神機霊装シンフォギア (岐阜のアーチャー愛媛)
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序章 第0話 その剣のお話

遠い遠い昔の事。これはまだ、神話のお話が現実であった頃のお話。伊邪那岐命(いざなぎのみこと)伊邪那美命(いざなみのみこと)が国産みをしてからずっと経ったある時の事。その日は年に一度の、神様方が一同に集まる日の事であった。その頃はまだ、国がハッキリと1つに纏まっているとは言い難い状況にあった。と言うのも、最初は些細な(いさかい)から始まった。とある境界線から向こう側のとある若い神様が差し出した物が黄金色に輝いていたのだ。それを見たこちら側の年老いた神様が悔しがり、こちら側に同じような物は無いかと仰り、そうして差し出されたのは白銀色に輝いた物だった。それを見た神様は大変喜び、向こう側の神様に喧嘩を売ったのだ。そうして始まった双方の対立。しかし、これに他の神様がその喧嘩を止めようと模索するも打つ手は無かった。そうしてとある国を二つに分ける大きな戦いが始まった。

 

 

…………いつの間にかここまで来た。と私は思った。神様方の大喧嘩から何年もたち、もうそろそろ飽きてくる頃なのだ。しかし、そんなに上手くは行かない。現に今の私達は追い詰められている。そして私が仕えている若い神様が一言、退却と言って私達は戦いに負けた。私達はその後ずっと逃げ続けた。神様を守り、無辜の民を守り、その上で新天地を目指した。途中で倒れていく仲間達。私は一人生きて良かったのだろうか?そう思いながら胸辺りに負った傷を見て、今日も祀られた祠の中で溜息をつく。自問自答を繰り返して幾年、ようやく私は死んだ。この場合はやっと死んだ、と言うべきか。しかし、肉体は死んでも私の相棒であった剣は消えなかった。私の相棒の剣は今、とある家で家宝として扱われている。あまり悪い気はしない。

 

 

ある日の事であったか。私の前に1人の少年が居た。どれだけ酷い目に会ったか、一瞬で見分けがついた。そしてその少年は私に他人に負けない力が手に入りますように、とお願いをした。しかし、私が感心したのは、その心を読んだ時である。あくまでも私を復讐の手段として使うだけでトドメは自分で刺す。と言うある意味で公平な心の持ち主であった。中々どうして面白い。と考えた私はその少年が何を為すのか気になった。少年がおぉーと私に気を取られているスキに心に入り込んでやる。それだけで良かった。4年の月日が経った。

 

 

 

僕が僕で無くなるのをハッキリと心で理解したあの日から、僕は夢を見る。その内容は、()()()()()()()()()()()()()の夢だ。どんな予知夢を見るかは、寝るまで分からないうえに、どうだっていいこと、例えば今日の夕飯はなんになるのか?とか、今日1日にどんな事件が起こるか?とかだ。ただ、今日のは違っていた。それは、どこかわからない大きなホールで、2人の少女が沢山の異形を相手に戦っている。そして、その少女の片方が死んでしまうと言う夢だった。ああ、なんて悲しい事なのだろう。救えるはずの命が消えてってしまうのなんて、いつまで経っても、それが例え夢であっても、胸糞悪くなってしまう。




〜次回予告〜

とあるホールを訪れた彼。そこで目にしたのは、夢で見たのと同じ物であった。その時彼はどうする?

次回、『絶望予知夢と希望未来』


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第1話 絶望予知夢と希望未来

夢を見た。悲しい悲しい夢。沢山の人が死んでしまう夢。僕が胸から血を流して倒れている夢。そんな夢を見たら、誰だって胸くそ悪くなる。

 

この時僕はまだ、ただの夢だ。と思って油断していた。昔はあれほど気をつけていたのをもっと早くに思い出すべきだったのだが。

 

ある日の事、僕はとあるホールに行く用事が出来た。とあるホールで有名な歌手がライブを行うのだが、その会場の整備や案内などをするボランティア活動に参加する友人が居たが、急な用事で行けなくなり、人数合わせの為に急遽僕が呼び出された。ついでに、その友人が僕を指名するというオマケ付き。あんにゃろ、今度あったらアイツが嫌いな食べ物をワザと送ってやろう!なんて事を考えながら僕は会場入りし、今日、ここで何をするのか、という説明を聞いてそれぞれの持ち場に行く。ちなみに僕の仕事は会場のドアの開け閉めをするドアマンの仕事。

 

 

あまり気が進まないが、それでも代理の役をしっかりと演じる。演じ初めてからだいぶ経った。中の様子はどうなんだろうか?なんとなく近くにあったチラシを見る。今日やってんのはあの「ツヴァイウイング」らしい。なるほどね。だからさっきから外も中も黄色い声援でうるさい訳だ。納得。と思っても、実際の所、僕は名前こそ知ってはいるが詳しくは知らないから、ほとんどスルーな状態だ。

 

この時僕はまだ、ノイズとか出て休みにならないかなー?なんて呑気な事を思っていた。ちなみに、ノイズとは、僕もあまり知らないが人に対して物凄く有害な奴で、聞いた話によるとノイズに触れられた人間は一瞬に灰になって死んでしまうらしい。人間がいる所に集まりやすく、その習性を生かして自衛隊がなんとか退治をしようとしている………らしい。ついでにノイズには知能が無いらしく、出てきた当初は人間も何回か対話を試みたが、結局効果は無いらしい………という噂を聞いたことがある。

 

 

………フラグからは逃れられない見たいだ。急に内部から、「ゴンゴンゴン」とノックが聞こえた。僕は当初、「ただお手洗いに行きたい人だろうな。」くらいにしか考えてなかった。ドアを開けると、そこにいた人々が我先に外へ逃げ出した。「ん?何があった?」と思う暇もなく、不気味な警報音が鳴り響き始めた。「この音はノイズが来た時に流れる音だ。マズい。一刻も早く逃げねば。」と思った。仕方ないので、ノイズに意味があるかどうかわからないがドアを閉めてから逃げようとした。しかし、目の前に転んでしまった小さな餓鬼がいるのを見て、出来なくなった。仕方ないので、応援を呼んでこの子を助けてから、ドアを閉めようと思った。しかし、どうにも連絡が来ない。試しに耳につけた小型のヘッドホンとマイクで僕以外が休んでいる所に連絡。通じたと思ったら、

