バカと遊戯王と召喚獣 (はまなつ)
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プロローグ

はじめまして。まずこの作品はオリカが大量に出てきます。オリカだけでは無いですがオリカはちょっと…という人は合わないかも知れません。また投稿頻度も高くありません。が応援して頂けると嬉しいです。ではどうぞ!


カリカリ…とただ静かに鉛筆の執筆音だけが響く。

 

(これが難しいと噂の振り分け試験か…)

 

ここはある学校の教室の中。それも通常のとは異なる学校のだ。

 

(確かに難しいけどこれなら僕にも解ける!)

 

ここは海馬コーポレーション直属デュエルアカデミア。その名も文月学園。デュエルと学力…そのどちらも学ぶ試験校。今はクラス分け用のテスト中である。

 

(10問に1問は…)

 

 

 

 

(とか明久のやつは思ってんだろうな)

 

試験を受けながら同室の親友(バカ)のことを考えているオッドアイの少年。名を虹村光輝。明久と呼ばれた少年ー吉井明久とは昔ながらの親友である。

 

(明久のやつは確実にFクラスだろうから今年は違うクラスだな)

 

実際明久はほとんど問題が解けていなかった。予想を裏切らない明久は流石である。などと考えながらテストをうけていた。とその時後ろの席からガタンっと椅子が倒れる音が響いた。

 

「姫路さん?!」

 

(なんだ?)

 

大きな音。そして明久の声がする方に教室内の生徒全てが振り返る。

 

(あれは…姫路が倒れたのか?)

 

「しっかりして姫路さん!今保健室に…」

 

「途中退出は0点扱いになるがそれでもいいかね?姫路」

 

「な?!そんなのあんまりじゃないですか!」

 

「これは決まりだ。どうする姫路」

 

「…退出…します…」

 

「わかった。吉井、お前も早く席につけ。でないとお前も途中退出扱いにするぞ」

 

「つかまって姫路さん。保健室まで送るよ」

 

「何をしている吉井。聞いていなかったのか」

 

「僕が姫路さんを保健室まで連れていきます。0点にしたいならどうぞご勝手に」

 

そう言い残し姫路を連れて廊下に出た明久。

 

(やっぱり放っておけなかったか、明久らしいと言えばそうだがお人好しなやつだ)

 

しかしそれが吉井明久のいいところである。馬鹿だが人に優しい素直な少年。

 

「まったく、これだから観察処分者は…何故あんなグズがこの学校にいるのだ」

 

「あ?」

 

監督の先生の小言ー明久への侮辱を光輝は聞き逃さなかった。

 

「明久のやった行動は当然のことだろ。むしろ姫路を保健室まで送らないあんたの方がダメな人間だろうが」

 

立ち上がり先生に物申す光輝。明らかにキレているのが見て取れる。

 

「なんだ虹村、お前も私に反抗するのか?それにその言動…自分が何をしているのか分かっているのか?」

 

「明久をバカにしたあんたが許せないって言ってんだよ。気に食わないならデュエルで俺を負かせてみな!」

 

「ほう」

 

「俺が負けたら何でもやってやるよ。だが俺が勝ったら明久に謝ってもらうぞ」

 

「いいだろう。その生意気な口を黙らせてもらおう」

 

ヒートアップして試験中だと言うことを忘れる2人。周りの生徒達はただただ戸惑うばかりだ。

 

「「デュエル!」」

 

「先行は私が貰う。ドロー。私はフィールド魔法ギアタウンを発動する。」

 

ソリッドビジョンにより教室内に機械の街がそびえ立つ。

 

「更に魔法カードクラッシュ&サプライを発動。このカードは私の場のカード1枚を破壊しその後ワンドローする。破壊する対象はギアタウン。」

 

ソリッドビジョンで作られた街が一瞬で崩れ落ちる。

 

「ギアタウンの効果発動。このカードが破壊された時デッキ·手札·墓地から『古代の機械』と名のついたモンスター一体を特殊召喚できる。私はデッキから古代の機械巨竜(アンティーク・ギアガジェルドラゴン)を特殊召喚する」

 

「いきなり攻撃力3000のモンスターが!」

 

「先生も本気だ…」

 

「そしてグリーンガジェットを通常召喚する。効果によりレッドガジェットを手札に加える。これで私はターンを終了する」

 

先生LP8000

古代の機械巨竜(アンティーク・ギアガジェルドラゴン) グリーンガジェット

伏せ 無し

手札5

 

「俺のターン。ドロー」

 

「さぁどうする?虹村」

 

「俺は魔法カード虹の取引を発動する。手札の『レインボーアイズ』と名のついたモンスター一体を墓地に送り2枚ドローする。そして魔法カード死者蘇生を発動!今墓地に送ったレインボーアイズ·ウォーリアドラゴンを特殊召喚する!」

 

レインボーアイズ·ウォーリアドラゴン ☆6 ATK2100DEF600 ①このカードが相手モンスターを戦闘によって破壊した時そのモンスターの攻撃力分のダメージを与える。②手札を1枚捨てることでこのターンモンスターに2回攻撃が出来る。

 

「何を出すかと思ったら、グリーンガジェットにしか勝っていないじゃないか」

 

「安心しな。このターンで終わらせてやるからよ!ウォーリアドラゴンの効果発動!手札を1枚捨てて2回攻撃を得る。バトルフェイズだ!ウォーリアドラゴンでグリーンガジェットを攻撃!」

 

先生LP8000→7300

 

「ウォーリアドラゴンの効果発動!破壊したモンスターのダメージを与える!」

 

先生LP7300→5900

 

「だが次のターンガジェルドラゴンに倒されるのがオチだ」

 

「このターンで終わらせると言ったはずだ!ウォーリアドラゴン、ガジェルドラゴンに攻撃だ!」

 

「なんだと?!」

 

「ダメージステップ時手札からレインボーアイズ·セブンスドラゴンを捨てて効果発動!」

 

レインボーアイズ·セブンス ☆7 ATK2500DEF2000 ①場のレインボーアイズが戦闘するダメージステップ時手札のこのカードを捨てることでその戦闘の時だけ攻撃力が2500アップする。またこの効果で攻撃力を上げたレインボーアイズが戦闘ダメージを与えた場合そのモンスターをリリースすることで墓地のこのカードを特殊召喚できる。

 

ウォーリアドラゴンATK2100→4600

 

「な!」

 

先生LP5900→4300

 

「ウォーリアドラゴンの効果発動!」

 

先生LP4300→1300

 

「そして墓地のセブンスドラゴンの効果発動!ウォーリアドラゴンをリリースすることで墓地から特殊召喚する!」

 

「なん…だと?!」

 

「これで終わりだ!セブンスドラゴンでダイレクトアタック!」

 

先生LP1300→0

 

「…後で明久に謝れよ」

 

呆然と立ちすくむ先生を背に保健室へと向かう光輝。すでに波乱万丈となった高校二年生。光輝達は一体どんな学園生活を送るのか。




今回は主人公の虹村光輝について書きます。光輝が使うデッキはレインボーアイズと名のついたモンスター群です。今は詳しく言えませんがこれからどんなデッキか分かると思います。


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1話 まずは士気を高めよう

1話です。今回はデュエルはありません。多分次も無いかなー。けどAクラス戦は沢山あるので早めにそこに行きたいですね。


桜咲きほこる花道。まるで新しい門出を祝うかのように並んいる。そんな道を歩いている少年が2人。

 

「まったく、先生にデュエルで喧嘩売るなんて何考えてんの。最悪停学ものだよ」

 

「あれは仕方ないだろ。お前だって俺の立場ならそうしてたさ。それに勝ったんだから文句言うなよ」

 

「そういう問題じゃ無いでしょ。バカなのか光輝は」

 

「明久にバカと言われた…だと…。死のうかな」

 

「どれだけ僕をバカだと思ってるのさ!」

 

「世界一だ」

 

「きっぱり言わないで!」

 

そんな振り分け試験の時の話をしていると見覚えのある…というか忘れたくても忘れられない人が立っていた。

 

「遅刻だぞ吉井、虹村」

 

鉄人別名西村教諭。おっと逆だったか。まぁいい。とにかく俺らがよく厄介になっている化け物だ。

 

「すいません。明久が寝坊しまして」

 

「サラッと僕のせいにしないでよ!」

 

「はぁーまったく、ほれ受け取れ」

 

西村先生が2人に封筒を渡してきた。おそらくクラスが書いてある紙だろう。

 

「俺らはいらんでしょう西村先生。2人とも仲良くFクラスだし」

 

「そうだよ西村先生。僕らは途中退出したんだから」

 

「それは知っているが一応な。それより虹村、テスト中に教師とデュエルするとはいい度胸じゃないか」

 

「待ってくれ鉄j…西村先生。あれには深い理由が!」

 

「冗談だ。そうなった経緯は現場にいた生徒達から聞いている。デュエルをした事は関心せんがな」

 

「先生が言うと全然冗談に聞こえねーよ…」

 

「吉井も結果的には0点扱いになってしまったが、行い自体は誇っていいものだ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

(鉄人に褒められるとなんかこそばゆいな…)

 

「では2人とも、いい学園生活を過ごしてこいよ」

 

「「はーい」」

 

『吉井明久 虹村光輝 Fクラス』

 

 

 

 

 

 

「なんだろう…この馬鹿でかい教室は…」

 

「確かにでけーな。こんなにいらんだろ」

 

通常の教室の5倍の広さはあるだろう教室。そこはAクラスの教室、つまり最上位の人達が集まったクラスである。

 

「あーあ。本当なら今頃俺もあそこにいるんだろうな」

 

「光輝勉強も出来るもんね」

 

()()にみっちり教えられたからな。…ていうかあの後幽香にしばかれたんだが明久もシバいていいか?」

 

「なんでそうなるの?!」

 

「半分は明久のせいだしな」

 

「そうかもしれないけど!それはひどいよ!」

 

「知ってるか明久……人間の骨は案外簡単に折れるんだよ…」

 

「普通簡単に折れないよ!」

 

「まぁ冗談だ。折れかけただけで」

 

「…冗談になってないよ…」

 

「てかそろそろ行くぞ。本格的に遅刻するだろ」

 

「そうだね」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ねぇ光輝…」

 

「………なんだ?」

 

「これは……教室かな?」

 

「…恐らくな……」

 

「さっきとの落差が酷いね」

 

「仕方ないっちゃ仕方ないが、あまりにも極端だな」

 

そこには先程とは打って変わって今にも崩れそうなボロ教室があった。

 

「だけどクラスメイトはいい人かもしれないぞ?」

 

「そうだね。よし」

 

明久が息を整えて教室に入る。

 

「すいません、ちょっと遅れちゃいました♪」

 

「早く座れ、このうじ虫野郎」

 

「台無しだーー!」

 

いきなり明久を罵倒したのは俺らの悪友坂本雄二だ。

 

「おっす雄二」

 

「よう光輝。聞いたぞ、振り分け試験のこと。とんだ災難だったな」

 

「あれ?無視?」

 

「しょうがないさ。もう過去のことだ。それより雄二は教壇に立って何してんだ?」

 

「先生が遅れてるようでな。一応クラス代表だからな、代わりに上がってみた」

 

「ちょっと2人とも!無視しないで!」

 

「なんだうじ虫もとい明久。うるさいぞ」

 

「おらぁー!」

 

明久がアッパーを雄二に繰り出す。間違っても友達に出す威力じゃないものを。

 

「あぶねえ!何しやがる明久!」

 

「うるさい!いいから屍となれ!」

 

「落ち着け明久。目がマジだぞ」

 

怒り爆発の明久を眺めながら教室に入る。どうやら座席も決まっていないらしい。なんてこった。

 

「そういえば信二はやるのか?()()を」

 

「もちろんやるつもりだ。俺はその為にこの学校に入ったくらいだからな」

 

「えーとちょっとそこを通してくれますか?」

 

雄二と話していると後から先生がやってきた。そこからHRが始まったがそれも酷かった。チョークが無かったり備品が殆ど壊れていたり、勉強させる気あるのか?

 

「では端から自己紹介をお願いします」

 

「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる」

 

お、秀吉か。演技がとてつもなく上手くて双子の姉がいるんだよな。デュエルの腕もそこそこ。…あと本人は頑なに認めないけどものすごく男の娘です。見てみろ明久の秀吉を見る目を。完全に可愛い女の子を見る目だ。まぁバカだから仕方ないか。

 

「あれ?今バカにされたような気が…」

 

「いつもの事だろ、気にするな」

 

「雄二貴様!」

 

「………土屋康太」

 

次は康太か。物静かな男だけど情熱に溢れているやつだな。康太に関しては2()()()()()()()()だけどな。簡単に言うと保健体育の帝王だ。

 

「趣味は吉井明久を殴ることです☆」

 

「誰だ?!恐ろしくピンポイントかつ危険な趣味を持つ奴は!」

 

「ハロハローアキ」

 

「なんて挨拶をするんだ美波!」

 

「だって本当のことで…しょ!」

 

「いたー!いきなりぶたないでー!」

 

またじゃれあってるなあの二人。島田とは1年からの仲だ。よく俺たちと遊んでたな。そうそう、1年の最後の方に島田は明久に告白してたんだよな。俺はてっきりOKを出すかと思ったら明久の奴断ったんだよな。他に好きな人がいるって言ってな。まぁその好きな人は大体予想できるが…。ともあれあの二人の仲がぎくしゃくして無くて何よりだ。

 

「霧雨魔理沙だぜ!よろしく頼むぜ!」

 

「「魔理沙?!」」

 

「いよ!明久に光輝。久しぶりだな」

 

「なんで魔理沙がFクラスにいるんだよ!」

 

「魔理沙ならBクラスは固いでしょ」

 

この元気な女子は俺と明久の中学からの友達ー霧雨魔理沙。得意科目は理系だが文系科目が全くできない訳でも無い普通に頭のいいやつだ。だからなんで最底辺のFクラスなんかに…。

 

「実は…テスト中に居眠りを…」

 

「もぉー、魔理沙もうっかりしてるなー」

 

「あははー」

 

「………」

 

俺は悟ってしまった。魔理沙は居眠りした訳では無い。自らの意思でここに来たんだろう。何故かって?明久目当てだろう。あの二人お互いが意識してるのにいまいち1歩を踏み出せない感じでいる。(明久に関しては島田をふった時に確信に変わったがな)いつになったらくっつくのか…。

 

「次明久だぞ」

 

「ん、了解」

 

「えーと、吉井明久です。気軽に『ダーリン』って呼んでくださいね♪」

 

『ダァァーーリィーーン!!』

 

「ー失礼。忘れてください」

 

「何自分で言っといて吐きそうになってんだよ」

 

「ごめん、想像以上に野太い声が沢山……」

 

「ったく。……次は俺か」

 

明久が作った空気のせいで若干やりずらいがその場に立つ。

 

「虹村光輝だ。好きに呼んでくれ。あとデュエルの申し込みなら誰でも歓迎するぜ」

 

俺の自己紹介の時に少しクラス内がざわつく。

 

「おい、あいつ去年の1年デュエルの部で1位じゃ無かったっけ?」

 

「確かにそうだ。現状この2年の中で1番デュエルが強いってことだな」

 

「でもFクラスにいるんだな」

 

「「「所詮はバカか」」」

 

「よし今俺のことバカと言ったやつ、表にでろ」

 

「まぁまぁ落ち着いて光輝」

 

よし、あいつらはいずれしばくとしよう。絶対にだ。

そんな事をやっていると不意に教室のドアが開く。そこには息を切らした女子が立っていた。

 

「あの、遅れて、すいま、せん…」

 

『え?』

 

「丁度良かったです。今自己紹介をしているところなので姫路もどうぞ」

 

「は、はい。あの、姫路瑞希です。よろしくお願いします…」

 

以下略

 

「では最後。坂本君お願いします」

 

「了解。坂本雄二だ。俺のことは(ry」

 

「不満は無いか?」

 

『大ありじゃあ!!』

 

「そうだろう。そこで俺たちFクラスはAクラスに『試験召喚戦争』を仕掛けようと思う」

 

そこから俺たちの打倒Aクラスの戦争が始まった。



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2話 対Dクラス

2話です。駆け足でDクラス戦は終わらせました。本当に駆け足ですが。次回のBクラス戦は明久がデュエルする予感?


「そんなの無理だ」

 

「勝てるわけがない」

 

「姫路さんが居れば何も要らない」

 

雄二の提案に動揺するクラスメイト達(若干1名バカがいるが)。それもそのはず、デュエルがそこそこ強いものはいるだろう。しかしFクラスに来るものは壊滅的に勉強ができないのだ。デュエルの腕だけで勝てるほど試験召喚戦争は甘くない。

 

「大丈夫だ、このクラスにはAクラスに勝てる要員がいる」

 

『そんなやついるのか?』

 

「あぁ、今から紹介する。…おい康太、姫路のスカートの中を見てないでこっちに来い」

 

「きゃ!」

 

「……(ブンブン)」

 

雄二に指名され全力で否定する康太。…けどその顔面にはしっかりと畳の跡が残っている。

 

「みんなは知らないだろうから言っておく。こいつがかの有名な()()()()()()()

 

『なんだと!?』

 

『あいつがあのムッツリーニなのか!?』

 

ムッツリーニと言う単語に過剰に反応する男子達。それもそのはず、ムッツリーニとはこの学校での性の王の名前だ。その紳士的かつ大胆な性への態度に男子からは尊敬と畏怖、女子からは軽蔑の眼差しでその名が呼ばれる。

 

「こいつがいれば百人力だろう」

 

『『ムッツリーニ!ムッツリーニ!』』

 

男子達からおこるムッツリーニコール。…なんだろう、すごいシュールだ。

 

「………そんな名前は知らない」

 

まだしらばっくれるか、康太よ。

 

「姫路については言わなくても分かるだろう。うちの主戦力だ」

 

姫路はこの学校でも3本の指に入るほどの秀才。まさに火力不足なFクラスの主砲となるだろう。

 

「次は光輝。流石に皆も知っているだろう」

 

「ああ。なんてったって1年の時の最優秀デュエリストだったからな」

 

「まず2年で知らない奴はいないだろ」

 

「でもFクラスなんかにいる」

 

「「「ただのバカ」」」

 

「よし殺す。今度こそ絶対に殺す!」

 

「落ち着いて光輝!今出しちゃいけない力出てるから!謝って!皆早く謝るんだ!」

 

明久が全力で止めに入る。

 

「止めるな明久…俺には殺らなきゃいけない事があるんだ」

 

「字が違ーう!!」

 

…いずれ必ずシバキ散らす。その制約と誓約を誓い身を引く俺であった。

 

「それに木下秀吉もいる」

 

「ワシか」

 

秀吉は演劇に関しては超一流だからな。いずれその力を使う時が来るのだろう。

 

「そして最後に1番のジョーカー、吉井明久がいる」

 

……しーーんと静まり返る教室。

 

「ちょっと雄二!僕を話のオチに使ったな!」

 

『誰だ?吉井明久って』

 

「知らないなら教えてやろう。こいつは観察処分者だ」

 

『観察処分者?それって確か…』

 

『バカの代名詞だよな』

 

『なんでそんなカスがジョーカーなんだよ』

 

「落ち着け明久!気持ちは痛いほどわかるが今は耐えるんだ!」

 

そう、いずれ奴らを殺れる日まで。

 

「まぁ実際は話のオチに使っただけだ。特に気にしなくていい」

 

「雄二貴様!」

 

「落ち着くのじゃ明久。みっともないぞ」

 

「うぅ、皆がいじめるよ秀吉ー」

 

全く、雄二はともかくFクラスの連中は明久がデュエルの腕なら現2年で五本の指に入るって覚えてないのか。

 

「さぁ皆、勝ちたいのならペンを握れ!俺らが目指すはシステムデスクだ!」

 

『『うぉぉーー!!』』

 

「そうなったら明久、早速Dクラスに宣戦布告してこい」

 

「やだよ、下位クラスからの宣戦布告は大抵酷い目に会うって知ってるんだ」

 

下位クラスの宣戦布告はされた側にとってなんのメリットもない。最悪教室がグレードダウンすると言う事も考えられるため腹いせのために宣戦布告したやつをボコボコにするのが性だ。

 

「安心しろ、そんな事実は絶対にない。俺を信じろ」

 

「雄二……うん、雄二を信じるよ!」

 

意気揚々と教室を出ていった明久。

 

「雄二も悪いな」

 

「なぁに、明久がちょろいんだよ」

 

「否定できないのが悲しいな」

 

 

 

 

 

 

「騙されたーーーー!!!」

 

息をあげながらボロボロになって帰ってきた明久。

 

「雄二を信じたらこれだよちくしょう!」

 

「明久がちょろいのが悪い」

 

「そんなことない!僕はぜんぜn」

 

「ちょろいな」

 

「ちょろいの」

 

「………ちょろすぎ」

 

「皆酷くない!?」

 

「大丈夫か?明久」

 

「大丈夫だよ魔理沙。ちょっと痛むだけ」

 

「そうか、ならいいけど」

 

「それで明久、何時に開始だ」

 

「一応1時からって伝えたよ」

 

「そうなると昼飯の後か。丁度いい、作戦も伝えたいし屋上に行って食べようぜ」

 

「お、いいね雄二。魔理沙も行くよね?」

 

「もちろんだぜ」

 

「あの、私たちも行って大丈夫でしょうか?」

 

「もちろん、姫路さん達が嫌じゃなければ」

 

「それじゃあお邪魔します」

 

「アキ、ジュース奢ってよ」

 

「嫌だよ!ただえさえ金欠なのに」

 

そんな会話をしているとFクラスのドアがガラガラっと開けられる。

 

「なにこれ、想像以上に酷いわね」

 

『お、おい、巨乳の美人がうちのクラスに入ってきたぞ』

 

『もちろん俺目当てだろ』

 

『寝言は寝て言え、俺に決まってるだろ』

 

『お前鏡見たことあるか?この俺に用があるんだよ』

 

「あなた達に用なんて無いわよ」

 

『『『くそぉぉーー!!』』』

 

「あれ?幽香?どうしたんだ」

 

「お昼を一緒に食べようと思ってね」

 

弁当箱を持ってFクラスに現れたのは緑色の髪に女子にしては高めの身長をした、10人とすれ違えば10人が振り返るほどの美人ー風見幽香だ。

 

「そうか、わりぃ雄二。俺は幽香と食べるから後で軽く作戦を教えてくれ」

 

「分かった、それじゃあ後でな」

 

「あら、先約がいたの?」

 

「何気にするな。そこまで重要な事でもないよ」

 

『お、おい、なんで虹村が風見さんと昼ごはんを一緒に食べるんだよ』

 

「ん?当たり前だろ、幽香は俺の彼女なんだから」

 

彼女なんだから……その言葉を聞き固まるFクラス男子達。

 

「んじゃ行こうk」

 

『まて』

 

「うん?どうし…た…」

 

振り返るとそこには黒覆面と黒マントを来たFクラス男子が手にカッターやらシャーペンやらを持って憎悪を灯していた。

 

「諸君、ここはどこだ?」

「「「最後の審判を下す法廷だ!」」」

「異端者には?」

「「「死の鉄槌を!」」」    

「男とは?」

「「「愛を捨て、哀に生きる者!」」」

「宜しい。これより……2-F異端審問会を始める」

 

FFF団ここに爆☆誕。

 

「何してんの?お前rぁぶね!?」

 

光輝にカッターが投げつけられる。勿論刃は出ている。

 

「何しやがる!あぶねえだろ!」

 

『黙れ異端者!貴様には死の鉄槌がくだされるのだ!』

 

「ほう、上等じゃねーか。後悔すんなよ!」

 

第一次異端戦争勃発。

 

 

 

『なん……だと?!』

 

数分後そこには積み上げられた大量のFクラス男子(ゴミ)があった。

 

「弱い男が幽香と付き合えるわけないだろ。それなりに鍛えてんだよ」

 

「終わったかしら?」

 

「ああ、すまないな時間をとらせて」

 

「光輝が悪いわけじゃないわ」

 

何事も無かったかのように教室を出ていく光輝と幽香。

 

『おの…れ。呪い殺してやる…!虹村光輝ぃー!!』

 

倒されたラスボスの様なセリフを吐いて気絶するFFF団団長須川亮。まこと哀れなり。

 

 

 

 

「さっき作戦とか言ってたけどもしかして試験召喚戦争をするつもり?」

 

「その通りだ。2年の初日にやるなんて前代未聞なんじゃないか」

 

「そうでしょうね。狙いはやっぱりAクラスなんでしょ」

 

「だな、俺としては複雑だな。もし勝った時幽香がFクラスになると思うとな」

 

「もう勝った気でいるのかしら。随分と強気じゃない」

 

「雄二は勝算がない勝負はしないからな、それなりの作戦があるんだろ」

 

「それは楽しみね。私達のクラスとやる時手加減なんてしたら承知しないわよ」

 

「する訳ないだろ。それこそ失礼だ、やる時は全力でだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

午後の授業開始を合図するチャイムがなる。それは同時にFクラスVSDクラスの戦争開始も意味する。

 

「よしテメーら、準備はいいか!」

 

『『うぉーーー!!』』

 

「進め!勝利のために!」

 

『『いくぞーー!』』

 

さて、大事な戦争一回目。俺の仕事はと言うと…。

 

 

 

 

 

 

『光輝。お前は今回の戦争は参加しなくていい』

 

『あ?なんでまた』

 

『お前も途中退出したんだ、点数が無いだろう。明久なんかは元が元だけに補充テストをそこまでしなくていいし、姫路の場合はそもそも知っているやつが少ない。がお前は別だ』

 

『それなら数教科だけ受けて俺も参加した方が良くないか?』

 

『お前は教諭とテスト中にデュエルとか派手なことしたからな。全クラスに存在を知られているだろう』

 

『つまり警戒されてると』

 

『そういう事だ。そんな状態で中途半端な点数で出たら最悪やられるからな。それならばゆっくりと補給テストを受けて万全な状態でBクラス戦に備えてもらいたい』

 

『なるほどね』

 

『それに今回はお前がいなくても勝てる試合だ』

 

『そうか。ならゆっくり受けされてもらうよ』

 

 

 

 

 

という事で絶賛テスト中だ。まぁ次の日にクラス全体で補給テストをするだろうが少しでも点数をあげて欲しいとの事だからな、今もやっている訳だが…

 

『アキぃぃーーー!!裏切ったわね!』

 

『船越先生吉井明久が体育館裏で大事なお話があると…』

 

『須川ぁぁーー!!!』

 

…正直戦況が気になりすぎて集中しずれぇ。隣でやっている姫路は黙々とやっているというのに。いや、姫路の集中力が凄すぎるんだよ、きっとそうだ。

 

「……終わりました、採点お願いします」

 

早いな、まぁやっていたのは数学だけのようだが。姫路の補給が分かったって事はそろそろこの戦争も終盤に差し掛かっているな。

 

 

 

 

 

『あれ?姫路さん?なんでこんなところに…』

 

『あの、ごめんなさい!』

 

Dクラス戦は姫路の半ば不意打ちと言う形で終戦した。

 

 

 

 

 

「クラス交換はしなくていい、その代わりある条件がある」

 

 

 

「無事Dクラスには勝ったな」

 

「光輝は何もしてないけどね」

 

「いいんだよ、そういう作戦なんだから」

 

「して雄二よ、次はBクラスになるのかの」

 

「ああ、補給テストをし終わったらすぐに行うつもりだ」

 

「すぐにAクラスを狙わないの?」

 

「次にBクラスを狙う理由はAクラス戦を有利に進めるためだ」

 

「ふーん」

 

「いきなり本丸は落とせないって事だろ」

 

「それもそうだね。……あ、教室に忘れ物しちゃった」

 

「うっかりモノじゃの」

 

「………慌ただしい」

 

「僕取ってくるから先帰ってて」

 

「そうか、また明日な」

 

「寝坊すんなよ、明日は補給テストだからな」

 

「明久はやんなくても変わんないと思うけどな」

 

「うるさいぞ雄二!」

 

「またなのじゃ」

 

「………また明日」

 

「うん、また明日」

 

 

 

 

『あ、明久君?!』

 

『あれ?どうしたの姫路さん。……その手紙は?』

 

『あわわわわぁ!』



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3話 対Bクラス

3話です。本当はもっと早く投稿したかったのですが生憎と研修が入ってしまって遅れてしまいました。 今回はBクラス戦です。かなり端折ったつもりですけど思った以上に長くなりました。ではどうぞ。


「おーす明久。勉強はしたか?」

 

「ぜーんぜん。家でゲームしてたよ」

 

「おいおい、そんなんで試験大丈夫か?」

 

「どうせ期待してないんでしょ?」

 

「当たりだ。だが点数には期待してないが戦力としては期待してるぞ」

 

「そうなの?それは意外だな」

 

「おはようなのじゃ2人とも」

 

「おはよう秀吉」

 

「おっす」

 

「今日はずっとテストなのじゃろ?雄二よ」

 

「そうだな。昨日でみんな消耗してるだろうからな」

 

「そしたらBクラス戦は明日だね」

 

「そうだ、ここが正念場だからな気合い入れていくぞ」

 

「うん」

 

「うむ」

 

 

 

 

 

 

「よーす明久、雄二、秀吉」

 

「………おはよう」

 

「おはよう。2人とも早いね」

 

「今日は幽香が早かったからな」

 

「………観察のため」

 

「ムッツリーニなんの観察じゃ?」

 

「………黙秘する」

 

「大体分かるけどな」

 

「おはよう!」

 

「おはよう魔理沙。今日も元気いっぱいだね」

 

「もちろんだぜ!」

 

「早く座りなさいよアキ」

 

「あぅ、まだ怒ってる美波…」

 

(なぁ雄二、昨日明久島田に何したんだ?)

 

(戦死しそうなところを助けずに逃げたらしい)

 

(なるほど、そりゃ怒るわな)

 

「……もう怒ってないわ」

 

「ほんとに!」

 

「うん。だって一限目の監督の先生……船越先生だもん♪」

 

「ちくしょう!」

 

泣きながら目にも止まらぬ速さで教室を飛び出た明久。

 

「…流石に可哀想に見えるな」

 

「雄二の作戦じゃろうて」

 

「マジか雄二。鬼畜だな」

 

「あいつの不幸が俺の幸福だからな」

 

「うわぁ…」

 

「………歪んだ友情」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「疲れたぁー」

 

ちゃぶ台にぐでーと溶けていく明久。

 

「確かに疲れたな」

 

「全部テストだからな。デュエルがしたくなる」

 

「ほれ明久。溶けてないで昼じゃぞ」

 

「今日も屋上で食うか」

 

「………賛成」

 

「よーし、それなら僕も贅沢にソルトウォーターでも…」

 

「あ、あの!」

 

「ん?どうしたの姫路さん」

 

「昨日言ってた通りお弁当を作ってきたんですけど…嫌じゃ無ければ食べてください!」

 

「あーそういえばそうだったな」

 

「本当に姫路さん!久々にカロリーが取れるよ!」

 

「よくそんな食生活で死なないの」

 

「………無駄にしぶとい」

 

「へぇー。そんな話してたのか。幽香も連れて行って大丈夫か?」

 

「断る理由が無いからな、風見がいいならな」

 

「サンキュー。じゃあ呼んでくるわ」

 

「瑞希ったら中々すごいの作ってきてるわよ」

 

「少し見せてもらったけど手が込んでたぜ」

 

「それは楽しみだな〜」

 

「そ、そんな大したものじゃ無いですけど…」

 

明久達は屋上に、俺は幽香を呼びにAクラスへと足を運ぶ。その途中で俺を迎えに来たであろう幽香とばったりあった。

 

 

「幽香ちょうどいいところに」

 

「もしかして迎えに来てくれたの?」

 

「ああ、なんでも姫路が弁当を作って来たらしくてな。よかったら幽香かもどうだって話だ」

 

「そうだったの。それならありがたくいただきましょう」

 

「そしたら屋上に行こうぜ。みんなは先に行ってるから」

 

「ええ。……」

 

無言で手を差し出す幽香。

 

「あー。…はい。お手をどうぞ」

 

「ありがとう」

 

幽香はたまにこういう事をして来る。お嬢様として扱え…的な。まぁそこもかわいいところなんだがな。幽香の手を持ちゆっくりと話しながら屋上を目指す。……その後俺はもっと早くに屋上に行くべきだったと後悔することになるとは知らずに……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅れてすまないな。幽香を連れてき……た……」

 

屋上に入ってみると……そこは地獄絵図だった。

 

「あ、明久?何があった?!」

 

全身が震えて顔面蒼白の康太に今にもKO寸前のボクサーの様な雄二。屋上の隅っこで見てはいけないものを見たようにガタガタと震えている島田に魔理沙。極めつけは完全に白目を向いて気絶している秀吉である。ただ1人無事な明久に説明を求める。

 

「…………弁当」

 

「え?」

 

「姫路さんの…弁当」

 

「姫路の弁当がどうかしたのか?」

 

「姫路さんの弁当がこの悲劇を生んだんだ…」

 

「なん…だと…?!」

 

「どうしたの光輝…あら、なにこれ」

 

「俺にも何が何だか…。」

 

「あ、虹村君に風見さん。いらしてたんですね

 

「あ、ああ。ついさっきな」

 

「ゆっくりしていってくださいね。…わぁ〜皆さんお弁当全部食べてくれたんですね!」

 

「……なぁ姫路。ひとつ聞いていいか?」

 

「なんですか?」

 

「今日の弁当に何入れたんだ?」

 

「何を入れた…ですか。特に普通ですけど…隠し味にあれを入れました」

 

「…何を入れたんだ?」

 

CH3COOH(酢酸)NaCl(食塩)HCN(シアン化水素)を入れました!」

 

「………それって確か…」

 

「場合によっては塩酸と青酸ソーダが出来るわね」

 

「劇薬じゃねーか!?」

 

「どうしてそんなもの入れたのかしら姫路さん」

 

「少し酸味が欲しかったので…」

 

…は?酸味が欲しかったから?

 

「………幽香さん。お願いできますか……」

 

「任せなさい。姫路さん、少し話があるから向こうに行って貰えるかしら」

 

「いいですけど何のお話ですか」

 

「あなたの料理についてよ」

 

姫路を連れ屋上を一旦出る幽香。何をお願いしたかって?osiokiに決まってるじゃないかハッハッハ。

 

「……うぅ、死ぬかと思った…」

 

「生きてたのか雄二」

 

「何とかな」

 

「……雄二」

 

「……なんだ?」

 

「……さっきは無理やり食べさせてごめん」

 

「……分かってくれたならいい」

 

屋上には姫路の悲鳴がこだました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、明日の午後からはBクラス戦になる訳だがその時は光輝にも活躍してもらうぞ」

 

「もちろんだ。前回戦えなかった分暴れるぜ」

 

「勝てる算段はついとるのか?」

 

「もちろんだ。相当予定外のことが起きなければ問題なくな」

 

「それが終わったらついに…」

 

「Aクラス戦ってわけね」

 

「今からワクワクしてるぜ!」

 

「でもAクラスには勝てるかしら?」

 

幽香が笑みを浮かべながら言う。まさに強者の余裕と言うやつだろう。

 

「どうだろうな。何、その時を楽しみにしとけ」

 

「何かあるようね。いいわ、楽しみに待ってるわ」

 

「という訳で明久、今からBクラスに宣戦布告してこい」

 

「どういう訳!?嫌だよ!」

 

「仕方ないな、じゃあジャンケンで決めるぞ。それなら文句ないだろ」

 

「ジャンケンか…。うんそれなら」

 

「心理戦ありでいこう」

 

「あれだね、何を出すか先に言うやつだね。よしそれなら僕はグーを出すよ」

 

「それなら俺はお前がグー以外を出したら…殺す」

 

「えっちょ!」

 

「じゃーんけん」

 

ぽん←雄二パー

 

ぽん←明久グー

 

「よし行ってこい」

 

「納得できるか!」

 

「でもBクラスはイケメン好きって話らしいぞ明久」

 

「なるほど、なら僕が襲われる心配はないね」

 

「でもお前ブサイクだから…」

 

「失礼な!僕は365゜どこから見てもイケメンでしょ」

 

「5゜多いぜ明久」

 

「実質5゜じゃな」

 

「みんななんて大っ嫌いだ!」

 

泣きながらBクラスへと向かう明久。昼休みの終わりにまたボロボロになって帰ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よしみんな、補給テストご苦労だった」

 

そして次の日の午後。ついにBクラス戦だ。

 

「前線は魔理沙と姫路にやってもらう」

 

「しっかり戦えよ!」

 

「が、頑張ります!」

 

『『『うぉぉぉーー!!』』』

 

『キーンコーン』

 

「よしオメーらきっちり死んでこい!」

 

『『『サーイェっサー』』』

 

チャイムの音と共に戦場へ向かうバカども。こちらは理系科目で攻める作戦だ。Bクラスは文系が多いし姫路と魔理沙の得意科目だからな。…てか姫路置いていくなよ。

 

『Bクラスだ!』

 

廊下の向こうから恐らく様子見の5、6人がやってくる。完全に舐められてるなこれ。Bクラスは当たり前のように文系の先生を連れてるな。

 

『Bクラスa.b.cが虹村に現代文で勝負を挑む!サモン』

 

…けどあんまりなめんなよ?

 

「サモン!」

現代文

Bクラスa175点

Bクラスb168点

Bクラスc186点

 

虹村光輝256点

 

『なにぃ!?』

 

『Aクラス並の点数じゃないか!』

 

「当たり前だろ、俺の勉強の先生は幽香だぜ」

 

黒い槍を持った俺の召喚獣は相手の召喚獣に特攻する。

 

『け、けどこっちは3人だ、やっちまえ』

 

aの召喚獣の攻撃を弾きそのまま反撃する。だが深くは行かない。後にあと2人もいるため挟み撃ちにされたら流石にきついからな。それでも挟み撃ちにしてこようとするbとc。その場合はあえて片方によりもう片方から距離をとる。そのように出来るだけ1体1の状況を作る。

 

『くそ、全然やられないじゃないか!』

 

「そう簡単にやりるつもりは無いから…な!」

 

守りが甘かった1人に槍をつく。槍のいいところは狙ったところに素早く突きを繰り出せるところだ。見事に喉に命中し召喚獣が消えていく。

 

Bクラスb 戦死

 

『なんだと!?』

 

よし、この調子で…。

 

「どけどけどけー!」

 

向こうの数学のフィールドは魔理沙が無双してるな。まぁそれもそうだな。

 

数学

霧雨魔理沙402点

 

あの点数だからな。学年でもトップクラスだろう。

 

「あ、あの…。遅れました…」

 

それに加えて姫路までやってきた。まさに鬼に金棒だな。

 

「数学は基本的に2人に任せて他は現代文にいる奴らを数学に誘導する感じに戦え!決して1人で戦おうとするなよ!」

 

『『『おう!』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

「………光輝」

 

「うお?!びっくりした!…どうした康太」

 

「………雄二が呼んでいる」

 

「雄二が?なんでまた」

 

今は前線もいい感じに維持出来ているし危ないところも特に無いと思うんだが。

 

「………どうやらBクラスの代表が根元らしい」

 

「根元……あいつか」

 

根元恭二。それは1年の時のデュエルの成績を決めるトーナメントの事。あいつは対戦相手だった俺に下剤を仕込んだ菓子を差し入れてきた。女子の名前で書いてあったため康太に確認を取ってもらったらそんな女子はいないとのことだったため明久に食わせたところ下剤が入っていると判明した。

 

「……確かに何かありそうだな。すぐ向かう」

 

「………(こく)秀吉も連れていけ」

 

「了解」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秀吉を連れ教室に急ぐ俺。その時に教室が少し騒がしい事に気がついた。

 

「なぁ秀吉。なんか教室うるさくないか?」

 

「確かにそうじゃのう。何かあやしい雰囲気じゃ」

 

「よし……誰かいるのか!」

 

息を殺し教室に近づいて勢いよくドアを開ける。するとそこにはBクラスの連中が何かをしていた。

 

「あ?Bクラス様がうちのクラスに何の用だ?」

 

『な!?虹村!』

 

「これは……筆記用具がいくつか折られているのう」

 

「ほーう。お前ら何してんだ?」

 

こいつら……何とも呆れたことを…。

 

『い、いや何も…』

 

「何してたかって聞いてんだよ!」

 

『うっ…』

 

「大体想像はつくが…ワシらの文房具を破壊しようとしたのだろう」

 

「だよなー。だからそんな性根が腐ってるお前らは」

 

『な、何を…』

 

「根性叩き直してやるよ」

 

『いや!これは根元に言われて…』

 

「それに同意したんだろ!」

 

破壊工作をしようとしてた2人にアッパーと右ストレートをぶち込んでやった。死人は後で康太が処理してくれるだろう。

 

「教室が騒がしいと思ったら…何があった?」

 

「こいつらが文房具の破壊工作をしようとしててな、雄二こそなんで教室を開けたんだ?」

 

「根元から交渉があってな」

 

「どんなのじゃ?」

 

「4時までに戦争が終わらなければ明日に持ち越しにするというのだ」

 

「同意したのか?」

 

「ああ、こちらにデメリットが無いからな。どちらかと言うとありがたい交渉だ」

 

「なるほどな…けど嫌な予感がするな」

 

「相手があの根元だからのう。気を緩めんようにせねば」

 

秀吉の言葉に同意する俺ら。…だが次の日その悪い予感は当たってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦争は結局4時までには終わらず次の日。雄二の作戦によりBクラスを教室の中に閉じ込めろとのこと。その為に全体的に点数が高い姫路の力が必要なんだが(魔理沙は理系は得意だか文系はそこまでではない)肝心の姫路の様子が…

 

『姫路さん!こっちをお願い!』

 

「はい!……あっ…」

 

こんな感じにさっきから何故か手を出さないでいる。

 

「…なぁ明久。おかしくないか」

 

「姫路さんだよね、明らかに何かあるよね」

 

2人で姫路の代わりに戦いながら話をする。その時にふと2人とも根元に視線がよった。

 

「「!!」」

 

その根元はいやらしい笑みを浮かべながら手に何かを持っていた。

 

「あれは……手紙か?」

 

「もしかして…」

 

「うぅ…」

 

「…やっぱり」

 

「あれが原因っぽいな」

 

「そうだね……。姫路さん」

 

「はっはい!」

 

「体調が悪そうだから休んでおいでよ」

 

「え…いや、私は」

 

「無理すんなよ。もう姫路がいなくても勝てるからさ」

 

「そうそう、だから安心して休んでてよ」

 

そう、俺達が絶対に根元に制裁を下すと。

 

「「許さねーぞ(ないよ)根元!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「絶対にBクラスを教室に押し込めろ!」

 

俺は今代表でありながら前線に出て指揮をとっている。理由は明久と光輝から姫路を前線から外してほしいと言われたから。正直姫路が抜けることはかなり痛かったが…

 

『雄二、俺たちは今かなり切れててな』

 

『必ず根元をぶっ倒すからお願い!』

 

あの2人にあんなこと言われたら仕方ないよな。

 

「代表自ら前線に出るとは、相当手一杯のようだな」

 

「なに、そっちこそこもるしか脳がないように見えるけどな」

 

「黙れ!…にしても暑いな!こんな時にクーラーが故障か!」

 

Dクラスは上手くやったようだな。あとはあいつらに託すしかないな。

 

「…一旦引くぞ」

 

「結局逃げるのか、お前ら絶対に代表を討ち取れ!」

 

よし、根元の護衛が薄くなった。

 

「…頼んだぞ3人」

 

雄二のその言葉を皮切りにBクラスの窓にロープがたらされる。そこから光輝とムッツリーニ、そして保健体育の先生が降りてきた。

 

「なっ?!」

 

「……Fクラス土屋康太」

 

「同じく虹村光輝が代表に保健体育で勝負を挑む!」

 

しかし2人の勝負は周りにいた護衛が代わりに受ける。

 

「は、はは。確かに驚いたが残念だったな!お前らはここで」

 

「根元……お前代表向いてないよ」

 

「なに!」

 

ロープからさらに2つの影が…明久と鉄人が降りてくる!

 

「Fクラス吉井明久が!」

 

『作戦はこうだ。Bクラスの護衛を少しだけ減らす。完全には無理だろう。だから光輝とムッツリーニが囮として先に行く』

 

「Bクラス代表根元恭二に!」

 

「なんだと!?」

 

『護衛がいなくなったところで明久が根元と戦う。』

 

『でもなんで僕が?保健体育の成績ならムッツリーニが適任じゃない?』

 

『護衛が2人以上いた時に点が高いムッツリーニと光輝の方が抑えやすい。それに何も保健体育で挑む訳じゃない。ちょうどいい教科があるだろう』

 

そう、デュエルの担当フィールドは誰か。学年主任の高橋女史の他にもう1人。鉄人がいるのだ。

 

「デュエルを申し込む!」

 

『だから明久。死んでも勝てよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそ、まさかもう1人いるとは…」

 

「さぁ、先行は根元君からでいいよ」

 

「ちっ…ドロー!俺はモンスターを裏側守備表示でセット。カードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

「僕のターン、ドロー!」

 

さて、明久のデュエルを見るのは久々だな。見せつけてくれよ。

 

「僕はE=HERO(エクストラヒーロー)エアーマンを召喚する!」

 

E=HERO(エクストラヒーロー)の力を。

 

E=HERO(エクストラヒーロー)エアーマン☆4 A1800D300

①このモンスターの召喚·特殊召喚時にデッキから『E=HERO(エクストラヒーロー)』と名のついたモンスターまたは『エクストラフュージョン』を1枚手札に加えることが出来る。

 

「僕はこの効果でE=HERO(エクストラヒーロー)バブルマンを手札に加える」

 

E=HERO(エクストラヒーロー)バブルマン ☆4 A800D1200

①このモンスターの召喚·特殊召喚時にデッキからカードを1枚ドロー出来る。②このモンスターがフィールドから墓地に送られた時にデッキからカードを1枚ドローできる。

 

「バトル!エアーマンで裏側モンスターを攻撃!」

 

「バカめ!セットされたモンスターはマシュマロン!その効果により吉井に1000ダメージを与える!」

 

明久LP8000→7000

 

「くっ!カードを1枚伏せてターンエンド」

 

明久LP7000

手札5枚

フィールド エアーマン

伏せ1枚

 

「少し戦略が甘いんじゃないか。ドロー。俺はさらにカードを2枚伏せてターンエンド」

 

根元LP8000

手札2枚

フィールド マシュマロン

伏せ 4枚

 

「僕のターンドロー。…僕はE=HERO(エクストラヒーロー)バブルマンを召喚する。効果発動」

 

「その効果にチェーンしてトラップ発動!1枚目仕込みマシンガン 2枚目自業自得 3枚目おじゃまトリオ 4枚目積み上げる幸福!」

 

出たな、根元のチェーンバーン。相変わらずいやらしいデッキだ。…が強いの事も事実だな。

 

「まず積み上げる幸福により2枚ドローする。その後おじゃまトリオにより吉井のフィールドにおじゃまトークンを三体だす。」

 

明久フィールド エアーマン バブルマン おじゃまトークン×3

 

「そして自業自得の効果。お前のフィールドには合計五体のモンスターがいる。よって2500のダメージ」

 

明久LP7000→5500

 

「最後に仕込みマシンガンの効果により2200のダメージを受けてもらう!」

 

明久LP5500→3300

 

「……僕はバブルマンの効果により1枚ドローする。」

 

明久のやつ結構なダメージを食らったな、これは根元のやつかなり手札が良かったな。

 

「僕は魔法カード エクストラフュージョンを発動する!」

 

エクストラフュージョン 通常魔法

①自分の手札·フィールドから『E=HERO(エクストラヒーロー)』と名のついた融合モンスターの融合素材を墓地に送ることでそのモンスターを融合召喚する

 

「フィールドのエアーマンとバブルマンを融合!現れろE=HERO(エクストラヒーロー)ウォッシュライダー!」

 

E=HERO(エクストラヒーロー)ウォッシュライダーA2400D1400 「E=HERO(エクストラヒーロー)エアーマン+水属性E=HERO(エクストラヒーロー)

①このモンスターの特殊召喚時にフィールド上のモンスター一体を選択して発動する。そのモンスターを装備カード扱いでこのカードに装備する。②このカードが破壊される代わりに装備カードを破壊できる。

 

「バブルマンが墓地に送られたことによりワンドロー。さらにウォッシュライダーの効果でマシュマロンを装備カードにする!バトル!ウォッシュライダーで根元君にダイレクトアタック!」

 

根元LP8000→5600

 

「僕はこれでターンエンド」

 

明久LP3300

手札6枚

フィールド ウォッシュライダー

伏せ1枚 マシュマロン

 

「俺のターンドロー。…カードを3枚伏せて魔法カードブラックホールを発動。おじゃまトークンが破壊されたことにより吉井に900ダメージ!」

 

「ウォッシュライダーの効果でマシュマロンを墓地に送ることで破壊を防ぐよ」

 

明久LP3300→2400

フィールド ウォッシュライダー

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

根元LP5600

手札0

フィールドなし

伏せ3枚

 

「僕のターンドロー…」

 

「終わりだ吉井!トラップカード発動!破滅への一歩!」

 

破滅への一歩 通常罠

①相手フィールド上の特殊召喚されたモンスター一体を選択して発動する。選択したモンスターを破壊し相手は破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを、自分は攻撃力の倍のダメージを受ける。

 

「この効果により俺は4800のダメージを、吉井お前は2400のダメージを受けてもらう!これで俺の勝t」

 

バカだな根元、ヒーローはピンチの時に

 

「まだだよ、トラップ発動 」

 

かけつけるもんだって知らないのか

 

「ヒーローは遅れてやってくる」

 

ヒーローは遅れてやってくる 通常罠

①自分のLP以上のダメージを受ける時に発動出来る。そのダメージを無効にしそのダメージよりも攻撃力の低い『HERO』と名のついたモンスターを墓地から一体特殊召喚出来る。

 

「なにぃ?!」

 

「効果によりダメージは無効!さらに墓地からバブルマンを特殊召喚!効果によりワンドロー」

 

「ばか…な」根元LP5600→800

 

「手札から魔法カード エクストラフュージョン発動!」

 

(だ、だが俺のリバースカードは奈落の落とし穴にマジックシリンダー。例え何が来ても…)

 

「フィールドのバブルマンと手札のE=HERO(エクストラヒーロー)スパークマン、フェザーマンを融合!現れろ!E=HERO(エクストラヒーロー)テンペスター!」

 

E=HERO(エクストラヒーロー)テンペスター ☆8 A2800D2800「E=HERO(エクストラヒーロー)バブルマン+E=HERO(エクストラヒーロー)フェザーマン+E=HERO(エクストラヒーロー)スパークマン」

①このモンスターの融合召喚成功時相手の魔法罠ゾーンのカードを全て破壊する。相手はこの効果に対してカードの効果を発動出来ない。

 

「テンペスターの効果で根元君のリバースカードを全て破壊する!」

 

「俺のリバースカードが?!」根元伏せ 2→0

 

「これで終わりだ!テンペスターでダイレクトアタック!!」

 

「っ!」根元LP800→0

 

「僕の勝ちだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良くやったな明久」

 

「流石の腕前じゃ」

 

「いやーそれほどでも」

 

今デュエルに勝った明久を労っている。と言うのも…

 

「や、やめろ!俺はそんなもの着な…」

 

「おらぁ!」

 

「ふぐぉ?!」

 

根元の女装姿なんて見るに耐えないからな。

 

「ほらよ明久、何に使うかは知らないが」

 

「ありがとう雄二。えっと……あった!…これはどうしよう」

 

「ゴミ箱でいいんじゃないか?」

 

「それもそうだね」

 

ポーイ←根元の制服

 

これにてBクラス戦も無事に終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの、明久君話って?」

 

Bクラス戦の放課後。明久に呼び出された姫路。もちろん根元に奪われた手紙の件だ。

 

「はいこれ」

 

「これは…!」

 

「大丈夫中身は見てないから」

 

「明久君……ありがとうございます!」

 

「どういたしまして」

 

「やっぱり明久君は優しいです」

 

「そんなこと…」

 

「そんなことあります!」

 

「そう…かな?」

 

「はい!………一ついいですか?明久君は告白されるとしたら手紙で言われるのと直接言われるの、どちらが好きですか?」

 

「ぼ、僕が告白されるとしたら?うーん、手紙もいいけどやっぱり直接言ってもらいたいかな」

 

「そう…ですか。そうですよね」

 

次の瞬間手紙をビリビリに破き始める姫路。

 

「ひ、姫路さん?!何を」

 

「明久君……………私はあなたの事が好きです」

 

「…………え…?」

 

「よろしければ私とお付き合いしてください!」

 

最初は全然理解出来なかった明久。けど姫路の真剣な眼差しを見て徐々に理解していく。自分が告白されたのだと。

 

「………姫路…さん。…………………ごめん!僕は姫路さんとは付き合えない」

 

「………」

 

「………も、もちろん気持ちは嬉しいけど…!」

 

「いえ、何となく分かっていました。明久君に好きな人がいることは」

 

「………ごめん」

 

「謝らないでください。明久君が悪い訳じゃ無いですから」

 

「…うん、ありがとう姫路さん。これからも宜しくね」

 

「はい!……では私は先に行きますね」

 

「うん。また」

 

…分かってた。それに告白して逆にスッキリした感じがした。……けど一つだけ。一つだけ後悔があるとすれば……

 

「………うっ、うあああぁーー!」

 

もう少し早く勇気が出せていたら結果は変わっていたのかな。




はい、という訳で明久のデッキはE=HERO(エクストラヒーロー)です。気づいている人もいるかもしれませんがE=HERO(エクストラヒーロー)は召喚時に効果が発動するデッキです。と言うかミス無かったですよね?もしあったらご指摘ください。次回からはついにAクラス戦。色々なデュエルを書くつもりなので気長にお待ちください。


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4話 対Aクラス 秀吉VS優子

4話です。今回からAクラス戦。どんどんデュエルしていきますよ!ちなみに前回言い忘れましたが現実にあるカードは効果を説明しませんので知らないカードがあった場合お手数ですがご自分で調べてください。


「一騎打ち?」

 

雄二と今話しているのは木下優子…秀吉のお姉さんだそうで。まぁよく似てるのな。

 

「あぁ。代表同士のな」

 

俺たちは今Aクラスにいる。何故かって?宣戦布告をしに来たんだ。けど通常の宣戦布告ではない。

 

〜1時間前〜

 

「なぁ雄二。Aクラスにはどうやって勝つんだ?」

 

Bクラス戦が終わった次の日。雄二が遂にAクラスに宣戦布告をすると言い出したために出た質問。だがそれは誰もが抱いている疑問でもある。

 

「今の僕達で勝てる気がしないんだけど」

 

「ワタシや瑞希だけで勝てるもんでも無いしな」

 

AクラスとBクラスですら戦力差は歴然なのだ。それがFクラスとなるともはや爪切りと戦車並だろう。

 

「皆の疑問ももっともだ。だから教えよう、対Aクラス戦の作戦を」

 

雄二は語り出す。

 

「作戦は至って簡単だ。俺と翔子の一騎打ち、これだけだ」

 

クラス全員がはてなマークを浮かべる。

 

「一騎打ちと言ってもただ戦う訳じゃない。科目を絞るつもりだ。内容は100点満点で小学生レベルの歴史のテスト」

 

「…なんでそれで勝てるんだ?」

 

光輝の疑問にクラス全員が頷く。文月学園は学力にも力を注いでいるのだ。その学校の首席ともなれば小学生レベルのテストなぞ朝飯前なのではないか…と言うことだ。

 

「勿論理由はある。あいつは1度覚えたことは忘れないんだ。それで昔から一つだけ間違えて覚えてる問題があってな。それが出れば俺たちの勝利だ」

 

「なんというか…」

 

「運ゲーじゃの」

 

「てゆーかさっきから霧島さんのこと翔子って呼んでたりよく知ってそうに話すけどどう言う関係なの?」

 

「俺と翔子は幼馴染だ」

 

その言葉を聞き黒き集団が姿を表す。そうFFF団だ。

 

「諸君。ここはry」

 

霧島は普通に美人だからな。そんなやつと幼馴染の雄二を妬んだんだろう。…哀れすぎるだろFFF団。

 

「落ち着くのじゃ。ここで雄二を殺ってしまったらAクラスに勝てなくなるじゃろう」

 

『確かに』

 

『それは不味いな』

 

『秀吉可愛いよ』

 

秀吉の言葉に素直に従うFFF団。理由は多分秀吉がかわいいからだろう。見境なしか。

 

「てか、そんなことしてるからモテないんだろ」

 

『『『ぐはぁっ!!』』』

 

魔理沙の無慈悲な一言により全FFF団が死亡する。もっともな意見だと思うんだけどな。

 

「秀吉礼を言うがその納め方はどうかと思うぞ」

 

「ああでも言わんと納まらんと思うての。悪いとは思っとる」

 

「……」

 

「で、雄二は本当にそんな運ゲーに身を任せるのか?」

 

「いや、この方法は確実に警戒されるだろう。…だからもう1つ、考えている作戦がある。それは…」

 

 

 

 

 

「受諾出来ないわ。絶対に何かあるでしょう」

 

「そうか…ならこれならどうだ。お互い代表者を出して戦うってのわ」

 

「代表者ね…数は?」

 

「そうだな…5人か7人ってところだ」

 

木下優子は考える。向こうの戦力でこちらに勝てそうな者達を。

 

(まず姫路さん、霧雨さん。次に坂本君も何かあるわね。虹村君も場合によっては…)

 

優子はムッツリーニの存在を知らない。それでも最悪こちらが負け越してしまうくらいにはFクラスにもカード(戦力)が揃っている。

 

「だめ、それも受諾出来ないわ」

 

「案外お堅いんだな。じゃあ……デュエルでならどうだ」

 

『デュエルで決着をつける作戦だ』

 

「デュエル………それもダメだわ」

 

「そうか……。ところでBクラスとやり合う気はあるか?」

 

「Bクラスって…昨日来てたあの?」

 

「あぁ。あれが代表をやっているクラスだ」

 

「でもBクラスはFクラスに負けたから3ヶ月間は宣戦布告出来ないはずだよね?」

 

「知っているだろう、あの戦争は『和平交渉にて終結』ってなってる事を。…BクラスだけでなくDクラスもな」

 

「……それって脅迫?」

 

「人聞きが悪い。ただのお願いだよ」

 

「………」

 

「いいじゃないか、受けてやって」

 

木下優子が悩んでいると男子生徒が1人やってきた。

 

「凛じゃねーか、久しぶりだな」

 

「よう光輝。久しぶりだな」

 

この男は丸藤凛。あの有名なサイバー流を操る丸藤亮を先祖に持つ次期サイバー流の師範代だ。1年の時のデュエルの成績は2位。俺と決勝戦で白熱の試合を展開した。

 

「丸藤君、受けてもいいって?」

 

「このクラスはデュエルの腕もいいんだから負けるとも思えない。それに代表もやる気だ」

 

「……(こく)雄二の提案を受けてもいい」

 

「代表も…いいの?」

 

「……うん。その代わり条件がある。負けた方は何でも言うことをひとつ聞く」

 

「…上等だ」

 

「はぁ、分かったよ。代表者は7人でいい?」

 

「それで構わない。じゃあ一時間後にまた来る」

 

こうしてFクラス対Aクラス、7人のデュエルが決定した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それではこれよりAクラス対Fクラスの代表戦を始めます」

 

高橋先生を立会人として遂にAクラス戦が始まる。

 

「では、両名とも準備はいいですか?」

 

「ああ」

 

「……問題ない」

 

「それでは1人目の方、どうぞ」

 

「あたしから行くわ」

 

「ワシがやろう」

 

秀吉と優子の姉妹…もとい姉弟対決だ。

 

「秀吉、アンタが相手なのね。特に新鮮味もないわ」

 

「そうじゃな。家で何度も戦っているからのう」

 

「いつも通り勝たせてもらうわ」

 

「何を言っておる。勉強では到底勝てんが、デュエルでなら5分じゃろう!」

 

「それでは…デュエル開始!」

 

「「デュエル!」」

 

「先行はわたしが貰わ、ドロー」

 

「ねぇムッツリーニ、木下さんのデッキってなんだっけ?」

 

「………木下優子のデッキは()()()()()だ」

 

「わたしはマドルチェ·マジョレーヌを召喚する。マジョレーヌは召喚時にデッキから『マドルチェ』と名のついたモンスターを手札に加えることが出来る。この効果で『マドルチェ·シューバリエ』を手札に加える」

 

「よく覚えてたねムッツリーニ」

 

「………一般教養」

 

「…ちなみに須川君のデッキは?」

 

「………知りたくもない」

 

「流石康太。女子のデッキだけ顕著に覚えてるな」

 

「………言いがかりはよせ」

 

「私はさらにフィールド魔法マドルチェ·シャトーを発動する。これでターンエンドよ」

 

優子LP8000

手札5

伏せ0

フィールド マジョレーヌ·シャトー

 

「マドルチェシャトーが厄介だな」

 

「だね。攻撃力500upは結構でかいよ」

 

「秀吉がどう崩すか見ものだぜ」

 

「ワシのターンドロー。ワシは魔法カード 演目〜プロローグを発動」

 

演目〜プロローグ 通常魔法

①デッキから『死の演出家(デスディレクター)』と名のついたモンスターを1枚手札に加える。演目〜プロローグは一ターンに1枚しか発動できない。

 

「効果によりデッキから『死の演出家(デスディレクター)アシスタント』を手札に加える」

 

死の演出家(デスディレクター)アシスタント☆4 A1400D1200

①召喚·特殊召喚時にデッキから『死の演出家(デスディレクター)』または『演目』と名のついたカードを1枚墓地に送る。

 

「そのままアシスタントを召喚。効果によりデッキから『死の演出家(デスディレクター)チアダンサー』を墓地に送る」

 

死の演出家(デスディレクター)チアダンサー ☆4 A1700D1400

①墓地のこのカードを除外することにより墓地の『死の演出家(デスディレクター)』と名のついたモンスター一体を特殊召喚する。

 

「カードを1枚セットしてターンエンドじゃ」

 

秀吉LP8000

手札4

伏せ1

フィールド アシスタント

 

