イビルアイがあのとき覚醒したら (copu)
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王都襲撃1

「――お前がああああ! いうなああ!!」

 

 仲間が殺され、増悪溢れる雄叫びを上げながら、イビルアイは滑空した。遠距離魔法が防がれるなら、無効化がしにくい接触魔法を行使する。

 

「悪魔の諸相:豪魔の巨腕」

 

 悪魔の腕が何倍以上にも膨れ上がり、長さを増した腕がイビルアイを迎撃する。

 想定以上にも速すぎる一撃。イビルアイは攻撃を喰らった瞬間に魔法を発動させる。

 

「<損傷移行(トランスロケーション・ダメージ)>」

 

 イビルアイは大きく吹き飛ばされ、地面に叩きつけられるがすぐに体勢を立ち直す。受けたダメージを魔力ダメージに変換する魔法を使わなければ、半死の状態にまで追い込まれただろう。

 

「<魔法抵抗突破(ペネトレートマジック)水晶の短剣(クリスタルダガー)

 

 通常よりも巨大な水晶の短剣をイビルアイは作り、射出した。それは、スキルで強化した物理ダメージ魔法。

 しかし、それすらも悪魔は回避もせずに体で受ける。ダメージを最大まであげた魔法だが、効果があったかには見えない。

 

「・・・・・・想定以上の強さ。魔神を凌ぐか!? 魔神王とでもいうのか!?」

 

 イビルアイは目の前の悪魔の強さに驚嘆する。

 その強さは、あの真なる竜王クラス。イビルアイが対処できるレベルのものではない。だが、引くことはできない。

 

「悪魔の諸相:鋭利な断爪」

 

 悪魔の爪が約80センチを越える長さまで伸びた。それはありとあらゆるものを切断するように見え、一撃で自身の体を両断すると直感する。

 

(あの二人の死体を回収しながら逃げるのは無理だろう。せめて、あとで発見できるように戦場を移動するしかない)

 

 イビルアイは覚悟を決める。

 

『ふ~ん、それで死ぬつもり?』

 

 頭の中でどこか甘ったるいような声が響き渡る。それでいて、どこかイビルアイを笑うようなクスクスという笑い声が続いた。

 

(何がおかしい?)

 

『だって、ねえ? それでいいの? 勝たなくて? 大事な仲間を救いたいんでしょう?』

 

(・・・・・・私には無理だ)

 

『でしょうね。あれは、化け物の中の化け物。あと、二回以上成長しないと届かないでしょう』

 

(では、どうする?)

 

『決まってるでしょう?』

 

 今までで三度目の声。一度目、自身が吸血鬼になったとき。二度目、十三英雄と共に冒険したとき。しかし、二度目は、仲間がいたお陰で発動させなかった。しかし、今回はそうはいかない。それでも、目の前の悪魔には勝てないだろう。

 

 イビルアイは再び覚悟を決める。

 

『ねえ、(キーノ)?』

 

 イビルアイは自身のタレントを発動させた。

 

 種族 真祖の姫君 を取得

 

 

 悪魔こと、デミウルゴスは目の前の魔法詠唱者・・・・・・イビルアイの様子が少し変わったことに気づいた。仲間を殺され、憎悪に染め上がった感情が鎮まったのだ。

 

「<魔法抵抗突破(ペネトレートマジック)血染めの水晶竜槍(ブラッティ・ドラゴンランス)

 

 まるで血に染まったようにみえる強大な水晶の槍をイビルアイは作り出した。

 通常の第五階位魔法のクリスタルドラゴンランスに、個人のスキルだと思われる力によって上書きした第六階位魔法。この世界では、個人でこの階位を扱えるものはほとんどいない。

 

「ほー、スキルによる上位魔法化。第五・・・・・・いや、第六階位相当の魔法ですが。これは、驚きですね」

 

 デミウルゴスは内心少し驚いたものの、感情を載せずそういったのだ。

 ナザリックに連れて帰れば、良い情報源になるのではと考えたものの、エントマに対する処遇を見ると答えは一つしかない。

 

 イビルアイは槍を射出するが、デミウルゴスは軽々しく水晶の槍を受け止めた。この魔法でもデミウルゴスを傷をつけることが出来なかった。

 しかし、デミウルゴスはこれ以上のなにかがあるとすぐに考え付いた。

 

(用心に越したことはない)

 

「<  血染めの水晶分身(ブラッティ・クリスタルアバター)>」

 

 イビルアイの目の前にイビルアイを型取った紅い水晶の人形が生まれた。即席のゴーレム作成魔法。性能は本体よりも劣るはずだが。

 

「スピードフォルム」

 

 続くイビルアイの魔法で、ゴーレムが姿かたちが少し変わっていく。凹凸が無くなり、空気抵抗が少なくなったような形状。そして、そのゴーレムが動き出した瞬間、デミウルゴスの目の前に現れたのだ。単純なスピードは本体であるイビルアイを軽く凌ぎ、速さだけならデミウルゴス以上。

