調の愛が重いデスぅ… (ヤンデレ理解し隊)
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レベル1、彼女の朝は早い
理解できないのならば、自分で書いて…それを理解するもの有りかな?と思い、書いたのがこの小説で…それ故、クオリティは低いと思いますがよろしくお願いします。
きゅるきゅるる…と小鳥が囀り、固く閉じられたカーテンが勢いよく開かれる。そこから差し込む眩しい日の光から逃れるように、あたしは毛布で顔を覆う。
だがしかし、それもカーテンを開けた小さな手によって邪魔される。ギュッと掴むあたしの手を優しく解いたその小さな手は勢いよく毛布と布団をめくり上げると、あたしの身体へと置かれる。
「ーーゃん…きりちゃん…おきて」
(…ん?この声は…し、らべ…?)
あたしは聞き慣れた透き通った声によって、ゆさゆさと身体を揺すられる。だが、固くつぶった瞼を開けるのは難しく…なかなか起きれない。そして、叶うならばもう少し寝かせてほしい…じゃないと寝不足で倒れてしまうかもしれない…というのも…
(昨日、ゲームをして夜更かしをしてしまった自分自身を恨むデスよ…)
ということで、あたしは頑固に抵抗を続け…眠り続ける。その中でも調が呼びかける声も揺さぶるのも続いたのだが…その攻撃は五分を過ぎた頃にはぴったりと止んでしまい、何故かあたしの背中を冷や汗が流れる。
「ーー」
(あれ?急に静かになったデスね…?調ってば、どうしたのでしょうか?)
流石に抵抗し過ぎたと深く反省し、起き上がろうとした時だった。
ギィ…と誰かがベットへと体重をかける音が部屋の中に響き渡る。そして、冷や汗の量が格段と多くなる。
「…切ちゃん…愛してるよ…」
えっ?えっ?なになに!?
戸惑うあたしを置いてけぼりにベットに乗っかってきた誰かーーといっても必然的に調になるのだがーーが、あたしの髪へと指を差し込んだかと思うと、そのまま流れるように頬を撫でる。
「ぐへへ…切ちゃんの髪の毛さらさら、ほっぺたもぷにぷに…」
(今、起き上がってもいいのデスか…?)
恐らくだが、今の調はかなり危ない顔をしているばす…そんな調をあたしが見てしまうこと、あたしに見られてしまうことは果たして、調にとっていいことなんだろうか?
(…いえ、このまま寝たふりをするデス)
この状況がもし自分だと置き換えて見たら、かなり恥ずかしい…それも赤面ファイヤーになるくらいだろう。
少しの間調の好きなようにしておこうと思い、目を閉じ続けるのだが…調の手の動きがややおかしい方向へと進みつつあるのを感じ、あたしの冷や汗がもう尋常じゃないほどに流れ始める。
(髪の毛…頬…首…胸…おへそ…)
って、ちょっ!
「調っ!どこを触ってるデスか!」
あたしはそう叫びながら、もう少しであたしのショーツの中へと右手を滑り込ませようとしている調の手を両手で掴む。
「切ちゃんおはよう」
そう言って微笑む調は見まごうなき正統派美少女で…あたしは唖然としつつ、朝の挨拶をする。
「あ…はい、おはようデス。じゃなくて!」
「じゃなくて?」
「あたしのどこを触っているのかって聞いてるのデス!話を逸らそうとしてもダメデスよ!」
「…ちぇ…」
(あぁ…舌打ちしてる調、可愛いデス…)
って、顔を緩ませている場合じゃない!調は悪いことをしようとしたのだから、しっかり目を見て凛々しくしないとダメと思い、あたしが調を見続けると…調が観念したように言う。
「…切ちゃんが揺すっても起きないから…今ならいけるって思ったの…。ずっと硬かったガードが緩くなってる今なら切ちゃんの処女貰えるって思って…」
「何寝てる時に純潔奪おうとしてるデスか!?あたしは調の信仰カイロに驚きデスよ!?」
「それをいうなら思考回路だね。でも、切ちゃんが悪いだよ…。私がこんなに思ってるのに…切ちゃんからは何もアプローチしてくれないんだもん…」
ギィ…、とやけに大きく聞こえるベットの軋む音を耳にしながらもあたしは動かないでいた。一歩一歩四つん這いであたしへと近寄ってくる調は普段の彼女から漂う愛らしい雰囲気ではなく…大人な雰囲気を醸し出していて、思わず生唾を飲み込んでしまう。
「…ッ」
その妖艶な雰囲気を醸し出す調の怪しげに光る桃色の瞳から視線が晒せなくなり、あたしの頭の中をカンカンと警告メロディーが鳴り響く。
パクパクと言葉にならない音が出ていた口からやっと声が漏れ、調はその怪しげな雰囲気を醸し出したままあたしへと質問する。
「…ダ、メなのものはダメなのデスっ。あたしたちはまだ子供で…そういうのは大人になってからするものであって…だから…そ、の…」
「じゃあ、いつからが大人なの?」
「ですぅ?」
首をかしげるあたしへとまた一歩近づいた調はジィーーーと見つめてくる。
「切ちゃんは付き合った時からそう言って、私から逃げてるよね?切ちゃんにとって、大人って何歳なの?」
「…デ…デデ…」
ジィーーーと見つめてくる桃色の瞳から視線を逸らし、早急に言い訳を考える。
(早く早く考えるデス!じゃないと…あたしの純潔が…調の手によって散らさせることに!)
