SRWXX〜Legend of Kaiser〜 (BLACKRX)
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日常を謳歌するカイザー
始まりのカイザー


カイザー熱が再び火を吹き替えしたので勢いで書いて見ました。

ここではオリジナル設定で一夏=シローになってます。


「よろしくな、シローくん……私は織斑千冬、君の新しい家族だ」

 

それは突然の出来事だった、俺はまだ小さい頃……おじいちゃんと兄貴が行方不明になったことが告げられた、そして俺は新しい家族となった織斑さんのところでお世話になることになった。

 

「シローくん、すまないが……君は今日から織斑一夏だ」

 

そして、それと同時に俺の名前は兜シローから織斑一夏になった……なんで急に名前を変えられたのか今でもその理由は分からない、だがそれが何故か必要なことだと言うことが頭ではなく心で理解していた。

 

「千冬姉、ご飯できたよ」

 

「ありがとう、一夏……朝からこんなに食えんぞ」

 

「何言ってるの?千冬姉、朝はしっかり食べないともたないよ」

 

それから数年、俺は義父と義母が失踪したり俺が誘拐される事件が起きたりしたがなんとか無事に過ごしている。

 

「それもそうか、ところで一夏……今日は高校受験だったな」

 

「そうだよ」

 

「頑張れよ、お前がなりたいと思った夢を叶えにいくといい」

 

「ありがとう、千冬姉!」

 

今日は俺の高校受験だ、受ける高校は藍越学園……俺はバイクに跨りヘルメットを被り千冬姉に手を振った後にエンジンをふかして家を出る。

 

「ここが受験会場だっけな、さて……」

 

暫くバイクを走らせていると受験会場の駐車場を見つけてそのまま停めて会場内に入る。

 

「なんだ、寒気が……」

 

会場内に入ると不思議な雰囲気を感じた、なんというか……誰かに見られてる?

 

「はっ……誰だ‼︎」

 

「ほう、流石は兜家の血を引くもの……吾輩の気配に気づくとはな」

 

「なんだ!お前は⁉︎うえ、首がない⁉︎」

 

俺は後ろから視線を感じたのでそう尋ねると頭を片手に抱えた変な男がいた。

 

「さて、兜シロー‼︎お前には死んで貰う‼︎行け!鉄仮面!」

 

「なんだがよく分からないけど!ここは逃げるに限る!」

 

すると男は周りに変な連中を呼び出すと俺に向かって襲わせる、俺はそれらを見て分が悪いと思い逃げる。

 

「待て!逃すか⁉︎ってはや⁉︎」

 

はっ!100メール走10秒を切る俺の走りにそう簡単に追いつけると思うなよ‼︎‼︎

 

「な、ここは倉庫か⁉︎」

 

俺は無我夢中に走ってるといつのまにかISの倉庫にたどり着いていた。IS……通称インフィニット・ストラトス、元々は宇宙用に作られたパワードスーツなのだが重大な欠点があり女性しか扱えない、そのせいか今は女尊男卑の象徴たる存在となってる。

 

「とりあえず、隠れるか……」

 

俺は男だからIS倉庫に隠れるとは思うまい、と俺がISに触れた直後だった。突然頭の中に大量の情報が流れ込んだので膝をつく。何が起きたんだ?と考えながら目の前を見るとISが動いていた。

 

「冗談はよしてくれよな。だがラッキーだ……丁度武装もされてるし奴らを追い返せるかも!」

 

俺はIS、打鉄弍式に乗り込むとパッケージからライフル二丁を呼び出して入り口に向かって銃を構える。

 

「あ、あいつISに乗ってるぞ⁉︎」

 

「な、なんだと⁉︎」

 

「良くも追いかけ回してくれたな!お返しだ!」

 

俺は奴らがIS倉庫に乗り込んで来た直後に引き金を引き目の前に立っていた仮面をつけた軍団に向かって攻撃する。俺は奴らを一掃するとふうとため息をつく。

 

「た、助かった……ん?揺れ?」

 

だが、その直後に地面から揺れを感じて俺は急いで上空に飛び上がる。

 

「油断したな!兜シロー!行け!機械獣!ダブラスM2‼︎‼︎」

 

「ライフルが効かない⁉︎うお⁉︎」

 

俺は手持ちのライフルで応戦するが奴の装甲に傷一つつけられず、更にはビーム攻撃を喰らいISの腕部分が溶け落ちる。

 

「なんて威力だ……ISの絶対防御を貫通してくるなんて⁉︎」

 

「所詮、ISはその程度よ!ダブラスM2の前に散れ‼︎兜シロー‼︎」

 

「こんなところで死ねるかよ‼︎こなくそぉぉぉ‼︎‼︎」

 

俺はビームを躱すとそのまみダブラスM2に向かって突っ込み、機械獣の土手っ腹に至近距離からライフルを撃つ、だが……

 

「ごふ⁉︎」

 

蹴り飛ばされてしまい、俺は地面に倒れる……ダブラスM2と呼ばれる機械獣がとどめを刺そうとこちらに目を向けてくる。俺は受け入れるつもりは無く抵抗しようとするが機体が動かない、こんなところで終われるか⁉︎俺はまだ生きたいと心に思った時だった、突然地面が揺れ……そこから謎のパワードスーツが現れたからだ。

 

「な、マジンガーZ⁉︎だが姿形が違う⁉︎別物か?」

 

マジンガーZ?否‼︎‼︎こいつはマジンガーZじゃない‼︎‼︎俺は知ってる、こいつの‼︎‼︎こいつの名前を‼︎‼︎

 

「マジンガーを超えたマジンガー‼︎‼︎マジンカイザァァァァァァァァァ‼︎‼︎‼︎‼︎」

 

俺は大声でそう叫ぶと同時にISから出てマジンカイザーに触れる、すると身体は吸収されるように消え意識がマジンカイザーの中に吸い込まれる感じがした。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎‼︎‼︎パイルダァァァァァァ‼︎‼︎オォォォォン‼︎‼︎」

 

そして、俺は気がつくとマジンカイザーと一体化しており俺は自身の手や足を見る、体が鋼鉄のボディになっており体の底から力を感じていた。

 

「なっ、なんだ⁉︎マジンカイザー⁉︎」

 

首なし野郎はマジンカイザーを見て驚きの声を上げていた?

 

「行くぞ!首なしィィィィ‼︎‼︎ターボスマッシャァァァァァァ‼︎‼︎パァァァァンチ‼︎‼︎」

 

「ダブラスM2よ!応戦しろ‼︎」

 

俺はそんな動揺してる首なし野郎は放っておいて目の前にいるダブラスM2に攻撃する。

 

「ダブラスM2が……そんなバカな⁉︎」

 

ダブラスM2は土手っ腹に風穴が開きそのまま爆発する、それを見た首なし伯爵はその爆発に乗じて逃げる。

 

「待ちやがれ!ぐっ……」

 

俺はその後を追おうとしたが突然、身体が重くなり疲労感に襲われた。その直後……俺はカイザーから弾き飛ばされて地面を転がる。

 

「な、なんだ……ってあれ?カイザーは?」

 

俺は先ほどカイザーが佇んでいた場所を見つめるとそこにはZの形をしたペンダントが落ちていた、俺はそれを拾い上げるとそれを首に掛ける。

 

「おい!そこの男!この被害はなんだ⁉︎事情を話して貰おうか‼︎」

 

その直後、俺はIS国際委員会に捕まった……色々と質問を受けた後にIS適性があることが判明、IS学園に編入されることに決まった。

 

「くそ……ハーレムモノはあまり好きじゃないんだけどな」

 

そして、俺はとある教室にいる……家の中、散らかってないか心配だがそんな暇は無かった。

 

「とりあえず、ウチに帰りたい……帰りたいよぉ……」

 

「織斑くん?織斑くん?」

 

俺はそんなことを嘆いていると名前を呼ばれたので顔を上げるとそこにはどでかい乳が目の前にあった。

 

「うお⁉︎」

 

それを見た俺は驚いて後ろに倒れてしまう、すると周りから笑われてしまうが男の性なので仕方ないと思いゴホンと咳き込んだ後に立ち上がる。

 

「織斑一夏です、趣味は特になくて、特技は料理です、よろしくお願いします」

 

俺はそう答えるとまた机の上に突っぷしてまた呪詛を唱える、早くウチに帰りたいと……

 

「そこまでしてウチに帰りたいのか、お前は……」

 

そう呪詛を唱えているとここで働いている千冬姉が俺にそう話しかけてきた、俺はその声を聴くと顔を上げて千冬姉を見る。

 

「千冬姉、帰りたいよ」

 

「ここでは織斑先生と呼べ」

 

「職場で凛々しくあろうとしても無駄だぞ〜、データは全部我が手持ちのUSBの中なのだからな」

 

「……」

 

「……」

 

俺と千冬姉はそう会話すると俺の頭部に出席簿が迫ってきた、俺はそれを躱すと誰かの席に立ち構えを取る。

 

「バラしたら分かってるな?」

 

「HAHAHAHA!分かってるさ‼︎とりあえず終わったらウチに帰らせてもらう?オーケー?」

 

「OK‼︎」

 

その千冬姉の言葉を合図に命知らずデスゲームが始まった、周りの生徒はただ俺と千冬姉の喧嘩騒動を目を点にして見ていた、こうして俺の学園生活は始まった。




感想、アドバイス、お待ちしております。


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学園生活のカイザー

少しキャラ崩壊を通り越してやばいことになってる、ちとタグ編集してきます(完全にギャグ回となってしまった)

あとヒロインは未定です、もう一度言います!ヒロインは未定です。

あと選択肢に関してはパワポケと巨影都市を参考にしました。

次回は普通にやります。


とまぁ、初日から大波乱から始まった学園生活……周りの椅子や机が大破してるのは気のせいだ、俺と千冬姉が暴れて粉々にぶっ壊れて授業に支障をきたしたとか俺は知らん!知らんぞ!

 

「ちょっと、そこの人!よろしいかしら?」

 

俺は復習がてらに、どこかの書店で買った男子でもわかる!IS説明書!(教科書よりも断然分かりやすい)を読んでいると後ろから金髪ドリルツインテールが話しかけてきた、俺は……

 

A どちら様でしょうか?

 

B うわ、パツキンドリルツインテールだ!リアルにいるなんてすげ〜⁉︎

 

頭の中に二つの選択肢が浮かんできたので迷わずBを選択した。

 

「うわ⁉︎パツキンドリルツインテールだ!リアルにいるなんてすげ〜⁉︎穴でも掘るのかな?頑張れ!」

 

こう言った時、周りの空気がビシッと凍り付いた……特に金髪ドリルツインテールの表情は一言では表せない表情をしていた、くそ……選択ミスったかな。

 

「貴方、バカにしてますの?」

 

やべぇ、声のトーンがガチだ……こ、こういう時は……

 

A そ、そんなことないです

 

B はん、事実を言ったまでだ

 

C そんなことないです〜、自意識過剰すぎませんか〜?(煽り口調)

 

おい〜!まてぇぇ!なんか変な選択肢があるゥゥゥゥ‼︎こういう時は……Aを選択……

 

「そんなことないでぶ〜、自意識過剰すぎませんかでぶ〜?(煽り口調)」

 

おい!誰だ!俺の選択肢を勝手に変えたやつは‼︎俺の!俺の命が!イエローシグナルを発してるぞ!あとなんで語尾にでぶ〜をつけた‼︎‼︎ふざけてるのか‼︎ちくしょぉぉぉう‼︎‼︎

 

「……あなたを完膚なきまでに潰す、今すぐ表に出ろやぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎‼︎」

 

「暴力反対!ここは和平的な話し合いを!」

 

「無理です☆ブルーティアーズ」

 

ですよね〜、ISを教室内で使うなど反則だろぉぉぉぉぉ‼︎‼︎くっ、これはデッドラインだ!今すぐ逃げるんだよぉぉぉぉぉぉ‼︎‼︎

 

「おい、織斑……貴様、何かやらかしたな」

 

「……はい」

 

「まさか、教室を完☆全☆粉☆砕をするのは想定外だ……オルコット、教室内でISを使うな……こいつはISの攻撃を軽々と避ける、撃つだけ無駄だ」

 

「はい」

 

「オルコットさん、煽ってしまって……ごめんなさい…」

 

「非を認めるのはいいことですわ、今後こんなことはしないでくださいね」

 

しばらくして織斑先生がきて事態は沈静化、とりあえず煽り過ぎたんだなと思い素直に謝るものの、典程的なお嬢様キャラのせいかボッコボコにしたい。

 

「さて、仲直りしたところでクラス代表を決める……尚、立候補者がいるならそいつを優先するから」

 

「はい!やります!」

 

俺は立ち上がって立候補する、そうすればあの女は推薦で選ばれると思ってるのだろうがそうはちがう、推薦は確実に俺に回るなら立候補するに限る、てか一度クラス委員とかやりたかったわけだし。

 

「む?やる気満々だな、織斑……誰もいないようならこれで決まるが?」

 

「待ってください!私も立候補しますわ!」

 

そして俺の狙い通りに食いついた、さてここでかけるべき言葉はもう簡単だ。

 

「こいでぶ〜、没落貴族のお嬢さん、それともこう言ったらいいのかな?ひとりぼっちのセシリア?」

 

煽ればいい、煽れば煽るほど俺が不利になり勝った時に色々と有利になる、ハンデあり無しとは言わせねぇ!

 

「貴方、私を侮辱してますの?」

 

「もちろん、それ以外に何があると?」

 

「まぁ、いいですわ!ハンデを差し上げますわ」

 

「いらねえ、それよりお前はいるのか?」

 

「何を言ってますの?いらないな決まってますわ!」

 

「よろしい!ならば戦争だ!かかって来いやぁぁぁ‼︎‼︎」

 

俺とオルコットはお互いに一触即発状態になった時だった、パンと手を叩く音が聞こえたのでその方向を見ると千冬姉が笑顔で俺たち二人を見つめていた。

 

「分かった、尚勝負の内容はIS競技!シールドエネルギーが底を突いたら終了で構わないな?」

 

「OK」

 

「構いませんわ」

 

「では、一週間後の第一アリーナにて行う!いいな!」

 

こうして一週間後、アリーナにて戦うことになった……編入初日から何やってんだろう、わい……と思いながら屋上で黄昏ていると同じように黄昏てる水色髪の少女がいた。

 

「……」

 

眼鏡が似合ってる小動物系の女の子ってなんかいいな……と思いながらそう見つめていると少女はこちらの視線に気づいたのか驚いた顔をした後に睨み顔になる。

 

「え?」

 

それを見た俺はな、何かしたのかな?と思い動揺していると少女はこちらに近づいてビンタをかましてきた。

 

「え?」

 

俺は何が起きたか一瞬分からなかったが、彼女の瞳から涙が出ていたのでそれを見た俺はその手を握っていた。

 

「はっ……ご、ごめんなさい」

 

「いや、いいよ……なんか学園の女子から嫌われるようなことしたしさ、ビンタぐらいされても文句言えないと思うし」

 

少女は俺に握られて目が覚めたのかそう言う。俺はなんでこんなことをしたのか気になったが彼女にも事情があることを悟ったために聞かない。

 

「そうなんだ、私は知らなかったけど……」

 

「そうなんだ、あっ!俺はかぶ……じゃなかった、織斑一夏、気軽に一夏って呼んでくれ」

 

「更識簪」

 

俺は更識さんと自己紹介した後、千冬姉に呼ばれていたことを思い出す。

 

「織斑先生に呼ばれてることを思い出したから、更識さん、またね!」

 

俺はそう言って彼女に手を振りながらそう言って千冬姉の元へと向かう、さっきの子可愛かったな……うん、好みだ。

 

「放課後呼んでたのに何やってたんだ〜‼︎」

 

「は、はらパン⁉︎」

 

その後、俺は千冬姉に鳩尾を正確に殴られ空中を一回転してから地面に倒れる。

 

「さて、遅れた理由は後で聞くとして……ほら車に乗れ」

 

「お、おう……」

 

その後、俺は千冬姉と共に家に帰り身支度をする……その中にはアニキとおじいちゃんが写ってる写真もだ、あとパソコンも持って行こう。

 

「ふう、着替えも積み込んだしあとは……これか……」

 

そして、だいたい準備を終えた後に俺は衣装ケースを開けて中からある服を取り出す、それはバイクのヘルメットだ……アニキが良くつけてた。俺もそのヘルメットを付けてみると少しぶかぶかだなと思った。

 

「準備は終わったか?シローくん?」

 

「終わったよ、織斑さん……」

 

「では、行くか……」

 

俺はヘルメットを外して纏めた荷物を持つと千冬姉の後を追い車に乗る、今日は少し色々あったけど楽しかった。

 

「とりあえず、煽り過ぎたかな……そこは反省しないと。さて、こいつの見せ所かな?」

 

俺は手に持つZの形をしたペンダントを見つめるとそう呟いた。このペンダントには二つの機体が入ってる。一つはマジンカイザー、もう一つは……そこは隠しておこうか、こうして俺の一日目は幕を下ろした筈だった。

 

「同室の篠ノ之箒だ、よろしくたの……」

 

「……オワタ」

 

同室が女子とは聞いてねぇぞゴラァ‼︎‼︎そこは普通一人部屋だろうがよォォォォォ‼︎‼︎と心の中で突っ込むと同時に俺はドアを閉めて逃亡した、こうしてさらに俺の評判は地へと落ちたのだった。

 




感想、アドバイス……よろしくおねがいします。
(追記 作者に文才はあまりありません)


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もう一人の転校生現る‼︎模擬戦のカイザー‼︎‼︎

3話ぁぁぁ!

投稿‼︎

このペースが続いてくれることを願う。


翌日……食堂にて、俺は箒に嬲り殺されそうになったがなんとか無事に明日を迎えることができた。あと窓際のところはなんとか譲って貰えた。

 

「にしても箒も同じクラスだったとはな、話しかけても良かったろうに?」

 

「いや、なんとなくだがお前の邪魔してはならないと思ってな、それに……あの状況で話しかけろというのが無理だろう?」

 

「そりゃそうか、教室が修理されるぐらいの事態になってるしな……」

 

とまぁ、こんな具合で箒と世間話しているのだが……周りの視線が痛い!痛い!てか周りからは女の敵とか認識されてるし曲解されまくってる気がする。

 

「大丈夫か?というか周りから視線が痛いのはほぼお前のせいだろ?」

 

「そう言われると何も言い返せません」

 

俺は箒にそう言われた後に朝食を食べ終わる。とりあえずめちゃくちゃ美味しかった……満足満足。

 

「さて、先に行ってるわ」

 

「いや、私ももうすぐ食べ終わるから待っててくれ」

 

「オーケー」

 

俺はそう答えるとオレンジジュースを取りに向かう。

 

「代表候補生と戦うんでしょ?教えましょうか?」

 

その途中にある女子に絡まれるが俺はそれらを無視してオレンジジュースを取りグビッと一飲みして元の席に戻ろうと歩く。

 

「ちょっと!無視しないで!」

 

「はぁ……」

 

俺はため息を吐いた後にシャフ度を行い、こう答える。

 

「すみません、適任者がいるので大丈夫です」

 

俺はそのまま立ち去ると少女はポカーンとこちらを見つめる、俺は席に戻るとどうやら箒は食べ終わっていたらしく俺は鞄を取る。

 

「じゃあ、行こうか」

 

「ああ」

 

こうして先に俺と箒は一足先に教室へと向かう、教室前に着くとなにやら騒がしい……すると三組の教室に一人の男子が一人の女子生徒と共に入っていくのが見えた。

 

「新しい転校生か?どう思ういち……ん?どうした、一夏?」

 

「……」

 

それを見た俺は少しだけ冷や汗をかいた、なんというかアイツから感じるオーラは別格だったからだ。少なくともあのセシリア・オルコットという代表候補生では到底敵わない……それぐらいの強さを感じた。

 

「一夏!一夏!」

 

「はっ……」

 

「大丈夫か?」

 

「ああ、大丈夫……教室に入ろう」

 

俺は箒に何度も呼ばれたことではっとなり、そう答えると教室に入る。

 

先ほど感じたのはなんだ?とんでもなくやばい予感しかしない……俺を襲ってきた鉄仮面の謎集団といい、先ほど感じたヤバイオーラといい……何が起ころうとしてるんだ。

 

俺はそんなことを考えつつも授業を受け終えて帰る準備をする。すると突然教室の扉が開きそこから一人の男が入ってくる、それは今朝見たあの転校生だった。

 

「よお、お前が……兜シローか?」

 

「……こら!海道ちゅう……海道くん!違います!今の彼は織斑一夏ですよ‼︎」

 

「どっちでもかわらねぇよ!おいこい!」

 

「お助け〜」

 

「待て!一夏!今、助けるぞ!」

 

俺は突然首根っこを掴まれるとそのままその転校生に連行されアリーナまで連れてこられてしまった、箒も後を追って来た。

 

「パイルダー!オン!」

 

するとその転校生はカイザーに似た機体を呼び出して一体化した。

 

「さぁ、戦ってもらうぜ?お前の実力見せてもらおうかァァァァァァ‼︎‼︎」

 

「勝てる気がしないけどやるしかねぇ!パイルダァァァァァァ‼︎‼︎オォォォォォォン‼︎‼︎」

 

彼はそう言って腰に携えてある刀を抜いて振り下ろしてくる。それを見た俺は戦うしかないと思い、カイザーをその身に宿し応戦する。

 

「ぐっ……」

 

「オラオラ!どうした?なにもできないのか?ああ⁉︎」

 

だが、今朝感じた寒気は気のせいではなかった……こいつは飛びっきり強い、今の俺ではやられないようにするだけで精一杯だろう。

 

「だが、やるしかねぇ‼︎‼︎ショルダァァァァァァスライサァァァァァァ‼︎‼︎」

 

 

たが、それでもやるしかない……俺は右肩からカイザーブレードことショルダースライサーを出して相手の刀と打ち合い鍔迫り合いになる。

 

「ちょっとはできるじゃねぇか‼︎‼︎しかもその動き、どこかで実戦向きの剣術を習ってたな!」

 

「ぐっ……」

 

だが、それでも相手の方が実力が上なので俺は押し出され体勢を崩されて地面に倒れる。相手は俺に一撃を入れようと襲い掛かってくる。

 

「光子力ビィィィム‼︎‼︎」

 

「なに⁉︎ちっ……」

 

俺はその隙を待っていたので光子力ビームを放つ。だが奴はそれを剣で防ぐ。

 

「取った!おりゃあ!」

 

俺はその隙を突いてショルダースライサーで斬り裂こうとした直後だった。

 

「は?」

 

奴は剣を捨て、その一撃を躱し距離を取り胸のブレスト部分を外して構えを取る……その動きはまるで別人のようだった。

 

「さぁ?どこを撃ち抜かれたい?手か?足か?リクエストにお答えしよう?」

 

ついでに言うと声も性格も変わった、こいつもさっきと同じぐらいに只者ではないオーラが流れてる。

 

「光子力ビ……」

 

「時間切れだ」

 

俺は真っ先に光子力ビームを撃ち近づいて斬り裂こうとした時だった、彼は先に牽制攻撃を仕掛けてくる。一発一発の威力は大したことはないがそれでも正確にこちらを撃ち抜いてくる。

 

「ぐっ…うぉぉぉぉ‼︎‼︎」

 

俺は何も出来ず耐えることしか出来ない、だが……俺は前に一歩足を進めた。

 

「ほう、近づこうとは…さすがはカイザーだな、だが……」

 

だが、彼はそれを見越してか足元に攻撃を集中し始め、バランスを崩した俺は地面に膝をつく。

 

「光子力‼︎‼︎ビィィィム‼︎‼︎」

 

俺は奴が足元に攻撃を集中させたのを確認すると目から光子力ビームを放つ。完全な直撃コース!勝った!とそう思った時だった。

 

「狙い所は良かった、だが……」

 

奴はそれをぐるっと躱し俺に近くそして俺の目の前に銃を突きつけて来た。

 

「俺の勝ちだ、まだまだだな」

 

俺は素直に敗北を認めることしかできなかった。実力差を考えれば至極当然のことのように思えた。だが……俺はまだ負けてないと思った。

 

「ファイヤァァァァァァァ‼︎‼︎ブラスタァァァァァァ‼︎‼︎」

 

「何⁉︎」

 

だから俺は地面に向けてファイヤーブラスターを放つ、そして大爆発を起こしお互いに距離が離れる、だが……

 

「ぐっ……」

 

そこで俺は時間切れが来てしまう、カイザーを操るために編入してから身体を鍛えなおし、何度も乗って制限時間を伸ばしてきたが……ここでくるとは思っていなかった。

 

「く、くそ……」

 

俺はそう呟くとカイザーは光り輝いて消える、俺が最後に見たのは迫るカイザーの姿だけだった。

 

「ここは……」

 

目を覚ますと俺は病室にいた、そこで色々と思い出した後に周りを見ると先ほど戦ってた男子生徒がいた。

 

「よお、起きたか?」

 

「見ればわかるだろう?」

 

そう返すと彼は少しだけ笑った。その顔は少し怖かったがとりあえず悪い人ではないことはわかった。

 

「そりゃそうか……今、ここの監視カメラとか色々と無力化してるから確認したいことがある。お前は兜シローか?」

 

「そうだよ」

 

突然、笑い終わると真面目トーンになりそう尋ねてきたのでそう返す……彼は少し考えた後に手紙を俺に手渡してきた。

 

「ほれ、お前当ての手紙だよ……これだけを渡すためだけに来たんだ、またな」

 

彼はそう言って手を振りながら病室を出て行った。俺はポカーンとその後ろ姿を眺めていたが、手紙の内容が気になり中身を開ける。

 

「科学要塞研究所所長 兜剣造?」

 

中に入ってたのはある人からの手紙だった、俺は中身を出すとそこには明日、会いたいという一文だけだった……その後、箒に心配されたり色々あった後に俺は千冬姉にこの手紙を見せに職員室に来ていた。

 

「というわけで千冬姉、行っていいかな?」

 

「ああ、行くといい……外出許可はだしておく」

 

「ありがとう、織斑先生」

 

俺は千冬姉にそう伝えると外出許可を貰い、その人に会いに行くことになった、それが実の父親と再会することになるとは知らずに……




感想、アドバイス、お待ちしております。


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親と子!再会のカイザー!