 鋭利な爪の攻撃を難なく避けるゴーレムに、デミウルゴスは内心苛つき始まる。

 しかし、ゴーレムの攻撃力はほとんどない。速さに特化したせいで、攻撃性能が低下しているのだろう。ようするに、これは囮。

 本命は・・・・・・。

 

魔法最強化(マキシマイズマジック)・ 血染めの水晶竜(ブラッティ・クリスタルドラゴン)

 

 イビルアイは紅く、巨大な水晶の竜を召喚する。第七階位魔法。その魔法は今現在の最大魔法である。

 竜の背に乗り、空に舞う。そして、地上目掛け急降下。

 

「悪魔の諸相:触腕の翼」

 

 デミウルゴスの背中から鋭利で触手のような羽でできた翼が生える。その翼により、まとわりつくゴーレムを弾き飛ばした。そして、自信も宙に舞い、水晶の竜を向かい打つ。

 

 一閃。加速したデミウルゴスの一撃で、竜は粉々に。そして、イビルアイの目の前に瞬時に現れた。

 

「ジュデッカの凍結」

 

 デミウルゴスが持つ対象の時間を停止させるスキル。イビルアイの体が硬直した・・・・・・そこ目掛けデミウルゴスの爪がイビルアイの体を切断しようとした瞬間、イビルアイの体が紅く霧散したのだ。

 

 上級エネミーなどが持つとされる時間停止無効スキル。悠久の刻を生きるであろう上位真祖のイビルアイも所持するスキル。それにより、ジュデッカの凍結を無効にしたのだ。そして、新たに会得したスキルによる近接攻撃の無効化。この二つの力はデミウルゴスの予想を上回った。

 

 実体への復帰。イビルアイはデミウルゴスの背後に回り・・・・・・、首筋に噛みついたのだ。

 

 デミウルゴスはイビルアイを掴み、力任せに剥ぎ取った。そして、そのまま地上へとイビルアイは投げ飛され、地面に叩きつけられた。

 仮面は取れ、イビルアイの素顔があらわになる。紅い瞳に透き通った白い肌。そして、発達した犬歯。

 

「吸血鬼でしたか。それなら、その強さも納得できますね」

 

 異業種なら、寿命は長命。その分、経験値を積めれば強くなれるだろ。

 

「これは、失礼しました。あの二人は、仲間ではなく、メインディッシュなのですね」

 

 デミウルゴスはそういったものの、この言葉が的はずれであることは実感している。この世界では強者である目の前の吸血鬼は人間とチームを組み、俗に言う絆を培っていたのだろ。デミウルゴスには理解し難いことである。

 そして、逆転の一手で吸血になる眷属化を目論んだのだろうが、そんなものは効果はないデミウルゴスはそう結論付ける・・・・・・のだが。

 

 

 

「く、くそぉ・・・・・・」

 

 タレントによるドーピングが解けたイビルアイ。

 

(どうなった?)

 

 イビルアイは目の前の悪魔を見るが特に変わったようには見えない。

 

「これは、失礼しました。あの二人は、仲間ではなく、メインディッシュなのですね」

 

 悪魔のその言葉を聞き、イビルアイは感情を剥き出す。

 

「お、お前にはきっと永遠に理解できないことだっ!」

 

 そして、イビルアイが感情を爆発させたとたん、その悪魔は初めて苦しそうにイビルアイが噛みついた首筋に手を押し当てたのだ。

 

「何をした?」

 

 世界が凍る。ゾッとするような気迫にイビルアイは言葉を失った。

 不意による謎の攻撃。デミウルゴスはこれ以上、相手をするのは不味いと感じた。噛まれた首筋が熱く、それが全身へと回る。

 

 警鐘が頭のなかに響く。デミウルゴスが一歩動き出そうとした瞬間・・・・・・空から何かが落ちてきたのだ。

 

 土ぼこりが晴れ、そこから現れたのは、漆黒の鎧を纏う一人の戦士。

 イビルアイは悪魔の目が漆黒の戦士を見て恐れを感じのを見たのだ。

 

「それで、私の敵はどちらなのかな」

 

 漆黒の戦士の冷ややかな声が響き渡る。

 

 




基本的に捏造設定。
王都編のみ書こうと思います。


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王都襲撃2

 

「いや、失礼。このような彼女に対する処遇を見れば、敵はお前だな」

 

 漆黒の英雄はイビルアイを背にし、悪魔と対峙するよう構えた。その光景はイビルアイを助けるために割って入ってきたようにみえる。

 

「 ・・・・・・これは、これは、よくぞいらっしゃいました。まずは、お名前をうかがってもよろしいでしょうか。私の名前はヤルダバオトと申します」

 

