみ「何だったかしら……?視力検査だったかしら?面談だったかしら?」

 

 

鈴木「なんか色々やるのか?」

 

 

かがみ「うん。クラス割りの参考にするために色々やるらしいわよ。ピアノが出来る人をクラスに一人は配置したりとか」

 

 

鈴木「なるほどな。大人の事情ってやつか」

 

 

かがみ「ただ、混雑しないようにバラけて行動するから順番とか場所は覚えてないけどね」

 

 

鈴木「ほぉー……でバラけた新入生の案内は生徒にやらせるのか……。一部は教職員の名札までさげさせて」

 

 

かがみ「あれは特殊な例だと思うけどね。」

 

 

鈴木「みずりんと石橋先生?ってどんな関係なんだ?」

 

 

かがみ「さぁ?私、そこまで水原くんと話すこともないし知らない。同じクラスのつかさなら知ってるかもだけど……」

 

 

鈴木「つかささんはジャンケン勝ってた気がする」

 

 

かがみ「今日は来てないから今すぐ聞くことは出来ないわね……」

 

 

??「あの、すいません。」

 

 

かがみ・鈴木「はい?」(ちっさ!……新入生の身内かな?)

 

 

小さい子「あの……人探ししてるんですけど」

 

 

鈴木「はぐれちゃったのかな?」

 

 

小さい子「そういう訳じゃないんですけど……新入生で背が高くてスラッとしたショートカットの女の子、見ませんでしたか?」

 

 

かがみ「新入生で?」

 

 

鈴木「背が高くて?」

 

 

かがみ「スラッとした?」

 

 

鈴木「ショートカットの?」

 

 

かがみ・鈴木「女の子……って、あ!」

 

 

小さい子「見たんですか?入試の日に借りたハンカチを返したいんですけど……」

 

 

鈴木「確かに見たな」

 

 

かがみ「そうね。視聴覚室に向かったわ。」

 

 

小さい子「ありがとうございます!……視聴覚室ってどこですか?」

 

 

鈴木(付いて行った方が良いんじゃないか?)アイコンタクト

 

 

かがみ(そうね)アイコンタクト

 

 

鈴木「じゃあ俺たちが案内するよ。」

 

 

かがみ「付いて来てくれる?」

 

 

小さい子「はい!ありがとうございます!」

 

 

―視聴覚室

 

 

小さい子「ありがとうございました!」

 

 

鈴木「いえいえ」

 

 

かがみ「どういたしまして。」

 

 

鈴木「……お姉さんを探しに来てたのかな?」

 

 

かがみ「そんな感じだったわね。でもそれにしてはしっかりしてたような……?」

 

 

鈴木「いやいやはぐれて迷子ならしっかりとは言わんだろ。」

 

 

かがみ「それもそうね……。何か違和感はあったけどね……。」

 

 

鈴木「確かに身内にしては情報が曖昧だったような……。」

 

 

―10分後

 

 

鈴木「お?」

 

 

かがみ「会えた?」

 

 

小さい子「それが……」

 

 

鈴木「あぁ……」

 

 

かがみ「残念だったわね……にしても時間かかってたわね?」

 

 

小さい子「ついでに面談を受けてきましたので……」

 

 

かがみ・鈴木「えっ!?……あ!」

 

 

小さい子「もしかして新入生の身内か何かと思われていたんですか?」

 

 

かがみ・鈴木「ごめんなさい……」

 

 

小さい子「いえいえ……私、背も小さいですし……」

 

 

かがみ「じゃあハンカチを返したいってのは?」

 

 

小さい子「入試の時にその子に親切にしてもらったんです」

 

 

かがみ「なるほどね……」

 

 

鈴木「よし、じゃあ探すか」

 

 

かがみ「え!?」

 

 

小さい子「そんな…悪いですよ」

 

 

鈴木「別にボケッと突っ立てても暇だし良いだろ?」

 

 

かがみ「ま、まぁ……そうね。探してあげた方が良いわね」

 

 

小さい子「良いんですか!?」

 

 

鈴木「事情聞いちゃったしな。俺は人探しにつきあうとするよ。かがみはどうする?」

 

 

かがみ「やるわよ。乗りかかった船だしね。」

 

 

鈴木「とりあえずまだ終わってないのを済ませながら探すか……。」

 

 

かがみ「そうね。まだ回ってないのはどこ?」

 

 

小さい子「後は視力検査だけです」

 

 

鈴木「ってことは……?」

 

 

かがみ「保健室ね。」

 

 

 

 

―保健室前にて

 

 

小さい子「ハンカチありがとうございました」

 

 

無口な子「それはあげたつもりだったから……それにまた会えるとは思ってなかったし」

 

 

小さい子「え~それって私は落ちてるって意味ですか?ハハハ」

 

 

無口な子「いや……なるほど。ここにいるということは同学年……。」

 

 

小さい子「あ、そういうことだったんですね……。先輩達もありがとうございました!」

 

 

鈴木「いやいや気にすんな~」

 

 

かがみ「かわいい後輩だしね、これくらいしてあげないと。」

 

 

鈴木「さて、俺たちは一応、持ち場に帰るからな」

 

 

かがみ「じゃあねー」

 

 

小さい子「ありがとうございました!」

 

 

無口な子「今日は家の車だから……」

 

 

小さい子「あ、はい。じゃあここで……あの!3年間よろしくお願いします!」

 

 

無口な子「よろしく」

 

 

小さい子(良かったぁ、さっそくあんないい人と友達になれたしいい先輩にも出会ったし……いい人!?名前聞いてない……)

 

 

 

 

―数日後・昼休み

 

 

こなた「でね、従姉妹のゆーちゃんが学校説明会でいい人と友達になれたんだって。」

 

 

かがみ「へぇ~良かったじゃない」

 

 

こなた「なんか仲のいいカップルの先輩が手助けしてくれたって~」

 

 

鈴木「へー。俺もスタッフにかり出されてたが仲のいいカップルは見てないなぁ~」

 

 

かがみ「新入生から見て仲のいいカップルって……新入生を手助けするのは良いとしても学校で何してるのって感じね……。」

 

 

こなた「と、言いながらもそんな学園生活を夢見てるかがみ萌え~」

 

 

かがみ「うるさいっ!私はそんな傍から見ても分かるようなバカップルにはなりたくないわ!」

 

 

鈴木「それは俺も同感。」

 

 

つかさ「でもそんなに仲のいいカップルなんて私たちも見たこと無いよね?1年なのかなぁ」

 

 

こなた「それがゆーちゃん、友達も先輩も名前を聞きそびれたらしくてね。ちょっと悲しそうだったよ。」

 

 

鈴木「あらあら……。」

 

 

かがみ「まぁ部外者は余計な詮索は出来ないってわけね……。」

 

 

こなた「学校始まれば会えるだろうとは思うけどね~。あ、せっかくだし春休み入ったらウチに来たら?ゆーちゃんにも紹介したいし」

 

 

かがみ「あ、良いわねソレ」

 

 

こなた「あ、鈴木くんはNGだよ。多分、誤解されるから。」

 

 

鈴木「あぁ……あれか。親にこなたの彼氏と誤解されるって意味か?」

 

 

こなた「そう。命の保証は出来ないからね。どうしても来たいなら止めないけど」

 

 

鈴木「なんかマジっぽいから俺は遠慮するよ」

 

 

こなた「それがいいよ。」

 

 

かがみ「さぁ、もうすぐ昼休みも終わるし春休みまであと数日頑張りますか。」

 

 

つかさ「お~!」

 

 

 



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[第38話]女子会?

今回は珍しく(?)男キャラ出ません。



―泉家

 

かがみ・つかさ「お邪魔します」

 

こなた「やふー。この子が従姉妹のゆーちゃんだよ~」

 

ゆたか「はじめまして、小早川ゆたかです……あ!」

 

こなた「こっちが私の友達のかがみとつかさ、ってゆーちゃんどうしたの?」

 

ゆたか「あの時はありがとうございました!」

 

かがみ「ん?あ!」

 

こなた「え?何?二人は知り合い?」

 

ゆたか「お姉ちゃん、この人だよ。学校で手伝ってくれたの。」

 

かがみ「やっぱりそうよね……こなたの従姉妹だったのね。」

 

こなた「まぁ玄関で立ち話もなんだし上がりなよ~」

 

―こなたの部屋

 

ゆたか「説明会の時は本当にありがとうございました!」

 

かがみ「なんか大したことはしてないのにそこまでお礼を言われるとむず痒いわね……」

 

ゆたか「今日は彼氏さんと一緒じゃないんですか?」

 

かがみ「へ!?」

 

つかさ「え?お姉ちゃん彼氏いたの?」

 

こなた「何!?詳しく聞かせたまへー」

 

かがみ「ちょっと!ちょっと待って!何を言ってるのよ!?」

 

ゆたか「え?説明会の時に一緒にいた人は彼氏さんじゃないんですか?」

 

かがみ「違うわよ!」

 

こなた「なるほどねー。ゆーちゃんが言ってた仲のいいカップルってかがみと鈴木くんのことだったのね。」

 

ゆたか「ごめんなさい。あまりにも仲が良かったから勘違いしちゃいました。お二人はそういう関係じゃないんですね」

 

かがみ「そうよ!」

 

こなた「まぁ勘違いされるほど仲が良かったのは事実かなー?というかそこまで強く否定されてる鈴木くんがかわいそう……。」

 

かがみ「なっ!!もう!そんな深い意味はないわよ!ただ単に付き合ってないからそう言っただけじゃない!……そう言えばゆたかちゃんは卒業式もう終わったの?」

 

こなた「露骨に話そらしたな……」(ボソッ)

 

ゆたか「はい、先日……」

 

かがみ「ゆたかちゃんは卒業式で誰かから第二ボタンとか貰ったりしたの?」

 

ゆたか「いえいえそんな……ウチの学校ブレザーでしたから。」

 

かがみ「あぁ……なるほど。最近じゃあんまりやらないのかしら?」

 

つかさ「そうなのかな?それはそれでちょっと寂しいネ」

 

こなた「ネットとかだとまだやってるとこはあるみたいだけどね。でもさ、それって好きな人のをもらいに行くわけでしょ?」

 

つかさ「だいたいはそうじゃないかナ?」

 

こなた「それって告白したようなもんなんだし第二ボタンよりきちんと告白して本人をもらった方が良くない?」

 

つかさ「それが理想だけどね」

 

かがみ「相変わらず言うことがキツいわね……」

 

つかさ「でも、ゆたかちゃん好きな人とかはいたんじゃないの?」

 

ゆたか「いえ、そんな……私よく学校休んでますし行ってもすぐ気分悪くなったりして周りのテンション下げちゃいますし、それに背も小さいですし体形も子どもっぽいのでからかわかれてばかりで……」

 

こなた「大丈夫だよゆーちゃん!相手を選ばなければ需要はバッチリ!」

 

ゆたか「え!?」

 

かがみ「って言ってるこなたが誰からも声をかけられてない時点で……。」

 

ゆたか「先輩達はどうなんですか?誰か気になってる人とかいないんですか?」

 

つかさ「私は……いないかな……」

 

かがみ「私もいないわよ」

 

こなた「かがみってさ、嘘つくとき右目の目尻が上がるよね」

 

かがみ「その手には乗らないわよ。」

 

こなた「ちっ……かがみのくせに引っかからないとは……」

 

かがみ「なんで嘘ついてる前提なのよ……」

 

―バタン!

 

ゆい「ハローエブリワン!」

 

ゆたか「あ、お姉ちゃん!」

 

こなた「あーゆいねーさん、ちわーす」

 

かがみ・つかさ「お邪魔してまーす」

 

ゆい「お~!お友達も集まってるな~!せっかくだし今日はゆたかの卒業祝いで飲みに行こう!お姉さんおごっちゃうぞ!」

 

ゆたか「いや、でもお姉ちゃん、そういうお店は未成年は入れないんじゃないの?」

 

ゆい「大丈夫大丈夫!堂々としてればバレないって!」

 

かがみ「いやいや!主にあなたの身内2人のせいでバレますから!」

 

こなた「それにねーさん車で行くつもりでしょ?飲酒運転はマズいって!」

 

ゆい「ちっ……じゃー仕方ないかー」

 

こなた「ホントねーさんノリだけで生きてますよね……。」

 

かがみ「姉妹でこうも変わるものかね……」

 

こなた「かがみがそれ言っちゃダメでしょ……」

 

かがみ「あぁ!?」



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[第39話]2回目の季節

―お花見

 

 

鈴木「なんやかんやで俺が転校してきて1年か……。」

 

 

こなた「どったの?急に」

 

 

鈴木「いや、ふと思っただけだ。そんな深い意味はない。」

 

 

こなた「ふーん。にしても色んな出店があるねぇ~」

 

 

鈴木「だな。お、金魚すくいか……。そう言えばあの時の金魚どうなったんだ?」

 

 

かがみ「え!?それが……なんか気づいたら、こーんなになっちゃって……」

 

 

鈴木「でかっ!」

 

 

こなた「ちょっそれ金魚じゃないじゃん!ペットは飼い主に」

 

 

かがみ「せめて幸せ太りであると祈るのみよ……。」

 

 

こなた「そう言えばさー、可愛がったペットが人間に転生してお帰りなさいませご主人様みたいなアニメあるよね」

 

 

鈴木「すまんが分からんぞ?」

 

 

かがみ(……ちょっとダイエットさせるか。)

 

 

こなた「かがみさー、金魚食べるの?」

 

 

かがみ「そんなわけ無いでしょ!ところで、ちょっと気になってたんだけど……いい?」

 

 

こなた「お!唐突に告白イベントか!?」

 

 

鈴木「どうした?」こなた無視

 

 

かがみ「なんであの時、金魚くれたのかなって」こなた無視

 

 

こなた「からかって悪かったよー。スルーは堪えるんだよ……。」

 

 

鈴木「うーん……なんでだったかなぁ。なんか見てたら無性にやりたくなったから……かな。誰かがしてるとやりたくなること無いか?」

 

 

かがみ「まぁ……。でも別にそれだったら金魚は私にくれなくても良かったじゃない?」

 

 

鈴木「まぁ……。あれだ。俺んちってなんか知らんが金魚すくいでゲットした金魚がすぐ死ぬんだよな。だから俺が飼うよりかがみが飼った方が幸せだろ?その金魚も」

 

 

かがみ「……うん」

 

 

鈴木「何よりかがみが金魚を欲しそうに見てたしな。だからプレゼントしただけだ」

 

 

かがみ「ちょっと……何言ってるのよ!」

 

 

こなた「おー熱い熱い」

 

 

かがみ「ほら!こなたのネタにされちゃったじゃない!」

 

 

鈴木「あ!すまん!……まぁ今言ったのは事実だ。金魚は可愛がってやってくれ。」

 

 

かがみ「言われなくても分かってるわよ!」

 

 

こなた「さて、私たちは熱い二人を置いて行きますかね~」

 

 

つかさ「そだね~ごゆっくり~」

 

 

かがみ「ちょっと!つかさまで何乗ってるのよ!」

 

 

鈴木「やれやれ……なんでそんなに引っ付けたがるかな……。俺なんかじゃもったいないだろ……」ボソッ

 

 

かがみ「あれ?今、なんか言った?」

 

 

鈴木「いいや何も。」

 

 

 

 

―4月1日

 

 

―プルルルル♪

 

 

鈴木「はい、どうした?」

 

 

こなた(電話)「やふーまぁ元気かなー?ってね」

 

 

鈴木「元気だぞ?そっちは?」

 

 

こなた(電話)「ん~元気だよ~。春休みの宿題も終わったしね~」

 

 

鈴木「ふーん」

 

 

こなた(電話)「あれ?反応薄いな……」

 

 

鈴木「まぁ受験生なんだし当然だろ」

 

 

こなた(電話)「むむっ……。あ!なんかね、みずりんに彼女が出来たらしいよ!」

 

 

鈴木「え!?マジで!!」

 

 

こなた(電話)「それだよ!その反応!」

 

 

鈴木「は?……あぁ、今日はエープリルフールか……。ということは嘘なんだな。」

 

 

こなた(電話)「そだよ~」

 

 

鈴木「宿題の件もか?」

 

 

こなた(電話)「うん!」

 

 

鈴木「そうか……。そう言えばエープリルフールの嘘は1年間実現しないんだってな」

 

 

こなた(電話)「へーそうなんだ」

 

 

鈴木「今、俺たちと全く関係ないところで嘘が被弾した奴がいるぞ……。」

 

 

こなた(電話)「あ……。まぁみずりんなら笑って許してくれるよ~」

 

 

鈴木「気の毒だな……最悪、責任取れよ?」

 

 

こなた(電話)「それはちょっと遠慮するよー。鈴木くんはかがみに嘘とか言った?」

 

 

鈴木「なんでかがみ限定なんだ……?」

 

 

こなた(電話)「なんとなく。『好きだ!』とか言ってないの?」

 

 

鈴木「なんでそうなる?」

 

 

こなた(電話)「あぁ、それは嘘じゃないから今日は言えないか」

 

 

鈴木「オイこら。何適当なこと言ってるんだ?」

 

 

こなた(電話)「適当なことじゃないじゃーん」

 

 

鈴木「やれやれ……。とりあえず俺はこなたほど暇じゃないから切るぞ?」

 

 

こなた(電話)「へいへーい。んじゃ」

 

 

―ツーツーツー

 

 

鈴木「……まったく……。」

 

 

―プルルルル♪

 

 

鈴木「またか?次は……みずりんか……。はい、」

 

 

水原(電話)「どうも。なんか急にくしゃみが……はっくしゅん!止まらないんだけど……はっくしゅん!何か……はっくしゅん!知らない?」

 

 

鈴木(超能力者かよ。本当のことは言わない方が良さそうだな)「いや知らない」

 

 

水原(電話)「そう?……はっくしゅん!ほいじゃ……はっくしゅん!また……はっくしゅん!」

 

 

―ツーツーツー

 

 

鈴木「何か怖いな……。もう新年度か……。クラス替えあるんだよな……。」

 




ということで約2か月間連載を続けてきました。これで作中では1年が経過し2回目の季節を迎えることとなりました。
ここまで読んでくださった皆様、本当に本当にありがとうございます。
感想や評価を入れてくださったりお気に入り登録やしおり登録してくださる皆様、非常にありがたく思ってます。あーこんなにもの人が読んでくださってるんだと…

まぁ最終回みたいな挨拶をしましたが今回が最終回というわけでなく
これから季節は2週目!これまで通り・・・いやもっとカオスに!?
ふわっとゆる~くまった~りな感じのお話ではありますが
もうちょっとこの作品にお付き合いいただけたら・・・そう思います


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[第40話]新学年

―始業日 クラス発表

 

 

こなた「さて新しいクラスは……おぉ」

 

 

つかさ「こなちゃんどうだった?」

 

 

こなた「同じクラスだったよ~」

 

 

つかさ「そうなんだ~1年間よろしくね~」

 

 

こなた「よろしく~」

 

 

みゆき「おはようございます」

 

 

こなた「おぉ!みゆきさん、同じクラスだったよ~」

 

 

みゆき「そうなんですか?よろしくお願いします」

 

 

こなた「こちらこそよろしく~」

 

 

つかさ「よろしくね~。お姉ちゃんは……」

 

 

かがみ「クラスくらい別になってもらわなきゃ私が疲れるわ。それでなくても四六時中一緒なのに」

 

 

こなた「寂しくなったらいつでも来て良いんだよ?」

 

 

かがみ「なるか!」

 

 

鈴木「おーす。クラスどうかな……」

 

 

こなた「あ……」

 

 

鈴木「なんだその反応?……あぁやっぱりクラス別れたみたいだな。」

 

 

こなた「まぁそうだね」

 

 

鈴木「どれどれ俺は……なんだ隣のクラスか」

 

 

かがみ「え?」

 

 

鈴木「ん?あ、かがみと同じクラスか。よろしくな」

 

 

かがみ「あ、うん!よろしく!」

 

 

こなた「なんかかがみは嬉しそうな気が……あ、おーいみずりーん!」

 

 

水原「はい?」

 

 

こなた「クラス一緒だったよ~つかさとも。」

 

 

水原「へぇ~あ~良かった良かった」

 

 

つかさ「その大量のプリントどうしたの?」

 

 

水原「え?あぁコレ?コレは」

 

 

??「おーい水原!もう時間無いぞー!」

 

 

水原「というワケなのさ~。ではまた後で。失礼しますね」スタスタスタ

 

 

つかさ「……どういうワケだったんだろ?」

 

 

こなた「誰かの使いっパシりじゃない?」

 

 

つかさ「あーなるほど~。嫌だったら断れば良いんじゃ無いかなぁ……」

 

 

こなた「嫌じゃないんでしょ多分」

 

 

みゆき「あ、そろそろ教室に行きませんか?」

 

 

こなた「そだね。じゃあかがみ、鈴木くん。また後でね~」

 

 

かがみ「はいはい。またね」

 

 

鈴木「じゃな」

 

 

みさお「おーす柊、クラス割りどう?お!また同じクラスじゃん。中学時代も合わせると5年連続か?」

 

 

あやの「またよろしくね、柊ちゃん」

 

 

―シーン……。

 

 

かがみ「……あ、あれ?」

 

 

みさお「いるよなー。第一目標以外どうでもいいヤツって」

 

 

あやの「まぁまぁ……」

 

 

みさお「私らさながら背景ですゼ」

 

 

鈴木「なんだか話が盛り上がってるな。」

 

 

みさお「やい、そこの男!柊とどういう関係だ?」

 

 

かがみ「鈴木くんとはなんでもないただの友達よ!」

 

 

鈴木「ということらしい。改めて去年の3月に転校してきた鈴木善治です。」

 

 

かがみ「鈴木くんとは本当に何もないからね。で鈴木くん、こっちがグータラの日下部とその保護者の峰岸よ。」

 

 

みさお「日下部みさおだ!よろしくな。グータラってなんだ!」

 

 

あやの「峰岸あやのです。よろしくね」

 

 

鈴木「こちらこそよろしく」

 

 

―キーンコーンカーンコーンスープ

 

 

鈴木「おっと予鈴だな。そろそろ教室行くか」

 

 

かがみ「そうね。」

 

 

みさお「……なんか息ぴったりに見えるのは私だけか。やっぱり私ら背景なのか~?」

 

 

あやの「まぁまぁ……」

 

 

 

 

―教室

 

 

桜庭「あー担任の桜庭だ。今年は受験生なので問題などを起こさず節度を持って過ごしてくれー以上。」

 

 

鈴木(なんという棒読み……)

 

 

桜庭「じゃあさっさと委員決めて配布物渡したら今日は終わりだからな。まず学級委員は……」

 

 

―シーン……。

 

 

鈴木(まぁ誰もそんな面倒なのを引き受けないよな)

 

 

桜庭「じゃあ鈴木。」

 

 

鈴木「え!?」

 

 

桜庭「なんだー文句あるのかー?」

 

 

鈴木「いや?なんで俺なんですか?俺、委員会なんて興味ないですよ」

 

 

桜庭「そんなもんたまたまだ。……そういえば私が2月14日に食べていたチョコは一粒2000円するらしい」

 

 

鈴木(あ、あの時保健室で食べてたのそんなに高いの!?)

 

 

桜庭「不届き者がやたら食べてた気がするんだが鈴木、知らないか?」

 

 

鈴木「い……いや俺はし、知らないです!」

 

 

桜庭「あまり事を荒立てたくはないんだが……ところで鈴木、何か言いたいことはないか?最後のチャンスだぞ?」

 

 

鈴木「くっ……先生、俺が学級委員をやりたいです……」

 

 

桜庭「よく言った。反対意見は無いな?後の委員は3年じゃ仕事無いから勝手に決めるぞー?」

 

 

鈴木(クソッ……まさか委員長を押し付けられるとは……。)

 

 

―1年教室

 

 

水原「はい、おはようございます。」

 

 

ゆたか(あっ、面談の時の先生だ)

 

 

水原「私が担任の……先生ではありません。3年の水原です。」

 

 

ゆたか(えっ!?先生じゃない!?…)

 

 

水原「ちょっと担任の先生が忙しいので私が代わりに来ました。多分、ちょくちょく来るんで名前だけでも覚えといてください。では、プリント配ります。」

 

 

ゆたか(変わった感じの人だなぁ。3年生なら後でこなたお姉ちゃんに聞いてみようかな。)

 

 

水原「それともう一つ、お知らせがありまして。このクラスには留学生が来ます。でホームステイを募集するプリントも配ります。ですが、留学生は女の子なのです。男子の家だと過ちがあるといけないのでこのプリントは女子だけに配りますね。申し訳ありませんが配るときに女の子だけ手を挙げてくださいね~」

 

 

ゆたか(へぇ~留学生が来るんだ)

 

 

水原「さてと……終わりましたよ」

 

 

??「よし!じゃあお疲れさん」スタッ

 

 

ゆたか(え!?私の後ろの席から誰か男の人が立ち上がった!?)

 

 

水原「では私はコレで。」

 

 

??「まぁちょっとだけ待ち。」

 

 

水原「はい?はい」

 

 

ゆたか(というか何時から私の後ろの席に!?)

 

石橋「えー初めまして、担任の石橋たかきよです。んで、こっちにいるのが」

 

 

水原「はい!」

 

 

石橋「水原。まぁ俺の奴隷みたいなもんなんでなんか困ったことがあったら何でも言っていいから。」

 

 

水原「って先生何言ってるんですか!?奴隷って!!」

 

 

石橋「じゃお前は一旦、3年の教室戻れ」

 

 

水原「なんか釈然としないんですが……分かりました。一旦、戻ります。では」

 

 

―ガラガラ

 

 

石橋「ということで留学生の件ですが来週には来ますので申し訳ないけど親御さんには今日中にプリントを渡しといてください。最悪、どっかに頼むけど出来れば同じクラスの人の家にホームステイが望ましいから」

 

 

ゆたか(留学生か……他に誰もいなかったらうちでもいいかなぁ……)

 

 

 

 

―こなたたちの教室

 

 

黒井「まぁ勉強せぇと口やかましく言わんけど受験生の自覚は持ちや~。」

 

 

こなた「先生ー!水原くんがいませーん」

 

 

黒井「それはかまへんねん。理由は知ってるし、もう来るからな」

 

 

―ガラガラ

 

 

水原「おはようございます」ゼェゼェ

 

 

黒井「はい、お疲れさん。ほな、そこの席座り」

 

 

水原「ういっす」

 

 

黒井「で、前期の学級委員やけど高良、頼んでええか?」

 

 

みゆき「あ、はい」

 

 

黒井「それと水原」

 

 

水原「はい?」

 

 

黒井「特別委員な」

 

 

水原「なんですかソレ」

 

 

黒井「まぁ内容は察せや」

 

 

水原「なんかものすごいイヤな予感が……」

 

 

黒井「ご愁傷様。」

 

 

水原「先生が『ご愁傷様』って!?」

 

 

こなた(まぁ先生のパシりだろうね。主に黒井先生と石橋先生の)

 

 

 

―休み時間

 

 

かがみ「で、みゆきが学級委員、水原くんが特別委員なわけね。」

 

 

鈴木「俺も学級委員押し付けられたぜ」

 

 

こなた「委員って先生が決めちゃうよね~」

 

 

つかさ「1年の時とかずっと決まらなかったもんね」

 

 

みゆき「確かに希望者がいないときは先生が決めてくださった方がスムーズに決まりますもんね」

 

 

こなた「そだよね~。それに学級委員とかは一度やるとイメージ固まるしね~」

 

 

みゆき「嫌ではないのですがね。中学からずっとなんですよ」

 

 

こなた「というか黒井先生の場合はみゆきさんに任せとけば楽だからじゃない?まぁクラスって担任のカラーが出るしね~」

 

 

かがみ「なるほど。あんたがだらしないのは担任のカラーかしら?」

 

 

黒井「聞こえてるで」

 

 

かがみ「!」

 

 

鈴木「かがみ、ご愁傷様。」

 

 




らっきー☆ちゃんねる!

あきら「は~い!始まりました!らっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるです。よろしくお願いします。」


あきら「このコーナーは新シーズンを迎えた『らき☆べる』をもっと楽しく読めるかもしれない!?そんなおまけコーナーです!」

白石「こちらは不定期連載ということでよろしくお願いしまーす。」

あきら「さて白石さん。新シーズンを迎えましましたね~」

白石「そうですね~」

あきら「早速オリキャラで新キャラも出てきました~」

白石「石橋先生ですね。」

あきら「この調子で1年組のオリキャラにも期待したいですね~」

白石「いえ…どうやら1年組の新キャラというのがこの石橋先生らしくてですね」

あきら「え?」

白石「なんでもあずきシティさん曰く『1年組とは言ったけど1年生と言ってな~い』ってことらしくてですね」

あきら「え~でもおっさんじゃん」

白石「いや一応、お兄さん枠ってことで」

あきら「いやいやいや無理あるでしょーそれ」

白石「まぁ…僕はそれは何とも…」

あきら「そういえばこないだけどアンタ本編で出番減るらしいね」

白石「え!?」

あきら「石橋先生が出てきていじられるポジションが水原になるからアンタ出番なくなるって」

白石「え!?ええ!!?!?!

あきら「おっと今日はここまでみたいですね」

白石「いやいや僕の出番g」

あきら「バイニー!」

白石「ちょっ

終了


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[第41話]待ち受け画像

―数日後 昼休み

 

 

こなた「でさー、ゆーちゃんがホームステイの案内持ってきてね」

 

 

かがみ「へぇ~」

 

 

こなた「他に候補いないからウチに来ることになったよ」

 

 

つかさ「え~すごいね!」

 

 

かがみ「それでいつ来るのよ?」

 

 

こなた「えーと……いつだったかなぁ」

 

 

鈴木「おいおい大丈夫か……」

 

 

水原「4月16日でしょ」

 

 

こなた「そうそう!」

 

 

かがみ「って今週末じゃない!しっかりしろよ……」

 

 

こなた「……大丈夫だって。ゆーちゃんと同い年だしゆーちゃんがしっかりしてるから」

 

 

かがみ「おいおい……」

 

 

つかさ「そういえばなんで水原くんが知ってるの?」

 

 

水原「うん?私が学校側のスタッフの1人だからね」

 

 

つかさ「へ、へぇ~?」

 

 

水原「だから一応、留学生さんのプロフィールとか持ってるよ?」

 

 

かがみ「へぇ~どんな人なの?」

 

 

水原「パトリシアさんって女の子。それ以上は会ってからのお楽しみでいいんじゃない?」

 

 

こなた「そんなこと言わずにちょっと教えてよ~」

 

 

水原「うーん……あ、4月16日が誕生日だね。」

 

 

こなた「へぇ~ちょうど来る日が誕生日なんだ」

 

 

かがみ「すごい偶然ね」

 

 

水原「歓迎ついでに誕生日祝ってあげたら?」

 

 

こなた「そだね~。考えとくよ」

 

 

―キーンコーンカーンコーン

 

 

鈴木「おっと予鈴だな。俺たちは教室戻るよ」

 

 

かがみ「じゃまた後でね」

 

 

 

 

 

―かがみたちの教室

 

 

鈴木「なぁかがみ、次の時間はなんだっけ?」

 

 

かがみ「えーと……政治じゃなかったかしら?」

 

 

鈴木「政治か……あまり得意じゃないんだよなぁ……」

 

 

―ガラガラ

 

 

石橋「はい、席着け」

 

 

鈴木(動物っぽい顔だな……ギリギリお兄さんってくらいの年齢だろうか)

 

 

石橋「これから1年間、政治を担当します石橋です。」

 

 

鈴木「ん!?」

 

 

石橋「どうした?」

 

 

鈴木「いや、なんでもないです」(まさかこんなタイミングで出てくんのかよ!)

 

 

石橋「まぁいいか。早速、教科書出せー政治・経済って書いてるやつなー」

 

 

鈴木(意外と普通だな……というか……昼食った後だから眠いな……)

 

 

かがみ(なんか鈴木くんが眠そうね……起こしてあげた方が良いかしら?)

 

 

―数十分後

 

 

石橋「で、あいつは都合悪くなったらお腹痛くなる」

 

 

鈴木(若干、授業が脱線してる今がチャンスだな。少しだけ落ちるか……)カタッ

 

 

かがみ(あ……落ちちゃったわね……)

 

 

石橋「まぁ治らない病気だから都合よく症状が……ん?」

 

 

かがみ(あ、先生が気付いたわね)

 

 

みさお(そういえば1年の時いなかったから鈴木は知らないんか……石橋の授業で寝たらどうなるか……)

 

 

鈴木「zzz……」

 

 

かがみ(石橋先生がこっちに来たわね。今日は何も持ってない……)

 

 

 

みさお(今日はジュースとか缶コーヒーは持ってねーんだな…)

 

 

石橋「柊、携帯貸して」

 

 

かがみ「え?はい……」

 

 

―ピロロン♪カシャ!

 

 

鈴木「……!!!なんだ!?」

 

 

かがみ「ちょっと先生!?」

 

 

石橋「なぁ、鈴木。コレ何?」←居眠り写真見せてる

 

 

鈴木「こ……これは……」

 

 

石橋「コレ何?」

 

 

鈴木「……俺の寝てる写真です……」

 

 

石橋「今は?」

 

 

鈴木「……授業中です」

 

 

みさお(まさかの新パターンだな……)

 

 

石橋「全員に言っとくけど、寝てたらなんかするから~」

 

 

かがみ(ってなんで私の携帯使うのよ……まぁいいけど)

 

 

石橋「それと柊、今の画像は保存しとけな。これからソレ使うから。」

 

 

かがみ「え!?は、はい」

 

 

鈴木(使う?……まさかあの画像をネタに脅しでもする気か?みずりんはそれで石橋先生にこき使われてるとか?だとしたら俺、結構マズいんじゃ……)

 

 

石橋「さて授業再開するぞー」

 

 

 

 

―授業終了後

 

 

鈴木「かがみ、あの画像は……」

 

 

かがみ「先生に言われたから消せないわよ?」

 

 

鈴木「分かりました……」

 

 

 

あやの(でも柊ちゃん、それを口実にしてるんじゃない?)

 

 

みさお「でも写真撮られただけならいいんじゃね?」

 

 

鈴木「はい?」

 

 

みさお「あたしなんか1年の時に『なっちゃんオレ○ジ』かけられたことがあるんだってヴァ」

 

 

鈴木「うっわ、きっつ……」

 

 

あやの「それはみさちゃんが30分くらい寝てたのもあるけどね」

 

 

みさお「あやの~それは言わなって~」

 

 

かがみ「あれ以来、日下部が授業中寝てるのは見ないわね」

 

 

みさお「流石に懲りたんだってヴァ……朝から家帰るまでずっとさわやかな香りがしてたぜ~」

 

 

鈴木「なるほどな……授業中寝るとネタにされるとは恐ろしいぜ……」

 

 

かがみ「まぁ寝る方が悪いんだけどね」

 

 

鈴木「すまんかったって……」

 

 

かがみ「これに懲りたらもうしないことね」

 

 

鈴木「……はい」

 

 

みさお「なんか鈴木が尻に敷かれてるように見えるなー」

 

 

あやの「柊ちゃん楽しそうね」うふふ




らっきー☆ちゃんねる!

あきら「はぁ~い!今日も始まりましたらっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす。」

あきら「いよいよ本編で新学期が始まりましたね~」

白石「パトリシアさんの名前もちらっと見えてきて楽しみになってきましたね~。」

あきら「そういや今回の話は居眠りの処罰が出てますね。」

白石「そうですね。」

あきら「あんたも食らったことあんの?」

白石「へ?」

あきら「だって番組収録とバイトして学校は居眠りしかしてないんでしょ~?」

白石「まぁ…でも僕は元から目が線で描かれてますから寝ててもバレないんですよ~」

あきら「ハァ!?」

白石「はははwww」

あきら「チッ」

白石「あれ?どうしたんですか?」

あきら「おっと、もうこんな時間ですね!」

白石「え?まだ尺がありm」

あきら「ばいにー!!!」

白石「あっ・・・ばいにー!」



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[第42話]黒船襲来

―4月16日 学校前

 

 

水原「おはようございます。」

 

 

石橋「よし、じゃタクシー拾って」

 

 

水原「りょうか……ってタクシーでまさか空港まで行くんですか!?」

 

 

石橋「そや。」

 

 

水原「こっからだと2、3万コースじゃ……」

 

 

石橋「往復するから7、8万くらいやで」

 

 

水原「良いんですかソレ」

 

 

石橋「かまへんかまへん。どうせ学校の金やし大丈夫大丈夫」

 

 

水原「……分かりました。とりあえずタクシー止めますね」

 

 

―タクシー車内

 

 

水原「というか先生、今関西弁でしたよね?」

 

 

石橋「ん?俺、前は関西住んでたで?一応、授業とかで関西弁が出んようにしてるけど」

 

 

水原「はぁ……なるほど……ネイティブ関西人なんですね」

 

 

石橋「さぁ?それはどうやろ。で、話戻すけど俺はタクシーで待ってるから空港着いたら迎えに行ってくれ」

 

 

水原「はい。場所は1タミ到着口ですよね」

 

 

石橋「そう。ただ向こうはお前の顔知らんからな」

 

 

水原「大丈夫です。私は知ってます!」

 

 

石橋「まぁ声かけ不審者事案にならんよう気をつけてや」

 

 

水原「微妙にリアルで怖いこと言わないでくださいよ……コミュニケーションボードとかありますよね?」

 

 

石橋「んなもん無い!」

 

 

水原「えぇ!?私の英語の成績知ってるでしょ!?」

 

 

石橋「知ってる。逝ってこい!!」

 

 

水原「まぁ……先生の無茶ぶりも今に始まったことじゃないですけどね……」

 

 

石橋「無茶ぶりって」

 

 

 

 

―空港

 

 

石橋「よし、逝ってこい!」

 

 

水原「了解っす!」

 

 

―ガチャ

 

 

水原「えーと…………荷物たくさんあるはずだし多分見つかるはず……」

 

 

―数分後

 

 

水原「おっいたいた……」

 

 

パティ「?」

 

 

水原「あ、英語か……は、はろー?」

 

 

パティ「Hi?」

 

 

水原「どぅーゆーぱとりしあまーてぃん?」

 

 

パティ「?」

 

 

水原「やべぇ微妙に通じてないっぽい。えーと……まいねーむいずりょうおうがくえんいしばしのてさき」

 

 

パティ「Oh!はじめマシテ!ワタシのナマエはパトリシア・マーティンです。夜露死苦です!」

 

 

水原「お!なんか通じたっぽい!えーと……かーきてるきてるこっちDEATH」

 

 

パティ「?こっちですか?」

 

 

水原「yes、yes」

 

 

―再びタクシー車内

 

 

水原「先生、大変でした。」

 

 

石橋「だろうね。改めて留学生担当の石橋です。」

 

 

パティ「ワタシ、スコシならニホンゴはなせマスよ?」

 

 

水原「みたいですね。改めて石橋先生の手先、3年の水原です。お気軽に『みずりん』とお呼びくださいな」

 

 

石橋「お前、何言っとるんや!」

 

 

パティ「ミスターイシバシとミズリンね。ヨロシクDEATH」

 

 

石橋「今からホームステイ先の家に行くから」

 

 

パティ「タノシミです」

 

 

 

 

―泉家

 

 

こなた「へぇ~みずりんが1年で先生の手伝いしてたんだ」

 

 

ゆたか「うん。」

 

 

こなた「あ、メールだ。みずりん、今日も空港までお出迎えに行ってるみたいだよ。もうすぐ着くって」

 

 

ゆたか「へぇ~そうなんだ。楽しみだね!」

 

 

―ピンポーン

 

 

そうじろう「いよいよ来たみたいだな。ハイハーイ」

 

 

こなた「私たちも行こうか」

 

 

ゆたか「そうだね~」

 

 

―ガチャ

 

 

そうじろう「はい」

 

 

石橋「こんにちは。私、小早川ゆたかさんの担任の石橋と申します。こちらが今日から泉さんのお宅で預かっていただくパトリシア・マーティンさんです。」

 

 

こなた(石橋先生ってこんな常識的な話し方が出来るんだね)

 

 

そうじろう(ここはペラペラと英語をしゃべって『おーすごい!』と)

 

 

そうじろう「ないすと」

 

 

パティ「ハジメまして!パトリシア・マーティンとイいます!ヨロシクです!」

 

 

ゆたか「わ~日本語話せるんだ~すごいね~」

 

 

こなた「ほんとだねー」

 

 

パティ「スコシだけデスガ~」

 

 

石橋「では私はこれで。何かありましたらお気軽に陵桜学園教務部石橋までご連絡ください。失礼します、お邪魔しました。」

 

 

―ガチャ

 

 

こなた「そうそう、私は泉こなただよ~」

 

 

ゆたか「小早川ゆたかです。よろしくね?」

 

 

パティ「ワタシのことはパティとヨんでクダサい!」

 

 

ゆたか「パティちゃん!」

 

 

こなた・ゆたか「誕生日おめでとう!」

 

 

パティ「OH!!!サンキューです!」

 

 

そうじろう(俺の立場……)

 

 

こなた(ん?あれ?みずりんがいなかったような…まぁいいか)




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー☆始まりましたらっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるです。」

あきら「いよいよ留学生が来ましたね!」

白石「パトリシアさんですね~実際お会いするのが楽しみです!」

あきら「まぁ白石さんは実際に会う描写は無いと思いますけどね~」

白石「いやいや何をおっしゃいますやら」

あきら「まぁ出番が減って残念な白石さんは隣に私というスーパーミラクルプリチーなアイドルがいるのでそれで我慢しろってことですねー」

白石「んー…」

あきら「あ?なんでそこで言葉が出なくなるんだよ」

白石「あ~ムズカシイニホンゴワカラナイナー」

あきら「おい!」

白石「ばいにー!」

あきら「ちょっ!勝手に締めんな!!」

白石「ばいにーー!!!!!」


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[第43話]夢の国

この物語はフィクションです。
実在する人物、団体、その他とは一切関係ありません。
しばらくお遊び回です!しばらく遊びます!w




―泉家

 

そうじろう「ゆーちゃんとパティちゃんの歓迎も兼ねてゴールデンウイークとかにディ○ニーランドとか行くか?」

 

ゆたか「いえいえそんな……私はお世話になってる身ですし、それに中学の卒業の時に行ったんですよ。」

 

こなた「それにお父さん、パティは本場の人じゃん」

 

そうじろう「それもそうだったな」

 

―教室 昼休み

 

こなた「って話をしててね」

 

かがみ「まぁたまには行ってみたいけどゴールデンウイークじゃ超混んでそうよね。」

 

鈴木「ディズニーランド行ったカップルが別れるってジンクスも列が長すぎて楽しめなくなって関係に亀裂が入るからって噂だぜ?」

 

こなた「夢の国だけに2人の関係も夢で終わっちゃうって訳だね」

 

つかさ「それはちょっと切ないね……」

 

水原「だねー。……千葉の東京ランドがキツいなら歓迎は別の場所に行けば?」

 

こなた「そだね~なんかパ~ッと行けるところが無いかなぁ?」

 

水原「そういえばねぇこないだ、たまたまタクシー乗ったら運転士さんが気分良かったらしくこんなのもらったのよ」

 

みゆき「何ですか?」

 

水原「東京ネズミーランドの割引入場チケット」

 

かがみ「ネズミーランド?」

 

こなた「さっきから話題にしてる千葉にあるヤツ?」

 

水原「じゃなくて埼玉に最近出来た施設らしいですよ」

※この物語はフィクションです。ネズミーランドは実在しません。

 

つかさ「へぇ~チケットの割引券くれるってタクシーの運転手さん太っ腹だね」

 

水原「そうそう~しかもこれ1度限りだけどグループ全員割引なのよね」

 

つかさ「じゃあ10人で行ったりしたら全員割引してくれるの?」

 

水原「そゆこと~」

 

かがみ「よくそんな券くれたわね」

 

水原「まぁ千葉にある東京空港まで往復して8万くらい乗ったからね」

 

かがみ「ちょっ」

 

こなた「どこにそんなお金あったのさ?」

 

水原「学校の用事だから費用は学校持ちよ?ただネズミーランドの券はいらないからって石橋先生がくれた」

 

かがみ「へ~石橋先生も意外に良いとこもあるのね」

 

水原「それは失礼な言い方だ。」

 

かがみ「ご、ごめん……そんな怖い顔しなくても」

 

水原「あ!ごめんなさい!そんな怒ってないですよー」

 

鈴木「の割には目がマジだった気が……かがみ、大丈夫か?」

 

かがみ「う、うん。ちょっとビックリしただけよ……」

 

水原「ごめんなさいね~。私は切り替え上手なんでもう大丈夫ですよ☆」

 

鈴木「それは分かるが気をつけろよ……」

 

水原「はい……」

 

こなた「あ!じゃあさー、いっそゆーちゃんとパティも連れてネズミーランド行ってみる?」

 

水原「ほぅ」

 

みゆき「そういえば私の家の向かいにも陵桜1年の子がいるのですが声をかけてみても良いですか?」

 

こなた「みずりん、どう?」

 

水原「何人でも割引だから大丈夫だよ~。」

 

こなた「にしてもみゆきさんの向かいさんも陵桜か~これでゆーちゃんの友達だったりしたら面白いのにね~」

 

水原「それはありますねぇ~。一応、確認ですが行けるのはどなた?」

 

こなた「私はバイト無い日なら行けるよ」

 

かがみ「私は1日くらいなら空けれるかな」

 

つかさ「私は大丈夫だよ~」

 

みゆき「そうですね、私も1日なら大丈夫だと思います。」

 

鈴木「まぁ俺はー大丈夫だな」

 

水原「で、あと一応メインの小早川さんとパティちゃんと」

 

こなた「みゆきさんのお向かいさんだね。ってあれ?ゆーちゃんの苗字をみずりんに教えたことあったっけ?」

 

水原「それはホラ、私があのクラスの副担任みたいなもんだから」

 

こなた「あぁなるほど。じゃあそれでネズミーランドは決定だね。」

 

鈴木「おぅ楽しみだな」

 

―こなたの部屋

 

こなた「うーん……ネズミーランドって口コミはおろか公式サイトすら無いじゃん」

 

―♪み・み・みらくる♪みくるん・るん♪

 

こなた「お?みずりんからメールだ。『白石はバイトらしい』か……。わざわざ律儀だなぁ。まぁいいや。……かがみと鈴木くんをどうイジろうかな~」

 

 

―ネズミーランド正門前

※この物語はフィクションです。ネズミーランドは実在しません。

 

こなた「いやぁ、まさかみゆきさんのお向かいさんがみなみちゃんだったとはね~」

 

みなみ「おはようございます」

 

みゆき「そうですね、確かに世間って狭いですよね。」

 

水原「とりあえず入りましょうか。すいません、高校生9人です。」

 

受付「はい、高校生9名様ですね。81000円なります♪」

 

こなた「高っ!」

 

かがみ「ちょっと、大丈夫なの?」

 

水原「この割引券で…」

 

受付「はい、810円です」

 

つかさ「どんだけー」

 

水原「ということでここの入場料は私が持ちますね。」

 

かがみ「いろんな意味で大丈夫なのか?ここ……」

 

こなた「ねぇーみずりん、ここから9人でゾロゾロ回るの?見た感じ無駄に広そうだよ?」

 

水原「まぁ9人で回りたいならそれでも構いませんが、一応案は持ってますよ?」

 

つかさ「へぇ~どんな?」

 

水原「軽くゲームでもしましょうか」

 

パティ「Oh!ゲームデスカ?」

 

水原「なんかいきなり食いついたな……。」

 

こなた「どんなの?私やゲーマーのかがみんはともかく」

 

かがみ「誰がゲーマーだ!?」

 

こなた「つかさやゆーちゃんはハードなゲームは無理だよ?」

 

鈴木「ちなみに俺は人並みと考えてくれ」

 

水原「いやいや、そんなガチガチじゃなくてね。親睦深めるにしてもこの人数じゃ微妙だしね。」

 

みゆき「確かに私は小早川さんやパトリシアさんとはあまりお話した記憶がありませんし9人だと機会が無いかもしれませんね」

 

水原「ですよね?だから9人だし3人ずつ3組に分けてチーム戦でもしようかと」

 

こなた「なるほど。それならゲームの得意不得意はあんまり関係ないね」

 

ゆたか「それでどうするんですか?あまり激しい運動とかだと……」

 

水原「いや大丈夫大丈夫。簡単。このネズミーランドには多数のキャラクターがいるのよ」

 

こなた「あぁ着ぐるみね」

 

水原「それとチームの3人とで写真撮って一番、枚数多いチームが勝ち~」

 

こなた「単純な運ゲーか……」

 

ゆたか「それだったら私でも参加できるかも~」

 

水原「でしょ?基本的には3人グループでネズミーランド回って遊びながらキャラクターいたら写真撮れば思い出にもなるしいい感じじゃない?」

 

こなた「いいよ~私は賛成」

 

つかさ「楽しそうだし私も賛成かな」

 

かがみ「良いわよ。やろうじゃない」

 

みゆき「私も賛成です」

 

ゆたか「私も賛成かな」

 

パティ「Oh!ヤッテヤルDEATH!」

 

みなみ「私も賛成ですが……チーム分けはどうするんですか?」

 

水原「じゃじゃーん。あみだくじ!」

 

こなた「うわっ地雷臭が……」

 

結果、チーム分けはこうなりました。便宜上、Aチーム、Bチーム、Cチームとします。

 

Aチームは柊かがみ、岩崎みなみ、パトリシアの3人、Bチームは泉こなた、鈴木善治、小早川ゆたかの3人、Cチームは柊つかさ、高良みゆき、水原の3人です。

 

 

かがみ「なんかすごい組み合わせになったわね……。」

 

みなみ「よろしくお願いします。」

 

パティ「ワタシはニホンゴハナセるんでキにしないでジャンジャンはなしてクダサい!」

 

かがみ「う、うん。よろしくね」

 

こなた「ごめんね~かがみ」

 

かがみ「どういう意味よ!?」

 

こなた「さぁね。」

 

ゆたか「お姉ちゃんと同じになったね~」

 

鈴木「後は俺か」

 

ゆたか「よろしくお願いします!」

 

鈴木「よろしく~ゆたかちゃんだっけ?」

 

ゆたか「はい!」

 

鈴木(こなたと違って純粋そうないい子だなぁ)

 

こなた「何か失礼なこと考えてない?」

 

鈴木「い、いや別に!」

 

水原「で私たちですな」

 

つかさ「よろしくね~」

 

みゆき「よろしくお願いします」

 

水原「では一旦、チーム解散してまた昼頃に途中経過も兼ねて会いましょう。」

 

こなた「罰ゲームは!?」

 

水原「考えても良いけど単純に運ゲーだから軽めでね。ではっ!」

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「はーい今夜も来ましたらっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです☆」

白石「アシスタントの白石みのるです。」

あきら「いよいよ長編?が開幕になりました!」

白石「これからは一つのイベントとかで何話も使う長編が多くなるんですよね~」

あきら「これまでは長編って文化祭編だけくらいだしね~いよいよ本気になり始めたのか…おせぇつうの」

白石「それはそうとあみだくじでチーム割り振りってなかなか思い切ったことしましたね。てっきり泉さんあたりがうまく面白い組み合わせにするのかなぁなんて思ってましたが」

あきら「あ~まぁねぇ。そうして2828がとまんねぇ~みたいにしたらウケもいいのにね」

白石「この話を書く前に作者のあずきシティさんがマジであみだくじ書いてるのを見たしそのあたりの無駄なこだわりが」

あきら「へ~マジであみだくじやってんだw」

白石「えぇ。で『うわwwwくじ結果やべぇwww』とか言ってましたよ」

あきら「自爆じゃんwww」

白石「まぁそういうイレギュラーを楽しんでる節があずきシティさんはありますからね」

あきら「へー。」

白石「このらっきー☆ちゃんねるも出たがってるとかなんとか」

あきら「ふーん。でもそれってアンタの代わりになるんじゃない?」

白石「いやいやあきら様のアシスタントを務められるのは僕だけですから!」

あきら「は?」

白石「え?」

あきら「ってことで今日はここまで!また会おうね!!ばいにー!!!」

白石「ばいにー!!!!」


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[第44話]あつめろ!怪しいキャラクター! 午前

ネズミーランド編 続きます。


―Aチーム

 

かがみ「とりあえずどっか行きたいとことかあるー?これだけ広いとキャラクター探してたらそれだけで日が暮れそうだから見つけたら写真撮るだけで良いんじゃない?」

 

みなみ「そうですね」

 

パティ「このオバケヤシキがキになりマス!」

 

かがみ「じゃあ行ってみる?パトリシアさんお化け屋敷って知ってるの?」

 

パティ「ハイ!マンガとかでミてイッテみたいとオモってマした!ラブコメでオンナのコがオトコのコとスキンシップをトるバショですヨネ?」

 

かがみ「それ……なんか間違ってるような……みなみちゃん、いい?」

 

みなみ「はい。」

 

かがみ「じゃあお化け屋敷にでも行くかー」

 

―お化け屋敷

 

かがみ「いっ、意外に本格的ね……」

 

みなみ「……先輩、怖いんですか?」

 

かがみ「そっ、そんなこと無いわよ!さ、行くわよ!」

 

パティ(これがオバケヤシキのダイゴミデス!)

 

―数分後

 

お化け役「うーらーめーしーやー」

 

かがみ「ひっ!」

 

みなみ「先輩?」

 

かがみ「だ、大丈夫よ!!」

 

パティ「おヤクソクのテンカイですね!」

 

かがみ「パトリシアさんどういう意味かしら?」

 

パティ「Oh...ついロがスベりマシた……」

 

かがみ「まさかとは思うけど……こなたの同類?」

 

パティ「オタクはニッポンブンカのホコリです!」

 

かがみ「あぁ……マジか……とりあえず行こうか……」

 

―出口

 

かがみ「結構歩いたわねー」

 

みなみ「そうですね」

 

かがみ「みなみちゃんとパトリシアさんはなんともなかった?」

 

みなみ「はい」

 

パティ「カガミがツヨガりながらもヒザをガクガクさせててモエました!」

 

かがみ「なんか……聞くんじゃなかったわ……で、出口すぐに意味不明なマネキンみたいなのがあるわけなんだけど……」

 

みなみ「説明がありますね……『カーネルヨンダース』?」

 

かがみ「明らかにパクリな感じがするんだけど……これってキャラクターになるのかしら?」

 

みなみ「……微妙ですね。水原さんに聞いてみては?」

 

かがみ「それが私、水原くんの連絡先知らないのよね。みなみちゃんも知らないよね?」

 

みなみ「私も知りませんがみゆきさんが同じチームだから聞けるかもしれません……」

 

かがみ「そういえばつかさも同じチームだったわね。つかさ経由で聞いてみようかしら?」

 

パティ「あの……ワタシ、ミズリンのレンラクサキはシってますよ?」

 

かがみ「えっ!?」

 

パティ「ミスターイシバシが『めんどくさいから困ったことがあったら俺じゃなくて水原に連絡してくれ。』って」

 

かがみ「いいのかそれで……まぁいいか。じゃあそれで聞いてみてくれない?」

 

パティ「OK!」

 

―電話中―

 

パティ「カーネルヨンダースはキャラクターにカゾエるそーデス!」

 

かがみ「よし、じゃあちゃっちゃと撮っちゃいましょ。1体目がマネキンなのはちょっと気が引けるけど。」

 

―パシャッ

 

かがみ「なかなかいい感じね。次はどこ行こうかしら」

 

みなみ「次は明るい場所が……」

 

かがみ「確かにこのお化け屋敷かなり暗かったし次は明るい場所が良いわね」

 

パティ「だったらコレなんでドウデスか?」

 

みなみ「なぜ遊園地にこんなものが……」

 

かがみ「そうね。そのツッコミは最もだわ……。でも行ってみるか~」

 

―スモークチーズ工房

 

パティ「NO...ケンガクとかはデキそうにアりませんね……」

 

かがみ「そうね……。ただ単にスモークチーズの売店だけだったわね。」

 

みなみ「先輩……ベンチに……」

 

かがみ「どうしたの?……って何かぬいぐるみがあるわね」

 

パティ「Oh!コレはこのスモークチーズコーボーのキャラクター『にょろろ~んとぅるやさん』と『ぶぶーかがぶー』ネ!」

 

かがみ「じゃあこれも対象なの?」

 

パティ「Oh!YES!しかもイッキに2ポイントです!」

 

かがみ「へぇー。でもかがぶーって……なんか」

 

みなみ「先輩、それ以上は言わない方が良いです。」

 

かがみ「そう?とりあえず撮りましょ。」

 

―パシャッ

 

かがみ「なんかお腹空いてきたわね……」

 

みなみ「そろそろお昼ですし……」

 

かがみ「そうね。そろそろ一旦、集合場所に行きましょ」

 

パティ「ゴウケイ3ポイント……タノシミです!」

 

 

 

―Bチーム

 

ゆたか「以前はありがとうございました!」

 

鈴木「えらく昔の話だな……。改めて、俺は鈴木善治だ。よろしくな」

 

こなた「分かってると思うけどゆーちゃんに手を出したらゆいねーさんが黙ってないよ?」

 

鈴木「出さねーよ。で一応、歓迎会だしなんか乗りたい乗り物とかあるか?」

 

こなた「あー、ゆーちゃんは乗り物とか楽しめないんじゃないかなー」

 

鈴木「ん?何で?」

 

こなた「ほら、身長制限とか」

 

ゆたか「いくらなんでもそれはないよ!お姉ちゃんも大差ないじゃん!」

 

鈴木「あぁなるほどな。」

 

こなた「ちょっと、その納得はどういう意味かなー?」

 

鈴木「ドングリの背比べ……いや、なんでもない。」

 

こなた「ソレ言い切ってから止めても遅いよね?」

 

鈴木「ジェットコースターでも行ってみるか~」

 

こなた「まさかのスルー!?鈴木くんちょいちょい私の扱いが雑だよね!?」

 

鈴木「じゃジェットコースター行くか。」

 

ゆたか「はい!行ってみたいです!」

 

―ジェットコースター入口

 

こなた「まさか……」

 

ゆたか「うぅ……」

 

鈴木「俺でもダメとは……」

 

こなた「というかおかしいよね!身長200cm以上ってチェホ○マ○くらいしか乗れないじゃん」

 

ゆたか「だからさっきからジェットコースターに誰も乗ってないんだね……」

 

鈴木「いくらなんでもなぁ……ん?あれ見て見ろよ」

 

こなた「お?あれは」

 

ゆたか「○ッキーだね!」

 

鈴木「写真撮るかー」

 

こなた「ミッ○ーは危なくない?……ん?あいつミ○キーじゃないな」

 

ミミッチー「やぁ!僕ミミッチーだよ!」

 

鈴木「ほぅ」

 

ゆたか「わぁー。写真撮りたいんだけど良いですか?」

 

ミミッチー「うん!写真が撮りたかったらここに230円入れてね!」

 

ゆたか「えっ!」

 

こなた「うわー遊園地のキャラクターが現金要求し始めたよ……」

 

鈴木「しゃーねーな……どこだ?」

 

ミミッチー「ここだよ!」

 

鈴木「うわっ機械内蔵かよ……」

 

こなた「脇腹に現金が吸い込まれていくってなかなか見せてはいけない場面よね……」

 

ミミッチー「お釣りは出ないから気をつけてね!」

 

鈴木「はいはい……こなたー30円無いか?」

 

こなた「はいよー」

 

―パシャッ

 

ゆたか「えーといくら払えば良いですか?」

 

鈴木「いや気にしなくていいよ。」

 

こなた「そだよ~。男はお金を出すことに満足感を覚えるから払わせたら良いんだよ~」

 

鈴木「こら、微妙に危ない発言をするな。ゆたかちゃん、こなたの言うことはあながち間違いじゃないけど悪用しちゃダメだぞ?」

 

ゆたか「え?は、はい?」

 

こなた「鈴木くんのほうが危ない発言じゃん……」

 

鈴木「どっか行ってみたいとことかあるか?」

 

ゆたか「うーん……あ、ここなんてどうですか?」

 

こなた「確かにここなら身長制限なさそうだねー」

 

鈴木「そうだな」

 

こなた「まぁ……どうもここの施設、守銭奴っぽいからちょっと不安はあるけどね」

 

―移動

 

ゆたか「ここだよね?」

 

鈴木「なんか……体育館?」

 

こなた「見た目は間違いなく体育館だね」

 

ゆたか「きっと中はかわいいよ~入ってみようよ!」

 

鈴木「いちご園……入ってみるかな」

 

こなた「そだね。うだうだ言っても仕方ないしね。」

 

―いちご園内

 

鈴木「すげえうっそうとしてるな……」

 

こなた「そだね。ただただビニールハウスの中に来たみたいだよ」

 

ゆたか「こっちはとちおとめでこっちがあまおうかー。あっ、これは」

 

鈴木「まぁあれだけ楽しんでるのを見るとツッコミは野暮かな」

 

こなた「そだね。にしても……入園は無料だけど……」

 

鈴木「いちごは一粒750円……高くない?」

 

ゆたか「確かに高いけど見るだけならタダだしいろんないちごがあって楽しいよ?」

 

鈴木「確かに……あまり意識したことはなかったがこう品種とか形とかよく見たら色々あるんだな……」

 

こなた(感化されてるー!?)

 

??「気に入ったものはあったべり~?」

 

鈴木「ん?おっ怖っ……すげぇキャラクターだな」

 

ゆたか「どちらさまですか?」

 

いちごん「いちご園のマスコット『いちごん』だべり~」

 

こなた「……」

 

ゆたか「いちごんって言うんだ~よろしくねー」

 

いちごん「よろしくだべり~」

 

こなた「……」

 

鈴木「そうだ。写真撮りませんか?」

 

いちごん「OKだべり~」

 

ゆたか「お姉ちゃん、撮るよー」

 

―パシャッ

 

鈴木「ん?こなた、どうかしたか?」

 

こなた「……まさか本人?」

 

いちごん「!?」

 

こなた「いやさー、どうせ偽物かと思ってたけど……中にいちごちゃん入ってるよね?」

 

鈴木「いちごちゃん?あのコミケにいた声優さんだっけ?」

 

こなた「そう。本人でしょ?」

 

いちごん「ま、まさか。中に人はいないわよ!」

 

鈴木「あ、口調が乱れた」

 

いちごん「そんなことないべり~」

 

ゆたか「お姉ちゃん達、イジメたらかわいそうだよ~。きっと中は大変だし蒸し暑いから集中力も欠けてくるんだよ~」

 

いちごん「やめてべり~、それ以上のフォローはむなしいだけべり~」

 

鈴木「……俺さ、このいちごんの声どっか関係ない場所で聞いたことある気がするんだが……気のせいかな」

 

いちごん(うげぇ……この人、バイト先のお客さんじゃん!)「し、知らないべり~」

 

こなた「さぁ……?私は分かんないけど」

 

鈴木「じゃあ気のせいか……」

 

ゆたか「あぁ!」

 

いちごん(ぎくっ!)

 

こなた「どったの、ゆーちゃん?」

 

ゆたか「そろそろお昼ご飯の時間だよね?」

 

鈴木「ん?あ、そうだな……。いちごんとも仲良くなったしそろそろお暇するか」

 

いちごん「あー焦ったー」(また来てだべり~)

 

こなた「今、心の声といちごんのセリフが逆になってたよ」

 

いちごん「は!!」

 

鈴木「こなた、行くぞー」

 

こなた「あ、うん。じゃあねーいちごちゃん」

 

いちごん「いちごんだべり~……」

 

 

 

 

―Cチーム

 

水原「で、あみだくじの結果1年がいないチームが出来ちゃったと」

 

みゆき「そうですね」

 

つかさ「作者が本当に紙に書いてあみだくじしてたもんねー」

 

みゆき「作者……ですか?」

 

つかさ「ううん。何でもない。こっちの話~」

 

水原「歓迎会的なノリだったのにね。まぁせっかくですし我々は我々でネズミーランドを楽しみましょうかー」

 

みゆき「そうですね」

 

つかさ「そだね~」

 

水原「さて、前座は終わったところで100mほど先にいるあの怪しい着ぐるみに声をかけてみるか?」

 

みゆき「何か困っていらっしゃるように見えますね。」

 

つかさ「というかアレ、ふ○っしーじゃない?」

 

水原「確かにふな○しーに見えるけど……あからさまに困ったフリって感じが……」

 

みゆき「写真の件もありますし、もし本当に困っていると大変ですから話しかけてみますか?」

 

つかさ「そだね。じゃあ水原くんお願い」

 

水原「そういえばいつも水原くんって呼んでるけど別にあだ名とかで呼んでくれて構わないんだよ?」

 

つかさ「え?うん。みずりん とか?」

 

水原「そうそう。他にも色々あるし」

 

つかさ「うーん……考えとく~」

 

みゆき「あの……水原さん、あの着ぐるみは……」

 

水原「多分、そろそろ話しかけてくるよ。」

 

??「話が長過ぎるっすな!!」

 

水原「ほらね」

 

つかさ「やっぱりふなっ○ーとちょっと違うね。ちょっと汚れてる?」

 

水原「だね。ふ○っしーは薄汚いけどコイツは単に汚い……」

 

??「無視するなっすな!」

 

水原「あー。とりあえず自己紹介してよ。話はそれから」

 

すなっしー「やっと聞いてくれたっすな!僕は鳥取県の非公式ゆるキャラ『すなっしー』っすな!よろしくっすな!!」

 

みゆき「なるほど、鳥取県は梨で有名ですから」

 

つかさ「それと砂丘の砂がかかってるの?」

 

すなっしー「そうっすな!!」

 

水原「なんか本家より命名がしっかりしてるな……」

 

すなっしー「褒めてくれて嬉しいっすな!」

 

つかさ「でも非公式なんだよね?」

 

みゆき「さらにパクりなんですよね?」

 

水原「おまけに物理的に汚いんですよね?」

 

すなっしー「うぅ……」

 

水原「まぁいいでしょう。パクりが無くなるとネズミーランド自体が終わっちまう。で、あからさまに困ってましたが?」

 

すなっしー「困ってるっすな!弟の『すなしろー』がいなくなったっすな!探してほしいっすな!」

 

みゆき「行方不明の弟さんを探してほしいのですね?」

 

すなっしー「そうっすな!!見つけないと大変なことになるっすな!」

 

つかさ「大変なことって?」

 

すなっしー「ハンターが1体、放出されるっすな!平穏な日常が奪われちゃうっすな!」

 

水原「どこの逃走中やねん……」

 

みゆき「あ!あれを見てください!」

 

つかさ「観覧車がどうかしたの?」

 

水原「ありゃ、マジで黒スーツにサングラスが乗ってるな……」

 

すなっしー「早くすなしろーの持ってる鍵でロックしないとハンターが1体放出されちゃうっすな!」

 

水原「って言ってるけどどうしますか?だいたいミッションへの参加は自由だしさらに言うとハンターが出ても我々は逃走者じゃないので大して意味ないけども」

 

つかさ「う~ん……すなっしーはすなしろーがいなくて困ってるんだよね?」

 

すなっしー「困ってるっすな!かわいい弟がどうなってるか不安で不安で仕方ないっすな!!」

 

つかさ「だったら」

 

水原「答えは一つ、ですね」

 

みゆき「はい」

 

つかさ「うん!」

 

水原「その代わりすなしろー見つかったら全員で写真撮りましょうね。」

 

すなっしー「それくらいお安い御用っすな!」

 

水原「分かった、分かったから飛び跳ねるな、砂煙が……ゲフッゲフッ」

 

すなっしー「すまないっすな!」

 

つかさ「弟さんってどんな着ぐるみなの?」

 

すなっしー「着ぐるみって言うなっすな!!」

 

つかさ「めんごめんご~」

 

水原(癒される……)

 

みゆき「で、すなしろーさんはどんな方なんですか?」

 

すなっしー「ちょっと待つっすな!……」ペシッ

 

水原「うおっ!背中から紙が出てきた。」

 

すなっしー「これがすなしろーの写真っすな!」

 

つかさ「わぁー(弟さんも本家のふ○ごろーに)そっくりだね!」

 

すなっしー「そうっすな?弟はアオムシとのハーフだからすなっしーとはそこまで似てないと思うっすな」

 

みゆき「アオムシとハーフでしたらいつかは蝶になるのでしょうか?」

 

すなっしー「そうかもしれないっすな!」

 

水原「なんか返答が適当になってませんか?」

 

すなっしー「そんなこと言うなっすな!砂嵐ブシャー!」

 

水原「うわっ……危ねぇ!」

 

つかさ「大丈夫?」

 

水原「なんとか……ですなしろーはどちらにいらっしゃるんですか?」

 

すなっしー「多分、植物が好きだから植物が多いところっすな!」

 

つかさ「ゆきちゃん、植物の多そうなところ分かる?」

 

みゆき「ここなんてどうでしょう?」

 

水原「あ~確かに」

 

すなっしー「早速行くっすな!!」

 

―いちご園

 

いちごん「珍しく客が来たと思ったらまさか顔バレしてるとは……危なかったわね」

 

水原「あのー」

 

いちごん「あ!はい!?なんだべり~?」

 

すなっしー「今、普通にしゃべってたっすなー」

 

みゆき「明日は我が身かもしれませんよ?」

 

すなっしー「さっきからちょっと風当たりがきつくないっすな?」

 

つかさ「あのー、このすなっしーの弟ですなしろーを探してるんですけど?」

 

いちごん「すなしろーですか?見てま……見てないべり~」

 

??「見つけたっすぴー!」

 

いちごん「なっ誰!?」

 

すなしろー「すなしろーっすぴー!」

 

すなっしー「すなしろー!会いたかったっすなー!」

 

みゆき「さながら感動の再会ですね」

 

つかさ「そだね~」

 

水原「いちごん大丈夫?なんか放心してますけど?」

 

いちごん「あ!大丈夫だべり~ちょっとびっくりしただけだべり~。」

 

水原「そうですか……よし、記念写真撮りましょうか~」

 

いちごん「OKだべり~」

 

すなっしー「いいっすな!」

 

つかさ「そういえばそんなゲームしてたね~」

 

―パシャッ

 

水原「で、もう昼だから一旦、集合ですね。」

 

みゆき「あの……この方々は?」

 

すなっしー「大丈夫っすなー。この後はちゃんとハンターが出ないようにしとくっすな」

 

みゆき「大丈夫なのですか?」

 

すなしろー「大丈夫っすぴー!」

 

水原「空気読んであげて……」

 

つかさ「みずりちゃん、どういう意味?」

 

水原「いやだから……休憩したいんですよきっと……」こそこそ

 

つかさ「あ~……」

 

みゆき「それは……」

 

水原「ではすなっしーさん、すなしろーさん後はお願いします。」

 

すなっしー「任せるっすな!」スタスタスタ!

 

つかさ「そう言いながら一目散に事務所に走っていったね。」

 

みゆき「これがいわゆる『察し』というものですね。」

 

水原「では、我々も集合場所に向かいましょうか。」

 

いちごん「また来てだべり~」

 

つかさ「うん!」

 

みゆき「では、失礼しますね。」

 

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「はぁーい!!今日も始まりましたらっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです!!」

白石「アシスタントの白石みのるです。いやーネズミーランドすごいですね!!」

あきら「ほんっとね・・・すなっしーとかどうかしてるわよ……ったく」

白石「僕はミミッチーに衝撃を受けましたね。これ大丈夫かなってww」

あきら「まぁ大丈夫なんじゃない?このレベルなら外国とかにもいるでしょ」

白石「まぁー確かにいますけどね。」

あきら「にしてもまぁ着ぐるみは大変だしねー」

白石「着ぐるみってw まぁ着ぐるみでしたけどね。ここのスタッフさんいないなぁと思ったら近くから着ぐるみが走ってきていきなり脱いで中からおじさんが」

あきら「そういえばウチラここ行ったのってもう言って良かったっけ?」

白石「あー!!!ダメでした!!!じゃあ今日はこの辺で」

あきら「そろそろ本編で会いたいね♪ばいにー!」

白石「ばいにー!!」


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[第45話]夢の国のお昼

ドナルド「ラソラソルー!」

 

こなた「明らかにドナルド違いだよね。」

 

水原「まぁー仕方ないよ……昼飯食べるのにワクドナルトかぼったくりの店しか無いんだから……」

 

かがみ「そうは言ってもワクドナルトだとやっぱり風情というかなんというか、そういうのが無いわね~」

 

鈴木「かがみ、ポテトL食べながらそんなこと言っても説得力無いぞ」

 

かがみ「うっうるさいわねっ!」

 

こなた「まぁまぁかがみ、ぼったくりの店は彼氏と来たときに連れて行ってもらいなよ」

 

かがみ「彼氏なんていないわよ!」

 

こなた「それはホラ……将来出来たときに」

 

かがみ「うるさいわね。余計なお世話よ!」

 

ゆたか「でも先輩だったら大丈夫と思います」

 

かがみ「っ!ゆたかちゃんまでなに言ってるのよ!?」

 

ゆたか「だって先輩いい人じゃないですか~」

 

パティ「ツンデレにツインテール、サラにミコまでソロってマスし!」

 

かがみ「待て、パトリシアさん。それはら関係ない。」

 

水原(てんぱってるなー 『それはら』って微妙に日本語おかしいし)

 

こなた「まぁまぁかがみはそれだけ人気者なんだよ~」

 

かがみ「なんかもう否定するだけ泥沼化するじゃない……」

 

こなた「その通りだよ、かがみん♪さぁ大人しく認めたまへー」

 

かがみ「くっ、ムカつく!」

 

鈴木「それくらいにしといてやれ。だいぶ困ってるみたいだ」

 

かがみ「鈴木くん……」

 

水原「こうして彼は自らイジられるネタを提供するのであった。」

 

鈴木「おいお前。いい加減にしないと公開処刑するぞ?」

 

水原「やだこわい~」

 

鈴木「なぜそこでオカマ口調になるんだ!?」

 

水原「なんとなく。だいたいなんですかね?公開処刑って。」

 

鈴木「そりゃお前、言ったらそれが公開処刑じゃねぇか」

 

水原「なるほど。つまり何か私の秘密でも持ってると?私、言われて困ることなんて一つ二つしかありませんよ?」

 

鈴木「一つ二つあるんだろ?ホラ……」

 

水原「うーん私、すすきくんに言った覚えないんですが」

 

鈴木「誰だすすきって」

 

水原「ん?」

 

こなた「え?私、あの事は言ってないよ?前提は誰から見てもバレバレだから知ってるだろうけど」

 

水原「ん、了解。というかバレバレだったんだね。ということで多分すすっきーは知ったかだよソレ」

 

鈴木「だから誰だすすっきーって。まぁいいや。とりあえずせっかくだしゲームの途中経過を確認してみるか?」

 

水原「話そらしたね」

 

こなた「みずりんはイジられなれてる感が面白くないんだよ。」

 

水原「なにげにキツいな。」

 

かがみ「ゲームの途中経過よね。私たちはカーネルヨンダースと とぅるやさん、かがぶーの3つよ。」

 

こなた「かがぶーってかがみじゃん」

 

かがみ「それって私が豚とでも言いたいのかしら?」

 

こなた「解釈は任せるよ~」

 

かがみ「こいつマジムカつく……」

 

こなた「ただゲーム的には負けてるんだよね」

 

鈴木「だな。俺たちはミミッチーといちごんの2体だ」

 

水原「おや?我々は3体なのでBチームだけ頭一つヘコんでますな。」

 

つかさ「私たちはふ○っしーとふな○ろーと」

 

みゆき「つかささん、間違ってますよ?正しくはすなっしーとすなしろーといちごんですよ。」

 

つかさ「そうだっけ~似てるから間違えちゃったアハハ~」

 

こなた「む、このまま負けっぱなしは癪に障る!」

 

ゆたか「お姉ちゃん、単純に運だけだからそんな気にしなくても……」

 

こなた「それでもこう……!ゲーマーとしてのプライドがね!ゲームっていうだけでね!負けるとちょっとね!」

 

水原「まぁまぁ1体差なら午後で巻き返せますよーハッハッハッー」

 

こなた「ほら!こうやってかがみ達と同率タイなのに勝ち誇った態度とるのがね!!!」

 

水原「悔しかったら巻き返してみなはれー」

 

こなた「言われなくても巻き返すよ!行くよ!ゆーちゃん、鈴木くん!」

 

ゆたか「えぇ!?」

 

水原「ということで再びチーム毎に別れて午後の部、始めましょうか~」

 

こなた「今にきっと満塁逆転さよならホームランをお見舞いしてやるぜ!」

 

鈴木「まぁかがみはともかく水原にまで負けるのは俺も納得出来んしな!」

 

こなた「覚えてろ!」

 

水原「ハハハっ!死亡フラグの典型例みたいなセリフを言っちゃってね~やれるもんならやってみなハハハ」

 

みなみ「先輩たちとても仲良そう」

 

ゆたか「そうだね、岩崎さん♪」(ん?岩崎さん!?私、岩崎さんを名前で呼んでない!?)




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!らっきー☆ちゃんねる!今日もやってきましたナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす」

あきら「ってかさーなんなのこのネズミーランド」

白石「何がですか?」

あきら「意味わかんないキャラクターばっかだし」

白石「まぁそうですね」

あきら「さっきもなんかあいさつ来たじゃん若けぇの」

白石「若けぇのって……さっきあいさつ来たっていうとすなっしーですか?」

あきら「そう。もう砂ぼこりがひどいったらねぇよったく……」

白石「まぁ……」

あきら「しかもアイツ、すなっしーであいさつするのかと思いきや砂出しながら中からおっさn」

白石「わー!!!!あきら様!!!一応、夢の国なんだから!」

あきら「はいはい、その設定に乗ってあげますよ。でも正直、本編のメンバーも『着ぐるみじゃなくて本当の妖精さん』なんて頭の中がお花畑な人いないでしょ」

白石「それはどうかわかりませんよ?」

あきら「ふーん。」

白石「さて、そろそろエンディングの時間がやってきたようですね!」

あきら「え?もう!? ざーんねん♪今日はここまで♪お相手は小神あきらと」

白石「白石みのるでした。」

あきら「ばいにー!!」


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[第46話]あつめろ!怪しいキャラクター! 午後

白石「前回までのあらすじ!みんあでネズミーランドに遊びにやってきた!そして3人1チームでネズミーランドのキャラクターと写真を撮り、一番多くのキャラクターと写真を撮れたチームの勝ちという謎のゲームが始まるのだった!!」


―Aチーム

 

かがみ「さて、私たちはどうしようかしら?」

 

パティ「ソーデスネ……オバケヤシキにはいきましたしジェットコースターにデモいきますか?」

 

かがみ「おっいいわね~」

 

―ジェットコースター入口

 

みなみ「いくらなんでも……」

 

パティ「シンチョウ2メーターはUSAでもアマリいまセンよ」

 

かがみ「やっぱりこの遊園地怪しいわね……」

 

パティ「アトのテイバンはメリーゴーランドでアハハハウフフフくらいしかオモイツきませんネ」

 

かがみ「朝から気になってたんだけどパトリシアさんの提案って何かおかしくない?スモークチーズ工房はともかく他ってカップルで行きそうな場所というかなんというか……」

 

パティ「ノンノンノン!マンガではテイバンのフラゲスポットにイってるダケです!マンガやアニメのシチュエーションがジッサイにオキるかどうかをミてみたいダケですよ?」

 

かがみ「あんた完全に日本を勘違いしてるだろ……」

 

―メリーゴーランド前

 

パティ「ソーいいながらもメリーゴーランドにクる。コレがコナタのいってた『カガミモエ』デスね!」

 

かがみ「なぁーどうしたら良いと思う?」

 

みなみ「分からないです……。」

 

パティ「ソレはそうとニッポンのメリーゴーランドはカワってますネ」

 

かがみ「え?……確かにこれはおかしいわね。どちらかというと競馬場みたいな雰囲気が…日本全体のメリーゴーランドがこうじゃないわよ?」

 

みなみ「というかこれをメリーゴーランドと呼ぶかどうか……」

 

かがみ「呼ばないわね。絶対に。」

 

??「なんや?ねーちゃんら馬券買いに来たんかー?おっちゃんが教えたろかー?」

 

かがみ「うわっ、いきなりゆるキャラが話しかけてきた。」

 

でっかいおっさん「ゆるキャラって何やねん。みんなワイのこと『でっかいおっさん』って呼んでるでー。まぁデカいんは態度だけやけどなー」

 

パティ「アヤシすぎるカンサイベンですね」

 

でっかいおっさん「で、あんたらもメリーゴーランドで馬券買うんやろー?」

 

みなみ「あの……私たち未成年ですから……」

 

でっかいおっさん「かまへんかまへん、ここはそもそも競馬場ちゃうから法律も適用されへんねん」

 

かがみ「それってこのメリーゴーランド自体が非合法なんじゃ……」

 

パティ「ワタシがリクエストしといてナンですケド、ハナレた方がヨさそうデスね」

 

かがみ「今回はパトリシアさんに賛成ね。」

 

みなみ「あの……失礼します。」

 

でっかいおっさん「ちぇっツレへんなぁ」

 

―数百m移動

 

パティ「そういえばシャシントりませんでしたネ」

 

かがみ「そうね。でも良かったんじゃない。あのゆるキャラ、怪しすぎるわよ……」

 

みなみ「確かに……思いっきりマークシートも持ってましたし。」

 

パティ「このウラにジョーバタイケンがアりますケド」

 

かがみ「このノリじゃ至極怪しいわね……」

 

みなみ「メリーゴーランドは近付かない方が良さそうです……」

 

パティ「バショをカエますか?アトのテイバンはコーヒーカップですくらいカ?」

 

かがみ「それこそ男女で行くしかない場所じゃない……」

 

パティ「じゃあスズキゼンジをヨんでみマースか?」

 

かがみ「ちょっおまっ。なんでそうなるのよ!」

 

パティ「だってミズリンはミスターイシバシとEカンジDEATHからココにヨブのはシュジンコウっぽいスズキゼンジデス!」

 

かがみ「何よその主人公っぽいって……」

 

パティ「ジョセイにヤサシいのにドンカンでノウリョクはヘイキンよりチョイウエDEATH」

 

かがみ「何の話よソレ……あー当てはまらなくもないか……」

 

パティ「だからダイジョウブです!ヨびダしたらキットキてクレますシ、それでもシンテンはシまセン!」

 

かがみ「じゃ呼ぶわね……ってなるか!」

 

パティ「oh...no...ツンデレはスナオにナレないのがタマにキズです……」

 

かがみ「だからツンデレじゃないってば」

 

みなみ「先輩……とりあえずどこかに行くかキャラクターを探しませんか?」

 

かがみ「そうね。なんかどっと疲れた……なんか美味しそうな場所とか無いかしら……」

 

パティ「ハィ!いちごエンはイいんジャナいですか?」

 

かがみ「珍しく良い提案ね。いちご園……あ、ここから近いじゃない。行きましょ行きましょ」

 

―いちご園

 

いちごん「なんでいつもはお客さん来ないのに今日に限って……しかも変なのが多いし……ってまた来たよ!」

 

 

かがみ「へぇーいちご園って言うけどテーマパークというより農場ね」

 

パティ「でもここでサイバイマンしてるイチゴはタベてイイみたいデスヨ?」

 

かがみ「えっ!本当!?なんだーすごい気前が良いじゃない!」

 

みなみ「先輩、1粒700円と書いてます……」

 

かがみ「ゲッ……高いわね。もうちょっと安かったらなー」

 

パティ「ヘイ、カガミ。あそこにゆるキャラがヒマソーにしてます」

 

いちごん(あ、バレた)「いらっしゃいだべり~」

 

かがみ「お……コメントしにくいデザインね……」

 

みなみ「しかもしゃべるみたいですね……」

 

パティ「とりあえずシャシントッときまショーか?」

 

かがみ「そうねー」

 

いちごん「今日はいちごんと写真を撮りたがるお客さんが多いべり~」

 

―パシャッ

 

かがみ「ところでここのいちごって1粒700円もするんですか?」

 

いちごん「そうだべり~たくさん食べられて無くならないようにするためだべり~」

 

みなみ「……なるほど」

 

いちごん「ネズミーランド内のお店の料理にも使われてるべり~。ワクドナルドのサンデーがオススメべり~。」

 

かがみ「へぇ~。ねぇみんな、私がおごるからワクドナルド行かない?他に行きたくなるアトラクションとかもないしさ」

 

いちごん「行くといいべり~」

 

みなみ「私は構いませんが……」

 

パティ「ワタシもサンセイです!」

 

かがみ「じゃあいちごんさん、私たちはワクドナルドに行きます。」

 

いちごん「じゃあね~べり~」

 

かがみ「はい、ありがとうございました。」

 

 

いちごん「……ふぅ……。もう今日はお客さん来ないかしら?」

 

 

 

―Bチーム

 

こなた「片っ端からキャラクター見つけて写真撮っちゃる」

 

鈴木「どこの訛りだソレ……」

 

ゆたか「お姉ちゃん、別に私は勝負とか気にしてないよ?」

 

こなた「いや、私が気にするんだよ。あのみずりんなんかに後れをとるわけにはいかないのさ」

 

鈴木「何の因縁があるんだか……」

 

こなた「別に因縁とかは無いよ。ただなんとなくみずりんに負けるのは悔しくない?」

 

鈴木「まぁな……じゃあキャラクター探しするか」

 

こなた「おぉ!鈴木くんならそう言ってくれると信じてたよ!」

 

鈴木「ゆたかちゃんは大丈夫か?どっか行きたいところとかあったら遠慮なく言ってくれよ?」

 

ゆたか「あ、大丈夫ですよ。なんかよく地図見ても分からないし……」

 

鈴木「確かに地図はわかりにくいな……」

 

こなた「あ、ココ見てよ」

 

鈴木「何?イベント会場?」

 

こなた「今日はイベントあるんじゃない?ゴールデンウイークだし」

 

―イベント会場

 

こなた「『今日のイベントは17時からです』?」

 

鈴木「あらら……無駄足になっちまったな」

 

こなた「なんだよ!17時からってまだまだ時間あるじゃんかよ!」

 

ゆたか「まぁまぁお姉ちゃん」

 

鈴木「しかもイベント内容が何も書いてない。確かに怪しい施設だがここまでくると笑えてくるな。」

 

こなた「いっそこのネズミーランドの裏側とか探っちゃう?」

 

ゆたか「やめとこーよ、お姉ちゃん。」

 

鈴木「そうだぞ。リアルに何があるかわからんからな……」

 

こなた「うっ……確かに……怪しい取引とか見て変な薬飲まされて小学生にされたりとか!」

 

鈴木「はいはい。ま、平和にキャラクター探せばいいだろ」

 

ゆたか「そうですよね。あ!ここなんてどうですか?」

 

こなた「『ワクワクカーニバル』?うーん……」

 

ゆたか「きっとワクワクがいっぱいだよお姉ちゃん!」

 

鈴木「まぁ喋ってても時間もったいないし行ってみるか」

 

―ワクワクカーニバル

 

こなた「なんだ~ワクワクカーニバルってゲーセンだったのかぁ」

 

ゆたか「あ、何かいるよ!」

 

鈴木「うわっ怖っ。何これ、鹿のゆるキャラか?」

 

鹿?「……。」

 

こなた「だめだよー、ゆるキャラは基本的には喋らないんだから」

 

ゆたか「お姉ちゃん知ってるの?」

 

こなた「うん。せんとうくんでしょ?」

 

鈴木「せんとうくん?」

 

こなた「某広域指定暴力団山田組のゆるキャラだよ。怒らせるとチャカとかハジキ出してくるから気をつけた方がいいよ~」

 

鈴木「チャカとハジキって……どう考えてもJKの発言じゃないな。」

 

ゆたか(チャカってなんだろー?それにおはじき?)

 

鈴木「とりあえずせんとうくんと写真は撮れなさそうだな。あっちにはいかにもな感じのゆるキャラがいるぞ?」

 

ゆたか「わぁ、今度はかわいいね」

 

こなた「あーあれねー。あれは島根県の『しまねっこ』」

 

鈴木「今度はちゃんとしてるのか」

 

こなた「をパクった『まねっこ』だね。頭に乗ってる鳥居は出雲大社じゃなくてかがみたちの家の神社だって」

 

ゆたか「それって先輩達の家がもしかして……」

 

こなた「あー安心して。かがみたちの家は悪くないよ。だってあれ、かがみたちの神社すら一声もかけてないらしいから」

 

鈴木「……それってかがみたちは知ってるのか?」

 

こなた「知ってるよ。呆れながら笑ってた」

 

鈴木「なんかどいつもこいつも写真撮るべきじゃない感じしかいないな……出るか」

 

こなた「そだね」

 

すなっしー「無視するなっすな!」

 

鈴木「うわぁ……めんどくさそうなのに話しかけられたな……」

 

こなた「せっかく無視してたのに……」

 

すなっしー「コラそこ!聞こえてるっすな!」

 

ゆたか「お姉ちゃん、このキャラクターも知ってるの?」

 

こなた「うん。鳥取県の非公式ゆるキャラで砂+梨ですなっしーっていうキャラだよ」

 

ゆたか「へぇ~なんかふ○っしーに似てるね!」

 

すなっしー「ふな○しーのパクりとか言うなっすな!」

 

こなた「ゆーちゃんはパクりなんて一言も言ってないよ?」

 

すなっしー「しまったっすな!」

 

ゆたか(やっぱりパクりだったんだ……)

 

すなっしー「こうなったらゲームで勝負っすな!」

 

鈴木「なんでやねん」

 

こなた「いいよ。私は何もってこられても負ける気しないから。」

 

すなっしー「言ったっすな!ついて来るっすな!」

 

―ゴーカート

 

すなっしー「これで勝負っすな!」

 

こなた「いいの?すなっしー不利じゃない?」

 

すなっしー「すなっしーは体格差なんて気にしないっすな!」

 

こなた「ふーん……えらい自信だね。それで負けたら何かしてくれるの?」

 

すなっしー「そ、それは考えとくっすな!」

 

こなた「じゃあ私が勝ったらここにいる2人も含めて一緒に写真に写ってくれたらいいよ」

 

すなっしー「そんなことでいいっすな?」

 

こなた「その代わりすなっしーがわざと負けたと思ったら梨皮引っ剥がすから。真剣勝負だよ?」

 

すなっしー「分かったっすな!」(ヤバい。本気でやらなきゃ剥がされる……でも勝ってもなんか感じ悪いし……どうすりゃいい!?)

 

鈴木「すいません、ゴーカートでレースしたいのですが。2人なんですけど」

 

受付「ゴーカートで2名様、レースですね。少々お待ちください。」

 

すなっしー「ゲッ……もう勝手に受付されてるっすな……」

 

 

 

―Cチーム

 

水原「さて……実はご相談したいことがありまして……」

 

みゆき「どうなさったんですか?」

 

つかさ「もしかしてみんなには言えないこと?」

 

みゆき「私は席を外しましょうか?」

 

水原「いやいや多分お二人が考えてることではありませんよ?」

 

つかさ「なーんだ」

 

水原「ただあまり多くの人に知られるとまずいのは確かですが……」

 

みゆき「どのようなご用件ですか?」

 

水原「ある人が5月20日に誕生日なんですよ。」

 

つかさ「何かプレゼントしたいのー?」

 

水原「というか要求されてます。」

 

つかさ「要求されてるんだ……誰?」

 

水原「えーと……言っていいのかなぁ……まぁいいや。石橋先生です」

 

みゆき「でしたら石橋先生の好きなものをプレゼントしたらいかがでしょう?サプライズではないのですから直接欲しいものを聞いても大丈夫だと思いますよ?」

 

水原「いや……それがねぇ……『物は要らんからなんか面白いことやって』ってね~」

 

みゆき「それは少し難しいですね……」

 

水原「ということでお知恵拝借したいなーと」

 

つかさ「うーん……面白いことか~…」

 

水原「何か無いですかねぇ……」

 

みゆき「何かショーをしてほしいんですよね?」

 

水原「そう……無理難題でしょ?」

 

つかさ「ショーと言えばこなちゃんが働いてるコスプレ喫茶?はショーでダンス踊ってたよ?」

 

水原「ほう?つまり踊れと?」

 

つかさ「無理かなー?」

 

水原「アリ。アリだよ!それアリだよ!グッドアイデア!」

 

つかさ「えへへ~」

 

水原「まぁ流石に1人で踊るのはアレだから協力者探します!」

 

つかさ「頑張ってね~」

 

水原「ではお二人も協力してね?」

 

つかさ・みゆき「え!?」

 

つかさ「踊るのはちょっと……」

 

水原「いや、それ以外にも色々あると思うんで……二人には裏方をお願いしたい」

 

つかさ「裏方ならいい……かな?」

 

みゆき「分かりました。微力ですができることがあればお手伝いします」

 

水原「ありがとうございます。詳しいことは後日で。……さてお話はこれくらいにしてネズミーランドを回りましょうか~」

 

みゆき「定番と言えばお化け屋敷とか観覧車とかジェットコースターでしょうか?」

 

水原「ですねぇ。でもジェットコースターは身長2m無いとダメらしいのでお化け屋敷とか観覧車とか……観覧車ってYYしながら乗るものでも無いでしょ」

 

みゆき「そうですね。ではお化け屋敷でしょうか?」

 

つかさ「お化け屋敷はちょっと遠慮したいかも……」

 

水原「あれ?ホラーとか苦手な人?」

 

つかさ「うん。」

 

水原「なら無しだな!」

 

みゆき(水原さん結論出すのが早過ぎです!駆け引きを楽しんだりとかしないんですか!?)

 

水原「あとはメリーゴーランドという名前の競馬場とかワクワクカーニバルという名のゲームセンターとか」

 

みゆき「ここでゲームセンターは」

 

つかさ「何か違うよね?ちょっと地図見せて~」

 

水原「ですよねー。はいよ」

 

つかさ「うーん……ここって色々あるんだね~。あ、ここなんてどう?」

 

みゆき「イルカショーですか?」

 

水原(いくらなんでもプールなんかあったかな)

 

つかさ「イルカショーどうかな?」

 

水原「あ、はい。では行きましょうか」

 

―イルカショー会場

 

つかさ「あれ?イルカさんって泳ぐんじゃなかったっけ?」

 

みゆき「たしか、そのはずです。」

 

水原「どう見てもスタジアムです本当にありがとうございました」

 

司会「それではみんなー!元気よく呼んでみよう!ごとちゃーん!!」

 

つかさ「ごとちゃん?」

 

―チリンチリン

 

つかさ「わっ!イルカさんのゆるキャラがママチャリに乗って出てきたよ!」

 

みゆき「あのゆるキャラがごとちゃん(?)でしょうか?」

 

水原「あれは恐らく高松琴平電鉄のマスコットキャラクター『ことちゃん』のパクりですね。ちなみに本家に対してゆるキャラと言うとまぁまぁきつめに怒られます。」

 

司会「ごとちゃん、今日は家族のみんなも来てるんだよね?」

 

ごとちゃん「……。」

 

司会「ではご家族のみんなも呼びましょう!ごとみちゃん!ごとのちゃん!」

 

みゆき「あ、今度はピンクのイルカがベビーカーをひいて現れましたよ!」

 

水原「元ネタから考えると多分、ごとちゃんの奥さんとお子さんだね……なんでこんなマイナーなの選ぶかなぁ……」

 

司会「ではごとちゃんにフラフープを披露していただきましょう!」

 

つかさ「あれって本物のイルカさんならすごいと思うんだけど……」

 

水原「所詮、着ぐるみ。中身は人……」

 

みゆき「そう思うと少し残念ですよね」

 

司会「次はゴルフです!」

 

水原「これ以上ただの人が着ぐるみ着て普通のことしてるのを見てもアレだし移動しましょうか。ゴーカートとかどうです?」

 

つかさ「そんなのもあるんだ~行ってみる?」

 

みゆき「そうですね。何かこのイルカショーを見ても妙に悲しい気持ちになりますし……」

 

つかさ「そもそもこれをイルカショーって言っていいのかな…」

 

―ゴーカート受付

 

こなた「あ、つかさ達じゃん。おっす~」

 

つかさ「めーす」

 

水原「あぁすなっしー……ということはこなた達も絡まれたんだ……」

 

すなっしー「絡まれたとか言うなっすな!」

 

こなた「そそ。ゴーカートで勝負になっちゃってね~。みずりん達も一枚かまない?」

 

水原「面白そうっすな!」

 

すなっしー「パクるなっすな!」

 

受付「申し訳ありません。レースは1度に3人までしか走れないんです」

 

水原「あら、じゃあ私は引き下がろうか?」

 

鈴木「ん?俺とゆたかちゃんは乗らないぞ?こなたとそこの梨皮のマッチプレイのはずだったし」

 

すなっしー「梨皮言うなっすな!」

 

こなた「そうそう。だからあと1枠は空いてるよ?どう?」

 

水原「じゃあ……2人のどっちかどう?」

 

つかさ「私は他に乗りたい人がいたらいいよ?」

 

みゆき「私も水原さんが乗りたいなら構いませんよ?」

 

水原「私乗りたいです。はい、決まり。」

 

受付「お待たせしました。準備が終わりました。」

 

こなた「決まりだね。みずりん、手加減は無しだよ?」

 

水原「安心してください。本気ですよ。」

 

すなっしー「無視するなっすな!」

 

 

―ゴーカート乗り場

 

水原「久々ですからねぇ~」

 

こなた「みずりんよ!負けたときの言い訳かな?」

 

水原「さぁ?それはどうでしょう」

 

受付「そっち入ってますか?」

 

すなっしー「大丈夫っすな」

 

受付「こっち押し込みますね。」

 

こなた「うわぁ……乗る時点で負け戦じゃん。何故、勝負ふっかけてきたし」

 

受付「そろそろよろしいですか?」

 

鈴木「こなた頑張れー。」

 

ゆたか「お姉ちゃん!頑張って無理しないでねー!」

 

みゆき「こういう時、誰を応援したら良いか迷いますよね?」

 

つかさ「そだねー。こなちゃんもみずりちゃんも頑張れー。」

 

すなっしー「誰かすなっしーも応援しろっすな!」

 

受付「では、この信号機が青になったらスタートです。」

 

すなっしー「無視するなっすな!」

 

―青

 

―ブロロロ...

 

すなっしー「あっ、待つっすな!」

 

こなた「あーあ、すなっしー出遅れちゃったね」ブロロロロ

 

水原「しゃべる余裕があるのかしら……もうすぐコーナーですよ?」ブロロロロ

 

こなた「分かってるよ……ふっ」

 

水原「……。」

 

こなた「へぇー私に付いて来れるとは……みずりんまぁまぁじゃん」

 

水原「そりゃどうも……ん?」ゴン!

 

すなっしー「無視するなっすな!」

 

こなた「お~すなっしー……正直、これで引き離されるようならマジで皮引っ剥がしてたよ」

 

すなっしー「皮を剥かれるのはまずいっすな!」

 

水原「おしゃべりに夢中なうちにまたカーブでっせ。よっ!とりゃぁ」キュッッ

 

こなた「みずりん何気に速いね。まぁ私には及ばぬ!!」ギュッッ

 

すなっしー「カーブ忘れてたっすなぁぁぁぁぁ!!」ドゴン!ボゴン!ドドドドーン!!

 

こなた「あ、すなっしーが……」

 

水原「コーナー曲がりきれずコースアウトしたな……」

 

こなた「仕方ない。後で梨剥くか……。珍しくみずりんと私の一騎打ちだね。」

 

水原「そうですね。いつかこんな日が来ると……特に思ってなかった!」

 

こなた「私もいつかみずりんと決着をつける日が……来るとは思わなかった!」

 

水原「しかしやるなら本気で……」

 

こなた「殺り合おうぜ!!」

 

水原「ふっ……」ゴン!ゴン!ゴン!

 

こなた「ちょっ……横から当たってる……このままじゃ次のカーブにうまく突入出来ないじゃん」

 

水原「当ててるのよ」

 

こなた「それ使い方違うし!」

 

水原「次の最終コーナーを凌げば私の勝ちだからね……。」

 

こなた「くっ……かくなる上は……!」

 

水原「体重ある私の方が安定感あるから同じ技は通じないねフフフ……」

 

こなた「あ、つかさ」

 

水原「え?どこどこどこ?……ん?あ゛あ゛ぁぁぁ!!」ドンガラカッシャーン!

 

こなた「わき見運転事故の元。にしてもそのままコースアウトどころか山に突っ込んでクラッシュしたよ……」

 

―降り場

 

鈴木「おっ、やっぱりこなたがトップで帰ってきたか」

 

こなた「やふ~」

 

つかさ「ぐ~ぐる~」

 

こなた「いやぁ~圧勝みたいだね~」

 

ゆたか「やっぱりお姉ちゃんすごいなぁ~」

 

―数分後

 

水原「ひぃひぃひぃ……」

 

こなた「みずりん遅かったね~」

 

水原「だ、誰のせいだ誰の……」

 

こなた「あれ?砂梨は?」

 

水原「……さぁ?」

 

受付「すなっしーさん負けそうになったらよく逃げちゃうんで……」

 

こなた「ちっ…逃げられたか……引っぺがせないじゃん」

 

鈴木「ところで。そろそろ夕方だし集合したら良いんじゃないか?」

 

水原「そうですね。17時からイベントあるんでそのイベント会場に集合しましょうか」

 

鈴木「分かった。じゃあ俺はかがみに連絡するわー」

 

水原「じゃあ私は同じ班なので問題ないとは思うけど一応、パティちゃんに連絡しますね」

 

ゆたか「じゃあ私は……」(あ、私……岩崎さんの連絡先すら知らないや……)

 

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「……」

白石「…あれ?あきら様?」

あきら「…」

白石「あきら様?始まってますよ?」

あきら「…」

白石「あ……おはらっきー!!らっきー☆ちゃんねる!アシスタントの白石みのるです!そして」

あきら「なびげーたーのこがみあきらでーす」

白石「ちょっとあきら様!?」

あきら「チッ」

白石「えーとあきら様の機嫌が悪いみたいなので…」

あきら「なぁ」

白石「はい?」

あきら「メリーゴーランドで馬券買ったら見事に外した」

白石「あぁ・・・それで・・・まぁギャンブルはそんなもんですよ。勝てないことがとんどですから。無理のない範囲で程よく楽しむ。これに尽きます。」

あきら「ふーん。で、お前も馬券買ってたよな?」

白石「え?えぇ僕も一応買いましたが」

あきら「どうだったのよ」

白石「一応、的中ということで!」

あきら「え!?」

白石「配当135万6300円頂きました!!!!」

あきら「ハァァァン!!???!?」

白石「いやー」

あきら「白石、あとでメリーゴーランド裏集合な」

白石「え?」

あきら「ってことでらっきー☆ちゃんねる今日はここまで!ばいにー!」

白石「ばいにー!?!?!?」



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[第47話]夢の国の終わり

―イベント会場

 

 

かがみ「私たちは結局、午後はいちごんしか撮れなかったわ」

 

 

こなた「私たちは一杯見つけたはずなのに0だよ……」

 

 

水原「私たちも0ですねぇ」

 

 

鈴木「ということはかがみたちがトップで俺たちは最下位か」

 

 

こなた「ま、まぁ運ゲーだし?1年2人に勝ちを譲ったって言うか?」

 

 

かがみ「こなた、言い訳が苦しいわよ?」

 

 

こなた「くっ……」

 

 

水原「おっ、そろそろイベントが始まりますね。」

 

 

 

―♪タラ~タララタッタタッ♪

 

 

白石「よい子のみんなー元気かーい!?」

 

 

 

こなた・水原・パティ「ハーイ!」

 

 

 

白石「OK!らっきー☆ちゃんねんinネズミーランド!ということで今日はここ、ネズミーランドでミニライブだ!メインはもちろんこの人!」

 

 

あきら「はーい!ピッチピチの14歳のスーパーアイドル、小神あきらでーす!」

 

 

白石「そしてアシスタントは白石みのるでーす!」

 

 

 

こなた「おぉ!本物の小神あきらじゃん!意外とネズミーランドも良いとこあるじゃん!」

 

 

鈴木「あのアシスタント、見覚えあるような……?」

 

 

かがみ「あー確かにこなたのクラスに似たような人はいるわね。」

 

 

鈴木「あ、そうか。そうだよな。こなたのクラスのはただのそっくりさんだよな」

 

 

かがみ「当たり前じゃない。まさか身近にいるわけないわよ」

 

 

鈴木「本人も何も言ってなかったし、まぁそっくりさんだな」

 

 

 

―♪~

 

 

白石「楽しかった夏の日の思い出、いつもの道もついつい色付いて見えてしまいます。では早速、歌っていただきましょう。小神あきらさんで『夢結びの雨』」

 

 

あきら「♪半時 急なお湿り~朝顔蔓ゆれた~」

 

 

 

こなた「しかも小神あきらの生ライブって~今、私の中のネズミーランドの株はうなぎ登りだよ!」

 

 

鈴木「演歌なのな……」

 

 

水原「確かにあきら様の生ライブはサービスええでんなぁ」

 

 

つかさ「ゆきちゃん知ってる?」

 

 

みゆき「いえ…私も存じておりませんね……ただ泉さんご贔屓のアイドルみたいですよ」

 

 

 

あきら「♪夢結びの雨よ~」

 

 

白石「あきら様、ありがとうございました~。さて、今日はあきら様のほかにも多数のゲストがいまして」

 

 

すなっしー「すなっしーなっしー!あ、じゃなかった……すなっしーっすなぁぁぁぁぁ!!」

 

 

いちごん「いちごんだべり~」

 

 

白石「あきら様は別の予定があるので、ここでお別れなんですね」

 

 

あきら「みんな、ありがと☆」

 

 

白石「ということであきら様に盛大な拍手を~」

 

 

 

こなた「なーんだ……あきら様は1番だけ歌ったら帰るのか……」

 

 

水原「我々も帰ります?彼らだけのトークショーって」

 

 

こなた「正直、嫌な予感しかしないしね。他の皆でまだショー見たい人いる?」

 

 

他「……。」

 

 

こなた「よし帰ろう!」

 

 

 

 

―駅への道

 

 

こなた「まぁネズミーランドもそれなりには楽しかったね~」

 

 

かがみ「そうね、それなりにはね」

 

 

パティ「ワタシはニッポンブンカのシンヅイがミレてマンゾクでしたヨ?」

 

 

かがみ「それ違うだろ……」

 

 

―ウ~ウ~ウ~ウ~

 

 

鈴木「ん?サイレンが聞こえるな……」

 

 

つかさ「何かあったのかな。」

 

 

水原「おやぁ、警察屋さんの車がたくさん来ましたね」

 

 

みゆき「そうですね。パトカーが数え切れないほどいますよ。」

 

 

かがみ「テレビドラマみたいな展開ね」

 

 

―キキッー

 

 

かがみ「ん?1台止まったわね」

 

 

ゆたか「あーお姉ちゃんだ」

 

 

―窓ウィーン

 

 

ゆい「やっほ~」

 

 

こなた「あー姉さんちわー。検問か何かですか?」

 

 

ゆい「いやぁ~何か大掛かりなガサ入れか何かで人手が足りないから交通課なのに駆り出されちゃって~。お姉さんびっくりだ!」

 

 

ゆたか「そうなんだ~頑張ってね!」

 

 

ゆい「ゆたかの分もお姉ちゃん頑張っちゃうよ!じゃーねー!」

 

 

―ブィィィィン!

 

 

鈴木「すごい暴走っぷりだったな……」

 

 

つかさ「にしてもあんなたくさんのパトカーどこに行くんだろ~」

 

 

かがみ「なんか私たちが来た場所に向かった気がするわね……」

 

 

鈴木「気のせい……だと信じよう……」

 

 

水原「そうそう、2人は連絡先教えてくださいね。例の件で相談したいことがあれば出来るように」

 

 

つかさ「はーい」

 

 

みゆき「分かりました」

 

 

かがみ(例の件……何かしら?)

 

 

こなた(ん?何か進展アリ?またメールで詰問するかな……)

 

 

鈴木(ってみずりん、今までつかささんのアドレス知らんかったのか!?)

 

 

 

 

―その日の晩のニュース

 

 

キャスター「ネズミーランドに県警の強制捜査が入りました。ネズミーランド内では賭博や詐欺、銃所持などの違法行為が常態化していた疑いが持たれています。賭博の現行犯で4人、銃刀法違反の現行犯で1人、さらに園内にいた職員や客なども任意同行されています。」

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!らっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです!今日は本編で出ちゃいました☆てへっ!あきらの活躍見てくれたかなー?」



あきら「アシスタントの白石みのるくんは今日は急用で欠席なのであきらひとりでこの番組をやってまーす!」



あきら「でも生歌で疲れちゃったし今日はここまでなのだー!ばいにー!!」


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[第48話]祝え!バースデー!

―ネズミーランドから帰った翌日

 

こなた「おっ……みずりんから電話じゃん。ちょうどイジりたい頃合いだったしラッキ~。」ピッ

 

水原(電話)「もしもし?」

 

こなた「やほー。つかさといい感じになったから報告ですかい?」

 

水原(電話)「ちげーよ。だいたい何を根拠にんな事を……」

 

こなた「だってつかさとアドレス交換してたじゃん」

 

水原(電話)「いろんなとこをよく見てるなぁ~。それなら話は早い。アレはある案件の協力を依頼したからなんですよ。」

 

こなた「ふーん。だからつかさだけでなくみゆきさんにまでアドレス聞いてたのか……。でも正直、つかさに協力頼んだのはみずりんの趣味でしょ?」

 

水原(電話)「ええ。」

 

こなた「……認めたなーオイ。で、その惚気を言うために電話してきたの?」

 

水原(電話)「違います。単刀直入に言いますとその案件にこなたんさんも協力していただきたいと。」

 

こなた「なるほどね~。で、ある案件って何?」

 

水原(電話)「それはー……あー。電話じゃ言えませんね……」

 

こなた「何それ。」

 

水原(電話)「今から、どこかでお会いできませんか?ご説明します。」

 

こなた「分かったよー。今、お父さんいないしうち来たら?」

 

水原(電話)「はいよー」

 

 

―ピンポーン

 

 

こなた「あ、誰か来たから一旦、電話切るね」

 

水原(電話)「はい、では、また~」プチッ

 

こなた「はて……誰が来たのかな~」

 

 

―ガチャ

 

 

水原「こんにちは」

 

こなた「うわっ……」

 

水原「何、その反応……。」

 

こなた「いや、早いし……というかスーツ?」

 

水原「あぁこれはまぁ……擬態ですよ」

 

こなた「擬態?まぁいいや。どぞー」

 

水原「お邪魔しまーす」

 

こなた「邪魔するんだったら帰ってー」

 

水原「はいよー……って何でやねん!」

 

こなた「……このくだり一回やってみたかったけど実際やるとそんなに面白くないね」

 

水原「辛辣ですな……」

 

 

 

―リビング

 

 

水原「かくがくしかじか石橋先生に誕生日を祝うよう強要された……というわけなんです」

 

こなた「なるほど。で私に踊れと?」

 

水原「はい、そうなんです。頼れるツテが意外に無くてねぇ……」

 

こなた「それは良いけど曲目とか決まってるの?」

 

水原「まったく。出来れば分かりやすいネタが良いんですがねぇ……」

 

こなた「分かりやすい……と言えば案が無くはないけど」

 

水原「ほぅ?お聞かせ願えますか?」

 

こなた「ハレ晴レ」

 

水原「あっ……そういえば石橋先生、関西の人らしいし知ってそう……」

 

こなた「ハルヒは聖地が関西だからねー。で、頼むってことは何人かで踊るつもりなのにメンツ足りてないでしょ?ハレ晴レなら踊れる人、私以外に最低1人は確保出来るし」

 

水原「へぇ~どなたですか?」

 

 

―ガチャ!

 

パティ「ヨばれたキがした!」

 

水原「あぁなるほど……おk」

 

こなた「これで最低の人数3人は揃えたしあと男女1人ずつくらい確保出来れば最高だね」

 

水原「分かりました。ではまた連絡します。メンバー決まったら後日、顔合わせを設定しますね」

 

こなた「りょーかいー」

 

水原「あ、あとあまりバラさないように。極力、秘密でお願いします」

 

こなた「まかせたまへー!」

 

 

 

―数日後・かがみたちの教室 授業中

 

 

石橋「で、基本的人権は結局、人間にしか認められないから奴隷は人権の…」

 

 

―キーンコーンカーンコーンスープ

 

 

 

石橋「お、じゃあ終わりー挨拶お願いしまーす。」

 

 

あやの「起立、礼ー」

 

全「ありがとうございましたー」

 

 

 

石橋「はい。あ、鈴木。ちょっと来いー」

 

鈴木「なんですか?」

 

石橋「俺な、今月の20日誕生日だから」

 

鈴木「はい?だから?まさかプレゼントを用意しろと?」

 

石橋「よう分かってるな。」

 

鈴木「普通に嫌なんですけど。え?先生何言ってるんですか?」

 

石橋「別にモノはいらんから。なんか面白いことして」

 

鈴木「いや、俺が言いたいのはそういうことじゃなくて。」

 

石橋「柊」

 

かがみ「はい?」

 

石橋「あの写真」

 

かがみ「あ~はい」ケータイの画像見せてる

 

鈴木「くっ……」

 

石橋「保護者と三者懇談の時までに桜庭先生にこの写真渡そうか?」

 

鈴木「それはやめてください……」

 

石橋「ということでよろしく。何やったら柊とか使って構わんから。」

 

かがみ「ちょっ先生!?」

 

石橋「じゃ20日楽しみにしてるから~」

 

 

―ガラッ

 

 

かがみ「ちょっと!?私まで巻き込まれちゃったじゃない!?どうしてくれるのよ!」

 

鈴木「と言われてもそれはー……ねぇ。」

 

かがみ「そうね。ごめんなさい。」

 

鈴木「珍しく素直に謝ったな……。とにかく何かするしか無いか……。別に無理強いはしないがちょっとくらい協力してくれないか?」

 

かがみ「分かったわよ。少しだけなら。」

 

鈴木「とりあえず放課後までに何か考えてみるよ。かがみもアイデア考えてくれ」

 

かがみ「分かったわ……」

 

 

 

 

―放課後・こなたたちの教室

 

 

水原「そういえばえらくくたびれてるけどどないしたん?」

 

白石「いやぁネズm……バイト先に警察の人が来まして……僕は無実だったんですが今朝まで釈放されなくて……」

 

水原「うわぁ……そりゃ大変だったねー。でもう一つ、大変なことをお願いしたいわけですが……」

 

白石「何でしょう?」

 

水原「そんなアレなことではありませんよ。実はかくがくしかじかなんです」

 

白石「え!?それって良いんですか!?」

 

水原「企画がまとまったらあとは黒を白にする能力者がいますので」

 

白石「お……おう……」

 

水原「ということでご参加いだだけませんか?」

 

白石「じゃあ……参加しようか?」

 

水原「今日、第一回顔合わせ&会議やるんで来てもらえませんかねぇ」

 

白石「分かった」

 

水原「では一応、秘密なので近所の施設に会議室借りてます。付いて来てください。」

 

白石「ちなみに他に参加する人は?どこかにいるのか?」

 

水原「既に役割分担の上で向かってます。片っ端から人材を集めてますので」

 

白石「……いつになく本気だな。」

 

水原「では行きましょう」

 

 

―ガラッ

 

 

―数分後

 

 

―ガラッ

 

 

かがみ「おーすっ……ってアレ?」

 

鈴木「いたか?」

 

かがみ「いないわ……こなたもみゆきもつかさまで……どこ行ったのかしら……」

 

鈴木「珍しいなぁ」

 

かがみ「感心してる場合じゃないでしょ……私たち何も思い付かなかったんだから助っ人がいないとマズいじゃない」

 

鈴木「まぁ……そうなんだよな……。」

 

―ヴーンヴーン

 

鈴木「ん?俺の携帯?…じゃない」

 

かがみ「あ、つかさから電話だわ。ちょっと待ってね。……ハイ、ハイ、うん分かった」

 

鈴木「どうかしたか?」

 

かがみ「何か用事があるから先に帰っててって……みゆきもいるっぽい」

 

鈴木「珍しい組み合わせだな。」

 

かがみ「残念ね……みゆきなら妙案用意してくれるかと思ったのに……」

 

鈴木「思ったんだがパイ投げとかどうだ?」

 

かがみ「テレビとかでよく見るケーキみたいなのを顔に投げつけるアレ?」

 

鈴木「そう、ソレ」

 

かがみ「……やめといた方がいいわよ、命が惜しいなら……」

 

鈴木「……だな……どうすっかなー……」

 

 

 

―貸会議室

 

 

水原「ということでお集まりいただきありがとうございますー。こちらが踊る側要員の白石みのるくんです。」

 

白石「よろしくお願いします」

 

水原「他のメンバーも紹介しますとそちらの小さい方が泉こなたさんで外国人がパトリシア・マーティンさんです。裏方さんはこちらの柊つかささんと高良みゆきさんです。」

 

白石「うわぁ……すごい集めましたね……」

 

水原「これが私の人望!」

 

こなた「単に面白そうだったから参加しただけだよ。でも、あと1人は欲しいねー」

 

水原「やっぱり5人欲しいですもんねぇ……うーん、一応、アテはあるんですけどね」

 

こなた「なんだー」

 

水原「近いうちに交渉してみます。で今後のスケジュールを今日はお話ししたいなと思いましてね。と言ってもまぁこれから空いてる日に振り合わせて20日にサプライズするだけですが」

 

みゆき「20日の何時頃を狙っているんですか?」

 

水原「朝一番です!石橋クラスのHRの時間をごっそり頂きます。」

 

みゆき「それってパトリシアさん以外は自分の教室にいないから遅刻になるのではないでしょうか?」

 

こなた「だからこそのみゆきさん!だよね?」

 

水原「ええ。高良さんにお願いしたいのは事情を黒井先生に報告とそれから放送室や放送の使用申請です。普段の素行から考えて一番通りやすいので。」

 

みゆき「それは……確かに申請が通れば使えますが先生を騙したりするんですか?」

 

水原「いえ、使用目的を『特別委員の超特級事項』としてください。それさえ使えば学校内では教頭クラスの権力が使えます。」

 

みゆき「え?そうなんですか?」

 

水原「はい。悪用しないでね。そして放送室から教室一つ以外の放送回路を遮断して石橋クラスのみ曲が流れる設定にしていただいて、教室側の連絡で放送室から曲を流してもらおうかと」

 

みゆき「なんとなく分かりました。私かつかささんのどちらかが放送室に連絡してどちらかが曲を再生するんですね。」

 

水原「そういうことです」

 

こなた「手が込んでるね~」

 

水原「せっかくやるなら寸前までバレないようにね。教室にカセットがあってネタバレなんてつまんないし」

 

こなた「……一体、何がみずりんをここまで突き動かすのやら」

 

水原「恩?かな?……石橋先生がいなければ私は柊つかさその人に出会うことがなかったから」ひそひそ

 

こなた「そういえばそうだっけー?まぁ所詮、脇役のみずりんに回想シーンは無いけどね」

 

水原「そうでっか。では今日はこれにてお開きです。また何かあったら呼びますのでよろしくお願いしますー」

 

 

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!はぁい今日も始まりましたらっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす」

あきら「ネズミーランド編が終わればいよいよ、お誕生日編ですね!」

白石「イベント盛りだくさん!楽しみですね!」

あきら「ネズミーラン、オリキャラ誕生日と全く原作にないイベントを消化すると次は修学旅行かな~?」

白石「そうですね!楽しいイベント盛りだくさん!」

あきら「まっそうはいっても主人公たち高3だし本当は受験生だからイベントより勉強なんだけどね」

白石「まぁまぁ一応このストーリーはラブコメ設定ですからね。勉強会イベントとか入れるのもありだけど、やっぱり楽しいお遊びの方が青春感があっていいですからね」

あきら「そうやってストーリーを踏み外さずに人生を踏み外しちゃう人もいるのかねー」

白石「まぁイベント時以外はちゃんと勉強していますからね。」

あきら「どうかしらねー。」

白石「まぁそれを言い出すとあきら様も中がk」

あきら「おっともうお時間が来てしまいましたー!ざーんねん!」

白石「え?」

あきら「今日はここまで!お相手は小神あきらと」

白石「あっ!白石みのるでした!」

あきら・白石「ばいにー!!」


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[第49話]計画が立たない!

―翌朝

 

鈴木「おはよう」

 

かがみ「おはよー。何か思い付いた?」

 

鈴木「それがまったく……かがみは?」

 

かがみ「奇遇ね……私もよ……」

 

みさお「おーすっ。」

 

あやの「おはよう、柊ちゃん、鈴木くん」

 

かがみ・鈴木「あ、おはよう」

 

みさお「なんか二人とも元気ねーじゃん。柊はまたダイエットに失敗したのかー?」

 

かがみ「違うわよ!」

 

あやの「でも悩んでるのは事実なんじゃない?もしよかったら話くらいなら聞けるよ?」

 

かがみ「実は」

 

鈴木「かくがくしかじかなんだ……」

 

みさお「それは大変だなー」

 

かがみ「本当に何も思い付かないのよね」

 

あやの「確かに何か面白いことって条件は難しいね。」

 

みさお「いっそ二人で夫婦漫才でもしたらー?」

 

鈴木「夫婦漫才か……」

 

かがみ「なんでそうなるわけ……」

 

みさお「なんとなく仲良さそうだしイケるって」

 

かがみ「仲が良かったら出来るって前提がおかしいわよ!」

 

みさお「ほら、柊のツッコミは天下一品だし大丈夫だってヴァ!」

 

鈴木「いやぁ……それでも漫才はキツいだろ……」

 

 

―キーンコーンカーンコーン

 

 

桜庭「よーし席に着けーホームルーム始めるぞー」

 

みさお「じゃあ柊、期待してるぜー」

 

かがみ「だからやらないわよ!」

 

 

―同日昼休み

 

 

かがみ「それでねー大変なのよ」

 

鈴木「ノーアイデアでなぁ……」

 

こなた「ふーん、確かにノーアイデアはキツいねぇ~」

 

つかさ「あ、でもわ」

 

みゆき「つかささん」

 

つかさ「あ、そうだった。何でもない~。お姉ちゃんたちも頑張ってね」

 

鈴木「そう言われたら頑張らなきゃいけないんだろな……」

 

かがみ「そうね……」

 

こなた(つかさは『お姉ちゃんたち"も"』って言っちゃったけど)

 

みゆき(私たちの活動は気付いてないみたいですね)

 

こなた(かがみも意外につかさに似て鈍感だからなぁ~)

 

鈴木「そう言えば今日はみずりんの姿を見ないな。」

 

こなた「あー、ちょっと訳あって席外してる~」

 

鈴木「ほー」

 

 

―同刻 体育館裏

 

??「ここで良かったんスか?」

 

水原「ええ……」

 

??「話したいことって何っスか?」

 

水原「驚かずに聞いてくださいね……」

 

??「ハイ……」

 

水原「付き合ってほしいんです」

 

??「その……急に言われても私、先輩のことあまり知らないし……」

 

水原「……何か勘違いしてません?」

 

??「え?」

 

水原「まぁ紛らわしく言ったんですけどね。実はかくがくしかじかなんです。で、この企画に付き合ってほしいんですよ田村さん」

 

ひより「ちょっ!なんでそんな紛らわしい言い方したんスか!?」

 

水原「だってその方がマンガのネタになるでしょ?」

 

ひより「えっ……先輩、私がマンガ書いてるの知ってるんスか?でも私、入学してからそのことは誰にも……!!まさか!」

 

水原「そう。入学前の面談の時の教職員が私。石橋先生がオーバーブッキングしてたから私が教職員の振りして面談してたのだよ」

 

ひより「そっそんな……ちなみに先輩、私のマンガは実際に読んだんっスか?」

 

水原「いや、残念ながら……次、何か出すなら買って読もうかなぁ」

 

ひより「そっ……それはご勘弁を!見られたら死んでしまうっス!協力はするんで絶対に見ないでほしいっス!」

 

水原「……分かりました。約束します。見ません。で協力していただけるんですね?」

 

ひより「は!つい協力するって言っちゃった……」

 

水原「無理で無ければお願いしますね。」

 

ひより「無理では無いっスけど」

 

パティ「ハロー、ミズリン。こんなトコにイタンですか?」

 

ひより「パ、パトリシアさん!?」

 

パティ「……ハハーン。さてはキノウのヨルはオタノシミでしたネ~?」

 

水原「違います!例の件で協力要請してたんだがや。田村さん、紹介しておきますと彼女も協力者のパトリシア・マーティンさん。」

 

パティ「Oh!ヨロシクネ、ヒヨリン♪」

 

水原「こんな感じに気さくでいい子だよ。オタクだけど」

 

ひより「えっ!?まさか日本のオタク文化を見に留学とかっスか?」

 

パティ「オタクはニッポンブンカのホコリデス!」

 

水原「この通り。」

 

パティ「ヒヨリンもナニもカモをマキコんだソウゾウでアソぼう!」

 

ひより「……分かったっス……私も参加するっス」

 

パティ・水原「よっし!」

 

水原「では後日、キチッと他の方にも紹介しますのでよろしくお願いします」

 

ひより「は、ハイっス!」

 

パティ「モリアガってマイリましたー!」

 

 

 

―放課後の教室

 

かがみ「ダメね……考えれば考えるほど泥沼化するわ……」

 

鈴木「何もねぇ……」

 

かがみ「何か特技くらい無いの?」

 

鈴木「そう言うかがみは?」

 

かがみ「……。そう言えば鈴木くん、ギター弾けるんじゃなかった?弾き語りとかは?」

 

鈴木「弾けるが……単純に教室だとうるさいぞ?」

 

かがみ「そうだったわね……他の誰かに聞こうにもこなたもつかさもみゆきも、あまつさえ水原くんまで捕まらないしね……」

 

鈴木「一体、何やってるんだろうな。」

 

かがみ「どうせアレよ。」

 

鈴木「ん?」

 

かがみ「だからこなたあたりの作戦でしょ?二人きりにして様子見ようっていう」

 

鈴木「あ~……確かにありそうだな。……それって嫌だとか思わないのか?」

 

かがみ「別に……そんな風に見える?」

 

鈴木「そうじゃないが……訳分からん男と二人にされるってどうかなーって思ってな。」

 

かがみ「確かに訳の分からない男子と二人は嫌よ。でも鈴木くんはそんなこと無いじゃない?」

 

鈴木「そ、そうか……」

 

―廊下

 

あやの「あの二人、いい感じね~」

 

みさお「なんかあやのと兄貴見てるみたいだぜー」

 

あやの「もぅ、みさちゃんったら……」

 

みさお「にしても……チビッコたちがいなくても、私らに相談はない……。やっぱり私ら背景ですぜ……」

 

あやの「それはみさちゃんが朝、あんな提案したから……」

 

みさお「名案だと思ったんだがなー」

 

あやの「うーん……ちょっと名案では無かったかな~」

 

石橋「お前ら、何をしてるんだ?」

 

あやの「あ、いえ。たまたま通りかかったら教室に誰かいたので」

 

石橋「ふーん……意外と真剣に考えてるんやなぁ」

 

あやの「でも先生が言いだしたのではありませんか?」

 

石橋「まぁな。でも普通しないっしょ」

 

みさお「そうっすねー普通はそんな要求しないっすねー」

 

石橋「これで何かしても面白くなかったら酷いことを言われるわけやし」

 

あやの「言うんですか?」

 

石橋「さぁ?正直に感想を言う……かなー」

 

みさお「それって理不尽じゃね?こうやって真剣に取り組んでるのを知ってるのになー」

 

あやの「みさちゃん、理不尽ってそんな言い方は……」

 

石橋「あぁ、理不尽。理不尽だよ。でも社会に出れば理不尽なことしか待ってない。社会は理不尽で出来てるからな」

 

水野「相変わらず先生は厳しいでんなぁ~」

 

みさお「ヴァ!?なんか教師が増えた!」

 

石橋「何?何か文句有る?教師やめる?」

 

水野「いや、それはちょっと……」

 

石橋「それに別に俺の言うことを聞かんかったら理不尽さも体験せんでいいわけだし。何もしなかったら『おもんないなー』の一言で終わりだけでもう二度と何も振らんだけ。」

 

みさお「その方が楽だなー」

 

石橋「そう。そうやって楽な方に楽な方に進んでいると面白くないヤツになる」

 

水野「面白くないヤツには誰も近寄らない。」

 

石橋「いくら勉強が出来ようがいくら見た目が良かろうがそんなヤツからは皆離れる」

 

あやの「先生も色々考えてるんですね」

 

水野「まぁ最終的には簡単。面白ければ良いってことさ」

 

みさお「お~国語の先生が適当にまとめた!」

 

水野「適当言うなや」

 

石橋「でもお前、適当やろ?」

 

水野「……はい」

 

かがみ「さっきから何話してるのかしら?」

 

鈴木「途中から聞いてましたが……」

 

水野「おっ……わ、私はレジュメ作らなきゃーじゃっ!」

 

かがみ「慌ててどっか行ったわね」

 

石橋「お前等が何聞いたか知らんけど、それを聞いてどうするかは自由だから。じゃあ20日期待してるからなー」

 

鈴木「……」

 

かがみ「行っちゃったわね……」

 

鈴木「逃れられそうにもないか……」

 

みさお「大変だなー頑張れよー」

 

あやの「柊ちゃん、鈴木くん頑張って」

 

鈴木「はーい……」




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!今日も始まりました!らっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす」

あきら「このコーナーも早いもので10回目!みなさんいかがですかー!?」

白石「イヤー早い気がしますね~」

あきら「作者の気まぐれだからいつこのコーナーが打ち切りになるかとひやひやもしましたがとりあえずは10回突破ですね!」

白石「今後はゲストも呼んだりしてさらに盛り上がればいいですね~」

あきら「ということで!本編の話題をしますと今回は田村ひよりさんの初登場回となりましたね!」

白石「そうですね~。まさか石橋先生の誕生日を祝いミッションに田村さんを巻き込むとは……水原氏なかなかやりますね」

あきら「まぁ恐喝というか脅した感じもありますけどね~」

白石「まぁそれは言わないのがお約束ですよ。あきら様もよくそういった」

あきら「アァん!?テメェなんつった!?」

白石「ほ、ほら!今!?」

あきら「!?……あきら子供だからわかんなーい☆」

白石「うわっベタにごまかした」

あきら「おっと!今日はここまで。それではみなさんまたお会いしましょう!ばいにー!」

白石「えぇ!?急過ぎませんかちょtt


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[第50話]地球が欲しい

―数日後・朝

 

鈴木「やっぱり何も思いつかないなぁ……」

 

かがみ「無難に面白そうなものでも買った方が良いじゃないかしら」

 

鈴木「だよなー……それで納得してもらえるかは別として」

 

かがみ「欲しいものを調べてプレゼントすれば喜んでくれるわよ、きっと」

 

鈴木「だよな。ちょっとサーチしてくるぜ」

 

―1年廊下

 

ゆたか「へぇ~じゃあ先生はもうすぐ誕生日なんですね!」

 

石橋「おぉ」

 

ゆたか「何か欲しいものとかありますか?普段お世話になってますし少しくらいなら……」

 

石橋「欲しいものなー。家かな」

 

ゆたか「え!?家はちょっと……」

 

石橋「じゃあ地球」

 

ゆたか「……分かりました!先生、楽しみにしててください!」

 

石橋「いや、いいで。気にしなくて。あ、先教室行っといて」

 

ゆたか「へ?はい」テクテク

 

石橋「……そこにおるんは分かっとるで」

 

鈴木(まさか俺、尾行がバレてる?)

 

石橋「20日期待してるからなー」テクテク

 

鈴木(いや、先生がただ中二病なだけか……よく考えたら20日に先生に会わなきゃ良いんじゃないか?)

 

―再びかがみたちの教室

 

かがみ「どうだった?」

 

鈴木「そりゃ聞けたには聞けたが……」

 

かがみ「どうだったのよ」

 

鈴木「家か地球……だそうだ」

 

かがみ「絶対、適当ね。」

 

鈴木「ゆたかちゃん『分かりました!』って言ってたぞ……」

 

かがみ「ゆたかちゃん大丈夫なのかしら……こなたと違ってしっかり者だけど意外と抜けてるし……」

 

鈴木「家もアレだが地球って……」

 

かがみ「まったくいい歳して地球が欲しいなんて」

 

こなた「まるでかがみみたいだねー」

 

かがみ「うぉっ!どういう意味だ!?というかいつからいたのよ!」

 

こなた「んー?いつからってついさっきだよ~。どういう意味ってかがみの将来の夢に総理だいじ……」

 

かがみ「言うなー!」

 

鈴木「へぇ~将来の夢は総理大臣か~」ニヤニヤ

 

かがみ「それは大昔の話よ!誰だってそんな時期はあるじゃない!そんなことよりこなたは何の用なのよ!?」

 

こなた「黒歴史を必死で隠すかがみ萌えー。で、本題なんだけど英語の教科書貸してー」

 

かがみ「珍しいわね……置き勉してるんじゃなかったの?」

 

こなた「いやぁー置き勉してるつもりでずっと教科書家に置きっぱなしだったー」

 

かがみ「え!?まだテスト無いからまさか3年始まってずっと無かったの!?」

 

こなた「いや、GWに宿題のために持って帰ったから」

 

かがみ「あのなぁ……それでセーフだと思ったか?約2週間教科書無しはおかしいから。もうちょっと受験生として自覚持てよ……」

 

こなた「はーい。教科書ありがとねー。ばいにー」

 

鈴木「なんだかんだ言ってもかがみはこなたに甘いよなー」

 

かがみ「なっ!?別にこなたに特別甘いわけじゃないわよ!勘違いしないでよねっ!」

 

鈴木「ふーん。あ、そうだ。5月20日は石橋先生に会わないようにしてうやむやにしようかなー。政治の授業は無かったはずだし」

 

かがみ「ダメよ!せっかくの期待に応えてあげなさい!」

 

鈴木「ほらな?俺には甘くないだろ?」(……逃げるわけにはいかないな。)

 

かがみ「たっ、たまたまよ!」(鈴木くんが頑張ってるのをみたいだけなんて言えない)

 

―キーンコーンカーンコーン

 

鈴木「おっとチャイムかアイデア出ず……」

 

かがみ「今日も何も思いつかないまま学校が始まったわね……」

 

鈴木「だな……」

 

桜庭「よーし、席に着けーホームルーム始めるぞー」

 

かがみ「じゃまた後でね」

 

鈴木「おうさ」

 

桜庭「まずは連絡だ。20日の5時間目が政治に変更だ。忘れ物をしないように気をつけろー」

 

鈴木(どのみち逃げれない……のか。まさかとは思うが俺の考えが読まれたか?)

