spider-man longing (ナツチョコ)
しおりを挟む

原作前
原作前  第一話


ちょっと原作に入る前が長いですが、気長に読んでください。




「あー、やっぱりこのヒーロー映画、何度見てもカッコイイな!」

 

俺、貝死 手来例は映画を観てのんびりしてた。見ていた映画はアメコミ映画だ。子供の頃から何度も繰り返し観ていたが、それでも何度も見直すほどだ。このヒーローになれたらと今でも夢見てるほどだ。

 

「あ、やべっ。明日大学じゃん。もう寝よ。」

 

俺が寝る前に見たのは、自分の部屋の見慣れた天井だった。

 

 

 

まさか、これが最後に見た景色になるとは思いもしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うん。何か胸にあるけど気のせいか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…知らない天井だ。」

 

まさかの見知らぬ天井だった。いや、マジでそうだった。あり、俺まさかの誘拐されたパターン?

どうゆうこと⁈

 

そう思っていたら、

 

「何、簡単なことだ。お前が死んでここに来たんだ。」

 

後ろから、突然話しかけられた。振り向くとそこには、

 

「誰だ、このイケメン?」

 

思わず口に出してしまうほどのイケメンがいた。羽根つきで。

 

「はは、イケメンはうれしいね。これでも地元では、普通の顔なんだけどね。」

 

イラっとするやつだな、コイツ。つーか、地元のレベル高過ぎじゃね。するとまたイケメンが話して来た。

 

「まあ、僕の顔は、置いといて。取り合えず自己紹介するよ。僕は、グレース。大天使ガブリエル様の手足となって働く天使だよ。あ、あと君死んだから。」

 

 

「天使?」

 

俺は、驚いた。なんせ天使とは知らないで話して…って、おいちょっとまて!

 

「え!俺死んでんの?!」

 

「そーだよ。寝てる間に胸をグサッと一突きにね。」

 

「まじかよ。なんか胸にあると思ったら。」

 

「そ。それで、家のガブリエル様が可哀想なのと面白半分と他の神の牽制のために転生してあげる。」

 

「け、牽制?」

 

面白半分と可哀想は分かるが、牽制とは一体?

 

「ああ、牽制は、歴史も信仰もない駄神が、増えているのに怒っているんだよ。だから、僕に転生の役割を渡してくれたんだよ。」

 

「駄神て。」

 

「まあ、とにかく転生するから行きたい世界を希望して。」

 

「うーん。そういわれてもなぁ。」

 

いきなり言われても思いつかないのだがな。

 

・・・あ

 

「じゃあ、僕のヒーローアカデミアの世界で。」

 

「ふむふむ。では、一応特典も付くけど何が良い?」

 

「勿論!・・・の力で!」

 

「了解!じゃあ転生させるよ!」

 

「あ!ちょっと待って!あと一つ追加させて。」

 

「内容にもよるけど、どんなの?」

 

「・・・・・」

 

「マジで?」

 

「うん。マジで。」

 

「いいのかい、そんなことしちゃって。結構つらくなるよ、人生。」

 

グレースが念を押してきたが、俺の意志はかわらない。

 

「頼む。」

 

「分かった。でも気をつけてね。めっちゃつらいからな、これ。」

 

「ありがとう。」

 

俺の挨拶にグレースは、

 

「どういたしまして。」

 

そうして俺は、意識が途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次は、転生後まで飛ばします。不定期更新になりますが、頑張っていきます。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二話

子供状態です。どうぞよろしくお願いします。


「あー、あったかいな。」

 

俺、虫塚勇護は天日干しされた布団の上に寝ていた。今は春、母さんが干してあった布団に寝たい欲に抗えず、今絶賛安らぎ中だ。

 

「あ〜、ヤバい。眠り…そう…だ。」

 

其のまま眠り落ちた…筈だった。そこへ、

 

「兄ちゃ〜ん!」

「グボォ⁈」

 

奇襲されたー!

 

「こ、こら!蟻巣《ありす》辞めてよ。」

 

「えー!やだよ!遊んでよ!お願い。」

 

この子は、俺の妹の蟻巣。俺の1つ下の5歳の妹だ。

 

そう。俺は転生者。けど、記憶はない。転生した感覚はあるけど、記憶が無いから自分が何者かは知らない。だけど、今は新しい人生を絶賛満喫中だ。

 

「お兄ちゃん!遊んでよ!早く。」

 

…ちょっとわんぱくな妹がいるけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

転生した世界は、どうやら個性というのがある。それは、中国から始まりやがて世界中に広まったと言う。俺もその個性を持っているらしい。らしいと言うのは、まだ個性を発現してないからだ。今六歳だけど全然発現しなくてさ。妹は、俺と同じく発言してないがまだ五歳だから、まだ望みはある。俺は、半分諦めている。正直な話もう発現しないと何故か確信できた。まあ、今は気長に待っているが、ちょっとは焦っているぐらいだ。とそこへ、

 

「あらら、なにしてるの、蟻巣。お兄ちゃんが困っているでしょう。」

 

洗濯物を混み終えた母さんが、部屋に入ってきた。母さんの名前は、虫塚雲子。個性は蜘蛛だ。体は、普通だ。ただ、腕が八本、しかもうち六本は、蜘蛛足なのだ。意識が出て来た三歳の時に初めて見たときは、怪物!と思ってしまった。親なのに。

 

「えー、でもお兄ちゃんが、遊んでくれないんだよ!外で遊びたいのに。」

 

「お兄ちゃんは、眠たそうだから寝させてあげなさい。」

 

「いやだ~!お兄ちゃん起きて~!」

 

ぐう、母さんの援護があるのに手ごわい!

 

「…仕方無いな・・・眠い。」

 

「あら、大丈夫なの、勇護?」

 

「うん。仕方がないから、遊ぶよ。」

 

「やった~!ありがとうお兄ちゃん。」

 

「ふふ、さすがお兄ちゃんね。じゃあ、近くの公園で遊んで来なさい。」

 

「じゃあ、行こうお兄ちゃん!」

 

 

ああ、公園は、嫌だな。あいつらがいそうだし。と考えてると、、

 

 

「じゃあ、勇護。お隣さんも連れて行ったら。」

 

「あ、そうだね。それもいいかも。」

 

「こら、お兄ちゃん!早く行こう!」

 

「まって、蟻巣。隣の家に先に行こう。呼んでから行こう。」

 

「分かった。じゃあ、先に行ってるよ。」

 

「あ、ちょっと待って。・・・ったく、せっかちだな。」

 

「ふふふ、じゃあ、ちゃんと見ていてね。勇護。」

 

「はーい。じゃあ、行って来ます。」

 

「行ってらっしゃい。」

 

隣りの家はすぐ近くだ。家から十秒歩く距離しかない。玄関には、蟻巣が待ってた。

 

「お兄ちゃん。一緒に呼ぼう。」

 

「うん。じゃあ、せえの」

 

「「一佳ちゃん!あ~そ~ぼ~!!!」」

 

その声に呼ばれて出て来たのは、

 

「はーい!!」

 

橙色の髪をした元気いっぱいな女の子、拳藤一佳だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




主人公は、今訳アリで記憶がありません。ですが、今は十分にこの世界を楽しんでます。


因みにこの小説は、他の小説を読んで触発されて書きました。感想待っています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三話

すみません。大学のゴタゴタで遅くなりました。ではどうぞ。


この子との出会いは一年前。幼稚園で個性が発現しなくていじめられていた時、その子は颯爽と来て助けてくれたんだ。

 

 

                     一年前

 

 

「おい、なんか言えよ。無個性!」

 

「個性が無くてどんな体してんだよ!」

 

「うう。やめてよ。」

 

俺は、なかなか発現しなくて個性について周りからいじめられていた。

え、中身大人なんだから殴り返したり、言い返したりできなかったのかって。いや、言い返したりはしたよ。個性は絶対あとで発現するって。けど心が体に引っ張られているせいか、うまくそのあとが言いくるめたり出来ず、怖がっちゃたりしてね。それが裏目に出てだんだんいじめがエスカレートしてどうにもできなくなっちゃてね。んで、いつものようにいじめられていたら、

 

「ふんッ!」

 

「ウゲッ!」

 

「イデェ!」

 

突然俺をいじめていた2人が頭を抑えて倒れていた。そしてその2人の後ろに立っていたのが、

 

「お前ら、いい加減にしろ!2人でいじめて恥ずかしく無いの⁈」

 

拳を握って直立不動してた拳藤一佳だった。

 

「い、痛えよ、テメェ!何すんだよ!」

 

「何って、いじめてるあんたらを止めただけだよ。」

 

「なんでこんな個性が発現してねぇ奴を助けるんだよ。」

 

「そうだよ!個性無いし、ウザいからこうしてるんだよ。」

 

いや、個性無いだけでここまでやるか?俺は地面にへこたれながら聞いていた。すると拳藤は、

 

「アァ?」

 

「「「ヒッ⁈⁈」」」

 

メンチ切って脅してた。ちなみにへこたれていた俺も怖かった。だって声もドスが効いていたもん!

 

「今止めるなら、殴らないけどまだするなら…

 

「「す、するなら?」」

 

「これで殴る。」

 

と言いながら巨大化した掌を上に上げて見せつけていた。流石にやり過ぎじゃね。そう思ってしまうほど怖かった。何故か俺まで入っている気がしたのは気のせいだ。気のせいだと言ったら気のせいだ。

 

「「う、うわぁー!お母さーん!」」

 

2人は、半泣きして逃げていった。ちょっとだけ同情してしまった。

 

「フンだ!男子なのに弱虫!」そして俺を見て、

 

「アンタ大丈夫、立てる?」スッと手を差し伸べてくれた。

 

俺は手を握って立ち上がりお礼を言った。

 

「大丈夫だよ、ありがとう。」

 

「そ、良かった。」

 

俺はおずおずとしながら助けてくれた理由を聞いた。

 

「あの、どうして助けてくれたの?」

 

「うん?だってあいつら2対1で襲って卑怯だったから。あとあんまり見てて良くないなと思っただけだよ。」

 

結構あっさりしているなっと思いつつ、

 

「あ、あの僕は虫塚勇護。君の名前は何て言うの?」

 

僕呼びは、気にしないでくれ。この姿で俺呼びだと、背伸びしたいのかなと思われてしまうからだ。

 

「私は、拳藤一佳。よろしくね。」

 

一佳ちゃんは、笑いながら言ってくれた。

 

「ねぇ、お友達になってくれない?遊んでくれる人がいないから。」

 

「うん。いいよ。アンタ見ていないとまたいじめられていそうだから。」

 

「はは、ありがとう!」

 

これが俺の拳藤一佳との友達の始まりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ、こんな感じで、拳道とは仲良くなった。今でも、たまにあいつらがいじめにくるが、一佳がいるお陰で大分減ってくれた。その後妹の蟻巣にも友達になった。今じゃあ、家族ぐるみでの仲良しだ。俺と一佳は、ずっと仲が良かった。あの日が来るまでは。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…転勤?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




一応早く出来るよう次から頑張ります。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第4話

遅れてすみませんでした。ではどうぞ。


その連絡は突然だった。いつものように拳藤とかくれんぼや鬼ごっこをしたりして、夕方家に帰ると、

 

「お帰り、勇護。」

 

「あ、お帰り。お父さん。」

 

父さんが早く帰っていた。父さんは、会社員でそれなりに高い地位にいるらしい。ちなみに個性は蟻で、怪力なのと顎が強く砲丸投げのボールくらいなら噛み潰せると言っていた。早く帰って来るのは珍しい。いつもは、夜なのに。

 

「どうしたの。いつもは夜に帰って来るのに。」

 

「うーん。ちょっとね、皆に話さなきゃいけないことがあるからね、早く帰って来たの。」

 

「そうなの?」

 

あれ、これなんかヤバいやつじゃね。当たんなきゃ良いけど。

残念ながらこの感は、正解だったことを俺は夕ご飯のあとに分かった。

 

 

 

 

 

 

 

ーーー翌日

 

俺は、学校終わりに拳道と遊んでいると、

 

「ねぇ、勇護。なんかあったの?」

 

「え?」

 

突然、拳藤からいきなり質問された。

 

「え、何で?」

 

「なんかアンタ朝から暗いからさ。イジメられたのかなって思ったけど、アタシが昨日からずっと一緒に遊んでいたから、何で暗い顔してるのかなと思ったんだけど。どうしたの?」

 

「い、いや!何にも無いよ。アハハ。」

 

すると拳藤はジト目で俺を見た。俺は顔を逸らし、見ないようにしていたがそれが仇になった。

 

「嘘つき!アンタなんか隠してるでしょ!さっさと言いなよ!」

 

うう、感が鋭いな(泣)あと、ジト目から睨むにレベルアップしてるし。

 

「うう、わかったよ。言うから睨まないでよ。」

 

「最初から言えば良いのよ。で、何隠してるの?」

 

「うん。実はね、

 

 

 

引っ越ししちゃうんだ。」

 

 

 

 

side拳藤

 

「え、今何て?」

 

「だから、引っ越ししちゃうの。この街から」

 

聞いた瞬間、頭が真っ白になった。勇護は、そのまま機の悪そうに下を向いていた。だけど、アタシの中ではそんなことはどうでもよかった。

 

「なん、で?何か、あったの?」

 

「お父さんが転勤になって家族みんなで一緒に行くことになったんだ。僕と蟻巣だけ置いていくのは、無理だって言われてね。だから一佳ちゃんとは離ればなれになっちゃうの。」

 

 

嘘だと思いたかった。だって、ずっとアタシが勇護を引っ張っていくのだと思っていたから。信じたくなかった。

 

「嫌だよ、そんなの。…一緒に居られないの?」

 

勇護は何も言わずに首を横に振った。

 

「そんなの…そんなの…信じたくないよ!」

 

アタシは、我慢出来ず叫んで、逃げた。

 

嫌だ、嫌だ、嫌だよ!アイツと離れるなんて!絶対に嫌だ!

 

 

 

 

side勇護

 

拳藤に一通りはなしていたのだが、走ってどこかに行ってしまった。突然だったため、追いかけることが出来なかったがそれどころじゃなかった。

 

「信じたくないか。こっちもその気持ちなんだけどな」

 

俺もこのことは渋っていたが、前世の感覚があるせいかある程度落ち着いていた。けど蟻巣は違った。拳藤と離れるのが嫌でわんわん泣いていた。一番あいつが仲が良かったからな。本当にどうすれば良いんだよ、このモヤモヤした気持ち。分からねぇ。

 

気がつくと近くの川の土手の上にいた。ここはよく拳藤と蟻巣と一緒に遊んだ場所だった。俺は、何故か悲しくなって土手に座った。体育座りで顔を伏せた。

 

全部嫌だった。なんで拳道と離れなきゃいけないのか。投げやりになっていた。泣きたかった。そして、

 

 

「どうしたんだい?こんなところで泣いて」

 

俺がヒーローを目指すキッカケになった人と出会った瞬間だった。

 




主人公のヒロインは拳藤ですが、二人はまだ恋愛感情はありません。とても仲の良い友達としての関係です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第5話

ちょっと今回は長いです。


初めて見た感想はお医者さんのおばあちゃんだった。灰色の髪に注射のかんざし、お医者さんなのか白衣を着てる。そして杖をついてる。中の服は、脇に赤いラインの引かれた服だ。いつから居たんだろう、このおばあちゃん。

 

「坊や?一体どうしてここで泣いてるんだい?」

 

指摘されて、初めて自分が泣いているのに気がついた。だけど、

 

「おばあちゃん誰?」

 

ヤバっと思った。名前を聞かれたら相手の名前を先に聞きなさいってお母さんに言われていたせいか、反射的に聞いてしまった。危ない人だったらどうしようと思った。がしかし、

 

「ああ、ごめんね。名前を言わずに聞いて。私はただの学校の保険医さ。」

 

「ほけんい?」

 

「保健室の先生さ。」

 

俺はちょっと驚いた。保健室の先生って若い女の先生がやっているもんだと思っていたからだ。因みに俺の小学校は、美人な先生だ。(ついでに巨乳)

 

「はは、驚いたかい。まぁ、最近では小学校は大体若いモンがやっているからね。」

 

「え、なんで分かったの⁈」

 

「顔に出ているよ。考えている事が。あと年の功だね。」

 

ヤバい。ちょっと恥ずかしい。

 

「それで、なんでここで泣いてるんだい?」

 

「………」

 

俺は、言った方が良いのか迷った。いくら保健室の先生だと言われても、さっきまでの事を言うのは恥ずかしい!だけど、この時俺は直感で言うべきだと思った。

 

「おばあちゃん、実はね…」

 

おばあちゃんは、黙って全部聞いてくれた。そして俺は聞いた。

 

「おばあちゃん、俺どうすれば良い?」

 

おばあちゃんは、少し間を置き静かに話した。

 

「…また仲良くなりゃ良いじゃないかい。」

 

「でも!話を聞いてくれるか分からないし

「本当にそうかい?」…え?」

 

「その子は多分、お前さんと離れる事を認めたくないんだよ。だから、その場で走って逃げてしまった。」

 

「……」

 

「だからね、今度はちゃんと目を見て、離れても友達だよって、言えばまた仲良くなれるよ。」

 

俺は、考えた。確かにまた友達だって、言えばまた何時ものように仲良くなれる。と考えていたら、

 

「それにね、また会えた時にその友達を驚かす為に目標を作ると良いよ。」

 

「目標?」

 

「ああ、目標だよ。今、自分が一番なりたいものになる、って決めた方が良いよ。」

 

「一番なりたいもの」

 

と、その時だ!

 

 

キィーン

 

「⁈」

 

俺の頭の中に突然考えが出た。いや、大人っぽく言うなら、

 

天啓が落ちた!