 漆黒の英雄と悪魔の間に少しの沈黙が訪れ、悪魔はゆっくりと頭を下げたのだ。イビルアイは先程感じた気迫が悪魔から消え去ったことに気づく。何事もなかったかのように、まるで何かを演じるようなそんな感じを受けたのだ。

 

「私は、モモン。アダマンタイト級冒険者だ」

 

 たしか、モモン。イビルアイは目の前の戦士が噂になっているアダマンタイト級冒険者だと思い出したのだ。そして、冷静さを取り戻したイビルアイはモモンの全身鎧を見て、自身の仮面が外れているのに気づき、落ちていた仮面をつけ直す。

直視はされていないようで、モモンはイビルアイが吸血鬼だと気づいていない様子である。

 

「なるほど、どのようなご用件でこちらへ?」

 

「依頼だ。ある貴族から自分の館を守ってほしいと言う名目で呼び出されたが・・・・・・王都がこのような状況で、飛び降りてきた」

 

 モモンとヤルダバオトの二人は、互いの情報を引き出す情報戦を繰り広げている。

 イビルアイはそんな二人のやり取りを観察する。目の前の悪魔の強さは異常である。しかし、イビルアイの予想が正しければ、目の前のモモンも自身を遥かに越える存在だと感じた。そう、目の前の悪魔と同等だと。

 

「アイテムの回収か・・・・・・それをこちらが提供すれば問題はそれで終わるのか?」

 

「いえ、無理ですね。私たちは敵同士。戦うしかありません」

 

「それしか道はないというんだな?」

 

「はい、その通りです」

 

 一通り話が終わると同時に、モモンは剣を構える。

 

「仕方ありません。抵抗させてもらうとしましょう」

 

「――行くぞ」

 

 モモンが踏み出した瞬間、ヤルダバオトに肉薄すると激突する。そのスピードは、先程産み出した分身以上。無数の斬撃に対してヤルダバオトが長く伸びた爪で弾き返す。

 

「・・・・・・すごい」

 

 イビルアイはその光景を見て、驚嘆が口から洩れた。

 単純な戦闘能力だけなら、モモンはヤルダバオトに勝っていると思える。

 

「お見事です。あなたのような天才戦士と戦うとは、私の唯一の過ちかもしれませんね」

 

 モモンとヤルダバオトは一旦距離を開いた。

 

「世辞はいい。お前だって、まだまだ力を隠しているんだろ?」

 

 モモンの問いにヤルダバオトは答えなかった。もし、ヤルダバオトが仮面を着けていなかったら、笑みを浮かべていただろう。

 

「もしや、神人か?」

 

 イビルアイの脳裏にある考えが浮かぶ。ぷれいやーの血を引くもののなかに、時おり強大な力を覚醒させる者がいる。モモンの強さは異常だ。そうでなければ、考えられないほどである。

 

「いえいえ、あなた様には勝てませんよ・・・」

 

 ヤルダバオトが再び動こうとしたが、イビルアイはそれよりも一足速く動いたのだ。

 

「<魔法抵抗突破(ペネトレートマジック)水晶竜の顎(クリスタルドラゴンズヘッド)>」

 

 ヤルダバオトの足元に魔方陣が現れ、そこから口を広げた竜の顔が生えるように作り出される。そして、悪魔を噛み殺す。対象の束縛と共にダメージを与える魔法で第六階位に属す魔法である。

 イビルアイはタレントの効果が切れたのだが、体が異様に軽く感じた。それは、肉体的、精神的にも一気に成長したと実感できるほど。そのため、今まで行使出来なかった魔法も扱えるようになっている。しかし、それでも目の前の二人には足元も及ばないだろう。

 本当ならもっと、高位の魔法も使えるのだが、所詮ヤルダバオトにはほとんど効かない。それなら、多少、レベルを下げ、魔法の発動を速くし、相手の行動を妨害するのが得策だろう。

 

「おや、そちらもまだ動きますか」

 

 ヤルダバオトはモモンが来たことにより、イビルアイのことに眼中がなかったかのようにそういったのだ。イビルアイの魔法は無効化はされなかったが、予想通りとでも言うのかあまり効果があったかのようには見えない。

 

「私は蒼の薔薇のイビルアイ! 少しだが助力する」

 

 しかし、数瞬拘束できれば、十分。モモンは竜ごとヤルダバオトを一刀両断にしようとした。

 だが、ヤルダバオトの方が若干速く抜け出し、空高く舞え上がった。

 

「同じアダマンタイト級でしたか。あまり、無理をしないよう」

 

 イビルアイはモモンの邪魔にならないよう適度に距離を保つ。

 さすがに、戦士であるモモンは空を飛ぶことができない。それなら、ヤルダバオトを地表に下ろすのは、魔法詠唱者である自分の役目だとイビルアイは考え、新たに魔法を使おうとした。