 

 

 

―5月19日・貸会議室

 

 

水原「お疲れ様でしたー!」

 

こなた「いやぁーみずりんが言い出しっぺのクセにダンスのフリ覚えるのに時間かかりすぎて骨折れたよー」

 

水原「フヒヒwwwwwサーセンwwwwww」

 

パティ「Oh!ミズリンがニッポンのイッパンテキなシャザイをシてます!」

 

ひより「パティそれ違うから……」

 

水原「まぁ副担任としてここ2人が仲良くなってくれただけでも儲けものかな」

 

パティ「ルイトモですケドね」

 

ひより「あははは……」

 

こなた「密かにクラス運営の効率化というプレゼントもした!とか言うつもり?」

 

水原「密かにクラs……ってちょっと待って……セリフ取らないでよ……」

 

こなた「ごめんごめん。マジで言うとは思わなくて。意外と考えてるんだね」

 

水原「意外とって……どんなイメージなんだか……」

 

こなた「ノリと雰囲気で行動しそうな……」

 

水原「まぁあながち間違いじゃないですけども……とりあえず明日、本番です。朝、石橋先生の度肝抜かしてやりましょう!」

 

こなた「水を差すようで悪いけどセバスチャンは?」

 

水原「明日は来ます。彼は努力家ですからきっとフリは完璧でしょう。では明日!」

 

他全「お~!」

 

水原「今日は早く寝ろよ!」

 

 

 

―放送室

 

 

みゆき「これで大丈夫でしょうか」

 

つかさ「私、試しに聞きに行ってみようか?」

 

みゆき「あ、ではお願いします。」

 

つかさ「ちょっと行ってくるねー」

 

 

―ガチャ

 

 

みゆき(どうしてこんなことをしてるんでしたっけ……。あ、石橋先生へのプレゼントでしたね。何故、それにここまでの情熱を注ぐのかは理解しかねますが……。)

 

―ヴーンヴーンヴーン

 

みゆき「あ、電話ですね。……はい」

 

つかさ(電話)「教室着いたよ~」

 

みゆき「あ、分かりました。では音楽を流しますね。」

 

 

―♪~

 

つかさ(電話)「ちょっとだけ音量下げて~」

 

 

みゆき「これくらいですか?」

 

 

つかさ(電話)「うん。いい感じかな。じゃあ放送室戻るね~」

 

みゆき「あ、はい。では切りますね。」

 

みゆき(何故、ここまで手の込んだことをするのでしょうか……。)

 

 

―バス停

 

かがみ「最近、こなたもつかさもみゆきも用事が多いわね……どうしたのかしら……」

 

鈴木「彼氏でも出来たのかもしれないなー」

 

かがみ「え゛!?そうなの!?」

 

鈴木「いや、適当だがマジなのか?」

 

かがみ「本当に知らないわよ!?へーそうなのかー」

 

鈴木「いや、待て。俺は適当に言っただけでそこまで真に受けられても困るんだが……」

 

かがみ「そ、そうよね!?そんなモテてるとかいう話聞かないもんね!」

 

鈴木「まぁそういう話を聞かないのは不思議ではあるがなー」

 

かがみ「そういえばそうね。みゆきなんか絶対、モテると思うんだけどなー。こなたは『みゆきさんはマニア向けだからなー』とか言ってたけど」

 

鈴木「こなたの発言の意味がさっぱり分からんが、まぁそこはかとなく漂う高貴なオーラで近寄り難い可能性もあるかもしれん。」

 

かがみ「だらしないわねー。誰かみゆきを口説き落とそうって根性ある男子はいないのかしら。まぁみゆきも鈍感なところがあるから告白を告白と気付かないのかな」

 

鈴木「どうなんだろなー。」

 

かがみ「噂を聞かないと言えばつかさも聞かないわねー。まぁあの子はちょっと地味で目立たないからかもしれないけど」

 

鈴木「あぁ……」(知らないのか……言うべきかな)

 

かがみ「まぁ変な男に騙されても恐いしそっちの方が今は良いかもしれないわね」

 

鈴木(みずりんが死ぬといかん。言わないでおこう。)「……うーん……そうかもな」

 

かがみ「ところで、明日は結局どうするのよ?」

 

鈴木「ん?あ!……俺は根性あるからノープランで行くぜ!」

 

かがみ「それは根性というより無謀なんじゃ……」

 

鈴木「あははは……」

 

かがみ「まぁいいわ。何かあったら手伝ってあげるから頑張りなさい。」

 

鈴木「え?いやぁー」

 

かがみ「根性あるんじゃないの?返事は?」

 

鈴木「はい……」

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「らっきー☆ちゃんねる!今日も始まりました!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるです!」

あきら「いよいよ誕生日編も終盤が近づいてきました!」

白石「作中内で明日といわれているので次回が誕生日当日ですかね」

あきら「一つのイベントが終わるたびに微妙にこうね~こういう感じがなんとも!」

白石「そうですね~最近ある2人だけのシーンが増えてきましたもんねぇ!」

あきら「さてどうなるのか!楽しみです!」

白石「僕は次回、本編で踊るんでしょうね~」

あきら「そういえばそうですね!じゃあ白石さんは来週はいない?」

白石「え!?」

あきら「本編に出るってことはこっちには出られないんじゃ…」

白石「それは調整次第でどうにでも……」

あきら「でもさー視聴者もそろそろアシスタントの白石君に飽きてるころだと思うんですよね~」

白石「なにをおっしゃいますやら!」

あきら「次回!白石君はこのスタジオにいるのか!?こうお楽しみに!」

白石「えぇ!??いや本編での僕のダンスを楽しみに!このコーナーもお楽しみに!!!」

あきら・白石「ばいにー!!!」





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[第51話]踊れ!歌え!HappyBirthday

―5月20日・1年教室

 

水原「皆さんおはよーございまーす。申し訳ないんですけどちょっとうるさくします。気になる方は耳栓か何かしといてくださーいな」

 

―キーンコーンカーンコーン

 

水原「おっと、予鈴ですね。そろそろかな……。前においで~」

 

ひより「は……はいッス」

 

パティ「いよいよDEATHネ!」

 

こなた「前に呼び出すなら私たち、1年の席に隠れる意味あったかな?」

 

白石「それは言わないお約束ですよ」

 

―ガラッ

 

石橋「おはよーっす。ん?」

 

水原「あ、先生。おはようございます。先生に誕生日プレゼントがありまして……。」

 

石橋「ん?」

 

水原「踊ってみます!ということで先生は後ろに行ってください」

 

石橋「……お、おぅ」

 

つかさ(今だよね?)

 

水原(はい、今です)

 

つかさ(ゆきちゃんにワン切りっと……)

 

―♪チャッチャラッチャ~チャラッチャ~

 

石橋(この曲ってハルヒの……)

 

ゆたか(え!?お姉ちゃんも踊るの!?)

 

みなみ(ユニーク)

 

―♪ナゾナゾみたいに

 

―中略―

 

―♪チャッチャラチャチャラチャチャチャン

 

(パチパチ……パチパチ)

 

こなた(さすがにバイト先と違って拍手もまばらか……)

 

石橋「……ふぅーん。ずっとコレやろうと考えてたんか?」

 

水原「え?えぇ」

 

石橋「あのな水原、お前だけワンテンポズレてた。お前1人でもう一度」

 

水原「ファ!?」

 

こなた(それは!?)

 

パティ(イクラなんでも)

 

ひより(鬼畜すぎるッス)

 

白石(良かった。僕は大丈夫だったんだ)

 

石橋「ウソウソ。よくやった。お疲れさん。早よ自分の教室戻り」

 

水原「は、はいです!では戻ります!それと先生」

 

石橋「なんや?」

 

水原・こなた・パティ・ひより・白石「誕生日おめでとうございます」

 

石橋「分かったから早よ戻れって」

 

水原「はい、では失礼します」

 

―ガラッ

 

石橋「まったく何やってるんだか……」

 

ゆたか(そうは言いつつも先生嬉しそうだな。あ!そうだ忘れるとこだった)「先生~」

 

石橋「どうした?」

 

ゆたか「はい、誕生日プレゼントです。」

 

石橋「お、サンキュー。ちなみに何?」

 

ゆたか「ネクタイです!地球の模様が入ってます!誕生日おめでとうございます」

 

石橋「お、おぅ。ありがとう」(目が純粋過ぎてツッコめねぇ!)

 

 

 

―5月20日 昼休み

 

 

鈴木「結局、何の案も無くこの時を迎えてしまった……」

 

かがみ「大丈夫?顔色悪いわよ?気分でも悪いの?保健室行く?」

 

鈴木「保健室?はっ!」(保健室に逃げるか!)

 

かがみ「どうしたのよ?あ、顔色悪いのってもしかして次の時間?」

 

鈴木「よく分かったな……」

 

かがみ「やっぱり、いっそ保健室にこもったら?」

 

鈴木(そうだな、そうするよ)「そんなカッコ悪いこと出来ねぇよ」

 

かがみ「!?」

 

鈴木「!?」(俺今、思ったことと言おうとしたことが逆転した!?)

 

かがみ「そ、そう?じゃあ無理しないでね。応援してるから」

 

鈴木「あ、あぁサンキュー。」(引くに引けなくなっちまった!)

 

―キーンコーンカーンコーン

 

 

鈴木「ついに来てしまった……この時が!」

 

かがみ(思いっ切り心の声が聞こえてるし。本当に大丈夫なのかしら……)

 

 

―ガラッ

 

石橋「うっす。」

 

鈴木(まぁ授業は来るよな。)

 

石橋「じゃあ今日は自習~」

 

鈴木(なっ!?)

 

かがみ(なんだって!?)

 

石橋「この時間、いつでも良いから楽しみにしてるで」

 

鈴木(まさか、俺を狙い撃ち!?)

 

石橋「さ、仕事仕事っと……」

 

鈴木(何っ!職員室には戻らずノートパソコン広げて後ろの空き席で仕事!?)

 

かがみ(どう考えてもこれって鈴木くんが逃げれないようにするためだけの)

 

鈴木(時間割変更かよ……滅茶苦茶じゃねーか……理不尽ってレベルを越えてやがる)

 

石橋(まぁ何もしないなら何もしないでええけどな。この無茶ぶりに応えた奴なんて……あ、一人だけおったか……)

 

 

―10分後

 

 

鈴木(くっ……ダメだ。考えても泥沼化しかしねぇ……)

 

―30分後

 

石橋「いつ歌って踊ってくれるんかなー」

 

鈴木(さっきからちょいちょいプレッシャーかけてきやがるなぁ……)

 

 

―45分後

 

 

鈴木(さぁ……どうする。歌って踊る?いや踊るのは無理だろ普通……いや、求められてる条件が既に普通じゃないしなぁ……)

 

―キーンコーンスープコーン

 

 

鈴木(くっ……何も出来ないまま終わったか!?)

 

石橋(やっぱりその程度か)「ん、じゃあ挨拶」

 

かがみ「起立」

 

鈴木(こうなりゃ自爆覚悟でやるっきゃねぇ!かがみ、ちょっと待ってくれ!)

 

かがみ(!?鈴木くんから何か言われたような……)

 

石橋「ん?」

 

鈴木「♪ハッピーバースデートゥーユー♪バースデートゥーユー♪」

 

かがみ「ちょっ」

 

石橋「おい、分かった!もういいから」

 

鈴木(やめねぇよ。この微妙なプレッシャーを仕返ししてやる)「♪ハッピーバースデーディア石橋センセー♪ハッピーバースデートゥーユー♪」

 

かがみ(何だったの今の……って歌か)

 

石橋「分かった分かった!はい、ありがとう。」

 

鈴木「ふぅ。歌いきってやったぜ……」

 

石橋「はい、授業終わったから各自休憩な」

 

鈴木「少しは先生を驚かせれたかな」

 

かがみ「だいぶ痛々しかったけどね。」

 

鈴木「ぬっ……」

 

かがみ「だっていきなり歌い出すんだもん。すごかったわ……。私も一緒に歌ってあげた方が良かったかしら?」

 

鈴木「の方が助かったかな……いろんな意味で」

 

かがみ「あ……そう……ごめんね?」

 

鈴木「いやいや大丈夫だからそんな真に受けないでくれ……なんか疲れた……」

 

石橋「まぁ俺が驚いたんは過去にまったく同じ事したヤツがいたからやねんけどな」

 

かがみ・鈴木「え!?」

 

石橋「2年前やったかな。そいつはプレッシャーかけ続けてたら勝手に歌い出した。まぁさっきみたいに他のヤツはシーンとしててかわいそうやったから俺は止めようとしたんやけど1人だけ純粋に俺の誕生日であることを知って一緒に歌い出したヤツがおったんや」

 

 

 

 

 

水原「そこからかなー気になりだしたのは……」

 

こなた「なるほどねー。」

 

水原「だからある意味では石橋先生に感謝してるしある意味では恨んでる。まぁ逆恨みなんだけどねー」

 

こなた「逆恨み?」

 

水原「だって、その出会いが無ければ私は苦しむことも悩むこともなかった」

 

こなた「本当に逆恨みじゃんw」

 

水原「でもまぁ逆恨みが1なら感謝は100でも済まないくらいかなー。見てるだけで癒やしになるし話せるだけで頭がお花畑だからね」

 

こなた「ふーん……」

 

水原「あ、たまには暴露してやってるのに興味ねぇな!」

 

こなた「ありゃバレたかー」

 

水原「否定しろよ……」

 

 

 

 

 

 

石橋「結局、まぁその時はその2人に歌われて誕生日を祝われたわけやな」

 

かがみ「その、後から歌い出した人ってかなり天然なのかしらね」

 

鈴木(俺はそれが誰か心当たりがある……)

 

石橋「まぁお前等も同じ穴のムジナちゃうか。」

 

鈴木(同じ穴のムジナか……当たってるかもしれんな……)

 

石橋「じゃっ、俺は次も授業あるから。」

 

 

 

鈴木(なんとなく釈然としない気もするがな。)

 

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「らっきー☆ちゃんねる!おはらっきー!始まりましたらっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです!」

石橋「アシスタントの石橋です。」

あきら「今日の本編は石橋先生のお誕生日回ってことで……ってアレ!?」

石橋「なんや?」

あきら「あれ!?!?アシスタントが…え?」

石橋「ん?」

あきら「白石さんじゃない…」

石橋「まぁそんな日もあるやろ。で、今日は5月20日なわけやけどなんか言うことないんか?」

あきら「え!?あーえっとおめでとうございます?」

石橋「だけ?」

あきら「いやいや先生いきなり出てきておかしいですって!しかも初対面じゃないですか!」

石橋「ほーん・・・で?」

あきら「いやいや・・・・・・・チッ やりづれーたらねぇよ ったく…」

石橋「なんか言ったか?」

あきら「何でもないですよ^^ あっと今日はもうこんな時間!番組は終了のz」

石橋「まだまだあと19600字分くらいは尺あんで?」

あきら「先生は黙っててください!」

石橋「ふーん。そういうこと言うんや。初対面の大人に対して」

あきら「だっ!めんどくさい!!」

石橋「めんどくさいってww これでスーパーアイドル小神あきらのブランドが落ちるかもしれへんで」

あきら「落ちません!!!」

石橋「いやいやww」

あきら「だからあきらのブランドは落ちませんから!ばいにー!!!」

石橋「はいはい。ばいにー」


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[第52話]修学旅行って修学っていうけど勉強しないよね

―教室

 

 

桜庭「いよいよ修学旅行だが……まぁ適当にやってくれ。京都で行きたいところは調べとけよー。困っても知らないからなー」

 

 

鈴木(相変わらず適当だな……)

 

 

桜庭「ちなみに全員で行くような場所は定番の場所だからつまらないぞー」

 

 

鈴木(それを教師が言うか!?)

 

 

 

 

―修学旅行1日目・京都駅

 

 

桜庭「ここからはバスだ。ついて来いー」

 

 

みさお「京都駅ってなんかすげぇなー。ロボットの秘密基地みたいだぜー」

 

 

鈴木「その例えはよく分からんな……」

 

 

かがみ「でも確かに古都の玄関にしてはやけに近代的よねー」

 

 

鈴木「なんか前にテレビで景観がどうのって言ってたが大丈夫なのか?」

 

 

かがみ「うーん……カラフルじゃないし大丈夫なのかしら……」

 

 

―奈良

 

 

かがみ「こっちよー」

 

 

こなた「やふ~お待たせー」

 

 

鈴木「久々にこのメンツで集まった気がするな」

 

 

水原「まぁ暗躍したりしてましたからねぇ」

 

 

かがみ「暗躍?」

 

 

つかさ「そだよーい」

 

 

みゆき「特に何もありませんよ。気にしないでください。それより大仏などを観に行きませんか?」

 

 

かがみ「そうね。のんびりしてると時間がもったいないわ。」

 

 

―大仏

 

 

こなた「あっちのデッカいのが本体で周りのちっこいのはオプションだね!」

 

 

かがみ「アンタ絶対、罰当たるわよ……」

 

 

水原「そうそう。オプションの方が大切なことも多いんだし」

 

 

鈴木「その言い方も罰当たりだろ……」

 

 

―奈良公園

 

 

つかさ「わー鹿さんだー」

 

 

鹿A「……」

 

 

鹿B「……」

 

 

つかさ「はい、鹿煎餅ー」

 

 

鹿A「」モシャモシャ

 

 

鹿B「」モシャモシャ

 

 

水原「……。」

 

 

こなた「どったのー?鹿にジェラシー?」

 

 

水原「いえいえ。普通に鹿が苦手なんですよ」

 

 

こなた「へー?そうなの?」

 

 

水原「えぇ。どうしてもあの味が嫌いなんですよ。」

 

 

こなた「ふーん。って、え!?食べる方!?」

 

 

水原「やだなぁ冗談ですよ。ただ鹿は苦手なんですよねぇ」

 

 

鹿C「」ドカッ

 

鹿D「」ドカッ

 

鹿E「」ドカッ

 

 

つかさ「わわわちょっと~」

 

 

鹿F「○△×◇~!」

 

 

つかさ「わ~ひゃぁぁぁぁ」

 

 

こなた「うわぁ~」

 

 

水原「ほらね。だから鹿は苦手なんだよ。仕方ないなぁ……消えろ鹿共!!ぬっ」

※奈良公園の鹿は天然記念物です。よい子も悪い子も真似しないでください。

 

 

鹿G「」ドスッ

 

鹿H「」ボコッ

 

鹿I「」ドカッ

 

鹿J「」グサッ

 

鹿K「」ズキューン

 

 

鈴木(見るに堪えない……)「俺、トイレ行ってくるよ」

 

 

こなた「はいよー」

 

 

水原「」←既に意識無い

 

 

こなた「本当に罰当たったね……」

 

 

―数分後

 

 

つかさ「ふぇぇぇベトベトするよ~臭いよ~臭くなっちゃったよ~」

 

 

かがみ「ただいま~ってどうしたのよこれ!?」

 

 

みゆき「鹿さんがつかささんの鹿煎餅を……」

 

 

かがみ「あーなるほどね……大丈夫?」

 

 

つかさ「うぅぅ……」

 

 

鈴木「とりあえずリヤカー借りてきたぜ。おい起きろ……ダメか。よいしょっと」

 

 

 

水原「」←意識不明

 

 

かがみ「大変そうね……」

 

 

鈴木「まぁなーだが俺に出来ることはこれくらいだしな」

 

 

こなた「というか生きてるよね?」

 

 

みゆき「多分、大丈夫かと……」

 

 

 

 

―ホテルの部屋

 

 

こなた「いやぁ~修学旅行イベントは外せないね!」

 

 

かがみ「誰に言ってるんだか……」

 

 

こなた「本人いないから聞いちゃうけど鈴木くんと何かフラグ立ったりした~?」

 

 

かがみ「なっ何言ってるのよいきなり!?」

 

 

こなた「転校してきた日の運命的な出会いからもう1年以上経つんだし何かあっても良いでしょー?」

 

 

かがみ「だからなんでそうなるんだ!?」

 

 

こなた「でもさー実際、意識してるでしょ?」

 

 

かがみ「してないわよ!ただちょーっとたまーーーーにカッコいいかなーーーって思うだけで」

 

 

こなた「十分、意識してんじゃん」

 

 

かがみ「はぁ!?」

 

 

こなた「だって相手のいいところって意識してなきゃ分からないでしょ。」

 

 

かがみ「知ったようなこと言うわね」

 

 

こなた「いやぁちょっと前にそんな話聞いたしね。例えばかがみん、みずりんをカッコいいと感じたことある?」

 

 

かがみ「無いわね。」

 

 

こなた「でしょー。私もないけど。でもそれは当人にカッコいいところが無いんじゃなくてみずりんを意識してないから見つけれないんだよ。」

 

 

かがみ「くっ……なんか妙に説得力あるわね」

 

 

こなた「だから鈴木くんをカッコいいと感じることがあれば意識してるのだよーかがみん♪」

 

 

かがみ「はいはい分かったから。もう私、自分の部屋に帰るわ。明日も早いんだから早く寝なさいね!」

 

 

つかさ「お姉ちゃんおやすみ~」

 

 

みゆき「おやすみなさい」

 

 

かがみ「はい、おやすみー」

 

 

―ガチャ

 

 

こなた「居づらくなって逃げたかー」

 

 

 

つかさ「お姉ちゃん顔赤かったような……」

 

 

 

こなた(なんだあともう一押しって感じじゃん。面白くなってきたけどここからが長そうだね~)

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!らっきー☆ちゃんねるナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす。よろしくお願いしまーす。」

あきら「いよいよ修学旅行編ですね!」

白石「そうですね~」

あきら「ま、奈良と京都じゃド定番だしなんでこうもそろってありきたりなとこにいくもんかね」

白石「たしかに関西圏の学生でも遠足とかで奈良とか京都行きますもんねぇ」

あきら「まぁサブタイには『修学旅行って修学っていうけど勉強しないよね』って書いてるけど史跡名所を巡ったりってのは一応、勉強なのかね」

白石「なるほど。そういう考えもできますね。」

あきら「でこの修学旅行って次回はどこ行くのよ」

白石「えーと・・・北野天満宮と金閣寺から清水寺とかですね」

あきら「また定番……ま、仕方ねぇか。作者の脳みそとかの都合もあるだろうし」

白石「そこを言い出されると何とも言えませんね。」

あきら「おっと今日はここまで!」

白石「いやー時間が過ぎるのは早いですね。また次回お会いしましょう!」

あきら・白石「ばいにー!」


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[第53話]学問の神様

―修学旅行2日目・観光バス車内

 

黒井「まずは北野天満宮と金閣寺やー。2つまとめて時間取ってるさかい好きな方に長居してくれてもええで~」

 

こなた「へー結構、近いんだね~」

 

黒井「まぁ歩いてでも行けへん距離ちゃうけど市バス使いや~バス代はバス停に誰か先生立ってるからそこでもらって~。」

 

こなた「なんか急に嫌な予感……。」

 

―観光バス下車

 

こなた「かがみたちのクラスも金閣寺まで市バス?」

 

かがみ「そうなのよ。なんか北野天満宮で観光バス止める場所が用意出来なかったらしいわ……」

 

みゆき「だから観光バスだけ先に金閣寺に行くんですね。」

 

鈴木「昨今のインバウンドとかで観光客の急増による駐車場不足問題だな…」

 

こなた「そもそも北野天満宮って何ー?神社だったらかがみとつかさんちがあるじゃん」

 

みゆき「北野天満宮は学問の神様をお祀りしていて受験生には有名な神様だからではないでしょうか……。」

 

こなた「なるほど~。」

 

かがみ「の割に受験生の自覚無い奴が多い気はするけどね。ね?」

 

鈴木「ぬっ……俺は大丈夫だー。大丈夫だぞー。」

 

かがみ「視線の焦点が合ってないわよ……」

 

つかさ「ん?……あれって?」

 

律「おっ!いつぞやの」

 

唯「お~い、つかさちゃーん」

 

つかさ「唯ちゃんおひさ~」

 

鈴木「お久しぶり。」

 

紬「お久しぶりです。その節はお世話になりました」

 

鈴木「いやいや別に構わんよ」

 

唯「どうしたの~?って制服だし修学旅行かな?」

 

つかさ「そだよ~もしかして唯ちゃんたちも?」

 

唯「うん~」

 

律「世間って狭いんだなー……」

 

こなた「そだねー。って私たちはよく知らないけどねー」

 

つかさ「あ、紹介するね。私のお姉ちゃんと」

 

律「お姉さん?」

 

かがみ「私たち双子なの。柊かがみです。妹のつかさがお世話になってるみたいで」

 

律「いえいえお世話してま」

 

澪「律!すいません…こちらこそ文化祭はお世話になりました」

 

つかさ「で、こっちが泉こなたちゃんと高良みゆきちゃんだよ~」

 

みゆき「はじめまして高良です」

 

こなた「よろしく~」

 

唯「こっちも紹介するね。んとねー。ベース担当の秋山澪ちゃん。澪ちゃんはちょっと恥ずかしがり屋さんなんだよ~」

 

澪「ど、どうも……」

 

唯「でキーボード担当の琴吹紬ちゃん。通称ムギちゃん」

 

紬「こんにちは~」

 

唯「でドラム担当の田井中律ちゃん。」

 

律「よろしくな」

 

唯「せっかくだし一緒に北野天満宮お参りしていこ~よ~」

 

つかさ「あ、いいかも~みんなどう?」

 

こなた「賛成~」

 

鈴木「異論無し」

 

かがみ「……。」

 

律「じゃ決まりだなー。行くぞー。おっ、牛?なんだこりゃ?」

 

みゆき「牛は天満宮では神使とされていて、なでると頭が良くなると言われてるそうですよ。」

 

こなた・唯・律「!!」

 

唯「おーよしよしよしよしよし」

 

律「いいベコだ~立派なベコだ~」

 

こなた「ホレホレ~脂身も残さず食べてやるよ~」

 

かがみ「……絶対、罰当たるわね」

 

さわ子「こらあなたたち!まったく見知らぬ中学生まで拉致して何してるの!?」

 

かがみ「ほら」

 

鈴木「しれっとこなたは中学生扱いか。そういえば誰かいないような……」

 

かがみ「気のせいじゃない?」

 

鈴木「気のせい……だよな」

 

―少しして

 

唯「あ、絵馬!絵馬だよ!!書いて行こーよ!」

 

つかさ「あ、うん!皆も書いていこうよ?」

 

みゆき「はい!」

 

鈴木「だなー」

 

かがみ「そうね、せっかくだし良いかもね」

 

こなた「かがみんも書いてていいの?」

 

かがみ「いいのよ、うちは八百万の神様をお祭りしてるから」

 

こなた「ふーん」(そうじゃなくて他人に見られて困るって意味で聞いたんだけどなぁ~いつの間にかかがみも腕を上げたのか?それともただ天然なのか?……せっかくだし絵馬に書いてる内容を覗いてみるかな~)

 

律「武道館進出」

唯「生涯満腹」

澪「志望校合格」

紬「志望校に受かりますように」

 

こなた(なるほど~さすがつかさの友達だね~。半分まともで半分面白いなぁ~。こっちは……)

 

みゆき「医学部進学できますように」

つかさ「お料理がもっと上手になりますように」

かがみ「志望校合格」

鈴木「健康第一」

 

こなた(う~ん、みゆきさんとつかさは通常通り、かがみはカモフラージュ、鈴木くんは……まぁ考えてるようで何も考えてなく無難で当たり障り無いことを書く日本人らしいスタイルか~)

 

かがみ「何見てるの~?」

 

こなた「他人の絵馬だよ~。いやぁ~色々お願いしたいことを隠して普通の願い事でカモフラージュなんてやっぱりかがみはかわゆすなぁ~」

 

かがみ「ほぅ……」ゴゴゴゴゴゴゴ

 

こなた「って……あれ?かがみ様いつの間に……?」

 

かがみ「覚悟は良いかしら?」

 

こなた「お、お助けを!!!!」

 

紬「なんかりっちゃんと澪ちゃんを見てるみたいね~スキンシップいいなぁ~」

 

律(たまにムギが分からない……)

 

―数十分後

 

つかさ「じゃあ私たちは金閣寺行くから~またね~」

 

唯「うん!また~」

 

律「金閣寺は本当に金ピカだったぜ!」

 

鈴木「ほ~楽しみだな」

 

つかさ「じゃあね~」

 

こなた「ばいにー」

 

唯「またね~」

 

 

鈴木「さて、金閣寺までは市バス移動か……つってもどうやって行くんだろうかな」

 

かがみ「とりあえずバス停に行きましょ。先生がいるだろうし」

 

こなた「そだね~じゃっいこうか~」

 

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「らっきー☆ちゃんねる!おはらっきー!!ナビゲーターはみんなのスーパーアイドル!小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるです。よろしくお願いします。」

あきら「今回はひさびさのけいおん!回でしたね!」

白石「そうですね~。まぁけいおん!組も普通に修学旅行ですからね。音楽要素はないですけども」

あきら「ま、その辺はもとからそんなだし」

白石「それが良いふんわりした世界観なんですけどね」

あきら「さて、今回は北野天満宮に行き次回は金閣寺なんですよね!白石さん!」

白石「そうですよ!もう、楽しみで楽しみで~」

あきら「そういえば白石さんを最近本編で見かけないような…」

白石「僕はほら、あれですよ。先生にありがたーいレポート書かされたりして泉さんたちグループとは別の行動をしてるんですよ」

あきら「ははーん。ハブられちゃったんですね☆」

白石「ちょっ!?」

あきら「まぁしょーがないですね!」

白石「あきら様のお手伝いというこの番組の”バイト”がありますからね…」

あきら「あぁ?」

白石「さぁて今日はここまで。ばいにー!」

あきら「ちょっ勝手に締めんじゃねぇ!!!」



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[第54話]市バス

今回は番外編。
京都の市バスで観光客がよくする失敗をネタにしました。
京都の市バスに乗る予定がない方はスルー推奨です。55話(ほぼ同時更新)を読んでください。


―北野天満宮 バス停

 

こなた「うわっ……すごい数の人だね……半分くらいはうちの生徒みたいだけど」

 

みゆき「集合時間は同じですから半分くらい過ぎた今頃に人が集合するんですね……」

 

鈴木「あ、先生がいるな。おーい」

 

水野「おっ、何人かな?」

 

こなた「5人です」

 

水野「5人やね……えーと……はい、バス代1150円。『金閣寺道』ってバス停で降りるときに払ってね」

 

かがみ「分かりました」

 

鈴木「にしてもかなりいますね」

 

水野「そうだね……生徒の分散狙ったんだけど見事に裏目った……」

 

こなた「あ、バス来たよ」

 

水野「いや、多分に君らまで乗れないよ……」

 

つかさ「えっ?……あ、ホントだ、前の人たちだけで満員で乗れない……」

 

水野「うーん、どうしたもんかなぁ。時間ももったいないしなぁ……」

 

こなた「なんか他にルートないの?」

 

水野「うーん……あ!この道をまっすぐ行ったら突き当たりっぽい交差点に着くんよ。その交差点を渡って右に行ったら『北野白梅町』ってバス停があるから、そこから205系統の金閣寺方面行きバスに乗って行って。そっちの方が本数多いだろうし」

 

みゆき「分かりました。北野白梅町から205系統の金閣寺方面ですね?」

 

かがみ「今の雑な案内で分かったの?」

 

みゆき「はい」

 

こなた「さすがみゆきさん!やっぱり持つべきものはみゆきさんだね!」

 

水野「万一、迷子になりそうだったらここに電話して。先生のPHSだから」

 

こなた「みゆきさんがいるから多分、大丈夫ですよ~。というかPHSって先生、いつ時代の人間なんですか……」

 

水野「まぁ細かいことは言いっこ無しだよ。ほら早く金閣寺に行きなされ」

 

―10分後

 

こなた「さすがみwikiさん!迷子になるお約束展開を無視して普通にバス停に着いちゃったよ!」

 

みゆき「いえいえ~」

 

かがみ「それは褒めてるのか?」

 

こなた「もちろんだよ~」

 

―ブロロロロ

 

かがみ「おっ、良いタイミングでバス来たわね。」

 

―プシュー

 

バス「このバスは金閣寺から北大路バスターミナル、……」

 

みゆき「205番ですしこれですね」トコトコ

 

鈴木「乗るときは何もしなくて良いみたいだな……」トコトコ

 

かがみ「そうね」トコトコ

 

運転士「満員。発車。」

 

つかさ「え?」

 

こなた「え?」

 

かがみ「つかさ?」

 

―扉が閉まります扉が閉まります扉がピシャッ!

 

かがみ「ちょっ」

 

つかさ「……」

 

こなた「おいてかれたね……」

 

 

 

―ガァァァァァァァ

 

放送「次は衣笠校前、衣笠校前です……」

 

かがみ「どっ、どうしよ……つかさ置いてきちゃった……」

 

鈴木「とりあえず連絡だ。連絡してから後は金閣寺のバス停で待とう。いくらなんでも小学生じゃないんだし大丈夫だろう……」

 

かがみ「そ、そうよね?つかさ大丈夫よね?」

 

鈴木「あぁ、こなたもいるしみずり……あ!!!」

 

かがみ「どうしたの?」

 

鈴木「そういえばみずりんが最初からいなかった!」

 

かがみ「そ、そうね……?」

 

鈴木(つかさ姫のピンチに何やってるんだか……というのは口に出さないでおこう)

 

―ギュイイイイン↓ボゴォン!

 

みゆき「わっ」

 

かがみ「みゆき大丈夫?」

 

みゆき「は、はい。大丈夫なのですが……かなり刺激的な運転をしますね」

 

放送「ピッ次はわら天神前、わら天神前」

 

鈴木「確かに刺激的だな。しっかり手すりを握らないと……」

 

―ギュルルルルンガァァァァァァァズゴォン‼

 

鈴木「おっと……」

 

―ピンポーンピンポーンピンポーン

 

放送「次停まります。扉が開くまでそのままでお待ちください。」

 

鈴木「あ?俺、今降りるボタン押しちゃった?」

 

かがみ「押したわね……」

 

鈴木「だっ大丈夫……だよな?」

 

―ギュルルル↓キキィー プシュー

 

運転士「わら天神前ー」

 

鈴木(やべぇ……誰も降りない……)

 

運転士「出口は前ー」

 

鈴木(どうしよこの空気)

 

運転士「誰も降りひんの!?」

 

鈴木「降ります!」(ハッつい……)

 

かがみ「鈴木くん!?」

 

鈴木「すまん、このプレッシャーに耐えられん……金閣寺のバス停で待っててくれ……」

 

かがみ「う、うん……」

 

運転士「はい、230円」

 

鈴木「え、えっと……、どこに」

 

運転士「ここや!」

 

鈴木「あ、はいすいません」ジャラジャラ

 

運転士「はい、はよ降りて」

 

―プシュー ギュルルルルガァァァァァァァ

 

かがみ「本当に置いてきて良かったのかしら……」

 

みゆき「にしても横柄な運転士さんですよね……」

 

かがみ「言われてみればそうね……」

 

運転士「チッ……降りる人いませんね通過します!」

 

放送「ピッ次は金kピッ次は千本北大路、千本北大路……です。」

 

かがみ「今思いっきり舌打ちしたわよ……」

 

みゆき「というかかがみさん、私たち乗り過ごしてませんか!?」

 

かがみ「え!?」

 

みゆき「さっき液晶に一瞬だけ『金閣寺道』と出たのですが誰も降りないから通過すると」

 

かがみ「うそ!?降ります!」

 

―ピンポーンピンポーンピンポーン

放送「次停まります」

 

運転士「チッ……はい、千本北大路」

 

―プシュー

 

かがみ「また舌打ち……」

 

みゆき「かがみさん降りましょう。」

 

運転士「……。」(貧乏揺すり)

 

―プシュー ブロロロロ...

 

かがみ「まったく何なのよあの運転士!」

 

みゆき「お気持ちは分かります。あのような方ばかりではないと願いましょう。それよりもやはり、一つ行き過ぎたようです。戻りましょう。鈴木さんが着いたときに私たちがいないのはあまりよろしくありません。」

 

かがみ「そうね!急いで戻りましょう」

 

 

 

―北野白梅町 バス停

 

こなた「う~ん見事に置いてかれちゃったね~」

 

つかさ「そだね……あ、お姉ちゃんからメールだ。『金閣寺道のバス停で待ってるから次のバスで来なさい』だって」

 

こなた「さすがかがみ~的確な指示」

 

―ブロロロロ...

 

つかさ「あ、バス来たよ!」

 

こなた「すぐ来たね。205番だしこれですぐかがみ達には追いつけるね」

 

―プシュー

バス「快速205系統」

 

こなた「いやぁ、今度はまぁ混んでるけどすぐ乗れたね」

 

つかさ「ホント良かった~。こなちゃんにまで置いてかれちゃったらどうしようと思ったよ~」

 

運転士「発車いたします。手すり吊革にお掴まりください。」

 

―ブロロロロ...

放送「ピッ次は衣笠校前、衣笠校前」

 

こなた「どっかの先生みたいに危険な運転しないしいいね~」

 

つかさ「そだね~あの運転、たまに酔いそうになるもん」

 

放送「ピッ今日も市バスをご利用いただきましてありがとうございました。次は使命感大学、使命感大学、終点です。」

 

こなた「ん!?」

 

つかさ「どうしたの?こなちゃん」

 

こなた「今、終点って言わなかった!?」

 

つかさ「ごめん、よく聞いてなかったや……でも205番は金閣寺には行くんだよね?大丈夫じゃない?」

 

―数分後

 

運転士「ご乗車ありがとうございました。使命感大学、終点です。お忘れ物ございませんか?」

 

こなた「やっぱり終点……」

 

つかさ「私、運転士さんに聞いてみるね。あの~すいません。」

 

運転士「はい?どうしました?」

 

つかさ「金閣寺に行きたいんですけど205番だから行きますよね?」

 

運転士「あ~すいません。このバスは『快速』205系統なんです。『快速』は金閣寺道には行かないんですよ。ごめんなさいね」

 

こなた「えぇ~!?じゃあ金閣寺へはどうやって行くんですか?」

 

運転士「うーん……ここからでも歩けるらしいですが……ごめんねーおっちゃん京都で遊んだことないから分かんない!」

 

こなた「は、はぁ……」

 

運転士「運賃230円です、こちらにお願いします。」

 

つかさ「はーい。」

 

運転士「ありがとうございました」

 

―プシュー ブロロロロ...

 

つかさ「こなちゃんどうする?」

 

こなた「バスで来た道を戻るしかないよねー……」

 

つかさ「……そだね」

 




あんらき☆しすた

ひなた「ひなたと」

ひかげ「ひかげの」

ひなた・ひかげ「あんらき☆しすた!」

ひなた「あんらき☆しすた始まりでーす!司会の宮河ひなたと」

ひかげ「同じく司会の宮河ひかげだよ!」

ひなた「この番組がよくわからない方はPS2かPSPのゲーム『陵桜学園桜藤祭』をプレイしてみてくださーい」

ひかげ「YouTubeの動画だけ見るのは無し!ちゃんとプレイしてね!」

ひなた「さて本日のお題は!」

―京都市バス 205系統―

ひかげ「お姉ちゃん、帰っていい?」

ひなた「だめよ~ひかげちゃん!」

ひかげ「だって京都行くことなんかないもん!」

ひなた「まぁまぁ視聴者の方に京都に観光に行く方がいるかもしれないから~。それにわからなかったら適当に相槌をうっておけばいいのよ」

ひかげ「……」

ひなた「ということで今回のゲストは陵桜学園のバイト講師で元京都市バスの運転士、水野先生でーす」

水野「どうもー」

ひなた「ということで早速、205系統とは何か教えてください。」

水野「はい、京都市バス205系統は九条車庫から観光客の玄関口、京都駅、繁華街で百貨店なども多い四条河原町、さらに下鴨神社、大徳寺から有名な金閣寺、北野天満宮からも近い北野白梅町、最近の新たなテーマスポットである京都鉄道博物館の近く、梅小路公園、京都水族館を巡り京都駅、九条車庫まで戻る循環系統になっています。東山文化の銀閣寺、八坂神社、永観堂など以外の有名スポットを抑えた王道たるような路線で行楽シーズンには非常に非常に多くの観光客で賑わいます。」

ひなた「なるほどぉ。観光客に優しい路線なんですね。」

水野「いえ、それが意外に裏がたくさんありまして。」

ひかげ「?」

水野「まず一つ目。循環系統と言いながら九条車庫で一旦、入庫するためずっとグルグル回っているワケではありません。つまり逆方向を乗り間違えたら目的地には着かず車庫で降ろされます。」

ひなた「あら……」

水野「さらに途中の一部分しか走らない区間便が設定されていてアナウンスをよく聞かないと目的地手前で降ろされる可能性もあります。」

ひなた「あらあら……」

水野「あとこれは205系統に限らずで、ごくごく一部の運転士さんですが運転がヤバいほど荒いです。」

ひなた「ごくごく一部ですか?」

水野「ええ。1日ずっと市バスに乗ってて一回、当たるか当たらないかですが急加速、急減速に停留所の旅客を無視しての通過や停車ボタンを押すと舌打ちをする運転士はいます。もちろんシートベルトなんて息苦しいものは装備しません。アナウンスを流し忘れて気付いたら降りたい停留所を過ぎていることもあるかもしれません。」

ひかげ「それってどうなのよ」

水野「アウトですね。最近はかなり減りました。ほとんどの運転士さんが親切丁寧な運転、接客をしてくれますよ。」

ひなた「なるほどぉ。」

水野「それと今日は205系統の話題ですので泉さんと柊さん(妹)が引っかかった快速205系統についてもお話します。」

ひかげ「快速だから飛ばすだけなんじゃないの?」

水野「いえ、単に停留所を飛ばすだけではありません。快速205系統は市内にあるR大学(作中では使命感大学)へのアクセスを主として九条車庫から京都駅、七条通を西へ進み西大路通を北進して私鉄線からの旅客も乗せて大学に向かう経路でして観光客の多い金閣寺手前で普通の205系統の経路を外れ大学方面、一部の便はキャンパス内まで乗り入れます。」

ひなた「快速とは言うものの観光客の多い金閣寺をスルーするということですか……」

水野「金閣寺に寄ると遠回りですし混雑を避けるために通学客と観光客を分離させる狙いもあるのです」

ひかげ「ふーん、でも同じ205だから分かりづらくない?」

水野「分かりづらいですね。ですので彼女たち2人のような誤乗車が時折、あるみたいです。」

ひなた「あらあらあら……」

水野「まぁ快速205系統に限らず京都市バスの快速はだいたいが通勤、通学を狙ったものであり観光客とは縁がないところへ向かうのも多いです。ライトユーザーは快速を使わない方が良いでしょう。」

ひなた「逆にライトユーザーオススメはありますか?」

水野「番号が100番台の急行系統は観光地や主要駅を結ぶことを主としてますから分かりやすいですね。あとは数字の無い系統かな?」

ひなた「数字の無い?」

水野「関係者間で臨206系統とか。お客様への案内は『楽洛東山ライン』『東山ライトアップ号』ただの『臨時バス』など適当に色々なパターンがありますが。京都駅から国立博物館、三十三間堂、清水寺、祗園の八坂神社、三条京阪前、四条河原町を結ぶ一番、おいしいとこだけを結ぶ系統ですね。便数が不定期なので利用客がバラつきがあり乗りやすいです。」

ひなた「なるほどぉ」

ひかげ「お姉ちゃん!時間!」

ひなた「おっとここで時間のようですね。ゲストは水野先生でした~」

水野「ありがとうございました」

ひかげ「続いて本編!金閣寺編で次の話へ!」






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[第55話]異変には気づいてる

―それから1時間後

 

 

こなた「やっと着いたよ……」

 

 

鈴木「お疲れさま……」

 

 

かがみ「大変だったわね、お互い……」

 

 

みゆき「そんなに距離はなかったはずなのですが……」

 

 

つかさ「知らない場所って心細さもあって遠く感じるよね~」

 

 

鈴木「とりあえず時間が後少ししかないが金閣寺を見ていくか……。」

 

 

―金閣寺

 

 

つかさ「わぁ~ホントに金ピカだね」

 

 

こなた「だね。ヘラとかで金剥がしたらどれくらいになるかな~」

 

 

かがみ「コラコラ……」

 

 

鈴木「相変わらずだなぁ」

 

 

かがみ「何ほのぼのしてんのよ!」

 

 

鈴木「お、バレてた」

 

 

こなた「きっとかがみ見てほのぼのしてたんだよ」

 

 

かがみ「おい!」

 

 

みゆき「あ、もう集合時間です。急ぎましょう!」

 

 

こなた「えぇ~もう?」

 

 

みゆき「やはり市バスでトラブルしていた時間が長かったようです……」

 

 

 

 

―清水寺

 

 

みゆき「ここは縁結びでも知られてるそうですよ。」

 

 

つかさ「あ、こんなのあるよ?」

 

 

かがみ「恋愛神籤?」

 

 

つかさ「せっかくだしやっていこうよ~」

 

 

―引いてみた

 

 

みゆき「あっ、私は吉ですね」

 

 

こなた「お~どれどれ見せたまへ~」

 

 

みゆき「え?あ、はい」

 

 

こなた「う~んと……『あなたを想う人はいるでしょう。ただし相手は勇気がないようですから気付いてあげましょう』……か」

 

 

みゆき「本当にそのような方がいらっしゃるのでしょうか?」

 

 

こなた(超当たってるじゃん……ただ本人は気付いてないか……まぁここは一旦流しとくかな)「さぁ?まぁみゆきさん人気者だしいるんじゃない?つかさ他2名はおみくじどうだった?」

 

 

かがみ・鈴木「略すな!」

 

 

つかさ「私は吉だよ」

 

 

鈴木「俺は末吉」

 

 

かがみ「私は……微凶?『微妙に残念な相手から微妙に残念な出来事が微妙なタイミングで起きるでしょう』?何よコレ」

 

 

こなた「うわぁ……なんか……ご愁傷様。そういえば誰かも正月微凶ひいてたような……」

 

 

かがみ「別に良いわよ。恋愛神籤なんて。あんたはどうだったの?」

 

 

こなた「ん?……『当分無し』しか書いてないし。」

 

 

かがみ「アハハハハ!あんたらしいわね!」

 

 

こなた「良いもん別に~」

 

 

―土産物屋

 

 

つかさ「わぁかわいいのがいっぱい~」

 

 

みゆき「そうですね。色々あって迷いますね」

 

 

かがみ「そうね」

 

 

こなた「かがみはコレでしょ」巨大じゃ○りこ

 

 

かがみ「どういう意味だ!?」

 

 

鈴木「じゃあコレか?」巨大京都タワー

 

 

かがみ「怒るわよ?」

 

 

鈴木「冗談冗談。真面目にこの当たりとかどうだ?」八つ橋くんのキーホルダー

 

 

こなた「ふふーん」

 

 

かがみ「あ、これ」(良いんだけどここでコレ買うとまたこなたからかわれそうね)

 

 

こなた「八つ橋くん買わないの?」ニヤニヤ

 

 

かがみ「私、こっちにするわ~」ねこマソのキーホルダー

 

 

鈴木「じゃ俺が八つ橋くん買っとくかな」

 

 

こなた(ふむふむ、かがみはプライドを優先したか~)

 

 

みゆき「そろそろ、集合時間ですね。次は銀閣寺まで観光バスで移動ですね」

 

 

―観光バス

 

 

かがみ「さて、今日はあと銀閣寺だけかな……ん?」(手紙?)

 

 

鈴木「ん?」(かがみの顔色が変わった?……というかなんだあの紙は!?)

 

 

かがみ(『今夜9時 ホテルの入口に来てほしい とある男子学生より』……ってコレ、ラブレター!?)

 

 

鈴木(何だろうか……あの表情、まさかラブレターか!?……何故だろう、すごく不快だな。俺には関係無いんだが……)

 

 

 

 

―同刻 ホテル

 

 

水原「……!!……なんかすげぇ嫌な夢を見てた気が……」

 

 

??「やっと起きたか……」

 

 

水原「どなた?まぁ少年Aでいっか」

 

 

副委員長「おい!副委員長だよ!そのモブキャラみたいな言い方はやめろ水原」

 

 

水原「あ、すまないすまない。というかまさかずっとここに?」

 

 

副委員長「あぁ。これでも副委員長だから。男子の世話を委員長に任せるのも悪いし」

 

 

水原「それはそれはありがとうございます。……良いのですかい?」

 

 

副委員長「何が?」

 

 

水原「ここにいて。」

 

 

副委員長「いいよ、金閣寺も銀閣寺も昔行ったことあるし」

 

 

水原「いや、そうじゃなくて……思い出作りにいかなくて」

 

 

副委員長「う~ん……まぁいいかな?……というかどういう意味だ?」

 

 

水原「いやぁそこはご想像にお任せします。ただまぁだいたいの人は気付いてるぞ?幸か不幸か本人は気付いてないみたいだが……」

 

 

副委員長「そ、そうか……そんなにバレてた?」

 

 

水原「まぁあんなに幸せそうに委員会の仕事してる人間他にいないしねぇ……」

 

 

副委員長「あー……」

 

 

水原「『だいたいの人が気付いてる』はウソだけどね。でも本当に気づいてる人はいるよ。ハッハッハッ」

 

 

副委員長「そ、そうか……」

 

 

水原「だから意外に周知の事実かもね。副委員長は高良さんが好きで副委員長を続けてているということは」

 

 

 

副委員長「こ、こら!はっきり言うな!!」

 

 

 

 

 

―銀閣寺

 

 

つかさ「ぱしゃぱしゃぱしゃ……」

 

 

こなた「金閣寺は金色なのに銀閣寺が銀色じゃないのは何故なんだろう……」

 

 

みゆき「金閣寺と対にあげられるので銀閣寺と呼ばれていますが最初から銀色ではなかったようです。」

 

 

こなた「いっそルビーとかサファイアとかあっても良いのに!」

 

 

かがみ「……。」

 

 

鈴木「……。」

 

 

こなた「あれ?ツッコまない……」




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!今日も始まりましたらっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす」

あきら「修学旅行もいよいい2日目の観光が終わりましたね!北野天満宮からの金閣寺・清水寺・銀閣寺と有名どころを巡って楽しそうですね!」

白石「そうですね~」

あきら「まぁ2日目はこの後もあるみたいですけどね。」

白石「夜9時のお呼び出しですね。」

あきら「ま、アニメ版では肩透かしみたいな内容でしたけど今回はどうでしょう!?」

白石「っても同じ展開のような気はしますけどね。」

あきら「う~ん あきら子供だからわかんない☆」

白石「うわっ」

あきら「」ボコッ!!!

白石「グハッ」

あきら「おっと、もうお別れの時間なのだー残念☆」

白石「……」

あきら「それではまた次回!ばいにー!」

白石「ば・・・ばいにー!・・・」


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[第56話]夜

―夜

 

 

鈴木「八つ橋くん……か……。俺、嫌われてんのかなー……トイレでも行くか……」

 

 

―数分後

 

 

鈴木「いやぁスッキリスッキリ。……まぁ気分まではスッキリしねぇなぁ……」(ん?……今、向こうの廊下をかがみが走っていった?……気のせいか?)

 

 

―ホテル入口

 

 

かがみ「……。」

 

 

男子(蜂屋)「……待った?」

 

 

かがみ「……ううん。ここで良かったの?」(鈴木くんじゃないんだ……ってなんであいつの名前が……こなたのせいね、きっと)

 

 

男子(蜂屋)「うん……話したいことがあって……」

 

 

かがみ「話したいことって?」

 

 

男子(蜂屋)「うん……こんなこと、柊にしか言えないから……」

 

 

かがみ「……うん……」

 

 

男子(蜂屋)「……あの人形、譲ってくれ!」

 

 

かがみ「…………………え?」

 

 

男子(蜂屋)「あの清水寺で買ってた」

 

 

かがみ「ねこマソ?」

 

 

男子(蜂屋)「そう、それ!どーしても欲しかったんだけど俺なんかが買ってるとこを見られたら変だなって思って!頼む!」

 

 

かがみ「……あ、うん……」

 

 

男子(蜂屋)「ありがとう!恩に着るぜ!このことは誰にも言わないでくれよな!」タッタッタッタッ...

 

 

かがみ「……うん………」ポカーン

 

 

 

 

 

 

鈴木(つい尾行してしまった……何やってるんだ俺は……)

 

 

かがみ「ねぇ、何してるの?」

 

 

鈴木「え?……は!?」

 

 

かがみ「どうしたのよ?」

 

 

鈴木「いや……えっと……たまたま見かけたから……」

 

 

かがみ「そ、そう……」

 

 

かがみ・鈴木(気まずい!)

 

 

水原「おやぁ~こんなところで何をしているのかな?」

 

 

かがみ・鈴木「え!?」

 

 

水原「って私、お邪魔虫だったかな?失礼失礼。私は立ち去るので続きをどうぞ」

 

 

鈴木「ちょっと待て」

 

 

かがみ「だいたい続きって何よ!何もしてないわよ!」

 

 

水原「だってホラ。修学旅行で男女が2人でいるとか……いわゆる不純異性なんちゃら…」

 

 

かがみ「殴るわよ?」

 

 

鈴木「まだそんなんじゃねぇよ!」

 

 

水原「あぁごめんなさい……」

 

 

鈴木「だいたいお前こそ今日ずっと見なかったのにいきなり1人で何してるんだよ」

 

 

水原「私ですか?私は起きたときには既に夕方でしてね。お土産だけ買いに行ってきたんですよ」

 

 

かがみ「ふーん……ってこんなに!?」

 

 

水原「はい。クラスの分のお土産もありますし……」

 

 

鈴木「ん?お前のクラス誰か休んでるのか?」

 

 

水原「いえいえ、1年のね」

 

 

かがみ「あ、石橋先生の命令ね。大変ね……」

 

 

水原「いえ、自発的にですよ?」

 

 

鈴木「は?」

 

 

水原「では、荷物重いんで失礼します。」トタトタトタ...

 

 

かがみ「あ、うん……」

 

 

鈴木「なんだったんだ?今の……」

 

 

かがみ「さぁ?……ところで鈴木くんは何してたの?」

 

 

鈴木「え?……あぁ……これ、欲しいんじゃないかなと思って」

 

 

かがみ「八つ橋くん?」

 

 

鈴木「よく考えたらあの場で欲しいなんて言ったらこなたにまたからかわれるだろ?だから買わなかったんじゃないかなと思ってな」

 

 

かがみ「あ……うん……」

 

 

鈴木「だから、コレやるよ」

 

 

かがみ「いいの?」

 

 

鈴木「別に良いぞ。というかこうなりそうだから買ったんだし」

 

 

かがみ「……ありがとう」

 

 

鈴木「さ、あんまり外にいるのも良くないし部屋に帰るかな」

 

 

かがみ「……そうね」

 

 

鈴木「じゃまた明日な」

 

 

かがみ「うん……おやすみ」

 

 

鈴木「はい、おやすみ」

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!おまたせ!いつもの大人気コーナーらっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです★」

白石「アシスタントの白石みのるです。」

あきら「さぁ修学旅行も残すところあと一日ですね!」

白石「楽しい思い出はすぐ過ぎ去っていくものですねぇ。」

あきら「今回のお話は夜ってことでやっぱり学校の宿泊行事といえば夜ですよね!あんな話やこんな話、そこでしか言えない秘密の会話。友達と過ごすいつもと違う夜だからこその楽しさがありますよね!」

白石「あきら様、今日は語りますね~」

あきら「まぁ私も、昔は普通の女の子だしね~そういうののあこがれみたいなのもまぁあった時代がありましたわー」

白石「時代って…あきら様一応はまだ中学生なんじゃ…」

あきら「そりゃそうだけどさー。この仕事も長くなると学校行事とかはいけないことも出てくるのよ。私みたいなスーパーアイドルにまで登っちゃったらさー」

白石「なるほど」

あきら「って感心してんじゃなくてアンタもそれくらい仕事できる人間になれって話でしょうが!!」

白石「ひぃ!?し、失礼しました!!」

あきら「ったく・・・そんなんで今後やっていく気があんのかねぇ~」

白石「もちろんです!」

あきら「ま、そういって次にはあっさりアシスタント交代とかしてそうだけどw」

白石「え!?またですか!?!?!?」

あきら「まぁアンタよりできそうなアシスタントも山ほどいるだろうから気を付けなよ」

白石「いやいやシャレになんないですって」

あきら「あぁ~と残念☆もう時間なのだ!お相手は小神あきらと」

白石「白石みのるでした。」

あきら「次回もぜひ見てください!」

白石「それではまた」

あきら・白石「ばいにー!」


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[第57話]自由行動

―翌朝

 

 

こなた「いよいよ自由行動!我々の真の修学旅行だ!!いざゆかん聖地へ!!!」

 

 

つかさ「おー!」←よく分かってない

 

 

鈴木「はいはい……ってかがみ?どうしたんだ鴨川の河川敷なんか眺めて」

 

 

かがみ「いや、何でもないわよ。」

 

 

こなた「あのー……出発していい?」

 

 

かがみ「あ、うん。ごめん」

 

 

こなた(何かあったのかなぁ……いつものかがみじゃない)

 

 

―糖福寺駅

 

 

つかさ「本当に行っても大丈夫なのかな?」

 

 

こなた「外から見るだけだし大丈夫だよ」

 

 

鈴木「そういえばどこ行くんだっけ?」

 

 

こなた「そうか、決めたとき鈴木くんいなかったっけ?……ここだよ!」

 

 

鈴木「KOTO ANIMATION?」

 

 

こなた「そう、古都アニメーション」

 

 

鈴木「ってなんだ?」

 

 

こなた「ウソッ!?知らないの?あんな名作もこんな名作も永遠に終わらない15000回の夏休みもここから生まれたんだよ!?知らないの!?」

 

 

鈴木「たった今まで知らなかった。多分、明日にはもう知らないと思う」

 

 

こなた「えぇ!?そんなの日本人じゃないよ!?」

 

 

かがみ「分かってると思うけどこなたの言葉を」

 

 

鈴木「安心して。真に受けてはいない。」

 

 

かがみ「そ、そう?」

 

 

鈴木「にしてもそのすごい紹介の割には普通の建物に見えるな」

 

 

こなた「作品数絞ってるからコレくらいがいいんだよ。」

 

 

―数時間後

 

 

こなた「いやぁ回った回った」

 

 

かがみ「京都に来てまで行かなくても良かったんじゃない?」

 

 

こなた「京都に来たからこそだよ~おっ、今度はここ行こうよ!」

 

 

鈴木「今度はゲーセンか……まぁある意味、いつもと変わりなくて安心だが」

 

 

こなた「ふふーん。そうでしょ?なんか様子がいつもと違うし私くらいはいつも通りが良いかなーってね!」

 

 

かがみ「様子が違うって誰よ?」

 

 

こなた「かがみだよ。もしかして無自覚?」

 

 

かがみ「え!?」

 

 

こなた「さては何かあったかなー?」

 

 

かがみ「残念ながら何もありませんよー」

 

 

こなた「ふーん、でも一昨日の晩は部屋に来たのに昨日は来なかったよね?」ニヤニヤ

 

 

かがみ「それでも何もないわよ」

 

 

こなた「ふーん……あ、あれとかどう?」

 

 

つかさ「プリクラ?あ、うんいいかも」

 

 

みゆき「せっかくですし」

 

 

鈴木「じゃっ、俺はあっちのUFOキャ」

 

 

こなた「何言ってるの?鈴木くんも入るんだよ?」

 

 

鈴木「いや邪魔しちゃ」

 

 

こなた「ここまで来て何言ってるの?いーじゃん今日の思い出だよ?」

 

 

鈴木「……そこまで言うならせっかくだし写ろうかな?……」

 

 

こなた(まったく誰かに似て素直じゃないなー。)

 

 

 

 

―かがみの部屋

 

 

かがみ「うん、帰ったわよ。つかさはもう寝ちゃったけど」

 

 

こなた(電話)「あ、そう。かがみは不貞寝してるかと思った」

 

 

かがみ「なんで私が不貞寝しなくちゃいけないのよ」

 

 

こなた(電話)「だってねぇ~それより、あのプリクラ、ちゃんと貼ってる?」

 

 

かがみ「あんな恥ずかしいの貼れるわけないでしょ。私ももう寝るからおやすみ!」

 

 

こなた(電話)「はい、おやすみ~」

 

 

かがみ「こんな恥ずかしいプリクラ……」(律儀に貼ってます)

 

 

かがみ(WE LOVE KAGAMIか……鈴木くんもいるのよね、このプリクラ……もしかして……。いや、考え過ぎね。こなたのせいだわ、きっと。)

 

 

 

水原(回想)「だってホラ。修学旅行で男女が2人でいるとか……」

 

 

かがみ(回想)「殴るわよ?」

 

 

鈴木(回想)「まだそんなんじゃねぇよ!」

 

 

 

かがみ(『まだ』……あの『まだ』って言うのに意味は無いよね?)

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!らっきー☆ちゃんねるの時間がやってまいりました!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるです。」

あきら「修学旅行編いかがだったでしょうか?」

白石「お互いがお互いを意識するのかしないのか。微妙なポイントになってきましたね~」

あきら「まぁ修学旅行といえばそういうイベントですもんね!甘酸っぱい青春の1ページ♪」

白石「いいですね~」

あきら「ま、そうなってどうなってもしょせん高校出たらそれで関係は終わりってのが学生のいいとこでもあり悪いとこでもあるんだけどさ」

白石「いやいや何をおっしゃいますやら!!」

あきら「しょせん青春の1ページはただの1ページに過ぎないってわけよ」

白石「あきら様……」

あきら「だいたい中学から高校上がった時でもそうじゃん。中学からの彼氏がいるーとかいって結局、数か月後には高校で新しい男捕まえて」

白石「あきら様、まだ中学生ですよね?」

あきら「ま、芸能界じゃ年齢なんて関係ないから、いろんな人の話を聞く機会はあるんだよさ、これが」

白石「へ、へー・・・」

あきら「おっと、もうこんな時間なのだ!それではまた次回」

あきら・白石「ばいにー!」

白石(また強引に終わられた…)



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[第58話]疑似カップル

―教室・放課後

 

 

鈴木「ということでもう期末試験だ」

 

かがみ「今更ね。というか誰に言ってるのよ……」

 

鈴木「さぁな。で、お願いしたいことが」

 

かがみ「お断りよ」

 

鈴木「待て。まだなんも言っとらんだろ」

 

かがみ「どうせ言うことは分かってるわよ。似たような奴に心当たりがあるからね。」

 

―ガラッ

 

 

こなた「かがみ~!テストの時に提出する課題教えて~!」

 

かがみ「ほらね」

 

鈴木「あー……」

 

かがみ「嫌よ!課題は自分でやらなきゃ意味ないわ!」

 

こなた「そんなこと言わないでさ~」

 

かがみ「あんたいつも写すだけだろうが!」

 

こなた「アハっ☆」

 

鈴木「俺は写さないからさー。」

 

かがみ「ダメなものはダメよ。だいたいアンタも前、チラチラ見ながら写してたでしょ!」

 

鈴木「ん……バレてたか……」

 

こなた「かがみ様お恵みを!」

 

かがみ「……分かったわよ。週末に勉強会にしましょ。写さないように見張っててあげるから」

 

こなた(ふふ。こうなったら2人をイジって遊んでやる……!)

 

 

 

―週末・駅前

 

かがみ「おはよー」

 

鈴木「おはよう。なんだか俺、嫌な予感がするんだが……」

 

かがみ「それは勉強したくないからなだけよ。どうしても無理なら教えてあげるから頑張りなさい」

 

鈴木「はい……ところで今日はこなたの家なんだな」

 

かがみ「そうね。『せっかくお世話になるんだしウチでくつろいでいきなよ~』って何か怪しいわよね……」

 

鈴木「だよな。困ってたとは言え世話になる側の俺まで呼ばれてるし。というか……」

 

かがみ「何?」

 

鈴木「かがみってこなたのモノマネ超うまいんだな。」

 

かがみ「なっ!」

 

こなた「おは~。さぁついて来たまへ~!」

 

―泉家

 

 

ゆたか「いらっしゃーい」

 

パティ「Hi」

 

そうじろう「やぁ、いらっしゃ……むむ男?」

 

こなた「お父さんの考えてるようなことはないよ。だって彼、鈴木くんはかがみの彼氏だから」

 

 

 

 

ゆたか「え!?」

 

 

 

 

パティ「Wow!?」

 

 

 

 

鈴木「なっ!?」

 

 

 

 

かがみ「ちょっとこなた!?」

 

 

 

 

そうじろう「そうか~それなら安心だー」

 

こなた「さぁさ、上がって~」

 

 

 

―こなたの部屋

 

 

ゆたか「あっ、あの!おめでとうございます!」

 

パティ「カガミコもスミにオケないネ!」

 

かがみ「こなた……どうするのよコレ」

 

こなた「まぁまぁ」

 

鈴木「誤解どころの騒ぎじゃねぇぞ……」

 

かがみ「一体、何のつもりなのかしら?返答によってはただじゃ済まないわよ?」

 

こなた「別に2人をからかいたい訳じゃなくてサ」(本当はそれだけのために呼んだんだけど)

 

かがみ「ほぅ?」

 

こなた「ただ何もなく鈴木くんを連れてきたらお父さんに刺されるかもしれないじゃん?」

 

鈴木「いくらなんでもそれは……無くはないのか?」

 

こなた「無くはないでしょ?だからかがみの彼氏ってことにしとけば大丈夫かな~ってね」

 

ゆたか「えぇ!?じゃあお二人は本当は付き合ってないんですか?」

 

かがみ「そうよ」

 

鈴木「そうだな」

 

パティ「Uh...オモシロくないデス……」

 

こなた「大丈夫だよパティ。ということで2人はお父さんが見てるところではカップルっぽく行動してね~」

 

鈴木(ということはかがみの負担を考えると泉父には極力見られてはならんわけか……)

 

かがみ「あんたまさか……それが狙い?」

 

こなた「やだな~狙いはこっちだよ」←課題

 

かがみ「そういえばそうだったわね。じゃボロが出る前にちゃっちゃとやっと帰りましょ。」

 

こなた「この状況を楽しみたいならのんびりしていっていいんだよ~かがみん♪」(まぁ素直になれないツンデレかがみには無理だろうけど)

 

かがみ「のんびりなんてしないわよ!さっさと課題出しなさい」

 

こなた「写させてくれるならかがみは帰ってもいいんだよ?」

 

かがみ「んなの許す訳ないでしょ」

 

こなた(流石のかがみもこれには乗ってこないか……まぁいいや。疑似カップルを見て楽しませてもらおう……)

 

―数時間後

 

こなた(かがみも鈴木くんも真面目すぎてつまんないなぁ……。まぁいいか、そろそろ……)

 

―コンコン

 

そうじろう「ちょっと良いかー」

 

こなた「どうぞー」

 

―ガチャ

 

そうじろう「ごめんなー飲み物も出してなかったことに気付いたよ。すまんすまん。麦茶だけどいいかな?」

 

かがみ・鈴木「!」

 

こなた「2人とも麦茶で良いよね?」(ふふん、流石お父さん。)

 

かがみ(どう見てもストローが)

 

鈴木(1つのコップに2本、ハート型にささってるマンガとかでよく見るアレなんですけど!)

 

そうじろう「ん?2人とも不思議そうな顔してどうしたんだ?……あぁコレか?コレな、昔まだ作家としてペーペーだった時に色々バイトしてたことがあってな。喫茶店で覚えたんだよ。」

 

鈴木(そっちじゃねぇよ!)

 

かがみ(なんでそんな無駄なサービスがなされているのか聞きたいのですが!?)

 

そうじろう「麦茶じゃ雰囲気出ないだろうけどごゆっくり~」

 

 

 

―ガチャ

 

かがみ・鈴木「……。」

 

こなた「飲んだら?」ニヤニヤ

 

かがみ(そんな恥ずかしいの……って言いたいけど他人の家で出された手前、飲まずに放置は失礼かもしれないし……)

 

鈴木(とは言えコップは一つしかないしどちらか一人だけが飲むのもなぁ……。オマケに俺もかがみもどうやら水筒やらペットボトルやらの飲み物は持ってない……)

 

こなた(真面目に勉強していたら、時間はまだまだかかるし部屋は乾燥させてるから、いつかはその麦茶を飲まざるを得なくなるはず……しかもさっさと帰ろうにもかがみが課題を写すことを断固反対したから写してさっさと帰ることも出来ない。面白くなってきた!)

 

かがみ・鈴木(というかコレ、間接キスじゃない!?)

 

こなた「ストローは2本だから間接キスにはならないよ~」

 

かがみ「そ、そうね。なら良いんだけど……ってアレ?」

 

鈴木「かがみ……何を考えたか知らんがいきなり何言ってるんだ?」

 

かがみ「あっ、えーと……」

 

こなた「だって顔に書いてたもん。だから疑問に答えてあげただけだよーん」

 

かがみ「あーもうっ!余計なお世話よ!」

 

こなた「まぁそのストローを使わずコップで同じ場所から飲めば間接キスだしストローを1本しか使わず回し飲みすれば間接キスだね~」

 

かがみ「何を期待した眼差しで言ってるんだ!」

 

こなた「照れ隠ししなくても良いのにさー」

 

かがみ「照れとらんわ!!」

 

鈴木「かがみ……色々言いたい気持ちは分かるがひとまず勉強しよう。それしかない」

 

かがみ「……そうね。こなたのイタズラに付き合ってたらいつまでも帰れないわ……」

 

こなた「麦茶を用意したのはお父さんだけどね」(頼んで仕組んだのは私だけど)

 

 

―1時間後

 

 

鈴木「よし、終わる気のしなかった課題もやっと半分終わったぞ!」

 

かがみ「まだ半分でしょ。」

 

鈴木「まぁ……真面目にやればこれくらい時間はかかるよな…」

 

こなた「鈴木くんはもう半分終わったんだ~いいなぁ~」

 

かがみ「アンタ本当に大丈夫か?」

 

こなた「うーん……かがみ達がもっと面白いことしてくれたらなぁ~」

 

かがみ「言っとくけどアンタが期待するようなことはしないし課題も写させないわよ」

 

こなた「ケチ~」

 

かがみ「ちゃんと自分の力で解かなきゃ意味ないわよ!」

 

こなた「大丈夫だよ~一夜漬けでなんとかできるし~」

 

鈴木「こいつの言うことを鵜呑みにしてたらダメな気がする……」

 

かがみ「そうね……」

 

こなた「あっ、私ちょっと用事があるからいったん失礼するよ~」

 

かがみ「このタイミングで?」

 

こなた「うん。ちょっとね~。しばらく戻れないからまぁごゆっくり~」

 

鈴木「何もしねぇよ」

 

 

―ガチャ

 

 

かがみ「まったく何がしたいのやら……」

 

鈴木「だな……にしても……」

 

かがみ「何?」

 

鈴木「この部屋、乾燥し過ぎじゃないか?」

 

かがみ「確かにそうね……麦茶飲んだら?」

 

鈴木「うーん……ただ俺が飲んだらかがみの飲み物が無くなるだろ?」

 

かがみ「それもそうね……実は私も少し喉が渇いたなとは思ってるのよね……」

 

鈴木「だったらかがみが飲んだら?」

 

かがみ「そんな……悪いわよ」

 

鈴木「って言っても俺の勉強にかがみは付き合わされてるわけだし……」

 

かがみ「それとこれは別よ。水分補給は大事よ?」

 

鈴木「それはかがみもでしょ?……ってことは結論は一つか……」

 

かがみ「何?」

 

鈴木「言われたとおり2人で飲む。ストローは2本だから同時に飲めば事故にはならない」

 

かがみ「え!?それはそうだけども……」

 

鈴木「まぁそれに今はこなたもいないしそれをしても表向きはどっちか一人で飲んだことにすればいい」

 

かがみ「……それもそうね、じゃあ……」

 

 

 

―リビング

 

 

 

こなた(私がいなければあの2人は絶対、麦茶を飲むはず……空調やらなんやら使って徹底的に乾燥した部屋を作ったしね。私がその場に行っても良いんだけどそれじゃあ狙い打ったのがバレバレだし、見るよりそれをネタにイジる方が面白いから……)

 

つかさ「お邪魔しまーす」

 

こなた「いらっしゃーい。あ、先に私の部屋行っといて~。部屋分かるよね?」

 

つかさ「大丈夫だよ~。じゃあ先にお邪魔しま~す。」

 

 

 

―こなたの部屋

 

鈴木「ややこしくならんために一気に飲み干すぞ」

 

かがみ「良いわよ」

 

鈴木「せーの」

 

 

―ガチャ

 

つかさ「失礼しまーs……」

 

かがみ・鈴木「!」

 

―ズココココ...(コップがカラになる音)

 

 

 

つかさ「ぽっぽぽぽぽ……」

 

鈴木「待て!誤解しないでくれ!」

 

かがみ「そうよ!違うの!これはこなたにお父さんを勘違いで」

 

つかさ「……ダイジョーブダヨオネーチャン、ワタシクチカタイカラ。ソウダ、ワタシコナチャンにヨージアルンダッタ……マツリオネーチャンニモホーコクシナキャ……」

 

 

―ガチャ

 

かがみ「だから違うんだってば!お願いだから誰にも言わないでくれる?」

 

―ガチャ

 

 

 

鈴木「そして俺一人になった。」ポカーン

 

 

 

―数十分後

 

 

つかさ「いや~びっくりしちゃったよ~」

 

かがみ「まったく……早とちりしないでよね。それもこれも……」

 

こなた「ごめんってば~今度はちゃんとコップ2つ持ってきたから許してよ~」

 

かがみ「もうっ次同じことしたら知らないわよ?」

 

こなた「ん~なんだかんだ言っても許してくれるかがみ萌え~」

 

鈴木「……なぁ、こなたは何に対して許してもらったと思ってるんだ?」

 

こなた「え?麦茶だよね?」

 

かがみ「私は誤解を生んだ発言に対してのつもりだったんだけど……アレ?」

 

鈴木「麦茶はおじさんの無駄なサービス……じゃなかったのか?うん?なんでこなたが気にしてるのかなー?あぁん?」

 

こなた「そっ……それは……そりゃ私のお父さんがしたことは私の責任でもあり……」

 

かがみ「こなた?ちゃんと目を見て話そうか?」ニコニコ

 

こなた「あぁ……うん……アハハハハ……」

 

 

 

 

 

かがみ「やっぱり麦茶もあんたの仕業だったじゃない!!!」

 

こなた「うへっバレた……」

 

鈴木「まさか最初の発言も実は既におじさんにはネタバレした上で仕組んだ……とか言わないよな?」

 

こなた「エヘッ☆」

 

鈴木「やっぱりか!!」

 

こなた「そんな怒らないでよ~」

 

かがみ「怒るわよ!」

 

こなた「いいじゃん別に~かがみの高校生活に少しでも彩りをだね~」

 

かがみ「余計なお世話だ!たまには人を弄ぶより自分のこと気にかけたら?」

 

こなた「ん~そうは言ってもねぇ~かがみと鈴木くんのアホップルをイジってる方が面白いし」

 

鈴木「なんだアホップルって」

 

こなた「何でも良いじゃん♪それはそうとテスト終わり翌日ってかがみとつかさ誕生日だよね?」

 

つかさ「うん」

 

かがみ「そういえばそうね」

 

鈴木「ちなみにこなたの誕生日は書かれてないがちゃんと祝ったぞ。俺はあったかい手袋をプレゼントした。日頃の行いが原因だな。まぁ寒くなったら使えるだろうからそれまで大事に保管しておいてくれ」

 

かがみ「あんた、書いたとか書いてないとか何ゴチャゴチャ言ってるのよ?」

 

鈴木「え?あ……分からん……。気にしないでくれ。そうか……もう七夕だなぁ」

 

かがみ「何よ?感慨深げね」

 

鈴木「いやーまぁなぁ……」(今年はプレゼント何買おうかなぁ……みずりんにでも相談してみるか……)

 

つかさ「あ、そういえばみずりちゃんからお姉ちゃんにプレゼントがあるよ。」

 

かがみ「水原くん?」

 

鈴木(相談の余地なしかよ!?)

 

つかさ「そう、何か7月7日に外せない用事があるから先に届けときますーって。お姉ちゃんの部屋に置いといたから」

 

かがみ「あ、ありがとう」

 

こなた「つかさは何かもらったの?」

 

つかさ「うん。すごいおっきい『いちごん』のぬいぐるみと後はコレ~」

 

かがみ「携帯ストラップ?」

 

こなた「いわゆるラバストだね。ってアレ?ちょっと見せてもらって良い?」

 

つかさ「はい、どうぞー」

 

こなた(コレ、『かと*ふく』の福原さんのラバストじゃん。)「はい、ありがとう」

 

つかさ「あ、こっちはお姉ちゃんのだって~」

 

かがみ「ふーん、違うキャラなのね」

 

こなた(かがみへは『かと*ふく』の加藤さんのラバスト……みずりんよ、そのチョイスは危なすぎるよ!いろんな意味で)

 

鈴木「こなたがすごい顔してる。そんなにレアなものなのか?」

 

こなた「いや……まぁなんでそれをチョイスしたかなぁ~と思って」

 

鈴木「そ……そう」←よく分かってない

 

こなた「それはそうと鈴木くんはかがみに何か用意してる?」

 

かがみ「なんで私限定なんだ!?」

 

鈴木「そうだなー。何か用意はするつもりだがまだ用意は出来てないかな」

 

かがみ「別に無理に何かしなくてもいいわよ?」

 

鈴木「いや、そこは普段から世話になってるつもりだし何かは用意するよ。何かほしいものある?」

 

こなた「ダメだよ鈴木くん。かがみんはツンデレだから『別にアンタからのプレゼントなんて期待してないんだからねっ』って答えるに決まってるじゃん」

 

かがみ「そんな答えしねーよ」

 

こなた「じゃあなんて言うのよさ?かがみん、根が良い人だから『好きなもの買って請求書だけ送るわ』とかも言いそうに無いじゃん」

 

かがみ「それは良い人とか以前の問題だろ……」

 

こなた「まぁそうかもねー」

 

かがみ「とにかくまずは課題を終わらせなさいよ。まずはテストをなんとかしないと」

 

こなた「それもそうだね~。ということでさっさと終わらせるために写させて~」

 

かがみ「それは嫌よ」

 

こなた「ちぇっ~」

 

 

 

―数時間後・帰り道

 

鈴木「ふぅー終わった終わった」

 

かがみ「なんか別の意味で疲れたわ……」

 

鈴木「なんか、すまん。」

 

かがみ「別に鈴木くんが謝らなくて良いわよ。それにプレゼントとかも気にしなくて良いし」

 

鈴木「うーん……そうか……ふと思ったんだがそれって多分、明確に欲しいものが無いからそう言ってるんじゃないか?」

 

かがみ「なるほど。それはあるかもね。確かに今、あんまり欲しいものは無いわ」

 

鈴木「だったらさ……どっかに買いに行かないか?」

 

かがみ「え?」

 

鈴木「だからまぁ……何か欲しいものがあったら買うし」

 

かがみ「え?良いの?」

 

鈴木「まぁヘタにありがた迷惑なもの買うよりはそっちの方がいいだろ」

 

かがみ「あぁそういう……」

 

鈴木「……って俺と2人じゃ嫌か……」

 

かがみ「そんなこと……」

 

鈴木「まぁなんだったらつかささんとか誰か呼んでくれても構わないから」

 

かがみ「あ……うん……」

 

鈴木「じゃ、また詳しいことは後日、連絡するわー」

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!らっきー☆ちゃんねるナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるです。」

あきら「いやー2828になる本編ですね~」

白石「そうですね~」

あきれ「で、ここらでオリキャラ紹介を改めてやってみよう!ってPから言われてんだよねー」

白石「いまさらですねw」

あきら「なんでも最近ハーメルンで作品読んでで、本編と別枠でキャラ紹介を入れた方がいいとか作者が勝手に思いついたんだってー」

白石「まぁ作中内での時間は1年以上たってますから今更でしかないんですけども…まぁ仕方ないですね。」

あきら「で、最初はだれの紹介よ?」

白石「まぁ最初は何といってもこの方! 鈴木善治」

あきら「これさーまずなんて読むわけ?すずき・・・よしじ?」

白石「よしはる?ですかね・・・?」

あきら「ちょっとプロデューサー!読み仮名くらいつけときなさいよ!!」

白石「えー……あーはいはい。すずき ぜんじ さんですね!」

あきら「ぜんじ ってなんかあんまり聞かない名前ですね。」

白石「成績→平凡、運動神経→平均的、身長→平均的、顔→普通」

あきら「これといってパッとしないような」

白石「ま、平凡的って意外に良かったりはしますからねぇ」

あきら「名前も鈴木って日本人の苗字ランキング2位っていう中途半端によくあるような」

白石「そうですね~。名前の通り基本的には 善く 治める タイプということもあるみたいで」

あきら「まぁ確かにあのからかいを適当にいい感じに収めてるけどさー漢字違うし」

白石「まぁまぁ…」

あきら「それに今一つ個性がね~」

白石「それは脇キャラが補ってますからね~。」

あきら「ふーん」

白石「ということで今回は一応の主人公、鈴木善治さんを紹介してみました」

あきら「オリキャラ紹介は気が向いたらほかのキャラでもやるかも~」

白石「それではまた次回!」

あきら・白石「ばいにー!」


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[第59話]疑似デート?

―7月7日 こなたの家

 

こなた「誕生日おめでとう~」

 

かがみ(電話)「ありがとー」

 

こなた「でさー、今からかがみん家行って良い?」

 

かがみ(電話)「良いけど私、今から出かけるからいないわよ?つかさはいるけど」

 

こなた「あ、そうなのー?じゃあいいや~」

 

かがみ(電話)「そう、ごめんね。」

 

こなた「ううん、気にしなくて良いよー。じゃねー」

 

―ピッ

 

こなた「ふふ~ん」

 

―ピッピッピッピッ トゥルルルル

 

つかさ(電話)「はいもしもし~こなちゃん?」

 

こなた「ハッピーバースデー!つかさ、誕生日おめでとう~」

 

つかさ(電話)「わ~ありがとう~」

 

こなた「でさー、つかさ今日暇?」

 

つかさ(電話)「うん」

 

こなた「じゃあどっか遊びに行こー」

 

つかさ(電話)「良いよ~」

 

こなた「で、かがみがさ」

 

つかさ(電話)「お姉ちゃんなら今日は用事があるって言ってたよ」

 

こなた「でしょ?だからかがみが出かけたらバレないように追いかけてくれない?」

 

つかさ(電話)「え~大丈夫なのかなぁ……」

 

こなた「大丈夫だよ~で糟日部あたりで合流しよ~」

 

つかさ(電話)「うーん……」

 

こなた「だって用事とは言ってたけど何かは教えてくれてないんでしょ?」

 

つかさ(電話)「う、うん……」

 

こなた「男絡みかもしれないし面白そうじゃん見に行こうよ~」

 

つかさ(電話)「………!分かったよ~じゃあ糟日部でメールするね~」

 

こなた「はいよー」

 

―ピッ

 

 

こなた「ふふ~ん面白くなってきたよ~。伊達メガネと帽子で変装すりゃ大丈夫かなぁ~。あ、多分つかさは変装とか考えないだろうからつかさの分も……」

 

 

―糟日部

 

 

かがみ「ごめん、待った?」

 

鈴木「あぁ。時計見間違えて2時間前からいたからな」

 

かがみ「ちょっ!しっかりしなさいよ!」

 

 

こなた(物陰)「やっぱり鈴木くんと会っていたか……」

 

つかさ(物陰)「わぁー」

 

 

鈴木「さて、せっかくだしもうちょい都会の方に行ってみるか」

 

かがみ「別に糟日部で良いわよ?」

 

鈴木「いや……まぁ……なんというか……かがみは気づかないか?誰かに見られてるような気とか?」

 

かがみ「ん?しないけど……」

 

鈴木「俺はどうも電車に乗ったあたりからするんだよな……」

 

 

つかさ(物陰)「!!どうしよ、こなちゃん……バレてるんじゃないかな?」

 

こなた(物陰)「いや、そんなはずは……だってハン○ー×ハ○ターのキ○アみたいに完全に足音も気配も消してたよ!?」

 

 

かがみ「気のせいなんじゃない?」

 

鈴木「だと良いが……」

 

かがみ「あ……気のせいじゃないみたいね…」

 

 

こなた(物陰)「え!?バレた!?」

 

つかさ(物陰)「こなちゃんどうしよ……」

 

 

水原「いやいや、ストーキングみたいに言わないでくださいよ」

 

 

つかさ(物陰)「あれ?こなちゃん……」

 

こなた(物陰)「私たちじゃ無かったみたいだね」

 

 

鈴木「何やってんだよ……お前。しかもスーツ着て……」

 

かがみ「返答によっては……」

 

水原「いやいや、たまたまですよたまたま。今日、この近所である演芸大会の手伝いがありましてね。はい、ビラ」

 

鈴木「あ……どうも……」

 

水原「それとハッピーバースデー!ではっ!」タッタッタッ...

 

かがみ「なんだったんだろ……」

 

鈴木「さぁ。まぁみずりんだからよかったもののこなたあたりに見つかったら……」

 

かがみ「『ねぇーねぇーかがみん♪何してるの~?』みたいなこと言われそうね」

 

鈴木「まぁそれもあるし安くまとまるのももったいないし都会行こうぜ」

 

かがみ「そうね。せっかくだしちょっとくらい遠出しようか?」

 

鈴木「決まりだな」

 

 

こなた(物陰)「よしつかさ、行くよ」

 

つかさ(物陰)「え~そんな……悪いよ~」

 

こなた(物陰)「でも2人が何するか気になるでしょ?」

 

つかさ(物陰)「うん」

 

こなた(物陰)「よし決まり!いくよー!」

 

―都会

 

かがみ「やっぱり県庁所在地ともなれば違うわね~」

 

鈴木「だな。というか俺、ここあんまり来たこと無かったな」

 

かがみ「そういえば転校生だったけ?あんまり来ないんだ?私はこなたの付き添いでよく来るけど……」

 

鈴木「ほぉー……まぁあいつが行きそうな場所は想像がつくが……」

 

かがみ「まぁね……あまりまともなとこ行った記憶は無いわ……」

 

鈴木「にしても選択肢が多すぎると逆にどこ行って良いか迷うなぁ」

 

かがみ「確かにね……」

 

鈴木「とりあえずすぐそこのS○GOでも入るか?」

 

かがみ「う、うん」

 

―SOG○ 地下1階

 

鈴木「何のためらいもなくここまで来たな。」

 

かがみ「えっ!?だって婦人服とかだと鈴木くんがいるのって気まずいじゃない?だからよ。うん」

 

鈴木「一目散に各地の銘菓売場に来たのは気のせいだな、うん」

 

かがみ「そ、そう!気のせいに決まってるでしょ。あ、ここ、アイスあるわよ」

 

鈴木「ん?」

 

 

 

こなた(物陰)「え~そこは婦人服売り場でかがみが試着に行って鈴木くんが1人気まずく取り残された後に試着室から出てきたかがみに『似合ってるよマイハニー』とか言うところじゃ~ん」

 

つかさ(物陰)「それはいくらなんでも無いんじゃないかな……」

 

こなた(物陰)「まぁあの二人なら無いだろうねー」

 

 

 

かがみ「このアイスなかなか美味しいわね。」

 

鈴木「おー良かった良かった。ん?ほぉーこんなのも地元お土産であるんだな」

 

かがみ「あぁそのクッキー饅頭?結構、おいしいのよ~」

 

鈴木「俺、ここの名産って煎餅だけだと思ってたからなぁ~」

 

かがみ「まぁ確かに有名なのはお煎餅だけどね」

 

鈴木「にしてもアイス食べながらお菓子物色って結構、甘いもの好きなんだな」

 

かがみ「ま、まぁ……」

 

鈴木「ん?なんか聞いちゃマズかったか?」

 

かがみ「いや、そんなことは無いわよ……でもね、油断してるとね」

 

鈴木「あっ察し……でも気にするほどじゃないと思うんだがなぁ~」

 

かがみ「そ、そう?なら良いんだけど……あ、これなんてつかさが好きそう」

 

鈴木「ん?じゃあ俺、それ買うわ。つかささんへの誕プレだな。かがみは何かいいのあったか?」

 

かがみ「うーん、どれも戦闘力が結構高くて……」

 

鈴木「戦闘力……あっ……」(カロリーか……。)

 

かがみ「気にしなくて良いって言われても気になるのよね……」

 

鈴木「不粋な質問かもしれないがなんでそこまで気にするんだ?そりゃ雪だるまみたいな体型なら分からんでもないが……」

 

かがみ「なんでって……改めて聞かれると難しいわね。うーん……ちょっとでも良く見せたいから……とか?」

 

鈴木「なるほどなー。まぁ俺はそれで苦しそうな顔されたり食べたいもの我慢してる顔を見るよりは好きなものを幸せそうに食べてる方が良いけどな」

 

かがみ「……。」

 

鈴木「って俺の意見はどうでもいいよな。すまん、気にしないでくれ」

 

かがみ「……うでもいいことないよ……」ボソッ

 

鈴木「ん?何か言ったか?」

 

かがみ「いや、何も言ってないわ。あ、あそこ試食あるわね。ちょっと気になるしいい?」

 

鈴木「おう。」(来たときの元気に戻ったな)

 

―約1時間後

 

鈴木「結構、色々見た割に何も欲しくなかったのか?」

 

かがみ「え?うん……」

 

鈴木(気を遣ってるのかなぁ。)

 

かがみ「ちょっとさ、上の階を見に行かない?」

 

鈴木「ん?良いぜ?」(まぁかがみがずっとこの様子なら後で買いに来ればいいか。だいたい気にしてるものは覚えたし)

 

かがみ「エレベーターは……こっちね」

 

 

こなた(物陰)「マズい、エレベーターに乗るみたいだよ?」

 

つかさ(物陰)「え?なんでマズいの?」

 

こなた(物陰)「だっていくらなんでも同じエレベーターならバレるでしょ」

 

つかさ(物陰)「あっ、バレちゃいけないんだったよね?」

 

こなた(物陰)「そだよ。んー……どうしよっかー……エレベーターが何階に停まったか見ればある程度は予測できるけど他の人も乗り降りするしなー……つかさ、何か良い案無い?」

 

つかさ「すいません、このバルサミコ酢ください~」

 

店員(cv,くじら)「はい、648円なります。ありがとうございました↑」

 

こなた「ちょっ、つかさ何やってるの!?」

 

つかさ「最近、調味料に凝っててね~」

 

こなた「いや、そういう意味じゃなくて」

 

つかさ「でもお姉ちゃんも鈴木くんも見失っちゃったよ?」

 

こなた「ウソッ!?……ホントだ。いない……」

 

つかさ「もう、帰らない?」

 

こなた「いや、かがみんなら行きそうな場所は予想できる!一点読みだけどそこに行こう」

 

―本屋

 

鈴木「へぇ~本屋か。参考書とか買うのか?」

 

かがみ「違うわよ。だいたいそういうのはもう買ってるものでしょ」

 

鈴木「え!?あっ、はい。……じゃあ読書?」

 

かがみ「そう。鈴木くんは何か読んだりとかする?」

 

鈴木「残念ながら本はあまり読まないのです……」

 

かがみ「もったいないわねー。教養も豊かになるし何か読んだら?ラノベとかでもいいから。」

 

鈴木「うーん、いざ読もうにも何を買えばいいかも分からんし結局、敬遠しちゃうんだよなぁ」

 

かがみ「じゃあ機会があれば読む気はあるのね?」

 

鈴木「んん?んー……まぁ……」

 

かがみ「何か歯切れ悪い返事ね。」

 

鈴木「気のせいだなきっと、うん。それより何か見たいのがあったんじゃないのか?」

 

かがみ「あ、うん。えっとね……昔、発売されたラノベで発売されたときに買うのを迷ってたら売り切れたのよ……」

 

鈴木「なるほど。で、あまり行かない本屋を見つけては探してると。」

 

かがみ「そういうこと。……えっと……あ!あった!」

 

鈴木「おぉ!マジか。シリーズ物なんだな?」

 

かがみ「そう。この途中の1つが買えなかったのよ。」

 

鈴木「鈴本善治(すずもとよしはる)の溜息~時空の陰謀~……?何か名前に親近感を覚えるがタイトルセンスが無いなぁ。しかもこれこなたが推してたアニメのタイトルをパクってるような……」

 

かがみ「言われてみれば名前は確かに鈴木くんと似てるわね。鈴木くんは鈴木善治(すずきぜんじ)だから読みで見ればかなり違うけど。タイトルは確かにハ○ヒのパクりって作者が認めてるわ。でも中身はまったく違うわよ。」

 

鈴木「そうなのか?ふーん……とりあえずかがみはその巻が欲しいのか?」

 

かがみ「え?まぁ欲しいけど……」

 

鈴木「なら、まずこれは確定だな。」

 

かがみ「あ、うん。ありがとう。なんだったら読み終わったら他の巻も含めて貸そうか?」

 

鈴木「いや、いいよ。ここにあるのって全巻揃ってるのか?」

 

かがみ「え?……うーんと……揃ってるわね。」

 

鈴木「じゃあ、俺全巻買って読む。」

 

かがみ「いや、そこまでしなくても貸すわよ?」

 

鈴木「何かタイトルに微妙に運命を感じるしな。それに借りたらかがみが読みたいときに読めないだろ?」

 

かがみ「別にそれくらいいいわよ。それにここで買われる方が気を遣うわよ……」

 

鈴木「んー……それもそうか……なら今度、借りるとしようか……」

 

かがみ「今日貸すから後でうちまで来なさい。じゃないとうやむやにするでしょ?

 

鈴木「いくらなんでもそこまではしねぇよ」

 

かがみ「ご、ごめん。ついいつもの癖で……」

 

鈴木「いやいや、怒ってないから。じゃっ、とりあえず会計済ませてくる」

 

かがみ「あっ、ありがとう」

 

 

こなた(物陰)「なんかいい感じじゃん」

 

つかさ(物陰)「そだね~。でも良いのかなぁ……」

 

こなた(物陰)「確かにハッピーエンドだけだとおもしろくないよねー」

 

つかさ(物陰)「そうじゃなくて、こんな物陰から見てて……」

 

こなた(物陰)「良いじゃん。バレてもかがみなら許してくれるって~」

 

つかさ(物陰)「うーん、そうだとは思うけどね……。」

 

こなた(物陰)「ホントにつかさは良い人だよね。みずりんがつかさ大好きな理由は分かるような気がするよ」

 

つかさ(物陰)「そ、そう?」

 

こなた(物陰)「おっと、移動しちゃってるよ。追いかけないと」

 

つづく




おまけ(演芸大会)

唯「♪はみだしちゃうかもね」

-カン↑コン↓

水原「ゆいあずさんありがとうございました~」

唯「え~!?」

水原「続きは後で時間取りますのでお願いしますー」

唯・梓「え!?」

水原「さて演芸大会はいよいよ折り返しですがその前に幕間!!らっきー☆ちゃんねる!」

-チャ~ㇻ~チャララチャッチャッチャ

あきら「おはらおはらっきー!!らっきー☆ちゃんねる出張編ナビゲーターの小神あきらです!」

水原「アシスタントはわたくし、園芸大会司会の水原でございます。」

あきら「水原さん、今回はこんな素敵な演芸大会にゲストとして呼んでいただきありがとうございます☆」

水原「本音は?」

あきら「こんな田舎の演芸大会なんかに呼びやがって、ざけんなよ」

水原「と、実はどす黒いところも見せていただいたところで」

あきら「ちっ」

水原「どうですか?前半4組ご覧になって。なかなか捨てたもんじゃないでしょ?」

あきら「みんな、とーっても素敵でした★あきら超感激~」

水原「本音は?」

あきら「ま、こんなもんか。」

水原「さすがあきら様。キツイですねw まぁ地元商店街主催の演芸大会なんでね、そのあたりはお察しですね。でも最後のゆいあずはだいぶ良かったかな~後でもっかいやってもらいたいところで」

あきら「ま、しょせんJKに食いつく男子高校生か」

水原「ま、後はいろいろあるんですようん。さて」

あきら「ん?」

水原「演芸大会なんですよコレ」

あきら「ん」

水原「ということであきら様にもここで一曲歌っていただきましょう」

あきら「えっ!?聞いてない!聞いてない!」

水原「だって言ってないもん♪ では歌っていただきましょう!『三十路岬』」


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[第60話]→そしてバレる

―2階

 

鈴木「さて、そろそろ昼だなー」

 

かがみ「そうね。帰ろっか?」

 

鈴木「ん?もう良いのか?」

 

かがみ「探してたのも見つかったし大丈夫よ。」

 

鈴木「そうか?じゃあ、せっかくだし昼でも食べて帰るか。まぁあまり贅沢は出来ないが。……っとその前にちょっとトイレ行ってくるんで」

 

かがみ「あ、うん。じゃあここで待ってるね」

 

 

―5分後

 

鈴木「すまんすまん」

 

かがみ「良いわよ。どこ行く?」

 

鈴木「うーん……って言っても俺、このあたりに詳しくないしなぁ」

 

かがみ「そうだったわね。サイ○リヤで良いかしら?」

 

鈴木「ん?かがみが良いなら良いが。」

 

かがみ「じゃあ行きましょ」

 

 

こなた(物陰)「サ○ゼリヤか~庶民的なチョイスだね~あの2人らしいけど」

 

つかさ(物陰)「こなちゃん、私たちもお昼にしない?」

 

こなた(物陰)「じゃあ私たちもサイゼ○ヤ行こうか」

 

つかさ(物陰)「それはさすがに危ないんじゃ……」

 

こなた(物陰)「大丈夫だよ~アツアツカップルは周りなんて見えてないんだし~」

 

つかさ(物陰)「お姉ちゃんと鈴木くんはカップルじゃないような……」

 

こなた(物陰)「細かいことは言いっこ無し!さぁ行くよ」

 

 

 

―サイゼリヤ

 

店員「いらっしゃいませ。何名様ですか?」

 

鈴木「2人です」

 

店員「2名様ですね。禁煙席と喫煙席、どちらになさいますか?」

 

かがみ「私たち未成年なんで禁煙席でお願いします。」

 

店員「分かりました。それではお席の方にご案内いたします。」

 

 

―数分後

 

 

店員「いらっしゃいませ。何名様ですか?」

 

こなた「2人で禁煙席、さっきのお客さんから離れた席でお願いします。」

 

店員「え?……あ、はい……ではこちらに……」

 

 

―かがみと鈴木のテーブル

 

 

かがみ「本当におごってもらって良いの?」

 

鈴木「ん?まぁ今日は特別だ。かがみの誕生日だしな。ちょっとくらいどうってことない」

 

かがみ「ちょっとじゃない気が……それに同じ誕生日ならつかさもじゃない」

 

鈴木「ん?ん……まぁ……そうだが……いろいろとそれは悪い気がするしな」

 

かがみ「つかさと何かあったの?」

 

鈴木「いや何も。というか本当に知らんのか……」

 

かがみ「え?……まさか……鈴木くんってつかさが好き……とか?」

 

鈴木「いや、違う違う俺じゃない。」

 

かがみ「……『俺じゃない』ってことは誰かつかさのことが好きな人はいるんだ?へー、あーそーなんだ。誰なの?」

 

鈴木「いや、それは本人のプライバシーにかかるから言えんが……見てて気づかないか?」

 

かがみ「全然。誰か知らないけどもっとアタックしなさいよねー。あの子、鈍感だから遠くから見てるだけじゃ気づかないっての」

 

鈴木(みずりんが1年前に言ってたなぁ。かがみとつかささんは似てないようで似てるって。2人揃って気付いてないとは……)

 

かがみ「ところでさ……その……鈴木くんは好きな人とかいないの?」

 

鈴木「ん?俺か?俺は……そうだなー……いなくは……あー……まぁ気になる人はいるかな」

 

かがみ「ふーん……じゃあまだ好きってほどじゃないんだ?」

 

鈴木「ということにしてくれ。俺よりかがみはどうなんだ?」

 

かがみ「それは……秘密よ!何聞いてるの!?」

 

鈴木「いや、聞かれたから聞き返しただけだ。」

 

かがみ「だからって」

 

店員「お待たせいたしました。こちらマルハゲータでございます。」

 

かがみ「もうこの話はヤメヤメ。あったかいうちに食べましょ」

 

 

―こなたとつかさのテーブル

 

 

こなた「うーんバレなさそうな席だけど何しゃべってるか分からないなぁ……」

 

つかさ「そだね。あ、私メロンソーダください」

 

こなた「つかさってまぁまぁマイペースだよね。にしても、うーん……口の動きで何話してるかは分からないか……」

 

つかさ「こなちゃん、あまりじっと見てるとバレちゃうよ?」

 

こなた「あっ、それもそうだね。うーん、仕方ない。一旦、昼を食べてる間は2人を偵察するのはやめとこうか……」

 

―電車

 

かがみ「今日はありがとうね。楽しかったわ」

 

鈴木「そう言ってもらえると嬉しいな。」

 

かがみ「ちょっとウチに寄れる?さっきも言ったけど本、貸してあげるから。」

 

鈴木「そういえばそんな話だったな。了解。」

 

駅員「お待たせいたしました。糟日部方面普通、まもなくの発車でございます。」

 

 

??「その電車、待って~!」トタトタトタトタ

 

??「こなちゃーん走るの速いよ~」トタトタトタトタ

 

 

かがみ・鈴木「ん?」

 

鈴木「この声って…」

 

かがみ「『こなちゃん』って…」

 

 

―プシュー

 

 

??「ハァ……ハァ……ハァ……こなちゃん…次の電車待っても良かったんじゃ……」

 

??「ダメだよ。同じ電車に乗らなきゃ様子が見れないじゃん。」

 

かがみ「誰の様子を見るのかな~?」

 

こなた「誰ってかがみんと鈴木くんに決まってるじゃん。つかさ忘れたの?」

 

つかさ「こなちゃん……私、何も言ってないよ……」

 

こなた「え?あ……」

 

かがみ「こなちゃーん、どういうことか説明してくれる~?」

 

こなた「あー……かがみってつかさの真似うまいじゃん……へー……すごいすごい……」

 

かがみ「ごまかすな!何してたのよ!?」

 

こなた「いやぁ~たまたまかがみたちを見かけたから追いかけさせてもらっただけで……」

 

かがみ「ほぉ~『たまたま』『見かけた』?ふーん?」

 

こなた「かがみ様、ここは電車内です故、鉄拳制裁はご勘弁いただきたく存じ上げます……」

 

かがみ「かがみ様って言うな!」

 

鈴木「相変わらず2人とも仲良いなぁ。あ、はいコレ。誕生日おめでとう。」

 

つかさ「わぁ、ありがとー」

 

かがみ「ちょっと!?何勝手なこと言ってるのよ!?」

 

鈴木「地獄耳だなぁ。はい、コレはかがみの分。えらく盛り上がってるから仲良いって言って差し支えないだろ。」

 

かがみ「え?……いつの間に買ってたの?」

 

鈴木「いつだろうなー。」

 

こなた「ふふーん。着実にフラグを立てる鈴木くん♪」

 

鈴木「解釈はご自由にどうぞ。本人の困らない範囲でな。」

 

こなた(って鈴木くんも本人の枠に入るんじゃないのかなぁ……)

 

 

―柊家

 

 

かがみ・つかさ「ただいま~」

 

鈴木「お邪魔しまーす。」

 

みき「おかえりーあら?男の子?どっちの彼氏なのかな?やっと男の子を連れてきてくれてお母さん嬉しいわ。」

 

かがみ「ちょっと!?お母さん何言ってるのよ!?」

 

みき「あら?間違いなの?残念」

 

鈴木(というかスルーしかけたがめちゃくちゃ若い見た目してるな……)

 

かがみ「何ポケーッとしてるのよ。上がりなよ?」

 

鈴木「ん?あ、はい。お邪魔します。」(というか残念ってなんなんだ?……まぁ言葉のあやかな。)

 

 

―かがみの部屋

 

 

かがみ「何じろじろ見てるの?」

 

鈴木「いや見てない見てない。まぁあまり女の子の部屋に上がり込む機会が無いから物珍しくはあるがな」

 

 

―ガチャ

 

 

みき「はい、お茶で良かったかしら?」

 

鈴木「あ、はい。ありがとうございます。」

 

みき「いえいえどういたしまして。では、ごゆっくり。」

 

かがみ「ごゆっくりって……」

 

 

―ガチャ

 

 

鈴木「ふぅ……」

 

かがみ「どうしたの?ため息なんかついて」

 

鈴木「いや、どこぞと違ってお宅と普通に提供されたから安心しただけだ。」

 

かがみ「あっ、あの時ね……。やっぱり嫌だったわよね?」

 

鈴木「ん?嫌という訳ではないがつかささんに見られたのが堪えた。単純に恥ずかしいしな」

 

かがみ「へぇー……まぁ確かにつかさの誤解を解くのは大変だったけど……あ、はい。あったわよ」

 

鈴木「すげぇ。マジで全部揃ってるな。」

 

かがみ「まぁ、もともと読むのは好きだしこのシリーズは読みやすいからね。」

 

鈴木「なるほど。」

 

かがみ「じゃあ貸すわね。返すのはいつでも良いわよ。でも出来たら感想とか聞かせてもらえると嬉しいかな。」

 

鈴木「お、おぅ……あまり読むのは得意じゃないが頑張るぜ」

 

かがみ「焦らなくて良いからね。」

 

鈴木「ただかがみは別方向で焦らなくちゃならんみたいだが……」

 

かがみ「え?」

 

 

まつり(ドアの隙間から覗き見)「やばっ!?バレた!」

 

かがみ「姉さん何してるのよ?」

 

まつり「いやーかがみの彼氏はどんな人かと」

 

かがみ「だーかーらー彼氏じゃないってば!ただの友達よ!」

 

まつり「そんな有名ハーフタレントみたいなこと言っちゃってー」

 

かがみ「違うって言ってるでしょ!」

 

鈴木「大変そうだなぁ」(の割には楽しそうだが……)

 




body

らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!始まりました!らっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす。そして今日はスペシャルなゲストがお越しになっています!」

あきら「そんなスペシャルでもねーっつうの」

白石「まぁまぁ……さぁ早速お越しいただきましょう!この二次創作の作者、あずきシティさんです!」

あずきシティ「まいどどうも~」

白石「いやぁこの七夕の素晴らしいタイミングでの出演!ありがとうございます!」

あずきシティ「まぁ言うて一般人ですけども」

白石「ちなみに今日は確かあの作中にも出てくる有名な神社近くで声優さんが出演するイベントもあったんでしたっけ?」

あずきシティ「そうですね」

白石「あずきシティさんは行ってきたんですか?」

あずきシティ「行きましたよ。メチャメチャ楽しいトークショーでした!まぁ時空の歪みの関係でまだ行ってないんですけども」
※この番組は2018年7月6日に収録されています。

白石「時空の歪みw いやぁでも楽しそうで何よりです!」

あずきシティ「現場で『あずき』の名札を付けてるのが私ですね。見かけた方はいらっしゃいますでしょうかね」

あきら「おい」

白石「まぁそれは置いといて、せっかくなので『らき☆べる』の裏話とかでも」

あきら「おい!!」

白石「?どうしたんですか?あきr」

あきら「テメェがずっとしゃべってんじゃねぇ!!!!」

白石「いやいやでも」

あずきシティ「まぁまぁ落ち着きなはれ」

あきら「だいたいさーアンタよアンタ」

あずきシティ「私?」

あきら「もっとさーあるでしょー?」

あずきシティ「?」

あきら「『本編にあまり出せずすいません』とか『今度はあきらの王国で書きます』とか」

あずきシティ「あー」

あきら「そういう謝辞は無いの!?」

あずきシティ「ありません。いやだいたい出番のためにこのコーナー作ったんですよ?」

あきら「え?」

あずきシティ「まぁ出さないのも申し訳ないかと思いですね」

白石「ご配慮感謝です。」

あずきシティ「でもそんな文句言うならこのコーナー切っちゃおうかな~」

あきら「え゛!?」

あずきシティ「言っとくけど別コーナーの用意もあるんやで?現に一回、やっとるやろ?」

白石「市バス回ですね」

あきら「うわ~マジチートじゃないっすかー」

あずきシティ「まぁ気をつけるんやで」

あきら「はーい☆あきら、このコーナー持たせてもらってマンモスうれぴー☆」

あずきシティ「ほな今日はこの辺りで!お別れの挨拶しましょか」

あきら「はーい☆」

白石「せーの」

あきら・白石・あずきシティ「ばいにー!!!」


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[第61話]夏はどこへ行こう

―教室

 

黒井「ほな明日からの夏休み、有意義に過ごすように~。受験生やねんからちょっとは勉強しぃや~。ほな、終わり!」

 

こなた「やっと夏休みだよ~」

 

つかさ「そだね~」

 

みゆき「そうですね。」

 

こなた「みんなは夏休みの予定とかあるー?みゆきさんは毎年海外行ってるんだっけ?」

 

みゆき「いえ、毎年行ってますがさすがに今年は行かないんですよ。今年は近所の花火大会を見に行くくらいでしょうか」

 

こなた「へ~。まぁ確かに宿題とか夏期講習とかで今年はあまり休みって感じがしないもんね~」

 

みゆき「そうですね。」

 

こなた「どっか旅行とか行きたいよね~」

 

つかさ「そだね~。そう言えば桜高軽音部のみんなは夏フェス行くって言ってたよ~」

 

こなた「へ~夏フェスか~行ってみたいね~」

 

つかさ「こなちゃんは夏フェスって知ってるの?」

 

こなた「あれなんじゃないの?コミケの音楽版みたいな」

 

つかさ「……コミケ………多分、違うと思う……ゆきちゃん、夏フェスってどんなの?」

 

みゆき「えーと……私もよく知りませんね……すみません、お役に立てなくて」

 

つかさ「ううん大丈夫~」

 

こなた「そうだ!私たちも夏フェス行こうよ!じゃあ何か分かるんじゃない!」

 

つかさ「でもチケット取るの大変だって聞いたよ?」

 

こなた「え!?チケットいるの!?コミケみたいに見るだけならタダじゃないの!?」

 

つかさ「う、うん……。なんか、軽音部のみんなは担任の先生が友達からドタキャンされてチケット余ってたって言ってた」

 

こなた「うーん……なら私たちも先生に聞いてみる?」

 

つかさ「どうだろ?黒井先生夏フェスとか行くのかな?」

 

こなた「行かなさそうだね。彼氏もいないし休日はネトゲ三昧でしょ」

 

黒井「聞こえとんで」

 

こなた・つかさ「あ」

 

黒井「そして残念ながら夏フェスのチケットは持っとらん。」

 

こなた「あらー」

 

つかさ「残念……」

 

黒井「勝手に残念がるなや。ウチ音楽と関係ないやろ」

 

みゆき「誰か他に持ってそうな心当たりはありませんか?」

 

黒井「うーん……無いなぁ~あんま音楽好きとか言う話も聞かんし」

 

みゆき「そうなんですか……」

 

黒井「だいたいうちの学校は夏休みも講習とか学校説明会とか雑務で先生は仕事が山積みやさかい遊びに行く暇がないんや」

 

こなた「先生も大変ですね」

 

黒井「いわゆるブラック企業言うやっちゃな!」

 

つかさ「先生、あまり大きな声で言わない方が……」

 

石橋「ん。まぁ俺が前にいた学校はもっと大変でしたけどね」

 

黒井「石橋先生、いはったんや」

 

こなた「前いた学校ってどれくらいブラックだったんですかー?」

 

石橋「ん?まぁ生徒が受験する時期は毎日、終電で帰って朝は6時半に来てたかな。さらに土日も仕事あったし」

 

みゆき「それって6時半から23時半までと仮定したら1日17時間くらい働いてませんか?」

 

石橋「一応、休憩はあったから16時間かな。帰ってから授業プリント作ってたりしたから通勤と食事と風呂トイレ以外は全部仕事みたいな?」

 

黒井「ひゃー石橋先生も大変でんな」

 

石橋「残業代は『たまに』出たけどな。前の学校はやばかったわー。で、この学校来て1日2時間くらいのサービス残業でぼやいとるヤツ見ると甘いなぁって思う」

 

こなた「先生、完全に社畜ですね。」

 

石橋「まぁな。前おった学校は都会にあったから『仕事終わり遊びに行けて良いですね』とか言われたけど」

 

黒井「それウチが石橋先生が赴任してきはった時に言った事やないですか」

 

石橋「まぁ黒井先生に限らずいろんな人から言われましたから。そんなうらやましがられても仕事終わる頃には店閉まってるってなHAHAHA」

 

みゆき「笑い事ではないような……」

 

こなた「みゆきさん、逆に笑わなきゃ生きていけないタイプだよ」

 

黒井「というか石橋先生、もうすぐ1年生の担任は職員会議ちゃいます?」

 

石橋「あ~そうだった。じゃっ」

 

黒井「ほなウチも職員室戻って仕事するわな。ほな」

 

こなた「ブラック企業恐るべしだね」

 

つかさ「というか何の話してたんだっけ?」

 

みゆき「夏フェスの話だったと思います。」

 

こなた「あーそう言えばそうだったね。他にチケット持ってそうな人……ちょっと連絡してみるかな」

 

 

水原「で、私を呼んだと?」

 

こなた「うん。色々持ってそうじゃん」

 

水原「残念ながらありませんねぇ……」

 

こなた「え~何でないのよさ!」

 

水原「私はチケットショップではありませんので……それに主人公補正もありませんから、そんな欲しいものが簡単に手に入ったりもしないんですよねぇ」

 

こなた「なるほど。後半の説明はかなり納得できたよ。確かにみずりんに主人公補正があればつかさくらい簡単に手に入っちゃうよね~」

 

水原「ブッ」

 

つかさ「こなちゃんってば~」

 

みゆき「えっと……誰がどこまでご存知なのでしょうか?」

 

水原「とりあえず、人の心にデッドボール投げるのはよそうか」

 

こなた「あーゴメンゴメン。まぁみずりんに主人公補正が無くても、そろそろ主人公補正のある人が……」

 

―ガラッ

 

かがみ「おーす」

 

鈴木「帰ろうぜー」

 

こなた「来た」

 

鈴木「ん?明らかに俺が指さされてる気がするんだがどうかしたか?」

 

こなた「鈴木くん、夏フェスって知らない?」

 

鈴木「アレか?デカいスペースに何個かライブ会場を用意して1日中誰かしらがライブをし続けてる感じのイベントか?」

 

こなた「そう、多分ソレ」

 

かがみ「鈴木くんよく知ってたわね」

 

鈴木「ん?前いた学校で一回行くかどうか考えたことがあったからな」

 

こなた「おぉー!さすが主人公補正!ならたまたま偶然にもチケットも持ってるよね!?」

 

鈴木「持ってねぇよ」

 

こなた「なーんだ。でもまぁ今からでも買えるんでしょ?」

 

鈴木「そりゃ買えるけど……」

 

こなた「みずりーん!」

 

水原「それ待て。完璧に人を財布扱いしてませんかね?」

 

こなた「つかさのためだよ」小声

 

水原「………チッ……いくらなんですか?」

 

鈴木「ほれ。」

 

水原「なっ!?……これお一人様でこの値段?」

 

鈴木「あぁお一人様でこの値段だ。さらに上越のとあるスキー場だから交通費もかなりかかるぞ」

 

水原「……ごめんなさい。私にはこれは手に負えません……」

 

こなた「そんなにー?うはっ……これバイトしてる私でも自分の分だけがやっとな額じゃん……」

 

つかさ「どんだけ~」

 

みゆき「確かに簡単に出せる額ではありませんね?」

 

かがみ「ちょっと見せてよ……うわぁ、流石にちょっとフラッと行ける額じゃないわね……」

 

こなた「せめて交通費だけでも浮かせれば……」

 

かがみ「それでもキツいだろ……」

 

鈴木「交通費って……そういえば去年は水野ティーチャーがバス持ってきて海まで行ったなぁ」

 

かがみ「そんなこともあったわね……」

 

つかさ「私、あの運転はちょっと……」

 

こなた「確かにゆい姉さんの運転に慣れてる私でもちょっとクるよ」

 

水野「教師相手に失礼なこと言ってくれるなー」

 

こなた「あ、タミフルティーチャーいたんだ」

 

水野「その呼び方やめぃ。インフルなのに授業しに来てウイルスまき散らしたのは本編ではカットされたでしょ。で、何の話を?」

 

こなた「せんせーは夏フェスとか行かないんですかー?」(最後の望み!来い!)

 

鈴木(なるほど、最後の伏兵にかける気か)

 

水野「行きますよ?」

 

こなた「よし来た!」

 

水野「仕事で」

 

こなた・かがみ・鈴木・水原「は?」

 

水野「いや、入場料と往復バス代がセットの格安ツアーバスで運転士担当になりましてね」

 

こなた「あ、そっち……」

 

水野「夏休みはバイト代が稼げそうっすわ~。全部満席らしくてね~」

 

こなた「あ、はい」

 

鈴木「終わったな……」

 

つかさ「そだね~桜高軽音部のみんなってすごいんだな~」

 

かがみ「確かにね……。私立だし……ってうちも私立だけど」

 

こなた「一般庶民はかがみとつかさの家で宿題写すに限るからね。」

 

水野「一応、教師の前で宿題写すとか言うのはやめよーかー」

 

こなた「あ」

 

水野「とにかく、はよ帰りなされ。今のは聞かなかったことにするから」

 

こなた「ナイス!タミフルティーチャー!」

 

鈴木「じゃっ帰るか。先生さよならー」

 

かがみ「そうね。帰りましょ」

 

つかさ「そだね~」

 

みゆき「では失礼します。」

 

水野「はいさいならー」

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!さぁやってきましたらっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらで~す!!!」

白石「アシスタントの白石みのるです。よろしくお願いします。」

あきら「ってことで本編はいよいよ夏休みです!」

白石「楽しみですね。」

あきら「しかもさ!夏フェス?だっけ??歌の祭典だっけ???」

白石「そうですね」

あきら「ってことはさ!!私の歌う場面じゃん!!ひさびさに本編出れるじゃん!」

白石「なんか違う気がするな……」

あきら「あぁん!?」

白石「だいたい夏フェスはロックだからあきら様は……」

あきら「そんなのちょっとスタッフ一人ちょちょいっとすれば1枠くらいなんとかなるでしょ」

白石「いやいや…しかも結局、本編のみなさんも夏フェス行くって言ってないし」

あきら「あ……」

白石「ね?先生がバイトで行くって言ってるだけですよ。」

あきら「………。」

-ちゃーちゃーちゃららちゃっちゃっちゃ

あきら「おっと。今日はここまでみたいです♪残念☆」

白石「もうそんな時間ですか。」

あきら「それじゃまた次回」

あきら・白石「ばいにー!」



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[第62話]夏休みの宿題

―柊家

 

こなた「今年の夏休みは毎週少しずつコツコツ宿題をやろうと思ってね」

 

かがみ「高3にしてやっとか……」

 

こなた「うん。ということでコレが今週分」

 

かがみ「まさか……」

 

こなた「うん!写させて♪」

 

かがみ「オイ!」

 

こなた「冗談だよ~ちゃんとやるから分からないとこは教えてよ?」

 

かがみ「まぁそれならいいけど……」

 

 

―10分後

 

 

こなた「かがみ~ここ分からないんだけど」

 

かがみ「どれ?」

 

 

―さらに5分後

 

 

こなた「かがみ~ここは?」

 

かがみ「え?これはね……」

 

 

―さらに3分後

 

こなた「かがみ~これは?」

 

かがみ「また?」

 

 

―さらに1分後

 

こなた「かがみ~ことこことこっちのページとそれからこっちのここから」

 

かがみ「あんた考える気無いだろ!」

 

 

こなた「…………やだなぁ。ちゃんと考えてるよ~」

 

かがみ「……」

 

こなた「そんなジト目で見ないでよ~。かがみが喜ぶゲスト呼んだしさ~」

 

かがみ「はぁ?何?喜ぶゲストって?」

 

―ピンポーン♪

 

 

こなた「あ、来た来た。つかさ~迎えに行って~」

 

つかさ「はーい」

 

―ガチャ

 

かがみ「あんた他人んちなのにめっちゃ仕切ってるな……」

 

こなた「細かいことは言いっこなしだよ」

 

かがみ「そもそも誰なのよ喜ぶゲストって」

 

こなた「それはもう来たんだし良いじゃん。」

 

かがみ「いや、勝手に呼ばれてもその……」

 

 

―ガチャ

 

みゆき「こんにちは、お邪魔します」

 

かがみ「あぁみゆきね。なるほど。いらっしゃい~」

 

こなた「誰だと思ったの?ねぇ誰だと思った?」

 

かがみ「るさい!宿題教えてやらんぞ?」

 

こなた「みゆきさんがいるから平気だもーん♪」

 

かがみ「もう!みゆきまで食い物にして!」

 

こなた「何~?嫉妬~?」

 

かがみ「んな訳ないでしょ!!」

 

こなた「じゃあ良いじゃ~ん♪みゆきさ~んヘルプミー」

 

みゆき「はい?この問題ですか?こちらはですね……」

 

 

―数十分後

 

みゆき「ということなのですよ」

 

こなた「へ、へぇ~」

 

みゆき「あの……もしかして分かりづらかったですか?」

 

こなた「いや、とても分かりやすかったよ。」(でも説明が逆に丁寧過ぎる!これじゃ宿題より先に夏休みが終わっちゃうよ)

 

みゆき「えーと、この次の問題は……」

 

こなた「みゆきさん、私もちょっとは自分で頑張ってみるよ!また分からないところがあったら聞くからその時はお願い!」

 

みゆき「あ、はい。では頑張ってくださいね。いつでもご遠慮なく」

 

かがみ「みゆき、あんまり甘やかしちゃだめよ?」

 

 

―数時間後

 

こなた(みゆきさんの純粋すぎる視線が痛すぎて自力でやってしまった……)

 

みゆき「?」

 

こなた「なんでもないよ~。それよりちょっと休憩しない?」

 

つかさ「賛成~。ちょっと疲れてきてたんだ~」

 

かがみ「そうね。一息入れるかー」

 

みゆき「そうですね。」

 

こなた「どっか遊びに行きたいな~」

 

かがみ「おいおい受験生だろ」

 

こなた「まぁそうなんだけどね。軽ーくどっかに」

 

みゆき「そういえば今度、私の家の近くで花火大会があるんですよ。」

 

こなた「それだ!」

 

かがみ「まぁ花火なら夜からだしちょっとくらいなら良いか」

 

つかさ「花火か~楽しみだなぁ~」

 

こなた「じゃあ見に行くで決まりだね!とりあえず鈴木くんも声かけとこー」

 

かがみ「なっ」

 

こなた「友達に声かけるのに何か不都合でもあるの?ん???」

 

かがみ「いや、別に……」

 

こなた「じゃあ良いじゃん♪自分から誘えないかがみの代わりに私が一肌脱いであげようってだけだよ♪」

 

かがみ「くっ……否定しても泥沼化するだけだしここはスルーか……」

 

 

―同日 学校

 

 

ゆたか「自分の教室を自習室で解放って石橋先生気前いいよね~」

 

みなみ「うん……」

 

パティ「他のセンセイはヤってナインですか?」

 

ひより「みたいだね。教室の解放は学校に来ないと出来ないから普通の先生は夏休みするために解放しないみたい」

 

パティ「ナンかケチにカンジますネ」

 

ゆたか(パティちゃんどこでそんな単語覚えてきたんだろ……)

 

 

―ガラッ

 

 

ゆたか・みなみ・パティ・ひより「おはようございます」

 

水原「おはようございますー」

 

ゆたか「あれ?石橋先生は?」

 

水原「いませんよ?一応、今は私が石橋先生の代わりです」

 

ひより(あーまたパシられてるんだ……)

 

パティ(フタリのカンケイがキになりますね)

 

ひより(そうだね、マンガのネタに……ってなんで私たち脳内で会話してるんだ!?)

 

水原「まぁ適当にどうぞー。どうせ誰もまともに勉強しないからしゃべってもいいよん」

 

ゆたか「そんな感じで良いんですか?」

 

水原「いいよいいよー。どうせ誰も来ないし。なんなら勉強しなくたって大丈夫大丈夫~」

 

ゆたか「うーん……でも宿題とか持ってきたんでこれはやります。」

 

水原「はいよー頑張れ~」

 

 

―数時間後

 

水原(ほー真面目真面目。マジで勉強してるし……)

 

ゆたか「そろそろお昼だね。」

 

ひより「一旦、休憩挟もうかー?」

 

水原「おや、休憩?」

 

ゆたか「はい。お昼ってここで食べても」

 

水原「大丈夫です」

 

ゆたか「はーい」

 

 

―ガラッ

 

石橋「おっ!ホンマに勉強しに来る奴おったんや~」

 

ゆたか「こんにちはー」

 

水原「普通に関西弁っすね」

 

石橋「まぁなー。じゃ水原、後頼むなー」

 

水原「って何しに来たんすか」

 

石橋「いや、お前がサボってへんかなぁ~って。」

 

水原「いやいやサボってないですよ」

 

石橋「お前らホンマか?」

 

みなみ「はい」

 

ひより「先輩はサボって無かったッス」

 

石橋「ほー。あ、これ渡そう思ってたんやった」

 

パティ「What?チラシですか?」

 

石橋「岩崎の家の近くである花火大会のチラシや。何やったら見に行ったら?」

 

ゆたか「花火大会か~行きたいかも~」

 

ひより「確かにいいね。みんなで行かない?みなみちゃん」

 

パティ「みんなでいこうよ!みなみ」

 

ゆたか「みんなで行こうよ!岩崎さん」(あ、あれ!?)

 

みなみ「うん」

 

水原「お~あっさり決まったな。行ってらー」

 

ひより「あ、でもこの日猛暑って予報だったような……ゆたかちゃん大丈夫?」

 

ゆたか「あー……」

 

みなみ「保健委員の私がついてるから大丈夫だよ……ゆたか」

 

ゆたか「あ……ありがとう!みなみちゃん!」

 

石橋「それに水原がおるから何かあったらソイツに全部押し付けたらいいんや」

 

水原「ちょっ!?先生何言ってるんですか?」

 

石橋「まぁ行って来いや」

 

水原「へ、へー……って皆さんが嫌でしょ?」

 

ゆたか「いえ、全然大丈夫ですよ!」

 

パティ「カモン!でもダレカにテをダしたらコナタにツーホーします!」

 

水原「やれやれ……では行きますね。」(ありきたりな主人公キャラならここで誰かと距離は詰まるんだけどね。脇役は悲しいぜ。リアルに保護者かよ……。まぁ……ここにいる誰かと距離が詰まることは望んでないけど)

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!らっきー☆ちゃんねるナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるです。よろしくお願いします。」

あきら「今日はキャラ紹介第2弾!!えーと…あれ?名前どこ?」

白石「あ、ここです。これ」

あきら「えーと……副委員長?これ名前?」

白石「そうですね。原作で少年Aとして扱われているキャラクターですね。」

あきら「え?『らき☆べる』で出てたっけ??」

白石「修学旅行回で初登場していて今後も活躍してくれるのではないかと」

あきら「ふーん。で、このキャラはどういう担当なわけ?」

白石「要はですね。彼は高良みゆきさんのことが好きなんですよ。で、わざわざ副委員長にもなってずっと同じ仕事をしていると」

あきら「ほーん。」

白石「でもヘタレというかなんというかで想いを打ち明けられない。そんな青春の1ページがぐっと詰まったような…!!」

あきら「あっそ」

白石「なんか今日のあきら様ドライですね」

あきら「いやさ、紹介っつったらオリキャラでもまだいろいろこのコーナーに出てないのもいるじゃん」

白石「石橋Tとか水原ですね」

あきら「それ差し置いて本名の設定すらないキャラってどうなんよ」

白石「僕に言われましても…まぁ水原についてはキャラ的にあえて紹介特集はしなさそうですが」

あきら「それはあるけどねー」

白石「ま、まぁ今回は今後活躍が期待されるってことでおさめていただければ」

あきら「はいはい。ま、あたしだって切られたくはないし言いなりになっといてやりますよ」

白石「ですね。」

あきら「おっと!もうこんな時間。今日はここまでなのだ~」

白石「次回もぜひご覧ください。それではまた次回!」

あきら・白石「ばいにー!!」


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[第63話]夏の過ごし方

―数日後・春日部

 

 

かがみ「おっ、ゆたかちゃんとパトリシアさんもいるんだ」

 

つかさ「ゆたかちゃん、パティちゃんおひさ~」

 

ゆたか「こんにちは。お久しぶりです!」

 

パティ「ハローです」

 

こなた「ゆーちゃんとパティちゃんはみなみちゃんと遊びに行くみたいなんだよね~」

 

かがみ「へ~」

 

ひより「おーい!」

 

こなた「おっ、ひよりんもいるんだ~」

 

ひより「はいッス」

 

こなた「えーと、あと鈴木くんは……」

 

鈴木「すまん!今来た!」

 

かがみ「大丈夫よ。私たちも今来たところだから」

 

こなた「さりげないフォローでしかデレられないかがみ萌え~」

 

かがみ「何か言ったか?」

 

こなた「いや、何もー」

 

水原「では行きましょうか~」

 

パティ「オ~!」

 

こなた「あ、うん……アレ?」

 

つかさ「こなちゃん、どうしたの?」

 

こなた「みずりんって呼んだっけ?」

 

かがみ「そういえば……つかさが呼んだの?」

 

つかさ「え!?いや、呼んでない……と思う」

 

水原「え?あぁ私、今日は1年の引率を仰せつかりまして」

 

こなた「そうなの?ゆーちゃん」

 

ゆたか「うん。石橋先生が『何かあるといけないから連れていけ~』って」

 

水原「ということで出てきてみたらたまたま出会ったわけですよ」

 

こなた「なるほどね」

 

つかさ「あ、そろそろ電車来ちゃうよ~」

 

 

-車内

 

 

車掌「ドアから手を放してお待ちください。園田調布です。」

 

 

こなた「ゆーちゃんたち、私たちここで降りるから」

 

ゆたか「あれ?お姉ちゃんたちもなの?私たちもここなんだ~」

 

かがみ「へ~」

 

鈴木「偶然もあるもんだなぁ」

 

 

―駅を出てからしばらくして

 

 

こなた「みゆきさんちここだよね」

 

鈴木「俺は初めて来たなぁ。というかこれが高級住宅街ってヤツか……」

 

かがみ「確かに雰囲気は違うわね……」

 

 

―道の向かい側

 

 

ゆたか「ここだよね?」

 

ひより「そうだね」

 

パティ「ミチのムカイにコナタたちがいます!」

 

こなた・ゆたか「え?………あれ?」

 

 

 

―みゆき宅

 

 

こなた「みゆきさんのご近所さんってみなみちゃんだったんだね~」

 

みゆき「はい、そうなんです」

 

ゆたか「すごい偶然もあるんですね~」

 

水原「すいませんね、私たちまでお邪魔しちゃって……」

 

ゆかり「あら?気にしなくていいのよ?にしてもあなた……どこかで会ったことあるかしら?」

 

水原「私ですか?私は……まぁあまり大きい声では言えませんが時折、教職員の身代わりをしてますので」

 

ゆかり「へぇ~じゃあ今度、学校で会ったらおもてなししてね。」

 

水原「は、はい……」

 

鈴木「親だったら教職員身代わりの生徒がいるのにツッコむべきなんじゃ……」

 

かがみ「私も同感だわ……」

 

こなた「そこはやっぱりみゆきさんのお母さんだけあって格が違うんだよ、きっと」

 

みゆき「?」

 

鈴木「普段なら『何の格だ?』って言いたいが……」

 

かがみ「今日はこなたの言うことも一理あるわね……」

 

 

ゆかり「さぁ、召し上がれ~」

 

つかさ「わぁ~メロンだ~ありがとうございます~」

 

鈴木(普通にメロンとか高級品が出てくるってなんぞ!?)

 

こなた・かがみ「ありがとうございます。いただきます」

 

鈴木(動揺無し!?高級住宅街の中身ってこんななのか!?コレが普通なのか!?)

 

ゆかり「あれ?足りない?足してるわよね?あれ?」

 

みゆき「お母さん、自分の分も数えてるのでは?」

 

ゆかり「……あら」

 

こなた(みゆきさんは間違いなくあのおばさんの子だね~)

 

 

―数十分後

 

 

水原「私ら1年組は一旦、岩崎さんの家に挨拶してから花火大会に行きますのでまた~」

 

こなた「はいよ~」

 

 

―みなみの家

 

ひより「うわっデッカい犬……」

 

ゆたか「でも大人しいし人懐っこいよ?」

 

ひより「へ~そんな感じだと大きくてもかわいいね~」

 

チェリー「グルルルルル」

 

ひより「あ、あれ?」

 

ゆたか(何故か吠えられるタイプの人っているよね……)

 

水原「お邪魔しましたー」

 

チェリー「ワン!ワン!ワン!ワン!ワン!ワン!」

 

水原「うわっめっちゃ吠えられてるし」

 

ゆたか(というか、いつの間にか水原さんがスーツで教職員のフリしてる!?)