 

 

〜〜〜やっぱ、こうゆうヒーローになって見てえな!〜〜〜

 

そこには、一人の男性とテレビに映った赤と青のラインが入っているタイツを来た⁇⁇がいた。

 

 

 

 

 

「あれ?」

 

気がつくと、俺はさっきまでと同じように座っていた。おばあちゃんも一緒だ。今のは、なんだ?さっきの男は誰だ?テレビの人は誰だ?

 

 

知ってる。いや、知っていた。だけど、分からない。多分、俺の前世の記憶が少しだけ戻ったんだ。多分そうだと思う。

 

「どうしたんだい?急に黙って?」

 

おばあちゃんに話しかけられた。急に黙っていたから、心配してくれたんだろう。

 

「あ、はい!大丈夫です。少し考えていただけです!」

 

「そうかい。じゃあこれをあげようか?」

 

そう言って、白衣のポケットから飴を出してくれた。ハリボーだった。

 

「ありがとうございます。」

 

今は舐める気になれない為、すぐにポケットに入れた。そして、

 

「おばあちゃん。俺、なりたいもの決めたよ。」

 

「ほう。何になるんだい?」

 

俺は、とびっきりの笑顔で答えた。

 

「みんなの友達になれるヒーローになる!」

 

これが、この先俺の長いヒーロー生活での信念になる言葉だった。

 

そして、ここからが俺のヒーローを語る上で、外せない大事な原点だった。




次の最初におばあちゃんsideの考えを書いて起きます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第6話

遅くなってすみませんでした!

あと長いです!


そろそろ、一佳を見つけようと思った俺はおばあちゃんと別れた。帰り際に、色々心配されていたが大丈夫とごり押しで帰った。

 

 

あ、名前聞くの忘れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???side

 

やれやれ。面白い子と出会ったね。

 

 

仕事である巡回から帰る途中何かの気配を感じた。周りを見ると、川の土手に小さな子供が座っていた。身長は、普通の小学生の低学年辺りだったが、何故か見た目より小さく感じた。とりあえずヒーローとして、何してるのか確かめようと話しを聞くために、近づいて話しかけた。すすり泣きが聞こえるね。

 

「坊や?一体ここで何で泣いているんだい?」

 

坊やは、こちらを向いた。クリクリした目に黒髪の短髪。整った顔。将来はモテそうだね。

 

「おばあちゃん誰?。」

 

「ああ、ごめんね。名前を言わずに聞いて。

私はただの学校の保険医さ。」

 

「ほけんい?」

 

「保健室の先生さ。」

 

そう言うと坊やは驚いた顔をした。そういえば最近は若い保険医が多いだったっけ。私みたいな年寄りは地方に行っちまって見ないね。現に坊やも顔に驚きの表情が出てるよ。

 

「はは、驚いたかい。まぁ、最近では小学校は大体若いモンがやっているからね。」

 

「え、なんで分かったの⁈」

 

「顔に出ているよ。考えている事が。あと年の功だね。」

 

ふふ、顔を真っ赤にして。可愛い坊やだね。恥ずかしがっているね。

とりあえずさっきの質問をし直すか。

 

「それで、なんでここで泣いているんだい?」

 

「……」

 

まぁ、簡単には喋らんか。そう思っていると、

 

「…おばあちゃん、実はね、…」

 

私は黙って聞いてやった。話の中身はよくある子供が友達と離れたくないというものだった。だがまぁよくある話と思っても子供には大ごとだろう。仲良くなった友達と離れ離れになるのは、いつの時代も嫌な事だ。そして

 

「おばあちゃん、俺どうすれば良い?」

 

どうすれば良い、か。しかし、この坊やの話を聞く限り意外と離れ離れになる事に困った様子ではないね。坊やはもう受け入れているようだが、友達が受け入れられず怒っているようだね。まぁ、私に言えることは

 

「…また仲良くなれば良いじゃないか。」

 

「でも!話を聞いてくれるか分からないし「本当にそうかい?」…え?」

 

「その子は多分、お前さんと離れる事を認めたくないんだよ。だから、走って逃げてしまった。」

 

「……」

 

今、また仲良くならなければ、坊やとその友達は中違いをしたまま離れる事になるだろう。それだと本当に嫌いになってしまうだろう。それは駄目だ。

 

「だからね、今度はちゃんと目を見て離れても友達だよって、言えばまた仲良くなれるよ。」

 

坊やは賢い。だが同時に無知だ。物分かりが良いとしても、まだ幼い少年。こうゆう子供は、今の内に大人がしっかりと手を差し伸べてあげないといけない。たとえしっかりしても、周りの環境で良くも悪くもなる。今の坊やは、その時期だ。だからもう一つ教えよう。

 

「それにね、また会えた時にその友達を驚かす為に目標を作ると良いよ。」

 

「目標?」

 

「ああ、目標だよ。今、自分が一番なりたいものになる、って決めた方が良いよ。」

 

「一番なりたいもの」

 

こうして考えさせて、自分で目標を持たせる。一番なりたいものになるって強い意志があれば大抵は道を外れないよ。まぁ、外れるか外れないは、坊や自身の問題だけどね。

 

「…うん?」

 

と、考えている坊やを見るとなんだか様子がおかしいね。考えているように見えるけど、なんだか気絶しているようにも見えるね。

 

「どうしたんだい?急に黙って?」

 

心配になってきたから声をかけてやった。すると坊やがちゃんと返事してくれた。

 

「あ、はい!大丈夫です。少し考えていただけです!」

 

「そうかい。じゃあこれをあげようか?」

 

私は良く生徒にあげるハリボーをあげた。坊やはポケットに入れて、

 

「ありがとうございます。おばあちゃん。俺なりたいもの決めたよ。」

 

「ほう。何になるんだい?」

 

坊やが顔を振り向いて、笑顔で答えた。

 

「みんなの友達になれるヒーローになる!」

 

ああ、良い顔になったね

 

 

 

 

 

坊やと別れて、帰ろうとした。けど一応声をかけてやった。

 

「…いつから盗み聞きの趣味が出来たんだい。根津。」

 

「おや、結構上手く隠れていたんだけど。いつから気づいていたんだい。」

 

「途中からね。視界の隅に大きな茶色の動物がいたら、嫌でもあんたを思い出すよ。」

 

「HAHAHA!残念!そんなにバレてたのか!」

 

出てきたのは、大きなネズミの姿をした動物だ。こんなのでも、雄英の校長だけどね。

 

「話を戻すけど、いつから盗み聞きの癖が付いたんだい?」

 

「わざとじゃないさ。携帯に何度も電話して気づいてくれないから探していたんだよ。見つけたと思ったら子供と話してたから、ついね。」

 

「おや、済まないね。どうやら充電が切れていたよ。」

 

携帯を見ると充電が切れていた。道理で携帯が静かなわけだい。

 

「それで、彼はどう見ているんだい?将来家の高校に入りそうかい?」

 

「…あの子はヒーローになると言っていた。案外こっちに来るかもしれない。けど、あの子はどちらにでもなれるね。」

 

「…やっぱり?」

 

「ああ。黒《ヴィラン》にも白《ヒーロー》もね。だから、私達が正しく導いてやらないとね。」

 

それが年寄りの役目さ。

 

「因みに貴方自身の考えはどうなんですか?」

 

「そりゃあ決まっているよ。」

 

何も確証がないのに、私はあの子みたいに笑って言ってやった。

 

「あの子は、ヒーローになるよ。人の心にずっと残るような。」

 

 

 

 

 

 

 




キャラの一人一人の心の中を考えるのが大変だった。あと文章にするのも。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第7話

大変遅くなりました。すいませんでした。脳内映像を風景にするの難しくて、手間どりました。


俺は走って家に戻った。急いで一佳に話したかったからだ。俺は隣の一佳の家に着いてすぐピンポンを押した。

 

ピンポーン

 

 

はーい

 

 

ピンポンのカメラ付きの話し口から一佳のお母さんの声が聞こえた。

 

「こんにちは〜。お隣の勇護です!一佳ちゃんはいますか⁈」

 

『あれ?勇護くん?ちょっと待って、今出るから。』

 

出て来たのは、一佳の母のさやかさんだ。一佳が美人なだけにさやかさんも美人だ。ただしこっちは、おっとりだ。あいつなんであんな風に育ったのだろう?不思議だ。とりあえず俺は一佳がいるか聞いた。

 

「すみません。急に来て、一佳はいますか?」

 

「あら、一緒じゃないの?まだ帰ってきてないよ。」

 

「え⁈」

 

何で?どうゆうことだ?いつもは喧嘩別れしたら家に帰っているのに。

 

「何かあったの?」

 

「実は.…」

 

俺は今までの事を話した。ただし、おばあちゃんとの話は話さなかった。するとさやかさんは、顔を曇らせた。

 

「そうなると、近くの裏山に行っちゃったかもしれないね。」

 

「裏山?」

 

「そう、前まではきつく叱っていた事が何回かあってね、叱った後にいつもそこに向かって言っていたからそこじゃないかしら。」

 

「わかりました。ありがとうございます。じゃあ、その裏山に向かってみます。」

 

「私も少し家事をしたら向かうよ。そろそろ怒られても裏山に行かないように言わないといけないし。」

 

俺はそれを聞いて裏山へ向かった。そして後悔した。後で思うとその時にさやかさんを連れて行かなかったのか。

 

そして知らなかった。それが俺の原点《オリジン》になることを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side拳藤

 

私は泣いていた。一人で泣いていた。勇護と別れたくないだけなのに、なんでこんなところで泣いているのだろう。どうしていいか分からなかった。ただ離れることしかできなかった。あの時、勇護から走ってここまで真っすぐ来た。本当になんでだろう?

 

「いやだよ、離れたくないよ。勇護から傍を離れたくないよう。」

 

気づいたら泣いていた。ただそのことしか頭になかった。

 

 

 

その時だった。

 

                ガサッ

 

草むらが動いた。ここは誰も知らないはず?

 

「・・・誰?」

 

恐る恐る聞いてみた。そして出てきたのは、

 

「ヴウウゥ!」

 

出てきたのは、野犬だった。大体位60センチの大型犬だった。数字だけだと小さく感じるが、小学生からすれば十分に大きい。しかも怒っているのか唸っている。

 

ヴゥゥワァン!!

 

「ヒィッ?!」

 

拳藤は、まだ小学生。怖くなるのも無理はない。拳藤は、動いて逃げようとするが、体が動かない。

 

「こ、怖い。う、動けない。」

 

腰が抜けてしまったのだ。そして野犬は少しずつやってきて、

 

「バァウバァウワォーン!」

 

飛び掛かって拳藤に噛み付こうとした。

 

拳藤は動けなかった。怖くて目をつぶり覚悟した。

 

 

だから、気づかなかった。横から猛ダッシュで走って来る子がいたこ

とを。

 

ガシ!

 

ガチン!

 

ドサァ

 

拳藤は、痛みではなく衝撃がきたことに驚き目を開けた。そこには、

 

「ハァハァ、つ、疲れた。」

 

肩で息をしている勇護がいた。

 

 

 

 

 

 

side勇護

 

ま、間に合った。

 

なんでこんなことになっているか聞きたかったが、息苦しくてダメだ。

 

「ゆ、勇護?」

 

一佳がこっちを見て尋ねそうな顔をしていた。

 

が、こっちには答える暇が無かった。何故なら

 

「グルルル!」

 

野犬が殺気だってこっちを見ていた。

 

たく、少しは休ませろ!犬っころ!

 

そう考えて一佳を支えながら立ち上がった。

 

「一佳、逃げるよ。お前ん家のお母さんが来るから、多分大丈夫だけど、まだ来てないから安心出来ない。」

 

「で、でも怖くて、足が、震えて動けないよ。」

 

「…マジで?」

 

一佳の言葉はあまり信じたく無かったが、よく見ると足がガクガクしてる。そりゃ普通は怖いか、子供には。

 

「バァウバァウ!」

 

野犬は隙を突いて襲ってきた。けど、こっちは警戒しまくっていたから反応できた。

 

野犬の顔と体を掴んで抑えたが結構暴れる。

 

つーか、力強い!

 

「勇護!早く逃げよう!それじゃ噛まれちゃうよ!」

 

アホか!離したら、逃げきれずにガブッとやられるわ!

 

そう反論したかったが、言い返す余裕もなかった。

 

離さない!これしか考えていなかった。

 

けど子供の体じゃダメだ。限界がきた。

 

「ふんぎぎぎぃ!」

 

もう限界!だけど根性で頑張れ!

 

「ガウガウ!!ガウ!」

 

「ふんぐぐぅ〜!」

 

や、やばい!もうダメだ

 

 

 

 

 

「うぉりゃぁー!!」

 

いきなり野犬が吹っ飛んだ。いや蹴り飛ばされたのだ!

 

「この犬っころが!」

 

そこには、普段のイメージからは想像つかない台詞と表情のさやかさんがいた。つーか、怖い!野犬より怖い!

 

「大丈夫かい、二人とも?」

 

「はい、何とか。」

 

「うん。大丈夫。」

 

「良かった。無事で。直ぐ終わらせるから待っていなさい。」

 

そういうとさやかさんは、

 

「おいコラ犬っころ!よくも大事な娘と(将来の)息子を噛みつけようとしたなゴラァ!背骨叩き折るぞゴラァ!」

 

と、憤怒の形相で野犬を睨みつけた。怒りすぎて口調が変わってる!

 

「ふん!」

 

さやかさんが腕に力を籠めると

 

    キュイン!

 

 

腕が黒くなった!なんかカッケェ!そのまま野犬に突っ込んで

 

「しゃおらぁ!」

 

「キャン!」

 

野犬を一発で倒しやがった。しかも地面にヒビ入ってるし。

 

「ふう~、これで良しっと。二人とも大丈夫?」

 

「うん。大丈夫。」

 

「あの、最近さやかさん。その腕って?」

 

「ああ、これ?私の個性。武装っていうの。カッコイイでしょ。」

 

なぜだろう。色んな意味で口にしちゃいけない気がする。

 

「さ、二人とも立てる?うちに帰りましょう。」

 

俺は立って帰ろうとした。が、

 

「あれ、立てない」

 

一佳が立てずに座ったままになっていた。

 

「...しゃあないな。」

 

「え、うわぁ?!」

 

おれは、引っ張って肩を回して立ち上がらせてやった。

 

「このまま帰るよ。」

 

「...ありがとう。」

 

あれ、意外と素直だな。

 

そのまま俺たちは家へ帰った。因みに野犬は保健所に連れていかれた。かなりふるえていたが、無視しておいた。

 

その帰り道、

 

「ねえ、勇護。」

 

「うん?」

 

「ごめんね。急にどっか行っちゃて。」

 

「全然。大丈夫だよ。気にしてないよ。」

 

「でもあたしが、離れなきゃ「てぇい!」イタ!」

 

おれは、口をふさぐ為に一佳をチョップしてやった。

 

「そうゆうの無し!どの道ああなっていたのだから。」

 

「...」

 

「...おれさ、引っ越ししちゃうけどさ、アッチ行ってもちゃんと連絡するよ。」

 

「...」

 

「それに、やりたい事ができた。」

 

「やりたいこと?」

 

不思議そうな顔で俺を見てる一佳に二カッと笑って、

 

「ヒーローになる!」

 

「...え?」

 

「俺さ、一佳にまた会う時に助けてもらってばっかりじゃん。だから、次は俺がお前を、困っているみんなを助けるカッケェヒーローになるんだ。」

 

「でも、...”無個性”じゃん。」

 

「それがどうした!もしかしたら、後で個性が発言するかもしれないぞ。だから諦めない。次に会ったらヒーローになっているからな!」

 

「...」

 

一佳はぽけーとしていた。けど、

 

「へ、そしたらあたしだってヒーローになるもん。」

 

笑ったでそう宣言してくれた。俺もつられえて笑った

 

「じゃあ、約束だ。」

 

「二人でヒーローになるんだ!」

 

俺たちは、指切りで約束した。

 

「約束だからな。」

 

笑顔で一佳が言ってきた。不覚にも俺は、ドキッとした。

 

「ああ!」

 

 

 

 

 

「二人とも仲いいわね。将来は心配しなくて済みそうだわ」

 

さやかさんの言葉はとりあえず聞き流した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ヒロアカの映画見て思いました。

メリッサヒロインじゃん!