 その瞬間、空に飛んでいるヤルドバオト目掛け、竜を形取った白い雷撃が襲ったのだ。

 

「モモンさ・・・・・・ん、お待たせいたしました」

 

 上空から一人の女性が現れる。漆黒の英雄、モモンのチームは二人組。美姫という二つ名を持つ魔法詠唱者がいたはず。目の前の黒髪の魔法詠唱者がそうなのだろう。イビルアイは恥ずかしい二つ名だとおもっていたが、実物を目の前にすると、そんな二つ名に相応しい美しさである。

 それに、今使った魔法は、第五階位魔法の龍雷(ドラゴン・ライトニング)。魔法の実力も噂以上であると感じた。そして、何故かイビルアイはナーベからどこか険のある目で見られているのを不思議に思う。

 

 そして、三対一の構図となった。

 

「この辺りで引かせていただきます。先程もいったように、私どもの目的はあくまでアイテムの回収。あなたを倒すということではありません。これより、王都の一部を炎で包みます。もし、侵入してくるというならば、煉獄の炎があなたをあの世に送ることを約束しましょう」

 

 ヤルドバオトはそれだけ言い捨てると背中を見せ走り去っていく。飛翔のスピードは思いの外速く、暗闇に紛れ消えていった。

 そんな中、最後の一瞬だけ、ヤルドバオトは自分を見たのをイビルアイは感じたのだ。

 

「追わなくて良いのか?」

 

「奴は撤退を選んだ以上簡単に追跡はさせてくれないだろう。それに先のことを考えると準備が必要・・・・・・幸い、相手がどこにいるかは向こうから教えてくれるらしい」

 

 イビルアイが聞くと、モモンはそう答えたのだ。準備がいる・・・・・・仲間の死体を考えると、イビルアイも同じ答えが出てきた。

 

 

 仲間の死体をマジックアイテムで包みながら、イビルアイはモモンにヤルダバオトと戦った経緯を説明した。

 

「それで、その蟲のメイドは殺したのですか?」

 

 突然、モモンの口調から隠しきれない怒りをイビルアイは感じた、

 

「いや、殺してはいません。その前にヤルダバオトが現れたので」

 

「――そうですか。なるほど・・・・・・」

 

 どこか、納得かイビルアイの勘違いであったかのように、モモンの怒りは消えていった。しかし、モモンの隣で聞いてたナーベの瞳には憤怒が宿っていたかのように見える。しかし、元々イビルアイに対して良い感情を抱いていないように思えたので、なんとも言えなかった。

 

「それで、そのメイドを殺そうとしたから、ヤルダバオトが本気になったのではないですか?」

 

 そこで、イビルアイはモモンが怒りを覚えていた理由に気づく。二人がメイドに戦いを仕掛けたことがすべての始まりではないかということだろう。無駄な戦闘など冒険者なら回避して然るべき。しかし、それはイビルアイからすれば、納得のできないことである。

 

「ヤルダバオトは言っていた。王都の一部を地獄の炎で包むと。そんな奴に使えるメイドがまともであるはずがない。私は仲間が戦ったことは正しい行為だと信じている」

 

 イビルアイはそう反論した。互いに瞳は見えないが、たしかに視線がぶつかり合ったとイビルアイは確信する。

 

「・・・・・・そうですね。貴方の言う方が正しいですね。すみません」

 

「い、いえ。頭を上げてください」

 

 先にモモンが折れ、軽く頭を下げたのだ。

 譲れないとはいえ、助けて貰いながら恩人に頭を下げさせるとは、イビルアイはそんなモモンの態度に慌てたのだ。 

 イビルアイはモモンを見て感じていたが、予想以上に善人に感じた。

 

「ところで、先程の魔法は・・・・・・第六階位魔法ですよね?」

 

「・・・・・・私のとっておきの一つです。仲間内しか知らないので、できれば口外しないでいただきたい」

 

 モモンは突然話題を変えてきた。空気を察知し、気を使ったのだろう。

 第六階位以上の魔法はほとんど知られていない。モモンは魔法にも精通しているように思えた。

 

「そちらもかなり高位の魔法詠唱者ですね」

 

 イビルアイはナーベに視線を向ける。ナーベは視線を合わすが無言を貫いた。

 その様子は下手なことは話すなと事前に言いつけられているようにみえる。

 

 そんななか、突然街に真紅の炎が天高く吹き上げたのだ。高さは三十メートルを越え、長さは数百メートル以上であろう。

 炎の壁は、王都の一角を完全に包み込んでいるように思えた。

 

 この炎が、ヤルダバオトが言っていたことなのだろうかっとイビルアイは思ったのだった。

 

 




