ハイスクールD×D×R 仮面の英雄の物語 (ひまわり先生)
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0×0:~プロローグ~

今回初投稿の処女作になります。

ハイスクールD×Dと仮面ライダー(主に平成ライダー中心)のクロスオーバー作品になっております。
基本はハイスクールD×Dの原作通り進めていく予定ですが、主人公がオリ主の為、原作とは違う展開になっていったりします。
原作崩壊が苦手という方はブラウザバックをお勧めいたします(=_=;)
前置きはこの程度にしておいて本編をどうぞ

※2018/04/03 文章修正しました


「まーくん!!!死なないで」

 

目の前の幼馴染が泣きながら俺の上に落ちてきた瓦礫を動かそうとしていた

 

「・・・・ぁ、」

 

道中煙を吸いすぎたのか肺がやられたのかよくわからないがうまく声が出ない

 

「今助けるから、だから頑張って」

 

「・・ぅ・・ぁ・・」(俺のことはいいから逃げてくれ・・・)

 

失いかけてる意識の中であたりにどんどん火の海が回ってきている

 

「・・ぃ・ぇ・ぇ・・ぁ--ゃ」(逃げてあーちゃん)

 

「嫌だよ、まーくんをおいて逃げられない」

 

かすかに聞こえるサイレンの音、これならあーちゃんは助かるかもしれない

 

「まー・ん・・m・ーく・・・」

 

だんだん目もかすんできた、音も聞こえなくなってきている

 

俺はもう間に合わないだろう

 

だから神様どうかあーちゃんを救ってください

 

俺にはここまでしかできなかった

 

だからお願いします

 

そして俺の意識は()()消えた

 

 

============================================

 

何もない暗い空間でかすかに声が聞こえた

 

「汝をこのまま殺してしまうのはとても惜しい」

 

それはとてもきれいな声色であった

 

「汝は望むならどんな力を欲するか」

 

 

力・・・俺が望むのは救いの力

みんなの笑顔・夢・希望を守る力

あらゆる絶望にも負けない力

世界を平和へともたらす力

 

そう、俺が憧れている仮面の英雄(ヒーロー)たちの力

 

俺、神崎正義(かんざきまさよし)は幼少の頃から”仮面ライダー”が大好きだった

将来は仮面ライダーのように様々な人を守れるような人になりたいと現在も夢見ている

そのために大学では医学の他にも武術や精神学、他国文化や言語などありとあらゆる知識と技術を学んだ

世界を渡りながら紛争地やテロ被害にあった村などを訪れ支援活動を数年間も続けた

こうして、仮面ライダーにはなれなくても自分はだれかの『英雄(ヒーロー)』になれればいいと思っていた

(まぁ、あーちゃんにはそのせいでいろいろ心配をかけちゃったけど)

 

だけど、今回の事故は最後まであーちゃんを守りきれなかった

今も本当に助かったか分からない。

俺にもっと力があれば・・・・

彼らのような力があれば・・・・

 

古代の戦士・超越した戦士・鏡の世界の龍騎士・赤き夢の守り人・不死のスペード騎士・鬼の音撃戦士・太陽の神・時の守護者・ファンガイアの反逆王・世界の破壊者・風都の二人で一人の探偵・欲望の王・青春スイッチの宇宙飛行士・希望の魔法使い・禁断の果実の鎧武者・正義の警察官・英雄達の力を纏う幽霊戦士・ドクターゲームライダー

 

彼らの戦いが記憶の中で鮮明に思い出させている

俺が望む力を・・・・

 

「汝の望み聞き入れた、その力を授けよう」

 

胸のあたりが温かくなってきた。とても心地いい。

 

「次の世界への門を開く・・・その力を持って汝の望みが叶うことを願おう」

 

その言葉を最後に暗い空間から暖かい光が俺の全身をつつみこんだ。

 

 




次回、ハイスクールD×Dの本編に突入!!!!

お楽しみに(^o^)/


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1×0:悪魔とドラゴンとライダーと
1×1:通りすがりの『ヒーロー』、あらわれます!


本編開始でっす。

※2018/04/03 サブタイトル・文章の変更、文字色追加しました。


~Side:イッセー~

 

「イッセー君お願いがあるの・・・・死んでくれない」

 

 

オッス、俺は兵藤一誠だ。

今の現状を説明しよう。

 

^^^^^^^^^^^^^^^^^^

高校二年にして念願の彼女ゲット

     

      ↓

  最高のデートだぜ~

      ↓

「死んでくれない」←(現在ここ)

 

^^^^^^^^^^^^^^^^^^

 

「何言ってんの・・・・夕麻ちゃん?」

 

夕麻ちゃんは「フフッ」と小さく笑うと自身の姿を変えた。

 

もともとのかわいらしい服装が消え、露出度の高い黒いビキニのような服に変わり、

背中から暗黒の暗さをあらわすような漆黒の翼が生えていた。

 

(うぉぉぉぉ!!生おっぱ・・ゲフン、翼が生えた?)

 

そして手には光の槍の様なものが握られていた。

 

「あなたを生かしておくわけにはいけないの・・・だから」

 

そういって夕麻ちゃんは俺に光の槍を突き出してきた。

 

あっ、これ本当に死ぬんじゃないか?

次の瞬間、俺の光の槍との間で強い光が俺たちを包み込んだ。

 

~Side out~

 

 

~Side:三人称~

 

「キャッ」「うわぁーーー」

 

光から放たれた衝撃波により二人は距離を離された。

 

次第に光は収束し、一人の人間の形に変化していった。

 

光が収まりそこには、一人の成人男性がたっていた。

 

その男性がゆっくり目を開け始めた・・・・

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

目を開けて辺りを見回した。

 

(人気のない公園に高校生ぐらいの男子にコスプレ女子?)

 

自身が生きていることに疑問も抱いているが紛争地帯に言った経験などから

現状を冷静に分析していた。

 

(邪魔しちゃったみたいだなー、にしても変な違和感を感じる)

 

「人払いの結界がしてあるのにあなた、どうやって侵入したの!!」

 

コスプレ女子が驚きと焦りを顔に出して聞いている。

 

「どうやったもなにも、気づいたらここにいただけさ」

(人払い?つまりここはそういう世界ということか)

 

ここが自身のいた世界とは違う世界ではないかと推測を立てながらコスプレ女子との会話を続けた。

 

「まぁ、いいわ。見られたからにはあなたもここで死んでもらうわ」

 

「焦らないで、()()使()さん」

 

「!なぜ人間のお前が堕天使の事を知っている」

 

コスプレ女子との会話で今の現状を大方理解した。

 

「おい、そこの少年早く逃げろ」

 

「!!」「!!」

 

「いいから早くしろ」

 

怒声のように声を張り逃走を促した。

 

「させるかぁー」

 

コスプレ女子が手に持つ光の槍を突き出しながらこちらへ飛んでくる。

 

(あれはカスるだけでもダメージがでかいな)

 

俺は学んできた武術の技術で槍には触れずに攻撃を捌いていく。

 

(くそ、少年は、ちっ腰が抜けて動けないのか)

 

「おい、小ね、ガハァ!」

 

捌ききれずに右横腹にカスり、出血する。

 

(マジかよ、焼けるように熱い)

 

「ふん、たかが人間ごときが堕天使相手に何とかなるなんて思わないことね」

「さぁ、私レイナーレの為に死んでちょうだい」

 

コスプレ女子が槍を腹部めがけ、突き出してきた。

 

二回目の死

 

死ぬことに関してはそこまで恐怖はなかった。

最初の死もあーちゃんを救えて死ねたのなら本望だ。

だけど今回は後ろにいる少年を守れず死ぬことになる。

それこそ俺にとっての恐怖だった。

 

(死ぬわけにはいかない、俺はヒーローだからだ)

 

再度、光がはなたれた。

 

~Side out~

 

 

~Side:レイナーレ~

 

また、あいつの体が光りだした。

 

(いったい何者なのよ、あいつ)

 

光の槍は壊れ、あいつが放つ光は腰の位置にまるでベルトの様に収束していった。

 

「まさか、神器(セイクリッド・ギア)!?」

 

光が収まりあいつの腰には金属のような物質でできているベルトがまかれていた。

 

(どうして私達の計画を邪魔するものが次々と)

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

頭の中にどんどん知識が詰め込まれていった。

古代の戦士の歴史が、戦いの技術が、2000の技を持つ青年の記憶が。

 

ゆっくりと目を開いた。

 

神器(セイクリッド・ギア)・・・あなたはいったいなんなのよ!!!」

 

「俺は・・・」

 

おれは何ものなのか、

ただの人間?異世界人?未来人とかか?

(いや、今ならはっきり言えるな)

 

俺は左手をベルトの左側面に置き、右腕を左側に突き出した。

 

「俺は通りすがりの・・・・」

 

右腕を突き出したまま右側にスライドさせる

 

「『ヒーロー』かな」

 

そして俺は叫ぶ、

 

変身!!!

 

 

~Side out~

 

 

~Side:イッセー~

 

俺を助けてくれた人の姿が変わった。

 

体は黒をベースに腕、肩、胸に赤い鎧のようなものを着ており、

手首、足首、膝に金の装飾がされている。

 

顔はマスクで覆われていて大きい赤い目の複眼金の二本角があり、

まるでクワガタのようなマスクになっていた。

 

その姿を見て俺はこう思った。

 

(本物のヒーローじゃんか、かっけーーー)

 

そして、赤い戦士が堕天使に向かって駆け出した

 

 

 

To Be NEXT ⇒

 

 

 




変身まで書きたかったので少し長くなりました。

次回は戦闘パートです。

なるべく来週中には上げたいと思っています。




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1×2:古代の戦士、守ります!

遅くなりました、年度末忙しす。
戦闘パートです。

それではレッツラゴー っ(*`・ω・)ゞ


~Side:マサヨシ~

 

 

「フッ、ハッ、ハッ」

 

 

俺は堕天使レイナーレの突きを先程と同じように力を受け流して攻撃を捌いていく。

 

(全然世界が違って見えるな、これがクウガの力か)

 

 

「クソッ、どうして当たらないのよ」

 

「腹ががら空きだぞ」

 

 

俺はレイナーレの鳩尾に軽くキックを入れた。

 

 

「クッ・・・、あなたはいったい何者なのよ!!!その神器(セイクリッド・ギア)はなんなの!!!」

 

「そうだな・・・、このベルト「アークル」に封印されていた古代の戦士の力を自分に憑依させ

その力を使用出来る物だ」

 

「古代の戦士??お前みたいな姿のやつ聞いたこともないわよ!!」

 

「おしゃべりしているとどんどん隙が出てくるよ堕天使さん」

 

 

そしてジャブやローキックなど間合いを詰めながら決めた。

 

 

「グハッ、私が人間なんかに・・」

 

(また焦っているな、時間を気にしているのか、敵対してる存在が来ないか警戒している・・・かな)

 

「急いだ方がいいんじゃないか、()()()()()

 

「クッ、お前はどこまで知ってるのよ!!!」

 

「ご想像にお任せするさ」

 

 

(そろそろ勝負をつけに来るころだな)

(たぶん近接格闘をさせないため上空で槍の投擲で決着をつけようとするな)

 

 

そしてレイナーレは想像通りに上空に飛び空中で浮遊した。

 

 

「これでおしまいよ」

 

 

そして手に持っている光の槍を投擲してきた

 

「おっと、ふん、あらよっと」

 

「ちょこまかと!!!!」

 

(これじゃ、らちが明かないな、ここはあれだな)

 

「あんたにもう一つの力を見せてやるよ」

 

「なに!?」

 

俺は変身時と同じように左手をベルトの左側の上に乗せその上に右手をさらに重ねた。

イメージするのは青い龍赤い戦士では届かなかった高い場所へ行くための力。

そして左手を押し込み、俺は叫んだ。

 

 

超変身

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:イッセー~

 

あの人が『超変身』と叫んだあと変化が起きた。

赤い鎧複眼青色に変わった。

 

 

「!?色が変わった!!どうゆうこと!!」

 

(うぉ~~~、フォームチェンジきたー)

 

 

俺は目の前のヒーローの戦いに目を輝かせていた。

命が狙われていたところに現れ、俺の命の為に戦うその姿に感動していた。

 

 

(超かっこいいじゃねえか!!!!)

 

「少年!!君の足元にある枝を俺に投げ渡してくれ!!」

 

「八ッ、ハイ」

(うぉっ、びっくりした~)

 

 

言われた通り、足元にあった木の枝をあの人に向け投げた。

あの人は木の枝を受け取り、親指を立て、

「ナイスだ、少年」と言った。

 

 

(マジかっけーよ、あの人!!!)

 

 

俺は夕麻ちゃんの事より、あの人の姿に夢中になってしまっていた。

 

 

~Side out~

 

 

 

~Side:マサヨシ~

 

少年から受けっとった枝に意識を向けた。

すると枝に変化が起き、の装飾が入った金属の棒になった。

 

「!?ただの枝が金属の棒に!!」

 

 

クウガ:ドラゴンフォームの専用武器『ドラゴンロッド

 

 

赤い戦士、マイティフォームは近接戦闘においてはとてつもない戦闘能力を発揮できるが相手が上空に逃げてしまっては持ち前の跳躍力を有しても届かないうえに獲物もないため敵に攻撃が当たらない。

 

ドラゴンフォームマイティフォーム時より腕力は劣るものの脚力特に跳躍に関してはずば抜けて上がっておりスピードとジャンプ力に特化したフォームになる。そして攻撃力をカバーするためにある『ドラゴンロッド』、クウガの能力である物質を原子レベルで分解・再構成することで専用武器へと変化させる『モーフィングパワー』を使用し『()()()』木の枝を原子レベルで再構築して作成したのだ。

 

そんなんことを知り得もしないレイナーレは相手の神器(セイクリッド・ギア)が見極めきれずさらに焦っていった。

 

 

「そんな色が変わって武器を持っただけで私を倒せるとは思わないでほしいわね」

 

「な~に、戦えば分るさ」

 

「偉そうに、私を馬鹿にするな」

 

 

先程と同様に槍を投擲し攻撃を続けているがロッドですべてをはじく。

 

 

「だったら、先に」

 

レイナーレが少年に対して槍を投擲するが

 

「ほいっと」軽く防ぐ。

 

 

「クソッ、クソッ、クソッ!!」

 

 

何発も投擲されるが傷一つつかない。

 

 

「もう終わりだ、お前は勝てない」

 

俺はレイナーレの目の前まで跳躍し、鳩尾にロッドを一発撃ちこみ、体をひねり回転させロッドで叩き落とした。

 

 

「ガハッ!!!」

 

(これ以上は彼女も危ないな、ここは撤退・・・かな)

 

 

そう考えていると近くからバイクのエンジン音が近づいてきた。

 

 

「トライチェイサー2000!?」

 

 

ここに近づいてきたことも不自然ではあるがこれが()()()()()であることはなんとなくわかった。

 

そいてバイクにまたがり、少年にヘルメットをかぶせバイクの後ろに乗せた。

 

 

「逃げるぞ、少年」

 

「は?」

 

「では、俺たちは撤退させてもらう。じゃあなレイナーレ。」

 

「なぁ!?ちょっと待ちなさい、クッ」

 

 

そうしてレイナーレとは反対方向にバイクを走らせ公園から立ち去った。

 

 

 

 

To Be NEXT ⇒

 

 

 

 

 




本当に遅くなってごめんなさい。
バトルシーンを書くのは初めてだったので見やすくなかったかもしれません。

改善点などありましたらどんどん指摘してください。
次回もよろしくお願い致します。


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1×3:思いと心境、語ります!

今回は一誠&正義の話し合いメインになります。
(サイドは正義に絞ってお送りしますのでご了承ください)

タイトルが思いつかなかったため適当です
※ごめんなさい<(_ _)>

最後にサイド???でやっとあの人(紅)とあの人(S)出します。


~Side:マサヨシ~

 

公園から抜け、クウガの変身を解いて暫くバイクで走り続けた。

 

(できればもう少しこの町の事を少年から聞いておきたいけども・・・)

 

グゥ~~

 

後ろからおなかの鳴る音が聞こえた。

 

(ちょうど目の間にファミレスがあるな)

 

「少年、あそこのファミレスで話さないか?」

 

「えっ、あっはい!!大丈夫です!!」

 

少年の了承を得てファミレスへ入っていった。

 

「腹減ってるんだろ?俺のおごりだから遠慮せず食べてくれ」

 

「えっ、いやいや、命の恩人にそこまでさせられないですよ。ここは俺が・・・あれ?」

 

少年はポケットに手を入れ何かを探し、服の上を叩き次第に顔が悲しみに満ちていた。

 

(あ~公園のときか)

「少年、残念に思うがここはおごらせてくれ」

 

「はい、ありがとうございます(泣)」

 

 

俺達は料理を頼み、料理が来るまでの間に少し話をした。

 

 

「あの~、助けてくださってありがとうございます」

 

「ああ、お互い五体満足で何よりだったな」

 

「あれ?一撃受けませんでしたっけ?変身前に・・・」

 

「変身したら治ってたから問題なしだな」

 

 

「ほれっ」と言い、一撃受けた場所を見せ無事だということを教える。

 

 

「いつまでも少年だと悪いからな、俺は神崎 正義(かんざき まさよし)、君の名前を聞かせてもらってもいいかな?」

 

「あっ、はい、駒王学園高等部2年の兵藤 一誠です」

 

「おまたせしましたー」っと自己紹介を終えた頃に次々と頼んだ品が運ばれてくる。

 

「話の続きは食べてからだな、ではいただきます」

 

「いっ、いただきます」

 

~食事中~

 

「ふ~、神崎さんごちそう様です」

 

「うん、俺も大満足だ」

 

(さて、そろそろ本題に入るとするか)

 

「兵藤君、実は聞きたいことが何件かあるのだけれどもいいかい?」

 

 

兵藤君は首を縦に振り、俺の質問に答えてくれた。

 

俺が聞いたことは襲われる前の状況とこの世界について質問していき、だいたい理解してきた。

 

聞いた内容によって、ここが俺の生きてきた世界とは別の世界だということが確定した。

 

・俺の記憶に駒王町という地域に記憶がない

・兵藤君は逆に俺の住んでいた地域に記憶がない

・地図を調べてもらったら、俺の住んでた地域が駒王町となっていた

・日時は俺が死んだ日と同じ年月日だった

・俺の通っていた大学が、現在兵藤君が通ている駒王学園の場所と一致していることが地図上で判明した

 

(異世界転生か・・いや、召喚の方かな)

 

俺の友人が言っていた別世界へと転生や召喚されるというアニメとまんま同じような状態が起きてしまったという結論に辿り着いた。

 

(一度死んでるはずだからやっぱり転生で、あの声は神様ということか)

 

(そしてその神の問いに答えてクウガの力を得たということか)

 

 

「あの~神崎さん?大丈夫ですか?」

 

「黙り込んでしまってすまない、ちょっと考え込んでいたんだ」

 

 

人前で考えすぎていたなと反省していたところ、兵藤君が俺に聞いてきた。

 

 

「どうして夕麻ちゃんは俺を殺そうと・・・・」

 

「それならだいたいの推測は立っているよ」

 

 

「えっ」と驚きの声を上げる兵藤君に俺の推測を言った

 

 

「たぶんなんだけど、君の中にある神器(セイクリッド・ギア)が目覚める前に排除しようとしていたんだと思うよ」

 

「せいくりっど・ぎあ?」

 

「俺も詳しくは解らないが、彼女は俺のベルトを見て神器(セイクリッド・ギア)と言っていたことと、俺が変身したあと彼女は()()()()()()()()としたからだな」

 

「?」

 

「ようは、神器(セイクリッド・ギア)を持っている、もしくは可能性が高いヤツを排除するのが目的だったってことじゃないかな」

 

「なるほど、でも俺にそんな力が・・・・」

 

 

神器(セイクリッド・ギア)や堕天使、結界という単語から考え、通常の社会にプラスしてファンタジー要素のある世界だということも判明していた。

兵藤君に質問した際に堕天使などの存在を聞いてみたが、どうやら存在自体は秘匿されていることも分かった。

 

 

(本当は何かのアニメの世界なのではないだろうか)

 

アニメは全然視聴していない正義にとっては、そこは諦めるしかなかった。

 

 

「俺・・実は初めての彼女だったんです・・・」

 

兵藤君が俯きながら話してきた。

 

「初めてのデートだったからコースとか雑誌見て勉強したりして・・・」

 

話している声もだんだん震えてきていた。

 

「あの公園で俺の方から告白して一生夕麻ちゃんを大切にすると誓うつもりだったんです・・・」

 

兵藤君の目元から涙を膝に落としていた。

 

「俺っ馬鹿ですよね、相手は全然本気じゃなかったのに、むしろ殺そうとしてたのに・・」

 

「兵藤君・・・」

 

「本気になって、俺ってホントバカですよね」

 

「兵藤君、無理しないでくれ。失恋というのはとても辛いものだからこそ気持ちにブレーキをかけてはならないよ。」

 

「神崎さん」

 

「お店の人や他のお客さんには俺が謝っとくから、君の思いを吐き出しなさい。」

 

「っうぅー」

 

そして枷が外れたかのように兵藤君は声を上げて泣き叫んだ。

他のお客様もお店の方も空気を察してくれ口を出さないでくれた。

一つ一つの席へお詫びと感謝を述べ、自席へ戻ってからその光景は数秒続いた。

 

「もう大丈夫です・・みっともないところを見せてすみません」

 

「気にしないで、失恋で心を壊してしまう人もいるからね。スッキリさせた方がいいと判断したからさ」

 

 

目元を赤くさせた兵藤君は、どうやら少しは気持ちの整理もついたようだった。

 

 

「そういえば神崎さんに聞きたいことがあるんですけど」

 

「なんだい?」

 

「神崎さんは本物のマスク・ヒーローなんですか?」

 

「??マスク・ヒーロー??」

 

「?日曜の朝にやっている特撮ドラマのマスク・ヒーローですよ」

 

 

(日曜の朝、つまり俺の世界での仮面ライダーはこっちの世界ではマスク・ヒーローということになってるのか)

 

新たな情報でこの世界がやはり別世界だと再確認したが、兵藤君に正直に言っていいものなのか迷っていた。

 

(ファンタジーな一面があるこの世界で、兵藤君が主人公もしくはカギを握っているような存在だと思うけど・・・)

 

そして、俺は一つの決断を下した。

 

「兵藤君、少し聞いてくれないか」

 

「はい、なんですか?」

 

「俺は・・・この世界の人間じゃないんだ

 

 

~Side out~

 

 

 

~Side:???~

 

正義達やレイナーレが過ぎ去った公園に二人の女性が現れていた。

 

「一足遅かったようね、見たところ戦闘の跡はあるようだけれど」

 

「あら、これは?」

 

その女性が拾ったのは()()だった。

そして中には写真付きの学生証が一緒に入っていた。

 

「駒王学園高等部2年B組 兵藤 一誠・・・ね」

 

「ねぇ、朱乃、祐斗に明日の放課後この子を部室まで連れてくるよう頼んでくれないかしら?」

 

そう言い、赤い髪の女性が一誠の学生証を朱乃という女性に見せた。

 

「承知しましたわ、リアス」

 

そうして、二人は足元の赤い魔方陣から放たれた赤い光によって公園から姿を消した。

 

 

 

 

 

To Be NEXT ⇒

 




更新遅くてすまない(FG○ のジークさん風)

続きもがんばります。


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1×4:兵藤家、お邪魔します!

まだ前の続きです。
この次は、翌日パートに行くつもりです。
※次回はあのイケメンも出しますよ

そして最後にまたある記憶を見ることになります。

果たして何の(ライダー)記憶なのか・・・・

では、Let's go


~Side:イッセー~

 

現在、俺はまた神崎さんのバイクに乗り家まで送ってもらっている。

 

ファミレスで神崎さんから異世界人ということを聞いたが多少驚きはしたが

堕天使や神器(セイクリッド・ギア)などを知った今となっては信じられる内容ではあった。

 

(だから地図に載ってない地域とかを聞いてきたってことか)

 

神崎さんが住んでいた町の名前等をスマホで検索したがまったくヒットしなかったので

おかしいとは感じていたが、神崎さんが納得していた表情を見せていたからあまり気に留めなかった。

 

 

「あのー、神崎さんの世界ってどんなところだったんですか?」

 

「まぁ、この世界とそんな変わらないよ。普通の学校があってサラリーマンがいて外国では戦争があったりとそこまで大きな違いはないさ」

 

「堕天使とか神器(セイクリッド・ギア)はそっちには?」

 

「俺が()()()()()では見たことなかったな。さっきの力もこっちに来てから目覚めたからね」

 

「あッ、失礼なこと聞いてすいません」

 

 

俺はファミレスを出てすぐにどうしてこの世界へ転生してきたのかを語ってくれた。

神崎さんはある爆発事故に巻き込まれ、一緒にいた幼馴染を守る為がれきの下敷きになり命を落とした。

 

とても悲しそうな顔で、幼馴染の彼女を救えたかどうかを今も気にしているとつぶやいていた。

 

 

「兵藤君、あまり気にしないでくれ」

 

「えっ・・」

 

「確かに幼馴染の安否も気になるが向こうの世界ではもう死んだ身なんだ、そして神様が俺をこの世界に導いたのにも何かしらの意味があると俺は思っているからさ」

 

「神崎さん・・・」

 

「だからこそ俺はこの世界で第二の人生を歩むこと、この世界で生きていくことに後悔はしないと決意したよ」

 

 

背中越しに神崎さんを眺めていたから顔は見えなかったけど笑顔で語っているんだと感じた。

 

 

「人の自由のために戦い、笑顔を守る戦士・・・仮面ライダー」

 

「神崎さん?」

 

「俺はこの世界では仮面ライダーとしてみんなの笑顔や希望、自由を守っていく」

 

「神崎さん・・・俺っ、応援します」

 

「ありがとう兵藤君」

 

 

雑談をしているうちに俺の家の前まで到着した。

 

 

「それじゃ、兵藤君。俺はこの近くで野宿でもするから何かあったら連絡をくれ」

 

 

そして神崎さんの携帯番号と緊急時の合図が書かれた紙を渡された。

 

 

「野宿・・・ですか?」

 

「ああ、君は命を狙われている身だからね、しばらくは警護目的で自宅周辺を見張っておくよ」

 

「それに俺の家はないしな」と神崎さんは言っていた。

 

(命の恩人に警護を任せてその上、野宿させるなんて流石にできねぇ)

 

「神崎さん!!!!ちょ~~~と待っててください」

 

 

神崎さんに玄関の扉の前で待ってもらい、俺は玄関を開け「ただいま」と言い、親がいるリビングに向かった。

 

 

「あら、おかえり。もうごはん食べたんでしょ?」

 

「おかえり、イッセー」

 

「父さん、母さん頼みがある」

 

「?」「?」

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

兵藤君から待てと言われて数分経った頃、兵藤家の玄関の扉から一人の成人男性が出てきた。

 

 

「君が神崎君?」と質問され普通に「はい」と答えたら、お礼をしたいから家に上がってくれと言われ、兵藤家にお邪魔することになった。

 

兵藤家はごく普通の一軒家で一階が普通のリビング・ダイニング・キッチンとなっておりさらに二階に部屋があるような一軒家だった。

 

リビングに通してもらい、指定された場所に座った。

 

正面に先程の成人男性、兵藤君の父が座り、右隣に兵藤君の母、左側に兵藤君が座っている。

 

 

「神崎君、まずはうちの息子の命を救っていただきありがとうございます」

 

「いえいえ、当然のことをしたまでです」

 

 

一瞬、兵藤君が本当のことを話したのではないかと頭をよぎったがその疑問はすぐ消えた。

兵藤君は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()という風に説明したのだろうと考えがまとまった。

 

 

(流石に堕天使やヒーローに変身して助けたなんて信じられないからな)

 

 

「それでも命を救っていただいたことには変わりありませんのでお礼をさせてください」

 

「息子から聞きましたが、海外の旅から戻ってきたら住んでいるところが取り壊されていて現在のお住まいはないと聞きました」

 

「えぇ・・・まぁ・・・」

 

(なるほど、そういうことか)

 

 

兵藤君は俺をここに居候させるために、俺と雑談した中のワードを使って海外にいた際に家が無くなって寝泊りする場所が無い状態を作り出したのだ。

 

 

(兵藤君のお父さんは息子を救ったお礼をしたい、俺は住居なしということは)

 

「息子を救ってくださったお礼としまして、我が家に居候してはいかがでしょうか」

 

「もちろん無理にとは言いませんが」と付け加え反応を待っている。

 

「しかし、赤の他人ですので兵藤さんたちのご迷惑になってしまうのでは?」

 

「そんなこと全然ないですよ」と兵藤君のお母さんが言い、「うん」とお父さんと兵藤君も頷く。

 

「神崎さんはイッセーの恩人でもあり私たち親二人の恩人でもあるの、だから赤の他人になんておさまらないわ」

 

「そうですよ、神崎さん」

 

 

俺は兵藤さんたちの言葉を聞き、胸が熱くなっていった。

兵藤君を助けられたこと、兵藤君と話し合ったこと、兵藤君のご家族に感謝されたことを思い返し、

自身の選択が間違いじゃなかったことを感じた。

 

 

(俺はちゃんと助けられたんだな・・・・)

 

「神崎さん?」

 

 

三人が不思議そうにこちらを見ていた為、すぐさま切り替えそして答えに応じた。

 

 

「すみません、少し考えてました」

 

「神崎さん」

 

「兵藤家の皆様、居候の件ですがお言葉に甘えさせていただき、新しい住居が決まるまでの間、お世話になります」

 

「こちらこそ息子を救っていただき本当にありがとうございます」

 

「本当の我が家だと思ってゆっくり過ごしてください」

 

「父さん、母さんもありがとう、神崎さんこれからよろしくお願いします」

 

「ああ」と軽く頷き、そしてしばらく俺は兵藤家の皆様と談笑を交わした。

 

 

 

============================================

 

 

 

俺は兵藤家に居候することになったが今空き部屋が片付いていないため、今日は兵藤君の部屋に布団を敷き寝ることになった。

 

 

「すいません、急に決まったことなので部屋片付いてなくて」

 

「別に気にしてないよ、俺としては布団で寝させてもらえること自体感謝しかないからな」

 

「俺のせいで野宿をしていることが親に知れたら、それこそ俺が家から出されちゃいますよ」

 

 

お互い笑みをこぼし、横になり電気を消した。

 

 

「神崎さん、明日は・・・」

 

「明日は兵藤君を学園まで送った後、公園で財布を探すよ」

 

「俺の落とした財布のためにすみません」

 

「別に気にしてないさ、公園の後はさっき教えて貰った図書館に行ってくるよ」

 

「でも、どうして図書館なんですか」

 

「本の他にも新聞もあるから多くの情報を得られるからね」

 

この世界と俺の生きていた世界にどれだけの違いがあるのかを明確にするためでもある。

 

(あと、堕天使がいるということは天使や神という存在が実在している可能性が高いからな。神話系の話も知っておいた方がいいだろう)

 

 

「まぁ、図書館で時間をつぶして、帰る頃にまた迎えにいくよ」

 

「はい」と兵藤君は頷き、明日の確認も終わったため兵藤君は睡眠についた。

 

「俺も休むか」と呟き、瞼を閉じた。

 

 

============================================

 

 

 

夢。いや、夢というよりは記憶、追体験のようだ。

 

その青年は無欲でありながらも届く場所の救いの手を絶対に見捨てない青年だった。

 

ある怪物と出会い古代の王の力を使うことになった青年。

 

 

{ただこの手が届くのに手を伸ばさなかったら、死ぬほど後悔する。それが嫌だから手を伸ばすんだ。それだけ }

 

{映司、目ぇ覚ませ!!}

 

{さぁて、稼ぎますか}

 

{伊達さんを死なせません}

 

{欲望ある限り、何かが変わり、生まれる。今日という日を明日にすることさえ欲望だ}

 

{アンク、いくよ・・・変身!!!}

 

{タカ!!クジャク!!コンドル!!タ~ジャ~ドル~♪}

 

 

============================================

 

 

気づいたら目を覚ましていた。

自身の見た夢を思い出しながら体を起こしたが違和感を感じた。

 

寝る前は何も持っていなかったはずなのに、握っている拳の中に何かあることに気がついた。

 

拳を開き自身が持っていたものを見て驚愕した。

 

「ハハッ、俺は()()()()()随分と強欲だったようだな」

 

俺は自身が願い、そして授かった力を知った。

その力は強大であり、この世界の運命そのものを変えてしまうものではないかと感じた。

 

「本当に先が思いやられるよ、まったく」

 

そして俺は先ほど握っていた()()()()()()を再度、強く握りしめた。

 

 

 

 

To Be NEXT ⇒

 

 

 




他ライダー登場フラグがやっと出せました(安心)
※だがフラグが出たからといってすぐ変身するとは言ってない


正義はクウガ以外の力をどう扱っていくのかこうご期待!!!


※お知らせ※

活動報告にて『兵藤母の名前を決めようのコーナー』をやっています。

よければ返信してみてください。

(期限は次話完成まで待ちます、いつ完成かはわからんのですよ)





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1×5:悪魔と『古代の戦士』、出合います!

活動報告企画の結果
『邪神イリス』さんの「兵藤 比奈」に決定しました。
『烈 勇志』さんもありがとうございます。


今回はタイトル通りです。
※特に思いつかなかったわけではないんだ・・すまnグフォ(謎の鉄拳)

オカ研メンバー登場っだ!!!

レディゴー

追伸19/05/02
※兵藤母の原作名判明!!!そっちにしゅうせいします。  
『邪神イリス』さん大変申し訳ない。今後オリキャラで『比奈』の名前絶対使います
   


~Side:イッセー~

 

 

「それじゃあ、母さん、いってきます」

 

「三希さん、いってきます」

 

「いってらっしゃい、二人とも気を付けてね」

 

 

そして俺は昨日と同じく神崎さんのバイクの後ろ側に乗り、学校へ向かった。

 

 

「それにしても今日の朝食めちゃくちゃ美味かったですよ、とくに卵焼きは絶品でした」

 

「お粗末様、そんなに喜んでくれると作ったかいがあるよ」

 

 

今日の朝食は、ご飯にわかめの味噌汁、漬物に卵焼き、蒸し鶏のポン酢ジュレ添えだったがこの料理を神崎さんが全て作ったと聞いた時はびっくりした。

 

 

「強くて、知的で、かっこよくて、料理もできる・・・最強じゃないっすか」

 

「料理なんて一人でいる時間が多かったから自然とできるようになっただけさ」

 

「くぅ~~、多くの才能が妬ましいっす」

 

「ハハハ、何もすべて生まれ持った才能じゃないから一誠君も頑張ればできるようになるさ」

 

「うっす、俺頑張るっす」

 

(そうだ、俺はハーレム王になってやるんだ~~~〔炎〕)

 

 

ちなみになぜ神崎さんに兵藤君から一誠君に呼び方が変わっているかと言うと、今日の朝に神崎さんから名前呼びでもいいかと聞かれたので

「いいですけど急にどうしたんですか?」と聞いたところ、名字の同じ親の前で兵藤君は少し違和感があるのだとか。

(まぁ、名前で呼ばれると本当の兄のように感じられてまんざらでもないんだけどね)

 

 

些細な会話を交わしていたら、目的地である駒王学園の前まで着いていた。

 

 

「えっ、何あの人?超イケメンじゃない!!!」

 

「ホントだ~超かっこいい!!!」

 

「木場君に匹敵するほどのイケメンよ~!!!」

 

「えっ!!!あんなかっこいい人となんで兵藤が一緒にいるの!!!」

 

「ホントだ!!!一体あの変態とどういう関係なの!?」

 

(すげー〔落ち込み〕神崎さんめっちゃモテてんじゃん)

 

 

「キャー」っとまるで超人気アイドルが来たかのような反応を見せる女子勢

 

 

「う~〔泣〕超うらやましい」

 

「ホラッ、一誠君もう着いたから」

 

「う~〔泣〕いってきます、財布お願いします」

 

「ああ、任せてくれ、いってらっしゃい」

 

 

神崎さんと別れを告げ、バイクで走る後姿を少し眺めた後、校門を跨ごうとしたとき悲劇起こった。

 

 

「ちょっと!!!兵藤!!!あのイケメンは誰!?」

 

「名前は!?年齢は!?職業は!?」

 

「未婚者!?彼女持ち!?どこかの御曹司!?」

 

「イケメン×一誠・・デュフフ・・たまらん♡」

 

 

女子達による質問攻めの波が俺を襲った。

 

 

「ちょっと待て、最後の誰だ!?うぉ~だっ誰か助け・・・」

 

(死ぬ、死ぬ、俺死んじゃう)

 

「「?イッセー?」」

 

 

俺がもみくちゃにされてる中、二人の親友の顔が見えた。

 

 

(もうあいつらに頼むしかねえ、頼む親友~~~)

 

「松田!!元浜!!助け・・・」

 

「「・・・強く生きろ」」

 

「チクショ~~~~~」

 

 

結局、予鈴のチャイムが鳴るまでに俺は教室へ辿り着けなかった・・・・

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

〖ごめんなさいね、神崎さん。じゃあ、よろしくお願いします〗

 

「えぇ、任せてください」ピッ

 

三希さんから夕食の買い出しを電話で受け、しばらく公園で財布を探していたが、

 

 

(見つからないな、しかし昨日の戦闘の跡が無くなってるな)

 

 

財布を探す為、昨日堕天使と戦闘をした噴水の場所まで来ていたが昨日の戦闘の跡がまるで何も起きていなかったかのように元に戻っていた。

 

 

(堕天使が証拠隠滅の為戻したか、それとも別の勢力か・・・)

 

「にしても見当たんないということは回収されたかな」

 

一応、ごみ箱や公園内一帯を探してみたが見つかることはなかった。

 

 

「ふ~、先におつかいをすませてしまうか」

 

 

公園を後にしてスマホに贈られた住所にバイクを走らせた。

 

 

 

~移動中~

 

 

住所の場所に着くとそこは商店街だった。

 

 

「へ~、結構いろんなお店が入ってるな」

 

 

肉屋や魚屋、八百屋など横道な店が並ぶ中で少し懐かしい雰囲気を漂わせる喫茶店など様々なお店がある。

 

(随分いい場所だな、肉も魚も鮮度の良いものが多いし、野菜もスーパーとかに比べるとはるかに安い)

 

 

前の世界でも高校生になってからはずっと一人暮らしだった為、料理はもちろん家事全般に家計のやりくりなど

あって当然のスキルとなっていた。

 

 

「おっと、感心していないで買い物をすませるか」

 

そして数件のお店を回り、頼まれていた品をすべて買い終わった。

 

 

「もう昼時だし、一度家に荷物を置いてから図書館だな」♪~

 

ヘルメットを着けようとしたら携帯の着信音が鳴った。

 

「一誠君からか、何かあったかい?一誠君」

 

 

~Side out~

 

 

~Side:イッセー~

 

 

〖何かあったかい?一誠君〗

 

「あっ、神崎さん実は財布見つかりましたよ」

 

俺は自身の財布が見つかったことを神崎さんに告げた。

 

「実はさっき・・・・」

 

 

===========================================

 

 

女子の怒涛の質問攻めが収まることはなかった。

授業が終わり休み時間になるとまたあの波に飲み込まれ、トイレに行こうとすると廊下に待機している女子に何度も止められ、挙句の果てには未婚で悩む女教師にまで神崎さんのことを聞かれた。

 

そして昼休みに入り、女子の質問攻めはどんどんエスカレートしていった。

 

 

「だぁ~、誰でもいいから助けてくれ~~~~」

 

 

俺が必死に助けを求めると、その願いが届き俺に救済の手を差し伸べてきた者がいた。

 

 

「ごめん、兵藤君に話があるんだけどちょっといいかな」

 

 

あれだけ群がっていた女子全員が彼の言葉を聞きその身を引いていった。

 

 

「はぁ、はぁ、サンキュー、助か・・ゲッ」

 

「いえいえ、どういたしまして」

 

 

俺を助けた人物は駒王学園のイケメン王子こと木場 祐斗が俺に手を差し伸べていた。

 

 

(くそ~、こんないけ好かないイケメン野郎に助られるなんて俺、一生の不覚だぜ)

 

「んで、俺に話があるって聞こえたけれど」

 

「ああ、その件だけど放課後に時間があれば旧校舎のオカルト研究部の部室に来てくれないかな」

 

「オカルト研究部の部室?どうして俺が行かなきゃなんないんだよ」

 

「実は部長がね、昨日君のお財布を拾ったそうなんだ」

 

「なっ、本当か」

 

「うん、本当だよ」と頷く木場。

 

(見つかってよかったぜ・・・あっ、早えとこ神崎さんに伝えなくちゃ)

 

「すまん木場、ちょっと電話してもいいか?」

 

俺は木場に断りを入れ、神崎さんへと電話した。

 

 

===========================================

 

 

「まぁ、こんな感じです」

 

〖・・・・・・・・〗

 

「神崎さん?」

 

〖一誠君、これから言うことはあまり顔から出さずに受け答えも違和感のないようにしてくれないかい〗

 

「えっ、ええ、大丈夫ですよ」

 

(神崎さんがこんな真剣になるだなんて・・・まさか)

 

〖一誠君も俺が言ったことでもう察してると思うけどそれは罠の可能性がある〗

 

「へぇー、そうなんすね」

 

 

俺はとてつもないほどに驚愕していたが、事前に予測できた為なんとか表情や声を抑えることができた。

 

 

〖言伝を頼まれた木場君も怪しいがオカルト研究部の部長はあきらかに怪しい、そもそも落とし物を返すだけなら部室に呼ばずに直接渡せばいいからね〗

 

「ハハハ、そうですよね~」

 

(確かに神崎さんの言う通り、明らかにおかしい)

 

〖一誠君、俺の言う通りに行動をとってくれないかな〗

 

「ええ、問題ないっすよ」

 

 

そして俺は通話を切り、神崎さんから聞いた行動を実行した。

 

 

「木場、待っててくれてサンキューな」

 

「いや、かまわないよ。それで放課後なんだけど」

 

「あ~その件だけど放課後行けそうになくなっちまってよ」

 

「親戚の誕生会があってよ」と神崎さんが擁してくれた虚言を言う

 

「少し顔を出すのも無理そうなのかい?」

 

「それが無理そうなんだ、親戚の家が遠くて朝みたいにバイクで送ってもらうからな」

 

(よし、今のところシナリオ通りだぜ)

 

 

木場も少し想定外だったのか困ったような顔をしている。

 

そして俺は神崎さんから言われた一番大切な行動を実行する。

 

 

「でも、財布がないのは困るから、できれば20時頃なら暇してるからその時に受け取ってもいいか?」

 

「えっ?夜にかい?」

 

「そうそう、場所は家に来てもらうのは悪いから駒王公園の噴水前なんてどうだ」

 

「!?」

 

(おっ、神崎さんの言う通り少し顔に出てるな)

 

「出来ればそれでお願いしたいんだけど・・・」

 

(頼む・・・乗ってくれよ)

 

 

木場は少し考えるような仕草を見せ、「僕も部長に連絡させてもらってもいいかい」と言われたので

軽く「いいぜ」と答えた。

 

木場が1分ほどで電話すませ戻ってきた。

 

 

「部長に聞いたら問題ないって言ってたよ」

 

 

(よっしゃー)と内心では思っているが顔には出さずに堪えていた。

 

 

「ただ・・・」

 

「!?ただ・・・」

 

(なんだ、俺達の計画がばれたのか)

 

 

内心ではとても焦り、のどもカラカラで、握っている拳の中も汗で濡れていた。

 

 

「部長も夜は用事があるみたいだから、時間はこちらで指定しても構わないかな?」

 

「あっああ、大丈夫だ、問題ない」

 

(ビビった~~~~~~)

 

 

本当に焦りすぎて受け答えも某ゲームのセリフみたいになってしまった。

 

 

「それじゃあ、時間が決まったら連絡するよ」と言われ、木場と番号の交換をし、木場は教室を去っていった。

 

「・・・・・はぁ」

 

(マジで今日はめっちゃ疲れる、女子に追い回されるわ、死の危険性を感じさせられるわ)

 

「今日は厄日だな」

 

 

気分を落としながら俺は神崎さんに結果を報告する為再度連絡した。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()

 

「わかった、続きは家で話そう」

 

(第一段階は()()か・・・・)

 

俺は一誠君に一芝居打ってもらい、オカルト研究部と接触することになった。

 

(確か、一誠君に聞いたオカルト研究部の部長はリアス・グレモリー・・・グレモリーねぇ・・・)

 

グレモリーと言えば悪魔が一番に連想されるだろう。

ユダヤ教・キリスト教における大悪魔『ソロモン72柱』の一柱。

 

(グレモリーが本当の悪魔だとすると他71柱の内、どれだけが勢力で出るのやら・・・)

 

最悪の場合、全面戦争になるのではないかと肝を冷やすが、その不安は今は無くそうとした。

 

(本当は図書館に行く予定だったが、自分の力の確認をしておいた方がいいな)

 

そう考えて俺は午前中に見つけた、人気のないビルに立ち寄った。

 

「人の気配は・・・・なし、じゃあ、実験を始めるか・・・変身!!!

 

こうして俺は時間いっぱいまで自身の持つ力を確認した。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:リアス~

 

 

時刻は22時夜も更けた時間帯に私と眷属達を連れ、兵藤一誠から指定された公園まで来た。

 

「あなたが2年B組の兵藤一誠君ね、イッセーって呼んでいいかしら?」

 

「えぇ、構いませんよ・・・・」

 

私はイッセーの様子が少しおかしいことに気付いた。

私達に対して恐怖している、怯えているかのような反応だった。

 

 

「別にそこまで緊張しないで、はいこれ、あなたのお財布でしょ?」

 

イッセーにお財布を渡すため歩いて近づこうとした時だった。

 

 

「ちょっと、待ってくれないか・・・()()()()

 

「「「「!?」」」」

 

 

その言葉がが放たれた方に向き、眷属の3人も臨戦態勢を取る。

 

そして全員が驚愕した。

 

 

そこにいたのは赤い複眼が特徴の虫のようなフルフェイスに

体は黒をベースに赤い鎧金の装飾を付けている人型の何かだった。

 

 

「あなたは一体・・・・」

 

 

相手は得体のしれない存在であり、他勢力の存在かもしれないと私は思考を巡らせる。

 

 

「なに、そんなに警戒しないでくれ・・『()()()()7()2()()()1()()』リアス・グレモリーさん」

 

「!?こちらのことは調べがついてしまっているようね」

 

「はて?何のことやら?」

 

(私達の事は知られてしまっているし、本当に何者なのよこいつ)

 

「ひとつ教えよう、グレモリー・・・・」

 

「なにかしら・・・・・」

 

「俺は『古代の戦士 クウガ』それ以上でも以下でもないさ」

 

「クウガ・・・・・・」

 

 

聞いたことがない名前に困惑しながらも彼は話を続ける。

 

 

「俺は君達が黒か白かをはっきりさせる為に来たのだから」

 

(黒か白かってどうゆうこと?それにイッセーも関わっているというの?)

 

 

そしてクウガが言葉を発した。

 

 

「悪魔達よ、君らが一誠の敵か味方か、今ここで話し合おうじゃないか」

 

 

そしてこの公園で、『古代の戦士』と『悪魔』による会談が開始される。

 

 

 

 

To Be NEXT ⇒

 

 

 

 

 

 




いや~、頑張ったら5000文字超えちゃいましたよ。

やっとグレモリー眷属出せましたし、
※小猫ちゃんセリフなかったけど・・・・ごめん

次回少し戦闘挟む予定です。

応援、感想よろしくお願いします。



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1×6:謎、深まります!

遅くなりました。

今回は戦闘もありですが何と・・・・・


それではどうぞ。

※あとがきと活動報告に投稿について報告があります。


~Side:マサヨシ~

 

 

「俺は名乗った、次は君達の番だ」

(話し合いに持ってきた、あとは情報収集だな)

 

 

この状況は俺の考えたシナリオ通りになっている。

俺はリアス・グレモリー率いるオカルト研究部が悪魔だと仮定し、なおかつ堕天使側と敵対していると読み、今回の会談を持ちかけた。

 

 

(あの立ち振る舞いからして貴族、ということはあの3人は家来か・・・)

 

「自己紹介なんているのかしら?先程、あなたが私のことを説明してくれたじゃない」

 

「それでもだ」

 

「はぁ、わかったわ」と言い、目の前の赤い・・いや、紅色という表現が正しい。

美しい紅色の髪を持つ女性、グレモリーが声を発した。

 

 

「名前はリアス・グレモリー、駒王学園高等部3年、オカルト研究部 部長、あなたが言っていたことを訂正させてもらうと『元』ソロモン72柱の1柱であるグレモリー家の次期当主の悪魔よ。」

 

(『元』ということは何かしら悪魔の間にあり、72柱が崩れたか)

 

 

悪魔の情報も欲しいところではあったが、まずは目先の目標を達成させると判断し、後に回した。

 

 

「質問だグレモリー、あんたの年齢は?」

 

「女性に年齢を聞くのはどうかと思うのだけれど、見た目通りで18よ」

 

(ほう、見た目通りの年齢なのか、そこは想定外だな)

 

 

実際に、年上相手との話し合いで下手にでないため、口調を強めに話していたが、逆に威圧感を与えすぎてしまったのではないかと考える。

 

 

(まぁ、今さら変えられないからな)

 

「後ろの三人も頼む」

 

 

俺はグレモリーの後ろに立っている3人を紹介するよう促した。

 

 

「わかったわ、小猫お願い」

 

 

「はい・・部長」とグレモリーに呼ばれた白髪のかわいい顔立ちをしている背の低い女の子が前に出てきた。

 

 

「塔城小猫、駒王学園高等部1年 でオカルト研究部に所属です、年は15」

 

「んっ?・・・・・」

 

「何か質問でもあるかしら?」

 

「いや、次を頼む」

 

 

グレモリーを観察してから悪魔の気配がわかるようになってきているが塔城からは別の気も感じていた。

 

 

(いや、今は情報の基盤を固めるのが優先だ、不確定要素は切らなければ)

 

「じゃあ、次は裕斗お願いね」

 

 

「はい」と言い金髪の顔の整った少年が前に出た。

 

 

(今回の件を一誠君と話してた少年だな)

 

「私はリアス・グレモリー様の騎士(ナイト)である木場侑斗と申します。

兵藤君と同じ駒王学園高等部2年で年齢は16歳、オカルト研究部所属です」

 

「ふむ・・・」

 

(貴族に騎士(ナイト)これは役職か・・・だとすると先程の塔城も役職持ちと考えるべきだな)

 

「失礼、質問がある」

 

「何かしら?」

 

「木場裕斗が役職が騎士(ナイト)だとすると塔城小猫も役職持ちではないか?」

 

「そこについては先にもう一人を紹介してからでいいかしら?」

 

「ああ、説明してもらえるなら構わない」

 

(当たりってところだな・・・・)

 

「じゃあ、朱乃」

 

 

「はい、リアス」と前に出てきたのはこれもまた顔、容姿共に整っており、黒髪で大人の女性の雰囲気を漂わせるその姿は大和撫子という言葉がベストマッチする女性だった。

 

 

「駒王学園高等部3年 姫島朱乃です。年齢は17歳でオカルト研究部の副部長を務めておりますわ」

 

「グレモリーの側近というところか」

 

「えぇ、そうですわね」

 

(彼女も悪魔とは別の気配、昨日の堕天使のような気配も感じるな)

 

 

堕天使の気配についても、グレモリーの関係を見つつ、ここは後回しにした。

 

 

「なるほど、では悪魔と役職について聞こうか」

 

「えぇ、いいわよ」

 

 

そして俺は、グレモリーから現在の悪魔事情と悪魔の駒(イーヴィル・ピース)について聞くことが出来た。

 

 

「なるほど、チェスをモチーフにした悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を用いて役職を与えていると」

 

「えぇ、裕斗はさっき言ってた通りで騎士(ナイト)、小猫には戦車(ルーク)、朱乃は女王(クイーン)の役職を与えているわ」

 

「つまり他には兵士(ポーン)僧侶(ビジョップ)もあるってわけだな」

 

「えぇ、と言っても私の下僕はここの3人だけよ」

 

(駒を与えると役職を得る、すなわち何かしら能力を得たりするのではないか)

 

 

ただ役職を示すために作られた物としては考えにくいと感じた。

 

人間の貴族であれば爵位やら役職等を衣装や勲章を用いている。

 

 

(チェスという形にしたのには何かしらの理由があるはず)

 

悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を見せてもらうことは可能か?」

 

「見せるのは無理よ、残りの数を教えることはできるわよ」

 

(残りの数?)

 

 

その言葉を聞き、俺の中である仮説が立った。

 

 

(それに現在の悪魔事情を考えるに悪魔の駒(イーヴィル・ピース)が大きく関わっているな)

 

「駒を与えられた者の身体的変化や能力はどうなんだ?」

 

「!?そこまで辿り着くのね」

 

(やはり、俺の想像通りか、そうなるとこれは・・・・)

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ってところか」

 

「「「「!!」」」」」

 

 

グレモリー達の反応を見て正解だと確信した俺は胸の中で溜息を洩らした。

そしてグレモリーの説明が続く。

 

 

「えぇ、あなたの言っていた通り、この悪魔の駒(イーヴィル・ピース)は別種族を悪魔に転生させることが出来るの」

 

「なるほどな」

 

 

転生とは『生まれ変わる』こと、

人間であることが『死に』悪魔として『生まれ変わる』とグレモリーは言ったのだ。

 

「グレモリー、あんたに質問する・・・・」

 

 

声のトーンを一つ下げグレモリーに声をかけた。

 

 

「ッ・・・・何かしら?」

 

 

「お前は無理やり人間を悪魔へ転生させてはいないよな」

 

(さぁ、グレモリーどう答える)

 

 

何も疑っている訳ではない、俺はグレモリーの覚悟を聞き出すため

威圧を放ち問い詰めた。

 

 

「フン、そんなことするわけないわ」

 

「ほう・・・」

 

「そんなことしたらグレモリー家の名に傷を付けるようなことよ、

私は眷属も大切だけども人間だからと見下すつもりは全くないわ」

 

 

この威圧感の中で言った彼女の言葉は本当だろう。

彼女の本音を聞き、俺は威圧を解く。

 

 

「フッハハハハ」

 

「!!」

 

 

これにはグレモリー達も一誠君も驚いたようだ

 

 

「いやー笑ってすまない、自分が想像していたより立派な思考を持つ女性であるとわかったらね」

 

(俺の仮説は9割しか当たらなかったな)

 

 

俺は彼女に予定していた最後の質問をした。

 

 

「グレモリーさん、最後の質問だ」

 

 

一呼吸入れて質問した。威圧感も放たずに。

 

 

「君達は一誠君の、私達の味方かい?」

 

 

本当は聞かなくても理解していたことだった。

だけども、俺は本人の口から直接聞きたかった。

 

そして彼女は言った。

 

 

「私は人間を見捨てたりしないわ、だからイッセーの味方だし、イッセーを助けるあなたの味方よ」

 

「そうか・・・」

 

 

俺はすっと右手を前に出した。

グレモリーは俺の意思を汲み取り、微笑みながら同じく手を出して俺の手を握った。

 

 

「これからよろしく、グレモリーさん」

 

「ええ、こちらこそ」

 

 

こうして戦士と悪魔の会談は『和解』をして終了した。

 

 

「さてと、そろそろやるか」

 

「いったい何をするの?」

 

「見てればわかるさ」と言い、俺は一誠君に持たせていたある物を頼んだ。

 

「一誠君、()()をいいかな」

 

「はっ、はいっす」

 

 

一誠君が袋の中から()()()()()()を取り出した。

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:リアス~

 

 

(一体何をするつもりなのかしら?)

 

 

そしてイッセーがクウガに渡したものを見て私達は驚愕した。

 

 

「けっ、拳銃!!」

 

 

手渡しした黒光りする物は映画などで見るハンドガンだった。

眷属の3人が警戒する中、私が訪ねた。

 

 

「先程、和解したつもりだったのだけれど破談かしら?」

 

「ハハ、勘違いしないでくれ、これはただのモデルガンだよ」

 

 

「ほら」と言い渡されたハンドガンは確かに軽くプラスチックでできているものであった。

 

 

「なんで、紛らわしいことをするのよ」

 

 

ついさっきまで敵対していた相手に和解をしたすぐ後に怪しい行動を見せるのは普通ではない。

 

 

「まぁ、見てればわかるさ」

 

 

そう言うとクウガは左手をベルトの左側の上に乗せてその上にモデルガンを持っている右手を重ねた。

 

 

「一誠君にグレモリーさん達、お願いがある」

 

「なにかしら?」

 

「これから1分間・・いや30秒、何があっても絶対に声を上げずにそして動かないでほしい」

 

 

何かすることは明確なのにそれを教えないクウガに再び問いかけた。

 

 

「なぜ何をするのか教えられないのよ」

 

 

クウガはまだ未知の存在であり、不確定要素が多すぎるため和解はしたが信用できるかというと別の話になる。

 

 

「未知数でも今は何も言えないし、こちらにも時間が迫っている」

 

 

クウガが落ち着いた口調で話す。

 

 

「俺を信じてくれ」

 

 

普通であればここは信じるべきではないだろう。

けれども、彼の言葉には信用を抱かせる何かを感じていた。

 

 

「はぁ~、全員しばらく声を出さずに、動かないで、これでいいのよね」

 

 

彼は「助かる」と言い、一呼吸置いた。

 

 

「じゃあ、始めるぞ、『超変身』」

 

 

 

~Side out~

 

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

俺は集中力を高めながら、心を静めていた。

 

 

(20秒超えたら再びマイティには戻れないからな、失敗は許されない)

 

「じゃあ、始めるぞ、『超変身』」

 

 

左手を押し込むと俺の姿が変わる。

赤い複眼の色がへと変わり、持っていたモデルガンも形状を変えた。

形状は銃に似ているが銃身の上下には弓、その弓を引くためのレバーと手元に弾を放つためのトリガーがついている。

クウガはペガサスフォームに変身し、『モーフィングパワー』を使用し、『()()()』モデルガンを専用武器である

ペガサスボウガンに再構成した。

 

(クッ、心音や呼吸音まで精密に聞こえるな、だが、あいつらの声ははっきり聞こえる)

 

俺は脳にかかる負担を無視してペガサスボウガンを声の聞こえた方へ向けた。

 

レバーを引き弾を込める。[10秒経過]

 

 

「盗み聞きはよくないな、堕天使さんよ」

 

 

俺はトリガーを引き、込められた球を放った。

 

 

「グッ・・・なぜわかった!!!」

 

「クッ・・『超変身』」[20秒経過]

 

(ぎりぎり間に合ったな)

 

 

俺はペガサスフォームからマイティフォームに戻ることに成功した。

 

 

(グローイングフォームにならずに済んだな)

 

 

一誠君達は声の方を向いて驚愕していた。

 

そこには片側の翼を打ち抜かれ、墜落した堕天使の姿があった。

 

 

「なぜここに堕天使が!!」

 

「チッ、撤退するぞ」

 

「逃がさないわよ、小猫、裕斗、朱乃」

 

「一誠君はそこを動くなよ」

 

「はいっす」

 

 

俺たち4人は複数人の堕天使の元へ走ったがここで予想外の事態が起きた。

 

 

「悪いが撤退させてもらうよ、行け、()()()よ」

 

 

翼を打たれた堕天使が手をかざすと俺達との間に魔方陣が現れ、そこから黒い人型の包帯を纏った化け物が15体も現れ、俺たちを襲った。

 

 

「なんでヤミーがここに!!」

 

「数が多すぎます」

 

「クッ、堕天使の元にたどり着けない」

 

「なかなか、タフですわね」

 

 

ヤミーの猛攻に防戦一方だったが、後ろから赤いエネルギーが放たれた。

それに当たったヤミーは消滅し、銀色のメダルとなって地面に散らばった。

 

 

「私の滅びの魔力はどうかしら、化け物さん」

 

「ナイスだ、グレモリーさん」

 

 

グレモリーさんの攻撃手段が有効と考え、他の三人に指示を出した。

 

 

「3人とも、こいつらを一か所に集めるぞ、いいな」

 

「了解です」「了解したよ」「承知しましたわ」

 

 

3人と連携し、残りのヤミーを一点に集める。

 

 

「よしっ、グレモリーさん準備はいいか」

 

「えぇ、準備はできてるわ」

 

「今だ!!撃てぇ!!!」

 

 

先程よりも大きさが増した赤いエネルギーを放ち、一点に集めたヤミーに命中した。

全てのヤミーの姿が消え、”チャリン”と音を鳴らし、大量のコインが地面に落ちた。

 

 

「ふ~、何とかなったけど堕天使には逃げられたようね」

 

 

ただ、堕天使はもう姿をくらませていて後を追うことはできなかった。

 

 

「・・・・・・・・・」

 

「どうかしたの?」

 

「いや・・・・・」

 

(なぜこの世界にヤミーが出現したんだ?しかもなぜ堕天使がヤミーを?)

 

(俺がこの世界にいるから?それとも本当にグリードが存在する?)

 

 

あらゆる仮説を立てるが情報が足らず謎は深まるばかりだった。

 

 

「ねぇ・・・ちゃんと聞いてたわよね」

 

 

ふと、意識を向けるとそこにはお怒りのグレモリーさんがいた。

 

 

「あっ、その・・すまない聞いていなかった」

 

「か、クウガさん何考えていたんですか?」

 

 

一誠君に聞かれたが「後でな」と軽く返す。

 

 

「はぁ~、今夜はもう遅いしまた明日話し合いましょって言ったのよ」

 

「ああ、こちらは問題ない」

 

 

一誠君にも尋ねたが「OK」との事だったのでグレモリーさんの提案に承諾した。

 

 

「下校時刻になったら駒王学園の校門前まで行くよ」

 

「そしたら、小猫を使いに寄越すけれど・・・・」

 

 

グレモリーさんは俺の姿を見て言葉を止める。

 

 

「心配ない、塔城さんを見かけたらこちらから声を掛けるよ」

 

 

なぜここで正体を明かさないのか聞かれたが「監視に警戒してだ」と答えた。

 

 

「俺はある堕天使には顔がばれてるが大きい組織だとしたら伝わってない可能性もある」

 

「それに先ほど俺たちの会話を盗み聞きしていたような奴らだからな、警戒して損はない」

 

 

俺の説明によりグレモリーさんは納得してくれたようだ。

 

 

「わかったわ、じゃあまた明日ね」

 

「では、失礼致します」「またね、兵藤君」「”コク”」

 

 

グレモリーさんたちが別れを告げ、赤い魔方陣のようなものに包まれ姿を消した。

 

 

「俺たちも帰るか」

 

「うっす」

 

 

こうして俺たちはバイクに乗り、帰宅した。

 

 

 

~帰宅後~

 

 

 

「一誠君、おやすみ」

 

「はい、おやすみなさいっす」

 

 

俺は自室に入り、今日の出来事っを振り返る。

 

 

(ヤミーか・・・・)

 

 

この世界ではありえないと思っていた存在の登場に驚愕している。

 

 

「他にも出るかもしれないな・・・・」

 

 

平成ライダーに出てきた敵達を思い返す。

 

 

「ハハッ、アンノウンやワーム、ロイミュードなんかも出てきたら最悪だな」

 

 

怪物たちが人々を、グレモリーさん達を、一誠君や五郎さん、三希さんが襲われる姿を想像する。

 

 

「いや、違う」

 

 

俺は仰向けにない目の前の照明に手をかざす。

 

 

「俺の目の前で大切な人の命が消えるなんてさせない」

 

 

かざした手を握り締め、俺は誓う。

 

 

「俺は彼らではない、だけども俺はこの力で助けを求める者達を、大切な者達を絶対に守って見せる」

 

 

決意を固め、俺は眠りについた。

 

 

 

 

~Side out~

 

 

 

~Side イッセー&リアス~

 

 

正義が決意を固めていた裏でこの2人が全く同じことを考えていた

 

 

「「あっ!」」

 

 

(財布受けととるの忘れてた~)

 

(お財布渡すの忘れてたわ・・・)

 

 

 

 

 

To Be NEXT ⇒

 

 

 

 

 




閲覧ありがとうございます。

平成ライダーの敵陣営出せました。

バトライドウォーやってるときにヤミーめんどくさいなと思い、
今回の足止めに使いました。

堕天使とヤミーの関係、正義と悪魔による共闘、一誠君・・・

次回にこうご期待。

※報告です。投稿日時を毎週土曜7時に1話投稿にしようと思います。
 (2話投稿する際は19時に投稿します)
 詳しくは活動報告に書いてますのでそちらをご覧ください。


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1×7:D、目覚めます!

今週は2話投稿!!
(19時に2話目あげます)

Dの登場です。

ドライブ? いえ、違います。

ディケイド? いえ、違います。

ドーパント? 今回出すのはGです。

まぁ、見てくださいな。


~Side:マサヨシ~

 

 

「さてと、行きますか」

 

 

俺は昨日行けなかった図書館目指して

()()()()()()()()2()0()0()0()』を走らせていた。

 

 

図書館の駐車場にバイクを止め中に入ろうとした時にその声が聞こえた

 

 

「きゃっ、誰か助けて」

 

「!!」

 

 

距離のある場所から聞こえた声だったがクウガに変身してから上がった聴覚で確かに「助けて」と聞こえた。

 

俺は声のする方へ走り出した。

 

建物と建物の間にある路地裏に入るとスーツの女性が蜘蛛の怪人に襲われていた。

 

 

「フン」

 

 

女性に近づく怪人に蹴りを放ち女性から遠ざける。

 

 

「早く逃げて」

 

「はっ、はい!!」

 

 

女性が路地の方に逃げて行くのを見て再度怪人の方を向いた。

 

 

「グロンギ 『ズ・グムン・バ』か」

 

それは仮面ライダークウガの作品に登場していたグロンギと呼ばれる怪人だった。

そのグロンギの外見は蜘蛛の脚のような突起が8本生えた頭部に蜘蛛特有の6つの複眼を持つ。

肌はカーキ色で、首周りには蜘蛛の巣のような衣類を着け、両腕には鋭い鉤爪を備えている。

 

『仮面ライダークウガ』の作品において最初に現れた怪人であった。

 

 

「ゴラゲパ・バビロボザ(お前は何者だ)」

 

(グロンギ語か、訳すと『お前は何者だ』だよな)

 

 

記憶の中からグロンギ語の知識を引出て訳すことが出来た。

 

 

「何者かなんてこれを見ればわかるんじゃないか」

 

 

腰に手をかざし『アークル』を出現させる。

 

 

「ボセパ・クウガンデスド!?(これはクウガのベルト!?)」

 

 

そして構えて叫ぶ「変身!!!」

 

 

そして、クウガ マイティフォームに変身し『ズ・グムン・バ』に向かって走り出した。

 

 

===========================================

 

 

「ハァーーー!!!」

 

 

俺は足に力を籠め、必殺技であるマイティキックを放つ。

 

キックの当たった場所から亀裂が入りその亀裂がベルトの方まで達し、

『ズ・グムン・バ』は消滅した。

 

 

「フ~、作品でも最初の敵だからか手こずらないで済んだな」

 

(ヤミーに続きグロンギか・・・・)

 

 

グロンギの登場はある意味、俺の中では起こってほしくない要因であった。

 

 

(今回で他の怪人が出現することがわかったが・・・・)

 

「いや、俺は誓ったんだ」

 

「俺の目の前で誰一人も殺させない、俺が救って見せる」

 

そして俺は当初の目的であった図書館に向かった。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:ソーナ~

 

 

〖会長、どう対処いたしますか?〗

 

「わかったわ、椿姫と一緒にそちらに向かいます」ピッ

 

「行くわよ、椿姫」

 

「はい、会長」

 

私は駒王学園高等部3年 支取蒼那。

この学園では生徒会長を務めているのだけれど、放課後に入って一本の電話が入った。

 

 

「それで何があったんですか?」

 

「どうやら、校門前に『サングラスにマスクで顔を隠している男性』が立っているだそうよ」

 

「明らかに怪しいですね」

 

「えぇ、でも校門前に堂々と立っているなんて不審者にしてはちょっとね」

 

 

不審者ならば校門前で堂々とするわけもないため、誰かの関係者というのも考えられる。

 

そうこう考えてるうちに校門前に到着し、目的の人物を見つけた。

 

 

(サングラスにマスクの男性、身長は180cmぐらいかしら)

 

 

相手を分析してから私は彼に尋ねた。

 

 

「すみません、こちらの学園に何か御用ですか?」

 

「あぁ、人と待ち合わせをしていてね」

 

「待ち合わせですか、ちなみにどなたでしょうか?」

 

「それなら問題ない、もうすぐそこまで来てるからな」

 

「はい?」

 

辺りを見渡し、彼に尋ねようとしている人を探すが見当たらない。

 

 

「ふざけないで真剣に答えてください」

 

「ごめんね、お嬢さん、尋ね人が登場したからさ」

 

 

そう言うと彼はある少女の元へ歩いて行った。

 

 

「あれは!!塔城小猫さん!!」

 

そして彼は塔城さんの前まで行き、声を掛けた。

 

「やぁ、塔城さん、昨日ぶりだね」

 

「あなたがクウガさんですか?」

 

「あぁ、そうだよ」

 

 

そう言い、彼は塔城さんに連れられ学園の中に入っていく。

 

 

「ちょっと待ってください!!」

 

 

彼と塔城さんを引き留め、再度質問する。

 

 

「あなたはいったい誰なんですか?それとなぜこの学園に?身分や要件を提示して頂けなければ

この学園へ入ることは許可できません」

 

彼はこちらを向き、そして話した。

 

 

「名前はまだ言えないが『クウガ』とでも伝えるよ、それとこの学園に来たのは

リアス・グレモリーに招待されたからだ」

 

(リアスですって!!そうだとすると悪魔に関係のある人なの?)