次は早くなるよう頑張ります。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第八話

今回は反省して早く出来ました。





気分が乗らないと筆が進まないタイプです。


その後、数日後に俺たちは引っ越した。一佳は見送りに来てくれた。蟻巣と一緒に泣いていたが、それでも最後は笑って見送ってくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから数年

 

 

 

俺は何をしているかというと、

 

「待てコラ!デク!クソムシ!」

 

「ウワァァァ〜!辞めてよ、かっちゃん!」

 

「しつけぇな!バカ豪!」

 

「んだとゴラァ!!」

 

はい!イジメられていました!正直な話、一佳が居ないと直ぐイジメられていたからこっちでもあまり変わらなかった。変わったのは多少口げんかが出来るようになったことと蟻巣が個性を発現したことだ。

 

蟻巣の個性は、蟻。

 

親父と同じ個性だが怪力は同じだが、顎は強く無くて逆に壁を登れるようだ。けど必ず四肢を必ず使わないといけず、しかも靴下を履いていたら使えないので、実質怪力だけが取り柄の個性だ。

 

余談だが、壁に登ったら降りる時は必ずまたこの体勢で降りないとダメみたいだ。何故か飛び降りることが出来ないみたいだ。

 

そんなことで、最近妹から避けられている。おそらく無個性の俺に気を使って触れないようにしているようだ。家でも避けられあまり、話していない。一佳とは、電話で話していて蟻巣とは仲が良いようだ。また昔のように遊びたいな。

 

 

 

 

そして現在

 

今一緒に逃げているのは、緑谷出久くん。俺と同じ無個性で、いじめられっ子。オールマイトが大好きなオタク気味の子だ。

 

「待てゴラァ!」

 

今後ろから追って来てるのが爆豪勝己。俺と出久を虐めるみみっちい奴だ。自分の周りが全てと思っているみたいだ。個性は爆破。掌の汗から爆破出来る強い個性だ。それでいつも俺たちをイジメていた。こんなのが引っ越しして直ぐ始まった。まぁ学校はいつもボッチだ。一応出久と組んでいるから一人ではないが、似たようなもんだ。

 

今日もいつものように逃げ回ってつまらない1日を過ごすと思っていた。

 

 

あそこを見つけるまでは

 

「あれ?出久のやつどこだ?」

 

どうやら俺が逸れたみたいだ。一応携帯があるから、場所を確認して戻ろう。

 

 

 

今考えるとこの時が俺の転換点だな

 

 

 

 

 

あり?奥の方に道場がある。なんか古いな。

 

横を見ると細い路地の先に道場らしき建物があった。俺は昔から道場など武道に関する事に興味があった。道場などを見つけると中に入りたくなるぐらい興味が湧く。

 

時間もあるし、行ってみるか

 

俺はその道を進む。

 

 

 

そこには古い道場があった。かなり年季が入っているが扉が開けそうだし、崩れる心配もない。というか、年季が入っているおかげで、風格みたいな感じが出てる。

 

 

中入ってみようかな。流石に真正面から入る気は無かった。代わりに周りを歩いて観察してみた。

 

角を曲がり見てみると戸が開いていた。武家屋敷みたいな引き戸だ。そして

 

「誰だね、君は?」

 

そこには、ヤの付く職業を引退した感じの強面の老人がいた。

 

 

 

これが、生涯クソジジイと呼びながら師と尊敬できる師匠との出会いだった。

 

 

 

 

 




オリジナルの登場人物たちは、主人公が個性を手に入れたら詳しく書きます。

この頃のかっちゃんは、オリ主が親にチクってもまだやり続ける悪意のない悪ガキ設定です。まだ何がダメで何が良いが分かるのは、もう少し先です。頭は良いですが。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第九話

時間ある時に書いておきます。


「誰だね、君は?」

 

強面の老人が聞いて来た。本当なら直ぐ答えないといけないのだけど、こっちの頭の中では

 

怖い。怖ぇ〜よ!嫌マゾで!じゃなかった!マジで!え、この人ヤの付く職業じゃないよね。そうだよね!

 

パニクっていた。嫌、マジで初見だと怖い。印象がヤの付く職業で第一線をバリバリ進んでいた大御所にしか見えねぇよ!

 

「聞こえないかな?誰だね、君は?」

 

もう一度聞いて来た。声にドスが効いていて怖い!俺は震えながら、答えた。

 

「お、折寺小のよ、四年生です。」

 

「どうしてここに居るんだい?」

 

「と、友達と逸れて、こ、ここが興味が出てつい「興味が湧いて?」っ⁈」

 

途中で遮られたからビクッた!

 

「どうして興味が出たんだい?」

 

知るか、ボゲェ!何このヤーさん!なんでこんなに質問責めにしてくるの⁈正直顔と周りの風格が怖すぎて泣きたい。裸足で逃げたい。三百円あげるから帰らせてください、お願いします!

 

「け、剣道とかが好きだから、やっているのかなって思って。」

 

マズイ。我ながらひでぇ返答だ。剣道やっていたら、玄関で聞こえるはずだから、完全に嘘だと分かる答えだ。答えるのに間違えたら首が飛びそう。物理的に!

 

子供の純粋な帰りたいアピールの目でやってみるか?

ダメだ。中身がオッさん地味て出来ない!

 

「ほう?意外と活発だな。いい事だ。子供は元気なのが一番だ。」

 

「はぁ」

 

お?これいい人か?優しいかな。帰れそうだ。よか「だが、勝手に入って来たのは良くないな」ですよねー!知っていました!やっぱそこか!

 

「ふむ。君の個性はなんだね?」

 

? なんで個性の話し?とりあえず正直に答えるか?じゃないと後で怖い。

 

「えっと、無個性ですが。」

 

「ほう。無個性か。大変だな」

 

あー、またきた。このテンプレ反応。もう慣れたけど。

 

「君はヒーローになりたいかね?」

 

…え?

 

「え?ヒーロー?」

 

「そうだ。ヒーローになりたいと思っているかね?」

 

…なんでこんな事聞くんだ?なんかの同情か?目を見て判断したいけど合わせたら、気絶しそうでとても出来ない。

 

「無理だと周りから言われてますが、正直ヒーローになりたいです。」

 

「…」

 

「俺、ここに引っ越しする前に友達と約束したんです。ヒーローになるって。あっちじゃあいつに助けられてばっかだったから、あいつの隣に立ちたい。そして人を笑顔にして、みんなの友達のようなヒーローになりたいです。」

 

「…当てはあるかね。」

 

「…いいえ。」

 

正直戦い方などを教えてくれる人が居ない。自分なりに筋トレをしてるが、これは一般人とちょっとしか差がある体格のままだ。

 

もっと力が欲しい。

 

「なら、うちの道場に来ないか?」

 

「え?」

 

「ここは、私以外いなくてね。門下生もいないのだよ。」

 

「どうしてですか?」

 

そう聞くとヤーさんは、笑い

 

「私が門下生を選別してるからだよ。」

 

そう言ってきた。選別?

 

「どうゆう事ですか?」

 

「私も無個性でね。」

 

「!」

 

「正直な話し、体だけを鍛える道場はあまり好まれ無くてね。最初は何人かきたが、個性を鍛える事をしないと分かると逃げてな。話にならんかった。だから選別をした。今までに無個性の子が来たのは一人もいなかったよ。それに場所も悪いからな。」

 

なるほど。と思ったが多分違うと思う。その人たち、このヤーさんの顔が怖すぎて逃げたのだろう。絶対そうだと思う!

 

「どうだね。来てみないか。ただし、かなり厳しい修行になるがね。強くなれるのは保証するよ。」

 

「…本当に強くなれますか?」

 

「保証はするよ。ただし、付いて来れたらね。」

 

悩む。多分言っている事は本当だろうけど、怪しい。それに怖い。けど、

 

ウジウジしてたら、切りがない!キッパリと決めよう!

 

「よろしくお願いします!」

 

「こちらこそよろしく。」

 

目を見て見ると、俺を真っ直ぐに見ていた。けど不思議と怖くは無かった。

 

 

ココからが初めの一歩を踏むんだ!

 

 

 

 




あと一、二話で個性入手と原作突入をしたいと考えています。中々入らなくてすみません。

次回からまた一気に時間が飛びます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十話 前編

今回は多すぎて分けました。ちょっと反省してます。


あれから2年が過ぎた。

 

緑谷と爆豪と一緒に折寺中学に進学した。緑谷は、相変わらず爆豪に虐められている。

 

俺はと言うと、

 

「虫塚!遊ぼうぜ!ゲーセンに行こう!」

 

「良いよ!但しゲームで勝ったらジュース奢りで。」

 

「オッケ!じゃあ行こうぜ!」

 

新しくクラスの人から遊びに誘われるようになった。これには理由が

 

「待てゴラ!クソムシ!今日もやるぞ!」

 

ほら来た。

 

「えー、嫌だよ。また喧嘩するの。また洋服を燃やされていたら、替えが無くなるよ。」

 

「喧しいわ!だったらそんぐらいの金出してやるわ!」

 

ある意味元凶?を作り出した爆豪が突っかかってきた。ちょっといくつか説明しよう。最近の身の回りのことだ。

 

修行を始めてから最初の一年。丁度修行が一段階レベルアップした頃だった。最初師匠は、一定の体力と筋力をつける為に筋トレなどの一般的な特訓をしていた。さらに並行して武術や剣術の基本を始めた。一年で何とか師匠が求める筋力と体力が付いた。でもって簡単な体力テストをして、合格して次の段階に入った。

 

それが地獄の始まりだった。

 

まず、修行の稽古を週3日から6日にいきなり変更した。それはまだ良かった。だが酷いのは次だ!武術の稽古と剣術の稽古をいきなり防具無しで実戦した。今まで応用を練習せずにだ!当然ながらボコボコにされて、泣きたかった。更にその実戦稽古を100本、最低一本取れるまでやった。しかも全然手を抜かない!ハッキリ言って死ぬ!だって、俺の体を宙に浮かせてぶっ飛ばすんだもん!しかもぶっ飛んだ瞬間、追いついて蹴り飛ばすもん!何だこいつ!マンガの強キャラかよ!

 

一応夜9時までは終わるけど、それまでに意識が飛んでいるからいつ終わったか、分からん!親は心配していたが、俺がやると宣言していたのと、最初に師匠が途中から虐待どころか拷問並みにキツくなると言っても了承したため強くは言えなかったようだ。師匠は、終わったらいつも気絶した俺を家まで送って、頭を下げて謝っていた。修行のレベルを下げる気は無いようだけど。

 

更に夏休み中は、宿題を速攻で終わらせられて、師匠の所有している無人島で、自給自足のサバイバル生活を送っていた。しかも不規則に師匠から襲撃された。どこの軍隊の訓練だよ!一応毒ありの生物は、いないようだが何らかの毒を持った植物は多く住み着いており、一回その植物を食べたら、意識が飛び、発熱と嘔吐、更に幻覚まで見えた。流石にその時は師匠が治療して治してくれた。余談だが幻覚の内容は何故か師匠とのタイマン稽古だった。…幻覚か現実か分からなかった。流石にもう既にクソジジイと呼んでいた。何故か始めて呼んだ記憶が無い。何故だ?

 

その修行から五カ月の九月にちょっとした厄介ごとが出た。いや、ある意味改善をするきっかけになった事件なんだ。

 

妹がクソジジイに決闘を申し込んだ。流石にこれを聞いた時は冗談だと思った。が、マジだった。理由を聞いたが

 

「関係ないでしょ!」

 

の一言でバッサリ打ち止められた。…兄の威厳が無くて死にたい。

 

決闘当日。日曜日にいつもの道場で決闘を始めた。ちなみに親は二人とも仕事を休んで見に来た。やはり心配なのだろう。ジジイは先に妹には手を抜いておくといった。おそらく蟻巣は、バカにされた!と思っているだろう。自分には親父譲りの怪力があるから無個性相手に勝てると思っていたようだが、それが勘違いと知るのは早かった。開始早々にジジイが蟻巣を腹パンして終わらせた。早すぎた。マジで見えねえもん。けど、意外にも蟻巣は直ぐに目を覚ました。目は殺意に溢れている。

 

「この〜!」

 

いきよいよく突撃して殴りかかった。だが、簡単に全ての攻撃を避けられまた腹パンをして崩れさせた。

 

圧倒的だった。

 

とりあえず、今度はジジイが全力でやった為に中々起きなかったので、道場で休ませた。ジジイは、

 

「怪力があっても基礎がないからやりやすい」

 

と言っていた。

 

両親から話を聞くとどうやら俺に関わる時間が減って逆恨みしていたようだ。…何で?

蟻巣は、今まで俺が個性を手に出来ず自分だけ手に入れたのが悩みで、ずっとそれに苦しんでいたようだ。

 

自分にはあって兄には無い。それが、自分は嫌われていくんじゃないかと考えていたようだ。今も俺の事は好きみたいだが、思いを拗らせて中々素直に話せなかったようだ。俺自身、確かに無個性には気にしていたがそんな事で妹を毛嫌いする気は毛頭無い。むしろ前のように

「お兄ちゃん」って言いながら抱きついて欲しいぐらいだ。

 

それを聞いた両親は、安心してくれたようだ。心配していたみたいだ。その気持ちを蟻巣が目を覚ましたら話してほしい。そうお願いされた。ジジイは、休みを2日にすると言ってくれた。俺的には有難い事だ。今のペースでやられたら、そのうち死ぬ気がする。

 

話しているうちに蟻巣が目を覚ました。蟻巣は、今まで見た事無いような落ち込みをしていた。まぁ、考えてみると大方勝った後に俺との時間を増やして欲しかったのだろう。負けてしまったからもう無いが。

 

蟻巣に両親から話を聞いた事と俺が蟻巣を嫌いになるどころか昔のようにまた仲良くして欲しいと話した。蟻巣は、聞いてる途中で泣いたが最終的にまたお兄ちゃんと呼んでくれた。流石に恥ずかしい為か、次からは兄さんにするようだ。…二人の時はお兄ちゃん呼びにして!

 

今はデレてくれたが何故か周りにはツンツンしているツンデレブラコンになった。俺的にはご褒美です。ありがとう!

 

長くなってしまったが、本題は次だ!その二カ月後、爆豪が喧嘩を売って来た。その日はジジイが久々にしごきを強くして来た。その頃には慣れて、歩いて返っていた。帰り道に爆豪が遊び仲間を連れて歩いていた。夜9時に歩くなんて、不良だな!俺は疲れて気が抜けていた。よく覚えて無いが、ハッキリしたら何故か爆豪とその遊び仲間が泣いていた。…なにこの惨状。

 

あとで聞くと俺の反応が悪かったようで、イラついた爆豪が喧嘩を売って、飛びかかってきたみたいだ。だが俺はジジイにしごかれているお陰で反射でのしたようだ。それに反応した周りが飛びかかったが結果は同じだった。爆豪は何度も挑んだがダメだったようだ。周りの奴らも爆豪に言われて何度も挑んだがダメだったみたいだ。それで泣いたのだ。そのあと爆豪の親がやってきて爆豪とその遊び仲間は一週間の謹慎を食らった。因みに俺は正当防衛と記憶が曖昧なお陰でお咎め無しだった。

 

一週間後、爆豪は、謝ってきたがちょくちょく正面から喧嘩してきた。どうやら負けたことをかなり根に持っているようだ。次の喧嘩は手を抜いて負けてやった。あまり全力を出して泣かすのも面倒だからな。だが、それが逆に調子に乗って今に至る。何故か、2回目の喧嘩以降、あまり鍛えずに喧嘩をしにきていた。どうやら俺に勝ってやはり自分が一番と思っているみたいだ。最近は、五回に一回は勝っているが、あまり進展が無い。やはりどこか抜けている気がする。

 

 

 

上手く爆豪の喧嘩誘いから逃れて、家に帰って来た。友達とは遊べなかったが。

 

「ただいま〜!」

 

「あっ!お帰りにいちゃん!」

 

蟻巣が出迎えてくれた。最近気分によって言い方が変わる。今日はいい方だ。因みに悪い時は

 

「お兄様」

 

となる。この時は一回絶望してベッドの中で泣いた。

 

「今日は早かったね。またバカ豪から絡まれたの?」

 

「うん。そのせいで友達と遊べなかったけどね。」

 

「ありゃりゃ、残念だったね。」

 

蟻巣は、爆豪が嫌いで外では爆豪と呼ぶが家ではバカ豪と常に呼ぶ。嫌いすぎじゃね?

 

「あらお帰り、勇護。早かったわね。」

 

「ただいま、お母さん。」

 

何故か若々しいお母さん。三十代なのにどうゆう訳か十代後半から二十代前半に見られる。最近町で歩いている時に、アイドルプロデューサーから事務所に来ないかと誘われたようだ。本人はやんわり断っていたが。

 

そして夕食。母からある物を渡された。

 

「勇護、これに行ってきたら?」

 

「何これ?世界昆虫展?」

 

「そう、珍しい昆虫を色々採取して標本や展示しているみたいなの。もう今週までだから、蟻巣と行ってきたら?」

 

「いいけど、蟻巣はこうゆうの好きなの?」

 

「あの子、蝶や玉虫みたいな綺麗なのが好きなの。だから楽しめると思うよ。」

 

「そうだったのか。わかった。じゃあ、一緒に行ってくるよ。」

 

「ありがとう。あと勧誘には気をつけてね。蟻巣は可愛すぎるから。」

 

親バカだと思うかもしれないが、贔屓抜きに見ても蟻巣は可愛い。今まで5回芸能人事務所からスカウトされた。本人は断っていた。最近その理由を聞くと、

 

「にいちゃんと一緒にいる時間が減る」

 

とのことだった。その時感動して泣いた。ちょっと引かれたが。

 

蟻巣に行くかと誘うと、即決でOKだった。

明日が楽しみだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これからの大変な人生の起点があると知らずに




後編は現在進行で執筆中です。身長などは次で説明します

デレデレな妹か姉が欲しかった。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第10話 後編

後半です。中々大変でした!今回も長いです。

あと、pvが20000、お気に入りが200件超えました!

ありがとうございます!


「いい天気だな。」

 

青空の下でそう呟いた。つーか、おっさん臭いな。

 

「兄さん!早く行こう!」

 

「ちょ、急に引っ張んな!」

 

今日は蟻巣と一緒に昆虫展に行く。名前に虫が付いているなのか、家族全員が虫が好きだ。因みに俺は王道のカブトムシ!母さんは、蝶で親父は何故かダンゴムシ。転がした時の脚のわしゃわしゃ感が触っていて気持ちいいのだとよ。まぁ、分からなくもない。

 

そういえば、何故か俺は蜘蛛が気に入っている。好きでも嫌いでも無いのにだ。まあ小さな蜘蛛だけだけど。デカイのは流石に無理だ。

 

考えているうちに、博物館に着いた。

 

ごめんね!楽しみたいから割愛するよ!

