幻想郷で旅立つ黒の剣士 (エーン)
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1話 幻想入りを果たす

再投稿させていただきます。

SAO×東方

この作品はクロスオーバーです。

東方とソードアート・オンラインのキャラのみ出演します。

どうか暖かい目で見てください。

本編は下です


キリト「ここは一体・・・」

 

俺が今いるところは、周りが赤く、無数の眼玉に見つめられている空間だ。

ここは・・・気味が悪い。

 

キリト「・・・」

 

敵の気配がないのだ。

 

何故ここに俺がいるのか。

 

それは、俺がSA:Oをやっていた時だ。

俺が《エリオンウォード異相界》で宝箱探しをしていた時だった。

 

突然のことだ。罠かわからないが、俺の立っていた場所の下が、急に開かれたのだ。

俺はなすすべなく、その空いた穴に落下してしまったのだ。

そして俺は今、ここにいる。

 

この、赤い目玉の空間にだ。

 

キリト「・・・」

 

誰もいないように見える・・・。

しかしあるところが同じように開かれた。目型に。

ふわりと服がまう、黄色い髪の女性。

 

傘をもっていた。

 

そして、俺の目の前に着地すると、笑みをうかばした。

 

誰だ・・・。

 

キリト「あんたは・・・」

 

???「キリト・・・かしら?」

 

キリト「あぁ・・・なんで俺の名前を・・・」

 

紫「そうねぇ、まずは自己紹介からいきましょうか。私は〈八雲紫〉。紫とよんで構わないわ。一応、あなたも」

 

キリト「あ、あぁ、礼儀だよな。俺の名前は〈キリト〉だ。キリトと呼んで構わない。そんで・・・ここは?」

 

紫「ここ?ここはそうねぇ・・・まぁ、ここは〈ある世界〉とつなぐ、境界線の場所とでも言っておきましょうか」

 

キリト「・・・ある世界?」

 

紫「そう、ある世界。あなたには、そこに行ってもらいたいと、私は思っているわ」

 

キリト「ま、まて。人を勝手に拉致していきなり別世界に送り込むような真似は・・・」

 

紫「私もそう思っているわ。けど、あなたに手伝ってもらいたの・・・」

 

キリト「・・・」

 

この女性は助けを求めてるのか・・・。

 

俺は助けを求めている人を放っておけない。

 

キリト「ま、まず、その世界はどういう場所なんだ?名前は?」

 

紫「そうねぇ。まずその世界の名前ね。その世界の名前は・・・《幻想郷》よ」

 

幻想郷

 

まるで懐かしい響きのように聞こえる。

幻想・・・不思議だ。

 

アンダーワールドとはまた違うような・・・。

 

紫「そして、どんな場所か・・・。そうね・・・。一言で表すと()()()()()()()場所ね」

 

常識が通じない・・・。

なんとも怖い表現だ。

 

キリト「・・・常識・・・」

 

紫「ほかには・・・先に言ってしまうけれど、その世界には《能力》が存在するの。この私にもあるように」

 

キリト「の、能力?・・・」

 

まるでSFのような設定だ。

ALOでも、術式があるし、UWにも術式がある。

 

しかし、紫の言っている能力はきっと俺のいた世界とは違うように思える。

 

紫「妖怪や・・・もちろん人間も」

 

キリト「・・・」

 

紫「その中で、あなたには頼みたいことがあるの。それは《異変解決》を頼みたいの・・・。おそらく、幻想郷で大変なことが起きると思うわ。絶対に。それは私の手では負えないほどに」

 

キリト「異変・・・」

 

きっと常識が通じない世界だから、異変も当たり前なはず。

俺にできることがあるならば・・・。

 

紫「どうかしら。理由は不十分かもしれないけれど・・・」

 

キリト「・・・わかった」

 

紫「え?」

 

キリト「俺は、その世界に行こうと思う。・・・救えるならば、俺で」

 

紫「本当かしら?」

 

キリト「あぁ、困っている人を放っておけないからな」

 

紫「うふふ、優しいわね///」

 

キリト「けど、条件があるんだ」

 

紫「あら?何かしら」

 

キリト「俺を・・・俺を必ず、もといた世界に返せると誓ってくれるならば・・・行こう」

 

紫「そうね、約束するわ。絶対に」

 

キリト「そうか、ありがとう」

 

決心を決めたからには、必ず助けたい。

 

俺は今、〈黒の剣士〉ではない。

 

二刀流もやっていない。

 

片手剣で戦うただの剣士。

 

昔の俺はいなくとも、俺は俺。

 

キリト「・・・皆とは会えなくなってしまうのか?」

 

紫「・・・そうね・・・」

 

キリト「俺は、もといた世界にいない間・・・どうなってしまうんだ?」

 

紫「・・・恐らく、かつての〈ソードアート・オンライン〉のように、ずっと起きないままだと思うわ。けど安心して、おそらくソウルトランスレーターの中身でアミュスフィアをつけたまま保管される」

 

キリト「・・・詳しいんだな」

 

紫「外の世界をある程度は知っておかないとね」

 

キリト「そっか」

 

紫「だからあなたは向こうで目覚めない。覚悟はいい?」

 

キリト「もうOKだぜ」

 

紫「ありがとう、〈黒の剣士〉」

 

キリト「・・・もうその俺は・・・いない・・・」

 

紫「いえ、きっと居るわ。昔のあなたが、今のあなたを押してくれるわよ。いつか。では、行ってらっしゃい・・・」

 

キリト「あぁ」

 

俺はブラックウィングコートをしっかりと襟を直して、剣をみる。

 

俺はきっと、帰ってくると、そう信じて。

 

俺は目を瞑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瞼越しから見える光。

 

目をそっと開ける。

 

ここは森の中だ・・・。

 

ここが・・・。

 

キリト「幻想郷」

 

なんと静かな場所だろう。

 

キリト「よし、行くか」

 

俺は歩み始めた。

 




これも不定期更新となる、作品です。

自分は東方は好きでも、あまり知恵はありません・・・。

なので、皆さんが教えていただきながら、この作品は成り立っていきます☆

どうか、この作品を、よろしくお願いします・・・(;^ω^)

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


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2話 キリトは森のなかで家をみつける

幻想郷に来た

本編は下です


キリト「うぅ・・・寒いなぁ・・・」

 

森・・・なのは確かだろうけど、雪が地面を埋めていた。

 

木も枯れていて、俺はその雪道を踏みながら歩み続けている。

気温ももちろん低く、俺は今の装備では薄着だと今わかった。

 

そんな雪道を迷いながら俺は進んでいく。

 

キリト「何かないのかなぁ・・・ていうか・・・」

 

俺のHPが、確実に減っている。

なぜだろうか、俺のステータスに毒マークが表示されていた。

 

そういえば、こんな雪の中でもキノコは生えているんだなと思う。

キノコを遠くから見るが、色がえげつない。

なんかカラフル・・・というか光っている?胞子も舞っているのが目で確認できるほど光っている。

 

寒い道を歩み始めて早5分。

 

HPも自分の持っているポーションを持って回復している中・・・。

 

俺はある一つの小屋を見つけた。

小屋というか立派な家だ。

 

キリト「だれかいるかな・・・行ってみるか・・・」

 

洋風の木造建築。

 

入り口であろうゲートをくぐり、俺はその家の敷地内に入った。

 

いつのまにか、俺の毒マークも消えた。

 

あの毒は一体・・。

 

俺は家の前の玄関前にくる。

きっと誰かいると信じて、ノックをする。

 

3回。

 

すると、向こうから歩いてくる音が聞こえる。すると、その足音の本人が玄関を開けた。

 

???「はーい」

 

キリト「あ、どうも・・・」

 

扉を開けてきた人は、髪が黄色く、短髪なヘアスタイル。

赤いカチューシャを付けている。

服はふわりとした青い服と上は白い服。

 

???「あなた・・・見ない顔ね」

 

キリト「あ・・・はい、この世界の人じゃないので・・・」

 

???「恰好も見たことないし・・・もしかして外来人?」

 

キリト「外来人?」

 

???「別世界からこの世界、〈幻想郷〉に来た人のことを言うの」

 

キリト「そういうことか、なら俺は外来人だ」

 

???「やっぱり、ならあなたはこの周りを知らないわよね?」

 

キリト「そうなんだ・・・だから少し周りを教えてくれないか?」

 

???「そうね、じゃあ入って」

 

キリト「ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「そこに座って」

 

キリト「失礼する」

 

周りを見ると、裁縫をやっていたのか、布や糸が綺麗に置かれている。

 

アリス「まず名乗らないとね、私は〈アリス・マーガトロイド〉。気楽にアリスと呼んでもらって構わないわ」

 

キリト「アリス・・・」

 

不意に、俺の脳には、〈アリス・ツーベルク〉が思いだされた。

整合騎士アリス・シンセシス・サーティ。

黄色の髪は似ている。しかし口調、格好は違う。

別人だと確信し、俺が名乗る。

 

キリト「俺の名前は〈キリト〉だ。キリトって呼んでくれ」

 

アリス「キリト・・・わかったわ。それでキリト・・・どこから来たの?」

 

キリト「えっと・・・俺は〈ソードアート・オリジン〉というゲームの〈アイングラウンド〉から来た」

 

アリス「ゲーム・・・アイングラウンド・・・?」

 

キリト「わからないよな・・・けど、まず俺はその〈ソードアート・オリジン〉から来たっていうことだけ覚えればいいよ」

 

アリス「わかったわ。そして・・・キリトってこの森を抜けてきたの?」

 

キリト「そうだな・・・森のある場所に召喚されてそこからここまで迷いながら来た・・・っていう感じかな」

 

アリス「召喚?誰がやったの?」

 

キリト「あぁ、それは〈八雲紫〉っていう女がしたんだ。俺はその紫によって、ここに呼ばれたって感じかな」

 

アリス「なるほどね・・・って、え!?」

 

キリト「ん?」

 

アリス「あなた・・・この森を迷いながらっていったわよね?」

 

キリト「?あぁ」

 

アリス「体調は?大丈夫?気持ち悪くない?」

 

焦った表情で俺を心配する。

別に俺はなんともない・・・ん?待てよ?

俺はここに来るまで毒をもちながら来たんだ・・・。

 

キリト「えっと・・・俺はHPっていうのがあって。そのHPは俺の体力を示すんだけど・・・そのHPが毒によって減らされたんだけど・・・」

 

アリス「HP・・・あなたの体力はそのHPっていうのね?」

 

キリト「あぁ」

 

アリス「毒っていうのは・・・きっとこの〈魔法の森〉のキノコや植物の出す胞子のせいよ・・・」

 

キリト「そういうことだったのか」

 

だから俺は解毒ポーションを飲んでも効かなかったわけだ。

 

キリト「けど安心して、俺はなんともないよ」

 

アリス「よ、よかったぁ」

 

安心して椅子に座りなおす。

 

キリト「それで・・・俺はこれからどうすればいいのか・・・」

 

アリス「紫になんて言われたの?」

 

キリト「えっと・・・〈異変解決〉をしてほしいって・・・」

 

アリス「なるほどね・・・ならまずは博麗神社にいくべきだと思うわ」

 

キリト「博麗神社?」

 

アリス「博麗の巫女がいるわ。きっと助けてもらえるだろうし・・・まぁ少しめんどくさがりな人なんだけどね」

 

キリト「そうなのか・・・」

 

博麗の巫女・・・。

俺はまずその女に会うべきだと説明された。

なら俺より幻想郷を詳しい人の言うことは聞くべきだろう。

 

キリト「わかった。ありがとうアリス。んで・・・そこまでどうやって行けばいいのか俺はわからないんだけど・・・」

 

アリス「えっと・・・そうね、道なら私が知っているわ、私が一緒に同行して教えてあげるわ」

 

キリト「本当か?何から何までありがとうな」

 

俺はペコっとお辞儀をする。

 

アリス「頭を下げるほどのことでもないわよ、顔を上げて?」

 

キリト「あはは・・・」

 

アリス「じゃあ、私は防寒具を着るけど・・・あなたは?」

 

キリト「この格好でいくよ」

 

アリス「寒くない?」

 

キリト「大丈夫だよ、鍛え方がちがうからな」

 

アリス「そ、そう。わかったわ、じゃあちょっと待っててね」

 

すると、アリスは防寒具を着て、準備を完了させた。

 

アリス「じゃあ、行きましょ?」

 

キリト「わかった」

 

一緒にその家を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリス「この道は胞子がただよってないから、安心して進めるわ」

 

キリト「へぇ~さすが、知っているんだな」

 

アリス「この先にあるわ」

 

キリト「案外遠くないんだな」

 

すると、横から、複数の足音と思われる音が聞こえてくる。

 

キリト「なんだ!?」

 

アリス「っ!」

 

そして、その足音をした奴は、俺たちの前に現れた。

 

8本の足をもっており、顔が前についていて、後ろには大きな腹。

 

キリト「く・・・蜘蛛!?」

 

アリス「こんなところに妖怪が・・・」

 

キリト「アリス・・・簡単にはここを通してくれないみたいだぞ・・・」

 

アリス「そうね・・・(どうしてこの人はこんなに冷静なのかしら・・・)」

 

キリト「・・・攻撃は多分・・・あの前足2本と口。掴まれたら終わりだな・・・足を切断させて、行動をとらせないようにしよう」

 

アリス「・・・随分と戦闘慣れしているわね」

 

キリト「俺の元居た世界はこういう敵がいたからな・・・」

 

アリス「そういうことね・・・」

 

 

俺は鞘から〈アニールブレード〉を抜き放つ。

 

しっかり柄をにぎる。

 

アリス「キリト・・・悪いんだけど・・・私戦闘できる物をもっていないの・・・。でると思っていなかったの・・・。だから、私ができるのは私の能力である糸をつかって蜘蛛を足止めすることくらいしかできないわ・・・」

 

キリト「そっか、それだけで十分だ。俺が足を切断していくから、俺のバックアップよろしくな」

 

アリス「わかったわ」

 

キリト「じゃあ、行くぞ!」

 

アリス「ええ!」

 

俺は、雪の地面を思い切り蹴って、大蜘蛛に戦闘をしかけた。

 

 




見ていただきありがとうございました。
この作品は〈東方万華鏡〉の話を使っているので、今雪景色な理由もわかるとおもいます。

キリトには能力は・・・存在したほうがいいんですかね?
自分は一応能力・・・というか後半に出てくることにしています。

なのでキリトは一応ですが能力を持っているということで。後半に能力はでますので(;^ω^)

キリトは片手剣のみです。
HPはわかりやすく50000/50000です。

武器はアニールブレード
装備はブラックウィングコート

ホロウ・リアリゼーションと同じですね。

これからもよろしくお願いします☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


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3話 キリトはともに戦う

アリスの家から博麗神社へ

本編は下です


地を蹴って大蜘蛛に突進をかける。もちろん、俺だけだ。

アリスは俺の後で支援を行うからだ。

 

縦3メルほどのある大蜘蛛。足もでかい。

攻撃する前二本の足は恐らく甲殻でおおわれている。

 

だから後の残り六本足を上手く切断すれば、行動不能にしてできるだろう。

 

キリト「アリス!前の二本の足を拘束してくれっ!」

 

アリス「わかったわ!」

 

俺と大蜘蛛の距離はおよそ3メル。

 

大蜘蛛が右前足を大きく上げる。

 

すると、細い白色の糸が、俺に攻撃しようとした右足を上へぐっと引っ張りあげる。

遠隔のアリスの拘束が、大蜘蛛の攻撃を妨げた。

 

俺はこの機会を逃すことなく右に回り込む。

 

すると、左前足がぐっとひっぱりあげられる。

大蜘蛛も慌てているようだ。アリスが二本の前足の拘束に成功したのだ。

 

右に回り込み、柄を強く握る。

そして、俺は黒色の右3本足の先頭の足にめかげて、剣技の構えをとる。

 

剣を右上にもってきて、足に向かって左下に振り下ろす。

アインクラッド流 一連撃 〈ソニックリープ〉

 

キリト「せりゃああああああ!!!」

 

左下に下ろされた剣が、足を切断した。同時に黒い液が切断面から噴射させられる。

 

アリス「あまりもたないわ!急いで!」

 

キリト「わかった!!!」

 

アリスの拘束を無駄にしない。

 

剣技の後のクール時間を利用して、次の剣技を行う。

そう、ダメージが増加して剣技をまた出す裏技。

 

〈スキルコネクト〉だ。

 

キリト「せぁああああああ!!」

 

剣を剣技のように構え、二本、三本の足を切断にかかる。

 

剣技の溜まる音、右上にまた構え、水色に光る。

そして、二本目の足に向かって左下に振り下ろす。

剣の刃が、足を思い切り切断し、黒い液体が噴出した。

しかし、剣技の色はまだ光っている。そう、三本目の足の切断だ。

 

左下に振り下ろされた剣を、しっかり力をこめ、三本目の足に一気に近づく。

右上へ振り上げた剣が、三本目の足を切断した。黒い液体がまた噴出して、剣を汚した。

 

アインクラッド流 二連撃〈バーチカル・アーク〉

 

たちまち、大蜘蛛の右側の足は前足の一本だけとなり、体重を右の方に崩してしまう。

 

俺は心の中で、成功した、と思った。

しかし、それは危険なことだった。

 

キリト「やったぞっ!」

 

アリス「うっ・・・・」

 

大蜘蛛の体重が思い切り右に倒れ、右側に崩れた体。

しかし、アリスがそこで歯をくいしばる。

 

アリス「っ・・・」

 

糸で引っ張り上げていた前足二本が、一気に倒れたことで、糸がさらに引っ張られ、その力に耐えられず、糸がプチンと切れてしまったのだ。

 

アリス「あぁっ!」

 

糸が切れ、アリスが後に尻もちをついてしまう。

 

キリト「アリス!」

 

すると、大蜘蛛は目の前のアリスに向かって一気に前足の右足をアリスに向かって振り下ろそうとする。

 

アリス「あ・・・」

 

アリスが危機感を覚える。

大蜘蛛がアリスに向かって攻撃を行おうとする。

 

俺は咄嗟に左足を軸に後を向き、剣を前に突き出す。

 

足に力をこめ、大蜘蛛の右足にめかげて一気に最速の突進をした。

剣が赤く光る。

赤い光の剣技である。

 

キリト「させるかぁぁぁああッ!!!!」

 

右手で握る剣を前に突き出し、赤い光が一直線になる。

アリスに右足が当たるまであと1メル。

 

その時、キリトの剣先が右足の腹に思い切り突き刺さる。

パキッ。

甲殻にひびができ、さらに力を突き出す。

 

グシュッ。

 

黒い液が、ひびを貫き通して、噴出する。

 

アインクラッド流 突進撃〈ヴォーパル・ストライク〉

 

右足は左側へ思い切り動かされる。

 

たちまちまた体を崩した大蜘蛛。

俺は足から剣を抜き、アリスに向かっていった。

 

キリト「大丈夫かアリス!」

 

アリス「え、えぇ・・・救ってくれてありがとう///」

 

キリト「無事でよかった」

 

俺はアリスを起こし、大蜘蛛を見る。

 

キリト「とどめを刺す」

 

アリス「ええ」

 

キリト「糸はまだ使えるか?」

 

アリス「もちろんよ」

 

大蜘蛛が体制を立て直す。

とはいっても右に傾いたままだが。

 

前右足は俺が突き刺したことで使えなくなっているようだ。右前足がまったく動いていない。

 

キリト「俺が頭にむかって突進をかける。アリスは左前足を拘束して、攻撃を防いでほしい」

 

アリス「前右足は大丈夫なの?」

 

キリト「あの状態だ。おそらくうごけない。だから左前足だけを拘束してくれ」

 

アリス「わかったわ」

 

大蜘蛛「ギギッ・・・」

 

キリトは息を吐き、柄を握りなおす。

 

キリト「いくぞッ!」

 

キリトは蜘蛛に正面から突進した。

蜘蛛は前右足を使わず、左前足のみを動かした。

 

左後足を動かす、左前足のみだけで俺に攻撃をしかける。

 

大蜘蛛は思い切り左前足を後ろに引く。

その時だ!

 

キリト「アリス!」

 

アリス「わかったわ!」

 

ぐっとアリスの糸が遠隔から左前足をそのまま後ろに引かれる。

大蜘蛛はぐっと後ろに少し引かれる。

 

キリト「うぉぉおおおっ!!!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

アリスが少し目を開く。

キリトはどうしてこんなにも勇敢なのだろうか。

誰かを守ろうとするのか。

アリスの心に変な気持ちが残っていた。

 

 

 

思い切り右上に剣を持ち上げ、剣が紫色に光る。

 

重く伝わる剣技のたまった音。

 

思い切りその剣は大蜘蛛の顔に向かって右上から左下に切り下ろされる。

 

思い斬撃音が響く。

顔は斬撃の後が残り、傷口から黒い液体が噴き出る。

 

大蜘蛛はさらに苦しむ。

混乱を狙ってされに攻撃をしこむ。

 

剣を左上にもってきて、傷口の始まりの位置から少し左に離れて、また斬撃を行う。

左から右へ水平に斬撃が行われる。

さらに苦しむ大蜘蛛。

 

そして剣を下にもってきて、柄を強く握る。

 

下から左上へ思い切り切り上げる。

 

キリト「せぁあああああっ!!!」

 

さらに思い斬撃音が繰り出される。

 

ザシュッ!!!

 

ブシャア!!

 

大蜘蛛の顔が、俺の剣技で逆三角形の傷口ができていた。

 

これが片手剣の重攻撃。

 

アインクラッド流 三連撃〈サベージ・フルクラム〉

 

キリト「どうだっ!!」

 

大蜘蛛は生気を無くし、足が崩れ、体が思い切り倒れた。

大きな音が響いた。

 

キリト「ふぅ・・・」

 

アリス「がんばったわね」

 

キリト「アリスの力なしでは絶対勝てなかったよ」

 

アリス「そ、そう?ありがと///」

 

俺たちは大蜘蛛の死体をみた。

 

アリス「なんでこんなところに大蜘蛛がいるのかしら・・・」

 

キリト「ここは毒の胞子が舞っていないんだからじゃないか?」

 

アリス「うーん・・・まぁ毒の胞子は妖怪にも効くし・・・そうなのかもね」

 

キリト「まぁ、どうでもいいじゃないか。早く博麗神社を目指そうぜ」

 

アリス「そうね」

 

俺は剣に付着した黒い液を振り落とし、鞘に納めた。

 

俺とアリスは同時に歩み始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリス「キリトは剣技がかっこいいわね」

 

キリト「あぁ・・・まぁ結構やっていたからなぁ」

 

森の中を二人で歩いていた。

 

キリト「さてと・・・もうすぐだよな?」

 

アリス「ええ。そこよ」

 

指さした方を見ると、長い石の階段が上に向かって伸びていた。

 

よくある神社の入り口だ。

 

キリト「長い階段だな・・・」

 

アリス「飛べれば楽なんだけどね」

 

キリト「飛べる人もいるのか?」

 

アリス「もちろんよ」

 

そういうと、アリスは階段に足をつけた。

俺もあとから階段を上り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリス「ここよ、博麗神社」

 

キリト「はぁはぁ・・・ここか・・・」

 

鳥居に博麗と書かれている。

 

キリト「かなり立派な神社じゃないか」

 

アリス「博麗の巫女が向こうにいるわ」

 

キリト「わかった」

 

同時に向かい、前までくる。

 

キリト「賽銭箱だな・・・」

 

アリス「・・・キリトってお金を持ってるの?」

 

キリト「いや、持ってはいるんだが通貨が違うからな・・・〈コル〉って言うんだ」

 

アリス「通貨が違うと意味ないわね、あの巫女はお金が好きなのよ。賽銭箱にお金を入れれば音速で来るわ」

 

キリト「そ、そうなのか・・・」

 

アリス「大丈夫よ。お金なんて払わなくてもいいわ」

 

すると、アリスが一歩進む。

 

アリス「霊夢!出てきなさい!」

 

少し張った声で呼びかける。

 

??「な~に~よ~・・・」

 

その声とともに襖があけられる。

 

アリス「お客さんよ」

 

??「お客さん?」

 

アリス「キリト、この人がこの神社の巫女」

 

キリト「あっ、キリトです。剣士をやっています」

 

霊夢「キリト?聞かない名前ね、私は〈博麗霊夢〉。霊夢と呼んで構わないわ」

 

キリト「で・・・ある人にこの世界に呼ばれました・・・」

 

霊夢「ある人?・・・あぁ、わかったわ。だいたいね。上がって。アリスもいいわよ」

 

アリス「じゃあ、お邪魔するわね」

 

キリト「お邪魔します・・・」

 

俺は博麗の巫女と出会った。

 

 

 




東方×SAOは戦闘シーンがあることが多いかもしれません・・・。
自分戦闘シーン書くのは結構得意ではないのでどう書けばいいのか難しいですねw

アリスはキリトのことが少し気になっている様子・・・?

次回もご期待ください☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


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4話 キリトは魔理沙と戦う

霊夢と出会う

本編は下です










この話は〈幻想万華鏡〉の話をかなり使って作っています。


霊夢「んで・・・連れてこられたんでしょ?おそらく紫ね?」

 

キリト「あぁ・・・よくわかったな」

 

霊夢「私と紫は知り合いだからね。かなりのね」

 

アリス「私はあんまり話してないわね。けど一応知っているわよ」

 

キリト「紫はかなりの有名人なわけだな」

 

霊夢「そりゃそうよ。この世界を創生した人だからね」

 

キリト「創生!?・・・すごいな・・・」

 

アリス「この幻想郷を作った人が、助けを求めてるなんてね」

 

キリト「あぁ、そうなんだよ。霊夢、俺は紫に〈異変解決〉の件で来たんだ。俺に手伝ってほしいと言われてな」

 

霊夢「異変解決・・・ね・・・。これまで異変解決は私がほとんどやってきたわ。妖怪のいたずらが多かったけど。けど紫が外来人に頼むとはかなりのことってことね」

 

キリト「俺は何の能力も持っていないのに・・・できるのか・・・」

 

深く俺はうつむいた。

 

霊夢「・・・それは、あなた次第ね。あなたが頑張れば、救われる。頑張らなかったら、救われない。そういうことよ」

 

アリス「キリトには能力はないのね、けど立派な剣技を見せてもらったけど・・・」

 

霊夢「剣技?」

 

キリト「あぁ・・・俺背中に剣を背負っているだろ?これで戦っているんだが・・・まぁ適当に振っているんじゃないぞ。俺はしっかり剣技を使っているんだ」

 

霊夢「へぇ・・・そんな細い剣一本で戦えるのね。・・・アリス、あんたさっき立派な剣技を見せてもらったって言ってたけど・・・」

 

アリス「あぁ、それはさっき〈魔法の森〉で遭遇した大蜘蛛と戦ったのよ。その時一緒に戦ってたんだけど・・・けどすごかったわよ」

 

霊夢「大蜘蛛・・・あの凶暴な妖怪ね?けど・・・二人だけでよく倒せたわね。私でも数分はかかるけど」

 

アリス「だから、キリトの剣技がすごかったのよ」

 

キリト「あ、あははは・・・」

 

霊夢「ふーん、それは見てみたいものね」

 

などと俺たちが座って話していた時だ。

突然後ろの襖が開かれた。

 

???「よぉ!霊夢!氷の妖怪を捕まえてきたぜ!」

 

開いたところにいたのは、黒いとんがり帽子をかぶり、金髪のロングヘアー。服は白黒のゴスロリというのか。そのようなふわりとした服を着ている女の人がいた。

 

そして、手であるひとを捕まえていた。

 

???「はーなーせー!!」

 

叫んだのは水色の短髪の少女。背中にはなにか氷のような羽のようなものが生えており、ふんわりとした格好だ。

とても幼げに見える。

 

霊夢「魔理沙・・・寒いから早く締めて」

 

魔理沙「ぬぐ!?ぬぬぬぬぬ・・・」

 

アリス「まだ探っていたのね」

 

魔理沙「そうだぜ!まだ探しているんだ!絶対に怪しいからな!・・・ん?そこにいる男は?」

 

霊夢「あぁ、さっき来た外来人よ」

 

キリト「名前はキリトだ。剣士をやっている」

 

魔理沙「私は〈霧雨魔理沙〉!普通の魔法使いだ!」

 

キリト「魔法使いなんているんだな・・・」

 

???「はーなーせー!」

 

キリト「・・・そいつは?」

 

魔理沙「あぁ、そうだった。霊夢!ほら、氷の妖精だ!いい加減これは異変だと認めろ!見てみろこの雪景色!もう春なのに、いつまでも雪ってのはおかしいぞ!」

 

霊夢「今年は春が遅いってだけ」

 

キリト「・・・異変?」

 

魔理沙「おっ!?信じてくれるのか!キリト、これはどう見ても異変だぞ!だってもう4月なのにまだ雪だ!絶対どこかにこの異変の主犯がいるはずだ!」

 

キリト「まぁ・・・4月なのまだ雪ってのは俺のいた世界ではほとんどないなぁ」

 

魔理沙「だろ!?だから異変解決だ!霊夢!」

 

霊夢「はぁ・・・」

 

キリト「まぁ俺はこの世界に異変解決として呼ばれたからな・・・。霊夢、異変かどうかはともかく、まずは確かめてみないか?」

 

霊夢「うーん・・・」

 

不機嫌そうに悩んでいる。

すると、魔理沙から声がかかる。

 

魔理沙「キリトってこの世界に連れてこられたのか?異変解決として?なら手伝ってくれるのか?」

 

キリト「あぁ、俺も異変解決を手伝うさ」

 

魔理沙「そうかそうか!」

 

ばぁっと手を離した。

 

???「わぁーー!」

 

雪の庭に妖精が落ちた。

 

魔理沙「けど・・・戦えるんだろうけど、実力をしりたいぜ・・・」

 

すると魔理沙から案が出された。

 

魔理沙「キリト!私と戦おうぜ!」

 

キリト「えっ?」

 

俺は唐突の意見に声を上げた。

 

魔理沙「異変解決のために来たとは言え、実力がどれほどのものか知りたいんだぜ!少し私と戦おうぜ!」

 

霊夢「そうね、私もキリトの実力を知りたいわね。剣技というものも見てみたいしね」

 

アリス「・・・いいの?キリトは」

 

キリト「・・・まぁ、実力をまず示さないとだめだよな。わかった、戦うよ」

 

魔理沙「よかったぜ!じゃあこっち来てくれ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺と魔理沙は家からだいぶ離れたある空き地に来た。

周りになにもなく、かなり広い場所である。

 

魔理沙「ルールはどちらかが参ったと言ったら負け。武器は・・・キリトは剣か?」

 

キリト「あぁ、魔理沙は魔法を使うんだろ?」

 

魔理沙「そうだぜ。じゃあアリスと霊夢はなにもしてこないでくれよ?」

 

霊夢「わかっているわよー」

 

アリス「わかってるわ」

 

魔理沙「始まりの合図は霊夢が出してくれ」

 

霊夢「わかったわ」

 

魔理沙「じゃあ、戦おうぜ!」

 

キリト「あぁ」

 

そういうと、俺と魔理沙は10メートルほど離れる。

 

魔理沙は手放していた(ほうき)を遠隔操作で手に戻らせ、握った。

 

俺はアニールブレードの柄をしっかり握り、鞘から剣を抜き放つ。

 

キリト(・・・魔法使い・・・恐らく箒で飛ぶだろう・・・攻撃はどんなのがあるんだ・・・)

 

魔理沙(剣士・・・剣を使う技か・・・なら遠距離が有利かな)

 

しっかりにらみ合い、霊夢が合図をだす。

 

霊夢「それでは・・・はじめっ!」

 

張った声が響いた刹那。

 

魔理沙は箒をまたぎ、上空を少しとび攻撃をしかける。

 

キリト「やっぱり飛ぶか」

 

俺は腰を落とす。

左手を少し前にだし、攻撃に備える。

 

魔理沙「来ないのならこっちからいくぜ!」

 

すると魔理沙の周りに缶のようなものが数個舞う。

 

あれは!?

 

魔理沙「くらえ!」

 

その舞った缶は次々と破裂し、緑色の弾となって俺に向かって飛んできた。

正確に俺に狙ってくる。

 

魔理沙「どうだ!」

 

キリト「・・・」

 

霊夢「あんな複数の弾、剣だけでどうすんのよ」

 

アリス「・・・わからないわ」

 

キリト(・・・弾の速度はあまり早くない。それぞれの弾をしっかり見て・・・)

 

目を見開き、しっかり握る。

 

そしてある剣技の構えをとる。肩に乗せて剣技の溜まる音がわかる。

 

そして、緑色の弾が数メートルになった時、右上から左下へ剣を振り下ろす。そしてその剣が切ったものは、緑色の弾だった。

 

魔理沙「なっ!」

 

キリト「まだだ・・・」

 

キン!キン!キン!

