ムテキでPERFECTなコンビ (クルコイ)
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ウイルスと適合者

 頭が痛い。

 胸が苦しい。

 体が動かない。

 俺の体はどうやらもうダメなようだ。

 

 俺はバイクで走っている最中に車に弾き飛ばされた.

 あぁ、こんなところで死ぬのか………来世があるなら自分で来世を決めたいな。

 

 《承認しました。転生の間に移動します。》

 

 …は?

 

 ぼんやりしていた視界が突然はっきりと見えるようになった。

 体の痛みもなくっている。

 

 「ど、どういうことだ?」

 

 戸惑っていた俺は体を起こし、あたりを見回すが一面真っ白の空間だった。

 周りには扉すらな………訂正する。

 台座と本がある。

 

 俺は台座と本がある場所に行く。

 

 「この本はいったいなんだ?」

 

 人の性というのだろうか、ついつい台座に置かれていた本を触ってしまう。

 すると、

 

 《使用者を確認………使用者の肉体を再構築します。》

 

 「さ、再構築!?ちょ、ちょっと待ってくれ!」

 

 《使用者の肉体と適合する肉体を形成………仮面ライダーエグゼイドに登場するバグスター、パラドに再構築します………成功。》

 

 「ぱ、パラドだと?なぜ仮面ライダーなんだ?い、いや、それより、俺の体がバグスターに…っ!?こ、これは!」

 

 俺の体はバグスターのように粒子化し、消滅した。

 そして、散らばった粒子がまた一つになり、人の形を作る。

 

 どうやら俺の体は作り変えられたようだ。

 流石に一度消滅させられ、その粒子をまた一つにされたんだ。

 再構築されたことはわかる。

 

 《人間の遺伝子を付与します。》

 

 体に何かが入ってきたのが分かる。

 

 《仮面ライダーエグゼイドが本編で使用したガシャットすべて、仮面ライダーパラドクスが使用したガシャットギアデュアル、ゲーマドライバー、バグヴァイザーを提供します。ゲーマドライバーはもう一つ贈らせてもらいます。>

 

 「本当に仮面ライダーになれるとは思わなかった。」

 

 《再構築、アイテムの提供が終了しました。これより、転生を行います。》

 

 「て、転生?」

 

 《3・2・1、転生開始。》

 

 「ちょ、ちょっとまっ………」

 

 体の粒子化が始まり、その部屋から強制退去させられた。

 

 

 

 

 

 

 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 

 

 

 

 

 ???side

 

 「ワールドチャンピオンに輝いたのは、ゲーマーM!」

 

 うおおおおおおおおおおおおおおおお!!

 

 大会が終了し、私、ゲーマーMこと導 永美(しるべ えみ)は家に帰宅するために帰ろうとした。しかし、今日の私は大会で優勝したことに興奮しているのか、何かを奮発して買おうと思った。買うものは何でもいいわけではなく、私が気になった物だけ買う。

 タクシーの中から何かいい店がないかと探していると、

 

 「止めてください!」

 

 私は中古品を取り扱っている店の前でタクシーを止めると、店の中に入っていく。

 商品の棚を一つ一つ確認していると、真新しい大きめのジュラルミンケースが二つ置かれていた。このケースのことを店員に聞いてみたところ、今日の朝、この店の店長が持ってきたという。値段を見てみると、二つ合わせて十万円だった。

 この値段を見て、いつもの私では安いと感じないはずなのだが、この時の私には安く思えた。クレジットカードで支払いを終わらせた私はまたタクシーをつかまえ家に帰る。

 

 「このケースの中身はなんだろう。帰ってからのお楽しみ。」

 

 家に到着すると、すぐさま自室に入り、ドキドキした心を落ち着かせながらスーツを開けると、

 

 「なに、これ?」

 

 紫色のコントローラー?のようなものと、よくわからないベルト?が二つ。そして、ゲームのカセットと思われるものが9個入っていた。

 

 「すごい、なにこれ。こんなもの見たことがない!」

 