 

「あー、綺麗だったな〜!一匹くれないかな?」

 

「色々規制もあるし、お金もかかるから無理だねー。」

 

そのまま俺たちは、博物館を出ようとした。が、

 

「あ、兄さん!この綺麗な服見てよ。玉虫と蝶をモチーフにして作ったみたい!」

 

蟻巣がそう言いながら、衣装ケースの展示ブースに行った。

 

「全く元気過ぎだろ。」

 

そう思いながら付いて行こうとして、

 

「うん?」

 

あるブースを見つけた。

 

「遺伝子改良した昆虫達?」

 

どうやら様々な遺伝子改良をした昆虫を展示しているみたいだ。興味が出てきて俺はそこのブースに入った。

 

ドッキリ付きのプレゼントを貰うとは知らなかったが

 

 

 

 

 

 

 

「…すげぇ」

 

思わず声に出してしまった。

 

そこは、薄暗いが多くのケースがあり様々な昆虫がいた。

 

カッコいいカブトムシやゴツいクワガタ、綺麗な蝶にカラフルなダンゴムシ。ただみんな個別のケースに入っていた。混ぜていけないのだろう。

 

蜘蛛のケースに目を向けて観察してみたがいなかった。上手く隠れているようだ。丁度奥の方でムービーをやっていた。イスに座って聞いてると、この昆虫達はまだ実験段階で外では1日しか生活出来ないようだ。今日は特別に貸してくれたようだ。

 

そして気づかなかった。上から降りてきた蜘蛛の存在に

 

 

 

 

 

 

丁度蜘蛛の解説が入っていた。どうやら今日借りてきた蜘蛛は、様々な種類の蜘蛛同士を組み合わせた蜘蛛でかなり強力な個体だ。けどその分寿命が非常に短く数を増やすのもたいへ

 

「イデ!!」

 

手から突き刺さるような痛みが!見ると今説明されていた蜘蛛が俺の手を噛んだようだ。けど、すぐに落ちた。どうやら寿命だったみたいだ。俺はすぐに蜘蛛をティッシュで包んでケースに入れた。何故か蓋は空いてあった。それから直ぐに出て妹を連れて帰って行った。博物館を出てからなんだか眠気が強かった。手を見ると噛まれた後があり、赤く腫れていた。そして夕食を食わずに部屋に直行し、寝てしまった。母さんと蟻巣は心配していたが大丈夫だと言って納得させた。

 

 

 

 

夢を見た。

 

何故か部屋のベッドに寝てたはずなのに、白い部屋にいた。けど、何故か懐かしい。

 

「…何処だ、ここ?」

 

「久しぶり」

 

独り言なのに後ろから返事が返ってくるとは予想していなかった。素早く反応、反転し構えをとった。ジジイの奇襲の訓練の賜物だな。

 

「お、いい反応だね。大分強くなったじゃないかな。」

 

「誰っすか?アンタみたいなイケメンと知り合いになった覚えはないんですけど。」

 

「お、嬉しいな。またイケメンと呼ぶなんて。最初の頃と同じだね。」

 

ヤバイ!なんか物凄くヤバイ気がする。確かに懐かしい感じはするけど、記憶にないから本当に知り合いか分からない。

 

「なるほど。まだ記憶は完全に戻っていないか。なら少しだけ説明するか。」

 

そういうと本当に知り合いのようだな。

 

「じゃあ、もう一度。初めまして。私はグレース。大天使ガブリエルの付き人だよ。」

 

「大天使?ガブリエル?」

 

「そう。僕は君が転生する前に一度会ったことがある。」

 

「…そうか、思い出した!確かに転生する前にここで出会ったな。」

 

「ちょっとだけ思い出してくれたようだね。その時僕はこの世界について話したね。」

 

「こっちが指名してな。」

 

「そうそう思い出してきたね!」

 

グレースは笑いながらそう言ってきた。顔はイケメンだ。爆ぜろ!

 

「まぁ、君は個性の指名もして記憶を封印してくれと頼んできたね。今回は、個性の発現の確認と記憶を封印解除しに来てあげにきたんだよ。」

 

「そうだな。まだ大部分が戻っていないな。」

 

「多分まだ枷が硬いからだよ。完全に外れきれてない。」

 

ちゃんと約束どおりにしてくれるとは、有難い。

 

「じゃあ封印を解除するけど、その前に一度いいかい?」

 

「何だ?」

 

突然グレースは真顔になり、

 

「君は本当にこの世界の軸に横入りするの?」

 

「…どう言う意味だ?」

 

「そのままさ。記憶が戻ったら君は世界線を無視して行動できる。今でも十分してるけど、それ以上に動くだろう。けど君が動けば否応が無しに面倒事に巻き込まれるよ。例え君が嫌だと思っても世界は君を追ってくる。それでも力を手に入れていたい?」

 

俺に忠告しに、又は心配するように問いてきた。

 

「正直巻き込まれるのは怖い。」

 

「俺だってまた死ぬのは嫌だ。」

 

「けど、決めたんだ。

 

みんなの友達になれるヒーローになるって!」

 

「…それが君の答え」

 

念を押して聞いてきた。

 

「もちろん」

 

グレースは、目を閉じてしまった。そして

 

「わかった。精々長生きして幸せに死ねよ。早死にしてまた会うのは嫌だからね。」

 

真っ直ぐ俺を見てそう答えてくれた。

 

「ありがとう!」

 

「じゃあ、これからはしばらく会わないからね。あ!そうだ。忘れるところだった!言付けがあったよ。」

 

「?誰から?」

 

するとグレースは、悪い顔をしならがら

 

「君のヒーローからだ。」

 

「ッ⁈」

 

まさか⁈

 

「言付けはこうだ。

 

<大いなる力は大いなる責任が伴う!これを忘れるな!>

 

次のスパイディによろしくってさ。力を貰う時に言われたんだ。」

 

俺は感極まって涙を流していた。ボロボロと。

 

「伝えて、ください。魂に、刻んでおきます、と」

 

「了解!じゃあ、またね。」

 

俺は、涙を拭いて言った。

 

「また!死んだら会いましょう!」

 

そうして、俺は眠りについた。




後1話で、原作入ります。長くてすみません。でももうすぐです!

サム・ライミ版のスパイダーマンのbgmを聴きながら頑張っています!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十一話 前編

すみません〜!今回も長くなったので二つに分けました!

次で終わらします!あと評価黄色になりました。ありがとう!

スパイディカッコイイ!

けど、何故か刀を背負わせたら何故かデットプール

何故だ!


「夢か。」

 

そう思ったがかなりリアルな夢だった。けどそれでも夢じゃないと言い切れる。何故なら

 

「本当にヒロアカの世界に転生できたみたいだな」

 

ここが自分の知っているマンガの世界だとわかっているからだ。あと記憶が戻った。

 

「さて、手紙はどこだ?」

 

グレースに言われた手紙を探すと机の上に、茶封筒があった。宛先無し、だが裏にぐれーすと書いてあった。…何故ひらがな?

 

中身を読むと個性の事、ブースの事、あとこの手紙は消えないから自分で処理してねー、と書いてあった。そこは文字が消えるとかしろよ!

 

「ん?PS これを読んで文字が消えるとか出来ねぇのかよとか言ってたら、ツッコミの才能は有りません笑

 

 

 

やかましいわ!」

 

ムカつく!あれか?某死神漫画の駄菓子屋店長のつもりか⁈

とりあえず、俺は落ち着いて手紙の内容を再確認した。

 

個性はサム・ライミ版のスパイダーマンの能力を基本としていみたいだ。基本と言うのは個性になったおかげで能力を鍛えることができるようになったからだ。だから、アメコミ原作のデタラメな力を一つぐらいは修行で手に入れられることが可能かもしれない。まぁ、回復力の早さは怪我と治療を交互にしつづければ勝手に手に入る。現に両腕骨折を一週間で完治することができるし。ジジイと修行してれば多少人外に足を踏み入れるし。

 

コンコン

 

「お兄ちゃん、早く起きなよ!遅刻するよ!」

 

「あ!悪い!すぐ行くよ!」

 

やべ!急がないと遅刻する!

 

急いで服を脱いで洗面所で顔を洗おうとした。けど何故か違和感があった。何だかいつもより視線が高い。あれ?

 

「なんじゃこりゃ〜〜〜!!!?」

 

身長が、伸びていた!

 

昨日までは156cmで多少筋肉がついて腹筋もある程度付いていたくらいだった。ちなみに前世の身長と同じ。

 

が、しかし!しかしだ!今は170cmぐらいはある!しかも筋肉が以前よりはっきり見えるぐらい付き、腹筋もシックスパックが付いてる!

どう言う事⁈

 

「あ、個性の影響か!」

 

原作のピーターも手に入れた次の日はバッキバキになっていた。それが今起きてる現象だろう。

 

「お兄ちゃん、何してるの?早くしないと。って何その体⁈しかも身長が伸びている⁈」

 

あ、ヤバ。個性が発現した事を言わないと。

 

「蟻巣、実は「兄さん。ダメだよ。」えっ?」

 

あれ?何か雰囲気が変わった?

 

「いくら身長が伸びないからって、手術して身長伸ばすのは体に悪いよ。」

 

「ちょっと待て。何勘違いしているんだ。」

 

まさか個性の影響だとは思っていないだろうと思ったがこれは酷い!訂正しなければ!

 

「蟻巣。これは「蟻巣!何騒いでいるの?」母さん。」

 

母の虫塚雲子。改めて見ると親父よく結婚出来たな。学生結婚だと思われたんじゃね。顔は童顔。黒髪ロングでスタイル抜群。が、どっか抜けてる。蟻巣も年の割に発育が良い。身長が高い。童顔だが顔は整っている。まだ胸は貧しいが今後に期待だ!

 

「大変だよ母さん!兄さんが手術で身長を伸ばしたんだよ。」

 

不味い!身長が伸びのは手術だと変な疑惑が掛かった。母さんは、

 

「嘘、でしょ…」

 

可哀想な物を見る目と信じられない顔をしていた。やめて!そんな目で見ないで!これは個性で伸びたのに!

 

「勇護。今までお年玉を使わなかったのはこの為だったのね。」

 

「いや違うから!それは単に買いたいものが無かったからだよ。」

 

確かに余り使って無いからそれなりに溜まっているけど、こんな事には使わん!

 

「どうした?みんな揃って騒いで?」

 

「父さん。」

 

父の虫塚蟻武《ありたけ》

 

普通のサラリーマン風の中年だが、優しくちゃんとした人だ。忘年会でよくスイカを噛み砕くことを見せて驚かせている。

 

「あなた大変よ!勇護が身長を気にしていたから、手術で伸ばしたのよ!」

 

「いや、確かに気にしていたけど!だからって手術はしてないから!」

 

不味い!このノリだと父さんも勘違いする!ノリがいいからな、この人。

 

「何言ってるだ、母さん?勇護をそんなに心配する必要は無いだろう」

 

お、大丈夫かな?やっぱり父さんは常識じ

 

「勇護のお金だから自分でどう使っていてもおかしくは無いだろう」

 

 

…訂正 やっぱりダメだった。

 

「で、勇護。いくら使ったんだ。大丈夫。いくら使っても家には余裕があるから!」

 

 

 

 

俺の中で何が切れた。

 

 

「いい加減にしろ〜〜!!!!」

 

その後30分怒り続けた。因みにこの世界は身長伸ばすのはサイズを設定して伸ばせる。俺はやらん!

 

 

 

 

 

 

その後、学校に遅刻ギリギリで間に合った。危なかった。

 

クラスで、朝の時間で先生とみんなからはびっくりして爆豪は、目を見開いてワナワナしていた。ちょっとウケる!

 

みんなには個性が発現して身長が伸びたと伝えた。そのおかげで、変な方法で伸ばしたとは解釈されなかった。良かった!

けど、一人だけ浮かない顔をしていた奴がいた。緑谷だ。俺と同じ無個性だったのが、俺が個性を発現して暗くなっていた。

 

あとで話すか。ついでにジジイのとこらに行こう。これを説明しなきゃいけない。

 

 

 

side緑谷

 

ゆっくんが個性を発現した。

 

そう聞いて僕は驚いた。ゆっくんは小さい頃引っ越してきた幼馴染だ。僕と同じ無個性だ。確か妹がいて彼女は発現していた。僕とゆっくんはいつもかっちゃんにイジメられていた。けどゆっくんは変わろうとしていた。それがわかったのは、小6の時だ。

 

ゆっくんがかっちゃんに勝ったのだ。しかも喧嘩で。聞いた時は驚いた。同時に心配した。一応二人の様子を聞いてみた。

 

かっちゃんは、怒りながら

 

「平気だ!デクテメェ!心配してやがんな、ボゲェ!」

 

って言いながら殴って来た。けど、ほっぺたに大きな絆創膏を貼っていた。

 

ゆっくんは、

 

「平気だよ。けど、その時の記憶が曖昧でよく覚えて無いんだよね。」

 

さらっとそう言ってきた。確かに見た目は全然傷跡が無かった。

 

ゆっくんは、道場に通っていた。引っ越しして一年たった時だ。そこからゆっくんがとても努力したんだろう。前に一緒にプール行った時にしっかりとした筋肉がついてあった。僕より小さいのに凄かった!

 

そして今日、僕やかっちゃんより大きくなって登校してきた。一瞬分からなかった。個性が発現して一気に伸びたのだと説明していた。

 

僕はそれを聞いて悔しかった。けど何故か納得してしまった。ゆっくんは、かなり努力してあそこまでなった。だからゆっくんに個性が発現したのは当たり前だと思った。僕はあそこまで行けなかった。いや、行かなかった。ヒーローを追っかけしてるだけだ。多分これからもそうだ。ヒーローにはなりたい!けど、どうすればいいかわからない。多分ずっとこのまま夢を見ているだけだろう。そう思っていた。

 

 

 

この時までは

 

 

 

放課後帰ろうとした時だ。

 

「おいコラ、クソ虫!俺と戦え。今すぐ没個性だと分からせてやるよ!」

 

「嫌だよ。まだ個性の確認して無いから。今喧嘩したらどんな事になるかわからないよ。」

 

「ウルセェ!さっさと受けろゴラァ!」

 

またかっちゃんが喧嘩を売ってる。今日はいつもより絡んでる。個性が発現したからだ。僕は関係無いから荷物をしまい、席を立った。

このまま帰ってオールマイトの動画を確認しよう。そう思った。

けど、今日はいつもとは違った。

 

「あ、緑谷!今日は一緒に帰ろう!」

 

「え!」

 

いきなりゆっくんから声を掛けた。何で今ふるの!僕はパニクった。

 

「ああ⁈ふざけんな!何でデクと帰るんだ!喧嘩しやがれ!」

 

「嫌だよ。それじゃあね。」

 

そう言ってゆっくんは、僕を担いで、っ!!

 

「よっ!」

 

「え?」

 

「んな⁈」

 

窓から飛び降りた!!!?

 

「うわぁ〜!」

 

嘘だろ!死ぬ!

 

そう思って目を瞑って痛みを待った。けど痛みどころか衝撃が来ない。そのかわり一回浮かんだ。びっくりして目を開けると、

 

 

 

ゆっくんが手首から白い糸を出していた。

 

「’…嘘⁈」

 

「やっぱり手首から糸は出るな。いや〜良かった。怪我するところだったぜ。」

 

ゆっくんは、そのまま降りてくれた。そして僕を見て

 

「緑谷、ちょっと付いて来い。話がある。」

 

 

 

 

それが僕の人生の1回目の変わり目だった。




この前ランキング見たら日間16位だったΣ(・□・;)


主人公 プロフィール

フェイス!

普通!中の上だ!

ボディ!

ムッキムキ!個性が発現したらバッキバキ!

レッグ!

普通!けど個性が発現したら、長い!筋肉質!

個性を発現する前までは、それなりに見た目は普通だった。が体力テストは、前世の世界陸上やオリンピックの一位記録を混ぜた感じになっていた。もちろんみんな目を見開いて唖然としていた。

性格はのんびり。あまり喧嘩はしなくなかった。記憶が戻り、煽りが
上手くなるよう頑張っている。爆豪は嫌いだが、そこまででは無い。緑谷は良い奴だと思っている。妹は大事!両親は大事!だけど妹の方が大事!

峰田には合わせたく無い。あったらブドウジュースにしなければならない!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十一話 後編

今回でようやく最後です。次でやっと原作突入です。

長くなりすいませんでした。出来れば、全部読んでください。


side緑谷

 

僕とゆっくんは、素早く降りて行動した。玄関口に行き、上履きから靴に履き替えて昇降口から逃げるように出て行った。無論かっちゃんも追いかけてきたが、あと一歩のところで捕まえきれなかった。

 

そして現在

 

「よーし、緑谷何か飲むか?」

 

「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ。じゃ、じゃあスポドリで。」

 

「了解。じゃあ二つ買うか。」

 

「あ、ありがとう。」

 

「良いよ、別に。」

 

僕は、ゆっくんから買ってもらったスポドリをがぶ飲みしてようやく落ち着いた。それに比べてゆっくんはけろっとしていた。かなり全力で走って逃げたのに、ゆっくんは散歩していたかのような感じだった。

 

そして僕の隣に座ると

 

「お前、俺のとこの道場に来ないか?」

 

「…え〜!!ど、どうゆう事⁈」

 

「まぁ、理由は俺の身勝手な事だがな」

 

そう言ってゆっくんは、スポドリを一口飲んで説明してくれた。

 

「まず緑谷。お前体力無いだろ。」

 

「うぐっ!」

 

「昔からオールマイトみたいになるって言ってるのに全然体力も根性もないから、道場に連れてやろうと思っているんだ。」

 

「それは、嬉しいけど。で、でも何で?」

 

「俺が個性を手に入れたからだ。」

 

「え?」

 

「お前だけ一番寂しい顔をしていたからだ。けど色々諦めきっている癖にまだヒーローを目指している。だから少しだけ道を照らそうとするだけだ。」

 

「…ゆっくんは、僕がヒーローになれると思っているの?」

 

僕はここでなれると言うと思っていた。けど

 

「うんにゃ、全然!全く思って無い。」

 

「え〜!!」

 

まさかの落とすなんて!