誤字脱字はのちほど修正します。

顎をヘッドと読んで良いのだろうか。。。
頭だと字面カッコ悪いんですよね。。


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王都襲撃3

 「見えてきたな」

 

  前方には広場があり、中央には仮面を着けた悪魔が隠れもせずに堂々と立っていた。周囲には悪魔の影が見えなかったが、そのまま信じるほどイビルアイはバカではない。一応は警戒する必要があるのだ。

 

 イビルアイは作戦通り、モモンとナーベと共に中央に攻勢に出たのだ。

 

 ヤルダバオトもこちらが近づいたことに気づいたのだろう。優雅に一礼して見せた。

 

「どうやら、予定通りに始まったようだな」

 

 後ろから太鼓を叩く音や、勇ましい雄叫び・・・・・・戦闘音が聞こえてくる。作戦の要であるモモンをヤルダバオトと一対一で戦わせるための侵攻作戦が始まったのだろう。そう、ヤルダバオト退き、王都に平和をもたらせる作戦が。

 

「ああ、その通りだ。モモン殿、出てくるであろう取り巻きは私とナーベが相手をする。モモン殿は、心置きなくヤルダバオトと戦ってくれ」

  

「了解だ。ヤルダバオトを倒して凱旋する時に、共にいることを願うぞ? ナーベ、彼女に協力して戦え。三人揃って帰還することが、私の願いだと知れ」

 

(かしこ)まりました、モモンさん」

 

 イビルアイはモモンの話を聞き、仮面の中で笑みを浮かべてしまった。

 

 三人はヤルダバオトと対峙するよう前に降り立つ。すると、広場に隣接した家から、メイドが姿を表すのが見えたのだ。それは、仲間を殺した蟲の姿をしたメイド。そして、そのメイドに続き、ヤルダバオトと同じ仮面を被ったものたちが姿を見せたのだ。

 それぞれ、意匠が異なるメイド服を着ている。どれも、超一級品だとわかるマジックアイテム。その人数は――。

 

「合計五人か」

 

 イビルアイは頭の中でシミュレーションを行う。二対五の戦いである。

 

「では、そちらの五人は任せる」

 

 モモンはそう告げ、剣を握りしめてヤルダバオトに向かって歩いていった。五人のメイドはモモンの邪魔をしないよう言われているのだろう、道を譲りながらイビルアイとナーベの前に揃った。

 

 奥でモモンの雄叫びと共に轟音が鳴り響く。ヤルダバオトに斬りつけたのだろう。そして、徐々にヤルダバオトを押しながら、離れていく。

 

「私が三人でいいか?」

 

「・・・・・・わかりました。あなたが三人で私が二人ですね」

 

 イビルアイは隣に立つナーベに受け持つ人数を伝えると、少しの間が合ったもののすぐに了承したことに驚いた。きっと、モモン言われていたのだろう。どこか、目が据わっているようにみえるのは、決して私はあなたには劣っていないとでも言いたいように見える。それでも、主人の言うことには絶対服従なのだろう。

 

「私が三人の相手をしよう。誰が来る?」

 

 イビルアイはナーベと離れながら、そう言い五人のメイドに目を向ける。こちらに来たのは、髪を結い上げたメイドと三つ網みのメイド、ロングヘアのメイドだ。

 

「私の名前はアルファ。こちらが、ベータに、デルタです。あなたの相手をさせていただきます」

 

 あの悪魔と違って物腰からは礼儀正しい雰囲気を受け取った。仕草からも超一級のメイドだとわかるほど。

 

「そうか。これはご丁寧にな。私の名前はイビルアイだ。覚えておけ!」

 

 イビルアイがこれから行うのは、出来るだけ戦闘を長くさせること。初手の魔法・・・・・・。

 

「<水晶盾(クリスタルシールド)>」

 

 イビルアイは魔法を発動させ、戦闘が始まった。

 

 

  水晶の散弾が突撃するメイド――アルファに打ち付けられるが、牽制としてあまり効果がないように見える。イビルアイは近接戦闘を避けるよう、空中に飛び上がる。出来るだけ距離を取って戦った方が勝率が良いのだ。

 しかし、浮かび上がった瞬間、盾が敵の攻撃を弾き返したらしく、何かが弾け飛ぶ。まだまだ、盾には余裕があるがそう長くは持たないだろう。

 

「くっ!?」

 

 飛び道具の攻撃の隙間・・・・・・いつのまにかに、三つ網みのメイド、ベータが背後に回り巨大な聖杖で殴打する。

 

 急旋回をし、ギリギリのところで避けるイビルアイ。そこに、また飛び道具が飛び、アルファが殴ってくる。二人を相手にしてると、一人が背後から攻撃。一対三の構図は思っていた以上に厳しい。

 