 

ソーナは彼の存在に疑問を抱いたが、リアスの招待した人となるとそれなりに裏の関係がある人

なのかと推測していた。

 

(それでも学園に呼ぶなら私に一言でも言ってくれればいいのに)

 

そう悩んでいると、急に彼が頭を下げてきた。

 

 

「!?、何かしら」

 

「いや、確かに要件等を伝えずに敷地内に入ったのはこちらの落ち度だった、申し訳ない」

 

 

と彼は謝罪の言葉を述べた。

 

 

「失礼ながら、お嬢さん方のお名前をお聞きしてもよろしいかな」

 

「えぇ、私は駒王学園高等部3年 支取 蒼那、この学園の生徒会長を務めています」

 

「同じく駒王学園高等部3年 真羅 椿姫、生徒会副会長を務めております」

 

「なるほど・・・・」

 

「私たちに何か?」

 

「いや、素敵な名前だと思ってね」

 

「「なっ!///」」

 

 

私と椿姫は顔を赤くし俯いた。

 

 

「クウガさんそろそろ・・・」

 

「あぁ、待たせてすまない、それじゃ」

 

 

その時、彼がマスクをずらして、私の耳元まで顔を近づけて小さな声で一言を言った。

 

 

「また、近いうちにあいさつするよ、()()()()さん」

 

「!!」

 

 

振り返ると彼は塔城さんについて校内へと歩いて行った。

 

 

「会長、あの男が何か?」

 

「彼が私の事を()()ではなく()()()()と最後に伸ばして呼ばれたのだけれど」

 

「まさかばれたのでは!!」

 

「それかリアスから聞いていたか」

 

(本当に謎めいた人だわ)

 

 

彼の事が気になりつつも役目を一応終えたため生徒会室へと戻る。

 

 

(近いうちっていつかしらね)

 

彼の吐息が耳にかかっていたことを思い出し、また顔を赤くする。

 

 

「会長?大丈夫ですか?」

 

「何でもないわ!!平気よ!!」

 

(もう、どうしてこんなに顔が熱くなるの)

 

 

書類に目を向けては顔を赤くし手を止め、また、仕事をしようとすると顔を赤くして手を止めると

その行動が1日中続いた。

 

今回の会長の様子を生徒会役員はとても心配していたが副会長の椿姫に話を聞きそれがある人物によるものだと聞き、『会長を見守る会』が発足されたのはまた後日話すとしよう。

 

 

「どこの誰だか知らねぇが、俺の会長を絶対渡さない」

 

 

そして『会長を見守る会』発足の裏に1人、神崎 正義に対してライバル意識を持つ役員も

ここに誕生していた。

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

「生徒会長が悪魔だってわかっていたんですか?」

 

「いや、気づいたのは彼女に声を掛けられてからだよ、俺は悪魔の気配を感じ取れるんだよ」

 

 

塔城さんについていきたわいもない会話をしながら歩みを進めていくとついた場所は綺麗な本校舎とは違い、造りが少し古く、それでいて佇まいが味を出している旧校舎に足を踏み入れた。

 

 

「ふむ、なかなかいいところだね」

 

「はい、居心地は悪くないですね」

 

 

階段を上り、目的地であるオカルト研究部の部室前へと到着した。

 

 

「部長、ただいま戻りました」

 

「えぇ、ありがとう小猫」

 

「かん、クウガさんお疲れ様です」

 

 

オカルト研究部の部室にはすでにグレモリーさんに姫島さん、木場君、

そして一誠君がすでにそろっていた。

 

 

「ハハ、一誠君、別に無理しなくても大丈夫だよ、どうせこれから自己紹介するしね」

 

 

俺はサングラスとマスクを取り、全員の前で自己紹介をする。

 

 

「昨日は協力ありがとうグレモリーさん、俺は『クウガ』人間での名は神崎 正義だ」

 

「いえ、こちらこそ和解を結んでいただきありがとうございます」

 

「これからよろしく」と再度お互いに握手を交わした。

 

 

俺は指示された一誠君の隣に座り、グレモリーさんから数々の質問をされる。

 

 

「まずは神崎さんの事で聞きたいのだけれどいいかしら?」

 

「昨日はこちらが質問していたからね、かまわないよ」

 

「じゃあ、1つ目の質問、あなたは人間なの」

 

 

まずは、人間かどうかを聞かれた。

 

 

「ああ、人間だ、堕天使でも悪魔でも神でもないさ」

 

「そう、じゃあ2つ目の質問、『クウガ』とは何かしら」

 

 

次に『クウガ』について聞かれた。

 

 

「俺の持つ神器(セイクリッド・ギア)だっていえばわかるかな、俺は神器『アークル』を使うことで

『古代の戦士 クウガ』の力を自身に憑依させることが出来るのさ」

 

 

「クウガ・・・・それはいつごろ活躍していた戦士なのかしら?」

 

「すまないがそれは俺にもわかりかねない、はるか昔という情報しかないな」

 

 

俺は当たり障りの無いよう質問を返していく。

 

 

「されじゃあ3つ目の質問、これはイッセーと神崎さん、ふたりへの質問なのだけれど、

堕天使との関係について」

 

堕天使との関係について、今回の一番の本題であろう。

俺は一誠君におとといから起きた出来事に関して話していいか了承を得てから

事の本末をグレモリーさんに説明した。

 

 

==========================================

 

 

「イッセーの中に神器(セイクリッド・ギア)が眠っているのね」

 

「ああ、堕天使の話を聞くとそうなるな」

 

「イッセー、怖い思いをさせてしまって本当にごめんなさい」

 

「いえ、問題ないっすよ、それに俺は神崎さんに助けてもらいましたから」

 

「いや、本当に無事で良かったよ」

 

(あの時のおかげで俺は今を生きている事を実感出来たんだからな)

 

 

「それで話に戻るのだけれどイッセーは神器持ちなのよね?」

 

「ああ、それなら一誠君」

 

「ウッス、いでよセイクリッド・ギア」

 

 

一誠君が立ち上がって左腕を上げ叫ぶと部室が赤い光に包まれた。

赤い光が収まると一誠君の左手には赤い色をし、手の甲の部分に緑色の宝玉が埋め込まれている籠手が装着されていた。

 

「なるほど、イッセーの神器は『龍の手(トゥワイス・クリティカル)』ね」

 

「『龍の手(トゥワイス・クリティカル)』?」

 

「そう、所有者の力を2倍にするありふれた神器よ」

 

「ありふれた神器?」

 

「なんだ、たいしたことないのか」

 

 

しかし俺は疑問を抱いていた、一誠君に眠っている力は深淵でまだ隠れていると確信しているからだ。

 

 

「グレモリーさんに聞くが、他に赤い籠手の神器(セイクリッド・ギア)はあるのか?」

 

「えぇ、昨日の話に出た二天龍のうちの1匹で、『赤龍帝』の二つ名を持つ赤いドラゴンが

封印された神器(セイクリッド・ギア)

 

「10秒ごとに所有者の力を2倍にしていく神器、神滅具(ロンギヌス)の1つ『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』」

 

 

俺はその説明を聞き、疑問が確信へと変わった。

 

 

「一誠君はやっぱり危険視される存在だったというわけか」

 

 

俺の言葉にまわりは疑問を浮かべている。

 

 

「一誠君の神器(セイクリッド・ギア)は『龍の手(トゥワイス・クリティカル)』なんかじゃないってことだよ」

 

「!?、それってまさか・・・・」

 

「あぁ、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』ってことだ」

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:イッセー~

 

 

「俺の力がめっちゃ強いドラゴンの力?」

 

「ああ、そうだ」

 

え~と、いまいち実感できないで正直困っている。

神崎さんが嘘を言っているとも思わないが、いまいち実感がわかない。

神滅具なんて言うぐらいだからもっとすごくて禍々しい物を想像していてリアス先輩が言うようにただの『龍の手(トゥワイス・クリティカル)』にしか見えない。

 

そんな心境を抱きながら、神崎さんが話をリアス先輩に持ちかけた。

 

 

神器(セイクリッド・ギア)っていうの所有者の成長と共に神器もまた成長し進化する物だよな」

 

「えぇ、その通りよ」

 

 

神崎さんが立ち上がり言った。

 

 

「よし、『赤龍帝』様を呼び起こすか」

 

 

「そんなことできるわけないじゃい」

 

「さすがに無理がありますわね」

 

「ちょっとね」

 

「無理です」

 

 

リアス先輩達から否定の声が上がる中、神崎さんは俺に聞いてきた。

 

 

「一誠君、どうする」

 

「俺は・・・・」

 

 

2日間という短い時間でしか神崎さんを知らないがそれでも俺の為に動いてくれていることに変わりわない。

 

 

「神崎さんお願いします」

 

 

そういうとリアス先輩達に指示をだし部屋を暗くする。

 

 

「いいかい一誠君、まずは目をつぶって心を安らげるんだ」

 

 

俺は言われた通りに目をつぶり、心を落ち着かせた。

 

 

{想像してくれ、君がいるのは暗く何もない空間に座っている}

 

{君以外はだれもいない、この声も脳内に直接響いているように聞こえるはずだ}

 

 

神崎さんの言葉通り、今の自分は暗い世界に1人だけで存在している。

 

 

{まだ目を開けてはだめだよ、君の目の前にあるのは炎だ、メラメラと燃える炎が君の目の前にある}

 

 

感じるのは熱。とても熱い。目の前にあるであろう炎の熱が伝わる。

 

 

{その炎は大きくなり膨張する、そしてある形を作る}

 

{そう、その炎はドラゴンの形をしている、巨大なドラゴンだ}

 

 

目の前の炎が大きくなる事を感じた。そしてその炎から吐息のような音が聞こえ始める。

 

 

{さぁ、君の前にはもうドラゴンがいる、その世界にいる君の目を開けて姿を見たまえ}

 

 

そして目を開けた。

そこはオカルト研究部の部室でもなく、想像した暗い空間でもなかった。

 

俺の座っていた場所は岩の足場になっており周りは崖となっていた。

崖の底にはマグマが流れており、所々周りから炎が渦巻いていた。

 

「なっ!?」

 

そして俺の目の前には大きな赤いドラゴンがこちらを見つめていた。

 

 

{まさか小僧の方からこちらに来るとは思わなかったな}

 

 

神崎さんとは違う低い声が聞こえる。

 

 

「まさか、お前が『赤龍帝』なのか」

 

 

「フン」と鼻息を洩らし目の前のドラゴンは答える。

 

 

{いかにも、俺が『赤龍帝 ア・ドライグ・ゴッホ』だ}

 

 

「まっ、マジかよ」

 

 

俺は精神世界にて『赤龍帝』に出会ってしまった。

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

一誠君に暗示をかけて数分後、一誠君の神器が再度赤く輝きだした。

 

 

「成功したみたいだな」

 

 

一誠君が目を開け叫びだした。

 

 

「うぉ~~~、あっあれ?」

 

「お帰り一誠君」

 

 

辺りを見渡し、一誠君は戻ってきたことを認識したようだ。

 

 

「戻ってこれたんすね、ふ~~」

 

「どうだった」

 

{ほう、貴様が小僧を俺のとこへ導いたようだな}

 

 

一誠君の神器の宝玉が点滅し、低い声が響く。

 

 

「なに、俺は一誠君のことを信じていただけさ」

 

 

そんな中、グレモリーさん達は驚きの表情で満ちていた。

 

 

「本当に『赤龍帝』なの!!!」

 

「あらあら」

 

「まさか本当だったなんてね・・・」

 

「!!!」

 

 

そして、俺は『赤龍帝』に語りかけた。

 

 

「それで『赤龍帝』殿は一誠君の力になってくれるのですか?」

 

{俺の事は『ドライグ』とでも呼んでくれ、小僧の方は俺が認めることが出来たらってとこだな}

 

「認めるってどうやってだよ」

 

{さあな、俺はもう寝る}

 

 

そういって、ドライグは反応しなくなった。

 

 

「まぁ、努力次第ってことだよ」

 

 

こうして一誠の神器(セイクリッド・ギア)、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』赤龍帝 ドライグは目覚めた。

 

 

 

========================================

 

 

グレモリーさん達が落ち着きを取り戻し、俺達に一つ提案を求められた。

 

 

「ねぇ、もしよかったらあなた達、悪魔に転生してみないかしら」

 

 

 

 

To Be NEXT ⇒




ちょっと早いですが、ドライグさん登場。
暗示で精神世界にいかせちゃう正さんぱないっす。
そして、本編ではありえないようなソーナたんの悶絶(こういうの描きたかった)


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あと、19時にもう1話投稿するのでぜひ見てください。



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1×8:オレ、決めました! byイッセー

本日、2話目

ついに~、一誠が~・・・・・

続きをどうぞ


~Side:イッセー~

 

 

「ねぇ、もしよかったらあなた達、悪魔に転生してみないかしら」

 

「結構だ」

 

「えっ!!ちょっと決断が早いわよ」

 

 

神崎さんはきっぱりと断った。

 

 

「早いも何も俺は人間をやめるつもりはない」

 

「まだ決めるのは早いわよ」

 

 

そういうとリアス先輩が悪魔になった時のメリットを説明し始めた。

 

 

「悪魔になれば永遠に近い寿命で生きていけるし、身体能力も上がるわ」

 

(長命か~、悪くないかな)

 

「寿命も普通で構わないし、身体能力も間に合ってる」

 

 

神崎さんが論破する。

 

 

「様々な人間と契約が結べるよう言語理解能力、それに努力次第では

下級から上級悪魔に昇進して爵位も得ることが」

 

(言語理解ってことは英語とかがわかるってことだよな、すげー)

 

「言語も困ってないし、貴族も興味ない」

 

 

この次も論破する神崎さん。

俺はリアス先輩の説明に一つ疑問を覚え、質問した。

 

 

「あの~リアス先輩、上級悪魔になるってどういうことっすか?」

 

「上級悪魔になると爵位を与えられ貴族になることが出来るのよ、

それに独立して自らが王となり新しい下僕悪魔を作り出すことが可能になるのよ」

 

「?」

 

(まったくわからん)

 

 

そんな中、神崎さんが助け舟を出してくれた。

 

 

「一誠君にわかりやすく説明するとね、グレモリーさんが会社の社長で君が偉くなり

グレモリーさんの新しく設立した子会社でそこの社長を任命されるって感じだよ」

 

「なるほど」

 

 

あくまでリアス先輩の配下ではあるけども新規のグループとしては

俺がトップになるって感じだということを理解した。

 

 

(ん!?俺がトップということは社員は俺が選別してもOK・・・・)

 

「先輩・・・下僕悪魔っていうのは姫島先輩とか小猫ちゃんみたいに駒を与えて眷属にすると」

 

「えぇ、そうよ」

 

「うぉっしゃ~~~~~~~~~」

 

 

俺はうれしさのあまりとてつもなく大きな声で叫んでしまった。

 

 

「どうしたんだい?一誠君?」

 

「神崎さん、これはチャンスなんです」

 

「チャンスって?」

 

 

そして俺は胸を張り堂々と宣言する。

 

 

「俺がハーレム王になる一世一代のチャンスじゃないですか~~~~~」

 

「「「「「・・・・・・・」」」」」

 

「眷属はより取り見取りの女性たちを従え、ありとあらゆるおっぱいを堪能してやる」

 

「「「「「・・・・・・・」」」」」

 

「うっひょ~、待ってろ俺のハーレムライフ!!!!」

 

「「「「「・・・・・・・」」」」」

 

 

おっと、俺が熱くなっていたが周りが妙なほどにクールだった。

一体どうしたのだろうか。まぁ、気にせず先輩に言おう。

 

 

「というわけでリアス先輩、俺を悪魔にしてください」

 

「ちょっ、ちょっと待とうか一誠君」

 

「?」

 

 

神崎さんが急に止めに入った。

 

 

「まずは一誠君以外のメンバーに普段の、学園での一誠君について聞きたい」

 

 

神崎さんが真剣な顔でリアス先輩に質問した。

 

 

「まぁ・・・イッセーは・・・そうね」

 

リアス先輩が口ごもる。

 

 

「よく女生徒の胸を凝視したり」

 

姫島先輩が暴露し始めた。

 

 

「よく着替えをしている女生徒をのぞいたり」

 

小猫ちゃんがさらに暴露。

 

 

「う~ん、あんまりいい噂は聞かないかな」

 

木場もしれっと言う。

 

 

「生徒会に多数のセクハラの苦情が来ていると生徒会長が言っていたわ」

 

リアス先輩も最後に投下

 

 

「・・・・・・・」

 

 

やばい。神崎さんが超無言になって俯いている。

 

 

「普段からモラルに反する行為や発言を同じクラスの二人と一緒に行っているため変態三人組とも呼ばれてますわね」

 

(姫島先輩!!もうやめて神崎さんが怖い)

 

「本当にどうしようもない変態です。」

 

(小猫ちゃ~~ん!!!)

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

一向にうつむいたまましゃべらない神崎さん。

 

時計の秒針が進む音が次第に大きく聞こえてくる。

 

そして・・・・・・・

 

 

「覗きは迷惑防止条例違反で1年以下の懲役、及び100万円以下の罰金と軽犯罪法違反で

1日以上30日未満の間身柄拘束及び1,000円以上10,000円未満の財産刑になる」

 

「うっ」

 

 

俯きながら淡々と言われる罪状が俺の心に突き刺さる。

 

 

「セクハラ発言や行為なども会社のような場所で行えば裁判になる案件だ」

 

「うぐっ」

 

 

次々と言葉の矢が刺さる。

 

 

「一誠君」

 

 

神崎さんが顔を上げたがその顔は少し悲しそうな顔をしていた。

 

 

「君がやっていたことは犯罪であり訴えられてしまえば未成年であろうと必ず警察の

お世話になってしまう行為なんだ」

 

「はい・・・・・・」

 

「確かに君は高校生だから性に対して強い関心を持つ気持ちはわかるよ、でも犯罪は

絶対に犯してはならないことなんだ」

 

 

神崎さんの言葉が心に響く。

 

 

「それに傷つくのは被害者だけではないんだ、君の家族にも傷が広がる」

 

「ッ・・・・」

 

 

俺は想像した。

周りから犯罪者の親と言われさげすまれる親の姿を・・・・

 

 

「一誠君、もうやってしまったことはやり直せない、だからこそ今後は

このようなことは絶対にしてはいけない」

 

 

神崎さんの言葉が胸に深く突き刺さる。

 

 

(俺の為にこんなに言ってくれるなんて)

 

「はい、俺もう二度としません」

 

 

俺は目に涙をためながら神崎さんやリアス先輩の目の前で誓った。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

「俺の先輩の話をしよう」

 

「えっ?」

 

「俺が通っていた大学の先輩についてさ」

 

「どうしてですか」

 

「まぁ、その先輩も性欲で痛い目見たって話さ」

 

 

 

===================================

 

~4年前~

 

 

「神崎、今日は来てくれてサンキュウな」

 

「いえ、誠さんも誘ってくれてありがとうございます」

 

 

彼は王城 誠(おうぎ まこと)、同じ大学の2年先輩のOBで同じサークルに所属していた。

顔は整っている顔をしており大学の学際で行われたミスターコンテストでは2年連続で1位を取り、殿堂入りを果たしていた。

今日は彼と久しぶりに会い地元の居酒屋で二人で飲むことになった。

 

 

「にしてもタイミング良かったな、まさか昨日、日本に戻ってきたなんてよ」

 

 

俺は一か月間、世界を回り各国の貧民問題について調査して回っており、

つい昨日帰国したばかりだった。

 

 

「よく生きて帰ったな、お前が行ってた場所、最近ニュースで紛争が激化してるって見たからな」

 

「何度か巻き込まれましたけどこの通り五体満足ですよ」

 

 

その後もたわいない会話が続き、お酒も進んでいたころ彼が自分の過去について語った。

 

 

「俺はさ、昔はしょうもないエロガキだったんだ」

 

 

彼の話はこうだった。

 

彼は小学校高学年から性に目覚め中学までスカート捲りや覗きなどの行為を繰り返していた。

ある時、そんな彼にちゃんとした初恋の女性が出来たそうです。

彼が中学3年生の時、新しく入った後輩の1人を好きになったのです。

そして、卒業の時に彼は告白しました。

しかし・・・・・

 

「はぁ?顔が良くても変態とかマジで無理なんですけど」

 

彼は振られてしまいました。

 

 

「まぁ、しょうがないですよね」

 

「ああ、俺だって今は納得してるよ」

 

「でもな、あの時の俺があったからこそ今の自分にたどり着けたんだ」

 

 

さっきの話には続きがあった。

振られてしまった彼は父親に初恋の事を語った。

 

「やっぱりおれの子だったんだな」

 

どうやら、彼の父親も相当な人物だったらしい。

 

・成人になっても抑えきれていなかった性欲

・彼の父親と母親はでき婚

・そして浮気により離婚

 

っと彼もドン引きするレベルだった。

しかしそのあとに父親からとんでもない発言を聞いた。

 

「まぁ、女はまだたくさんいる、次もがんば」

 

とてもじゃない、クズ発言だった。

俺は父親のその一言をきっかけに家を出て新たな決意をした。

 

「俺は性欲を封印する」

 

そして1年にも及ぶ過酷な修業を始めた。

 

 

 

俺はその話を呆れながら聞きながらも、疑問に思ったことを

 

 

「過酷な修業って何したんですか?」

 

「1年間高校を休み、山に籠りサバイバルをした」

 

「ぶっ、サバイバルですか!!」

 

 

俺は口に含んでいたお酒を少し拭いてしまった。

 

 

「あぁ、精神統一、風林火山、明鏡止水の心得を体に刻み込んだ」

 

「そのおかげで俺は性欲を自分の意志で封印することが可能となった」

 

「なんと言うか、壮絶な過去を持っていたんですね」

 

「まぁな、ちなみに高校時代は女子に対して紳士的な態度をとっていたことから

ジェントルマンと言うあだ名が広まったな」

 

酒を飲み、高笑いをする彼。

俺は彼がとてもすごい人物だと感じた。

話としては低俗ではあったものの彼は覚悟を決め自身を変えようとし成功したのだ。

 

そんな思いを感じていると彼が話してきた。

 

 

「それにな、今回はお前に報告したいことがあるんだ」

 

「なんですか」

 

「実はな、俺・・・来月結婚するんだよ」

 

「!!、おめでとうございます」

 

 

何と結婚の報告だった。

あれだけの過去があった彼にもついに伴侶となる人を見つけたとの報告を聞きとてもうれしくなった。

 

 

「あっ、でき婚じゃねぇからな、そこ注意しとけよ」

 

と注意も入れてきた。

 

 

「俺はあの数年があったからこうして今の彼女を愛せてるんだ」

 

「だからな、たとえあんなクソオヤジでも感謝しないとな」

 

「あぁ、そうだね」

 

 

俺と彼は微笑んだ。

 

 

「よっし、今日は俺がおごりますよ、誠さんまだ行けますよね」

 

「いや、俺から誘ったんだから俺に、」

 

「すいません、生2つで」

 

「おい、聞けって」

 

 

そして目の前にキンキンに冷えたジョッキに注がれた生ビールが置かれる。

 

 

「誠さん」

 

 

名前を呼び、彼にジョッキを持たせる。

 

 

「友人の結婚と今後の幸せを祝して、乾杯」

 

「けっ、こういうのは結婚式でだろ・・乾杯」

 

”キン”とジョッキのぶつかる音がして俺と誠さんは冷たいビールを流し込んだ。

 

 

===============================

 

 

「青春を感じるわね」

 

「えぇ、とても素晴らしいお話でしたわ」

 

「結婚・・・」

 

「確かに誠さんは素晴らしい人だね」

 

 

グレモリーさん達が感慨に浸っていた。

ふと一誠君の方を見るとわずかに体が震えていた。

 

 

「一誠君?大丈夫かい?」

 

心配になり声を掛ける。

 

 

「神崎さん、俺決めました」

 

 

一誠君がソファから降りて床に正座で座りだした。

 

 

「俺は、今まで自分の性欲に忠実に従った来ました」

 

 

「でも、誠さんの話を知って、俺もこのままではクズになると思います」

 

 

真剣な目で俺を見ている。

 

 

「なので、俺も誠さんと同じく更生します」

 

「一誠君・・・・」

 

 

正直、この決断をしてくれたことがうれしかった。

 

 

「でも、俺1人ではうまくいかないかもしれません、ですから・・・・・」

 

 

途中で言い出しにくいからか、言葉が止まっている。

 

 

「いいよ、遠慮せずに言ってくれ、俺は一誠君の味方だ」

 

 

そして一誠君が頭を下げて土下座をしながら言った。

 

 

「俺を鍛えてはもらえないでしょうか!!!!」

 

 

必死さがこのやり取りでとても感じられていた。

 

 

「あぁ、協力するよ、一誠君」

 

(誠さん、俺がこの子を貴方のような人になるよう導くよ)

 

「ありがとうございます」

 

 

一誠君更生特訓プログラムがこれよりスタートするのであった。

 

 

{フン、根元がだいぶましになったな小僧}

 

 

一誠君の左手の甲が緑色で点滅し、ドライグの声が聞こえた。

 

「お前!!寝てたんじゃないのかよ」

 

{あれだけ騒がれたらな}

 

 

確かに一誠君があんなにすごかった(性欲)なんて思いもしなかった。

 

 

{小僧、強くなりたいんだろう}

 

 

ドライグが一誠君に問い詰める。

 

 

「ああ、心も体も今よりもっと強く・・・」

 

{そうか、だったら悪魔になれ}

 

 

急なドライグの悪魔転生宣言に俺は驚愕した。

 

 

「ちょっと待てくれドライグ、なぜ悪魔を勧める」

 

{フッ、そんなに聞きたいか?}

 

「あぁ、その理由を聞かせてくれ」

 

 

悪魔に転生するということは人間としての人生を捨てるということになる。

ドラゴンのドライグには人間の価値観はわからないかもしれないが少なくとも

そこまで頭が回らないとは考えられない。

 

{まぁ、いい説明してやる、そもそも悪魔の方が身体能力が高いのが1つ

悪魔になることで魔力が目覚めるかもしれないのが1つ、あとはそこの魔王の妹が理由だな}

 

(グレモリーさんが魔王の妹・・・なるほどドライグも考えたな)

 

「最後のはどゆこと?」

 

 

一誠君だけはわかっていないようだった。

 

 

「つまり悪魔が後ろ盾になってくれるってことだ」

 

{やはり貴様は物分りがいいな、それに比べて小僧はバカだな}

 

「バカって何だよ、この引きこもりドラゴン」

 

{こっちは好きで引き籠ってない、お前が未熟だからだろう}

 

 

一誠君とドライグの口喧嘩がヒートアップする前に止め、一誠君に説明した。

 

 

「一誠君は現在堕天使に狙わられているからグレモリーさんの眷属になってしまえば

下手に手を出せないということだな」

 

{こそこそ動いてる堕天使が戦争の火種になりうる小娘、魔王の妹にちょっかいはかけないだろうよ}

 

「なるほど~」

 

(それにドライグは俺のことも考えてくれてるんだな)

 

俺が異世界人であることを、自身の持つ力がこの世界のものでないことを

あえてグレモリーさん達には話さなかった。

なぜかというと俺の力の強さにも関係している。

俺から見るにグレモリーさんはまだ貴族や領主としての腕が未熟だと感じており、

俺という存在を知りうまく情報等をコントロールしきれないと感じたからだ。

 

(勢力トップの者になら俺のことを相談できるだろうし、悪魔側にパイプを引くのも悪くない考えだ)

 

俺が今後の悪魔に対しての対応を考えていると、一誠が決断しようとした。

 

 

「うっし、俺は悪魔に」

 

「まぁ、ドライグの言い分はわかったがまだだ」

 

 

俺は一誠君の決断を止める。

 

 

「神崎さん、強くなるなら別に構わないんじゃ」

 

「一誠君、何か提案された場合はメリットだけを聞いてはダメだよ」

 

 

物事がすべてプラスだけではないのを知っているが故の確認だ。

これは一生の問題だからこそマイナス面を知らなければならないことだった。

 

 

「悪魔に転生することのデメリットを教えてくれないか」

 

 

俺はグレモリーさんに質問する。

 

 

「ええ、確かにデメリットはあるわ、たいよ・・・」

 

{太陽や光の力、聖なる力などがダメージになる、小僧がくらいそうになった堕天使の槍とかな}

 

「えっ、太陽!!あれ?でもリアス先輩とか普通に登校してるよな」

 

{太陽ぐらいなら数日程度でなれるだろうよ}

 

「ちょっと、私の説明を取らないでよ」

 

{フン、知るか}

 

 

ドライグは横槍をいれ、それに怒るグレモリーさん。

 

 

(なんだかんだでドライグがなじんでいるな)

 

 

「ちなみに聖水や教会、聖書は最悪の場合は死にいたるダメージになるからそこは気をつけなさい」

 

「また、主を殺したり逃げたりしてた悪魔のことをはぐれ悪魔と呼び、

その悪魔の力を持って人間を襲ったりするヤツがいるのよ」

 

 

グレモリーさんの説明によるとはぐれ悪魔は異型の者もいれば人間と変わらない姿をしている者もいて

知能の高いものは計画的に殺人を楽しんでいるとのことだった。

はぐれ悪魔には危険度が決められており、土地を管理する悪魔が依頼を受け、討伐することもあるそうだ。

 

 

(ゲーム感覚で人殺しをするなんてグロンギとなんら変わりないな)

 

「まぁ、デメリットとしてはこんなところかしら」

 

 

一通りの説明が終わり俺は再び一誠君に目を向けた。

 

 

「一誠君、君は人間の人生を捨て悪魔になる覚悟はできているのかい?」

 

 

俺は一誠君に問いかける。

 

 

「もう戻れないんだ、どうする」

 

 

一誠君は曇りのない決意した目をして顔を俺に向けた。

 

 

「俺も悪魔になるのに不安はあります、それでも俺は強くなりたい」

 

「神崎さんやリアス先輩たちに守られてるじゃ駄目なんです」

 

「俺の身は俺が守る、家族も仲間もみんな俺が守るって決めたんです」

 

 

一誠の決意を聞き、俺は笑みを浮かべた。

 

 

(ハハッ、昨日の俺と同じことを思っていたなんてな)

 

(一誠君は今でも十分強いよ)

 

 

俺は一誠の決意を聞き、グレモリーさんに向きお願いをした。

 

 

「グレモリーさん、一誠を眷属悪魔にしてくれませんか?」

 

「リアス先輩!!お願いします」

 

 

俺と一誠君で頭を下げて頼む。

 

 

「2人とも頭を上げて頂戴」

 

「リアス先輩」

 

「本当ならこちらからお願いしてるんだから、こちらこそお願いねイッセー」

 

「はい!!!!」

 

 

この後、一誠君は悪魔の駒(イーヴィル・ピース)兵士(ポーン)8つ全てを用いて悪魔に転生した。

 

 

「やっぱり8つすべてを消費したわね」

 

{フン、当たり前だ、この俺がいるのだからな、むしろ足りないぐらいだ}

 

 

ドライグが愚痴をこぼす中、俺も一誠君の気が悪魔の物へ変質したのを感じ取った。

 

 

「イッセーはこのままオカルト研究部に入ってもらうわ」

 

「はい、これからよろしくお願いします、リアス部長」

 

「フフフ、よろしくお願いしますわ、イッセー君」

 

「頑張ろうね、兵藤君」

 

「頑張ってください変態先輩」

 

「一誠君、これからもがんばってくれ」

 

 

そしてここに悪魔界において最弱で最強の兵士(ポーン)が誕生した。

 

 

 

 

~Side out~

 

 

 

~Side:???~

 

 

「チッ、あのクワガタ野郎、この私の翼に傷をつけやがって」

 

 

とある場所で一人の堕天使の男が傷を回復するため休息を取っていた。

 

 

「ドーナシーク様、数日で『魔女』が到着するとの事です」

 

「ほぅ、ついに来るか」

 

 

彼は不敵な笑みを浮かべ、笑い始める。

 

 

「ハハッ、ついに俺はあいつらを超えることが出来る」

 

「ドーナシーク様すみませんがレイナーレ様は・・・」

 

「ああ、あいつはまだ療養中だ、じきに治るさ」

 

(ただし以前のように治るかは別だがな)

 

 

ドーナシークは立ち上がり机の上にある黒いアタッシュケースを開け中にある物を握りしめる。

 

 

「こいつで憎たらしい悪魔を、私を蔑ろにしたあいつらを、私に傷をつけた忌々しい『クウガ』を、」

 

 

彼から放たれた殺気で顔を青ざめる他の堕天使。

中には気絶する者までいた。

 

彼は握りしめた物を天に掲げ呟いた。

 

 

殺してやる

 

 

黒光りするUSBメモリのような物を持って・・・・・

 

 

 

To Be NEXT ⇒




ドーナシークが持っていた物とは・・・・
レイナーレはどうなる・・・・
一誠の特訓は・・・・

いきなり次回予告

はぐれ悪魔に近寄る『クウガ』ではない金色の戦士が・・・・
そして金髪の聖女と出会い運命が動き始める・・・・

次回『ハイスクールD×D×R』

イッセー死す


イ「勝手に俺を殺すな~~~~」

ひ「わりー、思いつかんかった」

イ「俺の扱いひどくね」

ひ「しょうがないよ、イッセーだもの」

イ「あんまりだ~~~~」


ひ「まぁ、次回もよろしく」
 「あっ、感想、評価もね」

イ「さりげねー」


チャン♪チャン♪





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1×9:俺達、驚きます!

最初に謝っておく

アーシアちゃん遭遇シーンまでかけまへんでした。
誠に申し訳ございません。

ですので最後に申し訳ない程度で出してます。
次は絶対に出会わせます。

オデ、ヤクソク、マモル

では、本編START↓


~Side:イッセー~

 

 

時刻は深夜0時

俺と神崎さん、オカ研メンバーはとある場所に来ていた。

 

 

「あのー、なんでこんな場所に」

 

「実は依頼があってね、放課後に説明したはぐれ悪魔の討伐依頼よ」

 

(確か主人を殺したり、逃げ出したりしたらなるやつだよな)

 

「討伐対象はバイザーと呼ばれるはぐれ悪魔ですわ」

 

「主人から逃げ、欲望のままに好き勝手暴れて人間や悪魔を襲っている報告があがっていますわ」

 

「そいつはかなり危険なんじゃ」

 

 

俺は初の戦闘かと思うと不安が湧き出ていた。

 

 

「イッセー大丈夫よ、今回は役職の説明も兼ねてほかの眷属の戦いを見学してちょうだい」

 

「うっす」

 

 

今回は戦わずにすみ、少し安心してしまった。

 

 

(いやいや、安心してる場合じゃない、早く強くなって俺がみんなを守るって決めたんだから)

 

「神崎さんもいいわね」

 

「わかった、危険が迫った時は手を出させてもらうよ」

 

 

『変身』と言い赤いクウガに変身する神崎さん。

すると神崎さんから俺達に警告する。

 

 

「どうやらはぐれさんが来たようだ」

 

 

神崎さんの見つめる方を向くと、そこに1人の女性がいた。

 

その女性は上半身が裸で胸も見えてしまっている状態だったが性欲は全くわかなかった。

何故なら下半身が人間のとは違い異形の四足が付いていた。

 

 

「うえっ、なんだあいつ」

 

「あれがはぐれ悪魔バイザーよ」

 

 

見た目のグロテスクさに吐き気を催しながらも耐えたが、バイザーが言葉を発した。

 

 

「人間は私のディナー、私が食べてあげるわ」

 

「いや、ご遠慮したいね」

 

 

激しく同意である。

 

 

「バイザー、人間や悪魔を襲うあなたを排除するわ」

 

「私の邪魔を、スルナーーー」

 

 

バイザーが俺達に向かって走り出してきた。

 

 

「祐斗」

 

「はい、部長」

 

 

リアス部長に呼ばれ、木場がみんなの前に立つ。

 

 

「イッセー、クウガさん、お勉強の時間よ、まずは騎士(ナイト)の駒について」

 

 

そして、木場は何もない所から剣を出現させてバイザーに向かって走り出した。

 

 

「なっ!木場が消えた!!」

 

「いや、高速で移動したんだよ」

 

 

木場は一瞬でバイザーの懐に潜り込み、斬撃をあたえる。

 

 

騎士(ナイト)の駒はスピードの上昇を受けるわ、そして武器は剣」

 

 

木場の素早い動きにバイザーは翻弄され、次々とダメージを受けていた。

 

 

「結構速いけど僕ほどではないね」

 

「くそ、こんな時までイケメンしやがって」

 

「まあまあ」

 

 

イケメン憎しと思っていると戦闘にも動きがあった。

バイザーが木場の間合いから抜け、今度は少し離れて待機していた小猫ちゃんに向かい出した。

 

 

「小猫ちゃん!!危ない!!」

 

「大丈夫よ、イッセー」

 

小猫ちゃんに打撃を与えるが、小猫ちゃんは腕でガードし攻撃を防いでいる。

 

 

戦車(ルーク)の駒は防御力の上昇と、攻撃力の上昇を受けるわ」

 

「吹っ飛んでください」

 

 

小猫ちゃんがバイザーに向けて拳を突き出すと、バイザーが一撃で数メートルも吹っ飛んでしまった。

 

 

(俺、小猫ちゃんに逆らうのは絶対やめとこ)

 

 

今ここに新たな誓いを立てた。

 

 

「朱乃」

 

「はい、リアス」

 

木場と小猫ちゃんはいったん下がり、姫島先輩が前に出る。

 

 

女王(クイーン)の駒は全ての駒特性を兼ね備えた最強の駒なのよ」

 

「あらあら、どうしましょうか」

 

 

掌から”バチバチ”と電撃の音を鳴らし、頭上まで上げた。

 

 

「悪事を働く悪い子には雷のお仕置きですわね」

 

 

そういうとバイザーの頭上から特大の雷撃を放った。

 

 

「ギャーーーーーー」

 

 

バイザの断末魔が響き渡る中、リアス先輩がさらに情報を付け加えた。

 

 

「あと、彼女は究極の”S”よ」

 

「まだまだ、元気そうですわね、ソレ」

 

「ギャーーーーーー」

 

「うふふふ、いいわ~」

 

 

断末魔が聞こえる中、高揚の笑みをしてバイザーに電撃を与え続ける”S”副部長。

 

 

(真に逆らってはいけないのはこの人だったか)

 

 

また一つ悟りを開いた俺だった。

そんな中、戦闘が良くない方向に動いてしまった。

 

 

「ワタシヲナメルナー」

 

 

なんとバイザーが雷の攻撃から抜け、説明を受けてる俺とリアス部長の元へ向かってきた。

 

 

「リアス!イッセー君!避けて!!」

 

「「部長!!」」

 

 

もう、バイザーが近くまで迫っており回避も不可能と感じた。

リアス部長の方も想定外の行動だったようで攻撃に繰り出せそうになかった。

俺はもうダメかと思っている中、赤い物が前を遮った。

 

 

「グレモリーさんに一誠君、油断は禁物だよ」

 

 

俺とリアス部長を守ってくれたのは神崎さん、クウガの姿だった。

 

 

「フン」

 

 

クウガさんが数発パンチを入れ、バイザーがよろける。

そしてすかさず胸にキックを入れ、バイザーから距離を取る。

 

 

「今度は俺についての勉強もとい復習だ」

 

 

そう言ってクウガさんが俺に問題を出した。

 

 

「じゃあ、一誠君、俺が今まで『超変身』したフォーム名と能力を述べよ」

 

「えっと・・・今の赤い姿がマイティフォーム

「近接格闘が得意なクウガの基本フォームですよね」

 

 

俺は事前に聞いてきたクウガの特徴について思い出しながら答えていった。

クウガさんがバイザーと戦いながら「正解っと」と言う。

 

 

「俺が見た青い姿はドラゴンフォーム

「スピードとジャンプ力が上がるけどパンチ力が落ちてるからロッドを用いて攻撃するですよね」

 

「正解」

 

「昨日のの姿はペガサスフォーム

「聴覚や嗅覚などの感覚が上昇し、ボウガンを使用して戦うフォーム」

「でも、五感が上昇しすぎて脳に負担がかかってしまうから長時間の変身はできない」

 

「大正解、フンッ」

 

「グッ・・・・」

 

 

クウガさんの連撃でバイザーはかなり弱っているようだった。

 

 

「あと一つは確か・・タイタンフォームですよね?」

 

 

名前までは聞いていたが、それがどんな能力なのかは聞いていなかった。

 

 

「じゃあ、実演と行こうか」

 

 

そしてクウガさんはフォームチェンジする時の構えになり叫んだ。

 

 

超変身

 

 

すると、複眼の色が紫色に変わり、鎧はシルバーをベースに縁が紫色をしており、

マイティフォームに比べ鎧も厚くなっていた。

さながら、その姿は甲冑を着た騎士のような見た目だった。

 

 

「シネーーーーーー」

 

 

バイザーがクウガさんに向けて攻撃を放つが、クウガさんはビクともしなかった。

 

 

タイタンフォームは鎧を見ての解るように防御力が高い、並大抵の増しては弱って威力の落ちている攻撃は効かない」

 

 

クウガさんは腕をバイザーに構え一発のパンチを放つ。

すると、マイティフォームの時とは段違いに吹き飛んだ。

 

 

「パンチ力も上がってるんだけどデメリットもあってね」

 

 

クウガさんがゆっくりと歩き始め、バイザーに近づく。

 

 

「この鎧は結構重くてね、機動力が他のよりだいぶ落ちてしまうんだよ」

 

「そしてタイタンフォームにも専用武器がある」

 

 

そう言うとクウガさんの手に鉄でできた警棒のような物を持っていた。

次第にその姿を変え、一本の長剣へと変わった。

 

 

「専用武器タイタンソード、剣をイメージできる物を変形させて作り出す長剣さ」

 

 

動けないでいたバイザーに近づき剣を構えた。

 

 

「これで終わりだバイザー」

 

「ワタシガ、サイキョウダーーーー」

 

「フンッ」

 

剣を頭上まで上げ、一気に振りおろし、バイザーを両断した。

するとバイザーは

 

 

「こんなところかな『超変身』」

 

 

クウガさんはマイティフォームに戻り、俺達の方に戻ってきた。

 

 

「助けて下さってありがとうクウガさん」

 

「気にしなくていいよ、ただこれからは気をつけないとだめだよ」

 

 

クウガさんがさりげなく注意して、はぐれ悪魔バイザーの討伐は終わった。

 

 

「それじゃあ、私達は魔方陣で戻るのでクウガさんは・・・・」

 

「ああ、バイクで戻るから安心して」

 

 

そう言うと神崎さんの後ろにいつも乗っていたバイクがあった。

 

 

「じゃあ、先に戻ってるわね」

 

「ああ、またあとで」

 

 

そうして、俺達オカ研メンバーは魔方陣の光に包まれた。

 

”キーーーン”

 

転移する直前に金属の反響したような音が聞こえたがいったいなんだったのだろうか。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:???~

 

 

「ふぃ~~、何とか逃げられたようだな」

 

「にしてもバイザーのヤツは本当にアホな奴だったな、知能が低いから仕方ねえがな」

 

 

バイザーとリアス・グレモリーの戦いを遠くから見ており、自身に危険が及ばないよう

俺は決着がついた後、すぐにその場を逃げ出した。

 

 

「まぁ、はぐれ悪魔でも理性がしっかりしてるヤツは珍しいがな」

 

 

独り言をしゃべりながら自身が攫ってきた獲物の場所まで移動した。

 

 

「さてと、お食事の時間だ、やっぱり若い女の肉が一番だよな」

 

「うー、うー」

 

 

目の前にいる女は手足を束縛し、声を出させないよう口に布を突っ込んでテープで塞いでいる。

 

 

「それじゃあ、まずは腹を裂いて新鮮な臓器でもいただきますか」

 

 

元の人間の姿から腕を変化させ異形の姿へと変えた。

 

 

「それじゃ~ EAT TIME START」

 

 

腹に鋭い爪を入れようとした瞬間、何かがその腕をはじいた。

 

 

{フューーーン}

 

 

それは茜色をした小さな鳥だった。

次に数匹の蛇のようなものが体にくっつく。

 

 

「クソッ、なんグワァーーーー」

 

 

巻きついたやつがいきなり放電をした。

それを全て振り払い、辺りを見渡す。

 

 

「クソ、誰の仕業だ!!出てこいよ!!」

 

 

そう言い放つと後ろからまた衝撃が伝わる。

 

 

「ガッ、今度はなんだ!!!」

 

 

後ろを見ると小さな角の生えた青い石でできた馬がいた。

 

 

「クソッ、消え去れ」

 

 

魔力弾を先程の馬に放つ。

 

 

「俺の食事を邪魔しやがって、出てこい、殺してやる」

 

 

するとある方向から”コツコツ”と足音が聞こえる。

音の方向に向いたとき、照明の光が目に当たり、上手く姿を捉えられなかった。

次の瞬間、相手が懐まで走ってきて俺に数発のパンチを繰り出してきた。

 

 

「グハッ、嘗めやがって」

 

 

全身を変化させた。

その姿は、もはや人とは言い難く、物語に出てくる悪魔のような歪な姿に変わった。

次第に相手の姿も見えてきた。

 

相手はついさっき見た『クウガ』と呼ばれる仮面野郎に似ていたが別の姿だった。

赤い複眼金色の角で色は同じだが角の形が違っており、さっき見たより角が長くなっている。

また、鎧の色は赤でもシルバーでもない金色に変わっている。

うろ覚えだったが腰についているやつも異なる形状をした物になっている。

 

 

「おめぇは、バイザー殺した『クウガ』ってヤツか、ああん」

 

「・・・・・・」

 

 

相手は無言のまま答えずに俺に近づいてくる。

 

 

「何か言えっての・・・・グフッ」

 

 

接近して鋭い爪で攻撃しようとしたら腹部にクロスカウンターを受け吹っ飛ばされる。

アイツは俺が離れたことをいいことに女性の束縛を解き、女を逃がした。

 

 

「テメェ!!何勝手に逃がしてんだー」

 

 

再び、俺は襲いかかるがたちまち回避され反撃を受けてしまう。

 

 

(クソッ、強すぎるここは引くしかねぇ)

 

 

俺はアイツの攻撃に対して吹っ飛ぶフリをして距離を取った。

 

 

「フン、お前みたいなヤツに付き合ってられるか」

 

 

そう言い、相手の逆方向へ走って逃げ出す。

追ってきてないか一度後ろを見たらそこには奇妙なことが起きていた。

 

アイツが構えると地面に紋章のようなものが出現し、

アイツの角が外側に展開し計6本に変わった。

そして腕をスライドし、左足を引くと紋章が右足に吸い込まれていった。

 

俺は瞬時にやばいと判断したが、一度止まってしまったのがいけなかった。

再び逃げようと走り出すが、アイツが跳躍する。

 

そして、俺の背中にエネルギーのたまった右足のキックが炸裂した。

 

 

「チクショウ、ナンデ、コノオレガーーーー」

 

 

体が爆散し命を絶った。

 

 

「S級はぐれ悪魔トーラス討伐完了」

 

 

そして『金色の戦士』はその場を立ち去った。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:リアス~

 

 

「遅いわよ、神崎さん」

 

「すまない、ちょっと道中で人助けをしていてさ」

 

 

神崎さんがだいぶ遅れて戻ってきた。

 

 

「まぁ、いいわよ」

 

 

神崎さんがソファに座り、メンバーが全員揃う。

 

 

「みんなお疲れ様、そして神崎さんありがとう」

 

「ああ、みんな無事で良かったよ」

 

 

たいしたはぐれ悪魔ではなかったけれど目立った外傷がなく戻ってこれたのは幸いだった。

みんなの安全に安堵していると神崎さんから質問を受けた。

 

 

「グレモリーさん、残りの駒の特徴を教えてくれないかな」

 

「えぇ、まずは僧侶(ビジョップ)ね」

 

僧侶(ビジョップ)の駒は魔力の上昇させるわ」

 

「魔力は魔法を使う為のエネルギーと言う考え方で間違いないよね」

 

「えぇ、そうよ、さっき朱乃の使っていたのも魔法なのよ」

 

 

「うふふ」と笑いながら朱乃は掌から小さい電撃を出す。

 

 

「人間には宿っているのかい?」

 

「人間にもあるけどかなり少ないのよ、稀に大きな魔力を持つ人間もいるけどね」

 

 

歴史的にも魔術師や呪術師のような存在は基本は人間が行っているため、

大きな魔力を持つ人間が存在しないと言うことはなかった。

 

 

「駒の話に戻すわね、次はイッセーの兵士(ポーン)だけど・・・」

 

「うっす」

 

「通常状態では特に能力を持たない最弱の駒になるわね」

 

「・・・・へ?」

 

「え~~~~!!!!」

 

 

少し間を開けてイッセーが驚く。

 

 

「何だよ、俺は最弱かよ」

 

「もう、イッセー、話は最後まで聞きなさい」

 

 

イッセーに注意を入れるが

 

 

「だって何も能力ないんすよね、あんまりですよ~~~」

 

「まあまあ、一誠君『通常時は』だよ」

 

 

と神崎さんがフォローを入れた。

 

 

(流石神崎さんだわ、彼なら気づくと思ったわ)

 

「一誠君、『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』はチェスを基盤にしている駒なのはわかるよね」

 

「うっす」

 

「チェスのルールは知ってるかい?」

 

「いや、将棋みたいなゲームぐらいにしか」

 

「チェスには昇格(プロモーション)と言うルールがあってね、

兵士(ポーン)が相手の陣地の奥まで行くと昇格して他の駒になることが出来るんだよ」

 

「へ~、なるほど」

 

「仮設だけどこのルールが悪魔の駒(イーヴィル・ピース)にも適用されてると考えると・・・」

 

「相手陣地に入れば昇格(プロモーション)し他の駒の能力を得ることが出来るって所かな」

 

 

そう言うと神崎さんが私に目を向ける。

 

 

「えぇ、正解よ」

 

「王、つまり私が『敵の陣地』と認めた場所に行くときにすべての駒に昇格することが出来て

その能力を使用できるようになるわ」

 

「つまり」

 

「戦い方次第では度の駒よりも強いってことだね」

 

「うぉ~~~、俺っ、頑張るッス」

 

 

イッセーが立ち直り、やる気に満ち溢れていた。

 

 

「以上で駒の説明は終了よ」

 

「ちょっと待ってくれ、『(キング)』の駒はないのか?」

 

「えぇ、『(キング)』の駒だけは製作されていないわ」

 

「初めて作った際に、その強力さゆえに危険だったから製作を中止したそうよ」

 

「なるほど、説明ありがとう、グレモリーさん」

 

 

こうして、実演を用いた『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』及び『クウガ』についての勉強が終了した。

 

 

============================================

 

 

「明日からは悪魔稼業について説明と実践をするからまた放課後は部室に集合よ」

 

「いいわね、イッセー、神崎さん」

 

「ああ、解った」

 

「了解です」

 

 

そして本日の悪魔活動が終了し、全員解散となったのだが、

私と朱乃と神崎さんの三人で部室に残っている。

何やら、神崎さんから相談事があるとの事だった。

 

 

「それで、相談とは何かしら?」

 

「ああ、そのことなんだが・・・・・」

 

 

神崎さんの話を聞き、少し考え結論を出した。

 

 

「ええ、お兄様に頼んで2日後には問題なく()()()()()

 

「あらあら」

 

「ありがとう、この事は内密に頼む」

 

 

(フフ、あの子達の驚く顔が見れそうだわ)

 

 

~Side out~

 

 

~Side:イッセー~

 

 

はぐれ悪魔討伐から2日が立った。

それにしても昨日は大変だった。

 

俺だけ魔力が足らずに転移できなくて神崎さんに依頼者の元まで送ってもらったり、

依頼者のうち1人は、ムッキムキな肉体に猫耳ゴスロリの衣装を着て、

魔女っ子に憧れる乙女心を宿した「漢の娘」が

「自分を魔法少女にしてほしいにょ」と言いてきたのである。

まぁ、なんだかんだで魔法少女物のDVDを一緒に見ることになり案外、仲良くなった。

 

 

(でも、初日からハードすぎだ)

 

 

そして、登校したら同じクラスの桐生藍華に全校朝礼があることを教えてもらった。

 

 

「なんでも、新しくうちの学校に相談室を設立したんだってさ」

 

「相談室~?」

 

 

そんなことの報告の為に、体育館に朝から召集されるとはまったくもって不本意であった。

こうして重い足取りの中、体育館へと向かった。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:ソーナ~

 

 

私達生徒会は急遽行われる全校朝礼の設営準備をしていた。

 

 

「でも、急にどうして相談室なんて設立したのでしょうか?」

 

「私もリアスから詳しく聞いていないけど、昨夜に魔王様からの依頼状が届いていたわ」

 

 

手紙の内容は、『新たな人材』をそちらに置くため相談室を設立するとのことだった。

魔王様自らの決定であった為、『新たな人材』とは悪魔側の人材を

派遣して抱けるということは文脈から読み取れたが、

 

 

(人名を伏せているのは何故かしら?リアスからも何も言ってこないし)

 

 

疑問は残っていたが、朝礼まで時間もないことから、考えるのをやめ、設営準備に取り掛かった。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:イッセー~

 

 

「今回、全校朝礼を開いたのには理由があり、

この度、学園の新校舎1階にて新たに相談室を設立しました」

 

 

桐生が言っていたように、相談室の件だった。

 

 

「昨今では、イジメによる学校問題が多発しており、

精神的なダメージを覆うような被害が他校で起きているのです」

 

 

確かに、世間ではイジメに関するニュースが多いが

最近の高校生なんかが相談室など利用するだろうか。

気怠い中で足を運んだのに興味のない話の為、早く終わらないかと考えていた。

 

 

「現在、駒王学園ではイジメなどの報告はありませんが

イジメ未発への対策として学園に心理カウンセリングの先生をお呼びすることになりました」

 

「それでは神崎先生、よろしくお願い致します」

 

 

(ん?神崎先生?・・・・いやいや、まさか・・・・)

 

確かに「用がある」と言い、神崎さんは先に家を出たが、ありえないだろう。

すると、女子達が次々と黄色い声援が放たれる。

 

 

「キャー」

 

「超イケメンじゃない」

 

「カッコいい~~」

 

「イケメン先生×木場キュン・・・キターーー」

 

(何、このデジャブ感・・・・)

 

 

黒いスーツ用ズボンに白いYシャツ、そしてその上から白衣を着ている男性が

ひな壇の前に来て俺は・・・いや、俺達は驚愕した。

 

 

「皆さん静粛に・・・神崎先生お願いします」

 

「みなさん、初めまして」

 

「この度、この学園で新しく相談室の担当となりました、心理カウンセラーの神崎 正義です」

 

「また後程、各教室にて相談室の使用方法など別途お伝えするので

ここでは簡単にあいさつを済ませていただきたいと思います」

 

「生徒の皆様、そして先生方、今後ともよろしくお願い致します。」

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:三人称~

 

 

「会長?会長どうしました!」

 

「・・・・・////」

 

ソーナは顔を赤くし機能停止していた。

 

 

「あが・・・・・・」

 

「イッセー、何で口を開けたまま檀上を見てるんだよ、教室に戻るぞ」

 

「お~い、壇上には誰もいないぞ~」

 

「そんなやつほっときなさいよ、どうせ神崎先生がイケメン過ぎて気絶してるんでしょ」

 

「「イッセー諦めろ」」

 

 

何か、松田と元浜と桐生が話しかけてきていた気がする・・・・・・へ?

 

 

====================================

 

 

はたして、駒王学園に心理カウンセラーとして入ってきた神崎正義の考えとは・・・・

 

そして、一方・・・・・

 

 

「主よ、どうか私をお導き下さい・・・」

 

 

ある1人のシスターが駒王町に訪れようとしていた。

 

 

 

To Be NEXT ⇒

 




いかがだったでしょうか。

原作とは違い、別のはぐれ悪魔(オリジナル)を出しました。
しかもS級と結構強気で出してしまいました。

『金色の戦士』と同じく平成ライダーで使用されてきたグッズも登場させましたが
三つともわかりましたかね?

そして神崎さんが駒王学園にはたしてどうなるのやら・・・・


ひ「では、またらいしy」

イ「いやいや、次回予告は!!!」

ひ「そんなものはなかったんだよ・・・」

イ「先週やったわ!!確かに予告と展開が違ったけど今回もまじめにやれよ」

ひ「はいはい、やりゃーいいんでしょ」


次回 『ハイスクールD×D×R』

何でイッセーが・・・・(サイレンの音)


ひ「来週もよろしく♪」

イ「来週の俺、何やったの!?」

 「てか、何で俺ばっかなんだよ」

ひ「主人公補正」

イ「そんな補正いらねえよ」

ひ「うるさい(怒)、来週もよろしく♪」

イ「逆ギレって、おい!!何勝手に終わろうと・


チャン♪チャン♪


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1×10:シスター、出会います!

GWの木曜に投稿しようとしたがいろいろと出掛けてしまい執筆終わんなかった。

だが、やっとアーシアちゃん本格的に出せたー(アーシアちゃんかわいい)

やっと・・・やっとだよ・・・・


果たして、原作と違ってどうなるのか、続きを・・・・・




~Side:イッセー~

 

 

神崎さんが駒王学園に赴任してきた日の放課後。

 

俺は相談室の備品を買うべく、神崎さんの買い物について行った。

 

 

「何で、赴任してくるの黙ってたんすか」

 

「ハハハ、みんなを驚かせようと思ってね」

 

 

何でもリアス部長に頼んで魔王様から赴任させていただいたのだとか。

 

 

「しかも、オカルト研究部の顧問にも任命されたんですよね」

 

「これなら、一誠君達をより近くから見守れるし、就職先にもなったから良かったよ」

 

「それにしても心理カウンセリングなんてできたんですか?」

 

「一応、必要になりそうな資格とかは取得していたんだよ」

 

「戦争孤児や兵士のストレス等に対して精神的にケアをすることが必要になると思ったから

精神医学の科目も受けたりしたんだよ」

 

「なんかすごいっす」

 

神崎さんがハイスペック過ぎることに驚くしかなかった。

こうして神崎さんの凄さを確かめながら歩いていくと神崎さんが歩みを止めた。

 

 

「神崎さん、どうしました?」

 

「いや、一誠くんはここで少し待っててくれないか」

 

 

そう言うと神崎さんが数メートル先にいた、修道服の女性の元へと向かっていた。

 

 

(何かトラブルかな?俺も行くか)

 

 

俺も神崎さんの後を追った。

 

 

「神崎さ〜ん、どうしたんですか?」

 

「いや、この子がどうやら道に迷っていたようなんだ」

 

 

神崎さんが向かった先にいたのは俺と同い年ぐらいの金髪の女の子で

修道服を着ており、胸には十字架のネックレスを身に着けていた。

 

 

「日本に来日して間もないみたいで、日本語が話せなくて道を聞くにも聞けなかったんだって」

 

「あの、あなた達は?」

 

(あれ?日本語で聞こえるけど?)

 

 

神崎さんが言うには日本語が喋れないとの事だったけど、日本語で聞こえた。

 

 

「私が神崎正義、もう一人が兵藤一誠君だ」

 

「ども、気軽にイッセーって呼んでくれ」

 

「神崎さんにイッセーさんですね、私はアーシア・アルジェントと申します。」

 

「よろしければ私のことはアーシアと呼んでください」

 

 

やはり日本語で聞き取れるし、日本語でしゃべっても伝わる。

この事について神崎さんに小声で確認をとった。

 

 

「彼女、日本語で喋ってませんか?日本語で聞き取れるんですけど」

 

「悪魔になったことで言語理解の能力が身についたからさ」

 

 

「グレモリーさんが説明していたよ」と返され、確かに言っていたような気がする。

神崎さんはアーシアに向き合い、彼女の目的地を聞いた。

 

 

「それでアーシアさんはどこを目指しているのかい?」

 

「はい、この近くの教会に向かいたいのですが・・・」

 

 

話によると、アーシアは遥々外国から、この近くの教会に配属されたらしい。

 

 

(あれ?この近くの教会ってたしか誰もいなかったような・・・)

 

「確かにこの近くに教会があったはずだよ、ちょっと待ってね・・・・」

 

 

神崎さんがスマホを操作して地図を調べる。

 

 

「あった、歩きで行ける距離だね」

 

「本当ですか、ありがとうございます」

 

 

地図を見させてもらったがやっぱり俺が知っている教会であった。

 

 

「まだ地理になれていないだろうから案内するよ」

 

 

神崎さんがアーシアに案内を申し出た。

 

 

「ありがとうございます、すみませんがよろしくお願いします」

 

 

深々とお辞儀をするアーシア。

神崎さんは「気にしないで」と頭を上げさせる。

 

 

「じゃあ、一誠君、俺はアーシアさんを送っていくから先に部室に戻ってくれないか」

 

「えっ?」

 

 

意外なことを言われてしまい一瞬思考が停止してしまった。

買い物もまだ終わっていないため自分もついていくつもりだった。

 

 

「神崎さん、買いもフゴッ」

 

 

神崎さんが俺の口に手を当て言葉を遮る。

そして耳元に小声で話しかけてきた。

 

 

「一誠君、君は悪魔だよ、デメリットを思い出すんだ」

 

 

(デメリット、確か・・・・あっ)

 

 

俺は自分の過ちに気づいた。

悪魔は聖なる力が弱点だとリアス先輩から聞いていた。

 

 

(つまり、教会に行くなんて自殺行為・・・・)

 

(フンッ、バカだな)

 

(うるせい)

 

 

心の中でドライグにもバカにされてしまった。

神崎さんは俺から手を放し俺に向き合う形となった。

 

 

「分かりました、俺は先に戻らせてもらいますね」

 

「アーシアもまたな」

 

「ありがとう、グレモリーさんにもこの件を伝えといてくれ」

 

「はい、それじゃあ、また部室で」

 

 

そして俺は神崎さん達と別れ、駒王学園へと戻った。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

俺は一誠君と別れ、アーシアさんとともに教会に向かい歩みを進めた。

 

 

(それにしても一誠君は少し危なっかしいね)

 

 

自分の弱点について理解が疎かった一誠君に対して再度教えないといけないと心に誓った。

すると、隣で歩いていたアーシアさんから声を掛けられる。

 

 

「それにしても神崎さんはすごいですね、イタリア語も違和感なく喋れてますし」

 

「海外に行くことが多かったからね、それで必要だったから覚えたまでさ」

 

「海外ですか?」

 

「ああ、世界各国にいろいろな調査や旅で周ったんだよ」

 

「すごいですね、他にも他国言語を喋れるんですか?」

 

「数か国程度なら一般生活に支障が出ないぐらいは喋れるよ」

 

 

自分が訪れた国の話を当たり障りなく話しながら進んむと、

目の前の小さな男の子が転んでしまい、泣いてしまった。

俺達は男の子の場所までより声を掛けた。

 

 

「大丈夫かい?今、消毒してあげるから」

 

 

俺は自前の救急セットを荷物から取り出そうとするとアーシアさんに止められた。

 

 

「私に任せてください」

 

 

そう言うと彼女は男の子の擦りむいた膝に手をかざし始めた。

すると、アーシアさんの中指に指輪が出現し男の子の膝を覆うように若葉色の光に包まれた。

傷が次第に小さくなり、ついに綺麗さっぱり消え去っていた。

 

 

(治癒の神器か・・・)

 

 

「わー、すごい」

 

 

男の子は立ち上がり、その場で軽くジャンプした。

 

 

「ありがとう、お姉ちゃん」

 

 

男の子はお礼を言い、走り去っていった。

 

 

「あの男の子は?」

 

「ああ、『ありがとう』だってさ」

 

 

男の子の言葉を教えてあげると彼女はうれしそうに微笑んだ。

 

 

「それにしても驚いたよ、まさか魔法が使えるんだね」

 

「いえ、この指輪は魔法とは少し違うんですけど、それでも神様から頂いた素晴らしい力なんです」

 

 

アーシアさんは言葉では素晴らしいと言っていたが表情は哀愁に満ちていた。

 

 

「あっ、あそこが教会ですね」

 

 

彼女が指をさした方を見るとそこには大きな教会が見えた。

 

 

「神崎さん、ありがとうございます」

 

「いや、無事に辿り着けそうで何よりだよ」

 

「もしよければ少し教会でお茶でもいかがですか?」

 

 

アーシアさんからお茶の誘いを受けたが彼女に答える。

 

 

「すまない、先約があってね」

 

「そうなんですか」

 

「申し訳ないが、気持ちだけ受け取るよ」

 

 

俺は角が立たぬようにアーシアさんに断りを入れた。

 

 

「あとこれを・・・はい」

 

 

俺はアーシアさんにスマホの番号と駒王学園の住所を書いたメモを渡した。

 

 

「これは?」

 

「何か困ったことがあれば連絡してくれ、日本はまだ不慣れだろうからね」

 

「何から何までありがとうございます」

 

「日本に来てすぐに神崎さんみたいな、親切で優しい方に出会えて、とても幸せです」

 

「ただ困っている人を放っておけないだけだよ」

 

「それでもとても素晴らしいことです、誰にでもできることではありませんよ」

 

 

彼女の言葉は穏やかでいて透き通っており、俺の心にとても響いた。

 

 

「それでは、また」

 

「ああ、またな」

 

 

彼女、アーシアさんが教会に向け足を進めた。

 

そして俺は彼らにお願いする

 

 

3()()()()頼む」

 

{ティーン}{デデデン}{ピンポン}

 

 

音を鳴らし3()()()()()()()が彼女の後を追った。

 

 

「俺も戻るか」

 

 

桜の花が描かれている錠前、『ロックシード』を手元に出現させ

それを展開させた。

 

俺は展開されたバイク、『サクラハリケーン』に乗り、駒王学園へと向かった。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:リアス~

 

 

「すまない、遅くなった」

 

「ええ、問題ないわ、あなたこそ大丈夫だったの?」

 

 

イッセーが帰ってきてから約1時間後に神崎さんが戻ってきた。

イッセーに事情を聞いたらなんでも道に迷っていた修道女を教会まで案内していたのだとか。

 

 

「ああ、俺は人間だから無害だからね、彼女も一誠君が悪魔だとは気づいていなかったはずだよ」

 

「安心したわ、イッセーも無事で何よりよ」

 

 

神崎さんとイッセーの無事に心から安堵した。

 

 

「本当にすみませんでした」

 

「ええ、反省してるようだし許してあげるわ」

 

 

イッセーが教会に向かおうとした事を聞いたときは肝が冷えたけれど、

今となっては無事で帰ってきたため、軽くしかる程度に済ませていた。

 

 

(まぁ、神崎さんも一緒にいたから何も心配していなかったけど)

 

「イッセーは今後は絶対に教会へ近づいちゃだめよ、いいわね」

 

「はい、以後、気を付けます」

 

「神崎さんも、悪魔とは協力関係でいるからあなたも気を付けてね」

 

「ああ、警戒は怠らないようにするよ」

 

 

二人とも私の心配事を理解してくれたようだった。

 

 

「それじゃあ、今日の部活を始めましょうか」

 

 

~Side out~

 

 

~Side:イッセー~

 

 

「やっと着いたー」

 

現在は夜中。

俺は毎度の事ながら魔法陣での移動ができないため、今回は自転車で依頼主の住所まで向かった。

 

 

(いつまでもバイクで送ってもらうのは悪いからな~)

 

(元は小僧の魔力が低いせいだがな)

 

(だからお前は一言余計だっつーの)

 

 

俺はドライグにからかわれながらも依頼主の自宅の呼び鈴を鳴らした。

 

 

「すみませ~ん、依頼を受けた悪魔ですけど~」

 

 

呼び鈴をもう一度押したが反応がなかった。

 

 

「もしも~し、留守ですか~」

 

 

俺は声を出しながら確認し、あまりにも反応がないため、

玄関に鍵が掛かっている事を確認しようとドアノブを確認する。

 

 

「あれ?空いて!!!!」

 

 

玄関のカギは空いていたが、開けた瞬間に血生臭いにおいと急激に襲った悪寒に息を潜めてしまった。

 

 

(何だこのにおい、それにこの悪寒は・・・・)

 

 

俺の体はとてつもなくこの家に入ることを拒絶していたが、

俺は玄関の戸を開け、ゆっくりと中に入っていった。

 

 

(何やってんだよ俺!!早く戻れ!!引き戻せよ!!)

 

 

俺は唯一、明かりの点灯していた部屋を覗き込んだ。

 

 

「ウッ、なんなんだよこれ!!!」

 

 

俺が見た先には手足が切り落とされた男性の死体がそこにあった。

 

 

「これはこれは、悪魔さんではあ~りませんか」

 

「!!!」

 

 

俺は声のするほうに向くとそこには白髪赤眼の男性が立っていた。

 

 

「俺の名はフリード・セルゼン」

 

「とる悪魔祓い協会に所属している少年神父で~ございますよ」

 

「なっ、神父!!」

 

(しかもこいつ悪魔祓いって)

 

 

ふざけた口調のフリードに対し俺は言葉を発する。

 

 

「おい、お前がこの人を」

 

「悪魔に頼るなんて人として終わってます、エンドですよ」

 

 

赤い瞳をぎらつかせ彼は宣言した。

 

 

「だから私が殺してあげたんです~」

 

「クソみたいな悪魔とクソみたいに魅入られたクソを退治するのが俺の仕事なんで」

 

 

そういうとフリードは懐から拳銃と短い取っ手のようなものを出した。

そして取っ手のようなものから光が棒状に伸びていった。

 

 

「光の剣!!」

 

「今からこの刃と弾丸であなたにフォーリンラブ、しちゃいまっす!!!」

 

 

フリードは俺に向かって光の剣を突き出してきた。

 

 

「うぉっ」

 

{小僧!!何やってる、死にたくなければ早く出せ}

 

「あら!?よけちゃっても意味ないですけど、はいっ、バキューン」

 

 

フリードの持つ拳銃から弾丸が放たれる。

 

 

「(ヤバイ)神器(セイクリッド・ギア)

 

 

”キッン”と銃弾が籠手にあたり、何とか当たるのを避けた。

 

 

「ありゃ、何ですかそれ?祓魔師(エクソシスト)特製の弾丸を弾くなんて何なんすか、それは」

 

「クソッ」

 

(ダメだ、俺じゃあいつに勝てそうにない)

 

(いくら俺が特訓して強くなったとはいえ、戦闘慣れしてるヤツには勝てない)

 

 

俺は勝てないと見切りをつけ、フリードの攻撃を避ける事だけに専念した。

 

 

「クソ悪魔、ちょこまかするなよ、フンッ」

 

「簡単に殺されてたまるかよって、うぉっ」

 

 

地面に落ちていた雑貨に足を取られて体形を崩してしまった。

 

 

(ヤバい、殺される)

 

「おや、ラッキー♪それじゃ、さようなら~」

 

 

フリードが剣を振り下ろそうとした時にある悲鳴により手が止まった。

 

 

「キャー」

 

「おんやー」

 

「!!」

 

 

何と悲鳴を上げていた人物は今日であったアーシアだった。

 

 

「助手のアーシアちゃん、結界張りは終わったのかな~」

 

 

アーシアは男性の死体を見て、言葉が出ないでいた。

 

 

「アーシアちゃんはまだ新人でしたな~」

 

「クソ悪魔を頼るクソ人間はこのように神に変わって裁くのが俺たちのお仕事な~んだよ」

 

「そんな・・・えっ!!」

 

 

アーシアは俺の存在に気づき、驚きの表情を見せた。

 

 

「なんでイッセーさんが・・・」

 

「おれまっ、このクソ悪魔とお知り合いなんですか」

 

「イッセーさんが悪魔、それじゃ、神崎さんも」

 

「それは違う、悪魔は俺だけだ」

 

「カンザキサン?誰ですか~それ?」

 

神崎さんの名前が知られてしまいまずいと感じたが、

言ってしまった事については仕方ないと腹をくくる。

 

 

「まぁ、どっちにしても悪魔と人間は相いれましぇ~ん」

 

「ましては僕らは堕天使の加護なしでは生きていけないですからな~」

 

(堕天使!!!)