 私はいろいろといじっていると、カセットのようなものにスイッチが付いていることが分かった。さっそく押してみようと思ったその時、

 

 『やめておけ、普通の人間が起動するとゲーム病を発症するぞ。』

 

 「だ、だれ!?」

 

 驚いたことにより、カセットを落としてしまった。しかし、今はそんなことはどうでもいい。今喋ったやつを見つけないと。

 

 周りをきょろきょろと見回しているがいっこうに見つからない。

 

 「何処にいるの!はやくでてきなさい!」

 

 『俺はここだ。』

 

 声が聞こえた場所を見る。そこには先ほどの紫色のコントローラー?があった。よく見ると、画面のようなものがあり、のぞき込むが何もない。

 

 「?私の気のせいかな?」

 

 『気のせいじゃないぞ』

 

 「うわああああああああああああ!?」

 

 画面にはさっきまではいなかった男の人が写り込んでいる。

 

 「え、え?ゆ、幽霊?」

 

 『違う。まぁ落ち着いて俺の話を聞かないか?』

 

 「はなし?」

 

 『そうだ。気になってるんだろ?そこにあるアイテムが。』

 

 「そうだけど…」

 

 『よし。俺がそのアイテムの使い方を教えてやる。ただし、』

 

 「ただし?」

 

 『俺に常識を教えてくれないか?』

 

 「常識?そのくらいならいいけど。」

 

 『よし、交渉成立だ。説明するからここから出してくれ。』

 

 「だ、出すってどうやって?」

 

 男はコントローラーから出してくれと言っているが………?待って、ここでこのよくわからない男を出してもいいの?

 

 「出すのはダメ。」

 

 『どうしてか聞いてもいいか?』

 

 「私が危険にさらされるかもしれないから。」

 

 『初対面の男は信用しないというくらいの危機感はあるんだな。まぁ今回はこのまま話を進めるか。』

 

 私と男は情報を交換し合った。

 

 

 二時間後

 

 

 「このゲーマドライバー?っていうのにガシャット?を差し込むと変身できるっていうわけか~」

 

 『そういうことだ。』

 

 私がこの男、パラドの話を信じれば、これらのアイテムがあれば超人的な力を手に入れることができるというわけだ。ただ、適合手術?というものを受けないと使えないらしい。

 そのことを聞いたとき、残念だと思った。

 

 そんな力があれば、あの雄英高校に入学できるはず。」

 

 『雄英高校?』

 

 「声に出てた!?」

 

 『その雄英高校に通いたいのか?』

 

 「通えるのなら通いたいけど、私のような外れのような個性で合格するわけないよ。」

 

 『………その個性っていうのは生まれつきのものって聞いたけど、永美の個性は何か聞いてもいいか?』

 

 「私の個性は『適合』。ただし、何に適合するのかはいまだにわかってないから無個性みたいなものだね。」

 

 『適合か…』

 

 「パラド?」

 

 パラドがぶつぶつと呟くと、

 

 『永美、俺と一つにならないか?』

 

 「え?ええええええええええ!」

 

 私は今の言葉にパニック状態になってしまったが、

 

 『一つになるっているのは、俺を取り込めって言っているんだ。』

 

 「と、取り込む?」

 

 『そうだ。俺はバグスター、バグスターウイルスだ。さっき説明したように、バグスターウイルスは人間に感染することができるコンピューターウイルスだ。俺が永美の体に入り、永美がバグスターウイルスに適合すれば、』

 

 「変身できる…」

 

 『ただし、もし、適合に失敗すれば消滅する。』

 

 「!?」

 

 私は消滅という言葉を聞き、息をのむが、チャンスは今しかない。ここでやらないと何も始まらない。

 

 「お願い。やって。」

 

 『わかった。バグヴァイザーの二つの突起、銃口を自分の体につけろ。』

 

 「こう?」

 

 『そうだ。そして、Bボタンを押すと俺が永美の中に入る…だが、本当にいいのか?死ぬかもしれないんだぞ。』

 

