イフ・サモン! (ホラーとコメディは書いた事無い人)
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イフ・サモン!

え~、作者の自作品からの出典となります。
そして、作者はFGO未プレイとなります。
ええ、罰ゲームです。


回転し発光する境界を、見詰める二人の視線があった。

眩いばかりの光がその部屋を満たす中、明るい髪色の少女が、隣に立つ少年に語り掛ける。

 

「先輩、……長くないですか?」

「うん、……長いね。マシュ」

 

少女、マシュ・キリエライトの言葉に、少年、藤丸立香は素直に頷いた。

二人が居るのは、カルデアの英霊召喚システム。

マシュの宝具である大盾を触媒に、過去に名を馳せた英雄達を現代にサーヴァントとして召喚する。

その部屋なのだ。そして、この日も他と同じくして、召喚システムを用い、英霊を召喚していた。

だが

 

「……壊れた?」

「いえ、それなら召喚自体が出来ないかと……」

「……まさか、エリちゃんが詰まったとか?」

「……有り得ないと言えないのが、怖いです先輩」

 

藤丸とマシュ、二人して多種多様なエリザベート・バートリーが、英霊の座で誰がカルデアに行くのか、争っている場面を想像する。

英霊というものは、多種多様な〝もしも〟の可能性を秘めている。なので、また違う一面を強く出した同一の英霊が、召喚される事は多々あるが、エリちゃんシリーズとアルトリアシリーズは、ちょっと数が多すぎる。

特にエリちゃんシリーズに至っては、メカエリちゃんなんて出てきた。

……英霊の座は、エリザベート・バートリーを一体どうしたいのだろうか?

 

話が逸れたが、前述の様に英霊には〝違う自分〟が存在する。しかし、いくら違うと言っても、結局は〝自分〟である。

特にエリちゃんシリーズは賑やか(煩い)なので、英霊の座からの出口で、詰まった可能性も零ではないかもしれない。

 

「まさか、本当に詰まった?」

 

最早見慣れた英霊召喚の輝きは治まる事無く、英霊が顕現する直前のままで変化は無い。

藤丸がまさかと光を覗き込もうとする。

 

「先輩、危ないですよ!」

「ああ、ごめんごめん。でもさ、これどうなってるの?」

「すみません。私にはなんとも……」

「ダ・ヴィンチちゃん呼ぶ?」

「そうした方がよさそうですね」

「んじゃ、ダ・ヴィンチちゃん呼ぶから、エミヤはそのカッポン持って、キッチンに帰りなさい」

 

ダ・ヴィンチちゃんを呼ぼうとした藤丸の視界端に、赤い外套のアーチャーがトイレのカッポンを持って、こちらを見ていたのが見えたので、藤丸がキッチンへ戻す。

なんとも言い難い、味わい深い表情を浮かべたアーチャーを見送り、藤丸とマシュがふと振り替える。

 

なんの事は無い。ただ、ふと振り替えっただけだ。

だがそこには、キャスターの証が光の中に浮かんでいた。

 

「先輩、動きましたよ!」

「しかも、キャスター!」

 

停滞していた英霊召喚が、再びその輝きを増し動き出す。

眩いばかりの光が更にその輝きを増し、辺りを塗り潰す。

この光が治まれば、そこにサーヴァントが顕現している。

藤丸とマシュは弱まり始めた光の中で、ゆっくりと瞼を上げていく。

内心、もしエリちゃんシリーズの追加だったらどうしようとか、アルトリアシリーズだったらエミヤが悟りを開くかもしれない。とか、考えたりしているが、新たな仲間の参上は素直に嬉しい。

だから、脳内のすまないさん。あなたは謝らないでください。あなたは悪くないのです。

 

「あ、先輩。誰か居ます」

「本当だ」

 

二人の視線の先、何故か出てくる煙に隠れたシルエットからは、女性サーヴァントの様に見える。

次第に謎の煙が晴れ始め、漸く召喚された英霊がその姿を現した。

 