 

「まぁ、サクッとお仕事を終わらせまひょ」

 

 

そして再度、俺に剣を振るおうとするフリードにアーシアが間を割って俺を守るように入ってきた。

 

 

「おいおいマジですか、何やっとるんですかアーシアちゃん」

 

「フリード神父、どうかイッセーさんをお許しください」

 

「アーシア」

 

 

俺を、悪魔を守るため俺の前に立つアーシア。

 

 

「何言ってんのかな、アーシアちゃんは」

 

「私はイッセーさんがそんなに悪い悪魔には見えません」

 

「それにこんな事は、主もお許しになるはずがありません」

 

「ハァ~~、バカこいてんじゃねーよ」

 

 

フリードが怒りに身を任せ、アーシアに対し剣を振るった。

 

 

「キャー」

 

「アーシア!!!」

 

俺はアーシアを庇おうと手を伸ばすが、フリードの斬撃は避けられないと確信していた。

 

(クソッ、俺はまた守れないのか)

 

 

 

 

{デデデン}

 

”ガキン”

 

「んなっ!!!」

 

 

結論を言うとフリードの斬撃は弾かれアーシアに届くことはなかった。

 

 

「な~にをやった、このクソ悪魔!!!」

 

「これは・・・」

 

 

近くにいたのは紫色のミニカーだった。

 

 

「俺様の邪魔するな」

 

 

再び、突撃してくるフリードだが今度は別の者に遮られた。

 

 

「グフォッ」

 

「フ~、一誠君にシスターさん、大丈夫だったかい?」

 

 

目の前に現れたのは神崎さん・・いや、『仮面ライダー』だった。

ただ、目の前の姿は見覚えのない仮面ライダーの姿だった。

 

 

「クウガさん?」

 

「いや、俺の名は『ドライブ』」

 

 

『ドライブ』と名乗った仮面ライダーはマスクも鎧も機械的になっており、

ベルトも腕につけているブレスレットも鉄のような素材でできていた。

マスクには前頭部に『R』のアルファベットが、

ベルトの中央には赤く『S』のアルファベットが描かれ、

ブレスレットには黒いミニカーのような物が付けられていた。

カラーリングは黒をベースに肩と手首足首に紫色の線が入っていた。

 

 

「まぁ、プロトタイプだけどね」

 

「俺様の邪魔をするなって~の」

 

 

再び突撃してくるフリードに対し、それを避けては的確にパンチを放つ。

 

 

「動きが単調すぎだ、それに宣言してからの攻撃は当たんないよ」

 

「グッ、グフッ、ガハァッ」

 

「こっちは時間がない、もう終わらせるぞ」

 

 

『ドライブ』はそう言うと、ベルトの摘みを捻り、

ブレスレットに付いているミニカーを3回、上下に倒した。

 

 

{スピ!スピ!スピード!!}

 

 

とベルト側から音が流れ、『ドライブ』がフリードに対し、とても速いスピードのラッシュを放った。

 

”ドンッ”と悲鳴を上げる暇もなく、壁に叩きつけられ、フリードは意識を手放した。

 

 

「よし、終了だ」

 

「ありがとう、『ベルトさん』」

 

『ドライブ』は変身を解き、いつもの神崎さんの姿へと戻った。

 

 

「神崎さん!!」

 

「やぁアーシア、こんばんわ」

 

 

俺はあまりの急展開に声を発せずにいたが、神崎さんから指示が出される。

 

 

「とりあえずここは危険だ、堕天使がこっちに向かってきている」

 

「えっ!!!」

 

 

聞くところによると数体の堕天使がここに向かっているとの事だった。

 

 

「グレモリーさん達は部室で待機しているから一誠君も急いで戻ろう」

 

「ウッス」

 

「そしてアーシアさん、君はこちらで保護させてもらうよ」

 

「えっ?」

 

「大丈夫、俺を信じて」

 

 

アーシアはどうすればいいのかわからないようだったが、

数秒悩んだ末に「はい」と回答し、俺達3人はオカルト研究部の部室へと向かった。

 

 

 

To Be NEXT ⇒




次回予告

・・・

イ「あれ?『ひま先』居ないんだけど」

 「お~い」


・・・・・

イ「あの野郎、バックレやがった!!」

 「俺が次回予告とか無理なんですけどってなんかメモ入ってる」


メモ{この話の感想とか言って適当に次回予告しといて byひま先}


イ「あいつ絶対絞める、次回絶対絞める」
 
 「はぁ~感想か、てか、俺一人だから「」いらないか」


感想

いや~、今回はやっとアーシアが登場したよな。
ホント、前々回の予告やっとかなったって感じだな。

それにしてもアーシアを追った3台って俺の見たミニカーの1台なのか?
どうしてアーシアについていかせたんだろう?

そしてフリードとの初遭遇だったな。
俺は神崎さんの特訓で攻撃を避けたりできたけど、
俺の過酷な特訓描写はいつ書いてくれんだよ、あいつは(怒)

そして新ライダー『プロトドライブ』。
ほんの少ししか見れなかったがかっこよかったな~


長くなったが次回予告

{助けて・・・・助けて・・・・}

{フハハハ、これが俺たちの力だ}

{グレモリーさん達、騙していてすまなかった}

{俺が助けて、あんたの希望になってやる}


次回 『ハイスクールD×D×R』

1×11:指輪、輝きます!


イ「次回もよろしく」

 「んっ、カンペ?」


カンペ

 「もしかしたら午後投稿するかも!!!」


チャン♪チャン♪



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1×11:指輪、輝きます!

お待たせしました。
GWにもう一話乗せようと思ってましたが無理でした。すまん。

そして今回は10000字を超えてしまった!!!
ウィザード出すために話を盛りすぎた結果、超大作となってしまいました。
ですので気長に読んでいってください。

さぁ、小説タイムだ!(`・ω・´)


~Side:マサヨシ~

 

 

「さて、説明してもらおうかしら」

 

 

俺、一誠君、アーシアの3人は現在オカルト研究部の部室で事情説明を要求されていた。

 

 

「ああ、まずは一誠君から頼む」

 

「はい」

 

 

一誠君は依頼者の事、悪魔祓いの神父と対峙したこと、そして、

 

 

「アーシア、加護のことを言ってもいいか?」

 

「ッツ・・・・はい」

 

「加護とは何のことかしら」

 

「フリードってヤツが言ってたんです」

 

「僕らは堕天使の加護なしでは生きていけないって」

 

「なるほど、つまりあなたははぐれシスターってことね」

 

「はぐれシスター?」

 

「『教会』から追放された者のことですわ」

 

「ちなみにそのフリードっていう人もそうなるね」

 

「はい、私は教会を追放され、堕天使の方々に保護していただきました」

 

「なぜ、あなたのことを保護したのかしら?」

 

 

グレモリーさんの疑問に対しては俺が答えた。

 

 

「それは彼女が神器所持者(セイクリッド・ギア ホルダー)だからだ」

 

「何ですって!!」

 

「・・・・」

 

 

グレモリーさん達が驚く中、説明を続けていく。

 

 

「グレモリーさんから渡された資料を軽く読んだけど、堕天使陣営が神器(セイクリッド・ギア)を収集してるとあったからな」

 

「だから、彼女の神器(セイクリッド・ギア)目的で保護した・・・」

 

「たぶんそれで正解だ」

 

 

俺自身も資料に目を通しただけだったため、具体的な回答はできなかった。

そして、俺が知っているのは彼女の身の危険だけだった。

 

 

「アーシアさんだったわよね、あなたの神器(セイクリッド・ギア)と堕天使に保護された時のことを話してもらえないかしら」

 

 

グレモリーさんが事情を聞こうとするがアーシアは言葉を発せられないでいた。

 

 

「グレモリーさん、俺とアーシアさんの2人で話させてくれないか」

 

「彼女は悪魔を信用していいのかという疑問を抱いているんだ、だから頼む」

 

 

彼女は考えるそぶりを出して、俺の頼みに答えた。

 

 

「ええ、分かったわ、5分間だけ席を外します」

 

 

彼女は部員を引き連れて部室から出て行ってくれた。

 

 

「さぁ、お茶でもしようか」

 

 

~Side out~

 

 

~Side:アーシア~

 

 

今、私は悪魔の人達のところに連れられてきて、神崎さんと二人っきりになりました。

”カチャン”と私の前に紅茶の入ったカップが置かれた。

 

 

「俺のお気に入りのアールグレイだ、冷めないうちにどうぞ」

 

 

そして私の前に、砂糖の瓶とミルクを置く。

あの時と変わらず、優しく接してくる神崎さんを見て、ずっと不安を感じている。

 

神崎さんは悪魔なのか、あの優しさは演技なのだろうか、今

 

 

「目の前にいる人を信用していいのだろうか・・・かな」

 

「!!!」

 

 

神崎さんは私の思っていた事を的確に当てた。

 

 

「そうだね、最初の疑問から解決しよう」

 

 

そう言うと彼は、ネックレスのロザリオを外して机においてくれとの事だった。

私は彼の言う通りにロザリオを置くと彼はすっと手を伸ばした。

 

 

「ダメ!!」

 

 

もし悪魔であったのなら触ったらとてつもない激痛を襲ってしまう。

しかし、私の心配は杞憂に終わった。

 

 

「うん、綺麗なロザリオだね」

 

 

彼はロザリオを何事も無いように吟味していた。

 

 

「この通り、俺は悪魔じゃないよ」

 

「ありがとう」と言い、私にネックレスを返してくれた。

 

 

「本当に君は優しい子だね、修道女でありながら悪魔の身も心配してくれるなんて」

 

「だから私は『魔女』なんです」

 

「『魔女』とはどう言う・・・」

 

 

「私の、アーシア・アルジェントの物語です」

 

 

===================================

 

 

生まれて間もなく私はヨーロッパの大きな教会の前に捨てられました。

その教会に拾われ、それから私は修道女として生きていくことになったのです。

 

八歳の頃、怪我をしていた子犬が教会に迷い込みました。

私は子犬を救ってくださいと1人で必死に祈り続けていました。

 

すると、奇跡が起こりました。

 

その後、私は大きな教会に移動し、世界中から訪れる信者の病や怪我を治すよう言いつかりました。

私は自分の力で人々のお役にたてる事が本当にうれしく思いました。

 

そんなある日、私は怪我をした男の人に出会いました。

偶然出会ったその男性は、『悪魔』だったのです。

 

悪魔を治療する『魔女』め

 

そして私は、異教徒と認定され教会から追放されました。

 

 

===================================

 

 

神崎さんは私の話を聞き、悲しんでいたし、教会に対して怒りの表情を見せたりしていた。

しかし、

 

 

「君は頑張ったんだね、アーシアさんの生き方は何一つ間違っていないよ」

 

 

私に向けられた最初の言葉は同情でも憐みでもなく、私の人生の肯定だった。

 

 

「私は・・・本当に正しかったんですか」

 

「ああ、よく頑張ったね、アーシア」

 

 

神崎さんが私の横に移動し、私の頭を胸元まで軽く引き寄せ、優しく頭を撫でてくれました。

私は涙を流し、泣き叫んでしまいました。

 

追放された時のつらさ、『魔女』と呼ばれ蔑まされる日々、

今まで我慢して自分の中に溜め込んでいた感情が彼の優しさに触れ、一気に吐き出された。

 

 

「グスッ・・・すみません、服を汚してしまって」

 

「気にしないで、ほら、このハンカチを使って」

 

 

神崎さんからハンカチを借り、目元を拭う。

初めて会った時や現在も、私は彼の優しさにとても助けられていると感じた。

 

では、なぜ人間である神崎さんが悪魔と共にいるのか気になった。

それに私を助けてくれた時の姿はなんだったのか。

 

 

「おっと、もうそろそろ五分たってしまうな」

 

「えっ、あっ、その、ハンカチありがとうございます」

 

 

急に残り時間が少ないと言われ、慌てて変な事を言ってしまい恥ずかしい思いをしました。

 

 

「ハハッ、そんなに慌てなくても大丈夫だよ」

 

「今度はこっちの話だね、なぜ悪魔と行動してるかだね」

 

 

神崎さんは堕天使に命を狙われた事を、イッセーさんが転生して悪魔になったことも。

 

そして神崎さん達を襲った堕天使が・・・・

 

 

「そんな・・・レイナーレ様がそんなこと」

 

「君は彼女の事を知っているのか」

 

「はい、堕天使の方々にお世話になる時にレイナーレ様が私のお世話をしてくれてたんです」

 

「レイナーレ様はとても仲良くさせていただき、色々なお話をしました」

 

「世の中の常識だったり、憧れの話、好きな本のお話だったり色々とレイナーレ様とお話しました」

 

「私もレイナーレ様に教えて貰った本が大好きで忘れられない思い出なんです」

 

 

あの時の楽しかった時間が鮮明に思い出されていく。

とても暖かくて、心地よい二人でいた時間を.

 

 

「それはどんな話なんだ?」

 

 

「よくあるのような童話なんですけど、化け物の姿に変えられたお姫様を

魔法使いが希望の魔法で化け物からお姫様に戻して助ける話なんです」

 

「その童話は『希望の魔法使いと呪われし姫』っていうタイトルなんですよ」

 

「最後には二人が結ばれて終わるお話で、私たちもこんな恋をしたいと二人で話していました」

 

「けど・・・・・」

 

「彼女とは会えなかったのか?」

 

「はい、他の方々に聞いても知らないの一点張りで」

 

 

すると神崎さんは、手を顎に当て何かを考えているようでした。

 

 

「神崎さん、どうしましたか」

 

「レイナーレさんは行方不明ってことだよね」

 

「ええ、私が来る前の日から姿が見えないそうです」

 

 

神崎さんはさらに集中して何かを考えているようだった。

 

 

「あのー」

 

 

声を掛けようとしたその時”コンコン”と扉をノックする音が部屋に響いた。

 

 

「ちょっと、いつまで待たせるのよ」

 

 

扉を開け、リアス・グレモリーさん達が入ってきた。

 

 

「さぁ、十分話はできたでしょ、それで今後の対策はどうするの?」

 

 

皆様が元いた席につきました。

私はまだ不安を抱えながらもこの話し合いに参加しました。

 

 

(でも、レイナーレ様がなんで・・・)

 

 

話し合いの最中、心の中にその事だけがずっと引っかかりました。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

「それじゃあ、まずは現状をまとめるぞ」

 

 

・堕天使が秘密裏に行動している

・悪魔の介入を快く思っていない

・神器所有の疑いがあるものの排除

・教会に潜伏

 

 

「そして、アーシアの神器(セイクリッド・ギア)を堕天使が引き抜こうとしている」

 

「「「「「「!!!!」」」」」」

 

「ちょっと、それは本当なの!!」

 

「ああ、俺が独自に調査してわかったんだ」

 

「神崎さん、アーシアさんの神器(セイクリッド・ギア)はどのような物なのですか?」

 

 

木場君に聞かれ、俺は包み隠さず答えることにした。

 

 

「彼女は治療系統の神器(セイクリッド・ギア)だ」

 

「治療系ですって!!」

 

「えっ、そんなに珍しいのか、木場」

 

「うん、あまり見かけない珍しい神器(セイクリッド・ギア)だよ」

 

「すまないが話を続ける」

 

「彼女の神器(セイクリッド・ギア)は即効性で怪我をすぐに治療し、回復させる効果がある」

 

「奪いたいと思われる程の力はあるようですわね」

 

 

そう、アーシアの持つ力はとても強力なものであった。

仮に戦闘派の者がこの力を持ち、戦場に立てば、致命傷を負うまで倒れなず、

回復し続けるほぼ不死身の戦士が誕生してしまう。

 

 

「そうなってしまったら・・・」

 

「私達もただじゃすまないわね」

 

「だからこそ、俺は彼女を救うべく保護した」

 

「それに、ドライグから一度聞いたが神器(セイクリッド・ギア)は強制的に引き抜かれると所有者は絶命する」

 

 

つまり、堕天使はアーシアさんを殺して、神器(セイクリッド・ギア)を奪おうとしているのだ。

 

 

「私利私欲のために、命が奪われるのはあってはならないことなんだ」

 

「だから俺は、自分の力を持ってアーシア・アルジェントを護る」

 

「神崎さん・・」

 

 

アーシアさんに対して目を向け、俺の意思を表明した。

 

 

「神崎さん、弟子の俺もアーシアを全力で護ります」

 

 

一誠君も賛同の声を上げてくれた。

 

 

「ありがとう、一誠君」

 

「よし、それじゃあ、みんなで堕天使のところに殴り込みに」

 

「駄目よ」

 

 

一誠君の声を遮るようにグレモリーさんから一言放たれた。

 

 

「そんな、どうしてですか部長」

 

「敵の戦力もわからない、あの包帯の怪人、そして堕天使の光の力」

 

「アーシアさんの保護は構わないけど攻め込むのは反対よ」

 

「危険しかないです」

 

 

グレモリーさんと塔城さんに抑えられ少し冷静になる一誠君。

 

 

「俺もそれには賛成だ、今日、明日で情報を得てから動こう」

 

(それに何か嫌な予感がする、屑ヤミーの件も気になるし)

 

 

俺は何時になく不安を感じていた。

怪人の事なのか、はたまた堕天使の事なのか。

 

 

「それじゃあ、アーシアさんの件なのだけれどいいかしら」

 

「ああ、構わないよ」

 

「それで今日の寝泊りをイッセーの家でお願いできないかしら」

 

「えっ、俺ん家ですか?」

 

「学園じゃだめなのか?」

 

「一応、彼女は敵側の人間に当たるから、ソーナが警戒するかもしれないわ」

 

 

確かに、それも一理あるがシトリーさんはかなり頭が切れるため

話せば事情は分かってくれるはずだからあまり問題はないはずだ。

とすると別に考えが思いつくが・・・・

 

 

「それにイッセーの家なら神崎さんもいるし問題ないでしょうしね」

 

「やっぱり、俺が理由か」

 

 

でも俺が勝手に保護してここまで話を進めてきてしまったためここは仕方なく腹をくくるとする。

 

 

「あっ、でもどうやって母さん達に説明しよう」

 

「フフッ、それはあたしに任せなさいイッセー」

 

 

どうやらグレモリーさんに良い策があるようで、それに乗ることにした。

 

 

「それじゃあ、朱乃、裕斗、小猫は各自、情報の収集に専念して頂戴」

 

「神崎さん、イッセー、アーシアさんは私とイッセーの家まで行くわよ」

 

 

各々が動き始め、行動を開始した。

 

 

 

===================================

 

 

結局のところ、アーシアの滞在が決まった。

グレモリーさんは催眠の魔法を使おうとしていたのでそれを止め、

結果、『ホームステイ先の家が葬儀の為、父方の実家に帰省してしまったため』

と言う話でお願いしたら、

 

 

「こんなかわいい子の為なら大歓迎」と快く、受け止めてくれた。

 

 

心の中で謝罪し、事無きを得たのであった。

俺はパソコンを使用し、現在考えていたことをレポートにまとめていたところ

”コンコン”とノックする音が聞こえた。

 

 

「神崎さん、入ってもよろしいでしょうか」

 

「ああ、大丈夫だよ」

 

 

「失礼します」とは言ってきたのはパジャマを着たアーシアさんの姿だった。

 

 

「ごめんね、すぐイッセーの部屋に移動するから」

 

 

今回は空き部屋が無かったため、俺はまたイッセー君の部屋で寝て、

俺の使っていた部屋でアーシアさんが寝ることになっていた。

 

ノートパソコンを閉じ、部屋を出ようと立ち上がると

「待ってください」とアーシアさんに止められた。

 

 

「実は聞きたいことがあるんです」

 

「ああ、話が途中で終わってしまったからね」

 

 

俺は「良いよ」言い、アーシアも近くに腰を下ろす。

 

 

「2回目に私を助けてくれた時の事なのですが、あの姿は・・・」

 

「あの姿は君と同じ神器のようなものだよ」

 

「仮面ライダードライブ」

 

「かめんライダー?」

 

「市民を怪人から守る、熱い刑事さんの正義の力なんだ」

 

 

===================================

 

以前に俺の頭に流れ込んだ記憶

 

 

{追跡!撲滅!いずれもマッハ!仮面ライダーマッハ!!!}

 

{人間を救うのは・・・・俺の本能なのかもしれない}

 

{当然のことをしたまでです、だって私・・・あなたのバディですから}

 

{start your engine}

 

{ひとっ走り付き合えよ!}

 

{drive type スピード}

 

 

===================================

 

「あの神崎さん?」

 

「ああ、ごめん」

 

 

少しぼーっとしてしまい、話しが途切れてしまった。

 

 

「よし、それじゃあ少し出かけるか」

 

「えっ?」

 

 

と疑問を浮かべるアーシアさんに自分のコートを羽織らせ、

一誠君にも一言言い、アーシアを連れ、バイクに乗り込んだ。

 

 

「あの、どこ行くんですか」

 

「内緒だよ」

 

 

そう言ってバイクを走らせ一時間かからないぐらいで目的地に着いた。

 

 

「すごい、綺麗です」

 

「ああ、本当にな」

 

 

俺達が見ているのは何もない浜辺と海が見える高台だったが、

空には多くの星が輝いており、そしてその光が海に反射して綺麗に輝いていた。

 

アーシアさんの反応を見るため顔をのぞくと彼女は涙を流していた。

 

 

「ごめんなさい、あまりに綺麗すぎて涙が」

 

「大丈夫」

 

「えっ?」

 

「俺が、いや俺達が絶対に君を護る、だから安心してくれ」

 

「はい」

 

 

彼女は微笑み、頷いた。

 

 

 

===================================

 

 

 

{プップー}

 

俺は勢い良く飛び起き、アーシアが寝ているはずの部屋へと入っていった。

 

 

「クソッ、一誠君、緊急事態だ」

 

「どうしたんですか~こんな時間に〜」

 

「アーシアがいなくなった」

 

 

部屋の中には人はおらず、「さようなら」と書かれた紙が部屋に残っていた。

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:アーシア~

 

 

「よく戻ってきた、アーシア」

 

「ドーナシーク様・・・・」

 

 

私は深夜ポケットの中に入っていた紙を読み、家を出て公園まで来た。

 

 

「それでレイナーレ様はどこですか!無事なんですか!」

 

「それは教会で説明するよ、さぁ、来るんだアーシア」

 

 

ドーナシーク様は私に向かい手を伸ばした。

 

”ウ”ゥオオン”

 

私は低いその音を耳にした。

その音はつい先ほどども聞いた音なので間違えるはずもなかった。

 

近づくのは1台のバイク、ドーナシーク様の周りにいる魔法師が火炎弾などを放つが

そのバイクは華麗に避け、次第に近づきました。

 

バイクはスピードを落とさずドーナシーク様に近づきます。

接触する直前に空を飛び、衝突は逃れました。

 

彼は私とドーナシーク様の間にバイクを止め、

バイクから降り、ヘルメットを外しました。

 

 

「貴様、何者だ」

 

「翼は治ったようだな、アーシアに直してもらったのか」

 

「なっ!!貴様はあのクワガタなのか!!」

 

「アーシアをあんた達に渡すわけにはいかない」

 

 

彼は腰に大きめなベルトを出しました。

 

 

「神崎さん・・・」

 

変身!!!

 

 

彼が叫ぶと体が変化して、赤い戦士の姿に変わりました。

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

変身!!!

 

 

俺はクウガマイティフォームに変身し、構えた。

 

 

「フッ、フハハハハハハハハハ」

 

「待っていたよ、赤いクワガタ」

 

 

目の前の堕天使の男は凶器の笑みを浮かべ、俺を見つめる。

 

 

「この私、ドーナシークの翼に傷をつけた愚かな虫」

 

「あの時からあなたを始末したかったんですよ、フハハハハ」

 

 

ドーナシークから殺気を放たれるも無言を続けた。

 

 

「恐怖で声が出ないか、さすが虫けらだな」

 

「こちらからの要求がある」

 

「なに・・・・・」

 

「アーシア・アルジェントを開放し、二度と前に現れるな」

 

 

俺はドーナシークに対して交渉に打って出た。

 

 

「虫けらの分際で俺に命令するな」

 

 

ドーナシークは光の槍をだし、俺に突撃してくる。

 

 

「フンッ」

 

 

槍を寸前に軽く避けて、顔面に正拳突きを叩き込む。

殴られたドーナシークは軽く数メートル吹っ飛ぶ。

 

 

「虫けらの分際で、クソ虫が!!!」

 

「これで懲りないとわな、来いよ、相手になってやる」

 

 

何度も俺に向かってくるがたちまち攻撃を避け、その度にカウンターを放つ。

 

 

「ガハッ」

 

「お前じゃ、俺には勝てない」

 

「ふざけるな~~~~~~」

 

 

ボロボロになりながらも立ち上がり、いまだ殺気を放ち続けていた。

そんなドーナシークに魔法師の一人が近寄り、「準備できました」と囁いた。

 

 

「おい、準備とはなんだ!!!」

「わかった、ここに連れてこい」

 

 

ドーナシークの横に魔方陣が浮かび、そこから1人の堕天使の女性が出てきた。

 

 

「「レイナーレ(様)!!!」」

 

 

現れたレイナーレは手と足に枷がついており、衣類を身にまとわず、体は傷だらけだった。

 

 

「アーシア!!!レイナーレを殺されたくなければ私の元に来い、今すぐにだ」

 

 

ドーナシークはレイナーレの首元に槍を近づける。

 

 

「クソッ」

 

 

俺はとっさにレイナーレを救出しようと動こうとしたが、

 

 

「おっと、動くなよ虫けら、レイナーレの首が飛ぶぞ」

 

「グッ」

 

 

ドーナシークに従い、その場で動きを止める。

 

 

「神崎さん、ごめんなさい」

 

「クソッ、アーシア!!!」

 

 

アーシアはゆっくりと歩み、ドーナシークの元に近づいた。

 

 

「良い子だ、アーシア、ヒヒッ」

 

「キャッ」

 

 

近づいたアーシアの腕を乱雑に引っ張って自身の元へと寄せた。

 

 

「アーシアがこちらに来たことで1つ目の計画は完了だぁ、次はおまえの番だ虫けら」

 

「何?」

 

「私はお前を絶対に潰すと決めたんだ、これから実行させてもらうぞ」

 

「アーシアとレイナーレを人質に俺を叩きのめすつもりか」

 

 

今の俺は手出しできない状況にあるため、可能性は十分にあった。

 

 

「いいや、圧倒的力でねじ伏せてやる、そして無残に潰してやるよ」

 

 

そう言うとドーナシークは懐から黒い物体を出した。

 

 

「なっ!!」

 

「さぁ、レイナーレ」

 

 

レイナーレに向かい合い、手元にある()()()()を見せた。

 

 

「い・・や・・、いた・・いの・・や・・・だ」

 

「なぜ、おまえがそれを持っているんだ」

 

 

レイナーレは、()()()()に対し拒絶反応を示していた。

 

 

「さぁ、害虫駆除をしてくれ」

 

「答えろ、何でお前が・・・」

 

「『ガイアメモリ』を持ってるんだよ!!!」

 

 

ガイアメモリとは『仮面ライダーW』の作品におけるライダーや怪人に変身するためのアイテムである。

ドーナシークが持っていたものはUSBメモリの形をした()()()()()()()()であった。

ガイアメモリの中央には白くアルファベットの『 C 』が描かれている。

 

 

「いや・・だ、や・・め・て、い・・ゃ」

 

 

そして、ドーナシークはガイアメモリのボタンを押す。

 

 

キメラ

 

 

「キメラ?なんだそのガイアメモリは!!!」

 

 

俺はキメラのガイアメモリについては記憶がなかった。

なぜなら、『W』の作中には出てこなかったメモリであるからだ。

 

 

「さぁ、あの虫を潰せ」

 

 

ドーナシークはキメラメモリを頭上に上げ、レイナーレに向かって振り下ろす。

 

 

「なっ!!!やめろ!!!」

 

 

メモリはレイナーレの首元から刺さり、体内へと入っていった。

俺はすぐに異形の怪人の姿に変わると予想していたが、

顔に『W』の変身時に浮かび上がる特徴的なラインが出るだけであった。

 

 

「この『キメラメモリ』は単なる()()()さ」

 

「なんだと?」

 

「これを使う事により、複数のメモリを相性にも関係なく一度に使用できるようになるのさ」

 

「キメラ・・・『合成獣』ってことか」

 

「その通りだ、虫けら」

 

「そして今回はこれを使う」

 

 

ドーナシークは茶色い『 L 』ガイアメモリと深緑の『 G 』のガイアメモリを出した。

 

 

()()実験により見つけた最高の組み合わせだ、ヒャハハハハ」

 

リザードマン

 

グリフォン

 

 

その2本を躊躇なくレイナーレの首元に刺す。

 

 

「グワァァァァァァァァァァァァァァァァァ」

 

「そんな、レイナーレ様!!!!」

 

GUUUUU、GYAAAAAAA!!!!!!

 

 

レイナーレは完全な怪人へと姿を変えた。

全長は2メートル弱の2足歩行。

上半身は茶色い硬い皮膚に覆われ、下半身は腿のあたりが膨らみ緑がかった毛で覆われていた。

手はトカゲのような鍵爪を持つ手で、足はワシのような鳥の独特な足になっていた。

顔はトカゲなような顔に鳥のクチバシが付き、くちばしの中には鋭い歯が並んでいる。

背中には緑と黒の羽に覆われた大きな羽があるのが特徴的だった。

 

 

「素晴らしい、キメラドーパントだ」

 

「さしずめ、リザードマンとグリフォンだから『グリフォザードドーパント』か」

 

 

『合成獣 グリフォザードドーパント』が俺の前に立ちはだかる。

 

 

「ついでにおまけだ」”パチン”

 

 

ドーナシークが指を鳴らすと魔方陣が現れ、そこから屑ヤミーが現れる。

チッと軽く舌打ちをし、現在の状況をどう打破するか考えていた。

 

 

(この数を相手にするのはさすがに厳しいぞ、特にドーパントはどうすれば)

 

 

ただ、考えがまとまるまで待ってくれる相手ではなかった。

ドーパントは羽を使い上空に浮かび、滑空して俺に体当たりを仕掛けてくる。

俺は転がるように避け、衝突を防ぐが、再び突っ込んでくる。

 

 

「クソッ」

 

「さぁ、潰せ、殺せ、食い尽くせ!!!!」

 

「レイナーレ様!!!やめてください、レイナーレ様」

 

 

アーシアが必死に叫んでもドーパントは反応を示さない。

何度も避けていると周りに屑ヤミーが近づき、回避しづらくなっていた。

 

屑ヤミーに対して打撃を放ち、引きはがそうとした。

しかし、

 

 

「がぁぁーーー」

 

ヤミーを巻き込みながらドーパントが突進してきて、ついに当たってしまった。

まるで鉄球に打ち付けられたかのような衝撃が走り、俺は吹っ飛ぶ。

 

 

GYAAAAA!!!!!!

 

 

やってやったと言わんばかりに咆哮を上げている。

 

 

「神崎さん、大丈夫ですか」

 

 

アーシアではない、別の声が聞こえる。

 

 

「イッセーさんにみなさん」

 

 

グレモリーさん達がやっと着いたようだ。

 

 

(これなら、ヤミーを任せられる)

 

「みんな、包帯の方を任せてもいいか」

 

 

俺がそう言うと、全員が頷く。

 

 

「師匠の頼みを聞けない弟子なんてここにはいないっすよ」

 

{Boost}

 

「僕も神崎先生にお願いされたら断れないかな」”チャキィン”

 

「今度、おいしいお菓子をお願いします」

 

「あらあら、しょうがないですわね」”バチバチ”

 

「こちらは任せて頂戴、行くわよみんな」

 

「「「「はい、部長」」」」

 

 

俺の横を通り過ぎ、各々が屑ヤミーに対して攻撃を放っていく。

 

 

「助かるよ、俺もやることやらないとな」

 

 

そして俺は再びドーパントと向き合った。

 

 

(突撃されて解ったがが皮膚が硬いな・・・だったら)

 

超変身!!!

 

 

俺はタイタンフォームへとチェンジして、ドーパントの元に走った。

 

 

「フンッ、ハッ」

 

 

俺は腹部に対しパンチを放つがあまり効いていないように見えた。

ドーパントはパンチを放つ俺に対して自身の爪で攻撃してくる。

 

 

「クッ・・・鎧のおかげでダメージは少ないけどジリ貧だ」

 

 

俺は『トライアクセラ―』を出現させ、剣に変えようとしたらドーパントが距離を取った。

 

 

「??」

 

「おや、距離を取ったということはアレをやるのか」

 

 

すると、近くにいた塔城にドーパントは狙いを定めた。

ドーパントはクチバシを開け、光のエネルギーを圧縮させていた。

 

 

「塔城!!!危ない!!」

 

 

光のエネルギーが塔城に向かって放たれた。

 

 

「「「「小猫(ちゃん)」」」」

 

 

だが、塔城は無事だった。

 

 

「グァッ・・・・」

 

「かん・・ざき・さん」

 

「ぶ、無事か、塔城」

 

 

俺が塔城の盾になることで直撃を防いだ。

俺自身相当なダメージを受けており、鎧からは”ジュウ”と音を出しながら煙が上がっている。

 

 

「私は大丈夫でしたけど神崎さんが!!!」

 

「なら問題ない、よかったよ」

 

 

俺は塔城から目を離し、ドーナシークに顔を向ける。

 

 

「今のは堕天使の光の力だな」

 

「ご名答だ、あれはドーパントとなることによって力の増した光、『光熱線』だ」

 

「喰らえば、人であろうと悪魔であろうと即蒸発だ」

 

 

ハッハッハっと高笑いをするドーナシークから目を逸らす。

 

 

「おい、レイナーレ狙うなら俺を狙え!!!」

 

 

俺は『トライアクセラ―』を『タイタンソード』に変え、ドーパントに突っ込む。

 

 

「ウラァ」

 

GYAUUU!!!!

 

 

剣で切りかかっても爪で防がれ、硬化した皮膚に防がれてしまう。

剣と爪がぶつかり、鍔迫り合いになる。

 

 

「おい、レイナーレ!!!」

 

 

俺は必死に叫んだ。

 

 

「このままだと、本当にアーシアが死ぬぞ、それでお前はいいのか」

 

Guuuuu

 

「答えろ!!!!」

 

 

ドーパントの勢いが弱まり、相手を押し返す。

すると、ドーパントは頭を押さえながら苦しみだした。

 

 

イ・・タイ、タス・・ケ・・・テ、アー・・シア

 

「意識が戻ったか!!!」

 

「チッ、このままでは終わらせん」

 

 

すると、ドーナシークはシルバーの『 G 』と描かれたガイアメモリを取り出す。

 

 

「クソ、まだ持っていたのか」

 

「ゥゥゥゥゥゥ」

 

ギガント

 

 

ドーナシークはボタンを押し、ドーパントに向け、投げた。

『ギガントメモリ』は体に吸収され、ドーパントはさらに姿を変えた。

 

 

「師匠こっちは終わりました・・って何だこいつ!!!」

 

「『ギガントメモリ』もキメラと同様に特殊なメモリでな」

 

「ドーパントの体を巨大化させ、力も何もかもを上げる()()()()()()()()だ」

 

 

目の前には元の『グりフォードドーパント』の姿はなかった。

体は肥大化し、全長5メートル程の4足歩行に変わり、

背中には翼以外にも剣のように刃になっている硬皮の触手を4本も持っていた。

 

 

「レイナーレ様・・・・」

 

 

アーシアは泣きながらあまりの変わりように声すら上げれなくなっていた。

 

 

GYAAAAAA!!!!!!

 

 

叫びあげた瞬間、くちばしを開く動作を始めた。

 

 

「!!!」

 

 

俺はこの動作に気づき、全員に叫んだ。

 

 

「おまえら!!!散れ―――!!!!!」

 

 

そして、先程よりも範囲の広い、『光熱線』が放たれた。

何とか全員避けたが、あたった地面から”ジュウジュウ”と音がする。

 

 

「おまえらは離れてろ!!!」

 

「そんな、神崎さんを置いていけないっす」

 

「離れろ!!」

 

 

より力を込めた言い放った。

 

 

「さぁ、圧倒的な力に対してどう立ち向かうんだ、虫けらよ」

 

「悪魔は使い物にならない、自分の攻撃も聞かない」

 

「そうさ、倒すことなど、不可能なのだよ」

 

 

淡々と言い放つドーナシーク。

俺は『ギガントドーパント』に近づき、剣を振い続けた。

 

 

「無駄無駄無駄無駄なのだよ、ヒヒッ」

 

 

何度も近づくが、前足の蹴り上げをくらい、ついに変身が解除され、倒れてしまった。

 

 

「なんだ~、元の姿に戻ってしまったじゃないか」

 

 

様々な箇所から出血しているが足に力を入れ立ち上がる。

 

 

「神崎さん!!!」

 

「来るな!!!アイツは俺が救う!!!」

 

 

よろめきながら歩みを進める。

 

 

「もうやめてください!!」

 

「アーシア」

 

「ドーナシーク様、どうか神崎さんを殺さないでください」

 

「私はどうなろうと構いません!だから神崎さんを・・・皆さんを見逃してください」

 

 

アーシアは必死にドーナシークに対してお願いする。

だが、それこそ俺が許せなかった。

俺はドーナシークが口を開く前に叫んだ。

 

 

「アーシア!!」

 

「俺は約束した、お前を護るって」

 

「そんなのはもういいんです」

 

「いいわけない!!!!」

 

「俺は決めたんだ、アーシアを殺させないって、助けを求めるレイナーレを救うんだって」

 

「なんで、そんなに・・・」

 

「だって俺は『()()()()()()』だから、『()()()()』だからだ!!」

 

 

俺はアーシアに対して微笑みかけ言い放った。

 

 

「フン、下らん、その体で何が出来る」

 

 

確かに俺の体には限界が来てる。

でも、ある1つの童話を思い出した。

化け物に姿を変えた姫を魔法使いが救う話を。

 

 

「グレモリーさん、騙しててすまない」

 

「あなた、急に何を・・・」

 

「アーシア、俺に話してくれた童話を覚えているか」

 

「えっ?」

 

「化け物に姿を変えた姫を魔法使いが救う童話さ」

 

 

俺は喋りながらギガントに歩みを進める。

 

 

「希望の魔法を使って元の姿に戻す魔法使いの話」

 

 

そして俺は、あのベルトを出現させる。

 

 

{ドライバー・オン}

 

 

俺の腰に、金縁の黒い手形の突いたシルバーのベルトが装着される。

 

 

「だったら、()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

左右のレバーを押し、手形を傾けると独特な音楽が流れる。

 

 

{♪~シャバドゥビタッチ・ヘーンシーン!!♪~シャバドゥビタッチ・ヘーンシーン!!}

 

 

左側についてる赤い石の指輪を左の中指につける。

 

 

「俺がお前の・・・レイナーレの希望になってやる」

 

 

中指に着けた指輪のバイザーを動かす。

 

 

「変身」

 

 

俺は左手を手形にかざした。

 

 

フレイム・プリーズ

 

 

左に赤い魔方陣が現れ、音楽あわせて俺の体を通過して姿を変えていく。

 

 

{♪~ヒーヒー・ヒーヒーヒー

 

 

「貴様はいったい何者なんだ!!」

 

「仮面ライダーウィザード」

 

 

俺はドーナシークの問いに答え、再び、ドーパントの姿になったレイナーレを見つめる。

 

 

(待ってろレイナーレ)

 

「さぁ、ショータイムだ!」

 

 

 

To Be NEXT ⇒




あとがきと言う名の振り返り


イ「あっ、またあいつ居ねえじゃん、仕方ねえ」


よっと、それじゃあ感想から行くぜ。


感想

プロトドライブに連れられ保護されたアーシア。
彼女の過去、俺とは違って壮絶な人生だったんだな。

しかも、夕麻ちゃん、レイナーレと仲良しだったなんてもしかして俺を殺そうとしたのも自分の意志とは関係ないのかも?

そして、アーシアはレイナーレが人質になりドーナシークの元へ。
あの野郎、めっちゃむかつく、くそ殴りてぇ。

ガイアメモリによるレイナーレの怪人化。
圧倒的パワーにクウガも苦戦。
さらに巨大化ときた。

そして最後に神崎さんは最後の希望として『ウィザード』に変身。


そしてここで次回予告だぜ。

{絶対救って見せる}

{GYAUUUU!!!!}

{ドラゴン、力を貸してくれ}

{ドラゴタイマー}


次回 『ハイスクールD×D×R』

1×12:希望、与えます!


イ「次回もよろしく」

 
チャン♪チャン♪








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1×12:希望、与えます!

おまたせ~
ウィザードに変身、そしてショータイムだ~~

白熱する戦い、続きをどうぞ・・・・




~Side:イッセー~

 

 

「さぁ、ショータイムだ!」

 

 

神崎さんは『指輪の魔法使い ウィザード』へと変身した。

 

 

「イッセー、説明して頂戴、神崎さんのあの姿は何?」

 

「何で俺なんですか?」

 

「あなたが一番驚いてなかったからよ、あの変身にね」

 

 

急展開過ぎて、演技が出来ていなかったことに気づく。

 

 

(あ~、師匠すみません)

 

「クウガは戦士の力、そしてウィザードはその名の通り、魔法使いの力」

 

「用は、神器を2つ所持していたって事ね」

 

 

俺は他の変身についても知っているが、神崎さんとの約束があるため、ウィザードの情報のみ伝える。

 

 

「あの神器(セイクリッド・ギア)は属性のある魔石の指輪をベルトにかざすことで魔法使いへと変身できます」

 

「魔法使い・・・だから、変身してから神崎さんに膨大な魔力が感じられたのですわね」

 

「はい、そして今の神崎さんは炎の魔石の指輪で変身しました」

 

「今の神崎さんは・・・『ウィザード フレイムスタイル』です」

 

 

仮面ライダーウィザード フレイムスタイル

 

長い黒のロングコートに、赤い魔石の指輪、フレイムリングと同様の形状をした

赤いクリスタルが特徴のマスク、胸部にも顔と同じ色のクリスタルで守られている。

 

 

「そう、でもなんで貴方達は神器(セイクリッド・ギア)の事を黙っていたのかしらね・・・・」

 

(やばい、部長めっちゃ怒ってる、顔見なくてもわかっちゃう)

 

「えっと、その、アトデ、カンザキサンニオネガイシマス」

 

 

ごめんなさい、神崎さん。

俺はダメな弟子でした。

 

 

「いいわ、あとで彼にじっくりと話を聞くわ、朱乃」

 

「ウフフフフ」

 

本当にごめんなさい。

どうか御無事で神崎さん。

 

 

こうして俺は、今よりもっと過酷なことになる神崎さんを心配しつつ、戦いに目を向けた。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

俺はベルトの左右のレバーを押し込む。

 

 

♪~ルパッチマジック タッチ ゴー!

 

 

左の指輪がついてるホルダーから1つをはめて、待機音の鳴るベルトにかざす。

 

 

コネクト・プリーズ

 

 

目の前に赤い魔方陣が現れ、そこに手を入れ、シルバーに輝く剣を取り出す。

 

ウィザード専用武器である『ウィザーソードガン』。

現状の見た目は剣であるが、他にも銃モードに切り替えて射撃武器として使用できる。

銃モードの弾丸には自信が変身しているスタイルの属性を付与して放つ。

また、この武器にもベルトと同じように黒い手のような部品がついている。

 

俺は『ウィザーソードガン』を構え、『ギガント』に突貫した。

『ギガント』は先程と同様に4本の触手を捌きながら、斬撃を入れるが、

タイタンフォームの時と同様に刃があまり通らない。

 

 

「だったら、こいつはどうだ!」

 

 

ベルトのレバーを押し、今度は緑色の魔石の指輪をはめる。

 

 

♪~シャバドゥビタッチ・ヘーンシーン!!

 

ハリケーン・プリーズ

 

♪~フーフー フーフーフーフー!

 

「何!!また姿が変わっただと!!」

 

 

赤いクリスタル部分は全てエメラルドグリーンへと変わり、

マスクの形状も逆三角形の形に変化している。

俺は風属性の力を持つ、『ウィザード ハリケーンスタイル』に姿を変えた。

 

 

俺は風を纏いながら回転し、『ギガント』の巨体に次々と傷をつけていく。

 

 

「ハァーーー!」

 

GYAUUUUUUUUUUU!!!

 

「うぉっと」

 

 

ダメージを受けたことにより、触手が速度を上げて俺を襲う。

 

 

「ハリケーンでもダメか・・・・」

 

「ハッハッハ、もう後がないようだな」

 

「いや、まだ希望は捨てちゃいないぜ」

 

(ぶっつけ本番になるが、頼む、力を貸してくれ『ドラゴン』)

 

(フン、お前もあの魔法使いと同じ『希望』を持つ者か、面白い)

 

 

自身の中でドライグのような存在に気付く。

 

 

(『ウィザードラゴン』なのか!!)

 

(いいだろう、俺の力を使い、お前の『希望』を見せてみろ)

 

(ああ、後悔はさせない)

 

 

俺は先程のフレイムリングとは違う形状の赤い魔石の指輪をはめる。

 

 

♪~シャバドゥビタッチ・ヘーンシーン!!

 

 

俺は指輪のバイザーを倒してベルトにかざす。

 

 

フレイム・ドラゴン!

 

{♪~ボー ボー ボーボーボー!

 

 

魔方陣が俺を通過し、そこからドラゴンの形をした炎が出現した。

俺の周りを軽く回り、そして俺に覆いかぶさった。

炎が消えると、俺は姿を変え、『ギガント』の前に立っていた。

 

マスクはフレイムスタイル同様に赤いクリスタルになっているが、形状が変わった。

斜めに2本の角が付き、額にも金色の装飾が付いた。

コートの色も黒からへと反転し、胸部はクリスタルではなく、

ドラゴンの顔を連想させるスーツへと変化していた。

 

俺はフレイムスタイルの強化フォーム、『フレイムドラゴン』へと姿を変えた。

 

 

「赤いドラゴンだと、まさか赤龍帝の力か!!」

 

「おっと、それは企業秘密だ」

 

 

ウィザーソードガンを銃モードにして、遠距離から触手に対して攻撃する。

すると、『ギガント』がまた、あの技の態勢に入った。

 

 

「そいつは防がせてもらうぞ」

 

♪~ルパッチマジック タッチ ゴー!

 

ビッグ・プリーズ

 

 

俺の目の前に赤い魔方陣が出現し、そこに腕を突っ込む。

すると、『ギガント』の目の前に大きな赤い魔方陣が出現する。

 

 

「よっこらしょっと!」

 

 

『光熱線』が放たれる寸前に魔方陣から巨大な手が出現し、『ギガント』の頭を持ち上げ上空に向け放たれた。

 

 

「間一髪だな」

 

「何だ!!その魔法は!!!見たことも聞いたこともないぞ」

 

「何だ、『虫けら』の使う『魔法』も知らないのかよ」

 

「クッ・・・・キサマ、早くやれ『ギガント』」

 

(フレイムドラゴンでもジリ貧だな・・・・)

 

 

そう、俺はドラゴンの力を借りているが決定打を与えられていない。

 

 

(さらに『メモリブレイク』は不可能に近い・・・どうすれば助けられる)

 

 

本来であれば、ガイアメモリを使用した者を殺さずに助けるために『メモリブレイク』を決めなければならず、

それが可能な『W』や『アクセル』に変身するべきだったのだが、戦いによるダメージが大きく『マキシマムドライブ』に耐えれるほどの体力が残っていなく、グレモリーさん達の前でもあったため変身できなかった。

 

とっさにアーシアから聞いた童話を思い出し、『ウィザード』に変身したが肝心の解決策が思い浮かばない。

戦闘中も脳をフルに使い作戦を練るが、『ウィザード』によって『メモリブレイク』出来る可能性が思い浮かばなかった。

 

 

(クソッ・・・何か・・・何か無いのか!!!)

 

(ならば一か八かの賭けでもしたらどうだ・・・)

 

(何!?)

 

(お前の記憶から読み取ると『ガイアメモリ』は自身の意思で排出することもできるのではないか)

 

(!!!)

 

(一度あの化け物も意識を戻しただろ、なら体力を奪い、意識を覚醒させ、自ら排出させる)

 

(だが・・・・)

 

(あくまで可能性の話をしただけだ、どうするかはお前次第だ)

 

(・・・・・)

 

(気づいているんだろ、貴様の魔力も底に近づいてきていることに)

 

(お前が望むのであれば、力を貸そう、どうする『仮面ライダー』!!!)

 

(ああ!!)

 

 

♪~ルパッチマジック タッチ ゴー!

 

コネクト・プリーズ

 

 

俺は『コネクト』の魔法を使い、魔方陣からある物を取り出す。

 

取り出したのは腕に装着出来るアナログ式のタイマーのような時計だった。

手の甲部分にはドラゴンの像があり、

腕部分に『赤』『青』『緑』『黄』の文字盤があるダイヤルがついた黒い手形がある。

 

俺はそれを無言で右腕に装着した。

 

 

「今更そんな時計ごときで何が出来るというんだ」

 

ドラゴタイマー!

 

 

俺はダイヤルを逆時計回りに回す。

 

 

”カチッ”

 

セットアップ!♪~

 

 

俺は覚悟を決め、『ギガント』に向き合う。

 

 

「行くぞ、レイナーレ!!!」

 

 

俺は手形の親指を押し込む。

 

 

スタート!

 

 

俺は音声とともに駆け出す。

 

 

「フン、いくらやっても無意味だ、ささっと潰れてしまえ」

 

 

ドーナシークが何やら喋っているが聞く耳を持たない。

タイマーの時間を待ちながら、剣で『ギガント』に攻撃を仕掛けていく。

 

そして、針が青い文字盤に移動した。

俺は手形の指を押し込む。

 

 

ウォータードラゴーン!

 

 

すると、青い魔方陣から、青いコートのウィザード、『ウィザード ウォータードラゴン』が現れる。

 

 

「おまたせ」”バンバン”

 

 

ウォーター(ドラゴン)は銃モードで『ギガント』を牽制する。

 

 

「何!?」

 

「神崎さんが・・・・」

 

「「「2人になった~」」」

 

「あらあら!!」

 

「!!」

 

「兵藤君、どうなっているんだい、あれ」

 

「いや、俺も初めて見た」

 

 

悪魔サイドが驚愕している中、さらにタイマーの針は進み、の文字盤まで到達する。

手形の親指を押し込む。

 

 

ハリケーンドラゴーン!

 

「ハァ―ー!!」

 

 

上空から、緑の魔方陣から、のウィザード、『ウィザード ハリケーンドラゴン』が剣で斬りかかる。

 

 

「さっ、三人・・・・」

 

「もう何も言えないわ」

 

「すごい魔法です」

 

 

『ギガント』着々とダメージを与え、タイマーは黄色の文字盤に到達する。

手形の親指を押し込む。

 

 

ランドドラゴーン!

 

「さぁ、こっちだ『ギガント』」

 

 

黄色の魔方陣から、黄色のウィザード、『ウィザード ランドドラゴン』が現れ、

フレイム(ドラゴン)と場所を入れ代わり、『ギガント』の正面に向かへ打つ。

 

 

「ハッハハ・・・・すっげー」

 

「本当にとんでもない人を師匠にしたのね、イッセー」

 

 

これで、タイマーのカラー、計4人全員出現したが、タイマーはまだ終わらない。

 

 

「たかが虫が3匹増えたところで何が出来る」

 

「いや、これでフィナーレだ!」

 

 

タイマーが回り終わり、最後の音声が鳴る。

 

 

ファイナルタイム!

 

 

音声が流れ、ドラゴンの像が七色に光る。

 

 

(出来るだけ、魔力を抑えろ)

 

「決めるぞ!!」

 

「「「ああ!!」」」

 

「まずは押さえ込むぞ」

 

{{{{バインド・プリーズ}}}}

 

 

ギガントの足元に4色の魔方陣が展開しそこから多くの鎖が現れ、ギガントの動きを止めた。

 

 

「何!!!」

 

GYAaaauuuuuu

 

 

タイマーの親指を押し込む

 

 

ドラゴンフォーメーション!

 

 

4人のウィザードがウィザーソードガンを剣モードにし、手形の親指を押し、手形を展開させる。

 

 

{{{{♪~キャモナ・スラッシュ・シェイクハンズ}}}}}

 

 

4人は自身のウィザードリングを手形にかざす。

 

 

フレイム!スラッシュストライク!!ボーボーボーボー!!

ウォーター!スラッシュストライク!!ジャバジャバ バシャーン!!

ハリケーン!スラッシュストライク!!ビュービュービュービュー!!

ランド!スラッシュストライク!ダンデンドン!!

 

 

「「「「ハァーーーーー!!」」」」

 

 

4色の斬撃が『ギガント』に向け放たれる。

 

 

GYAAAAAA!!!!

 

 

身動きが取れないため、避けることなく斬撃は命中し、爆発する。

 

 

「クッ・・・・」

 

 

3人のウィザードが消え、俺の魔力も枯渇しはじめ、元のフレイムスタイルに姿が戻る。

 

 

「そんな・・・『ギガント』早く出てこい!!アイツをやるんだ」

爆発による煙でまだ、姿が見えないが、煙の中から物体が飛び出してきた。

 

 

”カタン・・ピキッ”

 

 

「あれは!!」

 

「そんな!!『ギガントメモリ』が・・・」

 

 

煙から飛び出してきたのは排出され壊れた『ギガントメモリ』であった。

 

 

(メモリブレイクが出来たのか!?ウィザードで!?)

 

「おい、レイナーレ!!返事をしてくれ!!」

 

 

俺の問いに反応が無く、次第に煙も晴れてくる。

煙から現れたのは・・・・

 

 

「フフッ、ハッハハハハー!まだ、ドーパントは健在のようだな」ドヤァ

 

「そんな・・・」

 

 

『グリフォザードドーパント』の姿だった。

 

 

「GャウUゥゥuゥ!!!」

 

 

俺に目掛け、突撃してくる。

 

 

「ガァ!!!」

 

 

俺は避けれず、まともに突進を受けてしまう。

 

 

「神崎さん!!!レイナーレ様もうやめて!!!」

 

「Aア亜ぁゥUゥゥ!!!!」

 

 

爪で切り裂かれ、突如現れた槍で突かれ、大きなダメージを負う。

 

 

「ギャウ!!ァ、sいぃ・・ヲoぉ!!!」

 

「がァァァ」

 

 

俺の叫び声が響く。

何度も何度も避けられず攻撃を受ける。

 

 

「お願いですから、もうやめてください」

 

 

アーシアの声に反応したのか、攻撃の手を止め、

『グリフォザードドーパント』は捕まっているアーイアに視線を移す。

 

 

(さっきので意識がッ)

 

 

だが、再び俺に向かい、突撃する。

 

 

「AァaッアWオaあSkテ」

 

「!?」

 

(レイナーレ・・・・)

 

「神崎さん、今行きます!!」

 

「ダメよ!!行ってはいけないわ!!!」

 

「何でですか!神崎さんはもう!!」

 

「あの化け物は堕天使の力を使う化け物よ、あの槍に触れただけでも致命傷なのよ!!」

 

{それにアイツでも勝てない化け物なんだ、小僧が勝てるわけないな}

 

「部長・・ドライグ・・クソッ!俺は何もできないのかよ!!」

 

 

そうだ、グレモリーさん達じゃ、勝てない。

それは正しい選択だ。

だが、体が思うように動かない。

 

 

「ぁあAa------sSぃいI!!!!」

 

「ガハッ・・・・」

 

 

俺は槍の柄で腹部を突かれ、数メートル吹き飛ばされる。

 

 

「やれ!!!やってしまえ!!」

 

「やめて!!レイナーレ様」

 

 

槍に光が灯り、俺に向かって振り下ろされる。

だが、槍は俺に届かなかった。

 

 

「レイナーレ!!目を覚ましなさい!!」

 

「うちらの事を思い出すッすよ」

 

「ギyウU!!!」

 

 

俺は2人の堕天使の女性に助けられ、命からがら助かる。

 

 

「君達は・・・」

 

「カラワーナ!ミッテルト!貴様ら何をしている!!」

 

 

ドーナシークと同じ所属の堕天使である事はわかった。

 

 

「何って、謀反よ」

 

「うちらのレイナーレにひどいことしたヤツの下にはつけないっす」

 

「貴様ら・・・」

 

 

部下の裏切りに怒りを現にするドーナシーク。

 

 

「ほら、早く起きるっす、魔法使い!!」

 

「あなたが彼女の『希望』になるんでしょ!!」

 

「グッ、君達・・・」

 

「うちらじゃ、今のレイナーレは救えないっす」

 

「あんたが助け出しなさい」

 

「だが、助けだす方法が・・・」

 

「あんたは相当、頭が切れるんでしょ」

 

「時間ならうちらが稼ぐっすから」

 

「だから」

 

「「彼女を助けて」」

 

 

”助けて”、その一言は俺の心に響く。

俺は何を焦っているんだ。

魔力が無い、体のダメージ、時間がない、そんなのは言い訳だ。

助けるのに言い訳はいらない。

 

魔力がないなら別の力を使え、ダメージなんて我慢しろ、時間は彼女達が作ってくれる。

 

俺が彼女に言ったことを思い出せ。

この絶望的な状況でも、不可能を突き付けられても、俺は彼女の・・・・

 

 

「あぁ、彼女の・・・いや、彼女達の『希望』になる」

 

「何が希望だ!!!もういい!!!」

 

「虫の事などどうでもいい!!!お前ら、全員を皆殺しにしろ!!」

 

待機していた部下の祓魔師(エクソシスト)が一斉に襲ってくる。

 

 

「部長!!」

 

「ええ、こうなったら仕方ないわ、みんな行くわよ!!」

 

「「「はい」」」

 

 

悪魔と祓魔師(エクソシスト)が動き始めた。

しかし、全体の動きは止まる。俺の意識だけを残して。

 

 

 

===================================

 

 

何が起こっている。

 

体が動かず、声も出ない。

 

しかも目に映る景色全てが色素がなくなり白黒で視認している。

 

 

「まぁ、落ち着け、俺とあんただけの空間さ」

 

 

背後から声が聞こえる。

 

声からして男性だと思うが、敵か味方かの判断がつけられない。

 

 

「俺は敵じゃない」

 

 

心が読まれた?

 

 

「読んだって言うより聴こえるが正しいけどな、それに喋れないだろ」

 

 

なら、誰なんだ。

 

 

「残念ながらあんたからの質問は受け付けられない」

 

 

何?

 

 

「ここは俺があんたに質問する場だからだ」

 

 

これは俺に必要なことなのか?

 

 

「それも答えられない、あんたはただ質問に答えるだけだ」

 

 

早くしてくれ!!俺はあいつを助けないと

 

 

「あんたはなんでレイナーレを救おうとする」

 

「アイツは人間を、お前を殺そうとした悪だろ」

 

 

・・・

 

 

「そんな殺人未遂の悪人をなぜ救おうとする?」

 

 

助けてって言ったんだ

 

 

「あんたは悪人であっても助けてっていえば助けるのか?」

 

「あいつの命より大切なものはあるんじゃないか、捕まっているシスターさんとかね」

 

 

・・・・・

 

 

「悪でも助けてって言えば助けるなんてもはや心のない機械の行動だ」

 

「そんなやつが『仮面ライダー』だと、ふざけ」

 

 

ふざけるな!!!!

 

 

「!!」

 

 

確かに彼女は最初、「痛い、助けて」って言ってたよ。

 

 

「なんだ、何も違わないじゃないか」

 

 

俺に攻撃した時にアーシアの叫びに彼女は手を止めたんだ。

 

それで俺に対して言った。

 

 

「AァaッアWオaあSkテ」

 

「アーシアを助けて」ってな。

 

 

「・・・・」

 

 

 

彼女は苦しみながらもアーシアを助けてって言ったんだよ。

 

自分自身の命ではなく、アーシアの命を救えって言ったんだぞ。

 

他人を救えって言うやつが悪人?

 

ふざけるな!!!

 

彼女は救わなければいけないんだよ!!!

 

クズに実験に使われて命を落とすような女じゃないんだ!!!

 

だから彼女を救う、苦しみから解き放つ。

 

 

 

これで満足ですか仮面ライダーウィザード・・・操真晴人さん。

 

 

「あれっ、ばれちゃった?」

 

 

急に視界が光り、目を再び開けるとそこは何もない白い空間だった。

俺は変身前の姿になっていた。

そして目の前には、

 

 

「改めて自己紹介だ、操真晴人、『仮面ライダーウィザード』だ」

 

 

ウィザードに変身している晴人さんが目の前にいる。

 

 

「意地悪な質問して悪かったな・・・怒ってない?」

 

「俺の為の質問ですよね、気にしてないですよ」

 

「ちなみにいつわかったんだ」

 

「質問されたところからですかね」

 

「最初のほうじゃん」

 

 

晴人さんは「ふぃ~」と言い、肩の力を抜いていた。

 

 

「まぁ、いじめ役はもう終了で・・・本題に入ろうか」

 

「はい」

 

「俺はあんたが『ウィザード』の力を扱うのにふさわしいか見極めるために俺はここにいる」

 

「俺を見極めるため・・・・」

 

「もう時間もないし、最後の質問だ」

 

「神崎さん、あんたにとっての希望は何だ?」

 

「・・;・・」

 

「あんたはレイナーレの『希望』になると言った」

 

「あんたの言う『希望』にはどんな思いが秘められているんだ?」

 

「俺にとっての『希望』は・・・晴人さん達『仮面ライダー』ですよ」

 

「それは俺達の力ってことか」

 

「違いますよ、貴方達ヒーローの志に憧れたからこそ、神崎正義の元となったんです」

 

「・・・・・」

 

「俺の世界では『仮面ライダー』は創作物で存在しないけど、それでもライダーの魂に心を打たれて行動してきました」

 

「俺の『希望』は貴方達『仮面ライダー』という存在(ストーリー)です」

 

「なるほどな」

 

「だから、仮面ライダーウィザードが希望を護る魔法使いならば、

俺もウィザードとしてレイナーレの、アーシアの皆の希望を護る」

 

 

「ああ、悪くない答えだ」

 

「晴人さん・・・」

 

「その世界の希望はあんたに任せるよ、『仮面ライダーウィザード』」

 

「はい!!」

 

 

すると、急に白い空間が光り始め、俺の姿が消えかかった。

 

 

「おいっ、これは餞別だ」

 

 

晴人さんが俺に向かってある物を投げた。

 

 

「これって!」

 

「それで彼女を救ってやれ」

 

「ありがとうございます」

 

 

俺の体が消える前に晴人さんの隣に()()()()()が現れる。

 

 

(ありがとうございます、晴人さん、()()()()()

 

 

俺は晴人さんから託された指輪を握り締め、意識を覚醒させた。

 

 

===================================

 

 

 

「お前達!!皆殺しにしろ」

 

フレイム!シューティングストライク!!ヒーヒーヒーヒー!

 

 

俺はウィザーソードガン・ガンモードの必殺技で祓魔師を一掃する。

 

 

「何だと、まだこれだけの力を残していたのか」

 

「はぁ、はぁ」

 

(あの白い空間では体のダメージが気にならなかったが現実では結構くるな)

 

 

「カラワーナ、ミッテルト、準備ができた、下がってくれ」

 

「「了解(っす)」」

 

 

俺は2人と入れ替わるように『グリフォザード』に斬りかかる。

 

 

「GgぁAあUuぅ!!」

 

「おい、レイナーレ!!!よく聞け!!!」

 

「あんたの望み通りアーシアは絶対救ってやる、だからお前も希望を捨てるな」

 

「グぅUuうU!!」

 

「俺が救う、お前の『希望』になる!!ハァッ」

 

 

俺は剣で切り上げ、よろけたところに蹴りを入れる。

距離が開いたことで俺は彼と彼女に託された指輪を右手にはめる。

 

その指輪はピンクの魔石で作られていて、銀の縁取りにウィザードの複眼のような銀の模様がある。

 

 

「2人の力、お借りします」

 

{♪~ルパッチマジック タッチ ゴー!}

 

 

俺は待機音がなるベルトに指輪をかざす。

 

 

チョーイーネ!!ホ~プ!!!サイコ~~!!!

 

 

すると、俺の体にピンク色のオーラが現れ、右手に次第に集まる。

 

 

「レイナーレ、これが『希望』の魔法だ!!!」

 

「ギャアアアウ!!!!!!!」

 

 

俺とレイナーレは互いに向かって走る。

レイナーレは光の槍を、俺は『希望』の魔法を纏う右手をお互いに放つ。

 

「ハァーーーーー!!」

 

「ガアアアアアアア!!!!」

 

 

”ドン”

 

攻撃があたった。

 

「グッ・・・ガァァ・・・」

 

「元に戻れレイナーレ!!!」

 

「がああああああああああ!!!!」

 

 

『グリフォザード』の体をピンク色のオーラが包み込む。

すると、オーラの中から3つのメモリが飛び出してくる。

 

”ピシッ”,”ピシッ”

 

俺の足元に『リザードマン』と『グリフォン』の破壊されたメモリが、

ドーナシークの元にもうひとつのメモリが飛んでいった。

 

オーラが収まるとそこから、レイナーレが元の姿に戻り、倒れこみそうになった。

 

「レイナーレ!!!」

 

俺は急いで倒れる彼女の体を支える。

 

 

「あ・・りが・・・とぉ、」

 

「ああ、もう大丈夫だ」

 

 

俺はそっと彼女を軽く抱きしめる。

 

 

「クソッ!クソッ!クソッ!クソッ!」

 

「後はあんただけだ、ドーナシーク!!!」

 

「どいつもこいつも邪魔しやがって、ふざけるな~~!!」

 

「キャッ!」

 

「アーシア!!」

 

「もういい、最後の計画だけでも完遂させてやる」

 

「そうはさせグッ・・・」

 

 

俺は蓄積されたダメージが体に響き、動きを止める。

 

 

「さぁ、時間を稼いでこい!!ヤミーー!!」

 

 

また、魔方陣から大量の屑ヤミーが出現する。

 

 

「次こそ俺がお前らの絶望となってやる」

 

「神崎さん!!」

 

 

この場から立ち去るドーナシークを追うことができずにいた。

 

 

「クソッ・・・」

 

 

早く行動を起こさなければ、アーシアの命はない。

だが、追うにはこの負傷した体で大量のヤミーを相手にしなければならない。

 

 

(どうすればいいんだよ)

 

 

俺が悩んでいると後ろから声が聞こえた。

 

 

「ドラゴンショット!!」

 

魔剣創造(ソード・バース)!!」

 

「吹っ飛んでください!!」

 

「雷鳴よ!!」

 

「消えなさい!!」

 

 

オカルト研究部メンバーがヤミーに対し攻撃を放つ。

 

 

「何を悩んでいるの!!速く追いなさい!!」

 

「グレモリーさん・・・」

 

「速く助けてあげてください」

 

「塔城さん・・・」

 

「ここは僕達に任せてください」

 

「木場君・・・・」

 

「アーシアちゃんの事、よろしくお願いしますわ」

 

「姫島さん・・・」

 

「レイナーレは私たちに任せて頂戴」

 

「任せるっす」

 

「カラワーナさん、ミッテルトさん・・・・」

 

「神崎さん、行きましょう!師匠と弟子の力であの屑野郎を叩きのめしましょう」

 

「一誠君・・・・ああ!!」

 

(俺も多くの仲間に支えられているんだな)

 

コネクト・プリーズ

 

 

俺は『コネクト』の魔法でウィザードのバイク『マシンウィンガ-』を出し、一誠君とともに乗り込む。

 

 

「みんなありがとう、絶対にアーシアを助けて見せる、いくぞ一誠!!」

 

「はい、師匠!!」

 

 

皆が作ってくれた道を抜け、俺と一誠は教会へとバイクを走らせる。

 

 

 

To Be NEXT ⇒

 

 




感想と次回予告


ひ「今回はゲストがいます」

?「仮面ライダーウィザード、操真晴人だ」

ひ「いや~晴人さんどうでしたか?」

晴「ウィザードの力でもここまで追い詰められたのは意外だったな」

ひ「そりゃ~もう強設定で作りましたから」

晴「だけど、神崎さんは何度も諦めずに立ち上がり、レイナーレに『希望』を与えたな」

ひ「ちなみにホープウィザードリングの音声はオリジナル設定で必殺技音声に混ぜました。本来であれば効果音のみしかならないので感想でそんな音声なんないよって指摘は勘弁を」

晴「でも、神崎さんに託して正解だったな、俺はこれからも神崎さんを応援するよ」

ひ「ありがとうございます、それでは次回予告行きましょう」


次回予告


{俺が最強の堕天使だ~~}

{俺の前でもう人は死なせない!!}

{神埼さん・・・ありがとうございます・・}

{いい実験結果になった}


次回 『ハイスクールD×D×R』

1×13:シスター、救います!


ひ「さぁ、次回も・・・・」

晴「ショータイムだ!」


チャン♪チャン♪


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1×13:シスター、救います!

祝・お気に入り100件突破
皆様のおかげで、お気に入り登録者が100人を超えました。
ありがとーございます、ありがとーございます。

今回はこの作品においても鍵になるお話になりますので最後まで目を凝らしてみてください。


対ドーナシーク 最終戦 スタート!!!

追記:最後の方に文字化けみたいなのでますが演出なので問題ないです。


~Side:フリード~

 

 

「ちっ、あの仮面野郎!!オレっちのイケ顔をこんなにも傷だらけにしやがって」

 

 

俺は教会とは別の堕天使がいる隠れ家であの黒い仮面のヤツにやられた怪我を療養していた。

 

 

「丸1日寝込んでたみたいだから、オレっち五体満足、元気100倍っと・・・・っていうか上司の皆様~」

 

 

アジトの中にはオレっち以外に気配はなく、どうやら1人だけのようだ。

 

 

「ドナーシ~クの旦那~、オレっちを置いてくなんてないっすよ~・・・・・あり?」

 

 

ドーナシークの部屋に入り、所在を確認したがおらず、

代わりに机の上に載っているアタッシュケースが目に入った。

 

 

「おっと、何か入ってるかにゃ~~~」”ガチャ”

 

 

開けて中を見てみたが中には何も入っていなかった。

 

 

「ふっざけんなよ、あのクソシ~ク!!!」

 

 

オレっちはアタッシュケースを地面に叩き付け、内に溜まった怒りをケースにぶつけた。

 

”ガコッ”

 

アタッシュケースから何かが外れるような音がした。

 

 

「あぁん?なぁんだぁ?」

 

 

再び、アタッシュケースの中を見るとそこの板が外れ、まだ奥に空間があった。

 

 

「にゃんだ、言ってくれればよかったのににゃ~~~」

 

 

さっきまでの怒りも収まり、中にある『()()()()()()()()()()()()()()』と『()()()()()()()()()()()()』を取り出す。

 

 

「何かしらん?おっと取説あるじゃないですか」

 

 

アタッシュケースの中にある封筒を開け、中に入っていた紙を確認する。

 

 

「!!!」

 

 

オレっちは書いてある内容に驚愕し、そして、うれしさとこれからの期待に体を震わせた。

 

 

「クソシ~クには悪いが本日でここ『教会』を退職いたしまっす!!」

 

「これから面白いことになりそうだにゃはハハハハ!!!」

 

 

オレっちは『スイッチ』と『メダル』を持って封筒に入っていた地図の

示された場所を目指すため、アジトから飛び出した。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

俺と一誠の2人は敵の本拠地である教会へと辿り着く。

 

 

「一誠、準備は出来ているか?」

 

「へ?」

 

「どうしたんだ?」

 

「いや、俺の呼び方がいつも君付けで言われてたので」

 

「あっ、そのすまない、感情が高まるとつい口調が荒くなってね」

 

「いいっすよ」

 

「え?」

 

「呼び捨てで構わないですよ、その方が弟子って感じがするんで」

 

 

一誠は少し照れくさそうに言ってくれた。

 

 

(異世界の人間である俺をこんなにも慕ってくれるなんてな)

 

「ああ、わかった一誠。このままバイクで突撃するぞ」

 

「へ?」

 

「舌噛むなよ、行くぞ!」

 

 

そして、バイクのアクセルを全開にして教会に向かって走り出す。

 

 

「ちょっ、聞いてないっすよーーー」

 

 

そして俺達は教会の扉を破り、中に侵入する。

 

 

「なっ!貴様らは!!」

 

「侵入者だ!!!」

 

「迎撃し・・」

 

 

「フンッ」

 

視認したのは5人。

俺は扉を破った際に、ウィザーソードガンをガンモードで構え、祓魔師(エクソシスト)に対して5発発砲する。

 

 

「「「「「グウォァ」」」」」

 

「神崎さん、マジヤベーイ」”ピヨピヨ”

 

 

座席の後ろで一誠が何か言っていたが、俺はすぐさま降りて周りを見渡す。

 

 

「アーシア!どこだ!!」

 

「あっ、神崎さんあそこ!!」

 

 

一誠が指を指す方向を見た。

 

 

「ディメンションキャッブ!!!」

 

 

キャップが示す場所を見ると、

 

 

「地下通路!!」

 

 

地下へ長々と続く、階段があった。

 

 

「居たぞ!!侵入者だ!!!」

 

「儀式の邪魔をさせるな!!」

 

 

後ろから次々と祓魔師(エクソシスト)が押し寄せる。

 

 

「チッ、次から次へと・・・一誠!?」

 

 

一誠は俺を手で遮り、攻撃を止めさせた。

 

 

「神崎さん、ここは俺に任せてください」

 

「お前だけでこの人数は!!」

 

「俺より助けを求めてる子がいるんです」

 

「!!」

 

「行ってください、それにこんなところで死ぬ気なんてありませんよ」

 

(本当に短い期間でこれだけ成長したのか・・・いや、もとからこうだったんだな一誠は)

 

 

俺は一誠に背を向け、地下の階段を見る。

 

 

「あぁ、背中は任せた一誠!!!」

 

「ウッス、早く助け出してください!!」

 

{Boost}

 

一誠に背を預け、俺は地下へと走り出した。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:アーシア~

 

 

「ええい、なんだこいつらは!!お前ら、『コイツ等』を何とかしろ!!」

 

私はドーナシーク様に連れ去られ、教会の地下まで運ばれたのですが、

十字架に貼り付けられる前に、守られました。

 

透き通る色をした動物達に、機械の動物達、石の動物達、そしてあの時の小さな車が私を護るため、祓魔師(エクソシスト)さんの動きを止めていた。

 

 

「おのれ・・・邪魔をするな!!!」

 

 

ドーナシーク様から魔力が放たれ、みんな吹き飛んでしまった。

 

 

「きゃぁ!!」

 

「ハァ・・・ハァ・・、さぁ、儀式を始めようじゃないか」

 

(お願い、神崎さん助けて・・・)

 

 

”ドガン”

 

 

入口の方から大きな音が聞こえた。

 

 

「貴様は!!」

 

「神崎さん」

 

「お前の好きにはさせない、ドーナシーク!!!」

 

 

『希望の魔法使いさん』が駆けつけてきました。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

(まだ儀式は始まっていないようだな)

 

俺はアーシアの命が無事な事に安堵し、再びドーナシークに顔を向ける。

 

 

「おい、もうお前に勝ち目はないぞ、降伏するなら今の内だ」

 

「フン、この状況で勝ち目がない?バカを言うなよ、クソ虫!!」

 

 

すると、周りに倒れていた祓魔師(エクソシスト)が起き上がる。

 

 

「1匹 Vs 祓魔師(エクソシスト)50人」

 

「どうすればお前が勝てるんだ、しかもこいつらも・・・」

 

マスカレイド}×50

 

 

周りの祓魔師は『マスカレイドメモリ』を首に差し込み、顔が骨で表したムカデのような仮面が装着された。

 

 

「数で勝てると思ったら大間違いだ」

 

「数だけではないよ、力もね」

 

 

そして、ドーナシークは懐から『キメラメモリ』を取り出す。

 

 

「これさえ使えばお前なんざ”バキュン”ッな!!」

 

「待っていたよその瞬間を・・・」

 

 

俺はドーナシークがメモリを使う前に、撃ち落とすことで『キメラメモリ』を破壊した。

 

 

「貴様~~~~!!!」

 

「あんたの作戦は甘々なんだよ」

 

「俺を馬鹿にするな~~~!!!」

 

 

ドーナシークは光の槍を投擲してきたが、武器をソードモードに変えてはじく。

 

 

「お前らもやってしまえ!!!」

 

 

「アーシア!!隅っこでじっとしてるんだ」

 

「はい!!」

 

 

大量のマスカレイド達が一斉に襲ってくる。

 

 

「そら、全員相手になってやるよ!!!」

 

 

=======================================

 

 

フレイム!スラッシュストライク!!ヒーヒーヒーヒー!