 「わかってる。でも、私は今のゲーマーである私を変えたいの。ゲームだけができるだけじゃなくて、人も救いたい。」

 

 『…わかった。なら、Bボタンを押せ。』

 

 私はバグヴァイザーのBボタンを押した。だが、何も起きない。パラドにそのことを確かめようとすると身体に何かが入ってきた。

 

 「ぐ、ぐううううううううううああああああああああああああああ!!」

 

 体がむしばまれている感じがする。だけど、

 

 「私はヒーローに、な、るん、だ!」

 

 その瞬間私の体を蝕んでいる感覚はなくなった。

 

 「てき、ご、う、したの?」

 

 私の体は疲れで限界が来たようだ。そのまま睡魔に襲われ床に倒れる時、誰かに支えられた。

 

 「まったくあまり無茶をするなよ。永美。」

 

 「パ、ラド…」

 

 私は眠りに落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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学校と入学試験

 パラドside

 

 「まったく、無茶をしたな。」

 

 俺、パラドは永美をベッドまで運び、おろした。

 

 「はぁ~まさかこの俺がパラドになるなんてなぁ。それにしてもここ日本だよな。個性なんて聞いたこともないが………まさか、別の世界だったりするのか?今は寝るか。」

 

 床に横になり寝ることにした。

 バグスターになっても睡魔が来るとは思わなかったな。

 

 

 

 

 

 

 

 永美side

 

 「う~ん、もう朝か~………ん?」

 

 ベッドから下りた私は何かを踏んだような感触がしたので足元を見ると、

 

 「い、痛い…」

 

 「そ、そうだった!パラドがいたんだった!ごめんパラド!」

 

 「謝らなくていいから足をどけろ。」

 

 「ごめん!」

 

 パラドから足をどけたのはいいが………

 

 「パラド、どうやってバグヴァイザー?から抜け出したの?」

 

 「昨日、永美の体内に入り、永美の体が俺というバグスターウイルスに適合した。そのあと、倒れそうになった永美を助けるため永美の体から分離しただけだ。」

 

 「分離なんてできるんだ…」

 

 分離できたことに驚いていた私だったがあることを思い出した。

 

 「適合したっていうことは私、ベルトを使って変身できるっていうことだよね?」

 

 私はパラドにぐいぐい近づきとそのことについて説明を求める。

 パラドは少し気おされながらも、

 

 「あ、あぁ変身できるぞ。」

 

 「やったああああああああああ!じゃ、じゃあさっそく変身してもいい?」

 

 「いいぞ。」

 

 変身するためベルトとガシャットを持ってきたのだが、

 

 「ど、どれで変身しよう。ん?昨日はダイヤルが付いてたガシャットがあったはずだけど、あと、ゲーマドライバーがもう一つあったと思うんだけど。」

 

 「あれは俺専用だから駄目だ。永美、お前はこのマイティ―アクションXガシャットをつかえ。」

 

 「このピンクのガシャットを?」

 

 「ガシャットのスイッチを押し、起動する。そして、ドライバーに差し込め、ただし、一番内側のスロットに差し込め。そこに差し込めば変身完了だ。」

 

 「わ、わかった。まず、起動させる。」

 

 《マイティ―アクションX!》

 

 私の後ろに巨大なゲームタイトルが出てくると、ブロックも大量に出てきた。

 

 「えっと、ドライバーにガシャットを差し込む!」

 

 《ガッシャット!》

 

 「目の前に自分が変身するライダーの姿が出ているだろ。それに触れろ!それがお前の変身後の姿だ。」

 

 私はパラドに言われた通り、パネルに触れる。

 

 《レッツゲーム! メッチャゲーム! ムッチャゲーム! ワッチャネーム! 