「ふむ、キャスター〝ナジェーリア・リトリア〟である。宜しく頼むよ?」

 

そこには、軍服に白のロングコートを羽織り、口の端にパイプを噛んだ、吹雪を思わせる銀髪の女が立っていた。

 

 

 

 

 

〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃

 

 

 

 

 

真名¦ナジェーリア・リトリア

クラス¦キャスター

宝具¦ヴォジャノーイ

出典¦いせまじょ ~異世界の魔女達の夜~

 

『ここではない、何処か別の世界の魔女。キャスターと名乗っているが、一般的なキャスターから少し離れている。正直、キャスターというよりはアーチャーが近い。

かなり自由な性格であり、よくキッチンに出没する。

出典は作者のオリジナル作品から。

別クラス適性として、アーチャー、バーサーカー、アヴェンジャーがある』

 

スキルは皆様のご想像にお任せします。

 

 

ボイス

 

『はっはっはっ、マスター。どうかしたのかね?』

『マスター、こんな中年女より、マシュと一緒に居たらどうかね?』

『ふむ、マスター。滅ぶのは必定である。しかし、君はその滅びに抗うのだ。……諦めるでないよ?』

『私かね? ああ、夫と娘が居たよ……』

『ほう? 見事な茶であるが、同志軍曹の淹れた茶には、1歩及ばないね』

 

 

対フェルグス

 

『はっはっはっ、熱烈なお誘いであるが、私は夫に操を捧げているのでね。夫以外に肌を許す気はないのだよ』

 

 

対子供英霊

 

『さあさあ、絵本の時間であるよ。……娘にもこうして読み聞かせをしたものであるね』

 

 

戦闘

 

『刈られ給え』

『潰れ給え』

『……消え失せろ』

『これはどうかね?』

 

 

勝利

 

『私は公国が鎌槌の魔女、ならば当然の結果であるよ』

 

 

行動不能

 

『これは、しまった。同志大尉に叱られるね……!』

『ああ……、アレクセイ、タチナヤ、私もそこに……』

 

 

特定条件

 

『……さて、一つ聞こう。その名を何処で聞いたのかね?』

『その名は、我が夫にのみ許した名だ!』

『赦さぬ。貴様が何処に逃げようが、何処に隠れようが、必ず見付け出し殺してやる……!』



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魔女将軍

何故書いた?
ん? 言ってみ給えよ。


人理永続保証機関カルデア、そこに一つ、部屋があった。

他の部屋と変わらぬ、白い自動扉にカードキーのスリット。何の変哲の無いその部屋、家主を示すドアプレートには、〝藤丸立香〟と記され、その下には当直サーヴァント〝ナジェーリア・リトリア〟と記されていた。

 

「そう言えばさ」

 

その部屋の主、藤丸立香が徐に口を開く。

 

「どうかしたのかね?」

「将軍って、謎だらけだよね」

 

その言葉に、口の端にパイプを咥えたナジェーリアが、紫煙を燻らせながら首を傾げた。

確かに、己は正規の英霊とは呼べない。この世界で打ち立てた功績は存在せず、それどころかこの世界に存在すらしていない。何故英霊として喚ばれたのかも不明だ。

成る程、確かに謎だらけだと、口内で弄んだ紫煙を吐いた。

 

「ふむ、そうであるね。ならば、マスター。質問タイムといこうではないか。なんなりと問うてみ給え、このナジェーリア・リトリア将軍が答えようではないか」

「あ、じゃあ最初は、好きな食べ物は」

「ペリメニとヴォートカであるよ。ああ、ペリメニは自作する程度には、拘りがあるよ?」

 

黒く艶のあるパイプを指先で弄り、藤丸を見る。黒い直毛、優しげだが強い意思の宿る瞳、その表情から強大な力を持つ英霊を従えているという驕りは無い。サーヴァントという使い魔である身としては、あまりに好ましく、そしてあまりに目映い。

