神機霊装シンフォギア (君更津 宙司郎)
しおりを挟む

序章 第0話 その剣のお話

遠い遠い昔の事。これはまだ、神話のお話が現実であった頃のお話。伊邪那岐命(いざなぎのみこと)伊邪那美命(いざなみのみこと)が国産みをしてからずっと経ったある時の事。その日は年に一度の、神様方が一同に集まる日の事であった。その頃はまだ、国がハッキリと1つに纏まっているとは言い難い状況にあった。と言うのも、最初は些細な(いさかい)から始まった。とある境界線から向こう側のとある若い神様が差し出した物が黄金色に輝いていたのだ。それを見たこちら側の年老いた神様が悔しがり、こちら側に同じような物は無いかと仰り、そうして差し出されたのは白銀色に輝いた物だった。それを見た神様は大変喜び、向こう側の神様に喧嘩を売ったのだ。そうして始まった双方の対立。しかし、これに他の神様がその喧嘩を止めようと模索するも打つ手は無かった。そうしてとある国を二つに分ける大きな戦いが始まった。

 

 

…………いつの間にかここまで来た。と私は思った。神様方の大喧嘩から何年もたち、もうそろそろ飽きてくる頃なのだ。しかし、そんなに上手くは行かない。現に今の私達は追い詰められている。そして私が仕えている若い神様が一言、退却と言って私達は戦いに負けた。私達はその後ずっと逃げ続けた。神様を守り、無辜の民を守り、その上で新天地を目指した。途中で倒れていく仲間達。私は一人生きて良かったのだろうか?そう思いながら胸辺りに負った傷を見て、今日も祀られた祠の中で溜息をつく。自問自答を繰り返して幾年、ようやく私は死んだ。この場合はやっと死んだ、と言うべきか。しかし、肉体は死んでも私の相棒であった剣は消えなかった。私の相棒の剣は今、とある家で家宝として扱われている。あまり悪い気はしない。

 

 

ある日の事であったか。私の前に1人の少年が居た。どれだけ酷い目に会ったか、一瞬で見分けがついた。そしてその少年は私に他人に負けない力が手に入りますように、とお願いをした。しかし、私が感心したのは、その心を読んだ時である。あくまでも私を復讐の手段として使うだけでトドメは自分で刺す。と言うある意味で公平な心の持ち主であった。中々どうして面白い。と考えた私はその少年が何を為すのか気になった。少年がおぉーと私に気を取られているスキに心に入り込んでやる。それだけで良かった。4年の月日が経った。

 

 

 

僕が僕で無くなるのをハッキリと心で理解したあの日から、僕は夢を見る。その内容は、()()()()()()()()()()()()()の夢だ。どんな予知夢を見るかは、寝るまで分からないうえに、どうだっていいこと、例えば今日の夕飯はなんになるのか?とか、今日1日にどんな事件が起こるか?とかだ。ただ、今日のは違っていた。それは、どこかわからない大きなホールで、2人の少女が沢山の異形を相手に戦っている。そして、その少女の片方が死んでしまうと言う夢だった。ああ、なんて悲しい事なのだろう。救えるはずの命が消えてってしまうのなんて、いつまで経っても、それが例え夢であっても、胸糞悪くなってしまう。




〜次回予告〜

とあるホールを訪れた彼。そこで目にしたのは、夢で見たのと同じ物であった。その時彼はどうする?

次回、『絶望予知夢と希望未来』


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第1話 絶望予知夢と希望未来

夢を見た。悲しい悲しい夢。沢山の人が死んでしまう夢。僕が胸から血を流して倒れている夢。そんな夢を見たら、誰だって胸くそ悪くなる。

 

この時僕はまだ、ただの夢だ。と思って油断していた。昔はあれほど気をつけていたのをもっと早くに思い出すべきだったのだが。

 

ある日の事、僕はとあるホールに行く用事が出来た。とあるホールで有名な歌手がライブを行うのだが、その会場の整備や案内などをするボランティア活動に参加する友人が居たが、急な用事で行けなくなり、人数合わせの為に急遽僕が呼び出された。ついでに、その友人が僕を指名するというオマケ付き。あんにゃろ、今度あったらアイツが嫌いな食べ物をワザと送ってやろう!なんて事を考えながら僕は会場入りし、今日、ここで何をするのか、という説明を聞いてそれぞれの持ち場に行く。ちなみに僕の仕事は会場のドアの開け閉めをするドアマンの仕事。