アイム ア 仮面ライダー!!》

 

 「うん?な、なにこれ?」

 

 「はああああああああああ!?」

 

 私は今の姿を確認するため、鏡の前に行く。

 そこに映っていたのは、髪の色がピンクに髪型はショートで少し髪が逆立ったいる。目元にはバイザーのようなものが装着済み。そして、顔の周り、腕、腰、脚に少し大きめの白いアーマーが装着されている。顔のほうは顎を守っているかのようになっている。胸にはゲームのボタンと体力ゲージ?が付いている。

 

 「こ、これが変身。パ、パラド!変身で来たよ!」

 

 パラドは驚いているのか、固まって動かない。それに、

 

 「ライダーはライダーでもライダー少女だろあれは…」

 

 「パラド?大丈夫?」

 

 「あ、あぁ、大丈夫だ。変身が完了した後は、レバーを開け。」

 

 「レバー?これのことかな。」

 

 私は試しに正面についている取っ手に手をかけ、開く。

 目の前にゲートが現れたので潜り抜ける。

 

 《ガッチャーン! レベルアップ! マイティジャンプ! マイティキック!

 マイティマイティアクションX!》

 

 白いアーマーがはじけ飛ぶと、

 

 「ぴ、ピチピチタイツだ…あ、だけど動きやすい!」

 

 スーツに取り付けられていた白いアーマーが外れることにより、動きやすくなった。

 スーツの見た目は体に密着しているスーツだが、バイザーや胸についているアーマーは外れていない。

 

 「その状態はおそらくレベル2の状態だ。レベル1より戦闘の時はレベル2のほうが役に立つはずだ。」

 

 「そうなんだ…残っているガシャットも試してみてもいい?」

 

 「疲れたら終了だからな。体を大切に扱えよ。」

 

 「分かってるよ。」

 

 その後。私は残っているガシャットを使い、変身をし続けた。だけど、使えないガシャットもあった。ドラゴナイトハンターZガシャット、マイティブラザーズXXガシャット、マキシマムマイティXガシャット、そして、ハイパームテキガシャット。これらのガシャットはパラドに止められた。

 

 「まだお前には早いからレベル4までのガシャットで我慢しろ。」

 

 パラドにそう言われてしまったから仕方なく我慢することにした。

 変身アイテムをしまい、部屋の片づけをしていた時、パラドにあることを尋ねられた。

 

 「雄英高等学校だったか?あの学校のヒーロー科というところに入学したいのか?」

 

 「な、なぜそれを!」

 

 「ヒーローになりたいと言っていたからそうなのかと思っていたが、あと部屋に置いてあったパンフレットを読んだからある程度はわかった。だが、永美、お前、学校にはちゃんと行っているのか?」

 

 「そ、それは~一週間に一度くらい~」

 

 「何年生だ?」

 

 「3」

 

 パラドに睨み付けられ、しぶしぶ答える。

 

 「これからは学校に行くように。」

 

 「で、でも、」

 

 「学校に行かないと、雄英に行けなくなるぞ。」

 

 「て、テストの点数はいいよ。上位三名に入ってるから…」

 

 「それでもだ。」

 

 「ひ、一人で行くなんて…」

 

 パラドは仕方がないとでもいうように私に近づくと、消えた。

 

 「え?パ、パラド?」

 

 『今、俺は永美の中にいる。これなら安心していけるだろう?』

 

 「うん!」

 

 『それと、俺とこの状態で会話するのなら直接喋らず、頭の中で話せ。』

 

 『わ、分かりました。』

 

 このようなことをしながら、今日という日が過ぎた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌朝

 

 

 

 

 

 「おい、永美、起きろ。」

 

 「パラド?おはよう。」

 

 「おはよう。朝ごはんは簡単ながらも俺が作っておいた。さっさと食べて学校に行くぞ。」

 

 「うん。」

 

 私は寝ぼけながらも学校に行く準備をする。準備が終わったので嫌々学校に行く。もちろんパラドも一緒に。

 私が通っている学校はどこにでもある普通の学校だ。ただし、この学校に通っているみんなは雄英高等学校のヒーロー科志望の子たちだ。私は問題児の中の問題児、学校にはほとんど来ないがテストだけは上位三名には絶対に入っているから学校側からは何も言えないという状況です。