 

次々の弾をしっかり剣を当てて一発も俺の体に触れさせない。

右、左、下、上、右上、左下、さまざな方向からの弾をそれに対応した動きで弾を切り倒していく。

 

霊夢「あれが・・・剣技・・・?」

 

アリス「えぇ、そうよ」

 

霊夢が眼を見開く。

 

霊夢「とてもはやい動きね・・・剣一本で複数の弾を確実に・・・」

 

キリト「ハァッ!セェア!フッ!」

 

水色のライトエフェクトが残像にして残る。

 

そして複数来た緑の弾は、すべて俺によって切られた。

 

アインクラッド流 七連撃〈デットリー・シンズ〉

 

魔理沙は驚きのあまり、地面に立った。

 

魔理沙「何者なんだ・・・?」

 

キリト「・・・」

 

俺は、剣技を終えたあとも体を休ませることはない。

思い切り雪の地面をけり、音速といわんばかりの速度で魔理沙の真正面に向かって剣を構える。

 

魔理沙「はやっ!?」

 

咄嗟に箒を構えた。

しかしそれもキリトの剣で即座にはじき返された。

 

箒が魔理沙の後に吹っ飛んだ。

 

そして俺は首の位置に剣を添えた。

 

SAOの頃、俺がロザリアという赤髪のギルドリーダーにやった体勢だ。

 

キリト「俺は人を傷つけたくはないからな。参ったって言ってくれるか?」

 

魔理沙「おう////ま、参った・・・」

 

沈黙がそこに広がった。

 

霊夢「しょ・・・勝者・・・キリト」

 

しばらくして霊夢が試合の終了合図をだした。

 

俺は剣を鞘に納めた。

 




戦闘でキリト勝ちました☆

次回もご期待ください☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


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5話 キリトは情報収集をする

魔理沙の闘いに勝利

本編は下です


霊夢「とっても速い展開の試合だったわね、すぐに勝敗が決まったわね」

 

魔理沙「本当だぜ!キリトはとっても強いんだな!すごいぜ!」

 

霊夢「あの弾幕を切ったキリトの技が剣技?」

 

キリト「あぁ、別名〈ソードスキル〉。普通に剣を振るより攻撃力が上がり、動きはシステムが補助してくれる。そういうものさ」

 

霊夢「なんかよくわからない単語がいっぱいだけど・・・けどまぁ、強いっていうのがわかったわ。実際見てすごかったしね」

 

キリト「ありがとな」

 

魔理沙「じゃ、キリトも異変解決の手助けを頼む!きっと主犯は強いはずだからな!」

 

霊夢「私一人でも解決できる気がするけど」

 

魔理沙「霊夢はむっちゃ強いけど、キリトの力に助けられる時がくるかもしんないぜ?んじゃ、ちょっくら異変解決に向かおうぜ!」

 

霊夢「わかったわよ・・・」

 

キリト「お、おう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔理沙「3人が全員同じ場所に行く必要はないよな。それにキリトは地上しかいけない。だから、キリトはここ」

 

すると、魔理沙の指さした地図の場所は、家がかなり建っている里のようだった。

 

魔理沙「ここ、〈人間の里〉に向かってほしい。栄えてるし、きっといい情報があるかもしれないからな」

 

キリト「わかった」

 

魔理沙「私と霊夢は上空からの情報収集だ。上空からなにかあるか探す。いいか?」

 

キリト「わかった」

 

魔理沙「そうだな、1時間したら霊夢の家に戻ってきてくれ」

 

アリス「人間の里までは私が案内するわ。一応来たばっかりだしね」

 

キリト「助かるよ」

 

霊夢「じゃ、それぞれ頑張りましょ」

 

魔理沙「おう!」

 

キリト「わかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はアリスと並びながら魔法の森を抜けた。

俺もこの世界の異変を解決するならば、道くらい覚えないとな。

 

アリス「ほら、向こうよ」

 

キリト「あぁ、あれか」

 

小屋が並ぶ里だった。今は雪の為全体的に白い。

 

キリト「んじゃ、ちょっくら聞いて回りますか」

 

アリス「私は主犯とは戦わないわよ?」

 

キリト「わかっているさ」

 

そして俺は、里を回っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「本当ですか?」

 

老婆「そうねぇ、これだったかしら」

 

俺は今、野菜を売っている老婆の人に聞いた。

そしたら、何やら情報の本を持っているらしく、俺は心をワクワクに聞いた。

 

老婆は家にもどり、本を探す。

 

老婆「これよ」

 

キリト「あ、ありがとうございます」

 

老婆の隣で本を開く。

 

すると、筆記されていたのは春を奪う妖怪のことであった。

妖怪が仕業だというのは大体予想ついていた。

 

キリト「・・・冥界・・・?」

 

なんとも、その妖怪はここでは姿をまだあらわにしていないという。ただ、その主犯に仕えているであろう人が、ある上空から来たという目撃情報。そして、ものすごい買い物をしてもといた場所へ帰ったという。

 

なんとも、その仕える人は刀を持っているという。

 

そして、なにか渦のような入り口へ入っていったという。もちろん確定情報ではない。

 

キリト「・・・冥界の入り口なのか・・・」

 

老婆「私もまだ若いままでありたいわねぇ」

 

キリト「冥界って・・・?」

 

老婆「あぁ、冥界というのは死んだ者たちの魂が漂う場所のことねぇ」

 

キリト「死者・・・」

 

老婆「それも、罪のない人達の魂が成仏するか、または生まれ変わるか。だったかしらねぇ」

 

キリト「ということは・・・俺は死なないといけないのか・・・?」

 

もう一度、俺は本をみる。

 

そう、冥界とは死者の世界のことだ。

俺は今生きている。つまり向こうに行くことはできない。

しかし、そこに行くための入り口があるんだという。

 

その入り口を見つけるのが、必要だと思われる。

その入り口ならば、死者にならなくてもいいのではないか、そう考えた。

そして、その入り口に行く方法だが・・・。

 

なんとも、妖精?が案内してくれる・・・という・・・。

 

それは・・・〈春の妖精〉

 

 

キリト「ありがとうございます。とても助けになりました」

 

老婆「いいのよぉ」

 

俺は本を返した。そして、アリスを探す。

 

キリト「アリスー!」

 

アリス「あ、キリト。どう?いい情報は見つかった?」

 

アリスにも情報収集をしてもらっていたのだ。

 

キリト「いい情報すぎるぜ」

 

アリス「どんな情報?」

 

キリト「それはな・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔理沙「なにもないぜ・・・」

 

霊夢「そうね・・・」

 

魔理沙「さっきいた白色の妖精みたいなやつが何か知ってると思ったら、全然話してくれないから倒しちゃったぜ」

 

霊夢「そんなやついたの?」

 

魔理沙「キラキラ光っていたぜ。名前はなんていうんだっけな・・・確か・・・レティ・・・・なんとかだ!わからないけど・・・」

 

霊夢「別に関係ないならいいじゃない。じゃあ、ちょっと家に戻りましょ」

 

魔理沙「そうだな!」

 

霊夢と魔理沙は霊夢の家へ戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「お?帰ってきたな」

 

アリス「そうね」

 

魔理沙「よおキリト!なにかいい情報はあったか?」

 

キリト「あぁ、あったぜ。どうやらこの異変の主犯は〈冥界〉という場所にいるらしい」

 

霊夢「冥界・・・」

 

魔理沙「冥界って・・・死者の行く場所じゃないか。行けるのか?」

 

キリト「なんでも、春の妖精が知っているってさ」

 

霊夢「春の妖精っていったら・・・〈リリー・ホワイト〉よね」

 

魔理沙「だな」

 

キリト「リリー・ホワイト?」

 

霊夢「春を告げる妖精よ。なら、そこらへん探せばいると思うわ。行きましょ?」

 

キリト「おう」

 

魔理沙「行こうぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「冥界へ案内してくれる?」

 

霊夢が目の前の妖精に話しかける。

羽をつけていて、頭にはとんがり帽子。リボンがついている。

全体的に白が多い服だ。

 

リリー「」コクン

 

リリーは笑顔でうなずいて、上空へ飛んでいく。

 

霊夢「案内してくれるって」

 

魔理沙「じゃあ、行こうぜ!」

 

アリス「ちょっと待ちなさいよ」

 

魔理沙「ん?」

 

アリス「私は行かないからいいけど・・・キリトは飛べないわよ?」

 

キリト「・・・」

 

魔理沙「そうだったぜ、じゃあ私の箒に乗ってくれ。一緒に飛ぼうぜ」

 

キリト「いいのか?」

 

魔理沙「じゃないといけないしな!」

 

魔理沙は箒を浮かす。

 

霊夢「じゃあ、キリトは魔理沙に頼りなさい」

 

キリト「あぁ」

 

魔理沙は箒にまたがる。

 

魔理沙「じゃあ、後ろに乗ってくれ」

 

キリト「わかった」

 

俺は後の方にまたがる。

 

キリト「なにに捕まればいいんだ?」

 

魔理沙「うーん、危険だから私に捕まっておいてくれ」

 

キリト「あ、あぁ・・・」

 

俺は魔理沙の腹に手を回す。

すると、魔理沙がビクッと反応する。

 

魔理沙「優しくするとくすぐったいからできれば強く捕まってほしいぜ///」

 

キリト「あぁ、すまん!」

 

俺はしっかり腹に手を回した。

 

魔理沙「んじゃアリス、私たちは行ってくるぜ」

 

アリス「行ってらっしゃい。しっかり解決してくるのよ?それにキリト」

 

キリト「ん?」

 

アリス「みんなを頼んだわよ」

 

キリト「俺じゃなくても霊夢が救ってくれるんじゃないのか?」

 

アリス「キリトの剣技が必要よ。だからしっかり守ってね」

 

キリト「おう」

 

霊夢「じゃあ、行くわよ」

 

そういって、俺たちは上空へ行き、リリーの後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくすると、黒い球体が上空でみえる。

その球体に桜のようなものが吸い込まれていっていた。

そうか、あれが、あれは球体ではない。

円の形をした冥界とこの世界をつなぐ道なのだ。

 

キリト「あれか」

 

魔理沙「そうみたいだな」

 

霊夢「加速するわよ!」

 

魔理沙「おう!」

 

キリト「え?えぇぇえええ!?」

 

ビューンっと一気に入り口へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入口へ入ると、重力が下から上へ変わった。

背中がたたきつけられて、俺たちは立った。

 

目の前は無限とも思われる階段が上へ伸びていた。

端には照明が立たされている。

 

キリト「な、長くないか・・・?」

 

霊夢「行くわよ」

 

魔理沙「キリト、弱音を吐かず行くんだぜ!」

 

長い階段へ一歩ずつあゆみ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「はぁ・・・はぁ・・・つ、疲れた・・・・」

 

霊夢「お疲れ様」

 

魔理沙「無事ついたな」

 

俺の筋力パラメーターでもこんなに疲れるとは思わなかった。

 

霊夢「さてと、この先ね」

 

魔理沙「そうだな」

 

キリト「はぁ・・・行くか・・・」

 

疲れたまま奥へ進む。

 

周りにはあっちで見れなかった桜が咲き誇っている。何本も。

 

キリト「桜が咲いているぞ・・・」

 

霊夢「ここで咲かせているのね」

 

魔理沙「どんなやつなんだ?」

 

進んでいくと、ある一人の少女が背中を見せて立っていた。

誰だろうか。

 

すると、こちらに振り向いた。。

 

???「ここは冥界、亡霊たちの住まうところ。命ある人間たちよ、疾くお前たちの顕界へ引き返すがよい」

 

キリト「誰だ・・・」

 

その少女は、白い髪で、黒い飾りをつけている。

背中には()()()を背負っている。

緑色の服を着ていた。

そして、あの少女の周りに漂っている白いお化けの顔がないようなものがずっとそばを離れていない。

 

あれが・・・魂?

 

魔理沙「観念しろ!お前たちの計画はすべて調べさせてもらった!いますぐ降参するんだ!」

 

自信ありげに思い切り宣戦布告をする魔理沙。

 

魔理沙「おっと、抵抗してくれてもいいんだぜ。力づくは大好きなんだ」

 

???「ふふ・・・ははははっ!人間ふぜいが何をいいだすかと思えば・・・。博麗の巫女もいるみたいですね。私を倒してから行くがよいでしょう」

 

こちらを見下すように見る白髪の少女。

 

刀か・・・。

 

剣を使う者ならば、剣をつかう者と戦うのが普通だろう。

 

キリト「俺が出る」

 

魔理沙の肩をつかむ。

 

魔理沙「うぇ!?私が戦うんだぞ!」

 

キリト「俺が戦う。剣士には剣士相手がいい。そうだろう、あんた」

 

???「誰ですかお前は?なにやら変わった格好ですね。お前も剣を使うのですか」

 

キリト「あぁ、名乗らせてもらおう。俺はキリト。剣士だ!」

 

鞘から剣を抜き放つ。

 

???「なら、私も名乗らねばいけませんね。私は〈魂魄妖夢〉。主である〈西行寺幽々子〉に仕える剣士。」

 

キリト「剣士キリト、剣士魂魄妖夢に尋常なる剣の立ち合いを所望する!」

 

妖夢「いいでしょう。私の相手になるかどうかわからないですが、あなたの力がどれほどのものか、この刀で試させていただきます」

 

すると妖夢は日本刀を横にもち、横へ刀を鞘から抜き放つ。

刀の刃が細く眩く光る。

 

キリト「霊夢、魔理沙、見ていてくれ」

 

魔理沙「もちろんだぜ」

 

霊夢「決して油断しないで」

 

キリト「あぁ」

 

妖夢に向き直る。

 

キリト「それじゃあ、行くぞ!!!!」

 

妖夢「かかってなさい!」

 

剣士対剣士の闘いが、冥界で始まった。

 

 




次回!妖夢対キリト!
楽しみにしていてください☆

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6話 キリトは冥界で戦う

魂魄妖夢と出会う

本編は下です


俺と妖夢は地を蹴って一気に距離が迫る。

 

キリト「ハァッ!!」

 

右上からの振り下ろし。

しかし、あっさり妖夢の刀で塞がれる。

 

妖夢は俺の剣を一気にはじき替えると、俺はのけぞり、そこを妖夢はつく。

 

キリト「くっ・・・」

 

妖夢「セアァッ!」

 

横に一気に振るう。

俺は、はじき返された剣をしっかり握り、剣技の構えをとる。

 

横から来た妖夢の刀を赤く光る刀身で右下へ振り、一気にはじく。

アインクラッド流 一連撃〈スラント〉

 

妖夢「うっ!やりますね」

 

キリト「まだまだ!」

 

妖夢「なら、これはどうでしょう!」

 

刀を腰に回し、一気に横に振るうと、妖夢の後から青色の数十個の弾幕が俺に向かって飛んでくる。

 

キリト「うわっ!?」

 

俺はその場から一気に横に走り、弾幕を避けていく。

 

キリト(この世界の人は誰でも弾幕をうてるのか!?」

 

妖夢「逃げてばかりではいけませんよ!」

 

キリト「わかってるさ!」

 

弾幕をすべて避けきることに成功した俺は、一気に足に力をこめ妖夢に向かって突進する。

 

キリト「うぉぉおおお!」

 

俺は一気に地を飛び、上から妖夢に向かって地と垂直に振り下ろす。

戦闘技術〈兜割〉だ。

 

しかし、そこで俺は予期せぬことが起きる。

なんと、妖夢が俺の剣をブロックしたのはわかるが、刀一本ではない。

 

〈二刀流〉だったのだ。

 

現在、妖夢は俺の攻撃から〈クロスブロック〉で防いでいるのだ。

 

キリト「なっ!?二刀流!?」

 

妖夢「甘く見すぎていましたね、私も本気を出します」

 

カキンッ!俺の剣を迎撃する。

 

俺ははじき返されたからだを前傾姿勢に戻しているとき、すでに妖夢は俺の目の前に来ていた。

 

妖夢「セァアッ!」

 

キリト「くっ!?」

 

刀二本の連続攻撃を行ってくる。

 

俺は咄嗟に剣を横に構え、二本の刀を防ぐ。

 

そして俺は一気に後に下がる。

妖夢との距離をとる。

 

キリト「はぁ・・・はぁ・・・二刀流とは驚かしてくれるな・・・」

 

妖夢「私はもともと二刀流です。あなたは片手剣一本のようですが、刀を二本同時に扱う私に勝てると思っているのですか?」

 

キリト「・・・わからないだろ?俺も・・・いや、今は話さなくていいな。戦闘再開だ」

 

俺は柄を握りなおす。

相手が二刀流なのは正直驚かされたが、なにも慌てる必要はない。

 

・・・俺も、昔は・・・二刀流だったんだ。

 

俺も二刀流には慣れている。

 

なら、俺はそれなりの対処を知っている。・・・昔の俺はいなくとも、知恵はある。

もう手加減はしない!

 

妖夢「では、参ります」

 

キリト「来い」

 

妖夢「・・・行きます!」

 

一気に突っ込んでくる。

刀二本を持ちながら。

 

妖夢(動かない?負けを認めてるの?なら切り倒す)

 

キリト「・・・」

 

距離はもう3メル。

 

妖夢が眼を見開き、一気に上から刀二本で斬撃する。

 

しかし。

 

キリト「・・・ハァッ!!」

 

妖夢「!?」

 

一気に振り上げ、刀二本を勢いよくはじき返す。

そして、そのすきを見逃さず、俺は剣技を行う。

 

水色に光りだした剣は、たちまちその光が増していく。

 

妖夢(剣が・・・光っている!?)

 

キリト「うぉぉおおおおお!!!」

 

俺は思い切り、横に切り、そのあと下から上へ切り上げると同時に上に飛び、一回転空中で横に回りながら妖夢の背中に回り込み、空中から下へ切り下ろす。

 

俺は妖夢に背中を見せる体勢になっている。

 

妖夢「ぐっ!!!」

 

妖夢俺の頭を横切りで切ろうとするが、その動きは俺は読めており、しゃがむ。

まだ剣は光ったまま。

 

最後にしゃがんだ状態から徐々に体勢を立てなおし、最後に妖夢の腹を横へ振り切る。

 

そして、妖夢から水色の線がバシッと出される。

それは水平に四角に広がった水色の線。

 

アインクラッド流 四連撃〈ホリゾンタル・スクエア〉

 

キリト「・・・」

 

妖夢「うっ・・・」

 

妖夢はその場で倒れてしまった。

幸い、妖夢はまだ生きている。

 

俺はその妖夢を抱きかかえ、少し持ち上げる。

 

妖夢「・・・お強いんですね・・・」

 

キリト「・・・まぁ・・・俺も昔、二刀流をやっていたからな・・・。まだちょっと妖夢は甘いかな。きっともっと強くなれる。妖夢なら」

 

妖夢「・・・そうですか・・・。なら、私を倒したあなたに教えてもらいたいです///」

 

キリト「・・・え?」

 

妖夢「あなたの二刀流・・・いつか見てみたいです・・・」

 

キリト「・・・どうだろう、見せられるかな。けど、見せられたら見せて見せる。俺の昔の二刀流を」

 

妖夢「はい・・・。で、キリトさん・・・。この体制///」

 

キリト「あぁごめん!えっと・・・」

 

霊夢「こっちの方に連れてきて、こっちで休ませる」

 

魔理沙「すごい戦いだったぜ!キリト!」

 

キリト「あはは・・・ありがとう」

 

俺は妖夢を抱きかかえたまま、霊夢たちのもとへ向かい、近くで休ませる。

 

キリト「ふぅ、けど妖夢は主犯じゃない。仕えている・・・」

 

その時、一気に後ろから風が吹かれる。

 

俺のブラックウィングコートが早くなびく。

 

俺は咄嗟に後を振り向き、誰かを見た。

 

キリト「あいつが・・・〈西行寺幽々子〉・・・」

 

霊夢「あいつが主犯?」

 

魔理沙「・・・気配がすごいぜ」

 

空中に浮いている髪が桃色の存在感がすごい女性。

扇子で口元を隠していた。

 

キリト「・・・」

 

幽々子「私は〈西行寺幽々子〉。この冥界にある白玉楼に住む主。そして、桜の力を奪っている張本人」

 

キリト「自ら名乗ってくれるとはありがたいな」

 

幽々子「・・・博麗の巫女。そして魔法使い・・・。そこの男は?」

 

キリト「あんたに仕えている妖夢を倒した剣士キリトだ」

 

幽々子「・・・聞きなれない。外来人ね?なら、簡単に妖夢はやられない。何か秘めた力をもっているはず・・・。面白いわね」

 

キリト「・・・」

 

幽々子「ふふふふふ」

 

主犯はただただ笑っていた。

 

 




次回、vs幽々子!
お楽しみに!

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7話 キリトは共に幽々子と戦う

妖夢を倒した

本編は下です


キリト「霊夢」

 

霊夢「なに?」

 

キリト「どうやって戦うんだ?」

 

霊夢「そうね・・・恐らく、これまでの比にならない弾幕が浴びせられるわ」

 

キリト「ま、まじか」

 

魔理沙「そうだな・・・けど、キリトのスピードなら避けられるんじゃないか?」

 

キリト「どうかな・・・」

 

霊夢「とりあえず、弾幕をよけながら幽々子に近づくしかない。だから、避けて進むのよ。そしたら、近づいたら攻撃。キリトなら近接が得意はず。だけどそれは遠距離が苦手なこと。だから近づいて」

 

キリト「どんな弾幕が来るかはわからないけど・・・わかった。いいだろう、突き進むぞ」

 

魔理沙「私は側面から接近して会心的技をお見舞いしてやるぜ!」

 

キリト「わかった」

 

俺は幽々子に振り向く。

空中にふわふわと浮かぶ全身青色のような服を着て、髪はピンク色。

扇子でずっと口元を隠しているが、目で笑みが伝わる。

そして、気配がすごい。

 

霊夢「いくわよ」

 

魔理沙「わかったぜ!」

 

キリト「おう」

 

幽々子「・・・哀れな子たちね」

 

霊夢「くるわ!接近しましょう!」

 

魔理沙「いくぜ!」

 

そういうと、魔理沙と霊夢は空中を浮遊する。

 

キリト「いくぞ!」

 

俺は思い切り地をける。

 

幽々子「食らいなさい」

 

幽々子の周りから、青色の弾幕が無数にこちらを狙い続ける。

その数は・・・100では収まらない。

 

あの弾幕一つ一つが致命傷を負うほどのものかは知らないが、それでも俺は走り続ける。

 

キリト「うぉおおおおお!」

 

霊夢「ふっ!」

 

魔理沙「危ねぇぜ!」

 

俺たちは弾幕を華麗にかわしつづけているが、俺が一番危なかった。

 

地上では、避けられる範囲がかなり制限されてしまうということだ。

俺は必死にかわしつつ、それぞれ見極めてはよけ続けていた。

 

この数をすべて切り倒すなど、到底無理なことだ。

まだ・・・昔の俺なら、できたのだろうか。

 

キリト「くっ・・・」

 

幽々子「御覧なさいな、この桜、〈西行妖〉を」

 

キリト「え?」

 

幽々子「まだ花がついていないでしょう?まだまだ春が必要なのよ」

 

キリト「・・・そんな・・・」

 

魔理沙「つまらん理由だぜ!」

 

霊夢「本当にね」

 

かわしながらの会話なんてままならない。

そして、ほのかに幽々子が俺たちをみて笑みを浮かべる。

 

幽々子「残念。ここまでかしらね」

 

キリト「・・・は?」

 

その時、弾幕がいったんやむ。

すると、幽々子の回りが、渦のように無数の蝶が舞った。

その一つ一つが、羽を同じように羽ばたいている。

 

キリト「な・・・」

 

圧巻。その言葉につきる。

 

見事に花火の様に綺麗に渦を描く蝶に目を奪われた。

なんとも〈幻想〉的な技なのだろう。

 

白い蝶が俺たちに容赦なく降りかかる。

 

キリト「・・・う、美し・・・」

 

霊夢「キリトッ!」

 

キリト「はっ!?」

 

俺は見とれていたことを忘れ、すぐに意識を戻す。

 

霊夢「ここからよ!」

 

キリト「あ、あぁ!」

 

魔理沙「いくぞ!」

 

幽々子「あらあら」

 

さらに笑みを増やす幽々子は、虹色に輝く扇子を上空に掲げ、幽々子の背景にはさらに大きな扇子の形をしたものが現れる。

 

そして、赤、青、紫などのカラフルな弾幕が、俺たちをつつんだ。

 

キリト「もう見とれやしない」

 

霊夢「避けて!」

 

魔理沙「もちろんだぜ!」

 

俺は幽々子に届くまであと少し。

 

すると、魔理沙が攻撃をしかけようとしたのか、箒の上に立っていた。

シュンシュン横切る弾幕を見向きもせず、ポッケから何かを出していた。

 

魔理沙「くっそぉ!」

 

弾幕が多すぎるせいか、なかなか攻撃をできなく、避けることに専念してしまう。

すると魔理沙は思い切るように手に持っていた八角形のものを突き出していた。

 

魔理沙「当たれ!〈マスタースパーク〉!!!」

 

すると、八角形の中心の穴から、徐々になにか出てくる。

そして、それはでかいレーザー光線のようにこの冥界を貫く。

しかし。

 

幽々子「ふふふふ」

 

幽々子はさらりとかわしていく。

そうだ、幽々子は弾幕を出している側だからこっちの攻撃をみることなんて簡単なはずだ。

 

魔理沙「うそぉ!?」

 

八角形のものは煙を吹いて光線が消えていった。

 

幽々子「おしいわね・・・ん?」

 

すると、幽々子が俺の方を見やる。

見られてたか。

 

幽々子「外来人がよくよけられていたわね。弾幕を見るといいわ」

 

すると、俺の方に扇子を突き出すと、また別の弾幕が俺の方に向かって無数に飛んでくる。

 

この無数に飛んでいる弾幕をみながらあれを避けるのは不可能だ。

絶対に避けられない。

この弾幕は受けてしまうのか・・・。

別の弾幕がおれを襲おうとする。

 

キリト「なん・・・」

 

俺は柄を握る。

そして俺は、この飛びまくっている弾幕の中で走りながら剣を縦に突き出す。

 

キリト「やってやる・・・」

 

この弾幕を防ぐには、あれしかない。

 

霊夢「キリト!危ない!」

 

キリト「いくぞぉぉおお!」

 

俺は縦にした剣を徐々に回転していきながら、その回転速度は音速にたっする。

俺の前を、俺の剣が円を描きながら回っている。

 

すると、こっちにきた弾幕は俺のこの音速にまわる剣を食らう。

しかし、それは俺には届いていなかった。

 

幽々子「その技・・・いったい?・・・」

 

霊夢「ふ、防いでいる!?」

 

キリト「防いで・・・みせる!」

 

キキキキキキンッ!

 

弾幕を回転剣で切り倒す。

 

これは俺が盾がないとき、生み出した技。

 

アインクラッド流 防御技〈スピニングシールド〉

 

幽々子「・・・」

 

弾幕がやむと同時に俺は剣技をやめ、さらに突進する。

 

幽々子「外来人・・・やるわね」

 

キリト「俺ばっか見てていいのか?」

 

幽々子「な・・はっ!」

 

霊夢がすでに幽々子の頭上に達していた。

すると、霊夢が口を動かしていた。

 

その時、幽々子の周りをたくさんの護符が囲んでいた。

逃れはできまい。

虹色がさらに輝いている護符は、たくさんの線で幽々子を捕まえていた。

 

キリト「あれが・・・博麗の巫女の力・・・?」

 

霊夢「〈夢想封印〉!!!」

 

すると、幽々子の近くは丸い小さな球体が複数となって囲む。

 

幽々子「・・・油断しちゃった・・・」

 

幽々子がほのかにほほ笑むと、その刹那。

幽々子を中心に大爆発が俺の前で起こった。

 

爆風は俺にも当然届いていて、ブラックウィングコートが激しくなびく。

体が若干押されてしまう。

 

魔理沙「うわっ!」

 

霊夢はその爆発を、目の前で眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから数日後。

 

キリト「・・・桜が満開だな。きれいだ」

 

そう、今は博麗神社でお花見が行われていた。

 

霊夢「はぁ、だから異変解決っていやなのよ」

 

キリト「まぁ、桜が見れたなら解決したかいがあったってもんだ」

 

なんとも片付けが大嫌いだという。まぁ俺も嫌いだが。

 

魔理沙「お酒が進むぜ。やっぱ異変解決はすっきりするなぁ」

 

桜の花びらが、魔理沙の酒に入っていた。

 

キリト「これが異変解決ってやつか」

 

霊夢「それにしてもキリトはすごい防御方法ね。まさか剣を回すなんて」

 

キリト「正直俺もだめかと思った・・・」

 

魔理沙「すごいぜ、やっぱ毎回驚かされるな。キリトには」

 

「あはは~!」

「危ないよチルノちゃん!」

 

「いい演奏だね!」

 

「~♪」

 

姉妹が楽器を使ってこの花見をさらに盛り上げていた。

 

すると、後ろから声がかかる。

 

妖夢「キ、キリトさん・・・」

 

キリト「ん?あ、妖夢。久しぶり・・・でもないか」

 

妖夢「花見が盛んですね」

 

キリト「そうだな、やっぱ桜は綺麗だぜ」

 

妖夢「・・・キリトさん。ちょっと剣を見せてもらってよろしいでしょうか?」

 

キリト「え?」

 

妖夢「だ、だめならいいんですけど!」

 

キリト「いいよ、ほら」

 

俺は鞘ごと妖夢にアニールブレードを手渡す。

 

妖夢「へぇ・・・抜いていいですか?」

 

キリト「もちろん」

 

シャキン。そう音とともに剣が抜かれる。

 

妖夢「両刃なんですね。どっちでも切れますね」

 

キリト「まぁ、その方が俺はやりやすいだけさ」

 

妖夢「それにしても重いですね・・・」

 

キリト「俺は重い方がいいだけさ」

 

なんて会話していると、また後から声がかかる。

大人のおちついた声。

 

幽々子「ふふふ、また会えたわね」

 

キリト「あ、幽々子」

 

幽々子「呼び捨て?まぁ、キリトにはやられちゃったし、別にいいわ」

 

キリト「あ、すみま・・・けど倒したのは霊夢だぞ?」

 

幽々子「確かにそうだけど、キリトの剣裁きがすごかったわ。妖夢に勝てるのも納得がいくわ」

 

妖夢「どこか私をいじめていませんか~?」

 

幽々子「なんのことかしら~?」

 

キリト「妖夢も強かった。正直負けるかもしれなかったぜ」

 

妖夢「けどキリトさんってもともと二刀流なんですよね?」

 

キリト「まぁな」

 

幽々子「へぇ?それは妖夢より強いのかしら?」

 

キリト「さぁ・・・やっていないからわからないな」

 

妖夢「・・・キリトさん、頼みがあります!」

 

キリト「ん?」

 

妖夢「私に稽古をお願いしたいのです!」

 

キリト「え?」

 

幽々子「そうねぇ、妖夢に剣技をおしえてあげてくれない?冥界にいつもいるわ。そしたら、たまには白玉楼にいらっしゃい。歓迎するわ」

 

キリト「・・・わかった。俺が教えられることがあるかどうかわからないが、教えるよ」

 

妖夢「本当ですか!ありがとうございます!」

 

キリト「妖夢は本当に強い。きっと俺より強くなれる。絶対に」

 

幽々子「いい先生ができたわね」

 

妖夢「ちゃかさないでください幽々子様///」

 

少し頬を赤くする。

 

そのあとは、皆と一緒にお花見を楽しんだ。

幽々子は意外にも・・・すごい速度で料理を食べていた。

 

そんな花見を楽しんでいる。

 

 




見事、勝ちましたね☆

次回もご期待ください☆

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


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8話 キリトは白玉楼にお邪魔する

幽々子撃退

本編は下です


キリト「・・・」

 

妖夢「はぁっ!!」

 

空を切る妖夢の刀。

一回一回の攻撃がかなり集中している。

 

キリト「剣裁きはいいけど、時にブレがある」

 

妖夢「ブレですか・・・」

 

キリト「まずは腰を落として、切るときに柄をグッと握る」

 

妖夢「わかりました」

 

シュッ。

シュッ。

 

何度も空を切る。

縦、横、斜め。

 

キリト「いい感じだな。けど、空を切ってばかりだと意味ないし、何か切るものが必要だよな」

 

妖夢「切るもの・・・」

 

キリト「今はないだろうな。まぁ、素振りも大事だろうし、まだ素振りでいいか」

 

妖夢「はい」

 

まだ二本目の刀は使っていない。

妖夢は今のところ一刀流でいいんじゃないかと思っている。

 

キリト「妖夢は成長が早いな」

 

妖夢「ありがとうございます」

 

幽々子「楽しそうね」

 

突如、後ろの白玉楼の縁側の上から声がかかった。

 

そう、前に倒したここの主人である幽々子である。

 

キリト「どうも」

 

幽々子「妖夢に教えてやってるの?」

 

キリト「そうだな、けど妖夢は本当に成長が早くてびっくりすることばかりだ」

 

幽々子「自慢の子だもの」

 

キリト「とってもいい子だな」

 

妖夢「ど、どうも///」

 

幽々子「ずっとやっていただろうし、キリトに来てもらってるんだもの。妖夢、ご馳走を」

 

妖夢「そうですね、けど・・・それって幽々子様が食べたいだけじゃ?」

 

幽々子「あら?なんのことかしら?」

 

キリト「ご馳走なんて・・・」

 

幽々子「食べていきなさい。初めてここに来たんだし。さぁ上がって」

 

キリト「じゃあ・・・お言葉に甘えて」

 

ここはしっかり相手の出してくれたものを素直に受け取るのがマナーってもんだろう。

 

幽々子「妖夢?お願いね」

 

妖夢「は、はい」

 

妖夢は刀を納刀し、白玉楼に上がってキッチンに向かっていった。

 

キリト「にしても立派な家だな・・・」

 

幽々子「住んでいるのは私と妖夢だけだけどね。あ、一応魂とかも私が操っているといってもいいかしら」

 

キリト「そういえば」

 

そう、周りには妖夢に常にくっついていたフヨフヨした白い魂のがいっぱい浮いているのだ。

やはり冥界だ。魂が住んでいる。

 

キリト「・・・この魂は幽々子が生まれ変わらせるのか?」

 

幽々子「そうよ?罪無き者たちがここに来てるの。罪がある者は閻魔様がどうかしてるらしいわ」

 

キリト「閻魔なんているんだな」

 

そうやって話しているうちに、飯を持ってきた妖夢が来たのだ。

手には、刺身が大盛に乗っている。

 

キリト「すごい量だな・・・」

 

幽々子「少ないわよ、私にとってはね」

 

妖夢「今はこれで我慢してくださーい」

 

これでって・・・何人分あるんだ?ざっと5人分はあるな・・・。

 

キリト「食べるか」

 

妖夢「どうぞ、召し上がってください」

 

キリト「じゃあ、いただきます」

 

幽々子「いただきます♪」

 

箸を手に取り、刺身を見る。

 

赤身、白身、あるがどれも新鮮でおいしそうだ。

 

醤油につけ、赤身のマグロをいただく。

 

キリト「はむ・・・もぐもぐ・・・!うまいな!」

 

妖夢「本当ですか!よかったです!」

 

キリト「あぁ、とてもおいしいよ」

 

SAOでは刺身はあったが、これはこれでまたおいしい。

ちゃんと醤油も現実世界と同じ色しているし、刺身も現実世界のと同じ。

 

幽々子「おいしいわね♪」

 

ばくばくと食っている幽々子。

いつの間にか、3人分の刺身が消えていた。

 

俺も食べなくては。

 

チョンとつけ、いただく。

 

妖夢も一緒に食べていて、3人で色々と話したのだ。

 

キリト「この世界のことはよく知らないんだよな」

 

妖夢「私は少ししっていますよ」

 

キリト「そうか、じゃあ・・・ちょっと教えてもらおうかな:

 

妖夢「なにをですか?」

 

キリト「この世界の土地の名前・・・とか」

 

妖夢「はい、いいですよ」

 

そこから、妖夢の幻想郷の話を聞かせてもらった。

幽々子はかなり食っているが、俺も食いながら聞いた。

 

なんとも妖怪がいるようだ。あの大蜘蛛もその妖怪の一つだろう。

 

魔法の森、迷いの竹林、霧の湖、人間の里、地底界、なんともいろんな場所があるようだ。

 

魔法の森は行ったことがある。

一番最初に召喚された場所だ。

 

すると、妖夢からある話が聞かされる。

 

妖夢「なんとも、最近霧の湖近くで赤い館ができたらしいですよ?」

 

キリト「赤い館?」

 

妖夢「一応この世界の記者が調べてるんですけど、近づけないとか、消えるとか、色々不可解なことがあるらしいですよ」

 

キリト「不可解・・・か・・・」

 

赤い館。

聞いたことはなかった。

この世界の記者に会って直接聞いてみたいものだ。

 

一体どんな記者なんだろう?