椅子に深く腰掛け、軍帽を深く被り直す。

 

「ペリメニって」

「む? 知らないのかね。小麦の薄い生地に、挽き肉などを包んで、ブイヨンで茹でたものであるよ」

「……水餃子?」

「ああ、それが一番近いね」

 

目深に被り直した軍帽の下で、ナジェーリアはふと懐かしさを得た。

小さな懐かしさ、それが何なのか。嘗ての日々、最もの幸いを得ていた頃だ。

携帯灰皿を取り出し、パイプから灰を落とし、まだ紫煙を僅かに燻らせる灰を見ながら、パイプライターからタンパーを引き出し、灰山を圧し崩して鎮火する。

懐かしいものだ。空になったパイプを口に噛み、携帯灰皿とパイプライターを懐に納めながら、ナジェーリアは軽く笑みを作った。己の同郷の輩が居ない世界、何を懐かしむ事があるのか。

己が己であるという証しすら、この世界には存在しないというのに。

 

「将軍?」

「ああ、何、気にする事はないよ。しかし、どうかしたのかね?」

「ああ、うん。将軍のパイプとかって、カッコいいよねって」

 

その気の抜けた言葉に、不意を突かれて、思わず呆けた。

 

「くくく、カッコいいかね」

「え? そうだけど」

 

喉奥の笑いに、首を傾げる藤丸。ナジェーリアとしては、あまりに普通に言われた台詞が、おかしくて仕方がなかった。

人知れずとは言え、世界を救った者が、あまりに普通の子供が言う様な、身近な大人に対する憧れを口にしたのだ。

全くもって、英雄らしさの欠片も無い。だがしかし、彼はこれでいいのだろう。

彼がこう在るからこそ、誰も彼もと嘗ての英雄が、彼に力を貸すのだ。そう、彼は何も出来ない。無能ではないが、世界の滅びに対し、彼が出来る事は何も無い。

だがそれでも、何も出来ない彼は止まらず、足を引き摺ってでも、前へと進む。

はたして、その姿を見ながら、嘗ての英雄達が力を貸さずにいられるだろうか。

魔を打ち倒す力も、邪を打ち祓う技も、竜を討ち果たす武器すら持たない彼。しかし、歩みを止めず、世界の滅びに立ち向かう彼を、嘗ての英雄が助けずにいられるか。

答えは否である。英雄とは、凄まじく雑に言ってしまえば、究極のお人好しなのだから。

 

「ならば、マスター。君がもう少し大人になり、嗜みを知った時、私が嗜みの一つとして、煙草を教えよう」

「え、ホント?」

「ああ、本当である。私は子供には、嘘を吐かないよ。ああ、しかし、マスター」

「何? 将軍」

「ナイチンゲール女史には内緒であるよ? 煙草を教える約束をしたと知れたら、肺だけでなく脳までいかれそうだからね」

 

ナジェーリアがそう言った瞬間、自動扉が開いた。すわ、ナイチンゲールの奇襲か。ナジェーリアが思わず腰に提げた鎌に手をやり、もう片方の手でベッドに寝転んでいた藤丸に、頭から布団を被せる。

 

「あの、先輩?」

「……マシュ?」

 

後輩、シールダー、デミサーヴァント、マシュ・キリエライトがバゲットを持って立っていた。

 

「ふむ、同志マシュ。どうかしたかね?」

「あ、ナジェーリア将軍。エミヤさんから、ハンバーガーです」

「ハンバーガー、……ふむ、麦酒が欲しいね?」

「将軍、お酒は程々にね?」

 

バゲットの蓋を開ければ、厚いパテとレタスにトマト、えらく黄色が強いチーズが、確りと焼き上げられたバンズに挟まれていた。包み紙に包まれたものと、魔法瓶とカップが三つ入っていた。

 

「しかしだね、肉と脂と来たら、適度に冷えた麦酒と決まっているのだよ?」

 