 そんな私が学校に通うとみんな驚いた顔をして見て来ます。それが二日、三日と続くと、

 

 「ど、どうしたんだ?体調でも悪いのか?」

 

 教師にこのようなことを言われる始末、そんなこともありながら私は学校に通いました。学校に通い始めて知ったことが一つだけあります。それは、

 

 「どけっ!この外れ女!」

 

 「爆発ボーイは黙ってて。勉強に集中してるから。」

 

 「なんだとっ!」

 

 私にも人をうざいと思う感覚があることです。まさか、ここまで私に絡んでくる子がいるとは思いもしませんでした。そんなことが日課になりながら今日も今日とて学校に向かう。ただし、学校に向かう以外にも私はあることをしています。あることというのは、

 

 「おいおい、そんなんじゃ俺の心は踊らないぞ。」

 

 「はぁはぁはぁ」

 

 パラドとの組手です。パラドは戦うことができるみたいなので教えてもらうことにしたところ、私の体力の限界ギリギリまで特訓を止めてくれません。まぁ私がそう頼んだからだけど…

 

 「今日はここまでだ。」

 

 「パラド、はぁはぁ、私、強くなってるのかな?」

 

 「強くはなっているな…体力も付いてきたところだ。変身したときの力加減も知るために次からは変身状態での特訓だ。」

 

 「やったあああああああ!」

 

 私は久々に変身できることを知り、喜びを隠せない。

 

 「ただし、変身する際の特訓は俺も変身するからな。」

 

 「うんうん!」

 

 学校に行きながらも特訓をするというかなりきついことをすること数か月が経過した。そう、この数か月経過した今日この日が、

 

 「雄英高等学校、入試日。ここが雄英高等学校!」

 

 雄英高等学校入試日だ。

 雄英高等学校の入学試験は実技試験、今私はほかの受験生の方々とともに試験の説明を受けています。試験の内容は簡単に言うと三種類の仮想ヴィランを倒せということらしい。倒せばポイントがもらえ、ポイントに応じて試験の順位が変わる。

 さて、実技試験の会場に向かうと、周りの人たちががやがやと騒いでいる。まぁ学校の敷地内に町があれば驚くよね。私もこの試験を頑張りま

 

 『ハイスタート―!』

 

 唐突に試験が始まった。

 

 最後まで考えさせてよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




主人公、永美の見た目、絵が描けないから文字で書こうかな?


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試験とテスト

 この町のようなフィールドを駆け回り、仮想ヴィランを見つければ、ガシャコンブレイカーというハンマーのような武器で倒しまくっている。ポイントはおそらくヒーロー科に入学できるくらいには稼いだとは思うけど、

 

 「危ない!」

 

 仮想ヴィランに動けないところを襲われ危険な状況に陥っている人たちを助けているのでポイントだけが増えていく。

 

 変身はしたいけど、この程度の相手で変身するのはちょっと…

 

 そう思っていた時、

 

 「デカい…」

 

 巨大な仮想ヴィランが現れた。周りにいた人たちはその場から逃げ始めている。私も逃げようと思い足を動かそうとしたが、

 

 「あれは?」

 

 女の子が倒れているところに巨大な仮想ヴィランがそこまで迫ってきている。

 

 「………ここで見捨てたらパラドに怒られるね。」

 

 私が普通に走ったところであのロボットが女の子の前にたどり着いてしまう。だから、

 

 《マイティーアクションX!》

 

 「大変身!」

 

 《ガッシャット! ガッチャーン! レベルアップ!》

 

 《マイティジャンプ! マイティキック! マイティマイティアクションX!》

 

 変身した私はまず女の子を救出する。安全な場所に女の子を置く。その時、

 

 『スマッシュ!』

 