 

パティ「あのウサンクササがチェリーはキライみたいDEATHネ」

 

ひより「ん?パティさりげなく私のことも胡散臭いって言ってない?」

 

パティ「ワタシムズカシいニホンゴワカリマセン!」

 

水原「さて、花火大会行きましょうか~」

 

 

 

―花火大会

 

鈴木「そろそろか?」

 

かがみ「うん、そろそろね。」

 

こなた「あの花火が宇宙船に当たって墜落、そして謎の転校生と次々に学園に巻き起こる事件!みたいな展開……」

 

かがみ「ねぇよ」

 

水原「というかそれ、私が持ってるゲームじゃん……」

 

こなた「あー、みずりんあれ持ってるんだ。そういえばみずりん好みの」

 

水原「コラァ!黙りなさい。」

 

こなた「そっかぁ、バレたらかがみに殺されるもんね」小声

 

水原「というか普通に他人の趣味嗜好をバラすな」小声

 

こなた「にしても今日はみずりん役得なんじゃない?」小声

 

水原「ん?なして?」小声

 

こなた「なんだかんだ言ってつかさと花火を見れるわけだし」小声

 

水原「あぁー。とはいえ仕事中だしねぇ……。私は花火を楽しむ要員で呼ばれた訳じゃないんですよ」小声

 

こなた「別に気にしなくても良いんじゃない?」小声

 

水原「そういうわけにもいかないのよさ」小声

 

―ひゅ~ ドン!

 

鈴木「おっ!来たな」

 

―パパパン

 

パティ「テレビでナンドかミましたがやっぱりハナビはナマでミたホウがフゼイがあっていいデスね。」

 

かがみ「確かにテレビだと画質が微妙だったりしてあまりキレイに見えないわよね~」

 

鈴木「どころかなんか画面がちらついたりするもんなぁ」

 

かがみ「やっぱり花火は」

 

鈴木「直に見るのに限るなぁ」

 

パティ(なんかイキピッタリDEATHネ)

 

こなた「みずりん、一人だけ見てるものが違うような……」

 

水原「え?あぁーあれ、どこでゲット出来るんかなぁって」

 

つかさ「ん?このうちわ?」

 

水原「そうそう。『バルサミコ酢』って書いてるうちわとか見たこと無いんやけど」

 

こなた(ん?『見たこと無いん"や"けど』?なんでいきなり関西弁?)

 

つかさ「これねー、成城北井で調味料買ったときにもらっちゃったー」

 

水原「ほー。なかなかおもろいうちわ配ってるんですねぇ~」

 

こなた(また微妙に関西弁が混じった。まぁいいか。)「そういえば子供の頃、花火ってどこから見ても丸く見えるか疑問だったな~」

 

つかさ「え?……平べったく見えるんじゃないの?」

 

水原「いやいやと○がりコーンみたいに見えるんやろ?」

 

かがみ「おい……」

 

鈴木「なんかめちゃくちゃなこと言ってるな……」

 

こなた(みずりん、完全に関西弁じゃん)

 

水原「!……ちょっと失礼いたしますね」

 

こなた(あ、話し方が元に戻った。というかどうしたんだろ?)

 

 

水原「顔色が悪そうに見えますけど大丈夫ですか?」

 

ゆたか「……あ、えーと、少ししんどいかも……」

 

こなた「あー、ゆーちゃん大丈夫?ちょっと人が多くて疲れちゃった?」

 

ゆたか「そうかも……」

 

水原「あそこ、30mくらい行ったとこにベンチがあるんでそこ行きましょうか。」

 

みなみ(この人……)

 

水原「ん?」(そんな睨まなくても下心なんてねぇよ)

 

 

 

―ベンチ

 

ゆたか「悪いから私のことは気にしないで花火見てきて~」

 

パティ「デモ……」

 

みなみ「保健委員の私がついてるから……」

 

ゆたか「みなみちゃん……」

 

水原「分かりました。さぁ花火見に戻りましょう!」

 

 

―ピロリン♪

 

こなた「え?あ、ごめん。メールだ。」(みずりんからだ。『小早川さんに気を遣わせるのも良くないので花火見に戻りましょう。私が遠くから見守って何かあったらすぐ対処しますんで』か。まぁ確かにゆーちゃん気を遣うしね……)

 

水原「さぁ、花火終わっちゃいますよ!」

 

ゆたか「私はちょっと休憩したら大丈夫だから気にしないで~」

 

こなた「分かったよ~。花火見に戻ろ~。」(でも、それってみずりんはつかさと花火見れないじゃん。良いのかな?)

 

水原「良いんですよ。もともと、引率ですから」

 

こなた「ふーん……」(ってアレ!?サラッと心読まれた!?)

 

 

 

―ひゅ~ パン!パパン!ドドドドド!

 

 

パティ「ワォ!イマのはハクリョクアりました!」

 

かがみ「空が赤くなってるわね。」

 

鈴木「…………な。何故なんだ?」

 

かがみ「え?何か言った?普通に花火の音で聞こえないけど?」

 

鈴木「いやなんでもない。というか俺は何も言ってない」

 

かがみ「そ、そう?」

 

つかさ「空が夕焼けみたい~」

 

こなた「なかなか派手にやったね~」

 

みゆき「今年はいつもより玉が多いそうですよ」

 

こなた「へぇ~」

 

 

 

―ベンチ

 

ゆたか「ここからでもちょっとは見えるね~」

 

みなみ「うん……」

 

ゆたか「ごめんね~心配かけて」

 

みなみ「大丈夫……」

 

ゆたか「わぁ!空が真っ赤になったよ!すごいね!みなみちゃん!」

 

みなみ「うん」

 

 

―数十分後

 

鈴木「いや~なかなかすごかったな。」

 

かがみ「そうね。空の色が変わるのは確かにすごかったわ」

 

こなた「ゆーちゃん、ごめんね~私たちだけ楽しんじゃって」

 

ゆたか「ううん。ここからでも結構見えたし身体も楽になったし気にしなくて大丈夫だよ~」

 

こなた「へぇ~良かった良かった」

 

水原「確かにアレがコレでソレなのはエキサイティングでしたよね~」

 

こなた(具体的な単語が何一つ無いってみずりんは本当に花火見れてなかったのかな?)

 

かがみ「あ、帰りの電車混んじゃうから急いだ方が良いんじゃない?」

 

鈴木「そういえばそうだな」

 

水原「では、一旦ここで解散しましょうか」

 

こなた「そだね。じゃ、みゆきさん、みなみちゃんまたね~」

 

みゆき「はい、ではまた」

 

みなみ「失礼します」

 

ゆたか「またね!みなみちゃん!」

 

みなみ「うん。ゆたか、また」

 

 

 

―駅

 

こなた「……と綺麗な思い出だけで終わらないんだよね。蚊にさされてかゆい!」ポリポリ

 

つかさ「かいーの」ポリポリ

 

水原「私なんて足がじんましんみたいに……」ポリポリ

 

かがみ「かくと余計にかゆくなるわよ?」

 

鈴木「でもやめられない!」ポリポリ

 

ゆたか「あれ?私は平気だったよ?」

 

こなた「蚊も空気を読んだんじゃない?」

 

水原(いや、正しくは私に蚊を呼び込むようにしてたんですけどね。空気を読んで言うのは控えとこう。)




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるです。」

あきら「さぁ今回も始まりました!らっきー☆ちゃんねる!!今回の本編はアニメ20話の花火大会に準拠した話でした!!」

白石「ひさびさにオリジナルじゃない回を見た気がしますね~」

あきら「そうはいってもやっぱり濃い目なオリジナルキャラがしゃしゃり出てきて話は違う感じになってますけどね!」

白石「さーて次回のらき☆べるは?」

あきら「またアニメ14話が準拠になるそうですね。」

白石「今度は導入だけで中身はオリジナル展開になるそうです!」

あきら「ラブコメ展開になるのか!?気になりますね!!」

白石「ちなみに14話については何のアニメの14話とは言ってませんからね」

あきら「おや~また他作品からゲストですか~?」

白石「さぁどうでしょう!」

あきら「それではまた次回、お会いしましょう!」

あきら・白石「ばいにー!!」



あきら「あぁー全部台本でせりふ決まってるとそれはそれでめんどいねー」

白石「まぁトーク感がなくなってヤラセ感が出ますからね」

あきら「ま、たまにはこんなんもいいかもしれないけど」

白石「マンネリ化とか言われたら怖いですもんね…ん?」

あきら「どうした?白石」

白石「やっべ!マイクの電源が切れてない!」

あきら「うっわ」

-ブチッ


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[第64話]夏期講習

―夏期講習会場

 

鈴木「おっ、早いな。おはよー」

 

かがみ「おはよう。」

 

つかさ「おはよ~」

 

鈴木「今日から夏期講習なんだなぁ……」

 

かがみ「そうね。」

 

みゆき「おはようございます」

 

つかさ「ゆきちゃんおはよ~」

 

かがみ「おはようみゆき」

 

鈴木「おはよー」

 

かがみ「にしてもなんで学校から企画した講習会なのになんで会場は学校じゃないのかしら?」

 

??「それは他校も来るからなのです」

 

鈴木「は?」

 

かがみ「というか誰よ?」

 

水原「やだなぁ私ですよ。」

 

鈴木「何故にスーツ?」

 

みゆき「今日正装じゃないといけないのですか?」

 

水原「いえいえ。私服で結構ですよ。というか私服の方が気が楽で講習を受けれるだろうっていう考えもあります。」

 

かがみ「じゃあ学校で私服じゃいけないのかしら?」

 

水原「まぁ、学校に私服で行くのはよろしくないという……」

 

かがみ「なるほど。それを言われたら何も言い返せないわね……。」

 

水原「で、外でやるからって割を食って私が荷物運びしてるんですよ」

 

鈴木「なるほど……っていうくらいなら制服学校でやりゃ良いんじゃないのか……ってみずりんに言っても仕方ないか」

 

水原「ん?あぁここに決めたのは私ですよ。他校さんと合同で講習会やろうって企画も来て、荷物持ちとか大変だろうけど面白そうだから『私らが死にましょう』って言って私が荷物持ちしてるんですよ」

 

鈴木「『私らが死にましょう』ってどういう決め台詞だよそれ…」

 

つかさ「他校と合同?」

 

水原「はい、その方が各校の優良教師が集まりますし、まとめる分、経費の節約出来ますし」

 

つかさ「なるほど~」

 

かがみ「じゃあ陵桜の先生じゃないの?」

 

水原「今日は陵桜の先生が担当ですよ。でプリントは桜高さんが刷ったのを私が受け取りに行ったんですよ。」

 

つかさ「え?桜高?」

 

水原「はい、私あそこの副校長と知り合いなので巻き込みました。」

 

つかさ「どんだけ~」

 

水原「では、私は失礼しますね」

 

鈴木「おぉ、またなー」

 

かがみ「にしても他校と合同で経費節約って……」

 

みゆき「講習は全員が参加するわけではありませんし科目を選択する都合もありますから意外とたくさんの生徒さんを集めて効率的にやるというの的を射てるかもしれませんね」

 

かがみ「言われてみればそうかもしれないわね……」

 

つかさ「ん?あ!澪ちゃーん!」

 

澪「え?あ!陵桜の!つかさと鈴木くん!」

 

鈴木「お久しぶり」

 

つかさ「澪ちゃんも夏期講習なんだ~」

 

澪「う、うん。唯たちももうすぐ来ると思う……」

 

つかさ「桜高は制服なんだ~」

 

澪「あ、う、うん……」

 

唯「お待たせ~!お!つかさちゃんとかがみちゃんとみゆきちゃんに鈴木くんまでいるじゃん!何?どうしたの?」

 

つかさ「講習同じみたいなんだよ~」

 

唯「へ~!ところで澪ちゃん……私たちは制服じゃないといけないのかな?」ガクガク

 

澪「ま、まぁ……こういうところは制服の方が良いんじゃないか?」

 

唯「そ、そんな~……」

 

律「おーす!おっ陵桜の皆さんじゃんおひさー」

 

つかさ「おひさ~」

 

唯「ど、どうしよ……りっちゃん、制服じゃないといけないみたい……」

 

律「ん?そんなこと無いんじゃないか?私服で来てる人の方が多いし。現に陵桜の皆さんは私服だし」

 

澪「えっあっ……」

 

律「もしかして制服なのは澪一人じゃないー?えー何あの人ー制服できてるープップップッ」

 

澪「だぁぁ!服装は自由って書いてあったんだから制服でもいいだろっ!」

 

鈴木「相変わらず仲良さそうだな」

 

律「だろー?なんせ澪とは幼稚園からの!……いや小学校からだったかな?」

 

かがみ「じゃあ私、先行くわね」

 

つかさ「え?お姉ちゃん?」

 

鈴木「ん、じゃあ俺も先行くわ」

 

つかさ「あれ?………2人ともこなちゃん待たないのかなぁ」

 

紬「おはようございま~す」

 

こなた「やふ~おっはらっきー」

 

つかさ「あ、こなちゃん、ムギちゃんおはよ~。ムギちゃんすごいオシャレだね」

 

紬「へ?あら、ありがとう。」

 

こなた「あれー?かがみんと鈴木くんは?」

 

みゆき「つい先ほどまでいらっしゃったのですが……」

 

こなた「ふむふむ」

 

―エレベーター

 

かがみ(『閉』ボタン……)

 

鈴木「ちょっと待ってくれ」

 

かがみ「え?」

 

鈴木「ふぅ、間に合った……」

 

かがみ「何?なんでそんな慌ててきたのよ?」

 

鈴木「なんでって……なんとなく?」

 

かがみ「何それ?私より軽音部の皆さんと楽しく盛り上がってたら?」

 

鈴木「うーん……それも良いけどかがみ一人ほったらかす訳にもいかんだろ」

 

かがみ「え?なんで?」

 

EV「チン♪ 4階です」

 

鈴木「お、着いたな。じゃささっと受付済ませるか」

 

かがみ「あ、うん……」

 

 

 

―夏期講習 教室

 

鈴木「俺たちの受講する教室はここか」

 

かがみ「そうね」

 

鈴木「どうする?講義までまだ時間あるけど入るか?」

 

かがみ「入って良いんじゃない?別に外にいてもする事無いわよ?」

 

鈴木「だな」

 

―ガチャ

 

石橋「おはようございます。奥から詰めて座ってください」

 

かがみ・鈴木(なんでいるの!?)

 

石橋「おはようございます。奥から詰めて座ってください」

 

鈴木「えっと……先生?」

 

石橋「奥から詰めて座ってください」

 

鈴木「アッ……ハイ」

 

―着席

 

鈴木「……なんかめっちゃこっち見てるんだが?」

 

かがみ「へ?私そんなジロジロ見てなんていないわよ?」

 

鈴木「いやかがみじゃなくて……ホラ」

 

かがみ「えあ?……あー……」

 

石橋「………」じー

 

鈴木「またいじめるネタを考えてるかもしれんな……」小声

 

かがみ「さすがに他校と合同でそれは無いんじゃない?」小声

 

鈴木「というか……」小声

 

水原(回想)「各校の優良教師が集まりますし」

 

鈴木「って言ってたってことは石橋先生が優良……?」小声

 

かがみ「そうなるわね……」小声

 

鈴木「基準は何なんだろうな……」小声

 

―ガチャ

 

こなた「やふー!かがみんいたいた~」

 

石橋「奥から詰めて座ってくださいー」

 

こなた「はいはーい」

 

かがみ「うわっテンション高いなー」

 

こなた「かがみん聞いたよ?鈴木くんが桜高軽音部のお友達としゃべってるのに嫉妬して一人先に行っちゃったんだって~?」

 

鈴木「は?」

 

かがみ「ひ!?」

 

こなた「ふ~ん」

 

石橋「へ~」

 

こなた「ほほ~ん。ってアレ!?私だけ2回言っちゃった。まぁいいや!ずいぶん思い切った」

 

かがみ「こ~な~た~!!!!何勝手なこと言ってるのよ!!!!」

 

こなた「だって鈴木くんみたいなタイプは主人公補正でかなり鈍感になってるんだから教えてあげなきゃダメじゃん」

 

かがみ「だから!なんであんたの発想はいつもそうなのよ!」

 

鈴木「なんかさり気なく俺、ディスられた?」

 

こなた「さり気なくじゃなくて普通にディスってるんだよ?」

 

鈴木「オイコラてめぇ!」

 

こなた「で、かがみん。真相は?」

 

かがみ「え?それは……」

 

―ガチャ

 

モブA「うわ~超涼しい」

 

モブB「やっべめっちゃいいやん」

 

石橋「奥から詰めて座ってください」

 

こなた「おっと、他の人来たしこの話は後にしようかー」

 

かがみ「後も何もないわよ」

 

こなた「とりあえず鈴木くんの隣座るねー」

 

鈴木「はいはい」

 

かがみ「あ、じゃあ私席替わるわよ。コレが隣だと大変だろうし」

 

鈴木「ん?せっかくの壁側なのに良いのか?」

 

かがみ「別に気にしないわよ。鈴木くんの隣に座ったら、ずっとコレがうるさそうだし」

 

鈴木「確かに……」

 

こなた「ははーん。かがみんは私の隣が良いんだな~?」

 

かがみ「んなわけあるか!」

 

こなた「じゃあ答えは一つ……だね!」

 

かがみ・鈴木「?」

 

こなた「それくらい自分で考えたまへー」

 

かがみ「アンタが勝手に言い出したのに何言ってるんやら……」

 

鈴木「まったくだな……」

 

―しばらくして

 

石橋「よし、時間なったから始めるぞー」

 

こなた「先生ー!空席が多いのでもうちょっと待ってはどうですかー?」

 

石橋「いや待たない。来ないヤツは普通に来ないから。先生が『生徒が来ると思って待つ』のがおかしい。『生徒は来ない』が常識やから。……さてみなさん、はじめまして。陵桜学園教員の石橋です。1年の担任してるんで陵桜の学生でも知らないと思います。」

 

鈴木「初対面じゃないだろ……」ボソッ

 

石橋「は・じ・め・ま・し・て!」

 

鈴木「は、はい……はじめまして……」(なんて地獄耳……)

 

石橋「今日は前半政経、後半は数ⅠAの演習やっていきますんで。テキストは今から配ります。」

 

水原「はい、後ろ回してくださいねー」

 

こなた(うわっ、普通にみずりんは石橋先生の助手してるし)

 

石橋「ではまず、テキスト最初の8ページが問題なってるんでそれをやってみてくださいー」

 




あんらき☆しすた

ひなた「ひなたと」

ひかげ「ひかげの」

ひなた・ひかげ「あんらき☆しすた!」

ひなた「ということで『あんらき☆しすた』はしまりで~す。司会の宮河ひなたと」

ひかげ「同じく司会の宮河ひかげだよ!」

ひなた「さて、今回の話題は~」

-優良教師とは?

ひかげ「うわーつまらなそう…」

ひなた「ということで今回のゲストは原作からいる黒井先生にお越しいただきました~」

黒井「うーす」

ひなた「どうも~今回の本編は夏期講習でした~」

黒井「みたいやな~」

ひかげ「あれ?先生はいかなかったの?」

ひなた「しっ!ひかげちゃん!優良教師って言ってて出てこないってことはお察しなのよ!」

黒井「聞こえてんで」

ひなた「え?あ~あ~マイクの調子が~」

黒井「まぁウチも呼ばれる思うて張り切って準備はしとったんや」

ひなた「はい?」

ひかげ「自分が優良って自身があったから?」

黒井「まぁせやなー。言うてウチそこそこ人気もあるしちゃんと授業もやっとるし進路指導かってこれまで間違ったことはしてへんつもりや」

ひなた「まぁそのあたりは・・・」

黒井「だいたい桜高とか他の学校は先生数人で来とるんやけどな。ウチ陵桜からは先生は一人しか参加してへんねん」

ひなた「え!?」

黒井「それが石橋先生や。」

ひかげ「でも?中学校とか高校って科目ごとに先生が違うんでしょ?」

黒井「普通はせやけどなー…うちは社会科の…まぁ専門は世界史やろ?」

ひなた「そうですね~」

黒井「石橋先生はそれを全部カバーできるんや」

ひなた「全部?」

黒井「国数英理社の全部やな。だから小学校の先生みたいに全部やりよるんや」

ひかげ「へぇ~」

黒井「オーバースペック過ぎてなぁ…でウチとか桜庭さんとかみーんな暇しとんねん」

ひなた「まぁ暇ならいいんじゃないですか~」

黒井「せやけどな。」

ひなた「で、今回のタイトルで優良教師とは?というお題に本編では」

黒井「全部の科目ができるっていう一つの答えが出されたわけや」

ひなた「まぁこれはあくまで一つのパターンであってこれがすべてというわけではないのでそのあたりは勘違いしないでくださいね~」

ひかげ「ということであんらき☆しすたでした!」

ひなた「黒井先生ありがとうございました」

黒井「ほななー」


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[第65話]保存された画像

―4時間後

 

石橋「では、今日はこれで終わります。言ってもどうせやらないと思うけど復習はしてください。ではっ」

 

―ガラッ

 

こなた「終わった~」

 

鈴木「ふぅ……何事もなく終わった……」

 

かがみ「2人ともカクンカクンしてたわよね?」

 

こなた・鈴木「え!?そんなこと無い無い」

 

かがみ「へ~じゃあアレは知ってるんだ」

 

こなた「何?」

 

鈴木「アレだろ?こなたが寝てるのを石橋先生が写メしてたんだろ?」

 

こなた「嘘!!???そんなことしてたの!!???」

 

かがみ「嘘よ」

 

鈴木「ただ、そのテンパりよう……寝ていたのは事実らしいな」ニヤッ

 

こなた「へ?……もしかして私2人にハメられた?」

 

かがみ「まぁ今の嘘に動揺しなかったとしても証拠はあるけどね」

 

こなた「……?」

 

かがみ「はい、コレ」

 

こなた「かがみ……なんで私の寝顔を撮っているのかなー?」

 

鈴木「柊、横の泉寝てるか?寝てるなら携帯出して良いから写真撮っといてー」

 

かがみ「って石橋先生が言ったから」

 

こなた「オノレイシバシメ………ちょい」

 

かがみ「こらっ!勝手に携帯いじるな!」

 

こなた「見せてきたのはそっちじゃん。にしてもかがみー素敵な写真をお持ちで~」

 

かがみ「なっ!?何を見たって言うのよ!?」

 

こなた「言って良いの?」

 

かがみ「くっ……」

 

こなた「結局、私の方が一枚上手だね~」

 

鈴木「って俺の寝てる写真か何かか?」

 

こなた「あれ?鈴木くん知ってるの?え?どういうこと?」

 

鈴木「石橋先生の命令で撮らされたやつだろ?まだ律儀に保存してたのか?」

 

かがみ「えーと……うん。消して良いって言われてないから……」

 

鈴木「真面目だなぁ」

 

かがみ「ダメ?」

 

鈴木「いやダメじゃないけどよくもまぁ残してたなぁってな感心してるだけ」

 

こなた「やれやれー鈴木くんは乙女心が分かってないなぁ~」

 

かがみ・鈴木「は?」

 

こなた「だから、かがみんは石橋先生の命令という大義名分のもとに鈴木くんの写真を残してるんだよ~」

 

鈴木「なんというか、なんでもそっちに結びつけるのが上手いよな」

 

こなた「あ、さすがに『なんでわざわざ残すんだ?』とかは聞かないんだ?」

 

鈴木「流石にな。こなたの言いたい意味は分かった。が、ほぼ100パーそれは間違ってるだろ」

 

かがみ「?こなたは何が言いたいのよ?」

 

こなた「残念だね、鈴木くん。かがみんは分かってないようだから説明しないといけないみたいだよ」

 

鈴木「うおっマジか……」

 

かがみ「???」

 

鈴木「……ふぅー。かがみは俺の居眠り写真を石橋先生から消して良いと言われてないから残してるんだよな?」

 

かがみ「そうよ?」

 

鈴木「それをこなたはかがみが俺のことが好きだから残していると勘違いしてるらしい」

 

かがみ「…………。ハァァァァ!!???ちょっ!!なんでそうなるのよ!!!!???」

 

鈴木「なんでそうなるかは知らん。アイツに聞いてくれ」

 

こなた「で、どうなの?かがみ」

 

かがみ「そっ、そんなのアンタの勘違いに決まってるじゃない!!」

 

こなた「あちゃー。そこで強がっちゃうとだいたいフラグ折れちゃうよ、かがみん」

 

かがみ「じゃあ何?好意があるみたいな言い方でもしろと?そっちの方が鈴木くんに迷惑じゃない?」

 

こなた「迷惑?」

 

鈴木「いや俺は別に。ただかがみはそろそろ頭がこんがらがって来る頃だからこれくらいにしてやれ」

 

かがみ「ちょっと待って。『別に』ってどういう意味?」

 

鈴木「まぁ男は嘘でも女性から好意を向けられるのは多少嬉しくはあるかなってくらいの意味だ。だから結婚詐欺とかも成立するわけだしな。俺もその例には当てはまるが大して深い意味はない。」

 

かがみ「へ、へぇーそうなんだー……ふーん……」

 

こなた(折るどころかさらにフラグを立てるスタイル……なかなかやりおるな、さすが主人公)

 

つかさ「こなちゃーん、お姉ちゃーん、鈴木くーん」

 

かがみ「あら?遠くの席だったからさっきまで会話できなかったつかさじゃないの、お疲れ」

 

こなた「説明乙」

 

つかさ「早く帰ろ~疲れちゃった」

 

かがみ「確かにひたすら問題と解説のローテーションは疲れたわね。帰るか」

 

こなた「おー!」

 

鈴木「テンション高……」

 

かがみ「そのテンション、講習の時に出してくれればいいのに…」(と、とりあえず携帯の写真問題はうやむやになったわね……)

 

 

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!なんだかちょっと久しぶりな気がするらっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす。今日もよろしくお願いします。」

あきら「ってことで、本編では柊かがみさんの保存していた画像を見ていましたので」

白石「そうですね~今日はラブコメ寄りな話でしたね」

あきら「このコーナーでは白石さんの保存していた画像を見てみようと思います!」

白石「え!?!?!?ちょっと待ってください!!あれ?僕の携帯は!?」

あきら「ここでーす★」

白石「いつの間に!?」

あきら「きっと白石さんはあきらのことが大好きだからあきらの画像でいっぱいなんですよー♪でも事務所通してないから全部消してしまう!」

白石「あ、いや・・・その・・・」

あきら「あれ?・・・・・あきらの画像が1枚もない…」

白石「あは、あははは・・・あはは・・・・」

あきら「ふぅーん……一切ない」

白石「いやぁ事務所通さず撮るのはどうかと思いましてね~はは」

あきら「いやいやいや・・・スーパーアイドルだよ?それが隣にいて一切何もないって逆にないわー公式HPのプロフ画像くらい入れるでしょー?普通」

白石「いえ、その・・・」

あきら「そんなに私はどうでもいいってことですか?ははーん。誰のおかげで飯食ってると思っているんだか」

白石「いえ、もうあきら様にはいつもいつも感謝の気持ちで」

あきら「はーいはい。ま、いいや。お前、後で楽屋な」

白石「え?いやその」

あきら「アッと、もう番組終了のお時間なのだ!お相手は小神あきらでした★」

白石「あれ?僕は?」

あきら「ばいにー!!」


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[第66話]スポーツの秋へ突入!

―夏休み明け・教室

 

桜庭「よし、夏休み終わっていきなりだが明後日のホームルームで体育祭の種目とか決めるからなー。じゃ今日はここまでだー」

 

鈴木「いよいよ体育祭かー」

 

かがみ「そうねー」

 

みさお「柊と鈴木はどの種目に出るとか決めたかー?」

 

鈴木「それがまったく」

 

かがみ「私もよ」

 

みさお「なんだよー2人ともたるんでるぞ!全種目に出るくらいの意気込みが必要なんじゃないかー」

 

鈴木「そう言われても……」

 

かがみ「ねぇ……」

 

鈴木「そもそもどんな種目があったかすら曖昧なんだが……」

 

あやの「はい、コレ。今年の種目プログラムよ」

 

かがみ「うわっ用意良いわねー」

 

鈴木「どれどれ……去年あった5m走は無くなったなぁ」

 

あやの「盛り上がりに欠けるから無くしたそうよ」

 

みさお「代わりに5里走が出来たんだぜー」

 

鈴木「5里!?………ってどれくらいだ?」

 

かがみ「さすがにそれくらい知っときなさいよ……1里がだいたい4キロくらいだから5里だと20キロね」

 

鈴木「おいおいマジかよ。ハーフマラソンじゃねぇか」

 

かがみ「確かに体育祭でやるにはおかしいわね」

 

あやの「まぁこの競技はクラス全員が不参加でも問題ないみたいだから」

 

鈴木「それって誰も参加しなくなるんじゃ……」

 

みさお「確かになー」

 

かがみ「陸上部がそれ認めていいのかしら?」

 

みさお「別に良いんじゃね?体育館を何十週もするだけよりは友達と応援してる方がおもしれーし。」

 

鈴木「確かにな……というか校外じゃなくて体育館でやるのかよ。」

 

みさお「250周するらしいぜー」

 

かがみ「企画担当者誰よ……」

 

鈴木「屋外でしかも全クラス強制参加とかじゃないだけ善処した方だろ……。どっかで校舎ん周り80週とかでこないだもニュースになってたし」

 

かがみ「善処のベクトルが違う気がするわ……」

 

あやの「柊ちゃん、それは言わないであげて」

 

鈴木「ほかの種目は……ハードル、100m、借り人競争、障害物競争、走り幅跳び、パン食い競争、リレー……去年と変わらんな。」

 

あやの「新しい種目はさっき言ってた5里走と30人31脚、学年別教師対抗リレーくらいかな」

 

鈴木「なんというか……新しい種目はパッとしないなぁ……」

 

かがみ「それは言わない約束よ」

 

みさお「そういえば鈴木は去年、何出てたんだー?」

 

鈴木「……何だっけ?」

 

かがみ「なんで私に聞くのよ。……借り人競争でしょ?」

 

鈴木「ん?あぁそうそう借り人競争だ。よく覚えてたな」

 

かがみ「そりゃ人の妹勝手に連れ出されたら覚えるわよ」

 

鈴木「ゲッ。つかささんを拉致ったのを根に持っていらっしゃる……」

 

かがみ「そんな顔しないでよ。冗談だから。でも今年もおなじことをしたら……」

 

鈴木「かがみ様、顔がマジでございます……怖いでございます……」

 

かがみ「かがみ様って言うな!別にマジになったつもりは無いわよ!」(ただもしかしたら……ほんのちょっと、つかさがうらやましかったのかな……)

 

鈴木「そ、そうか……だと良いがな。まぁいつも同じじゃ面白くないし今年は別の競技に出てみるかな。」

 

かがみ「ふーん。じゃあ今年は私が借り人競争に出ようかしらね」

 

鈴木「おぉ。良いんじゃないか。頑張れよ。」

 

かがみ「適当に言っただけなのに……。」

 

鈴木「あっ、そうか。すまんすまん。」

 

かがみ「でもいいわ。まだ種目決めてなかったし借り人競争にしよ。」

 

鈴木「ほぉ。じゃ、応援してるから頑張れよ」

 

かがみ「う、うん」(なんでいきなり真顔なのよ!)

 

みさお「なんか、いつの間にか2人の世界だなー」

 

あやの「柊ちゃん楽しそうね」

 

みさお「やっぱり私ら背景かよ!?」

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「白石みのるでーす。」

みさお「日下部みさおDA☆」

あきら「!?」

白石「あれ?」

みさお「お?」

あきら「なんか増えてね?」

白石「そうですね?」

みさお「なんとなくノリで出てみただけだぜー」

あきら「いやいやいや。え?なにそれ?」

白石「まぁとりあえず進めていきましょうか。本編では夏休みが終わりましたね~」

みさお「そうだなー」

白石「さっそく体育祭編スタートということで日下部さんはどうです?なんか僕は嫌な予感がヒシヒシとするんですが」

みさお「まぁ背景だかんなーリレーとか活躍するのに出てても本編では書かれねーんじゃねぇかなー」

白石「うっなぜだろう。僕まで胸が締め付けられるような…」

あきら「まぁアンタはこのコーナー以外出番ないもんね~」

白石「あきら様辛辣ですね…」

みさお「ま、いいんじゃねー?出たら出たで変な事させられるんだし」

白石「ま、まぁそうですけども…」

あきら「なんだったらこのコーナーでも変なことする?例えば富士の樹海に天然水汲みに行ったり」

白石「え!?」

みさお「お!それいーじゃん!!」

白石「えぇ!?しかも日下部さん適当に乗っからないでくださいよ!」

みさお「だって面白そーじゃん!!行って来いよ!!」

白石「いやいやいや」

あきら「がんばってー」(なげやり)

白石「えぇ!?」

あきら「ということで白石みのる大自然ツアー決定!!!」

みさお「ま、アシスタントとはいえパーソナリティが一人いなくなったらこの番組ごとなくなるかもなー」

あきら「え?それって私の出番もなくなるんじゃ…」

みさお「また次回も読んでくれよな―じゃーなー」




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[第67話]体育祭の種目を決めよう!

―2日後

 

黒井「ほな体育祭の種目決めよか。まず白石」

 

白石「は、はい?」

 

黒井「今年も5」

 

白石「分かりましたよ」(華はないけどあれ楽だから……)

 

黒井「ありがとー。ほな白石は5里走なー」

 

白石「5里!?」

 

黒井「なかなか決まらん思ったけどすぐ決まって助かるわ~ほな残りの種目は前に書くからやりたいん言っていってや~」

 

 

こなた「みゆきさんは何かしたい競技ある~」

 

みゆき「そうですね、うーん……昨年見ていたら借り人競争も楽しそうですよね。障害物競争も参加したこと無いので気にはなりますが」

 

こなた「うーんやっぱり障害物競争は許可出来ないかな~」

 

みゆき「そうですか……」

 

こなた「借り人競争が良いんじゃない?みゆきさんにお願いされたら皆ホイホイついて行くよ~」

 

みゆき「さすがにそれは無いかと……」

 

こなた「謙虚なところがまた良いんだよね~」

 

みゆき「あはは……では私は借り人競争に立候補しますね。」

 

黒井「高良は借り人競争やなー。」

 

こなた「つかさはどうするー?」

 

つかさ「うーん……運動とか苦手だし……どうしようかなぁ……」

 

こなた「去年はハードル全部倒してたもんね~」

 

つかさ「言わないで~うぅ……」

 

こなた「あっ、これなんて良いんじゃない?パン食い競争。」

 

つかさ「え~でも私、あんまりジャンプとか得意じゃないし大丈夫かなぁ……」

 

こなた「大丈夫だって~行け行け~」(それに姉妹対決が見たいし)

 

水原(それは確かに見たいかも)

 

こなた(こいつ、直接脳内に!って、ちょっ、おまっ!普通にテレパシー送るなし!)

 

つかさ「う、うん……じゃあやってみる……」

 

黒井「ほな柊はパン食い競争やなー。それと前配った紙に書き忘れがあってアタマ跳びって種目があるんやけど?」

 

モブA「アタマ跳び?」

 

モブB「なんだそれ?」

 

モブC「麻雀の頭ハネの間違いじゃないのか?」

 

黒井「新しい種目やねんけど、なんや丸っこいのが転がってきてそれをジャンプで避ける種目らしいわ」

 

こなた「多分、アタマってのはア○パ○マンみたいなのが転がってくるんですよね?先生」

 

黒井「多分、そうちゃうかなぁ。丸っこいに当たらず避けれた数がそのまま得点になるんや」

 

こなた「ほぅほぅ」(ということはみゆきさんにやらせればみゆきさんのビーチボールがこう……)

 

黒井「ちなみにこの種目は男子だけなー」

 

こなた「え!?じゃあ『み』繋がりでみずりんでいいやー」

 

水原「おい!何を勝手に!?」

 

黒井「ほな水原なー。」

 

水原「えー!?」

 

黒井「なんか文句あるんか?石橋先生に報告するで?」

 

水原「い、いえ滅相もございませんですはい」

 

黒井「よし、あとはリレーとか決めたいんやけど泉ー。足速いんやしやってくれへんか?」

 

こなた「えー……いや……」(ちょっとめんどいなぁ)

 

水原「リレーのアンカーはこなたしかいないな」

 

こなた「え!?みずりん?まさかさっきのこと根に持っていらっしゃる?」

 

水原「いや、決まり決まり。」

 

こなた「いや、でも私はみゆきさんみたいに観客サービスは出来ないし……」

 

みゆき「観客サービスって何のことですか?」

 

こなた「あ、いやー」

 

つかさ「こなちゃん、ファイト!」

 

こなた「あー……うん……はい」

 

黒井「おーありがとーな。あとはモブ共決めよかー」

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!今日も始まりましたらっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす。よろしくお願いいたします。」

あきら「ということで!だいたいどのキャラが何の競技をやるのか決まりましたね!」

白石「僕はやっぱり5里走…」

あきら「まぁ良いじゃん♪ネタになるんだし」

白石「まぁ僕もネタになるんならいいですよ…ただこれどう考えても」

あきら「ん?」

白石「カットされそうな気がするんです!」

あきら「ほーん」

白石「だって主要キャラとオリキャラがみんな何かしらの競技って明言されているのですよ!?僕はどう考えてもカットでしょ」

あきら「ふぅーん。まぁ自覚あるんだったらなんとかしろよ」

白石「え?」

あきら「そうやって言ってる暇あったらなんかしたらー?バラエティはもっとキツいよ」

白石「バラエティ」

あきら「あんなにしゃべってずっと目立ってたのにOA見たら5秒にまとまってショック受けたわー」

白石「そんなことがあったんですね…」

あきら「そうやって芸能界の荒波に盛られてやってるのに比べたらあずきシティの理不尽なカットくらいへっちゃらよ」

白石「なるほど…なんか元気わいてきました!」

あきら「伊達に長くいるわけじゃないしね~」

白石「おっと今日はこのあたりで終わりですね!」

あきら「え~チョーさびしい!でもまた皆さんにお会いできることを楽しみにしてます☆」

あきら・白石「ばいにー!」


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[第68話]前日は準備するだけ

―体育祭前日 校庭

 

 

こなた「うーん……」

 

 

かがみ「どうしたのよ」

 

 

こなた「今さら、今さらなんだよ。今さらなんだけど疑問に思ってることがあってね」

 

 

つかさ「どうしたの?ゆきちゃん今いないけど私たちに分かること?」

 

 

こなた「いやーみゆきさんも分からないかもしれないんだけど……」

 

 

つかさ「そんな難しいことなの?」

 

 

かがみ「何なのよ?もったいぶるわねぇ」

 

 

こなた「いやぁ……難しいというか……」

 

 

鈴木「そこまでためといてふたを開けてみたら『なんで体育祭の準備を私たちもしなくちゃいけないのだろう』みたいな下らない内容じゃ無いだろうな?」

 

 

こなた「なんで体育祭の……ってちょっと!?私のセリフを100パーセントパクらないでよ!?」

 

 

鈴木「すまんすまん。まさかマジで言うとはな。」

 

 

こなた「むぅ」

 

 

かがみ「どちらかと言えばそんなこと思うあんたもいけないんじゃないの?」

 

 

こなた「つかさ~かがみんが鬼だよ~」

 

 

つかさ「まぁまぁこなちゃん、お祭りは準備も楽しまなくちゃ」

 

 

こなた「まさかの四面楚歌……」

 

 

かがみ「観念して準備することね。」

 

 

こなた「はいはい……」

 

 

鈴木「まぁ、なんだかんだ言いながらまともに仕事してるあたり、いわゆるツンデレみたいだな」

 

 

こなた「なっ!?それは君らアホップル2人でしょ!?」

 

 

かがみ「だからそのまとめ方やめなさい!」

 

 

鈴木「だいたいなんなんだよアホップルって」

 

 

こなた「『長門○希ちゃんの消失』でハ○ヒが○ョンと○門に言ったセリフだよ~」

 

 

かがみ「またそんなマニアックなとこ引っ張ってきて……」

 

 

鈴木「なぁ、こなた。話そらしてサボろうとしてないか?」

 

 

こなた「バレてたか……」

 

 

かがみ「ほらっ、さっさと準備進めるわよ」

 

 

こなた「はいはい……チッ……2人とも何だよ、さっさとひっついてしまえば良いのに」

 

 

つかさ「確かにお姉ちゃんと鈴木くん、仲良いよね~」

 

 

こなた「まぁ補正もあるんだろうけど似合ってるって思うだよね。2人とも認めたがらないけどー」

 

 

つかさ「お姉ちゃん意外と遠慮しちゃうことがあるしね~」

 

 

こなた「確かにかがみは案外、良い人だから妙なところで気を遣っちゃうんだよね。せっかくだし何か良い手は……かがみは体育祭何でるんだっけ?」

 

 

つかさ「借り人競争だって~」

 

 

こなた「あら、パン食い競争じゃないんだ……まぁ、そっちの方が良いかな。ちょっと電話するね?」

 

 

つかさ「ん?うん」

 

 

こなた「えーと、……もしもーし」

 

 

 

 

―校門近く

 

 

水原「あ、すいません。こなたから電話ですね。ちょっと出て大丈夫かな?」

 

 

ゆたか「大丈夫ですよ」

 

 

パティ「ドウゾです」

 

 

水原「ごめんなさいね、……はい、はい。えぇ、……えぇ。出来なくは……というか既に面白そうだからやってますけど……はいはい、まぁ後は本人のくじ運なんで……えぇ、私にはどうしようもないっすね。はい。はい。ではっ。」

 

 

ゆたか「こなたお姉ちゃんがどうしたんですか?」

 

 

パティ「ワルダクミですカ?」

 

 

水原「まぁ、そんなとこですな。借り人競争のクジに入れて欲しいのがあるって」

 

 

みなみ「それ、勝手に入れられるんですか?」

 

 

水原「いや、今からは無理よ。ただ要求されたのは既に入れてた」

 

 

ひより「何書いたんッスか?」

 

 

水原「いや、それは言えない」

 

 

ゆたか「守秘義務とかあるんですか?」

 

 

水原「別に無いですよ。単純に自分が当てれたときの楽しみが減るじゃん」

 

 

ひより「それってフラグが~とか言っちゃうタイプッスか?」

 

 

水原「かもしれないね~。他人弄ぶのは楽しいしねー」

 

 

ひより「お、おぅふ……」(冗談のつもりだったのに)

 

 

パティ「ミズリン、オヌシもなかなかワルヨノォ~」

 

 

水原「へっへっへっ……お代官様ほどじゃありませんよ~」

 

 

みなみ「ところで先輩、私たちさっきからしゃべってばかりで掃除してないような……」

 

 

水原「大丈夫大丈夫。こういうのはタバコの吸い殻とか目に付くのだけ拾っといて後はやった"フリ"が大事なのよ」

 

 

ひより「今の、先生に聞かれるとマズいような……」

 

 

 

ゆたか「それにここは学校だからタバコの吸い殻とかも職員室以外はありませんよ?」

 

 

水原「ん?石橋先生が言ってたんだよ。こーゆーのはフリが大事だって」

 

 

ゆたか「それって先生が言って良いのかな……」

 

 

水原「さぁ。ダメなんじゃない?いわゆる本音と建前だよ~」

 

 

ゆたか「へ、へぇ……」

 

 

水原「さて、もう少し掃除してるフリしたら帰りましょうかね~」

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるです。よろしくお願いします。」

あきら「さぁもうやってきましたらっきー☆ちゃんねる!体育祭前日ですね!」

白石「体育祭は当日の競技が大事ですから準備はそんなに話数を使いませんでしたね」

あきら「文化祭は準備にかなりの話数を使っているとか!!」

白石「楽しみですが、まずは体育祭」

あきら「暗躍組の悪だくみもあるみたいですし、お便りにあったように早付合!」

白石「まぁ……そのあたりはね、どうなるかね」

あきら「いやいやここで裏切りは無しでしょww」

白石「そうですねぇ…」

あきら「なんかえらく歯切れ悪いわね」

白石「僕としてはまぁ作曲した曲のようなことになるかもしれないなぁという思いも1ミリくらいはあったり」

あきら「あーえみりんのテーマねぇ~」

白石「ということで1曲聞いてくだs」

あきら「おい!!」ドゴォン

白石「いてぇ!」

あきら「宣伝はさせませーん★」

白石「うぐっ…」

あきら「ということで今日はこのあたりで!またねー!」

あきら・白石「バイニ―!」


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[第69話]開幕!体育祭!

―体育祭当日 開会式

 

 

委員「では、校長先生より開会の言葉」

 

 

校長「えーみなさんおはようございます今日は□×£※◇んにゃむにゃむにゃむにゃ……」

 

 

鈴木「なぁかがみ」

 

 

かがみ「どうしたの?」

 

 

鈴木「俺、転校してきた時からずっと思ってたんだがな」

 

 

かがみ「?」

 

 

鈴木「ここの校長、始業式でも何でもずっと『むにゃむにゃ』しか言ってなくないか?」

 

 

かがみ「言われてみれば確かに何言ってるか分からないわね」

 

 

みさお「別に校長の話なんて誰も聞いてないし良いんじゃね?」

 

 

あやの「確かに今時は発言一つが大問題になる時代だしね」

 

 

鈴木「なるほど。何も発言しなきゃ何も問題にはならないって訳か……」

 

 

かがみ「これはこれで問題になりそうだけどね……」

 

 

みさお「誰も聞いてないんだし問題ないんじゃね?チクろうにも話聞いてなきゃそれも無理だぜ?」

 

 

かがみ「なんであんたは聞いてない前提なのよ」

 

 

鈴木「まぁ……普通聞いてないわな」

 

 

あやの「それにほら、高校入ってからはずっと『むにゃむにゃ』しか聞いてないし……」

 

 

かがみ「そういえばそうね、聞こうにもちゃんと話してないわね……」

 

 

みさお「だから柊も同罪だってヴァ!」

 

 

鈴木「いやいや、それ以前に問題なのは『むにゃむにゃ』しか言ってない校長だろ」

 

 

みさお「……あ!そーゆー考えもあるのか!」

 

 

かがみ「いや、そういう考えしかな無いだろ」

 

 

校長「むにゃ……あーもう競技で良いんじゃない?選手宣誓とかいる?……あーやるの、はいはい」

 

 

委員「次は選手宣誓です。」

 

 

鈴木「なんかいろんな意味でこの校長ダメな気がする……」

 

 

かがみ「それは入学式から分かってたでしょ……あ、入学式には鈴木くんいなかったわね……」

 

 

鈴木「だな。というか最近、かがみたちに馴染み過ぎてて転校生だったのを忘れるぜ……」

 

 

かがみ「いや、転校して1年半経ったのに未だに馴染めてなかったらそれこそやばいわよ……」

 

 

鈴木「……それもそうだな。」

 

 

 

 

―開会式終了

 

 

水原「プログラム2番、5里走に参加する方は体育館前にお集まりやがれこの野郎」

 

 

―体育館前

 

 

白石「えらい雑な召集ですね……ってあれ?他は誰もいない?あれ?」

 

 

召集係「全員揃ったぞー」

 

 

白石「えっ?もしかして僕だけ?僕だけだったりするの?」

 

 

召集係「体育館まで付いてきてくださーい」

 

 

白石「え?え?」

 

 

―体育館

 

 

白石「だ、だれもいない……」

 

 

桜庭「じゃっ、250周……です。」

 

 

白石「もしかして」

 

 

桜庭「外には出れないからなー……です。」

 

 

白石「そっ、……景色も何もなく250周!?」

 

 

桜庭「教師が交替で見張るからサボれないぞ……サボれないですよ」

 

 

白石「そんなのただの拷問じゃないk」

 

 

桜庭「何か文句あるか?……DEATH」ギロッ

 

 

白石「い……いえ、何も……」

 

 

桜庭「んじゃ、よーいドン」

 

 

白石「軽っ!?」

 

 

 

 

―応援席

 

 

鈴木「まぁクラスの区切りが曖昧だからこうして来たわけだが」

 

 

こなた「結局いつものメンツが落ち着くってわけだねー」

 

 

かがみ「そうなるわねー……」

 

 

こなた「まぁ鈴木くんはここにくればハーレム状態だから来てるだけかもしれないけどね」

 

 

鈴木「ちょっ、人聞き悪い言い方するなよ。というかそれ、みずりんが一番最初の最初に似たようなこと言ってたような……」

 

 

こなた「そういえば言ってたね。まぁハーレムと言えばギャルゲーではありがちでも現実じゃあまり無いよねぇ~」

 

 

鈴木「のはずなんだがなぁ」

 

 

こなた「らいしくんは5里走で多分、体育祭終わるまで帰ってこないし」

 

 

鈴木「『し』が抜けてるぞ。ってか5里走参加とかマジか……ご愁傷様だなぁ」

 

 

みゆき「水原さんは参加される競技の時間以外は本部にいらっしゃいますし」

 

 

鈴木「委員って持ち回りとかじゃないのか?」

 

 

みゆき「はい、私のような委員は持ち回りです。ですが水原さんはシードと言いますか何と言いますか……」

 

 

鈴木「あっ察し……」

 

 

こなた「ホントはここで一緒に応援したいだろうにねぇ~。頼まれると断れないなんて損な性格だよねぇ~」

 

 

つかさ「あぁ~……」

 

 

鈴木「言ってやるな言ってやるな」

 

 

こなた「結局、勝ち組はツンデレクイーンと同じクラスでこうやってハーレム状態をお楽しみの鈴木くんだけだねぇ~」

 

 

鈴木「そういう言い方ってどうなんだよ……」

 

 

かがみ「あら、否定しないのね」

 

 

鈴木「……まぁな、かがみと同じクラスだったのはいろんな意味で助かったしな」

 

 

かがみ「って何言ってるのよ!?」

 

 

鈴木「まぁ言ったとおりだな」

 

 

かがみ「そりゃ私だって同じクラスで良かったとは思ってるけどそうじゃなくて!」

 

 

こなた「ふっふっふっ……」

 

 

かがみ「ほら!コイツにエサ与えちゃったじゃない!」

 

 

鈴木「あっ……」

 

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!今日も始まりましたらっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです!」

石橋「アシスタントの石橋です。」

あきら「え?なんで?」

石橋「ん?白石は5里走やろ?」

あきら「あぁー…でセンセは代わり?」

石橋「おぅ」

あきら「えぇー……」

石橋「ほなとりあえず、体育館から中継あるから見てみよか」

あきら「はい」

-体育館




-

石橋「あれ?誰もおらへんな…白石ー?」



石橋「白石―!?」



石橋「白石!!!????」

あきら「え?もしかしていない?」


石橋「えーと映像がうまく中継できなかったみたいです。大変申し訳ありませんでした。」

あきら「白石さん??」

石橋「ってことで今日はここまでや!」

あきら「…」

石橋「ばいにー!!」


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[第70話]パンを食え!そしてアタマを飛べ!

水原「次はパン食い競争です。出場の選手は召集場所にお集まりください」

 

 

こなた「つかさ、いよいよだね」

 

かがみ「頑張ってね」

 

つかさ「うん!行ってくる」

 

 

水原「本日のパン食い競争てすが用意されていますのは国産小豆だけを使用し作ったこしあんをふんだんに詰め込んだデラックスなあんパンでございます。」

 

 

かがみ「その情報いるのかしら?」

 

こなた「食べたくなったの?」

 

かがみ「そうじゃないわよ!……確かにちょっと気にはなるけど……」

 

鈴木「そこで同じの売ってたから全員分買ってきたぞ」

 

みゆき「ありがとうございます」

 

こなた「サンキュー!」

 

かがみ「あ、ありがとう……」

 

 

水原「ただ一つだけこしあんの代わりにたっぷりカラシを詰め込んだのがありますが」

 

 

鈴木「うわっ……バラエティー番組みたいだな」

 

こなた「恐ろしいねぇーいろんな意味で。」

 

かがみ「確かに……つかさってちょっと運が悪いからもしかしたら……」

 

 

水原「ちょうど私のところにもあんパンが来ておりますのでね。少し食レポしてみましょう。」

 

 

鈴木「おいおい食レポかよ……」

 

みゆき「競技の準備がまだですからその間の場つなぎのようですね」

 

こなた「確かにあんパンの設置に手間取ってるもんね」

 

 

水原「見てください、このあんパン。すごくあんパンですよね~」

 

 

こなた「すごくあんパン?」

 

鈴木「雑なレポだな。というか放送席が遠くだから見えねぇよ」

 

 

水原「では早速、いただいてみましょう。いただきます。は~……む。………ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!がっ!……がら゛!がら゛じ!!」

 

 

こなた「あ、放送事故……」

 

みゆき「カラシ入りが水原さんの手元に行ったのでしょうか……」

 

かがみ「みたいね」

 

こなた「なんというか、カラシの話が出たあたりでこのオチは読めてたけどね~」

 

かがみ「そう……ん?鈴木くん?」

 

鈴木「△@£§!」

 

かがみ「気分悪いの!?大丈夫!?」

 

鈴木「〒⊆∀≒!!………ふぅ……」

 

かがみ「大丈夫?保健室行く?」

 

鈴木「だ、大丈夫……大丈夫なんだが……」

 

こなた「どったの?」

 

鈴木「……俺もアタリを引いたらしい。ゲホッゲホッ」

 

こなた「カラシ?」

 

鈴木「あ、あぁ」

 

こなた「そんなに辛いの?」

 

鈴木「俺がかじってない側から食べてみるか?」

 

こなた「いや、遠慮しとくよ。かがみにあげれば?」

 

かがみ「なんで私に振るのよ!?」

 

鈴木「待て、冗談だから。これマジでヤバい……」

 

かがみ「あ、そうなの……」

 

 

水原「へーひゅんひかひょひょのいまひたのてへんひゅにゅうひょーへふ(えー準備が整いましたので選手入場です)」

 

 

こなた「何言ってるかいっさい分からないね」

 

かがみ「そうね。あ、つかさが出て来たわよ……ってアレ?峰岸もだったんだ?」

 

鈴木「みたいだな。しかしまぁこういう時困るなぁ。」

 

かがみ「なんで?」

 

鈴木「付き合いの長いほうを応援すべきか、同じクラスを応援すべきか」

 

こなた「嫁の妹を応援すべきか」

 

鈴木「まぁどっちも応援すりゃいいか」

 

かがみ「そうねー」

 

こなた「あれっ?スルーはひどくないですか?」

 

みゆき「あ、そろそろ走るみたいですよ」

 

 

つかさ(あ~どうしよ……ゆきちゃんからアドバイスとかもらうの忘れちゃった……)

 

係員「位置について!よーい!」パン!

 

つかさ「あ!」

 

 

鈴木「なんかデジャヴ……」

 

こなた「去年と同じく今年も出遅れたか」

 

 

モブA「えいっ!えいっ!」

 

モブB「んっ!届かないっ」

 

あやの「はっ!えいっ!」

 

つかさ(どれか一つはカラシ入り……!)

 

 

かがみ「つかさが追いついたわよ!」

 

鈴木「全員がパンを取るのにもたついてるおかげだな。一発逆転もあるかもしれないぞ」

 

みゆき「つかささん!頑張ってください!」

 

 

つかさ「えいっ」はむっ

 

あやの「やぁ!」はむっ

 

 

かがみ「つかさと峰岸が同時にパンを取ったわ!」

 

こなた「後は純粋に足の速さで勝負だね」

 

みゆき「見所ですね」

 

 

あやの(!!……からい!!)

 

 

鈴木「峰岸さんが急に失速したぞ?」

 

かがみ「え?どうしたのかしら?」

 

こなた「表情から察してカラシ入りひいたっぽいね」

 

かがみ「いくつカラシ入り用意してるのよ……」

 

鈴木「一つって言ってたけど明らかに被害者がいっぱいだよな…」

 

―パンッパンッ

 

みゆき「あ!つかささんが1位でゴールしたみたいです!」

 

鈴木「おおっ」

 

こなた「決定的瞬間見逃したぁぁぁ」

 

かがみ「そう言えばつかさが何かで1位穫るのって初めてかも」

 

こなた「じゃあ今夜は赤飯だね!」

 

鈴木「それは違うだろ」

 

つかさ「ただいま~」

 

こなた「おかえりー」

 

かがみ「1位おめでとう。」

 

つかさ「ありがとう~コレちょっと変わった味のあんパンだけどおいしいよ~」もぐもぐ

 

鈴木「変わった味?」

 

つかさ「うん。甘さ控えめな感じの」

 

こなた「まさか……」

 

かがみ「ちょっと見せて?」

 

つかさ「はい。一口食べる?」

 

こなた・かがみ・みゆき・鈴木「カラシ入り!?」

 

つかさ「あ~コレがカラシ入りだったんだ~」

 

かがみ「つかさ、コレ平気なの?辛いもの好きだっけ?」

 

つかさ「辛いものが好きってワケじゃないけど平気かな~」

 

こなた(お、恐ろしい。つかさにこんな辛いもの耐性があったなんて)

 

つかさ「ごちそうさまでした~」

 

 

―体育館

 

白石「ハァ……ハァ……ハァ……」(今、何周目か聞きたいけど声も出ない……もう1時間は走ったか?)

 

桜庭「ん?……交代の時間か……」

 

白石(お!もしかして逃げ出せるチャンス!?)

 

桜庭「じゃっ、出るからさぼるなよー」

 

白石(今だ!)

 

黒井「うぃーす」

 

白石(ノータイムかよ!?)

 

黒井「おっ!キバってるなー。頑張れやー」

 

白石(応援よりサボらせてくれ!)

 

黒井「サボったらアカンでー。ウチは途中で逃げ出すヤツがキライやからなー」

 

白石(アンタ担任だろっ!だいたい黒井にハメられたようなもんじゃないか!……って言う気力が無い……)

 

黒井「さて、ウチは職員室から持ってきたパソコンでネトゲでもするかなー」

 

白石(アりかよそんなの!?)

 

みゆき(放送)「次のアタマ跳びに参加する方は召集場所にお集まりください」

 

白石(クソッ……せめて観戦出来たら……!誰も見に来ないし!)

 

 

 

―応援席

 

かがみ「何なのかしらね、この競技」

 

鈴木「さぁな……」

 

桜庭「見つけたぞー」

 

鈴木「あ、桜庭先生」

 

かがみ「どうかしたんですか?」

 

桜庭「鈴木ーちょっとツラ貸してくれ」

 

鈴木「え?」

 

桜庭「というのもアタマ跳びに出るはずだった藻部が風邪で休みだからな。代わりに出てくれ」

 

鈴木「いや、待ってください。なんで俺なんですか?」

 

桜庭「たまたまそこにいたからだ。それにこの競技は男子限定だからそこにいる柊にも頼めないしな」

 

鈴木「だからって……」

 

桜庭「時間がないんだ。早くしてくれないと生物の成績を40点くらい下げるぞ?」

 

鈴木「うっ……でも俺ガイダンスとか参加してないからルールとか知らないっすよ?」

 

桜庭「転がってくる球をジャンプして避けるだけだ。」

 

鈴木「そう言われても」

 

こなた「行ってくれば?」

 

つかさ「そうだよ~行ってきたら?」

 

かがみ「行ってきなさいよ。ちゃんと見ててあげるから」

 

鈴木「……。先生、召集場所はどこですか?」

 

 

 

―数分後

 

こなた「いよいよだね」

 

つかさ「転がってきた球を跳んで避けた数だけ得点で最大50球だよね。3人ずつやるけど転がってくるタイミングはバラバラだから隣の人につられないようにしないといけないんだっけ」

 

こなた「説明乙」

 

かがみ「鈴木くんからなんだ」

 

こなた「なになに?そんなに気になるの?」

 

かがみ「ちがっ!そういうのじゃなくて!同じクラスだから応援くらいしてあげないと!!」

 

こなた「ふふーん」ニヤニヤ

 

かがみ「何ニヤニヤしてるのよまったく」

 

―パンッ!

 

こなた「お!始まった!」

 

つかさ「アンパ○マンの顔がプリントされたビーチボールみたいなのが転がってきたよ~」

 

こなた「そんな豪速じゃないね」

 

かがみ「これだったらふつうに跳べそうね」

 

こなた・つかさ・かがみ「……。」

 

こなた「地味じゃない?」

 

かがみ「……確かに……」

 

こなた「男子がピョンピョン飛んでるだけじゃ眼福でもないしね~」

 

―パンッパンッ

 

つかさ「あ、終わったみたい」

 

こなた「全員50球跳んだみたいね。」

 

かがみ「得点差がつかないわね、これじゃ」

 

つかさ「お!次はみずりちゃんの番だね。がんばれ~」

 

 

水原(何か今、パワーのみなぎる声が聞こえたような……。フフフ……やってやるぜ……)

 

―パンッ

 

水原(こっ……これは……楽勝!)

 

 

こなた「あれ?みずりんのとこだけドラ○もん模様のピンポン球じゃん。」

 

かがみ「あれ反則じゃない?跳ぶどころか軽く避けれるじゃない」

 

こなた「さすがにみずりんもそこまで手回しはしてないと思うけど……」

 

 

水原(楽勝楽勝……ってアレ!?)

 

 

こなた「ん?あ!いきなり球が変わった!」

 

つかさ「あれって大玉転がしの玉?」

 

かがみ「水原くんの身長を軽く越えてるわよ?」

 

こなた「あれは跳べるのかな?」

 

つかさ「がんばれ~」

 

 

水原(これは無理だろ!……だが一歩でも動けば失格……逃げるもんか!)

 

―ゴロン ゴロン

 

水原「さぁこい!!」

 

―ゴロン ペシャ

 

水原「にょょょょょょょょょょ!!!」

 

 

こなた・つかさ・かがみ「……。」

 

鈴木「ただいまー。なんか今、断末魔みたいなのが聞こえた気が……」

 

こなた「あ、うん。」

 

鈴木「あ……アタマ跳びでアレが転がってきて轢かれたのか……」

 

こなた「まぁ多分大丈夫だと思うけどね~」

 

かがみ「そうね。大玉転がしの玉って柔らかいし大丈夫よね」

 

つかさ「なんだ~大丈夫なんだ~良かった~」

 

 

 

鈴木(……あの玉、転がして準備してた教師が3人がかりで汗だくだったんだが……余計な心配させないために言わない方が良いのかな……)

 

 

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!なぁんと今日も始まりましたらっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです☆」

石橋「アシスタントの石橋です。」

あきら「さぁ今日も張り切っていきましょう!いよいよ体育祭の競技編になりましたね!青春をかけた熱いバトル!」

石橋「んなことよりネタ重視やけどな。」

あきら「まぁーそうなんですがー」

石橋「マジのスポーツは体力テストとかでやった方がええし面白い方が体育祭は盛り上がる!」

あきら「おっ!先生良いこと言いますね~」

石橋「授業せんでええし楽やで。まぁほかの雑用はうっとおしいけど」

あきら「さて今回の本編はパン食い競争と新競技 男子アタマ跳びでした!それぞれの秘話とか裏話とか聞けますかー?」

石橋「まぁええで。まずパン食い競争な。」

あきら「はい」

石橋「あれ各レースにカラシ入りは1個のはずやってんけどな。発注ミスでカラシ入りしかないねん」

あきら「えぇ!?!?」

石橋「なおカラシの悲鳴で売れ残ってしまった応援席向けのカラシパンはここに持ってきてるからあとで食べや」

あきら「え!?」

石橋「まぁまぁウマいで。俺は食わへんけど」

あきら「いやいやいや!こういうのは番組なので魔法のテロップを出しましょう!」

石橋「魔法のテロップ?」

※カラシパンは後でスタッフがおいしくいただきました。

石橋「お前なかなかえぐいことするのぅ」

あきら「え?あきらわかんなーい☆さてその次はアタマ跳びですね」

石橋「いろんな球がバラバラに転がってくるから判断力が大事になるゲームやな」

あきら「あの大玉転がし風の球は?」

石橋「鉄球や」

あきら「鉄球!?じゃあ水原さんは!?」

石橋「……。ご愁傷様でした。」

あきら「えぇー!!!大丈夫なんですか!?『残酷な描写』とかのタグ無くて大丈夫ですか!?」

石橋「ウソやウソや。安全には配慮しとる。そういうように見えただけやw」

あきら「あーびっくりした。」

石橋「ま、そういうわけやな。ほな俺も出番あるから本編行くわ」

あきら「え!?先生は私の味方じゃないんですか?」

石橋「んなわけないやろwじゃなー」

あきら「あ、いや先生、この番組の終わりのあいさつはそれじゃないです!」

石橋「あ、そうかそうか……ほな」

あきら・石橋「ばいにー」



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[第71話]お昼

―昼休み

 

水原「午前の部、終了いたします。只今より昼休みと致しますのでどうぞご家族様もあわせまして校庭とか校舎内とかで適当にお過ごしくださいませ。」←包帯ぐるぐる巻き

 

 

こなた「適当にって……まぁいいや。みんなどうする?どこでお昼食べる?」

 

かがみ「ここでいいんじゃない?」

 

鈴木「ん、だな。」

 

みゆき「そうですね、たまには外で食べるのも良さそうですね」

 

こなた「そう言えばかがみたち家族が応援に来てるんじゃないの?」

 

つかさ「多分、来てると思うよ~」

 

かがみ「でもまぁ小学生でもないんだしお母さんたちと一緒に食べるのもね~。反抗期ってワケじゃないけどなんか気恥ずかしくない?」

 

鈴木「……分かる気はする」

 

つかさ「こなちゃんもおじさん来てるんだよね?」

 

こなた「うん、昼休みも切磋琢磨してると思うよ~?」

 

みゆき「切磋琢磨……ですか?」

 

こなた「そう。今もどこかでカメラ持って……」

 

 

 

そうじろう「離せ!私は不審者ではない!」

 

石橋「はいはい、話はこっちでゆっくり聞くから」

 

そうじろう「娘の活躍をだな」

 

石橋「とりあえず今は昼休みですから」

 

そうじろう「昼休みであっても」

 

石橋「はいはい、泉さん。とりあえずこっちでゆっくり話聞きますから」

 

そうじろう「は、離せ~だいたい何故私の名を知っている!?まさかCIAか!?FBIか!?」

 

石橋「いえ、PTAです」

 

 

 

こなた「ほらね」

 

鈴木「連れていかれたぞ……良いのか?アレで。」

 

こなた「気にしちゃ負けだよ。ゆいねーさんのお世話にだけならないでくれたらね。」

 

鈴木「それすらも怪しい気が……」

 

こなた「それよりさ、午後はいよいよかがみとみゆきさんの出番だね」

 

つかさ「借り人競争だよね」

 

かがみ「そうよ」

 

みゆき「そうですね。どんな指令になるか楽しみです」

 

かがみ「あまり無茶じゃないのをお願いしたいわ」

 

こなた(それは無理な相談だよかがみ~)

 

鈴木「まぁ『長男』とか『柔道段位』とかのお題なら俺が適当にフリするから言ってきてくれ」

 

みゆき「柔道の段位をお持ちなのですか?」

 

鈴木「いや、全然まったく。まぁ変に探し回って負けるよりはそっちの方が良いかなぁって」

 

かがみ「うーん……でも嘘はあまり良くない気もするし……まぁ困ったら相談くらいには行くわ」

 

鈴木「はいよ」

 

こなた「さりげなくかがみと一緒にゴールしたい鈴木くんなのであった」

 

鈴木「何をまたワケ分からんことを……」

 

こなた「いろんな意味でゴールイn」

 

鈴木「おいゴラァ!」

 

―昼休み終了

 

水原「お待たせしました。午後の部を開始します。まずは『教師対抗リレー』です!」

 

 

こなた「そう言えばそんな競技もあったね」

 

 

水原「この競技は各学年の担任の先生方でリレーをしていただきます!さぁ何年の担任の先生方がトップを穫るのでしょうか!さぁ先生方準備が整いました!」

 

 

モブ教師1年(ここで良いところを見せて天原先生の)

 

モブ教師2年(桃色のハートを狙い撃ち!ついでに桜庭先生をぶち抜いてやる!)

 

桜庭「……」

 

委員「位置について!よーい!」

 

―パンッ

 

モブ教師1年(見たか!桜庭!)

 

モブ教師2年(ぶっちぎっ……え?)

 

―プロロロ……

 

水原「おっと!1年、2年の先生が抜け出したかに見えたが!3年桜庭先生がスクーターで軽々と抜き去りトップ独走だ!」

 

モブ教師1年「スクーター!?」

 

モブ教師2年「アリかよ!?」

 

水原「ルールにスクーターその他二輪車の使用を禁じるものはありませんからね!これは発想の勝利と言えそうです!!さぁ今、桜庭先生がぶっちぎって第2走者にバトンを渡します!」

 

―しばらくして

 

水原「さぁ桜庭先生が作った大きなリードを守ったままバトンがアンカーに渡ります!」

 

 

黒井「よっしゃ、ウチがトップ決めたるで!」

 

 

水原「さぁ続いて1年担任!アンカーの石橋先生にバトンが渡りものすごい勢いよく追い上げてきた!」

 

 

黒井「な!何ぃ!?」

 

石橋「」←すごい殺気

 

黒井「ウチは負けへんでぇ!」

 

 

つかさ「すごいデッドヒートだね~」

 

こなた「まぁ誰得ではあるけどねぇ~」

 

 

水原「さぁゴール前、2人横並びだ!今、ゴールだ!1位はタッチの差で石橋先生だぁぁぁあ!」

 

―1年応援席

 

ゆたか「わ~すごいね~」

 

パティ「アツいオいアゲデシタネ!」

 

みなみ「先生…あんなに速く走れるんだ……」

 

―3年応援席

 

こなた「なんかアツくなってたね~」

 

鈴木「そうだな~」

 

みゆき「黒井先生追いつかれちゃいましたね」

 

つかさ「あの差を追い上げるってどんだけ~」

 

 

水原「さて、前座が終わりました!次の種目の準備までしばらくお待ちください」

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!今日も始まりましたらっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです!さーて今日のアシスタントは!!!」




あきら「あれ?」



あきら「ちょっと?」



スタッフA「誰もアシスタントに回れる人いないから!」

あきら「え!?」

スタッフB「もう今日これで終わって!!」

あきら「えぇー!?」

スタッフA「エンディング流すよ!!」


あきら「あ~っと今日はこれでおしまいなのだ!ばいにー!!」


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[第72話]人を借ります

水原「さぁお待たせいたしました。借り人競争でございます。保護者の皆様、お客様にもご協力をお願いする場合がございますので予めご了承ください。」

 

 

こなた「いよいよだね!」

 

つかさ「なんでこなちゃんがウキウキしてるの?」

 

こなた「だって面白いラブコメ展開が見れるかもしれないんだよ~?」

 

つかさ(意味がよくわからないよ……)

 

 

―スタート地点

 

かがみ「まさかみゆきと同じだったとはね」

 

みゆき「お手柔らかにお願いしますね」

 

かがみ「こちらこそよろしく」

 

委員「位置について!よーい!」

 

―パンッ

 

 

水原「さぁ選手一斉にクジに向かって走り出した!なお今年は少しルール変更がありましてクジには2通りの指定が書いてあり選手は好きな方を選べますが難易度によって獲得ポイントが1~5ポイントと異なります!」

 

 

かがみ「はぁ!?そんなの聞いてないしどういう意味なのよ!?」

 

 

水原「さぁ選手がクジにたどり着きました!」

 

 

かがみ「このクジよ!」

 

ギタリスト[2p]

好きな異性[5p]

 

かがみ(……。ギタリストを連れて行けば2ポイント、好きな異性を連れて行けば5ポイントって意味ね……変なのひいたなー……)

 

モブA「腐女子?と中二病?って何よ!」

モブB「あだ名が豆!?北の将軍!?心当たり無いし!!」

 

みゆき(今年も無茶が多いみたいですね……私は)

 

同じ委員[1p]

普天堡電子楽団[5p]

 

みゆき(……どうしましょう……普天堡電子楽団が何か分かりませんし……得点は少ないですが変に探すよりゴールする方が大切でしょうか)タッタッタッ

 

かがみ(みゆきが走り出した!?……私も一応の心当たりはあるし急ぐしかなさそうね)

 

―応援席

 

こなた「おっ!みゆきさんが一目散にこっちに来たね!」

 

みゆき「すみません!少し協力していただけませんか!?」

 

副委員長「え!?」

 

みゆき「はい!お力をお借りしたいのです。借り人のお題が同じ委員ですので」

 

副委員長「う、うん!分かったよ」(同じ委員……か)

 

こなた「さすがみゆきさん!完全フラグクラッシャー!」

 

鈴木「まぁ変な期待を持たせないだけマシ……なのかなぁ。というかこなたのクラスの副委員長はそういうアレなのか?」

 

こなた「そういうアレなのだよ。あれは残酷だよね~」(で、こっちはどうかなぁ~)

 

かがみ「鈴木くん!ちょっと……」

 

鈴木「ん?すまん、呼ばれたからまた後でな」

 

こなた「はいはーい」

 

 

かがみ(鈴木くんは確かギター弾けたはずだしクジさえ見せなければ!)

 

鈴木「ちなみに何書いてたんだ?」

 

かがみ「そんなことより早くゴールするわよ!」

 

鈴木「え?あ、うん……」

 

 

 

―ゴール地点

 

みゆき「同じ委員の方です!」

 

水原「はい、ちなみに普天堡電子楽団?」

 

副委員長「え?いや……」

 

水原「分かりました。1ポイント+1着5ポイント!」

 

―ゴール付近

 

かがみ(しまったぁぁぁぁ!ゴールでクジ確認されてしまう!!)

 

鈴木「ん?急に走るの遅くなったが大丈夫か?」

 

かがみ「だだだ大丈夫よ!!?」(大丈夫じゃない!)

 

モブA「今だ!チャンス!」

 

パティ「おサキでス!」

 

鈴木「あ!急げ!」

 

かがみ「う、うん」

 

―ゴール地点

 

水原「クジは?」

 

モブA「はい!」

 

パティ「ワタシは腐女子デ中二病デス!」

 

水原「威張って言うことじゃないけどねー。はい、腐女子2ポイント+中二病2ポイント+2着4ポイントで8ポイント!」

 

モブA「よし!」

 

鈴木「後れをとったな……」

 

かがみ「ごめん」

 

鈴木「いや、いい。それにもしかしたらポイント逆転出来るかもしれないし」

 

かがみ「あー……」(どうしよう、クジ見せてギタリストだけなら2ポイント……?)

 

水原「はい、クジ見せてもらうよーっと……」

 

かがみ「あ、はい……」(アレ?鈴木くんにはクジ見えないようにしてくれてる……)

 

水原(あらぁマジでコレ当てたかw)「ではまず……ギター弾けます?」

 

鈴木「あぁ」

 

水原「もう一つは……認める?」

 

かがみ「え?私に聞くの?……えーと……」(鈴木くんにはクジを見せない配慮?)

 

鈴木「……多分、合ってるんじゃないかな?」

 

かがみ(え!?何言ってるのよ?あ……さっきの嘘協力の件?)

 

水原「ほぅ……認める?」

 

かがみ(鈴木くんがポイントを優先してくれてるし水原くんはクジを鈴木くんに見せないようにしてるけど……)

 

鈴木「かがみ?どうなんだ?」

 

かがみ「認めます!」(あっ!つい勢いで思ってもないことを!……本当に思ってもないこと……なのかな)

 

水原「分かりました。2ポイント+5ポイント+3着3ポイントで10ポイント!」

 

―ゴール裏

 

鈴木「マジで逆転出来たな」

 

かがみ「そうね……でも良かったのかな……」

 

鈴木「良いんじゃないか?何が書いてたかはあえて聞かないが、もし証拠求められたら特訓なりなんなりで技能身に付けるだけだし」

 

かがみ(そうじゃなくて私とあんたにあらぬ誤解が……とは言えない……)

 

鈴木「それにみずりんなら言いふらしたりは出来ない。俺が一応、弱み握ってるしな」

 

かがみ「へ、へぇー……もしかしてクジの中身にきづいt」

 

鈴木「さぁ、次はリレーだったな。俺、補欠で藻部が休みの代わりに出ることになったんで応援よろしく」

 

かがみ「あ、うん。頑張ってね。」(気付いてたら否定するよね……私なんかに好かれるのは嫌だろうし。考え過ぎね。……私はどうなんだろう……)

 

鈴木(かがみとみずりんのあの態度でだいたいクジの中身って察しはつくんだよなぁ……。嘘で認めさせたワケだし後で謝った方が良いか……。だがクジの中身を聞かないと言った以上、何も言わない方が良いのか……。)

 

かがみ・鈴木(はぁぁぁ……困ったなぁ……)

 

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!今日も始まりましたらっきー☆ちゃんねるナビゲーターの小神あきらです!」

石橋「アシスタント石橋だ」

あきら「さぁラブコメ的にはメインイベントの借り人競争が来ましたね!」

石橋「おぅ」

あきら「今年も変なクジがいっぱいだったらしいですが」

石橋「あれはなー水原の趣味や」

あきら「生徒が決めていいんですね」

石橋「ま、いろいろ仕事やらせたからなぁ。それくらいの自由はええやろ。それに」

あきら「それに?」

石橋「さすがに書いたらアカンこと…例えばセフレとか穴兄弟とかそんなんは書かんやろって意味では信頼もしてるし」

あきら「ちょっと……まだ私、中学生なんで意味わかんないんですけどそういうの言うのやめてもらえます?」

石橋「あーそうかそうか、てっきり同じくらいの年齢やと思ってたわ。みそz」

あきら「おぃ!」

石橋「まぁそういうわけでクジがいっぱいあったわけや。余ったんってきたけど引いてみるか?」

あきら「うーん。じゃあ・・・・」

-
先生[1p]
戦闘力が53万の人[5p]
-

あきら「まぁ先生はここにいるからいいとして戦闘力53万って……」

石橋「まぁ1ポイントはすぐ取れるけど5ポイントはかなりきついってわけやな」

あきら「なるほど……」

石橋「実際これ引いた学生が水原のとこに行ったらスカウターで戦闘力を調べられるぞ」

あきら「何でもありなんですね……」

石橋「まぁなー勉強じゃないねんから本気やろ」

あきら「先生がそれ言いますか…」

石橋「ま、勉強だけできてもしゃーないからな」

あきら「ふーん・・・・・あっ!もうこんな時間なのだ!残念だけど今日はここまで!」

石橋「体育祭編の間、アシスタントが白石じゃなくてすまんな。まぁまた見たってくれや」

あきら・石橋「ばいにー!」


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[第73話]そして体育祭は終わる。

水原「次の男女混合リレーに参加する方は召集場所にお集まりください。」

 

―召集場所

 

こなた「まさか鈴木くんと同じとはね」

 

鈴木「まぁ補欠だったワケだがな。」

 

みさお「やいチビッコ!今日は負けないからな!」

 

こなた「おぉ!かがみの友達の……えー……」

 

みさお「日下部みさおDA!」

 

こなた「おーそうだったそうだった!普段は"ウチの"かがみがお世話になっているようで」

 

みさお「こちらこそ"ウチの"柊がお世話になっているようだな」

 

鈴木「なんか盛り上がってるようだが」

 

こなた「何?鈴木くんも?」

 

鈴木「いや、選手入場始まってるぞ……」

 

こなた「早く言ってよ!」

みさお「早く言えよ!」

 

鈴木「なんで俺がハモって怒られなきゃならんのだ……」

 

―スタート地点

 

鈴木(さて……第一走者は俺だな……。まぁ……)

 

委員「位置について!よーい……」

 

―パンッ!

 

鈴木(やれるだけのことをやるだけだ!)

 

―パンッパンッ!

 

水原「フライングでーす」

 

鈴木「ってオイ!」

 

 

こなた「あちゃー」

 

みさお「しまらねぇなー」

 

委員「戸を切り直して、位置について……」

 

鈴木(戸を切り直して?気を取り直してじゃないのか?)

 

―パンッ

 

鈴木(あっ!……出遅れた!)

 

 

こなた「フフフ……」

 

みさお「アイツ何やってるんだよ!」

 

 

鈴木(しまったぁ!……だが……恥を忍んでポイント獲得を頑張った人もいる……負けるわけにはいかねぇ!)

 

 

こなた「おぉ!鈴木くんアンカーでもないのにすごい追い上げをしてる!」

 

みさお「へへーん。すげーだろ?」

 

こなた「別にみさきちがスゴいわけじゃないんだけどねー」

 

みさお「何を~!」

 

こなた「お!言ってる間に……」

 

 

水原「さぁバトンが第2走者に渡ります!」

 

 

みさお「お~出遅れから2位まで来たな~」

 

こなた「流石だけどウチのクラスを抜けなかったのは残念だね」

 

みさお「は?」

 

こなた「なんせウチのクラスのアンカーは私だからね!」

 

みさお「何をー!?私もアンカーだから抜き返す!」

 

鈴木「すまん、2位でバトン渡しちまった……」

 

こなた「乙ー」

 

みさお「気にすんなよ!私が逆転してやるから!」

 

鈴木「いやー情けない」

 

 

―しばらくして

 

水原「さぁいよいよアンカーだ!」

 

 

こなた「フフフ……順位は変わらずみたいだね」

 

みさお「逆転してやるぜ!背景キャラの意地にかけて!」

 

こなた「とりあえずお先に!」

 

モブa「はい!」

 

こなた「はいよ!加速装置!」

 

モブb「はい!」

 

みさお「はいよっ!背景の本気を見せてやるぜ!」

 

 

鈴木「おぉ日下部さんすげぇ……こなたもなかなか俊足だがそれでも差が縮まってる……」

 

 

こなた(流石みさきち……追いついてきたか……だが抜かさせない!)

 

みさお(ヴァカな!?速くなった?あのチビッコ……なかなかやるな……)

 

 

鈴木「こなた速い……だが日下部さんもあれだけ速いし勝負は分からんな」

 

モブa「うわっ、なんか一人でしゃべってるし」

 

モブc「なんなんや」

 

鈴木(やべぇ、つい独り言が声に出てたぜ。とは言えまさしくデッドヒートだからな)

 

 

水原「さぁリレーのアンカーが2人がほぼ同時にゴール!1着は……B組!!!!」

 

 

こなた「私を本気にさせるとはみさきち流石だよ……」ゼェゼェ

 

みさお「チビッコこそな……あっさり抜けると思ってたぜ。だが……くそー!背景キャラは主役には勝てないのか!」

 

こなた「え?」

 

鈴木「1着おめでとう」

 

こなた「あ、あぁー私1着だったんだーへ、へぇー」

 

鈴木「柄にもなく恥ずかしいのか?」

 

こなた「いや、別にー」

 

みさお「高校最後に名勝負が出来て良かったぜ!」

 

こなた「あーうん。そう言えば次が最後のプログラムだっけ?」

 

水原「次の30人31脚は参加者少数につき中止となりました。このあと時間調整のため15分の休憩ののち閉会式となります。」

 

こなた・みさお・鈴木「……。」

 

こなた「なんか、最後の最後でしまらないね」

 

みさお「そうだなー」

 

鈴木「まぁ俺たちらしいがな……」

 

 

 

―閉会式

 

校長「むゃんにゃんにゃんにゃ……」

 

鈴木「相変わらずだな……」

 

かがみ「そうね……聞かないの?」

 

鈴木「何を?」

 

かがみ「あの借り人競争のクジの内容よ」

 

鈴木「あぁーまぁみずりんが俺には分からないようにしてたし聞かない方がいいかな……と」

 

かがみ「そ、そう」

 

鈴木「聞いた方が良かったか?」

 

かがみ「別に、そういうことじゃないわよ!」

 

鈴木「ならこの話はここで一旦、終わりだ。にしても忙しい学校だよな。来週から文化祭の準備だぜ?」

 

かがみ「そうね。文化祭か~。去年は色々あったわね」

 

鈴木「ん!若干の黒歴史があるような……」

 

かがみ「私はしっかり覚えてるわよ。」

 

鈴木「アッ……ハイ……」

 

かがみ「まぁ今年は受験生なんだしそんな無茶は無いんじゃない?」

 

鈴木「と祈りたいね。」

 

かがみ「まぁ私はちょっとくらいなら変わったことをしてみても良いけど」

 

鈴木「変わったこと……ねぇ?」

 

かがみ「去年の誰かさんよろしく劇に出てみたりとか。最後くらいね」

 

鈴木「あちゃー……」

 

かがみ「何よ!?私がそういうこと考えちゃいけないって言うの?」

 

鈴木「いや……そうじゃなくて」

 

こなた「Yahoo!かがみの所信表明はしっかり聞きました~」

 

かがみ「なっ!?ちょっと!鈴木くん!?早く言ってよ!」

 

鈴木「すまん、気付いたときには遅かった……」

 

かがみ「まったくもう……というか閉会式の途中で来るなよ……」

 

こなた「え?閉会式終わったしもう解散だよ?」

 

鈴木「マジか。気づかなかった」

 

かがみ「校長先生の話終わってたのね、気づかなかったわ……」

 

こなた「まぁいつの間にか終わってたからね~それより2人は今晩ヒマ?」

 

鈴木「まぁ」

 

かがみ「ヒマだけど」

 

こなた「軽く打ち上げでもいかない?みゆきさんとつかさは声かけたんだけど」

 

かがみ「んー良いわね」

 

鈴木「じゃ、せっかくだしお邪魔させてもらおうか」

 

こなた「よし!じゃ行こっかー。ちなみにつかさとみゆきさんは席取りに行ってもらってるよーん」

 

 

―その頃、体育館

 

白石(なんか、多分もう300周は走ったはずなんだけど……自信がない)

 

校長「コラァ!何タラタラ走ってるんだぁオイ!」

 

白石(いつの間にか校長だし……)

 

校長「返事くらいしたらどうなんダァ?」

 

白石(返事する余裕がねぇ!……というか校長が普通にしゃべってる!?)

 

校長「なんだ?何か文句ありそうな顔だな。よし、あと400周だ」

 

白石(ああああ……)




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!らっきー☆ちゃんねるナビゲーター小神あきらです!」

石橋「アシスタントは今回のまで石橋です。」

あきら「ということで体育祭編終わりましたーいや~楽しかったですね~」

石橋「まぁ学生らで打ち上げ行くみたいやからそこまでは体育祭編やけどな」

あきら「先生も競技に参加されてましたけどどうでした?」

石橋「ん?あー教師対抗リレーか。そういやそんなん出たな」

あきら「先生すごい追い上げでしたよ~」

石橋「まぁアレはほかの先生方が遅すぎるねんな。まぁ一応、昔スポーツやってた身としてはあんなんに負けてられへんわ。」

あきら「へ~。でも桜庭先生がスクーターで逃げたのはズルいですよね~」

石橋「いやー俺はあれはありやと思うけどな。発想の勝利やであれは。」

あきら「ふーん。先生の中ではあれはありなんですね」

石橋「天原先生にいいところを見せようとしていた連中は気の毒やけどなwww」

あきら「そこは草生えるんですね」

石橋「いやまぁアイツらヘボ共やし仕事でも足引っ張ってばかりやからな~」

あきら「急に黒い部分が出ますね」

石橋「そりゃ天原先生目当てで保健室の前で『この辺に落し物が~』とか言ってウロウロしてるんとかアホやろwww教師やねんやったらそんなことしてる間に学生の質問でも聞いてやれよって常日頃から思ってるからなw」

あきら「言いたい放題ですね」

石橋「やから桜庭先生がスクーターで走り出したん見てずっと『ざまぁwwwwメシウマwwwwww』って言ってたわwww」

あきら「うわぁー」

石橋「ってところで今日は終わりやな」

あきら「え?もうそんな時間?」

石橋「ん。ほな終わり!」

あきら・石橋「ばいにー!」


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[第74話]打ち上げ

―ファミレス

 

店員「お連れ様ご案内いたしまーす!」

 

つかさ「お姉ちゃん、こなちゃん、鈴木くんお疲れ~」

 

みゆき「お疲れ様です」

 

鈴木「お疲れさーん」

 

こなた「やふ~お待たせ~」

 

かがみ「お疲れー。これで全員?」

 

こなた「いや、あと一人だけ来るよ~。ゆーちゃんたちも誘ってみたんだけどクラスで何かあるんだって~」

 

鈴木「ほ~で1年組がいないのにもう一人か」

 

こなた「まぁ学校の用事片づけてから来るらしいから間に合うかどうか分からないんだけどね~」

 

かがみ「ふーん」

 

つかさ「こなちゃん、今メール来てね『しばらくかかりそうなんで先に注文しといて~』だって」

 

こなた「はいはーい。じゃメニュー決めて注文しちゃおうかー」

 

 

 

―しばらくして

 

かがみ(ここまで借り人競争の話題無し)

 

鈴木(予めかがみに困れば使えと言ったとはいえ実際にしたらある程度、ちょっかいをかけてくるとは思うんだが……)

 

かがみ(こなたは変にその話題を避けてるようにも見えるし不気味ね)

 

店員「いらっしゃいませー」

 

??「すいません、先に5人ほど来てるんですが」

 

店員「お連れ様でございますねーこちらへどうぞ」

 

 

鈴木「おぉやっと来たか」

 

水原「どうもこんばんは、お疲れ様です」

 

こなた「おつー!さぁ役者も揃ったところで!」

 

かがみ・鈴木(やっぱり!)

 

こなた「かんぱーい!」

 

かがみ・鈴木「あっ!?」(そっちか)

 

つかさ・みゆき・水原「かんぱーい」

 

こなた(フッフッフッ……2人ともみずりんが入れたクジに当たりましたってのがバレバレだよ~。さて、証人も来たわけだしそろそろいじらせてもらおうかな~)「ねぇかがみ、みゆきさん」

 

みゆき「はい?」

 

かがみ「何?」

 

こなた「借り人競争どうだった?」

 

鈴木(単刀直入!?)

 

みゆき「楽しかったですよ。お題が少し難しくて先にゴールするべきかお題を達成するか迷いましたが、それも含めてゲーム要素が多くて楽しかったです」

 

こなた「お題って2つだっけ?どんなお題だったの?」

 

みゆき「私の場合は同じ委員の方と普……申し訳ありません、なんと読むか分からない電子楽団の方でした」

 

こなた「へぇ~。かがみは?」

 

かがみ「私?私は……何だったかしら?忘れちゃったわ」(あのクジを言えるわけがない!まして本人もいるのに)

 

こなた「え~忘れちゃったの?鈴木くんは覚えてない?連れて行かれたでしょ?」

 

鈴木「いや、俺はそもそもクジを見なかったからなぁ。覚えてる覚えてない以前に知らんなぁ」

 

こなた「あちゃー」(まぁこうなることは想定内でみずりんを呼んだんだけど)

 

みゆき「かなり難しいお題があったみたいですから覚えるのも難しいかもしれません。正直、私も普……電子楽団の字を覚えてませんし。そういえば水原さんは普通に読めてましたよね?」

 

こなた「そりゃクジ作った本人は読めるでしょ」

 

かがみ「えっ!?水原くんがクジ作ったの?」ゴゴゴゴ

 

水原(うぇっ……柊姉のオーラヤバい。迂闊なことを言えば死ぬな)「あ、あれねぇ。直前で2つに変わったんで私が作ったクジから差し変わっちゃったのよ」

 

こなた「へぇー」(アレ?まさかの裏切り?)

 

かがみ「あ、そうなの?」

 

こなた「まぁ、でも。みずりんがゴール地点の確認してたよね?」

 

水原「してましたね」

 

こなた「みゆきさんのクジにあったなんやら電子楽団も覚えてるんだしかがみんのクジも覚えてるよね?」

 

水原「まぁ覚えてますけど」(プライバシーどうので伏せたらそれがバレバレだよなぁ。だからと言ってバラしてしまうと……。柊姉に嫌われるのは100歩譲って仕方ないとしてもついでにつかささんにまで嫌われたらリアル死ねるしなぁ。面白がってあんなクジ用意した自業自得か……)

 

鈴木(みずりんは空気を読むのか?……どう切り抜けるのだろうなぁ)

 

つかさ「結構、ポイント高かったし難しいお題だったんだよね?」

 

こなた(おぉつかさが無意識とは言え加勢してくれたよ!……無意識だよね?黒つかさがみずりんいじめるために出てきたとかじゃないよね?)

 

水原「まず2ポイントの方がギタリストですね」

 

こなた「あぁ~確かに鈴木くん、どっかの女子高でギター弾いてたね」

 

水原「あとは……イニシャルがZの人。なかなかいないので5ポイントに設定してたんですよ」

 

こなた「へ~。」(ってそんなバレバレの嘘じゃーん。)

 

かがみ(ナイス!あとはこれに合わせてうまく誤魔化せば……)

 

こなた「おかしくない?みゆきさんと知らない人Aの時はマイクでお題言ったのにかがみの時は言わなかったのさ?」

 

鈴木(そう来たか。俺は知らない察してないの体だから何も言えないしみずりんが頼りか……)

 

水原(配慮が裏目ったぁぁぁぁぁ!!!どう切り抜けようか!)

 

みゆき「名前からは個人情報と言いますし名前が分かるかもしれないイニシャルは伏せたのでしょうか?」

 

水原(助け舟サンクス!)「そうなんですよ。一応、何があるか分かりませんしね」

 

こなた「んーそっかー」(これ以上追求しても口割りそうじゃ無いしこれくらいにしとくかなーつまんねー)

 

かがみ(とりあえずピンチは)

 

鈴木(切り抜けたかな)

 

―店外

 

こなた「じゃっ解散!またねー」

 

 

 

かがみ「ふぅー……今日は何か疲れたわね」

 

つかさ「そうだね~。しかも来週からは文化祭の準備だよ~」

 

かがみ「そうね」

 

つかさ「お姉ちゃん、文化祭楽しんでね~」

 

かがみ「何よソレ?」

 

つかさ「エヘヘ~なんとなくー。もう最後だし悔いの無いようにしたいな~って」

 

かがみ「まぁそれはね。」

 

つかさ「あ!忘れ物しちゃった!」

 

かがみ「え~しっかりしてよ~」

 

つかさ「先に帰ってて!」

 

かがみ「大丈夫?一人で帰れるの?」

 

つかさ「大丈夫だよ~」

 

かがみ「じゃあ先に帰るけど何かあったら必ず電話するのよ!」

 

つかさ「はーい」

 

 

―店内

 

つかさ「お待たせ~」

 

水原「いえいえ。どうかしました?」

 

つかさ「うん。お姉ちゃんがひいたクジって中身本当は違うよね?」

 

水原「ありゃ、バレてました?」

 

つかさ「うん……あの借り人競争のとき、お姉ちゃん複雑そうだったもん。あんなお題じゃないかなぁ~って」

 

水原「複雑そう?」

 

つかさ「うん。多分鈴木くんのことが気になってる反面、迷惑かけないように……とか考えちゃってるんじゃないかなぁって」

 

水原「あぁ~なるほど。」

 

つかさ「鈴木くんはお姉ちゃんのことどう思ってるか知らない?」

 

水原「あいにく正確には分からないけど、少なくとも嫌いじゃないだろうし……どちらかと言えば好きなのかなぁとも思うけども」

 

つかさ「やっぱりそう?お姉ちゃんも鈴木くんも互いが互いに迷惑かけないようにって遠慮してるように見えるよね~?」

 

水原「うーん……言われてみれば……」

 

つかさ「それってもったいないと思うの。だから、もし良かったらなんだけどお姉ちゃんを応援してほしいの」

 

水原「引っ付けるようにしてほしいと?」

 

つかさ「お姉ちゃん、変なところで遠慮しちゃうから……お姉ちゃんには幸せになって欲しいんだ~」

 

水原「姉思いでんなぁ。まぁ、微力ですがほんの少しくらいなら……」

 

つかさ「やった!ありがとう。あ、このことは誰にも秘密にしてね?」

 

水原「ん。ちなみに私は今でもあなたのことが好きですよ」

 

つかさ「ありがとう~。それじゃおやすみ~」

 

水原「はい、お気をつけて。おやすみなさい」

 

つかさ「じゃあね~」

 

 

 

 

水原「ありがとう……止まりか……ちくしょう……酒だ!酒もってこい!!」

 

店員「お客様未成年ですよね!?」

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!さぁはじまりましたっ!らっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「あっ・・・アシスタントの・・・しっ、しらい・・・白石・・・みのるd・・です。」

あきら「っておい!!久々に出てきたと思ったらなんだそのザマは!?ああぁん!?」

白石「あっ・・・体育館1000周して足がっ・・・」

あきら「ったく、だらしねぇなぁ」

白石「そんなこと言いましてもですね・・・・」

あきら「ほらなんだったらスタジオで走り込みする!?」

白石「か、勘弁してください……」

あきら「はぁ・・・ってことで白石君が役立たずなので今日は終わりまーす」

白石「えぇ!?」

あきら「ばいにー」



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[第75話]だめだこりゃ

―体育祭の翌週・放課後

 

こなた「いやー今年のクラス行事はあっさりになったねー」

 

つかさ「占いだもんね~」

 

水原「クラス以外にも積極的にイベントをやる側で参加できるようにって配慮ですからねぇ」

 

みゆき「クラス側を縮小してその分を有志にしたので委員の仕事自体は増えたんですけどね。」

 

水原「お疲れ様です。」

 

みゆき「それとあまりに新しい制度ですので皆さんが慣れないのかあらゆる企画で穴がでています……」

 

つかさ「穴?」

 

みゆき「はい……例えば今年はいわゆるミスコンを開催するのですが参加者が足りません。まだ期限まで時間はありますから悲観しなくて良い……と思いたいのですが……」

 

かがみ「おーす」

 

鈴木「おす」

 

こなた「あーかがみたちお疲れー。かがみたちのクラスは何するのー?」

 

かがみ「お化け屋敷よ」

 

鈴木「詳しくはまだ決まってないけどとりあえず……って感じだな」

 

こなた「へぇー残念だね」

 

かがみ「何がよ?」

 

こなた「なんか役者とかしてみたいみたいなこと言ってなかった?」

 

かがみ「まぁそこまでじゃないわよ。機会があればって程度」

 

こなた「ふーん」

 

水原「いっそ私らで何かやります?」

 

かがみ「私は遠慮しとくわ」

 

こなた「頑張ってね」

 

鈴木「おぉ観に行くからな」

 

水原「ちぇっ……つれないなー」

 

こなた「まぁ日本人がよく言う返しなら『考えとく』とか『やれたらやる』だね~」

 

水原「はい、よくわかりました」

 

みゆき「ただ、本当にイベントが埋まらなかった場合は水原さんにお願いしないと……」

 

水原「あらーまぁその時はその時ですな」

 

みゆき「そうですね」

 

こなた「そういえばゆーちゃんたちはどうするんだろ?」

 

水原「本人たちに聞いてみたら?私は知ってますけど」

 

こなた「そだね~ケータイっと……」

 

―数分後

 

ゆたか「お邪魔しまーす」

 

こなた「ゆーちゃんたちいらっしゃーい」

 

みなみ「こんにちは」

 

ひより「こんにちはッス」

 

パティ「ハロー!」

 

鈴木「久しぶりー」

 

ゆたか「どうしたの、お姉ちゃん?」

 

こなた「いやーゆーちゃんたちのクラスは何するのかなぁ~って思ってね」

 

ゆたか「文化祭?」

 

こなた「そう」

 

ゆたか「私たちはね~……ネットカフェ?みたいな感じのにするんだよ~」

 

つかさ「ネットカフェ?」

 

みなみ「はい。みんなでパソコンを持ち寄ってネットができる環境にしようと」

 

こなた「また思い切ったチャレンジだね。準備はいつからするの?」

 

ひより「それが……場所が文化祭の数日前まで使えないんで準備はギリギリに詰めてやるッス」

 

かがみ「それは……大変ね」

 

水原「その分、クラス外でもいろんなことやってくれ……っていう暗黙のメッセージやね」

 

パティ「ワァオ!ひよりん♪」

 

ひより「パティ……いやダメッス……我々はマイノリティっス!」

 

水原「まぁさっきのは半分冗談だけど半分本気なので色々手を出してみるといいよ」

 

ひより「ちょっと考えさせてほしいッス……」

 

かがみ「にしても何なのかなぁこの方針は」

 

水原「やる気ある方が楽しめるでしょってのを具体化させた?」

 

こなた「よく分からないね」

 

みゆき「私はイベントの枠だけが空いているのが不安です……」

 

水原「確かに委員だけでいくつか企画を立案、実行はしなきゃならないかもですからね」

 

みゆき「他の仕事もあるので出来れば避けたいですが……」

 

こなた「みゆきさん、さっきから残念フラグ立ちまくりだよ?」

 

みゆき「フラグ?旗ですか?」

 

こなた「あー自覚無し死亡フラグだね」

 

水原「それ以上はやめてあげてください。今、絶望されると多分もたないです」

 

みゆき「死亡?絶望?あの……?」

 

水原「はいはい、今日はこの辺りにして帰りましょう。英気を養わないと」

 

みゆき「あ、そうですね。もうすぐ忙しくなりますから」

 

 

―数日後・放課後

 

みゆき「かなりクラスの方は案がまとまってきましたね」

 

水原「まぁシフト決める以外は占う方法とか個人で考えるわけだし体よく丸投げされたような……」

 

みゆき「何か言いましたか?」

 

水原「いえ、何も。」

 

副委員長「委員もクラス以外に色々山積みだから分かってよ」

 

水原「まぁ……割と危険らしいのは分かってるけどサー。これでしょ?」←スッカスカのプログラム

 

みゆき「はい……思った以上に空いていて困惑しています……」

 

副委員長「なんとかしたい……けどアイデアがね」

 

水原「いっそ我々でコントでもしましょか?」

 

みゆき「それは遠慮したいです」

 

副委員長「無しかな」

 

水原「ですよねー」

 

みゆき「ワンマンライブをなさるのでしたらいつでも場所の提供はいたしますので」

 

水原「厳しい冗談やなぁー」

 

みゆき「?……冗談を言ったつもりは無いのですが?」

 

水原「………」

 

副委員長「と、とにかくこの空いてる枠を何とかしないとね」

 

みゆき「参考までにあくまで水原さんでなく一般論の話をしますがコントライブをするとどれくらい時間を使いますか?」

 

水原「私は主催したこと無いのですが……まぁ公演に60分として準備45分、開場は15分前、客ハケ15分、撤収45分あれば……」

 

みゆき「では1回やるごとに15分の休憩を入れれば1日に3回転は出来ますね?」

 

水原「一つのスペースを同じ演目で1日占領するのはいかがなものかと……」

 

副委員長「たくさん有志がいて抽選とかならそうだけど今はこの空きっぷりだしそうも言ってられないでしょ」

 

水原「確かに……」

 

みゆき「ですから水原さん」

 

水原「いやいや待て待て。それしたら私、文化祭で何もできないよ?」

 

副委員長「………」

 

水原「………」

 

みゆき「……あ。それを忘れてました。失礼しました」

 

水原「素で忘れてたのかよ!?」

 

みゆき「困りましたね……どうすれば3回転して会場を埋めれるのでしょうか?」

 

副委員長「3団体集めれば良いけど集まりそうにないもんね」

 

水原「いっそ映像にしたら当番をかわりばんこにして同じ演目に出来るけど」

 

副委員長「映像?」

 

みゆき「映像……ですか?」

 

ハルヒ?「映画を作るわよ!」

 

水原「そうそう映画とかね……って本人!?」

 

こなた「残念でしたー!こなただよーん。でも映画なら協力するよーん。私は超監督、みゆきさんが戦う未来人ウエイトレスで」

 

水原「とりあえずそれ以上は色々ヤバいからやめよう。」

 

みゆき「ですが映画というアイデアは真剣に考えさせてください。今のままでは何も予定が無い場所が多すぎます。」

 

水原「言っちゃ悪いがこんなアイデアまで検討ってよっぽど切羽詰まってるんやなぁ」

 

みゆき「はい、企画が無いのも問題なのですが企画があっても穴が埋まらない問題があります」

 

副委員長「これはマシな方だけど……」

 

水原「バンド演奏有志?空き枠が2つか……」

 

副委員長「軽音楽部以外で、となるとそもそもバンド人口も多くないからね」

 

みゆき「さすがに全校生徒に聞くわけにもいきませんし」

 

水原「うーん難しい問題やねぇ。いっそ他校巻き込むかな」

 

みゆき「一応、バンドのメンバーが他校という場合は許可していますので既に巻き込まれています」

 

水原「うぉーう、先手打たれてるんかよ。じゃあいっそメンバー全員他校のバンドとか?」

 

こなた「つかさの友達とか?」

 

みゆき「その手はアリですね。学校的には避けたいですが……そうも言えないですし。考えさせてください」

 

水原「はいよ。それと前言ってたミスコンの参加者は集まったん?」

 

みゆき「それも実は……」

 

副委員長「というか明らかにその話題は反らしてたのに……察せよ」

 

水原「避けたっていつかはぶち当たる問題じゃん」

 

みゆき「そうではあるのですが……」

 

こなた「いっそ、みゆきさんが出たら?」

 

みゆき「それはその……私がでても誰も喜ばないので」

 

こなた「そんなこと無いよ~需要はバッチリ!」

 

みゆき「そう申されましても……」

 

こなた「ね!?」

 

副委員長「………。」

 

こなた「……ヘタレ」ボソッ

 

副委員長「!」

 

水原「まぁ喜ぶ喜ばないは他人が決めることだしそれに背に腹は替えられんでしょ」

 

みゆき「確かにおっしゃる通りなのですが……」

 

こなた「へ~みずりんが突然のみゆきさん推し?まさかの鞍替え?」

 

水原「いやいや、そういうワケじゃないけどね。ただミスコンに出るのを楽しみに待ってる方ももしかしたらいるかもしれないでしょ?」

 

みゆき「それは……無いかと思います。そのような声をかけられたこともありませんので」

 

副委員長「………」

 

こなた・水原(ダメだこりゃ)

 

こなた「とにかく出なよ!応援するからさ!」

 

水原「考えてても話は前に進まない!出よう!……あ、パワハラとか言わないでね」

 

みゆき「……分かりました。受付最終日まで参加者が少なければミスコンに出場します」

 

こなた「やたー!」

 

水原「よし、お疲れ様。私も腹くくってどっかのイベントに参加申請出来るようにするわ」

 

みゆき「あ、ありがとうございます」

 

こなた「あともう一人くらい腹くくってくれる人がいたらなー」

 

副委員長「あ、うん……」

 

みゆき「一人と言わずもっとたくさんの申請が来てほしいですね」

 

こなた・水原「ダメだこりゃ」

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!今日も始まりましたらっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす。よろしくお願いいたします。」

あきら「さぁいよいよ桜藤祭編が開幕ですね!」

白石「そして悲しいお知らせがあります」

あきら「え?何?あきら聞いてないんだけど!」

白石「実はですね・・・このらき☆べるは桜藤祭編で実は終わりとなります」

あきら「えぇーーー!!!」

白石「まぁこの桜藤祭編はすごいボリュームはあるのですが…」

あきら「およおよ。でもそれって言っちゃっていいの?」

白石「まぁおまけ編はあるらしいんですけどね。本編は桜藤編で終わりです」

あきら「へ~~」

白石「ということでもう少し……というよりはまだまだボリュームある桜藤祭編!こうご期待ください!」

あきら「あんた……だいぶ作者に媚び売ったわね」

白石「あきら様!今日はここで終わりらしいですよ!」

あきら「え?」

白石「ばいにー!!」

あきら「ちょっ」


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[第76話]参加者探し

―翌日

 

こなた「でねー、みゆきさんも大変らしいのよ~」

 

鈴木「へぇ~」

 

かがみ「確かに大変ね。私たちはクラスも大変といえば大変だけど……」

 

鈴木「誰がどんなお化けをやるかってとこで話が進まないだけだから委員会とかに比べたら平和だな」

 

こなた「と、言うことでみゆきさんを協力するためにコレにサインして!」

 

かがみ「ハァ?何よコレ?」

 

こなた「何でも良いよ~コレにサインするだけでみゆきさんが救われるんだよ~」

 

鈴木「怪しいキャッチセールスみたいだな」

 

かがみ「そうね。名前書くとこ以外、全部隠してるのも怪しいわ」

 

こなた「怪しくなんかないよ~学校から発行されてる正式な文書だよ~」

 

鈴木「だったら内容を見せてくれないか?」

 

こなた「うっ……それは……」

 

かがみ「やっぱり怪しいわね」

 

こなた「もういいもーん!じゃっねー!」

 

―ガラッ

 

鈴木「泉こなたは素早く逃げた!」

 

かがみ「まったく今度は何たくらんでいるのやら……」

 

鈴木「なぁ……こなたが持ってた紙はそこに捨てられているのだが……どうする?」

 

かがみ「気にはなるけどこれ自体がなんとなく罠のような気もするのよね」

 

鈴木「確かにわざと捨てていったようにしか見えないな」

 

かがみ「まぁ、知らないふりした方が良さそうな気がするわね」

 

鈴木「こなただから罪悪感も無いな」

 

―ガラッ

 

水原「おはよーございますー」

 

かがみ「『おはよう』って今何時なのよ」

 

鈴木「もう夕方だぞ?」

 

水原「あ、あぁ……そう冷静に返されましても……ん?」

 

かがみ・鈴木「?」

 

水原「乳繰りあってるとこすいません」

 

かがみ「ちょっ!おまっ」

 

鈴木「何を言ってるんだ!!!??!?」

 

水原「へ?2人はそういうアレじゃ?」

 

鈴木「そういうアレってなんだ!!!」

 

水原「え?それ言わせるんですか?」

 

鈴木「なぁ……本気で勘違いしてるのか?」

 

水原「……いえいえ、ごめんなさい。ただ夕暮れ放課後の教室に男女が2人でいればそーゆー発想にもなるでそ?」

 

かがみ「ならないわよ」

 

水原「まぁならなくても私の発言に対してあの反応は」

 

鈴木「おい、それ以上なんか言ったら、○ち○す○テ○ェ」

 

水原「おー怖い怖い。」

 

鈴木「言っとくがアレバラされたら」

 

水原「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!……まぁもうバラされても良いような気はしますけどね。半ば諦めてますし」

 

かがみ「?」

 

水原「ね、こんな茶番より」

 

鈴木「茶番ってそっちが振ってきたんでしょうが!」

 

水原「こんな紙落ちてたんですけど」

 

かがみ「うわっ……スルー決めてたのに……」

 

水原「スルー?……これ柊さん(姉)の名前書いてますよ?」

 

かがみ「えぇ!?」

 

水原「……失礼ですけど意外に字が汚いんですね」

 

鈴木「お前が言えた立場じゃないだろ……」

 

かがみ「ちょっとその紙見せてくれないかしら?」

 

水原「はい、どぞ」

 

かがみ「とりあえず私の字じゃないわ」

 

水原「あら?そうなんですか?……まぁでもとりあえずその紙は名前書いてるんで渡しときますね。」

 

かがみ「えー……」

 

水原「まぁその紙はどうしてくださってもかまいませんよ」

 

鈴木「で、その紙を拾いにみずりんは来たワケじゃないだろ?」

 

水原「あ、そうそう!どうもイベント枠の余りがヤバいらしくてね」

 

かがみ「で、水原くんが何かするから協力してほしいって言うの?」

 

水原「ピンポンピンポンピンポーン!」

 

鈴木「具体的に何するつもりなんだ?」

 

水原「の~ぉぷ~ぅらぁん」

 

かがみ「は!?」

 

水原「んーエアバンドとか?」

 

かがみ「却下」

 

鈴木「もうちょい具体的に考えてから言ってくれ」

 

水原「ちぇっ……ほな、失礼します。」

 

―ガラッ

 

鈴木「ったく、なんなんだろうなー」

 

かがみ「さぁ?」

 

鈴木「ところで……恐らくこなたが名前を書いたであろうその紙はなんだ?」

 

かがみ「コレ?そう言えば何なのかしら?……ミスコン?」

 

鈴木「ミスコンってあのミスコンか?」

 

かがみ「そう……あいつ勝手に私の名前書いてるわ」

 

鈴木「ほほーう。でかがみをミスコンに出そうってワケか」

 

かがみ「ものすごいこと考えるわね。それにみゆきを救うってどういう意味なのかしら」

 

鈴木「単純に委員会が参加者集めに苦心してるんだろ。企画したはいいものの参加者がいなけりゃイベントは成り立たないわけだし。」

 

かがみ「確かにコンテストと言いながら1人2人しか出てないのは問題ね……」

 

鈴木「そ。1人しか出てない上にみずりんの女バージョンみたいなのだったら来年から文化祭自体が無くなるかもしれんぞ」

 

かがみ「さすがにそこまでひどいことは無いと思うけど、確かに参加者3人とかだと出来レースって感じはするわね」

 

鈴木「だからそうならないためにかがみにも出場してもらおう……と考えて紙を持ってきたんじゃないか?」

 

かがみ「うーん……でもそれなら私なんかよりみゆきに直接頼めばいいと思わない?」

 

鈴木「『私なんか』ってそんな見下さなくても良いだろ……」

 

かがみ「あ、うん……」

 

鈴木「まぁこなたのことだから既に手は回してるのかもな。3人から4人とかだとあまり変わらないのも事実だし」

 

かがみ「まぁ確かに……だからって私に出ろって言うのは変じゃない?」

 

鈴木「そうか?特に変なことは無いと思うが」

 

かがみ「……本気で言ってる?」

 

鈴木「かがみがミスコン出て変なことは無いだろ?」

 

かがみ「……ふーん……で、私たちは放課後の教室で何してるんだっけ?」

 

鈴木「なんだったかな……多分、何もしてなかったと思う。こなたが来て茶々入れてる間に忘れてたが、単に帰ろうとしてたんだろ」

 

かがみ「そうよね」

 

鈴木「じゃ帰るか」

 

 

―別の教室

 

こなた「あの2人、普通に2人で帰ってるねー」

 

水原「おやおやいい雰囲気だこと。きっと『ポリプロピレン食べてるって本当ですか』みたいな会話はしとらんやろうね」

 

こなた「『愛してるさマイハニー』『私もよ』みたいな会話だよ~きっと」

 

水原「そこまでいけば逆に清々しいけどなー。さすがにそれは無いでしょ」

 

こなた「だよね~。かがみにそこまでする度胸は無いだろうしね~。」

 

水原「ハッピーエンドに持って行きたいところなんだけども結局、本人の問題ですからねぇ」

 

こなた「へぇー。みずりんが他人事でハッピーエンド希望なんて珍しいじゃん。いつもの黒さはどうしたの?」

 

水原「私をなんやと思ってるんや……私だってたまには他人の幸せ応援することもありますよー」

 

こなた「やめて。みずりんが『幸せ応援』とか言っても怪しい宗教団体にしか聞こえないから」

 

水原「ひでぇ。まぁ無条件応援なんてカッコいいことも出来ないけど」

 

こなた「カッコいいことって分かってるのに出来ないなんて大変だね。」

 

水原「まぁ心のどこかに僻むような部分があるんですよね。でも好感度ポイントは稼ぎたい。そんな自分の心に曇りがあるから明るい方に惹かれるのかもしれません。」

 

こなた「ふーん……でもその曇りは」

 

水原「分かってるから皆まで言うな。薄汚い中途半端に汚れた心の現れだよ。」

 

こなた「おぉー。はっきり言い切ったねー。」

 

水原「それはそうと映画、マジで作る気か?」

 

こなた「映画ー?あーそんなことも言ってたねー。うーん、もうちょい考えさせて。」

 

水原「ま、あらゆる手段で協力するよー。」

こなた「で、つかさに『みずりんは超良い人だよ』って言えばいいの?」

 

水原「まぁ……それは別に良いんですけどね。そもそも文化祭に穴をあけるわけにはいきませんからね。」

 

こなた「ふーん……みずりんがそんな至極まともなことを考えてるとはね~」

 

水原「私がまともなこと考えると変?」

 

こなた「悪いけど変」

 

こなた・水原「……。」

 

 

水原「それ、去年の劇のセリフですな」

 

こなた「ピンポン!よく分かったね。」

 

水原「ま、ある意味全神経使いましたから思い出深いっすわー」

 

こなた「ふーん。まぁみずりんがまともなのが変なのは間違いないけどね!」

 

水原「なっ!」

 

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!始まりましたらっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす」

あきら「文化祭で開催するイベント・・・を企画する段階ですね!」

白石「そうですね~ミスコンの出場者選び大変そうですね~」

あきら「これってー、私も出ちゃうとかできにゃいの?ねぇ」

白石「うーん、ねじ込めそうな気がしますね」

あきら「わーい!」

白石「でも多分無理ですね~」

あきら「ちょっ!なんでよ!!」

白石「それこそ出来レースになっちゃいますよ」

あきら「あ~私が出ちゃったらみんなわたしのかわいs」

白石「みんな忖度しますからねぇ~」

あきら「あ?テメェどういう意味だあぁん!?!?」

白石「あ、久々の復活でやってしまった…」

あきら「とりあえず番組終わったら白石集合なー」

白石「ひっ」

あきら「じゃ番組しゅうりょ~」

白石「あ、う・・・お腹が急に…腹痛が痛くなってきた…」

あきら「ばいにー!!」

白石「ば、ばいにー・・・」


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[第77話]ラ○ザップ?

―数日後・職員室

 

鈴木「失礼しまーす」

 

黒井「おーよく来てくれたな~」

 

鈴木「えーと……」

 

黒井「まぁ職員室ってのも何やしちょっとこっち来いやー」

 

鈴木「は、はぁ」

 

―廊下

 

黒井「文化祭でミスコン言うのがあるんは知ってるな?」

 

鈴木「えぇ……まぁ」

 

黒井「協力してほしいんやけど?」

 

鈴木「えっと……何をでしょうか?」

 

黒井「ウチらな、そのミスコンに出ることにしてん。」

 

鈴木「は、はぁ……先生がミスコンに……まぁ色々キツいッスね……」

 

黒井「何言ってるねん!ウチ、水原が推しとる福原香織より若いねんで!?」

 

鈴木「そう意味不明なことを言われましても……」

 

黒井「でな、協力せぇ言うわけや」

 

鈴木「いや、何を協力したらいいか分かりませんしだいたいそういうのは委員の仕事じゃありませんか?」

 

黒井「委員の数にも限界があるしな。それに協力してほしいんは運営だけやない。むしろ運営とは関係ない部分なんや」

 

鈴木「は、はぁ……意味が分からん……」

 

黒井「もー……鈍いなぁ自分」

 

鈴木「悪かったですね」

 

黒井「ミスコン言うたら制服とかで出るか?」

 

鈴木「……まぁ無いっすね。」

 

黒井「せやろ?せやろ?」

 

鈴木「で、俺に衣装の買い出しやまさか衣装を作れと言うつもりだったりするのですか?」

 

黒井「自分、裁縫とか得意なんか?」

 

鈴木「いや、まったく……というか作る方向なんですね」

 

黒井「せやで。せっかくやからドレス着てな、文化祭来てるええ男を釣ろう思ってな~」

 

鈴木(何言ってるんだこの人……)

 

黒井「そーゆー訳やからな。ドレス作ってもらおう思ったら何せなアカン?」

 

鈴木「いや……さっぱり分からないです。」

 

黒井「採寸や~。サイズ分からなドレス作られへんやろ?」

 

鈴木「は、はぁ……」

 

黒井「ちゅーわけでコレ、4階の漂流教室のカギや。採寸の準備出来たらウチも行くから先に行って片付けといて、ほなな」タッタッタッ

 

鈴木「………なるほど、雑用か……。」

 

 

 

―漂流教室

 

鈴木「ここか?ん?……おーす」

 

みゆき「あ、こんにちは」

 

かがみ「え?鈴木くんどうしたの?」

 

鈴木「黒井先生にここの教室の片付けを頼まれて来たんだが……2人はなんでここに?」

 

かがみ「えっ!えーと……私たちも黒井先生に呼び出されてその……」

 

鈴木「ん?ということは2人もミスコンに?」

 

みゆき「え、えぇ……お恥ずかしながら……。参加者が少なく委員会から何人か出ることになりまして……」

 

かがみ「わっ、私はみゆきが困ってそうだったから参加するだけよ!ミスコンなんて似合わないのは分かってるわよ!笑いたければ笑えば良いじゃない!」

 

鈴木「俺、なんも言ってないけどな。似合ってないとは思わないぞ。とりあえずここの教室の片付けを先にするわー」(黒井先生の『ウチ"ら"』ってのはこういう意味か)

 

かがみ「あ、うん……」

 

―数分後

 

鈴木「とりあえずこんなもんだな」

 

みゆき「ありがとうございます」

 

黒井「おー待たせたなー。片付け終わったかー?」

 

鈴木「ええ、たった今。」

 

黒井「そうかそうか。ほな鈴木はちょっと外で待っといてなー」

 

鈴木「はいはい」

 

かがみ「鈴木くん、分かってるとは思うけど……」

 

鈴木「ん?」

 

かがみ「絶対に覗いちゃダメよ?」

 

鈴木「ん。」

 

黒井「覗いたら……退学では済まんと思いや?」

 

鈴木「分かってますよ。」

 

黒井「やけに素直やな……まさか既に隠しカメラでも仕掛けとるんか?」

 

みゆき「あの……悪乗りはこの辺りにして早くしませんか?あまり時間もありませんし」

 

黒井「せやせや、すまんかった。ほな、また後で」

 

 

―ガラッ

 

鈴木「……俺、そこまで信用されてないのかな?」

 

 

 

 

―数分後

 

かがみ(室内から)「キャァァァァァァァ!」

 

鈴木「悲鳴!?大丈夫か!………っと……教室に飛び込みたいところだがここで飛び込めば覗き魔確定になるな。だいたいこういう場面はGが出たとかが相場だろうし、落ち着いてノックっと……」

 

―コンコン

 

鈴木「悲鳴が聞こえたがどうかしたかー?」

 

かがみ(室内)「あっ、いや、その……」

 

みゆき(室内)「事情は後で説明しますので」

 

黒井(室内)「今、入ってきたら絶対にアカンで!」

 

鈴木「はい分かりましたー……っと、やっぱり突入したら消されてたオチになりそうだったな。」

 

 

 

―さらに数分後

 

黒井「もう入って大丈夫やでー」

 

鈴木「はーい、失礼しまーす。」

 

―ガラッ

 

黒井「いやー危なかったなー」

 

鈴木「何がですか?」

 

黒井「あの時、部屋に入ってきとったら停学じゃすまんかったかもしれへんで」

 

鈴木「あぁー。」

 

黒井「てっきり悲鳴で混乱に乗じて入ってくると思ってんけどなー」

 

鈴木「それはゲームのし過ぎですよ。だいたいこういう悲鳴は単にGが出ただけとかそういう些細なことだったりするのが相場じゃないですか」

 

黒井「まぁそんなとこやわなー」

 

鈴木「で、実際は何の悲鳴だったんですか?」

 

かがみ・みゆき・黒井「……。」

 

鈴木「ん?なにこの空気……。何か聞いちゃいけないこと聞きました?」

 

黒井「自分……空気と新聞は読んだ方がええで」

 

鈴木「あっ……あー……そっちですか……」

 

かがみ「そっちってどっちよ?」

 

黒井「まさか今のだけで分かったんか?分かってまうほどなんか!?」

 

鈴木「分かれって言ったり分かるなって言ったりどっちなんですか……結局、答えはなんなんですか?」

 

みゆき「えーと……」

 

かがみ「それは……その……」

 

黒井「どない言うたらええんかなぁ……」

 

鈴木「この歯切れ悪い感じ……良くない数字が出た感じか?」

 

かがみ「な!?」

 

みゆき「!!」

 

黒井「ななななんでそんなズバリ当てれるんや!?!?!?」

 

みゆき「私たちってそんなに……?」

 

かがみ「男子から見ても一発で分かるくらい太ってるわけ………?」

 

鈴木「……いや、まったく。ただ雰囲気がそう言いたそうだから」

 

黒井「じゃ、じゃあ……ウチらは大丈夫なんか!?」

 

鈴木「ええ、とっても」

 

かがみ・みゆき・黒井「ふぅ……」

 

かがみ「ちなみにどの辺が大丈夫なの?」

 

鈴木「え?」

 

黒井「せやからどう大丈夫なんかなぁと思ってな」

 

鈴木「どう……と言われましても……」

 

みゆき「具体的にはどのように大丈夫なのでしょうか?」

 

鈴木「え?何?俺が責められてる感じ?」

 

かがみ「そういうワケじゃないのよ?」

 

黒井「ただな、どこがどうなってどうやから大丈夫なんか聞いてるだけやで?」

 

鈴木「どこがどうと言われましても……」

 

かがみ・みゆき・黒井「言われましても?」

 

鈴木「なんと言っていいのやら……ただ問題無しなのは確実でしょ」

 

黒井「そうか……そういうことか……」

 

鈴木「ちょっと?何一人で納得してるんですか?」

 

黒井「あのな、鈴木はそりゃ普段のウチらしか見てないやろ?」

 

鈴木「?」

 

かがみ「私たちはね、ミスコンでドレスを着るのよ?」

 

鈴木「おぉ、楽しみだなー」

 

かがみ「あのね、そうじゃなくて」

 

みゆき「ドレスのような体の線が分かる服を着るのは今のままだと……」

 

鈴木「何か問題あるの?」

 

かがみ「ありまくりよ!」

 

黒井「そりゃ制服を見慣れてる鈴木には分からんやろうけどな」

 

みゆき「数字には確実に現れているのです!」

 

鈴木「は、はぁ……で?」

 

かがみ「ダイエットするしかないわね」

 

みゆき「今のままではとても恥ずかしくてミスコンに出ることが出来ません!」

 

鈴木「そうですか……では頑張ってください。俺はコレで」

 

黒井「ちょい待ち。ここまで話聞いといてそれは無いやろ」

 

かがみ「聞いたわよ?黒井先生にミスコンの手伝い頼まれて鼻の下のばして了承したそうじゃない?」

 

鈴木「鼻の下のばした覚えはない。まぁ……雑用少しくらいならってつもりで了承したかもしれんが……」

 

黒井「誰も雑用なんて言ってへんで」

 

鈴木「って……ま、まさか……ダイエットに協力しろって意味だったんですか!?」

 

黒井「やっと分かったか。」

 

かがみ「よろしく頼むわね」

 

鈴木「いや、ちょっちょっちょっ……え?何?何コレ?」

 

黒井「秘密を聞いた以上は逃がさんで」

 

かがみ「それと、このことはこなたとかには内緒ね」

 

鈴木「え?俺、協力するなんて一言も」

 

みゆき「お二人とも、無理強いは良くないと思います。」

 

鈴木「おっ!さすが!」

 

みゆき「協力していただけますよね?」ゴゴゴ

 

鈴木「へ?……なんか笑顔が恐いんですけど……」

 

みゆき「協力していただけますよね?」ゴゴゴゴゴゴ

 

鈴木「いや、あの」

 

みゆき「協力していただけますよね?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

鈴木「……はい……」

 

みゆき「ありがとうございます!快諾いただけて嬉しいです!」

 

鈴木(小便チビリかけたぞ……)

 

黒井「ほな、明日までにいいダイエット法調べといてな!」

 

かがみ「出来れば簡単で効果があって長続きするのをお願いね」

 

みゆき「それでは私は委員会の仕事がありますので失礼しますね。よろしくお願いします」

 

黒井「ほな、ウチも職員室帰るわなー」

 

 

 

鈴木「………どうすっかなー……」

 

かがみ「私がいる前であからさまに悩まないでよ」

 

鈴木「あ、すまん……」

 

かがみ「……どうしても嫌なら無理に引き受けなくても良いわよ?先生とみゆきには私から言っとくし」

 

鈴木「いや、まぁ引き受けたからには責任もってやるよ。それになんだかんだ言っても楽しみではあるしな。」

 

かがみ「そ、そう?」

 

鈴木「あぁ。じゃとりあえず今日は帰るか。俺は帰ってからダイエット法調べるし。」

 

かがみ「そう。じゃあ私もやることないし帰ろうかな。ダイエット法よろしくね?」

 

鈴木「おお、任せとけ」




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!らっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「あしs」

あきら「フラグ回収早すぎ!?もうミスコン参加が決まりましたね!」

白石「そうですね~。というか僕の自己紹介は?」

あきら「それにしても今回はゲーム盤に近いような展開でドキドキしました♪」

白石「何にですか?」

あきら「このコーナーよ」

白石「え?」

あきら「ゲーム盤に近い展開ってことはゲームの則ったらこのコーナーじゃなくて『あんらき☆しすた』だったかもしれないでしょ」

白石「あぁー……」

あきら「でもちゃんとこのコーナーを用意してくれてあきらマンモスうれぴー☆」

白石「それは古すぎるんじゃ」

あきら「あぁん!?」

白石「ひぃ!」

あきら「さぁて~ミスコンは誰が優勝するんでしょうね~」

白石「ゲーム盤ではみゆきさん、かがみさん、黒井先生で好感度が一番高いキャラになるんでしたっけ」

あきら「そうなのです!でも、これはゲーム盤とはまた違う世界線なのでどうなるかはわかりましぇ~ん」

白石「そうですね~」

あきら「ということで今日はここまでお相手は小神あきらと」

白石「しらいs」

あきら「ばいにーー!!!