4話!次回!セシリア対一夏!


「ここが科学要塞研究所?」

 

カイザー同士の模擬戦から翌日、俺は熱海にあると思われる科学要塞研究所に向かっていた。そして俺は地図にある道なりに沿って歩いているとたどり着いた。

 

「なんか物騒な形をしてるな……」

 

俺はそう呟いていると突然、目の前に金髪美女が現れる。

 

「生体反応確認、照合……兜シロー様でよろしいでしょうか?」

 

「は、はい?そうですが?」

 

「どうぞ、こちらへ……剣蔵博士がお待ちです」

 

その金髪美女は俺をジロジロと眺めた後にそう尋ねてきたので、俺はそう答えると金髪美女はそう言って研究所の中へ入り、俺もその後を追って研究所に入る。

 

「すごい、中はこうなってるのか……」

 

俺は研究所に入ると色々なパワードスーツがあり、どれもデザインがカッコよかった、俺は眼を輝かせながらそれらを見ていると金髪美女がこっちだと言ってエレベーターに乗せる。

 

「この部屋だ、入れ」

 

エレベーターから降りて暫く歩くとある部屋の前に辿り着く。その部屋の前にはプレートがあり、所長室と書かれていた。

 

「ここか……失礼します」

 

俺は扉を開けるとそこには一人の男性が椅子に座っていた、俺はその人を見て確信した、この人が俺に手紙を送った人物でありそして……

 

「父さん……久しぶりだね、生きてたんだ」

 

俺の父親、兜剣造博士その人なのだと……椅子に座ってる人物は椅子から立ち上がり俺の前に立つ。

 

「久しぶりだな、シロー……大きくなったな」

 

「父さん‼︎」

 

その言葉を聞いた俺は父親に抱きついて再会を喜ぶ。父さんは俺の頭を撫でる。

 

「シロー、学校はどうだ?色々とやりにくいとは思うが」

 

「うん、割と大変かな……初日から大騒動起こしちゃったし」

 

「そうか、だが……その方が色濃く学園生活の記憶が残るだろう、正直羨ましいよ」

 

俺と父さんは近くの席に座ると色々と話をする。そして気になっていたことを尋ねた。それは前々から気になっていることだった。

 

「父さん、教えてくれ……兄貴とおじいちゃんは今、どこにいるの?」

 

「……」

 

それを聞いた父さんは少し黙った後に口を開けてこう告げた。

 

「お父さんと甲児は……ミケーネにつかまり終焉の魔神になろうとしている」

 

「終焉の魔神……」

 

俺はそう呟くと父さんはあるデータを見せた。それにはマジンガーZと書かれたパワードスーツの設計図と戦闘データだった、しかもそれは十年前、俺が引き取られる前のものだった……それを見た俺は十年も前からこのような激闘が繰り広げられているのかと少し怖く感じた。

 

「このマジンガーZはある日を境にある反応をするようになった。幸いにもその力はゴッドスクランダーにより止められていて、ドクターヘル一味との戦いはなんとか乗り切った、だが……」

 

すると父さんはある日付けのデータを見せる、それは俺が引き取られる日に起きた出来事でもあり白騎士事件と呼ばれる事件が起きた日でもあった。

 

「その日、甲児はある機体の設計図と父が作った超合金Zを超え、私の作った超合金ニューZを超えた超合金ニューZαを作ったその直後だった、ミケーネがフランスのパリに現れたからだ。甲児は修理、改修したマジンガーZを使って戦うが劣勢になっていく。ほぼ同時に世界各国がミサイルをミケーネに向けて攻撃しようとしたが、その前にハッキングされ目標を変えられてしまう、だがそれは白騎士と呼ばれるISの手によって防がれた、だが……」

 

父さんはそう言うとある映像を見せる、それはマジンガーZからゴッドスクランダーが外されてある姿へと変えたからだ。そして白い騎士のようなISと交戦する。だが白い騎士のようなISは大破し仮面が剥がれ落ち人の顔が見えそうになったがその前にどこかへ放り投げられる。

 

「この時、白騎士は大破……世界各国のミサイルを撃ち落とした白騎士といえど相手にならなかった。がゴッドスクランダーを強制装着させることで事態は沈静化した、そしてこのことは核ミサイルが落ちたという体にして事態を沈静化し、また白騎士のおかげでマジンガーについての情報は伏せられた、世界情勢は一変したがそれは誤差範囲内と言える、とりあえず終焉の魔神については黙らせることができた」

 

父さんはそう説明し終えるとあるものを手渡して来た、それはペンダントの形に良く似ていたが細部が異なっていた。

 

「これは性能をオミットし、武装を増やしたマジンガーZだ……学園生活を送る上で身を守るための手段は必要不可欠だ、専用のISみたいなもので考えて平気だ」

 

そして俺は父さんからその機体を貰う、すると突然俺の頭を撫でて来た。

 

「シロー、すまなかった……生きていたことを隠しそして父とお前の兄について黙ってしまっていた。それと父親失格なのに父さんと呼んでくれてありがとう」

 

「当たり前だよ、父さんは父さんだよ!誰でもない、兜兄弟の父さんだよ!」

 

それを聞いた俺は目から涙を浮かべながらこう答える、父さんは笑顔を浮かべてこう言った。

 

「また会おう、シロー……」

 

それを聞いた俺は研究所を出る、出る際に誰かに見られてた気がしたが気のせいだと思い、そのまま後にでるのだった。

 

出るときにふと俺はここで作業してる人たちから父さんの気配を感じ取ったが、気のせいだと思いそとに出てIS学園へと戻った。まぁ……その後はみっちり千冬姉に色々と今日あった授業についての簡単な復習ノートが渡されて俺はそれを復習した。その後の代表候補生を決める戦いまでの間は普通に学園生活を過ごしてついに当日を迎えた。

 

「織斑、負けたら私は許さないぞ」

 

「分かってるよ、千冬姉……じゃなかった、織斑先生」

 

「監視カメラは切ってある、ところで兜博士と何を話したんだ?」

 

「終焉の魔神のことやミケーネについての話を。映像を介して話されて、それと白騎士事件の真実についても……」

 

「ならば話は早い、お前に専用機が届いてる……お前は二機専用機持ちとなったわけだ、マジンガーZについては登録済みだから安心しろ」

 

「ありがとう、千冬姉……じゃあ、行ってくるよ」

 

俺は千冬姉とそう話をすると灰色のISに乗り込む、すると突然オミットされたマジンガーZの待機状態が光りだして融合する。

 

「グレートマジンガー、それがお前の名前か……」

 

そして頭の中にマジンガーZ、並びにマジンカイザーとは違う姿が頭の中に浮かぶ。俺は灰色のISを空に飛ばすと同時にこう叫ぶ。

 

「スクランブルダァァァァァッシュ‼︎‼︎」

 

そして灰色のISは輝きだして姿を変える。その名は!その名は!

 

「聞いて驚け!我が名はグレート!グレートマジンガー!偉大な勇者だ‼︎‼︎」

 

グレートマジンガー、マジンガーZと灰色のISが融合した空を飛ぶことを前提にパワーアップしたマジンガーの新たなる姿だ。

 

「待っていましたわ、織斑一夏……」

 

「いくぞ、セシリア!マジンガーブレード!」

 

俺はその声を聞きくとライフルを構えたセシリアと向き合い、手にマジンガーブレードを構えて突撃する、こうして戦いの火蓋が切って落とされるのだった。

 

ーーーー☆

 

とある研究所にて……

 

「カイザーとは融合しないか……まだ、中にいる魂はいっくんのことは認めてないみたいだね」

 

「そのようだな。だが……想定内とも言える」

 

ひとりの女性がお菓子を食べながらある人と連絡していた、その人物は兜剣造博士だった。

 

「そうだね。さてミケーネが何も動きを見せないのは不穏だけど……何か掴んでますか?博士?」

 

「いや、こちらは何もだ……君の方は?」

 

「特に無いかな、じゃあ報告はこれぐらいにして……試合観戦しましょうか」

 

「そうだな、不完全なカイザーとは言え海道くんと互角に戦えたシローを応援するか」

 

そして二人の科学者は画面を見る。勝つのはどちらかなんてのは二人には見えてるのだから。

 

 




感想、アドバイス……よろしくお願いしゃす!


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グレート対ティアーズ!クラス代表のカイザー!

なんか、単体でやると言ったな……

あれば嘘だ。


「いくぞ!セシリア!マジンガーブレード!」

 

俺はセシリアと戦いを始めるためにマジンガーブレードを構える、その後武装を確認すると現状使えるのは【三本】の剣のみ……だが、うち一本は名前が無い拡張領域の中の武器のため、多分奥の手だと考えられる。

 

「踊りなさい!ブルーティアーズのワルツで‼︎」

 

「はん!ワルツよりもロックの方がいいぜ!」

 

そう考えていると彼女のISについてる羽が四つ外れてビット攻撃を仕掛けてくる。俺はそれらの初撃を躱すとマジンガーブレードをもう一本取り出してぶん投げる。

 

「なっ……きゃあ⁉︎」

 

彼女はマジンガーブレードが迫ってきたことに驚きながら躱す、その間ビット攻撃が止んだ、どうやら予測が当たったようだ、彼女はビット兵器を操る間はISをコントロールできない、つまりビットを展開してる間は素人である俺にも勝ち目はあるということだ。

 

「出来ても後一回ってところか……」

 

だが、それは俺にもリスクは伴う……何故なら俺の飛び道具はマジンガーブレードしか無いからだ、しかも一本使ったから残り一回しか使えない、さて根気勝負のはじまりだな。

 

「くっ……私を甘く見ないで!行きなさい!ティアーズ!」

 

「さて、行くか……」

 

俺は地面に着地した後に急いでスクランブルダッシュの推力を上げて地上を這いずるように飛びながら躱していき、彼女はグレートマジンガーの動きに驚きながらも攻撃を繰り出し続ける。

 

「ぐっ……スクランブルダッシュを掠ったか、俺の動きが読まれつつあるな」

 

だが、流石に相手も慣れてきて集中されて来たのか俺の動きが読まれ始め被弾する。

 

「捉えた!行きなさい!ティアーズ!」

 

「この瞬間を待っていた!」

 

そしてティアーズの動きが俺を完璧に捉えて勝利を確信したのを確認すると急いで機体を反転させる。多大なGが俺に掛かるがなんとか体制を立て直して手に持ってたもう一本のマジンガーブレードを投げつける。

 

「はっ……きゃあ⁉︎」

 

「捉えた、いくぞ!」

 

俺はマジンガーブレードとは違う刀を拡張領域から取り出すとそのままの速度を維持しながら斬りかかる。

 

「私を甘く見ないでくださる‼︎‼︎」

 

「なに⁉︎」

 

だが、その直後に数多のミサイルが直撃すると同時にある武装ロックの解除音が聞こえ、更にこう聞こえて来た。

 

【ファーストシフト終了……零落白夜並びに魔神パワー解除】

 

すると目の前に出てた煙が晴れる、するとシールドエネルギーがフル回復しており更に言うならば数多くの武装が解除されてた。

 

「色がついた。まさか今まで……ファーストシフトも無しに戦っていたというのですか⁉︎」

 

セシリアは驚きの声を上げながらそう言うが俺には実感が湧かない。だが……これだけはわかる、これは父さんと束さんが仕組んだことだということが。

 

「人が悪いな二人とも……さて、いくぜ!オルコット!轟く雷雲を呼べ!グレート!」

 

俺は空に手を伸ばすと同時に雷がグレートの頭部に入り腕にエネルギーが溜まっていく。

 

「いくぞ!サンダーブレーク!」

 

そして手から雷の一撃が放たれる、その一撃は衝撃波だけで周りのビットを壊し尽くし後ろの観客席を守るためのシールドすら貫く、マジンカイザーに比べたら威力は低いがそれでも並のIS相手に使うには強すぎる。これは対ISを想定したものではない、対ミケーネ用の兵器だ、それが分かった途端に青ざめた……何故なら俺が様子見で羽の方を狙っていたからだ、もし当てようと思っていたら確実にオルコットはプラズマによって遺体すら残らないものになっていた、五体満足で無事だったのは奇跡といえよう。

 

「うそ、ティアーズが……そ、それに……シールドエネルギーを貫通した?」

 

さらに言うと普通のISや戦車の火力では傷が付かないはずのシールドに守られたブルーティアーズの装甲が溶解し、ブルーティアーズの右ウィングが無くなっている。

 

「……危ねぇ‼︎」

 

それを見た俺は普通のIS相手には使わないことを決めたその直後に、ブルーティアーズのシールドエネルギーが底を尽きたのかISが溶けてオルコットが地面に落ちそうになるがなんとか抱きとめる。

 

「大丈夫か?オルコット?」

 

「は、はい……」

 

「それは良かった、このまま戻るけどいいか?」

 

「はい……」

 

そして俺はオルコットを連れてアリーナの倉庫に戻りグレートを待機状態にする、その際に腕輪、アクセサリーに別れ俺はオルコットを保険委員に頼んだ後に千冬姉に飛び蹴りからの昇竜拳を喰らう。

 

「おい、愚弟……あのISは公式戦で使うな、あまりにも危険だ」

 

「ああ、分かってる……」

 

「束め、こんなトラップをいつ仕組んだ……」

 

俺は千冬姉にそう言われた後、グレートのことは口外禁止の機密事項になった、そして俺の反則負けという形になりオルコットに代表の座は渡されることになった。

 

「織斑さん、丁度いいところにいましたわね」

 

「何の用だ、オルコット?」

 

そしてグレートマジンガーについて調べることになったためにマジンガーZと白式を千冬姉に明け渡し、俺は自室で謹慎処分をくらっていた、そんな中でオルコットか俺の部屋に入ってきた。

 

「織斑さん、その……ごめんなさい、貴方のことを過小評価しておりましたわ」

 

突然、オルコットさんが謝ってきたので俺は少しびっくりした後にこう返す。

 

「気にしなくていいよ、それよりも君のISを壊してごめん……そんなつもりはなかったんだ、それに下手したら僕は君の命を奪ってたかもしれないんだ、謝る義理なんてない」

 

「……意外と優しい人なのですね、織斑さんは」

 

「いや、優しくなんかないよ……」

 

「いえ、あの時……貴方は私ではなくブルーティアーズの翼を狙って攻撃してましたわ、だから回避が間に合ってこの程度で済んだのですよ、そう考えたら安いものだと思いませんか?」

 

するとオルコットさんはそう言ってから手を差し出してくる、俺は迷わずその手を取り握手をするとオルコットさんはこういう。

 

「今後はセシリアと呼んでください、織斑さん」

 

「わかった、よろしくセシリア……俺のことは一夏でいいよ」

 

「はい、よろしくお願いしますわ……一夏さん」

 

こうして、俺とオルコットさんは和解した後日、白式とマジンガーZが返品された。どうやら上からの圧力があったように思える。制約とし公式戦での使用を禁止とのことだった。

 

「一夏、無事でよかった……よろしくオルコット、私は篠ノ之箒だ」

 

「はい、よろしくお願いしますわ、箒さん」

 

そしてセシリアと箒が仲良くなり今後は三人でつるむことになった。

 

「ふふふ、待ってなさいよ!一夏!」

 

「IS学園……教官」

 

「……」

 

少し不穏な風を感じながら……

 

ーーーー☆

 

「束くん、あれは護身用にしてはやりすぎでは無いのかな?」

 

「いや、ミケーネと戦うにはあれぐらい必要ですよ……それに剣造博士が作ったオリジナルに比べたらアレもスペックダウンしてますよ、使われている装甲の材料も超合金Zですし」

 

「それもそうだな、確かに本来なら掠っただけでもパイロットの命がないからな、だが……」

 

「分かってますよ〜今後は勝手に合体はさせません!全部いっくんに任せます〜!」

 

「それでいい、こちらから操るのは最悪の場合になった時だけだ」

 

「はいはい」

 

「ところでオリジナルグレートマジンガーと鉄也くんの居場所は掴めたか?」

 

「いえ、まだです……観測された"世界"の中には無いようですね」

 

「そうか、では引き続き頼む……」

 

「じゃあ!束さんはアデューするよ〜」

 

「通信が切れたか、終焉の魔神が発生して以来から観測された"世界"、それが奴らにどう影響する?」

 

ーーーー☆

 

IS学園浜辺……一人の少年が浜辺で倒れていた、その手には紅い翼が握られていてある少女の名をつぶやいていた。

 

「ま、まゆ……」

 

この少年の登場が何をもたらすか……また歯車が動き出そうとしていた。




感想、アドバイス、お待ちしております。

少しだけ加筆しました。


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復活の亡霊⁉︎ドナウ対カイザー‼︎‼︎

ドナウ対カイザーと銘打ってますがそんなに戦いません、本格的に戦うのはVTシステムが起動して真のドナウとなった時です。




クラス代表戦から数日が経過した、俺に対する周りの態度は変わっておらず怖い目で見る人や所詮は男というだけで奇怪な目で見てる連中が多いがそれでも平穏に過ごしていた。

 

「マジーンゴー!」

 

「行きますわよ!一夏さん!」

 

「箒、タイムを計っておいてくれよ」

 

「ああ、任せてくれ」

 

今日も日々の日課になりつつあるセシリアとの戦闘訓練だ、白式とマジンガーZを交互に使って訓練しており、午前と午後で毎日変えてある。

 

「サザンクロスナイフ‼︎」

 

「ティアーズ‼︎」

 

「ロケットパンチ!」

 

「ティアーズ‼︎」

 

「光子力ビーム!」

 

まぁ、手数が多いのがマジンガーシリーズの特徴を上手く使って俺はマジンガーZでならセシリアには負けたことはない……そもそも性能が落ちたとはいえ扱い方はマジンカイザーと同じだ、あっちは色々とリスクがある分強力だがこちらはそれがないから同じように運用できる。

 

「一夏さん、刀を投げて気を反らせるのはそれを知らない相手だけですよ……」

 

「同じ手は通用するのか試してみたけどダメか……外付けで武装でもつけようかな?」

 

「それがいいかもしれませんわね……拡張領域はあの刀、雪方弐型でいっぱいですしね」

 

「だな」

 

だが白式の場合になると使える武器が刀一本だけになる上、使い方がマジンガーとほぼ違うので少し操作感覚に慣れがいる感じだった。

 

「ですが一夏さんは白式に慣れてきましたね」

 

「ああ、だけど段々と慣れてきたよ……代表候補生様には及ばないがマシにはなった気がする」

 

「一夏、オルコット、おつかれさま。ほらスポーツドリンクだ」

 

そう会話し終えるとスポーツドリンクを持った箒が差し入れに来てくれた、そして時間を見るとホームルームが始まる数十分前なので急いで向かった。

 

「最後に連絡が一つある、今日は転校生が二人も来たぞ!入れ!」

 

教室に向かい、席に着くと同時に織斑先生が入ってきてホームルームが始まり転校生の話題になる。

 

「シャルル・デュノアです、よろしくおねがいします」

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ、よろしく頼む」

 

転校生の一人は男という話だった、確かに見た感じ中性的な面をしているが俺からしたらバレバレだ、何故なら……女子の匂いを感じるからだ!