 

 

あまり気が進まないが、それでも代理の役をしっかりと演じる。演じ初めてからだいぶ経った。中の様子はどうなんだろうか?なんとなく近くにあったチラシを見る。今日やってんのはあの「ツヴァイウイング」らしい。なるほどね。だからさっきから外も中も黄色い声援でうるさい訳だ。納得。と思っても、実際の所、僕は名前こそ知ってはいるが詳しくは知らないから、ほとんどスルーな状態だ。

 

この時僕はまだ、ノイズとか出て休みにならないかなー?なんて呑気な事を思っていた。ちなみに、ノイズとは、僕もあまり知らないが人に対して物凄く有害な奴で、聞いた話によるとノイズに触れられた人間は一瞬に灰になって死んでしまうらしい。人間がいる所に集まりやすく、その習性を生かして自衛隊がなんとか退治をしようとしている………らしい。ついでにノイズには知能が無いらしく、出てきた当初は人間も何回か対話を試みたが、結局効果は無いらしい………という噂を聞いたことがある。

 

 

………フラグからは逃れられない見たいだ。急に内部から、「ゴンゴンゴン」とノックが聞こえた。僕は当初、「ただお手洗いに行きたい人だろうな。」くらいにしか考えてなかった。ドアを開けると、そこにいた人々が我先に外へ逃げ出した。「ん?何があった?」と思う暇もなく、不気味な警報音が鳴り響き始めた。「この音はノイズが来た時に流れる音だ。マズい。一刻も早く逃げねば。」と思った。仕方ないので、ノイズに意味があるかどうかわからないがドアを閉めてから逃げようとした。しかし、目の前に転んでしまった小さな餓鬼がいるのを見て、出来なくなった。仕方ないので、応援を呼んでこの子を助けてから、ドアを閉めようと思った。しかし、どうにも連絡が来ない。試しに耳につけた小型のヘッドホンとマイクで僕以外が休んでいる所に連絡。通じたと思ったら、

 

 

 

ギャアアアアアアアアア

 

 

という音が聞こえて来た。おい、大丈夫か?と連絡しても返事が一切無い。これは死んでしまったのではないのか?と不安になったが、そっちは後で行くとして先ずは目の前のこの子を助ける事に。とりあえず背中におんぶして、外へ逃げる。外には、その子の母親だろうか?さっきの子とよく似た顔の女の人がいた。僕は近づいて声をかける。どうやら当たりだったようだ。その子と母親からお礼を言われる。嬉しかった。が、そんな感情に浸れない。すぐに連絡が来た。それもさっき連絡が入らなかった応援からだ。何だ?と言うと、助けてくれと、連絡が来た。僕はすぐに行動を開始。本部がある所に走る。しかし、途中で建物の柱が倒れていたりして体力を凄く消費してしまう。ようやく着いたら、もうそこは阿鼻叫喚であった。おい!と声をかけても返事は何も無い。瓦礫を除けると、そこにはステージが始まる(さっき)まで話していた人達が()()()()()。僕は恐怖で足がすくみ、立っていられなくなった。すると、瓦礫の1部が独りでに動き出した。僕はそれ見てすぐにそっちへ向かう。瓦礫の撤去をしてやると、息絶え絶えに成りながらも僕を見ている人が居た。大丈夫か?と聞くと、力なく首を横に振った。俺を見捨てて逃げろ。と彼が言う。僕は泣いてしまった。自分の不甲斐なさに。泣きながらも、しっかりしろ!と声をかけるが、目を瞑ってしまい、脱力して彼は倒れてしまった。しかしいつまでも泣いている訳にはいかない。すぐそこまで(ノイズ)が来ていた。仕方なく、僕は泣きながらも彼を見捨てて逃げる。

 

 

 