 

「今のままではな。」

 

「鍛えればなれると思うぜ。お前なら!」

 

僕は泣いていた。こうも真っ直ぐに僕を見てくれて言ってくれるゆっくんが嬉しかった。

 

「さて緑谷。質問だ。」

 

「俺が行ってる道場が死ぬほど辛いが、来るか?」

 

ゆっくんは笑ってそう言ってくれた。そして僕は

 

「〜もちろん!お願いします!」

 

ハッキリと返事した。

 

 

 

 

side虫塚

 

いや〜、緑谷良い返事して良かった!断られたらどうしようと思っていたよ。さて、返事をもらったから道場に来たのだが、緑谷が意外な反応をした。

 

「ああ〜!!!!あ、あなたは⁈」

 

「なんだジジイ。知り合いか?」

 

「いや、初対面の筈だが?」

 

緑谷が顔と名前を見て知っていると言わんばかりの反応をしてくれた。

 

「緑谷、ジジイを知っているのか?」

 

「当たり前だよ!オールマイトファンなら誰もが知っているよ。この人。武道武天<たけみちむてん> 前にオールマイトと決闘した人だよ!」

 

「はあ!!なんだって!聞いてねぇぞ、ジジイ!!」

 

「そりゃあ聞かれなかったからな」

 

いや、それは知らなかったからな!

 

話しを聞くと、昔テレビの特番でオールマイトと決闘するイベントに参加していたのだ。中々激しくアニメと変わらない迫力があったのだ。結果は引き分けだった。

 

「力任せのガキかと思っていたが、中々鬱陶しい所を狙ってくるもんだ。最後の一撃を喰らわなかったら余裕だったが。まぁ、油断大敵を忘れていた所為だな。」

 

普通オールマイトのパンチは一撃喰らったらヤバイのに、ジジイだから出来る芸当だな。

 

そのあとは、緑谷に一年間の特訓メニューを組ませて帰ってもらった。明日から道場に通ってくる。けど、親にも話してからだな。あいつのお母さん心配性だからな。

 

で、俺はと言うと

 

「ジジイ、話がある。」

 

「どうした、急に?」

 

「個性が、発現した。」

 

「………」

 

俺は発現した個性を話した。あまり細かいことは言わなかったが。

 

「ジジイ、俺辞めた方が良いか?」

 

これが心配だった。個性を鍛えることが出来ないのだから、修行の仕様がない。辞めろと言われるのが怖い。ジジイの修行は的確だし、もっとやっていたい。だから、辞めるのは嫌だ。

 

「はー。」

 

ジジイは溜め息を吐くと、

 

「あのな、個性が発現したぐらいで辞めさせる程、俺は器は小さくねぇよ。辞めなくて大丈夫だ。」

 

「けど、ジジイ個性を鍛える免許はあるのか?」

 

実際個性を指導するには資格が必要だ。それも国家資格。今から資格を取るのに、じゃ時間がかかりすぎるけど。ジジイは、懐から財布を出すと、

 

「ほれ」

 

一枚のカードを投げてきた。見てみると

 

「個性指導の資格証⁈」

 

何で⁈

 

「若い頃、本当は個性指導をしようとしたが、受講中に中々しっくりこなくてな、とったままあまり活用してないんだ。一応更新もしてあるぞ。」

 

本当だ。今年更新した事になっている。

 

「なぁ、勇護。本当の無個性を知っているか?」

 

「?」

 

「自分に信念がない奴だ。」

 

その言葉に何故かしっくりきた。

 

「もしくは自信が無い奴だ。たとえ、それらが折れても直せば良い。だが、それを直さねぇ奴もダメだ。勇護お前にはあるだろう、信念が!」

 

気づけば泣いていた。ああ、本当の意味で俺はまだ無個性だったな。何故かそう思ってしまった。まだ信念は無かったのだ。

 

「お前、何か家訓を作れ。」

 

「家訓?」

 

「そうだ。自分だけの信念にするためには、言葉した方がいい。だから、家訓でも何でも信念になる言葉を今出せ。」

 

急に言われてもねぇよ!

 

 

 

 

 

 

 

いや、あった。

 

俺は、涙を拭いて言った。

 

 

 

「"大いなる力は大いなる責任を伴う"」

 

ジジイはこの言葉を聞いて、笑った。

 

「ははは!良い言葉を知っていたじゃないか!それを信念にしてみろ。その言葉を魂に刻んでおけ。折れてもまた立て直せ。でもって、真っ直ぐに生きてみろ。そうすりゃ無個性でも生きていける。」

 

「はい!」

 

俺は涙をボロボロにして、返事した。

 

 

 

 

今日の事を知っているのは俺たちと、部屋の隅で巣を作っていた小さな蜘蛛だけだった。

 




ジジイとオールマイトの闘いは上手く書けたら、番外編に出します。

あとこのジジイ、まだ隠していることがありますが、これは後の方で出ます。楽しみにしてください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

原作 第1話

ようやく原作です。長かった。

あとスタン・リーさんが亡くなりました。ご冥福をお祈りします。


あれから2年、俺は中3になった。今日は、原作が始まる日。何故わかるかって?今ヴィランがデカくなって暴れているからだ。

 

「うわー!すごい、シンリンカムイだ。やっぱりカッコいいね。ゆっくん!」

 

「本当筋金入りのヒーローオタクだな、お前は。」

 

「ははは、ヒーロー観察がもう生活の一部だからね。」

 

「 変人だな。お前。」

 

そう話しているうちにヴィランが飛び入り参加のマウントレディに蹴り飛ばされた。ついでにムサイカメラマン達がやってきた。

 

「緑谷、お前あんなのになるなよ。」

 

「ならないよ!大丈夫!目標は決まっているから、ならないよ。」

 

「そうだったな」

 

笑いながら、俺たちは学校に向かった。

 

 

 

 

 

 

さて、今日は進路指導の時間

 

 

「さあ、今から進路希望のプリントを配るが 皆だいたい ヒーロー科だよね。」

 

先生が言った後皆元気よく手を挙げた。個性を使いながら。

 

「せんせぇー「皆」とか一緒くたにすんなよ!」

 

あ、爆豪が反応した。

 

「俺はこんな"没個性"供と仲良く底辺なんざ行かねーよ。」

 

「「「ふざけんな爆豪ー!」」」

 

流石にみんな反論する。まぁ、よくも原作通りに捻くれたね。我ながら感心するよ。

 

「あ、爆豪は雄英志望だったな。」

 

先生のそのセリフで静かになる。

 

そのおかげで爆豪は調子に乗り、

 

「その通り!俺は雄英に入りオールマイトを超えトップヒーローになり、必ずや高額納税者ランキングに名を刻むのだ!」

 

…聞いてて呆れるわ。だったら投資家にでもなってろよ。みみっちい

 

「あ、そういえば、虫塚と緑谷も雄英志望だったな。」

 

げ、爆豪とみんなが反応しやがった。

 

「はぁ!!緑谷無理でしょ!」

 

「虫塚はともかく無個性の緑谷は入れないでしょ!」

 

「勉強だけじゃあ入れねぇよ!」

 

緑谷は、反論して、

 

「そ、そんなことないよ!前例がないだけで入れなくはないから。」

 

意外に俺に矛先が向かないな。けど、緑谷には面倒くさいあいつがうるさく噛み付いてきた。

 

「こら、デク!」

 

「うわ」

 

「テメェデカくなっただけで、良い気になってんじゃねぇよ!」

 

「そんなこと思ってないよ!」

 

そう、緑谷は修行のおかげでヒョロガリから細マッチョになり大きくなっていた。現在より大きく170cmになり、爆豪と同じ目線になっていた。因みに俺は個性の影響で中1の時に急激に伸びて170cmになっていたが、また伸びて178cmになっていた。やっぱりいいね。高いって。伸びて良かった。

 

そう考えていると爆豪は今度は俺に噛み付いてきた。

 

「それとクソムシ!テメェも何で一緒なんだよ!」

 

「いいじゃん。人の自由だし。それにまだ俺は安全ラインに入っていないから、同じにはなるかはわからないよ。だから安心しな。」

 

そう、俺は一応全教科はとても良い点数になっているが、数学と理科が微妙にダメなのだ。特に数学は微妙じゃなく、酷い!やっぱり前世で苦手なのが付いてしまったか。それでもB判定になっているから、まだマシだ。

 

「そろそろ授業を進めるから爆豪、席に戻りなさい!」

 

「…ふん!」

 

爆豪は鼻息荒くして戻った。

 

 

 

そして放課後

 

「緑谷〜、帰るぞ。」

 

「うん、ちょっと待って。これだけ書いたら行くよ。」

 

全くこのオタクは。

 

「おいデク。」

 

うん?爆豪が緑谷の席に、どうした?

 

「どうしたの?かっちゃん?」

 

「いつまでも、夢見てんじゃねぇよ!」

 

ボム!

 

そういい、緑谷のノートを爆破した。

 

しまった!忘れていた。爆豪が緑谷のノート爆破と自殺教唆!

 

「な、何すんだよかっちゃん!」

 

「うるせえよ。テメェは、一生這いつくばってな。」

 

爆豪は爆破したノートを窓から捨てようとした。けど、

 

ビュッ

ヒュン

 

俺が咄嗟に奪い取って回収した。

 

「オラァ!」

 

「ぶはぁ⁈」

 

ついでに一発殴っておいた。やば!すっごいスッキリした!

 

「クソムシ!テメェ何しやがる!!」

 

「それはこっちのセリフ。何やったか分かっているの?」

 

この言葉に答えたのは、爆豪ではなく取り巻きだった。

 

「いやいや、虫塚何言ってるんだよ。せっかく爆豪が中3になっても現実を見ない奴に目を覚ましてやろうとしてんのにさ。」

 

「…それマジで言ってんの?」

 

信じられない。クラスの奴ら俺という異物がいるとはいえ、ここまで酷く腐っていたとは。ステインが粛正したがる訳だ。

 

「緑谷、帰るぞ。」

 

「え、今?」

 

「ああ、コイツらもうダメだな。」

 

俺と緑谷は荷物を持って教室を出て行った。爆豪達が何か言っていたが、無視した。爆豪は、一体どうなるやら。

 

 

 

 

 

帰り道

 

「悪い。まさか爆破すると予想出来てなかったから、早めに奪えなかった。」

 

「そんなこと無いよ。本を取りに行かずに済んだから。」

 

「そうか。」

 

本当にいい奴だな緑谷は。

 

「後、あんなことされたら次からは、やっちゃえよ。じゃないとまた燃やされるから。」

 

「大丈夫だって。僕が雄英に入った時に驚かすために我慢しているから。それにこれはゆっくんが約束してくれたことだし。」

 

そう、俺は緑谷に修行し始めた時にこう約束した。

 

「爆豪には雄英に入るまで今までのようにオドオドしてろ。」

 

雄英に入って、最初の授業で爆豪をボコってやろうと約束していた。あまりこの状態が続くと戦う時に支障が出るから時々組手で爆豪を意識させてやったりしている。まぁ、本番でどうなるかはわからないけど。

 

「だからって、あまり好き勝手にされるのは嫌だろ。」

 

「大丈夫。慣れてるし。」

 

「全くお前は。」

 

因みに緑谷は先月からジジイと実践修行をし始めた。始めはズタボロにされていたが、徐々に避けられるようになり、最近は、上手く体にヒット出来るようになってきた。俺は、スパイディの能力を使えこなせてから組手に入るようにした。最初は扱い切れなかった。特に握力は大変だった。直ぐに握力計をぶち壊ししていたから。半年で何とか上手く順応出来た。その後はジジイとやり合うかと思ったが、何と重りを付けてスパーリングしないとダメだと言われた。これは筋力を鍛えなきゃいけないらしく、重りは四肢に付けて動かないといけなかった。

 

正直辛い!だって重さが100キロだぞ!めちゃくちゃ辛すぎる!外れるかと思った!あれか?ドラ○ンボールの○空に成れってか⁈

ようやく最近慣れて殴りかかれるようになったが最初はやっぱりボコられ続けた。正直折れそうだった。

 

そういえば最近一佳と連絡取れてないな。携帯持っているけど、最近は疲れすぎて連絡してないや。今度しよう。

 

「あ、今日は、用事があるから帰るな。じゃあな。」

 

「うん、また明日。」

 

さて今日は修行が無いから家に帰っていいけど、ベンチに座って寝るかな。

 

俺はベンチに座って寝ようと思った。けど、ふと最近考えていたことが頭によぎった。それは、本当にスパイダーマンの名前を継いでいいのか。はっきり言って名を受け継ぐのは嬉しい。それにこの世界にはスパイダーマンの名前すらない。だから自分で考えたと周りはそう考える。けど、俺は違う。スパイダーマンの映画はよく見ていた。今でも、断片的に思い出せる。そして凄くてカッコいいと思う。

 

だから、思う。こんな自分がなって良いのか。

 

 

「ちょっと隣に座るよ。」

 

あまり深く考えていて気づかなかったが、隣に老人が座ってきた。

 

海外の人だろうか?白髪だが、日本人とは違う顔付きだ。メガネを掛けてる。あと目つきが優しい。

 

あまり見た事は無いな。移住してきたのか?

 

黙って見てると老人が話してきた。

 

「何か悩んでいるようですが、どうしました?」

 

「いえ、別に大したことでは無いですよ。」

 

「いやいや、悩みを抱えてはいけないよ。良かったらこの老いぼれに話してはどうですか?」

 

「はぁ」

 

正直こんな悩みは話したくは無かった。けど、この人には何故か話しても良い気がした。

 

「実は俺、ヒーローになりたいと考えていましてね。」

 

「ほう、大変ですな。それは。」

 

「ええ、でも、自分が昔から憧れているヒーローの名前を継いでいきたいと思っていました。けど、最近自分はそのヒーローの名前を継いで大丈夫かと考えるようになりましてね。」

 

「…」

 

「本当はこの社会には居ないヒーローですよ。でも、自分の中では偉大な、尊敬してるヒーローなんです。そんな自分が平凡な、それでいて会ったことのない自分が本当に受け継いで名乗っていいのか?自分はただ真似ているだけじゃないか?そう考えてしまうのです。」

 

老人は黙って聞いてくれた。そして、

 

「ふむ。…では、自分の中ではそのヒーローは憧れているんですね。」

 

「はい。とても。」

 

「なら、受け継いでも、いいじゃないですか。」

 

「え?」

 

俺は老人の顔を見た。笑顔だった。

 

「憧れて、尚且つ自分よりも上の存在だと意識している。なら十分ですよ。最近の若いもんは、オールマイトを憧れているだけで、どれくらい凄いか理解していない。形を真似るだけ。その点、君は大丈夫だ。だから受け継いでいいのだよ。」

 

「けど、それでも真似ていることに変わりは「なら、こうしなさい。」…?」

 

「自分らしさを取り入れてみるのですよ。そのヒーローには無い自分らしさを。言うなれば、あなた自身の長所を。だから気にしないで。安心して。たとえ、同じでも君と彼は違う。真似ようが真似て無いがなんて関係ない。君は君だ!だから受け継いでいいのだよ!」

 

老人は力強く答えてくれた。そして気持ちがストンと落ちた。

 

「あ、ありがとうございます。何かスッキリしました。」

 

「良いのだよ。気が楽になってくれて。」

 

携帯が震えていた。見ると、緑谷からだ。爆豪を助けて警察から注意されたようだ。まぁ、さっき離れたのは原作と同じようにするためだから、同じルートを通って良かった。緑谷は、疲れたから何か奢ってと書いてある。ふてふてぶしいな。変わりやがって。

 

「すみません。友達から連絡が来て、そろそろ行かなければならないので。」

 

「ああ、良いよ。ありがとう。話をしてくれて。」

 

「それはこちらのセリフです。ありがとうございました!

さよなら。」

 

俺は背を向けた。そして老人が最後に話したセリフが耳を疑った。

 

「はい、さよなら。またいつか会おう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二代目スパイダーマン」

 

 

 

 

「!!!?」

 

俺は驚いた。スパイダーマンの名前は出していないからだ。なのに、老人からその名が出てきた。後ろを振り返ると老人はいなかった。まるで消えたように。

 

「誰なんだ。…まさか⁈でもあり得なくはない。」

 

一人の存在を思い出した。よくよく考えたら、外見に見覚えのある顔だった。確かにあの人なら、もう死んでこちらにいてもおかしくはない!

 

 

マーベル作品の偉大な原作者スタン・リー

 

 

 

 

もう死んでしまったのに、こんな俺の悩みを聞いて答えてくれた。なら、もう迷わない。

 

「なるぞ、絶対に!」

 

 

俺は強く心に誓い、緑谷の所に向かった。

 

 

 

 

 

 

ありがとうございます。スタン・リーさん。

 

スパイダーマンに絶対なります!

 

 




ずっとカメオ出演していたのでさせてみました!

スタン・リーさん、スパイダーマンやアイアンマン、キャプテンアメリカ。アベンジャーズの皆さんを生んでくれて

ありがとうございました!

天国でもヒーローをまた生んでください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2話

出来ました!今回は少ないです

あと題名変えました。意味は憧れです。

お気に入り300、しおり100、UA30000超えました!