 

「貴様が……」

 

そんな時だった、突然銀髪眼帯ガールが前に出て俺にビンタをかましてくる。

 

「へぶ⁉︎」

 

俺はそれを華麗に喰らい、変な声を上げる。

 

「私はお前が教官の……⁉︎」

 

「ふう、鋼鉄マスクをつけるのが遅れてたら即死だった」

 

だが、実際はダメージは受けておらず銀髪眼帯ガールは超合金Zのマスクに勢いよくビンタをしたことで悶絶しながら手を抑えてしゃがむ。

 

「おり……むら……いちか……」

 

すると涙目でこちらを睨みつけてくるが俺からしたら勝手に自滅したのはそちらなので割と関係ない。

 

「織斑、シャルルはお前と同じ男だからな、世話を頼む。あとそのマスクを外せ」

 

「はい、織斑先生」

 

俺はマスクを外すとシャルルに近づいて手を握る、その際に感触から女子だと分かるが流石に問題があるなと思いそのまま手を握りしめて更衣室へと向かう。今日は一限から実習なので急がなくてはならない。

 

「きたわ!織斑くんよ!」

 

「しかもあれが噂の金髪美少年ね!」

 

「待ちなさい!」

 

そんなことを考えてると目の前から数人の女子が俺とシャルルのことを追いかけてくる。それを見た俺は窓を見てからシャルルを見る。

 

「しっかり掴まっていろ!マジーンゴー‼︎‼︎」

 

「え?きゃあ‼︎⁉︎」

 

「サザンクロスナイフ‼︎‼︎」

 

「え?ご、強引突破ぁぁぁぁぁぁ⁉︎⁉︎」

 

俺はシャルルを抱き抱えたままマジンガーZを駆りアリーナの更衣室へと向かう。ん?制服は無事だ、制服そのものがISスーツというよく分からない仕様になってるからな‼︎‼︎

 

「シャルル、速攻で着替えろ!中に着込んでるとは思うがな‼︎俺は先に出てるから急げよ‼︎」

 

そして俺はシャルルを降ろすと更衣室へと入れる。そして俺はマジンガーZを解除すると急いで並ぶ、そしてシャルルも程なくして出て来くると同時に織斑先生が立っていた。

 

「よし、全員着替え終わったな!早速だが一夏とセシリアは前へ!」

 

「はい!」

 

そして女子が全員着替え終わり列順に並び点呼を取った後に呼び出される。

 

「今日は山田先生と模擬戦をしてもらう、では山田先生‼︎」

 

「行きますよ〜」

 

そして山田先生と模擬戦が始まる、俺は白式を纏いセシリアはブルーティアーズを纏い空を飛ぶ。

 

「行くぞ」

 

「はい‼︎」

 

俺は迷わず突っ込むとセシリアが山田先生の動きを塞ぐようにビットを展開する、山田先生はライフルを構えながらそれらの攻撃を躱しセシリアにライフルを向けるが彼女は敵の射線に入らないように移動しながらビットを操る、それを見た先生はライフルを俺に向けるが縦横無尽に白式の最高速度で飛び回る俺を捕捉することは叶わずビットの直撃を喰らう。

 

「見ない間に腕を上げましたね、二人とも」

 

山田先生は嬉しそうにそう言うとミサイルポッドを呼び出してミサイル攻撃を放つ、同時に放たれた数多のミサイルが俺とセシリアに襲い掛かる。

 

「その瞬間を待っていたぜ!行くぜイグニション‼︎」

 

瞬間加速(イグニッションブースト)⁉︎」

 

俺はそのミサイルの僅かな間をイグニッションブーストで突破するとそのまま山田先生を零落白夜を展開した雪方弐型で切り裂く、そして山田先生の乗るISはシールドエネルギーがごっそり持ってかれてエネルギーが底を尽きる直前までになるり

 

「そこまでだ、いい勝負だったぞ」

 

そしてその後に織斑先生がそう声を出すと同時に終わる。

 

「完敗ですね……相手の技量を見誤ってしまった私の慢心ですね」

 

「やるじゃないか愚弟、セシリア……まさか山田先生を倒すとは思わなかったぞ」

 

そして俺は織斑先生に褒められるが俺は首を横に振ってこう返す。

 

「いや、まだまだだよ……あの時、ミサイルポッドを出してなかったら普通にジリ貧でこっちが負けてたよ」

 

「そうですわね、ティアーズの動きも読まれていましたし、それに私もそんなに長時間は動きながらできませんしね……残念ですがまだまだ私の腕は未熟ですわ」

 

「そうか反省するのはいいところだな。さて授業を再開する……ん?どうした、ラウラ?ISを展開して?」

 

その後、普通のISの授業を再開しようとした時だった。突然銀髪眼帯ガールがISを纏ったので不審に思ってるとふと耳に懐かしい声が響いた。

 

「シローくん……シローくん……」

 

その声は聞き覚えが、いや、聞いたことがあった……脳裏に浮かぶのは一人の少女、その声はそう、消えたはずの初恋の女の子、ローレライ・ハインリッヒだった。

 

「ラ、ラウラ?どうした⁉︎」

 

千冬姉は心配そうにISを纏ったラウラ、いや今はローレライが乗っ取っている身体はラウラに心配そうに話しかける。

 

「邪魔だ!ゲルマンブリザード‼︎‼︎」

 

「千冬姉!力を貸してくれグレート‼︎‼︎ブレストバーン‼︎‼︎」

 

突然ISが変形し見覚えのある姿の形に変わるとそのまま千冬姉を凍りつかせようとゲルマンブリザードを放つ。それを見た俺はすぐさまグレートを纏いブレストバーンで対抗するが力負けし吹き飛ぶ。

 

「う、うそ……ISすら簡単に粉砕できる一夏さんのグレートを簡単に吹き飛ばした⁉︎」

 

セシリアは驚きの声を上げ、その直後に周りの生徒はパニックになり我先にと逃げようとする。

 

「逃すと思うのか?ゲルマンブリザード‼︎‼︎」

 

「サンダーブレーク‼︎」

 

それを見たローレライは再びゲルマンブリザードを放ちISスーツを着た女子生徒たちを凍りつかせようとする、だがその前に俺が放ったサンダーブレークの一撃がローレライに直撃し彼女は揺らぐがそのまま上空へと視線を向けそのままゲルマンブリザードを放つ。

 

「うおっと!ネーブルミサイル‼︎‼︎」

 

俺はその一撃を躱すとネーブルミサイルを放ち時間を稼ごうとする、だがローレライはそれで止まることなく腕にISの武装を出して応戦する。

 

「威力が上がってる⁉︎がぁ‼︎‼︎」

 

その一撃はグレートの翼を一撃で粉砕し俺は地面へと叩き落ちる。

 

「これで終わりだ、マジンガー‼︎喰らえ、ゲルマンブリザード‼︎‼︎」

 

「誰が終わるものか‼︎光子力ビーム‼︎‼︎」

 

そして俺が地面に落ちると同時にゲルマンブリザードが放たれる、だがその一撃はグレートを解きカイザーになって光子力ビームで防いだ。

 

「……なに?見たこともないマジンガーだと⁉︎」

 

「行くぞ、ローレライ……ターボスマッシャァァァァァァパーンチ‼︎‼︎」

 

俺は迷わずターボスマッシャーパンチを放ち両手足を粉砕する、そして地面に倒す。そしてほぼ同時にローレライの気配が消えISが変形し元の形へと戻る。その際損傷はなかったことになっておりそれを見た俺は何者かが暗躍しているとそう思った。

 

ーーーー☆

 

次回!

 

マジンエンペラーG編‼︎‼︎

マジンカイザーskl編

 

カイザー編と同時進行で制作予定!(ふと脳内に浮かんできたから気が向いたら書く予定です)

 




感想、アドバイスお待ちしております。


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呪われた楔を解き放て!カイザー‼︎‼︎

終わりは唐突に訪れる、それは予期せぬ終わりの始まり……

今、世界を巡る冒険が始まる。


ドナウα1、それはシローの祖父である兜十蔵が作ったマジンガーZに対抗すべくシュトロハイム・ハインリッヒによって作られた。だがドナウα1自体はマジンガーZと戦うことはなくその後継機である兜剣造が作ったオリジナルのグレートマジンガーと激闘を繰り広げた。その戦いは訳あってグレートマジンガーに乗っていた兜甲児が勝利を収めた。

 

そしてアンドロイドでもあったドナウα1は開発者シュトロハイ・ハインリッヒと共に消滅した。だが……ドイツ軍がそれらの残骸を回収し、シュトロハイムの再来といわれたが天災である篠ノ之束から凡人と言われた科学者シュトロハイムによって蘇りVTシステムを組み込まれた。

 

だがVTシステムに積まれた戦闘データは表向きには織斑千冬と銘打ってはいるが実際には違う。そしてドナウα1はシュヴァルツェア・レーゲンとして蘇った。使われてる材質は超合金ニューZ……ドナウ形態になるとVTシステムが自動的に起動する仕組みとなっている。

 

そのデータに入ってるのは兜甲児という一人のマジンガー乗りの戦闘データと初代ヴァルキリー織斑千冬の戦闘データが入っている。そして驚くべきは織斑一夏、いや兜シローと接触したことでドナウα1の心であるローレライ・ハインリッヒが目を覚ましたことだ、これによりドナウα1は最強となった、最早パイロットはパーツに過ぎない……

 

ローレライ・ハインリッヒ、彼女が目を覚ましたことでドイツにある異変が起きることになる。

 

それはIS学園に多大な影響を与えることを知らずに……

 

ーーーー☆

 

「だから凡人は嫌いなんだよ」

 

授業中にドナウα1として覚醒して超合金Z製のグレートマジンガーならびにマジンカイザーと交戦した後、ドイツである異変が起きていた、それを我輩は猫であるの中で束は状況を確認し呆れてそう呟いた。

 

「た、大変だ!ISが!ISが暴走している‼︎‼︎」

 

「シュトロハイムくん!これはどういうことだ‼︎」

 

そう、ドイツ中で無人であるはずの第三世代ISが突然変形しすべての第三世代ISがドナウα1と同じ形になったのだ、どうやらドイツ中すべてのISが改造を受けておりISコアが一人のアンドロイド、ローレライ・ハインリッヒに乗っ取られたからだ。

 

「わ、分かりません‼︎」

 

「どうしてくれる!我が国の第三世代ISはすべて超合金Z製なのだぞ‼︎⁉︎」

 

「そんなことは分かってます‼︎‼︎どういうことだ‼︎‼︎なぜシステムに無い行動を⁉︎何が起きたというのだ‼︎‼︎」

 

 

ドイツでは突然の出来事に騒然としておりなんとか自体の沈静化を測ろうとした、だが……すでに手遅れだった。

 

メインコンピュータ並びにユーロ全域がローレライによって侵略された。イギリスはユーロを脱退していたおかげで無事だったがそれでもユーロ各国のISがVTシステムのコントロール下に置かれてしまい、世界中は大混乱に陥る。そしてユーロ中のISが空を飛びある場所に目掛けてとんでいく。向かう場所は日本……全ては彼に会うために。

 

「シローくん、シローくん」

 

VTシステムとローレライの執念で強化されたIS連合軍は途中、中国やロシアなどの国々と相対する。

 

「全く、日本に行く前にこんなことになるなんてね……予想外過ぎるわ」

 

「凰鈴音、準備はできたか?」

 

「もちろん、行くわよ!迎撃隊!甲龍、凰鈴音出るわよ‼︎‼︎」

 

そしてIS国際連合軍は迎撃体制へと移行して迎え撃つ。第一次IS大戦と後に呼ばれる戦いの始まりであった。

 

ーーーー☆

 

私はあの後、薄暗い闇の中にいた。

 

『やめろ!私の中に入ってくるな!』

 

私はその闇を作り出した張本人にそう言う、だが……

 

「だめだよ、私には身体がないから……それに貴女はお人形さんでしょ?」

 

彼女はそう言って私の体に触れる、すると身体の一部が溶けたような錯覚を覚えると同時に目の前に人影が現れる。

 

『人形?違う‼︎私はラウラ!ラウラ・ボーデヴィッヒだ!人形なのではない‼︎‼︎私は……』

 

私はその人物にそう言うがふと足を触られてまた身体の一部が闇に溶ける、そして今度は人の顔が現れる。

 

「ふふ、人形さん……貴女は空っぽだよ?何もない空っぽな存在、強がってるだけで貴女の周りには誰もいない」

 

『違う‼︎‼︎私は人形ではない‼︎‼︎私は‼︎‼︎』

 

私は躍起になって否定しようとするが今度は下半身と両腕が闇の中に溶ける、そして目の前にあった人影が女の子の姿へと変わる。

 

「いいえ、貴女は空っぽ……何もない単なる人形。だから私に身体を頂戴?大丈夫、貴女はちゃんと生かしてあげるから……ね?」

 

『やめろ!やめろ!やめ……や……うわぁぁぁぁぁ‼︎‼︎』

 

そしてその女の子は私にキスをする、するとそこから闇の中へ引きずりこまれる錯覚を覚える。私は抵抗する間も無く闇の中へと消える。その直前に見たのは金髪の女の子が私に邪悪な笑顔を向けていたことだった。

 

ーーーー☆

 

同時刻、日本にて……

 

「教官、私は何をしてましたか?」

 

「覚えていないのか?ラウラ?」

 

「はい、ただ覚えてるのは……織斑一夏が私を助けてくれたことだけです」

 

医務室でラウラは千冬から事情聴取を受けていた。その横で俺、織斑一夏はその話を聞いている中でその声の主を思い出す。ローレライ・ハインリッヒ……彼女はたしかにあの時、俺と仲良く遊んでいたローレライだ。いつのまにかいなくなっていて……いや、違う。

 

「俺は何か大事なことを忘れてる……思い出せ、親父は多分俺に隠し事をしている……そのなにかを思い出すんだ」

 

俺は千冬姉に一言言うと男子トイレへと向かい鏡を見ながら自問自答する、その答えがない限り俺は彼女を止められない。

 

「ふふ、忘れちゃったんだ……シローくん」

 

「はっ……ロ、ローレライ?」

 

そんな時だった、突然目の前にラウラ……いやラウラの身体を借りたローレライが現れて俺にそう言う。

 

「大事な約束、そして私と貴方の因縁まで忘れてしまったの?」

 

「約束?因縁?ローレライ、君はなにを言ってるんだ?」

 

俺は彼女の言っている意味が分からずにそう尋ねる、するとローレライは悲しそうな表情になる。それを見た俺はそれをどこかで見た気がしたら、そう、あの時……あの時?あの時ってなんだ?思い出せ!思い出すんだ‼︎

 

「シローくんに私は止められない、私が何であるかを忘れた貴方には‼︎ドナウα1、起動‼︎‼︎」

 

「待ってくれ!ローレライ!ローレラァァァイ‼︎‼︎」

 

そして彼女はそう言うとシュヴァルツェア・レーゲン、いや真っ赤に染まったドナウα1を纏い空を飛びどこかへと飛び去る。

 

「後を追うぞ!グレートマジンガー!スクランブルダァァァァァァッシュ‼︎‼︎」

 

それを見た俺は後を追うべくグレートマジンガーの翼を広げて後を追う、そして俺はラウラの身体を借りたローレライを追ってある場所へとたどり着く、そこはどこかのお花畑だった。

 

「待ってたよ、シローくん……懐かしいよね、私と貴方がここで遊んでたのよ、覚えてない?」

 

「ああ、覚えてるよ……とても楽しかった、同年代の友達があまりいなかった当時の俺としては同世代の友達と遊べるだけでとても楽しかった」

 

「でも、シローくんは忘れてしまった……覚えてないのなら思い出してあげようか?」

 

「いや、いい……君との楽しい思い出を汚したくはない……それに思い出したよ。君は……一度死んでることも」

 

「そう。なら因縁と約束を思い出した?」

 

「うん、約束は思い出した……でも約束を守れなくてごめん、俺は君を倒すよ」

 

そして俺はローレライとそう会話するとグレートマジンガーを解除してマジンカイザーを纏い、ショルダースライサーを構える。

 

「そう、シローの嘘つき……私を守るって約束は守ってくれないんだね……なら本気でやるよ。VTシステム起動、ドナウα1‼︎‼︎」

 

そして俺とローレライは睨み合うとそのまま走り出しそのまま拳をぶつけ合った。

 

ーーーー☆

 

「ごめんください、兜さんのお家で合ってますか?」

 

今から十年近く前のこと、まだアニキが行方不明になる前だ。俺は叔父の家で留守番をしている時に彼女と出会った。

 

「……」

 

その姿を見たとき、俺の頭に衝撃が走った……綺麗な金髪の美少女。ああ、これが初恋なんだということを後々知ることになるが、あの時の俺には分からなかった。

 

「ローレライ、君に見せたいところがあるんだ!」

 

「どこ?」

 

ある日、俺はローレライをある場所に連れて行ったことがある……その場所は戦ってるこの綺麗なお花達が咲く場所だ。クラスのみんなに聞いて一度見てきたがとても綺麗な場所だった。

 

「綺麗な花ね……」

 

「そうだね……」

 

俺はローレライと手を繋ぐ、そしてこの場所である約束を交わした。

 

「ローレライ、俺は君を必ず守る!守ってみせるから!」

 

「ありがとう、シローくん」

 

その約束をした後、俺は色々あってドイツへと飛んだ……そして、俺はローレライを守るためにマジンガーZを兄貴から奪い隠し持って戦わないようにした、だけど……

 

「スクランブルダァァッシュ‼︎‼︎」

 

兄貴は生きていた叔父さん、剣鉄也さんからグレートマジンガーを借りてドナウα1と戦い、勝利した……そもそもドナウは対兜十蔵との決戦用に用意した機体、マジンガーZを強化した機体であるグレートマジンガーとの戦いは想定していなかった。グレートマジンガーはドナウと激しい戦いを繰り広げた、が……

 

「うなれ!雷鳴!サンダァァァァァァ‼︎‼︎ブレェェェェク‼︎‼︎」

 

「ゲルマン‼︎‼︎ブリザァァァァァァド‼︎‼︎」

 

ドナウはサンダーブレークの直撃を喰らい、大破する……俺はローレライの亡骸を見つめる、するとドナウから声が聞こえてきた。

 

「泣かないでシローくん……泣かないでシローくん……」

 

「ローレライ……」

 

壊れたオルゴールの様に俺にそう呼びかけるドナウ、それを聞いた俺は無意識に亡骸を抱いてこう叫んでいた。なんでこんなことになったんだ!と。兜家の因縁がどうとか!そんなのは関係ない!ただ俺は君を守りたかったんだ。

 

ーーーー☆

 

「ぐっ……ショルダースライサー‼︎‼︎」

 

「その程度の攻撃!」

 

「なっ……動きが止められて……ぐっ……」

 

そして、今はその想いと約束に反して俺は彼女と戦っている……彼女にそんなことはさせないために何より彼女との思い出のために、俺は彼女を破壊する。

 

「終わりだ‼︎‼︎マジンガー‼︎‼︎喰らえ‼︎ゲルマン‼︎‼︎ブリザァァァァァァド‼︎‼︎」

 

「ファイヤーブラスター‼︎‼︎」

 

熱気と冷気がぶつかり合い周りの花は散り空を舞う……俺はその光景を目に焼き付けながら彼女と戦う。だが……目の前が一瞬真っ暗になったことで制限時間が迫っていることを知る。いや関係ない……そうなるのは俺が弱いからだ、カイザーに原因がある訳じゃない。

 

「カイザァァァァァァァァァァァァ‼︎‼︎俺に力を貸せぇぇぇぇぇぇぇぇぇ‼︎‼︎ローレライを止めるためにもぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎‼︎」

 

だからこそ、俺はカイザーのファイヤーブラスターを止めて横回転してゲルマンブリザードを躱してドナウを殴り飛ばしてそう叫ぶ、すると何かが変わった気がした。

 

「身体が……軽い?」

 

そう、機体の動きが向上し、まるで自分の手脚の用に動かせていた。

 

「くっ……シローくん‼︎‼︎」

 

「ローレライ……」

 

俺はドナウと格闘戦へと移行する、鋼鉄のボディに身を包まれた俺たちは殴り合う。

 

「機体スペックの差が……」

 

「ターボスマッシャァァァ‼︎‼︎パァァァンチ‼︎‼︎」

 

「わ、私の右腕が⁉︎」

 

そして徐々に俺の方が有利へとなっていく。戦闘経験に関しては俺もローレライもどっこいどっこいであり、そうなると勝敗を決めるのは機体スペックだ。たしかにドナウは世界最高水準である装甲、超合金ニューZを使用しているのかもしれない。だが最強の魔神皇帝……マジンカイザーに使われてるのは超合金ニューZα。超合金ニューZを遥かに超えた装甲を持っていて更にそれを増幅される光子力エンジンを積んでるからドナウよりも必然的に性能が上となる。

 

「舐めるな‼︎ゲルマン‼︎ブリザァァァ……」

 

「ローレライ‼︎」

 

だからこうなるのも必然だつた、俺はドナウに抱きついて動きを止める。

 

「シローくん……」

 

「もう、やめてくれ……止めるんだ、ローレライ」

 

俺は涙を流しながらそう訴える、ドナウは拘束から抜け出そうと抵抗するがそれをさせないように更にきつく締める。

 

「もう二度と離さない……僕は君を守る約束は守らなかった、だけど今度はちゃんと守るから……だからもう止まってくれ……」

 

「シロー……くん……」

 

ローレライに俺の想いが届いたのか動きが止まりドナウからシュヴァルツァ・レーゲンへと変形し中からラウラが出てくる。

 

「無事みたいだな……」

 

俺がそう呟くとのほぼ同時だった、突然シュヴァルツェア・レーゲンが動き出しラウラを明後日の方向に投げたからだ。

 

「どうしたんだ?ローレラ……」

 

俺はすぐにラウラをキャッチして振り返る、そこで見たのは何かのサーベルを突きつけられたシュヴァルツェア・レーゲンの姿だった。

 

「シローくん……私を助けてくれて……ありが……とう……」

 

その言葉を吐くと同時にレーゲンは爆発する、そして爆発した煙が晴れるとそこには……

 

「……何者だ?お前は?」

 

「ナンダトオモウ?」

 

マジンガーZらしきナニカガいた。俺はすぐにマジンカイザーを解いて白式を纏う、スピードならこちらが上なのだ……奴から逃げれるにはこれしかない。

 

「じゃあな‼︎」

 

俺はすぐにその場を飛び出して逃げる、奴は背中に翼を広げるとそのまま飛び出して逃げる。

 

「ニガスカ……サザンクロスナイフ」

 

だが、そう簡単に奴が逃すはずもなくそのまま追撃される……俺はそれらの攻撃を躱そうとするが何故か躱した方向に軌道が変わりそのまま迫ってくる。

 

「くっ……くそ……」

 

俺はそのまま飛び続けるが遂に捕捉されそうになる。だが……サザンクロスナイフは突然全て撃ち落とされた。いや厳密に言うと何かがサザンクロスナイフを横から攻撃して逸らしたのだ。

 

「久しぶりね、一夏……本当ならもっと早くに会ってるはずなんだけどね……」

 

「その声は……鈴‼︎」

 

その正体はISに乗った、鈴とIS部隊だった……俺は彼女達に合流するが不思議と何やらボロボロというか満身創痍な気がした。

 

「鈴、助かった……」

 

「一夏‼︎今は再会を喜んでる場合じゃない‼︎‼︎早くその子を連れて逃げて‼︎‼︎」

 