眠いですね・・・最近こっちの投稿ができていなかったので、してみました。

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9話 キリトは紅魔館に向かう

記者とは一体誰?

本編は下です


キリト「さてと・・・」

 

冥界を出て、博麗神社についたわけだが・・・。

 

キリト「記者っていう人は、いったい誰なんだろう」

 

周りには森しかない。

記者はきっとそこらじゅうで何か調査でもしているんだろう。

会えるなら会ってみたいが、探さないといけないとなると面倒だ。

向こうから姿を現せば楽「すみませー!」

 

キリト「ん?」

 

上から女性の声がかかる。

上を見上げると、黒髪で手にはカメラ。

カメラ・・・そうだ、間違いない。あの人だ。

 

???「よいしょ」

 

着地すると、目をこちらに向けていた。

 

キリト「えっと・・・」

 

???「あ、すみません急に声をかけてしまって。私、新聞記者の、清く正しい〈射命丸文〉です!」

 

キリト「君が記者なんだな。俺はキリトだ」

 

文「もちろん知ってますよ!なんとも外来人なんですってね!」

 

キリト「あぁ、流石記者だな」

 

文「そんなキリトさんに取材してもよろしいでしょうか!」

 

キリト「え・・・」

 

記者・・・ということは、取材して新聞に載せるのだろう。

少し図々しいと思ったが、これはチャンスなのだ。

 

キリト「いいけど、条件がある」

 

文「あや?なんでしょう?」

 

キリト「文の知っている紅魔館という館の情報をくれないか?」

 

文「よく知っていますね!紅魔館のことを。いいですよ、約束します!」

 

キリト「よかった。じゃあ取材していいよ」

 

文「はい!」

 

その後、俺は文の取材に答え、無事終えることができた。

なんとも・・・ちょっと図々しいと思ったが、口には出さなかった。

 

文「取材の協力感謝します!それで・・・えーっと、紅魔館の話ですね?」

 

キリト「あぁ」

 

文「そうですね・・・まず場所は霧の湖にあるんですよ。それで、名前の通り、赤くてですね、かなり怖い雰囲気なんですよ。それでですね、私はそこにいって取材やらなにやら色々しようと思い行ったんですよ!そしたらいくら飛んで近づいてもたどり着かないことがあったり、ようやくついたら、そこから紅魔館がパッと消えてしまったり」

 

キリト「・・・」

 

何とも不可解な情報だろう。消える、着かない、など、非現実的だ。

 

あ・・・そういえば。

 

紫「常識が通じない場所よ」

 

なんて言っていたのを覚えている。

つまり、こんなことはこの世界では日常茶飯事なわけなのだ。

 

文「んで、一応門番もいますよ。格闘が得意そうでしたね」

 

キリト「門番か」

 

門番、なんとも厳重そうな場所だろう。

 

キリト「ありがとう、そのくらいで十分だ。というかそれくらいしかないだろ?」

 

文「あやや~。その通りです」

 

キリト「何かわかったら教えてくれ。俺は紅魔館に向かう」

 

文「気を付けてくださいね~」

 

俺は博麗神社の中にいる霊夢のところへ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~紅魔館~

 

???「幻想郷こそが、我が約束の地」

 

一人の女が、玉座に座り右手には赤く光る球体が浮いていた。

 

???「人よ、妖怪よ、お前たちの運命は我が掌の上にある。夜を統べる我が力に、ひれ伏すがいい・・・!」

 

玉座の前には、4人の女性が立っていた。

 

一人はメイド。

一人は魔法使い。

一人は門番。

一人は悪魔。

 

最後に玉座に座る者は、ニッと笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「霊夢ー」

 

霊夢「なによ、キリト」

 

呆れ気味に帰ってきた返答におれは少し戸惑いをしたが、話し始めた。

 

キリト「少し気になることがあるんだ、紅魔館という所なんだ」

 

霊夢「紅魔館?・・・あぁ、あの霧の湖に建った赤い館のことね」

 

キリト「そうだ、そこにいきたいと思っているんだが・・・そういえば魔理沙は?」

 

霊夢「あぁ、さっき紅魔館に向かったわよ」

 

キリト「・・・え?」

 

 

 

 

 

 

 

魔理沙「なーんだ、しっかり着けるじゃないか」

 

きいっとなるドアを開け、紅魔館内部へ向かった。

 

魔理沙「なんか趣味悪い廊下だぜ。まぁ、宝があったら頂くし、敵がいれば倒してやるし」

 

恐れをなく、紅魔館内部を迷路のように魔理沙は箒を右手に歩み始めた。

 

廊下には足音だけが響いていた。

少し歩いていると、なんとも図書室前の扉についていた。

 

魔理沙「図書室・・・?」

 

ドアノブをつかみ、ゆっくりドアを開ける。

なんとも、視界に入ったのは無数の本と、高くそびえる無数の本棚。

 

魔理沙「すんごい量だぜ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「まずいぞ!あの館は危険だ!魔理沙が危ないぞ!」

 

霊夢「そんなこと・・・」

 

突如、上空が南西から徐々に赤い霧によって染められていった。

 

キリト「この霧は!?」

 

霊夢「この広がり方向・・・霧の湖かしらね」

 

キリト「まさか・・・」

 

これは、紅魔館の仕業なのかもしれない。

 

霊夢「これは・・・放っておけないわね」

 

キリト「俺もそう思う」

 

霊夢「魔理沙の身が危険かもしれない。いますぐむかうわよ」

 

キリト「あぁ、俺も走っていくぜ」

 

霊夢「しっかりついてきてよ?」

 

キリト「もちろんだ」

 

俺と霊夢は同時に出発し、霧の湖を目指した。

 




どうも、(つд⊂)エーンです。
から紅の恋文、見ました?とてもいい映画ですよね!

自分実はコ〇ン映画はすべて見ているんですよ!

一番記憶にないのは銀翼のマジシャンなんですけどねw

皆さんもきっと好きですよね!

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10話 紅魔館で戦う二人

紅魔館に向かうキリト&霊夢

本編は下です


現在 ソードアート・オリジン

 

アスナ「キリト君・・・ずっと見てないけど・・・どこにいっちゃったんだろう・・・」

 

アンダーワールドの出来事のことで、キリトは一人で無茶をするという性格がさらにわかっていたアスナは、キリトが居ないとなると、どこかでなにかしているのではないかという心配に襲われていた。

 

リズ「見てないわね・・・。一体どこで何してんのかねー?」

 

シリカ「私も気になります・・・。キリトさんの情報は一つもないですよ?」

 

アスナ「私も・・・キリト君は勝手に動くときもあって・・・。心配になってきちゃった・・・」

 

アスナの心を、不安と心配が襲った。

リズもシリカも少し悲しげな表情をして、うつむいていた。

 

アスナ「・・・どこかでまた無茶しているんじゃないのかな・・・。いつものことだから・・・」

 

いつもあっては困るのもまた正直な気持ち。

 

リズ「・・・」

 

シリカ「・・・」

 

励ましの言葉は出なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在 幻想郷

 

キリト「ハァ・・・ハァ・・・」

 

霊夢「もう少しでつくわ、頑張って」

 

キリト「おう・・・」

 

空を飛ぶ巫女と地を走る剣士がすさまじいスピードで幻想郷を駆け抜けていた。

 

霊夢「見えてきたわ。やっぱり霧の発生源はあそこね」

 

キリト「ハァ・・・ハァ・・・」

 

霊夢「一旦休憩しましょう」

 

キリト「あぁ・・・」

 

急ブレーキし、その場に膝から落ちていった。

肩を落とし、赤い館を見る。

 

湖に囲まれた館が聳え立っている。

 

キリト「湖をどうやって渡ろうか・・・」

 

霊夢「私は飛べるけど・・・そうね、キリトのスピードならこの湖を水走で通過できるんじゃない?」

 

キリト「無茶なことを・・・」

 

しかし、考えていないわけでもなかった。

これが一番手っ取り早いし、ウォールランもできていたわけだ。

 

なら、ウォーターランもできていいだろう。

 

キリト「・・・よし、やってみる」

 

霊夢「さすがキリト。じゃあ、しっかりついてきて」

 

ふわぁっと浮遊する霊夢。

そして、霊夢は視線をまっすぐ紅魔館に向け、前傾姿勢になり、ソニックブームのような音を出して向かっていった。

 

俺もしっかり地面を蹴って、拘束に動く足の右足から水面に着いた。

そして、左足もつく。

この時点で俺は水面を走っているのだ。

 

ピシャピシャと小さな音を立てて湖を走っていく。

 

沈まないように足を小刻みに動いていく。

 

キリト「いける・・・いける・・・」

 

湖をかけていく俺は、いつ落ちないか心配していたらもう俺は紅魔館の建っている周りの芝生に足がついていた。

 

キリト「はぁ・・・いけ・・・た・・・」

 

後を見ると、かなりの距離を走った。

湖を見た後、俺は視線を目の前の紅魔館に向ける。

 

今は魔理沙が危険なはず。

 

早く行こうと霊夢が門番前にいるので俺もそこに向かった。

 

キリト「門番がいるな・・・」

 

霊夢「変わった格好ね」

 

キリト「チャイナドレスみたいだな・・・」

 

???「ふん、かかってきなさい」

 

右手の親指以外の指4本で、くいくいっと挑発する動き。

 

キリト「・・・」

 

霊夢「・・・キリト、どいて」

 

キリト「え?」

 

霊夢「私がやるわ」

 

そういうと、俺の目の前に来て、手に持っているお祓い棒を構える。

 

お祓い棒で戦うのか?と思っていたが、巫女ならありえなくはないと納得する。

 

右手で持っているお祓い棒を後ろにもってきて、左手の平を敵に見せる。

すると、その左手の平には水色のエネルギー弾のようなものが集まる。

水色の球体が手の平と同じ大きさになると、その弾はぴきんと光り、レーザー光線になって敵に向かって飛んでいった。

 

???「やばいっ!」

 

キリト「容赦ない・・・」

 

バフォンッ!!!

門がはじけ飛び、チャイナドレス女はばたっと倒れた。

 

キリト「すごい・・・な・・・」

 

霊夢「手ごたえないわね、進むわよ」

 

キリト「先に向かっててくれ」

 

霊夢「しっかり後で来なさいよ?」

 

キリト「もちろん」

 

霊夢はぶち破った門を通り、紅魔館へ入っていった。

 

キリト「・・・さてと」

 

俺は倒れているチャイナドレス女に視線を向ける。

 

キリト「・・・大丈夫か?」

 

何とも、魔理沙の魔法使いでも、霊夢の強力な波動などは扱えないように見える・・・。

 

???「あ・・・大丈夫です・・・ごほっ」

 

キリト「・・・まぁ、あんな攻撃食らったらひとたまりもないもんな・・・」

 

俺は背中を左手で支え、起き上がらせる。

 

キリト「悪いけど、俺は回復できる物や術式はないから傷は癒えない。ごめんな」

 

???「敵なのに謝るんですね・・・面白い方ですね」

 

キリト「あはは・・・俺は、キリトだ。君は?」

 

???「私は、この館の門番をやっている紅美鈴(ほんめいりん)と申します」

 

キリト「門番とは大変だな。それで・・・美鈴は門番をやっているって言ってるけど、そういわれると、まるでこの館の主に仕えてると聞こえるけど、その主の名前は?」

 

美鈴「・・・〈レミリア・スカーレット〉。誇り高き吸血鬼ですよ」

 

キリト「そうか、俺は、そのレミリアという奴に、この霧を止めてほしいと思ってきたんだ」

 

美鈴「強いですよ・・・けど、悩みごとが今はあるんです」

 

キリト「悩みごと?」

 

美鈴「はい」

 

美鈴は、近くにある柱に背中を任せて、座って語り始めた。

 

美鈴「・・・実は、妹様がいるんです。〈フランドール・スカーレット〉。妹様もかわいらしい声や顔なんですが・・・恐ろしい能力を手に入れてしまったのです」

 

キリト「どんな能力なんだ?」

 

美鈴「・・・〈あらゆる物を破壊する程度の能力〉です。文字通り、破壊を目的とした能力・・・。その能力が危険すぎて、今は地下に閉じ込められています。ずっと・・・何百年も・・一人で・・・」

 

キリト「そんな・・・」

 

美鈴「かわいそうなんです。いっつも一人で、友達もいなくて、泣いて、壊して、人形もめちゃめちゃに・・・。精神が狂っていくようになってしまったのです・・・。もう限界って言ってもいいと思います」

 

キリト「・・・妹がかわいそうだな・・・」

 

美鈴「だから・・・誰かが助けてあげてほいいと思っています。それがあなたでも、お願いです。あなたにはなぜかすべて話せます。あなたから、何故か助けたいという気持ちが伝わってくるんです」

 

そして、美鈴の眼から涙があふれてきた。

辛そうで、抱えていた涙。

 

それが、あふれたのだ。

 

キリト「・・・」

 

俺は、そっと美鈴の頬に右手を触れ、親指で涙をぬぐう。

 

美鈴「・・・」

 

キリト「・・・もう泣かなくていいよ。必ず、俺が助けて見せる。皆が助けたいと思っている、その娘を。必ず独りから解放させてみせる。だから、安心して」

 

美鈴「・・・その言葉、誓ってくれるんですか?妹様を・・・一人から解放させてくれますか?」

 

キリト「あぁ、任せてくれ」

 

俺は微笑むと、美鈴はあふれた涙がさらにあふれ、頬を伝った。

 

美鈴「・・・ありがとう・・・ございます。優しい方なんですね」

 

俺の胸に抱き着いた美鈴を、俺はそっと抱いた。

 

キリト「ずっと抱えていたんだな。今、俺が解放させてやるから、待ってろ」

 

美鈴「・・・はいっ!」

 

笑顔を戻した美鈴は、もう泣き止んでいた。

 

俺は、美鈴をそっと柱に戻すと、立ち上がって門を抜けた。

 

 

 

 

 

キリト「さすがに中も赤いな」

 

周りを見渡していると、上の廊下から、一人のメイド姿が見えた。

 

???「侵入者・・・2人目ね」

 

キリト「君は一体・・・」

 

???「ふん」

 

すると、俺の見ている視線から瞬時に姿を消した。

後から、同じ声がきこえた。

 

???「早急に排除しなくては」

 

キリト「!!」

 

ふっと後ろをみる。

瞬間移動をする能力か!

 

キリト「・・・」

 

???「ふふふ」

 

パッと消え、またパッ現れる。

 

この能力は一体・・・。

 

キリト「・・・そういえばここを最初に通った巫女は一体どこに行った!」

 

???「先に主様の部屋へ向かわれました。なんとも、早い動きでしょうね。けれど、主様に勝てるわけがありません」

 

キリト「・・・あんた、名前は?」

 

???「・・・誇り高き吸血鬼に仕えるメイド。名は、〈十六夜咲夜〉」

 

キリト「俺は、キリトだ。そして、剣士だ」

 

俺は鞘から剣を抜き放す。

 

咲夜「・・・私に勝てるわけがありません」

 

キリト「やってみなきゃわからないだろ。俺は妹様に会わないといけないからな」

 

咲夜「・・・なぜ妹様のことを知っているのですか」

 

キリト「美鈴という門番が、悲しげに話していたぞ。なんとも、ひどいことをしているようだな」

 

咲夜「・・・主様を侮辱しないでください。あなたを排除します」

 

キリト「・・・俺はあんたを倒す!」

 

俺は咲夜に戦闘を仕掛けた。

 




どうも、(つд⊂)エーンです。

自分一応、今アリシゼーション編の17巻呼んでますね。ていうか読み終わりました。

18巻が楽しみです!原作も見てください!きっと面白いはずです!

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


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11話 咲夜vsキリト 前編

咲夜対キリト戦闘開始

本編は下です


俺は地を蹴って咲夜に近づいた。

 

真っ先に振り上げた剣を右下へ振り下ろそうとしたとき。

 

キリト「!?」

 

俺の前から、即座に姿をパッと消した咲夜。

俺は咄嗟のことに集中が乱れ、振り終わった後に周りを焦って見渡す。

 

キリト「ど、どこに!」

 

咲夜「ここよ」

 

不意に右から声が聞こえ、ハッと振り向くと金属光沢のする何かが俺の体に飛んでくる。

 

とがったものが、俺の体にぐしゃりと音をたて、2,3本と刺さる。

 

そしてこの時わかった。

 

この世界には、ペインアブソーバーのレベルが100だということを。

 

俺は刺された恐怖と、ペインアブソーバーのレベルに対して胸をなでおろした。

ふっと、刺さったものをみると、色は様々だが、ナイフだった。

 

投げナイフの達人か、まさかシングルシュートのようなものだろうか。

 

キリト「・・・」

 

HP48300/50000

 

かなり削られるな、3本で。

 

思い、俺は体からナイフを抜いていく。

刺さっていれば、体力が削られるからだ。

 

咲夜「あら?痛みを感じていないのかしら」

 

キリト「・・・いや、痛くなくとも、重いさ」

 

そう、まるであのゲームの世界のような。

 

キリト「瞬間移動できるとは羨ましいな」

 

咲夜「あなたはこの能力がわからない」

 

キリト「・・・どういうことだ」

 

咲夜「あなたは、何も理解できないまま、死ぬということ」

 

こいつ、俺が死ぬとわかっているのか。

 

痛みを感じない奴でも、迫るのか。

 

キリト「・・・見極める」

 

咲夜「できるわけないわよ」

 

キリト「どうだかな」

 

俺は、剣を握りしめ、咲夜に向かって走った。

 

***

 

無駄よ。

 

コーン色の長いロングコートを着た男性は、即座に走り向かってきた。

なんとも、無能なものだろうか。

 

私は常時している特別な懐中時計に手を伸ばす。

常に服のポッケに入れているため、右手を入れ時計に触れるのだ。

 

触れたとたん、私の見ている世界は一変する。

 

色はゆがみ、そして、最大の特徴。

 

時が止まる。

 

あの男性、キリトのすがたは、向かったままの姿で止まっている。

 

私はその隙に後ろに周り飛び、後ろからナイフを投げる。

複数本。

10本ほど、シャキンとキリトに向ける。

 

咲夜「時よ戻れ!」

 

懐中時計に揺られて、時も揺られ戻ってくる。

 

***

 

キリト「!」

 

俺は即座に後ろに振りむく。

 

どうせ瞬間移動しているのならば、後だろ!

 

俺の予想は的中していて、後ろから鈍い動きから始まる投げナイフが俺に飛んできた。

その数、12本。

 

俺は横に飛び、回避行動をとり、咲夜を見やる。

 

まるで見下した顔だ。

しかし、なにかおかしい。

 

鈍く始まる動きのナイフ。

 

不可解な瞬間移動。

 

そしてナイフは空中から突如始まる。

 

これらは、なにか共通点があるはずだ。

 

キリト「・・・」

 

俺は、もう一度、咲夜に向かって飛び向かう。

 

そして、また瞬間移動するだろうが、咲夜の動きを俺は凝視していた。

 

キリト「!!!」

 

咲夜の右手。あの動きはなんだ!?

 

ポッケに手を入れて、なにかいじっている。

 

その刹那。

俺の考えていた思考は一瞬で解消され、後ろのナイフを避けた。

 

しかし、頬をかすめる。

 

瞬間移動とナイフの位置。

 

あのポッケがなにもかもが原点が気がしたのだ。

なにかいじっている。なんだろうか、あのポッケの中にある何かが・・・この戦闘のカギを握るはずだ。

 

***

 

何か目がおかしい。

なにか考えているの?

 

なにもわからないくせに。

 

私は時をとめ、あの男を終わらせる。

 

そして、主様をまもる。

 

それが私の仕事。

 

妹様のことも、けど私には妹様の精神は直せそうにない。

 

けれど、私は主様に仕えるメイド。

 

それが私。

 

***

 

キリト「・・・見抜いたぜ」

 

咲夜「なにを?」

 

俺はにやりとし、咲夜を見る。

 

俺は足先を咲夜に向け、向かう体制をとる。

 

そして、咲夜の右手の指がぴくと動く。

 

やはり、あのポッケになにかある!

 

キリト「ふ!」

 

足先を思い切り右にかえ、右に走り咲夜のポッケを狙う。

 

咲夜も驚いた顔をして、俺をみる。

 

そして俺は剣を左手に持ち、空いた右手で、投擲武器を3本指にはめる。

 

キリト「・・・」

 

集中力を高め、スキルの溜まる音をよく聞いて。

 

アインクラッドでラグー・ラビットをとらえた技。

 

アインクラッド流 シングルシュート

 

投げたものは、咲夜のポッケをかすめ、びりびりとポッケの中をあらわにさせた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

落ちてきたものは、なんと懐中時計だったのだ。

 

俺はそれに向かって思い切り2本の投擲武器をぐさりと突き刺した。

 

たちまち、咲夜の懐中時計は、使い物にならなくなり、針が止まった。

 

キリト「・・・懐中時計、咲夜、あんたは時を止めていたんだな」

 

咲夜「・・・よくわかったわね」

 

***

 

なんとも、動体視力のいいやつだろう。

 

なんだろうか、あのものは。

 

私はナイフを指に挟み、本気で立ち向かう。

 

咲夜「・・・本気で行くわ」

 

***

 

そう言われたら、言うしかない。

 

キリト「俺も本気で行くぜ」

 

右手に剣を戻して、全身全霊で立ち向かう。

 

俺の力を信じて。

 




長い間、投稿できなくて、すみませんでした・・・。

がんばります!本当に!ヤンデレの方もがんばるよ!

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


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12話 キリト対咲夜 後編

キリト対咲夜

本編は下です


いつからだろうか。

 

突然、キリトがログインしなくなっていた。

 

一体何処で何をしているのだろうか。

 

それを考えていたら、ふと今の時間を見やる。

 

13:56

 

今の時間だ。

 

もう4日も経っている。

 

このように考えているとき、声をかけてきてくれた人がいた。

その人が言ったことは思いもしなかったことだった。

 

フィリア「アスナ~!」

 

アスナ「あ、フィリアちゃん・・・」

 

呼びながら走ってくるオレンジ髪の少女。

私はキリトのことで頭がいっぱいだった。

 

フィリア「アスナを探していたんだよ」

 

アスナ「そ、そう。ありがとう」

 

フィリア「・・・アスナ、伝えるべきことがあるの」

 

アスナ「伝えるべきこと?」

 

私はフィリアからの言葉に重みを感じ、少し覚悟しながら聞いた。

 

フィリア「前・・・キリトがアンダーワールドに居た時に、そのアンダーワールドを作った人。菊岡誠二郎のことなんだけど・・・」

 

菊岡・・・アンダーワールドのアリシゼーション計画執行人。

 

フィリア「私、菊岡さんに聞きたいことがあったの。もちろんキリトの居場所のことね。で、菊岡さんが何か知らないかなと思って電話したら・・・」

 

次の言葉は驚く言葉だった。

 

フィリア「・・・菊岡さんが、「オーシャンタートルに来ればわかる」とだけ言ってたの。どう思う?」

 

アスナ「・・・」

 

私は今、安心している。

なぜか、キリトの居場所がオーシャンタートルにいる気がするのだ。

 

というか、そこ以外ありえない。

 

絶対に、キリトは・・・私のキリトは・・・。

 

アスナ「・・・」

 

やっと、見つけた。キリトの場所・・・。

 

アスナ「すぐにオーシャンタートルに行きましょう。皆に連絡して」

 

ついに、キリトにまた会える・・・。

 

もう、いつもいつも・・・私を・・・皆を・・・。

 

会ったら、何を話そうかしら・・・そう考えて行動し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は全身全霊をもって咲夜にもう特攻した。

剣をしっかり構えて、咲夜に向かう。

 

ブラックウィングコートがなびく。

 

アニールブレードをしっかり握り、咲夜に攻撃をしかける。

 

咲夜は装備していた3本のナイフを俺に向かって全部一気に投げる。

 

俺は2本は避け、一本は剣で思い切り防ぐ。

 

俺は咲夜の行動をしっかり見て、次に移る。

 

剣を右上に、ある剣技を構える。

 

水色のライトエフェクトが剣を包み、溜まる音が俺の心を覚ました。

 

咲夜に向かって左下へ思い切り振り下ろそうとする。

 

しかし、それは咲夜の右手に持っている逆手持ちのナイフが受け流したのだ。

 

剣が受け流されても、左下にある剣はまだ光を帯びている。

 

そう、これは1連撃ではない。

 

左下から、右上へ振り上げようとする。

2連撃のこの剣技。

 

咲夜は受け流すことはできなかったが、身は守った。

 

咲夜は逆手ナイフで必死に俺の剣技と交えた。

 

アインクラッド流 2連撃 バーチカル・アーク

 

咲夜は険しい顔をしても、まったく引こうとせず攻撃を仕掛けてきたのだ。

 

さすが、主に仕えるメイドである。

 

俺も負けていられない。

 

剣をまた持ち直し、咲夜が攻撃を仕掛ける。

 

ナイフを右手に逆手持ちで、俺に思い切り横切りする。

まるで忍者の暗殺のようなそんな動き。

 

前傾姿勢で逃すまいという振り方。

 

しかし俺は後ろに下がって、一振り避けられたのだ。

 

そして、2撃目の攻撃に対しリーチの短いナイフを俺は剣で受け流す。

 

咄嗟に咲夜は下がる。

 

咲夜「さすがの反射神経ね」

 

キリト「お前もな!」

 

もう、スピード勝負だ。

 

俺と咲夜は5m離れた場所から、互いに向かい合って・・・。

 

ここは館の一番広いところ。

 

俺は目を見開くと、足でしっかり床を蹴った。

 

剣をしっかり持って。

 

咲夜も一本のナイフを逆手に持ちながら、かなりのスピードで来た。

 

俺は剣技を使う。

 

この世界では誰も使えない、俺だけの技。

 

1連撃 ホリゾンタル・アーク

 

咲夜はしっかり構えていた。

俺の横直線のこの剣技を慌てず、受け流すとその隙を逃さず俺に向かって振り下ろす。

 

俺も右上に剣を持ってきて、ナイフを受け流す。

 

ギギギと金属がぶつかる音が館内に響く。

 

俺は半時計周りに回ると、剣技もない横降りを咲夜に向かって振る。

 

しかし、それも咲夜はナイフで受け止める。

 

今、俺と咲夜の間は片手剣とナイフのつばせりあいで止めている。

 

キリト「や、やるな・・・」

 

咲夜「あなたもです・・・。あなたの強さなら・・・」

 

キンッ!

 

互いにはじけあうと、そこからの連撃を互いに行った。

 

キンッ!

 

キンッ!

 

キンッ!

 

ナイフと片手剣がすごい速度でぶつかっている。

 

キンッ!

 

しかし、先は見えない。

 

だから俺は、力を強める。

 

咲夜が上から振り下ろす攻撃をついにしてきたのだ。

 

この攻撃法が、俺の待っていたものだ。

 

俺は下から剣を振り上げ、思い切りナイフにぶち当たる。

 

キィイン!!!

 

ナイフが宙を舞った。

 

咲夜の手からナイフが消えた。

 

俺が弾き飛ばしたのだ。

 

咲夜「な、なにっ!」

 

キリト「終わりだぁ!!!!!」

 

俺は肩から入れる剣を振ろうと肩まで剣が届きそうな時。

 

ぴたっ。

 

俺は動きを止める。

 

別に時間を止めているわけではない。

 

俺が自分でうごきを止めた。

 

咲夜「どうしたんですか、早く私を」

 

キリト「俺は女性を傷つけはしないよ」

 

だが、俺は肩から剣を動かさない。

 

キリト「負けたって言ってくれれば・・・」

 

咲夜「・・・」

 

咲夜はしばらくうつむくと、決心がついたように口が開いた。

 

咲夜「負けました。キリト、あなたは強い・・・強いですね」

 

キリト「ありがとう」

 

俺は剣を鞘にしまうと、咲夜を見る。

 

咲夜「なぜ私を・・・殺さないのですか?」

 

キリト「咲夜はこの館のメイドだろ?だから聞きたいことがあったんだ。ほら、さっき言ってたろ?」

 

咲夜「あ・・・そうでしたね・・・。妹様・・・のことですか」

 

キリト「あぁ、君たちのいう妹様っていうのは主様の妹なんだろ?」

 

咲夜「はい・・・」

 

もう敵意はないようだ。

 

咲夜はしばらくの沈黙の後、話し始めた。

 

咲夜「妹様は、もう長い間地下に閉じ込められています」

 

キリト「危険な能力なんだろ」

 

咲夜「はい、その暴走が怖くなって、主様・・・レミリア様は、地下に閉じ込めました」

 

キリト「・・・そうか」

 

咲夜「レミリア様はずっと頭を悩ましています。妹様のことをどうしようか、ずっと」

 

キリト「・・・」

 

咲夜「・・・もう妹様は止められません・・・。ずっと怖がっています。いつ暴れるかも・・・」

 

キリト「俺は、それを止めるためにこの世界に来たんだ」

 

咲夜「え?」

 

キリト「俺はこの世界の創設者に連れてこられたんだが・・・こういうのも俺の範囲に入っているんだろうな」

 

咲夜「・・・」

 

キリト「任せろ。妹様は、俺が絶対に止める。それに、主様とも和解させる。大丈夫、暴走なんて俺が止めてやるからさ」

 

咲夜「そんな・・・どうなるか・・・」

 

キリト「君たちだけが背負わなくてもいいんだ。俺とかにも頼ってくれ。妹様を、救って見せるから」

 

咲夜「本当・・・ですか?」

 

まるで、ずっと我慢していたのがもう限界を超えたかのように、頬に涙が伝った。

 

キリト「・・・大丈夫」

 

俺は咄嗟に咲夜を抱きとめた。

 

キリト「必ず、俺は妹様を止める。必ずこの紅魔館に平和を取り戻して見せる。だから・・・その・・・」

 

俺はすこし詰まって、言った。

 

キリト「この剣士キリトに、任して」

 

咲夜「・・・はい!」

 

咲夜が初めて笑顔を見せた。

 

俺は、必ず止めようと、何度も決心した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は長い地下へ続く階段に向かった。

 

咲夜「この扉です」

 

ついに、地下奥深くのこの部屋。妹様の部屋の前まで来たのだ。

 

キリト「・・・」

 

咲夜「・・・どうか、お願いします」

 

深くお辞儀する。

 

キリト「あ、頭上げて」

 

咲夜「・・・」

 

ゆっくり顔を上げた咲夜は祈るように言った。

 

咲夜「では、お入り・・・ください」

 

キリト「うん」

 

ぎぃぃと扉が開かれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「お兄ちゃん、誰?」




久しぶりダナー投稿久しぶりだな~。

キリトもこれからいろんな人と出会い、成長していくお話です!

どうか、これからもこのお話をご期待ください・・・( ;∀;)

評価、感想、励みになるのでよろしくお願いします☆


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13話 破壊心の妹と出会う

キリトが咲夜に勝利した

本編は下です


私はもう長い間ここにいる。

もう・・・何年?三桁はいるかな。

 

なぜこうなっちゃったんだろう。

 

遊び相手はいっつも人形、人形、人形・・・。

 

遊び道具はナイフ、おもちゃ、その他・・・もろもろ。

 

時に、そう時に、時になんだけど・・・人間が来るの。

 

いっつも優しい笑顔で言うの。何であそびたいんだいって。

 

けどこの人間はしらないの。

 

私がどれだけ危険な存在で危険な力の持ち主か。

 

ここに来る人間は私と遊ぶために来てくれたらしんだけど・・・もろいの。

 

すぐに人間は壊れる。

 

壊しちゃう。

 

あんな笑顔の人間は、すぐに抜け殻みたいに倒れていく。

 

なんでこんな能力を手に入れちゃったんだろう・・・。

 

「・・・さみしい・・・」

 

私は、いつまでここにいればいいの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、私はナイフを手に取り、壁に掛けているダーツ的に投げた。

 

もちろん、真ん中にヒット。

 

もう、こんなの朝飯前だった。

 

なにもかも退屈で、壊すことを繰り返した。

 

そして今日もまた、退屈かつ嫌な日々だと思った時だった。

 

ぎぃい。

 

この音は・・・。

 

この鈍く遅い音は・・・。

 

そうだ・・・。

 

また・・・ドアが開いた音だ!

 

私ははっとドアの方に振り替える。

 

お姉さま!?もしかして咲夜かな!?

 

なんて、強者を求めていた私。

 

そして、私の心を期待したのは、すぐに裏切られた。

 

入ってきた人は、細い体で、コートを着ていた。

 

いかにもまた、今までの人と同じ人そう。

 

弱そう。

 

すぐ壊れそう。

 

私は、呆れて問いた。

 

???「お兄ちゃん、誰?」

 

キリト「えっと・・・咲夜と美鈴に頼まれて来た」

 

???「咲夜と美鈴・・・?」

 

キリト「あぁ、まぁ、うん」

 

???「そう・・・」

 

なんとも、弱そうだ。

 

とっとと片付けよう。

 

???「・・・来ないほうがよかったね」

 

キリト「?」

 

手を掲げ、私の能力の一部を展開する。

 

私の後に中くらいの魔法陣が出現し、その魔法陣は光ながら、能力を発射した。

 

弾幕。

 

これを食らって、皆死んでいった。

 

だからこの人も・・・。

 

 

 

 

キリト「うわっ!」

 

俺は咄嗟に前も見た弾幕を見て、一気に横に飛んだ。

 

俺の後の壁は、爆発が起こって焦げた跡があった。

 

キリト「い、いきなりかよ・・・」

 

???「へぇ・・・」

 

初めて見た。

 

よけるひとを。

 

???「すごーい!避けた避けた!」

 

キリト「・・・すごいな・・・フランは・・・」

 

フラン「私の名前知ってるんだね。そりゃ知ってるよね」

 

キリト「・・・俺は、君をここから、恐怖から解放させるためやってきたんだ」

 

フラン「・・・そんなのできるわけないじゃん」

 

キリト「・・・どうかな、俺にはできるかもしれないぞ?」

 

フラン「嘘」

 

キリト「・・・ずっと悲しい思いしてたんだろ?だったら、どうして立ち向かわないんだ、姉に」

 

フラン「だって・・・お姉さまは・・・私を見捨てたもん・・・」

 

キリト「そんなこと絶対ないよ」

 

フラン「そうだもんっ!!!!!!!!」

 

フランの絶叫は、大きな揺れを起こした。

 

体がぐらっとし、フランをみる。

 

空を浮遊する姿はまるで、吸血鬼のようだ。

 

フラン「簡単に死なないでね?」

 

キリト「人の話を聞けって・・・」

 

魔法陣はフランに応え、俺に追撃を放つ。

 

赤い光が、早い動きで俺に来たのだ。

 

剣を素早く抜き放ち、目の前にきたのをだけを切断した。

 

キンっ!