………ホールの方にはもうノイズは居ないだろう。と思っていた。それが間違いだったのかもしれない。沢山のノイズがそこに居たからだ。僕は、たまたま身を隠せる所が入ったドア近くにあったのでそこに隠れた。そして周りの様子を確認すると、ステージにはツヴァイウイングの2人なのだろうか?随分と派手な衣装で動き回っている。視線を観客席側に動かすと、そこには14、5の少女が居た。僕と同じで、ノイズに見つからないよう隠れている。とりあえず僕はその少女を助ける事にした。しかし、近づこうとした時にノイズに見つかってしまう。マズいと思った時に行動開始。僕は一気に走ってその少女を抱えると、さっき入ってきたドアめがけて走っていく。

 

 

 

………しかし悲しいかな、現実は非情である。ノイズに追いつかれ、後ろから体を貫通するようなパンチをくらった。咄嗟の判断で抱えていた少女を逃せたが、僕の体は()()()()()()()()()()()()()()()()。そして僕は膝をついてしまう。もう死ぬと思った時に思った。

 

 

()()()()()()()()()と。

 

 

 

………その時不思議なことが起こった。僕の体から稲妻が流れ出して、僕の体を貫いていたノイズにその電流が流れていく。そしてノイズは()()()()()()()()。意識が朦朧としている中で立ち上がり、その右の拳に先程の雷を纏わせる。そして一気に走り出し高く飛び、中央に居たノイズーー通称カルマノイズーーをぶん殴る。それでヤツは灰と化して消えた。ホッとしたのもつかの間、先程倒したハズのノイズがまた復活して来た。マズいと思うまもなく、僕は吹っ飛ばされ客席にダイナミックに着席失敗。体が全く動かなくなった。しかもさっきから血が溢れまくっている。もう一度、もう一度だけ起き上がってくれ、僕の体よ。と言っても、起き上がらない。カルマノイズが近づいて来た。もう駄目かと思ったが、その時に未来が見えてしまった。それは、『先程からノイズを倒していたオレンジ色の髪をした少女が自爆を図るとこ』であった。そんな事させてたまるか!の思いで足元フラフラの状態で立ち上がれた。そして、僕はいつの間にか持っていた短い、二本の剣をしっかりと握りしめて、カルマノイズと相対する。狙うはカウンターの一撃。それ以外は全く気にしない。そして僕は、その剣をノイズが来た所に重なる様に、カウンター気味で使ってやる。

 

 

………勝負は一撃で決まった。カルマノイズは今度こそ消え去り、僕は膝を着いて吐血する。そして僕は、ゆっくりと倒れ込んだ。




〜次回予告〜


あの惨劇から、2年がたったある日の事。またもやノイズが発生。そこで彼が目にしたものとは?


次回、『2年後のある一日』


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

戦姫絶唱シンフォギア(無印編) 第2話 2年後のある日

〜前回のあらすじ〜

話をしよう。あれは今から、2年前のことだ。君達にとってはつい明日の出来事だが、私にとっては、そう、昨日の出来事だ。


あのホールはあの日(ノイズが襲来した日)から全く変わらずに居た。たくさんの瓦礫が無造作に散らばっている。どうやらここには僕の記憶が残ってない様だ。一瞬だけ記憶が戻り、うッ、頭が。というような事にはならなかった。どうやら僕は薄情な人なのかも知れないな。

 

 

 

僕が目を覚ましたのは丁度一週間前、あの日から2年が経った時の事である。起きた時に父母と妹らしき人が居た。記憶を失う前の僕には居たようだ。そして、あの日にやった事が僕を『英雄』としたようだ。なんでも、あの場でドアを開けて観客を逃したのが被害を減らす一因と言うか要因になった。その為に人類を救った英雄となったらしい。しかし、今の僕にはどうでもいい事だ。例えそれが自分の事でも、記憶を失っている以上他人事なのだから。

 

 

………そろそろ帰ろうかと思っていた。その矢先の事。1人の少女がこの場所へ来るのを見た。そして僕の方に来て一言、花を手向けたいのだが、どこに置けばいいか?という事を聞いてきた。そこで僕は、すぐそこを指差してあそこに置くといい。と答えた。そうしてその少女は自分の用事を済ませてから、礼を言う。どういたしましてと答えてから別れようとした。さらにその矢先の事。

 

不気味なサイレンが鳴り響いた。それはノイズが襲来した証、その物であった。マズイと僕は判して、そこに居た少女に声を掛ける。少女は一瞬ポカンとした表情()を見せたが、すぐにわかりましたと答えた。そうして僕らは逃げる事に。

 

 