 

 

 

ギャアアアアアアアアア

 

 

という音が聞こえて来た。おい、大丈夫か?と連絡しても返事が一切無い。これは死んでしまったのではないのか?と不安になったが、そっちは後で行くとして先ずは目の前のこの子を助ける事に。とりあえず背中におんぶして、外へ逃げる。外には、その子の母親だろうか?さっきの子とよく似た顔の女の人がいた。僕は近づいて声をかける。どうやら当たりだったようだ。その子と母親からお礼を言われる。嬉しかった。が、そんな感情に浸れない。すぐに連絡が来た。それもさっき連絡が入らなかった応援からだ。何だ?と言うと、助けてくれと、連絡が来た。僕はすぐに行動を開始。本部がある所に走る。しかし、途中で建物の柱が倒れていたりして体力を凄く消費してしまう。ようやく着いたら、もうそこは阿鼻叫喚であった。おい!と声をかけても返事は何も無い。瓦礫を除けると、そこにはステージが始まる(さっき)まで話していた人達が()()()()()。僕は恐怖で足がすくみ、立っていられなくなった。すると、瓦礫の1部が独りでに動き出した。僕はそれ見てすぐにそっちへ向かう。瓦礫の撤去をしてやると、息絶え絶えに成りながらも僕を見ている人が居た。大丈夫か?と聞くと、力なく首を横に振った。俺を見捨てて逃げろ。と彼が言う。僕は泣いてしまった。自分の不甲斐なさに。泣きながらも、しっかりしろ!と声をかけるが、目を瞑ってしまい、脱力して彼は倒れてしまった。しかしいつまでも泣いている訳にはいかない。すぐそこまで(ノイズ)が来ていた。仕方なく、僕は泣きながらも彼を見捨てて逃げる。

 

 

 

………ホールの方にはもうノイズは居ないだろう。と思っていた。それが間違いだったのかもしれない。沢山のノイズがそこに居たからだ。僕は、たまたま身を隠せる所が入ったドア近くにあったのでそこに隠れた。そして周りの様子を確認すると、ステージにはツヴァイウイングの2人なのだろうか?随分と派手な衣装で動き回っている。視線を観客席側に動かすと、そこには14、5の少女が居た。僕と同じで、ノイズに見つからないよう隠れている。とりあえず僕はその少女を助ける事にした。しかし、近づこうとした時にノイズに見つかってしまう。マズいと思った時に行動開始。僕は一気に走ってその少女を抱えると、さっき入ってきたドアめがけて走っていく。

 

 

 

………しかし悲しいかな、現実は非情である。ノイズに追いつかれ、後ろから体を貫通するようなパンチをくらった。咄嗟の判断で抱えていた少女を逃せたが、僕の体は()()()()()()()()()()()()()()()()。そして僕は膝をついてしまう。もう死ぬと思った時に思った。

 

 

()()()()()()()()()と。

 

 

 

………その時不思議なことが起こった。僕の体から稲妻が流れ出して、僕の体を貫いていたノイズにその電流が流れていく。そしてノイズは()()()()()()()()。意識が朦朧としている中で立ち上がり、その右の拳に先程の雷を纏わせる。そして一気に走り出し高く飛び、中央に居たノイズーー通称カルマノイズーーをぶん殴る。それでヤツは灰と化して消えた。ホッとしたのもつかの間、先程倒したハズのノイズがまた復活して来た。マズいと思うまもなく、僕は吹っ飛ばされ客席にダイナミックに着席失敗。体が全く動かなくなった。しかもさっきから血が溢れまくっている。もう一度、もう一度だけ起き上がってくれ、僕の体よ。と言っても、起き上がらない。カルマノイズが近づいて来た。もう駄目かと思ったが、その時に未来が見えてしまった。それは、『先程からノイズを倒していたオレンジ色の髪をした少女が自爆を図るとこ』であった。そんな事させてたまるか!の思いで足元フラフラの状態で立ち上がれた。そして、僕はいつの間にか持っていた短い、二本の剣をしっかりと握りしめて、カルマノイズと相対する。狙うはカウンターの一撃。それ以外は全く気にしない。そして僕は、その剣をノイズが来た所に重なる様に、カウンター気味で使ってやる。

 

 

………勝負は一撃で決まった。カルマノイズは今度こそ消え去り、僕は膝を着いて吐血する。そして僕は、ゆっくりと倒れ込んだ。




〜次回予告〜


あの惨劇から、2年がたったある日の事。またもやノイズが発生。そこで彼が目にしたものとは?


次回、『2年後のある一日』


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戦姫絶唱シンフォギア(無印編) 第2話 2年後のある日

〜前回のあらすじ〜

話をしよう。あれは今から、2年前のことだ。君達にとってはつい明日の出来事だが、私にとっては、そう、昨日の出来事だ。


あのホールはあの日(ノイズが襲来した日)から全く変わらずに居た。たくさんの瓦礫が無造作に散らばっている。どうやらここには僕の記憶が残ってない様だ。一瞬だけ記憶が戻り、うッ、頭が。というような事にはならなかった。どうやら僕は薄情な人なのかも知れないな。

 

 

 

僕が目を覚ましたのは丁度一週間前、あの日から2年が経った時の事である。起きた時に父母と妹らしき人が居た。記憶を失う前の僕には居たようだ。そして、あの日にやった事が僕を『英雄』としたようだ。なんでも、あの場でドアを開けて観客を逃したのが被害を減らす一因と言うか要因になった。その為に人類を救った英雄となったらしい。しかし、今の僕にはどうでもいい事だ。例えそれが自分の事でも、記憶を失っている以上他人事なのだから。

 

 

………そろそろ帰ろうかと思っていた。その矢先の事。1人の少女がこの場所へ来るのを見た。そして僕の方に来て一言、花を手向けたいのだが、どこに置けばいいか?という事を聞いてきた。そこで僕は、すぐそこを指差してあそこに置くといい。と答えた。そうしてその少女は自分の用事を済ませてから、礼を言う。どういたしましてと答えてから別れようとした。さらにその矢先の事。

