最強のパンサーに 私はなる (黒禍)
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プロローグ ぷげらと死んでぴぎゃあと産まれた

晴天、雨雲無し、洗濯日和な昼下がり、一見平和な商店街の真ん中でーーーーーー私、黒田麗(くろだれい)は死んだ。


死因は撲殺、原因はつまらない正義感だった。 
全く…酷い殺され方をしたもんだよ。マウントとってボコ殴りとかドラマとかアニメでしかみたことないぞ私は。
でもさ、目の前で子猫が踏みつけにされてたら見て見ぬふりなんてできるわけなかったよ…。
コレが人間だったら知らん顔してたんだろうけどね…さすがに動物は見捨てられないわ。
ん?人間も動物だって?知るかそんなもん。
私のお助けリストに人間という種族は存在しておりませーーーん!!お帰りください。
今頃あの野郎は人生を謳歌してるんでしょうねぇ……ああ!忌々しい!!
呪ってやるからなあんちきしょうめ。一生治らない切れ痔に悩まされてしまうがよいわフハハ。

―――あ、まって、なんか凄い眠気来た。え、消える?私消える?消滅してしまうん?えっえっちょっと、まてまてまて、消えるのはちょっと、あ、いや、かなり嫌だわ。まてまてまてちょっt












一つの命が潰えた時を同じくして
新たな命が深い森の中で産声をあげた










拝啓、人間だった頃の母ちゃんへ。

<ミー…>

私、なんかの動物の赤さんになりました………たぶん。

なんでたぶんなのかって?
だって目は開かないわ四つん這いのままでうごけないやらで自分の姿がわからんのですよ。
あ、でも尻尾があるのはわかるな ぴこぴこ動くし。
なんでこうなったのか今は考えたくない、だって―――

<ピャーッ!ピャーッ!>(お腹すいたーーッ!!)

おい!どこかにいる今の母ちゃんよ!産まれたばかりの赤さん置いてどこほっつき歩いてんだよぉぉぉ!!
こちとら腹へって腹へって死にそうなんだよ!おーーい!おかーーーん!放置はあかーーーん!!

<ピャーッ!ピャーッ!ピャーーーーーッ!!>(お腹すいたよぉぉぉうわぁぁぁん!!)




ーー数十分後ーー




<ピャーッ!ピャーッ!ピャー…フゥ…フゥ…>(やっべ、赤さんの体力の少なさナメてた…)

これだけ鳴いても親が来ないのはおかしい。
まさかコレ、親無しなの?第二の人生ハードモードなの?ヒェッ…
飢え死にだけは…!飢え死にだけは回避させて下さいお願いします…ッ!!
餓死とか一番怖い死に方だと思うのよね私。おお、怖い。
……んん?なんか背中あたりがゾワゾワするなぁ…嫌な予感しかしないぞ……


赤さんが嫌な予感を感じた直後、前方の森から声が聞こえてきた。


村人A「おい、こっちの方から聞こえたぞ」

げっ…人間じゃん、うわぁ関わりたくねぇ…。

村人B「じゃあ本当って事か? あの【人食い】の子供がいるって噂は…」

んん?人食い?子供?なにこの会話、鬼でも出るんかこのへん。
うーん…鬼に喰われて死ぬのも嫌だなぁ…ここはおとなしく聞き耳をたてておくか。

 
村人C「でも、あのキラーパンサーが【人食い】になっちまったのは俺たちのせいでもあるんじゃ…」
村人A「おい!それ以上言うな…村長に聞かれたいのか…?」
村人C「だ、だって…」
村人A「俺だってわかってるよ…あの事件は勘違いだったって事は…」
村人B「だからって、アレは…酷すぎるだろ…っ」

ーー(つがい)の死体を晒すなんてーー



………は?