………何処までも走り回って僕らは逃げる。しかしノイズは僕らを逃さない。その内に少女がコケた。その拍子に足を挫いたようだ。大分痛そうにしているので仕方なくその少女を抱えて逃走を再開。距離はまあまあ離れている。しかし、油断は出来ない。とその時、ノイズが横から来た。ヤバいッと思ったが、ここまで走って来て疲れている事が原因で、ワンテンポ挙動が遅れた。彼我の差がおおよそ20Mだったのがおおよそ10Mにまで縮まってしまう。抱えている少女は涙で顔と僕の背中を濡らし、助けて。と何度も言う。僕では答えられない。いや、()()()()()()()()()1()()()()()姿()()()()()()()()()()()()。そう考えながらも僕は走る。

 

 

………考えながら走ったのが悪かったのだろう。コケてしまう。それでも僕は彼女をもう一度抱えて走り出す。しかし、(ノイズ)の手は彼女のすぐそこ。瞬時に僕は彼女の前に出る。それ以外に手が無い。そうして僕は死を覚悟した。

 

 

………その時不思議な事が起きた。なんと、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。それだけでは無い。それをしたのが風鳴翼似の少女であった。一体、何が起こっているのか、皆目検討がつかない。しかし、今わかっているのはとりあえずは助かったという事。すると隣にいた彼女がつ、翼さん!?と言っていたので、目の前の青髪少女は多分風鳴翼本人だろう。そして少しの注意をくらって今日はお開きになった。

 

 

 

 

………翌日。僕は昨日と同じ所に夕方居た。またいつもの様に。だ。失くした記憶を手に入れる手掛かりも本日も無し。街中を歩いても何も見つからない。幸いな事に、体は2年も寝ていたのに()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。何故なのだろうか?しかし今はそれに感謝する。何故なら、それのお陰で()()()()()()()()退()()()()()

 

 

………またもノイズが発生した様だ。サイレンが鳴り響く。今日は昨日と違って周囲に誰も居ない。そうして僕は一言呟いた。

 

 

「着装」

 

 

と。その瞬間、僕の周囲に鎧が出てきた。それが僕の体にくっつく。くっついた鎧から灰色のスーツの様な物が出てきて、僕の体と後頭部を覆う。その後に顔の左右からフェイスヘルメットが出てきて顔にくっつく。その際に頭の方に一本、ツノの様な物がフェイスヘルメットから出てくる。ついでに後頭部に風化した金色の髪が伸びてくる。………これで着装完了。一気にノイズを切り伏せる。

 

 

 

………近くのノイズをほとんど倒し、街を見るとそこには人が居た。それも、昨日の彼女。流石にここで見捨てる程僕は薄情では無い。そっちへ向かおうとして、その瞬間に光が彼女を覆った。そして光が止むとそこには先程とは全く違う格好をした昨日の少女が居た。と、そこへ風鳴翼が来たようだ。昨日の少女と2、3話して風鳴翼は空を駆けてノイズを倒す。その動作は洗練こそされてはいたが、少々荒っぽいな〜。なんて評価を勝手につけていた。

 

 

とその時だ。ノイズの一部が先程の光を放った所へ向かっている。そこに何があるのだろうか?目を向けるとそこには1人の幼女が居た。多分昨日の彼女が助けた子だろう。僕は弓を呼び出して、そこに矢をつがえ目一杯引いてから放つ。そして先程の幼女を目指していたノイズを一掃した。

 

 

………さて、ようやくノイズを全部倒して二人が向き合うと、いきなり昨日の彼女が手錠をかけられていた。ここに居てはマズイと考え、僕は離脱する。




〜次回予告〜

翌日僕は急に呼び出しをくらう。そしてそこである事を言われ、とある場所へ向かう事に。次回、『奏者と聖騎士』


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3話 奏者と聖騎士

〜前回のあらすじ〜

逃げてたら風鳴翼と出会ったり、着装してノイズを倒したりしました、めでたしめでたし。



………あれから数日経った後の事だ。朝一でいきなり校長先生からの呼び出しをくらった。なんなのだろうか?と思いつつ、校長室へ。ドアを2回ノックし、「失礼します。」と声を掛けてドアを開ける。するとそこには、校長先生と、ガタイのいい、俗に言う「筋肉モリモリマッチョマンのオッサン」が対面して座っていた。とりあえず僕はお二人に向けて挨拶をする。校長先生がとりあえずは座ってくれと、言ったので僕は「失礼します。」と言ってから校長先生の隣に座った。そして会話が始まった。