 

不気味なサイレンが鳴り響いた。それはノイズが襲来した証、その物であった。マズイと僕は判して、そこに居た少女に声を掛ける。少女は一瞬ポカンとした表情()を見せたが、すぐにわかりましたと答えた。そうして僕らは逃げる事に。

 

 

………何処までも走り回って僕らは逃げる。しかしノイズは僕らを逃さない。その内に少女がコケた。その拍子に足を挫いたようだ。大分痛そうにしているので仕方なくその少女を抱えて逃走を再開。距離はまあまあ離れている。しかし、油断は出来ない。とその時、ノイズが横から来た。ヤバいッと思ったが、ここまで走って来て疲れている事が原因で、ワンテンポ挙動が遅れた。彼我の差がおおよそ20Mだったのがおおよそ10Mにまで縮まってしまう。抱えている少女は涙で顔と僕の背中を濡らし、助けて。と何度も言う。僕では答えられない。いや、()()()()()()()()()1()()()()()姿()()()()()()()()()()()()。そう考えながらも僕は走る。

 

 

………考えながら走ったのが悪かったのだろう。コケてしまう。それでも僕は彼女をもう一度抱えて走り出す。しかし、(ノイズ)の手は彼女のすぐそこ。瞬時に僕は彼女の前に出る。それ以外に手が無い。そうして僕は死を覚悟した。

 

 

………その時不思議な事が起きた。なんと、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。それだけでは無い。それをしたのが風鳴翼似の少女であった。一体、何が起こっているのか、皆目検討がつかない。しかし、今わかっているのはとりあえずは助かったという事。すると隣にいた彼女がつ、翼さん!?と言っていたので、目の前の青髪少女は多分風鳴翼本人だろう。そして少しの注意をくらって今日はお開きになった。

 

 

 

 

………翌日。僕は昨日と同じ所に夕方居た。またいつもの様に。だ。失くした記憶を手に入れる手掛かりも本日も無し。街中を歩いても何も見つからない。幸いな事に、体は2年も寝ていたのに()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。何故なのだろうか?しかし今はそれに感謝する。何故なら、それのお陰で()()()()()()()()退()()()()()

 

 

………またもノイズが発生した様だ。サイレンが鳴り響く。今日は昨日と違って周囲に誰も居ない。そうして僕は一言呟いた。

 

 

「着装」

 

 

と。その瞬間、僕の周囲に鎧が出てきた。それが僕の体にくっつく。くっついた鎧から灰色のスーツの様な物が出てきて、僕の体と後頭部を覆う。その後に顔の左右からフェイスヘルメットが出てきて顔にくっつく。その際に頭の方に一本、ツノの様な物がフェイスヘルメットから出てくる。ついでに後頭部に風化した金色の髪が伸びてくる。………これで着装完了。一気にノイズを切り伏せる。

 

 

 

………近くのノイズをほとんど倒し、街を見るとそこには人が居た。それも、昨日の彼女。流石にここで見捨てる程僕は薄情では無い。そっちへ向かおうとして、その瞬間に光が彼女を覆った。そして光が止むとそこには先程とは全く違う格好をした昨日の少女が居た。と、そこへ風鳴翼が来たようだ。昨日の少女と2、3話して風鳴翼は空を駆けてノイズを倒す。その動作は洗練こそされてはいたが、少々荒っぽいな〜。なんて評価を勝手につけていた。

 

 

とその時だ。ノイズの一部が先程の光を放った所へ向かっている。そこに何があるのだろうか?目を向けるとそこには1人の幼女が居た。多分昨日の彼女が助けた子だろう。僕は弓を呼び出して、そこに矢をつがえ目一杯引いてから放つ。そして先程の幼女を目指していたノイズを一掃した。

 

 

………さて、ようやくノイズを全部倒して二人が向き合うと、いきなり昨日の彼女が手錠をかけられていた。ここに居てはマズイと考え、僕は離脱する。




〜次回予告〜

翌日僕は急に呼び出しをくらう。そしてそこである事を言われ、とある場所へ向かう事に。次回、『奏者と聖騎士』


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第3話 奏者と聖騎士

〜前回のあらすじ〜

逃げてたら風鳴翼と出会ったり、着装してノイズを倒したりしました、めでたしめでたし。



………あれから数日経った後の事だ。朝一でいきなり校長先生からの呼び出しをくらった。なんなのだろうか?と思いつつ、校長室へ。ドアを2回ノックし、「失礼します。」と声を掛けてドアを開ける。するとそこには、校長先生と、ガタイのいい、俗に言う「筋肉モリモリマッチョマンのオッサン」が対面して座っていた。とりあえず僕はお二人に向けて挨拶をする。校長先生がとりあえずは座ってくれと、言ったので僕は「失礼します。」と言ってから校長先生の隣に座った。そして会話が始まった。

 

 

 

………先ずは自己紹介から。あのオッサンは風鳴弦十郎(かざなりげんじゅうろう)さん。なんでも、特異災害対策機動部二課のリーダーらしい。真田明(さなだあきら)と僕も名を名乗る。風鳴さんはいきなり核心をついてきた。「昨日のノイズ騒ぎの時、どこに居て何をしてたか?」と。これに僕は、「2年前に起きたとある出来事の被害の中心にほど近い所に居た。ノイズのサイレンがなって逃げようとしたが、シェルターの位置がわからず、ずっと逃げ回っていた。」と答えた。風鳴さんはあまり納得した表情をして無かったが、それでもわかった。と答えていた。そして会話が終了。いったい、何を聞きたかったのか?