緑谷は、荷物がぐしゃぐしゃに入っているバックを背負いながら待っていてくれた。

 

「よ、緑谷。大変だったな。」

 

「ゆっくん!良かった!一人で寂しかったよ!!」

 

おおう。結構大変だったのか。多分爆豪も離れていたのだろう。

 

「あー、うちで食うか?外よりいいだろ?」

 

「お願い。何か疲れた。精神的に。」

 

「そんなじゃあ、大変だぞ、本番なんて。慣れろ!」

 

「わかっているよ〜」

 

全く。そう思っていたら、前後に気配を感じた。そして、

 

「デク!」

 

「かっちゃん⁈」

 

後ろから爆豪が声を掛けてきた。

 

「テメェ、俺を助けたやがって!助けてくれと頼んでねぇのに。助けたからって良い気になるなよ!俺に恩を売ったつもりか?無個性の底辺が見下すなよ!クソナードが!」

 

そう言って、振り返り帰って行った。俺は無視か。

 

「タフネス!」

 

「いや、みみっちいだけだろ。…爆豪は帰って行きましたよ。出てきたらどうですか?」

 

「え?」

 

緑谷は、驚いた。周りは誰もいないのに。すると、

 

「凄いな、いつから気がついていたんだい?」

 

筋肉ムキムキのオールマイトが出てきた。マッスルモードなんだ。

 

「オールマイト!どうしてここに⁈」

 

緑谷は驚いた。この場面は知っているから離れた方がいいかな。

 

「爆豪が話し掛ける前に。その反応だと緑谷に話しがあるみたいですね。」

 

「そうだ。君の隣の緑谷?少年に話しがあってね。ちょっと離れてくれないか?」

 

その言葉に緑谷が反応してきた。

 

「待ってください。オールマイト!ゆっくんにも話しをしてください。ゆっくんなら秘密はしっかり守れます。」

 

「しかしこれは。」

 

「お願いします!」

 

「緑谷。良いのか?秘密保持は、少人数の方がいいんだぞ。」

 

「それでも、知っていて欲しいんだ。ゆっくんは僕に道を開いてくれたから。」

 

「…オールマイトは、良いのですか?」

 

「私は大じょブファ!!!!」

 

吐血を吐いたかと思うと体から煙が出て、オールマイトが痩せこけた男性になった。これがトゥルーフォームだな。俺は悟られないよう、驚いた振りをした。

 

「うわぁ〜、オ、オールマイト大丈夫ですか⁈」

 

あたふたしている緑谷に、オールマイトは笑いながら答えた。

 

「大丈夫。それに君の親友にバレてしまったからもう、一緒に聞いても大丈夫だよ。」

 

「…分かりました。じゃあ、オールマイトは緑谷に何をしにきたんですか?」

 

俺が質問すると、オールマイトは緑谷に向き

 

「緑谷少年に訂正と提案をしにきたんだよ。」

 

そして

 

「緑谷少年。先程はありがとう。君の身の回りの話、それに先程の行動が無ければ、私はただの偽筋になっていた。」

 

「けど、僕はただ、邪魔をしただけで。無個性でヒーローじゃないのに飛び出して「そう!君は無個性でヒーローじゃなかった。だが!飛び出して行った君は誰よりもヒーローだった。」…!!」

 

緑谷のセリフを被せながらオールマイトは喋っていた。

 

「トップヒーローは学生時代から逸話を残している。そしてその彼らの話の多くはこう結ぶ!

 

[考えるより先に体が動いていた]

 

とね!」

 

ああ、良い言葉だ。

 

緑谷は少しずつ崩れていきそして、

 

「君もそうだったんだろう⁈」

 

「……うん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「君はヒーローになれる」

 

緑谷は、うずくまり感極まって、泣いた。

 




割と書いてる時に泣きそうになったのでここまでにします。

マジここ名シーン!

本当は、緑谷は泣いても立って泣きます。理由は、原作より早く鍛えられているからです。しかし、今日の精神的な疲れとオールマイトの言葉なので、今回は原作通りに泣いてしまいました。

それと前回の所の緑谷の本格的な修行開始を去年から先月に直しました。ちょっと強化し過ぎたと感じたので。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三話

お気に入りに0があって悲しい。

では、続きをどうぞ!


緑谷は泣いてしまった。

 

俺も少し泣きそうだ。ここアニメで感動したからな。

 

「うう、うっぐ、ひっく。」

 

緑谷は完全にボロ泣きだ。本当なら泣いても立っているが、いつもとは状況が違うからな。

 

さてそろそろ次の本題か、と思っていると

 

「緑谷少年。君なら私の力を受け継ぐに値する!」

 

「……力?」

 

「はっは、これだけだと思っていたのかい?本題は次だよ。つまり、

 

 

私の個性を受け継いでみないかい⁈」ブファ!

 

血を吐きながら、緑谷にそう言った。俺は分からない振りをしながら聞いた。

 

「すみません、オールマイト。俺も緑谷も話しが見えません。もう少し噛み砕いて話してくれませんか?」

 

「ああ、すまない。ええと、君は。」

 

「名乗り遅れました。虫塚勇護です。」

 

「虫塚少年。質問ありがとう。二人とも続きを話すよ。

私の個性は、聖火の如く受け継いできた個性なんだ。」

 

「ちょ、ちょっと待ってください、オールマイト!」

 

緑谷が反論して、いつものブツブツモードがきた。

 

「確かにオールマイトの個性はネットでも話題になっていました。海外や国内の雑誌、口コミでもみんな分からないのに、更には世界七不思議にも数えられ「君はナンセンスだな!」ふぇ⁈」

 

オールマイトが無理やり止めて自分の流れに変えた。

 

「とにかく私の個性は代々受け継がれてきた。助けを求める義勇の心と共に受け継いできた個性に冠された名は

 

[ ワン・フォー・オール] 」

 

「ワン、フォー、オール」

 

ついに出たな。その名が。

 

「一人が紡いでまた一人が紡ぐ。そうして託されてきた個性が今私の個性なのだ。」

 

「何故、そんな大層なことを話したのですか?」

 

緑谷が不安そうに聞く。

 

「元々後継を探していてね。虫塚少年は見てないが怪我が原因でこうなってしまったのだよ。そういう訳だから、緑谷少年に提案したけど、どうだい?」

 

緑谷はすぐ目を拭いて、

 

「お願いします!」

 

ハッキリと答えた。

 

 

これで一緒だな、緑谷

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、継承するのはいいが、緑谷修行はどうするのだ?」

 

俺が聞くと緑谷は真っ青になった。

 

「そうだった!先生との修行があるんだっけ!今日は休みだけど、どうしよう!ゆっくん何か考えは無い⁈」

 

「まぁ、先ずはジジイに相談だろ。個性云々はさておき、修行の調整は必要だし俺と一緒に受験勉強しないとダメだろ。」

 

「だよね。じゃあ、先ずは師匠に話に行かないと。オールマイトも付いて来てください。」

 

「え!でも、今私の姿はこれだよ。それにあまり深入りはさせたくは無いよ。」

 

俺らのジジイを心配しているようだけど、

 

「大丈夫です。それにオールマイトも知っている人です。」

 

「私も?」

 

「とりあえず、行きましょう、道場に。」

 

オールマイトは、首を傾げながらも付いて来てくれた。

 

 

 

 

さて、道場に来てジジイを見たオールマイトは、

綺麗な直角お辞儀をした。しかもめっちゃ震えてる。何故⁈

 

「久しぶりだな。俊典。オールマイトと言った方がいいか?」

 

「そ、そんな滅相もありません!お、お久しぶりです。せ、せ、先生!」

 

そう言った瞬間、土下座した。見事な土下座だ。小刻みに揺れ、軽い地震が起きてる。ネットに載せたら爆上がりかも。

 

これがワン・フォー・オールの力か⁈(違う)

 

「オ、オールマイト⁈何故土下座を⁈」

 

「ジジイ、あの番組以外に会って、何かトラウマ植えつけたか?」

 

「失敬だな。ただ彼の先生に頼まれて修行を手伝ってあげたのだよ。」

 

「…念のため聞くが、どんな修行を?」

 

「何、彼の先生と一緒に二対一の実践訓練を少々。」

 

納得

 

 

この時、俺と緑谷は同じ考えを出した。

 

確か原作でメタクソにボコられたのに、今回はその倍以上だな、きっと。あっちの爺さんも結構キツイと書いてあったから。

 

オールマイトごめんなさい。うちのジジイがご迷惑をかけて。

 

 

 

 

 

 

その後みんな落ち着いて、道場に入った。

 

「ふむ、つまりこの緑谷君を継承者にして、個性を受け継げさせたいとな。」

 

「はい!緑谷少年はいずれ大成します。だから、継承者にさせてください!」

 

オールマイトが強く語った。やはりNo. 1ヒーローだな、かっこいい。

 

「私は継承者の話は構わない。だが、修行途中の彼を途中からは任せられん。それに、勇護と一緒に受験勉強させる予定だったからな。」

 

そうだ。一応緑谷はここの門下生。まだ俺さえ修行中。抜けさせるには早すぎる。それと俺と一緒に居てくれないと勉強教えて貰えない!それだけは、しなきゃダメだ!俺はマジで数学キツイのだから!

 

「なら、朝だけでも私に修行させてください。彼らの近くの海浜公園を使ってトレーニングさせます。お願いします。」

 

ジジイは悩み、そして

 

「いいだろう。そこまで言うなら許可する。ただし、今言った朝の訓練を見てからだ。」

 

「ありがとうございます!」

 

オールマイトは、心の底から喜びを感じさせる返事をした。

 

そしてジジイは緑谷も、

 

「出久君。これから大変になるが、頑張って喰らい付いて行きなさい。」

 

「はい!」

 

緑谷も心の底から喜びを感じさせる返事をしていた。

 

 

 

やっぱ、似た者師弟だな

 

 




因みにオールマイトの修行の内容は、


「ぐ、グラントリノ、や、休ませてください。武道さんと二人掛かりなんて、無理!です!」

「何寝ぼけているんだ!オール・フォー・ワンはこんなに甘く無いぞ!」

「さぁ、立ち上がりなさい。それとも蹴り飛ばして立ち上がらせましょうか?殴り飛ばして立ち上がらせましょうか?」

「ひ!た、武道さん。目が怖いです!」

「何を言っているのですか?俊典くん。僕は君の為に言っているのですよ。」

「めっちゃ笑顔!!」

「立ち上がれ、俊典!!」

「殴りましょうか?蹴り飛ばしましょうか?」

ああ、お師匠様。私はもうすぐあなたの元へ行くでしょう。




これを毎日修行でやらされていました。オールマイトすまん


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編 とある少年の修行風景

ちょっと、簡略していた回想を書いてみました。表現ムズイ!


「よし、体力に問題は無いな。これからは、本格的な修行に入るぞ。」

 

「はい!」

 

訓練を始めて一年、ようやく本格的な修行に入ることになった。

長かった。いやマジで。基礎ばっかりだったが、何とか真面目に頑張ってきた。そしてようやく修行に入れる。楽しみだ!

 

「では、説明する。修行の内容だが、

 

 

 

 

 

 

 

実践訓練だ。今闘うぞ。」

 

「…はい?」

 

師匠はそう言って、立ち上がった。え?

 

「何をしている。早く立ちなさい。」

 

「いや、師匠。闘うって、俺応用訓練をしてないですよ。」

 

「これが応用だ。訓練では、意味が無い。実践が一番だ。」

 

俺は、心の中で思った。

 

 

明日学校に行けるかな

 

 

 

 

修行を始めて二ヶ月。心が折れかけていた。

 

ヤバイ!マジで死ぬ!どうすれば良い⁈

 

「ほら、もう1本。かかって来なさい。」

 

ジジイに特攻していき、一発当てる修行だが、カスリもしない。最近は、もうムカついてジジイ呼びしている。始めて呼んだら、記憶が無くなってる。いつ呼んだんだ?

 

 

「うおー!」

 

俺は、半ばヤケクソで殴りに行った。だって、泣きたいぐらいツライ!死ぬ!けど、先に向かわないと、後からやられる。それは嫌だ!

 

ジジイは、軽くかわしながら俺を蹴り飛ばした。

 

「グボッ」

 

だが、これだけでは無い。ジジイは蹴り飛ばした瞬間に、すぐさま俺の横に走り飛んだ。ナニモンだ、アンタ!

 

バキィ!!

 

上に蹴り飛ばし、ジジイはまた飛びそして、

 

ボグゥ!!

 

ジジイに殴り叩きつけられた。いてぇ!

 

「グヘェ!」

 

まじ死ぬ!辞めたい!

 

 

 

こんなのをやり続けていた。けど、島はもっと酷かった。

 

夏休み

 

宿題を一週間で終わらし、ジジイ所有の島に行った。そして

 

「では、ここで夏休みギリギリまでサバイバル生活だ。時々、襲撃するから、気を散らすなよ。」

 

これを聞いて一言

 

「俺、特殊部隊にいつ入ったっけ?」

 

酷かった。

 

「うお!何だこれ、トラップじゃん!何で⁈」

 

「ひぃー!虎がいた〜!」

 

「クソ!全然食えそうな飯がない!」

 

「チクショウ!魚が釣れねぇ!」

 

「グォォ。動けねぇ。死ぬ。ドクキノコか⁈」

 

「ぎゃあー!ジジイうんこしてる時に来るな!」

 

こんな感じに生活していた。正直行きた心地がしなかった。所々記憶が無い。

 

それを今までしてきた。マジ辛かった!

 

流石に、冬休みはと春休みは無かった。時間が少ないからな。でも、一週間雪山を行き来してそこで組手をしていた。私服で。凍え死にするかと思った。ジジイは平気だったけど。化け物め!

 

 

 

そして個性を手に入れてからも変わらなかった。だが、怪力を鍛える修行がきつかった!

 

「ジジイ。これ何?めちゃくちゃに重いけど。」

 

「特注で作ってもらった重りだ。一つにつき、100kgはある。慣れたら倍にして増やすからな。」

 

「ふざけんな!少ししか動けねぇよ!これでどう動けってんだ⁈」

 

「何、慣れれば良いんだ。簡単だろ?」

 

「それともう一つ、200kgの重量服を着て貰う。これは夏休みに入ってからだ。毎日着て貰う。それでサバイバルして貰うぞ。」

 

「…クソが〜!」

 

 

 

泣きたいよ!




他にも会ったらこんな風に書いていこうと考えています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四話

多めに書くのは大変ですね


朝、俺たちは、近くの海浜公園にいた。

 

「ふんぎぎぎぃ〜〜!!!」

 

「HEY!HEY!HEY!なんて座り心地良い冷蔵庫なんだ!」

 

「緑谷ファイト!」

 

「もっと全身を使え。少しは動くぞ。」

 

俺とジジイ、マッスルモードのオールマイトを乗せた冷蔵庫を引っ張っている緑谷。だが、ピクリともしない!

 

「ぶへぇ」 ベチャ!

 

あ、緑谷が倒れた。大丈夫かな。

 

「ゼェ、ゼェ、ゼェ!み、みんな乗っていたら動きませんよ!オールマイトに至っては、274kgも有るんですよ!」

 

「いやー、痩せちゃって。今255kg。」

 

「ちなみに俺は75kg」

 

「私は70kgだよ。」

 

つまり、400kgと冷蔵庫を引っ張っているんだ。緑谷ドンマイ。

 

「てか、これが特訓ですか?オールマイト?ただ冷蔵庫を引っ張っているだけですが?」

 

一応知らない振りで聞く俺。

 

「そうだね。ただこれはほんの一部。まぁ、修行全体を話すから緑谷少年の所に集まろか。」

 

俺たちは疲れてる緑谷の所に行き、話を聞いた。俺は緑谷に体調を聞いた。

 

「大丈夫か、緑谷?」

 

「うん。なんとか。オールマイト、どうゆう修行するのですか?」

 

「うん。まず、この一帯のゴミを全部片付ける。まぁ、平たく言えばゴミ掃除だよ。」

 

「「ゴミ掃除?」」

 

「そう。まずワン・フォー・オールは何人ものの力を結晶させた個性。鍛えてない体で使えば四肢が吹き飛ぶ!緑谷少年は、体はギリギリ出来ている。けど、それじゃあダメだ!もっと許容容量を増やすことが重要になる。」

 

「なるほど!体作りにゴミ掃除を!」

 

「ですが、それだけならジジイに鍛えてもらっていてもいずれは出来ますよ、体。」

 

「そう!確かにそれだけなら先生に鍛えた方が効率は良い。だけど、私がするのはちょっと違う!私は妨害する。しかも唯の妨害じゃない。遠距離からの妨害だ!」

 

「遠距離⁈」

 

緑谷がとても驚いてる。けど、俺は何となくわかった。多分ジジイも気がついてる。唸っているからな。

 

「先に見せた方が早いね。これを見てね。」

 

そう言ってオールマイトは海に向いて、拳を出した。すると、

 

ドパァァン!!

 

海が荒れた!凄いな。確か20%で風圧が出るんだよな。やっぱ無茶苦茶だな。オールマイト。

 

「やはりそうか。これはワシには出来んな。」

 

ジジイはそう呟いた。良かった。これが出来たら泣いていたよ。マジで!

 

「おお!」

 

緑谷は嬉しそうだ。やっぱ力を見れて嬉しいだな。

 

「こんな風に攻撃するから。まぁ、最初は遠くから徐々に近くになっていくよ。わかったかな。」

 

「はい!あ、でもなぜゴミ掃除を?」

 

緑谷が聞くとオールマイトは、冷蔵庫に手を置いて説明した。

 

「最近の若者は何かと派手な戦闘を求めてるけど、ヒーローの本質は奉仕活動。それは、忘れてはいけないことだ。だから、」

 

オールマイトが説明しながら、冷蔵庫を押し潰していく。なんてパワーだ。俺も今の怪力で出来るかな?

 

「ここ一帯の地平線を蘇らせる。それが君のヒーロー活動の第一歩だ!!」

 

言い切って冷蔵庫を潰して、海辺に朝日を入れ込んだ。

 

「これを、全部⁈」

 

まぁ、驚くよな。実際周りを見ると約500から1kmはある。割と広いし、長年のゴミが溜まっている。けど緑谷は諦めてない。むしろ、やる気だ。

 

「僕はみんなの何倍も頑張らないといけないです。だから、

 

やります!」

 

「OK!じゃあ、やっていこう!」

 

流石にここからは俺は自主トレだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

と思っていましたよ。3秒前まで!

 

後ろから、

 

ガシ!