 

キンっ!

 

キンっ!

 

悲しみ、憎しみ、孤独・・・まるで俺にすべて八つ当たりしてるかのようだ。

 

フラン「もっと楽しませてよー!」

 

キリト「くっ・・・!」

 

キンっ!

 

剣が追いつくのが不思議なくらいだ。

 

ザシュッ!

 

左腕にヒット。

 

キリト「うっ・・・」

 

食らっても、構わない。

 

彼女がこれまで蓄積した、悲しみ、憎しみ、ストレス、孤独・・・そんなのに比べれば、なにも感じない。

 

キリト「・・・」

 

俺は、この娘を、助けたい。

 

フラン「アハハハハハハッ!」

 

キリト「・・・」

 

俺は無言でかわし続ける。

 

ピタリ、時が止まるように、俺に無の時間が訪れる。

 

キリト(フラン、君を、助け出す!)

 

俺は柄をグッとつかみ、思い切り地を蹴ってフランに接近した。

 

弾幕がくる中、俺はその弾幕を冷静に見続け、手に持つ剣でその目の前に来た憎しみの弾幕を、小ぶりで断つ。

 

パキンっ!

 

もう、一つも食らわない。

 

キンッ!

 

キンッ!

 

キンッ!

 

フラン「つ、強い!けど・・・」

 

弾幕が、ついに一気に止んだ。

 

俺はピタッと止まった。

 

なんだと、思った。

 

すると、フランは震えるように体が揺らぎ始め、右手の平から、空間から炎の玉が徐々に出現していく。

 

炎の剣。

 

そう具現化し、手になじむ。

 

キリト「炎の剣・・・か」

 

フラン「名は、レーヴァテイン」

 

どこか、聞いたことがある。

 

燃え盛る炎の剣。

 

その炎はフランの髪や服など揺らしていた。

 

キリト「俺は、フランを助けたい」

 

フラン「できるわけない」

 

キリト「できる、絶対に」

 

フラン「なら、証明してみせてよ」

 

思い切り振りかざす炎の剣を俺は、しっかりを目に焼き付けた。

 

そして、剣先を下にして炎の剣を受け流す。

 

キリト「うっ!」

 

じゅ・・・肌に焼けるような、火の粉。

 

痛みは感じなくとも、感じるのだ。

 

キリト「なんでその剣を、俺に使うんだ!」

 

炎の剣と、俺の剣が火花を散らした。

 

ぢぢぢぢぢぢ。

 

俺の髪や装備が熱風で舞う。

 

フラン「楽しいからだよ!」

 

キリト「なんで壊すんだ!君が壊すべきものは、俺じゃないはずだぞ!」

 

上から振り下ろされる炎の剣を、両手で片手剣を持ち俺の後へ受け流す。

 

あんな剣を食らえば、ひとたまりもない。

 

フラン「なら、なにを壊して楽しめばいいの」

 

キリト「楽しむには、自由を手に入れないとだめなんだ」

 

俺の剣が光を跳ね返す。

 

キリト「フラン、ずっと姉のいいなりでいいのか。姉を倒して、自由を手に入れたいんじゃないのか」

 

フラン「それは・・・そうだけど・・・」

 

キリト「なら、今こうやって俺と戦うことは間違っているぞ」

 

フラン「・・・」

 

キリト「この狭い部屋から出たいなら、戦わないと。そうだろ、フラン」

 

フラン「・・・」

 

フランの眼に、迷いはなくなった。

 

フラン「うん・・・けど怖い・・・。お姉さまが怖い・・・」

 

キリト「大丈夫だ、一緒に行ってやるから。けど、戦うのは手伝えない。自分の自由は、自分で手に入れないとな」

 

フラン「うん!」

 

和解なんてきっと今はできないんだ。けどこれは暴走じゃない。自分の意志で決めた、フランの気持ちだ。

 

フランはきっと強くなる。力の意味ではなく、気持ちで。

 

主様と和解させるには・・・本気でぶつかり合わなきゃ。わからないこともあるんだからな。

 

そうだったな・・・ユウキ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔理沙「ずいぶんと広い図書室だな・・・」

 

魔理沙の靴が、コツコツと音を鳴らす。

 

魔理沙「こんなに本があるなんて・・・全く、羨ましいぜ」

 

本をすっと手に取り、表紙を見る。

 

なんとも、魔法とか、植物とか、世界の様々なこととか、いろんな種類があるようだ。

 

魔理沙「こりゃあ役に立つな」

 

「誰?」

 

魔理沙「っ!?」

 

パチュリー「私はパチュリー・ノーレッジ。ここの図書室の管理人よ。これらの本はすべて私のものよ。そして、あなたは?」

 

魔理沙「霧雨魔理沙!普通の魔法使いだぜ!」

 

パチュリー「ふうん、そう、魔法使い・・・。ふふ、どうせ底辺の魔法しか使えないくせに魔法使いとなのるのね」

 

霧雨魔理沙「な、なんだと!」

 

パチュリー「教えてあげるわ、あなたが知らない真の魔法を・・・」

 

魔理沙「なに!?」

 

図書室にいた私たちの周りが異空間になり、空中に魔法陣が点々と映し出される。

 

魔理沙「こ、ここは!?」

 

パチュリー「あなたが知らない魔法の力。異空間の中であなたは死ぬ」

 

手を掲げると、魔法陣は光を増し魔法陣から無数の弾幕が魔理沙に降り注いだ。

 

魔理沙「なん!?」

 

一気に後ろによけ、かかとでブレーキする。

 

しかし、魔法はやまない。

 

魔理沙「くっ!相手になってやるぜ!」

 

箒を目の前に浮かせ、またぐと、異空間を飛び回る。

 

しかし。

 

魔理沙「のわっ!?」

 

魔法陣からの魔法、弾幕が魔理沙の箒の後にあたり、箒が燃える。

 

魔理沙「くっ・・・」

 

無数の弾幕を旋回して避け、途中で箒の上で立つ。

 

魔理沙「多すぎるぜ!」

 

手で合図し、缶状のものを浮かし、破裂すると魔法陣へ飛んでいく。

 

緑色の魔理沙の弾幕が、次々と魔法陣を破壊していった

 

パチュリー「・・・」

 

魔理沙「どうせ、この空間だって、作り出されたんだ!幻想ものにすぎないのさ!」

 

パチュリー「・・・」

 

魔理沙「食らえ!」

 

緑色の弾幕が、パチュリーに降りかかる。

 

パチュリー「ふっ!」

 

魔法書が書いていた。展開型防御壁。

 

パチュリーを覆う透明なシールド。

 

魔理沙「シールドか!」

 

パチュリー「甘く見ていたのかしら」

 

魔理沙「うわっ!」

 

弾幕を間一髪で避け、箒の火が消える。

 

パチュリー「食らいなさい!」

 

5弾が魔理沙に襲い掛かる。

 

スピードも速く、不規則かつよけにくい。

 

魔理沙「しつこい弾だぜ!」

 

しゅんしゅんと避けていく魔理沙だが、切り札を使う。

 

魔理沙「食らえ!マスタースパーク!!!!!!!!!」

 

手に出した八角形の武器は、たちまち光るとものすごい光線が空間を切った。

 

パチュリー「なっ」

 

シールドは破壊され、パチュリーの体に食らう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こあ「あぁ!?パチュリー様ぁ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「・・・ここが、主様の部屋か」

 

フラン「うん」

 

キリト「怖いか?」

 

フラン「・・・うん」

 

キリト「・・・大丈夫だ。怖がって当然さ。人間だれしも怖がるからな。だけど、その恐怖に打ち勝った時、人は大きく成長するんだぜ」

 

フラン「・・・そうなんだ」

 

キリト「あぁ、俺も怖いこといっぱいあったさ、死と隣り合わせで戦ってきたからさ。だけど強くなれた。だから、フランも強くなれる。本気でぶつかり合わなきゃ、わからないことだってある。誰かさんが言っていたんだ。たとえば、フランのことをどれだけ真剣に考えているとかね」

 

フラン「うん!戦う!」

 

キリト「あぁ」

 

俺は、ドアをゆっくり開ける。

 

きぃぃぃ

 

音は急に漏れ、激しい戦いの音が聞こえる。

 

それは、霊夢とレミリアが戦っている音だ。

 

キリト「ここで待っててくれ、フラン」

 

フラン「・・・」コク

 

俺は歩み寄り、霊夢とレミリアに大声で言った。

 

キリト「戦いをやめるんだ!」

 

霊夢「ん?」

 

レミリア「何?」

 

一瞬にして止む戦い。

 

キリト「・・・」

 

レミリア「なんなのよ急に」

 

キリト「レミリア、あんたに言いたいことがある人がいるぞ」

 

レミリア「ん?」

 

キリト「来ていいぞ」

 

コツコツコツ・・・

 

黄色い髪の後に、決心した眼があった。

 

レミリア「!?フ、フラン!?」

 

フラン「・・・お姉さま!私はもう、お姉さまの言いなりにはならない!自分で自由を手に入れるんだもの!」

 

目の前で両手を出し、中心に炎の玉が徐々に膨れ上がる。そしてそれは、細長くなり、〈レーヴァテイン〉となる。

 

フラン「たあああああああああ!」

 

レミリア「・・・ふふ」

 

レミリアは手に紫色の槍状のもの。

 

〈グングニル〉。

 

レーヴァテインとグングニルが、激しくぶつかり合う。

 

大きな火花が、空中で散った。

 




次回、レミリア対フラン

お楽しみに!

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14話 姉妹の和解

レミリアとフランが戦い始める

本編は下です


激しく交し合う炎の剣と紫の槍。

吸血鬼同志が、本気の闘いをそこで繰り広げていたのだ。

 

キリト「・・・」

 

霊夢「どういうこと・・・」

 

状況を把握できない霊夢は、ただそこで見ていることしかできなかった。

俺も、彼女の有志を見守ることしかできなかった。

 

レミリア「なによ、誇り高き吸血鬼が人間ごときにそそのかされるなんて。恥を知りなさい。フラン」

 

フラン「そそのかすなんて・・・姉様はなにもわかっちゃいない!間違っているのは人間のあのお兄ちゃんじゃなくて、姉様だ!」

 

レミリア「そう・・・主様に逆らうというのね。これは少し・・・お仕置きが必要なようね」

 

フラン「くっ・・・!たああああああああああああ!」

 

剣先と槍先が激しくぶつかり合い、その威力はやがてこの部屋を崩す勢いまで来た。このままでは、俺たちが瓦礫につぶされてしまう。

 

霊夢「さすがにこの力のぶつかり合いはやばいわね・・・」

 

キリト「一旦脱出するぞ!」

 

俺と霊夢は真っ先に出口へと足を向け走り出した。屋敷を駆け抜け、迷路だとも思われる通路を右往左往しながら駆け抜けホールへと出ていく。

 

魔理沙「・・・ん?おー!霊夢にキリト!すごいんだぜ!私さっき「んなこと言っている場合じゃない!」

 

魔理沙「うぇえええ!?何々!?」

 

キリト「屋敷が崩れる!早く脱出しないと!」

 

魔理沙「まじかよ!?」

 

キリト「あぁ!」

 

咲夜「うっ・・・」

 

キリト「咲夜!?」

 

咲夜「あ・・・キリトさん・・・」

 

キリト「魔理沙!出てきた部屋に誰かいるか!?」

 

魔理沙「私が戦った相手がまだ・・・」

 

キリト「ならすぐ助けにいけるか!?」

 

魔理沙「へっ!それくらい任せとけ!すぐ連れて一緒に脱出するぜ!」

 

そういうと魔理沙は箒にまたがり、逆方向に向かい部屋へ戻った。

 

キリト「さてと・・・」

 

がたがた・・・。天井に亀裂が広がっていきシャンデリアが落ちてガラスの様に砕ける。

 

咲夜「・・・」

 

キリト「何しているんだ咲夜!脱出するぞ!」

 

咲夜「私は・・・妖怪と変わりありません・・・。この世界の人を苦しめ、敵に回してしまったのだから・・・、生きる意味がありません」

 

キリト「・・・何言ってるんだよ、咲夜」

 

咲夜「え?」

 

キリト「この世界の人はどう思っているのか知らないけど、少なくとも俺は咲夜に死んでほしくない」

 

咲夜「・・・どういうことですか・・・」

 

キリト「だって、俺は咲夜が行った行為が人を傷つけることでも、心は優しくて忠実なメイドって俺は知っている。それに、俺は咲夜を敵だと思ってないぞ。全くな。フランのこと、レミリアのことをずっと気にかけて心配していたじゃないか。悪の心に、人を心配できる人なんていないんだよ。咲夜は優しくて、良い人だ!」

 

咲夜「・・・良い人・・・」

 

キリト「あぁ!それに、この戦いでフランとレミリアが死ぬとは思えない。もし咲夜が死んだら、誰がレミリアとフランの世話をするんだ?俺は、咲夜だけにしかできないと思っている。だから、最後まで生きようぜ。生きようとすることをそう簡単にあきらめちゃいけないんだ!咲夜は生きていいんだ!さぁ!」

 

咲夜「生きていい・・・」

 

キリト「そうだ!生きていいんだ!ほら!」

 

魔理沙「キリトー!もうやばそうだぜこの館!早く!」

 

キリト「限界かっ!」

 

スッと俺は咲夜の膝裏と背中に腕を回し、咄嗟に咲夜を抱っこする。

 

咲夜「きゃっ!?」

 

キリト「とりあえず、ここから脱出するぞ!」

 

おもいきり地を蹴り出口を目指す。しかし、俺は足を停めてしまう。館はもう限界で、上から天井の部品や瓦礫が落ちてくる。この間を俺は進むことになるのか。

 

咲夜「が、瓦礫が・・・」

 

キリト「・・・しっかりつかまってろよ。瓦礫を避けて脱出するぞ!」

 

咲夜「え、えぇ///」

 

ぎゅっと俺の肩に手を回しくっつく咲夜。

 

キリト「行くぞ!」

 

地面を蹴って出口へ猛ダッシュ。目の前に来たものをしっかりとらえ、瓦礫を避けていく。

 

魔理沙「急げ!もう陥落するぞ!」

 

足場さえ危なく、落石を体をひねってよけ、重なってできたスキマをすれすれにスライディングし通り抜けていく。

左右に避けていく中で、魔理沙が見える!

 

キリト「あそこか!」

 

風をまとい、SKIPスキルを使用して、一気に出口まで距離を縮める。

 

霊夢「キリト!落石が!」

 

キリト「何!?」

 

上をちらっと見ると、頭上に降りかかる大きな落石。

咄嗟に行動し、咲夜を出口へ投げ飛ばしてしまう。

 

咲夜「あっ・・・」

 

キリトはたちまち右足を落石につぶされ、右足を切断されてしまいながらも脱出に成功した。

 

キリト「はぁ・・・はぁ・・・」

 

咲夜「キ、キリトさん!」

 

キリト「咲夜・・・無事だったか・・・よかった・・・」

 

咲夜「そうじゃなくて!あ・・・足が・・・切断されている・・・」

 

キリト「あ・・・大丈夫だよ。いずれ回復する・・・」

 

俺のHPバーの横に、足マークが赤く表示されていた。足が切断された時のマークだ。

確かクラディールに腕を切断された時も、手のマークが表示されていた。

 

咲夜「切断面が・・・ひし形の模様で埋まっている・・・」

 

キリト「あぁ・・・これは・・・。ん、俺はそもそもこの世界の人じゃない。君たちの言う、外来人ってやつさ」

 

咲夜「外来人だったの・・・ですか」

 

キリト「まぁな、それより・・・」

 

霊夢「・・・戦ってるわね」

 

魔理沙「そうだな・・・」

 

パチュリー「・・・むきゅ~・・・」

 

こあ「パチュリー様・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

崩れた紅魔館の上でたたかう吸血鬼姉妹。そこで例の「弾幕ごっこ」が行われていたのだ。

 

怒り狂うフランは、すべてをぶつけて戦っていた。

 

フラン「いつもいつも私だけ仲間外れにして!はあああああ!」

 

より強さを増す弾幕を対処するレミリア。

 

レミリア「聞き分けの無い子ね!わがままはやめなさい!」

 

すると、レミリアは両手の中心から球体が出現し、それは次第におおきくなり、レーザー光線となってフランを襲う。

 

ひらりと避けるフランは、戦いながらも口で反抗していた。

 

フラン「私もう、姉様のいいなりにはならないわ!!!」

 

レミリアと同じような技を繰り出すフラン。遠くから見ているが、すごい迫力だった。風がここまでくるのだ。

 

キリト「・・・主犯は確か、レミリアだよな」

 

霊夢「ええ、そうよ。この霧の主犯」

 

キリト「主犯も、色々悩みはあるんだな」

 

霊夢「そりゃあ、そうよ」

 

その時だった。

レミリアのグングニルが、フランのレーヴァテインを粉砕した。

もう、レミリアの勝利が確信していた。

 

しかし。

 

その時、レミリアは優しく。

 

その手で。

 

その体で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆっくりと、フランを抱いたのだ。

 

フラン「・・・!!」

 

レミリア「フラン・・・いつの間にかこんなに大きくなっていたのね・・・」

 

フラン「姉様は・・・私のが嫌いじゃなかったの!?」

 

レミリア「そんなわけないでしょう?たった一人の、私の妹だもの・・・」

 

フラン「姉様・・・」

 

レミリア「今まで過保護だったかしら。でも、すべてはあなたのためだったの・・・」

 

フラン「・・・」

 

レミリア「あとは巫女を倒せば、幻想郷は私たちのものになるわ。そうしたら、外で思い切りあそべるようになるわよ」

 

フラン「ごめんなさい・・・。私、今まで姉様のことを誤解してた・・・」

 

レミリア「いいのよ、フラン」

 

目つきが変わったフランは言った。

 

フラン「お姉様、わたしもいっしょにたたかうわ!」

 

そしてレミリアは、こくりとうなずいた。

 

フラン「・・・けどね、お姉様。敵は巫女と魔法使いだけじゃないよ」

 

レミリア「それは・・・あの男かしら?」

 

フラン「うん、キリトお兄ちゃんも強いよ!」

 

レミリア「なら、本気でいかないとね」

 

二人が、俺の方へ視線を送ってくる。

 

キリト「・・・ふん、そうか。俺も、敵ってわけだな」

 

どうやら、本当の闘いはこれからのようだ。

 

 

 

 

 

 

 




熱が下がって一件落着な(つд⊂)エーンです。

そしたら次は足をすりむいちゃって血が!なんと不幸な・・・ね?( *´艸`)

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15話 対スカーレット家

姉妹和解

本編は下です


キリト「・・・霊夢、魔理沙、俺はフランを狙う。レミリアの方は頼む」

 

霊夢「あんただけであの凶暴な妹を止められるわけないでしょ!私がどっちも相手するから」

 

キリト「お願いだ。俺はあの子とまだ決着がついてないしな。それに、レミリアを侮るなよ。レミリアは強い。だから頼むよ」

 

霊夢「はいはい、わかったわよ。じゃあ魔理沙、合わせてよ?」

 

魔理沙「こっちのセリフだぜ」

 

俺は背中に背負っている〈アニールブレード〉を鞘から引き抜いた。

刀身はたとえ赤く染まっている霧の中でも輝いている。

 

レミリア「ふふ、それでは始めましょうか。と、その前にあいさつでもしましょうか。私の名は〈レミリア・スカーレット〉。誇り高き吸血鬼、この紅魔館の主。そして、私の妹」

 

フラン「〈フランドール・スカーレット〉よ」

 

霊夢「私は博麗の巫女。博麗霊夢。あなたたちのこの異変を止めに来たわ!」

 

魔理沙「私は霧雨魔理沙。普通の魔法使いだぜ!」

 

そういい、魔理沙は八角形状のものを突き出した。

 

キリト「俺はキリト。外の世界から来た、異変を解決するために呼ばれた剣士だ!」

 

霊夢「この霧をやめてくれないかしら、いろんな人たちが困ってるの。今すぐやめて!」

 

レミリア「吸血鬼の弱点が太陽っていうのは知っているでしょ?この霧はそれを妨げるもの。そして、この幻想郷が霧に覆われた。すなわち、この幻想郷は私たちの手におちたも同然。博麗の巫女!あなたを倒せば!」

 

霊夢「やっぱり戦うようね」

 

レミリア「さぁ、決戦と行きましょう。勝者が手にするのは、この幻想郷すべて!」

 

そういい放つと、レミリアの背に大きく青い魔法陣が展開された。

 

フラン「行きましょうお姉さま!」

 

フランも同様、赤いおおきな魔法陣が展開された。

 

霊夢「そんな面倒なものいらないわよ。あなたたちが迷惑だから退治する。それだけよ!」

 

魔理沙「よっしゃ!行くか!」

 

霊夢は空を飛び、魔理沙も箒にまたがり空を飛ぶ。

 

・・・おれって空飛べない・・・。

 

キリト「・・・海を走るか」

 

コツコツ、足を鳴らせ、構えをとる。

 

キリト「・・・行くぞ!」

 

大きなしぶきをあげながらも、水面を高速で走りぬく。

レミリア、フランの魔法陣から多くの弾幕が俺たちを襲う。

華麗に霊夢と魔理沙はすれすれにかわしていく。俺は弾幕ごっこに慣れていない。よって俺は拘束に来るも的確に目の前に来たものは切断していく。

 

レミリア「あのキリトっていう男・・・かなりの剣の手練れね」

 

フラン「私がキリトお兄ちゃんを相手する!」

 

そういうとフランは弾幕を止ませず、レーヴァテインを展開させる。炎の剣の熱が、フランの顔を揺らす。

 

キリト「・・・炎の剣か・・・」

 

キンッ!キンッ!キンッ!

 

剣を斜め、下、上へと音速で切り続け前へ突き進んでいく。

海の上でカーブもしやすく、避けることができていた。

 

 

 

 

 

 

霊夢は空を直進ではなく、回り込みや避けを駆使しながらすすんでいた。魔理沙もそうだ。レミリアの弾幕は強烈だったが、慣れている二人には当たらなかった。

 

魔理沙「食らえ!」

 

魔理沙の緑の弾幕がレミリアを襲う。しかし、それは当たらない。

 

レミリア「ふふん・・・」

 

レミリアが手にあるものを展開する。紫色のグングニルだ。

 

魔理沙「来た!任せろ!」

 

魔理沙が八角形状のものを前に突き出し、小さくきらめく。

 

魔理沙「マスターーースパークーー!!!!」

 

レミリア「はぁあああああ!!」

 

グングニルとマスタースパークの光線が空中で大きく衝突し、衝撃波が周りに伝わってくる。

 

 

 

 

キリト「フラン、決着つけるか」

 

フラン「うん、お兄ちゃん・・・容赦しないよ!」

 

大きく炎が上がり、火の粉が舞う。

 

HP 45790/50000

 

ちょっと減ってるが、大丈夫だ。

 

キリト「行くぞ!」

 

右から一の形で横振りし、レーヴァテインと衝突する。刃渡りはレーヴァテインの方が長いのだ。リーチは長いが、その分隙も生まれるはずだ。

 

キンッ!

 

互いに弾き飛ばし、いっきに距離をつめる。

青くアニールブレードの刀身が光り、SEが鳴る。

 

上から下へ、下から上へ切り裂く技、《バーチカル・アーク》。

 

フラン「くっ!負けないもん!」

 

下ろされたレーヴァテインを無理やり上に振り上げ、俺のスキル後硬直を狙う。

 

キリト「なにっ!?」

 

ザシュ。

 

HP 39420/50000

 

キリト「俺だって!」

 

横に水平に切り込む技、《ホリゾンタル》。

水色のエフェクトが、フランを切った。

 

フラン「うっ!・・・ふふ、ふふふふ」

 

キリト「はっ!?何!?」

 

フランの体が、どんどん数を増していた。いわゆる分身である。

フランの分身が、10体ほど現れたのだ。

 

キリト「このままじゃ・・・」

 

フラン「ふふふふ・・・あはははは!!!」

 

キンッ!

 

カキンッ!

 

無理に全員の斬撃をしのぐが、どうももちこたえられそうにない。

ここでは範囲技を使うしかないようだ。このままじゃ死んでしまう。

 

キリト「うっ・・・」

 

ここだ!剣が緑色のエフェクトをまとい、左から大きく円をかき、右からまた円を描く技。《スネーク・バイト》。

 

シュン、シュン。

 

分身はたちまち消えていき、残るは本体フランとなった。

 

フラン「そんな・・・やるね・・・」

 

キリト「負けるつもりはないからな」

 

柄を強く握りしめ、構えをとる。そこに・・・。

 

 

 

霊夢「夢想封印!!!!」

 

キリト「この結界は・・・」

 

霊夢のものだった。まさか、ここ一帯を爆破するつもりか!

 

フラン「なに・・・このけっかい・・・」

 

キリト「悪いが、フランとの決着はまだになりそうだ・・・」

 

シュっと後ろへ大きく飛び、結界外へ大きく出ていった。

そして結界の光はおおきくなり、地面が振動を起こすまでになっていた。

 

レミリア「こ・・・これが博麗の巫女の力・・・」

 

フラン「お姉さま・・・」

 

ピキン!

 

一瞬閃光が見え、その後おおきく大爆発を起こし紅魔館を飲み込む威力だった。

 

魔理沙「うわっ!」

 

キリト「す・・・すごい・・・」

 

巫女はただ、ながめていた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爆発後、崩れた紅魔館の瓦礫に背を任せた二人の吸血鬼の姉妹。

手をつなぎ、笑顔だった主は、どこか安心していたような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現実世界

 

アスナ「はぁ・・・はぁ・・・」

 

海上、亀形研究施設・オーシャンタートル地下

 

ある大きな機械がそこにあり、その中に一人の男が眠っていた。

眠っているのは外見で、脳内はものすごく活動しているのだ。

その機械、STL(ソウル・トランス・レーター)の中に眠るのはかつてソードアート・オンラインの危機を救った英雄、桐ケ谷和人が眠っていた。

 

慌ててきたのは彼の彼女、明日奈だった。

突如、菊岡さんから連絡を受けた彼女は血相変きたのだという。

 

アスナ「ここに・・・」

 

すると、アスナの隣に来るナース姿の女性、安岐ナツキが立っていた。

 

アスナ「あ・・・安岐さん・・・」

 

ナツキ「・・・大丈夫?アスナさん」

 

アスナ「いえ、その・・・今回もナツキさんが診ているんですか?」

 

ナツキ「えぇ、そうよ。けど、今回はちょっと特別なのよね」

 

アスナ「特別とは?」

 

ナツキ「そうね、彼、桐ケ谷和人君はこの部屋003にいるわ。入っていいわよ」

 

そういうと安岐は扉をひらき、横たわるキリトの下へ歩む。

 

アスナ「・・・」

 

後を追うアスナ。心配で心配でたまらなかったのだ。

 

アスナ「・・・あ・・・」

 

アスナが眼にしたのは、言っていた通り、STLの中で眠るキリトのすがただった。

 

アスナ「はっ・・・」

 

咄嗟に走り、キリトのもとに来てカプセルに手を乗せる。

 

アスナ「うっ・・・なんでよ!なんで勝手に・・・!私を置いて!勝手に一人で旅立って!一緒にいるって約束・・・したのに・・・」

 

涙が頬伝い、落ちる。

悲しむアスナを辛く見る安岐は、とても暗い顔していた。

 

ナツキ「アスナさん・・・」

 

アスナ「・・・すみません。ここで叫んでもとどかないってわかってるのに・・・」

 

ナツキ「いえ、きっと届いているわ」

 

アスナ「そ、それで・・・さっきの件、特別・・・というのは?」

 

涙を拭い、はなし始める。

 

ナツキ「そうね、彼は見てわかる通り、アミュスフィアを装着しているわ」

 

横たわるキリトの顔には、アミュスフィアが付けられていた。そこからのびるUSB線はSTLの本体に接続されていた。

 

アスナ「どうしてSTLの中でわざわざアミュスフィアを付けているんですか?」

 

ナツキ「これは菊岡さんから聞いた話なんだけど、ラース本社にメールが届いた、って言ってたのよね」

 

 

アスナ「内容・・・は?」

 

ナツキ「・・・。「唐突にこのようなメッセージを送らせてもらうことをお許しください。私はある一つの頼み事があります。彼、桐ケ谷和人を今からアミュスフィアを装着した状態でSTLの中で保管してください。彼の脳内のゲームはただいま別の世界に居ます。体の状態を保つため、STLで彼を守っていただくようお願いします。」・・・」

 

アスナ「そ・・・そんなの、アミュスフィアを取れば・・・」

 

ナツキ「いえ、メッセージには「また、アミュスフィアを途中で取り外す場合、脳に予測不可能なダメージが入る可能性があります。どうかそのまま保管してください」・・・だそうよ」

 

アスナ「別・・・世界・・・。どこに・・・いるの・・・」

 

ゆっくりアスナはキリトの方に振り向く。

眠っているキリトと、自分の位置が遠く感じる自分がいたのだ。

 

アスナ「本当に・・・勝手・・・なんだから・・・」

 

そのときである。

 

コンコン。

 

ドアをたたかれる音が聞こえる。

 

安岐は警戒し、声をかける。

 

ナツキ「誰かしら?」

 

???「私です」

 

アスナ「え?」

 

この声は、聞いたことある声だ。張り詰めた声で、いつでも緊張感のある声だ。

 

アスナ「開けていいですよ。私たちの仲間です」

 

ナツキ「そう?わかったわ」

 

ウィーン、扉が開かれる。そこにいたのは長い金髪で、目がするどい、私服の姿をした女性。

 

アリスだった。

 

アリス「・・・キリトの身に何かあったと聞きました。心配で、見に来たのです」

 

アスナ「えーっと・・・アリスさんって一応・・・ロボット・・・なの?」

 

アリス「一応そうです。けど、フラクトライトは中にあります」

 

アスナ「そう・・・って、よくここだってわかったわね」

 

アリス「菊岡さんに聞きました。キリトの身なにかあったと聞いて、いてもたってもいられず、来ました」

 

アスナ「そ、そう・・・。けど、私がもう来たし、かえってもいいのよ?アリスさん」

 

アリス「・・・私はキリトの身に何かあったと聞きました、ので来たのです。・・・帰るわけには・・・」

 

アスナ「前々から思っていたことなんだけど、アリスさんとキリトってどういう関係なのかしら?」

 

アリス「私とキリトは・・・相棒として戦っていましたし、彼がやつれていた時はずっと看護していました。なので、私はキリトのことが・・・・・・・・・好きです」

 

アスナ「へぇ~、好き・・・そう・・・これはお話する必要があるそうね?」

 

アリス「いいですよ、私も敬語なして、かみ砕いて話すわ」

 

安岐は二人の間に稲妻がビリビリと見えた気がする。

 




すーごい長かったですね!見てくれましたか?
一応、ゲームキャラは出していく方針です。ストレアやフィリア、セブンやレインなど。

これは聞きたいんですが、ユージオはこのssに出した方がいいですか?私の考えているストーリーではユージオが出ると出ないとでは違いはそんなに生まれはしませんが、皆さんの意見が聞きたいです。ユージオも人気なキャラですからね。どうか感想お願いします。


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16話 キリトのことについて

アスナvsアリス

本編は下です


アリス「それで、キリトのことについてかしら」

 

アスナ「そうよ。あなたはアンダーワールドでキリトと相棒の関係なのよね?」

 

アリス「一応そう、だけど私は小さい頃からキリトの傍にいて、幼馴染で看護もしたわ。すなわちキリトは私のことを気になっているはずよ」

 

アスナ「ちょ、ちょっと待って!?小っちゃい頃からいた!?キリト君は小っちゃい頃は親の関係で友達と関わることも抵抗があったのに?」

 

アリス「けど、私がある事件がきっかけで整合騎士に連れていかれた時、真っ先に私のもとへ、大声でたすけてくれたわ。すなわち私のことが好きってことね」

 

アスナ「けど、私も同様ピンチになった時、体を張って守ってくれた時があったわ。その後は・・・キスもしたわ

 

アリス「なっ!?け、けど私が現実世界に来た時、私をしっかり抱いてくれたわ(ハグ)」

 

アスナ「な、なんですって!?だ・・・そんな!?し、しないわよ!嘘よね!?」

 

アリス「本当よ、私にあんな薄着を着させたのはちょっとびっくりしたけどちゃんと私を抱いたわ(ハグ)」←ものすごい思い込み

 

アスナ「で、でも私もSAOの中で・・・キリトと・・・シたわ・・・」

 

アリス「シた?って・・・まさかキリトと・・・」←ハグのことだと思っている

 

アスナ「そ、そうよ。あなたより早いのは確かよ!」

 

アリス「んーっ!」

 

アスナ「うーっ!」

 

ナツキ(何見せられているんだろう・・・)

 

コンコン

 

またドアの叩かれる音が響いた。

 

???「アスナさーん、来ましたよー」

 

アスナ「あ、ナツキさん、開けてあげてください」

 

ナツキ「え、えぇ・・・」

 

ウィーンと横に開かれる扉の奥に居たのは、シリカ、リズ、リーファ、シノンの4人だった。

 

アスナ「皆、来てくれてありがとう」

 

シリカ「いえ、やっぱり心配ですからね」

 

リズ「そりゃ無茶なことするしねー」

 

シノン「私も心配で来たわ」

 

リーファ「お兄ちゃんが今は別世界に行っているんですよね?」

 

アスナ「そうよ。アリスもそこはわかっているわね」

 

アリス「ええ、けどどこに行っているかは・・・」

 

菊岡「私が説明しよう」

 

ドアを開けたのはこの施設の責任者、菊岡誠二郎だった。

 

菊岡「私がここに移させたんだ。事情は、ナツキから聞いているだろう」

 

息を吸ってまった緊張感のある話をはじめた。

 

菊岡「約1週間くらいまえのことだ。私が六本木にあるラース社で働いていた時、ある一通のメールが届いたんだ。差出人は不明だが。内容はナツキから聞いていると思うが、簡潔に言うと「キリトをSTLに入れて体の状態を保ってほしい」とのことだ。アミュスフィアを付けている彼だが、中はゲームの世界ではないらしい。別世界だそうだ。アンダーワールドではない」

 

リーファ「そこはどこかわからないんですか?」

 

菊岡「現状不明だ。だが恐らく差出人のところに居るんだろうと思っている。アミュスフィアに殺傷能力がないのは十分承知だが、差出人の言うようにはダメージを受ける可能性がある。もちろん外すことも可能だが、ダメージがないとは限らないからな」

 

リズ「そんなの、相手のいわれるがままじゃない」

 