「私のターンドロー。わたしはマドルチェシューバリエを召喚。バトル!マドルチェマジョレーヌでアシスタントに攻撃!」

 

秀吉LP8000→7500

 

「次にシューバリエでダイレクトアタック!」

 

秀吉LP7500→5300

 

「わたしは永続魔法 マドルチェチケットを発動してターンエンドよ」

 

優子LP8000

手札4

伏せ0

フィールド マジョレーヌ、シューバリエ、シャトー、チケット

 

「ワシのターンドロー。ワシは死の演出家(デスディレクター)ピアニストを召喚」

 

死の演出家(デスディレクター)ピアニスト ☆4A1500D1600

①召喚に成功した時墓地の『死の演出家(デスディレクター)』と名のついたモンスター一体を特殊召喚する。

 

「ピアニストの効果で墓地からアシスタントを特殊召喚。アシスタントの特殊召喚時の効果発動じゃ。デッキから『演目〜拍手喝采』を墓地に送る」

 

演目〜拍手喝采 装備魔法

①フィールド上の『死の演出家(デスディレクター)』と名のついたモンスターにのみ装備可能。装備モンスターの攻撃力を500upさせる

②装備モンスターが戦闘によってモンスターを破壊した時ワンドロー出来る。

 

「そしてレベル4のピアニストとアシスタントをオーバーレイ!誰もが憧れる英雄よ、今姿を表わせ!エクシーズ召喚ランク4 死の演出家(デスディレクター)ヒーロー!」

 

「出たわね、秀吉のエースモンスター」

 

死の演出家(デスディレクター)ヒーロー ランク4「死の演出家(デスディレクター)と名のついた☆4モンスター2体」A2400D1500

①一ターンに1度エクシーズ素材を1枚墓地に送り墓地の『演目』カードを選択して発動する。そのカードを発動する。その後そのカードをデッキに戻す。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

「ヒーローの効果発動。墓地の『演目〜拍手喝采』を発動する!」

 

「あれ?拍手喝采は装備魔法だよね?結局デッキに戻ちゃうんじゃない?」

 

「明久…お前あんだけ秀吉とデュエルしてて知らないのかよ…」

 

「えっ?」

 

死の演出家(デスディレクター)の墓地の演目カードを発動する効果は1度フィールドに出して発動する。んでその後再び墓地にいった演目をデッキに戻すんだ。つまり発動した演目カードが墓地に無かったらデッキには戻らないんだ」

 

「そ、そうだったね。ありがとう雄二、すっかり忘れてたよ」

 

「絶対知らなかったろ…」

 

死の演出家(デスディレクター)ヒーローA2400→2900

 

「バトル!ヒーローでシューバリエに攻撃じゃ!」

 

シューバリエには他のマドルチェを攻撃対象に出来なくする効果があるからな。

 

優子LP8000→7300

 

「シューバリエの効果発動。相手に破壊された時デッキに戻るわ。けどシャトーの効果で代わりに手札に戻す。さらにチケットの効果も発動。マドルチェが効果によりデッキか手札に戻ったためデッキからマドルチェを手札に加えるわ。わたしはマドルチェエンジェリーを手札に加える」

 

優子手札6

 

「モンスターを戦闘で破壊したことで拍手喝采の効果でワンドローする。ワシはこれでターンエンド」

 

秀吉LP5300

手札5

伏せ1

フィールド ヒーロー、拍手喝采

 

「わたしのターンドロー。…わたしはマドルチェ·マーマメイドを召喚。そしてマドルチェマジョレーヌとマーマメイドをオーバーレイ!エクシーズ召喚ランク4クイーンマドルチェ·ティアラミス!」

 

「今度は姉上のエースモンスターじゃのう」

 

「ティアラミスの効果発動!」

 

「させん!リバースオープン、演目〜起」

 

秀吉の発動したカードを見て渋い顔をする優子。

 

「なんてタイミングで発動するのよ…」

 

演目〜起 通常罠

①相手のモンスターの効果が発動した時に発動できる。その効果を無効にする。

 

「危ないところは分かっておるからの」

 

「…わたしはカードを3枚伏せてターンエンド」

 

優子LP7300

手札3

伏せ3

フィールド シャトー、チケット、ティアラミス

 

「ワシのターンドロー。畳み掛けるぞ姉上!ヒーローの効果発動、墓地の『演目〜プロローグ』を発動!効果でデッキから死の演出家(デスディレクター)ダンサーズを手札に加える」

 

死の演出家(デスディレクター)ダンサーズ ☆4 A1200D1300

①このモンスターの召喚成功した時手札の死の演出家(デスディレクター)を一体特殊召喚できる。

 

「そのままダンサーズを召喚。効果で同じくダンサーズを特殊召喚じゃ。さらに墓地のチアダンサーの効果発動。チアダンサーを墓地から除外することで墓地のアシスタントを特殊召喚する。特殊召喚されたアシスタントの効果発動。デッキから『演目〜承』を墓地に送る」

 

演目〜承 通常罠

①デッキの上からカードを2枚墓地に送ることで発動できる。相手のモンスター一体を手札に戻す。

 

死の演出家(デスディレクター)ダンサーズ2体とアシスタントをオーバーレイ!万人を魅力する音楽家よ。今戦慄のメロディーを奏でろ!エクシーズ召喚ランク4 死の演出家(デスディレクター)トップアーティスト!」

 

死の演出家(デスディレクター)トップアーティスト ランク4 A2600D2000「死の演出家(デスディレクター)と名のついたモンスター三体」

①一ターンに1度エクシーズ素材を1枚墓地に送り墓地の『演目』カードを選択して発動する。そのカードを発動する。その後そのカードをデッキに戻す。この効果は相手ターンでも発動できる。

②このカードは墓地の『演目』と名のついたカード1枚につき攻撃力が100upする。

 

「今墓地にある演目カードは2枚。よってトップアーティストの攻撃力は200upじゃ。バトル!ヒーローでティアラミスに攻撃!」

 

「トラップ発動!マドルチェ·マジック」

 

マドルチェ·マジック 通常罠

①フィールド上のマドルチェを1枚デッキに戻す。その後相手のモンスターを1枚デッキに戻す。

 

「対象はティアラミスとヒーロー」

 

「…ヒーローはエクストラデッキに戻る。しかし拍手喝采が墓地に送られたことでトップアーティストの攻撃力がさらに100upじゃ!トップアーティストでダイレクトアタック!」

 

優子LP7300→4400

 

「ターンエンドじゃ」

 

秀吉LP5300

手札5

伏せ0

フィールド トップアーティスト

 

「秀吉中々追い詰めたな」

 

「だね。墓地に起承があるのが強くて、拍手喝采もあるから大抵のことは対象出来そうだね」

 

「わたしのターンドロー。…秀吉、アンタもう勝った気でいる?」

 

「まさか、姉上とのデュエルで気を抜いたことなどありはせん」

 

「そう、それならこれから逆転されても驚かないのね!トラップ発動!トラップスタン!」

 

「なんじゃと?!」

 

「さらにトラップスタンにチェーンしてトラップ発動、マドルチェ·ハッピーフェスタ!」

 

「これは…」

 

「やばいな秀吉…大量展開が来る…」

 

「ハッピーフェスタの効果で手札のマドルチェ·シューバリエ、エンジェリー、ホーットケーキ、クロワンサンを特殊召喚!そしてこのターンに発動されるトラップの効果は無効になるわ」

 

先程雄二が解説した通り死の演出家(デスディレクター)の効果で発動されるカードは1度フィールドにでる。そのためトラップスタンの影響を受けるのだ。

 

「これで心置き無くモンスター効果を使えるわ」

 

秀吉の墓地の演目〜起を警戒していたのだろう。承も厄介だが。

 

「エンジェリーの効果発動。リリースしてデッキからマドルチェ·メッセンジェラートを特殊召喚。メッセンジェラートの効果発動。特殊召喚時にフィールドに獣族がいるからデッキからマドルチェ·マジックを手札に加える」

 

「………不味いのぅ」

 

幾千と戦っている秀吉はこれから起こることを予期していた。

 

「ホーットケーキの効果発動。墓地のエンジェリーを除外してデッキからメッセンジェラートを特殊召喚。またメッセンジェラートの効果発動。デッキからマドルチェ·マナーを手札に加える」

 

「どんどんいくわよ!マドルチェ·ホーットケーキとクロワンサンをオーバーレイ!エクシーズ召喚ランク3 マドルチェナイト·マカロイアル」

 

マドルチェナイト·マカロイアル ランク3 「マドルチェと名のついたモンスター2体」A1800D1800

①一ターンに1度エクシーズ素材を1枚取り除き墓地の『マドルチェ』と名のついたモンスター一体をデッキに戻すことでそのモンスターの攻撃力の半分を攻撃力に加える。エンドフェイズに元の数値に戻る。

 

「メッセンジェラート2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚ランク4 クイーンマドルチェ·ティアラミス!ティアラミスの効果発動。素材を1枚取り除き墓地のマジョレーヌをデッキに戻し死の演出家(デスディレクター)トップアーティストをデッキに戻す」

 

この時シャトーの効果によりマジョレーヌは手札に戻る。さらに墓地のマドルチェが手札に戻った時にチケットは効果を発揮する。

 

「チケットの効果発動!デッキからマドルチェ·ミィルフィーヤを手札に加える。さらにマドルチェ·マジョレーヌを通常召喚、効果発動。デッキからマドルチェ·ホーットケーキを手札に加える」

 

優子のコンボは最終へと向かっていく。

 

「マカロイアルの効果発動!エクシーズ素材を1枚取り除き墓地のメッセンジェラートを手札に戻すことで攻撃力を800upさせる」

 

「バトルよ!マジョレーヌでダイレクトアタック!」

 

秀吉LP5300→3400

 

「シューバリエでダイレクトアタック!」

 

秀吉LP3400→1200

 

「ティアラミスでダイレクトアタック!」

 

「っ!」

 

秀吉LP1200→0

 

「…ワシの負けじゃ姉うe」

 

「マカロイアルでダイレクトアタック!」

 

「姉上ぇぇ?!」

 

秀吉LP0→-3100

 

木下秀吉DEATH

 

まだ生きていますとは突っ込めなかった。




という訳で今回は秀吉の死の演出家(デスディレクター)について軽く解説を。死の演出家(デスディレクター)は演目魔法罠を墓地に送り、エクシーズモンスターの効果でそれを再利用しながら戦うデッキです。まだまだ出ていないカードもあるので今後もっと強くなります。
あと間違っているところがあったりこれってどうなの?みたいな所は気軽に質問ください。


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5話 魔理沙VS霊夢

5話です。今回はオリジナルデッキが2つも出てきます。まぁそのせいで遅れたんですけどね


「すまん、負けてしもうた」

 

「気にするな、いいデュエルだったぞ」

 

「「ナイスデュエル」」

 

「………ドンマイ」

 

「惜しかったな秀吉。次は勝てるぜ」

 

デュエルを終えた秀吉をみんなで労う。実際いいデュエルだったしな。

 

「それでは次の方どうぞ」

 

「ワタシがでるぜ!」

 

元気よく魔理沙が名乗り出る。

 

「相手は誰だ?」

 

「……あいっ変わらずうるさいわね魔理沙」

 

「げぇー!霊夢じゃないか!」

 

「げぇーとは失礼ね」

 

Aクラスからは大きなリボンをした黒髪の少女。博麗霊夢が出てきた。

 

「お前Aクラスだったのかよ」

 

「それくらい当たり前よ。魔理沙こそなんでFクラスなんかにいるのよ」

 

「それは……色々あったんだよ!」

 

ステージに上がるなり言い合う2人。

 

「……なんか仲良さそうだな」

 

「魔理沙と霊夢は小さい頃からの友達なんだよ」

 

「明久は知ってるのか」

 

「前に魔理沙と遊んでる時に偶然あった時があったんだよ」

 

「ふーむ。そんな意外な関係があったのか」

 

てか明久のやつ魔理沙と2人で遊んだりしてたのか。そっちの方が意外だ。

 

「それでは始めてください」

 

「絶対負かしてやる!」

 

「こっちのセリフよ」

 

「「デュエル!」」

 

「ワタシの先行だ!ドロー。ワタシは魔法カード 光の導きを発動する!」

 

光の導き 通常魔法

①デッキの上からカードを2枚墓地に送る。その中に『ホーリーレイ』と名のついたモンスターがいた場合さらにもう1枚デッキから墓地に送る。

 

墓地に落ちたカード ホーリーレイドラグーン、ホーリーレイアテナ

 

「ホーリーレイが墓地に落ちたからさらにもう1枚墓地に送る」

 

墓地に落ちたカード ホーリーレイアポロン

 

「魔理沙の出だしは良さそうだね」

 

「だな。ホーリーレイは()()()()()()()()()()()()強くなるからな」

 

「墓地に光属性モンスターが2種以上いるからコイツを攻撃表示で召喚する!」

 

ホーリーレイヴィーナス ☆5 A2100D2100

①墓地に光属性モンスターが2種以上いる場合のみ特殊召喚できる。

②このモンスターの特殊召喚時にデッキから『ホーリーレイ』と名のついたモンスターを1枚墓地に送る。

③場に『ホーリーレイ』と名のついたモンスターが3枚いる場合このカードは特殊召喚出来ない。

 

「ヴィーナス効果発動。デッキから『ホーリーレイアレス』を墓地に送る」

 

ホーリーレイアレス ☆8 A2500D1400

①墓地に光属性モンスターが7種類以上いる場合のみ特殊召喚できる。

②このカードがフィールドにいる限り場の『ホーリーレイ』と名のついたモンスターは攻撃力が200upする。

③場に『ホーリーレイ』と名のついたモンスターが3枚いる場合このカードは特殊召喚出来ない。

 

「ワタシはこれでターンエンド」

 

魔理沙LP8000

手札4

伏せ0

フィールド ホーリーレイヴィーナス

墓地の光属性3

 

「手札いいじゃない。私のターンドロー。……うーん」

 

「どうした?貧乏巫女さんは手札が良くないのか」

 

「誰が貧乏よ!」

 

「……博麗は巫女なのか、学生なのにすごいな」

 

「だね。うちのクラスも騒いでるよ」

 

霊夢が巫女だということが発覚しざわつくFクラス男子。流石過ぎて声も出ない。

 

「私は魔法カード 魂強奪を発動」

 

魂強奪 通常魔法

①デッキからレベル8以下の『呪魂(じゅこん)』と名のついたモンスターを1枚手札に加える。『魂強奪』は一ターンに1度しか発動出来ない。

 

「私はデッキから『呪魂の軍団長』を手札に加える」

 

呪魂の軍団長 儀式モンスター ☆6 A2200D1300

『呪魂』と名のついた儀式カードにより降臨

①このカードが破壊され墓地に送られた場合墓地の『呪魂』と名のついたモンスターと儀式魔法をそれぞれ1枚手札に加える。

 

「…なぁムッツリーニ。博麗の呪魂はどんなデッキだっけ」

 

1度は見たことはあるだろうがいかんせん2年だけでも人数が多いからな。どんなデッキか覚えていないこともある。

 

「………博麗霊夢の『呪魂』はかなり珍しいデッキだ」

 

「なんで?」

 

「………全てのモンスターが()()()()()()()のデッキだ」

 

「私は儀式魔法 呪魂の儀式鏡を発動」

 

「…まじか。そんなデッキもあるのか」

 

呪魂の儀式鏡 儀式魔法

①『呪魂』と名のついた儀式モンスターの降臨に必要。自分の手札·フィールドから儀式召喚するモンスターのレベル分リリースしなければならない。

②墓地の『呪魂』と名のついたモンスターをゲームから除外することで墓地のこのカードを手札に戻す。

 

「手札の呪魂の闇をリリースし呪魂の軍団長を儀式召喚!」

 

「やーなやつが来たな」

 

呪魂の軍団長は破壊されると墓地のカードを回収する効果がある。下手に攻撃するとアド損…なんてこともあるからな。

 

「バトル!軍団長でホーリーレイヴィーナスに攻撃!」

 

魔理沙LP8000→7900

墓地の光属性モンスター4

 

「カードを1枚伏せてターンエンドよ」

 

霊夢LP8000

手札2

伏せ1

フィールド 呪魂の軍団長

 

「ワタシのターンドロー。ワタシは墓地に光属性が4体いるからコイツを特殊召喚だ!」

 

ホーリーレイクリスティア ☆8 A2800D2400

①墓地の光属性モンスターが4種いる場合のみ特殊召喚できる。

②相手の特殊召喚されたモンスターが効果を発動した時発動できる。その効果を無効にする。この効果は一ターンに1度しか発動出来ない。

③場に『ホーリーレイ』と名のついたモンスターが3枚いる場合このカードは特殊召喚出来ない。

 

「いいモンスターを出したな」

 

「クリスティアなら軍団長で呪魂が回収されても出てきたモンスターの効果を無効に出来るからね」

 

「さらに墓地に光属性が2種類以上いるからホーリーレイパーシアスも特殊召喚だ!」

 

ホーリーレイパーシアス ☆5A2300D1400

①墓地の光属性モンスターが2種類以上いる場合のみ特殊召喚できる。

②このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した時ワンドローできる。

 

「そのままバトル!ホーリーレイパーシアスで呪魂の軍団長を攻撃!」

 

「ただでやられる気はないわ。トラップオープン 呪魂の解放」

 

「うげぇぇー?!」

 

「すごいリアクションだな魔理沙。そんなに嫌なトラッp」

 

呪魂の解放 通常罠

①フィールド上の『呪魂』と名のついたモンスター一体を破壊して相手フィールド上のカードを2枚選択して発動する。そのカードを破壊する。

 

「…嫌なやつだったな」

 

「魔理沙ものすごいアド損だよ」

 

「軍団長で回収されるからな。ここは霧雨に勝って欲しいところなんだが…」

 

「魔理沙が負けると厳しいのか?」

 

「秀吉が負けたのが意外だったからな。ここは一勝して勢いを付けたいところだ」

 

「なるほどね」

 

「呪魂の軍団長が破壊されたことにより効果を発動。墓地の『呪魂の闇』と『呪魂の儀式鏡』を手札に戻す」

 

「くっそー!ワタシはこのままターンエンドだぜ…」

 

魔理沙LP7900

手札3

伏せ0

フィールド0

墓地の光属性6

 

「私のターンドロー」

 

「霧雨はトラップを伏せないのう」

 

「魔理沙のデッキは大量にデッキから墓地に送るから罠が使いずらいんだよな」

 

「手札に来ることもあるけど大体は墓地に行っちゃうからね」

 

「そうそう。それに大事なのは墓地の光属性の種類。モンスターに枠を割いた方が強いんだ」

 

「なるほど。そのような構築もあるんじゃな」

 

「私のターンドロー。メインフェイズに入り呪魂の儀式鏡を発動!」

 

「博麗はモンスターを並べてくるな」

 

呪魂の軍団長で手札が増えたことが大きく作用しているだろう。

 

「手札の呪魂の勇者(☆6)をコストに呪魂の闇を儀式召喚!」

 

呪魂の闇 ☆6 A2300D2000

①このカードを破壊して発動する。手札のこのカードよりレベルの高い『呪魂』と名のついた儀式モンスター一体を儀式召喚扱いで特殊召喚する。

 

「私は呪魂の闇の効果を…」

 

「待った!召喚時に手札からエフェクト·ヴェーラーを捨てて呪魂の闇の効果を無効にする!」

 

「っ…!厄介なことをするわね」

 

魔理沙墓地の光属性7

手札2

 

『あれ?なんで召喚時に使うんだ?効果を使ってからでいいだろ』

 

おっと。バカな(と言ってもバカしかいないが)クラスメイトがいるな。呪魂の闇はコストで破壊してから効果を発動する。よって効果発動時には場にいないためチェーンしてエフェクト·ヴェーラーは使えないんだよ。

 

「それならバトル!呪魂の闇でダイレクトアタック!」

 

魔理沙LP7900→5600

 

「これでターンエンドよ」

 

霊夢LP8000

手札2

伏せ0

フィールド 呪魂の闇

 

「ワタシのターンドロー。ワタシは魔法カード オリュンポスの集いを発動!」

 

オリュンポスの集い 通常魔法

①墓地の光属性モンスターが3種類以上いる場合のみ発動できる。デッキから『ホーリーレイ』と名のついたモンスター1枚を手札に加える。

『オリュンポスの集い』は一ターンに1度しか発動出来ない。

 

「効果でデッキからホーリーレイオーディンを手札に加える。そして墓地の光属性モンスターが7種類以上いるからそのままオーディンを特殊召喚!」2

 

ホーリーレイオーディン ☆9 A2800D2400

①墓地の光属性モンスターが7種類以上いる場合のみ特殊召喚できる。

②このカードはカードの効果で破壊されない。

③場の『ホーリーレイ』と名のついたモンスターが戦闘によって破壊される時代わりに墓地の光属性モンスターを2枚デッキに戻すことかできる。

④場に『ホーリーレイ』と名のついたモンスターが3枚いる場合このカードは特殊召喚出来ない。

 

「さらに墓地に光属性モンスターが6枚以上いるからホーリーレイアポロンを特殊召喚!」

 

ホーリーレイアポロン ☆7 A2500D2300

①墓地の光属性モンスターが6枚以上いる場合のみ特殊召喚できる。

②このカードが戦闘を行うダメージステップに墓地の光属性モンスターを1枚デッキに戻すことでターン終了時までこのカードの攻撃力を500upさせる。

 

「バトルだ!ホーリーレイオーディンでダイレクトアタック!」

 

霊夢LP8000→5200

 

「ホーリーレイアポロンでダイレクトアタックする時墓地のホーリーレイアテナをデッキに戻すことで攻撃力を500upさせるぜ!」

 

ホーリーレイアポロンA2500→3000

 

霊夢LP5200→2200

 

「よし!大ダメージだ」

 

「これでターンエンド」

 

魔理沙LP5600

手札1

伏せ0

フィールド ホーリーレイアポロン、ホーリーレイオーディン

墓地の光属性モンスター 7種類

 

「でも魔理沙もきついな」

 

「手札が少ないからね。ここを返されるとちょっときついかもね」

 

つまりここがデュエルの命運を決めるターニングポイントだ。

 

「私のターンドロー」

 

皆が霊夢のプレイングを気にする。

 

「私は墓地の呪魂の儀式鏡の効果を発動。墓地の呪魂の軍団長を除外することで墓地から手札に戻す」

 

これで手札にレベルが揃っていたら儀式召喚は約束されている。問題はどんなモンスターを出すのか…。

 

「呪魂の儀式鏡発動!手札の呪魂の曲芸士をコストに呪魂の王を儀式召喚!」

 

呪魂の曲芸士 ☆3 A1400D1400

呪魂と名のついた儀式カードにより降臨

①このカードを『呪魂』と名のついた儀式カードのコストにする時必要なレベル分になる。

②特殊召喚時にフィールド上の『呪魂』と名のついたモンスター一体を好きなレベルにすることができる。

 

呪魂の王 ☆8 A2800D1500

呪魂と名のついた儀式カードにより降臨

①このカードの儀式召喚時にデッキからカードを3枚めくる。その中の『呪魂』と名のついた儀式モンスターを1枚儀式召喚扱いで特殊召喚できる。残りはデッキに戻す。

 

「山札をめくり…」

 

「出た呪魂を特殊召喚するか」

 

「今私の手札にこのカード以上の攻撃力のモンスターはいないわ。だからめくったカードに全てをかける」

 

「……霊夢にしては運を天に任したな」

 

「こうするしか無かったのよ。でも昔から運はいい方だと思うから…いいカードが出ないように祈ってなさい!」

 

霊夢がカードを3枚めくる。その内容は…。

 

魂強奪、呪魂の闇、呪魂の狂戦士

 

「来た!」

 

霊夢が喜びの表情を出す。恐らくは…いや、確実にこの盤面を覆すカードがあるのだ。

 

「私は呪魂の狂戦士を儀式召喚扱いで特殊召喚する!」

 

呪魂の狂戦士 ☆10 A3100D0

呪魂と名のついたカードにより降臨。

①このカードの儀式召喚時に相手のこのカードより攻撃力の低いモンスター一体を破壊する。

②このカードは相手モンスターに2回攻撃ができる。

 

「…運良すぎだろ…」

 

「呪魂の狂戦士が儀式召喚した時の効果!ホーリーレイアポロンを破壊!」

 

アポロンが破壊される。そして次の矛先はオーディンに向けられる。

 

「呪魂の狂戦士でホーリーレイオーディンを攻撃!」

 

「墓地の光属性モンスターを2枚デッキに戻すことで戦闘破壊を無効にする!」

 

「けどダメージは受けてもらうわ」

 

魔理沙LP5600→5300

 

「さらに呪魂の狂戦士はモンスターに2度攻撃できる。もう一度オーディンに攻撃!」

 

「破壊を無効にする」

 

魔理沙LP5300→5000

墓地の光属性モンスター4

 

「…カードを1枚セットしてターンエンド」

 

霊夢LP2200

手札0

伏せ1

フィールド 呪魂の狂戦士、呪魂の王

 

「やるな霊夢。ここまで追い詰められるとは思わなかったぜ」

 

「私もよ。でもそろそろ勝負が見えたんじゃない」

 

「それはどうかな!ドロー!」

 

魔理沙の手札は2枚。今度は魔理沙がこの盤面をひっくり返せるか…。

 

「ワタシは魔法カード 神との対話を発動する!」

 

神との対話 通常魔法

墓地の光属性モンスターが4種類以上いる場合のみ発動できる。

①デッキの上から3枚めくりその中の『ホーリーレイ』と名のついたモンスター一体を手札に加える。残りは墓地に送る。

 

「今度は霊夢が祈るんだな!いいカードが出ないように!」

 

魔理沙はデッキをめくる。デッキを信じて。

 

ホーリーレイミカエル、ホーリーレイヘラ、ホーリーレイデュアルガンナー

 

「完璧だぜ!ホーリーレイデュアルガンナーを手札に加えて残りは墓地に送る。」

 

墓地の光属性モンスター6

 

「そして墓地の光属性モンスターが6種類以上いる場合のみこのカードは特殊召喚できる。現れろホーリーレイデュアルガンナー!」

 

神との対話で落ちたカードでちょうど6種類。本当に魔理沙も運が良かったようだ。

 

ホーリーレイデュアルガンナー ☆8 A2700D1700

①墓地の光属性モンスターが6種類以上いる場合のみ特殊召喚できる。

②このカードが攻撃宣言をした場合相手モンスターを破壊する。その後相手のフィールド上のカードを1枚破壊することができる。

③場に『ホーリーレイ』と名のついたモンスターが3枚いる場合このカードは特殊召喚出来ない。

 

「いいぞ魔理沙!まさに一発逆転のカードだ!」

 

「デュアルガンナーなら博麗さんのモンスターを2体とも破壊出来てオーディンでトドメだ!」

 

「バトルフェイズ!デュアルガンナーで呪魂のk「トラップオープン」…なんだと?!」

 

霊夢は魔理沙の希望を打ち砕くかのようにトラップを発動した。

 

「呪魂侵略」

 

呪魂侵略 通常罠

墓地のモンスターが儀式モンスターの場合のみ発動できる。

①場のモンスター一体をゲームから除外する。その後墓地の呪魂と名のついたモンスター一体をゲームから除外することで相手モンスター一体の攻撃力を次の自分のエンドフェイズまで0にする。②の効果を発動した場合このターン攻撃宣言出来ない。

 

「なにっ?!」

 

「まずホーリーレイデュアルガンナーをゲームから除外。次に墓地の呪魂の曲芸士をゲームから除外する事でホーリーレイオーディンの攻撃力を0にする!」

 

「………くそっホーリーレイオーディンを守備表示にしてターンエンドだぜ」

 

魔理沙LP5000

手札2

伏せ0

フィールド ホーリーレイオーディン

墓地の光属性モンスター6

 

「私のターンドロー。そのままバトル!呪魂の狂戦士でオーディンを攻撃!」

 

「オーディンの効果は発動しないぜ」

 

魔理沙がオーディンの効果を発動しなかった理由。墓地の光属性モンスターを減らしたく無かったのだろう。次のドローで引いたカードが出せるように。つまり…

 

「まだ諦めてないようね。呪魂の王でダイレクトアタック!」

 

「ワタシが諦める訳ないのは知ってるだろ」

 

魔理沙LP5000→2200

 

「えぇ。だから次で本当に勝者が決まるわね」

 

霊夢LP2200

手札1

伏せ0

フィールド 呪魂の狂戦士、呪魂の王

 

「あぁ。………ワタシのターンドロー!」

 

魔理沙のドローしたカードは……

 

「……くそ!ターンエンドだ!」

 

「…ダメだったか」

 

「もう少しだったんだけどね」

 

「何、まだうちのクラスが負けた訳じゃない、これからだ」

 

デュエルは呪魂の狂戦士のダイレクトアタックにより決まった。

 

魔理沙LP2200→0

 

「勝者博麗霊夢!」




まずは魔理沙の『ホーリーレイ』から。元にしたのはライトレイですね。3枚以上あると特殊召喚出来ない理由は1度プロキシみたいな感じで回してみたら簡単に大量展開できて強すぎたので出来た苦肉の策です。ライトロードと合わせたら強そうですね。
次に霊夢の『呪魂』。じゅこんです。全モンスターが儀式モンスターなので面白いデッキになったかなーと。儀式と除外を使うデッキです。
チラチラカード名だけ出てきたものがありますが今後デュエルする時に出てくるでしょう。お待ちください。、


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6話 康太VS工藤

6話です。2週間に1話は投稿したかったのですがギリギリ間に合いませんでしたー!これからはなるべく2週間以内には投稿したいです。


「くそっー!負けちまったぜ…」

 

「ドンマイ魔理沙」

 

「もうちょっとだったね」

 

「そうなんだよ。ドローが良ければ…」

 

「それを言い出してはキリがないぞ?」

 

「…それもそうだ」

 

「だがもう2敗、ここら辺で一勝が欲しいな…。康太!」

 

「………了解した」

 

康太が静かにフィールドにでる。

 

「さすが康太、必殺仕事人みたいな雰囲気が出てるよ!」

 

「少しは伏せる努力をしろよ明久…」

 

「無理だな明久には、デリカシーないし」

 

「何言ってるんだよ光輝。そんなこと…」

 

「デリカシーないな」

 

「魔理沙?!」

 

「デリカシーないわね」

 

「美波も?!」

 

「わ、私はあると……思いま……す」

 

「しっかりして姫路さん!フォローするならしっかりして!」

 

ったく、明久のせいで脱線したな「僕のせいかな?!」。えーと、康太の対戦相手は…

 

「やっほー。君がムッツリーニ君だね。ボクは工藤愛子!よろしくね」

 

何やら元気そうな女子だな。

 

「ボクもムッツリーニ君の同じで保健体育が得意なんだよね。でもムッツリーニ君と違って…実技でね」

 

「………実技…だと?!」

 

若干鼻血を出す康太。

 

「やばい!耐えろ康太!」

 

「流血沙汰になって試合が流れたら元も子もねぇ!」

 

「く、卑怯な!ムッツリーニを惑わせる作戦だね工藤さん!」

 

「そんなつもりはなかったんだけど…何なら吉井君にも保健体育を教えてあげようか?もちろん実技で」

 

「(何言ってるの工藤さん、冗談もそのくらいにしときなよ)ぜひお願いします」

 

「明久よ、本音が出とるぞ」

 

「しまった!」

 

「あ、明久にそんなこと必要ないぜ!それに実技で教えて欲しいならワタシが…

 

「ん?最後だけ聞き取れなかったんだけどなんて行ったの魔理沙?」

 

「何でもない!!」

 

「え、そう?ならいいんだけど」

 

みるみる顔が赤くなっていく魔理沙。恥ずかしくなるなら言わなければいいのに。

 

「でも何かあったらすぐに言ってね」

 

「……うん」

 

あいつらはすぐにイチャつくな。何?見せつけないと気が済まないのか?

 

「…そろそろ始めてもよろしいですか?」

 

おっと、流石に茶番が過ぎたな。康太の応急処置も済んだことだしデュエル開始だな。

 

「それでは始めて下さい」

 

「「デュエル」」

 

「先行は貰うね、ドロー。ボクは魔法カード光の援軍を発動するよ」

 

ライトロード。魔理沙のホーリレイと似たように墓地にライトロードを大量に落とすギミックのデッキだ。落ちれば落ちるほど強くなるな。

 

「まずコストで山札から3枚を墓地に送るよ」

 

墓地に落ちたカード ライトロードパラディンジェイン、ソーラーエクスチェンジ、オネスト

 

「その後効果でライトロードサモナールミナスを手札に加えて……ライトロードマジシャンライラを召喚してターンエンド。エンドフェイズにライラの効果でデッキから3枚を墓地に送る」

 

墓地に落ちたカード ライトロードモンクエイリン、死者転生、ライトロードビーストウォルフ

 

「ラッキー!ウォルフがデッキから墓地に落ちたから特殊召喚するよ」

 

工藤

LP8000

手札5

伏せ0

フィールド ライラ、ウォルフ

 

「………俺のターン、ドロー」

 

さて、一ターン目からいい動きをしたライトロードに対してどう動く?

 

「………俺は速攻忍者ー段蔵を召喚する」

 

速攻忍者ー段蔵 ☆4 A1300D1200 風 戦士族

①このカードの召喚·特殊召喚時にデッキから『速攻忍者』と名のついたモンスターを一体手札に加える。

 

「………効果でデッキから『速攻忍者ーサスケ』を手札に加える。そして速攻忍者ーサスケは俺の場のモンスターより相手の方が多い場合特殊召喚できる」

 

速攻忍者ーサスケ ☆4 A1300D1200 風 戦士族

①相手のモンスターが自分のモンスターより多い場合このカードは手札から特殊召喚出来る。

 

「☆4が2体……来るぞ遊馬!」

 

「明久、誰だよ遊馬って」

 

「いや、体が勝手に……」

 

「………☆4の速攻忍者ー段蔵とサスケをオーバーレイ。駆けつけろ★4 速攻忍者ー服部半蔵」

 

速攻忍者ー服部半蔵★4 A2500D1400 「速攻忍者と名のついた☆4モンスター2体」風 戦士族

①一ターンに1度このカードのエクシーズ素材を取り除いて発動する。墓地の『速攻忍者』と名のついたモンスター1枚を手札に加える。

 

「………服部半蔵の効果。素材を取り除いて今取り除いた段蔵を回収する」

 

「つえーなあの動き」

 

「手札が全然減ってないからね」

 

「ムッツリーニの速攻忍者はアドをよく稼ぐデッキじゃし当然じゃろう」

 

「………バトル。服部半蔵でライラに攻撃」

 

工藤LP8000→7200

 

「………カードを1枚伏せてターンエンド」

 

康太

LP8000

手札5

伏せ1

フィールド 速攻忍者ー服部半蔵

 

「ボクのターンドロー。まずは魔法カード ソーラーエクスチェンジを発動。手札のウォルフを墓地に送って2枚ドロー。そしてデッキから2枚墓地に送るよ」

 

墓地に落ちたカード ライトロードモンクエイリン、ライトロードハンターライコウ

 

「そしてライトロードサモナールミナスを召喚。効果発動!手札のネクロガードナーを墓地に送って墓地のライラを特殊召喚。ライラの効果発動。守備表示にすることでセットされたカードを破壊だ」

 

「………チェーンしてトラップ発動 速攻忍術ー火遁」

 

速攻忍術ー火遁 通常罠

①このターンフィールド上の『速攻忍者』は破壊されない。

 

「うーん、破壊出来なくなっちゃったか。じゃあ作戦変更!フィールドのルミナスを手札に戻して手札からライトロードキャスターマリンを特殊召喚する!」

 

ライトロードキャスターマリン ☆3 チューナー A1200D1500 魔法使い族 光

①フィールド上の『ライトロード』と名のついたモンスター1枚を手札に戻して発動する。このカードを手札から特殊召喚する。

②エンドフェイズにデッキからカードを2枚墓地に送る。

 

「☆4ライトロードマジシャンライラに☆3ライトロードキャスターマリにをチューニング!シンクロ召喚☆7ライトロードアークミカエル!」

 

「あれはアカンやつやで!」

 

「明久?!さっきからキャラが崩壊してるぞ!」

 

「か、体が…」

 

「アークミカエルは1000LP払うと場のカードを除外できるから服部半蔵を除外するよ」

 

工藤LP7200→6200

 

「………っ?!」

 

「バトル!アークミカエルでダイレクトアタック!」

 

康太LP8000→5400

 

「ターンエンドでアークミカエルの効果でカードを3枚墓地に送るね」

 

墓地に落ちたカード おろかな埋葬、ゴブリンドバーグ、オネスト

 

工藤

LP6200

手札4

伏せ0

フィールド アークミカエル

 

「………俺のターンドロー」

 

「除外は痛いな、速攻忍者特有のアドバンテージが取れないぞ」

 

「でもまだ手札もあるからこれからだよ」

 

「………速攻忍者ー段蔵を召喚。効果でデッキから『速攻忍者ー猿飛』を手札に。そして場に『速攻忍者』がいる時猿飛は特殊召喚できる」

 

速攻忍者ー猿飛 ☆4 A1400D1200 風 戦士族

①フィールド上に『速攻忍者』と名のついたモンスターがいる場合このカードは手札から特殊召喚できる。

 

「………☆4の速攻忍者ー段蔵と猿飛をオーバーレイ。駆けつけろ★4 速攻忍者ー石川五右衛門」

 

速攻忍者ー石川五右衛門 ★4 「速攻忍者と名のついた☆4モンスター2体」A2400D1600 風 戦士族

①一ターンに1度エクシーズ素材を1枚取り除いて1枚ドローする。

②このカードが墓地に送られた場合墓地の『速攻忍者』1枚を手札に加えることができる。

 

「………石川五右衛門の効果。エクシーズ素材の猿飛を取り除いてワンドローする」

 

「でもそのモンスターじゃアークミカエルは突破できないよ」

 

「確かに五右衛門じゃ突破できないな」

 

「けど速攻忍者はここから()()()()!」

 

「………俺は魔法カード 速攻忍術ー移しみを発動!」

 

速攻忍術ー移しみ 通常

①フィールド上の『速攻忍者』と名のついたエクシーズモンスターを一体選択して発動する。そのモンスターの★+1のエクシーズモンスターをそのモンスターに重ねてエクシーズ召喚する。

 

「………石川五右衛門をカオスエクシーズチェンジ。駆けつけろ★5 速攻忍者ー黒夜叉!」

 

速攻忍者ー黒夜叉 ★5 A2600D2400

①一ターンに1度エクシーズ素材を1枚取り除いて相手のモンスターフィールド上のカードを1枚選択して発動する。そのカードを破壊する。その後1枚ドローする。

 

「………黒夜叉の効果発動。素材の石川五右衛門を墓地に送ってアークミカエルを破壊する。そしてワンドロー」

 

「あぁー!酷いことするなー」

 

「………石川五右衛門が墓地に送られた時の効果。墓地の速攻忍者ー猿飛を手札に戻す」

 

「えぇーエクシーズ素材として墓地に送られても効果が発動するの?!」

 

「………もちろんだ。そして猿飛を特殊召喚。バトル、猿飛でダイレクトアタック」

 

工藤LP6200→4800

 

「………黒夜叉でダイレクトアタック」

 

「ネクロガードナーを墓地から除外して攻撃を防ぐ!」

 

「………カードを2枚伏せてターンエンド」

 

康太

LP5400

手札4

伏せ2

フィールド 猿飛、黒夜叉

 

「うーん、ひっくり返されちゃったな。でもこれから!ドロー!」

 

「愛子ー!頑張ってー!」

 

「任せてよ優子!墓地に『ライトロード』が4種類以上いるからジャッジメントドラグーンを特殊召喚する!」

 

「来たなライトロードの切り札」

 

「簡単に出せる癖に強いからね」

 

「けどムッツリーニが対策してない訳ないよな」

 

「………トラップ発動 速攻忍術ー暗殺」

 

速攻忍術ー暗殺 永続

①一ターンに1度手札の『速攻忍者』を1枚ゲームから除外して発動する。相手フィールド上のモンスター1枚を墓地に送る。

②このカードの発動から3ターン後の自分のエンドフェイズにこのカードを破壊する

 

「………手札の速攻忍者ーサスケを除外することでジャッジメントドラグーンを墓地に送る」

 

「あぁ!ボクの切り札が…」

 

「よし!上手く対処出来たな」

 

「…しかしまだ通常召喚は残っておるからのう。油断は出来んぞ」

 

「………これで終わりか?」

 

「…そんなわけない!手札からゴブリンドバーグを召喚。効果発動!手札から☆4以下のモンスター ライトロードサモナールミナスを特殊召喚!」

 

「………速攻魔法発動。速攻忍術ー影縫い」

 

速攻忍術ー影縫い 速攻魔法

①場の『速攻忍者』を1枚墓地に送って発動する。相手フィールド上のモンスター1枚のコントロールをエンドフェイズまで得る。そのモンスターはこのターンアタックできない。

 

「………猿飛を墓地に送りルミナスのコントロールを得る」

 

「ルミナスの効果も封じた!」

 

「このターンは康太の完封だな」

 

「ルミナスまで……もう!ターンエンドだよ!」

 

「………ルミナスはお前のフィールドに戻る」

 

「ルミナスの効果でカードを3枚墓地に送るよ」

 

墓地に落ちたカード ジェイン、ライラ、グローアップバルブ

 

工藤

LP4800

手札2

伏せ0

フィールド ゴブリンドバーグ、ルミナス

 

「………俺のターンドロー。…このターンで終わらせるぞ」

 

「なんだって?!」

 

ざわめくギャラリー達

 

「康太の勝利宣言だ!」

 

「………速攻忍者ー霧隠才蔵を召喚」

 

速攻忍者ー霧隠才蔵 ☆4 A1700D1200 風 戦士族

①このカードの召喚時に手札の『速攻忍者』1枚を特殊召喚できる。

 

「………霧隠才蔵の効果で手札から速攻忍者ー段蔵を特殊召喚。段蔵の特殊召喚時の効果でデッキから速攻忍者ー猿飛を手札に。そして場に速攻忍者がいるため猿飛も特殊召喚!」

 

次々に召喚されていく速攻忍者。これこそが速攻忍者の真骨頂。アドバンテージを稼ぎ、モンスターを展開していく。

 

「………速攻忍者ー黒夜叉の効果。素材を取り除きルミナスを破壊、ワンドローする」

 

工藤は悟る。

 

(これは…負けちゃったかな?)

 

「………バトル!段蔵でゴブリンドバーグを攻撃。そして猿飛でダイレクトアタック!」

 

工藤LP4800→3400

 

「………霧隠才蔵でダイレクトアタック!」

 

工藤LP3400→-1700

 

「………黒夜叉でトドメ!」

 

工藤LP1700→0

 

「………俺の勝ちだ」

 

湧き上がるFクラス。




ムッツリーニの速攻忍者は作中でもある通りサーチが多めでとにかくアドを稼ぎます。またエクシーズモンスターのランクアップも多様していきます。どんなエクシーズがいるかはお楽しみに


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7話 姫路VS久保

7話です。最近あまりやる気が起きず遅くなりました。スランプとかでは無いですけどこれから落ちるかもしれないです。すいません。あと地味に久保を何デッキにするか結構悩みました。


「やったねムッツリーニ!」

 

「良くやったムッツリーニ!」

 

Fクラスから起こるムッツリーニコール。ようやく一勝したから仕方ないと思うが…

 

「………やめろ、そんな名前の人知らない」

 

ちょっと可哀想な気がする。康太がムッツリーニって事がバレたしな。

 

「よし、この流れに乗るぞ!姫路、頼めるか?」

 

「は、はい!頑張ります!」

 

次は姫路か。よく学力の方に目が行きがちだがデュエルの腕もかなり高いんだよな。

 

「ひ、姫路さん…その頑張ってね」

 

?なんか明久の野郎が変によそよそしいな。

 

「はい、行ってきます」

 

(…明久、お前姫路となんかあったろ)

 

(?!べ、べべ別に?!な、なんもないよ)

 

(動揺しすぎだバカ。大方告られでもしたんだろ)

 

「ぶふぉ?!」

 

「?どうした明久。いつも以上に変だが」

 

「いつも変じゃないよバカ雄二!」

 

「…はぁー、図星か。ま、この話は後でだ。今は姫路を応援してやろうぜ」

 

「う、うん、そうするよ」

 

バカで不器用で優しいからな明久は。ずっと姫路の事で悩んでたんだろ。全く、相談くらいしろよな。

 

そんな事をやっているうちに姫路が壇上に上がる。

 

「君が相手か、姫路さん」

 

既に壇上に上がっていた姫路の対戦相手__久保が冷静な口調でそういう。

 

久保と姫路は去年の勉学の成績では5分だった。毎度次席の座をかけて抜いたり抜かれたりとしていた。しかしこれはデュエル、どっちが勝つのかは正直予想がつかない。

 

「久保君とデュエルするのは久しぶりですね」

 

「そうだね、僕としては学力での決着をつけたかったけどこうなった以上全力で勝ちに行くよ」

 

「それは私もです!」

 

お互いやる気は十分のようだ。

 

「両者ともいいですか?それでは、デュエル開始!」

 

「「デュエル!」」

 

「先行は私です。ドロー!私は手札からヘカテリスを墓地に送ってデッキから『神の居城ーヴァルハラ』を手札に加えます」

 

姫路のデッキは天使族デッキ。強力な天使達を特殊召喚し、場を制圧していくデッキだ。

 

「私は神の居城ーヴァルハラを発動。その効果により手札から大天使クリスティアを特殊召喚します!」

 

「えげつねー」

 

「クリスティアはお互いの特殊召喚を封じるからね、あれだけで詰むデッキもあるくらい強力だよ」

 

クリスティアを出されて苦い顔をする久保。無理もないか。

 

「容赦ないね姫路さん」

 

「もちろんです!私もクラスのために頑張りたいですから!カードを1枚セットしてターンエンドです」

 

姫路

LP8000

手札3

伏せ1

フィールド クリスティア、ヴァルハラ

 

「僕のターンドロー。僕はまずダークグレファーを召喚する」

 

「ダークグレファーか、まずは仕込みに来たな」

 

「させません!トラップ発動、サンダーブレイク。手札の光神テテュスを墓地に送ってダークグレファーを破壊します!」

 

「っ?!」

 

「本当に容赦ないな姫路。このまま久保に何もさせないで勝つつもりか?」

 

「相手のやりたいことをやらせないのはデュエルの基本だけど、それがどこまで続くかだよね」

 

明久の言葉に頷く。実際姫路の手札は少ない。これからやれる事も少なくなってくるだろう。

 

「…まぁいいよ、多少予定は狂ったけど問題ない。カードを3枚セットしてターンエンドだよ」

 

久保

LP8000

手札2

伏せ3

フィールド0

 

「私のターンです。ドロー。そのままバトル!クリスティアでダイレクトアタックです!」

 

「甘よ、トラップ発動次元幽閉」

 

「なぁ!」

 

「次元幽閉か…最悪だな」

 

「破壊ならクリスティアはデッキトップに戻るけど除外されるとどうしようもないからね」

 

「…流石です、久保君。でもまだです。メインフェイズ2でヴァルハラの効果発動、手札からThe splendid VENUS(ザ・スプレンディッド・ヴィーナス)を特殊召喚します」

 

「ザ・スプレンディッド・ヴィーナスか、戦闘に置いてはかなり優秀だな」

 

「けど魔法.罠の耐性が無いから油断できないよ」

 

ザ・スプレンディッド・ヴィーナスは天使族以外の攻撃力を500ダウンさせる。久保のデッキにも刺さるだろう。しかし………。

 

「カードを1枚セットしてターンエンドです」

 

姫路

LP8000

手札2

伏せ1天使の墳墓

フィールド ザ・スプレンディッド・ヴィーナス、ヴァルハラ

 

 

「僕のターンドロー。ふむ、いいカードだ。僕はリバースカード インフェルニティ.インフェルノを発動」

 

久保のデッキはインフェルニティ。手札を0にすることにより真価を発揮する珍しいデッキ。

 

「効果により僕は手札から2枚のカード、インフェルニティ.デーモンとヘルウェイパトロールを墓地に送ってデッキからインフェルニティ.ビートルとインフェルニティ.デストロイヤーを墓地に送る」

 

「手札が残り1枚……来ますね」

 

「さぁ姫路さん、僕を満足させてくれ!手札からインフェルニティ.ネクロマンサーを通常召喚!」

 

インフェルニティ.ネクロマンサーは召喚時に守備表示になる。いや、そんな事はどうでもいい。問題は手札が0枚の時に発動する効果だ。

 

「インフェルニティ.ネクロマンサーの効果発動!手札が0枚の時に墓地から『インフェルニティ.ネクロマンサー』以外のインフェルニティ一体を特殊召喚できる。蘇れインフェルニティ.デーモン!」

 

「来ましたね、インフェルニティの連鎖が…」

 

「デーモンの特殊召喚時の効果発動。手札が0枚の時に特殊召喚するとデッキから『インフェルニティ』カードを手札に加えることが出来る。僕はインフェルニティ.ミラージュを手札に加える。そして墓地のヘルウェイパトロールの効果発動。墓地のこのカードを除外して手札の攻撃力2000以下の悪魔族を特殊召喚する。現れろインフェルニティ.ミラージュ。ミラージュの効果発動。このカードをリリースして墓地の『インフェルニティ』を2体特殊召喚する。来い、ビートル、デストロイヤー!」

 

インフェルニティは数あるデッキの中でも特殊召喚を多く使う。まだまだこれから動いてくるだろう。

 

「インフェルニティ.ビートルの効果発動。このカードをリリースしてデッキから同名カードを特殊召喚する。ビートル2体をデッキから特殊召喚」

 

「チューナーが2体…久保はどのシンクロモンスターを出すんだ?」

 

「少なくともザ・スプレンディッド・ヴィーナスを倒せるモンスターだよね」

 

「☆3インフェルニティ.ネクロマンサーに☆2インフェルニティ.ビートルをチューニング!現れろ☆5A.O.Jカタストル!さらに☆4インフェルニティ.デーモンに☆2インフェルニティ.ビートルをチューニング!現れろ☆6 インフェルニティ.デスマスク!」

 

インフェルニティ.デスマスク ☆6 闇 戦士族 A2500D1500 「チューナー+インフェルニティと名のついたモンスター」

①自分の手札が0枚の時に発動できる。相手モンスターの攻撃を無効にする。この効果は一ターンに2度まで発動できる。

 

「バトル!カタストルでザ・スプレンディッド・ヴィーナスを攻撃!」

 

「カタストルは闇属性意外とのバトルは強制的に勝つからな」

 

「ヴィーナスの効果も無意味になるね」

 

「…カタストルの効果でヴィーナスは破壊されます」

 

「インフェルニティ.デストロイヤーでダイレクトアタック!」

 

姫路LP8000→5700

 

「続いてインフェルニティ.デスマスクでダイレクトアタック!」

 

姫路LP5700→3200

 

「僕はこれでターンエンドだ」

 

久保

LP8000

手札0

伏せ1

フィールド カタストル、デストロイヤー、デスマスク

 

「これはきついな。かなり責めづらいぞ」

 

「攻撃を防ぐデスマスク、闇属性意外は破壊するカタストル、戦闘での突破は難しいね」

 

「さらにリバースカードもあるしのう。絶対に邪魔する何かなのじゃろう」

 

まさに絶体絶命…。

しかしそれでも姫路に諦めた様子は見られない。

 

「私のターン、ドロー!」

 

「…サレンダーはしないんだね」

 

「もちろんです。まだ負けたわけじゃないですから!」

 

確かに。状況が不利とはいえ逆転出来ないという事もない。デュエルは何が起こっても不思議ではないから。

 

「私は魔法カード 死者蘇生を発動します!」

 

「残念だけどそれは許可できない。トラップ発動 インフェルニティ.バリア」

 

インフェルニティ.バリア…発動条件を満たすとモンスター、魔法、罠の全ての発動を無効にするカード。

 

「…やはりバリアでしたか」

 

「読んでいたのかい?」

 

「ええ、インフェルニティデッキの注意カードの1つですから。ですから本命はこっちです!リバースカード発動 天使の墳墓!」

 

天使の墳墓 通常罠

①手札の天使族モンスターを1枚墓地に送って発動する。お互いにカード1枚ドローする。その後お互いにデッキからモンスターを1枚墓地に送る。

 

「なに?!」

 

そのカードは普通だったらあまり使われないだろう。相手にもアドバンテージを与えるからだ。しかし天使族は攻撃力の高いモンスターが多いためそのターン中に勝負を決められたり、クリスティアで与えたアドバンテージを使わせないなどカバーできるのだ。

 

「手札から堕天使スペルビアを捨てて発動します。まずお互いワンドロします!」

 

「………くっ…!」

 

「よし、相手の手札が増えた!」

 

「これでデスマスクが効果を発動できない!」

 

「そしてデッキからモンスターを墓地に送ります。私は大天使クリスティアを落とします」

 

「…僕はインフェルニティ.リベンジャーを墓地に送るよ」

 

「そして私はヴァルハラの効果を発動します。手札から堕天使パイモンを特殊召喚します!」

 

堕天使パイモン ☆7 闇 天使族 A2600D1400

①LPを2000払って発動する。墓地の天使族モンスター一体を特殊召喚する

 

「パイモンの効果発動!LPを払って墓地から堕天使スペルビアを特殊召喚します!」

 

姫路LP3200→1200

 

「スペルビアの効果発動!墓地からの特殊召喚に成功した時墓地の天使族を特殊召喚できます!出てきてクリスティア!」

 

「いいぞ姫路!」

 

「いけー姫路さん!」

 

「バトルです!堕天使スペルビアでカタストルに攻撃!」

 

久保LP8000→7300

 

「大天使クリスティアでインフェルニティ.デスマスクに攻撃!」

 

久保LP7300→7000

 

「堕天使パイモンでインフェルニティ.デストロイヤーに攻撃!」

 

久保LP7000→6700

 

「カード1枚伏せてターンエンドです」

 

姫路

LP1200

手札0

伏せ1

フィールド ヴァルハラ、スペルビア、パイモン、クリスティア

 

クリスティアのおかげで特殊召喚が封じられた今インフェルニティはかなりやる事が制限されているだろう。

 

「すごいよ姫路さん。まさか一ターンで返されるとは。…ドロー!………僕はモンスターをセット、カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

「エンドフェイズにリバースカード発動!サイクロン。セットされたカードを破壊します!」

 

「っ?!」

 

それは古き良き戦法__エンドサイクである。

 

破壊されたカード ミラーフォース

 

「ミラーフォースか、危なかったな」

 

久保

LP6700

手札0

伏せ0

フィールド セットモンスター

 

「私のターンドロー!私はヘカテリスを通常召喚します。そしてバトル!堕天使パイモンでセットモンスターを攻撃!」

 

セットモンスター ゾンビキャリア

 

「ヘカテリスでダイレクトアタック!」

 

久保LP6700→5200

 

「大天使クリスティアでダイレクトアタック!」

 

久保LP5200→2400

 

「最後です!堕天使スペルビアでダイレクトアタック!」

 

「…満足出来なかったか……」

 

久保LP2400→0

 

「勝者 姫路瑞希!」



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8話 光輝VS幽香

8話です。ゆっくりしていたらこんなに期間が空くとは、時の流れは早いですね。けどしばらくはこのペースだと思います。


「よっしゃ!これで並んだぞ!」

 

またも湧き立つFクラス。姫路が勝ったことでお互い2勝。結果が振り出しに戻った。

 

「ふぅ、勝てて良かったです」

 

「流石だ姫路。この一勝はでかい」

 

「ナイスデュエル!」

 

「やっぱり頼れる存在じゃの」

 

「………ナイス」

 

「そ、そんなことないですよ」

 

みんなから褒めちぎられ顔を赤くしながら照れる姫路。

 

(ほら明久、お前も言ってこいよ)

 

(う、うん)

 

「姫路さん、その…お疲れ様。いいデュエルだったよ」

 

「ありがとうございます!私もお役に立ちましたか?」

 

「もちろん!これ以上ない活躍だったよ」

 

「えへへ、ありがとうございます!」

 

「……なんか近くね?」

 

俺は姫路と明久を見てて思った。近いというのは2人の心の距離だけでなく物理的にもそうだった。

 

(振られたんだよな、姫路は?あれじゃあ傍から見たら付き合ってるように見えるぞ)

 

俺はチラリと魔理沙を見る。案の定顔が不機嫌だった。

 

(これは……修羅場だな)

 

俺はこれから起きるかもしれない月9ドラマのような展開を予想して1人静かに明久に合掌をした。

 

 

 

「さて雄二。次は誰が行く?」

 

次に出る使者を雄二に聞く。

 

「ここはさらに連勝して勢いに乗りたい。光輝頼めるか」

 

頼めるか。雄二から言われた俺は自然と口角が上がる。

 

「やっとか!みんなのデュエルを見てうずうずしてたんだ!」

 

意気揚々とステージの上に上がる。先程からいいデュエルばかりで感情が昂っていた。そんな俺の対戦相手は…

 

「やる気は十分みたいね光輝」

 

幽香だった。

 

「あれ、俺の対戦相手は幽香だったか」

 

「あら、私じゃ不満だったかしら?」

 

「そうじゃない。てっきり凛の奴が出てくると思ってたからな」

 

凛と俺の実力は互角。そしてデュエルの成績の1位と2位だ。順位的な意味でいえば俺の対戦相手の最適解は凛だと思っていたんだが…

 

「凛には明久を担当して貰ったの」

 

「それは作戦か?」

 

「半分はそうね」

 

なるほど。俺よりも明久と戦わせた方が勝率が高いと思ったんだろう。けど舐められたもんだな。

 

「明久を舐めてると痛い目見るぞ?」

 

「舐めてなんかいないわ。彼の実力は十分知っていての行動なのよ」

 

「そうか。…それで、もう半分の理由は?」

 

まぁ大体予想はしているが

 

「決まってるでしょ。いい加減あなたを倒したいのよ」

 

幽香は深い笑みを浮かべて言った。

 

「やっぱりか。相変わらず負けず嫌いだな」

 

「それに関してはお互い様よ」

 

「確かにそうだな」

 

幽香と俺のデュエルは俺が勝ち越している。そのため負けず嫌いの幽香はこの大舞台で俺をぶっ潰したいらしい。

 

「いいぜ、受けて立つ!」

 

「…両者準備はいいですね。では…初め!」

 

「「デュエル!」」

 

「先攻は俺だ、ドロー!まずは魔法カード 龍の供物を発動」

 

龍の供物 通常

①デッキから『レインボーアイズ』を1枚墓地に送る。『龍の供物』は一ターンに1度しか発動できない。

 

「デッキからレインボーアイズチェトレドラゴンを墓地に送る」

 

レインボーアイズチェトレドラゴン 光 ドラゴン☆8A2800D2400

①手札か墓地の『レインボーアイズ』を一体特殊召喚する。『レインボーアイズチェトレドラゴン』の効果は一ターンに1度しか発動できない。

 

「さらに手札からレインボーアイズホープドラゴンを通常召喚する」

 

レインボーアイズホープドラゴン 光 ドラゴン☆4A1700D1500

①このカードが召喚.特殊召喚した場合デッキから『レインボーフュージョン』と名のついたカードを1枚手札に加える。

 

「効果でデッキからレインボーフュージョンを手札に加える」

 

レインボーフュージョン 通常魔法

①レインボーアイズと名のついた融合モンスターによって決まられた融合素材を手札又は場から墓地に送ることで融合召喚する。

②ゲームから除外されているレインボーアイズを1枚墓地に戻すことで墓地のこのカードを手札に戻す。

 

「カードを1枚セットしてターンエンドだ」

 

光輝

LP8000

手札4

伏せ1

フィールド ホープドラゴン

 

「私のターンドロー。ふーんそうね…」

 

「全力で来ないとすぐに決着がつくぜ」

 

「知ってるわよ。何回デュエルしてると思ってるの」

 

光輝のレインボーアイズは高い攻撃力を持つドラゴンを次々に召喚するデッキ。つまりワンキルしやすいのだ。

 

「私は手札からローンファイアブロッサムを通常召喚。効果発動、自身をリリースする事でデッキから好きな植物族を特殊召喚する」

 

「まずは定石通りだな」

 

「デッキからローンアイスブロッサムを特殊召喚」

 

ローンアイスブロッサム 水 植物☆3A500D1400

①一ターンに1度自分フィールド上の植物族モンスターをリリースして発動する。墓地または除外されている植物族を一体特殊召喚する。

 

「そのままローンアイスブロッサムをリリースして墓地のローンファイアブロッサムを特殊召喚。またローンファイアブロッサムの効果発動」

 

これにより墓地に2種類のブロッサムが置かれる。これでいつでも再利用が効くようになった。

 

「私はデッキからギガプラントを特殊召喚」

 

「ギガプラント…そうそうに破壊しないとやばいね」

 

「デュアルで再召喚すると植物族を特殊召喚出来るからのう。残しておくと厄介じゃ」

 

「バトル!ギガプラントでホープドラゴンを攻撃!」

 

「リバースオープン!欠けた虹」

 

欠けた虹 永続罠

①『レインボーアイズ』が墓地に送られた場合発動出来る。墓地の『レインボーアイズ』一体を除外する事でデッキから『レインボーアイズ』一体を墓地に送る。『欠けた虹』の効果は一ターンに1度しか発動できない。

 

「ギガプラントの攻撃はそのまま続く。ホープドラゴンは破壊される」

 

光輝LP8000→7300

 

「ホープドラゴンが墓地に送られた事で欠けた虹の効果を発動する。墓地のホープドラゴンを除外してデッキからレインボーアイズエリュオンを墓地に送る」

 

レインボーアイズエリュオンドラゴン 光 ドラゴン☆8A2800D2400

①このカードが召喚.特殊召喚された時フィールド上に『レインボーアイズチェトレドラゴン』がいた場合デッキまたは墓地から『レインボーアイズアジーンドラゴン』を特殊召喚出来る。

②このカードが召喚.特殊召喚された時フィールド上に『レインボーアイズアジーンドラゴン』がいた場合デッキまたは墓地から『レインボーアイズチェトレドラゴン』を特殊召喚出来る。

③『レインボーアイズエリュオンドラゴン』の①、②の効果はどちらか一ターンに1度しか発動できない。

 

「墓地にエリュオンとチェトレね。絶対に次のターンで三体揃うでしょ」

 

「それはどうかな?」

 

ほぼ隠す気もないような笑顔で答える。

 

「安い嘘つかない。カードを2枚セットしてターンエンド」

 

幽香

LP8000

手札3

伏せ2

フィールド ギガプラント

 

「幽香こそ、絶対妨害するだろ」

 

セットカードが2枚。邪魔されない訳がない。

 

「あら、どうかしら」

 

お返しと言わんばかりに小悪魔のような笑みを見せる幽香。

 

「嘘つけ、ドロー。それなら俺はゲームから除外されているホープドラゴンを墓地に戻すことで手札からレインボーアイズエクスドラゴンを召喚する」

 

レインボーアイズエクスドラゴン 光 ドラゴン☆6A2100D500

①除外されている『レインボーアイズ』モンスター一体を墓地に戻すことで手札から特殊召喚する。

 

なんてことは無い特殊召喚が出来る☆6モンスターだ。ギガプラントに攻撃力も負けている。それなのに幽香は悩んでいる。それは何故か?