 

 

「ハァーー」

 

 

「「「ガハァ」」」

 

 

「ハァ・・ハァ・・・」

 

 

俺は必殺技を放った後、魔力が底を尽き、変身が解除されてしまう。

 

 

「おや、先程の魔力はどうしたんだ虫けらよ」

 

「ハァ・・ハァ・・・」

 

「もはや、もうギブアップか、クックック」

 

「んなわけ・・ないだろ」

 

「そしたら貴様にさらなる絶望を与えようじゃないか」

 

 

ドーナシークは1つのメモリを取り出した。

 

 

「ほぉう、私がまだメモリを持っていたことに驚いてないようだな」

 

「お前は馬鹿か・・・さっき『キメラ』使おうとしてただろうが・・・」

 

「クッ、俺を馬鹿にするな」

 

 

図星を突かれたことで声を上げるドーナシーク。

 

 

「これで貴様も終わりだ」

 

ロイミュード

 

「!!」

 

 

ドーナシークはメモリを左胸に突き刺した。

ドーナシークの姿が異形のものに変わり始める。

 

灰色の体に胸の部分には何も書かれていない白いプレート。

顔は人間の頭蓋骨を模しており、くぼみから小さな黄色い羽のようなものが出ている。

 

『仮面ライダードライブ』の作品に登場する怪人、

蛮野天十郎が作り出した総勢108体存在する増殖強化型アンドロイド『ロイミュード』の姿に変わった。

 

 

「ロイミュードのメモリだと!!!」

 

「おっと、まだこんなもんじゃないさ」

 

 

背中から黒い翼をだし、その翼で体を隠すように覆うと光が放たれた。

 

 

「ふぅ~、これが最強の力だ!!!」

 

 

光が収まると、ドーナシークはさらに姿を変えていた。

 

死神ロイミュードのようなケープを纏い、

左手は鋭い爪に変わり、右手には禍々しい黒い槍を持っている。

 

頭の黄色の羽も黒に変わっており、背中にも堕天使特有の翼が生えていた。

 

 

「すごい力だ、『堕天したアンドロイド(ダウンフォール・ロイミュード)』とでも名乗ろうか」

 

「そんなメモリは存在しないはずだ、お前はそれをどこで手に入れたんだ!!」

 

「言うわけないだろう、馬鹿め」

 

「この姿の私に貴様が勝てると思うか、否、無理だ」

 

「もはや、魔法も使えない貴様に用はない・・・・」

 

 

その瞬間、俺にある感覚が襲った。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が俺を襲う。

 

 

(重加速だと!!!)

 

 

「ほぅ、便利な力じゃないか」

 

「これで邪魔されずに・・・貴様を殺すことが出来るな」

 

「それでは、処刑を実行する・・・フンッ」

 

 

黒い槍を俺に突き出してきた。

だが・・・・・

 

 

「あまいんだよ!!!」

 

 

俺は黒い槍を普通に避けた。

近くにシフトカーがいたことで重加速から逃れることができた。

 

 

「何!?なぜこの能力化で動ける!!」

 

「言うわけないだろう、馬鹿め」

 

「クッ、だが、戦う力もないのにどう対処する」

 

(戦う力がないか・・・・一誠には本当に感謝しないとな)

 

 

「いいことを教えてやるよ、ドーナシーク」

 

「なに?」

 

「俺の変身は基本体力さえあれば変身は可能だ」

 

 

そう、俺の変身ではウィザードなどの特別な条件以外であれば基本は体力があれば変身できる。

 

 

「だが貴様は先ほどの戦いでかなり消耗していたはずだが?」

 

「たしかにな、だが1つ俺にとってもうれしい誤算があった」

 

 

====================================

 

それはバイクで移動中の時。

 

 

「ハァッ・・ハァッ・・・」

 

「神崎さん、やっぱりもう体力が・・・・」

 

「さすがに受身過ぎたからね、無理もないさ」

 

「魔力はどうなんですか?」

 

「ホープの力のおかげで少しは回復したけどそれでもジリ貧だな」

 

「・・・・・・」

 

「でも、俺は約束したんだ、アーシアを助けるって」

 

「たとえ変身できなくなったとしても、絶対に彼女を助け出すさ」

 

「体力が回復すれば変身できるんっすか?」

 

「ああ、ウィザードは無理だけどそれ以外だったらって、どうした?」

 

 

一誠君が急に喋らなくなったので軽く後ろを除いたが何か考えているようだった。

 

 

「なぁ、ドライグ」

 

{なんだ}

 

()()()で体力を譲渡することってできるのか?」

 

「一誠??あの技って何のことだ??」

 

{あれは普通、俺の力で倍加した力を対象に譲渡する能力だ}

 

「じゃあ・・・・・」

 

{だが、神器は宿主の思いにより進化するものでもある}

 

「!!!」

 

{お前の覚悟を俺に見せてみろ}

 

「ああ!!!」

 

「一誠・・・・」

 

「神崎さん、いきます」

 

赤龍帝からの贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)

 

 

===================================

 

 

「うれしい誤算だと?」

 

「ああ、俺の弟子が最高だったって事だ」

 

 

そして俺はベルトとブレスレットを出現させる。

そのベルトは真ん中に黒いディスプレイになっており、回りには速度メータがついている。

右側に車の鍵のような物がつき、ディスプレイの下には『 R 』の文字が彫られてる。

 

ブレスレットには何かを装着させるような仕組みが施されていた。

 

 

{ふむ、今回の敵はあそこのロイミュードかね}

 

「ベルトが喋っただと!!!」

 

 

黒いディスプレイに赤いLEDで顔のように表示される。

 

 

「ベルトさん、コンディションチェックを頼む」

 

{OK!!任せたまえ}

 

 

俺の周りにシフトカー達が回る。

 

 

{体力残り34%、ダメージ値60%、疲労値75%、う~む、かなり無茶したようだね}

 

「変身継続時間は?」

 

{スピードに変身して5minute!!!}

 

「5分か・・・・」

 

{短いかね、マサヨシ}

 

「充分過ぎるさ、それにプロトタイプはもういいのか」

 

{あぁ、君に合わせて全シフトカーアップデート済みだ、問題なく使用できるぞ}

 

「ありがとう、ベルトさん」

 

 

再びドーナシーク、ロイミュードに視線を合わせる。

 

 

「さて、もう一度聞くが降伏する気はないのか」

 

「最強の俺様に敗北などありえない、貴様が死ぬのだからな~~」

 

「そうか、交渉決裂だな」

 

 

俺はベルトのキーに手をかける。

 

 

「ベルトさん、よろしくお願いします」

 

{OK!! Start!! Your Engine!!}

 

 

俺はベルトのキーをひねる。

 

{♪~~~~}

 

待機音がなり、ディスプレイには赤い波紋が流れる。

 

俺は赤いミニカー『シフトスピード』を手にし、後部を180度回転させる。

ミニカーをブレスレット『シフトブレス』に装着し、そしていつもの言葉を叫ぶ。

 

 

変身!!

 

 

装着したミニカーを前に倒す。

 

 

ドライブ!!タ~イプ!!スピード!!!

 

 

そして俺は赤い鎧を纏い、左肩から斜めのくぼみに中央に赤い線の入ったタイヤが装着された。

ベルトのディスプレイには『 S 』のアルファベットが浮かぶ。

 

 

「何だその姿は!!」

 

{仮面ライダードライブ}

 

「さぁ、ひとっ走り付き合えよ!!」

 

 

========================================

 

 

「フン、ハッ、ハァー」

 

「クッ、俺様をなめるなー」

 

 

ロイミュードの槍の攻撃を車のハンドルがついた剣、『ハンドル剣』で攻撃を捌いていた。

 

 

「どうした、こんなもんか!!」

 

「グッ、クソー!!!」

 

 

ロイミュードも馬鹿にされたと思い、攻撃に勢いが増す。

 

 

「よし、次はこいつだ」

 

 

オレンジ色のミニカー『マックスフレア』をシフトブレスに差込み、

キーをひねって、倒した。

 

 

タイヤコウカーン!!マックスフレア!!

 

 

ディスプレイに炎のイラストが浮かび、体のタイヤがはずれ、

太陽のような形をしたオレンジ色のタイヤが装着される。

 

 

「死ね~~~~!!」

 

「ハァァ・・・フン」

 

 

俺は突貫を最小の動作で避けて、炎を纏った拳で正拳突きを放つ。

 

 

「ゴォハァッ・・・」

 

 

正拳突きがきれいに決まったため、ダメージで動きを止めた。

 

 

{シフトアップで火力をあげるんだ!!}

 

「了解!!」

 

 

キーをひねり、マックスフレアを3回倒す。

 

 

フレ!フレ!フレア!!!

 

「フッ、フッ、ハァーー」

 

 

火力の上昇した炎の拳で2回ジャブを入れ、最後にアッパーを放つ。

 

 

「うがぁーーーー」

 

 

これまたきれいに決まったため、3メートル程、吹き飛ばした。

 

 

{案外頑丈だね}

 

「俺が最強なんだ、堕天使最強は俺だ~!!!」

 

 

ゆらゆらと立ち上がるロイミュード。

 

 

「お前を絶望に染め上げるゥゥゥゥゥ」

 

 

ロイミュードは羽を広げ、空中を舞い始めた。

 

 

「さぁ、絶望しろ!!自身の無力さに!!!」

 

 

そう言い放ち、ロイミュードは俺ではなく隅にいたアーシア目掛けて突貫する。

 

 

「キャーーー!!」

 

「ヒャッ、”チュドン”ギャゥ!!」

 

「わかりやすいんだよ!!」

 

 

俺は車のドアにトリガーのついた銃『ドア銃』で狙撃した。

 

 

{マサヨシ、タイムリミットまで1()m()i()n()u()t()e()だ}

 

「了解、これで決める」

 

 

キーをひねり、シフトブレスの赤いボタンを押し、マックスフレアを倒した。

 

 

ヒッサーツ!!フルスロットール!!フレア!!!

 

 

すると天井が割れ、そこから赤いスポーツカー『トライドロン』が現れた。

トライドロンはロイミュードの回りを高速で回り始める。

 

 

「ハァァァ」

 

 

右足に炎を纏い、旋回するトライドロンに目掛けキックを放った。

すると、俺はトライドロンにはじかれ、中央にいるロイミュードにキックがヒットする。

そして、またトライドロンに跳ね返される同様の行為が続く。

 

 

「これで終わりだ!!ハァーーーー!!!」

 

「がぁーーーーーーー」

 

 

最後の一撃が決まり、トライドロンが止まり、”キィキィー”と音を立て俺も止まった。

爆炎の中からガイアメモリが飛び出し”ピキッ”と割れ、地面に落ちた際に砕けた。

 

 

{Nice Driveだった!!}

 

「あぁ、助かったよベルトさん」

 

 

変身がとけ、あまりの疲労感に立っていられずその場に座り込んでしまう。

 

 

「ハハッ、さすがに無茶しすぎたかな・・・ってちょ」

 

 

今回の件で相当な無茶をしたと振り返っていると急にアーシアさんが抱きついてきた。

 

 

「私達の・・ために(ポロポロ)・・・・こんなボロボロになってまで・・・」

 

「ごめんなっ!!」

 

 

俺は彼女の言おうとした言葉を遮る為、彼女の唇に人差し指を一本立てて当てた。

 

 

「俺は君達の笑顔や希望を守りたくて、誰かから頼まれたからじゃなくて俺自身もそうしたいと思ったからこそ行動できたんだ」

 

「神崎さん・・・・」

 

「だから謝罪はいらないよ、君達は何一つ悪いことなんてないんだから」

 

「はい・・はい・・・・」

 

「君には泣いてる顔より笑っている顔のほうがとても似合っているからね」

 

「え?」

 

「俺の前で、そんな悲しい顔は見せないでくれ」

 

 

俺は精一杯の力で腕を上げ、アーシアの目元まで持って行き、目元を拭う。

 

 

「はい」

 

 

アーシアは涙を流しながらも、笑顔を俺に向けてくれた。

 

 

「助けてくださってありがとうございます、『仮面ライダー』さん」

 

(『仮面ライダー』か・・・・・)

 

「あぁ、ありがとうアーシア」

 

 

俺はアーシアに感謝しながら彼女に微笑み返した。

 

 

「シショ~~~!!!だいじょーぶですか~~~~~!!!!」

 

 

崩れた天井を見るとそこには服がボロボロの一誠君がいた。

 

 

「いや~、急に赤い車が入ってきた時はびっくりしましたよ!!」

 

「一誠もありがとう」

 

「えっ?」

 

「これからもよろしく、俺の一番弟子さん」

 

「ウッス」

 

 

そして俺らは、後から合流したグレモリーさん達と共に駒王学園へと戻った。

 

 

 

 

To Be NEX譁 ュ怜喧縺Я隋蕁V襦蹇Ю錙顱A鵝

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~Side:ドーナシーク~

 

 

「ハァ、ハァ、ガハァッ」

 

 

俺はあの爆炎の中で転移魔法を使い、教会とは別のアジトに転移した。

 

 

「クソッ、あのクソ虫が!!ハァ、ハァ、次こそは最強のこの私が・・・」

 

 

”コツン、コツン”

 

 

足音がが聞こえた。

 

 

(確か、ここにはまだフリードがいたはず・・・)

 

「おい、フリード!!!早く来い!!!」

 

 

”コツン、コツン”

 

 

音のスピードは変わらず同じスピードでこちらに向かってきていた。

 

 

「早くし!!!!」

 

「貴様、何者だ!!!」

 

 

俺は目の前のヤツに問いただす。

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

無言でその男は『()()()()()()()()()()()()()()』を腰のベルトに装着した。

 

 

「なっ、貴様は」

 

目の前のヤツが黒い鎧を纏った。

目の前のヤツは腰につけた四角い物から何かを1枚取り出し、左手に持つ龍の顔の機械に入れた。

 

 

アドベント

 

 

”ギャァーーーーーン”

 

 

鳴き声が聞こえてきた。

鳴き声のするほうを見るとそこには大きな姿見があった。

 

ここに姿見は元々なかったのだがそれよりも驚愕することが起きていた。

 

 

「なっ!なんなんだ!!あのドラゴンは!!!」

 

 

鏡の中にのみに存在している黒く宙に浮くドラゴンの姿だった。

 

 

「やれ」

 

 

黒い鎧が言い放つとそのドラゴンが鏡の中から出てきた

 

 

「ヒッ!!ヤダ!!まだ死にたくな」

 

”ギャァーーーン”

 

 

俺の体に喰らい付き、俺ごと鏡の中に戻っていく。

 

 

「イヤダーーーーーーーーーーーーーーーー」

 

「オリジナルメモリの試運転でいい実験になった、感謝するよ」

 

 

ドーナシークの断末魔の後、そこには誰一人いなくなり、不気味な静寂が続いた。

 

 

 

To Be NEXT⇒

 

 




あとがきという名の次回予告

ひ「やっとこ戦闘シーンおわた」

イ「お疲れ、お前にしてはがんばったんじゃないか?」

ひ「まぁ、平日忙しくてあんまかけなかったから結構ぎりぎりまで書いてしまったよ」

イ「何で平日は書けなかったんだよ?」

ひ「・・・・・ブッチギリマッチにハマってました(てへぺろ♪)」

イ「ゲームかい!!」

ひ「俺は仮面ライダーも好きだが同じようにドラゴンボールも好きなんだ」

 「いたし方あるまい」

イ「それでも、熱意はちゃんと向けとけよ」
 「ようやくお気に入りも100人超えたんだからさ」

ひ「それに関しては皆様本当にありがとうございます」
 「皆様今後とも『D×D×R』を応援・・・」

ひ・イ「よろしくお願いいたします」


次回予告


{神崎さん・・・私達とO☆HA☆NA☆SIしましょうか}

{魔法使い様、ありがとうございます}

{アーシアはどうしたいんだ}

{私は・・・・・}


次回 『ハイスクールD×D×R』

1×14:仲間、増えました!


ひ「さぁ、次回も・・・・」

イ「よろしく!!」


チャン♪チャン♪


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1×14:後始末、終わらせます!

更新少し遅くなりました。

夜中投稿する前に寝落ちしてしまった↷

後始末回、次回予告とタイトルが違うが気にするな

どうぞ


~Side:イッセー~

 

 

「「ふぃ〜〜〜」」

 

「ホント、死ぬかと思いましたよ」

 

「おいおい、「こんなところで死ぬ気なんてありません」って言ってたじゃないか」

 

「カッコつけただけですよ〜昇格(プロモーション)使ってなかったらほんと危なかったんですからね」

 

 

俺は教会での戦いでは、昇格(プロモーション)を使い、戦車(ルーク)騎士(ナイト)の力を活かしてその場を乗り越えた。

 

 

「譲渡もうまくいったし、ホント付いてましたよ」

 

{俺が調整したから成功したんだ、運で出来たと勘違いするな}

 

「へ?お前が!!」

 

{当たり前だ、今までの奴とは違って面白そうだったからな、勝手に死なれたら困るんだよ}

 

「あの〜ドラゴンのツンデレなんて誰も望んで無いのですが・・・」

 

{お前の精神を灰に変えてやろうか、あぁん?(怒)}

 

「お力を貸していただきありがとうこざいます、これからも末永くよろしくお願いします」

 

 

「ハハハ」と周りから笑みがこぼれた。

 

ついさっきまで命がけで戦ってきたってのにな。

 

 

「これからもよろしくな、ドライグ」

 

{あぁ、死ぬまでは面倒見てやるよ『相棒』}

 

(『相棒』か・・・・)

 

 

ドライグに認められた事がとてもうれしく思えた。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

「それでは、本題に入りましょ」

 

 

グレモリーさんは目を覚ましたレイナーレさんとカラワーナさん、ミッテルトさんを睨みつけた。

 

 

「あなた達は悪魔が管理している土地に危害を加えた事は自覚しているわよね」

 

「はい・・・・・」

 

「そう・・・・なら、覚悟はできているわね」

 

「部長!?やめ・」

 

「一誠、待ってくれ」

 

 

俺はグレモリーさんを止めようとした一誠の言葉を遮った。

 

 

「何で神崎さんが止めるんすか!!」

 

「木場君と塔城さん、一誠を頼む」

 

「「はい」」

 

 

一誠に席を外して貰う様に木場君達に促した。

この行動に関しては先に二人にお願した為、何の疑問もなく行動してくれた。

 

 

「ほら一誠君、暴れないで」

 

「はなせ木場!!神崎さん!!命を懸けてまで救ったのに何で!!」

 

「イッセー先輩、行きますよ」

 

「護るならちゃんと護れ!!!アンタは『仮面ライダー』だろ!!!」

 

「・・・・・・・・」

 

 

一誠が部室を去るまで見届けた。

俺は一誠に対して酷い事をしてしまったな。

 

 

(ホント、師匠失格かな・・・でも)

 

「グレモリーさん、途中で止めてしまってすまない」

 

「えっ、ええ」

 

(さぁ、君はどう判断を下す)

 

 

俺がこの状況を作り上げたのには理由があったからだ。

それにより、俺の行動は大きく変わってくる。

 

すると、レイナーレさんがグレモリーさんに向かって話す。

 

 

「悪魔の皆様、それに魔法使い様」

 

「アーシアを・・・私を助けていただきありがとうございます」

 

「今回はドーナシークの上司でもあった自分の失態です」

 

「ですので罰するのは私のみにしていただけないでしょうか」

 

「レイナーレ!!」

 

「何言ってるんすか!!」

 

「レイナーレ様!?」

 

 

罰するのは自分にと頼みこむレイナーレさんに対して、周りが大きく反対していた。

 

 

「私の命だけで許して話もらえないでしょうか」

 

 

周りの反対を気にせず、話を進めるレイナーレさん。

すると、グレモリーさんはこちらを見て、俺の様子をうかがった。

 

 

「これは『悪魔』と『堕天使』の問題だ、君が考えるんだ」

 

「えぇ、あなたがそれで良ければ・・・・」

 

 

そして、彼女は再び、レイナーレさんに向き合い、決断を下す。

 

 

「今回、アーシアは巻き込まれた被害者だから罰は与えないわ」

 

「そこの二人も一緒に罰する予定だったけれどいいわ、あなたのお願いを聞いてあげる」

 

「ありがとうございます」

 

 

そこに二人の堕天使は言葉を挟んだ。

 

 

「ふざけるな!!レイナーレがなぜ罰せられなきゃなんないの!!」

 

「そうっす、全部あのドーナシークが悪いんすよ!!」

 

「カラワーナ・・・ミッテルト・・・」

 

 

すると、アーシアさんからもグレモリーさんに頼み込んだ。

 

 

「グレモリーさん、私からもお願いします」

 

「いいえ、これは私の覚悟でもあるのアーシア」

 

「レイナーレ様・・・・」

 

 

彼女はアーシアに微笑みかけて語った。

 

 

「私は上に立つ者でありながら、部下の言葉に踊らされ、騙され、そして危害を加えてしまったの」

 

「そんな・・・・」

 

 

彼女の言葉に涙を流すアーシア。

彼女はアーシア近づき、抱きしめた。

 

 

「酷い事をしてごめんなさい、そして無事でいてくれてありがとう」

 

「私は全然気にしていません・・・だから!!」

 

「ごめんなさい、最後にアーシアと話せてよかった」

 

 

彼女はアーシアの背後から魔法を使い眠らせた。

 

 

「さすがにアーシアには見せられないわ」

 

 

アーシアをソファに寝かせ、再びグレモリーさんの前に座る。

 

 

「さぁ、始めるわよ」

 

「はい、悔いはありません」

 

 

グレモリーさんは彼女に対して掌を向ける。

 

 

(その選択を取ってしまうのか・・・・)

 

カチャ

 

「「「「「!!」」」」」

 

 

この場にいた俺以外の全員が驚愕していた。

それもそのはずだ。

 

なぜなら、俺がグレモリーさんに対して()()()()()()()()を向けているからだ。

 

即座に動こうとした姫島さんだが、俺が睨むと動きを止めた。

 

 

「神崎さん・・・・どういうことかしら?」

 

 

僅かに声が震えていた。

 

 

「悪ふざけはやめて頂戴、そのおもちゃも早く締まってくれないかしら・・・」

 

「・・・・」

 

 

俺はグレモリーさんに構えていた銃を地面に向ける。

 

バン

 

打った箇所には弾痕が出来ていた。

その光景にグレモリーさんと姫島さんは顔の血の気が引いて行った。

 

 

「部長!!」

 

「木場、その場から動くな」

 

「!!」

 

 

銃声を聞きつけ部室に駆け込んだ木場君を静止させた。

グレモリーさんは俺に理由を聞きにきた。

 

 

「神崎さんどういうつもりなの・・・あなたと私達は同盟を組んでたんじゃ・・」

 

「その同盟は破棄させてもらう」

 

「「「!!!」」」

 

「何を驚いているんだ?ただの口約束じゃないか」

 

「ただのって・・・」

 

 

俺はさらに追い込みをかける。

 

 

「君には失望したリアス・グレモリー」

 

「失望ですって?」

 

「あぁ、100点満点中の0点だよ」

 

「どういう意味よ・・・」

 

「説明しないと分からないか?」

 

 

やはり思い浮かばないのか無言のまま黙ってしまう。

 

 

「ヒント、『悪魔と堕天使』・『休戦』」

 

「!!」

 

 

姫島さんはこのヒントで完璧に理解したようであった。

 

 

「御宅の女王はもう理解できたみたいだけどな」

 

「朱乃!!わかったの」

 

「ええ・・・神崎さん私から申してもよろしいでしょうか」

 

「仕方ない、どうぞ」

 

「リアス・・・確かに神崎さんの言う通り0点の選択をしましたわ」

 

「だからなにを」

 

「それはこの場でレイナーレさんを殺害しようとしたことです」

 

「!!」

 

 

姫島さんの答えは正解だった。

俺はただレイナーレさんを護ると約束したからグレモリーさんに反発したのではない。

ここでレイナーレさんを殺害しようとした行為が間違っていると気づかなければならない。

 

彼女は領主として、貴族の悪魔として。

 

 

「リアス・グレモリー、もうわかったかな」

 

「・・・・・・・」

 

「はぁー、じゃあ彼女を殺害した事で悪魔に起こるデメリットを考えろ」

 

「デメリット・・・・・ッ!!」

 

「答えが出たようだな」

 

 

彼女は体を震えさせ、俺の問いに答えた。

 

 

「もし、私が彼女を消していたら最悪・・・悪魔と堕天使で戦争になっていた・・・・」

 

「正解だ」

 

 

そう、グレモリーさんはとても危険な選択をしてしまっていた。

両陣営ともに『休戦中』の際に同胞が領地内で悪さをしていたから死刑にしたなど、

新たな火種になること間違いなしだった。

 

しかも、レイナーレは上司ではあったが部下に踊らされていた事も考えると彼女の非も少ない。

 

 

俺はグレモリーさんと同盟を組んでからよく彼女を観察していたが彼女は多くの経験が足りていないと感じた。

例を上げるとすれば、はぐれ悪魔への取り組みが大きく目立った。

彼女達が動くのは大臣からの情報を得てから、つまり事件が起きてからの取り組みしか行われていないのである。

資料を見た限りだと十数件に渡り、人間への被害が出ているとの事だった。

これでは領主としての立場がただのお飾りにしか思えなくなってしまう。

 

だからこそ俺は今回、強行手段に出た。

グレモリーさんはプライドも高いため、自身の過ちに素直に理解させるために、俺は彼女達の敵になる。

 

 

(さぁ、計画通り進ませる)

 

「そして俺は悪魔との同盟を破棄し、堕天使陣営と新たに同盟を組む」

 

「「「「「「!!!」」」」」」

 

「レイナーレ、同盟について異論は?」

 

「いっ、いえ!!ありませんが・・・・」

 

「同盟は成立だ、それで堕天使に危害を加えようとする悪魔さん方は敵と言う認識になるが・・・」

 

 

俺が堕天使陣営についた事で話が一変する。

クウガ、ウィザードと強力な力を持ち合わせた人物が味方から急に敵になる。

当然、グレモリーさん達はよく思わないだろうが、これでいい後ろ盾ができた。

 

 

(さて、あとはグレモリーさんが非を認めて、こちらが本気ではなかったことも伝えられれば・・・)

 

 

だが、物事はうまくいかなかった。

 

 

「ふ・・・・・」

 

「ふ?」

 

「リアス!!ダメ、堪えて!!」

 

ふざけないで!!!

 

「・・・へ?」

 

 

まさかの否定の言葉に思わず変な声が出てしまった。

そして姫島さん、木場君共に額に手を当てた。

 

 

「なんで私が間違ったから銃で脅して裏切るなんて卑怯よ!!!」”うるうる”

 

「えっちょ・・あの~・・・・」

 

「間違ってたらいつもの様に優しく教えてくれればいいじゃない、なんでそんなに怖いのよ」

 

「いや、その・・・・ごめんね」

 

「ごめんって謝って済む問題じゃないわよ!!ホントに怖かったんだから!!」

 

「ひっぐ・・・うわぁぁぁぁん」

 

 

ついに泣き出してしまい、俺も動揺してしまう

 

 

「ホント、ごめんね、ほら、銃もしまったから怖くないよ~」

 

「我慢の余り感情があふれ出ましたわね」

 

「ハハハ」

 

「2人も見てないで手伝ってくれ!!」

 

 

この後、グレモリーさんが泣き止むまで10分も掛かりました。

 

 

=======================================

 

 

「はい、じゃあ気を取り直して今後の事を話し合おうか」

 

 

今、部室には一誠に塔城さんも戻ってきてフルメンバーがそろっている。

アーシアも眠りから覚め、現在は起きている。

 

 

「・・・・・・////////」

 

「神崎さん・・・まだ部長が回復していませんが」

 

 

一誠に言われたと通り、グレモリーさんは大泣きした姿を他人に見られた羞恥により、

耳まで真っ赤にさせながら自席の机に突っ伏していた。

 

 

「あ~、グレモリーさんはそのままでいいですので・・・ホントにごめん」

 

 

軽くグレモリーさんに頭を下げ、話に戻る

 

 

「レイナーレ堕天使陣営に関してさっきも話した通り悪魔陣営から手を下せないため現在は形式上『捕虜』と言う形で保護をする」

 

 

異論はあるかと聞いて行ったが満場一致で無しだった。

 

 

「ちなみに捕虜の扱いは俺が決めた通りとする」

 

 

俺はその内容について紙にまとめた物を全員に見せる。

 

 

1、捕虜に対する処遇が上層部で決定するまでこちらで危害を与えてはならない

2、捕虜に衣食住をきちんと与えること

3、捕虜の監視の為、悪魔陣営から人員を出すこと(最低1人)

4、捕虜が女性の為、監視も女性とする

5、監視の際にモラルは守りましょう(相手の嫌がることダメ×)

 

 

「まぁ、こんな感じかな」

 

「なんか、捕虜なのに軽いっすね」

 

「大丈夫、これでうまくいくさ」

 

「じゃあ、これで堕天使の3人は捕虜ってことでよろしいのでしょうか?」

 

 

姫島さんがいい所を聞いてきた。

 

 

「いや、捕虜はレイナーレだけだ」

 

「「「!!」」」

 

「それはどうしてですか!!」

 

「単純にこれは悪魔だけの問題じゃないからだ」

 

「ミッテルトとカラワーナには堕天使の総監督アザゼルの元まで行き、今回の件を報告してほしい」

 

「そんな、敵の元に易々と返すのですか!!」

 

 

木場君がこの意見に対して物申してきたが、俺は彼に答えを返す。

 

 

「ああ、堕天使陣営にこちらに捕虜がいる事を伝えなければならないからだ」

 

 

まず、第一に堕天使である2人に伝令役を頼むことで情報の精度が増す。

そして、こちらに敵意が無いことも友好的に話を進めたい旨を伝えられれば事がうまく進む。

今回は上層部の判断に任せるしかないため、最悪な事態を避けるため、最適だと判断したのだ。

 

 

「捕虜は『人質』じゃないからな、そこはうまくやらないとね」

 

「私達、堕天使はその意見に賛成です」

 

「でも、いいんすか?私達が裏切るとか考えないんすか?」

 

「それを聞くってことは、ほぼ裏切る気はないんじゃないかな」

 

「あっ、はめられたッす」

 

 

堕天使の3人もこの件に関しては同意となった。

するとレイナーレさんが俺に質問をした。

 

 

「あの、アーシアはどうするのでしょうか?」

 

「アーシアさんは堕天使陣営にちゃんと帰します」

 

「本当ですか!!ありがとうございます!!」

 

「事件に巻き込まれたからこっちに来たわけだしね、帰さないと逆に問題になる可能性がある」

 

 

レイナーレを悪魔側で捕虜として保護するのは堕天使陣営としても納得できるだろうが、

アーシアの立場は変わってくる。

アーシアは堕天使に保護されていた状況であって、それが今回の件で被害者のアーシアが敵の捕虜に

なったとなれば堕天使達も怒り心頭だろう。

 

だが、その考えはアーシアの言葉で一変した。

 

 

「待ってください、私もレイナーレ様と同じ捕虜の扱いにしてください」

 

「アーシア!!何言っているの!!」

 

 

まさかの本人から捕虜にしてほしいだなんて思いもしなかったが理由を聞く。

 

 

「どうしてだい?」

 

「あの・・・・」

 

「いや、言い方を変えよう」

 

「アーシアはどうしたいんだ?」

 

「私は・・・もっとレイナーレ様と話したい、一緒にいたいです!!」

 

「アーシア・・・」

 

「これは私の我儘です、本当は皆さんの為にもいけないとわかってます、でも・・・」

 

 

アーシアの本音が伝わった。

アーシアにとってレイナーレは本当に大切な人だということが。

 

 

「お願いします」

 

「ん、OK」

 

「「「「「「え!?」」」」」

 

「いや、いいよ」

 

 

一誠以外が驚く中、俺は何も問題ないと答える。

 

 

「さすがにそれはまずいんじゃない?」

 

「彼女を捕虜にするのは無理がありますわね」

 

「大丈夫さ、俺が何とかする」

 

「何とかって・・・」

 

「それに彼女達はお互いが希望なんだよ、無理やり引き裂くなんて俺にはできない」

 

 

レイナーレもアーシアもお互いを大切に思い、そして支えあっている。

彼女達の希望になると言っておいて希望を奪うなんて事は絶対にできない。

 

 

「さてと、大まかな方針も決まったし、後始末と行きますか」

 

「それじゃあ、オカルト研究部および堕天使達、行動開始だ」

 

「「「「「おーーーー!!!!」」」」」

 

 

==========================================

 

 

そして数日が立ち、レイナーレに判決が総督アザゼルから言い渡された。

 

彼女は一か月間神の子を見張る者(グリゴリ)への立ち入り禁止と他の堕天使勢力の力を借りることの禁止。

そして俺の監視が言い渡された。

悪魔側もこれで承知しており、最悪な事態は避けられたようだった。

アーシアも同じくレイナーレの補佐という役目で俺の監視を命じられたそうだ。

 

ともあれ一件落着と言いたいところだったのだが・・・

 

 

「主よ、こんなにもおいしいご飯がいただけるなんて」

 

「全部おいしい、クッ、女として負けた気がする」

 

「アーシアちゃん、レイナーレちゃん、おかわりは?」

 

「では、お味噌汁を」

 

「私もお願いします」

 

「神崎さん・・・なんかにぎやかになりましたね・・・」

 

「まぁ、しょうがないさ」

 

 

俺の監視をすることになった二人だが敵対しているわけでもないのでこそこそと監視するわけではなく、一誠の家にさらに居候という形で住むことになった。

最初は部屋が足りないと一誠はグレモリーさんに言っていたがその翌日には部屋数が増えていた。

なんでも魔王(お兄様)魔王に頼んで増築してもらったのだとか。

 

 

(増築する魔法があるのか!!!)と内心疑問に思っている。

 

 

「それじゃあ、母さん行ってきます」

 

「「「比奈さん、行ってきます」」」

 

「二人とも頑張ってね」

 

 

アーシアとレイナーレは今日から駒王学園高等部に転入することになった。

アーシアが学校に行ってみたいと言っていたことからまた、グレモリーさんに頼んでみたが、

何の問題もなく了承が得られた。

 

 

「アーシア、すごい顔が生き生きしてるわね」

 

「はい!!すごく楽しみです!!」

 

「俺と一緒のクラスらしいから困ったことがあったらすぐ行ってくれよ」

 

「はい、イッセーさん」

 

「俺も一誠になら任せられるよ」

 

「そんな大げさですよ」

 

 

そしてたわいもない話をしながら歩みを進める。

隣を歩いていたレイナーレから話しかけられた。

 

 

「本当に嘘みたいな生活です」

 

「いや、現実だよ、アーシアの笑顔も君の笑顔もね」

 

「フフ、とても感謝しています」

 

「俺は大したことはしてないさ」

 

「それでも、助けられたことに変わりないわ、ありがとう」

 

 

彼女は立ち止まり俺を見つめた。

 

 

「感謝を無下にするのもな、それに俺からもありがとうと言わせてくれ」

 

「え?」

 

「レイナーレが最後、自我をコントロールしてくれたおかげで俺はやられずに済んだ」

 

「俺を信じてくれてありがとう」

 

「フフ、お互いにありがとうだなんておかしいわね」

 

「ハハ、それもそうだな」

 

 

お互いに笑い合う。

すると彼女から一つお願いをされた。

 

 

「神崎さん、少しかがんでくれない?」

 

「?、こうか?」

 

 

俺が身を屈めると彼女が唇を俺の頬に当てた。

 

 

「ありがとうございます、『私の』魔法使い様♪」

 

 

すると彼女は少し離れてしまったアーシアたちの元へ駆け足で戻った。

 

 

「神崎さ~ん、早く来て下さ~い」

 

 

一誠が俺を読んでいた。

 

 

「ハハ、こりゃ一本取られたな」

 

 

俺も一誠の元に駆け足で戻り歩みを進めた。

 

俺は本来この世界の人間ではないため、この世界に干渉など本来してはいけないのかもしれない。

 

(でも・・・)

 

俺は困ってる人を、傷ついてる人を、希望を失いかけてる人を見捨てるなんてできない。

それは俺が『神崎正義』だからだ。

『神崎正義』として生きてる以上、どんな世界であろうともその信念を曲げるわけにはいかない。

 

(それに・・・)

 

{マー君は私にとってのヒーローだからね}

 

(彼女の為にも立ち止まってはいられないな)

 

 

だから今日も、この世界の地を俺は歩み続ける。

 

 

 

To Be NEXT ⇒




感想、次回予告


アーシア「あれ?ひまわりさんは?」

レイナーレ「なぜか任せるって小さい声で台本渡されたけど」

イッセー「あいつ女の子相手だとああなんだな」

レ「まぁ、いいわ、始めましょうか」

ア「はい」

イ「それにしても正直ビビったぜ、神崎さんが裏切るような発言したり、部長が超泣いていたりと・・・」

レ「それには私もびっくりしたわよ、しかも銃は本物だし、あの目も本気だったわ」

ア「私寝ちゃってましたけど、そんなにすごかったんですね」

イ「俺、あの神崎さんに睨まれたらたぶん死ねる」

レ「そんなにですか」

イ「ウン、タブンチンジャウ」

ア「イッセーさんが遠い目をしてます!!」

レ「次いくわよ、次!!」

ア「そういえば・・・・」

レ「何!?なんでそんな黒い笑顔を向けるの!!」

ア「神崎さんの頬にキスだなんて・・・」

レ「ちがっ///そういう意味じゃ///」

ア「じゃあ、どういう意味なんでしょう?私とO☆HA☆NA☆SHIしましょう♥」

レ「アーシア!!落ち着いて、目が笑ってない!!怖いから!!」


・・・・・


ア「あれ?私は一体?」

イ・レ「”チーン”」

ア「なんでレイナーレ様も!?」

 「あれ、もう時間ないのですか?わかりました」



次回予告


{使い魔を捕まえましょう}

{煩悩退散!!煩悩退散!!}

{これが天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)!!!}

{今代の赤龍帝の力を見せてみろ}


次回 『ハイスクールD×D×R』

1×15:使い魔、ゲットだぜぃ!


ア「次回もよろしくお願いしますね」

イ・レ「・・・・・・・」


チャン♪チャン♪


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1×15:使い魔、ゲットだぜぃ!

遅くなり大変申し訳ございません。

それではさっそく本編をどうぞ~~


~Side:イッセー~

 

 

ドーナシークとの戦いが終わり、アーシアとレイナーレの二人が転入して数日が経った。

 

 

「はぁ~、アーシアちゃんと付き合いたい」

 

「夕麻ちゃんとキャッキャ、ウフフなことしたい」

 

「あの二人に絶対手を出すなよ、松田に元浜」

 

 

あの2人が転入してからと言うもの、松田はレイナーレに、元浜はアーシアに惚の字であった。

ちなみにレイナーレは転入の際に、名前はレイナーレではなく天城夕麻と名乗っている。

俺の彼女(芝居)だった時の偽名をそのまま使っているが俺は特に気にしてはいない。

謝ってくれたし、俺以上に酷い目に遭わされていたから恨んだりなんてしていない。

 

・・・・本当だからな。

 

 

「うるせー、毎朝仲良く登校しやがって!!」

 

「教室ではいつも同じ弁当を楽しくおしゃべりして食べてさ!!」

 

「何で毎日同じお弁当なのか聞くと、『居候してる』だと~!!」

 

「「リア充爆発しろ!!」」

 

「うるせー!!あと、すねを蹴るな!!地味に痛いんだけど!!」

 

 

このようにアーシアが俺の家に居候している事を言ってしまい、俺に対して攻撃的になる二人組。

ただ、本気で嫌悪しているわけではなく親友同士での悪ふざけのようなものだ。

 

 

「何度も言うが、あの二人は俺に好意を持ってないからな!!」

 

「そうだとしても一つ屋根の下に美女、美少女の2人が居るだなんて・・・」

 

 

{すみません、卵焼き失敗しちゃいました(アーシア)}元浜妄想

 

{こんな格好させて、もう・・・・バカ///(レイナーレ)}松田妄想

 

 

「「うらやま死す」」

 

 

そう言いながら鼻血を流し、椅子に無気力で座る2人。

さながら、某ボクシング漫画主人公の最終回のような絵であった。

 

 

「おはよイッセーってこの2人は?」

 

「おはよう桐生、アイツらは朝から妄想ハッスルで昇天した・・・・」

 

「何だ、いつもの事じゃない」

 

 

桐生は何食わぬ顔で自席へとカバンを置いた。

 

 

「それでも気になるわね~、あの2人が好きな人ってのがね」

 

「・・・・・」

 

「アンタ、知ってるんでしょ」

 

 

気流が俺に顔を近づけ、耳元でささやいてくるが、答える気は無かった。

 

 

「俺からはなんも言えない、まだ命が惜しいから・・・」

 

(言えるわけないだろ、後ろから禍々しいオーラ感じる)

 

 

振り向いて確認したわけではないが俺を見る2人の視線が「言ったらどうなるか」と釘を刺していた。

 

 

”キーンコーン”

 

 

「ほらほら、予鈴なったから席つこうぜ、今日の体育楽しみだなー」

 

 

俺はこの戦場から脱する事に成功したようだ。

 

(今週だけで12回目だけどな)

 

言うな、ドライグ・・・悲しくなる。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:リアス~

 

 

放課後、私と眷属達、神崎先生にアーシアとレイナーレとフルメンバーでオカ研の部室にいた。

 

 

「神崎さん、この後ここにソーナが挨拶に来るのだけれど同席してもらえないかしら」

 

「ああ、まだちゃんと挨拶してなかったからね」

 

 

神崎さんはノートPCを閉じ、朱乃と一緒に紅茶とお茶菓子の準備をし始めた。

 

 

”コンコン”

 

 

「どうぞ」

 

「失礼します」

 

 

ちょうど話していたタイミングでソーナをやってきた。

 

 

「イッセーに神崎さん、それにアーシアとレイナーレも知っておいてちょうだい」

 

「彼女は本校の生徒会長であり、さらにシトリー家の次期当主でもあるわ」

 

 

ソーナはメガネを”クイッ”と少し上げ、自己紹介をした。

 

 

「この学校では 支取蒼那と名乗っていますが本名はソーナ・シトリーです」

 

「やっぱり、生徒会も悪魔だったんですね」

 

「あら?イッセー知ってたの?」

 

「いえ、最近なんとなく人間か人間じゃないかが若干分かるようになりまして」

 

(人間か悪魔か分かるって・・・・)

 

 

つい最近までただの人間であったイッセーが人間と悪魔の違いが分かるようになっている事に驚いた。

神崎さんと一体どんなトレーニングをしているのか気になったがその思考はソーナの言葉でかき消された。

 

 

「リアスに新しい眷属が入ったと聞き、こちらも新たに眷属が1名出来ましたのでお互いに挨拶をと思いまして」

 

「それに・・・・」

 

「校門の時はごめんね、シトリーさん」

 

「いえ、そんな、クウ、神崎さんは別に悪くないですよ///」

 

「いや、確かに顔を隠していたから不審者に思われても仕方ないよ」

 

 

ソーナが頬を赤く染めながら、神崎さんと会話をしているところを見て驚いた。

 

 

(あのソーナが!!あのソーナが顔を赤くしながら会話して・・・嘘でしょ)

 

 

ソーナの気持ちに気づく中、急にイッセー達の方から禍々しい気配を感じる。

 

 

「ひっ、木場・・・アーシアとレイナーレの顔見れないんだけど確認してくれないか」

 

「イッセー君、僕もまだ死にたくないから無理だよ」

 

「「フフフフフ」」

 

 

私はそちらに目を向けると笑顔でありながら目が笑っていない聖女と堕天使の姿があった。

 

 

「そっ、そろそろ眷属の紹介と行きましょうか」

 

「はっ、そうでしたね、では匙」

 

 

ソーナが呼ぶと1人の男子生徒が前に出てきた。

 

 

「ソーナ様の兵士(ポーン)を務めています、2年匙 元士郎です、よろしくお願いします」

 

「リアス様の兵士(ポーン)になった2年の兵藤一誠です、同じ兵士としてよろしくな匙」

 

 

イッセーが匙君に対して手を出すと「はぁ~」とため息をついた。

 

 

「俺としては変態3人組の一人と同じ役職だなんて、プライドが傷つくぜ」

 

「なっ!!」

 

 

さすがの私も匙君の態度に少し、不快感を覚えた。

確かにイッセーはエッチであまりよくない噂をよく耳にしたりしたけれど、それでも私のかわいい下僕が馬鹿にされるのは気に入らなかった。

 

 

「こんな変態猿なんか駒を4つも消費した俺の敵じゃないっすね」

 

 

さすがに私も我慢の限界だった。

 

 

「ちょっ」

 

「今までご迷惑をおかけしてすみませんでした」

 

「へ?」

 

 

匙君の前で急に土下座をし、謝罪をするイッセー。

神崎さん以外の全員が内心驚愕していた。

 

 

「今までの俺は欲望に身を任せた犯罪者そのものでした」

 

「おっおい・・・兵藤?」

 

「でも、師匠の、神崎さんのおかげで改めて俺の人生を考えさせられました」

 

「過去の俺は消せませんけど、今を生きる俺は変わりたいと思っています」

 

「あっああ・・・・」

 

 

イッセーの言葉にもう軽い相槌しかできなくなった匙君。

 

 

「俺はもう変態行動なんてしない、健全に生きる事ここに誓います」

 

「うん、もうわかったから、立ってくれよ兵藤、なんか俺が無理やり謝らせてるみたいで非常に気まずい」

 

「匙!!!」

 

「うぉっ、なんだ!!」

 

 

急に立ち上がり、匙君に目を向ける。

 

 

「俺が生徒会に迷惑をかけた分、気のすむまま俺を殴れ」

 

「はぁ~!?おまっ、何言って」

 

「頼む、殴れ!!不満をぶつけてくれ!!」

 

「どうしたら変態から熱血キャラにシフトチェンジしたんだよ」

 

 

匙君とイッセーにより間に入れず混沌な空間となってきていた。

 

だが、この空間を唯一打破できる人物、私たちの救世主が動いた。

 

 

「おいおい、先生の前で暴力沙汰は感心しないな」

 

 

2人の間に入り、この空気を一言で解消させた。

 

 

「はっ、すまん匙、少し熱くなりすぎた」

 

「いや、俺も悪かった」

 

「お互い仲間の悪魔同士なんだから助け合いで行かないとね」

 

 

そう言って神崎さんは自席に戻り、外出の準備をした。

 

 

「あら?神崎さん、どこか行かれるのですか?」

 

「ああ、少し約束事があってね、このまま失礼するよ」

 

 

荷造りを終え、神崎さんはソーナ達がいる扉まで歩みを進める。

 

 

「シトリーさんごめんね、また今度ゆっくり話そう」

 

「ひゃっ、ひゃい///」

 

 

ソーナに一言いい残して、部室から顔が真っ赤なソーナを残し出て行った。

 

 

「あの~ソーナ?」

 

「先生とお話し・・・・二人でお話し///」

 

「これは駄目ね」

 

 

神崎さんと話してるところを妄想して現実世界に戻れない幼馴染の姿だった。

 

 

「はぁ~、リアス様、会長がこのような感じなので挨拶も済んだので引き上げます」

 

「ええ、わかったわ」

 

「では、失礼しました」

 

 

副会長の真羅さんにより、生徒会メンバーはこの場から引き上げた。

 

 

(それにしてもあんなソーナ初めて見たわね)

 

幼馴染の新たな一面を知れて内心嬉しい思いがあった日だった。

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:イッセー~

 

 

 

生徒会との顔合わせを終え、俺達はある森へと向かっていた。

 

それは数分前の事

 

 

================================

 

 

「使い魔ですか?」

 

「そうよ、そろそろイッセーにも必要じゃないかと思ってね」

 

「使い魔か~」

 

 

イメージ的には魔法を手伝ったり命令を遂行するような存在って認識だけれど。

 

 

すると部長の手の上に赤いコウモリが現れた。

 

 

「これが私の使い魔よ」

 

「私はこの子ですわ」

 

 

朱乃さんは子鬼。

 

 

「名前は白です」

 

 

小猫ちゃんは白い猫だった。

 

 

そして木場は青い小鳥だった。

 

 

「動物もいれば鬼とかもいるんですね」

 

「ええ、物語なんかで出てくる幻獣とかもいるわ」

 

「幻獣か~なんかカッコいいっすね」

 

 

使い魔にするならやっぱりドラゴンとかユニコーンとかグリフォンとか・・・

 

 

{ドラゴンが使い魔になるなんてありえん}

 

{ただでさえプライドが高い奴が多いんだ}

 

「へぇ~、そうなのか~」

 

{それにだいたいの奴は力で示せって奴が多いからな}

 

「つまり戦って認めさせないといけないのか」

 

{お前じゃ無理だ}

 

「確かに」

 

 

ただでさえ前回の巨大怪物相手に俺は手も足も出せなかったのを思い出す。

神崎さんに止められたってのもあったけど、俺がもっと強ければ神崎さんの役に立ってたかもしれない、肩を並べて戦えたかもしれないと今でも思い返している。

 

 

(もっと強くなんなくちゃな)

 

「それでイッセーの使い魔を見つける為にある場所に行くわよ」

 

「ある場所ですか?」

 

「そう、それが」

 

 

========================================

 

 

「ここ『使い魔の森』よ」

 

「へぇ~」

 

 

目の前には多くの木々が生えており、周りも薄暗く先がまったく見えなかった。

 

すると突然男の声が聞こえた。

 

 

「ゲットだぜぃ!!」

 

「きゃっ」

 

 

アーシアが驚きのあまり尻餅をついてしまった。

 

 

「誰だ!!」

 

 

声の発せられた場所を見ると帽子を被り、白のタンクトップに黒い半ズボン、

大きな黄色いリュックを背負ったおっさんがいた。

 

 

「俺は使い魔マスター、マダラタウンのザトゥージだぜぃ!」

 

「「「使い魔マスター?」」」

 

「彼は使い魔のプロフェッショナルなのよ、彼の言う通りにすれば必ず使い魔をゲットできるわ」

 

「俺に任せてくれぃ!!」

 

 

少し胡散臭さも感じたが、木場達もここで使い魔が出来たと言っていたから彼についていこう。

 

 

「いくぜぃ!!」

 

「ウッス!!」

 

 

こうして俺の使い魔探しがスタートした。

 

 

 

=====================================

 

 

「イッセー君・・・大丈夫かい?」

 

「色欲退散、色欲退散、色欲退散」

 

 

使い魔を探して、数時間が経った。

 

 

俺にはまだ使い魔が出来ず、アーシアとレイナーレは悪魔ではないが使い魔が出来た。

アーシアは蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)という子供のドラゴンを、レイナーレはカラスを使い魔にした。

 

俺もいくつかの幻獣を見てきたものすごくガタイの良い水精霊、服を溶かすスライム、イソギンチャクみたいな形で触手を操る生物が俺の前に現れた。

正直、禁欲している身でそのようなものを目の当たりにして俺の脳はキャパを超えそうだった。

 

 

{相棒・・落ち着け、沈着冷静、悠々閑々、明鏡止水の心得だ}

 

「すぅーーーーーーー」

 

「はぁ~~~~~~~」

 

「復活!!」

 

 

何とか持ち直しました。

 

 

「それにしても中々見つからないな」

 

 

”ドッカン、ゴゴゴ”

 

 

「うぉっ!!」

 

「きゃっ!!」

 

 

急に大きな音と地揺れが起きた。

 

 

「ザドゥージさんこれは何なんですか」

 

「ああ、これは!!」

 

{この感じは!!相棒逃げろ!!吹っ飛んでくるぞ!!}

 

「へっ!?」

 

 

何やら急速にこちらに向かってく大きな気配があった。

そちらを見ると何やら蒼い物がこちらに飛んで来る。

最初は小さく見えたが近付くに連れて大きくなるのが見える。

 

 

「えっちょっ!!これはマジで死んじゃうから!!」

 

 

全速力で森の中を走り、その蒼い巨体から距離をとる。

 

 

”ドッゴーン”

 

「あっぶね~」

 

 

間一髪というところで衝突は防がれた。

 

 

{まさかこいつがここにいるなんてな・・・}

 

「ん?どういうこと?」

 

 

青いヤツがクレーターから顔を出してきた。

 

 

「いっつー、あいつ中々やるものだな」

 

「どっ・・・・」

 

「ん?この気配は・・・・」

 

 

俺は目の前にいる奴と目が合った。

その体はとても大きく、蒼穹の鱗で覆われており、とても綺麗に見える。

俺を睨む大きな眼、口から見える鋭い歯に白い吐息。

精神世界で幾度とよく似た存在を目にしてきた。

 

そう、俺の目の前にいたのは・・・・・

 

 

「お前が今代の赤龍帝か!!」

 

「ドラゴン~~~~~!?」

 

{よう、久しいなティアマット}

 

「ああ、ドライグ、やっと今代の赤龍帝が見つかったよ」

 

 

なんか知り合いらしく、悠長に話してるドライグとティアマット。

 

 

「おいドライグ、このドラゴンは?」

 

{こいつは五大龍王の1匹、天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)またの名を業龍ティアマット}

 

「五大龍王!!」

 

 

五大龍王とは以前ドライグに聞いた話によると魔王に匹敵するほどの力の持つドラゴンであるらしい。

二天龍のドライグより下階級になるらしい。

 

 

{しかし、なぜお前がこんなにも吹っ飛ばされてきた?}

 

「あっそうだった、赤龍帝も早く身を引いたほうがいいぞ」

 

「なにかと戦ってるんすか?」

 

 

こんな巨体を飛ばしてくる奴なんて全然想像できなかった。

 

 

「ちっ、奴が来たか・・・」

 

「えっ!?」

 

 

いったいどんな奴なのか、気になって周りを見渡すと遠くから赤い何かがこちらに飛んできているのが見えた。

 

 

「すまない、加減し損ねた」

 

「気にするな、さぁ・・・もっと楽しもうではないか」

 

 

それは俺のよく知る人物だった。

赤い宝石の複眼で赤いコートの仮面ライダー。

前回見た時と違って、胸にドラゴンの頭、腕に爪、背に翼、腰に尻尾がついていたが間違いなく俺の知る仮面ライダーだった。

 

 

「師匠!?!?!?」

 

「あれ?一誠!!何でここに・・・」

 

 

俺の師匠が魔王クラスのドラゴンと戦ってました。

 

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

現在、俺がいるのは森の入り口。

最初に一誠君達が集合していたであろう場所に来た。

隣に蒼い長髪に深い藍色の瞳を持つ女性を連れんて。

 

 

「神崎さん♪そちらのお綺麗な方は?」

 

「ええ、私も知りたいわね」

 

 

アーシアとレイナーレからものすごい視線を感じる。

まぁ、分かってはいたのであまり気にせず対処する。

 

 

「グレモリーさん達は知ってると思うが五大龍王の1匹、天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)だ」

 

「紹介に預かった天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)のティアマットだ」

 

「本当なの!?」

 

 

先ほど説明した一誠と知識の疎いアーシア以外が驚愕の表情を見せていた。

 

「何なら龍化しようか」とティアさんが皆に伝えるが大きく首を横に振っていた。

 

 

「それはそうと、なんであなたは龍王と戦ってたの?」

 

「5日前に彼女と会ってさ、堕天使と戦った時の魔力を感知されてたみたいで喧嘩吹っ掛けられたところが始まりだな」

 

 

 

====================================

 

~5日前~

 

 

「ハァーーーー!!」

 

「グァーーーー」

 

「はぐれ悪魔討伐完了」

 

 

俺は部活の全員が悪魔稼業中、独自に行動して怪人及びはぐれ悪魔の討伐をしていた。

 

 

「報告書で『金色の戦士』が広まっているからな、気を付けなければ」

 

「すまないそこの人間、聞きたいことがあるのだが」

 

「!?」

 

(ここまで接近されるまで気づかなかっただと)

 

 

俺に声をかけてきたのは蒼い長髪に深い藍色の瞳を持つ女性だった。

 

 

「ええ、なんでしょうか」

 

「数日前に此処の付近で強力な魔力を感知したのだけれど知らない?」

 

「魔力ですか?そんな力この世に存在するんですか?」

 

「あくまで知らない振りか・・・」

 

「その~言ってる意味が!!」

 

 

言葉の途中で急に彼女が襲ってきた。

彼女の拳が壁に当たり、壁が崩落する。

 

俺はすぐに『アークル』を出し、変身する。

 

 

「変身!!!」

 

「ほう。見たことない神器だ」

 

「お前は一体何者だ」

 

「私を満足させれば教えてやる、フンッ」

 

「!!!」

 

 

俺は蒼い女性と戦いを繰り広げた。

彼女との対決は約一時間ほど続いた。

 

 

「ハァ・・ハァ・・」

 

「人間にしてはやるな」

 

 

彼女は仰向けに倒れており、俺はまだ何とか立っていた。

最後に上手くキックが決まり、勝敗が決した。

 

 

「俺の負けだな」

 

「よっと」

 

 

彼女は軽く起き上がり、俺は変身が解け、あまりの疲労から腰を落とした。

 

 

「いや、私の負けだな」

 

「なぜ?」

 

「人間に一撃入れられて倒れた、敗因はそれで充分だ」

 

 

彼女は俺に手を差し出した。

俺は彼女の手を取って起き上がった。

 

 

「人間、名前を聞いてもいいか?」

 

「神崎正義、人間だが仮面ライダーだ」

 

「あの力は『仮面ライダー』というのか、面白い」

 

「あなたの名前を聞いてもいいですか?」

 

「ああ、私はティアマット、気軽にティアと呼んでくれ」

 

 

その名に驚愕した。

以前ドライグについて調べている時に出た名だったからだ。

だが彼女の持つ強さにも納得できた。

 

 

「あなたがかの五大龍王の1匹でしたか」

 

「私を知っていたのか?」

 

「今事情によって裏とも繋がりがあるので」

 

「なるほどな、それはともかくさっきの質問に答えてもらおうか」

 

「数日前の魔力でしたっけ、俺で間違いないと思いますよ」

 

「おお、そうかそうか」

 

 

彼女の蒼い瞳がキラキラか輝くように見えた。

しかも、なんだかうきうきしていた。

 

 

(あっまずいかも)

 

 

この後の展開が想像でき、すぐにこの場を撤退しようと準備する。

 

 

「すみません、この後用事があるのでお先に”ガシッ”!!」

 

「まぁ待て正義、一緒に飯でも食べようじゃないか」

 

「・・・はい」

 

 

こうして俺は彼女と知り合い、ご飯を食べ、その席でまた戦う約束をしたのであった。

 

 

=====================================

 

 

「最近、部室に戻ってくるの遅かった時がありましたもんね」

 

「ああ、一昨日も付き合わされたからな」

 

「いやでも、今日は見事にやられた」

 

 

今日はウィザードのオールドラゴンを使用し彼女に勝てたのだが、

肝心な彼女はとても嬉しそうにしていた。

 

 

「それに今日は赤龍帝にも会えたしな」

 

 

彼女はその蒼い瞳で一誠を睨む。

 

 

「なんかすごい睨まれてるんだけど」

 

{すまん相棒}

 

「ドライグ?なんで謝るんだ?」

 

{いや、それは・・・・}

 

「私のお宝を借りパクしてるからよね」

 

「借りパク?」

 

「そう、私が貸したお宝なんだけどあんたが封印されてからそのお宝全部盗まれてね」

 

「おい、ドライグ・・・・」

 

{・・・・・}

 

「無視かよ!!」

 

 

ドラゴンの借りパク問題が発覚し、一誠はドライグを問い詰めていた。

 

 

「それで私は今まで歴代の赤龍帝を追っていたのよ」

 

「やっと見つけたわよ」

 

「ヒィ!!ドライグさんヘルプ!!」

 

 

今にも襲い掛かりそうな彼女に俺は声をかける。

 

 

「まぁ、ちょっと待ってくれないか」

 

「正義止めるな、これは私の問題だ」

 

「流石に弟子がやられるのを黙って見てられないからね」

 

「弟子だと!!」

 

 

俺の弟子って言葉に驚愕を示すティアさん。

 

 

「そうだ、今日の俺が勝った分のお願いがまだだったよね」

 

「あっああ、そうだな」

 

 

俺はティアさんと戦う時に約束した『勝ったほうが何でも言うことを聞く』という約束を持ち出す。

初めてご飯を食べた時にティアさんが設けた約束なのだが主にその時のご飯代の支払いとかで済ませていた。

 

 

「そういえば一誠は使い魔を探してたんだよね」

 

「ウッ、ウッス」

 

「おい、正義!!まさか・・・」

 

 

俺は少しいたずらな笑みを浮かべ、ティアさんに宣言した。

 

 

「ティアさん、一誠の使い魔になってくれないかな」

 

「へっ!?」

 

「マサヨシ~~~!!」

 

 

この場にいる全員、ザドゥージさんも含め驚愕した。

何せ、龍王を使い魔にしようとしているからだ。

 

 

「神崎さん、無茶よ!!彼女は龍王なのよ!!」

 

「流石の俺も驚きだぜぃ!!」

 

 

グレモリーさんも出来れば嬉しいが半分、無茶だ半分という感情になっているが、

それでも俺はティアさんに続きを告げた。

 

 

「無理にとは言わない、ただ俺は一誠の為に全力を尽くしたいんだ」

 

「師匠・・・」

 

「んぐっ・・・」

 

「ティアさんがいれば一誠の良い特訓相手にもなると思うんだ」

 

「もしよければ俺達に協力してくれないか」

 

 

俺はティアさんに対して頭を下げる。

それを見た一誠も頭を下げる。

 

 

「俺からもお願いします、俺はもっと強くなりたいんです」

 

「赤龍帝・・・」

 

「盗まれた宝も一生かけて返しますから協力してください」

 

 

しばらく沈黙が続いたが、ティアさんが先に沈黙を破った。

 

 

「わかったから、2人とも顔を上げてくれ」

 

「ティアさん、いいのか?」

 

「私は約束を破らん、だからその申し出も受けてやる」

 

「ああ、ありがとう」

 

「それに・・・」

 

 

また、彼女の瞳がキラキラ輝く。

 

 

「赤龍帝の近くにいれば正義とも戦える機会が増えそうだからね、一石二鳥だ」

 

「ハハハッ」

 

 

少し自分の首を絞めてしまったが、これも一誠の為だと思い飲み込んだ。

 

 

「それでは赤龍帝、兵藤一誠」

 

「はいっ!!」

 

「私は厳しいからな、覚悟してくれよ」

 

「はい、ありがとうございます、これからよろしくお願いします」

 

 

こうして、一誠が龍王を使い魔としてゲットした。

 

 

「龍王が使い魔になったところ初めて見たぜぃ!!」

 

「本当に規格外だわ・・」

 

「神崎先生の事ですからしょうがないですわ」

 

「本当に彼らには驚かされるね」

 

「何も言えないです」

 

「「流石神崎さん♡」」

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:椿姫~

 

 

一誠が龍王を使い魔にした頃、生徒会室では・・・

 

 

「神崎さんと・・神崎さんと・・・エヘヘ///」

 

「会長戻ってきてください・・・駄目ですね」

 

 

何度声をかけても現実に戻ってくる事がなかった。

 

 

(明日にはちゃんと戻っているかしら?)

 

 

それだけが唯一の不安だったが、会長が恋を抱いてる姿はとても可愛らしくある意味目を離せなかった。

そんな中・・・

 

 

「あの会長が・・・そんな馬鹿な!!」

 

「匙君、あなたも現実を見てください」

 

「嘘だ!!!そんなものは幻想だ」

 

 

会長に思いを寄せていた匙君も現実逃避していた。

 

 

「いいですか匙君、会長は神崎先生に好意を寄せています」

 

「俺はそんな幻想ぶち壊します!!」

 

「落ち着きなさい、そもそもあなたでは神崎先生には勝てませんよ」

 

「駒を4つも消費した俺に敵なんていないっす」

 

 

匙君は自信満々に生徒会室を飛び出そうとしていたがメンバー全員でそれを阻止した。

 

 

「はっ、はなせ~~~」

 

「はぁ~、聞いてください匙君」

 

「神崎先生は私や会長、それにリアス様でも勝てないような実力を持っています」

 

「それに先生は駒を8つ消費した兵藤君を弟子にしています」

 

 

その一言に顔を固めた匙君。

 

 

「8つって、冗談ですよね?」

 

「本当です、そして兵藤君は今代の赤龍帝でもあります」

 

「はぁ~~~~!!!」

 

 

匙君の叫びが生徒会室に響き渡った。

 

 

「わかりましたか?自身と相手の力量の差が・・・・匙君?」

 

 

彼は顔を地面につけ、小さな声でぶつぶつと呟いていた。

 

 

俺は兵藤に何から何まで劣っている・・・駒も神器も思いも・・・ハハッ

 

「匙君大丈夫ですか?」

 

「ええ、椿姫さん大丈夫ですよ、そうですね俺ちょっと自信ないんで死んできます」

 

「いや、大丈夫じゃないです!!全員、匙君を止めて~~~!!!」

 

「俺を止めるな~!!こんな俺はいなくなればいいんだ~~!!」

 

「エヘヘヘヘ////」

 

 

匙君の自殺未遂事件がこの後、1時間に及び続いた。

生徒会メンバーは会長以外ぐったりと疲れ果てていた。

 

 

(なんでこんなことになるのよ!!)

 

 

これから約1年もこんな状態が続くかもと考え、顔を引き攣らせた私であった。

 

 

 

To Be NEXT ⇒

 

 




今回は次回予告お休みします。

次回予定では一誠の特訓風景を描いてみようと思います。

そしてライザー編へという感じです。

ライザー編でも新たなライダーを出していく予定ですのでこうご期待。


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1×EX(1):一誠特訓プログラムⅠ

かなり遅くなりました。

本当に申し訳ございません。
クレーム等は活動報告のほうにどしどしお願いいたします。

今回は一誠特訓会です。
長くなりそうだったので今回と次回でこの話を分けます。
ですので、まだ完結じゃないです。

それじゃあ、どうぞ・・・・


~Side:イッセー~

 

 

「俺を鍛えてはもらえないでしょうか!!!!」

 

 

神器が目覚め、悪魔へと転生した日、そして神崎さんに初めて師事してもらった時の話だ。

 

はぐれ悪魔バイザーの討伐が終わり、家へ帰っている最中であった。

 

 

「一誠君、鍛えてほしいって件だけど」

 

「はい、何でもします!!」

 

「まぁ、そう焦らないでゆっくりやっていこう」

 

「ウッス」

 

 

まず神崎さんは俺に必要な事を説明してくれた。

 

 

「一誠君は今後、悪魔として、赤龍帝として戦う事が確定している」

 

「それも命のやり取りが関わる事だ」

 

「はい、覚悟はできています」

 

「分かった、家に着いたら方針等をドライグも交えて話し合おうか」

 

 

俺と神崎さんは今後の修行方針を決めるべく帰路への足を速めた。

 

 

 

=======================================

 

 

{俺の力は『倍加』時間が10秒ごとに力が『倍加』する}

 

「その力ってのは身体的な強化なのか、力学的な強化のどっちだ?」

 

{身体って言うより力そのものだと思ってもらえればいい}

 

「・・・・?」

 

 

はっきり言おう。

神崎さんとドライグが何を言っているか分らん!!

身体的と力学って何が違うの?

てか、力学って何!!