死体を、晒すだって…?勘違いで?うわぁ…
前言撤回、やっぱり人間が一番アウトです。

てか、あいつら何て言った?キラーパンサーって言ったか?聞き間違いとかじゃないよな?
それじゃあ、今の私はベビーパンサーって事になるのか…
【人食い】キラーパンサーの子供…うーん……………死亡フラグ乱立のお知らせかな?ふざけんなコノヤロー生きるわ。
てか人間達の足音が近づいて来てるから逃げたいんだけどねぇ
産まれたてほやほやの赤さんはハイハイすらできないんだよなぁ…!
…いや!まだだ!まだ終わらんよ!!せっかくベビーパンサーに生まれ変わったんだ!
キラーパンサーになって広い世界を旅するまでは終われねぇんだよ!!何番目のドラクエか知りたいし。
諦めんなよ!諦めんなお前!どうしてそこでやめるんだそこでっ!!頑張れ頑張れ出来る出来る絶対出来る!!
ムオォォォオオオォォォオォォ!!!



あっ



カサッ 村人A「!? 誰だ!!」

オオオオゥノオオオォォ!!このタイミングで落ち葉踏むとかなんだよぉぉぉ!!!
っべー…マジでコレ、っべーわ…


焦ってまた音を立ててしまいそうな私の背後の茂みから
とても安心感のある声がしてきた


《シッ…このまま動かず、じっとしてなさい》

その安心感を抱かせる声をした暖かくていい匂いの何かが
私を隠すように覆い被さった

ああああああ!!この声と匂いッ!わかる!わかるぞ!母ちゃんだろ!?
ん?匂い?…思った以上にケモノ化してるな。

<ミィ>(おかん…?)
《私の可愛い子…ごめんね、すぐに来れなくて…》

村人B「おい、そろそろ帰るぞ この森に入ったことがバレると大変だ」
村人A「…そうだな、俺たちまで吊るされちまう」
村人C「ひっ…怖いからやめろよそうゆうの…!」

足音が遠ざかっていったな。
にしても随分酷いことする村長がいたもんだなぁ
某ど○ぶつの森の村長見習えよ…フレンドリー極めてるから。…落とし穴仕掛けたり網で叩いたりしてくるけど。
もういっそ究極の魔物使いとしてドラクエ界で名を馳せたらいいんだよ村長は。

《……行ったようね》
<ミーッ!>(母ちゃん!怖かったよぉぉぉ!!)
《おお、よしよし…お腹すいたねぇ 今、お乳をあげますからね》

…あ、そっか 赤ちゃんだからご飯は母乳だよな…
中身が二十代だとちょっとキツいものがあるかもしれんなぁ…
にしてもこのおかんパンサー、随分物腰柔らかいな。
頭がモヒカンだからもっとヒャッハーしてると思ってたよ ごめんね、おかん。


…とりあえず今は、バブみを感じていようと思う。




初投稿です。
こんな書き方したほうが背景わかりやすいよー等といったアドバイスや感想くれたら嬉しいです。


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ベビー編 第一歩 家に帰ってママのミルクでも飲んでる

霧深く高い山を越えた先、光が遮られる程の森奥深く。
人目を避けるようにひっそりと存在する村がある。
その村の名は、サカイ村。キラーパンサーと共存共栄してきた村である。

そんなサカイ村には伝承があった。


【我ら境界(さかい)の民 生きとし生けるものへの感謝と畏怖を忘るることなかれ さもなくば災いが訪れるであろう】

これが、この村に住む人々に知られている伝承だ。


しかしこのサカイ村には、もうひとつの伝承が存在する。
それは代々この村の長となる者へ口伝として伝わる真の伝承であった。
<獣の眼>と呼称される伝承には、ある約束が記されていた。

【我ら境界(さかい)の民 遥か古より四ツ足の獣と絆を深めたり
 我ら境界(さかい)の民 絆をより深めんと四ツ足の獣王と魂の契りを結ばん
 
 四ツ足の獣王 境界(さかい)の民に 契約と制約を与えん

 心せよ 我ら四ツ足の獣 汝らの従僕に非ず 汝らが朋なり
 心せよ 我ら四ツ足の獣 朋として有る限り 汝らに狩猟と俊足の業を授けん
 心せよ 我ら四ツ足の獣 背反には報復を以て応じたり