俺のデッキのエースモンスターが関係している。

 

「さぁどうする、幽香さんよ?」

 

「…いやらしい手ね。いいわ、何もしない」

 

いないと踏んだのかそれとも作戦か。いずれにしろエクスドラゴンの召喚を通す。

 

「よーしそれならバトル!」

 

「やっぱりいるのね」

 

「当たり前だ、エクスドラゴンでギガプラントに攻撃!」

 

攻撃が負けているモンスターでの攻撃。普通なら自殺行為だが…

 

「ダメージステップ時に手札からレインボーアイズセブンスドラゴンを捨てることでエクスドラゴンの攻撃力を2500upさせる!」

 

レインボーアイズセブンスドラゴン 光 ドラゴン☆7A2500D2000

①場のレインボーアイズが戦闘するダメージステップ時手札のこのカードを捨てることでその戦闘の時だけ攻撃力が2500アップする。

②またこの効果で攻撃力を上げたレインボーアイズが戦闘ダメージを与えた場合そのモンスターをリリースすることで発動できる。墓地のこのカードを特殊召喚する。

 

「これによりエクスドラゴンの攻撃力は2100から4600になる!」

 

幽香LP8000→5800

 

「さらにエクスドラゴンが戦闘ダメージを与えたため自身をリリースする事で発動!」

 

「それにチェーンしてトラップ発動 種子まき」

 

種子まき カウンター罠

①フィールド上の植物族モンスターが破壊された時発動できる。破壊されたモンスターよりもレベル、攻撃力が低い植物族モンスターをデッキから特殊召喚する。

 

「私はデッキからダンディライオンを特殊召喚」

 

「ダンディライオンか…めんどいな。まぁいい、墓地からセブンスドラゴンを特殊召喚する。そのままダンディライオンに攻撃!」

 

「ダンディライオンが墓地に送られた事で綿毛トークンを2体特殊召喚ね」

 

「俺はカードを1枚セットしてターンエンドだ」

 

光輝

LP7300

手札2

伏せ1

フィールド セブンスドラゴン、欠けた虹

 

「私のターンドロー。早速行くわ光輝。永続魔法 増草剤を発動」

 

墓地の植物族を毎ターン特殊召喚することが出来る増草剤。発動が簡単なくせに強力な効果を持つ。

 

「私が墓地から特殊召喚するのはローンファイアブロッサム」

 

「召喚時にトラップ発動 フラッシュオブセブン!」

 

フラッシュオブセブン 通常罠

①墓地の『レインボーアイズ』を一体除外する事で発動する。フィールド上のカードを1枚除外する。

 

「墓地のエクスドラゴンを除外してローンファイアブロッサムを除外する!」

 

「効果くらい使わせてもいいじゃない」

 

「容赦なくいっておかないと負ける可能性があるからな」

 

「ふん、カードを1枚セットしてターンエンド」

 

幽香

LP5800

手札2

伏せ2

フィールド 綿毛トークン×2

 

「俺のターンドロー」

 

(幽香のセットカードの1枚は多分あれだよなー。けど使わせるしかないか)

 

「俺は魔法カード レインボーフュージョンを発動!」

 

「トラップ発動 ポリノシス。綿毛トークンをリリースして発動を無効にする」

 

「やっぱりポリノシスか」

 

「予想通りかしら?」

 

「予想通りだ。けどどうすることもできないけどな」

 

 

「そしたらバトルだ!セブンスドラゴンで綿毛トークンを攻撃!」

 

「トラップ発動 棘の壁(ソーン.ウォール)

 

「うげぇー!」

 

破壊されるセブンスドラゴン。

 

「こっちは予想出来なかったようね」

 

「可能性は考えてたがないことを祈ってた。セブンスが墓地に送られたから欠けた虹の効果発動。墓地のセブンスを除外してデッキからウォーリアドラゴンを墓地に送る。そしてターンエンドだ」

 

光輝

LP7300

手札2

伏せ0

フィールド 欠けた虹

 

「私のターンドロー。手札から魔法カード 弱者蘇生を発動」

 

弱者蘇生 通常魔法

①自分の墓地のレベル3以下で攻撃力が1000以下のモンスター一体を特殊召喚する。

 

「対象はローンアイスブロッサム。そしてローンアイスブロッサムの効果発動。自身をリリースして除外されているローンファイアブロッサムを特殊召喚。こちらも効果発動」

 

「やっぱりその2体がいると厄介だな」

 

手札、墓地、除外をしても結局はローンファイアブロッサムに繋げられ好きな植物族を特殊召喚される。

 

「私がデッキから特殊召喚するのは…獰植物ー冬虫夏草」

 

「これまためんどいカードを……」

 

獰植物ー冬虫夏草 植物族 地☆7A2600D2100

①このカードが戦闘によって破壊された場合このカードを破壊した相手モンスター一体のコントロールを得る。

 

「バトル!冬虫夏草でダイレクトアタック!」

 

光輝LP7300→4700

 

「ターンエンドよ」

 

幽香

LP5800

手札2

伏せ0

フィールド 冬虫夏草、綿毛トークン

 

「俺のターンドロー!どうすっかなー冬虫夏草」

 

「どうせ突破出来るんでしょう?」

 

「出来るけど効果を発動させるんだよな」

 

悩む光輝。

 

「仕方ないか。手札から魔法カード 天翔る虹!」

 

天翔る虹 永続魔法

①一ターンに1度墓地の『レインボーアイズ』一体を特殊召喚出来る。

②このカードが破壊された場合除外されている『レインボーアイズ』一体を特殊召喚出来る。

 

「この効果で特殊召喚するのはレインボーアイズチェトレドラゴン!そしてチェトレドラゴンの効果を発動。墓地からレインボーアイズエリュオンドラゴンを特殊召喚!エリュオンの効果発動!召喚時場にチェトレがいるためデッキからレインボーアイズアジーンドラゴンを特殊召喚する!」

 

これがレインボーアイズの必殺技のひとつ。強力なドラゴンが次々特殊召喚される。

 

レインボーアイズアジーンドラゴン 光 ドラゴン族☆8A3000D1500

①このカードが相手に戦闘ダメージを与えた時墓地のレインボーアイズを1枚除外する事で除外したモンスターの攻撃力の半分の数値を相手に与える。

 

「バトルだ!エリュオンドラゴンで冬虫夏草を攻撃!」

 

幽香LP5800→5600

 

「冬虫夏草が戦闘破壊された時の効果を発動。エリュオンドラゴンのコントロールを得る」

 

「すまんエリュオン。アジーンドラゴンでエリュオンを攻撃!」

 

幽香LP5600→5400

 

「戦闘ダメージを与えたためアジーンドラゴンの効果を発動する!ホープドラゴンを墓地から除外して攻撃力の半分のダメージを与える!」

 

幽香LP5400→4550

 

「チェトレドラゴンで綿毛トークンを攻撃!」

 

「ターンエンドだ」

 

「それで十分じゃない?」

 

「奪われて無かったらもっとダメージ与えられてたしな、なんとも言えん」

 

光輝

LP4700

手札2

伏せ0

フィールド チェトレ、アジーン、天翔る虹、欠けた虹

 

「私のターンドロー。いいわ、強いカードを引けた」

 

「やめろよー」

 

「無理よ。魔法カード 死者蘇生発動。ローンファイアブロッサムを特殊召喚。効果発動!リリースしてデッキから獰植物ージャイアント.ホグウィードを特殊召喚!」

 

獰植物ージャイアント.ホグウィード 地 植物族☆9A2900D2400

①一ターンに1度相手のモンスター一体を破壊出来る。

②このカードがモンスターを破壊した時相手の墓地に破壊したモンスターと同名モンスターがいた場合そのカードを除外する。

 

「ジャイアント.ホグウィードの効果発動。アジーンドラゴンを破壊する!」

 

「やっべ。とりあえず欠けた虹の攻撃発動。ウォーリアを除外してデッキからレインボーアイズオルタナティブドラゴンを墓地に送る」

 

「バトル!ジャイアント.ホグウィードでチェトレドラゴンを攻撃!」

 

光輝LP4700→4600

 

「モンスターをセットしてターンエンドよ」

 

幽香

LP4550

手札1

伏せ0

フィールド ジャイアント.ホグウィード、リバースモンスター

 

「俺のターンドロー!」

 

「さて、どうする?」

 

「…もちろん。()()()()()()()()だ!」

 

強気な光輝の発言にどよめく会場。それに伴い幽香の顔が歪む。

 

「嫌な予感しかしないんだけど…」

 

「まぁみてな!天翔る虹の効果発動!墓地のレインボーアイズオルタナティブドラゴンを特殊召喚!」

 

レインボーアイズオルタナティブドラゴン 光 ドラゴン族☆8A2700D2000

①このカードの攻撃を0にする事で発動。攻撃力2700以下の『レインボーアイズ』をデッキから攻撃表示で特殊召喚する。ただしこの効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は0になる。

 

「オルタナティブの効果発動!攻撃力を0にしてデッキからレインボーアイズパワードラゴンを特殊召喚!」

 

レインボーアイズパワードラゴン 光 ドラゴン族☆4A1800D700

①このカードが墓地に送られた場合除外されている『レインボーアイズ』1枚を手札に加える事が出来る。

 

「……なんか見えてきたわ」

 

「流石幽香!墓地のレインボーフュージョンの効果発動!除外されているウォーリアドラゴンを墓地に戻すことで手札に加える。そのままレインボーフュージョンを発動!」

 

「フィールドのオルタナティブとパワーを融合!融合召喚☆8 レインボーアイズディシディアドラゴン!」

 

レインボーアイズディシディアドラゴン 光 ドラゴン族☆8A2700D2600

①このカードをリリースする事で墓地または除外されている『レインボーアイズ』一体を特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動出来る。

 

「パワードラゴンが墓地に送られたため除外されているセブンスドラゴンを手札に加える!」

 

「そういうことね」

 

「そういうことだ、バトル!ディシディアドラゴンでセットモンスターを攻撃!」

 

「セットされたカードはボタニティ.ガール。墓地に送られたからデッキのローンアイスブロッサムを手札に加える…けど次のターンは無さそうね」

 

「ディシディアドラゴンをリリースして墓地のレインボーアイズアジーンドラゴンを特殊召喚!アジーンでジャイアント.ホグウィードを攻撃!その時に手札からレインボーアイズセブンスドラゴンを捨てる事で攻撃力を2500up!」

 

幽香LP4550→1950

 

「アジーンが戦闘ダメージを与えたためアジーンをリリースして墓地からセブンスドラゴンを特殊召喚!」

 

深いため息をつく幽香。

 

「セブンスドラゴンでダイレクトアタック!」

 

「また負けちゃったわね」

 

幽香LP1950→0

 

光輝の勝者の雄叫びが教室に響いた。




光輝の『レインボーアイズ』は除外するギミックが多く除外をよく利用します。また融合をするデッキです。これから新しい融合も出てくるでしょう。
幽香の獰植物はただの強力な植物族モンスターです。


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9話明久VS凛

9話です。今回は明久対凛。サイバー流はアニメだと圧倒的強者って感じでしたけどこのssだといかに?


「よっしゃー!勝ったぜ!!」

 

意気揚々と壇上から降りる。するとクラスから労いの言葉が飛び交う。

 

「さっすが光輝、見事なデュエルだね!」

 

「デュエルとなると人が変わるからのう」

 

「…………いいデュエルだった」

 

「勝てると思ってたぜ!」

 

「おいおい、そんな褒めるなよ照れるだろ」

 

そんなやり取りをしている中、チラッと幽香の方を見る。いつも通りの表情をしている。………ように見えるがどこか浮かない顔が見て取れた。やはり落ち込んでいるようだ。

 

(後でアイスでも買ってやるか)

 

「よし、光輝のお陰でこっちがリードした。明久、次で決めてこい!」

 

「オーケー!行ってくる」

 

「頑張ってください明久君!」

 

「負けるんじゃないわよアキ!」

 

「いいデュエル期待してるぜ!」

 

「うん、頑張るよ!」

 

今日1番に女子からの声援を受けた明久が壇上に上がる。おっと、FFF団がアップを始めたようだ。ややこしくなる前に止めなくては。

 

「…やっぱり君が相手か、丸藤君」

 

「凛でいいぞ吉井」

 

「それなら僕も明久でよろしく」

 

 

「あの二人ってデュエルした事あったっけ?」

 

「確かなかったんじゃないか?」

 

「………少なくとも大きな舞台ではない」

 

「学校以外で一緒にいる所も見たことないからのう、無いのではないか?」

 

「そっか。それならこれは見ものだな」

 

凛は強い。だが明久も負けてはいないと個人的には思っている。だからこの試合は今日1番に勝敗が読めない。

 

「両者とも準備はよろしいですね?では、試合開始!」

 

「「デュエル!」」

 

「先行は俺だな、ドロー。俺は手札からサイバードラゴン.コアを召喚。効果により『サイバー』と名のついた魔法をサーチする。俺はデッキからサイバーアクセラレートを手札に加える。そしてサイバーアクセラレートを発動!」

 

サイバーアクセラレート 通常魔法

①フィールド上の『サイバードラゴン』一体をリリースして発動する。デッキまたは墓地から『アクセルサイバードラゴン』を特殊召喚する。

 

「フィールドのサイバードラゴンコアはフィールドか墓地にいる間はサイバードラゴンとなる。よってコアをリリースして発動!アクセルサイバードラゴンを特殊召喚!」

 

アクセルサイバードラゴン 光 機械☆7A2500D1500

①通常召喚出来ない。『サイバー』『サイバネティック』と名のついたカードによってのみ特殊召喚できる。

②このカードをゲームから除外することができる。この効果で除外された場合次のスタンバイフェイズにフィールドに戻る。この効果は相手ターンでも発動できる。

③このカードが②の効果でゲームから除外されている間相手はドロー以外の方法でデッキからカードを手札に加えられない。

 

「…っ!」

 

「あれはダメだ、明久のデッキと相性が悪すぎる」

 

「HEROはサーチを多くするからそれが早々に封じられてしまったのう」

 

「凛のやつ容赦なさすぎだろ」

 

「カードを1枚セットしてターンエンド」

 

LP8000

手札4

伏せ1

フィールド アクセルサイバードラゴン

 

「僕のターンドロー」

 

「スタンバイフェイズにアクセルサイバードラゴンの効果発動。除外する」

 

「…うーん、あれが厄介だな。僕のカードがかなり使えなくなったよ」

 

しかもアクセルサイバードラゴンの強いところはフリーチェーンで除外出来るとこ。これにより対処が難しくなっている。

 

「けどまだ負けた訳じゃない。僕はE=HERO(エクストラヒーロー)クレイマンを通常召喚」

 

E=HERO(エクストラヒーロー)クレイマン 地 戦士 ☆4A800D2000

①このカードは通常召喚した時守備表示になる。

②このカードは水属性以外と戦闘を行う時守備力が+500する。

 

「なるほど、クレイマンか」

 

「あれならアクセルサイバードラゴンも突破出来ないがどこまで守れるかだな」

 

「カードを1枚セットしてターンエンド」

 

明久

LP8000

手札4

伏せ1

フィールド クレイマン

 

「俺ターンドロー。スタンバイフェイズにアクセルサイバードラゴンがフィールドに戻る。明久、俺相手に守ってちゃ勝てねーぜ」

 

「凛のせいで守らざるを得なかったんだけど!」

 

「明久あんな言い回し出来たんだ」

 

「これくらい出来るよ!」

 

「……いいか?アクセルサイバードラゴンの効果で自身を除外する。さて場が空いたな。墓地のサイバードラゴンコアの効果発動!相手にのみモンスターがいる場合墓地から除外してデッキから『サイバードラゴン』を特殊召喚する!」

 

「来たね。サイバー流の代名詞」

 

「まぁこのままだとクレイマンは突破出来ないからな、アップグレードするぜ!手札から魔法カード アップライト.サイバーロード発動!」

 

アップライト.サイバーロード 通常魔法

①手札を1枚捨てフィールド上の『サイバードラゴン』一体をリリースして発動する。デッキから『サイバードラゴン.ルナールクス』を特殊召喚する。

 

「現れろサイバードラゴン.ルナールクス!」

 

サイバードラゴン.ルナールクス 光 機械☆10A3000D2500

①このカードは魔法.罠.モンスターの効果で破壊されない。

②フィールド上の機械族光属性はカードの対象にならない。

③相手のモンスターは可能であればこのモンスターに攻撃しなければならない。

 

「いくぜ明久、サイバードラゴン.ルナールクスでE=HERO(エクストラヒーロー)クレイマンを攻撃!」

 

「クレイマンの守備力が上がるけど全然かなわないね。じゃあトラップ発動 サイドキック」

 

サイドキック 通常罠

①フィールドの戦士族が破壊された時発動できる。そのモンスターのレベルと同じレベルの戦士族をデッキから特殊召喚する。

 

「デッキからE=HERO(エクストラヒーロー)バブルマンを特殊召喚」

 

E=HERO(エクストラヒーロー)バブルマン 水 戦士☆4A800D1200

①このモンスターの召喚·特殊召喚時にデッキからカードを1枚ドロー出来る。②このモンスターがフィールドから墓地に送られた時にデッキからカードを1枚ドローする。

 

「バブルマンの特殊召喚された時の効果で1枚ドローするね」

 

「ターンエンドだ」

 

LP8000

手札3

伏せ1

フィールド サイバードラゴン.ルナールクス

 

「僕のターンドロー」

 

「スタンバイフェイズにアクセルサイバードラゴンはフィールドに戻る。そんでメインフェイズに入った時もう一度除外する」

 

「………うーん、やりたく無いけどやるしかないか」

 

「お、明久がなんかやるみたいだぜ」

 

「どーすんだろうな?」

 

「僕は魔法カード E・ミラクルフュージョンを発動。フィールドのバブルマンに加え手札のE=HERO(エクストラヒーロー)フェザーマン、バーストレディ、墓地のクレイマンを除外してを融合!」

 

E・ミラクルフュージョン 通常魔法

①『E=HERO(エクストラヒーロー)』と名のついた融合モンスターによって決められたモンスターをフィールド.手札.墓地から除外する事で融合召喚する。

②E・ミラクルフュージョンは一ターンに1度しか発動出来ない。

 

「うぉ、まじか!揃ってたのか!」

 

「4体を融合、融合召喚☆10勇姿を見せろ! E=HERO(エクストラヒーロー)エリクシーラー!」

 

E=HERO(エクストラヒーロー)エリクシーラー 光 戦士☆10A2900D2600

①このカードの融合召喚時にお互いの墓地と除外にあるカードを全てデッキに戻す。

②①の効果でカードを5枚戻すにつき攻撃力を+500する。

 

「墓地に送られたバブルマンの効果でカード1枚ドローする。そして融合召喚したエリクシーラーの効果発動!お互いの墓地と除外されたカードをデッキに戻す!」

 

「普通そんなに揃うこと無いのにな。もってるな明久」

 

「凛の墓地.除外の合計は6枚。僕のと合わせて計12枚のカードをデッキに戻す。エリクシーラーの攻撃力は1000upする!」

 

エリクシーラーA2900→3900

 

「バトル!エリクシーラーでサイバードラゴン.ルナールクスに攻撃!」

 

「それは流石にやばいな。トラップ発動 サイバネティック.ダウンロード」

 

サイバネティック.ダウンロード 永続罠

①一ターンに1度デッキの機械族.光属性を1枚墓地に送って発動する。戦闘ダメージを1度だけ0にする。

 

「デッキからサイバードラゴン.コアを墓地に送ってダメージをゼロにする」

 

「けどルナールクスは破壊される。カードを1枚セットしてターンエンド」

 

明久

LP8000

手札3

伏せ1

フィールド エリクシーラー

 

「明久としてはアクセルサイバードラゴンがいなくなったのがでかいな」

 

「次のターンからサーチしまくりじゃ」

 

「俺のターンドロー。確かにエリクシーラーは予想外だった。けどまだまだだ!墓地のサイバードラゴン.コアの効果、除外してサイバードラゴンを特殊召喚する」

 

「なんか明久が返したのに全然余裕そうだな」

 

「凛はそういうやつだ。いつでも余裕を持って相手を下す。サイバー流の教えとかじゃなくて元からの性格だな」

 

「そしてフィールドにサイバードラゴンがいるため手札からサイバードラゴン·ネオを特殊召喚する」

 

サイバードラゴン·ネオ 光 機械☆5A2100D1600

①フィールド上に『サイバードラゴン』がいる場合手札から特殊召喚できる。

 

「さて☆5モンスターが2体だ。サイバードラゴンとサイバードラゴンネオでオーバレイ。エクシーズ召喚★5 サイバードラゴン.ノヴァ」

 

「ノヴァ……一体どんな効果が」

 

「いやあいつ下敷きだぜ」

 

「え?」

 

「ノヴァをさらにオーバレイ!現れろ★6サイバードラゴン.インフィニティ!」

 

「はい出ましたーみんなのトラウマインフィニティ君」

 

「ど、どうした光輝」

 

「いや、なんか勝手に…」

 

「インフィニティの効果発動!攻撃表示のエリクシーラーをエクシーズ素材にする!」

 

「あれ反則じゃない?!」

 

「インフィニティの攻撃力は素材の数×200。よって攻撃力2900だ。バトル!インフィニティでダイレクトアタック!」

 

明久LP8000→5100

 

「ターンエンドだ」

 

LP8000

手札3

伏せ0

フィールド インフィニティ サイバネティック.ダウンロード

 

「やばい、どうしようあれ」

 

「おい明久ビビってんじゃねーよ」

 

「び、びびってないやい!ドロー」

 

「インフィニティはカード効果を一ターンに1度無効にするからな。融合しようにもそれを無効にされるな」

 

「………明久の腕の見せ所」

 

「……今は耐えるしかない。モンスターをセットしてターンエンド」

 

明久

LP5100

手札3

伏せ1

フィールド セットモンスター

 

「俺のターンドロー。そしたらサイバードラゴン.ドライを通常召喚。バトル、サイバードラゴン.ドライでセットモンスターを攻撃」

 

「セットモンスターはE=HERO(エクストラヒーロー)ワイルドマン。そのまま破壊される」

 

「インフィニティでダイレクトアタックだ!」

 

明久LP5100→2200

 

「ターンエンドだ。そろそろ決着か?」

 

LP8000

手札3

伏せ0

フィールド インフィニティ、ドライ、サイバネティック.ダウンロード

 

(やっぱり強いな凛は。本当にこのまま負けるかも)

 

しかし明久は笑ってこう答えた。

 

「まさか!僕のターンドロー。…来た!僕はE=HERO(エクストラヒーロー)スパークマンを召喚。効果は発動しない」

 

E=HERO(エクストラヒーロー)スパークマン 光 戦士☆4A1600D1400

①このモンスターの召喚時にフィールドのモンスター一体の表示形式を変更できる。

 

「そして手札を1枚捨てて速攻魔法 超融合発動!」

 

「なるほど。そいつがあったか」

 

「対象はスパークマンとサイバードラゴン.インフィニティ。2体で融合召喚☆7 勇姿を見せろ!E=HERO(エクストラヒーロー)ボルトフラッシュマン」

 

E=HERO(エクストラヒーロー)ボルトフラッシュマン 光 戦士☆7A2400D1200

E=HERO(エクストラヒーロー)スパークマン+光属性」

①このカードと同じ表示形式の相手モンスターは効果を発動出来ない。

 

「さらにフィールドにE=HERO(エクストラヒーロー)がいるから手札のネクストネオスを特殊召喚する」

 

E=HERO(エクストラヒーロー)ネクストネオス 光 戦士☆7A2500D2000

①フィールド上に『E=HERO(エクストラヒーロー)』がいる場合手札から特殊召喚できる。

 

「バトル!ボルトフラッシュでサイバードラゴン.ドライを攻撃!」

 

凛LP8000→7400

 

「…ターンエンド」

 

「やっぱり攻撃は出来ないな」

 

「サイバネティック.ダウンロードが厄介だな」

 

「けどまた状況が変わったぜ。このまま明久勝っちゃうかな?」

 

「………でも手札が0枚」

 

「また返されるときついな」

 

明久

LP2200

手札0

伏せ1

フィールド ボルトフラッシュ ネクストネオス

 

「俺のターンドロー。…やるな明久、あそこまで追い詰めたのに状況が一変したよ」

 

「どうも。けど凛も強いよ。こっちはいっぱいいっぱいだよ」

 

「そう見えるな。だから容赦なくいくぜ。魔法カード融合発動。手札のサイバードラゴン.キメラを素材にする」

 

サイバードラゴン.キメラ 光 機械☆7A2100D1000

①このカードを『サイバードラゴン』または『キメラテック』と名のついた融合モンスターの素材とする時『サイバードラゴン』3体分として使用できる。

 

「サイバードラゴン3体分となったキメラで融合。融合召喚☆10 サイバー.エンド.ドラゴン!」

 

「くっ…、この期に及んで!」

 

「サイバー.エンド.ドラゴンでE=HERO(エクストラヒーロー)ボルトフラッシュを攻撃!」

 

明久LP2200→600

 

「カード2枚セットしてターンエンド」

 

LP7400

手札0

伏せ2

フィールド サイバーエンドドラゴン、サイバネティック.ダウンロード

 

「くそーなんか引けドロー!…よし、手札から魔法カード スペシャルムーブ」

 

スペシャルムーブ 通常魔法

①フィールドに『HERO』と名のついたモンスターがいる場合発動できる。相手フィールド上のカードを1枚墓地に送る。

 

「対象はサイバー.エンド.ドラゴン」

 

「速攻魔法発動 サイバネティック.ゾーン。サイバー.エンド.ドラゴンをこのターンのエンドフェイズまで除外する」

 

「これもかわされるのか。けど次のスタンバイには破壊される。……ターンエンド」

 

「エンドフェイズにサイバネティック.ゾーンで除外していたサイバー.エンド.ドラゴンはフィールドに戻る。この時攻撃力は倍になる!」

 

サイバー.エンド.ドラゴンA4000→8000

 

明久

LP600

手札0

伏せ1

フィールド ネクストネオス

 

「おいおい。俺が戦略も立てずにこんなカード使う訳ないだろ、ドロー。ドローフェイズに永続罠発動 サイバー.バグ」

 

サイバー.バグ 永続罠

①機械族光属性が破壊される代わりにこのカードにバグカウンターを1個乗せる。バグカウンターが3つある場合このカードを破壊する。

 

「そしてスタンバイフェイズにサイバネティック.ゾーンの効果で破壊される…んだがサイバー.バグが肩代わりする」

 

(けどまだ……)

 

「すまんな明久。今引いたカードなんだが…サイクロンでな」

 

「うそぉぉぉーー!!」

 

破壊されたカード……ヒーローは遅れてやってくる

 

「サイバー.エンド.ドラゴンでE=HERO(エクストラヒーロー)ネクストネオスを攻撃!」

 

「僕あんな攻撃力のモンスターに攻撃されるの初めてー」

 

明久LP600→0

 




今回はデッキの解説…ではなく一つお願いが。
誰かサイバードラゴンのカードを考えてくれませんか?ちょっと僕の鳥頭ではこれ以上の効果が中々思いつかなくてですね。主に考えて欲しいのはエクシーズですけどそれ以外も全然ウェルカムです。どなたでも歓迎してます。読書の皆様の知恵をお貸しくださいお願いします。


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10話 雄二VS翔子

10話です。ようやくAクラス戦が終わりました。長かった。7連戦は書いてて楽しいですけどきついですね。次回からは文化祭ですね。お楽しみに。


「ごめん、負けちゃった」

 

「大丈夫だ、そこまで期待はしてなかった」

 

「雄二気キサマ!決めてこいとか言ったくせに結局それか!」

 

「ライフ差だけで言うとボコボコだったな」

 

「うっ」

 

明久が気にしているであろう事を隠す気もなく言い放った。

 

「もうちょっとやさしい言い方なかったの?確かにもっと削りたかったけど」

 

「しかし流石の実力じゃったな、丸藤は」

 

「………明久が負けるのも無理はない」

 

「でも明久君も奮闘してましたよ!」

 

姫路が速攻で明久の隣に陣取る。目ざといな。

 

「そ、そうだぜ。明久もかっこよかったよ」

 

負けじと魔理沙も明久にすり寄る。これはあれだな、負けられない戦いってやつだ。明久め、ラノベの主人公みたいな状況になってやがるな※主人公です。

 

「ありがとう二人とも。勝ってたらもっとかっこよかったんだけどね」

 

「そんなことないですよ、十分かっこよかったです!」

 

「ひ、姫路、近すぎだろ!」

 

姫路がグイグイ明久の腕を自分の胸に押し付けている。思わず魔理沙も狼狽えるほどに。

 

(腕に柔らかい感触が!耐えろ理性、耐えろもう1人の僕!)

 

あんなんされたら明久やばいんじゃないか?とか思って明久を見たら案の定やばい顔をしていた。具体的に言うともう一人の明久が。

 

「ワ、ワタシだって!」

 

「ちょっ、魔理沙まで!」

 

魔理沙も姫路と同じように明久に抱きつく。……なんだあれ。3人もとここが教室ってこと忘れてないか?かなり男子達から憎しみのこもった目で見られている。

 

あ、FFF団が(ry。あれ、康太もいるよねあっちに。いつの間に入団してたんだよ。っておいおい、Fクラスの教室でならともかくここでカッターとかは出すんじゃない。Aクラスの皆さんはそういうのに耐性無いんだぞ。

 

「……まぁ向こうは放っておいて、最後雄二だぜ」

 

まさかのスルー。自分でもびっくりするくらい見なかった事にした。

 

「うむ、正真正銘の最終戦じゃ。きっちり決めてくるのじゃぞ」

 

秀吉も何も無いかのように振舞っている。案外胆力凄いねよ秀吉。

 

「あぁ、任せとけ!」

 

「楽しんでこいよ!」

 

雄二がゆっくりと壇上に上がる。ここで勝敗が決まるデュエルのため自然と教室に緊張感が生まれる。静まる教室に雄二の顔も必然的に強ばる。

 

「おい雄二!」

 

その中で静寂を切り裂くように発言する者が一人。学校1のバカが雄二に罵倒(応援)を送る。

 

「負けたら容赦しないぞ!」

 

明久のその言葉に雄二はクスッと笑ったあと

 

「負けたお前が言うんじゃねーよ!」

 

そう言い捨てた。その顔は先程とは打って変わって笑みが見てとれた。雄二の肩も軽くなったようだ。

 

「ほんっと明久と雄二は仲いいな」

 

「やめてよ気持ち悪い」

 

「ふふ、わりぃ」

 

「まったく」

 

雄二が壇上に立つ。そこには既にデュエルディスクを身につけた霧島が立っていた。

 

「やる気満々だな」

 

「………もちろん。この時を楽しみにしてた」

 

「そうか、じゃあ早速やるか」

 

それ以上2人は言葉を交わすことはなかった。もう話さずとも理解し合っているのだろう。

 

「両方準備はいいですね。では、最終戦開始!」

 

「「デュエル!」」

 

「………先行は私、ドロー。手札から永続魔法六武衆の結束を発動。そして手札から真六武衆ーカゲキを通常召喚」

 

「いつも通りの動きだな」

 

「六武衆の先行だからね。これは雄二キツいかも」

 

「……カゲキの効果発動。手札から☆4以下の六武衆を特殊召喚する。出て、六武衆の影武者。六武衆が2体召喚されたから六武衆の結束に武士道カウンターが2個乗る」

 

「その後どうせシンクロだろ?」

 

「………うん。☆3カモンに☆2影武者をチューニング。シンクロ召喚☆5 出陣せよ、真六武衆ーシエン」

 

六武衆の主力の内の一つ。魔法、罠の発動を1回無効にする厄介な効果を持っている。

 

「………六武衆の結束をリリースしてカードを2枚引く。カードを1枚セットしてターンエンド」

 

翔子

LP8000

手札4

伏せ1

フィールド シエン

 

「完璧って程じゃないが十分いい動きだ」

 

「シエンがやっぱり面倒だね」

 

「かといってここで何もしないとさらに展開されて取り返しがつかんのじゃ」

 

「………雄二の動きに期待」

 

「俺のターンドロー。確かにシエンは厄介だ。けどこうすりゃいい!速攻魔法 フルモンスターゲート発動!」

 

「…………っ!そのカードは」

 

「そう、まず()()()としてフィールドのモンスターをリリースする」

 

フルモンスターゲート 速攻魔法

①フィールド上のモンスター一体をリリースして発動する。リリースしたモンスターのプレイヤーは通常召喚可能なモンスターが出るまで山札をめくる。最初に出たモンスターを特殊召喚しめくったカードは山札の下に戻す。

 

「よし、コストなら無効化されない!」

 

「上手く躱したね雄二!」

 

「ほら、山札をめくれよ翔子」

 

「………最初に出たモンスターは六武衆のご隠居。守備表示で特殊召喚する」

 

「どんどん行くぜ!バーサーク·ゲイジャルグを通常召喚」

 

バーサーク·ゲイジャルグ ☆4 戦士 地 A1900D0

①このカードが戦闘ダメージを与えた場合相手の魔法、罠ゾーンのカードを1枚破壊する事が出来る。

 

雄二のデッキはバーサーク。戦闘ダメージを与えると効果が発動するモンスター達。男らしく殴っていく雄二らしいテーマだ。

 

「バトル!バーサーク·ゲイジャルグで六武衆のご隠居を攻撃!」

 

「………何もしない。そのまま破壊される」

 

「速攻魔法 バーサーク·チェンジ発動!」

 

バーサーク·チェンジ 速攻魔法

①フィールドの『バーサーク』を一体リリースして発動。そのモンスターの☆+3までの『バーサーク』をデッキから特殊召喚する。『バーサーク·チェンジ』は一ターンに1度しか発動出来ない。

 

「ゲイジャルグの☆は4。よって☆7までのモンスターを特殊召喚する。こい、バーサーク·グングニル」

 

バーサーク·グングニル ☆4 戦士 地 A1700D0

①このカードが戦闘ダメージを与えた場合カード名を一つ宣言する。このカードがフィールドか墓地に存在する限り宣言したカードをお互いにプレイ出来ない。この効果はデュエル中に1度しか発動出来ない。

 

「グングニルでダイレクトアタック!」

 

「………っ!」

 

翔子LP8000→6300

 

「グングニルの攻撃が通った!」

 

「さて、雄二はなんのカードを宣言するんだ?」

 

六武衆はこれを使えなくすれば大丈夫ってカードが明確にはない。なのでここで止めるカードは結構悩みどころだが。

 

「グングニルの効果で宣言するのは、真六武衆ーシエン」

 

「シエンを選択したか」

 

「門じゃ無いんだね」

 

「雄二としては魔法、罠を消されるのが嫌だったんだな」

 

「カードを1枚セットしてターンエンドだ」

 

雄二

LP8000

手札2

伏せ1

フィールド グングニル

 

「盤面は完全に雄二の有利だな」

 

「霧島さんはどうするかな」

 

「少なくともシンクロはしないと思うが、どうかな」

 

「………私のターンドロー。まずは真六武衆ーミズホを通常召喚」

 

ミズホってことはあのコンボだ。

 

「………次にミズホがいるから真六武衆ーシナイを特殊召喚。ミズホの効果発動、シナイをリリースしてバーサーク·グングニルを破壊する。その時シナイがリリースされたから墓地から真六武衆ーカゲキを手札に加える」

 

中々に強力なコンボ。あまり使っている所を見た事がないが十分強いと思う。

 

「バーサーク·グングニルが破壊される、その時トラップ発動、バーサーク·ステップアップ」

 

バーサーク·ステップアップ 通常罠

①バーサークが破壊時発動出来る。その攻撃力+1000までのバーサークモンスターをデッキから特殊召喚する。

 

「グングニルの攻撃は1700。よって2700までのバーサークを特殊召喚する。こい、バーサーク·ゲイボルグ!」

 

バーサーク·ゲイボルグ ☆7 戦士 地A2500D0

①このカードが戦闘ダメージを与えた場合相手の手札を見ないで1枚選択しそのカードを墓地に送る。

 

「………雄二はいやらしい」

 

「褒め言葉として受け取っておこう」

 

「………カードを1枚セットしてターンエンド」

 

翔子

LP6300

手札3

伏せ2

フィールド ミズホ

 

「俺のターンドロー。俺はバーサーク·ロンギヌスを通常召喚」

 

バーサーク·ロンギヌス ☆4 戦士 地A2000D0

①このカードが戦闘ダメージを与えた場合カードを1枚ドローする。

 

「バトル、バーサーク·ロンギヌスでミズホを攻撃!」

 

翔子LP6300→5900

 

「戦闘ダメージを与えたためカードを1枚引く。どんどん行くぞ、バーサーク·ゲイボルグでダイレクトアタック!」

 

「………ダイレクトアタックされた時手札から六武衆の殿を特殊召喚する」

 

六武衆の殿 ☆3 戦士 地 A500D1800

①自分がダイレクトアタックされた時手札のこのカードを特殊召喚する事が出来る。

②このカードは一ターンに1度戦闘破壊されない。

 

「チッ、面倒だな。カードを1枚セットしてターンエンド」

 

雄二

LP8000

手札2

伏せ1

フィールド ロンギヌス、ゲイボルグ

 

「押してるな雄二。霧島が防戦一方だ」

 

「いつにも増して気合い入ってそうだからね。そのままの勢いでいって欲しいけど…」

 

「相手は霧島、流石にこのままやられんじゃろう」

 

「………今日の雄二、いつもより激しい」

 

「おい翔子。変に艶かしい言い方をするな。誤解が産まれるだろ」

 

「………産まれた方が好都合」

 

「頼むからやめてくれ」

 

「………考えておく、ドロー。………」

 

「考え込んでるな」

 

「バーサーク相手にこのままエンドってのも無いと思うけど」

 

「………まずはリバースオープン、諸刃の活人剣術。墓地のシナイ、ミズホをフィールドに戻す」

 

墓地の六武衆を2体特殊召喚する強カード。リビデが2回分とか聞いたら普通に強くね?

 

「…………またミズホの効果、シナイをリリースしてバーサーク·ゲイボルグを破壊する。その時シナイの効果で墓地の六武衆の影武者を手札に戻す」

 

「ゲイボルグが効果の対象になった時トラップ発動 肉を切らせて骨を断つ」

 

肉を切らせて骨を断つ 通常罠

①フィールド上の『バーサーク』モンスター一体を破壊して発動する。破壊したモンスターの戦闘ダメージを与えた時の効果を発動する。

 

「ゲイボルグを破壊して翔子の手札を1枚破棄する。俺が選択するのは1番右端だ」

 

ハンデスされたカード 真六武衆ーカゲキ

 

「………1番捨てられたくなかったカード。ただではやられてくれない、雄二は意地悪」

 

「本気のデュエルってのはそういうものだろ」

 

「………うん、それもそう。シナイの効果で六武衆の影武者を手札に。ミズホの効果は不発になる」

 

「霧島の反撃も上手く躱してるな」

 

「けどここで霧島さんが終わりなら学年首席にはなってないよ」

 

そう、学年首席になるには頭が良いだけではなれない。デュエルの腕も大きく関わってくる。その二つを踏まえた上で霧島は学年首席になっている。このまま終わるはずがない。

 

「………手札から六武衆の影武者を通常召喚」

 

「☆5のシエンはシンクロ出来ない。となると違う六武衆になるよな」

 

「今出せるのが☆5と☆8のシンクロ。どっちを出すかな」

 

「………☆2 六武衆の影武者に☆3六武衆の殿と☆3ミズホをチューニング。出陣せよ、☆8 六武衆の剣聖」

 

六武衆の剣聖 ☆8 戦士 炎 A2500D2400

「六武衆と名のついたチューナ+チューナ以外のモンスター一体以上」

①このカードの攻撃力は墓地の『六武衆』と名のついたモンスターの数×100upする。

②一ターンに1度このカードが破壊される時、または効果の対象になった時墓地の六武衆一体を除外して発動する。破壊または効果の対象を無効にする。

 

「………今墓地にある六武衆の数は7体、よって六武衆の剣聖の攻撃力は3200になる」

 

「六武衆の剣聖か。攻撃力が上がるのはバーサーク相手に効くな」

 

「戦闘ダメージを与えずらくなるからのう。手っ取り早く除去したい所じゃが」

 

「………剣聖の破壊耐性が厄介」

 

「最初みたいにフルモンスターゲートがあれば楽だけどそう簡単にいかないよね」

 

「………バトル。六武衆の剣聖でバーサーク·ロンギヌスを攻撃」

 

雄二LP8000→6800

 

「………これでターンエンド」

 

翔子

LP5900

手札1

伏せ1

フィールド 六武衆の剣聖

 

「俺のターンドロー」

 

「一気に不利になったな」

 

「手札も少ないしリバースもない。どうする雄二」

 

「……やるしかないか。手札から魔法カード ルーン魔術を発動」

 

ルーン魔術 通常魔法

①手札の『バーサーク』と名のついたモンスター一体を特殊召喚する。

 

「俺は手札からバーサーク·ブリューナクを特殊召喚」

 

バーサーク·ブリューナク ☆8 戦士 地 A2600D0

①このカードが戦闘ダメージを与えた場合相手の場のカードを1枚破壊できる。

 

「バトルだ、バーサーク·ブリューナクで六武衆の剣聖に攻撃!」

 

「攻撃力の低いブリューナクなくで攻撃か」

 

しかしバーサークには戦闘を有利にするカードが豊富にある。今回もそれを狙っているのだろう。

 

「ダメージステップ時に速攻魔法 バーサーク·オーバーを発動」

 

バーサーク·オーバー 速攻魔法

①フィールド上の『バーサーク』モンスター一体の攻撃力を1500upする。そのモンスターはこのターンのエンドフェイズに破壊される。

 

バーサーク·ブリューナクA2600→4100

 

翔子LP5900→5000

 

「………六武衆の剣聖の効果発動。墓地の六武衆のご隠居を除外して戦闘破壊を無効にする」

 

六武衆の剣聖A3200→3100

 

「けど戦闘ダメージが通った!」

 

「そこだ、ブリューナクの効果で…」

 

「六武衆の剣聖を破壊する!」

 

六武衆の剣聖の破壊耐性は一ターンに1度。2回は無効にできない!

 

「………トラップ発動」

 

しかし、霧島はここに来て最悪の罠を張っていた。

 

「………六尺瓊勾玉(むさかにのまがたま)

 

それはカードの破壊を無効にする罠。霧島が1番最初にセットしていたカードであり、このデュエル中で最も刺さったカードである。

 

「なっ…、ここに来て六尺瓊勾玉(むさかにのまがたま)か!」

 

流石の雄二もこれには動揺する。ブリューナクの効果が無効にされ破壊される。

 

今の雄二は手札もフィールドも伏せもない。つまり絶体絶命だ。

 

「くそ、ターンエンドだ」

 

雄二

LP6900

手札0

伏せ0

フィールド

 

「………私のターンドロー。手札から六武衆ーザンジを通常召喚。…そのままバトル、六武衆の剣聖でダイレクトアタック」

 

雄二LP6900→3800

 

「ザンジでダイレクトアタック」

 

雄二LP3800→2000

 

「………ターンエンド」

 

翔子

LP4900

手札1

伏せ0

フィールド 六武衆の剣聖、ザンジ

 

「ここで終わってたまるか、俺のターンドロー!」

 

「ここで雄二が負けるか決まるな」

 

「男見せろよ雄二!」

 

「俺はバーサーク·ゲイボウを通常召喚」

 

バーサーク·ゲイボウ ☆4 戦士 地 A1900D0

①このカードが戦闘ダメージを与えた場合墓地の『バーサーク』と名のついたカードを1枚手札に加える。

 

「バトル、バーサーク·ゲイボウで六武衆ーザンジを攻撃!」

 

翔子LP4900→4800

 

「ゲイボウの効果発動、墓地のバーサーク·オーバーを手札に加える」

 

「あれなら次のターンにやられる可能性は薄くなったな」

 

「けどオーバーを使ったらゲイボウは結局破壊されるからその後勝てる道が作れるかどうかだよ」

 

「カードを1枚セットしてターンエンド」

 

雄二

LP2000

手札0

伏せ1

フィールド バーサーク·ゲイボウ

 

「………私のターンドロー。雄二、いい加減やられて」

 

「それは出来ないな、俺にも負けられない理由がある」

 

「………知ってる、雄二はいつでもそう。戦う時は何かしらの理由がある。でも私も代表として負ける訳にはいかない。魔法カード 月の書を発動」

 

「なんだと?!」

 

「月の書だとバーサーク·オーバーが発動出来ない!」

 

「………六武衆の剣聖で攻撃」

 

「……くそ、破壊される」

 

「………ターンエンド」

 

翔子

LP4800

手札1

伏せ0

フィールド 六武衆の剣聖

 

「絶体絶命だな」

 

Fクラスもどことなく諦めムードだ。それもそうだ、どう見たって雄二が負ける。しかし……

 

「でも雄二は諦めないよな」

 

「ここまできて諦める(サレンダー)なんてしたらぶっ飛ばすぞ雄二!」

 

「するわけないだろバカ、俺のターンドロー!」

 

さて、運命のトップデックは?

 

「魔法カード 死者蘇生発動!墓地のバーサーク·ブリューナクを蘇生する!」

 

「さっすが雄二!」

 

「ゴキ○リみたいにしぶといね!」

 

いや、そこは明久も同じだと思うと口の先まで出かかった。

 

「言ってるからねそれ!」

 

「バーサーク·ブリューナクで六武衆の剣聖を攻撃!」

 

先程と同じ光景。しかし、先程と違い霧島にセットカードが無い。つまり邪魔されない!

 

「ダメージステップ時にリバースオープン、バーサーク·オーバー!ブリューナクの攻撃力を上昇させる!」

 

バーサーク·ブリューナクA2600→4100

 

「………六武衆の剣聖の効果で墓地の六武衆の殿を除外して破壊を防ぐ」

 

翔子LP4800→3900

 

「バーサーク·ブリューナクの効果発動、六武衆の剣聖を破壊する!」

 

「………ついに破壊されちゃった」

 

「よし!」

 

ガッツポーズをする雄二。ようやく六武衆の剣聖を除去出来たのだ、自然と出たんだろう。

 

「意地の破壊だな」

 

「でも次のターンだね」

 

そう、問題は次の霧島のターン。バーサーク·オーバーの効果でブリューナクは破壊される。そうなると雄二の場はがら空き。攻め放題なのだ。

 

「ターンエンド。エンド時にブリューナクは破壊される」

 

雄二

LP2000

手札0

伏せ0

フィールド

 

「でも霧島さんも手札が少ないし六武衆に単体で攻撃力2000を上回るカードは無いから安心だね。今持ってる手札も全然使ってないし」

 

「………私のターンドロー」

 

「あー、なんか雄二が負ける未来が見えた」

 

「………私は真六武衆ーカゲキを召喚。バトル、カゲキでダイレクトアタック」

 

雄二LP2000→1800

 

「な、なんでよ光輝。今だって攻撃力200のカゲキで攻撃して…」

 

「知らないのか明久」

 

「………速攻魔法発動、六武衆の理。カゲキをリリースして墓地のキザンを特殊召喚」

 

「解説は死亡フラグなんだよ」

 

「明久てめーー!」

 

雄二LP1800→0

 

Fクラスのちゃぶ台がみかん箱になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそ、明久があそこで解説なんてしなければ」

 

「僕のせいなの?!」

 

「謝っとけって明久」

 

「……危なかった。吉井がいなかったらあそこで負けてたかもしれない」

 

「霧島さんまで!」

 

「まぁまぁ、落ち着くんだぜ明久」

 

「……ところで、約束」

 

「分かっている、なんでも言え」

 

「それじゃあ……雄二、私と付き合って」

 

教室全体が唖然とする。え、なんて?ツキアッテ?

 

「やっぱりな。お前、まだ諦めてなかったのか」

 

「……私は諦めない。ずっと雄二のことが好き」

 

なん……だと?!幼馴染とは言っていたけどそこまでの関係だったとは。雄二も、中々隅に置けないな。

 

「拒否権は?」

 

「ない」

 

あ、雄二が連れていかれた。FFF団が行動する間もなく2人は消えていった。

 

その後は鉄人が担任になったことを知らされたり、明久が魔理沙と姫路に連れていかれたりと試合が終わったのに騒がしかった。

 

「かく言う俺も幽香に連れられるのであった」

 

「誰に言ってるのよ」

 

「いや、言わないといけない気がして。てかやっぱり拗ねてたか」

 

「拗ねてなんかいないわ。急に甘い物が食べたくなったの」

 

「はいはい、お供しますよお嬢様」

 

こうして俺たちの下克上は終わりを迎えた。




雄二のバーサークは戦闘ダメージを与えた時効果が発動するデッキ。名前は雄二が悪鬼羅刹とか呼ばれてたらそうなりますよ。バーサークの後に続くのは槍の名前です。
霧島のデッキはすぐ六武衆って決まりました。なんかイメージピッタリじゃないですか?


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学園祭編
11話 清涼祭突入


11話です。遅くなりました。すいません。次回はもう少し早くしようと思ってます。それで今回から学園祭編です。今回もオリジナル展開としてデュエルしていきますのでお楽しみに。


激闘のAクラス戦を終え今までちゃぶ台だったものからみかん箱になったのにも慣れ始めた頃。文月学園では『清涼祭』……まぁ学園祭だな。その準備に追われている。この時期に学園祭をやるのはいささか早いように思えるが、なんでもこういった行事は早めにやってしまいセンター試験のある冬頃には勉強に集中してもらうためだとか。

 

そんなわけでどこのクラスもLHRではどんな企画をやるのかで話がもちきりだ。どのクラス、どの学年もひと味違う出し物をするために活気に溢れている。そんな中我らがFクラスはと言うとーー

 

「こいや明久ぁ!」

 

「勝負だ、光輝!」

 

「明久のへなちょこボールなんて、銀河の彼方へぶっ飛ばしてやる!」

 

準備なんてやりもせず、絶賛校庭で野球をしていた。

 

「言ったな?!こうなったら意地でも三振とってやる!」

 

俺はホームベースの土を何回か足で払ったあとバットを構えて明久の球を待つ。

 

「それって反則じゃないの?!」

 

「おいまて、一体どんな球を投げるつもりだったんだよ?!」

 

そんなやり取りをしていると校舎から全力疾走してくるものが。

 

「おいやべーぞ、鉄人だ!」

 

「貴様ら、学園祭の準備をしないで何をしているか!」

 

当たり前だが全員蜘蛛の子が散るように逃げる。

 

「吉井に虹村、貴様らがサボりの主犯か!」

 

「違いますよ!明久はともかく俺が主犯なわけないじゃないですか!」

 

「僕だって違うよ!どうしていつも僕達を目の敵にするんです?!雄二ですよ、クラス代表の雄二が野球を提案しました!」

 

確かに野球をしようと言ってきたのは雄二だ。責任を持ってこの自体を収束してくれると思い雄二の方を見る。

 

『フォークを 鉄人の 股間に』

 

「バカかお前、そんなことやってる場合か!」

 

「それやったら単に怒られるの僕だけだよね?!」

 

「全員教室に戻らんか!出し物が決まってないクラスなぞうちのクラスだけだぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と言うわけで何か案がある人はいる?」

 

鉄人に全員しばかれた後、教室にてクラスで何をやるかを決めている。仕切っているのは雄二ではなく島田だ。やる気のない時の雄二はマジでなんにもしないからな、島田と強引に実行委員にさせられた明久に丸投げして今は寝ている。と言っても俺もそこまで興味が無いから秀吉とかとだべっている。

 

そして今どんな案が出ているのか気になって黒板を見てみたら……

 

『①写真館「秘密の覗き部屋」』

 

『②ウェディング喫茶「人生の墓場」』

 

『③中華喫茶「ヨーロピアン」』

 

「……やっぱりこのクラスはダメかもしれない」

 

流石Fクラスクオリティ。どうなったらこんな事が板書されるんだ。

 

っとそこに鉄人が入ってきた。そして黒板を一目見て一言。

 

「……補習の時間を倍にした方がいいかもしれんな」

 

なんてこった、ゴリラ(鉄人)と同じ事を考えていた。

 

「……今失礼な事を考えていたいなかったか虹村」

 

「やだなー、そんなわけ無いじゃ無いですかHAHAHA」

 

俺の思考を読んできただと?!こいつやはりバケモノか。

 

「まったくお前達は……稼ぎを出してクラスの設備を向上させようとか、そういった気持ちにすらならないのか?」

 

『そうか、その手があったか!』

 

鉄人の一言により一気にやる気になるFクラス。単純な奴らだ。そして投票の結果うちは中華料理になりました。

 

「そしたらまずは厨房班とホール班に分かれてもらうわ。厨房班は須川と土屋に、ホール班はアキと虹村のところに集まって!」

 

あれ、いつの間に俺はホール班のトップにされてたんだ?ついでに明久も。オレは料理はそこまで出来ないからいいけど明久をホールにするのはもったいないな。

 

「それじゃ、私は厨房班に……」

 

「ダメだ姫路さん!君はホール班じゃないと!」

 

速攻で姫路を止める明久。メガグッチョブ!姫路の料理で厨房なんて任せたら食中毒の嵐だろう。

 

『明久、グッチョブじゃ』

 

『………(こくこく)』

 

姫路の料理の破壊力を知っている秀吉と康太も激しく同意している。一応幽香が説教をしたが、その威力は衰えて無かったという(明久の実体験)。

 

「え?明久君、どうして私はホールじゃなきゃダメなんですか?」

 

「え、あーと、ほら、姫路さんは可愛いからホールじゃないと利益が出な、痛っ!ま、魔理沙!僕の背中はサンドバッグじゃないよ!」

 

嫉妬からか魔理沙が明久の背中をポカポカ殴っている。姫路はと言うと顔を赤くして何かを言っていた。

 

「ホールも頑張りますね♪」

 

出来ればホールだけを頑張ってほしい。

 

結局ホールは俺、姫路、魔理沙、島田、秀吉。厨房は康太に雄二。明久は忙しい方に入ることになった。

 

 

 

 

 

 

 

「アキ、ちょっといい?」

 

帰りのHRの後、帰ろうとしてた俺たちを引き止めた島田と魔理沙。何があったのか聞くとどうやら姫路が転校してしまうかもしれないという。理由はクラスの環境とバカなところ。バカなところは召喚大会で優勝してFクラスを見直して貰おうとしているが、環境のところはどうしようもない。だから今回の学園祭の売上を伸ばして環境を整えようとしいるけど、それには雄二の力が必要不可欠なんだと。

 

「だから何とかして雄二に仕切ってもらいたいんだぜ」

 

「なるほど。確かに雄二が本気を出せば売上は伸びるだろうが…」

 

「問題はどうやって雄二をやる気にさせるかじゃ」

 

「今回は1ミリもやる気無いからな、難しいかもしれないな」

 

「……いや、僕にいい考えがある」

 

「却下」

 

「せめて内容を聞いてから否定しようよ!」

 

「仕方ねぇ、内容だけな」

 

明久が皆に説明をする。内容はなんて言うか……明久がシバかれる未来しか見えないものだった。

 

「…うん、いいんじゃない」

 

「でしょ!それなら早速」

 

携帯を取り出し雄二に電話する。Prrrrrと、ワンコールの後。

 

『もしもし』

 

「あ、雄二。ちょっと話が」

 

『明久か、丁度よかった。悪いが鞄を届けてくれないか?』

 

「え、まぁいいけど」

 

『サンキュー。じゃ、下駄箱でな』

 

「なんだって、雄二のやつ」

 

「鞄を下駄箱に届けろってさ」

 

「そうか、なら作戦は下駄箱でか。秀吉達は作戦通りここで待機で」

 

「任せるのじゃ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「いたいた、おーい雄二!」

 

「お、来たか。すまないな」

 

「別にいいって。それより雄二に朗報があるぞ」

 

「そうか、嫌な知らせだったら殺すぞ」

 

「………」

 

「明久だけにしてくれ。こいつを」

 

一瞬ビビった明久に代わり携帯電話を雄二に差し出す。

 

「まったく、なんの真似だ」

 

訝しながらも電話に耳を当てる。

 

『もしもし、雄二か?』

 

「霧雨か、何の用だ?」

 

『ちょっと待て、今替わるから』

 

「替わる?一体誰とーー」

 

『……雄二』

 

「人違いです」

 

すごい速さと判断力だ。そんなにすぐ『人違いです』なんて出てこないぞ。

 

「コロス」

 

そして片言の日本語と殺意が明久にささる。片言なのが妙に怖い。

 

「ま、まぁまぁ、落ち着いて。お願いを聞いてくれたら悪いようにはしないからさ」

 

「お願い?ふん、どうせ喫茶店のことだろ」

 

「さっすが雄二、話が速くて助かる」

 

「……やれやれ、面倒だがそれくらいなら引き受けよう」

 

「なんだ、案外あっさり引き受けたな」

 

「……今、翔子の家に呼ばれてるんだ、家族に紹介したいと」

 

「……なんか……ごめん」

 

雄二の背中には哀愁が漂っていた。

 

「とりあえず、引き受けてくれてありがとう!」

 

「気にするな、翔子に内通されるよりはマシだ。それより霧雨と翔子は親しかったのか?」

 

「うん、Aクラスと戦った時に色々あったらしいよ」

 

「そうだったのか?そんな素振りはなかったが……」

 

「………実は電話をしてたのは声を変えてた秀吉でな、明久の作戦で……」

 

「目をつぶって歯を食いしばれ」

 

「光輝の裏切り者!」

 

やっぱり友達を騙すのは良くないと思うんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなわけでクラスの老朽化を理事長に直訴するために理事長室に赴いた。

 

『……賞品の……として隠し……』

 

『……こそ……勝手に……』

 

「あん?なんか言い合ってるのか?」

 

理事長室の前まで来ると扉の向こうで言い争っているのが聞こえた。一体なんの話だ?

 

「まぁ関係ないか、さっさと入るぞ」

 

「失礼しまーす」

 

ノックと同時に堂々と入る明久と雄二。そのふてぶてしさ、学校1の問題児の異名は伊達じゃないな※光輝も含まれてます。

 

「本当に失礼なガキどもだね。普通はノックを待つもんだよ」

 

「やれやれ。取り込み中だと言うのにとんだ来客ですね。しかもお前か虹村、一体何の用だ」

 

俺を見るなり露骨に嫌な顔になる教頭の竹原。なんでそうなるかって?実を言うと振り分けテストの時に俺が負かした先生がこの竹原なのだ。それ以来当然と言えば当然だが俺を毛嫌いするようになって、俺を一瞥する度に嫌味を言ってくるようになった。最近では俺を観察処分者にしようとしているらしい。

 

「これはこれは、竹原教頭じゃないですか。そっちこそ今度はどんなせこい手を考えているんですか?」

 

対する俺は完全に舐めきっている。デュエルも俺に及ばない癖に器も非常に小さいからな。言ってしまえば格下だと思っている。

 

「……ふん。邪魔が入りましたしこの話はまた今度という事で」

 

踵を返し理事長室を出る竹原。その時に何かを確認してたような気がしたが気のせいか?

 

「んでガキども、あんたらは何の用だい」

 

「今日は学園長にお話があって来ました」

 

あ、雄二って敬語使えたんだ。意外だ。

 

「私は今はそれどころじゃないんでね。それにまずは名前を名乗るのが社会の礼儀ってもんだよ」

 

「失礼しました。俺は2年F組代表の坂本雄二。それでこっちが2年を代表するデュエリストの虹村光輝。こっちがーー2年を代表するバカです」

 

「どうして雄二は普通に名前を言えないんだ」

 

「ほぅ……。アンタ達がFクラスの坂本と虹村。それに吉井かい」

 

「ちょっと待って学園長!僕はまだ名前を言ってませんね!?」

 

2年生1のバカと言われれば自然と明久の名前が浮かぶだろ。

 

「気が変わったよ。話を聞いてやろうじゃないか」

 

そこから雄二と学園長の交渉が始まった。途中雄二の敬語にボロが出ていたが何とか学園祭の稼ぎで教室の設備を整えることは許可さらた。これでひとまず設備はどうにかなるな。

 

その代わりに清涼祭で行われる召喚大会に出場して優勝してこいという。というのも優勝賞品の副賞のペアチケット。これには如月グループと結託して何やら黒い噂がたっているとのこと。だから優勝してそのペアチケットを回収してくるのが条件。

 

「召喚大会か……。光輝、明久。頼めるか?」

 

雄二が俺らに聞いてくる。雄二が大会に出ないのはクラスの経営のためだろう。確かに雄二が仕切った方が利益が出るだろう。

 

「愚問だな。ぱぱっと優勝してきてやるよ」

 

「これを受けないと設備が良くならないからね、受けるよ」

 

「頼んだぞ。それでババア。こっちからも提案がある」

 

今度は雄二が学園長に提案を提示する。ここからの話は頭のいい雄二に任せておこう。変に首を突っ込んでも邪魔になるだろうし。

 

「ふむ、いいだろう。それくらいなら協力しよう」

 

「……ありがとうございます」

 

どうやら話は終わったようだ。雄二の奴もなんか悪いことを考えている顔をしている。戦略を練るときは大体その顔をしているからな、今回も雄二の作戦に期待しておこう。

 

「さて。そこまで協力するんだ。当然召喚大会で優勝出来るんだろうね?」

 

「何を言ってるんだ、出来るに決まってるだろ。ついに脳みそももうろくしてきたか?」

 

「仕方ないよ光輝。戦国時代から生きてるババア長には死期が近づいてるんだよ」

 

「アンタら……。まぁいい」

 

ババア長はため息をついて呆れた顔でこちらを見ていた。なんだ、文句あんのか?