 

「勇護、今から組手を始めるぞ。今日は、殺し合いから始める。」

 

「殺る気出してじゃねーよ!嫌だ、絶対に!!こんな朝っぱらからやり始めたら死ぬわ!」

 

「朝のちょっとした運動だ。気にするな。」

 

「気にするわ!!」

 

何だかんだで、俺たちも近くで組手と言う名の殺し合いをしていた。

 

 

 

 

 

寝たい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから十二月、寒い冬の朝。

 

事件が起きた。今日はジジイと一緒に緑谷とオールマイトとでマラソンするのだが、

 

「緑谷大丈夫か?疲れ過ぎてクマできてるぞ。」

 

「うん。大丈夫」

 

見るからに大丈夫じゃない。返事も弱々しい。

 

それでもマラソンをやり始めた。が、

 

ベシャ

 

緑谷が倒れた。5kmしか走っていないのに!いつもなら、10km走らされても平気なのに!まさか⁈

 

「緑谷。お前やり過ぎてるだろ?」

 

ジジイが俺と同じ考えを聞いていた。そうだ。確かオーバーワークしていたな。丁度今の時期だ。

 

「緑谷少年。君、まさかこれ以上の修行を重ねがけしていたのか?無茶だ、危険だぞ!試験を受ける前に体を壊す気か⁈合格したいんだろ⁈」

 

「したい、ですよ。でも、入るだけじゃ、ダメなんだ!」

 

緑谷の声が聞こえた。弱々しいがはっきりしている。

 

「僕、は未熟だから。無個性、だから。みんなより何倍も、修行しないと、いけないのです!ゆっくんにも、かっちゃんにも、超えなきゃ、平和の、象徴に、なれない!」

 

緑谷は、地面を握りしめて這って、そして

 

「僕は、あなたみたいなヒーローになりたいんだ!あなたみたいな最高のヒーローに!」

 

オールマイトを見つめ、はっきりと言い切った。

 

やっぱヒーローだな。出久は。

 

俺は思った。そして緑谷を背負ってやった。

 

「緑谷、聞こえるか?今度から出久って呼ぶわ。んで、

 

お前をライバルと見る。

 

学校入ってヒーローになったらお互いなりたいヒーローになるぞ!」

 

俺は宣言してやった。緑谷は、

 

「あり、がと。」

 

そう言ってくれた。

 

俺はやっぱライバルになるよりは無茶しない監視役になろうかなと思っていたりもした。

 

ジジイは優しい目で見て、オールマイトは泣いて

 

「なんて美しい友情だ!」

 

と言いながら泣いてた。

 

 




次でようやく入試です!長かった。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第五話

今回から、緑谷はセリフ以外は緑谷になります。楽なので。

ちょっと遅れて短いですが、どうぞ!


さて、あれから修行してきて遂に、入試当日!今日は実践入試だ。テストは先週やった。数学が不安だが信じるしかない!

 

「さて今日が最後の入試だ。気を引き締めて行かないと!」

 

「兄さん。気をつけてね。怪我はしないでよ!あ、でも大丈夫か。先生に鍛えてもらって頑丈だから。」

 

「…おまえ、おれを何だと思っているんだよ?」

 

「軽トラに轢かれても平気な頑丈なへん…兄さん。」

 

「今変人って言おうとしなよな、絶対言おうとしなよな⁈」

 

「気のせいだよ。兄貴。」

 

「言い方が変わった!!」

 

お兄ちゃんは悲しいぞ!

 

すると母さんから、

 

「勇護。なら合格してお兄ちゃんとしての威厳を見せてあげなさい。何か見せれば分かってくれるから。」

 

「母さん。」

 

「それに、緑谷くんも頑張ってきたのでしょう。最近家に呼ぶから嬉しかったわ。あなた友達を中々家に連れて来ないから。」

 

「まぁ、大体勉強をお願いしていただけだけどね。」

 

「それでもよ。また今度遊びに来ていいよって言っておきなさい。お母さん用意しておくから。」

 

「兄さん。もう時間だよ。急いだら?」

 

時計を見ると、早めの電車の時間だ。急がなきゃ!

 

「じゃ、行ってきます!母さん!蟻巣!」

 

「行ってらっしゃい。お父さん、夜勤明けで寝てるけど後でメールで応援するって。」

 

「行ってらっしゃい。兄さん。攻撃が効かない変態だって分からないことを周りにバレないことを願っているよ。」

 

「変人じゃなくて変態だって思っていたか⁈」

 

酷い。泣くよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

緑谷とは、雄英高校の校門で待ち合わせをしていた。

 

 

「おはよう。出久。」

 

「あ、おはようゆっくん。上手く待ち合わせできたね!」

 

なぜ一緒に行かなかったのか、ただ単に恥ずかしくなったのと緑谷が緊張していきそうだから、と話し合ってやめた。まぁ、お互いそんなでもなかったけどね。

 

「出久。イメトレして来たか?ぶっつけ本番で個性解禁するんだから気を引き締めて使えよ。」

 

「うん。めちゃくちゃ不安だけど頑張るよ。でも、師匠も無茶苦茶だね。一週間前に譲渡されたばかりなのに。」

 

そう、緑谷は一週間前にオールマイトから個性を譲渡されたのだ。これは緑谷が原作より鍛えていた分まだスピードが早かったおかげだ。しかし、終わっていた時期が実際には一月前だ。理由はオールマイトの力を保つ為と緑谷の罰だ。ジジイ曰く、

 

「まだオールマイトの力は必要だ。出来るだけ保っていたい。それに今渡せば緑谷は隠れて個性を使い、大怪我するだろう。罰として一週間前に譲渡してもらえ。」

 

と言っていた。まぁ、当たり前だな。緑谷は、前科があるし、オールマイトは反論したが渋々納得していた。個性譲渡は面白かった。今度話そう。

 

 

 

 

俺たちが話してると後ろから、

 

「どけ、デク!ムシ!」

 

爆豪がやってきた。

 

「あ、かっちゃん。」

 

「あ、爆豪(笑)」

 

爆豪は黙って俺たちの間を通って先に行った。爆豪は原作通り緑谷に助けられてからイジメが無くなった。それどころか接触も減っていた。俺に対しても、クソがとれてムシだけになっていた。喧嘩を誘ってくるのもも月一になっていた。

 

「かっちゃん。だいぶ静かになったね。」

 

「そうだな。そうだ、出久!前に進め。一回コケてみたらどうだ?緊張高まるぞ。」

 

「嫌だよ!」

 

そう言いながらも先に歩いてくれた。て、

 

「あ。」

 

「わ!」

 

そう言ってコケた。ダサっ!けど、地面にはぶつからなかった。俺の通りを歩いていた女の子に助けてもらったからだ。宙に浮かせてもらって。

 

「え?浮いてる⁈」

 

「大丈夫?これ、私の個性だよ。転んじゃたら縁起悪いもんね。」

 

そう言いながら緑谷を下ろしてくれた。原作ヒロインのお茶子だ。

 

「じゃあね!試験頑張ろう!」

 

そう言って先に行った。緑谷は

 

「女の子と、喋っちゃた。」

 

目を丸くして顔を赤くして興奮している。

 

「落ち着け、出久。キモくなってるぞ。と言うか、お前喋ってないだろ。」

 

「い、いや。つい可愛くて。」

 

「そんなのお互い受かってからにしろ。俺たちもあの子も受かるわけじゃないからな。」

 

「うん。でも良かったね。今年から一クラスにつき一人増やすって説明。」

 

「確かにそれは有難いな。」

 

そう。今年から一クラスにつき一人増やすと説明会で宣言されていた。どうやら試験的な事でその来年からまた一人増やし、最終的に30人まで増やすみたいだ。

 

俺的には少し不安だ。原作通りのメンバーになるか。B組に分からないやつが一人増えるのも俺が転生してきた影響だろう。まぁ、これは俺が転生しなくてもあったかもしれないが。

 

「じゃあ、行こうか」

 

「うん!」

 

俺と緑谷は、校舎へ入って行った。

 

 




個性譲渡の日



「よしじゃあ緑谷少年!今日はいよいよ個性譲渡の日だ。心として受け取れ!」

「はい!」

緑谷は良い返事した。まぁ、先がわかっている分笑いそう。


オールマイトは髪を一本抜き取ると、

「食え」

「…へ?」

「いや、これは個性譲渡にはDNAを摂取する必要があってね。これは大事だよ。さあ食べて!」

「思っていたことと、違う。」

俺はここで待ったをかけた。

「ストップ、オールマイト。これを使ってください。」

「うん?これは、ナイフと小皿?」

「髪よりも血がいいですよ。飲みやすいから。」

「ええぇーーー!!!?」

緑谷が騒いでいるが無視!

「さあオールマイト!一気にブシャと血を出してください!」

「う、うん。でも何でこんな用意がいいの?」

「昨日、下野アナのダーク星座占いで

[明日乙女座のあなたのラッキーアイテムはナイフと小皿。お友達に助かりお礼を言われますよ!]

って言われたんでもっていました。」

「いやおかしいでしょ!ゆっくんそれ信じちゃダメじゃん!」

「いや、下野アナの占いは当たるからな。私もよく助かっているよ。」

ここでまさかのジジイの援護射撃!

「さあ、出久飲みなさい!飲みづらい髪の毛を食べるか?血を飲むか?二つに一つ!」

「ヒィー⁈」






緑谷は泣いていたが最終的に血を飲んだ。割とぐいっと!いやー、良いことしたわ。



「なんか違う気がする。」

緑谷が何か喋ったが気にしない気にしない!









次回ですが、飯田君とのゴタゴタは飛ばします。あまり変わらないのと、作者が早く次を書きたいので




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第六話

ちょっと風景描写上手く出来なかった。残念。

あと修正しました。描写下手ですみませんでした。


俺が緑谷と会場を別れ、別の実技入試会場に入っているとデカイ街並みがあった。

 

「うわぁ、やっぱ凄いな雄英高校!」

 

周りを見ると数百人はいそうだ。やっぱりデカイな。

 

「あの?」

 

女の子か?後ろから呼ばれて振り向こうとした。が!

 

「はい、スタート。」

 

ダンッ!!

 

反射で前に飛び上がってスタートした。同時に後悔した。

 

(しまった〜!!呼びかけてきた人ごめんなさい!ついジジイの反射修行で動いちゃった!顔見てねぇから謝れねぇ!)

 

そう考えると、後ろから教師のプレゼントマイクの実況が聞こえた。

 

[ほらどうした⁈実戦に合図はねぇぞ!スタート出来た奴は二人しかいねぇぞ!]

 

因みに後から知ったが、この時の二人は俺と緑谷だった。やっぱアイツも鍛えられていたんだな。

 

さて、飛び出したからには、思いっきりやるか!

 

 

そして俺は、

 

ビュン ブォン!

 

糸を出し前へ飛び進んだ!

 

「さあ、ロボットはどこだ?」

 

40メートル進むと下に1pロボット。そのまま飛び進み、

 

「おっはようございまーす!そしてさいなら!」

 

ブン殴って壊した。

 

案外柔らかった。これなら修行でジジイの用意したサンドバッグが固かったな。

 

「良し!じゃあ気分が良くなる為にガンガン潰すか!」

 

俺はまた飛び上がって進んだ。

 

side見守り室

 

 

「凄いですね。あの少年。上からの奇襲。的確にロボの中心からぶち抜いてる。しかも素手で。」

 

教師でヒーローのセメントスがそう呟いた。その言葉に周りが反応した。

 

「ええ、しかもロボットはそれなりに耐久度は高くなくても普通、素手で破壊するのは難しい。なのにそれをいとも簡単にやってのけてる。」

 

18禁ヒーローのミッドナイトがそう言う。

 

「更に広範囲のロボットを上空から観察して即座に襲撃。機動力、観察力、戦闘力、申し分ないね。それどころか即戦力できそうだ。」

 

「他にもかなりのレベルの人がいるね。そしてそれが大勢。」

 

「今年は豊作じゃないか?」

 

「いやー、分からないよ。」

 

「真価が問われるのは、」

 

そして、

 

「これからさ!」

 

事態が急変する

 

 

 

 

 

 

 

side勇護

 

最初と同じことをしながら40Pをもぎ取った。そこでちょっとやばいのを見つけた。ロボットたちに囲まれた生徒。しかも一人!

 

「助けてやっか!」

 

俺は上空から襲いかかった。先ずロボット全部に糸を張って

 

「ふんぬ!」

 

持ち上げる!!

 

「ふぇ⁈」

 

下の人が驚いてるけど無視してそのままロボットを持ち上げてきて、

 

「オラァ!!」

 

思いっきり蹴った!ロボットは全部ぶっ壊れた。良かった。ちょっと全部壊す自身が無かったから。

 

「大丈夫ですか?」

 

俺は助けた子の元へ降りた。ってこの子は⁈

 

「わぁ!ありがとう!助かったよ!私見えないのに服でバレちゃうから大変だったんだよ!」

 

原作の1ーA女子の葉隠透。ここの会場だったんだ。

 

「そんな事ないよ。じゃあまたね。」

 

「うん、またねー!」

 

葉隠は腕を上げて答えてくれた。てか微妙に怖い。どうやってロボット壊すんだ?

 

そう思って前に進んでると

 

ズン!

 

大きな振動が聞こえた。あれは

 

「0Pロボット!」

 

マジか!実物割とデケェ!!とにかくあれを止める為に足元まで向かった。怪我人がいるかもしれないからな。

 

ヤツの足元のビルの上まで行くと、

 

「わぁ。みんな逃げてんな。」

 

みんな全力で逃げてるのが分かる。逃げ遅れてる奴はいない…⁈

 

「あれは⁈」

 

女子が一人コケてやがる!不味い!踏み潰される!

 

「チクショウ!待てこら、巨大ペッパー君!!」

 

俺は糸を全力で出して引っ張り急降下した。間に合え!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sid???

 

やばい足を挫いた!わぁ不味いな。このままじゃ踏み潰される!

 

逃げようとしてるうちに、0Pロボットはどんどん進んできた。足を引きずって進んでいるが間に合わない!

 

「ここまでか。」

 

私は覚悟した。そしたら何故か今までの記憶が出てきた。何で走馬灯が出るんだよ。

 

「助けてよ、勇護。」

 

離れ離れになったアイツの名前を思わず口に出した。例えアイツがいても周りには誰もいない。分かりきっているのに、なんで口に出したんだよ。

 

ロボットは遂に追いつきそして、

 

「ちょっと!スピード違反だよ!少しは速度を落としなさい、巨大ペッパー君!」

 

軽口を叩きながら私の元へきて、

 

「あらよっと!」

 

私は宙に浮いて掴まれていた。いや、抱かれていた!その顔は

 

「大丈夫ですか?お嬢さん?って一佳⁈」

 

遠く離れて久しぶりに再会した弱虫な幼馴染だった。

 

 

 

 

 

 

side勇護

 

ギリギリペッパー君の足元から救った女子を見たら一佳だった。ポニテの美少女になった。てか、こいつも一緒だったか。良く考えたら最初記憶が戻った時は驚いていたな。こいつと幼馴染だったのは。B組の委員長になったら姉御兼押さえ役になるんだよな。

 

なのに今腕の中にいるのは、可愛い女子だ。アレ?人違いか?あと柔らかい!このまま抱きしめていたいが、

 

「一佳。悪りぃけど、再会を楽しんでいらねないから。後ろのペッパー君から離れるよ!」

 

「いやアレどっから見てもペッパー君じゃないでしょ!それよりアンタ個性発現したんだ⁈」

 

「まぁね!蜘蛛の個性。詳細はウェブで見てね!」

 

そう言い、俺は横から離れたビルの屋上に一佳を置いた。

 

「ホイ。これで良し!じゃあ、ここで待ってて。今からペッパー君にお仕置きして来るから!」

 

「えっ!ちょっと待っ⁈」

 

俺は振り向かずに0Pロボットへ向かった。

 

[あと2分!]

 

プレゼントマイクの実況が響いた。まだ行ける!

 

俺は先回りして前に飛び出し、進みながらビルの間に糸を張って両手で掴み、限界まで後ろに下がり、

 

「ふん!」

 

前へ飛んだ!

 

「スパイダー…」

 

奇しくも俺と同時に、別会場にいた緑谷は跳んでパンチを構えていた。

 

「ブレッド!!」

 

「スマッシュ!!」

 

ドゴォ!!!

 

ロボットは顔をぶっ飛ばされ壊れた。けど、

 

「まだだ!!」

 

俺はまだやる事がある!

 

俺は糸を出し、ロボットが倒れるより先に行って糸を出し、頭部を巻きつけてビルへ固定した。だが、一ヶ所じゃ足りない!

 

「まだまだだよ!ペッパー君、まだ踏ん張ってな!」

 

俺は糸を出して今度は胴体へ巻きつけてビルに引っ付け固定した。だが一ヶ所だけではない!全体に!

 

「オラァ!」

 

回りながら巻きつけ、3、4回やって止まった。そして、

 

 

 

 

 

 

 

[終、了〜!!]

 

 

 

 

 

 

 

終わりの合図が聞こえた。

 

 

 

 

 

 




今回ちょっとスパイダーマン風にやってみました。上手く表現出来てるかな?




葉隠こんな感じで大丈夫かな?あの子どうやって受かったんだ?マジ?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第七話

遅れてすみませんでした!

課題が中々終わらず、時間がありませんでした!

前回スパイディ感出せていたかな?


side一佳

 

「凄い。」

 

私は素直にそう思った。あんな巨大ロボットを一撃で倒すなんて。しかもそれだけじゃなく二次災害を防ぐために糸で吊って倒させなかった。

 

 

 

 

 

次元が、違う。

 

 

 

アイツ、凄い個性を手に入れたんだな。

 

そう思っているとアイツが帰ってきた。蜘蛛糸で上がってきて。

 

「ヤッホー!久しぶり一佳!まさかここで再会できるとは考えてなかったよ。」

 

「う、うん。そうだね。」

 

「あっちで怪我治してくれるみたいだ。足治しに連れて行くよ」

 

「うん。ありがとう。」

 

そう言って、勇護に連れてもらおうとした。だけど、

 

「…どうした、一佳?元気無いな。考え事か?」

 

「へ⁈いや、その」

 

まさか聞かれるとは考えていなかったから喋れなかった。その間にも勇護は見てる。視線が辛い。

 

「…凄い個性を手に入れたんだなって考えた。…けど、さっきのアンタの行動見て違うと感じた。別次元の強さだって。」

 

耐えきれなかった私は喋った。そして

 

「私はヒーローになってもアンタの隣には立てない。」

 

「アンタの手伝いだって出来ないと思う。私はヒーローにならなくてもいいと思う。」

 

言ってしまった。言わなくてもいいことを。幻滅しただろうな。今まで引っ張ってきたのに、こんな見っともない姿を見せて。

 

「…」

 

勇護は黙って私の前まできて、

 

ビシッ

 

「痛っ!?」

 

デコピンして来た。てか痛い!