菊岡「そうだね、そうなる。けど仕方ないんだ。ここで桐ケ谷君を死なせたらそれはまさに命令に従わなかったからだろう?少しでも生きる可能性をもつならこの方法しかないんだ。どうかこの私を許してほしい」

 

シノン「そうね、私もキリトには生きていてほしいし、もし私が菊岡さんの立場ならそうするわ。キリトを生かすためだもの」

 

アスナ「・・・」

 

重い空気が、この空間を包んだ。

亀裂をいれたかのように話し始めたのは眼鏡を直した菊岡さんだった。

 

菊岡「そして、今彼はアミュスフィアを付けてSTLに入れている。STLは体の状態を保つことも一つの特徴だ。そして、また一つの特徴は数千倍の速度で脳の活動ができるということだ。しかし、彼の脳はSTLではなくアミュスフィアの中だ。よって現実世界と活動速度が一緒なわけだ。このままじゃ体を保つことが困難なわけだ。私たちはどうにか脳の活動速度を上げようと頑張るよ。君たちはどうするんだい?」

 

アスナ「私たちに・・・できること・・・」

 

シリカ「そんなの・・・ありませんよね」

 

リーファ「・・・」

 

シノン「・・・」

 

リズ「・・・」

 

アリス「・・・いけないのですか?」

 

菊岡「え?」

 

アリス「彼のいる元へ、私たちはいけないのですか?」

 

菊岡「わからない。恐らくいけないだろう。彼がどのように別世界にいったかわからないからだ。ただ、SA:Oで別世界に行ったのだから、SA:Oで行けるのではないかと思っている」

 

アスナ「オリジンのどこかに別世界につながるゲートでもあるのかしら・・・」

 

シノン「そんな噂聞いたことないわよ。1週間の間もね」

 

リズ「けど、オリジンの中っていうのはたしかでしょうね」

 

アリス「キリトのもとにいける方法をみんなで探しましょう」

 

シリカ「その方がいいかもしれませんね」

 

リーファ「うん、必ずお兄ちゃんを救おう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「・・・」

 

俺は博麗神社で行われている宴に出ていた。ちょうどそこには紅魔館メンバー、魔理沙、霊夢、そして紫もいたのだ。あ、あと妖夢と幽々子もだ。

 

紫「今日はありがとね?剣士さん」

 

キリト「あ、あぁ、けど霊夢と魔理沙のおかげっていうのが大きいけどな」

 

紫「まぁ、異変になれているからね。強いのもあるし。あ、そういえばポーション切らしてない?」

 

キリト「いや、《バトルフィーリングスキル》で自動回復しているからあまり困ってはいないけど・・・どうやってポーションをもってきてるんだ?」

 

紫「むこうのせかいからこっそり持ってきてるのよ」

 

キリト「・・・ま、まぁ紫はスキマを作れるからこっそり持ってこれるのも納得できるな・・・」

 

すると、後ろの襖から食べ物を運んでくる人がきた。食べ物は和と洋の二つどっちもだ。

 

キリト「来たみたいだな」

 

霊夢「はーやくしなさいよぉ!おなかすいてんのよぉ!」

 

魔理沙「霊夢は飲むのはやいぜ」

 

キリト「確かにな・・・」

 

咲夜と妖夢が食事を運んできたのだ。

 

幽々子「早く食べたいわ~」

 

レミリア「そうね、疲れちゃったし、早く食べたいわ」

 

フラン「お姉さまは私のプリンくったじゃん!」

 

レミリア「だってあったのよ?食べてよかったんじゃないの?」

 

フラン「とっといたの!もう!私むっちゃ食べるからね!」

 

レミリア「あら?私だっておなかすいているわ。私も食べるわよ」

 

キリト「・・・仲良くなってよかったな」

 

美鈴「ほんとにありがとうございます。キリトさんのおかげで一件落着です」

 

パチュリー「そうね。とても助かったわ。ぎしぎしした関係が治ってよかったわ」

 

こあ「はい、悩みが消えて昔となじように過ごせると思います!」

 

キリト「よかった。じゃあ今日はいっぱいくうか」

 

すると、近くに来た妖夢と咲夜が食事を机に置いた。

 

咲夜「こちら、〈大鶏の香り蒸し〉。ローストチキンです。こちらはサラダ、サラダ用ドレッシング、それと〈大鶏のシチュー〉です」

 

キリト「すごい・・・」

 

妖夢「こちら〈色鮮やかな刺身〉、〈魚介の天ぷら〉、お味噌汁、ごはんです」

 

 

キリト「こりゃすごい量だ・・・」

 

咲夜・妖夢「「そして、こちらはキリト様の・・・」」

 

キリト「え?」

 

咲夜・妖夢「「え?」」

 

張り詰めた空気の中、一声をだしたのは妖夢だった。

 

妖夢「咲夜さん、どうしてキリトさんに対してとくべつな料理をつくってきるんですか?」ピキン

 

咲夜「あら、私はキリト様に助けてもらったからお礼につくってきたんですよ」ピキン

 

妖夢「なら、キリトさんの胃袋をつかむのは私でいいってことですね?」

 

咲夜「胃袋をつかむのは私の愛情を込めた料理よ」

 

妖夢「愛情!?わ、私だって愛情をこめて作りました!わたしの方がおいしいって言ってもらいます!」

 

咲夜「わ、私だってまけません。この〈黒大牛のヒレステーキ〉をどうぞ」

 

妖夢「〈キンメダイの煮付け〉をどうぞ!」

 

キリト「あ・・・あぁ・・・」

 

すごい高級感あふれる食事だった。

 

咲夜・妖夢「「さぁ、どうぞ!」」

 

キリト「い・・・いただくよ」

 

すげぇ怖い!女って怖い!手が震えながらふたつの食事に運んだ。

 

咲夜・妖夢「「どうですか!!」」

 

キリト「うん!!!おいしいよ!!」

 

咲夜・妖夢「「「「どっちのほうどっちの方が!?(ですか!?)」」

 

キリト「え・・・えっと・・・」

 

正直味なんてすぐ忘れてしまう怖さだった。

 

フラン「・・・」

 

レミリア「ん?フラン?」

 

フラン「キリトおにいちゃんは私を見てくれるほかの人なんてみないわたしのことがすきわたしと遊んでくれるやさしくてかっこよくてわたしのことがすきでわたしもキリトおにいちゃんのことがすきで他の女なんてみない私だけを見てくれるおにいちゃんわたしだけのものわたしだけのものわたしだけのもの・・・

 

レミリア「ひ、ひぃ!?」

 

幽々子「あらあら、モテモテねぇ?」

 

魔理沙「ま、まさか、他にもキリトのことを好きな人がいたなんて・・・どうしよう!///」

 

 

 

 

 

 

 

色々と騒がしい宴だった。

 

 




見てくれてありがとうございます!・・・あれ?なんか最後デジャヴ?・・・まぁいっか!
ユウキは一応生きている方針で行きます。またユージオは・・・。


面白かったら感想や評価、どしどし待っています!よろしくお願いします☆



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17話 紅魔館に招待されて

異変解決後

本編は下です



異変解決してから4日が経った。現在俺は、人里に住んでいる。家を借りているのだ。俺はその家を拠点に活動している。

しかし、ここ4日は特に大きな異変が事件がなく、ずっと平和だった。

たまに人里の住人から、撃退や討伐依頼を承ることがある。すぐ外にある森に出没する妖怪や魔物を倒すのだ。もちろん断らず、しっかり平和にすることが俺の使命なため、快く引き受け倒すのだ。

報酬は向こうから積極的に用意してくれた。俺はいらないと言っているが、向こうが渡してくれるのだ。こっちも生活に困っていたので、やっぱりありがたくいただいた所存だ。

 

そして、人里を歩く中。

 

慧音「お?キリト。こんにちは」

 

キリト「あ、慧音さん。どうも」

 

彼女は上白沢慧音。近くの子供たちや妖精が通う〈寺子屋〉の先生をやっている。彼女は歴史が好きなため、時に面白い歴史を教えてもらうのだ。

 

キリト「いつも大変ですね」

 

慧音「そうでもないさ。慣れればとても楽しいものだ。そっちの方こそ、依頼でいつも危険なことしてるじゃないか。大変なんだろ?」

 

キリト「戦いには一応慣れていますからね。それに生活するためにはやっぱお金は必要ですし、なにより皆の為ですしね」

 

慧音「そうか。優しいんだな」

 

キリト「いえいえ。そういえば慧音さんは今何しているんですか?」

 

慧音「あぁ、昼飯を買ってきたんだよ。もう昼時だし」

 

キリト「あぁ、そういえば確かに」

 

慧音「そういうキリトは?」

 

キリト「自分は紅魔館に招待されているんです」

 

慧音「紅魔館といえば、あの異変があったところか。それも、君が解決してくれたんだったな。改めて礼を言うよ」

 

キリト「霊夢さんの力がすごいですけどね」

 

慧音「けどやっぱり君もすごいと思うよ。その剣だけで戦うなんて」

 

そういって慧音は俺の背中にかけているアニールブレードを見た。

 

キリト「ありがとうございます」

 

慧音「さ、ここで足止めさせていくわけにもいかないし、いってらっしゃいな」

 

キリト「あ、ありがとうございます。では」

 

俺は慧音と別れ、紅魔館に足を向かわせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅魔館門前。

 

そこにつくと、門の隣には赤髪の女性が立っていた。

俺に気づくと、彼女から声をかけてきた。

 

美鈴「キリト様。よくぞお越しいただきました」

 

キリト「キ、キリト様か・・・もっと普通に呼んでいいんだぞ?」

 

美鈴「いえいえ、助けてもらった方に馴れ馴れしい言葉は使えないですから!」

 

キリト「そ、そうか」

 

美鈴「では、お入りください!」

 

キリト「ありがとう」

 

そういい、俺は門をくぐり、紅魔館に入っていった。

 

入ると、上にはシャンデリア、階段、右左対象の廊下。シンメトリーでとても迷いそうだ。

そこに歩いてきた一人の女性。銀髪の髪に、メイド服。

 

咲夜「ようこそ、紅魔館へ」

 

彼女、咲夜こと十六夜咲夜である。戦ったことがあるが、とても強かった。時を操る彼女に勝てたのが今でも不思議なくらいだ。

 

咲夜「今日は、紅魔館のお食事会にお越しいただきありがとうございます」

 

キリト「あ、あぁ」

 

咲夜「食堂はこちらになります」

 

そういうと、俺は咲夜についていった。

 

大きな扉を開かれると、そこは食堂だった。

 

レミリア「よくきてくれたわ、キリト」

 

向こうに座るカリスマ性あふれた、あの人、また妖怪はレミリア・スカーレット。

この紅魔館の主である。

縦に長い机で、窓はカーテンでしまっており、ロウが部屋を明るく照らす。

座っているのは、フラン、パチュリー、こあ、そしてレミリアだった。

 

キリト「招待してくれてありがとう」

 

レミリア「お礼を言うのはこっちでもあるのよ。咲夜、料理をお願い。あと美鈴も呼んできて頂戴。皆で食べたいわ。もちろん咲夜も一緒よ」

 

咲夜「あ、ありがとうございます。では美鈴を呼んで、お食事をお持ちします」

 

そして咲夜はパッと消えてしまう。

 

レミリア「さぁ、そこに座って頂戴」

 

キリト「あぁ」

 

指定された席に俺は座った。左にはフランが座っていた。

 

フラン「キリトお兄ちゃん、きてくれてありがとう!」

 

キリト「あはは、皆仲良くやっているみたいでよかったよ」

 

パチュリー「皆がこうやって仲良くやっているのも、すべてキリトのおかげよ」

 

キリト「そうかな?だとしたらうれしいよ」

 

こあ「フラン様もこうやって皆と仲良くできています!とても楽しいですよ!」

 

フラン「うん!」

 

とても微笑ましい雰囲気だった。そこに扉を開かれて、美鈴と料理を持ってきた咲夜が合流した。

 

美鈴「遅れてすみませーん!!!!!!!」

 

レミリア「いいわよ。ほら座って」

 

美鈴「失礼しますね」

 

キリト「あぁ」

 

咲夜が静かに高級そうな料理を置いていく。とてもおいしそうだ。俺は主に独り暮らしのため、料理が下手な俺にはとても至福の時だ。

俺はパスタしかできないし、向こうに居た時は料理スキルなんて上げてなかったから、焦げた肉しかできなくて・・・全く、アスナの料理が恋しくなるよ。

 

咲夜「では、失礼しますね」

 

向かいの右側の席に咲夜は座った。

 

レミリア「では、全員がそろったところで」

 

レミリアは立ち上がり、ワインを持ち気持ちを込めて発した。

 

レミリア「家族の絆を取り戻したことに乾杯、そして」

 

俺を見て、続けた。

 

レミリア「それを助けてくれた、〈剣士〉キリトに、乾杯」

 

全員「「「「乾杯!」」」」

 

キリト「あ・・・ありがとう」

 

レミリア「ふふふ、さぁ、いっぱい食べて頂戴。今日は敵じゃなく、客だからね」

 

キリト「ああ」

 

フラン「食べよー!」

 

キリト「俺も食べるか」

 

料理を皿に持ってきて、口に運んだ。

口に広がる肉のジューシーな味、広がるソースの味、気持ちいい食感。とても美味で、頬が落ちてしまう。

 

キリト「とてもおいしいよ。ありがとう咲夜」

 

咲夜「口に合うようで、嬉しいです」

 

にこっと笑う咲夜。それを見てほほ笑むレミリア。

パチュリーは紅茶を少し飲むと、ゆっくりカップを置き俺に質問をした。

 

パチュリー「キリト、あなたが姉妹と戦う所を見させてもらったわ。まぁ主にフランだけどね」

 

キリト「うん」

 

パチュリー「その時に見た、あの剣が光って高速で切り続ける技。あれは一体なんなのかしら?」

 

キリト「あぁ、ソードスキルのことか」

 

こあ「そーどすきる?」

 

キリト「ここでは、剣技って言った方がわかりやすいかな」

 

パチュリー「剣ならではの技ってこと?」

 

キリト「そうだな。構えを取り、力を込めるとその力が剣に伝わって技になる。連撃数は技によって違うんだ」

 

パチュリー「名前とかもあるの?」

 

キリト「もちろん。《ホリゾンタル》や《バーチカル》。連撃数が多い奴もあるけど、どれも特徴がある技なんだ。ただ強い技を使えばいいってわけじゃないんだ」

 

パチュリー「なるほどね。興味深いわ」

 

フラン「ねーねー、その剣見せて」

 

キリト「え?けど危ないぞ?」

 

フラン「だいじょーぶ!怪我しないから!」

 

キリト「うーん・・・まぁいいけど」

 

肩ひもをはずし、鞘ごとフランに渡す。

 

フラン「うわー!重い!」

 

キリト「俺は重い威力のある剣を主に扱っているからな」

 

フランが柄を握り、ゆっくりと鞘から刀身を出す。

 

フラン「うわー!あんなに戦ったのに綺麗」

 

キリト「まぁシステムによって傷つかないからな」

 

レミリア「こら、フラン危ないでしょ」

 

フラン「大丈夫だもん!」

 

キリト「・・・」

 

とても仲良しそうで安心した。胸をなでおろすと、美鈴が俺に話しかけてきた。

 

美鈴「キリト様って、修行とかしてたりするんですか?」

 

キリト「しゅ、修行?俺はあんまそういうのはやらないかな・・・。まぁ敵を倒せば強くはなるけど・・・」

 

美鈴「倒すだけで強くなるんですか!?修行をせずにですか?」

 

キリト「うん。敵を倒せばステータスが上がって強くなるんだ」

 

美鈴「すてーたす?」

 

キリト「自分の強さを数値で表したものだよ。例えば体力はHPと言って、数値では50000/50000と表されてる。これがゼロになれば、俺は死んじゃうんだ」

 

美鈴「そ、そうなんですね。攻撃をくらったりすると減るんですか?」

 

キリト「あぁ、だから回復したりして生きるんだ」

 

美鈴「へぇ、驚きました」

 

レミリア「皆、ほら食べるわよ」

 

俺たちの食事会は、とても楽しいものに終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レミリア「もう夜だから、泊っていきなさい」

 

キリト「え、いいのか?」

 

レミリア「ええ、だって夜は外が危ないしね。それに客だし、これくらいして当然よ」

 

キリト「そ、そう・・・じゃあお言葉に甘えて」

 

レミリア「ええ。咲夜、案内してあげて」

 

咲夜「はい。ではこちらです」

 

咲夜に今日泊まる部屋へ案内される。

 

 

 

咲夜「ここがキリト様のお部屋です。お風呂の際はあの棚にあるタオルを使ってください。寝巻は一つ下にあるので、ご自由におつかいください。何か困ったことがあったら、遠慮なくお申し付けください」

 

キリト「あ・・・あぁ。ありがとう・・・(まるでホテルだな・・・)」

 

咲夜がいなくなると、俺は部屋を見渡す。

にしてもとても高級そうな部屋だ。どれも装飾がすごく、触るのを躊躇するくらいだ。

 

キリト「えーっと、寝巻はこれで・・・、バスタオルはこれで・・・」

 

よし、風呂に向かおう。そう思い剣をしまおうとしたら・・・。

 

キリト「あ・・・」

 

剣がない。フランに渡していたのだった。

 

キリト「返してもらわないと・・・」

 

風呂セットを持ちながら、廊下に出る。フランはどこにいるのだろう。そう思い歩き出した途端、フランが曲がり角で俺と会った。

 

キリト「あ、フラン。剣を返してほしいんだけど・・・」

 

フラン「あー持ってるよ。けど・・・ただで返すわけにはいかないかなー」

 

キリト「待て待て、あれは俺のだぞ・・・」

 

フラン「けど、返してほしんでしょ?」

 

キリト「そりゃあ・・・」

 

フラン「じゃあ、風呂だし私の背中流してくれるかな?」

 

キリト「えぇ!?一緒に入るのか!?」

 

フラン「うん!そうすれば返してあげるよ!」

 

キリト「け・・・けど・・・」

 

フラン「無理なら返してあげないけど?」

 

キリト「・・・わ、わかった・・・」

 

フラン「決まり!いこいこ!」

 

俺の手を引いていくフラン。

俺は一緒にフランと風呂に入ることになった。

 

 

 

 

 

 

フラン「さ、はいろー!」

 

キリト「その前に隠せって!」

 

フラン「えーめんどくさいんだもーん、そのまま入るもん」

 

キリト「あ、チョ、ちょっと待てって」

 

フラン「ん?」

 

キリト「入る前には、体を洗わないといけないんだ」

 

フラン「そうなの?」

 

キリト「あぁ」

 

フラン「じゃああらいっこしよ!」

 

キリト「・・・わ、わかった・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

黄色い髪を、俺はわしゃわしゃと洗っていた。

 

フラン「うふふん、きもちー!」

 

キリト「そっか」

 

フラン「キリトお兄ちゃんって、どこからきたの?」

 

キリト「どこからか・・・そうだな、ゲームの世界から、かな」

 

 

【挿絵表示】

 

 

フラン「げーむの世界?」

 

キリト「あぁ、本物の現実じゃない、もう一つの現実。そこでみんなと戦って、勝って、楽しんでいたんだ」

 

フラン「みんなって?」

 

キリト「向こうに居る、俺の友達だよ」

 

フラン「会えないの?」

 

キリト「わからない。紫には聞いているんだが、会えないらしい」

 

フラン「なんで?」

 

キリト「うーん・・・紫が言うからには、()()()()()()()()()()()()()()()()なんだ」

 

フラン「ふーん、さみしくないの?」

 

キリト「もちろん、悲しいさ。けど使命を終えるまでは帰れないしな」

 

フラン「使命?なにかするの?」

 

キリト「この幻想郷を平和にすること。それを成し遂げれば、俺は向こうに帰るんだ」

 

フラン「えぇ!キリトお兄ちゃんかえっちゃうの?」

 

キリト「まぁ・・・いつかはな。そのときまではずっとここにいるから。この幻想郷に」

 

フラン「そうなんだ・・・いつか別れがくるんだね」

 

キリト「出会いもあれば別れもあるさ。仕方ないことなんだ」

 

フラン「うん・・・そうだね・・・」

 

キリト「・・・全く」

 

俺はフランの頭を優しくなでる。

 

キリト「悲しい顔するな。別れても、一生会えないってわけじゃないだろ?またいつか会えるかもしれない」

 

フラン「ほんと?」

 

キリト「あぁ、フランが望めば、会えるかもしれない」

 

フラン「そう・・・わかった!フラン、別れてもまたいつかキリトおにいちゃんと会って見せる!」

 

キリト「・・・ありがとうな」

 

フランの優しい思いは、俺の胸に響いた。

きっといつか皆と別れが来るのだろう。けど、仕方ないことなんだ。これもまた運命。けど、また会える。そう俺は願い続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「はぁ・・・」

 

紅魔館、3Fのベランダ。

 

後に大きな時計があり、その下のベランダ。

この幻想郷がよく見える。夜空にはむこうの世界と同じ星が光っていた。

 

キリト「・・・」

 

アスナ、シリカ、リズ、スグ、クライン、エギル、シノン、皆悲しんでいるんだろうな。

勝手にここにきて、アスナ・・・明日奈は、きっと悲しんでいるんだろう。本当に済まないと思っている。

 

けどいつか、必ず平和をもたらして帰って見せる。

俺は改めて決意した。

 

後の扉がゆっくりと開かれる。

ふと見ると、そこにはレミリアがいた。

 

キリト「レミリア・・・」

 

レミリア「あなたの運命をみると、ここにいたから」

 

キリト「運命?」

 

レミリア「私は運命を見て、操ることができるの」

 

キリト「なるほどな・・・」

 

レミリアが、俺の横に立った。

しばらくの沈黙が続き、夜の冷たい風が頬に触れる。

俺は口を開いた。

 

キリト「・・・俺のその運命って・・・どうなっているんだ?」

 

恐る恐るレミリアに尋ねる。

 

レミリア「ふふ、そんなことを聞くのね。そうね、面白いことになってるわ。見てて飽きないもの」

 

キリト「そんなことを聞いているんじゃないんだ。どうなのか、なんだよ」

 

レミリア「運命を先に本人がしっちゃ、面白くないわよ?」

 

キリト「そ、そうか。それもそうだな」

 

レミリア「けれど、そうねぇ。とても過酷で、時にひどく悲しむことになる。けど立ち上がって、剣を手に取るあなたが見えるわ」

 

キリト「剣を・・・手に取る・・・」

 

レミリア「あなたは、自分の力を信じ進めばいいの。時にとても大きな壁にぶち当たることもあるわ。けどあなたなら、きっと乗り越えられる。だから自分をしんじて」

 

キリト「・・・そうか。ありがとう」

 

レミリア「えぇ。けど、決して無理しないでね」

 

キリト「あぁ。わかった」

 

そういい終えると、レミリアは戻っていった。

俺もしばらく夜空を見て、部屋に戻った。

 

きっと大変なことばかりかもしれないけど、諦めないで進む。それがだいじなんだ。

ゆっくり目を瞑り、俺は眠った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある森の中。

 

ある一人の青年が、そこにたおれていた。

 

???「う、うーん」

 

そしてその青年は目を覚ます。

 

???「う、ここは・・・」

 

周りを見渡し、自分を確認する。

 

???「ここは・・・一体・・・どこなんだ・・・」




とても長い文、見てくれましたか。どうも(つд⊂)エーンです。
とても大事な話でもあるので、みてくれたら嬉しいです。人との関わりや、絆を描くのはとても大事なので、よかったら最後までしっかり見てくださいね。

評価、お願いします。
感想、どんどん送ってきてください。応援など、とても励みになります。


次回 竹林を抜けて


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18話 竹林を抜けて

紅魔館に一泊

本編は下です


魔理沙「よいしょっ・・・ふぅ。これくらいあればいいか?」

 

キリト「お、おう・・・ありがとうこんなに持ってきてくれて・・・」

 

魔理沙「そりゃ異変解決に協力してくれたし、私も礼とかしたいし」

 

キリト「ありがとう」

 

魔理沙が持ってきてくれたのは、横幅約50センチ、縦幅約1m80センチの木の薪である。約50本くらい持ってきてくれた。

 

魔理沙「これで練習するのか?」

 

キリト「あぁ、紅魔館で美鈴に修行のこと聞かれてさ。俺も練習くらいしないと、と思ってて」

 

魔理沙「なるほどな・・・じゃ、私は見てようかな」

 

そういうと魔理沙は縁側に座る。また、ここは博麗神社である。

 

キリト「さぁ、あとは・・・」

 

霊夢「連れてきたわよ」

 

俺が霊夢の声の方に振り向くと、俺が呼んでほしいと頼んだ相手、魂魄妖夢が来てくれたのだ。彼女に剣技が使えないかと思い、連れてきたのだd。

 

妖夢「あ、キリトさん。呼んでくれてありがとうございます」

 

キリト「あぁ、ちょっと妖夢の刀でできることないかなって思って」

 

妖夢「私の刀で?」

 

キリト「そう。俺のこの片手剣で剣技を見せたと思うが、妖夢の今の練度で俺の剣技が刀でできないかなと思ってさ」

 

妖夢「なるほど・・・剣技ですか。やってみたいですね」

 

キリト「じゃあここに木を立てるから、これを切ってみろ」

 

俺はさっきの薪を少し掘った穴に入れる。

 

妖夢「こんなに太い木を切れますか?」

 

キリト「あぁ。あ、じゃあまずは俺からやってみるよ。離れてて」

 

妖夢は後ろに下がり、霊夢、魔理沙、妖夢が見ている。

俺は鞘からアニールブレードを引き抜き、しっかり構えを取る。

 

キリト「ふぅ・・・ソードスキル、ホリゾンタル」

 

思い切り左足を前に踏み出し、剣を後ろに持ってくる。

腰を落とし、手に力を少しずつ入れる。

キュイーン・・・!

刀身が青くまぶしく光り、その光は残像を残しつつ振られる。

剣を思い切り後ろから前へ持ってきて左へ水平に切りさく。

ライトエフェクトも横に光り、そのままゆっくり消えてゆく。

 

魔理沙「き、切れたのか・・・?」

 

妖夢「切れたんですか?」

 

霊夢「・・・」

 

俺は木に近づき、水平に切られた上の方を握る。

手に持ち上げると、上半分が上がった。

 

キリト「ほら、切れているだろ?」

 

木の断面は綺麗に切られていた。

 

妖夢「す、すごい・・・」

 

キリト「これくらいは簡単さ」

 

持っている木をおいて、俺は木の束へ近づく。

木を一本もって俺は妖夢の前に立てる。しっかり立てないと倒れてしまうからだ。妖夢の剣筋はとてもいいものだと思っている。前に白玉楼にお邪魔したとき、俺は妖夢に少し剣を教えていたのだがかなりの手練れだ。

この世界でソードスキルが使えるならば俺以外の剣持っているやつもできるんじゃないかと思ったのだ。妖夢に合図を送る。

妖夢が頷くと手を柄へ伸ばし、鞘から刀をスッと抜いていく。刀身はとてもきれいでなんでも切れそうなものだ。

 

キリト「俺がやっていたような動きをやってみてくれ」

 

妖夢「や、やってみます…」

 

妖夢はしっかり姿勢を低くし、刀を俺と同じように片手で握る。目をしっかり木から離さず集中を保つ。

左足を少し前に勢いよく踏み出し、上半身を前に持っている腕を後ろに、俺が前教えたように切る瞬間に力を入れる。それを意識したように切る時まで力は抜いている。

しかし、刀身は光らずそのまま木へと振られた。妖夢の振った刀は木に少ししか刃が通らず、はじき返されてしまった。

 

妖夢「うっ…」

 

妖夢は少しさがり、刀を鞘へと納めた。

 

キリト「うーん…姿勢とか動きとかはとても良かったと思うんだけど…」

 

縁側に座ってみている魔理沙が思ったことを発言したのだ。

 

魔理沙「キリト以外使えないんじゃないのか?」

 

その発言を聞いた妖夢も頷いた。魔理沙の意見に賛成のようだ。

 

キリト「やっぱそうなのかな…それとも…刀スキルだといけるのか…」

 

妖夢「刀スキルっていうのもあるんですか?」

 

キリト「まぁ、それぞれの武器にスキルがあるから…けど俺は刀は全く使っていないな…。俺の友人なら使えるんだが…」

 

片手剣以外に扱わなかったことがここで出てしまうとは。

妖夢は少し考える。

 

妖夢「やっぱり私には使えないのかもしれないんですね…。けど刀特有の技なら可能性はありますよね」

 

キリト「あぁ、俺もそう思う。もし俺の友人がこの世界に来た時にはそいつに教えてもらってくれ。俺はわからないからな…」

 

妖夢「わかりました!」

 

とはいうものの、俺以外この世界に来た奴はいるのか。全く分からないのだ。アスナたちは向こうできっと俺のいる世界を探っているんだと思う。

俺以外に俺のようなスキルを使える奴がいればいいのだが。

妖夢はずっと木を両手で刀を握って切っている。切れ味は十分のようだ。俺のスキルを使わなくてもいいのかもしれないな。

俺は剣を鞘に閉まって縁側の方へ行き、縁側にすわった。

 

キリト「にしても、こうやって異変がないとなると、俺のいる意味がないな」

 

霊夢「いいじゃない。異変がないのは平和なことよ」

 

キリト「まぁそうだよな。じゃあ俺は人里に戻ろうかな」

 

魔理沙「送っていくぜ?」

 

キリト「いいよ、一人で帰れるからな」

 

魔理沙「頼ってくれてもいいんだぜ?」

 

キリト「大丈夫だって」

 

その場をたち、博麗神社を後にした。妖夢はずっと木を切っていたようだ。妖夢の力もいずれ必要になるかもしれない。俺だけで解決できるわけないからだ。

人里に戻って食べ物などを俺は買っていた。その都度異変解決に協力したことについてお礼を言われていた。

家に戻ると、やはりSAOの頃とは違ってあまり裕福ではないし、和…である。

靴を脱いで上がり、ごはんを炊かす。家事など自分でやっているからこういうのも慣れていた。

一人で飯を食べていた。すっかり外は日が落ちて、月が顔を出しそうだ。もう月光が里を照らしていた。

真っ白な丸い月。

俺は布団に体を入れ、ゆっくりと目を瞑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「全部任せるわ…永琳」

 

永琳「はっ…」

 

ある竹林に囲まれた家。中には4人。一人は着物を着た黒髪。二人目は白髪の弓使い。残りの二人はウサギの耳が生えた者。

月光に照らされた姫は、永琳という人物に命を委ねた。

永琳という人物は体を起こし、家の縁側付近へと弓を持ちながら移動する。

見上げると、大きく見える白く輝く満月。

弓を手前にもってきて矢を装填。しっかりと矢枕に矢を乗せ、羽をつかみ玄の部分にひっかりゆっくりを引いていく。

 

永琳「…秘術。天文密葬砲!!!」

 

放たれた矢は、月へと音速に迫る。

月の中心へ飛ばされた矢は、ついに月へと到達し突きを射る。

白く輝く月は、まるで一瞬月食にかかったの如く黒く徐々に染まっていく。そして、月の円周だけが緑色に光りだす。

その後、月は薄緑色となって輝き始めたのだ。全く、朝を許さない月へと替わってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後…。目を覚ましたある一人の青年。

とある雑貨屋で泊まらせてもらっていたこの青年は、異変に気付いた。

 

???「…なぜ…ソルスが姿を現さないんだ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「ふぁあああ」

 

のびをして布団から起き上がった。しっかりと服を着て朝ごはんの準備をしようとする。しかし、きづいたことがあった。

 

キリト「あれ…まだ夜だったのか?」

 

疑問を持つのも当然であった。外は月がまだ輝いていたのだ。白くではないが。

思わず家を出てみると、人里の人も月を指さして不安に見ていた。やはり、夜がまだ明けていないことに疑問を皆持っていたのだ。

俺も月を見る。月の色が、緑色だということに一つの疑問を持つ。何か怪しい…。俺は剣を手に取り肩にかけ、人里から博麗神社へと足を動かした。

 

博麗神社に着くと、霊夢も月を見ていた。にらんでいた。霊夢が俺に気づくと、同じ疑問を持っていたというのがわかったようだ。

 

キリト「霊夢…やっぱり夜が明けないよな…」

 

霊夢「ええ…なぜ…」

 

その時、霊夢の後で亀裂は発生すると、その縦の亀裂は横に開く。目玉の形をしていた。

そこから姿を現したのはやはり、創生者である。上から見下す彼女の眼は、何かもう悟っていたようだ。

 

キリト「紫…」

 

霊夢「紫、あなたなにか知っているようね?」

 

紫「ふふふ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

岩山。奥の森の中。

扇子で風を仰ぐ一人の女性。その近くに立つ月を見つめる緑色の髪で巫女服の女性。

どちらも月の異変には少しばかり気づいているようで、緑色の髪の方は放っておけないようにずっと見つめていた。手にはお祓い棒が握られている。

森の奥から足音が聞える。気づいた扇子を持つ女性は目をゆっくりと開ける。森の中から出てきたのは白髪の刀を持つ女性。なぜか、背中には立体のある四角い大きな箱が背負わられていた。

主に頭を下げ、囁いた。

 

妖夢「行きましょう」

 

幽々子「えぇ」

 

森の道を歩く中。月から目を離せない一番後ろの女性が、興味津々であり呟いた。

 

早苗「満月の夜ってこんなに明るいんですね。あっちでは全然気づきませんでした」

 

扇子を煽りながら、早苗の言うことに耳を傾けた刀を持つ者の主は答える。

 

幽々子「あわてなくていいわよ。まだまだ夜は明けないって言ってたから」

 

早苗「…本当、全然朝になりませんね。地球の自転はどうなっているのでしょう…。…幻想郷は本当に不思議なことばかりおきますね」

 

輝きが違う月の下、3人は呟いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空飛ぶ二人の金髪女性。一人は魔法使い。一人は人形使い。

箒に乗っている二人は月をバックに話し合っていた。風がなびくため、少し大き目な声で話していた。

 

アリス「ねぇ、魔理沙。やっぱり霊夢の帰りを待った方がいいんじゃない?」

 

魔理沙「なぁに!私だって異変解決の専門家だ!霊夢なしで解決してやるぜ!」

 

箒は進行方向の方へと高速に飛んでいく。目的地は人里。

無事着いた二人は箒から降り足をつく。しっかり魔法使いは箒を握って人里の門へ向かっていく。

しかし、門には一人、仁王立ちする一人の女性が立っていたのだ。

 

慧音「異変が起きている以上、魔法使いだろうが妖怪だろうが人形使いだろうが通すわけにはいかない」

 

魔理沙「堅苦しいぜ先生。私らはこの異変を解決しようとしているんだぜ!」

 

慧音「ほう?なら、さっきキリトがここから出て、霊夢と一緒にここにまた戻ってきたと思ったら、〈迷いの竹林〉へ向かったぞ」

 