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[第78話]バルサミコ酢ー

―鈴木宅

 

鈴木「任せとけ……と言ったはいいもののどうすりゃいいか……いや、正しくはどうさせりゃいいかなんて分からん。なんで安請け合いしちゃったかなぁ……というか俺、誰に説明してるんだ?」

 

―さぁ?誰にでしょう。

 

鈴木「分からなきゃ分かる人に聞くまでだな。問題は誰なら分かるのかという点だが……こなたなら……」

 

こなた(想像)「あれー?鈴木くんがダイエットな訳ないよねぇ?ついにかがみは鈴木くんにまで泣きついたかー。順調にフラグゲットしてるねー」

 

鈴木「とか言い出して誘導尋問をかけられる可能性が高いな。バラすなと言われたその日にバラしたら終わりだし、他に俺が失言して弱みを握られるかもしれん。こなたは無しとなると……みずりんは……」

 

水原(想像)「つかさかわいいよつかさああーつかさつかさつかさつかさつかさかわいいよつかさつかさかわいいよつかさ」

 

鈴木「っとさすがにここまでヤバいレベルじゃないか」

 

水原(想像)「情報料いちおくまんえん ローンも化」

 

鈴木「……100パーセント無いとは言えん……。それにアイツはこなたに弱みを握られているわけだからぼろが出たら同じじゃねぇか……」

 

水原(想像)「つかさかわいいよつかさ」

 

鈴木「あ!そこか!……意外と詳しそうかもしれんし電話してみる価値はありそうだ。さっそく……」

 

―トゥルルルルルルルルルルルルルルルルルル トゥルルルルルルルルルルルルルルルルルル

 

 

鈴木「ん?繋がらんな……夜8時50分だし携帯持たずに出かけてるとは考えにくいが……」

 

―ガチャ

 

鈴木「お、繋がった」

 

つかさ(電話)「は~い、どなたですか?」

 

鈴木「あ、俺……鈴木です。今、大丈夫?」

 

つかさ(電話)「鈴木くんか~。ふわぁぁぁぁ。今、大丈夫だよ~。」

 

鈴木「あ、はい。」(なんかおかしいなぁ~。いつもより話すスピードがゆっくりな気がするし)

 

つかさ(電話)「どうしたの~?」

 

鈴木「いや、何かいいダイエット法は無いかと思って電話してみたんだけども」

 

つかさ(電話)「ダイエット法?……う~ん……バルサミコ酢かなー」

 

鈴木「は、はぁ……バルサミコ酢?」

 

つかさ(電話)「うん、バルサミコ酢ー。健康に良いんだよ~」

 

鈴木「確かに健康に良さそうだけど……そのバルサミコ酢をどうするんだ?」

 

つかさ(電話)「ん~歌う?浴びてもいいかも?」

 

鈴木「へ、へぇ……」(あぁなるほど……寝ぼけてるんだな……)

 

つかさ(電話)「そういえば秘密なんだけどーお姉ちゃんがー『鈴木くんにキツいこと言っちゃったかも』って落ち込んでたよー」

 

鈴木「へー……アレ?」

 

つかさ(電話)「気にしてないよね~?お姉ちゃんのこと嫌いになったりしてないよね?」

 

鈴木「嫌いになるわけが無いけど……っていうかそれ、俺には秘密じゃないのか?」

 

つかさ(電話)「あ、そうだった~。じゃあ、おやすみ~」

 

鈴木「あ、はい。おやすみ」

 

―プチッ ツーツーツー

 

 

鈴木「……完全に寝ぼけてたな。まさかこんなに早く寝てるとは……。仕方ない。ダイエット法はG○○gle先生に聞くとするか……。」

 

鈴木(にしてもかがみは俺にキツいこと言っちゃったかもって気にしてたのか……。フォローすべきか聞かなかったことにすべきか……どうするかなー……)

 

 

 

―翌日の放課後・職員室

 

 

黒井「で、何かいいダイエットは見つかったか?」

 

鈴木「はい、いくつかは。」

 

みゆき「さすがです」

 

黒井「どんなんなんや?」

 

鈴木「まぁ有名どころですけどラ○ザップっすね」

 

かがみ「ライ○ップってあれよね?」

 

鈴木「そう。ズッズッ……ズッズッ……ちゃっちゃちゃーちゃっちゃちゃーちゃっちゃちゃーのアレ」

 

みゆき「すみません。よく分からないのですが……」

 

黒井「高良は見たこと無いか?あのTVのCM。やる気なさそうな顔して残念な体型を見せた後に音楽変わったら人が変わったみたいにスタイルが変わるCMやねんけど」

 

かがみ「私、あのCMイマイチ納得できないのよね。ビフォーアフターが露骨過ぎるわよ」

 

黒井「それにめちゃくちゃキツいって聞くで。出来れば楽な方がええんやけどなー」

 

みゆき「あの……ライザ○プはなんとなく分かったのですが費用などは……」

 

鈴木「あ……学校の予算でなんとか」

 

黒井「ならへん」

 

かがみ「わざわざ調べてもらってごめんだけどライ○ップは無しね……」

 

鈴木「ですよねー。で別の案なんですが、昔流行ったキャンプに入隊とかどうですか?」

 

黒井「あのビ……ビなんとかブートキャンプか?」

 

鈴木「そうですね」

 

みゆき「それも費用面の問題があるのでは?」

 

鈴木「フフフ……それがね、家を探したらあったんだよDVDが」

 

かがみ「なんかみゆき相手になると得意げね」

 

鈴木「気のせいだ」

 

かがみ「そう?……で、このキャンプを頑張れば良いのかしら?」

 

鈴木「そう……かなり効果があるって噂だしな」

 

かがみ「ふーん……かなりの効果ね」

 

黒井「ウチは悪いんやけどちょっとパスしたいなー。メッチャヤバいらしいしな」

 

みゆき「問題はこのDVDが1枚しか無いんですよね……」

 

かがみ「あ……」

 

鈴木「しまった……コピー忘れたな……」

 

黒井「他にも調べてへんのか?」

 

鈴木「もう一つは……いや一応二つか」

 

黒井「なんや、さすがやなー。ほな残り二つも聞かせてもらおか」

 

鈴木「一つはバルサミコ酢を浴びたらいいと」

 

かがみ「何よソレ」

 

鈴木「俺もよく分からん。都市伝説か何かかもしれん。もう一つは……プクシードとかいう植物?を服用するらしい、と」

 

黒井「あープクシードな」

 

みゆき「あの……それはどういう……」

 

鈴木「なんでもほんのちょっとがお腹の中で膨らんで満腹感を与えるから食べる量を減らせるとか……」

 

みゆき「え?お腹の中で膨らむんですか?それって風船のようになって最後は……破裂してしまうのでは……」

 

黒井「さすがにそれはないって!」

 

鈴木「保健室の先生が安全だと認めてるし、欲しければくれるそうです」

 

みゆき「そ、そうですか……」

 

黒井「ほな、とりあえず方針は決まったな。天原先生とこにプクシードもらいに行こか」

 

みゆき「は、はい……」

 

かがみ「あ、鈴木くん。私はキャンプにしようかなって思うんだけど……」

 

鈴木「じゃこのDVDをあげるよ。キツいらしいけど無理しない程度に頑張って」

 

かがみ「う、うん!」

 

黒井「ほな、今日はいったん解散やなー。また何日かしたら途中経過報告も兼ねて呼び出すからなー」

 

鈴木「了解です。では失礼します」

 

 

 

 

―同時刻・バス車内

 

こなた「最近、かがみの付き合いが悪くない?今日も用事あるみたいだしさー」

 

水原「まぁそんな日もあるでしょうね」(まぁ情報が私には筒抜けだから何の用事か知ってるんだけど)

 

こなた「何か企んでると思わない?明日あたり誘導尋問でもしてみようよ」

 

水原「まぁ……人には各々、事情ってものがあるからねぇ」

 

こなた「なんかみずりんのノリも悪い……機嫌悪いの?何かあった?」

 

水原「ん?いや……まぁ寝てるときに電話かける不届き者がいたそうで」

 

つかさ「」zzz…

 

こなた「あぁーみずりんじゃなくてつかさにね。でもそれってつかさの安眠を妨害したことに対して怒ってるワケじゃないよね?」

 

水原「ええ。単純に羨望ですよハッハッハッ」

 

こなた「……ドンマイ。」

 

水原「学校終われば何も話せるネタが無いってツラいね……」

 

こなた「そだねー。で誘導尋問の件は」

 

水原「私は不干渉で」

 

こなた「ちぇー」

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす」

あきら「さぁゆっくりはじまりました!本編はダイエット路線なのかなぁ?」

白石「そうですね。それとこれまでイベントごとばっかりだったので本編ではダイエットや体育祭の準備などを通じて原作の日常感や他愛ない会話な感じを出してみたいらしいですよ」

あきら「へー。つまりしばらくはこういうゆるーりまたーりが続くってこと?」

白石「そうですね。」

あきら「あとは水原が嫉妬に狂うとか?」

白石「あったら面白いかもしれませんがどうなんでしょう」

あきら「今回もぽろっとなんか言ってるし」

白石「彼なりの苦悩はあるのかもしれませんね」

あきら「ふーん」

白石「ちなみにこのコーナーでは何回かキャラクター紹介をしましたがオリキャラで初期からずっと出てる水原さんの紹介はないんですね」

あきら「まぁ、これは多分そういう役回りってことなんじゃない?」

白石「それもきついですよねぇ」

あきら「まぁこのコーナーしか出番のない白石には言われたくないだろうけどね☆」

白石「うぐっ」

あきら「ということで今日はこのあたりで!」

白石「次回もぜひ見てくださいね」

あきら「それではみなさん!」

あきら・白石「ばいにー!」


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[第79話]職員室

―数日後の放課後・職員室

 

鈴木「呼び出すタイミング早くないですか?いくらなんでもそんなすぐ結果は……」

 

黒井「まぁええやん。話聞いてくれや」

 

鈴木「まぁ聞くだけ聞きますけど……」

 

黒井「ほな、現状報告や。まず柊から。」

 

かがみ「え!?私からですか!?」

 

黒井「もったいぶらんと言うたり」

 

かがみ「は……はい。鈴木くん、本当に勝手なんだけどね……私、アレは無理……。今も筋肉痛で体の節々が……」

 

鈴木「あれ?かがみって運動音痴じゃないよな?というか人並み以上だった気が……それでもキツい?」

 

かがみ「うん……ホントにゴメンね?」

 

鈴木「いや、こちらこそすまんかった。で、お二人は……」

 

黒井「思ったよりなーキツいねん」

 

みゆき「それに結果が出ないんです。」

 

黒井「そや、1cmでも1gでも結果が出てくれたらええんやけどな……」

 

鈴木「出ないんですか……」

 

黒井「せやからな、もっと他のん無いんか?」

 

鈴木「他のダイエットですか?」

 

黒井「そや!出来るだけ楽チンですぐに結果が出るヤツ!」

 

かがみ「ビ○ーさんみたいに途中で挫折しないような……」

 

鈴木「うーん……やっぱりバルサミコ酢を」

 

黒井「それはもうええねん」

 

みゆき「都市伝説なんですよね?」

 

かがみ「誰よ、そんな意味不明なこと言ったのは……」

 

鈴木「さぁ、誰だったかな……」(かがみの妹だよ!……とは言えないな)

 

黒井「とにかく何かあるやろ?裏技みたいなダイエット法が」

 

鈴木「うーん……楽チンかどうかは分かりませんが別のダイエット法は聞いたことあるんですけども」

 

かがみ「何何?」

 

黒井「もったいぶらんとはよ言ってや~」

 

鈴木「ずっと同じモノばっかり食べるってやつなんですけどね。例えば1日3食りんごだけとか」

 

かがみ「いいじゃないのソレ!」

 

鈴木「え?」

 

みゆき「そうですね、同じモノなら食べて良いというのは負担も少なくて良いですね」

 

鈴木「負担少ない?」

 

黒井「せや。プクシードやと食べた気せんのに変に満腹感だけあって嫌やってん。食べてええなら気楽やわ」

 

鈴木「そうですか。同じモノしか食べれなかったらかなりストレス溜まると思ったんですけど大丈夫なんですね。じゃあこれでいきましょうか」

 

かがみ・黒井「お~!」

 

鈴木「うーん……」(意外とつらいと思うんだけどなぁ)

 

 

 

―1年教室

 

水原「パソコン20台は確保できたんだけども。これだけやとネットカフェとは言いづらいから他に何を用意したらいいか話し合います」

 

パティ「ダレにセツメイしてるんデスカ?」

 

ゆたか「それよりもネットカフェに行ったこと無いからどうしたらいいか分からないなー」

 

ひより「ゆーちゃん行ったことないんだ?」

 

ゆたか「うん、家にパソコンあるから……」

 

水原「まぁ私も1回しか無いんだけどね」

 

ひより「私も家にネット環境あるから行かなかったり……」

 

パティ「ワタシはアルバイトでイソガシくてあまりいきません」

 

みなみ「私も行ったことないです……」

 

水原「うわぁ……詰みゲー……」

 

ゆたか「あ、でも!みんな知らない分、他に無いスゴいのができちゃったり……」

 

水原「その発想がまぶしすぎる!」

 

みなみ「とりあえず、先輩が前に行ったのはどんなのだったんですか?」

 

水原「んーマンガ読み放題だったかな?私も用事で行ったからあまり探険してないのよ」

 

ひより「用事ってなんだったんッスか?」

 

水原「たまたま家のPCぶっ壊れてネ。見たかった生放送が見れなかったからサ。あ、ドリンクバーとかあったねぇ」

 

パティ「ドリンクバーはムズカシいですネ」

 

水原「ただネット環境の開放も残念な方々が離れなくなるからねぇ」

 

ひより「自宅警備員タイプッスね……ならないように気をつけなきゃ……」

 

パティ「ボッチはネット環境にハマったらデてこなくナルかもシレないDEATH」

 

水原「まぁ残念なお客様も考慮して例えば……サービス良くしといて最大2時間で出てもらうとかやね」

 

みなみ「サービス良く?」

 

水原「えぇえぇ。飲み放題の時間制なら納得できるでしょ?そんな風にサービス付けて時間制を納得してもらいやすくしようかー」

 

パティ「どんなサービスつけるんデスか?」

 

ひより「さすがにドリンクバーを用意するのは難しいッスよ?」

 

水原「その辺は……みんな考えよう!宿題だ!」

 

みなみ(丸投げ……)

 

ひより(丸投げッスね……)

 

パティ(○ナげデス……)

 

ゆたか「はい!お姉ちゃんと相談して考えてみます!」

 

水原(返事しない他3人には丸投げってバレたかなー)

 

―数日後・職員室

 

 

鈴木「まぁこうなることは予想してましたけどね」

 

かがみ「む」

 

鈴木「結果が出なかったんですよね?」

 

かがみ・みゆき・黒井「!!?」

 

鈴木「きっと同じモノしか食べれないのがツラかったんですよね?」

 

みゆき「はい、同じモノだけというのは思った以上に……」

 

鈴木「まぁキツいでしょうね……」

 

黒井「ビールのおつまみがリンゴって言うのはなぁ~」

 

鈴木「そもそもダイエット中にビールがダメですね」

 

かがみ「私も3食りんごじゃおなかが減って昨日の晩、うっかりチョコつまんじゃったわ……」

 

鈴木「もはやノーコメント……」

 

かがみ「何よソレ」

 

鈴木「やっぱりさー楽チンなんて無理だ。地道に運動して間食は抜きにして頑張るしかないだろ。」

 

黒井「それは……そうなんやけどな……」

 

みゆき「そこまではっきり言われますと……」

 

かがみ「なんか悔しいわね……」

 

鈴木「まずな、運動。歩くだけでも効果あるらしいし。こうなることを見越して万歩計を3人分用意したからウォーキ」

 

黒井「あー分かった分かった。ほな明日からな」

 

鈴木「ダメです。今日からやりましょう。明日からは死亡フラグです。」

 

黒井「くっ……というか鈴木、なんや急に人変わったみたいやな」

 

鈴木「これくらいきつく言わないと効果無いかなと思いましてね」

 

かがみ「うっ……」

 

鈴木「手伝うと言った以上、俺にも責任はありますから。はい万歩計」

 

黒井「反対の余地無しかいな」

 

鈴木「では反対意見をどうぞ」

 

黒井「くっ……あんまり教師をいじめると罰が当たるで!」

 

鈴木「それ、パワハラですよ。まぁ冗談はさておき、万歩計の記録は俺が毎日しますので。目標は1日5キロ、頑張ってください」

 

黒井「なんでそこまで仕切ってるねん!?」

 

鈴木「協力しろって言ったのは先生ですよね?」

 

黒井「っ……」

 

鈴木「まぁ……どうしても嫌なら別に良いですけどどうなっても知りませんので」

 

みゆき「……分かりました。鈴木さんがそこまでおっしゃるなら私、毎日5キロ歩きます!」

 

かがみ「わっ私も!ちゃんと5キロ歩くからもし何も変わらなかったら怒るわよ!?」

 

鈴木「2人は決まりだな。はい万歩計。……先生は?」

 

黒井「……しゃーないな。うちもやったるわ」

 

鈴木「はい、では万歩計。明日から毎日、放課後に歩いた分を聞きにきますので。」

 

黒井「毎日かいな!?」

 

鈴木「じゃないと先生あたりギリギリにまとめて歩いたらいいとか考えて結局、歩かずじまいになりそうなので」

 

黒井「……そこまでお見通しか……」

 

鈴木「ええ、では明日に」

 

 

―1年教室

 

水原「さすがにドリンクバーは誰の家にもないかー……」

 

ひより「まぁビールサーバーならともかく、ドリンクバーは聞いたこと無いッスね」

 

水原「まぁそしたらクラスの子に持ち回りで店員してもらって飲み物、食べ物は運んでもらうしかないねぇ」

 

パティ「そのホウがおきゃくさんのテンションはアガります!」

 

水原「それは分からないよ。運んでくるのが女の子なら良いけど男だと※ただイケだからね」

 

ゆたか「ただイケ?」

 

パティ「※ただしイケメンに限る のリャクDEATH!つまり」

 

ひより「パティ、それ以上は良いからー」

 

水原「結局んとこワンドリンク制にしても飲み放題制にしてもメニュー決めなあかんわけで、何置くか話し合わないとねぇ。」

 

ゆたか「ちょっとオシャレな紅茶とかどうですか?」

 

水原「紅茶はよく分からんけど『アッサムティー』とか『アールグレイ』みたいな感じの?」

 

ゆたか「はい!」

 

水原「あー良いねぇ。いっそ横文字で統一しちゃうかー!」

 

パティ「HEY!Englishはデマカセです!」

 

ゆたか「でまかせ?」

 

パティ「oh……マチガエました。オマカセです!」

 

ひより「早速、雲行きが怪しいような……」

 

水原「まぁとりあえず予算も見ながら何が用意できるか考えて烏龍茶とかならウーロンティーみたいに横文字にしちゃおう!」

 

みなみ(何か不安……)

 

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!」

白石「どーもー!」

あきら「さぁ今日も始まりました!ナビゲーターはもちろん私!小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす!」

あきら「さぁゲーム盤と同様にダイエットはうまくいかなかったり1年組はネットカフェになったんですね!」

白石「こういうのってオリジナル展開と既存の展開をどの程度混ぜるかが難しいですからね~」

あきら「でもずっとゲーム展開ならゲームやってりゃよくない?」

白石「そんな声にお応えしてそのうちゲーム盤と路線は外れていきます!」

あきら「ふーんってかさーなんでそれをアンタが知ってるわけ?」

白石「まぁ・・・番組台本にそう書いてありますから」

あきら「えっ!?」

白石「あきら様は用意されてないんですけどね」

あきら「ちょっ!?どういうことよそれ!!」

白石「あきら様は今のまま自由にやってくれたらいいってことですよきっと」

あきら「おい白石、お前適当に言ってるだろ」

白石「はい?ナンノコトヤラサッパリ」

あきら「あとで集合な」

白石「またですか!?」

あきら「あ!ざ~んねん!もうお別れの時間なのだ!また次回も見てね!」

あきら・白石「ばいにー!」


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[第80話]水原と、人気のスイーツ

先に言っておきますと、喫茶店はほぼとある漫画で出てきた喫茶店のパクリです


―翌日・職員室

 

鈴木「では万歩計を見せてください」

 

みゆき「……はい」

 

鈴木「うーん……4,7キロ……あとちょっとじゃん。今日からもう少し頑張ろう……」

 

みゆき「……はい……分かりました」

 

鈴木「かがみは?」

 

かがみ「……はい、コレよ」

 

鈴木「3,9キロ……もうちょっと頑張れなかったか?」

 

かがみ「明日……いや今日からは頑張る」

 

鈴木「ん。じゃあ明日の結果発表楽しみにしてるんで。」

 

かがみ「分かった……」

 

鈴木「で最後、黒井先生は?」

 

黒井「……これや」

 

鈴木「1,9キロ……何か事情があったんですか?」

 

黒井「し……仕事が忙しくてな。ウォーキングする暇がなかってん」

 

鈴木「へー……昨日の晩、がっつりネトゲーしてたらしいですね。何時間も」

 

黒井「なっ……なんでそれを知ってるんや!?昨日は泉もおらんかったはずやで!?」

 

鈴木「……俺、黒井先生のことなんて一言も言ってない気がするんですけどね」

 

 

黒井「あっ」

 

鈴木「改めて質問します。なぜ昨日、ウォーキングしなかったんですか?」

 

黒井「……ネトゲしてたからや……」

 

鈴木「ということで三日坊主どころか1日目からこんな状態ですが……」

 

かがみ「うっ……」

 

黒井「それは……鈴木にも責任あるんちゃう?」

 

鈴木「は?」

 

黒井「だってな、投げっぱなしで後のフォローとかなんも無しやろ?」

 

鈴木「いや、こうして今日、確認してますけど?」

 

黒井「そやなくてな、抜き打ちで調べるくらいスパルタなコトしたらええねん。」(そこまでしろ言うたらこの作戦も諦めてもっと楽にしてくれるやろ)

 

鈴木「……」

 

黒井「まぁ無理にせぇとは言わへんけど」

 

鈴木「分かりました。」

 

黒井「え?」

 

鈴木「今日から毎晩、チェックします。……どうしたら良いですか?」

 

黒井「……せやなぁ。電話でもしたらええんちゃうか?」(断れ断れ断れ)

 

鈴木「分かりました。晩、万歩計の結果確認で電話します。何時くらいに」

 

黒井(こりゃ逃げられへんな……)「何時とか決めてたら緊張感無くなるしそれこそ抜き打ちでええやろ。なんやったら柊と高良、口説きたい方にばっかり電話したらええねん。せっかく男子と連んどるんやしな~」

 

鈴木「おぉ……そっちにもっていくんですか」

 

黒井「あ!ウチはアカンで!生徒と教師の間柄やからな!」

 

鈴木「まぁ間違っても黒井先生とそんな関係にはなりませんよ」

 

かがみ「鈴木くん、言っとくけどみゆきに手を出したら承知しないわよ?」

 

みゆき「え?あ、あの私は」

 

かがみ「大丈夫よ、そんなことさせないから」

 

鈴木「何?じゃあかがみなら良いんだ?」

 

かがみ「んな訳ないでしょバカ!……でも電話で確認してくれるのはありがたいかも。サボってたら注意してもらえるわけだし」

 

黒井「じゃあそれで決まりやな。よろしく頼むで」

 

鈴木「こちらこそ。今日から頑張ってくださいな」

 

 

 

―1年教室

 

ゆたか「ショコラ、マカロン、チーズケーキ、大福、みかん……」

 

水原「メニュー自体は良いけども……大福、みかんって……横文字に統一してみたいよねぇ。」

 

パティ「みかんは英訳したらorangeデスが……」

 

ひより「オレンジとみかんじゃニュアンス変わっちゃうッスね」

 

水原「そして大福……大福って英語でなんて言うんや……」

 

パティ「シらないデス」

 

水原「おい留学生……まぁいいや。そしたらみかん(仮)と大福(仮)で一旦、取り扱いましょう。いよいよパソコン搬入日も近付いてるんで今日はこの辺りで解散します。お疲れ様でした」

 

ゆたか・みなみ・ひより・パティ「お疲れ様でした」

 

 

―駅前

 

水原「早くかえ~ろおうちにかえろでんでんでんぐりがえ……お?あそこに見えるは……」

 

 

 

鈴木「じゃあ、今日から頑張ってな」

 

みゆき「はい」

 

かがみ「分かったわ。じゃあまた明日……ちなみに今晩は誰に抜き打ち電話するの?」

 

鈴木「それ言ったら抜き打ちじゃねぇだろ……」

 

かがみ「あ……そうね」

 

水原「まいど、お疲れ様です」

 

鈴木「わっ!びっくりした!」

 

かがみ「どこから出てきたのよ!?」

 

水原「今日は分かりやすく出てきたつもりですが……」

 

みゆき「あの……どのあたりから聞いてらっしゃったのでしょうか?」

 

水原「『今日から頑張ってな』キリッ……の辺りから」

 

鈴木「キリッは余計だ」

 

水原「何か知らないですけど頑張ってください。あ、それはそうとそこんとこに新しい喫茶店が出来てるんですけどね。行きません?なんか開店記念プレゼントもあるそうですし」

 

かがみ「んーせっかくだしみんな行くなら」

 

鈴木「おーい」(かがみよ、ダイエット忘れとらんか?)

 

かがみ(あっ!そうだったわ)「ごめん、ちょっと都合悪いわ……」

 

みゆき「すいません、私も今日は都合が……」

 

水原「まぁそんなこともありますよねぇ」(実際、なんで来れないかはだいたい分かってるんだけどね)

 

鈴木「野郎2人で喫茶店もなんかアレだし俺もパス」

 

水原「了解。一人でいってきまっすわーじゃっ」

 

かがみ「……なんかひさびさに会ったと思ったらやっぱり神出鬼没だったわね」

 

みゆき「教室でもいらっしゃるのにいないような時があったりします」

 

鈴木「もしかしたら背中にスイッチでもあって存在感をオンオフしてたりしてな」

 

かがみ「さすがにそれは……あるかもしれないわね」

 

鈴木「まぁ……どうでもいいかー」

 

かがみ「そうねー」

 

鈴木「じゃあまた明日。もしかしたら今晩かもしれんが」

 

みゆき「あ、はい。では」

 

かがみ「また明日ねー」

 

 

 

 

―喫茶店前

 

水原「野郎2人で喫茶店キツいけど野郎1人で喫茶店も相当キツいって……でも開店記念も気にはなるし入ってみるかなー」

 

―カラン♪コロン♪

 

紳士店員「いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ」

 

水原(やべぇ。思った以上にオシャレ過ぎる。古野家の50円クーポンに喜んでるような私には似合わなすぎる!)

 

紳士店員「メニューでございます。ご注文が決まりましたらお呼びください」

 

水原「あ、どうもー……」(やべぇ落ち着かねぇ!ゲーセンに100円玉流し込む私が来るべき場所ではない!!……とりあえずメニュー見よう)

 

水原(アールグレイティー……アッサムティー……グリーンティー……どれも聞いたことあるけどよくわかんねぇなぁ……ん?これ安いな。ピーエムティー?聞いたこと無いし気になるし安いな……他は……コーヴティー?ハーブティーの亜種かな?)

 

 

客A「このピーエムティーってどんなのですか?」

 

紳士店員「はい、そちらは『午後の紅茶』でございます。」

 

客A「じゃあその午後ティーをストレートで」

 

紳士店員「かしこまりました」

 

 

水原(午後ティー=ピーエムティーだと!?そうか……午後ティーをカップに注ぐだけだから安いのか!?……私も見栄とか無しに午後ティーにしとくかな)

 

紳士店員「こちら、ピーエムティーストレートでございます」

 

客A「あ、へー……あ、ありがとう…」シュコッ

 

水原(って缶飲料そのままかよ!?缶から出せよ!?自販機と変わらねぇじゃねぇか!?……とはいえ午後ティーだったらハズレは無いけどもこういう時は……アドリブがだいじWaiWaiWide!)

 

紳士店員「ご注文お決まりでしょうか?」

 

水原「コーヴティーで」

 

紳士店員「かしこまりました。ご一緒にスイーツはよろしいでしょうか?」

 

水原「あ、ちょっと待ってください」(スイーツ忘れてたぁぁぁぁ!せっかくだしここでマカロンとかチーズケーキとか無難なのは避けたい……)

 

紳士店員「お客様?」

 

水原(ん?……これは見たことがないな。これだ!)「このラージハピネスとオレンジ・マルノマーマで」

 

紳士店員「かしこまりました。ご注文を確認致します。コーヴティーとラージハピネス、オレンジ・マルノマーマでございますね?」

 

水原「ええ」

 

紳士店員「しばらくお待ちください。」

 

水原「さて何が来るかな……」

 

紳士店員「コーヴティーとラージハピネス、オレンジマルノマーマでございますよ?」

 

水原「あっ」(つい心の声が漏れてた……)

 

 

―数分後

 

紳士店員「お待たせいたしました。こちら、コーヴティーでございます」

 

水原「あ、ありがとう」(見た目普通のティーだな!……なんとなく……まぁ飲んでみるか……)

 

水原「!!!」(これコブ茶じゃねぇか!!コーヴティーってそういうの!?これは予想斜め上過ぎる!じゃあラージハピネスとオレンジ・マルノマーマは一体……?)

 

紳士店員「お待たせいたしました。ラージハピネスでございます」

 

水原(白くて丸い物体が運ばれてきた。……まぁ考えても仕方ないか)もっ

 

水原(あ、あぁ……ラージ=大、ハピネス=幸福でラージハピネス=大福か……なんだこりゃ)

 

紳士店員「お待たせいたしました。こちらはオレンジ・マルノマーマでございます。ご注文は以上でお揃いでしょうか?」

 

水原「え、えぇ……」(オレンジ・マルノマーマと呼ばれるものは明らかに皮も剥いてないみかんそのまんまだった……ん?オレンジ・マルノマーマって……みかん丸のままってことか!?やべぇ超やべぇ!手抜きだし名前やたらアレなのに実際届いているのはこたつの上の3点セット!)

 

紳士店員「お気に召しましたでしょうか?」

 

水原「え、えぇ……」(まぁ変な店だが出てるものはそれなりにいいし今度は誰かと来ても良いかもしれないな。一緒に来てくれる人はいないけどw)

 

紳士店員「こちら、開店記念プレゼントのアップル・マルノマーマでございます」

 

水原(変な店ではあるけどな!)

 

 

 




水原「ざけんじゃねぇよ!!なんで、私一人で喫茶店なんだよ!!普通、つかさとばったり会って二人で行くとかそういうのだろ!!なんでぼっちなんだよ!!」

-それはあなたに主人公補正が足りないからです。」

水原「はぁ!?主人公補正!?」

-そうですね。物語の主人公でもない限り、帰りに好きな女の子とたまたま会って二人でお茶したりはできません。

水原「はぃ!?っていうか……あんた誰よ!?」

-私ですか?私は天の声です。いわゆるナレーターですね。

水原「????」

-本編で毎回出ていますよ?なんなら水原さんより出ています。

水原「いや、ちょっと何言ってるかわからない」

-例えば今回でスト『―翌日・職員室』とか言っているのが私です。

水原「はい???」

-わからなければいいですよ。

水原「いやわからんわ」

-わからないからいつまでたってもその程度なんですよ?

水原「(´Д⊂グスン」

-はいはい。


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[第81話]歩く

―晩

 

鈴木「さて、電話するかな」

 

―トゥルルルル

 

鈴木「……出ないな……なんかデジャヴ……でもまだ19時だしさすがに寝てるはずはないと思うが……」

 

―トゥルルルル

 

鈴木「うーん……」

 

―ガチャ

 

鈴木「もしもし?すまん、寝てたか?」

 

かがみ「いや、寝てないわよ。というか私なのね……」

 

鈴木「ん。都合悪かったか?」

 

かがみ「いや、そうじゃないわよ。ただ言いにくいんだけどね……」

 

鈴木「あぁ……距離足りてない感じか?」

 

かがみ「うん。ちょっと時間無くてね……」

 

鈴木「今、何キロ歩いたんだ?」

 

かがみ「3,6……」

 

鈴木「あぁ……お疲れ様」

 

かがみ「何よソレ。……って悪いのは私か。分かったわよ!明日、鈴木くんにチェックするまでに5キロ歩ききってみせるわ!」

 

鈴木「お、言ったな~」

 

かがみ「私だってやるときにはやるわよ!」

 

鈴木「よし、よく言った。で、いつ歩くんだ?」

 

かがみ「あ、明日の朝よ!朝6時から目標達成まで歩くわよ!」

 

鈴木「了解。朝6時だな。俺も行く」

 

かがみ「え?なんで?」

 

鈴木「気になるから。じゃあ明日の朝6時な」

 

かがみ「え?あ、うん……」

 

―明朝6時・神社

 

鈴木「おはよう」

 

かがみ「おはよう。本当に来たのね」

 

鈴木「あぁ。言ったからにはくるさ。」

 

かがみ「なんで来たのよ?」

 

鈴木「せっかくミスコン出るなら優勝してほしいという俺のワガママだ。さ、3キロ行くぞ!早くしないと時間無くなるぞ!」

 

かがみ「え?ちょっ!?なんで3キロ?というか何よそのワガママって!?」

 

鈴木「一昨日足りてない分含めて適当に切り上げて3キロだ」

 

かがみ「3キロはそういうことね……でワガママってのは?」

 

鈴木「ん?ミスコン出るなら優勝してほしいだけだ。」

 

かがみ「それはみゆきや黒井先生も出るじゃない?なんで私なのよ?」

 

鈴木「まぁそれは……なんとなくだな。うん、かがみが俺的には優勝してほしいから応援したり朝から来たりしてるだけだ」

 

かがみ「『なんとなく』って……」

 

鈴木「だから俺のワガママだって言ったろ?」

 

かがみ「言われてみれば……分かったわ。早く3キロ歩いて帰りましょ」

 

鈴木「だな。」

 

―40分後

 

鈴木「意外と大したこと無かったな」

 

かがみ「うーん、1人だと長く感じるんだけど話しながらだとそこまで大変じゃないわね。」

 

鈴木「まぁそれはあるな。」

 

かがみ「それよりごめんね?朝早くから来てもらって」

 

鈴木「それは構わないよ。俺のワガママもあって勝手に来てるだけだから気にするな」

 

かがみ「それでも何かお礼とか……朝食べていく?」

 

鈴木「誘いは嬉しいんだけど今、思いつきで言ったろ?」

 

かがみ「…うん……」

 

鈴木「いきなり行ったら迷惑だろうし学校の用意は家だからなぁ……気持ちは嬉しいけど今日は遠慮しとくよ。」

 

かがみ「……それもそうね。」

 

鈴木「えらい残念そうだな」

 

かがみ「そっ、そんなこと無いわよ!今日はありがとう!はいまた学校で!」

 

鈴木「ん。じゃあまた学校で。シーユー」

 

 

 

かがみ「はい、またね!……これで良かった……のよね……?」

 

 

 

 

―駅

 

鈴木「電車来るまでもうちょいあるな……。帰って飯食って準備して……まぁ間に合うか」

 

??「あら?おはようございます」

 

鈴木「え?おはようございます……保健室の天原先生?」

 

天原「えぇ。朝から楽しそうでしたね?」

 

鈴木「え!?見てたんですか!?というかいつの間に?ちょっと謎すぎて何から聞いたらいいか分からないんですが?」

 

天原「たまたま通りかかっただけですよ。それより柊さんのダイエットのお手伝いですか?」

 

鈴木「えぇ……そんなところで……」

 

天原「正直、そんなに太ってるわけでもありませんしミスコンに出るからと言ってダイエットの必要は無いと思いませんか?」

 

鈴木「まぁそうですね。でもせっかく本人がミスコン出る気になってるんだし悔いの無いようにしたいんでね。あえて止めたりはしなかったんですけども……」

 

天原「そうだったんですか。本当は保健医として必要のないダイエットはしてほしくなかったのですがそこまで熱い思いを聞くとやめろとは言えませんね」

 

鈴木「熱い思いってなんっすか」

 

天原「十分熱いですよ。ということで何か困ったことや相談したいことがあれば保健室まで来てください。お手伝いしますので。」

 

鈴木「あ、そりゃどうも……」

 

放送「まもなく浅草行き区間急行が参ります」

 

鈴木「あ、電車来たみたいなんでいったん失礼します……ってアレ?天原先生いない?いつ出てきたか分からん上にいつ消えたか分からん……なんだったんだ今のは……。夢か?」

 

放送「只今、到着の電車は―」

 

鈴木「まぁ……もし困ったら保健室に行くだけ行くのは悪くないかもしれんが……」

 

 

 

―職員室・放課後

 

鈴木「では成果を聞かせてもらいましょうか」

 

みゆき「はい、なんとか5,4キロです」

 

鈴木「お疲れ様です。その調子でよろしくお願いします」

 

かがみ「私は6,4キロよ」

 

鈴木「ん、知ってる。朝早くからお疲れ様でした。で、先生は?」

 

黒井「なんでウチを最後に持ってくるんや!答えにくいやん!」

 

鈴木「なんで答えにくいんですか?」

 

黒井「うっ……それはやな……」

 

鈴木・黒井「万歩計家に忘れた」

 

鈴木「とかベタな言い訳すると後が面倒ですよ?」

 

黒井「うっ……誰だってうっかりすることはあるんや!」

 

鈴木「まぁ『うっかり』なら仕方ないですよねぇ。明日、昨日今日合算で10キロにして忘れず持ってきてくださいね」

 

黒井「くっ……分かって言ってるやろ?」

 

鈴木「なんのことやらさっぱりわかりません。先生、明日楽しみにしてますよ?」

 

黒井「鈴木……覚えときや……」

 

鈴木「それ、どちらかと言えば俺のセリフですよ」

 

 

 

 

―同時刻・教室

 

水原「それでさー、ラージハピネスとオレンジマルノマーマだよ?よく思いついたなって感じっしょ?」

 

こなた「確かにその喫茶店の店長すごいねー。斜め上だけどね」

 

つかさ「こなちゃん、斜め上って何?」

 

こなた「うーん……まぁ変な方向にすごいことかな」

 

つかさ「なるほど~確かに大福をラージハピネスはすごいよね~」

 

こなた「にしても最近、かがみもみゆきさんも鈴木くんも忙しそうだよね~」

 

水原「まぁあのメンツに限って斜め上なことはしないだろうし大丈夫でしょう!」

 

こなた「みずりん怪しい……つかさ、何か知ってる?」

 

つかさ「え!?うーん……お姉ちゃんダイエット頑張ってるくらいかな~?」

 

こなた「ほぅほぅダイエット……ってそれはいつものことじゃん」

 

水原(つかさんすばらです)

 

―ガラッ

 

ゆたか「お姉ちゃ~ん!あ、つかささんと水原さんもいたんだ」

 

つかさ「ゆたかちゃんいらっしゃ~い」

 

水原「まいど」

 

こなた「どうしたの、ゆーちゃん?」

 

水原「トラブった?」

 

ゆたか「はい……持ち込んだパソコンの様子がおかしくて……」

 

水原「誰のんがかな?」

 

ゆたか「それが……ほとんどなんです」

 

水原「ありゃ」

 

こなた「それは大変だね。ちょっと様子見ようか?」

 

ゆたか「うん!お姉ちゃん、お願いしていい?」

 

こなた「もちろんだよ~まかせたまへ~」

 

水原「一応、私も見に行きます。いいかな?」

 

ゆたか「あ、はい!お願いします!」

 

つかさ「私も行っていい?何かできることがあったら手伝うし」

 

ゆたか「え!良いんですか?お願いします!」

 

水原「ほな、とりあえず行こか」

 

 

―数分後

 

かがみ「おーす……まぁもう帰ってるわよね」

 

鈴木「だな」

 

みゆき「ですよね」

 

鈴木「俺らも帰るか」

 

かがみ「そうね」

 

 

―帰りの電車

 

鈴木「一駅手前から歩いたらいい感じなんじゃないか?」

 

かがみ「んー……」

 

車掌「ご乗車ありがとうございました。まもなく久喜、久喜。終点です」

 

鈴木「ちょうど乗り換えだしここから歩いたら?」

 

かがみ「そうね~……」

 

鈴木「なんだったら一緒について行くし」

 

かがみ「え?」

 

鈴木「夕方とはいえ物騒な世の中だしな。何かあるといけないから久喜から歩くなら一緒に行くよ」

 

かがみ「じゃあ……今日は試しにここで降りて歩こうかな……」

 

 

 

―1時間半後・神社

 

鈴木「意外と距離あったなぁ……」

 

かがみ「なんか途中で迷ったのもあるけどね……」

 

鈴木「すまん……」

 

かがみ「まぁおかげで5キロのノルマはクリア出来たわ。ありがとう」

 

鈴木「どういたしまして」

 

かがみ「でも次は……夕方と早朝に分けたいわね。」

 

鈴木「俺も早起きして朝から運動した方が気持ちいいとは思うな……提案しといてなんだが……」

 

かがみ「じゃあさ……もし夜電話してきたときに朝、歩くって言ったら来てくれる?」

 

鈴木「もちろん!」

 

かがみ「なんでそこまでするの?」

 

鈴木「ダイエット指導引き受けた責任と……どうせミスコン出るなら悔いなく出てほしいってとこだな」

 

かがみ「あとは優勝してほしいだっけ?」

 

鈴木「そ。だからまぁまぁ頑張ってるつもりだ。」

 

かがみ「ふーん……ありがと」

 

鈴木「そう素直に礼を言われると照れるな……」

 

かがみ「何言ってるのよバカ!」

 

鈴木「あぁ……ごめんなさい……」

 

かがみ「じゃあまた明日ね!」

 

鈴木「あぁまた明日な。」




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!らっきー☆ちゃんねるナビゲーターの小神あきらです」

白石「アシスタントの白石みのるです」

あきら「さぁラブコメ編ですねぇ~ワクワクしますね~」

白石「優勝してほしいって一番はかがみさんだって言ってるようなもんですもんね~」

あきら「意外に鈍感なのかそれらの発言をオールスルー!いやぁこれは道のりも長そうですね~」

白石「まぁいよいよ最終章みたいなものですからね~先は長いでしょう」

あきら「そういえばさーPS2のゲームではネトゲの世界に入ってどうこうってあったじゃん」

白石「あ~ラッキースターユニバースでしたっけ?」

あきら「あれもパソコン修理ってことで微妙にフラグ立ってる気がするけどどうなの?」

白石「今回、鈴木くんは帰ってしまったので…」

あきら「無し?」

白石「本編終了後に気が向いたら番外編としてやります!とのことでした。」

あきら「わぁお!」

白石「まぁそれは『見たいっ』って声があればですけどね」

あきら「あきらへの応援メッセージと共に来ると思いますよ♪」

白石(それって来ないって意味なんじゃ…)

あきら「さて、今日はこのあたりでおしまい。次回もまた見てね」

あきら・白石「ばいにー!」


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[第82話]ちょっとってどれくらい?

―翌日 職員室

 

鈴木「お疲れ様です。その調子で頑張ってください。さて明日の土曜日ですが……」

 

黒井「ちょっと待て!なんでウォーキングの結果をウチには聞かんのや!?」

 

鈴木「……いや、あれだけ言ったら聞かなくてもちゃんとしてるかと……一応、確認しますね。黒井先生、万歩計を見せてください」

 

黒井「どや!ウチにしてはよーやったやろ!」

 

鈴木「4,2キロって……昨日の不足分チャラになってない上に今日の分も地味に足りてないじゃないですか」

 

黒井「うっ……!うるさいねん!これでもウチにしてはよーやった方や!」

 

鈴木「はいはい、そうですね。」

 

黒井「なんやその言い方!」

 

鈴木「まぁ先生がいいならそれで良いですよ。……さてこの土日は万歩計の確認がとれないので週明けの月曜日でも良いですか?」

 

かがみ「え?うん……」

 

黒井「自分も手伝う言うてんからそれくらい毎日確認しに来てくれてもええやん!」

 

鈴木「別に俺はかまいませんけど……」

 

みゆき「さすがにこちらまでご足労いただくのは……」

 

鈴木「と気を遣われるのもアレだし、だからと言って遠いのにこちらに来てもらうのも酷だと思うんですよね」

 

みゆき「すいません……」

 

黒井「あぁそうか……それに来てもらおう思ったら家教えなあかんもんなー……さすがに生徒に家バレるんはイヤやなぁ」

 

鈴木「ということで月曜日の昼休みに次の確認をしますのでそれまでに15キロお願いします。」

 

黒井「は!?15!?」

 

鈴木「金土日の5キロ×3日分ですね。まぁ1日にまとめて15キロ歩いても良いですけど」

 

黒井「あー……分かった……」

 

鈴木「では、今日はこれで。先生、月曜日楽しみにしてますよ」

 

黒井「くっ……教師に喧嘩売ると後が怖いで?」

 

鈴木「その前に今のままじゃミスコンが怖いですよ。俺も他に何か調べておきますんでこの土日、頑張ってください。」

 

黒井「………悔しいけど言い返せん……!!」

 

 

 

―廊下

 

鈴木「ということで2人とも頑張ってくれな。」

 

かがみ「うん」

 

みゆき「はい」

 

鈴木「そうそう、さっき言うの忘れてたが夜より朝運動した方が効果的らしい。」

 

みゆき「そうなんですか?」

 

鈴木「ん。昨日テレビでやってた。参考程度に頭の片隅においといてくれ」

 

みゆき「分かりました。あ、すいません。この後、文化祭実行委員会があるんでした」

 

鈴木「大変だな……」

 

みゆき「えぇ、未だに全く空のイベント枠があったりしてですね……」

 

鈴木「うわー悲惨……まぁ何か手伝えることがあったら手伝うよ」

 

みゆき「ありがとうございます……。多分、企画が出来ればお願いできるのでその時はお願いしますね」

 

鈴木「ん」

 

みゆき「では、失礼します」

 

鈴木「ほいじゃー」

 

かがみ「うん、またー」

 

鈴木「……大変そうだなー」

 

かがみ「そうね」

 

鈴木「なんかテンション低くないか?」

 

かがみ「そう?みゆきはいつもあんな感じじゃない?」

 

鈴木「じゃなくてかがみのテンション。気のせい……じゃないよな?」

 

かがみ「そう……かな?」

 

鈴木「まぁダイエットとかミスコンとかで大変だしテンション上げろって方が難しいかもしれんが……」

 

かがみ「そうね……」

 

鈴木「何かあったら話くらいは聞くぞ?」

 

かがみ「んー土日あるとはいえ15キロは達成できる気がしないなぁって……」

 

鈴木「あぁそれか。確かに言いながらちょっとヤバいかもとは思ったが」

 

かがみ「ヤバいなんてもんじゃないわよ」

 

鈴木「すまん。」

 

かがみ「正直、一人で達成できる気がしないわ……なんてね」

 

鈴木「なんだったら俺も行こうか?」

 

かがみ「ハァ?それこそ大変じゃない?」

 

鈴木「まぁな。とはいえ言い出しっぺは俺だし一人で散歩しててもアレだって言うなら付き合うぞ?」

 

かがみ「そこまで迷惑かけられないわよ。」

 

鈴木「俺は別に良いけどな。」

 

かがみ「でも……」

 

鈴木「って休みの日まで俺と顔つき合わせるのは嫌か」

 

かがみ「そんなことない!無いけど……なんで?」

 

鈴木「何が?」

 

かがみ「なんでそこまでしてくれるの?」

 

鈴木「……なんでだろうな。自分でもはっきり分からん。ただ黒井先生に同じことしろと言われても多分、やらないだろうな」

 

かがみ「みゆきに頼まれたら?」

 

鈴木「……うーん。悪いけどここまでは多分しないかな。」

 

かがみ「私だからするの?」

 

鈴木「まぁそうだな。」

 

かがみ「で、その理由はただ私にミスコン優勝してほしいだけ?」

 

鈴木「……だと思う。すまん、ちょっと考えさせてくれ。とりあえずはミスコンだ!明日はどうする?」

 

かがみ「とりあえずミスコンね……。分かったわ。明日は……どうしようかしら」

 

鈴木「まぁノープランでもいい気はするが……。とりあえず12時くらいに顔出すよ。どっか行きたいとことかあったら考えといてくれ。ただし移動はすべて徒歩のつもりだがな」

 

かがみ「なかなかキツいわよ。ソレ」

 

鈴木「キツくなけりゃ意味がない。だろ?」

 

かがみ「それもそうね」

 

―駅

 

かがみ「じゃあまた明日ー」

 

鈴木「ほいっすー……」

 

鈴木(俺はなぜここまでしてるんだ?……そういえばこんな疑問、前にも感じた覚えがあるな。その時は俺じゃなくて誰かがなんでここまでしてるんだ?って疑問だった気がするが誰のことだっけなぁ……ま、思い出せるときに思い出したらいいか)

 

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!今日も始まりましたらっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターはもちろん私!小神あきらです!!!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす。あきら様、今日はやけにテンション高いですね!」

あきら「私へのね~応援メッセージが来たんだよ~!!ふふ~ん」

白石「なるほど。それでテンション高いんですね。」

あきら「まぁもちろん、本編のニヤニヤな話も楽しいからなんだけどね!!」

白石「あ~」

あきら「ミスコンで優勝してほしいだけ?んなわけないじゃ~ん!!!」

白石「まぁw」

あきら「きっとそれ以上にムフフフ~~」

白石「というより答えは出てるんですよね~」

あきら「え!?」

白石「最後の心の声。俺はなぜここまでしてるんだ?……」

あきら「あ~~~!!!」

白石「昔、同じ疑問を別の誰かで感じたと」

あきら「言ってますね!!あ!!!!」

白石「そうなんですよ~。その時はすぐ答えにたどり着いているのに」

あきら「他人のことは気づいても自分のことには気づかない鈍感さ!!」

白石「これもある種の主人公補正ですね。」

あきら「ちなみに、どの場面のことだよ!!って思い出せない視聴者の方へ!いま、この番組を見てくれている皆さんに特別に教えちゃいます!!11話です!!」

白石「海に行った回の最後の方ですね。」

あきら「いや~これで11話の視聴数も伸びる!!」

白石「まぁ11話は僕たちのコーナーはないんですけどねw」

あきら「あ・・・じゃぁ見なくてもいいやー」

白石「いやいやいやそこはせっかくですから読んでくださいね!!僕も出てますし!」

あきら「あーあの頃は本編でも白石の出番あったもんねー」

白石「え!?今後は無いみたいな言い方はちょっと…」

あきら「お!!もうこんな時間だ!今日はここまでで~す!!」

白石「あ、はい!では次回も見てください!!」

あきら・白石「ばいにー!!」


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[第83話]映画館

―土曜昼・柊家

 

かがみ「……。」

 

まつり「かがみ、何そわそわしてるの?」

 

かがみ「そわそわなんてしてないわよ!」

 

まつり「ふーん……」

 

―ピンポーン

 

かがみ「あ、はーい!今行きまーす」

 

まつり「もしかして男?」ニヤニヤ

 

かがみ「違っ……わないけど違う!姉さんが考えてるようなことじゃない!」

 

まつり「私が何考えてるかなんて言ったっけ?」ニヤニヤ

 

かがみ「もうっ!うるさいわね!私行くから!」

 

まつり「ハイハイ楽しんでおいでー」

 

つかさ「あれー?今、ピンポン鳴らなかった?」

 

まつり「鳴ったよーかがみが出た。」

 

つかさ「そっかー」

 

まつり「つかさ、かがみに彼氏とかいるっけ?」

 

つかさ「うーん、多分いないと思うけど……どうして?」

 

まつり「なんかすごいウキウキしてたからさー」

 

つかさ「うーん……あ、もしかして……」

 

まつり「え!?何?知ってるの!?イケメン?」

 

つかさ「いや、知らないかなーアハハハ……」

 

まつり「つかさってうそつくの下手だよね」

 

つかさ「え?」

 

 

 

―外

 

鈴木「おっす」

 

かがみ「おーす」

 

鈴木「どっか決めてきたか?」

 

かがみ「いや、全然……」

 

鈴木「そうか、じゃあ映画でも見に行くか。チケット代くらいは俺が出すし」

 

かがみ「え?あ、ありがと……ってもしかして……」

 

鈴木「ん。あの映画館とショッピングモールがくっついてるあそこまで行くぞー」

 

かがみ「歩いて?」

 

鈴木「そう、歩いて。」

 

かがみ「遠くない?」

 

鈴木「遠くないと意味ないぞ?」

 

かがみ「……意外とドSねアンタ……」

 

鈴木「多分、気のせいだ。ほら、早く行かないと映画見れずトンボ帰りになっちゃうぞ」

 

かがみ「いや、歩こうって言い出したのはアンタだからね?」

 

鈴木「ファイト!」

 

 

―映画館

 

鈴木「とりあえずこの映画のチケット2枚……ポップコーンは無しだからな?」

 

かがみ「分かってるわよ!」

 

鈴木「はは冗談冗談」

 

スタッフ「おデートのお客様ですね。」

 

かがみ・鈴木「!」

 

スタッフ「本日、おデートのお客様はカップルデート割でお二人合わせて997円となります♪」

 

鈴木「あ、どうも……ちなみになんで997円なんて中途半端な数字なんですか?」

 

かがみ(気にするのそこ!?)

 

スタッフ「997は素数、だから絶対割れませんよー♪ってことですよ!」

 

鈴木「は、はぁ…なるほど……」

 

スタッフ「はい!お釣りの3円です♪3も素数だから割れませんよ♪」

 

鈴木「ども……」

 

かがみ・鈴木(このスタッフ超うぜぇ!)

 

 

―席

 

かがみ「見事にガラガラね。」

 

鈴木「だな。色々、割引とかあの手この手で努力しないといけないのがよく分かるぜ」

 

かがみ「それはそうとさっきなんでカップルって言われた時に否定しなかったの?」

 

鈴木「ごめん。つい……嫌だったか?今から受付さんに言って誤解を」

 

かがみ「いやいやいやそうじゃなくて……その……アンタは誤解されても良かったの?」

 

鈴木「俺は別に。カップルかどうかは別にして男女が約束して2人で出かけたらデートと思われてもおかしくないなってー」

 

かがみ「ちょっ!?何言ってるのよ!?」

 

鈴木「!!すまん。なんか口が滑った!気にしないでくれ」

 

かがみ(気にするなって言っても気になるじゃない!どういうつもりよ!)

 

鈴木(つい浮かれて余計なこと口走ったなぁ……浮かれて?)

 

かがみ・鈴木(この後、どうしよう……)

 

 

―ブー

 

鈴木「映画……始まるな」

 

かがみ「そ、そうね」

 

―映画終了

 

鈴木「なかなか面白かったな」

 

かがみ「そうね。……とくにアライグマがしゃべりだしたあたりは面白かったわ」

 

鈴木「だなー。」

 

かがみ・鈴木(よし、映画のおかげで気まずさは無くなった!)

 

スタッフ「ありがとうございましたー♪あ、お客様!」

 

かがみ・鈴木(ってまたさっきのスタッフ!?)

 

スタッフ「先程、こちらを渡すのを忘れていました♪」

 

鈴木「えーと……何ですか?」

 

スタッフ「次回以降使えるサービス券3枚綴りです♪こちらも素数だから割れませんよ♪またお2人でお越しください♪」

 

鈴木「はは……どうも……」

 

かがみ・鈴木(このスタッフめ!!)

 

鈴木(しかもこのサービス券、3枚綴りって1枚で1人しか使えないから3人で来るか2人で来た後、1人で来なきゃならねぇじゃん……)

 

スタッフ「ほらほらもさっと立ってないで他のところも遊んでおいで♪」

 

鈴木「は、はぁ……」

 

 

―商業施設

 

鈴木「と、勢いに任せてやってきたがどうする?」

 

かがみ「……」

 

鈴木「まぁ遊んでおいでと言われてもココ、ゲーセンも無いしな……」

 

かがみ「そうね」

 

鈴木「帰るか?このままいるとまたあのスタッフに会いそうな気がするし」

 

かがみ「すごい勘ね」

 

鈴木「なんとなくだよ。まぁ、まったく知り合いでもないし勘違いされてても俺は問題ないと言えば無いんだが」

 

かがみ「ホントに問題ないの?その……アンタの好きな人とかに見られたら……」

 

鈴木「そんな見られたら困る人はいない。かがみこそ誰かにフライデーとかされたらマズいんじゃないか?今さら俺が言うのも何だが……」

 

かがみ「ホントに今さらね。でも大丈夫よ。残念ながら私にもそんな人いないし」

 

鈴木「そうか、意外と言えば意外だがな」

 

かがみ「ちょっと?それどういう意味よ?まさか私が男とっかえひっかえして遊んでそうって意味?」

 

鈴木「いやいや、別にそうは言ってないが……モテそうだとは思うけどな」

 

かがみ「ハァ!?なんでよ?」

 

鈴木「いや、なんとなく。かわいいし。」

 

かがみ「アンタ真顔で何言ってるのよ?」

 

鈴木「すまん。俺でもなんでこんな話になったか分からん。」

 

かがみ「ちょっ!?……もういいわ。帰りましょ」

 

鈴木「だな。この話はまた今度」

 

かがみ(って今度があるんかい……)

 

―帰り道

 

鈴木「そういえばなんでミスコン出るんだっけ?」

 

かがみ「え?」

 

鈴木「多分、自分からエントリーするタイプじゃないだろ?」

 

かがみ「当たり前よ!自分でエントリーするわけないじゃない!日下部が勝手にエントリーしたのよ!」

 

鈴木「あぁ……納得」

 

かがみ「それでエントリー取り消そうと思ったんだけど、参加者が足りなくて仕方なく参加することになったみゆきが私が参加すると聞いてすごい喜んじゃって……」

 

鈴木「確かにそれは断るに断れないな……」

 

かがみ「で、参加することになったのよ」

 

鈴木「まぁ良い機会じゃないか?」

 

かがみ「確かにめったに出来ない経験になりそうだけど……こんなに歩いたダイエットも無いしね。ジョギングとかだと続かなかったりすることもあるからさ……」

 

鈴木「まぁそれもあるけど……こういうのってイベント事って世界が広がったりもするだろ。」

 

かがみ「うーん……そうかもね」

 

鈴木「表舞台に立ってみたらファンが出来たりとかな。どっかの軽音部のベーシストは1年の文化祭でファンクラブまで出来たらしいし」

 

かがみ「そこまでは誰も望んでないわよ!」

 

鈴木「まぁまぁ。でもそれで彼氏が出来たりしてな。」

 

かがみ「そんなミスコン見て決めましたなんて人、こっちから願い下げよ」

 

鈴木「ですよねー。」

 

かがみ「なんか今日おかしくない?いつもと違うわよ?」

 

鈴木「だな。あのスタッフのせいにしよう。うん」

 

かがみ「へー」(ってそれ、私とデートしてることになって浮かれてるって意味!?それとも単に女の子と映画見に行けて満足満足、暇つぶせたってだけなのかしら?)

 

鈴木「どうしたんだ?」(俺、また気に障ること言ったか?からかってくる奴らがいないせいでちょっと話が変な方向に反れたしな……)

 

かがみ「い、いや別に……」(さすがにそれを聞けないわ。後者だったときに……ってなんで私、そんな心配してるのよ!?)

 

鈴木「なら良いんだが……」(やっぱりなんとなく変だよな。とはいえ、これ以上根掘り葉掘り聞けないし……というか俺、なんでそこまで気にしてるんだ!?)

 

かがみ・鈴木(まったく……どうしちゃったのよ<んだ>……私<俺>……)

 

 

―神社の近く

 

鈴木「今日は……お疲れさま」

 

かがみ「あ、うん。お疲れ……」

 

鈴木「多分3日分のノルマは達成してるはず、明日はゆっくり休みを満喫してくれな。」

 

かがみ「うわっホント……もう20キロも歩いてるじゃない……」

 

鈴木「かなりの距離だろ?筋肉痛とかならんように気をつけろよー。今日はサンキューな」

 

かがみ「あ、うん。こちらこそありがとう……」

 

鈴木「じゃっまた月曜ー」

 

かがみ「あ、うん。またねー」

 

 

かがみ(さっき20キロを10キロってさば読んだら鈴木くんは明日も来てくれたりしたのかしら……まぁウソはよくないわよね。彼だって暇じゃないだろうしいつまでも私に付き合ってられないでしょうし……明日は同じような口実でみゆきのとこまで行ってみゆきとデートしたりするのかしら?もしかして私はその予行演習とか?……さすがにそれは無いわよね?……ってあったとしてもそれは鈴木くんの自由か……)

 

 

―夜・かがみの部屋

 

かがみ(なんか変ね……鈴木くんが意味深な発言するから妙に気になっちゃうわよ……)

 

―コンコン

 

かがみ「ん?どーぞ?」

 

―ガチャ

 

つかさ「お姉ちゃん……」

 

かがみ「つかさ?どうしたの?改まって」

 

つかさ「それがね……」

 

まつり「かがみー、つかさから聞いたよ?」

 

かがみ「聞いたって何をよ?」

 

まつり「鈴木くんだっけ?といい感じなんだって?」ニヤニヤ

 

かがみ「ハァ!?ちょっ!?え!?つかさ?何言ったのよ?」

 

つかさ「私はまつりお姉ちゃんが『かがみが仲良くしてる男の子がいるの?』って聞かれたから『鈴木くんと仲は良いみたい』ってだけしか答えてないよ!いい感じなんて言ってないんだけど……」

 

かがみ「似たようなもんじゃない!」

 

つかさ「ごめん……」

 

かがみ「もう、しょうがないなーつかさは……」

 

まつり「で、実際はどうなのよ?」

 

かがみ「どう?って何がよ?言っとくけど付き合ってたりするわけじゃないわよ?」

 

まつり「そりゃそうよねー。かがみに告白する度胸は無いよねー。向こうから言わせないとだめよねー。」

 

かがみ「なんか言い方がムカつく……というかちょっと待て!いつからそういう流れになったんだ!?」

 

まつり「え?違うの?だってよく寝言で『鈴木くんだいすきー』って言ってるじゃん」

 

つかさ「え?さすがにそれは聞いたことないけど……」

 

まつり「あっ、つかさ……」

 

かがみ「そんな見え見えのウソよくつけるわね。姉さんの部屋まで聞こえるような寝言ある訳ないし、姉さんの部屋まで聞こえるのにつかさが聞こえないわけないし」

 

まつり「それはつかさも寝てるから……」

 

かがみ「だいたい、鈴木くんって名前知ったの今の今でしょ?」

 

まつり「あ……」

 

かがみ「まったくもう……」

 

つかさ「で、お姉ちゃん。実際、鈴木くんとはどうなの?」

 

かがみ「ちょっ!?つかさまでその質問してくるの?」

 

つかさ「だってお姉ちゃん、鈴木くんといるとき楽しそうだし……私やこなちゃんといるときも楽しそうだけど、それとは違うような……」

 

かがみ「ちょっと何を言ってるのよ!?全然、違うこと無いわよ!?」

 

つかさ「じゃあ鈴木くんのことはまったく興味ないの?」

 

かがみ「そう……とは言ってないけど鈴木くんは私のことなんとも思ってないんだし」

 

つかさ「それ、鈴木くんから直接聞いた?」

 

かがみ「いや、そういう訳じゃないけど……」

 

つかさ「お姉ちゃん、ネガティブな思い込みは良くないよ?」

 

かがみ「う、うん……」(ってあれ!?いつの間にかつかさに諭されてる!?)

 

まつり「おー、いつも立派な姉のかがみがつかさに押されてるじゃん」

 

かがみ「うるさい!まつり姉さんには言われたくない!」

 

まつり「へー。私には言われたくなくてもつかさに言われるのは平気なんだー?」

 

かがみ「そういう訳じゃない!……けど、あ……これつかさがいるところで言って良いのかしら?」

 

まつり「?」

 

つかさ「何?」

 

かがみ「いや、風の噂で聞いたんだけどね、つかさのことが好きな人がいるとか……」

 

つかさ「あー」

 

まつり「それね」

 

かがみ「え!?知ってるの!?」

 

つかさ「うん。もう1年くらい前から知ってるー」

 

まつり「私は今日聞いて知ったー」

 

かがみ「え゛……何よそれ……もしかして、その……付き合ってたりとか……」

 

つかさ「ううん。付き合ってはないよ~」

 

かがみ「あ、そうなんだ……って言うか誰なのかしら?」

 

つかさ「それは言えないかな……一応、名前は言わないでって言われてるし」

 

かがみ「ふーん……って、えぇ!?それってつまり……」

 

つかさ「告白はされたよ~うん。」

 

かがみ「」ポカーン

 

まつり「つかさ、意外と残酷だよね」

 

つかさ「そう?今の関係が壊れるのも嫌だから付き合えなくても別にいいかもーって言ってたし」

 

まつり「うわー妥協ー。それじゃ告白もしなけりゃいいのにー」

 

つかさ「知っといてはほしかったんだってー」

 

まつり「何それ。つかさみたいにいい子じゃなかったら関係がギクシャクしちゃうの目に見えてるじゃんー」

 

つかさ「ギクシャクしないって信頼があったから伝えたしそういうところも好きだからーって言ってたよ?」

 

まつり「うわーある意味すごいなー」

 

 

 

―学校

 

水原「ハックッシュン!」

 

石橋「どうしたー?」

 

水原「いや、急にくしゃみが……」

 

石橋「ちなみに今日土曜日やねんで?しかも今はもう夜やで?」

 

水原「呼びつけたのは誰ですか?こんな時間まで作業させてるのは誰ですか?」

 

石橋「なんや?なんか文句あるんか?」

 

 

 

―かがみの部屋

 

かがみ(知らなかった……いつも私の後ろにいると思ってたつかさがまさか……)

 

つかさ「お姉ちゃん?」

 

かがみ「え!?え!?何?」

 

つかさ「どうしたの?複雑そうな顔して……」

 

かがみ「いや……」

 

まつり「まさかつかさに先越されて焦ってる!?」

 

つかさ「先は越してないよ~」

 

かがみ「なんでもない。なんでもないわよ……」

 

つかさ「お姉ちゃん、好意を受けて嫌な気分になる男の人はいないらしいから。ちょっとは相手の気持ちより自分の気持ちを素直に考えてみてね?」

 

かがみ「・・・。」

 

つかさ「ふわぁぁぁ……眠たくなってきたし、今日はもう寝ようかな……」

 

まつり「はやっ!?まだ8時半だよ?」

 

つかさ「私、寝るよ……お姉ちゃん、夜遅くにごめんね?」

 

かがみ「いや、いいわよ。おやすみー」

 

つかさ「おやすみー」

 

 

―ガチャ

 

まつり「……えーと、かがみ?」

 

かがみ「何?姉さん」

 

まつり「からかってごめんねー。でも高校の青春は卒業したら取り戻せないから、たまには思い切って行動してみな」

 

かがみ「む。姉さんが言うと薄っぺらく聞こえるな……」

 

まつり「何を!?」

 

かがみ「本心は?」

 

まつり「その人の友達とかで良い人紹介して!」

 

かがみ「だと思ったわよ」笑

 

まつり「あったりまえじゃん」笑

 

かがみ「やれやれ」笑

 

まつり「じゃ、おやすみー」

 

かがみ「あ、うん。姉さん、おやすみ。」

 

 

 

―ガチャ

 

かがみ「……素直にか……。私は鈴木くんのことをどう思ってるんだろ……。」

 

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす」

あきら「さぁ今回も始まりましたー!」

白石「今日は長めですね~」

あきら「1日を1話にするとこーんなに長いんですね!!」

白石「ダラ~っとした感じにはなってきましたけどね」

あきら「それも良さ良さ。あっさり終わるのは面白くない!!」

白石「今後もしばらくお付き合いいただければ」

あきら「と作者から言えといわれたことをいう白石君なのでしたー」

白石「出番のためには必死ですよ」

あきら「ばいにー!!」


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[第84話]尻に敷かれる

ゲームセンター内の一部はとある漫画からパクッてます


―日曜・駅前

 

こなた「いや~なんか、この3人ってのもひさびさだね~」

 

かがみ「珍しく遅刻しなかったわね」

 

こなた「まぁね~さすがにこの歳で遅刻はないよ~」

 

かがみ「どの口が言う……」

 

つかさ「早くしないと混んじゃうよ?」

 

こなた「そだね。よし行こう~!」

 

 

―サイ○リヤ

 

店員「3名様ですね~こちらへどうぞ~」

 

―席

 

店員「ご注文の商品はこちらでお揃いでしょうか?」

 

つかさ「は~い」

 

店員「それではごゆっくりお過ごしくださいー」

 

こなた「さて、かがみん……」

 

かがみ「何よ?」

 

こなた「文化祭のミスコンさ~かがみも……」

 

かがみ「なっ!!!!いきなり何!!!?」

 

こなた「何慌ててるの?かがみも楽しみだよね?って言おうとしただけだけど」

 

かがみ「あ、あら……そう……別に慌ててなんかないわよ?」

 

こなた「ふーん……ミスコンにみゆきさん出るからね~楽しみだな~お父さんに頼んで超高画質ビデオカメラで撮ってもらわないとね~」

 

かがみ「それだけはやめろ!」

 

こなた「なんでかがみが拒絶するの?出るのはみゆきさんじゃん。」

 

かがみ「あ、いや……でも……みゆきも嫌がると思うしやめてあげなさいって意味よ!」

 

こなた「ふ~ん」(やっぱりかがみはわかりやすいな~)ニヤニヤ

 

かがみ「何ニヤニヤしてんの?」

 

こなた「いや~かがみはカワユスな~ってね」ニヤニヤ

 

かがみ「何が言いたい?」

 

こなた「いや~なんでも~。そういえばみゆきさん、今ごろ何してるかな~。電話してみようかな~」

 

かがみ「やめたげなよ。みゆき気を遣いそうだしさ」

 

こなた「良いじゃ~ん。それにみゆきさんが休みに何してるか気になるし」

 

つかさ「確かにゆきちゃんって休みの日何してるんだろ~」

 

かがみ(確かに気になるけど……知りたいけど知りたくないような……)

 

こなた「ということで思いっきり生電話~!」ピッ

 

かがみ「それはやめとけ!いろんな意味で危ない!」

 

こなた「………アレ」プルプルプル...プルプルプル...

 

かがみ(え?なんで……出ないの?)

 

 

―みゆき宅―

 

ゆかり「あらみゆき?またそれ(ルームランナー)使ってるの?」

 

みゆき「はい。かなり効率的なんですよ」

 

ゆかり「へ~」←感心無し

 

みゆき(ホントは母が買って来たんですけどね……)

 

携帯「」ヴーヴーヴー

 

ゆかり(みゆきのケータイが鳴ってるけど……まぁ放っておいてもいいかしら)

 

 

 

―ファミレス―

 

こなた「うーん……みゆきさん出ないね」

 

つかさ「ゆきちゃん忙しいのかな~?」

 

こなた「う~ん……彼氏とデートとかかな~」

 

つかさ「あまり噂とか聞かないよね。ゆきちゃんモテそうなのに。あ、でも噂を聞かないだけでホントはいたりするのかな~」

 

こなた「どうだろね~みゆきさん意外に鈍感だから向こうがそのつもりで誘ってるけど気付いてないだけって可能性もあるかもね~」

 

つかさ「あ~なるほど~」

 

かがみ(まさか……ね)

 

こなた「さて次は誰に電話しようかな~。呼んだら来てくれそうな地元近い人にしよう!」

 

かがみ「やめとけよ……いきなり呼ばれても迷惑なんだし」

 

こなた「まぁまぁ強制はしないよ~無理強いはするけど☆」

 

つかさ「こなちゃん……それ同じ意味なんじゃ……」

 

こなた「細かいことは言いっこナシだよ!……じゃ鈴木くんあたりに電話しようかな!」

 

かがみ「えぇ!?」

 

こなた「どったの?なんでそんなオーバーリアクション?」

 

かがみ「いや、なんでも……。でも、いきなり呼び出すのも迷惑じゃないかしら?何かしてるとダメだし……」

 

こなた「まぁまぁ何かしてたら電話出ないだけだよ~エイ!」ピッ

 

かがみ「あーかけちゃった……」(どうしよう、みゆきと一緒だったりしたら……って別にそれでも良いんだけど)

 

つかさ「お姉ちゃん?」

 

かがみ「何?」(そういえば昨日つかさが……)

 

つかさ「なんでもないよー」

 

かがみ「そ、そう?」

 

こなた「お?繋がった!ハンズフリーにするね」

 

鈴木(電話)「いきなりどうしたー?」

 

こなた「やふ~今、O宮のサ○ゼリヤにいるんだけど来ない?」

 

鈴木(電話)「なんだ?1人ファミレスがつらくなって俺を呼ぶのか?」

 

こなた「違うよ!そこまでひどくないし!」

 

鈴木(電話)「すまん、冗談だ。で、O宮のサイゼ○ヤか……」

 

こなた「来なよ~。かがみとつかさもいるよ~。ハーレムだよ~」

 

鈴木(電話)「行きたいのは山々だが……ちょっと野暮用があってな。後から合流でいいか~?」

 

かがみ(……野暮用?)

 

こなた「う~ん……野暮用って何?」

 

鈴木(電話)「うんとなー……あ……ダメか。野暮用は野暮用だ」

 

こなた「誰かに口止めされてるんだ~へぇ~」

 

鈴木(電話)「すまんな。じゃ野暮用片付いたら電話するよ」

 

こなた「ほいほーい」

 

鈴木(電話)「じゃ」

 

こなた「……だってー。とりあえず連絡来るまでお昼してゲーセンにでも行くか~」

 

つかさ「そだね~」

 

かがみ(言えない野暮用?……しかも口止めってことは誰かと一緒にいる……?みゆきかな?え?どういうことだろ……)

 

 

 

―鈴木サイド

 

鈴木「珍しい気がするな。お前が休日呼び出すなんて」

 

水原「そうですかね?まぁ、それは良いとしてさっそく本題なのですが文化祭の間、何か予定ありますか?」

 

鈴木「特には……あ、2日目の一般公開日の朝一は出来れば避けてほしいが」

 

水原「あ、それなら大丈夫です。」

 

鈴木「というか何の企みだ?」

 

水原「実はですね、ラジオ局を開設することになりまして」

 

鈴木「は!?」

 

水原「いや、文化祭でですよ?どうしても埋まらない教室1室を貸し切って……」

 

鈴木「な、なるほど……」

 

水原「で生徒のみの1日目も含めて2日間、ずっと貸し切らされたので……放送するネタが足りないんです」

 

鈴木「なるほどな……まぁ頑張ってくれ」

 

水原「で終わると思います?」

 

鈴木「さすがに無理か……ん?ちょっと、すまん。電話だ」

 

水原「どうぞ」

 

鈴木「こなたからか……いきなりどうしたー?」

 

―電話中 この場面は上の方とリンクしています―

 

鈴木「じゃ……すまんすまん待たせた。で、単刀直入に何が言いたいんだ?」

 

水原「こちらをご覧ください。今回の文化祭ラジオ放送局、略して文化放送の番組表です」

 

鈴木(文化放送って……実在してる名前はヤバいだろ……)

 

水原「とりあえずミスコンとか吹奏楽とか明らかにお客さんのだいたいがそっちに行っちゃうイベントの時間帯は放送休止にして他の時間帯は30分ずつに区切って25分放送、5分準備でタイムテーブル組んだんですがね」

 

鈴木「どれどれ……ん?なんか未定が多すぎないか?」

 

水原「でしょ?言いたいこと分かります?」

 

鈴木「まさか俺にハガキ職人でもやれと?」

 

水原「ハガキ職人もなんですが、どっかのコマでパーソナリティーしてもらえませんか?」

 

鈴木「ハイッ!?パーソナリティー?」

 

水原「1人じゃなくて何人かでやってもらっても良いんですけども」

 

鈴木「そこじゃねぇよ!何で俺がパーソナリティーなんだよ!?」

 

水原「私の交友関係考えてください」

 

鈴木「って言っても白石とか他にもいるだろ!」

 

水原「まぁ……これが一昨日の晩に始動した計画ってのもあるんですがね。」

 

鈴木「急だなオイ!」

 

水原「この枠みてもらえませんか?」

 

鈴木「ん?『らっきー☆ちゃんねる』?」

 

水原「今をときめく14歳のスーパーアイドル小神あきら様のオファーに成功しまして白石くんにはその小神あきら様の番組アシスタントをお願いしてるんですよ」

 

鈴木「なるほど。」

 

水原「さすがに2日あわせて2時間も拘束してさらに他もとはよう言いませんわ……」

 

鈴木「で、俺か」(というかコレ、みずりん自身が休止以外の時間、拘束されてるぞ)

 

水原「まぁ他にもたくさん、声はかけてますよ。すげぇかけてますよ。校外にも声かけてるくらいですよ」

 

鈴木「へ、へぇ……で、返事は?」

 

水原「この枠だけ……」

 

鈴木「何々?パーソナリティーはみずりんと石橋先生!?」

 

水原「ええ。」

 

鈴木「何しゃべるんだよソレ」

 

水原「こちら見てもらえます?1年にやった匿名進路アンケートなんですがね」

 

鈴木「唐突だなぁ。将来やりたいこと?なんか漠然だな……」

 

水原「将来やりたいこと←そのためには何が要る←そのためにはどんな進路を選ぶべき?という真面目なアンケートなんですよ」

 

鈴木「真面目な割に匿名なのか?」

 

水原「匿名だからカッコつけずにマジで回答しろってことで」

 

鈴木「なるほど……でそのアンケート結果が」

 

水原「これです。1位、決めていない・何も考えていない(58%)、2位教師(11%)……と」

 

鈴木「へぇ……マジでマジ回答なんだな。1位何も考えていないってリアリティ全開だな……」

 

水原「でしょ。で、まぁ2位が教師だったので」

 

鈴木「その教師の体験談とか色々語ってもらおうと」

 

水原「そういうこと」

 

鈴木「いい加減にしかならないんじゃかないかな……」

 

水原「まぁそのあたりはあの石橋先生、意外にまともですから」

 

鈴木「そんなもんかね。で、他は誰に依頼するんだ?」

 

水原「柊姉妹には声かけたいですね」

 

鈴木「それは個人的な趣味か?」

 

水原「もありますけど普通に校内で双子揃っているのが柊姉妹だけですのでね」

 

鈴木「ふーん……まぁ断られるだろうけどな」

 

水原「まぁそやねw」

 

鈴木「そういえばさっきこなたから電話で今、3人でいるそうだが……来るか?」

 

水原「うーん……それ私行って良いのかな?空気読んだら行かないほうがええかなって思うんやけど」

 

鈴木「?なんで?」

 

水原「だってその3人が3人して君のことが好きで誰が一番最初に振り向かせれるか的なチャレンジしてたら私は邪魔でしかないよ?」

 

鈴木「んなわけあるか。だいたいそんなことがあったらお前ソレを認めれるのかよ」

 

水原「それが幸せなら認めるしかないですね。仕方なく、しぶしぶハンカチでも噛みながら認めるしかないですね」

 

鈴木「認めてねーじゃん」

 

水原「まぁ実際、その状況になれば答えは出るでしょう」

 

鈴木「そうか……。でどうするんだ?さっき言ってたようなことは無いし来るか?」

 

水原(無いと言いきるあたり主人公やなぁ。女子3人だけいて男1人だけ声をかけるってまぁまぁおかしいと思うんやけど)

 

鈴木「わかったわかった。じゃあ俺が一応、こなたに連絡とって確認してみるよ」

 

水原「あーいや、私からします。」

 

鈴木「そうか?」

 

水原「はい。……あ、もしもし……」

 

こなた(電話)「やふ~どったの~?」

 

水原「今ね、鈴木善治とおるんだがね」

 

鈴木(なんでフルネームなんだよ)

 

こなた(電話)「ほうほう。」

 

水原「彼を誘ったやろ?」

 

こなた(電話)「うん。」

 

水原「でワイも来たら?って言われたんよ。私はギャルゲー展開かなとか思って断ったんけど『そんなことが無い』って言い切りよるしね」

 

こなた(電話)「なるほど~。無いって言い切るあたり主人公だね~。」

 

水原「でしょ?」

 

こなた(電話)「みずりんが誘われたらどうする?」

 

水原「そりゃもうwktkで行きますよ。私の場合はだいたい面倒なこと任せられるだけだけどね」

 

こなた(電話)「分かってるじゃん」

 

水原「まぁさすがにね。で本題は今日の場合、私も行って良いかどうか?ってことだね」

 

こなた(電話)「うーん……セオリー的にはダメだね。ギャルゲーにライバル男は要らないし女3対男1がネタ的にはいいバランスだしね。」

 

水原「ですよねー」

 

こなた(電話)「とは言っても私は鈴木くんにもみずりんにも特に興味ないし、つかさもしかりだろうから、うまくはぐれてニヤニヤさせてもらうつもりだし、そこにみずりん1人入っても別に良いかな……と」

 

水原「なるほど。ってかソレ言って良いのか?聞かれたらタダじゃ済まないだろ」

 

こなた(電話)「今、たまたま2人と離れてるから大丈夫だよ」

 

水原「お、おぅ……そしたらいっぺん私も合流してみるわ」

 

こなた(電話)「はいはーい、O宮のゲームセンターにいるよ~」

 

水原「了解。…………ということで俺……ゴ㌿ 私も行って大丈夫らしい」

 

鈴木「お、そうかそうか。」(なんでわざわざ一人称言い直したんだ)

 

水原「O宮のゲームセンターらしいんで行きましょか」

 

鈴木「はいよ」

 

 

 

 

―ゲームセンター

 

鈴木「おいっす」

 

こなた「Yahoo!」

 

水原「毎度」

 

こなた「さて、呼んだはいいけど何も決まってない!」

 

鈴木「ゲームセンター来たんだしゲームするんが良いじゃないか?」

 

こなた「だよね~」(すぐはぐれると怪しいから適当なタイミングで)

 

水原(御意)

 

つかさ「こなちゃん、これ得意だったよね?」

 

こなた「ボンゴの名人?」

 

つかさ「あれ?前に私と一緒にやらなかったっけ?」

 

こなた「それ太鼓の方じゃないかな?」

 

つかさ「違うのかな?」

 

水原「多分、違いますね。多分。」

 

つかさ「こなちゃん、太鼓の方は得意だからやってみたら?」

 

こなた「うーん……私のは得意というか譜面覚えてるだけだからね~。かがみやってみたら?」

 

かがみ「え?うーん……」

 

こなた「大丈夫だよ~ヘタクソでもやったことないゲームって言えば言い訳になるんだしさ~」

 

かがみ「なんかその言い方、ムカつくわね。分かった、やるわよ。アンタほどじゃないけど太鼓の方も私、それなりに出来るわよ?」

 

こなた「じゃあかがみは決まりね。もう一人は……」

 

つかさ「私は横で見てるよ~」

 

水原「私も音ゲーは苦手でしてね……」

 

こなた「じゃあ鈴木くん」

 

鈴木「俺かよ!?……まぁ良いけど俺、太鼓の方もフルコンボとかしたことないぞ?おにレベルはクリア出来んし」

 

かがみ「それは私もよ。それが普通だから安心して」

 

鈴木「そう?じゃあ俺が昔見た人がすごかっただけか……よし、やるか。」

 

こなた「普通にやってもつまらないからどっちが勝つか勝負したら?」

 

かがみ「うーん……私は良いけど鈴木くんは?」

 

鈴木「良いぜ。一勝負やるか。」

 

こなた「決まりだね!……ついでに勝った方が負けた方に何かするとかは?」

 

かがみ・鈴木「却下」

 

こなた「えーっつまんないー」

 

鈴木「いやいや勝負するのは俺たちだから」

 

こなた「まぁそうなんだけどさー」

 

水原「じゃあ私は柊かがみさんが勝つ方にジュース1本」

 

こなた「じゃあ私もかがみが勝つ方にジュース1本♪」

 

つかさ「え?私もお姉ちゃんが勝つ方にしたいんだけど……」

 

こなた「それじゃ賭けにならないじゃん……」

 

つかさ「じゃあ……鈴木くんが勝つ方にジュース1本」

 

鈴木「あのーそういうのはせめて俺の聞こえないところでやってくれないかな?」

 

こなた「あーごめんごめん。まぁ頑張ってくれたまへー」

 

鈴木「絶対、応援してないだろ……かがみ、お金入れて大丈夫か?準備OK?」

 

かがみ「OKよ!」

 

―チャリン

 

かがみ「えーと……どの曲にする?」

 

鈴木「うーん……これとかどうだ?」

 

かがみ「あ、これは知ってるわよ」

 

鈴木「じゃあ決まりだな。レベルは……」

 

かがみ「ふつうで良いんじゃない?」

 

鈴木「了解、よし始めるぞ」

 

―♪

 

ゲーム機「 ヒール ミュート トゥ オープン ヒール ミュート トゥンバオ~~~~」

 

かがみ「ちょっ!?」

 

鈴木「なっ!!?なんだこの譜面!?」

 

ゲーム機「GAME OVER!」

 

かがみ「どうなってるのよ!?」

 

鈴木「んなもん分かるか!前奏だけ、歌詞はいる前に終わったぞ」

 

ゲーム機「成績発表!」

 

―柊かがみ 00000点

―鈴木善治 00000点

 

こなた「え~これじゃ勝負になってないじゃん!つまんない!」

 

かがみ「しょうがないでしょ!まったく訳分からなかったんだから!」

 

つかさ「あ、もしかしたらいきなり『ふつう』から選んだからじゃないかな?」

 

こなた「そうだよ!今度は『かんたん』でやってみなよ」

 

かがみ「じゃあ次はアンタがやればいいんじゃない?私はパス」

 

鈴木「悪いが俺もパス。またつまんないものを見せたくはないからな」

 

こなた(根に持ってる!?)「はいはい、じゃあ私ともう一人は……つかさ、やる?」

 

つかさ「私も遠慮しとこうかな」

 

こなた「じゃあみずりんでいいや。カモン」

 

水原「『でいいや。』ってなんだよ。『でいいや』って」

 

こなた「と言いながらすぐ準備するあたりがみずりんだよね~」

 

水原「どういう意味やねん。さっきの曲の『かんたん』でいい?」

 

こなた「いいよ~カモン!」

 

―♪

 

ゲーム機「 ひ~る みゅ~と とぅ お~ぷん ひ~る みゅ~と とぅんばお~~~~」

 

水原(゜□゜;;;)

 

こなた「カタカナからひらがなになっただけじゃん!」

 

ゲーム機「げぇーむおーばぁー!」

 

水原「ここもひらがなかよ!?」

 

ゲーム機「せいせきはっぴょう」

 

かがみ「へ~アンタが0点とはね~」

 

鈴木「俺たちのことをえらそうに言ってたのにな」

 

こなた「みずりん、2人がなんか怖いよ」

 

水原「自業自得でしょ。」

 

こなた「え~!みずりんまでそんなこと言うの?こんなの誰も出来っこないって~!」

 

つかさ「あ、こなちゃん。いかにもボンゴっぽい人がやるみたいだよ」

 

かがみ「しかも『難しい』を選んでるわ……」

 

ゲーム機「 H M T O H M TNBO~~ H M」

 

こなた「何、あの速さ……」

 

鈴木「腕が5本くらいに見えるな」

 

ゲーム機「500コンボ!」

 

水原「やべぇ」

 

ゲーム機「7000コンボ!フルコンボだボンゴ!」

 

かがみ「誰も出来っこないんじゃなかったのかしら?」ニヤニヤ

 

こなた「うるさいよ!」

 

鈴木「まぁ今回は自業自得だな。」

 

こなた「もう良いもん!別のゲーム行こうよ!」

 

水原「はいはい。」

 

 

 

―2階

 

子供A「よし!クワガタの幼虫だ!」

 

子供B「俺のカブトムシの幼虫にかなうもんか!」

 

子供A「何を!?」

 

子供B「幼虫アルティメットビーム!」

 

子供A「カブトムシにそんな特性が!?」

 

 

こなた「お~見たこと無いゲームだね」

 

鈴木「『幼虫アルティメットビーム』って……」

 

水原「何か変なゲームが多いですね」

 

こなた「お?UFOキャッチャーが結構あるね」

 

つかさ「あ、いちごんだ~」

 

水原「デカッ……ビーチボールくらいの大きさがある……」

 

かがみ「でもいちごんって見た目あんまりかわいくないわね。誰が取るのかしら」

 

水原「じゃあ私が取る」

 

かがみ「え゛?いや、無理しなくても」

 

こなた「まぁ良いじゃん。取るのはみずりんなんだし。私たちは別のを見に行こうよ~」

 

水原「ほな、私はしばらくここいますので」

 

 

―別のUFOキャッチャー

 

こなた「おや?」

 

かがみ「アンタもUFOキャッチャー?」

 

―チャリン

 

こなた「まぁね~」

 

―ポトン

 

つかさ「こなちゃんすご~い」

 

こなた「まぁこれは狙い目だったからね~」

 

かがみ(あんなに簡単に取れるんなら私にも簡単にポロッと)

 

こなた「取れちゃったりして……とか考えてない?」

 

かがみ「あっ!いや……でもせっかくだしやってみようかな」

 

―チャリン

 

かがみ「よし……これで……」

 

鈴木「あ」

 

かがみ「え!?ウソ!!ちゃんと掴んだじゃない!?」

 

こなた「」ニヤニヤ

 

鈴木「まぁ惜しかったし一応は掴んでたから次はいけるかもしれんぞ」

 

―チャリン

 

かがみ「アレ?」

 

―チャリン

 

かがみ「ウソ!?」

 

―チャリン

 

かがみ「なんで!?」

 

つかさ「お姉ちゃん……」

 

こなた「えらい人は言いました。UFOキャッチャーは貯金箱だと」

 

かがみ「うまいわね、そいつ」

 

鈴木「よし、俺がやってみる」

 

かがみ「なかなか強敵よ。やめたら?」

 

鈴木「正直言えば見ててやりたくなっただけだ」

 

こなた「でも取れたらそれはかがみにあげるんだよね?」

 

鈴木「まぁな。俺はゲームがしたいだけだから」

 

こなた「本当にそれだけ?」ニヤニヤ

 

鈴木「何が言いたい?」

 

こなた「鮮やかに景品を取ってかがみに良いところを見せたいとか、取れた景品をかがみにあげて好感度をうpしたいとか」

 

鈴木「……なぁ、かがみ。コイツ無視して良いか?」

 

かがみ「OKよ。むしろ真に受けてたら適当にいろんなことでっち上げられるわよ」

 

鈴木「だな」

 

―チャリン

 

こなた「さて、鈴木くんは良いところを見せられるのかな~?」

 

鈴木「うるせぇ。あ……」

 

かがみ「残念……」

 

鈴木「えぇいもう一回」

 

かがみ「ちょっと、無理しなくて良いわよ?」

 

鈴木「いや、たった1回で取れるとは思っていない!」

 

―チャリン

 

こなた「」ニヤニヤ

 

鈴木「あ……こうなったら意地だな。もっかい!」

 

かがみ「えぇ?」

 

―チャリン

 

鈴木「すまん……ちょっと時間がかかりそうだ」

 

かがみ「本当に良いのよ?私、気にしないし……」

 

鈴木「いや、なんとなく俺が負けたみたいで嫌なんだ。」

 

―チャリン

 

鈴木「うっ……次こそは!」

 

こなた「あ!私たちはみずりんの様子見てくるよ。ほらつかさ!行くよ!」

 

つかさ「え?あ、こなちゃん?」

 

こなた「かがみは鈴木くんの応援でもしてて。じゃっ」

 

つかさ「待ってよこなちゃ~ん」

 

かがみ「はぁ?ちょっと待ってよ?え?」

 

鈴木「かがみも行って良いぞ。俺はもうすぐ取れそうだから」

 

かがみ「もうすぐ取れるなら待つわよ。どうせ同じ階なんだし」

 

こなた「じゃね~!」スタタタタ

 

鈴木「まぁあの速さで別れるのは何かおかしいと思うが……」

 

かがみ「私もそれは思ったわ。」

 

 

 

こなた「さてみずりんも呼んでフライデーだよフフフ」

 

つかさ「こなちゃん、今は文春の方がすごいんじゃ……」

 

こなた「細かいことは気にしない気にしない!どっちも今は下火だよ!おーいみずりんー!」

 

水原「な!もう一回!」

 

―チャリン

 

水原「っ!もう一回!」

 

―チャリン

 

水原「こい!……あぁぁぁぁ……」

 

こなた「なんか取り込み中みたいだね」

 

つかさ「そうだねー」

 

こなた「私たちだけでかがみの偵察行こうか。多分、みずりんは当分あのいちごんをゲットするために時間を費やしそうだし、私たちが来たのも聞こえてなさそうだし」

 

つかさ「そだねー」

 

こなた「じゃ戻って影からラブラブな2人をじっくり見るとしますか~」

 

 

 

水原「……。行ったか……。聞こえてないわけないじゃん……。ただ他人が幸せなのを見て何が楽しいんだよ。こちとら生殺しみたいなもんやのに……」

 

 

 

 

こなた「さて、どんなもんかな~?」

 

 

鈴木「…はぁ……やっと取れたぜ……」

 

かがみ「おめでとう。でいくらかかったの?」

 

鈴木「1700円……」

 

かがみ「私が言うのもなんだけど、ちょっと無駄遣いだなぁって思わなかった?」

 

鈴木「思いました……」

 

かがみ「私が言うのは変だけど、もうちょっとお金は大切にしなよ?」

 

鈴木「はい……」

 

 

つかさ「なんかもめてる?」

 

こなた「というより尻に敷かれてる感じだね~」

 

つかさ「止めなくて大丈夫かな?」

 

こなた「かがみがお説教なんて信頼の証だろうし大丈夫なんじゃない~?」

 

 

かがみ「……もしかしてちょっと言い方きつかった?ごめん」

 

鈴木「いや、そうじゃないよ。かがみ様のおっしゃる通りだなぁと」

 

かがみ「かがみ様言うな!」

 

鈴木「ごめんごめん。いや、でもこれからは気をつけるよ。まぁ情けない話、ただの意地だったからね……」

 

かがみ「気持ちは分かるけどね。私だって鈴木くんがやるって言わなかったら自分でもうちょっとやってたかもしれないし……」

 

鈴木「そ、そう!俺はそれを止めるために」

 

かがみ「……そんなわかりやすいウソは要らなかったわー」

 

鈴木「すまん。……ハハハ」

 

かがみ「何笑ってるのよ?」

 

鈴木「いや、なんとなくこの茶番が面白くてな。」

 

かがみ「何よそれ、変なの」

 

鈴木「ハハハ……変なのついでに俺らを覗き見してる変なのがいるぞ」

 

かがみ「え?どこよ?」

 

鈴木「あのヌスーピーのUFOキャッチャーの裏だ」

 

 

こなた「あ、バレた」

 

つかさ「え、えぇ?こなちゃん、どうするの?」

 

こなた「どうするって逃げれないでしょ」

 

鈴木「なぁ、んなとこで何してるんだ?」

 

かがみ「逃げられないってどういう意味かしら?返答によってはタダじゃ済まないわよ?」

 

こなた「あはははは……ちょっといい感じに見えたから割って入るのは良くないかな~って」

 

かがみ・鈴木「どこがだ!?」

 

こなた「そういうところが」

 

鈴木「くっ」

 

かがみ「なっ……そんなことより水原くんの様子はどうだったの?」

 

こなた「あからさま過ぎる話題そらしだね。実際、みずりんが何してても興味ないくせに~」

 

かがみ「いくらなんでもその言い方はひどいわ」(まぁその通りなんだけど……)

 

こなた「じゃあみずりんにもさっきみたくお説教してあげたら?」

 

かがみ「それはちょっと……」

 

こなた「ほらね。」

 

鈴木「で、結局アイツはどうしたんだ?」

 

こなた「あっちでゲームに没頭してたよ~」

 

かがみ「なんというか……意外と負けず嫌いとかなのかしらね」

 

こなた「かがみ~明らかにコメントが適当じゃない?」

 

かがみ「そんなこと無いわよ。ただ私たちがやってたのより遙かに無理そうだったじゃない。」

 

鈴木「確かにな……あぁいう巨大なのって取るのに1万くらいかかりそうなイメージだな」

 

こなた「まぁあれも端のタグとかにうまく引っかかれば100円で取れるんだけどね~」

 

かがみ「え゛!?……というかそれを研究するのにいくら使ったのよ……?」

 

こなた「……聞きたい?」

 

かがみ「いや、遠慮しとくわ」

 

鈴木「とりあえず結構な時間帰ってこないあたり、その100円で取れる技は知らないだろうな」

 

こなた「そだね~。今ごろ大量に100円玉が流し込まれてそうだね~」

 

つかさ「あれ?こなちゃん気づかなかった?みずりちゃんさっきゲーム機の前で立ってただけでゲームはしてなかったよ?」

 

こなた「え!?マジで!?」

 

つかさ「何か思い詰めた感じでいちごんを眺めてたよ?」

 

こなた「んんー?」

 

鈴木(そりゃ思い詰めるだろうよ)

 

かがみ「なんとなく水原くん闇を持ってそうだし……そっとしておいてあげたほうが良いかもね」

 

こなた・鈴木(あぁーこの場にいてアレを知らないのはかがみだけか。)

 

つかさ「とりあえず呼びに行かない?」

 

こなた「そだねぇ。このまま放置してたらずっといちごんの前で考え事してそうだし」

 

鈴木「いや、その心配は要らないようだ」

 

水原「すいませーん、ちょっとアツくなっちゃって……」

 

こなた(うーん、ゲームやってた設定で来たか)

 

鈴木「どうだった?取れたか?」

 

こなた(鈴木くんはその設定に乗ったか。)

 

水原「それがまぁ全然で……情けない限りっすハハハ」

 

こなた「まったくだねー」

 

水原「グサッ」

 

鈴木「情けないついでに、お前なんか忘れてないか?」

 

水原「んんー?……あぁ!!」

 

こなた「何?どったの?罰ゲーム?公開処刑?」

 

水原「ある意味、罰ゲームで公開処刑ですわ……ここじゃちょっと……私がおごるのでとりあえずマック行きませんか?」

 

かがみ「ここじゃできない話なの?」

 

水原「えぇ、普通に座って話したい。単純にテーブルが欲しいので」

 

鈴木「文化放送の件か?」

 

水原「左様です。」

 

こなた「確かに何かあるみたいだね。マック行こうかな?」

 

水原「行きましょ」




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす」

あきら「ということで全国80億人の小神あきらファンの皆様おまたせしました!!あきらの本編出演が内定しました!!」

白石「きましたね!!!」

あきら「今から楽しみです!!みんなー!あきらと本編でも会おうね☆」

白石「ということで今回はゲームセンター編でしたね」

あきら「え?あーそんな話だっけー?」

白石「もしかして久々の本編進出がうれしくて最後までまじめに見てなかったんですか?」

あきら「おい、白石。それあたしがまるで出番に飢えてるみたいな言い方だよな?」

白石「え?」

あきら「ひさびさに白石は後で楽屋裏な。」

白石「え?えぇ?」

あきら「じゃっ!みんな!!文化祭本番もお楽しみに!ばいにー!!」


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[第85話]MAC

―マック

 

かがみ「なるほど。文化祭ラジオ放送ね」

 

つかさ「すごいねー」

 

水原「まぁ半ば押し付けられた形になるんですけどね。」

 

かがみ「またいつもの石橋先生に?」

 

水原「いえ、実行委という団体ぐるみで空き教室1つまるまる渡されたスタイルになります」

 

こなた「うわぁ……」

 

水原「よほど切羽詰まってるみたいですね」

 

鈴木「で、俺やここにいるみんなにまで助けを求めると……」

 

水原「私も切羽詰まってるんです」

 

かがみ「なんか切実ね……」

 

水原「まぁ最終的に埋まらない部分は時間調整枠にしてコマーシャル入れるつもりなんですが今の番組表はこの通りでして……」

 

こなた「え!?小神あきら様ってあの14歳のスーパーアイドル小神あきら!?」

 

水原「はい、あの小神あきら様です」

 

かがみ「よく呼べたわね」

 

水原「意外と暇らしいですよ。」

 

鈴木「それは芸能人としては良くない気がするな……」

 

水原「で、話がそれましたが……他の枠が空っぽなんです。なんとか助けてください」

 

こなた「それって……」

 

鈴木「番組に出ろってことらしい。俺も頼まれた。頼まれた時にちょうどこなたから電話が来た」

 

こなた「あちゃー……」

 

かがみ「……番組の内容とかは決まってるの?」

 

水原「まったく」

 

かがみ「はぁ!?それでよく急に話を持ち出したわね!?どういうつもりなのよ?」

 

水原「ご、ごめんなさい……」

 

鈴木「まぁそう言ってやるな。一昨日の晩にこの企画が決まったばかりらしいしな」

 

かがみ「あ、そうなの……ごめん」

 

こなた「まぁ急に持ち出してきたのには変わらないけどねー」

 

水原「グサッ……一応、考えついたのを言いますと……ミスコン終了後のこの枠は優勝者を呼んでトーク番組がしたいんですよ」

 

こなた「優勝者一人で?」

 

水原「いえ、出来ればメインパーソナリティーを一人置いてその人の進行で質問とかをインタビューするタイプで」

 

こなた「ほほぅ~。じゃあこれは鈴木くん担当だね」

 

水原「了解ー」

 

鈴木「よし分かった……ってなん↓で↑や→ねん!↓なんでサラッと俺なんだ!?」

 

こなた「おぉーナイスノリツッコミ!」

 

水原「まぁ関西弁のイントネーションとはだいぶ違いますけどね」

 

こなた「まぁそのあたりは言いっこナシだよー」

 

水原「はいはい。ということでよろしくー」

 

鈴木「よろしくーじゃねぇよ!何で俺なんだ!?」

 

こなた「だってこの雰囲気だと最低限、1枠は持たされる流れじゃん?」

 

かがみ・つかさ「え!?」

 

こなた「でも鈴木くんが演技アレなのは去年の文化祭で実証されてるし」

 

かがみ「去年の文化祭……あぁ、アレね」

 

鈴木「アレか……というか評価がアレなのか」

 

かがみ「いや、私はそこまでアレとは思わなかったわよ?」

 

こなた「まぁ過程がね~」

 

鈴木「まぁ……過程はな。本番それなりなら良いだろ!?」

 

水原「まぁね」

 

こなた「で、話戻すとミスコン優勝者インタビューってことは質問内容とかはみずりんが用意するんでしょ?」

 

水原「えぇ……えぇ?えぇ」

 

こなた「だったらただ単に聞いて番組進めるだけだから鈴木くんに適任じゃん。」

 

鈴木「そうか?」

 

こなた「私がこの番組やったら放送コードに引っかかって後で泣くことになるよ?主にみずりんが」

 

水原「それはリアルな方でご勘弁ください」

 

こなた「でしょー?だから鈴木くんなんだよ」

 

水原「私の交友関係から考えても適任なのですよ」

 

鈴木「みずりんの交友関係……って結局そこに行き着くのか」

 

水原「はい」

 

かがみ「……引き受けてあげたら?逃げられないなら台本も中身も決まっている方が良いじゃない」

 

鈴木「……仕方ないな。その番組は俺が引き受ける。何を話すかは考えといてくれるんだろ?」

 

水原「もちろんです。……あ、他のオファー先から連絡なので、ちょっと失礼します」スタタタ...

 

こなた「……意外とあっさり引き受けたね」

 

鈴木「まぁだいぶ困ってそうだったしな。あまりゴネてもらちがあかんだろ」

 

こなた「どちらかというとかがみに言われた瞬間手のひらを返したように引き受けたように見えたけど……」

 

鈴木「まぁなんだ。俺一人でイケるとは思わんが誰かに後押しされたからイケるのかなって思っただけだ」

 

こなた「ふーん」

 

鈴木「なんだよその顔」

 

こなた「べっつにー。そういえばみずりんは鈴木くんにだけ頼むだけじゃないよね?」

 

つかさ「確かに私たちにも話をしたってことは……」

 

かがみ「え゛……でも言われてみれば有り得るかも……」

 

こなた「どんなことを言い出すかある意味楽しみだけどね。」

 

 

 

水原「すいませーんお待たせしましたー」

 

こなた「おかえりー。なんの話だったの?」

 

水原「出演OKの話ですよ~」

 

かがみ「え?他校よね?それでOKする人がいたの?」

 

水原「顧問の先生に依頼出してたんですけど、なんか『あの子たちには話してないけどおもしろそうだから参加させてもらうわ!』って」

 

かがみ「本人の意思はないような……」

 

こなた「まぁ最近の若者は自分から積極的に行動出来ないって言うし先生が多少強引な方が良いかもね~」

 

鈴木「最近の若者って……こなたもだろ」

 

こなた「まぁ細かいところは言わないのさ~。で、私たちを呼んでこの話をしたのは私たちもラジオ出てほしいって意味なんでしょ?」

 

水原「ええ。分かっていただけてありがたいです。特に柊さんお二人にはお願いしたいところで」

 

つかさ「あーやっぱりかな?」

 

水原「まぁ色々ありますけど単純なお話からさせてもらいますとね、双子って珍しいじゃないですか」

 

かがみ「そうかしら?マナカナとかザたっちとか結構いるじゃない?」

 

水原「まぁそれ言い出したらそうなんですけども……一応、お調べしましてね。校内に双子でしかも2人とも在校生って柊さんお二人だけなんですよね」

 

こなた「さすがみずりん……それで大義名分揃えてきたか」

 

水原「あ?大義名分ってなんぞ?」

 

こなた「だってさー双子どうのを持ち出すとかよりみずりんの事情なんじゃないの?」

 

水原「そう言います?まぁ実際、頼める人がそんなにいないって意味では私の事情になりますけども」

 

こなた「むぅ。あくまでそのスタンスか」

 

かがみ(それ以外に私たちにラジオ頼む理由なんてあるのかしら?)

 

水原「まぁ現状、なんとかして回転させないと詰むんですよ。いろんな意味で」

 

鈴木「ふと思ったんだが、みずりんは自分が出る時間帯以外はどうするんだ?」

 

水原「え?放送スタッフですけど?」

 

鈴木「それ……お前文化祭の間、ほぼずっと缶詰めじゃないのか?」

 

水原「ですね」

 

鈴木「ですねって……それいいのか?」

 

水原「何が?」

 

鈴木「文化祭で遊んでる時間が無いじゃないか」

 

水原「ん?まぁ……暇な時間があってもぼっちですから」

 

こなた「言ってて悲しくならない?」

 

水原「なる。……まぁそうなるのが分かってるから予定でがんじがらめにしたんですよ」

 

鈴木「……。なんかこっちが悲しくなるな。」

 

こなた「聞いた私たちが悪いみたいな気がしてきたよ。」

 

水原「それが私です☆」

 

つかさ「なんでいきなりダソヌ☆マソ風?」

 

水原「なんとなく。というかよくダソヌ☆マソって分かったね」

 

つかさ「えへへ~」

 

水原「ということでお願いします。どうでしょう?」

 

かがみ「そう言われても……」

 

つかさ「う~ん……」

 

鈴木「まぁみずりんの事情も分かるがそれこそ難しくないか?俺の時より漠然とし過ぎだぞ?」

 

かがみ「そうよね。いきなりしゃべってって言われても難しいわよ?」

 

つかさ「確かに……」

 

水原「そう言いたくなるのは分かります。ので台本とかコーナーは私が用意しますよ。」

 

つかさ「う~ん……じゃあ……」

 

かがみ「思ったんだけどそこまで水原くんが用意するんだったら私たちに頼まなくても自分で出来るんじゃないの?」

 

水原「まぁずっと私がしゃべりっぱなしは出来ますよ。出来ますけども」

 

こなた「イケメンでもイケボでもない男が永遠に話し続けるって誰得でしかないからねぇ~」

 

かがみ「あぁ……確かに」

 

鈴木「それは言えてるな」

 

水原「でしょ。だからお願いしてるんです。なんとかなりませんか?」

 

つかさ「……じゃあいいよ」

 

かがみ「え!?つかさ?」

 

つかさ「だって困ってるみたいだし……それにこんな機会はもう無いかなって」

 

鈴木「確かにラジオとかをやることは普通無いだろうな。せっかくだし人助けのつもりでかがみもやったら?」

 

かがみ「わっ分かったわよ。でも勘違いしないでよ!私は単につかさが1人じゃ心配だからやるんであって水原くんがかわいそうとか、鈴木くんが言ったからやる訳じゃないんだからね!」

 

水原「分かってる」

 

こなた「後者は嘘くさいよかがみ」

 

かがみ「だっ!うるさいわね!」

 

水原「まぁまぁとにかく承諾いただけてありがとうございます。さて話もまとまりましたしマックから出ましょうか」

 

こなた「ちょっと待って!このタイミングで私にだけ何も言わないのはおかしくない?」

 

水原「バレたか」

 

こなた「バレバレだよ。私は台本無しで良いから!…う~ん、みゆきさんと2人で私がみゆきさんにセクハラトークとかどう?」

 

水原「却下です。」

 

こなた「え~!スリーサイズとかきっと男子も女子も聞きたいだろうし需要はバッチリじゃん!」

 

水原「需要があってもダメなものはダメなんです。そんな放送しちゃったら副委員長とか教師とかそういう権力機関にぶっ○されてしまう」

 

こなた「そんなに?」

 

鈴木「まぁそこまでならなくても停学くらいは覚悟したほうがいいだろうな。こなたもみずりんも」

 

こなた「ムムム……さすがに停学の危険を冒してまでやりたくはないなぁ。個人的に聞けば良いわけだし」

 

かがみ「個人的には聞くんかい!」

 

こなた「それがマロンってヤツだよ~」

 

かがみ「訳が分からん」

 

水原「まぁ現実問題、お願いはしたいんですけども……お願いしてもいいですか?」

 

こなた「まかせたまへー。でどんな話をどこまでならいいの?」

 

水原「もし良かったら好きなアニメやゲームを語ってもらっても大丈夫ですが、エロゲなどR18はお控えいただければ」

 

こなた「いや、いくらなんでもそのあたりは分かってるよ。みゆきさんにうまくネタ振りだけお願いしたらいい感じかな~?」

 

水原「それもご勘弁いただけませんか?彼女も相当にヤバいと思いますので」

 

かがみ「え?みゆきから直接聞いたの?ヤバいって?」

 

水原「いえ、直接聞いた訳ではありませんが……委員会は有志1団体につき1人、管理役の委員を置いてますから」

 

かがみ「有志が多い今年は委員も忙しいというわけね?」

 

水原「イエス。委員のブラック化も進んでいるようで……」

 

つかさ「面倒事が嫌だから委員になりたくないって人も多いよね」

 

水原「そう。結果、人員が自然に削減され少なくなった人員に多くなった仕事が押し付けられることになり……」

 

かがみ「なんというか現代社会の縮図ね……」

 

水原「それに、ちょっと怖い話がありましてね」

 

つかさ「え?」

 

鈴木「お前怖い話するキャラじゃないだろ」

 

こなた「そうだよみずりん。みずりんの話し方じゃ恐怖は誘えないよ?」

 

水原「まぁまぁとにかく。こないだ夜遅くまで学校に残って作業してたときの事なんですけどね」

 

こなた「ありきたりだね」

 

鈴木「ありきたりだな」

 

かがみ「ありきたりね」

 

つかさ「お化けとかじゃないよね?」オロオロ

 

水原「まぁ私は休憩がてら真っ暗な廊下をウロウロしてたんですよ……そしたら」

 

鈴木「誰もいないはずの教室から人の気配がした……とか?」

 

水原「えぇ」

 

こなた「声が聞こえてきた、とか?」

 

水原「えぇ」

 

かがみ「子供の声で『助けて……』って言うんでしょ?」

 

水原「いいえ。」

 

かがみ「え?違うの?王道はこのあたりじゃない?」

 

水原「まぁ続きを聞いてくださいよ。声が聞こえてきたんですが……『いつまで経ってもお仕事が終わらない☆なのに新しいお仕事はドンドン増えちゃう☆しかも皆様サボってばかり☆かくなる上は……私は優等生をやめるわー!!!!!!』と……」

 

鈴木「うわっ」

 

こなた「頭のネジが飛んだ的な意味で怖いじゃん!」

 

つかさ「お、お化けじゃなかったんだ」ホッ

 

かがみ「確かに変な人って意味では怖い話だったわね」

 

水原「いや続きがありましてね。私は恐る恐る声がした教室の中を覗いてみたんですよ」

 

こなた「事案」

 

水原「事案言うな。……まぁ見てみたらその中には……」

 

かがみ「白いワンピースを着て青白い顔した髪の長い見たこともない女がいた……とか?」

 

水原「いえ。髪の長い女性ではありましたが……ウチの制服を着ててメガネをかけたよく見知った方だったように見えたんですよ」

 

こなた「それってもしかして……」

 

水原「私は怖くなってそれ以上の確認はしていません。ですがあの時間、既に終電も終わってたはずですので……」

 

つかさ「終電に乗れないほど忙しくて」

 

かがみ「ウチの制服ってことはウチの生徒よね?」

 

こなた「で、髪が長くてメガネで……」

 

鈴木「『お仕事』とか『皆様』とか丁寧な言葉遣い……」

 

水原「まぁ誰かは予想がつくでしょ。だからもうこれ以上お願いしたくないんですよ」

 

こなた「……確かに今の話聞いてからお願いはできないね……」

 

水原「ということでネタ振りも含めてソロかネタ振りは誰かを捕まえてきてください。もしあれだったら私がやりますし」

 

こなた「あ、そう?じゃあネタ振りはみずりんでいいや」

 

水原「了解」

 

こなた「台本とか堅苦しいのは用意しなくて良いからねー」

 

水原「分かりました。詳しいこと決め次第、みなさまへ連絡いたします。では今日の私の目的は終わりましたしこれにてドロンしますね」

 

こなた「そだねー今日はこれにて解散かなー」

 

鈴木「了解。じゃまた明日なー」

 




-らっきー☆ちゃんねる

あきら「おい」

白石「はい…」

あきら「これどういうことだ!?おい!!」

白石「いや僕にも……」

あきら「小神あきらは意外と暇だぁ~?」

白石「それは……あくまで僕が言ったわけではありませんので……」

あきら「ふーん」

白石「あれは同じクラスの水原が言っただけで僕は関係ありません!」

あきら「じゃあ次回は水原連れてこい」

白石「え?」

あきら「どういうことかみっちり聞いてやる」

白石「あぁ水原くん……ご愁傷様…」


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[第86話]共謀罪

―月曜・教室

 

かがみ「おーす」

 

鈴木「おはよー」

 

かがみ「なんか大変な週末だったわね」

 

鈴木「まぁそうだな。休んだ気はしないかもな」

 

かがみ「まぁ文化祭は今週末だしあとちょっとね」

 

鈴木「だな。そういえば昨日の晩聞いたんだがみずりんはステージと教室を押しつけられてどちらか選べって話だったらしいな」

 

かがみ「へー」

 

鈴木「なんとかステージは断り切ったらしいがもし引き受けさせられてたらかがみとつかささんを踊らせようと考えてたらしいぞ……」

 

かがみ「うわっ……さすがにそれは厳しいわ……だいたい踊るって何よ」

 

鈴木「さぁ。前にこなたのバイト先で見た感じにするんじゃないのか?」

 

かがみ「無理無理無理無理、あれはこなただから出来るので私たちには無理よ!」

 

鈴木「俺もさすがに踊れって言われたら罪悪感0で断れただろうな」

 

みさお「柊ーまたなんかおもしれーことやんのかー?」

 

かがみ「全然、おもしろくないわよ。ただラジオのMCを任せられただけ……」

 

鈴木「というかいきなり出てきたな」

 

みさお「え?ラジオ!?柊すげーじゃん!今年の文化祭は柊スペシャルだな!」

 

かがみ「柊スペシャルって何よその言い方!そんなんじゃないわよ」

 

みさお「いや~でもお化け屋敷もミスコンもラジオも柊が主力じゃん」

 

かがみ「いや待て。お化け屋敷は私の当番1時間だけだしミスコンも私の柄じゃないしラジオかって押し付けられただけよ!」

 

みさお「まぁキッカケはどーだっていいんだってヴァ。大事なのは結果だぜー」

 

かがみ「その結果も残らないと思うんだけど……」

 

みさお「そんなことねーって。なぁ鈴木」

 

鈴木「お、いきなり俺か。まぁ確かに結果に残らないとは限らんだろうな」

 

みさお「だろー?」

 

かがみ「ちょっ!鈴木くんまで何言ってるのよ!?」

 

鈴木「まぁまぁ。記憶に残ればそれだけでも結果ということで」

 

かがみ「うまいこと言ったつもりか……」

 

鈴木「大事だぞ。記録より記憶に残るというのは」

 

みさお「そうだぜー。まぁあたしが見込んだ柊ならミスコンも優勝だと思うけどなー」

 

かがみ「『あたしの見込んだ』ってあんたが勝手に申し込んだんでしょうが!!」

 

鈴木「まぁまぁそれくらいにしといてやれって。悪気があった訳じゃないんだから」

 

かがみ「悪気がないからよけいたち悪いんじゃない!」

 

鈴木「まぁそうとも言えるが」

 

かがみ「そうとしか言えないじゃない!」

 

鈴木「……だな!」

 

みさお「あれぇ?なんかあたしが悪い流れになってる?あたしは柊がミスコンに出るように手助けしただけだぜ?」

 

かがみ「だからそれが」

 

みさお「余計とは言わせねーぞ。鈴木だって楽しみにしてんだし」

 

かがみ「な!?もしかして鈴木くんも共謀だったわけ!?」

 

鈴木「いや違う!確かに今は楽しみにしているがそれはあくまで参加を聞いてからであって無理矢理参加させようとはしていない!」

 

かがみ「そうよね。鈴木くんはそんなことしないわよね」

 

みさお「いや待て柊。コイツ『楽しみ』って言ったぞ!?同罪じゃないのかー?」

 

鈴木「なんで無理矢理参加させたヤツと単に楽しみにしてるだけの俺が同罪なんだ!?」

 

みさお「というか楽しみってなんだよ!さてはお前、柊のことが好きなんだな!柊は渡さねぇぞ!柊はウチのんだからな!」

 

 

 

 

鈴木「はい!?」

 

かがみ「ちょっ日下部!?何言ってるのよ大きい声で!だいたい私はアンタの私物じゃないわよ!それに鈴木くんも何言tt」

 

―キーンコーンカーンコーン

 

かがみ・みさお・鈴木「あ」

 

―ガラッ

 

桜庭「おーし、席に着けーホームルーム始めるぞー」

 

かがみ・鈴木(なんとか気まずい空気はごまかせた!)

 

みさお(あれ?冗談のはずなのに、なんでそんな妙な間が出来るんだ?)

 

かがみ・鈴木(あ、放課後顔あわせるんだしピンチは脱してないじゃん……)

 

みさお(まぁいいか)

 

かがみ・鈴木(日下部の発言は無かったことにして……スルー貫けるかな……)

 

 

 

―放課後・職員室

 

鈴木「さて、聞くべきかどうか分からんが……成果は出始めてますか?」

 

みゆき「ええ。少しずつではありますが数字にも成果が見えるようになってきました」

 

かがみ「私もほんの少しだけど成果が見え始めているわ」

 

鈴木「おぉよしよし」

 

黒井「うちは全然やー。何でか知らんけど全然数字は変わらへんねん」

 

鈴木「でしょうね」

 

黒井「なんやその言い方は」

 

鈴木「おっとつい本音が……」

 

かがみ「ただ私たちも……」

 

みゆき「成果が目に見え始めたと言ってもまだ目標の数字には届いていないんですよね」

 

かがみ「間に合うかどうかは果てしなく不安だわ……」

 

鈴木「んー俺は元からダイエットの必要性に疑問を感じていたからなー。目標に達しなければやっぱりマズいか?」

 

かがみ「うん」

 

みゆき「はい。このままでは恥ずかしくてコンテストなんてとても……」

 

鈴木「……分かった。一応、他の手段を俺は探す。2人はひとまずこれまで通り続けてくれ」

 

黒井「ウチはスルーなんか?」

 

鈴木「とにかく頑張ろう。もう文化祭は近いからな。」

 

みゆき「はい」

 

かがみ「そうね。それしかないわね」

 

黒井「なぁ!」

 

―廊下

 

みゆき「では私は委員の仕事がありますので……」

 

鈴木「おぅ」

 

かがみ「あんまり無理しないでね」

 

みゆき「はい……失礼します。」ペコッ

 

 

鈴木「……さて、ウォーキングの件だがどうする?」

 

かがみ「どうするって?やるわよ?」

 

鈴木「いやそうじゃなくていつやるか。」

 

かがみ「何?『今でしょ!?』ってこと?もう古いわよ?」

 

鈴木「だっ!そうじゃなくて帰りにまた久喜から歩くか、それとも明朝にするかどっちだって意味だよ」

 

かがみ「あっそういう意味ね……ってわざわざ聞くのはまた私に付き合ってくれるの?」

 

鈴木「あ、そのつもりだったがマズかったか?」

 

かがみ「いや、マズくはないけど……いいの?」

 

鈴木「俺は大丈夫。」

 

かがみ「じゃせっかくだし今日は久喜から歩こうかしら」

 

―ヴーヴーヴー

 

鈴木「あ、すまん。電話だ」

 

かがみ「あ、うん」(なんかタイミング悪いわね)

 

鈴木「って俺じゃないぞ。かがみじゃないか?」

 

かがみ「へ?……あ、ホントだ。つかさから……?ちょっとごめんね?」

 

鈴木「ん」

 

―ピッ

 

かがみ「はい、どうしたの?」

 

つかさ(電話)「もしもーし、お姉ちゃん?今、大丈夫?」

 

かがみ「ん?大丈夫だけど?」

 

つかさ(電話)「ちょっと来てくれないかなー?ラジオの打ち合わせがしたいんだってー」

 

かがみ「えっ……」

 

つかさ(電話)「ごめんねーちょっと伝えるのが遅くなっちゃって……ホントは今朝言おうと思ったんだけどね……」

 

かがみ「あー……うん……」

 

鈴木「俺は気にしないから行ってきたら?」

 

かがみ「でも……」

 

鈴木「俺は明日の朝でも構わないし打ち合わせ待たせるのも悪いだろ」

 

かがみ「うーん……じゃあ、また明日ね。時間とかは後で連絡するから」

 

鈴木「ん、了解。じゃまたー」

 

 

―文化放送予定教室

 

つかさ「お姉ちゃんもしかしてもう帰ってたのかなー?」

 

水原「いや、多分それはないよ。私がここの教室の鍵借りるのに職員室行った時見かけたから」

 

つかさ「あ、そうなんだー良かったー」

 

水原「ただお邪魔はしてしまったかもしれないけどね」

 

つかさ「え?……もしかして鈴木くんと一緒だったとか?」

 

水原「その通りー」

 

つかさ「あわわわわどうしよう……」

 

水原「まぁ本人に聞いたら『お邪魔とかそういうのじゃないわよ!』ってなると思うし」

 

つかさ「なるかなぁ?」

 

水原「なるなる。あのツンデレラが私らに『邪魔しないでよ///せっかくいいところだったんだから///』なんて、よー言わんから」

 

つかさ「そうかも……あ……」

 

水原「何?どったの?まさか後ろにご本人登場とか言っちゃう?そんな超ベタなの言っちゃう?」

 

つかさ「……う、うん……」

 

水原「あ、あはー………」

 

かがみ「水原くん、どういう意味かタップリ聞かせてもらおうかしら……」

 

水原「は、はは……」

 

―以下はお察しください




-らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!らっきー☆ちゃんねるナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす。そしてゲストの!」

水原「水原です」ガタッ

あきら「ってシめようと思ったらもうガタガタしたるー……」

水原「シメル・・・・・?」

あきら「テメェ前回何言ったコラァ!!!」

水原「ぎょえぇぇぇ」

白石「ご愁傷様です。」

水原「え?え?   あぁーーーーーーーーーーーーーーー」


-ただいま映像が乱れております。しばらくお待ちください。-


あきら「はい!今日はここまでです!」

白石「水原……南無三……」

あきら・白石「ばいにー!!」


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[第87話]それぞれ思うところはあるようで

―帰りの電車

 

かがみ「……。」

 

つかさ「どうしたの?お姉ちゃん……もしかしてミスコンのこと?」

 

かがみ「ま、まぁね……」

 

つかさ「なんか思い詰めた顔してない?大丈夫?私で良かったら聞くよ?」

 

かがみ(私ダメね……つかさにまで心配かけちゃってるわ……)

 

つかさ「私じゃダメかな?こなちゃんとか鈴木くん呼んだ方がいい?」

 

かがみ「そんな大げさなことじゃないわよ。ミスコンのためのダイエットの話だから間違ってもこなたや鈴木くんに相談しちゃダメよ」

 

つかさ「そう?」

 

かがみ「うん。久喜から歩いて帰ろうかと思ってね。」

 

つかさ「あーなるほど~。確かに最近、鈴木くんと頑張ってたもんね~」

 

かがみ「え゛っ!?知ってたの?」

 

つかさ「うん、なんとなく……そうじゃないかな~って。」

 

かがみ(なんで知ってるのよ?ダイエットしてるのは知ってても鈴木くんが手伝ってるなんて言った覚えないし……)

 

つかさ「あ!もしかして今日も一緒に帰るつもりだった?……ごめんね?」

 

かがみ「いや、別にそんなことは……あったけど……特になんとも思ってないから謝られても」

 

つかさ「そう?鈴木くんが残念そうにしてたりもなかった?」

 

かがみ「そんなことあるわけないじゃない!……それに結局、明日の早朝にってことになったし」

 

つかさ「あ、そうなんだ~」(そこまでしてお互い何も思ってないと思ってるんだ…へぇ)

 

かがみ「まぁ確かに夜より朝の方がダイエットは効果高いって聞くし……ね」

 

つかさ(それだけじゃないと思うけどなぁ……)

 

かがみ「でもそのためだけに朝来てもらうのも悪いしやっぱり断りの電話入れとこうかしらね……」

 

つかさ「んー……それは良くないと思うよ?せっかく来てくれるって言ってるんだから……」

 

かがみ「でもやっぱり早朝は悪いし……」

 

つかさ「じゃあこういうのはどうかな?……」コソコソ

 

かがみ「えぇ!?いや……それは……」

 

つかさ「でもその方がお互い気を遣わなくて良いと思うよ?」

 

かがみ「うーん……」

 

つかさ「私も手伝うからさ」

 

かがみ「じゃあ……とりあえず声だけかけてみるわよ……」

 

 

―鈴木宅

 

鈴木「そういえば他のダイエット法探すとか約束したな……ネットで探して良いのは無かったしどうすっかなー……」

 

―♪~

 

鈴木「おっ着信か……って見たこと無い番号だな……まぁ取るか。……はい?」

 

??(電話)「こんばんは」

 

鈴木「えーと……」(どっかで聞いた声だが……誰だっけ?)

 

天原(電話)「私です。天原です。陵桜学園養護教諭の」

 

鈴木「あ、あぁ~こんばんは」

 

天原(電話)「今『誰だっけ』とか思いました?」

 

鈴木「い、いえ、そんなことは……」

 

天原(電話)「そうですか?」

 

鈴木「というかちょっと待ってください。俺、先生に電話番号教えましたっけ?」

 

天原(電話)「まぁそういう細かいことは良いじゃないですか。それより何か困ってませんでしたか?」

 

鈴木「ま、まぁ……困ってはいましたけど」

 

天原(電話)「以前にも言いましたが困ったことがあれば私に聞いてくださいね。」

 

鈴木「は、はぁ……お気遣いどうも……」

 

天原(電話)「あっ、そろそろ本番の電話が来ますから失礼しますね」

 

―プツッ ツー ツー ツー

 

 

鈴木「……なんだったんだ今の……ダイエット法で困ってはいるが……そうだな、確かに保健室の先生なら色々知ってそうだ。……俺の電話番号知ってる理由にはならないけどな。……で、本番の電話?」

 

 

―♪~

 

鈴木「また電話か……今度はかがみからだな」

 

かがみ(電話)「あ、もしもし?鈴木くん?」

 

鈴木「おぉどうした?」

 

かがみ(電話)「あのさ……明日の朝のことなんだけどね」

 

鈴木「んー?」

 

かがみ(電話)「もしよかったらさ、ウチで朝ご飯食べていかない?」

 

鈴木「はい?」

 

かがみ(電話)「嫌なら良いのよ?ただ朝わざわざ来てもらってまたいったん帰って……ってのも悪いからサ。それだったらウチで朝ご飯食べてそのまま学校に行けば良いんじゃないかなってね……別にそれだけよ!?深い意味なんてないんだから」

 

鈴木「……朝っぱらからお邪魔して良いのか?」

 

かがみ(電話)「いいわよ。わざわざ来てもらってる方が悪いんだし……」

 

鈴木「まぁ行くのは俺個人のアレだが……そしたら遠慮なく明日は朝お邪魔させてもらうよ」

 

かがみ(電話)「そう?じゃあ明日はそういうことで6時ね。」

 

鈴木「ん」

 

かがみ(電話)「さっきも言ったけど深い意味とか無いからね?だから誰かに言っちゃダメよ?特にこなたとか。言ったら分かるわよね?」

 

鈴木「ん。分かってる。そしたら明日な」

 

かがみ(電話)「あ、それと……期待もしないでね。私が作るから……」

 

鈴木「それはどういう意味なんだ……そしたらまた明日な」

 

かがみ(電話)「それじゃまた……」

 

―プツッ ツーツーツー

 

鈴木「……どうしてだろう。深い意味は無いのがちょっと切ないな……って俺、何考えてるんだか……。まぁ早朝にかがみのダイエットに付き合うためだけに行く時点でなんかおかしいな……俺、どうしたんだろうか……」モヤモヤ

 

 

 

―翌朝

 

鈴木「おはよう」

 

かがみ「おはよう。ごめんね?朝早くに」

 

鈴木「まぁ早起きは三文の得とか言うし大丈夫だ」

 

かがみ「そう?」

 

鈴木「まぁとりあえず時間は限られているわけだし軽くジョギングでもしながら距離稼ごうか」

 

かがみ「そうね。って制服で大丈夫?」

 

鈴木「いや制服じゃないとこのまま直で学校行くからダメだろ」

 

かがみ「あっそうか」

 

 

 

―40分後・柊家前

 

鈴木「だいたい5キロくらいかるーく走ったかな。」

 

かがみ「そうね。じゃあ今朝はここまでにしとく?」

 

鈴木「だな。じゃあお言葉に甘えてお邪魔していいんだな?」

 

かがみ「いいわよ。……というかどちらかというと私の方が甘えてるようなものだし……」ボソッ

 

鈴木「ん?なんか言った?」

 

かがみ「なんでもない。さぁどうぞ」

 

―ガチャ

 

鈴木「お邪魔します」

 

つかさ「いらっしゃーい」

 

ただお「いらっしゃい。おはよう、鈴木くん」

 

鈴木「あっ、おはようございます。」

 

ただお「かがみが世話になってるみたいだね。ありがとう」

 

鈴木「いえいえ、こちらこそ……」

 

ただお「まぁ立ち話もなんだし中へどうぞ」

 

鈴木「あ、お邪魔します」

 

―食卓

 

かがみ「じゃあちょっと待っててね」

 

鈴木「あぁ……」(軽く気まずい!)

 

ただお「かがみとつかさから話は聞いているよ。いつもお世話になっているようで……ありがとう」

 

鈴木「いえいえ、こちらこそお世話になっております」

 

ただお「本当はもう少し話してみたいんだけどね。ちょっと仕事があるんで失礼するよ。」

 

鈴木「あ、はい。」

 

ただお「では、また。」

 

鈴木(……普通に良い人だったけど緊張したなぁ)

 

かがみ「はい、お待たせ。」

 

鈴木「おっ!トーストか。」

 

かがみ「?もしかしてトースト嫌い?」

 

鈴木「いやそうじゃないんだけど家が和風な感じだからちょっと意外なだけ」

 

かがみ(まぁトーストなら焼くだけだし)

 

つかさ「はい、ジャムとマーガリン」

 

鈴木「あ、サンキュ。……ってデカッ」

 

つかさ「うち6人家族だから~」

 

鈴木「あぁ……なるほど。で皆さん朝早くから大変なんだね」

 

かがみ「?言われてみれば見かけないわね?」

 

つかさ「お父さんもこんなに早くから仕事って珍しいよね?」

 

かがみ「そういえばそうね。姉さんたちも寝てる?にしては遅いし用事にしては早いし……」

 

鈴木「なんか……大変なタイミングだったみたいだな。すまん。」

 

かがみ「いや、そんなまともな理由じゃ無い気がするわ……なんとなく」

 

鈴木「とにかくせっかくだし朝食をいただくとしようか」

 

かがみ「そうね」

 

かがみ・つかさ・鈴木「いただきます」

 

 

 

―数十分後

 

鈴木「さて、ざっと片付けもしたところで学校行くか」

 

つかさ「ごめんね?手伝ってもらっちゃって……」

 

鈴木「いやいやご馳走になったわけだしこれくらいはやらないとな」

 

かがみ(なんかつかさといい感じね……なんでモヤっとするのかしら)

 

鈴木「かがみー」

 

かがみ「え!?」

 

鈴木「早く学校行こうぜ!」

 

かがみ「あ、うん。分かってるってば」

 

 

―2階 まつりの部屋

 

みき「まさか本当にかがみが男の子を連れてくるとは……嬉しいわね」

 

まつり「でも思ったより普通だったね」

 

いのり「まぁ普通が一番じゃない?今は3高じゃなくて3平の時代だし」

 

まつり「参考?三瓶?」

 

いのり「昔言われたんだけどね、理想の彼氏は3高……つまり高学歴、高身長、高収入。ソレが今は3平、平均的な学歴、平均的なルックス、平均的な収入が理想になったってわけ」

 

まつり「ふーん」

 

みき「でも高校生だったら収入とか学歴はあまり関係ないからそう考えたらかがみは純粋に彼が好きなんじゃない?」

 

まつり「まぁそうなんだろうけど……」

 

いのり「にしても結構カメラばれやすいと思ったのに全然気づかなかったね」

 

まつり「あ……モニタリングしてバレたらネタバラシのつもりだったのに言えなかった……」

 

いのり「後から言ったらかがみ怒るだろうね」

 

みき「じゃあ今朝のことは?」

 

まつり「何も見てないことにするしかないね。後で映像ごと出してみるのも面白そうだけど」

 

いのり「それはさすがに……やめとこうよ」

 

 

 

―神社

 

ただお(つい居辛くなって出てきてしまったな……かがみが男の子を連れてくるとは嬉しいような……ちょっと寂しいような……)

 

 




-らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!今日はホントにおはらっきー!!な時間にお届けしておりますらっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす」

あきら「さぁ本編、家族公認に近づいてまいりました!!」

白石「でも一発OKでずぶずぶでないのがなんというか」

あきら「まぁまだ付き合ってすらいないもんねー!」

白石「さぁこの後どうなっちゃうのでしょうか!!」

あきら「いやどうなるって……そんなん決まってるじゃん」

白石「まぁそうなんですけど……オチ読まれたら番組視聴者が減りますよ?」

あきら「あっ!……あずきシティはちょいちょい裏切るからどうなるか分かりませんよねー♪」

白石「そうですねー!今後の展開に要注目です!」

あきら「突然のNTRとか」

白石「わーぉ」

あきら「ってことで今日はここまで」

白石「それではまたお会いしましょう」

あきら・白石「ばいにー!」


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[第88話]困ったときの保健室

―昼休み

 

鈴木(そういえば天原先生が困ったら聞きに来いって言ってたな……)

 

―保健室

 

鈴木「失礼しまーす」

 

天原「はい、どうぞーあぁ、こんにちは」

 

鈴木「とりあえず来てみたんですけども……」

 

天原「あぁ~。では、どのようなことにお困りなんですか?」

 

鈴木「楽チンでしかもすぐに効果のあるダイエットがあれば教えて欲しいのですが……」

 

天原「えっ?……あぁそっちですか?」

 

鈴木「そっちって?」

 

天原「あ、いえ……そっちですか……ちょっと待ってくださいね」

 

鈴木「?」

 

天原「はい、これです」

 

鈴木「何ですかコレ錠剤?」

 

天原「はい、錠剤です。」

 

鈴木「ダメ、ゼッタイ」

 

天原「そんな法律に引っかかるようなモノではないですよ?」

 

鈴木「ホントですか?」

 

天原「えぇ。これはダイエットに効果のある安全なお薬なんですよ」

 

鈴木「なんかとてつもなく胡散臭い上に麻薬密売人がよく言う誘い文句にしか聞こえないんですけど……どういう成分でダイエット効果があるんですか?」

 

天原「まぁ細かいことは気にせずに……水なし1錠ですよ」

 

鈴木「水なし1錠ですね……じゃなくて、コイツこれまでの努力は何だってほどに夢の薬ですよ?疑いもありますけど純粋に不思議なんですけど……聞いたこともありませんし」

 

天原「聞いたこと無いのは無理もありませんね。これは認可されたばかりの新薬ですから。」

 

鈴木「はぁ……なるほど……」

 

天原「それに今までのダイエットが無駄になるわけではありません。これはあくまでダイエット効果を高めるだけで何もしなくても痩せられるというわけではありませんので」

 

鈴木「んんー。あくまで行動しないと効果は無いということですか?」

 

天原「えぇ。ですから三人にもそうお伝えください。」

 

鈴木「はい……」

 

天原「ところで鈴木くんはどうしてミスコンに参加するわけでもないのにダイエットのお手伝いをしているんですか?」

 

鈴木「それは……ただ成り行きで……」

 

天原「それにしては本気……というかやる気ですよね?」

 

鈴木「まぁ乗りかかった船ですしせっかくミスコン出るなら悔いの無いようにしてほしいな……と」

 

天原「……それって建前ではないですか?」

 

鈴木「はい?」

 

天原「あ、いえ……ちなみに鈴木くんは誰にミスコン優勝してほしいんですか?」

 

鈴木「うーん。強いて言うならかがみかなー。頑張ってるのも見てきたし転校してきたときから色々お世話にもなったし……」

 

天原「なるほど。それが答えですね。」

 

鈴木「はい?何の答えですか?」

 

天原「鈴木くんが他人のミスコンのために朝早くから出かけたり休み1日潰したりする答えですよ。」

 

鈴木「ちょっと意味分からないです。」

 

 

―ガラッ

 

ゆたか「すみません……ちょっと休ませてください……」

 

天原「あっはーい」

 

みなみ「ゆたか、大丈夫?」

 

ゆたか「うん、ごめんね。みなみちゃん」

 

みなみ「いい」

 

鈴木「では、俺はこれにて。」

 

天原「あっはい。では3人によろしくお伝えください」

 

鈴木(天原先生は何が言いたかったんだ……)

 

 

 

―放課後

 

鈴木「ということでこんなメチャクチャ怪しい薬をもらったのですが……一応、渡しときます」

 

みゆき「ありがとうございます」

 

かがみ「ありがとう!」

 

黒井「おおきになー。ほな……」

 

かがみ・みゆき・黒井「あむ」

 

鈴木「え?何の疑いもなく即っすか……」

 

かがみ「当たり前じゃない」

 

みゆき「えぇ、効果があるかは別として試さずに後悔したくはありません」

 

黒井「それに天原先生が渡してくれたんやろ?怪しいモンなわけ無いやろ。天原サンなら認可されたばかりの新薬持ってても不思議やないしな」

 

鈴木「それはそうかもしれませんが……」

 

黒井「これで辛かったダイエットもおしまいや!後は好き放題出来るで!!」

 

鈴木「あ、それなんですけど。あくまでもダイエット効果を高めるだけで何もしなければ何も無いそうです。だからとりあえずこれまで通りダイエットをして結果を見ることになりますね」

 

黒井「え!?飲むだけで痩せれるんちゃうんか?」

 

鈴木「さすがにそこまで甘くはないみたいです」

 

黒井「なんやそれ……」

 

みゆき「しかし効果を高めてくれるのであれば十分価値はあります」

 

かがみ「そうよ、これまでの努力が無駄にならないんだからこっちの方がいいわ!」

 

黒井「うっ、せやな……」←あまり努力してない人

 

鈴木「じゃあ……そういうことでこれからも本番までダイエット自体は続けるってことでいいか?」

 

みゆき「はい」

 

かがみ「うん!頑張る」

 

鈴木「じゃこれにて今日は解散!」

 

みゆき「はい」

 

かがみ「分かったわ。」

 

鈴木(本当にこの薬、効果があるんだろうか……いや、信じるしかないな。)




-らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!始まりましたらっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす。」

水原「アシスタントその2 水原でーす!!」

あきら「なんでいるのよコイツ……」

水原「暇だったもんでついー」

白石「とその程度の理由らしいです。」

あきら「いやいやいやいや暇だからって理由で素人がしゃしゃり出てこられたら困るんだけどー」

白石「まぁまぁ」

水原「いや、そりゃ暗躍してますよ?でも最近本編が主役の二人ばっかりでしょー?」

あきら「まぁそれはねー付き合う付き合わないをひっぱってるおかげでどんどん話がそっちばかり」

水原「私ね、名脇役的なポジションですけど」

白石「どちらかというと迷脇役なんじゃ……」

あきら「つーかモブでしょ。下の名前すら出てないし。北斗の拳なら強ザコ?」

水原「ひ、ひでぇ……まぁそういうことで」

白石「もうちょっといい感じの働きやエピソードが欲しいと」

水原「そうなんです!」

あきら「去年の文化祭編の15~20話くらい?は主役に近かったじゃん」

水原「まぁ……」

あきら「ハーメルンではあんまり見ない気がする振られエンドとかなかなか様になってたよ」

水原「そう評価していただけているのは光栄ですが……」

白石「それに文化祭のラジオ放送とかで暗躍すればまたいい機会は来ますよ!」

水原「みんな……」

あきら「ってなんで素人の悩み相談なんか聞いてるんだか」

水原「ありがとうございます!」

白石「多分、次あたり鈴木善治が休みで水原パートに入ると思いますよ」

水原「おおお!!」

あきら「まっ与えられたポジションは変わんないだろうけどねー」

水原「うっ」

あきら「じゃっ、そろそろ終わるわー」

白石「せーの・・・」

あきら・白石「ばいにー!」



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[第89話]こうしょう!