 

 

 

………先ずは自己紹介から。あのオッサンは風鳴弦十郎(かざなりげんじゅうろう)さん。なんでも、特異災害対策機動部二課のリーダーらしい。真田明(さなだあきら)と僕も名を名乗る。風鳴さんはいきなり核心をついてきた。「昨日のノイズ騒ぎの時、どこに居て何をしてたか?」と。これに僕は、「2年前に起きたとある出来事の被害の中心にほど近い所に居た。ノイズのサイレンがなって逃げようとしたが、シェルターの位置がわからず、ずっと逃げ回っていた。」と答えた。風鳴さんはあまり納得した表情をして無かったが、それでもわかった。と答えていた。そして会話が終了。いったい、何を聞きたかったのか?

 

 

………そんな事があっても、僕はまたあのホール(2年前に起きた悲劇の場所)に行く。いや、行きたかったと言うべきか。何故ならそこに銀髪の男が居たのと、そいつが僕の道を阻んだからだ。何の用だと聞くと、いきなり向こうは「着装」と言った。その瞬間に彼の周囲から火柱が上がり、それが収まるとそこにはギアを纏った青年が居た。 「()()」と呼ばれる剣を持って彼は僕と対峙した。僕はそもそも逃げる気でいたが相手はそれを許してくれそうにない。仕方がないので僕もギアを()()する。一瞬の静寂と緊張がその場を支配し、爆音と共に両者共に駆け出した。

 

 

向こうさんは 自分の獲物(エペ)に炎を纏わせて鋭い突きをかます。対する僕も刀に雷を纏わせて鋭い突きを刀の腹の部分で受け止める。そのまま相手の剣先を身体を軸にして流し、その勢いで相手の腹を蹴ろうとする。相手はそれをわかった上であえて僕の策に乗って、カウンターアタックを仕掛けようとした。具体的には、僕の蹴りを右肘で受けて拮抗している間に炎を纏わせた左フックを考えていた。そしてそれを実行した。僕はそれを見て、手にしている刀を防御に使用するのを決めた。さらに逆側から電気を流し込もうとした。それは一瞬でバレ、蹴り上げた足を受けている腕を前へ出して僕のバランスを崩す事にしたようだ。それを僕は利用して一気に後ろへ下がった。そしてまた睨み合いが始まった。今度は長時間の睨み合いとなった。そして、どちらからともなく一気に駆け出し、互いの必殺技を繰り出した。

 

 

羽々斬(はばぎり)

と僕が言ったのに対し、相手は何も言わないで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()で対抗。X字と刀の力が互角になっていた。そして同時に上に挙げた。それが勝負の境目になった。僕は刀と遠心力を利用した斬撃を放とうとしたのに対し、相手は持っていたエペを投げ捨て、右ストレートを僕の腹にかましてきた。これは僕も驚き、防御体制も取れぬままぶっ飛ばされた。着装が解除され、立ち上がろうにも出来ず、そのまま意識が遠のいた。




〜次回予告〜

病院の屋上。ここで二人が出会った時、二人は決意を固める。次回、「屋上の決意」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第4話 屋上の決意

~前回のあらすじ〜

炎の銀髪野郎に腹パンくらいました。


──────────────────────────────
今回はマジで難産でした。


………腹が痛い。まあ、原因はわかっている。銀髪野郎(アイツ)の炎を纏わせた腹パンが理由だってのは、他ならぬ僕自身がわかっている。とはいえ、何故アイツは気を失った僕にトドメを刺さなかったのか?それが目下最大の疑問だ。だがまあ、今は生きている事を喜ぶべきだろう。それに、奴の考えも解らない訳だし。と思ってとりあえずは、病院のベッドから起き上がる。

 

 