 

「それじゃボウズ共、任せたよ」

 

「「「おうよ!」」」



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12話 清涼祭一日目

12話です。今回からオリジナルのデュエルを入れていきますよ。なるべく主要キャラは活躍させたいですね。


「本当に坂本の統率力はすごいわね」

 

「いつもはただのバカに見えるのに不思議だぜ」

 

「外見もパッと見普通だし、いけそうだ」

 

あれから雄二の指揮の元速攻で準備を進めてきた。いつもはどことなく埃っぽいFクラスも掃除をしっかりしたかいあって不清潔感はない。

 

「………飲茶も完璧」

 

「うわぁ!急に出てこないでよムッツリーニ!」

 

「お、その手に持ってるのはゴマ団子か?」

 

「………味見用」

 

そう言って皿を差し出してくる。皿の上にはとてもよく出来たゴマ団子が8個あった。

 

「美味そうにできてるな。どれどれ」

 

「ワタシたちもいただくぜ」

 

そのうちのひとつを掴み口の中に放り込む。魔理沙達も後から手を伸ばし始める。

 

「おぉ、美味しいな」

 

「丁度いい甘さ加減ね」

 

「そのあとに飲む飲茶とも合うぜ」

 

皆絶賛の1品。

 

「へぇー、それじゃあ僕もひとつ貰おうかな」

 

明久もゴマ団子をひとつ掴み頬張る。

 

「ふむふむ。表面はゴリゴリで中はネバネバ。甘すぎず、辛すぎる味わいがなんともーーんゴバッ」

 

明久の口からありえない音が出た。そしてそのままドスッと倒れる。

 

「あ、明久ぁ!?」

 

「この症状……もしかして姫路の……」

 

「………そういえば俺が作ったのは6つ。なのに残りが4つ」

 

「たしかゴマ団子は8つあったはず」

 

「となると二個がハズレじゃな」

 

「ハズレにしてはハード過ぎると思うんだけど」

 

「ーーーはっ!」

 

「あ、生き返ったか明久」

 

「うん、何とか。途中で死んだおじいちゃんが見えたけど」

 

「それは大丈夫とは言わないぜ」

 

「おーす、戻ったぞ」

 

「あ、雄二。おかえり」

 

「ん、なんだ。美味そうじゃないか。どれ」

 

「………さらば雄二」

 

「良い奴だったよ、雄二は」

 

「?お前らが何を言ってるのか分からんが……。ふむふむ。表面はゴリゴリで中はネバネバ。甘すぎず、辛すぎる味わいがとってもーーンゴパッ」

 

あ、なんかデジャブ。

 

「あー、雄二。とっても美味しかったよね?」

 

明久がアイコンタクトで『これは姫路さんの料理だよ。まさか酷いことは言わないよね?』と訴えている。雄二の目は焦点が合ってないから伝わっているか怪しいが。

 

「ふ、何の問題もない」

 

倒れたまま雄二が一言。

 

「あの川を渡ればいいんだろ?」

 

それはきっと三途の川だろう。

 

「あはは、何を言ってんだよ雄二」

 

そう言いながら雄二をこっそりと心臓マッサージして蘇生を図る。戻ってこれるかは五分だな。

 

「六万だと?バカを言え。普通渡し賃は六文だと相場が決まってーーはっ!?」

 

なんとか蘇生出来たみたいだ。危うく友人の命が失われるところだった。恐るべし姫路の料理。これはまた幽香にお願いするかもしれないな。

 

「それで雄二はどこに行っておったのじゃ?」

 

「あぁ、ちょっとな」

 

雄二にしては煮え切らない返事。多分学園長と話し合っていたんだろ。あの話は俺らだけの秘密だからな。答えるわけにもいかないか。

 

「喫茶店の方はいつでも行けるわよ」

 

「ばっちこい!」

 

「私も頑張ります!」

 

「女子陣はやる気満々だね」

 

「俺らも負けてられないな」

 

「やる気が有るのは構わないが、明久と光輝はこれから召喚大会の一回戦だぞ」

 

「あれ、そうだっけ?」

 

「あれ?アンタたちも召喚大会に出るの?」

 

「あぁ。色々あってな」

 

「もしかして、賞品が目的なのか?」

 

魔理沙の視線が明久に刺さる。

 

「うーん、一応そういうことになるかな」

 

「……そうか」

 

魔理沙はプレオープンのチケットが目的だと勘違いしてるな。それで本当は誰と行くか聞きたいけどそんな野暮なことは出来ない。けど気になる……みたいな状況だな。

 

「それじゃあ、そろそろ行くね」

 

「あっ、うん。頑張って来るんだぜ」

 

「まぁ程々にな」

 

「喫茶店の方はよろしくね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「えー。それでは試験召喚大会一回戦を始めます」

 

校庭に作られたステージ。そこで大会が催される。三回戦までは一般公開もないらしい。

 

それで肝心な対戦相手はBクラス戦にて姫路に瞬殺されていた岩下律子と菊入真由美コンビ。一回戦目からBクラスとはついてないな。

 

「それでは召喚して下さい」

 

「「「「サモン!」」」」

 

Bクラス 岩下律子 菊入真由美

数学 179点 163点

 

向こうは似たような装備の召喚獣。点数も中々のものだ。対するこっちの点は

 

Fクラス 虹村光輝 吉井明久

数学 248点 63点

 

「……もうちょっと頑張ろう明久」

 

「これが今の僕の限界なんだ」

 

明久の召喚獣は学ランに木刀。振り分け試験の時は同じ0点だったのにどうしてこんなにも装備に差がついたのか。

 

「行くわよ。不良コンビ」

 

「まずはあっちのザコからよ律子」

 

「おい待て、いつから俺らは不良になったんだよ!」

 

「て言うかザコって僕の事?!」

 

そこは間違ってないと思う。てか俺は不良だと思われてたのか……若干ショックなんだけど。

 

「律子」

 

「真由美」

 

「「行くわよ!」」

 

「へぇ。結構息があっているね」

 

「そうだな。女の子のなかよしこよしにしてはよく出来てるな」

 

「な、失礼ね!」

 

「そんな安いものじゃないわよ!」

 

「分かってないな」

 

「僕達が本当の友情を見せてあげるよ」

 

「明久!」

 

「光輝!」

 

「「あとは任せた!」」

 

ほらな、息ぴったりだろ?

 

「ってお互いが任せてどうするのさ!」

 

「仕方ないだろ、俺は全然召喚獣の扱いに慣れてないんだぞ!」

 

「嘘つけ!Bクラス戦の時に3人を相手して勝ってたって聞いたよ」

 

「なんで知ってんだよ!?」

 

「……あれが男子の友情なの?」

 

「大変なのね男子は」

 

「仕方ない、こうなったら正々堂々正面突破だ!」

 

「結局こうなるのか!」

 

小細工無しの純粋な勝負をする事にした。詰まるところこれが一番俺達に合ってると思う。

 

「てやぁー!」

 

「甘いぞ!」

 

菊入の方の召喚獣が突進して来たため武器を即座に槍で叩き落とし数発牽制の攻撃を入れる。

 

「あらよっと」

 

「あぁ?!武器が!」

 

そのまま落としていた武器を足で払い取れないようにする。こうなると武器を持ってない相手をリンチするだけの絵面になり若干罪悪感がある。加えて向こうは女子だ。好感度が下がる気しかしない。

 

明久の方も召喚獣の扱いの差が激しく、一方的な試合展開となっている。

 

「トドメ!」

 

「あっ、負けちゃった」

 

「こっちも!」

 

「うぅ、こんなのあんまりよ」

 

「……えー。吉井、虹村ペアの勝利です」

 

歓声は上がらなかった。傍から見たら女の子をボコボコにしていただけだから確かに気持ちのいいものでは無いが何このアウェイ感。怖い。

 

「是非ともこの二人には負けてもらいたいですね」

 

なんて事を。

 

「……帰るか」

 

「……そうだね」

 

これではどっちが敗者か分からないな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今戻ったぞ」

 

「喫茶店の方はどう?」

 

「あ、アキに虹村。おかえり」

 

「試合には勝てましたか?」

 

「うん、勝ったよ。……多分」

 

「多分?変なことを言うな明久」

 

「色々あったんだよ」

 

「それよりも中々繁盛しているみたいだな」

 

クラス内を見渡すと結構席が埋まっている。売上は今のところ上々といったところか。

 

「ゴマ団子と飲茶が美味しいって評判なんですよ」

 

「康太と須川、かなりガチだったからな」

 

「よーし、このまま勢いに乗って」

 

売上を伸ばそう。明久はそう言おうとしたのだろうがそれをかき消すようにクラスから大声が。

 

「おい、どうなってるんだここの衛生管理は!」

 

「食中毒にでもなったらどうするんだあ!」

 

その方向を見るとボウズとソフトモヒカンのチンピラみたいなやつがFクラスの文句を言っている。

 

「あれは……営業妨害だよな」

 

「なんで僕達のクラスで?」

 

「知らないわよ。でもこれ以上好きに言わせておくとイメージダウンよ」

 

島田の言う通り。このまま放っておくと客が来なくなる。現に今いる客も帰ろうか悩み始めている。

 

「どうした、何やら教室が騒がしいが」

 

「雄二!実はーー」

 

「……なるほど、営業妨害か。目的は分からんが追っ払った方がいいな。光輝」

 

「……あれだな。任せとけ」

 

「あれ?坂本君、一緒に宣伝に行った木下君はどうしたんですか?」

 

「ちょっとした用事を頼んでいる。明久、暇なら演劇部の部室に行ってこい」

 

「演劇部の?いいけど何するの?」

 

「行けば分かるさ。さて、やるか光輝」

 

「おう!」

 

 

「テーブルもこんなに汚いダンボールなんか使いやがって!」

 

「ここの責任者は誰だ!文句を言ってぐぼぁ?!」

 

「私が代表の坂本雄二です。何かご不満な点でも御座いましたか?」

 

至極丁寧な口調で話す雄二はホテルマンを彷彿とさせる。話しかける相手を殴り飛ばしていなければ。

 

「不満も何も、今連れが殴り飛ばされたんだが……」

 

ソフトモヒカンの方が驚いている。当たり前の反応だろう。いきなり友達が殴り飛ばされたんだから。

 

「それは私のモットーの『パンチから始まる交渉術』に対する冒涜ですか?」

 

「ふ、ふざけんなよこの野郎……!なにが交渉術ふぎゃあ?!」

 

今度はソフトモヒカンが蹴り飛ばされる。蹴り飛ばしたのは雄二ではなく俺だ。

 

「そして『キックでフォローする交渉術』です」

 

「聞いたこと無いぞそんなフォローの仕方?!」

 

「最後に『プロレス技で締める交渉術』が待っていますので」

 

「わ、わかった!こちらはこの夏川を交渉に出そう!」

 

「ちょ、ちょっと待てや常村!お前俺を売ろうと言うのか!?」

 

なんと醜い光景だ。ブサイク達が自分だけが助かろうと相方を蹴落とす。見るに耐えんな。

 

「それで常夏コンビとやら、まだ交渉を続けるのか?」

 

「い、いやもう十分だ。退散させてもらう」

 

「そうか、それならーー」

 

雄二が坊主を、俺がソフトモヒカンの腰を掴みバックドロップを決める。

 

「「これにて交渉終了……」」

 

「出来れば門外不出であって欲しい交渉術だぜ」

 

死体処理(誤字にあらず)を康太にまかせていると客が帰ろうと席を立ち始める。

 

(おい、どうする雄二。このままだと)

 

(まぁ見てろ)

 

「失礼しました。こちらの手違いでテーブルの到着が遅れて暫定的にこのようなもので代用していました。ですがたった今本当のテーブルが到着しましたのでご安心下さい」

 

深々と謝る雄二の後ろから秀吉や明久率いる男子が立派なテーブルを運んでいる姿がある。

 

なるほど、演劇部で使っているテーブルか。秀吉にしていたお願いってのはこれか。これならひとまず客を安心させられるだろう。

 

「ふぅ。こんな所か」

 

「お疲れ雄二。随分と慣れないことしたな」

 

「まったくだ。金輪際ゴメンだ」

 

本当に疲れた様子の雄二。敬語を使うとか雄二らしくないからな。

 

「秀吉もよくやってくれた」

 

「案外疲れる仕事だったぞい……」

 

「そうなのか?テーブルを調達しに行っただけじゃないのか?」

 

「一悶着あったのじゃ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜秀吉テーブル調達時〜

 

「うむ、誰も使っとらんようじゃな」

 

雄二に言われ演劇部にあるテーブルを取りに来たが無事にあって一安心じゃな。

 

「では皆の衆、運び出すぞ」

 

『任せてくれ!』

 

『秀吉の為ならなんだってするぞ!』

 

「……全く、こやつらときたら」

 

日に日にワシが男だと言うことを忘れている気がするのう。明久のワシに対する接し方も女子そのものになって来ておるし。

 

「おい君ら、何してるんだ?」

 

ワシが1人最近の扱いについて苦悩しておると男子生徒が複数やってきた。

 

「む、これは九条先輩ではないか。今日はどういった要件で?」

 

やってきたのは演劇部の先輩じゃった。九条明(くじょうあきら)。演劇部に属している三年生でその腕はワシも一目置いておる。無論デュエルと学業も怠らない。顔もよく模範的な生徒として学園内でも有名な人じゃ。

 

「やぁ秀吉君。実は僕達もテーブルを使いに来たんだが……見たところ秀吉君のクラスも使う様子だね」

 

「うむ、ワシらもこれがないと色々厄介なのでな。悪いが譲ってくれる訳にはいかんかのう?」

 

「うーん、僕達も必要なんだよな。……そうだ、それならデュエルで使用者を決めよう!」

 

「デュエルで……」

 

「そうそう、代表者が一人出て勝った方がテーブルを使えるってのはどうだ?」

 

困ったのう。デュエルで決着を決めるとなるとデュエリストとして受けない訳には行かんからのう。

 

『上等だてめー!かかってこいや!』

 

『ボコボコにしてやるから足洗って待ってけ!』

 

……こやつらは。

 

「ず、随分とやる気だね。後洗うのは首ね」

 

「……ワシがやるのじゃ。皆は下がるといい」

 

『そ、そんな。秀吉にそんな危ないこと任せられないよ!』

 

『そうだ、ここは俺達に任せて……』

 

「この中で一番デュエルの腕が有るのはワシじゃ。それにーー」

 

そろそろ男らしいところを見せんとな。

 

「そっちは秀吉君でいいかな?こっちからは僕が出るよ」

 

「それで構わないのじゃ。では先輩、いざ尋常に……」

 

「「デュエル!」」

 

「先行は僕が貰うよ。ドロー。まずはライオウ通常召喚。カードを一枚セットしてターンエンドだよ」

 

九条

LP8000

手札4

伏せ1

フィールド ライオウ

 

「ワシのターンドロー」

 

(ライオウか、厄介じゃな)

 

ワシのデッキはサーチを行う。そして何よりもエクシーズ召喚が消されるのが痛いのう。

 

「さて、どうしたものか。」

 

しかし悩んでいても始まらない。

 

「ワシは死の演出家(デスディレクター)アシスタントを通常召喚」

 

死の演出家(デスディレクター)アシスタント ☆4 魔法使い 闇A1400D1200

①このカードの召喚·特殊召喚時にデッキから『死の演出家(デスディレクター)』または『演目』と名のついたカードを一枚墓地に送る。

 

「仕込んできたね秀吉君」

 

「アシスタントの効果でデッキから死の演出家(デスディレクター)チアダンサーを墓地に送る。カードを一枚セットしてターンエンドじゃ」

 

秀吉

LP8000

手札4

伏せ1

フィールド 死の演出家(デスディレクター)アシスタント

 

「仕込むのはいいけどゆっくりしてる暇はないよ!ドロー、僕は手札から霊滅術士カイクウを通常召喚」

 

「っ!次から次へと」

 

九条先輩のデッキに強力なコンボなどは無い。その代わりに一枚一枚がそれ単品で使えるパワーカード。シンプル・イズ・ベストという言葉がしっくりくるじゃろう。

 

「バトル!ライオウでアシスタントを攻撃!」

 

秀吉LP8000→7500

 

「カイクウでダイレクトアタック!」

 

「それはさせん!リバースオープン 演目〜転〜」

 

演目〜転〜 通常罠

①相手モンスターが攻撃宣言した時に発動できる。そのモンスター墓地に送る。

 

「そう簡単にはいかせてくれないか。ターンエンドだ」

 

九条

LP8000

手札4

伏せ1

フィールド ライオウ

 

「ワシのターンドロー。ゆくぞ、手札から死の演出家(デスディレクター)マエストロを召喚」

 

死の演出家(デスディレクター)マエストロ ☆4 魔法使い 闇A1500D1200

①800LP払って発動する。自分のデッキの一番上をめくりそれが『死の演出家(デスディレクター)』と名のついたカードなら手札に。『演目』と名のついたカードなら墓地に送る。それ以外なら山札の一番下に戻す。『死の演出家(デスディレクター)マエストロ』の効果は一ターンに1度しか発動できない。

 

「マエストロの効果発動、800LPを払ってデッキトップをめくる!」

 

秀吉LP7500→6700

 

めくったカード 演目〜結〜

 

「演目カードがめくれたから墓地に送られるのじゃ。そして魔法カード 演目〜役作り〜を発動」

 

演目〜役作り〜 通常魔法

①相手フィールド上のエクストラデッキから召喚されたモンスター以外のモンスターを一体選択して発動する。そのモンスターと自分フィールド上の死の演出家(デスディレクター)をエクシーズ素材として死の演出家(デスディレクター)エクシーズモンスターをエクシーズ召喚する。この効果で召喚したエクシーズモンスターは次の相手のエンドフェイズまで効果を発動できない。

②演目〜役作り〜は一ターンに1度しか発動できない。

 

「対象はライオウ」

 

「上手くライオウの効果を躱してきたね」

 

「ライオウと死の演出家(デスディレクター)マエストロを素材として現れろ!死の演出家(デスディレクター)ヒーロー!」

 

「でも残念だがこちらも無策という訳じゃない。トラップ発動 強制脱出装置」

 

「……やはりそう上手くはいかんのう。カードを一枚セットしてターンエンドじゃ」

 

秀吉

LP6700

手札2

伏せ1

フィールド

 

「僕のターンドロー。……よし、手札から 豪剣風神を通常召喚」

 

豪剣風神 ☆4 戦士 風A1900D1500

①このカードの召喚時にフィールドに『豪剣雷神』がいない場合発動できる。手札または墓地から『豪剣雷神』を特殊召喚する。

②フィールド上に『豪剣雷神』がいる時このカードの攻撃力は200アップする。

 

「風神の効果で雷神を手札から特殊召喚!」

 

豪剣雷神 ☆4 戦士 光A1900D1500

①このカードの召喚時にフィールドに『豪剣風神』がいない場合発動できる。手札または墓地から『豪剣風神』を特殊召喚する。

②フィールド上に『豪剣風神』がいる場合このカードの攻撃力は200アップする。

 

「風神、雷神はそれぞれがいる時攻撃を高め合う。バトル!豪剣風神でダイレクトアタック!」

 

秀吉LP6700→4600

 

「豪剣雷神でダイレクトアタック!」

 

秀吉LP4600→2500

 

「流石に効いたろ秀吉君」

 

「えぇ。やはり強敵じゃのう九条先輩は」

 

「秀吉君にそう言って貰えるなんて光栄だ。カードを一枚セットしてターンエンド」

 

九条

LP8000

手札1

伏せ1

フィールド 豪剣雷神、豪剣風神

3

「でもワシも負ける訳にはいかんのじゃ!ドロー。手札から死の演出家(デスディレクター)ピアニストを召喚。効果により墓地から死の演出家(デスディレクター)マエストロを特殊召喚!」

 

死の演出家(デスディレクター)ピアニスト ☆4 魔法使い 闇A1500D1600

①このカード召喚時に墓地の死の演出家(デスディレクター)一体を特殊召喚できる。

 

「もう一度マエストロの効果を発動!ライフを払ってデッキトップをめくる!」

 

秀吉LP2500→1700

 

めくったカード 演目〜エピローグ〜

 

「演目カードのため墓地に送る。そしてフィールドの死の演出家(デスディレクター)ピアニストとマエストロでオーバーレイ。魅せろ★4 死の演出家(デスディレクター)ヒーロー!」

 

死の演出家(デスディレクター)ヒーロー ★4 魔法使い 闇A2400D1500

死の演出家(デスディレクター)と名のついた☆4×2」

①一ターンに1度エクシーズ素材を1枚取り除き墓地の『演目』カードをデッキの一番下に戻すことで発動する。その効果を発動する。この効果は一ターンに1度しか発動できない。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

「今度は上手く出されたね」

 

死の演出家(デスディレクター)ヒーローの効果発動!エクシーズ素材を墓地に送り墓地の演目を唱える。ワシが選ぶのは 演目〜エピローグ〜じゃ!」

 

演目〜エピローグ〜 通常魔法

①墓地の『死の演出家(デスディレクター)』と名のついたモンスター一体を特殊召喚する。『演目〜エピローグ〜』は一ターンに1度しか発動できない。

 

「エピローグをデッキの下に戻すことでその効果を発動。蘇らせるのは死の演出家(デスディレクター)アシスタント!アシスタントの特殊召喚時の効果を発動!デッキから『演目〜承〜』を墓地に送る。そして墓地の死の演出家(デスディレクター)チアダンサーの効果を発動するのじゃ!」

 

死の演出家(デスディレクター)チアダンサー ☆4 魔法使い 闇 A1700D1300

①このカードが墓地に存在する時、このカードをゲームから除外して墓地の『死の演出家(デスディレクター)』と名のついたモンスター一体を選択して発動する。そのモンスターを特殊召喚する。

 

「自身を除外する事で墓地の死の演出家(デスディレクター)マエストロをフィールドに戻す。まだまだ行くぞ!死の演出家(デスディレクター)アシスタントとマエストロでオーバーレイ!魅せろ★4 死の演出家(デスディレクター)ヴィランヒーロー!」

 

死の演出家(デスディレクター)ヴィランヒーロー ★4 魔法使い 闇A2500D1200

①一ターンに1度エクシーズ素材を2枚取り除き墓地の『演目』カードをデッキの一番下に戻すことで発動する。その効果を発動する。この効果は一ターンに1度しか発動できない。この効果は相手ターンでも発動できる。

②このカードが破壊され墓地に送られた場合墓地の『演目』と名のついたカードをデッキの下に戻すことでその効果を発動できる。

 

「ヴィランヒーローは素材を二つ使う代わりに破壊時にも演目のカードを使えるのじゃ。いざ参る、バトルじゃ!ヒーローで豪剣風神に攻撃!」

 

「黙ってやられる訳にはいかないよね!リバースオープン 収縮!ヒーローの攻撃力を半分にさせてもらう!」

 

「読んでいたぞい!手札から速攻魔法 演目〜形勢逆転〜を発動!」

 

演目〜形勢逆転〜 速攻魔法

①相手フィールドのモンスター一体を選択する。エンドフェイズまでそのモンスターの攻撃力分フィールドの死の演出家(デスディレクター)一体の攻撃力に加える。

 

「豪剣風神の攻撃力2100を死の演出家(デスディレクター)ヒーローの攻撃力に加え、その後収縮の効果でヒーローの元々の攻撃力が半減される」

 

『えーといくつだ?』

 

『バカ、そんなのもわかんないのかお前』

 

『お前は分かってるのか?』

 

『それはあれだよ、ほら』

 

「……ヒーローの攻撃力は3300になる」

 

九条LP8000→6800

 

「ヴィランヒーローで豪剣雷神に攻撃!」

 

九条LP6800→6200

 

「これでターンエンドじゃ」

 

『よっしゃ!一気に秀吉が有利になったぞ!』

 

秀吉

LP1700

手札1

伏せ1

フィールド ヒーロー、ヴィランヒーロー

 

「……あの速攻魔法はキツかったなー。まさに形勢逆転だね。でもまだ諦めないよ!ドロー。手札から魔法カード ブラックホール!これで何とか……」

 

「……トラップ発動 演目〜代理役者〜」

 

「ーーくそっ」

 

演目〜代理役者〜 カウンター罠

①フィールド上の『死の演出家(デスディレクター)』一体はこのターンフィールドから離れない。

②このカードは効果を発動した後ゲームから除外される。

 

「対象はヒーロー。ヴィランヒーローはそのまま破壊されるのじゃが、破壊された時の効果を使わせていただくぞい。墓地の演目〜結〜を発動!」

 

演目〜結〜 通常罠

①墓地の『死の演出家(デスディレクター)』と名のついたエクシーズモンスターをこのカードをエクシーズ素材として特殊召喚する。

 

「この効果で墓地のヴィランヒーローを特殊召喚!まぁ効果は発動出来ないのじゃがな」

 

「十分じゃないかな〜。ターンエンドだよ」

 

九条

LP6200

手札1

伏せ0

フィールド

 

「ワシのターンドロー。これが最後じゃ、魔法カード 演目〜リハーサル〜を発動!」

 

演目〜リハーサル〜 通常魔法

①エクストラデッキの『死の演出家(デスディレクター)』を一体特殊召喚する。そのモンスターはエンドフェイズにエクストラデッキに戻る。

 

「リハーサルの効果で死の演出家(デスディレクター)ラストボスを特殊召喚!」

 

死の演出家(デスディレクター)ラストボス ★4 魔法使い 闇 A2700D2500

死の演出家(デスディレクター)☆4モンスター×3」

①エクシーズ素材を1枚取り除き手札または墓地の死の演出家(デスディレクター)を一体を特殊召喚する。

②エクシーズ素材を一枚取り除き墓地の『演目』カード1枚を手札に戻すことでその効果を発動できる。この効果は相手ターンでも発動できる。この効果は一ターンに1度しか発動できない。

 

「ラストボスの攻撃力は2700…」

 

「バトルじゃ!ヒーローでダイレクトアタック!」

 

九条LP6200→3800

 

「ヴィランヒーローでダイレクトアタック!」

 

九条LP3800→1300

 

「ラストボスでダイレクトアタック!」

 

九条LP1300→0

 

「……負けちゃったか。やっぱり強いな秀吉君」

 

「九条先輩ものう。下手すればこちらが負けておったからのう」

 

「どうだろうね。さぁ、テーブルは君たちが使うといい。清涼祭楽しんでね」

 

「ではありがたく使わせてもらうぞい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「という事があったのじゃ」

 

「なるほど、意外と大変だったな秀吉」

 

「九条先輩は強いからのう。負けんでよかったぞい」

 

「そうか。いつか俺もデュエルしてみたいな」

 

「九条先輩なら快く受けると思うぞ。ところで明久と雄二はどこに行ったのじゃ?」

 

「あぁ、あの二人ならーー」

 

『坂本君、吉井君。今日という今日は許しませんよ!』

 

『走れ明久!教室に入っちまえばこっちのもんだ!』

 

『やっぱりこうなるのか!』

 

「テーブルをパクリにいってる」

 

「学園祭の時まで騒がしいとは、あの二人らしいのう」

 

「まったくだ」

 

『何故テーブルを持って走ってるのにそんなに速いのですかあなた達は!』




あとサブタイトル付けます。この方が確認しやすいと思うので。


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13話 清涼祭一日目中編

13話です。今回は長くなりました。中々キリがいい所がなくてですね。次回で一日目が終了すると思います。予定ですが。


「さて、次の対戦相手は誰だ?」

 

常夏コンビをぶっ飛ばした後俺と明久は召喚大会の二回戦目にやってきた。明久がギリギリまで鉄人に追いかけ回されていたため、駆け込む形にで会場に入ったけどな。

 

「えーと、対戦表では……」

 

明久が雄二に渡された対戦表を広げる。こうやって見ると中々参加者がいるんだな。

 

「ここで勝った方だから、根本君と小山さんペアだよ」

 

「何だ、代表カップルだったか」

 

「え!ね、根本君と小山さんが付き合ってるだと?!」

 

「何だ、知らなかったのか。割と有名だぞ」

 

「げっ、吉井に虹村」

 

俺らの顔を見た途端青い顔をする根本。

 

「どうしたの恭二。たかがFクラスのバカ二人じゃない」

 

「俺はバカじゃないんだけど」

 

「似たようなもんよ」

 

「コイツ……」

 

やっぱり性格悪いな。根本といい嫌なカップルだ。

 

「でもどうする光輝。普通にあの二人は強敵だよ」

 

そう、あの二人は腐ってもB.Cクラスの代表。俺の実力がAクラスと言っても流石に戦力差が大きい。操作能力が高い明久でも勝てるかどうかは怪しい。

 

「ふっ、心配するな明久。俺達には雄二から預かったある秘策がある」

 

「秘策?」

 

「これだ!」

 

「なっ!そ、それは!?」

 

雄二から預かったもの。それは根本が墓まで持っていきたい、門外不出の根本恭二個人写真集『生まれ変わったワタシを見て!』だ。正直中身は気持ち悪すぎて見れるもんじゃないがな。

 

とにかくこれを出した瞬間根本の顔が凍りつく。

 

「よーし、これがあれば……。さて、根本君。この写真集をばらまかれたくなかったら__」

 

「待て待て明久。交渉相手が違う」

 

「え?そうなの?」

 

「ああ。これはこう使うんだ!おい、根本の彼女!」

 

「なにかしら」

 

「これを見ろ!」

 

言いながら写真集の1ページ目をめくる。そこには根本が恥ずかしそうにポーズを取っている写真が見える。

 

「に、虹村。わかった、降参する。だからその写真集だけは……!」

 

「明久、根本を押さえてろ」

 

「りょーかい」

 

「よしよし、さぁCクラス代表。この写真集が見たかったら負けを認めな」

 

「お前は鬼か虹村?!」

 

根本が泣きそうになってるが知ったこっちゃない。こっちは何がなんでも勝たなきゃいけないんだ。

 

「……いいわ、私たちの負けよ」

 

「交渉成立だ。ほらよ」

 

「ゆ、友香!?頼む、見ないでくれ!」

 

「明久、勝負は着いたから帰るぞ。喫茶店の手伝いもしなくちゃだし」

 

「そうだね。それじゃあ先生。僕らの勝ちということで」

 

「あ、はい。虹村君と吉井君の勝利です!」

 

 

 

『別れましょう』

 

『待ってくれ!これには事情が……』

 

帰り際に聞こえたものは、聞こえないようにした。

 

♢

 

「ただいまぁー、ってあんまりお客さんいないね」

 

「お、戻ってきたようじゃの」

 

「おかえりだぜ二人とも」

 

「無事勝ってきたよ」

 

「それは何よりじゃ」

 

「それより秀吉、全然客が居ないようなんだが」

 

「むぅ。妙な客は来ておらんのじゃが」

 

「客がいなくて暇なんだよ」

 

「ってことは教室の外で何か起きてるのかな」

 

「かもしれないな」

 

そうやって考えていると、外で雄二が小さい女の子と話している声が聞こえてきた。

 

『んで、探しているのはどんなやつだ?』

 

雄二が教室に入ってきた。女の子の方は雄二の陰となって見えない。

 

『お、坂本妹か?』

 

『可愛い子だな〜。5年後にお兄さんと付き合わない?』

 

『俺はむしろ今から付き合いたいなぁ』

 

仕事が無いからってコイツらときたら……。

 

『あ、あの、葉月はお兄ちゃんを探しているんですっ』

 

『お兄ちゃん?名前はなんて言うんだ?』

 

『あぅ……。わからないです……』

 

『家族の兄じゃないのか。それなら何か特徴は?』

 

『えっと……バカなお兄ちゃんです』

 

あの歳の女の子にバカと言われるのかそいつは。

 

『そうか。……沢山居るんだが?』

 

否定出来ねぇ。

 

『あの、そうじゃなくて、すっごくバカなお兄ちゃんだったんです!』

 

『『『吉井だな』』』

 

「「「明久だな(じゃな)」」」

 

「やだな、泣いてないよ?それに僕に小さな女の子の知り合いなんて__」

 

「あっ!バカなお兄ちゃんだ!」

 

「……いたみたいだな、バカなお兄ちゃん」

 

「……いないと思ったんだけどなぁ」

 

「あれ、葉月?来てたの?」

 

「おっ、おかえり二人とも」

 

「はい、ただいま戻りました」

 

「なんじゃ島田。知り合いかの?」

 

「知り合いもなにもウチの妹よ」

 

「へ?」

 

「なんだ。島田に妹がいたのか」

 

「……あぁー!思い出した!あの時のぬいぐるみの子か!」

 

どうやら思い出したようだな明久。てか一度会っただけなのにその後バカなお兄ちゃん呼ばわりされるって何したんだ明久のやつ。すげーに気になる。

 

「ところで、この客の少なさはどういうことだ?」

 

雄二も気になったようだ。それもそうだ、さっきまでは普通に客が出入りしていたのに、急にいなくなったんだからな。

 

「そういえば葉月、ここに来る途中で色々な話を聞いたよ?」

 

どうやら島田の妹が有益な情報を持っているみたいだ。

 

「ん?どんな話だ?」

 

「えっとね、中華喫茶は汚いから行かない方がいいって」

 

なるほど、そんな噂が出回ってたのか。通りで客が少ないわけだ。

 

「ふむ……。例の連中の妨害が続いているんだろうな」

 

「接客が足りなかったみたいだな。探し出してシバキ倒すか」

 

「それでチビッ子。さっきの話はどの辺で聞いたのか教えてくれるか?」

 

「えっとですね、短いスカートを穿いた綺麗なお姉さんが一杯いるお店__」

 

「なんだって?!雄二、それはすぐに向かわないと!」

 

「そうだな明久!我がクラスのために低いアングルから綿密に調査しないとな!」

 

「アキ、最低」

 

「明久君酷いです……」

 

「お兄ちゃんのバカ!」

 

「いつも通りの明久だぜ」

 

「そこは魔理沙も怒るところだぞ?」

 

♢

 

「明久、ここはやめよう」

 

「ここまで来て何を言ってるのさ!早く中に入るよ!」

 

目的としていた場所はAクラスのメイド喫茶『ご主人様とお呼び!』だった。

 

「そっか、ここって坂本の大好きな霧島さんのいるクラスだもんね」

 

「女の子から逃げ回るなんてダメですよ?」

 

「Aクラスか、幽香もいるな」

 

「霊夢がメイド服を着てるのか。一目見てやるか」

 

「………!!(パシャパシャパシャ)」

 

「………ムッツリーニ?」

 

「何してるんだこんな所で」

 

「………人違い」

 

厨房責任者のクラスメイトはカメラを片手に否定のポーズを取っていた。

 

「どう見ても土屋だろ」

 

「アンタ何してるの?」

 

「………敵情視察」

 

「女子をローアングルから撮影してるのにか?」

 

「ムッツリーニ、ダメじゃないか、盗撮とか。そんなことしたら撮られてた女の子が可哀想だと___」

 

「………一枚百円」

 

「2ダース貰おう。__可哀想だと思わないの?」

 

「アキ、普通に注文してるわよ」

 

「流れるように買ったな」

 

「明久、金ないのにそういうのを即決で買うのはどうかと思うんだぜ」

 

「はっ、いつの間に!まったく、ムッツリーニにも困ったもんだね」

 

「さりげなくしまったな」

 

「そんなことないよ。後でちゃんと処分す__写ってるのは男の足ばっかりじゃないか畜生!」

 

「やっぱり見てるじゃないですか!」

 

「まったくアキは……。それじゃあ入るわよ。お邪魔しまーす」

 

「……おかえりなさいませ、お嬢様」

 

出迎えたのはクールで知的な美人メイド、霧島翔子だ。

 

「わぁ、綺麗……」

 

姫路がその姿に見とれる。まぁ無理もない、霧島レベルの美人がメイド服なんて着たら例え同性でも見惚れてしまう。

 

「それじゃあ俺らも」

 

「お邪魔します」

 

「お姉さん、きれ〜!」

 

「……おかえりなさいませ、ご主人様にお嬢様」

 

「……チッ」

 

「……おかえりなさいませ。今夜は帰らせませんダーリン」

 

雄二だけアレンジされていた。

 

「お席にご案内します」

 

霧島が俺たちを案内する。

 

「ぶはっははは!なんだ霊夢、その格好ー!」

 

魔理沙はというと博麗のメイド姿を見て爆笑していた。

 

「なんでいんのよ魔理沙」

 

「良いじゃないか。ぷぷっ、馬子にも衣装だな」

 

「後でぶっ飛ばすわ」

 

「来てたのね光輝」

 

幽香もこちらに顔を出しに来てくれた。

 

「ああ。似合ってるぞ幽香」

 

「当たり前でしょ。でもメイドって言うのも慣れないわね」

 

「幽香はどっちかと言うとメイドを従わせる方だよな」

 

「自分でもそう思うわ」

 

「……ではメニューをどうぞ」

 

「じゃあウチは『ふわふわシフォンケーキ』で」

 

「葉月もー!」

 

「ワタシは『チーズケーキとパンナコッタ』で」

 

「俺は『フルーツタルト』で」

 

「僕は『水』で。付け合せに塩があると嬉しい」

 

「んじゃ、俺は__」

 

「……ご注文を繰り返します」

 

雄二が言い終わる前に霧島が注文を繰り返す。

 

「……『ふわふわシフォンケーキ』を三つ、『チーズケーキとパンナコッタ』が一つ、『フルーツタルト』が一つ、『水』が一つ、『メイドとの婚姻届』が一つ。以上でよろしいですか?」

 

「全然よろしくねぇぞ?!」

 

動揺する雄二を尻目に霧島が食器を用意する。女子と俺のところにはフォークが、明久には塩が、雄二には実印と朱肉が用意された。

 

「しょ、翔子!これ本当にうちの実印だぞ!どうやって手に入れたんだ!?」

 

「落ち着けって雄二。当初の目的を忘れたのか」

 

「まったく雄二は。少しは僕を見習って優雅さを身につけなよ」

 

「それは無い」

 

「……おい、三人とも。例の二人が来たぜ」

 

魔理沙の言う通り、常夏コンビが入ってきた。そのまま中央のテーブルに通され案の定大きな声でFクラスを罵倒していた。

 

「翔子、あの二人が来たのは初めてか?」

 

「……さっき出ていってまた来た。話の内容も変わらない」

 

 

「そうか、よし。とりあえず予備のメイド服を貸してくれないか?」

 

「……わかった。貸一つ」

 

「だ、そうだ。明久」

 

「わかったよ。お礼に今度雄二を一日自由にしていいよ」

 

「……ありがとう。吉井は良い人」

 

「ちょっと待て!どうして俺が!」

 

「で、どうするんだこれ?」

 

「……着るんだ」

 

「誰が」

 

「お前だ明久」

 

「いやだぁぁー!」

 

「光輝、連行しろ」

 

「まかせろ。ほら、暴れるな明久」

 

「離して光輝!せめてアイツを殴らせて!」

 

「はいはい、後でな」

 

「大丈夫ですよ明久君。きっと似合いますから」

 

「それはフォローになってないよ姫路さん?!」

 

♢

 

「こ、この上ない屈辱だ……!」

 

「明久、存外似合っておるぞ」

 

「サンキュー秀吉。これで明久の新たな道が見えたよ」

 

「そんな道には進まないよ!」

 

「では、ワシは喫茶店に戻るぞい。存分に悪党をのしてくるが良い」

 

「ん。りょーかい」

 

秀吉と別れ、明久が常夏コンビの元へ向かう。

 

「お客様」

 

「なんだ?__へぇ。こんな子もいたんだな」

 

「結構可愛いな」

 

「お客様、足元を掃除しますので、少々よろしいでしょうか?」

 

「掃除?さっさと済ませてくれよ」

 

「ありがとうございます。それでは__」

 

「ん?なんで俺の腰に抱きつくんだ?まさか俺に惚れて」

 

「くたばれぇぇ!」

 

「ごばぁぁっ!」

 

明久が坊主に思いっきりバックドロップを決める。

 

「き、貴様はFクラスの吉井……!まさか女装趣味が__」

 

「こ、この人今私の胸を触りました!」

 

「ちょっと待て!バックドロップを当ててきたのはそっちだし、だいたい__ぐぶぁっ!」

 

「こんな公衆の面前で痴漢行為とは、このゲス野郎が!」

 

間髪入れずに雄二がモヒカンを蹴り飛ばす。こうすれば痴漢を退治したというと大義名分が出来るため存分にボコボコにすることが出来る。

 

しかし常夏コンビも逃げる。なぜが坊主が頭にブラを付けて。

 

「変態じゃねーか」

 

ちなみに俺は追いにいけない。ここの会計が残ってるからな。

 

「……お会計は、野口英世を二枚か、坂本雄二を一名のどちらかになります」

 

「坂本雄二を一名でお願い」

 

「……ありがとうございます」

 

哀れ雄二。二千円で売り飛ばされるとは。

 

「おーい、いるか博麗」

 

そんな騒動があっにも関わらず、呑気に教室の奥から凛がタキシード姿で出てきた。

 

「よぉー、凛。お前はフロアじゃないんだな」

 

「メイド喫茶だからな。男子はもれなくキッチンだ」

 

「それでもタキシードは着るんだな」

 

「どうしても手が足りなくなる時があるからな」

 

「それでどうしたのかしら?」

 

「あぁ。休憩時間になったから伝えに来た。ついでに一緒に回ろうと思ってな」

 

「そう、なら行きましょう」

 

「あ、霧島が宣伝のためにそのままの格好でいてくれとさ」

 

「げっ、何考えてるのよ翔子」

 

「こればっかりは仕方ない。それじゃあな光輝」

 

「おう、またな〜」

 

♢

 

「どこか行きたいところはあるか?博麗」

 

「そうねぇ。あんまりお金もないしお金のかからない場所に行きましょう」

 

「また金欠か」

 

「仕方ないでしょ。お賽銭が全然入らないのよ」

 

「バイトすればいいだろ。部活もやってないんだし」

 

「バイトしたら神社に居られないじゃない」

 

「人来ないじゃん」

 

「張り倒すわよ」

 

「是非とも遠慮してくれ。ほら、気になるのがあったら言えよ。奢ってやるから」

 

「本当に?なら、お言葉に甘えるわよ」

 

「ドンと来い」

 

__この時の俺は博麗を舐めていた。まさかあれほどまでに飢えていたとは……。

 

「凛、焼きそばがあるわよ!」

 

「いい匂いだな。学園祭でもお馴染みだし」

 

「あっちには揚げ物が沢山あるわ!」

 

「唐揚げにコロッケにメンチカツに。他にも色々あるな」

 

「近くにたこ焼きもあるわね」

 

「でっかい鉄板だな。わざわざ借りたのか?結構手が込んでそうだ」

 

「あっちにはチョコバナナが!」

 

「向こうにはケーキが!」

 

「……………」

 

「うーん、次はどこに行こうかしら」

 

「あの、博麗。まだ食べるのか?」

 

「当たり前よ。言ったでしょ、お言葉に甘えるって」

 

「そこはいいんだが。よく食べるな」

 

正直男子高校生の俺より食べている。

 

「ココ最近ろくなもの食べてなかったもの。こういう時にカロリーを摂取しないと死活問題なのよ」

 

「博麗の死活問題は本当に命が関わってそうだな」

 

実際笑えないことなのかもしれない。こんな人が高校生でいるのか。※明久はもっと酷いです。

 

「まぁ1回イベント系の店も行ってみよう。箸休めという意味で」

 

「……それもそうね。せっかくの学園祭だし」

 

「そうと決まればどこに行こうか。イベント系も中々に多いからな」

 

「あ、あれとかどうかしら?」

 

「えーと、占いか?」

 

「そうよ」

 

「なんか意外だな。占いとか信じないタチの人だと思ってたよ」

 

「あんまりしんじてないわよ。けど、こういう時くらいやって良いと思っただけよ」

 

「そうか。じゃあ入ってみるか」

 

中に入ってみるとそこは薄暗く、結構雰囲気のある感じだった。

 

『どうぞ、お好きな所に座ってください』

 

「へぇー、色んな占いの仕方があるのか」

 

「一つだけじゃないのね」

 

「おっ、あれとか面白そうじゃないか?」

 

俺が気になったのがカード占い。カードと聞くとどうしても気になってしまう。

 

『……今日は何を占いますか?』

 

早速座ってみるとかなり気合が入ってるのか、一周回って胡散臭くなっている人が聞いてきた。

 

「うーん。そうだな。ここは無難にこれからのデュエルについてかな」

 

『分かりました。デュエルについてですね』

 

聞くやいなや手元にあったカードをシャッフルしだした。どうやらそれを占いに使うようだ。

 

『ではお好きなカードをお選び下さい』

 

「それじゃあこれで」

 

『ほう、ビクトリードラゴンですか。それでは次にあなたがシャフルして一番上のカードをめくってください』

 

「わかった。……これだ」

 

『……立ちはだかる強敵。では最後に1〜58の中でお好きな数字を言ってください』

 

「……31」

 

『運命の分かれ道__あなたのこれからのデュエルの道が分かりました』

 

「どんなのだ」

 

『これからもあなたはデュエルで快勝していくでしょう』

 

「おぉ、やったぜ」

 

『しかしある時とてつもない強敵と出会います。しかも勝たなくてはいけない時に。その時これからのあなたの運命を決める決断を迫られることでしょう』

 

「運命を決める……。なんかよくわからないな」

 

『今はそうでしょう。それでいいのです。占いとはそういうものですので』

 

「そうなのか?」

 

『……最後に私から助言を。愛する者を探しなさい』

 

「愛する者?彼女ってことか?」

 

『それはご自分で考えることです』

 

「そ、そうか。まぁありがとう。割と楽しめたよ」

 

『ええ。ではよい一日を』

 

光輝が席を立つ。光輝は気づいていなかったが、占い師は実は最後にもう一枚カードをめくっていた。

 

『……愛する者は案外近いところにいるものですよ』

 

その手には星杯を戴く巫女が握られていた。

 

「終わった?」

 

「あぁ、よく分からなかったが助言されたよ」

 

「へぇ。どんな?」

 

「……内緒だ」

 

この時自分でも何故秘密にしたのか今の光輝には分からなかった。

 

「何よそれ。まぁ言わなくてもいいけど」

 

「すまんな。さぁ、次は博麗の番だぜ」

 

「私ね〜。どれにしましょう」

 

博麗が教室内を見渡す。

 

「そうねぇ、無難に手相占いにしときましょう」

 

そういい手相占いの空いている席に座る。

 

「お願い出来るかしら?」

 

「はいはい、今行きます……よ……」

 

「どうかした?」

 

「い、いえ。それではやりますよ!」

 

(急にやる気になったな。わかりやすいやつ)

 

「それでは左手を出してください」

 

「はい」

 

「それでは失礼して……。ぐふふ」

 

(あれ手相見てないよな。博麗の手触ってるだけだよな)

 

「ふむふむ、なるほど。……ほぉー!」

 

「な、なによ」

 

「あなたの恋愛線によると近々恋人が出来るそうです」

 

「恋人?別に欲しいと思わないけど」

 

「それのお相手はある線がある人とよく結ばれますね」

 

「そんなものまであるの?」

 

「はい。丁度僕が持っているこの線……おや、これなら僕と相性バッチリじゃないですか!」

 

「初対面なのにね」

 

「これはもう付き合うしかないですねぇ!」

 

「なんでそうなるのよ。私の相手くらい自分で決めるわよ」

 

「いえいえ、ここまで相性がいいのは中々ないですよ!さぁ、さぁ!」

 

「もういいわよ!くだらない占いだったわ!……ちょっと、手離しなさい!」

 

「付き合うと言うまで離しませんよ!」

 

「いい加減にしろ」

 

流石に俺が占い師の腕をつかみ手を離させる。

 

「何するんです!」

 

「こっちの台詞だ。明らかに普通じゃ無いだろ」

 

「お前には関係ないだろ!」

 

「関係有る無い以前にお前がおかしいだろ」

 

「うるさい!俺の恋路の邪魔をするな!」

 

向こうはデュエルディスクを装着しだす。

 

「はぁー、仕方ない。面倒だが蹴散らしてやるよ」

 

「待って凛」

 

「どうした博麗」

 

「自分のことくらい自分で処理するわ。あなたが戦う必要は無いわ」

 

博麗と目が合う。博麗には絶対に引き下がらないという強い意志が感じられた。

 

「……分かったよ。負けるなよ」

 

「あんなのに負けるわけ無いわ」

 

「だな」

 

「なんだ、君がデュエルするのか。それなら俺が勝ったら付き合ってもらうぞ!」

 

「私が勝ったら土下座して指を詰めなさい」

 

仕返しがエグい。

 

「いいだろう!君が勝ったらなんでもしてやる!」

 

いいのか。中々度胸のあるやつだ。

 

「「デュエル!」」

 

「先行は私よ。ドロー。魔法カード 闇の誘惑を発動。カードを二枚ドローして手札を一枚除外する。除外するのは呪魂の僧侶」

 

「いいぞ、呪魂は全て闇属性。しかも除外することで効果を発揮するカードも多い。初手からいいカードを引けたな」

 

「さらに魔法カード 魂強奪」

 

魂強奪 通常魔法

①デッキから☆8以下の『呪魂』を一枚手札に加える。

②『魂強奪』は一ターンに一度しか発動できない。

 

「デッキから呪魂の王を手札に加える。そのままターンエンドよ」

 

霊夢

LP8000

手札6

伏せ0

 

「俺のターンドロー」

 

さて、向こうはどんなデッキだ?

 

「手札から永続魔法 アルカナフォース potestas(ポテスタース)を発動」

 

アルカナフォースpotestas(ポテスタース)永続魔法

①『アルカナフォース』の効果でコイントスを行う時このカードにタロットカウンターを1個乗せる。

②このカードのタロットカウンター一つにつきフィールドの『アルカナフォース』の攻撃力は100upする。

 

「さらにアルカナフォースIV-THE EMPERORを通常召喚。召喚時の効果を発動。コイントスを行い出た面によって効果を決める」

 

アルカナフォースか。コイントスによって有利不利を決める運要素が強めのデッキ。早速あいつがコイントスを行う。そういえばあいつの名前知らないな。まぁいいか。

 

「出たのは表。『当然正位置!』よってTHE EMPERORの効果はアルカナフォースの攻撃力を500upさせる」

 

「なんだ?なんか変な声聞こえたんだが」

 

「またアルカナフォースpotestas(ポテスタース)にカウンターが乗りTHE EMPERORの攻撃力は2000!バトル、THE EMPERORでダイレクトアタック」

 

霊夢LP8000→6000

 

「カードを一枚伏せてターンエンド」

 

占い師

LP8000

手札3

伏せ1

フィールド THE EMPEROR potestas

 

「私のターンドロー。いくわよ、手札から儀式魔法 呪魂の儀式鏡を発動」

 

呪魂の儀式鏡 儀式魔法

①『呪魂』と名のついた儀式モンスターの降臨に必要。自分の手札·フィールドから儀式召喚するモンスターのレベル分リリースしなければならない。

②墓地の『呪魂』と名のついたモンスターをゲームから除外することで墓地のこのカードを手札に戻す。

 

「手札の呪魂の女王をリリースして呪魂の覚眼者(かくがんしゃ)を儀式召喚!」

 

呪魂の覚眼者(かくがんしゃ)☆7 戦士 闇A2700D2100

①一ターンに一度墓地の『呪魂』と名のついたモンスターを一枚手札に加えることが出来る。このターン手札に加えたカードはプレイ出来ない。

 

「さらに魔法カード 不毛な取引を発動」

 

不毛な取引 通常魔法

①デッキの上から5枚を墓地に送る。

②このターン自分は墓地のモンスターを特殊召喚出来ない。

 

墓地に落ちたカード おろかな埋葬、呪魂の狂戦士、呪魂侵略、魂強奪、呪魂の闇

 

「フィールドの覚眼者の効果で墓地の呪魂の女王を手札に戻す。バトルよ覚眼者でTHE EMPERORを攻撃!」

 

「リバースオープン、アルカナフォースmagic」

 

アルカナフォースmagic 通常罠

①コイントスを1回行い以下の効果を得る

表 このターンフィールドのアルカナフォースは戦闘、及びカードの効果で破壊されない。

裏 フィールドのアルカナフォースの攻撃力を500ダウンする。

 

「さぁ運命のコイントス!……出た面は表。よって戦闘破壊は免れる!さらにpotestasの効果で攻撃力をさらに100upさせる!」

 

占い師LP8000→7400

 

「カードを一枚セットしてターンエンドよ」

 

霊夢

LP6000

手札2

伏せ1

フィールド 覚眼者

 

「俺のターンドロー。俺は手札から魔法カード 同胞の絆を発動。デッキからモンスターを二体特殊召喚する」

 

占い師LP7400→5400

 

「現れろ、アルカナフォースⅥーTHE LOVERS、アルカナフォースVIIーTHE CHARIOT」

 

また新たなアルカナフォース達が。こうなるとpotestasが厄介になってくるな。

 

「アルカナフォースが特殊召喚された時の効果をそれぞ発動、二回コイントスを行う。……出た面はどちらとも表、よってTHE LOVERSは二体分の生贄になり、THE CHARIOTは戦闘破壊したモンスターを奪う効果を得る」

 

まだ通常召喚をしていない。そこに二体分の生贄か。これはアドバンス召喚が来るな。

 

「THE LOVERSをリリースしアルカナフォースXVⅢーTHE MOONをアドバンス召喚。効果を発動、またもやコイントスを行う。……出た面は表。よってトークンを産む効果になる!」

 

あいつさっきからコイントスを成功させまくるな。イカサマでもしてるんじゃないかと疑うほどだ。

 

「同胞の絆の効果でこのターンは攻撃が出来ない。ターンエンドだ」

 

占い師

LP5400

手札2

伏せ0

フィールド THE CHARIOT、THE MOON、THE EMPEROR、potestas5

 

「私のターンドロー。まずは覚眼者の効果を発動。墓地の呪魂の狂戦士を手札に加える」

 

呪魂モンスターは回収できる。しかし相手のアルカナフォースは今攻撃力が1000upしている状態だ。生半可なモンスターじゃ突破は厳しいぞ。

 

「私は儀式魔法()()()()()を発動!」

 

あのカードは……

 

呪われた魂 通常魔法

①相手のモンスター一体を選択して発動。そのモンスターをリリースしそのモンスターと同じ☆の呪魂モンスターを手札から儀式召喚扱いで特殊召喚する。そのモンスターはこのターンに攻撃出来ない。

 

「なに?!」

 

「対象はアルカナフォースXVⅢーTHE MOON。手札から☆7の呪魂を特殊召喚するわ。出なさい、呪魂の女王」

 

これは決まったかな?

 

呪魂の女王 ☆7魔法使い 闇A2600D2100

①このカードの儀式召喚時に墓地の☆8以下の『呪魂』一体を儀式召喚扱いで特殊召喚できる。

②『呪魂の女王』の効果は一ターンに一度しか発動出来ない。

 

「女王の効果で墓地から呪魂の闇を特殊召喚する」

 

呪魂の闇 ☆6 悪魔 闇A2300D2000

①このカードを破壊することでこのカードの☆より高い☆の『呪魂』を手札又は墓地から儀式召喚扱いで特殊召喚する。

 

「呪魂の闇を破壊して手札から呪魂の王を特殊召喚」

 

呪魂の王 ☆8 魔法使い 闇A2800D1500

①このカードの儀式召喚時にデッキの上から三枚をめくる。その中の『呪魂』モンスター一体を儀式召喚扱いで特殊召喚する。残りはデッキの一番下に置く。

②『呪魂の王』の効果は一ターンに一度しか発動出来ない。

 

「さらにいいモンスターが出ないことを祈る事ね!」

 

博麗がカードを三枚めくる。そのカードは__

 

儀式の準備、闇の誘惑、呪魂の巫女

 

これは終わったな。

 

「呪魂の巫女を特殊召喚!」

 

呪魂の巫女 ☆8 魔法使い 闇A2700D2500

①このカードがフィールド上に存在する限りフィールドの『呪魂』モンスターは戦闘で破壊されず、効果の対象にならない。

 

「さぁいくわよ、バトル!呪魂の巫女でアルカナフォースIV-THE EMPERORを攻撃!」

 

占い師LP5400→5100

 

「呪魂の王でアルカナフォースVIIーTHE CHARIOTを攻撃!」

 

占い師LP5100→4500

 

「呪魂の覚眼者でダイレクトアタック!」

 

占い師LP4500→1800

 

「ターンエンドよ」

 

霊夢

LP6000

手札1

伏せ1

フィールド 呪魂の王、女王、巫女、覚眼者

 

「あらどうしたの?最初はあれだけ威勢が良かったのに」

 

「う、うるさい!ドロー」

 

「サレンダーはしないのね」

 

「黙れ!俺はまだ終わってない!手札から魔法カード アルカナフォースmiracleを発動!」

 

アルカナフォースmiracle 通常魔法

①コイントスを行い以下の効果を得る。

表 手札から『アルカナフォースEX』と名のついたモンスターを召喚条件を無視して特殊召喚する。

裏 このターンモンスターを召喚·特殊召喚出来ない。

 

「これでコイツらを出せば逆転出来る!」

 

「それはどうかしら?」

 

「なに?」

 

「コイントスで表が出るとは限らないじゃない」

 

「はっ!強運の俺がここで外すわけないだろ!」

 

占い師がコインを弾く。

 

「……馬鹿ね。勝利の女神はもうあなたを見てはないのよ」

 

「なっ……!う、裏だと?!」

 

「やっぱり。見放されたみたいね」

 

「……くそっ!!ターンエンドだ!」

 

「私のターンドロー。そのままバトル、呪魂の巫女でダイレクトアタック!」

 

占い師LP1800→0

 

「私の勝ちね。ほら、指を詰めなさい」

 

「えっ?本当にやるのか?謝るだけじゃないのか?」

 

「当たり前じゃない。謝ったくらいで私の気が済むわけないわ。それだけ不快な思いをさせられたんだから」

 

「ひ、ひぃ」

 

これはもう見てられないな。

 

「まぁまぁ博麗、その辺にしとけ」

 

「嫌よ。気が済まないのよ」

 

「そこを何とかしてくれ。また奢るから。それにこいつに時間を割くのも無駄だろ?」

 

「……まだまだ食べるわよ私」

 

「好きなだけ付き合うさ」

 

「……そう。なら早く行きましょう。休憩が終わる前に」

 

「そうだな」

 

その後は休憩時間が終わるまで博麗に奢り回った。結構な出費になったけど__

 

「うん、美味しい!」

 

その分良いものも見れたし良しとするか。



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14話 清涼祭一日目後編

14話です。今回で清涼祭前半は終わりです。次回から後半戦。後半もどんどんデュエルしていきますよ!


「くそっ、見失ったな」

 

「意外と逃げ足が早いね」

 

「むっ、帰ってきたか」

 

「うん、ただいま秀吉」

 

「あー悪いが明久。このまま直ぐに次の試合だ」

 

「うぅー。暇がないよ」

 

「おっ。おかえり明久」

 

「ただいま魔理……沙」

 

「ど、どうした明久」

 

「多分魔理沙のチャイナ服姿を見て固まったな」

 

明久達が常夏コンビを追っている最中、落ちた喫茶店の評判を挽回させようと康太が一瞬にしてこしらえた自慢の逸品だ。姫路、魔理沙、島田のものは勿論何故か店の手伝いをしてくれている葉月ちゃんのまで作ってある。一体なぜなのか。

 

「………頑張ろうとしているものを支援するのは当たり前」

 

と康太は言っていた。

 

「__はっ!」

 

どうやら戻ってきたようだ。

 

「似合ってるよ魔理沙。その調子でどんどん売上を上げてね!」

 

「任せとけ!」

 

「………ふ〜ん」

 

あっ、姫路が明久をガン見してる。嫌な予感しかしない。なぜなら次の試合は__

 

「行きましょう美波ちゃん。………明久君を折檻しに」

 

「なんでそうなるの姫路さん?!」

 

「諦めろ明久どのみち次の試合は姫路とだ」

 

「___え?そうなの?」

 

「あぁ。それとこれは俺の勘でしかないけど……多分明久が集中攻撃される」

 

「何その理不尽な勘は!」

 

♢

 

『それでは三回戦を始めたいと思います』

 

「そういえば今回から司会と観客の前でやるのか」

 

「何だか緊張するね」

 

「嘘つけ。そんなタイプでもないだろ」

 

「まぁね」

 

明久と雑談をしていると姫路達が上ってきた。どうやら店の宣伝のためチャイナ服での参戦となっている。……恥ずかしくないのか?