―放課後・校門

 

つかさ(最近、お姉ちゃんと帰る時間が微妙にずれるなー……)

 

唯「やっほ~」

 

つかさ「あ!唯ちゃん!?」

 

唯「そだよ~軽音部のみんなも一緒だよ~」

 

律「いぇーい!」

 

紬「久しぶり~」

 

澪「久しぶりだな」

 

梓「こんにちは…」

 

つかさ「ホント久しぶりだね~。今日は何しに来たの?」

 

律「なんかさわちゃんに来いって言われてなー」

 

唯「来てみたけどさわちゃんいないんだよね~。さわちゃん知らない?」

 

つかさ「さわちゃんって軽音部の顧問の先生?」

 

唯「そうそう」

 

つかさ「うーん……見てないかな?」

 

唯「えー!さわちゃんが来いって言ったのに~」

 

つかさ「あれ?先生と一緒に来なかったの?」

 

律「それがさー先生だけ車で行くって言うからさー。でもさわちゃんの車全員乗れないし。で、さわちゃんと楽器だけ車で運んでもらってるんだよ」

 

澪「ん?噂をすれば来たみたいだぞ」

 

さわ子「ごめーんお待たせー」

 

唯「遅いよさわちゃん~」

 

律「で、このあとどうするんだー?」

 

さわ子「さぁ?陵桜の生徒さんが案内に来るって聞いてるけど……もしかしてあなた?えーと柊つかささんだっけ?」

 

つかさ「はい、柊つかさですけど、話は聞いてないので……」

 

さわ子「えぇ?うーん……」

 

律「時間間違った、とかじゃないよな?」

 

さわ子「それはないわよ。……多分」

 

つかさ「どこに行くかとか聞いてないんですか?」

 

さわ子「えぇ。校門で待つようにって言われてるしね~」

 

石橋「すいませーん。」タッタッタッ

 

つかさ「あ、石橋先生だ。」

 

石橋「お忙しいところすいません。陵桜学園法律教務課石橋と申します。」

 

さわ子「あ、えーと桜ヶ丘女子高等学校の軽音楽部顧問の山中さわ子です」

 

律「さわちゃんが珍しくまt……ウグッ」←さわ子に足を踏まれてる

 

さわ子「えーと今日は水原さんに呼ばれてきたのですが……」

 

つかさ(あっみずりちゃんが呼んだんだ……)

 

石橋「ちょっと今、水原が別のお客様応対中でして申し訳ない。しばらくお待ちいただけますでしょうか?」

 

さわ子「あ、はい……」

 

石橋「あ、柊。今ちょっとええか?」

 

つかさ「え?あ、はい」

 

石橋「ちょっと軽音楽部の皆さんを3のBに案内しといてくれる?」

 

つかさ「え?あ、はい……?」

 

石橋「じゃよろしく!」スタタタタ...

 

つかさ「………」

 

さわ子「えーと……じゃあ3のB?まで案内してくれる?」

 

つかさ「あ、はい」

 

―3-B教室

 

つかさ「えっと、こちらです」

 

さわ子「ありがとう」

 

律「サンキューな」

 

唯「ところでさわちゃん、私たちなんで陵桜に来たの?」

 

さわ子「あれ?言ってなかったっけ?」

 

澪「聞いてないです。」

 

梓「ただ他校まで来てる時点で嫌な予感しかしないんですが……」

 

つかさ(もしかして……)

 

さわ子「それはね、ラジオに出てもらいます!」

 

つかさ(やっぱり)

 

唯・澪・律・梓「えー!!!!」

 

紬「長話になりそうだからお茶の用意を持ってくれば良かったわね……」

 

律「ムギ!ツッコムのはそこじゃねぇ!どういうことなんだよさわちゃん!」

 

さわ子「あら?りっちゃんには一応、了承いただいたわよ?」

 

律「へ?」

 

 

―数日前・回想

 

さわ子「りっちゃん、お願いがあるんだけどー」

 

律「変な衣装以外ならいいぜー」

 

 

 

―回想終了

 

さわ子「ほらね」

 

律「悪徳詐欺師か!!」

 

さわ子「まぁまぁ何事も経験よ♪」フッ

 

律「何ちょっと良いことした風なんだよ!」

 

唯「あ!澪ちゃんが!」

 

澪「」

 

律「ショックで気絶してるな……」

 

さわ子「まぁとにかくあとは陵桜の水原さんから詳しく話を聞きましょ」

 

律「誰だ!?『水原さん』って!!」

 

つかさ「あ、今回のラジオを企画した人……。」

 

律「つかさは知ってるのか?」

 

つかさ「うん。それに私もお願いされたし……」

 

唯・律・梓「えー!!!!」

 

澪「そんなこと受け入れたのか!?」

 

唯(いつの間にか澪ちゃんが復活してる)

 

つかさ「うん。よっぽど困ってたみたいだから……」

 

律「あー……」

 

さわ子「まぁ他校のウチにまで電話してくるくらい困ってたからね。あなたたちの経験と人助けのつもりで引き受けたのよ」

 

律「本心は?」

 

さわ子「面白そうだったから」

 

律「オイ!」

 

―ガラッ

 

水原「失礼します。大変遅くなって申し訳ありません。水原と申します。」

 

律(この人か……)

 

水原「あれ?なんでつかさんがいるの?石橋先生は?」

 

つかさ「石橋先生に頼まれて……『3のBまで案内しといて』って」

 

水原(あのオッサン余計なことを……)「お忙しいとこ、ごめんなさい!もう帰って大丈夫です!ホンマごめんなさい!」

 

つかさ「うん、いいよー。久しぶりにみんなと話せたし~。今からやるのってラジオの打ち合わせ?」

 

水原「はい。」

 

つかさ「せっかくだし私も一緒にいていいかな?」

 

水原「え!?あ、はい。私は良いですけど……なんで?」

 

つかさ「みずりちゃん軽音部のみんなとあまり話したことが無いだろうし私がいた方が軽音部のみんなが話しやすいかな~って」

 

水原「なるぺそ……お願いします」

 

つかさ「軽音部のみんなもいい?」

 

律「いいぜー!というかそっちの方が助かる!」

 

澪(なんとかして断ったり出来ないかな……)

 

 

 

―数十分後

 

水原「ということで企画しております。お願いします。」

 

律「って言われてもさすがになー……」

 

澪「」コクリコクリ

 

律「さわちゃんどうするの?スゴいの引き受けちゃって」

 

さわ子「まさかココまでマジとは思わなかったわ」

 

律・水原「え?」

 

さわ子「いや、ラジオを口実に女子校生と仲良くしたいから協力してほしいって意味かと思ってたんだけど……ここまでマジに考えてたのね」

 

律「オイ」

 

水原「……失礼ですがおたくの顧問さん頭おかしい?」

 

梓「聞かないでください……」

 

水原「まぁとにかく……皆様へ説明不足があったことは申し訳ないのですが引き受けていただけませんか?」

 

律「と言われてもなー。」

 

唯「ねーねー!ラジオってさ、曲とか流すじゃん?それも私たちの曲流すの?」

 

澪「ひ」カクカクカクカク

 

水原「……それも先生から聞いてませんか?一応、伝えたはずなんですけども……」

 

さわ子「……スケベ心にあふれた男子への人助けくらいにしか考えてなかったからあんまり真剣に聞いてなかったわ……何だっけ?」

 

律「オイ」

 

水原「まぁいいですよ。先ほどまでラジオ番組30分のお話をさせていただいたのですが、このあと30分も尺取ってましてね。そこでミニライブも企画してるんですよ。先生にはお話しましたけども」

 

さわ子「え!?だから知らないわよ!?」

 

水原「えぇ!?……じゃあ同じ時に今日楽器持ってきてくださいって言ったはずなんですけどそれも……」

 

唯「ううん。楽器はさわちゃんの車で運んできたんだよね?」

 

さわ子「ええ」

 

水原「その時に『ミニライブの音響チェックしますんで火曜に楽器を持ってくるよう頼んますー』って言いましたよ?」

 

さわ子「え?」

 

律「さわちゃん!」

 

さわ子「あぁ……うぅ……」

 

水原「まぁ先生経由のみで連絡とって本人さんたちへ連絡いってるものだとばかり考えていた私にも問題はあるかもしれませんが……」

 

律「いや一切、さわちゃんが何も言ってなかったのは流石に君のせいじゃ……」

 

水原「あ、水原です。言いにくいならみずりん(敬称略)で良いですよ」

 

律「お、おう……で、みずりん?だっけ?そもそもなんでウチらなんだよ」

 

水原「ホントにそもそもですね。このラジオ企画をやると決めたのは実行委から教室一つ丸投げされたときからなんですが、まぁー私には出演をお願い出来る人がすごい少なかったんです。ただまぁやるならリスナーの心を掴みたい。ただ私がずっとパーソナリティーしてるんじゃそれは無理」

 

律「それで私たちに?」

 

水原「そそ。仲が良くて楽しい人たちだって聞いてたから」

 

梓「誰から聞いたんですか……」

 

つかさ「ごめん、私……まさかラジオやるとは思ってなくて……」

 

水原「まぁその話聞いたのはだいぶん前やからね。私もあの時はラジオやるつもりじゃなかったんで……でラジオ企画決まってから、三和さんと連絡とって聞いてみたら同じクラスの中野さんがいるという『放課後ティータイム』さんを紹介されまして。で、職員室に電話したら先生が引き受けてくださったということなんです」

 

梓「はぁ、三和が……」

 

水原「で、改めてそういうことでお願い出来ませんかね?」

 

梓「そう言われても……」

 

澪「私たちも文化祭が近いし……」

 

水原「えぇえぇそういう季節なのは重々承知しております。が、そこをなんとかお願い出来ませんか?」

 

唯「それって私たちがダメだったらどうなるの?」

 

水原「うーん……まず一つ前の番組を30分延長をお願いして残り30分は私が永遠に『税込♪100円♪カレーパン♪』と歌いながらコマーシャルを流し続けるという事態になりますね。」

 

律「あちゃー……」

 

つかさ「もしかして前の時間って……」

 

水原「はい。左様です。柊姉妹さんの番組に延長お願いしないといけなくなります……」

 

つかさ「それはちょっと……」

 

水原「ですよね。ごめんなさい……」

 

つかさ「私は良いんだけどお姉ちゃん説得するのが大変だと思うよ?それに……」

 

水原「それに?」

 

つかさ「さらに30分の台本考えるのってみずりちゃんが大変じゃない?」

 

水原「……はい、そうですね。」

 

律「ちょっと待て。打ち合わせとかオファー以外に台本も作ってんの?」

 

水原「えぇ」

 

律「一人で何役やってるんだ?」

 

水原「パーソナリティー以外は一人でほとんどの仕事を回してますよ?」

 

律「……そりゃ大変だな……」

 

水原「大変なんですよ。で、同情で釣るようで申し訳ありませんがお願い出来ませんかね?」

 

梓「そうは言っても…ウチの高校も文化祭前ですし……」

 

澪「うんうん。それに……恥ずかしいし……」

 

律「まぁ確かにどれだけの人が聞いてるか分からないとなると澪にはハードル高いかもな……」

 

水原「あ、文化祭の時期は今年も近いんですか。ちなみに桜高さんの文化祭では何しはるんですか?」

 

紬「クラスの劇で『ロミオとジュリエット』をやります。」

 

唯「私は"木G"だよ!」フンス

 

律「それと放課後ティータイムでライブだな」

 

水原「なるほど……では逆に文化祭本番前のウォームアップが出来ると思いません?」

 

律「確かに人前にでる練習には……なるか?」

 

澪「え」

 

紬「確かに澪ちゃんの恥ずかしがり屋も少しは直るかも」

 

梓「いやそれは……」

 

唯「そうだよ!リハーサルにもなって一石二鳥だよ!」

 

澪「いやいやラジオと劇じゃ違うし!なんでそうなるんだよ!」

 

律「だってさー正直、引き受けなきゃ帰してくれなさそうじゃん」

 

水原「いえ、そんなことは……」

 

紬「それに確かに文化祭前だけど人前で演奏出来るしマイナスになることはないと思うのよ」

 

水原「そう言っていただけると助かります。」

 

紬「他校で何かさせてもらえる機会ってそうそうないし、いい思い出になると思うの」

 

唯「つかさちゃんがいるから怪しいのじゃないと思うし~」

 

つかさ「えへへ~」

 

唯「それに面白そうだし!」

 

水原「さて、そろそろ結論をお聞かせいただけますか?もし辞退されるならされるで私は咎めたりはしませんから」

 

律「……じゃあ参加でいいか?」

 

唯「いいよ!」

紬「いいわよ」

 

梓「……せっかくですしじゃあ……」

 

澪「う、うん……じゃあ……」

 

律「参加でいいな?」

 

水原「はい、ありがとうございます。」

 

澪「台本の通りしゃべるだけなんだよな?」

 

水原「はい、できる限りそれに近いように当日までに作りますので」

 

律「ライブは何やればいいんだ?」

 

水原「そこなんですよね。私はそれを決めてくれてるものだと思ってましたが……まずセトリから決めましょうか」

 

唯「ねぇねぇあずにゃん」小声

 

梓「なんですか?唯センパイ」

 

唯「セトリって何?」

 

梓「」カタッ

 

水原「オリジナル曲とかあったらそれ演奏していただけるとありがたいんですがね~」

 

律「うーん……オリジナル曲は何曲かあって文化祭のために新曲も用意してるけど」

 

水原「では新曲は自分とこの文化祭で披露するから置いといて、何曲か……30分ミニライブならだいたい4~5曲くらい?音響チェックも兼ねて演奏とか出来ます?」

 

唯「ここで演奏していいの?」

 

水原「いっすよ。というかまぁ本チャンもここでやってもらう予定なんで」

 

つかさ「ねぇ、私もここで聞いていっていいかな?」

 

唯「いいよ~!せっかくだし聴いてって~」

 

水原「そしたら準備してお願いしますー」




-らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!始まりました、らっきー☆ちゃんねる!今日もプリティーナビゲーターのあきらです☆」

白石「アシスタントの白石みのるでーす。よろしくお願いいたします。」

あきら「さぁ今回は私たちも陵桜学園に打ち合わせに行ってきたんですよねー」

白石「そうなんです。ちょっとお話長引いてしまって軽音部をお待たせしたみたいですけど」

あきら「まっ良いんじゃない?水原的には」

白石「そうですね。彼的にはいいかもしれませんね」

あきら「ま、でも進展はなしなんだろうなぁ~」

白石「ㇵッハッハw」

あきら「そのあたりは厳しめだよね~」

白石「それもあずきシティの持ち味なんじゃないかぁ」

あきら「白石、ゴマすっても出番増えねーよ」

白石「いや、僕はそんなつもりは!」

あきら「この番組かって最近じゃ尺短くなったし」

白石「え?」

あきら「ほら、もう終わる時間だ」

白石「なんと!?」

あきら「じゃー」

あきら・白石「ばいにー!!」

白石「ってえぇー!」


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[第90話]ふしぎ!

 

―さらに数十分後

 

水原「お疲れ様ですー!」

 

つかさ「お疲れ様~」

 

唯「どうだった、どうだった?」

 

水原「ん、OK。これで行きましょう」

 

律「一発で!?」

 

梓「何か無いんですか?ここをこうしたら良いですとかここはこうしたら良いですとかもっとあんなテクニックやこんなテクニックを……とか」

 

つかさ「だって音楽のこととか詳しいことはよくわからないし……」

 

水原「そそ。みゅーととかなんだとか聞いたことあっても意味わかんないし。それに答えはもらってますから」

 

律「?」

 

水原「楽しいっしょ?」

 

唯「うん!」

 

水原「それが答え。自分らが楽しそうにやっててくれればこっちはそれ以上、何も注文することはないのよさ。本番もその調子でよろしくねー」

 

律「……なんか思ったより適当だな」

 

梓「律センパイみたいですよね」ボソッ

 

律「なんか言ったか?」

 

水原「さて、もういい時間なので今日はこれにてとさせていただきましょうか。当日よろしくお願いしますね。」

 

唯「うん!」

 

水原「ほな帰ろか。どっか寄ります?32アイスクリームとか」

 

唯「おぉ~!アイス!?」

 

律「なんだ?まだ打ちあわせることがあるけど下校時間とかか?」

 

水原「いや、たんに私がアイス食べたいだけ。行きます?」

 

律「うーん……じゃせっかくだし」

 

澪「律が行くなら……」

 

紬「おぉ~」

 

梓「……じゃあ私も……」

 

水原「ん」

 

つかさ「私もせっかくだから行って良い?」

 

水原「もちろん」

 

唯「アッ……」

 

梓「まさか唯センパイ?」

 

唯「オカネナイ……」

 

律「あちゃー……」

 

唯「どうしよう!?りっちゃん!!」

 

律「あたしに聞くな!あたしだって……アッ……なぁ澪……」

 

澪「お前らな……」

 

水原「……分かりました。出しましょう。」

 

唯・律「え"!?」

 

梓「それはさすがに悪いですよ!」

 

水原「まぁまぁ……じゃじゃーん」

 

唯「あ!四菱糖京USJ銀行の封筒!?」

 

水原「うーん……シングル7人分でイケるかな」

 

紬「もうひとこえ~」

 

水原「じゃあダブル7人分!」

 

律「そうじゃねぇだろ!」

 

唯「そうだよムギちゃん!おごってもらうんだから『ありがとう、ごちそうさま』だよ!」

 

紬「そうだったわね。ごめんなさい。ごちそうさまです。」

 

澪「そうじゃないって!」

 

梓「そうですよ!悪いですって!」

 

水原「あー大丈夫大丈夫」

 

律「つかさ、水原くんってそんな大金持ちなのか?」

 

つかさ「いや、特にそんな話は聞いたこと無いけど……」

 

水原「別にヤバい裏金とかじゃ無いですよ。文化祭予算でイベント用に割り当てられてる分なんです」

 

律「じゃあそれは文化祭予算だろ?」

 

水原「まぁ言っても私がやってるラジオ企画は機材も学校のだしお金使うイベントじゃないんですよね~。だから資金が余るwww余るwwwwww それに使わないと回収されるからもったいないじゃん。」

 

律「なんか道路工事が増える年度末みたいだな……」

 

水原「まぁまぁ。ギャラの前払いやと思って行きましょ~」

 

律(まぁ考えても仕方ないし甘えとくか)「じゃあせっかくだし行っとくか!」

 

唯「アレ?そういえばさわちゃんは?」

 

梓「そういえばいませんね」

 

律「もしかしたら、さっきの男の先生を探しに行ったのかな」

 

澪「まさか。さすがにそれはないだろ」

 

水原「というか石橋先生既婚者だしそれはめっちゃヤバい」

 

つかさ「今流行の不倫だね~」

 

水原「最近はもう流行ってないよw」

 

紬「さわちゃんは今日は夜何か予定あるって言ってなかったかしら?」

 

律「そういえば今日は合コンって言ってたなー忘れてた」

 

水原「へー頑張ってるんだね」

 

つかさ「黒井先生も合コンとか行けばいいのにねー」

 

水原「まぁ黒井先生は気にしてる素振りだけ見せて独身貴族を楽しんでるからねぇ……」

 

つかさ「確かにそれはあるかも~」

 

水原「だね。ただあの軽音部の顧問の先生も今は積極的でもうまく行かなかったらいつか開き直っちゃうかもね~。ね?」

 

律「いや、『ね?』って言われても……」

 

唯「ただいつ聞いてもさわちゃんは振られたとか別れたって話しか聞かないよね~」

 

梓「唯センパイ、容赦ないですね」

 

唯「へ?」

 

水原「あ、そしたら32行きましょかー」

 

 

―32アイスクリーム

 

つかさ「ごめんね~私までご馳走になっちゃって」

 

水原「何度も言うように私のお金じゃないので気にしないでくださいな」

 

つかさ「あ、じゃああとでお姉ちゃんにお土産買って行ってもいいかな?」

 

水原「もちろんろん。まぁ『ギャラやと思って』と言いながら柊さんにはナシというわけにはいきませんからね」

 

つかさ「わ~ありがとう~」

 

律「ちょっと待て。おごってもらって言うのもなんだけどいくら持ってるんだ?」

 

水原「見ます?」

 

律「いいのか?」

 

水原「あまり言いふらさないでくださいね。……ホイ」

 

律「」

 

水原「まぁ使い切れないとは思いますけどね」

 

律「……」

 

唯「りっちゃん、どれくらい入ってたの?」

 

律「っ……っ……」

 

水原「まぁ賑やかだった人がドン引きして黙っちゃうくらい」

 

つかさ「どちらかと言えば言葉を失った、が正しいような……」

 

律「たっ……束……束で……!」

 

水原「あぁ勘違いしないでくださいね。さすがに万札じゃなくて千円札ですよ」

 

律「なんだ……びっくりして損したぜ」(って千円札でもあれだけあれば……ドラムセットごと買えそうだな)

 

澪「そういえばつかさって水原さん……?と仲良いよな?共学ってみんなそうなのか?」

 

唯「もしかして付き合ってるの!?」

 

澪「おい、唯!」

 

水原「ん?いや」

 

つかさ「違うよ~」

 

水原「まぁ共学すべてが仲良いとか悪いとかは分からんけど私らはこれが普通なだけー」

 

つかさ「そだね~」

 

紬「でも実はその関係だけでは満足できず実は密かに……とかそんな展開ないの?」

 

梓「ちょっ!ムギセンパイ何聞いてるんですか!?」(あっ、でも前にムギセンパイに心を読まれたことがあったような……)

 

唯「いや、あずにゃん!ここは聞いてあげるべきだよ!」

 

梓「唯センパイまで!?」

 

つかさ「うーん……私は無いけど……」

 

唯・澪・紬「けど!!?」

 

律(なんだかんだ言って澪も聞く気なんだよな……)

 

水原「『けど』って言ったらネタバレじゃん」

 

つかさ「あっゴメンゴメン」

 

水原「まぁええけどね」

 

律「ちょっと待て。ネタバレってなんだ?」

 

水原「つかさっちには無いけど私にはあるってことよ」

 

律「へ?」

 

水原「私『は』好きなんだよ。付き合ってないだけで」

 

律「あ~……え!?」

 

澪「そんな大事な告白をこんなあっさりと!?」

 

紬「なんということなの!」

 

唯「柊つかささん今の発言に一言!」

 

梓「唯センパイなんでそんなノリノリなんですか!?」

 

つかさ「えーと……一言か……うーん……あ!ありがとう~かな?」

 

水原「どういたしましてー」

 

唯「終わり!?」

 

澪(もっとロマンチックなんじゃないの!?)

 

水原「なんか不思議そうな顔してますけど割と私も不思議な感覚なんですよ」

 

唯「へ?」

 

水原「まぁ1年くらい経ちますけどね。それでもこうして普通に接してもらってるんですから」

 

澪「1年!?」

 

水原「あーそっかーあれから1年なるんやなぁ……」

 

つかさ「そう考えると早いよね」

 

澪(ややこしい……)

 

紬「ついていけないわ……」

 

唯「これが共学だと普通なの?」

 

水原「安心しなはれ。お互い普通じゃないから。」

 

つかさ「えっ?私も?」

 

水原「うん、いいこ過ぎる。ある意味、普通じゃないよ」

 

つかさ「そうかな~?よく分からないけど」

 

紬「じゃ、じゃあ周りに普通の恋愛してる子はいないの?」

 

水原「そりゃおるやろ。知らんけど」

 

つかさ「多分、いると思うよ。知らないけど」

 

律「知らんのかい!」

 

水原「だってねぇ。こなたはあの調子だし。」

 

つかさ「確かにこなちゃんは自分より他の人を見て楽しんでるもんね~。ゆきちゃんもそういう話聞かないよね。やっぱり高嶺の花だから近寄りがたいのかな?」

 

水原「それは無いとは言い切れないかもね。まぁ副委員長はヘタレ中のヘタレやしなぁ」

 

つかさ「え?副委員長ってゆきちゃんのことが好きなの?」

 

水原「ありゃ?知らなかったの?有名な話だよ?彼が副委員長になったのも同じ委員会に参加したかっただけで」

 

つかさ「え~……でももう3年目よね?」

 

水原「まぁそのあたりは察せや」

 

律「いかん。ついていけん」

 

水原「あぁごめんごめん。でも言われてみれば普通はそんなにいないわけですな」

 

つかさ「そうだったね。」

 

水原「そういえば君のこわーいお姉ちゃんはどうなのよ?」

 

つかさ「え?お姉ちゃん?」

 

水原「そそ。鈴木善治といい感じにならないのかな?」

 

律「鈴木……って去年軽音部のライブを助けてくれたあの鈴木くんか?」

 

水原「そそ。お似合いとも思うんやけどね~」

 

つかさ「だよね。でも結局2人とも自分の気持ちに気付いて無いみたいだね……」

 

水原「意外と鈍感なんだろうね~」

 

つかさ「う~ん…単に自分じゃ不釣り合いとか考えてるんかなぁ」

 

唯「つかさちゃんとみずりんはその2人が付き合ってほしいの?」

 

つかさ「うん。お姉ちゃんいつも私のこと気にかけてくれるし幸せになってほしいんだ~」

 

水原(その刺激で私も良い思いが出来たらありがたいから)「私も賛成ですよ」

 

律「へ~」

 

梓「というか本人は認めてないんですか?」

 

水原「うん」

 

つかさ「まぁ恥ずかしいんだろうね~」

 

澪「それは分かる気がするけど……」

 

水原「さて、アイスも食べ終わったし私はまた学校で作業が待っているので引き上げます。」

 

唯「じゃあ私たちも帰る~?」

 

紬「そうね~」

 

つかさ「じゃあ軽音部のみんな、またね~」

 

唯「また文化祭でね~!」

 

律「またなー」

 

澪「またな」




-らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!今日も始まりましたらっきー☆ちゃんねる!!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石です。よろしくお願いします。そして」

あずきシティ「お久しぶりです。これ書いてるあずきシティです。」

あきら「うぉーまた出てきたんだ。暇なの?」

あずきシティ「ちょっおまっwww」

白石「あきら様!本当のことを言っては失礼ですよ!!」

あずきシティ「お前もな!!」

あきら「いやぁ作中キャラにあんなことやこんなこと言わせといていまさら何を」

あずきシティ「怒ってる怒ってるw そんなこと言って出番がどうなっても…」

あきら「いや、もうその脅しいいから。結局はアンタの気分に振り回されるんだしさー」

あずきシティ「うげぇっ」

あきら「ま、どうでもいいけどさーこんなやっすいギャラ」

あずきシティ「おい!!」

白石「あきら様強気ですね!!」

あきら「こーゆーのはいっぺん芸能界の厳しさを教えてやんねーと」

白石「なるほど・・・」

あきら「で、私たちの番組に今回は何で出てきたんだよ?」

あずきシティ「暇だったから」

あきら「おい!!」

白石「まさかマジだったのか…」

あずきシティ「それと私ってあきらんとかよりさらに本編に出れないし」

あきら「いや、架空の話に実在の人物が出ちゃいかんだろww」

白石「というか僕、オリキャラのうちの一人が作者の分身だと思ってました」

あずきシティ「まぁオリキャラはオリキャラだし、仮に作者の分身だとしても『分身』だから架空の人物ってことでOKなんだけど……分身は実在しないわけだし。」

あきら「でも本体は出れないと」

あずきシティ「そゆことー」

あきら「まぁここも本体出ちゃダメだろ」

あずきシティ「ダメなの?」

白石「あんまりよくないですね。」

あずきシティ「じゃあ、今日は番組終わりにして帰りまーす」

あきら「(・д・)チッ……勝手に仕切りやがって」

あずきシティ「せーの、ばいn」

あきら「おうちょっと待て!」

あずきシティ「ん?」

あきら「お前今、オリキャラに作者の分身がいるかどうかって点を否定も肯定もしなかったよな?どっちなんだ?」

あずきシティ「」ニコッ

白石「え?」

あきら「答えねーのか?」

あずきシティ「OA終わったら教えてやんよ。」

あきら「はいはい」

あずきシティ「じゃっ、たまには3人で」

あきら・白石・あずきシティ「ばいにー!!!」



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[第91話]自覚しろよ!

―柊家

 

つかさ「ただいま~」

 

かがみ「おかえり。ちょっと遅かったじゃない?」

 

つかさ「うん。ちょっと寄り道してた」

 

かがみ「ふーん」

 

つかさ「はい、お土産」

 

かがみ「ん?」

 

つかさ「32のアイスだよ~」

 

かがみ「ありがとう……ってえぇ!?」

 

つかさ「みずりちゃんがラジオよろしくお願いします~って」

 

かがみ「へぇ、水原くんが……」

 

つかさ「学校の予算だから気にしないで~って」

 

かがみ「それはそれで気になるわよ……」

 

つかさ「詳しくはよくわからないけど大丈夫なんだって」

 

かがみ「んー………」

 

つかさ「フレーバーはチョコレートとポッピングシャワーにしたよ~」

 

かがみ「ありがとう……」

 

つかさ「どうしたの?あっ!……お姉ちゃんダイエット中だったね……ゴメン」

 

かがみ「そうよ……でも最近頑張ってたし今日くらいはいいかな」

 

つかさ「いや、お姉ちゃん。油断はダメだよ!」

 

かがみ「えっ?つかさがそんなこと言うなんて珍しいわね?」

 

つかさ「へ?いや……ミスコンのために頑張ってるのにな~って思って……いつになく本気だから邪魔したら悪いかなって」

 

かがみ「何気をつかってるのよ……だいたいその言い方だといつもは頑張ってないみたいね」

 

つかさ「そういう意味じゃないんだよ?ただ……」

 

かがみ「ん?」

 

つかさ「いや、何でもないよ」

 

かがみ「何よ気になるわね。別に怒ったりしないから言ってよ」

 

つかさ「んー………いやぁ頑張ってるお姉ちゃんに悪いし、鈴木くんにも悪いかなって……」

 

かがみ「なんでそこで鈴木くんが出てくるのよ!」

 

つかさ「いやだって……あんな朝早く来てくれたり休みの日や夕方も一緒に頑張ってくれてるんだよ?」

 

かがみ「それは感謝してるけど……」

 

つかさ「それを無駄にしちゃうのはよくないかなぁ……って。とにかく32のアイスは冷凍庫に入れとくから文化祭終わってから食べてね?」

 

かがみ「いやいや32のアイスを何日間も冷凍庫に入れる方がマズいわよ。」

 

つかさ「じゃ、じゃあ、お姉ちゃんには文化祭終わったら私がアイスおごるから今日は私がこれ食べるね?」

 

かがみ「いや、何もそこまでしなくても……とにかく私が今回のダイエットを失敗してほしくないのはよくわかったし。でもなんでそんなに今回だけ気をつかってるの?いつもは『お姉ちゃんはダイエットしなくても大丈夫だよ~』とか言ってくれるのに」

 

つかさ「えーと……やっぱりお姉ちゃんだけじゃなくて鈴木くんにも悪いから……かな?」

 

かがみ「だからなんでそこで鈴木くんの名前が出てくるのよ」

 

つかさ「うーん……お姉ちゃんは何となくでも気付かない?」

 

かがみ「何に?」

 

つかさ「なんで鈴木くんが手伝ってくれているのか」

 

かがみ「うーん……『後悔してほしくない』とかは言ってたけど」

 

つかさ「私、思うんだけどね。それだけじゃないと思うんだよね」

 

かがみ「はい?ちょっとつかさ?大丈夫?なんか言ってること変じゃない?」

 

つかさ「だって考えてみてよ。ゆきちゃんや黒井先生もダイエットしてるけど家に行ったりはしてないでしょ?」

 

かがみ「それは……単に家が遠いとか家を知らないとかじゃない?」

 

つかさ「それだけじゃないと思わない?ゆきちゃんの家が近かったり黒井先生の家を知っててもここまでしてくれるのかな?」

 

かがみ「うーん、それは……」

 

つかさ「お姉ちゃん、『私の勘違いかも』って思うのは良くないよ?」

 

かがみ「ってさっきから話聞いてたら鈴木くんが私のことを好きみたいな言い方だけど……誰かから聞いたの?」

 

つかさ「ううん」

 

かがみ「じゃあやっぱり考え過ぎじゃない?私たちそんなんじゃないわよ?」

 

つかさ「私はそうは思わないけど……何もないにしては不自然だよ?」

 

かがみ「ん………そうかしら……?」

 

つかさ「そうだよ。鈴木くんにも聞いてみたら?……ってそれはさすがに出来ないか……」

 

かがみ「当たり前じゃない!」

 

つかさ「でもお姉ちゃんも鈴木くんのこと好きなんだよね?じゃあアピールとかしても良いんじゃないかな?」

 

かがみ「ちょっと待て!前提がおかしいわよ!」

 

つかさ「え?違うの?」

 

かがみ「誰も好きなんて言ってないわよ!……ちょっと気になるかも……とは言ったかもしれないけど……」

 

つかさ「うーん……じゃあ私が」

 

かがみ「え!?」

 

つかさ「ん?どうして焦ってるの?私は『じゃあ私が』としか言ってないよ?」

 

かがみ「!!」

 

つかさ「お姉ちゃん、強がりはよそうよ。別に変なことじゃないよ?鈴木くんいい人だし」

 

かがみ「つかさのいい人はアテにならない……確かにいい人だとは思うけどそれとこれとはね……だいたいなんでつかさがそこまで言ってくるのよ?」

 

つかさ「それは……お姉ちゃんが幸せになってほしいから……かな?」

 

かがみ「なんでそんな……」

 

つかさ「だってお姉ちゃん、あんまりそういう話聞かないし……せっかくの機会だから……」

 

かがみ「そういう話聞かないのはつかさだって……あっ」

 

つかさ「ん?」

 

かがみ「いや……とりあえずこの話は今日はここまでよ。今考えたって仕方ないんだし……」

 

つかさ「そう?でももうすぐ文化祭だしこの後ってもう行事とかは卒業式くらいしか無いから今が一番、大事だと思うよ?」

 

かがみ「うん……考えとく……」

 

 

―しばらく後、かがみの部屋

 

かがみ(確かに鈴木くんはいい人だし今回のダイエットも不思議なくらい手伝ってくれてるけど……それだけよね?……つかさが変なこと言うから、これから私も気にしちゃうじゃない……私って鈴木くんのことが好きなのかな……?)

 

 

 

―その頃、つかさの部屋

 

つかさ「あ、結局32のアイスどうするか決めてないや……」

 

 

 

 

 

―同じ時刻 体育館

 

水原「体育館もこんな時間まで準備とは大変ですな……」

 

石橋「やろ?体育館の責任者なんかなるんやなかったな」

 

水原「アレ?先生に選択権あったんですか?」

 

石橋「あるわけ無いやん」

 

水原「ですよね~」

 

石橋「まぁ大変って言っても体育館にはおらんでええから大して変わらんけどな」

 

水原「え?先生、今日は宿直でしたっけ?」

 

石橋「いや。ただプリント作らなあかんしどうせ終電帰りやから」

 

水原「おぅふ……」

 

石橋「まぁ俺は終電で帰るけど宿直おるし徹夜したかったらしてええで」

 

水原「今、20時……終電ってあと4時間もいたくないですよ。私も適当に帰りますわ多分」

 

石橋「そうか。」

 

副委員長「おう!あ、先生こんばんは」

 

石橋「ん、こんばんは。じゃあ俺は職員室帰るから気をつけて作業するようにな」

 

副委員長「はい、分かりました。」

 

 

水原「お疲れ様」

 

副委員長「お疲れ様。手伝いに来たのか?」

 

水原「いやぁ、様子見に。こっちも大変そうだね」

 

副委員長「まぁな。純粋にやること多くて猫の手も借りたいよ」

 

水原「へぇー……まぁ君の邪魔をするつもりはないから私は引き上げるとするよ」

 

副委員長「邪魔?」

 

水原「作業が早く終わればその分、しゃべったり一緒にいる時間が減るでしょ?」

 

副委員長「ん?いや、そこに気をつかわれても……これは僕自身の問題だし……」

 

水原「いやいや、こういうお祭りごとこそ、ばっちし利用せな」

 

副委員長「って言われてもな……」

 

みゆき「あ、水原さん!こんばんは、手伝いに来てくださったんですか?」

 

水原「あ、こんばんはっすー。いや手伝いに来たということでは……」

 

みゆき「今、猫の手も借りたいほど忙しかったんですよ。手伝いに来てくださったんですよね?」

 

水原「んんーいや別にそういうわけでは」

 

みゆき「まさか水原さんがただしゃべりに来ただけではありませんよね?手伝いに来てくださったんですよね?」

 

水原「えーと……」

 

副委員長「まぁわざわざここに来たというのは手伝いということだよな?」

 

みゆき「ただ邪魔しにくるはずがありませんもんね?」

 

水原「っ……はい、手伝いに来ました」

 

みゆき「ありがとうございます!」

 

水原(半強制的に引き受けさせられてしまった……)

 

みゆき「では水原さんは彼と一緒にあそこにいる黒部さんの作業をお手伝いしてください!」

 

副委員長「了解」

 

水原「あー、その前にダメ元で一人、増援呼んでいい?」

 

みゆき「はい、とてもいいと思います!では私はほかのところにいますから何かご用があれば彼にお願いします」

 

水原「ういっす」

 

 

副委員長「増援とか言って逃げるんじゃないだろうな?」

 

水原「んな命知らずなことしねーよ。電話一本かけたら行くんで」

 

副委員長「まぁそしたらここで待ってるよ」

 

―数分後

 

水原「ういっす」

 

副委員長「もういいのか?」

 

水原「うん。増援来てくれるそうなんで先に黒部さんとやらから説明聞いて作業始めようか」

 

副委員長「だな」

 

 

―倉庫

 

黒部「先輩方に頼むのは恐縮ですがよろしくお願いします」

 

副委員長「了解」

 

水原「いえいえお気になさらずに」

 

黒部「では何かありましたら私まで」

 

副委員長「はい」

 

 

水原「っと……この箱から中身確認して必要なモノを取り出すって……」

 

副委員長「箱相当あるな……」

 

水原「まぁやるっきゃねぇなぁ」

 

副委員長「じゃあカッター持ってるから箱開けていくよ」

 

水原「じゃあ私は中身確認していきます。……うぇなんじゃこりゃ」

 

副委員長「どうした?」

 

水原「適当に色々入れ過ぎじゃありませんか?」

 

副委員長「すまん。」

 

水原「これが高良みゆきの本性か……」

 

副委員長「違う!これは……文化祭後に余った備品とかをとりあえず箱に詰めただけで」

 

水原「おぉいきなり血相変えるなよ。ジョークだし」

 

副委員長「ジョークとしてもそんなこと言うのはどうかと……」

 

水原「ごめんごめん。ただそこまでムキになるとバレるぞー」

 

副委員長「もうバレてるんでしょ?」

 

水原「まぁねー。でも今のでさらに流出人口が……」

 

副委員長「え゛!?」

 

水原「たとえばさっきの黒部さんとか」

 

副委員長「いや、さすがにそれは……!」

 

水原「出てすぐそことかにいたら聞こえてるでしょ」

 

副委員長「いやいやいやいやすぐそことかにいないから。」

 

鈴木「確かに黒部さんには聞かれてないが俺はばっちり丸聞こえだったぞ」

 

副委員長「え!?……って誰ですか?」

 

水原「あぁ増援で来てくれた鈴木善治くん。えらい早かったね」

 

鈴木「まぁたまたま近くにいたからな。で、そちらの恥ずかしい発言を聞かれてしまった彼は?」

 

水原「うちのクラスの副委員長。ってか2人とも去年同じクラスでしょ」

 

鈴木「んー言われてみれば……」

 

副委員長「確かにそうだったかな……でも話したこと無かったはず」

 

鈴木「だよな。で、そんなほぼ初対面の俺にさっきの話を聞かれたと」

 

副委員長「あ……あぁ……」

 

鈴木「別に言いふらしたりしねぇよ。ただ『ふーん』ってだけで」

 

水原「まぁ言いふらさなくても知ってる人多いし」

 

副委員長「そんなはずは」

 

水原「だからあれだけ幸せそうに委員会活動してる時点でバレバレ。本人がなんで気付かないかなぁ」

 

鈴木「なるほどなぁ。まぁ確かに鈍感そうな感じはするけどまさかそんなことが本人の知らないところでなぁ」

 

副委員長「なっ……あっ……」

 

水原「まぁこれがまぁヘタレでもう2年半にもなろうというのに何もせずでなぁ」

 

鈴木「なるほどなぁ。言わなきゃ気付かないのに言えてないってわけかー」

 

副委員長「すまない他の作業があるからじゃあな」スタタタタ

 

鈴木「逃げるように消えたな」

 

水原「というか逃げたでしょ。居辛くなって」

 

鈴木「あーなんか悪いことしたかな」

 

水原「まぁ……あれだけ良い人そういないから誰かにしとめられる前に動いた方がいいでしょ。本気なら」

 

鈴木「それは……言えるだろうけど。それは余計なお節介じゃないか?」

 

水原「かもねー」

 

鈴木「人によっては嫌がるからなぁー気を付けた方がいいぞ?」

 

水原「ういっす。まぁ一応、私も相手を選んでるつもりだけどね」

 

鈴木「そうか?」

 

水原「まぁ一応だけどね。それに高良みゆきさんの場合は才色兼備だしねぇ。ほかの男に出し抜かれる危険大アリなわけやしねぇ。」

 

鈴木「先手必勝……とでも言いたいみたいだな。」

 

水原「必勝とは言えないよ。どっかの誰かみたいにw」

 

鈴木「みずりんのことか?」

 

水原「さぁ?……ただ先手必勝って言葉は聞いたことあっても、後手必勝なんて言葉は聞いたこと無いし」

 

鈴木「まぁそうだな。」

 

水原「終わるにしても何にしても傷は浅いうちに……ってそれはもう無理だろうけどねぇ。後悔先に立たずとも言うし早く動くに越したことはないんだよ」

 

鈴木「2年半で早いとは言わない気はするがな」

 

水原「まぁそれはそうだけど。それは言わないお約束さ~。スピード命とか数打ちゃ当たるとかそんなことは言わないが投げなきゃ当たるものも当たらないしなぁ」

 

鈴木「なるほどな。で、当てない方が良いとかってことは」

 

水原「もちろんあるよ。」

 

鈴木「おい。今の説明全否定みたいになってるじゃねぇか」

 

水原「まぁまぁ。私が言いたいのは動くも動かないもケースバイケース。ただ後手後手だけは良くないってことだけだよ。」

 

鈴木「ふーん。」

 

水原「さて本題は、君はどうなんだ?って話だよ」

 

鈴木「あ?」

 

水原「最近、やけに熱心だとか聞いたよ?」

 

鈴木「何に?」

 

水原「ダイエット」

 

鈴木「俺が?」

 

水原「正確には柊かがみさんのダイエットを熱心にサポートしてる。」

 

鈴木(そもそもかがみがダイエットしてるのってバレて良かったっけ?)

 

水原「毎朝声かけに行ったり一緒に走ったりなんだかんだとやってると聞いたけども」

 

鈴木「……誰から聞いた?」

 

水原「さて誰でしょう?……まぁダイエットしてるのも毎朝来てるのも知ってる人なんてそんなにいないし分かるでしょ」

 

鈴木「なるほど……で、それで俺を揺すって口止め料でも取ろうって腹か?」

 

水原「いくらでケリつける?……じゃなくてですね」

 

鈴木「違うのか?」真顔

 

水原「あんた私をどんな目で見とるんや……」

 

鈴木「いや、つかささん関係他でやたら気前が良い反面、裏でえげつない集金でもしてるのかと」

 

水原「どんなイメージなんや……だいたい柊かがみさんがダイエットしてる情報を流したところでメリット無いし、そんな命知らずなことしません」

 

鈴木「かがみはそんなお前を切り刻んだりしねぇよ」

 

水原「いや、そっちじゃなくて。つかちゃんに『鈴木くん以外には言わない約束だったよね?なんで約束破ったの?』とか言われて嫌われたら生きていける自信ない。死ぬ。」

 

鈴木「そっちか。で、揺すりじゃないならなんなんだ?」

 

水原「要は我々、同じ穴のムジナじゃないかと」

 

鈴木「どういう意味だ?一応、俺はみずりんとは同類ではないはずだが……」

 

水原「なんか引っかかる言い方やな……で、自覚無しか」

 

鈴木「なんなんだよ、さっきから!もったいぶらずに言えよ」

 

水原「え?私が怒られてる流れなの?……まぁいいや。なんで君はそんなに熱心に柊かがみさんのダイエット……いや、ミスコンそれ自体を応援してるん?」

 

鈴木「ん?なんでって言われると……」

 

水原「学校にいる間だけでなく家に帰ってからも登校前も。要は四六時中いつも」

 

鈴木「んな大げさな」

 

水原「まぁ四六時中は大げさだけどそれに近くありませんか?」

 

鈴木「そうか?……まぁ確かにちょっとやり過ぎかなと思うかもしれなくもないかもしれないが……」

 

水原「なんでそこまでするんか。その理由を考えたことは?」

 

鈴木「ないなぁ。なんとなくデジャヴは感じるし一瞬、疑問に思ったこともあったけどまぁルーチンワークになってるからだと」

 

水原「もうルーチンワーク化してるってまぁまぁ重症じゃん……」

 

鈴木「重症ってなんだよ。だいたいお前だってつかささん関係で色々やってる……ん?」

 

水原「まぁ私は本人知ってるし、ある意味開き直って色々暗躍したり見えるところでも活動したりしてますけど……何か気付きました?」

 

鈴木「いや……」

 

水原「気付いたよね?まぁ私が今日言いたいのはそれなのさ」

 

鈴木「………」

 

水原「安心しなよ。言いふらしたりはしないし。ただ今一度考えるんだね。どういう進路を考えてるかは知らないがこのまま半年後には卒業して……もしかしたら疎遠になったりするかもしれない。このまま流れに身を任せてその程度の人付き合いで終わらせていいのか。」

 

鈴木「……やっぱりお節介だなお前。仮に俺がかがみとどうなっても特に関係ないだろ?」

 

水原「関係無い……かどうかは風が吹かなきゃ分からない。私は自分が有利になる可能性が1パーでもあれば動くだけさ。」

 

鈴木「ふーん……」

 

水原「さて、私は作業終了~」

 

鈴木「え!?はやっ!ずっとしゃべってなかったか!?」

 

水原「しゃべるのは口動かすだけだし作業は手を動かすだけだから。じゃ後よろしく~」

 

鈴木「え?」

 

水原「私、まだ自分の作業あるのに委員会に捕まったからさ~。じゃね~。作業終わったら委員会の黒部さんから指示仰いどいて~」

 

鈴木「ちょっおい!」

 

 

―バタン

 

鈴木「マジかよ……ってかこんな話されて明日かがみと顔合わせるとき、どうすっかなー……」

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす」

あきら「ねーねー!疑問に思ったんだけど!」

白石「どうしたんですか?あきら様?」

あきら「黒部って誰?」

白石「あー……」

あきら「いきなりなんか知らないのが出てきたよね~」

白石「これ、作者からの情報なんですが」

あきら「前回は本人来たのに今回は白石に伝えるだけって」

白石「意味わかんないですよね」

あきら「で?」

白石「あーそれで、2年生を投入したかったらしいんですが」

あきら「ほう」

白石「もともと委員会関係者をひっぱるってことで八坂さんにしようかと思っていたそうなんです。」

あきら「ほー」

白石「ところが八坂さんは生徒会会計だから引っ張ってくるのも難しいとなりまして」

あきら「まぁ言われてみれば会計だしアニ研の部長が夜遅くまで生徒会の仕事をしてるのは変かー」

白石「で、仕方がないのでわくわくろっこもーしょんの黒部さんを引っ張ってきたんです」

あきら「なんでモブポジションに他作品の準メインをもってくるんだよ」

白石「それは今度あずきシティさんが来た時に聞いてください」

あきら「やだ。多分忘れてる」

白石「アハハ……まぁモブだからキャラクターの色も出ないし逆に他作品からゲストにしやすかったのでは?」

あきら「ふーん、まぁどうでもいいやー。ってことで今日はここまで」

白石「では次回もぜひ!」

あきら・白石「ばいにー!!」


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[第92話]アンジャッシュ

―翌朝 教室

 

かがみ「おはよう」

 

鈴木「あぁおはよう」

 

かがみ(なんか私不自然なところなかったかしら。つかさが変なこと言うから妙に気になっちゃって)そわそわ

 

鈴木「ん?そわそわしてどうした?」

 

かがみ「い、いやっ……何でもないわよ!?」

 

鈴木「そうか……」(何でもないか……そうは見えないのは俺の気にしすぎか?いや違う……まさかみずりんに何か吹き込まれた?)

 

かがみ「鈴木くんこそ顔赤くない?風邪?」

 

鈴木「はい!?多分、気のせいだうん」

 

かがみ(つかさが言ってるように私が気になってるからとか?って自惚れるのはよそう……)

 

鈴木(俺は昨日のみずりんのせいで変になっちゃったのかな……)

 

―キーンコーンカーンコーンスープ

 

かがみ「じゃあまた後でね」

 

鈴木「あぁうん」

 

 

 

―授業中

 

教師「要はーこのあたりの温暖な気候がー」

 

鈴木(やべぇ……考えないように考えないようにするほど考えてしまう。授業が頭に入らねぇ)

 

教師「要は生暖かいからこそのー」

 

かがみ(生暖かいか……鈴木くん本当はダイエットしても無駄なのにとか思いながら生暖かい目線だったりするのかしら……)

 

教師「安い労働力を使うけどーまぁ現地の人は仕方なくやってるだけでー」

 

鈴木(俺とも話すから仕方なく話してやってるだけだったりするのかな……)

 

教師「まぁ嫌々だが拒否権は無いからそうするしかないと」

 

かがみ・鈴木(嫌々だけど仕方ないみたいなことなのかな……)

 

かがみ(ただ鈴木くんに嫌われる要素って……無いわよね?)

 

鈴木(もし嫌われるなら嫌われてもいい……はずなのに何故)

 

かがみ(鈴木くんに私のことどう思ってるか聞けたら逆に吹っ切れるのになー……つかさが言うように素直にはやっぱりなれないわ……)

 

鈴木(とりあえず今は考えずかがみがダイエットうまくいってミスコンで優勝することを考えよう。……みずりんに言わせればミスコンに優勝してほしいと考えたりそのために協力しているのは俺がかがみを好きだから……か。確かに否定は出来なかった……)

 

教師「結局はー持って生まれた財(モノ)で決まるということだ」

 

みさお(なんかこの教師うぜぇなー)

 

 

―放課後 職員室

 

鈴木「失礼しますー」

 

石橋「おぉ、ええとこに来たな」

 

鈴木(ゲッ……)

 

石橋「黒井先生に用事やろ?」

 

鈴木「は、はい……」

 

石橋「黒井先生から伝言。『鈴木、今に見とけ!ウチはあの薬で見返したるからな!』」

 

鈴木「あ、はい」

 

石橋「これだけ言い残して黒井先生ソッコーで帰ったで」

 

鈴木「マジっすか」

 

―職員室前

 

鈴木「ということで黒井先生がいないんでダイエットなどの話し合いが職員室の中でできないみたいです」

 

かがみ「へー」

 

みゆき「そうなんですか……」

 

鈴木「まぁ言ってももうアレしろコレしろって言うことも無いかとは思うんで……今日は解散でいいか?」

 

みゆき「はい、あの……本番が近づくにつれて委員会の準備が間に合わない焦りがありまして……まさに猫の手も借りたい状況なんです」

 

かがみ「大変ね……手伝おうか?」

 

みゆき「え!?良いんですか?」

 

かがみ「もちろんよ。」

 

みゆき「ありがとうございます!では、体育館にお越しください。」

 

鈴木「俺も帰っても暇だし手伝うよ。」

 

みゆき「ありがとうございます。では鈴木さんも体育館へお願いします」

 

鈴木「うぃっす」

 

―体育館

 

みゆき「すいません、体育館まで来ていただいて恐縮ですがお二人は印刷室に行っていただけませんか?」

 

かがみ「良いわよ」

 

鈴木「印刷室で何をするんだ?」

 

みゆき「金券やチラシなどを印刷して裁断などして用意していただきたいのです」

 

鈴木「なるほどな」

 

みゆき「必要な部数などは印刷室に資料がありますので印刷と適切なサイズに切っていただくところまでしていただけるとありがたいのですが……」

 

かがみ「分かったわ。終わったらみゆきに言えばいい?」

 

みゆき「はい。それでお願いします」

 

―印刷室・数十分後

 

鈴木「まさか印刷はすぐできても……」

 

かがみ「紙を切るのに時間がかかるとは思わなかったわね……」

 

鈴木「俺、てっきりアレあるもんだと思ってたんだが……」

 

かがみ「アレ?」

 

鈴木「ほら、先生が使ってるアレ。あのシュパッと切る感じの」

 

かがみ「あぁ~アレね。名前分からないけど……確かにアレはあると思ってたわ」

 

鈴木「まさか1枚1枚ハサミで切らなきゃいけないとはなぁ……」

 

かがみ「あのさ……」

 

鈴木「ん?」

 

かがみ「いや、なんでも……」(あれ?2人の時っていつもどんな話題で話してたっけ?)

 

鈴木(なんとなく気まずいな……)

 

かがみ(どうしよう……話が続かないわ)

 

鈴木「ん?……このチラシ……」

 

かがみ「何?………お悩み相談?」

 

鈴木「文化祭1日目限定……2日目はクラスの手伝いをしてるので無理……か」

 

かがみ「なんかすごいざっくりしてるわね」

 

鈴木「かがみどうだ?なんか最近、悩み?かなんか分からんが思い詰めたりしてないか?」

 

かがみ「えぇ!?いや……そんなことは……多分無いわよ?」

 

鈴木「多分かよ」

 

かがみ「そういう鈴木くんは?」

 

鈴木「俺は……うーん……無いかな」

 

かがみ「変な間があったわよ?」

 

鈴木「……お互いに悩み相談に行くだけ行っても良いかもしれないな」

 

かがみ「……ちなみに場所は?」

 

鈴木「ん~と……校内のどこか……?」

 

かがみ「適当ね」

 

鈴木「適当だな」

 

かがみ「……。」

 

鈴木「まぁとりあえずチラシ作りを今はするか」

 

かがみ「そうね」

 

 

 

―数十分後

 

かがみ「なんとか切り終わったわね」

 

鈴木「だな。しかしまぁこうしてチラシばっかり見ると面白そうなイベントが多いもんだな」

 

かがみ「まぁチラシの時点で面白くなさそうだったらそれはそれでマズいと思うけど」

 

鈴木「まぁそうだが……コレに関してはなかなかやばそうだと思うけどな」

 

かがみ「え?あー……悩み相談ね……。」

 

鈴木「逆に気になると言えば気になるが……それが狙いなのか?」

 

かがみ「うーん……私には何も考えてないように見えるわよ?」

 

鈴木「奇遇だな。俺もそっちの可能性が高いと思うぜ。まぁある意味面白そうだから俺は行ってみようかな、とは思っているが」

 

かがみ「ん?なんか悩みでもあるの?」

 

鈴木「悩み……というほどじゃ無いけどな。変な奴に変なこと言われてな」

 

かがみ「大丈夫?私で良かったら聞くわよ?」

 

鈴木「いや、いいよ」(というか本人に言えるか!)

 

かがみ「そう?」(私じゃやっぱりダメなんだ……)

 

鈴木(いや、いっそのこと本人に言った方がいいのか?……ってそれはさすがに中途半端だし)「いずれ答えが出たら……」

 

かがみ「そう?」

 

鈴木「へ?あ、うん」(ってアレ!?俺、どっから口に出してたんだ!?)

 

―コンコン

 

かがみ「ん?誰か来たわよ?」

 

鈴木「だな。どうぞー」

 

―ガチャ

 

水原「お疲れさまー」

 

鈴木(ゲッ……噂をすれば……)

 

かがみ「お疲れ。どうしたの?」

 

水原「いや、そろそろ作業終わる頃だろうから出来上がったチラシをもらってくるようにと実行委から頼まれて……」

 

鈴木「なるほど……確かに今、ちょうど終わったところだな」(にしても心臓に悪いタイミングだよまったく……)

 

水原「で、お二人に実行委から伝言です。」

 

かがみ「なんて?」

 

水原「『お疲れ様です。作業協力ありがとうございました。今日はお帰りくださって結構ですが、もしご協力していただけるのであれば体育館にお越しください』とのこと。要は帰っていいけど手伝ってほしいってことやね」

 

かがみ「よっぽど切羽詰まってるのね……」

 

鈴木「先生も残らなきゃならんのに大変だな……」

 

こなた「いやぁー先生は残業代目当てだったりするのかもよ~?」

 

水原「いや、それは無いね。サービス残業サービス残業!だって五時半前になったら先生方はタイムカード押しに行ってるし」

 

かがみ「それってどうなのよ……社会的に」

 

鈴木「というかいつの間にこなたはいるんだよ!?」

 

水原「ほんまや!いつの間に……?」

 

こなた「え?ついさっきだよ~。」

 

かがみ「あんたも随分、神出鬼没ね」

 

こなた「別にそんなことないよ~」

 

かがみ(発言には気をつけなきゃ……)

 

鈴木(というかみずりんがなんだかんだ言うのはこなたの差し金か……?)

 

かがみ「で、何しに来たのよ?」

 

こなた「ん~?私がおジャマ虫だから怒ってる~?」

 

かがみ「そんなことないわよ!」

 

鈴木(ないのか……うれしいような悲しいような……まぁうれしくはないが)

 

こなた「私はみずりんに用があってね~」

 

水原「え!私!?何珍しい……」

 

こなた「いやいや台車忘れてたじゃん。みずりん、そのチラシとかパンフとかどうやって運ぶのよさ?」

 

水原「ん?……あ~!すいません、ありがとうございます」

 

こなた「で、これはみゆきさんから」

 

水原「何コレ……タスクリスト?」

 

こなた「いやぁ本当は私が頼まれたんだけどね。私、バイトあるからさ~。みゆきさんに言ったら代わりにやってくれる方を探してくださいって」

 

水原「で、私か……」

 

こなた「うん!よろしくね~」

 

水原「いや、まだ引き受けるとは……」

 

こなた「台車持ってきてあげたじゃん~それにこの場で言われたら困ることあるんじゃないの~?」

 

かがみ(何か弱み握られてるのかしら?)

 

鈴木(あのことか……)

 

水原「……分かりました。引き受けます」

 

こなた「うむ、じゃよろしくね~。真面目にやってればイイことあるよ~」

 

水原「はいはい……」

 

こなた「あ、信じてないね~?まぁいいや!じゃっ!」

 

鈴木「……なんというか……色々大変だな」

 

水原「まぁね……じゃあ私はこのチラシ運ぶんでここは私に任せてお二人はどうぞご自由に~」

 

鈴木「ご自由にって……お前なぁ」

 

水原「私は『帰るか体育館行くかはご自由』って意味だったんですけども?」

 

鈴木「ぬっ!?」

 

水原「ではでは~………あっ」

 

かがみ「どうしたのよ」

 

水原「すいません。私が立ち去る流れですけど私はここで作業ですので……」

 

鈴木「なるほど。かがみ、みずりんは俺たちが邪魔だと言いたいらしい」

 

水原「私はそんなトゲのある言い方はしてませんけど?」

 

鈴木「そうか?まぁいいや。かがみ、俺たちはどうする?帰るか?まだ手伝うか?俺はこの後予定もないし、もうちょっと残っても良いかなとは思うけどな」

 

かがみ「じゃあ私も残ろうかしら……予定もないし」

 

鈴木「ん?『じゃあ』って別に無理に俺に合わせなくて良いぞ?」

 

かがみ「あっ!…別にそんなんじゃないわよ!?このままじゃみゆきが大変じゃない!?」

 

鈴木「あ、あぁそうだな。すまんすまん」

 

かがみ「あ、ごめん……なんか嫌な感じだったわよね?」

 

鈴木「ううん、そんなことはない。」

 

かがみ「そう?」

 

鈴木「大丈夫だ」

 

水原(目の前でイチャつかれると気分よくないなー……)

 

鈴木「あ、そうだ。みずりん、タスクリストってどれくらいあるんだ?」

 

水原「え?あーえっと……体育館のステージ建設と正門の受付テント準備とグランド整地と内線電話設置とそれから……」

 

鈴木「ってめちゃくちゃあるな……」

 

水原「どれも強制ではないけど人手が無いとかで……」

 

鈴木「仕方ないな。じゃあこれから体育館行くわけだし体育館のステージ建設は引き受けるよ」

 

かがみ「え?」

 

水原「えぇ!?」

 

鈴木「ってそんなに意外か?」

 

かがみ「いや、そうじゃないけど……」

 

水原「マジでいいんですか?」

 

鈴木「あぁ。というかコレから体育館行くってことは俺たちも多分ステージ建設だろうし」

 

かがみ「言われてみればそうかもね……」

 

鈴木「だからみずりんはより人がいなさそうなとこの応援行ってくれ」

 

水原「お、おう……」

 

鈴木「じゃかがみ、体育館行くか」

 

かがみ「あ、うん!」

 

水原「お達者でー………ってコレ、ぼっち作業ルートかな……」

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす」

あきら「さぁアンジャッシュ現象入りましたー!!」

白石「まぁそういうすれ違いあると思いました」

あきら「まぁマンネリというか予想できるというか。あっ!でも!!そこがまたいいんですよねー♪」

白石「え?どうしてんですかいきなり・・・あっ・・・そうですよね~!いいですよね~!おもしろいですもんね!!」

あきら「それにここから誤解が解けていくのも楽しいですしね♪」

白石「そうですね♪」

あきら・白石「あはっはっはっはははっははっは」

あきら「では、みなさん!」

あきら・白石「ばいにー!!」




あずきシティ「ワイが見てるの見た瞬間、急に態度変えよったな……」


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[第93話]補正が足りない

―体育館

 

みゆき「分かりました。ではお二人も体育館のステージ建設をお願いします。」

 

かがみ「分かったわ」

 

鈴木「おー任せとけ」

 

つかさ「おねーちゃん!鈴木くーん!」

 

鈴木「ん?」

 

つかさ「こっち!こっちー!」

 

かがみ「つかさ?どうしたのよ?」

 

つかさ「え?私も手伝ってってゆきちゃんから頼まれちゃった~」

 

みゆき「はい、お願いしました。つかささんもよろしくお願いします」

 

つかさ「うん!」

 

かがみ「へ~まさかつかさまで駆り出されてるとは……」

 

鈴木(こなたがみずりんに言ってたイイことってこれか……)

 

かがみ「ん?鈴木くん?どうしたの?」

 

鈴木「いや、悪いことしたかなー……って思って」

 

かがみ「何が?どうして?」

 

鈴木「ん?あっ……いや、なんでも……」

 

かがみ「ふーん……で、つかさ、私たちは何をしたらいいの?」

 

つかさ「あ、お姉ちゃんと鈴木くんもペンキ塗るのを手伝ってくれない?」

 

鈴木「ペンキ?」

 

つかさ「うん。ステージの足が目立つのが嫌だから黒く塗るんだって」

 

鈴木「へ~」

 

かがみ「なんかそこにこだわる意味あるのかしら……」

 

鈴木「どうだろな……」

 

つかさ「とりあえず塗ろうよ~。ステージの足以外にもペンキ塗るところがいっぱいなんだけどさっきまで私一人だったから全然進まなくて……」

 

かがみ「分かったわ。それじゃさっさとやりましょ。」

 

鈴木「多分、塗る意味考えても分からなそうだしな」

 

 

 

―数十分後

 

かがみ「つかさー、そっちはどう?」

 

つかさ「足は塗り終わったよー」

 

鈴木「次はどうするんだ?」

 

つかさ「えーと……ペンキはもう使わないかな。あとは倉庫から階段とかマイク持ってきたりして設置するくらいかな」

 

鈴木「なんか結構、重労働だな……」

 

かがみ「仕方ないわね。ちゃっちゃと終わらせましょ」

 

つかさ「うん!……そういえばお姉ちゃんたちは二人で来たけど何かあったの?」

 

かがみ(ゲッ……)

 

鈴木「ん?俺たちも頼まれて別の作業してたんだけどな。そっちが終わってこっちを手伝いに来たんだよ」

 

つかさ「そうだったんだ~。」

 

かがみ「とにかく!早く終わらせて帰りましょ!」

 

つかさ「あ、うん!そうだね」

 

鈴木「だな」

 

 

 

―1時間後

 

かがみ「やっと終わったわね……」

 

つかさ「うん」

 

鈴木「もう6時半か……結構やったもんだな」

 

かがみ「そろそろ帰っても大丈夫かしら?」

 

黒部「大丈夫です」

 

かがみ「わっ!びっくりしたわね……えーと……」

 

黒部「実行委員会の黒部と申します。」

 

つかさ「あ、黒部さんだ~」

 

黒部「柊さんもお二人もお手伝いありがとうございました。用事もあるかと思いますので今日はお帰りくださって結構です。本当にありがとうございました」

 

鈴木「いやいやどういたしまして」

 

つかさ「じゃあお言葉に甘えて帰ろうよ~」

 

かがみ「そうね」

 

黒部「お疲れ様でした」

 

 

 

―バス車内

 

鈴木「やっと今日も終わったなー」

 

かがみ「そうね~」

 

つかさ「明日はリハーサルだっけ?」

 

鈴木「だなー。俺は特に……あ、そういえばかがみはミスコンのリハーサルあるんだっけ?」

 

かがみ「へ?うん一応……」

 

つかさ「明日は着るんだっけ?」

 

かがみ「え?……あっ」

 

つかさ「スゴいんだよ~?お姉ちゃんのドr……モゴモゴモゴ」

かがみ「つかさ!余計なこと言わなくていいから!」

 

つかさ「え~……」

 

かがみ「それにリハーサルは制服!」

 

つかさ「あ、そうなんだね」

 

かがみ「だから鈴木くんも今のつかさの発言は気にしちゃダメよ」

 

鈴木「ん?んん……」

 

つかさ(お姉ちゃん、なんで隠すんだろう……)

 

かがみ(ダイエットの結果次第では着ないかもしれないのに……!言えるわけ無いわよ!)

 

鈴木(多分、今隠したのってドレスの件だよな……あそこまで言ったらバレバレじゃん)

 

つかさ「あ、そういえばお姉ちゃん。今日、お父さんとお母さんは夜出かけるんだったよね?」

 

かがみ「そういえばそうだったわね」

 

つかさ「私、晩御飯の材料買って帰りたいんだけど……」

 

かがみ「ん?良いわよ?」

 

つかさ「あ、そうだ鈴木くん。せっかくだし、今日手伝ってくれたお礼もしたいから良かったら一緒に晩御飯どうかな?」

 

かがみ「!?」

 

鈴木「ん?」

 

つかさ「うちで食べていかない?予定があったらいいんだけど……」

 

鈴木「いや、予定はないな」

 

つかさ「じゃあせっかくだし……」

 

鈴木「本当にお邪魔していいのか?なんかここんとこよくご馳走になってる気がするが」

 

つかさ「いいよ~うぇるかむ~」

 

かがみ「え?ちょっ?え?え?」

 

鈴木「かがみ、嫌なら嫌って言ってくれよ?」

 

かがみ「え……嫌じゃないけど……無理してない?」

 

鈴木「別に」

 

かがみ「じゃ、じゃあ……来たら?」

 

鈴木「はい、お邪魔します」

 

つかさ(こなちゃん、これで良いんだよね!?)

 

 

―数時間前・体育館―

 

こなた「つかさごめん~私バイトあってさ~」

 

つかさ「ううんいいよ。頑張ってね!」

 

こなた「うぃ~。あっ、私の代わりはちゃんと手配するから~」

 

つかさ「ありがとう~。私も今日お母さんいないから晩御飯作ったりしないといけないしちょっと早く帰りたかったんだ~。でも私の手伝い頼むのも悪いかも……」

 

こなた「別に悪くないと思うけど……じゃあさ提案なんだけどさ~」

 

つかさ「どうしたの?」

 

こなた「もし良かったら手伝いのお礼代わりに私のピンチヒッターにも晩御飯作るくらいのお礼をしてあげたら?多分、かなり喜ぶと思うよ?」

 

つかさ「あ、それいいかも~。でもさすがに知らない人は……」

 

こなた「大丈夫だよ~つかさの知らない人を私が呼ぶわけ無いじゃん~」

 

つかさ「あっ、そっか~こなちゃんありがと~」

 

 

 

―19時・コンピューター室

 

水原「次はここか……ん?携帯に電話?……はい?」

 

こなた(電話)「やふ~みずりん何してる~私にちゃんと感謝してる~?」

 

水原「どっかの誰かに仕事押し付けられて今からコンピューター室の内線電話設置。あと15ヶ所残ってる」

 

こなた「え!?……優先順位は体育館のステージ建設だよね?」

 

水原「ん。鈴木くんが『じゃあこれは俺がやってやる』みたいな感じで柊かがみさん連れて体育館に行った。だから私は内線電話を設置する仕事してる。」

 

こなた「あちゃー……みずりん、ごめん」

 

水原「何が?」

 

こなた「いや、気にしないで。言ったらみずりん凹むから」

 

水原「……なんか釈然としないな……」

 

こなた「きっとみずりんには主人公補正が足りなかったんだよ……」

 

水原「またそれか……じゃあバイト頑張れよ」

 

こなた「うん」

 

 




-らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるです。」

あきら「鈴木くん朝、お邪魔したから今度は夜お邪魔しに行くんですね!!」

白石「楽しそうですね!!!いいですね!!!青春ですね!!!!」

あきら「心をつかむには、まず胃袋からってことですね!!」

白石「そうですね!!!」

あきら「・・・ってさー、これはさすがに運命のいたずらにしてはキツイよね?」

白石「へ?」

あきら「いやさー、これ悪魔のような話だよ?気づいてないの?」

白石「何がです?今回も鈴木君がハッピーエンドに向かうってだけですよね??」

あきら「いやいやwwこれあれだよ、泉こなたが柊つかさを動かして仕組んだわけじゃん。」

白石「そうですね」

あきら「それは、鈴木をどうかするんじゃなくて仕事ばっかり押し付けられてる水原にご褒美ってつもりでしょ?」

白石「えぇ!?そういう解釈ですか!?」

あきら「だって泉こなたは『頑張ってたらイイことある』って前回言ってるし、これで水原が体育館に行くように仕向けたんでしょ?」

白石「言われてみれば……」

あきら「その水原にとって珍しく楽しそうなイベントを、わざととかではなく鈴木氏がかっさらっていってるんだよね」

白石「お、おぅ・・・・」

あきら「だからこなたは『主人公補正が足りない』って言ってるんだよね」

白石「なるほど・・・」

あきら「まぁこれはこれで水原が真相を知ったら、面白い関係に発展するね~」

白石「あ~男同士の熱い燃える戦い!!!」

あきら「どちらかというとギットギットの脂っこい戦いかもね」

白石「それは……ありそうで怖いですね」

あきら「まぁおもしろそうで良いじゃん」

白石「さぁて今日あこのあたりでお時間ですね」

あきら「お?もうそんな時間?じゃあせーの」

あきら・白石「ばいにー!!」


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[第94話]結局ヘタレった

―柊家

 

かがみ・つかさ「ただいま~」

 

いのり「おかえり」

 

まつり「遅かったじゃん。もうお腹ぺこぺこだよー」

 

鈴木「お邪魔します」

 

いのり「え?」

 

まつり「お……おう」

 

鈴木「あっ、はじめまして……鈴木と申します」

 

いのり(あっ……)

 

まつり(噂の……ってえぇ!?)

 

つかさ「えっとね、体育館の私の作業を手伝ってくれたお礼に呼んだんだ~」

 

いのり「あっ、そうなんだ……」

 

かがみ「そういうことなの。つかさがせっかくだからって言うし……」

 

まつり「ふーん……まぁゆっくりして行ってよ」(イロイロ話も聞きたいし)

 

鈴木「あ、はい。お邪魔します。」

 

つかさ「あ私、晩御飯の準備するからお姉ちゃんたちと鈴木くんは居間で待ってて」

 

 

 

―柊家 居間

 

鈴木(何だろう、妙に気まずい…)

 

まつり(イロイロ聞きたいけどかがみいるし聞きにくいなー……)

 

かがみ(姉さんたちが変なこと言い出さないか不安だわ……でも自分から何か言って墓穴掘りたくもないわね……)

 

いのり(つかさを手伝えば良かったかな……気まずいし何を話したかは後でまつりから聞けば良かったんだし……)

 

かがみ(いつもこんな静かじゃないのに……鈴木くん気を悪くしないかしら?)

 

鈴木(このまま黙っててもダメだよなぁ……"あの件"関係なく人として……)「あ、あの……」

 

かがみ・いのり・まつり「!?」

 

鈴木「ごめんなさい。自己紹介が遅くなって……鈴木善治と申します。いつも2人にはお世話になっています」

 

いのり「あっ……どうも……」

 

まつり「こちらこそ……」

 

かがみ「うーん……姉さんたちも自己紹介したら?」

 

いのり「あっ……柊いのりです。普段はOLと巫女の手伝いをしています」

 

まつり「柊まつりです。えーと普段は大学生してます」

 

鈴木(なんか事務的な挨拶になってしまったなぁ……)

 

かがみ(姉さんたちがなんでそんな緊張するのよ!?鈴木くんが変に勘ぐったらどうするの!……とは言えないわね……)

 

まつり「えーと、今日はつかさが誘ったんだよね?」

 

鈴木「え?えぇ……」

 

まつり「ってことはもしかして……鈴木くんはつかさのことが好きなの?」

 

かがみ「!?」

 

いのり「え!?ちょっ……?」

 

まつり「前から気になってたんだよね……つかさが好きでつかさに告白までした人がいるらしいって」

 

鈴木「それは俺じゃないですね。」

 

かがみ(ほっ……)

 

まつり「って誰かは知ってるの!?何?誰?どんな人?」

 

かがみ(そういえばその話。つかさから聞いたこと無いし気になるわね……)

 

鈴木「あー知ってますけど……口止めされてるんで言えないですね」

 

かがみ「え?鈴木くん知ってたの!?」

 

鈴木「え?あぁ……ってかがみは分からないか?口止めする意味無いくらいだと思うんだが……」

 

かがみ「うーん……分からないわね……誰かしら?」

 

鈴木「まぁあくまでも俺からは言えないけど……ホントに分からないか?」

 

かがみ「うるさいわね!鈍感で悪かったわよ!」

 

鈴木「あ、ゴメンゴメン。かがみが鈍感だって言いたいわけじゃなくて……ただまぁ本人はかがみにバレるのを怖がってたしなぁ……すまん、俺からは言えないな」

 

かがみ「いや、良いわ。……ごめんね?この話題はもう終わりましょ?」

 

鈴木「だな。不用意にバラすとマズいし」

 

まつり「じゃあさー鈴木くんはどうなの?彼女とかいる?」

 

かがみ「ちょっ!?姉さん!?」

 

まつり「えーだって高校生男子にそんな質問する機会もないしサー」

 

いのり「それはいつもじゃん」

 

まつり「姉さんだって人のことは言えないじゃん!……で、どうなの?」

 

かがみ「鈴木くん、気にしなくて良いわよ?」

 

まつり「そんなこと言ってー。かがみも気になってるクセに」

 

かがみ「そっ、そんなことは……」ゴニョゴニョ

 

まつり「ほらー鈴木くんどうなのよ?」

 

鈴木「まぁ……彼女はいないですね。」

 

いのり「へーそうなんだ」

 

まつり「じゃあさ、私なんてどう?」

 

鈴木「はい?」

 

かがみ「ちょっ!?姉さん!?何言ってるのよ!?」

 

まつり「だって良い人そうだしもったいないじゃんー。」

 

かがみ「そうかもしれないけど……だからって姉さん言って良い冗談と悪い冗談が」

 

まつり「ダメかー?じゃあかがみはどう?ちょっとキツいこと言うけどいい子だよー?」

 

かがみ「姉さんってば!」

 

まつり「だってかがみも鈴木くんが」

 

かがみ「言ってないわよ!……鈴木くん今の忘れて!まつり姉さんはよくノリで変なこと言うだけだから」

 

鈴木「お、おぅ……」(って言われてもさすがに今のを忘れるのは無茶だ)

 

かがみ「もう!鈴木くん迷惑してるじゃない!」

 

鈴木「いや、まぁいいけど……普段から俺の話題してるんですか?」

 

まつり「ん?いやーちょいちょい顔出してくれてるからそれで」

 

鈴木「あぁ……はい」

 

まつり「正直、かがみをどう思ってる?」

 

鈴木(どうしよう……みずりんから言われたことを言ってみるか?)

 

つかさ「お待たせ~。バルサミコ酢~♪風味からあげを作ってみたよ~。お口に合うと嬉しいな……ってみんなどうしたの?」

 

かがみ「どうもしないわ。せっかくだし冷めないうちにはやくいただきましょう。」

 

鈴木「お、そうだな。いただきます。」

 

まつり(核心はつけないまま誤魔化されちゃった……鈴木くんの友達とか紹介してもらいたかったのに……)

 

鈴木(あそこで言えたらなぁ……なんだかんだ俺もヘタレか……)

 

 

 

―玄関

 

鈴木「ありがとう、ごちそうさまでした。」

 

つかさ「どういたしまして~」

 

かがみ「じゃあまた明日ね」

 

鈴木「あぁ、また明日な」

 

つかさ「ばいばーい」

 

 

 

 

―電車内

 

鈴木(俺、柊家で話題になってるのか……?そしてあの発言……あれはまつりさんのイタズラ……とは思うがスルーしてて良かったのだろうか……まぁ時間は巻き戻せ無いし仕方ない……のかな)

 

水原「おー」

 

鈴木「んん?みずりんか?今まで学校で作業だったのか?もう9時だぞ?」

 

水原「んー?今『まで』じゃなくて今『から』だよ」

 

鈴木「は?」

 

水原「いったん学校出て古野家でメシ食ったら遠方組と入れ替わって作業や」

 

鈴木「お……おう、大変だな……」

 

水原「そういうチミはなんでこんな時間に糖武鉄道に乗ってるんや?」

 

鈴木「えーと……寄り道しててだな……というか『チミ』ってなんだ?『チミ』って?」

 

水原「まぁノリで聞いてみただけで何してたかは知ってるんだけどね」

 

鈴木「ほぅ……。で『チミ』呼ばわりか……俺に非があるわけじゃないと思うんだが?」

 

水原「うんナイナイ。だから余計に悔しいのかもしれないね。卑怯な手を使われたわけでもないのに自ずと負けているのが」

 

鈴木「………。」

 

水原「楽しかったか?」

 

鈴木「まぁな……」

 

水原「そうだろうなぁ……楽しいだろうなぁ。あれだけ楽しそうな家族だもんなぁ」

 

鈴木「……なんなんだよ!はっきり言えよ!ネチネチゴチャゴチャ言うなよ!」

 

水原「うらやましいだけだよ!好きな女と飯食ってワイワイしてオマケに私の好きな子から手料理まで作ってもらって!……それで『俺は場の流れに合わせただけ』みたいな雰囲気出してるんじゃねぇよ!クソ野郎!!!恵まれた環境をもっと胸張って楽しんでくれよ!……それができない奴も世の中ゴマンといるんだからさ……」

 

鈴木「……それさー、楽しんでてもお前は良い顔しないよな?」

 

水原「まぁねー。するわけないじゃんHAHAHA」

 

アナウンス「みなさまーお疲れ様です。まもなく糟日部です。本日も糖武鉄道のご乗車ありがとうございました。」

 

 

―プシュー

 

水原「さて……そしたらまた明日な。」

 

鈴木「お、おぅ……」(結局なんなんだよアイツ……)

 

水原「あ、そやそや。後悔はしてからじゃ遅いからな」

 

鈴木(してからじゃ遅いから後悔なんだろ……何が言いたいんだか……)

 

アナウンス「扉が閉まりますー」

 

―プシュー

 

鈴木「まぁみずりんもこんな時間から登校とかで頭おかしくなっただけだろうな。そう思おう……」(にしても俺が何してたか知ってるのは妙な話だな……。なんで知ってるだ?さすがに柊家に盗聴器置いたりはしてないだろうし……)

 

こなた(回想)「真面目にやってればイイことあるよ~」

 

鈴木(あぁ……なるほど。こなたの仕込みで今晩は本当なら俺じゃなくて、みずりんが誘われていたのか……で俺へのあたりがきついと……ほとんど逆恨みじゃねぇか。ただの偶然なのに。それにそんなに本気なら飯食いに帰る時間に柊家に乗り込むくらいしろよ……)

 

水原(回想)「それができない奴も世の中ゴマンといるんだから」

 

鈴木(できないんじゃなくてやらないだけだろ……あ!)

 

水原(回想)「好きな女と飯食ってワイワイして」

 

鈴木(なんかみずりんの中で俺がかがみを好きなのが既成事実になってるじゃねぇか……まぁ否定はできないか……今は無性に寂しい……)

 

 

 

 

―学校・体育館・22時

 

水原「ばんわー」

 

石橋「おぅ、ホンマに来たんか。アホやなぁ」

 

水原「まぁねぇ……というか先生が呼んだのにその言い方ってどうなんですか?」

 

石橋「おっ、パワハラや。俺は傷ついた!」

 

水原「何言ってるんですか……」

 

石橋「まぁでもアホは事実やろ。ホンマは今頃もっとお楽しみタイムやったりするんちゃうの?」

 

水原「へ?」

 

石橋「あれ?泉が言うとったぞ?『久々に良いことしたから成績上げて』って。詳しく聞いたら……」

 

水原「いや、それ以上は良いですわ」

 

石橋「え?何?誰かに横からかっさらわれたん?」

 

水原「えぇまぁそんなところで」

 

石橋「ざまぁwwwwwメシウマwwww」

 

水原「ちっとは気遣いしてくれても」

 

石橋「嫌や、なんで気遣わなあかんねん」

 

水原「ですよねー」

 

石橋「よし、もう10時や。他の奴らは帰らせよか」

 

水原「了解です」

 

 

石橋「高良ー」

 

みゆき「はい、先生。何かご用でしょうか?」

 

石橋「よし、実行委員全員帰れ」

 

みゆき「え?ですが明日はリハーサルですし、今帰ったらステージの建設やあれやこれやが間に合わないのですが……」

 

水原「でも明日からリハーサルとか本チャンとかで実行委さんに倒れられたら困るし」

 

石橋「高良は今から帰ったら家に着くのは何時になる?後は、俺らがなんとかするから今日は帰れ」

 

みゆき「でしたら私は平気ですから他の皆さんは……それに文化祭は生徒のイベントですから先生方にお願いするわけにも」

 

水原「まぁまぁまぁ……そう言わずに今日くらいは」

 

石橋「はっきり言うけどな。高良が帰らんかったら他のみんなも帰れない。それに文化祭は『生徒のイベント』じゃなくて『学校全体のイベント』や。教師だろうが保護者だろうが客だろうが全体で作るもんやろ!?」

 

みゆき「先生……!」

 

石橋「だから、とりあえず今日は帰れ。ええな?」

 

みゆき「はい。……委員会の皆さん、集まってください。今日は……」トコトコ……

 

 

水原「先生たまにカッコいいこと言いますよね。"俺ら"に私が含まれてるのは若干、アレですけど。まぁちゃっちゃと残りの準備をやっちゃいましょうかー」

 

石橋「そうやな。じゃ頑張れよ」

 

水原「はい!……ってアレ?私一人っすか?」

 

石橋「当たり前やん。」

 

水原「文化祭は学校全体のイベントだって……」

 

石橋「おぅ。でも主役は?」

 

水原「……生徒?」

 

石橋「おぅ、そうやな。じゃあお前は?」

 

水原「……生徒です……」

 

石橋「おぅ。じゃあ頑張れよー」スタスタスタスタ……

 

水原「……やられた。良いとこの好感度だけ全部持ってかれた。しかもなんやかんや言って委員会みんな帰ってるし……チクショォォォォ!!!」

 

 

 

 

―シーン……

 

水原「……やるっきゃねぇな……」




-らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす。よろしくお願いいたします。」

あきら「結局、水原は真相に気づくんですね~」

白石「主人公補正が効かない分、鈍感さも無いんですね」

あきら「やっぱり脇キャラはきついですね~」

白石「しかも夜10時から学校で作業って……」

あきら「ブラック企業並みだね~」

白石「この後、彼どうなるんでしょうね」

あきら「ま、次回は体育館で朝を迎えるところから始まるんじゃない?うまくいけば主人公鈴木善治より出番があるかもよ~」

白石「まぁ……悲しい理由ですけどね」

あきら「ってことで(作中内で)明日はリハーサルだし楽しみですね!」

白石「文化祭本番が近づいてまいりましたねー!」

あきら「さぁ楽しみの時間は近づいてるぞー!!」

白石「おー!!」

あきら「ってことでー」

あきら・白石「ばいにー!!」


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[第95話]リハーサル開幕★

―明朝

 

水原「」zzz...

 

―パシャ

 

水原「」zzz...

 

―ピロリン♪

 

水原「……ん?………は!」

 

石橋「おはよう。」

 

水原「……おはようございます。……先生、スマホ向けて何してるんすか?」

 

石橋「え?動画撮ってる。」

 

水原「Why?なぜ……」

 

石橋「いや体育館の変死体みたいでおもろいから」

 

水原「おおよそ学校の先生の発言じゃないっすね?……イタタタタ体のあちこちが痛い……」

 

―ピピッ(動画撮影終了音)

 

石橋「そりゃ体育館の床で寝てたら痛いやろうなぁ。せめて寝袋とかで寝れば良かったのに」

 

水原「だったら先生が言いに来てくださいよ……」

 

石橋「ゴメンゴメン。職員室で徹マしてて気付いたら今やってん」

 

水原「はあ……何やってるんですか……」

 

石橋「何って徹マや。徹夜で他の先生と麻雀してた。俺が国士4回で庄司先生が小四喜と大四喜1回づつ……」

 

水原「いや、詳細を聞いてるわけではなく……しかも庄司先生とかよく知らないですよ」

 

石橋「そうか。そういえば多分、委員会の奴ら真面目やから始発乗ってそろそろ来るで。」

 

水原「あー……もうそんな時間なんですね。まぁ作業はだいたい終わったしいいか……」

 

石橋「なんやったら今から学校始まるまでどっかで寝とくか?」

 

水原「どっかって保健室ですか?」

 

石橋「いや、まだ天原先生おらんから保健室はアカンな。宿直室使え」

 

水原「了解っす……では……」

 

 

―1分後

 

石橋「って言って素直にどっか行くからアカンねんなぁ……世の中は『そう見える』ってのが大事やのに」

 

みゆき「おはようございます」

 

石橋「お、おはよう。早いな」

 

みゆき「えぇ、お言葉に甘えたとは言えやはり気になってしまい……つい始発で来てしまいました」

 

石橋「ご苦労さん。」

 

みゆき「あ!ほとんどの作業が終わっています!これはすべて一晩の間に?」

 

石橋「まぁな。」

 

副委員長「おはようございます」

 

石橋「おぅ」

 

みゆき「おはようございます。見てください!作業のほとんどが……!」

 

副委員長「終わってるね!先生すごいなぁ……」

 

石橋「まぁ後は最後の仕上げだけやから委員会に任せて良いか?」

 

副委員長「はい!」

 

みゆき「はい、あとは私たちがやります!先生、本当にありがとうございました!」

 

石橋(ほらな。何もやってない俺が感謝されたやろ。まぁ俺は『自分でやった』とは言ってへんけどな)

 

 

 

―数時間後・教室

 

黒井「うーす。いよいよ文化祭やなー。自分ら高校最後のイベントやからなー終わったら卒業式くらいしか無いねんからキバりやー。今日はリハやから自分の関係あるイベント以外は自習やでー。自習なんはウチがめんどくさいからとかやないからなー」

 

 

こなた「いや~いよいよここまできたねぇ」

 

つかさ「そだね~」

 

みゆき「感慨深いですね」

 

こなた「結局、かがみが同じクラスになることもなかったね」

 

つかさ「お姉ちゃんそれ気にしてたよー」

 

水原「まぁ親類縁者は同じクラスになりにくいし仕方ないねぇ」

 

こなた「うわっ、久々にニュルって出てきたね」

 

水原「せやね。最近、仕事が多くて自然に入るのが難しかったのよ~」

 

みゆき「そういえば最近、目にする機会が多かったように思います」

 

水原「でしょー?自分とこのイベントと実行委の手伝いとでやたら動いてたもん。」

 

こなた「あーみずりんも委員会の手伝いしてたね~。そういえばさー話変わるけどさ」

 

水原「ん?」

 

こなた「文化祭とかイベントはフラグ乱立が基本じゃん~」

 

水原「まぁ画面の中ではね」

 

こなた「いや、現実でもあるべきだよ~。みゆきさんはなんかフラグとか立った?」

 

みゆき「フラグ?旗ですか?」

 

水原「あー今の質問を一般人に分かりやすい表現にすると『特定の男性とイイ関係になりたいと思った?』ってことで」

 

みゆき「い、いえ!私にはそのような方はいませんので……」

 

水原「あるいは『特定の男性から言い寄られたりしてませんか?』と」

 

みゆき「それも残念ですがありませんね~……」

 

水原「ふーん」

 

つかさ「無いんだ~意外~」

 

こなた「意外と気づいてないだけなんじゃない~?」

 

みゆき「そのようなことは無いと思うのですが……」

 

こなた(ヘタレめ)

 

水原(ヘタレだな)

 

こなた「みずりんは……何もないよねぇ?」

 

水原「ないよ。あのー、人様の心配も結構ですがご自分はどうなんです?え?おい?」

 

こなた「いや~それがさっぱり~曲がり角でパンをくわえたイケメンとぶつかったりとかしないんだよね~」

 

水原「でしょうね。」

 

こなた「結局、ここにいる皆は文化祭でも浮いた話は無いってわけだね~」

 

みゆき「そうですね」

 

つかさ「そだねー」

 

水原「ま、ある意味私ららしいんだろうねー。」

 

こなた「ある意味ねぇ。そういえばここにいないかがみと鈴木くんは?そろそろフラグ回収なんじゃないの?」

 

つかさ「フラグ回収?」

 

水原「つまりそろそろ付き合う時期じゃない?ってこと」

 

みゆき「あのお二人はそういう関係なのですか?」

 

水原「いや、なんとなくそんな気がするだけ。でも最近、やたらあの2人一緒にいるような気がするし」

 

みゆき「言われてみれば……」

 

こなた「両想いだよねアレ」

 

つかさ「そうだっら素敵だよね~。でもお姉ちゃん、鈴木くんが好きとは言わないんだよね」

 

こなた「それはお馴染みツンデレ効果なんじゃないの?」

 

水原「あるいは鈍感とかね」

 

みゆき「鈍感……ですか?」

 

水原「一般的に鈍感は『自身が好意を寄せられていることに気付いていない』でしょ?」

 

みゆき「えぇ、そのような方はたまにいらっしゃるかと……」

 

こなた(それはみゆきさんのことだよ……)

 

水原「それよりアレというか厄介なのが『自身が好意を寄せ"ている"ことに気付いていない』パターンなのよ」

 

つかさ「お姉ちゃんもそうなのかな?」

 

こなた「あー可能性はあるかもね~」

 

みゆき「ちなみにそういう時はどうすればいいんですか?」

 

水原「分からん!……自覚させられたら楽なんだろうねぇ」

 

こなた「うわっ投げたw」

 

水原「まぁ無意識に好きなら意識したら気づくんじゃねぇかな?」

 

つかさ「だと良いよね~」

 

水原「さて、私はそろそろ用事があるので失礼しますわ」

 

こなた「はいはーい」

 

つかさ「じゃーねー」

 

みゆき「あ、私も委員会のお仕事があるので失礼しますね。」

 

 

 

―同じ頃

 

鈴木「はっくしゅん!」

 

かがみ「どうしたの?風邪?大丈夫?」

 

鈴木「いや、大丈夫だ。風邪とかじゃ無いんだが何故か、くしゃみがな」

 

かがみ「そう?……くしゅん!」

 

鈴木「かがみこそ大丈夫か?ここんとこ無理してるんじゃないか?」

 

かがみ「そんなことは無いはずだけど……くしゅん!」

 

鈴木「ってオイオイ……はっくしゅん!」

 

みさお「二人仲良く風邪なんじゃねーの?」

 

あやの「もしくは二人とも噂されてるとかかしらね?」

 

かがみ・鈴木「あっ」

 

あやの「?心当たりがあるの?」

 

かがみ(つかさが昨日のことをこなたとかに話してたりして……)

 

鈴木(こなたもみずりんも昨日のこと知ってるんだっけ……)

 

かがみ「いやー……無いわね。ね?」

 

鈴木「あ?うん、心当たりは無いな」

 

みさお「ヴァ?」

 

あやの(やっぱり何かはあったのね?)

 

みさお「なんか今、変な間がなかったかー?」

 

あやの「みさちゃん、特に何もなかったわよ?」

 

かがみ(峰岸!?)

 

あやの「さぁ私たちは私たちの文化祭準備をしましょ」

 

みさお「あやの?え?ちょっどこ連れて……」

 

あやの(柊ちゃん頑張ってね?)

 

かがみ(なぜにウインク?)

 

鈴木(峰岸さんは何かを察したような態度……か)

 

かがみ「あ、そうだったわ。私ミスコンのリハがあるんだった。」

 

鈴木「お、そういえばそうか」

 

かがみ「うん、ちょっと行ってくるわ」

 

鈴木「おぅ、頑張ってこいー」

 

かがみ「何を頑張るのよ……じゃあまたね!」

 

 

 

―1年教室

 

石橋「いよいよ明日やな」

 

水原「ですね。」

 

ゆたか「先生、良かったんですか?自由時間にして……」

 

石橋「ええんちゃう」

 

ゆたか「でも……」

 

みなみ「ごく一部のやる気のない男子が教室の端でスマートフォンゲームをしていますが?」

 

石橋「別にええよ。こういう時にそういうことしてる奴は所詮その程度ってだけやから。」

 

ゆたか「もしかして成績を下げたりするんですか!?」

 

みなみ「今、サボるのは悪いことですがそれは……」

 

石橋「そんなことせぇへん。俺が個人的にその程度の奴やと思うだけや」

 

水原「それって意味ないんじゃ……」

 

石橋「まぁな。ただ大概あぁいうやつは進路で失敗するで」

 

ゆたか「そうなんですか?」

 

石橋「あぁ、なんでかしらんけどな。だいたいそうなる。あ、進路って大学だけちゃうで。その後も含めてやけど」

 

ゆたか「その後?」

 

みなみ「……就職とかですか?」

 

石橋「そやな。学歴だけやないからな。就職とかのときにこういう時に適当やってるようなヤツは薄っぺらい人生がバレてまうってわけや」

 

ゆたか「へー……」

 

水原「見てきたみたいに言いますね。」

 

石橋「実際、いろんなヤツ見てきたからな。学歴は必要やけど、学歴だけあっても仕方ない」

 

水原「あ、学歴は必要なんですね。」

 

石橋「まぁな。ちなみに俺は高学歴やで」

 

水原「へーどこなんですか?」

 

石橋「いや言わんけど。まぁアレや。司法試験合格者数でトップ10に入るようなとこや」

 

ゆたか「すごいですね!」

 

水原「わぁ……意外ととんでもない大学出てますね」

 

石橋「そんな俺が今はなんでこんなとこで働いてるか分かるか?」

 

みなみ「こんなとこ……」

 

石橋「あっ、その言い方は良くないな。スマンスマン。」

 

水原「まぁ確かに生徒にとって良い学校でも先生にとってどうかは確かに謎……」

 

ゆたか「水原さん?『生徒にとって良い学校でも』ってどういう意味ですか?」

 

水原「だって週休0,5日で朝から終電まで働き詰めの残業代0って……」

 

石橋「残業代は0じゃない。たまに出る!」

 

みなみ「たまに……というのは良くないのでは……」

 

石橋「まぁだいたい水原が言ったとおり。で俺がこんなとこで働いてるんはなんでやと思う?」

 

みなみ「分からないです」

 

石橋「俺はな、就活に失敗したからや」

 

水原「わぁストレートに言ったなぁー……」

 

ゆたか「でも!でも!先生は今は先生してて良かったとかは思わないんですか?」

 

石橋「まぁ……この学校は嫌いやけど前におった学校よりマシやし、教師っていう仕事自体は好きやからな」

 

ゆたか「好きな仕事が出来たらそれは良いことだと思いますよ!」

 

石橋「そやなぁ」

 

水原「まぁ教師は好きだが社畜は嫌ってのが結論ですね。」

 

石橋「せやな。社畜やな。ウチ私立やし会社やから社畜社畜!」

 

ゆたか「しゃちく?お姉ちゃんがたまに言ってるけどどういう意味なんですか?」

 

水原「あぁいや、知らない方がいいかなぁ……」

 

ゆたか「?」

 

石橋「水原、言っとくけどな」

 

水原「はい?」

 

石橋「お前も社畜の素質あるで!」

 

水原「えぇ!?いやいやいやいや何をおっしゃいますやら……」

 

石橋「だってお前昨日の晩、お楽しみも捨てて徹夜で誰も見てへんのに文化祭の準備をやってたやろ?」

 

水原「まぁ……お楽しみは不慮の事故により召し上げられたのと、徹夜作業は先生にうまく丸め込まれたのが原因なんですよ?」

 

石橋「理由はともあれあれだけ出来れば社畜の素質十分!」

 

水原「私は認めませんよ?」

 

ゆたか「でも徹夜で文化祭準備はすごいですね!ありがとうございました!」

 

水原「いやいやそれほどでも~」

 

石橋「今の小早川の一言で、徹夜したんも『まぁええかなぁ』って思ったやろ?」

 

水原「……ええまぁ少しは……」

 

石橋「だから社畜の素質があるねんで」

 

水原「……。」

 

石橋「まぁ、安心せぇ、就職先無かったらお前の推薦状くらいは書いたるわ。俺が前おった学校くらいは入社させたる」

 

水原「いまの、ブラックトークを聞かせたうえでですか……」

 

石橋「ところでお前等は暇なんか?」

 

水原「あ!私は用事あるんでした!失礼します」

 

みなみ「私は何かやることがあるかと思って……」

 

ゆたか「あ、私もです」

 

石橋「じゃあ岩崎と小早川はとりあえず明日のための紙とか職員室に置いてるから頼むわな」

 

ゆたか・みなみ「はい」

 

 

石橋「さて俺は……まぁ適当にするかな」




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす!!!」

あきら「さぁ夜が明けましたね!!」

白石「きましたね!!やっぱり手柄を持っていかれる水原ww」

あきら「まぁ……あれは逆に配慮なんじゃない?」

白石「確かに。委員会が水原一人に仕事を投げて帰ったなんてなったら委員会の精神的な負担はでかいですもんね」

あきら「それを防ぐために石橋先生は『先生がやった』ように見えるようにした…?」

白石「まぁ……実際はそこまで考えてるか怪しいですもんね」

あきら「だっよねー!!」

白石「っていうか……これ水原分身してないですか?」

あきら「言われてみれば……3年の教室と1年の教室の二か所にいる……」

白石「こ、こぇぇ……ってこれはさすがに3年の教室を出て1年の教室に行っただけですよね?きっと」

あきら「多分な、まぁー分身しててもおかしくないけど」

白石「いきなり出てくるあたりもそうですね」

あきら「あれ?この作品ってほのぼの日常系ですよね?」

白石「そうですよね?まぁ番外編でゲーム世界に行ったりするので何とも言えませんけど」

あきら「あ、そっかー」

白石「ちなみにゲーム世界に行く番外編は鈴木善治不参加らしいですね」

あきら「柊かがみとキャッキャウフフの間の話だもんね」

白石「ってことは水原が代理主人公ですし異世界でイキイキする展開ですかね!」

あきら「ま、世界は変わっても人間の本質は変わんないよ」

白石「なんか深そうなこと言いますね」

あきら「私だって芸能界に入っていなくてもどうだったかなーとは思うもんねー」

白石「そうなんですねー。進路って大事ですね」

あきら「今回ちらっとだけ進路とか将来とか石橋先生の過去とか出てきたもんな―」

白石「他人だけじゃなく自分に対してもバッサリでしたね。」

あきら「おっと!話は良いところですが、今日はこのあたりでお時間みたいです!」

白石「そうですね!お相手は白石みのると」

あきら「小神あきらでした!!」

あきら・白石「ばいにー!!」


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[第96話]いつもの4人

―昼休み

 

こなた「いや~久々にこの4人な気がするよね~最近はだいたい鈴木くんとかがみが一緒にいた気がするし」

 

かがみ「それは多分気のせいよ」

 

つかさ「そうかな?」

 

かがみ「ちょっ!?つかさまで?」

 

みゆき「でも確かにこの4人でお昼ご飯はひさしぶりのような気がします」

 

こなた「だよね~。まぁみゆきさんとか文化祭準備で忙しいしね~」

 

みゆき「そうですね。体育館の作業は今朝までになんとか終わったのですが……」

 

かがみ「へ~良かったわね」

 

つかさ「?ゆきちゃんどうしたの?浮かない顔してない?」

 

みゆき「あ、いえ……実は昨晩は徹夜するつもりで準備に残っていたのですが」

 

こなた「先生に『帰れ』って言われたとか?」

 

みゆき「えぇ……」

 

かがみ「え?でも作業終わったのよね?だったら良かったんじゃないの?」

 

みゆき「いえ、それが……石橋先生が後は任せて帰れとおっしゃって……」

 

かがみ「もしかしてそれでめちゃくちゃにされちゃったとか?」

 

みゆき「いえ、それが……概ね私たち実行委が決めたように出来ていたんです」

 

つかさ「何の問題も無かったってこと?」

 

みゆき「はい。」

 

つかさ「だったら良かったんじゃない?」

 

みゆき「えぇ確かに非常に助かりましたし大変ありがたかったのですが……」

 

こなた「どったの?」

 

みゆき「石橋先生は恐らく作業がどこまで進んでいてどのように残りを進めるかは知らないはずですので作業がほとんど終わっていたというのが気になるんです」

 

かがみ「つまり石橋先生が仕事を引き受けたけどやったのは石橋先生じゃないって言いたいのね」

 

みゆき「えぇ」

 

こなた「でも作業がキレイに終わってたら良いじゃーん」

 

みゆき「えぇ、作業の件は良いのですが……私は代わりに作業してくださった方にお礼を言えてないという大変な失礼を……」

 

かがみ「なるほど、それを気にしていたのね」

 

つかさ「確かにちょっと気になるよね」

 

こなた(ってその状況だと作業したんみずりんしかいないじゃん)

 

みゆき「本来は実行委の仕事ですから……それをお任せしてお礼も言ってないというのは気になるところなのです」

 

こなた(どう考えてもみずりんだけど、それを伝えて変なフラグが立つといけないしなぁー)

 

かがみ「石橋先生が頼んだんなら石橋先生は分かるんじゃないの?」

 

みゆき「あっそれもそうですね」

 

こなた「いやぁ気にしないで良いんじゃない?だって石橋先生には礼を言ったんでしょ?」

 

みゆき「えぇ……」

 

こなた「だったら石橋先生がその人に『みゆきさんが感謝してた』って伝えてくれてるよ~」

 

みゆき「だと良いのですが……」

 

こなた「まぁ大丈夫だって~」

 

かがみ「そうね、さすがにそれくらいは伝えてるわよ」

 

みゆき「そうですよね。」

 

つかさ「そうだよ。それにもしかしたらその作業してくれた人はゆきちゃんのためにしたのかもしれないよ?」

 

みゆき「私にそのような方はいませんのでそれは無いかと思いますけど……」

 

こなた(普段はつかさに乗っかりたいところだけど実際、みずりんがやったなら乗っかるとマズいよね~)

 

かがみ「あら?アンタいつもはこんな話題には乗るのにどうしたの?」

 

こなた「いや~単なる厚意なんだからありがたく受け取って置くのが良いと思うよ~」

 

かがみ「好意って……どこの誰か分からないって喜んでいいか微妙よね」

 

こなた「かがみーん、何を勘違いしてるのかな?私が言ったのは厚い方の厚意だよ?」ムフフ

 

かがみ「なっ……」

 

こなた「さてはかがみん、どこの誰か分かる好意は受けたいとか思ってる?」

 

かがみ「いや、別にそういうわけじゃ……ただ最近は変な事件もあるから訳の分からないのは恐いわねってだけでそんな」

 

こなた「なんか言い訳が苦しいよかがみ」

 

かがみ「言い訳じゃないわよ別に」

 

こなた「強がりはよそうよかがみ。昨日の晩だって楽しかったでしょ?」

 

かがみ「昨日の晩……って、なんで知ってるのよ!?……つかさ!?」

 

つかさ「こなちゃん、それ内緒だったんじゃ……」

 

こなた「つかさ~もういいよ。ゴメンネかがみ、アレ私がつかさに言って仕組んだんだよ~」

 

かがみ「仕組んだって?……だからつかさが妙に積極的だったのか」

 

つかさ「ごめんね?お姉ちゃん」

 

こなた「まぁ私の思惑とはかなり外れたんだけどね~」

 

みゆき「あの……話がよく分からないのですが……」

 

こなた「あーみゆきさんゴメンゴメン。かくがくしかじかなんだよ」

 

みゆき「なるほど、そのようなことがあったのですね」

 

かがみ「で、思惑って何よ」

 

こなた「いやぁアレは鈴木くんじゃなくて別の頑張ってる大賞にご褒美のつもりだったんだけどねー」

 

つかさ「え!?そうなの?てっきりお姉ちゃんと鈴木くんをかと思ってたんだけど……」

 

こなた「まぁそれはそれで話の展開はオイシイんだけどね~」

 

かがみ「オイシイってオイ……」

 

こなた「ところでさーかがみ、男子のハートを掴むにはまず胃袋を掴むとかいうけどさー。ちゃんとつかさの手伝いして私が作りましたアピールした?」

 

かがみ「どこの常識よそれ……あ、ごめんつかさ。昨日、何もしてなかったわね……」

 

つかさ「いや、いいよ~」

 

こなた「いいよじゃないよ~かがみはもっと女子力アピールしなきゃ」

 

かがみ「だからなんでアンタはそうくっつけたがるのよ。」

 

こなた「いや~面白そうだしさ~。それに私たち浮いた話題あんまり無いし、せっかくの文化祭だから良いじゃん~」

 

かがみ「何が良いのよ。もうみゆきも何か言ってよ」

 

みゆき「まぁまぁかがみさん、これは泉さんなりの思いやりなのかもしれませんね。かがみさんには幸せになって欲しいと思うからこそなのかもしれません」

 

こなた「そだよ~私なりの愛だよ、かがみ♪」

 

かがみ「るさいっ」

 

つかさ「でも楽しかったよね、お姉ちゃん?」

 

かがみ「それは……そうだけど」

 

こなた「それが答えだよ~一緒にいて楽しいなら良いじゃん~」

 

かがみ「だからそれとこれは……」

 

こなた「まぁまぁかがみは私たちの前で肯定しないのも分かってるからサ~」

 

かがみ「だいたいあまり変なこと言うと鈴木くんにも失礼じゃないの」

 

こなた「それは大丈夫だよ~鈴木くんもきっとかがみが好きだから」

 

かがみ「おまっそれはアンタの妄想でしょ!?」

 

みゆき「ですがそれもあり得るかもしれませんね」

 

かがみ「ちょっ!みゆきまで?」

 

みゆき「最近はアレの関係でかがみさんをやはり特別見守っているような気はしますし……」

 

かがみ「アレ?あっ」(ってミスコンを匂わせないでよ!)

 

みゆき(あっすいませんつい……)

 

こなた「まぁみゆきさんでも気付くってことはやっぱりそうなんだって~。みずりんほどじゃなくても分かりやすくなってるんだよ~」

 

つかさ「あっ」

 

みゆき「あっ」

 

こなた「あっ今のはナシね。とりあえずかがみは鈴木くんのことだけ気にしてればいいよ~」

 

かがみ「ハァ……結局そこに行き着くのね」

 

こなた「これは仕方ないよ~。なんせかがみの本心なんだから」

 

かがみ「ハイハイ」

 

―キーンコーンカーンコーン

 

みゆき「あ、予鈴ですね」

 

かがみ「じゃあ一旦、教室戻るわ」

 

こなた「じゃまたねー」

 

つかさ「お姉ちゃん頑張ってね~」

 

かがみ(何を頑張れって言うのよ……)

 

 




-らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす」

あきら「今日の本編はいつもの4人ってことで、なんか久々でしたね!」

白石「そうですね~。なんやかんやこの4人がしっくりきますよね~」

あきら「ま、話の中身は原作じゃありえないようなものなんだけど」

白石「そうですね~」

あきら「ま、いいんじゃね?こういうのも」

白石「で、次回は鈴木くん側の話ですね!」

あきら「多分、メインヒロインの柊かがみだけが2話連続かーふーん」

白石「僕たちは毎回出てますからね!!あきら様は一番すごいですよ!!」

あきら「白石ー持ち上げた方がうさんくさい」

白石「え!?」

あきら「なんかーさー私が言わせたみたいになるんだよね~」

白石「うぐっ」

あきら「じゃ今日はここまでー。裏集合な―」

白石「ひさびさにですか!?」

あきら・白石「ばいにー!!」





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[第97話]あいうえお

―かがみたちの教室

 

桜庭「昼休み終わっていきなりなんだが今日はここまでだー」

 

全員「?」

 

桜庭「午後の文化祭準備は自由参加になったからなー。あとは各自適当にやってくれ。受験勉強したいやつは帰ってヨシ」

 

かがみ(いきなり決まったわね)

 

鈴木(それだったら昼休み前に終わってくれよ)

 

桜庭「じゃっアディオース」

 

みさお「ひぃらぎー、どうするー?帰るかー?」

 

かがみ「ん?そうねー……どうする?」

 

鈴木「俺か?俺は……一応、何か手伝えそうなところが無いか見て回って無かったら帰るかな」

 

みさお「へー手伝うんだなー」

 

鈴木「まぁ作業があればな。明日から文化祭なわけだし委員会とか一部任せじゃなくてみんなでさっさと終わらせた方が楽だろ」

 

みさお「なるほどなーそんな考え思いつかなかったぜ」

 

かがみ「そういえば峰岸がいないわね。いつも一緒にいるのに」

 

みさお「あやのは茶道部の準備があるからなー。そっちに行ってるぜ」

 

かがみ「へー」

 

鈴木「そういえば茶道部だったな。」

 

みさお「兄貴が来るからはりきってるみたいなんだよなー」

 

鈴木「へー兄貴って日下部さんの?」

 

みさお「ヴァ」

 

鈴木「お兄さんがいたのは初耳だな。まぁなんとなく納得だが」

 

みさお「それどういう意味だ?」

 

鈴木「いや、深い意味はない。で、日下部さんの兄さんが来てなんで峰岸さんが……あっ」

 

かがみ「なんか『彼氏が来る』って解釈するのに時間がかかる表現ね」

 

みさお「だってよー、こっぱずかしいじゃん。身内だしさー」

 

鈴木「へぇーなるほど。意外と身近にいたな、ロマンスやってる人が」

 

みさお「え?鈴木はなんもねーのか?」

 

鈴木「ん?俺か?俺はないなー残念ながら」

 

みさお「ふーん、てっきり柊とデキてるのかと思ってたぜー」

 

かがみ「はい!?」

 

鈴木「おっと、何故そうなる?」

 

みさお「だって最近いつも一緒にいるじゃん!」

 

かがみ・鈴木「……。」

 

みさお「もうお前ら付き合っちゃえヴァ?」

 

かがみ「だから、みんななんでそうなるのよ!?」

 

みさお「だって仲良いしさー。それに『みんな』ってことはチビっ子とかもそう言ってるんだろー?」

 

かがみ「あっ……」

 

鈴木「ほー」

 

かがみ「いや、鈴木くん?こなたとか日下部の言うことは気にしないで。私をからかって遊んでるだけだから」

 

みさお「まぁまんざらでもねーじゃねーの?」

 

かがみ「あまり適当なこと言ってると殴るわよ?」

 

みさお「柊、凶暴!」

 

かがみ「あんたが適当なこと言うから悪いんでしょ!?」

 

みさお「適当じゃねーもん。鈴木は柊とよろしくしたいって考えてるぜ。な、鈴木?」

 

鈴木「あぁ俺はいt……」

 

みさお「おっ!」

 

かがみ「ちょっと!」

 

鈴木「あぁついうっかり乗せられかけた。すまんすまん」

 

みさお「息ぴったりだしお似合いじゃんよー」

 

かがみ「だから!……もう、らちがあかないわ。」

 

みさお「大丈夫だって。あやのだって最初は適当だったんだしよー」

 

鈴木「唐突に深刻な峰岸さんへの風評被害」

 

かがみ「だからそうじゃなくて……というか今の、峰岸が聞いたら怒るわよ?」

 

みさお「やべっ……今のナシな?」

 

かがみ「はいはい、じゃあこれ以上この話題はナシね。いい?」

 

みさお「ちぇー……ハーイハイ」

 

鈴木「お、そろそろどっかで何かしら作業してるだろうし手伝いに行くわ。かがみも行くか?」

 

かがみ「せっかくだし行くわよ」

 

みさお「あたしは柊に怒られたから帰るぜ」

 

かがみ「帰るための口実ね。ハイハイどうぞー」

 

みさお「柊がつめてーよー……」

 

 

 

―廊下

 

かがみ「ねぇ鈴木くん」

 

鈴木「ん?」

 

かがみ「なんでさっき誤解招くようなこと言ったのよ」

 

鈴木「あ、ごめん……。」

 

かがみ「別にい……よくは無いけどなんでそんなこと言ったのかなぁ?って……怒ってるわけじゃないわよ?」

 

鈴木「なんでだろうなぁ……つい?」

 

かがみ「ついって……」

 

鈴木「まぁかがみがこなたとか日下部さんやらに色々言われるのと同じで俺もなんやかんや言ってくる奴がいるんだよ」

 

かがみ「へぇー。大変ね、お互い……」

 

鈴木「あいつの場合はどうやら裏がありそうな気もするんだけどな」

 

かがみ「裏?」

 

鈴木「俺とかがみがくっつけば何かしらのメリットがある……みたいに考えてる節がある」

 

かがみ「何よそれ」

 

鈴木「なんとなくだがな。詳しくは言えん」(みずりんはかがみと俺がくっつけばつかささんが刺激されるかもと考えてる……とは言いにくいな)

 

かがみ「ふーん……」

 

鈴木「まぁそれは関係無い……というか他人の意見を聞くべき問題でも無いしな」

 

かがみ「何?問題って……」

 

鈴木「ん?俺がかがみをどう思ってるか……」

 

かがみ「ちょっおまっ!何まじめに考えてるのよ!?」

 

鈴木「ん?いや……まぁ……」

 

かがみ「もういいわよ。さっ、行きましょ」

 

鈴木「行くってどこに?」

 

かがみ「え?どこか手伝いに行くアテがるんでしょ?」

 

鈴木「ん?んー……あると言えばあるが……」

 

かがみ「そこに行くわよ。ちゃっちゃと終わらせて明日からの文化祭に備えたいし」

 

鈴木「お、おう……」

 

 

―とある教室

 

かがみ「ここ?……ってもしかして……」

 

鈴木「あぁ。おーい!」

 

水原「はいはーい。おや?今日はどうしたかね?」

 

鈴木「なんで藪医者風なんだよ」

 

水原「コレでよく分かったな……」

 

鈴木「とりあえず大変そうだしなんか手伝いでもしようかと思ってな」

 

水原「なるぺそ。でお二人で」

 

かがみ「別に、たまたまよ?」

 

水原「とりあえずありがとうございます。助かります」

 

鈴木「何をしたらいい?」

 

水原「えーとそしたら……」

 

つかさ「えーと……持ってくるのはこれで良かった?」

 

水原「あ、うん。ありがとう。」

 

かがみ「え?つかさ?」

 

つかさ「あ、お姉ちゃん。お姉ちゃんも頼まれたんだ?」

 

かがみ「いや、私はたまたま……」

 

つかさ「あっ、そっか~」

 

鈴木(なんか俺、また邪魔したか?)

 

水原「いや、今はんなこと言ってる余裕がない。リアルにヤバい」

 

鈴木「そうか?すまんな……って俺の心の声を読むな!」

 

水原「いや、マジレスするとこの状況でいきなりそんな申し訳なさそうな顔されたら何考えてるかだいたい分かる」

 

鈴木「悪かったな。で、どれくらいヤバいんだ?」

 

水原「今、持ってきた大量の線あるでしょ?」

 

つかさ「この台車に乗ってるのだよね?」

 

水原「そうそう、運んでくれてありがとう~」

 

かがみ「私の妹をパシりに使ってタダで済むと思ってるの?」

 

水原「そんなパシりだなんて……いや、まぁ結果から見たらそうですね。ゴメンナサイ」

 

鈴木「で、アレか?この線を繋ぐのか?」

 

水原「そうなんです。この山のようにある線をこの辺の機械に繋ぎます」

 

鈴木「なるほど、この量だしな。一人なら大変だな……で、俺が手伝うので二人。かがみは?」

 

かがみ「私もやるわよ。別に良いわよね?」

 

水原「もちのろんろんでござる」

 

つかさ「私も良いかな?」

 

水原「えぇもちコース。みんなありがとうございます!」

 

鈴木「じゃあ四人だな。なんか説明書的なのだけコピーしてきてくれるか?」

 

水原「?」

 

鈴木「いやいや流石になにもなく適当に線繋いだってうまく行かないだろ」

 

水原「あぁ~」

 

鈴木「何なんだよその反応」

 

水原「実は説明書が無いんです。」

 

かがみ「えぇ!?じゃあどこに何を繋ぐかは?」

 

水原「分かりません☆」

 

かがみ「『分かりません☆』じゃないわよ!」

 

水原「まぁある程度、線がささるささらないはありますし……適当に管理されてるせいで説明書は無いそうなんです。オマケにこの山には使わない線もあるらしい」

 

かがみ「ずいぶん適当ね」

 

鈴木「しゃーねーな。とりあえず出たとこ勝負で線を繋ぎながらうまく行くか試したら良いんだな?」

 

水原「さよう。だから時間がかかりそうなんですわ。帰るなら引き止めません!」

 

鈴木「いや、帰らねえよ」

 

かがみ「そうね。ちゃっちゃと終わらせちゃいましょ。つかさはどうする?」

 

つかさ「私も残るよ!何ができるか分からないけど……」

 

水原「大丈夫!全員何から手をつけたらいいか分かってないから!」

 

鈴木「励ましてるつもりか知らんが……」

 

かがみ「いつ終わるか分からないって不安があるわね……」

 

水原「用事が出来たらスッと帰って大丈夫だから!さぁ始めよう!」

 

 

―午後6時

 

かがみ「やっと終わった……わよね?」

 

鈴木「あぁ多分な」

 

つかさ「うまく繋がってるからきっと大丈夫だよ~」

 

水原「ほんっとありがとうございました!」

 

鈴木「これで明日から2日間、ラジオ放送するんだな?」

 

水原「えぇ、まぁ明日はほとんどやりませんけど……本チャンは明後日。朝から晩までずっと放送です。お三方、明後日はどうかよろしくお願いします。」

 

鈴木「あぁ。」(にしても、みずりんはあの話題を一切振らなかったな。まぁ状況的にやぶ蛇になりかねんからか)

 

かがみ「こちらこそよろしくね。にしても私たちは出番だけだから良いけど水原くんはほとんどずっといるのよね?」

 

水原「そうですね」

 

かがみ「大変じゃない?というか良かったの?誰かと遊びに行ったりとかはしなくて……」

 

水原「まぁ……仕方ないかなぁと」

 

かがみ「仕方ない……か。誰かと一緒に遊びたいとか無かったの?」

 

水原「あったけどねぇ。私のために時間割いてもらうのも恐れ多いし何かしら予定はあるだろうしなぁ……とか、そんなこと考えてるうちに委員会から『2日目フルタイムでなんかやってくれ』って言われて考える暇無かったなぁ」

 

かがみ「ふーん……」

 

鈴木「でも結局明日の1日目はそんなに忙しくないんだろ?」

 

水原「はい、おかげさまで……今日だいたい終わりましたから。今からテスト放送してうまく行けば明日はかなり暇になります。夕方に一枠だけあるのでそのときはアレですけど」

 

鈴木「じゃあとりあえずそのテスト放送してしまえよ」

 

水原「はいはい。ちょっと黙っててね~えーと……スイッチを押して……"こちらは文化祭放送の試験放送です。ただいまより試験放送をいたします。しばらくの間、ご容赦ください。それでは かと*ふく で『You Gotta Love Me!』『サディスティックラブ』2曲続けてお聞きください"っと……再生~。もうしゃべって大丈夫ですよ」

 

鈴木「なぁ、これ。実際聞こえてるかどうか分からなく無いか?」

 

水原「ですので今から曲を流している間に全校回って確認してきます!」

 

かがみ「あっそれで曲を流すのね……ってもういないわ」

 

鈴木「早いな……」

 

―8分後

 

水原「ただいま!」

 

鈴木「おっどうだった?」

 

水原「ばっちぐー!ほんっとにありがとうございました!」

 

かがみ「そろそろ、曲終わるわよ?」

 

水原「あっそやそや……ん゛んっ"かと*ふく で『You Gotta Love Me!』『サディスティックラブ』でした。これにて試験放送を終わります。ありがとうございました"……ふぅ」

 

鈴木「良かったな。これで明日の暇は確定だな」

 

水原「はいっ」

 

かがみ「じゃあ明日は文化祭遊べるわね。良かったじゃない」

 

水原「まぁ、そうですねぇ。一人のんびりさせてもらいましょうかね~」

 

かがみ「ん?誰かと一緒に遊びたいとか言ってなかった?」

 

水原「あぁ~言ってましたね。まぁ今さら声かけるのも申し訳無いし、きっと予定もあるでしょうからいいですよ」

 

かがみ「あ、『誰か』ってのは一応、特定の人がいるんだ。ふーん」

 

水原「まぁね。そのあたりはお年頃ってことでねHAHAHA。多分、去年の文化祭の時にも言ってた気はしますね」

 

かがみ「へーその頃から変わらないんだー」

 

水原「関係性も変わらないってのが良いのか悪いのかHAHAHA」

 

鈴木(そこまで言っててかがみも気づかないもんなんだな……)

 

水原「まぁそういうことで私は明日は一人文化祭を満喫させてもらいますよ」

 

つかさ「?私は明日、特に予定も無いし大丈夫だよ?……あ」

 

水原「いう!?」

 

かがみ「え?」

 

鈴木「おー……」

 

つかさ「あっごめん……かがみお姉ちゃんには内緒だったよね?」

 

水原「いや、いいよ。いつかバレるとは思ってたし」

 

かがみ「ちょっ……ちょっと待って。あんたら付き合ってんの?」

 

つかさ・水原「いや、全然」

 

かがみ「ってえぇ?じゃあどういう関係なわけ?」

 

つかさ・水原「友達同士だよ」

 

かがみ「何?え?あ?え?」

 

鈴木「長話になりそうだし時間も時間だからな。どうする?ファミレスにでも寄るか?」

 

つかさ「ごめん、今日はちょっと帰って晩御飯作らなきゃなの」

 

かがみ「あ、そうだったわね。ごめん、今日は寄れないわ」

 

鈴木「なら今日は解散だな。」

 

水原「もう好きなようにしゃべってくれてかまわないよ」

 

つかさ「いいの?」

 

水原「あぁ。じゃまた明日でー」

 

鈴木「だな。つもる話もあるだろうが家かケータイでな。じゃまた明日。はい撤収」

 

かがみ「あ、うん……また明日ね」

 

つかさ「うん、バイバーイ」




-らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!!」

白石「どーもー!!」

あきら「らっきー☆ちゃんねるナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるです」

あきら「さぁリハーサル終わりましたね!!」

白石「あれ?リハーサル描写がありませんけど??」

あきら「全員で集まって集合時間や立ち位置の確認など事務的なものだったので」

白石「?」

あきら「全部カットになりました!!」

白石「えー!!!」

あきら「だって~面白くないもん。」

白石「まぁそうかもしれませんけど」

あきら「そしていよいよ物語はラストステージ!文化祭当日になります!!」

白石「いよいよですね!!」

あきら「今回の文化祭は2日間開催!!あれやこれや楽しいイベントがいっぱいだ!!!!あきらも出るよー!」

白石「いぇーい!!!」

あきら「ってことで今日はここまでなのだー!!!」

白石「次回もおたのしみにー!」

あきら「ばいにー!!!」


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[第98話]準備完了!

―鈴木宅

 

鈴木「で、なんでお前が俺んちにいるんだ?」

 

水原「いや、まぁまぁ……ちょっとね。ついにバレちゃったよぉってね……」

 

鈴木「別に犯罪行為に手を出したりしなきゃかがみもとって食ったりしねぇよ」

 

水原「おろろ~」

 

鈴木「分かりやすく動揺してんじゃねぇよ!ってかなんでお前いるんだよ!?」

 

水原「そんなの諸般の事情じゃん~」涙目

 

鈴木「目薬片手に涙目になってんじゃねぇよ!」

 

水原「もうこうなったら乗り換えちゃおうかなぁそれが安全だよなぁ今もずっと進展しないしなぁおろろ~」

 

鈴木「んなこと言って出来んのかよ」

 

水原「大丈夫だよぉ~似てる人選べばさぁ~今より楽しいかもしれないよ~」

 

鈴木「目薬片手に何言ってんだか……だいたい似てる人ってそうそういないだろ」

 

水原「いるよ~双子のお姉ちゃんとか似てないようで似てるじゃん~」

 

鈴木「!?……お前かがみのこと言ってんのか?」

 

水原「以外いないじゃーん」

 

鈴木「チッ……何適当なこと言ってるんだよ」

 

水原「だいたいの女の子は適当に打ったら釣れるよぉ~ダイジョブダイジョブ」

 

鈴木「……」(みずりんは適当……なのは、いつもそうに見えるんだよなぁ)

 

水原「他に気になる人がいたってよっぽどのことがない限りコクった方になびくよぉ~」

 

鈴木「……」(とはいえ万一本気だったら?)