 近接戦闘メインのアルファ。飛ぶ道具を扱うデルタ。この二人だけなら、対処は余裕だっただろう。そこに、神官戦士であるベータが加わることで全体の底上げが行われる。二人と比べると、ベータの方が格上なのだろう。そして、向こうは知らないはずだが、アンデッドであるイビルアイには信仰系魔法による支援強化自体が弱点を付き、いつもよりもダメージを食らってしまう。特に、近接戦闘自体避けたい。

 また、三人の息のあった動き。あのメイドたち全員が一つのパーティなのだろう。中々揃ったメイドだ。イビルアイはギアを一つ上げることにする。

 

「なるほど――強いな。こちらも、本気をだそう」

 

「<血染めの水晶盾(ブラッティ・クリスタルシールド)>」」

 

 イビルアイの周囲に紅く染まった水晶の盾が現れる。そして、次に放たれる魔法も、紅く染まった水晶の散弾。見た目の色が変わっただけではない、明らかに威力が上がったことが伺える。

 三人のメイドは、それぞれ異なった思いだったが、イビルアイが力を隠していたことに若干反応を示した。

 

 

「・・・・・・確か、蒼の薔薇のイビルアイね。セバス様の調べられた情報に載っていたわ」

 

「アノ小娘、私ノ時モ力ヲ隠シテイタヨウダ」

 

 イビルアイから隠れるようにナーベは二人のメイド・・・・・・エントマとソリュシャンと話始める。その内容は、三対一で優位に立っているイビルアイについてだ。

 

「レベル的には・・・・・・私以上だわ」

 

 ナーベが苦虫を潰したかのようにそう答えた。主人であるモモンからそう告げられてたこともある。今回、生き証人であるイビルアイをわざわざ三対一の状況に置いたのもその実力を見るため。実のところ、他5人もヤルダバオト・・・・・・デミウルゴスからそう指示を受けたのだ。直接対峙する初の現地人の強者を見極めるために。

 

「イビルアイは恐らく私と同じエレメンタリスト。特定属性に特化し、更に特殊化した魔力系魔法詠唱者。攻撃力は高い代わりに、得意分野が潰されると弱くなる」

 

「大地系の宝石特化タイプってことね。そのなかでも水晶と限定することによって強化しているんでしょう?」

 

「そう。そして、魔法の固有化。個人のスキル、アイテム・・・・・・タレント等でさらに強化されている」

 

 ”血染めの(ブラッティ)”という名称が付く魔法は明らかに威力が上がっている。それは、魔法の固有化によるもの。例えば高レベルのエネミーがよく持つ能力である。通常とは異なる仕様になるスキル、魔法。今回は、固有化により、見た目の色が変わると共に威力が上昇しているようだ。

 ナーベたち、戦闘メイドたちは気づかなかったが、もう一つ重要な効果があったりする。しかし、その効果自体、使用者本人であるイビルアイもまだ把握していなかった。

 

 三対一ではまだイビルアイが優勢。レベル的には70を越えているだろうが、80にはいっていないように見える。それなら、もう一人遠距離攻撃ができる自分が入れば互角・・・・・・チームワークでこちらが優勢にたてるだろうとナーベは考えた。そして、それについて考えていると、突如大地が揺れる。

 

「地震ダァ。マーレ様ノサインカァ?」

 

「そうね・・・・・・ナーベラル? じゃあ、そろそろ怪我を負ってくれる? あなたは私たち二人に追い詰められなきゃらないの」

 

「仕方ないわ。仕事ですもの」

 

 戦闘メイドの三人は行動を開始する。

 

 

「<血染めの結晶散弾(ブラッティ・シャード・バックショット)>」

 

 イビルアイは牽制用の魔法と防御系の魔法を行使し・・・・・・比較的有利に戦闘を進める。さすがに、大技を使うタイミングはそうそう来ない。そんな中、通りから吹き飛ばされたナーベの姿を目にした。こちらは、中々苦戦していた模様。

 

「まだ戦えるか?」

 

「無論、問題ないです」

 

 イビルアイは言い終わったあとに馬鹿な質問をしたと気づく。

 

 五対二。明確な敵意は蟲のメイドから。そして、戦って気づいたが、神官戦士は中々好戦的らしく、戦いながら嬉々した感情を受けた。他二人は冷静沈着的、自らの仕事に徹している。

 

 突如、爆音と共に建物が崩壊する。そこから、吹き飛ばされる影。仮面を着けた細身の体・・・・・・ヤルダバオトである。

 よろめく悪魔の姿に対して、モモンの鎧も傷だらけ。二人が死闘を繰り広げたのだと想像できる。

 そこから、数度モモンとヤルダバオトはぶつかり合う。炎が逆巻く真紅の槍。モモンの鎧も融解する地獄の業火。そして、極寒の冷気を生み出す剣。互いの武器、スキルで応戦する高レベルな戦い。まるで、神話の一ページ。

 

「本当にあなたはお強い」

 