「わかった、鈴‼︎死ぬなよ‼︎」

 

「もちろんよ‼︎」

 

俺は鈴からそう言われたので急いで白式を駆りその場を離れる、そして無我夢中で飛んでいると無断で発進したセシリアと箒と合流する。

 

「一夏さん、無事でよかったですわ」

 

「一夏、彼女は私が預かろう」

 

「ありがとう、セシリア、箒も……」

 

俺は二人にそう言った後に少し気になって後ろを振り返る、その直後だった……後ろから盛大な爆音が聞こえたのは。

 

「鈴……?」

 

「あ、あの爆発は……」

 

「間違いないですわ……ドイツを超合金Z製のドナウの大軍団ごと消した、あの時と同じ……」

 

「リィィィィィン‼︎‼︎‼︎」

 

俺たちはその爆発を見て各々反応を起こした、俺は鈴が気になったので急いで飛ぼうとするが止められる。

 

「一夏‼︎落ち着け、今更行っても間に合わない‼︎‼︎」

 

「そうですわ‼︎‼︎それにここからだとかなりな距離が……」

 

「鈴‼︎‼︎鈴‼︎‼︎リィィィィィィィィィン‼︎‼︎」

 

俺は目の前で起きた爆発を前に何も出来ずただ二人に止められるだけだった、そのあと……俺は二人に連れられて学園へ連れ戻されたのだった。

 

ーーーー☆

 

「まさか、オリジナルのグレートマジンガーが見つかる前に奴が復活したというのか?」

 

「ドイツごと消し飛ばすとか……スケールが吹っ飛び過ぎてるなぁ、流石はマジンガーZERO」

 

「想定外だ、マジンカイザーの復活や超合金Z製の量産型ドナウとVTシステムを積み、そして超合金ニューZで出来たシュヴァルツェア・レーゲンの皮を被ったドナウα1、それらの要因が合わさって奴が蘇ったとでも言うのか……」

 

「つまりこれは必然として起こることだったみたいだね。彼……ミケーネの地下基地を滅ぼしてから来たみたいだね」

 

「こうなったのなら手は一つだ、シローを逃す……私たちに残されたのはそういう手段だけだ」

 

「……そうだね、マジンカイザーが無事ならまだ可能性はある」

 

「そして二体の魔神皇帝ならヤツを……ZEROを倒せるはずだ」

 

「結局、ミケーネは自分の首をしめただけってことかな?博士……」

 

「束くん、一夏と共に観測された世界へ飛ぶ準備を……世界の終わりの始まりだ」

 

「オッケーです。兜教授、高校の頃からお世話になりました……私は貴方に会えて幸せでした」

 

「こちらこそ、君がいなかったらパラレルワールドを観測することはできなかった、ありがとう」

 

「では、これで……通信を切ります」

 

「ああ、達者でな……さて人類の抵抗を見せてやるか」

 

ーーーー☆

 

あの後、世界情勢は一変した……マジンガーZの姿をしたナニカは日本を蹂躙し始め数多の犠牲者が出た、IS部隊はなすがままに破壊され山田先生を含めたIS学園の先輩方も炎の中へ消えた。そして俺を含めた民間人はアメリカや中国などの大国へ避難、そして国連軍はナニカへの前に大規模な軍事行動を実施、アラスカ条約を無視しISを軍事兵器として活用した。特に銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)、ブルーティアーズ、甲龍などなど第三世代を数多に投入する時点でその規模の違いがよく分かるだろう。

 

「全IS部隊並びに戦車、歩兵隊へ通達‼︎」

 

「戦闘機部隊!全滅!」

 

「来たわね……各員!攻撃準備‼︎」

 

そしてIS国連軍はナニカと交戦する、だが……

 

「サザンクロスナイフ」

 

ナニカはたった一つの武装で数多のISを撃墜する、その姿は終焉を呼ぶのには充分だった。

 

「アキタナ」

 

そして、ナニカは甘んじて総攻撃を受けるがそれが鬱陶しくなったのか手を前に出す。

 

「アイアンカッター」

 

そして腕は変形し巨大なカッターのような何かになる、そしてそのまま腕が飛びアメリカ大陸ごとISを一機切り裂く。

 

「撃て!撃て!まだだ!まだ終わってな……」

 

「コウシリョクビーム」

 

そしてナニカは飽きたのかそのまま光子力ビームを放つ。光子力ビームは拡散し数多のISが落ちていく。その攻撃を躱せる人など殆どおらず、その結果……IS部隊は壊滅しアメリカも滅んだ。

 

「何の用ですか?束さん、俺を呼んで……」

 

そんな情勢の中で、俺は天災、篠ノ之束さんに箒と共に呼ばれた……箒は別室で待機しており俺が終わった後に呼ぶらしい、因みにラウラとセシリアはアメリカの戦いで戦死したらしい。

 

「君にこの世界の未来を託す……あの悪魔を倒せるだけの力を観測された世界で探して来て欲しいんだ」

 

突然の観測された世界とか訳のわからないことを言いだされた。

 

「観測された世界?何を言って……」

 

俺は束さんにそう尋ねると彼女は俺に一枚の紙を突きつけた、それには世界を巡るための方法と書かれていた。

 

「君はこれから私たちの屍を乗り越えなければならない……たった一人の孤独で辛く苦しい旅になる。カイザーが一人乗り用の時点でこうなることは確定していた。そして君はカイザーの力を解放した、だからもう君に全てを託す、マジンガーZEROを倒して。そして彼を……貴方のお兄さんを助けてあげて」

 

「待ってくれ……束さん‼︎」

 

「全ての鍵を握るのはオリジナルのグレートマジンガー……いっくん、ううんシーくん、さよなら」

 

「束さん?何を……」

 

その直後、突然白式とカイザーが動き出し俺はマジンカイザーを纏う、先ほどと違うのは大いなる翼……カイザースクランダーが着けられたことだろう。

 

「飛べ‼︎マジンカイザー‼︎‼︎私たちの未来をお前に託す‼︎‼︎光子力ジャンプ‼︎‼︎」

 

「待って!束さ……」

 

俺は束さんに聞きたいことがあった、父さんのことや兄貴とはどういう関係なのか、そしてなんで俺のことを知っていたのか。だが4機の光子力エンジンが共鳴し俺は飛ばされる。それがどこでどこなのか……俺には分からなかった。

 

ーーーー☆

 

「シーくん、さよなら」

 

私、篠ノ之束は何もないところでそう呟いた後に箒ちゃんを呼んだ。

 

「姉さん、なんのよ……⁉︎」

 

「ごめん」

 

私は箒ちゃんを麻酔銃で眠らした後にコールドスリープ装置に入れる、箒ちゃん……不甲斐ない姉でごめん、だけどこれしか手段がないんだ。

 

「くーちゃん、今どこにいる?オッケー、宇宙だね?これから箒ちゃんを飛ばす、アスカくんには回収に向かわせて!うん、オッケー!くーちゃん、あとは任せた」

 

私はそう言って電話切ると部屋を出る……そしてほぼ同時にコールドスリープカプセルは部屋ごと飛び出して宇宙へと抜ける。

 

「ちーちゃん、準備はできた?」

 

「勿論だ……」

 

そして私たちはたった二人で奴に戦いを挑む、それが勝てない戦いだと分かっていても私にはこれしか選べないからだ。何……大丈夫だ、彼なら箒ちゃんを守れるしくーちゃんも守ってくれる、心置かなく私は戦える。

 

「マジーンゴー‼︎‼︎」

 

「スクランブルダァァァッシュ‼︎‼︎」

 

そして空に飛び上がるとそのままアメリカへ向けて飛ぶ。私たちが勝てる確率はほぼゼロと言っていい、だが……未来は託し、大切な宝物は安全な場所に運んだ、もう何も心残りはない、いやあったな。

 

「箒ちゃん、私のワガママに振り回してごめんね」

 

そして私たちはマジンガーZEROと遭遇する。科学要塞研究所は崩壊しており剣造博士も死んだみたいだ。

 

「マジンガーZERO‼︎‼︎私たちが相手だ‼︎‼︎」

 

そして戦う、結果は目に見えている……だが、それでも宇宙に上げた大切な宝物が無事なら私はそれで満足だ。

 

「ちー……ちゃん……生き……てる……?」

 

そして、その後……私たちはマジンガーZEROの前に敗北した。我輩は猫である宇宙拠点はどうやら想定通りに木星圏に隠れたみたいだ、戦闘の最中くーちゃんからそう通信がきた。だがその時点で私は片腕、片脚を喪失し更に片耳が不自由になっていた。

 

「はは……いきてるわけ……ないか……」

 

私は残された方腕をなんとか前に出して頬に触れる、その頬は冷たく凍りついていたが少なくとも彼女がいきていた証はあったと思う。

 

「モウオワリカ……ブレストファイヤー‼︎」

 

そして私たちはこの炎に包まれる。包まれる前に頭の中に浮かんできたの箒ちゃんと兜教授、そして甲児さん、ちーちゃんの笑顔だった。

 

 




感想、アドバイス……お待ちしております。


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観測された世界で
剣鉄也の異世界奮闘記


ちゃお、少しごちゃごちゃしてる感じだけど第二章!行くぜい!

冒頭はグレートマジンカイザー対アイアンカイザーだぜい。


話を少し前に遡ろう、十年前……

 

「行くぞ!アイアンカイザー‼︎‼︎」

 

「来い!グレートマジンカイザー‼︎‼︎」

 

ミケーネ本部、そこで二機の魔神が激しい戦いを繰り広げていた、片方はグレートマジンカイザー……グレートがグレートブースターを用いて超進化した姿でパイロットは剣鉄也、正義の魔神である。もう片方はアイアンカイザー、ミケーネがダブルマジンガーを元に作り上げた最強の戦闘獣であり使われてるのは勇者ガラダブラの頭脳である。

 

「ぐっ……はぁ‼︎‼︎‼︎」

 

「ちっ‼︎はぁ‼︎‼︎」

 

二人は超高速な空中戦を繰り広げており二人の動きを視認するのはほぼ不可能に近い、だが……

 

「ぐっ……」

 

「どうした?剣鉄也‼︎‼︎まさかこれで終わりか‼︎‼︎」

 

その超高速でかかるGは剣鉄也の身体を蝕みグレートマジンカイザーの動きを止めてしまう、そしてアイアンカイザーの一撃を喰らい地面に激突するがすぐに立ち上がりカイザーソードを構えて斬りかかる。

 

「そうでなくてはな‼︎‼︎流石は勇者だ‼︎‼︎」

 

「お前こそ!俺にこれを使わせるとはな‼︎‼︎流石としか言えないぞ‼︎‼︎勇者ガラダブラ‼︎‼︎」

 

そして二機の戦いが激しさを増しクライマックスを迎えたとほぼ同時だった、突然ミケーネ本部で異変が起きる。突然ミケーネ本部が大爆発したからだ。

 

「な、あれは……」

 

「見ただけでやばいオーラを感じるな」

 

そこから現れたのはマジンガーZの形をした何かだった。奴は俺たちの方に視線を向けた、その目はグレートマジンカイザーとアイアンカイザー、その両方に向けられていた。

 

「行くぞ、ガラダブラ……奴の目的は俺たちらしい」

 

「そうか、ならば見せてやる‼︎ミケーネの勇者が伊達ではないことを‼︎‼︎」

 

そして俺たち二人はマジンガーZの形をした何かに戦いを挑む。だが……その力は一方的すぎた、俺たち二人は奴の攻撃の前に為すすべもなくやられて行く。

 

「剣鉄也‼︎」

 

「なんだ、ガラダブラ……」

 

「この勝負、預けるぞ‼︎‼︎」

 

だが、そんな中でアイアンカイザーはマジンガーZの形をした何かに突っ込みしがみつく。

 

「見よ‼︎‼︎これがミケーネの勇者‼︎ガラダブラの‼︎‼︎魂だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎‼︎」

 

そしてアイアンカイザーは大爆発を起こした、そのエネルギーの余波は周囲にいた俺を巻き込みどこかへ飛ばされるような感覚を覚える。

 

「ぐっ……耐えてくれグレート!」

 

その間、マジンガーZの形をした何かと交戦しボロボロになったグレートマジンカイザーから軋むような音が聴こえてくる。それを聞いた俺はそう言うが超合金ニューZαの超ボディはどんどん傷ついていく……そして、いつのまにか開けた場所に出る。

 

「ここは……いつのまに地下から抜けたんだ……」

 

そこはどこかの沖らしく、日本のどこかとしか分からなかった……そしてグレートマジンカイザーはいつのまにかグレートマジンガーになっておりグレートブースターは使い物にならなくなっていた。

 

「む?なんだ……寒気?スクランブルダッシュ‼︎」

 

俺はその中で不気味な気配を感じたのでそこにボロボロのグレートを飛ばす、だが……

 

「なんだ?この化け物は……」

 

そこで見たのはとても巨大な何かだった、それを見た俺は迷わず手を天に伸ばす。

 

「よく分からないがここで倒させてもらう!!唸れ‼︎サンダーブレーク‼︎‼︎」

 

そしてそのまま俺は現段階でグレートマジンガー最大の武装であるサンダーブレークを放つ。サンダーブレークは怪物に直撃したが効いてる様子は無くこちらに気がついたのかそのまま触手を伸ばして来る。

 

「ボロボロだからって舐めるなよ‼︎マジンガーブレード‼︎‼︎……ネーブルミサイル‼︎‼︎」

 

それを見た俺はマジンガーブレードを取り出してそれらの触手を全て斬り払う、そしてそのままネーブルミサイルを放ち攻撃するがダメージを与えてるかと言われれば些か疑問だった。

 

「ん?なんだ……」

 

その中で俺は二人の少女が謎の空間に突入するのを見つける、俺はグレートの光子力エンジンをフル稼働にして速度を光速にする、既にボロボロの身体に鞭を打ちながらも俺は二人の少女を助ける。

 

その後、あの怪物は消滅……俺はグレートが活動限界を迎えたことで生身となり放り出される。そこで俺の記憶は一時的に途絶えた。

 

「君の名前は剣鉄也……でいいのかな?」

 

「そうだ、フリードマンさん」

 

「呼び捨てで構わないよ、鉄也くん」

 

「いや、流石に年長者だ……敬意は払わないとな」

 

「そうか、国籍不明の人物だからね……とりあえず君のことを聞かせてくれないか?」

 

「ああ」

 

そして俺は目を覚ますとどこかの病室だった。そして目の前にいる白髪の白人、リチャード・フリードマンさんとの自己紹介と俺がここにきた経歴を話した。

 

「ミケーネ、魔神皇帝、グレートマジンカイザー、終焉の魔神……」

 

「……夢みたいな物語だろうが本当のことだ」

 

「いや、特に驚かないよ……だいたいこちらも似たような感じになってるしね」

 

「荒魂……人類の悲しき犠牲者か……」

 

そんなことを会話しているとフリードマンさんは口を開いた。

 

「……君の力を貸してくれないか?丁度友人の一人が君に興味を抱いてね」

 

「ん?友人?」

 

そう俺が尋ねた時だった、突然扉が開いてそこからひとりの男性が出てきた、その男性はだいたい俺と同い年ぐらいの人でただならぬオーラを纏っていた。

 

「君が剣鉄也くんか?」

 

「貴方は?」

 

「俺は神隼人……刀剣類管理局とは別系統の組織、EDF日本支部の司令官だ。君の戦い振りはDVDで見せてもらった……君の力を貸して欲しい」

 

「⁉︎」

 

それを聞いた俺は目を疑った(てかDVDで撮ってたのね)、何故?光子力ではなく俺を求めたのかを?

 

「ふっ、なんで俺があの機体だけでは無くお前なのか……それは簡単だ、EDFは特機戦隊の編成を進めている」

 

「特機戦隊?」

 

「そうだ、EDFは公にされてるされてないモノを含めて様々な勢力と戦っている……ノイズ、インベーダー、無人機、次元獣、宇宙からの侵略者……今は個々でバラバラに遊撃戦を繰り広げているがそれらが手を取り合えば強大な力となる。君にもその手助けをして欲しいんだ。もちろん、グレートマジンガーの修理には全面的に協力する……その代わりにと言ったような条件だ」

 

それを聞いた俺は目を丸くした後に笑った、フリードマンさんと隼人さんは目を丸くして見ていたが俺は笑い終わるとこう答えた。

 

「この剣鉄也とグレートマジンガーでよければいくらでも手伝おう……」

 

「ありがとう、君が来てくれるのなら百人力だ」

 

そして俺はスーパーロボット軍団に入った、当初はまだ人数が俺とゲッターチームだけでありスカウトするのに苦労した。

 

「司馬宙!俺とどちらが多くのハニワ野郎を倒せるか勝負だ!」

 

「いいだろう!剣鉄也!」

 

「スピンストーム‼︎」

 

「ブレストバーン‼︎」

 

例えば、戦いに乱入して勝負したり……

 

「カルヴィナ・クーランジュ少尉、本日付けで特機戦隊所属になりました、よろしくお願いします」

 

「よろしく頼む、少尉」

 

「ホワイトリンクスの力、見せてくれよ」

 

有望な人材をヘッドハンティングしたり……

 

「分かった、我々は特機戦隊所属になります」

 

「分かりました、感謝します……」

 

「この組織、信用できるのか?司令?」

 

「ものは試しだ、それに今は戦力が一つでも欲しい」

 

なんか胡散臭い組織と手を組んだりと色々した。まぁ……戦力として考えたらまだまだな部分はあるがかなり強力な組織となっていた。その組織を作る最中に俺はとある任務の最中に二人の女性と出会った。

 

「貴方が剣鉄也さんでいいのでしょうか?」

 

「ん?そうだが?」

 

「ひろ……司馬さんがこちらにいると聞いて来ました、どちらにいますか?」

 

「宙ならあっちで作戦会議してるぞ」

 

「ありがとうございます、ミナトは待っててね」

 

「ああ、行って来なよ!ミッチー」

 

それはとある作戦で邪魔大王国の侵攻が激化した際に二人の少女が来たからだ、御刀を持っているということは刀使なのだろうか……

 

「ねぇ、アンタがあの時……私と篝を救ってくれた人かな?」

 

そんなことを考えていると突然、後ろからそう話しかけられる……俺は何のことかなと考えてるとあの時、俺が飛ばされた時に相模湾大災厄で救った少女だった。

 

「そうだ。最も表向きには公表されてないがな……無事で何よりだ」

 

「無事か……そうとも言えないんだよなぁ」

 

「……そういえばそうだったな、刀使としての力を失ったんだっけな」

 

「ああ、気にしないでくれ……こうなるって心のどこかで分かってたからさ」

 

「そうか、ところで甘いものは好きかな?」

 

「好きだけど?」

 

「任務が始まるまでに時間があるから一緒にお茶でもどうかな?」

 

「喜んで」

 

俺は少し気まずくなったので、違う話題に変えて近くのカフェに行く。それが俺と彼女との出会いだった、その後に何度か会いいつのまにか恋仲になっていた。

 

「ここに来てから3年、君は今いくつだっけ?」

 

「21ですよ…フリードマンさん」

 

そして……それから数ヶ月、俺は彼女と結婚した、そしてその日は奇しくも俺が甲児君と一緒にミケーネとの決戦に赴き、事故で飛ばされてから三年が経過していた、結婚式の最中、俺はタキシードを着たまま屋上に来ていた、そしてそこで俺はフリードマンさんと話していた。

 

「これから彼女を幸せにしていくのだろう、頑張りたまえ」

 

「はい、ですが……」

 

「美奈都くんの容態ことだね」

 

フリードマンさんは俺の心境を察したのかそう尋ねる、俺はこっそり胸ポケットに入れてたUSBを取り出すとそれを見てこうつぶやいた。

 

「そうです、付き合ってから分かったことですが……美奈都は出会った頃よりも弱ってきてます、今はそんなに問題はないですけど……段々と別れの日が近づいてるのを感じます」

 

「そうか、その中で君は君のベストを尽くしなさい……」

 

「もちろん、そのつもりです」

 

俺はフリードマンさんに励まされると胸ポケットに再びUSBメモリを入れて階段を降りて式場へと戻る。

 

「おーい!鉄也!隼人さんが呼んでたぞ」

 

「分かった」

 

そして、俺は隼人さんに呼ばれたので向かうと彼から封筒を貰った……中身は有給休暇だった。

 

「奥さんとの時間を過ごせ。なにお前がいなくても特機戦隊は無事だ」

 

「わかりました。衛藤鉄也!休暇に入ります!」

 

その言葉を聞いた俺は休暇へと入った。だがそこで邪魔大王国の動きが活性化、鋼鉄ジーグこと司馬宙が自身の命を賭けて封印し阿蘇山付近は誰も入れない魔境となった。

 

「カルヴィナ中尉、恋人と仲良くな」

 

「はい、神司令……お世話になりました」

 

特機戦隊のエース、カルヴィナ・クーランジュ中尉が軍を辞め、恋人のアリスター・リンクスに誘われて月のアシュアリー・クロイツ支社へと移った。

 

「……鉄也くん、今までありがとう」

 

「ああ、神さん……礼なんていらない、こちらこそありがとう」

 

「娘さんと仲良くな」

 

そして七年後、俺もまた軍を辞めることになった……パイロットしての限界が来たのだ。無理にグレートマジンカイザーを動かしたツケがここに来て回ったのだろう、俺はもうグレートを操ることは出来ない。

 

「では、軍を辞めるお前にグレートから出てきたこの鳥野郎を監視することをお前に命じる」

 

「俺を寂しくさせないようにの配慮か?ありがとう」

 

こうして、十年も共に戦った部隊を離れて(同時に新しい任務で謎の鳥を監視することになった、その際に娘がエンペラーと名付けた)娘の可奈美と共に静かに暮らすことになった。娘と二人で過ごすのは楽しく色々遊びに行ったり神司令の家などに遊びに行ったりした。そんなある日のこと予想外のことが起きた。

 

「すみませんが、貴方は危険なので死んでもらいます」

 

「ゴフ……」

 

それは可皐月夜見と名乗り、見た感じは娘よりも一つか二つぐらい年上の子によって後ろに刺されたからだ。

 

「悪く思わないでくださいね、貴方の持つ力は後々邪魔になるので」

 

少女はそう言うとその場を離れる、すると二人の人影がこちらに来る。

 

「大丈夫か?鉄也‼︎今から救急車を呼ぶ!」

 

「お父さん!お父さん!」

 

その二人とは神司令と娘の可奈美だった、俺は半ば意識が消えゆく中で胸につけてたペンダントを外して可奈美に伸ばす。

 

「……」

 

可奈美はそれを受け取ろうとしなかった、多分……それを取ったら俺が死ぬと思ったのだろう、だがそんなことしなくても俺の命はあと僅かだ。

 

「えっ……」

 

だから俺はペンダントを強引に下げる、せめて……この力が役立てることを祈って。

 

<コード入力、引き継ぎ終了>

 

これでいい、これでグレートは無事に可奈美に受け継いだ……俺はもう心残りは、あるか……晴れ姿を見たかったな。エンペラー、娘を頼んだ。

 

こうして、俺の意識は闇の中へと落ちた……その中で様々な記憶が頭の中をよぎり楽しくも辛い、悲しい思い出の中で俺は永遠の眠りについたのだった。

 

ーーーー☆

 

「……おはよう、エンペラー」

 

ここは美濃関学園の宿舎、そこで私、衛藤可奈美はある夢を見て目を覚まし隣にいる私の家族で喋る鳥であるエンペラーに朝の挨拶をした。

 

「おはようございます、可奈美さん……なにやら涙を流してますが、何かあったのですか?」

 

「うん……久々にお父さんの夢を見たから懐かしくて」

 

私はテーブルに座り既にできてる昨日、準備だけしておいた朝ごはんをのんびり食べながらその夢を思い返す。

 

「ねぇ、エンペラー……私はなれるかな?お父さんを超える勇者に?」

 

「その夢を語るならまずは予選を勝ち抜かないといけませんね、まぁ……貴女の腕なら本戦も余裕でしょうけど」

 

「そうだね」

 

私はエンペラーに励まされると肩に乗せ、父から受け継いだペンダントを掛けて部屋を出る。戸締りをちゃんとしたかを確認すると私は急いで部屋を出て走る。

「おはよう、可奈美ちゃん、エンペラー」

 

「うん、おはよう!舞ちゃん!」

 

「おはようございます、舞さま」

 

そして舞ちゃんと合流して挨拶をする、お父さん!お母さん!安心して、私は元気に暮らしてるよ。

 

だけど、この時の私は気がついていなかった……これから起きる戦い、そして荒魂以外の存在との命を掛けた戦いになることを私はまだ知らなかった。

 

 



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勇者を目指す少女!