「もしかして、決めてないの?なら、今でもーー」
「ーーなっ!そんな訳ないデス!デスから這いよってこないでくださいっ!!もう少しだけ時間を!!」
凄まじい速さで近づいて来ようとする調を止めてから、あたしは過去最大に動かし動かし続けて、導き出した答えを調へと言う。
「ハッ!思い出したデス!はたき…じゃなくて…たたき…でもなくて…たわし…でもなくて…、えぇ〜と…」
「もしかして、
「そうそうそれデス!はたちデス!それまでそういうことは禁止デス!」
「……切ちゃんがそういうなら…」
そう言って、あたしから離れていく調の姿に「ふぅ…」とため息をつこうとしたところでーードアノブに手を開けたままの調が振り返ってくる。
「でも、切ちゃん」
「はいデス」
そう言って、振り返っている調を見たあたしの背中を冷たい電流が駆け抜ける。
(やばいやばいやばいっ!何がやばいかって…説明できるわけじゃないけど…この状態、あの調の様子はやばいデス!)
「切ちゃんは大人は二十歳からって言ったけど…。私は違うと思うな」
「…どうして、デス?」
声がかすれてしまうのはどうか許してほしい。それくらい目の前にいるこの少女が怖いのだ。
(うぅ…調の目から光が消えていってるデスよ…)
近くにある毛布を手繰り寄せ、ガタブルと震えながら…問いの続きを待っているとニンヤリと調の頬がゆっくりと上へと持ち上がる。
(もう誰デスか!あなたはっ!あたしの知る調はそんな不気味な笑みを浮かべなかったデスよ!?)
本来の性格すらも崩壊しつつある調へと心でツッコミを入れる。そんなあたしのツッコミを感じたのか…笑みを崩した調はあたしにとってちんぷんかんぷんなことを言い出す。
「だって、日本はね。女の人って結婚できるのが16歳なんだよ?男の人は18歳だけどね」
「…何が言いたいのデスか?調」
いまいち調の言いたいことが分からず、首をかしげるあたしに調はもう一度不気味な笑みを浮かべるとそれを口にする。
「だからねーー結婚が出来るなら…もうそれって大人ってことじゃないかなって…。……ふふ、一年後が楽しみだね。ねぇ、切ちゃん…」
「…………」
天国のマム、セレナ…あたしの純潔はあと一年で散るかもしれません…
もしそうなってもどうか調は責めないであげてください。悪いのはあたしの方だと思うので…なので、どうか…これからもあたしたちが健康に過ごせるのを祈っていてほしいのデスよ…
上を向き、溢れそうになる何かをぐっと堪えたあたしはトボトボと寝室を後にしたのだった。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
この小説は私ことヤンデレ理解し隊がヤンデレを理解するために書く話となってます……ので、ほぼ自己満足な話が多く、日常系だと思うので…そう言うのが嫌な方は他の小説を是非ともあたってください。
上記の条件でもいいと思われる方はこれからもヤンデレな調ちゃんとそれに追い回させる切歌ちゃんをお楽しみください。
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レベル2.彼女に死角などない
めちゃくちゃ遅くなってしまい、すいませんでした……(大汗)
あいも変わらず中身スカスッカの文章ですが、最後まで読んでいただけると嬉しいデス!