いつの間にやら、マシュが持つバゲットから、肉から脂を滴らせ、溶けたチーズと混ざった肉汁を、厚いバンズが吸い込むハンバーガーを、ナジェーリアは取っていた。

そして、それに大口を開けてかぶりつく。

柔らかいバンズに食べ応えのあるパテ、レタスとトマトにチーズ、それをケチャップベースのソースが繋げる。

 

「……流石であるね!」

 

半分程平らげたナジェーリアが、満足げに言う。パテから流れる脂がくどく感じるかと思ったが、ソースに強い酸味を感じさせる粒が、くどさを幾らか中和している。

細かく刻んだピクルス、それも胡瓜だけのピクルスではない。

 

「シェフエミヤ、やはり只者ではない。……だが」

「どうしたの? 将軍」

「いやね、嘗ての部下を思い出したのだよ」

 

ハンバーガーの残りを一息に飲み込み、指に着いていたソースと脂を舐め取る。

魔法瓶からカップへ中身を落とせば、アイスコーヒーだった。

 

「魔女としては三流の娘でね。しかし、彼女の淹れる茶と料理は絶品であった」

「まさか、エミヤさん以上?」

「はっはっはっ、そこは好みの問題だろうね。しかし、彼女は今どうしているのだろうか。少しだけ、気になるものである」

 

コーヒーを一口、鼻に抜ける強い香気と、キレのよい苦味を楽しみ、パイプを取り出し、口の端に吸い口を噛む。そして、眠る様に目を閉じた。

過去に思いを馳せつつ、懐から煙草葉とパイプライターを取り出し、パイプへと葉詰め火を点ける。

 

「世話の掛かる、しかし世界に愛された娘。願わくば、彼女の進む道に、多くの幸いがあらんことを」

 

紫煙を吐き出し、ナジェーリアはキョトンとしたマシュと藤丸の二人を見る。

ソースを僅かに着けた顔で呆ける二人に、思わず苦笑が浮かぶ。

嗚呼、もしかすると今度こそ二人を助けろと、誰かが己をこの世界に放り込んだのかもしれない。

英雄とは究極のお人好し、ならば己はどうなのだろうか。

パイプから燻らせる紫煙が、頼り無げに揺れていた。



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イフ・サモン! ライダー

またね、サイコロで負けたんだ……


回転し発光する境界を、見詰める二人の視線があった。

眩いばかりの光がその部屋を満たす中、明るい髪色の少女が、隣に立つ少年に語り掛ける。

 

「先輩、……長くないですか?」

「うん、……長いね。マシュ」

 

少女、マシュ・キリエライトの言葉に、少年、藤丸立香は素直に頷いた。

二人が居るのは、カルデアの英霊召喚システム。

マシュの宝具である大盾を触媒に、過去に名を馳せた英雄達を現代にサーヴァントとして召喚する。

その部屋なのだ。そして、この日も他と同じくして、召喚システムを用い、英霊を召喚していた。

だが

 

「……壊れた?」

「いえ、それなら召喚自体が出来ないかと……」

「……まさか、エリちゃんが詰まったとか?」

「……有り得ないと言えないのが、怖いです先輩」

 

藤丸とマシュ、二人して多種多様なエリザベート・バートリーが、英霊の座で誰がカルデアに行くのか、争っている場面を想像する。

英霊というものは、多種多様な〝もしも〟の可能性を秘めている。なので、また違う一面を強く出した同一の英霊が、召喚される事は多々あるが、エリちゃんシリーズとアルトリアシリーズは、ちょっと数が多すぎる。

特にエリちゃんシリーズに至っては、メカエリちゃんなんて出てきた。

……英霊の座は、エリザベート・バートリーを一体どうしたいのだろうか?