二章二話!

投稿します。


「こちらゲシュペンスト第一小隊、荒魂と遭遇!これより交戦を開始する!」

 

「こちらベガルタ、敵と遭遇……交戦開始」

 

ここはEDF日本支部……俺、神隼人は日本支部司令官として部隊を指示し、ある日から活性化した荒魂と激闘を繰り広げていた。

 

「やはり、特機戦隊を解体してからフットワークが重くなったな」

 

「そうですね」

 

「あの時、反対を押し切ってまで作るべきだったな」

 

だが、対応が遅く対応に不備が出ていた……EDFと刀使との慣れない連携は足並みが揃わず割と一匹倒すのに苦戦してるのもある。

 

「こんな時にノイズだと⁉︎大変です、司令!ノイズが現れました!ポイントE57」

 

「ヤツに伝えて向かわせろ、ゲシュペンストとベガルタでは相手にはならない」

 

「はい」

 

そして厄介なのは無規則に現れるノイズだ、ソロモンの杖はある一件からこちらが所有してるからコントロールできるがEDF本部がそれを認めるはずもなくノイズ対策はこれまで通りとなっている。

 

「ゾーンの様子は?」

 

「はい、ゾーンは徐々に広がりつつあるみたいです……」

 

「封印が解けつつあるというのか、宙……」

 

そして問題なのは阿蘇山を中心としたゾーンの様子だ、大荒魂タギツヒメを討伐した辺りから活発化しゾーンのエリアが広がりつつあるらしい……

 

「ここで考えてもどうにもならないか……」

 

俺は頭を抱えた後にデバイスを取り出してロック画面を見る、そこには第一次特機隊の初期メンバーで撮った集合写真であり今は亡き友たちの姿もあった。

 

「俺も老いたな」

 

「司令……」

 

「過去は帰ってこないんだ、だから最善を尽くす……」

 

俺は自分にそう激励すると指示を飛ばす、過去の自分や仲間たちに恥じないように……

 

ーーーー☆

 

「こ、ここは……浜辺?」

 

俺、織斑一夏(兜シロー)は目を覚ますと見覚えの無い海岸で目を覚ました。

 

「そうだ、確か俺は……束さんから頼まれて……」

 

俺は立ち上がるとここに来るまで経緯を思い出した、マジンガーの形をしたナニカによって俺の世界は崩壊し束さんから希望を託されて白式の隠された力とマジンカイザーの光子力エネルギーによってここに飛ばされたんだ。

 

「希望はオリジナルのグレートマジンガーか……とりあえずこの格好は目立つから着替えるか」

 

俺はIS学園の制服から私服に着替えると近くに街が見えるのでそこまで歩いて看板までたどり着く、どうやら文字を見る限りここは日本みたいだ……だけどこの世界にはISは無いらしい。

 

「ん?」

 

そして俺は情報を得るべく駅に入りパンフレットを取る。ここはかなり田舎らしく情報も古いものばかりだ、なんで十年近く前(今は2018年)の情報があるんだろうと思いながらパンフレットを見てるとその中でグレートマジンガーの特集記事を見つけた。

 

「これがオリジナルのグレートマジンガー……」

 

そして俺はそのパンフレットを含めたいくつかのものを購入すると海岸に向かい、マジンガーZを纏い空を飛ぶ……向かうは美濃関の近くにあるEDF本部だ。

 

ーーーー☆

 

私、衛藤可奈美はタギツヒメを討伐した後、日本各地に荒魂が出現し大混乱になっていた。

 

「はぁ!」

 

「てや!」

 

その中で私は糸見沙耶香ちゃんと一緒に暴れる荒魂たちと交戦、各地へ転々としながら戦っていた。

 

「ふぅ、やったね!沙耶香ちゃん!」

 

「うん」

 

私たちは戦いを終え、輸送機に乗って宿舎に帰る……その途中、私は空を飛ぶナニカを目撃した。

 

「あれは……特機?」

 

それは私が昔見た資料に出てきて、かつて私の父親が乗っていて無類の強さを誇ったグレートマジンガーと良く似ていた。

 

「可奈美?どうしたの?」

 

「ううん、なんでもないよ」

 

私は沙耶香ちゃんの方に向いてそう答えてから再び窓を見るが、既にその影は無く私は先ほどのあれはなんだったのだろうかを輸送機が美濃関学園に戻るまで考えるのだった。

 

「最近、とんでもなく忙しいよね……舞衣ちゃん」

 

「たしかに……あの一件から荒魂だけでは無くノイズ出現、ゾーンの拡大、そして正体不明の機動兵器群の存在が確認されてるからね」

 

そして学園に戻ると私と沙耶香ちゃんは舞衣ちゃんと合流して一緒にご飯を取ることになった、その中で私は気になるワードが聞こえてきた。

 

「ねぇ、舞衣ちゃん?謎の機動兵器群って?」

 

「うん、これを見て……」

 

私はそう舞衣ちゃんに尋ねる、すると舞衣ちゃんはデバイスを取り出して見せてきた。

 

「これが一週間前から報告に上がる謎の機動兵器だよ……あと専門家の見立てでは侵略者ではないか?という意見がね、可奈美ちゃん?」

 

それを見た私は舞衣ちゃんの言葉が耳に入らず画面に釘付けになった、私はこの機体がデータベースにあるとある機体と似ているなと思ったからだ。

 

「駆動系が……似ている?」

 

「可奈美にスイッチが入った」

 

「剣術と特機になるとこうなるんだよ……」

 

「試合だけだと思ってた」

 

私はすぐに目の前のご飯を全て掻きこんで食べるとすぐにおぼんをどかしてパソコンを取り出す、そして隼人さんから貰ったライセンスを使って機体データを調べ始める、そしてお目当ての機体を見つける。

 

「やっぱり……見て!舞衣ちゃん!沙耶香ちゃん!」

 

私は二人にそう言ってその機体を見せる。その機体の名前はベルゼルート、かつてEDFの新主力機争いに参戦したがテロリストのテロに巻き込まれたせいで凍結された。パイロットのカルヴィナ・クーランジュ元中尉は行方不明になったらしい。

 

「ベルゼルート……確かに謎の機動兵器群の機体と似ているのがいくつかあるわね」

 

「これってもしかして、彼らは私たちを侵略しようとしてるのかな?」

 

「それは分からない、だけど……分かり会えるといいなって思わない?」

 

「そうだね」

 

私たちはそう会話した後、剣道場に向かい二人と手合わせする……舞衣ちゃんも沙耶香ちゃんもとても強く楽しかったが沙耶香ちゃんの表情が暗かったのが少しだけ気になった。

 

「ふはぁ……疲れた」

 

「おかえりなさい、可奈美」

 

「ただいま〜、エンペラー……」

 

そして私は部屋に戻ると唯一の家族である喋る鳥のエンペラーが出迎えてくれた。

 

「……おやすみ、エンペラー」

 

そして私は制服のまま横になって眠る、その際にエンペラーがやれやれとした感じで羽を動かしていたのが見えたがそれを気にする暇もなく眠ってしまった。

 

「お父さん!大好き!」

 

「そうか、ありがとな……可奈美」

 

夢の中で映画館らしき場所でお父さんとの思い出を私は見ていた。いつもは師匠……お母さんとの打ち合いのはずなのになぜだろうと考える。

 

「お父さん!待って!」

 

だが、そう考えてるうちに映画に写ってる私がだんだん成長するにつれてお父さんが離れていく……

 

「お父さん‼︎お父さん‼︎」

 

そして映画は目の前の棺を見る私へとシフトする、私は泣くのを我慢して棺を見る、そして誰もいなくなったところで私は思い切り泣いていた。

 

「お父さん……ってえ?場面が変わる?」

 

私はその時の記憶を思い返していると突然場面が変わる。

 

「鉄也くん、手伝ってくれるか?」

 

「はい、剣造博士……」

 

それはどこかの研究所らしきところで若かりし頃のお父さんと誰かが話していた。私はその先が気になり見ようとした時だった。

 

「こんなところにいたのか、可奈美?」

 

「師匠……」

 

突然、後ろの扉が開いてそこから師匠が出てくる、師匠は私の隣の席に座ると突然映画は終わりスクリーンから絵が途絶える。

 

「可奈美、注意しろ……多分、これは私の未来の旦那からの忠告だ」

 

「忠告?」

 

「相模湾岸大災厄以上の脅威がここに迫ってるってことだよ」

 

「え?あれ以上の……脅威が?」

 

「そうだ、だからお前のペンダントも光ってる」

 

私は師匠にそう言われるとペンダントを取り出す、こんなに輝かしく光ったことは今までなかったのに?と考えていた。

 

「そろそろお別れの時間だな、また会おうな可奈美」

 

「うん」

 

私はそう答えると映画館の扉が開いた、私はそこまでまっすぐ歩いて光の中へ入った。

 

「ふわぁぁ……おはよう、エンペラー」

 

「おはようございます、可奈美……おや、穏やかな夢を見てたのですか?」

 

「お父さんとお母さんの夢かな」

 

「それはいい夢でしたね」

 

私は起きると忘れていたが、それでも心の中にある暖かい気持ちを思い出した。

 

「行こう、エンペラー」

 

「その前に着替えて朝食を食べてからですよ」

 

「ははは、そうでした」

 

こうして私は美濃関の制服に着替えた後にエンペラーが用意してくれた朝ごはんを食べ終えた、その後だった。

 

「もしもし?舞衣ちゃん、どうしたの?」

 

突然、携帯端末が鳴ったので出ると携帯の受話器から爆音が聞こえて来ていた。

 

「可奈美ちゃん!今どこにいるの?」

 

「え?何処って……寮だけど?」

 

「⁉︎、逃げて‼︎」

 

「え?」

 

舞衣ちゃんがそう叫んだとほぼ同時だった、窓ガラスをぶち破り謎の生物が襲って来たからだ。

 

「光子力バリアァァァ‼︎‼︎」

 

それを見た私は御刀を手に取ろうとしたが謎の生物が速く、その爪が私を引き裂こうとしたとほぼ同時だったにエンペラーがそう叫ぶと、私の周りに謎のフィールドが張られ私は間一髪助かる。

 

「可奈美、逃げるぞ!」

 

「うん!」

 

私は迷わず御刀、千鳥を取ると扉をこじ開けて部屋を出る、すると謎の生物も私が逃げたことに気がついたのか急いで後を追ってくる。

 

「とお!」

 

私は写を貼って地面に飛び降りるとその怪物も降りて来た、その怪物は大きな口を開けて私のことを食べようと牙を立てていた。

 

「可奈美、無事でよかった」

 

「沙耶香ちゃん!」

 

その直後にその怪物は切られその後ろから沙耶香ちゃんがそう話しかけて近くにくる。

 

「こいつらはなに?」

 

「わからない。でも、荒魂じゃないみたい……一体一体がとても強い、EDFの部隊が美濃関の生徒と一緒に応戦してる」

 

「じゃあ、急いで合流しよう」

 

そう私たちが話しかけた時だった、先ほど沙耶香ちゃんが斬った怪物が起き上がり牙を向いて来たからだ。

 

「沙耶香ちゃん‼︎」

 

「可奈美⁉︎」

 

私は沙耶香ちゃんを押し出すと千鳥でその一撃を防ぐが吹き飛ばされる。

 

「う……」

 

私はその一撃で写が解けて無防備になる。

 

「可奈美!」

 

「はっ……」

 

そして気がつけば周りには沢山の怪物がひしめいており、私は絶対絶命のピンチに陥っていた。どうやらあの怪物はそれが狙いだったらしい……一匹一匹が私に向かって舌を舐めながら近づいてくる。

 

「くっ……」

 

私はなんとか立ち上がって御刀を構える、だが……先ほどの沙耶香ちゃんの一撃を喰らっても再生した怪物を相手にどう立ち回ればいいか考える。その中で私は不安になりペンダントを握る。

 

「ペンダントが熱い……」

 

するとお父さんから貰ったペンダントが熱を帯びていたからだ。

 

「もしかして……」

 

私はペンダントを握り締めると頭の中に若かりし頃のお父さんの姿が浮かぶ、その姿は遥かに遠くそして目指すべき背中だった、それを見た私は空高く千鳥を掲げる。

 

「可奈美?可奈美‼︎」

 

沙耶香ちゃんは怪物を一匹倒した後に不思議そうに私を見つめる、怪物たちはそれが合図となり私に襲いかかってくる。

 

「スクランブルダァァァァッシュ‼︎‼︎」

 

私は高らかにそう叫ぶ、すると周りの怪物たちは消し飛びそこから一つの鉄の機体が現れて大空を飛びあがり滞空する、

 

「ネーブルミサイル‼︎」

 

そして沙耶香ちゃんの近くにいた怪物を胸から出るミサイルで消しとばす、その威力は控えめだが再生できる怪物がほぼ一発で消し飛ぶがほどで沙耶香ちゃんが驚きながら見ていた。

 

「聞け‼︎私はグレートマジンガー‼︎‼︎偉大な!勇者だ‼︎」

 

私はそう答えると怪物たちは飛び上がり私に向かって襲いかかってくる。

 

「マジンガーブレード‼︎」

 

私はマジンガーブレードを取り出すと地面に着地して切りまくる、怪物たちはマジンガーブレードに切り裂かれるが再生する。

 

「沙耶香ちゃん、捕まって!」

 

「うん」

 

私は沙耶香ちゃんを掴んで持ち上げるとそのまま天高く腕を掲げて雲に光子力エネルギーを送りそのまま電撃がこちらに降ってきて腕にエネルギーがたまる。

 

「轟け!サンダァァァァァァ‼︎‼︎ブレェェェェェェク‼︎‼︎」

 

そして私は電撃を放つと怪物たちは跡形もなく消し飛ぶ、その威力はクレーターができるほどで周囲にいた怪物たちを文字通り跡形もなく消していた。

 

「このまま舞衣ちゃんたちと合流するよ」

 

「うん」

 

殲滅したのを確認した私たちはそのまま舞衣ちゃんたちと合流すべく空を駆ける。

 

「可奈美、あれ?」

 

そろそろ舞衣ちゃんたちと合流できそうになった時だった、グレートマジンガーに似た黒い機体がそこには立っておりその周りにはあの怪物たちの死体があった。

 

「可奈美ちゃん!沙耶香ちゃん!」

 

「舞衣ちゃん!無事でよかったー!」

 

「きゃ、ふふ……心配してくれてありがとう、可奈美ちゃん」

 

そのあと、私は舞衣ちゃんたちと合流すると抱きついて無事を確かめる。

 

「貴方は何者?可奈美と同じような機体を操っていたけど?」

 

そして沙耶香ちゃんは目の前にいる、黒い機体にそう尋ねるとその機体は淡い光の粒子となって消えて中から人が現れる。

 

「……」

 

その人はどことなくお父さんに似ていた、優しい顔つきだがどこか芯があるような表情……だが、同時に哀愁が漂っていた。

 

「俺が何者か語る前に、自己紹介するよ……俺は織斑一夏、本当の名前は兜シロー……俺はある目的のために別の世界からやってきた」

 

その言葉を聞いた時、私の中で一つの歯車がカチリとハマる音が聞こえ……

 

「この世界に来たのはある人を探すためだ、その人の名前は剣鉄也……この世界にいると聞いてるんだけど知らないかな?」

 

この出会いは偶然では無く必然だと感じた、だから……

 

「剣鉄也は私のお父さんです」

 

私はこう返した。沙耶香ちゃんは少し不安そうな表情をしていたが私は一夏さんが嘘をついてない風に思えたしそれにその目は嘘をついてる目ではなかったからだ。

 

「…鉄也さんは今どこに?」

 

「…………お父さんは死にました」

 

一夏さんはそう尋ねてくる。私は一瞬答えるのに言い淀んだがちゃんと答える。

 

「そうか、ごめん……嫌なことを聞いてしまって」

 

「いえいえ、大丈夫ですよ!気にしないでください、それにお父さんは気にしませんから」

 

「そうか、そうだな……」

 

そのあと、私たちはEDFの人たちと合流して隼人司令のところに向かうのだった。

 

ーーーー☆

 

とある場所にて……

 

「トーヤ、テニア、わかってるな」

 

俺、トウ=ヤ・シューンこと郡統夜は幼馴染でバシレウスに選ばれた幼竜と心を通じ合った少女、フェステニア・ミューズと共に父、エ・セルダに呼ばれて地上世界とここ地下世界ラ・ギアスを繋ぐゲートの前にいた。

 

「分かっています、父さ……騎士団長」

 

「ここでは父さんでいい。何……ここは別に階級とか関係ないのだからな」

 

俺がまだ準騎士となって数日、わずか十六歳でここまで来れたものは我が師であり次期騎士団長と名高いアル・ヴァン以来らしく、天才と周りから言われたが俺自身はそうは思ってない……これは全部師と父による訓練による成果だ。

 

「トーヤ、分かってると思うが一応、再度説明しておく……今回の任務は我々を裏切り地上世界を侵略しようとする元騎士団長であるグ・ランドン・ゴーツならびにその一派の者達を捕らえることだ。本来なら騎士アル・ヴァンに頼みたいが今は別の任務に向かわせている、終わり次第合流するつもりだ。あとシャナ・ミナ様からトーヤに聖王機が貸し出されることになった、お前なら使いこなせるだろう……だが注意しろ、敵は強い。だから今回は助っ人も呼んでおいた……既に現地にいるから合流できるはずだ」

 

「分かりました」

 

俺はその説明を聞き終えるとゲートの前に立って騎士礼装から私服へと着替える、そして俺はテニアの手を握る。

 

「行くよ、トーヤ」

 

「ああ」

 

そして俺たち二人は中に突入する、そしてゲートを抜けた先はどこかの平原だった。

 

「着いたな」

 

「そうだね」

 

俺とテニアは周りを警戒していると白い機体がこちらに高速で向かって来た。

 

「よう、アンタたちが一緒に仕事をしてくれる人たちかな?」

 

「そうだ」

 

「私はギン・ミノワ!ここ(地上世界)では三ノ輪銀って呼んでくれ」

 

こうして、俺が準騎士となっての初任務が幕を開けたのだった。




感想、アドバイス、お待ちしております。


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異世界から来る者、騎士と魔装機神

二章、三話!