 境界(さかい)の民と獣の絆分かたれし時 境界(さかい)諍界(いさかい)となりて
 永劫の苦しみが汝らの魂を縛るだろう

 心せよ境界(さかい)の民よ 我らの眼は汝らを視ている】

―――これが、この村に代々伝わる真実の伝承である。
しかして人は忘れる生き物。口伝など尚更のこと。
当然、この伝承も廃れつつあった…














『そして長く続いた私達の絆は、今の代の長で終わりを迎えたのよ……』
『ふーん…』チューチュー

ごめんね、おかん ほぼ聞いてなかった。長いんだもん。
私がキラーパンサーとして生まれてからもう…どれくらいだ? 三ヶ月くらいたったかな。
未だに主食は母乳だが、ちょっとずつ肉も食べられるようになってきた。
でもやっぱりまだお乳の方がいいな…美味いし。
なんつーかアレだ、お肉が好きです、でもミルクの方がもぉぉぉっと好きですってヤツだ、うん。
時期的にはもう乳離れの時なんだけどね…はぁ、おいちい…。


ひたすら乳房回りをフミフミと揉みしだき母乳の美味しさに酔いしれるベビーパンサー
だが、このベビーパンサー 元は20を過ぎた人間である 20を過ぎた人間である 大事なことなので(ry
そして至福の時は至福の元によって終わりを迎える


『さて、もういっぱい飲んだでしょ 訓練を始めるわよ』
『ああっ!おっぱい…っ』

おっぱいがいっぱい……いや、なんでもない。
最近は狩りの手伝いと一緒に戦闘訓練も受けている。母曰く、死なない為だそうだ。
…まぁ、そりゃあね、ごもっとも。でも、なんかね、尋常じゃないんだよね。
生きるためというよりは殺すためって感じがするのよね。
訓練してる時のおかんの顔…凄く怖いもん。伝説の超野菜人ばりに白目剥いて血管浮かび上がらせてんだもん。モーモン。


暗い森を抜け 草原を横切り 山を登り 断崖絶壁を飛び越え 川を渡る
―――彼女は気づいていない
己が考え事をしている間に 肉体がとんでもない成長を遂げていることを
そして その身体能力が 既に成獣(おとな)のキラーパンサーを凌駕しているということを
そんな我が子を見て 母親が嬉しそうに、寂しげに 笑っていたことを


どうでもいい事を考えてたら本日の狩場に到着してたでござる。
…硫黄臭っ!うっわくっさ!くっっっっさ!!火山地帯かよ…キラーパンサーの鼻にはキツいんじゃないのこれ…。

『かあさん、めっちゃくさい、よ、ここ…ゲホッ』
『あら、この程度で音を上げてたら私やパパみたいに強くなれないわよ』

嘘だろ…平然とドヤ顔してやがるぜこのキラーパンサー…何者だよカーチャン…。
しかも私やパパみたいに強くって言ってたな…そうだ、私 父親の事なにも知らない。

『ねぇかあさん』
『何?おっぱいはもう無しよ』

そんなー…って違う、そうじゃない。

『パパってどんなキラーパンサーだったの?』
『………』

ッヒィ!地雷踏んだ!?おかん、シワがっ眉間のシワがっ!!ヒィィィ怖い!!キラーパンサーの地雷踏むとこうなるんだね!凄いですねェ!?猫踏んじゃったどころじゃあないねェ!!ふおおおおおぉぉぉ……!


目に涙を滲ませ体を縮め小刻みに震えるベビーパンサーは母の無言の圧力に怯えていた。


『………その時が来たら、話すわ』


母の目がベビーパンサーから外されると、威圧感は消え去った。


…ちびるかと思った。

『う、うん…ぜったいだよかあさんっ』
『えぇ、でも…うん…そうねぇ…』

おっふ…おかんが悪巧みの顔をしていらっしゃる…!何する気ィ!?