 

水原「もう変わらない関係も飽き飽きしてるんだよね~」

 

鈴木「……」(みずりんは……確かに適当だが表向きはそれなりに真面目だし表向きはそれなりに働き者……で暗躍もしまくっている)

 

水原「いっちゃっても……イイよね?」

 

鈴木「……。」(確かにベクトルは違う気もするが頑張りもの同士、合うかもしれない。かがみにもそれがいいかもしれない。しれないが……)

 

水原「新しい恋にいきる私に後押しが欲しいなぁ……なんちゃって」

 

鈴木「ふざけんなボケェ!てめぇ黙って聞いてりゃいい加減なことばっかぬかしやがって!」

 

水原「……ふぅ。ちっとは本音が出るようになったじゃねぇか」

 

鈴木「はぁ!?」

 

水原「まず一言。騙されやすすぎ。私がいともあっさり、しかも明日があるのにンなこと言うわけない」

 

鈴木「だとは思ったよ」

 

水原「あと一つは『万一本気だったら……』って考えたろ?」

 

鈴木「……」

 

水原「図星やな。仮に私が本気でも彼女、柊かがみをどうとも思ってないなら、どうでも良いはずだ。」

 

鈴木「……ケッ。それが事実として何で俺にそこまで口出しする?」

 

水原「なんとなく。こないだもどっかの誰かが告白したら『2週間前に別の男性から告白されて付き合いました』みたいなフられ方したヤツがいてな。もったいぶってて良いことはだいたい無いぜ」

 

鈴木「へー」

 

水原「まぁ最終的にどうするかは君に任せるが、後悔はしてからじゃ遅いぜ」

 

鈴木「はいはいご忠告どうも」

 

水原「じゃ俺は言いたいこと言ったし寝るわ。おやすみ」

 

鈴木「はいはい……ってちょっと待て!ここ俺んち!勝手に寝るな!おい!」

 

 

 

―翌朝・バス車内

 

こなた「いやぁーついに来たね~文化祭!」

 

つかさ「こなちゃんテンション高いね」

 

こなた「そりゃー文化祭だよ。テンション上がるよ~イベントだよ?イベントといえばフラグだよ!?ね、かがみ?」

 

かがみ「え?知らないわよそんなの……」

 

こなた「ん?かがみ元気ない?何かあったの?」

 

かがみ「別に。何もないわ」

 

こなた「嘘でしょかがみ。ねぇつかさ、何か知らない?かがみの元気がないのはいつから?」

 

つかさ「うーん……昨日の晩くらいかな」

 

かがみ「だから何もないってば」

 

つかさ「私があのこと言ったからかな」

 

かがみ「ちょっ!?言って良いの!?」

 

つかさ「こなちゃんは知ってたよね?」

 

こなた「あのことって……あぁ~!みずりんのこと?なるほどなるほど」

 

つかさ「バレちゃった。というか私がうっかり言っちゃったんだけど……」

 

かがみ「なんか急展開過ぎてついていけないわ……」

 

こなた「なるほどー。じゃあかがみが言ってた『何もない』ってのは本当だったんだね~」

 

かがみ「え?」

 

こなた「『つかさは色々あるのに私は何もない』って落ち込んでるんでしょ?」

 

かがみ「……んなわけ無いでしょ。うまいこと言ったつもりか。」

 

こなた「いやいやかがみん、強がらなくてもいいよん。大丈夫大丈夫、私はいつでもかがみの味方だよ~」

 

かがみ「だから余計に不安なんじゃない……いきなり根も葉もないこと言い出すし」

 

こなた「根も葉もないことじゃないもん。さっきだって即答出来ないのが答えじゃん~」

 

かがみ「オイ、それ以上言うと殴るわよ?」

 

こなた「暴力反対!かがみん凶暴!」

 

かがみ「じゃあこれ以上言わないことね」

 

こなた「ちぇっ。いいよー。 い ま は これくらいにしとくよー。もう学校に着くし」

 

かがみ「『いまは』ってまた同じ話するんかい……」(向こうが何も思ってないのに何もある訳ないじゃない……)

 

つかさ「お姉ちゃーん着いたよー」

 

かがみ「あ、うん。今降りるー」

 

こなた(さて文化祭。本当に何も起きないか、見ものだね~。ってか私が一番、何も起きない……何かの陰謀すら感じるなぁ……)




石橋「らっきー☆ちゃんねる!!!ではありません!!」

黒井「まぁウチラやからな」

桜庭「先生方を集めてこんな番組かー?」

天原「まぁまぁ……」

石橋「一応、今回の番組はー文化祭1日目のーイベントを僕らから紹介するーということで、らっきー☆ちゃんねるはお休みです。」

黒井「まぁほな、ちゃっちゃと行きましょー」

石橋「紹介するんはー本編で出番のあるもんだけな。まずは」

教師A「はい、悩み相談ですね。」

黒井「うわっ!誰やねん!」

教師A「はい、モブです。私のクラスの生徒が一人で移動しながら悩み相談をしています。一応、10円ということで。」

石橋「はい、紹介ありがとうございました」

桜庭「えらく雑な紹介だなー」

石橋「んで、次は俺のクラスやな。俺のクラスはネットカフェや。基本的にドリンクバーとPCを置いてインターネットサービスを提供する。ホンマのネットカフェや。」

黒井「ほーん、結構派手にやるんですねー」

石橋「まぁ課題はあるやろうな」

桜庭「それをわかっててGOさせたんですか?」

石橋「まぁ大丈夫やろ。んで、次は」

天原「はい、食品ブースですね。模擬店はえーと・・・まずはカレー屋さん」

石橋「カレーって意外に難しいんちゃんか?」

天原「まぁ炊き出しみたいになるでしょうから大量に作れる方がいいのかもしれません。」

石橋「作る方は始発で登校やろww」

天原「さぁ? さて他にはこんなのもありますよ。餃子の玉将ですね」

黒井「それもそれで、まぁビール片手に回りたいもんですなぁ」

桜庭「ま、ウチラは仕事ですからそういうわけにはいかんでしょーな」

黒井「わかってますがな」

石橋「まぁバレんかったらええやろw」

黒井「いやいやいや」

天原「私のお世話にならないようにしてくださいね~。」

石橋「あとは、体育館ステージやな。ここはフル回転や!!」

桜庭「ほーぅ」

石橋「1日目午前のステージはアーティストライブや!」

黒井「アーティスト?」

石橋「簡単に言うたらライブや。んでアーティストいうのは」

天原「ようは芸術ならなんでもOKということですね」

石橋「そや。つまり演奏せんと歌うだけでもOKや。で午後からはバント演奏ライブ。似たようなもんやけど」

天原「こちらは演奏するという条件があるんですね」

石橋「さすがや、その通り」

桜庭「うーん」

石橋「ってことで紹介は終わったから、これでこの番組は終わりや」

黒井「えらいあっさり終わるんやな」

石橋「あんまりばらし過ぎたら本編がおもんなくなるからな」

桜庭「なるほどですな」

石橋「ほな、いちおう決められた挨拶だけしとこか」

天原「せーの」 

石橋「ばいにー!」
教師A「ティーチャーズでした!」
黒井「ティーチャーズでした!」
天原「またお会いしましょう」
桜庭「アデュー」


黒井「バラバラやないか!」










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[第99話]ヘタクソ

―文化祭初日・自販機前

 

水原「ほい、メロンソーダ」

 

つかさ「ありがとうー」

 

水原「うーん、1日目は意外と店も少ないよね」

 

つかさ「そうだね。やっぱり一般公開の明日がみんな本番って感じなのかな」

 

水原「多分ねぇ。にしてもよくOKしてくれたね。私が」

 

つかさ「私のこと好きなんでしょ?」

 

水原「はい。だから何するか分からないよ?もしかしたらそのメロンソーダに体がポカポカする薬が入ってたり……」

 

つかさ「しないよね。そういうことはしないって信じてるから」

 

水原「だよねー。やるならもっと早くやってるだろうし、なんやかんや言ってこの摩訶不思議な関係を1年やってきたもんねぇ」

 

つかさ「そだね~。そういえばどこ行くか決めてる?」

 

水原「いや、まつたく。近くから適当に~って感じかな。」

 

つかさ「そっか~」

 

 

 

―かがみたちの教室

 

桜庭「じゃあ次は15時30分の点呼だ。それまで自由。逝ってヨシ」

 

 

鈴木「だってよーどうするー?これ行ってみるか?」

 

かがみ「これ?あぁ……悩み相談ね」

 

鈴木「全部ひらがなでオマケに『やさしい』まで書いてるから怪しいことこの上ないがまぁある意味、面白そうじゃないか」

 

かがみ「ある意味ね」

 

―廊下

 

鈴木「なんか列が出来てるな。」

 

かがみ「もしかしてコレ?大盛況じゃない!」

 

鈴木「この先には……JKが1人」

 

かがみ「あの子だけでこの行列をさばいてるのね……」

 

モブB「あの……ここ1人ずつでしか並べませんよ?」

 

かがみ「え?」

 

鈴木「あ、あぁすまんすまん。じゃあ俺、後ろに並び直してくるから」

 

かがみ「え?あ、そう……」(別にそのまま2人連続で並べばいいのに……って聞かれたくない相談なのかしら)

 

 

―数分後

 

モブA「最近、体重が増えちゃって……」

 

悩み相談「あ~あるある」

 

モブA「え?」

 

悩み相談「体重が増えるのはよくあることです。」

 

モブA「あ、はい……」

 

悩み相談「10円。」

 

モブA「」チャリーン

 

悩み相談「次の方ー」

 

かがみ「はい、えーと……その……」(周りに知り合いいないわよね……)

 

悩み相談「お気がるに」

 

かがみ「そのー……最近ね、友達とか姉とか妹とかに○○くん好きなんでしょ?とかよく言われるんです」

 

悩み相談「……。」

 

かがみ「確かにその○○くんというのはよくしてくれるし良い人だし」

 

悩み相談「それが問題なの?」

 

かがみ「いや何も問題は無いけど変な噂がたったら彼に迷惑だと思うんです」

 

悩み相談「なるへそ。そのまるまるくんに変な噂がたったら迷惑か聞いてみよう。」

 

かがみ「いや、それはちょっと……」

 

悩み相談「まるまるくんは迷惑とは思わないかも。それに人の噂は何十何日って言うし長く続くようなら噂じゃないかも。10円。」

 

かがみ(噂じゃないって私が本当に鈴木くんが好きだって意味よね……まったく結局そうなるのね)チャリーン

 

 

―さらに数分後

 

悩み相談「次の方ー」

 

鈴木「あーどうも」

 

悩み相談「お気がるに。」

 

鈴木「うーん……なんというか、最近よく俺がある人のことを好きだと言われるんだが実際どうか分からないようになってきたんだ……」

 

悩み相談「否定しないってことは答えは出てるんじゃない?以上」

 

鈴木「えっ、それだけ?」

 

悩み相談「あ、忘れてた。10円。」

 

鈴木「………はい。」

 

 

 

―さらにさらに数分後

 

かがみ「どうだった?」

 

鈴木「なんというか、すげぇ斬新だな」

 

かがみ「そうよね。あっさり片付けるわよねぇ」

 

鈴木「俺なんか一言で終わったぞ」

 

かがみ「へぇー何を聞いたのかしら?」

 

鈴木「あ、いやぁその……」

 

かがみ「いや、聞かないでおくわ。」

 

鈴木「あ、うん……」(言えば良かったかもしれないな……)

 

かがみ(聞かれたくないから離れたかもしれないのに聞くんじゃなかったわね……)

 

鈴木「かがみは何聞いたんだ?いや言いたくないなら無理にとは言わないが」

 

かがみ「え!?いや、私は……まぁ他のみんなと同じこと言われたわ」

 

鈴木「そうか……じゃあ実際そうなんかもしれないな。何のことかは知らないが」

 

かがみ「んー……鈴木くんまでそう言うのね…」

 

鈴木「あぁごめんごめん。ちゃんと考えて発言すべきだったな。すまん。」

 

かがみ「いや、まぁいいわよ。自分の問題だから自分で考えてみるわ」

 

鈴木(自分で考える……か。俺も人に聞いてばかり言われてばかりじゃダメだな……俺はかがみを好きなのか嫌いなのか。いやまぁ好きなんだがどの意味で好きなのかをな……)

 

かがみ(なんか感じ悪かったかしら……でもそうよね。他の人がどう見てるかより自分がどう思ってるかよね、彼のことを……)

 

鈴木「そうだ、次はどこ行く?明日は忙しいだろうし今日くらいゆっくり見て回ろうぜ」

 

かがみ「うん!そうね、じゃあまずここのカレー屋さん」

 

鈴木「明日本番だけど大丈夫か?」

 

かがみ「分かってるわよ!カレー屋さんは無しにしてって言うつもりだったの!」

 

鈴木「ハハッそうかそうかすまんすまん」

 

かがみ「とにかくじゃあえーと……」

 

鈴木「とりあえず体育館でステージをずっとやってるみたいだし言ってみるか」

 

かがみ「そうね、そうしましょ」

 

鈴木「あとは行きたいとこが見つかれば……だな」

 

かがみ「そうね。まぁ……今日やってるの食べ物屋さんが多いからアレだけどね」

 

鈴木「明日に気合い入れてるなぁ」

 

かがみ「ま、まぁ……鈴木くんも手伝ってくれたのに前日に無駄にはしたくないわよ流石に……」

 

鈴木「まぁ俺はそんなに何も……」

 

かがみ「まぁ私がそう思ってるだけだからね。ただそれだけだから!ほら体育館行くわよ!」

 

鈴木「お、はいよっ」

 

 

 

―体育館

 

鈴木「さて今は……」

 

かがみ「バンドのライブ演奏みたいね。軽音楽部は明日だから今日は有志かしら。そういえば鈴木くんはやらなくてよかったの?」

 

鈴木「まぁな。一応、かじってたってくらいのレベルだし組むメンバー集めてまでやろうって気は無かったからな」

 

かがみ「へぇ~。あっ次のバンドが出てきたわよ」

 

鈴木「だな。ん?キーボードとドラムはウチの制服着てるJKだが……あのギターとベース……」

 

かがみ「何?こなたみたいにどっかの団長と宇宙人だとか言うの?」

 

鈴木「ちげーよ。ってかどっかの団長と宇宙人ってどっちもギターだったろ」

 

かがみ「アンタ何気に詳しいわね。で、何がおか……あっ」

 

鈴木「どう見てもおっさんだよな。」

 

かがみ「そうね、どう見てもおっさんね」

 

鈴木「他校からも呼ぶとかがあったし……ってどう見ても同世代に見えないよなぁあのおっさん……」

 

かがみ「っていうかあれよ。あの人、駅前の商店街で魚屋やってる人じゃない」

 

鈴木「言われてみれば、あのベースは魚正の……でギターのおっさんは商店街の会長さんか?」

 

かがみ「うーん……言われてみれば……」

 

 

―♪~

 

かがみ(ボーカルはいないのかしら?洋楽とかかな?よく分からないわね。鈴木くんはこういうの詳しいのかしら……私はよく分からないけどなんか下手に聞こえるわ……)

 

鈴木「このバンドはリズム隊がいい感じだな」

 

かがみ「えっあっ……」(って結構、鈴木くん通じゃない……ここで変な質問して引かれたくもないわね……どうしよう……)

 

鈴木「かがみは知ってるか?」

 

かがみ「え!?あっあっうんもちろん知ってるわよ!」(あっつい勢いで知ってるって言ったけど何のことだろ……)

 

鈴木「なんだバレてたか……」

 

かがみ「あ、え、うん……」

 

鈴木「『あのバンド、リズム隊が良い』って言うと通っぽく聞こえるんだぜ。まさか俺が実は通でもなんでもないとすぐ見抜かれていたとは……」

 

かがみ「あっ……え?」

 

鈴木「ちなみに俺は通でも何でもないからよく分からんが……ヘタクソだと思わないか?」

 

かがみ「あ、うん……私もよく分からないけどそう思ってたわ……」

 

モブα「うぉぉぉ!」

モブβ「うぉぉぉ!おい!おい!おい!」

モブθ「うぉぉぉ!うぉぉぉ!」

 

鈴木「確かにヘタっぴだが文化祭でこの盛り上がりは成功なんだろうな」

 

かがみ「そうね。おっちゃんたちも楽しそうね」

 

鈴木「まさかおっさんたちもここで青春時代に戻るとは思わなかっただろうな。地域との交流を深めるとかそういう意味ではこういう誰彼構わず呼び込むのはある意味、効果的かもしれないな。」

 

かがみ「そうね。最近、学校とかに騒音とか言う時代だし地域との交流は大事かもね。」

 

鈴木「まぁヘタクソなのは変わりないがな。」

 

 

―数分後

 

白石(司会)「はーい、ありがとうございましたー!次は有志『カンパニースレイブス』でーす!」

 

鈴木「うわっスーツに馬の被り物とスーツに能面、スーツにミ○キーの着ぐるみを頭だけって……」

 

かがみ「シュールな光景ね……」

 

白石(司会)「それでは聞いてください!カンパニースレイブスで『働いて』……」

 

―♪『働いて 働いて 働いて ツラいよー』

 

鈴木「楽器持ってるけど演奏してねぇぇ……ゴールデ○ボ○バーみたいなエア演奏か」

 

かがみ「というかそもそもゴー○デン○○バーの替え歌じゃない」

 

鈴木「言われてみれば……」

 

―♪『僕の給料安かったの、あんなに残業したのに』

 

かがみ「これ、歌ってないわよね?」

 

鈴木「多分、歌ってないな。被り物とかお面して踊りながらでここまで歌えるとは思えない……歌までエアとはある意味、ゴール○ンボ○○ーを超えたな……」

 

―♪『ほんとはサビ残したくない、カラカラに乾いた財布(こころ)を労基の美しさで潤して』

 

鈴木「というかなんなんだよこの歌詞……」

 

かがみ「カンパニー=会社、スレイブ=奴隷、ス=複数形……って事かしら」

 

鈴木「なるほど……歌詞的にもそんな気がするぞ。要は社畜か……」

 

モブα「おい!おい!おい!おい!」

モブβ「うぉぉぉ!おい!うぉぉぉ!おい!」

 

鈴木「なんだかこの盛り上がりも歌詞をまじめに聞くと切ないな……」

 

 

―数分後

 

―♪『働いて働いていざたどり着いた給料日はもう……働いて働いて働いてツラいよ』

 

鈴木「なんだかんだ最後まで聞いちまったな」

 

かがみ「そうね、というかこの歌詞でよく実行委もOKしたわね……」

 

鈴木「というかこれ多分、歌ってるのウチの教師だろ。声に聞き覚えがあるぞ」

 

かがみ「うわぁ……」

 

鈴木「引く気持ちは分かるがやめてやれ。顔を隠して誰か分からないようにしてるんだから」

 

かがみ「この歌詞だもんね……校長先生とかにバレたらマズいわよね」

 

モブα「いえーい!いえーい!いえーい!」

モブβ「フゥー!フゥー!フゥー!」

モブθ「ベイベ!ベイベ!エイベ!」

 

鈴木「いやいや盛り上がりすぎだろ」

 

かがみ「お祭り気分で浮かれてるのかしらねー」

 

鈴木「まぁ文字通りお祭りだもんな。俺もいつもより浮かれたいもんだな。」

 

 

白石(司会)「はーい!ありがとうございましたー!次はラブクライシスの皆さんです!」

 

かがみ「次はどんな変なのが……」

 

鈴木「いや、次はそうでもないらしい」

 

かがみ「え?」

 

鈴木「ピンク色のマイク。恐らくマイマイクだ……彼女たちは本気の方だ。」

 

かがみ「へぇそんなところを見てるのね……そういえばさっきまでマイマイクどころか普通のマイクすら無かったもんね」

 

鈴木「言われてみれば確かに無かったな。口パクで歌ってないって公言してるようなもんじゃねぇか……」

 

―数分後

 

鈴木「いやぁすごかったな」

 

かがみ「そうね、迫力というかなんというか」

 

鈴木「さっきまでイロモノだったのにいきなりマジだもんなぁ」

 

律「なぁ、すげぇだろー」

 

鈴木「あぁ……って」

 

かがみ・鈴木「ええぇっ!?」

 

律「おっす。今のバンドのドラム、私の中学の時の友達なんだ」

 

かがみ「へぇ~」

 

鈴木「っていうかなんでいるんだよ!?今日平日だろ!」

 

律「明日のこともあってなー、部長の私だけ公欠とって来たんだけどまさかマキちゃんたちの演奏が見れるとはなー」

 

鈴木「なるほどな」

 

かがみ「ねぇ、次ちょっと別のところ行かない?」

 

鈴木「お、了解。じゃまた明日な」

 

律「じゃーなー」

 

―校舎

 

鈴木「で、どっか行きたいところ見つけたのか?」

 

かがみ「え?あー、うーん……あ!ここなんてどう?」

 

鈴木「お、いいな。行ってみるか」

 




-らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!!ナビゲーターの小神あきらです!。今日は白石さんが文化祭ステージのバンド演奏で司会をしているので今日は私だけのワンマンなのだー!」

あきら「まぁ一人でしゃべるってのもアレなのでせっかくだから作者からの情報~!サブタイトルの『ヘタクソ』ってあるでしょー?」

あきら「あれってー、JKとおっさんたちの演奏のことを指してるようで、実は作者がこういう普通に平和なのを書くのがヘタクソって意味なんですよー♪」

あきら「それと作中内に出てくる『働いて』はフルバージョンの歌詞があるんですね♪」

あきら「いろいろとあって公開はできないんですけどね♪」

あきら「と、いうことで今日はこれでおしまーい♪ばいにー!」


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[第100話]失敗は成功のもと

―某教室

 

鈴木「確かここだな……」

 

かがみ「ここね。どんな風になってるかしら……」

 

鈴木「ネットカフェ……俺的には前代未聞だが」

 

かがみ「私もビックリしたわよ。しかもゆたかちゃんたちのクラスなのよね」

 

―分かりやすい説明台詞ありがとうございます

 

鈴木・かがみ(何か今、お礼を言われたような……)

 

ゆたか「あ、柊先輩、鈴木先輩!こんにちは」

 

かがみ「おっす」

 

鈴木「よう。どんなんかなぁと思って見に来たんだけど……」

 

ゆたか「あ、申し訳ありません。只今、すべて満席なんです……」

 

かがみ「あー……間が悪かったわね……」

 

鈴木「満席じゃ仕方ないな」

 

ゆたか「本当にごめんなさい」

 

かがみ「いやいやゆたかちゃんのせいじゃないわよ」

 

鈴木「タイミングの問題だしなー」

 

ゆたか「いやそれが……」

 

鈴木「ん?」

 

みなみ「朝のオープンの時に入ったお客さんがずっといるんです……」

 

かがみ「あっあぁ……なるほど……」

 

鈴木「(自宅)警備員状態ってわけか……」

 

ゆたか「ごめんなさい……」

 

かがみ「いや、ゆたかちゃんが謝らなくても……」

 

石橋「ただコレ明日の一般開放に向けての課題ではあるけどな」

 

ゆたか「あ、先生!」

 

石橋「失敗は成功のもと。今日はしゃーないから明日どうするか考えとけや」

 

ゆたか「はい!」

 

みなみ「……その馬の被り物は何ですか?」

 

石橋「これか?これはただの馬の被り物や。じゃ俺は仕事があるから」

 

みなみ「……はい」

 

鈴木(どっかで聞いたことある声と思ったらやっぱりカンパニースレイブスの中身だったか……)

 

鈴木「じゃ俺たちも失礼するよ」

 

かがみ「じゃあ頑張ってね」

 

ゆたか「はい!」

 

 

―廊下

 

鈴木「まさかソッコーで行く場所がなくなるとはな」

 

かがみ「そうねー」

 

鈴木「そういえばなるべくこの話題振らないようにしてたんだけどな」

 

かがみ「?」

 

鈴木「明日、本番だなーって。ミスコン」

 

かがみ「あぁそういえばそうね」

 

鈴木「なんか意気込みとかあったりするもんなのか?半ば強制的に参加とはいえ」

 

かがみ「うーん……確かに参加は日下部のイタズラとみゆきがあれだけ喜んでて断りきれなかったからだけど……今は関係無いかしら」

 

鈴木「そうか。」

 

かがみ「それより鈴木くんこそ出るわけでもないのに色々なダイエット方、調べたり私に付き合って早朝やら休みの日も来てくれたり大変だったんじゃないの?」

 

鈴木「うーん、そこまで大変じゃなかったかな。目的もあったし楽しかったしな。まぁかがみは無理してるところもあったろうから複雑な気分でもあるが」

 

かがみ「べっ別に私は無理なんて」ぐぅぅぅぅー

 

鈴木「………」

 

かがみ「ちょっあっ今のは腹話術だから!」

 

鈴木「まぁ確かに腹話術だな」

 

かがみ「あっだからちがっ////」

 

鈴木「聞こえてない聞こえてない……ったく、無理してるじゃないか……はい、コレ」

 

かがみ「何よコレ」

 

鈴木「餃子。さっきどこぞのクラスで売ってたから買っといた」

 

かがみ「そりゃ見れば分かるけど……だからなんでこのタイミングで餃子……?」

 

鈴木「なんか俺もよく知らんのだがみずりんごひいきの福原香織って声優さんの情報らしい」

 

水原(回想)「餃子は野菜がたくさん入ってるし肉、炭水化物も最低限入ってるからダイエットに良いらしい。ただ餃子とライスとかチャーハンとかビールとか最強の組み合わせはダイエットにならないよ……ってかおりんが言ってたー。その組み合わせ封じられたら意外と厳しいよね」

 

鈴木「だってよ」

 

かがみ「へぇー……」

 

鈴木「プロボクサーとかも餃子ダイエットやってるらしいぜ。もうちょっと早く知ってたらもっと早くに言ってたんだけどな」

 

かがみ「ふーん……」

 

鈴木「黒井先生あたりは最強の組み合わせに走ってダイエット失敗しそうだけどな」

 

かがみ「確かにそうなりそうね。」

 

鈴木「ま、とりあえず今はそれ食って文化祭を楽しもうぜ。もうイベントも文化祭くらいしか無いわけだしな」

 

かがみ「そうね。あ、いくら?」

 

鈴木「ん?餃子ぐらい俺のおごりでいいよ。その代わり明日、期待してるから」

 

かがみ「あっ……うん。その期待は要らないけど餃子はありがと」

 

鈴木「さて……体育館は午後からアーティストライブ?午前のバンド演奏ライブとイマイチ違いが分からんが他に行くとこも無いしなぁ」

 

かがみ「ん?うんそうね」

 

鈴木「とりあえず昼食べたら行ってみるか。ほか無いよなぁ行きたいところ」

 

かがみ「まぁ無いわね」

 

鈴木「じゃあ決まりだな」

 

 




-らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!!らっきー☆ちゃんねるナビゲーターの小神あきらです!今日も白石さんはお休み~ということで今日は……」

ナレーター「アシスタントディレクターのナレーターです」

あきら「じゃじゃーん!ナレーターさんに来てもらいました!!」

ナレーター「どうもー」

あきら「このナレーターさん!多分、らき☆べる皆勤賞の主役なんですよね~」

ナレーター「まぁ鈴木善治よりは主役度高いですね」

あきら「と、文字では伝わりにくいクールな感じの方なんですが作者のあんな無茶振りやこんな無茶振りを具現化してしまうすごい力を持っているんですね!!」

ナレーター「そうですね~。試しにこんなんどうです?」

あきら「え?」

-らっきー☆ちゃんねる 最終回! 小神あきらの今後の活躍にご期待ください

あきら「ちょっ!?この番組は今回で終わりではありませんよー!?勘違いはしないでくださいねー!!?」

ナレーター「まぁさすがに今のは冗談ですけど」

あきら「あ!?あーそうですよねー!」

ナレーター「本編と独立したこのコーナーはこんなナレーションがなくてもある日突然消せるみたいですので」

あきら「ぎょぇぇぇ!!!」

ナレーター「さて、らっきー☆ちゃんねる、次回はあるのでしょうか?お相手はナレーターと」

あきら「え?え?あ、小神あきらでした??」

ナレーター「せーの」

あきら・ナレーター「ばいにー!(?)」




あきら「なに、この心臓に悪い番組…」

ナレーター「普段のナビゲーターとアシスタントを再現してみたんですが……?」

あきら「え?」

ナレーター「あ、まぁ役割は逆ですけどね」


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[第101話]ライブアライブ

―再び体育館

 

―♪『とびっきりLIVEなLIEFにDIVE!!』

 

モブа「うぉぉぉぉぉ」

モブб「いぇぇぇぇぇ」

モブв「あぁぁぁぁぁ」

 

白石(司会)「ハーイ!MY☆Risの皆さんありがとうございましたー!」

 

鈴木「なるほど、人気アイドルのコピーか…すげぇ盛り上がってんな」

 

かがみ「そうね。午前中よりさらに盛り上がってるかも」

 

鈴木「午前中と違って演奏はしなくていいってことか……」

 

かがみ「なるほど、そういう意味だったのね」

 

鈴木「まぁ午前中も演奏してない歌ってない顔出してないの三拍子揃ってるのがいた気はしたが……」

 

白石(司会)「はーい!お待たせしましたー!お次は……」

 

モブгде「いぇぇぇぇぇぇい!!!」

 

白石(司会)「ちょっちょっまだ、まだ言ってないから」

 

鈴木「司会慣れしてんなアイツ」

 

かがみ「そうねー」

 

白石(司会)「気を取り直して次は……白石みのるで『えみりんのテーマ』」

 

 

―♪~

 

鈴木「ん?白石みのる?」

 

モブたち「」ポカーン

 

白石 ―♪『ねえ君は知ってる?友達から恋が始まること』

 

鈴木「おまえが歌うんかよ」

 

かがみ「まさか過ぎる展開ね」

 

鈴木「しかも地味にうまいからなんか腹立つな」

 

―数分後

 

白石 ―♪『僕の隣に 君はいないよ』

 

モブёжз「いぇぇぇぇぇぇ!」

 

鈴木「」パチパチパチパチ

 

かがみ「確かにスゴいわね」

 

白石「ありがとうございますありがとうございます。さて時間の都合でもう一曲だけになります!」

 

モブийк「えぇ~!?」

 

白石「最後の曲です!『かおりんのテーマ』!」

 

―数分後

 

白石 ―♪『永遠に守るよI promise you』

 

 

鈴木「レベル高いなぁ白石……」

 

かがみ「まさかこんな才能があるとはね……」

 

モブо「アンコール!アンコール!」

モブпрс「アンコール!アンコール!アルコール!」

 

鈴木「」チラッ

 

かがみ「いや、いいわよ。私にそんなに気を使わなくても……」

 

モブтуф鈴木「アンコール!アンコール!」

 

白石「いぇーい!アンコールありがとうございます!じゃあ最後に一曲……『恋のミノル伝説』!」

 

鈴木「なんかここまで良い流れで来たのにいきなり替え歌かよ……」

 

―数分後

 

白石 ―♪『WA WA WAWAWA みのるんるん WA WA WAWAWA』

 

モブ共&鈴木「みのるんるん!」

 

かがみ「『替え歌かよ』とか言いながら、ちゃっかりあんたまで乗せられてるじゃない……」

 

鈴木「あっ」

 

かがみ「まぁ楽しかったんだし仕方ないわよねうん」

 

鈴木「ごめんごめん。そうつい楽しくてな。ごめんって置いてけぼりにして」

 

かがみ「大丈夫だって私は私で楽しんでるから」

 

鈴木「なら良いけど……まぁ気が変わったら言ってくれな」

 

かがみ「ん。さて次はどんな人が来るかしらね」

 

鈴木「午前中の焼き直しみたいなんが出てきたりしてな」

 

かがみ「まさか……さすがに無いんじゃない?」

 

白石(司会)「お待たせしました!準備が整ったみたいです!さぁお次はこなたとパティで『コスって!オーマイハニー』です!どうぞー!」

 

鈴木「なんか聞き馴染みある名前が……」

 

かがみ「気のせい……じゃないかしら……」

 

 

―♪

 

こなた「いぇーい!盛り上がってるー?」

 

パティ「HEY!ミナサーン!センキュー!」

 

鈴木「気のせいじゃ……」

 

かがみ「無かったわね……」

 

こなた ―♪『バーニング・ザ・ファイヤー』

パティ「ファイヤー!」

 

こなた ―♪『戦隊系のキャラでキメて』

 

かがみ・鈴木「……。」

 

鈴木「なんというか……らしいな」

 

かがみ「らしいわね」

 

鈴木「これ、伴奏が明らかに打ち込みだがオリジナル曲か……」

 

かがみ「そういえば前にあの二人がバイトしてるコスプレ喫茶に行ったときになんか聞いたわね。CD出してるとかなんとか……」

 

鈴木「まさかの持ち歌かよ……」

 

―数分後

 

こなたとパティ ―♪『あなたの好きな美少女たちにエンカウント』

 

おれら『いぇい!』

 

 

鈴木「さすがにこれはなんとなく乗ったら負けな気がした」

 

かがみ「かもしれないわね……」

 

こなた「最初に言っておく!俺はかなり強い!」

 

パティ「もう次イってもイイよネ。コタえはキいてない!」

 

白石(司会)「それではつg」

 

こなたとパティ「『悠長戦隊ダラレンジャー』!」

 

こなた「ボク参上!」

 

 

―♪

 

こなた「ふふふ……最初からクライマックスだぜ」

 

おれら『トライ!トライ!』

 

パティ ―♪『荒れ果てたこの世界守るためチェンジライト』

 

 

かがみ「熱気がスゴいわね」

 

鈴木「観客、訓練されすぎだろ……」

 

 

―数分後 曲終了

 

こなた「ふぃー」

 

パティ「Thank you!!」

 

鈴木「すげぇなぁ、ただただ」

 

かがみ「確かにスゴいわね」

 

こなた「いや~あじゅじゅした~」

 

おれら『いえぇぇぇい!』

 

パティ「ハイミナさん、コレから10プンのキュウケイです!」

 

白石(司会)「あっまたボクのセリフが」

 

パティ「チイさなオトモダチもオオキなオトモダチもゆっくりしていってね!!!」

 

こなた「パティそれ違うよ。んでねーこの休憩時間にさっきのCD売るからね~」

 

かがみ「は?」

 

鈴木「何?CD売る?」

 

こなた「いい?保存用観賞用布教用あわせて最低3枚は買いなさい!団長命令だからね!」

 

パティ「ゼイコミ1234エンでショーヒゼイのユクエは禁則事項です♪」

 

こなた「パティ、よけいなことは言わなくていーから、じゃあみんなよろしくね~」

 

鈴木「おいおい……良いのかよ」

 

??(女)「CDいかがですか~?」

 

おまえらA「3枚くれ」

 

??(女)「え~と3702円です」

 

おまえらA「はい」

 

??(男)「はい、3枚ね。お確かめください」

 

??(女)「ありがとうございました~」

 

かがみ「ちょっとあんたたち……」

 

水原「ゲッ……はい」

 

つかさ「あ、お姉ちゃん」

 

鈴木「んなとこで何してるんだよ」

 

水原「いやぁ……ハハハ」

 

つかさ「こなちゃんにお手伝い頼まれちゃって~」

 

おまえらB「おーい10枚くれー」

 

水原「はーいただいまー。あっちでお客さん呼んでる」

 

つかさ「あ、うん。じゃあまたねお姉ちゃん」

 

かがみ「あ、うん」

 

鈴木「なんか……というか俺たちも見つかったら手伝いに駆り出されるんじゃないか?」

 

かがみ「なんかそんな気がしてきたわ……」

 

鈴木「とりあえず休憩時間は外に出とくか」

 

かがみ「そうね」

 

 

 

―10分後

 

鈴木「さて、そろそろ始まるかな」

 

かがみ「そうね」

 

こなた「あーかがみたち来たんだ~」

 

かがみ「あっ」

 

鈴木「お、おう今な」

 

パティ「キュウケイはドコカにイってたんですネ?」

 

こなた「ステージにいた時に2人とも見えてたよ~」

 

鈴木「お、おう」

 

かがみ「へー……」

 

水原「まぁまぁその辺の詮索はとりまおいといて今はライブを楽しもうや」

 

つかさ「はい、サイリウム。お姉ちゃんの分と鈴木くんの分だよ」

 

鈴木「え?」

 

こなた「私からの差し入れだよ~」

 

パティ「ソウコにクサるほどあったからモラってきまシた!」

 

かがみ「あ、あぁありがとう」

 

 

白石(司会)「さぁお待たせしました!これより始まりますのは、カンパニースレイブスの皆さんです!」

 

鈴木「またこいつらか!」

 

かがみ「うわぁ」

 

こなた「かがみ知ってるの?」

 

かがみ「いや午前中も出てたからさ……」

 

鈴木「歌も演奏もすべてエアーのある意味、斬新な……」

 

パティ「カゼのウワサによるとニッポンのブンカをタタエるソングらしいですよ!タノシミです!」

 

鈴木「まぁある意味、日本文化であることは否定しないけどな。」

 

かがみ「そう言われると悲しいところね」

 

水原「ちなみに言うと『讃える』より『支える』が正しいね」

 

白石(司会)「ではカンパニースレイブスの皆さんで『働いて』です!どうぞ」

 

 

―♪『働いて働いて働いてツラいよ』

 

つかさ「あれ、ステージに誰もいないよ?」

 

カンパニースレイブス(馬)「ここにおるからな」

 

鈴木「うわっびっくりした!」

 

こなた「まさか客席から出てくるとは……」

 

かがみ「客席にいたのに歌声が聞こえるって完全に口パクを公表してるじゃない……」

 

鈴木「あ、いつの間にかステージにいる」

 

―♪『僕の給料 安かったの あんなに残業したのに』

 

―数分後

 

―♪『働いて 働いて 社畜と化して 働いて 働いて またサビ残こなして 働いて 働いて いざたどり着いた 給料日はもう…… 働いて 働いて 働いて ツラいよ』

 

 

こなた「うわぁ……」

 

鈴木「あのこなたがドン引きじゃん」

 

こなた「さすがにね~。『フル版うp希望』とか言ってないのにフルだったしね~」

 

パティ「ニッポンのブンカ、オソロシいメンもアルのですネ……」

 

かがみ「いや、パトリシアさんこれはね」

 

鈴木「ごくごく一部であって日本すべてが、こうというわけじゃなくて」

 

パティ「oh...」

 

 

カンパニースレイブス(能面)「はい、そしたらちょっとだけお話しますと、」

 

カンパニースレイブス(馬)「まぁ僕らはしがないサラリーマンです」

 

カンパニースレイブス(能面)「ちなみに、社会の授業みたいですが日本で一番最低賃金が高いのは東京都の932円です。逆に低いのは宮崎県と沖縄県の714円。で、私の給料が時給に計算するとだいたい500円くらい。なのでこの下にきます。」※最低賃金は執筆当時(2016年データ)によるものです。

 

鈴木「うわぁ」

 

かがみ「嫌な宣言きたわね……」

 

こなた「私の半分以下じゃん……」

 

カンパニースレイブス(馬)「まぁそういうことやから現実なんてそんなもんや。そろそろ2曲目いこか」

 

カンパニースレイブス(能面)「ん。では2曲目。一応、これで最後かな」

 

カンパニースレイブス(馬)「じゃあ2曲目!『Worker-Fly』」

 

こなた「うわっ語感が明らかに『Butter-Fly』……」

 

―♪『ゴキゲンな蝶になって きらめく風に乗って 今すぐ 仕事サボりに行こう』

 

鈴木「明らかに替え歌」

 

水原「しかもこれ口パクなんですわ」

 

かがみ「知ってるわよ」

 

水原「ありゃ」

 

こなた「せいぜい『ハタラキモンアドベンチャー』って感じだね」

 

パティ「ヒドいアニメになりそうデスネ」

 

水原「主人公の過労死が1話とか?」

 

こなた「深夜でもキツいよ。いろんな意味で」

 

―♪『学生時代(むげんだいなゆめ)のあとの 休みない世の中じゃ 社への愛しい 想いも負けそうになるけど』

 

こなた「むげんだいなゆめ……ってなんか当て字な気がするよ」

 

鈴木「当て字?」

 

こなた「マンガとか歌詞とかよくあるじゃん。サザンのTSUNAMIの『あんなに好きな女性(ひと)に』とか」

 

かがみ「あぁ~」

 

鈴木「女性って書いて ひと って読ませたりな」

 

つかさ「じゃあ『むげんだいなゆめ』も何か当て字の漢字があるの?」

 

こなた「そんな気がするね~」

 

水原「歌詞カードあるけど見ます?」

 

こなた「あ、うん見る見る~」

 

鈴木「ほうどれどれ……」

 

かがみ「何?どんな当て字?」

 

学生時代(むげんだいなゆめ)

 

こなた「おぅふ」

 

かがみ「なかなか無理があるわね」

 

鈴木「というか学生相手に学生時代=むげんだいなゆめと言っちゃうのは……」

 

水原「身につまされる話だねぇ……」

 

かがみ「聞いてるの学生ばっかりなのにこれ……」

 

こなた「学生だからこそ社会の厳しさをってことなのかなぁ」

 

パティ「キビシいとイうよりホウリツがアマすぎDEATH!ニッポンにはロードーシャのためのホウリツはナインですカ!?」

 

水原「あるよ。あるだけだよ。」

 

 

―数分後

 

―♪『求人票(むげんだいなゆめ)のあとの 何もない世の中じゃ そうさ 勤務時間(じょうしき)はずれも当たり前かな Workし過ぎなイメージを染めた 三年目(べてらん)社畜では 日曜(きょう)も仕事さ Oh My God』

 

おれら『うぉぉぉぉぉ!』

 

鈴木「社畜つったな今」

 

かがみ「言ったわね。社畜って言ったわ」

 

おれらA「かっこいいぞー!」

おれらB「うぉぉぉぉぉ!」

おれらC「ヒューヒュー」

校長「ブラボー!ブラボー!」

 

カンパニースレイブス(能面)「ありがとうございました」

 

鈴木「校長までいるな……大丈夫か」

 

パティ「ドウシテですカ?」

 

こなた「まぁその辺は察しだよねぇ」

 

かがみ「そうね。」

 

水原「だね。中身知ってる私にしては特にね」

 

つかさ「へ~誰なの?」

 

水原「ん?馬がいs」

 

こなた「みずりんストップ!」

 

鈴木「それはやめてやれ!」

 

水原「……後でメール送っときます」

 

つかさ「はーい」

 

おれら・校長「アンコール!アンコール!アンコール!」

 

かがみ「またこのノリね」

 

こなた「実際サクラがいるからねぇ~」

 

鈴木「サクラ!?」

 

パティ「フラワーではナイですヨ」

 

鈴木「さすがに分かっとる」

 

こなた「基本的にみんな最大で3曲まで出来るんだよ~。私たちみたいに持ち歌が2曲なら2曲だけど、3曲のグループは2曲目でいったん止めてアンコールの声を聞いてから3曲目なんだよね~」

 

鈴木「なるほど。最初に『アンコール』って言うのはサクラってわけか。でもなんでそんな意味のないことするんだ?最初から3曲歌えばいいだろ」

 

水原「単に熱狂的な感じで盛り上げたいから。」

 

こなた「担当者がワイワイガヤガヤしてるのが好きだって言うからさ~」

 

かがみ「まったく意味不明ね」

 

カンパニースレイブス(馬)「はーいはいはいはい」

 

カンパニースレイブス(能面)「アンコールありがとうございます。」

 

カンパニースレイブス(馬)「では最後に1曲いくぞぉぉぉぉ!」

 

おれらABC校長「うぉぉぉぉぉ!」

 

カンパニースレイブス(能面)「では最後の曲『真黒な誓い』」

 

こなた「おっこれは……」

 

水原「なんだかんだ言ってもきっちりノらないとね」

 

パティ「あのソングのカえウタですネ?」

 

水原「yes」

 

―♪『休み取るヒマなんかないさ 飯食う余裕なんかないさ ありったけの仕事を胸に 会社での戦いの中へ』

 

かがみ「どっかで聞いた気がするんだけど……」

 

鈴木「ん~分からんなぁ……」

 

つかさ「こなちゃんたちは分かったみたいだけどね……」

 

―♪『今は業務こなすことばかりだけど

信じるこの社と進むだけさ どんな仕事(てき)でも 曜日でもかまわない この職放すもんか』

 

おれら こなた パティ 水原 校長『真っ黒な誓い!!!!!!!』

 

かがみ「あっ、真赤な誓いね……」

 

鈴木「うわぁすげぇみんなで……」

 

かがみ「団結力ヤバいわね。」

 

鈴木「というか校長の声まで聞こえた気が……」

 

水原「ライブはみんなの心を一つにするんだ!」

 

鈴木「何、良い話風に言ってるんだよ!?」

 

こなた「イイハナシダナー」

 

水原「こまけぇことは言いっこ無しだ!」

 

鈴木「まぁそれは……」

 

こなた「来たよ!2番のサビが!」

 

水原「おっす」

 

パティ「Hi」

 

―♪『学生の将来(もの)守るこの使命を 思いっきり抱きしめて』

 

おれら こなた パティ 水原 校長『真っ黒な誓いぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!』

 

鈴木「何故だろう……イイ歌に聞こえなくもなくなってきた……」

 

かがみ「えっ!?鈴木くんまで!?」

 

―♪『いつまでも いつまでも 負い続けるんだ どこまでも どこまでも 燃えたぎるハートを お前と』

 

鈴木「先生も理想の教員と現実の社畜との間で揺れてるんだろうな……」

 

おれら『うぉぉぉぉぉ!かっこいいぞー!』

こなた「ヒュー!ヒュー!」

校長「ブラボー!ブラボー!ワンダフル!あ、そろそろ行かなきゃ」

 

鈴木「校長はカンパニースレイブスの素性を知る前にどこかに行ったな」

 

かがみ「校長も忙しいのよきっと」

 

カンパニースレイブス(馬)「はい終わり」

 

カンパニースレイブス(能面)「はい、ありがとうございました」

 

白石(司会)「はーいありがとうございました!さて次は『若手教師と心は若手教師』の皆さんで『恋するフォーチュンクッキー』です!」

 

鈴木「あー何年か前流行った」

 

かがみ「みんなで踊るのよね。確かに何年か前流行ったわね」

 

カンパニースレイブス(馬)「なぁ白石」

 

白石(司会)「はい、なんでしょう?」

 

カンパニースレイブス(馬)「はけるのめんどいからこれ持ってて」ポイッ

 

白石(司会)「これ?って馬の被り物じゃないですか!顔バレますよ!」

 

石橋「まぁええやろ。はい、あとは能面と○ッキーも」

 

白石(司会)「えっ?えっ!?」

 

鈴木「おぅこのタイミングで顔出しかよ」

 

こなた「吹っ切れたねぇ」

 

水原「わらわらと先生方が出てきましたね」

 

かがみ「これでカンパニースレイブスの3人はうまく紛れたわね。」

 

黒井「なんでウチもやらなあかんねやろうなぁ」

 

桜庭「まぁ仕方ないですなぁ」

 

黒井「だいたい今年の文化祭は色々変え過ぎやねんなぁ」

 

天原「これはこれで楽しいですよ。普段はあまりこういったことはしませんので」

 

黒井「せやねんけどなぁ」

 

かがみ「先生の私語が聞こえるわね」

 

鈴木「先生も賛否両論なんだなきっと」

 

水原「そうですね。でこの恋するフォーチュンクッキーは全教職員参加なんでまぁ団結力は察しですね」

 

かがみ「そういえば天原先生までいるけど保健室はどうしてるのかしら?」

 

こなた「そういえばそうだね。全教職員ってことは保健室以外に職員室とかも空っぽなんじゃない?」

 

鈴木「言われてみれば……」

 

水原「その点は大丈夫。文化奉行……要は実行委が文化祭中の警察的な役目と先生たちの仕事も全部やってるから」

 

鈴木「先生の仕事も実行委がやるのかよ」

 

水原「ええ。まぁ言い方は大げさですけど実行委が文化祭期間中は校内の警察組織『文化奉行』として活動してるんですよ。和装の人見てません?」

 

こなた「あー舞台袖にいたねぇ」

 

かがみ「私たちは見てないわね」

 

こなた「私"たち"?ほーほー」

 

鈴木「げっ」

 

水原「あ゛!そろそろ時間だった!」

 

つかさ「え?もうそんな時間!?」

 

水原「ごめんなさい!ちょっと1時間半ほど文化奉行の仕事頼まれてるんで失礼します!」

 

鈴木「は!?頼まれてるんって誰に?」

 

水原「奉行の人、『少しだけ交代してほしい』って。じゃっ!」

 

つかさ「あっ待って!私もだから!じゃあね!」

 

かがみ「えっつかさも?頼まれて断れなかったのね……」

 

こなた「案外、自分から言ったりしてるかもね~」

 

かがみ「つかさが?いや……」

 

こなた「それよりさ~さっきの続きを聞かせてよ~」

 

かがみ「ゲッ」

 

鈴木「ちっ覚えてたか……」

 

こなた「ふふーん」ニヤニヤ

 

 

 

 

―数時間前・廊下

 

みゆき「皆さんはバンドのライブに行ったみたいですね」

 

副委員長「だね。静かで平和だからいいよ」

 

みゆき「ええ」

 

副委員長「でもだからって休憩もないのは流石に……とは思ったけど代わりも頼めないしね」

 

みゆき「そうですね」

 

つかさ「ゆきちゃーん」

 

水原「お奉行お疲れ様です」

 

みゆき「あ、はいお疲れ様です」

 

副委員長「お疲れ様ー」

 

水原「調子どないっすか?」

 

みゆき「おかげさまで何も起きませんので平和ですよ」

 

水原「ほぅよかったよかった」

 

つかさ「でもさっき休憩無いって言ってなかった?大丈夫?」

 

副委員長「あちゃ聞かれてたか……でも大丈夫だよ」

 

つかさ「そう?」

 

副委員長「さっきも言ってたけど事件とかも無いし忙しくはないから。それに仕事を代わってくれる人を探すのも大変だしね」

 

水原「あー代役を自分で見つけなあかんのや……それは大変やね」

 

つかさ「私代わろうか?ちょっとくらいだったらいいよ?」

 

副委員長「え?いや、いいよ。悪いし」

 

水原(というよりは1人だけ業務離れても意味ないもんね)

 

つかさ「でも私と代わったらその間は休憩できるよ?」

 

副委員長「いやいやでも……」

 

つかさ「いいよ?大丈夫だよ?」

 

水原(やれやれ……こうするしかないなぁ)

 

水原「じゃ私もピンチヒッターしようか?じゃあ二人ともしばらく休めるし」

 

みゆき「いえ、私はそんな……お仕事がありますし」

 

水原「まぁまぁそう言わずに……この辺りの時間帯で2時間くらいどう?」

 

みゆき「いえ、悪いですよ」

 

水原「いや~私がお奉行やりたいだけなんだよ~和装とかすげぇかっこいいじゃん」

 

みゆき「そんな……いえやっぱり悪いですよ」

 

水原(そこのヘタレ野郎のために2人きり仕事なしタイム作ってあげたいんだよ)「察してよ~」

 

みゆき(水原さんはつかささんと一緒にいたいんですね)「察しました。つかささんも代わっていただいて良いんですか?」

 

つかさ「もちろんだよ~」

 

みゆき「ではこの時間帯で1時間半だけ代わっていただけるということで」

 

副委員長「あ、ありがとう。」

 

みゆき「本当にありがとうございます」

 

水原「いえいえ、ほなまた後で交代の時にー」

 

つかさ「じゃーね~」

 

 




-らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!らっきー☆ちゃんねる始まりました!ナビゲーターの小神あきらです!さて、アシスタントは司会に行っていていないんですが、今回は素敵なゲストが来てくれました!!」

あきら「さっそく、来てもらいましょう!カンパニースレイブスの3人です!!」

カンパニースレイブス(馬)「どうもー!」

カンパニースレイブス(能面)「はいこんにちはー」

カンパニースレイブス(〇〇キー)「うーす」

あきら「ということでまぁ中身は一部だけバレているんですが、今回それは置いといて、文化祭のライブどうでしたー?」

カンパニースレイブス(馬)「まぁ言うても歌ってへんし演奏もしてへんから踊るだけやし楽っちゃ楽やねんけどな」

カンパニースレイブス(能面)「3日くらいで合わせましたね」

カンパニースレイブス(〇〇〇―)「そうっすねー。」

あきら「へ、へー」

カンパニースレイブス(能面)「一応、口パクの収録は私たちでやりましたね」

カンパニースレイブス(〇〇〇―)「そーそー」

カンパニースレイブス(馬)「まさか、俺ら3人でカラオケ行くとは思いませんでしたね」

あきら「あ、あのー勝手にしゃべらないでくださいね?みなさんは普段は学校の先生なんですか?」

カンパニースレイブス(馬)「せや。私立やしカンパニーを名乗ってるんやけどな。」

あきら「へ、へぇ」

カンパニースレイブス(能面)「一応、私たちガチで時給500円ユニットですので」

あきら「あ、あー」

カンパニースレイブス(○○○ー)「必死のパッチでやってるっちゅうことやな」

あきら「あー、はい!ありがとうございました!カンパニースレイブスの皆さんでしたー!」

カンパニースレイブス(3人)「後夜祭で会おうぜ!!」

あきら「ばいにー!!」


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[第102話]痴話喧嘩

 

―体育館

 

こなた「でさ~かがみん~?」ニヤニヤ

 

かがみ「確かに鈴木くんと一緒にいたわよ。たまたまよ?たまたま」

 

こなた「またまたじゃない?」

 

かがみ「それは偶然でそんなあんたが思うような」

 

こなた「まぁまぁかがみ、ここじゃ言いにくいなら後で聞くよ~」

 

鈴木「それくらいにしてやれ。毎度毎度同じネタでいじられて俺が申し訳なくなる」

 

こなた「ふふーん。じゃあ鈴木くんから根掘り葉掘り聞いちゃおうかなぁ~」

 

鈴木「なんだよ。何もやましいことしてねぇよ。悩み相談とネットカフェに行っただけで他は体育館でライブ見てるだけだろ」

 

こなた「鈴木くん、それを世間ではデートというんじゃないかい?」

 

鈴木「ばっ……そう思いたきゃ勝手に思ってろ」

 

こなた「ん~やっぱり鈴木くんじゃいじりがいがないなぁ~。ね、かがみ?」

 

かがみ「いやいやいやあんたのギャルゲ脳と同じにすんな」

 

こなた「うっ、かがみんがひどい」

 

かがみ「はいはいごめんごめん」

 

こなた「謝り方も投げやりだし」

 

鈴木「だいたいいつもなんだかんだ言うこなたはどうなんだよ」

 

こなた「え、私?私はまぁ大人の事情というか神の見えざる手というかまぁそのあれだよ」

 

鈴木「誤魔化すのかよ。他人様をおちょくるだけおちょくって自分はそーゆーことか、えぇ?おい?」

 

こなた「ちょっと鈴木くん、やばい主人公がしちゃいけない顔してるよ!」

 

鈴木「たまには良いんだよ!いつもいつも同じネタでいじりやがって……そんなにくっつかせたいのかよ」

 

こなた「うん。」

 

かがみ「おい」

 

こなた「だって私は真面目にお似合いだと思うけどなー。まぁそこそこ真面目だしそこそこバランス取れてるしお互いそこそこ好き同士、意識しあってるわけだしそれに」

 

かがみ・鈴木「もういい!」

 

こなた「息ぴったりだしね~」

 

かがみ「あっ。ちょっと!なんで同じこと言うのよ!?」

 

鈴木「なっ?たまたまだろ!うまく乗せられたのに八つ当たりすんなよ!」

 

かがみ「私が八つ当たりしたって言うの!?」

 

こなた「ほらほら2人とも~。喧嘩するほど仲がいいって言うし痴話喧嘩じゃん」

 

鈴木「どこがだ」

かがみ「どこがよ」

 

こなた「ほら」

 

みゆき「あの……お二人言い争いされてるように見えたのですが……」

 

かがみ「あ、みゆきじゃない」

 

みゆき「えーと大丈夫なのでしょうか?」

 

こなた「ただの痴話喧嘩だし大丈夫だよ~」

 

かがみ「ちょっだから!」

 

みゆき「うふふそれなら大丈夫ですね」

 

かがみ「みゆきまで!?」

 

鈴木(勘づかれてる?この勢いで……いや勢いで行動するのはよくないな。ここはひとまず話をそらす方向で)「ん?そういえば文化奉行がどうとかじゃ無かったか?」

 

みゆき「あ、一時間半だけ変わっていただいてるのです」

 

鈴木「なるほどな」

 

こなた「そんな変わってくれる物好きが……あぁ~それで副委員長もいるのか~」

 

副委員長「えっあっ」

 

みゆき「えぇお二人と変わっていただいたので……私は別に良かったのですが空気を読んだような形で」

 

こなた(みゆきはさんそれは勘違いだよ……って言いたいけどさすがに言うべきなのかなぁ)

 

かがみ(つかさと水原くんが二人で変わってほしいと言ってきてみゆきは空気を読んで代わってあげたってことね)

 

鈴木(多分、空気を読んだのはみずりんかつかささんの方だよなぁ。気付いてんのか?)

 

みゆき「……?何か?」

 

鈴木(だめだこりゃ。こっちは……)

 

副委員長「……。」

 

鈴木(あーこなたにバラされないかとかその辺と自分のヘタレさで無言になってやがるし)

 

こなた(こりゃダメだねぇ……)

 

鈴木(……人の振り見て我が振りなおせとか言われそうだけどな)

 

パティ「ハイ、サイリウムです!せっかくのライブだからモりアガりましょう!」

 

副委員長「あっうんありがとう」

 

みゆき「ありがとうございます」

 

こなた「よし二人ともサイリウム持ってぜひヲタ芸を……」

 

かがみ「こら!」

 

鈴木「何、布教しようとしてんだよ!」

 

こなた「ほら、優等生カップルがヲタ芸打ってるってなかなかのロマンじゃん」

 

かがみ「何がロマンよ!」

 

副委員長「それにその……カップルでもないし」

 

こなた(お?ここで勢いに任せて『けどカップルになりたい』とか言っちゃえ!)

 

副委員長「……ね?」

 

みゆき「え?えぇ」

 

こなた(ヘタレ!)

 

副委員長(あ、さっきだったら何かうまく言えたかも……遅いな)

 

みゆき(何でしょうか。このなんとなく気まずいような空気は……)

 

こなた(あれ?そういえばここにいるのは中途半端カップル2組で私だけ浮いてるじゃん……なんか急にオセロで劣勢になったような気が)

 

パティ「コナタ!」

 

こなた「あ!パティがいるじゃん!」

 

パティ「ツギはコナタがタノシミにしていたあのヒトたちでスヨ!」

 

こなた「あっ!そうだった!」

 

 

かがみ「やれやれあいつは何がしたいのかしらね」

 

鈴木「まぁさっきまで俺たちいじってたと思ったら今はライブに夢中だもんなぁ」

 

みゆき「きっと泉さんはみんなが楽しい方向に進んで欲しいと思っているんですよ」

 

鈴木「へー(棒)」

 

かがみ「楽しい方向……ね。ねぇ鈴木くん」

 

鈴木「ん?」

 

かがみ「あいつはさ、あぁやってことあるごとにいじって遊んでるけど根は良い奴なのよ」

 

鈴木「こなただろ?それは分かってる」

 

かがみ「だからさ、嫌なら嫌でバサッと言ってあげたらあいつももうそのネタでいじってきたりしないと思うのよ」

 

鈴木「そのネタ?」

 

かがみ「だからその……私と鈴木くんがその」

 

鈴木「あぁ……そのネタか」

 

かがみ「鈴木くんが迷惑でしょ?私のせいで変な噂がたったりとかしたら」

 

鈴木「俺か?俺は別に迷惑とは思わないが」(って俺何口走ってるんだ!?)

 

かがみ「え?それどういう……」(もしかして私のこと……いやいやいやいやいやいや何考えてるのよ!?単に何も考えずに言っただけで……って何も考えてないのになんでそんなセリフが……え?え?)

 

鈴木「今のは聞かなかったことにしてくれ」

 

かがみ「あ、うん……」

 

鈴木(いやいっそ聞かれてても……ドン引きされて以後、人として関わってもらえない危険を考えたら聞いてないことにしてもらったほうがいいのか……?)

 

かがみ(聞かなかったことに……出来ないわよね……)

 

かがみ・鈴木(誰かどうしたらいいか分かるなら教えて!)

 




-らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!今日も始まりましたらっきー☆ちゃんねる!!ナビゲーターの小神あきらです。さぁアシスタントが毎回の楽しみになってきたようなこのコーナーですが今回は!?」

あずきシティ「どうもーやってきましたー!あずきシティでーす」

あきら「はい!ってことで~!呼んでもない作者ですね~!」

あずきシティ「ひでぇ!!」

あきら「で、今更ノコノコ出てきてどーすんのよ。今回の話、なかなか中身ないじゃん」

あずきシティ「はい、今読み直しててそう思ったので詫びに出てきたのです」

あきら「wwwww」

あずきシティ「次回、いよいよ文化祭1日目終わりです。この1日目は楽しんでいただけたでしょうか?私の詰め込みたいものを詰め込みまくったものになりました」

あきら「詰め込みまくったw」

あずきシティ「カンパニースレイブスとか替え歌とか単に気にって出してるだけだしwww」

あきら「へー!で、詰め込みたいものだから2日目編も詰め込んじゃうんですね!」

あずきシティ「そうですね!2日目編はちゃんと本編で進めなきゃいけないお話をやります。けど、そこの間を狙って突っ込んでいきますww」

あきら「なるほどー」

あずきシティ「まぁちゃんとした本編のオオモトの話も書きたかったんだけどね」

あきら「まぁなんだかんだで半年くらい連載してますもんね~」

あずきシティ「そうなんです。本当にありがとうございます。」

あきら「はーい。おもんない話になりそうですのでここで終わりますね!」

あずきシティ「あ、はいー」

あきら「ばいにー!!」


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[第103話]暴走運転

―バス乗り場

 

こなた「いや~混んでるねぇ」

 

つかさ「そだね~」

 

かがみ(さっきの発言の意味、聞いてみる?でもここで聞いたらこなたに色々言われるわよね……)

 

鈴木(結局、何も言えなかったな……)

 

こなた「あっ、バス来たね~ゲッ……ひさびさに水野ティーチャーじゃん……」

 

鈴木「そんな露骨に嫌がらなくても……」

 

こなた「ほら、先生運転荒いじゃん。私、結構酔いやすいからさー……」

 

鈴木「なるほどな……」(というかかがみとちゃんと話しておかないとな……)

 

水野(車外マイク)「お待たせしましたーご乗車しましたら前後左右に分かれて今一歩奥までお詰めください」

 

鈴木(ってもいつなら話せるんだよって感じだが)

 

水野「前後左右に分かれて奥までお詰めください。あと2歩ほど奥へ進んでください。」

 

こなた「うわぁ……文化祭の影響で運動部とかが部活なく帰るからみんな同じバスに集中するんだねぇ」

 

かがみ「これ乗れるかしら」

 

こなた「なんだったらかがみんと鈴木くんだけ次に乗ったらー?その辺りの気配りはしてあげるよ♪」

 

かがみ「またあんたはそんなことばっかり言って!良いわよ乗るわよ!さっさと帰るわよ!」

 

水野「すいません、満員ですので次をお待ちください。」

 

こなた・かがみ・鈴木「え?」

 

鈴木「あっちょっ!?俺だけ置き去りなの?」

 

 

 

―バス車内

 

かがみ「どうしよ……鈴木くんだけ置いてきちゃった」

 

こなた「かがみが私の親切を踏みにじるからだよー」

 

かがみ「そんなつもりは」

 

こなた「まぁ鈴木くんは多分、そんなことじゃ怒らないし駅で待っててあげたら?」

 

かがみ「いや、まぁ……でもわざわざ待つのも変だしまた明日謝れば……うん」

 

こなた「……ふーん」

 

水野「ご乗車ありがとうございます。現在、このバスは満員ですのでお降りお知らせ無ければバス停は通過します。只今、約15分ほど遅れて運行しています。恐れ入りますが回復運転しますので手すり吊革しっかりお持ちいただき座席にお座りのお客様はしっかりと深く腰掛けてください」

 

こなた「これなんて死刑宣告?」

 

 

 

―バス停

 

鈴木「あーあ……うまくバス停に取り残されたなぁ……誰もいないのに俺、誰に話しかけてんだろ」

 

 

―プシュー

 

女性運転士「お待たせしましたー」

 

鈴木(もう来たのか……というか乗客俺1人か)

 

運転士「発車しまーす」

 

 

 

―その頃、こなたたち

 

つかさ「こなちゃん大丈夫?」

 

こなた「ウッ……た…多分大丈夫……」

 

かがみ「ちょっ……と……しっかりしな……さいよ…」

 

こなた「か…かがみも……ね」

 

―ウ~ウ~

 

こなた「なんだかサイレンが聞こえるなぁ~かがみ~ガサ入れ前に私のDドライブを……」

 

かがみ「だから違うでしょ……」

 

つかさ「お姉ちゃんも元気ないよ?大丈夫?」

 

??「そこの運転手さーん!とまりなさーい!」

 

こなた「あれ?これってゆい姉さんの声じゃん……私、走馬灯でも見てるのかな?」

 

かがみ「いや、多分違うわよ。私にも聞こえるわ」

 

こなた「じゃあ誰かがゆい姉さんに見つかっちゃったんだね~ゆい姉さんに見つかったら逃げられないよ~かわいそうだね~」

 

かがみ「そういえば交通安全課だっけ?だったわよね」

 

こなた「ゆい姉さんの前で交通違反しちゃうとは度胸があるというか、運がないというか……」

 

ゆい「そこのバスだよ!とまりなさーい!」

 

こなた・つかさ・かがみ「え?バス?」

 

水野「チッ……お急ぎのところ恐れ入ります。一旦止まります。お急ぎのところ恐れ入ります。少々お待ちください」

 

こなた「なんだかワクワクしてきたよ」

 

かがみ「急にイキイキしてきたわね」

 

こなた「ちょっと前の方に行って様子見てくるよ~」

 

つかさ「は~い」

 

かがみ「さっきまでの酔いはどこ行ったのよ……まぁ私たちは動くのも面倒だしここにいるわ」

 

―運転席

 

水野「呼び止めましたか……あ」

 

ゆい「あ!ゆたかたちの先生じゃん!」

 

水野「どうもいつもお世話になっています」

 

ゆい「いえいえこちらこそ~」

 

水野「ではっ!」

 

ゆい「いやいやいやいやそうじゃなくてですね」

 

水野「?」

 

ゆい「さっきの信号!赤信号無視したでしょ?」

 

水野「え?」

 

こなた「姉さんちわーす」

 

ゆい「あ、こなたじゃん!ごめんね、今お姉さん仕事中だからさ!」

 

こなた「大丈夫だよ。見学してるだけだから」

 

ゆい「で、信号無視した上に結構スピードも出てたよね?」

 

水野「いや、メーター見てなかったんで何キロはちょっとですけど信号もギリギリセーフじゃありませんでした?」

 

ゆい「いやいやいや80キロ出てたよ?ミニパトで追いかけるの大変だったんだから。それに信号もバッチリ赤だったしさ~」

 

水野「ま、まぁ……でも今、お客様もいるのにちょっとくらい甘めに見てくれても……」

 

ゆい「いやぁちょっと普段は甘めに見てるけどさ~さすがに制限40キロオーバーと赤信号無視はダメでしょ~」

 

水野「まぁまぁそう言わずにですね……」

 

こなた(なんか警察24時みたいなやり取りだね~)

 

 

 

―その頃

 

鈴木(明日か……明日ミスコンだしな。とりあえずそれを頑張ってもらって俺の発言は一晩寝たら忘れてるだろう……か)

 

女性運転士「お疲れ様です。今日、文化祭ですよね?」

 

鈴木「え?俺ですか?」

 

運転士「しかいませんよ?」

 

鈴木「あ、あぁそうっすね。今日、文化祭ですね。というか客としゃべってて良いんですか?」

 

運転士「まぁ、他にお客さんもいないんで大丈夫じゃないですか?で、文化祭なのになんか浮かない顔してますけど何かあったんですか?」

 

鈴木「え?そんな顔に出てます?というかどうやって顔見てるんですか?」

 

運転士「え?どうやってって……ミラーで、ですよ。モロ顔に出てますし。だいたい文化祭の帰りに肩落として1人でバス乗ってきたらアレ?って思いますよ」

 

鈴木「へぇ~……いやまぁ1人なのはたまたま前のバスが俺だけ満員だからって置き去りにしていっただけなんですけども」

 

運転士「あっそれは申し訳ありません……でも肩を落としてたのは否定しないんですね」

 

鈴木「いや、あっ……それは」

 

運転士「まぁまぁ私に話してみたらいいですよ。」

 

鈴木(なんか微妙に上からだな)

 

運転士「全く知らない人の方が良いこともあるかもしれませんし」

 

鈴木「あーそーですかー」

 

運転士「で、振られた?振られたの?」

 

鈴木「いやいやちょっと待ってくださいよ。なんでいきなりそれなんですか」

 

運転士「いや友達がいないタイプでも無さそうだし文化祭帰りに1人って言うのはそれくらいかなーって」

 

鈴木「いやいや1人なのは前のバスに」

 

運転士「あっ、そうだったそうだった。ごめんなさい。前のバスに彼女がいるのね。でも一緒に帰れなかったから落ち込んでる……と」

 

鈴木「いやいや彼女じゃなくて」

 

運転士「え?片思い?何々?甘酸っぱい系?」

 

鈴木「なんでそんなテンション高いんっすか……」

 

運転士「いやぁ~なかなか年頃の男の子の話なんて聞けないしね~なんでもいいからお姉さんに話してみなさい~」

 

鈴木(なんでちょいちょい上からなんだよ)

 

運転士「ほら早く~。彼女じゃなくて振られてもないってことは明日の文化祭二日目に告白?」

 

鈴木「いやいやなんでそうなる!?」

 

運転士「だってイベントなんてそんなもんでしょ?勢いでコクってそのまま一緒に文化祭でイチャコラしちゃおうって事じゃないの?」

 

鈴木「いや、イベントはそんなもんかどうかは知りませんけど勢いって」

 

運転士「まぁ勢いじゃなかったらアレね。マジしか無いわね」

 

鈴木「マジ……」

 

運転士「だってアレでしょ。片思い云々の件(くだり)で否定してないし。思うところはあるのよね?」

 

鈴木「いや、それは……」

 

運転士「ほら~思い当たる人はいるんだし。ってかなんでさっき落ち込んでたの?うっかり嫌われることとかした?」

 

鈴木「いや……あー」

 

運転士「男でしょ。はっきり言っちゃいなさいよ。……あ、今時こういう言い方するとダメなんだっけ……すみません」

 

鈴木「え?あー……まぁ気にしないでおきますよ」

 

運転士「で、何?何やったの?」

 

鈴木「んー……いや、俺と彼女……まぁKとでも言っときましょうか。をからかってくっつけてたがるヤツがいるんですよ。あっそいつもKか……ややこしいな」

 

運転士「じゃあお客さんといい感じの女の子をKちゃん。からかってくる人をまぁAにして話をして」

 

鈴木(なんかまた上からな気がするな)「あっはい。……Kがですね、言ってきたんですよ。『Aのせいで変な噂が立ったら俺の迷惑になるでしょ?』って。で俺は『迷惑とは思わない』って答えたんだが……これって暗に好きだって言ってるようなもんだしマズいなぁ……と」

 

運転士「え?なんで?」

 

鈴木「いや、なんで?って……」

 

運転士「Kちゃんも自分から否定しないのはお客さんと付き合っても良いって思ってるからじゃない?」

 

鈴木「いや単に気をつかってるだけじゃ……」

 

運転士「じゃあさ、いっそ『こないだの件だけど俺はKちゃんと付き合いたいんだ!』って」

 

鈴木「なっ!?」

 

運転士「さすがに気をつかうだけで付き合うレベルまでは行けないだろうし、物事は先手必勝だよ?」

 

鈴木「いや、確かに気をつかうだけで付き合うことは無いだろうけど……」

 

運転士「取られる前に取っちゃいなよ。そのKちゃんのこと、お客さんはどう思ってるの?」

 

鈴木「いや……うーん……確かに転校した日からだいたい一緒にいたし結構、楽しかったことも多かったし……だからといって」

 

運転士「いや、十分好きじゃん。一緒にいて楽しいならそれが正解じゃん。それになんかすごい良い人みたいだし優良物件はうかうかしてたら誰かにかっさらわれるよ!さ先手必勝!明日が勝負!」

 

鈴木「いやっ……優良物件って……」

 

運転士「ん?前のバスがハザード出して停まってる……」

 

鈴木「え?」

 

運転士「ちょっと様子見てきて良いですか?」

 

鈴木「あ、はい……」

 

―2分後

 

運転士「前のバス、スピード違反で捕まってたみたいで事件じゃないみたいなんで大丈夫です」

 

鈴木(ある意味、事件だろ……)「というか先手必勝とか言ってたけど先に出たバスは捕まって後の俺らは……」

 

運転士「あっ……さ、運転中は話しかけないで頂けますか……アハハハ……」

 

鈴木(逃げたな……)

 

 

―駅前

 

運転士「ご乗車ありがとうございましたー」

 

鈴木「はいありがとうー」

 

運転士「明日、楽しみにしてますよ!」

 

鈴木「いや、楽しみにされても……」

 

運転士「ただ今日は難しいかな……警察に捕まってたのうちのバイトリーダーだしかなり粘ってると思うから……ごめんね?」

 

鈴木「いや、それは純粋に俺より乗ってる客がヤバい気がする……」

 

運転士「そうね……じゃっ明日頑張れ」

 

―プシュン ガガガガガガ...

 

鈴木「教師の副業でバス運転士のバイトしててバイトリーダーかよ……そんなことはどうでもいいか」

 

鈴木(問題は俺自身か……俺はかがみのことが好きなのか。いやきっと好きなのだろうな……。悪く思うこともないし、だいたいいつもそばにいたし……何よりこれまで色々あったが楽しかった……。)

 

 

 

―その頃、前だったはずのバス

 

かがみ「いつまで待たされるのかしら……」

 

つかさ「ねぇ、いよいよ明日だねお姉ちゃん」

 

かがみ「あぁミスコンね……そうねぇ私が出るとは思ってなかったけど、いざ出るとなったらまぁ頑張れるものね」

 

つかさ「あ、じゃあダイエットは」

 

かがみ「まぁうまくいった方よ。鈴木くんのおかげで挫折しなかったのかもね…ってまだあと2食あるし油断は出来ないけど」

 

こなた「ふふ~ん、かがみダイエットしてるんだ~」

 

かがみ「げっ……アンタいつの間に……」

 

こなた「いやぁずっとゆい姉さんと先生の攻防が続いてて飽きちゃったからさ~」

 

かがみ「ふ、ふーん。私がダイエットしてるのは普通でしょ」

 

こなた「いやぁダイエットはね~。でもそれがミスコンのためだったとはね~」

 

かがみ「そこまで聞かれてたか……」

 

こなた「ミスコンのためにダイエットを成功させるとはかがみはやっぱりかわゆすな~。うまく行ったのは鈴木くんのおかげかなぁ?」

 

かがみ「ばっ……だからなんであんたはそう……!」(あながち色々手伝ってくれたし間違いじゃないけども……)

 

こなた「ほら、よく言うじゃん。恋したらかわいくなるって。きっとそれだよ~」

 

かがみ「おい!」

 

こなた「こりゃ明日はイベントデーだし何かあるかなぁ?」

 

かがみ「?イベントデーって……確かに文化祭最終日だけどサ、何かって何よ?」

 

こなた「いやぁ告白とか?体育祭、文化祭、卒業式は定番じゃん」

 

かがみ「そんなギャルゲーの定番を言われても……それに告白なんて」

 

こなた「まぁギャルゲーの定番ってのは否定しないけどねー。でもあるかもしれないよ~」

 

かがみ「いやいやだってそんな素振りは……」(あっ、いやあれは多分違う?)

 

こなた「ほら~何かあるでしょ~?それにかがみがミスコンで活躍したらさ~」

 

かがみ「いやしないし」

 

こなた「仮の話だよ~それにかがみは普通にかわいいからみゆきさんとかがいない限りかなりイイ線行くんじゃない?」

 

かがみ(あっ、みゆきが出るのは知らないんだ……)

 

つかさ「?ゆきちゃんも出るよ?なんか数合わせで仕方ないんだって~」

 

こなた「え゛っ!?マジで?」

 

かがみ「あっ!」

 

つかさ「あ、言っちゃダメなんだっけ?」

 

かがみ「いや、なんとも言ってなかったけど……」

 

こなた「へ~~~~………数合わせで仕方なく……か……確かにみゆきさんならありえる。」

 

かがみ「そう。で、この際だから言うと私も日下部に勝手にエントリーされて、みゆきには泣いて喜ばれて断るに断れなかったの。」

 

こなた「ふ~ん。でもドレス着るんでしょ?」

 

かがみ「ま、まぁ……」

 

つかさ「私が作ったんだよ!期待しててね!」

 

こなた「おぅ!安心と信頼と実績のつかさ印!」

 

かがみ「つかさ、余計なこと言わないでよ!……ドレスは周りもなんだし、そんな……」

 

こなた「でも気合い入れてダイエットしてるんでしょ?素直になっちゃいなよ~ちょっとは何か無いかなぁ、それが鈴木くんだったらなぁって期待してんじゃないの?」

 

かがみ「それは……」

 

こなた「まぁみゆきさんがいるとは言えかがみもイイ位置につけると思うし鈴木くんも焦って何かしてくれるんじゃない?」

 

かがみ「仮にイイ順位だとしてなんでそうなるのよ」

 

こなた「だってさー他の人に取られなくないじゃん。でミスコンで注目されたら誰かに取られるって心配になって行動してくれるよ~」

 

かがみ「ふ、ふーん……そんなもんなのかね」

 

こなた「そんなものだよ~。みずりんなんかよくつかさの下駄箱に入ったラブレターを焼却処分してるんだしさー男子なんてそんなもんだよ~」

 

かがみ・つかさ「えっ!?」

 

つかさ「そんなことしてたの?」

 

こなた「いやーウソだよー。でも信憑性あるウソでしょ~?男子なんてそんなんだよ~」

 

つかさ「はービックリした~」

 

かがみ「まぁ……そんなものなのかしらね……」

 

こなた「だから鈴木くんはかがみんにアプローチしてくれるよ。ダイエットだって鈴木くんのおかげで挫折しなかったんでしょ?」

 

かがみ「そこも聞かれてたか……」

 

こなた「鈴木くんがそこまで親身だったって脈アリだよきっと。」

 

かがみ「それは……まぁ確かに手伝ってくれたのは感謝してるけど……うん」

 

つかさ「あ、そうだ!何か鈴木くんにお礼したら?」

 

こなた「つかさナイス!」

 

つかさ「えへへへ~。クッキーでも焼いて持って行ったらどうかな?」

 

かがみ「いや、それは……時間もかかるし明日用意するのも大変だし……それに私が作ったら形が変になるし……」

 

つかさ「じゃあ私が作る?」

 

かがみ「それはちょっと……お礼するなら自分で作ってみたいなぁ……なんて……」

 

こなた「形と自分で手作りを気にするとはかがみも乙女ですなぁ~。だいぶ前に私に出してくれたクッキーは形がいびつだった気が……」

 

かがみ「るさいっ!」

 

つかさ「うーん大丈夫だと思うけど……じゃあ、もっと手軽に良いのがあるよ。私も手伝うし大丈夫!」

 

かがみ「そう?じゃあそれにしようかな……」

 

こなた「いやぁ楽しみだねぇ」(案外バカップルっぽいのがなんとも……)

 

つかさ「じゃあとりあえず駅前で材料買ってから帰ろうね」

 

かがみ「はい……ってさすがにそれくらいは分かるわよ!……問題は駅にいつ着くか……ね」

 

こなた「まぁそれは……察しだね……」

 

 




石橋「はいどーもー。ってことで次から二日目なので再びあの企画です」

黒井「またやるんやなーこの企画」

天原「まぁまぁ、とりあえずいきましょう」

桜庭「文化祭二日目企画紹介―」

石橋「はいーぱちぱちぱちー」

天原「ということで、まずは体育館ですね。皆さんのお待ちかね!ミスコン!!」

桜庭「の前にオープニングセレモニーが用意されてある。軽い余興だな。」

石橋「まぁオープニングセレモニーが終わればミスコンや!!さぁ優勝は誰になる!?」

黒井「まぁウチやろな―!!」

桜庭「まぁ、そういう時間軸もあるな。」

黒井「時間軸?桜庭さん難しいこと言いますなぁ~」

天原「まぁ正直、話の流れで行くと柊さんか高良さん、黒井先生の3人のうちの誰かですよね」

石橋「はーい、ミスコン予想はそれまでや~。次行くで」

黒井「はい、ほなラジオ番組な。ウチのクラスの水原が全部取り仕切ってる奴やな」

天原「ミスコン優勝者にぐいぐい聞いちゃう放送から双子姉妹のゆるーりまたーり放送、桜高軽音部のライブ的放送、オタクたちがgdgdと語る放送とよりどりみどりで~す。」

教師A「あとはメイド喫茶をどっかのクラスがやりますね」

石橋「ネットカフェにメイド喫茶とだいぶサブカル化してきたなぁ」

教師A「ただ、このメイド喫茶も普通とは違うみたいですね」

桜庭「後はいろいろあるが楽しそうなのは後夜祭だな。」

石橋「まぁらっきー☆ちゃんねるとか俺と水原がしゃべるだけのラジオ放送はおもんなさそうやもんな」

黒井「後夜祭言うてもまたライブパートやろ」

石橋「せやな。どうせまたカンパニースレイブスが新曲持ってくるんやろうな」

天原「まぁ後夜祭の司会は白石君ではありませんから、この枠を使ったらっきー☆ちゃんねるはちゃんとできると思いますよぉ~」

桜庭「ん」

石橋「ほな、これで終わりにしよか」

黒井「そしたら挨拶しよかー。せーの」


石橋「ティーチャーズでした!」
教師A「ティーチャーズでした!」
黒井「ティーチャーズでした!」
天原「では、お会いしましょう」
桜庭「ばいにー」


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[第104話]信じる者は救われる

―翌朝・電車内

 

鈴木「ふぁぁぁぁぁぁ……」(ちょっと早起きしただけで眠いなぁ)

 

かがみ「フフッ……情けないあくびね」

 

鈴木「!!……おはよう。早いな」

 

かがみ「おはよう。早くに呼び出したのはどこの誰よ?」

 

鈴木「多分、ここの俺だな……」

 

かがみ「でしょ」

 

鈴木「朝早くに呼び出してすまんな……」

 

かがみ「いいわよ。今日が文化祭2日目。色々あったけど今日で最後だしね」

 

鈴木「ん?あぁ……そうだな……」(今日が終われば後は受験しかないもんな……。)

 

かがみ「そういえばサ、鈴木くんは今日の文化祭どうするの?」

 

鈴木「ん?俺か?俺は……とりあえずミスコン見て、その後ミスコン優勝者をゲストに呼んだラジオ番組のMCを頼まれてるが……その後は何もないな。かがみは?」

 

かがみ「私?私は……朝、誰かさんに呼び出された後、ミスコン出場者の最終打ち合わせがあってミスコンの本番があって……くらいね」

 

鈴木「あとは優勝者のラジオ番組だな」

 

かがみ「いやいや私は……」

 

鈴木「俺は結構マジだけどな」

 

かがみ「ふーん。ありがと。でも期待しないでね?」

 

鈴木「で、結局そのラジオ番組の後は暇なんだ?」

 

かがみ「まぁそうね」

 

鈴木「じゃあさラジオ番組終わったあたりでどうだ?文化祭見て回らないか?」

 

かがみ「ん?いいけど……」

 

鈴木「いや、予定があるんだったらいいんだが俺はあいにくノープランなんでな」

 

かがみ「へー。でも私でいいの?他にもっと誰かいきたい人がいたりしないの?」

 

鈴木「んー……いや、それはないかな。とりあえず詳しいことはまた後で連絡する。朝の間はお互い忙しいしな」

 

かがみ「わかった」(……ってなんで私?ってのは分からないんだけど……うまくはぐらかされたし)

 

 

―学校・裏庭

 

みゆき「おはようございます」

 

鈴木「おはよう」

 

かがみ「おはよう」

 

鈴木「……一番の不安材料がいない……」

 

―ゴツン!

 

鈴木「っ!いってぇ!」

 

黒井「誰が不安材料やねん!」

 

鈴木「誰も先生のこととは言ってないでしょ!」(まぁ先生のことだけど)

 

黒井「フッフッフッ……真打ちは後から登場するんや」

 

鈴木「へー。」(冷たい視線)

 

黒井「なんやその冷たい目は!」

 

鈴木「では早速で恐縮ですが……いよいよミスコン本番当日、結果を教えてもらいましょうか」

 

かがみ・みゆき・黒井「……。」

 

鈴木「まさか……」

 

かがみ「それがね……」

 

みゆき「えぇ……」

 

黒井「ばっちりなんや!」

 

鈴木「お!?」

 

かがみ「えぇ私も目標までたどり着いたわ」

 

鈴木「おお!!」

 

みゆき「おかげさまで人前に出ても恥ずかしくないくらいの数字に!」

 

鈴木「おおお!!!みんなおめでとう!」

 

みゆき「まだ、『おめでとう』には早いと思いますがありがとうございます」

 

かがみ「これもす……私の日々の努力の結果かな?」

 

鈴木「だな。うん」

 

かがみ「もちろん鈴木くんもちょっとは役に立ってる……の……かもよ?」

 

鈴木「そう言ってくれるとありがたいよ」

 

黒井「いやーでもMVPは天原先生やで。何日か前にもらったあの新薬とかいうのはめっちゃ効いたで」

 

みゆき「確かにそうですね」

 

かがみ「そうね~あの薬もかなり手伝ってくれたわね」

 

鈴木「ほうほう」

 

かがみ「ま、まぁ……あの薬をもってきてくれたのは鈴木くんだったけど」

 

鈴木「せやなぁ、うちらは直接言いにくかったし、鈴木が持ってきてくれたおかげっちゃおかげやなぁ」

 

みゆき「ありがとうございました」

 

 

水原『ぴんぽんぱんぽーん。校内放送です。ミスコンにご参加の皆様、運営にご協力いただいております皆様は最終リハとかがありますので体育館にお集まりください。』

 

 

黒井「おっとせやったウチら集合せなあかんねんな」

 

みゆき「そうですね。では」

 

かがみ「また後でね」

 

鈴木「はいよ。天原先生にお礼してからミスコンの観客になっとくよー」

 

かがみ「はいはい」

 

 

 

―保健室

 

鈴木「失礼しまーす」

 

天原「おや?どうされました?体調が優れないのですか?」

 

鈴木「いやいやちょっとお礼に……」

 

天原「?」

 

鈴木「先日、ダイエットに有効な新薬をいただいた件で」

 

天原「?……あ、アレですね」

 

鈴木「すごい効果があったらしくて……ホント怪しいヤクじゃないですよね?俺が豚箱行きとかにならないですよね?」

 

天原「なりませんよ。あれはホントはただのビタミン剤です」

 

鈴木「は?ただの…ビタミン剤……!?」

 

天原「えぇ」

 

鈴木「じゃあなんで……効果が?」

 

天原「きっとプラシーボ効果ですね」

 

鈴木「えっ?ぷら……えっ?」

 

天原「プラシーボ効果、偽薬効果です」

 

鈴木「あの……ごめんなさい、わかりやすくお願いします」

 

天原「効果が無くてもあるように見せることで実際に効果が出ること……で分かります?」

 

鈴木「要は嘘っぱちの薬で騙されてダイエットがうまくいったと?」

 

天原「えぇ」

 

鈴木「えぇぇぇ!!なになになに?え?何?信じる者は救われる的な?何それ宗教?ええ?怖い怖い」

 

天原「宗教ではありません。れっきとした効果です。それに実際の成果の裏にはあなたの努力や応援もあるのでは?」

 

鈴木「は、はぁ……」

 

天原「確かに信じる者は救われるとも思いますが今回は関係ありません。これからに関係すると思います」

 

鈴木「へ?どういう?」

 

天原「ほら、そろそろ文化祭2日目オープニングイベントの時間も近付いてますしいい場所でミスコンを見るためにも移動しては?」

 

鈴木「え?あぁそう言えば……」

 

天原「柊さんの晴れ舞台、いい場所で見たいでしょう?それにいいところを見せたいと思っているでしょうし」

 

鈴木「先生まで……」

 

天原「信じる者は救われる」

 

鈴木「言うと思いましたよ。じゃとりあえず体育館行ってきます」

 

天原「えぇ」

 

 




-らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!さぁ始まりました らっきー☆ちゃんねる!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす。みなさま、お久しぶりです」

あきら「あんたさー1日目の体育館しかいなんだったんだってー?」

白石「そうなんです~↑いやぁ~久々に本編で活躍させていただきました~」

あきら「でも2日目は違うんでしょ?」

白石「あー……そうですね……」

あきら「どちらかっつーと今日の方がミスコンもあるしメインじゃないの?」

白石「ん?んーまぁ……でもあきら様のお相手が務まるのは僕だけですし、あまり待たせるわけにはいきませんから!」

あきら「フーン……でもさー正直、番組の盛り上がり的にはナレーターの方がよかった気がするけどな~。」

白石「えっ!?」

あきら「で、本編もリストラなうえにこの番組も次回から席があるか怪しいかもよー」

白石「うええあぁ」

あきら「ってことで次回のアシスタントは誰でしょうか~?じゃぁみなさん」

白石「え?え?」

あきら「ばいにー!!」


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[第105話]オープニング

―体育館

 

鈴木「まだ人もまばらだなー」

 

 

こなた「おーい!鈴木くーん!!こっちこっちー!」

 

 

鈴木「なんだか遠くで俺を呼ぶ声が……って最前列にいるなぁーったく……」

 

 

こなた「はやくはやくー!」

 

鈴木「まぁしゃーねーからいくか」

 

 

 

鈴木「おはよう」

 

つかさ「おはよ~」

 

こなた「おは~。最前列取っといたよ~」

 

鈴木「ご苦労なことだなぁ」

 

こなた「まぁかがみの勇姿を見るためならねぇ~」

 

鈴木「って知ってたのかよ」

 

こなた「まぁね~。お父さんにビデオカメラで撮影も頼んだよ~」

 

鈴木「マジか。本人が聞いたら多分怒るぞ」

 

こなた「鈴木くんがチクらなかったら大丈夫だよ~」

 

鈴木「いやいや俺は」

 

こなた「あとでDVDに焼いてあげるからさ~。それともUSBでデータ渡したらいい?」

 

鈴木「いや、そういう問題じゃなくて」

 

こなた「要らないの?」

 

鈴木「あ、いや……多分生徒会の連中は忙しくて記録に残せないはずだから俺から生徒会にデータを渡すよ。USBでよろしく」

 

こなた「はいはい。素直に欲しいって言えばいいのに……」

 

つかさ「こなちゃん、あれ……」

 

こなた「つかさ?どうしたの?」

 

 

そうじろう「違う!私は怪しい者ではない!」

 

石橋「ハイハイ、とりあえず話は生徒指導室か職員室で聞きますので」

 

そうじろう「だから私は父兄で部外者ではない」

 

教師A「いやいや部外者も入っていいんですが」

 

そうじろう「だったらなおさら良いじゃないか!」

 

教師A「やっぱり部外者なんですね?」

 

そうじろう「あっいやちがっ」

 

石橋「とりあえず話聞きたいだけやから」

 

そうじろう「私が何をしたと言うのだ!」

 

教師A「端的に言って怪しいので」

 

そうじろう「なにぃ!?」

 

石橋「先生、そういう言い方は」

 

教師A「すいません」

 

石橋「本校の職員が申し訳ないです。」

 

そうじろう「いや?まぁいいんだが……」

 

石橋「とりあえずお詫びも含めてお話したいので生徒指導室に」

 

そうじろう「いやいや、ちょっ……」

 

石橋「ハイハイ行きましょう行きましょう」ガシッ

 

そうじろう「はなせ~!!!」

 

 

 

鈴木「なんか連行されていったな」

 

こなた「……そだね」

 

鈴木「良いのか?止めなくて」

 

こなた「まぁ……あんなTV局もびっくりのビデオカメラ持ってニヤニヤしてるんだから怪しいのは事実だしねー。止めなくても良いんじゃない?」

 

鈴木「薄情だなー。というかおじさんと石橋先生ってお互い面識あるだろ。多分」

 

こなた「まぁ忘れてるんじゃないー?石橋先生は面白がって忘れたフリしてるだけかもしれないけど」

 

鈴木「なるほど……あり得る。というか結局、ミスコンは誰が撮るんだ?」

 

こなた「あっ……仕方ない!画質は犠牲になるけどケータイで頑張るよ!」

 

鈴木「たくましいな」

 

こなた「半分は君のためなんだよ?」

 

鈴木「はいはいそういうことにしてやるよ」

 

水原「心配はご無用!」

 

こなた「何ー!?」

 

鈴木「誰だ貴様!!……ってみずりんか」

 

水原「なんか扱いおかしくない?」

 

こなた「いやいやだってみずりんだよ?」

 

水原「『だって』??」

 

こなた「あっ……」(なんかうまくごまかしてよ!)

 

鈴木(いきなり俺に振るなよ)「えーと……ラジオ関係で忙しいから来れないと思ってたんでな」

 

水原「あ~。ハイハイ忙しいですよー」

 

こなた「だから来れないはずのみずりんがなんでいるのかな~?って思ってね!」

 

水原「まぁラジオ内でもミスコンネタ扱うだろうし、ちゃんと見ておかないと ということですわー」

 

こなた「ふーん」

 

鈴木「なるほどな。」

 

水原「なんかそんなに関心なさそうだね」

 

つかさ「それよりさっきの『心配ご無用』って?」

 

水原「あーハイハイ実はね、会場の4箇所にビデオカメラを設置して万全の録画体制を整えております」

 

鈴木「ほぅ」

 

こなた「マジで?」

 

水原「えぇ。学校が記録用に残すべくやっているマジのマジのマジオフィシャルです」

 

つかさ「すごいね!」

 

水原「でしょ~?」

 

こなた「まぁみずりんがすごいワケじゃないけどね」

 

水原「うっ……まぁそういうことで録画した映像は編集の上保管。ミスコン参加者には無料、他の希望者には有料で配布するんです」

 

鈴木「有料って……いきなり守銭奴っぽくなったな」

 

水原「若干、予算オーバーしたのでそこを回収しないと……」

 

こなた「急に現実的だね。あ、でもアレだよね。そのDVDは初回特典で生着替え隠し撮りノーカット版が」

 

水原「つきません。んなことしたら退学なるわい。つーか社会的に死刑になるわ。そもそも撮っとらん」

 

鈴木「まぁ普通にミスコン部分は撮れてるってことだな」

 

水原「そゆこと~。そろそろオープニングが始まりますな」

 

こなた「オープニングって何?」

 

水原「セレモニー的な?豪華アーティストのライブと打ち上げ花火で場をあたためてからミスコンにうつるよ」

 

こなた・つかさ・鈴木「へー」

 

こなた「っていうかみずりんは豪華アーティストって誰か知ってるんだよね?」

 

水原「まぁ」

 

鈴木「じゃあなんでわざわざ隠すんだよ……」

 

水原「もうすぐ分かるしせっかくだから隠しとこうかと」

 

こなた「そんなに豪華なの?へー」

 

 

―ヒュードドドドドン!!

 

つかさ「わっ!何かすごい音がしたよ?」

 

水原「これが今回、特別に用意した打ち上げ花火……その名も『ノドソ』『テポドソ』『イプツロソ』だ!」

 

こなた「それはやばいよ!いろんな意味で!」

 

鈴木「で豪華アーティストは?」

 

白石(司会)「はーい!いよいよ文化祭2日目、開催だ!!!オープニングセレモニーは今、アキバで話題沸騰中の『まにあーず』だ!!!」

 

こなた「!……まさか……」

 

水原「そう。豪華アーティストとは今、アキバで話題沸騰の地下アイドル、PVの再生数が3桁達した『まにあーず』だよ!」

 

こなた「おぉ!!!なんと!………アキバでバイトしてる私でも知らない!」

 

水原「え?……これにかなり予算を使ったのに……?」

 

こなた「いやぁ知らないよ?会場もシラケてるし……」

 

水原「……」

 

白石(司会)「それでは『まにあーず』で『サンキトウセン!』」

 

-♪




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!!さぁ始まりましたらっきー☆ちゃんねる!今日のアシスタントはー?」

ナレーター「こんにちはー」

あきら「いやーナレーターがアシスタントだと女同士、結構気楽なんだよねー」

ナレーター「まぁ私はあんまりそういう意識はないですけどね」

あきら「さて、いよいよ開幕ですねー!!文化祭!!」

ナレーター「だいたいの方はわかると思いますが水原さんが用意した花火はPS2(PSP)のゲーム 桜藤祭 のパロディになっています。」

あきら「まぁゲーム版みたいに時間が遡ってループしたり」

ナレーター「時をかけてみたり」

あきら「そーんなことはありませんけどね♪」

ナレーター「まぁそれも私の匙加減ですが」

あきら「え!?」

ナレーター「私が冒頭に『そして夜が明け、文化祭数日前に戻っていた』というだけで」

あきら「えー!?!?!?うっそ、時間がループしてるー!?!?……ってマジ?」

ナレーター「マジです。」

あきら「陰謀論者の出番ですよ!!!」

ナレーター「まぁそんなことはしませんけどね」

あきら「ホ……」

ナレーター「二度と取り戻せない時間だからこそ青春やその一瞬は輝くんですよ」

あきら「なんか……深いこと言いますね!ちょっといいですか!?」

ナレーター「はい?」

あきら「これ、そういう番組じゃないから!!!!!」

ナレーター「あーはい、そうですねw 失礼しました。」

あきら「ってことで、今日はここまででーす!」

ナレーター「はーい。では」

あきら・ナレーター「ばいにー!!!」


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[第106話]メインイベント

―♪『サンキトウセン!』

 

こなた「いやーそれなりに盛り上がったねー」

 

水原「それなり……かなりの予算流し込んだのにそれなり……」

 

こなた「そりゃみずりん、予算流し込むところ間違えてるよ……」

 

鈴木「っていうかそれいいのか?いろんな意味で」

 

水原「私、校長の印鑑持ってますんで」キリッ

 

鈴木「なるほど。問題しかないということだな」

 

こなた「まぁみずりんが問題だらけなのはこの際どうでもいいよ~本番はミスコン!」

 

鈴木「だな」

 

 

白石(司会)「はーいお待たせしました!それではいよいよミス陵桜コンテストの時間がやってまいりましたぁぁぁぁぁ!」

 

おれら「うぉぉぉぉぉ!」

 

鈴木「いよいよ本チャンみたいだな」

 

こなた「だね!」

 

白石(司会)「それではぁ……早速、ミス陵桜候補に登場していただきましょう!エントリーNo.1番!3年A組 名梨野 茂舞子さん!」

 

つかさ「わ~A組の子だ~私知ってるよ~かわいい~」

 

鈴木「確かにかわいい……が」

 

こなた「ねぇ~」

 

水原(ナナシノモブコさんってもうちょいマシなネーミング無かったのかよ作者……)

 

―数十分後

 

白石(司会)「それでは続きまして、エントリーNo.7番 高良みゆきさんです!」

 

おれら「うぉぉぉぉぉ!!」

 

こなた「あぁぁぁぁみゆきさんがぁぁぁまぶしすぎるよ!!!!!!!」

 

鈴木「ほうほう」

 

つかさ「ゆきちゃんキレイ~」

 

こなた「いやぁドレスの上からでも分かる凹凸っぷり、たまりませんな~」

 

鈴木「言ってること中年エロオヤジと変わんねえじゃねぇか」

 

こなた「だってそうじゃん~!」

 

みゆき「あ、あのっできれば大声でそのようなことを言うのは……聞こえていますので……」

 

鈴木「ほら怒られた」

 

こなた「だって事実じゃん~。あとはこれで丈が短かったらな~。もっと生足アピールしないとだめだよ~!」

 

みゆき「いえいえそんな……そこそこフォーマルなドレスというのはこういうものなんです!」

 

こなた「ふ~ん。まぁ知ってるけどね。私も一応、女だし」

 

みゆき「知っているならなおさら」

 

こなた「それよりさ~回ってよ~!背中空いてるんでしょ~?大胆に」

 

みゆき「そっそれは……」

 

白石(司会)「はーいお客さん静かにしてくださいねーあんまり指示しないでくださいねー!」

 

こなた「チッ」

 

みゆき(ふぅ…助かりました……)

 

白石(司会)「それでは高良みゆきさん!回ってみてください!」

 

みゆき「えっ!?」

 

白石(司会)「いぇーい!俺は需要を分かってる男だぜ!!」

 

おれら「うぉぉぉぉぉ!!」

 

こなた「最後の一言が無ければね」

 

鈴木「まだ良かったんだがな」

 

みゆき「あ、あの……」

 

こなた「ほらみゆきさん、観念して背中見せちゃいなよ~」

 

白石(司会)「まぁ皆さんにやってもらってますのでね。もちろん恥じらいもso goodなんですよ」

 

おれら「うぉぉぉぉぉ!!」

おまいらA「司会分かってるな!」

おまいらB「恥じらいは大切だよな!」

おまいらC「俺たちは露出痴女が見たいわけじゃないからな!」

 

水原(司会がおれら側に寄りすぎだろ……)

 

こなた「いやぁ、やっぱりみゆきさんだね~これは優勝も十分あり得そうだよ~というか優勝だようん」

 

鈴木「んーそれはどうだろうね」

 

こなた「あ、そうか。君はかがみ推しだったね」

 

鈴木「推しって……絶対違うと言い切れないのが悔しいが……」

 

つかさ「そろそろお姉ちゃんの番だよ。なんか緊張するね」

 

こなた「なんでつかさが緊張するのさ……」

 

つかさ「だってお姉ちゃんが出るんだよ?間違えちゃったり転んじゃったりしないかなって緊張するよ……」

 

こなた「いやいやつかさじゃないんだから」

 

つかさ「えっ!?……あっでもドレスはすごいのを作ったんだよ!せっかくの晴れ舞台だから」

 

こなた「へー。で鈴木くんが嫁にして持って帰ると」

 

鈴木「……話が飛躍しすぎだ!」

 

こなた「まぁまぁー変な間があったのが証拠だよー」

 

つかさ「お姉ちゃんをよろしくね」

 

鈴木「いやいや乗らなくて良いから」

 

こなた「ん?さっきからみずりん大人しいけど……って何そのメモ」

 

水原「ん?あっこれは後のラジオ番組用のネタ帳。一応、誰が優勝するか分かんないから全員の言動を一字一句聞き漏らさないようメモしてるのさ」

 

こなた「うわぁ」

 

水原「まぁ色々あるんだよー。」

 

つかさ「そういえばラジオ放送の最初はミスコンの番組だっけ?」

 

水原「そうそう。ミスコン優勝者をよんで色々根掘り葉掘り聞くんだよー」

 

こなた「それって何聞くの?」

 

水原「それを考えるためにメモしてるのさ。お便りも募集してるよ」

 

こなた「ふーん。一応、投稿しとこー」

 

水原「そりゃどうも」

 

白石(司会)「高良みゆきさんありがとうございました!さぁ次はエントリーNo.8番、柊かがみさんです!」

 

 

 

こなた「いよいよかがみの番だね!」

 

白石(司会)「それでは登場していただきましょう!どうぞ!」

 

おれら「!!!」

鈴木「おぉ………」

こなた「えっ!?……ガチ本気じゃん。こりゃ驚いた」

 

つかさ「えへへ~私がお姉ちゃんに言ったんだよ~せっかくならこれくらいやろうって」

 

水原「GJ」

 

 

かがみ「えっ?何?なんで微妙に静かになったの!?……ちょっと…こなた、アンタで良いから何か言いなさいよ!?」

 

こなた「え?あ、うん……えっとすごいね……」

 

つかさ「お姉ちゃん~!かわいいよ~!」

 

かがみ「ちょっつかさ……ってか、つかさはウチで見たことあるでしょ」

 

つかさ「そうだけど」

 

かがみ「というかなんでみんな黙っちゃったの?……まさか私……そんなに似合ってない?……ねぇ?」

 

こなた「い、いや……逆に似合いすぎてて……うん、アレ?……なんて言ったら良いんだろ」

 

かがみ「おっ、お世辞は良いわよ!!!」

 

こなた「いや……お世辞じゃないようん」

 

かがみ「うそ……鈴木くん、そうなの?」

 

鈴木「え?あ、うん、そう。すげぇ似合ってる。すげぇかわいい。やべぇ」

 

かがみ「……ほんと?」

 

鈴木「マジ、マジ」

 

こなた「あっ鈴木くんは見惚れた結果、語彙力を失ってるね」

 

かがみ「嘘じゃないよね」

 

鈴木「うん」

 

水原「似合ってるなぁ~いいなぁ~まぁ真の勝者はあのドレスを仕立てた人になるかな?」

 

こなた「みずりんはいつも通りだね。」

 

かがみ「鈴木くん……頑張った成果、少しはあったかな?」

 

鈴木「少しじゃない!いやもう……十分、十分過ぎるほどかわいいし似合ってるよ」

 

かがみ「ばっ……ばか!」

 

鈴木「おめでとう」

 

かがみ「まだ何も決まってないわよ!」

 

こなた(なにやら良い感じですなぁ……)ニヤニヤ

 

白石(司会)「あっ、あの……」

 

かがみ「え?あっはい!」

 

白石(司会)「司会は僕なんですけど……」

 

かがみ「あっゴメンナサイ」

 

白石(司会)「とりあえずクルッと回って観客の皆さんに最高の笑顔でポーズ決めてください」

 

かがみ「えっ……あ……はい…………こう?」

 

おれら「うぉぉぉぉ!!」

 

こなた「こりゃ観客のハートまでバッチリ持って行っちゃってるね」

 

鈴木「気持ちは分かる。これはやばいよ」

 

こなた「ふーん。確かにヤバいよね。鈴木くんは特に」

 

鈴木「え?なんで特に俺なんだ?」

 

こなた「だって、これで会場の男たちはこぞってかがみに言い寄るよ?」

 

鈴木「そんな……まさか無いだろ」

 

おまいらA「おいあの子、何年何組だったか聞いてたか?」

おまいらB「やべぇよ聞いてねぇよ」

おまいらC「彼氏とかいんのかな?」

おまいらD「とりあえず後で話しかけたいな」

おまいらE「あー踏まれたい!」

おまいらF「めちゃくちゃかわいいじゃん!」

おまいらG「」カサカサカサカサ

 

こなた「いや、何人か本気かもよ?」

 

鈴木「まさか……な」

 

白石(司会)「はーい!柊かがみさんありがとうございました!」

 

おれら「」88888888888888888888

 

白石(司会)「それでは最後になります。エントリーNo.9番!黒井なな子先生です!」

 

こなた「おっ先生じゃん。」

 

鈴木「へー。純白とは……」

 

つかさ「ウェディングドレスみたいだね~かわいい~」

 

こなた「あー、ウェディングドレスって結婚式意外で着ると婚期遅れるとか言わない?」

 

鈴木「まぁそんな話も聞いたことはあるな」

 

黒井「コラそこ!聞こえてるで!」

 

こなた「あっ、黙ってたらそこそこ良いのにしゃべったらいつもの黒井先生だね」

 

黒井「うるさいねん!ウチだってなかなかええ感じに決まってるやろ!」

 

鈴木「しゃべらなければ適当に男釣れそうだけどなー」

 

こなた「まぁしゃべらなければね~」

 

黒井「お前ら後でありがたーい反省ぶn」

 

白石(司会)「先生!」

 

黒井「なんや」

 

白石(司会)「まぁさっきからなんですけど、僕にまともに進行をさせてください!」

 

黒井「おーすまんすまん」

 

水原「しかしまぁ……ホントに」

 

こなた「先生もまぁ良いはずなのに」

 

鈴木「じゃべると残念だよなぁ……」

 

白石(司会)「さて、これでミスコン参加の皆さんが終わりました!皆さん一度またこちらへ!」

 

こなた「ズラッと並ぶと壮観だね~」

 

水原「みんなレベル高いもんねぇ」

 

こなた「あぁ~みゆきさんは中でもひときわまぶしいね~!鈴木くんは誰選ぶ?やっぱりかがみ?」

 

鈴木「ん?んー同じクラスだしかがみかなー」

 

こなた「いや、同じクラスとか関係ないでしょ。隠すのヘタクソだよ」

 

鈴木「はいはい」(……まぁ間違いじゃないが……)

 

こなた「みずりんは?って聞いても無駄か。どうせ出場してないつかさを選ぶだろうし」

 

水原「な ぜ バ レ た」

 

こなた「本気だったんかい」

 

白石(司会)「さて、これから15分間の休憩の後、いよいよ結果発表です。ミス陵桜は誰なのか!乞うご期待!」




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!らっきー☆ちゃんねるナビゲーターの小神あきらです。今回はなんと陵桜学園にやってきました!」

石橋「で、裏でミスコンの様子を見ながら俺とこうして番組をやっとるわけやな」

あきら「まぁこのさいアシスタントが誰かは置いといてですねー。白石さーん調子乗ってますね~w」

石橋「そうやな~あいつはあとで授業中にシめなあかんな」

あきら「おっ!先生なかなかの過激発言!」

石橋「で?この番組は何やるんや?」

あきら「正直決まってないんですよね~」

石橋「ミスコン予想でもするか?」

あきら「そうですね~。やっぱり物語のメインヒロイン、柊かがみさんですかね~」

石橋「理由が物語的な都合ってかww」

あきら「まーそうなるっしょ~」

石橋「まぁそういう斜めからの見方をすんやったらな、俺は名梨野 茂舞子やな」

あきら「へぇ~なんでまたそんな」

石橋「高良、柊姉、黒井Tは物語に出てくるからミスコンパートでも出番あるやろ?でも名梨野 茂舞子は物語と関係ないところから出てきてる。と考えれば」

あきら「いきなり出てきたから優勝と」

石橋「そうやな。あり得る話かもしれんやろ?柊妹が『かわいい~』言うてるから、けして残念なわけじゃないんやろうし」

あきら「それもなかなかすごい予想ですよね~」

石橋「まぁ、答えは次回か次々回くらいにはわかるやろうし」

あきら「そうですね!」

石橋「次回も見ろやってことやな」

あきら「先生ストレートwww」

石橋「じゃ」

あきら「ばいにー!」


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[第107話]そして結果発表

-審査終了

 

こなた「しかしまぁ水着審査は無かったね。別の世界線ではあった気がするんだけど」

 

水原「まぁ一枚絵も無いし文字だけなのに水着になっても仕方ないしね。」

 

鈴木「お前ら何訳の分からんことをごちゃごちゃ言ってるんだ……?」

 

水原「正しくはPTAがねぇ」

 

こなた「え?何?PTAが女子を見せ物にするのはどうのこうのとかって理不尽なこと言い出したの?」

 

水原「いや、そうではなくですね、黒井先生の水着なんざ見たくないと言い出しまして」

 

こなた「それはそれで理不尽だよ……数少ない黒井先生が好きなアブノーマルな人が悲しむよ」

 

鈴木「フォローしてるつもりか知らんがフォローになってないからな」

 

こなた「てへっ」

 

水原「まぁまぁ……で今の休憩の間にミス陵桜を決めてるんだよねー」

 

鈴木「なんでそんなにミスコン裏事情に詳しいんだよ」

 

水原「ん?一応、私も運営側もやってたから」

 

こなた「じゃあさ、どうやってミス陵桜を決めるかも知ってるの!?」

 

水原「まぁね。一応、私も審査側に呼ばれたし」

 

こなた「え!?」

 

水原「私は公平公正な審査なんて出来ないしする気もないって断ったけどね。一応、男女とわず生徒何人かと教師何人かで多数決してる。」

 

鈴木「それって具体的な基準とかあったりするのか?」

 

こなた「なんか鈴木くんやけに食いつきがいいね」

 

水原「いつもは養豚場の豚を見る目で私を睨むのにね」

 

鈴木「気のせいだ!いくらなんでもそこまで睨んだりはしてねぇよ」

 

水原「ホントカナァ?」

 

こなた「で、結局どんな基準なの?」

 

水原「ん?まぁ簡単に言うと審査員個人の好み」

 

鈴木「おい!」

 

こなた「さっき公平がどうとか言ってたじゃん」

 

水原「まぁまぁまぁ私の場合は見る前から決まってたりしてまずいかなと……で生徒は好み、先生は好みの方もいれば会場の雰囲気をみて決めたり立ち居振る舞い、態度なんかを見てる先生もいるとか」

 

こなた「なるほど。じゃあある程度、ちゃんとした判断になるんだね」

 

鈴木「ちゃんとしたってなんだよ」

 

こなた「いや~男子生徒3人だけで決まるとか言われたらやっぱりみゆきさんしかない出来レースじゃん。」

 

水原「確かに」

 

こなた「それはそれでいいけど」

 

鈴木「良いんかい!」

 

こなた「まぁそれで恥じらってるみゆきさんを見るのは楽しそうだしね。でも決まってるのは面白くないじゃん」

 

水原「まぁそうやね」

 

こなた「私たち見てる側もワクワクを共有したいってわけだよ~まぁ総合的に見たらみゆきさんになる気しかしないんだけどね~」

 

鈴木「そうだったか?観客の反応ならかがみもかなり良かったと思うんだがなぁ……」

 

つかさ「うん。お姉ちゃんのときみんなすごい反応してたよ」

 

こなた「はいはい……なんだかんだ鈴木くんはかがみにゾッコンっと……」

 

水原「ですねぇ」

 

鈴木「なんか言ったか?」

 

こなた・水原「いやぁべっつにー」

 

白石(司会)「さぁお待たせしました!いよいよミス陵桜コンテスト、結果発表の時間がやって参りました!」

 

こなた・つかさ・鈴木「おっ!」

 

白石(司会)「今回は結構、接戦だったんですよ~!さぁ結果が楽しみですね~!」

 

こなた「なんかそういうの良いから早くしてほしいね」

 

水原「まぁそういう期待は裏切られるよ。」

 

こなた「えっ?」

 

白石(司会)「では早速!」

 

水原「茶番が始まるよ」

 

白石(司会)「審査員特別賞から発表していきましょう!」

 

水原「ほらね」

 

こなた「なるほど。ってか、ここでかがみとかみゆきさんが呼ばれたらホントに何も楽しみがなくなるよね」

 

水原「まぁそれはないでしょ。審査員特別賞はあり得ないよ」

 

鈴木「ってどういう意味なんだよ」

 

水原「えっとねー」

 

白石(司会)「審査員特別賞はエントリーNo.3番の田中花子さんです!」

 

―シーン……

 

水原(ネーミングなんとかならないのかよ……)

 

鈴木「……なんか納得しにくいんだが」

 

こなた「ねぇ、みずりん……審査員特別賞って具体的にどんなの?」

 

水原「最下位」

 

こなた「あっ」

 

鈴木「だからかがみが審査員特別賞はあり得ないって言ったのか……」

 

水原「まぁそゆこと~」

 

白石(司会)「さて続いては写真部特別賞!こちらは昨日の文化祭記録写真から最も多く写り込んでいた方に与えられるという割と偶然性の高い賞です!」

 

こなた「これ、要る?」

 

鈴木「要らないだろ」

 

水原「まぁこれや他の賞にはミスに選ばれなかった方にも謝意を示すために賞をばらまいているから」

 

こなた「へー」

 

白石(司会)「栄えある写真部特別賞に輝いたのはエントリーNo.1番!3年A組 名梨野 茂舞子さんです!」

 

鈴木「というか賞ばらまきが目的ならここで呼ばれたら後は出番なしってことか?」

 

水原「そうでもないよ。2つ賞をもらえる可能性もあるわけだし。逆に賞ばらまきでも何も無い可能性もあるし」

 

鈴木「なるほど……」

 

こなた「まぁ先に呼ばれればミス陵桜にならないフラグとしてはバッチリな気はするけどね」

 

白石(司会)「運営感謝賞はエントリーNo.7番 高良みゆきさん!」

 

鈴木「あっ」

 

こなた「前言撤回!」

 

みゆき「あっあの……私も運営側なのですが……」

 

白石(司会)「はい、他の運営の皆様から是非にと……」

 

みゆき「あっ…ありがとうございます」

 

白石(司会)「さぁ次行きますよ!」

 

―数十分後

 

鈴木「本当に全員に賞あって逆に分からんな」

 

こなた「だねぇ。かがみはなんだっけ?」

 

鈴木「ツインテール特別賞。ツインテールで参加って一人しかいないのにな。」

 

水原「まぁ全員に何か渡したらミス陵桜に選ばれなかったとしても……って配慮ということでひとつ」

 

鈴木「でもこれで全員に賞が行き渡ったし」

 

こなた「いよいよ次だね!」

 

 

 

白石(司会)「さぁいよいよミス陵桜の発表だ!」

 

おれら「うぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

 

白石(司会)「お前ら……待たせたなぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

おれら「うぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

 

 

白石(司会)「今年のミス陵桜コンテスト……選ばれたのは……!!」

 

 

 

 

鈴木「」(ゴクリ)

 

 

 

 

白石(司会)「エントリーNo.7番!高良みゆきさんだぁぁぁぁ!!!!」

 

おれら「うぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

鈴木「」

 

こなた「おー!!!」

 

みゆき「え?ええっ!??そのっ……何かの間違いではありませんか?番号を書き間違えたとか読み間違えたとか」

 

白石(司会)「いえ間違いありません!」

 

みゆき「いえしかし私は運営もしていますしその私が賞を頂くというのは立場的にも……」

 

白石(司会)「お前ら!そんなこと関係無いよな!!」

 

おれら「うぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

白石(司会)「この声が答えです!」

 

みゆき「あっえっーー……と……ありがとうございます?」

 

こなた「ひゅー!ひゅー!」

 

鈴木「へーおめでとうー」

 

おれら「うぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

白石(司会)「さぁ高良みゆきさん!今の感想なんかをどうぞ!」

 

みゆき「えーと……本当にありがとうございます!あの……私……何を言ったら……!」

 

白石(司会)「まぁこの後はラジオ番組もありますしね!詳しい話はその時にでもじっくりお聞かせください!」

 

 

鈴木「いやーおめでたいなー」

 

こなた「うわぁ……なんか棒読みだよ。というかそのラジオ番組って鈴木くんがパーソナリティー頼まれてなかったっけ?」

 

鈴木「ん?………あっ!そういえばそうだった」

 

こなた「そう考えたらみゆきさんがミス陵桜で良かったんじゃない?」

 

鈴木「なんで?」

 

こなた「『なんで?』って……ホント、かがみが優勝するとしか考えてなかったんだね。まぁかがみも実際、かなり綺麗だったし優勝してもおかしくないとは思ったけど」

 

鈴木「んー」

 

こなた「でもホラ、まったく知らない人とラジオ番組とか出来る?そう考えたらみゆきさんが優勝で良かったんじゃない?」

 

鈴木「そういう視点も確かにあるなー」

 

こなた「本当にキミはかがみが優勝することしか考えてなかったんだね」

 

鈴木「ん?いや、まぁそうと言えばそうだけども……」

 

こなた「まぁどうしてもってなら君の心の中では優勝だったって割り切るしかないよ。」

 

鈴木「そうだな……」

 

こなた「後は『俺の中ではかがみが一番だったよ』って本人に伝えればOKだよ~」

 

鈴木「ってなんでだよ!オイ!」

 

こなた「だってかかみって意外と鈍いし言わないと分かってくれないよ~」

 

鈴木「……。」

 

こなた「かがみがクオリティ高かったのは事実なんだしそれくらい言ってあげてもバチは当たらないよ~」

 

鈴木「はいはい、そうだよな。」

 

こなた「それにかがみだって落ち込んでるかもしれないしね」

 

鈴木「?なんで?半強制的に参加したらしいしそんな思い入れないんじゃないかなぁ」

 

こなた「いやいや純粋に優勝出来なかったわけだし落ち込むよ~。多分、優勝したかったと思うしね」

 

鈴木「うーん……」

 

こなた「じゃなきゃ多分、ダイエットだなんだってそんなに頑張らないよ~」

 

鈴木「まぁ言われてみれば本気ではあったなぁ……なんでそこまでって思わなかったわけでもないくらい」

 

こなた「きっと……君にいいとk……って、その答えくらいは自分で考えなよ~あんまりすぐ答えを聞くのは良くないよ~」

 

鈴木「はいはい……」(俺に良いところを見せたかったってか?でなんで見せたいかは俺自身で考えろと……)

 

水原「さて、私はそろそろ自分の用事があるからお暇するよ」

 

つかさ「ばいばーい」

 

こなた「はいはーいまた後でねー」

 

鈴木「俺も今すぐ行くべきか?」

 

水原「いや大丈夫。ミスコンが完璧に終わったら高良さんごと連れてきて。」

 

鈴木「ん、了解」

 

白石(司会)「さて、盛り上がってはいたところですが、これにて今年のミス陵桜コンテストは終了となります!」

 

おれら「うぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

白石(司会)「さぁ出場の皆さん、並んでいただいて……大きな拍手でお見送りください!」

 

鈴木(確かにかがみは若干落ち込んでるような……)

 

 

白石(司会)「ちなみにこの後、ミスコン出場の皆さんは裏庭の方に出てきますから直接会いたいとかファンレター渡したいとかって方はマナーを守って裏庭に行ってくださいね!もちろん、僕宛のファンレターも大募集ですよ!!!」

 

こなた「あーセバスチャン調子乗ってるねー。まぁみゆきさんに会いには行こうかなぁ~せっかくだしね~」

 

つかさ「私はお姉ちゃんにお疲れ様って言いにいきたいな~……ねぇ、お願いしていい?」

 

鈴木「ん?俺?」

 

つかさ「そう、鈴木くん。良かったらなんだけど鈴木くんも一緒に来てもらって良いかな?」

 

鈴木「あぁそれはかまわないけど……逆に姉妹水入らずじゃなくて良いのか?」

 

つかさ「なんとなくだけど鈴木くんがいたほうが良いかなぁ~って」

 

鈴木「ふーん」

 

こなた「じゃっ裏庭行こうか。結構、人が減ってるし悪い虫がつかないうちに急がないとね!」

 

 

鈴木「悪い虫ねぇ……」(まぁかがみに対するあの評価だと確かに悪い虫がつくかもしれん。不安だ。というか俺が悪い虫だったりする……な)




-らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!!今日も始まりましたらっきー☆ちゃんねるナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす。」

あきら「はい!ということで白石さん!」

白石「はい?どうされました!?」

あきら「テメェなんだあの司会は?」

白石「え?あ…ミスコンでしょうか?」

あきら「おぅ。テメェこのあたしを差し置いて」

白石「み、観てらっしゃたんでしょうか……」

あきら「裏からな。あたしと番組やってる時よりずいぶんと楽しそうだったじゃねぇか」

白石「い、いやあれはですね」

あきら「そんなに観客の反応が楽しいのか?ええ!?」

白石「た、楽しいですよ!!」

あきら「ほーん、じゃあたしとの番組もそんな感じでやってくれや」

白石「は、はい」

あきら「でも、あたしより目立ったら……」

白石「そ、そ……それは……」

あきら「お~と!!今日はここまでにでお時間が来てしまいました!!」

白石「あ!はい、では次回もぜひ見てください!」

あきら「せーの!」

あきら・白石「ばいにー!!」


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[第108話]怒ってないよ

―裏庭

 

つかさ「えーとお姉ちゃんは……」

 

鈴木「んーと……あ!いたいた、おーい!」

 

かがみ「!!!」

 

つかさ「お姉ちゃーん」

 

鈴木「お疲れ様ー」

 

かがみ「二人とも……わざわざ来てくれたんだ……」

 

鈴木「あぁ」

 

つかさ「もちろんだよ~」

 

かがみ「……ごめん。優勝は出来なかった……」

 

鈴木「長い間、お疲れ様。」

 

かがみ「……怒ってないの?」

 

鈴木「うん。全然。なんで?」

 

かがみ「いや、期待してるって言ってたし……その期待には応えられなかったからサ……」

 

鈴木「まぁ言ったな……」

 

かがみ「だから怒ってるんじゃないかなぁ……って」

 

鈴木「いやいや、んなことないよ。すごい頑張ってたのも知ってるしな。なんだったら俺がそれっぽい優勝トロフィーを用意してプレゼントしてもいい。」

 

かがみ「いや、それは流石にいいわ……」

 

鈴木「そっか。とにかくまずはお疲れ様」

 

かがみ「鈴木くん……」

 

鈴木「にしても今はもう制服に戻ったんだな」

 

かがみ「っ!当たり前よ!ずっとドレス着ていれるわけないじゃない!」

 

鈴木「もう少し見たかったもんなんだけどな」

 

かがみ「ちょっおまっ……何言ってるのよ!?あんな姿でそうウロウロ出来ないわよ!」

 

鈴木(まぁそれは一理ある。会場のあの反応じゃ変な野郎共が集まりかねないしな……)

 

つかさ「でもちょっともったいないよね~」

 

鈴木「うんうん」(って俺がその変な野郎になっちまってるじゃねぇか)

 

かがみ「いやいや2人とも何言ってるのよったく……」

 

つかさ「それだけ長く見ていたかったってことだよね?」

 

鈴木「ん?んー……まぁ……正解」

 

つかさ「じゃあ今度うちに見に来たら?」

 

かがみ「いやいやいやいやいやちょっと待て!さっきから何言ってるのよ!」

 

鈴木「ごめん……まぁ結構、客席でも盛り上がってたしそのせいかな」

 

かがみ「盛り上がってた?」

 

つかさ「うん。会場の男の子たちもみんな『かわいい』とか『ヤバい』とか『踏まれたい』って言ってたよ」

 

かがみ「んー……とりあえず最後のは聞かないことにするわ。へー……みんなそんな風に言ってたんだ……その……鈴木くんも?」

 

つかさ「うん!鈴木くんは『踏まれたい』とは言ってなかったけど」

 

かがみ「へー……あっそう……」

 

鈴木「まぁかわいいし綺麗だったしミスコン楽しみにした甲斐はあったよ。」

 

かがみ「あっ……ありがとう……?」

 

鈴木「ここまで頑張ってきたもんな」

 

かがみ「そ、そうね。目的の数値に到達出来たのも私の努力よね」

 

鈴木「そうだな」

 

かがみ「ってそこで素直に受け入れないでよ。あんたの応援や手伝いだって少しは役に立った……かも……なんだし……」

 

鈴木「そうかそうか。そりゃよかった」

 

かがみ「それに鈴木くんだって疲れたりしてるんじゃない?朝から会場の手伝いとかでしょ?」

 

鈴木「まぁそれは大したこと無いよ。この後、それより疲れることが待ってるし」

 

かがみ・つかさ「?」

 

鈴木「ラジオだよラジオ……」

 

かがみ・つかさ「あっ……」

 

鈴木「まぁ正直、そういうのが、苦手なんでなぁ……これが一番疲れるな。精神的に」

 

かがみ(じゃあその後でもいいかな……ここにはつかさもいるし……)

 

鈴木「二人は俺のあとだっけ?」

 

つかさ「うん」

 

かがみ「なんだったらずっとスタジオで見ててあげようかしら。私がずっとミスコン見られてた仕返しに」

 

鈴木「うーん……というよりいてくれた方がなんとなく心強いし助かるかな……」

 

かがみ「えっいや……それは……」

 

水原「別にいいっすよ。何人おってもノイズさえ無ければ」

 

鈴木「わっ!びっくりした」

 

かがみ「いつからいたのよ!そこに!」

 

水原「なんとなく良い感じになった時から?」

 

かがみ・鈴木(っていつからだよ!?)

 

水原「そろそろお時間なんで呼びにきました。」

 

鈴木「あ、あーサンキュー……」

 

水原「まぁ詰まる話もあるとは思いますが、とりあえず後にして良いですか?」

 

鈴木「だってよ?ラジオ終わりヒマか?」

 

かがみ「え?うんまぁ……鈴木くんは?」

 

鈴木「まぁ暇だな。じゃあラジオ終わりにちょっといいか?」

 

かがみ「え?うん……」

 

鈴木(さて……勢いで誘っちゃったがどうしたもんかな……)「とりあえずじゃあラジオやってる教室行くかな」

 

水原「3のGですよろしくー」

 

鈴木「はいはい」(どうしたもんかって決まってるか……俺はあのミスコンの反応を見て気付いた。あいつらよく分からない野郎共にかがみを取られたくない。少なくとも自分から先に何かアクションはしておきたい……ということだな……。)

 

―教室

 

みゆき「あっ、お疲れ様です」

 

かがみ「みゆきお疲れー」

 

鈴木「お疲れ様、優勝おめでとう」

 

みゆき「あっ、ありがとうございます」

 

かがみ(なんか鈴木くん、私の時よりワントーン低い気がするわね)

 

つかさ「ゆきちゃんおめでと~」

 

みゆき「つかささんもありがとうございます」

 

水原「とりあえずお疲れさまです。ではでは最後の打ち合わせ言うことで台本用意してます。基本的にはそれ通りに、まぁなんだったら多少遊んじゃってください」

 

みゆき「遊ぶというのはアドリブということでしょうか?」

 

水原「イエス!」

 

鈴木「と言っても話振る側の俺はぴっちり台本が決まってるみたいだが」

 

水原「そりゃアンタアドリブクソヘタッピなのはよく分かってるからそうしたんだよ」

 

鈴木「はいはい」

 

水原「あとはなんか困ったらカンペとCMと曲を用意してるからアイコンタクトで知らせてください。台本の197ページからは汎用性の高いうまい曲への繋ぎ方やCMへの繋ぎ方集にしてますんで」

 

鈴木「うわぁ……ドウモアリガトウ」(なんかここまでみずりんに手厚く万全にされると逆にプライドが傷つくな……ってよく考えればアイツはつかささんへ告白して宙ぶらりんながらもまぁ変な関係を続行させてるんだよなぁ……とか考えたら意外とマジで俺負けてる……のか!?それこそ何か許せないぞ!?!?)

 

 

水原(お膳立てしまくっている私ちょーかっけー!……くらいは思っていいよね)




-らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす。」

あきら「さぁ!ミスコンも終わりました!結果はなんか思ったようにはいかなかったけど、ミスコンも終わったしなんかいい感じだしあとはアレですねー!ですねー!?」

白石「そうですね。いよいよアレですね!感じとしてはラジオ番組が終わったあたりでしょうかね?」

あきら「えー!もうラジオすっ飛ばしていいじゃーん!!」

白石「まぁ引っ張りたいんでしょうね~いいところは最後に」

あきら「まぁこれだけフラグ立ててるんだしね~。あ!でもヘボあずきシティのことだしここまでフラグ立てておいて見事に折るかも……」

白石「あ、あり得る……でもその裏をかいて ってのもありそうですし……」

あきら「ま、言い出したらキリはないわなー」

白石「ってことでラジオ番組が終われば、皆様お楽しみタイムかもしれませんよー!」

あきら「次回もぜひ、観てくださいね!!」

白石「せーの」

あきら・白石「ばいにー!!」」


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[第109話]棒読みは治らない

―数十分後 OA中

 

鈴木「さてこのばんぐみではこのたびみすりょうおうにえらばれたたからみゆきさんをげすとにおむかえしていますどうぞよろしくおねがいします」

 

かがみ(棒読みね……)

 

水原(棒読みだな……)

 

みゆき「よろしくお願いします」

 

鈴木「それではたからさんさっそくですがりすなあのみなさんからこんなにもしつもんのめーるがきています」

 

みゆき「本当にたくさんあるんですね。これは私が決まってからこんなに来たんですか?」

 

鈴木(え!?そんなの知らねぇよ!?!?)

 

水原(って台本に無いことちょっと聞かれたくらいで固まるなよ……はい、カンペ)

 

鈴木「えーと……このめーるはみすりょうおうがきまるまえからぼしゅうしていたのでたからさんこじんむけのしつもんとみすこんゆうしょうしゃむけのしつもんがあります。さてではめーるよんでいきましょう」(ってどれ読んだら良いんだ!?)

 

水原(適当に面白そうなの読んでー)

 

鈴木(なんて無茶ぶりなんだ!)

 

水原(言うほど無茶ぶりじゃねぇよ!)

 

鈴木「ではまずいっつうめのめーる……らじおねーむ『げんだいもやしっこ』さん、ほんみょうふくだたくやさんからのめーるです」

 

みゆき「あのっ……本名は言っても良かったんですか?」

 

鈴木「あっ……」

 

水原(ダメです。)

 

鈴木「えっ……どうしt」

 

水原(とりあえずメールの続きを読んで。流れちゃったもんは仕方ないから。それ以上、裏っぽい話したらただの放送事故だから!)

 

鈴木(十分、事故だよ!どうすんだよ!)

 

みゆき「えっと、どんなメールなんですか?」

 

鈴木「あっはい、よみます。『みすりょうおうおめでとうございます。ぼくはしゅみでからおけによくいくのですが、みすりょうおうさんはからおけにいったりはしますか?いつもきまってうたうきょくがあったらおしえてください』ですね」

 

みゆき「カラオケでいつも歌う曲ですか?」

 

水原(おっ!適当に選んだにしては無難に良い感じ……)

 

みゆき「あまりカラオケに行ったことが無いので分かりませんね……申し訳ありません……」

 

水原(じゃなかったー!!!!『分からない』とか『特にない』とかラジオで下ネタや放送禁止用語以上の禁句だぞ!!!!)

 

鈴木「へーからおけにいくことがないんですか。……あー……」(どうしよ!話が……!話が!!!)

 

水原(次のメールに行くしかない!)

 

鈴木「はい、つぎのめーるです。らじおねーむは……」

 

―15分後―

 

鈴木「では、しつもんめーるはたくさんありますがここでいったん、しーえむです。このあともみすりょうおうのたからみゆきさんにいろいろきいていきたいとおもいますのでひきつづきおたのしみください」

 

水原「……ふぅお疲れ様、後半もよろしく」

 

鈴木「まだ半分もあるのか……」

 

みゆき「すみません、私が不甲斐ないものですから……」

 

鈴木「いやいや、俺こそちょくちょくフリーズしてしまってすまない……」

 

水原「まったくだよーラジオはしゃべらなきゃ空気と同じなんだからー」

 

かがみ「鈴木くんだって頑張ってるんだし、あまり責めないでよ」

 

水原「すいません……っとそろそろCMあけるのであとよろしくー」

 

鈴木・みゆき「はい」

 

鈴木「ではここからはおたよりはおいといてこちらのこーなーにまいりましょう。はっけん!なんでもかんていだん!」

 

みゆき「わぁどのようなコーナーなんですか?」

 

鈴木「こちらのこーなーはりすなーのかたからいかにもめずらしそうな、おもしろそうなものをめーるでぼしゅう!それにたいしてみすりょうおうがかちをさていしてしまおう!というこーなーです。」

 

みゆき「えっと私が価値を決めてしまってもよいのでしょうか?」

 

鈴木「はい、そういうこーなーです。そうされたいひとしかめーるはしません」

 

みゆき「は、はぁ……」

 

鈴木「ではいっつうめのめーる、らじおねーむ ちいさいだんちょうさん、からです。よみます。こんにちは、いつもみゆきさんにはもえさせてもらっています。ありがとうございます。さてわたしからはこのひゃくえんきんいつでうってるまいねーむぺんにみゆきさんのなましゃしんをつけてみたらどうでしょう。こんなときなのでぜひほんにんのいけんをききたいです」(ってこのメール……)

 

みゆき(泉さんですね)

 

鈴木「こたえにくいでしょうけど、どんなかんじでしょう」

 

みゆき「はい、そうですね……最近はカラー写真プリント20円などと聞きますしマイネームペンが100円なら合計して120円が妥当ではありませんか?私の写真ということでそこまで価値があるかも微妙ですが……」

 

鈴木「なるほど、いやほしいひとはいるとおもいますけどね」(同じ委員会とかに)

 

みゆき「いえ、私はそんな……」

 

鈴木「あっ、これについてちいさいだんちょうさんからへんしんめーるがきていますので読みます。そんな!もったいない!けたが5つくらいちがってもじゅようはばっちりだよ!………これ以上はらちがあきませんね。はいつぎのめーるに……」

 

―数十分後

 

鈴木「ということでこのばんぐみはこのあたりでおしまいとなります。さいごにみすりょうおうのたからみゆきさんからひとこと」

 

みゆき「はい、今日は本当に本当にありがとうございました」

 

鈴木「ではまた、いつかおあいしましょう。しーゆーばいばーい」

 

水原「……はい、お疲れ様です!いやぁ……あの棒読みを最後まで貫くとは……」

 

鈴木「あっ……やっぱり……そんなに?」

 

かがみ「いや、そうでもないわよ、お疲れ様。」

 

鈴木「ふぅよかった……ありがとう」

 

水原「さて、この後は二人ともお願いします!」

 

つかさ「はーい」

 

かがみ「ねぇ、気になってたんだけど私たちの台本は?」

 

水原「あっ、はいどうぞ」

 

かがみ「えっ?なんかすごいペラいんだけど……えーと最初が……フリートーク10分?ちょっと会話内容書いてないわよ!?」

 

水原「だってフリートークだからフリーじゃん」

 

かがみ「ええっ!?」

 

水原「困ったらそこにいる鈴木善治がカンペ出してくれるよ」

 

鈴木「ええっ!?」

 

水原(リア充め。二人して同じ反応かい……)

 

かがみ(うっ……ここで水原くんに怒るとわたしが鈴木くんを信頼してないみたいじゃない!?)

 

水原「フッフッフッ……では最終セッティング逝きまひょか」




-らっきー☆ちゃんねる

あきら「……」

白石「あっ、えっと…あきら様…?」

あきら「なんじゃ今の本編は!?」

白石「ど、ど、ど、どうされたんですか?」

あきら「全部棒読みってどういうことなんじゃい!!」

白石「そ、そ、れをここで言われても。それに彼は僕らと違って素人ですし」

あきら「だからってさー、ガキの使いじゃないんだしさー」

白石「まぁ、彼はそういうのが苦手ってことでひとつ・・・」

あきら「で、次回は?」

白石「次は、柊姉妹のラジオかなぁ」

あきら「へっ」

白石「まぁ、楽しみにしていきましょう。ということでまた次回!」

あきら・白石「ばいにー!」



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[第110話]あなたにダイブ!