 

話が逸れたが、前述の様に英霊には〝違う自分〟が存在する。しかし、いくら違うと言っても、結局は〝自分〟である。

特にエリちゃんシリーズは賑やか(煩い)なので、英霊の座からの出口で、詰まった可能性も零ではないかもしれない。

 

「まさか、本当に詰まった?」

 

最早見慣れた英霊召喚の輝きは治まる事無く、英霊が顕現する直前のままで変化は無い。

藤丸がまさかと光を覗き込もうとする。

 

「先輩、危ないですよ!」

「ああ、ごめんごめん。でもさ、これどうなってるの?」

「すみません。私にはなんとも……」

「ダ・ヴィンチちゃん呼ぶ?」

「そうした方がよさそうですね」

「んじゃ、ダ・ヴィンチちゃん呼ぶから、エミヤはそのカッポン持って、キッチンに帰りなさい」

 

ダ・ヴィンチちゃんを呼ぼうとした藤丸の視界端に、〝PIYOPIYO 〟と描かれたエプロンの赤い外套のアーチャーがトイレのカッポンを持って、こちらを見ていたのが見えたので、藤丸がキッチンへ戻す。

なんとも言い難い、味わい深い表情を浮かべたアーチャーを見送り、藤丸とマシュがふと振り替える。

 

なんの事は無い。ただ、ふと振り替えっただけだ。

だがそこには、ライダーの証が光の中に浮かんでいた。

 

「先輩、動きましたよ!」

「しかも、ライダー!」

 

停滞していた英霊召喚が、再びその輝きを増し動き出す。

眩いばかりの光が更に輝きを増し収束し、証が砕け消え、英霊が姿を見せるタイミングで、喧しいエンジン音が響き渡った。

 

「な、何?!」

「先輩、私の後ろに!」

 

召喚される英霊の中には、人ではない者や、人であってもこちらの道理が通じぬ者が居る。中には召喚された瞬間に、こちらを殺そうとする者も居るらしい。

……あ、エイリークの奥さん?。密かなグランドキャスター疑惑のある人は勘弁してください。

 

「出てこない?」

 

疑問するが、喧しいバイクのエンジン音が聞こえるだけで、その持ち主であろう英霊の姿が見えない。

一体何があったのか。まさか、最近増殖の兆しを見せ始めたジャンヌシリーズが詰まったのか。

しかし、それではこの喧しいエンジン音の説明が出来ない。

というか、出てくるなら早く出てきて欲しい。

今度はエミヤがオタマ片手に様子を見に来たじゃないか。

ほら、帰って。イリヤとジャガーマンとパールヴァティーとイシュタルとアイリスフィールにアサシンエミヤが待つキッチンにお帰り。

 

「……ねえねえ、何してんの?」

「あ、新しく英霊を召喚したんだけど、姿が見えなくてさ」

「ふ~ん、変なの」

「……って、誰!?」

 

肩を落としたエミヤを見送り、視界には赤色が無くなった筈なのに、今は新しい赤色があった。

赤色のジャージに〝あーつ〟と描かれたシャツ、安っぽいサンダルを履いて、背には青いベースギターを背負った女。

少し長目のボブに揃えた茶髪を掻きながら、彼女は藤丸とマシュの背後に立っていた。

 

「ども」

「は、はあ……?」

「呼ばれて来たよ。ライダー、磯谷穂波」

 

名乗り、口笛を吹き鳴らす。すると、召喚陣から聞こえていたエンジン音が大きくなり、黄色のバイクが飛び出してくる。

一人でに動き、三人の周りを軽く一周し、磯谷の側で停まった。

 

「ま、この穂波さんお任せってね」

 

 

 

 

 

〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃

 

 

 

 

 

真名¦磯谷穂波

クラス¦ライダー

宝具¦唸れ、地味変! テキトーに

出典¦シー イズ フール&クール

 

 

『彼女に関する記述は存在しない。何故なら、彼女はこの世界の存在ではないから。

その彼女が何故召喚されたのか。理由は不明だが、彼女曰く

〝世界ってのはね、皆が思ってるよりテキトーに出来てんのさ〟

らしい。

因みに、ライダークラスの霊基を得た理由は、愛車のベスパらしい』

 

