サバイバルゲーム…それは6mmという世界で一番小さい玉を用いる競技である。勝利のたzめにはフィールドを走り回れる体力のみならず、武器の特性を理解し、うまくフィールドを利用した戦うことや仲間との連携も必要な高度なスポーツである。
「ピ、ピ、ピィィィィーーーーーーーーーーー」
フィールドにゲーム開始の笛が響く。Aチームの4人が我先にと走り出し、敵陣へ向かっていく。
Bチームは自陣のフラッグから見て、左側の崖沿いを通るルートへ向かう。俺たちCチームは反対側の右の森林から進攻する。
「ヒットォォォォォ!!。」
「ヒットーーーーー。」
フィールドに響くヒットコール。セーフティエリアへ続く中央の道には突撃したAチームとそのAチームに倒された敵が合わせて8人程が手を上げて歩いていた。
(残るは8人か…)
「ダダダダダダッ!!」
Bチームの方角から銃撃音が聞こえる。Bチームが進攻している崖際は少し起伏があり、お互いに隠れつつ、時折様子を伺い、攻撃するといった具合にかなりの激戦区になる。
一方こちらの森林側は草木など障害物が多数あるため進攻に時間を取られる。
「パシュッ」
頭のすぐ近くを弾が跳んでいった。慌てて物陰に隠れる。
また森林側はスナイパーにも気を付けなければならない。待ち伏せしているスナイパーから草木に揺れや音などからスナイパーはこちらの位置を割り出し、撃ってくる。またスナイパーは主に隠密性を高めるため、サープレッサーなどを装着していることが多く、こちらからは見つけにくいという厄介な敵である。
「場所わかるか?」
小声で近くにいた田中亜紀に聞く。
「わかんね」
撃たれた方角を見ても緑の茂みだけ。そうこうしていると崖際からは時折ヒットコールが上がる。
「しかたねえ。やるか。」
そう言うと俺は自分のM4のハンドガード下部に装着されているM203グレネードランチャーを構えた。角度を調節し、前方18mほど先の茂みに狙いをつける。
「ボンッ!!」
トリガーを引くと爆発音に似た音と共に同時に168発のBB弾が弧を描いて跳んでいく。
「どうだ…?」
少し風の影響で右にそれたが大体狙い通りの位置周辺に着弾した。
「ヒットー!」
茂みの中からVSR-10を掲げた敵が出てきた。
「ナイス」
後ろにいた榊がそう言いながら前進する。
「待て、さか」
きと言いかけたとこれでパシュッという音が前方から聞こえ、榊のチェストリグに
コツン当たった。
「ヒット~」
残念そうな顔をしながら榊はセーフティへ戻っていった
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