 

 

「ん?一誠君どうしたんだ?」

 

{気にするな、バカだから話についてこれないだけだ}

 

 

その通り過ぎてぐうの音も出ない。

 

 

「置いてけぼりにしてごめんね」

 

「でも、これで方針が固まったよ」

 

「本当ですか!!」

 

「ああ、これから簡単に説明するよ」

 

「一誠君に必要なのは3つだ」

 

 

1、基礎身体能力

2、戦闘スタイル

3、・・・煩悩退散

 

 

「まぁ、最後のは一誠君からの申し出だけどね」

 

「俺は絶対誠さんみたいになるって決めたんです、自身の為にも」

 

「君の覚悟は確かに受け止めたよ、それじゃあ説明していくよ」

 

「まずは基礎身体能力!!」

 

 

神崎さんが説明したところによると俺の神器の力は自身の力を10秒ごとに倍加していく事になる。

つまり元の力が強ければ倍加の効力も比例して上がるとの事だった。

 

 

「基本は筋トレを中心に能力を上げていこう」

 

「ウッス」

 

「悪魔になって少しは身体能力も上がっているから少しハード目のメニューで設定していく予定だ」

 

「ウッ、ウッス・・・」

 

「明日の朝から取り組んでいく予定だからね」

 

「・・・・・ウッス」

 

 

俺が今後続けていけるか少し不安になった。

 

 

「2つ目の戦闘スタイルだけれどこれは少し待ってほしい」

 

「そう言えば気になっていたんですけど、戦闘スタイルって?」

 

「一誠君の武器は神器の籠手になるから、近接格闘系の『技』や『戦い方』を学んでもらおうと思ってね」

 

「空手とか中国拳法とかですか?」

 

「うん、ただちょっと何を教えるかで迷っていてね」

 

「へ~、神崎さんは何か武術とかやってたんですか?」

 

「まぁ、色々知ってるけど全部かじった程度だよ」

 

 

この時神崎さんは言わなかったが、後から聞いたら数十種類の格闘技を覚えており、

明らかにかじった程度の腕前ではなかった事をここに宣言する。

 

 

「これに関しては明日の悪魔家業を終えてから1時間だけ行うよ」

 

「それまでには考えておくから」

 

「了解っす」

 

 

俺は頭の中で中国拳法で戦う姿を思い描いて妄想した。

 

(やっぱり中国拳法とかはロマンがあるよな・・・)

 

 

「最後に煩悩退散の件なんだけど・・・・」

 

「はい!!!」

 

「こればっかりは座禅や瞑想をやっていくしかないかな」

 

「なるほど・・・」

 

 

確かにお坊さんなんかは欲を捨てる為によく座禅しているイメージがある。

瞑想も座禅と同じで無心になるだとか意味合いがあるのだろう。

 

 

「そうだね・・・筋トレ前に1度座禅を行って、後は空いた時間を使って軽く瞑想をやればいいんじゃないかな」

 

「つまり休み時間とかも有効に使えばいいんですね」

 

「うん、まぁさじ加減は一誠君に任せるよ」

 

「ウッス!!全力で色欲を殺してきます」

 

「まぁ、ほどほどにね」

 

 

(おっし!!変態から紳士に大変身してやるぜ!!)

 

 

俺は心の中で脱変態を叫んだ。

 

 

「それじゃあ、明日の朝5時からスタートだ」

 

「ウッス!!」

 

 

こうして俺の特訓プログラムが開始する。

 

 

 

=====================================

 

~特訓1日目(朝)~

 

 

「ねみ~~~」

 

「おはよう、一誠君」

 

 

おはよう、現時刻は朝の5時まだうっすら空が暗く朝日のオレンジ色の光が空を照らしていた。

 

 

「それじゃあ、座禅から行こうか」

 

「ふぁ~~~~~い」

 

 

*5:00~5:10→座禅

 

 

「・・・・・(カクン)」

 

”ビシン”

 

「イテッ!!・・・・・・(カクン)」

 

”ビシン”

 

「イテッ!!・・・・・・(カクン)」

 

 

10分間の座禅であったが上記のやり取りが10数回も行われた。

 

 

 

*5:10~6:00→ストレッチ・筋トレ・ランニング

 

 

座禅が終わってまずは軽いストレッチから行った。

 

 

「はい、この体制のまま10秒、ゆっくり息を吸って・・・吐いてーーーー」

 

「すぅーーーーーはぁーーーーー」

 

「はい反対側も吸って・・・吐いてーーー」

 

 

俺はこの時理解した。

 

(神崎さん、教えるのめっちゃ上手いんだけど!!)

 

神崎さんのインストラクターの才能を目にしたのであった。

 

 

そして筋トレ。

やる内容はごく当たり前のものだったが問題は回数だ。

 

 

「腕立て、腹筋にスクワットを50回3セットだね」

 

「50・・・・・」

 

「それじゃあ・・・・スタート」

 

「うぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 

ちなみに俺はこの時3セット出来ていたかの記憶がなかった。

 

 

「・・・・・」

 

「ランニングは無理そうだね」

 

 

神崎さんはこの50回3セットとランニングまでできるようになるを目標に掲げ、今後の課題とした。

 

 

*6:00~6:30→シャワー及び朝食

 

 

シャワーを浴びて汗を流して、制服に着替えた。

そして朝食。

 

 

「「「いただきます」」」

 

「どうぞ召し上がれ」

 

 

今日の献立は白米・わかめの味噌汁・焼鮭・卵焼き・ほうれん草の御浸しといたってシンプルな朝食だが、

 

 

「・・・うめぇ(泣)」

 

「うぉ!!どうした息子よ!!確かに美味いが・・・」

 

「朝食食べて泣くなんて・・・頭でも打ったんじゃないかしら」

 

 

俺は朝食を食べて泣いていたのであった。

あの激しい筋トレで疲れていた体に鮭の塩味やみそ汁の温かさ、卵焼きの旨味が体中を駆け巡った。

 

 

(俺・・・明日も頑張れそう・・・)

 

 

素直にそのように思えるぐらいの感動を味わった。

 

 

「ごちそうさまです(泣)」

 

「お粗末様でした」

 

こうして俺の朝の特訓は終了した。

 

 

 

~特訓1日目(昼)~

 

 

「・・・・・・・・」

 

俺は昼飯を食べ終え椅子の上で胡坐をし、瞑想をしてみた。

 

 

「おい、元浜・・あいつは何やってるんだ?」

 

「俺に聞かれてもわからんが・・・さては!!」

 

「なんだ?」

 

「この前出た新作お宝ビデオ2作品のどっちを買うか迷ってるんじゃ・・・」

 

「それだ!!」

 

 

(お宝ビデオ!!・・・駄目だ!!集中!!)

 

 

「松田!!見てみろ!!」

 

「ん?どうした?」

 

「あのグラウンドを歩いてる女子・・・スカートが少し捲れてパンティーが・・・」

 

「なんだと!!本当じゃないか!!」

 

 

(パンティー!!超見てぇ~~~~!!)

 

 

「クソ!!気づいて直してしまったか!!」

 

「だが、俺達の脳内フォルダにはばっちり録画済みだ」

 

「ああ、よかったな」

 

「「マゼンタピンクのパンティー」」

 

 

(ピンク!!パンティー!!ピンク!!パンティー!!)

 

(煩悩だらけじゃねえか!!)

 

 

瞑想とは程遠い物になってしまった一誠であった。

 

 

 

~特訓1日目(夜)~

 

 

「よし、始めようか」

 

「ウッス」

 

 

場所が変わりここは、誰もいない廃ビルへとやってきた。

 

 

「このビルは取り壊し予定だったが解体業者が次々と仕事を投げ出してしまったという曰く付きのビルなんだけど気にせず頑張ろう」

 

「・・・・・」

 

 

めっちゃ気になる!!

明らかに曰く付きの廃ビルだった為、一言抗議したかったが特訓に付き合わせてる身として口出しできなかった。

 

 

「1日悩んだけど何とか考えがまとまったよ」

 

「おお~!!中国拳法ですか!!それとも軍事格闘術とかですか!!」

 

 

正直に言ってめちゃくちゃ楽しみにしていたのである。

俺も映画の主役みたいに武術で敵を倒すところを移動中にずっと妄想していたぐらいである。

 

 

「それじゃあ、問題形式で出そう」

 

「問題ですか?」

 

「ああ、それじゃあ問題だ」

 

「スポーツじゃなくて格闘技でもない戦い方ってなんだ?」

 

「・・・・・へ?」

 

 

スポーツじゃなくて格闘技でもないだって?

そんな戦い方あるのだろうか?

 

 

「ちょっ、ちょっとヒント良いっすか!?」

 

「ああ」

 

「拳法とは違うんですか」

 

「違うね」

 

 

拳法じゃない!!

もうはっきり言ってお手上げだ。

神崎さんが俺に近接格闘に関する戦い方を教えようとしているはずなのに、スポーツでも拳法でもないとは予想外であった。

 

 

「神崎さん・・・本当に近接格闘なんですか?」

 

「間違いないよ、ちなみに一誠君も絶対知っているよ」

 

 

俺も知ってるってどういうことなんだ!!

空手はスポーツだし、柔術も同じ部類だから違う・・・・

 

 

「・・・・・あーーーわかんねぇ~~~~!!」

 

「ハハハ、難しすぎたかな」

 

「俺の負けです、答えを教えてください」

 

「分かったよ、答えは・・・・」

 

(なんだなんだ!!)

 

「喧嘩だね」

 

「・・・・へ?」

 

「ほら、ヤンキーや暴走族なんかも使うあれだよ」

 

「・・・・」

 

「まぁ、気持ちも分かるけどちゃんと理由があるんだぞ」

 

 

ケンカって思いながらも話に耳を傾けた。

 

 

「ただの喧嘩じゃないよ、色々な格闘技術を詰め込んだ喧嘩だ」

 

「色々な格闘技術?」

 

「そう、例えばボクシングをやっているヤンキーのパンチはすごい!!とか分かるだろ」

 

「ええ、なんとなくですが・・・・」

 

「喧嘩なら色々な応用が効くからね、一誠君は型にはまってない技術の方が身に付きやすいと思ってね」

 

「でも・・・・」

 

 

確かに俺自身に武術などを一から覚えるのは少し厳しいかもしれないが、『喧嘩』という言葉が拳法などに比べて弱く感じてしまい正直曖昧な気持ちだった。

 

 

「まだ納得できないって感じかな」

 

「ええ・・・・すいません」

 

「まぁ、習うより慣れろって事でやるか」

 

 

そう言うと神崎さんは俺に対してファイティングポーズをとった。

 

 

「これから1分間、組手をするよ」

 

「組み手ですか?」

 

「ああ、神器を展開してな、倍加はそうだな計5回までかな」

 

{それぐらいいが妥当だろう、当たれば骨折位で済むぐらいだ}

 

 

いや、危ねーじゃん、それ!!

 

 

「神崎さん・・・危険なんじゃ・・・」

 

「ほら、神器を出して一誠君!!」

 

 

駄目だ、何を言っても無駄かもしれない。

いや、もしかして神崎さんも『変身』するのかもしれない。

 

俺は赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を左手に出現させ、同じくファイティングポーズをとる。

 

 

(クウガに変身するのか、それとも別の仮面ライダーに変身するのかな)

 

「よし、じゃあー始め!!」

 

(変身しないんかい!!)

 

{おい小僧!!ぼさっとするな来るぞ}

 

「へ?ッツ!!」

 

 

気づいたら神崎さんの拳が頬を掠った。

 

 

「一誠君・・・戦いの最中に考え事は減点だよ」

 

{Boost!!}

 

「うりゃ!!フン!!テイ!!」

 

 

俺は神崎さんに向けパンチを放とうとするが全てギリギリでかわされる。

 

 

「喧嘩の時はルール無用の何でもありだ・・・だから」

 

 

顔面の手前で神崎さんの拳が止まった。

俺は神崎さんの先ほどの一言をようやく理解した。

 

 

「目つぶし・・・」

 

 

そう、人差し指と中指の間に親指を入れていた。

もしこのまま当たっていたかと思うと恐ろしくなった。

 

 

「まだだよ一誠君、油断は禁物だよ」

 

「クッ・・・・」

 

 

神崎さんが大振りで再度、拳を振り上げてきたので腕をクロスさせてガードしようとしたが、

 

 

「それも外れだよ」

 

「!?」

 

 

俺の股下に神崎さんの足がすんでで止まる。

 

 

「金的も立派な戦略の1つだと考えてもいい」

 

「・・・・(汗)」

 

 

もう声も出なかったが、喧嘩の恐ろしさがとても身に染みた。

 

 

「ほれ、急所がまたがら空きになってるぞ」

 

「そんな大振りだと攻撃されるぞ」

 

「顎をやられたらもうお終いだと思いなよ」

 

 

こんな感じで俺の攻撃は一撃も当たらず、神崎さんが全てすんでで攻撃を止めた。

 

 

「よし終了!!」

 

「ハァッ・・・ハァッ・・・」

 

「案外バカにならなかっただろ喧嘩は」

 

「はい、敵に回したら恐ろしいっすね」

 

 

一番恐ろしい点は急所への攻撃だった。

顎に目に金的と隙あらばそこに一撃を加えてやるというスタイルがとても厄介であった。

しかも急所を守ろうとすると今度は機動力の足を壊しに掛かると言うある意味鬼畜な戦法であった。

 

 

「強いですけど・・・ちょっと戦法が・・・」

 

「確かに汚いやり方かもしれないが命をやり取りをするなら汚いも何も言ってられないからな」

 

「・・・・」

 

「俺が教える喧嘩はどれだけ効率的に相手に一撃を入れられるかを考えたやり方だ」

 

「これを使えば近接戦では負ける事は少なくなるだろう・・・どうだい」

 

 

戦い方としては卑怯そのものだ。

だけど命のやり取り、そのように聞いてしまうと確かに有効な手段だと思える。

 

 

「一誠君が望むなら、他の技術を模索するけど・・どうする?」

 

 

神崎さんが俺に問いかける。

俺の目標は皆を守れるほど強くなる事。

その為に考えてくれた最高の技術を神崎さんが考えてくれたんだ。

ならば答えは決まっている。

 

 

「いえ、このまま続けさせてください」

 

「一誠君・・・」

 

「確かに卑怯な戦法かもしれないけれどそれは俺の使い方次第で変わっていくと思うんです」

 

「だから、これからも特訓に付き合ってください」

 

「ああ、こちらこそよろしく」

 

 

こうして、俺の戦闘スタイルが『喧嘩スタイル(武術あり)』になった。

 

 

「それじゃあ、喧嘩の中でも使える武術の技術を教えよう」

 

「はい!!よろしくお願いします!!」

 

 

この後、1時間程度、武術の技術と軽く組み手をしてこの日の特訓は終了した。

 

 

 

 

To Be NEXT ⇒




次回は特訓2日目からスタート。

特訓終了後は2章フェニックス編に入らせていただきます。

特訓2日目以降はあんまり長く書くつもりはありませんのでできれば来週2話投稿できればと思います。

今回は投稿が遅くなりもことに申し訳ございませんでした。


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1×EX(2):一誠特訓プログラムⅡ

一誠の特訓パートの続きです。

短い仕上がりとなってしまい申し訳ない。

あと、2話投稿は無理そうだ!!キツイっしゅ


それでは続きをどうぞ。


~Side:イッセー~

 

 

おっす、兵藤一誠だ!!

俺は今、神崎さんに弟子入りして鍛えてもらってるんだが、1日目から大変だったな。

 

組手の時は急所を狙う攻撃ばっかを受けた(寸止め)もんだから生きた心地がしなかったぜ。

そんなわけで自分でも成果を確認するべく2日目から簡単な日記をつけ始めたぜ。

俺の修行の成果を見てくれ。

 

 

========================================

 

 

~特訓2日目(朝)~

 

前日と同じ、トレーニングメニュー。

だが、ランニングには行けていない。

 

 

(もっと努力しないとな)

 

 

 

~特訓2日目(昼)~

 

 

「追い見ろよ元浜・・・・」

 

「これは!?お前どこでこんなお宝本を!?」

 

「三丁目の古本屋だ・・・かなりのお宝が隠されていたぜ」

 

松・浜コンビがいつものことながら机にR指定されているピンク本を広げ、にぎわっている中、

俺は前日と同じく、瞑想を始めていた。

 

 

「なんと!!こんなところまで写ってるのか・・・」

 

「どうだ元浜、今日の放課後にでも行ってお互いにシェアしないか」

 

「激しく同意」

 

 

うらやまし・・じゃなくてうるさいコンビをよそに俺の心の中は粗ぶっていた。

 

 

(煩悩退散だ!!お宝本なんて見たく・・・・だぁぁぁぁ!!)

 

(見たい!!OPI!!見たい!!お宝!!・・・堪えろ俺!!)

 

 

もはやオーバーヒート寸前だった。

 

 

「これはこれは見事なり」

 

「ああ、俺のコレクションのTOP10入りは間違いないな」

 

(そうだ、男!!男の事を考えればいいのではないか!!)

 

 

俺も後から思い出したがかなり馬鹿な考えだと思う。

 

 

(男!!ガチムチ!!男!!マッチョ!!)

 

 

{フンッ}←黒人ボディビルダーのフロント・ダブル・バイセップス

 

{ハッ}←同じく黒人ボディビルダーのサイド・チェスト

 

{トゥーース!!}←某お笑い芸人

 

 

「やばい・・・吐きそう・・・」

 

 

やはり俺は馬鹿だった・・・

 

 

 

~特訓2日目(夜)~

 

 

今日はパンチの打ち方や急所への攻撃法を教わった。

俺の修行法はいたってシンプルで一度神崎さんが補助して技を体に覚えこませて

ひたすらその技術を使って組手を行うとの事だった。

 

正直、頭があんまりよくない俺にとってはとても覚えやすい修行法なのだと思っている。

 

 

「パンチを繰り出すときはなるべく最小限に、大振りのパンチは交わされやすいし、大きな隙になってしまう」

 

「一誠君の場合は一撃必中を狙うべきだから牽制にボクシングのジャブを使用して相手の隙を生み出すんだ」

 

「はい!!」

 

 

『考えるより慣れろ』をモットーに技術面を絶賛修行中だ。

まだ2日間だけしかやっていないが少しずつ着実に強くなっているのではないかと感じていた。

 

組手を終え、休息を取った。

 

 

「一誠君、明日の事なんだけど」

 

「明日ですか」

 

「朝に外出する予定があるから座禅までは一緒にやるけど筋トレは個人で頼むね」

 

「分かりましたけど、そんな朝早くからどこに行くんですか」

 

「それは秘密だな」

 

「・・・・・・」

 

 

とてつもなく気になっていたがそれよりも早く寝たいという気持ちが勝ち、シャワーを浴びた後すぐにベットにダイブした。

 

 

 

~特訓3日目(朝)~

 

 

座禅は前に比べ慣れ始めてきたのかたたかれる回数が数回減った。

 

そして筋トレ。

今回は一人でやることになったが筋肉痛で痛むがノルマは意識を落とさずに達成できた。

 

 

(悪魔の体って成長しやすくなってんのかな?)

 

 

あと数日でランニングもできるのではないかと思う程、順調であった。

 

 

「さてと、今日もいい日になりそうだ・・イテテ」

 

 

筋肉痛に痛みながらも学校へと歩みを進めた。

 

 

 

~特訓3日目(昼)~

 

 

ここは新設された相談室。

現在そこには神崎さんと俺が部屋の荷物整理を行っていた。

 

 

「昨日いえなかった理由はこれなんですね」

 

「まぁ、そういうことだけど」

 

 

段ボールから使うものを出したり、逆に使用しないものをしまっている作業を2人でとことん進めた。

 

 

「これで終了ッす」

 

「ありがとう一誠君、お疲れ様」

 

 

時計を見ると以外に時間がたっており、昼休憩が残り十数分となっていた。

 

 

「一誠君はお昼まだだろ?だったらもう教室に戻っても大丈夫だよ」

 

「いいんですか?」

 

「ああ、あとは小物の整理整頓ぐらいだから一人で問題ないよ、それに今日のお弁当も自信作だから食べてほしくてね」

 

 

ここ数日は神崎さんのお手製お弁当をお昼に持参している。

これがまた朝の時のように絶品なのだがここでは発言を控えておこう。

 

確かに神崎さんの言うとおり、せっかく作ってもらってるのに食べないのはもったいないし、あの絶品お弁当を残すという考えがまず失礼である。

 

 

「わかりました、この件は放課後聞かせてもらいますからね」

 

「ああ」

 

 

こうして神崎さんの手伝いをしたため、瞑想はできなかった。

 

 

 

~特訓3日目(夜)~ (フリードに襲われた後)

 

 

いかれた神父、フリードと対峙した俺と神崎さんは、家にアーシアもいることから庭で軽い組手をすることになった。

 

 

「一誠君、君を危険な目に合わせてしまいすまなかった」

 

「気にしないでください、確かに恐怖もありましたけど覚悟の内でしたから」

 

「それでもだ、今回生き残れたのは奇跡に近いからね」

 

「それは自覚してます、ドライグがいたから弾に当たらずに済んだし、神崎さんのとの組手のおかげでアイツの猛攻にも耐えることが出来ましたから」

 

 

そう、仮にも神崎さんと組手をしていなかったら、ドライグが目覚めてなかったら、俺は死んでいたかもしれなかった。

 

 

「でも今日のおかげでこの3日間の特訓も無駄じゃないんだと感じることが出来ました」

 

「一誠君・・・・・」

 

「ですので、これからもよろしくお願いします師匠!!」

 

「一誠君が全力でこの世界を生きていけるよう全力でサポートするよ」

 

 

今回の件で師弟の絆がより深まったように感じた。

そしてこの後、神崎さんが変身できる仮面ライダーの軽いレクチャーを受けた。

ちなみに龍騎が俺のお気に入りだったりする。

 

 

余談だが、今回の堕天使事件をきっかけに対人戦の特訓が追加し、さらにハードになったことを先に書かせてもらう。

 

 

 

~特訓4日目(夜)~ (堕天使事件後)

 

 

神崎さんは肉体的疲労が激しく今は寝込んでいる。

なので俺一人での特訓となる。

 

 

「俺がもっと強くなれば神崎さんの負担も減る」

 

「今回みたいなお荷物は二度とごめんだ」

 

 

現在は組手が出来ないため朝にできなかった筋トレと座禅を行い、そして今回戦った堕天使やエクソシストの戦いを思い出しながら自身の動き方を見直して反省点を挙げた。

 

 

「あの時は拳を大きく振りすぎて完全に隙が出来てたから気を付けないと・・・それに」ブツブツ

 

{おい相棒}

 

「完全にここが空いていたのに少しためらって・・・・」ブツブツ

 

{おい!!聞け!!兵藤一誠!!}

 

「うぉっ!?どうしたドライグ?」

 

{余り根を詰めすぎるなよ、焦りは弱みを生み出す原因でもあるんだ}

 

「わかってるけど・・・・」

 

{俺からはそれしか言えん、あとは相棒次第だ}

 

 

確かに焦りは失敗を生む原因だと父さんもよく言っていた気がする。

 

”パシン”

 

俺は自身の頬を叩き喝を入れる。

 

 

「俺はまだたかが3日間少しきつい特訓をしただけの存在なんだ、低レベルには変わりない」

 

「今回の結果も当たり前じゃないか、むしろ妥当かもしれない」

 

「焦る必要はない、だってまだ生きいてるんだから」

 

 

俺は自身の弱さを自覚し、それは仕方のないことでもあるという事に納得した。

焦ったところですぐ強くなれるわけでもないという事にも気づいた。

 

 

「それじゃ、ゆっくりとレベルアップ目指して頑張ろうぜ相棒」

 

{ゆっくりしすぎて爺になるなよ相棒}

 

 

そしてこの後、戦闘中にたまたま出来てしまった『ドラゴンショット』と言う技を研究するべく、ドライグと試行錯誤していた。

 

 

 

To Be NEXT ⇒

 

 

 

 





堕天使の事件までの特訓パートでしたがいかがだったでしょうか。

ライダーを出せなかったのは正直シナリオ上仕方なかったのですが、個人的には早く出したい!!

アレとか!!アレとか!!アレを!!


もう、ライザー篇にそこは引っ張ることに決めました。(投げやり)

それでは次回もお楽しみに(ライザー篇だヲ)


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2×0:婚約とフェニックスと秘密と
2×1:不死鳥、現れます!


お久しぶりです。
2週間も待たせてしまい申し訳ない。

やっとフェニックス編へと突入!!

急いで書いたので誤字脱字多いと思いますが本編どうぞ!!


~Side:マサヨシ~

 

 

「先生ありがとうございました」

 

「どういたしまして」

 

 

女子生徒が相談室から出て行った。

 

 

「あとは、10分後にこの子を呼んで・・・」

 

 

ドナーシークの一件が解決して数週間の時間が流れた。

 

レイナーレとアーシアは一誠と同じクラスに編入して日々を過ごしている。

毎日が楽しいことでいっぱいだと家では楽しそうに話してくれる。

 

俺も相談室のカウンセラーとして駒王学園へと勤めている。

恋愛相談や進路について、勉学の事についてなど、多種多様な相談事を受け付けている。

 

駒王学園の生徒のみが入れる特設サイトを作成しそこに相談の依頼を入れてもらってから対応すると言う方式をとった。

 

 

「あと10分か・・・・」

 

 

そして俺は先程まで作業していたパソコンの内容を一度保存し、電源を落とした。

 

 

「ベルトさんまたお願いします」

 

 

俺は手元にドライブドライバーを出現させ、そのドライバーに宿っているクリム・スタインベルトさんに呼びかける。

 

 

{OK!!任せたまえ}

 

 

俺は相談室にある倉庫からある機械を取りだし、パソコンに接続した。

その機会にはちょうどドライブドライバーがはまるくぼみがあり、そこにドライブドライバーを装着した。

 

 

{ユニットとの接続を確認・・・システムの起動開始}

 

 

すると、先程真暗だった画面からパスワードの入力を要求される。

手慣れた手つきでパスを入力し、エンターキーを押す。

 

 

{パスワードの入力を確認・・・・続いて声紋認証だ}

 

そして俺は登録したセリフを紡ぐ。

 

 

「私を導いた者に感謝をささげる」

 

{声紋確認中・・・・OK!!Complete!!}

 

 

俺は別にどこかの宗教に入信しているわけではない。

俺は元の世界ではすでに死んでしまうだけの存在であったが、それを別の世界といえど人々を救うために使える

ことがとてもうれしく思えた。

一誠やアーシアやレイナーレ、そしてグレモリーさん達、俺にとってかけがえのない出会いだった。

彼らのおかげでこの世界でも生きていく自信がついた。

だからこそ、この世界に導いたものに感謝をささげている。

 

大事な思いだからこそ重要な鍵として、復唱しその思いを胸に刻み込むため、声紋を登録した。

 

 

声紋認証が完了し、パソコンの画面上にコマンドの入力画面が出現する。

俺はコマンドを入力し、一つのレポートを表示させた。

 

 

>ライダーレポート<

 

 

このレポートには俺がこの世界に来てから相対した怪人についてや自身の『仮面ライダー』としての能力、制限などを事細かにまとめているものだ。

 

 

{ふむ、また怪人が出現したようだね}

 

「ああ、2日前に『グール』が数対確認されて討伐した」

 

{ウィザードの世界に現れる怪人か、『ファントム』は出現したのかい?}

 

「いや、ファントムは確認できなかった『ゲート』になるような人間も近くには見当たんなかった」

 

 

『ファントム』、仮面ライダーウィザードの作品に登場する怪人。

強力な魔力を持った人間を誕生のための『ゲート』とし、絶望した心から生み出され、ゲートとなった人間の全てを喰いつくす事で現実世界に出没する。

 

『グール』は魔石から生成される、量産型のファントムのため個々の能力はそれほど高くない。

 

 

{ふむ、本来では存在しなかったガイアメモリに怪人の発生・・・何かかかわりがありそうだね}

 

「ああ、考えられるのは俺と同じ・・・」

 

 

”コンコン”

 

 

相談室の扉をノックする音が聞こえる。

 

 

「おっと、もう時間か・・・」

 

 

腕時計を見てみるとすでに約束の時間となっていることに気付く。

 

 

「ちょっと待ってもらえるかな」

 

 

ベルトさんは状況を察して、パソコンのデータを保存、シャットダウンを行ってくれていた。

 

 

「ありがとうベルトさん」

 

{なに、構わないさ}

 

 

本当にこの人には頭が上がらないと感じた。

 

 

{ほら、女性を待たせたら失礼だぞマサヨシ君}

 

「ああ、わかってるよ」

 

 

パソコンの画面が消えていることを確認し、相談室の扉を開けた。

 

 

「どうぞ」

 

「はい、失礼します」

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:イッセー~

 

 

時刻は昼休み、俺は飯を食べ終え、毎日の日課である瞑想を行おうとしていた。

 

 

「「おいイッセー!!」」

 

「うぉっ!!なっなんだよ」

 

 

唐突に松田元浜コンビが目に涙をためながら俺の方を掴む。

 

 

「もう我慢の限界だ」

 

「何がだよ」

 

「「アーシアちゃん(夕麻ちゃん)の事だよ」」

 

「・・・・・」

 

 

この二人はアーシアとレイナーレ(転入に伴い天野夕麻と名乗ってる)にぞっこんなのである。

 

 

「この数日間見ていて、確かにお前に対して二人は友達までの関係だというのは感じた」

 

(何気にお前は脈なしって言われたような)

 

「だけども・・・・」

 

「「一つ屋根の下で美少女と一緒とか羨ま・・・許せん!!」」

 

「・・・・・はぁ~~」

 

 

神崎さんと出会う前の俺だったら「いいだろ~」と自慢していたかもしれない。

ただ、俺はある現場を覗き見してから正直気まずい。

まぁ、俺だけ気まずいと感じているだけなのだが・・・

 

替われコールを続ける松浜コンビに残酷な真実を告げる。

 

 

「とにかく変われないし、少なくともあの2人がお前たちに振り向くこともない」

 

 

替われコールがやみ、2人を見ると見るからに落ち込んでいた。

 

 

「だよな、俺らなんて何の魅力もないもんな・・・」

 

「こんなメガネ、誰が好き好んで相手するんだよな・・・」

 

 

あの一言でこの落ち込み方、畑から見たら狂気である。

 

 

(少し言い過ぎたかな・・・)

 

 

すると2人は、

 

 

「「よし、死のう・・・」」

 

「早まるな!!」

 

 

窓から飛び降りようとした2人を静止させた。

 

 

「わかった!!わかったから!!」

 

「うるさい!!離せ!!」

 

「無限の彼方へ行かせてくれ!!」

 

(こうなったら・・・)

 

 

俺は2人を抑えながらある2人に声をかける。

 

 

「アーシア、夕麻ちゃん!!」

 

「はい?」

 

「イッセーさん、なんですか?」

 

「今日の放課後暇ならどこか遊びに行かない?」

 

「私は別にかまわないけど、アーシアは?」

 

「私も大丈夫ですよ」

 

「よし決まり、ありがとうな二人とも」

 

 

2人は自席に戻り、松浜コンビも動きを止めた。

 

 

「でっ?」

 

「「ありがとうございます、一誠様」」

 

「はぁ~~~」

 

 

今後の事を考えると苦労が増える一方であった。

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

時刻は深夜

今の現状・・・・・

 

俺のコートを羽織ったリアス・グレモリーが正座をし、目に涙をためながら、俺に説教を受けています。

 

 

 

=================================

 

 

数分前、俺が就寝しようと布団に移動した際、部屋に見慣れた魔方陣が現れた。

 

 

「こんな時間にどうしたんですか、グレモ・・・・」

 

「神崎さん・・・」

 

 

俺は驚愕した。

現れた彼女は半透明なネグリジェを着こんでおり下着も丸見えだった。

 

 

「神崎さん・・・私と・・え?」

 

 

俺は無言で衣服棚からコートをだし、グレモリーさんに羽織らせた。

 

 

「グレモリーさんそこに正座」

 

「え?」

 

「正座!!」

 

「はい!!」

 

 

こうして俺のお説教タイムが始まった。

 

 

=================================

 

 

「政略結婚をしたくなかったから身近な人物で既成事実をと・・・」

 

「はい・・・」

 

「はぁ~、君の考えていることは矛盾してるよ」

 

「好きでもない相手と結婚するのが嫌で好きでわない人と性行為を行うなんてもってのほかだよ」

 

「はい・・・」

 

「なんで、もっと早く相談しなかった」

 

「これは私の問題だから、眷属のみんなやあなたにも迷惑を掛けたくなくて・・・」

 

「迷惑を掛けたくないねぇ・・・・」

 

「うっ、ごめんなさい」ポロポロ

 

「・・・・・」

 

 

彼女もどうやら反省しているようだった。

 

 

ほとんど話してしまったが様は政略結婚で好きじゃない相手と結婚したくないから既成事実を作ってしまい結婚の話を破断しようという計画だったらしい。

ちなみに俺を選んだ理由としては、

「裕斗は根っからの騎士だし、イッセーは禁欲中に可哀そうだと思って」との事らしい。

 

 

「もう二度とそんなことをしてはダメだよ、困ったことがあったらすぐ相談、いいね」

 

「グスッ・・・・はい」

 

 

グレモリーさんを落ち着かせるため、一階から夕飯時に余った野菜のスープを温めなおし、カップに入れ、部屋に戻る。

 

しばらく休んでいると、部屋に見知らぬ魔方陣が浮かんだ。

俺はすぐさま臨戦態勢に切り替えた。

 

 

「そのような行動をとったと知れると、旦那様もサーゼクス様も悲しみますよ」

 

「グレイフィア・・・」

 

 

魔方陣から現れたのは銀髪の美人な家政婦さんの様だったが、俺の直感から強者だと感じた。

 

 

「神崎さん大丈夫よ、彼女はお兄様の女王なの」

 

「夜分遅くにすみません、グレモリー家に仕えており、

魔王サーゼクス・ルシファーの女王であるグレイフィアと申します」

 

「失礼な態度をとってしまい申し訳ございません」

 

「いえ、アポイントも取らずによってしまったのはこちらですのでどうか頭を上げてください」

 

「ありがとうざいます、ご存知かとございますが私は神崎正義と申します」

 

 

すでに情報は知っていると考え、名前のみ伝えた。

 

 

「ええ、存じております、いつもお嬢様たちの面倒を見て下さってありがとうございます」

 

「いいえ、私は何も・・それに彼女にとてもお世話になっているので」

 

 

ほんの数分であったがグレイフィアさんと談笑し、空気を落ち着かせた。

 

 

「それではお嬢様、行きましょう」

 

「ええ、朱乃も一緒にいいかしら?」

 

「ええ、問題ありません」

 

 

グレイフィアさん達が帰宅しようとした際に、俺はグレイフィアさんに言伝を頼んだ。

 

 

「魔王様にもし伝えられれば伝えてもらえませんか」

 

「はい、なんでしょうか?」

 

「お互いについて語り合いましょう、と」

 

「・・・・・承知しました」

 

 

少し考えるそぶりを見せたが、了承を得た。

 

 

「神崎さん本当にごめんなさい」

 

「反省してるなら気にしてないよ、また明日」

 

「ええ、おやすみなさい」

 

 

2人は魔方陣の光に包まれ、その場から姿を消した。

 

 

「結婚か・・・・」

 

 

もう会えない想い人が頭に浮かんだが、そのまま布団に入り、眠りへとついた。

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:イッセー~

 

 

現在、放課後。

本日は部活の活動日の為、旧校舎の部室に向かっているところだった。

 

ただいつもと違う点が一つあり、階段をあがってから部室から俺達とは別の気配を感じ取った。

 

 

「木場、今日はだれか来る予定なのか?」

 

「どういうこ、ッ!!」

 

 

どうやら木場も気づいたようだ。

 

 

「僕がここまできてようやく気付くなんて」

 

「入るぞ」

 

 

部室の扉を開けるとやはりいつもより人数が1人多かった。

部長の隣に立っており、とても美人な銀髪メイドさんだった。

 

 

「すいません部長、少し遅れました」

 

「すみません」

 

「ええ、大丈夫よいつもの場所に座って頂戴」

 

 

俺と木場はいつもの定位置に座ると会長が話し始めた。

 

 

「イッセーとアーシア、レイナーレに彼女の事を祖紹介するわ」

 

「お初にお目にかかります、魔王サーゼクスの女王のグレイフィアと申します」

 

「俺はリアス様の兵士で今代の赤龍帝である、兵藤一誠です」

 

「あなたが赤龍帝でしたか・・・今後ともお嬢様をよろしくお願い致します」

 

「はい!!」

 

 

アーシアとレイナーレ自己紹介も終わり、部長の口から今回聞いてほしい事があると話を持ちかけた。

 

 

「みんな、実は・・・・」

 

 

その時、見覚えのない魔方陣が浮かぶ。

魔方陣から炎と熱気があふれ出てきていた。

原理は解らないが、周囲は燃えていない。

 

そんな炎の中から一人の男性が現れた。

 

 

「やっぱり人間界の空気は肌に合わないな」

 

「ライザー・・・」

 

「やぁ、愛しのリアス」

 

(なんかホストみたいなヤツが出てきたんですけど・・・)

 

 

黒いスーツにシャツを少し着崩している金髪の男。

 

 

「あの部長、このホス・・お方はどちら様ですか」

 

「お前今ホストって言おうとしなかったか?と言うか俺達の関係をまだ話してなかったのか?」

 

「話す必要性が無いもの」

 

 

ホストが誰なのか気になるがそれはグレイフィアさんによって伝えられた。

 

 

「この御方はフェニックス家の三男、ライザー・フェニックス様。そしてリアス様の婚約者です」

 

「・・・へ?」

 

 

婚約者、それは結婚の約束を交わした、または親に決められた相手の事を指す。

・・・じゃなくて!!

 

 

「部長の婚約者・・・・」

 

 

あの美しい我が部長がこんな女遊び大好きホスト野郎と結婚だと!!

 

 

「まぁ、イッセー君ここは抑えてね」

 

「そんなことはわかってんよ」

 

 

確かに今、部長に触れた分を殴ってやりたいと感じたが、正直に言って俺はライザーには勝てない。

 

 

(ほぉ~、相手の強弱が見分けられるようになったか相棒)

 

(まぁな・・・・)

 

 

俺はあいつの足元にも及ばないのは目に見えている。

そんな自分が情けなくも思えてしまう。

 

 

「こちらをどうぞ」

 

 

朱乃さんがライザーに対して紅茶を出す。

ぶっちゃけ朱乃さんは笑顔だがまるで仮面をつけているような感じだった。

マジ怖い・・・

 

 

「おぉ!!リアスの女王が淹れた茶はうまいな」

 

「あら、それは私が淹れたものではございませんわ」

 

「ほぅ、そしたらもしや・・・」

 

「私でもございません」

 

「私が淹れた紅茶でございます」

 

 

すると、神崎さんが席を立ち、ライザーの元まで近寄った。

 

 

「ご紹介が遅くなり申し訳ございません、私はリアス・グレモリー様が活動なさっているオカルト研究部の顧問であり、悪魔活動の監督役を務めております神崎正義と申します」

 

「貴様・・・・人間だな」

 

「はい、そうでございます」

 

 

すると、ライザーはカップの中にある紅茶を神崎さんに向け飛ばした。

神崎さんはライザーの動きを予想して紅茶が当たらぬようよけていたが、我慢の限界だった。

 

 

「このっ!!」

 

「一誠、レイナーレ!!」

 

 

神崎さんの声が俺とレイナーレを止めた。

 

 

「申し訳ございません、出過ぎた真似を致しました」

 

 

そうして、神崎さんは自席へと戻る。

 

 

「リアス、どうして人間、それに堕天使までもがこの空間にいるんだ?」

 

「そんなの私の勝手でしょう、あなたの許可なんて必要ないわ」

 

「そうはいかないだろ、俺はお前の婚約者なんだから」

 

「私はあなたとは結婚なんてしないわ!!私は自分自身で心から愛し合える人を探すの!!」

 

 

何度も部長の婚約否定の言葉を聞き、ライザーはため息をつく。

 

 

「リアス、俺も家の看板を背負って来ているんだ、もしこの婚約を拒否し続けるならば眷属を殺してでもお前を連れていくぞ!!」

 

 

ライザーがら殺気が放たれる。

俺らはすぐさま臨戦態勢を取った。

勝てないと感じながらも、ただで殺されたくなんかない。

 

 

「そこま、ッ!!」

 

 

だけどその殺気を止めるものがいた。ライザーよりも強烈な気配を放って。

 

 

「いくら貴族だからって俺が守ると約束した者を殺すだと?」

 

「貴様!!本当に人間なのか!?」

 

 

そう、神崎さんだった。

たぶん、わざと気配を強めて放っている。

内心では計算しながらやっている行為だと感じた。

 

 

「神崎さまも抑えてください」

 

「ああ、すまなかった」

 

 

気配が抑えられ、空間が和らぐように感じる。

 

 

「このままでは話しは平行線のままですので、サーゼクス様が解決策を用意いたしました」

 

「解決策?」

 

「非公式ではありますがレーティングゲームにより今回の件を決定させたいと思います」

 

「なるほど」

 

「レーティングゲーム・・・・・」

 

 

レーティングゲーム、確かチェスを基にした悪魔同士で戦うゲームだったと思う。

 

 

「俺は構わないがリアスの眷属は人間2人に堕天使を抜いたメンバーと考えていいのか?」

 

「ええ・・・・」

 

「おいおい、まともに戦えそうなのは雷の巫女だけじゃないか、それに俺はフルメンバーだぞ」

 

 

ライザーが指を鳴らすと背後から複数人現れた。しかも・・・・・

 

「なん・・・だと!!」

 

 

全員、美女or美少女だと~~~~!!

 

 

「ふははは、どうよ」

 

 

ライザーはドヤ顔で俺達を見ていた。

 

女性陣ははっきり言ってあきらかに嫌そうな顔、木場も少し笑顔が引きつっている。

そして俺は・・・・・

 

 

「イッセー君、なんかしゃべって!!逆に怖いから!!」

 

 

無言で真顔を貫いた。

ただ心の中は・・・・

 

 

(俺が禁欲している中で堂々とドヤ顔でハーレム見せつけやがって焼き鳥野郎!!)

 

(ちょっ!!落ちつけ相棒!!)

 

真っ黒でした。

 

 

「男ならハーレムに憧れるのは当然だろ」

 

 

焼き鳥野郎はそう言いながらあろう事か婚約者である部長を前に眷属の女の子とイチャイチャし始めやがった。

 

俺の理性と言う名のダムは決壊します。

 

 

「イッセー君!!なんか赤黒いオーラ溢れてるよ、溢れ出てるよ!!」

 

(焼き鳥コロス焼き鳥コロス焼き鳥コロス)

 

(相棒!!本当に落ち着いてくれ!!覇龍目覚めちゃうから~~~)

 

「我、目覚めるは」

 

 

不意に首に衝撃が走った。

体は前方に倒れ、意識も徐々に薄れていった。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

「ごめんな、一誠」

 

覇龍を発動しかけた一誠に対して当身をし気絶させた。

覇龍を知っていたのはすでにドライグから聞いていたからである。

 

(まさか禁欲がここまで響くなんてな・・・指導を間違えたかな)

 

 

今までの教育方針を見直そうと考える中、気絶させた一誠をそのままにもできないため、俺は塔城さんに頼んで隣の空き教室に一誠を休ませた。

 

 

「申し訳ございませんライザー様、お話を中断させてしまって」

 

「フンッ、どうするんだリアス、この戦力差がある中で俺にレーティングゲームを申し込むか?」

 

「私は受けるわよ、あなたとの結婚なんてお断りだもの」

 

「リアス、君は解ってないな、俺はレーティングゲームでは負けなしなんだぞ」

 

「クッ・・・」

 

 

それを聞き、顔をゆがめるグレモリーさん。

 

確かに勝率をこの情報の少ない中、考えたとしてもライザーの勝利は確定的だとわかる。

レーティングゲームまで日が空くとしても大きな戦力差を埋められるかは怪しい。

 

 

「そうだな・・・やるならハンデをやる」

 

「ハンデ?」

 

「そこの人間2人の参加も許可してやる、さすがに堕天使は無理だがな」

 

 

とてもおいしい提案をしてきた。

確かに俺は戦力面で役に立つため申し分ないがアーシアも一緒に選ばれたことは好都合だった。

アーシアは外傷を治す事に優れた神器を持っているため、多少の無理が可能となる。

 

俺はリアスさんと目を合わせて一度頷く。

 

 

「私としてはうれしい限りなのだけれどグレイフィアは?」

 

「問題ありません」

 

「それじゃあ、決まりね」

 

「それではリアス様とライザー様のレーティングゲームを開催することをここで決定いたします」

 

「日時は10日後にリアスお嬢様達は当日、この部室に集まってください」

 

「わかったわ」

 

「詳細については後程、書類をお送りいたしますのでそちらをご確認ください」

 

 

一通りの説明が終わり、数秒無言が続く。

グレモリーさんとライザーがお互いを見る中、その沈黙が破られる。

 

 

「10日間もあるんだせいぜいあがけよリアス」

 

「ちゃんと負けた時のイメージトレーニングをしときなさいライザー」

 

 

ライザーとその眷属は魔方陣に包まれ、その場から姿を消した。

 

 

「それでは私もこれで失礼させて頂きます」

 

 

グレイフィアさんが変えるそぶりを見せたので、俺は引き止めた。

 

 

「待ってください、ちょっとお願いしたいことがあるのですが」

 

「ええ、なんでしょう?」

 

「レーティングゲームに関する資料、フェニックス家の関する資料、ライザーのレーティングゲームの記録なんかあればそちらの用意をお願いできますか?」

 

「ええ、明日でも構わなければ可能です」

 

「ありがとうございます」

 

 

これで、うまく準備は整いそうであった。

あとは・・・・

 

 

「個々の戦力アップだな」

 

「それとサーゼクス様から返答が来ております」

 

「・・・」

 

「10日後に・・・と」

 

「それってお兄様もレーティングゲームを!!」

 

「サーゼクス様のみではありません」

 

「のみだけではってお父様もなのね」

 

「はい」

 

グレモリーさんから深いため息が零れる。

彼女も本当に苦労してるな。

 

 

「わかりました、色々押し付けてしまいすみません」

 

「いえ、これも仕事のうちですので」

 

「それでも感謝しています、今度お気に入りの茶葉をお送りしますね」

 

「ありがとうございます」

 

 

こうしてグレイフィアさんも用を終え、帰っていった。

 

(早く一誠を起こしてやらないとな)

 

そう考え、部室を出ようとした時、グレモリーさんに問われた。

 

 

「神崎さん、あなたはライザーとのレーティングゲーム勝てると思う?」

 

「勝てない」

 

「!!」

 

「でも、勝てないと思い続けていると本当に勝てなくなる」

 

「神崎さん・・・」

 

「それにまだ10日も準備する時間がある、やれるだけのことをやろう」

 

「そうね、王が塞ぎ込んでいたら士気も落ちてしまうものね」

 

 

どうやら自信を取り戻したようだ。

これで今は問題ないであろう。

 

「明日から特訓ね、打倒ライザーよ!!」

 

「「「はい!!」」」

 

(そして俺のことも・・・)

 

今回のレーティングゲームをきっかけに俺の物語は大きく動き出す。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:???~

 

チャリン

 

チャリン

 

暗い部屋の中でコイン同士がぶつかる音が反響する。

 

3枚の黒いメダルが宙を舞う。

 

「次はフェニックスか」

 

そのコインを握りしめ、暗闇から姿を消した。

 

 

To Be NEXT ⇒




簡単な次回予告

レーティングゲームまでの10日間。

神崎式特訓が開催!!

次回「ハイスクールD×D×R」

猛特訓、始めます!

よろしく!!


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2×2:特訓、始めます!

だいぶお待たせしました。

楽しみにしていた方は申し訳ございません。
色々とありまして執筆が遅くなってきました。

今後も定期更新が出来ないと判断したのでタグは削除しました。
不定期でさらに亀更新となってしまいますが今後もがんばって書き続けます。

これからも応援、よろしくお願いします。


~Side:マサヨシ~

 

 

俺は今、グレモリーさんの別荘に来ており、昼食の準備をしていた。

 

 

「よし、完成だな」

 

 

”ピンポーン”

 

 

ちょうど料理が完成した頃、別荘のインターホンが鳴った。

 

玄関のドアを開けるとそこには疲れ果てたオカ研メンバーがいた。

 

 

「お疲れ様、ご飯出来てるよ」

 

 

今回のメニューは、疲れた体でも食べやすい『冷たいトマトソースの冷製パスタ』にしたがとても好評だった。

 

 

 

===============================

 

 

 

昼食を取り終え、全員ジャージに着替え、玄関前に集合した。

 

 

「それじゃあ、特訓を始めようか」

 

 

今回、グレモリーさんの別荘に来た理由はレーティングゲームに向けて特訓する為であった。

 

 

「最初に厳しい事を言うと今の君達では今回のレーティングゲームでは勝てない」

 

 

この一言に全員顔をしかめた。

だけど、この一言を言う事には理由がある。

 

 

「じゃあなぜ勝てないのか、そこを解決していけば勝利への道もどんどん近づいてくる」

 

「そう・・・よね・・・」

 

「だから諦めずに残り9日間をがんばろう」

 

「「「「「「はい!!」」」」」」

 

 

先程見せた弱気な顔は1人もいなかった。

「やってやる」、「絶対に負けない」と言う覚悟が各々の瞳を通じて伝わる。

 

 

「今から渡すものは俺が君達の戦闘データを元に作り上げた特訓プランだ」

 

 

そして俺は一人一人に名前の書かれたファイルを渡した。

 

 

「それじゃあ、特訓を開始しようか」

 

「「「「「「はい!!」」」」」」

 

 

 

=====================================

 

 

 

≪特訓:塔城小猫&兵藤一誠≫

 

 

「塔城さんは対人戦闘にどんどん慣れていくように一誠君と組手だ」

 

「イッセー先輩と・・・ですか?」

 

「小猫ちゃんそんなあからさまに嫌そうな顔しないでよ」

 

 

塔城さんはなぜ特訓相手が一誠なのかと思っているようだが、

 

 

「一誠はここ最近、対人戦を強化してきたから塔城さんも一誠の戦いから何かを掴んでほしいと思ってね」

 

「神崎さんの特訓・・・・・」

 

「まぁ、一誠も俺以外との模擬戦は初めてだからいい刺激になるだろうから」

 

「ウッス!!」

 

 

塔城さんは少し悩んでいたが「分かりました」と返事が来た。

 

 

「組み手のルールは五分間組み手の30分の休憩と反省会、いいね?」

 

「「はい」」

 

「それじゃあ、頑張ってくれ」

 

 

 

≪特訓:木場裕斗≫

 

 

「木場君はスピードは申し分ないけど戦闘技術と能力だね」

 

「戦闘技術ですか?」

 

「君は剣術を誰かに指南してもらっているんだよね?」

 

 

以前、冥界で剣術を教授していたと一誠経由で聞いていた。

 

 

「はい、そのとおりです」

 

「やっぱりか」

 

「神崎さんの言いたいことは分かります、僕の剣は正直すぎるんですよね?」

 

「ああ、その通りだ」

 

 

木場君の戦闘データを見ると剣技は決して悪いわけではない。

ただ、正直すぎて攻撃先が読めてしまう。

 

 

「剣は先が読まれてしまえば防ぐのは簡単だからね」

 

「なるほど・・・・」

 

「それで特訓内容だが・・・・『変身』」

 

 

俺は『クウガ タイタンフォーム』に変身する。

 

 

「まずは俺と5分間の組手後にイメージトレーニングで剣術を高めよう」

 

「分かりました」

 

「あと、能力面なんだけど、」

 

魔剣創造(ソード・バース)ですか?」

 

「2本出してもらえるかな」

 

 

木場君に2本の魔剣を出してもらい1本を受け取る。

 

 

「!?」

 

 

木場君から受け取った魔剣をタイタンソードへと変化させた。

 

 

「まさかそんなことができたなんて・・・驚きましたよ」

 

「これもクウガの力の一つさ」

 

「クウガ・・・」

 

「じゃあ、木場君このタイタンソードを叩き折ろうとしてくれ」

 

「・・・・・はい」

 

 

俺は目の前で剣を横に向ける。

対して木場君は自身の魔剣を頭上高くまで上げる。

 

 

「はぁーーー」

 

”ガキンッ”

 

 

砕けた剣の破片が宙を舞った。

 

 

「クッ・・・」

 

「・・・・・」

 

 

砕けたのは木場君の持っていた魔剣。

タイタンソードには傷一つついていなかった。

 

 

「これで少しは実感できたと思うけど魔剣の強度を増すのが重要だ」

 

「もしも防御に力を入れているものと対峙する事になったら余計な魔力を消費する事になる」

 

「はい・・・・・」

 

「特訓方法としては魔剣を2つ作って打ち合う行為を続けてもらう」

 

 

一本強度の高い剣ができれば、また更に強度の高い剣を目指す。

これを繰り返し行う事で能力アップほ目指す作戦だ。

 

 

「まずは組手からいこうか」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

「『超変身』」

 

 

俺はマイティフォームへと姿を変え、持ってきていた木刀を木場君に渡す。

 

 

「あの、なぜフォームチェンジを?」

 

「木刀をタイタンソードに変えてしまう可能性もあるからね」

 

 

意識している分には問題ないのだが、何かの要因でタイタンソードに代わってしまい大事故とならない為の措置としてフォームチェンジしたのであった。

 

それを察してくれた木場君は「なるほど」と言い、木刀を構えた。

 

 

「それじゃあ、始め!!」

 

「はぁぁぁ!!!」

 

 

 

≪特訓:姫島朱乃≫

 

 

木場君との組み手を終え、姫島さんの元へとやってきた。

 

 

「姫島さんは近接格闘戦と攻撃のバリエーションなんだけど・・・」

 

 

本来であれば、塔城さん、一誠と同じグループに入れ、組手から近接格闘の向上を目指そうと考えていたのだが、

 

 

「今回は私がお教えいたします」

 

「レイナーレさん・・・・」

 

「レイナーレから姫島さんのことに関しては任せてくださいとのことだったから負担軽減のためにもこちらを任せることになった」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

 

無言。

あたりの空気も少し重たく感じる。

 

姫島さんは俺の前であるからか表情を崩していないがあからさま憎悪や怒りのような雰囲気を醸し出していたのが

感じ取れた。

 

俺はこの時、少しばかり考えてしまった。

姫島さんの特訓相手が本当に堕天使でもよかったのか。

 

 

(いや、レイナーレも何か考えがあってのことだろう)

 

「それじゃあ、レイナーレよろしく頼む」

 

「はい、正義さん」

 

 

俺はレイナーレにあとを任せ、他の場所へと向かった。

 

 

 

≪特訓:アーシア・アルジェント≫

 

 

「アーシアは遠隔回復と補助魔法の練習だな」

 

「はい、頑張ります」

 

 

アーシアの特訓内容は2つ。

 

1つは現在使用している神器の回復を少し離れた位置でも使用できるようにする事。

この件に関してはドライグにも聞いたところ可能だとの事だった。

 

もう1つは自身の身を守る為の魔法を身に着ける事だ。

姫島さんが言うにはアーシアは魔力を多く持っているらしく、人の身でありながら魔法も使えるということが分かった。

その為、結界魔法や目暗ましの魔法など、自身を守る為の魔法を事前に姫島さんから聞き、今回練習する事になった。

 

 

「俺も一緒に練習に付き合えたらよかったんだが」

 

「いえ、大丈夫です」

 

 

彼女はこちらに微笑みながら答えた。

 

 

「私も皆さんの役に立つことができるのであればなんだってやります!!」

 

「アーシア・・・」

 

「私だって神崎さんやリアスさんの仲間なんですから」

 

「そうだな、お互い頑張ろうアーシア」

 

「はい!!精一杯がんばりましょう!!」

 

 

アーシアの思いを聞き、最後の一人の元へ、足を延ばした。

 

 

 

≪特訓:リアス・グレモリー≫

 

 

「すまない、遅くなった」

 

「大丈夫よ、問題ないわ」

 

 

俺は別荘のテラスにいたグレモリーさんに声をかけた。

 

 

「グレモリーさんの特訓は今目の前にあるチェスとライザー・フェニックス眷属の詳細把握、戦術の考案、イメージトレーニングの3点だ」

 

「ちょっと待って!!戦闘面の特訓はどうするのよ!?」

 

「今回はグレモリーさんの戦闘は捨てることにした」

 

「なんですって!!」

 

 

よほど驚愕だったのか、机を叩きその場から立ち上がった。

 

 

「私の滅びの魔力は強力な一手になりえるのよ!!それをどうして!!」

 

「相手はフェニックスだ」

 

「それが何よ!!」

 

 

普段の彼女であれば俺の言ったことが少しは理解できたであっただろう。

少々興奮状態であったため、俺はまず彼女を落ち着かせることにした。

 

 

「落ち着いて冷静に考えてくれ、なぜ俺がフェニックスを強調していたか」

 

「フェニックス・・・・」

 

「そうだ、フェニックスに関わることを挙げてみて」

 

「フェニックス・・・・不死・・・魔力・・・そういうことね」

 

「答えは・・・」

 

「滅びの魔力は燃費が悪いからフェニックスとの対決だと不利って事よね」

 

「ああ、正解だ」

 

 

そう、彼女とライザーが1対1で戦ったとしたら勝率はわずか1割と厳しい計算となった。

 

グレモリーさんが有する滅びの魔力は高威力の為、その分多くの魔力や複雑な制御をしなければいけない。

対してライザーは不死、攻撃を受けても再生を繰り返す為、持久戦に特化してると言っていい。

 

 

「それにライザーの思考を読んだら確実に君に仕掛けてくるだろう」

 

「やっぱりそうなのね」

 

「力と数で負けている以上、戦術で相手を圧倒するしかないってわけさ」

 

「分かったわ、でも結局ライザーはどうするのよ?」

 

 

今回のレーティングゲームの勝利に最も必要なこと。

 

 

「ライザーは絶対投了(リザイン)なんてしないわよ」

 

「それも分かっている」

 

「じゃあ、」

 

「ライザーは俺と一誠の二人で倒す」

 

「本気なの!!」

 

「ああ」

 

「あなたはともかくなんで一誠が!!」

 

「まぁまぁ、俺の弟子を信じてくれよ」

 

 

今はまだ勝てないかもしれないけど今日だ。

今日の特訓で()()()勝機はある。

 

 

「それより君の特訓が先だ」

 

「分かったわよ、あなたを信じてみるわ」

 

「ありがとう」

 

 

この後、俺とグレモリーさんは戦術を考案しながらチェスをした。

 

 

「嘘、ソーナより強い!?」

 

「いや、君も次第に上達しているよ」

 

 

ちなみに10戦やって負け星はなかった。

 

 

 

==================================

 

 

 

こうして、1日目の特訓が負えようとしていた。

 

 

「いや、まだこの後だな」

 

 

夜中の一誠との特訓。

これが成功すれば勝率が格段に上がると読んでいる。

 

 

()()()()()のは君の役目だ、一誠」

 

 

そして俺は、夕飯の身支度を進めた。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:イッセー~

 

 

時刻は夜中、夕飯を食べ終えて全員明日の特訓に備えて早めに就寝の支度をしていた。

そんな中、俺だけは新しいジャージに着替え直して身支度を整えた。

 

 

「これから神崎さんと特訓か」

 

 

そう、この居残り特訓は俺がもう1段階強くなる為の特訓。

 

ドライグが言うには、

 

{この前の()()()()()()()()のがきっかけでほんの少しのきっかけで相棒は()()()だろう}

 

だそうだ。

 

 

(至る・・・か)

 

 

ここ最近、神崎さんの特訓で強くなってきているのは実感してる。

 

だけど・・・・

 

「ライザーに届かない」

 

 

俺は今まで繰り返した瞑想により、自身の中に流れる"気"を感じる事ができ、今では相手の"気"に対して反応できるようにもなった。

 

某漫画の人みたいにこの"気"は誰とかはできないけど"気"や"魔力"が大きいだとかは分かる。

 

ライザーははっきり言って部長の2倍位多く"魔力"を持ってるような感じだった。

初めて会った時、既に勝てないそう印象付けられてしまったのだ。

 

 

「本当に俺は勝てるのか」

 

 

らしくない、たぶんみんなそう言うだろ。

俺もそう思う、自分らしくないと。

 

以前の俺だったら、ライザー相手に恐れも感じず突っ込んでいただろう。

 

 

「俺は弱い」

 

 

強者を知ることで見えた自身の弱み。

それを乗り越えなければ勝機はない。

 

負ければ部長はライザーと・・・・

 

 

「だめだ、弱気になるな!!」

 

「師匠の言葉を思い出せ!!」

 

「俺にはまだ可能性があるんだ!!」

 

「弱ければ強くなればいい!!」

 

「かっこつけるな!!無様に足掻け!!」

 

「部長は俺がっ!!」

 

「私が何?」

 

「・・・へ?」

 

 

後ろを見るとそこには寝間着に着替えたリアス部長の姿があった。

 

 

「ぶぶぶ、部長!!いつからそこに!!」

 

「今さっきまでレーティングゲームに関する戦略本を読んでいたのだけれどイッセーの声が聞こえてね」

 

「ちなみにどこから」

 

「ちゃんと聞こえたのは『部長は~』のところよ」

 

 

ある意味ほっとした。自身が吐いた弱音をよりにもよって部長なんかに見られてしまってたら

部長の士気も下がっていたかもしれない。

 

 

「でも気になるわね『部長は俺が!!』、続きはなんだったのかしら」

 

 

どうやら墓穴は掘っていたようだ。

 

 

「いや・・・その・・・あれですよ」

 

「あれ?」

 

 

クッソ恥ずかしい!!

俺の羞恥心メータが振り切りそうなんですけど!!!

 

 

「フフッ」

 

「部長?」

 

「ごめんなさい、意地悪してしまって」

 

 

そう言うと、部長は俺の隣まで歩みを進めた。

 

 

「正直に言うとね、私が我儘なのは一番分かっているの」

 

「我儘ですか?」

 

「純潔の悪魔の貴族だもの、政略結婚なんて当然あり得る話なのよ」

 

「・・・・」

 

 

それに対して否定できない俺自身がいた。

ライザーが消して悪いことをしているのではない。

親が決めた結婚の申し出を受けているだけなんだと。

 

 

「でもね、それでは本当の私を見てくれてないのよ」

 

「本当の私ですか?」

 

「ライザーが見ているのは『グレモリー』と言う名、純潔の悪魔の『グレモリー』としか見てないわ」

 

 

部長の本音が吐き出される。

 

 

「でも私が望むのは私を『リアス』として好きになってくれる人なのよ!!」

 

「だから私はこの婚約を否定したの、私の我儘を貫く為に・・・」

 

「・・・・・」

 

「やっぱり呆れるわよね、ただの我儘せいで辛い修行をして、強敵と戦うことになって・・・」

 

 

バカな俺でも部長の言ってることは理解できた。

だから俺は部長に、『リアス』に言わなければならない。

 

 

「俺がリアス・・部長を護ります」

 

「イッセー?」

 

「俺は恋愛経験無いんで詳しいことは言えませんが気持ちは大事だと思うんです」

 

「気持ち・・・」

 

「そうですよ、好きでもない特に嫌いなやつとの結婚だなんて俺は絶対ごめんですね」

 

「フフッ、確かにそうね」

 

 

部長がほほ笑んだ。

どうやら少し突っかかりがとれたみたいだ。

なら畳み掛けよう!!

 

 

「それに我儘でもいいじゃないですか!!」

 

「え?」

 

「俺も部長もまだ高校生の、未成年の子供ですよ、我儘の一つや二つは当たり前ですよ」

 

「でも、私のはスケールが・・・」

 

「変わらないですよ、部長も好きじゃない相手を嫌がる『女の子』なんですから」

 

「ふぇ!?そっそそうよね!!」

 

 

ん?部長の顔が赤くなってきた。

もしかして風邪!!確かにまだ少し冷えるからな。

 

 

「部長、顔赤いですよ、早く休んだ方がいいんじゃないですか」

 

「そうね///だいぶ冷えてきたからもう部屋で休むわ///」

 

「無理しないでくださいね部長」

 

 

部長は俺から顔を外し、早足で自室の方へと戻って言った。

 

 

(本当に大丈夫かなぁ)

 

{はぁ~↓先が思いやられるな}

 

「ドライグ?何のことだ?」

 

{気にするな、それより正義が待ってるんだろ}

 

「やべっ!!急がないと」

 

 

少しドライグが言っていた事に疑問を持ちながら俺は師匠の元へと向かった。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

「イッセー、これから行く場所についていくつか注意点がある」

 

「注意点ですか?」

 

「その場所はこのバイクでしか行けない場所だからはぐれないこと」

 

「このバイクでしか・・・」

 

 

俺達の乗っているバイク、『ロックビークル サクラハリケーン』の事をイッセーに説明する。

 

 

「このバイクはある一定速度を出すと『クラック』と呼ばれる()()()()への入口が出現する」

 

「あの~、ある場所って」

 

「おっと、いったん話はここまでだ」

 

 

そして俺は人気のない道、サクラハリケーンのアクセルを全開に回す。

 

 

「イッセー!!手を離すなよ!!」

 

「うぉ!!速すぎっすよ~~!!」

 

 

一定速度に達すると空間に裂け目が出来る。

そう、先ほど言った入口が出現したのだ。

 

その入り口にそのまま、バイクのまま入り込んだ。

 

 

「ここは・・・森?」

 

「ああ、この場所は『ヘルヘイムの森』」

 

「ヘルヘイム・・・」

 

 

俺達が視いたのは辺り一面木々に囲まれた場所だった。

 

 

「イッセー、さらに注意点があって、ここにある甘い匂いを放つ『果実』があるんだがそれは絶対に食べな「いただきま~す」ストップ!!」

 

 

俺は必死にイッセーの手を止めた。

まさか説明してる最中にこの事態が起こるとは思えなかった為、今までで一番焦っていた。

 

 

「師匠止めないでください!!大丈夫ですよ!!こんなに美味しそうなものに毒なんかありませんよ!!」

 

「残念だが、毒はあるよ」

 

「・・・へ?」

 

 

イッセーはその果実を二度見してから遠くに放り投げた。

 

 

「あっぶね~~~」

 

{相棒、命拾いしたな}

 

「あの果実を食べたら・・・()()()()になるぞ」

 

「!!!」

 

 

俺は数メートル先にこちらに知被く存在に気づき、その方向を指差した。

イッセーも方向を教えただけでその存在に気付いたようだ。

 

 

「なんか変な気配が一、二・・・四体も!!」

 

「・・・・・」

 

(まさか気配感知がこうも上がっていたなんて・・・・)

 

 

次第にその気配が強くなってくる。

 

 

「来るぞイッセー」

 

「!?」

 

 

木々から現れたのは三体の白い異形の怪物。

頭は丸みを帯びておりそれぞれ体の色が違く赤、青、緑と三色の怪物がそこに現れた。

 

 

「何だこいつ!!」

 

「奴らは『インベス』、この森に生息する怪物だがイッセー油断するな!!」

 

 

そう、今出てきたのは下級インベスが三体。

イッセーが事前に感知したのは四体だった。

 

 

「神崎さん、後ろです!!」

 

「!!」

 

 

俺はすかさず背面に回し蹴りを打つ。

蹴りはちょうど相手の顔に当たり異形の怪物と少し距離が空いた

 

 

「GYAUUUUUUU」

 

「『ビャッコインベス』か」

 

 

先程の白いインベスとは違い、上半身は緑色の装甲で覆われ、顔自体も虎に酷似した顔になっている。

また、右手の爪が異常に発達しており、見た目からその鋭さを漂わせていた。

 

俺達は背中合わせになっており、イッセー側に三体の下級インベス、

俺の方にビャッコインベスという状態で挟み撃ちにされてしまっている。

 

 

「師匠、一つ質問です」

 

「ああ・・・」

 

「あの果実食べてたら・・・・あれですか」

 

 

現在、背中合わせの状態の為、イッセーの行動を確認できなかったがおそらくインベスを指差しているのだろう。

 

 

「正解だ、あの果実を食べたものはインベスとなってしまうんだよ」

 

「止めてくれてありがとうございます」

 

「それよりも現状を打破するのが先だ!!」

 

「ウッス・・って俺でも倒せるんすか!!」

 

「下級三体ぐらい何とか倒せるはずだ、俺はビャッコの相手をする」

 

「了解っす」

 

 

そして俺は手元に黒いバックルを手にする。

その黒いドライバーは真中が窪んでおり、右側には()()()()()()()()がついていた。

 

俺はそれを腰に当てると、黄色いベルトが腰に巻かれ、バックルの左側に()()()()()()()()()()()()()()()()()()が装着された。

 

さらに手元にあるものを出現させた。

形は手に収まるサイズの南京錠。

ただし普通の南京錠とは違い、()()()()()()()の様な形、色であった。

 

俺はそのオレンジの南京錠の右側にあるロックを解除する。

 

 

{オレンジ!!}

 

 

すると頭上からオレンジを模したなにかが俺の頭上に出現した。

俺は気にせず、南京錠をバックルの窪みにはめ、フックを押し込んで南京錠をロックした。

 

 

{ロック!!オーン!!}

 

 

そして俺は後ろのイッセーに声を掛ける。

 

 

「いくぞ、イッセー!!」

 

「ウッス」

 

 

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)!!」

 

{Boost!!}

 

「変身!!」

 

{ソイヤ!!オレンジアームズ!!花道・オンステージ!!}

 

 

俺は掛け声と同時にバックルの刀の装飾を倒し、南京錠を展開させた。

 

体は紺色と金色の装飾の入ったスーツに変わり、頭部は三日月の鍬形がある兜を模したマスクで覆われている。

 

バックルから発せられる音声とともに頭上のオレンジが展開しながら俺の元に近づいてくる。

展開され鎧となり、装着されると兜のようなマスク部分がオレンジの断面のような形、色の複眼になる。

 

 

===================================

 

 

{俺は俺の為に戦う!俺が信じた希望の為に!俺が望んだ結末の為に!}

 

{俺は俺の道を選ぶだけ、運命など知ったことか!}

 

{もう紘汰さんはいない…だから僕達が、ヒーローにならなきゃいけないんだ!}

 

{この世界には理由のない悪意がいくらでも転がっている}

 

{ここからは俺のステージだ!!}

 

 

===================================

 

 

 

俺は『仮面ライダー鎧武 オレンジアームズ』に変身した。

 

 

 

「「「「GYaaaaa」」」」

 

「ここからは俺達のステージだ!!」

 

「行くぜドライグ!!」

 

 

そして俺達はインベスに向かって走り出した。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:イッセー~

 

 

「うぉら!!」

 

「りゃぁ!!」

 

「うらっ!!」

 

 

白いインベスに対して何度も拳を振るっているが、

 

 

「クソッ!!こいつらちょこまか動きやがって!!」

 

 

そう肝心の打撃が中々当たらないでいた。

 

 

{落ち着け相棒、正義が任せたくらいだから大した存在ではないはずだ}

 

「分ってるけどよ・・ってうぉっと!!」

 

 

三体の内の一体が俺に攻撃を仕掛けたが間一髪、避けることに成功した。

 

 

「あれ当たってたら致命傷じゃねえか!!」

 

 

インベスの攻撃により木に大きな爪痕が残っているのを見て顔を蒼くした。

 

 

{じゃあ、正義が来るまで粘るしかないな}

 

「!!」

 

{そしてあとはあいつに任せれば}

 

「ふざけんな!!」

 

{・・・・}

 

 

それじゃあ意味がない。

 

何の為にここに来たのか。

 

何故、神崎さんに師事したのか。

 

どうして強くなりたかったのか。

 

 

「俺は自分の力で護りたかったから!!護られる俺自身が嫌だったからだ!!」

 

{じゃあ、この状況はどうするんだ?}

 

「俺がこいつらを倒す!!」

 

{ああ、俺も賛成だ相棒!!}

 

「「「GYAaaaaa!!」」」

 

「うるせぇ!!ドラゴンショット三連!!」

 

 

左手から放たれた赤いエネルギーを三発同時に発射させる。

 

 

「GYAUuuuu!!」

 

「一発命中だ!!」

 

{油断するなよ、二体来るぞ!!}

 

「分ってるよ!!」

 

 

背後の細めの木に掴まり、その木を軸にして回転した。

 

 

「おらよっと!!」

 

「GYAu!!」

 

 

遠心力を生かしたキックが、上手く一体にヒットした。

 

 

「まだまだ!!」

 

 

残りの一体が近づいてきて両腕を振りかざしてきた。

 

 

(ここだ!!)