 

「覚悟してください明久君!今日は許しませんよ!」

 

「僕なんか姫路さんにしたかな……」

 

「うん、明久は悪くないんだけど悪いわ」

 

「それ決着どっちなの?」

 

「見てなさいアキ、恨みは無いけど負ける気もないわよ!」

 

「なんだか美波がマシに見えるよ」

 

「前言撤回、ボコボコにするわ」

 

「今のは明久が悪い」

 

「味方なんていなかった」

 

『それでは三回戦の科目は〜〜〜古典です!』

 

「えっ、古典?!数学じゃなかったの?!」

 

「悪い島田。お前達にあげた対戦表、あれ雄二の手作りなんだわ」

 

「だ、騙したわね!」

 

古典

姫路瑞希 399点 島田美波 6点

 

「島田には悪いがこれなら二対一みたいなもんだな!これなら俺達の勝ちみたいなもんだな明久!」

 

「その通りだよ光輝!6点しか取れてない美波なんて戦力にならないよ!」

 

古典

虹村光輝 258点 吉井明久 9点

 

「………………………明久」

 

「………………………正直悪かったと思ってる」

 

すごく悼まれない雰囲気が漂う。なんで俺達の召喚大会はこう普通に行かないんだ。

 

「き、気を取り直して行くよ光輝!僕が美波を倒すから光輝は姫路さんをお願い!」

 

「いや、流石に俺の負担がデカい!それよりもいい作戦があるぞ」

 

「ほ、本当!?それは一体……」

 

「まず明久が二人を引きつけるだろ」

 

「うんうん」

 

「それを俺が見て面白がる」

 

「まずはお前から倒してやる!!」

 

「うわちょ、危ねーな!」

 

「黙れ反逆者!結局楽したいだけじゃないか!」

 

「おいおい、いくら味方だからって直接攻撃は反則だろ!」

 

『反則はありません』

 

無慈悲すぎるぞ先生。

 

「行きます!」

 

「うわ、危ない!」

 

姫路の攻撃をギリッギリで躱す明久。よくあの状況で躱せるな。

 

「逃がしません!」

 

「おおおー!」

 

何とか振り下げた姫路の剣の上から木刀で押さえ込んだ明久。しかしその力量は火を見るよりも明らか。すぐに覆されるだろう。

 

「そのまま抑えとけ明久ぁー!」

 

「いけ光輝!このまま僕に当てないように姫路さんに大ダメージを__」

 

「馬鹿野郎!手加減なんてしたら倒せないだろ!」

 

「ほえっ?」

 

「えっ?あ、きゃあー!」

 

手に持っている槍で力いっぱい姫路を貫く。………明久諸共。

 

「っていったぁぁーーー!!!」

 

姫路瑞希 0点 吉井明久 Death

 

いや間違ってないけども。

 

「み、瑞希!」

 

「油断してる暇はないぜ!」

 

「あっ!」

 

島田美波 0点

 

『………えーー、勝者は虹村君です』

 

「あれ、これってバトルロワイヤルだったっけ?」

 

♢

 

「た、ただいま〜」

 

「戻ったか。どうなった?」

 

「うーん、虹村の一人勝ちね」

 

「? まぁよく分からないが明久達が勝ったんだな」

 

「そうなるな」

 

「よし、それなら早速働いてくれ。明久は厨房のムッツリーニと交代してくれ」

 

「分かったよ。おーいムッツリーニー」

 

「………どうした」

 

「休憩だってさ。忙しくなるまえに」

 

「………了解した」

 

エプロンを脱ぎカメラ片手に教室から出て歩き始める。何かを撮るつもりだったのか辺りをキョロキョロと見渡す。

 

康太にとってこの学園祭は様々な衣装を着ている人が多いためいい被写体がそこらじゅうにいるのと同じ。文月学園は何故か美人揃いなのもある。

 

「あっ、ムッツリーニ君!」

 

その時にメイド服姿の工藤に声をかけられる。

 

「………何の用だ、工藤愛子」

 

「もぉ〜そんなにつんつんしないでよ♪」

 

ニヤニヤと康太に近づいてくる。

 

「せっかくだし一緒に回ろうよ!」

 

「………好きにしろ」

 

「じゃあさムッツリーニ君。どこに行こうか」

 

「………特に行きたい場所はない」

 

「もぉーつまんない」

 

「………そもそもなんでお前が着いてく__」

 

「それなら中庭に行こうよ!そこにも結構お店が並んでるらしいからさ!」

 

グイグイと康太の腕を引っ張る。どうやら拒否権は無いようだ。

 

「………話を、聞け。それにあまり密着するな」

 

今はギリギリ耐えているが本当は鼻血を出す寸前なのだ。楽しいはずの学園祭で流血沙汰なぞ出たら中止になってしまう。その思いだけで留まっている状態だ。

 

「わぁー、こっちも中々栄えてるね!」

 

「………そう…だな」

 

「あれ〜どうしたのムッツリーニ君。鼻なんか抑えて」

 

「………ただの花粉症」

 

「ふ〜ん。気をつけてね♪」

 

この感じからして工藤はわざとやっていたのだろう。今の康太にそれを見抜く余裕はない。

 

「あれ?なんか舞台で何かやってるね。すごい人がいるよ」

 

「………この時間はプロのデュエリストが来ている」

 

「え、本当に?見に行こうよ!」

 

「………行くから腕を組もうとするな」

 

人が集まっているところに行く2人。

 

『さぁ、それでは太刀風選手。誰を指名しますか?』

 

「あ、あの人テレビで見たことあるよ。太刀風スバルさんだ!」

 

太刀風スバル。デュエリストの中でも有名でテレビ出演なども快く受け、人柄も良いと評判のプロ選手。若いながらもプロとしての実績は長い。

 

「………どうやら誰かとデュエルするみたいだ」

 

「プロとデュエルか〜。こんな機会そうそう無いから選ばれたいな〜」

 

「………俺は遠慮したい__」

 

その時バッチリと目が合った康太と太刀風。

 

「……うん、決めた。そこの緑髪の女の子」

 

「え?!ボク?!」

 

「__の隣にいる男子。君だ」

 

「………俺か?」

 

『さぁ今呼ばれた男子、ステージに上がってきてください!』

 

顔が引き攣りながらもステージに上がる康太。何故自分なのかと。

 

『それではお名前をお願いします!』

 

「………土屋康太」

 

『土屋君ですね。いきなりですがデュエルの準備はいいですか?』

 

「………一応」

 

『それでは御二方、熱いデュエルを期待してます!』

 

司会が会場を盛り上げる。それが仕事なのだから仕方がないが康太からしてみれば迷惑この上ない。

 

「………何故俺を指名したんだ。他にも人はいたのに」

 

「君を指名した理由かい?簡単さ、君とデュエルをしたいと思った……それだけさ」

 

「………理解出来ない」

 

『では皆様ご一緒に!』

 

「「デュエル!」」

 

「………先行は俺だ。ドロー。手札から速攻忍者ー叢雲を召喚」

 

速攻忍者ー叢雲 ☆4 風 戦士 A1600D1200

①このカードが召喚したターン、通常召喚に加えて『速攻忍者』と名のついたモンスターを通常することが出来る。

 

「………叢雲の効果で手札から速攻忍者ー段蔵を通常召喚。効果を発動」

 

速攻忍者ー段蔵 ☆4 風 戦士 A1300D1200

①このカードが召喚·特殊召喚に成功した場合デッキから『速攻忍者』と名のついたカードを一枚手札に加える。『速攻忍者ー段蔵』の効果は一ターンに一度しか発動出来ない。

 

「………段蔵の効果でデッキから速攻忍者ー猿飛を手札に加える。さらに叢雲と段蔵でオーバーレイ。エクシーズ召喚★4 駆けつけろ、速攻忍者ー服部半蔵」

 

速攻忍者ー服部半蔵 ★4 風 戦士 A2500D1400

「☆4速攻忍者×2」

①このカードのエクシーズ素材を一枚取り除いて発動する。墓地の『速攻忍者』と名のついたモンスター一体を手札に加える。

 

「………服部半蔵の効果。段蔵を墓地に送りそのまま手札に加える」

 

「いいよ。いつもの動きが出来てる。この観客の前でも緊張してないみたいだね」

 

流石ムッツリーニ君。そう素直に関心する工藤。

 

「………カードを一枚セットしてターンエンド」

 

ムッツリーニ

LP8000

手札5

伏せ1

フィールド 服部半蔵

 

「いいねぇ。俺が見込んだとおり中々強そうじゃないか。ドロー」

 

「………お手並み拝見だな」

 

『さぁ、現代のプロデュエリストはどのような動きを見せるのか?!』

 

「手札から甲虫装機ダンセルを召喚。さらに魔法カード おろかな埋葬を発動。デッキから甲虫装機ホーネットを墓地送る」

 

「来るよムッツリーニ君!気をつけて!」

 

「ダンセルの効果発動!墓地のホーネットを装備。そのままホーネットの効果を発動!墓地に送り服部半蔵を破壊する!」

 

「………チェーンはない。破壊される」

 

「ホーネットが墓地に送られた時ダンセルの効果を発動!デッキから甲虫装機センチピードを特殊召喚。センチピードの効果で手札の甲虫装機グルフを装備。装備しているグルフを墓地に送りセンチピードの☆を2つ上げる。グルフが墓地に送られた時センチピードの効果でデッキから甲虫装機ギガホーンを手札に加える」

 

『一瞬にして状況がひっくり返った〜!』

 

「流石だね、長年プロの上位リーグにいるだけはあるよ」

 

「手札のギガホーンはフィールドの甲虫装機に装備することが出来る。ダンセルに装備」

 

甲虫装機ギガホーン ☆7 地 昆虫 A2400D0

①自分フィールドの「甲虫装機」モンスター1体を対象として発動できる。

このカードを手札から装備カード扱いとしてその自分の「甲虫装機」モンスターに装備する。

②このカードを装備しているモンスターの元々の攻撃力は2400になる。

③このカードを装備しているモンスターが破壊された場合墓地からこのカードを特殊召喚する。

 

「バトル!甲虫装機センチピードでダイレクトアタック!」

 

ムッツリーニLP8000→6400

 

「続いてダンセルでダイレクトアタック!」

 

「………リバースオープン 速攻忍術ー変わり身」

 

速攻忍術ー変わり身 カウンター罠

①相手モンスターが攻撃宣言した時に発動できる。そのモンスターの攻撃対象を相手モンスターに差し替える。

 

「………ダンセルの攻撃対象をセンチピードに変える」

 

太刀風LP8000→7200

 

「やるじゃないか、カードを一枚セットしてターンエンド」

 

太刀風

LP7200

手札1

伏せ1

フィールド ダンセル(ギガホーン装備)

 

『この太刀風選手の動きにどう返す土屋君!』

 

「………俺のターンドロー。手札の速攻忍者ー段蔵を召喚。召喚時の効果でデッキから速攻忍者ー泡沫を手札に加える。さらにフィールドに『速攻忍者』がいる場合、このモンスターは特殊召喚できる」

 

速攻忍者ー猿飛 ☆4 風 戦士 A1400D1200

①フィールド上に『速攻忍者』と名のついたモンスターがいる場合このカードは手札から特殊召喚することが出来る。

 

「………二体の速攻忍者をオーバーレイ。エクシーズ召喚★4 駆けつけ 速攻忍者ー石川五右衛門!」

 

速攻忍者ー石川五右衛門 ★4 風 戦士 A2400A1600

「☆4速攻忍者×2」

①一ターンに一度このカードのエクシーズ素材を一枚取り除いて発動。カードを一枚ドローする。

②このカードが墓地に送られた場合、カードを一枚ドローすることが出来る。

 

「………石川五右衛門の効果発動。素材の段蔵を墓地に送りワンドローする」

 

「そのモンスターじゃ今のダンセルと相打ちだぜ?」

 

「………その心配はいらない」

 

「そうだよ。だって速攻忍者はここから強くなるんだから!」

 

「………魔法カード 速攻忍術ー移しみを発動」

 

速攻忍術ー移しみ 通常魔法

①フィールド上の『速攻忍者』と名のついたエクシーズモンスターを一体選択して発動する。そのモンスターをエクシーズ素材としてそのモンスターの★+1の『速攻忍者』エクシーズモンスターをエクシーズ召喚する。

 

「………石川五右衛門をカオスエクシーズチェンジ。駆けつけ★5 速攻忍者ー黒夜叉!」

 

速攻忍者ー黒夜叉 ★5 風 戦士 A2600D2400

「☆5速攻忍者×2」

①このカードのエクシーズ素材を一枚取り除きフィールド上のカードを一枚選択して発動する。選択したカードを破壊する。その後カードを一枚ドローする。

 

「そいつはヤバそうだ。リバースオープン ペストクラッシュ」

 

ペストクラッシュ 通常罠

①フィールド上の昆虫族を一体破壊して発動する。相手フィールド上のカードを一枚破壊して、デッキから破壊した昆虫族の☆以下のモンスターを手札に加える。

 

「俺のフィールドのダンセルを破壊して黒夜叉を破壊!」

 

「………っ!」

 

『簡単には突破させてくれない太刀風選手!しかもまだ効果が残ってるぞ!』

 

「まずペストクラッシュの残りの効果。デッキから甲虫装機ダンセルを手札に加える。次に甲虫装機ギガホーンの効果を発動。装備モンスターが破壊されたため墓地から目を覚ます!」

 

「………石川五右衛門が墓地に送られたためカードを一枚ドローする」

 

「…どうするムッツリーニ君。手札はまだあるけど」

 

「………カードを一枚セットしてターンエンドだ」

 

ムッツリーニ

LP6400

手札5

伏せ1

 

「動かないか」

 

無理もないか。下手に展開しても相手に破壊されるだけ。それなら好機をうかがった方が得策というもの。

 

「俺のターンだな、ドロー。手札から甲虫装機ダンセルを召喚!」

 

「………リバースオープン 速攻忍術ー時雨」

 

速攻忍術ー時雨 通常罠

①フィールド上のカードを一枚デッキの一番上に送る。

 

「ダンセルをデッキトップに」

 

「ちっ、仕方ねーな。それならバトルフェイズだ、ギガホーンでダイレクトアタック!」

 

ムッツリーニLP6400→4000

 

「カードを一枚セットしてターンエンドだ」

 

『太刀風選手も攻めきれない!一進一退の攻防が続くぞー!』

 

太刀風

LP7200

手札1

伏せ1

フィールド ギガホーン

 

「………俺のターンドロー。そろそろいかせてもらうぞ」

 

「勝負に出るのか?」

 

「………違う。俺は部の悪い賭けはしない」

 

「それならこのターンで決着がつくとでも?」

 

「………それも違う。ただ俺が優位に立つだけだ。手札から速攻忍者ー泡沫を召喚」

 

速攻忍者ー泡沫(うたかた) ☆4 風 戦士 A1200D1500

①このカードが召喚.特殊召喚した場合発動できる。デッキから『速攻忍術』と名のついたカードを一枚手札に加える。『速攻忍者ー泡沫』の効果は一ターンに一度しか発動出来ない。

 

「それを許すほど甘くはないぞ、リバースオープン神の警告。泡沫の召喚を無効にし破壊する」

 

太刀風LP7200→5200

 

「………それくらいは妨害されるだろう」

 

「読んでいたのか?」

 

「………(こくっ)。相手の場の方がモンスターが多い場合サスケは特殊召喚できる」

 

速攻忍者ーサスケ ☆4 風 戦士 A1300D1200

①自分フィールド上のモンスターより相手フィールド上のモンスターの方が数が多い場合このカードは手札から特殊召喚できる。

 

「………さらに墓地の速攻忍者ー段蔵を除外して手札から速攻忍者ー小太郎を特殊召喚」

 

速攻忍者ー小太郎 ☆4 風 戦士 A1500D600

①自分の墓地の『速攻忍者』モンスターを一体除外することで手札から特殊召喚することが出来る。

 

「………二体のモンスターでオーバーレイ」

 

「召喚権を潰されてもエクシーズ出来るなんて!」

 

しかし問題はこの場をくつがえせるモンスターがいるか。

 

「………エクシーズ召喚★4駆けつけ 速攻忍者ー百地丹波」

 

「新しい速攻忍者?!」

 

速攻忍者ー百地丹波 ★4 風 戦士 A2400D1600

「☆4速攻忍者×2」

①このカードのエクシーズ素材を二枚取り除いて発動する。デッキから自分の墓地に存在しない『速攻忍術』と名のついたカードを一枚発動する。

 

「………百地丹波の効果。素材を二枚取り除いてデッキから速攻忍術ー六道の陣を発動!」

 

「凄い!あれだけで強力な速攻忍者がエクシーズ召喚できるなんて!」

 

「しかもさっきとは違うパワーアップカードだな」

 

速攻忍術ー六道の陣 通常魔法

①フィールド上の『速攻忍者』エクシーズモンスターを一体選択して発動する。そのモンスターをエクシーズ素材として★6の『速攻忍者』と名のついたエクシーズモンスターをエクシーズ召喚する。

 

「………百地丹波をエクシーズチェンジ。エクシーズ召喚★6駆けつけ ろ 速攻忍者ー伊邪那美命(いざなみ)!」

 

速攻忍者ー伊邪那美命 ★6 風 戦士 A2600D2500

①フィールド上の『速攻忍者』と名のついたモンスターを一体選択して発動する。このカードのエクシーズ素材を一枚取り除くことで選択したモンスターはこのターンカードの効果の対象にならず、破壊されない。この効果は相手ターンでも発動出来る。『速攻忍者ー伊邪那美命』の効果は一ターンに一度しか発動出来ない。

 

「随分と俺のデッキに刺さるモンスターだな」

 

「………バトル。伊邪那美命でギガホーンを攻撃!」

 

太刀風LP5200→5000

 

「やっぱり俺の目に狂いはなかったな。けど優位に立つのはまだ早いな。俺のフィールドに何も無い時にダイレクトアタックをくらった時冥府より遣いが現れる!」

 

「………冥府の使者ゴーズか」

 

「カイエントークンの攻撃力は受けたダメージ__2600となる」

 

これは予想外かムッツリーニの表情も強ばる。

 

「………カードを二枚セットしてターンエンド」

 

ムッツリーニ

LP4000

手札1

伏せ2

フィールド 伊邪那美命

 

「俺のターンドロー。今度はこっちがいく番だ!手札から甲虫装機ダンセルを召喚!」

 

「………それはさせない。リバースオープン 速攻忍術ー暗殺」

 

速攻忍術ー暗殺 永続罠

①手札の『速攻忍者』と名のついたモンスターを一枚ゲームから除外することで発動する。相手フィールド上のモンスター一体を墓地に送る。『速攻忍術ー暗殺』の効果は一ターンに一度しか発動出来ない。

②このカードは発動から三ターン後の自分のスタンバイフェイズに破壊される。

 

「………手札の速攻忍者ー猿飛を除外してダンセルを墓地に送る」

 

「ちっ、本当に素直に行かせてもらえないな。ならバトル!カイエントークンで伊邪那美命を攻撃!」

 

「………伊邪那美命の効果。素材を取り除き破壊を無効にする」

 

「カイエントークンは破壊される。……続いてゴーズで攻撃!」

 

「………伊邪那美命は破壊されない」

 

「ダメージは受けてもらうぜ」

 

ムッツリーニLP4000→3900

 

「ターンエンドだ」

 

太刀風

LP5000

手札0

伏せ0

フィールド ゴーズ

 

『これは、お互いに手札が0枚!より早く動けた方が勝つ勝負になったぞー!』

 

「でも速攻忍術ー暗殺があるムッツリーニ君の方が若干有利だね」

 

速攻忍者を引ければゴーズを除去出来る。しかしそうなるとこのターンに決着がつかない。対する太刀風は甲虫装機を引ければ一気に逆転することも可能。

 

「………俺のターンドロー」

 

ここからはお互いの気持ちにより強く応えるデッキの勝負となる。

 

「………俺は手札から速攻忍者ー風魔を召喚」

 

「暗殺の効果を使わずに召喚!?」

 

「不思議じゃないさ。あいつは()()()()()()()()()()()()()

 

太刀風の言葉に会場が湧く。まさか学生がプロに勝つのかと。

 

速攻忍者ー風魔 ☆4 風 戦士 A1500D1200

①墓地の『速攻忍者』と名のついたモンスターを一体除外して発動する。そのモンスターと名前の異なる『速攻忍者』と名のついたモンスターを一体手札に加える。『速攻忍者ー風魔』の効果は一ターンに一度しか発動出来ない。

 

「………墓地の速攻忍者ー泡沫を除外して墓地から速攻忍者ー猿飛を手札に加える。そして場に速攻忍者がいるため特殊召喚する」

 

『手札一枚からエクシーズの環境が整った土屋君!この勝負に決着を着けるのは一体どんなモンスターだ?!』

 

「……なるほど。あいつか」

 

一足先にムッツリーニの意図に気づいた太刀風。その顔はどことなく笑っていた。

 

「………猿飛と風魔をオーバーレイ。エクシーズ召喚★4駆けつけ 速攻忍者ー服部半蔵!」

 

「あっ、そうか!」

 

工藤も気がついた様子。そう、服部半蔵の効果で速攻忍者を回収すれば__

 

「暗殺でゴーズを除去出来る……」

 

「………服部半蔵の効果。猿飛を墓地に送りそのまま回収。そして速攻忍術ー暗殺の効果で猿飛を除外し冥府の使者ゴーズを墓地に送る!」

 

『『『おぉぉーー!!』』』

 

「………バトル!速攻忍者ー服部半蔵でダイレクトアタック!」

 

太刀風LP5000→2500

 

「いやぁ、見事だ。土屋君」

 

「………速攻忍者ー伊邪那美命でトドメ!」

 

太刀風LP2500→0

 

『『『ううおぉぉーー!!』』』

 

勝った本人の康太よりも盛り上がる会場。

 

『なんということでしょうか!この熱いデュエルを制したのは学生代表、土屋康太君だぁぁーー!!!』

 

会場の熱が冷めぬままお互いに握手をする康太と太刀風。

 

「楽しいデュエルだったよ。まさか負けるとはね」

 

「………本気ではなかった」

 

「うん?」

 

「………あなたのエースモンスターが出なかった。出そうと思えば出せたのに。もしそれが出ていれば俺が勝てたかどうか分からない」

 

「そんなことない__」

 

「………俺には分かる。何故出さなかったんだ?」

 

「………その答えが知りたかったらプロになるんだな」

 

「………プロ?俺が?」

 

「あぁ。君ならなれる」

 

「………無理だ。俺には」

 

「そんなことは分からないさ。現に俺にも勝てただろ」

 

「………それはあなたが!」

 

「俺は結構人を見る目があるんだよ。俺が保証する」

 

君はプロになるべき人間だ。そう康太に告げ会場をあとにした。

 

「おーい、ムッツリーニ君!やったね、まさか勝っちゃうなんて!」

 

「………俺がプロに………か」

 

不思議と康太の顔にも笑みが浮かんだ。何故なのかは自分でも分からなかったけど。




一応最後に言っていたエースモンスターを紹介します。

甲虫装機ファイナルファング★5A1500D0
①一ターンに一度手札、墓地、デッキから甲虫装機を装備できる
②このカードの装備されてる甲虫装機が墓地に行くたび1000up
③このカードが破壊される代わりに装備カード破壊できる

こんな感じですね。出番あるのかなコイツ


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15話 清涼祭二日目前編

15話です。今回は初めての試みをしています。そんなに活かせてる気はしませんけど。


「いらっしゃいませー」

 

清涼祭二日目。昨日の営業妨害で出た損失を取り戻すべく皆気合を入れていた。女子陣は特に客受けがいいため可愛げマシマシで接客してもらっている。

 

ちなみに昨日のアンケートで1番人気だったのは秀吉だった。

 

「あれ、雄二と明久は?」

 

「あの二人なら今屋上で寝てますよ」

 

「昨日徹夜で勉強したらしいのよ」

 

「マジかあいつら。あの後も勉強してたのか」

 

俺と明久と雄二は召喚大会の決勝戦のために三人で勉強会をしていた。俺は日付が変わる辺りで帰ったが、どうやら雄二は明久の家に泊まり込みで教えていたようだな。

 

「秀吉ー、悪いけど屋上の二人を起こしてきてくれるか?そろそろ忙しくなりそうだし何より準決勝の時間だからな」

 

「了解したのじゃ」

 

さて、多分一番難関の準決勝。気合を入れていくか。

 

♢

 

『昨日から続いていた召喚大会もいよいよ準決勝となりました!』

 

司会の声が響く中俺と明久はステージに上がる。

 

「対戦相手はだけだっけ?」

 

「今までで一番強いメンツだ。霧島翔子に木下優子ペアだ」

 

相手は2年Aクラスの中でも秀才の二人。普通に召喚獣で戦ったらまず勝ち目はないだろう。

 

「Fクラスの問題児二人ね。余裕じゃない代表?」

 

「………油断はダメ」

 

「そうだね。どうしても優勝したいんだよね?」

 

「………うん」

 

「俺木下優子は悪口言わない人だと思ってたよ」

 

「あら、事実を言ったまでよ」

 

「「問題児は明久(光輝)だよ」」

 

「……………」

 

「……………」

 

「悪い二人とも。この戦いの前にやらなくちゃ行けないことが出来た」

 

「そろそろ決着を付けようか光輝」

 

「コラコラ、そういうところだよ」

 

「「……………」」

 

なんとも言えない雰囲気に包まれる。何か言い返してやろうと思ったけどぐぅのねも出ない。

 

『それでは科目選択のルーレットスターート!』

 

ナイス司会。今回の相手は間違いなく最強。そんな相手に素直に立ち向かうほど俺達は無能じゃない。普通にやって勝てないのなら()()()()()()()()()()

 

『おぉーーと!これは……デュエルだ!今回はデュエルで対戦です!』

 

「デュエルですって?そんなのありなの?」

 

「もちろんだろ。文月学園(うち)は学業、運動、そしてデュエルの向上をさせる学校だからな!」

 

召喚獣を見に来た人からすればガッカリするかもしれないが、それでもここのソリッドビジョンは他のものよりもリアルで迫力がある。それだけでも見る価値はある。それに、デュエルを見て興奮しない人はいない。これだけはハッキリと言える。

 

「さ〜て始めるか。()()()()()()()を!」

 

『それでは選手の皆さんはデュエルディスクをセットしてください!……準備はいいですか?それでは!』

 

「「「「デュエル!」」」」

 

※タッグフォースシリーズのデュエルの進め方でいきます。

 

「先行は俺たちだ。ドロー!魔法カード 虹の取引を発動!」

 

虹の取引 通常魔法

①手札の『レインボーアイズ』を一枚墓地に送って発動。カードを2枚ドローする。

 

「手札のレインボーアイズアジーンドラゴンを墓地に送って二枚ドロー。ふむ、いいカードだ」

 

「虹村君そんなキャラだっけ?」

 

「あまり気にしなくていい。手札からレインボーアイズホープドラゴンを召喚」

 

レインボーアイズホープドラゴン ☆4 ドラゴン 光A1700D1500

①このカードが召喚·特殊召喚に成功した時デッキから『レインボーフュージョン』と名のついたカードを一枚手札に加える。

 

「レインボーフュージョンを手札に加えてカードを一枚セット。ターンエンドだ」

 

光輝&明久

LP8000

手札5、6

伏せ1

フィールド ホープドラゴン

 

「私達のターンドロー」

 

タッグデュエルで大切なことは言わずもがな協力し合うこと。お互いのデッキはテーマが違うためどれだけお互いのメリットになるようにするかが勝敗を分ける。

 

俺と明久はお互いに融合を行うデッキ。一見相性が良さそうだが、それぞれ専用の融合魔法を使うため実はそこまで相性がいいとは言えない。まぁ一部噛み合ってるけど。

 

「私はマドルチェ·マジョレーヌを召喚。効果によりデッキからマドルチェ·エンジェリーを手札に。さらにフィールド魔法マドルチェ·シャトーを発動。これによりマドルチェの攻撃力は500アップする!」

 

対する木下優子&霧島翔子ペアは中々に相性がいいと思う。魔法·罠を止められるけど全体的な攻撃力が低い六武衆をモンスターの突破力が高いマドルチェでサポート。その逆も然り、魔法·罠に弱いマドルチェを六武衆がカバーする。弱点を言うとすればお互いモンスターが埋まる。しかしそれもお互い意識し合えばそこまでのスキにはならない。

 

ったく、普通じゃどうにもならないからデュエルにしたのにそれでも一筋縄にはいかないな。

 

「バトル。マドルチェ·マジョレーヌでホープドラゴンを攻撃!」

 

「素直に受ける」

 

光輝&明久LP8000→7800

 

「カードを一枚セットしてターンエンド」

 

優子&翔子

LP8000

手札4、5

伏せ1

フィールド マドルチェ·マジョレーヌ

 

「僕のターンドロー!」

 

「なんならこのターンで決めてもいいんだぜ明久」

 

まぁHEROでワンキルするのは割と難しい。それくらいの意気込みでやって欲しいけど。

 

「……………」

 

初手の行動を起こさずに一人固まる明久。

 

「どうした明久?」

 

「あ、あのね光輝。そのーーなんて言うか………」

 

「怒らないからハッキリ言えって」

 

「事故っちゃった♪」

 

「…………………」

 

「…………………」

 

「馬鹿野郎ーーー!!」

 

「やっぱり怒るじゃないか!」

 

「当たり前だろ!こんな大事な試合で事故りやがって!しかもHEROで事故るってどんだけ運がないんだよ!」

 

HEROはサーチカード豊富なデッキ。そうそう事故ることなんてないのにどうして……。

 

「くそっ!こうなってもやってやるよ!E=HERO(エクストラヒーロー)ワイルドマンを召喚!」

 

E=HERO(エクストラヒーロー)ワイルドマン ☆4 戦士 地A1500D1600

①このカードの召喚·特殊召喚に成功した場合フィールドの魔法·罠を一枚破壊することが出来る。

 

「ワイルドマンの効果でマドルチェ·シャトーを破壊!これでマジョレーヌの攻撃力は1400に戻る。バトル!ワイルドマンでマジョレーヌを攻撃!」

 

「マジョレーヌは効果でデッキに戻るわ」

 

優子&翔子LP8000→7900

 

「た、ターンエンド」

 

「嘘だろ………。心許なさすぎる」

 

魔法·罠を全く引かない事故か。しかもエアーマンすら引けてないとは……。

 

光輝&明久

LP7800

手札5、5

伏せ1

フィールド ワイルドマン

 

「………私のターンドロー。手札から永続魔法 六武の門を発動」

 

「こっちは容赦ないな」

 

大丈夫これ?詰んでね?

 

「………真六武衆ーカゲキを通常召喚」

 

危なかった。結束まで貼られてた日には最悪負けてたかもしれない。

 

「ってそれどころじゃねぇ、明久!」

 

「分かってるよ!リバースオープン フラッシュオブセブン!」

 

フラッシュオブセブン 通常罠

①墓地に存在する『レインボーアイズ』モンスターを一枚ゲームから除外して発動する。フィールドのカードを一枚除外する。

 

「墓地のホープドラゴンを除外してカゲキを除外する!」

 

「代表!」

 

「………うん、使わせてもらう。リバースオープン トラップスタン」

 

「うげぇぇー!」

 

「………フラッシュオブセブンの効果を無効。そしてカゲキの効果で手札の六武衆の影武者を特殊召喚」

 

「なんでマドルチェサポートじゃないんだよ!」

 

「一撃で相手を倒すために決まってるよ」

 

「くそ、木下さんがここまで攻撃的だったなんて……」

 

「………☆3カゲキに☆2影武者をチューニング。シンクロ召喚☆5 真六武衆ーシエン。さらに六武の門の武士道カウンターを四つ取り除いてデッキから真六武衆ーキザンを手札に加える」

 

やばい、六武衆のコンボが始まった。

 

「………フィールドにキザン以外の六武衆がいるからキザンを特殊召喚。六武の門の効果でカウンターを四つ取り除いてデッキから六武衆の師範を手札に。そのまま六武衆がいるから特殊召喚」

 

「このターンで決着は無理だったね」

 

「………手札次第だった。バトル、真六武衆ーシエンでワイルドマンを攻撃」

 

光輝&明久LP6900

 

「………キザンと師範でダイレクトアタック」

 

「ぐぅぅー!」

 

光輝&明久LP6900→2700

 

「これはマジでやべぇ!」

 

「………カードを二枚セットしてターンエンド」

 

優子&翔子

LP7900

手札4、3

伏せ2

フィールド シエン、キザン、師範 門

 

「けどまだ負けてねーぞ、ドロー!」

 

意気込んだはいいが魔法は1回無効にされるしリバースも何か分からない以上こっちが劣勢なのは確か。

 

「まぁビビるなんてもってのほかだけどな!魔法カード レインボーフュージョン発動!」

 

レインボーフュージョン 通常魔法

①フィールドか手札から『レインボーアイズ』融合モンスターによって決められたモンスターをリリースして融合召喚する。

②ゲームから除外されている『レインボーアイズ』モンスターを一体墓地に戻すことで墓地のこのカードを手札に戻す。

 

「………シエンの効果で無効にする」

 

「続けて永続魔法 天翔る虹を発動!」

 

天翔る虹 永続魔法

①墓地の『レインボーアイズ』モンスター一体を選択して発動する。そのモンスターを特殊召喚する。

②フィールド上のこのカードが破壊され墓地に送られた場合ゲームから除外されている『レインボーアイズ』一体を特殊召喚することが出来る。

『天翔る虹』の①の効果は一ターンに一度しか発動出来ない。

 

「………それもダメ。リバースオープン 神の警告」

 

優子&翔子LP7900→5900

 

「あぁ!」

 

「まだだ!墓地のレインボーフュージョンの効果。除外されているホープドラゴンを墓地に戻して手札に加える。そのまま発動!」

 

「………リバースオープン 六武式居合術」

 

六武式居合術 カウンター罠

①フィールド上に『六武衆』と名のついたモンスターが二体以上いる場合のみ発動できる。モンスターを召喚·特殊召喚する魔法·罠·モンスター効果及びモンスターの召喚·反転召喚·特殊召喚を無効にし破壊する。

 

「これも妨害されるか……」

 

苦虫を噛み潰したような顔をする明久。モンスターを召喚する方法が三回も妨害されれば必然とも言える。

 

「流石にもう無いだろ!レインボーアイズパワードラゴンを通常召喚!」

 

レインボーアイズパワードラゴン ☆4 ドラゴン 光A1800D700

①このカードが墓地に送られた場合ゲームから除外されている『レインボーアイズ』を一体手札に加えることができる。

 

「バトルだ!パワードラゴンで師範を攻撃!」

 

攻撃力が低いモンスターでの攻撃となると光輝の狙いはあれしかない。

 

「ダメージステップ時に手札のレインボーアイズセブンスドラゴンを捨てて効果発動!」

 

レインボーアイズセブンスドラゴン ☆7 ドラゴン 光A2500D2000

①フィールド上の『レインボーアイズ』モンスターが戦闘をおこなうダメージステップ時にこのカードを手札から捨てて発動する。そのモンスターの攻撃力をそのバトルのみ2500upさせる。

②このカードの効果により攻撃力を上げたモンスターが戦闘ダメージを与えた時そのモンスターをリリースして発動する。このカードを墓地から特殊召喚する。

 

「これでパワードラゴンの攻撃力は4300になる!」

 

優子&翔子LP5900→3700

 

「さらにパワードラゴンをリリースすることで墓地のセブンスドラゴンを蘇らせる!……残念ながら除外されたモンスターがいないからパワードラゴンの効果は発動出来ないけど。セブンスドラゴン、六武衆のキザンに攻撃だ!」

 

優子&翔子LP3700→3000

 

「シエンに破壊耐性がなかった除去出来たんだが……ターンエンドだ」

 

今はこれが限界だ。だけどこれはタッグデュエル。俺だけが頑張っても勝てはしない。

 

光輝&明久

LP2700

手札5、2

伏せ0

フィールド セブンスドラゴン

 

「私のターンドロー。それじゃあいくよ!手札からマドルチェ·ミィルフィーヤを召喚。効果発動、手札のマドルチェ·エンジェリーを特殊召喚。エンジェリーの効果、自身をリリースしてデッキから新たなマドルチェ__マドルチェ·ホーットケーキを特殊召喚」

 

こっちはこっちで厄介だなくそ!

 

「ホーットケーキの効果発動!墓地のエンジェリーを除外してデッキからマドルチェ·メッセンジェラートを特殊召喚。メッセンジェラートは特殊召喚された時に獣族がいるとデッキからマドルチェと名のついた魔法·罠を持ってくる。マドルチェ·シャトーを手札に加えそのまま発動!」

 

『なぁこれもう決着着いたんじゃないか?』

 

観客席から聞こえてくるそんな言葉。確かに絶望的だが諦める訳にはいかない。

 

「マドルチェ·ミィルフィーヤとホーットケーキをオーバーレイ。エクシーズ召喚★3 虚空海竜リヴァイエール。エクシーズ素材を一枚墓地に送って除外されているエンジェリーを特殊召喚。☆エンジェリーとメッセンジェラートでオーバーレイ。エクシーズ召喚★4 クイーンマドルチェ·ティアラミス」

 

「………決めちゃって優子」

 

「言われなくても!クイーンマドルチェ·ティアラミスの効果。素材を一枚墓地に送って墓地のマドルチェ·ホーットケーキを手札に戻して(シャトーの効果)レインボーアイズセブンスドラゴンをデッキに戻す!」

 

「くっ!」

 

「いくわよ!クイーンマドルチェ·ティアラミスでダイレクトアタック!」

 

『これは最後のダイレクトアタックかぁー!?』

 

「なわけねーだろ!手札からレインボーアイズ·プロテクトドラゴンを特殊召喚!」

 

レインボーアイズ·プロテクトドラゴン ☆4 ドラゴン 光A500D2000

①ダイレクトアタックされた時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。

②①の効果で特殊召喚されたこのカードはこのターン戦闘で破壊されない。

 

「面倒なモンスターね。寿命が一ターン伸びただけじゃない」

 

「そんなことないさ。俺には頼れる相棒がいるからな」

 

「光輝………」

 

「ふんっ。カードを一枚セットしてターンエンド」

 

優子&翔子

LP3000

手札 3、3

伏せ1

フィールド シエン、ティアラミス、リヴァイエール、シャトー、門

 

「おら明久。俺がここまでやってやったんだ。ここでいいとこ見せてみろ!」

 

「任せといて!!ドロー!……手札からE=HERO(エクストラヒーロー)バーストレディを召喚!」

 

E=HERO(エクストラヒーロー)バーストレディ☆3 戦士 炎A1200D800

このカードの召喚·特殊召喚時に相手フィールドのカードを選択して発動する。そのカードとこのカードを破壊する。

 

「僕が選択するのは真六武衆ーシエン!」

 

「仕方ないわね」

 

「よし!次はこれだ!手札のE=HERO(エクストラヒーロー)ネクロダークマンを除外して召喚権を増やす」

 

E=HERO(エクストラヒーロー)ネクロダークマン ☆5 戦士 闇A1600D1800

①手札または墓地のこのカードを除外することでこのターンもう一度『E=HERO(エクストラヒーロー)』と名のついたモンスターを通常召喚できる。

 

E=HERO(エクストラヒーロー)バブルマンを召喚!」

 

E=HERO(エクストラヒーロー)バブルマン ☆4 戦闘 水A800D1200

①このカードが召喚·特殊召喚した場合発動できる。カードを一枚ドローする。

②このカードがフィールドから墓地に送られた場合カードを一枚ドローする。

 

「それで状況が変わるのかしら?」

 

「変えてみせる!ドロー!……キター!魔法カード エクストラフュージョンを発動!」

 

エクストラフュージョン 通常魔法

①『E=HERO(エクストラヒーロー)』融合モンスターによって決められたモンスターを手札かフィールドから墓地に送ってそのモンスターを融合召喚する。

 

「手札のE=HERO(エクストラヒーロー)ネクストネオスとフィールドのバブルマンを融合!融合召喚☆8 勇姿を見せろ!E=HERO(エクストラヒーロー)スチームネオス!」

 

E=HERO(エクストラヒーロー)スチームネオス ☆8 戦士 水A2600D1500

E=HERO(エクストラヒーロー)ネクストネオス+E=HERO(エクストラヒーロー)バブルマン」

①このカードの融合召喚時に発動する。相手の魔法·罠ゾーンのカードを全て手札に戻す。

 

「効果でそっちの魔法·罠を全部手札に戻す!」

 

「……っ!やるわね」

 

「こっからさ!力を借りるよ光輝!」

 

「仕方ねーから貸してやるよ!」

 

「魔法カード E·ミラクルフュージョンを発動!」

 

E·ミラクルフュージョン 通常魔法

①『E=HEROエクストラヒーロー』と名のついた融合モンスターによって決められたモンスターをフィールド.手札.墓地から除外する事で融合召喚する。

②E・ミラクルフュージョンは一ターンに1度しか発動出来ない。

 

「墓地のネクストネオス、そしてレインボーアイズセブンスドラゴンを融合!」

 

「セブンスドラゴンを?!」

 

「ネオスよ、新たな力をその身に宿しその輝きで天照らせ!融合召喚☆10 虹の戦士 E=HERO(エクストラヒーロー)セブンネオス!」

 

E=HERO(エクストラヒーロー)セブンネオス ☆10 戦士 光A3000D2500

E=HERO(エクストラヒーロー)ネクストネオス+レインボーアイズセブンスドラゴン」

①このカードは融合召喚でしか特殊召喚出来ない。

②このカードの融合召喚時に相手フィールド上のモンスターの攻撃力を1000ダウンさせる。

③相手の墓地にいくカードは全て除外される。

 

「なっ……!」

 

「………このモンスターは!」

 

「文字通り俺達の光りさ!」

 

「バトル!E=HERO(エクストラヒーロー)スチームネオスで虚空海竜リヴァイエールを攻撃!」

 

優子&翔子LP3000→1200

 

E=HERO(エクストラヒーロー)セブンネオスでクイーンマドルチェティアラミスを攻撃だぁ!」

 

優子&翔子LP1200→0

 

「………負けちゃった」

 

「まさかここで負けるとは……」

 

「「いよっしゃぁ!!!」」

 

俺達は力の限りハイタッチをした。

 

 

♢

 

あの激戦の後僕達は休む間もなく喫茶店の手伝いだ。秀吉が言ってたけどムッツリーニが撮った料理の写真を宣伝する時に見せてからお客がいっぱい来てるらしい。流石ムッツリーニ!エロいだけじゃないね!

 

ちなみに雄二は今休憩中。この忙しい時に何やってんだアイツ。

 

「………明久」

 

「どうしたのムッツリーニ」

 

調理に夢中になっていたらムッツリーニが話しかけてきた。

 

「………茶葉がそろそろ無くなりそうだから補充してきてくれ」

 

「ん、了解」

 

ムッツリーニと須川君はキッチンのエース。そのため手が離せない。

 

(うん?あれは教頭先生?うちに来てたんだ)

 

教室から出ようとした時に喫茶店に来ていた教頭と目が合った。何か不機嫌そうな顔をしているけど光輝と言い争ったのかな?

 

(まぁいいっか)

 

空き教室の扉を開けて茶葉を探す。あっ、しまった。いくつ持っていけばいいのか聞いてなかったや。どうしよ。

 

「おい」

 

「うん?」

 

空き教室に居ると声をかけてきた男が3人いた。

 

「ああ、ここは関係者以外立ち入り禁止だから出て言って貰えます?」

 

「そうはいかねぇ。吉井明久に用があるんでな」

 

「へ?僕に何か?」

 

「お前に恨みはねぇが大人しくしやがれ」

 

そう言うといきなり拳を固めて殴りかかってきた。

 

「ちょっと待って!人違いじゃないの?!」

 

日頃鉄人から逃げ回っている時の回避術がこんな所で役立つとは!

 

(うーん困ったな。逃げるのは簡単だけどそれだとこの人達が喫茶店に来ちゃうし……)

 

「おい明久。康太から餡子も追加で欲しいとさ」

 

その時ドアをガラッと開けて入ってきたのは光輝だった。

 

「ん?なんだこいつら」

 

「ラッキー。なんか光輝と喧嘩がしたいみたいだよ」

 

「なんだそれ?」

 

戸惑う光輝を他所にいそいそと廊下に出る明久。

 

『おい明久。これは__そういう事だな』

 

『コイツどうする?』

 

『面倒だから一緒にやっちまおうぜ』

 

〜〜〜一分後〜〜〜

 

「お、覚えてやがれ!」

 

「あ、出てき__」

 

「まぁ待て待て」

 

廊下に出ようとした三人を力づくで引き止める光輝。

 

「まだ俺のバトルフェイズは終了していないぜ?」

 

「ひ、ひぃぃーー!___」

 

ガラガラ、ピシャ。

 

〜〜〜三十秒後〜〜〜

 

「ふぅ。それでこいつらは何だったんだ?」

 

「あ、終わった?それが僕も分からなくて」

 

「………ふーむ。これは雄二に相談する必要があるな」

 

大事にならなきゃいいが。そんな不吉な事を口走る光輝。




という事でタッグデュエルをやってみました。難しいですこれ。次やるとしたらもっと全てのデッキのいい所を見せたいですね。


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16話 清涼祭二日目中編

16話です。まずはあけましておめでとうございます!そして遅れました。正月という環境がいい具合にサボらせてしまいましたすいません!


「……さて、どうしたもんか」

 

お祭り騒ぎとなっている廊下を一人静かに歩いている男子__坂本雄二は今祭りに相応しくないテンションでいた。

 

「特に行きたい場所なんてないしな」

 

理由は少し前に遡る。それは光輝達が召喚大会に向かってすぐ後のこと。

 

 

 

 

「勝てるじゃろうかあの二人」

 

明久と光輝を見送ったあとに秀吉が心配そうに呟く。相手はAクラスのあの二人となると確かに心配もする。

 

「大丈夫だろ。それよりも俺達は一人でも多く客を入れることを考えることが仕事だ」

 

「……そうじゃな」

 

「…………でも今はお昼前」

 

「ぶっちゃけ人が余ってるぜ」

 

「あ、それなら坂本休憩しなさいよ」

 

「俺がか?」

 

島田が何故かそんなことを言ってきた。

 

「そうじゃな。雄二は昨日から休み無しだしのう」

 

「…………明久の勉強もみていた」

 

「いや、あれくらい__」

 

どうってことない。そう言い終わる前に姫路が手をパンと合わせて笑顔で

 

「そらなら決定ですね!」

 

なんてことを言い出した。いやいや、まて。本人の意見をだな。

 

「ほら、早く行きたい場所行ってきなさい!」

 

「おい、待t……」

 

女子陣に押され教室から出された雄二。

 

「一時間は帰ってくるなよー」

 

「…………俺らは仕事」

 

「じゃな」

 

「おい………」

 

そのまま扉を閉められた。一人廊下に強制的に出された雄二。

 

「俺一人か?!」

 

悲しい嘆きだけが廊下に響いた。

 

 

 

そんなことがあり、廊下をブラブラしていた。だが、先程も言っていた通り行きたい場所なんてものは特にないし今は一人。時間を潰そうと思っても一人だと難しいところ。

 

「こんなことなら明久達の観戦でもするか」

 

そうしよう。どうせならあの二人の試合を一度くらい観戦に行っても__

 

『馬鹿野郎ーー!!』

 

そう思った瞬間光輝の叫び声が聞こえてきた。何があったかは分からないが恐らく明久がやらかしたのだろう。

 

「……やっぱりやめるか」

 

あの大衆の面前で恥をかいているとなると見てるこっちまで恥ずかしくなる。そんなものは却下だ。

 

遂に最後の策までが無くなってしまった。まさに途方に暮れた。

 

「はぁー……。うん?」

 

そんなところにある一枚のチラシが目に入ってきた。

 

「なになに?清涼祭限定デュエルマシーン?」

 

デュエルマシーンとはデュエルしたものの力量を図ることの出来るもの。デッキの完成度、プレイング等からデータを数値化して今の大体の実力が見ることが出来る海馬コーポレーションの機械。本来は数ヶ月に一度申し込みをしたものだけが受けることができる代物だが、今日に限ってはここ文月学園で受けることができるみたいだ。

 

「……点数によって豪華景品を贈呈か。………暇だし行ってみるか」

 

雄二の行先がようやく決まった。

 

 

♢

 

「……意外と並んだな」

 

会場となっている体育館に行ってみたところ結構の人が並んでいた。しかし、列の長さの割には並ぶ時間は短かった。その理由はデュエルマシーンにある。清涼祭限定と言うだけあって中々難易度が高いらしく、すぐ負ける人が結構いたのだ。

 

「さて、俺の相手はどんなデッキだ?」

 

戦うデッキは完全ランダムで選ばれる。そのため相性の悪いデッキと当たった場合は諦めるしかない。

 

『……さぁ、デュエルディスクをセットするドン』

 

「……はぁ?」

 

気のせいか、今デュエルマシーンの語尾が変なことになっていたような……。

 

『準備は出来たか?では……』

 

「『デュエル(ザウルス)!』」

 

ザウルス?!なんだその語尾は?マシーンなのにこっちを馬鹿にしているのか?

 

「お、俺のターンドロー」

 

若干動揺しながらもデュエルを開始する。やるからには本気で殺る。それが雄二の信条だ。

 

「俺は手札からバーサーク·ゲイボルグを召喚」

 

バーサーク·ゲイジャルグ ☆4 地 戦士A1900D0

①このカードが戦闘ダメージを与えた時相手の魔法·罠を一枚破壊することが出来る。

 

「カードを二枚セットしてターンエンドだ」

 

雄二

LP8000

手札3

伏せ2

フィールド ゲイジャルグ

 

『俺のターンドロー。手札から魔法カード 化石調査を発動だドン!デッキからハイドロゲドンを手札に、そのまま召喚ザウルス』

 

なるほど、恐竜族デッキか。俺と同じ殴り合いが得意なデッキだ。……そして何故語尾がザウルスなのかもわかった気がする。いや、理解したくないんだが。

 

『ハイドロゲドンでバーサーク·ゲイジャルグを攻撃だドン!』

 

攻撃力の低いモンスターで殴ってくるとなると当然だがコンバットトリックカードがあるな。

 

(けど攻撃力の増減ならこっちも部があるぞ)

 

『攻撃宣言時に手札から速攻魔法 意地の戦を発動ザウルス』

 

あのカードは……!

 

意地の戦 速攻魔法

①フィールド上のモンスターをモンスターを一体選択して発動する。そのモンスターは戦闘で破壊されず、攻撃力の差に関係なく戦闘をおこなったダメージステップ終了時に相手モンスターを戦闘破壊扱いで破壊する。

 

「くそっ、あれだとチェーンしたところで意味がねぇ!」

 

確実にモンスターを破壊するカード。つまりハイドロゲドンの効果が絶対に発動してしまう。

 

「けど無いよりはマシだ、リバースオープン バーサーク·エンチャント!」

 

バーサーク·エンチャント 永続罠

①フィールド上の『バーサーク』と名のついたモンスターの攻撃力は500upする。

②フィールド上の『バーサーク』モンスターは可能な限り攻撃しなければならない

③『バーサーク·エンチャント』はフィールド上で一枚しか発動出来ない。

 

デュエルマシーンLP8000→7200

 

『ダメージは受けるがバーサーク·ゲイジャルグは戦闘破壊する!そうなるとハイドロゲドンの効果が発動するドン!デッキからさらなるハイドロゲドンを召喚ザウルス!』

 

これで何が辛いかと言うと()()()()()()()()()()される。恐竜族のエクシーズと言えば……。

 

『ハイドロゲドンでダイレクトアタック!』

 

雄二LP8000→6400

 

『メインフェイズ2でハイドロゲドン二体をオーバーレイ!エクシーズ召喚★4 エヴォルカイザーラギア!』

 

「来やがったな……!」

 

なんでも一度無効にする化け物。こちらは必ず一枚捨てる覚悟でいかなければならない。

 

『カードを一枚セットしてターンエンドだドン』

 

デュエルマシーン

LP7200

手札3

伏せ1

フィールド ラギア

 

「俺のターンドロー」

 

はてさて、どうしたもんか。……悩んでも仕方がねぇか。俺のデッキは殴ることしか出来ないからな。

 

「バーサーク·ゲイボウを召喚。そして手札からバーサーク·チェンジを発動!」

 

バーサーク·ゲイボウ ☆4 戦士 地A1900D0

①このカードが戦闘ダメージを与えた場合墓地の『バーサーク』を一枚手札に加える。

 

バーサーク·チェンジ 速攻魔法

①場の『バーサーク』モンスター一体を破壊し、そのモンスターの☆+3までの『バーサーク』をデッキから特殊召喚する。

 

『それはさせないぞ。ラギアの効果を発動、無効にするドン』

 

「流石にしてくるよな。だからバトルだ」

 

『……そっちもコンバットトリックか?』

 

「さぁ〜どうだかな。ゲイボウでラギアを攻撃!」

 

どちらにせよバーサーク·エンチャントで攻撃しなければならないからな。しかし無策で攻撃しに行くほどバカでも無い。

 

「ダメージステップ時に手札から速攻魔法 収縮を発動。ラギアの攻撃力を半分にする!」

 

『チェーンしてカウンター罠発動、シャドウライアーを発動だドン!』

 

「なんだと?!」

 

シャドウライアー カウンター罠

①自分フィールド上のエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターを一体選択して発動する。そのモンスターをエクストラデッキに戻し別の同名モンスターをエクストラデッキから特殊召喚する。そのモンスターはこのターン攻撃出来ない。

 

『ラギアを戻しまた別のラギアを特殊召喚ザウルス!』

 

やられた。上手く収縮をかわされた。こうなると__

 

『ラギアとバーサーク·ゲイボウは相打ちザウルス』

 

ラギアは倒せるがゲイボウの効果が発動出来ない!しかも俺の場がガラ空きになってしまう。

 

「ちっ!、ターンエンドだ」

 

雄二

LP6400

手札2

伏せ1

フィールド バーサーク·エンチャント

 

『俺のターンドロー!手札からストームゲドンを召喚!』

 

ストームゲドン ☆4 恐竜 水 A1800D1200

①このカードの攻撃宣言時に手札からこのカードより攻撃力の低い恐竜族モンスターを特殊召喚する事が出来る。

 

『さらに墓地のハイドロゲドン二体を墓地に送って手札から究極伝導恐獣を特殊召喚ザウルス!』

 

好き放題やりやがって。

 

『バトル、ストームゲドンでダイレクトアタック!その時ストームゲドンの効果を発動だドン!手札からジュラック·グワイバを特殊召喚!』

 

「ここだな、リバースオープン、バーサーク·バーサーカー」

 

バーサーク·バーサーカー 通常罠

①相手モンスターの攻撃宣言時に発動出来る。墓地の『バーサーク』モンスターを一体特殊召喚し、そのモンスターと攻撃宣言したモンスターをバトルさせる。

 

「墓地からバーサーク·ゲイボウを特殊召喚。そしてストームゲドンとバトルさせる」

 

デュエルマシーンLP7200→6600

 

「戦闘ダメージを与えた時の効果を発動、墓地のバーサーク·ゲイジャルグを手札に加える」

 

『やるな。究極伝導恐獣でバーサーク·ゲイボウを攻撃!』

 

雄二LP6400→5300

 

『ジュラック·グワイバでダイレクトアタック!』

 

雄二LP5300→3600

 

『ターンエンドザウルス』

 

「ふぅ、何とかターンが帰ってきたな」

 

デュエルマシーン

LP6600

手札1

伏せ0

フィールド 究極伝導恐獣、ジュラック·グワイバ

 

……ここがターニングポイントだな。次のドローで戦況が決まる。究極伝導恐獣がいるためこっちのモンスターは裏守備にされてしまう。つまりあれを除去できるカードが必要になってくる。

 

「それならあれしかないな!ドロー!」4

 

……流石に驚くな、狙ったカードを引き当てると。

 

「速攻魔法 フルモンスターゲートを発動!コストは究極伝導恐獣!」

 

フルモンスターゲート 速攻魔法

①フィールド上のモンスター一体をリリースして発動する。リリースしたモンスターをコントロールしているプレイヤーはモンスターが出るまでデッキをめくる。出たモンスターを特殊召喚し、残りはデッキの1番下に戻す。

 

『……最初に出たモンスターはハイドロゲドン。特殊召喚するザウルス』

 

よし、ハイドロゲドンなら攻撃力も低い!

 

「手札から魔法カード ルーン魔術を発動!」

 

ルーン魔術 通常魔法

①手札の『バーサーク』を一体特殊召喚する。

 

「手札からバーサーク·ドゥリンダナを特殊召喚!」

 

バーサーク·ドゥリンダナ ☆6 戦士 地 A2400D0

①このカードが戦闘ダメージを与えた時デッキから『バーサーク』と名のついた魔法カードを一枚手札に加えることが出来る。

 

「さらに手札からバーサーク·ゲイジャルグを召喚、バトルだ!バーサーク·ゲイジャルグでハイドロゲドンを攻撃!」

 

デュエルマシーンLP6600→5800

 

「バーサーク·ドゥリンダナでジュラック·グワイバを攻撃!」

 

デュエルマシーンLP5800→4500

 

「バーサーク·ドゥリンダナの効果を発動!デッキからバーサーク·チェンジを手札に加える。そしてそのまま発動!」

 

バーサーク·チェンジ 速攻魔法

①フィールド上の『バーサーク』を一体を破壊しそのモンスターの☆+3までのモンスターを一体デッキから特殊召喚する。

 

「バーサーク·ドゥリンダナを破壊してデッキからバーサーク·ゲイアッサルを特殊召喚!」

 

バーサーク·ゲイアッサル ☆8 戦士 地 A2800D0

①このカードが戦闘ダメージを与えた時、墓地のこのカードより攻撃力の低い『バーサーク』を一体特殊召喚する。

 

「バーサーク·ゲイアッサルでダイレクトアタック!」

 

『ま、まさか……!』

 

デュエルマシーンLP4500→1200

 

「そうだ、このターンで終わらせる!バーサーク·ゲイアッサルの効果で墓地のバーサーク·ドゥリンダナを特殊召喚!そして、ダイレクトアタック!!」

 

『……見事だ挑戦者!』

 

デュエルマシーンLP1200→0

 

「何とか勝てたな」

 

正直、フルモンスターゲートを引いていなかったら勝てなかっただろう。

 

デュエルが終わった後デュエルマシーンが謎の機械音を出している。恐らく今のデュエルの点数をつけているのだろう。

 

『それでは只今のデュエルポイントは……78点!』

 

「それはどうなんだ、高いのか?」

 

『現状の挑戦者の中では四位ザウルス』

 

「おっ、思ったより高かったな」

 

『そして一定以上の点数を取ったため商品を贈呈するザウルス。この中から一枚引くドン』

 

デュエルマシーンがカードを何枚か出してきた。その中から適当に一枚引く。

 

『四番か。商品はこちらザウルス!』

 

「……嘘だろ」

 

渡された商品は………大きな可愛らしいくまさんだった。

 

「ど、どうするこれ」

 

俺みたいなやつがこんなものを持っていたら絶対に白い目で見られる。

 

「おいこれ返p……」

 

『返品はお断りしています』

 

「ちくしょうなんでそこだけ敬語なんだ!」

 

仕方ない、とりあえず持ち帰るか。……と思っていたが想像以上に視線を感じる。不愉快この上ない。早くこれを処理しないと__

 

「……ん?あれは………」

 

 

♢

 

「………ただいま」

 

Aクラスに翔子と優子が帰ってきた。

 

「あ、おかえり代表に優子。遅かったね」

 

「………写真とか握手をねだる人で帰れなかった」

 

「あそこまで目立ったらそうなるわ。それで、試合はどうなったのかしら?」

 

「負けちゃったわ。デュエルとなるとやっぱりあの二人は強かったよ」

 

「二人でそれだと勝てる人いなそうだね〜」

 

「………愛子それは?」

 

教室の端には山積みにされたプレゼントで溢れかえっていた。

 

「あぁこれ?私達への贈り物だよ」

 

「こういう格好しているから貢ぎ物を渡してくる客が多いのよ。鬱陶しい」

 

「そう言わないの幽香。いい事じゃない」

 

「……確かに結構な値で売れるかもね」

 

「貰い物を売らないの」

 

「…………」

 

一つ妙に目に入ったくまの人形を手に取る。

 

「それだけ差出人がわからないやつなんだよね」

 

「Aクラス代表へって紙と一緒に受付に置いてあったのよ」

 

「………そう」

 

「何か知ってる代表?」

 

「………うん」

 

皆には分からないだろう。けど翔子には今も尚想っている一人の男子の顔が浮かんだ。

 

「………ありがとう、雄二」



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17話 清涼祭二日目後編①

17話です。本当は一話で終わらせたかったんですが余裕で長くなったので分けました。と言っても次も長なくなると思いますけど。


「お、いたいた」

 

「お〜い雄二ー」

 

先程空き教室で襲われた件を雄二に話すべく、仕事を他のクラスメイトに任せ休憩に行っていた雄二を探していた二人。

 

「おん?どうした二人とも。サボりだったらチョキでシバくぞ」

 

「どんまい明久」

 

「サボってる訳じゃないよ?!雄二に話があるんだよ!」

 

「俺に話?何があった」

 

詳しく話し始める前に重要なことだと勘付く雄二。その洞察力、頭の回転の速さはやはり神童と言わざるを得ない。

 

「あぁ、実は___」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「__そうか。どうやら向こうも本気で俺達を潰しにかかってるな」

 

「向こう?誰のこと?」

 

「どう考えても竹原だろうな」

 

「その通りだ。恐らくこの学園祭での一連のアクシデントはアイツの仕業だろうな」

 

学園祭が始まる前にも学園長と何か揉めていたし、アイツが俺達の喫茶店に来た時に襲われた。しかも明久が空き教室に出た瞬間をだ。流石にタイミングが良すぎる。誰かが指示しない限り。

 

それ以前に普通学校の出し物程度でクレームが来ること自体稀だ。常夏は竹原に雇われたのだろう。

 

「えぇぇー?!なんでまた教頭が」

 

「そこまでは知らん。学園長を問い詰めん限りな」

 

「けど喫茶店も放っておけないぜ」

 

今から理事長の所に三人行っても喫茶店が大変なことになるだろう。手が回らなくなる。

 

「だな。とりあえずババアの所には俺が行く。二人は先に教室に戻っててくれ」

 

「雄二一人で大丈夫?」

 

「俺を誰だと思ってる。こういう交渉は俺一人の方がスムーズにいく。それにまた妨害されるかもしれないからな。二人には教室にいて欲しい」

 

確かにそっちの方が効率が良さそうだ。雄二に任せておけば何とかなるだろう。

 

これからの事が決まったところで教室に戻ろうとした時、何やら教室の方が騒がしいのに気がついた。

 

「あの方向は……!明久、光輝!今すぐ教室に戻れ、嫌な予感が__」

 

「雄二ぃー!!」

 

雄二が俺たちに戻ることを急かした時と同じ時に秀吉が走ってやってきた。何かあったのだろう、かなり息が乱れている。

 

「ど、どうしたの秀吉?!」

 

「落ち着いて聞いて欲しいのじゃ……。実は__姫路たちが誘拐されたのじゃ!」

 

……なんだと………?!