次回、Zが強化される予定ですん。


とある平原にて……俺、郡統夜は幼馴染のフェステニア・ミューズと共に地上世界に降り立つと一足先にこの世界に来ていた魔装機神パイロット、三ノ輪銀と合流した。

 

「はい、これ……ここの身分証」

 

「高校生?」

 

「私もだ」

 

そして俺たちは彼女からこの世界に於ける身分証ならびに必要なアイテムを渡される。

 

「三ノ輪さん?これは?」

 

「この学校の制服だよ?転校手続きは済ませてあるから任せて。あと二人の住む場所は同じだから問題は起こさないようにね。またね!」

 

そして彼女はそう言うとそのまま大空へと飛び上がりどこかへ立ち去っていく。

 

「テニア、どうする?」

 

「何って決まってるよ、騎士様」

 

それを見た俺はテニアにそう尋ねると彼女は俺の腕に抱きつきこう答える。

 

「拠点に行くついでにどんな街か見て回ろう!」

 

「分かったよ、お姫様……行こうか」

 

こうして俺とテニアは拠点となる住所に向かいつつ日用品を集めに買い物に向かった、その時……ふと一瞬だけオルガンエクストラが反応した。

 

「なんだ……」

 

俺は聖王機、グランティードのセンサーを確認する……付近にサイトロンエナジーの反応が無くまた、この辺り一帯に俺達二人以外の反応がない。

 

「気のせいか……」

 

俺はテニアに引っ張られながらもそう考えながら引きずられる。その時ふとあの変な竜巻が目に移った。

 

「ここからかなり距離があるのに見えるのはおかしい……っ⁉︎」

 

「トーヤ?どうしたの?」

 

竜巻を見ていると不気味な気配を感じるとともにその中に微量なサイトロンエナジーを感じた。

 

「テニア、拠点に向かう前にあっちに向かおう」

 

「うん。じゃあ、乗ってく?」

 

「ああ」

 

「バシレウス‼︎」

 

そしてテニアは神龍バシレウスとなった小さな龍、リオを呼び出しそして神龍バシレウスに姿を変えるとその上に乗ってあの竜巻方面に向かって飛ぶのだった。

 

ーーーー☆

 

あの謎の生物、インベーダーと戦った後……俺は神隼人さんに呼ばれて事情聴取を受けていた。

 

「ふむ、剣鉄也の甥か……そして訳あって引き取られ今の名前になったというわけだな」

 

「そういうことです」

 

そして知ってることを全部喋ると神さんはメモを取っていた秘書に目線を合わせると秘書さんは部屋を出て行く。

 

「さて、二人きりになったわけで単刀直入に聞こう……君の持つアクセサリーの中に彼が来た時と同じ反応を示したわけだ、君も同じように使えるのか?」

 

神さんはカイザーのことに気がついたのかそう尋ねてくる、とほぼ同時に思い出が蘇る。

 

『もちろんよ!』

 

『いっくん、君にこの世界を託す‼︎』

 

『シローくん……助けてくれて……ありがとう……』

 

俺はその思い出が脳裏によぎった後に待機状態となってる白式を見る。白式ガントレットは灰色に染まっておりそれを見た後にこう伝える。

 

「はい、でも……今は使えません」

 

「そうか、何か事情があるのだろう……だが君の力は必要だ、だから君にお願いしよう」

 

神司令は俺の表情を見て何かを察したのかそう言うと俺にある書類一式を渡して来た。

 

「君のこの世界における身分証明書だ、一応……明日には指定の高校に通ってもらう、それでいいかな?」

 

「はい、分かりました」

 

こうして俺は書類一式を書き終わった後、暇になったので表に出る。外はそんなに暗くなくまだ明るい、その中で俺はある竜巻が目に入った。

 

「確か、転校する学校が向こうだから見に行くついでに向かうか」

 

そして俺はあの竜巻が気になったのでマジンガーZを纏い空を飛んで向かう。

 

「これがここの資料に書いてあったゾーンか……中に入ったら出られなくなる牢獄」

 

俺は転校するであろう街に着地すると周りを探索する、近くには色々あって引っ越した私立リディアン音楽院がありその学校は私立なのに学費が安いこともあって人気だ。その近くで俺はその先にあるキープアウトと書かれたビニールテープが巻かれたところからあの竜巻を見る。

 

「ん?なんだ?」

 

その中である光があの竜巻から出た気がした、俺はその後を追おうとするがその前に気配を感じて振り返る。

 

「誰だ!」

 

俺はそう後ろにいた二人組に尋ねる、木の影から茶髪の同い年ぐらいの男性とオレンジ色の髪をした少女が出てくる。

 

「……貴様こそここで何をしていた?」

 

「え?ゾーンが気になったから見にきてただけだが?」

 

「そうか俺もだ。あとここに人がいるとは思わなかったからつい隠れてしまったんだ……ほら危ない人だと思ったら危ないだろ?」

 

「それもそうか、疑って悪かった……」

 

「いや、大丈夫……俺もだから」

 

そして俺たち二人はそう会話すると少しだけ気まずくなった。

 

「じゃあ、俺はこれで」

 

「では僕たちも」

 

こうしてなにかの縁なのか俺たちは特に喋ることなく山を降りて、別れたあとだった。突然爆音が街の方から聞こえてきた。

 

「「‼︎」」

 

俺たちそれに気づくと走って向かう、街中に着くと謎の怪物たちが警官の車両を壊しながら街を破壊して歩いていた。

 

「二人は逃げててくれ!行くぜ、マジーンゴー!」

 

それを見た俺はマジンガーZを纏い、空を飛んであの怪物たちに突っ込む。

 

「ロケットパンチ!ドリルミサイル!並びにミサイル発射!」

 

俺は空を飛びながら空中からの制圧を図るべくロケットパンチ、ドリルミサイルそしてミサイルパンチを放つ、だが……

 

「グォォォォォォ‼︎‼︎」

 

「効かない?ぐあ⁉︎」

 

怪物の周囲にいた謎の兵士は倒せたものの、その怪物には効いておらず逆に反撃されてしまい、地面に落ちる……その際にZの翼であるジェットスクランダーが折れてしまい、俺は飛べなくなってしまう。

 

「ぐっ……まだまだ、光子力ビーム‼︎‼︎」

 

それでも俺は諦めずに光子力ビームを放って応戦するが怪物はなんともなくそのまま首根っこを掴んで地面に叩きつけられる。

 

「がっ……ブ、ブレストファイヤー‼︎‼︎」

 

そして今度は頭を掴まれて持ち上げられたのでそのまま胸の放熱板から放つ強力兵器、ブレストファイヤーをフルパワーで放ち腕を溶かして脱出する。

 

「グォォォォォォ‼︎」

 

「再生した⁉︎ぐぁ⁉︎」

 

だが、奴は瞬時に腕を再生させるとそのまま俺を殴り飛ばす。Zと奴の差にある戦闘力の高さに俺はなんとか立ち向かおうとする。

 

「まだだ!喰らえ、ブレストファイヤー‼︎‼︎」

 

迷わず先ほど効いた攻撃、ブレストファイヤーを放つが奴はそれを物ともせずに突き進み、俺の前に立つ。

 

「グォォォォォォ‼︎‼︎」

 

完敗だった。マジンガーZはこの世界での初戦闘時の戦いでも思ったが……性能不足だ、少なくとも今の状態では歯が立たない……

 

「ぐっ……」

 

俺は奴から貰い受けたダメージが多かったのか立ち上がれずやられるかと思った、そして奴が拳を振り下ろしたと同時に俺の視界は真っ暗になった。

 

ーーーー☆

 

「グォォォォォォン‼︎‼︎」

 

「残念、そこはハズレだ」

 

俺はあの人から逃げるように言われたあと、物陰に隠れテニアに拠点まで行くように伝えて彼が戦う様子を見ていた、パイロット自体の動きも良くあのマシンの性能も低くはないのだろう、だが……奴と戦うには力不足だったのだろう。

 

「今度は俺が代わりに相手になる。聖王機……グランティード、参る‼︎」

 

だから俺はなにかの縁だと思い、あの人をラースエイレムで時間を止めて助けて奴の背後に回り名乗りを上げて戦うことを決めたのだ。

 

「グォォォォォォン‼︎‼︎」

 

あの怪物、ゴーレムのような何かはそのまま俺に向かって拳を振るうが俺はそれを軽々と躱してカウンターを決めて殴り飛ばす。

 

「フィンガークラッシャー‼︎‼︎」

 

そしてそのまま俺は近づいて奴に向かって手刀を用いた戦いを繰り出す。ゴーレムのような何かは超再生をするがそんなものは関係ない、単純に奴の回復速度を上回る攻撃をして核を見つければいい。

 

「オルゴンブラスター‼︎‼︎」

 

俺はフィンガークラッシャーで奴の動きを固定すると至近距離からオルゴンブラスターを放ち奴の顔を消しとばす、すると奴の核を見つけたので再びオルゴンブラスターを放ってその核を消しとばして倒す。

 

「ふぅ、これでよし……」

 

そして奴は風化し年度になる。俺は振り向くと迎えに来ていたバシレウスに飛び乗りその場を離れる。

 

「さて、バシレウス……案内よろしくな」

 

「くぅん……」

 

俺はバシレウスの頭を撫でながらそう言うとバシレウスは更に速度を上げる、そしてある場所まで移動すると降りて周りを確認する。

 

「誰にも見られてないな、バシレウス……解除」

 

「きゅん‼︎」

 

そして俺は誰もいないところで神龍バシレウスを幼竜にすると拠点になるアパートに入る。アパートの中は綺麗で内装がしっかりしていた。

 

「トーヤ、リオ!お帰り!」

 

「ただいま」

 

「くうん!」

 

そう考えてるとテニアが笑顔で出迎えてくれたので、バシレウスいやリオ(テニアと俺が付けた名前、本当は神龍の子どもに名前をつけるのはいけないことだが付けた)はテニアの頬にすり寄り俺はソファに座りゲーム機を取り出す。

 

「トーヤ、手伝って」

 

「うぐ、はーい……」

 

するとテニアからそう言われたので俺はゲーム機を置くと食器を置いたりするのを手伝う。

 

「ただいま〜、無事に着けてなによりだよ〜」

 

その途中に三ノ輪銀さんが扉を開けて中に入ってくる、手にはスーパーのレジ袋を両手一杯に持っていた。

 

「ご飯作るから適当に座って待っててよ」

 

三ノ輪さんは台所に立つと慣れた手つきで料理を始め、俺とテニアはとりあえず椅子に座って待つ。その時俺はふと彼女の片腕が義手であることに気がついた。

 

「お待たせ。はい!銀様お手製の特別料理だ!」

 

彼女は作った品々を机の上に置く、俺はまず一口食べるととても美味しく家庭の味がした。俺はそれらの品々をとても美味しくいただく……

 

「三ノ輪さん!料理教えてくれませんか?」

 

「いいですよ、あと私の方が年下なので銀ちゃんとか銀とかでいいですよ」

 

「わかった、じゃあ銀ちゃんで‼︎私のことは気軽にテニアでいいよ!」

 

「わかりました、テニアさん」

 

テニアは気に入ったのかそう彼女と会話する。そして俺は食器を片付け終わると今日の報告レポートを書き終えてから自室に入り携帯ゲーム機に電源を入れてベットに寝転がりゲームを始める。

 

「テニアとは離れ離れか……」

 

そう、テニアは長船女学園に編入されることになり俺は近くの高校に入ることになったのだ。なぜ離れ離れにする必要があるのかイマイチ理解できないが。

 

「まぁ、いいか……いくらか事情があるのだろう」

 

俺はそう割り切ると同時にゲームのクエストをクリアして、また違うクエストを受ける。

 

「トーヤ、起きてる?」

 

「起きてるけど?」

 

「じゃあ、入るね」

 

その途中に、俺の部屋にテニアが入ってくる……どうやら表情を見る限り離れ離れになるのが不安なのだろう。まぁ仕方ない、テニアはかなり元気っ子だが少し人見知りな面がある。

 

「トーヤ、明日……不安で仕方ないよ」

 

「大丈夫、テニアならどうにかなるさ……俺も不安だしね」

 

「トーヤもなんだ」

 

「うん、それに俺……外だとテニアや父さん、母さんか居ないと落ち着かないんだ……」

 

「私も……親しい人がいないと落ち着かないよね……」

 

そして俺たちはそう会話していると俺はチャンスかなって思った。今までは幼馴染だったがこれからは大切な人に……

 

「テニア、俺は……」

 

俺はテニアに告白しようと口を開こうとした、時だった……突然扉が開いてそこから三ノ輪さんが入って来たからだ。

 

「お二人とももう寝ましょう……」

 

「「はい」」

 

こうして邪魔されて俺は寝付く。ちくしょうタイミングガァァァァァと心の中で思いながら。

 

「さて、これでいいのかな?」

 

翌日……俺は朝ごはんを食べ終えた後に制服に袖を通していた。制服はどこにでもありそうな紺のブレザーを基調としておりデザインもとてもよく俺個人は気に入っていた。

 

「トーヤ、行こう!」

 

「ああ」

 

俺はテニアにそう答えて玄関の扉を開けて歩く。テニアの服装はなんというかどこかのレストランの店と言われても疑われないような服装をしていた。

 

「さて、そろそろ分かれ道だね……また家で」

 

「うん、また家で!」

 

俺はこうしてテニアと別れるとこれから通う高校へと向かう。

 

「今日は二人も転校生か来るなんて珍しい……既に一人は教室の前にいるから合流してください」

 

「はい」

 

そして俺は受付で書類を手渡すと案内されて教室の前に連れて行かれる、そこで……

 

「⁉︎、君は……」

 

「あの時の……」

 

俺はあの時のパイロットと再会したのだった。

 

ーーーー☆

 

「……」

 

三ヶ月前……私はとある研究施設である職員の日記の内容を見ていた。

 

私はここの職員だ、これを見たものへ伝える。

GG計画は失敗した、奴らにこの場所がバレたのだ……その為私たちは奥の手を発動した、GGを異世界へ転移させ避難させた。飛ばした場所は我々にも分からない、だが少なくともこの場所よりは安全な筈だ。

最後に願うなら妻と子に会いたかった。

このプレゼントを子どもと妻に渡してくれ、お誕生日おめでとう。

P.S……SSは上手く隠した、あとはこれを見つけたものに託す。

F・T

 

「……サイトロンシステム、これを使用すれば私たちは負けないかもしれませんね」

 

私、ナスターシャはFISの関連組織であるアシュアリー・クロイツ社をマリア・カデンツァヴァナ・イヴと共に襲撃しそこからあるデータを抜き取っていた、その際に私はこの日記を見つける……書いた人物の名前はフランツ・ツェッペリン……

 

「こんな出所が不明な技術を使って試作機を二機も作っていたのは意外でしたね……格闘戦に長けたものがいないのでこれは使いませんが、一応回収させてもらいましょう」

 

私はその機体を輸送機に運び入れる。アシュアリー・クロイツ社の食堂から数多の食糧は強奪させてもらっている。

 

「マム、準備終わったよ」

 

「早く来るデース‼︎」

 

そして私たちはこの場を後にして立ち去り、そして私はサイトロンシステムの解析に入る。どうやらこのシステムはフォニックゲインを使わなくてもノイズを倒せる力を持ち、そして強化パーツを付けることで更にその性能を飛躍的に向上させることができるらしい……

 

「ふむ、しかもサイトロンシステムはフォニックゲインと相性が良いですね……これならlinkerに頼らなくてもいいようになりますね」

 

それを見た私は解析を始める。まさかこんなところでlinkerの代わりになるものを見つけられるとは思ってもいなかった……

 

「なんとかして完成させないといけませんね……それに念のため、あの機体の強化パーツを作っておきましょうか」

 

こうして、私は作り始める……linkerに頼らずそして強化できる力、サイトロンシステム。時間が掛かるかもしれませんがこれをあの子達に残しておかなければなりませんね。

 

そして一月後、なんとか一つは完成したが……とても使い物にはならなかった。だがそれでも一筋の希望を求めて全てを旧FISの施設に隠した。アシュアリー・クロイツで見つけた機動兵器もサイトロンシステムも……

 

こうして、私達の戦いが幕を開けた。

 

ーーーー☆

 

そして二ヶ月半後、アタシ……暁切歌(アカツキキリカ)はマリアと調にマムの残した日記を頼りに旧FISの倉庫に来ていた。

 

「うげぇ……汚いデース」

 

アタシは倉庫に入ると顔をしかめた、なぜなら倉庫の中はあまり掃除されておらず埃が舞ってたからだ。

 

「こんなところにマムの残した遺産があるんですかねぇ……ん?」

 

そう愚痴ってるとふとなにかを感じたアタシは倉庫の真ん中にくる。

 

「この下から何かあるんデスかね?ん?あっ!あったデス!」

 

アタシは地下への入り口を見つけるとその扉を開けて中に入る、すると先ほど感じた気配が濃厚になっていく。

 

「ここは綺麗デスね……あっ‼︎ありました‼︎」

 

そしてアタシはマムの残した遺産である箱と運び込んだある機体を見つける。

 

「よし!見つけたデース!」

 

早速、アタシはパスワードのロックを解除してクストウェルを出したその直後に頭の中に声が聞こえてきた。

 

<サイトロンエナジー確認……感知。パターンFF、エナジー値規定値より30パーセントマイナス、ブラキウムへの装着現段階では不可。だが起動及び戦闘可、彼女を主人として認める>

 

内容はそんな感じの声。すると突然箱の中にあったサイトロンシステムが光り出すと同時にアタシのギアと融合する。

 

「ど、どうなってるんデス⁉︎」

 

それを見たアタシは最初は戸惑ったがそれよりも驚くことが起きたのだ。突然イガリマが展開し、クストウェルのパーツ一つ一つが合体したのだ。

 

「デ、デデデース⁉︎⁉︎」

 

そして気がついたらクストウェルも箱の中身も消えており、イガリマが解けていた。

 

「今のはなんだったのでしょうか……とりあえず全部持ち帰るデス」

 

こうして、アタシは全てのデータと箱を持ち帰る。その時ふとイガリマを纏った筈なのに疲れを感じなかったのかとふと思ったがその時に連絡が来たので急いで帰る。これがアタシの運命を大きく変えることになるとはこの時は思いもしなかったのデース……




感想、アドバイス、お待ちしております。


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再誕!ダブルマジンガー‼︎‼︎

ダブルマジンガー無双、そして現れる最強の魔神……

二人は勝つことができるのか?


地球がナニカによって滅ぼされて地球時間で数週間が経過した。私は生存者がいるのではないかと思い度々隙を見ては生存者を探すべく動ける人たちを集めて探索を行なっている。

 

「状況はどうなってる?」

 

「こちら、アモン1……民間人の捜索ならびに無事だったISコアを数十機回収した、これより奴の目を潜り抜けて離脱する」

 

「こちらメインコンピュータールーム、艦の調整終了……我が輩は猫であるの改修完了」

 

「分かった、ありがとう……」

 

私は奴から逃げるべく木星圏で我が輩は猫であるを改装していた。超合金NZ(ニューZ)を装甲に使い、インパルスのデータにあった機体群を3Dプリンターで再現しその一機一機を無人化し、ISコアを埋め込む。

 

「……」

 

そしてその中にある一部の機体は有人機にしており、それらの機体はインパルスの元ととなったストライクをベースに作り上げた。

 

「収容したのは何人ぐらいだ?」

 

「重軽傷者含めて500人程度かな、割と地下で生き残ってた人が多かった……あと、有人機のパイロットになる人材を集めてきた、あの戦いの生き残りたちだ」

 

「そうか」

 

私はインパルスにそう答えると艦長席に座り、周りの状況を確認する……奴にはまだバレてないらしくこのまま予定通りに改装が終わり次第、光子力転移装置を起動させてジャンプする。

 

「こちらアモン6、輸送機に人を詰め込んだ……これより帰投する」

 

「わかった、アモン6……このままアモン1と合流して引け」

 

「了解」

 

このままいけば、初期の救助者を含めて述べ800人の生存者を確保できる……80億近くあった人類の生き残りがのこりこれだけとはな、しかもそれらの生存者を率いるのは私、篠ノ之箒だということもだ。

 

「こちらアモン2、奴に動きはない……このまま監視する」

 

「わかった、衛星ハッキングからの監視ご苦労……輸送機は今、どこにいる?クロエ」

 

「はい、500人あまりの生存者を乗せた輸送機二機は火星圏を迂回させて木星圏へと向かっています」

 

「そうか」

 

私はクロエとそう話しをするとふとアモン1、インパルスのパイロットとの会話を思い出した。

 

「火星か……そういえばテラフォーミング計画はどうなったんだ?」

 

「はい、マジンガーZEROによる大規模攻勢の後に生き残った人類たちは宇宙に逃げる人たちと地下で奴をやり過ごす二組に別れました。宇宙に逃げる人々は奴からの追撃を喰らいながらもなんとか火星圏ならびに金星圏、外宇宙へ逃亡……外宇宙へ逃げた人々の動向は知りませんが、火星圏は元々テラフォーミング計画が進んでいたこともあり沢山の民間人が生き残っていると考えられます。金星圏へ逃げた人々も火星圏に移動したようですしね」

 

「そうか……」

 

クロエからの説明を聞き終えた後、突如通信が入る。

 

「こちらアモン1、アモン3とアモン6で敵と交戦中……」

 

「なに?何があった?」

 

「分からない、火星圏を迂回して進んでいたらISらしき部隊と遭遇したとしか言えない……アモン6、輸送機の護衛はこちらに任せて一掃しろ!3は俺と共に護衛を続行!」

 

そして、その通信が切られると私はクロエの方に向く。

 

「クロエ、この調子でいけばあと何日で完成する?」

 

「はい、地球時間で輸送機が到着してから数時間と言ったところです」

 

「わかった、多分だが戦闘になる……完成を急ぐためにステルスモードを解除、そして完成次第現場所から離脱する」

 

「了解、ステルスモード解除……エネルギーを全部完成へと急がせます」

 

「鬼が出るか蛇が来るか……どっちだ?」

 

そしてそう呟くとほぼ同時に通信が入る。その内容は輸送機ならびにアモン小隊全員無事、しかし火星圏から追撃部隊が迫っているというものだった。私たちは第1種戦闘態勢へと切り替かえると同時に輸送機隊が迫る。

 

「戦闘開始!クロエ、輸送機には当てるなよ!」

 

「了解、全機発進……」

 

そして私はクロエに指示を出すと同時にハッチから大量の無人機・ザク、グフが飛び出す。

 

ザク……正式名称はザク・ウォーリアー、インパルスのデータにあった機体を再現した。性能も再現し武装も再現、性能は高く割と扱いやすい。

 

グフ……正式名称はグフ・イグナイテッド、インパルスのデータにあった機体の一つで、性能と武装を再現した。性能はザクよりも高いが多少扱い辛いらしい。

 

ザクとグフは輸送機の後方に部隊を展開すると交戦を開始する。そして輸送機が一機、なんとか我が輩は猫であるに着陸する。

 

「あともう一機だ、急げ‼︎」

 

私がそう指示を出した、その時だった……突如、2機目の輸送機が撃ち抜かれて爆発したのだ。

 

「な……あの光線は……」

 

「こちらアモン2、ZEROが!ZEROが動き始めました!」

 

「なんだと⁉︎」

 

「鬼どころか神が来ましたね。我が輩は猫であるは換装を終了しているのでいつでもでれます」

 

「各機を急いで戻らせろ!このまま我が輩は猫である、いやミネルバXはジャンプに入る‼︎」

 

そして私は全機収容すると我が輩は猫であるから改名したミネルバXを発進させる。

 

「光子力バリアーに直撃。ですが航行に問題なし」

 

「よし!飛べぇぇぇぇぇ‼︎‼︎」

 

そして私たちは光に包まれてその場から消え、ミネルバXはマジンガーZEROを振り切り未知なる世界へと飛ぶ。

 

「転移は?どうなった?」

 

「……確認しました、座標位置は同じですが移動には成功したもようです。ここは観測された世界です」

 

そして目が醒めると私たちは観測されし世界へと来ていた。奴を振り切りなんとかたどり着いたのだ。

 

「どうしますか?箒さま」

 

「決まっている、地球へ向かう……ステルスモードをオンにしておいてくれ」

 

「了解です」

 

こうして私たちは地球へと向かう。生き残った550人の命を守るための最善な行動をしなければならないからだ。

 

ーーーー☆

 

「マジンガーの性能を上げる⁉︎そんなことが出来るんですか⁉︎」

 

「ああ、この世界では真っ先に来たのが超合金Zではなく超合金NZだった、つまり整備する際にマジンガーZはパワーアップすることができる」

 

転校する前日……EDF本部にて俺、織斑一夏は先ほどの戦いで手も足も出ず無残にやられたマジンガーZを整備してもらう際に隼人司令からそう言われて驚いていた。何故なら束さんから託された最後の希望であるマジンガーZが強化されるからだ。

 

「お願いします、司令‼︎」

 

「わかった、立花技術長に伝えてくれ……Zを強化するんだ」

 

そして翌日、俺はマジンガーZが強化されたと聞いてラボにきていた。そしてマジンガーZを手渡されて纏ってみると性能が段違いに進化していたのでデータを見てみると光子力エンジンがオリジナルのグレートマジンガークラスの出力まで上がり、そして装甲強度も超合金Zから超合金NZへと変わったことでパワーアップしジェットスクランダーも強化された。

 

「これでいいかな、織斑くん?」

 

「はい、ありがとうございます!立花技術長!」

 

俺は強化されたマジンガーZを受け取ると強化してくれた人にお礼を言いに行く。

 

「ん?立花さん、娘さんがいるんですか?」

 

そして俺は頭を下げてからそう言うと何やら研究室に写真立てか置かれており、その写真には幼い女の子と仲良く写ってる姿があった。

 

「うん、今は……高校二年生かな」

 

「すみません」

 

俺はそのことを尋ねると悲しい顔をしてそう答えた、それを聞いた俺はこれに触れることはタブーだと分かり謝る。

 