 

 

ボイス

「ありゃ? マスターじゃん。なになに、私に何か用かにゃ~?」

「おっと、女の子に年を聞くもんじゃないぜ。因みに私は永遠の19歳さ」

「私は通りすがりのお手伝いさんで、〝ていちゃん〟の一夏の幻影……。〝ていちゃん〟って? ……ふふん、内緒」

 

 

「よっと」

「うりゃあああああっ!」

「うりゃ! うりゃうりゃうりゃ!」

「おおぅ……、マジか!」

「穂波さんにお任せってね!」

「いえ~い、マスター見てた?」

「あ、これはダメじゃないかな?」

「……ごめん、ごめんね」

 

 

宝具

「私、磯谷穂波19歳! ちょっとお茶目な女の子! なんちゃって!」



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イフ・サモン! バーサーカー

取り合えず、何かあったので投稿しておきます。


回転し発光する境界を、見詰める二人の視線があった。

眩いばかりの光がその部屋を満たす中、明るい髪色の少女が、隣に立つ同じ位の年頃の少女に語り掛ける。

 

「先輩、……長くないですか?」

「うん、……長いね。マシュ」

 

少女、マシュ・キリエライトの言葉に、少女、藤丸立香は素直に頷いた。

二人が居るのは、カルデアの英霊召喚システム。

マシュの宝具である大盾を触媒に、過去に名を馳せた英雄達を現代にサーヴァントとして召喚する。

その部屋なのだ。そして、この日も他と同じくして、召喚システムを用い、英霊を召喚していた。

だが

 

「……壊れた?」

「いえ、それなら召喚自体が出来ないかと……」

「……まさか、エリちゃんが詰まったとか?」

「……有り得ないと言えないのが、怖いです先輩」

 

藤丸とマシュ、二人して多種多様なエリザベート・バートリーが、英霊の座で誰がカルデアに行くのか、争っている場面を想像する。

英霊というものは、多種多様な〝もしも〟の可能性を秘めている。なので、また違う一面を強く出した同一の英霊が、召喚される事は多々あるが、エリちゃんシリーズとアルトリアシリーズは、ちょっと数が多すぎる。

特にエリちゃんシリーズに至っては、メカエリちゃんなんて出てきた。

……英霊の座は、エリザベート・バートリーを一体どうしたいのだろうか?

 

話が逸れたが、前述の様に英霊には〝違う自分〟が存在する。しかし、いくら違うと言っても、結局は〝自分〟である。

特にエリちゃんシリーズは賑やか(煩い)なので、英霊の座からの出口で、詰まった可能性も零ではないかもしれない。

 

「まさか、本当に詰まった?」

 

最早見慣れた英霊召喚の輝きは治まる事無く、英霊が顕現する直前のままで変化は無い。

藤丸がまさかと光を覗き込もうとする。

 

「先輩、危ないですよ!」

「あ、ごめんごめん。でもさ、これどうなってるのかな?」

「すみません。私にはなんとも……」

「ダ・ヴィンチちゃん呼ぶ?」

「そうした方がよさそうですね」

「んじゃ、ダ・ヴィンチちゃん呼ぶから、エミヤはそのカッポン持って、キッチンに帰りなさい」

 

ダ・ヴィンチちゃんを呼ぼうとした藤丸の視界端に、赤い外套のアーチャーがトイレのカッポンを持って、こちらを見ていたのが見えたので、藤丸がキッチンへ戻す。

なんとも言い難い、味わい深い表情を浮かべたアーチャーを見送り、藤丸とマシュがふと振り替える。

 

なんの事は無い。ただ、ふと振り替えっただけだ。

だがそこには、バーサーカーの証が光の中に浮かんでいた。

 

「先輩、動きましたよ!」

「しかも、まさかのバーサーカー!」

 