………ん?()()()()()()?そして僕は気づいた。どうして病院(ここ)に居るのか?……っと。とりあえずは考えてみる。が、思い当たる節が無い。っと、部屋の前に誰か来たようだ。ドアがノックされる。外から「真田さん、真田明さん。」と声が掛かる。僕は周りを見回したが、僕が寝ている所以外のベットは全て空いている。つまりは僕のようだ。はい、どうぞ〜。と言うとドアが開いて看護師さんと、この間会った風鳴弦十郎さんが居た。先ずは看護師さんが僕の体で痛む所が無いか聞いてくる。無いと答えるとお大事に〜と言って部屋から退出した。残ったのは僕と弦十郎さんになった。

 

 

やあ、おはようと、武骨な顔からは考えにくい優しそうな笑顔で話しかけてきた。おはようございますと返すと弦十郎さんは頷き、ベッド横のパイプ椅子に座ってからこっちを見る。そして一言「昨日のノイズ騒ぎの時、何処で何をしていたか?」と。僕は「この間と同じ様に逃げていました。」と答えた。だが弦十郎さんは納得してない様子。そして、スマホを取り出してとある動画(ムービー)を見せてきた。それはついさっき僕が銀髪野郎(ヤツ)と戦うシーンであった。そこで僕はミスを犯した。これが僕?と聞いてしまったのだ。誰も君とは言ってないぞ。と帰ってきた。そしてすぐに僕は失策を悟った。シマッタと小声で呟いたのもバレてしまったらしい。

 

 

………そうして少しの間沈黙が場を覆った。僕は何とかしてどうにかしようとしたが、良い手が思いつかずに居た。まさに覆水盆に返らずって奴だ。ここまで来たら仕方が無い。と僕は腹を括って弦十郎さんに素直に話した。

 

 

………とりあえず話せるだけ話した。全部話して、少し経ってから弦十郎さんが特異災害対策機動二課(ウチ)に来ないかと言った。僕はそれを………

 

 

 

………僕は今、屋上にいる。と言うのも、先程の誘いを一旦は濁した。もちろん弦十郎さんの言うとおり、特異災害機動二課に入れば色々と融通が効くことがある。しかし、どうにもこうにも、第六感と言うべきか、それが働いている。

 

 

っとそこへこの間の少女が来た。そして目が合った。どうも、と声を掛けると、ああ、貴方はあの時のと帰ってきた。その節はどうも。と返した。そして少しの間沈黙が場を覆った。が、僕は気にしないで自販機でジュースを買う。殆どが売り切れで残っていたのが「レモン味の炭酸水」だけだった。とりあえずはそれにする。

 

 

ふたを開けると「パシュゥゥゥ」と炭酸の抜ける心地のいい音がした。そして一気に半分くらいまで飲む。正直言ってあんまり美味しくはなかった。が、苦味を楽しむ事にした。と、視線を感じたのでそっちに目を向けると、先程の少女がこっちを向いて、手に持っている物(さっきの炭酸水)を欲しそうに見ている。……と言う訳でもう一本買って、渡してあげる事に。最初は断っていたが、最終的には貰った。

 

 

そしていきなり僕に向けて独り言を喋ってきた。なんでも、力があるのに、先輩にそれを否定され、戦った相手にも自分の戦いたくないという気持ちを否定されたらしい。それに関しては、どうとも言えないが、一つだけ、『自分の気持ちに素直になった方がいいかもしれない。』とアドバイスをしてあげた。そう言って、自分の気持ちに気が付いた。『やはりただ逃げているだけなのかもしれないな。』と考えながら。横を向いてみると、さっきの彼女は覚悟を決めた顔をしていた。僕もそうしなければならないのかもしれないな。

 

 

そう思っていたら、急にドアが開いた。そこに居たのは、弦十郎さんだった。「響くん、今いいか?」と良く響く声でこっちを見て、「おお、明くんも居たか!」と言う。どうしたのかな?と思っていたら、「奏くんが目を覚ましたぞ!」と言ってきた。は、はぁ?と思っていたら、隣の彼女(名前は響というのをいまさっき知ったのだが)が驚いた顔をして弦十郎さんを見た。そして「案内お願いします!」とばかりに弦十郎さんに走って近づいて行った。僕はどうしよか?と考えていたが、弦十郎さんから、一緒に来ないかと言われたので、とりあえずはついて行く事にした。それと、さっきの話、受けます。と言っておいた。




〜次回予告〜

復活した天羽奏。そして特異災害機動二課に入る事になった僕。入って早々、重大任務?次回、『特異災害機動二課』


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。