 

「くそっ!遅かったか!」

 

既に何かを察していたのか雄二が声を荒らげる。

 

「どういうことだ秀吉!」

 

「つい先程数人の男達が現れて教室で暴れたあと女子を連れ去ったのじゃ!」

 

「俺達が居ないところを狙ってきたか!」

 

俺、明久、雄二と喧嘩慣れしている者が出払っているのを確認してから教室を襲ったのだろうと雄二は言う。

 

「そ、それにしても誘拐だなんて犯罪じゃないか!」

 

「それほど向こうは手段を選ばないってことだ!」

 

「秀吉、攫われた女子は何人いる!」

 

「うむ、姫路、霧雨、島田……。そして風見じゃ」

 

「幽香が?!そんな訳あるか、幽香が攫われるなんてありえないぞ!」

 

幽香はそこら辺の男よりも全然強い。無論不意をつかれたとしても攫われるなんて事は起こりえない。そもそもクラスが違う。何故Fクラスの教室に……。

 

「そ、それが姫路達を人質にされたのじゃ……。休憩中に光輝に会いに来た所を……」

 

「……クソ野郎どもが!」

 

俺は怒りに任せて壁を思いっきり殴る。そうでもしないとやっていられない。

 

「……ワシとムッツリーニで島田の妹しか守れなかった。職員が駆けつけた時にはもう……」

 

秀吉の声にも力がこもっていない。しかし、秀吉を責めることなんて出来やしない。

 

「悲しんでても仕方がない!まずは行動に移すぞ!」

 

「秀吉、ムッツリーニに」

 

「もうやっておる。もう少し時間が欲しいとの事じゃ」

 

康太は既に誘拐した奴らの居場所を割り出している。康太なら確実に探し出すだろう。

 

「よし、場所が分かり次第__」

 

その時、放送が流れた。

 

『もうすぐ召喚大会決勝戦を始めます。出場する選手は指定の場所に集まってください』

 

「なにぃっ?!」

 

「このタイミングでか?!」

 

まるで狙ったかのようなタイミング。こんな時に決勝戦が始まるだと!

 

「ど、どうする雄二!決勝戦にも出ないといけないよ!」

 

召喚大会に出て優勝する。学園長との約束もないがしろに出来ない。だからといって俺と明久が居なくなると救出の可能性も低くなる。喧嘩はどうにかなるかもしれないが幽香の時のように人質にされたらどうしようもない。

 

「くそっ!どうする雄二!」

 

俺達の頭脳じゃ解決策は思いつかない。やはりここは雄二に頼るしか無い。

 

「…………ババア次第だが一つだけ策がある」

 

「あるのか?!」

 

「早くそれを教えてよ!」

 

「___この作戦は光輝、お前の負担がデカい。どうす___」

 

「やるに決まってるだろ!」

 

雄二が言い終わる前に即答する。一刻を争う事態だ。俺の負担などどうでもいい。

 

「__よしっ!今から作戦を伝えるからよく聞いとけ!」

 

「「「おう!」」」

 

 

♢

 

『さぁ!長らく続いていた召喚大会もいよいよ大詰め。決勝戦と相成りました!』

 

司会者の声が会場に響きわたる。決勝戦と言うだけあって観客の多さはかなりのものとなっている。皆一度は召喚獣を見てみたいという好奇心がある。

 

『それでは選手の入場です。まずは常村君&夏川君ペアです!受験生でありながらの参加です。しっかりと三年生の意地を見せてくれています!』

 

常夏が手を振りながら会場に入っていく。余裕なのか何か策があるのか、その顔は自信に満ち溢れている。

 

『対してこちらは虹村君&吉井君ペアです!最底辺のFクラスでありながら見事に勝ち進んで来ました。これは最底辺という言葉を改めなければいけないかもしれません!』

 

これで姫路の親へのクラスの不満は少しは拭えるかもしれない。島田と姫路が召喚大会に出た理由の一つでもある。Fクラスの評価を上げるというのは達成出来たと言える。……そんな事を言っている場合では無いが。

 

『……お、おやぁ?!』

 

会場全体がざわつく。それもそのはず。何故なら今会場に出てきたのは()()()()だったからだ。

 

「どうした、相方は尻尾巻いて逃げたかぁ〜」

 

「がっははは!お前も逃げていいんだぜ!」

 

常夏の挑発を聞き流し、マイクを手に取る光輝。

 

「あ〜〜。残念だか明久は大事な用が出来てな。試合には出れなくなった」

 

「おいおい、それって参加資格がねぇーんじゃねーか?」

 

夏川の意見もごもっともである。今回の大会はペアでの出場となっている。現状相方の居ない光輝は条件を満たしていないとも取れる。

 

「安心しろ。学園長に掛け合ったところ減る分には何のメリットも無いから平気だって言ってたよ」

 

あくまで最初のエントリーのためにペアになっていればOKという事になっている。……真相は光輝達が殴り込みに行った時に雄二が考えた案だ。

 

〜〜〜数分前〜〜〜

 

「「「ババアぁ!!!」」」

 

雄二の作戦を聞いたあと、雄二、明久、光輝の三人で学園長に殴り込み……もとい話し合いをするために学園長室に特攻していた。ちなみに秀吉は康太の手伝いと教室の見張りをお願いしている。また襲ってくるとも限らないから速攻で俺たちに連絡出来るようにしてもらっている。

 

「な、なんだいガキ共!」

 

「そう驚くなって。じゅうよ〜な話があるんだよババア」

 

「もしかしてだけど僕達に何か隠してることあるんじゃないですかババア長」

 

「隠していること?なんのことだ___」

 

「うちのクラスの女子が拉致された」

 

「っ?!」

 

雄二の言葉にババア長の顔が強ばる。

 

「……そうか。向こうはそこまでして………」

 

「さぁ、洗いざらい話してもらうぞ」

 

「………それは後で話そうじゃないか。今はその事を聞きに来たんじゃないんだろう?」

 

ババア長も察しがいい。確かに俺達はそんな話を聞きに来たわけじゃない。

 

「早くて助かる。__俺達は今から拉致された生徒を助けに行く。しかしあんたも分かっている通り今から召喚大会の決勝戦が始まる。そうなると俺達の戦力が下がって救出出来る可能性が低くなる」

 

「……職員の助けを出せと?」

 

「そんな事そっちもしたくないはずだ。試験校であるウチがそんな事件を起こしていたと知れたら信用問題に関わるからな」

 

「なんだい、もったいぶらないで教えな!」

 

「こっちからの提案は一つ。()()()()()()()()()()()()()()()

 

「…………」

 

考えるババア長。今職員も生徒が拉致されたとは知らない。ただFクラスで喧嘩があったということしか。それくらいならまだ何とかなる。しかし、誘拐事件となると話は別。そんな話を聞かされた運営はここの職員にいい評価を持たないだろう。セキュリティが甘いと。警察沙汰になったら尚更。ババアとしてもそれは避けたい。だからババアはこの条件を飲むしかない。

 

「………分かったよ。それは認めよう。けど本当にあんた達だけで解決出来るのかい?」

 

そんなもん決まっている。

 

「「「出来るに決まってるだろ!」」」

 

「……そうかい。なら任せたよ」

 

正式に学園長からの許しを貰った。これで後はそれぞれが役割を果たすだけだ。

 

「雄二、明久。何としても救ってくれよ!」

 

救出には明久、雄二、康太、秀吉が行くことになっている。俺の役目は一人で常夏をぶっ飛ばすことだ。誘拐犯達を殴れないのは残念だけどこれは俺にしか出来ないことだ。

 

「任せてよ!光輝の分までぶん殴ってくるよ!」

 

「お前も負けるんじゃねーぞ!」

 

「いらん心配するなよ。今の俺は誰にも負ける気はねぇ!」

 

〜〜〜回想終了〜〜〜

 

 

「それで?お前だけで勝てんのかよ」

 

「馬鹿な事言ってんじゃねーよ。脳みそまでハゲたか?」

 

「な、なにぃー?!」

 

「これくらいのハンデが無いと勝負にならないだろうが!」

 

「言わせておけば……!」

 

ちなみにただ今ディスり対決中。

 

『それでは試験召喚システムを知らない人のために説明致しますと……』

 

司会が召喚獣について説明し始める。既に知っている俺達は別の話に。

 

「おいバカ……もとい常夏」

 

「言い直しても間違ってるぞ!」

 

「なんでお前ら竹原に加担してるんだ?」

 

「あっ、……なんだよお前も雇われたのか」

 

「いいから答えろ」

 

「……推薦だよ推薦。上手くいけば大学への推薦状を書いてくれるんだよ」

 

「そうすりゃ受験勉強ともおさらばだ」

 

………はっ?

 

「くっっっそしょーもねーな!」

 

「何を?!」

 

びっくりしたわ。あまりにもダサい理由で。これならまだ金を貰えるとかの方が納得出来た。

 

「楽な方に逃げる奴は無能がやることだ。テメーらは今この学校で一番の馬鹿だよ」

 

「て、テメーに何がわかる!」

 

「分かりたくねぇわ、お前らの考えなんてな」

 

そんなものにいちいち共感してやるほど光輝は甘くない。

 

「最後に一つだけ問う。竹原がうちのクラスの女子を拉致するように仕組んだのは知ってるか」

 

「はぁ?知らねーよそんなもん」

 

「お前のクラスがどうなろうと俺達には関係ねーよ」

 

「…………そうか」

 

もはやそれ以上の言葉など不要。今ので分かった。コイツらは完膚なきまでに叩き潰さなければならないと。

 

『それでは科目選択のルーレット、スターート!』

 

司会者の声と同時に巨大スクリーンに映っていたルーレットが回り出す。

 

「へっへっへ、その生意気な口をきけなくしてやるよ!」

 

「それは残念だったな」

 

「あっ?」

 

『対戦科目はーー、日本史です!』

 

「はぁぁぁー!?」

 

「に、日本史だと?!」

 

「どうした、何かあったのか?不正なんて行われないルーレットだぜ?」

 

「くっ、話と違うじゃねーか……!」

 

常夏が不正を行なっていたことなど康太が一目見れば知り得る。だから康太にプログラムを書き換えてもらった。日本史にした理由は明久の数少ない得意教科であり、一夜漬けが出来るからだ。と言っても今明久は居ない。

 

けど一夜漬け出来るってのは明久だけのメリットでは無い。

 

「くそっ!サモン!」

 

「サモン!」

 

Aクラス 常村勇作 209点

Aクラス 夏川俊平 197点

 

「け、けどお前には俺達を超えるのは無理だな」

 

「Fクラスじゃお目にかかれないような点数だからな」

 

「……まれ」

 

「あっ?」

 

「黙れっったんだよ」

 

光輝も既に召喚獣を出していた。常夏から遅れて出た点数は__

 

Fクラス 虹村光輝 405点

 

「「はぁぁ?!!」」

 

普段の光輝はオールラウンダー。苦手教科はなくどれも一律で250点を行ったり来たりしている。それは同時に突出した教科も無いことを意味している。

 

しかし今回は違う。今回の決勝戦を日本史で戦うと決まった時から勉強をしていた。いつもは全ての教科を勉強する所を日本史に絞って。さらに幽香にも手伝ってもらった。それだけ勉強したのだ、暗記科目の日本史ならこれくらい光輝にはとれる。

 

「でもこっちは二人だ!お前に勝機は__」

 

「俺が言ったことが聞こえなかったか」

 

光輝の声がやけに聞こえる。大きい訳でも会場が静まり返っている訳でもないのに。それほど今の光輝はいつもと雰囲気が違う。その事を知ってか知らずか観客達も静かになっていく。

 

「黙れよ……」

 

「「___っ?!」」

 

その言葉を聞いた瞬間常夏に寒気がはしった。それと同時に観客達も身震いし、不安な気持ちを抱いた。光輝の殺気を感じ取った___そんな事を言うつもりは無い。ただ目の前の男を見ていると恐怖を感じる。たったそれだけのこと。

 

「な、舐めんなー!」

 

恐怖に震える自分を発破するように声を上げながら召喚獣を操作する。突撃してきたボウズの召喚獣と鍔迫り合いになる。

 

「今だ常村!」

 

その隙にモヒカンが光輝の召喚獣を攻撃しようとしてくる。けどよく考えて欲しい。常夏と光輝の召喚獣は約二倍もの差がある。純粋に力も二倍だ。それなのに鍔迫り合いになるはずがない。わざと競っていたのだ。

 

「馬鹿どもが!」

 

「なっ?!」

 

モヒカンが近づいた瞬間ボウズの召喚獣をモヒカンの召喚獣を巻き込んで吹き飛ばす。二体の召喚獣は重なるようにして倒れ込む。

 

「寝てんじゃねーぞ!」

 

その隙を逃さず槍を突き立てる。ボウズの方は何とか避けたが下敷きになっていたモヒカンの方は横腹を抉り一気に点数を落とす。

 

「野郎……!」

 

負けじとモヒカンの召喚獣は武器を振るう。ボウズも同じように挟み込むように。光輝の召喚獣は槍を地面に突き刺すとそれを盾にモヒカンの攻撃を弾く。しかしボウズの攻撃が背中に刺さる__寸前で回転して避け、そのまま殴り飛ばす。一気に目の前まで詰められたボウズは防御が出来なかった。よろめいたボウズをさらに蹴り飛ばす。その時に武器を握っていたためボウズの召喚獣は武器を奪われる。

 

「このぉ!」

 

モヒカンは武器を握り直し、再度振るってくる。

 

「___位置替え(チェンジ)

 

その攻撃が光輝の召喚獣を捉えることは無くまたも槍に当たる。今その場には無かったはずの槍に。

 

「ど、どうなってやが___」

 

「隙だらけだ」

 

「なぁ、後ろに……!」

 

理由は光輝の腕輪。50点払うと槍と自分の位置を入れ替えるというもの。それを使ってモヒカンの後ろに回った。振り返る前にボウズから奪った武器で首を刺す。

 

Aクラス 常村勇作 0点

 

「なん……だと?!」

 

召喚獣と言えど急所を狙われたら一撃で沈む。モヒカンの召喚獣はそのまま消えてしまう。

 

「くそっ、Fクラスの癖に……!」

 

「ほらよ」

 

残すは武器を持たないボウズのみ。だと言うのに光輝は手に持っていた武器をボウズに渡し槍を手に取る。

 

「何をして___」

 

「お前程度、武器を持とうが意味無いからよ」

 

「……どこまでも舐めやがって!」

 

侮辱された事に逆上して武器を拾うと同時に突進してくる。こんなにもわかりやすい挑発に乗るとは、どこまで知能が足りてないのかと光輝は呆れた。

 

「喰らえやぁー!」

 

「これで終いだよ!」

 

ボウズの攻撃を紙一重で躱す。その時に槍を召喚獣の頭目掛けて放っていた。見事にカウンターを決められたボウズの召喚獣は音もなく消える。

 

Aクラス 夏川俊平 0点

 

「……嘘だろ」

 

『『『わぁぁーー!!!』』』

 

湧き上がる会場。光輝は敵からの攻撃を1つも被弾すること無く、また二対一という状況の中で圧勝した。これには興奮せずにはいられない。

 

「___まだだ」

 

興奮冷めやらぬ内に光輝が何かを口にする。その事に気がついた司会者は光輝にマイクを渡す。

 

「まだ終わりじゃねーよ」

 

「はぁ?」

 

「お前の勝ちだろうが」

 

光輝の言葉に不貞腐れながらも答える常夏。

 

「このままだとお前らがあまりにも無様だからなぁ。情けないお前らにもう一度チャンスをくれてやる」

 

「……どういう意味だ」

 

「一人ずつ俺とデュエルしろ!どちらか一方でも俺に勝つことが出来たらお前の勝利でいい」

 

「正気か?」

 

「あぁ。受けるか受けないかはお前ら次第だ。けどお前らが負けた場合は、そうさなぁ、学校中から負け犬とでも呼ばれるだろ」

 

同じ相手に有利な状況で二連敗でもしたらそう呼ばれるのは必然。学校中の笑われ者になるだろう。常夏としてはそれは避けたい。

 

しかしここで断っても常夏達は後輩から情けをかけられた挙句勝負に出なかったチキン野郎として学校中から馬鹿にされる。常夏に与えられた選択肢は一つしかないのだ。

 

「さぁ、どうするんだゴミクズ共!受けるのか、受けないのか!」

 

この時常夏達は思い知った。怒らせてはならない者の逆鱗に触れてしまったのだと。

 

 

♢

 

「明久、落ち着けよ。秀吉とムッツリーニが上手くやるまで耐えろ」

 

「……うん、わかってるよ」

 

こちらの男達も静かに、しかしはち切れんばかりの怒りを抱えてその時を待っていた。



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18話 清涼祭二日目後編②

18話です。学園祭編もいよいよ大詰め。今回と次回で終わりです。ほぼ毎回デュエルする事が出来たのか良かったですね。


明久、雄二は今カラオケの一室に居た。もちろん歌を歌いに来たわけではなくそんな雰囲気でも無い。姫路らを拉致した男達が向かいの部屋に居るのだ。だが直ぐに突撃はしない。いくら虚をついても向こうには人質がいる。盾にされたら詰みだ。そのため今康太、秀吉が雄二の作戦を実行しようとしている。

 

「明久、気持ちはわかるが落ち着けよ」

 

「分かってるよ」

 

今にも明久は飛び出してしまいそうだ。しかしその気持ちも分からなくはない。現に雄二だって握った拳が震えている。

 

『………灰皿お取り替えします』

 

『おう、悪いな』

 

テーブルに置いていたスピーカーから声が聞こえてくる。康太だ。まずは店員の格好をした康太が現場に潜入するのが第一段階。次にひでが__

 

『にしても楽な仕事だったな』

 

『ああ、これだけで金も手に入るしこんな上玉も手に入ったしな』

 

スピーカーから下卑た会話が流れてくる。金と言うことはやはり竹原に雇われたのだろう。

 

『さ〜て、そろそろ頂いちゃうか』

 

『俺はどの子にしようかな』

 

「……っ!」

 

「落ち着け明久!今出たら計画が台無しだ!」

 

今にも突入しそうな明久を羽交い締めにして止める雄二。

 

『………最低だなお前ら』

 

『あっ?』

 

『本当ね。しかも人質を取らないと女の子一人にも勝てない弱い人間』

 

今度は魔理沙と幽香の声が聞こえる。こんな状況でありながら男達相手に強気な態度をとっている。

 

『……なんだと?』

 

『その通りだぜ。恥ずかしいとは思はないの?』

 

『そうよ。アンタ達なんかすぐ捕まるわ!』

 

『そ、そうです。明久君達が来てコテンパンにしてくれます!』

 

「……言わせておけば…!」

 

女子達に言われ放題の男達。その場を見てはいないが相当イラついているだろう。

 

そんな時にガチャ……と部屋のドアが開いた。

 

『__あ、すいません。間違えまし……え?』

 

どうやら無関係の女子が部屋を間違えた様子。……いや、違う。それは女子に扮した秀吉だ。これも計画の一つ。向こうは女子を数人拉致してるのだ。そんな現場を見られたとしたら?当然見た者を放っておくわけがない。

 

『おい、こっちに来い!』

 

『きゃっ!な、何するんですか?!』

 

『うるせー!黙ってろ!』

 

そう。これが狙い。康太に続いて秀吉も中に入る。こうすれば人質に取られる心配はない!

 

「よし明久突入する___」

 

『ほらまた。男としてどうなんだ』

 

『黙ってって言ったろ!』

 

バチンと乾いた音が鳴り響く。さらに魔理沙の悲鳴が聞こえる。その瞬間明久の中の何かが切れた。

 

「おじゃましまーす!」

 

「あ、明久君?」

 

「明久?」

 

「…あっ?なんだおまe__」

 

「しにくされやぁぁ!!」

 

「ぐはぁ?!」

 

部屋に入るなり目の前にいた男を殴り飛ばす。

 

「何すんだてめぇ!」

 

すぐに横にいた男に殴り返される。しかし怯むことなくそいつにも拳を食らわせてやる。

 

「テメェらよくも魔理沙に手を挙げてくれたな!全員ぶち殺してやる!」

 

「コイツ、吉井って野郎だ!」

 

「一人で調子くれてんじゃねぇよ!」

 

複数人相手には流石に分が悪い。何発も殴られる。それでも倒れない。文字通り捨て身でこの場にいる。

 

「なんだコイツぐぼぅ?!」

 

「……ふぅ。久々に暴れさせてもらうか」

 

明久に少し遅れて雄二も殴り込む。冷静を装っているが雄二もかなり頭にきている。それこそ全員生きて返さないと思うほどには。

 

「こいつはもしかして悪鬼羅刹と言われた……!ちっ!おいお前ら、大人しくしろ!さもないとこの女にヒデェ傷を__」

 

「………負うのはお前!」

 

「ぐはぁ!?」

 

近くにいた幽香を盾にしようとした男を康太が思いっきり灰皿で殴る。

 

「なんだと?! だ、だったら__」

 

「残念じゃが詰みじゃよ」

 

「ぐあぁぁー?!?」

 

もう一人女子の近くにいた男が島田を人質にしようとした所に秀吉が康太から譲り受けたスタンガンで気絶させる。これが雄二の作戦。今女子達は康太、秀吉によって完全に保護されている。これなら明久と雄二が存分に暴れられる。

 

「「くたばれぇー!」」

 

こうして無事誘拐犯を無力化し女子達を連れ戻すことが出来た。

 

「ふぅ。大丈夫みんな?」

 

全員をシバキあげたところで改めて全員の様子を確認する。

 

「魔理沙は殴られてたよね?痛くない?」

 

「……あ」

 

「明久ぁー!」

 

「おおっと?!」

 

泣きながら明久に抱きつく。

 

「怖かったですー!」

 

「姫路さんも?!」

 

姫路も思わず明久に抱きつく。無理もない。こんな事普通は怖いに決まっている。

 

「皆無事で何よりじゃ。……うん?」

 

秀吉の腰のあたりに何も言わずに抱きつく島田。

 

「島田?」

 

「何も言わないで」

 

そう言って顔を埋める。島田も怖かったのだ。

 

「う、うむ……」

 

どうしていいか分からずオドオドする。こんな状況初めてな秀吉は珍しく狼狽える。

 

「仕方ないとはいえ皆泣いちゃったわね」

 

「お前は随分と余裕そうだな」

 

「どうにかなると思ってたもの。光輝が居ないのは意外だったけど」

 

「残念だが光輝は別の重要な仕事があってな」

 

「そう。とりあえず礼を言うわ」

 

「おう」

 

「………光輝に報告」

 

こちらは片付いた。後は光輝次第。

 

♢

 

『これはなんということでしょう!光輝君が自らエキシビションを希望しました!』

 

明久達が救出する少し前。光輝は常夏コンビを徹底的に潰すために召喚獣で倒した後にもデュエルでの対戦を希望した。さらに司会者もまさかの事態に気持ちが高ぶり場を盛り上げ始める。こうなってしまった以上常夏に退路はない。

 

「さぁどうするんだ!」

 

「く、やるよ。やってやるよ!」

 

「俺達が勝っても文句言うなよ!」

 

「安心しな。お前らが勝つ可能性は0だ!」

 

負ける気がしない。そんな気持ちで溢れていた。

 

『では対戦するお二人はデュエルディスクをセットして下さい!』

 

常夏からはまず常村が出る様子。光輝にしてみればどうでもいい事だが。どちらにせよ二人とも潰すのだから。

 

『皆さんもご一緒に!』

 

『「「デュエル!」」』

 

「先行は俺だ、ドロー。カードを二枚セットしてターンエンド」

 

「おいおい、そんなんで大丈夫か?」

 

ほぼ行動を起こさなかった俺を煽るように常村が話しかけてくる。

 

「心配すんな。お前がどう足掻いたって次の俺のターンに決着が着くからよ!」

 

堂々と勝利宣言。この発言に観客も知らず知らずのうちに『本当か?』『出来るのか?』と言葉を漏らす。もちろん常村も。

 

「は、はったりだろ!」

 

「どうかな。俺から言えるのは後悔しないようにプレイしなって事だけだ」

 

光輝

LP8000

手札4

伏せ2

フィールド

 

「……ちっ!俺のターンドロー。まずは魔法カード おろかな埋葬を発動!効果によりデッキから牛頭鬼を墓地に送る」

 

牛頭鬼……アンデット族か。確かに展開力はあるな。回らせるはずはないけど。

 

「次に不知火の隠者を召喚!効果を___」

 

「召喚時リバースオープン。演目〜起〜」

 

「なにっ?!そのカードは()()()()()()()()()!」

 

演目〜起〜 通常罠

①相手モンスター一体を選択して発動する。そのモンスターの効果はエンドフェイズまで無効になる。

 

「あぁそうだ。これは秀吉から預かった物だ」

 

そう。今の俺は一人ではない。皆が出発する前に俺のデッキにも入るカードを託してくれた。大切な自分のカード()をだ。だからただ勝つだけでは足りない。あいつらが満足するほどの大勝でなければ!

 

「くそっ……!カードを二枚セットしてターンエンドだ!」

 

「それが悔いのないプレイか?」

 

「うるせえ!お前ごときこれで十分なんだよ!」

 

常村

LP8000

手札2

伏せ2

フィールド 不知火の隠者

 

「俺のターンドロー。それなら宣言通り勝たせてもらうぞ!」

 

さぁ力を貸してくれ皆!

 

「魔法カード 速攻忍術ー明鏡止水を発動!」

 

「また別のやつのカードを……!」

 

速攻忍術ー明鏡止水 通常魔法

①自分の墓地に『速攻忍術ー明鏡止水』がない場合のみ発動できる。自分のLPを半分にする事でカードを二枚ドローする。

②このカードを発動したエンドフェイズ時に自分の手札が二枚以上ある場合手札を全て墓地に送る。

 

康太の速攻忍術。実際手札が良く増える速攻忍者ではあまり使わないと言っていたが俺のデッキに入るならこれと託された。手札を捨てる効果もデメリットとならない。このターンで決めれば!

 

「ライフを半分にする事で二枚ドローする」

 

光輝LP8000→4000

 

「いくぞ!手札のレインボーアイズアビスドラゴンの効果を発動!」

 

レインボーアイズアビスドラゴン ☆6 光 ドラゴンA2200D1200

①手札の『レインボーアイズ』を一体墓地または除外する事で手札からこのカードを特殊召喚する。

『レインボーアイズアビスドラゴン』の①は一ターンに一度しか発動出来ない。

 

「手札のレインボーアイズライトロードドラゴンを除外する事で手札から特殊召喚!そのアビスドラゴンをリリース、レインボーアイズダークロードドラゴンを通常召喚!」

 

レインボーアイズダークロードドラゴン ☆6 闇 ドラゴンA2200D1900

①このカードの召喚、特殊召喚時にデッキから『レインボーアイズ』モンスターを2種類選択して一枚を墓地、もう一枚をゲームから除外する。

 

「ダークロードドラゴンの効果によりデッキからレインボーアイズチェトレドラゴンを除外、レインボーアイズオルタナティブドラゴンを墓地に送る」

 

次第に準備を済ましていく。

 

「何をしているんだお前は?」

 

「黙って見てろ。リバースカードを発動 白昼夢の虹」

 

白昼夢の虹 永続罠

①ゲームから除外されている『レインボーアイズ』一体を特殊召喚する。このカードがフィールドから離れた時特殊召喚したモンスターを除外する。

 

「ゲームから除外されているレインボーアイズライトロードドラゴンを特殊召喚!」

 

レインボーアイズライトロードドラゴン ☆6 光 ドラゴンA2200D1900

①一ターンに一度LPを500払って発動する。手札、デッキ、墓地から『レインボーアイズグロースドラゴン』を一体特殊召喚する。

 

「ライトロードドラゴンの効果、500払ってデッキからレインボーアイズグロースドラゴンを特殊召喚だ!」

 

光輝LP4000→3500

 

レインボーアイズグロースドラゴン ☆1 光 ドラゴンA0D500

 

そのドラゴンは効果も持たない力無い通常モンスター。しかしその真髄は別のところにある。

 

「なんだそれ、通常モンスターじゃねーか。そんなもんで__」

 

「そのそんなもんの力でお前は敗北するんだよ!手札から魔法カード レインボーフュージョンを発動!」

 

レインボーフュージョン 通常魔法

①レインボーアイズと名のついた融合モンスターによって決まられた融合素材を手札又は場から墓地に送ることで融合召喚する。

②ゲームから除外されているレインボーアイズを1枚墓地に戻すことで墓地のこのカードを手札に戻す。

 

「フィールドのレインボーアイズライトロードドラゴン、レインボーアイズグロースドラゴンを融合!融合召喚☆8 天翔ろ、レインボーアイズライトニングドラゴン!」

 

グロースドラゴンは融合により他のドラゴンを強化する不思議なドラゴン。

 

レインボーアイズライトニングドラゴン ☆8 光 ドラゴンA2600D2000

「レインボーアイズライトロードドラゴン×レインボーアイズグロースドラゴン」

①一ターンに一度ゲームから除外されている『レインボーアイズ』モンスター一体を特殊召喚する。

②墓地にいく『レインボーアイズ』モンスターを代わりにゲームから除外する事が出来る。

 

「ライトニングドラゴンの効果で除外したレインボーアイズチェトレドラゴンを特殊召喚する!」

 

レインボーアイズチェトレドラゴン ☆8 光 ドラゴンA2800D2400

① 一ターンに一度手札か墓地の『レインボーアイズ』を一体特殊召喚する。

 

「チェトレドラゴンの効果で墓地のレインボーアイズオルタナティブドラゴンをフィールドに呼ぶ!」

 

レインボーアイズオルタナティブドラゴン☆8 光 ドラゴン A2700D2000

①このカードの攻撃を0にする事で発動。このカードより攻撃力の低い『レインボーアイズ』をデッキから攻撃表示で特殊召喚する。ただしこの効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は0になる。

 

「オルタナティブドラゴンの効果。自身の攻撃力を0にしてデッキからレインボーアイズホープドラゴンを特殊召喚!」

 

レインボーアイズホープドラゴン ☆4 光 ドラゴンA1700D1500

①このカードが召喚、特殊召喚された時デッキから「レインボーフュージョン」となのついたカードを1枚手札に加える

 

「ホープドラゴンの召喚時の効果でデッキからレインボーフュージョンを手札に。そして発動!フィールドのレインボーアイズホープドラゴン、オルタナティブドラゴン、チェトレドラゴンを融合!幾重の虹が重なる時、新たな竜の鼓動が始まり天翔る!融合召喚☆9 レインボーアイズディザスタードラゴン!」

 

レインボーアイズディザスタードラゴン ☆9 光 ドラゴンA2900D2700

「レインボーアイズモンスター×3」

①このカードの融合召喚時、墓地の『レインボーアイズ』モンスターを全て除外する。

②除外されている『レインボーアイズ』3体を墓地に戻すことでデッキから『レインボーアイズ』モンスター一体を手札に加える。②の効果は一ターンに一度しか発動出来ない。

 

「ディザスタードラゴンは召喚した時墓地のレインボーアイズを全て除外する。そして効果を発動。今除外したレインボーアイズオルタナティブドラゴン、ホープドラゴン、アビスドラゴンを墓地に戻す事でデッキからレインボーアイズセブンスドラゴンを手札に加える。そして墓地のレインボーフュージョンの効果、除外されているレインボーアイズライトロードドラゴンを墓地に戻す事によって墓地から手札に戻す」

 

いよいよコンボは終幕へ向かっていく。

 

「これで最後だ!レインボーフュージョン発動!手札のレインボーアイズセブンスドラゴンと、E=HERO(エクストラヒーロー)ネクストネオスを融合!」

 

「まさか、そのカードは?!」

 

明久も怒りを抑えきれなかったみたいだ。明鏡止水のドローで駆けつけて来た。だったら使わないと明久の想いを無駄にする事になってしまう。

 

「ネオスよ、新たな力をその身に宿しその輝きで天照らせ!融合召喚☆10 虹の戦士 E=HERO(エクストラヒーロー)セブンネオス!」

 

E=HERO(エクストラヒーロー)セブンネオス ☆10 戦士 光A3000D2500

「E=HEROエクストラヒーローネクストネオス+レインボーアイズセブンスドラゴン」

①このカードは融合召喚でしか特殊召喚出来ない。

②このカードの融合召喚時に相手フィールド上のモンスターの攻撃力を1000ダウンさせる。

③相手の墓地にいくカードは全て除外される。

 

「お前の不知火の隠者の攻撃力は1000下がり0となる。待たせたな、バトルだ!レインボーアイズダークロードドラゴンで不知火の隠者を攻撃!」

 

「馬鹿が!リバースカード 聖なるバリアミラーフォースを発動!」

 

馬鹿はお前だ。まだ俺達には一人残っているだろ。

 

「手札から速攻魔法 バーサーク·ファイト!」

 

バーサークファイト速攻

①このカードを発動後お互い戦闘フェイズに発動する魔法罠の効果は無効になる。

 

「これでミラーフォースの効果は無効になりこのバトルで魔法·罠は使えない!」

 

「なっ……!」

 

常村LP8000→5800

 

「ライトニングドラゴンでダイレクトアタック!」

 

「そんな……!」

 

常村LP5800→3200

 

「ディザスタードラゴンでダイレクトアタック!」

 

「バカな……!」

 

常村LP3200→300

 

「これで終わりだ!セブンネオス、怒りをぶつけろ!」

 

常村LP300→0

 

「これが俺達の絆だ!」

 

その場に力なく座り込む常村。力の格の違いを見せつけられた。けどまだ一人残っている。

 

「次はお前だ夏川!ビビって無いで早く出て来やがれ!」

 

「だ、誰がビビってんだ!常村、後は俺に任せろ!」

 

上の空の常村を下がらせデュエルディスクをセットする。

 

(……試合するのが二人いて良かったかもしれない)

 

そんな事を思う光輝。なぜなら今のデュエルは明久達みんなの怒りをぶつけた。でもまだ()()()()()が残っている!発散され切れなかった怒りが。

 

『圧倒的な強さを見せてくれた虹村君!次もその力を披露できるか?!エキシビションマッチ二回戦目!』

 

『「「デュエル!」」』

 

「今度はこっちが先行だ、ドロー。まず魔法カード おろかな埋葬を発動。デッキからシノビネクロを墓地へ。そして手札から牛頭鬼を召喚。牛頭鬼の効果でデッキからゾンビキャリアを墓地送る。そしてゾンビキャリアの効果で手札を一枚デッキの一番上に置くことで墓地から蘇生!」

 

先程のデュエルを見て夏川は先行でも動くことを決めた。出ないと常村のようにワンキルされてしまうと思ったからだ。

 

「☆4牛頭鬼に☆2ゾンビキャリアをチューニング、シンクロ召喚☆6 天狼王ブルー·セイリオス」

 

破壊時に相手のモンスターの攻撃力を下げるモンスター。これもワンキル封じの為だろう。

 

「牛頭鬼が墓地に送られた時の効果で墓地のシノビネクロを除外して手札からゴブリンゾンビを特殊召喚!さらにコストで除外されたシノビネクロを特殊召喚!」

 

アンデット族も展開力に秀でている。妨害さえなければ常村もこのように動けていたのかもしれない。

 

「☆4ゴブリンゾンビに☆2シノビネクロをチューニング!シンクロ召喚☆6 不知火ー刀神!」

 

除外されているアンデットがいれば真価を発揮するモンスターだが、今除外されている事モンスターは攻撃力が低い。しかし出したからには何か策があるのだろう。

 

「ゴブリンゾンビが墓地に送られた。そのため効果発動、デッキから牛頭鬼を手札に加える」

 

「中々頑張ってるじゃないか」

 

「けっ、カードを一枚セットしてターンエンドだ」

 

夏川

LP8000

手札2

伏せ1

フィールド ブルーセイリオス、不知火ー刀神

 

「さて、俺のターンだな。ドロー。さっきのよりは倒しがいがありそうだな」

 

「どうした、さっさと攻めてみろよ!」

 

今の布陣に自信があるのか光輝を煽る夏川。しかし本来ならこの二人は既に光輝に敗北している。煽れば煽るほど自分達が哀れになっていくと気が付いていないのか。

 

「じゃあお言葉に甘えて。速攻魔法 サイクロンを発動。リバースカードを破壊する」

 

「はぁ?!」

 

リバースカード 不知火流燕の太刀

 

「おっと危ない。破壊しておいて良かったぜ」

 

「くっ、けどまだ……!」

 

「どうかな。魔法カード 虹の取引を発動」

 

虹の取引 通常魔法

①手札の『レインボーアイズ』モンスター一体を墓地またはゲームから除外して発動する。カードを二枚ドローする。

 

「手札のレインボーアイズウォリアードラゴンを除外して二枚ドロー。……来たな。魔法カードレインボーフュージョン発動!手札のレインボーアイズダークロードドラゴンとグロースドラゴンを融合、融合召喚☆8 天翔ろ!レインボーアイズダークネスドラゴン!」

 

ライトニングドラゴンと双璧をなすレインボーアイズの中で唯一の闇属性のドラゴンが進化した姿。

 

レインボーアイズダークネスドラゴン ☆8 闇 ドラゴンA2600D2000

「レインボーアイズダークロードドラゴン×レインボーアイズグロースドラゴン」

①このカードの融合召喚時デッキから『レインボーアイズ』モンスターを三種類選択して発動する。選択したモンスターを墓地に送るまたは除外する。

②ゲームから除外されている『レインボーアイズ』モンスターが三種類以上いる場合このカードは効果の対象にならずカードの効果で破壊されない。

 

「ダークネスドラゴンの効果でデッキからレインボーアイズグロースドラゴン、レインボーアイズパワードラゴンを除外、レインボーアイズアジーンドラゴンを墓地へ」

 

「そんなにモンスターを除外してどうしようってんだ」

 

「お前を倒そうとしてるんだよ!手札から魔法カード レインボーフュージョン弍式を発動!」

 

「弍式?!そんなもんあったのか……!」

 

レインボーフュージョン弍式 通常魔法

①LPを半分払って発動する。『レインボーアイズ』融合モンスターによって決められたゲームから除外されているモンスターをデッキに戻す事でそのモンスターを融合召喚する。

 

光輝LP8000→4000

 

「ゲームから除外されているレインボーアイズウォリアドラゴン、グロースドラゴン、パワードラゴンをデッキに戻して融合!破滅へ導く竜が怒りを抱く時、飛翔し蹂躙し破壊し尽くし天翔る!融合召喚☆10 レインボーアイズウォリアーセカンド!」

 

レインボーアイズウォリアーセカンド ☆10 光 ドラゴンA3200D1500

「レインボーアイズウォリアードラゴン×レインボーアイズグロースドラゴン×レインボーアイズパワードラゴン」

このカードは融合召喚でしか特殊召喚出来ない。

①このカードは相手モンスター全てに攻撃できる。

②このカードが戦闘によってモンスターを破壊した時、そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。

③このモンスターと戦闘をおこなう相手モンスターの効果はエンドフェイズまで無効になる

 

「そういえば言ってなかったな。お前もこのターンで倒すと!」

 

光輝の怒りをその身に宿したドラゴン。全てを終わらせるために今姿を表した。

 

「や、やめろ!」

 

「バトル!ウォリアーセカンドでブルーセイリオスを攻撃!ウォリアーセカンドの効果でブルーセイリオスの効果は無効!さらにブルーセイリオスの攻撃力分のダメージも受けてもらう!」

 

夏川LP8000→4800

 

「ウォリアーセカンドはまだ攻撃できる!不知火ー刀神に攻撃!この時もウォリアーセカンドの怒りを喰らえ!」

 

夏川LP4800→1600

 

「これでいよいよ終焉だ!レインボーアイズダークネスドラゴン、ダイレクトアタック!」

 

「うそ……だろ………」

 

夏川LP1600→0

 

『なんということでしょう!まさかまさかの連続勝利!全ての勝負に勝利したその姿はまさに鬼神の如き!皆様、大きな拍手、声援をお願いします!!』

 

「……俺達の逆鱗に触れた結果だ。二度とでかいツラすんなよ、負け犬さん」

 

常夏にそれだけ言い残し大きな声援の中退出する光輝。こちらは終わったがまだ幽香達の安否は光輝には分からない。すぐに携帯を開く。それぞれ任務が完了したらその事を伝えるようにしている。まず携帯を開いた時に目に入ってきたものは__

 

『土屋康太:任務完了』

 

「____っしゃあぁ!!」

 

これで光輝達の完全勝利が決まった。



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19話 清涼祭エピローグ

19話です。今回で学園祭編が終わります。最後だからデュエルをしようかなとも思いましたが話の流れ的に無理でした。

次回から合宿編ですね。そこでもデュエルをする予定なので宜しければ応援よろしくお願いします。


「はぁ、はぁ、はぁ」

 

光輝は常夏との試合の後すぐに例のカラオケ店へと走っていた。無事に救出したと連絡はあったがやはり駆けつけずにはいられない。なんせ彼女が拉致されたのだ。心配でじっとなんてしてられない。

 

「___あれ?光輝?」

 

「なんだわざわざこっちまで来たの___」

 

「幽香!」

 

明久、雄二の呼びかけにも応じずに一目散に幽香に抱きつく。

 

「……ほぇ?」

 

「に、虹村君大胆です……」

 

あまりの突然の出来事で全員唖然とする。女子はその姿を見て頬を赤くする。

 

「は、離しなさい。皆が見てるでしょ……」

 

いつもクールな幽香も流石に照れる。まさかの道の真ん中で抱きついてきたのは予想外だった。

 

「良かった……無事で」

 

「………もう、安心しなさい。明久達が助けてくれたから」

 

「ああ。ありがとうな皆!」

 

「なーに、気にするな」

 

「僕達もムカついてたからね」

 

「光輝も無事勝利を収めたようじゃな」

 

「もちろん。ボコボコにしてきたぜ!」

 

「流石だね!」

 

「でも光輝の戦いっぷりも見てみたかったな」

 

「そこは諦めろ雄二。……さて、じゃあ先に戻っててくれ」

 

「あなたは戻らないの?」

 

普通ならここで雑談でもしながら学校へ帰るところだが何故かみんなに先に行くように促す。

 

「いやー、もう明久達が助けてくれたけど、やっぱり自分で殺らないと気が済まないわ」

 

ニッコニコの笑顔にはなんとも綺麗な殺意が漏れていた。下手したら常夏の時よりも深い殺気かもしれない。

 

「そう。なるべく早く戻りなさい」

 

「大丈夫、表彰式までには戻るからー」

 

言いながらカラオケ店へと向かう。既に姿が小さくなるほど早く走っている。

 

「当たり前のように他人への暴力を許したな」

 

「恐ろしいカップルじゃな」

 

「あら、心外ね。酷いことされたんだもの。当然でしょ」

 

「……やっぱり恐ろしいよこの人」

 

絶対に敵に回してはいけない。そう全員が思った瞬間だった。

 

「………そういえば雄二」

 

「どうしたムッツリーニ」

 

「………光輝の試合は俺が録画してある」

 

「おお、流石ムッツリーニ。色んなところに手が回るな」

 

「じゃあ後でみんなで見ようね」

 

「どんな試合をしたのか拝見させてもらおうか」

 

この時は誰も予想していなかった。まさか召喚獣での試合以外にデュエルも行っていたと。

 

「にしても熱々じゃったな」

 

「本当だぜ。見てるこっちが恥ずかしかったよ」

 

「日本じゃあれが普通なの?」

 

「私もあれくらい積極的に……」

 

女子達の話題はやはりというか先程の光輝と幽香についてだった。そしてそれを見た明久は何を思ったのか__

 

「風見さんもデレデレだったね!」

 

自分も幽香を茶化してしまった。何故こうも自分の命を危険に晒すのか。

 

「あら。余程自分の命が要らないようね」

 

先程の光輝同様顔は綺麗な笑顔が咲いているがそれが枯れるほどの殺気を放っていた。

 

「すいませんでした!!」

 

目にも留まらぬ速さですぐさま素晴らしい土下座を披露する。

 

「お前にプライドはないのか明久」

 

「命に比べれば安いものなんだよ……雄二」

 

「あ、明久にしては妙に説得力があるな……」

 

それもそのはず。実際に命が刈り取られるかもしれない状況なのだから。

 

「まぁいいわ。腕一本ね」

 

「あ、良くてそれなんだ……」

 

光輝の大変さがしみじみ感じた瞬間であった。

 

♢

 

「え〜と、確か部屋は……」

 

明久達と別れてから数分。既にカラオケ店に着いて不良達の部屋へと入っていく。

 

「ここか。……結構派手にやったんだなあいつら」

 

中へ入ってみると男達が全員気絶していた。血などは飛び散っていないところを見ると大事にならないように綺麗にしたのだろう。

 

「おーい、起きろあんたら」

 

近くにいた男の頬をペちペちと叩き起こそうとする。

 

「………う、いってぇー」

 

一人が頭を抑えながらフラフラと立ち上がる。それから他の者も力無く起き上がる。皆どこかしら押さえてなんとも痛々しい状態だった。

 

「くそ。あいつら……」

 

「舐めた真似してくれやがって」

 

「ただじゃおかねぇ!」

 

それからすぐに明久達へ恨みを募らせていた。

 

(舐めたまねしたのお前らだろ)

 

これ程までの正論も珍しい。

 

「……ところでお前は誰だ?」

 

光輝の存在に気づいたのか話しかけてきた。

 

「俺か?お前らをボコボコにした連中の親玉だ!」

 

「なんだと?!」

 

あえて親玉と名乗ることで相手の怒りを煽る。何故そうするのか?相手の身体だけでなく心も完膚無きまでに叩き潰すためだ。

 

「じ、じゃあお前が仕向けたのか?!」

 

「うーん、そうとも言えるかな?」

 

「そうか。……じゃあ死ねや!」

 

不意打ち気味に光輝へと殴り掛かる。しかし光輝は予想していたように軽く受け流すとそいつの鳩尾に重い一撃をお見舞する。

 

「がぁ……あ!?」

 

ここで気絶できていればどれだけ楽だったか。しかしそんな甘いことはさせない。光輝の今の攻撃は痛すぎて気絶出来ない一撃だった。

 

「そう焦んなよ。ちゃんと順番にしばいていくからさ」

 

ジリジリと歩み寄っていく。一番怖いところは光輝がずっと笑顔なところ。なんとも言えない狂気を周りに与えている。この時点で不良達の戦意は0だった。

 

「ま、待ってくれ!俺達が悪かった!だから…__」

 

「聞こえねーなー!」

 

「「「「う、うわぁぁぁー!!」」」」

 

 

……ここがカラオケ店で良かっただろう。その悲鳴は聞くに耐えないおぞましい代物になっていた。

 

余談だがこの事件の後不良達は真面目に生きる事を心に誓ったと言う。

 

『悪魔って言うのは本当にいるんだと思ったよ……』

 

本人後日談より。

 

♢

 

「さてさて。全部解決したしババア長とお話といこうか」

 

無事光輝の怒りも収まり表彰式にて件のペアチケットも回収できた。ついでに召喚獣じゃなくて使用者本人が付ける特別な腕輪も貰った。

 

それはさておき今回の事件の真相をババアに聞きに行く。全てが終わってから話すってのも些か遅い気もするが……。

 

「おーす、入るぞ」

 

「お邪魔します」

 

「……だからノックをしろとあれほど……」

 

「いいじゃないかもう。それで、話してくれるんだろ?」

 

「……そうさね。あんたらをここまで巻き込んで事情を話さないってのも筋が通らないからねぇ」

 

「ババア長が言っていたペアチケットは回収したがこの話は嘘か?」

 

貰ったチケットをヒラヒラと見せつける。話から察するにこれが事件の確信って事はないのはわかるが。

 

「いや、その話も本当さ。けど問題があるのは優勝賞品のその腕輪さ」

 

「腕輪?この白金の腕輪ってやつが?」

 

「これの何が問題なんだ?」

 

明久と俺が付けている腕輪。表彰式で試しに使ってみた時は特に何も無かったけど。

 

「虹村が持っている方は問題ないんだよ。不備があるのは吉井が持ってる方だ」

 

「もう壊したのか明久……」

 

「使ったの1回だけだよ!」

 

「召喚獣を増やす方の腕輪はどうにも調整が上手くいかなくてねぇ。使用者の得点が一定を超えると暴走するんだよ」

 

「……なるほど。そういう事か」

 

もう既に事情を把握した様子の雄二。流石、頭の回転が早い。

 

「え?どういうこと雄二?」

 

「ババアは俺達に勝ち取って欲しかったんだよ。その腕輪を」

 

「不備があったんでしょ?回収じゃだめなの?」

 

確かに不良品をわざわざ賞品に出すなんてこと普通は避けたい。というかやらない。

 

「回収なんて真似は極力避けたかったんだよ。な」

 

「本当にアンタはよく頭が回るね……。そうさ。出来れば回収なんてしたくない。新技術だからね、見せてナンボのものだからね」

 

「それなのにいきなり回収なんてしたら新技術の存在が疑われるってことか」

 

なるほど。だから俺達に頼んだのか。

 

「そうだ。だからババアは『優勝の可能性を持つ低得点者』つまり俺達が必要だったんだ」

 

片方に問題があるなら片方が得点の低いペア__明久と俺が適任だったわけだ

 

「よく分からないけどとりあえず褒められたのかな?」

 

「バカにされてんだよ明久」

 

「なんだとババア!」

 

「それくらい自分で気づけよ……」

 

こっちも流石のバカだな。

 

「そうなると俺達を邪魔した竹原の説明もつくな」

 

「どうして?」

 

「試召戦争と試験召喚システムはただえさえ存在自体の是非が問われてるんだ。そんな時に暴走なんてしたら学校そのものの存在意義が問われる」

 

「それを利用して竹原は学園長の失脚を狙ってたのか。あのクソ野郎」

 

「ご名答。身内の恥を晒すみたいだけどね」

 

これで今回の事件の真相が全て明らかになったな。

 

……いや、待てよ?

 

「なぁ雄二。どうして常夏は俺達とババアが繋がってるって知ってた?」

 

「………まさか!」

 

何かに気づいたのか雄二が急いで学園長室の扉を開ける。するとバタバタと誰が急いでその場を後にする音が聞こえた。

 

「もしかして雄二!」

 

「ああ、やられた、盗聴だ!あいつらこの部屋の会話を盗聴してやがった!」

 

「ええ?どういうこと雄二?」

 

「常夏がこの部屋に盗聴器を仕掛けてやがったんだ!」

 

「なんだって?!」

 

「今の会話を録音されてたら不味いことになるぞ!」

 

そんなものが公開された日には今までの努力が水の泡だ!そんなもんまっぴら御免こうむる!

 

「明久はムッツリーニに報告。光輝は新校舎へ迎え。俺は放送室に行く!」

 

「了解!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそっ!どこにいるんだあいつら!」

 

俺と明久で新校舎を1階から4階までくまなく見て探したが奴らの姿が見えない。雄二や秀吉、康太にも協力して貰っているのにだ。

 

「こんなに探しても見つからないなんて……」

 

「けどさすがに向こうも動き出すはず___」

 

prrrrr!

 

明久の携帯から着信音がなる。

 

「もしもし?」

 

『見つけたぞい。さすがはムッツリーニじゃ。遠くまでよく見ておる』

 

この声は秀吉。よくやった!

 

「ナイス!それであの連中はどこにいるの?」

 

『新校舎じゃ』

 

「新校舎だって?それなら僕と光輝が隅々まで__」

 

『違う。奴らが居るのは新校舎の屋上じゃ!』

 

屋上だと?!しまった、そこまでは見ていなかった!後夜祭用の設備が狙いか!

 

「俺らの上に居るのか!」

 

今俺達がいるのは新校舎の4階。一番階段から遠い所にいる。しかも屋上への扉は何かしらで入れないようにしているだろう。

 

「どうする光輝!もうそろそろ放送を始めるみたいだよ!」

 

「………明久。腹くくれよ」

 

「え?どういうこと?」

 

明久に今考えついた作戦を伝える。

 

「えぇ?!だ、大丈夫それ!」

 

「やるしかねぇだろ!死にたくなかったら全力でやれよ!起動(アウェイクン)

 

白金の腕輪を使い召喚フィールドを作る。

 

「もう分かったよ!試獣召喚(サモン)。そして二重召喚(ダブル)

 

そこに明久が召喚獣を出してこちらも白金の腕輪を使い召喚獣を二体に増やす。それでどうするかって?こうするんだ!

 

「「せーーっの!」」

 

明久と二人で窓から飛び出す。そう、窓からだ。普通だったら文字通り自殺行為。けどそんな訳じゃない。俺達の足元に明久の召喚獣を配置して手に持っている木刀を使い俺達を上へと投げ飛ばす。

 

「うぉぉ?!」

 

「届けー!」

 

本来ならそんなことしても大して上に上がらない。しかし人間の筋力を遥かに超えている召喚獣なら無理やり俺達を飛ばすことが出来る。どうやら予想どおりだったみたいだ。

 

「絶対に捕まれよ!」

 

「もちろん!」

 

そのまま屋上のフェンスへとしがみつく。それはもう必死に。失敗=死だからね。

 

「なぁ?!虹村に吉井!?」

 

「なんてとこから現れてんだ!」

 

そしてそこには今にも放送を開始しようとしている常夏コンビがいた。

 

「よう先輩(負け犬)方。なんか懲りていないみたいだからぶっ飛ばしに来たわ。明久は機械の方を頼む」

 

「了解!」

 

「ちっ!くそが!」

 

「舐めんなよ!」

 

どうやら向こうは俺とやり合うみたいだ。今日はよく喧嘩をする日だな。昔に戻ったみたいだ。向こうがその気ならこっちも殺るしかないよな。

 

「はっはー!死にさらせぇ!」

 

「……あれ喧嘩じゃなくて殺戮だよ」

 

 

この後は無事放送が止めることが出来た。ようやく一件落着と言ったところか。

 

♢

 

「いやー。疲れる学園祭だったわ」

 

後夜祭も終わり学園祭の打ち上げをやろうという流れに。特に店などには入らず近くの公園でお菓子やジュース等を買っての打ち上げ。これはこれで楽しかったりする。

 

「ほんっと。もうあんな真似はゴメンだよ」

 

「よくあんなことを思いつくものじゃ。下手したら死んでおったぞ」

 

「その時はその時だ」

 

「サラッと僕を巻き込まないで欲しいよ」

 

「何?アンタらまたやらかしたの?」

 

島田が俺達に話しかけながらコップを渡してきた。

 

「サンキュー」

 

「ありがと」

 

中身はオレンジジュースか。何故かちょっと苦いけど。

 

「何もしてないよ。なぁ明久」

 

「もちろん。至って真面目だったよ」

 

「絶対に嘘ね」

 

「そんな真顔で言わなくても……」

 

ダメだ。どうやら俺達の信頼は0のようだ。

 

「そういえば売上ってどんなもんだ?」

 

「そうね。凄いって程じゃないけど中々稼いだんじゃない?」

 

「ふむ。どれどれ……」

 

確かにまぁまぁな額になっていた。けどこれだとせいぜいが畳とちゃぶ台ってとこか。

 

「すいません。遅くなりました〜」

 

遅れて姫路もやってきたみたいだ。

 

「あ、瑞希。どうだった?」

 

「はい!お父さんもお母さんもわかってくれました!」

 

おぉ。どうやら当初の目的は果たせたようだ。

 

「姫路さんお疲れ様」

 

そこに明久が手に持っていたコップを姫路に渡す。

 

「あ、ありがとうございます。沢山お話したので喉が乾いちゃって」

 

「おーい明久ぁー!」

 

「うん?どうしたの魔理__」

 

「とうっ!」

 

「うわぁ?!」

 

さっきまで他の人と話していた魔理沙が走ってきたと思ったら明久に抱きついていた。

 

「……なんだと?」

 

まさかあの照れ屋の魔理沙がそんな大胆なことするとは。

 

「ど、どうしたの魔理沙。何か変だよ?」

 

「どこも変じゃないぜ〜」

 

………おっ?心なしか魔理沙の雰囲気がふわふわしているような。

 

「とりあえず1回離れようか」

 

明久が抱きついている魔理沙を離れさせようとする。

 

「嫌だ!」

 

「えぇ?!なんで!」

 

あっ、分かった。これ魔理沙酔っ払ってるわ。さっきのオレンジジュースが苦かったのもそういう理由か。

 

「むぅ、魔理沙ちゃんばっかりずるいです!私だって!」

 

「ひひ、姫路さん?!」

 

そこへ何を思ったのか姫路まで明久に抱きつき始める。

 

「おい、瑞希。明久はワタシのものだぞ!」

 

「独り占めはずるいです!」

 

「助けて光輝!このままだと僕__」

 

明久が自分ではどうすることも出来ないから俺に助けを求めてきた。けどまぁ__

 

「いいじゃん別に」

 

「この裏切り者!」

 

面白いので放っておくことにした。そうだ、康太に写真撮ってもらおう。そんで後でからかってやろう。

 

そんな感じで俺達の普通じゃない学園祭は無事に終了した。

 

「僕だけ無事じゃないよ!」



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合宿編
20話 強化合宿開始


20話です。今回から新章です。強化合宿でもデュエルする予定はあります。学園祭と比べると減るかもしれませんが。それと遅れてすいませんでしたー!


学園祭の喧騒から数週間が経った。特にどこのクラスも戦争を起こさなかったりと二年生に上がってからの怒涛のイベントラッシュからは想像も出来ない静かな毎日を過ごしていた。

 

「む?今朝は早いのう明久」

 

「珍しいな。何かあったか?」

 

そんな時にいつもは遅刻ギリギリに来る明久が時間に余裕をもってやってきた。

 

「おはよう秀吉、光輝。なんか早く目が覚めちゃってね」

 

「おはようじゃ。さてはお主、明日からの強化合宿で浮かれておるな?」

 

「あはは。そうかもしれないね」

 

そう。実は明日から四泊五日で二年生全員で勉強合宿に赴く。学園祭程のイベントでは無いものの泊まりがけというのはやはり気分が上がる。

 

「無論ワシとて胸が躍っておる」

 

「やだなぁ。胸が躍るって言うほど大きくないくせに」

 

「いや、ワシの胸は大きくなっては困るのじゃが……」

 

「てか勉強合宿だぞ?絶対明久やらないだろ」

 

「そうかもしれないけど、修学旅行みたいだから楽しみで__」

 

そんな会話をしつつ明久がロッカーに荷物を移す。その時に何かあったのか不思議そうな顔をする。

 

「ん?なんだろう?」

 

「なんだそれ?手紙か?」

 

明久の空っぽのロッカーに入っていたのは封筒に入っている手紙だった。しかも宛名に『吉井明久様へ』と書いてある。

 

「おい明久、それって__」

 

「黙ってて!」

 

ラブレターじゃね?と言おうとしたら明久に口を塞がれた。

 

「うん?どうしたのじゃ明久?」

 

「What's up?Hideyoshi? Everything goes so well……」

 

「異常事態じゃな」

 

「バカな!一撃でバレるとは!」

 

「お前が英語で話したらそらバレるわ」

 

冷静を装うとしたっぽいけど、どうしてここまですぐにボロが出るのか。

 

「と、とにかく大したことじゃないから、見なかったことにしてくれない?」

 

「む、むぅ。明久がそう言うのであれば深くは問わんが……」

 

優しいな秀吉は。こんなに怪しいヤツを問い詰めようとしないなんて。

 

「ありがとう助かるよ!それじゃあ!」

 

そう言い残しどこかへ走り去ってしまった。多分誰もいない屋上とかでこっそり中身を確認するつもりなんだろ。

 

「本当にどうしたのじゃ明久は?」

 

「多分心配するだけ無駄だよ」

 

なんたって明久だ。生きているだけで厄介事が付き纏ってくる人間に純粋にラブレターが届きましたーなんてあるはずが無いんだよな。

 

『最悪じゃあぁぁー!』

 

そんな明久の叫びがこだました気がした。

 

♢

 

あれから明らかにテンションの低い明久が戻ってきた。どうやらラブレターと思っていたのは脅迫状だったらしい。どうなったら男子高校生が脅迫状を送られるんだ。

 

「それで?脅迫のネタはなんだったんだ?」

 

「そういえばまだ知らないや。えーと、『忠告を受け入れない場合同封されている写真をばら撒く』だって。これのことかな?」

 

封筒の中に入っていた写真を取り出す明久。一枚目は明久がメイド服の姿。

 

「この前の学園祭の服装じゃな」

 

「いつの間に撮影なんて……」

 

「まだこれなら脅迫にはならないだろ」

 

「十分なると思うけど……」

 

そう言いつつ二枚目の写真を覗く。

 

「………トランクスだからセーフ、トランクスだからセーフ、トランクスだから……」

 

「あ、明久?!」

 

「明久が壊れるほどの写真か。一体何が写ってるんだよ」

 

最後に気合を入れて写真を取り出す。それを見た明久は__

 

「いやぁー!!」

 

膝から崩れ落ち力の限り叫んだ。

 

「なんじゃ!一体何が写っておったのじゃ!」

 

「相当なものっぽいな。どれどれ___」

 

「見ないで!こんな穢れた僕の写真を見ないで!」

 

写真を見ようとしたら全力で止められた。その死にものぐるいの姿に若干引いた。

 

「わ、分かったよ。そんなに言うなら見ないよ」

 

「はぁ、はぁ。お、恐ろしい戦略だ。確実に僕を消そうとしている!」

 

「考えすぎだろ」

 

「そ、そうじゃ!ムッツリーニに相談をしてはどうじゃ!事情を説明して__」

 

「ムッツリーニに笑われる?」

 

「違う!脅迫犯を見つけてもらうのじゃ!」

 

「おぉ!ナイスアドバイス秀吉!流石は僕のお嫁さんだ!」

 

「婿の間違いじゃろう」

 

「どっちも間違いだと思うけど」

 

早速明久は康太の所へ駆けつけた。だがそこで康太は他の誰かと既に会話していた。

 

「あれ?雄二?」

 

「雄二も康太に相談か?」

 

俺の発言にコクっと頷く康太。

 

「………雄二の結婚が近いらしい」

 

「それいつもじゃん」

 

「そんな決まっていることより、僕が校内のみんなに女装趣味の変態として認識されそうって事の方が重要だよ!」

 

「なんだと?お前が変態だなんてそれこそ今更だろうが!」

 

「黙れこの妻帯者!人生の墓場に帰れ!」

 

「うるさいこの変態!とっととメイド喫茶へ出勤しろ!」

 

「…………」

 

「…………」

 

「………傷つくならお互い黙っていればいいのに」

 

「言葉の殴り合いだな」

 

二人ともうっすら涙目になっていた。泣いてるじゃん。

 

「そ、それで雄二は何があったの?」

 

「実は今朝翔子がMP3プレーヤーを隠し持っていたんだ」

 

「別に普通じゃね?」

 

ただ音楽を聞いていたとか、そう言うこともあるだろうし。

 

「問題はその中身だ。前に王様ゲームをした事があっただろ。その時に秀吉が俺の声真似をして言った翔子へのプロポーズを録音した奴がいるみたいでな」

 

「そういえばあったねそんなこと」

 

「霧島が直接録音した可能性は?」

 

「それは無い。翔子は機械音痴だからな。それで翔子はそれを使って親を説得させるみたいだ。音声のみだから俺が言ったと言えるし秀吉の声真似は似すぎている」

 

確かに秀吉の真似は区別がつかないほどに精度が高い。しかもそれが録音されたものと言うなら尚更。

 

「とりあえず録音したものは消したが元の音源を消さない限り俺に未来はない。そういうわけでムッツリーニに依頼を頼んだんだ」

 

なるほど。盗聴をした犯人を探して欲しいと。

 

「………明久は?」

 

「実は、僕のメイド服パンチラ写真が全世界にWeb配信されそうなんだ」

 

あ、バカだこいつ。

 

「………何があったの?」

 

「ごめん。端折り過ぎた。要するにね__」

 

 

「___そんなわけで写真を撮った犯人を突き止めて欲しいんだ」

 

「なんだ。明久も俺と同じような境遇か」

 

「………脅迫の被害者どうし」

 

「悲しい仲間だな」

 

そこに鉄人が教室に入ってきた。

 

「………とにかく、調べておく」

 

「すまん、報酬に今度お前の気に入りそうな本を持ってくる」

 

「僕も最近仕入れた秘蔵コレクションその二を持ってくるよ」

 

「………必ず調べ上げておく」

 

報酬が聖書(エロ本)とわかった瞬間やる気を見せてくる康太は伊達にムッツリーニと呼ばれていないと思った。

 

「皆も知っているとおり明日から強化合宿が始まる。泊まり込みだからといってはしゃぎ過ぎないように」

 

鉄人が合宿について説明する。その時の移動方法でもクラス間での差別がある。そういう学校だから受け入れるしかないんだけど。

 

「いいか、他のクラスと違って我々Fクラスは……現地集合だ。以上」

 

『『『案内すら無いのかよ!』』』

 

これにはさすがに驚いた。

 

♢

 

集合場所が現地集合と分かったため皆で集合し電車で移動することに。そこで暇つぶしに島田の持ってきた心理テストの本で若干姫路と魔理沙で修羅場ったのは内緒の話だ。

 

「………(トントン)」

 

「あ、ムッツリーニ。おはよう」

 

「………空腹で起きた」

 

「あれ?もうそんな時間?」

 

確かに昼時だな。

 

「あ、お昼ですね。それなら___」

 

その瞬間全員に電流が走る。姫路の弁当……それ即ち死人が出ることを意味する。

 

「実はお弁当を作って来たんです。良かったら……」

 

「悪い姫路、自分で作って来ててな」

 

「俺も幽香が作ってくれて」

 

「すまぬ、ワシも用意してしまっての」

 

「………調達済み」

 

即座に自分の弁当を出す俺達。そして唯一出遅れた明久に

 

「そういうわけで明久にでもご馳走してやれ」

 

「ごめん。実は僕も惣菜パンを」

 

「すまない明久。腹が減ってたから食っちまったよ」

 

明久に逃げ場はない。俺が姫路が弁当を出す寸前に明久のバックからパンを抜いておいた。

 

「「…………!(メンチの切り合い)」」

 

「アキ、良かったらウチの弁当食べる?」

 

「ありがとう!美波も分けてくれるんだね!それなら皆で弁当を分け合おうよ!」

 

ちっ!島田め余計なことを!このままじゃ全員が姫路の弁当の餌食だ!