ベビーパンサーは小さな体をさらに小さくし、耳をぺたんと後ろに倒してしまった


『今日…お家に帰ったら、教えてあげてもいいわ』
『え″っ…ほ、ほんとにィ…?』

これは条件を突きつけられるパティーンだな…うわっ…
かといって断るとあとが怖いし…ぶっちゃけおかんがこうなると選択肢が[はい]か[YES]なんだよなぁ

『ただし』

ほら来た

『あそこにいるエビーメタルをあなただけで仕留めてくること』

今のあなたにならできるはずよ。そう言っておかんは不敵に笑った。
……ちびっても、いいよね…?


ベビーパンサーは震えながら火山へと足を踏み入れた



プロローグの時点でお気に入り登録とコメントまで頂いてしまった…!
ふ、ふおぉ…!ありがとうございます!!
文法とか説明文とか色々滅茶苦茶な小説ではありますが、生暖かい目で見ていただけたら幸いです!



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第二歩 心も体も熱すぎる

今回から人間の声は「」
モンスターの鳴き声兼会話は『』で表記することにします。
わかりやすいかなーって…
あと、今回ちょっと短めです。


暑い…溶けそうってくらい暑い……。
RPGにおける第一の試練みたいなのって大抵は故郷の中だったり近くの平原だったり、多少安全な所が多いと思うんだけど…
火山って…火山って……!そんなとこ中盤とか終盤に行くとこじゃん…!
あー…でもチュートリアルで死ぬゲームもあったなぁ…ガキ…プレスターンアイコン…うっ…頭が……!
…どうしよう、本当に頭痛くなってきたぞ
イテテテテ、まるで何かに挟まれているような痛み方…………ん? 挟まれる?
そういえば心なしか視線も高くなったような…

不思議に感じたベビーパンサーが上を見ると…………




金属質でやたらでかいエビのような何かがいた





『キシャアアーーーーーーッ!!』

『ミギャアアアアアアアアア!?』


エビーメタルがあらわれた!


でけぇぇぇぇぇ!!あれっエビーメタルってこんなにデカかったっけ!?
いや、体が小さいから余計デカく見えるのか?うっひゃー
―――てか、いつまで私の頭を挟んでやがるんだこのやろう!HA★NA★SE!


頭を鋏でガッチリと挟まれたままじたばたともがくベビーパンサー。
爪で引っ掻こうにも届かず、前足を上げたり下げたりしている様は、実に無様で可愛らしくもある―――が、エビーメタルは違和感を感じずにはいられなかった。
なぜ、この小さなモンスターの頭を潰せないのだろう、と。
いつものように獲物を捕らえ、いつものように頭を潰し、いつものように御馳走にありつく…それが、このエビーメタルの常だった。
だがこの獲物はどんなに力を込めても痛がるだけで、死ぬ気配がない。
何より喰われる側であるはずのモンスターに宿る対抗の意思。


―――これは、獲物(エサ)じゃない


ベビーパンサーを獲物ではなく敵と判断したエビーメタルは、鋏を地面に叩きつけた。
その威力は叩きつけた所を中心に亀裂が走り、地中の溶岩を噴出させるほどのものだったが―――


『フギャッ』


―――ベビーパンサーはちょっと鳴いただけだった。


いっっっっっっっってぇぇぇぇぇぉぉぁぁぁああああ!!!
なんじゃコイツ!いきなり叩きつけよってからに!!おお痛ぇ…
絶対殴る…いや、引っ掻く せめて一回引っ掻いてから逃げてやる…っ!


『ミ゛ャヴヴヴヴヴ……!』


タンコブをつくりながらも起き上がり威嚇をするベビーパンサーに、エビーメタルは恐れを抱いた。
当然の結果だった。誰も、この自分よりもはるかに小さく、ひ弱な見た目をした生き物に己が劣るとは思うまい。
ましてや今の今まで獲物と認識していたのだから、尚更である。


―――覚悟しろよ、このエビ野郎!!

『ギャオォォォーーーーッ!』




鋼鉄の海老と赤さんパンサーの戦いの火蓋が切られた





次回・エビ之内、死す


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