―数分後

 

鈴木「じゃ頑張れよ。」

 

かがみ「あ、うん」

 

水原「なんだったら二人がOKするならここで聞いとってもええよ?」

 

鈴木「ん?いや……いたら迷惑だろ?」

 

かがみ「別に迷惑とは言わないわよ。いたかったらいてもいいわよ?私は別に鈴木くんに絶対いてほしいってわけじゃないから勘違いはしないでよね」

 

鈴木(いてほしいのか?)

 

つかさ「私はいてほしいなぁ~困った時にカンペとか出してほしいし」

 

水原(姉を思っての発言なんだろうけどそれじゃ私はカンペ役には不適みたいじゃん……しょぼーん)

 

鈴木「じゃあ残って静かに見学させてもらうよ」

 

つかさ「ほんと?ありがと~」

 

かがみ「まぁそれならそれでいいわよ!」

 

つかさ「それとごめんね?そんなつもりじゃなかったんだよ?」

 

かがみ・鈴木「?」

 

水原(って今、私が心を読まれた?)「……では時間になります。OP始まります!」

 

―♪『You Gotta Love Me!』

 

かがみ・つかさ「みなさーんこんにちはー!文化祭放送 DIVE TO FESTIVAL!」

 

つかさ「柊つかさです」

 

かがみ「柊かがみです」

 

かがみ・つかさ「よろしくお願いしまーす」

 

かがみ(いきなりフリートークって何しゃべれって言うのよ!?)

 

つかさ「お姉ちゃん、いよいよ昨日から文化祭だよね?」

 

かがみ「えっ?うん、そうね?」

 

つかさ「お姉ちゃんは何か見に行ったりとかした?私は体育館のライブとか見に行ったけど~」

 

かがみ「え?あぁ……って私も一緒に見てたじゃない!」(というかこんな中身のないトークでいいの!?)

 

水原(OK!)

 

つかさ「そだったね~でもお姉ちゃん、ずっとはいなかったし体育館にいないときで何か面白いものとかあった?」

 

かがみ「うーん……あっ、面白いかどうかは別なんだけど『悩み相談』ってのがあったわね」

 

つかさ「悩み相談?お姉ちゃん悩みとかあるの?私で良かったら聞くよ?」

 

かがみ「いやいやいやいやそんなたいそうなことじゃないわよ。ただ暇つぶしに行ったんだけどね。すごい不思議な感じだったのよ」

 

つかさ「不思議?」

 

かがみ「そう。話は聞いてくれるんだけどね『あるある』って相槌うつだけなんだよね。で最後は一言で片付けられるのよ」

 

つかさ「なるほど~確かに悩み相談って色々言ってくれるイメージだよね」

 

かがみ「でしょ?」

 

つかさ「で、どんなこと相談したの?」

 

かがみ「いやだから私の悩みなんてどうでも良いじゃない!悩みってほどでもないんだし」

 

つかさ「ふーんそっか~」

 

かがみ「ほら、最初のコーナー行くわよ!?」

 

つかさ「えっ?あっうん」

 

かがみ「では最初のコーナー!『空想!セリフコンテスト』」

 

つかさ「このコーナーはあらかじめ設定したシチュエーションのセリフを募集してそれを私たちで読んでみて一番良いセリフを選ぼうというコーナーです。」

 

かがみ「ラジオ放送の1週間前から募集してたらしいのよ。でどんなテーマなの?」

 

つかさ「あれ?お姉ちゃん知らないの?」

 

かがみ「なんか私は当日まで秘密だったらしいわ」

 

つかさ「じゃあテーマ言うね?テーマは……『文化祭に両思いの女の子が告白する』です」

 

かがみ「おっ……おう……なかなか限定されたシチュエーションね」

 

つかさ「最初は『おばあちゃんが町内会で宇宙旅行に行った感想』っていうテーマだったんだけどあまりにもおかしいからってこうなったんだよ~」

 

かがみ「おばあちゃんが町内会で宇宙旅行……?飛んだ発想ね……でこの文化祭で両思いの女の子から告白するっていうので集まったセリフがこのメールね」

 

つかさ「そうだよ~この中から選ばれた4つを読んでみて一番良いセリフをスーパータイヘンヘンタイプロデューサーのみずりんが選ぶって」

 

かがみ「タイヘンヘンタイって……」

 

つかさ「でも台本にはそう書いてるよ?」

 

かがみ「やっぱりなんか私の台本とつかさの台本ってなんか違うよね?」

 

つかさ「違うらしいよ~リアクションを楽しみたいんだって~」

 

かがみ「ふぅーん……じゃあ行くわね。ラジオネーム『柿本人麻呂』さん。……セリフ読めばいいの?」

 

水原(はい。感情込めてね)

 

かがみ「はいはい……じゃあ読むわよ。……『好きでした!会うのは今日が初めてだけどずっとずっと好きでした!』」

 

つかさ「お~」

 

かがみ「……ってどういうシチュエーションよコレ!?……というかなんか聞いたことある気がするわね……」

 

鈴木(これ、俺が1年前にクラスの劇で言ったセリフじゃねぇか!?)

 

つかさ「もしかしたら何かのセリフなんじゃない?あんまり文化祭とか関係なさそうだし~」

 

かがみ「あっ」(思い出したけどコレ……)

 

つかさ「じゃあ次は私だねラジオネーム……」

 

―中略―

 

つかさ「これが最後だね。『ねぇ?私のこと好きなんでしょ?私はあんたのことが好きだけどこれまで何も言ってこないよね?どうしてかな?何か言ってきても良いんじゃない?ほら、今だったら聞いてあげるよ?ね?』」

 

かがみ「うわぁ……空想というより妄想な気がするわね」

 

つかさ「そうだね……じゃあジャッジを!」

 

水原(4番!)

 

つかさ「4番……ということは最後に私が読んだセリフだね~へ~!」

 

かがみ「それって単につかさにそれを読ませたかっただけなんじゃ……」

 

つかさ「かなぁ~?では盛り上がってきたところで一曲お聞きください。"i☆Ris"で『DIVE TO LIVE』」

 

―数分後

 

かがみ「はい、"i☆Ris"で『DIVE TO LIVE』をお聞きいただきました。では次のコーナーいきましょう。『巫女つかさのラッキーマジック!』」

 

つかさ「私の名前が付いてるね」

 

かがみ「このコーナーはリスナーから寄せられたラッキーなエピソードが実は某神社の巫女さんである柊つかさのマジックだ!っていうコーナーになります。」

 

つかさ「わーい」

 

かがみ「あくまでフィクションね」

 

つかさ「はーい」

 

かがみ「例えばどんなのかって言うと、こないだ私、玉子焼作るために卵割ったら黄身が2つ入ってたのよね~」

 

つかさ「それは私のラッキーマジックでお姉ちゃんの卵だけ双子っぽいのにすり替えたんだよ~」

 

かがみ「とこんな感じです。」(ってそれマジックか?)

 

つかさ(あれ?この先、答えは自分で考えてねって書いてる……)

 

かがみ「では最初のメールいきましょう。ラジオネーム『崖っぷちのボヨーン』さんから」

 

つかさ「昔流行った映画みたいなお名前だね」

 

かがみ「メール読むわよ。『こんにちは。僕はこないだ、とある博覧会的なものに行きました。さんざん待たされてうんざりだったのですが会場にはなんとすだちくんがいたのです!しかも嬉しくなって手を振ったら手を振りかえしてくれました!巫女さんありがとう!僕のためにすだちくんを呼んでくれて!』ということでね、すだちくんって?」

 

つかさ「んとね~すだちくんは徳島の酢橘をイメージしたゆるキャラなんだよ~。」

 

かがみ「へぇ~。そのすだちくんに会えたのが嬉しくてメールしてきてくれたのね。でコレはすだちくんがこのイベントに来る予定だった……んじゃなくてつかさのマジックってことなの?」

 

つかさ「(設定上)そうだよ~。んーとね、崖っぷちのボヨーンさんがすだちくんを好きなのを聞いて私が予備の着ぐるみを着て会いに行ったんだよ~」

 

かがみ「えっ!?じゃあ崖っぷちのボヨーンさんが会ったすだちくんは中につかさが入ってたの?でも、それじゃマジックとは言わないんじゃ……」

 

つかさ「大丈夫だよ~予備の着ぐるみを持ってきたことがマジックだからさ~」

 

かがみ「あっ……そういうのね。」

 

つかさ「そうだよ~。じゃあ(アラが出ないうちに)次のメールにいこうか~」

 

かがみ「はい、次はなかなか良いわね~。ラジオネーム『人の夢と書いて儚いと読む』さん」

 

つかさ「メールありがとう~」

 

かがみ「『こないだ僕は図書室に行きました。するとそこには僕の好きなあの子が!しかも高い本棚に手を伸ばして読みたい本を取ろうとして頑張っていたのです!しかし彼女は手が届かず本は取れなかったようでした。そこで僕は颯爽と登場し彼女の代わりに本を取ってあげました。こんな漫画みたいな体験をさせてくれてありがとう!』」

 

つかさ「あっ、これはね~私のマジックでその子の読みたい本を」

 

かがみ「あ、ゴメンまだ続きがあるわね。『……という夢を見ました。まぁ現実には何もないのでね、夢だけでも良い夢見れて良かったです。ありがとう。』」

 

つかさ「あ~……」

 

かがみ「マジックは何だって?本?」

 

つかさ「いや~それはこの人じゃ無かったよ~」

 

かがみ「じゃあこの人にはどんなマジックしたの?」

 

つかさ「んとね~、これはこの人の枕の下にその子の写真を置いといたんだよ~」

 

かがみ「えらくアナログな……というかそれもマジックなのかしら?」

 

つかさ「細かいことはマジックだから気にしちゃダメだよ~」

 

かがみ「そうね……そうするわ」

 

つかさ「さてさてここで宣伝です。この後の番号は小豆電波通信局、らじおん!となります。引き続き文化祭放送をお楽しみください。」

 

かがみ「私たちがやってきたDIVE TO FESTIVALはそろそろお別れの時間がやって参りました。」

 

つかさ「お相手は柊つかさと」

 

かがみ「柊かがみでした!引き続き、文化祭放送お楽しみください。この後も……」

 

かがみ・つかさ「あなたにダイブ!」

 

 

―ED♪『サディスティック・ラブ』―

 

水原「お疲れちゃーん」

 

つかさ「お疲れ様~」

 

かがみ「お疲れ~」

 

こなた「いや~楽しませてもらったよ~」

 

鈴木「同じく」

 

つかさ「こなちゃん来てたんだ~」

 

こなた「まぁね~次私が出番だしね~」

 

かがみ「へ~あっそうなんだー」

 

鈴木「なるほどな」

 

水原「じゃとりあえずは解散っちゅうことで」

 

つかさ「私は残ってもいい?軽音部のみんなにも会いたいし」

 

水原「いいよー」

 

 

鈴木(ここにはつかささんやこなたやみずりんがいて……ジャマが入らないとしたらこれが最後か……)「じゃあ俺は失礼するよ。かがみはどうする?」

 

かがみ「え?私は……うん私もちょっと文化祭見て回ろうかな」(というよりこのミスコンのお礼だけはキッチリ鈴木くんに言っておきたいし……それだけ……よ、うん)

 

水原「じゃ次の準備準備っと~ばいにー」

 

鈴木「おぅ」

 

かがみ「はいはい」

 




-らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす。」

あきら「今回のこれってほぼ全編パクリじゃんww」

白石「作者が柊姉妹に単にやらせたかっただけでしょうねww」

あきら「これ、いろいろ大丈夫なのかなーww」

白石「大丈夫ですよ。2年前にもとの番組は終了してますし、元ネタを分かってくれる人はわかってくれる人だけでコソコソと楽しんで頂ければ」

あきら「ふーん。で、次回もラジオなの?」

白石「まぁ時系列的にはラジオは続きますが、物語はラジオ放送をしてる教室から離れる主人公を切り取ります!」

あきら「ほーん。ということは……」

白石「そうですね~^^」

あきら「ってことで」

ナレーター「おつかれーす。いやー『You Gotta Love Me!』も『DIVE TO LIVE』も『サディスティック・ラブ』も一人で歌ったらさすがに疲れたわー。この後、一杯行きましょうやー」

白石「ディ、ディレクター!番組まだ終わってないッス!!」

ナレーター「あっえっ!?……失礼しました!!」

あきら「……」

白石「……なんか変な感じになりましたね」

あきら「そうねー。終わるか!」

あきら・白石「ばいにー!!」


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[第111話]言わなきゃならないことはあるside bell

Message body

 

―中庭

 

鈴木「とりあえずドタバタは終わったな~」

 

かがみ「そうね」

 

鈴木「お疲れ様。ラジオも結構面白かったぞ。」

 

かがみ「あ、うんありがとう……あれはつかさにだいぶ引っ張ってもらったんだけどね。あの子いつの間にあんなしゃべれるようになったのかしら……」

 

鈴木「さぁなー、もしかしたらミスコンで頑張ってるかがみを見て触発されたのかもな。」

 

かがみ「私の頑張り……か。変なこと聞くけどさ」

 

鈴木「ん?」

 

かがみ「私、鈴木くんから見て頑張ってたのかな?」

 

鈴木「あぁ。それに結果も聞かせてもらったし、ミスコンで見させてもらった。」

 

かがみ「そう……まぁそうよね。私の努力の甲斐かな」

 

鈴木「うん」

 

かがみ「っていやいやそうあっさり肯定しないでよ。アンタの応援とか手伝いもちょっとは役に立った……かもしれないんだし」

 

鈴木「ん?そうか?でも頑張ったのはかがみだろ」

 

かがみ「いや、まぁそうだけど……まぁそのね。一応ちゃんとお礼はしとこうと思ってね」

 

鈴木「ん?」

 

かがみ「いい?これは私が何もしないのが悪い気がしてるだけで自己満足なんだからね!別に鈴木くんのためとかじゃなくて私の自己満足なんだからね!」

 

鈴木「?」

 

かがみ「はい!これあげるわよ!」

 

鈴木「ん?何かくれるのか?」

 

かがみ「それ、昨日クッキー焼いたの。でも形が悪くていびつなのが多いでしょ?自分じゃ食べない失敗作ばっかり入れただけで私の自己満足なんだから!だから嫌なら別に食べなくても捨てちゃって良いわよ!」(って言っておけば変に気をつかわれることも無いわよね)

 

鈴木「んーうまいなー」ポリポリ

 

かがみ「!?!?って無理に食べなくても良いのよ!?分量も適当に作った失敗作なんだし」

 

鈴木「いやいやせっかくのプレゼントだからな」(というか俺に気をつかわせないようにとか考えてるんだろうな。あとは強がりか)

 

かがみ「そんな……プレゼントなんて……単に私の自己満足だし……」

 

鈴木「まぁまぁ……そうだ、うまく自販機あるし何か飲むか?おごるよ」

 

かがみ「ん?あぁ……じゃあ私はお言葉に甘えて……」

 

鈴木「ん?おぅ……金入れたら自動でなんか出てきた」

 

かがみ「えっ!?」

 

鈴木「あちゃーなんか変なの出てきた。まぁいいか。で、かがみはどれ飲む?」

 

かがみ「いや悪いわよ。私、それ飲むわ」

 

鈴木「いやいや……ってまたボタン押す前に飲み物が出てきた……」

 

かがみ「あっ……、……あっ!」

 

鈴木「なんか同じのが出てきたらしいな。」

 

かがみ「私こそごめん!この自販機壊れてたの忘れてたわ」

 

鈴木「言われてみればそうだっけか?……じゃ仲良くこの怪しい飲み物を飲むか?」

 

かがみ「うん。なんだっけコレ……」

 

鈴木「まぁ……とりあえずかんぱーい」

 

かがみ「あ、うん乾杯」

 

かがみ・鈴木「!!!」

 

鈴木「……思い出した。これ『しょうが湯(cold)』だ」

 

かがみ「なんというか絶妙な……絶妙ね。湯なのにcoldとかね……」

 

鈴木「まぁなぁ……というかちょっと懐かしいことを思い出してな」

 

かがみ「懐かしいこと?」

 

鈴木「いやぁ1年半ほど前、俺が転校してきた初日もこの故障自販機の罠にひっかかったなぁ……って」

 

かがみ「へぇ~」

 

鈴木「ちなみにその後、この学校で先生以外で初めてしゃべったのがかがみだ」

 

かがみ「えっ!?」

 

鈴木「先生が『今日で1年も終わりだしクラス替えもあるから自己紹介は要らんだろ』って言うもんで誰とも話すことが無かったしな」

 

かがみ「桜庭先生なら言いそうね……」

 

鈴木「その時はただただ優しいなぁ。まぁ2年で同じクラスだったらなぁとは思ったりもしたが」

 

かがみ「……」

 

鈴木「まぁ結局、同じクラスでもないし覚えられてるとも思ってなかったからまぁそれが現実かなと思ってたんだが」

 

かがみ「いやいや流石にそう簡単に人を忘れたりはしないわよ」

 

鈴木「まぁ結局、なんだかんだあって今はこうして普通に話す仲になって……ダイエットの手伝いまでするようになってさ」

 

かがみ「それは……わr」

 

鈴木「かがみには悪いが俺は結構楽しませてもらったし気にしないでくれ」

 

かがみ「……まぁ私も一人でやるよりは……楽しかった……かもだけど」

 

鈴木「そう言ってくれると俺としてはありがたいよ。思えば転校してからずっとかがみやこなたやつかささんやと一緒にいる時間が多かった気がするが」

 

かがみ「確かによく4~5人でいた気はするわね」

 

鈴木「ただかがみとはその中でも色々した気がするし色々楽しかったなぁと」

 

かがみ「ふぅん……。」

 

鈴木「……っと柄にもなくしゃべりすぎたな」

 

かがみ「良いんじゃない?話したいときくらい話せば?」

 

鈴木「聞き飽きられてもあれだしな。だいたいしょうが湯(cold)持ったままじゃカッコもつかないなぁなんてな」

 

かがみ「フフッまぁそうかもしれないわね」

 

鈴木「だろ?」

 

かがみ「でも良いわよ。私そういうのあまり気にしないし。話したいことがあるなら聞いてあげるわよ?」

 

鈴木「んー」

 

かがみ「例の悩み相談とかでも何か言ってたじゃん。黙ってため込むのは精神に悪いわよ?」

 

鈴木「まぁそうだなぁ……」(かがみと一緒にいたり何かをするのが一番楽しいし幸せなんだよなぁ。だからミスコンの時も他の得体の知れない奴……特に『踏まれたい』とか言うような奴なんかに先を越されたくないって思ったし……となれば言うのは今しかないってなるのか?これが最後のチャンスか?……)

 

かがみ(ってなんかカッコつけて言ったけど、もし恋愛相談とかだったらどうしよう……私に聞ける?そんな経験あるわけでもないし何より鈴木くんがもし『つかさのことが好きなんだ。どうしたらいい?』なんて言い出したら私は平静を保てるかしら……)

 

鈴木「………だな。聞きたくなかったら止めてくれてもどっかに言ってくれてもいい。ただ今しか言えないだろうから言っておくことがある」

 

かがみ「うん……」(彼のスイッチを入れたのは私だし何が飛び出してきても聞いてあげないとね……)

 

 

 

鈴木「……俺、かがみのことが好きだ」

 

かがみ「・・・!?え?………えぇっ!?……今なんて?」

 

鈴木「何回も言わせるのな。結構恥ずかしいんだがな……うん、かがみが好きだ。」

 

かがみ「あ、いや……その……私なの?」

 

鈴木「あぁ。ミスコン関係で結構一緒にいることが多かったが……ミスコンが終わっても一緒にいたい。し、他の奴に先を越されたくないし……何より気遣いもフォローもツッコミもなんだってできるかがみが好きだから。」

 

かがみ「……?他の奴?」

 

鈴木「いや、まぁそれはミスコンでかがみが出てきたとき空気が色めき立ってな……アタックしようかなって声が聞こえてさ……」

 

かがみ「それでその人より先に……ってこと?」

 

鈴木「まぁそれもある……恥ずかしい話だがそうやってほかの奴を意識するまでかがみが好きだと言い切れなかった。情けない話だよな。……でもかがみが好きなのは嘘偽り無い。それだけは先に伝えておきたかった。」

 

かがみ「鈴木くん……」

 

鈴木「以上。文化祭が終われば言う機会も無いだろうからな……すまん。大事な時間もらって悪かったよ。じゃあ……」

 

かがみ「ってちょっと待て。私の返事は!?」

 

鈴木「ん?お返事いただけるというのか?じゃあせっかくだし聞かせてくれ」

 

かがみ「って改めて仕切り直されると恥ずかしいわね……」

 

鈴木「じゃあ無理には……」

 

かがみ「いや、せっかく鈴木くんが告白してくれたんだし今、言うわよ」

 

鈴木「……うん」

 

かがみ「私も……その……アンタの……鈴木くんのことが好き。最初に言ってくれたのがアンタで良かった……」

 

鈴木「……ありがとう……」

 

かがみ「でも、私で本当に良かったの?」

 

鈴木「ん?もちろん」

 

かがみ「ほら……文化祭終わったら受験とかもあるから2人っきりでどこか行ったりも出来ないし……素直になれなくていやな思いさせるかもしれないし」

 

鈴木「それでもかがみしかいない。それに受験とかは俺だって分かってる。別に遊んだりするのは受験終わってからでも十分できるしな」

 

かがみ「……私たち、付き合うってことで良いのよね……?」

 

鈴木「かがみが良いのなら……俺は付き合いたい。付き合ってほしい。そう思ってる。強要みたいで嫌だからさっきは言わなかったが」

 

かがみ「……いいよ。鈴木くんなら……」

 

鈴木「……ありがとう……せっかくだし文化祭、どっか2人で見て回らないか?」

 

かがみ「うん。って昨日もだったけどね」

 

鈴木「まぁそうだがな」

 

 

 

 

―ラジオ放送室

 

こなた「であのマンガ雑誌で色んな作品がコラボしたRPGがね~」

 

水原「私はアレあの雑誌で一番好きな作品がまだ発表されてないからさ~」

 

こなた「今から楽しみで仕方ないわけですよ~分かる?分かるよね!?」

 

水原「私は追加の情報解禁が楽しみでござる」

 

つかさ(お姉ちゃんと鈴木くん大丈夫かな~。いや、大丈夫だよねきっと。楽しみだなぁ~)

 

水原「っとそろそろ尺的にお別れの時間がやってまいりました」

 

こなた「え~もっとしゃべりたい!!」

 

水原「はいはい。あとはおうちで一人でしゃべってください」

 

こなた「いやいやそれはおかしいじゃん!一人じゃ寂しい人みたいだよ!」

 

水原「さてここで交通情報です。中国自動車道上りは神戸三田インターから宝塚インターまでで15キロの渋滞です」

 

こなた「いやいやその交通情報おかしいよ!ここ埼玉じゃん!なんでそんなまったく関係ない渋滞を案内してるのさ!」

 

水原「尺稼ぎ☆」

 

こなた「さっき尺の都合がどうとか言ってたよね?」

 

水原「アハッ☆ということで本当にお別れの時間がやって参りました。この後は桜高軽音部が出張でトークアンドライブをしてくれます『らじおん!』です。この後も文化祭放送をぜひお楽しみください!それではこの時間のお相手は」

 

こなた「こなたと」

 

水原「水原でお送りしました!それでは」

 

こなた・水原「まったね~!」

 

 

 

 

水原「ふぅ……」

 

こなた「いや~お疲れ~」

 

つかさ「お疲れ様~二人とも息ぴったりだったよ~」

 

こなた「つかさの太鼓判!不安しかない!」

 

つかさ「えぇ~!」

 

水原「いやいやそれはひどいw多分うまくいってるよ~」

 

こなた「まぁそれは私がいるんだから当然だよ~」

 

水原「っとそろそろ次の準備しなきゃ」

 

こなた「じゃあ私は"邪魔者"だしいなくなるね~」

 

つかさ「いてくれても大丈夫だよ~?」

 

こなた「いやいや私は手伝ったりするわけじゃないし他に文化祭も見たいからさ~ネ?」

 

水原「私に気を遣ってますよアピールやめい、真相知ってて知らん顔はたち悪いで」

 

こなた「まぁまぁ~じゃね~」

 

水原「はいはいサンキューでした」

 

つかさ「こなちゃんありがとうね~」

 

こなた「バイバーイ」

 

水原「ほな、最後は軽音部さんやな」

 

つかさ「ねぇみずりちゃん」

 

水原「ん?」

 

つかさ「お姉ちゃんと鈴木くんが今2人っきりになってると思うけど、もしかして……みずりちゃんがそうなるようにしたの?」

 

水原「ん?私はただ単に鈴木ちゃん→かがみさん→こなた→桜高軽音部の順にラジオ番組を組んだだけだよ。」

 

つかさ「でもそうしたからこなちゃんはお姉ちゃんと一緒にはいられなくなったし桜高の軽音部のみんなもここに来るから鈴木くんと会わないよね」

 

水原「まぁうまくいったらそうなるね」

 

つかさ「うまくいったら……なんでそんな協力をしてくれるの?私はお姉ちゃんに幸せになってほしいからだけどみずりちゃんは?」

 

水原「私は君のことが好きだから。だから君の思うようになるようにしているのだよ」

 

つかさ「ふーん……そっかー……」

 

水原「さぁさぁ次の番組だ!」




―居酒屋 北埼玉ブルース

あきら・白石・ナレーター・あずきシティ「かんぱーい!!!」

あきら「ぷはぁー」

あずきシティ「いやーこのために生きてますなー!」

白石「いやーまったくですね!」

ナレーター「んー」

※登場人物のうち、未成年者はソフトドリンクを飲んでいます。飲酒はしていません。お酒は二十歳になってから。

あきら「いやーだいたい終わったね」

白石「終わりましたねー」

あずきシティ「一応、まだほんのちょっとだけ本編はあるんやけども。まぁオマケみたいなもんやしw」

ナレーター「まぁだいたい終わったようなもんですね。」

あきら「正直さー、どうだったよ?」

白石「どう……とは?」

あきら「まぁなんか全体的に?」

あずきシティ「雑wwwwww」

―作者の『w』が『…』になる。

あずきシティ「めっちゃ雑なネタ振りやん……」

白石「急になんかあずきシティさんのテンションが下がった……」

ナレーター「まぁ半年に渡り連載してきたら疲れますよ。はい、お疲れ様でした。」

あずきシティ「いや、そんな疲れたとかじゃないのよ?ただ急に笑えなくなったというか……」

ナレーター「皆勤賞祝いってことでこれくらいは遊ばせてください」

あずきシティ「おまっ!まさか変なナレーション入れたか!!」

あきら「あーww」

あずきシティ「いやいや……それはなしでしょ……って草生やして言っても全部、深刻に聞こえるし!」

ナレーター「ちょっとーあずきシティさん、場の空気重くするのやめてもらっていいですか?」

あずきシティ「いやいや……あんたのせいだ…」

白石「まぁあずきシティさんは置いといて、飲み屋来たんですしまぁ楽しく話しましょうよ!」

あきら「テメェが一番喋んねーんだろ!!」

白石「す、すいません」

ナレーター「まぁまぁ恫喝はやめてくださいな」

あずきシティ「そうですよ…楽しくいきましょう……草ぁ!!生やさないと病んでるみたいだから!!」

―あずきシティに『w』が戻る

あずきシティ「まったくもう……で、飲み会的なトークだとやっぱり人間関係?」

あきら「そうねー、だいたい盛り上がるのは人の悪口だけどとりあえず、作者さんよーここいらでなんでこれを書いたか言いなよ」

あずきシティ「あら、真面目な話?」

ナレーター「茶化すかどうかはまかせますよ。」

あずきシティ「ではでは、少しだけお話させていただきましょう。このハーメルンって結構、長編で面白い作品があるじゃないですか。このらき☆すた関係やそれ以外でも」

ナレーター「ありますね。」

あずきシティ「あれにハマったんですよ。どの作品も深く掘り下げられていて……ずっと読んでいられるような面白さだったんですよ。」

白石「で、自分も書きたくなったんですか?」

あずきシティ「そそwwでも、読んだ作品ってオリ主とかに過去に親が死んだとかイジメとかそういうバックグラウンドがあるんですね」

あきら「良いんじゃない?」

あずきシティ「そう!良いんですよ!そういう深い話は読み応えもありますしね。ただ……」

ナレーター「ただ?」

あずきシティ「それ、俺には書けねぇ!!!wwww」

あきら「おい!」

あずきシティ「マジマジw深イイ話は私には書けない!し、書けても設定が似通ってしまいパクりや二番煎じになっちゃうなー!って思ったの」

白石「へぇ」

あずきシティ「でも、書きたかった。だから皆の予想できない展開や見たことない展開を挟みたいなぁとなりまして」

ナレーター「で、鈴木善治は過去にイジメとか親族友人が他界したとかそういうバックグラウンドが一切出てこないキャラになったんですね」

あずきシティ「そゆことー。それであとはワイワイさせたかった。とそういうことなんですわー」

あきら「ふーん……」

ナレーター「まぁ……あんまり面白くない理由でしたね」

あずきシティ「ブォッw」

白石「まぁ仕方ないですよ」

あずきシティ「しゅん……」

あきら「はいはい、しんみりすんじゃねぇ!!」

ナレーター「はーいもっかいかんぱーい!!!」

―つづく ……かも?


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[第112話]メイド?

―校舎内

 

鈴木「なぁ、どう思う?コレ」

 

かがみ「『中途半端なメイド喫茶』……?うーん……」

 

鈴木「俺はあくまでメイド喫茶じゃなくて『中途半端な』って部分がすげぇ気になるんだが……」

 

かがみ「確かに気にはなるけど……入る?」

 

鈴木「だな」(でもこの状況で『お帰りなさいませご主人様』とか言われると俺の状況が中途半端になるな)

 

―ガラッ

 

??「こんにちは」

 

かがみ・鈴木「こんにちは!?」

 

鈴木(というかコイツ……あの時の!?)

 

かがみ(悩み相談やってた子よね?)

 

鈴木(今日は悩み相談やってないってのはこの店にいたからか!)

 

悩み相談「こちらの席へどうぞ」

 

鈴木「あ、はい……」

 

悩み相談「なるへそ」

 

かがみ(なっ……何か納得されたわ……)

 

鈴木「なるほどな……」

 

かがみ「って鈴木くんも何か分かったの!?」

 

鈴木「いや『中途半端なメイド喫茶』っていうからどんなものかと思ったが……みんな頭のアレ……なんだっけ?」

 

かがみ「カチューシャ?」

 

鈴木「そうそう。カチューシャだけ装備してて他はうちの制服……確かに見た目からして中途半端だ」

 

かがみ「って何まじめに考察してるのよ!……まぁ確かにカチューシャ以外メイド要素は無いけどさ……挨拶も『こんにちは』だったし」

 

鈴木「まぁとりあえず注文しないとな。メニューは……うぉ!」

 

かがみ「何?どうしたの?」

 

鈴木「いや、コレ見てみ。だいたい?がついてる」

 

かがみ「ん?……『メイド?風オムライス』『メイド?さんサンドイッチ』に『メイド?コーヒー』『メイド?紅茶』って……」

 

鈴木「さらに気になるのはその下だがな」

 

かがみ「その下って……『オレンジ?ジュース』『ウーロン?茶』?……プッ」

 

鈴木「怖いもの見たさで頼んでみたくはあるが俺は別のにするかな。かがみは?」

 

かがみ「いやいやこんな怪しいの頼まないわよ!普通にメイド?コーヒーにしようかしらね」

 

鈴木「了解、じゃあ注文するぞー。メイド?さーん」

 

悩み相談「はい」

 

鈴木「とりあえずこの『メイド?コーヒー』2つ」

 

悩み相談「はい。メイド?コーヒー2丁です」

 

かがみ(意外と順応してる!?)

 

JK1「クリームと砂糖はお入れしますか?」

 

鈴木「ん?あぁ俺はいいや」

 

かがみ「へぇーそんなサービスもあるのね。じゃあせっかくだしお願いしようかしら」

 

JK1「肩のマッサージはいかがでしょうか?」

 

鈴木「いや、遠慮しとくよ」

 

かがみ(ってそんなことまで!?)

 

JK1「痒いところはございませんか?」

 

鈴木「ごさいません」

 

かがみ「ってそれじゃ美容院になってるわよ……」

 

 

JK2「へぇ」

 

悩み相談「うん」

 

JK2「じゃあ空いてるんだし………」

 

悩み相談「うん」

 

 

鈴木「なんか俺ら見て話されてる気が……」

 

かがみ「気のせいじゃない?」

 

悩み相談「もしお昼まだだったらサービスしましょうか?」

 

鈴木「気のせいじゃなかったらしい」

 

かがみ「っ……」

 

鈴木「ってか良いのか?それ」

 

悩み相談「材料は余ってるし」

 

かがみ「なんでサービスなの?もしあれだったら普通に注文するわよ?」

 

悩み相談「うーん……お祝い?」

 

かがみ「ブッ」

 

悩み相談「だってお二人は」

 

鈴木「わーわーわー分かった分かったからお気遣いありがとう!はいはい」

 

 

JK2「ハイ、ケチャップで絵をよろしく」

 

悩み相談「うん」

 

 

鈴木(オムライスか……)

 

かがみ(で描かれるのはやっぱりハート……どんな罰ゲームよコレ……)

 

鈴木(絶対わざとだろってハナからわざとか……)

 

悩み相談「はい、どうぞ」

 

鈴木「ん?コレは……」

 

かがみ「桃?」

 

悩み相談「もも」

 

鈴木「桃か……」

 

かがみ「なるほど。あくまで普通のメイド喫茶じゃないわけね」

 

鈴木「ちなみに普通だったらメイドさんがオムライスに描くのは何なんだ?」

 

かがみ「え?それは……ってオイ!」

 

鈴木「いやいや冗談冗談。意外に詳しいなぁ……って」

 

かがみ「……。」

 

鈴木「いやいや誰の影響かくらい分かってるしそう怒るなよー。」

 

かがみ「別に怒ってないわよ。」

 

鈴木「はいはい、とりあえずオムライス。冷める前に頂いとこうか。」

 

かがみ「そうね」

 

鈴木「そういえば他の席はどんなかなぁ」

 

かがみ「ん?」

 

鈴木「いやオレンジ?ジュースとか注文してる人とかいるのかなぁって」

 

 

男客「このメイド?ゲームをお願いします」

 

 

鈴木「メイド?ゲーム……?」

 

かがみ「アレじゃないの?メイドさんとあっちむいてホイとかそういう簡単なゲームが出来るんじゃない?」

 

鈴木「あー」

 

 

悩み相談「お待たせしました」

 

男客「どうも」

 

悩み相談「ごゆっくりどうぞ」コトッ……

 

 

鈴木「知恵の輪!?」←小声です

 

かがみ「完全に一人用じゃない!?」←小声です

 

鈴木「だからメイド?なのか……」

 

かがみ「もはや何が普通で何が変なのかの判断もつきにくいわ」

 

鈴木「まぁメイド喫茶というそれ自体が普通の喫茶店では無いけどね」

 

かがみ「あっそういえばそうだったわねー」

 

悩み相談「お口直しにデザートはいかがですか?」

 

鈴木「あっじゃぁお願いs」

かがみ「お願いします!」

 

悩み相談「はい、少々お待ちください。」

 

鈴木(は……早い……)

 

―数分後

 

悩み相談「お待たせしました」

 

鈴木「チーズケーキか」

 

かがみ「美味しそうね~」

 

悩み相談「ごゆっくりどうぞ」

 

かがみ「いただきます!」

 

鈴木「いただきます。」

 

かがみ「んんっなかなか美味しいわよ!」

 

鈴木「そうだな」

 

かがみ「……どうかしたの?何か変?」

 

鈴木「いや……」

 

かがみ「何か変なところでもあった?」(もしかして『メッチャ食べるなぁコイツ』みたいに思われて引かれてる!?)

 

鈴木「いや、何も変なところがなくてビックリするくらい普通だなぁって」

 

かがみ「あっ、あー良かったー」

 

鈴木「良かった?」

 

かがみ「いや、なんでもないわよ」

 

 

JK1「おい、今のは普通過ぎないか?」

 

悩み相談「ごめん、まちがえた」

 

 

かがみ「普通を怒られてる!?」

 

鈴木「普通を怒られるってなんだよ」

 

JK2「もうすぐ1時間に1回のステージが始まります」

 

鈴木「メイド?ステージって黒板には書いてあるな」

 

かがみ「こなたのとこのコスプレ喫茶は歌って踊ってた気がするけど……」

 

鈴木「ここもそうかな?まぁ歌って踊るのもメイドというよりアイドルとかになりそうだしな……」

 

かがみ「うーん何が起きるのかしらね」

 

 

男子A・男子B「どうも~!」

 

 

鈴木「だっ男子!?」

 

かがみ「斬新ね……確かにメイド?だわ」

 

 

男子A「ショートコント!」

男子B「潮干狩り!!」

 

 

鈴木「というか……」

 

かがみ「メイド要素0……」

 

鈴木「もはやメイド?ですら無いな」

 

 

男子A「いやぁ潮干狩りって楽しいね!」

 

男子B「ってそれは紅葉狩りだ!」

 

男子A「もうええわ!」

 

男子A・男子B「ありがとうございました!」

 

 

かがみ「しかもなかなかに……アレだったわね……」

 

鈴木「クーラー代わりかなんかか……アレ」

 

かがみ「クーラー代わりって……」

 

 

―しばらく後

 

JK2「お会計ちょうどいただきます」

 

悩み相談「あ、このシール、プレゼントですのでどうぞ」

 

鈴木「いまさらだけどメイド要素0のシールだな」

 

JK1「これが意外と予算かかったんだよな」

 

悩み相談「うん。予算の7割コレだもんね」

 

かがみ「うわぁ……」

 

鈴木「まぁ各々、青春の楽しみ方はあるということで無理矢理納得しとくよ」

 

悩み相談「うん」

 

 

―ガラッ

 

かがみ「思った以上にすごかったわね、色々と」

 

鈴木「だな。中途半端な……というか完全にメイド喫茶では無かったな」

 

かがみ「あれも……良いのかしらね」

 

鈴木「まぁ色々な形がある……って思わなきゃやってられないな、きっと」

 

こなた「おっ!かがみと鈴木くんじゃん!」

 

鈴木「わっ!」

 

かがみ「びっくりした!」

 

こなた「いやぁたまたま2人が見えたからね~」

 

かがみ「で、どうしたのよ?」

 

こなた「いやぁそろそろ閉会式も近いしね~と思って探してたんだよ~ってもしかして私はお邪魔虫だったかな?」

 

かがみ「!!!」

 

鈴木(かがみ、いつも通りいつも通り平常心平常心)

 

かがみ(分かってるわよ)

 

こなた「って2人がラブラブしてるのはいつも通りか~」

 

鈴木「ゲッホゲッホゲッホゲッホ」

 

かがみ「ってちょっと!?大丈夫?」

 

鈴木「大丈夫、単にむせただけだ」

 

こなた「ほらやっぱり」

 

かがみ「いや、今のはどう考えてもあんたが変なこと言ったからでしょ」

 

こなた「ん~まぁまぁだいたい合ってるし良いじゃん」

 

かがみ「おい!」

 

鈴木(だいたい合ってるか……いつも通りのつもりだったがそう見えていたのか……。)

 

こなた「それより2人は今は何してたのー?」

 

かがみ「え?ちょっとお店行ってただけよ」

 

こなた「2人で?」

 

かがみ「ハイハイそうよ」

 

こなた「ふぅーん」ニマニマ

 

かがみ「何よ?」

 

こなた「で、2人でメイド喫茶行ってたんだ?」

 

かがみ「わざわざ聞かなくても分かってるんじゃない……」

 

こなた「まぁ出てくるとこを見てるわけだしね」

 

鈴木「いやいやちょっと待て。メイド喫茶じゃなくて中途半端なメイド喫茶だぞ」

 

こなた「へぇ~中途半端ね~自称しちゃうってなんだかね~」

 

鈴木「まぁ俺が思うに中途半端じゃなかったけどな」

 

こなた「へぇー中途半端じゃないんだ」

 

鈴木「あぁアレは」

 

こなた「いや、待って。鈴木くんは意外にしゃべりうまいことが多いしここはかがみに聞いてみよう!」

 

かがみ「どういう意味よ!?」

 

こなた「まぁまぁ~でメイド喫茶どうだったの?」

 

かがみ「えっ!?それは……まぁとても斬新でほかには無いすごいメイド喫茶だったわ……」

 

こなた「かがみ、無理して褒めてる感がかえって痛々しいよ……」




あきら「じゃ普通の飲み会らしくふざけた話でもすっかー」

あずきシティ「まぁまじめな話しても面白くないですしね~」

白石「じゃあ作者が話をした次は皆勤賞から語ってもらいましょうか」

ナレーター「え?私ですか?」

あきら「あるでしょー?どのキャラがどうとか?全部見てきたんだし」

ナレーター「あー……あんまり考えたことないですね。」

白石「えー……」

ナレーター「まぁ作者に言われたとおり物語を動かすのが仕事ですから。」

あずきシティ「そうっすねー」

ナレーター「まぁ特に後半なって本編の後にらっきー☆ちゃんねるが入るようになってから」

白石「なっ……なってから……?」

ナレーター「それのDもやらされるから大変ではありましたね」

あきら「まっ人使い荒いもんね~」

あずきシティ「す……スミマセン」

ナレーター「まぁあずきシティさんが1ミリも反省してないのは知ってますから」

あずきシティ「ぐぬぬ……」

ナレーター「まぁ特別誰がイイとかって感想はあまりないですが、あずきシティさんのせいで残念な立ち回りになったなぁって思うキャラはいますね」

あずきシティ「ギクッ」

ナレーター「泉こなたは一番、分かりやすいかなぁ。」

あずきシティ「あっハイ……」

ナレーター「オリキャラの数はそこそこなのに彼女だけ何もないのはあずきシティのせいと言って差し支えないかと」

あずきシティ「うぐっ」

白石「やめたげて!作者のライフはもう0よ!!」

ナレーター「いやいやこの問題は読者を減らしかねない深刻な問題ですよ」

あきら「確かに」

あずきシティ「ぐぬぬ……」

ナレーター「分かってます?」

あずきシティ「次からは善処します……」

ナレーター「まぁ次は多分ないでしょうけど」

あきら「意外にズバズバ行くわね~」

白石「死体蹴りに見えてきた……」

あずきシティ「まぁ……ハーレムでも無ければ、全員が全員に対応するキャラがいないのも新鮮ってことで許してください」

ナレーター「苦しい言い訳ですね」

あずきシティ「あーもう!店員さん!生1つ!」

店員「はーい!生1丁!」

あきら「逆にさ?オリキャラでなんか思うとこないの?」

ナレーター「うーん……まぁ鈴木の主人公補正が効き過ぎとかは思いますけどね」

あずきシティ「あれはねーちょっと間違えたw確かに補正を効かせすぎたかも」

白石「えぇー」

あずきシティ「まぁでも、それはね仕方ないよ。」

ナレーター「確かに話の都合はつけやすいですけどね。水原みたいに割を食っているキャラがね」

あずきシティ「うーん……水原に関してはあれでも現実社会で生きてるよりは甘めなモードだと思いますけどね……」

あきら「……お……おぅ」

白石「現実よりは甘め……」

ナレーター「まぁ現実よりは甘めになってるかもしれないですけどね」

あずきシティ「結局、脇役キャラはそんなもんよ~一応、脇役総括だから脇役の集まりみたいなラッキースターユニバース編では主役級な活躍をしてくれる!……かもねー」

ナレーター「泉こなたとか小早川ゆたかも出るはずのラッキースターユニバース編を脇役の集まりって言うのはマズいですよ」

白石「そうですよ!」

あずきシティ「あー失敬失敬。まぁあまーい本編の裏側って意味で、言葉の使い方を間違えてしまいました」

ナレーター「今時は言葉にも気をつけないと大変ですよ」

あずきシティ「すいません……」

ナレーター「まぁ水原に関してはあれがおいしいキャラでしょうし、後半は石橋先生と組んで1年側から回せる人材ではあったんですがね」

あずきシティ「1年側で恋愛事情などが挟めなかったのは私の技量不足ですね……どちらも話を盛れるだけのキャパが私には無かった……」

ナレーター「なんかあずきシティさんの公開懺悔みたいになってきましたね」

あずきシティ「まぁ言いたいこと言える機会ですから言ってるとこうなりましたねw」

あきら「ほーん」

あずきシティ「言い訳になるけどらき☆すたで物書きするのは初めてだしラブコメ系も初めてなもんで書き始めたのは2年くらい前でのんびり書きためていってたから色々と今になると思う部分はあるのよ。」

ナレーター「なるほど。」

あきら「ってか、らき☆べる以外に書いた作品自体はあるんだ」

あずきシティ「ありますよ!」

白石「まぁそれは調べれば出てきますからね。宣伝はさせませんよ?」

あずきシティ「ぐぬぬ……。まぁそういうことでとりあえず……お疲れ様でした!」

ナレーター「はいはいお疲れ様でした」

白石「もし次に書くことがあれば僕の出番を!」

あきら「なんかシメようとしてるけどまだ1軒目の2杯目ですからね!」



―つづ……かない!(多分)


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[第113話]祭りの後の…

 

かがみ「そういえばもう閉会式なんだっけ?」

 

こなた「そだよ~だから呼びにきたんじゃん~なのにお邪魔虫扱いってひどくな~い?」

 

鈴木「はいはい悪かった悪かったはいはい」

 

こなた「うわっすごい投げやりだし」

 

鈴木「さすがに閉会式バックレるつもりはないしな」

 

こなた「ふ~ん、点呼無いからバックレてもバレないと思うけどなぁ~」

 

かがみ「いやいやバックレたって他にやることもないから!」

 

こなた「ふ~ん、いやぁ2人で」

 

かがみ「ストップ!」(もしかしてバレてる?)

 

鈴木(いやいやいつも通りだ)

 

かがみ(そうね……こなたはいつもそんな調子ね……うっかりのせられそうになったわ。『そんなこと無いわよ!』とか言ったら『どんなこと?』とか聞かれて面倒そうだし)

 

鈴木「まぁとりあえず閉会式行くか」

 

こなた「そだねー」(相変わらずイイ感じだねぇ~。まぁいつも2人一緒にいるから何があったかなかったか読みにくいんだけど。まぁ文化祭だし何かあったよね~そうであってほしいと思うんだけどね~)

 

 

―閉会式・体育館

 

校長「むにゃむにゃむにゃむにゃむにゃむにゃむにゃむにゃむにゃむにゃむにゃむにゃ」

 

―閉会式終了

 

 

 

白石(司会)「これにて今年の桜藤祭は終了です。この後、後夜祭は90分後になりますので参加される方はそれまでに教室の片付けなど済ませ持ち帰る荷物は持ってお越しください。」

 

 

こなた「ふぃー終わった終わった~」

 

鈴木「そうだなー」

 

かがみ「そうね」

 

つかさ「なんか祭の後の脱力感って感じだよね~」

 

みゆき「そうですね」

 

こなた「この後さ、みんなは後夜祭どうするの?」

 

かがみ「え?うーん……鈴木くんはどうする?」

 

鈴木「俺か?俺はせっかくだし見るだけ見て帰ろうかな。何かしようとまでは思わんが」

 

かがみ「じゃあ私も見物だけしようかしら」

 

こなた(ふんふん、意外に鈴木くんが主導権握ってるのか……まぁかがみはあれで意外と遠慮しぃだしね~)

 

つかさ「私も残ろうかなぁ~帰るのもなんとなくもったいないし」

 

みゆき「私は少しだけ……委員会の仕事もありますので」

 

こなた「みゆきさんは大変だねぇ~。でつかさは残るって言ってるし、だいぶチャンスのみずりんは?」

 

水原「なんかもう1ミリも隠さなくなったね」

 

こなた「まぁね~」

 

水原「私も残りますよ。あっち側で」

 

こなた「あっち側?」

 

水原「そう。らいしくんが」

 

鈴木「"し"が抜けてるぞ」

 

水原「まぁいいでしょ。しろいしくんが」

 

こなた「今度は"ら"が"ろ"になったね」

 

水原「ん、わざと。で らいしくんは小神あきらさん関係で忙しくて後夜祭に出れないから」

 

こなた「へ~セバスチャンが後夜祭に出れないのとみずりんが関係あるの?」

 

水原「それがあるんだよー。しろいしくんがいないと誰が司会するの?」

 

鈴木「あっ」

 

水原「というわけで後夜祭には残るけど違うところにいますねん」

 

こなた「なるほどね~。……それツラくない?」

 

水原「気にしたら負けと思ってる」

 

こなた「ほー……」

 

水原「幸せは誰かの不幸の上に成り立っている論を持って後夜祭を楽しむ人たちのために頑張るよ」

 

こなた「メチャメチャ気にしてるじゃん……」

 

水原「だから僕は負け組なんだねきっと」

 

鈴木(ってそこで俺を睨むのか)

 

水原(ただの羨望だ。しかもお膳立てしてやったのは俺。感謝してほしいぜ)

 

かがみ「ま、とりあえず後夜祭の前に片付けとかあるんだし教室戻る?」

 

こなた「そだね」

 

水原(話の変え方が雑なあたり舞い上がって僕はどうでもいいようになってるな~暗躍した甲斐があったかな)

 

 

 

―教室

 

黒井「ほなちゃっちゃと片付けんで~!」

 

 

こなた「いやーほんとに文化祭終わったねー」

 

つかさ「そだね~」

 

こなた「でさーかがみたちどう思う?」

 

つかさ「どうって?」

 

こなた「いやぁずっといい雰囲気だけどそろそろ進展あっても良くない?」

 

水原「まぁ文化祭だしあり得るかもね」

 

こなた「そだよー!勘違い人間なら『俺たちもう付き合ってるよね?』って言っちゃうレベルだよ~」

 

水原「まぁそういう勘違い発言しちゃう人は実際にはそんないい関係じゃないだろうけどね」

 

こなた「それもそうか~。つかさはどう思う?」

 

つかさ「ん?」

 

こなた「いやぁかがみが鈴木くんと引っ付いたらつかさはどうなんかなぁって」

 

つかさ「ん?お姉ちゃんが幸せならそれが一番かなぁ~」

 

こなた「いやぁ『あの野郎、私のお姉ちゃんに手を出しやがって』みたいなの無いんだ?」

 

つかさ「無いよ~確かにお姉ちゃんがおうち出たりしたらちょっと寂しいけど」

 

水原「それは気がはえぇよ」

 

つかさ「そうかな?」

 

水原「だってまだ付き合ってるかどうかも分からんし聞いても教えてくれそうにないしこちらが誘導しちゃうと良くない方向になるでしょうし」

 

こなた「そこだよね~」

 

水原「まぁなるようにしかならないんだよ。」

 

こなた「みずりんって積極的応援ポジションか傍観ポジションかハッキリしないね」

 

水原「暗躍は見えないようにやるから美しいんだよ」

 

つかさ「でもラジオのタイムテーブルは私気付いたよ?」

 

水原「だから美しくないなぁと思っているのさ。看破されちゃったから」

 

こなた「まぁあの鈍感組2人は気付いてないから良いんじゃない?」

 

水原「……。まぁあとは2人の問題。私らは見守ることさえままならないのだから」

 

こなた「イジり素材的な意味で私には大いに関係あるし見守りたいけどね」

 

つかさ「確かにちょっと気になるかな……」

 

水原「まぁ気持ちは分かるが我々が出来るのは後夜祭をそれ相応楽しむことだよ」

 

こなた「……えらそうに言ってるけどみずりんは後夜祭それ相応に楽しむことも出来ないんだよね?」

 

水原「へ?」

 

こなた「だって司会じゃん。ほんとは客側でつかさとイチャコラしたいんじゃないの?」

 

水原「まぁねー。でもそれは出来ない。司会の代打 の代打をやる人はいないし。それに表舞台に立てるから私の活躍をお見せ出来るし」

 

こなた「ふーん……。だってさーつかさ」

 

つかさ「頑張ってねー」

 

水原「おうさ」

 

こなた(ここの謎関係もイジりにくくて微妙なんだよねぇー)

 




-居酒屋 北埼玉ブルース

あきら「そういやさーアンタ後夜祭はほっぽり出してよかったの?」

白石「え?あっ」

あずきシティ「いいようにしときました。」

白石「え?。。。あっどうも・・・」

ナレーター「すみませーん。オススメ適当にじゃんじゃん持ってきてくださーい!」


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[第114話]こうやさい!

 

―後夜祭・体育館

 

こなた「いやぁ結局2人で後夜祭来ちゃったね~」

 

つかさ「そだね~」

 

こなた「ホントはかがみを探したり携帯に電話かけたいけどなんとなく邪魔しちゃいけないかなぁって思ったら何も出来なかったよ~」

 

つかさ「こなちゃん誰に説明してるの?」

 

こなた「いやぁ誰でもー」

 

つかさ「あ、石橋先生が出てきたよ」

 

 

石橋「よし!集まったな!そしたらおもんない注意やから1回しか言わへんぞ!ゴミはゴミ箱!入り口で配った抽選券はハズれたらゴミになるからハズレても『訳分からん●ね』とか言ってそのへんに捨てんなよ!あとは好き勝手暴れてええけどケガだけはすんな!ケガしたら来年から出来んようなるからな!分かったか!?」

 

 

こなた「なんか適当だね~」

 

つかさ「先生も疲れてるんだよ~きっと」

 

こなた「いやぁ疲れてなくてもあんな感じじゃない?」

 

 

石橋「返事ちゃんとしろー!分かったか!?」

 

 

生徒ら「はい!」

 

 

石橋「よし。じゃあと頼むわ」

 

水原「了解です。では……まずいつものお願いで恐れ入ります。会場では節度を守ってください。先生の注意を守っていただきますように、また抽選券は必ずお持ちください。抽選はその都度し何度かやります。終了まで必ずお持ちください。重ねてのお願いで恐縮ですが何卒よろしくお願いします。」

 

 

こなた「なんだぁ、営業モードみずりんじゃん。なんか盛り上がりに欠けるなぁ」

 

つかさ「あ、これは最初だけらしいよ」

 

こなた「へ?」

 

 

 

 

水原「ではでは後夜祭を始めたいと思います。

 

 

 

   ……シャオラァァァァァァァ!みんな盛り上がってるかァァァァァァァ!!!!」

 

 

生徒ら「おぉー!」

 

 

水原「声が小さいぞ!!!!1階席!!!!!!!」

 

 

生徒ら「おぉぉー!」

 

 

水原「続いて1階席!!!!!!!」

 

 

生徒ら「おぉぉぉぉー!」

 

 

水原「もういっちょ1階席!!!!!!!!!!」

 

 

生徒ら「おぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

こなた「って全部1階席じゃん」

 

つかさ「そだね~。でもこれがやりたかったらしいよ。『いつも他人に譲ってたからー』って」

 

こなた「へぇー」

 

つかさ「『それに声出すとストレス発散になるし』って」

 

こなた「ふーん……ってやっぱりこの状況にストレス感じてるんじゃん……」

 

 

水原「よしお前ら!!!!まずは桜高軽音楽部『放課後ティータイム』の登場だ!!!」

 

 

生徒ら「うぉぉぉぉ!!!」

 

つかさ「えっ!?後夜祭も出るんだ~」

 

こなた「つかさも知らなかったんだ……というか他校じゃん……なんでもアリだね」

 

つかさ「まぁいいんじゃないかなぁ……」

 

 

―♪いちごパフェが止まらない

 

唯「バニラといちごのハグ 誰よりお似合いな2人なの ラブリハッピー♪」

 

―数分後

 

唯「みなさんありがとうございます!改めまして放課後ティータイムです!」

 

 

生徒ら「うぉぉぉぉ!!!」

 

こなた「いやぁすごいね~迫力というか何というか」

 

つかさ「えへへ~そうだよね~~」

 

こなた「ってなんでつかさが嬉しそうなのよさ……」

 

つかさ「あははは……」

 

 

唯「なんか頼まれちゃってライブ演奏してます!みなさん楽しんでいただけましたか~?」

 

 

生徒ら「うぉぉぉぉ!!!」

 

 

唯「いやぁ私たち、さわちゃんが文化祭のラジオ放送引き受けてついでにライブも頼まれたんだけど見ず知らずの皆さんの前で演奏するのはやっぱり緊張しますね。あ、さわちゃんっていうのは音楽の先生で私たちの顧問の先生のあだ名なんだけど」

 

水原「コミックバンドか!」

 

唯「あ~ごめんごめん~」

 

律(私のセリフ取られた……)

 

水原「まぁそういうノリ好きだけどね。とはいえ尺の都合もあって切りました。私はできる司会者のつもりなので」キラーン

 

唯「いやいやごめんね~じゃあ早いけど最後の曲!『ふわふわ時間』!」

 

―中略―

 

唯「♪あぁカミサマお願い一度だけのMiracle Timeください」

 

つかさ「もしすんなり話せればその後は どうにかなるよね」

 

こなた「おっつかさ歌えるんだ……」

 

つかさ「何回か聞いてたら覚えちゃった~」

 

こなた「ほぅほぅこうして沼にハマる人が出てくるんだね」

 

つかさ「沼?」

 

こなた「いやぁなんでもないよ。」(かがみがなんだかんだ言ってもオタクだしつかさも双子なんだからオタクの才があるかもしれないね~)

 

 

唯「けいおん大好きー!」

 

 

生徒ら「うぉぉぉぉ!!!」

 

 

唯「りっちゃん!もう一曲!」

 

律「おっしゃー!」

 

水原「お疲れ様でしたー!時間切れです!」

 

唯「えぇぇ~!?」

 

水原「さぁ放課後ティータイムの皆さんでした。片付け終わったら次行くぜ!それまでに抽選会だ!!!」

 

 

生徒ら「ざわざわ……」

 

 

水原「実は放課後ティータイムの5人からサイン頂いています!このサインをプレゼント!彼女たちが有名人になった時、超ウルトラ自慢の一品になるぞー!」

 

 

こなた「ってみずりんならつかさに当たるようにするんじゃないかな」

 

つかさ「さすがにそれは無いと思うよ?誰のサインが欲しいとか聞かれても選べないし……」

 

こなた「確かにつかさは5人みんなと仲良かったもんね」

 

 

水原「ちなみにクジもサイン書いていただいた時に引いてもらってます。当たった方は帰り際に生徒指導室でクジとサインを引き替えてもらうように!」

 

 

こなた「つかさ何番?」

 

つかさ「え~と……14番だよ、こなちゃんは?」

 

こなた「私は33」

 

つかさ「当たると良いよね~」

 

 

水原「じゃ当選番号読みまーす!48番!16番!29番!9番!22番!」

 

 

こなた「あちゃー当たらなかったね」

 

つかさ「そだね」

 

 

水原「抽選券は無くさないよう持っててください!まだこの後も抽選会はあるからハズレても逆ギレせずお待ちくださいね!さぁそろそろ次の準備が出来たかなぁ……」

 

 




舞台裏

唯「いやー楽しかったね!!」

律「まぁー私のセリフは司会者に全部取られたけどなー」

澪「っと、次の人たちもいるし早く出るぞー」

紬「あ、先生、お疲れ様です」

石橋「おう!お疲れ」

唯「あれ?先生、その馬の被り物は何ですかー?」

石橋「ん?これはな、企業秘密や。ほらはよ帰るか観客席いきー」

-次回、奴らが戻ってくる……


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[第115話]プレゼントは仕事ですか?

こなた「さて次はなにがくるかなぁ」

 

つかさ「楽しみだね~」

 

こなた「おっ照明が消えた!」

 

 

―♪ツンタカツンタカツンタカツンタカ

 

水原「過労、パワハラ、サビ残 仕事のすべてを経験した社畜共"カンパニースレイブス"!彼の去り際に放った一言は人々を恐怖に陥れた!」

 

石橋?「仕事か?仕事は奴隷のように働くことや。働け!会社にすべてを置いていくんや!」

 

水原「社会人はブラックシャインとなり、日夜働き続ける。世はまさに大後悔時代!」

 

―♪ありったけの夢を投げ捨てて 生活を守りに行くのさ ONE オペ

 

 

こなた「キタ――(゜゜∀゜)――!相変わらず隠す気の無い口パク!最初のナレーション以外、口パクだよ!むしろ最初のナレーションが生ってことに驚きだよ!」

 

つかさ「こなちゃんテンション高いね。」

 

こなた「そりゃ替え歌だけど原曲は有名曲だからね。知ってる曲がくればテンション上がるよ~」

 

つかさ「へ~そういえばさっきのセリフ石橋先生っぽくなかった?」

 

こなた「うーん確かに……まぁ一応、覆面だけど中の人が石橋先生なんじゃない?」

 

つかさ「そうかもー」

 

―♪ ありったけの夢を投げ捨てて 生活を守りに行くのさ 残業代無し、それとYou wanna be my holiday? We are, We are on the office! ウィーワーク!

 

 

こなた「神曲崩壊!」

 

つかさ「?」

 

こなた「清々しいレベルだよ~。英語の発音とか勢いで原曲っぽく聞こえるのがいいね~」

 

つかさ「?」

 

 

水原「ということでカンパニースレイブスの皆さんでーす!……と言ってもメンバーのみなさんは話しにくいみたいなので私がMCを続けていきますよ!みんな盛り上がってるか~!」

 

 

生徒ら「おー!」

 

 

水原「みんな働いてるか~!?」

 

 

生徒ら「ノォー!!!」

 

 

水原「よし!じゃあ次の曲いくぞー!」

 

 

生徒ら「うぉぉぉぉ!!!」

 

 

水原「では次の曲!『働いて』」

 

―♪働いて 働いて 働いて ツラいよ

 

 

こなた「あっなんだ新曲じゃないんだ……」

 

つかさ「確かこれはライブでも聞いたよね~」

 

こなた「まぁ定番の盛り上がりソングだから良いんだけどね。何人か踊ったり飛び跳ねたりしてるし」

 

つかさ「確かに盛り上がるよね~」

 

こなた「歌詞は絶望的だけどね」

 

 

―♪「帰りたいね きっと見過ごした 最終電車 もう一度 タクシーかな でも帰れない 金足りないから 働いて 働いて 朝日を浴びて 働いて 働いて またサビ残続けて 働いて 働いて いざたどり着いた この給料は もう……働いて 働いて 働いて ツラいよ」

 

 

??「あっ!つかさちゃん!おーい!」

 

つかさ「ん?あっ!唯ちゃん!」

 

唯「やっほ~」

 

つかさ「あれ?2人?」

 

唯「うん、澪ちゃんとりっちゃんとムギちゃんは先に帰ったよ~」

 

梓「私も帰ろうと思ったのですけど唯先輩をおいていくわけにもいかずこうなったわけです」

 

こなた「へ~ほったらかしてたら(変な男に奪い取られないか)不安なんだね~」

 

梓「はい、(文字通りの意味で)不安です」

 

唯「あずにゃん……どういう意味なのかなー?」

 

こなた「それは聞かない方が良いと思うよー。」

 

唯「えっ!?」

 

梓「そういえば今演奏?してるバンド?はエアーなんですね。というか楽器すら持ってないですけど……」

 

こなた「まぁ労力派エアーバンドだからね。」

 

梓「労力派……」

 

こなた「歌ってる(?)のも多分、うちの先生だしね~」

 

唯「へぇ~先生たち楽しそうだね!」

 

こなた(どちらかというとヤケクソみたいな気もするけどね)

 

梓(というか相変わらず音楽的には無関心ですか……まぁこれを音楽って呼ぶかどうかも微妙だけど)

 

唯「あっ、そういえば話変わるけどつかさちゃん双子のお姉さんいなかったっけ?」

 

つかさ「うん」

 

唯「いないよね。先帰ったのかな?」

 

梓「そういえば鈴木さんもいませんね」

 

つかさ「2人とも多分、いるとは思うけどクラスが違うから合流出来なかったんだ~」

 

唯「へ~」

 

こなた「というか鈴木くんのことも覚えてたんだ。へぇ~なにやら怪しい予感★」

 

梓「違いますっ!ただいなかったからもしかしてステージで何かするのか……と」

 

こなた「それは無いんじゃない~?」

 

梓「そうですか……」

 

こなた「だって鈴木くんギター弾いてるのもあの時、一回しか見たこと無いしね~。」

 

梓「あっそうなんですね……」

 

こなた「まぁ昔取った杵柄ってヤツ?だから鈴木くんから何か勉強しようなんて真面目な考えはやめといた方がいいよ~」(かがみとツインテールって意味で被るしね)

 

梓「そうですか」

 

唯「あずにゃん残念だったね~」

 

梓「別にもしかしたらって思っただけでそんな残念とかは」

 

 

水原「ということでカンパニースレイブスの皆さんでした!さぁここで抽選タイムだぁぁぁぁ!」

 

 

唯「あっ!抽選だよ!抽選!何が当たるか楽しみだね~」

 

梓「そう簡単には当たりませんよ唯先輩」

 

つかさ「あっ2人も抽選券持ってたんだ~?」

 

唯「うん!」

 

 

水原「さぁ今回の抽選で当選した人は……なんと『後夜祭終了後、居残り清掃あと片付け強制参加義務』をプレゼントだ!!」

 

 

つかさ「えっ!?」

 

唯「もしかして当たったら他校でも……」

 

こなた「関係無いだろうね~」

 

 

水原「ではカンパニースレイブスの皆さん、運命の抽選お願いします!」

 

カンパニースレイブス(着ぐるみ)「30番!」

 

 

 

 

 

カンパニースレイブス(能面)「はい、30!」

 

 

 

 

 

 

 

カンパニースレイブス(馬)「よし30番や!」

 

 

 

 

 

 

 

水原「おぉぉぉと!!??!?!?なんということだ!!!30番が3回出てしまった!」

 

 

こなた「ただの事故じゃん」

 

 

水原「まさかの30番が3回出たわけですがこういう時は!?どうなるのでしょうか!?」

 

カンパニースレイブス(馬)「30番が3人分働く!」

 

 

 

 

生徒ら「ざわざわ」

 

唯「良かったよあずにゃん!私30じゃないよ!!」

 

梓「私も30じゃなかったです」

 

つかさ「もしかして盛り上げるための演出なだけで30持ってる人はいないとかかなぁ~」

 

こなた「それはありそうだね~居残りって言ってもホントに残るか分からないしね~」

 

 

水原「いやぁ30番の方はお気の毒ですね~HAHAHAwwww」

 

カンパニースレイブス(馬)「ところで水原はクジ持ってるんか?」

 

水原「え?一応持ってますけど」

 

カンパニースレイブス(馬)「何番か見た?」

 

水原「見てないですね。クジ運無いし帰る前にさっと見る程度で良いだろうと」

 

カンパニースレイブス(馬)「ふーん。今見てみぃや」

 

水原「はぁ……はい。…………!?!?!?」

 

カンパニースレイブス(馬)「見た?」

 

水原「なっ……なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

カンパニースレイブス(馬)「ざまぁwwwwwwwwメシウマwwwwwwww」

 

水原「あぐぇさかたなやなたぬたまいかなさはぬか」

 

 

つかさ「みずりちゃんどうしちゃったんだろ……」

 

こなた「いやさすがに流れで分かるでしょ」

 

つかさ「もしかして……30番?」

 

こなた「多分ね。というかカンパニースレイブスがひいたあの抽選箱の中身も全部30番だったんじゃない?」

 

つかさ「どんだけー」

 

こなた「まぁ司会がオチ担当はいつもの展開だけどね~」

 

唯「あずにゃん、共学ってすごいんだね」

 

梓「いや、共学とか関係無く単におかしいだけなんじゃ……」

 




-らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす。よろしくお願います。」

あきら「でさー、今回アンタが司会じゃないわけだけどさー」

白石「そうですねー!おかげさまでオチ担当の強制労働からも逃れられました!!!」

あきら「へー。でもさー、それアンタのうま味なくなったんじゃない?」

白石「うっ……それは……痛いとこつきますね」

あきら「芸人枠がオリキャラに仕事を押し付けるとはね~」

白石「なっ……いや、水原も芸人枠でしょ!!!」

あきら「って芸人同士が譲り合いしてちゃダメでしょ!!それでこの業界生きていけんの!?」

白石「うっ……いや水原くんは芸人業界を目指しているわけじゃないですし」

あきら「つまりアマチュア以下じゃんw それに負けるってどうよー」

白石「負けたとか負けてないじゃなくですね…」

あきら「と、白石君がひねくれちゃったのでー今日がここまで~」

白石「え!えぇ~!?」

あきら「ばいにー!!」


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[第116話]クイズ

水原「うぉぉぉぉ!!!こうなりゃヤケクソじゃい!次行くぞー!」

 

―バーン♪

 

水原「次は商店街バンドの登場だ!!!」

 

商店街会長「今日はみんなに最高の音楽を教えてやるぜ!!!じゃあ行くぞ!レッツロックンロール!!!」

 

 

鈴木「おぅふ、あのへたっぴバンドも出てるのか」

 

かがみ「みたいね。にしてもこなたたちいないわね。絶対探してくると思ったのに」

 

鈴木「まぁどっかにはいるんじゃねぇか?探しに行くか?」

 

かがみ「……うぅん。いい。多分、そのうち会うわよ」

 

鈴木「まぁそうだろうな。アイツ空気読んだ上であえて……ってパターンかもしれんし」

 

かがみ「えっ!?」

 

鈴木「まぁ遅かれ早かれバレるだろうし……」

 

かがみ「まぁそうよね」

 

鈴木「案外、どっかから見てたりしてな」

 

かがみ「マジであり得そうだからやめい」

 

 

―♪ジャーン……

 

水原「はーい商店街バンドの皆さんでした~!」

 

 

梓(この曲……すごいいい選曲だなぁ……下手だけど)

 

唯「ねぇあずにゃんあずにゃん!」

 

梓(ハッ唯先輩がこれに刺激を受けてついに音楽に興味を!)「どうしたんですか!?唯先輩!?」

 

唯「あのドラムの子、憂に似てない?」

 

梓「言われてみれば……ってやっぱり音楽は関係ないんですね……」

 

唯「?」

 

梓「いえ期待した私がバカでした……」

 

こなた「まぁ伝わらないからこそフラグの立て甲斐があるのだよウン」

 

唯・梓「?」

 

こなた「ぬぅ……やっぱり一般人だったか……まぁ仕方ない」

 

 

 

 

水原「はい!次ですね!次は……」

 

??「オイ!つまらんぞ!」

 

水原「ハッ!?実は裏で気にしてることを堂々と!?」

 

石橋「ライブパートは小休止や!というかお前の台本もそうなってるやろ」

 

水原「えっ!?あっ……次のページが何も書いてない。やべぇ」

 

石橋「まぁここからしばらくは台本の無い適当企画や!」

 

水原「おぅふ……何やるんすか?」

 

石橋「リアルファイトでもやるか?」

 

水原「やめてください。(現実的に)死んでしまいます」

 

石橋「やるかボケェ!しんどいわ!」

 

水原「いやぁ先生だと本気だと思いましたハイ」

 

石橋「色々うるさいやろ……PTAとかホラ」

 

水原「あっ……」

 

石橋「ということで俺と早押しクイズ大会でもするか!」

 

水原「おぅ、イエス、はい……」

 

石橋「俺に勝ったら後夜祭の後片付けはチャラにしたるわ」

 

水原「良いんですか?」

 

石橋「まぁなー。じゃやるか」

 

教師A「では問題です。第1問!日本やイギリスで採用されている内閣と国会が密接に」

 

―ピンポーン!

 

教師A「はい、石橋先生」

 

石橋「議院内閣制」

 

教師A「正解!石橋先生1ポイント!」

 

水原「えぇぇ!速い……というかそういう方向のクイズなの!?」

 

教師A「水原うるさい」

 

水原「あっスイマセン」(ツッコミすら入れさせないだと……!?)

 

教師A「では次の問題、第2問!日本国憲法では内閣総理大臣は内閣の首長として多大なる権限が与えられているが大日本帝国憲法では内閣総理大臣は」

 

―ピンポーン

 

石橋「同輩中の首席」

 

教師A「はい正解、石橋先生1ポイント!」

 

水原「いやいやいやいやいやいや待て待て待て待て問題がさっきからおかしいって」

 

石橋「習ったやろ。ってか前俺が教えたやろ」

 

水原「……はい」

 

教師A「では次が最後の問題です!正解すれば100ポイント!」

 

水原「出た出たここまでの戦いが無駄になるタイプのアレだ」

 

石橋「まぁお前、ここまで戦いに参加すらしてないけどな」

 

水原「なんか辛辣!すべてが辛辣!」

 

教師A「うるさいですよ。よろしいですか?では第3問。ドラゴンボールZに登場するフリーザ、その戦闘力は数値にしていくら?」

 

―ピンポーン!

 

水原(ここまで政治で来ていきなりアニメネタかよ!)

 

教師A「はい水原」

 

水原「って初めて早押しに成功したぁぁぁぁ!?!?!?」

 

教師A「答えないの?じゃ」

 

水原「いえ答えます!125万!!!」

 

教師A「はい、不正解」

 

水原「あああああ普通にミスったぁぁぁぁぁ」

 

―ピンポーン

 

教師A「はい、石橋先生」

 

石橋「53万」

 

教師A「はい正解!」

 

石橋「いや水原、今のは無いわー」

 

教師A「125万ってシャーマンキングのハオの巫力でしょ」

 

水原「あっ……そうでした……」

 

教師A「ということで102対0で石橋先生で勝ち!」

 

石橋「いぇーいざまぁwwwwwメシウマwwwwwwwwww」

 

教師A「ということで水原、お前今日泊まりで後片付けな。明日まで帰れないから」

 

水原「えぇぇぇぇ!」

 

石橋「まぁ安心せぇ。俺らもどうせ帰られへん」

 

水原「いやいやいやいやいやいや」

 

教師A「ということでクイズ大会でした!」

 

石橋「そろそろ次の準備ができる頃か?」

 

水原「え?えぇ……あっその前に5分だけ休憩です。では一旦失礼します」

 

 

 

つかさ「結構、難しいクイズだったね~ってアレ?こなちゃんいない?」

 

梓「あ、あの先輩ならさっきどこかに行きましたよ」

 

唯「なんかワクワクしてる感じだったよね~」

 

つかさ「へー……じゃあ次はこなちゃんたちが出るのかな」

 

梓「たち?」

 

つかさ「うん、こなちゃんと留学生のパティちゃん。二人でCDまで出してるんだって~」

 

唯「えぇ!?CD!?」

 

つかさ「結構人気あるんだって~」

 

唯「へ~高校生がCD出して良いんだね!」

 

梓「いや、高校生がCD出しても大丈夫に決まってますよ!」(本当に出すのはいろんな意味ですごいけど)

 

唯「私たちもCD出したいね~」

 

梓「この流れで何言ってるんですかセンパイ」

 

つかさ「もし発売したら私にも教えてね~」

 

唯「もちろんだよ~サイン付きでプレゼントだよ~」

 

つかさ「わーい」

 

梓「先輩達、本気……じゃないよね流石に……」

 

 

 

 

水原「ということで休憩も終わり後半戦に入ります!」

 

パティ「ハァイ!そろそろワタシたちのデバンですネ!」

 

こなた「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーんだよ!」

 

水原「はい、アメリカからやってきた留学生のパトリシアさんと3年の泉こなたさんです!」

 

パティ「ハローみずりん!」

 

こなた「って私の説明、雑じゃない?ねぇ?」

 

水原「いやいや細かく説明されてもイヤかなぁと。」

 

こなた「まぁそだけどさ」

 

水原「ということで言わされてる感MAXの宣伝をしますとお二人はCD出してるんですよね」

 

パティ「イエス!」

 

こなた「そだよー」

 

水原「私も買わされて今、手に持ってるわけなんですが……まぁすげぇこう写真撮ってワードアート貼り付けただけみたいなネ」

 

こなた「まぁ自主制作だからねぇ~女子高生のお手製感とか良いじゃん。」

 

パティ「コレがJKビジネスです!」

 

水原「ちょっ危ないって色んな意味でその発言は」

 

こなた「まぁ条例とか色々あるしねー」

 

水原「ということでそろそろ歌っていただきましょう!こなたとパティで『コスって!オーマイハニー』」

 

 

―♪~

 

 

 

梓「うわっ打ち込み音源丸出し……」

 

水原「まぁそれが彼女たちの持ち味だしね。確信犯的なネタモノだし」

 

梓「はぁ……そんなものですか」

 

水原「まぁ楽しければそれでOK!後夜祭だしね。後腐れ無くというところだよ」

 

梓「へぇ……ってアレ?」

 

唯「あっ!司会さんだ!なんでここにいるの?」

 

つかさ「あ、そういえば……司会はいいの?」

 

水原「ここだけあの2人に任せてる。私も、ちっとはこっちに来てこっちで見たいってことでね」

 

つかさ「こっちに来たい……というよりは私と見たい、かな?」

 

水原「その通り、正解!」

 

梓「サラッと告白!?」

 

水原「いつもこんな感じやけどね」

 

唯「あっ!そういえば前もそんな話聞いた気がする!」

 

水原「まぁ複雑な事情が……無いんだよ」

 

梓「あっ無いんですね……」

 

水原「あったらもっとハッピーか、もっとギスギスしてるようん」

 

つかさ「ギスギスはしたくないもんねぇ~」

 

水原「うんうん平和が一番」

 

梓「は、はぁ……」(ついていけない……)

 

 

 

―♪「あなたの好きな美少女たちにエンカウント!いぇいヽ(=ω=.)(゜▽゜)ノ」

 

 

こなた「最初に言っておく!俺はかーなーり!強い!」

 

パティ「もう歌ってもいいよね?答えは聞いてない!」

 

こなた・パティ「『悠長戦隊ダラレンジャー』!!」

 

 

 

 

梓「また打ち込み音源……いやこれが持ち味なんですよね」

 

水原「そうそう。それに生歌だし。カンパニースレイブスなんか歌ってすら無かったから」

 

つかさ「そういえばカンパニースレイブスってやっぱりウチの先生なの?」

 

水原「うん。歌詞は先生も収録も先生でやって僕が後方支援してる」

 

つかさ「後方支援?」

 

水原「まぁステージで曲流すスイッチ押したりとかね。収録に使うカラオケ音源のCDをTSUTAYAで借りてきたりね」

 

つかさ「へぇー」

 

梓「いやせめて買いましょうよ!?なんでTSUTAYAのレンタルなんですか!」

 

水原「近所のTSUTAYAがなかなか便利でね~」

 

梓「いやいやそこじゃなくて」

 

唯「そうだよ!あずにゃん!ゲオだとレンタルCDの無い店舗もあるからね!」

 

梓「いやだから」

 

水原「よく分かってる!最近はレンタルコミックのおかげでCD無いからねぇ~」

 

唯「フンス!」

 

梓「はぁ……もう良いです。」

 

水原「まぁあとは先生から預かったお金で自分の趣味のCDも借りてるんだけどね。」

 

梓「いいんですか……?」

 

水原「まぁ良いでしょう。ウチ公立じゃないから公費とかじゃないし。ということで……歌いません?1、2曲」

 

つかさ「えっ?私?」

 

水原「うん。完全に私の趣味だけど。何曲か使わない音源あるしさ」

 

つかさ「えー……さすがにこの大人数の前で歌うのはちょっと……」

 

水原「ありゃ残念……」

 

つかさ「ごめんね?」

 

水原「いや無茶ぶりだしいいよいいよ……さて……」チラッ

 

梓「いや、私も歌いませんよ?」

 

水原「ですよねー。ツインテール人気で釣りたかったけど仕方ないか……」

 

梓「いや、まぁ……ツインテールだから人気っていうのもよく分かりませんけど」

 

水原「そのあたりは雰囲気で流してください。」

 

梓「はい。」

 

水原「ところでさっきからメッチャキラキラした目で見られてる気が……気のせいかな?」

 

つかさ「気のせいじゃないと思うよ?」

 

水原「ですよねー。……歌いたい?」

 

唯「えっ?私ぃ?でも私、歌あんまりうまくないし私でつとまるかどうか」

 

水原「じゃいいや」

 

唯「ウソ!歌いたい!大舞台で歌ってみたかったです!」

 

水原「正直でよろしい。じゃあ真面目な話、用意できる音源がこんな感じだけど歌える曲ある?」

 

唯「うーんコレとかかなー」

 

つかさ「あっ唯ちゃんもこの曲知ってるんだ~私も知ってるよ~」

 

唯「お~!じゃあコレで!」

 

水原「ではそろそろ司会に戻りますし来てくださいな。」

 

唯「了解!じゃっまた後でね!」

 

梓(リストに知ってる曲が無い……)

 




-らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす。」

あきら「ライブパートからのクイズ大会からのライブパート……」

白石「全部、水原プロデュースですからね。」

あきら「ワンパターンだな!」

白石「それオーバーキルですよwww」

あきら「って、そうなるってわかってて逃げてたアンタもどうなのよ」

白石「いや、ぼっ僕は!あきら様のアシスタントは僕にはしか務まりませんから!」

あきら「とか言うけどさー、そう言いながらミスコンの司会でアンタこの番組いなかったじゃん」

白石「そ、それは…」

あきら「しかもさーそのおかげでアンタよりよっぽどいいアシスタントもいたわけだしさー」

ナレーター「私ですね」

白石「ちょっ、いきなり出てこないでくださいよ!」

あきら「いやー、アシスタント交代する?」

白石「いえいえいえいえ」

ナレーター「残念ですが、私は諸事情でできないんです」

あきら「ざーんねん」

白石「えー、あきら様には僕がついていますから!!」

あきら「……」

ナレーター「寒くなってきましたね。みなさまも体調を崩されないように……それではお別れの挨拶としましょう。せーの」

あきら「ばいにー!!」

白石「え!?僕の(ry



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[第117話]茶番が始まった

―♪『ボク、最高!』

 

水原「いやー最高!」

 

パティ「Thank you!Thank you!」

 

こなた「いやぁ清々しい気分だよ~このステージ最高だね!」

 

水原「でしょー?意外とお客さんの顔が見えるからさー、一体感というか全員で盛り上がる感じとかが共有できていいでしょ?」

 

こなた「うんうん。でもさーそれよりも面白いのが見えるしさー」

 

水原「ほぅ面白いの?」

 

こなた「例えば顔面ゆるみっぱなしの司会者とか」

 

水原「おいやめろください」

 

こなた「いやいや私たちに感謝すべきだよ~」

 

水原「ぬっ」

 

こなた「他にもねぇ~色々見えるんだよ~」

 

 

 

 

鈴木「何故だろう、アイツずっとこっちを見てる気が……」

 

かがみ「気のせい……じゃない?さすがに結構後ろの方にいるんだし見えないわよ多分」

 

鈴木「だといいけど……」

 

 

 

 

こなた「表情とかも思いっきり見えるしねぇ~」

 

水原「見られてる方は恥ずかしい気分になるからそれ以上言うのはやめたげてよ」

 

こなた「そだね~あとは個人的に詰めるよ~」

 

水原「まぁほどほどに。あくまでみんな楽しくをモットーで」

 

こなた「私は楽し」

 

水原「お互いに、ね。さ、舞台上から個人いじりはやめて次行きましょうか」

 

 

 

 

鈴木「完全に見られてるな多分」

 

かがみ「そうね多分……」

 

鈴木「文春砲スタイルの突撃にあうかもしれんな……」

 

かがみ「先に帰る?今ならアイツもステージにいるし」

 

鈴木「いや……帰ったのがバレるし週明け鬱だぞソレ」

 

かがみ「それもそうね……」

 

鈴木「それにやましいことがある訳じゃないしな。何迫さんとかべシキーさんみたいに世間的にマズい訳じゃないし……」

 

かがみ「へぇ。じゃあ……その……隣にいるのが私で恥ずかしいとかも思わないんだ?」

 

鈴木「当たり前だろ。一緒にいたくて告白したわけだし……ってなんかこの発言が一番恥ずかしいな」

 

かがみ「フフッ」

 

鈴木「さすがに読唇術でこの発言が読まれてるってことだけは無いように祈りたいな……」

 

かがみ「さすがのアイツもそこまでは出来ないわよ……多分」

 

鈴木「多分か……」

 

 

 

 

 

水原「そいじゃ次なんだけど何が来ると思う?」

 

こなた「うーん……まぁさっき話してたけど振られたじゃん。で代わりに軽音部員を拉致したじゃん。」

 

水原「色々引っかかる言い方だなぁ」

 

こなた「でもみずりんは器用じゃないように見えて器用……なように見えて実際、不器用だから」

 

水原「ディスったように見えてディスってないように見えてやっぱりディスってるよねソレ」

 

こなた「多分、つかさに振られたところで代案曲なんて用意してないと思うんだよね。」

 

水原「全部お見通しかよ。ってか個人名出すのかよ。舞台上ですよ?」

 

こなた「けど振られる可能性も考慮してどっちが歌っても大して違和感ないように選曲してるはず。ってことは本命が中の人ネタにきらら繋がりで軽音部員でもOKという二段構えにしてるんじゃない?」

 

水原「ゴメン。メタ発言はスルーしとくわ」

 

こなた「まぁあとは自然に選択肢が減った中からどれになるかだね」

 

水原「そこまで読めてるなら何か分かってるでしょ」

 

こなた「いやぁ確実には分からないよ~あくまで選択肢が減ったって話だし」

 

水原「とりあえず思う存分ネタばらしされたわけだし言っとくと意味分かんなくてもノリに乗れる電波ソングをチョイスしてます」

 

こなた「ティータイム的な?」

 

水原「完璧にバレたか」

 

こなた「そだね~まぁみずりんの趣味とさっきの条件を合わせるとだいたい答えは出たよ」

 

水原「じゃっ客席から俺らのコールを積極的にしてくれるかな?」

 

こなた「いいともー!ってそれはパ」

 

水原「断るなんて選択肢無いぜよ」

 

こなた「いやいや1人でコールは寂しいし痛いよ?」

 

水原「だってさー。ということで皆さんもオタコールしてくださいね。」

 

パティ「Oh...キョーレツなムチャブリです」

 

水原「つっても『3!2!1!Say!』くらいだからいけるいける。曲知ってる人は必ずノってね!コールについては後ろのスクリーンに出しますから」

 

こなた「無駄な本気」

 

パティ「キアイのイれカタをマチガってマス……ン?ナニかユカのイチブブンがヘンデスネ?」

 

水原「あーそこは危ないから気にしないでー下がっといてー」

 

パティ「アブナい?」

 

 

―♪~

 

水原「おっ曲が始まった!舞台裾に退散だ!」

 

こなた「やっぱりこの曲か」

 

パティ「ん?ユカがアいた!」

 

こなた「ほら袖に下がるよ!さすがに舞台上で事故はできないから」

 

 

―パァン!

 

唯「いぇーい!」

 

 

観客「おぉ!」

 

 

水原「床から花火と一緒に歌手を打ち上げてみました」

 

パティ「アブナいとイったのはこのためデスか」

 

水原「そゆこと~人間出てくるとこの真上にいるんだもん」

 

 

―♪『健気な目覚まし 二度寝の重力(グラビティ)』

 

 

こなた「ってさ床に穴開けて後はどうするのさ」

 

水原「私が居残って修理。たつとりあとをにごさずってか」

 

パティ「オゥ……みずりんキエるんですか?」

 

水原「まぁねぇ。シリアスな場面には合わないキャラだから消えちゃうよ。」

 

こなた「言ってて悲しくない?」

 

水原「わりと悲しい。とりあえず私はここで見てるから2人は客席行って盛り上げてきてー」

 

こなた「はいはーい」

 

俺ら「3,2,1,say!」

 

 

―♪『オチャメロディカルビューティバンバン そう笑顔で』

 

 

俺ら「so happy days」

 

 

―♪『送るメールが輪になって バースデイのサプライズ オトメロジックに着火Bomb Bomb 輝かせて』

 

 

俺ら「uh everyday」

 

 

―♪『アプリチックな占いで wake it wake it 未来』

 

 

つかさ「わぁー」パチパチパチパチ

 

こなた「直前の無茶振りの割にはみんな訓練されてたね~」

 

つかさ「あっこなちゃんおかえりー」

 

こなた「ただいまー」

 

梓「お疲れ様でした」

 

つかさ「こなちゃんかわいかったよ~」

 

こなた「あーありがとー」

 

パティ「ハァイわたしはひよりをサガシにイてきまーす。こなたバイバイー」

 

こなた「んーパティもお疲れ~明日またバイトでね~」

 

パティ「ハァイ」

 

梓「で唯先輩ですよ。フリフリな衣装まで着てノリノリで歌って……」

 

こなた「アイドルっぽい感じはあるねー。かわいいし良いんじゃない?」

 

梓「んー……私達、ホントは軽音楽部なんだけどなぁ」

 

こなた「いやぁだから良いんだよ~その道のプロじゃない感じがね~」

 

梓「んーいやその感じは分かりませんけどね」

 

 

唯「ということでありがとうございました!」

 

 

俺らA「うぉぉぉぉ!」

俺らB「唯ちゃーん!!!!」

俺らC「かわ唯!!!!!」

 

 

唯「おぉ!なんか覚えられてる!?いぇーい!ピース!」

 

みゆき「平沢唯さんありがとうございました」

 

副委員長「ありがとうございました」

 

唯「おっ!?」

 

みゆき「あ、申し遅れました。私、文化祭実行委員長の高良みゆきと申します。」

 

唯「おおっ委員長!」

 

副委員長「副委員長です」

 

 

 

こなた「へぇみずりんここでみゆきさんを使うとは……」

 

つかさ「ゆきちゃんも後夜祭出てたんだ~」

 

こなた「遠いし準備でお疲れだったから帰ったと思ってたよ~。まさか出る方だったとは……いやぁ色々出てるけどサ。そして副委員長まで出してくる。みずりんの妙な優しさだね~」

 

 

 

みゆき「平沢さんありがとうございました。」

 

副委員長「急なお願いだったのにありがとうございました」

 

唯「いやいやなんの~」

 

みゆき「……?急にお願いしたんですか?」

 

副委員長「え!?あ~うん、さっき急遽決まったって聞いたんだ!」

 

みゆき「なるほど、それはそれは……平沢さん申し訳ありませんでした。もし何か予定などありましたら」

 

唯「良いんだよ!気持ちよく歌えたし私の方こそありがとう!」

 

みゆき「いえこちらこそありがとうございました。平沢唯さんでした」

 

唯「またね~」退場

 

副委員長「さて、次はどなたが出てくるのでしょうか」

 

みゆき「後夜祭は委員会が仕切っているわけでもないので分かりませんね。それより」

 

副委員長「はい?」

 

みゆき「さすがに後夜祭に出演する人をその場でヘッドハンティングして決めるのはいかがなものでしょうか?」

 

副委員長「ん?んー」

 

みゆき「今回は快く引き受けてくださったので良かったのですが……もしお困りの時は出来れば委員会に言っていただければ、とお伝えください」

 

副委員長「はい……もしかして歌いたかった?」

 

みゆき「いえ、そういう意味では無くですね。というより私から水原さんにお伝えすれば良い話ですね。失礼しました」

 

副委員長「あ、確かに。」

 

みゆき「もっとも終わったことを言っても仕方ないのはありますが……。」

 

副委員長「まぁそうかもしれないね。そろそろ次にいきましょうか」

 

みゆき「はい、次は…進行表によると私が悪党退治……」

 

副委員長「ん?悪党退治って曲かな?」

 

みゆき「いえそうではなくですね……」

 

副委員長「お仕置きされたいと考える危ない人を退治しちゃおう!というコーナー?それだと僕が退治されるかもしれないけど」

 

みゆき「言ってる意味がよく分からないのですが、それも違います。」

 

副委員長「じゃあどんな?」

 

みゆき「はい、実は実行委員会にメールが届きました。要点のみ読みますと『今年のような文化祭、後夜祭を今後も続けるのであれば私が陵桜学園を乗っ取ります』と。このようなメールが届いたのです。」

 

副委員長「わぁお。学園を乗っ取るなんてとんでもないことを思いつくね。すごいすごい」

 

 

 

 

こなた「何かおかしい。」

 

つかさ・唯・梓「?」

 

こなた「だって桜高の2人は知らないとしても学園乗っ取り宣言にしてはみゆきさん落ち着き過ぎじゃない?」

 

つかさ「そうかな?」

 

こなた「いやみゆきさんは落ち着いてるだろうけどこんな堂々と言う?」

 

つかさ「確かに……」

 

こなた「何かみゆきさん隠してるよ。実はもう犯人も分かってて手を打ってるとかね」

 

つかさ「んー……」

 

こなた「でも乗っ取りうんぬんよりもっとおかしいのが副委員長。さっきから変態的……じゃなくて攻めた発言が多いよ。この場であんな発言が出来るのに普段みゆきさんに告白の一つも出来ないなんておかしいよ」

 

つかさ「それは人によるんじゃないかな……」

 

こなた「何よりいつもよりノリが軽いよ。」

 

梓「で結論はどうだと思うんですか?」

 

こなた「んーもう犯人も決まってて何かしらで犯人を導き出し自白させたりする火曜サスペンス劇場的な?」

 

唯「お芝居ってこと?」

 

こなた「そだねー。どちらかと言えばコント的な?どうせ台本はみずりんが書いてるだろうし」

 

つかさ「なるほどー」

 

こなた「まぁなま暖かい目で見てあげようよ」

 




-らっきー☆ちゃんねる

石橋「どうもーらっきー☆ちゃんねる始まりました!ナビゲーターの石橋です。」

白石「アシスタントの白石みのるでーす。……って、えぇ!?!?!?な!?石橋先生がナビゲーター!?ってえぇ!?」

石橋「なんか小神あきらがシスタンとかえよーぜ的なこと言ってたやろ?」

白石「まぁちょいちょい言ってますね。」

石橋「そこで逆転の発想でナビゲーターを変えてみたんや」

白石「なんか……とんでもないですね。発想が」

石橋「で、桜庭先生に番組スタッフが頼みに行ったんやけど断られて俺が来たわけや」

白石「へー……」

石橋「で、本編は茶番劇が始まったやろ?」

白石「そうですね」

石橋「次回、俺もこの茶番に参加するんや。」

白石「ということは……」

石橋「次回は俺がナビゲーターには入られへんねんな」

白石「なるほど……というかですね……ナビゲーターがあきら様ではないどころかオリキャラ教師って……」

石橋「なんや?」

白石「これ、らっきー☆ちゃんねるって言えるんですかね?」

石橋「さぁ?まぁテキトーでええんちゃう?一応終わりの挨拶だけちゃんとするわ。」

白石「終わりよければすべでヨシですか……」

石橋「学生なんてそんなもんやろ。受験とか最後は入試の点数とかで結果が出るんやしな」

白石「急にまじめな話ですか……」

石橋「もちろん、過程とかも見てる人は見てるけどな。点数で測られへんところに来た時、それまでの過程がやっと出てくるんや」

白石「へ、へー……」

石橋「じゃあ、一応挨拶だけするで」

石橋・白石「ばいにー!」


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[第118話]ただの茶番

主人公不在。マジでただの茶番。それでも良い方はどうぞ~


-前回までのあらすじ。後夜祭にもなって実行委員会に届いた1通のメール。内容は後夜祭を続ければ学園を乗っ取るという頭おかしいもの。でも、昨今の情勢ではいったい何が起こるかわからない!どうなる!?後夜祭!!

 

 

みゆき「しかしよく考えればおかしい話です。乗っ取る手段にせよ乗っ取った後の目的にせよどのようにするのでしょうか?」

 

副委員長「それは…僕は分からないけど手段としては校長や理事長なんかを無理矢理やめさせてそのポストに就くとか……目的は学園を思い通りにしたい。夏休みを300日にするとかそういうことじゃないかな?」

 

みゆき「なるほど。確かに考えられますがどうすれば校長先生や理事長を無理矢理やめさせられるのでしょうか?」

 

副委員長「例えば、例えばだよ?例えばだけど校長の不倫写真を文春に売るぞって言ってゆすれば意外にうまくいったり……相手が○KBとかだったりすれば効果的かと」

 

みゆき「確かにマンモス校の校長先生が恋愛禁止アイドルと不倫となればうまくいけば校長先生を意のままに操れるかもしれません。確かにそこまで考えればこの脅迫もあり得なくは無いですが……」

 

副委員長「でしょう?」

 

みゆき「ところで。何故そんな具体的に答えられるのでしょうか?普通すぐには学園乗っ取りなんてテロのようなことの手段なんて思いつかないと思うのですが……それもまぁまぁ具体的な方法ですし」

 

副委員長「」ギクッ

 

 

 

―その頃、HOTEL"校長室"

 

校長「はっくしゅん!」

 

人気アイドル「せんせぇ?どうしたんですかぁ?」

 

校長「ん?いやぁなんでもないよ」

 

 

 

 

―体育館ステージ

 

みゆき「そこまで思いつけるのが私は変だと思うのですが……」

 

副委員長「いやいやいわゆるリスクマネジメントってやつだよ。あらゆる状況を想定し対処法を導き出す。」

 

みゆき「頼もしいですね」

 

副委員長「まぁ男なら誰しも頼られたいなぁと思ったりするものなのだよ」

 

みゆき「そういうものなのですね」

 

副委員長「うん!」

 

みゆき「ちなみに他の乗っ取り手段なんかもシミュレーションしているんですよね?」

 

副委員長「えっ!?」

 

みゆき「このような挑戦状ともとれるメールを送ってくるのですから何かしら一つ手段を潰されてもどうにかなるように考えてるかと思われます。」

 

副委員長「それは……」

 

みゆき「やはり何かおかしいです。さっきまで得意げにリスクマネジメントを語っていたのに深いところまで掘り下げてはいませんし。それにもかかわらずただひとつ提示された具体例はあまりにも具体的です。まるで最初から答えが分かっているかのように」

 

副委員長「なっ……何が言いたいんだ!僕が何だというのだ」

 

みゆき「さらにいつもの彼は今のように声を荒げることも普段はありません」

 

副委員長「ぬっ!?!?」

 

みゆき「……あなたは本当に副委員長なのでしょうか?」

 

副委員長「ぼっ僕が偽物だというのか!?この俺が!?誰よりも君を想っているこの俺が!?」

 

みゆき「一人称がブレていますよ?……失礼ですが私はあなたを疑うしかありません」

 

副委員長「!?僕が偽物だとでも言うのか!?」

 

みゆき「えぇ……彼自身の人格が変わったというよりは偽物であるという方が現実味があるかと思われます。」

 

 

 

こなた「『誰よりも君を想っているこの俺が』ってしれっと告白じゃん」

 

つかさ「あっ言われてみれば……」

 

こなた「みゆきさんが天然だからか台本通りのお芝居だからなのか全然気づいてないみたいだけどね。偽物説まで出し始めたらそうなるか……」

 

つかさ「うーん……」

 

 

 

 

副委員長「僕が偽物としても学園が狙われていることに変わりはないんだ!」

 

みゆき「仰るとおりです。が、犯人は分かりません。そんな時に委員のフリをする人物がもしいればおかしいと思いませんか?」

 

副委員長「それは……」

 

みゆき「そして申し訳ありません。私はあなたを疑っています。」

 

副委員長「僕が偽物という証拠があるのか!証明してみろよ!」

 

みゆき「それは……」

 

副委員長「一人称がブレているとか普段と口調が違っていても別人という証明にはならない!」

 

みゆき「それは……その通りですが」

 

副委員長「それとも、僕が偽物かどうかが分かるほど深い仲だったか?んん?」

 

みゆき「……」

 

石橋「高良、もうええ」

 

みゆき「先生!……ですがもし万一の時に」

 

石橋「それは分かってる。ただこのままやと埒はあかんしお前が優しすぎるし真面目なんや。正攻法すぎる。コイツはそんなんで正体は暴かれへんで。」

 

みゆき「ではどのようにすれば……」

 

石橋「まぁ見とき。お前の主張は『自分は紛れもない副委員長』やな?」

 

副委員長「だからそう言ってるでしょ」

 

石橋「分かった。ほなそうしといたるわ……なぁ話変わるけどあの窓の外見てみ」

 

副委員長「?」

 

石橋「見えるか?あの窓の外に犬がおるやろ」

 

副委員長「言われてみればいるような」

 

みゆき「確かに犬のような姿が見えますね」(ピクリとも動きませんが)

 

石橋(そら俺が置いたただのぬいぐるみやからな)

 

副委員長「で、先生。あのワンちゃんがどうかしましたかぁ?あのワンちゃんの鼻なら本物か偽物か分かるとでも言うんですかぁ?」

 

石橋「そうやない。まぁ体育館はペット禁止やしな。だいたい犬がどう反応しても『犬の言葉は分からないだろ!』って言うやろ?」

 

副委員長「言いますね」

 

石橋「それやったら意味は無いんや」

 

副委員長「ならあのワン公がなんだって言うんですか?」

 

石橋「なぁアレ……ちゃうちゃうちゃう?」

 

みゆき(ちゃうちゃう……犬種の一つでしょうか?)

 

副委員長「ちゃうちゃう?ちゃうちゃうちゃうんちゃう?」(訳:ちゃうちゃう?ちゃうちゃうとは違うんじゃないか?)

 

石橋「ちゃうちゃうちゃうん?ちゃうちゃうちゃうんか?」(訳:ちゃうちゃうとは違うんか?ちゃうちゃうではないのか?)

 

副委員長「ちゃうちゃう。ちゃうちゃうちゃう。」(訳:違う違う。ちゃうちゃう違う。)

 

石橋「ちゃうちゃうちゃうんかー。いやちゃうちゃうちゃうことないやろ。」(訳:ちゃうちゃうとは違うんかー。いやちゃうちゃうじゃないこと無いだろう)

 

副委員長「やからちゃうちゃうちゃうからちゃうちゃうちゃう。ちゃうちゃうとはちゃうやろ。」(訳:だからちゃうちゃうと違うからちゃうちゃうと違う。ちゃうちゃうとは違うだろう。)

 

みゆき(何を言っているのか意味が分かりません……)オロオロ

 

石橋「ちゃうちゃうちゃうんやな?」(訳:ちゃうちゃうでは無いんだな?)

 

副委員長「ちゃうちゃうちゃうからちゃうちゃうちゃう言うてるんや。」(訳:ちゃうちゃうではないからちゃうちゃうとは違うと言ってるんだ)

 

石橋「よー分かったわ。普通に会話できたな」

 

副委員長「普通に会話できましたね。で、何が分かったと?」

 

石橋「高良、あの会話の意味分かったか?」

 

みゆき「い、いえお恥ずかしながら……ほとんどお二人が何の話をされているのかサッパリ分かりませんでした」

 

石橋「やろうな。今のんは方言やしその地方の人間やったり過去に住んでたりせんかったら分からんやろうな。でもお前は分かるんやろ?」

 

副委員長「ぬっ……いや僕は関西弁しゃべれるだけだ!」

 

石橋「俺、関西なんて一言も言うてへんけどな。今のが関西弁って分かるんやな」

 

副委員長「それはイントネーションとか雰囲気で」

 

石橋「ほーん。あくまでシラを切るんやな」

 

副委員長「いやだから僕はホンモノですので。だいたい僕が関西弁しゃべれても不思議はないでしょ!神奈川出身の黒井先生かって関西弁しゃべれるんだし!」

 

石橋「黒井先生は一応、関西の大学出てはるしその時に関西に住んでて鍛えとるんや。でお前は?」

 

副委員長「僕も陵桜入学前に関西にいて本場で」

 

石橋「ほなな、この書類は分かるか?」

 

副委員長「へ?」

 

石橋「これはな、副委員長の入学願書や」

 

副委員長「うげっ」

 

石橋「どこ見てもお前が関西の学校に通ってた学歴なんてない。小学校も中学校もな。ご丁寧に幼稚園から書いとるから言い逃れはできひんで」

 

副委員長「くっ……」

 

石橋「それでもまだ悪あがきするか?」

 

副委員長「なっ夏休みとか田舎の事情とかあるだろう!」

 

石橋「願書の緊急連絡先に書いてる親族にも関西は無いで」

 

副委員長「小中学校の夏休みは長いし関西に長期住むことも」

 

石橋「そこまで悪あがきするか。高良、どう思う?」

 

みゆき「えっと……大変失礼なのですが」

 

石橋「気にせんでええ。側近のフリして欺き続けてるコイツの方が失礼や」

 

みゆき「その……言い訳というか言い逃れが苦しくて、より疑念を深くしてしまいます……」

 

石橋「やろうな」

 

副委員長「どいつもこいつも!」

 

みゆき「ホンモノの副委員長はこのような言葉は使いません。」

 

石橋「そろそろ年貢の納め時や」パキポキパキポキ

 

副委員長「指を鳴らして何をする気だ!」

 

石橋「実力行使」

 

副委員長「ナニィ!?」

 

石橋「北斗神拳奥義、北斗百裂拳!ほぉー……アタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ!!!」

 

副委員長「ゴフッ」

 

石橋「オォーワタァァァァァ!!!」

 

副委員長「あべし!」パタン

 

みゆき「完全にのびてしまわれましたね」

 

石橋「よし、ほな正体を暴こか」

 

みゆき「えっと……どうされるのですか?」

 

石橋「コレを使うんや」

 

みゆき「それは……!?」

 

石橋「超強力メイク落としや」

 

みゆき「それを……どうするので?」

 

石橋「こいつの顔にこうして………」

 

みゆき「あっ顔の!?……というか全体的に違う人に!?」

 

石橋「コレでよし!な?やっぱりニセモンやったやろ?」

 

みゆき「はい。しかし……まさかメイク落としでこうも変わるとは……」

 

石橋「まぁ最近は化粧一つでえらい変わるしな。」

 

みゆき「いえその……輪郭というか何から何まで異なっていますので……」

 

石橋「まぁその辺は気になるんやったら後でこのニセモン副委員長に聞けや」

 

みゆき「というか石橋先生でしたらわざわざ気絶させなくても隙を見てメイク落としできましたよね?」

 

石橋「あぁ」

 

みゆき「なぜわざわざ……北斗神拳を使ってまで気絶させたのでしょう?」

 

石橋「メイク落とさせるために気絶させたんちゃうぞ?」

 

みゆき「え?」

 

石橋「単に百裂拳は制裁のためや」

 

みゆき「制裁?」

 

石橋「自首を促したのにいつまでも認めへん。誠意ある対応ちゃうから制裁しただけやで」

 

みゆき「は、はぁなるほど……」

 

石橋「ほなそろそろコイツにも起きてもうて話進めよか」

 

 

 

 

こなた「って石橋先生が一方的に暴力を振るったみたいだけどこれも多分、台本なんだよね……」

 

つかさ「そうだよね……多分、先生も普段はそんな簡単に体罰はしないと思うし……」

 

こなた「となるとこの台本書いた人……まぁどうせみずりんは何を考えて書いたんだ?」

 

つかさ「単にマジっぽさが欲しかったんじゃないかな?」

 

こなた「ほぅ」

 

つかさ「見せるからには本気でってことじゃないかな」

 

こなた「なるほど……好意的に解釈すればそうなるか。私にはただのドMにしか見えなかったよー」

 




-らっきー☆ちゃんねる

ナレーター「おはらっきー。ナレーターのナビゲーターです。」

白石「アシスタントの白石みのるでーす。……って今回はこうなりましたか……」

ナレーター「はい、こうなりました。」

白石「しかも『ナレーターのナビゲーター』って……『ナビゲーターのナレーター』じゃないんです?」

ナレーター「あっ」

白石「意外と天然?」

ナレーター「いえ、そういうわけではないんですよ。台本にそう書いてあっただけで」

白石「えっ!?……待ってくださいね?ナレーターさんはこの番組のディレクターもしていましたよね?」

ナレーター「はい。あずきシティさんから頼まれたことをしているだけなのであんまりディレクターが何かよくわかっては無いんですけどね」

白石「この番組の台本書いてるのは?」

ナレーター「私ですが?」

白石「ってことは『ナレーターのナビゲーター』って書き間違えたのもあなたですよね?」

ナレーター「あっ」

白石「気づいてなかったんですね……やっぱり天然じゃないですかーwww」

ナビゲーター「こうすればいいんですよね?」

白石「えっ!?名前を変えた……なん…だと…?」

ナビゲーター「ついでにこうしますね」

白石「なんですか!?」

-白石退場


ナレーター「ふぅー邪魔者はいなくなった。それではまた次回。ばいにー。」


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[第119話]北斗神拳

茶番劇って書いてると楽しくなって終わらなくなるんですよねwww
ごめんなさい


石橋「おい、起きろー」ボコッ

 

副委員長?「……うぐっ……」

 

みゆき(蹴り起こし……台本通りとは言えなかなか刺激的な光景ですね……)

 

石橋「おい」ボコッ

 

副委員長?「ゲフッゲフッ……」

 

石橋「やっと起きたか」

 

副委員長?「私はどこ?ここは誰?……」

 

石橋「何言うとるんや」

 

副委員長?「あっ思い出したぞ!よくもこの僕に百裂拳を食らわせたな!!!」

 

石橋「おっなんや!刃向かうんか?ナントカ水鳥拳でも使うんか!?」

 

副委員長?「お前の血の色は何色ダァァァァァ!」

 

石橋「ゴメン、アドリブでネタ振ったん俺やけどノらんていてくれる?話進まへんから」

 

副委員長?「くっ……で私がケガでもして副委員長として責務を果たせなかったらどうするんだ!?」

 

石橋「まだそんな寝ぼけたこと言うてるんか。ええか?寝言は寝て言うんや?おまえは今寝てるんか?」

 

副委員長?「起きてます!」

 

石橋「じゃあ寝言は言ったらアカンやろ。」

 

副委員長?「寝言じゃねぇよ!おれっちは紛うことなき副委員長だぞオラァ!」

 

石橋「高良、鏡持っとるか?」

 

みゆき「はい」

 

石橋「ホラコレ見ろ。どう見てもお前は副委員長やない」

 

副委員長?「なっ!?僕のハリウッドでも使われる特殊メイクがいつの間にか!?」

 

石橋「なるほど……ハリウッドの技術を使えば顔の輪郭やら体型やら声まで全部変えられるんやなぁ。」

 

みゆき「先生、感心するのはそこじゃないです。変装していた彼は……!」

 

石橋「水原、お前やったか」

 

水原「まさかこうも簡単にバレてしまうとは……」

 

 

 

こなた「まぁ私は副委員長が偽物って時点で誰が中の人か分かってたけどね」

 

つかさ「こなちゃんすごいね~私は全然分からなかったよ~」

 

こなた「いやみずりんが台本書いてるんだったら自分以外が百裂拳食らうようには書かないでしょ」

 

つかさ「んー……そうかも……」

 

こなた(ただのドMじゃん)

 

 

 

 

石橋「まぁ偽物であるっていうんはみんな分かっとったけどな」

 

水原「くっ……」

 

みゆき「そして脅迫も水原さん、あなたですね?」

 

水原「いや、それとこれは別だ!」

 

石橋「ふーん……とりあえずホンモノはどこにおるんや?」

 

水原「体育館倉庫だよ」

 

石橋「なるほど。高良、助けに行ったり。この場は適当にもたせとくから」

 

みゆき「あっはいよろしくお願いします」

 

石橋「とりあえずやな、脅迫メールについて知ってることしゃべってもらおうか」

 

水原「いや、メールが来たことしか知らない!」

 

石橋「岩山両斬波!」

 

水原「ひでぶ!」

 

石橋「脅迫メールについて話してもらおうか」

 

水原「私が悪いって決めつけてかかってるじゃないか!」

 

石橋「天破活殺!」

 

水原「あべし!」

 

石橋「さぁ脅迫メールについて話してもらおうか」

 

水原「だからなぜ私を疑っ」

 

石橋「剛掌波!」

 

水原「べっ△○&*◇!?」

 

石橋「いいか、質問の答え以外をしゃべるとこうなるんや……」

 

水原「くっ……」

 

石橋「そろそろ使える技のネタも無くなったししゃべってもらおか。脅迫メールにお前、関係しとるな」

 

水原「………あぁ」

 

石橋「やな。で学校転覆を狙っとる」

 

水原「……それが一番の狙いじゃない……」

 

石橋「ほぅ」

 

みゆき「先生!体育館倉庫で無事に本人を発見しました」

 

副委員長「すいません……」

 

石橋「おぉ無事か?」

 

副委員長「はい、なんとか……」

 

石橋「おぉ良かった良かったお疲れさん。そやそや水原、とりあえずなんで副委員長に化けとったんや?」

 

水原「それは……委員会に潜り込むためで……」

 

みゆき「やはりそうだったんですね」

 

水原「あとは灯台下暗しとも言うので委員長に一番近いところと」

 

みゆき「近いの意味を履き違えていたような気もしますが……」

 

水原「それはほんn」

副委員長「わー!ひどいぞ!そんな理由でなりすますなんて!」

 

水原「すまない……悪気しかなかった」

 

石橋「開き直りおったw」

 

みゆき「そして委員会に紛れ込んだのですね」

 

水原「……はい」

 

みゆき「紛れ込んだ理由は?」

 

水原「自由度が高いから」

 

副委員長「はい?」

 

水原「委員会側に回れば脅迫メールに大して屈するにしても対抗するにしても対処方法が色々使えるので」

 

石橋「ふーん……つまり」

 

みゆき「水原さん、あなたは脅迫メールと少なくとも関連があると言うことですね」

 

水原「黙秘権」

 

石橋「黙秘権はない。」

 

水原「なっ!?基本的人権は尊重されるんだろうが!」

 

石橋「あのな。高良、基本的人権は犬や猫とかに認められるか?」

 

みゆき「いえ……」

 

石橋「そや。まぁ法"人"とか細かい部分は抜きにして人以外には基本的人権は認められない。」

 

水原「それが……?」

 

石橋「お前は人か?違うだろ?だから黙秘権は無いんや」

 

水原「ちょっおまっ」

 

石橋「さて、続きに行こか……メール出したんもお前やろ」

 

水原「それは……」

 

石橋「このメールが来たのはAM3:24」

 

水原「それが……?」

 

石橋「送信元アドレスはこの学校のPC。図書室にある番号がGPWS0718のPCから送信されとるところまでは確認できとるんや。」

 

水原「はぁ……」

 

石橋「この時間に図書室に入れる奴が犯人やんな?」

 

水原「まぁ……それはそうでしょうけど……」

 

石橋「高良、アレを」

 

みゆき「はい」

 

水原「なんですかその紙」

 

みゆき「これは当夜の宿泊届です。」

 

石橋「まぁ文化祭準備で泊まり込んどるのもおるやろうけどまず容疑者はこの中に絞られるんや」

 

水原「まぁねぇ……確かにその日は私も泊まり込みして容疑者の一人ではあるけども」

 

石橋「基本的に宿泊届を出しとる生徒は安全管理のため作業教室外には出られない。使えるトイレも指定されとるくらいや」

 

水原「へぇ……そういえばそういうルールありましたね。」

 

石橋「そうや。お前にとっては『そういえば』ってレベルなんや」

 

水原「はい?」

 

石橋「他の奴は遵守してる。けどお前は『そういえば』レベルなんや」

 

水原「どういう?」

 

石橋「お前、3-A教室で届けてるけど実際はこの日ちゃうとこでちゃうことしてたやろ?」

 

水原「それは……」

 

石橋「そこを咎める気は無い。なんせ命令したんは俺やからな。でどこにいたか覚えてるか?」

 

水原「……体育館」

 

みゆき(そういえば体育館で夜、先生に帰らされ翌朝には作業が終わっていたことがありましたが……いや、これはフィクションでしたね……)

 

石橋「やな。けど1時過ぎに呼び出されて職員室来たやろ?」

 

水原「はい。宿直の先生が3人しかいなくて麻雀するのに面子が足りないからと職員室に呼び出されて」

 

石橋「まぁお前ボロ負けで何回ハコテンなるねんって感じやったけどな」

 

水原「いやいやアレは石橋先生が全局国士で端っこ捨てたら当たるし真ん中切ったら当然のように他の先生に当たるしでどう考えても不思議な力が働いてたでしょ?まぁ現場掴めなかったので深くは言いませんけど」

 

石橋「だいたいお前が東一局か二局にはトぶからあかんねやろ」

 

水原「いやそりゃ25000持ちで初っ端から役満直撃したら……まぁいいや。その麻雀がどうかしたんですか?」

 

石橋「休憩が入ったのが3時過ぎやったな?」

 

水原「記憶にございません……」

 

石橋「まぁ記憶になくても防犯カメラの記録にある。で、3時過ぎにお前、職員室出たよな?いや、出た。その時に図書室の鍵ごと消えてるんや」

 

水原「……。」

 

石橋「で3:28には帰ってきて図書室の鍵も所定の位置にある。その後は半荘一回……まぁ東一局で終わったけど」

 

水原「いや、国士トリロンとか無いわぁ……」

 

石橋「つまり、3:24に図書室からメールが送れるのはお前だけ。あるいはお前が図書室の鍵を渡して誰かに送信させたか知らんけどお前が首謀者なのは間違いないんや」

 

水原「……。」

 

石橋「そろそろ認めたらどうや?」

 

みゆき「水原さん、あなたは実行委員会に脅迫メールを送り混乱させ、さらに実行委員会に潜り込んで自分の思い通りになるようにした。違いますか?」

 

水原「一つだけ……混乱させて思い通りになるようにした訳じゃない。混乱しないように操って思い通りに動かそうとしたのだ」

 

みゆき「今回の件はすべてあなたがやったことだと認めるんですね?」

 

水原「……イエス」

 

みゆき「……」

 

副委員長「………」

 

石橋「長かったな。さて、……」パキポキパキポキ

 

みゆき「先生、少し待ってください。」

 

石橋「ん?」

 

みゆき「何をされるおつもりでしたか?」

 

石橋「ん?あぁ……コレ何の時間か思い出してみ」

 

みゆき「確か……『悪党退治』でしたよね?」

 

石橋「やろ?それとも高良がやるか?」

 

みゆき「いえ……ただ本当に悪党かどうかはまだ判断できないと私は思います」

 

石橋「ふーん……」

 

みゆき「なぜこのようなことをしたのかも聞けていません。悪党と判断するのは少し早いのではありませんか?」

 

石橋「ふーん……OK。じゃ悪党と判断したら退治は俺?」

 

みゆき「もしよろしければ」

 

石橋「OK」

 

水原「自分は手を汚さない。どっちが悪党なんd」

 

副委員長「うるさいぞ!まだ生き延びるチャンスが与えられたのに!」

 

水原「おぉい死ぬ前提かよ!?」

 

副委員長「いや、普通死ぬでしょ。あれだけ北斗神拳受けたら……」

 

水原「んん……」

 

石橋「そうや、初代のパチスロ北斗の拳に出てきた技がだいたいのレパートリーや」

 

水原「未成年にパチスロの話すんなし」

 

石橋「あと出てへん技って分かるか?」

 

水原「要はWikipediaだと最初の方にあるような有名な技……」

 

石橋「せやな」

 

水原「あっ……」

 

石橋「気づいたみたいやな」

 

 

こなた(あー雑魚キャラに使われた死亡確定技だね……って死んじゃうじゃん!)

 

 




白石「へー石橋先生と水原と他2人の先生で麻雀してたんですねぇ」じゃらじゃらじゃら

石橋「一応、脅迫メール云々の話は作中内の茶番やからウソやねんけど」コロコロコロ…

ナレーター「麻雀してたのはマジなんですか? 5の2…」コロコロコロ……

石橋「そやで。この話がこのタイミングなんは咲シリーズ原作最新刊がちょうど今月発売されたからやけど」

あきら「へー……」(ん…?この配牌って……)

ナレーター「咲-saki-シリーズの能力とかやばいですよねぇー」(配牌が……なるほど……種はわからないけど)

石橋「俺あんま知らんけどな」

白石「嶺上で有効牌を引くとか、海底で必ず和了るとか、連続和了とかカッコいいのが多いですよねー!」(お、なかなか良いタンヤオ三色も十分見えるイーシャンテン……起家でこれはいいですね)

あきら「白石、咲トークはいいから、はやく切ってくんねーか?」

白石「はい、これはこれは失礼…」(とりあえず要らない字牌を…)トンッ

あきら「ロン!」

白石「えぇ!?あきら様!?!?」

あきら「ふふーん。国士無双十三面待ち」

白石「な……なんですと!?」

ナレーター「これってダブロン有りでしたよね?私もロン。十三面待ちの国士無双です」

白石「は、はいぃ!?!?!?」

石橋「ついでに言うとな、トリロンも有りや。ロン。十三面待ち国士や。まぁ十三面待ちでも普通の役満やから32000やけどな」

白石「な、なんだってー!!!!!?????」

石橋「本編で水原にやったことをそのままやってみましたー!!!!」

白石「SOA!イ、イカサマですよ!!!」

石橋「イカサマならアウトやけどな。能力やったら?」

ナレーター「咲-saki-の世界では普通に有りですね」

あきら「ま、席順で1着だからなんでもいいやー」

ナレーター「ちなみにこの国士トリロンが石橋先生の能力なんですか?」

石橋「国士トリロンは結果やな。俺は么九牌だけは自由に操れるんや」

白石「な……えぇ!?」

-信じるか信じないかはあなた次第。


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[第120話]キレてないっすよ

長かった茶番は今回で終わりです!


みゆき「さて、良いですか?嘘偽りなく答えてくださいね。私が悪党と判断した時点であなたは退治されます。」

 

水原「ひぃ……」

 

副委員長(目がマジだ。演技でここまでできるなんてやっぱりすごいなぁ……水原マジでビビってるし……)

 

みゆき「良いですね?では単刀直入に、なぜこのようなメールを送ったのでしょうか?」

 

水原「それは……」

 

みゆき「委員会や学校に不満があったのですか?」

 

水原「……はい。」

 

みゆき「では何故、不満を委員会や学校側に直接言わず脅迫メールを送信したのでしょうか?」

 

水原「……ふつうに言っても聞き入れてもらえないと思いました」

 

みゆき「それでメールにより混乱させてからうまく自分の思い通りになるように操ろうとしたのですね?」

 

水原「はい……」

 

みゆき「では何故聞き入れないと決めつけたのでしょうか?」

 

水原「それは……」

 

みゆき「では、今ここで不満を聞きます。言ってください。あなたが学校を自分の思い通りにしたくなるまで追い詰めた不満をどうぞ!」

 

水原「へぇ!?」

 

みゆき「言わないのでしたら脅迫メールの件は悪質な理由無き悪戯と判断します。し、今ここで不満を白状すれば少なくとも委員長の私の耳には入りますよ?それでも言えませんか?」

 

水原「ふぅ……じゃあ言う。これ言ったら私の株が下がっちゃうからなぁ……」

 

みゆき「あの……下がる株がそもそもあるのでしょうか?」

 

水原「ダー!!!じゃぁ言ってやるよ!!!学校全体の文化祭企画から準備、設営までやたら押し付けられて縁の下の力持ちみたいな扱いされてふざけんなよ!!終電下校か始発下校がザラになってんだぞオイ!なんだコレ!?ブラック企業か!?」

 

みゆき「えっ?」

 

水原「『えっ?』じゃねぇよ!縁の下らしく委員会が帰った夜9時に登校して委員会が登校する前の始発電車で帰ってんだよ!簡単な建設から飾り付けやらなんやらをやって最後の一部分を委員会が一押しするだけの状況を作ってんだよ!そして手柄は全部委員会なんだよ!!!!」

 

みゆき「……。」

 

水原「え?なんとか言うてみぃや!!??!?!?」

 

石橋「水原、キレてんの?」

 

水原「キレてないッスよ………ってなにやらすんじゃ!!!」

 

副委員長「何やってるんだ……」(ボソッ)

 

水原「とにかく!頑張れば報われる的なのを信じて色々黙ってやってきたが!!良いことは何も起きないどころか私がやったことすら伏せられたような状態だ!まだ口止め料でも出るならかわいいもんだが一切何も無し!どうなってやがる!?」

 

みゆき「それは……というよりそのようなことがあったんですね」

 

水原「それさえも知らなかったと?……ほ~………ふざけんじゃねぇ!!!」

 

みゆき「それで自分は頑張っていたのに何も無いから自分の思い通りになればいい……と思われたのですか?」

 

水原「あぁそうさ!だいたい強制労働に近いんだし深夜の作業時間には報酬すら出ても良いだろう!!!何もなく生徒一人で深夜の学校で黙々と作業したり先生の麻雀の相手したり……賃金が発生するわけでもなけりゃ仲間との楽しい思い出ってわけでもない!どないなっとんのじゃコラァ」

 

みゆき「……。」

 

水原「こっちとら過労でっせ!?来年度以降、是正したるためにも現場を知る私がなんとかしたらなあかんやろ!!」

 

みゆき「そういう正義の心に目覚めたゆえの行動だったと仰るのですね」

 

水原「あぁ」

 

みゆき「では何故、その場その場で訴えるようなことをせずこのような陰湿な手段を使われたのでしょうか?私たちが聞き入れないと決めつけたからですか?」

 

水原「おぅよ。こんな無茶振りするような委員会に期待なんざ出来ねぇよ」

 

みゆき「でしたらボイコットするなどの実力行使もあったはずです。私たちは強制労働させたつもりはありませんし直接水原さんに依頼した件も快く引き受けてくださったと記憶しています」

 

水原「無言の圧力だろうがよぉぉ!!!断れねぇよぉぉぉ!!」

 

みゆき「ではなおさらボイコットなどの手段で訴えれば……水原さん、作業当時何も言わずなぜ今になって言うんですか?」

 

水原「それは今聞かれたからだろ!!!」

 

みゆき「その場で声をあげないというのは結構、作業自体は楽しまれていたからではありませんか?」

 

水原「それは……逃げられないだろうが!!引き受けざるをえなかったろ!!」

 

みゆき「そうでしょうか?」

 

水原「あぁそうだ!こんなふざけたことやってらんねえよ!だから中身から変えてやりたかったんだ!」

 

みゆき「分かりました。」

 

水原「やっと私の正しさが」

 

みゆき「石橋先生、お願いします」

 

石橋「はぁぁぁぁぁ……!!!北斗残悔拳!!!!」ズボッ

 

水原「くっ!?なっ!!??」

 

みゆき「やはり言うべきときに言わず後からもっともらしい理由をでっち上げたようにしか思えません。以上です」

 

水原「ちょちょっ」

 

石橋「指を抜いてからお前は7秒で死ぬ」スポン

 

水原「あっちょっ!?えっ!?まだ死にたくああああぁぁぁあ゛あ゛ぁぁあ゛あ゛あ゛」バシャーン

 

みゆき「……散りましたね」

 

石橋「せやな」

 

副委員長「これで不埒なことを考える野蛮なテロリストは」

 

みゆき「いなくなりました。実行委員会の今年の仕事もおしまいです。」

 

石橋「まぁ後片付けは実行委員会お疲れさんってことで免除やもんなぁ」

 

みゆき「気にはなっていたのですが後片付けは毎年どなたがされているのでしょう?」

 

石橋「ん?まぁ知らん方が幸せちゃう?体育館なんかは運動部みたいに使われへんかったら困る奴らがやるやろうけどな」

 

みゆき「はぁ……」

 

副委員長「あ、最後の宣言をしとかないと!」

 

みゆき「そうでしたね。このお話はフィクションです。実際の個人、団体、事件その他とは関係ありません。私たち委員会プレゼンツの寸劇です。」

 

石橋(まぁ一部以外はだいたい事実やったけどな)

 

みゆき「さて、実は後夜祭も残すところあと少しとなってしまいました。」

 

石橋「ほな俺はここでな」

 

副委員長「はい、ありがとうございました。」

 

みゆき「石橋先生ありがとうございました。さて、最後は……サライですよね?」

 

副委員長「うん、みんなで歌おう!」

 

みゆき「今年の後夜祭はサライをみんなで歌っておしまいです。私たちもそちらにいきましょうか」

 

 




あきら「悪は滅んだ」

白石「ですね」

ナレーター「そしてこのコーナーも……」

あきら・白石「え!?」

ナレーター「私も……」

あきら「あー…」

白石「ナレーターさんはらき☆べるのナレーターさんですもんね……らき☆べるが終われば……」

ナレーター「さーてサライ歌う準備でもしよー」


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[第121話]フィナーレだぞ泣けよ

みゆき「今年の後夜祭はサライをみんなで歌っておしまいです。私たちもそちらにいきましょうか」

 

―♪

 

みゆき「演奏も始まったようですね。今年の文化祭もありがとうございました!」

 

副委員長「ありがとうございました!」

 

 

―♪『遠い夢……』

 

 

こなた「ってみゆきさんたち歌うんじゃなくてはけるんだ」

 

つかさ「でも、こなちゃん。ステージに歌詞が映し出されてるよ?」

 

こなた「あープロジェクターだねぇ。やっぱり誰かが仕事してるんだろうねぇ」

 

唯「動き始めた~汽車の窓辺を~」

 

梓「唯先輩は何も気にしてないみたいですね?」

 

唯「へ?あずにゃんは歌わないの?そういうコーナーでしょ?」

 

梓「何も考えず順応できる唯先輩がちょっとうらやましいです」

 

 

―♪『サクラ吹雪のサライの空は』

 

 

鈴木「なんかこの曲聞くと終わりって感じがするなぁ」

 

かがみ「そうね……まぁ」

 

鈴木「俺たちは始まったばかり……かもしれないけどな」

 

かがみ「ちょっ!?こんなとこで何言ってるのよ!?……って私も同じこと言おうとしてたけど……」

 

鈴木「お互い様だな。誰かに聞かれたらバカップルとか言われそうだ」

 

かがみ「他人(ひと)のこと笑えないわね……」

 

鈴木「だな。そういえば明日は土曜日か」

 

かがみ「そうね。まぁ文化祭も終わったし後は受験と卒業式くらいしかイベントは無いけど」

 

鈴木「うぅ耳が痛い……。受験か……。」

 

かがみ「そんなこと言ってられないわよ?進路とか決めてるの?」

 

鈴木「一応……な。」

 

かがみ「ふぅん」

 

鈴木「受験勉強が大事ってのは分かってるんだが……。あのさ、明日くらいは二人でどっか遊びに行かないか?もうダイエットとか関係無く」

 

かがみ「えっ?それって……」

 

鈴木「まぁもちろん勉強しなきゃいけないし無理にとは言わないけど1日くらい……二人で遊びに行きたい」

 

かがみ「仕方ないわね。明日だけは受験のことはナシで付き合ってあげるわよ。」

 

鈴木「かがみ……ありがとう」

 

かがみ「私こそ先に言っとくわ。ありがとう、明日期待してるわよ!」

 

鈴木「うわっプレッシャーかよ」笑

 

かがみ「自分の彼氏に期待するのは……ダメ?」

 

鈴木「いや、ダメじゃない!俺こそ明日は楽しみにしてる」

 

 

―♪『流れてゆく 白い雲に 胸が震えた』

 

 

石橋「いよいよラストやなぁ」

 

水原「っすね~」

 

石橋「あ、今晩から明日の後片付け別に来んでええで。打ち上げとかなんかあるやろ」

 

水原「いや、後片付けくらい参加しますよ。なんも声かかってませんし学校出たらただのぼっちですしね」

 

石橋「ふ~ん。せっかく俺が優しく言ってやってるのになぁ」

 

水原「役満13回もぶつけといてそんなこと言われても説得力ないですー。先生こそたまには早く帰らないと奥さん怒るでしょ?」

 

石橋「うるさい。帰れるもんなら帰ってるわ。」

 

水原「でしょうね」

 

石橋「……!あ、じゃあお前にこれ渡すわ」

 

水原「なんだコレ……名札?タイムカード?」

 

石橋「今日と明日、俺の代わりによろしく」

 

水原「えっ?」

 

石橋「お前の忠告通り帰るわ。今日と明日の出退勤つけといてな。じゃーなー」

 

水原「えぇ~!?」

 

―♪『まぶたとじれば 浮かぶ景色が 迷いながらいつか帰る 愛の故郷』

 

みゆき「いよいよ終わりですね」

 

副委員長「そうだね。」

 

みゆき「今、2階から見ていますが1階でみなさんが盛り上がっているのを見ると文化祭は無事楽しく終わった……と考えて良いのでしょうか……」

 

副委員長「いいと思うよ。頑張ったしみんな楽しんでくれてるし……」

 

みゆき「そうですよね。うん、きっと今年の文化祭は成功です!」

 

副委員長(今……今だったら……今だったら言える!)