 

「わ、ワシらはこっちの席で交換しとるぞ」

 

「そうだな、席離れてるもんな」

 

「………!(コクコク)」

 

「また別の機会に交換だな」

 

秀吉のおかげで上手く逃げれたな。魔理沙も被害に会うことは無くなった。

 

「そうか明久!そんなに俺の弁当が食いたいか!」

 

「もごぁ?!」

 

向こうでは既に戦争(押し付け合い)が始まっていた。雄二が明久の口に自分の弁当を詰め込んでいる姿を目撃。そこで意外にも雄二が料理上手だということがわかった。

 

「それじゃはい。ウチの弁当どうぞ」

 

「それじゃ、早速。シューマイを頂くよ」

 

「あのねアキ。実はそのシューマイ……」

 

「ん?なに?」

 

「二つに一つは辛子を入れてみたの」

 

「君はバカかい!」

 

相当辛子を入れていたのか悶絶する明久。

 

「明久。それはある意味ラッキーかもしれないぞ」

 

そこに悪魔の囁きが。味覚が機能していない今なら姫路の弁当を食っても大丈夫だと。

 

「姫路さん、お弁当貰うね!」

 

「あ、はい。一杯食べてくださいね」

 

「いっただきまーす!」

 

「明久……お前のことは忘れない」

 

勇敢(バカ)にも姫路の弁当に食らいついた明久は食材を飲み込んだ瞬間に意識を失った。すぐに康太と秀吉が蘇生活動に入る。しかしまだ弁当の中身は残っている。

 

「「もちろん食うよな雄二(光輝)!」」

 

「いやいや、俺は席が離れてるから隣の雄二が食いなよ」

 

「何言ってんだ。明久の惣菜パンを食うぐらい腹が減ってるんだろ?」

 

「「…………!(ガンのくれ合い)」」

 

ダメだ、このままだと拉致があかねぇ。しかしどちらかが犠牲にならないとこの悪夢は終わらない!

 

「……姫路、席変わってくれるか?」

 

「島田もちょっと席を外してくれ」

 

「え?虹村君とですか?」

 

「別にいいけど……」

 

そういい姫路は俺と、席を代わり島田も秀吉達の方へ行ってくれた。

 

「……負けても恨むなよ」

 

そしてデッキケースからデッキを取り出す。

 

「……これ以上話し合っても無駄だな」

 

「これで勝った方が生き残れる…!」

 

そう、デュエルで負けた方が生贄となる死のデュエル!

 

「舐められたな。デュエルなら俺に勝てると?」

 

「そんなに甘く見てないさ。ただ男と男がぶつかる時はこれか拳だろ?」

 

「違いないな。ならこちらも全力で行く!」

 

「「デュエル!」」

 

「先行は俺だ。ドロー。手札からバーサーク·グングニルを召喚」

 

バーサーク·グングニル 地 戦士 ☆4 A1700D0

①このカードが戦闘ダメージを与えた場合カード名を一つ宣言する。このカードがフィールドか墓地に存在する限り宣言したカードをお互いにプレイ出来ない。

『バーサーク·グングニル』の効果はデュエル中に一度しか発動出来ない

 

「カードを二枚セットしてターンエンド」

 

雄二

LP8000

手札4

伏せ2

フィールド グングニル

 

「俺のターンドロー。そういえば雄二とデュエルするのは久しぶりだな」

 

「日常的会話で俺の気を散らす気か?」

 

「ひねくれ過ぎだ。ただそう思っただけだろ。手札から魔法カード 虹の取引を発動 」

 

虹の取引 通常魔法

①手札の『レインボーアイズ』を一枚墓地または除外することでカードを二枚ドローする。

 

「ここだな、リバーストラップ 肉を切らせて骨を断つ」

 

「まさか!」

 

肉を切らせて骨を断つ 通常罠

フィールド上の『バーサーク』を一体破壊して発動する。そのモンスターの戦闘ダメージを与えた時の効果を発動する。

 

「ああ、グングニルの効果でカードを一枚封印させてもらう」

 

しかしここで問題なのはレインボーアイズは止めるべきカードが多いこと。その中でどれを選択するかで恐らくこの勝敗は決まるだろう。

 

「……いいぜ、宣言しな」

 

「俺が宣言するカードは『レインボーフュージョン』だ!」

 

「……いいのか?レインボーフュージョンには他にもあるぜ?」

 

「他のレインボーフュージョンは使い勝手がいいとは言いづらい。これさえ止めておけばポンポン融合される事もないだろ」

 

「流石良く考えてやがる」

 

レインボーフュージョンを止められたことは光輝にとって痛いはずなのに笑っている。こいつは本当にデュエルを楽しんでいるんだな。

 

「虹の取引の効果で手札のレインボーアイズウォリアードラゴンを除外してカードを二枚ドロー。さらに魔法カード 龍の供物を発動」

 

龍の供物 通常魔法

①デッキから『レインボーアイズ』モンスターを一体墓地に送る。

 

「効果でデッキからレインボーアイズチェトレドラゴンを墓地に。そして手札からレインボーアイズパワードラゴンを召喚」

 

レインボーアイズパワードラゴン 光 ドラゴン ☆4A1800D700

①このカードが墓地に送られた場合ゲームから除外されている『レインボーアイズ』一体を手札に加える。

 

「バトル!パワードラゴンでダイレクトアタック!」

 

雄二LP8000→6200

 

「カードを一枚セットしてターンエンド」

 

光輝

LP8000

手札3

伏せ1

フィールド パワードラゴン

 

「俺のターンドロー」

 

ここからどうするか。融合を妨害したとしてもレインボーアイズは強力。攻め方を間違えれば一気に負けるだろう。

 

「だが攻めで負ける気は無い!手札からバーサーク·ゲイジャルグを召喚」

 

バーサーク·ゲイジャルグ 地 戦士 ☆4A1900D0

①このカードが戦闘ダメージを与えた場合相手フィールドの魔法·罠を一枚破壊することが出来る。

 

「嫌なカードがきやがったな」

 

「そのままバトル!ゲイジャルグでパワードラゴンを攻撃!」

 

「……発動しても意味ねーな。そのまま破壊される」

 

光輝LP8000→7900

 

「ゲイジャルグの効果発動。リバースカードを破壊する」

 

破壊されたカード 欠けた虹

 

あれは永続罠か。ゲイジャルグの攻撃に対して発動してもチェーンのタイミング的に効果を発動する前にゲイジャルグで破壊されるから発動しなかったのか。

 

「パワードラゴンが破壊された時の効果で除外されているウォリアードラゴンを手札に戻す」

 

「これで場が空いたな!手札から速攻魔法 バーサーク·チェンジ!」

 

「まだまだ攻めてくるか!」

 

バーサーク·チェンジ 速攻魔法

①フィールドの『バーサーク』モンスター一体を破壊して発動する。そのモンスターより攻撃力の高い☆+3までの『バーサーク』をデッキから特殊召喚する。

 

「これで俺が召喚するのはバーサーク·ゲイボルグ!」

 

「容赦ねーな!」

 

バーサーク·ゲイボルグ 地 戦士 ☆7 A2500D0

①このカードが戦闘ダメージを与えた場合相手の手札を見ないで一枚選択しそのカードを墓地に送る。

 

今の光輝のフィールドはがら空き。どんどんアドバンテージを取らせてもらう!

 

「バーサーク·ゲイボルグでダイレクトアタック!」

 

「くっ!」

 

光輝LP7900→5400

 

「ゲイボルグの効果でハンデスさせてもらう!」

 

光輝の手札をランダムに選んで墓地へと送る。そのカードは__

 

「……まだマシか」

 

グロースドラゴンか。通常モンスターだからそこまでいいカードは選択出来なかったな。

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

雄二

LP6200

手札3

伏せ1

フィールド ゲイボルグ

 

「かなりアドを取られたな。けどここからだ!ドロー」

 

(とは言ってもきついものがあるな。やるしかないけど)

 

「手札のレインボーアイズアジーンドラゴンを除外して手札からレインボーアイズアビスドラを特殊召喚!」

 

レインボーアイズアビスドラゴン 光 ドラゴン ☆6A2200D1200

①手札の『レインボーアイズ』モンスター一体を墓地または除外することでこのカードを手札から特殊召喚する。

『レインボーアイズアビスドラゴン』の効果は一ターンに一度しか発動出来ない。

 

「さらに今除外したアジーンドラゴンを墓地に戻すことで手札のレインボーアイズエクスドラゴンを特殊召喚!」

 

レインボーアイズエクスドラゴン 光 ドラゴン ☆6A2100D500

①ゲームから除外されている『レインボーアイズ』モンスター一体を墓地に戻すことでこのカードを手札から特殊召喚する。

『レインボーアイズエクスドラゴン』の効果は一ターンに一度しか発動出来ない。

 

「そして手札から魔法カード レインボーフュージョン参式を発動!」

 

「持っていたか、他のレインボーフュージョンを」

 

レインボーフュージョン参式 速攻魔法

①『レインボーアイズ』と名のついた融合モンスターによって決められたモンスターをフィールド上から墓地に送ることでそのモンスターを融合召喚する。

 

フィールドのみを対象となった代わりに速攻魔法になったレインボーフュージョン。グングニルは特定のカードを封じる。その派生カードまでは効果が及ばない。

 

「フィールドのレインボーアイズアビスドラゴンとエクスドラゴンを融合!融合召喚☆8 天翔ろ!レインボーアイズディシディアドラゴン!」

 

レインボーアイズディシディアドラゴン 光 ドラゴン☆8 A2700D2600

『レインボーアイズ』と名のついたモンスター×2

①このカードをリリースすることで墓地または除外されている『レインボーアイズ』一体を特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動出来る。

 

「厄介だな」

 

あれはフリーチェーンで他のドラゴンへとシフトチェンジするモンスター。こちらが除去しようとしても躱されてしまう。しかも既に強力なレインボーアイズが墓地、除外に存在している。

 

「バトル!ディシディアドラゴンでバーサーク·ゲイボルグを攻撃!」

 

「そのまま受ける!」

 

雄二LP6200→6000

 

「ゲイボルグが破壊された時リバースカードを発動 バーサーク·ステップアップ!」

 

バーサーク·ステップアップ 通常罠

①フィールドの『バーサーク』モンスターが破壊された時発動出来る。そのモンスターの攻撃力+1000までの『バーサーク』をデッキから特殊召喚する。

 

「これで俺が召喚するのはバーサーク·ファラクス!」

 

バーサーク·ファランクス 地 戦士 ☆10 A2200D0

①このカードと戦闘を行うモンスターの攻撃力はエンドフェイズまで半分になる。

 

「雄二の方こそ厄介なモンスターを……」

 

「これなら少なくとも戦闘でやられることは無いだろうからな」

 

こいつは俺のモンスターの中で数少ない戦闘ダメージを与えなくても効果を発動するモンスター。とりあえずこいつを立てておけばディシディアドラゴンの効果でモンスターが出たとしても対処出来る。

 

「……バトルフェイズを終了してディシディアドラゴンの効果を発動。自信をリリースすることで墓地のレインボーアイズチェトレドラゴンを守備表示で特殊召喚」

 

レインボーアイズチェトレドラゴン 光 ドラゴン ☆8 A2800D2400

①一ターンに一度墓地の『レインボーアイズ』モンスター一体を特殊召喚することが出来る。

『レインボーアイズチェトレドラゴン』の効果は一ターンに一度しか発動出来ない。

 

「チェトレドラゴンの効果で墓地のレインボーアイズウォリアードラゴンを守備表示で特殊召喚」

 

レインボーアイズウォリアードラゴン 光 ドラゴン☆6 A2100D800

①手札を一枚墓地に送ることでこのターンモンスターに二回攻撃することが出来る。

②このカードが戦闘によってモンスターを破壊した時そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。

 

すぐに強力なドラゴンが並ぶ。しかしファランクスを除去出来るモンスターではない。こちらのバーサークのダメージを与えた時の効果を発動させないようにフィールドに出したのだろう。

 

「ターンエンドだ」

 

光輝

LP5400

手札0

伏せ0

フィールド アジーンドラゴン、チェトレドラゴン

 

光輝の手札、伏せが0。絶好の攻め時だが守備表示となるとダメージを与えられないか。それなら__

 

「俺のターンドロー!手札から魔法カード ルーン魔術を発動」

 

ルーン魔術 通常魔法

①手札の『バーサーク』モンスター一体を特殊召喚する。

『ルーン魔術』は一ターンに一度しか発動出来ない

 

「これで出すのはバーサーク·ゲイアッサル!」

 

バーサーク·ゲイアッサル 地 戦士 ☆8 A2800D0

①このカードが戦闘ダメージを与えた場合墓地のこのカードよりも攻撃力の低い『バーサーク』モンスター一体を特殊召喚する。

 

「さらに魔法カード バーサーク·バーサーカーを発動!」

 

バーサーク·バーサーカー 通常魔法

①フィールドの『バーサーク』モンスター一体を選択して発動する。そのモンスターはこのターンのみ攻撃宣言を行った時にも自身の効果を発動することが出来る。

 

「対象はバーサーク·ゲイアッサル!」

 

これを使えばバーサークの効果を二度使うことも出来る。今は無理だがな。

 

「それは酷いんじゃないか?」

 

「バトル!バーサーク·ゲイアッサルでチェトレドラゴンに攻撃!」

 

「無視かよ!」

 

「バーサーク·バーサーカーの効果でゲイアッサルの効果を発動!墓地のバーサーク·ゲイボルグを蘇生!」

 

「チェトレドラゴンは破壊される」

 

「続いてバーサーク·ファランクスでウォリアードラゴンを攻撃!さらにバーサーク·ゲイボルグでダイレクトアタック!」

 

「ぐぅぅー!」

 

光輝LP5400→2900

 

「光輝の手札がないから残念ながらゲイボルグの効果は発動しないな。これでターンエンド」

 

雄二

LP6000

手札1

伏せ0

フィールド バーサーク·ファランクス、ゲイアッサル、ゲイボルグ

 

「だいぶ追い詰められたな」

 

光輝は手札もフィールドも無し。絶対絶命な状況。

 

「久々に光輝に勝ったかこれは」

 

ここで勝てば俺は見逃してもらえる……!

 

「いや、俺はまだ負けてない!」

 

光輝が力強くカードを引く。しかしこの状況を打破出来るカードなんてあるのか?

 

「やっぱりついてるわ俺!魔法カード ドラゴンズミラーを発動!」

 

「どうしてそうなるんだ!」

 

くそ!融合させないためにレインボーフュージョンを封じたのに蓋を開けてみたらこれだ!

 

「墓地に眠るレインボーアイズウォリアードラゴン、パワードラゴン、グロースドラゴンをデッキに戻して融合!破滅へ導く竜が怒りを抱く時、飛翔し蹂躙し破壊し尽くし天翔る!融合召喚☆10 レインボーアイズウォリアーセカンド!」

 

 

レインボーアイズウォリアーセカンド ☆10 光 ドラゴンA3200D1500

「レインボーアイズウォリアードラゴン×レインボーアイズグロースドラゴン×レインボーアイズパワードラゴン」

このカードは融合召喚でしか特殊召喚出来ない。

①このカードは相手モンスター全てに攻撃できる。

②このカードが戦闘によってモンスターを破壊した時、そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。

③このモンスターと戦闘をおこなう相手モンスターの効果はエンドフェイズまで無効になる

 

「しかもウォリアーセカンドか!」

 

こっちのファランクスの効果も無効になっちまう。しかもこっちのモンスターは三体。ウォリアーセカンドは自身の攻撃力をそのまま与えてくる!

 

「悪いな雄二、どうやら運は俺に味方したみたいだ!ウォリアーセカンド、雄二のモンスター達に攻撃だ!」

 

雄二LP6000→0

 

「すまない雄二。これも生き残るための犠牲なんだ!」

 

「ちょっと待て!せめて自分のペースで___」

 

「おらぁ!」

 

何かを喋っていた雄二の口に無理やり残っていた姫路の弁当を全てぶち込む。

 

「むぐぅっ?!」

 

さらに口を抑えて飲み込ませる。

 

「後で覚えてろよ光__ぶはぁぁ??!」

 

そして捨て台詞も吐き終わる前に意識を失う。

 

「さらば雄二。永久に眠れ」

 

そんな茶番をやっている合間に合宿所へとたどり着いた。ただの移動で二人の尊い命が失われかけたけど。その後雄二と明久は俺達の必死の蘇生活動により一命を取りとめた。



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21話 覗きとは男のロマン

21話です。今回はだいぶ駆け足で話が進んでます。なので読みずらかったり誤字脱字があったりするかもしれません。ご了承ください。話の流れとしてはバカテス本編を参考にしてるのでそちらを見て頂くとすんなり話が入ると思います。


「「………はぁっ………?!」」

 

旅館の部屋で今まで眠っていた明久と雄二が目を覚ます。

 

「良かった、気がついたみたいだ」

 

「電気ショックが効いたようじゃの」

 

移動中での事故の後俺達はすぐに明久と雄二の蘇生に死力を尽くしていた。なかなか起きないもんだから最終手段を使わざるを得なかった。

 

「…………ギリギリだった」

 

「本当だよ。正直あの川を渡ろうとか言い出した時はもうダメだと思ったぞ」

 

「待って、さりげなく死にかけてたの僕達?」

 

「軽過ぎないか俺達の命?」

 

何を今更と喉まで出たけど引っ込めた。これを言ったら多分二人とも泣くだろうからな。

 

「今日はもうゆっくり休むと良い」

 

「この後風呂はいって飯食って寝るだけだからな」

 

4泊5日と言っても初日から勉強会をするわけじゃない。長距離での移動で疲れているだろうからとこの学校にしてはなかなか親切な日程となっていた。

 

「それもそうだね。もう疲れたよ」

 

「そういう訳にもいかんだろ」

 

「どゆこと雄二?」

 

「忘れたのか?この合宿でお前の脅迫犯と盗聴犯を捕まえるんだろうが」

 

「そっか、すっかり忘れてたよ」

 

どうやら姫路の料理で記憶にも影響が出てるみたいだ。明久にとって一番大事な記憶が………

 

「いや、いつも通りか」

 

「……今すっごくバカにされた気がするんだけど」

 

「それでムッツリーニ。犯人は特定出来たか?」

 

「………もちろん。犯人の使ったと思われる道具の痕跡を見つけた」

 

「おぉっ。さすがはムッツリーニだね」

 

「それで犯人は誰だ?」

 

「………(プルプル)」

 

「あ、犯人はまだ分からないの?」

 

「………すまない」

 

「そりゃそうだ。昨日の今日で犯人の特定なんて……」

 

「………『犯人は女生徒でお尻に火傷の跡がある』ということしか分からなかった」

 

「君は一体何を調べたんだ」

 

「………これを見て欲しい」

 

そう言って康太がパソコンの映像を見せてくる。そこには女子生徒と霧島の会話をしている映像だった。

 

「あれ?ここって女子更衣室だよな。なんでそんな所にカメラがあるんだ?」

 

「………黙秘権を行使する」

 

これ以上は聞いてはいけない。そんな気がした。

 

そして映像では霧島が件の女子生徒から雄二(の真似をした秀吉)の告白シーンの録音を買っていた。そこで女子生徒がハッキリと言っていた。他にもこういうことをしており、それが親にバレ尻にお灸を据えられたと。

 

「なるほど。だから尻に火傷のあとがある女子生徒なのか」

 

「それなら話が早いね!お風呂の時間になったら秀吉に見てきてもらおうよ!」

 

「明久よ。それは無理じゃろう」

 

「そうだ明久。しおりをよく見てみろ」

 

雄二に言われ今まで見ていなかったであろうしおりを開き中を確認する。そこにはそれぞれのクラスごとの入浴時間が書いてありなんと秀吉だけ特別に場所と時間が取られていた。

 

「なんてことだ!既に対策が取られていたのか!」

 

「ワシが言いたかったのはそういう事じゃないんだがのう……」

 

恐るべし第三の性別秀吉。

 

__ドバン!

 

「全員手を頭の後ろに組んで伏せなさい!」

 

そんな時に凄い勢いで扉が開かれ女子達が数人ぞろぞろと部屋の中に入ってきた。

 

「な、なにごとじゃ!」

 

「木下はこっちに。そこのバカ四人はすぐさま抵抗をやめなさい!」

 

咄嗟に貴重品を持って窓の外に出ようとした俺らを牽制する。ちっ、仕事が早い連中だ。

 

「仰々しくぞろぞろと、一体なんの真似だ」

 

「とぼけないで。あんた達が犯人だってことは分かってるんだから!」

 

どうやら向こうを率いているのはCクラス代表小山みたいだ。それにしても犯人?何を言ってるんだ?

 

「犯人ってなんのこと?」

 

「これの事よ」

 

小山が俺たちに突きつけたものは何かの機械だった。

 

「………CCDカメラと小型集音マイク」

 

「女子風呂の脱衣所に設置されていたの」

 

女子風呂に?それってつまり

 

「盗撮じゃんそれ」

 

「一体誰がそんなことを!」

 

「だからあなた達以外に誰がこんなことをするのよ!」

 

おっと。何故か証拠もなく俺達が疑われているみたいだな。

 

「………見つかるようなヘマはしない」

 

康太のこの発言で確かに俺達がやったっぽいけど。……仕方ない。ちょっといじめてやるか。

 

「おいおい。なんの確証もないのに俺達が犯人だなんてあまりにも横暴だろう」

 

「そんなこと言ったってそれ以外に……」

 

「じゃあ俺達がいつ仕掛けたと言うんだ?俺たちはさっきまで体調がすこぶる悪かった雄二と明久の看病をしていた。そのため開会式にも参加していなかった」

 

「ならその誰も見ていない時に__」

 

「女子風呂に行ったところで施錠されてるだろう。常識的に考えて。それに風呂の鍵を持っているのは職員だ。風呂場の鍵が空いたあとには職員が見張りとしてついている。万が一俺達がそれを設置したとしても風呂までの道は一本道。誰かしら職員が見てるだろ」

 

「そ、それは……」

 

反論が出来なくなってきたみたいだな。あともう一押しってとこか。

 

「それに入浴時間が始まったのは大体30分前ほど。そんな短時間に誰にも見つからずに尚且つ部屋に戻ってくるなんて一体誰が出来るんだ?」

 

「………」

 

「深く状況を整理しないで自分が悪と思ったものを疑いもしないで問い詰める。非常に知性に欠ける行動だ。そのせいで俺たちは大変迷惑している」

 

さて。これで終わりだな。

 

「早く帰ってもらおうか。お前達に時間をかけるほど俺たちはバカじゃないんでな」

 

ふぅ。スッキリした。やっぱり身に覚えのない罪に問われるのにいい気分はしないからな。これでこいつらもこりてくれるだ__

 

「こ、光輝。その、弁論してくれたのは有難いんだけど」

 

「どうした明久。お礼なら自販機のジュースで__」

 

「あのね、挑発しすぎたみたいだよ」

 

そう言われまじまじと女子達の方を見る。そこにはそれはそれは見事に全員が怒りで唇と肩を震わせている光景が目に入ってきた。

 

「……やべ。やり過ぎた♪」

 

「光輝のバカー!」

 

「問答無用よ!アイツらを捕まえなさい!」

 

こうして正論を言ったにも関わらず俺たちは女子達に粛清された。

 

♢

 

「ひ、酷い目にあった」

 

「なんで俺達がこんなことを……」

 

「………理不尽極まりない」

 

「ワシが被害者だったというのも納得せんな」

 

あの後捕まった後拷問された挙句罵詈雑言の嵐を受けた俺たちは心身ともに疲弊し切っていた。

 

「……上等じゃねーか」

 

「どしたの雄二?」

 

「向こうがその気ならこっちだってやってやるぞ!」

 

「やるって……まさか覗きをか?」

 

あんまり気が進まないんだけど。それに幽香以外の女子に興味無いし…。

 

「………それはいい提案」

 

康太にとってはそうだろうな。

 

「………さっきのカメラと犯人が使っていたカメラは同じもの」

 

「それは本当かの?ムッツリーニ」

 

それが本当だとしたら確かに覗きに行く価値はあるのかもしれない。俺にメリットはないけど。

 

「そうか!その火傷のあとがある人を探せば解決するのか!」

 

明久も気がついた見たいだな。

 

「そうと決まれば話は早い。行くぞ、突撃だ!」

 

「ワシらもお供させてもらう!」

 

「………友人のため仕方なく」

 

今の康太は下心100%だろう。

 

「ありがとう秀吉、ムッツリーニ!」

 

「………しゃーねーな。俺もついてってやるよ」

 

「いいの?光輝」

 

「俺達が言えることじゃないがそんな事したら風見に……」

 

「幽香には後でちゃんと説明しておく。それに俺はお前達の援護。直接覗きに行くわけじゃない」

 

明久が覗きをするまでの道を手助けするだけだ。これなら幽香も許してくれるだろう。

 

「光輝……ありがとう!絶対に成功させようね!」

 

成功させてはいけないものだと思うけど。

 

「よし行くぞお前ら!」

 

雄二の号令と共に女子風呂へと向かう。さっきも言った通り女子風呂は一本道であり、その道中は先生達が見張っている。一筋縄ではいかないだろう。

 

早速風呂への道へと到達した俺達。そこには科学の布施先生が立ちはだかっていた。

 

「どうする雄二。布施先生だよ」

 

「構わん、ぶち抜け!」

 

「君たち、止まりなさい!」

 

先生の呼びかけも無視して特攻をかます。そんな呼びかけ応答するわけがなかろう!

 

「この前の補習の恨みを喰らえ!」

 

「思いっきり私心で動いとらんか?!」

 

この道を押し通るため明久恨みの一撃が布施先生へと__

 

「さ、サモン!」

 

届くことは無かった。先生が咄嗟に呼び出した召喚獣に明久の拳は止められた。どうやら先生達の召喚獣は物理干渉が出来るみたいだ。こうなると力で通ろうとしても召喚獣に負けてしまう。そうならないためにはこちらも召喚獣で対抗するしかない。

 

「こうなりゃ徹底抗戦だ!明久、お前の科学の点数は?」

 

「ふっ、あと一点。あと一点で二桁だったと思う」

 

「先にいけ生ゴミ」

 

「とっとと行くぞ生ゴミ」

 

「違うんだ!今回のテストは解答欄がズレただけで僕がバカな訳じゃ__」

 

「教師相手に1人は辛かろう。ワシも助太刀しよう」

 

秀吉と雄二が布施先生を止めていてくれる間にその横を通り過ぎる。しかし警備はそこまで甘くはなかった。その先には保健体育の大島先生が行く手を阻んでいた。

 

「………大島先生」

 

「なんだ」

 

「………これは覗きじゃない」

 

保健体育の成績だけはいい康太。言うなればこの二人は師弟関係。その先生に康太が説得を試みているようだ。

 

「それならなんだと言うんだ」

 

「………これは………保健体育の実習」

 

「サモン」

 

どうやら説得は失敗に終わった。

 

「すまない康太、ここは任せた!」

 

「先生を片付けたらまた会おう!」

 

保健体育なら康太は先生にも引けを取らないだろう。今は信じて進むのみ!

 

………だが最後の最後で俺達の苦労を全て嘲笑うかのように最強のあいつが立ちはだかっていた。

 

「て、鉄人!」

 

「西村先生と呼べ」

 

やばいな。鉄人の周りには召喚フィールドがない。よって召喚獣でのバトルは無いだろうがリアルファイトが待っているだろう。そうなれば全滅……破滅が待っている!

 

「明久、ここは俺に任せてお前は体制を立て直せ!」

 

「そ、そんなことをしたらみんなが!」

 

「俺たちのことはいい!今は一人でも多く生き残るのが大切なんだ!」

 

「光輝……!」

 

「さぁ行け!俺の命が尽きるまでに!」

 

「ありがとう光輝!君の犠牲は無駄にはしない!」

 

「オラァ!くたばれ鉄人!」

 

光輝の声が廊下に響き渡る。お願い光輝。生き残っててくれ。僕がまたここへ戻ってくるまで!

 

「……どこに行くんだ明久?」

 

僕が後ろへ振り向き走り出そうとした所を誰かに呼び止められる。

 

「そ、その声は………魔理沙!」

 

振り返ってみると何故か魔理沙がそこ立っていた。風呂から上がったからなのか髪を濡らしている。

 

「魔理沙……なんでここに!」

 

「今風呂から上がったんだ。……明久こそなんで覗きなんてするんだ!そんなの駄目だぜ!」

 

「痛いところを……」

 

どうやら状況は把握してるみたい。ぐうの音も出ない正論で殴られた。どうする。どうやって言い訳する!

 

「ぼ、僕が覗きをする理由は……」

 

「する理由は?」

 

ある女の子のお尻が見たいんだ………そんなことを言ったら僕は生きて帰れないだろう。ここは素直に女子の体に興味がある……なんて言ったら絶対に酷い目に会う。

 

駄目だ、どう言い訳しても僕が死ぬ未来しかない!

 

「お願いだよ魔理沙!そこをどいて!」

 

ここは答えを出さないようにしよう。それが一番いい答えだと思う。

 

「嫌だ。明久をコテンパンにしなきゃ気が済まない!」

 

良かった、理由を深く聞かれないで。それでデュエルディスクを身につけたってことはそういう事だよね。

 

「わかったよ。でも手加減はしないよ!僕も負けられないからね!」

 

「……そんなに他の女の子の裸が見たいのか……」

 

「何か言った魔理沙?」

 

「なんでもない!行くぞ明久!」

 

何か言った気がしたけど気のせいだったみたい。魔理沙も殺る気十分みたいだ。なんか黒いオーラが見える気がするけど気のせいだきっと!

 

「「デュエル!」」

 

「先行は僕だ、ドロー!手札からE=HERO(エクストラヒーロー)エアーマンを召喚!」

 

E=HERO(エクストラヒーロー)エアーマン 風 戦士 ☆4 A1800D300

①このカードが召喚·特殊召喚された時発動できる。デッキから『E=HERO(エクストラヒーロー)』と名のついたモンスターまたは『エクストラフュージョン』と名のついたカードを一枚手札に加える事が出来る。

 

「この効果で僕はデッキからエクストラフュージョンを手札に。さらに永続魔法 HERO戦線発動!」

 

HERO戦線 永続魔法

①フィールド上のエクストラデッキから召喚されたモンスター以外の『HERO』と名のついたモンスターが破壊された場合そのモンスターよりも攻撃力の低い『HERO』と名のついたモンスターを一体をデッキから手札に加えることが出来る。『HERO戦線』の効果は一ターンに一度しか発動出来ない。

 

「僕はカードを一枚セットしてターンエンド」

 

明久

LP8000

手札4

伏せ1

フィールド エアーマン、HERO戦線

 

「ワタシのターンドロー!」

 

僕としては初動はほぼ完璧だ。でもそれは次のターンへの準備にだ。だからここで魔理沙が一瞬で決めようとしてくるときついけど魔理沙のホーリーレイは墓地が増えないと真価を発揮しないから多分大丈夫!

 

「ワタシは手札から魔法カード 光の先駆者を発動!」

 

光の先駆者 通常魔法

①手札の『ホーリーレイ』モンスターを一体墓地に送って発動する。カードを一枚ドローする。その後山札の上から三枚を墓地に送る。『光の先駆者』は一ターンに一度しか発動出来ない。

 

「手札のホーリーレイ·ヘラクレスを墓地に送り一枚ドロー。その後カードを三枚墓地に送る」

 

墓地へ送られたカード ホーリーレイ·アルテミス、ホーリーレイ·アレス、オリュンポスの集い

 

「さらに光の先駆者で墓地に送ったホーリーレイ·ヘラクレスの効果を発動!」

 

ホーリーレイ·ヘラクレス 光 戦士 ☆7 A2400D2100

①フィールド上に『ホーリーレイ·ヘラクレス』がいない時にこのカードが墓地に送られた場合発動出来る。墓地からこのカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは墓地に送られる場合除外される。

②場に『ホーリーレイ』と名のついたモンスターが3枚いる場合このカードは特殊召喚出来ない。

 

「ヘラクレスを墓地から特殊召喚!さらに墓地の光属性が二種類以上いるからホーリーレイ·ヴィーナスを特殊召喚!」

 

ホーリーレイ·ヴィーナス 光 天使 ☆5 A2100D2100

①このカードは通常召喚出来ない。墓地の光属性の種類が二種類以上いる場合のみ特殊召喚できる。

②このカードを特殊召喚した時デッキから「ホーリーレイ」と名のついたモンスター一体を墓地に送る。

③場に『ホーリーレイ』と名のついたモンスターが3枚いる場合このカードは特殊召喚出来ない。

 

「ヴィーナスの効果でデッキからホーリーレイ·ミカエルを墓地に送る。バトル!」

 

やばい、かなりいい回り方をしてる!

 

「ホーリーレイ·ヴィーナスでE=HERO(エクストラヒーロー)エアーマンを攻撃!」

 

「くっ、エアーマンが破壊された時HERO戦線の効果発動!デッキからE=HERO(エクストラヒーロー)バーストレディを手札に加える!」

 

明久LP8000→7700

 

「続いてホーリーレイ·ヘラクレスでダイレクトアタック!」

 

明久LP7700→5300

 

「ターンエンドだ」

 

魔理沙

LP8000

手札4

伏せ0

フィールド ホーリーレイ·ヘラクレス、ホーリーレイ·ヴィーナス

墓地の光属性 三体

 

「僕のターンドロー!」

 

どうしよう。ホーリーレイは伏せカードは少ないから責めやすいけどその分モンスター一体一体のパワーが強い。半端なモンスターは出せないね。

 

「手札からE=HERO(エクストラヒーロー)バブルマンを召喚。さらに魔法カード エクストラフュージョンを発動!フィールドのバブルマンと手札のE=HERO(エクストラヒーロー)バーストレディを融合!融合召喚☆7 勇姿を見せろ!E=HERO(エクストラヒーロー)ヘルバースト!」

 

E=HEROエクストラヒーローバブルマン 水 戦士☆4A800D1200

①このモンスターの召喚·特殊召喚時にデッキからカードを1枚ドロー出来る。②このモンスターがフィールドから墓地に送られた時にデッキからカードを1枚ドローする。

 

エクストラフュージョン 通常魔法

①『E=HEROエクストラヒーロー』融合モンスターによって決められたモンスターを手札かフィールドから墓地に送ってそのモンスターを融合召喚する。

 

E=HERO(エクストラヒーロー)ヘルバースト 炎 戦士 ☆7 A1500D1000

E=HERO(エクストラヒーロー)バーストレディ+E=HERO(エクストラヒーロー)バブルマン」

①このカードの特殊召喚時に相手モンスター一体を破壊する。その後破壊したモンスターの攻撃力の半分をこのモンスターに加える。

 

「バブルマンが墓地に送られた時の効果でワンドローする」

 

「バブルマンをわざわざ召喚した理由はそれか」

 

「ヘルバーストの効果でホーリーレイ·ヘラクレスを破壊!そして攻撃力の半分の数値を上げる!」

 

ヘルバーストA1500→2700

 

「バトル!ヘルバーストでホーリーレイ·ヴィーナスを攻撃!」

 

魔理沙LP8000→7400

 

「これでターンエンド」

 

明久

LP5300

手札3

伏せ1

フィールド ヘルバースト、HERO戦線

 

「ワタシのターンドロー!」

 

これで魔理沙の場は一掃出来たけど墓地の光属性が四体。これからもっと墓地に落とすだろうし大型モンスターを出されるな……。

 

「まず手札から魔法 神との対話を発動!」

 

神との対話 通常魔法

①墓地の光属性が4種類以上ある場合のみ発動できる。山札の上からカードを3枚めくりその中の『ホーリーレイ』と名のついたモンスターを1枚手札に加え残りを墓地に送る。『神との対話』は一ターンに一度しか発動出来ない。

 

 

「山札を三枚めくる!」

 

ホーリーレイ·ポセイドン、ホーリーレイ·パーシアス、ホーリーレイ·クリスティア

 

「この中からホーリーレイ·ポセイドンを手札に加えて残りを墓地に。そして墓地の光属性が6種類以上存在するためホーリーレイ·ポセイドンをそのまま召喚!」

 

ホーリーレイ·ポセイドン 光 水 ☆8A2400D2800

①墓地の光属性が6種類以上存在する場合のみ特殊召喚できる。

②このカードは守備表示で攻撃できる。その時の攻撃力は守備力で計算する。

③場に『ホーリーレイ』と名のついたモンスターが3枚いる場合このカードは特殊召喚出来ない。

 

「さらに墓地の光属性が5種類以上存在する時にホーリーレイ·アルテミスを特殊召喚する!」

 

ホーリーレイ·アルテミス 光 戦士 ☆6A2400D2100

①墓地の光属性が5種類以上存在する場合のみ特殊召喚できる。

②1ターンに1度800LP払って相手の手札を1枚選択してカードの種類を選択する。選択したカードが宣言した種類だった場合そのカードを除外する。

③場に『ホーリーレイ』と名のついたモンスターが3枚いる場合このカードは特殊召喚出来ない。

 

「それは許せないよ!リバースカード発動 無償の自己犠牲」

 

無償の自己犠牲 通常罠

自分フィールドのモンスターより相手フィールドのモンスターの方が多い場合のみ発動できる。

①フィールド上の攻撃力2500以上の『E=HERO(エクストラヒーロー)』を一体破壊して発動する。相手フィールド上のモンスターの攻撃力をエンドフェイズまで0にし、効果をエンドフェイズまで無効にする。『無償の自己犠牲』を発動したターンはバトルフェイズを行えない。

 

「ヘルバーストを破壊して魔理沙の場のモンスターをエンドフェイズまで無力化する!」

 

「やるな明久!カードを一枚セットしてターンエンド」

 

魔理沙

LP7400

手札2

伏せ1

フィールド ホーリーレイ·ポセイドン、ホーリーレイ·アルテミス

墓地の光属性 6種類

 

「僕のターンドロー!」

 

「どうする明久。とりあえず凌いだけど」

 

「もちろん、ドンドン攻めていくよ!手札からE=HERO(エクストラヒーロー)オーシャンを召喚!」

 

ここでわざわざ守りに行く必要なんてない。今回のデュエルはより攻め込んだ方が勝つと思うから。

 

E=HERO(エクストラヒーロー)オーシャン 水 戦士 ☆4A1500D1200

①このカードの召喚·特殊召喚時に墓地の『フュージョン』と名のついたカードを一枚手札に加える。

 

「オーシャンの効果で墓地のエクストラフュージョンを回収。さらに魔法カード 立ち上がる英雄を発動!」

 

立ち上がる英雄 通常魔法

①自分の墓地の戦士族モンスター一体を選択して発動する。そのモンスターを特殊召喚する。

 

「墓地のE=HERO(エクストラヒーロー)エアーマンを特殊召喚!そしてエアーマンの召喚時効果!デッキからE=HERO(エクストラヒーロー)ネクストネオスを手札に加える!魔法カード エクストラフュージョン発動!フィールドのE=HERO(エクストラヒーロー)エアーマンとオーシャンを融合!融合召喚☆8 E=HERO(エクストラヒーロー)ウォッシュライダー!」

 

E=HERO(エクストラヒーロー)ウォッシュライダー 水 戦士 ☆8 A2400D1400

E=HERO(エクストラヒーロー)エアーマン+水属性E=HERO(エクストラヒーロー)

①このカードの特殊召喚時に相手モンスター一体をこのモンスターの装備カード扱いとして装備する。

②このモンスターが破壊される代わりに装備カードを破壊できる。

 

「ウォッシュライダーの効果でホーリーレイ·ポセイドンを装備する!」

 

「ポセイドンが!」

 

「さらに手札からE=HERO(エクストラヒーロー)ネクストネオスを特殊召喚!」

 

E=HERO(エクストラヒーロー)ネクストネオス 光 戦士 ☆7 A2500B2000

①フィールド上に『E=HERO(エクストラヒーロー)ネクストネオス』以外のE=HERO(エクストラヒーロー)が存在する場合このカードを手札から特集召喚できる。

 

「バイトフェイズ!ネクストネオスでホーリーレイ·アルテミスを攻撃!」

 

魔理沙LP7400→7300

 

「ウォッシュライダーでダイレクトアタック!」

 

魔理沙LP7300→4900

 

「これでターンエンド」

 

明久

LP5300

手札2

伏せ0

フィールド ウォッシュライダー ネクストネオス HERO戦線

 

「やるな明久!でもこっちもまだまだいくぜ!ドロー!墓地の光属性が3種類以上の時手札からホーリーレイ·アキレウスを特殊召喚する!」

 

ホーリーレイ·アキレウス 光 戦士 ☆5 A2300D1700

①墓地の光属性が3種類以上存在する場合のみ特殊召喚できる。

②このカードの特殊召喚時に自分フィールド上にモンスターがこのカードのみだった場合発動できる。デッキの上から5枚まで墓地に送れる。

③場に『ホーリーレイ』と名のついたモンスターが3枚いる場合このカードは特殊召喚出来ない。

 

「アキレウスの効果でデッキから5枚墓地に送る」

 

墓地の光属性 10種類

 

「そんで墓地の光属性が9種類以上の時こいつを特殊召喚できる!」

 

ホーリーレイ·ヘパイストス 光 獣戦士 ☆9 A2800D2500

①このカードは通常召喚出来ない。墓地の光属性が9種類以上存在する場合のみ特殊召喚できる。

②このカードの特殊召喚時に相手のモンスターを一体選択して発動する。選択したモンスターを装備カード扱いでこのカードに装備できる。

③装備カードを墓地に送ることで墓地の『ホーリーレイ』と名のついたモンスターを一体選択して発動する。そのモンスターを手札に加える。この効果で手札に加えたカードはこのターン召喚出来ない。

④場に『ホーリーレイ』と名のついたモンスターが3枚いる場合このカードは特殊召喚出来ない。

 

「ヘパイストスの効果でウォッシュライダーをこいつに装備する!」

 

「あぁ?!同じ効果を使われた!」

 

「眼には眼を歯には歯をってな。ヘパイストスの効果で装備したウォッシュライダーを墓地に送って墓地からホーリーレイ·ミカエルを手札に加える。特殊召喚は出来ないのが残念だぜ」

 

「そんなことされたら負けちゃうよ僕」

 

「ちょっと足りなかったな。バトル!ヘパイストスでネクストネオスを攻撃!」

 

明久LP5300→5000

 

「ネクストネオスが破壊された時HERO戦線の効果を発動。デッキからE=HERO(エクストラヒーロー)フェイクリーダーを手札に加える」

 

「ホーリーレイ·アキレウスでダイレクトアタック!」

 

「くぅ!」

 

明久LP5000→2700

 

「ターンエンドだ」

 

魔理沙

LP4900

手札2

伏せ1

フィールド アキレウス、ヘパイストス

 

「僕のターンドロー!」

 

「諦めるか明久?」

 

……確かに絶望的な状況だけど

 

「絶対に諦めるもんか!魔法カード E·ミラクルフュージョンを発動!」

 

(そうだよな。明久は絶対に諦めないよな。いつもその心が奇跡を産むんだ)

 

E・ミラクルフュージョン 通常魔法

①『E=HEROエクストラヒーロー』と名のついた融合モンスターによって決められたモンスターをフィールド.手札.墓地から除外する事で融合召喚する。

②E・ミラクルフュージョンは一ターンに1度しか発動出来ない。

 

「手札のE=HERO(エクストラヒーロー)フェイクリーダーとE=HERO(エクストラヒーロー)プリズマー。そして墓地のネクストネオスを除外して融合!光と闇。交わらざる二つの力をその見に宿し新たな境地を切り拓け!融合召喚☆10 E=HERO(エクストラヒーロー)カオスネオス!」

 

E=HERO(エクストラヒーロー)カオスネオス 光 戦士 ☆10A3000D2500

E=HERO(エクストラヒーロー)ネクストネオス+光属性E=HERO(エクストラヒーロー)+闇属性E=HERO(エクストラヒーロー)

①一ターンに一度フィールド上のカードを1枚選択して発動する。そのカードを破壊する。

②このカードが戦闘ダメージを与えた時、与えた数値分自分のLPを回復する。

③このカードがフィールドから墓地に送られた場合デッキまたは墓地の『E=HERO(エクストラヒーロー)ネクストネオス』を特殊召喚する。

 

「カオスネオスの効果でホーリーレイ·ヘパイストスを破壊する。そして手札からE=HERO(エクストラヒーロー)フェザーマンを召喚!」

 

E=HERO(エクストラヒーロー)フェザーマン 風 戦士 ☆3A1000D1000

①このカードの通常召喚時フィールドの『E=HERO(エクストラヒーロー)』を一体選択してこのカードを破壊して発動する。そのモンスターはこのターン二回攻撃できる。

 

「フェザーマンを破壊する事でカオスネオスに力を与える!」

 

「フェザーマンとカオスネオスの相性が良すぎるな……」

 

「バトル!カオスネオスでヘパイストスを攻撃!」

 

魔理沙LP4900→4700 明久LP2700→2900

 

「カオスネオスでアキレウスを攻撃!」

 

魔理沙LP4700→4000 明久LP2900→3800

 

「ターンエンドだよ」

 

明久

LP3800

手札0

伏せ0

フィールド カオスネオス HERO戦線

 

「流石明久だぜ。こっちも負けてられないな!ドロー!まずはリバースカード 希望の光明を発動」

 

希望の光明 通常罠

墓地に光属性が6種類以上存在する場合のみ発動できる。

①手札を1枚捨て墓地の召喚条件を満たしている『ホーリーレイ』と名のついたモンスターを選択して発動する。そのモンスターを特殊召喚する。

 

「手札を捨てて墓地からホーリーレイ·デュアルガンナーを特殊召喚!」

 

ホーリーレイ·デュアルガンナー 光 悪魔 ☆8A2700D1700

①このカードは通常召喚出来ない。墓地の光属性が6種以上の場合のみ特殊召喚できる。

②このカードが相手モンスターに攻撃宣言した時発動する。ダメージ計算を行わずにそのモンスターを破壊する。またこの効果を発動した時相手の場のカードを1枚破壊できる。

③場に『ホーリーレイ』と名のついたモンスターが3枚いる場合このカードは特殊召喚出来ない。

 

「それはやばい!」

 

「さらに手札からホーリーレイ·アポロンを特殊召喚!」

 

ホーリーレイ·アポロン 光 戦士 ☆7A2500D2300

①このカードは通常召喚出来ない。墓地の光属性が6枚以上存在する場合のみ特殊召喚できる。

②このカードの攻撃宣言時墓地の光属性を1枚デッキに戻すことで攻撃力をエンドフェイズまで500upさせる。

③場に『ホーリーレイ』と名のついたモンスターが3枚いる場合このカードは特殊召喚出来ない。

 

「バトル!デュアルガンナーでカオスネオスを攻撃!その時バトルを行わずにカオスネオスを破壊!」

 

「くそ、カオスネオス……」

 

「さらにデュアルガンナーの効果でHERO戦線を破壊!」

 

「カオスネオスが破壊された時デッキからE=HERO(エクストラヒーロー)ネクストネオスを守備表示で特殊召喚する」

 

「ホーリーレイ·アポロンでネクストネオスを攻撃。その時に墓地のホーリーレイ·アキレウスをデッキに戻すことで攻撃力を3000にする!」

 

「ネオスも……」

 

「ターンエンドだぜ!」

 

魔理沙

LP4000

手札1

伏せ0

フィールド デュアルガンナー、アポロン

 

「さ、さすがに絶体絶命だね……」

 

手札もフィールドも0。僕の命は次のドローにかかってる。

 

「応えてくれ僕のデッキ!ドロー!…………!僕はカードを一枚セットしてターンエンド」

 

明久

LP3800

手札0

伏せ1

フィールド なし

 

「ワタシのターンドロー!」

 

(明久のやつ何を引いたんだ?でも明久のあの目。あれはまだ勝負を諦めていない目だ。つまり何かあるんだ)

 

「だからその希望を打ち砕くぜ!手札からホーリーレイ·ミカエルを特殊召喚!」

 

ホーリーレイ·ミカエル 光 天使 ☆7A2500D2300

①このカードは通常召喚出来ない。墓地の光属性が6枚以上存在する場合のみ特殊召喚できる。

②フィールドの『ホーリーレイ』と名のついたモンスターと相手フィールドのカード1枚を選択して発動する。選択したカードを破壊する。

③場に『ホーリーレイ』と名のついたモンスターが3枚いる場合このカードは特殊召喚出来ない。

 

「ホーリーレイ·ミカエルの効果発動!ミカエル自身と明久の伏せカードを破壊する!」

 

(これで明久の悪あがきも出来ないは__)

 

「ふっふっふっ!」

 

「な、なんだ明久。急に笑いだして……」

 

「信じてたよ!魔理沙なら僕のリバースカードを破壊してくれるって!魔理沙が破壊したカードはヒーローの逆転劇!」

 

「なんだそのカード?」

 

ヒーローの逆転劇 通常罠

このカードの②の効果はデュエル中1度しか使えない

①自分のデッキの上からカードを5枚墓地に送る

②自分フィールド上にセットされたこのカード以外のカードがなく自分の手札が0枚の状態でセットされたこのカードが相手によって破壊され墓地に送られたとき自分の墓地のE=HERO(エクストラヒーロー)の数により次の効果を得る。この効果を相手は無効にすることはできない

4枚以下:このターン自分が受けるすべてのダメージは0になりその後自分はカードを2枚ドローする

5枚以上:相手フィールド上のカードをすべて破壊する。その後相手は次の自分のターン終了時までモンスターの召喚、魔法・罠をセットできない

10枚以上:自分はゲームに勝利する

 

「なんだその展開は!」

 

「僕の墓地のE=HERO(エクストラヒーロー)は9。よって魔理沙の場のカードを全て破壊!そして魔理沙はもうこのターン何も出来ない!」

 

「くっそー!ターンエンド!」

 

魔理沙

LP4000

手札1

伏せ0

フィールド なし

 

「そしてこういう時の僕はついてるんだ!ドロー!……来た!魔法カード E·ミカエルフュージョン発動!」

 

「なんでそういうカード引くんだ明久は!」

 

「墓地のE=HERO(エクストラヒーロー)ネクストネオスと墓地に眠る全てのHEROを除外して融合!融合召喚☆8E=HERO(エクストラヒーロー)ネオスナイト!」

 

E=HERO(エクストラヒーロー)ネオスナイト 地 戦士 ☆8 A2500D1000

E=HERO(エクストラヒーロー)ネクストネオス+戦士族一体以上」

①このカードの攻撃力は融合素材にした戦士族の数×100upした数値になる。

②このカードは1回のバトルフェイズに二度攻撃することができる。

 

「融合素材にした戦士族の数は8体。よって攻撃力を800up!そしてネオスナイトは二回攻撃することが出来る!」

 

「……ここまで来て負けるとはな」

 

「行け!ネオスナイト!魔理沙にダイレクトアタック!」

 

魔理沙LP4000→0

 

「僕の勝ちだよ魔理沙」

 

「そうだな。ワタシは負けたんだ。素直にこの道を通すよ」

 

「……ありがとう。ごめんね魔理沙!」

 

魔理沙には悪いけど早くこの場を去るんだ!雑談する暇もない!

 

「……いいんだよ明久。それに__」

 

魔理沙がその場を少し離れる。すると後ろにはぐったりした光輝を抱えている鉄人がこちらを睨んでいた。

 

「あとはお前だけだぞ吉井。たっぷりしごいてやるからな」

 

「この人が明久に説教してくれるみたいだから!」

 

「ちくしょう!」

 

悠長にデュエルなんてしてたらみんなの時間稼ぎ(犠牲)が無くなるなんて分かるだろ!バカか僕は!