魔理沙「な、なに!?キリトと!?」

 

霊夢をよく思わない魔理沙である。

 

魔理沙「なるほどな。通りで留守ってわけだ。行くぞアリス」

 

アリス「わかったわ」

 

魔理沙とアリスは再び箒にまたがり、空高く飛んでいった。

行先はもちろん、噂の迷いの竹林である。魔理沙が上空で竹林を少し探す。迷いということもあってかなりの広さに竹林が広がっているので意外とわかりやすいものだ。

近くの入り口にたどり着くと、ゆっくり下降する。

 

アリス「入ったら迷って出られないっていうけど…会えるのかしら?」

 

魔理沙「何、結局会うんだ。私が先に見つけてやるぜ!」

 

足を踏み入れたアリスと魔理沙。

その先には何も知らない。情報がない。だれと会うのか予想できない。

静かな夜の中、月が輝く中。足音だけを響かせ道を歩む。

 

魔理沙「さすが迷いの竹林。どこかわからないなぁ…」

 

アリス「そうねぇ…」

 

魔理沙「このままじゃ…っ!?」

 

突然気配を感じたのか、向いた方向に白い薄い長方形型の札が二人に向かって放たれた。

魔理沙とアリスは気づいてその札を後ろの方向にジャンプして避ける。札は爆発した。

とんできた方向をにらみ、箒を握る。

 

魔理沙「出たな妖怪!」

 

霊夢「…え?」

 

魔理沙「げっ、霊夢!?」

 

霊夢「偶然ね…」

 

二人は箒とお祓い棒を持ちにらみ合っていた。

安心して霊夢は胸をなでおろしていると、後からふと、ドレスに近い服装の傘を持つ女性が歩いて現れた。

魔理沙は見て疑った。

 

魔理沙「っ!?紫!」

 

霊夢「あっ!?」

 

魔理沙「…どういうことだ…。霊夢!紫は敵だろ!」

 

霊夢「あぁ…色々こっちも忙しいのよ。あんたには関係ないでしょ」

 

魔理沙「関係大有りだ!紫!お前の能力は物事の境界の操作だ!お前!昼と夜の境界をいじったろ!」

 

ドンピシャなことに霊夢は同情を隠しきれず、いやな顔をする。当てられた紫は少し笑みをし、ゆっくり言った。

 

紫「正解よ魔理沙」

 

霊夢「ちょ!紫!?何ばらしてんの!」

 

魔理沙「見損なったぞ霊夢!」

 

霊夢「こっちも色々とあるのよ!」

 

笑みをしていた紫から驚愕な依頼を霊夢に託した。

 

紫「知られたからには仕方ないわ。やっつけちゃいなさい。霊夢」

 

霊夢「なっ!」

 

魔理沙「いいぜ!霊夢も紫も倒して異変解決だ!!!」

 

霊夢と魔理沙は夜空に飛び立ち、互いに空で接近戦を繰り出していた。

地面からは白い線しか見えなく、二本の白い線がぶつかるところに火花が散っていた。空中を浮遊する互いは魔法をぶつけ合っていた。

魔理沙は箒に足を乗せ、手には八角形の物体を持っていた。それを霊夢の方に照準を合わせ、発射する。

 

魔理沙「マスタースパーク!!!」

 

八角形から放たれる虹色の光線は、夜空を一本に切り裂き、その先にある竹林を容赦なく燃やし尽くしていた。その光線を霊夢は見定めて華麗に避けていく。

虹色の光線をよけ続けたと知らず、魔理沙は倒したとばかり思って発射具をしまった。

箒で竹林の下の位置へ戻り、燃やされたところを見る。なぜか、燃やされたことによって多少の明かりが竹林の中を照らす。その照らされたものがある一つの屋敷である。

竹林の中、燃やされたことにより照らされた隠れ屋敷。

 

魔理沙「…なんだこの屋敷」

 

霊夢「ふぅ、ここに今回の異変の張本人がいるのよ」

 

霊夢が当たり前のように魔理沙の後から現れたことにがっかりしたのか、肩を落とし涙目の魔理沙。倒せなかったのが相当悔しかったのだろう。

無事霊夢の探していた屋敷が見つかり、霊夢は胸をなでおろす。

霊夢は大声である者の名を叫んだ。

 

霊夢「キリト!見つかったわよ!こっちに来て!」

 

そういうと、声の方向がわかったのか。足音が霊夢たちの下へどんどん大きくなる。竹林をかき分け、姿を現したのはブラックウィングコートに身を包んだ一人の青年。

「よっ」という声と共に飛んで戻ってきた剣を持った黒髪。

 

魔理沙「キリト!やっぱり霊夢と一緒だったんだな!」

 

キリト「あはは…まぁ今回の異変を霊夢と一緒に聞いたからな。紫にな」

 

アリス「なるほどね…。そういえばどうしてさっきまでキリト君は姿を現さなかったの?」

 

霊夢「現さなかったというか、二手に探してもらってたのよ。屋敷をね。無事見つかったから今集合してもらったの」

 

キリト「あぁ。…にしても、こんなに燃えて…一体何が会ったんだ?びっくりしたんだけどな…」

 

魔理沙「あぁ…いやぁ…喧嘩だよ喧嘩!なっ!」

 

霊夢「…えぇそうね…はぁ」

 

キリト「それで…」

 

燃えて照らされた屋敷に振りむく。円形の窓に、十字の柵。周りは竹で囲まれて、中は恐らく襖など、紅魔館とは違って和に違いない。

ここに、恐らく異変の張本人がいるはずだ。

 

キリト「ここにいるんだよな…」

 

霊夢「えぇ。月を偽物にすり替えた張本人がね」

 

魔理沙「すり替えた!?」

 

アリス「…」

 

その照らされた屋敷の前、ある一人の少女が姿を現した。姿は制服のようで、頭にはウサギの耳。慎重はやや高めの赤い眼光を放つ妖怪のようだ。

あいつが、異変の張本人に仕える部下か何かか。俺は背中にある剣の柄を握る。少女は鋭い赤い目で、こちらをにらみつけていた。

 

???「ふふふ…」

 

その少女は、余裕の笑みでこちらを見ていた。

 




久しぶりの投稿です。ずっと書いていました。この話は東方万華鏡に似ているので見ていたら見やすいし、見てなかったらこんな話になるんだなぁってわかると思います。

これからも頑張ります(^_-)-☆

励ましのコメントが自分の頑張る力の源です!コメントよろしくお願いします!

次回 赤い眼光


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19話 赤い眼光

屋敷見つけた

本編は下です


キリト「霊夢、俺はあいつの相手をする。先に行ってくれ」

 

霊夢「わかったわ。せいぜい死なないようにね」

 

キリト「もちろんだ」

 

あの赤い目の少女の相手は俺と紫とアリス。霊夢と魔理沙はその先へ進んでもらう。簡単には死なないように用心しないといけないのは本当だろう。

あの赤い目が最もの特徴だ。なにかの能力者に違いない。俺は鞘からアニールブレードをそっと抜く。

 

鈴仙「私の名は、鈴仙・優曇華院・イナバ。師匠に仕える者だ」

 

俺は一歩前に出る。

 

鈴仙「お前らが相手か」

 

紫「えぇ。そうね。今回は霊夢の味方だし」

 

アリス「私も」

 

キリト「もちろん、俺もだ」

 

アリスは人形たちを展開し、紫は境界を操り。俺は剣を構える。鈴仙は腰を低くし、戦闘態勢に入ったようだ。

俺は、地を蹴り鈴仙に向かって剣を構える。剣を思い切り上から斜め切りをすると、華麗に避けて飛んでいった。そこをアリスが人形たちをてんかいして 追撃をかますが、屋敷にダメージがあるだけで鈴仙には与えられていなかった。

俺たちは屋敷の中に壊して侵入し、襖を切って鈴仙を追う。奥へ奥へ進んでいくうちに鈴仙の影が見え、さらにスピードを速める。

鈴仙のいる部屋についた俺たちは、鈴仙の前で立ち止まる。どんな攻撃をしてくるかわからない、俺はいつ攻撃が来ても隙がないようにしっかりと構える。

 

アリス「月は私たち、妖怪の力の源よ。返してもらうわ!」

 

鈴仙「…ふふふ」

 

紫「…」

 

アリス「3対1で勝てると思っているの」

 

鈴仙「何人相手になろうと、私の《幻朧月睨》の前では同じこと!」

 

そういうと、目がより一層赤く染まり、残像が見えるほどのきらめきとなっった。危険を感じた俺は剣を突き出すと、その変化は地面から現れた。俺たちの建っている地面から世界が赤く染まっていく。さっきまで屋敷の中に居た俺たちが赤い世界に引きづりこまれたようだ。

厄介な能力であることは間違いない。

 

アリス「幻術!?」

 

キリト「…厄介なことになりそうだな」

 

紫「えぇ」

 

鈴仙は、まるで勝ち誇ったかのようにこっちを見下していた。鋭い眼光で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

襖が開かれようと、全く同じ廊下が見える。一体何枚目の襖を開けたか。おかしいとはさっきから感じてはいた。

 

魔理沙「この廊下、いったいどこまで続いているんだ?」

 

奥は全くの闇で、襖は柄が同じ。迷宮にでも迷い込んだのだろうか。霊夢と魔理沙はずっとこの廊下を歩いていた。

その奥。一人の小さな影。

 

霊夢「だれかいる…」

 

???「ふっふっふ。この永遠亭に迷い込んでしまったからにはぁ…生きては返してあげないよぉ」

 

黒髪の小さな女の子がウサギ耳を揺らしながらしゃべっていた。

警戒し、霊夢と魔理沙は瞬時に攻撃をはじめ、屋敷に閃光が何発も見られる。その子は。

ボロボロになって地面にうつ伏せて倒れてしまった。

 

てゐ「待って待って!タンマ!降参降参!」

 

白い旗を必死に振る子。

 

霊夢「さっきまでの余裕口はどこいったのよ…」

 

てゐ「いやぁここの情報洗いざらいはなすから見逃してよ~」

 

魔理沙「はぁ?」

 

てゐ「いやぁここに住んでいる姫はすっごい美人でね。月からきたんだよ~!それでね!美人すぎて、いろんな求婚者が来たんだよね~。まぁどれも断ったんだけど。そしたらね、月から迎えが来たんだよ~。きっぱり断ったんだよね~。それからもう千年かなぁ」

 

魔理沙「せ、千年!?」

 

霊夢「…なるほどね」

 

手をこすりながら、ニンジンのネックレスを揺らしながら話し続ける小さな少女。

眼を鋭くしながら。

 

てゐ「これで十分かな?」

 

魔理沙「何が?」

 

小さな笑みを浮かべ、まるで何か成し遂げたかのように。

 

てゐ「時間稼ぎ」

 

魔理沙「何!?」

 

一つの発した言葉から、奥の廊下から崩壊が始まったのだ。屋敷が崩壊したのか。まだわからないが。道と襖と、廊下がどんどん崩壊していく。

霊夢と魔理沙は焦って来た道を戻ろうと後ろに向いた。少女は気味悪い笑みをしながら見ている。

 

魔理沙「どうなってんだ!」

 

霊夢「さあね、だけど逃げないと…」

 

走っているが、崩壊が走っている二人の足元まで来ていた。そして、走っていた床すら崩壊し、霊夢と魔理沙は宇宙空間のような場所にいつの間にか来ていた。

廊下の外。いうならば襖を開けたら宇宙だったのか。宇宙空間に浮遊している二人と少女。

 

魔理沙「…ここは…」

 

霊夢「…」

 

すると、見上げた先に一人の青い、白い、帽子をかぶった白髪の女性。

 

???「地上の人間を送り込んできたのですね」

 

月をバックに語る者。

 

???「ここは私のすりかえた偽りの月と地上の狭間。偽りの通路。もはやどこへいくこともかないません。あなたたちの旅路はここで終わる。よくやったわ、てゐ」

 

誉められて調子に乗っているてゐ。指をさしてあざ笑っていた。

 

てゐ「やーい!ひっかかったー!ま、さっきしゃべったのは嘘じゃないけどね」

 

怒りを覚えた魔理沙は小さな魔法弾を思い切りてゐの方へと発射した。

 

てゐ「ぎゃん!」

 

ヒットしたてゐは気絶した。魔理沙は主犯に振り向く。

 

魔理沙「で、お前が異変の真犯人ってわけだな!私は霧雨魔理沙!倒す前に名前くらい聞いといてやるぜ」

 

ものすごい睨みつきで魔理沙を見ている真犯人。聞こえるか聞こえないかの声でしゃべった。

 

永琳「八意…永琳」

 

霊夢は魔理沙の自己紹介が終わったと認識すると、お祓い棒を握りなおし、棒を永琳に向けて挑発気味の口調で話し始めた。

 

霊夢「博麗霊夢!月をすり替えるような輩は、私がきっちりと退治させてもらうわ!」

 

永琳「おろかな。太古の知恵を持つ私に、定命の人間がかなうとでも?」

 

魔理沙「やってみなきゃわからないぜ。いくぞ霊夢!」

 

霊夢と魔理沙はともに宇宙空間を浮遊し、互いに離れて永琳へ接近するように動く。永琳は行動を把握し、手を掲げる。

 

永琳「姫様は…渡しません!」

 

大きな魔法陣を後ろに展開させ、無数の芸術のような並びの弾幕が霊夢と魔理沙を襲った。霊夢はしっかりと弾幕を一つ一つ確実にみて華麗に避けていく。しかし、箒に乗る魔理沙はまだ霊夢ほどの浮遊術にたけていないのか、スピードの霊夢に勝っていないようだった。

ひっしにかわし続けるが、魔理沙には少し難易度が高かかったか。予測不可能な動きをする弾幕に苦戦を強いられていた。

 

魔理沙「くっそぉ!私じゃ霊夢に勝てないっていうのか…」

 

その時、霊夢の方へちらと眼を向けた魔理沙。目の前に稲妻のごとく接近する無数の光線が魔理沙を襲っていた。きづいた魔理沙だが、もう光線は目の前にまで来ていた。

霊夢は光線の行く先を見て魔理沙をとらえた。魔理沙の今の状況を把握するのには時間がかからなかった。

 

霊夢「っ!魔理沙!!!!」

 

叫ぶ。すでに複数の光線の照準になっていた魔理沙。魔理沙は避けることさえ考えることができず、ただただ目を瞑るだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「はぁああ!」

 

スン。空を切るだけだ。赤い瞳のあいつを切ってみてはいるものの、全く当たる気配がない。

なぜか、残像か。複数いるように見える。鈴仙の能力はしらないが、このままだと全く勝てる気配がない。

 

キリト「くっそ…どうなっているんだ」

 

アリス「全く攻撃が当たらない…」

 

紫「…」

 

複数いる鈴仙がしゃべりだした。声も重なって聞えてくる。

 

鈴仙「月に魅入られたあなたたちは、私の眼から逃れることはできない。なにもできないまま、そのまま死ぬ」

 

人差し指と親指だけだして、指鉄砲の形をつくる鈴仙。俺には銃にみえてしまい思い切り回避行動をとる。

ピュン!発射された赤い銃弾は、着弾点を爆発させるほどの強さだった。

 

キリト「くっ…」

 

床すらわからない地面を思い切り蹴って鈴仙に近づく。俺の目の前にきた残像が、必ず消えていなくなるならば、たいていは後ろに来るはずだと読み込んだ。

俺は剣を握り、残像の鈴仙に攻撃を仕掛ける。

 

キリト「はぁああああ!」

 

シュン。アニールブレードはやはり何も切っていない。俺は賭けで後ろにいると思い、剣を強く握る。剣が水色に眩く光り、ライトエフェクトが剣を包む。

上半身を先に後ろにもってきて、後ろに向かってジャンプする。剣が光り、闇を照らす。2連撃《ホリゾンタル・アーク》

 

キリト「はああああああ!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

後に賭けて思い切りアニールブレードを振る。しかし、1連撃目にはもう後ろに誰もいなかった。スキルは途中でやめれば絶大な硬直を強いられるために連撃目も行うが、鈴仙はそこにはいなかった。

ライトエフェクトが消えた剣。スキル硬直している俺の背中に一つの赤い銃弾が迫っていた。

 

キリト「ぐっ…!」

 

41560/50000

 

一回でこのダメージ。まともに攻撃すらできなかった。

 

キリト「…だめだ、攻撃を与えられない」

 

鈴仙「ふふふ…アッハッハッハッ!」

 

高笑いをして追撃してくる鈴仙。俺は光る銃弾を目にとらえ、再び剣を握る。

 

キリト「紫!」

 

紫「っ?」

 

キリト「切り札か何かあるんだろ!時間を稼ぐ!早く!」

 

俺の剣は再び光に包まれる。大きく残像を残すほどに。銃弾が見えたあの世界。たとえレッドターゲットが見えなくても、予測すりゃいいだけだ。予測を予測する。

足をしっかりつき、腰にちからを入れ、手にちからを入れる。感じるんだ、銃弾のくる位置を。

7連撃《デットリー・シンズ》

 

鈴仙「食らえっ!」

 

キリト「はぁああ!」

 

カキンッ。

赤い銃弾は、剣に切られ、光を無くした。

 

鈴仙「な、何!?まだだ!」

 

赤い銃弾を打ち続ける鈴仙。俺は音と位置と、気配と把握し、剣を振っていく。的確に切って、隙をあたえず、アリスと紫には当たらないように。

銃弾を的確に、華麗に切っていくキリトを見ていたのか、アリスは目を丸くした。

 

アリス「す、すごい…」

 

紫は切り札の能力を。俺は必死に紫とアリスの周りで相手の攻撃を剣でしのいでいく。

6…。

7…。

ライトエフェクトが消えて、俺はその場で硬直してしまった。

 

鈴仙「終わりだ!」

 

俺は意思を込めて叫んだ。

 

キリト「紫!」

 

紫「えぇ。今よ。幽々子」

 

鈴仙の後にスッと一本の線が縦に、空間に現れた。その線は開いて、目の空間が広がる。

その空間と空間をつなぐ扉から出てきたのは、妖夢、そして、幽々子。

 

幽々子「はぁい♪妖夢、キリト君に教えてもらったんでしょ?成果を見せてやりなさい♪」

 

妖夢「…はい」

 

しっかりと目を瞑り、刀の柄に手を置いた妖夢。赤い目は光り続け、少女は威嚇の様に叫んだ。

 

鈴仙「何人いても同じこと!私のこの《幻朧月睨》前では!」

 

鈴仙は叫んで目を大きく開けるが、しかし妖夢には全くと言っていいほど効かない。しっかりと目を瞑る妖夢。目を合わせなかったらいいのなら、目を瞑ったまま戦えばいいということ。

効かないことに気づいた鈴仙は銃口をつきつけたが、時はもう遅く。

 

一歩踏み出した妖夢は、刀身を輝かせ、鈴仙の方へと走る。

鈍い音が響き、鈴仙の腹を刀が切る。

赤い薔薇が散った。

 

時間差で気づいた鈴仙だったが、意識を失い、その場に倒れた。

 

妖夢「妖怪の鍛えしこの桜観剣…斬れぬものなど…」

 

刀身をそっと鞘に、戻し。

 

妖夢「あまりない!」

 

キリト「…見事だった。妖夢…」

 

妖夢「あ、ありがとうございますキリトさん!」

 

幽々子「よかったわぁキリト君にいいとこ見せれて」

 

妖夢「か、帰りますよ幽々子様!」

 

その後、妖夢と幽々子はスキマへと帰っていった。ちらっと緑色の顔の人が顔だしていたが。

 

キリト「…さてと、霊夢と魔理沙の方はどうなっているんだろうな」

 




見てくれてありがとうございます。戦闘描写は難しくて言葉が多くなっちゃいます。
理解しにくくてすみません。がんばります。

評価、感想、どしどしお願いします!励みになります!


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20話 対永琳

鈴仙を倒した。

本編は下です


霊夢「魔理沙ッ!!!」

 

稲妻のような赤い弾幕が、魔理沙に目掛けて無数に襲っていた。魔理沙は避けられないと確信し、目を瞑った。

その時、一瞬世界が止まった。すべての弾幕がとまり、皆の動きが止まった。その中一人だけ止まっていないメイドの姿があった。魔理沙を危機から抱いて、永琳の後へと移動した。

そして時は動き出す。

箒だけがその場にあり、魔理沙の姿がないことに気づいた永琳は即座にどこにいるか目を泳がせた。

 

咲夜「お邪魔だったかしら」

 

魔理沙をお姫様抱っこする咲夜の姿が浮遊しながらそこにあった。自分が抱かれていることに気づいた魔理沙は恥ずかしく思わず顔を赤くしてしまう。

 

魔理沙「咲夜!?」

 

驚いている霊夢と魔理沙を置き去りにしたかのように、宇宙空間の中で一つのスキマが出現した。目の様に横に開かれたスキマの中から現れたのは、紫の短髪に爪が赤く染まる。肩を組んだ一人の少女だった。

 

レミリア「ずいぶん待たされたわよ」

 

驚いた霊夢はレミリアに振り向き事情を即座に聞いた。

 

霊夢「吸血鬼とメイド!?いったいどんな風のふきまわしよ!」

 

質問が愚問だといわんばかりに眼で霊夢を見下し、にっと口をあげて答えた。

 

レミリア「スキマ妖怪には幻想郷を紹介してもらった義理もあるけど、あ、あとあの剣士さんがフランを守ってくれたっていうのもね。なにより、月を偽物にすり替えるような不届きものには、この私が自らお仕置きしてやろうと思ってね

 

永琳「地上の妖怪が、その思い上がりの代償、高くつきますよ!!!」

 

怒りを覚えた永琳は、腕を大きく広げ再び霊夢と魔理沙を襲った無数の弾幕をレミリアの方へと発射する。全くひるまないレミリアは、余裕にしゃべっていた。

 

レミリア「天界人か何か知らないけど。この私、レミリア・スカーレットを敵に回した時点であなたが負ける《運命》はすでに決まっていたのよ」

 

手を大きく掲げ、紫の物体は徐々に具現化していく様子がわかる。

 

レミリア「本気で行くわよ!咲夜!」

 

時を止め、止めている間にレミリアの隣へ。瞬間移動の様に移動し、レミリアの横に浮かぶ。決意をした目をし、返事をした。

 

咲夜「はい、お嬢様」

 

そっとお嬢様の手を咲夜は握る。二人の手が、小さな、そして確かな絆を現していたように見えた。そして時を止め、時を止めている間は咲夜とレミリアが動けるようになった。

時を止めて、誰もが動けなくなる時。レミリアと咲夜は永琳が発射した無数の弾幕を全て恐ろしいものへと変化した。

時が動き出す。

 

永琳「…っ!?」

 

弾幕は小さな、威力は確かな、紫のレミリアの持つ武器。グングニルが、無数となって永琳の方へ矢先が向かれていた。つまり、永琳は今無数のグングニルの標的にされているのだ。

レミリアは小さな手をかざし、無数のグングニルは永琳の方へと発射されていく。

咄嗟に永琳は魔法の球体に入り、防御を繰り出した。しかし、無数の威力が強いグングニルに幾度もなく攻撃をされて耐えられるほど防御の球体が強くないのは永琳もわかっていた。

耐えられると思っていた永琳だが、防御球体は徐々に亀裂が走り、割れることを予知した。

そして、何本かもわからないグングニルが刺さった時、防御球体は亀裂が無数になり、ついに球体は粉々になって永琳の防御を無にした。永琳は残っているグングニルを多少受けてしまい、斜め下に吹き飛ばされる。そこを魔理沙は見逃さず、箒に足を乗せてウェーブの様に宇宙を駆ける。

 

魔理沙「この好機を見逃さないぜ!マスター…!」

 

永琳「舐めるんじゃ…」

 

永琳の後から、空を飛ぶ巫女が振ってくる。

 

霊夢「夢想…」

 

永琳「はっ…!?」

 

霊夢「封印っ!!!」

魔理沙「スパークッ!!!」

 

永琳は、魔理沙から放たれた虹色に光る光線と霊夢から放たれる光線を挟み撃ちで迫られた。反撃しようとしたが、動けず、永琳はまともに食らってしまった。

宇宙空間に、二つの線がぶつかり白くまぶしく大きな爆発がそこで起こった。それを見守っていたレミリアと咲夜は、少し笑っていたようだ。

 

白い爆発は徐々に消えていく。…辺りはだんだん静かになっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

永琳「姫様…私は姫様に謝罪したいのです。姫様が飲まれた薬は私が作った薬です…。どうか…」

 

輝夜「いいのよ永琳。私は、月から追い出されて、この地上に来た。あなたのおかげで月以外のことをたくさん知れたわ。私はあなたに感謝しているの。そして私は月には戻らないわ。ずっとね…」

 

永琳「…ならば、私も薬を飲みます。そして、二度と姫様を離しません…。姫様と永遠を私は共にします…」

 

輝夜「…えぇ」

 

姫様は、金色に光る世界、地面、幻想的な場所で。永琳へそっと抱き着いた。それを永琳は優しく抱き返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「…おかえり。霊夢、魔理沙」

 

霊夢「ただいま。キリト」

 

魔理沙「ただいまだぜ!」

 

俺たちは今、永遠亭の中での敷地内。小さな川が流れ、地面は白い小石で平らに埋められ、赤い傘が隅に立ち、すこししわしわな木が端に育っている。

近くの明かりの台を背中に、小さなうさぎの子と、さっき戦った鈴仙がボロボロで座っていた。そして、川の上の赤い小さな橋。そこに今回の主犯がボロボロで手を橋につき、膝をついていた。

 

霊夢「それで、こいつらは幻想郷ができる前、大昔からずっとここにいたのよ」

 

キリト「つまり、霊夢の幻想郷を守っている《博麗大結界》を突き破ったわけじゃないということか?」

 

紫「えぇ。お互い取り越し苦労だったわね」

 

霊夢「ほんと、あんたと手を組むまでしたのに」

 

霊夢は紫にそういうと、主犯のいる方へ視線を戻した。

 

霊夢「そっちも取り越し苦労たちよ、それ」

 

永琳「…私が?」

 

それを聞いた紫は、永琳へと言葉を放った。

 

紫「内と外とを反転させ、外の世界で力が失われるほど、内では力が強くなる。忘れ去られた妖怪たちの楽園・幻想郷をかたちづくる結界。私たちの最高傑作よ。月からの追手のような力ある存在は、外から決して入ってこれないわ」

 

言葉を理解した永琳は、悲しい顔をしてうつむき、ひとりぼそっと喋った。

 

永琳「…私は、密室の中に密室を作ろうとしていたと…?」

 

霊夢「そういうこと。時々スキマを開ける奴はいるけどね」

 

紫「幻想郷の為ですもの」

 

と、二人の会話を聞いていた俺、魔理沙、アリスは少し何かが起こるか予想できたそうで、若干アリスと俺は後退りしてしまった。博麗の巫女と創生者が戦ったら一体どうなるか。予想できたもんじゃないからな。

すると魔理沙が霊夢のもとへ歩み寄って決着ついてないとか言っていた。呆れて俺も苦笑していると、突然霊夢の後にある襖がゆっくり開かれた。

驚いて魔理沙と俺は目を丸くする。襖の向こうにいた人は、綺麗な着物を羽織っており、オーラが出ている。黒い髪で結んでいなく、美しい顔をしていた。

魔理沙の驚いた顔に霊夢も後ろを振りむく。着物少女は手を大きく広げ、口を開いた。

 

輝夜「ようこそ…永遠亭へ…。私が主人の蓬莱山輝夜よ」

 

そっと足を地面につけて、永琳の下へと歩み寄る。

無理して永琳は立ち上がり、顔をひきつる。

 

永琳「姫様…申し訳ございません。すべて私の過りでした…」

 

輝夜「いいのよ永琳。全部済んだこと。私たちが永遠に生きるのに、千年なんて無に等しいわ」

 

そっと、輝夜は手を永琳に乗せる。涙を若干輝かせる永琳。

 

輝夜「明日なんて何度もやってくるのだから。過去のことより今を楽しまないと」

 

笑顔で、永琳に言った。

 

輝夜「ね?」

 

永琳「姫様…」

 

月は、もうすでに輝きを戻していた。

そっと輝夜は俺たちに振り向いた。

 

輝夜「さぁさぁ。お客様。まだお開きじゃありませんわよ。久方ぶりのお客様なんだから、相応のおもてなしをさせていただくわ」

 

空中に浮遊し、言い続ける。

 

輝夜「隠れ住む必要もないんだし、朝まで弾幕勝負よ!」

 

魔理沙「話の分かるお姫様だぜ!そうこなくっちゃ!」

 

箒を手に取り、空中に浮遊する。それを追うアリス。

吸血鬼とメイドもどうやらやるきのようで一緒に空へと舞っていく。

 

紫「じゃあ、続きはまた今度。ちゃんと夜は終わるようにするわ」

 

霊夢「私もう帰っていいかな」

 

虹色に、様々な弾幕が夜の空を浮遊する。それに人一倍輝く輝夜。閃光を発生させ、夜を明るくしていく。それは幻想郷の遠くまでとどく輝きとなって。

これまでにない笑顔で楽しむことに、永琳も満足していたようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少しボロボロになって、疲れ果てて地面に仰向けに寝る輝夜。永琳はそっと近くによって座った。俺も見ていただけだが、輝夜のもとへ向かった。

 

輝夜「…あなたが噂の剣士?」

 

唐突に俺のことを刺してきて、俺は慌てて返事をした。

 

キリト「あ、はい!剣士キリトです!」

 

輝夜「…そう。剣士…黒いわね」

 

キリト「アハハ…よく言われます」

 

輝夜「あなたが…この幻想郷をより輝かせてくれるのでしょう…?」

 

キリト「…もちろんです。必ず…約束します」

 

そっと俺は輝夜の左手を両手で包み込むように握った。安心して、かすかに目を開いて口をほころばす。安心してそこで輝夜は眠っていった。

 

そして、幻想郷には朝日が顔を出し、世界を綺麗に映し出していく。輝きは、一生に代えがたい。これで異変は解決したんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「こ、これは…」

 

ある一人の少女。山の中の森で、監視を続けている中。ある物を見つけて目を光らせた。近づいてみると、それは夜空のように染められた片手剣であった。

木に突き刺さる剣は、どことなく幾戦を勝ち抜いてきたような輝きを持つ。

 

【挿絵表示】

 

少女は興味を持ち、その剣の柄へ手を伸ばしていく。

 

 




皆さん、祝日、どうお過ごしでしょうか、(つд⊂)エーンです。

最後の剣って・・・?
評価、感想、励みになります!どしどしお願いします!ほんとに!ね!


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21話 屋台で

剣見つけた

本編は下です


霖之助「じゃあそれをそこに置いてくれるかい?」

 

???「あ、はい!」

 

僕はそっと霖之助さんに言われた通りに荷物を置いた。にしてもこんなに汚れていて、あまり機能しなさそうと思うのは僕だけなのだろうか。

箱の中の物を少し見るが、かなりボロボロの物が多い。稀に綺麗なものもあるのだが、どう使うかは僕も霖之助さんもわからないのだ。

だが、霖之助さんは起動の仕方はしらなくてもそれがどういう物かはわかるみたいだ。どういう物かはわかっても、起動の仕方がわからない。

けど中には普通に綺麗な花瓶や綺麗なティーカップみたいなものもある。普通につかえそうなものばかりだ。

 

霖之助「ありがとう。おかげで早く片付いたよ。休憩してくれてかまわないよ、ユージオ君」

 

ユージオ「はい」

 

僕は霖之助さんの言葉に甘え、そっと椅子に座る。ここは霖之助さんが言うからには《幻想郷》っていうらしい。全く聞いたことない世界だ。僕がもともと住んでいた世界とはかなり異なっているようだ。

たしかに木や草、そしてソルスも輝いている。あの世界とは違うことはあまりないのかもしれない。それにしても、僕は…。

 

ユージオ「…」

 

肘をついて顔を支える。少し考えてみる。どうして僕がここにいるのか。僕は確か剣になって…もう死んでしまったって思ってしまった。しかし、何故ここにいるのか。あのあと僕はすぐにここらへんの草むらに倒れていた。

いや、目覚めたのはすぐで、案外長い間寝てたのかもしれない。それはともかく、僕はここで暮らしていかないといけないのか、それとも帰れるのか。

…そういえばキリトはこの世界に、幻想郷にいるのだろうか。まぁキリトのことだ。もしかしたら今頃ここにいたり…それはないかな。これからどうしていこうか、考えながら僕は窓の外のソルスを見つめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「よいしょ!!」」」

 

3人でやっと持ってこれたが、しかしこれは重すぎる。とても立派だがこんなに重いと武器にならない。あと近くに鞘もあったのでそれもここまで持ってきた。鞘は別に重くなかったが。

これはなんなのか、疑問を3人とも持っているはずだが、最初に聞いたのが白い髪の小さな子。

 

椛「文さん。これは何なんですか?」

 

文「それは私にもわからないよ。けどこんなに立派な剣、他にないよ」

 

紫色の服を着ているスカートが短い子もこの剣はすごそうと思っていた。

 

はたて「この剣かっこいいなぁ。振ってみたいね」

 

文「一応持てなくはないよね」

 

すると文は、腰を下ろし黒い剣の柄を両手で握って持ち上げる。にしてもすさまじく重い。こんなに重いを誰が振るのだろうか。見た目には合わない重さだ。

この重さは別に生じているのだろうか。こんな片手剣でこの重さは普通無理なはずだ。

手に力を入れ剣を持ってみる。持つだけで手が震えてしまう。

 

はたて「じゃあ…」

 

はたては木を指さし、「これ切ってみてよ」と言った。

 

文「やってみますよ~」

 

もう両手が限界だが、ぐっと腰を下ろし、手で剣を強く握り腕を振るう。

 

文「はあああ!」

 

刃が木に迫る。切れると確信し、さらに力を込める。

しかし。

カンッ!