「お前もな、ヤルダバオト」

 

「それでどうでしょう。提案があるのですが?」

 

 ヤルダバオトはモモンの反応をみて、続けて言った。

 

「この辺りで退きますので、勝負はこれぐらいにして、お互い手を引きませんか? いえ、正確に言うのならば、私はこれで手を引きます。あなたも追撃をやめてほしいと言うところです」

 

「なっ!?」

 

 イビルアイはこのタイミングで言うのかと驚きの声をあげてしまった。

 

「構わない」

 

 モモンはすぐに了承する。イビルアイは仮面越しで交互にモモンとヤルダバオトを見たのだ。

 悪魔は今仲間たちが戦っている。しかし、その悪魔たちが王都全域にいかない保証はないのだ。全面的に手を引くから、許してくれと。そう、この悪魔は言っているのだ。王都を人質に取って。

 

「では、これで撤収させていただきます。残念です。アイテムを回収するという目的も果たせないのは。では、二度と出会わないことを祈っておりますよ」

 

「そうだな。こっちもそう思っているよ、ヤルダバオト」

 

 仮面の下でヤルダバオトが笑ったようにイビルアイは感じた。そう、それはモモンからも。まるで、充実した時間を過ごしたかのように。

 

 ヤルダバオトの周りにメイドたちが集まると、高位の転移魔法で一斉に姿を消した。

 

 イビルアイは周囲を確認すると、炎の壁が消え、戦闘音もなくなったことに気づく。戦いが終わったのだ。

 

 しかし、今日一日で起こった出来事は世界を揺るがすことになる。

 イビルアイの頭のなかは未だ整理が付かないごちゃごちゃとした考えが渦巻く。

 

 そうしていると、響く鋼の音に気づく。顔を向けると、駆けてくる一団がいた。冒険者や兵士たちである。ガゼフ・ストロノーフの姿や仲間のラキュースやティナ。そして、ガガーランやティアの姿も。皆薄汚れ苛烈な戦闘跡を残す。

 

「モモン殿。皆に勝利を」

 

 イビルアイはモモンにそう告げたのだ。

 

「恥ずかしいな」

 

 まるで、普通の一般人のような反応にイビルアイは驚く。

 

「・・・・・・これは、最も武功を上げたものがしなくちゃいけないものである」

 

「そうか。そうだな、するべきだな」

 

 モモンは剣を握りしめ、勢いよく突き上げる。

 

「うおぉおお!」

 

 次の瞬間、広場に集まった全員が拳を一斉に上げ、勝利を祝う雄叫びが爆発した。

 

 

 そして、当初の目論み通り、モモンは救国の英雄として、名を馳せることになる。

 

 




次回、最終話。ネタバレ回。

誤字はまとめて直します。。。。


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王都襲撃4

 

 時は遡ること作戦前。

 イビルアイは自身の魔力を回復させるため、人払いを行った自室へと向かっていた。気分は不思議と落ちついていた。それは、ヤルダバオトに匹敵する戦士、モモンがいること。そして、部下だと思われるメイドも今なら有利に倒すことができると言う事実があってのことだ。

 

 扉を開けて中へと入る。いつもの変わらない・・・・・・。

 

「なっ!?」

 

 中へは入った瞬間、扉が勝手にしまっていく。そして、部屋自体が一種の異空間と変化していった。外との繋がりを遮断し、メッセージや転移を無効化しているように感じている。そして、その原因は、目の前にいる悪魔。腹部の開けた鎧を纏い、頭部には二本の角、そして、背中には翼が生えた異形の姿。推定難易度250。今のイビルアイでさえ、勝つことができない相手。

 

 ヤルダバオトがこちらの戦力を削りに来たのだろうか。緊迫した空気のなか、悪魔は動き出した。床に膝を付き、頭部を垂れる。それは、服従の意に見えた。

 

「お待ちしておりました、イビルアイ様。私の名は強欲の魔将(イビルロード・グリード)。我が主、ヤルダバオト・・・・・・いえ、デミウルゴスから言伝を預かっております」

 

 続く言葉にイビルアイは唖然とした。何を言っている? どういうことだ。イビルアイの頭のなかはぐちゃぐちゃとこの状況を理解できないでいた。そのとき、あの甘ったるい声を思い出す。自分であって自分でないあの声を。

 

「眷属化に成功したのか?」

 

「その通りでございます。デミウルゴスの主は、我が主。どうぞ、ご心配することがないようお願い致します」

 

 あのとき、イビルアイはヤルダバオトの首筋を噛みつき、眷属化を試みた。しかし、成功しないように見えていた。暫くしてから体を蝕むよう進行したのかもしれない。

 

「ハハッ、なるほどな」

 

 自身の急激な成長は、あの悪魔を眷属化した影響なのかと結論付けた。

 