「いやいや、気にしなくていいよ……多分、僕は娘に嫌われてる……僕が関わらない方が幸せになれるよ、だから僕はわざと嫌われに行こうかなとか考えてるよ」

 

「悲しすぎますよ、立花技術長……」

 

「立花さんでいいよ、一夏くん……悲しすぎるか、確かにそうかもしれないね。そういえば司令が呼んでたよ、早く行ったらどうかな?」

 

「はい」

 

そして俺は差し入れで持ってきたシュークリームをラボに置いて廊下に出る、立花さんのことは後で考えるしかない……

 

「おい、転校初日から遅刻しようとしてどうする?行け‼︎」

 

「は、はい‼︎」

 

そして俺は神司令にそうどやされると俺は急いで出立してこれから通うことになる学校、美濃席学園へ向かう。そこで俺は再会した。

 

「郡統夜っていうのか……俺は織斑、織斑一夏だ」

 

「よろしく、一夏って呼んでもいいか?」

 

昨日会った、少年……郡統夜と俺は話してみるとかなり親しみやすかった。

 

「昨日は無事でよかったよ。ところでテニアさんは一緒じゃないのか?」

 

「テニアは学園に通ってるよ、今スマホを見てみたけど刀使の授業を受けてるらしい」

 

「へぇ〜、そうなのか……」

 

転校してきたばかりの者同士で楽しく話していると突然、端末が鳴ると同時に扉が開いて黒服二人に離せ離せと叫んでいた一人の少女が放り込まれてくる。

 

「ふげ⁉︎」

 

「神さんからメール?何々、今女の子が放り込まれて来ただろ?面倒を見ろだぁぁぁぁ⁉︎‼︎」

 

俺は端末のメール内容を見ると絶句する内容だった。なんでこんなことになってるんじゃろ、と思いながら考えていると突然、統夜が立ち上がってハンカチを取り出してその女の子に渡した。

 

「何があったかは知らないけどこれで涙を拭きなよ」

 

おいおい、自称騎士様凄い……男でも惚れてしまいそうと考えているとハンカチを受け取り涙を拭いた後に鼻をかんだりした。

 

「つまり、要約すると本来なら友達と一緒の学校に通ってる筈がこうなったと……」

 

「デスデス、いきなりのことで動揺して暴れてしまったのもあります」

 

「その気持ち、分かるよ……俺もだから」

 

「うう、そうなんですか?」

 

「うん、俺も幼馴染とここに通いたかったよ……そうだ、テロるか」

 

「それ、わたしも協力するデス!」

 

「物騒なことを考えるのやめるんだ!トーヤ!そんなことをしたらここから追い出されるぞ!それにあっちは女子校だぞ!」

 

「知るか‼︎そんなこと‼︎戦争じゃ!戦争!」

 

「こうなったらヤケです!」

 

「お前ら落ち着けぇぇぇ‼︎‼︎」

 

とまぁ、あの子も加わり話の内容がかなりぶっ飛んできた……俺は困惑しているとふと女の子の名前を聞いてないことに気がついた。

 

「そうだ、盛り上がってるとこ悪いけど、名前は?」

 

「そういえば、自己紹介がまだデシタネ!私は暁切歌デース!」

 

「キリカか、俺は一夏、織斑一夏だ……こっちは郡統夜だ」

 

そして俺たちは自己紹介を終えると席に着いてホームルームと授業を受けた。キリカは冗談だったが統夜はマジでやる気だったらしい……こわ。

 

「ふい〜、疲れたデース」

 

「俺は何故か女子に囲まれてしまった……何故だ?」

 

「俺はお前のボディーガード的な何かで疲れたよ……」

 

そしていつのまにか転校生同士ということでいつのまにか一緒のグループになっていた。

 

「さて、ん?神司令から?もしもし」

 

そして帰り、俺たちは一緒に帰ってると神司令から連絡が来たので出る。

 

「一夏、大変だ……刀使隊が荒魂を狩った後に謎の敵が現れたようだ。今は衛藤くんと刀使数名が戦闘している、急いで来てくれ。データを送る」

 

「はい、分かりました。ってこいつら機械獣か?なんでここ?まぁいい、倒し尽くす。マジーンゴー‼︎」

 

俺はそう答えるとすぐにマジンガーZを纏って大空を飛び急行する、そして俺は報告のあった場所に着くとオリジナルのグレートマジンガーを纏った可奈美がサンダーブレークで消しとばしたり、千鳥で切り裂いたりしながら戦っていた。

 

「一夏おじさん、来るのが遅いよ‼︎」

 

「誰がおじさんだ!せめておにーさんと呼んで!光子力ビーム!」

 

俺は可奈美にそう返すと光子力ビームを撃って何体か倒す。こうして戦ってみると本当に出力が向上したのを実感する、

 

「可奈美、行くぞ‼︎」

 

「はい!」

 

そして俺と可奈美は戦いに参戦し周りの戦闘獣と戦い始める。刀使たちは戦力差があるのか一対一では戦闘獣の前に苦戦気味だが連携を組んで一体一体確実に倒していく。

 

「ブレストバーン‼︎‼︎」

 

可奈美はグレートマジンガーを着地させた後に御刀・千鳥を抜いて数体切り裂いてブレストバーンを放って周りの敵を倒した後に、千鳥や他の武装を使いながら巧みに使い倒して

 

「さて、行くぜ!マジンガーZ‼︎‼︎」

 

俺も可奈美に少し遅れてマジンガーZと共に戦闘獣の群れに突っ込み肉弾戦を繰り広げる。

 

「アイアンカッター‼︎‼︎」

 

新武装を試していくか。まずは斬れ味の上がったアイアンカッター、超合金Zから超合金NZに変わったことにより斬れ味が上がり尚且つ刃こぼれしなくなった。敵を文字通りスパスパと切り裂く(剣で防ごうとした敵もいたがそれを軽々と切り裂く)

 

「唸れ‼︎大車輪ロケットパァァァンチ‼︎‼︎」

 

そして遠心力で威力を底上げしてぶん殴る大車輪ロケットパンチ。その威力は従来のロケットパンチの約1.5倍‼︎しかも光子力エンジンがパワーアップしたから更に威力は上がってる。

 

「一斉射‼︎ドリルミサイル‼︎ミサイルパンチ‼︎ブレストファイヤー‼︎‼︎」

 

そして俺は大車輪ロケットパンチを撃った後に背後を取られたのですぐに蹴り飛ばして上空に飛ぶとそのままドリルミサイル、ミサイルパンチ、ブレストファイヤーを放ち周りの敵を一掃する。

 

「一夏おじさん‼︎避けて‼︎ダブル‼︎サンダァァァァァァブレェェェック‼︎‼︎」

 

「よっ」

 

そのあとにロケットパンチが戻った後に後ろを見るとグレートマジンガーが両手に電気を溜めていた。それを見た俺はすぐにグレートよりも高い高度に逃げる。その直後に真下にいた敵の9割近くが消し飛んだ。

 

「……惚れ惚れする威力だな」

 

それを見た俺はそう呟いた時だった、マジンガーのレーダーが反応したのでその方向を向くと今度は空を飛ぶ機械獣軍団が出てきた。

 

「くるよ、おじさん‼︎」

 

「分かってる‼︎」

 

「「ダブルバーニングファイヤァァァァァァ‼︎‼︎」」

 

それを見た俺と可奈美は先制攻撃といわんばかりにマジンガー合体攻撃であるダブルバーニングファイヤーを放ち、前方にいた機械獣軍団は溶け落ちるが左右に避けて無事だった奴らが囲うように迫ってくる。

 

「右は任せた!」

 

「分かったよ、おじさん‼︎」

 

それを見た俺と可奈美は左右に分かれてそのまま迎撃に入る。

 

「サンダーブレーク‼︎」

 

「光子力ビーム‼︎」

 

「ネーブルミサイル‼︎ブレストバーン‼︎」

 

「ドリルミサイル‼︎ミサイルパンチ‼︎」

 

「アトミックパンチ‼︎マジンガーブレード‼︎」

 

「ロケットパンチ‼︎アイアンカッター‼︎‼︎」

 

俺たちは武装名を叫びながら数多の敵と戦う。その中である気配があることに気がついた。

 

「この感じ……そこだぁ‼︎大車輪ロケットパァァァァァァンチ‼︎‼︎」

 

その方向に俺は大車輪ロケットパンチを繰り出す、だが……

 

「俺の気配に気づいたか……流石だ」

 

「なっ……」

 

その一撃は防がれる、生身のまま……そしてその一撃を防いだ男は浮かび上がり二人のマジンガーの前に立ち塞がった。

 

「やぁ、久しぶりだな……シロー」

 

その人物は俺の兄貴、マジンガーZのパイロットでありかつて可奈美の父である剣鉄也と共に戦った戦士、兜甲児だった。

 

「あ、兄貴……」

 

「甲児……おじさん?」

 

だが、感じる気配はマジンガーZEROそのものだった……俺と可奈美はこれから最強最悪の敵と戦うことになると予感していた。

 

ーーーー☆

マジンガーZが超合金NZで強化される前日……私、衛藤可奈美はグレートマジンガーのデータを遡る中であるデータを見つけた。

 

「ねぇ、エンペラー……お父さんがタギツヒメと戦う前にしてた姿って今はなれるのかな?」

 

エンペラーにあることを尋ねていた。それは私もあの力……カイザーの力が使えるかどうかだった。

 

「それはどうでしょうね……少なくとも"今の"可奈美ではグレートマジンカイザーになれるのは一生無理でしょうね」

 

それに対してエンペラーに無情な現実を言われて私は凹んでると、ふと言われたことを思い出した。"今の"私ではと強調していたのを思い出す。

 

「今の私じゃってどういう意味?」

 

「言葉通りの意味です。グレートマジンガーは当時と違い……大荒魂タギツヒメとの戦闘により装甲にノロが付着、そしてEDFの施設で玉鋼で補強されその際に超合金NZが調和する形で融合しそこをゲッター線により強化されたことで隠された力であるマジンパワーが解放されている状態です」

 

「マジンパワー?」

 

それを聞いた私はマジンパワーがなんなのかについて尋ねるとエンペラーはホワイトボードを取ってきた。

 

「可奈美、マジンパワーについては私も知ってることはあまり多くはない……知ってることだけを話す」

 

「わかった」

 

そしてエンペラーはホワイトボードに7つ書き込んだ、吸収、強化、自己再生、高次予測、変態、因果律兵器、皇帝化……

 

「まず、強化、吸収、自己再生は読んで字の如くです。高次予測と因果律兵器はお互いにペアで発動が必須とされてますが、グレートマジンガーには無い力です。重要なのは皇帝化と変態です」

 

「なんで、皇帝化と変態が重要なの?」

 

エンペラーの言葉に私は少し疑念が浮かんだのでそう尋ねる。皇帝化と変態……なんでその二つが大事なのかわたしには分からなかった。

 

「皇帝化と変態、それは可能性です…可奈美、貴女は剣鉄也と違う人間だ……父を超える勇者になるにはこの二つはまず必須です。そしてグレートマジンガーが無理矢理皇帝化した姿ではなく真の皇帝、勇者皇帝になるしかないのですよ」

 

「真の勇者皇帝……」

 

それを聞いた私は拳を握り締めた後に父さんから託されたペンダントを見る。

 

「エンペラー、私には勇者皇帝がなんなのか分からない、でも……これではっきりした……私は父さんを超えられない。同じように目指してるようじゃ私はただ父さんの後を追ってるだけだ。私は私だけの勇者になる」

 

「可奈美、貴女らしい答えですね……」

 

そして私はエンペラーにそう答えると千鳥を抜いて構えを取る、目の前に映るのは若い頃のお父さんとお母さん、二人とも私を見てる。

 

「え?」

 

すると後ろから誰かに肩を叩かれた気がした、私は振り返るがそこには誰もいない……だけど、その肩を叩かれたところはどこか暖かさを感じていた。

 

「応援してくれてるんだね、お父さん……お母さん……」

 

私はそう呟いた後にベットに入り眠りにつく。そして翌日……気分良く目を覚ました。ふとクローゼットを開けるとそこにはお父さんが着ていたという特機戦隊の制服が掛けられていた。それを見た私はそれを制服の上から羽織る。

 

「あわわ、何か落ちた⁉︎ってこれ……」

 

するとポケットなら写真が落ちた、それを急いで拾うとそこには結婚式を挙げた二人と祝福してくれている人たちの写真だった。

 

「行ってきます」

 

それを胸ポケットに再度しまうと扉を開けて部屋を出る。これからはお父さんとお母さんと一緒に戦おう……そして見てて、私が私なりの勇者になるところを。




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激闘‼︎VSZERO‼︎‼︎

ZEROとの激闘、そして決着がつく。

だが、一抹の不安彼らに現実を見せる……それは希望か絶望か、それはまだわからない。


「久しぶりだな、シロー……」

 

「あ、アニキ……」

 

「甲児おじさん……」

 

俺、織斑一夏と衛藤可奈美の前に現れたのは兜甲児という生身の人間の皮を被り、そして俺の世界を滅ぼしたナニカだった。

 

「アニキの体を奪ってどういうつもりだ‼︎‼︎」

 

俺はそのナニカに向かってそう尋ねると彼(外見は男なので、一応)はふっと少しだけ笑った後にこう答えた。

 

「特に意味などない、ただ人間態で活動する際に必要だっただけのこと」

 

「なっ……き、貴様‼︎」

 

それを聞いた俺は戦闘態勢を取った時だった、俺は突然吹き飛ばされて地面を転がる。

 

「なんだ⁉︎こいつは……」

 

「エネルガーZ、マジンガーZのプロトタイプだ……お前はこいつと遊んでいるといい」

 

「か、可奈美‼︎ぐあ……」

 

俺はエネルガーZに足止めされてしまい地面に叩きつけられて馬乗りされる。

 

「光子力ビーム!冷凍光線‼︎」

 

だが俺はそれを光子力ビームと冷凍光線を合わせた技を使って抜け出して距離を取り、呼吸を整えたとほぼ同時だった。

 

「な、なんだ⁉︎この光は‼︎⁉︎エネルガーZが融解した⁉︎うわっ⁉︎」

 

突然、辺り一帯が電撃で消し飛んだからだ。

その一撃はエネルガーZを完全に融解、消失し超合金NZで出来たジェットスクランダーも右半分が融解していた。

 

「何が起きて……⁉︎、か、可奈美?」

 

俺はその光が起きてる原因を掴むべく空を見るとグレートマジンガーが変身し、その姿はマジンカイザーに似て非なるものだった。

 

「その姿、なるほど……その姿がお前が目指す皇帝か」

 

「私はマジンエンペラーG‼︎‼︎偉大なる勇者皇帝‼︎‼︎父さんに変わって私がお前を倒す‼︎‼︎」

 

「抜かせ。この世に……最強はマジンガーはZのみと約束されている。原初にして頂点、オリジナルのマジンガーZの力を見せてやろう」

 

そして奴もまた姿を変える、それはあの時見せた終焉の魔神そのものだった。

 

「我が名はZERO、マジンガーZERO。究極にして最強のマジンガー……エンペラー、お前はここで終わらせる」

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎‼︎」

 

そしてマジンエンペラーGと名乗った魔神皇帝は手に千鳥を待ち、ナニカ、いやマジンガーZEROに向かっていく……その姿は正しく勇者皇帝の姿だった。

ーーーー☆

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎‼︎」

 

私……衛藤可奈美はグレートマジンガーに秘めた力、マジンパワーを全開放し皇帝化しマジンエンペラーGとなりその手に母から貰い受けた御刀・千鳥を構えて斬りかかる……その際に私が感じたのはグレートマジンガーと違い身体が軽いということだった、まるで普段の自分のように、これはマジンエンペラーGが私に合わせてくれているのだろうか?

 

「魔神パワー発動、高次予測ならびに因果律兵器起動……サザンクロスナイフ」

 

「はっ!」

 

「なに?」

 

だから、私は加減はしない。全力で奴を倒す……動きを読め、上回れ、切り開け‼︎‼︎奴の想像を凌駕し超えてみせる‼︎‼︎

 

「ぐっ……」

 

「まずは片腕……」

 

そして私はまず相手の片腕を切断する。奴は……ZEROは苦しそうに声を上げるが私はそれを無視して追撃する。

 

「はぁ!」

 

「アイアンカッター‼︎‼︎」

 

ZEROはアイアンカッターを放って攻撃を仕掛けるが私はそれを切り払い、腹部に蹴りを入れて蹴り飛ばしから。

 

「グレートブラスタァァァァァァ‼︎‼︎」

 

グレートブラスターを放ち、マジンガーZEROの両腕を消しとばし速攻で斬りかかる。

 

「因果律兵器が機能していない……私が負けるしかない未来しかないだと⁉︎」

 

ZEROは私に文字通り手も足も出ずにやられていた。普段のZEROでも予想外の出来事が起こってるのだろうと思う。私は距離を取るとエネルギーを貯め。

 

「これで終わりだ‼︎‼︎ZERO‼︎‼︎サンダーボルト‼︎‼︎ブレェェェカァァァァ‼︎‼︎‼︎」

 

マジンガーZEROに向かってグレートマジンガーの必殺技のサンダーブレークの上位互換でありマジンエンペラーGの最大級の必殺技であるサンダーボルトブレーカーを放つ。

 

「ぐっ……」

 

「まだ、無事なんだ……」

 

サンダーボルトブレーカーはZEROに直撃し下半身と左腕を消しとばしたが本体が無事であり、それを見た私は再び千鳥を構えて斬りかかろうとする。

 

「あ、あれ?なんで……」

 

だが、その途中に突然力が抜けるような錯覚を覚え、ほぼ同時にマジンエンペラーGはグレートマジンガーに戻りそして程なくして待機状態になってそのまま私は地面に向けて落下する。

 

「……光子力バリアー‼︎」

 

直後にエンペラーが光子力バリアを張って私を落下から救おうとする。だがその前にZEROが回復して私に向かってブレストファイヤーを放とうとしていた。

 

「オルゴンスレイブ‼︎‼︎」

 

「アカシックバスター‼︎‼︎」

 

だが、その前に二つの攻撃がZEROに当たり吹き飛ばす。

その後に私は無事に地面に着地すると一緒に来ていた刀使隊に囲まれて応急処置を受ける。

その際に私は先ほどの方向を向くと、三機の機体がZEROの前に立ちはだかり戦う準備を整えていた。

 

ーーーー☆

 

「なんだ、今の感覚は……テニア‼︎‼︎」

 

「わかってるよ、トーヤ‼︎バシレウス‼︎」

 

自宅にて俺、郡統夜はテニアに膝枕されている時にグランティードのサイトロン出力が異常反応を示したのですぐに立ち上がると同時にグランティードを纏い、バシレウスとなったリオに飛び乗る。

 

「トーヤ、お前も感じたのか?」

 

「銀さんもですか?」

 

「急いで向かいましょう‼︎‼︎」

 

俺はサイバスターを纏った三ノ輪さんと合流し急いで感知された場所に向かう。

 

「‼︎、三ノ輪さん」

 

「わかってますよ。私が突っ込みますからトーヤさんは遠距離攻撃でお願いします」

 

すると一人の女の子が空から落ちていて、それを追撃しようとする奴がいたのでそれを阻止すべく攻撃を仕掛け吹き飛ばす。

 

「うそだろ?アカシックバスターとオルゴンスレイブを喰らったのにダメージが皆無⁉︎」

 

「再生するのか?」

 

俺と三ノ輪さんは奴が無傷な姿を見て驚いたが、装甲が再生しているのを確認したのでダメージを与えられてないわけではないと確認できた。

 

「再生速度以上のダメージを叩き出してやる!喰らえ!アカシックバスタァァァァァァァァァ‼︎‼︎」

 

「オルゴンブラスタァァァァァァ‼︎‼︎」

 

だから俺と三ノ輪さんは再び攻撃を仕掛ける。だが奴は目から光線を放ち、その光線は拡散して襲いかかる。

 

「リオ‼︎」

 

「ガル‼︎」

 

「今回は緊急処置だ、ラースエイレム‼︎‼︎」

 

それを見た俺はこのままではこの辺りどころか街一帯が確実に吹き飛ぶと予測しグランティードとバシレウスに隠された奥の手、ラースエイレムを使用した後にそれらを防げるエネルギーをリオが貯めれるように時間を稼ぐ。そして……時間が来たのでラースエイレムが解除されると同時にリオがオルゴンクラウドを高出力かつ広範囲に展開、それらの光線を防ぐ。

 

「貰ったぁ‼︎ディスカッター霞斬り‼︎‼︎」

 

「ちっ……マジンガーではない奴らめ……」

 

「硬い……うお⁉︎」

 

そしてその隙に三ノ輪さんがそのままディスカッターを使って斬りかかるが奴はそれを物ともせずに反撃してくる。

 

「アカシックバスタァァァァァァ‼︎‼︎」

 

「バスカーモード‼︎‼︎テンペストランサァァァァァァ‼︎‼︎」

 

俺と三ノ輪はお互いにアイコンタクトを取るとそのまま奥の手を使う体制をとる。バスカーモード……それは我らフューリーが持つ機体のリミッターを外して真の力を発揮するモードのことだ。

 

「ブレストファイヤー‼︎‼︎」

 

「ガオォォォォォ‼︎‼︎」

 

奴はすぐに突っ込んでくる俺たちに対して胸部から先ほどの光線とは比較にならない程の光線が放つが神龍・バシレウスとなったリオのオルゴンクラウドに拡散されるが、それでも威力が高いのか周りの地面が溶け落ちる。

 

「届いた、貫けぇぇぇぇぇぇ‼︎‼︎」

 

そして奴はこのまま放っても無駄だと思ったのだろう、攻撃をやめて無防備になる。その隙を俺たちは見逃さずに攻撃するが……

 

「なっ……テンペストランサーが折れた?」

 

俺たちの攻撃は奴に届かなかった。この時点で奴の力は俺たちの想像を超える力を持った怪物だと認識させられる。

 

「これで終わりだ‼︎‼︎マジンガーZ以外の機体を粉砕す……」

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎‼︎」

 

そして俺たちはそのままトドメを刺されそうになった時に、黒い機体が奴を蹴り飛ばす。

 

「まだだ!ZERO‼︎‼︎まだだ!まだ私とグレートマジンガーが残ってる‼︎‼︎」

 

「貴様程度など!苦戦などしないわぁぁぁ‼︎‼︎」

 

そしてその声を聞いた俺たちもまだ戦うべくそのまま共に立ち塞がる。奴の強さは底なしのように見えるがそれでも俺たちは戦わなければならないのだ。守るべき人たちを守るために。

 

ーーーー☆

 

「くそ……エネルガーZ、強いな」

 

俺、織斑一夏は先ほど完全消失したはずのエネルガーZが沢山現れた……俺は何体かエネルガーを倒してはいたが、それでも多勢に無勢だった。

 

「このまま俺は終わるのか?」

 

俺はその戦いの最中、気絶してしまい……薄暗い闇の中でそんなことを考えていた。

 