込み上げてくる何かを必死に飲み込んだアタシは洗面所へと向かい、顔を洗ってからリビングと向かう。
そして、指定席……調の向かいの席へと腰を落とすとすぐに目の前に並べられる朝ご飯は《一汁一菜》ってものらしい。
「はい、切ちゃん」
「ありがとうデス、調」
らしいと曖昧なのは一汁一菜という言葉を教えてくれた翼さんとアタシの間に目にも止まらないスピードでピンク色のナニカが通り、壁にめり込んだからーー。
ビュンと音を立てて、主人の元に戻るピンク色のナニカではなく……ヨーヨーを見た瞬間、アタシと翼さんはガタガタと震えるしか出来なかった。
だって、そのヨーヨーの主人である調は今もマリアと訓練をしていて、アタシと翼さんが会話をしている様子を確認出来る余裕もなかった筈なのに……アタシは余裕がないと思ったから、翼さんに勇気を出して話しかけたのに、なんで後ろ側で死角なのに見えているんデスか……怖すぎるでしょう……。アタシの彼女って後ろに目があるんデスか……衝撃に真実すぎるでしょう……。
トリッキーに攻めてくるマリアの攻撃を巧みに交わしながら、警告した後も今だ向き合っているアタシと翼さんを感情が消え去った桃色の瞳で見てくる調はヨーヨーを重ね合わせると勢いよくマリアに攻撃すると見せかけて、その後ろにいる翼さん目掛けてアームドギアをぶん投げるのを見て、アタシと翼さんはすぐに距離を取るとその日、その瞬間から世間話を待ち時間にすることは無くなった。アタシも翼さんも自分たち目掛けて飛んでくるヨーヨーの先にいる調の殺気に満ち満ちた桃色の瞳を忘れる事なんて出来るわけなかった。アレは怖すぎる。アタシはあまりの怖さにチビりそうになった。
そんな恐怖体験を思い出しながら、もごもごとホカホカの白ご飯にカチャカチャとかき混ぜたアレをご飯にザバーっとかけてから醤油を数滴垂らし、またかき混ぜてから胃へと流し込む。
(うん、アレをかけたご飯美味いデス!)
朝から彼女の重すぎる愛に胃が痛み出してもあったご飯は美味しい。
出来ることならこの時間が永遠に続いて欲しい。
調の事は大好きで愛しているけど、愛が重過ぎて胃が痛い。もう逃げ出したい。こんなに愛されたくなかった、程々に愛されるくらいがいい。アタシはそう思う。
「切ちゃん、ほっぺにご飯粒ついてる」
「ありがとうデス。そういう調こそ–––––」
––––––調こそ……調こそほんと、何やってるの? 箸すら持たずにこっちに身を乗り出して、ニコニコと微笑みかけながら、アタシを見つめてきて…………。や、やめてくれませんか。ほんのり色づく初雪のような白い肌やつり目がちな桃色の瞳は潤み、小さく開いている桜色の唇も含めて、今の調全部が可愛すぎて、強く抱きしめて、キスしたいくらい可愛すぎて。理性が壊れそうになるので、あんまり見つめないで欲しいんデスけど……って、それよりも。ねえ、ほんと何やってるの? 早く食べないと冷めちゃいますよ。あったかご飯にザバーってアレかけられないデスよ。冷たいご飯にアレをザバーってかけても美味さ半減なんデスよ。
「切ちゃんが食べさせてくれるのを待ってるの」
あーぁ、はい。さいデスか。そうデスか。調はいかなる時もブレない芯の強い子なんデスね。そういうところ、アタシは大好きで怖くなるんデスよ。え?褒めても何も出ない?またまた〜そう言ってる間から愛が怖いほど溢れてますよ。お願いだから、もう少し抑えてくれませんかね……あ、はいはい。今食べさせてあげますからね、焼き魚でいいデスよね?ご飯とお味噌汁は届かないので……はいどーぞ。え?ふーふーとあーんが無い?あー、はいはい。ふーふー、あーん。
「ありがとう。でも、切ちゃんは?」
もごもごと口元を動かしながら、小首を傾げて尋ねてくる調の手元を見るとそこには箸と呼ばれるものが無く、アタシは苦笑いを浮かべながら立ち上がり、手に持っている箸を渡してからキッチンへと歩いていく。
「アタシは新しい箸を持ってきて食べますのでお構いなく」
そう言って、キッチンに歩いていって、箸を手に持って歩いて帰っているアタシの視界に映るのは手渡した箸の端を咥え、ペロペロと舐めている調の姿でーー唖然とするアタシには目もくれず、箸の先を恍惚とした視線で見つめる調はうっとりとした様子でこう言うのだった。
「ぁぁ……切ちゃんの唾液すごく美味しい……」
あ"ーあ"、きーこーえーなーい。きこえたくもない。アタシの彼女があんなに変態って知りたくない。
アタシは耳と目を抑えると衝撃的な調を見てから痛み出す胃を抑えると満足した様子で食事を再開する調を見てから先に戻るのだった……
ヤンデレ理解し隊の中では『ご飯の上にザバーってかけるアレ』は『かき混ぜると黄色くて醤油を垂らすと美味しいアレ』となってる。
遅くなっちゃったけど、調ちゃん、誕生日おめでとう!
メモリアは尊さが爆発してて、テンションが跳ね上がった。
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