 

文「うっ!?」

 

木は少ししか切り込みが入らず、剣ははじき返されてしまった。そしてその振動が手に直に伝わってしまい、ものすごい痛みが通った。

思わず剣を落としてしまう。

 

文「あやや……痛ったい…」

 

はたて「えぇ切れないの?」

 

椛「切れ味は普通に良さそうですけどね…」

 

強いかと思っていた剣だが、思わずのことにがっくりしてしまう3人。しかし、この剣には何かあるんじゃないかと思うこともまた3人は思っていた。

剣をみんなで持ち、天魔様のところへと私たちは足を動かした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「…はぁ」

 

現在夜。色々と異変もないし、平和なので夜お散歩していたところだ。霊夢や魔理沙には危険だから夜はそとに行くなとはいうが、別にこの夜の静かな世界。月が輝く下虫だけがなく静かな夜に散歩してもいいだろう。こういう幻想的な夜は大好きだ。

お金のことに関してだが、この世界の通貨は、文だとか。なので俺のSA:Oの世界のお金を換金してくれた紫。なんでもできる紫には頭は上がらないな。

そして俺は静かな夜を散歩中、明るい何かを見つけて俺は歩み寄る。香ばしい匂いがする、屋台だった。移動式の。

近くによって見ると、魚を焼いていた。アジか何かだろう。俺も腹が減ったのでその屋台の椅子に座ってしまった。

 

ミスティア「いらっしゃいませ!」

 

キリト「悪い、いただくよ」

 

ミスティア「はい!って…あなたは噂の剣士さんですか!?」

 

キリト「え、あ、まぁそうかな」

 

俺は焼いている魚の櫛をつかんだ。

 

ミスティア「やっぱり!来てくれて嬉しいです!様々な異変解決を強力しているとか聞きました!」

 

キリト「まぁそうかな。けど、主にやってくれてるのは名の知れた霊夢や魔理沙たちだ」

 

口に焼き魚を運ぶ。うん、塩加減が上手いし、魚がほどよく焼かれてとても美味しい。食べやすい。

 

ミスティア「どうですか?」

 

キリト「あぁ、とても美味しいよ。一人でやっているなんて大変だな」

 

ミスティア「いえいえ!おいしいって言ってくれるお客様がいればいつでもやれる気がします!」

 

キリト「そっか。偉いなぁミスティアは」

 

ミスティア「えへへ///」

 

その後俺たちは、俺は食いながらミスティアと話しているだけだった。ずっと話しているうちに、一人のお客さんが来たのだ。

 

???「失礼するよ」

 

ミスティア「あ、いらっしゃいませ!」

 

そこに座ったのは、白い昔の着物で、目つきが鋭く男らしい顔つきの女性。

俺に目を向けて彼女は話した。

 

???「お、君は確か噂の剣士君じゃないか」

 

キリト「あ、どうも。キリトです」

 

妹紅「聞いているよ。私は藤原妹紅だ。よろしく」

 

そういうと手を差し伸べる妹紅。俺は彼女の差し伸べた手を握り握手をした。にしてもとても強そうな人だ。俺じゃかなわないかもな。

彼女は焼かれている魚に手を差し伸べ、食べている。

 

ミスティア「お酒はいかがですか?」

 

妹紅「あぁ、いただこう」

 

キリト「俺は遠慮しておくよ」

 

ミスティアは妹紅にだけお酒を渡した。見た感じ日本酒か。まぁ人は外見で判断してはいけないというが妹紅はもう青年しているのか。頭がよさそうだ。

魚を食べてお酒を飲んでいる妹紅。すると俺に向いた。

 

妹紅「キリトは確か永琳たちをぶっ飛ばしたんだって?」

 

キリト「いや、俺は鈴仙だけを相手したよ。とは言っても冥界の騎士が倒しちゃったけどな。だから俺はあまりなにもしてないな」

 

妹紅「ほう、鈴仙とか。彼女は嫌な技を使ってくるよな。ま、うちもたまに喧嘩ぐらいしてしまうな」

 

お酒を飲み進める妹紅。この世界の人は外見に似合わずお酒を飲める人が多い。霊夢とか魔理沙とか。あと妖夢も確か飲めたっけ。飲めない俺は恥ずかしいな。アンダーワールドでは飲んでいたんだけど…少しだけ。

話していると、また一人。ここにやってきた。

 

妖夢「どうも」

 

キリト「あ、妖夢」

 

妖夢「キ、キリトさん!?」

 

ミスティア「いらっしゃいませ!」

 

妖夢は少し照れながら席へと座った。妹紅は妖夢のことを知っていたようで、なんとも仲良く話している。妖夢は魚を手に取り、お酒をもらって食べて飲んでいた。

俺も少し食べようかと魚に手を伸ばす。ミスティアは少なくなったのを感じ、魚に塩をまぶして再び目の前で焼いた。

 

キリト「妖夢も食べたくなったのか?」

 

妖夢「あ、はい。紫様と幽々子様にさっき用があって、それが終わったのでたまたま通ったらミスティアが屋台をやっていたもので」

 

妹紅「そうだな。ミスティアの屋台は美味しいな」

 

ミスティア「ありがとうございます!」

 

そして、はなして数十分後。妹紅は満足して、帰った。俺はというと…。

 

妖夢「聞いてくださいよぉキリトさぁん。幽々子様が前に私にぃ」

 

すっかり酔ってしまった妖夢の愚痴を聞く係になってしまっていた。苦笑いをするしかない。もうずっと聞いていて愛想笑いするぐらいである。

酔ってないので、俺は平常心だった。ミスティアも苦笑している。魚は妖夢の前にだけ置かれ、俺はもう満足していたので置かないでいいと言った。

そして、妖夢の周りを飛んでいる白い魂をクッション代わりにまだ話す。

 

妖夢「幽々子様なんて、「私の言う通りにしたらいいのよ」って言うんですよぉ。ひどくないですかぁ!?」

 

キリト「あ、あはは…そ、そうだな」

 

妖夢「それでですねぇ?」

 

そう。このエンドレスである。もう色々と聞いた。確かに誰かに話せば楽になるというけど、言い過ぎである。妖夢も大分苦労しているんだな。

すると、妖夢が顔をこちらに向け、いっきに近づいてきた。

 

妖夢「もう私はぁキリトさん無しでは生きていけませぇん…。もっと白玉楼来てくださいよぉ。魔理沙ばっかりずるいですぅ。私にも会いに来てくださいよぉ」

 

キリト「お、おう…」

 

もう半眼で、眠そうな感じがしている。体をゆするが、眠りそうだった。俺は少し苦笑し、ミスティアに言った。

 

キリト「俺が払うよ。お勘定は?」

 

ミスティア「え~…三百六十文です」

 

キリト「わかった」

 

俺はポッケから金を出し、ミスティアに渡した。にっこりと笑ったミスティアは、ぺこっとお辞儀した。俺は妖夢の腕をそっと俺の肩に置き、妖夢の刀を左手に立った。

 

ミスティア「大丈夫ですか?」

 

キリト「あぁ、大丈夫だよ。ありがとうミスティア」

 

ミスティア「いえ、またいらしてください!」

 

俺は軽く手を振って、その場を後にした。妖夢はもうすっかり眠ってしまった。よほど疲れていたのか、ただあの大食い幽々子に仕えているわけだから仕方ないか。

俺はゆっくり歩いて人里へ戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

慧音「遅いな、キリト。もう夜中だぞ」

 

キリト「悪い、慧音。ちょっと妖夢と飲んでたらかなり時間過ぎちゃってたよ」

 

慧音「そうか。まぁもうすぐ門を閉めるぞ。ほら早く入れ」

 

俺は人里へ無事は入れた。下手したら入れなかったのに少し焦りを感じてしまった。ゆっくり俺は自分の家へ帰る。無事玄関を足で開けて、布団に妖夢をゆっくり寝かした。

帰ってこないことに幽々子は何か焦りを感じてはいないのだろうか。それとも幽々子はもう寝たりして。俺は妖夢の靴を脱がせ、靴を置き縁側に向かった。

縁側に座って月を眺める。月と言えば、輝夜や永琳、てゐは今どうしているのだろうか。月には帰っていないので恐らく永遠亭で楽しく暮らしているんだろう。明日は何をしようか。

いや、それにしても俺は寝るとこがない。さすがに妖夢と一緒に寝るのは気が引けるし、なにより女性と一緒に寝たら怒られてしまう。彼女に…。確かに彼女は今ここに居ないと思うけど。

 

キリト「…」

 

ここに来てからもう何日たったんだろう。何週間…。まだそんなに立っていなくとも、アスナたちは…。本当、自分勝手なことに呆れてしまう。心配ばかりかけてしまっていた、いつでも一緒にいるって約束したのに、守れてない俺だ。

視界がぼやける。

なぜだろう。ずっと会ってないからか、自分の勝手なことに呆れたからか。それとも、ただ単に悲しいからか。

袖でこっそりぬぐう。

俺はここで生きる意味がある。成し遂げたら必ず帰ろう。かえってアスナに謝ろう。もしかしたら、今度はアンダーワールドのように許してくれるかわからないな。

俺は月光の光を浴びて、縁側で横になった。睡魔もかなり来て、俺はそっと眠った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト「う…うーん」

 

すっかり朝になった。起きても、ここは幻想郷。なんだか不思議な気持ちになってしまう。俺は本当に幻想郷にいるんだなって、改めて実感させられた。

起きて、のびをすると、米が炊ける音が聞こえたので台所を見る。そこに居たのは妖夢だった。…あれ、そういえばこの毛布は…。

そっと起きて妖夢に近づく。気づいた妖夢はびっくりして必死に頭を下げた。

 

妖夢「す、すみませんキリトさん!」

 

謝意の気持ちがすごい伝わる声量と気持ちと態度。

 

妖夢「勝手に眠ってしまい、わざわざ泊めてくれて…」

 

キリト「いいよ、妖夢。君の体に何かあった方が俺にとって心配だったんだ。風とか引いてなくてよかった」

 

引くわけないか、布団に入っていたしな。

妖夢は顔を赤くし、自分の顔が暑くなっているのを両手で確認し、料理を作り続ける。

 

妖夢「お詫びと言ってはなんですが、料理を作ります…」

 

キリト「そっか、じゃあお願いしようかな」

 

これくらいしないと妖夢の心の内もすっかりしないだろうし、任せるとしよう。あ、俺は一つ心配になっていることがあった。

 

キリト「幽々子は大丈夫なのか?妖夢のこと心配していないか?」

 

妖夢「幽々子様はいいんです!一人で勝手に寝てますよきっと!」

 

随分と素を出す妖夢。まぁ酔ってあんなこと言ってたし、本当のことなんだろうな。

溜息をついて、俺は予定を考える。




キリトの心情や考えを書くのは努力が必要ですね。
あ、あと気づいたかもしれないですけど自分曲で《愛き夜道》大好きです。

評価、感想、励みになります!よろしくお願いします!


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22話 漆黒の剣

妖夢に飯を作ってもらった

本編は下です


妖夢が俺の家から帰り、俺の家には静けさが戻っていた。剣を肩にかけて俺はドアを開いた。人里はとても賑やかである。次の異変がいつ起こるかわからないので俺はいつ来られてもいいように準備はしている。

家から離れようとすると俺の後から奇妙な音が聞こえてくる。奇妙な音で俺は即座に柄を握って振り向くと、俺の後にあったのは空中に現れた一筋の縦の線である。俺は警戒をやめてその線を見る。

その線は横の方に大きく開く。形は目を横にしたような感じだ。空間を操る者は俺の知るかぎり一人しかいない。

 

紫「どうも、キリト」

 

キリト「…紫」

 

紫が来るということは何かあったのかと思考を巡らす。大体は異変につながるものだ。俺はなぜ紫が来たのかというのを聞いてみた。

 

キリト「どうしたんだ?」

 

紫「キリトに朗報よ。あなたのある物がこの幻想郷で見つかったの」

 

キリト「俺のある物…?」

 

俺のある物…。ここを濁して言ってくるとは興味をそそられる。朗報ということだから何かいいものなのだろう。紫は地面に足を付けると、日傘をさして囁いた。

少し傘をくるくるする。

 

紫「そのある物っていうのはねぇ。《妖怪の山》にあるのよ」

 

妖怪の山…妖怪の山…うーむ、聞いたことがない。俺は紫に問いかける。

 

キリト「その妖怪の山という所に俺のある物があるんだな?」

 

すこし笑みをうかべて、口元を扇子で隠し目を細める紫。

 

紫「その通りよ。あなたに絶対必要なもの。ただ…簡単には手に入らないと思うわ」

 

所々言葉を濁す紫。その行為が俺の好奇心をくすぐった。俺にこれから必要なものならば絶対に手に入れときたい。俺はもうすぐ消えそうな様子を見て焦って紫に聞いた。

 

キリト「その妖怪の山というのはどこにあるんだ?」

 

聞かれると、紫はすこし視線を上げる。上げた先にあるのは、森の奥に佇む石の鳥居。《博麗神社》である。俺はあそこが妖怪の山かと聞こうとすると紫はもう隙間へと姿を半分も入れていた。

 

キリト「あそこは博麗…」

 

紫「それじゃあね」

 

俺の言葉を受け取らずそこから紫は消え去った。おそらく紫の言っていることは霊夢に聞けば案内してくれる、ということだろう。俺は足先を博麗神社に向けて走って向かった。

そして森の中を走っていく。道はあまり良くはないが、自然は綺麗であることは間違いない。土を踏んで向かっていると、俺は一人の小さい子の影を奥で確認した。

 

キリト「誰かいるのか?」

 

小さな影は俺に気づくや否やぴたっと足を止めた。俺も走りから歩きに変えて、その小さな影を誰なのかを確認する。

その子の影が徐々に消え、姿が確認できた。小さな女の子だったのだ。

髪は黄色く、頭髪にはリボンを添えている。服は全体的に黒いワンピースのような姿。中の服は白く、胸元に赤いリボンがあった。その子は俺を見上げる。

 

キリト「や、やぁ」

 

???「…あなた、美味しそう…」

 

キリト「…へ?」

 

すると、その子の眼は獲物を狙う目へと変える。辺りは一帯暗く確認しずらい闇に包まれる。俺は即座に剣を抜刀した。周りをしっかりと見て、あの子が危険だと再認識する。

あの子の声が闇の中反響する。

 

???「あなたは食べてもいい人間?」

 

キリト「この世に食べていい人間なんていないぞ」

 

辺りを見て彼女がどこにいるのか探すが、闇の中だと姿がわからない。常に警戒しているが、彼女からの攻撃がいまだに来ないのだ。

 

???「…それでも私はお腹が減っているの」

 

ひ弱な声が響く。どこからと断定できるのではなく、全体から包まれるように聞こえる。このままじゃ彼女の居場所がわからない。

 

キリト「…なら、人間以外を食べてもいいじゃないか」

 

と俺は聞く。

 

???「…人間以外?」

 

キリト「そうだ。食べ物ならなんでもいいだろ?」

 

???「…」

 

小さい女の子が黙った。ただただ黙った。俺は警戒心を解かず、しっかりと攻撃に備える。まだやられるかもしれないからだ。すると小さな女の子は俺の周りを包む漆黒の闇を払う。闇が徐々に薄くなり、陽の光がかかる。森の道の真ん中。小さな女の子が佇んでいる。

俺は剣を鞘にしまって敵対心がないことを意思表示する。

 

キリト「…君は妖怪なのか?」

 

???「…うん」

 

キリト「…そっか」

 

妖怪と言われているならば、人里に入るのは難しい。妖怪は人里では入ることは禁止されているからだ。もし入ったら人々が殺されるかもしれないと慧音先生も言っていた。俺はしばらく考えると、やはり自分が人里に言って食べ物を買ってここに戻るほかないだろう。

 

キリト「よし、じゃあ俺が食べ物を持ってくるよ。ここで待っていてくれるか?」

 

???「わかった」

 

俺は今来た道を戻り人里へ戻る。かなりの道だったので少し走りながら道を行く。息が少し切れそうなときに俺は人里の門へついた。

人里に入って香ばしい匂いがする方へ足を向ける。近づくと、そこにあったのは魚の塩焼きだった。

 

キリト「これもらうよ。2本で何円だ?」

 

「あぁ、50文だよ」

 

キリト「わかった」

 

俺はポッケからお金をだして、焼き上げの塩焼きの串の部分を手に取った。冷めないうちに俺はあの少女の下へ走る。

獣道に近い道を通って、森を駆け抜ける。だんだんさっき見た景色が同じように出てくる。ここらへんの近くだと思いペースをあげた。

そして一人の少女が道の端に立っていた。さっきと同じ子だ。

 

キリト「ほら、食べ物。魚だよ」

 

???「…魚…ありがとう」

 

俺の持っている二本のうち一本を彼女に渡す。彼女は串の部分を手に取ると、ゆっくりと塩焼きにかみついた。油が少ししみて出て、パリっと焼きあがっている皮に皹が入る。

もぐもぐと食べている。

 

???「…これすっごい美味しい…。ありがとう!」

 

キリト「よかったよ。ほら、もう一本あるから食っていいぞ」

 

???「うん!」

 

食べ終わった串をばっと捨てて俺の持っている魚をすぐに手に取って口に運ぶ。幸せそうに食べているのを見るとこっちでさえ癒されていく。

たちまち魚の身はなくなって、串だけになると少女はその串をばっとまた捨てた。

 

???「ありがとうお兄さん!名前は?」

 

キリト「俺はキリト。君は?」

 

ルーミア「私はルーミア!妖怪だよ!」

 

キリト「そうなんだな。俺は剣士をやっている」

 

ルーミア「そーなのかー」

 

ルーミアはさっきの様子から一変してすごい元気になっている。ちょっとステップをして俺の周りを飛んでいる。かなりお腹がすいていたのだろう。

俺はそろそろ博麗神社に向かおうとルーミアに別れを言った。

 

キリト「じゃあルーミア。俺は行かなきゃいけないところがあるから。じゃあな」

 

ルーミア「うん、お兄さんバイバーイ!また会おうねー!」

 

キリト「あぁ」

 

妖怪とはいえ普通の人間と同じ様に感情、元気、言葉。普通なんだ。確かにここは普通が通じない場所だけど、普通な人はいる。彼女みたいに。

俺はゆっくりと博麗神社に向かった。

 

 

 

 

 

 

キリト「霊夢ー」

 

霊夢「…ん?あら、キリトじゃない」

 

奥の家から出てきて縁側に立つ少女。博麗霊夢が出てきた。俺は紫に言われたところを霊夢に聞いたのだ。

 

キリト「霊夢、聞きたいことがあるんだ。妖怪の山ってどこにあるんだ?」

 

霊夢「妖怪の山?あんなところに用があるの?」

 

キリト「あ、あぁ。だから教えてほしいんだ」

 

「うーん」と頭をかく霊夢。妖怪の山は知ってそうだ。だがそこがどんなところかで悩んでいるのだ。

 

霊夢「あそこは天狗たちがいるのよねぇ。まぁ教えてもいいけどあまり面倒ごとに巻き込まれないでよ」

 

キリト「わかった」

 

というと、霊夢は縁側から降りて、少しこっちに歩み寄る。そしてある山、森の山を指さした。

 

霊夢「あそこにあるわ。そんな遠くないわよ。下から登っていけばいずれあなたの用があるところにたどり着くわ」

 

キリト「そうか、わかった。ありがとう」

 

俺は霊夢に手を振ってその場を後にした。階段を下りて下に着くと、どのようにいくか考える。

この幻想郷はとてもマップがわかりずらく、自然ばっかであり迷いやすい。下からいけばいけると言っていたので俺はとりあえず下の方へ降りていった。

 

 

 

 

 

 

しばらくして俺は妖怪の山から目を離さず山の麓付近まで近づくことに成功した。歩いている間は複雑が道を通って何度も人に尋ねたもんだ。

とりあえずここから山にいける。俺は妖怪の山といわれているほどなので警戒をしながら山へと入っていった。

そして数分間。時に休憩してまた昇り始める。かなり登ってきたが山の中で下を見ることができなかった。木々が塞いでいるからである。だが道はしっかりしているので俺は進んでいった。

 

キリト「…きっついなぁ。紫の言っていたことは本当なのか…」

 

とりあえず紫の言っていたことに嘘はないと信じ、霊夢の言っていた用がある場所まで頑張り続ける。歩いてくにつれて先が見えなく、まるで空の上まで続いているようにも見えてしまう。

歩みを止めず進み続けると、ある壁が横に広がっていた。

 

キリト「…ここか」

 

恐らくここから先は天狗たちの私有地だ。とりあえず剣をしまって門の近くに近づく。

 

「何者だ!ここから先の侵入は許されない!」

 

と、一人の翼が生えた槍をもつ門番が俺の前に立った。紅魔館の門番とは違いすごいやる気が感じられる。

 

キリト「えっと…ここになんか変な物届きませんでしたか?」

 

俺は質問するが、相手は槍を握りなおしてさらに威嚇してくる。

 

「侵入者の質問に答える義理はない!早々に立ち去れ!」

 

キリト「そ、そんなぁ」

 

確かにこれじゃ簡単には入れない。うーむ、どうしたものか。とりあえず少し門からさがって見ると、門の奥から一人の歩く姿が見える。

 

キリト「…ん?あれは…文?」

 

文「…はぁ、どこかいい記事は落ちてませんかねぇ」

 

なんかがっかりしている様子だが、とりあえず門から出てきたので話しかけてみる。

 

キリト「おーい!文ー!」

 

文「…ん?あ、剣士さん!」

 

俺に気づくと、俺の方に走り寄ってくる。

 

文「こんな高いところまでよく来れましたね!…それでどうかしたんですか?」

 

キリト「あ、あぁ。実はここに用があって…。ここに変な物届いてないか?」

 

文「…変なもの…変なもの…あっ!」

 

何かを思い出したように顔をあげる文。思わず叫んだ。

 

キリト「何か心当りが?」

 

文「はい!ある物が届いた、というより見つかったんです!見てみますか?」

 

キリト「あぁ、頼む!」

 

文「いいですよ!門番さん。この人を入れてあげて」

 

「…わかりました」

 

門番も文の言葉を聞くと、槍を縦て一歩下がった。俺はふっと安心して文の後をついていった。

しばらく歩いていると、中にいる天狗たちが俺の存在に気付いた。少し警戒するもの、なにも気にしないもの。そもそもどうでもいいと思うもの。

そして文の後をしばらく歩いていると、目の前には大きな屋敷が立派に建てられていた。

 

キリト「ここは…」

 

文「ここは天魔様がいるんです。一緒に入りましょうか」

 

キリト「いいのか?俺みたいな人間が入って」

 

文「いいですよ。天魔様も心が広い者ですから」

 

俺は少し肌がぴりぴりするのを感じる。やはり緊張してしまう。おそらく天魔様ということは天狗たちの長ということなのだろう。若干体を震わしながらも俺は屋敷に入った。

少しでも緊張を紛らわそうと周りを見てみるが、全然ほぐれない。

 

文「緊張しなくてもいいですよ」

 

キリト「そういうわけにはいかないだろ…」

 

とりあえず屋敷に入ってみると、さらに警備員が俺をにらむ。やはり部外者だと思われて仕方ないのだろう。

 

文「この先です。もう天魔様に渡しちゃったので、入りましょう」

 

キリト「わ、わかった」

 

文の目の前にある扉が開かれる。中は装飾が少しされていて、マットが敷かれていた。

その奥に居るのは椅子に座っている一人の女性。黒髪で白い服をまとい、黒い翼が大きく生えている。

 

文「天魔様。失礼します。要件は、私の隣にいる者。キリトにございます」

 

天魔様「…キリト。きいたことがある。噂の剣士さんか」

 

キリト「はい!剣士キリトです!」

 

椅子の背もたれから少し背中を放して、肘を机につけて手の指をからめて俺を見る天魔様。

 

天魔様「固くならなくていいぞ。…それで、要件は?」

 

キリト「はい!要件は、この妖怪の山付近で見つかった物をいただきに来ました!」

 

天魔様「…みつかった物…?」

 

少し首をかしげる天魔様。すると後ろから一歩出る文。

 

文「天魔様。恐らく前日の夜に見つかったあの物かと」

 

天魔様「…そうか、あれか。わかった、とりあえずもってこよう」

 

椅子から立ち上がった天魔様は、後ろの物置のようなドアを開けて中に入っていった。そしてしばらくしていると、天魔様はあるものを横に両手に持ってきた。

持ってきたものを机に置くと、大きな衝撃音が響いた。

 

天魔様「…ふぅ。前日の夜に見つかった物だ。文、これで間違いないな」

 

文「…えーと、はい。これです」

 

天魔様「そうか。それではキリト。君の要件の物はこれではないかな」

 

俺は一歩前にでて机に置かれたものを視界に入れる。

その時、その物を確認できた時。俺の脳内にある記憶が瞬時によみがえる。それは走馬灯のように早く、明確に。

修剣士…カセドラル…戦い…。

そう、机に乗っていたのは…。真っ黒な鞘に納められた、陽に反射する鍔の部分。全て真っ黒にデザインされ、その闇は夜空の様に。ただひたすら輝く。

 

キリト「…これは…」

 

天魔様「…これに見覚えがあるのか」

 

キリト「…はい」

 

思わず手が震える。

 

天魔様「これは非常に重い。我々はこれを神から送られた剣だと思っている。この剣が欲しいのか?」

 

キリト「…はい。お願いします」

 

天魔様「…そうだな」

 

椅子に座りなおす天魔様。簡単には渡してくれないらしい。

 

天魔様「…いいだろう。渡してやってもいいがこっちから条件がある」

 

緊張して聞いてみる。

 

キリト「なんでしょう…」

 

天魔様「…この剣を扱えるものは強き心を持つ者だと思っている。非常に重いしな。それで、キリトの強さを確かめたい。こっちの剣士といえる者と決闘してみてほしい」

 

キリト「…決闘」

 

天魔様「そうだ。そしてその相手なんだが、犬走椛にする」

 

すると文がビクンと跳ねる。

 

文「も、椛にするんですか!?」

 

天魔様「あぁ。彼女はなかなかの手練れになった。彼女と本気で戦って勝ったらこの剣をやろう」

 

キリト「…わかりました」

 

犬走椛…いったいどういう相手なのだろう。しかし目の前にある剣は俺のものだ。絶対に取り返さなければいけない。たとえどんな相手だろうと勝つまでだ。

天魔様は椅子から立って文にある頼み事をする。

 

天魔様「文。椛を呼んできたまえ。急ではあるが彼女のいい練習になるだろうと思っている。そしてキリト。戦う場所は私が用意しよう」

 

キリト「…わかりました。お願いします」

 

戦うことは免れないようだ。しっかりと準備して決闘場所に向かうことにする。屋敷から俺と文は出ると、文から俺に言ってきた。

 

文「…面倒ごとに巻き込まれましたね」

 

キリト「…まぁ仕方ないよ。あの天魔様が決めたからな」

 

文「…そうですか。じゃあ私は椛を呼びます。健闘を祈ってます」

 

そして文は空を飛んで椛の下へ向かっていた。風が舞う。文の能力は風を操る能力なのだろう。あのうちわみたいなものがその能力玄だろう。

あとから天魔様がでてくると、周りの人はすぐさま頭を下げる。天魔様がこの天狗の縄張りの中心に行くと、兵に声をかける。

 

天魔様「ここを決闘場にしてくれ」

 

「…かしこまりました」

 

すぐさま行動を起こし、兵が決闘場を作る。

少し土が払われて、きれいな場所になる。そしてロープを持ってくると、その範囲を四角形で結ぶ。角の場所は釘で打たれて固定された。

そして文が空から戻ってくる。それと同時に一人の白髪の少女も追ってきたのだ。

二人が着地すると、天魔様の下へ向かった。

 

文「天魔様。椛を連れてきました」

 

天魔様「ごくろうだった。椛。話は文から聞いてるな」

 

椛「はい。そして相手は…」

 

天魔様「そこにいる、コートをまとった黒髪の青年だ」

 

椛は俺の方を見ると、一歩前に出て礼をする。

 

椛「犬走椛です。今回の決闘、よろしくお願いします」

 

キリト「剣士キリトだ。こちらから勝手にすまない。それでは犬走椛に、尋常なる決闘を所望する」

 

椛「わかりました。よろしくお願いします」

 

俺も一礼して、決闘場の地面を踏んだ。

縄の範囲は広く、走り回れる広さだ。開始時の椛との距離は約15メル。周りの天狗たちも俺たちを見る。

一歩天魔様が出てきて、大きな声で開始を宣言する。

 

天魔様「では、これから犬走椛対剣士キリトの決闘を開始する。両者、剣を抜け!」

 

俺は背中に背負っているアニールブレードの柄をしっかりと握って、抜刀する。刀身は光り、両刃の砥石がしっかりとされている。

椛も腰に掛けている刀のようなものの柄を握ってゆっくり抜刀する。刀身はものすごく綺麗に輝き、綺麗な刃だ。妖夢と同じように片刃で日本刀のような形をしている。しかし妖夢ほど刀身は細くなく、少し太い形である。

リーチは短そうだが、威力は高そうだ。

 

天魔様「指定として、回復などの行動は禁止。行動不能になれば敗北となる」

 

つまり、しっかりとダメージを与えなければならない。しっかりと腰を落とし、足を地面につけてこすって踏み固める。

椛も剣を片手で持って、俺の眼を見る。そして、天魔様が二人を見ると、手を片手をあげて大きく言った。

 

天魔様「では、始め!」

 

片手が振り下ろされて、俺と椛の眼が一瞬大きく開かれる。

俺と椛は地面をしっかりと蹴って、両者中心に近づき剣を握りなおした。

 

キリト「はあああああああああああ!」

 

椛「せああああああああああ!」

 

夜空の剣を賭けて。




昨日の夜に終わると思ってましたがすみません。終わりませんでした。
そして不定期更新ですみません。待ってくれた方ありがとうございます。
遅れたのも色々あり、予定がむっちゃぎゅうぎゅうでした。書く暇もあまりなくてストーリーの再考案などしてまして遅れました。すみませんでしたぁ!!!
ちゃんと最終回まで書きます!最終回はもうどうするか考えています。なのでこれからもご期待ください!お願いします!

評価お願いします!
感想どしどしおねがいします!本当にやる気につながります!



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23話 対椛

天魔様に剣を見せられる

本編は下です


弧を描くように俺は剣を振りかぶる。

相手である椛の剣と強くぶつかり、金属が削れる音がした。相手も剣には使い慣れていると予測されるのはあの天魔様が言っていたからだ。恐らくこの種族の中で一番剣に長けているのはこいつだろう。

確かに訓練してきたような動きや力の籠め方は良く伝わる。だが、ここで負けるわけにはいかない。

 

キリト「うぉ…おおお!」

 

椛「くっ…はぁああ!」

 

鍔競り合いで火花が散っていた。互いに俺たちは剣を押し切ってやろうとするが、この少女の力は普通じゃない。容赦はできないのだ、するつもりはないが。

俺は芯に力を込めて、ここは押し切るしかない。

 

キリト「おおおおおお!」

 

キンッ!

俺が椛の剣を押し切り、椛自身も体が後ろの方によろめきはじめた。彼女はすぐさま体勢を立て直し、慎重に後ろ歩きで俺から距離を取ろうとする。

だが俺はすぐさま振り切った剣を握りしめ距離を詰める。椛の剣が上がり、俺も剣を横から振りかぶる。

そして攻防が始まった。俺の剣が優勢だが、それに冷静に一つ一つ対処する椛。すごいのは下がりながら範囲を超えず、8の字で下がっていることだ。俺もそれに追いつきながら剣を振るう。

決して攻撃を許さない。ここは不意を衝くしかない。ならば遠くから一気に距離を縮める技に頼るしかない。

俺は少し距離を離すと、椛は足を遅くする。そして、剣を肩に持ってくる。眩く剣が光り、緑色の光に染められる。

 

キリト「うぉおおおお!」

 

そして、残像が見えるほどに早く斬撃をして椛へと迫る。一撃《ソニックリープ》である。

椛は目を見開き、しかし狙いが分かったかのように自身の持つ剣を両手持ちしたのだ。片手剣を両手で持つときは、大きな攻撃の防御か。または

ギギギギギ。

俺の剣先と同じように向けられた椛の剣先。俺の剣を受け流したのだ。

 

キリト「何!?」

 

椛「はああああ!」

 

俺は椛を通り過ぎ、即座に後ろに振り向くが椛の剣は上がっていた。

スキル硬直から一気に防御に徹するがそれも厳しかった。足のつま先を一気に椛へと変えるが、勢いが止められなかったため少し足が動いた。

そして防御に徹したが、椛の剣はすぐさまそこに来ていた。

 

キリト「ぐっ…!」

 

俺の腹を上から裂くように剣が入った。これ以上はやらせまいと持つ剣で迎撃をした。

 

46530/50000

 

俺の左上に見える、命を表す緑の帯が削られたのだ。ここではルール上回復は禁止だ。

しっかりと距離を取って判断するんだ。

俺は賭けに出すぎたのだ。こうなることをわかっていたはずだ。ならば、隙を与えず攻撃を打ち込む方がいいようだ。

 

キリト「…やるな」

 

椛「…負けません」

 

俺は体を横にして、剣を腰の位置へと持ってくる。

ここからは捨て身で向かうまでだ。

俺の剣が徐々に輝き始め、それはオレンジ色のライトエフェクトになって剣を包んだ。スキルが溜まる独特の音が聞える。

足を一気に出して地面を蹴った。

 

キリト「はぁああああ!」

 

俺の剣がオレンジ色の光を放ち、逆光ができる。俺の顔が少し黒くなった。

そして剣は光の輝きを増し、粒が飛んだ。

椛は剣の腹を見せ、防御に徹し足を固定する。それが俺の狙いだった。

剣は上から振り下ろされ、それは勢いよく椛の剣へぶつかり火花が散り俺の顔を照らした。椛は少し勢いに剣が揺れ、足が下がることを余儀なくされた。

だが、防御に徹している以上すぐには攻撃ができないのだ。だが俺は一撃の必殺技を放ったのではない。

 

椛「な…」

 

振り下ろされた剣は右上へと振り上げられ、再び金属がぶつかる音が響く。椛の剣はさらにダメージを受け、体勢が崩れ始めた。

そして右横から左へ振りかぶり、さらに椛を押した。剣は崩れ、手から一瞬柄が離れそうになった時。そこから俺は左上から右下へ。最後の力を振り絞って剣の腹を当て一気に叩き落した。

そして、椛から剣が落とされた。

 

キリト「はぁ…はぁ…」

 

椛「…剣が手から離れた以上、私は攻撃手段がありません」

 

そして一歩椛は下がると、一礼をする。

 

椛「私の負けです。ありがとうございました」

 

俺は剣を背中に背負う鞘にそっと入れ、手を胸に当て一礼。剣士として当然の行動だ。

 

キリト「ありがとうございました」

 

天魔様「勝者、キリト!」

 

俺は無事、この戦いに勝ったのである。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

文「よかったぁ傷を負ってなくて…」

 

椛「大丈夫ですよ。相手もそれを考慮しながらやってくれたと思うんです」

 

文と椛が話し合っていた。先輩と後輩の関係なのか、とても親密な様子がある。俺は約束の品を手に入れる前に椛の下へと向かった。

 

キリト「今回は本当にありがとう」

 

椛「い、いえ!こっちもとてもいい決闘になりました!学んだこととかもありますし!」

 

キリト「そ、そうか?ならよかった…」

 

そう言えば俺は聞きたかったことがあるのだ。

 

キリト「あのさ、俺が今回ほしい剣なんだけど…。あれってもともと俺のなんだけどな。その剣っていったいどこで見つかったんだ?」

 

俺のいうことに少しびっくりするが、落ち着いて椛は答えてくれたのだ。

 

椛「ここの外の監視をやってた時なんですけど、木に深く刺さってたんです。見たことのない形状の剣なので持ってみたんですけど、すごく重かったです」

 

キリト「なるほど…恐らく重かったのは権限レベル…。ならここでの権限レベルは…」

 

椛「権限レベル…?」

 

俺の言葉から自然に出ていた俺の世界の言葉。アンダーワールドと同じ様に俺の世界にはありこの世界にはないような、知らないような言葉もあるのか。

 

キリト「まぁ…扱うことのできる経験力…とでも言ったらいいか…」

 

椛「な、なんとなくわかりました…いや、わかりません…」

 

キリト「無理もないさ、こっちの世界の話だからな」

 

椛「こっちの世界…?え?もしかして外来者ですか?」

 

キリト「まぁな」

 

そっか、このくらいのことは文によって伝わっていると思ったけど伝わってなかったのか。

俺は天魔様に約束の品をいただこうと向かった。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

キリト「…天魔様」

 

天魔様「見事だったぞ、キリト。あの剣の光もすごかった。何かの能力か?」

 

キリト「まぁ、そんなものです」

 

天魔様「そうか。それじゃあこれを渡そう。約束の品だ」

 

天魔様はすでに机に置かれている漆黒の剣を両手で刺した。どうやら天魔様でさえ持てないようだ。

 

天魔様「持ってみろ」

 

キリト「はい」

 

俺は一歩近づき、その剣を見る。まさかこの剣とまた会うことになるとは思わなかった。一体どこからこの剣は来たのか。常識が通用しない場所でもここまでするのか。

俺はそっと両手で柄の部分と、刀身部分を支えてあげる。

驚いたのは重さがそこまでなかったということだ。すなわち、片手で持てるほどの重さ。ここでも俺の権限レベルはアンダーワールドと同じだということだ。この剣はプライオリティがかなり高いが、それでも俺は持てている。

 

天魔様「よくそんな軽々しく持てるな。さすがだ」

 

キリト「ありがとうございます」

 

そして、天魔様からあることを尋ねられた。

 

天魔様「ちなみに聞きたいのだが、その剣の名は?」

 

キリト「…夜空の剣、です」

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

キリト「じゃあ、また来れたら来るよ」

 

椛「はい!あの剣をもっと知りたいです!絶対に来てくださいね!」

 

なんか一気に感情が変わった気がするのだが、この椛という少女。

俺はそっと頭に手を乗せた。

 

椛「ふぁっ!?あ…」

 

キリト「また来るよ。その時俺の剣も教えてあげるよ」

 

椛「は、はい!」

 

俺は椛の頭から手を離すと、少しなんかシュンとした感じになったのは見逃さなかった。そして俺は手を振り、椛と文と天魔様に別れを告げた。

必要の時だけだ。常に剣はアニールブレードを背負っている。

速く霊夢たちのもとへ戻ろう。もう日も暮れてきた。明日は何が起こるのかわかったものじゃない。常にここは飽きなことでいっぱいだ。

そして、1日でも早くアスナたちの下へ戻らないといけない。それにはとにかく、この幻想郷に平和をもたらすことだ。この剣もそのことに近づく為に必要だろう。

森の中、足元をしっかり見ながら帰っていった。しかし日が落ちている。森の中であるため、足場が全部暗い。早く戻ろう…。

 

キリト「…ん?」

 

俺はついに空を飛ぶことができたのか?それとも、空を歩くことができたのか?もしそうじゃなければなぜ俺の足元に足場がない?