 

 

………そんな事があっても、僕はまたあのホール(2年前に起きた悲劇の場所)に行く。いや、行きたかったと言うべきか。何故ならそこに銀髪の男が居たのと、そいつが僕の道を阻んだからだ。何の用だと聞くと、いきなり向こうは「着装」と言った。その瞬間に彼の周囲から火柱が上がり、それが収まるとそこにはギアを纏った青年が居た。 「()()」と呼ばれる剣を持って彼は僕と対峙した。僕はそもそも逃げる気でいたが相手はそれを許してくれそうにない。仕方がないので僕もギアを()()する。一瞬の静寂と緊張がその場を支配し、爆音と共に両者共に駆け出した。

 

 

向こうさんは 自分の獲物(エペ)に炎を纏わせて鋭い突きをかます。対する僕も刀に雷を纏わせて鋭い突きを刀の腹の部分で受け止める。そのまま相手の剣先を身体を軸にして流し、その勢いで相手の腹を蹴ろうとする。相手はそれをわかった上であえて僕の策に乗って、カウンターアタックを仕掛けようとした。具体的には、僕の蹴りを右肘で受けて拮抗している間に炎を纏わせた左フックを考えていた。そしてそれを実行した。僕はそれを見て、手にしている刀を防御に使用するのを決めた。さらに逆側から電気を流し込もうとした。それは一瞬でバレ、蹴り上げた足を受けている腕を前へ出して僕のバランスを崩す事にしたようだ。それを僕は利用して一気に後ろへ下がった。そしてまた睨み合いが始まった。今度は長時間の睨み合いとなった。そして、どちらからともなく一気に駆け出し、互いの必殺技を繰り出した。

 

 

羽々斬(はばぎり)

と僕が言ったのに対し、相手は何も言わないで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()で対抗。X字と刀の力が互角になっていた。そして同時に上に挙げた。それが勝負の境目になった。僕は刀と遠心力を利用した斬撃を放とうとしたのに対し、相手は持っていたエペを投げ捨て、右ストレートを僕の腹にかましてきた。これは僕も驚き、防御体制も取れぬままぶっ飛ばされた。着装が解除され、立ち上がろうにも出来ず、そのまま意識が遠のいた。




〜次回予告〜

病院の屋上。ここで二人が出会った時、二人は決意を固める。次回、「屋上の決意」


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第4話 屋上の決意

~前回のあらすじ〜

炎の銀髪野郎に腹パンくらいました。


──────────────────────────────
今回はマジで難産でした。


………腹が痛い。まあ、原因はわかっている。銀髪野郎(アイツ)の炎を纏わせた腹パンが理由だってのは、他ならぬ僕自身がわかっている。とはいえ、何故アイツは気を失った僕にトドメを刺さなかったのか?それが目下最大の疑問だ。だがまあ、今は生きている事を喜ぶべきだろう。それに、奴の考えも解らない訳だし。と思ってとりあえずは、病院のベッドから起き上がる。

 

 

………ん?()()()()()()?そして僕は気づいた。どうして病院(ここ)に居るのか?……っと。とりあえずは考えてみる。が、思い当たる節が無い。っと、部屋の前に誰か来たようだ。ドアがノックされる。外から「真田さん、真田明さん。」と声が掛かる。僕は周りを見回したが、僕が寝ている所以外のベットは全て空いている。つまりは僕のようだ。はい、どうぞ〜。と言うとドアが開いて看護師さんと、この間会った風鳴弦十郎さんが居た。先ずは看護師さんが僕の体で痛む所が無いか聞いてくる。無いと答えるとお大事に〜と言って部屋から退出した。残ったのは僕と弦十郎さんになった。

 

 

やあ、おはようと、武骨な顔からは考えにくい優しそうな笑顔で話しかけてきた。おはようございますと返すと弦十郎さんは頷き、ベッド横のパイプ椅子に座ってからこっちを見る。そして一言「昨日のノイズ騒ぎの時、何処で何をしていたか?」と。僕は「この間と同じ様に逃げていました。」と答えた。だが弦十郎さんは納得してない様子。そして、スマホを取り出してとある動画(ムービー)を見せてきた。それはついさっき僕が銀髪野郎(ヤツ)と戦うシーンであった。そこで僕はミスを犯した。これが僕?と聞いてしまったのだ。誰も君とは言ってないぞ。と帰ってきた。そしてすぐに僕は失策を悟った。シマッタと小声で呟いたのもバレてしまったらしい。

 

 

………そうして少しの間沈黙が場を覆った。僕は何とかしてどうにかしようとしたが、良い手が思いつかずに居た。まさに覆水盆に返らずって奴だ。ここまで来たら仕方が無い。と僕は腹を括って弦十郎さんに素直に話した。

 

 

………とりあえず話せるだけ話した。全部話して、少し経ってから弦十郎さんが特異災害対策機動二課(ウチ)に来ないかと言った。僕はそれを………

 

 

 

………僕は今、屋上にいる。と言うのも、先程の誘いを一旦は濁した。もちろん弦十郎さんの言うとおり、特異災害機動二課に入れば色々と融通が効くことがある。しかし、どうにもこうにも、第六感と言うべきか、それが働いている。

 

 

っとそこへこの間の少女が来た。そして目が合った。どうも、と声を掛けると、ああ、貴方はあの時のと帰ってきた。その節はどうも。と返した。そして少しの間沈黙が場を覆った。が、僕は気にしないで自販機でジュースを買う。殆どが売り切れで残っていたのが「レモン味の炭酸水」だけだった。とりあえずはそれにする。

 

 

ふたを開けると「パシュゥゥゥ」と炭酸の抜ける心地のいい音がした。そして一気に半分くらいまで飲む。正直言ってあんまり美味しくはなかった。が、苦味を楽しむ事にした。と、視線を感じたのでそっちに目を向けると、先程の少女がこっちを向いて、手に持っている物(さっきの炭酸水)を欲しそうに見ている。……と言う訳でもう一本買って、渡してあげる事に。最初は断っていたが、最終的には貰った。

 

 

そしていきなり僕に向けて独り言を喋ってきた。なんでも、力があるのに、先輩にそれを否定され、戦った相手にも自分の戦いたくないという気持ちを否定されたらしい。それに関しては、どうとも言えないが、一つだけ、『自分の気持ちに素直になった方がいいかもしれない。』とアドバイスをしてあげた。そう言って、自分の気持ちに気が付いた。『やはりただ逃げているだけなのかもしれないな。』と考えながら。横を向いてみると、さっきの彼女は覚悟を決めた顔をしていた。僕もそうしなければならないのかもしれないな。