 

 

両腕を上に弾き、左手に気を溜めながらインベスの動体に拳をそっとくっつけた。

 

 

「ハッ!!!」

 

「GYAUUUUUUUU!!」

 

 

インベスはあまりの衝撃に耐えきれず吹っ飛ぶ。

今の技は中国武術なんかにある『発勁』の紛い物だ。

 

『発勁』とは正確には技ではないけど、よくカンフー映画なんかで見られる気を使わないで拳を当てて相手を吹き飛ばしたりできる技法だ。

 

『発勁』について教わってはいたが数日で取得まで至らず、体内にある気を用いて結果だけを再現させた。

 

 

「次で仕留める!!」

 

{だが、どうやるんだ?}

 

「あの練習中の技でな」

 

{成功率10%の技の事か?}

 

「だぁーー!!気にしてることさらっと言いやがって」

 

 

確かにこの技は神崎さんの知らないところでこそっと練習していたのだが成功率は高くなかった。

 

でも、

 

 

「だったらここで物にしてやる!!」

 

 

そして俺はドラゴンショットと同様に『倍加』させた気のエネルギーの球体を作り出す。

重要なのはここから先だった。

 

 

「クッ・・・・」

 

(魔力でこの気弾に・・・・)

 

 

見た目からは何の変化はないが、その気弾の中身がどんどんと変化していった。

 

 

「「「GYAaaaaaa!!」」」

 

「きやがったな!!まずはこれでも食らいやがれ!!」

 

 

完成した気弾を浮遊させ、そこに思いっきり正拳突きを叩きこむ。

すると、赤い気弾が破裂し、大量の小さな赤い気弾が広範囲に放たれた。

 

 

「ドラゴンショット、散弾バージョン」

 

{ドラゴンマシンガンってとこじゃないか?}

 

「「「GUooo・・・・」」」

 

 

見た感じだとだいぶダメージが入っていったようだ。

 

 

「さらに30秒チャージだ」

 

{Boost!!}

 

{Explosion!!}

 

 

「この気を魔力で押し込める、ぐぬぬぬ・・・」

 

 

またも赤い気弾を作るが今度は普通のより小さい赤い気弾を作成する。

 

 

 

{相棒!!調整ミスったら自分自身が吹き飛ぶからな}

 

「分ってるから!!だまれぃ!!」

 

 

どうしてもまだ完成していない技の為、気弾の作成に数十秒も掛かってしまうがついに完成した。

 

 

「おっしゃーー!!」

 

{今まで以上の出来前だな}

 

「それじゃあ、喰らいやがれぇ!!!!」

 

 

中くらいの気弾を三体まとまっているところに投げる。

しかし気弾は速度が通常のドラゴンショットよりも遅く、相手に近づいてく。

まだ、インベスの元には届かない気弾。

だがこの気弾は相手に直接当たらなくてもいい物だった。

 

 

{今だ!!相棒!!}

 

「おっしゃぁ!!弾けろぉ!!」

 

 

”ボンッ!!”

 

 

開いていた左手を閉じると先程の気弾が大きな爆音を放ち爆発する。

 

 

「「「GYaaa・・・・・」」」

 

 

気弾の近くにいたインベス三体はその爆発を間近でくらい、消滅した。

 

爆発の衝撃で複数の木々が倒れ、辺りに爆風が舞う。

 

 

 

「大量の気を魔力の膜で包んで圧縮させて最後は爆発させる俺の新技・・・・」

 

 

”ドサッ”

 

 

気と魔力の多量放出により急に疲労が溜まり、その場に腰を落とす。

 

 

「ドラゴンショット:爆弾バージョンだな」

 

{いやいや、そこはドラゴンボムだな}

 

「・・・・まぁそれでいいか」

 

 

少しネーミングセンスがどうかと思ったが、俺自身も大したのが思いつかないのでそのまま了承する。

 

 

「師匠、俺やれましたよ」

 

 

そして俺は神崎さんの最初の試練を乗り越えた。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

”ボンッ”

 

 

「イッセーはどうやら終わらせたようだな」

 

 

背中から爆風が襲いかかったが、体勢を崩さずビャッコインベスと対峙していた。

 

 

「GYAAUUUUU!!」

 

「こっちもそろそろ終わらせるぞ」

 

 

俺はオレンジアームズの専用武器、オレンジのくし形切りを模した刀『大橙丸』と銃と刀が一対となっている『無双セイバー』を構える。

 

 

「GYAAUUUUU!!」

 

「ふんっ!!」

 

 

ビャッコインベスが右手の爪を振りかざしてくるが、二本の刀をクロスさせその攻撃を受け止める。

 

 

「力任せの攻撃じゃ俺は倒せないぞっと」

 

”バンバンバン”

 

「GYAAAAA!!」

 

 

俺は爪を撥ね退け、懐に『無双セイバー』の銃弾を放った。

そして俺は、『無双セイバー』と『大橙丸』の頭の部分を連結させ、『ナギナタモード』へと変化させる。

 

俺はベルトに装着してあるオレンジの南京錠『オレンジロックシード』を取り外し、無双セイバーにある窪みに装着する。

 

 

{ロックオーン!!}

 

{イチ!ジュウ!ヒャク!セン!マン!オレンジ、チャァーージ!}

 

 

俺がナギナタを振うと『無双セイバー』からオレンジの斬撃がビャッコインベスに向かい放たれる。

その斬撃に当たったビャッコインベスがオレンジ型の空間内に拘束され身動きが取れなくなる。

 

 

「GYAoooooo・・・・」

 

「終わりだ・・・・セイハーッ!」

 

拘束され動かなくなったインベスに向い突き進み、大橙丸部分で両断した。

 

 

「GYAaaaaaa・・・・」

 

 

オレンジのスライスされるモーションと共にビャッコインベスが爆散する。

 

 

「終了だな・・・・」

 

 

俺は変身を解き、イッセーの元に駆け寄った。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:イッセー~

 

 

インベスとの戦いから約三十分程経過して、だいぶ体も回復していた。

 

 

「イッセーまだ行けるか?」

 

「はい、だいぶ体力も気も回復してきました」

 

 

俺と師匠は森を歩き続け、開けた荒野のような場所に出ていた。

 

 

「さっきまで一面森だったのにすごい拓けてますね」

 

「今回の目的地はここだ」

 

 

森を抜けて荒野を進んで行き、森から距離を置いて立ち止まった。

 

 

「さっきの戦闘は想定外だったけれど、これからが特訓の本番だ」

 

「・・・はい!!」

 

 

俺が至る為の特訓。

ドライグが{覚悟しておけ}と言っていたけれど何をするかは聞かされていない。

 

どのような特訓なのか悩んでいると突然、師匠の背後に『銀色のオーロラ』が現れ、そこから赤いスポーツカーが出現した。

 

 

「えっ?『トライドロン』?」

 

 

『仮面ライダードライブ』の乗用車、『トライドロン』がオーロラから出現した。

 

 

「・・・・」

 

 

師匠は無言のまま、背後の『トライドロン』へ体を向け、手に持っていた黒くて四角い物を窓ガラスに翳した。

黒い何かをかざした瞬間、師匠の腰に金属でできた様なベルトが巻かれていた。

 

 

「師匠何を・・!!」

 

 

師匠の雰囲気が変わった。

ドライグの言っていた事も理解できた。

 

 

「随分早くないっすかね」

 

「イッセー、俺は本気だからな」

 

「・・・・はい!!赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)!!!!」

 

「変身!!!」

 

 

師匠は掛け声と同時に『金色の龍の顔』が描かれた『黒いケース』ベルトに差し込んだ。

 

三つの影が重なり師匠の姿が変わる。

 

容姿は赤いスーツの上に銀の胸当てが付き、肩や肘及び膝に窪みのある突起物がついている。

顔は黒いベースに赤い大きな複眼の上に銀のマスクが着き、頭部には黒いケースと同じ龍の顔が描かれている。

 

中でも特徴的ともいえる左腕にある『赤い龍の顔』で象られてる機械を持っている。

 

俺は知っている。

師匠が変身した姿を。

 

『赤い龍と契約した』と言う点で俺に似ていると共感を持った仮面ライダーだからだ。

 

師匠が変身したのは、『13人のライダー達のサバイバル』な中で『人を守る為にライダーとなった』仮面ライダー。

 

 

「仮面ライダー龍騎・・・・・」

 

 

師匠は『黒いケース』から一枚のカードを抜き取り、左手の龍の頭部をスライドし、カードを挿入した。

龍の頭部を戻すと、機械音が鳴り響いた。

 

{SWORD VENT}

 

 

すると、上空から師匠に向かいサーベルの様な剣が落ちてきた。

 

 

「・・・・行くぞ」

 

 

これは特訓ではあるが、今までの特訓とは違う。

もはやこれは組手ではなく、決闘に近いものだろう。

 

殺さない程度の手加減こそされると思うが、間違いなく俺を追い詰めてくるだろう。

 

師匠は強い。

でも、俺は負けるつもりはない。

 

 

「俺が勝ちます!!行くぞドライグ!!!」

 

「いや、俺が勝つ!!!」

 

 

そして俺と師匠が剣と拳を交え始めた。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:龍騎(マサヨシ)~

 

 

一誠と龍騎の対決が約十分ほど続いた。

 

 

「ハァッハァッ」

 

「・・・・・・・」

 

 

現状としては龍騎は無傷、一誠は所々で血を流し、疲労もかなり溜まってる。

 

 

「一誠、もう限界か・・・」

 

「ハァッハァッ・・グッ・・」

 

 

これ以上は一誠がもたないと判断した龍騎は雰囲気をいつもの状態に戻し、変身を解除しようとした。

 

 

「今日はもう「まだだ!!!」・・・・」

 

「ハァッ・・俺は・・・まだ・・グッ、負けてねぇ!!!!」

 

「一誠・・・・」

 

 

一誠の目はまだやる気に満ちていた。

 

 

(確かに諦めてはいないがこれ以上は・・・)

 

 

そう考えていると一誠が声を発した。

 

 

「これ以上は・・とか考えてるんすよね」

 

「確かにこっちは満身創痍でそっちは無傷ですけど俺は負けてないっすよ」

 

「だが・・・・」

 

「それに手加減してる攻撃なんかで勝てると思わないで下さいよ」

 

「・・・・・」

 

「ここからが本当の決着ですよ」

 

 

そう言って一誠はよろけながらもファイティングポーズをとる。

 

 

「さぁ打ってくださいよ、『必殺技』を・・・」

 

「一誠!?何を言って・・・」

 

「うるせぇ!!!」

 

「!!!」

 

「いいから掛かってこい!!龍騎ぃぃ!!!!!」

 

 

一誠の言葉が荒くなる。

いつもとは違う本気の剣幕。

 

絶対に勝ってやる、負けない、そういった一誠の雰囲気を肌で感じ取る。

 

 

(ここまで言われて黙っちゃいられないな)

 

 

仮面の下で軽く笑みを浮かべた。

 

 

「一誠の覚悟は伝わった・・・行くぞ!!」

 

 

俺は『カードデッキ』から一枚のカードを引く。

そのカードは『カードデッキ』と同じ龍の顔が描かれている赤いカード。

 

左手の召喚機『龍召機甲ドラグバイザー』にカードを読み込ませた。

 

 

{FINAL VENT}

 

「GYAOOOOOOOOOON!!」

 

 

背後にあるトライドロンの窓ガラスから赤い龍が飛び出してくる。

 

赤い龍、龍騎の契約モンスターである『無双龍ドラグレッダー』が俺の背後に浮かぶ。

 

俺は『ドラグレッダー』と共に高く飛び上がり、地上にいる一誠に向かいキックを放つ。

背後にいるドラグレッダーのが出した炎により、速度と威力が上がり一誠に向かっていく。

 

対する一誠は自身の左手に残りの気と魔力を集中させ、溜めた倍加を一気に開放する。

 

 

「俺が勝つ!!!!!」

 

 

龍騎のキックに当たるように左手を突き上げる。

 

 

”ガァンッ”

 

 

龍騎のキックと一誠の拳が交わる。

辺りにはお互いの威力の高さから衝撃が波紋のように広がる。

 

 

「「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」

 

 

そして俺達は赤い光に包まれた。

 

 

 

To Be NEXT ⇒

 




超久しぶり~次回予告~


ひ「俺、参上!!」

イ「やっとこ登場だな」

ひ「おまたせ、一誠キュン(ハート)」

イ「だぁー!!気持ち悪い!!うざい!!」
 「さっさと本題に入れよ!!!」

ひ「ではここで予告編クイズ!!」

イ「まさかの別作品パクリ!?」

ひ「私のD×Dキャラでの嫁は誰でしょう?」

イ「誰も知りたくねぇよ!!!」

ひ「それでは発表!!でっでっでっでっでん!!!」


次回 ハイスクールD×D×R 仮面の英雄の物語

2×3:ゲーム、開始です!


チャン♪チャン♪


ひ「はぁぁ!? 終わり!!」

 「ふざけんな、責任者でてこ」

”ゴンッ☆”

ピーーー

イ「大変お見苦しいものをお見せしました」
 「それではまた次回にお会いしましょう」


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2×3:最終試験、始めます!

大変~~~~~お待たせしました。
死んでません。生きていましたがまったく筆が進まず数か月たってました。
申し訳ございません。。。。


もう文句でもなんでも受け付けるんで良ければ見ていってください。
あと、話が進んでいなくてすみません。

あと2話ぐらいでフェニックスとバトルから、
よろしくお願いします。


~Side:マサヨシ~

 

今日はレーティングゲーム前日の朝。

 

ある1人を除いて、俺の前にジャージ姿でメンバーがそろった。

 

 

「あれ?イッセー君はどうしたんですか?」

 

「一誠は別の場所で特訓を続けている、心配しないで大丈夫だ」

 

「それでどうして特訓最終日にイッセーを除いたみんなを集めたの?」

 

 

そう、今日は特訓をできる最後の日であり、各々はレーティングゲームの為に今日の特訓で更に磨きをかけたいと思っていた事だろう。

 

 

「今日の特訓は無しだ」

 

リ「・・・・やっぱりそうよね」

 

朱「わかりましたわ」

 

小「・・・・わかりました」

 

祐「はい」

 

ア「はい、わかりました」

 

 

少し予想外だった。

リアスさんや木場君辺りは否定的な意見が飛んでくるかと思ったが肯定していた。

 

 

「数人から反対の意見を聞けると読んでいたんだけどな」

 

「まぁ確かに最終日だからこそと考えたいのだけれど、あなたなら『今日は休む』って言うと思ったのよ」

 

「おっと、少しはずれだ」

 

「はずれ?」

 

 

予想が外れ、疑問を抱くグレモリーさん。

 

特訓の為に課題を出した。

しかし、全員を完ぺきに指導しきれなかった為、どのように成長したかを判断できない。

ならどうするか、答えは、

 

 

「ここは先生らしく課題を上げたら最後は実力テストだよね」

 

「「「「え?」」」」

 

「テストですか?」

 

「ああ、合格点に達すれば見事特訓終了だ」

 

 

今回の特訓で各々に課題を出した。

その課題のおかげでどのように戦力が伸びているのか、俺自身が予測していた水準まで達しているかを確かめるテストでもある。

 

 

「それじゃあ、塔城さんと木場君、それに姫島さんも一緒だな」

 

 

呼ばれた三人が俺の前に出てくる。

やはり以前より各々の力量が違うように見える。

 

 

「制限時間は10分、俺と戦ってもらう」

 

「神崎さんと・・・ですか」

 

「どうした?この数日間の特訓で何も掴めなかったのか?」

 

「そんなこと無いです!!」

 

「強くなった・・・」

 

「フフフ」

 

 

どうやらやる気になったようだな。

 

 

♪~シャバドゥビタッチ・ヘーンシーン!!

 

「変身」

 

フレイム・プリーズ

 

{♪~ヒーヒー・ヒーヒーヒー

 

 

俺は仮面ライダーウィザードフレイムスタイルに変身した。

 

 

「俺はフレイム、ウォーター、ランド、3つのスタイルに『ビック』、『ライト』、『ディフェンド』の3つの魔法しか使用しない」

 

「ハンデ・・・」

 

 

塔城さんが言った様にハンデに見えなくもないが、目的は全然違う。

 

 

「これはハンデではなく、テストの採点をする為だと思ってくれ」

 

「採点か」

 

「流石神崎さんね」

 

 

おっ、グレモリーさんは俺の目的が伝わったみたいだな。

 

 

「『ビック』の魔法は広範囲攻撃、『ライト』は視覚遮断、『ディフェンド』は守備でこの三つの試練を突破しろってことね」

 

 

ほぼ正解だな。

 

 

「それもあるが普通に格闘戦に剣、銃による攻撃も織り交ぜるからね」

 

 

特に姫島さんと塔城さんは近接格闘の技術を伸ばした為、実際に動いてどの程度まで上達したかを見ないといけない。

 

 

「レイナーレ、審判を頼む」

 

「はい、皆様準備はいいですか」

 

 

レイナーレが三人に確認を取る。

 

 

「ええ、大丈夫です」

 

木場君が魔剣を構える。

 

 

「問題ありません」

 

塔城さんがグローブを身に着ける。

 

 

「フフフ、準備OKですわ」

 

姫島さんが両手に雷を纏う。

 

 

(三人ともやる気十分って感じだな)

 

 

「それでは・・・始め!!」

 

「さぁ、ショータイムだ」

 

 

合宿最終試験が開幕した。

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:朱乃~

 

 

(神崎さんは向かってこない・・・それなら)

 

「祐斗くん!!」

 

「ええ、任せてください」

 

 

私の指示で裕斗くんが神崎さんに攻撃を仕掛けた。

 

 

(以前より速く、無駄のない動きになりましたわね)

 

 

祐斗くんの行動は以前と比べて段違いにもよくなっていた。

神崎さんも剣を出現させ、対応している。

 

 

「剣の創造も悪くない、剣術も無駄がだいぶ無くなってるな」

 

「ありがとうございます、でも・・・まだまだみたいですね」

 

 

そう、確かに祐斗くんは成長してますが神崎さんには全く当たっていませんわ。

本当に彼の力には驚かされますわ。

 

ただ、祐斗くんだけでは攻めきれないのは分かっていましたわ。

だから・・・

 

 

「えい」

 

 

祐斗くんが斜め後ろに引くと同時に、祐斗くんの背後に身を隠していた小猫ちゃんの奇襲。

 

小猫ちゃんの小柄な体型だからこそ成功する奇襲、確実に不意はつけると思ったのですが・・・

 

 

「いい加減当たってください」

 

「いや、君の一撃は命取りになるからね」

 

それも上手くかわされてるようですわね。

小猫ちゃんも気配の消し方、戦闘スタイルがだいぶ良くなっていたはずなのですけれども、

 

 

「だいぶ気配を消すのが上手くなったけど、攻撃する時に消しきれていなかったよ」

 

「ご指摘ありがとうございます、当たってください」

 

「それは無理かな」

 

 

どうにかして私の攻撃を当てる隙を作って貰いたいのですが。

流石に祐斗くんも小猫ちゃんが攻撃している最中には手を出せない様ですし、どうしましょうか。

 

 

すると、神崎さんと小猫ちゃんの攻防の差中、大きな動きが起きました。

 

 

「おっと!?」

 

「チャンスです!!」

 

 

神崎さんが背後に倒れそうになった。

そこに一撃を与えようと拳を突き出す小猫ちゃん。

 

 

「駄目だ!!小猫ちゃん!!」

 

「クッ!!」

 

 

神崎さんは小猫ちゃんの腕を掴み、片足を軸にして、柔道技の『巴投げ』の様に後方へ投げ飛ばされました。

 

 

「木場君も油断大敵だよ」

 

♪~ルパッチマジック タッチ ゴー!

 

ビッグ・プリーズ

 

 

神崎さんのベルトから魔法を使用する時の音がなりましたわ。

すると、祐斗くんの目の前に赤い魔方陣が出現する。

 

 

「クッ、魔剣創造(ソード・バース)!!!」

 

 

魔方陣から中指を親指で抑えた巨大な手が飛び出し、そして親指をずらし中指を弾いた。

 

対する祐斗くんは巨大な魔剣を創り出し、防御に徹しましたわ。

しかし、衝撃には敵わず、巨大な魔剣と共に私の方まで吹き飛ばされてました。

 

 

「大丈夫!!裕斗くん」

 

「すいません、油断してしまいました」

 

 

確かにギリギリの攻防でした。

祐斗くんの防御が間に合っていなかったら再起不能になっていたかもしれませんわね。

 

 

「よし、今度は攻めさせてもらうよ」

 

 

神崎さんは青い宝石のリングを取り出す。

 

 

♪~シャバドゥビタッチ・ヘーンシーン!!

 

ウォータァー・プリーズ

 

♪~スイ~スイ~スイ~スイ~!

 

 

青い魔方陣が神崎さんを通過し、赤色の部分が青色になりマスクの形状も少し変わりましたわね。

 

 

「ウォーター・・・水の魔法使い」

 

 

これは私との相性を考えてですわね。

水と電気の関係性は色々ありますけれど、簡単に表しますと電気を通す水と通さない水がありますわ。

どちらにしても通すのであれば私の雷を利用したカウンター、通さないのであれば私の攻撃の絶対防御、どちらも不利になりますわね。

 

 

「それじゃあ攻撃に移らせてもらうぞ!!」

 

”ガチャ、バン!!バン!!”

 

「クッ」

 

神崎さんが剣を銃に変形させ、弾丸を放ってきました。

すかさず回避に徹しますわ。

 

 

「どうした、逃げてるばっかじゃ試験は終わらないぞ」

 

「あら、これも作戦の内ですよ先生」

 

 

神崎さんを倒すにはまだ時間が必要ですわ。

魔力を感知できないようなのでこっそり魔力を練っているのですがまだですわ。

 

そのことに気づいている祐斗くんと小猫ちゃんは、私を護る為に前に出る。

 

 

「近接戦は僕と小猫ちゃんで十分です、任せてください」

 

「任せてください」

 

 

2人ともあと少しで終わりますわ。

それまで耐えてください。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:祐斗~

 

 

「神崎先生、さっきのは効きましたよ」

 

「ちょっとやりすぎたかい?」

 

「いえ、威力を抑えてくれたので特に問題はないですよ」

 

 

とは言ったものの、あのデコピンでかなり体力と魔力を消費させられてしまった。

それを計算した上での神崎さんの行動だったと思うと、正直お手上げだと感じたよ。

 

でも、まだ朱乃さんが何かするようだからね。

一矢報いる為にも諦めるわけにはいかない。

 

一誠君と同じだけれど僕も強くならないといけないんだ。

騎士として使える王の為に、そして仲間達の為に・・・

 

 

「だから・・・勝たせてもらいます」

 

 

~Side out~

 

 

~Side:小猫~

 

 

「塔城さんも大丈夫だったかい?」

 

「大丈夫です、ただ投げられただけでしたので・・・」

 

 

そう、ただ投げ飛ばされただけ。

だけどそれは見え透いた罠にはまって起きたことでした。

一誠先輩と特訓してる時に言われた事を思い出しました。

 

 

[戦いの中では、一つ一つの動作が意味のある行動だって師匠に教わったよ]

 

[意味のある行動?]

 

[そうそう、武術の達人とかはあえて隙を作ることによって技に誘い込むんだってさ]

 

[なるほどです]

 

[だから師匠はよく「相手の行動を読め」て言ってたよ]

 

 

せっかく、一誠先輩に教えてもらったのにチャンスと思って攻撃した自分が恥ずかしいです。

でも、ここから先は絶対に失敗しません。

祐斗先輩もさっきの攻撃で消耗しているはずです。

私の攻撃も当たらないとなると朱乃先輩に任せるしかないようです。

 

私も一誠先輩のように強くなりたい。

あの時、何もできなかった弱い自分に戻らない為にも・・・

 

 

「・・・絶対に負けません」

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

「そろそろかな」

 

周りには聞こえないような小さな声で呟いた。

 

姫島さんが何かを狙っている、もしくは時間を稼いでいることはすぐに理解できた。

彼女は元々、遠距離からの魔法による戦闘を主流としている為、敵から距離をおくのは当然だと言える。

 

だけど・・・

 

 

(今回の試験で遠距離だけでは点を挙げられないな)

 

 

彼女の特訓内容の中には『近接格闘』を視野に入れた特訓をしてもらっているはずだ。

確証がないのは俺が担当してない為、特訓の詳細が把握しきれていないからだ。

 

 

(さてと、2人を一度振り切るか)

攻防の最中に2人にばれない様に指輪を一つはめる。

 

 

「さぁ、この攻防も一度お開きにしようか」

 

ベルトのレバーを押し込み、はめた指輪をベルトの手形にかざした。

 

 

♪~ルパッチマジック タッチ ゴー!

 

ライト・プリーズ

 

 

「子猫ちゃん、裕斗くん!!!目を」

 

 

少し気づくタイミングが遅かったようだね。

自身から眩い光が放たれる。

 

 

「クッ、目が」

 

「キャッ!!」

 

 

この機を逃すわけにはいかないためすぐさま攻撃に移る。

 

 

”ガチャ”

 

 

『ウィザーソードガン』を銃から剣のモードに切り替え、親指を押し込む。

 

 

♪~キャモナ・スラッシュ・シェイクハンズ

 

ウォーター!スラッシュストライク!!スイ!スイ!スイ!

 

 

威力を落とした水の斬撃を繰り出す。

視覚を失った二人は水の斬撃を避けることが出来ずに攻撃が当たる。

 

威力は調節したが大事が無いか遠目から2人の状態を観察する。

 

木場君はさっきのデコピンもあって今の攻撃で気を失ってしまったらしい。

塔城さんはダメージは受け様だがまだ気は保ってる。

 

 

「今のうちに攻めさせてもらうよ」

 

 

俺は狙いを姫島さんにして走り出す。

 

 

「さぁ、姫島さん」

 

「特訓の成果見せてもらうよ」

 

「思い通りには行かせませんわ」

 

 

姫島さんは魔方陣を展開させ、雷撃を放つ。

俺は雷撃を避けながら距離を詰める。

そして剣が届く位置にまで近寄ることが出来た。

 

 

「これで終わりだ」

 

 

わざとらしく剣を高く上げ振り下ろした。

 

 

「フフフッ」

 

”バチン”

 

 

振り下ろした剣は雷を纏う光の槍で防がれていた。

 

 

「これはレイナーレに任せて正解だったかな」

 

「まだまだ、これからですわ」

 

 

剣と槍の攻防が始まった。

 

(まさか女王(クイーン)の身体能力を生かした戦闘技術を高めたのかと思ったら光の槍を用いた戦闘を選んだとは・・・)

 

完全に想定外だったため、攻めきれなかった。

さらには姫島さんの槍は雷を纏っているため、剣に触れる度に電撃が流れ込んでくる。

 

 

(スタイルチェンジかな)

 

 

一度距離を取り、黄色の宝石の指輪をはめる。

 

 

「させませんわ!!」

 

 

姫島さんは雷の槍を複数展開し、俺へと放たれた。

 

 

「なっ!!」

 

「雷を纏う槍ですもの、速さは段違いですわよ」

 

「クッ、避けきれなグガァ!!!!」

 

 

二発が体に当たり、俺の動きを止めた。

どうやら先程展開された槍は、殺傷能力を低くして相手の動きを止める用の技だったようだ。

 

 

「今ですわ」

 

 

俺を中心に物凄い気配を感じる。

先程まで溜めていた魔力を一気に叩き込むつもりの様だ。

 

俺は痺れる体を無理やり動かし、ベルトまで腕を持っていく。

 

 

♪~シャバドゥビタッチ・ヘーンシーン!!

 

ランド・プリーズ

 

♪~ドッ ドッ ドッ ドドドンドン! ドッ ドッ ドン!

 

 

複眼、胸部の石の色は黄色に変る。

それと同時に俺に強力な雷が落ちた。

スタイルチェンジしていなかったらやられていたな。

 

 

「そんな・・・」

 

「はっ!!!」

 

 

体を覆っていた電撃を弾く。

 

 

「ランドスタイル、土の属性ですわね」

 

「ああ、これで雷対策はばっちりだ」

 

 

俺は土の属性を持つランドスタイルにチェンジした。

土の特性を持つスタイルなら雷を使う姫島さんに対して優位に立てる。

 

 

(彼女の大技は防いだ、どう出るのかな?)

 

「これならどうですか!!!」

 

 

姫島さんは雷を纏っていない光の槍を投擲した。

 

 

♪~ルパッチマジック タッチ ゴー!

 

ディフェンド・プリーズ

 

 

俺の目の前に約2m弱の土壁が出現する。

 

 

「このランドスタイルは防御力に特化している」

 

「くっ・・・」

 

「そして『ディフェンド』はただの防御魔法じゃない」

 

 

♪~ルパッチマジック タッチ ゴー!

 

ディフェンド・プリーズ

 

 

俺はディフェンドで作った土壁に手を当てる。

 

 

「きゃぁっ!!」

 

 

衝突音と共に姫島さんの悲鳴が聞こえる。

 

俺は土壁から姿を出した。

 

 

「こんな風に土壁からさらに土壁を勢いよく出現させることで当たった相手には大ダメージってね」

 

「こんな攻撃の仕方があったなんて・・・」

 

「姫島さんは魔力はもう限界みたいだね」

 

 

残った魔力を防御に回したのだろう。

それでもダメージが防ぎきれずに体力を削ったみたいだね。

 

 

「私はもう動けそうにないので降参ですわ」

 

「いや、いい戦いだったよ」

 

 

確かに、あの電撃で動きを封じられた時は危なかった。

あの雷はランドスタイルでなければ防げなかったはずだ。

 

それに堕天使特有の光の力。

前回の戦いで嫌というほど受けたあの力を姫島さんが使いこなせていた。

彼女がなぜその力を使えるかは知らないが、今まで否定していた力をレイナーレが引き出してくれたおかげで彼女は一歩前進したようだ。

 

 

(レイナーレに感謝しないとな)

 

 

「さて、姫島さんと木場君はリタイアだ、残るは・・・・」

 

「私のみですね」

 

 

俺の前に塔城さんが立つ。

 

 

「塔城さんはなぜ、姫島さんと戦っている時に攻撃を仕掛けてこなかったのかな?」

 

 

実際、スラッシュストライクを決めた後、ダメージを受けていたが問題なく動ける状態であったのに俺に一切攻撃を仕掛けなかった。

 

 

「朱乃先輩の覚悟を見て、私の事を考えていました」

 

「塔城さんの事?」

 

「はい、私の中には恐ろしい力が眠っているんです」

 

「私はあの人のように力を暴走させてみんなを傷つけたくなかった」

 

 

彼女のいう力とは一誠が言っていた『人間とは違う気』の事だと気づいてはいた。

たぶん彼女も一誠と特訓している時に、俺達が気付いていることを悟ったのかもしれないな。

 

 

「朱乃先輩の覚悟を目にして、逃げてばっかりじゃだめだと感じました」

 

「でも、まだ怖いです、この力に頼ることが・・・・」

 

 

すると、彼女の体に変化が起きた。

頭に白い猫の耳、尾てい骨の辺りから白い尻尾。

 

 

「だから、神崎さんと1対1になった時にこの力で戦おうと考えました」

 

「この姿でも神崎さんには勝てないと思っています」

 

「暴走しても止められる神崎さんにこの姿で挑み、そして学ばせてもらいます」

 

「個人的な理由ですみませんが、私の成長の為に胸を借りさせていただきます」

 

 

彼女は今闘おうとしていた。

俺ではなく自身の恐怖の対象と。

俺からいう事は決まっている。

 

 

「俺は君達の先生でもあるんだ、答えなんて決まってるだろ」

 

「個人的な理由でも構わない、どんと来い!!!」

 

 

~Side out~

 

 

~Side:小猫~

 

 

「では、いきます」

 

最初は一誠先輩みたいに『妖力』を応用すれば・・・

掌にバレーボールほどの大きさの妖力の球が出来上がる。

 

 

「えい」

 

 

私はそれを神崎さんに向け投げた。

速度は十分だけど神崎さんは避けずに防ぐ。

 

 

♪~ルパッチマジック タッチ ゴー!

 

ディフェンド・プリーズ

 

 

神崎さんの前に土壁が出現する。

土壁と球が衝突するが土壁は壊せなかったようだ。

 

 

「なら、えい、えい、えい」

 

 

複数の球を当てていった。

 

 

「何回も当ててるけどこの強度を破るまでには至っていないようだね」

 

「えい、えい」

 

 

繰り返し球を打ち続けていると壁の表面に少しだけひびが入ったのが見えた。

 

 

(なるほど、このぐらいの力ですね)

 

 

私は最後に投げた球より少し多めに妖力を右手に集中させた。

壁の前に瞬時に移動し、右の拳を壁に放つ。

 

 

「吹き飛んでください」

 

 

私の拳が壁に触れると大きな破壊音がなり、壁が吹き飛んだ。

 

 

「まさか、この壁を壊せるとは思わなかったな」

 

「神崎さん、ここからが本当の試合です」

 

 

私は妖気を体の中で練りこみ、身体能力を上げる。

今なら、裕斗先輩の7割程度のスピードが私にも出せるはずだ。

 

やることは変わらない、いつものように殴るだけ。

・・・・なのに

 

 

「だからいい加減、当たってください・・・・」

 

「流石に俺でも君の攻撃が当たったら死んじゃうからね」

 

 

どうしても攻撃が当たらなかった。

ジャブを打っても、なれないフェイントをやっても、スピードを生かして背後にまわって打ち込もうとしても・・・

 

 

「当たらない」

 

 

私は攻撃の手を止めた。

分かってはいた、神崎さんには勝てないと。

それでも一発も当てられずにいたことが悔しい。

 

祐斗先輩や朱乃先輩の時とは違い、まったく相手にされていなかった。

それほどまでに私は神崎さんにとっては見どころが無かったのでしょうか。

 

自然と悔しさから涙が出ました。

自分の弱さが、何もできない悔しさが、この戦いで思い知れました。

 

 

{♪PiPi~♪PiPi~♪PiPi~}

 

 

機械のアラーム音が鳴った。

あの戦闘から10分が経過していた。

 

 

「試験終了です、お互い手を止めてください」

 

レイナーレさんから試合終了が告げられた。

 

 

「まず塔城さん・・・合格」

 

「え?」

 

 

唐突に神崎さんから合格の一言が飛び出ていた。

 

 

「なん・・で・・ですか?」

 

 

分からないどうして合格なのか。

 

 

「私は・・・神崎さんに一撃も攻撃を当てられなくて勝てもしなくて・・・」

 

「塔城さんは十分強くなったよ」

 

「そんなはずは」

 

「俺が反撃できずに避けるしかできなかった」

 

「え?」

 

 

神崎さんが避けるしかできなかった?

 

 

「嘘です、絶対に反撃できたはずです」

 

「嘘じゃないさ、塔城さんの最大の特徴は戦車(ルーク)による攻撃力と防御力の上昇」

 

「君は一誠とまた違ったパワータイプだからね」

 

 

一誠先輩とは違うと言われ疑問に思った。

先輩も神器によるパワーを用いて戦うタイプの人なのは理解してます。

 

 

「一誠は倍加にチャージ及び使用後に再チャージしなければならないから簡単に言うと一撃必殺タイプだ」

 

「塔城さんは元から攻撃力は高く永続的に強力な攻撃が出せる超パワータイプって言えばいいのかな?」

 

 

確かに言われてみれば同じパワー系でも違う。

一誠先輩は特訓中にいつも一撃が大事だって言っていましたね。

それは一誠先輩だからこそのアドバイスだったという事ですか。

 

 

「これは俺の予想だけど一誠と組手した時に一誠は攻撃を防ぐことなく避けるばっかりじゃなかったかな?」

 

「確かに・・・」

 

「それはたとえ防御していてもそれを超えた攻撃が来た時に対処できなくなってしまうから避けるんだ」

 

「でも避けられています、当たらなければ意味がありません」

 

 

そう、当たらなければパワー型の自分には意味がない。

ただの力持ちの役立たずでしかない。

 

 

「私は強くなんかない、とても弱いです」

 

「いや、塔城さんは強いよ」

 

「俺が評価したのは基礎能力の向上と塔城さんの心の成長だ」

 

「こころ・・・ですか」

 

「君は自分自身の力を恐れ、拒絶していた」

 

「はい」

 

「でも、今日の戦いで1つ、恐怖に負けずにその力を使い、俺に立ち向かった」

 

「確かに俺には勝てなかったけど、君は自分自身の恐怖には勝てたんじゃないかな」

 

 

神崎さんの言葉が胸にしみた。

私はこの力にずっと苦しめられてきた。

私を縛り上げていた一つの鎖だった。

でも、神崎さんのおかげであの戦いを通して、自身の力に立ち向かうことが出来た。

 

私はまた目から涙が落ちた。

しかし先程の悔し涙とは違う。

とても暖かく嬉しい涙だった。

 

 

「おめでとう」

 

「ありがとう・・・・ございます」

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

試験が終わり、俺と塔城さん、最後まで戦いを見続けたグレモリーさんは医務室へと足を運んだ。

医務室には木場君と姫島さん、手当てをしているアーシアとレイナーレ、そして・・・

 

 

「お疲れ様です師匠」

 

「一誠!?大丈夫か!!」

 

 

ボロボロの一誠が医務室のベットに横になっていた。

 

 

「ちょっと神崎さん!!一誠に何させたのよ」

 

「部長、大丈夫ですよ、言うほど外傷もないんで」

 

「でも、どうしてこんなにボロボロなの?」

 

「それは・・・・・言えないっす」

 

「一誠?(怒)」

 

 

外傷はなくボロボロ・・・

今は喋ってくれなさそうだし、後でベルトさんにでも聞いてみるか。

 

 

「アーシア、一誠の具合はどんな感じかな」

 

「はい、一誠さんが言うように外傷は少なかったんですが中の方が少しダメージが多かったみたいで」

 

「中?」

 

「筋肉等の繊維を少し傷つけてしまっているようで今日安静にしていれば治りますよ」

 

 

明日のレーティングゲームには完治できることを聞き、安堵した。

 

 

「一誠、無茶はダメだと言ったが」

 

「うっ、すみませんでした」

 

「仕方ない、ゆっくり休んでくれ」

 

「うっす」

 

 

一誠の事はまた後で聞くとして本題に入らなければ。

 

 

「他の2人は大丈夫かな」

 

 

手当の終えている姫島さんと木場君に問いかける。

 

 

「ええ、もう動けますわ」

 

「僕も問題ありません」

 

「そしたら、一誠に休んでもらう為に移動して話そうか」

 

 

俺達は一誠と看病のアーシアを残して医務室から移動し、ダイニングで腰を下ろした。

 

 

「結論から言うと二人とも合格です」

 

 

姫島さんは表情に出てはないが少し驚いている様で、木場君はあまり満足していないのか苦笑している。

 

 

「姫島さんは特訓を活かし近接戦闘に魔力の扱いも十分上達していた」

 

「木場君も試験中にも言ったけど剣の精密さに剣技が上達している事を感じたよ」

 

「でも、2人とも満足してないって感じだね」

 

 

俺は問いかけると2人はその問いに答えた。

 

 

「私は少し結果を焦りすぎてもう少し落ち着いて攻められていたら、もっといい動きが出来たと思いますわ」

 

「僕の方は熱くなりすぎて周りを見きれていなかったです」

 

 

どうやら自分の失態も分かっているようだった。

 

 

「自分でその事に気付いているなら、俺から言う事はないよ」

 

「後は明日、全力で自分達の力を発揮するだけだ」

 

 

そう、本番は明日。

今日までの特訓は明日のレーティングゲームに向けての特訓。

正直勝てるかは五分五分だ。

みんな比較的に成長したが相手は侮れない。

 

今回の頼みの綱は一誠にかかっていた。

 

 

(だから、頼むぞ一誠)

 

「それじゃあ各自、明日のレーティングゲームに向けて休憩してくれ」

 

「「「はい!!!」」」

 

 

俺の言葉に3人が返事をした。

 

 

「ちょっと待って!!私は!?」

 

 

グレモリーさんが抗議してきた。

彼女の場合は戦闘系の特訓を行っていない為、特に試験する必要が無かったのだ。

 

 

「特訓が問題なくできてれば合格だね」

 

「戦略や陣形なら紙にまとめているけど・・・」

 

「それなら後で確認しよう、その前に・・・」

 

 

俺は壁掛けの時計を見ると、そろそろあれの支度をしないといけない。

 

 

「俺は昼飯と夕飯の仕込みを終わらせよう」

 

「ちょっ、私のやつ見る時間ぐらいあるでしょう!!」

 

「いや、みんなには激しい運動をした後だから十分いい物を作ってあげたいからね」

 

「まだ9時過ぎよ!!お昼まで十分時間あるのに・・・」

 

「取り敢えず町まで下りて買い出ししてくるから」

 

「十分食材のこってるでしょ!!!」

 

 

グレモリーさんの別荘には約10日間分ほどの食材や多彩な調味料が保存されていたが、少し足りなかった。

 

 

「一誠があのような感じだからみんなとは別のメニューを作るつもりでね、それで少し食材が足りないから買い出しに行かないと」

 

 

足りない理由はそれだけではないのだがある女性の為、そこは置いておく。

 

 

「それにコンロの数も決まっているしね、品が増えればそれだけ時間もかかるという事さ」

 

「うっ、分ったわ」

 

「じゃあ、いってくる」

 

 

俺は別荘を出て、『マシンウィンガー』に跨る。

 

 

「さて、行きますか」

 

 

俺は明日の戦いの事をいったん忘れ、今日の食事の為にバイクを走らせた。

 

 

 

To Be NEXT ⇒




超超超久しぶり~次回予告~


ひ「俺、参ぶへら!!」

イ「いつまで休んでんだこのバカ」

ひ「酷いいきなり殴るなんて」

イ「当然だろうが三か月だぞ!!」
 
ひ「・・・悔いはない」

イ「いや、悔いろよ」

ひ「だってスランプったんだもの」

イ「それは・・・しかたないのか?」

ひ「もう虚しいだけだ、さっさと次回予告詐欺しようぜ」

イ「詐欺って堂々と言うな!!」

ひ「いや、ゲーム開始しなかったし詐欺っしょ?」

イ「せめて今回は詐欺なしの次回予告してくれ」

ひ「それは私次第だな(ドヤ)」

イ「むっころす(怒)」


次回予告


{一誠何があったんだ}

{全員かかってこいや}

{オレンジスカッシュ!!!}

{俺はまぁ、この星の神様だな}

ハイスクールD×D×R 仮面の英雄の物語

2×4:神様、出会います!


ひ「次回もがんばるぞい」

イ「いや、まだレーティングゲーム始まんねーのかよ」


チャン♪チャン♪


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2×4:神様、出会います!①

お待たせしました、最新話。
そして遅くなりましたが明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。

”ヤミ”さんメッセージありがとうございました。
更新できなかったことをご報告できずに申し訳ございませんでした。

ちなみに今回は内容が長くなってしまったため①と②に分けさせていただきました。
※連続投稿いたします。


それでは合宿最終試験 一誠編どうぞ・・・・


~Side:マサヨシ~

 

 

俺は昼食を取り終えた後、まずはグレモリーさんに与えていた課題を読んでいた。

 

 

「うん、悪くないんじゃないかな」

 

「本当に?」

 

「ライザーの行動しそうなパターンをよく抽出できているね」

 

 

彼女とは何度もチェスを打ち合ったので自然と戦略や相手の行動を読む技術が上がっていた。

 

 

「ただ、様々な作戦で一誠に対しての守りが強すぎるな」

 

 

作戦としては悪くはないのだが作戦の趣旨は王であるグレモリーさんが負けないこと。

気持ちは分からなくはないが一誠を傷つけたくないという行動が少し裏目に出てしまっている。

 

 

「そんなこと言ったってイッセーはまだ悪魔になりたてよ」

 

「だけど、一誠は弱くない」

 

「確かに強い神器を持っているけれど、」

 

「それは間違ってるな」

 

「え?」

 

 

確かに一誠の神器は神滅具(ロンギヌス)と呼ばれる力を持つ。

だが俺が感じた強さは別にあった。

 

 

「一誠の持つ意思と根性、それが一誠の強みだ」

 

「意思と根性・・・」

 

「強くなりたい、大切な人を護りたい、そのために絶対あきらめない」

 

「それが一誠の、俺でも勝てない強さだ」

 

 

特訓初日の姿を思い出す。

 

 

[俺が勝ちます!!行くぞドライグ!!!]

 

[ハァッ・・俺は・・・まだ・・グッ、負けてねぇ!!!!]

 

[うるせぇ!!!いいから掛かってこい!!龍騎ぃぃ!!!!!]

 

 

(あの後、失礼な発言をしてすみませんと物凄く謝ってたな)

 

 

俺は全く気にしていなかったが一誠にトイレ掃除の罰を与えた。

こうでもしなければ気にして訓練に支障をきたしそうだったからだ。

 

あの時を思い出して顔に笑みを浮かべる。

そして一誠は初日の特訓以降どんどんと力を伸ばしていった。

 

 

「イッセーの思いがそれほど強いだなんて・・・」

 

 

ここはひとつ彼女の為にも、まだ気づいていないイッセーの為にも年長者として一言伝えようかな。

 

 

「そう言えば以前、一誠は寝言でこう言ってたな」

 

「『部長は俺が護って見せる』って」

 

 

俺の言葉を聞いた瞬間、グレモリーさんはとても分かりやすく顔を紅潮させた。

 

 

「なっっ、、なっ」

 

「寝言にも出ちゃうほど本気ってことじゃないか」

 

 

さらに一言加えるとさらに顔の紅潮が増した。耳も真っ赤だ。

 

 

「まぁ、明日までにまだ時間はあるからゆっくり休んでくれ」

 

 

彼女からの返答はない。

どうやら少しおせっかいが過ぎたようだった。

 

 

(初々しいね、一誠も隅に置けない男だな)

 

 

俺はグレモリーさんの元を離れ、療養中の一誠の元へと足を進めた。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:イッセー~

 

 

昼食を食べた後、ずっと寝たっきりでも暇だったのでベットの上で瞑想を行おうとしていた。

準備をしているとドアをノックする音が聞こえる。

 

 

「一誠、正義だ」

 

「どうぞ師匠」

 

 

師匠が部屋に入ってきた。

大方、何を聞きに来たのかも予想はついている。

 

 

「一誠、調子はどうだ」

 

「アーシアのおかげでだいぶ良くなりました」

 

「そうか今日は安静にするんだぞ」

 

「さすがの俺でもそこまでバカな事はしないですよ」

 

 

明日はレーティングゲーム本番だ、今日の怪我のせいで負けてるなんて本末転倒だからだ。

それにこの怪我は自身の過ちによる物だからな。

 

 

「それで森で何があったんだ?」

 

「特訓では特に問題なかったですよ」

 

 

そう、俺はみんなより早めに起き、『ヘルヘイムの森』で最終試験を受けていた。

 

 

 

=========================================

 

 

特訓最終日~朝~

 

 

まだ日が昇って間もない時間。

俺は師匠に起こしてもらい、いつもの特訓の場である『ヘルヘイムの森』に来ていた。

 

 

「師匠、こんなに朝早くから何をするんですか」

 

「最終試験と言ったところかな」

 

「最終試験ですか?」

 

「ああ、今回はベルトさん協力の元、試験を行う」

 

 

すると、銀色のオーロラから赤い機械の様な物が出てきた。

 

 

{やぁ兵藤一誠君、ちゃんとお話しするのは初めてだね}

 

 

赤い機械の上部には『仮面ライダードライブ』に変身するためのベルトがくっついていた。

 

 

「ベルトさんでしたよね」

 

{That's right!!本名はクリム・スタインベルトだが気軽にベルトさんと呼んでくれ}

 

「俺はこの後、他の3人の相手をするためにベルトさんに一誠を見てもらうことにした」

 

「え?」

 

 

つまり師匠はまた別荘に戻ってしまう。

ヘルヘイムの恐ろしさはここ数日で嫌と言うほど思い知っている。

襲ってくるインベスに果実の誘惑、この俺が師匠無しで過ごせるか不安だった。

 

 

「大丈夫、一誠は初日より見違えるほど強くなったよ」

 

「師匠・・・」

 

「実力も心も、だから一誠をここに残せるんだ」

 

 

認められている。

一番憧れている人に信頼されている。

それだけで先程まで感じていた不安もかき消された。

 

 

「最終試験、頑張ります!!!」

 

{安心したまえ、危険が迫ってもシフトカー及びシグナルバイクも全台こちらに待機している}

 

 

ベルトさんの後ろに小さいクルマとバイク達が俺を応援してくれているのか各々クラクションを鳴らしていた。

 

 

「ハハッ、みんなサンキューな」

 

「よし、それじゃあ一誠、これを身に着けてくれ」

 

「腕時計?ですか??」

 

 

師匠が渡してきたのは腕時計の様な機械を俺に渡してきた。

 

 

「これはインベスを呼び寄せるために作った装置でね」

 

「へ?インベスを呼び寄せる??」

 

 

何やらとんでもない発言をしていたのではないだろうか。

 

 

「インベスはヘルヘイムの果実のにおいに反応して向かってくる生物なんだ」

 

「それでベルトさんと協力してまず果実のにおいを凝縮させることに成功した」

 

 

ふむふむ

 

 

「そしてその凝縮させた匂いを一定範囲まで放出させる機械を作った」

 

「それが一誠に渡したその機械ってわけだ」

 

 

なるほど~~

 

 

「つまり、この機械を使えばどんどんインベスが襲ってくると」

 

「その通りだ」

 

{Exactly!!正解だ一誠君}

 

「いやいや、死んじゃいますよ!!!」

 

 

俺の戦闘スタイルは師匠から教えられている格闘技を使った喧嘩殺法。

基本は一対一に仕向けるように戦って行動する。

 

 

 

「しかも中級が何匹も出たら対処できなくなっちゃいますよ!!!」

 

「もしそのような不利な状況になった場合はベルトさんと協力してその場から逃げてくれ」

 

{私も危なくなったらすぐにシフトカー達に指令を出すから安心した前}

 

「ですけど・・・・」

 

「それにまだこれだけじゃないぞ」

 

「へっ?」

 

 

えっ、何?まだあるの?

もうすでにやばいメニューなのにさらに地獄という名のトッピングをしてくるの?

 

 

「これを使ってね」カチャッ

 

「それって・・・・」

 

 

師匠の手には青い線が入っている銃が握られていた。

たしか、前に部長や木場ので見せたやつだって聞いたけど。

 

 

「これはただの銃じゃないんだ」

 

 

そして師匠は俺に一枚のカードを見せてきた。

 

 

「仮面ライダーが描かれたカード?」

 

「そう、これを使ってね」

 

 

すると師匠はそのカードを銃の中に入れ、銃身を引いた。

 

 

{KAMEN RIDE}

 

「え?まさか・・・・」

 

 

銃口を上空に向けトリガーに添えられた指が動く。

そして師匠からお決まりのセリフが放たれた。

 

 

「変身」

 

{"ディエンド"!!!}

 

 

空中に何本かの青い棒が放たれた。

師匠の体は複数の影が重なり、次の瞬間黒いアーマーを付けたスーツに変わった。

 

上空に放たれた青い棒が師匠のマスクへと落ち、それに伴いスーツの側面も青く色が変わった。

青い線と黒い線が特徴のマスク、まるでバーコードを思わせるマスクだ。

 

 

「仮面ライダーディエンド」

 

「いやいやいや!!無理ですって!!!」

 

 

インベスいっぱい&師匠VS俺

そこから導き出される俺の結果は・・・

 

 

「死んで来いってことですか」

 

「どうしたんだ一誠?まさか体調が悪いとかか?」

 

 

あれ?俺がおかしいのか・・・

師匠に普通に心配されてるし・・・

いや、俺はまともなはずだ。

ここは弟子として抗議しなければ。

 

 

「師匠!!!」

 

「ん?何かな?」

 

「俺は死にたくありません」

 

「?俺も一誠に死んでほしくはないけど・・・」

 

「だったらインベスだけで勘弁してください!!!師匠相手じゃ死んじゃいます!!!」

 

「・・・・そういう事か」

 

{フム、一誠君、君は勘違いをしている}

 

{正義はこの後に他の生徒の試験をするためにここを離れることになるんだ}

 

 

そう言えば、そんなことを言っていたような。

でもそれならなぜ変身する必要があったんだろう?

 

 

「『ディエンド』の説明はしたことが無かったっけ?」

 

「はい、初めて聞きましたし初めて見ました」

 

 

『ディケイド』については聞いた事はあるけど『ディエンド』は別モノなのか?

 

 

「『ディエンド』の力は・・・・・」

 

 

師匠は一枚のカードを俺に見せてきた。

『ディエンド』に返信する際に使ったカードとは違うライダーが描かれていた。

 

先程の変身する際と同じように銃にカードをセットし、トリガーを引いた。

 

 

「こういう力さ」

 

{KAMEN RIDE}

 

{"シザース"!!!}

 

 

音声とともに俺の目の前に1人のライダーが現れた。

 

そのライダーは使用が変身する『龍騎』と同じベルトを身に着けていたがカードデッキの龍が描かれていた部分には『蟹』が描かれている。

カードデッキが『蟹』の為、見た目も蟹に近い。

マスク部分の二つの触覚に左手に装着されている大きな鋏が特徴的な仮面ライダーだ。

 

 

 

「{ライダーを召喚した!!!!}」

 

 

珍しくドライグも声を上げて驚いていた。

 

 

「一誠はこの『仮面ライダーシザース』とインベスを相手に1時間生き残ってもらう」

 

 

つまり・・・・・

 

 

「どっちにしてもハードモードだったーーー」

 

 

俺の叫びが森に響いた。

 

 

 

 

===================================

 

 

 

俺は師匠から渡された機械を右手首に装着し、自分自身が匂いを吸わない用の師匠特製のマスクも身に着けた。

 

※ちなみに渡された機械は『ファイズアクセル』と言うアイテムをモチーフにしているらしい

 

 

「今はタイム表示が『60:00』になっているがカウントが『00:00』になることで匂いの中和剤を放出する仕様になっている」

 

「赤いボタンを押すとスタートだ、準備はいいか一誠」

 

 

俺は目の前の仮面ライダーを目に捉え、生唾を飲み込んだ。

 

不安がよぎる。

仮面ライダーを相手にしながらも襲い掛かってくるインベス。

中には中級のインベスも複数体出てくるであろう。

勝てない、最悪は命を・・・

 

 

 

{相棒、落ち着け}

 

「ドライグ・・・・・」

 

{勝てるに決まっている、俺達は最強のコンビだからな}

 

「最強のコンビ・・か」

 

 

その言葉に先程感じていた不安はなくなっていた。

 

 

「準備はできたみたいだな」

 

 

俺は左手に『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』を出現させて構えた。

 

 

「お待たせしました、行けます」

 

「よし、それじゃあ最終試験開始!!」

 

 

俺は機械の赤いボタンを押す。

 

 

{START UP}

 

 

「いくぞオラァァァ!!!!」

 

「俺はライダーの戦いで頂点を極める」

 

 

俺の最終試験が始まった。

 

 




②へ続きます。
※連続で投稿しております。


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2×4:神様、出会います!②

①の続きです。
※連続投稿で出しておりますので①を見ていない方は先に①から読んでいただければと思います。


~Side:イッセー~

 

 

まずは、先手必勝!!!

厄介になりそうな仮面ライダーをまずは叩く。

 

 

「くらいやがれ」

 

 

普通にシザースに対して殴りかかる。

 

 

”ガンッ”

 

 

「いってぇ~~~」

 

 

胸元に一撃放ったがアーマーの硬さに逆に自分がダメージをくらってしまった。

 

 

「そんなものか」

 

「チッ、舐めやがって」

 

{相棒、ここは・・・}

 

「分かってるよ、一気にあれで決める」

 

 

インベスを相手にするとなるとシザースを残しておくのは得策じゃない。

だから一気にケリをつけてやる。

 

俺は準備のためにシザースから少し距離を取った。

 

 

「来ないのか?それなら俺から行くぞ」

 

 

シザースはベルトのカードデッキから一枚のカードを引いた。

それと同時に森の方から三体の下級インベスがこちらに向かってきた。

 

 

「「「GyaGya」」」

 

「そら、友達も来たことだパーティーを始めようか」

 

 

引いたカードを左手の鋏の部分に入れ、カードを読み込ませた。

 

 

{STRIK VENT}

 

 

上空からシザースの右手に蟹の鋏が装着された。

 

 

「まっ、マジッすか・・・」

 

「大マジだ」

 

 

インベスと共にシザースの鋏が襲ってくる。

 

 

「どわっ!!おっと!!おわっ!!」

 

「チッ、ちょこまかと避けやがって」

 

「避けるのは技を教わる前に教わった技能だからな」

 

 

基本俺は一対一で有利に進める戦闘スタイルであり、かつ『倍加』を稼ぐ時間稼ぎもしなければならない。

そのため回避と言う手段は俺の中では最も重要な技の一つでもある。

 

 

{Boost!!}

 

{Explosion!!}

 

{相棒、準備完了だ}

 

「ああ、師匠の言葉を借りると、ここからが俺達のステージだぜってな」

 

 

俺はインベスとシザースを一度切り抜けるためドラゴンショットを放つ。

 

 

「これが俺達がこの合宿で得た新たな力だ・・・・ドライグ!!!」

 

{ああ、決めるぞ相棒}

 

 

俺は左手、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』を上空に突き出し、叫ぶ。

 

 

禁 手(バランス・ブレイク)!!!!!」

 

{Welsh Dragon Balance Breaker!!!!}

 

 

俺の体は赤い光に包まれた。

しばらくするとその光は収まっていき姿が変わった俺がシザース達の前に現れる。

 

 

「お前も仮面ライダーなのか?」

 

 

シザースの問いかけに俺は答える。

 

 

「いいや、俺は仮面ライダーじゃない」

 

 

今の俺は全身を龍を模した赤い鎧で覆われている。

 

 

「『赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)』、ただの悪魔でドラゴンだ」

 

 

自身の緑色の目が光り、ファイティングポーズを構える。

 

 

「第二ラウンド・・いや、最終ラウンドの開始だ」

 

 

 

===================================

 

 

 

{Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!.......}

 

「オラァッ!!!!」

 

 

一気に10回以上の倍加をかけてシザースに拳を放つ。

 

 

「クッ!!!」

 

「GYA?GYAAAAAaaaa」

 

 

シザースは近くにいたインベスを盾にし、俺の一撃から逃れた。

 

 

「なんて威力だよ、まったく」

 

「倒せ損ねたけど、降参するなら今の内だぜ」

 

 

シザースは右手の鋏を外し、再びカードデッキに手を伸ばす。

 

 

「お前のその拳が最強の矛だというのなら最強の盾を用意しようじゃないか」

 

{GUARD VENT}

 

 

左手の鋏に蟹の甲羅の様な盾が装着された。

 

 

「そんな盾で防げるほど俺の攻撃は弱くはないぜ」

 

{Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!.......}

 

「ドラゴン・・・マシンガン」

 

 

倍加によって強化された小さな赤

赤い気弾はまるで嵐の時の豪雨の如く辺り一面に降り注ぐ。

 

 

「「GYAUUUUU!!!!」」

 

 

インベス2体は巻き込まれて消滅した。

しかしシザースは・・・

 

 

「たしかに直撃してたら危ういな」

 

「・・・・うっそーん」

 

 

さっきまでの自信がどこかに消え去りました。

 

 

「「「「GYAAAAAA!!!!!」」」」

 

 

そして大量のインベスちゃん達がごあいさつ。

中には『ビャッコ』、『シカ』、『セイリュウ』と中級さんの顔ぶれも。

 

 

「わっ、わーい・・・・」

 

「第3・・・いや最終ラウンドだっけか」

 

 

シザースが皮肉を込めて俺に言ってくる。

 

 

「まぁ、終わりにしようか」

 

 

カードデッキに手を掛け、一枚のカードを引く。

 

 

{ADVENT}

 

「なんだ!?こいつは!!!」

 

「syaaaaaaa!!!!!!」

 

 

どこからともなくインベスとは別でオレンジ色の蟹の化け物が現れた。

 

 

「コイツの名は『ボルキャンサー』、俺の契約モンスターさ」

 

「師匠の使ってたドラゴンと同じ・・・・」

 

「さぁ、お前を喰らってもっと頂点に!!!」

 

「「「「GYAUUU!!!!」」」

 

 

シザース、蟹、シカ、虎、龍、その他もろもろが襲ってくる。

 

 

「ええい、やけくそのドラゴンマシンガン!!!!」

 

 

赤い気弾の雨が降り注ぐ中、蟹とシザースだけは足を止めることなくと近づく。

 

 

「だから効かないんだよ」

 

「知ってるよっと」

 

 

突き出された二つの鋏をかろうじて避ける。

 

 

{Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!.......}

 

「でりゃぁぁーーー」

 

 

気を足に集中させ回し蹴りを蟹に放つ。

 

 

”ピシッ”

 

 

俺の放った一撃は確かに蟹の甲羅に傷をつけた。

しかし、俺の鎧の方にもダメージが入りひびが入ってしまった。

 

 

{修復は?}

 

「んなもん後回し、今度はシザースに一発・・・っだ」

 

 

今度は右ストレートをシザースに向け放つ。

 

 

「甘いな、フンッ」

 

「うぉっ!!!」

 

 

俺は右腕を掴まれ、そのまま背負い投げの要領で投げ飛ばされてしまった。

 

 

「仮にも警察官なんでね」

 

「それは初耳だけど足元は気をつけておかないとな」

 

「何!?」

 

 

シザースの足元には赤い気弾が宙に浮いている。

 

 

「ドラゴン・ボム!!!!!」

 

 

赤い気弾はその場で弾け、大きな爆発を起こす。

 

 

禁 手(バランス・ブレイク)状態でのドラゴンボムだ、これでさすがに・・・・」

 

「くっ・・・してやられたようだな」

 

 

ダメージを負いながらも未だ立っているシザースが目に映った。

 

 

「クソッ、時間は・・・・」

 

 

時計の時間は53:00を経過したところだった。

 

 

「まだまだ・・・・か」

 

「時間を気にする余裕があるのか?」

 

「問題ねぇよ」

 

 

シザースから振り下ろされた左腕を避けて自身の右腕で掴み返した。

 

 

{Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!.......}

 

「くらえ!!!ゼロ距離ショット5連!!!!」

 

 

俺とシザースの間で軽い衝撃音が5回響いた。

 

シザースは気弾が当たった箇所の装甲が破損しており、本人も少し俺から距離を取り片膝をついた。

 

 

「クソッ、やってくれたな・・・」

 

「隙を突こうとしてくるのも予想済みだぜ」

 

「グッ・・・・こちらも限界か、だったら次で決めさせてもらう」

 

 

シザースはベルトのカードデッキから一枚のカード引く。

そのカードにはカードデッキと同じ蟹のシンボルが描かれたカード。

 

 

「シンボルのカードってことは!!!」

 

{相棒!!!大技が来るぞ!!!!}

 

「GYAUUUUUUUU!!!!」

 

 

先程倒しきれなかった中級のインベス達が俺に襲い掛かってくる。

 

 

「ちょっ!?なんでこんな時に限って!!!」

 

「フン、仲良くお友達と永遠の眠りにつくんだな」

 

 

左手に装着されている鋏の柄部分にカードを入れ、読み込ませる。

 

 

{FINAL VENT}

 

 

俺に最後を告げる機械音が鳴った。

 

 

「クソッ・・離せ・・ちょっ!!変なとこ触んな!!!」

 

{Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!.......}

 

「終わりだ、『キャンサー』!!!」

 

 

呼ばれた蟹はそのままシザースを掴み、投げ上げた。

 

 

{Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!.......}

 

「まずい!!まずい!!まずい!!」

 

 

シザースは体を丸めて回転させ、俺に向かって勢いよく落ちてこようとする。

 

 

「倍加足りてるかわかんねぇけどこんなところで終われねぇ!!!」

 

 

左腕にくっついてたインベスを引っぺがし、倍加で強化された気と魔力を集中させる。

 

 

「今の俺が出せる最大パワーの一撃だぁぁぁぁ!!!!」

 

 

向かってくるシザースに対して左腕を突き出した。

 

 

”ガガガガガガ!!!”

 

 

シザースに拳が当たったが回転は止まらず、左腕に強い衝撃が伝わる。

 

 

「だぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「はぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

(マジできつすぎる・・・・)

 

 

俺達の衝突により体にまとわりついていたインベスは吹き飛ばされているが、今は動くこともままならない。

 

 

”ぴしっ、ピキッ”

 

 

俺の鎧にも所々ひびが入る。

 

 

{(相棒、鎧が限界だ)}

 

(わかってんよ、でもこれだけは防がないとこっちがやられる)

 

 

今現在の限界はすでに出し切っている。

鎧は今にも壊れそうで、攻撃を受け止めてる左腕に関しては感覚が感じられなくなってきた。

この一撃を受ければ鎧が壊れ、致命傷となるだろう。

 

ベルトさんも予想外だろう。

まさかこれほどまで激しい戦いになったことが。

今の俺を助けるすべはシフトカー達にはない。

 

まさしく絶体絶命。

 

 

「でも・・・負けるわけにはいかねぇよ」

 

 

最初は仮面ライダーと戦うことにハードモードだと言ったが明日闘うフェニックスの方が厄介極まりないはずだ。

そもそも不死身ってチーとすぎるだろ。

フェニックスを倒したいならこの壁は突破しなければならない。

 

 

「俺は部長の為に絶対に勝つ」

 

 

限界?

そんなもん知るか!!!

 

 

「俺の神器、ドライグに限界なんて文字はねぇ!!!」

 

{ガハッハッハ!!!!最高だ相棒!!!!}

 

{ならお前にその壁を越えさせてやる}

 

 

俺の左手の宝玉が光を放つ。

 

 

{Boost!!}

 

「吹きとべぇぇぇ!!!!」

 

「何!!ぐぉぉぉぉ!!!!!」

 

 

たった一回の倍加で形勢が逆転した。

 

 

「まだだ!!うぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

{Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!.......}

 

 

両手を前に突き出し向い合せ、気弾を作成する。

 

 

「もっと・・・もっとだ!!!」

 

 

気弾は少しずつ大きくなり、バスケットボール程の大きさになる。

 

 

「足りない、ならこれで!!!!」

 

 

気弾に外側から圧力をかける。

圧力がかかった気弾はゆっくりと小さくなっていく。

 

 

{相棒!!!ヤツが来るぞ!!!}

 

 

「俺が頂点に、最強に・・・」

 

「あと少し!!!うぉりゃぁぁぁぁ!!!!」

 

 

ゴルフボールぐらいまで小さくなった気弾を両手で握りしめた。

 

 

「頂点とか最強とか関係ねぇ!!!」

 

「俺は大切な人を護るために・・・リアス部長を護る為に強くなる!!!」

 

 

両腕に赤いスパークが発生する。

狙いを標的に定めて、悪魔の羽を展開する。

 

 

「これで終わりだ蟹野郎!!!」

 

ドラゴン・ブレス!!!!」

 

 

握り合った手を開く。

掌から赤い熱線が放射し、避ける間もなくシザースを飲み込んだ。

 

 

「ぐわぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 

しだいに熱線は細くなり、消失した。

俺の目の前には黒く焦げた地面とボロボロの状態で倒れたシザースの姿だった。

 

 

「頂・・・点・・・に・・・」

 

 

そう言い残してシザースは光となって消えた。

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・やった」

 

「やってやったぞ~~~~!!!!」

 

{フン、当然だな・・・}

 

 

鎧がボロボロと崩れ、元の状態に戻ってしまった。

 

 

{本来であれば30分は維持できたはずだが無理な倍加と大技で鎧がダメになったか}

 

「まぁ、シザース倒せたし問題ないだろ」

 

{そうだな}

 

 

俺とドライグは大声で笑いあった。

すると離れたところからベルトさんの声が聞こえる。

 

 

{一・君・・・し・・だ}

 

「ん?ベルトさ~ん、聞こえないっすよ!!!」

 

{う・ろだ}

 

「え?何っすか?」

 

 

その時、後ろから肩をトントンっと叩かれた。

何度も何度も叩かれた。

 

 

「ちょっと待っててくれ、ベルトさんが何か言ってるから」

 

 

トントン、トントン

 

 

「だ~か~ら、待てっての!!!」

 

 

余りにもしつこかったため振り返りその相手に向き合った。

 

なぜ俺は忘れていたのだろうか、こいつら(インベス達)がまだいたことを・・・・

 

 

「GYAGYA!!!」

 

{一誠君!!後ろだ!!!}

 

 

やっとベルトさんが言ってたことが理解できたよ。

 

 

「あははは・・・タ~イム」

 

”ブレ~イク”

 

 

どこからか奇妙な音がした。

 

 

「GYAGYAAAAA!!!」

 

「ですよね!!!!」

 

 

そのあと残り50分間、俺とインベス達の戦いは続いた。

 

 

===================================

 

{THREE・・・TWO・・・ONE…}

 

{TIME OUT}

 

 

「だっは~~~!!!終わった~~~」

 

{お疲れ相棒}

 

{本当によく頑張った一誠君}

 

「ははっ、ありがとうございます」

 

 

シザースを倒した後もインベスに追い回されて大変だった。

 

 

「仮面ライダーとはもう戦いたくないな」

 

{HA!HA!HA!正義も今後はそこまではしないと思うよ}

 

{そうだろうな、今回はあえて仮面ライダーと戦わせたんだろうよ}

 

「それは分かってるよ」

 

 

今回はシザースと戦って自分自身の殻が一つ剥けた気がした。

 

 

「それにしても結構な数のインベス倒しちゃいましたけど生態系とか大丈夫なんですか?」

 

{それに関しては問題ないよ、正義と調べたところインベスの統率者、オーバーロードが存在しないためかインベスが大量に繁殖していてこの星自体が滅んでしまう可能性があったんだ}

 

「滅ぶって・・スケールでかいっすね」

 

{地球にクラックで繋がってしまうかも知れないからね、大量のインベスが流れ込んでは正義だけでは対応できなくなってしまう}

 

 

確かに俺は逃げながらやり逃していたけど数百、数千のインベスが俺達の町を襲ったと思うと身震いがする。

 

 

「よっし!!!疲れたし戻るか」

 

「GYA!!!GYA!!」

 

「!?」

 

{一誠君!!危ない!!!}

 

 

俺の背後から急にビャッコインベスが襲いかかろうとしていた。

 

油断していた為、神器もしまったまんまの状態で対処できない。

 

死を予感した俺にある男の声が聞こえた。

 

 

{オレンジ・スカッシュ!!!}

 

「セイハァァー!!!!」

 

 

オレンジ色の何かがビャッコインベスにぶつかり、俺から守った。

それは俺の知っている仮面ライダーだった。

 

 

「鎧・・武?」

 

「ん?大丈夫だったか?」

 

「は・・はい、それより師匠何でここに?」

 

「師匠???」

 

 

俺を助けてくれた『鎧武』はベルトからロックシードを取り外し、姿を見せた。

 

 

「俺は葛葉紘汰(かずらば こうた)、仮面ライダー鎧武だ」

 

「え?」

 

{何故君がここに!?}

 

 

鎧武の正体は師匠ではなく葛葉紘汰と名乗る黒髪の青年だった。

 

 

「ベルトさんか、久しぶりだな」

 

{いやそれよりもなぜ『異世界』に君がいるんだ}

 

 

ベルトさんがはっきりと『異世界』と言った。

つまり彼が本物の『仮面ライダー鎧武』だと気付いた。

 

 

「微弱だったけど俺らの星と同じ力を感じたから近くの小さなワームホールから思念を飛ばして来たらここについたというわけさ」

 

 

「さすがに神様が見ず知らずの世界に本体ごと行くのは危険だからな」っと笑いながら説明していた。

 

 

「神様?」

 

なんかすごい単語が出てきた。

 

 

「ん?そうそう俺はヘルヘイムの神様なんだよ」

 

「それで異世界って言ってたけど・・どういうことだ?」

 

{私が説明しよう・・・・}

 

 

俺がぼけっとしている最中にベルトさんが葛葉さんに色々と説明した。

 

 

「なるほどな・・・よし」

 

 

葛葉さんは話に納得すると近くに実っていたヘルヘイムの実を3つ取った。

すると実は光り、その姿を何も描かれていないロックシードへと姿を変えた。

 

 

「これをお前の師匠に渡しておいてくれ」

 

「へ?」

 

 

何も描かれていない3つロックシードを俺に手渡した。

 

 

「いいんですか?」

 

「あぁ、たぶんこの先もいろんな怪人とかと戦うことになるんだろ」

 

「俺が育った世界とは違うけれどもそれでも守ってほしいと俺は思う」

 

{フム、実に君らしい考えだね}

 

 

俺はこの時、この人が仮面ライダーだという事を改めて実感した。

師匠が憧れた人達、なぜ憧れたのかどうして好きになったのかが分かった。

 

ロックシードを受け取ると葛葉さんの体が金色に光った。

 

 

「だっだっだいじょうぶですか!?」

 

「心配すんな、お別れの時間になっただけさ」

 

 

葛葉さんが右手を差し出してきた。

 

 

「『鎧武』にこの世界をよろしくって伝えておいてくれ」

 

 

俺はその手を取り、「はい!!!」と頷いた。

俺の返事を聞くと、笑みを浮かべ光の粒子となり、この場から姿を消した。

 

 

===================================

 

 

{まさか本当の『鎧武』に会えるとは驚いたよ}

 

「いやー俺もびっくりですよ」

 

 

俺達は葛葉さんと別れてクラックの前までやってきた。

その時ベルトさんを見てある事を思いついた。

 

 

「あの~ベルトさん、ちょっとお聞きしたいことが・・・」

 

{ん?何かね?}

 

「ベルトさんを使えば俺でも『変身』できるんでしょうか?」

 

 

そう、ベルトさんはドライブに変身するアイテムであり、それを用いれば変身できるのではないかと考えた。

 

 

{フム、不可能ではないかとは思うが・・・}

 

「それだったらここで試してもいいですか?」

 

{しかし、もし万が一にも・・・}

 

「大丈夫ですよ!!!それに俺も変身できれば師匠の負担も減りますし!!!」

 

{ん~~~~わかった、ただし安全面を考慮してプロトドライブへの変身のみだぞ}

 

 

ベルトさんからの許可が下りた。

内心ではとても舞い上がっており、「俺も仮面ライダーに・・・」と頬が緩んでいた。

 

ベルトさんを腰に当て装着し、シフトブレスも左手首に装着する。

 

 

{もし危険だと判断したらすぐに変身を解除するからね、いいかね一誠君}

 

「うっす!!!了解っす!!!!」

 

{それじゃあベルトのキーを捻り、シフトカーをセットし押し上げるんだ}

 

 

俺は指示通りベルトのキーを回し、プロとドライブに変身するためのシフトスピードプロトタイプを装着し押し上げた。

 

そして言ってみたかった師匠のセリフを叫んだ。

 

 

「変身!!!!」

 

 

そして俺の姿は・・・・・・

 

 

「あれ?」

 

 

変わらなかった。

 

 

「なんで変身でき!!!がぁぁぁぁぁぁ!!!!