 

「うう、何すんの⁈」

 

「いや、答えが何となくムカついたから。」

 

「それだけ⁈」

 

「…あとヒーローならねぇとか言うな。俺が強かろうが、周りが強個性だろうが、歯食いしばって前歩けばいいじゃん。だから、

 

泣かないでくれ。見るのが辛い。」

 

いつの間にか泣いていた。自分でも分からない。けど、久しぶりに会ってわかった。勇護は、何も変わってなかった。先に前に進んでいただけだった。ただそれだけだったんだ。

 

じゃあ、私のすることは何だ?

 

決まってる。

 

私も進めば良い。

 

コイツには負けないくらい!

 

涙を拭き取って私は勇護を見て言った。

 

「私がまた先行って引っ張って上げるから。待ってなさい。」

 

「そりゃ、無理。だって

 

引っ張るのは俺の役目だ。」

 

そして私は勇護に下まで連れてもらった。

 

 

意外と硬かった。

 

 

 

 

side勇護

 

いやー、一佳にあんなこと思っていたとは。しかし俺が今思う事は一つ

 

 

柔らかった

 

 

いやマジで。女の子ってあんなに柔らかいんだな。鍛えてもやっぱ男とは違うな。特にあそこだな。二つのリンゴ。体にふわっとクッションになるな。

 

 

 

 

 

 

 

まぁ言えることは

 

色々とありがとうございます

 

 

 

 

 

 

とまぁ、アホな思考はとりあえず置いておき、一佳を救護係の人まで連れてやった。その時、

 

「あ。」

 

「おや、久しぶりだね。」

 

「久しぶり、お婆さん。宣言通りヒーローになりにきたぜ。」

 

あの時河原で会ったお婆さん。実はヒーローである、リカバリーガールだった。これ転生してわかった時はびっくりした。だって、思いっきり雄英高校の関係者だったから。もうルート決まっていたんだなって理解した。

 

そう考えているとリカバリーガールから話しかけてきた

 

「あんた随分と派手にやってのけたね。拳一つで壊して尚且つ建物に糸を張って被害を防ぐなんて。」

 

「憧れのヒーローを真似てやっただけです。多分あの人ならこれくらいすると思ったから。」

 

「…オールマイトじゃ無いね。一体誰だい?」

 

俺は意地悪く笑い、

 

「内緒です!」

 

そう答えた。

 

「知りたかったら、俺が雄英に入学したら会いに行きますよ。ここで働いているんですよね?」

 

「そうだよ。まぁ、来たらハリボーあげるよ。」

 

「ハリボーよりのど飴がいいですね。そっちが好きです。」

 

「ふふ、生意気な子供だね!」

 

そう話し合いお婆さんと別れた。

 

 

 

 

 

一佳に次からはちゃんと連絡すると約束して、携帯番号を交換して別れた。めちゃくちゃ怒られたな。ちゃんと連絡しよう。

 

緑谷を待つために校門で待っていた。そして20分後、

 

「あ、ゆっくん。お疲れ様!」

 

「おう、お疲れ様。出久どうだった?100%使っちまったか?」

 

「うん。最後に倒れていた人を助ける為につい。」

 

「大丈夫。ジジイはそんなに怒られねえと思うぞ。人助けして、力の使い方がわかったからオールマイトも納得してもらえるさ。」

 

俺は笑って言った。緑谷も手を見て呟いた。

 

「うん。そうだね。自分でも後悔はしてない。」

 

「点数取れたか?」

 

「うん。20ポイントくらい。壊れたロボットの部品を上手く利用して取っていった。」

 

「へー、器用だな。手足の様子はどうだった?」

 

「所々骨折していたけど、大事には至らなかったよ。」

 

「粉砕骨折じゃなかったんだ?」

 

「ち、違うよ!普通の骨折だよ!そこまでは酷くは無かったよ。」

 

「そうか。」

 

それを聞いて俺は安心した。そのまま俺たちは家に帰って行った。ジジイは合否通知が来るまで来なくていいとメールが入っていた。

 

不安なのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

そして一週間後。

 

 

 

「兄さん!来たよ!合否通知が!」

 

蟻巣の声に驚きながら手紙を受け取り自分の部屋に入っていった。中身を見るのはやっぱり一人がいいよね!

 

 

手紙を丁寧に開けて中を出すと、

 

「これか。小型プロジェクター。」

 

小さな器具があった。原作と同じだ。そして机の上に置くと、

 

「私が投影された!」

 

「おっ久々、オールマイト。」

 

久しぶりのオールマイトが出てきた。原作の服装の金の服を着ている。オールマイトはそのまま喋り続けた。

 

「いやー、何でこの私が投影されたかと言うと、実は私、今年の春から教師として雄英に働くことになってね。そのために出たんだよ。」

 

なるほど。広告塔になってもらったか。一気に有名になるからな。まぁ、本当の理由は知っているけどね

 

「さて、ちゃっちゃっと進めようか!君、いいから始めましょうとか思っていそうだし!」

 

 

 

思っていないから!

 

「さて、まず学力面だが、数学が危しかったが他でカバーできてるためセーフだ!良かったな!ぶっ飛ばされずに済んだろう!」

 

…大きなお世話だ!確かに学力で落ちたら殺されるけど、受かったから良かった。けどもう一つは?

 

「そして実技!まずヴィランポイントが40P。まあまあの成績だ。これだけなら下位の成績だ。しかし!我々雄英が見ていたのはそこだけに非ず!レスキューポイント!しかも審査性!!

まず囲まれていた生徒を素早く救出、20P!そして次に0Pヴィランに轢かれそうになっていた生徒を救出、20P!最後に0Pヴィランをぶっ飛ばした上にヴィランが倒れて新たな被害が出るのを防ぐために、両脇のビルに張っつけ、支えた!70P!

 

合計150P!歴代最高得点だ!特待生とも一線を画すよ!!!!」

 

 

「………なんだって〜〜!!!!」

 

まさかの一位⁈ヤバイ、マジか⁈ああ、爆豪にねちっこくされる。でも、

 

「おめでとう!ここが君のヒーローアカデミアだ!」

 

 

 

今は合格に喜ぼう!

 

 

 

 

 

その日の夜、緑谷も合格したことを祝い家族ぐるみでお祝いパーティーを開いた。緑谷のお母さんに、俺と緑谷を泣きながらめちゃくちゃ褒めて嬉しがってくれた。

 

ちょっと恥ずかしかった。

 




因みに今回緑谷は4位に入りました。他は同じ結果です。

やっと原作入りしたけど、微妙に遅くて泣く


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第八話

ちょっと今回は少なめです。


翌日の夜、緑谷と浜辺に行くとトゥルーフォームのオールマイトがいた。一人だけか?

 

「オールマイト!」

 

「誰それ⁈」緑谷が大声で呼んでしまった。しかも後ろのベンチにカップルが座っている。ヤバっ。

 

「え?オールマイト⁈どこ⁈」

 

「リピートアフターミー!人違いです!」(小声)

 

「ひ、人違いです!」

 

 

よくこれで誤魔化せたな。まぁ、今姿が違うしな。

 

 

誤魔化した後、あの場から少し離れて話し合いを始めた。

 

「おめでとう、二人とも。素晴らしかったぞ!特に虫塚少年。一位での合格。流石だな。」

 

「え⁈一位合格だったの、ゆっくん⁈」

 

「すまん。黙っていて。ただ単に恥ずかしくて。あとお前経由で爆豪に伝わっていったらメンドくさいから。」

 

本当だ。事実学校の先生にも受かったが一位はみんなに説明しないでと伝えた。恥ずかしいし、爆豪にねちっこく質問責めされるのは嫌だから。

 

「まぁ、これは置いといて。二人と私の関係は黙っていたから。緑谷少年は嫌だろうし、先生が許さないかもしれないだろう。」

 

「はい。ありがとうございます。」

 

「そうですね。ジジイは実力で合格しなきゃ、ぶっ飛ばすと思いますし。」

 

まぁ、ジジイはそういうのは言わなくてもオールマイトに伝わらせる気がするけど。

 

オールマイトは話を続けた。

 

「さて、話は変わるが緑谷少年。全力を出して、どうだった?」

 

恐らくワン・フォー・オールのことだろう。緑谷は答えた。

 

「駄目、でした。たった一振り、人殴りしただけで、壊れました。僕にはまだ扱うことはできません。」

 

「そうだな。いくら器を鍛えたと言っても所詮は一年鍛えただけの急造品。まだ強度が足りてない木製バットで鉄壁を殴るものだ。けど、腕が砕けないだけでも上々だ。」

 

そう言って緑谷の肩に手を置いた。緑谷も理解しているため、何も言えなかった。

 

「…」

 

「…はぁ」

 

余りにも空気が重かったので、俺は緑谷の後ろに回り込み、

 

「ふん!」

 

「痛い!」

 

軽く背中を叩いた。ただし、ちょっと強めだけど。

 

「な、何するの、ゆっくん⁈」

 

「一緒にいること考えろ!空気重いわ!」

 

「「えええええ〜⁈」」

 

緑谷とオールマイト、めっちゃびっくりした顔をしてるな。けど、言わせてもらうぞ。

 

「あのな緑谷!100%を使えなくてもいいだろう!今はまだ学生。俺たちはまだまだ素人。そんな奴がアホみたいなパワー出してタメを殴り殺したら意味ねぇだろ!」

 

「あ。」

 

「だから、今は使い方を覚えるべきだろ。ちょっとずつ調整していければなれんだろ。だから最初は低火力の力を使えるようにすればいい。あんまり自惚れるな。俺たちは最初は無個性だった。ゼロからの始まりだ。だから、焦らず一歩ずつ前を見て進もう!」

 

「…っ!うん!ありがとう、ゆっくん!」

 

「いいよ。自分への言葉みたいなもんだから。」

 

ちょっと恥ずかしかったが、これは自分も当てはまる。だから常々思って言わないと。

 

 

 

「青春だな!」

 

オールマイトの呟きにはスルーしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、もうすぐ入学式や卒業式シーズンになるが、俺はある事に悩んでいた。それは、

 

「ヤバイ!スーツどうしよう⁈」

 

スーツ申請しなきゃ!全然これを考えてなかった!他人にはどうでもいいかもしれないけど、しかし自分には大切な事だ!とりあえず今世で鍛えた画力で絵柄などを決めるのだが、着てみたいスーツが多い!何せ自分が知っているだけでも映画版とゲーム版でかなりの数がある。まぁ、着たいのは数着だが。だが、全部着てみたい!週一で!

 

それはともかく、ちゃんと考えて丸一日。

 

「良し!これを最初に着よう!他は別の機会に申請してやればいけるはずだ!」

 

ようやく決まり、俺はスーツ申請を提出した。多分大丈夫!

 

 

 

 

 

まさかあのジジイがスーツに関わっているとはこの時俺は知りもしなかった。




活動報告にアンケートを一つ書いたので、ご自由に書いてください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第九話

大分遅くなりました!すみません!

やっぱ課題や、納会が面倒い。


入学式当日。俺は雄英の制服を着て朝飯を食べていた。朝はやっぱり白米だな。そう思いながら食べていると蟻巣が来た。

 

「おはよう。お兄ちゃん。お、カッコイイじゃん!」

 

「おはよう、蟻巣。ありがとう。」

 

やはり妹に褒められるのは嬉しいね!

 

「…なんかキモいことを考えていない?」

 

酷くない⁈俺は考えちゃダメなの⁈

 

ふと頭に浮かんだが、何故ここまでツンが強いんだ?泣くよ、俺。

 

「ま、いいや。そろそろ学校行くわ。」

 

「うん、気をつけてね。間違えても腕がもげても生やしちゃダメだよ。怪物扱いになっちゃうから。」

 

「俺のイメージマジでどうなってるの⁈」

 

俺はピッコロか⁈

 

そう考えながら高校に向かった。

 

 

 

 

おれと緑谷は雄英高校の校門にいた。途中で緑谷と一緒に登校してきた。

 

「いやー、いよいよだな。こっから俺たちの高校生活が始まるんだな。」

 

「そうだね、ゆっくん!ドキドキするなぁ。」

 

俺たちは、下駄箱へ向かいクラスを確認した。二人ともA組だ。

 

「やったね、ゆっくん!同じクラスだよ!」

 

「ああ、そうだな。」

 

俺は空返事しながら、B組を見た。一佳は、いた。後、物真と鉄哲も。多分全員揃ってると思う。こっちは全員知っている訳じゃないからな。まぁ、一人増えたことは変わらないだろう。まだこっちは手を付けずに置こう。

 

そのまま俺たちは靴を履き替えて教室に向かった。しかし広いな、ここ。

 

教室の前に来てみるとかなりデカイ扉があった。横開き、か。すると緑谷が不安な顔をした。

 

「どうした、緑谷?」

 

「いや、かっちゃんや入試の時に指摘されたメガネの怖い人がいないといいなと思って。」

 

「緑谷。それフラグ。」

 

まぁ、先のことはある程度予想がつく。しかも緑谷自身がフラグ立てたし。

 

先に緑谷が行き扉を開いた。その先は、

 

「君、机に足を乗せなるな!今まで使って来た諸先輩方に申し訳ないだろ!」

 

「うっセーよ!端役が!」

 

バッチリフラグ回収。ドンマイ緑谷。まぁ、爆豪はともかく飯田は後で仲良くなれるから。隣を見ると緑谷が死んだ目をしていた。頑張れ!

 

「おや、君は?」

 

爆豪と話していた飯田が気づいてこっちに来た。ついでに爆豪の苛つきと怒りの眼差しも来た。野郎の視線は要らんわ。どうせなら美少女の視線、カモン!

 

そう思っていると飯田が自己紹介していた。

 

「ぼ、俺は私立聡明中学出身、飯田天哉。よろしく。」

 

「ぼ、僕は緑谷出久。こっちは幼馴染の「虫塚勇護。上でも下でも好きに呼んでいいよ。」あ、あれ?」

 

すまん緑谷。けど、ゆっくんなんて愛称。周りに広められたくないわ。恥ずい。

 

「そうか。よろしく、虫塚君!俺もどちらでも呼んでいいよ。」

 

「じゃあ、飯田。これからよろしく。」

 

飯田と挨拶しながら握手した。やっぱ実際会うといい奴だな。

 

「あー!そのもさもさ頭の地味目の!プレゼント・マイクの言ったとおり受かったんだね!」

 

後ろで声が上がり見ると、原作ヒロインの麗日お茶子がいた。うん。丸い。なんか全体的に丸く感じる。活発なチワワがいるような感じだ。いや、某幼稚園児の飼っているもふもふ白ワンコみたいだ。

 

緑谷を見ると、あたふたして顔を真っ赤にして、顔を手で隠してる。あいつ女子と話せるようにならんとまずいな。そう考えていると

 

 

「お友達ごっこしたいなら他所へ行け。」

 

 

ミノムシがいた。いや、寝袋に入っている教師がいた。

 

「ここは、ヒーロー科だぞ。」

 

寝ながら十秒チャージのアレを吸って喋っている。この人良く採用されたな、マジで。

 

「はい。静かになるまで、8秒かかりました。君たち合理性に欠けるね。俺は担任の相沢消太だ。よろしく。」

 

…マジでやる気あんのか?原作知っているけどやる気ゼロ過ぎるだろ!見た目や態度も!

 

俺以外は全員驚いていた。相沢先生は、寝袋から出て中を漁ると体操着を出した。

 

「今からこれを着て運動場に集合だ。机の脇にある。」

 

そう言って先に行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

運動場

 

『個性把握テスト⁈」

 

「入学式は⁈ガイダンスは⁈」

 

麗日が抗議するも、相沢先生は

 

「ヒーローになるなら、そんな悠長な行事は出る時間はない。雄英は自由な校風が売り文句。それは教師側も然り。お前たちもやったことがあるだろう。個性禁止の体力テスト」

 

麗日の言葉を無視して話しまくる。自由っていうか無茶苦茶だろ、これは。

 

「国は今なお画一的な記録だけを取ってる。まぁ、文科省の怠慢だな。実技試験トップは虫塚だな。中学のボール投げはいくつだ?」

 

そう名指しされた瞬間に、二つの強い視線が来た。二つ?とにかく俺は先生に説明した。

 

「先生。俺、見た目の変化が少ない異形系だから、一般人と比較出来ないですよ。」

 

「そうか。じゃあ、二位の爆豪。お前はいくつだ?」

 

「…67m。」

 

「じゃあ、個性使って投げろ。」

 

そう言われて、爆豪は苛つきながら円の中に入り、

 

「死ねぇ!クソが!」

 

[死ね?]

 

汚い言葉を吐きながら投げた。多分発言にみんな困惑しているだろうな。相沢先生は、手元にあるタブレットを見せながら説明した。

 

「まずは自分の最大限を知る。それがヒーロー形成の合理的手段。」

 

爆豪の投げた数値は705.2m。流石だな。

 

 

しかし、この後面倒くさい展開になる。誰かの面白そうで相沢先生の雰囲気が変わった。

 

「面白そう…か。ヒーローになるつもりなのに面白そうね。

 

 

よし、ではこれからやる8種目トータルで最下位だった者には

 

除籍処分としよう。」

 

相沢先生が宣言した。

 

『はぁー!!!?』

 

みんな驚き緑谷は真っ青だ。大丈夫か?

 

「生徒の如何は俺たちの自由。ようこそ、これが

 

 

雄英高校ヒーロー科だ。」

 

緑谷に受難降りかかりすぎだろ!

 

そう考えた俺は正しい筈だ…多分。




もう一人は…

みんな大好きフレイザード(ミニ)だよ!



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 5~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。