 

「待てェェエエ工!吉井!」

 

「誰かーー!助けてくださーい!!」

 

この後夜通し鉄人から逃げ回ったけど結局捕まって無事に説教された。




という訳で今回デュエルの要となった『ヒーローの逆転劇』。これは『アクアマン』さんのオリジナルカードです。提案ありがとうございました!
それとウォッシュライダーの融合素材が前はエアーマンとバブルマンだったのですがエアーマンと水属性E=HEROとなりました。


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22話 頂上の決闘

22話です。今回は自分でも中々白熱したデュエルが書けたと思います。その分時間を取られましたけどね。


「はぁー。みねぃ」

 

昨日は全員鉄人に捕まった後英語で反省文を書かされた。俺は割とすぐ終わったんだがみんなが終わるまで教えてたから夜遅くなってしまった。

 

でもって今は合宿二日目。Aクラスとの合同学習となっている。特に勉強合宿と言っても授業なんかはしない。この合宿の最大の趣旨はモチベーションの向上。FクラスはAクラスを見てああなりたい、逆にAクラスはFクラスを見てああはなりなくないと思わせるのだ。

 

「んで実際どーするよ雄二。多分この合宿中ずっとあの監視があるぜ」

 

「………今日行ってもまた同じ」

 

「そうだな。ついさっき須川を誘って戦力は増えたがほとんど意味は無いだろうな」

 

いつの間にそんな事を。しかし須川の協力を得られたと言うことはFクラス男子全員の手を借りられるということと同義だ。須川はFFF団の頭。絶対に他の奴らにも声をかけてるだろうからな。

 

「Fクラス男子だけでどうにもならないならもう無理じゃない?」

 

「誰がFクラスだけで特攻すると言った」

 

「他にもアテがあるような言い方じゃな」

 

「簡単だ。この合宿は時間によって合同で勉強するクラスが変わってくる。その時に声をかけるんだよ」

 

「声をかけるって、まさか」

 

「そう、()()()()()の力を借りる。風呂場までの道は一本道。結局は人数勝負だ」

 

「そんなに上手く交渉が成立するかのう?」

 

秀吉の疑問も一理ある。しかし俺達がやる事は覗きだ。みんなしたいに決まっている。

 

「………男はロマンを追い求めるもの」

 

「ムッツリーニが言うと言葉の重みが違うね」

 

性に対してだけだがな。

 

「そんな訳だ。まずはAクラスの交渉だが、明久は久保に、光輝は丸藤に声をかけてくれ」

 

「何故二人に?」

 

「Aクラスは男と言っても堅物だらけだからな。協力者の数を増やしたい」

 

確かにAクラスは性格的にも常識人だらけ。こういったことに抵抗があるものも多いだろう。

 

「そういう事なら任せとけ。凛は絶対に説得してみせるよ」

 

「なんで僕が久保君の説得なの?」

 

「「「「………………」」」」

 

「え?なんでみんな黙ってるの?」

 

「…………一応これを持っていけ」

 

「なんで久保君と話すだけなのにスタンガン?」

 

「「「「……………」」」」

 

「僕がおかしいの?ねぇ!なんか喋ってよ!」

 

知らない方がいい事もあるんだぜ明久。

 

 

♢

 

明久の無事を祈りつつ俺は早速凛の席へ行き話の流れを説明した。

 

 

「という訳でお前にAクラス男子に号令をかけて欲しいんだ、凛」

 

「……勉強のし過ぎでアホになったか光輝……」

 

「至って正常だ」

 

「てか覗きなんてしたら風見が黙ってないだ___」

 

「安心しろ、幽香には既に言ってある。覗きの手助けはするが俺は絶対に覗かないって」

 

「……そこまでやる事か?正直俺自体は興味無いからメリットがないんだが」

 

「俺だってメリットはない。でも明久達が困ってるんだ。理由はそれだけで十分だ」

 

「……やっぱりバカだなお前は」

 

「友達を見捨てるくらいならバカでいいさ」

 

友達想いで自らを顧みない、人間として立派な発言をする光輝。それを見て凛は___

 

(これが覗きじゃ無ければかっこよかったんだけどな)

 

__若干呆れていた。

 

「頼む凛。お前と久保が立ち上がれば絶対にAクラス男子は着いてきてくれる!」

 

「……そうだな、一応親友の頼みでもあるからなー」

 

凛が数歩歩いて距離をとる。そして俺との間に一定の距離をとったところで振り返る。……その手にデュエルディスクを付けて。

 

「デュエルで俺に勝ったら考えてやるよ!」

 

「ふっ、やっぱり凛はそうするよな」

 

こういう交渉や頼み事をした時に凛はほぼ必ずデュエルしてその勝敗でどうするかを決める。昔から変わらないな。

 

「受けて立つ!」

 

『おいおい、丸藤と虹村がデュエルするってよ!』

 

『マジかよ!見ものだなこれは!』

 

頼んでもないのにギャラリーが集まってきた。まぁ俺と凛はデュエルの成績で一位と二位だ。その二人がデュエルするなんてなったら見ずには居られないか。

 

「行くぞ凛!」

 

「かかってこい光輝!」

 

「「デュエル!」」

 

「先行は俺だ、ドロー。まずは手札から魔法カード 虹の取引を発動」

 

虹の取引 通常

①手札の『レインボーアイズ』モンスター一体を墓地またはゲームから除外して発動する。カードを二枚ドローする。

 

「手札のレインボーアイズチェトレドラゴンを墓地送って二枚ドロー。そして魔法カード 龍の供物を発動」

 

龍の供物 通常魔法

①デッキから『レインボーアイズ』モンスターを一体墓地に送る。

 

「デッキからレインボーアイズエリュオンドラゴンを墓地に」

 

「エリュオンとチェトレか。狙ってるな?」

 

「どーだか。手札からレインボーアイズホープドラゴンを召喚」

 

レインボーアイズホープドラゴン ☆4 光 ドラゴンA1700D1500

①このカードが召喚、特殊召喚された時デッキから「レインボーフュージョン」となのついたカードを1枚手札に加える

 

「デッキからレインボーフュージョンを手札に加える」

 

サイバー流には()()がいるからな。サーチはなるべく早くやっておきたいとこだ。

 

「ターンエンドだ」

 

光輝

LP8000

手札5

伏せ0

フィールド ホープドラゴン

 

「俺のターンドロー。まず手札からサイバー·ドラゴン·コアを召喚。デッキからサイバー·アクセラレートを手札に加えそして発動!」

 

サイバー·アクセラレート

①フィールド上の『サイバードラゴン』一体をリリースして発動する。デッキまたは墓地から『アクセルサイバードラゴン』を特殊召喚する。

 

「サイバードラゴンとなったコアをリリースしてデッキからアクセルサイバードラゴンを特殊召喚!」

 

アクセル·サイバードラゴン 光 機械☆7A2500D1500

①通常召喚出来ない。『サイバー』『サイバネティック』と名のついたカードによってのみ特殊召喚できる。

②このカードをゲームから除外することができる。この効果で除外された場合次のスタンバイフェイズにフィールドに戻る。この効果は相手ターンでも発動できる。

③このカードが②の効果でゲームから除外されている間相手はドロー以外の方法でデッキからカードを手札に加えられない。

 

「出やがったな」

 

出やすいくせに強力、かつ除去しずらいと三拍子揃った強モンスター。こいつのせいで詰むデッキも出てくるくらいだ。

 

「そのままバトルだな。ホープドラゴンを攻撃!」

 

光輝LP8000→7300

 

「カードを一枚セットしてターンエンド」

 

LP8000

手札4

伏せ1

フィールド アクセルサイバードラゴン

 

「サイバー流なのに消極的じゃないか?」

 

「お前相手にワンキル出来ない状態で展開なんてしたらすぐ死ぬってーの」

 

「お互い様だそれはドロー。手札から永続魔法 天翔る虹を発動!」

 

天翔る虹 永続魔法

①一ターンに1度墓地の『レインボーアイズ』一体を特殊召喚出来る。

②このカードが破壊された場合除外されている『レインボーアイズ』一体を特殊召喚出来る。

 

「お前のそれも強カードだろ」

 

「墓地のレインボーアイズチェトレドラゴンを特殊召喚!」

 

レインボーアイズチェトレドラゴン ☆8 光 ドラゴンA2800D2400

① 一ターンに一度手札か墓地の『レインボーアイズ』を一体を選択して発動する。そのモンスターを特殊召喚する。

 

「チェトレドラゴンの効果を発動!墓地の……」

 

「それはさせねーよ、リバース発動 サイバネティック·ハードプラントを発動!」

 

サイバネティック·ハードプラント 通常罠

①フィールド上のカードを一枚選択して発動する。そのカードを破壊する。

②相手モンスターより自分モンスターの数が少ない場合墓地のこのカードを除外して発動する。デッキから『サイバー·ドラゴン』と名のついたモンスターを一体特殊召喚する。

このカードが墓地に落ちたターンに②を発動することは出来ない。

 

「こいつの効果でチェトレドラゴンを破壊する」

 

「素直にやらせてくれないか。なら手札から魔法カード レインボーフュージョンを発動!」

 

レインボーフュージョン 通常

①レインボーアイズと名のついた融合モンスターによって決まられた融合素材を手札又は場から墓地に送ることで融合召喚する。

②ゲームから除外されているレインボーアイズを1枚墓地に戻すことで墓地のこのカードを手札に戻す。

 

「手札のレインボーアイズグロースドラゴンとレインボーアイズダークロードドラゴンを融合!融合召喚☆8 天翔ろ! レインボーアイズダークネスドラゴン!」

 

レインボーアイズダークネスドラゴン ☆8 闇 ドラゴンA2600D2000

「レインボーアイズダークロードドラゴン×レインボーアイズグロースドラゴン」

①このカードの融合召喚時デッキから『レインボーアイズ』モンスターを三種類選択して発動する。選択したモンスターを墓地に送るまたは除外する。

②ゲームから除外されている『レインボーアイズ』モンスターが三種類以上いる場合このカードは効果の対象にならずカードの効果で破壊されない。

 

「ダークネスドラゴンの効果でデッキからレインボーアイズライトロードドラゴン、レインボーアイズウォリアードラゴン、レインボーアイズオルタナティブドラゴンをゲームから除外!これでダークネスドラゴンの②の効果を満たした!」

 

「どんどん準備がすんでくな。次のターンやばいか?」

 

「バトル!レインボーアイズダークネスドラゴンでアクセルサイバードラゴンを攻撃!」

 

「アクセルサイバードラゴンの効果で自身を除外する」

 

「それならダイレクトアタックだ!」

 

凛LP8000→5400

 

「カードを一枚セットしてターンエンド」

 

光輝

LP7300

手札1

伏せ1

フィールド ダークネスドラゴン、天翔る虹

 

(だが準備はされたが手札は少ない。大量展開はされないか)

 

「俺のターンドロー。スタンバイフェイズに除外したアクセルサイバードラゴンをフィールドに戻す。そして魔法カード サイバー·フトゥールムを発動する!」

 

サイバー·フトゥールム 通常魔法

①フィールド上の『サイバー』または『サイバネティク』と名のついたカードによって召喚されたエクストラデッキ以外のモンスター一体をリリースして発動する。デッキから「サイバー·ドラゴンフォルテシモ」を特殊召喚する。

 

「アクセルサイバードラゴンをリリースしてデッキから『サイバー·ドラゴンフォルテシモ』を特殊召喚!」

 

サイバー·ドラゴンフォルテシモ ☆10 光 機械 A3000D1500

①このカードの特殊召喚時相手は魔法·罠·モンスターの効果を発動出来ない。

②このカードは『サイバー』または『サイバネティック』と名のついたカードの効果によってのみ特殊召喚できる。

③このカードの特殊召喚時にエクストラデッキからこのカードの攻撃力以下の『サイバー·ドラゴン』と名のついたモンスター一体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはそのターンのエンドフェイズ時に破壊される。

 

「サイバー·ドラゴンフォルテシモの効果でエクストラデッキからサイバー·ツイン·ドラゴンを特殊召喚!」

 

「ツインドラゴンはやり過ぎだ!リバースオープン フラッシュオブセブン!」

 

フラッシュオブセブン 通常罠

①墓地の『レインボーアイズ』を1枚ゲームから除外することで相手の場のカード1枚をゲームから除外する。

 

「墓地のレインボーアイズホープドラゴンを除外してサイバー·ツイン·ドラゴンを除外する!」

 

「そう上手くいかないか。けどバトル!サイバー·ドラゴンフォルテシモでレインボーアイズダークネスドラゴンを攻撃!」

 

光輝LP7300→6900

 

「カードを一枚セット。これでターンエンドだ」

 

LP5400

手札3

伏せ1

フィールド サイバー·ドラゴンフォルテシモ

 

「俺のターンドロー。まずは天翔る虹の効果を発動!墓地のレインボーアイズチェトレドラゴンを特殊召喚!」

 

「やっぱり継続的にモンスターを召喚するあれは早めに処理しないとダメだな」

 

「そしてチェトレドラゴンの効果を発動!墓地のレインボーアイズエリュオンドラゴンを特殊召喚!」

 

レインボーアイズエリュオンドラゴン 光 ドラゴン☆8A2800D2400

①このカードが召喚.特殊召喚された時フィールド上に『レインボーアイズチェトレドラゴン』がいた場合デッキまたは墓地から『レインボーアイズアジーンドラゴン』を特殊召喚出来る。

②このカードが召喚.特殊召喚された時フィールド上に『レインボーアイズアジーンドラゴン』がいた場合デッキまたは墓地から『レインボーアイズチェトレドラゴン』を特殊召喚出来る。

③『レインボーアイズエリュオンドラゴン』の①、②の効果はどちらか一ターンに1度しか発動できない。

 

「エリュオンドラゴンの特殊召喚時効果!フィールドにチェトレドラゴンがいるためデッキからレインボーアイズアジーンドラゴンを特殊召喚!」

 

「一瞬でこいつらが出るのは反則だろ」

 

レインボーアイズアジーンドラゴン ☆8 光 ドラゴン A3000D1500

①このカードが相手に戦闘ダメージを与えた場合墓地の『レインボーアイズ』を1枚除外することで除外したレインボーアイズの攻撃力の半分のダメージを相手に与える。

 

「けど俺としてもこのまま攻撃するかだが」

 

フォルテシモはアジーンドラゴンで相打ちにできる。その後二体のドラゴンの攻撃が通れば俺の勝ちか。

 

「……そう上手くいくと思わないがそれしかないか!バトル!アジーンドラゴンでサイバー·ドラゴンフォルテシモを攻撃!」

 

「相打ちか」

 

「続いてレインボーアイズチェトレドラゴンでダイレクトアタック!」

 

「攻撃宣言時墓地に眠るサイバネティック·ハードプラントの効果を発動!光輝の場のモンスターの方が多いためこれを除外してデッキからサイバー·ドラゴン·ヘルツを守備表示で特殊召喚!」

 

「攻撃対象をヘルツに変更、そのまま破壊!」

 

「サイバー·ドラゴン·ヘルツが破壊された時の効果を発動。デッキからサイバー·ドラゴン·ネオを手札に加える!」

 

「レインボーアイズエリュオンドラゴンでダイレクトアタック!」

 

「くっ……!」

 

凛LP5400→2600

 

「もっていけなかったか。これでターンエンド」

 

光輝

LP6900

手札2

伏せ0

フィールド エリュオン、チェトレ、天翔る虹

 

「俺のターンドロー。中々追い詰められたな」

 

「まだまだ余裕って表情だけどな」

 

状況は良くないってのに凛はどこか笑みを浮かべている。

 

「そう見えるか?」

 

「そうしてるだろ」

 

「そんなことは思ってないんだけどな。墓地のサイバー·ドラゴン·コアの効果を発動!このカードを除外してデッキからサイバー·ドラゴンを特殊召喚!」

 

今の俺はリバースカードがない。やりたい放題されるな。しかもさっき手札に加えてたのは__

 

「フィールド上に『サイバー·ドラゴン』が存在するため手札からサイバー·ドラゴン·ネオを特殊召喚!」

 

サイバードラゴン·ネオ☆5 光 機械A2100D1600

①自分フィールド上に『サイバー·ドラゴン』が存在する場合このカードを手札から特殊召喚できる。

 

「機械族☆5が二体………嫌な予感しかしねーぜ」

 

「フィールドの☆5サイバー·ドラゴンとサイバー·ドラゴン·ネオをオーバーレイ!エクシーズ召喚★5 サイバー·ドラゴン·ノヴァ!そしてそのままノヴァをランクアップ·オーバーレイ!エクシーズ召喚★6 サイバー·ドラゴン·インフィニティ!」

 

「ク●カードだあれ!」

 

「インフィニティの効果でレインボーアイズチェトレドラゴンを吸収!これでエクシーズ素材は4っつ。よって攻撃力は2900となる!」

 

これでエリュオンも突破されたか!

 

「さらにリバースオープン、サイバネティック·オーバーテクノロジー!」

 

「なんだと?!」

 

サイバネティック·オーバーテクノロジー 通常罠

①自分の墓地の『サイバー』と名のついたモンスターを任意の数除外して発動する。除外したモンスターの数×2までの☆の『サイバー』モンスターを一体デッキから特殊召喚する。

『サイバネティック·オーバーテクノロジー』は一ターンに一度しか発動出来ない。

 

「俺が除外するのはアクセル·サイバー·ドラゴン、サイバー·ドラゴン·フォルテシモ、サイバー·ドラゴン·ヘルツ。これで特殊召喚するのは☆5サイバー·ドラゴン!そしてこのサイバー·ドラゴンを対象に魔法カード アップライト·サイバーロードを発動!」

 

アップライト·サイバーロード

①手札を1枚捨てフィールド上の『サイバードラゴン』一体をリリースして発動する。デッキから『サイバー·ドラゴン.ルナールクス』を特殊召喚する。

 

「手札を一枚捨ててデッキからサイバー·ドラゴン·ルナールクスを召喚!」

 

サイバードラゴン.ルナールクス 光 機械☆10A3000D2500

①このカードは魔法.罠.モンスターの効果で破壊されない。

②フィールド上の『サイバー·ドラゴン』はカードの対象にならない。

③相手のモンスターは可能であればこのモンスターに攻撃しなければならない。

 

「バトルだ!サイバー·ドラゴン·インフィニティでレインボーアイズエリュオンドラゴンを攻撃!」

 

光輝LP6900→6800

 

「サイバー·ドラゴン·ルナールクスでダイレクトアタック!」

 

「ちぃ…!」

 

光輝LP6800→3800

 

「カードを二枚セットしてターンエンド」

 

LP2600

手札0

伏せ2

フィールド インフィニティ、ルナールクス

 

『今度は丸藤が逆転したぞ!』

 

『こんなデュエル中々見られないぜ!』

 

「やるな凛!ドロー。まず墓地のレインボーフュージョンの効果を発動!除外されているレインボーアイズホープドラゴンを墓地に戻してこのカードを手札に加える。そして天翔る虹の効果を発動!」

 

「…………」

 

(考えてるな凛のやつ)

 

凛の場にはインフィニティがいるからな。しかし天翔る虹は破壊された時除外されてるレインボーアイズを特殊召喚できる。破壊してもうまみはあまりない。しかしレインボーフュージョンも破壊したところで回収できる。

 

「………あんまり意味は無いと思うけどその効果をインフィニティで無効にし、破壊する」

 

「……凛ならそうすると思ってたぜ!天翔る虹が破壊された時除外されているレインボーアイズ___レインボーアイズオルタナティブドラゴンを特殊召喚!」

 

レインボーアイズオルタナティブドラゴン☆8 光 ドラゴン A2700D2000

①このカードの攻撃を0にする事で発動。このカードより攻撃力の低い『レインボーアイズ』をデッキから攻撃表示で特殊召喚する。ただしこの効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は0になる。

 

「自身の攻撃力を0にすることでデッキからレインボーアイズパワードラゴンを特殊召喚!」

 

レインボーアイズパワー ☆4 光 ドラゴンA1800D700

①このカードが墓地に送られた場合ゲームから除外されている『レインボーアイズ』を1枚手札に加えることができる。

 

「そしてレインボーフュージョン発動!フィールドのオルタナティブドラゴンとパワードラゴンを融合!融合召喚☆8 天翔ろ!レインボーアイズディシディアドラゴン!」

 

レインボーアイズディシディアドラゴン☆8 光 ドラゴンA2700D2600

「レインボーアイズ×2」

①このカードをリリースすることで発動する。墓地または除外されている『レインボーアイズ』一体を選択して特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動出来る。

 

「まず墓地に送られたパワードラゴンの効果を発動。除外されているレインボーアイズホープドラゴンを手札に。そしてホープドラゴンを召喚。召喚時の効果でデッキからレインボーフュージョンを手札に加える」

 

『虹村のやつ一体何する気だ?』

 

「そしてディシディアドラゴンの効果、自身をリリースすることで墓地のオルタナティブドラゴンを特殊召喚。オルタナティブドラゴンのの効果発動!デッキからレインボーアイズグロースドラゴンを特殊召喚!そして再度レインボーフュージョン!フィールドのオルタナティブドラゴン、グロースドラゴン、ホープドラゴンを融合!幾重の虹が重なる時、新たな竜の鼓動が始まり天翔る!融合召喚☆9 レインボーアイズディザスタードラゴン!」

 

レインボーアイズディザスタードラゴン ☆9 光 ドラゴンA2900D2700

「レインボーアイズモンスター×3」

①このカードの融合召喚時、墓地の『レインボーアイズ』モンスターを全て除外する。

②除外されている『レインボーアイズ』3体を墓地に戻すことでデッキから『レインボーアイズ』モンスター一体を手札に加える。②の効果は一ターンに一度しか発動出来ない。

 

「………まさか!」

 

「ディザスタードラゴンの効果!墓地のレインボーアイズを全て除外する」

 

「やはり光輝は特定のモンスターを除外したかったんだ、()()()を出すために!」

 

「行くぞ凛!魔法カード レインボーフュージョン弐式!」

 

レインボーフュージョン弍式 通常魔法

①LPを半分払って発動する。『レインボーアイズ』融合モンスターによって決められたゲームから除外されているモンスターをデッキに戻す事でそのモンスターを融合召喚する。

 

光輝LP3800→1900

 

「ゲームから除外されているウォリアドラゴンー、パワードラゴン、グロースドラゴンを融合!破滅へ導く竜が怒りを抱く時、飛翔し蹂躙し破壊し尽くし天翔る!融合召喚☆10 レインボーアイズウォリアーセカンド!」

 

レインボーアイズウォリアーセカンド ☆10 光 ドラゴンA3200D1500

「レインボーアイズウォリアードラゴン×レインボーアイズグロースドラゴン×レインボーアイズパワードラゴン」

このカードは融合召喚でしか特殊召喚出来ない。

①このカードは相手モンスター全てに攻撃できる。

②このカードが戦闘によってモンスターを破壊した時、そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。

③このモンスターと戦闘をおこなう相手モンスターの効果はエンドフェイズまで無効になる

 

「やばい奴が出てきたな……」

 

「バトルフェイズ!レインボーアイズウォリアーセカンドでサイバー·ドラゴン·ルナールクスを攻撃!」

 

凛2600→2400

 

「さらにインフィニティドラゴンを攻撃!」

 

凛2400→1900

 

「これで終わりだ!レインボーアイズディザスタードラゴンでダイレクトアタック!」

 

「終わってたまるか!リバースカード発動!サイバー·ロードフュージョン!チェーンしサイバネティック・フュージョン・サポート!これによりどこからでも融合素材とすることができる!墓地の『サイバー·ドラゴン』と除外されている機械族全てをデッキに戻して融合!」

 

凛LP1900→800

 

「あいっ変わらずしぶといな!」

 

「融合召喚☆9 キメラテック・オーバー・ドラゴン!融合素材としたモンスターの数は11体。よってキメラティック·オーバ·ドラゴンの攻撃は8800となる!」

 

「攻撃力高すぎるだろうが!」

 

流石サイバー流の中でもトップクラスに攻撃力があるモンスター。その攻撃力は破格の数値だ。

 

「ディザスタードラゴンの効果を発動。除外されているディシディアドラゴン、オルタナティブドラゴン、エリュオンドラゴンを墓地に戻してデッキからレインボーアイズセブンスドラゴンを手札に。………カードを二枚セットしてターンエンド」

 

光輝

LP1900

手札3

伏せ2

フィールド ウォリアーセカンド、ディザスタードラゴン

 

「俺のターンドロー。……このターンで終わらせるぞ!バトルフェイズ!」

 

「こい凛!絶対に負けねーぞ!」

 

「キメラティック·オーバ·ドラゴンでレインボーアイズディザスタードラゴンを攻撃!」

 

今このデュエルの勝敗が決する………。

 

「攻撃宣言時リバースカードオープ___」

 

「こらあぁぁぁー!!なーにをやっとるか!」

 

光輝がリバースカードを発動する直前、部屋の扉を勢いよく開けて入ってきたのはみんな大好き鉄人だった。

 

「はぁ?!て、鉄人!?」

 

「な、何しに来たんですか?」

 

「貴様らか虹村、丸藤。貴様らのデュエルのせいでこのクラスがうるさすぎて他クラスから勉強に集中出来んと苦情が来とるのだ。今すぐ中止しろ!」

 

「今すぐって……!もうすぐ決着がつくんですよ?」

 

「そうだ!デュエルの途中で割って入ってくるなんて無粋な真似すんな!」

 

『そうだそうだ!』

 

『最後までやらせろ!』

 

「ほーう。貴様らそんなに補習を受けたいか」

 

その一言が発せられた瞬間反発していた生徒は全員席について勉強していた。

 

「お前らもだ。早く片付けて勉強に戻れ」

 

「ちぇ!いい所だったのに」

 

「あのままいけば俺が勝ってたのにな」

 

「おいおい。冗談言うな。あのリバースカードが有効なら絶対俺が勝ってたね」

 

「なーに、それにチェーンして俺の手札のカードを使ってたさ」

 

「どうだか。まぁ言い合っても仕方ないか」

 

鉄人の補習が飛んでくる前にいそいそと片付けを始める。

 

「そうだな。……一応考えといてやるよ」

 

「あ?それって……」

 

「どうしても無理って時は力になってやるよ。親友の頼みだしな」

 

「……サンキュー凛!」

 

「おう」

 

どうやら俺の決死のデュエルは無駄にはならなかったみたいだ。




遊戯王特有のデュエルの勝敗が分からないやつです。たまにはこんな決着も良いのかなと。どっちが勝ったかは皆さんの想像におまかせします。


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23話 突撃

23話です。どんどんとオリジナルな展開になっていきますね。最後も少し変える予定です。まぁそこがいい所ということで。


あの後凛の協力は得られたけど久保の承諾は得られなかった。だからAクラスの協力は微妙なところとなった。

 

「他のクラスは手伝ってくれるんだよな?」

 

「ああ。みんな二つ返事で承諾してくれた」

 

こう考えるとやっぱり男はバカばっかだな。みんなしたいとは思ってたけど行動に移せなかっただけみたいだ。

 

「それじゃあもういくの?」

 

「そのつもりだ。あまり時間をかけても向こうが対策しやすくなるだけだからな」

 

「作戦は昨日と同じかの?」

 

昨日はシンプルな正面突破。正直作戦とも言えないが。

 

「基本的には同じだ。だがFクラスだけは少し変えるつもりだ」

 

「変えるってどんな感じに?」

 

「それはその時のお楽しみだ」

 

ニヤッと悪い顔をして笑う雄二。何か考えついたみたいだな。こうなった時の雄二はたくましいからな。期待していいだろう。

 

♢

 

「……そろそろ時間じゃな」

 

「………みんなのやる気は十分」

 

「雄二の号令を待ってるぜ」

 

「上手くいくといいけど」

 

「上手くいかせるんだよ。……よし、行くぞ!」

 

雄二の号令を筆頭にそれぞれのクラスが女子風呂へと突貫する。基本的にそれぞれのクラスで固まって動いている。そこにAクラスの姿は見えないが。

 

『本当に来たわよ男子のやつ!』

 

『迎え撃つわよ!』

 

「雄二、やっぱりだな!」

 

「そうだな。昨日ので向こうも危機感を抱いたか」

 

雄二の予想通り風呂の時間では無い女子達が教師達の助太刀をしている。こうなると勉強の不利なFクラスの戦力はゴミとかすだろう。

 

「光輝、作戦通りお前は他のクラスの援護に!」

 

「任せとけ。そっちも負けるなよ!」

 

先程言っていた作戦に俺は適していないため苦戦しているクラスの方へ。

 

『通させないわ!サモ___』

 

起動(アウェイクン)!」

 

『なっ?!フィールドが消えた?!』

 

実は別の召喚フィールド同士がぶつかった時それぞれのフィールドが消えるという現象が起こる。今回の作戦はそれを利用したもの。雄二の白金の腕輪を起動してフィールドを作りそれをぶつける。そうしてフィールドを消したところで……

 

「今だ野郎ども!デュエルだ!」

 

そう。デュエルに持っていく。こうすることで勉強がゴミクズのFクラスでも確実に一人は足止めできる。

 

『そ、そんな!』

 

『ほらほら、デュエルを挑まれたら受けるのがウチのルールだろ!』

 

(……よし、今のところは順調だ)

 

しかしこの作戦にも穴はある。

 

「待ちなさい土屋!」

 

「島田か!ムッツリーニ!」

 

正面から現れた美波がムッツリーニを指名してデュエルを挑んできた。

 

「………先にいけ雄二。すぐに追いつく」

 

「……負けんなよ!」

 

「すぐに追いつくとは失礼なこと言うわね」

 

「………そこを退け島田」

 

「残念だけど通す訳にはいかないわ。科目が数学なら一瞬で終わるけど仕方ないわね」

 

デュエルディスクをセットする美波。こうなってはムッツリーニといえど逃げられない。

 

女子の強力な召喚獣を持つ者をFクラス男子でも止められるように雄二の腕輪でフィールドを打ち消す。こうしてデュエルを挑んで確実に一体一の状況にする作戦は有効だろう。しかし向こうとしてもそうだ。ムッツリーニのような一部で最強の力を持つものをその本領を発揮させないまま倒すことが出来る。この作戦は一長一短だ。

 

「………仕方ない。すぐに終わらせる」

 

「やってみなさい!」

 

「「デュエル!」」

 

「………先行は貰った、ドロー。手札から速攻忍者ー段蔵を召喚」

 

速攻忍者ー段蔵 ☆4 風 戦士 A1300D1200

①このカードが召喚·特殊召喚に成功した場合デッキから『速攻忍者』と名のついたカードを一枚手札に加える。『速攻忍者ー段蔵』の効果は一ターンに一度しか発動出来ない。

 

「………段蔵の効果でデッキから速攻忍者ー猿飛を手札に加える。そして猿飛はフィールドに『速攻忍者』が存在する時、特殊召喚することが出来る」

 

速攻忍者ー猿飛 ☆4 風 戦士 A1400D1200

①フィールド上に『速攻忍者』と名のついたモンスターがいる場合このカードは手札から特殊召喚することが出来る。

 

「………☆4の速攻忍者ー段蔵の猿飛をオーバレイ。エクシーズ召喚★4 駆けつけろ、速攻忍者ー服部半蔵!」

 

速攻忍者ー服部半蔵 ★4 風 戦士 A2500D1400

「☆4速攻忍者×2」

①このカードのエクシーズ素材を一枚取り除いて発動する。墓地の『速攻忍者』と名のついたモンスター一体を手札に加える。

 

「………服部半蔵の効果。素材を1枚取り除いて発動する。今墓地に送った段蔵を手札に加える。そしてカードを二枚セットしてターンエンド」

 

「いつ見ても安定してるわね」

 

康太

LP8000

手札4

伏せ2

フィールド 服部半蔵

 

「でもウチも負けないわ!ドロー!まず速攻魔法 ツインツイスターを発動!」

 

「………それは反則」

 

「ちゃんとしたプレイよ!手札を一枚捨てて土屋のリバースカードを二枚破壊!」

 

破壊されたカード 速攻忍術ー時雨、速攻忍術ー暗殺

 

「どっちも妨害カードね。破壊しておいてよかった」

 

相手の動きを止めながらアドを稼ぐのが速攻忍者本来の戦い方。それが序盤で崩れてしまったムッツリーニとしては辛い戦いになるだろう。

 

「次に手札からブラッドナイト·エリースを召喚!」

 

ブラッドナイト·エリース ☆4 闇 戦士 A1900D500

①このカードの召喚時に自分は500のダメージを受ける。

②このカードの召喚·特殊召喚時に山札の一番上をめくる。そのカードが『ブラッドナイト』または『ブラッドアームズ』と名のついたカードであれば手札に加える。それ以外は墓地に送る。

 

美波LP8000→7500

 

「エリースの効果でトップデッキをめくるわ!」

 

めくれたカード ブラッドアームズ·カエルレウム

 

「よし、ブラッドアームズ·カエルレウムを手札に加えるわ!そしてそのまま発動!」

 

ブラッドアームズ·カエルレウム 装備魔法

①このカードの発動時に自分は500のダメージを受ける。

②このカードを装備しているモンスターの攻撃力を500上げる。

③装備状態のこのカードが墓地に送られた場合デッキから『ブラッドアームズ』と名のついたカードを一枚手札に加える。

 

美波LP7500→7000

 

「そしてブラッドアームズ·カエルレウムを破壊して手札からブラッドナイト·キャンサーを特殊召喚!」

 

ブラッドナイト·キャンサー ☆3 闇 戦士 チューナーA1200D500

①フィールド上の『ブラッドアームズ』と名のついたカードを一枚破壊して発動する。このカードを手札から特殊召喚する。その後500のダメージを受ける。

 

島田LP7000→6500

 

「破壊されたカエルレウムの効果を発動!デッキから『ブラッドアームズ·ルーフス』を手札に加える。いくわよ、☆4ブラッドナイト·エリースに☆3ブラッドナイト·キャンサーをチューニング!シンクロ召喚☆7 ブラッドナイト·ドラゴ!」

 

ブラッドナイト·ドラゴ ☆7 闇 戦士 A2600D500

「ブラッドナイト」と名のついたチューナー+チューナー以外のモンスター

①『ブラッドナイト』また『ブラッドアームズ』と名のついたカードによって自分が受けるダメージを相手にも与える。

②一ターンに一度相手の魔法·罠の効果を無効にすることが出来る。この効果を発動した後800のダメージを受ける。この効果は相手ターンでも発動出来る。

 

「どんどん攻めるわよ!魔法カード ブラッドアームズ·ルーフスを発動!」

 

ブラッドアームズ·ルーフス 装備魔法

①このカードの発動時に800ダメージを受ける。

②このカードを装備したモンスターが相手に戦闘ダメージを与えた場合デッキから『ブラッドアームズ』と名のついたカードを一枚手札に加える。

 

島田LP6500→5700

 

ムッツリーニLP8000→7200

 

島田が使う『ブラッド』は効果を使う時やモンスターを召喚する時に自身にダメージを与えてしまう。しかしそれを相手にも与えることでデュエルを優位に進めるデッキだ。

 

 

「バトルフェイズ!ブラッドナイト·ドラゴで速攻忍者ー服部半蔵を攻撃!」

 

ムッツリーニLP7200→7100

 

「ブラッドアームズ·ルーフスの効果発動!装備したドラゴが戦闘ダメージを与えたからデッキから『ブラッドアームズ·アーテル』を手札に。カードを一枚セットしてターンエンド」

 

美波

LP5700

手札2

伏せ1

フィールド ドラゴ、ルーフス

 

「………俺のターン、ドロー」

 

(………島田のデッキは自分でライフを削っていく)

 

しかしそれが完全にデメリットになっている訳では無い。それに一気に攻めても上手く躱してくるだろう。

 

「………手札から速攻忍者ー叢雲を召喚」

 

速攻忍者ー叢雲 ☆4 風 戦士 A1600D1200

①このカードが召喚したターン、通常召喚に加えて『速攻忍者』と名のついたモンスターを通常することが出来る。

 

「………叢雲の効果でもう一度通常召喚を行う。段蔵を召喚。召喚時の効果でデッキから速攻忍者ー風魔を手札に」

 

「次はどの忍者が来るのかしら?」

 

「………叢雲と段蔵をオーバレイ。エクシーズ召喚★4 駆けつけ、速攻忍者ー石川五右衛門!」

 

速攻忍者ー石川五右衛門 ★4 風 戦士 A2400A1600

「☆4速攻忍者×2」

①一ターンに一度このカードのエクシーズ素材を一枚取り除いて発動する。カードを一枚ドローする。

②このカードが墓地に送られた場合、カードを一枚ドローすることが出来る。

 

「………石川五右衛門の効果。素材の叢雲を墓地に送ってワンドロー」

 

「攻撃力で超えられない五右衛門……てことはランクアップね」

 

「………魔法カード 速攻忍術ー移しみを発動!」

 

速攻忍術ー移しみ 通常魔法

①フィールド上の『速攻忍者』と名のついたエクシーズモンスターを一体選択して発動する。そのモンスターをエクシーズ素材としてそのモンスターの★+1の『速攻忍者』エクシーズモンスターをエクシーズ召喚する。

 

「………石川五右衛門をランクアップ、エクシーズチェンジ!★5 駆けつけ、速攻忍者ー黒夜叉!」

 

速攻忍者ー黒夜叉 ★5 風 戦士 A2600D2400

「☆5速攻忍者×2」

①このカードのエクシーズ素材を一枚取り除きフィールド上のカードを一枚選択して発動する。選択したカードを破壊する。その後カードを一枚ドローする。

 

ブラッドナイト·ドラゴは魔法·罠の発動を無効にしてくる。そのため康太はモンスター効果で突破する作戦にでた。

 

「………黒夜叉の効果で素材の五右衛門を墓地に送ってブラッドナイト·ドラゴを破壊!」

 

「そう簡単にはさせないわ!リバースカード発動、血と偽りの混濁!」

 

血と偽りの混濁(ブラッドアームズ·フェイク)カウンター罠

①1500ダメージを受けて発動する。フィールドの『ブラッドナイト』シンクロモンスターを一体破壊してそのモンスターと同じ☆の『ブラッドナイト』シンクロモンスターをエクストラデッキからシンクロ召喚扱いで特殊召喚する。

 

「発動時に1500のLPを失うわ。けどそれは土屋も受けてもらうわよ!」

 

美波LP5700→4200

 

ムッツリーニLP7100→5600

 

「そして黒夜叉の対象となったドラゴを破壊して新たにブラッドナイト·ペガサスを特殊召喚!」

 

「………躱されたか」

 

ブラッドナイト·ペガサス ☆7 闇 獣 A2600D500

「ブラッドナイト」チューナー+チューナー以外のモンスター

①『ブラッドナイト』また『ブラッドアームズ』と名のついたカードによって自分が受けるダメージを相手にも与える。

②一ターンに一度フィールド上のモンスター一体を選択して発動する。そのモンスターを手札に戻す。その後1000ダメージを受ける。この効果は相手ターンでも発動出来る。

 

「………黒夜叉の効果で対象モンスターを破壊できなかったからその後のドローも出来ない。でも五右衛門が墓地に送られた効果でワンドローする」

 

「リカバリーが早いわね。どんどん手札が増えるじゃない」

 

「………どうするか」

 

ペガサスがいる今展開してもバウンスされてしまう。しかしそのまま残しておいても毎ターン効果を使われてジリ貧となってしまう。

 

「………カードを一枚セットしてターンエンド」

 

「あら、攻めなくていいのかしら?」

 

挑発のように美波が話しかけてくる。

 

「………今はその時じゃない」

 

「……そう。じゃあエンドフェイズにペガサスの効果を発動!黒夜叉を手札に戻してお互いに1000ダメージよ!」

 

「………すまない黒夜叉」

 

美波LP4200→3200

ムッツリーニLP5600→4600

 

ムッツリーニ

LP4600

手札4

伏せ1

フィールド 無し

 

「私のターンドロー。モタモタしてたらすぐに負けちゃうわよ土屋!」

 

「………俺は負けない。負けられない理由(覗き)がある!」

 

「その理由がダメだって言ってんでしょ!手札からブラッドナイト·ジェミナイを召喚!」

 

ブラッドナイト·ジェミナイ ☆4 闇 戦士 A1700D500

①このカードの召喚時に自分は800ダメージを受ける。

②このカードを召喚·特殊召喚した場合発動出来る。手札の『ブラッドナイト』一体を特殊召喚する。

 

「………召喚時にチェーンしてリバース発動。速攻忍術ー幻惑」

 

速攻忍術ー幻惑 通常罠

①このターン自分が受けるダメージは全て0となる。

 

美波LP3200→2400

 

「ふん、いいわ別に。ブラッドナイト·ジェミナイの効果で手札からブラッドナイト·リオを特殊召喚!」

 

ブラッドナイト·リオ ☆4 闇 獣戦士 チューナー A1800D500

①このカードの召喚時に自分は500ダメージを受ける。

②フィールド上の『ブラッドナイト』一体を選択して発動する。このターンそのモンスターの☆を好きな☆に変更する。

 

「ブラッドナイト·リオの効果で自身の☆を6にする。そして☆4のブラッドナイト·ジェミナイに☆6になったブラッドナイト·リオをチューニング!シンクロ召喚☆10!ブラッドナイト·アンドロメダ!」

 

ブラッドナイト·アンドロメダ ☆10 闇 戦士 A3000D500

『ブラッドナイト』チューナー+チューナー以外のモンスター

①『ブラッドナイト』『ブラッドアームズ』と名のついたカードによって自分が受けるダメージを相手にも与える。

②自分のLPが3000以下の場合、このカードはカードの効果で破壊されず、効果の対象にならない。

③相手がモンスターを召喚·特殊召喚した時に発動出来る。その召喚を無効にし破壊する。その後1000のダメージを受ける。

 

「どーよウチの切り札は!」

 

「………厄介この上ない」

 

「このままバトルフェイズ……をしても意味無いわね。ターンエンドよ」

 

美波

LP2400

手札1

伏せ0

フィールド ペガサス、アンドロメダ

 

「………俺のターンドロー」

 

ムッツリーニとしてはかなり厳しい状況になった。ペガサス、アンドロメダの効果によってモンスターを確実に二体は処理されてしまう。しかし伏せカードがない今が攻め時でもある。

 

「………手札から速攻忍者ー霧隠才蔵を召喚」

 

速攻忍者ー霧隠才蔵 ☆4 風 戦士 A1700D1200

①このカードの召喚·特殊召喚に成功した時手札の『速攻忍者』一体を特殊召喚することが出来る。

 

「……うーん」

 

美波としてもここは難しいところ。いかに適切なタイミングでムッツリーニのモンスターを止めるか。特に特殊召喚を多用する速攻忍者。止めたいと思う場面は無数に存在するだろう。

 

「……通すわ」

 

「………霧隠才蔵の効果。手札の速攻忍者ー風魔を特殊召喚」

 

速攻忍者ー風魔 ☆4 風 戦士 A1500D1200

①墓地の『速攻忍者』と名のついたモンスターを一体除外して発動する。そのモンスターと名前の異なる『速攻忍者』と名のついたモンスターを一体墓地から手札に加える。『速攻忍者ー風魔』の効果は一ターンに一度しか発動出来ない。

 

「………風魔の効果を発動。墓地の叢雲を除外して墓地の段蔵を回収する」

 

「それもかまわない」

 

美波は出されたエクシーズモンスターを処理する方向に決めた。それが間違えと責めることは誰も出来ないが。それは結局結果論でしかないからだ。

 

「………墓地の速攻忍者ー石川五右衛門を除外して手札から速攻忍者ー抜け忍を特殊召喚」

 

速攻忍者ー抜け忍 ☆4 風 戦士 A900D400

①墓地の『速攻忍者』一体を除外して発動する。手札のこのカードを特殊召喚する。

 

「………そして魔法カード 速攻忍術ー分身を発動」

 

「そのカードは……」

 

速攻忍術ー分身 通常魔法

① 場の『速攻忍者』一体を選択して発動する。そのモンスターと同名モンスターをデッキから特殊召喚する。このカードを発動したターンバトルフェイズを行えない。

 

「………俺が選択するのは霧隠才蔵。同名カードをデッキから特殊召喚」

 

ブラッドナイト·アンドロメダは魔法や罠、効果モンスターの効果での特殊召喚は止められない。ペガサスで先に手札に戻しても効果は発動する。今の状況を覆すためのムッツリーニの切り札だ。

 

「………デッキから霧隠才蔵を特殊召喚。効果を発動。さっき回収した段蔵を特殊召喚。効果を発動!デッキから速攻忍者ー猿飛を手札に」

 

フィールドには既に五体のモンスター。さらに手札に簡単に特殊召喚出来る忍者を加えた。ムッツリーニは強引に美波の布陣を突破しにいったのだ!

 

「………☆4の速攻忍者ー霧隠才蔵二体でオーバレイ。エクシーズ召喚★4 速攻忍者ー百地丹波」

 

「その時にブラッドナイト·アンドロメダの効果を発動。召喚を無効にして破壊する!その後のダメージを受けるのにチェーンして手札からこのカードを特殊召喚するわ!」

 

エフェクト·ドーマ ☆4 闇 戦士 A?D?

このカードは通常召喚出来ない。

①自分が効果ダメージを受ける時に発動出来る。このカードを特殊召喚しそのダメージを無効にする。

②このカードの攻撃力·守備力は①で無効にしたダメージの二倍になる。

③このカードがフィールド上で存在してる限り自分は効果ダメージを受けない。

 

「エフェクト·ドーマの効果でウチはダメージを受けないけど土屋は無効になってないわ!」

 

ムッツリーニLP4600→3600

 

「………速攻忍者ー抜け忍と風魔でオーバレイ。エクシーズ召喚★4 再び現れろ、速攻忍者ー百地丹波」

 

「召喚時にペガサスの効果発動!今出した百地丹波を手札に戻す。そして土屋に1000のダメージよ!」

 

ムッツリーニLP3600→2600

 

「………でもこれでもう妨害はされない。フィールドに速攻忍者が存在しているため手札の速攻忍者ー猿飛を特殊召喚!」

 

美波のモンスターは既に効果を発動した。そしてリバースカードは0。これでようやくムッツリーニのしたかったことが実行される!

 

「………☆速攻忍者ー段蔵と速攻忍者ー猿飛をオーバレイ。エクシーズ召喚★4 駆けつけ!速攻忍者ー百地丹波!」

 

「さっきから出したがってたモンスターね」

 

速攻忍者ー百地丹波 ★4 風 戦士 A2400D1600

「☆4速攻忍者×2」

①このカードのエクシーズ素材を二枚取り除いて発動する。デッキから自分の墓地に存在しない『速攻忍術』と名のついたカードを一枚発動する。

 

「………百地丹波の効果発動。素材を二枚取り除いてデッキから俺の墓地にはない『速攻忍術』を発動」

 

「デッキから魔法·罠が使えるの?!」

 

「………これで俺が発動するのは速攻忍術ー生命加速!」

 

速攻忍術ー生命加速 通常魔法

①フィールドの『速攻忍者』エクシーズモンスター一体を選択して発動する。そのモンスターの★の倍のモンスターをそのモンスターを素材としてエクストラデッキからエクシーズ召喚扱いで特殊召喚する。

 

「………百地丹波をランクアップ、エクシーズチェンジ!闇夜に紛れる死神の刺客よ。その身に纏う殺意を放て!エクシーズ召喚★8 駆けつけ!速攻忍者ー次郎長!」

 

速攻忍者ー次郎長 ★8 風 戦士 A2800D1500

①一ターンに一度このカードのエクシーズ素材を一枚取り除いて発動する。フィールド上のモンスター一体を除外してそのモンスターの攻撃力分自分のLPを回復する。

②このカードが相手に戦闘ダメージを与えた時その数値の半分自分のLPを回復する。

 

「速攻忍者にもそんなやつがいたのね」

 

「………次郎長の効果。素材の段蔵を墓地に送りブラッドナイト·ペガサスをゲームから除外。そしてその攻撃力、2600回復する」

 

ムッツリーニLP2600→5200

 

「やるじゃない」

 

「………このターンはバトルフェイズを行えない。………カードを一枚セットしてターンエンド」

 

ムッツリーニ

LP5200

手札0

伏せ1

フィールド 次郎長

 

「あの状況にしては頑張ったじゃない。ドロー」

 

傍から見てわかるほど今の美波は余裕綽々だ。その理由は今フィールドにアンドロメダがいるからだろう。切り札に絶対的な自信を持っているのだ。

 

「でもそろそろ終わらせるわよ!他の連中も止めなきゃなんだから!」

 

「………何故分かってくれない」

 

「覗かれるって分かってていい気分になるやつなんていないでしょ!手札から魔法カード ブラッドアームズ·アーテルを発動!」

 

ブラッドアームズ·アーテル 装備魔法

①このカードを装備したモンスターが戦闘によって相手モンスターを破壊した時発動できる。このカードを墓地に送り装備したモンスターよりも☆の低い『ブラッドナイト』を墓地から一体特殊召喚する。その後2000ダメージを受ける。

 

「これで決めるわよ!バトルフェイズ!」

 

それに加えてさらに万全な状況にしようとする。エフェクト·ドーマが存在しているためこのカードは破格の性能となっている。

 

「これで反省しなさい!ブラッドナイト·アンドロメダで速攻忍者ー次郎長を攻撃!」

 

「………浅はかだな」

 

「何ですって?!」

 

「………最後の最後で気を抜いたことだ!リバースカードオープン 秘伝·亜空間!」

 

「な、何よそのカード!」

 

秘伝・亜空間殺法 速攻魔法

このカードは墓地に「忍者」モンスターが7体以上の場合、1ターンに一度のみ使用できる。 ①と②の効果はどちらかのみ使用できる。

①自身のライフを100の倍数で任意に払う(最大5000まで)。

その後フィールドの「忍者」モンスターを選び、そのモンスターに支払ったライフ分の攻撃力、守備力をアップさせる。

②自身のライフを1000の倍数で任意に払う(最大6000まで)。

その後支払ったLP1000につき一枚相手の手札、デッキ、フィールド、墓地からそれぞれ表表示でゲームから除外する。

 

「………俺が発動するのは①。そして支払うLPは最大数値の5000!」

 

「まさかそれをやるためにLPを回復したの?!」

 

「………俺がこれを引いた時から決着はこれでつくと思っていた」

 

速攻忍者ー次郎長 A2800→7800

 

ムッツリーニLP5200→200

 

「………いけ次郎長。ブラッドナイト·アンドロメダを返り討ちにしろ!」

 

「きゃあぁぁぁ!」

 

美波LP2400→0

 

「ま、負けた……」

 

「………俺は誰にも止められない。俺に戦う理由がある限り」

 

美波を後にしてすぐその場を後にするムッツリーニ。敵は美波だけではない。一刻も早く他の手助けにいかなければならない。しかしムッツリーニは絶望しない。彼が覗きを諦めない限り!

 

「………あんなのに負けるなんて腑に落ちないわ!」




今回出てきたエフェクト·ドーマはガンガンさんから頂いたオリカです。

そしてムッツリーニの使った秘伝・亜空間殺法はゲイツポイントさんから頂いたオリカです。

お二人共素敵な提案ありがとうございました!


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24話 FFF団会長として

24話です。まずすいません!かなり遅れてしまいました。最近忙しくてですね、中々書く暇が無くて。それでも失踪するつもりはありませんので気長に応援してくれるとありがたいです。


「気合いで負けるなよヤロー共!俺達が目指す場所を思い出せ!」

 

『『『うおぉぉぉーー!!』』』

 

Fクラスの男子の戦場は異様な熱気に包まれていた。雄二の発破もあるがそれ以上にどのクラスの男子よりも覗きに命をかけているのだ。もうFクラス男子は止まらない。体が、心が叫んでいるのだ。覗けと!

 

「ここは通させません!」

 

『ひ、姫路さんだー!』

 

そこに立ちはだかるは全クラスの女子達。しかも学力、デュエル共に実力の高い姫路が筆頭にFクラス男子の道を塞ぐ。

 

「皆さんにはここで止まってもらいます!」

 

『ど、どうする。誰が行く?』

 

『お前がいけよ!』

 

『嫌だよ!こんな所で負けるなんて!』

 

この場は今はデュエルのみでの対決となっている。それでも姫路は強力。誰も負けるリスクは負いたくないのだ。

 

「………俺が行く」

 

『す、須川会長!』

 

そんな中名乗りを上げたのはFFF団会長を務めている須川だった。

 

『む、無茶だ会長!』

 

『そうだ!ここはFクラスらしくこすい作戦で___』

 

「誰かが行かなければ道はない。それに俺は負けるつもりは無い。忘れたのか、俺達には負けられない理由があるだろう!」

 

『か、会長……』

 

「さぁ進めFFF団!俺達の目指す場所……桃源郷(アガルタ)で再び会おう!!」

 

『『『サァーイェッサー!』』』

 

「す、凄いやる気ですね。でも私も負けません!」

 

「手加減する気は無いぞ姫路さん!」

 

「「デュエル!」」

 

「先行は貰うぞ、ドロー。まず手札から自爆霊ボマー·ゾンビを召喚!」

 

自爆霊ボマー·ゾンビ 闇 アンデッド ☆4 A1600D0

①このカードの召喚時に手札から『自爆』と名のついたモンスターを一体特殊召喚する事ができる。この効果を発動したターン自分は『自爆』と名のついたモンスターしか特殊召喚出来ない。

 

「この効果で俺は手札から自爆霊ボマー·ゴーストを特殊召喚!」

 

自爆霊ボマー·ゴースト 闇 アンデッド ☆3 A500D0 チューナー

①このモンスターがシンクロモンスターの素材として使われる場合、☆を1~4まで自由に変更出来る。

②このモンスターが後攻プレイヤーのターンエンド時フィールド上に存在する場合、必ずコイントスをしなければならない。

表:相手ライフに500のダメージを与える

裏:自分ライフに500のダメージを与え、このカードは破壊される

 

「そして自爆霊ボマー·ゾンビに自爆霊ボマー·ゴーストをチューニング!その時にボマー·ゴーストの☆を2にする。シンクロ召喚☆6 現れろ我が分身 自爆王ボマー·キング!」

 

「じ、自爆王が分身なのですか?」

 

自爆王ボマー·キング 闇 アンデッド ☆6 A2000D0

①このモンスターは『自爆霊ボマー・ゴースト』以外をチューナーとして使用する事が出来ない

②このモンスターはカード効果によってフィールドを離れない。

③このモンスターが後攻プレイヤーのターンエンド時フィールド上に存在する場合、必ずコイントスをしなければならない

表:相手LPにこのモンスターの攻撃力分のダメージを与える

裏:自分LPにこのモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える

 

「カードを一枚セットしてターンエンドだ」

 

須川

LP8000

手札3

伏せ1

フィールド ボマー·キング

 

「私も容赦しませんよ!ドロー。手札から『ヘカテリス』を捨ててデッキから『神の居城ーヴァルハラ』を手札に加えてそのまま発動します!」

 

(いい動きだな。けど手札に強い天使がいなければ___)

 

「私はヴァルハラの効果で手札から大天使クリスティアを特殊召喚します!」

 

「容赦が無さすぎないか?!」

 

「皆さんにはお仕置きをしなくてはいけないですから!」

 

「姫路さんのお仕置き?!……それはそれであr」

 

「手札から終末の騎士を召喚します!」

 

須川の戯言を遮るようにカードをプレイしていく姫路。今まで男子とほとんど関わらなかった姫路からしてみれば須川のようなタイプは天敵とも言えるだろう。

 

「終末の騎士の効果でデッキから堕天使スペルビアを墓地に送ります。バトルフェイズです!大天使クリスティアで自爆王ボマー·キングを攻撃です!」

 

「俺も負けていられない。リバース発動 自爆特攻(ダイナマイトボディ)!」

 

自爆特攻(ダイナマイトボディ) 通常罠

①手札の『自爆』と名のついたモンスターを一体墓地に送って発動する。相手モンスターの攻撃力を捨てたモンスターの攻撃力分下げる。

 

「この効果で俺が墓地に送るのは自爆霊ボマー·アサシン」

 

自爆霊ボマー·アサシン 闇 アンデッド ☆4 A1800D0

①このカードが『自爆霊ボマー·アサシン』以外の『自爆』と名のついたカードによって墓地に送られた時このカードを墓地から特殊召喚する事ができる。

②③このモンスターが後攻プレイヤーのターンエンド時フィールド上に存在する場合、必ずコイントスをしなければならない

表:相手フィールドのカードを一枚破壊する

裏:このカードを破壊する

 

「や、やりますね……」

 

クリスティアA2800→1000

 

姫路LP8000→7000

 

「カードを一枚セットしてターンエンドです」

 

「姫路さんのエンドフェイズに俺の場のボマー·キング、ボマー·アサシンの効果が発動する。まずボマー·キングの効果で運命のコイントス!」

 

出た目:表

 

「よーし!姫路さんにボマー·キングの攻撃2000のダメージを受けてもらう!」

 

「中々もってますね」

 

自分よりもレベルの高い相手に対して優位に戦況を進められている。運も須川に傾き始めているのだろう。

 

姫路LP7000→5000

 

「この調子でボマー·アサシンの効果でコイントス!」

 

出た目:裏

 

「…………」

 

「……そこは表が出る流れじゃ___」

 

「言わないでくれ!」

 

そこで流れに乗り切れないのが須川亮と言う男だ。伊達にFFF団会長なぞやっていない。

 

姫路

LP5000

手札2

伏せ1

フィールド 終末の騎士

 

「な、なに。まだ負けたわけじゃない、ドロー。手札から自爆霊ボマー·シャドウを召喚!」

 

自爆霊ボマー·シャドウ 闇 アンデッド ☆4 A1500D0

①このカードの召喚に成功した時墓地の『自爆』と名のついたモンスターを一体を選択して特殊召喚することが出来る。この効果を発動した後コイントスを行う

裏:このカードの攻撃力分のダメージを受ける。

 

「俺が選択するのは自爆霊ボマー·ゴースト。そしてコイントス!」

 

出た目:裏

 

「くそぉーー!!」

 

須川LP8000→6500

 

初めはあんなに調子が良さそうだったのにだんだんと雲行きが怪しくなってきた。

 

「まだだ!☆4ボマー·シャドウに☆4となったボマー·ゴーストをチューニング!シンクロ召喚☆8 我が怨念!自爆王ボマー·ニトロ!」

 

「随分と危ない怨念を持ってますね……」

 

自爆王ボマー·ニトロ 闇 アンデッド ☆8 A2800D0

①このモンスターと戦闘を行ったモンスターはダメージ計算を行わずに破壊される。その後そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手は受ける。

②このモンスターが後攻プレイヤーのターンエンド時フィールド上に存在する場合、必ずコイントスをしなければならない

表:相手モンスター一体を選択してこのモンスターとバトルさせる。

裏:自分LPにこのモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える。

 

「厄介なモンスターですね」

 

これで次のターン姫路はモンスターを出したとしてもエンドフェイズに破壊される可能性が出てきた。またヴァルハラでクリスティアを出したとしても突破出来ないようにもしている。

 

「バトルフェイズ!自爆王ボマー·キングで終末の騎士を攻撃!」

 

姫路LP5000→4400

 

「ボマー·ニトロでダイレクトアタック!」

 

「させません!リバースカード発動 天使の恩寵!」

 

天使の恩寵 通常罠

①相手モンスターを一体選択して発動する。そのモンスターよりも攻撃力の低い天使族を手札から一体特殊召喚する。

 

「私が選択するのは自爆王ボマー·ニトロ。よって2800未満の天使族を特殊召喚出来ます。来てください 聖天の天使ミカエルを守備表示で特殊召喚します!」

 

聖天の天使ミカエル 光 天使 ☆8 A2700D2300

①このカードは戦闘及び効果モンスターの効果によって破壊されない。

②このモンスターがフィールドに存在する限り他の天使族モンスターの攻撃力は300upする。

 

戦闘でも効果でも破壊されないモンスターを守備表示で出されたら須川としても突破出来ない。

 

「それなら俺はカードを一枚セットしてターンエンド」

 

須川

LP6500

手札1

伏せ1

フィールド ボマー·キング、ボマー·ニトロ

 

「私のターンドロー」

 

しかしこのドローはクリスティアである事は須川も知っている。つまり姫路は残された二枚のカードでここを打破しなくてはいけない。

 

「私は魔法カードトレード·インを発動します。手札のクリスティアを捨てて二枚ドロー」

 

「手札交換か。余程酷い手札のようだな!」

 

露骨に死亡フラグを建てていく須川。もはやわざとやっているようにも見える。

 

「手札から恵みの天使ロズエルを召喚!」

 

恵みの天使ロズエル 光 天使 ☆4 A1500D900

①このカードが召喚·特殊召喚に成功した時発動できる。デッキ、墓地から天使族を一体選択して手札に加える。

 

「ロズエルの効果でデッキから『天花の光ローズマリー』を手札に加えます。そして魔法カード 進化の光を発動です!」

 

進化の光 通常魔法

①このカード名は1ターンに一度しか使えずこのカードの発動後自分は特殊召喚を行えない。自分フィールド上のモンスター1体をリリースする。その後リリースしたモンスターと同じ属性と種族を持つリリースしたモンスターより高い☆のモンスターを手札・デッキから特殊召喚する。

 

「フィールドのロズエルをリリースしてデッキから剛翼(ごうよく)の翼イカロスを特殊召喚します!」

 

剛翼(ごうよく)の翼イカロス 光 天使 ☆9 A2900D1500

①一ターンに一度墓地の天使族を一体除外してフィールドのモンスターを一体選択して発動する。このターンのエンドフェイズまで選択したモンスターはこのカード以外の効果を受けない。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

「なんてカードだ!」

 

姫路はボマー·ニトロを魔法や罠などではなく強引に戦闘で突破する事を選択した。その性格とは打って変わってなんとも攻撃的なデュエルだ。

 

剛翼(ごうよく)の翼イカロスの効果を発動します。墓地のヘカテリスを除外してイカロスを対象とします!」

 

「こっちもむざむざやられる訳には行かない!リバースカード 自爆戦術FFFを発動!」

 

自爆戦術FFF 通常罠

①フィールドの『自爆』と名のついたモンスターを一体破壊して発動する。相手モンスター一体を破壊して自分は破壊したモンスターの攻撃力分を、相手は破壊したモンスターの攻撃力分の半分のダメージを受ける。

 

「俺は自爆王ボマー·キングを破壊。そして姫路さんのイカロスを破壊する!」

 

イカロスは効果が発動すれば驚異的な耐久を誇る。しかし効果が適用される前……つまりチェーンして何かを発動されたら無力なのだ。

 

「俺はボマー·キングの攻撃力2000を、姫路さんはイカロスの攻撃力の半分1450を受ける」

 

須川LP6500→4500

 

姫路LP4400→2950

 

「……やりますね。正直ここまで追い詰められると思っていませんでした」

 

「俺には負けられない……いや、負けてはならない理由があるからな」

 

「それが覗きなんて全然かっこよくないですよ!」

 

「ぐはぁ?!精神攻撃で俺を惑わす作戦か!?」

 

「正論だと思います!カードを一枚セットしてターンエンドです」

 

実はここはこのデュエルの正念場、ターニングポイントと言っていい。その理由は須川のモンスター__ボマー·ニトロにある。

 

「さぁ、姫路さんのエンドフェイズにボマー·ニトロの効果を発動!」

 

ここでコイントスで表が出たら姫路のフィールドにいるモンスター__聖天の天使ミカエルと強制的にバトルすることになる。そうなれば姫路はミカエルの攻撃力分のダメージを受け須川のターンにダイレクトアタックを受け敗北する。

 

「運命のコイントス!」

 

しかしデュエルにおいて古来からの伝わる謎の掟がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解説は死亡フラグだと。

 

出た目:裏

 

「なんでだぁぁーー!!」

 

須川LP4500→3100

 

つくづく須川は主人公にはなれないというもはや呪いに近いものを感じるだろう。

 

「どうやら運は私に味方しているようですね」

 

姫路

LP2950

手札1

伏せ1

フィールドミカエル、ヴァルハラ

 

「そ、そんなことは無いさ!ドロー。俺は手札から自爆霊ボマー·ヘドロを召喚する!」

 

自爆霊ボマー·ヘドロ 闇 アンデッド ☆4 A1800D0

①このカードが相手に戦闘ダメージを与えた場合相手の手札を一枚見ないで選択し、墓地に送る。

②このモンスターが後攻プレイヤーのターンエンド時フィールド上に存在する場合、必ずコイントスをしなければならない

表:カードを一枚引く

裏:手札を一枚捨てる。

 

攻撃力の高いモンスターをフィールドに出す。須川としてはこのターンに決めたいところ。

 

「バトル!自爆王ボマー·ニトロで聖天の天使ミカエルを攻撃!」

 

「させません!リバースカード ライオン·ハートを発動です!」

 

ライオン·ハート 通常罠

①自分のLPよりも低い攻撃力を持つ相手モンスターが攻撃宣言を行った時LPを半分払って発動できる。その攻撃を無効にし、攻撃したモンスターよりも攻撃力の低いモンスターを手札から特殊召喚する。

 

姫路LP2950→1475

 

「ボマー·ニトロの攻撃を無効にしてその攻撃力2800より攻撃力が低いモンスターを召喚します。天花の光ローズマリーを特殊召喚です!」

 

天花の光ローズマリー 光 天使 ☆8 A100D100

①このカードの召喚·特殊召喚に成功した時フィールドのモンスター一体を選択する。選択したモンスターの元々の攻撃力をこのカードに加える。

②このカードと戦闘を行うモンスターの効果はエンドフェイズまで無効になる。

 

「くそ!この期に及んでそんなモンスターが……!」

 

「ローズマリーは須川君のボマー·ニトロの攻撃力2800を加えて2900。さらにミカエルの効果で3200まで上昇します!」

 

ボマー·ニトロの攻撃が無効にされ今攻撃できるモンスターはいなくなった。

 

「……カードを一枚セットしてターンエンド」

 

須川

LP3100

手札1

伏せ1

フィールド ボマー·ニトロ、ボマー·ヘドロ

 

「私のターンです。ドロー。まだまだ行きます!魔法カード 進化の光を発動します!フィールドのミカエルをリリースしてデッキから究極天使アバロンを特殊召喚します!」

 

究極天使アバロン 光 天使 ☆10 A3000D1400

①一ターンに一度墓地の天使族モンスター一体を選択して発動する。そのモンスターを特殊召喚する。

②フィールドの天使族以外のモンスターは攻撃力が500ダウンする。

 

「進化の光の効果でもう特殊召喚は出来ませんが十分です!バトルフェイズ!ローズマリーでボマー·ニトロを攻撃!」

 

「くぅ!」

 

須川LP3100→2500

 

「アバロンでボマー·ヘドロを攻撃!」

 

「ぐぁぁーー!」

 

須川LP2500→800

 

「これでターンエン___」

 

「まだだ!その前にリバースカード発動!伸ばされた導火線!」

 

伸ばされた導火線 通常罠

①フィールドにモンスターがいない場合発動できる。墓地の『自爆』と名のついたモンスター一体を特殊召喚する。そのモンスターはこのターンのエンドフェイズにコイントスを行う。

 

「墓地のボマー·ニトロを特殊召喚!」

 

須川はこの状況でも諦めていなかった。その目にはまだ敗北の二文字は見えない。

 

「まだ戦いますか!」

 

「諦めが悪いのがFクラス男子の特徴だ。そしてエンドフェイズ時!ボマー·ニトロの効果を発動!この表裏で本当にこのデュエルの勝者が決まる!運命の!コイントス!」

 

今日何度目かのコイントス。須川はそのどれよりも心を込めてコインを弾いた。自分の勝利を願って。自分の進むべき道が正しいと証明するために。そんな須川の期待に応えるようにコインはその運命を決めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出た目:裏

 

「なんでだそうなるんだーーー!!!」

 

須川LP800→0

 

やはり悪は滅びる。そう証明したかのようにコインは須川を裏切った。

 

「……あno」

 

「流石姫路さんだ。俺には到底勝てる相手じゃ無かった!」

 

「いえ、その……」

 

「敗者は大人しく補習室に向かうよ!じゃあね姫路さん!」

 

その場を逃げるように足早に姿をけした須川。なんとも後味の悪いデュエルとなった。

 

「………何故か腑に落ちません!」




今回の須川のデッキのテーマ『自爆』を提案してくれたのは『孤高の牛』さんです。須川のデッキは全然思いつかなかったので非常に助かりました!

そして姫路が使った進化の光は『アクアマン』さんの提案されたカードです!色々考えたら姫路に使わせるのが1番だと思いました。

お二人共素敵な提案ありがとうございました!


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