 

 

そう思っていたら、急にドアが開いた。そこに居たのは、弦十郎さんだった。「響くん、今いいか?」と良く響く声でこっちを見て、「おお、明くんも居たか!」と言う。どうしたのかな?と思っていたら、「奏くんが目を覚ましたぞ!」と言ってきた。は、はぁ?と思っていたら、隣の彼女(名前は響というのをいまさっき知ったのだが)が驚いた顔をして弦十郎さんを見た。そして「案内お願いします!」とばかりに弦十郎さんに走って近づいて行った。僕はどうしよか?と考えていたが、弦十郎さんから、一緒に来ないかと言われたので、とりあえずはついて行く事にした。それと、さっきの話、受けます。と言っておいた。




〜次回予告〜

復活した天羽奏。そして特異災害機動二課に入る事になった僕。入って早々、重大任務?次回、『特異災害機動二課』


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第5話 特異災害機動二課

……前回から間が開きすぎたんで前回の内容覚えてないんですごめんなさい。


……僕らは今、天羽奏さんの病室の前に居る。2年前のあの日以来目を覚まさなかった様だ。何らかの要因によって一命は取り留めたらしい。風鳴弦十郎さんと立花響さんがその病室に入って行った。僕もどうかと聞かれたが、天羽さんの事をあまり知らない以上は近づくのも少しアレなので断り、一応は部屋の外で待機して居る。

 

大きな音がした。これは誰かが転んだのだろうと呑気に考えていると、病室がにわかに騒がしくなった。少し心配になったがそれでも流石に入るのははばかられたので、外から声をかける。すると今度はなにかが這いずる様な音がした。そして急にドアが開けられる。びっくりして目の前を見るとそこには、今にも人を殺せそうな目線をした女の人が居た。後ずさり使用にも壁は背中につっくいて居るので逃げ場は無い。するとその人は僕を見るなり這いつくばった状態から急に立ち上がり僕の胸倉を掴んで一言。

 

 

「翼の病室はどこだ?」と。

 

 

……知らないよ、風鳴翼さんがこの病院にいる事なんて、初耳だよと言いたかった。しかし、胸倉を掴まれてずっと前後に振り回してくるので、言葉を発するタイミングを見失ってしまった。その状態で一分ほど経ってようやく誤解がとけた。

 

 

正直言うと頭がぐわんぐわんして、気分が悪い。ちょっと吐き気もする。うーん……なんて唸っていると横から水が差し出された。見るとさっきの立花さんだ。どうやら僕の身を案じて水を差し出してくれたらしい。ありがてぇ事だ。

 

そうこうしている内に面会時間も終わりに近くなった。ここで天羽さんとはお別れらしい。僕もそろそろ自分の病室に戻ろうとして、タイミング良く主治医の先生が来なさった。なんでも検査しても特に問題が無いそうなので今日にでも退院出来るらしい。荷物もそこまである訳でもないので、親を呼ぼうとして引き留められた。なんでも1度「特異災害機動二課」なる所に来て欲しいらしく、その後に家に帰ればいいらしい。僕はそれに乗り、件の組織に向かう事に。

 

病院にベンツが居た事に驚きを隠せなかったがそれ以上に「リディアン音楽院高等科」と言う所に連れてこられた事に驚きと恐怖を感じた。人払いは済ませてあるらしいが、それでも場違い感が凄くある……

 

 

僕のSAN値見たいなサムシングがドリルの様な物でゴリゴリ削られている時にとある場所に着いた。そこからエレベーターで降りるらしいが、このエレベーターも曲者で、一気に急降下するのだ。流石に怖くて腰が抜けてしまったが、気合いでなんとかする。

 

そうして着いたのが特異災害機動二課と言う所だ。見た感じは中々の作りで、某宗教とロボットのベストマッチなアニメの司令室の様だ。風鳴さん曰く、急用のため今は多くの人材が出払っているそうだ。取り敢えず話し合いを始めようとした時に誰かが来なさった。

 

 

地味目のメガネをかけた、theリケジョ見たいな人だ。名前を「櫻井了子」と言うらしい。櫻井さんは弦十郎さんを見ると耳打ちをした、その瞬間に弦十郎さんの表情が固くなったのが目に見えた。その表情のまま僕に色々と説明をする。

 

 

説明が終わり、櫻井さんによって色々な検査を受け、帰ろうとした矢先のことそこにはスーツケースがあった。側面に油性ペンで「SAKURAIRYOUKO」とある。知らせるべきか悩んでいるとそこに見慣れない物を発見。これは……と顔を近づけてみるとそれは乾いた「血」だ。いわゆるカサブタ状態にほど近い、謎のシミがある。

 

 

この場合、これからわかるのはこれが何らかの事件事故に巻き込まれたと言う事だ。事故の可能性は血の付き方より低そうなので、何らかの事件であろうと断定。しかしこれがどうなってこうなったかまではわからずじまいだ。

 

知らせるべきか悩んだが、ただでさえ忙しそうなのにこれ以上仕事を増やすのは得策でないと考えているので結局は言わずじまいであった。




〜次回予告〜

色々と宜しくない状態によって移送任務が発生。そこにはあの銀髪野郎も?

次回「移送作戦」


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第6話 移送作戦

〜前回までのあらすじ〜


主人公は以外と間違えられます。


特異災害機動二課に入ってその当日にお仕事飛んでくるってありえるのだろうか……なんて事を考えながら後部座席で車酔いに耐える僕です。頼むからアクセルペダル踏みっぱにして、お口から吐瀉物(キラキラ)が出ちゃうから……

 

 

と、運転手(櫻井さん)に言ったのだが、あまり効果は無い様だ……多分今頃はテンションがハイになっているのだろう……

 

そんな僕の様子を立花さんが見て心配をしてくれるが、心配よりも荒い運転を何とかして欲しい……と伝えると、気持ち運転の荒さが取れた。でもまだ気分は悪い。仕方がないので車の中で一眠りする事に。

 

 

急ブレーキが作動し、前の席に激突する。変な声出してしまったのはハッキリ言って申し訳無いと思うが、それでも目の前にはノイズがいる……

 

 

クラクラする頭をフル稼働させないとダメな事はよく解っている。そう言えば二課で(さっき)……「デュランダル」とか、「狙われやすい」とかを風鳴司令が言っていたのを思い出した。ついでに僕が倒す事になっている。……のだが、

 

なんでこうなってるんですかね?