停滞していた英霊召喚が、再びその輝きを増し動き出す。

眩いばかりの光が更に強まり、英霊の霊基が現世に固定されていく。

だが、遅い。バーサーカーであるという事が判明し、霊基も固定された。なのに、いまだに英霊の姿が見えない。

何が起きているのか。霊格の高い英霊かとも考えるが、神王や賢王、他神霊達でも、こんな事は起きなかった。

 

念には念を入れて、近くに居る英霊に呼び掛け、マシュに戦闘体勢に入ってもらう。他英霊でも希にあるらしいが、召喚と同時にマスターを、殺しにかかる英霊が存在する。

反英霊や、また今だに姿を見せないバーサーカーに多い。

 

「……先輩、来ます!」

 

マシュの言葉通りに、目映い光が収まり、そして、まるで大型船の汽笛の様な音が轟いた。

一体何だと、藤丸が疑問するのと、マシュの構える盾に強い衝撃が走るのは、まったく同時だった。

 

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!」

 

それは雄叫びだった。悲しむ様な、怒る様な、憎しむ様な、負の雄叫びが響き渡った。

 

「く、あ……!」

 

怒り狂ったかの如く、マシュの盾を殴打し続けるバーサーカー。その姿は人間とは言えぬものだった。

言ってしまえば機械、かのキャスター〝チャールズ・バベッジ〟によく似た頭部、幾度と絶え間無く振り下ろされる、鉄鎚の様な鉄拳。煌々と此方を照らす機械の単眼。

ステータスを確認しても、真名は隠され読む事は出来ない。

鳴り止まない雄叫びと駆動音、そして打撃の雨。このバーサーカーが、何故ここまで怒り狂うのか。

 

「■■■■■■■■■■■■■■■■■!」

 

何かを失ったのか、誰かを守れなかったのか。英霊は英雄が持つ、数多ある可能性の面の一つが姿形を為したものだ。

きっと、この狂戦士はその負の面から、姿を得たのだろう。藤丸は、これまでの特異点で、幾度となく聞いてきた。

この狂戦士の叫びは、喪失の叫びだ。

喪い失った、慟哭の雄叫びだ。彼の英霊に何が出来るのか、何をしてやれるのか。思い上がりだろう。だが、何かあるかもしれない。

だから

 

「……教えて、バーサーカー」

「■■■■■■■■■■■■■■■?!」

「先輩?!」

 

打撃と叫びの合間を縫って、藤丸は問うた。答えが解らなければ、問えばいい。

そう、問うという事は、答えをくれぬものに抗うという事だ。

そうだ。声を出せ、問え。抵抗は今まで、散々やってきた事だ。

 

「貴方の事を教えて。何に怒っているのか。何を悲しんでいるのか。私に教えて」

「先輩危険です……!」

 

マシュの警告と、他の英霊の足音が聞こえる。もしここで、バーサーカーが再び暴れ出せば、問答無用で英霊の座に還さなくてはならなくなる。

藤丸は何故か、それが嫌だった。ただの意地だ。だから願う様に、藤丸は問い掛けを続ける。

 

「……く、ん」

「え?」

 

雄叫びの中に、誰かを呼ぶ声が聞こえた。

そして、胸部にある排熱孔から、多量の熱気を吐き出し、バーサーカーは止まった。

 

 

 

 

 

〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃

 

 

 

 

 

真名¦不明

仮称¦北海のバーサーカー

宝具¦困難打ち砕く鉄鎚(ロールオブニッケルズ)

出典¦〝バケツ頭のオッサン提督の日常〟

 

ここではない、何処か別の遠い世界から、何故か召喚されてしまった。理性はほぼ残っておらず、立ちはだかる全てを、その両拳で打ち砕く。

とある女性英霊を召喚出来れば、意思の疎通が可能になるらしい。

しかし、その可能性は限りなく低い。




ステータスに関しては、皆で好きに考えよう。


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