俺はゆっくりと、下を見る。円形に穴になっていることに遅れて気付いた。そう、ここは穴である。

 

キリト「うわああああああああああああああ!」

 

俺は穴の中へ一気に落ちていった。

地下へと続く、穴へと。

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

アスナ「どこにも入り口なんてないよね?」

 

私達は今、キリトがいなくなったと思われる場所に来ている。キリトがいなくなったのは、確かある場所へ宝を探しに行っているということだ。そしてその場所が確かここだった。《エリオンウォード異相界》。強力なモンスターが生息しており、所々ホログラムが上手くいってないところもあるが、マップとして認定されている。

だがここもすごい広大であるためこの中からキリトが別の場所へ行ったといわれている入り口があるのか、皆で探しているのだ。

 

シノン「広すぎるわよ。それに全く情報がないんじゃ探しようがないじゃない」

 

シノンと一緒に行動しているが、ここにはなさそうだと互いに思っている。ほかのメンバーも2人一組で探し回ってはいるが、メッセージには「ない」という言葉だけだった。

 

アスナ「ない…ね。一旦戻ろっか?」

 

シノン「そうね。とりあえずもうアイテムもないし、戦えないわ」

 

アスナ「じゃあ私の転移結晶でもどるわよ」

 

私はシノのんと共に青い光と共に転移が始まった。

キリト君がいなくなって今日で3週間くらいがたった。キリト君の健康管理はラースがやってくれると言っていたのでとりあえず私たちができることはキリト君のもとへどうやっていくか情報をあつめるということぐらいだろう。

だが、一向に情報がないのだ。このままずっとキリト君が戻らなくなったらどうしようという不安感が常に心の中にあった。これまでもずっと戻ってきたが、今回だって戻ってくるとは限らないのだ。

転移後、宿屋に集まる。

いまここにいるメンバーは、シリカ、リズ、シノン、フィリア、ストレア、セブン、レイン、リーファ、ユウキ、アリス、エギル、クラインである。

キリトがいなくなったという情報は皆すでに知ってはいるが、そこから進展がないのも一緒である。

 

クライン「思ったんだけどよぉ、ほんとにそこでどっか行ったのか?菊岡さんが隠蔽とかしてんじゃねぇのか?」

 

アスナ「いや、それはないと思うわ。キリト君はいなくなった日は普通にログインしていたし、宝探しに行ってくるときも私に会ってから行ったから。それに勝手にログアウトなんてしないし、何かあったら話してくれるもん。前のアンダーワールドの時だってちゃんと言ってくれた」

 

シノン「私もアスナには賛成よ。菊岡さんは今は向こうの相手にされるがままだからよ。菊岡さんの上はまだいないと思うからね」

 

エギル「そうか。だがそうなればキリトは行くまでは、そのことに関して干渉してなかったってことか」

 

リズ「そうだと思うわ。恐らく連れていかれた…もしくは拉致よ」

 

シリカ「…拉致なんて、いったい誰が…」

 

皆悩むが、とりあえず今できることはない。あっちからの行動が必要だと思う。主導権はあっちが握っているのだ。

とりあえず私はキリトの下には簡単にはいけない。いけないわけではないが、あっちにも迷惑がかかる。六本木ではなくオーシャンタートルにいるためヘリで向かう必要があるのだ。あっちにヘリを用意してこっちから行きたいというのは大変迷惑だろう。前の様にオーシャンタートルに泊まるのもありだが、何もできないのにいても仕方ないだろう。親にも失礼だし、今は皆との情報収集が優先される。

今はまだなにもできないが、いつかは向こうに行って見せる。そしてキリト君を必ず連れ戻す。




投稿先を一回間違えてしまった俺氏。すみません。

ご朗読ありがとうございます。
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24話 地下世界

アスナたちの一致団結

本編は下です



こと。お茶を机に置き外を見る。夕日に染められた空である。最近はあの剣士さんのことで退屈しない日々が続いていた。あの人といると毎回面白いことに巻き込まれて、そしてあの剣士はかなり予想外なことをしようとするし。この前なんて幽々子の弾幕を剣を回して防御したのよ。全く、すごいことをすると思った。

そういえばもう6時過ぎになるがあの剣士は無事に人里に帰れたのだろうか。私は朝《妖怪の山》という場所についてどこにあるか言ったが、何しに行ったのだろうか。まぁ私には関係ない話か。お茶をすすりなおした。

サー。襖を乱暴に開けてきた一人の女性。

 

魔理沙「あ、いたのか。なぁ霊夢、キリトを知らないか?」

 

キリトがどこか、そう聞かれた。人里に家を構えているので一応聞いておいた。

 

霊夢「人里にはいなかったの?」

 

魔理沙「おう、いなかったんだよ。どこに行ったかしらないか?」

 

いない。そう答えが返ってきた。もう6時過ぎなのにまだ妖怪の山にいるのだろうか。しかし私はキリトに用はないので居るであろう場所を魔理沙に教えた。

 

霊夢「朝キリトが妖怪の山に行きたいって言ってたわ。もしかしたらそこにいるかもしれないわね」

 

魔理沙「そっか。わかった。じゃあ行ってくるぜ」

 

その前に一つ聞きたいことを私は聞いた。

 

霊夢「ちょっと待って。なんでキリトに用があるの?」

 

すると少し真面目な顔をして理由を教えてくれた。

 

魔理沙「あぁ、前に紅魔館に調べ物に行ったときなんだがな。なんかパチュリーが【剣】を見せてきたんだよ」

 

霊夢「剣?」

 

魔理沙「そう。なんかな、外にあの紅魔館のメイドと主が出かけていた時に主が池に刺さる剣を見つけたんだよ」

 

池に刺さる?それは不可能ではないだろうか。

 

霊夢「池に刺さってたの?」

 

魔理沙「いや、なんというか…。その剣が刺さっている場所だけ水が凍っていたんだよ」

 

霊夢「凍っていた…?」

 

魔理沙「私も聞いて信じられなかったがメイドがそう言うんだ。あとその剣ってすっげー重かったって言ってたぜ。運ぶのにかなり時間かかったてよ」

 

霊夢「運ぶっていうことは今その剣は紅魔館にあるの?」

 

魔理沙「おう。それで剣に関してはあいつが知っているかなぁと思って、今キリトを探していたんだ」

 

霊夢「なるほどね…」

 

池に刺さっていた剣…。そしてその剣の刺さる水面は凍っていた…。凍る剣かしら…?そんな剣聞いたことないけど…。

けど確かにキリトなら何か知っているかもしれないわね。

 

魔理沙「そんじゃ、行ってくるぜ」

 

霊夢「もう夕方だけど…行ってらっしゃーい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いてて…やっぱり空を飛べると思っていたのは間違いだったようだ。それにしてもここはどこだろう。地上に穴があってそのまま落ちてしまったが、まさかこんなにも深いとは。

立ち上がり周りを見てみると、少し先に町が…町!?地下世界に町があるのか?ということはここには住んでいる人がいるということになるのか。

早速出ようと何か情報集めようと歩き出そうとすると、俺と目が遭った一人の金髪の女性が近づいてきた。思わず俺かと疑うが、目はこっちをむいていた。

 

???「…あなた、見ない格好ね」

 

キリト「あ、あぁ…。なんせこの世界の住人じゃないからな」

 

???「なるほど、つまり外から来たってことね」

 

キリト「うん、そうだが…君はこの地下世界の住人…か?」

 

???「…ええ。そうよ。それにしても外から来たなんて…妬ましいわね…」

 

キリト(…妬ましいの使い方ってこんな意味だっけか?まぁいっか)

 

???「それで?どうやってきたのよ?」

 

俺は上を向き指を刺した。

 

キリト「俺はこの上にある穴から落ちてきた」

 

???「なるほど、地上に出ようとするこっちの住人があけた穴ね。なんとも不運ね」

 

キリト「そうだな…とりあえず出たいんだが…」

 

???「すぐには無理よ。とりあえずこっちいらっしゃい」

 

キリト「あ、あぁ…。あの…名前は?」

 

パルスィ「私の名前は水橋パルスィよ。よろしく」

 

キリト「そうか。俺はキリトだ。よろしく」

 

俺たちはこの先にある町に歩き始めた。

にしてもこの世界にすんでいる人…いや、見た感じ人とは思えない人が多いのだ。外見は筋肉質で、肌の色もなんか違うし、全員強そうだ。例えると…鬼みたいだ。

鬼が酒を飲んだり、何か食べたりしているところがよく見える。なんともピリピリする場所か。それでも前にいるパルスィという人は慣れているからか普通に歩いていた。

 

キリト「…」

 

パルスィ「緊張しているのかしら?」

 

俺の緊張はパルスィにまで伝わっていたようだ。なんとも恥ずかしい。

 

キリト「まぁ…なんか周りは人じゃないみたいで…」

 

パルスィ「そうね。人じゃないからね」

 

キリト「やっぱりそうだったのか」

 

人以外なものはこれまでも見てきた。蜘蛛とか吸血鬼とか人食い妖怪とか。俺の常識を超えてくるこの世界は本当に怖いものだらけである。改めて俺は帰れるのか心配になってきた。

にしても腹が減ってきた…。

 

キリト「あの、パルスィ」

 

パルスィ「ん?」

 

キリト「お腹が空いてきたんだが…」

 

パルスィ「そう、なら〈あいつら〉が行く店にでも行こうかしら」

 

キリト「あいつら…?」

 

 

 

 

 

 

襖を開けて店に入った。見た感じ居酒屋みたいだが…。

中にいたのは鬼みたいな人だったり、人もいたし、妖怪みたいな人とかもいた。席はかなり満席で皆で杯交わして飲んでいるようだ。なんとも騒がしい風景だ。

すると一声パルスィに向けられた。

 

???「ん?お、パルスィ!こっち来いよ!一緒に飲もうさね!」

 

一人の女性がパルスィを呼んだ。うん、鬼だ。鬼だ。だって額からなんか一本の角が出てきてるから。それに酒をムっちゃでかい杯で飲んでいた。

 

パルスィ「そうね、キリト。あいつらと一緒に飲まない?」

 

キリト「あ…あー。まぁ俺は食べられればいいよ」

 

パルスィ「じゃあ一緒に飲みましょう」

 

俺はパルスィについて行ってあいつらという人達がいる席へ移動した。偶然にも席が空いていたので俺とパルスィは並んで座った。

そして俺が座ったことに目をびっくりさせて驚いているさっきの角の生えた金髪の女性。

 

???「ん?あんた見ない格好だね。もしかしてあれかい?外から来たのかい?」

 

キリト「あ、よくわかりましたね…」

 

???「ハッハッハ!敬語なんてよしてくれって!普通に話そうじゃないか!」

 

???「そうだよ~。酒をいっぱい飲んでさぁ~」

 

もう一人、頭からねじれた角が二本生えていて髪が茶色の小さな子だった。だが酒の量は人並みではない。多量である。

 

パルスィ「あら、萃香。なんでここにいるの?」

 

萃香「久々に勇儀に会いにきたんだよねぇ。今度は宴を開こうと思ってさ。あ、そういえば」

 

その角が二本生えた女性は酒の杯を机に置くと俺に向いて話し始めた。

 

萃香「君、名前なんていうの?なんかおっかない剣背負ってるけど」

 

あ、まずい。と俺は思った。剣をしまうのを忘れていた。一応いざとなったらと思っていたがわざわざ居酒屋の中で剣を出すものじゃない。だが見られたからもうしまう必要もないか。

 

キリト「キリト。剣士をやっている。ここには間違えて落ちてきたんだ。だからどう出ようか模索しているんだけど」

 

勇儀「そうかそうか!落ちてきちゃったんだな!不運だねぇ。安心してくれて構わないよ、必ず出られるからね。私の名前は星熊勇儀。よろしく!《噂の剣士》さん」

 

噂の剣士?まるで俺のことをここに来る前から知っているような口ぶりをする勇儀。少しびっくりすると二っと笑った。

 

萃香「いやぁごめんね?私の名前は伊吹萃香っていうんだ。よろしく!…それでね?噂の剣士さん。君のことはもともと知っていたよ。なんとも強いっていうことが新聞でよく見たからね」

 

勇儀「知らないふりしていたけど知っていたんだ。なんで知らないふりしちゃったんだろうね萃香」

 

萃香「知らないよ。とりあえず私はまだ飲み足りないからもっと飲むよ」

 

そう言って萃香は置いた杯を手に取り口に運んで飲んでいた。さっきから思っていたけど酒の匂いがかなりすごい。鬼は酒に強いというのが見てわかる。俺があの量を飲んだらもうすぐに倒れるんだろうな。

目の前にある料理に手を付けて色々食べていると、隣にいるパルスィが声をかけてきた。

 

パルスィ「キリト。外に出る時は萃香に頼みなさい。萃香は普通地上にいるからね」

 

キリト「あぁ」

 

どのように出るかはわからないが、ひとまず出れるという事実がつかめただけ安心すべきだ。萃香に向き直り俺は言った。

 

キリト「萃香。頼みがある。俺をこの地下世界から出してくれないか?」

 

ん?という顔で目だけこっちに向けて酒を飲みながら見てくる萃香。杯から口を離すと不気味に少しほほ笑んで俺に言った。

 

萃香「いいよ。ただそうだなぁ。条件があるね」

 

俺は思わず反論したくなるが出してもらう側としてできない。

 

キリト「というと?」

 

萃香「ふっふっふ。鬼というのはね、喧嘩に飢えているんだよ。鬼は喧嘩好きでね。そこでなんだが、噂がここまで流れてくる剣士さんだ。ぜひ戦ってみたくてね」

 

キリト「…」

 

なんか、俺はわかっていた。戦うことになるんだろうなぁというのがもう目に見えてきてたのだ。

 

萃香「どうだ!戦ってくれる?」

 

キリト「どうしてもっていうなら…」

 

萃香「どうしても!」

 

と言い机に両手を乗せてこっちに顔を近づける。見た感じ凶器になるようなものは見当たらない。だが手首には何か鎖がしてあるのだ。恐らく近距離の力を持つんだろうな。

 

キリト「わかった…。じゃあ戦うよ。けど戦ったら必ず出してくれよ」

 

萃香「もちろんさ!さ、もう戦いたくてうずうずしてんだ!速く店出てやろうぜー!」

 

呆れた顔で、しかし笑顔で勇儀は小さく呟いた。

 

勇儀「やれやれ、変わんないねぇ」

 

パルスィも頭に手をついてなんか呆れた感を出していた。俺もなんか疲れたよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

旧都と呼ばれるこの地下世界の住人が立てた都。

その中心にはなんとも綺麗に整地された土があり、そこが今回の喧嘩する場所と彼女は言っていた。周りの鬼の眼が正直言って怖く、逃げ出したい気持ちも少なからずあったが出るためには仕方のないことだと自分に言い聞かせた。

そして俺の前にいた萃香は俺に向き直る。

 

萃香「じゃあ、しばらく飯から経ったし始めるか。噂の剣士さんの力、見てみたいものだね」

 

キリト「そんな期待しないほうがいいぞ。あくまでも人間だからな」

 

萃香「まぁまぁ、人間は確かに鬼には到底力じゃ及ばないっていうけど、君は違うと思うんだよね。じゃあ、早速やろうか」

 

土の上、足をこすり砂を確かめる。滑り止めはあまりよくなさそうだがすべるわけではないだろう。萃香は距離をとり、くさりをつけた手首をぶらぶらしている。首を少し回し、俺をみていた。鎖の先端には球状のものが付けられており、まるで忍び鎌のようだ。両腕の鎖が彼女の武器か。これはかなり戦いが難しくなりそうだ。それに鬼は力といった面でも最強を誇るだろう。攻撃をまともに食らったらそれこそ死ぬかもしれない。

俺はアニールブレードを抜刀し、足を下げて腰を落とし構えた。相手が容赦なくこっちを攻撃しようもんなら、俺だって、たとえ女性相手だろうが剣を止める気はさらさらない。

俺と萃香が離れたそこ中心に横から出てきて、杯を持ったまま俺たちを見る勇儀。そして少し笑うと、声を張った。

 

勇儀「それじゃあ、これからキリト対伊吹萃香の決闘を始める」

 

周りの眼が一層光り、緊張感が俺たちを包んでいた。だが周りに目をやることなんて考えない。ここからは俺の戦いだ。

 

勇儀「始め!」

 

放たれた言葉と共に両者走り、距離が近づくにつれて萃香の笑顔は増していった。

 

萃香「いくよキリト!」

 

キリト「来い!萃香!」

 




話が急展開だね、これ。ちょっとなんか変な感じするって思った人いるかもしれないですね。けど頑張りました。ご朗読ありがとうございます。
最近は花粉が消えたと思っていたんですけどね、自分まだ目かゆいですしおすし、鼻もつまってます。皆さんはまだ花粉症に悩まされてるんですかね。



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25話 伊吹萃香

彼女の最大の武器は拳だろう。だからこんな接近戦でも笑顔で迎えてくれるわけだ。

萃香は距離が近くなったと同時に徐々に右手を引く動作が見られた。やはり拳の技をやってくるようだ。

俺は咄嗟に右に体を傾け、萃香の高速な拳を華麗に避けていく。拳の速さは耳の近くの風をきる音さえ聞こえた。そして傾いた角度を利用し下からの剣を上へと左上へと斜め切りを放つ。

しかし萃香の足は思ったより速く、拳を止めたと同時に咄嗟に後へ避けたのだ。ここまで速く体を動かせるとはさすがに驚いてしまった。

後へと飛び着地する萃香。俺は振り上げた剣を腰元に戻す。

 

キリト「速いな、萃香」

 

萃香「そうかな?そういう君は私から見ると遅いよ。思ったよりもね」

 

何?あの速さで剣を振ったのに彼女から見たらそれはかなり遅かったのか。これはかなり強い。

剣を頭の横に位置して、萃香へと攻撃を仕掛ける。萃香は笑って拳を、ボクシングの選手のように構える。足を徐々に速く動かし、そして速度が乗ると同時に地を思い切り蹴って萃香へ一気に距離を詰める。

すると萃香は下がるどころか、俺の剣をはっきりと見ると腕を見せてきたのだ。籠手などの装備もなくはだけている腕を見せてどうするのか。だが俺は勢いを止めず剣を右上から左下へ思い切り振り下ろしていく。

しかし。

火花が散った。俺の振り下ろした剣はがっちりと受け止められてしまった。それも、受け止められたのは手首に巻かれている鉄の部分だった。あんな手首につける鉄部分で俺の剣を止めたなんて、信じられなかった。固い部分に当たる剣の重い振動が、俺の腕へと伝わった。

そして受け止めた萃香は鼻で笑った後。右足を後ろへ地面をこすりながら下げる。若干砂ぼこりが舞うと、即座にその足を俺へと振り上げられた。砂ぼこりはさらに舞った。

思わず体重を後ろへ避けようとしたが、萃香の右足は即座に俺の腹へと近づいていた。

重い衝撃が俺の腹を襲った。歯を食いしばったが、体から一気に空気が出るように口が開いた。

 

キリト「アガッ…!」

 

振りぬけた右足と同時に俺の体は大きく吹き飛ばされ、少し浮いた。そして地面へと強打するとその勢いは止まらず地面を横へ転がってしまった。タイミングよく地面に右手を付けてその右腕を伸ばし体をばねのように跳ねさせた。

地面に着地するや否や、俺は緑の帯を確認した。腹を手で覆いながら。

 

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キリト「…ハァ…あんな…」

 

萃香「どうした?まさかこんなものじゃないよね?楽しみにしていたのに全然楽しくないよ、剣士さん」

 

指を曲げて挑発をする萃香。笑みは消えていない。

 

キリト「まだだ…」

 

剣を後に、肩の上へともってきて腰を落とす。

萃香も一緒に拳を構える。

俺は足を動かし開かせる。そして剣は徐々に発光していき、緑の光が剣を包んだ。後の剣の光が俺の顔に影を出した。

萃香は一瞬目を丸くするが、歯を見せて笑った。

そして俺は右足を一歩だし、一気に速度を上げていく。萃香に対して速さで勝つならば、不意打ちだ。そして不意打ちに近い物。

近づくと、俺は腹元を見やる。そして剣は光りを一気に増していき萃香を少し照らしていく。だが萃香は全くぶれることなく構え続けていた。

突進技 《ソニック・リープ》を放ったのだ。

萃香は手を後ろにすると、突如腕を振るう。そして振られたと同時に手首に下げられている鎖の玉を揺らし始めた。俺は汗をかいた。

振られた玉は勢いをつけて、遠心力を利用して俺へと鞭のように振られたのだ。そう、武器は拳だけでなく、あの手首にぶら下げた鎖の玉。

玉は振られると、俺の左胸へと食い込むようにぶつけてきた。剣の勢いは強制的に止められて、地面へと体をたたきつけられた。

 

キリト「ぐはっ…!」

 

27354/50000

 

ついに俺の緑の帯の色がイエローゾーンへと変色した。初めて。危険信号を出しているのだ。そう、生命の危機を伝えているのだ。この色だけで。

この世界で死んだらどうなるか、何度も考えた。実際死なないとわからないが、死んだら本当に死ぬのか。それはない。アミュスフィアなので脳へのダメージはないはずだ。

倒れた体から体を起こそうとすると、萃香はすでに拳をこちらへと振るっていた。

思わず目を見開き、右手を地面について一気に左へと避けていく。萃香の拳は地面へと突き刺さり、小さな、深いクレーターができてしまうほどに。

 

萃香「この手首に付けている鎖も武器なんだよね。油断していたかな?」

 

キリト「やられて油断なんてしているわけないだろ…」

 

剣先を向けるが、萃香は目を細める。すると手を即座に引き、鎖を後へ振るう。

 

萃香「おらぁッ!」

 

玉は後へと振られた後、遠心力を利用して俺へと振られる。玉は目で確認できるほどの速さではなかった。限界まで目で追って、俺は剣でその振られた玉を対処した。

玉は質量が重く、まるで金属が一気に積み込められたような、重い玉である。

剣では玉をはじき返すが、金属がぶつかるおとはこれまでとは違って音が耳に劈くようだ。なぜか、いやな予感しかしない。

二つの色の違う玉は遠慮なく俺へと攻め続けた。ガン!ガン!ガン!萃香は笑いながら俺へと鎖につながれた玉を振っていた。剣は悲鳴を上げていた。

そして、俺は思ってもみなかったことが起こったのだ。

刀身の腹へと向かってきたその玉を俺は、両手で剣を抑えながら防御した時だった。

剣が内側へ、中心に亀裂が入った。

そして。剣の中心が鈍い音共に、砕けちった。破片が飛び散る。

そう、アニールブレードは砕け散ったのだ。

即座に俺は距離を取る。

 

キリト「そ…そんな…」

 

俺は剣を見る。もともとあった刀身の中心からもう刃先がなくなっていた。綺麗に割れていたのだ。亀裂が入り、剣は原型を保っていなかった。

流石に、あんな重い攻撃をずっと受け続けたら剣にも負荷が重かったようだ。俺は折れた剣を顔の近くにもってきて、目を閉じた。

この世界に来る前から、オリジンで使用していた、最も使いやすい剣だった。そしてこの世界に来てもこの剣で戦った。魔理沙とも、妖夢とも、幽々子とも、フランとも。いろんな人とこの剣で戦った。

常に共に戦い続けたこの剣には、限界に達したのだ。だから今、その役目を果たした。

 

キリト「…ありがとう」

 

俺は剣を鞘にしまった。

 

萃香「あれ?剣が折れちゃったのかな?もしかして、もう攻撃手段がないって感じかな」

 

萃香は笑みを絶やさず、一人しゃべり続けた。

 

萃香「噂ほどでもなかったようだね。…それじゃあ、勇儀」

 

萃香に呼ばれて顔を合わせた。頷いた勇儀は一歩前に出る。

 

勇儀「この勝負、萃香の「待て、勇儀…」

 

俺は声を低くして勇儀に言った。

 

キリト「…試合を続行してもいいか」

 

勇儀「何言っているんだい、剣が無いじゃないか」

 

キリト「いや、剣ならまだあるぞ」

 

勇儀「…ふぅん。どうだい萃香」

 

萃香は不機嫌そうに俺に言った。

 

萃香「さっきより楽しませてくれるの?剣士さん」

 

俺は怒りを覚えてしまったようだ。

 

キリト「…俺はお前を楽しませるために剣を振るってるんじゃない」

 

そして、俺は指をスライドさせた。上からメニューが振ってきて、そのうちの装備画面をタップする。

武器を変更する。アニールブレードはまだ残っていた。武器はもちろん。あれである。

スライドさせると、そこにあった。俺の宝物の剣だった。

《夜空の剣》

早速で悪いが、出番だ。

剣の名前をタップすると、アニールブレードは光ったままインベントリに収納された。交代したように剣は光り、俺の背中に新しい剣が出現した。

確かな重さが、肩に伝わった。

 

萃香「…へぇ。またもろそうな剣だね。勝てると思ってるの?」

 

俺は無視して、剣の柄を握った。

金属音とともに鞘から抜かれたその剣は、この暗い洞窟よりも漆黒で染められ、それは夜空の様に輝く刀身だ。

そして、萃香の顔を刀身に移す。

 

キリト「…続行だ、萃香」

 

萃香「いいよ。勝てるわけないけどね」

 

勇儀は俺たちを見ると、再び言葉を発した。

 

勇儀「それでは続行する。はじめ!」

 

声をともに、俺は目を閉じる。

俺はなぜ、ここにいるんだ。ここにいる理由は、この世界を救うことだろ。俺だって、世界の一つくらい、救ったんだ。

そして、必ず生きて帰る。それが最後の目標だ。向こうの世界には、俺の大切な友人、そして…明日奈…。

剣よ。俺の思いに答えてくれ。

 

萃香「ん?」

 

突如。黄色の輝点が剣を中心に俺の周りに灯しだした。それは無数に、その輝点は俺の服を、肌を、髪を、剣を照らしていた。

輝点は輝きを増して俺を囲むように浮遊する。周りは薄暗くなるが、それが輝点を一層輝かせた。

そしてその輝点は次第に俺の剣へと吸い込まれるように、きん、きん、と入っていく。入っていくところの刀身部分が丸く黄色く輝き、次第に増えていく。徐々に黄色く染められていく剣。そして黄色に輝いた剣は俺を照らした。

そして色が一瞬水色か、青の色になって剣が巨大化する。刀身が伸びたのだ。

 

萃香「…何だ」

 

そして剣は色を黒色へと戻ると、俺の右腕に力が湧いてくる。それは体を伝って全身へと力を流していくようだ。

体が一気に覚醒し、俺はもう一度。剣を構えた。

それと同時に俺を囲む大きな風が発生した。風は俺を包み、どこから現れたのか。ギガスシダーから成る濃ゆい緑の葉も風に乗っていた。

俺の髪も揺れ、ブラックウィングコートも風共になびいてる。

 

萃香「…そうだよ。本気を見せてくれよ!」

 

萃香は腕に下げた玉同志を強くぶつけると、その玉は中心から赤く光り始めると、急に炎を灯した。燃え盛る二つの鎖の玉。だが、そんなのあれと変わりはない。

リーナ先輩の鞭を思い出すんだ。一気に勢いに付けられた線は、その方向を変えるよりも強くしていくのだ。そして俺は鍛えられたはずだ。リーナ先輩に。そして整合騎士とも戦ったはずだ。

ここで、負けられないんだ…!

 

【挿絵表示】

 

剣は青の光を灯し、その光は今までよりも輝いている気がした。

そしてスキルは俺の全身に伝わっていき、剣が震えている。

俺は一気に足を動かし、萃香との距離を詰める。

鞭だ。鎖といえど、鞭だ。

萃香は燃え盛る鎖の玉を俺へと伸ばすが、今の俺にははっきり見える。足を延ばし、左手を地面に付けた。走る勢いをスライディングに変え、それは速度を落とさない。

回転して立ち上がり、横から俺は詰め寄る。萃香は片方の鎖をガラガラと鳴らし、俺へと攻撃を仕掛ける。俺はリーナ先輩の無知を避けた時同様、走りながら勢いを殺さず飛び萃香へと一気に距離を縮めた。

そして剣は光りを一番輝かせていた。

 

萃香「こいよ!」

 

キリト「はああああああああ!」

 

萃香は腕を見せる。だが遅い。

剣は萃香の二の腕を斬り裂いた。俺の頬に血が付いた。

 

萃香「…は?」

 

呆気にとられながらも、切り替えるように俺に向き直る。だが俺のこの剣はまだ止まらないのだ。

萃香は拳を構えて、俺の剣の粉砕に目を付けるようだが、目が泳いでいた。

背中から俺は右へ体を動かし、剣は音速を超えるほどの速度で右へ切り裂いた。萃香の左腕が手首から肩まで一直線に切り裂いたのだ。

 

萃香「がッ…!さっきまでの速さとは…まるで…!」

 

キリト「まだ…だッ!」

 

地面に強く足をつけ、剣は一旦光りを無くすと今度は赤い、真っ赤な色で染められていく。光りの形はまるで爪のようだ。

萃香は拳を振るうが、俺はそれよりも速く、もっと。速く。

スキルコネクト 三連撃《シャープ・ネイル》

右に振られた剣は、その速度がまるで機械のように早く上へと上げられていた。

そしてその剣は萃香の腹へと降りて剣で裂いた。萃香は片目をつぶって、痛みに耐えようとしながらも一気に後ろへ下がった。

だが俺は見逃さず振り上げる二連撃目。剣で萃香の右足を切り裂き、残る上からの三連撃めで左足を切り裂いた。

切断までとはいかずとも、所々剣の傷があり血を流して苦しむ萃香。そして足がもつれたのか、力が入らなかったのか、後に転んでしまった。

 

キリト「…」

 

萃香「くっ…こんな…」

 

倒れている萃香に俺は言った。

 

キリト「まだやるか、萃香」

 

萃香「あたりまえだ!まだ…」

 

とは言えども、萃香の四肢には傷がひとつずつあり、腹にも一つの傷がある。

すでに傷は深く、戦えるようには見えなかった。

 

勇儀「…萃香。もうやめろ。お前じゃかなわないぞ」

 

萃香「なにいってるんだ!こいつはただの人間だぞ!こんなやつすぐに…!」

 

とはいえども、萃香は立ち上がることすらきつそうな状態だ。腕をつけて、立とうとする。

俺は近づき、剣を逆手にもった。そして萃香の上へ来る。

 

萃香「なッ…!」

 

キリト「今なら、萃香。お前の息を止めることができるぞ。今の萃香にはもう限界だ。立ってみろ、戦えるかわからないけどな」

 

俺は決して剣を萃香から離すつもりはない。刺そうと思えば刺せる。

 

勇儀「…諦めろ、萃香」

 

萃香「…わかった」

 

俺は萃香から剣先を離し、鞘へと剣をしまった。

鬼たちは唖然とし俺を見ている。パルスィだって口元に手をつけてびっくりしているのだ。

勇儀が一歩出た。

 

勇儀「この勝負、キリトの勝利!」




今回も朗読していただきありがとうございます。
自分はかなり自転車に乗るのですが、まだ花粉症で目がかゆいです。そして目が乾燥してしばしばします。ある意味涙が止まりません。( ノД`)シクシク…
見なさんも気を付けてくださいね、花粉には…って言ってもどう気をつけるんだ、って話ですね( ゚Д゚)
この土日で治ることを祈りましょう。では。


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