 

……そう、僕は一時的にその事を忘れていた。スグに逃げ出そうとして、指示を思い出し一言唱える。

 

「着装」

 

六本の雷が僕の周りに落ちて僕は黒い鎧を纏って私になる。手にした(ブレード)をノイズに当てて消していく。こいつら(ノイズ)は一体一体は雑魚だが数が多い。面制圧が効果的だと連絡が入っている。

 

 

車の進路に無理矢理スペースをこじ開けて、剣に雷を纏わせ剣先を車の進路に向けてと叫ぶ。

「スクリーンディバイド」

と。剣先方向に稲妻が走り、雑魚共(ノイズ)を倒していく。輸送車が走り出した。車の上に乗るように言われているのでその通りにする。流石に左右には揺れるが前後には揺れない。このまま道路を突っ切る、と言うか今更だがここ、高速だった。

 

 

スピードが体感的に130代に入った時に鞭攻撃が飛んできた。一応念の為にバリアを張っておいたのでダメージは無い。妨害をする人型の敵をその場で引き付け、出来れば撃破すると言うのが命令されている。具体的には「引いて守って時間を稼ぐ」という物だ。

 

 

ギザギザした鎧を纏った少女が砂煙の晴れた視界にいた。流石にカウンターなんて事は私には出来ないので、こちらから攻撃をする。

 

 

彼我の距離はおおよそ70M、此方には遠距離攻撃の術が無い訳では無いが、威力はそこまでと言う物なので近づいて叩き斬る事に。

 

踏込斬(フミコミザン)

と唱えて一気に敵の目の前に。此奴の戦い方をビデオで見して貰い、どう戦うかを検証した結果、先ずは鞭っぽい物から破壊して無力化すべきと言う結論に達したのでその通りにする。そのためのフミコミザン。

 

確実に当たったはずなのだが効果は無さそうだ。よく見るとこの間の銀髪野郎が少女を庇う様に剣を突き出している。そうしてあの日の続き(第二ラウンド)が始まった。

 

 

先手はこちら。後ろに飛びつつ左手でサンダーボールを生成しそれを投げつける。相手はそれを難無く剣で斬って追撃をしてくる。それを飛んで躱し両手に持った苦無を投げつける。その苦無は回転しながら相手に向かっていくが、相手は自分に当たる分を考慮に入れず少女の方を護っていた。さながらお姫様を護る騎士の様。それを見た僕は即座に作戦を変更しようとして止めた。この手のタイプの奴は一度守りに入ったら面倒になると言う実践から学んだ勘が働いた。……実践ってなんだ?と思った私が居たがそれを考えるのは後回し、今は目の前の敵に集中するのみだ。

 

 

そう思い睨み合いが始まると思っていたが、急に本部から連絡が来た。一度に二つの事が出来る程器用では無いので一旦退却。その際に一瞬だけ思ったのは彼ら(銀髪野郎と鎧少女)が顔の輪郭等が似ているという事だ。しかし今はどうでもいい事だと切り捨てる。

 

 

さて、本部からの連絡によれば立花さんが暴走をしているらしい。原因はあの()()()()()()。取り敢えずはデュランダルと立花さんを引き離せば暴走は止まるらしい。とても危険らしいが今動けるのは私しか居ないらしくそうゆう事も相まって私が出張るしか無いのだ。

 

 

しばらく走ると当該の場所に着いた。立花さんはどうやら見境無しに暴れているらしい。落ちてるコンクリート片を試しに投げてみると顔をそちらの方に向けて攻撃をしている様だ。今ならそちらに気を取られているのでここが勝機とばかりに一気に近づく。

「羽々斬」

と言って持ち手部分を狙う。しかし瞬間的に気づかれ手痛い反撃を喰らうハメに。高速道路を転がり続け何とか止まったが、ダメージ軽減の為に右足が犠牲になった様だ。何とか立ち上がり一息入れてから再度の攻撃を考えていたがどうもそう上手くは行かず、スグ目の前には暴走した立花さんがいた。剣を左手で逆手持ちし振り下ろされた剣を受け止めたは良い物の無理な体制だったのが悪いのか左腕が恐ろしく痛む。何とか反撃をしたかったが相手の力が強過ぎて高速から落ちる事に。その際受け身が出来ず左腕をクッション替わりにしたものの、左腕にも骨折をしている様な痛みが走る。

 

 

少しして本部から連絡が届いた。此方に風鳴さんが向かっている様なので、しばらくは体を休めるように言われた、が生憎とまだ体は動くし動いていないと痛みを紛らわす事が出来ないので位置情報を伝える為に動く事に。高速道路に上がるとそこにはさっきの二人が居た。取り敢えずは高みの見物と洒落こんだ私だが、中々の連携だと舌を巻いている。具体的に言えば、銀髪野郎が剣先から炎を出して錯乱させた後に鎧少女が鞭っぽい物で立花さんを攻撃している。注意を二人に分散させる事で狙われる事を減らしているのだ。ただどうも気になるのが、男の方つまり銀髪野郎が女の方を庇う様に立ち回っている様にしか見えない。そうこうしている内に二人纏めてやられそうになっているが、男の方が女を庇い、ダメージを喰らった様だ。女はそれを見てそっちに近づく。残された立花さんは此方に目を定めた様だ。これはマズイと感じ、引こうとした時に風鳴さんがバイクで来た。見た感じ本調子では無さそうだがそれでもその目には闘志と先輩としての威厳がある。取り敢えずはデュランダルと立花さんを離す事から始める。

 

 

先手は立花さん。暴走しているまま剣を振り下ろしてくる。それを躱した後私が「スクリーンディバイド」を放ち、気を引いている間に風鳴さんが背後へ周り一言「影縫い」と唱える。すると行動が急に止まった。私は一息に近づき

「雷切」

と唱える。剣が稲妻を帯び当たった所から痺れていく様な感触がある。

 

 

取り敢えず第一段階である、デュランダルと立花さんを離す事に成功。後は何とか暴走を止める為に声を掛け続けるより他ないらしい。成功するといいが……




〜次回予告〜


今回の戦いで負った傷を癒す為に病院へ。近くの部屋にはこの間間違えられた人が?