 

 

唐突に体中に痛みが走る。

体には赤い電流が走り、絶えなく痛みが続く。

 

 

{何が起こっている!?一誠君ベルトを外すんだ!!!!}

 

「がぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

だめだ。

何もできない。

痛い 痛い イタイ いたい 

 

 

「なによ、うるさいわねぇ・・ってイッセー!?どうしたの!?」

 

{ティアマット君!!!一誠君のブレスレットとベルトを早く外すんだ!!!!}

 

「わかった!!!」

 

 

ティアがなぜいたのか知らないけど俺はティアによってベルトを外され、感じていた痛みも糸が切れたかのようにプツンと消えた。

 

 

「がぁ・・・・・・」

 

 

{一誠君!!!}

 

「イッセー!!!」

 

 

ここで俺の意識は途絶え、地面に倒れこんだ。

 

 

===================================

 

 

「っというわけでして」

 

「変身できずに体中に電流が走った・・・か」

 

 

師匠は顎に手を当て深く考え込んだ。

 

 

「すいません、ご迷惑をかけてしまって」

 

「気にすることないよ、俺のためを思って行動してくれたことなんだし」

 

「何より命に別状がなくて安心したよ」

 

 

本当に師匠はやさしいと実感した。

その分心配をかけてしまった俺が少し情けなくも思う。

 

 

「あっ、これが葛葉さんから預かったロックシードです」

 

「これが・・・」

 

「この世界をよろしくって最後に・・・」

 

「ああ、この世界を護って見せます葛葉さん」

 

 

師匠はロックシードをしまい、座っていた椅子から立ち上がった。

 

 

「それじゃあ俺はベルトさんに詳しく話を聞いてくるよ」

 

「はい、分かりました」

 

「それじゃあ、明日に向けて休んでくれ」

 

「はい!!」

 

 

師匠が部屋を出て俺は自身の頬を叩く。

 

 

「明日が本番だ・・・」

 

 

そして再びベットの上で瞑想を始めた。

 

 

 

To Be NEXT ⇒

 




あけおめことよろ~次回予告~


ひ「遅くなりましたが明けましておめでとうございます」

イ「今年もよろしくお願い致します」

ひ「いつもはひどい次回予告ですが今回はゲストがいるため普通です」

?「仮面ライダー鎧武、葛葉紘汰だ」
 
イ「今回はありがとうございました」

紘「いや~無事で良かったよ」

ひ「ぷぷっ、イッセーきゅん後ろから襲われてやんぶへら!!!」

イ「お前は普通に出来んのか!!!」

紘「ハハッ、面白い所だな」

イ「コイツはほっといて葛葉さんが渡したロックシード気になりますね」

紘「ああ、まだ何もフルーツが描かれてないから時が来たらそのロックシードは使えるようになるはずさ」

ひ「まぁ、いつ使うかは決めてないけどね」

イ・紘「オイ(怒)」

ひ「やっべ、やられる前に次回予告行ってみよう」


次回予告


{レーティングゲーム開始}

{おっと、やらせねぇぜ}

{あなたはいったい何者ですの?}

{よう、リアス}


ハイスクールD×D×R 仮面の英雄の物語

2×5:ゲーム、開始します!


紘「神崎さん、今後も応援してるぜ」


チャン♪チャン♪


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2×5:ゲーム、開始します!

二月・・・それは怒涛の月だった。
残業が会社の規定すれすれまで行ってしまったよ・・・

また、遅くなった申し訳ない。
そして待たせたな、やっとレーティングゲームだ!!!

今回もがんばって書いたのでみんな宜しく!!!



~Side:イッセー~

 

 

レーティングゲーム当日。

 

俺達オカ研メンバーは各々の強化合宿を乗り越え、10日前よりも確実に強くなった。

しかし、それでもいまだに緊張が解けない。

 

 

「(ドライグ、俺とライザーの差はどれぐらいだ?)」

 

{(ほぼ互角だな、勝敗は禁手が先に終わるか、ライザーが負けるかの戦いになるだろう)}

 

 

互角、あれだけ頑張ったのに互角にまでしか到達できなかったのかと苦笑してしまう。

 

 

「みんな聞いてくれ、そろそろグレイフィアさんから連絡がされると思うがこちらでも事前に確認するぞ」

 

 

師匠の声により、俺達は師匠と部長の方に顔を向けた。

 

 

「よし、まずはじめにルールの確認だ」

 

 

師匠は手元の資料を読み上げていく。

ルールについてはこのようになっていた。

 

 

・0時に異空間に転送され『開始』の合図でゲームスタート

 

・異空間は今俺達のいる駒王学園のレプリカがあり、そこでゲームを行う

 

・両陣営の王どちらかが降参または戦闘不能の場合に勝敗が決する

 

・一定以上のダメージを受けたり、気絶等に陥った場合に戦闘不能とみなされ、療養施設へと転送される仕組みになっている

 

・兵士による昇格(プロモーション)は両チームの陣地に入った際に行える

(リアス陣営:旧校舎 ライザー陣営:新校舎)

 

入城(キャスリング)の使用も可能

 

・フェニックスの涙の使用は両陣営2つまで

 

 

「基本ルールはこれぐらいだな」

 

「あとは俺とアーシアに関する特殊ルールのみだけど・・・」

 

「師匠に関する特殊ルールですか?」

 

「ああ、俺達人間はグレモリーさんが危険と判断した場合は王の権限で強制退場にすることが出来る」

 

 

確かに師匠はともかく、アーシアは戦闘などからっきしのサポーターであるため、師匠達から身を護るすべを学んでいても限界があるだろう。

 

 

「それと『ウィザード』に変身できない」

 

「「「「「えっ?」」」」」

 

 

師匠・・・どういう事っすか?

 

 

「いや、『ウィザード』と『クウガ』の情報をグレイフィアさんに提示したら・・・」

 

[あなた様に魔法を使わせたらライザー様をオーバーキルしかねないと判断しました]

 

「・・・ってことで俺がウィザードに変身したら即退場とのご通達が来た」

 

 

『ウィザード』の強さを知っている面々はグレイフィアさんの言ってることが十分に理解できた。

 

 

「確かに神崎さんの変身が1つ封じられてしまったけど『クウガ』だけでも非常に強力な助っ人よ」

 

 

部長がいう事も確かだった。

師匠の場合、生身でも悪魔と戦えると思うが『クウガ』の力は頼もしい。

 

 

「まぁ、師匠がいるならこの勝負も勝てますよね」

 

 

師匠自身が桁外れの戦闘力なのだ、いざとなれば他の仮面ライダーになれば・・・

 

 

「いや、俺はサポートに専念するよ」

 

「「「「「えっ?」」」」」

 

 

本日二度目です。

我ながら師匠の考えが読めん。

 

 

「俺とアーシアは部外者である人間だからな」

 

「ゲームでは非公式とは言え複数名の悪魔の方々も観戦するそうだから人間がぐいぐい前に出ることはよく思わないだろう」

 

 

部長や生徒会長にはあてはまらないがが悪魔の中にも種族差別を行っている者がいるかもしれないという事か。

それが原因で問題が起こることも考えての行動なんだな。

 

 

「納得してくれたかな」

 

「理解はしてるけど納得はしてないわね」

 

 

あぁ、さっきから部長が機嫌が少し悪そうだったのはそういう事か・・・

 

 

「ハハッ、俺は気にしてないからそろそろ機嫌をよくしてくれ」

 

「分かったわよ、それにそろそろだしね」

 

 

師匠による確認が済んだあと、生徒会長が来て少し話し合ってた。

・・・・常時顔真っ赤だったけどな(察し)

 

そしてついにグレイフィアさんがこの部室に現れた。

 

 

「皆様、準備はお済みになりましたか?」

 

 

部長が師匠を見ると頷き返した

 

 

「えぇ、いつでも問題ないわ」

 

 

その言葉と同時に俺達は立ち上がった。

 

 

「レイナーレは支取生徒会長の元に行っててくれ、先程伝えてあるから問題ない」

 

「えっ!?・・・えぇ、分かりました」

 

 

あっ、ちょっと嫌そう。

さっきのでレイナーレも確信しちゃってたんだろうな(察し)

 

そして、先程の師匠と同じ内容をグレイフィアさんが語った。

 

 

「今回のレーティングゲームは両家の皆様と関係のある悪魔様も中継でご覧になられます」

 

「さらには魔王ルシファー様も今回の一戦を拝見されておられまので、それをお忘れなきように」

 

「そう、お兄様が直接見られるのね」

 

 

部長のお兄さんが見に来るのか・・・・ん?

 

 

「魔王???」

 

「部長のお兄様は魔王サーゼクス・ルシファー様なんだよ」

 

 

その後木場から簡単な説明を受けた。

部長のお兄さんが凄いってのは理解したぜ。・・・うん。

 

 

「それでは時間になりましたらこちらの魔方陣の上に移動してください」

 

「それではご健闘を祈ります」

 

 

そう言い残してグレイフィアさんは部室から去って行った。

 

 

「さて、私達も行きましょうか」

 

 

参加者全員が魔方陣の上に乗ると魔方陣の輝きが増した。

 

 

「オカルト研究部の部室だけど・・・レプリカなんだよな?」

 

「確かにその様だ一誠、ほら・・」

 

 

師匠が窓の外を指差す。

窓から見えた空は緑色のオーロラが掛かっていた。

 

しばらくするとグレイフィアさんの放送が聞こえてきた。

 

 

{本日の審判を任されておりますグレイフィアです。簡単なルールの説明をします。}

 

 

事前に聞いていたルールと変わりわなかった。

 

 

{ご健闘を祈ります、それではゲーム開始}

 

 

そして俺達のレーティングゲームが開始した。

 

 

=================================

 

 

「それじゃあ事前に話した作戦通りに朱乃達はトラップの順便をお願い」

 

「「「はい」」」

 

「他のみんなは待機よ」

 

 

朱乃さん、木場、小猫ちゃんは各自部室から出て行った。

 

 

「イッセー、こっちへいらっしゃい」

 

 

ソファへと移動した部長が俺を隣に座らせた。

 

 

「イッセー・・・ここに頭を乗せて頂戴」

 

「・・・・・・ゑ?」

 

 

部長が言う『ここ』とはお膝。

つまり男が一度は夢見るシチュエーション、『ひざまくら』である。

 

 

「ぶっ、部長!!こういうのは好きな異性とですね・・・」

 

「イッセー、これは必要な事なの、時間もないわ」

 

 

必要な事?訳が分からねぇよ!!!

だが、部長の言葉を考えるとやましい気持ちとかで対応しちゃいけない。

 

覚悟を決めろ俺!!!

 

 

「・・・・失礼します」

 

 

俺はリアス部長の膝に頭を乗せる。

俺の頭には部長の柔らかい肌の感触、いつまでも嗅いでいられるような心地よい匂い。

 

俺は理性を保つために合宿最終日のインベスの大群を思い出す。

 

うっ、頭が・・・・

思い出すのをやめた方がいいようだ。

 

だったら、松田と元浜の顔を思い出せ!!!

うぇっ、これもやめた方がいいみたいだ。

 

 

「実はね、あなたを眷属にした時に8つの駒の力が体に耐えられないと予想したの」

 

「だから段階に分けて枷をつけ・・・て・・・いた・・・の?」

 

 

ん?何で疑問形なんだ。

確かに合宿前までは俺の中にリアス部長の魔力がほんのわずかあるのは分かっていたが・・・

 

あと、先程前に座っているアーシアが師匠に向けて自身の膝をアピールしているのが気になる。

まぁ、師匠は普通に遠慮するとアイサインを送っている。

そしてすごいアーシアがしょんぼりしてる(察し)

 

 

「イッセー・・・なんで枷が全部外れているの?」

 

「へ?俺は何も・・」

 

{俺がぶっ壊した}

 

 

・・・・ドライグさん?

 

 

{相棒の成長に邪魔だったから俺が合宿初日にぶっ壊してやった}

 

「・・・・はぁ、わかりました、わかりましたよ~」

 

 

あっ、部長もドライグに何言っても無駄だと感じ諦めた。

 

 

「部長、あとでこいつには俺から言っとくんで」

 

 

俺は部長の膝から頭を起こし、謝罪を入れる。

「別にイッセーの所為じゃないわ」と言いながら部長自身、この後の戦いの為、気持ちを入替えていた。

 

 

「トラップの設置完了しましたわ」

 

「こちらも終わりました」

 

「私も完了しました」

 

 

どうやら下準備は完了したようだ。

 

 

「それじゃあ、事前に説明したチーム分けで行くわ」

 

「小猫、イッセーは体育館の方へ、裕斗、神崎さんは森の方から校舎の方へ」

 

「朱乃も作戦通りにね」

 

「戦況の状況や作戦の変更等は耳に装着した通信機から随時連絡すること」

 

「それじゃあ、みんな絶対に勝つわよ」

 

「「「「「「「はい!!!」」」」」」」

 

 

その返事と共に俺達は部室から飛び出した。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:裕斗~

 

 

僕は今、神崎さんと一緒に森の方から移動しているのだけれど・・・

 

 

「神崎先生・・・・凄いですね」

 

 

森の中をバイクで走っていた。

 

 

「大学生時代にスタントマンの経験があってね」

 

 

本当にこの人が人間であることが不思議に思うな。

 

 

「木場君、前方に3人」

 

「部長、敵3名と接触これから行動に移ります」

 

 

神崎さんはバイクから降りて、ヘルメットを取る。

 

 

「木場君、パターンCで行こうか」

 

「分かりました」

 

 

事前に決めていた作戦で今回の相手を討つ。

 

 

「俺が1人相手にするから木場君には申し訳ないけど2人頼めるかな」

 

「僕は別にかまいませんけど、『クウガ』になれば3人相手でも勝てるのんじゃないですか?」

 

「いや、今回は生身で特攻するよ」

 

「・・・えっ!!!」

 

 

無茶がすぎる。

人間と悪魔では身体能力に大きな差がある。

 

 

「無茶だと思ってるかもしれないけど見たところ相手は兵士(ポーン)の女の子3人」

 

昇格(プロモーション)が無ければ問題ないさ」

 

「・・・ちょっと待ってください、・・・イッセー君」

 

 

僕はイッセー君に兵士(ポーン)の1人と対決することを伝えたところ、

 

{いや、余裕余裕}

 

「でも・・・・」

 

{師匠はよく『俺なんて武術をちょっとかじってるだけだ』って言ってるけど・・・}

 

「けど?」

 

{素人の俺の目から見ても達人の域を超えてるからな、まっ心配すんなよ}

 

 

通信が切れ、そして僕達の目の前には3人の女の子が現れた。

 

 

「リアスグレモリーの騎士(ナイト)に・・人間ね」

 

「よく尻尾巻いて逃げなかったわね」

 

「それともリアス・グレモリーに弱みでも握られて盾として呼ばれたのかしら」

 

「部長はそんな事」

 

 

僕が先程の言葉に対して反論しようとすると神崎さんが僕を止めた。

 

 

「確かに俺は盾だ、部の顧問として部員を守る義務がある」

 

「人間ごときが悪魔に勝てるわけないじゃない」

 

「なら少しハンデをくれないかな?」

 

「「「ハンデ?」」」

 

「そう、3人の内1人が少し離れたところで俺と戦ってほしい」

 

 

神崎さんは相手の皮肉に対して全く動じることなく自身が弱者と見られても平常心を保っている。

おまけに自分達の作戦へとうまく誘導している。

 

 

「なら私が可愛がってあげるわよ人間さん」

 

「たしかシュリヤーさんだね、よろしくお願いするよ」

 

「お互い助けが来ない様にちょっと離れましょうか」

 

「助かります」

 

 

シュリヤーは仲間の2人と離れ、歩きだした。

 

 

「それじゃあ木場君、あとでよろしく」

 

「先生もお気をつけて」

 

 

神崎さんはシュリヤーの後についていき完全に姿が見えなくなった。

 

 

「それじゃあ私達も」

 

「楽しませてもらいますよ」

 

 

どうやら神崎さんの心配をしている暇はないようだ

僕は腰に差していた魔剣を抜き、構える。

 

 

「神崎先生もがんばってくれているんだ、勝たせてもらうよ」

 

 

元々の予定通り、作戦を僕は実行に移した。

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:シュリヤー~

 

 

「ハァ・・・ハァ・・・」

 

 

{ライザー様の兵士(ポーン)2名、リタイア}

 

 

「おっ?木場君が君のお仲間を倒した様だね」

 

「ハァ・・・なんなのよ・・・・」

 

 

私は仲間の元を離れこの人間と戦っているが未だ倒せていない。

 

むしろ攻撃を一撃も入れられていない。

 

 

「それじゃあこっちも終わらせようか」

 

「クッ!!!」

 

 

人間は両腕を自身の前まで持ってきて構える。

そのスタイルはまさに人間界で言うところのボクシングの構え。

 

 

「今度はボクシング!?」

 

「フッ、フッ」

 

「チッ!!!」

 

 

人間から放たれるジャブ、こちらが攻撃する隙を与えてくれない。

 

 

「距離を!?」

 

 

私は目の前に現れた拳を避ける。

 

 

「貴様!!!また目潰しを!!!」

 

 

そう、先程から攻撃の合間に目潰しや首元を狙う攻撃を挟んでくる。

当たる前にで避けれてはいるが攻めようと転じる時にその攻撃が来るためうまく立ち回れない。

 

 

「フッ」

 

「ぐわぁっ!!!」

 

 

人間からハイキックを喰らった。

腕でガードしてたぶん、少しましだがある事に気づいた。

 

 

「また変わってる」

 

 

そう戦闘スタイルが変わっている。

さっきまで『ボクシング』だったのに今は『ムエタイ』の構え。

そして戦った数分の中で『空手』、『中国拳法』、『合気道』と複数の格闘技へとスタイルを変えていた。

 

 

「悪いけど休んでる暇は与えさせない」

 

「!?がぁ!!!」

 

 

今度はまた空手だ。

ハイキックを撃つと見せかけて回し蹴りに変えてきた。

次々と戦闘スタイルと技が変わるこの人間に私は錯覚する。

 

まるで様々な格闘技の達人が交代しながら戦う感じ。

1人と戦っている気がしないのだ。

 

 

「グッ・・・あなた本当に人間なの?」

 

「ああ、いろんな格闘技を少しだけ教えてもらってる格闘技素人の人間さ」

 

 

こんな人間いるかと内心思いながらこの場を去ることを考える。

このままだとマリオンとビュレントを倒した騎士がこちらに合流してしまう。

その場合、消耗しているこちらが負けてしまう。

人間相手に逃げるのは癪だが・・・

 

 

「ここはどうにかして撤退しなければ・・・かな?」

 

「貴様!!」

 

「悪いけど逃がすわけにはいかない」

 

「しつこい男は嫌われるぞ」

 

 

クソッ、思うように後退できない。

何で悪魔のあたしに人間が付いてこられるんだ!!

 

私は少しずつ後退していたが木の根に足をひっかけてしまった。

 

 

「もらったよ・・・ハァッ!!」

 

「グァッ!!!」

 

 

アイツは先程の隙をついて、横回転して私の腹に蹴りを入れた。

人間の威力だった為、致命傷ではないが近くの木に叩き付けられてしまった。

 

 

「チェックメイトだ」

 

「!?」

 

 

足元が赤く光る。

私は魔方陣の上に立っていたのだ。

 

移動しなければと思ったころには遅かった。

魔方陣から出現した赤いリボンにより動きが拘束された。

 

 

「さてと、手荒な真似をして申し訳ないがあとで十分休んでくれ」

 

「貴様!!!最初からここへ誘導していたのか!!!」

 

「俺も悪魔相手に直接勝てるとは思っていないさ」

 

「要はここで拘束させておいて先程の仲間を待つ策略だったのね」

 

「いや、最初から最後まで俺が相手だ」

 

 

人間が私の元へと歩みを進める。

 

 

「今回のレーティングゲームは相手がゲームを続行できなくなる程の傷を負ったり、意識を失った場合にリタイアになる」

 

「人間でも勝てる可能性、それは相手を気絶させることだ」

 

「!!!」

 

 

彼は両手で私の耳当たりに触れた。

 

 

「おやすみ」

 

 

突如視界が"グワン"と揺れ、そのまま意識を落としていった。

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

{ライザー様の兵士(ポーン)1名、リタイア}

 

「木場君、どうだったかな?」

 

 

俺が声を掛けると木の陰から木場君が現れる。

 

 

「気づいていたんですね、試すような真似をしてすみません」

 

 

生身では悪魔に勝てないと思っていたのだろう。

 

 

「気にしないでくれ、さすがにトラップもない所に突っ込む様な無茶はしないさ」

 

「トラップがあるにしても悪魔に勝つとは・・・さすがです」

 

「相手も油断してたからさ」

 

 

木場君との話を終え、森を進む。

すると、一誠達のいる体育館の方から大きな破壊音が聞こえる。

 

 

「これは・・・」

 

{ライザー様の兵士(ポーン)3名、戦車(ルーク)1名、リタイア}

 

「作戦はうまくいったようだ」

 

 

だが、ここから相手も勝負を仕掛けてくるだろう。

 

 

(一誠・・・油断するなよ)

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:イッセー~

 

 

 

{ライザー様の兵士(ポーン)3名、戦車(ルーク)1名、リタイア}

 

 

「よっしゃー!!!作戦大成功」

 

「文句なしですね」

 

 

俺は小猫ちゃんと先程まで体育館でライザーの眷属4人と戦っていた。

俺らは作戦通り、一定時間後体育館から離脱し、朱乃さんの魔法で一網打尽にした。

 

 

「イッセー先輩、早く先生達と合りゅ」

 

 

小猫ちゃんの言葉が爆発音で妨げられる。

この爆発は確実に俺達を狙ってきた攻撃であった。

 

 

「獲物を狩る時、獲物が何かをやり遂げた瞬間が一番隙だらけとなっていて狩りやすいわ」

 

「それにしてもあっけない幕引きね、それじゃあ、ライザー様の元に「ありがとうございますイッセー先輩」!?」

 

「仲間を助けるのは当たり前だろ」

 

「どうして!?」

 

 

上空にいる『爆弾女王(ボムクイーン)』様は驚きの表情を見せている。

 

 

「俺の師匠から戦場では油断するなときつく言われてるんでな」

 

「アンタが来るのは想定済みだったぜ」

 

「クッ・・・」

 

 

俺は視線は上空を見たまま小猫ちゃんに指示を出す。

 

 

「小猫ちゃん、ここは俺と朱乃さんで何とかするから先に森の方に行ってくれ」

 

「わかりました」

 

 

俺の指示の元、小猫ちゃんは森の方へと進める。

 

 

「行かせるか!!!」

 

 

相手の女王様は小猫ちゃんに向け、魔法を発動させようとするが

 

 

「おっと、やらせねぇぜ」

 

「!?」

 

 

間に入り、気弾を放って魔法の発動を防いだ。

その隙に小猫ちゃんは完全にこの場から離れた。

 

 

「お待たせしましたわ」

 

「チッ、『雷の巫女』」

 

「朱乃さん、さっきのナイス一撃でしたよ」

 

 

俺と朱乃さんが肩を並べて、ユーベルーナに視線を向ける。

 

 

「今の私なら一人でも十分ですわよ」

 

「分かってますが俺も戦えば万が一でも心配なしっすよ」

 

「あらあら、心強いですわ」

 

 

そんな話をしてる中、俺達の間を炎が遮った。

 

 

「お喋りはそこまでよ」

 

 

師匠の予想だとこの人は・・・

 

 

「朱乃さん」

 

「分かってますわ」

 

 

朱乃さんは両手に雷を轟かせる。

 

 

「「あんた〈あなた〉はここで確実に倒す〈しますわ〉!!!」」

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

「お待たせしました」

 

「体育館ではお疲れ様、塔城さん」

 

 

塔城さんと合流し、運動場へと向かう。

 

 

「イッセー先輩は報告した通り、朱乃先輩と女王(クイーン)と交戦しています」

 

「うん、こちらの戦術通りだね」

 

 

こちらが予測した通りに相手も動いてくれているため、まだ負けは見えない。

ただ、ゲームが始まった時から嫌な感じがする。

本当にここまでは順調なはずなのにこの不安はいったい何なのだろうか。

 

この見当もつかない不安をいったん頭から取り除き、自身を戦闘モードに切替える。

 

 

「先生、前方に複数人います」

 

「このまま待機だ、人数は?」

 

兵士(ポーン)2人、騎士(ナイト)2人、僧侶(ビジョップ)2人、戦車(ルーク)が1人いますね」

 

 

計7人という事は・・・

 

 

「一誠、グレモリーさん・・・ライザーが動くぞ」

 

{・・・了解っす!!!}

 

{わかったわ}

 

 

一誠とグレモリーさんに通信を流して、木場君と塔城さんに目を向ける。

 

 

「相手が勝利を取りに来たってことですよね」

 

「臨むところです」

 

「決まりだね、それじゃあこっちを片付けようか」

 

 

木場君と塔城さんと行動しようとした際に、予想外な発言が飛んできた。

 

 

「聞こえているか!!!グレモリーの眷属よ!!!」

 

「私はライザー・フェニックス様の騎士(ナイト)カーラマイン!!!騎士(ナイト)として尋常に剣を交えようではないか!!!」

 

 

まさかの宣戦布告。

本来であればここは乗らずに奇襲をするのが正解なのだが・・・

 

 

騎士(ナイト)として名乗られたからには隠れているわけにはいかないね」

 

「えっ?」

 

「やっぱりね」

 

 

塔城さんは木場君の言葉に驚き、俺自身は予想通りだった。

木場君はその身を運動場へ姿を見せた。

 

 

「呼びかけに応じよう騎士(ナイト)カーラマイン。僕はリアス・グレモリー様の騎士(ナイト)木場祐斗」

 

 

堂々と名乗りを上げる木場君。

 

 

「腹をくくって俺達も行こうか」

 

「・・・はい」

 

 

俺達は苦笑しながらも運動場に姿をさらした。

 

 

戦車(ルーク)の塔城小猫です」

 

「この子達の部活の顧問で人間の神崎正義です」

 

「堂々と真正面から出てくるとはな!!私はそういうバカは大好きだぞ!!!」

 

 

俺達の登場に笑みを浮かべるカーラマインさん。

 

 

騎士(ナイト)同士の戦いは僕としても望むところだったんだ」

 

「よく言ったぞ!!!リアス・グレモリーの騎士(ナイト)!!!」

 

 

カーラマインさんは自身の持つ両手剣を、木場君は腰に差していた魔剣を抜く。

 

 

「行くよ!!!」

 

 

その言葉とともにカーラマインさんと木場君は戦闘を開始した。

 

 

「本当にカーラマインは相変わらず剣、剣、剣としか頭にないのですから」

 

 

金髪の少女が呆れながらに言った。

この言葉に少し共感したのか塔城さんも頷いている。

 

 

「レイヴェル・フェニックス様、お初にお目にかかります」

 

 

俺は金髪の少女に対し、軽く一礼する。

 

 

「あら?あなたは私の事を知っていて?」

 

「ええ、ライザー・フェニックス様の妹君と存じております」

 

 

そう、少女はライザー・フェニックスの実の妹であり、僧侶(ビジョップ)でもある。

事前に相手の情報を徹底して調べていたので彼女の事も事前に把握していた。

 

 

「レイヴェル・フェニックス様も今回のゲームに参加する可能性を考慮していましたので、事前に調査いたしました」

 

「長いのでレイヴェルで構わないわ、それと私は戦いには参戦しませんわ」

 

 

戦いに参戦しないとレイヴェル様が告げた。

何故このゲームに参戦してるのか俺には理由が思い当らなかった。

 

 

「失礼を承知でお聞きしますが何故レイヴェル様はこのゲームに参戦を?」

 

「ただの数合わせ、と言うよりお兄様が『俺にそのような癖はないがハーレムには妹を入れるべきだ』とか言っていましたわ」

 

「「・・・」」

 

 

あまりの回答に俺は苦笑を浮かべ、塔城さんは無表情。

世の中理論だけでは予想できないことが多いのは理解しているが、それでも予想外な回答だった。

 

 

「その代わり、あなた達の相手はイザベラ達が相手しますわ」

 

 

レイヴェル様の前に複数人の女性が立つ。

計5人の女性が俺達の前に立ちふさがる。

 

 

「2対5ってことになるね」

 

「私と神崎さんなら問題ありません」

 

「そこまで信用してもらうとその期待に応えないとね」

 

 

俺は腰に『アークル』を出現させる。

 

 

変身!!!

 

 

俺は『クウガ』へと姿を変える。

 

 

「・・・それが噂の神器ですわね」

 

「ええ、レイヴェル様には悪いですがここは勝たせて頂きますね」

 

「絶対に負けません」

 

 

俺達は相手の5人と戦闘を開始した。

 

 

俺は戦闘時だった為、気づいてなかった。

先程の不安がこれから現実に現れていくことを・・・

 

 

~Side out~

 

 

~Side:三人称~

 

 

ゲームは終盤に差し掛かった。

しかし誰一人としてこのゲームに紛れ込んだ紛い物を認知していない。

 

 

1人は『クウガ』が戦い始めたのを見ていた。

 

 

「キシシッ、やってるね~」

 

「そろそろオレッちの出番かにゃ~」

 

 

にっこりと笑うピエロの仮面から赤い目が森の中で光った。

 

 

 

「よぅ、リアス」

 

「ライザー・・・・」

 

「・・・・」

 

 

もう一人は黒いフードの中からリアス・グレモリーとライザーを無言で見つめる。

 

 

この2人によってレーティングゲームは歪み始める。

 

 

 

To Be NEXT ⇒

 




またせたな ~次回予告~


ひ「レーティングゲーム開始だ、やっほい!!!」

イ「ほんとにやっとだな」

ひ「さて、次はいつ更新になるのやら」

イ「いや、もっと自信持って頑張れよ」

ひ「・・・・次回予告」

イ「えっちょ・・急に!!!」


次回予告


{オレっち、変身!!!}

{さぁ、振り切るぜ}

{ライザー・フェニックス、欲望を解放しろ}

{リアスは俺の物だぁぁぁぁぁ!!!!!}


ハイスクールD×D×R 仮面の英雄の物語

2×6:闇、動きます!


イ「えっ終わり?いつもより次回予告早いんだけど!?」

 「と言うかアイツもういねぇえし!!!」

 「えーと、感想と評価、そして次回もよろしくな」


チャン♪チャン♪


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2×6:闇、動きます!

遅くなったよ。
だけども平成最後という事で投稿しなければと躍起になった結果、10000字オーバー。

長くなっちまったがGW期間中にゆっくりと呼んでもらえれば幸いです。

それでは本編をどうぞ。。。


※次回予告を改変させていただくよ。by2019/5/2のひま先


~Side:小猫~

 

 

「神崎さん、一緒に行きましょう」

 

「ああ、塔城さん無理はしないでね」

 

「はい」

 

 

神崎さんは背中に仕込んだ武器を取り出す。

二本の木の棒がチェーンでつながっている、いわゆるヌンチャクです。

 

 

「超変身!!!」

 

 

神崎さんは青い姿になり、ヌンチャクをロッドへと変化させた。

あくまで神崎さんはサポートだから私ががんばらないと。

 

 

「行きます」

 

「先陣は任せてくれ」

 

 

神崎さんは前方へ跳ぶ様に相手の眷属までの距離を縮めた。

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

相手もあまりの速さで距離を縮めたことに驚いていた。

 

 

「まずは一人」

 

「ヤバッ!!!」

 

 

ロッドの一突きが兵士(ポーン)の一人に突き刺さる。

最初の動揺でガードが間に合わず腹部に直接入っていた。

 

相手の兵士(ポーン)は悲鳴を上げる前に運動場の端へと突き飛ばされた。

 

 

{ライザー様の兵士(ポーン)1名、リタイア}

 

「よくもリィをグァッ!!!」

 

「油断大敵だ」

 

 

神崎さんはもう一人の兵士(ポーン)の攻撃を体を回転させることで回避し、その回転の勢いを使い、彼女の側面にロッドを叩きつける。

 

 

「ツッ!?貴様!!!」

 

「私を忘れないでください」

 

「いつの間に!?」

 

 

私はただ見ているだけじゃない。

神崎さんへと視線が集中した際にできるだけ気配を殺し、素早さでは勝てない騎士に近づく。

 

 

「えい」

 

「グァッ!!!」

 

 

手慣れの騎士(ナイト)ですが、防御なしで受ける私の打撃は相当堪えるはず。

 

この時、急に背後から気配がしたため即座に振り向き、腕をクロスさせ防御を取りました。

その腕に重い衝撃が走る。

 

 

「クッ・・・」

 

「まさか見切られるとはな」

 

「気配でバレバレです」

 

 

私を襲ったのは顔の半分を仮面で隠している女性、相手の戦車(ルーク)による一撃でした。

 

 

「だが、その腕ではもう戦えまい」

 

「ツッ・・・」

 

 

彼女が指し示すのは私の赤く腫れ上がった右腕。

彼女の攻撃を防御するまでは良かった。

ただ相手の威力を防ぎきれなかった。

 

 

「右腕が使えなくても戦えます」

 

「強がるな、それに・・・」

 

「!?」

 

 

突如視界が揺れ、相手の戦車(ルーク)()()()

 

 

「お前は美南風の術に堕ちた」

 

 

グラグラと視界が揺れて気持ち悪い。

 

 

「「「美南風は幻術など術に特化していてな」」」

 

「「さらに対象を絞ることで深い幻術に掛けることもできる」」

 

 

5人に分身するイザベラが同じことを言う。

うるさい、うるさい、うるさい。

 

 

「フフッ、辛いでしょ」

 

「うぅぅ・・・・」

 

「降参して楽になりましょう」

 

「おっと、ウチのかわいい生徒を誘惑するのはそれまでにしてくれ」

 

 

安心感を覚える声が聞こえる。

 

 

「塔城さんごめんね」

 

「ツッ!!!」

 

 

右腕の痛みで我に返る。

 

 

「神・・崎・・さん?」

 

「手荒な真似してごめんね」

 

「いえ・・・ありがとうございます」

 

 

神崎さんは右腕の腫れた部分を少し触り、その痛みで現実に引き戻してくれた。

 

 

「イザベラ」

 

「・・・すまない」

 

 

向こうも少し想定外だったようだ。

 

 

「イザベラ、美南風」

 

「大丈夫か、シーリス、ニィ」

 

「なんとかにゃ」

 

 

神崎さんが相手した兵士も先程攻撃した騎士が合流する。

1人倒したから2対4。

私は片腕を負傷し、戦力低下。

 

 

「すみません、私が弱いばっかりに」

 

「弱くなんかないさ、充分強くなってるよ」

 

「ですが、倒しきれず相手の術中にはまって」

 

 

ポンっと頭に手を乗せられる。

その手はとても暖かく心を落ち着かせてくれた。

 

 

「すべてがうまくいくとは限らないからね、それに君はまだ高校生の子供だ」

 

「だから失敗したりどうしようもない時は大人に任せなさい」

 

「・・・はい、お願いします」

 

 

神崎さんは私の頭から手を離し、自身の持つロッドを構える。

 

 

「こちらも酷く消耗している全員で掛かるぞ」

 

「「「はい(にゃ)」」」

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:裕斗~

 

 

"キンッ" "キンッ"

 

 

僕達の間には剣がぶつかり合う音が響く。

 

 

「なかなかやるな、グレモリーの騎士(ナイト)よ」

 

「お褒めに預かり光栄だよ」

 

 

はっきり言って彼女との実力はあまり大差はないだろう。

スピードも剣術もどちらが勝っているという事はない。

 

 

「だが、これならどうだ」

 

 

彼女の剣が炎に包まれる。

資料で得た情報にもこの事は記してあった。

 

 

「なら僕もそれにお答えしようかな」

 

 

僕は対抗して自身の神器(セイクリッド・ギア)の力で属性を付与した魔剣を創り出す。

彼女の炎を見て氷の刃を創り出した。

 

 

「炎に対して氷の剣を出すとは気でもおかしくなったか!!!」

 

 

彼女は炎の斬撃を放ってきた。

僕はその斬撃に合わせて氷の刃をあてがった。

 

 

「何!!」

 

「この剣の名は『炎凍剣(フレイム・デリート)』、炎を凍らせる魔剣さ」

 

 

彼女の放った炎は凍り、空中で留まっている。

 

 

「この通りどんな炎でも凍らせ・・・砕く」

 

 

留まった氷に剣を一振りし、砕いた。

 

 

「さて、君の炎は僕には効かないよ」

 

「クッ・・・」

 

 

彼女の顔に苦渋の表情が見られた。

この相性不利は覆せないと彼女自身気づいているのだろう。

僕の作戦としてはこのまま戦意を削がせて降参まで持っていきたいところだ。

 

しかし彼女は再び剣に炎を纏わせた。

それも先程より激しく、そして熱く。

 

 

「確かに不利だが騎士としてこのまま引き下がることは出来ない」

 

「凍ってしまうのなら凍らない程の熱を纏って攻撃すればいい」

 

 

周囲の温度が上がってきた。

それほどまでに彼女の剣から熱が放たれているという事になる。

 

 

「フフッ・・・」

 

「ん?どこかおかしかったか?」

 

「いや、君は最高の騎士だよ」

 

 

相手の弱点を突いて勝ちを取りに行くのはゲームでは当たり前。

だけど彼女を見ていると僕の騎士としての心が揺さぶられる。

 

 

「騎士カーラマイン!!!」

 

「君の騎士としての姿に僕も感化されたよ」

 

「フッ、それは光栄だな」

 

 

僕は炎凍剣(フレイム・デリート)を手放し、消失させた。

 

 

「木場裕斗、何を!!!」

 

「僕も自分自身の限界を君に見せようと思ってね」

 

 

僕は一振りの剣を創造する。

僕の作った魔剣はその剣に度々折られ、砕けていった。

 

魔剣でもないその剣は何で作られている・・・分からない。

 

生成される過程は?・・・彼が剣の様な物に触れるだけだ。

 

その様な得体のしれない剣を創造できるか?・・・はっきり言って不可能だ。

 

だけど自身の創り上げてきた剣達の情報から彼の剣を生み出そう。

 

さぁ・・イメージしようあの剣を!!!

 

 

「フゥ・・・待たせてしまったね」

 

 

僕の両手握られている剣は紫と金で装飾された刃が銀色の剣。

中心部分には古代の文字の様な掘りが描かれている。

 

 

「僕の力は様々な魔剣を創造することが出来る」

 

「魔剣を創造・・・・」

 

「だけどね・・・この剣はある人の贋作なんだ」

 

「いや、正直に言うと贋作にすらなれていないかな」

 

 

僕自信の残りの魔力をほぼ使って創造したが完成には至らなかった。

 

 

「確かにその剣を創造する際は多量の魔力を消費していたが・・・」

 

「うん、それでも未完成なんだ」

 

 

カーラマインは顔に笑みを浮かべてソワソワとしている。

大方、この剣と交えたいと思っているんじゃないかな。

 

 

「その剣の名は何というのだ?」

 

「名前・・・・」

 

 

僕は少し考える。

彼の剣にはちゃんと名前があるが、そのまま使うのはその剣に対して失礼かな?

 

 

「・・・・・巨人剣の模造品(イミテーション・タイタン)かな」

 

「ん?巨人の剣?」

 

「まぁ、そこは追及しないでくれるとありがたいかな」

 

 

本物より軽くしてるけどいつも振る魔剣より重たい。

合宿中にこの剣で素振りを何度もしてるけどまだこの重さになれないな。

 

 

「さぁ、僕の切り札も見せたし最後の戦いと行こうか」

 

「フッ、ではいくぞ!!!」

 

 

カーラマインは一直線に僕へと近づき、炎を纏わせた剣を振り落す。

僕は自身の剣でその斬撃を受け止める。

 

 

「グッ!!!中々の強度だな・・・」

 

「ありがとう、今度はこっちから行くよ」

 

 

相手の剣を弾き、こちらも真正面から切りかかる。

 

 

「クッ・・・なんて重い斬撃だ!!!」

 

「はぁぁぁ!!!!」

 

 

相手が僕の剣を受け止めきれずに弾かれる。

弾いた後もそのまま相手に対して切りかかる。

だがそれも受け止められる。

剣が重いため、速く剣を振れず再び防御されてしまう。

それを僕達は繰り返すが、すぐに終わりが来る。

 

 

「ハァ・・ハァ・・」

 

「クッ!!!君の剣はなかなかだが体がついてこれてないようだな」

 

「ハァ・・ハァ・・」

 

「あとどれほど剣を振れるか・・はぁぁ!!!」

 

「ハァ・・・・クッ!!!はぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

”ガキン”と剣がぶつかり合う音が響いた。

僕と相手による鍔迫り合い。

先に根を上げたのはスタミナ不足の僕だった。

 

 

「クッ・・」

 

 

僕は彼女に押し負けて剣を地面に落とし、地面に腰をつけた。

この状態の僕に彼女は剣を向けた。

 

 

「この勝負・・・私の勝ちだな」

 

「・・・・・」

 

「いい勝負が出来た、君を斬るのは後味が悪い」

 

「・・・・・」

 

「だから・・・降参を」

 

「いや・・・君の負けだよ騎士カーラマイン」

 

 

僕はその場で立ち上がる。

 

 

「・・・何を根拠に」

 

「君は自身の剣の声が聞こえるかい?」

 

「は?」

 

 

彼女はキョトンとした顔になる。

 

 

「まぁ、僕も剣の声が聞こえる能力とかはないんだけどね」

 

「何を言って・・・」

 

「でも・・・これだけは判ってるんだよ」

 

 

僕が人差し指で彼女の剣に触れる。

その瞬間、剣にいくつもの亀裂が走る。

 

 

「!?」

 

「その剣が限界だってことにね」

 

 

”カラン””カラン”と音を立てて剣の破片が落ちる。

彼女は最初こそ驚いていたが破片がすべて落ちる時には笑みを浮かべていた。

 

 

「なるほど、先に剣を失ったのは私の方だったか」

 

「そういう事だね」

 

「ハハハッ!!!良い勝負だった騎士裕斗」

 

 

彼女は右手を差し出す。

僕はその行為に少し驚いたが彼女らしいと感じその手を握り返す。

 

 

「ああ、私の負けだ」

 

「騎士カーラマイン、僕も良い勝負だと心の底から思うよ」

 

「フッ・・・もし機会があればまた剣を交えよう」

 

「ええ、必ず」

 

 

{ライザー様の騎士(ナイト)1名、リタイア}

 

そして彼女は降参を宣言し、僕の前から姿を消した。

 

 

「僕も最後まで頑張らないと」

 

 

僕は運動場で戦う仲間の元に足を進めた。

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

 

「神崎先生、お待たせしました」

 

 

木場君が少々息を切らせながら、一本の見知った剣を所持しながら合流した。

 

 

「木場君、その剣は・・・」

 

「すみません、先生の剣を模倣させて頂きました」

 

 

装飾など細かいところまで一致しているが木場君の表情を見る限り、完成はしていないのだろう。

本家は細胞単位で創り出しているため完全な物を作り上げるのはまず不可能だ。

 

 

「謝る必要はないよ、これはゲームの後が楽しくなりそうだね」

 

「ハハ・・・お手柔らかにお願いします」

 

 

苦笑を浮かべる木場君。

だが疲労の度合いや動きを見る限り、まだ扱いなれていないようだ。

それに塔城さんも片腕を負傷。

 

 

「俺が頑張るしかないね」

 

 

サポートに徹するといってもルールで表立って行動してはいけないとされたわけではない。

あくまで個人的にみんなに任せようとしていただけで仲間がピンチであるのなら自信が先頭に立つことに問題はない。

 

 

「よし、二人は休んでくれ」

 

「「え!!!」」

 

「残りは俺が相手をするよ」

 

 

兵士(ポーン)1人、騎士(ナイト)1人、戦車(ルーク)1人、あとレイヴェル様は戦いには参加しないから僧侶(ビジョップ)も1人だ。

戦車(ルーク)の女性と僧侶(ビジョップ)の女性以外は手負い、十分勝機はある。

 

 

「私達を相手に1人で相手をするだと?」

 

「正気の沙汰ではないな」

 

「ええ・・・」

 

「にゃー!!!」

 

 

神器の力があれど人間が悪魔4人を相手にするのは無謀だと思っているのだろう。

しかし4人を撃退する策をすでに練り上げていた。

 

俺はそれを実行しようと身構える。

彼女達も俺が構えたのを見て構える。

俺達がお互いに動き出そうとした瞬間、

 

”ゾクリ”と肌を刺すような感覚を感じた。

 

その正体は『殺気』。

この場にいる全員が感じ取った。

 

 

俺は辺りを探る。

その中で木々の間から赤い光が黒い物を向けているのが分かった。

 

そう、拳銃だ。

 

 

”バン!!バン!!”

 

「木場!!塔城!!伏せろ!!!」

 

 

俺の声に反応した2人はその場に伏せた。

俺は瞬時に彼らの元に移動し、2つの弾をロッドで弾いた。

 

 

その赤い光は即座に移動し、俺とライザーの眷属達の間に割り込んだ。

そいつの行動はとても素早かった。

 

 

体をライザー眷属の方へ向け、「ヒャハハハ」と高笑いを上げながら銃を乱射する。

 

 

兵士と僧侶の女性に弾が当たる。

騎士の女性は俺と同じく、弾を弾く。

 

 

「レイヴェル様!!!グッ!!」

 

「イザベラ!!!!」

 

 

戦車の女性イザベラさんはレイヴェル様を護ろうとし、自身の足に被弾した。

 

 

「クッ、貴様!!!」

 

 

騎士(ナイト)の女性シーリスが斬りかかるが、彼女の腹部に光る剣が突き刺さる。

 

 

「醜い悪魔さん、オヤスミなっさ~い、ヒャハハハ!!!!」

 

 

ソイツは光る剣を引き抜くと騎士シーリスは倒れこんだ。

次はお前だと、言うようにイザベラさんとレイヴェル様の方を向くがそこに俺が割って入る。

 

 

「チッ、邪魔しやがってよ」

 

「ふざけるのも大概にしろよ」

 

 

俺は目の前のヤツの正体を知っている。

目の前のヤツは以前と服装が違っており、黒いフードつきのコートを着ており、顔には笑うピエロの仮面で素顔が隠されている。

 

あの武器にこの声は俺の思い浮かぶ中で一人しかいない。

 

 

「何故ここにいる、フリード・セルゼン」

 

「んお?オレのことを知ってるってことはあん時の『仮面ライダー』ってことか」

 

「質問に答えろフリード!!」

 

「フリード、フリードうるさいっすね~」

 

 

彼は持っていた剣と銃を投げ捨て、俺の質問に対して呆れた様な態度をとる。

 

 

「オレっちはフリードなんてクソダサな名前はもう捨てたんだよ」

 

「俺は・・・そういやまだ決めてなかったな」

 

 

フリードは顎に手を当て考え始める。

 

 

「話す気が無いなら捕まえた後で話を聞かせてもらうぞ」

 

 

俺は足に力を入れ、フリードに対し突きを放つ。

フリードは体を後ろに倒して突きを避け、体を回転させ蹴りを放つ。

 

 

「クッ!!!!」

 

「ん~~~おっ!!!」

 

「『リッパー』なんてどうよ、仮面ライダー」

 

 

ずいぶんと気に入ったのかケラケラと笑う。

 

 

「名前なんかどうでもいい、質問に答えろよ」

 

「冷たいね~・・・で、何でここにいるかだっけか?」

 

「そりゃあアンタが原因さ」

 

「・・・復讐か」

 

「それもあるが単純にオレっちの今の力を見せびらかしたくてなぁ!!!」

 

 

フリードはコートのボタンを外す。

コートの下も真黒な服を着ていたがそれよりもベルトに目が引かれる。

 

 

「!!!」

 

 

そのベルトはまるで機械の様な造形で真中に長方形の何かを指すような穴が開いている。

 

 

「仮面ライダーさんよ・・・これ、にゃーんだ?」

 

 

フリードはコートからある機械を取り出した。

見た目は骨の様な柄のUSBメモリ、真中にはアルファベットの『N』。

 

フリードはUSBについているボタンを押す。

 

 

NASCA(ナスカ)

 

「なんでお前がそれを!!!」

 

「オレっち、変・身!!!」

 

 

『ナスカメモリ』を『ガイアドライバー』の穴に差し込むとメモリが粒子となり、フリードの体に吸い込まれた。

アイツの姿は変わり、水色の鎧騎士のような姿になる。

背中にはマフラーの様な物をなびかせ、顔やガントレットにはオレンジ色の線、ナスカの地上絵を思わせる模様が刻まれている。

 

 

「ヒャハハハ!!!力がみなぎるぜぇぇぇ!!!!」

 

 

フリードは自身の持つ剣を俺に振る。

俺はロッドでその一撃を防ぐ。

 

 

「グッ、重い」

 

「やっぱり最高の相性だな、こいつは」

 

 

パワータイプではないドラゴンフォームでは分が悪いと思い距離を置こうとするがうまくいかない。

 

 

「どうした仮面ライダー!!!!」

 

 

フリードの蹴りが懐に入る。

そのせいで俺は一度手を止めてしまった。

奴はその隙を逃さず剣で切り付ける。

 

 

「そらそらそら!!!」

 

「グアァァァァ!!」

 

「「神崎さん(先生)」」

 

 

ロッドをで体を支え、倒れるのを防ぐ。

 

 

「おいおい、こんなもんかよ」

 

「・・・クッ」

 

「もっと楽しませてくれよ」

 

 

会話をして攻撃をしてこない。

奴は今の力に絶対的な信頼を寄せているからお遊び程度なのだろう。

 

なら、今しかない。

 

 

「超変身!!!」

 

 

俺はタイタンフォームへと姿を変え、俺の近くに投げられた剣を拾う。

 

 

「神崎先生、使って下さい」

 

「ありがとう木場君」

 

 

木場君のタイタンソードを拾い、本物に再構築した。

 

 

「反撃開始だ」

 

「いいね~そう来なくちゃ」

 

 

俺はフリードに近づき剣を振る。

しかしどれも防がれたり、避けられたりする。

剣筋が読まれているのか、いやそもそもこちらが遅く見えているのかもしれない。

 

 

「いやー遅すぎて話に何ねぇな」

 

「・・・」

 

「はぁ、興ざめだわ死ねよ」

 

「・・・・監視をどう乗り越えた」

 

「あん?それならここら一帯にこっそりと結界を張ったんだよ」

 

「この結界は外から認識されないからほっとけばアイツ等もジ・エンドってことよ」

 

 

フリードは自身が最初に攻撃した者たちを指す。

フリードの攻撃により致命傷を負っている者が退場していない。

グレイフィアさん達がこちらの状況に気付いていない証拠だ。

 

だが有力な情報を聞けた。

つまり『クウガ』以外に変身しても問題ない(失格にならない)

 

 

「おい、そのメモリを元々の使用者の事は知ってるか」

 

「あ?そんなこと知らないですけど~」

 

「確かにその力は仮面ライダーの敵が使っていた力だった」

 

 

彼は『ミュージアム』と言う組織に所属している令嬢の婿養子だった。

ただ彼はガイアメモリを人々を蝕む物ではなく人類の発展に貢献する物と考え、ガイアメモリを密売してきた。

それは彼自身の育つ故郷を愛していたからこその行動であった。

 

 

「彼は愛する故郷の為、自身の正義を掲げ、仮面ライダーと戦った戦士だ」

 

「その戦士の力をお前の様に殺人の道具として使わせていい物じゃない!!!」

 

「だったら、オレを殺して奪ってみろよ!!!仮面ライダー!!!」

 

 

フリードが叫ぶと、背中から『ハチドリの地上絵』の翼が生え、上空へと上昇した。

 

フリードの姿が視認できなくなった。

そして俺に襲い掛かる衝撃。

 

 

「グゥ!!ガァ!!」

 

 

高速で何度も攻撃されている。

まさか『レベル2』に至っていたことは想定外だった。

 

 

「どうしたよ仮面ライダー、もうお終いか?ヒャハハハ!!!!」

 

「グッ、ま・・・まだだ」

 

 

あのメモリはこの世界に・・・いや、フリードの手元にも残しておけない。

フリードに尋問をしなければならないため『メモリブレイク』は必須。

 

『ジョーカー』だと不可能だ。速さが足りない。

そうなるとあれしか思い浮かばないが・・・・

 

 

「木場君!!!」

 

「えっ・・」

 

「30秒稼いでくれないか」

 

「・・・・やります」

 

 

その言葉とともに木場君は剣を構えてフリードに突っ込んだ。

 

 

「チッ邪魔すんな!!!クソ悪魔が!!!」

 

「うぉぉぉぉぉ!!!魔剣創造(ソード・バース)!!!!!」

 

 

フリードの行く手を遮るように地面から大量の魔剣が出現する。

次々と壊されてしまうが、うまく足止めできている。

 

俺は変身を解除して手元にバイクのハンドルが付いた機械を持つ。

それを腰にあてると帯が出現して腰にまかれた。

 

手元に赤いUSBメモリを出現さ、フリードと同様にメモリのボタンを押すと音声が鳴った。

 

 

ACCEL(アクセル)

 

「変・・・身!!!」

 

 

俺は『アクセルメモリ』をベルトにセットし、ハンドルを回す。

エンジンの音が鳴り響き、俺の体に赤い装甲が纏われる。

 

 

「ツッ・・はぁ・・はぁ・・」

 

「木場君、あとは任せてくれ」

 

 

俺は木場君の肩を叩き、後退させる。

 

 

「先生・・・その姿は?」

 

 

赤い装甲に足と背中にタイヤ、背中の黒い装甲、頭部には大きな『A』の文字の中心に青く大きな単眼が光る。

 

 

「『アクセル』」

 

「え?」

 

「『仮面ライダーアクセル』」

 

「ああん、コロコロ姿を変えやがって」

 

 

俺は手に持っている剣『エンジンブレード』を構える。

 

 

「さぁ・・・振り切るぜ!!!」

 

「最強のオレちゃんには勝てねぇんだよ!!!仮面ライダー!!!」

 

 

俺とフリードの剣が重なる。

『ナスカ』のパワーより『アクセル』のパワーの方が高い。

この鍔迫り合いは俺が押していた。

 

 

「ググ・・・クソが!!!」

 

「その程度か・・・ハァァ!!!」

 

 

俺がが押し切り、のけぞったフリードに対し、一撃入れようとするも上空に逃げられたため不発だった。

 

 

「逃がすか!!!」

 

 

俺はすかさず『エンジンブレード』のスロットを展開し、一本のメモリを装填する。

 

 

ENGINE(エンジン)

 

 

剣先をフリードに向け、トリガーを押す。

 

 

JET(ジェット)

 

「なっ!?グァァァ!!!!」

 

 

音声と共に赤いエネルギーがフリードに向かって高速で放たれた。

フリードは反応しきれず被弾し、地上へと落ちていく。

 

 

ELECTRIC(エレクトリック)

 

 

再びトリガーを押し、音声と共に今度は刀身に電撃が走る。

フリードの落下地点に目掛け、剣を振う。

想定通り、剣はフリードの体に当たり、その体から火花を散らす。

 

 

「はぁぁぁ!!!!」

 

「がぁぁぁ!!!!」

 

 

フリードは軽く吹き飛ばされるが、再び立ち上がる。

それと同時に俺に対しての殺意も強くなる。

 

 

「クソが!!クソが!!クソがぁぁぁ!!!」

 

 

彼の体には先程までなかった黒いオーラが目に見えるように出現する。

 

 

「・・・こいつはまずいな」

 

 

こちらから行動しようと動き始めると目の前でフリードの姿が消えた。

それと同時に背後に殺気と共に斬撃が放たれる。

 

 

「グァ!!」

 

「ウラァァ!!!!」

 

 

明らかに進化している。

俺は何度もフリードの剣に斬り付けられながら今できる最善の方法を模索する。

 

 

(クッ、あのスピードを超えるには・・・ぶっつけ本番だな)

 

 

俺は再びトリガーに指を掛けた。

 

 

STEAM(スチーム)

 

 

俺は剣先を地面に刺し、自身の周りを蒸気で隠した。

 

 

「チッ、目眩ましか、どこだぁ!!仮面ライダー!!!」

 

 

フリードの剣を振る音が聞こえるが別の方向だ。

 

 

(これで決めさせてもらう)

 

 

俺はストップウォッチの形をしたガイアメモリを出現させる。

時計表示部分を回転させ、『T』が描かれるメモリが展開される。

 

ベルトのアクセルメモリを抜き取り、俺はメモリのボタンを押してベルトに挿す。

 

TRIAL(トライアル)

 

 

~Side out~

 

 

~Side:レイヴェル~

 

 

私は今の状況に頭が全然ついてこれていませんわ。

乱入してきた男はどうやら元祓魔師(エクソシスト)の様ですわね。

 

しかし今の男の姿は異形の青い怪人となり、圧倒的な強さを見せている。

神崎正義も『メモリ』と言う機械を腰のベルトに挿して赤い戦士に姿が変わりました。

 

情報で提示された『ウィザード』や『クウガ』とも違う姿に最初は驚きましたが、赤い戦士に変わってから形勢が逆転したわ。

 

剣から何かを飛ばしたり、電撃を纏ったりともう何でもありなのですわね。

 

 

「グッ・・・マズイ」

 

「イザベラ!!大丈夫ですの!?」

 

「いえ、私の事より彼が・・・」

 

 

イザベラが指差すのは赤い戦士。

その赤い戦士は先程まで圧倒していたが怪人のスピードがさらに上がった。

 

 

「グァ!!」

 

「ウラァァ!!!!」

 

 

一方的に攻撃をする怪人に対して戦士は反応しきれていませんわ。

騎士(ナイト)を超えるスピード、あの怪人に勝利する方法などないのだと自覚しました。

 

私はフェニックス、何度も何度も切り裂かれ復活し、長い時間をかけて死んでいく。

その様な絶望的な未来が頭に思い浮かんだ。

 

体が震え、頭から血が引いていくのを感じる。

恐怖で体を支配されていました。

 

 

STEAM(スチーム)

 

 

「きゃっ!!」

 

 

戦士の周りが白い煙で覆われた。

不意打ちで倒せるほど怪人は甘くないでしょうし、それに彼は何かアクションを起こすために必ず剣やらベルトから音声が鳴ってしまう。

 

 

TRIAL(トライアル)

 

 

やはり鳴っていますわ。

これでは自身のいる位置を教えているような物。

 

 

「見~つけたぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

終わった。

そう思っていましたが、私の目に映る光景に驚きました。

 

 

煙が晴れたその中で剣を振り落す怪人とその怪人の手首を持つ『()()()()』。

 

 

「なんですか~その姿は??」

 

「・・・俺に質問をするな」

 

 

彼が手を離すと怪人は警戒したのか後退し、距離を取りました。

私はその姿を見て恐怖は消え去り、先程とは変わって次第に胸が高鳴っていましたわ。

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

「なんですか~その姿は??」

 

「・・・俺に質問をするな」

 

 

『アクセル トライアル』

実は『トライアル』は一度も試しておらず、変身できるかも怪しかったが成功した。

 

通常時の『アクセル』の赤いスーツは青い色に変わり、単眼もオレンジ色となった。

胸部の装甲は薄くなり、銀色へと変わっている。

 

この容姿を他の姿で例えるならばバイクやF1選手のレーシングスーツと酷似している。

 

 

「だから~コロコロ姿変えてもオレっちの強さにはかなわねぇよ!!!!」

 

 

フリードの十八番でもある高速戦闘、この場にいる誰もがフリードの姿がぶれたようにしか見えないだろう。

だが今の俺は違う。

 

 

「ひゃはははは・・・は?」

 

「どうした、その程度か?」

 

 

フリードの斬撃を全て回避した。

 

 

「マジっすか・・・」

 

「次は俺の番だな」

 

 

俺はフリードと同様に高速で移動しながら何度も打撃や蹴りを入れる。

 

 

 

「ギッ!!ガッ!!グッ!!ゴハァッ!!」

 

 

俺は足を止め、フリードの前に再び立つ。

 

 

「グゥッ・・・一発の威力は大したことねぇのに・・・」

 

 

フリードの発言のように、この姿はパワーを捨てて速さに特化した形態。

パワーを考えると通常ホームの方が格段に強い。

 

ならどうやってダメージを与えるか。

答えは簡単、コンクリートを砕くブレーカの様に、木に穴を空けるキツツキの様に、何度も高速で打撃や蹴りを入れればいい。

 

1発でダメなら10発、それでもだめなら100発当て、相手を粉砕する。

 

 

「さぁ、終わりだフリード」

 

 

俺はベルトの『トライアルメモリ』を抜き、ストップウォッチの形に戻す。

そしてマキシマムメモリを起動させる。

 

俺はメモリを上空に投げ、一気にフリードとの距離を詰め、蹴りを入れる。

自身の足を止めずに蹴りを放つ。

 

 

1秒経過。

 

2秒経過。

 

フリードの体にに青いアルファベットの『T』が浮かび上がる。

 

3秒経過。

 

4秒経過。

 

 

まだスピードが足りない。

もっと速く!!速く!!速く!!速く!!

 

5秒経過。

 

6秒経過。

 

 

変化があった。

フリードに?

いや、()()()だ。

 

突如襲う体への負荷。

体からは青いスパークを放ち、攻撃が中断される。

 

 

「グァァァァァ!!!」

 

 

俺が叫びが辺りに響く。

そしてそのまま変身が解除され、地面に膝をついた。

 

 

「グッ・・・はぁ・・はぁ・・」

 

 

体の痛みを感じながらも、俺はフリードの方を見た。

先程は気づかなかったが、マキシマムドライブは中断されたが途中まで蓄積されたエネルギーにより吹き飛ばされていたようだ。

 

 

「ガハッ!!はぁっ・・・はぁっ・・」

 

 

フリードも変身が解けている。

メモリは・・・破壊できていなかった。

 

 

「クッ、覚えてろよ仮面ライダー・・・次はぜってーコロす」

 

「待て!!フリード!!!」

 

「だから・・リッパーだっての!!!」

 

 

フリードは隠し持っていた閃光玉を使って、その場から姿を消した。

 

 

「「神崎先生(さん)!!!」」

 

 

俺の両側を支える塔城さんと木場君。

さすがに『トライアル』の力は制御できないみたいだ。

体中がズキズキと痛む。

 

 

「2人ともありがとう」

 

「いえ、無事で何よりです」

 

「さっきの力は?」

 

 

俺はそのことに関しては口を濁した。

まだ真実を伝えるためのカードがそろっていない。

 

俺は少し話題をそらすために、「一誠の元へ移動しよう」と提案を持ちかけた時、校舎の方から黒炎の柱が上がった。

 

 

「「「!?」」」

 

「お兄様・・・・!?」

 

 

黒炎から感じる異様な力に驚きながら、レイヴェル様の声を聴いた。

 

 

「来い!!トルネイダー!!!」

 

「えっ!?バイク!!」

 

「神崎さん?」

 

「二人は棄権してこの空間から脱出するんだ」

 

 

俺は2人から離れ、バイクにまたがる。

 

 

「そんな!?危険です!!!」

 

「私達も行きます」

 

「駄目だ」

 

「ッ・・・どうしてですか?」

 

「今の俺では君達を守りきれないし、君達もすでに限界だろ」

 

 

俺の言葉に対して二人は言い返せなかった。

 

 

「大丈夫、俺が何とかしてみせる」

 

「俺を「「信じてくれ」」!!」

 

「ですよね?」

 

「神崎先生の十八番だからね」

 

 

自然と笑みがこぼれる。

 

 

「ああ、信じて待っていてくれ」

 

 

俺の言葉を聞き2人はこの空間から脱出した。

 

 

俺がバイクを発進させようとした時、近づいてきたレイヴェル様に気付いた。

その顔には不安と焦りが見える

 

 

「お兄様はどうなっているんですの?」

 

「正直に申しあげますと分かりません」

 

「・・・」

 

 

レイヴェル様の目から涙が零れ落ちた。

一度バイクから降りてレイヴェル様の前に立つ。

 

 

「私に任せてください」

 

「えっ?」

 

 

自前のハンカチをレイヴェル様に手渡した。

 

 

「必ずあなたの前にライザー様をお連れ致しますよ」

 

「信じて向こうで待っていてください」

 

 

レイヴェル様は頷き、塔城さん達と同じくこの空間から脱出した。

 

 

「ツッ・・・一誠」

 

 

俺はアクセルを回し、一誠達の元へと走らせた。

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:???~

 

 

激しい衝撃音が聞こえる。

その音はライザー・フェニックスと赤い鎧を身にまとった兵藤一誠が引き起こしていた。

 

 

「チッ、原作より早いな」

 

 

アイツに対しての憎悪が次々に増してくる。

そんな中、急にピエロに張らせた結界が消失した。

 

 

「あのピエロ・・へましたか、まぁいい」

 

 

オーロラをくぐり、屋上の壁に叩き付けらたライザーと兵藤一誠の前に移動した。

 

 

「誰だ!?」

 

「貴様は・・・」

 

「久しぶりだなライザー」

 

 

さぁ、実験の始まりだ・・・

 

ボロボロのライザーの隣に移動し、耳元でささやいた。

 

 

「ライザー・・今お前が望むのはなんだ?」

 

「力だ」

 

「何のために?」

 

「リアスを俺の物に」

 

「邪魔する奴は?」

 

「・・・コロス」

 

「素晴らしい解答(欲望)だ、ライザー・フェニックス」

 

 

コイツを選んで正解だ。

質問に対して完璧な解答だった。

 

懐から円形の窪みが三つある()()()()を取り出して無抵抗のライザーの腰に当て、装着させた。

さらに三枚の()()()()()がライザーの周りで浮かんでいた。

 

 

「!?それって・・・」

 

 

”チャキン”

 

「さぁ、ライザー・フェニックス」

 

”チャキン”

 

「お前の欲望を・・・」

 

”チャキン””カシャッ”

 

「解放しろ」

 

 

黒いスキャナーが勝手に動き、ベルトに装着されたメダルを読み込む。

 

 

{たっカ・kうッジャcC・コんDおlう}

 

 

「リアスゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!」

 

 

ライザーが黒炎につつまれ、黒炎は柱となって天を貫いた。

 

 

「マジ・・・かよ?」

 

 

兵藤一誠はライザーの変化した姿に驚愕している。

 

赤い体を黒く染め上げたアンクグリード態。

 

 

「Happybirthday・・・『()()()()』」

 

 

その誕生を見届けた後オーロラを使い、()()()が現れるであろうこの場から姿を消した。

 

 

 

To Be NEXT ⇒




平成最後の ~次回予告~


ひ「終わった」

イ「うん」

ひ「平成が・・・」

イ「ああ・・・・」

ひ「次は『令和ライダー』?何それ超ウケる・・・」

イ「いや、ショックでかすぎねぇか?」

ひ「えっ?別に『令和ライダー』は凄い楽しみなのでショックではないっすよ」

イ「じゃあなんであんなにテンション低かったんだよ」

ひ「平成最後なのにライザー編が終わんなかったからさ」

イ「完全にお前の問題じゃねぇか!!!」

ひ「おいおい、平成最後くらいは御淑やかに行こうぜ」

イ「お前・・・はぁ、分かったよ」

ひ「それじゃあ平成最後の次回予告行ってみよう!!!」



次回予告


{まだ役目も果たせていませんわ}

{俺達は今代の赤龍帝だ!!!!}

{ジャマスルヤツワシネェェェ!!!!}

{すまねぇドライグ、今回ばっかしはやべぇ}


ハイスクールD×D×R 仮面の英雄の物語

2×7:俺、ピンチです!


ひ「最後にみんなでヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘヘヘイ!セイ!」
 
イ「数行前のお前はどこに行ったんだよ」
 
 「はぁ、次回もよろしく」


チャン♪チャン♪


ひ(未)「改変完了!!」


チャン♪チャン♪


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2×7:俺、ピンチです!

開幕早々すみませんでした~~~~~
次回予告詐欺ですハイ・・・

明らかに次回予告と内容が違うのでこれはもう過去改変しときますわ。

{Hyper Clock Up}
{Hyper Clock Over}

ハイ変わりました~
前話の次回予告改変終了で~す。
あんまり本編には関係ないんで無理してみなくても大丈夫っす。

前置きが長くなったがさっそく本編行ってみよう。。。


~Side:イッセー~

 

 

俺は今、小猫ちゃんと別れ、朱乃さんと一緒に爆弾女王(ボムクイーン)こと女王(クイーン)のユーベルーナと戦っていた。

 

 

ドラゴンマシンガン!!!