 

みゆき「私は皆さんと同じように最後は1階で楽しもうかと思います。」

 

副委員長「え!?あっ……うん、お疲れ様」

 

みゆき「はい、お疲れ様です」スタスタスタ

 

副委員長(あ、泉たちもいる……そうか、最後の最後だし合流しに行ったんだな……)

 

副委員長「というか………言えなかったな」ボソッ

 

 

 

―♪『サクラ吹雪の サライの空へ』

 

 

 

スクリーン『後夜祭終了!また来年に会おう!』

 

こなた「誰も司会がいないと思ったらこう来たか」

 

梓「でもこの画面って誰かが用意してるんですよね?多分」

 

唯「えっ!?AIが自動で考えてやってくれてるんじゃないの!?」

 

梓「そうかもしれないですけどこうもタイミング良く出るものですかね?」

 

こなた「まぁそのあたりは気にしたら負けなんじゃない?」

 

スクリーン『気をつけてご帰宅ください!家に帰るまでが桜藤祭です。』

 

こなた「いきなり帰れって言われても余韻を味わっていたいよねぇ~」

 

つかさ「うーんそうかも~」

 

みゆき「みなさんお疲れ様です」

 

こなた「おー!みゆきさん!」

 

つかさ「ゆきちゃん~」

 

唯「さっきはありがとう~」

 

みゆき「いえいえこちらこそありがとうございます!」

 

こなた「?みゆきさんは1人?」

 

みゆき「はい」

 

こなた(あのヘタレめ)

 

つかさ「そういえばプロジェクターは誰が動かしてるの?私、ゆきちゃんがやってると思ってたんだけど……」

 

みゆき「実は私もお恥ずかしながら後夜祭は寸劇以外ほとんど知らないんです」

 

つかさ「へ~」

 

こなた「寸劇というよりコントだったけどね。いろんな意味でおもしろかったよ~」

 

みゆき「楽しんでいただけたなら幸いです。」

 

スクリーン『余韻に浸りたいのは分かりますが時間が遅くなるといけません。早く下校しましょう』

 

こなた「むぅ、ただスクリーンに映されただけの存在のクセにやけに主張が激しいな」

 

みゆき「確かに遠方の方もいますし早く下校したほうがいいかもしれませんね」

 

唯「じゃあ私たちは早めに帰るよ~」

 

梓「そうですね。自分の高校でもありませんし」

 

唯「じゃあまた今度ね~」

 

つかさ「うん!あ、唯ちゃんたちの文化祭も見に行きたいから教えてね~」

 

唯「あ、分かった。後でメールするね~」

 

梓「失礼します」

 

こなた「はいは~い」

 

つかさ「こなちゃん、私たちはどうする?帰る?」

 

こなた「ん~まぁ帰っても良いんだけどせっかくだから余韻に浸りたいかなぁって。かがみたちとも合流しなきゃだし」

 

つかさ「そういえばお姉ちゃん会ってないもんね。ゆきちゃんは?遠いし早く帰らないといけないんじゃない?」

 

みゆき「それが……このあと、実行委員会の打ち上げがあって集合時間まで中途半端に時間もあるので」

 

こなた「へぇ!お堅い気がする実行委員会が打ち上げあるんだ!?」

 

みゆき「はい、今年は色々変わりましたので打ち上げもやろうと副委員長の彼が」

 

こなた「あ~」(だいたい把握)

 

つかさ「家遠いのに大丈夫?」

 

みゆき「はい、あまり大きな声で言えないのですが石橋先生からコレを頂きまして……」

 

こなた「へ?タクシーチケット?」

 

つかさ「すごいね~初めて見たよ~」

 

こなた「いや、大丈夫なの?いろんな意味で」

 

みゆき「『俺、今日使わんようなっから持ってけ。打ち上げも学校運営に必要なことやし万一、無事帰られへんかったときの責任問題とかの方がヤバいから』と言われ半強制的に渡されました」

 

こなた「ふぅん。終電より遅く帰るつもりだった先生が早く帰るってことは誰かが割を食ってるんだろうねぇ……」

 

みゆき「あっ……言われてみれば確かに……」

 

こなた「まぁしゃしゃりでて言ってこないところを見るに自分のことは気にせず打ち上げを楽しんでほしいと思ってるんだよ~きっと」

 

みゆき「はぁ……そうだと良いのですが……泉さんはそのような方に心当たりがあるのですか?」

 

こなた「ん?いやぁ……無い!」(訳ないじゃん。ってか普通気付くよ!?)

 

つかさ「でもすごいよね~。私だったら後片付けより早く帰りた~いって思っちゃうよ~」

 

こなた「そだね~」(縁の下で頑張ってアピールしてても本人に気付いてもらえないんじゃ意味ないよ、みずりん……)

 

スクリーン『早く下校しましょう。アンコールはありません。早く下校しましょう。』

 

こなた「お?スクリーンのメッセージが変わったね。」

 

みゆき「何か圧力を感じるような感じになりましたね」

 

つかさ「そろそろ帰る?」

 

こなた「いやぁコレはフリだよ。帰らない方が面白く……」

 

スクリーン『早く帰れ!モタモタして動く気0の奴らは何なんだ!テメェらが帰らねーと後片付け出来ねぇんだよ!あと5分で体育館から完全退場だからな!残ってる奴は強制労働じゃボケェ!』

 

こなた「面白くならなさそうだね」

 

みゆき「とりあえず下校しましょうか」

 

つかさ「そだね~」

 

こなた「あとかがみを探して……あ、みんながさっさと体育館出るからかがみ見つかったじゃん」

 

つかさ「あ、鈴木くんもいるね~」

 

こなた「面白い付録付き」にまにま

 

つかさ「おーいお姉ちゃーん」

 

かがみ「!?」

 

こなた「えっ!?尾行しないの?」

 

つかさ「え?なんで?」

 

こなた「いや、面白いものが見えたかもしれないのに……ま、いっか」

 

かがみ「お疲れー」

 

鈴木「お疲れさまー」

 

こなた「ん」

 

みゆき「お疲れ様です」

 

かがみ「みゆきすごかったわよ~途中まで演技って分からなかったわ~」

 

みゆき「いえ、そんな……」

 

こなた「にしても二人とも後夜祭いたなら話しかけてくれれば良かったのに~」

 

かがみ「い、いるのに気付かなかったんだから仕方なかったじゃない!」

 

こなた「それだけかな~?鈴木くんもいたしあえて探さな」

 

みゆき「泉さん、そろそろ体育館を出ないと……」

 

こなた「あっそだね。とりあえず事情聴取は帰りのバスの中までお預けだね!」

 

かがみ「いや何もやましいことはないから!」

 

こなた「ふぅ~ん」

 

鈴木(『やましいことはない』って付き合ってるのを隠せって意味か付き合ってるのはやましいことじゃないって意味か……どっちなんだ?)

 



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[第122話]帰り道

―バス乗り場

 

こなた「いやぁ高校最後の文化祭も終わった!終わった!」

 

つかさ「そだね~、ちょっと寂しいような気もするけど」

 

かがみ「というか……バス待ちの列長くない?」

 

こなた「そだね……まぁみんなが一気に下校したらこうなるよ……」

 

鈴木「まぁ……待てば良いんじゃないか?急ぎの予定があって早く乗らないとってこともないだろ?」

 

こなた「みゆきさん打ち上げ大丈夫?」

 

みゆき「はい、集合まではかなり余裕がありますので」

 

かがみ「じゃあ全員バス待ちは大丈夫ってわけね……」

 

こなた「まぁ早く帰りたいって意味じゃ大丈夫じゃないけどね」

 

鈴木「それは言うな……俺だってなるべくなら早く帰りたい」

 

こなた「明日、土曜日だし?」

 

鈴木「そうだな」

 

こなた「ふ~ん」にまにま

 

鈴木「ん?なんだよ?」

 

こなた「明日、土曜日だから学校無いわけだし普通なら早く帰らなくても良くない?何か予定があるな?」

 

鈴木(チッ……変に鋭いな。まぁ嘘ついたらバレそうだし)「まぁなー予定あるから」(と何でもない風を装ってごまかす)

 

こなた「へぇ~どんな用事?いや、ここで聞くのはやめてあげるよ。バス乗ったらゆっくり根掘り葉掘り聞いてあげるからさ」

 

鈴木「いやいや言うようなことじゃねぇよ」(バス乗るまでに忘れてくれ!もしくはいつもみたいに俺だけ乗り遅れでもいいや)

 

こなた「いやぁたまには取り留めもない話をしたいからいいんだよ~」(はぐらかして忘れさせる作戦なんてお見通しだよーん。かがみがやけに静かなのが答えだよ)

 

―プシュー

 

鈴木「おっバス来たな」(そして俺はうまく乗り遅れよう。)

 

こなた「そういえば何回かバス乗るときに鈴木くんを置いていっちゃったことあったよね?」

 

鈴木「ん?そうだっけ?そういえばそんなこともあったかな?」

 

こなた「今回もそうなったら申し訳ないからさ、一番前に並んでよ~」

 

鈴木「えっ!?いや、いいぞ気をつかわなくて」

 

こなた「いやいや大丈夫大丈夫~」

 

鈴木「いやいや気にしなくていいって。レディーファーストだ。大丈夫大丈夫」

 

こなた「まぁそこまで言うなら良いけど一人だけ乗り遅れるようなことがあったら私たちも降りるからね」

 

鈴木(ゲッ……お見通しかよ)

 

こなた(そんないかにも何でもないです感出されたら逆にバレバレだようん)

 

―車内

 

こなた「いやぁ一番後ろの席が空いてて良かったね~」

 

鈴木「5人横並びで俺真ん中かよ……」

 

つかさ「家族ゲームみたいだね」

 

こなた「まぁ良いじゃん~女子に挟まれて嬉しいでしょ~?それともかがみがいたら別にそれでいいかな?あとつかさ、家族ゲームは分かってくれる人いないと思うよ……横並びなだけで食事してるわけですらないし」

 

鈴木「なっ!?」(半ばバレてるとはいえ的確に誘導してくるなコイツ)

 

こなた「かがみー」

 

かがみ「な、何よ?」

 

こなた「いやぁ、最近なんか会うこと少なかったしね。ミスコン出てるのもあったからかなぁって」

 

かがみ「ん?まぁ……そうね」

 

こなた「いやぁかがみがミスコン出るなんて思わなかったよ~。どーゆー風の吹き回しだったの?」

 

かがみ「あれは日下部が勝手にエントリーして……で色々あって出るしかなかったのよ……」

 

こなた「ふ~ん。なるほどね~。じゃあ鈴木くんはみさきちには足を向けて寝られないね」

 

鈴木「なんでそこで俺に振る!?」

 

こなた「いやぁ、だって実際、眼福だったでしょ?」

 

鈴木「まぁそれは……そうだったけども……」

 

かがみ「ちょっ!?鈴木くんまで何言ってるのよ!?」

 

こなた「ホントは嬉しいくせに~」

 

かがみ「だっ!もうっ!」

 

こなた「って言ってお互い否定はしない……と」

 

鈴木「というか他人の前にこなたはどうなんだよ?黙ってるだけでなんかあるんじゃないか?」

 

こなた「いやぁ無いなー、それに私は周りをイジって遊ぶのを楽しむキャラだしねー」

 

かがみ「へぇ~。で、私に色々言ってくる……と?」

 

こなた「そゆこと~。」

 

かがみ「ほぉ~」ポキポキ

 

こなた「ちょっ!指を鳴らして何をなさるおつもりで?ほら鈴木くんも何か言ってよ!」

 

鈴木「ヨシ、やれ」

 

こなた「えっ~!?」

 

かがみ「冗談よ」

 

こなた「いや目がマジだったよ!?私はかがみの幸せを願ってのことで」しゅん

 

かがみ「アンタは毎回ベクトルがおかしいのよ」

 

こなた「そこはホラ……大人の事情ってことで。それにもうすぐ高校生活も終わりじゃん。だから彩りを……とだね?」

 

かがみ「余計なお世話よ……まったく」

 

こなた「でさ、結局二人ってどう思ってるの?付き合ったりしようとかそういうの無いの?」

 

鈴木(ここらが年貢の納め時か……)

 

かがみ「えっと……それはその……」

 

鈴木「付き合ってるよ」

 

こなた・つかさ・みゆき「!?」

 

かがみ「えっ」

 

鈴木「いつかはバレるしな。言っちゃダメだったか?」

 

かがみ「ダメじゃないけど……」

 

こなた「おーどっちからどっちから?kwskうpはよ」

 

かがみ「いや、ダメだったかもしれない……」

 

鈴木「すまん、俺も今思った……」

 

―糟日部駅前

 

みゆき「では、お疲れ様でした」

 

鈴木「お疲れさん」

 

かがみ「お疲れ様ー」

 

つかさ「ばいばーいまたねー」

 

こなた「じゃねー ………と、とりあえず駅行こうか。話はそれから聞くよ」

 

鈴木「いや、それ以上は言わねえから」

 

こなた「ケチー。言ったって減らないじゃん」

 

鈴木「減る減らないじゃねぇよ。」

 

こなた「じゃあ何?取材陣に納得のいく説明を!」

 

鈴木「………ハズいから」

 

つかさ「顔赤いもんね」

 

鈴木「うるせーやい。さっさと帰るぞ。」

 

こなた「明日もお楽しみがあるから?」

 

鈴木「るさいるさい」

 

こなた「図星か。ふむふむ」

 

―車内

 

アナウンス「まもなく糖武動物公園ー糖武動物公園です。久喜方面はお乗り換えです。」

 

鈴木「じゃっまたな」

 

こなた「本当に何も言わなかったね。別に良いけど。いや、良くないけど」

 

鈴木「いやのろけ話聞かされてもだろ」

 

こなた「まぁ確かに生々しい私性活を語られてもねぇ~。じゃあまたねー」

 

つかさ「ばいばーいこなちゃん」

 

こなた「じゃあねぇ~かがみもお幸せにー」

 

かがみ「はいはい。またね。」

 

―ホーム

 

鈴木「すまん、つい言ってしまった」

 

かがみ「別に怒ってないわよ。いつかはバレると思ってたし。それに……ちょっと嬉しかった……かな?」

 

鈴木「ん?」

 

かがみ「スパッと付き合ってるって言ってくれたのが……周りからそう見られたくないとか思われてたらどうしようとか考えちゃってたし……」

 

鈴木「いやいや、俺はかがみが自慢だよ。かわいいし優しいししっかりしてるし。だからもうちょっと自信持ったら良いんじゃないか?」

 

かがみ「そう?……ありがとう……」

 

鈴木「いやいや礼を言うのは俺だな。色々助けてもらったこともあったし、これまでも楽しい時間をもらったし」

 

かがみ「そんなことしたっけ?」

 

鈴木「まぁ助けた本人は覚えてなかったりもあるだろうよ」

 

かがみ「ふ~ん。でもそう思ってくれてたんだ……」

 

鈴木「だから離したくなかった。かな?ずっとそばにいてほしかった」

 

かがみ「なんかよくしゃべるわね。いや、そういうことが聞けて嬉しいんだけども」

 

鈴木「そうか?まぁ誰も知り合いが聞いてないだろうから言える………ん?誰も……!?」

 

かがみ「あっ!」

 

つかさ「ぽっぽぽぽぽ……」

 

駅放送「まもなくー縦林行きの電車が参りますー!」

 

つかさ「ダイジョーブダヨ。ワタシナニモキイテナイカラ。オネーチャンデンシャキタヨ」

 

かがみ「あ、うん分かってる」

 

鈴木「おー乗ろう乗ろう」

 

つかさ「なんで二人とも目を合わせないの?」

 

―車内

 

アナウンス「久喜です。扉にご注意ください」

 

鈴木「じゃっまたな。今日はお疲れ様、とありがとう」

 

かがみ「う、うん。」

 

―プシュー

 

かがみ「じゃ気をつけてね!ばいばいまた明日ね」

 

鈴木「おぅ、かがみも気をつけてな。家に帰るまでが桜藤祭だからな」

 

かがみ「はいはい」

 

鈴木「じゃあ、おやすみ」

 

アナウンス「ダァシエリエス!」

 

つかさ「……。」ハンカチポイ

 

かがみ「え?」

 

鈴木「ん?」

 

つかさ「あっ手が滑ってホームにハンカチが落ちゃった」

 

かがみ「拾うわよ。はい」

 

―プシュー

 

かがみ「あっ」

 

鈴木「置いてかれたな」

 

かがみ「みたいね。まったく、あの子のドジも困ったものだわ……。」

 

鈴木「というか多分わざとだな。」

 

かがみ「えっ!?」

 

鈴木「普通に車内から笑顔で手を振ってたぞ」

 

かがみ「どういうつもりなのよまったく……」

 

鈴木「そういうつもりなんだろ。まぁもう夜だしな。一人じゃ危ないから家まで送っていくよ。」

 

かがみ「そんな……良いわよ。つかさ多分駅で待ってるし。大丈夫」

 

鈴木「俺は待ってないと思うなぁ。まっ、とにかく俺が送りたいだけというか少しでも長く一緒にいたいだけだし。」

 

かがみ「じゃあ……いいよ。駅までね。」

 

鈴木「サンキュ」

 

―鷹宮駅

 

かがみ「うっそ……ほんとにつかさ待ってない……」

 

鈴木「こりゃ完全に気を遣われたな……」

 

かがみ「つかさに?」

 

鈴木「うん。俺がかがみと一緒にいたいって思ってるのがバレてたんだろうな」

 

かがみ「というか私が気を遣われたのかしら……妹に気を遣われるなんて」

 

鈴木「妹っても双子で同級生だしなぁ。それに誰かがそうしろって吹き込んだのかもしれないしな」

 

かがみ「つかさに変な入れ知恵?しそうな人物に心当たりが多すぎるわ……」

 

鈴木「まぁ今は気にしても仕方ないし帰ろうぜ。なんだかんだ文化祭で疲れたろ」

 

かがみ「そうね……ん?」

 

鈴木「ほら手……多分、誰も見てないしこんな時くらい……な?」

 

かがみ「あ、うん……」

 

―家の前

 

鈴木「じゃ、また明日な」

 

かがみ「うん、また明日。ここまでありがとう……」

 

鈴木「こちらこそ。」

 

かがみ(……鈴木くん嬉しそうだったな……今まで見て初めてなくらい……)

 

―カチャ

 

かがみ「ただいまー」

 

つかさ「あ、おかえりー。ハンカチ落としちゃって……それとごめんね?」

 

かがみ「いいわよ別に。ただちょっと聞きたいことはあるけど……『それと』?」

 

まつり「私もちょっーと聞きたいことがあるんだー」

 

かがみ「あっ、つかさ!もしかして」

 

いのり「はは~ん、ここ最近いつになくダイエット頑張ってたのはそ~ゆ~ことだったのね」

 

かがみ「しゃべったなぁ!!!!!?」

 



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[最終?話]それぞれの翌日

―翌朝・こなたの部屋

 

ゆたか「ふわぁぁーおはよーお姉ちゃん。早いね?」

 

こなた「おはよーゆーちゃん。いやぁ文化祭も終わったしひさびさに徹夜でネトゲしてたよ~」

 

ゆたか「えっ……大丈夫?」

 

こなた「うん、今日も学校休みだしね~たまには羽目外さないと~」

 

ゆたか「いや、お姉ちゃん今日、ひさしぶりにバイトだったよね?」

 

こなた「あ゛!忘れてた!」

 

ゆたか「大丈夫?休むって電話しとく?」

 

こなた「いや、あんまり顔を出さないのもアレだし大丈夫だよ~」

 

ゆたか「そう?」

 

こなた「うん、今からなら仮眠が2時間半は取れるから大丈夫だよ~」

 

ゆたか「そう?じゃあおやすみ」

 

こなた「おやすみ~」

 

―カチャン

 

こなた「って今から仮眠とったら多分起きられないなぁ……仕方ない、このまま起きてよ………ふわぁぁぁぁー………ヤバいかも……あ、そういえばかがみと鈴木くんが付き合ったんだっけ?まぁ今更感あるけども。多分、今日はデートかなぁ。文春砲やりたかったけどバイトだしなぁ……。あ、そうだ。みずりんにレポートしてもらおう。ついでにあの2人がやっと付き合ったこともみずりん知らないだろうから教えてあげないとね~。みずりんの番号は……と。」

 

―ピッ トゥルルルル...

 

こなた「ん?なんで私、説明口調なんだろ。」

 

 

 

―体育館

 

水原「zzz...ムニャムニャ...zzz...」

 

―♪『働いて働いて働いて辛いよ~』

 

水原「!?電話か?」

 

―ピッ

 

水原「はい、お電話ありがとうございます。陵桜学園職員室水原が承ります。」

 

こなた(電話)「何ボケてるの?」

 

水原「はい?」

 

こなた(電話)「私だよ。泉こなただよ。だいたいこれみずりんの携帯でしょ?」

 

水原「えぇ携帯です……私今何言いました?」

 

こなた(電話)「陵桜学園職員室って言ってたじゃん。もしかして寝ぼけてる?今起きた?」

 

水原「はい。イテ……イテテテテ……首がアア……イテテ」

 

こなた(電話)「喘がないでよ気持ち悪い。」

 

水原「ちげぇよ。寝落ちしてたせいで体勢が変で全身痛いアタタタタ……」

 

こなた(電話)「寝落ちってみずりんも徹夜でネトゲ?でもみずりんはネトゲしないよね?じゃあ徹夜でネトマ?」

 

水原「どっちも違います。体育館で後片付けしてたらいつの間にか寝てた……」

 

こなた(電話)「え?後夜祭のアレってマジだったの?ネタだと思ってた」

 

水原「後夜祭のはネタだよ?だって元から決まってたし」

 

こなた(電話)「うへぇ。断れば良かったじゃん」

 

水原「まぁ断れない様々な事情があるのですよ……」

 

こなた(電話)「つかさにバレると何かマズい秘密でも握られてるの?ってか、だいたいバレてるしそんなの無いでしょ?」

 

水原「いやいや自己都合。自分の将来とか進路のことを考えてね。」

 

こなた(電話)「へ?進路と文化祭の後片付けって関係あるの?」

 

水原「まぁ、万一の時には石橋先生に推薦状書いてもらわないとだから」

 

こなた(電話)「推薦状?大学の?」

 

水原「いや、陵桜学園の。もしくはその前の勤務先の」

 

こなた(電話)「あっ就職先?」

 

水原「そゆこと~。ってかそんな私の進路の話するために電話してきたわけじゃないでしょ?」

 

こなた(電話)「あぁうん。実はさーかがみと鈴木くんがね、やっと付き合ったそうなんだよ」

 

水原「ほぅ!」

 

こなた(電話)「昨日つつきまくったらそういう供述が出て来た。」

 

水原「ほぅほぅ。いやぁおめでたいねぇ」

 

こなた(電話)「でしょー?で、今日デートっぽい感じがプンプンするから」

 

水原「尾行してこいと」

 

こなた(電話)「さっすが、みずりん!分かってる~!」

 

水原「お断りします。」

 

こなた(電話)「なんでー?面白そうじゃん」

 

水原「バレたら命が危うそうだし」

 

こなた(電話)「そう?大丈夫だよ!」

 

水原「尾行してる風貌がヤバすぎて通報されたり」

 

こなた(電話)「それはあるかも」

 

水原「何より文化祭の後片付けがあるんだよ!!!!」

 

こなた(電話)「え~サボっちゃいなよ」

 

水原「それは出来ない。」

 

こなた(電話)「進路のため?」

 

水原「いや、週明けのため。片付け終わらなかったら授業に支障がでそうなレベルなんだよ」

 

こなた(電話)「へー」

 

水原「だから面白そうだけど私は参加できません。以上」

 

こなた(電話)「面白そうとは思うんだね」

 

水原「まぁね。最近、社畜が主だしね。たまには他人の青春でも覗き見てキュンキュンしたい」

 

こなた(電話)「キュンキュンねぇ……でも今日キュンキュンするつもりは」

 

 

水原「無い。」

 

こなた(電話)「使命感だねぇ」

 

水原「いや、社畜感だな」

 

こなた(電話)「はいはい。じゃ頑張ってよ」

 

水原「ういっす」

 

 

―プツッ ツーツーツー

 

水原「そっかぁ。あの二人はくっついてくれたんやね。ホンマやったら『リア充氏ね』って言いたいけど……まぁ喜んでる人もいるし、と考えたら私も素直に祝っとくかなぁ。………何かの刺激になって私にも良い風が吹いたり……したらいいな。」

 

 

 

―みゆき宅

 

みゆき(昨晩、彼は一体何が言いたかったのでしょうか……)

 

副委員長(回想)「す……すこんぶっておいしいよね」

 

副委員長(回想)「す……タコには酢醤油よりわさび醤油だよね」

 

副委員長(回想)「す……水中で目を開けられるってすごいよね」

 

みゆき(確かにすこんぶはおいしいですしタコにはわさび醤油が良いと思いますし水中で目を開けることは私には出来ないのですごいと思いますが……彼は何が言いたかったのでしょうか……)

 

 

 

 

―黒井先生宅

 

黒井「ふぁぁぁひさびさによー寝たなぁー。さ、ひさびさにガッツリネトゲでも……」

 

PC画面『2週間ログインが無かったためアカウントが削除されました。』

 

黒井「そっ!そんなアホな!?たかが2週間ログインせんかっただけでアカウント削除ってそんなアホな話あるかい!どないなっとるんや!ウチの課金はどないなったんや!?」

 

 

 

 

―柊家

 

かがみ「ふわぁ……おはよう」

 

つかさ「あっお姉ちゃんおはよー」

 

かがみ「!?!?!?今何時!!????……ってまだこんな時間?」

 

つかさ「?」

 

かがみ(そうよね……つかさが早く起きてることもそりゃあるわよね……寝坊したと思ってビックリしたわ……)

 

つかさ「そういえばお姉ちゃん、今日は何か予定ある?」

 

かがみ「えっ?うーんちょっとね。」

 

つかさ「そっか~。鈴木くんとデートなんだ~。」

 

かがみ「ブッ!ちょっ!?どっから聞いた!?」

 

つかさ「あっやっぱり図星なんだ~」

 

かがみ「なっ!?謀ったわね!」

 

つかさ「ごめんごめん。お姉ちゃん幸せそうだったから~ついそうじゃないかな?って」

 

かがみ「うそ?そんなに顔に出てる?」

 

つかさ「うーん……でも私たちずっと一緒だから見たら分かるよ」

 

かがみ「そう……ちなみに姉さんたちは?知らないわよね?」

 

つかさ「多分、知らないと思うよ。」

 

かがみ「そう?なら良いんだけど」(知ってたら尾行されたり、後で尋問されたりなんて思ったら楽しめないわよ……)

 

つかさ「だから今日は楽しんできてね~」

 

かがみ「……アンタ私の心でも読んでる?……んなワケ無いわよね?」

 

つかさ「バルサミコ酢~」

 

 

―しばらく後

 

かがみ「じゃ行ってきまーす」

 

つかさ「行ってらっしゃーい」

 

―バタン

 

まつり「ん?つかさ、かがみだけ出かけたの?」

 

つかさ「え?うんそうだよ~」

 

まつり「なるほど……ふむふむ。よし」

 

いのり「まつり、どうしたの?なんかやる気みたいだけど」

 

まつり「いやぁ、かがみが一人でお出かけみたいだからさ~尾行しよっかなぁ~って」

 

いのり「なんでよ」

 

まつり「だって、つかさ置いてお出かけって言ったら噂の彼と……くらいしか考えられないじゃん!」

 

いのり「なるほど」

 

つかさ「ダメだよ~それしたらかがみお姉ちゃん怒ると思うよ~」

 

まつり「なるほど。正解いただきました!」

 

つかさ「あっ」

 

まつり「じゃそういうことで」

 

つかさ「やめといてあげよ~よ」

 

まつり「きっと普段見れないかがみが見れるしおもしろそうじゃん!バレなきゃ大丈夫だって」

 

いのり「まつり、つかさもこう言ってるし今日はやめときなよ」

 

まつり「なんで?姉さんも気になるでしょ?」

 

いのり「そりゃ気になるけどさ。もしウチに挨拶にでも来ることがあって『あの時、追いかけ回していた』なんて言われたら気まずいじゃん」

 

まつり「確かに……」

 

いのり「それよりは機が熟した時にその彼の友達とか紹介してもらった方がウィンウィンだよきっと」

 

まつり「あ~確かに」

 

いのり「とりあえず私たちはかがみの土産話を楽しみに今回は待とうよ」

 

まつり「それもそうだね」

 

つかさ(バレちゃった……かがみお姉ちゃん怒るかな……いや、私が言ったんじゃなくてお姉ちゃんたちが自分で気づいたんだから大丈夫だよね)

 

―駅前

 

かがみ「おはよう!ごめん待った?」

 

鈴木「いやいや大丈夫、まだ約束の30分前だしな。」

 

かがみ「そう?って私が言うのもなんだけど早くない?」

 

鈴木「まぁ1時間前に着いたしな……ついうっかり時計を見間違えただけだがな」

 

かがみ「ちょっと!しっかりしなさいよねまったく……」

 

鈴木「まぁまぁ楽しみで夜しか寝られなかったから朝早く起きちまったということで」

 

かがみ「夜しか寝られないってそれ正常じゃない!」

 

鈴木「あはははー。ま、せっかく早く来たんだし行こうぜ」

 

かがみ「うん!……ってどこに?」

 

鈴木「着いてのお楽しみ!よし行こう!」

 

 

-おわり




あずきシティより

長い間ありがとうございました。ずっとここまで読んでくれた方がいらっしゃるのであれば私にとってこれほどうれしいことは、まぁありません。みなさまの大事な時間をここで使っていただけたこと、大変うれしく思います。

私としては終始ほぼギャグやネタに走ることができて自己満足しています。
笑いあり!?涙なし!!ハートフル!?!?コメディ!!!!
とそんな思っていただければ幸いです。

らき☆べる は今回で、一応終わりになります。一応というのは一部分で抜けているラッキースターユニバース編や、この後のクリスマス編などのおまけパートを用意しているからなんですが。年内はチョボチョボ更新があると思っといてください

今後またどこかでお会いできれば幸いでございます。


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[おまけ]ラッキースターユニバース編
[LSU1話]ゲームの世界へ


本編でいうと81話~82話の間あたりになります。


本編はかなり前なので一応、ナレーターがどういうお話かを説明しますね。

文化祭でネットカフェをやることにした小早川ゆたかたちのクラスでしたが、準備中に何やらおかしいことになったみたいです。

81話の教室でこなた、つかさ、水原 がダベっていたところから一部分はコピペしながらいきましょう。

 

 

 

……ナレーターとはいえ不自然すぎる説明は違和感がありますね。リスニングテストの導入部分みたい……では。

 

 

-教室(81話部分)

 

―ガラッ

 

ゆたか「お姉ちゃ~ん!あ、つかささんと水原さんもいたんだ」

 

つかさ「ゆたかちゃんいらっしゃ~い」

 

水原「まいど」

 

こなた「どうしたの、ゆーちゃん?」

 

水原「トラブった?」

 

ゆたか「はい……持ち込んだパソコンの様子がおかしくて……」

 

水原「誰のんがかな?」

 

ゆたか「それが……ほとんどなんです」

 

水原「ありゃ」 

 

こなた「それは大変だね。ちょっと様子見ようか?」

 

ゆたか「うん!お姉ちゃん、お願いしていい?」

 

こなた「もちろんだよ~まかせたまへ~」

 

水原「一応、私も見に行きます。いいかな?」

 

ゆたか「あ、はい!お願いします!」

 

つかさ「私も行っていい?何かできることがあったら手伝うし」

 

ゆたか「え!良いんですか?お願いします!」

 

水原「ほな、とりあえず行こか」

 

 

 

―数分後

 

かがみ「おーす……まぁもう帰ってるわよね」

 

鈴木「だな」

 

みゆき「ですよね」

 

鈴木「俺らも帰るか」

 

かがみ「そうね」 

 

 

(81話部分終わり)

 

 

 

-ネットカフェ予定教室

 

こなた「ほ~こりゃすごいね~」

 

ゆたか「クラスのみんなで持ち寄ったんです。」

 

みなみ「どうも……」

 

ひより「あ、先輩。ちわっす」

 

パティ「ハロー!」

 

ひより「今、一通り見てみたんッスけどどれもネットに繋がらないッス……」

 

みなみ「私の家のパソコンもダメでした」

 

こなた「家ではちゃんと動いてた?」

 

みなみ「はい……」

 

ゆたか「運んでる途中で壊しちゃったのかな……?」

 

水原「無いとは言えないけども……まぁ1台ずつ見ていくしかないな。ほなそこの端っこのやつから見ましょうか」

 

ひより「あ、すいません先輩……せっかく来てもらって悪いんですけど……」

 

パティ「ワタシたちはヤボヨーはアりますのでシツレーします!」

 

水原「はいよ。お疲れ様。じゃあこっちもちゃちゃっとやって帰るかー」ポチッ

 

こなた「うーん……起動は問題無さそうだねぇ」

 

ゆたか「どれも普通に立ち上がるんですけども……」

 

水原「G○○gle先生が……なるほど繋がらない」

 

こなた「Yah○○!は?」

 

水原「ダメやね……」

 

みなみ「どれもパソコンは起動するのですがインターネットに接続出来ないんです。」

 

水原「とりあえずこなたはコイツ……このパソコンの面倒みといて。私は他のん起動させてチェックするんで」

 

こなた「はいよ~。うーん……サーバーは落ちてない……」

 

水原「こっちは……ん?これパソコンじゃくてワープロだよ……今時、ワープロあるんか……」

 

 

―数分後

 

水原「何か原因分かった?」

 

こなた「全然。どこも変なところが見つからないんだよね。家のと比べても何ら変わりないし……家?」

 

ゆたか「お姉ちゃん?」

 

みなみ「何か分かったんですか?」

 

こなた「これ!ネットの設定バラバラ!持ち寄った人の家の設定のままだよ!」

 

水原「あ!あぁ……なるほど」

 

ゆたか「それってマズいんですか?」

 

水原「まぁネットは見れないねぇ。よし、じゃあとは私がちゃちゃーっと設定変えとくよ。今からやれば終電には間に合うだろうし」

 

こなた「いやいやみずりん、私も手伝うからもっと早く終わるよ」

 

水原「マジっすか。ありがとうござます!」

 

ゆたか「私も手伝います!何をしたらいいですか?」

 

みなみ「私も手伝います」

 

つかさ「私も手伝っていいかな?」

 

こなた「ありがとうー、じゃあ私たちが設定し終わったのを電源落としていってくれる?ついでにケーブルも抜いといてくれたら助かるかもー」

 

水原「お願いしますー!」

 

ゆたか・みなみ「分かりました」

 

つかさ「じゃあちょっと人手余るよね?私ちょっと出てていいかな?すぐ戻ってくるから~」

 

水原「OK大丈夫!了解!行ってらっしゃい!」

 

つかさ「ちょっと出てくるね~」

 

 

 

―数十分後

 

水原「とりあえず3分の1は片付きましたねぇ」

 

こなた「そだね~」

 

水原「作業はかどってありがたいことです。協力感謝します。ありがとうございます」

 

つかさ「ただいま~」

 

水原「はいおかえ……ってどったの?その荷物」

 

つかさ「差し入れ~。疲れてるかなと思って~飲み物買ってきました~」

 

ゆたか「ありがとうございます!」

 

みなみ「先輩ありがとうございます」

 

こなた「つかさGJ!」

 

つかさ「あ、みずりちゃんはコレ。はい!」

 

水原「あ、ありがとうございます……ん!こっ……これは……!」

 

つかさ「おしるこ好きだったよね?」

 

水原「イエス!ありがたく頂戴します!」シュコッ

 

つかさ「他のみんなもどうぞ」

 

 

 

 

―1時間後

 

水原「しゃおらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ終わったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

ゆたか「お疲れ様です!」

 

みなみ「お疲れ様でした」

 

つかさ「お疲れ様~。あれ?こなちゃん何してるの?」

 

こなた「え?ネトゲ。ネカフェと言えばネトゲだし。テストがてらね。誰かさんがおしるこ投与されてから超高速で作業終わらせてくれたからね~」

 

水原「どういたしまして。でネトゲですか」

 

こなた「そう。ラッキースターユニバースってゲームなんだけどね。最近ご無沙汰だったからちょっとだけ」

 

ゆたか「お姉ちゃん、もう遅いし帰ろうよ」

 

こなた「10分!10分だけ!」

 

水原「まぁ功労者ってことで私は10分くらいなら大目に見ますよ……戸締まりはしとくんでみんなは帰ってくださって結構ですよ」

 

こなた「え~せっかくだしみんなも見ていきなよ~あ、これがネトゲ仲間だよ~」

 

―ピカッ

 

水原「ん?なんか目眩が……」

 

―ピカッピカッ

 

ゆたか「私もです!」

 

みなみ「ゆたか!……眩しくて見えない!」

 

こなた「ホワイトアウト!?どこで死亡フラグが!?」

 

つかさ「眩しくて立ってられないよ!」

 

水原「大丈夫!?……じゃねぇ!」

 

―ピカーン……

 

 




あんらき☆しすた

ひなた「ひなたと」

ひかげ「ひかげの」

ひなた・ひかげ「あんらき☆しすた!」

ひなた「あんらき☆しすた始まりでーす!司会の宮河ひなたと」

ひかげ「同じく司会の宮河ひかげだよ!」

ひなた「この番組がよくわからない方はPS2かPSPのゲーム『陵桜学園桜藤祭』をプレイしてみてくださーい」

ひかげ「ニコニコの動画だけ見るのは無し!ちゃんとプレイしてね!」

ひなた「さて本日のお題は!」

『チートいくない!!』

ひかげ「お姉ちゃん、チートって何?」

ひなた「簡単に言うとゲームでズルをすることでしょうか~?」

ひかげ「ズル?」

ひなた「は~い、ということで今回はらき☆べるキャラ随一のチーター、石橋先生に来てもらいました~」

石橋「ちょっと待てや!!なんで俺がチーターやねん!」

ひなた「え?でもぉ、オンライン麻雀でズルしてるんじゃ…」

石橋「してへんわ!っていうか学校でメンツそろってるからオンラインはやらんし」

ひかげ「学校で麻雀?それもまずいんじゃ……」

石橋「まぁ仕事してて終電逃しても中途半端な時間に仕事終わったら暇やねん」

ひなた「なんだか問題発言ではありませんか~?」

石橋「で、俺呼んで何したらええんや?」

ひなた「チートとは何かをわかりやすーく番組をご覧の皆様に…」

石橋「俺、知らんで?」

ひかげ「え!?」

ひなた「ちょっと~?このゲストなんで呼んだの~?」

ひかげ「え?」

石橋「まぁなんや、チートはやったらあかんでって話やろ?」

ひなた「は~い!」

ひかげ「軽っ!」

ひなた「じゃぁ今日はここで終わっちゃいましょう!」

石橋「番組変わってもゆるいのは変わらんなぁ」

ひなた「今どきはこのゆるさも人気なんですよ♪」

石橋「そんなもんかなー」

ひかげ「じゃっ!また何かあったらね!」

ひなた「多分、またお会いしましょう~」


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[LSU2話]魔王の城の近く

―謎の森

 

水原「お……おぅ……誰もいねぇ……しかもどこやこれ……」

 

―カサカサッ

 

水原「お?……誰かな?」

 

みなみ「私です」

 

水原「あぁお疲れ様ー他のみんなはいない感じか……」

 

みなみ「はい」

 

水原「にしても……どこだろうねぇココ……妙な衣装?になってるし」

 

みなみ「分かりません……」

 

水原「とりあえず……みんなを探そうか」

 

みなみ「はい……ゆたか……」

 

水原「せやなぁ……早く見つけないと」

 

 

 

.........................

 

―数十分後

 

水原「でうちら3人だけ……」

 

こなた「よりによっていないのがゆーちゃんとつかさだからねー心配だよ……」

 

みなみ「そうですね」

 

水原「うちら3人が無事……まぁコスプレ?みたいな事態になってるから無事ではないけどこうしてまぁ危機なくいるということはあの2人も無事なはず……とりあえず今の状況を把握してあげないといけませんね」

 

こなた「はい先生!」

 

水原「はい、泉くん。なんでしょう」

 

こなた「私、この世界に見覚えがあります!この世界はラッキースターユニバースというさっきまでやっていたネトゲの世界に似ていると思うのですが水ガミアキラ先生どうでしょう!?」

 

水原「はい、とてもユニークな発想ですね。では、泉くんはどの辺が似てると思われたのでしょうか?」

 

こなた「この森がどうも見覚えあるんだよね~。それに私たちの服もゲームに準じてるし」

 

水原「イイ着眼点ですね~……イケガミ風めんどいからやめよ。というかゲームの服装か……」

 

こなた「そう!私はシーフでみなみちゃんはアーチャーっぽいね!」

 

みなみ「……。」

 

水原「へぇ……私は?」

 

こなた「ギャンブラー」

 

水原「お……おぅ……」

 

こなた「残念ながらプレイヤーの中では一番使えないクラスとされているね。せめてかがみとかみゆきさんがいたらな~。あの2人ならナイトとかソーサラーとかかなり役立つポジションだったのに~」

 

水原「まぁそうなんだろうけどそこまで揃えるとPS2版とモロ被っちゃってオリジナリティなくなるからって設定変更かけた結果、登場人物がガタ減りするという裏目に出たんだよね。」

 

みなみ「PS2版?オリジナリティ?設定?」

 

こなた「気にしちゃ負けだよー」

 

水原「とりあえず助っ人を呼んどきます」

 

こなた「どうやって?」

 

水原「携帯で……ってアレ?携帯無い」

 

こなた「服変わってるんだしあるわけないじゃん」

 

水原「……。とりあえず念じておきます。」

 

こなた「でさー。ここネトゲの世界だとしたら結構ヤバいんだよね」

 

みなみ「どうしてですか?」

 

こなた「この辺りは魔王の居城の近くだから雑魚モンスターもそれなりに強いしエンカウントするとマズいよ。それに街から遠いし手がかりも少ないしね~」

 

みなみ「……じゃあゆたかは……?」

 

水原「ポジティブに考えれば安全なとこに飛ばされたとか。魔王の居城が近いならゲームプレイヤーでこの辺りにいるのはそれ相応強いプレイヤーだろうからその方々に保護されてるとか」

 

こなた「ネガティブに考えるのはナシね。あくまでゲーム世界ならゲームオーバーで1人現実世界に帰ってるかもよ~」

 

水原「ひとまず探すしかないわけだが……。なんか腹減ったな。そもそもうちらの避難と手がかりの収集兼ねてその街とやらに行った方がいいのでは?」

 

こなた「それは賛成出来ないかな~遠いし私たち丸腰だから極力、モンスターとエンカウントするのは避けた方がいいね。」

 

みなみ「それに私たちは近くにいたのでゆたかも近くにいると思います」

 

水原「それもそうか……さて困ったなぁ……。」

 

??「お困りのようですが、どうされました?」

 

こなた・みなみ・水原「……誰?」

 

??「あの…お困りのようだったので声をかけたんですが……」

 

水原「確かにお困りなんですけども……何だろ?こーゆーお助けキャラがいるゲームなの?」

 

こなた「うーん……プレイヤー同士でパーティー組んだりして魔王倒すのが主題のゲームだから基本的にプレイヤーは味方、敵は襲ってくるって考えなんだけどねぇ~。」

 

水原「じゃあ襲ってこないこの怪しいお姉さんはプレイヤー?」

 

サニー「怪しくないですよ~。サニーと申します~。プレイヤーですよ~。あ、お近づきの印にどうですか?」

 

水原「そういって出されたのはただただ怪しい実だった。どう思う?」

 

こなた「一応、存在するアイテムに似てるけど色が違うんだよね~……私もご無沙汰だし新アイテムが追加されてるのかもしれないね~」

 

サニー「ご安心ください。これは本当に怪しいものではありませんよ?」

 

こなた「もしかしてそれでお金取るタイプ?」

 

サニー「いえ、違います。困っている人を見かけたら助けるのは当たり前でしょう?」

 

こなた「良い人過ぎるなぁ……」

 

水原「まぁ……困ってるのは事実ですし、ここは毒見も兼ねて私が頂いてみますね。」

 

みなみ「本気ですか?」

 

こなた「それはかなりの賭けじゃない?」

 

水原「ううん。ここで毒死にとこの後野垂れ死にじゃ同じだしそこまでの賭けじゃないよ。ということでその実を一つくださいな」

 

サニー「はい、どうぞ~」

 

水原「はいどうも~」もしゃもしゃもしゃ

 

こなた「どう?」

 

水原「……!」

 

みなみ「大丈夫ですか?」

 

水原「問題なし!……疑って悪かったっすわ!」

 

サニー「いえいえ、疑いも晴れたようですしみなさんの分もありますのでどうぞ~」

 

こなた「え?いいの?」

 

みなみ「ありがとうございます」

 

 

―数分後

 

こなた・みなみ・水原「ごちそうさまでした」

 

サニー「どういたしまして~」

 

こなた「にしてもここまでしてもらって良かったのかな~」

 

サニー「今日は良いモノが仕入れられたんで気分が良いんですよ~」

 

水原「良いモノですか?」

 

サニー「コレなんですけど~」

 

みなみ「栄養ドリンク?」

 

水原「脱法ドラッグ?」

 

こなた「ダメ絶対」

 

サニー「そのような危険なものではありませんよ~」

 

水原「あらそうですか。」

 

サニー「なんと全能力を飛躍的にアップする事ができるんですよ~」

 

こなた「何!?知らぬ間にそんなアイテムまで追加されてたの?というか……全能力を飛躍的にアップ……?」

 

水原「それもタダで頂けるんですか?」

 

サニー「いえ、さすがにそれはちょっと……」

 

水原「ですよねー」

 

こなた「ゲーマーとして気にはなるけど今、ティーク持ってないしね~」

 

みなみ「ティークですか?」

 

こなた「この世界、コンプワールドの通貨だよ~」

 

水原「ということで申し訳ないんですがティークの持ち合わせが……」

 

サニー「ご心配なく。こちらは円でお売りいたしますので~」

 

水原「縁?塩?援?」

 

こなた「日本円?」

 

サニー「はい、埼玉理想な銀行の指定口座に振り込んで頂ければ……」

 

こなた「RMTじゃんそれ……」

 

水原「課金……とは違うシステムみたいだしね。なんかごめんなさい。急に胡散臭いように思えてきた。」

 

こなた「というか相当胡散臭いよ。RMTでしかも全能力が飛躍的にアップする薬だよ?」

 

サニー「胡散臭くないですよ?何本か飲めば一人で魔王を倒すことも出来るんですって」

 

こなた「え!?」

 

みなみ「魔王って一人で倒せるほど弱いんですか?」

 

こなた「そんなはずないよ!何人も熟練した仲間を連れてやっと五分五分くらいだよ!それを一人で倒せるって……」

 

水原「ゲームバランス狂ってるなぁ……」

 

こなた「!?チート……?というか明らかにチートじゃん。」

 

サニー「そうおっしゃる方もいますけどものすごい効果なんですよ?」

 

こなた「認めた!?」

 

サニー「私の知り合いの魔法戦士も今、ちょうどそこの森で戦っているんです。」

 

みなみ「そこの森ですか?」

 

水原「すぐ近くじゃん。」

 

 

 

―ガサガサッ

 

 

 

こなた「誰か来たよ!」

 

??「ひぃぃぃぃあんなのいるなんで聞いてないよ!!」

 

サニー「ちょうどシャドウちゃんの話をしてたところよ?どうかしたの?」

 

シャドウ「魔王が!魔王が出たよ!薬切れたらあんなの太刀打ち出来ないよ!?」

 

こなた「え!?魔王が城じゃなくて森にいるの!?」

 

水原「というか近くにいるって……かなりヤバくない?」

 

-やばいですね。続く




-はーい あんらき☆しすた は今回はお休みでーす

ひかげ「え!?じゃ私たちのお肉は!?」

ひなた「それお今回はお休みねぇ~」

ひかげ「ええ~~~」



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[LSU3話]魔王現る

―ドゴォォォォン!

 

水原「ひでぶっあべし」

 

こなた「何事!?」

 

??「こらぁぁぁ!」

 

サニー「ちょっとシャドウちゃん、何つれてきてるのよ~」

 

シャドウ「しょうがないじゃん!あんなのがいるなんて聞いてないよ!!」

 

こなた「わ!本当に魔王じゃん!」

 

水原「いてて……いきなり痛いし魔王というか見た目、黒井センs」

 

―ドゴォォォォン

 

水原「べっへはぁ!!」

 

こなた「一旦たいきゃ……!!!」

 

みなみ「ゆたか!」

 

こなた「ゆーちゃんが魔王に拉致られてたら退くに退けないじゃん!!」

 

みなみ「ゆたか!」タッタッタッ

 

こなた「ってみなみちゃん!魔王は一人とか数人ではどうにもならないって!」

 

魔王「は!!」謎の攻撃

 

―ドゴォォォォン!

 

シャドウ「ちょっと!あの辺りの木が吹き飛んだんだけど!?」

 

魔王「今のは警告や。それでもうちとやる言うんか?」

 

みなみ「ゆたかを返して!」

 

水原「どけ!ウルトラジャスティブパープルビー」

 

魔王「ふっ」

 

―ドゴォォォォン

 

水原「あべし!!!!」

 

こなた「みずりんはもう死んでいる」

 

魔王「これでも挑む言うんか?ウチとしては聞きたいこともあるしここで自滅せんでほしいんやけど」

 

こなた「聞きたいこと?」

 

魔王「せや、この子についてな。名前はゆたか言うたか?この子とどういう関係や?間柄程度でええから答え」

 

こなた「ゆーちゃんは私のいとこだよ」

 

みなみ「私の親友です」

 

魔王「ふーん……聞いたとおりやな。ええやろ、返したるわ。親友言うたモン、取りに来や」

 

こなた「え?何、この超展開……」

 

魔王「なんや疲れとったみたいやから薬やって魔法で眠らせとる。しばらくしたら起きるやろ」

 

みなみ「あ、ありがとうございます……」

 

こなた「なんか普通に良い人でリアクションに困るんだけど……」

 

水原「……ま、まぁ……何か裏があるんじゃないかな?」

 

こなた「え!?まだ普通に立ち上がれるの!?」

 

水原「頑張って回避して、かすっただけだからね」

 

魔王「ウチの攻撃をうまいこと回避するとは運のええやっちゃなぁ」

 

こなた「そっか……ギャンブラーは運の初期値が異様に高いんだっけ」

 

魔王「まぁええわ。自分らをこの世界に呼び込んだんはウチや。」

 

こなた「まさかの宣言ktkr」

 

みなみ「いきなり言われても信じられないです」

 

魔王「まぁそう言わんと信じてや。話前に進まへんから」

 

ゆたか「……!あれ?みなみちゃん?」

 

水原「なんかええタイミングで目覚めたぞ」

 

ゆたか「あ!魔王さん!ありがとうございました!おかげでかなりよくなりました!」

 

魔王「まぁ高価な薬やったからな。何にでも効くで!」

 

みなみ「ゆたか、この魔王は信用できる?」

 

ゆたか「うん!魔王さん、とっても良い人だよ!」

 

みなみ「じゃあ私も信用する」

 

こなた「まぁ状況が状況だしね」

 

魔王「ほな、話進めてええか?単刀直入に言って自分らをこの世界に呼んだんはウチや。問題はなんで呼んでもうたかやな。そもそもウチは魔王や。プレイヤーの目標であり最後は倒されるべき相手や。」

 

水原「まぁそうですね」

 

魔王「まぁウチも強いパーティーとの対戦はめっちゃ燃えるしそれで倒されても充実感があるからええんやけどな」

 

こなた「私は勝率5割くらいかな~」

 

魔王「それはめっちゃ好成績やで!」

 

こなた「レベル上げとかかなりしまくってるからね~。苦労した分、倒せた時の達成感も大きいんだよ~」

 

魔王「自分はええプレイヤーのようやな!……ただ残念なんはそういうええプレイヤーばかりやないんや」

 

水原「と言いますと?」

 

魔王「最近、データ数値を不正にいじってアホみたいに強くなったヤツがおるんや」

 

こなた「いわゆるチートだね」

 

魔王「せや。正々堂々戦うんは望むとこやけどチートで強なったヤツに寄ってたかってボコられるんわなー」

 

ゆたか「そんなのあんまりだよ!魔王さん良い人なのに!」

 

水原「魔王が良い人ってのもアレだけどね」

 

魔王「さらにそれだけなやない。大きな問題も起きとるんや」

 

こなた「ほぅ……」

 

魔王「チートで強くなれる薬言うのを作って売っとるやからがおるねん」

 

サニー「ぎくっ!」

 

魔王「せや。そこの魔法戦士が飲んでるんがまさしくソレや」

 

こなた「やっぱりチートだったか……」

 

ゆたか「じゃああそこの2人が犯人なんですか?」

 

サニー「わっ、わたしたちはーただ売ってるだけですのでー」

 

水原「『売った』ことがまずアウトな件」

 

シャドウ「しょうがないじゃん!お金がほしかっただけなの!3食塩粥生活から抜け出したかったの!」

 

水原「何開き直ってるんだ。とりあえずこの二人をポリに突き出してクサいメシ食ってもらおか?」

 

こなた「みずりんが無慈悲!」

 

魔王「いや、話はそう簡単にはいかんねや」

 

こなた「ですよねー。明らかにこの2人、悪の黒幕というより小物だもん」

 

魔王「で、黒幕はウチをボコボコにして城から追い出した連中というわけや。ウチはソイツらをなんとかしたいと思ってるんや」

 

水原「……で、なんとかするために善良なる一般市民を巻き込んだということだね?」

 

魔王「なんやグサッと刺さる言い方やなぁ」

 

ゆたか「でも魔王さん良い人だもん!出来ることなら手伝いたいです!」

 

こなた「まぁ私も一プレイヤーとして黙ってられないしねぇ~」

 

水原「まぁこうして会えたのも何かの縁ですし手伝いはしますよ。ただその前に、まだ約1人ほど行方不明者がいるんです。その人を見つけてからお手伝いということでもよろしいかな?」

 

魔王「ええで。ほな、その1人をちょっと探したるわ。」

 

水原「とてもありがたいです。ありがとうございます。」

 

魔王「ちょい待ちや……意識を集中したらだいたいの場所は分かるからな……」

 

こなた(なるほど、みずりんはつかさがいないからトゲトゲしいのか……)

 

魔王「ん……これは……」

 

水原「分からないとか言わないでくださいね?」

 

魔王「そやないねん。なんや城の近く……というよりは城の中におるような感じやな」

 

水原「……ということは……」

 

こなた「つかさを助けるためにはどの道、魔王の城に行かなきゃならないね~」

 

水原「だな。よっしゃやったるで!」

 

こなた「ねぇみずりん、忘れてない?」

 

水原「何を?」

 

こなた「みずりんには鈴木くんみたいな主人公補正は無いんだよ?ただの脇モブだからね?この圧倒的不利を何とかするのは難しいからね?」

 

水原「……。」

 

魔王「せやな、もう少し頼りがいある人間が欲しかったところやな」

 

水原「それはアンタの召還能力が大したこと無かったからでしょ?」

 

こなた「みずりん、ソレも含めて補正が効いてなかったんだよ……だからかがみもみゆきさんも巻き添えにすることが出来なかったんだよ……。」

 

水原「……補正ってえげつないな」

 

こなた「まぁ考えても仕方ないねー。ところでさ、魔王の城ってどうなってるんだっけ?」

 

魔王「んー不法占拠されたままとちゃうか?」

 

サニー「そうですねぇ~魔王が入れないように警備してます~」

 

水原「じゃあ私らだけで行く……というわけにはいかないし……」

 

魔王「せやからそこの2人がおるんやがな」

 

ゆたか「そこのお二人に警備がいないところを案内してもらうんですね?」

 

魔王「せや。協力してくれるやんな?」

 

シャドウ「いやだよ!」

 

サニー「それは一応、裏切りになってしまいますし~」

 

シャドウ「あの薬を仕入れられなかったらお肉が遠のくよ……」

 

―ドゴォォォォン

 

魔王「死にたいんやったら止めへんけど?」

 

サニー・シャドウ「ひぃぃぃぃ」

 

水原「いや、お二人は喜んで協力してくれるそうですよ、ね?」

 

シャドウ「誰もそんな」

 

水原「ね?」

 

サニー「……はい」

 

水原「ありがとうございます。では城に行きましょう」

 

魔王「なんやアイツもだいぶヤバそうやな」ひそひそ

 

こなた「まぁね~」ひそひそ

 

魔王「ウチ呼ぶ人間間違えたか?」ひそひそ

 

こなた「だね、多分」ひそひそ




ひなた「ひなたと」

ひかげ「ひかげの」

ひなた・ひかげ「あんらき☆しすた」

ひなた「あんらき☆しすた 始まりでーす。司会の宮河ひなたと」

ひかげ「同じく司会の宮河ひかげだよー。さーて今回のテーマは」

『主人公補正』

ひなた「ということで今回はー主人公補正?何それ美味しいの?の水原さんに来ていただきましたー」

水原「どーもー……え?」

ひかげ「何?」

水原「なんかとてつもないキャッチコピーを付けられた気がするんですが?」

ひなた「そんなことありませんよぉ~。主人公補正がないことで主人公補正があるキャラクターの割を食う 水原さんはそういう大事なポジションですよ☆」

水原「それ笑えないんですけど?」

ひかげ「で、はやく主人公補正について説明してよ」

水原「はい、すいません。主人公補正とは……主人公だからモテるとか主人公だから死亡フラグをバキバキ折るとかそういう物語的に有利に進むとかそういう補正ですね。僕にはさっぱり意味が分かりませんが」

ひなた「わからないんですがー?例えば主人公にイベント食われたりとか」

水原「あったかもしれない」

ひかげ「主人公みたいにパートナーは?」

水原「いないねー」

ひなた「主人公みたいに不利な状況から逆転したりは?」

水原「した記憶がない……」

ひなた「ほら」

水原「あっ」

ひかげ「でもほら、ゲームの世界に巻き込まれたんだし今回は主人公補正あるんじゃない?」

水原「お!!!ってことはいよいよ主人公!!??」

ひなた「まぁゲームの世界にいる分、危険も目に見えて近いんですけどねー」

水原「え?死亡フラグじゃん……」

ひかげ「主人公ならそのフラグは折れるんでしょー?じゃあいいんじゃん」

水原「自信ない……」

ひなた「はーい、ゲストがやみ始めたので終わりにしまーす」

ひかげ「次回も見てねー」

水原「\(^o^)/オワタ」




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[LSU4話]魔王の城

―魔王の居城

 

こなた「意外とすんなり来れたね」

 

サニー「まだ勢力拡大中ですから~」

 

魔王「よってたかってボコボコにしといて顔も覚えとらんとはなー」

 

水原「いわゆるいじめられた側は覚えていてもいじめた側が忘れてるパターンですな」

 

みなみ「それにしても人が多いですね」

 

ゆたか「何かのイベントでもあるのかな?」

 

こなた「イベントとしても魔王の城でやる時点で表のイベントじゃないねー」

 

みなみ「ということはこの人たちは全員、チート?」

 

魔王「さすがにそれはないと思いたいなー。」

 

水原「全員チートはないでしょうね。おそらく企画の連中が悪さして、何も知らない人たちを呼びだしてイベント風なことをしてるパターンと」

 

ゆたか「良かった~全員が全員、悪い人じゃないんだね」

 

こなた「まぁ何人かに一人は悪者側に乗っかるかもしれないけどねー。まず何の集まりかを把握しないとね~」

 

サニー「あの~私たちは末端ですので」

 

水原「知ってても言わないでしょ。」

 

魔王「ウソ教えられたってかなわんしな」

 

サニー「まぁ特別にお教えしますと~」

 

水原「あの~すいません、おはようございます」

 

客M「はい?おはようございます……」

 

こなた「営業モードみずりんは聞いてないよ」

 

サニー「それはあんまりです~」

 

水原「これ、今日たまたま来たんですけどね、何かあるんですか?」

 

客M「あぁ、私も風の噂で何かあると聞いて来ただけなんで詳しいことは知らないんです。すいません」

 

水原「あ、いえいえこちらこそ急に声かけて申し訳なかったですーありがとうございましたー」

 

客M「どういたしましてー……」

 

水原「どっかで会ったことあります?なんかよく知った人物のような気がするんですが……」

 

客M「……水原さんですよね?」

 

水原「やっぱり知り合いだった。」

 

三和「私です。三和です。お久しぶりです」

 

水原「あぁ!お久しぶりです!え?三和ちゃん!?お久しぶりです!!」

 

三和「お久しぶりです。」

 

こなた「盛り上がってるみたいだね~」

 

三和「お久しぶりです」

 

こなた「え?えーと……」

 

水原「桜高2年の三和さんですよ。あれ?以前、こなたには紹介しませんでした?」

 

こなた「あ、あ~!あ~!うん!」

 

水原「こちら1年の」

ゆたか「小早川ゆたかです」

 

みなみ「岩崎みなみです」

 

こなた「で、三和さんはここにいるということはネトゲユーザーだったんだね?」

 

三和「あ、いえ私がアカウントを持ってるわけではなくてですね。ちょっと複雑な事情がありまして」

 

水原「複雑な事情?」

 

三和「まぁ信じるかどうかは別なんですけどね。最近、一部ウチの生徒がこのゲームにハマっているという噂とこのゲームで怪しいことが起きているという噂を聞きまして。副校長の指名で私がユーザーとなって学校のPCで状況を見てたんですよ」

 

こなた・ゆたか・みなみ(副校長から指名って!?)

 

水原「なるほど。」

 

三和「で画面の前でめまいに襲われて気付いたらこちらの世界だったんですよ。」

 

こなた・ゆたか・みなみ・水原「……。」

 

三和「まぁそういう反応になりますよね。でもポリプロピレン食べてる水原さんよりはまだ現実的な話ですよ?」

 

水原「いやポリプロピレンは食べてませんし」

 

こなた「みずりん、そこはどうでもいいよ」

 

ゆたか「あのっ、実は私たちも」

 

みなみ「何故かこの世界に来てしまって……」

 

水原「リアルの人間なんですよ。あ、犯人はここにいる魔王です」

 

三和「魔王?ってこの城の?」

 

魔王「せや……追い出されたんやけどな。自分も呼び込まれた人間なんやしイチから説明してええか?」

 

三和「あ、はいお願いします」

 

―魔王、事情説明中―

 

三和「なるほど。信じられない話ですが状況的に信じるしかないですね」

 

魔王「物分かりがよくて助かるわ。なんやったら協力してくれへんか?」

 

三和「いいですよ。」

 

魔王「ありがとう!めっちゃ嬉しいで!」

 

水原「とりあえずはどうしましょ」

 

魔王「せやなぁ、何を企んどるのか調べて止めさせれたらウチはええねん」

 

水原「まぁしっぽ自体は簡単に出すやろうね。こんだけセキュリティーガバガバだったら」

 

こなた「問題は相手がチートということだね。直接バトルになったら勝てるかどうか怪しいし」

 

魔王「変な薬でチートやっとるヤツらは効果切れなるタイミングがあるみたいやけど親玉もそうとは思われへんしなぁ」

 

大衆「チュン!チュン!チュン!」

 

こなた「いきなり地響き!?何このコール!?」

 

サニー「いよいよチュン様の出番ですよ~」

 

水原「チョ……チュン様?」

 

三和「そういえばチラッと聞きましたね。主催がチュン様みたいな……」

 

魔王「いよいよボスのお出まし言うことやな……」

 

 




あずきシティ「ごめんねーいきなり」

ナレーター「久々に本編のキャラとも絡みたかったんでいいですよー」

あずきシティ「第25、26話ぶりくらい?」

ナレーター「多分そうですね。」

あずきシティ「PS2のゲームだとこのネトゲ世界に行くのってこなた、かがみ、つかさ、みゆき、ゆたか、みなみ、ゲーム主人公なんだけど、ゲーム主人公ポジションに水原を入れてもかがみとみゆきの穴を埋めるまでにはいかないんですよね」

ナレーター「そこで私……というか三和の出番になった……と」

あずきシティ「三和さんは本編じゃモブ同然だったしここでは頑張ってくれるかなーと」

ナレーター「期待に添えるとは言いませんけどね。」



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[LSU5話]大三元

チュン「ブラボー!ブラボーRカー?」

 

大衆「ブラボー!!!」

 

 

 

こなた「うわぁ……」

 

水原「180度どっからどう見ても怪しいヤツ出たよ」

 

三和「私はアレより舞台袖にいる2人の方が気になりますね」

 

みなみ「両サイドに1人づついるあの2人ですか?」

 

こなた「確かに舞台にいる赤服のチュン?は大したこと無さそうだけどあの白と青の2人はヤバそう……」

 

ゆたか「3人とも女の子みたいだけど……」

 

水原「ネットの世界で目に見える性別は関係ないよ」

 

こなた「それ以上はストップ」

 

 

 

 

チュン「皆さんに夢はあるRか?それを実現できる力はあるRか?もし力が無いと嘆いているならそれは今日でおしまいR」

 

 

 

 

 

水原「カルトじみた何かを感じるぜ……」

 

 

 

 

 

チュン「コレを飲めば力がみなぎるR。数本飲めば魔王だって倒せるRヨ」

 

 

 

 

三和「アレが例の」

 

こなた「そう、チート薬だね」

 

 

 

 

チュン「しかも!今日、ここにいる皆さんは運がいいR!今日はこの『幸せプログラム』を初めて1ヶ月の記念日R!会員特別価格でのご案内Rよ!しかも30回まで分割支払い可能!金利手数料も当会が負担するR!」

 

 

 

 

 

水原「ww幸wせwwwwプwwロwwwグwwラwwwwwムww」

 

こなた「草生やしすぎだよ。確かに新興宗教っぽいし絵に描いたみたいに怪しいけど」

 

 

客A「買うぞー!」

客B「今すぐ会員なるぞ」

客C「早くしないと売り切れる!」

 

 

三和「まぁまぁ釣られてますよね」

 

こなた「これだけ怪しいのにねー」

 

ゆたか「なんかテレビ番組で見たことある気がします……何だっただろう?」

 

 

 

 

チュン「さらに今日は皆さんに新しい仲間を紹介するR!」

 

 

 

 

 

みなみ「新しい仲間?」

 

こなた「え?ええ!」

 

水原「」

 

こなた「ってみずりん!何フリーズしてるの!?」

 

 

 

 

チュン「この集いの前に入会してくださった柊つかささんR!柊さん、今の気持ちはどうRか?」

 

つかさ「こんなにすごい薬が安く買えて、しかもお金が戻ってくるなんてすごいです!」

 

チュン「そうR!お友達を紹介してそのお友達も入会してくれれば、なんと!入会金の10パーセントが戻ってくるR!さらにそのお友達が他のお友達を呼んでくれればそのお友達にも10パーセント、あなたにも10パーセント、キャッシュバック!」

 

 

 

 

 

三和「これ、リアルな方でアウトですね」

 

ゆたか「あ!思い出しました!テレビでやってたの、確かマルチ商法です!」

 

水原「」

 

こなた「典型的なマルチ商法だね。というかみずりん、いつまでフリーズしてるの!?」

 

 

 

 

 

チュン「柊さん?これを繰り返せばどうなるRか?」

 

つかさ「もしかして、お金持ちになれる?」

 

チュン「その通りR!」

 

 

 

 

 

こなた「だめだこりゃ……完全に夢見る信者の目だよ……」

 

水原「は!助けなきゃ」

 

こなた「あ、やっと戻ってきた。みずりんが戻ってきてくれて良かったよ」

 

魔王「こらぁぁぁぁぁ!」

 

こなた「って今度はこっち!?」

 

魔王「なんでおまえ等はルールが守れんねや!!」

 

客A「え?魔王?」

客B「マジで?」

客C「逃げろ!」

 

魔王「なんでどいつもこいつも!」

 

こなた「みずりん!チャンスだよ!」

 

水原「おうさ!混乱に乗じて!」

 

三和「柊さんを助ければ良いんですね?」

 

水原「のけこらとぅりゃぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

チュン「な、何事Rか!?」

 

水原「どうも!私のお友達が大変お世話になったようで!」

 

こなた「大変迷惑しています!」

 

つかさ「みずりちゃん?こなちゃん?どうしたの?」

 

水原「そいつはペテン師だ!」

 

チュン「ペテン師とは失礼R!」

 

つかさ「え?悪い人なの?」

 

こなた「どう見てもこれ、チートとマルチ商法だよね?」

 

チュン「それがどうかしたRか?」

 

水原「なっ!悪いことしてる自覚はあるのかよ!?」

 

チュン「悪いとは思ってないRね!みんなが欲しがるものを提供しただけR!問題ないR!」

 

こなた「ただのチートのクセに偉そうなこと言うな!」

 

三和「そもそも、問題だらけです。ゲームの利用規約云々以外にこれはねずみ講です。法に引っかかりますしお金持ちにもなれません」

 

つかさ「え?そうなんですか?」

 

三和「はい、そうです」

 

水原「実際に警察に言えば?」

 

三和「捕まるでしょうね。」

 

チュン「うぅ……!こうなったら先におまえ等を捕まえてやるR!」

 

こなた「口封じ…ってことカナ?」

 

水原「発想の敗北!」

 

チュン「ハク!ハツ!」

 

三和「やはり舞台袖の2人が出てきましたね。」

 

水原「なるほど。ハクが白い服、ハツが青い服か……」

 

こなた「ハクが白は分かるけどハツが青?」

 

水原「アレだろ。麻雀牌の發のことをアオって言う人がいるからだろ」

 

こなた「いや分かんないけど」

 

三和「そんなこと言ってる間にモブ雑魚と側近2人に囲まれましたよ」

 

チュン「アイツらを捕まえてしまうR!」

 

ハツ「チュン様、お下がりください」

 

ハク「いぇーい!」満面の笑み

 

―ドゴォォォォォン!

 

三和「よっと」回避

 

こなた「うわぁ敵味方関係なくぶっ飛ばしに来てるじゃん!」

 

ハク「あっれー?当たんなかった!」

 

水原「とにかく逃げる方法無いか!?」

 

こなた「クラスアビリティ……いわゆる必殺技使ってかく乱して逃げるとか?」

 

チュン「仮に逃げれても城からは出られないR!」

 

水原「なんだと!?」

 

チュン「外のマップのサーバーが緊急メンテナンス中R!どうあがいても城からは出られないR!」

 

水原「おい!運営!」

 

ハク「まぁ逃げる前にハクが全員倒しちゃうよ!えい!」

 

―ドゴォォォォォン!

 

こなた「おぉ避けるのが精一杯だよ!」

 

水原「そこ!ハクの攻撃で雑魚が吹き飛んだ場所が出口だ!」

 

こなた「おぉ!ナイス!」

 

三和「ひとまずここから逃げます!」

 

水原「つかささんを頼む!」

 

こなた「おk!つかさ行くよ!」

 

つかさ「え?あ、うん」

 

こなた「事情は後で説明するから!」

 

 

チュン「何やってるRか!」

 

ハク「あーちょっとやりすぎちゃった!後でハクがちゃんと回復魔法使って回復しとくよ!」

 

チュン「そういう問題じゃないR!」

 

ハク「えー!城からは出られないんだし良いじゃん!」

 

 

水原「仲違いだ!今のうちに逃げるぞ!」

 

ゆたか「水原さん……もう……」

 

みなみ「完全に包囲されました」

 

魔王「さすがにコレは逃げられへんわ……」

 

水原「何!?仕方ない!私がなんとかその取り囲みの雑魚を……アレ?」

 

ゆたか「水原さん……」

 

水原「腕が誰かに捕まれてるなーアハハハ……」

 

ハツ「はい、掴んでます。」

 

水原「逃げれない……か」

 

 

 

―牢獄

 

ハツ「ではここで、大人しくしておいてください。」

 

―ガシャン

 

魔王「まさかホンマに捕まってまうとはなー」

 

水原「3人が逃げれたのがせめてもの救いか……あ。」

 

サニー「あ、どうも~」

 

水原「何しとるんや?」

 

シャドウ「あんたたちとしゃべってたのを見られて捕まっちゃったのよ!」

 

水原「なんかごめん」

 

みなみ「それよりここを早く逃げ出さないと……」

 

ゆたか「お姉ちゃんたちと別れたままだし……」

 

水原「チーターを何とかする前に自分を何とかしないと……」

 

魔王「せやなぁ……」

 

ゆたか「魔王さん、この牢屋に隠し通路とか無いんですか?」

 

魔王「それが城には隠し通路とかいっぱいあるのにこの牢獄だけは無いんやなー」

 

水原「となると……古典的なアレで脱獄を試みる?」

 

シャドウ「何よ古典的なアレって」

 

サニー「あぁ~アレですよね~仮病で苦しむフリして油断を誘い看守を呼んで牢獄を開けた瞬間に逃げ出すアレですよね?」

 

水原「そう。問題は誰が仮病になるかだけど……」

 

魔王「一番、具合悪なって不自然じゃないんやったら……」

 

ゆたか「私ですよね」

 

水原「ん?あっ」

 

みなみ「ゆたか……ダメ」

 

ゆたか「みなみちゃん、私大丈夫だよ?」

 

みなみ「ゆたかだとウソでも心配してしまうから……」

 

ゆたか「みなみちゃん……」

 

水原「あの……おアツいとこすいませんが」

 

魔王「どないしたんや?」

 

水原「この牢獄、施錠されてませんわ。」

 

魔王「な、なんじゃそりゃ!」

 

水原「ザル警備……見張りも誰もいないし。富田林署かな?」

 

みなみ「富田林署という言い方ではだれにも伝わらないと思います……」

 

―キュイーン(ドアが開く音)

 

水原「とりあえず逃げた3人と合流しましょうか」

 

ゆたか「そうですね、お姉ちゃんたちと合流したいです」

 

水原「じゃ魔王さん、つかささんとこなたと三和ちゃんのいるとこまで案内よろ」

 

魔王「おっしゃ!任しとき!」

 

サニー「あのぅ……私たちは……?」

 

水原「まぁ捕まってたんだし顔割れてるわけだからどうしたらいいか分かるでしょ?」

 

サニー「は、はい……ご一緒します……シャドウちゃんいいよね?」

 

シャドウ「……う、うん……」

 



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[LSU6話]具現化系

―城の中のどこか

 

こなた「いやー捕まっちゃった時にはどうなるかと思ったよー」

 

水原「マジでな。」

 

三和「ただまぁ不自然なほどドジですよね。牢屋の鍵開けっ放しって……」

 

こなた「そもそも使ってる日本語が怪しいじゃん」

 

ゆたか「確かになんかずっと『R』って言ってたね」

 

みなみ「それより……この後、どうするんですか?」

 

魔王「せやせや、こっちに来てくれるか」

 

 

 

 

―隠し通路入口

 

 

魔王「ここは隠し通路の入口や。この扉の先は入ったら出口からしか出られへんダンジョンになってる。出口はアイツ等がおったホールのすぐ近くや」

 

こなた「え!?そんな隠し通路があるなんて初耳なんだけど!?」

 

魔王「まぁ知らんのも無理ないわ。途中で開発が凍結されてお蔵入りになっとったからな。ウチだけの特権やで。」

 

こなた「ほぅほぅ~」

 

三和「問題は入ったら出口からしか出れないところですね。」

 

水原「確かに迷子になると割と死ねる……」

 

つかさ「それは私がいるから大丈夫じゃないかな~」

 

水原「お?マジっすか」

 

つかさ「助けてくれた人が教えてくれたんだけど私、神官なんだって~。占う能力があるんだよ~」

 

こなた「あぁ~神官が持ってる『オラクル』ってスキルだね。正しい意味は神託とかなんだけど、まぁ占いに近いね~」

 

ゆたか「それで、どうやって占うんですか?」

 

つかさ「えっとね、美水式って言ってコップに水を入れて葉を浮かべてその変化で占うんだって~」

 

みなみ「意外と本格的ですね」

 

三和「どっかで見たことありますけどね」

 

水原「とりあえずこの先どうなるか占って見てくださいな」

 

つかさ「えーと……」

 

こなた「無理だよ」

 

水原「あら?じゃあこのダンジョンで何があるかは?」

 

つかさ「うーんと……」

 

こなた「それも無理。」

 

つかさ「こなちゃん、何なら占えるの?」

 

こなた「相手がパラメーター的にどんな仕事に向いてるか、かな」

 

三和「やっぱりどこかで見たことあるやつですね」

 

こなた「みずりん、転職の相談でもしてみたら?」

 

水原「そうだね。じゃあ試しに占ってください!」

 

つかさ「えーと、うーん……ちょっと待ってね」

 

 

 

―数十秒後

 

 

水原「うわっ!コップの中からあずきバーが大量に出てきた!」

 

三和「なかなかシュールな光景ですね」

 

つかさ「えっと……こなちゃん、コレはどういう意味?」

 

こなた「具現化系だね。何かを具現化するのが得意なタイプだよ」

 

つかさ「へぇ~……みずりちゃん具現化系だって~」

 

水原「なるぺそ。とりあえずこのあずきバーはせっかくなのでいただきますね」もしゃもしゃ

 

こなた「なんかすごい数あるし私ももらおーっと」

 

水原「人数分引いてもかなり余るんでこれはたまたま持ってた保冷バックに入れときますねー」

 

ゆたか(なんで保冷バック持ってるんだろう……)

 

 

 

―数分後

 

 

水原「さてあずきバー食べたところで行きましょうか」

 

こなた「なんかHP回復した気がするね。さすがつかさ印!」

 

つかさ「えへへ~」

 

魔王「ほな追っ手が来ないうちに行こか」

 

こなた「あ、その前に……そこの2人」

 

シャドウ「え?」

 

サニー「何でしょうか?」

 

こなた「」ごにょごにょごにょ

 

サニー「えぇ!?」

 

こなた「頼めるよね?」

 

魔王「あーアレな」

 

サニー「それは無理ですよぉ」

 

シャドウ「それしたら私たちだって……」

 

こなた「もししてくれたら……」ごにょごにょごにょ

 

魔王「まぁこの状況何とかするんはアレしかないもんなぁ……」

 

ゆたか「アレ?」

 

水原「アレって何か知らないけど……」

 

こなた「……してあげてもいいけど?」

 

サニー「うっ……それは……嬉しいご提案ですけど……」

 

シャドウ「でもその前に」

 

こなた「そこは何とかするからサ。頼んだよ?」

 

水原「何の相談か知りませんけど行けますか?」

 

こなた「あ、うんゴメンゴメン。じゃ行くか!」

 

 

 

―ダンジョン出口付近

 

 

水原「多分、盛大にカットされてるだろうけど2時間経ってようやく怪しい扉にたどり着きました。ここが恐らく出口かな」

 

つかさ「何で分かるの?」

 

水原「入口じゃないし」

 

こなた「まぁそうだけど」

 

みなみ「トラップの扉とかじゃないですか?」

 

魔王「開発が途中で凍結されてるさかい変な仕掛けとかは無いはずやで」

 

水原「それに引き下がってもこのダンジョンからは出られない」

 

ゆたか「出るしかないってことですね?」

 

水原「そゆこと。ほな行きましょうか」

 

 



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[LSU7話]いえーい。

―城のホール

 

チュン「余計な客どもは帰ったRか?」

 

ハツ「はい、購入意思の無い方には帰っていただきました。」

 

チュン「じゃあ後はアイツ等を消すだけR。商売にあの魔王一味は邪魔R!」

 

ハツ「そうですか。」

 

ハク「んーなんか難しくてよく分かんない!ハクちょっと城の中探検してきていい!?」

 

チュン「ハクはホントに落ち着きないRなー」

 

ハク「ハツもいるんだしいいじゃん!じゃあねー!」スタタタタ……

 

ハツ「……彼女は適当過ぎるのが玉に瑕ですね。敵に見つかって倒されたりしなければいいのですが……」

 

チュン「たまにじゃなくていつもR。」

 

ハツ(玉に瑕ってそういう意味じゃないよね~)

 

チュン「ただ強さは本物R。倒されることはないRね。ハツは心配しすぎがたまにキズR」

 

ハツ「は、はぁ……そうですか……」

 

 

 

 

―ホールの真上あたり

 

ハク「わー二階ってこんなんなんだ~!へ~!何もない!この城相当ケチってるな~!」

 

 

 

―扉 出口専用 立ち入り禁止

 

ハク「うわーっ!めっちゃ怪しいじゃんこの扉!開けてみたいけどドアノブ無いなー!勝手にドア開いたりして向こうから人が出てきたりとかしないかなー」

 

 

―ガチャ

 

 

魔王「ここがアイツ等のおるホールの真上やで」

 

こなた「へぇ~」

 

三和「……あら」

 

ハク「あ!」

 

水原「あ゛!」

 

魔王「うわっ……最悪のタイミングや……」

 

こなた「まさかもう死亡フラグが立ってたとは……」

 

ハク「やぁ」(^-^)/

 

水原「アハハ……どうも……」(何もしてこないな)

 

こなた(ホールの時みたいに一撃で吹っ飛ばされると思ったんだけど……)

 

三和(防御力75、精神力60以下ならクラスアビで一撃かけて水原さんにフォロー頼んで……リスクが大きい……)

 

魔王(油断大敵や)

 

ハク「ねー!ねー!」

 

水原「ひっ……な、なんだ?」

 

ハク「そんな怖がらないでさー!ちょっと教えて欲しいんだけどーあの扉って何ー?中見てみたいんだけどー」

 

三和(意図が読めない……)

 

水原(どうする?ホントのことを説明する?誰が?どうやって?下手したら一発で消し飛ばされる可能性もあるか?)

 

魔王(しゃーない。ウチが説明するわ……何かあったらすぐ逃げるんやで)

 

ゆたか(魔王さん……)

 

魔王「あの扉は隠しダンジョンの出口や」

 

ハク「隠しダンジョン!?」

 

魔王「ただ開発途中で凍結されたさかいホンマは入られへん。さらに言うたら入ったところでトラップもイベントも何もないただの迷路や」

 

ハク「なーんだつまらない。……そういえば魔王だよね?」

 

魔王「せや、ウチが魔王やで」

 

ハク「なんかねー魔王一味は邪魔だから消すって言ってたんだよね」

 

魔王「なっ……それってウチらのことか!?」

 

ハク「多分そう!でもさーハクなんかおかしいと思うんだよねー。ゲームバランスがおかしくなるアイテムを売ったり商売がどうのこうのとかさー。」

 

こなた(アレ?何この展開……)

 

ハク「こんな変なイベント用意するって変な運営だよねー。」

 

水原(まかさ……犯罪行為に気付いてない?いや、確かに気付かなかった実例はいるが)チラッ

 

つかさ「?」

 

三和(事実をうまく伝えればあるいは……)

 

魔王「これ……運営が用意したイベントやないねん」

 

ハク「え!?そうなの?」

 

魔王「せや。あそこのチュン言うヤツが勝手にやってるんや。」

 

ハク「ふんふん」

 

三和「能力が飛躍的にアップする薬と称したチートアイテムを作り」

 

ハク「ふんふん」

 

水原「それを量産して販売し」

 

ハク「ふんふん」

 

魔王「さらには仲間増やすためにマルチ商法までやって」

 

ハク「ふんふん」

 

こなた「利用規約違反どころか法にも触れてるね」

 

ハク「ふんふん……で、どういうことなの?」

 

魔王「ありゃ」コケッ

 

水原「き、聞いてないだと……?なんか説明するだけ文字数損したような……」

 

つかさ「私でも分かったよー」

 

ハク「ゴメンゴメン!なんかちょっと難しかったからさー!簡単に言ったらどういうこと?」

 

魔王「簡単に言うたらチュンがやってることはめっちゃ悪いことって言うわけやな」

 

ハク「えー!?じゃあハクも悪者ってこと?」

 

水原「いやどう考えてもそうでしょ」

 

ハク「それはイヤだ!ハク、チュンの味方やめる!」

 

こなた(敵の仲間が寝返るのはよくあるけど、このパターンは初めてだなぁ)

 

魔王「話が分かってありがたいこっちゃ」

 

ハク「で魔王はここで何してるの?」

 

魔王「その違反をやめさせてゲームを元に戻そうとしとるんや。今やとこのゲームは犯罪の温床やし目標のボスキャラもおらんつまらんゲームになってまう」

 

ハク「ふーん。じゃあハクもつまらないゲームは嫌だから協力するよ!」

 

水原「意外にあっさり……」

 

ハク「だってハク、悪者なんて嫌いだもん!」

 

三和「ハクが仲間になった。ぱっぱかぱーん。」

 

ゆたか「……よかった~」

 

みなみ「ゆたか、どうしたの?」

 

ゆたか「敵にいてもみんながみんな悪い人じゃなかったから~」

 

つかさ「確かにこうやって平和的に解決出来たら一番だよね」

 

こなた「この調子でハツもこっちに引き抜けたり出来たらいいけどね」

 

ゆたか「こうやってちゃんと説明したら出来るかもしれないよ!」

 

魔王「それやったらええけどなぁ……」

 

ハク「でさ、チュンやっつければ良いんだよね?」

 

三和「端的に言えば」

 

ハク「分かった!そこのギャンブラーさん!」

 

水原「はい?あ、私のことはみずりんで良いですよ」

 

ハク「じゃあ、みずりんさん!そこのボタン押して!」

 

水原「コレですか?」ポチッ

 

―ウーウーウー

 

水原「なっなんじゃこりゃ」

 

魔王「アカン!それトラップや!」

 

ハク「これでチュンのいるホールまで一直線だよ!」

 

こなた「ってまだ作戦とか考えてないじゃん!」

 

―ガシャン!ひゅー

 

こなた・つかさ・ゆたか・みなみ・三和・水原「わぁぁぁ」

 

ハク「いえーい!」

 



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[LSU8話]小物の証

 

―ドカン

 

チュン「お!ハク!魔王一味を連れてきたRね?」

 

ハク「いえーい!そだよー!」

 

チュン「でかしたR」

 

ハク「でもチュンが悪者って知ったからハクはもう敵だよ!」

 

チュン「なぬ!あの薬を使いたがらないと思ったらこういうコトRか!?」

 

ハク「だってレベルって自分で上げるからいいんじゃん!」

 

こなた「ハクさん!あんたよく分かってるよ!」

 

ハク「いぇーい!」

 

水原(じゃああのデタラメな強さはチート無しでかよ……)

 

チュン「分かったR!そこまで言うならハク、お前もまとめて始末してやるR!」

 

三和「そうは言ってもそちらはチュンとハツの2人、こちらは10人。」

 

水原「そうだ!どういう状況か考えれば分かるだろ!」

 

サニー「あれぇ私たちも頭数に入ってるわぁ」

 

チュン「2人?甘く見られたものRな。」

 

ハツ「確かに今は2人にしか見えませんが」

 

チュン「錬成R!」

 

つかさ「わわっ敵さんいっぱい出てきたよ!?」

 

こなた「錬成とかカッコつけるな!チートのクセに!」

 

三和「とはいえあっという間にモブ雑魚に取り囲まれましたね。むさくるしい」

 

魔王「……分かったで……」

 

ゆたか「魔王さん?」

 

魔王「なんでウチが自分を呼んだんかが」

 

水原「あ、私ですか?」

 

魔王「コレや!コレを使うんや!」

 

水原「なんか見るからにアレな剣が出てきたけど……」

 

魔王「開発者がお遊びで実装したリーサルweapon」

 

チュン「それは!魔王の超レアドロップ!!!?」

 

こなた「ガセだと思ってたよ!…………」

 

魔王「その名も!ばくち打ちの剣!」

 

シャドウ「うわーかっこわる」ボソッ

 

サニー「開発者のお遊びということでそれなりのネーミングなんですねー」

 

三和「それにそれなりのデザインですね」

 

水原「でなんで私よ?」

 

こなた「だってそれ最強の武器故に最弱のクラス、ギャンブラー限定なんだもん」

 

水原「なるほど……ギャンブラーねぇ……」

 

魔王「ウチはチュンと決着をつける!雑魚共は自分がきつい一撃をかましたれ!」

 

水原「……こんなもん使えるか!!!あげる」ポイッ

 

ハク「わーありがとう!ハクはこれ使えないけど」

 

魔王「ってオイ!何しとんねん!?」

 

こなた「そうだよ!その剣なら絶対勝てて主人公級の活躍が出来るんだよ!?」

 

水原「ギャンブラーってのはなぁ……絶対に勝てるなんてクソつまらないことはしない。勝つか負けるかを楽しむのだよ……」

 

こなた「何意味不明なことを言ってるのよさ!?」

 

チュン「チャンスR!丸腰で調子に乗っている今のうちにあの男からつぶしてしまえR!」

 

雑魚ABCD…~…ьэюя「おー!」

 

水原「おい……誰が丸腰だ?……絶対勝てるのはしないが絶対負けるようなこともしねぇよ」

 

雑魚ω「バカ言うなよ!おりゃぁぁ」

 

水原「私にはコレがある」

 

雑魚ω「グフッ」バタッ

 

こなた「ってソレさっきのあずきバーじゃん!」

 

雑魚T「アイス1本くらい」

雑魚д「何人かでかかれば」

雑魚Й「どってことないだろw」

 

雑魚TдЙ「グハッ」バタッ

 

水原「誰があずきバーは1本しかないって言った?」

 

雑魚Β「………」

 

水原「たかがアイスに何をおびえているんかな?」

 

雑魚V「なっ!」

 

水原「まぁそれならこちらから!」ドサッ

 

ゆたか「わわっ!敵の手下さんの3割くらいが一気に倒れちゃったよ!」

 

こなた「うわっ……正直、みずりんの活躍とは思えないね」

 

水原「あずきバーの硬さはサファイアを超える。ただの鈍器以上と思って結構だよ」

 

こなた「あ、なるほど。あれは市販じゃないあずきバーだからあれだけ強くなるのか」

 

チュン「そんなので私の錬成した僕(しもべ)が負けるなどありえないR!」

 

魔王「よそ見してる暇があるんかいな!」

 

 

―バコッ

 

魔王「くっ……これでもノーダメかいな!」

 

水原「雑魚の片付けはもうすぐ終わる!あとは私があずきバーでチュンも」

 

ハツ「私も雑魚として扱っているのかな?」

 

水原「うっげぇ。正直強そうな人出たよ…」

 

 

魔王「グッハッ」バタッ

 

水原「魔王が倒された!?」

 

ゆたか「魔王さん!?」

 

魔王「だっ……大丈夫や……ホンマに一体どないなっとんねん」

 

チュン「私には特殊な錬成を施したR。魔法無効、そして物理無効!私にダメージを与える術は無いRネ」

 

こなた「そこまでやるか」

 

つかさ「絶対ゲームオーバーにならないゲームって面白いのかなぁ……」

 

チュン「商売に面白さは必要無いR。柊さん残念Rネ。私たちが作る新世界を見ながら個人情報を抜き取られるといいR」

 

魔王「けっ……ネチっこい男は嫌われるで」

 

チュン「失礼な!私はおにゃのこR!さぁ魔王をデータから消してしまうR」

 

魔王「ええこと教えたろ……口上が長いのは小物の証や」

 

チュン「なっ、何!?」

 

 




そういえば、口上の長い小物ってチュン以外にもう一人いますねぇ~


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[LSU9話]BAD END   ……と思いきや

―沈黙

 

三和「……」

 

こなた「あれ?」

 

魔王「おかしいなぁ。そろそろやと思ってんけど……」

 

チュン「助っ人を呼んでたみたいRネ。でももう待てないR!」

 

こなた「サニー、シャドウ、頼んだことやってくれた?」

 

サニー「ええもちろん、シャドウちゃんが……」

 

シャドウ「えぇ?お姉ちゃんやってくれたんじゃないの!?」

 

サニー「あれ?」

 

こなた「あーあ……」

 

水原「……どうやらここの2人は私たちで相手しなきゃならねぇのか……」

 

三和「多分、無茶ですね……」

 

ハク「ハクだったらなんとかなるかもよー?」

 

チュン「錬成R!」

 

水原「ってまた雑魚が大量に……!Gじゃねぇか」

 

魔王「しゃーない!一旦、逃げるしかないで!」

 

チュン「もう遅いR!ここが年貢の納め時R。おまえ等の個人情報を抜き取ってやるR!」

 

魔王「走れ!走るんや!」

 

ゆたか「きゃっ」バタッ

 

みなみ「ゆたか!」

 

水原「私がなんとかフォローするから早く逃げて!」

 

みなみ「ダメ!間に合わない!」

 

チュン「覚悟R!」

 

ハツ「そこまでです」

 

チュン「なっ!?ハツ、お前も感化されたRか?早く腕を離さないとお前も痛い目に遭うRよ?」

 

こなた「ゆーちゃん!今のうちにこっち来て!」

 

ゆたか「え?あ、うん……ありがとうございます!」

 

ハツ「いえ。」

 

チュン「逃げられたR!どうするRか!?」

 

ハツ「……どうしますか?」

 

チュン「は!?」

 

こなた「なんか様子おかしくない?」

 

水原「確かに何かモメてるような……」

 

チュン「ええい!お前ら、ハツを何とかするR!」

 

雑魚Л「ちっす!裏切り者め!!」

 

ハツ「使いたくなかったんだけどな……アカバン」

 

雑魚Л「」シュウウウ……

 

雑魚φ「おい消えたぞ」

雑魚ξ「いったいなんだ」

 

チュン「そんな技があるなんて聞いてないR!何かおかしいRよ!」

 

こなた「倒れたというか消えた?何なのコレ?」

 

 

―ウーウーウー

 

つかさ「わわっサイレン!?」

 

チュン「今度は何Rか!?」

 

??「ようやく見つけたぞ」

 

こなた「なんか眩しいのが来た!」

 

雑魚Ω「何だ!?また新しい魔王の仲間か!?」

 

雑魚б「こいつをまず片づけようぜ!」

 

チュン「まっ待つR!どうもおかしいR!」

 

??「アカバン」

 

雑魚Ωб「」シュウウウ

 

チュン「また消失したR!」

 

ゆたか「もしかして……天使?」

 

ルミナス「いや、ゲームマスターのルミナスだ」

 

チュン「なっ!?ゲームマスターRか!?」

 

つかさ「こなちゃん、ゲームマスターって?」

 

こなた「不正な会員とかを取り締まる運営側のキャラクターだよ」

 

三和「いわゆるゲーム上の警察みたいな感じですか?」

 

こなた「まぁそんなとこ~。」

 

ルミナス「この度は不正プレーヤーの影響で迷惑をおかけしてすまない。」

 

水原「まぁ確かにギリギリだった……」

 

こなた「そういえば誰も通報してないんだよね?」

 

サニー「えぇ……」

 

シャドウ「うん……」

 

こなた「どっから出てきたの?私たち生身で吸い込まれた勢も呼べないよね?」

 

ハク「ハクじゃないよ!」

 

ハツ「私です。」

 

チュン「ハツ!おまえやっぱり裏切ったRね!」

 

ハツ「裏切ったつもりはありませんよ」

 

水原「あの……話がよく見えないのですが……」

 

ルミナス「ひとまずゆっくり説明しよう。やっとアカウントはおさえたからな」

 

チュン「なっ!?ログアウトもできないR!」

 

ルミナス「まず彼女は私と同じゲームマスターの一人だ」

 

ハツ「改めまして。ハピネスです」

 

ルミナス「彼女には普段はプレーヤーとは関わらないシステム面など担当してもらってる」

 

こなた「へ、へぇ……」

 

水原「いきなり事務的な話になったなぁ……しかも言ってるルミナスが桜b」

 

ルミナス「お前もバンされたいか?」

 

水原「いえ、結構です……」

 

魔王「にしても、それやったらウチにも言ってくれたら良かったやん。てっきりルミナスが一人で何とかしてると思ったで」

 

ゆたか「あ!魔王さん!無事だったんですね!」

 

魔王「なんとかな。でハツ……じゃなかった、ハピネスはなんでずっと黙ってたんや?ウチにくらいは言っても良かったんちゃう?」

 

ハピネス「そこは敵を欺くにはまず味方からですよ」

 

ルミナス「ということだ。黙っていたのも悪の手先として働いていたのも君たちにはすまないことをしたと思っている」

 

三和「まぁチュンの手下のフリをしていた割にはバレバレでしたけどね」

 

ハピネス「え!?」

 

こなた「ウソ!?気付いてたの!?」

 

水原「マジっすか!?」

 

ルミナス「んん~?相当うまく手下の振りをしていたと思うが~?そう簡単に看破できるか~?」

 

三和「だってまず決定的なのは牢屋の鍵開けっ放し。他にもホール混乱の時も私たちに危害を加える様子無し、水原さんがショートコントしてるときも何もせず棒立ちで待ち」

 

水原「ショートコントしたつもりはありませんけど」

 

三和「不自然ですよね、色々と。皆さんこそ気付きませんでした?」

 

水原「まったく」

 

つかさ「うん」

 

みなみ「はい気付きませんでした」

 

三和「へ、へえ……」

 

ハピネス「良かった……全員にバレてたら自信なくすところだったよ……」

 

三和「もう少し自然さを出すと良いと思いますよ」

 

ハピネス「うぅ……はい、気をつけます……」

 

ルミナス「さて、世間話はこれくらいにして……そこの2人?何こそこそ逃げようとしてるんだ?」

 

サニー「ぎくっ!」

 

シャドウ「私たちも頑張ったんだし帰って良いでしょ!!」

 

ルミナス「ふーん……RMTで利用規約違反の疑い……」

 

サニー「ぎくっぎくっぅ」

 

こなた「まぁ裏切らず付いてきた訳ですのでこの2人については寛大なご処置を……」

 

ルミナス「そういうことなら考えてやらんでもないが……」

 

ハク「いぇーい!2人とも良かったじゃん!」

 

ルミナス「お前も他人のこと言える立場じゃないぞ?」

 

ハク「え!?」

 

ハピネス「それが……彼女はチートも何もせずただイベントと思ってただけでして……」

 

ルミナス「なるほどな……で一番悪いのはコイツということか……」

 

チュン「卑怯R!騙すようなことをしてズルいR!」

 

水原「テメェ何ぬかしとんのやあぁ?金巻き上げた上に人を犯罪者にしようしてタダで済むと思っとんのかあぁ?あずきバーでどたまかちわったろかあぁ?」

 

こなた(どたまかちわるって・・・・・・どこの言葉だよ・・・)

 

チュン「うぅ……」

 

つかさ「まぁまぁみずりちゃん落ち着いて」

 

水原「あ、はい……ごめんなさい……」

 

こなた「まぁ善良なるゲームプレーヤーとしても私個人としても確かに許せないとは思うんだけどね」

 

ルミナス「安心してくれ。アカウントはおさえているから逃げることは出来ん。ゲーム上の会話、行動はすべてログとしてサーバーに保存してある。言い逃れは出来ないからな」

 

チュン「そんな……!それは大変マズいR!」

 

ハピネス「チート薬は私が確保してますので今、せっせと捨てても無駄ですよ?」

 

チュン「それも分かるRか!?」

 

ルミナス「んん~?というかお前、日本人じゃないな?」

 

チュン「そんなはずないR!登録の時に日本人かどうかは聞かれてないR!」

 

みなみ「喋り方が変だと……」

 

ルミナス「まぁ、その辺りもゆっくり話を聞かせてもらうからな……」

 

水原「悪事の報いだね」

 

こなた「まぁ自業自得だよ」

 



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[LSU10話]入管

チュン「……うわぁぁぁぁぁん!」

 

ルミナス「今さら泣いても無駄だぞ?」

 

チュン「パパとママにも怒られるR!」

 

こなた「パパとママって……」

 

つかさ「どんだけー」

 

チュン「学校、退学になっちゃうR!」

 

水原「あれだけやって学生かよ!」

 

ゆたか「そういえば私たちより幼いような……」

 

みなみ「留学中の学生とか?」

 

チュン「もう友達にも会えないR………!」ボロ泣き

 

つかさ「……私、なんだかかわいそうになっちゃった……」

 

ゆたか「あの……ゲームマスターさん、この子まだ学生さんだったら今回のことは見逃してあげれませんか?」

 

ハピネス「……。」

 

ルミナス「うむ、分かった」

 

三和「こうして犯罪者がつけあがるんですね」

 

ルミナス「それを言わないでくれー。こっちはゲームを気持ちよくプレイしてもらうために大変なんだ。」

 

水原「まぁあくまで提案は学生さんだったらってことだけどね」

 

チュン「チッ」

 

ルミナス「ん?今舌打ちしたか?」

 

チュン「してないR!見逃してくれるというのを嬉しいR!」

 

魔王「なんやまた日本語が変やな。ルミナスの力でどれくらい分かるんや?」

 

ルミナス「ん?そうだなー……さすがに公権力じゃないから申請の情報しか分からんが……んん?」

 

こなた「どったの?」

 

ルミナス「申請には30歳としてるな?」

 

チュン「そっそれは……」

 

水原「うわぁマヌケ……」

 

チュン「間違えたR!10歳と入力したかったR!」

 

ハピネス「申請は年齢打ち込みではなく生年月日ですよね?」

 

チュン「ぬ!?20年間違えたR!ホントは10歳R!」

 

ルミナス「むむ?このゲームは12歳以下の登録は禁止してるぞ?」

 

ハピネス「それに10歳にこんなことが出来ることが変ですし……」

 

チュン「なななな」

 

水原「……入管……」

 

チュン「そ!そんなこと分かるはず無いR!」

 

ルミナス「なんで『入管』にそんな過剰に反応するんだ?」

 

つかさ「こなちゃん、にゅーかんって?」

 

こなた「うーん……ゲーム用語でないのは確かだね。聞いたこと無い」

 

チュン「入管だけはダメR!そこから警察にもバレるR!」

 

ルミナス「まぁ警察にバレても入管にバレるんだがな」

 

チュン「それもダメR!」

 

水原「いっそ……捕まってみるか?やましいことがなければ入管なんか怖くないし警察もホントに10歳なら少年法とかで名前出ないし無罪になるし」

 

チュン「ムムム!!どうしても悪者にしたいRね!?」

 

こなた「いや、悪者じゃん」

 

チュン「こうなったらホントのホントの最終手段R!」

 

水原「なんだ?巨大化するのか?」

 

こなた「特撮の悪者の定番だね!」

 

三和「あの巨大化したときの周りのセットが適当だと萎えますよね」

 

ルミナス「何をしてもかまわんがゲームマスターが2人いることを忘れるなよ?」

 

チュン「むしろ好都合R!」

 

ルミナス「何を?」

 

こなた「どう見ても悪役の死亡フラグだよ!」

 

チュン「こうなったら自爆テロR!」

 

水原「ちょっ!おまっ!」

 

チュン「ウイルスを撒いてアクセスしてる全員のパソコンをダメにしてやるR!」

 

ハピネス「え!?いや、それはダメです。」

 

ルミナス「そんなことをされたらこのゲームが閉鎖しないとならなくなる!」

 

こなた「そんなの1ユーザーとして認めないよ!」

 

チュン「知ったことじゃないR!私を受け入れない愚か者たちへの報いR!」

 

水原「犯罪者の犯罪行為を受け入れろって方が無理じゃないかい?」

 

ゆたか「それよりこんなことをして何になるって言うんですか!?」

 

チュン「警察に捕まるのを回避するR!」

 

こなた「というかウイルス撒き散らしたら自分も感染するんじゃない?」

 

チュン「もうどうなってもいいR!」

 

三和「なんか言ってることが助かりたいのか潰れたいのかよく分かりませんね」

 

魔王「ただマジでウイルス撒くんやったら自爆テロ言うのもあながちハズレやない……」

 

チュン「さぁ1分待つR!早くログアウトして私を見逃すRネ!ちょっとでも変な動きをしたらウイルスを撒くRヨ!」

 

こなた「……そういってもこのゲームが二度と出来ないのはイヤだし……」

 

ハピネス「それにそんなことをされたら私たちがプレイヤーの皆さんに顔向け出来ないです」

 

ルミナス「そうだな……ハピネス、頼みがある」

 

ハピネス「何ですか?」

 

ルミナス「今から全エリアを回ってユーザーにログアウトしてもらえ。その後は君もログアウトしてくれればいい。」

 

ハピネス「えっ?」

 

ルミナス「万一、はったりじゃなかった時にユーザーを守るためだ。なんだったら強制ログアウトさせていい」

 

ハピネス「……分かりました。全員をログアウトさせてまた戻ってきます。逃げ出すわけにはいきません」

 

ルミナス「ハピネス……」

 

ハピネス「では」ひゅん

 

チュン「そんなこと言ってる間にお前らも逃げたらいいんじゃないRカ?」

 

三和「気になったんですけど全員いなくなったらウイルス撒く必要無いですよね?」

 

水原「あ!それで晴れて自分がこの世界を掌握しちゃうのか!」

 

こなた「でもユーザーいなけりゃ金づるもいないから意味ないよね?」

 

チュン「!」

 

ハク「あ!今気づいた顔だ~!」

 

チュン「そっそんなことないR!K察と入管に捕まらなければ問題ないR!」

 

みなみ「そもそも言動は保存されているのでは?」

 

チュン「ウイルスで破壊してしまえば問題ないRヨ!」

 

水原「つまりお前を止めない限り、好き放題野放しになるわけか……」

 

チュン「そういうことR」

 

ルミナス「くっ……」

 

こなた「どうしようも無いじゃん……」

 

水原「ウイルス撒くまでの1分でヤツをつぶすくらいしか……HPを0にするとかして」

 

ゆたか「でもそれが出来ればこんなことにはならなかったんですよね?チートでダメージを与える術はないって……」

 

水原「そこなんだよなー」

 

三和「魔法無効、物理無効……なら状態異常は効くはずです」

 

こなた「んー確かにそれは思ったけど時間かかるじゃん……1分じゃHP全部は切れないよ」

 

水原「そうか……しかも言ってる間にもう1分だし……」

 

魔王「万事休すやな……」

 

 

 

 

 

 

つかさ「ねぇこなちゃん、私思ったんだけど……」

 

こなた「どったの?」

 

つかさ「私たちはパソコンでゲームしてるわけじゃないからウイルスって関係ないんじゃないかなーって」

 

こなた「つかさ、その発想……すごくアリだよ!」

 

水原「そこだな!その可能性にかけるしかない!」

 

チュン「何を訳の分からないことを言うRか!?パソコンでなければゲームはできないR!」

 

水原「まぁ……そう思い込むならどうぞ」

 

チュン「なっ……本気でウイルス撒くRヨ!?」

 

水原「ルミナスさん、ハクさん、あとついでにシャニーはログアウトしてください……ここは私に任せろ!」

 

こなた「みずりん、それは死亡フラグだよ……」

 

シャドウ「シャニーって誰よ!」

 

サニー「いくら姉妹でもそのまとめ方はやめてもらえませんか~?」

 

ルミナス「だがログアウトはしてくれて構わない。小悪党よりウイルスはよっぽどたちが悪いからな。私は責任者として見届けるつもりだが」

 

ハク「ハクも面白そうだから見てるよ!」

 

シャドウ「お姉ちゃん!早くログアウトしよ!」

 

サニー「シャドウちゃんは先に寝てて良いわよ~?私はちょっと見届けようかな~。抜かれて困る個人情報もないし~」

 

シャドウ「確かに家も盗むもの無いけど!」

 

サニー「だから良いじゃない~」

 

チュン「愚かなニッポン人R!」

 

水原「まぁ愚かだろうけども……その日本人に成敗されるといい……」ゴゴゴゴ....

 

三和「おっ……珍しく水原さんがオーラ出してますね」

 

こなた「なんかちょっと強そうに見えるあたりマジで死亡フラグじゃん!」

 

水原「貴様など……市販あずきバーで十分だ」

 

ゆたか「……あの市販のあずきバーってどこから出てきたんだろ?」

 

みなみ「それは…禁則事項……」

 

こなた「まぁ市販と言いながら自分で錬成したんじゃない」

 

チュン「そんなへなちょこアイスで倒せると思うなんて甘い!甘いR!甘過ぎるR!」

 

水原「甘さ控えめのはずなんだがな……まぁその身で確かめてみなよオッサン」

 

チュン「オッサンとは失礼R!ワタシはピチピチのおにゃ……」

 

水原「」ボコッ

 

チュン「ちょっ!最後までしゃべらせろR!」

 

水原「」ボコッボコッ

 

チュン「いっ!痛いRヨ!」

 

水原「あれ?ダメージは受けないんじゃないのかい?」ボコッ

 

チュン「そっ、そのはずR……何故Rカ!?」ゼェゼェ

 

水原「いや私に聞かれてもねぇ」ボコッボコッ

 

三和「薬の効果が切れただけでは?」

 

水原「なるほど」ボコッボコッ

 

チュン「そっ、そうR!」

 

こなた「ってそれ教えちゃダメじゃん!しかもみずりんがさっきから容赦ないし珍しく目が恐いし!」

 

水原「さぁそろそろくたばるかなー」ボコッボコッ

 

チュン「そんなわけないR!今にチート薬を……!」

 

水原「まだ卑怯な手に走るのかな?」ボコッボコッ

 

チュン「卑怯とか知らないR!今、チート薬を……!アレ!?」

 

水原「どうかしたか?」ボコッボコッ

 

チュン「無いR……さっきまでここに……!」

 

三和「まぁさっき捨ててましたよね」

 

チュン「あぁ!そうR!全部捨てちゃったR!」

 

ルミナス「さすがにコレは笑えるな」

 

水原「さぁ身を守る術はないぞ?」ボコッボコッ

 

チュン「ムムムッ」

 

水原「ま、そろそろとどめを刺すかな……」

 

チュン「なっ!?」

 

水原「私は多分、あなたを許せない……だから多分ちょっとトラウマに残るようにしようかな」

 

チュン「何をゴチャゴチャ言うR!」

 

水原「まぁゴチャゴチャ言っとるんはどっちやねんって話やけど……さて、くたばってもらおうか」

 

こなた(止めれないな……みずりんは完全に自分を見失ってる)

 

水原「さぁ……覚悟!」

 




入管 ってこれ書いたの1年以上前なんですけども……
なんか今だとすんげぇタイムリーな話題になっちゃった。

LSU編あと1話で終わります。

おまけパートはもう一つ用意してます。

クリスマス編だ!!!


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[LSU11話Last]いろいろなやさしさ

こなた(止めれないな……みずりんは完全に自分を見失ってる)

 

水原「さぁ……覚悟!」

 

―スカッ

 

水原「アレ!?あの野郎消えた!?」

 

こなた「消えたよ!」

 

水原「マジで!?」

 

ハピネス「ウイルス拡散には間に合ったみたいですね」

 

ルミナス「ん?ホントに帰ってきたのか?物好きだな」

 

水原「ってか何したのよさ!?」

 

ハピネス「アカウントから住所分かったんで通報してこちらから強制ログアウトさせたんですが……」

 

水原「お、おぅ……」フラフラ~

 

ハピネス「えっ!?ごめんなさい!何か私マズいことしました!?」

 

こなた「いや、別に何も悪いことはしてないよ~」

 

水原「……」ヘナヘナ~

 

こなた「おいしいところを取られて気が抜けただけだと思うから気にしなくていいよ~」

 

ハピネス「あっ、いや……でも見るからに……」

 

こなた「いつものことだし悪党退治の方が大事だよ~」

 

つかさ「うん。悪い人が退治されてよかったよー」

 

水原「だよね、だよね。出来ればこの手で潰したかったけど消すのが一番だよね」

 

こなた「ほら、すぐ立ち直った」

 

ハピネス「なら良かったんですけど……」

 

ルミナス「で、警察への通報もしたんだな?」

 

ハピネス「はい。十分、揃うものは揃ったと思いましたので」

 

ルミナス「ん。助かった。」

 

魔王「ほな、これにて一件落着いう訳やなー」

 

こなた「なんか最後はあっけなく終わったね」

 

ハピネス「ここに至るまでが長かったのでお察しくだされば……そして本当にごめんなさい」

 

水原「いや、それは気にしてないから良いですよ」

 

ルミナス「まぁともかくいい結果に終わったようだし良いじゃないか」

 

ゆたか「でもあの人、どうなっちゃうんだろ……」

 

三和「任意同行待ったなしでしょうね」

 

こなた「証拠も揃ってるし問題になるだろうねー」

 

水原「まぁ立件されるかどうかは分からんけどかなりしぼられるんじゃないかな……」

 

ゆたか「やっぱりなんだかかわいそうだよ」

 

水原「それはどうだろうかね」

 

ルミナス「確かに厳しいことを言うがあのままほったらかしだったら実際に詐欺にあってかわいそうな目に遭う人がいた訳だしな」

 

水原「それにマルチ商法はリアルに友達無くすし、それに気づかずやり放題やって人生破滅するよりは未遂の方がマシでしょ。一番、かわいそうなのは突っ走って誰もいなくなること。それを阻止するためにはあえて厳しくする。そんな優しさもたまにはアリじゃないかな」

 

ゆたか「うーん……」

 

水原「まぁ思うところは人それぞれ」

 

こなた「ただ一度書き込めば二度と消えないのがネットの恐ろしさだね」

 

ハピネス「優良プレイヤーは大歓迎です♪」

 

ルミナス「悔い改めて来てくれる分にはこちらは一切、咎めるつもりは無いと言うことだ」

 

ハピネス「そちらのお二人も純粋にゲームを楽しんでくださるなら何もしませんよ」

 

サニー「なんとありがたきお言葉……ありがとうございます!」

 

魔王「まぁええってことや。次は正々堂々来てくれるんを待ってるで。自分らもな」

 

こなた「もちろん!」

 

ゆたか「魔王さん!ありがとうございました!」

 

魔王「ええんやええんや。ウチは当然のことしただけやからな」

 

つかさ「めでたしめでたしだね!」

 

三和「……なんか良い話風ですけど……私たちどうなるんですか?」

 

こなた・ゆたか・みなみ・水原・魔王「あ……」

 

ルミナス「その件だが今回の事件もあって5分後にゲーム内一斉メンテナンスを行うことになった。」

 

ハピネス「その時に全員、強制ログアウトになるんでこの世界からも弾(ひ)かれると思います。」

 

ルミナス「弾(ひ)かれるじゃなくて弾(はじ)かれる な」

 

ハピネス「あ、ごめんなさい」

 

こなた「え?もしかして弾くが読めなかったの?」

 

ハピネス「いえ、読めないんじゃなくて読み間違えるだけで漢字は得意です!」

 

三和「……へー……」ニヤニヤ

 

ハピネス「って何なんですか!なんで笑うの!?」

 

三和「いや、なんでも」

 

魔王「ほなあと5分で自分らともおさらば言うわけやな」

 

水原「そうですね」

 

こなた「まぁ私はまた違う形で会うんだけどねー」

 

魔王「せやな。その時はよろしゅうやで。」

 

ゆたか「魔王さん、本当にお世話になりました!」

 

魔王「いやいや、礼を言うんはウチらの方や。ホンマに助かったで。これでこの世界の平和も保たれるわ」

 

水原「『この世界の平和も保たれる』って……まぁ魔王のセリフじゃないね」

 

魔王「それもそうやな。ほな……これでまたこの世界を闇と恐怖で支配できる……!これでどうや?」

 

こなた「そっちの方がらしいよ~」

 

三和「まぁ最後の『これでどうや?』は余計ですけどね」

 

魔王「そこまでマジにならんといてや~」

 

三和「すいません。つい、いつもの癖で……」

 

ルミナス「さて、そろそろ時間だ。各自、別れの挨拶もそろそろいいかな?」

 

水原「イエス!」

 

こなた「まぁまた会うしね~」

 

ゆたか「では、また!」

 

ハク「じゃっねー!」

 

ハピネス「では、これにて一旦、メンテナンスに入ります」

 

―ピカッ……ピカッ

 

 

 

 

―教室

 

水原「……お?」

 

つかさ「あれ?おはよー?」

 

こなた「あれ?さっきまでゲームの世界だったような……」

 

ゆたか「うん、確かに……あ!結構いたと思ったけど5分くらいしか経ってないです!」

 

みなみ「……夢?」

 

水原「さすがにそれは……ナシ」

 

こなた「だね。全員で同じ夢を見ていたって方が怖いし」

 

水原「まぁどっちもどっちやけどね……」

 

こなた「ちょっとゲームの様子見てみる?」

 

ゆたか「うん!魔王さんたちも気になるし……」

 

みなみ「あの……メンテナンス中では?」

 

こなた「あ……」

 

水原「メンテナンスはあと5分で終わるみたいですね」

 

―5分後

 

こなた「どれどれ……どんな感じかな~」

 

魔王(画面)「よう来たな人間!」

 

こなた「アレ?レベル1なのに魔王と遭遇しちゃったよ!?」

 

魔王(画面)「おりゃぁぁぁぁ!」

 

こなた「え?いきなりHP半分くらい削られた!?」

 

魔王(画面)「分かったか人間。また出直してくるんやで」

 

こなた「え?倒さずどっか行った……」

 

魔王(画面)「よう来たな人間!」

 

別プレイヤー(画面)「ぁぁぁぁ」

 

魔王(画面)「分かったか人間。また出直してくるんやで」

 

こなた「………これって……」

 

水原「やたら積極的に前に出たがる魔王……」

 

こなた「ゲーム的に色々まずいんじゃないかな……」

 

ゆたか「でも魔王さん優しいから倒さずにどこかに行くみたいだよ?」

 

水原「それも逆に魔王としてどうかなぁとは思うけど」

 

つかさ「あ!でも変な商売をしてる人はいないみたいだよ!」

 

こなた「そこを見ればとりあえず一件落着なのかなぁ」

 

水原「まぁそう考えるしかないね……」

 

 

―ガラッ

 

石橋「水原ーおるか?」

 

水原「はい?」

 

石橋「ちょっと来い。」

 

水原「ちょっとヤバそう……ごめんなさい行ってきます」

 

こなた「はいよー」

 

つかさ「行ってらっしゃーい」

 

―ガラッ

 

こなた「……私たちも帰る?もう作業終わったし……」

 

ゆたか「あ、もう全部終わったんだよね?お姉ちゃん」

 

こなた「そだよー。」

 

みなみ「ありがとうございました」

 

ゆたか「ありがとう~お姉ちゃん~」

 

こなた「かわいい後輩のため、良いってことよ~」

 

つかさ「そういえばもうお姉ちゃん帰っちゃったかな~」

 

こなた「かがみは多分、もう帰ってるね。ここのところ忙しそうだし」

 

つかさ「そっか~」

 

ゆたか「お姉ちゃん、私たちも帰る?」

 

こなた「そだね~」

 

LSU完



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その他 ゆるーいおまけ
[おまけ話] ある年のXmas 前編


本編最終話後のお話です。


―12月中旬・鈴木宅

 

鈴木「お?俺宛にハガキが届いてんな……差出人はみずりんからか……中身は……なんだコレ保護シールなんか貼ってるじゃねぇか。手の込んだことを……」

 

―ペリッ……ペリッ……ベリベリベリ

 

鈴木「なかなか剥がれねぇシールだなぁオイ」

 

 

 

―5分後

 

 

 

鈴木「やっと読める状態になったぜ……っと『24日10時~15時でクリパやります。参加・不参加』……か。不参加に○をと……」

 

水原「オイ!」

 

鈴木「わっ!ビックリした!?いつからお前いたんだよ!?何しに来たんだよ!?ってかここ俺んちだよ!?」

 

水原「いつからって君が帰ってきてから、何しにってハガキ届けて返事を聞きに、君の家というのは存じ上げている……」

 

鈴木「そういうことを言ってんじゃねぇんだよ!!ってかお前が届けてるならこんな保護シールいらねぇだろ!」

 

水原「まぁ効果を考えるとねぇ~シール貼ってから自分で届けた方が良いという結論に至った」

 

鈴木「いや、もっともらしく言ってるけど俺んちに来る片道の電車賃で少なくともハガキ3枚は送れると思うぞ?」

 

水原「いやいや誰も金の話はしていない。参加の返事を得るために自力で届けて聞いて回った方が良いという結論にたどり着いたのだよ。」

 

鈴木「なるほどな。でも俺は参加しねぇよ?」

 

水原「なんで?」

 

鈴木「いやまぁ……12月24日だろ。色々察せよ」

 

水原「ん?何が?クリパなんだからクリスマスイブにやるのは当然でしょ」

 

鈴木「いや、だからそうじゃなくてクリスマスイブだからその……な」

 

水原「?」

 

鈴木「あれ?お前知らないっけ?」

 

水原「何を?」

 

鈴木「みずりんって政治経済科学に教育、国際問題からご近所の噂話までホットな話題を冷めないうちにお届けしてるイメージなんだが」

 

水原「ニュースプラネット的な紹介ですね。それは買い被り過ぎですよ。私は君が柊かがみさんと付き合っていることなんて知りません」

 

鈴木「知ってんじゃねぇか!!!俺らは基本的に受験生だから普段はあまり遊んだりも出来ないからクリスマスイブくらい2人でどっか行ったりしたいんだよ!プレゼントだって用意したいんだよ!こなたとか、あの辺に冷やかされたくないんだよ!」

 

水原「うわー」

 

鈴木「なんだその目」

 

水原「聞いてもないことまでペラペラ言いやがった。うぜぇ超うぜぇ」

 

鈴木「あっ」

 

水原「まぁいいや。しっかり録音させてもらったし。」

 

鈴木「うげっ!録音!?」

 

水原「まぁクリパは15時解散予定だからそのあと時間はたっぷりあるよ。ところで参加か不参加の返事をいただけるかな?」

 

 

 

 

 

 

―泉家

 

 

 

こなた「やほーみずりんがみずりんとして来るなんて珍しいね。」

 

水原「まぁそうっすねー。」

 

こなた「良かったね、お父さんいなくて。」

 

水原「誤解を招く言い方やめろ。」

 

こなた「はいはい。で用件は?」

 

水原「ハイコレ」

 

こなた「ハガキ?……ふむふむクリパね~」

 

水原「まぁ参加・不参加の返事も含めて聞きに来たのさ」

 

こなた「ほーほー、不参加で」

 

水原「いやいやいやいや空気読みなよ姉さん」

 

こなた「いやぁ参加したいけどクリスマスイブって完全にイベントデーじゃん。だからバイトがね~」

 

水原「バイトサボっちゃいなよ~」

 

こなた「いいの?」

 

水原「良いじゃん良いじゃんどうでも良いじゃん!」

 

こなた「私、結局人気なんだよ?そんな私が急に休んだらクリスマスイブの売上が激減して、休んだ原因がみずりんと判明したら店からみずりんに損害賠償請求とか民事裁判とかになるかもよ?」

 

水原「それは……」

 

こなた「そこまで考えても私を誘う?」

 

水原「……今回は引き下がりましょう」

 

こなた「さすがみずりん!話が分かってる~!」

 

水原「ぐぬぬ……」

 

こなた「あ、そうだ。良いこと教えてあげるよ!」

 

水原「ん?」

 

 

 

 

―鷹宮神社

 

 

水原「さて……巫女は……おっ!いたいた」

 

かがみ「?あ、水原くんじゃない。つかさなら家にいるわよ?」

 

水原「いやいや、今日はあなたに用がありましてね」

 

かがみ「?私?」

 

水原「ほい、コレ」

 

かがみ「つかさに手紙を渡してほしいとかそういうのはパスよ?」

 

水原「いやいや違うから。宛名も柊かがみ様でしょ?」

 

かがみ「あ……こんな改まった形式だと怖いわね。えーと何々……クリパ?」

 

水原「そ」

 

かがみ「へー……面白そうじゃない、でも悪いけどパス。24日は色々用事がね……」

 

水原「へぇ用事?」

 

かがみ「それよりつかさにも声かけるんでしょ?」

 

水原「いや」

 

かがみ「何?もしかしてアンタ、つかさだけ仲間はずれにするつもり?」

 

水原「違うんです!先約があるという情報提供がありまして」

 

かがみ「先約!?」

 

水原「はい、なのでご案内を渡す前に泣く泣く断念したのでございます……」

 

かがみ「その先約、詳しく聞かせてもらっても……いいかしら?」

 




次回は12月17日!!


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[おまけ話] ある年のXmas 中編

-あらすじ  クリパしようぜ!

 

かがみ「何?もしかしてアンタ、つかさだけ仲間はずれにするつもり?」

 

水原「違うんです!先約があるという情報提供がありまして」

 

かがみ「先約!?」

 

水原「はい、なので泣く泣く断念したのでございます……」

 

かがみ「その先約、詳しく聞かせてもらっても……いいかしら?」

 

水原「分かりました……情報提供者IKさんのお話です……」

 

かがみ「IKって……やっぱりアイツか」

 

IK「いやぁ24日ってさ~小神あきらのニューシングルの発売でお渡し&握手&サイン会があるんだけどね~。バイトがどうしても外せないからさ~。でも最低限サインだけでもほしいじゃん?だからつかさに代わりに行ってもらうことにしたんだよ~。」

 

かがみ「ほぉ~人の妹をパシりにね……」

 

IK「でつかさはなんか謎の使命感に燃えてて張り切ってるんだよね~。そこへ来てクリパに誘ってもつかさ来れないじゃん。その状況でつかさをクリパに誘うとつかさはどちらかを断らなきゃならないし、その罪悪感にさいなまれながら最悪なクリスマスイブを過ごすことになるんだよ?それでも声をかけることが出来る?」

 

水原「僕にはできない!」

 

かがみ「罪悪感にさいなまれる最悪なクリスマスって、それは言い過ぎだろ……アイツ自分のおつかいが確実にいくようにしたいだけじゃない!というか水原くんも水原くんでそんなこと言われて納得するな!」

 

水原「まぁ……用事のあるのは確実らしいし世の中は早い者勝ちだからね……」

 

かがみ「ったく……あ、じゃあ私もクリパ不参加ね。先約があるから」

 

水原「なっ」

 

かがみ「これだけで納得できるんでしょ?」

 

水原「ぐぬぬ……」

 

かがみ「いっそだから言うけど……つかさも参加できないって分かってるのに水原くん的にクリパやる意味あるの?」

 

水原「ない」

 

かがみ「じゃあやめたら良いんじゃない?」

 

水原「そういうわけにはいかないのです……」

 

かがみ「なんでよ?」

 

水原「もう会場をおさえてしまったから。」

 

かがみ「どこ?」

 

水原「中央公民館研修室1。だからもう引き返せない」

 

かがみ「うわぁ……」

 

水原「じゃっ次の参加確認行ってくるわー」

 

かがみ「……はい」

 

 

 

 

―都内某高級住宅街

 

水原「さ、着いたけど詳しい住所覚えてないんだよなぁ……まぁ広くても高級な感じのおウチやろうからすぐ見つかるやろ」

 

 

 

―数十分後

 

水原「まさかの……高級な感じのオウチやった……インターホン押す勇気が出ねぇ…。まぁまだ高良さんを呼び出す手段はあるし先に岩崎ちゃんに交渉するか。たしか高良さんちの向かいで白い大きな犬がいる……アレ?これ無理ゲーじゃね?ちゃんと調べりゃよかったなぁ……」

 

 

 

 

―数時間後・泉家

 

こなた「またみずりん?」

 

水原「はい、本日二度目の私でございます。」

 

こなた「今度は何の……ってアレか。ウチ、クリパ呼ばれる人員が3人いるのか」

 

水原「そそ。だから3回目もあるよ」

 

こなた「いやぁ、もう2人分はまとめてよ。」

 

水原「分かりました。」

 

こなた「で2人分まとめて話をするとね、ゆーちゃんは何も聞いてないね。まぁウチがアレだから実家に帰ってたりするかもだけど。パティは私と一緒だよ」

 

水原「ほぅほぅ。」

 

こなた「まぁゆーちゃんも色々ガードが堅いから厳しいんじゃない?」

 

水原「ガード?」

 

こなた「みなみちゃんでしょ?」

 

水原「まぁまとめて声掛けますから」

 

こなた「それからウチのお父さんでしょ?」

 

水原「どっちが危ないのやら」

 

こなた「オイ!で、私でしょ?」

 

水原「まさかの裏切り!?」

 

こなた「最後はゆい姉さん」

 

水原「警察沙汰かよ!?」

 

こなた「まぁその目をかいくぐる必要があるってことだね~」

 

水原「うわぁ」

 

こなた「がんばりたまへ。で、そのゆーちゃん宛てのハガキは私が預かっとこうか?今、ゆーちゃんいないし」

 

水原「いえ、遠慮します。」

 

 

 

―田村家

 

ひより「先輩……一応、紛いにも同人誌を創る側で嗜んでいる身なのでその時期は……察してほしいッス……」

 

水原「……ういっす」

 

 

 

 

―副委員長宅

 

副委員長「クリパ?」

 

水原「そうそう。どうよ?」

 

副委員長「それってあの……」

 

水原「君の言いたいことはよーく分かる」

 

副委員長「お!?」

 

水原「だがなぁ、いい返事は"まだ"出来ないんだよ」

 

副委員長「なんだ……」

 

水原「そう。"まだ"だな。」

 

副委員長「それって……」

 

水原「君の努力にかかっているのだよぉ~」

 

副委員長「ほ……ぅ……」

 

水原「さぁ頑張りたまえ。はい、これ招待状」

 

副委員長「これを渡して……」

 

水原「OKをもらってくるんや」

 

副委員長「」ゴクリ

 

水原「健闘を祈るで」

 

副委員長「おう!」

 

水原(12月24日が楽しみや)

 

 

 

水原(いや、違う。私は楽しみな要素もう落ちてるじゃん。)




そう、週1更新とすることで後編の更新はクリスマスイブ更新となる……

雨は夜更け過ぎに、雪へと変わるだろう


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[おまけ話] ある年のXmas 後編

そして運命の12月24日

 

 

 

―CDショップ

 

 

 

あきら(わっ!女性ファンもいるんだ)「今日はどうもありがと☆」

 

つかさ「あ、いえいえ~」(この人のこと知らないの私だけなんだろうなぁ)

 

あきら「あの……お名前を……」

 

つかさ「あっ、私ですか!?ひ、柊つかさです」

 

あきら「はい、つかささんありがと~」

 

つかさ(あっ!サインに私の名前が……こなちゃんごめん~~!!)

 

 

 

 

―大宮駅

 

 

かがみ「何か久々にこっちの方の都会まで来た気がするわね」

 

鈴木「そうだな。まぁなんやかんや最近は勉強ばっかりだしな。」

 

 

駅放送「お客様にお知らせします。只今、糖武鉄道では久喜駅でお客様と電車の接触するトラブルがありお客様の救護を行っております。このため運転を見合わせておりますので振替輸送を……」

 

 

鈴木「雰囲気を壊していくスタイル……」

 

かがみ「電車と接触って……歩きスマホとかかしら。迷惑な話ね。」

 

鈴木「まぁ帰る頃には動くだろ。動かなきゃ振替で久喜まで行って前みたいに歩くか?」

 

かがみ「久喜から歩いたのが懐かしいわね。文化祭の時だから、まだそんなに時間は経ってないのに」

 

鈴木「だなぁ」

 

かがみ「そういえばサ、あの時って歩くの結構距離あったわよね?あんた久喜に住んでるんだしわざわざ一緒じゃなくても良かったんじゃない?私はありがたかったけど……」

 

鈴木「ん?まぁそれはアレだ。少しでも長く一緒にいたかったからかな。」

 

かがみ「あっ……えっと……いつから?」

 

鈴木「ん?言われてみればいつからだろ。考えたことないな……最初から?かもな……」

 

 

 

―アキバのコスプレ喫茶

 

 

こなた「いらっしゃいませご主人様☆」

 

 

客(アイドルオタク)「そういえば今日どっかで人身事故があって電車止まってるらしいね」

 

客(残念なイケメン)「なんでこーゆー日にそういうことすっかね~」

 

客(オタク)「まぁ年の瀬も近いし色々ツラいこともあるんだろうけどね……」

 

客(イケメン)「俺たちくらい悟りをひらけば人生は明るいってのによ~」

 

客(オタク)「ハハハ……そうだね。まぁ未来が明るいかどうかって聞かれると不安はあるけどね」

 

客(イケメン)「いや違うな!たとえ順風満帆に見えてもある日突然、崩れ去ることもある。先のことなんて未来人でもなきゃわかんねぇよ!な?未来人さん?」

 

パティ「禁則事項デス♪」

 

客(イケメン)「な?」

 

客(オタク)「ハハハそうだね……」

 

 

 

―昼の回転寿司店

 

 

ゆい「さ!今日はお姉さんのおごりだ!」

 

ゆたか「ごめんね~お姉ちゃん。ありがとう~」

 

みなみ「すみません私まで……」

 

ゆい「良いってことよ~みなみちゃんにはウチのゆたかがいつもお世話になってるからね!」

 

 

 

 

―東京駅

 

 

駅員「まもなく博多行き発車します!お近くのドアからご乗車ください!」

 

みゆき「今年は海外ではないんですね。」

 

ゆかり「そう、お母さんパスポート切れてるの忘れちゃってて……たまには国内も良いでしょ?」

 

みゆき「ええ………ところで」

 

駅員「神田了解!南了解!ITVヨシ!ドアが閉まります!お見送りの方お下がりください!……安全ヨシ!ドア閉まりまーす!!」

 

みゆき「乗らなくて良かったのですか?」

 

ゆかり「実は時計見間違えてて……予約取ったのは2時間後なの」

 

みゆき「ええっー!?」

 

 

 

―中央公民館研修室1

 

 

 

水原「♪きっと君はこない♪独りきりのクリスマス・イブ………」

 

水原「畜生。どいつもこいつも予定がありやがって……野郎2人でクリパとかネタにしても酷すぎんだろ……しかも副委員長遅刻だし……高良さんいないだけでこうもだらしなくなるもんかね。ホントはワイワイガヤガヤ集まって色々やりたかったんやけどね……」

 

―♪ジュ~ジュ~

 

水原「そうそうジュージュー焼肉焼いたりとかも面白そうやし選択肢には入れとったけど」

 

―♪ジュ~ジュ~

 

水原「まぁ野郎2人とかなんもおもんないしな。なんかどっかから焼肉の焼く音が聞こえるなぁ……」

 

―♪ジュ~ジュ~

 

水原「あぁ……いっそ焼き肉屋で忘年会でもやったろか。……って音はマジで聞こえるな」

 

―♪ジュ~ジュ~

 

水原「あっ!着信音焼肉サウンドに変えたんだった」ピッ

 

副委員長(電話)「もしもし?」

 

水原「はい、水原です」

 

副委員長(電話)「いきなりで悪い。今日行くのが難しくなった」

 

水原「は!?」

 

副委員長(電話)「申し訳ない。」

 

水原「なんで?」

 

副委員長(電話)「今、駅なんだけど聞こえるかな?」

 

駅放送「只今、久喜駅での事故ため運転を見合わせております。只今お客様の救出作業が難航しており、お急ぎのところ恐れ入りますが運転再開の見込みがたっておりません。しばらくお待ち合わせください!」

 

副委員長(電話)「ほらね。人でごった返しててとても時間内にそっちに向かえる状況じゃない……」

 

水原「おぅふ……」

 

副委員長(電話)「だからすまない」

 

水原「了解……」

 

―プツッ ツーツーツー

 

水原「お客様の救出作業が難航って……」

 

 

水原「というか私ぼっちじゃん……電車止まってたら帰ることすら出来ないし……」

 

 

 

水原「……きっと誰もこない……独りきりのクリスマスイブ……サイレントなう……」

 

 

 

おまけ「それぞれのクリスマス」完



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