次回「休みは必要だけど休めないんじゃ休みなじゃない!」


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第7話 休みは必要だけど休めないんじゃ意味がない!

〜前回のあらすじ〜

リベンジマッチからの骨折で暴走少女を止めようとしてます


……救出作戦っぽいものは成功した。大暴れしていた立花さんも今は大分落ち着いているらしい。今は鎮静剤が聞いて寝ていると風鳴司令が見舞に来たのと同時に教えてくれた。

 

 

さて、僕は僕の方を見るとするか。僕は包帯を巻かれた右手と左足を直視する。精密検査の結果は骨折らしい。これがもし仮に複雑骨折だとしたら大変な事になるなぁ……と余計な事を考えていた。そう言えばと僕は天井を見上げて呟いてしまう。

「どっかで見た天井だぁ……」

と。入って来たお医者さんもこの間見た顔の人っぽい。どうやらこの短期間で二度も同じ(先生)の世話になるのか……とどうでもいい事を考えていると肩を揺さぶられた。どうやらうたた寝している様に見えたらしい。当たり障りの無い事を喋り、先生が部屋から立ち去った。時計を見ると15時を指していた。少し部屋の外にでも出るとするか……

 

そう思って首を振って近くを見るとそこにはいかにも使ってくださいとばかりの松葉杖がある。こいつは上々と思い手を伸ばしてそれを掴み、いつもの様に()()から立ち上がろうとして、鋭い痛みが僕を突き抜ける。気がつくと僕は床と熱い抱擁を交わしていた。近くには先程の先生と風鳴司令が居る。何が起きたのか、何が原因でこうなったのか、考えるまでもない。そう、()()()()()()()()()()()()()()立ち上がろうとしたのがいけなかったのだ。痛みは僕の体の痛覚神経をマヒさせ、僕は僕の体の判断で失神させられた。というのが事の顛末であろう。なんとも間抜けな話ではあるがそれが真実。取り敢えずは二人に「僕は大丈夫」と伝える。妙に心配そうな顔をしていたが特に痛い所も無いみたいなので心配される要素が見つからなかったが押し問答の末に何とか問題ない事がわかった様だ。

 

 

取り敢えずはもう一度松葉杖を持ち、今度は()()から立ち上がって部屋を出る。先日の事から屋上へ行く道はわかっているので記憶の通りに足と松葉杖を動かす。屋上に着いたようだ。病院のパンフレット曰く、ここは患者さんの憩いの場として造られた。だそうだ。確かに屋根付きベンチや自動販売機、お花畑等があるのでゆっくり出来るっちゃ出来る。さてどこに座ろうか……と周りを見渡して個人的に気に入る所を見つけたのでそこに座り、自販機で買ったミネラルウォーターのペットボトルを開けようとして固定する為の左手が使えない事に気がつく。少ししょんぼりしてその顔のままボーッとしていると誰か来たようだ。誰だろうと後ろを振り返るとそこにはこの間間違えられた人が車椅子に乗った状態で居た。あまり近づきたくないなぁ……と考えていた。どうやら向こうはそうではないらしく、隣いいか?と聞いてくる。正直に言えば良くないが、隣に来たついでに文句も言えばいいかと思ってどうぞと言う。

 

 

……しばらくの間、互いに無言であった。僕としてはなんて声を掛けつつ文句を言えばいいかを考えている。ようやく考えが纏まり目の前の相手へと声を掛けようとした瞬間にこの間は悪かったと相手から謝られた。どうやら相手は先日の事を覚えているらしい。いきなり謝られてしまっては怒る訳にもいかず、怒りのやり場に困っていた。だが取り敢えずは相手の真摯な気持ちを受け入れる事にした。それからしばらくは他愛の無い話で盛り上がった。

 

 

彼女の名前は天羽奏(あもうかなで)。なんでも有名な歌手だったらしいが、ノイズ騒ぎで色々とやからしてしまい、最近まで昏睡状態だったらしい。此方も同じ様に名乗ろうとして……名前を思い出すのに時間がかかった。やはり記憶喪失というのは不便な物だ。




〜次回予告〜

病院から退院し、1週間も経たない内にノイズが大量発生。それの処理をしている内に友軍が来た。その友軍とは……?次回
「死闘!スカイタワー」


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第8話 死闘!スカイタワー

〜前回のあらすじ〜


病院で謝られました。


退院しておおよそ一週間後。二課より連絡が来た。スカイタワー周辺にて大量のノイズが発生したようだ。現場に最も近くに居るのが僕なので一番に連絡をしたようだ。僕の生家と思しき所には父母や妹らしい人物が運良くこの家に居ないので書き置きだけしておき、走って現場まで行く。そして現場近くで一言いつもの様に唱える

「着装」

と。黒い鎧を纏って私になり、地面を踏み込んで空へと上がる。目の前には数えるのも億劫になるほどのノイズ。私の攻撃は多数対一人の性能が高い、故に一息にケリをつけるのが最善手と考え

「クロスディバイド」

と唱え右手に持った剣を(クロス)字に振る。それだけで眼前の敵は消え去る。そのままタワーの外側の鉄柱に足を着け、地面とほぼ垂直に走ってより高い所へ向かう。タワーの展望台の近くで勢い良く踏み込んで一飛び。一瞬だけ立花さんらしき人物が見えたが今はスルー、展望台の天井に足をつけて周囲を見廻す。ノイズがこの建物の周りを包囲しつつある。奥義を出す時と判断して剣を目の前に持ってくる。左手で剣の根元から剣先に向けて鞘から抜く様な動作をする。雷が剣全体に走り