 

「うふふふふ!!!」

 

 

俺は気弾、朱乃さんは広範囲の雷魔法を放ち、爆弾女王(ボムクイーン)を的確に追い詰めていった。

 

 

「ぐっ・・・強すぎる」

 

「俺達をなめすぎなんだよ」

 

 

俺はこの後の戦いも残っているため全力は出せないが朱乃さんはまだ余裕がある。

コイツにばっかり足を取られるわけにもいかないし、一発でかいのやっときますか。

 

 

「朱乃さん、MBで行きましょう」

 

「フフフ、分かりましたわ」

 

 

俺が作戦名を伝えると朱乃さんは雷球を三つ出現させ、自身の手に雷と光の力を使い、鉄製のロッドに雷を纏わせた。

 

 

「さぁ、行きますわよ」

 

 

朱乃さんが掛け声とともに雷球を相手に放つ。

 

 

「速いが避けれない程じゃない」

 

「あら、よそ見は禁物ですわ」

 

「!?がぁぁぁぁ!!!」

 

「うわぁ・・・・」

 

 

相手の腹部を雷のロッドで突かれた。

当然雷を纏っているだけあって触れるだけで感電すると言うおまけ付き。

でもまだ終わりじゃなかった。

 

 

「フフフ、更にプラスですわ」

 

 

そのまま相手を上空に放り投げて、空中に浮遊したままの雷球を操作して相手に当てた。

 

 

「がばばばばば!!!」

 

「あらあら、あと二つ残ってますわよ」

 

 

続けざまに二つ追加。

あからさまなオーバーキル。

 

俺もう見てらんない。

 

 

{相棒、あの女は俺でも勝てないと思う}

 

俺もそう思う。

 

チラッと朱乃さんを見ると、頬を赤く染めて口元に笑みを浮かべ、息遣いが少し荒くなっている。

とてもご満悦の様だ。

ちなみにその表情に少しドキッとしてしまったがこれはしょうがないことだと思います。

ねぇ、みなさん!!!しょうがないよね!!!

 

 

「あ~朱乃さん、お楽しみのところ悪いのですが準備できました」

 

「あらあら、残念ですわ」

 

 

ロッドを相手に向けると電撃が雷球に向かって飛び、連結した。

 

 

「それじゃあ行きますわよ」

 

「お願いしまーす」

 

 

朱乃さんがロッドを振り、雷球で拘束した相手を俺が指示した地面まで放り投げた。

当然相手は抵抗できず、そのまま地面に衝突。

そして・・・爆発した。

 

 

「俺の新技、ドラゴン・マイン(地雷)

 

{相棒も相当鬼畜だな}

 

 

感電からの爆撃。

たしかにやりすぎだとは思うけども。

いや、まさかあそこまで朱乃さんが攻めに出るとは思わなかったんだもん。

作戦では朱乃さんが足止めをしている間に俺が地雷を設置して拘束して爆破の流れだよ。あそこまでやるなんて普通思わないじゃん!!!!

 

まぁいいや。

まだ、終わってないみたいだし。

 

俺は即座に上空に移動する。

俺の立っていた場所で爆発が起こる。

 

 

「なんで避けられるのよ!?」

 

「いや、気配バレバレだし」

 

 

これが朱乃さんを狙っていたなら朱乃さんは気付かなかっただろう。

まぁ俺が気付くからどっちにしても防げたけど・・・

 

 

「それにアンタが『フェニックスの涙』を持っているのも想定内だ」

 

「クッ・・・」

 

 

ユーベルーナは今や傷一つ無しの状態に戻っている。

爆発で敗れたりした服は戻らないため少々目のやり場に困る。

 

 

「でも同じ手は通用しないわよ、それに私はそこの女王の足止めですものね」

 

「そろそろ他の眷属も足止めに入ったそうだからライザー様も動き出すわよ」

 

「それも想定内ですわね」

 

「なっ!?」

 

 

やっぱりライザーは動くか。

師匠と部長の予想通りだな。

となると、もう動き始めてるのか。

 

そんなことを考えていると師匠から通信が入る。

 

 

{一誠、グレモリーさん・・・ライザーが動くぞ}

 

「・・・了解っす!!!」

 

「朱乃さん」

 

「ええ、ここは任せて行ってください」

 

「ありがとうございます」

 

 

俺は朱乃さんに頭を下げ、この場を離れる。

 

 

「リアスの事、頼みましたよ」

 

 

~Side out~

 

 

~Side:朱乃~

 

 

イッセーくんがこの場を去り、私はユーベルーナに向き合いました。

 

 

「あら、『雷の巫女』だけで私を止められるのかしら」

 

「フフフ、さっき身をもって体験したじゃないですか『爆弾女王』さん」

 

「クッ・・黙れ!!!!」

 

 

彼女が杖を構えると強力な火炎魔法が放たれる。

私もすかさず高威力の雷魔法で打ち消すが、相手に準備の時間を与えてしまったの話失敗だった。

 

 

「風?」

 

 

この異空間ではありえない風を肌で感じた。

じゃあ、この風は何か?

答えはすぐに出た。

 

 

「喰らいなさい」

 

 

彼女は砂嵐のドームを私に叩き付けた。

 

 

「くっ・・やられましたわ」

 

 

体を魔力で覆ったことでダメージは多少防げましたが砂嵐のドームの中に閉じ込められてしまいましたわ。

 

徐々に範囲を狭めるドームの中である違和感を感じました。

砂嵐の中に黒い小さな粒が一緒に含まれている。

最初は小石かと思いいましたが明らかにサイズが小さすぎる。

 

 

「ねぇ、不意に起こる爆発事故って何か知ってる?」

 

「特に今の環境下で一番おこりやすい爆発事故・・・」

 

 

私はその言葉を聞き、黒い粒の正体に気付きすぐに脱出をしようと動いたが遅かった。

強烈な破裂音と共に火炎と爆風が襲った。

 

 

「粉塵爆発、砂嵐の中に石炭粉末を混ぜたのよ」

 

「爆発によっておこる爆風とその爆風によって放たれる砂や小石の弾丸」

 

「はぁ・・はぁ・・」

 

「まだ立てることには驚いたけど満身創痍ね」

 

 

彼女の言うとおり、私の体は傷だらけで立っているのがやっとの状態ですわ。

ですが・・・

 

 

「まだ役目も果たせていませんわ」

 

「役目?」

 

「ええ、これからその役目を果たしますわ!!!」

 

 

彼女の頭上に魔方陣を出現させる。

 

 

「しまった!!」

 

雷鳴!!!

 

 

ユーベルーナに雷が直撃し、彼女の身を焦がした。

 

 

「がぁぁぁぁ!!!!!」

 

「まだ、雷球三弾!!!!

 

「さぁせぇぇるぅかぁぁ!!!!」

 

 

自身の周りを爆破させ強引に雷から抜けるユーベルーナ。

自身への負担がひどいがこれを使うしかない。

 

 

雷纏(らいてん)・・ッツ!!!」

 

 

その名の通り雷を体に纏う技。

この状態なら電気信号を操作し、体を無理やり動かすことが可能で通常よりも無茶な行動ができる。

またスピードとパワーも上昇し、相手は私に触れるだけで感電すると攻防揃った技.

 

ただこの技を扱うには戦車(ルーク)の様な防御力と繊細な魔力操作ができなければ実行は不可能。

肉体的な防御力が足りなかったり、魔力の調整を誤ると四肢が大変なことになってしまいますわ。

 

また、特訓の際は数秒使っただけで体に痺れがそのまま残った。

いざ戦闘で数十秒と使用したら丸一日動けなくなってしまうかもしれませんわ。

 

この技は諸刃の剣ですがそれゆえに強力。

 

 

「ガァッ!!ガァッ!!ァッ!!」

 

 

ロッドによる怒涛の乱舞を喰らい、ユーベルーナは満身創痍。

体が痙攣し始めており、意識が朦朧としていた。

 

 

「終わ・・り・・です・・わ!!!」

 

 

纏っていた雷で雷球を作り、それをユーベルーナに放つ。

彼女はさすがにまずいと感じたのか、先程と同様に自身の近くを爆破させ、雷球を回避した。

 

 

「そん・・・な」

 

 

私はそのまま倒れた。

体は『雷纏』の影響でしばらくは動けないだろうし、魔力枯渇状態で魔法を使用したので意識がだんだんと薄れていく。

 

ユーベルーナも私と同じようだ。

だがまだ意識が残っているのか退場とならない。

これはまずいですわね。

 

体を起こそうと思ってもどこも動こうとしない。

声を出そうとしても頬が動かない。

 

(すみません、後はお願いしますイッセーくん)

 

私はそのまま意識を落とした。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:リアス~

 

 

「リアス、いい加減諦めたらどうだ」

 

「いいえ、私達はまだ負けていないわ」

 

 

私とアーシアは今、旧校舎の屋根でライザーと対峙している。

一様作戦通りここまでライザーを引き付けているけれど少し限界が近づいてきた。

 

私は他のみんなと違って特訓中に自身の力を強化できずに終わった。

その私ではアーシアを護りながらライザーとの対決は骨が折れる。

 

 

「お前の『滅びの魔力』では俺を倒すことは出来ないんだよ」

 

「それにお前が無事なのも俺が手加減しているからこそなんだぞ」

 

 

そんなことは言われなくても理解している。

ライザーが本気になれば私とアーシアくらい簡単に倒せるはずだ。

だけど・・・

 

 

「確かに私ではあなたに勝てないけどそれでも私はあの子(イッセー)を・・・信じてる」

 

「そうか・・・ならお遊びは終わりだリアス」

 

 

ライザーは炎の塊を向け、私に放とうとした。

結果的に彼はそれを放つことはなかった。

この強力な気配の高まりを感じて手を止めたのだ。

 

 

「何だこの気配は!?いったいどこから・・・」

 

「これってイッセー?」

 

 

周りを見渡しても誰もいない。

蹴れど近くから感じる。

じゃあどこから・・・・

 

 

そんなことを考えていると、急に目の前に赤い何かが視界に現れた。

 

 

「「「!?」」」

 

 

それは屋根を破り現れた。

 

 

「貴様は!?」

 

ドラゴン・ブレス!!!

 

 

彼の一言で視界が赤く染まった。

ライザーはその光によって新校舎の方まで吹き飛ばされた。

 

 

「凄すぎます!!!」

 

「イッセーなの?」

 

 

彼は振りかえらず、私に告げる。

 

 

「部長、いってきます」

 

 

そのまま新校舎の方まで飛んでった。

 

 

「あれが神崎さんとの特訓の成果なんですねリアスさん・・・リアスさん?」

 

「カッコいい」

 

 

急に顔が熱くなり、鼓動が早くなる。

 

彼の後姿を見て私は思った。

 

ピンチの時に駆けつける赤い鎧の戦士、それはまるで物語の英雄(ヒーロー)の様だったと。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:イッセー~

 

 

{相棒、攻め時だ}

 

「わかってる!!!」

 

 

俺のドラゴンブレスで新校舎まで吹き飛んだライザーの元に移動する。

 

 

「クッ・・兵士(ポーン)ごときがこの俺に傷を!?」

 

「おらぁ!!!」

 

「グべ!!」

 

 

俺の拳がライザーの顔に叩き込まれる。

今は時間が無いんだ。

速攻でけりをつけさせてもらう。

 

何度も何度も拳を叩きつける。

顔、腹、肩当たるところすべてに高速のラッシュを打ち込む。

 

 

Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!.......

 

「この程度で値を上げんなよ焼き鳥野郎!!!!」

 

 

俺はライザーの顎にアッパーを打ち込む。

倍加で強化されたその一撃でライザーは天井を突き抜け、屋上へと駆り出される。

 

すかさず俺も後を追う。

ライザーを見るともうすでに再生が始まっている。

 

 

「まだ終わりじゃねぇぞ!!!」

 

Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!.......

 

ドラゴンショット!!!!

 

「グッ!?グォォォォォォ!!!!」

 

 

ライザーも俺の姿を捉えるとすぐさま攻撃に転じた。

俺の気弾とライザーの火炎、威力はほぼ同じ。

 

 

「力が互角なら俺がもっと増やすだけだぁぁぁぁ!!!!」

 

Boost!!Boost!!

 

 

俺の気弾はさらに大きくなる。

 

 

「何!?そんな馬鹿なぁぁぁぁ!!!」

 

 

火炎は気弾に飲み込まれ、赤い気弾がライザの右半身を消し飛ばした。

 

 

「ずいぶん余裕がないみたいだな」

 

「兵士の・・分際でぇ・・・」

 

 

明らかに再生スピードの落ちたライザー。

これならいける気がする。

はっきり言って最初から全力全開で行動しているため、燃費が悪い。

禁手(バランス・ブレイク)もあと数分もつかどうかといった感じだ。

 

 

「だけど終わらせれば関係ねぇ!!!」

 

「ほざけ、クソドラゴンがぁ!!!」

 

 

俺の周りが炎の渦で囲まれる。

 

 

「どうだ!!この炎の渦からは出られたヤツは今まで誰一人もいない!!」

 

「もうお前の負けだ!!!諦めてこうさ「フン!!!」なぁ?」

 

 

俺が手刀を横に振うと炎の渦は消え去った。

その俺の姿を見たライザーは自身の力が破れたのを見て震えた。

 

それは怒りからか・・・いや、明らかに俺に恐怖を抱いている。

 

 

「さっきからクソドラゴンとか言ってくれてるけどよ、ちゃんと覚えておけよ」

 

「ひっ・・やめっ・・来るな!!!」

 

「{俺達は今代の赤龍帝だ!!!!}」

 

 

左ストレート。

それがライザーの顔に打ち込まれた。

 

 

「ぶがぁぁ!!!」

 

 

倍加の施された一撃はもはや兵器に等しい。

そのまま屋上の入り口の壁にクレーターを作る程強くぶち当たった。

 

ライザーの気配はだいぶ弱まってる。

うん・・・・

 

 

「よっしゃ―――!!俺達の勝ちだ!!」

 

{フン、当然だ}

 

 

ライザーも俺相手に油断していたのが勝利のカギにもなったのだろう。

だけど勝ちは勝ちだ。

今はそのことを正直に喜ぼうじゃないか。

 

 

{それにしても合図が遅くないか}

 

「ん?ああ、そうだっ!?」

 

俺の背後から”ゾクリ”と肌を刺すような感覚を感じる。

俺が振り向くとそこには黒いフードを目部下に被る黒ずくめ。

服装や声から性別の判断がつけられないが人型ではあった。

 

 

「誰だ!?」

 

「貴様は・・・」

 

「久しぶりだなライザー」

 

 

何だアイツ!!

ライザーは知っている仲みたいだけどコイツはやばい!!!

 

 

(アイツの憎悪が俺まで伝わってくる)

 

{(相棒、駄目だ・・)}

 

(ああ、今の俺達じゃあ・・)

 

{(殺される)}

 

(殺される)

 

 

今の俺は動くことが出来なかった。

まさしく蛇に睨まれた蛙だ。

 

黒ずくめのソイツは俺を気に掛けずにライザーの耳元でぼそぼそとつぶやいた。

ライザーもソイツに対してぼそぼそと返答している。

 

だが次の瞬間空気が変わった。

 

 

「・・・コロス」

 

 

ライザーから強力な殺気があふれ出た。

それと同時に黒ずくめはある黒い機械をライザーの腰に装着させた。

 

さらにライザーの周り三枚の()()()()()が浮ぶ。

 

 

「!?それって・・・」

 

 

あれは見覚えがある。

師匠が説明してくれた仮面ライダーだ。

三枚の動物のメダルを使って変身する仮面ライダー。

 

 

”チャキン”

 

「さぁ、ライザー・フェニックス」

 

”チャキン”

 

「お前の欲望を・・・」

 

”チャキン””カシャッ”

 

「解放しろ」

 

 

黒いスキャナーが勝手に動き、ベルトに装着されたメダルを読み込んだ。

 

 

師匠が言っていたその仮面ライダーは種別ごとに色が分かれていて同じ色のメダルを使うことで物凄い力を使えるって。

特に()()()()()()()()()()()()は特別だと。

 

 

たっカ・kうッジャcC・コんDおlう

 

「リアスゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!」

 

 

ライザーが黒炎につつまれ、黒炎は柱となって天を貫いた。

 

 

「マジ・・・かよ?」

 

 

ライザーの姿が変わった。

その姿は鳥の頭の様な顔、堕天使の様な大きな翼、所々鳥類の羽や爪などが特徴的なボディ。

ベースが黒と紫の色をした怪人。

 

 

「Happybirthday・・・『()()()()』」

 

 

黒ずくめはその一言を言い残しこの場から消えた。

 

 

「おい、まっ!!!」

 

「グォォォォォォォォ!!!!」

 

 

ライザーの咆哮が俺の声を遮った。

 

 

{来るぞ相棒!!!}

 

「クッ!!!」

 

 

怪人となったライザーは俺に殺気を当て襲い掛かってきた。

 

 

「グワォォォォ!!!!」

 

「コイツ!!攻撃がおもがぁ!!!」

 

 

腹部に重い一撃が入る。

今の一撃で鎧が壊れ、元々着てい制服が露わになる。

 

 

「そんな・・一撃でがはぁ!!!!」

 

 

今度は顔側面。

その衝撃で回転しながら俺は地面に叩き付けられた。

 

 

「リアスゥゥゥ、ジャマワコロスゥゥゥゥ!!!!」

 

 

ライザーは倒れた俺の足を掴み、そのまま投げ飛ばした。

 

 

「がぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 

俺はオカルト研究部の部室に叩き付けられた。

 

 

「イッセー!!!!」

 

「イッセーさん!!!」

 

 

どうやら俺が吹っ飛ばされるのを見て急い駆けつけたのだろう。

 

 

「アーシア!!」

 

「今、治療します!!!」

 

 

俺は痛む体を無理に動かし、2人を突き飛ばした。

 

 

「きゃっ」

 

「ツッ、イッセー何を「シネェェェ!!!!!」!?」

 

 

俺の目の前が黒炎で染まった。

 

 

「ぐあぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「「イッセー(さん)!!!!」」

 

 

俺を纏っていた鎧が崩れ、傷だらけとなった姿が晒されす。

 

 

「すまねぇドライグ、今回ばっかしはやべぇ・・・」

 

{気にするな相棒、だがこのまま倒れるわけにはいかないだろう?}

 

「ああ、大切な存在が後ろにいるからな」

 

 

俺には守らなければならない大切な人がいるんだ。

まだ眠りにつくには早すぎるぜ。

 

 

「ジャマスルヤツワシネェェェ!!!!」

 

 

再び黒炎が放たれる。

 

 

「うぉぉぉぉぉ!!!!」

 

《color:#ff0000》Welsh Dragon Balance Breaker!!!!

 

 

俺の叫びに呼応し、再び禁手を発動させた。

 

 

Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!.......

 

Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!.......

 

Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!.......

 

 

即座に両手を組み、黒炎に向ける。

 

 

ドラゴン・ブレスゥ!!!!!

 

俺の放った技はライザーの黒煙を軽く呑み込みそのままライザーの下半身を消し飛ばした。

 

 

「グガァァァァァァァァァ!!!」

 

 

その叫び声はまるで痛みで泣き叫んでるかのように聞こえた。

 

 

「へへっ、やってやったぜ」

 

 

赤い鎧は粒子となって消える。

かなりの無茶をしたから数日間は使用できないな。

 

 

「やったの?」

 

「凄かったです・・・」

 

「へっ・・へへへ・・・マジかよ・・・」

 

「グォッ・・ォォォォ・・・」

 

 

ライザーの傷口が黒炎で包まれ、次第に形を形成していく。

 

フェニックスの再生能力。

 

ライザーは怪人へと姿を変えても自身の能力で再び蘇った。

 

 

ライザーの表情は怪人となってしまったため、分からないが・・・

 

 

「グワァァゥゥゥゥゥ!!!!」

 

 

空中から俺を見るアイツは、俺には今の姿を嘲笑っているかのように見えた。

 

 

 

To Be NEXT ⇒




令和最初の ~次回予告~


ひ「始まった」

イ「うん」

ひ「令和が・・・」

イ「ん?ああ」

ひ「次は『令和ライダー』?何それ超ウケる・・・」

イ「おい、ちょっと待て前回とセリフがほぼ一緒なんだが?」

ひ「えっ?別に『令和ライダー』は凄い楽しみなのでショックではないっすよ」

イ「いや、前回聞いたよ!!!いったん止めろよ」

ひ「令和最初なのにライザー編が終わんなかったからさ」

イ「おい、止まれ!!!」

ひ「おいおい、令和最初くらいは御淑やかに行こうぜ」

イ「止まれってんだよ!!!」

ひ「今更止めらんねぇよ!!!ハイクロまで使っちまったんだぞ!!!」

イ「なっ!?まじで使ったのか・・・」

ひ「この後も落ちも分かってんだよお前がキレて俺を殴るんだろ!!」

 「そうなんだろ!!!」

イ「ぐっ・・殴りはしないがそもそも・・・」

ひ「俺は落ちるとこまで落ちたもう終わりだ」


次回予告




イ「お前の奇行が原因じゃねぇぇかぁぁぁ!!!」拳

ひ「やっぱり俺は殴ブベら!!!」

イ「アッ・・・・次回予告行こうかスタッフさん」


次回予告


{リアスゥ!!ジャマスルヤツハコロス!!!}

{やめて、ライザー!!イッセーが死んじゃう!!}

{師匠、駄目だ!!!!}

{俺の命に代えても生徒も弟子もライザー、アンタも救って見せる}


ハイスクールD×D×R 仮面の英雄の物語

2×8:欲望、激突します!


イ「前回と一緒だが、過去が変わってるらしいので気になった方は前話をチェックしてくれよな」
 
 「あと、今回から活動報告でイラストも募集したいと思う」
  
  「今まで登場したオリ怪人や読者が想像する神崎さんとか描いてみてくれ」
  
  「それじゃあ、次回もお楽しみに」

ひ「俺は絵がへたくそだからみんな頼む・・・」ガクッ


チャン♪チャン♪


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2×8:欲望、激突します!

ついに01も始まってしまうか・・・・

全然進まねぇ!!!
すまねぇぇぇぇ!!!

はい、本編どぞ!!!


~Side:リアス~

 

 

「グゥァァァァァ!!!!」

 

「ガハァッ・・・・・・」

 

「もうやめて・・・」

 

 

私の震えるか細い声が訴える。

私は目の前の光景が耐えられなかった。

 

イッセーの技でも倒せず、纏っていた鎧も消えた。

そんな彼はそのまま生身で怪人に掴みかかった。

 

もちろん彼はそのまま怪人の攻撃を喰らい床に倒れる。

そして彼が立ち上がり怪人に掴みかかろうとする。

 

 

「まも・・る・・・」

 

「ダマァァァレェェェェ!!!!」

 

「ァァァ・・・・・」

 

 

イッセーはもう悲鳴の声すら上がらなくなっている。

 

 

「お願いライザー!!!やめて!!!」

 

「ンゥ?リィィアァスゥゥ?」

 

「やめて、ライザー!!イッセーが死んじゃう!!」

 

 

イッセーの足元は口や傷からから流れた血で赤く染めている。

立っている事さえ不思議なほど。

 

 

「ワァカッッッタ」

 

「ライザー?」

 

 

彼は倒れてるイッセーを蹴り飛ばし、私に近づいた。

 

 

「もう私の負けでいいから終わりにグッ!!!」

 

 

私の首をライザーが持ち上げた。

 

 

「カッ!!!イッ・・・セー!!!!」

 

「リアスさん!!!」

 

「ハハハハハハ!!!!!!」

 

 

痛い。

苦しい。

怖い。

 

 

ライザーは次第に握力を上げていく。

私が痛がっているのを楽しんでいるのか笑いながら私の首を絞めていく。

 

 

「ハハハハハハ!!!!コロスゥゥゥ!!!」

 

「イッセーさん起きてください!!!イッセーさん!!!」

 

 

ダメ、もう限界だわ。

私の頬に涙が流れる。

 

 

「ハハハハハ・・・・ハ?」

 

 

意識を失いかけていたのに首にかかっていた力が急になくなった。

 

 

「・・・・・・・」

 

「グッ!!!ハナセェェェェ!!!」

 

 

私の首を絞めていたライザーの腕をイッセーの左手が握っていた。

 

 

「イッ・・・セー・・どうして・・・」

 

「グァァァァ!!!ハァナセェ!!!」

 

「部長が泣いていた・・・・俺が立ち上がる理由はそれだけで十分だ!!!」

 

「グァァァァ!!!」

 

 

イッセーはライザーの腕を握りつぶした。

私の首の拘束が解かれその場に座り込んだ。

 

 

「アーシア!!ポーチを俺に貸してくれ!!!」

 

「えっ・・でも・・」

 

「早く!!!」

 

「ッ・・わかりました!!!」

 

 

アーシアは腰のポーチをイッセーに投げ、それを受け取った。

 

 

{相棒10カウントだ・・・・}

 

「充分だ・・・・輝きやがれ!!!オーバーブーストォ!!!

 

Welsh Dragon Over Booster!!!!

 

 

イッセーの体が再び赤い鎧に包まれる。

 

 

「部長を泣かせた罪・・・償ってもらうぜ」

 

 

~Side out~

 

 

~Side:イッセー~

 

 

{10}

 

「ドラゴンショット!!!!」

 

「グオォッ!!」

 

 

俺の気弾により、ライザーは旧校舎から吹き飛ばされる。

俺に残された時間は10秒。

確実に決める。

 

翼を展開し、ライザーを飛ばした方に向かう。

 

 

{9}

 

「いくら不死身だろうが怪人になろうが悪魔ってのは変わらねぇよな」

 

 

俺は左手でポーチから銀色のネックレスを手に取る。

 

 

「オラァ!!!」

 

「グギャァァァァ!!!」

 

 

ネックレスを巻き付けた左手で殴ると今までにも増して苦しみだすライザー。

 

 

「ウチのシスターが毎日欠かさず神様への祈りに使っている十字架のネックレスは効くだろ?」

 

「グゥゥゥ!!!」

 

「そんなに痛かったか?ならもう一発くれてやるよ!!!」

 

 

{8}

 

 

俺の左手をライザー目掛けて打ち込もうとする。

ライザーは当然防御しても意味ないので必ず避けるよな?

 

 

「オラァッ!!!」

 

「グギャッ!!」

 

 

俺は左腕を止め、上段蹴りをする。

見事ライザーの顔面にヒット!!!

 

 

「俺の武器は左腕だけじゃねぇんだよ!!!」

 

「グゥゥゥゥ・・・」

 

「さて、今のお前に対処できるかな?」

 

「ドォォラァゴンンンン!!!!」

 

「オラオラオラオラァ!!!!」

 

 

{7}

 

 

殴る、蹴る、殴る、蹴る

 

俺はひたすら繰り返した。

冷静な判断力を失っているライザーが避けられるわけもなく、危険視していた左手すら避けられない。

 

 

{6}

 

 

「グァ・・・・ア・・・」

 

「だいぶ効いてるな」

 

 

ライザーも繰り返しキズを治していたがあきらかに最初の時より、傷の治りが遅くなっている。

 

 

「いい加減終わりにしようぜ、ライザー」

 

 

俺はポーチからある液体の入ったガラス瓶を取り出す。

 

 

{5}

 

 

赤龍帝からの贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)!!!

 

TRANSFER!!

 

 

ガラス瓶の液体、聖水に対して倍加効果を付与した。

 

 

「グッ・・・ヤメ・・・ロ」

 

「いいや、やめねぇよ」

 

 

俺は瓶のコルクを取り、中の聖水を魔力で操作した。

聖水と自身の気を練り合わせる。

 

 

{4}

 

 

練り上げた気を圧縮し、小さな玉に変える。

準備は整った。

俺は小さな赤い球を左手で握りしめる。

俺の最強の技に聖なる力の大盤振る舞い。

 

 

「死ぬんじゃねぇぞライザー!!!!」

 

「ヤメロォォォォォォ!!!!」

 

神聖なる龍の伊吹(セイクリッド・ドラゴン・ブレス)』!!!!

 

 

光り輝く赤いエネルギーがライザーを呑み込む。

 

 

「グァァァァァァァァ!!!!!」

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 

このまま行け!!!

押し通せ!!!

 

 

「グァァァァァァ・・・・・・ガァァァァァァ!!!!!」

 

「がっ・・・嘘だろ!!!」

 

 

{3}

 

 

俺の技が掻き消された。

ライザーに再び黒炎が纏い、俺の技を弾き飛ばした。

 

 

「ガァァァァ・・・・スベテヲコワス!!!」

 

 

ライザーの体がひび割れた。

そこからどんどん黒炎が噴き出す。

 

 

「アヒャヒャヒャヒャ!!!!!」

 

「まずい!!ドラゴンショッ!!!」

 

 

急に力が抜け、地面に膝をつけた。

 

 

「クソッ!!!こんな時に限って・・」

 

 

{2}

 

 

「動け!!!動けよ!!!」

 

「ヒャヒャヒャヒャ!!!」

 

 

ライザーは溢れ出る黒炎で巨大な球体を作り出す。

黒い太陽と言ってもいいだろう。

アイツはその塊を旧校舎に向かって投げやがった。

 

 

「動けぇぇぇぇ!!!」

 

 

まずい!!

このままだと部長もアーシアも死んじまう。

 

神様でも魔王様でもなんでもいい!!!

俺はどうなってもいい!!!

あの二人を救ってくれ!!!

 

 

{1}

 

 

「ちくしょぉぉぉぉ!!!」

 

{『ENGINE(エンジン)マキシマムドライブ!!!

 

「ハァァァァァ!!!!!」

 

 

球体の前を何かが横切り、炎球が二つに割れた。

いや、誰が来たかなんて決まってる。

 

 

「遅くなってすまない、一誠」

 

「師匠!!」

 

 

大きな剣を持つ師匠が浮遊しているバイクの上に立っていた。

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

「一誠、大丈夫か?」

 

「へへっ・・・何とか」

 

 

一誠は赤い鎧が消え、膝をついたまま顔をこちらに向けた。

今の一誠の状態はひどい。

 

出血もそうだが、所々ひどい火傷を負っている。

 

 

「一誠、撤退して体制を整えよう」

 

「・・・うっす」

 

「オートバジン!!!」

 

 

俺の呼びかけに反応し、『オートバジン』がロボット形態で現れる。

 

 

「おわぁぁぁ!!!」

 

「一誠を旧校舎に運んでくれ」

 

 

オートバジンはフライトユニットを起動させ、旧校舎の方へと飛んだ。

 

俺は再び『マシントルネイダー』をスライダーモードへと変化させ、一誠の元へ急ぐ。

 

 

「ヒャッヒャァ!!!」

 

「おっと!!!」

 

 

先程から空中で停滞しているライザーが黒炎を鞭のようにしならせ、襲い掛かってきた。

 

 

「悪いがここはいったん退かせてもらうぞ」

 

 

エンジンブレードに緑色のガイアメモリを装填する。

 

 

CYCLONE(サイクロン)

 

 

トリガーを引くと刀身に緑色のエネルギーが宿る。

 

 

「これでおとなしく・・・しろっ!!!」

 

 

エンジンブレードをライザーに向け振うと緑色の竜巻が発生した。

その竜巻は黒炎を吹き飛ばし、ライザーの体を傷つける。

 

俺は黒炎の鞭が消えたことを確認し、一誠達の元へと足を急いだ。

 

 

 

~Side out~

 

 

~Side:リアス~

 

 

「イッセー、無事でよかったわ」

 

「いえ、俺は・・・・」

 

 

イッセーが変なロボットに連れてこられ、アーシアの神器で治療を受けている。

 

 

「あのイッセーさん・・その左手は・・・」

 

「どうしたのアーシア?」

 

「・・・・・」

 

 

私はイッセーの左手を見た。

いつもの籠手に銀色の何かを握っていた。

 

 

「アーシアに返すよ、聖水は使ちゃったから無いけど」

 

「「!?」」

 

 

銀色の何か、それは十字架のネックレスだった。

 

 

「なんでイッセーがそれを・・・」

 

「この左手は人間でも悪魔のでもないからですよ」

 

「まさか・・・・」

 

 

あの限界の状態から再度禁手を使えた理由が分かった。

左手を赤龍帝に捧げた。

封印されていたドラゴンの力を一部だけその身に宿した。

 

 

「私が・・・」

 

「部長のせいじゃないですよ」

 

 

イッセーは自身の左手を見ながら語った。

 

 

「俺が油断したから、あの時倒しきれなかったから、弱かったから全部俺のせいなんです」

 

「ちがっ「違わないですよ」・・・」

 

「今も大事な場面で師匠に頼っちまうダメな弟子ですよ」

 

 

私は答える言葉が思いつかず、沈黙した。

そんな沈黙の中足音が聞こえる。

 

全員気づいたが動けるのは私のみ。

戦闘態勢を取り、足音のする方向を向いた。

 

 

「ここにいたか」

 

「師匠!!!」

 

「「神崎さん!!!」」

 

 

神崎さんの顔を見ると先程まで感じていた不安が少しは和らいだ。

 

 

「すまない時間が惜しい、まずは情報がほしい」

 

 

たしかにまだ戦闘中なのに少し気が緩んでいたわ。

イッセーはライザーが怪人になるまでの経緯を語った。

 

 

「黒ずくめの人物に黒い三枚のメダルか・・・・」

 

「師匠、やっぱりアレって・・・」

 

「間違いない、『グリード』だな」

 

 

『グリード』

 

イッセーと神崎さんは知っているようだけど私やアーシアはその名前に聞き覚えはなかった。

 

 

「神崎さんあなたは何者なの?」

 

「ちょっ!?部長!!!」

 

「リアスさん?」

 

「・・・・」

 

 

明らかにおかしい。

『ヤミー』に『ドーパント』、そして『グリード』。

 

はぐれ悪魔とも違うその怪人は過去の資料を当たっても見つかることはなかった。

お兄様に報告はしているけれどめぼしい解答もなし。

 

それなのに特殊な神器を持つ者(神崎 正義)しか情報を持っていない。

 

 

「あなたはあの怪人とどんな関係があるの?」

 

「今は言えない」

 

「っ!!あなたは!!!」

 

「魔王にすべてを話してから伝えようと考えてる」

 

「え?」

 

 

魔王?

お兄様に?

 

 

「いったいどういう!?」

 

 

急に魔力が上がった。

誰がと言うのならこの中ではない。

 

 

「何なのこの魔力!?魔王クラスをはるかに超えてるわ!!!」

 

「ッ!!!師匠、攻撃が来ます!!!」

 

「っ!!変身!!!」

 

 

ランド・ドラゴン

 

♪~ダン・デン・ドン・ズ・ド・ゴーン!ダン・デン・ド・ゴーン!

 

 

神崎さんが黄色いウィザードへと姿を変えた。

 

 

「後ろに!!!」

 

ディフェンド・プリーズ

 

 

音声とともに私達の前に厚い土壁が出現する。

そのあとすぐだった。

 

土壁の周りが黒炎に飲み込まれた。

 

 

「いったい何が起こってるの!?」

 

「クソッ!!持ってくれよ!!!」

 

 

土壁に少しずつひびが入ってきたが、次第に黒炎が弱まってきた。

炎の放出が完全に止まった。

 

 

「なんて威力なのよ・・・」

 

 

私達のいた旧校舎はほとんど消え去ってしまった。

 

 

「ヒッ!!!!」

 

「何だよ・・アレ・・」

 

 

イッセーのほうを向くとすぐに視界に入ってきた。

 

 

「あ・・ああ・・・」

 

 

とても巨大な黒炎の鳥。

 

 

「KYUAAAAAAA!!!!!」

 

 

~Side out~

 

 

~Side:イッセー~

 

 

「KYUAAAAAAA!!!!!」

 

 

怪鳥の大きな鳴き声が耳を突き刺す。

 

 

「あんなでけぇヤツどうやって倒せば」

 

「グッ!!」

 

 

目の前にいた師匠の変身がとけ、片膝をついた。

 

 

「師匠!?大丈夫ですか!!!」

 

「ああ、大丈夫だ」

 

 

先程までとは違い、額に汗が浮かんでいる。

 

 

「KYUAAAAAAA!!!!!」

 

「動きだしたわよ!!」

 

 

怪鳥はその場で羽ばたくと数えきれない量の黒炎の弾が落ちてくる。

今の師匠じゃ防げない。

 

 

「ドライグまだ行けるか!!!」

 

{相棒が少し回復したからな、蓄えていた力をつかえ!!!}

 

Explosion!!

 

 

気と魔力を練り合わせてドーム状に広げる。

 

 

Dシールド!!!

 

 

赤い半透明のエネルギーで周りを囲んだ。

黒炎弾が次々とシールドに当たる。

 

 

「クッ・・・重てぇ」

 

 

正直言って今の俺じゃ数分もつかどうかわからない。

 

 

「神崎さん、何とかならないの!?」

 

「・・・あの不死身の怪鳥を無力化する方法はある」

 

 

神崎さんは立ち上がり、俺達に対し笑みを返した。

 

 

「だったらそれを!!」

 

「ああ、今から実行するよ」

 

 

神崎さんは再び俺の前に立ち、シールドの壁際まで移動する。

 

 

「師匠ッ・・」

 

「一誠、俺が変身する時と同時に俺をシールドの外に出すんだ」

 

「いったい何をするんですか?」

 

「見てればわかるさ」

 

 

神崎さんは左手に機械、右手に三枚の緑色のメダルを出現させた。

 

 

「ダメです師匠!?それは!!!!」

 

「一誠・・・」

 

 

師匠は振り返らず腰に機械を当てる。

機械から帯が出現し、腰にまかれる。

 

そしてメダルを一枚一枚ベルトへと入れていく。

 

 

「後は頼んだ」

 

”チャキ”

 

{♪~}

 

 

機械から音が流れる。

それと同時に師匠はベルトの右にある丸い機械を手に取る。

 

それを見て俺は覚悟を決めた。

 

 

「俺の命に代えても生徒も弟子もライザー、アンタも救って見せる」

 

 

”キンッ!!”

 

”キンッ!!”

 

”キンッ!!”

 

 

「変身!!!」

 

 

その言葉と同時に俺は師匠をシールドの外に出す。

今直降り続けている黒炎の玉が師匠を襲うが、師匠の周りに舞う数十枚のメダルにより師匠の元には届いていない。

 

 

クワガタ!!カマキリ!!バッタ!!

 

 

虫の名前が機械音からなり三匹の虫のメダルが手前に止まる。

 

 

♪~ガ~タガタガタ・キリッバ!!!ガタキリバ!!!

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 

 

緑色の戦士へと姿を変える。

そして師匠の雄たけびに呼応したがごとく緑色の雷が発生した。

 

 

「きゃあああああ!!!」

 

「いったい彼は何をしたの!?」

 

「『ガタキリバコンボ』・・・・」

 

 

俺は師匠の今の姿について聞いたことがあった。

 

 

 

========================================

 

 

まだ俺と師匠が出会って間もない時だった。

 

 

「『欲望の王』ですか・・・・」

 

「まぁ、二代目の火野映司さんは自分の手の届く人を救いたいという欲望のおかげで先代の様にはならなかったけどね」

 

 

俺は師匠の変身に興味を持ち、色々と説明を受けていた。

 

 

「聞いてる感じだとかなり強い仮面ライダーですよね」

 

 

18枚のメダルを用いて多種多様な戦術を繰り広げられる仮面ライダー。

それに・・・

 

 

「『コンボ』なんてもはやチートですよ」

 

 

三枚の同色のメダルで変身する『コンボ』。

どの形態も亜種形態で使うよりも能力がより向上されており、怪人勝てんの?ってレベルだった。

 

 

「特に『ガタキリバ』はチートすぎますよ」

 

「まぁ。最強のコンボとも言われるぐらいだしね」

 

「クウガとかよりも便利なんじゃないですか?」

 

「そうともいえないさ」

 

 

師匠は六枚のコインを出す。

右手には緑三枚。

左手には赤、黄、灰色の三枚。

 

 

「コンボは亜種フォームに比べ、変身時の負担が大きすぎるんだ」

 

「負担ですか?」

 

「俺の変身は基本、体力や生命エネルギーの様な物をコストとしているみたいなんだ」

 

「それがコンボだと・・・」

 

「ゴッソリ持ってかれるね」

 

 

師匠の話だとコンボは身体の調子が良くても10分も変身が持たないらしい。

 

 

「それにガタキリバの能力もメリットだけじゃない」

 

 

師匠からガタキリバのデメリットを聞き、驚愕した。

 

 

「ガタキリバって強いですけど一番変身したくない変身なんじゃないですか?」

 

「確かにね、この力が必要にならないことを願うばかりだよ」

 

 

========================================

 

 

「フンッ!!!!」

 

 

『オーズ』は雷の放出を止め、動きを止めた。

すると一人、また一人とどんどん自身の分身を出現させた。

 

 

「分身!?」

 

「神崎さんは忍者だったんですか?」

 

 

ガタキリバの能力『分身生成』

最大50人まで分身体を作れる能力。

スペックの低下はなく、本体と同じスペックの分身を作れてしまう。

 

つまりは単純計算では50倍戦力がアップする。

 

 

「やめてください師匠!!!!」

 

 

俺の声に対して師匠は振り返らなかった。

師匠はこの後、自分の体がどうなるのかわかってるはずだ。

 

ガタキリバの分身体はすべて感覚を共有している。

1人が怪我を覆えばそのダメージも共有してしまう。

 

50人がダメージを受けると自身が喰らうダメージも50倍になって返ってくる。

しかも大量の情報を共有しているため、脳にも大きな負担がかかる。

 

まさに最強であり、リスクの大きい変身だ。

 

 

スキャニングチャージ!!!

 

 

1人がベルトのメダルに対し、オースキャナーを通す。

 

 

 

{{{{{スキャニングチャージ!!!}}}}}}

 

 

そして他の分身体も続けざまにメダルをスキャンする。

数人がその場でジャンプし、怪鳥に足を向ける。

 

 

「「「「「「セイヤーッ!!!!!」」」」」」

 

「KYUAAAAAAA!!!!!」

 

 

次々とオーズのライダーキックが当たる。

もう体の再生も追いついていない。

 

 

「これだけの攻撃を一度に!!これなら!!」

 

 

たしかに勝利は確実だ。

 

 

「終わりだライザー」

 

スキャニングチャージ!!!

 

 

最後の一人が高くジャンプする。

足に緑色のエネルギーを纏い、怪鳥に向け足を突き出す。

 

 

セイヤーッ!!!!!

 

「KYUAAAAAAA!!!!!」

 

 

怪鳥に当たるとそのまま爆発を引き起こし、煙の中から二人の影が落ちてきた。

 

1人は『オーズ』。

そのまま着地し、もう一つの人影が落ちた方を見る。

 

もう一人は元の姿に戻ったライザーだった。

アイツはそののまま地面に落下していった。

そのライザーの体から急に黒いメダルが三枚出てきた。

 

師匠はすかさず剣を出現させ、その剣に銀色のコインを3枚挿入した。

オースキャナーを剣にかざすとベルトのメダルをスキャンした時と同じ音声が流れた。

 

 

スキャニングチャージ!!!

 

「フンッ!!!」

 

 

黒いメダルに対して斬撃が飛び、そのままメダルは粉々に砕けた。

 

 

「勝った・・・勝ったわイッセー!!!」

 

「やりましたね!!!」

 

「師匠・・・・・」

 

 

喜ぶ部長とアーシアに目を向けず、いまだこちらを振り向かない師匠に目を向ける。

師匠は自身の持つ剣を手放し、剣を足元に落とす。

 

 

そして変身が解かれた。

しかし、師匠の変わり果てた姿に俺を含めた全員が顔を青ざめる。

 

 

膝から足元にかけて真っ黒に焦げており、体のいたるところに火傷と傷が出来ている。

はっきり言って俺の時よりもひどかった。

 

師匠はそのまま前に倒れ始める。

 

 

「師匠!!!!!」

 

 

俺はまだ痛む体を無理に動かし、師匠を受け止めた。

 

 

「嘘・・・だろ!?」

 

 

呼吸が止まってる。

 

 

「アーシア!!!」

 

 

すぐさまアーシアに声を掛けるが彼女は動かず目の前の状況を理解できず静止していた。

 

 

「アーシア!!!神崎さんを死なせる気か!!!」

 

 

俺の怒気を含む声に、ようやく反応しすぐさま神器の光を師匠に当てた。

 

 

「いやっ!!!いやぁー!!!死なないで!!!!」

 

「っ!!!!見てないで手伝え!!!!」

 

 

震えて見ていた部長に対しても声を荒げた。

一瞬びくっと体が反応し、すぐさま師匠の蘇生を手伝った。

 

 

「頼むよ・・・死なないでくださいよ師匠!!!」

 

「「神崎さん!!!!」」

 

 

心臓マッサージと人工呼吸を繰り返して数分。

 

 

「カハッ!!・・・ヒュゥ・・・」

 

「息を!?」

 

 

師匠が息を吹き返した。

 

 

「心臓も動いているわ!!!」

 

 

部長が胸に耳を当て、心音を確認した。

 

 

「よかった・・・本当に・・・」

 

 

目から涙が溢れ出た。

手で拭っても溢れ出てくる。

 

そして、俺達の足元に魔方陣が出現する。

魔方陣が光り、俺達は転送された。

 

 

 

 

To Be NEXT ⇒




01イイね!! ~次回予告~


ひ「01色派手!!スーツシンプル!!イイね!!」

イ「ああ、しかもAIとロボットがテーマってのも仮面ライダーらしいところだな」

ひ「しかも主人公が社ちょ」

神「私を呼んだのは誰だぁぁぁぁ?」

ひ・イ「「いいえ、呼んでいません神、帰ってください」」

神「社長ライダーだと!!!そんなバグは神である私が排じy」

ひ・イ「「うるせぇ!!帰れ!!」」



次回予告ゥゥゥゥ!!!!


{ライザー・フェニックス様は神崎様に再戦を望まれています}

{タカ!!クジャク!!コンドル!!}

{来い!!神崎正義!!!}

{・・・行きます!!!}


ハイスクールD×D×R 仮面の英雄の物語

2×9:赤き羽根、羽ばたきます!


神「それで私の出番はいつかな?」
 
ひ・イ「「ねぇよ!!!」」


チャン♪チャン♪


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2×9:赤き羽根、羽ばたきます!

え~大変長らくお待たせしました。
約一年以上殻にこもっていました・・・すいませんでした!!!

なかなか文章等も思いつかず読専になっておりました。
ですが久しぶりに感想をいただき、また筆を進めることができました。

作りだめしているわけではないのでポンポン更新はできませんがまだまだ書き続けたいと思います。

これからも応援よろしくお願い致します。


~Side:マサヨシ~

 

 

「っ・・・ここは」

 

 

目が覚めると照明の光が自身の目に当たる。

次第に目が慣れ、辺りを見てみたらどうやら病室の様だ。

 

 

「体は・・・動くか」

 

 

俺は体を動かし、足をベッドの外へ向け縁に座る姿勢をとった。

 

 

「お目覚めになられたようでなによりです」

 

「グレイフィアさん・・・」

 

 

声の方に顔を向けるとグレイフィアさんが部屋の扉から入ってきた。

 

 

「お身体の具合はいかがでしょうか?」

 

「傷も残っていないし、後遺症なんかも無いようです」

 

「そうですか、5日間も目を覚まされなかったので皆心配しておられましたよ」

 

「5日も…通りで身体の動きが鈍いわけですね」

 

 

やっぱりあの体の状態でコンボフォームは負担がかかりすぎだったか。

しかも使ったコンボは『ガタキリバ』、傷だけならアーシア達が治癒できるが、脳への負荷や身体の疲労はどうにもできず、五日も眠ってしまったか。

 

 

「ちなみに一誠達はどうなりましたか?」

 

「リアス様含めた眷属皆様は一誠様を除いて大きな怪我はありませんでしたので軽い処置を施しました」

 

「一誠様は火傷や左手の件もございましたが1日だけ入院し、現在は退院しています」

 

「そうですか・・・・」

 

 

確かにアンクの偽物、いやここはライザーさんが変身していたことからフェニックスグリードと名付けるとして今まで戦った怪人や悪魔より群を抜いて強かった。

俺が来るまで一誠はみんなを守り切った。

 

 

「ほんとすごいなぁ一誠は」

 

「今何か言いましたか?」

 

「いや、みんな無事でよかったなって」

 

 

あの凶悪な怪人を前にみんな無事に生還できた。

そのことを確認できただけで肩の荷が下りる。

 

そこで俺はライザーの存在を思い出した。

俺はメダルを切ってからすぐ気絶してしまいライザーさんの安否を確認していなかったためグレイフィアさんにライザーの安否を確認した。

 

 

「ライザー様も大きな外傷はありませんでしたが目を覚まされなかったので入院し、2日前に目を覚まして退院されています」

 

傷の方はフェニックスとしての治癒能力で何とかなったが、目を覚まさなかったのはグリード化による影響だろう。

ライザーの使用したメダルは黒色と聞いたがアンクの怪人態に類似していたことから『タカ』『クジャク』『コンドル』の鳥類メダルを使用していた可能性が高い。

それならばコンボ状態と同じように負担がかかるため昏睡状態になることも考えられる。

 

問題はそのメダルを誰が製作したかだが・・・

 

 

「神崎様、お目覚めになられてこのことを言うのは酷だとは思いますが言わせて頂きます」

 

「グレモリーさんの婚約の件ですか?」

 

 

途中の乱入があった為、ゲーム自体無効になったはずだ。

今回のゲームの主旨はリアスさんの婚約。

ゲームをまた再開して勝敗を決めるのか、ライザーがどう出るのかにもよるが・・・

 

 

「いえ、その件は破談となりました」

 

「・・・え?」

 

「ライザー様曰く『俺はあの時すでに赤龍帝に負けていた』との事でした」

 

「なるほど・・・」

 

 

今回のレーティングゲームではある情報が足りなかった。

それはライザーの不死性がどれ程の物かという点だった。

不死とは言っても体を再生させたりするのにエネルギー等を当然使うし、傷つき回復するを繰り返していけば精神的にも負担がかかる。

 

過去の試合などは出来レースがほとんどでそれ以外の試合もライザー自身が窮地に立つような戦いが起きていなかった。

 

そのため、ライザーの不死性がどれほど攻撃に耐えられるかが把握しきれなかった。

加えて一誠は禁手の力を得たが長時間維持できない欠点があった。

 

だからこそ勝率が予想できず、一誠の火力が勝つかライザーの耐久が勝つかの賭け勝負だった。

 

 

「賭けには勝てたということか・・・」

 

「どうかなさいましたか?」

 

「いえ、話の腰を折ってしまってすみません」

 

「では話を続けさせていただきますがライザー様がその後、神崎様に対してこうおっしゃられてました」

 

「私に対してですか?」

 

「ええ、『あの人間と再び戦う場を設けろ』・・・と」

 

「・・・ん?」

 

「つまり、ライザー・フェニックス様は神崎様に再戦を望まれています」

 

 

まて、どうなっている?

なぜ俺を指名する?

 

あのライザーさんの一通りの言動や態度からレーティングゲームの再戦もしくは一誠との一騎打ちを望むものだと考えるが何故だ?

 

 

「ライザー様は他に何か?」

 

「いいえ、ただ・・・・」

 

 

グレイフィアさんから深いため息がこぼれる。

この人がここまで困るとしたら身近な人物の事だろう。

 

 

「いいですよ、ライザー様の再戦を受けますよ」

 

「しかし・・・」

 

「魔王様もそれを望んでいるみたいですしね」

 

「!?・・・やはりあなた様は底の知れないお方ですね」

 

「ちょっとした心理考察でたいした技術じゃないですよ」

 

 

俺はグレイフィアさんとこの後のことについて話し合った。

 

 

「明日ですか!?」

 

「ええ、明日がいいですね」

 

「ですが・・・」

 

「あと、これを用意してもらえませんか?」

 

 

俺は病室の机に置いてあったメモ用紙にこのあと必要になるものを記載しグレイフィアさんに手渡した。

 

 

「このリスト・・・やはりまだ」

 

「一誠達には内緒でお願いします」

 

「・・・承知しました」

 

 

彼女はその言葉を残し、魔方陣によって転移した。

 

 

「さて、俺も準備を進めないとな」

 

 

俺は机の上の私服に着替え、病室を出た。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:リアス~

 

 

私達は今、いつもの様に部室に集まっている。

ただ、いつもの様な賑やかさはなく、とても暗く静かだった。

 

その原因は今ここにいない人物によることだった。

 

 

「なぁ木場、俺を殴ってくれ」

 

「イッセー君何度も言うけど君のせいなんかじゃ・・・」

 

「俺がライザーに勝てなかったから、俺が師匠を止められなかったから」

 

 

神崎先生の意識が戻らず5日が経過したけれどイッセーはこのようにずっと自分を責めていた。

 

 

「イッセーだけの責任じゃないわ、無関係の神崎さんを私の私情に巻き込んでしまったのがそもそもの原因なんだから、そんなに自分を責めないで」

 

「でも俺は師匠がああなることがあらかじめ分かっていたんですよ、自分達が助かるために見放したんですよ」

 

「そんなこと・・・」

 

 

無いとは言い切れなかった。

私とアーシアはともかくイッセーは神崎さんがあの緑色の姿に変身するのを反対していた。

私は神崎さんがあの怪鳥と対峙するのを見て、助かった、よかったと思っていた。

 

だけどそのあと神崎さんは倒れ、命の危機に陥った。

 

最初は何が起きたのかわからなかった。

怪鳥を圧倒した人物が変身する前の姿よりボロボロで倒れた。

 

「何で?」「何が起きたの?」と頭の中で繰り返され、イッセーの表情でさらに頭の中が真っ白になった。

 

 

『嘘・・・だろ!?』

 

 

神崎さんの心臓が止まり、呼吸もしていなかった。

私はイッセーの怒声が聞こえるまで動けなかった。

 

神崎さんにあの変身を促せたのは・・・私。

滅びの魔力でどうにかできると思っていたのも・・・私。

レーティングゲームをするきっかけを作ったのも・・・私。

 

 

「全部私が原因じゃない・・・」

 

「リアス・・・」

 

 

再び沈黙が続いたがその静寂を打ち消すように誰かの携帯の着信が鳴った。

それと同時に魔方陣が現れた。

 

 

「急にお邪魔して申し訳ございませんリアス様」

 

「グレイフィア・・・なにかしら?」

 

「急な話なのですが明日サーゼクス様のお屋敷で貴族悪魔達の会合が開かれることになりました」

 

「どういう事かしら?」

 

 

お兄様が貴族と会合することはあっても別に私は関係しないはずなのだけれど・・・

 

 

「サーゼクス様がリアス様並びに眷属の皆様を会合に連れてくるよう仰せられております」

 

「何で私たちが・・・それに今は「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」イッセー!?」

 

 

イッセーの大きな叫び声に言葉が途切れた。

 

 

「どうしたんだいイッセー君?」

 

「師匠が・・・・」

 

「神崎先生が・・・・」

 

「病室から消えた」

 

 

病室から消えた。

その言葉に反応したのはグレイフィアだった。

 

 

「その件に関してはご安心ください」

 

「グレイフィア・・・何を隠しているの?」

 

「隠しているわけではございません、ただ今朝神崎さまが目を覚まし、『少し用事があるから他のみんなによろしく伝えておいてくれ』と言伝を頼まれました」

 

 

用事っていったい何を考えて・・・

 

 

「リアス様、真実を知りたければ明日の会合に来てください」

 

「あなたは・・・・・いいわ、参加するわよ」

 

「わかりました、皆様の服装はこちらで用意させて頂きますのでこの時間にこちらの魔方陣を用いて転移してください」

 

 

グレイフィアから一枚の招待状と転移の魔方陣が記されてるスクロールを受け取り、グレイフィアはこの場を去った。

 

 

「みんな・・・聞こえてたと思うけど明日は魔界に行くわよ」

 

「貴族の会合ですよね?」

 

「なぜ私達が呼ばれるんですか?」

 

「たぶんだけど・・・」

 

 

グレイフィアの言い方だとそれしかないわよね。

 

 

「神崎さんも明日その会合に現れるはずよ」

 

「なんで師匠が悪魔の会合に・・・」

 

「それは分からないけど・・・明日になればすべてわかるわ」

 

 

そして夜が明け、翌日私達は魔界へと転移した。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:イッセー~

 

 

「なんかあまり似合っていないような・・・」

 

「そんなことないよイッセー君、よく似合ってるさ」

 

 

俺達は今、サーゼクス様のお屋敷で貴族の会合に出席するべく用意された赤いスーツに着替えている。

ちなみに木場は白いスーツを着ている。

 

 

「どうにも着せられてる感がな・・・・」

 

「でも確かにスーツ姿のイッセー君はあまり想像できないかも」

 

「ちなみに想像するなら?」

 

「えっと・・・道着か学ラン?」

 

 

たしかに俺もそう思ってしまうあたり、スーツ姿は違和感があるんだよな。

 

 

「さてと、着替えも終わったし行こうか」

 

「ああ」

 

 

俺と木場が扉を開けるとそこにはドレスに身を包んだ女性陣が立っていた。

 

 

「みなさんお似合いですね」

 

「祐斗くん、ありがとうございます」

 

 

朱乃さんのドレスは濃い紫色のドレス、

小猫ちゃんは白いドレス、

アーシアは薄い緑のドレス、

部長は髪と同じ、紅いドレスを身に纏っていた。

 

 

「・・・・」

 

「ちょっとイッセー、何か言うことはないのかしら?」

 

「・・・・」

 

「・・・イッセー?」

 

「あの部長、イッセー君が気絶してます」

 

{・・・・相棒}

 

 

後から聞いたが、女性陣が苦笑いを浮かべていたそうだ。

 

 

=================================

 

 

意識を戻した俺は辺りを見渡すと廊下から移動していて、広い部屋にいた。

 

 

「イッセー、目が覚めたのね」

 

「あっ、ぶ」

 

 

部長のドレス姿が目に入り、自然と意識を遠のか

 

 

「はい、戻ってきなさいイッセー」

 

「うぉっ!!!はっはひ!!!」

 

「イッセー、確かに禁欲してることは知ってるけどこれぐらいは慣れなさい」

 

「はい!!!善処・・します・・」

 

 

いつもの制服ならまだしもドレスだと大きな胸元が強調され、更には露わになる谷間、スカートから出るすらっとした足。

 

まさしく童貞殺しであると俺は宣言しよう。

 

 

(ドライグ・・・落ちかけたら頼む)

 

{(以前よりかはまともだがもっとしっかりしてくれ相棒)}

 

 

俺は少し気分を変えようと辺りを見渡すとこの場所にとある違和感を感じた。

 

 

「あれ?なんでライザーの眷属しかいないんですか?」

 

「イッセーも気づいたわね」

 

 

この場には俺達以外にはライザー以外の眷属がそろっており、他に悪魔の姿は一人も見られなかった。

 

 

「皆様、お揃いになられたようですね」

 

 

魔方陣からグレイフィアさんが現れた。

 

 

「グレイフィア、皆様ってどういう事かしら」

 

「あら?あなた達は何も聞かされていないのかしら?」

 

 

爆弾女王は口元に笑みを浮かべて言っていた。

 

 

「それじゃあ、あなた達はこれが何の集まりか知っているという事なのね」

 

「ええ、そもそもここに」

 

「おっと、そこから先は私が説明するよ。」

 

 

俺達が入ってきた扉から一人の見慣れない赤い髪の男性が入ってきた。

その男性が入ってきた時に感じてしまった。

 

外には出していないが圧倒的なまでの魔力量と隙のなさを肌で感じた。

 

 

「サーゼクス様!!」

 

「お兄様・・・・」

 

 

サーゼクス?

お兄様?

 

待て待て、聞き覚えがあるような・・・・

 

 

{現魔王のサーゼクス・ルシファーだ}

 

「ああ、成る程・・・・ってえぇぇぇぇ!!!!」

 

「やぁ兵藤一誠君、君のうわさは聞いているよ」

 

 

サーゼクス様は俺の前に右手を出した。

握手ってことだよねぇ?

 

 

「どっどうも、リアス様の兵士をつつ務めております一誠、兵藤です!!!」

 

「ハハッ緊張しなくてもいいよ、君ならリアスを任せられそうだと思うしね」

 

「いえっ!!滅相もございません!!」

 

「まぁ、また今度ゆっくり話そうか」

 

 

俺なんかやっちまったかなぁ・・・・

俺との会話を終えたサーゼクス様は奥にある玉座に腰かけた。

 

 

「まずはみんな今回は集まってくれてありがとう、それとリアス、君をだましてしまいすまない」

 

「やっぱり会合っていうのは嘘なんですねお兄様」

 

「ああ、今回みんなに集まったのはコレを見てもらうためだ」

 

 

サーゼクス様が手をかざすと部屋の中心にある映像が映った。

 

 

「これはコロシアム?」

 

「兵藤君正解だ、これは今回使う会場を直接中継している」

 

 

コロシアムってことは戦うってことだよな。

いったい何をするってんだ。

 

 

「お兄様・・まさか」

 

「この前のレーティングゲームは無効試合となったがある勝負に対して納得していない人物が居てね」

 

 

その人物はすぐに思い浮かんだ。

この場にいない人物。

 

 

「ライザー・・・・」

 

「それも正解だ兵藤君、彼はある人物と再戦を望んだ、だから私がその場をもうけさせてもらった」

 

 

モニターの映像が切り替わり、ライザーを映した。

 

 

「ここの声はコロシアムにも聞こえるようになっているし、その逆も同じ」

 

{おい、聞こえているか赤龍帝}

 

「ライザー・・・言っとくがお前に部長は」

 

{俺はリアスとの婚約をすでに破棄した、その話を掘り返すつもりもない}

 

 

ライザーはきっぱりと部長と結婚しないと言い切った。

その言葉に少し安堵を覚えながらも続けて質問を投げる。

 

 

「じゃあなんで再戦なんてする必要があるんだよ」

 

{・・・来たか}

 

 

今度の質問には答えなかったが、ライザーはコロシアム出現した魔方陣に目をやる。

赤い魔方陣からは俺達のよく知る人物が現れた。

 

 

「師匠!?」

 

「何で神崎さんが!?」

 

 

俺達が驚く中、グレイフィアさんが説明を続けた。

 

 

「ライザー様が神崎様に対して再戦を望まれたのです」

 

「ちょっと待ってくれ!!師匠はまだ」

 

{一誠、俺がこの日にしてもらうよう頼んだんだよ}

 

{それにこの前のような無茶はしないから}

 

「・・・わかりました」

 

 

師匠はいったい何を考えているのか全く読めない。

俺はまた師匠の戦いを見ることしかできないのか。

 

 

~Side out~

 

 

~Side:マサヨシ~

 

 

俺は上空に移された一誠たちを見て安堵する。

無事だと話には聞いたけれどそれを映像越しに確認できただけで少し楽になった。

 

 

「さてライザー様」

 

「・・・態度を崩せ、そのほうが戦いやすいだろ」

 

「・・・・ではお言葉に甘えて」

 

 

まさか彼から砕けた態度を白だなんて言われるとは想定外だった。

 

 

「ライザーさん、一つだけ質問させてください」

 

「なんだ?」

 

「なぜ俺なんですか?」

 

 

なぜ俺との再戦を望んだのかが気になっていた。

破談の件もライザーから直々に申し出たらしい。

理由としてはないに等しいはずだ。

 

 

「俺がお前に負けたからだ」

 

「えっ、それだけ?」

 

「それだけだ」

 

 

まさかの解答である。

ただ、らいざーの表情や声色から推測するに負けを認めてないからってわけではなさそうだ。

そこでライザーは続けた。

 

 

「俺は化け物に姿を変えた際の記憶がない・・・・というより負の感情と溢れる力に自我が欠落していった」

 

「そして目を覚ましたらベッドの上だったというわけだ」

 

「つまり、納得していないと・・・」

 

「そういうわけではない、ただいつもの俺より強い怪人を倒した力を自身の目で確かめたかったそれだけだ」

 

 

そう言うと目をぎらつかせニヒルな笑みを浮かべる。

・・・なんか以前あった時とかなり人物像が異なるが本当に同一人物だろうか?

 

 

「理由はわかりました、ありがとうございます」

 

「おい神崎正義、これを飲め」

 

 

彼が一本の瓶を投げてきた。

 

 

「フェニックスの涙だ、傷は治っても全快じゃないんだろ?」

 

「これはどうも、ありがたく使わせてもらいます」

 

「礼はいらん、眷属を救ったこと俺を正気に戻した礼だと思えばいい」

 

 

・・・なんか調子が狂うな。

まぁでも自身で調合して飲んだ秘薬で誤魔化している体には効き目があると考えその場で飲ませてもらった。

 

・・・さすが異世界といったところか体の疲労感がかなり良くなった。

体調も万全に近くなったところで俺はライザーさんに本題を持ち掛けた。

 

 

「ライザーさん、今回の試合について相談があるんですが」

 

「・・・なんだ」

 

「制限時間は三分、ライザーさんが降参もしくは戦闘不能で俺の勝ち、三分経過で俺の負けというルールでお願いします」

 

「貴様、ふざけているのか」

 

 

そういうと周囲の温度が上がる。

ライザーさんが怒るのも無理はない、はたから見ればこのルールは強者が弱者に対して出すようなルールだからだ。

 

 

「ライザーさん、これには理由がある」

 

「ほぅ・・・」

 

 

そして俺は三枚の赤いメダルをライザーさんに投げ渡す。

 

 

「このメダルは!?」

 

「あなたが怪人になった原因のメダルの原物・・・ですかね」

 

「貴様!!!」

 

「勘違いしないでください、あのメダルを作ったのは俺じゃない」

 

「つまり別勢力が貴様のそのメダルを模して作ったと・・・」

 

 

その可能性は極めて低かった。

オーズに変身したのは練習を含め三回のみ。

さらに人目につかないようヘルヘイムの森で変身を行っていた。

 

だとすると乱入してライザーにメダルを使わせた黒いフードのやつだが・・・

明確な答えはないため、ここはライザーさんの解答に頷く。

 

 

「まぁ今はいい、それでこのメダルがなんだ?」

 

 

ライザーさんは俺にメダルを投げ返す。

 

 

「まず俺の変身するオーズについて軽く説明します」

 

 

手元に『トラメダル』『バッタメダル』を出現させ見せる。

 

 

「さっきの赤いメダルや今手元にある黄色や緑のメダルこれを『コアメダル』といいますが

それを三枚使って変身します」

 

「こんな風に」と言って腰に『オーカテドラル』を出現させ右から『タカ』『トラ』『バッタ』の順番でくぼみに差し込み『オーカテドラル』の右側を上に弾き傾ける。

ベルト右側に装着されている円形の機械『オースキャナー』で三枚のメダルを読み込む。

 

 

”キンッ!!”

 

”キンッ!!”

 

”キンッ!!”

 

 

「変身!!」

 

{タカ!!トラ!!バッタ!!}

 

 

レーティングゲームの時と同様に俺の目の前で頭、胸、腰に色とりどりの丸い紋章が回転し、頭に赤いタカの紋章、胸にトラの紋章、腰にバッタの紋章が止まる。

 

 

{♪~タットッバッ!!タトバタットッバ!!!}

 

 

歌がスキャナーから流れると三つの紋章が一つになり俺の体に黒いスーツが形成される。

頭部はタカの紋章に緑色の複眼の仮面、腕部には爪状武器『トラクロー』がついた黄色い小手

脚部には昆虫の足のような緑のデザインが浮かぶ、そして、胸部には赤いタカ、黄色いトラ、緑のバッタの三つ紋章が一つの金枠の丸い円形に収まり描かれていた。

 

 

「これが欲望の王、オーズの姿だ」

 

 

俺の変身に辺りは静まる。

 

 

「・・・一ついいか」

 

「何ですか?」

 

「その歌はなんだ?」

 

「・・・気にしないでください」

 

 

やはりそこに食いついてしまうか。

正確には効果音が歌のように聞こえるというのが正しいのだがここでは割愛させていただく。

 

 

「まぁ、こうして三枚のコアメダルを用いて姿を変えるのですが色の違うメダルを一枚でも含めた形態を亜種フォームといいます」

 

「ふむ・・・」

 

「そして三色すべて同じ色のメダルを用いた形態をコンボフォームといいます」

 

 

実際は現在変身してる『タトバ』もコンボフォームではあるがここも今説明を入れるとややこしくなるので割愛。

 

 

「亜種とコンボの違いは簡単に言ってしまえば性能ですね」

 

「色の同じメダルは描かれている紋章の系統が同類になっています」

 

クワガタ、カマキリ、バッタの昆虫系が緑、ライオン、トラ、チーターの猫科系統が黄色と実際にメダルを出現させライザーさんに見せる。

 

 

「そして・・タカ、クジャク、コンドルの鳥類系統の赤いメダル」

 

 

先ほど見せた赤いメダルを再び出現させた。

 

 

「このように同じ系統のため相性がよく亜種フォームの時より各メダルが共鳴し、互いに性能を高めるしくみになっています」

 

「ただデメリットもあります」

 

「もういい、言いたいことはわかった、つまりは燃費が良くないんだろそのコンボとやらは」

 

「ご明察通りです、全快の状態で10分変身が持てばいいほうですね」

 

 

ライザーさんも俺の考えてることがどうやら読めたようだ。

そう今回俺は・・・

 

 

「つまりお前は・・・」

 

「「コンボフォームで俺(ライザーさん)と戦う」」

 

 

そして俺はベルトの『トラメダル』と『バッタメダル』を抜いた。

そしてそこに赤いメダルを2枚を装填する。

 

「いいだろう、そのルールのんでやる!!!ただ・・・」

 

 

オースキャナーを手にい、再度オーカテドラルを傾ける。

その瞬間、俺に対し熱風が吹く。

 

 

「たった3分でこの俺が倒れると思うなよ人間!!!!」

 

 

炎の羽を出現させるライザーさん。

熱風とともに伝わる殺気。

レーティングゲームの時に感じた狂気じみた殺気とは違う獲物を狙う狩人のような鋭い殺気。

 

普通の人間ならここで震えて動けなかっただろう。

 

だがこのとき俺は・・・仮面の中で笑みを浮かべていた。

 

当てられてるのは殺気だが恐怖や嫌な気はしなかった。

 

 

(ふっ、戦闘狂になったつもりはなかったんだけどな・・・)

 

 

そしてオースキャナーでメダルを読み込む。

 

 

”キンッ!!”

 

”キンッ!!”

 

”キンッ!!”

 

 

すで変身してしまってるがこれがスタートの合図になるだろう。

 

 

「変身!!」

 

{タカ!!クジャク!!コンドル!!}

 

{♪~タ~ジャ~ドル~~!!}

 

 

「はぁーーーーー!!!」

 

 

胸部にデザインされた赤い紋章はまるで不死鳥のようなデザインに変わり、複眼は赤へと変わり仮面に造形された紋章の形状が変化。

肩には赤いアーマーに小手も赤い色に変化し、左手には胸の紋章と同じデザインが彫られた縦のようにも見える武器『タジャスピナー』が装着される。

脚部も赤いアーマーに変わり鳥の爪を表す金色の装飾がつま先の部分と足首の部分2箇所計3カ所に装飾されている。

 

俺の姿を見るとライザーさんは笑みを浮かべる。

 

 

「なるほど・・確かに俺と相性のいい力だったらしいな」

 

「いいだろう・・来い!!神崎正義!!!」

 

「・・・行きます!!!」

 

 

俺とライザーさんの準備が整ったことを確認したため、グレイフィアさんが合図を言う。

 

 

{制限時間は3分・・・それでは試合を開始します}

 

 

To Be NEXT ⇒

 




帰ってきた~次回予告~

ひ「俺・・・復活!!!」

イ「やっと戻ってきたな」

ひ「またしてすまなかったな主人公よ」

イ「別に気にしてねえよ・・・ただ・・・少しは心配したっつかー」

ひ「イッセー・・・・」

イ「ひま先・・・・」

ひ「いい雰囲気を台無しにするがお前がそんなこと言っても気持ち悪いだけだぞ」

イ「ほんとに台無しだよコノヤロー!!!」

ひ「グフカスタムッ!!!久しぶりのいいパンチだったぜ相棒(ガクッ)」

イ「はぁ・・・台本進めるか」


次回予告!!!!


{不死鳥の炎を甘く見るな!!!}

{タカ!!クジャク!!コンドル!!ギガスキャン!!}

{試合の勝者は・・・}

{俺の秘密は}


ハイスクールD×D×R 仮面の英雄の物語

2×10:秘密、明かされます!


 ひ「まだこの作品はモチっとだけ続くんじゃ」

 イ「全然続くわ!!!みんな次回最終回とかじゃないですからね!!!」

チャン♪チャン♪


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