「シローくん、本当にそれでいいの?」

 

「え?」

 

そんな時だった、誰かに声を掛けられた……その声の主の姿は見えなかったがそれでもその声にはとても懐かしさを感じた。

 

「ローレライなのか?なら俺はどうすればいいんだ?この薄暗い闇の中じゃ何もできない……」

 

「何もできないからって諦めるの?」

 

「諦めたく無い……けど、カイザーは何も答えてはくれない」

 

「それは貴方がそう思ってるだけ。カイザーはちゃんと貴方を見ていたわ」

 

「え?」

 

俺はそう言われた時にふとカイザーの待機状態を見る。だが彼は何も答えてくれない。

 

「貴方は何があっても諦めなかった、この世界に来た時から貴方は希望を頼りにここまできた。けど希望は無く、頼みの綱のグレートマジンガーも単体では奴に敵わない。ならどうする?」

 

「それは……」

 

「鍵が導く心のままに……貴方はもうその答えを見つけてるはずよ」

 

「その答えを俺はもう見つけている?」

 

その時だった、俺の後ろにひとりの女性が現れたのは……

 

「私も彼も貴方をちゃんと見ていた、それを聞いたのなら貴方の答えはもう見つけたはずよ」

 

それを聞いた俺は無意識にZの待機状態を取り出してカイザーと白式に近づけた、すると光子力の光が二つの待機状態に送られる。

 

「そう、それでいいのよ……私は白式、マジンカイザーの翼……貴方はもう大空を飛べるわ」

 

「ありがとう、白式……そしてこれからもよろしく」

 

そして俺は光の中に消えると目を覚ます。マジンガーZはエネルギーを使い果たして機能を停止しており俺はZを待機状態にする。

 

「いくよ、カイザァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ‼︎‼︎‼︎」

 

そして俺はその名を高らかに叫ぶと同時にエネルガーZ軍団を跡形もなく消しとばす。

 

「いくぞ‼︎ZERO‼︎スクランダァァァァァァ‼︎‼︎クロォォォォォス‼︎‼︎」

 

俺はそう叫ぶとカイザーにカイザーの翼であるカイザースクランダーを装着してZEROに向かって飛ぶ。

 

「はぁはぁ……」

 

「ぐっ……」

 

「ちくしょう……」

 

「これで終わりだぁぁぁ‼︎‼︎ブレスト‼︎‼︎ファイヤァァァァァァ‼︎‼︎」

 

「させるかよ!ファイヤァァァァァァ‼︎‼︎ブラスタァァァァァ‼︎‼︎」

 

そして俺はカイザーを纏い、絶対絶命のピンチになっていた可奈美たちを救うべく地面に降り立ち最大出力のファイヤーブラスターを放って相殺する。

 

「貴様は……マジンカイザー……」

 

「今度は負けないぞ!ZERO‼︎‼︎マジンパワー解放だ‼︎‼︎」

 

そして俺はマジンパワーを全て解放してマジンガーZEROの前に立ち、そのまま片手を上に上げて高らかに叫ぶ。

 

「マジンガーは神にも悪魔にもなれる、マジンカイザーは神をも超え悪魔をも超える‼︎‼︎だから俺は神であり悪魔でもあるお前を超えてみせる‼︎‼︎マジンパワー解放‼︎皇帝化‼︎因果律兵器‼︎高次予測‼︎強化‼︎変態‼︎自己修復‼︎吸収‼︎」

 

そして俺はカイザーのマジンパワーを解放し、奴もまた無言だがマジンパワーを解放する。

 

「所詮は模倣、真のマジンの前に散れ‼︎ブレストファイヤァァァァァァ‼︎‼︎」

 

「ゲッタァァァァァァビィィィィィィム‼︎‼︎」

 

「なに⁉︎」

 

そして俺は腹部からゲッタービームを出してブレストファイヤーと相殺する。

 

「サザンクロスナイフ‼︎‼︎」

 

「‼︎」

 

「はっはっは……なに?」

 

「マッハドリルセットアップ‼︎貫けぇぇぇぇぇぇ‼︎‼︎」

 

「なに⁉︎ぐぉ……」

 

そして俺は奴の知らない可能性の力を呼び出して更に奴にダメージを与える。素の力が互角ならあとは奴が知りえない可能性で戦う。

 

「ショルダースライサー‼︎‼︎」

 

「アイアンカッター‼︎‼︎」

 

そして俺はマッハドリルを解除するとそのまま奴と近距離での格闘戦を始める。お互いに力が互角ならばあとは技量だ……因果律兵器と高次予測をお互いに展開してるからどちらにしろ斬り合いになる、打ち勝つだけなら簡単だ。

 

「ぐお⁉︎」

 

「片腕、貰ったぞ!ZERO!」

 

そして俺は奴の片腕をアイアンカッターごと切り裂く。ZEROは多少驚きつつ後ろに下がり光子力ビームを放とうとしてくる。

 

「させるか‼︎ファイヤァァァァァ‼︎‼︎ブラスタァァァァァァ‼︎‼︎」

 

「ぐぉぉ……くっ、はぁ!!」

 

そして俺はファイヤーブラスターを放ち奴の上半身を溶かす。そして奴は自己修復を使い回復する。

 

「き、貴様ぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎」

 

「この瞬間を待っていたぜ‼︎ZERO‼︎‼︎」

 

「なに⁉︎ぐぉっ……」

 

そして奴は自己修復を終えると俺に向かって飛び込んでくる。それを見た俺は仮面の下でにこやかに笑うと奴の頭を掴む。

 

「お前の顔ごと、返させてもらう……ドリャァァァァァ‼︎‼︎」

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁ‼︎⁉︎⁉︎」

 

そして俺は中からかなりボロボロになってるアニキ、兜甲児を助け出す。

 

「き、貴様……か、返せ……返せばぇぇぇぇぇぇ‼︎‼︎」

 

「可奈美、アニキのキャッチを任せた‼︎」

 

「任せて‼︎」

 

俺はアニキを後ろに放り投げる、そして可奈美は上手くキャッチしてその場を離れる。

 

「白式‼︎その刃を我が身に託せ‼︎今こそ、その剣は真の姿となる‼︎ファイナルカイザーブレェェェェド‼︎‼︎」

 

「カブト……シロォォォォォォォォォォォォ‼︎‼︎」

 

「イヤァァァァ‼︎‼︎‼︎ハァァァァァ‼︎‼︎‼︎」

 

そして俺はアニキという人質を無くしたZEROを容赦なく遠慮なく十字に切り裂く……そしてZEROは爆発四散する。

 

「鈴、ラウラ、セシリア、千冬姉、束さん……俺、やりましたよ」

 

そして俺は奴を倒したと確信して振り返り奴の犠牲になった友達たちの名を呟く……全てに決着がついた俺は地面に着陸すると損傷した二機の機体に近づく。

 

「大丈夫か?そこのパイロット?」

 

「なんとかな……」

 

「逆の立場になったな、統夜」

 

「気づいていたんだな」

 

「勘だよ……」

 

そして俺は統夜の機体の手を掴むと起き上がられる。そして可奈美は白い機体を助けると周りにいた刀使隊が合流する。

 

「さて、あとはアニキを医務室へ運ぶだけ……ん?」

 

そして俺は可奈美からアニキを担ぐことを引き継いで担ぐと違和感を覚える。良く観ると少しだけパイロットスーツのデザインが違うのだ。

 

「まさか……」

 

そして俺が嫌な予感を感じたとほぼ同時だった。突然カイザーのセンサーが上から何か来ると伝えていたので見上げると、そこには姿や形が違えど我が輩が猫であるだった。

 

「ZEROとの戦いは……まだ終わってないのか……」

 

それを見た俺は嫌な予感から確信に変わる。ZEROとの戦いはまだ終わってない……ではここに現れたZEROはなんなんだ。俺の中で産まれた疑惑と確信はこの時、長い長い戦いの始まりであると告げていた。

 

ーーーー☆

 

ZEROが負けた。

 

魔神皇帝、勇者皇帝……

 

奴らもまた原初の魔神、可能性を認めそれを受け入れることで奴等は我々をも上回る高次元と因果律兵器を手にしたというのだろうか?

 

否、それは認めるわけにはいかない……

 

私は認めない、マジンガーZよりも上の存在がいることなど。

 

ならば次は奴等を配置するか。

 

観測された世界……その世界は未知の塊だが、どうやら上手く配置できるようだ。

 

さて、ミケーネ帝国の諸君……戦争の始まりだ。

 

だが、不確定要素が多々ある……あの世界は異常だ、あそこまで異物を受け入れておきながら世界を保ってるとは恐ろしい。

 

だが、いいではないか……行け、オリュンポスの下僕共よ。

 

全てはマジンガーZこそが最強を示すために。




感想、アドバイス、お待ちしております。


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再誕!特機戦隊!そして新たなる戦いへ

うぬ、リアルが忙して投稿が遅れたです。

あと色々と文章力が悪くてダメな感じになってるかも、そこはご了承ください。

では、どうぞー


「久しぶりだな、一夏……」

 

「ああ、久しぶりだな……箒」

 

ZEROとの戦いの後、俺たちは刀使隊と共に我が輩は猫である改め、ミネルバXに乗りEDF日本支部へと向かっていた。その中で俺、織斑一夏は甲板で眺めていると箒から声を掛けられ、久々に話をすることになった。

 

「聞いたよ、ZEROを倒したんだな……」

 

「ああ、別の……だけどな」

 

俺は箒にそう答えると突然、後ろから抱きつかれた……俺は一瞬背中にある柔らかさに少し驚いていたが、少しして彼女が泣いてることに気がついた。

 

「一夏、私は……何もできなかった。目の前で姉や大切な人たちがただやられるのを見てるしかできなかった。そして今も何もできないままだ……私は何故生きてるんだ、教えてくれ……私よりも生き残るべき人たちがいたはずだ、なのに……」

 

それを聞いた俺は一瞬、脳裏に一人の幼馴染の姿が浮かぶ、凰鈴音……俺の目の前でZEROと戦いそして散った少女だ。

 

「分かるよ、俺もそうだ……だけど言わせてくれ、箒が生きていてくれてよかった」

 

「一夏……」

 

俺は箒にそう声を掛ける。本当なら箒のことを強く抱きしめるのがここでは普通なのかもしれないが、俺にはその資格はない……彼女の姉を守りきれなかった俺には……

 

「おじさん、そろそろ着くよ」

 

そして可奈美に声をかけられた俺たちは離れるとそのまま艦橋へ向かう。マジンガー戦艦ミネルバXはEDF日本支部に到着する。

 

「私はEDF日本支部総司令の神隼人だ、お会い出来て光栄だ」

 

「ミネルバXの艦長、篠ノ之箒です」

 

そして箒と神司令はお互いに握手をした後、ミネルバXのハッチが開いてそこから人が降りてくる。

 

「確認したいのですが……彼らをEDF地下都市に収容してくれるというのは本当ですか?」

 

「ああ、先ほど通信でやり取りした通りだ……身分を証明できるものが確保されるまでは地下都市で過ごしてもらう。あれだけの人数だ……すぐには終わらないと思うが任せてくれ」

 

「分かりました、ありがとうございます」

 

そして箒は頭を下げてお礼を述べた後に目の色を変えてこう伝える。

 

「では、私たちはあなた方の指揮下に入ります」

 

「ああ、歓迎しよう……ようこそ、EDF。それも一夏くんに衛藤さん、一緒に司令室に来てくれ」

 

「「はい」」

 

そのあと、隼人司令は俺たちにそう伝えると、俺は可奈美と一緒に神司令の元へ向かう。

 

「神司令、お話とは?」

 

「特機戦隊を再組織する……協力してほしい」

 

「特機戦隊を?なんででしょうか?」

 

そして神司令は可奈美にそう尋ねられた後にあるものを見せる。それはあの竜巻……ゾーンに関するデータと超合金ZだったころのマジンガーZをボコボコにした怪物、美濃席学園を襲った怪物、インベーダーについてのデータだった。

 

「十年近く前、この二つの勢力が第一次特機隊の手により封印されたことは知ってるな?」

 

「はい、お父さんが教えてくれました」

 

「いや、俺は知らないです」

 

「可奈美、鉄也から聞いてるのなら教えてあげてくれ」

 

俺たちは別々にそう答えた後に神さんは詳しく説明する。

十数年前、第一次特機戦隊はグレートマジンガー、鋼鉄ジーグ、クーランジュ少尉率いるゲシュペンスト小隊によって構成された部隊が元になった部隊であり、その隊はゲッターチームという月世界戦争で大活躍したという部隊が元になって作られている。

主な敵対勢力として邪魔大王国やインベーダーの残党と戦い、激闘を繰り広げたと言う。

 

「さて、本題に入ろう……先日、美濃席学園がインベーダーに襲われたのは覚えているな?」

 

「インベーダー……それが私の学校を襲った敵の名前」

 

「そうだ。インベーダー、邪魔大王国、そして荒魂とまだ見ぬ脅威が迫ってる……そのため、EDF本部に無理言って再建してもらうことにになった。そしてそのリーダーは衛藤可奈美……君に任せてもらう」

 

「え?わ、私ですか?」

 

「そうだ。まぁ上の方からあの剣鉄也の娘に任せるのならという条件付きを貰ってな。必要な人員は自分達で確保できるよう頼む……これから一夏個人と話があるから可奈美は部屋を出ていてくれ」

 

「はい、わかりました」

 

そして上記の話をした後に可奈美は部屋を出る。少し動揺していたがまぁ、そこは後でフォローすればいいだろうと考えていると神司令は無言である紙を手渡して来た。

 

「司令?これは司令書ですか?」

 

「そうだ。特機戦隊は人員を必要としている……君にはこれからタスクフォースSONGの司令、風鳴弦十郎と会ってこの書類を届けて欲しい。頼めるか?」

 

「はい、分かりました」

 

俺はそう答えると部屋を出る。ふと出る前にアニキのことが気になったので医務室に向かう。

 

「失礼しま……⁉︎」

 

「アンタはここの職員か?……ここはどこなんだ?光子力研究所は?ミケーネは?シローは?お母さんは?さやかはどうなったか知らないか?」

 

医務室に入るとそこにはボロボロの身体にムチを打ってまで立ち上がろうとするアニキがいた。それを見た俺はすぐに近くのナースコールを押した後に書類を台の上に置いて駆け寄る。

 

「落ち着くんだ、甲児さん!」

 

「どうなったんだ?奴に斬られた富士山がなんで無事なんだ?それにここはどこなんだ?教えてくれ!ここは!ここはどこなんだ‼︎‼︎」

 

「錯乱してる。くっ……」

 

俺はアニキを落ち着かせようとするが余計に暴れる、圧倒的な馬鹿力を前に吹き飛ばされそうになるがなんとか抑える。

 

「ちっ……いい加減落ち着けよ!アニキッッ!‼︎」

 

俺はそう言うと拘束を解いてから腹に二発パンチを入れて気絶させるとベットの上に置く。

 

「さて、行きますか」

 

俺は台の上に置いた書類を手に持つとマジンガーZを纏って青空を飛ぶ、暫く飛んでいると後方から盛大な爆発が起きた。

 

「な、なんだ⁉︎」

 

俺は急いで戻る、その時は俺はEDF本部でなにが起きてるのか気になった。

 

ーーーー☆

 

「ということは統夜さんは特機戦隊に入るってことでいいですか?」

 

「ああ、そういうことで構わない」

 

ここはマジンガー戦艦ミネルバXの客室にて俺、郡統夜は衛藤可奈美さんから色々な質問を受けた後に正式に特機戦隊に入ることになった。正直言うと彼らと戦うには現地協力者が必要だったから好都合だ。

 

「じゃあ、よろしくお願いします!統夜さん!」

 

そして俺は正式に特機戦隊に入ったのを確認して部屋の外に出る。そこで俺はある人物を目撃する。

 

「⁉︎」

 

俺は急いで後を追うとその人物も気がついたのか走り始める。

 

「まて!フールー‼︎」

 

甲板に出ると俺はその人物の名を呼びかける、するとその人は帽子を外す。

 

「久しぶりね、トーヤ……見たところ実力もあの頃に比べると桁違いになってるわね。そのサイトロンの波動を感じる限り騎士クラスかしらね」

 

「……戻る気はないんですか?」

 

「ええ、無いわ」

 

「そうですか……ならば我が愛機の仇を撃たせてもらう!」

 

そして俺はグランティードを纏うとバスカーモードを展開し、その手にテンペストランサーを携える。

 

「ふふふ、いいでしょう……」

 

それを見たフールーも笑顔を見せてラフトクレンズ・ファウネアを纏い、その手にオルゴンソードを構える。

 

「はぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎」

 

「やぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎」

 

そして、俺たちはそのままぶつかり会おうとした時だった。オルゴンエクストラが異常反応を示すと同時に真上から謎の白い機体が舞い降りてきたからだ。

 

「ちっ……迎えが来るのは早いわよ、W15」

 

「……命令だからな」

 

その白い機体はそう答えるとそれを聞いたフールーは手を振ってこう言う。

 

「またね、トウ=ヤ・シューン」

 

「待て⁉︎フールー⁉︎」

 

それを見た俺は後を追おうとしてリオを呼んで飛び乗ろうとしたが、その前にその白い機体と鍔迫り合いになる。

 

「我が名はウォーダン!ウォーダン・ユミル!オリヴィエの剣なり‼︎」

 

「オリヴィエの剣⁉︎ぐっ……」

 

俺はなんとか奴を弾き飛ばすとテンペストランサーを刺そうとする、だが……

 

「遅い‼︎」

 

「この距離で弾いた⁉︎ぐっ……」

 

その一撃は奴に受け流されてしまい、隙が出来てしまう。

 

「むっ……」

 

だが、その前にリオが口からオルゴンブラスターを放って牽制する事で急死に一生を得てその場を離れる。

 

「バスカーモード状態のグランティードを子ども扱いとは……」

 

「今の一撃を躱すか。だが……この一撃が防げるかな?伸びよ!斬艦刀‼︎」

 

「なっ……」

 

俺は驚きの声をあげた。なぜなら奴は剣をさらに巨大化させてこの船ごと破壊しようとしていたからだ。

 

「一刀‼︎両断‼︎」

 

「皇帝化!勇者皇帝見参‼︎‼︎はぁ!」

 

そして奴はそのまま剣を振り下ろす。だがそれはマジンエンペラーGを纏った可奈美がエンペラーソードを使いその一撃を防ぐ。

 

「……ほう、我が一撃を防ぐとはな、やるな」

 

「この太刀筋……てや‼︎‼︎」

 

そしてマジンエンペラーGはその一撃を上手く受け流し回避して斬りかかるが、白い機体はそれを簡単に防ぎそのまま斬艦刀を握ってない方の拳を振り下ろす。

 

「ぐぬ‼︎」

 

「そこだぁ!」

 

だが、可奈美はマジンエンペラーGを解除して体に不思議な力を纏わせてから目に見えぬ速度で躱しヤツを切り裂いて距離を取る、だが……

 

「傷が……」

 

「ブーストナックル‼︎‼︎」

 

「やらせるか、オルゴンブラスター‼︎‼︎」

 

「助かりました」

 

ヤツは謎の力で斬られた傷を回復し可奈美にロケットパンチを放ってくる。それを見た俺はオルゴンブラスターで撃ち落として窮地を救う。

 

「W15、目的は済んだ……撤退だ」

 

「承知した……帰投する」

 

「逃すと思ってるのかな?アカシックバスタァァァァァァ‼︎‼︎」

 

その直後に奴はこれ以上の時間稼ぎは無用になったのか剣をしまい、そのまま逃げようとする。だがその前に三ノ輪さんがサイバスターを纏いアカシックバスターの追撃を入れる。

 

「風の魔装機神か……」

 

奴はその一撃を斬艦刀で受け止めるがアカシックバスターの威力を抑えられずにそのまま後退する。

 

「ぐっ……」

 

「これでおしまいだ‼︎‼︎」

 

三ノ輪さんの一撃はたしかに奴に通った、だがアカシックバスターは不発だったのか奴を倒しきれず回復する。

 

「ならばもういっぱ……⁉︎」

 

だがその直後、突然サイバスターの身体に謎のヴェールがかかる……そして眩い光を放つとそこにはサイバスターの姿がなく、いるのはさっきの特機だけだった。

 

「……」

 

先ほどの光はなんなのか考えてるといつのまにか奴らは消えていた。俺は何が起きたか理解できずただ、そのまま立ち尽くすだけだった。

 

ーーーー☆

 

「いてて……ここはどこだ?」

 

私、三ノ輪銀は気がついたら燃え盛る炎の世界にいて、ここがどこなのか確認すべく周りを見渡すと見覚えのある白い怪物たちが蠢いていた。

 

「ああ、帰って来たんだな……」

 

私はそう呟くと白い怪物たちが私の存在に気がついて、大量のバーテックスの大軍団を前にディスカッターを構える。

 

「さて、前の私だと思うなよ……お前らの存在をアカシックレコードから消し去ってやる、サイバードチェンジ‼︎アカシック‼︎‼︎バスタァァァァァァァァァァァァ‼︎‼︎‼︎」

 

私はその大軍団の風穴を開けるべくアカシックバスターを放ち一直線に敵を殲滅する。

 

「さてお次は!ディスカッター!霞斬り!」

 

私はある程度まで突き進むとサイバードからサイバスターに変形させてそのまま周りの敵を切り刻む。

 

「ハイファミリア‼︎‼︎ゴー‼︎‼︎」

 

そして私はサイバスターの機動性と運動性にモノを言わせて奴らから距離を取るとハイファミリアを展開して更に撃破する。

 

「数がおお……⁉︎危ねぇ‼︎」

 

その直後に数多の針が襲いかかって来たので、それを躱して態勢を整えてからその方向を見ると見覚えのある板があったので周りを見渡すとあの時の三匹を見つけた。

 

「なるほど、お前たちか……だったら」

 

私はそのまま針を躱しながら懐に飛び込む、そして。

 

「必殺!サイフラッシュ!」

 

そのままサイバスター必殺の一撃、サイフラッシュを放ち三匹と周りの敵を攻撃し三匹周辺にいた白い怪物は殲滅する。

 

「更に必殺‼︎乱舞の太刀‼︎」

そして私はそのまま三匹の敵を乱舞の太刀で斬り刻み、倒す。

 

「ふぅ、ざっとこんなものかな……」

 

あの三匹を倒して周りを見るとこちらを埋め尽くすほど白い怪物がまだいる。

 

「……焼け石に水だな、これ」

 

それを見た私はそれを理解すると急いでその場から逃げる。白い怪物達は私の後を追ったがあまりの速さに追いついておらず置いてきぼりとなっていた。

 

「ん?あそこだけなんか光が違うな……よし!突入‼︎‼︎」

 

そして私は黄金に輝く桜の木を見つけるとそこに突入する。

 

「ここって……四国?」

 

突入した先で見たのは私の世界の四国だった、私は帰ってきたんだと実感した。

 

 

 




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