「雷切」

と唱えて一番近くのノイズへと走る。

 

 

……おおよそ一分経った頃にノイズはそのほとんどが斬り落ちていた。だが少し気になる事があった。それは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と言う事だ。ノイズにはヒトや動物の脳の様な物が無いのに、行動があまりにも私を狙いすぎていると言う事だ。動きに合理性があると言っても過言ではない。奥歯に物が詰まった様な、妙な気分になりながらも一旦は着装を解除する。解除した瞬間に頭痛が来た、それも頭を締め付ける様な痛みと内側から「ガンガン」となる様な痛みが同時に来た。あまりの痛さで立っていられない。ふらつきながら仰向けに倒れる。少しの間だけ目を閉じて深呼吸を三回、少しはマシになったが、それでもまだ痛い。だがどうやらお尋ね者は此方の状況を一切気にしてない様だ。「着装」と再度唱えてノイズへと向かう。頭痛は嘘のように消えていた。こいつは上々と思いつつもまた出たノイズを片っ端から斬り捨てていく。ただ、さすがに跳べない所にいる奴については攻撃しきれない。一応現状では「サンダーボール」と「ラビリング」が遠距離攻撃なのだが、それでも正直威力は弱く、どちらかと言えば攻撃補助として使った方が便利まである。

 

 

さてどうしたものか……と思案する。とそこへ上空に居たノイズが次々と射殺されたり、炎に包まれて行くのが見えた。ん?()?と思い一瞬で戦闘態勢をとる。そうして二人の顔の似た男女が僕の前に来た。男の方はあの銀髪野郎だ。女の方は……どうやらこの間の鎧少女らしい。来て此方を見るのと同時に連絡が入った。どうやらこの二人が援軍らしい。心強いが真っ直ぐ突撃するイメージしか無いので少し不安を感じていたが、それは杞憂であった。いざ戦いが始まると二人は個人個人での攻撃レベルの高さは勿論のこと、連携攻撃も半端じゃない程の上手さ。甘い物の後の緑茶みたいなありきたりな物では無く、兎と戦車、龍と鍵の様な、普通には有り得ないがそれでも上手く繋がると言った意外感の高いレベル。それがこの二人を形容するのにピッタリな言葉だ。ここまでレベルが高いと手を出すのが宜しくないと思えてしまう程だ。

 

 

その後、風鳴さんと立花さんも合流して、五人でノイズを駆逐していく事に。その場で軽く自己紹介みたいな物が行われた。銀髪野郎は「雪音ヒュース」鎧少女は「雪音クリス」二人は兄妹の関係なんだとか。

 

 

……ノイズが地上と空中に別れて此方に向かって来てるのが確認された。そこで、空中は風鳴さんと立花さんと雪音さんが、地上は雪音君と私でそれぞれ迎撃を開始する事になった。




〜次回予告〜

ノイズを倒してたら親玉登場?そして……

次回「二方面作戦……無理ゲー感半端ないって」


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第9話 二方面作戦……無理ゲー感半端ないって

〜前回のあらすじ〜

来た援軍はかつての敵でした。


雪音君と協力して地上のノイズを倒す事になったのだが、向こうさんは勝手に飛び出して……などと言う事は無く、風鳴司令からどっち方面を担当するかと、オペレーターの説明を貰った。のだが、正直な所私はオペレーターが誰かわからない状況なのでアドバイスを貰う程度しか出来なさそうだ。

 

 

さて、目の前には沢山のノイズ。ただただ切り倒して行くのは効率が悪い。オペレーターからもそう言葉を貰っている。故に私は何度でも「クロスディバイド」を使う。別に「スクリーンディバイド」でもいいのだが、範囲としては前者の方が広い。(クロス)字の雷を纏った斬撃を飛ばす。目の前のノイズ共は消えていったが、左右から同じ形のノイズが襲おうとするがしかし依然問題なし。手にしている長剣を地面に突き刺し、両手を肩に回して体をより一層小さくする。

「チャージスパーク」

と声を上げ周りに放電。すると電流が(ノイズ)に流れ、また次のノイズに流れ……が繰り返しバッタバッタとドミノ倒しのように倒れていく。なかなかに爽快だ。

 

 

周囲を見渡すとノイズが殆ど消え去った様だ。さて後ろの雪音君は……と思って振り返るとそこには既に片付け終わって手持ち無沙汰の様子で、こちらの様子を伺っていた様だ。さて取り敢えずは()に居る三人(立花さんと風鳴さんと雪音さん)と合流するか……と思い声を掛けようとしたちょうどその時に目の前に()()が現れた。一言で言い表すのならば、それは()()()()()()()()()。連絡が入った。そいつがノイズ共の親玉らしい。また、()()()()()()()()()()()()という事も連絡して来た。さてどうしようか……?

 

 

思案していると雪音さんから提案があった。彼女曰く「自分の攻撃は高火力広範囲だから溜め(チャージ)の時間さえ貰えればなんとかできる」との事。なるほどならば倒すのも容易だ、と思ったが実際はそうはいかない。全員でノイズの親玉と向き合ってチャージを開始しようとした途端に電話がなった。どうやら立花さんの携帯に入った着信の模様。それに気にする事無く前を向いていたが立花さんだけは携帯の着信履歴を見ようとしていた。咎めようとして緊急の連絡が入った。なんでも風鳴さんと立花さんの学校がノイズによって襲われているらしい。立花さんはそっちの方へ向かおうとしているがこちらもなんとかしないと、という思いをしている様だ。私は気が付かないで彼女の肩を軽く叩いて一言「行くぞ」と。意識を向けた記憶も無い、この判断が正しいとは一寸も思ってはいない。しかしどうしてかわからないが動いていてた。

 

 

そして走り出す、後ろから風鳴さんの「頼んだ」の声が聞こえた。任せろと意味を込めて私は親指を上に立ててそれを見せた。




〜次回予告〜

ノイズが発生している場所へ向かった彼ら。そこにはボロボロになった学園と多くの要救助者が!救える命を全て救うか、救えぬ命を切り捨てるか。

次回「命の価値」


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