 イビルアイの考えは惜しいところまで当たっていたが、少し違っていた。ユグドラシルのレベルという概念を詳しくは知らないことが原因だったが。

 

 デミウルゴスのレベルは100。それは、新たにイビルアイの眷属となるよう種族の追加は出来ない。そこで、イビルアイは自身が知らないうちにデミウルゴスの経験値を1レベル分奪ったのだ。99から100レベルまでの1レベル。しかし、その経験値はレベル50程度のイビルアイから見ると強大。その経験値を得たことで、イビルアイのレベルは20以上も上がったのだ。

 99レベルになったデミウルゴスに、イビルアイはタレントの力で経験値に関係なく新たに種族を1レベル分授けたのである。

 

 だが、それならおかしいとイビルアイは首を傾げた。

 そう、イビルアイはこんなことを望んでいない。自身の眷属となったら、主の言うことを聞く・・・・・・。

 

「お前たちには元々主がいるのだな」

 

 イビルアイは一つの答えにたどり着く。あの悪魔には元々主がいて、その主にもと作戦を遂行していたのだろう。

 

「恐れ入ります。その通りでございます」

 

 強欲の魔将(イビルロード・グリード)は仰々しく返事を返す。

 

「・・・・・・ぷれいやーなのか?」

 

 そして、最終的な終着点の言葉をイビルアイは言い放つ。これしか考えられない。あれほど、強大な悪魔を従えられるのは、ぷれいやーのみ。

 

「はい、私たちの主はプレイヤー。さすがは、真祖の中の真祖。ユグドラシルについてもご存知名のですね。ナザリック地下大墳墓。ギルド名、アインズ・ウール・ゴウン。ギルドマスター、モモンガ様。それが、私たちの主の名。失礼ながら順位付けを致しますと、イビルアイ様が一番、モモンガ様・・・・・・今はギルド名からアインズ様と名乗っておられますが、アインズ様が二番となります」

 

「一人だけなのか?」

 

「左様です」

 

 百年の一度、異世界から異邦人・・・・・・ぷれいやーがやってくる。十三英雄のリーダーもそうだったし、それよりも前、八欲王や六大神もぷれいやーだった。詳しい内容までは知らないが、伊達に250年生きていたイビルアイは、ある程度は知っている事柄である。

 

「モモン・・・・・・ガ?」

 

 ぷれいやーのモモンガ。気のせいだろうか、どこかその名を聞き違和感を覚える。そう、偶然なのだろうか。あの漆黒の英雄と似た名前。

 

「今、アインズ様は冒険者に扮してモモンと名乗っておられます」

 

「――ッ!? 漆黒の英雄がぷれいやーで、お前たちの主で、この事件の黒幕っ!?」

 

 

 ピースが一個ずつ嵌まっていく。

 いや、よくよく考えると、モモンはいいタイミングでイビルアイを助けたのだ。仲間は死に、残り一人になった瞬間を狙ったのだろう。向こうは、たまたま来たという感じを装いたかったのだろう。アダマンタイト級冒険者が手も足も出ない状況で、颯爽と助けに入るというシチュエーション。

 

「話せ。お前たちのことを。そして、今回の目的を」

 

 聞かなければならない。この状況を打破するのは、自分しかいないと。

 

 強欲の魔将(イビルロード・グリード)は簡単なギルドの説明、戦力を説明しつつ、今回の作戦目的を告げた。

 

「あの強さのものがそこまでいるのか・・・・・・この王都はただの足かがりだな。最終目的はなんだ?」

 

 その戦力はイビルアイの予想を軽く越えていた。そして、王都を手に入れるだけの作戦とは思えなかった。そう、最初の一手。そうイビルアイは感じたのだ。

 

「世界征服でございます」

 

「なっ!?」

 

 開いた口が収まらない。だが、不可能ではないとイビルアイは思ってしまう。最低限、この大陸を征服する戦力はあるだろう。対抗できるのは、法国の神人と真なる竜王ぐらい。他は戦力にもならない。イビルアイはすぐに、あの白銀に連絡をとろうと考えた。しかし、この状況を放ってはいけない。

 

「・・・・・・私はどうすればいい?」

 

「このまま知らない振りをしてください。後日またご連絡致します」

 

「王国の民を犠牲にしろと?」

 

「恐れながら・・・・・・今はまだ動くときではないとのことです」

 

 イビルアイは噛み締める。時間があればどうにかなったかもしれない。だが、準備も何もできてはいない。ここで下手に動けば、相手にばれて全てが無駄になる。チャンスを待つ。

 

「――分かった」

 

 イビルアイは心に決める。

 アインズ・ウール・ゴウンの野望を阻止すると。

 

 

 <完>




イビルアイ、アインズ・ウール・ゴウン攻略ルートです。


本編は以上です。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

誤字脱字後日修正致します。


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