 そんな声が聞こえると、巨大な仮想ヴィランが破壊されていた。そして、破壊した人は、腕が腫れ上がり、空中から落下している。

 瓦礫を足場にし、男の子を助け出した私は女の子がいる場所に男の子を置くと、

 

 「せめて!1ポイントだけでも!」

 

 『終了~!』

 

 男の子は絶望した表情で落ち込んでいる。

 

 「………」

 

 私はその男の子の表情が忘れることができそうにないと思った。だから、

 

 「すみません。緑色の髪の毛をしたそばかすの男の子、彼に私のポイントを分けてあげることはできますか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 パラドside

 

 「ただいま。」

 

 「おかえり。で、試験はどうだった?」

 

 永美は少し納得がいかないような顔をしながらこちらを向くと、今日の出来事を話し始めた。特に緑色の髪をしたそばかすの男の子について話している。

 

 「その子も私と同じように女の子を助けようとしたんだよ。だから、どうにかして彼を助けようと思って私のポイントを分けてあげようと試験監督の人にも直談判したんだけどダメだった。」

 

 「それは永美の責任じゃないからそう落ち込むな。」

 

 永美はかなり落ち込んでいるようなので今日は永美のご機嫌取りでもするか。

 

 

 

 

 

 永美side

 

 

 一週間後

 

 「永美、雄英から手紙が届いてるぞ。」

 

 パラドから手紙を受け取ると、部屋に戻り開ける。

 

 「なにこれ?」

 

 よくわからない機械が出てきたと思ったら、

 

 『私が投影された!』

 

 「オールマイト!?」

 

 『これを見ているということは君は合格したということだ。筆記は2位、実技試験も無事合格だ!雄英高等学校の生徒として頑張りたまえ!』

 

 「ぱ、パラド!合格したよ!」

 

 「おぉ!おめでとう!」

 

 私は雄英の生徒となったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 春

 

 

 

 

 

 ついにこの日がやってきました。

 そう、雄英高等学校の登校日、私のクラスは1-A。緊張はします。でも、それ以上にワクワクがある。

 

 私は扉を開け、教室に入る。

 

 「…あれ?だ、誰もいない?」

 

 焦った私は時間を確かめた。

 

 「5時25分…」

 

 「は、早すぎた…」

 

 早すぎただけだったので良かった~

 

 「この広い教室に一人か~自分の席に座ろうか。」

 

 座ったのはいいがどんどん眠くなり………そうだったので本を読むことに。

 

 

 

 一時間後

 

 

 

 「ぼ、いや、俺が最初にこの教室に入った生徒…ん?」

 

 「あ…」

 

 私は教室に入ってきた、おそらくこのクラスの人をジーっと眺めていると、視線をそらされた。

 なぜ視線を逸らすの?

 ※目つきが悪いからです。相手からすれば睨み付けられているように見えます。

 

 その後もいろいろな生徒が入っては来ますがそのたびにだれも目を合わせてくれません。完全に孤立状態になってしまいました。

 

 『はぁ~初日からこれって…』

 

 友達がパラド以外にもできると思ったんだけどなぁ

 

 そう思っているうちに先生が来たようです。

 先生の名前は相澤 消太(あいざわ しょうた)。相澤先生は体操服?を着てグラウンドに出ろといった。

 

 「「「「「「「個性把握テストォォォ!?」」」」」」」

 

 個性把握テストというものをするらしいです。このテストでの最下位は除籍処分とされる。

 

 第一種目 50m走

 

 他の皆はどんどん記録を出している。そして、

 

 「導 永美、お前の番だ。」

 

 ついに私の番が来ました。変身するしかないよね。ここで除籍処分は嫌だから。

 

 「スタートラインに立て。行くぞ。」

 

 パンッ!

 

 《ガッシャット! ガッチャーン! レベルアップ!》

 

 《マイティマイティアクションX!!》

 

 ガシャットをトイレで起動させておいてよかったあああああ。おかげですぐに変身できたよ。ん?みんなどうしたんだろう。

 

 相澤先生も含めて、この場にいる全員が私のことを見ている。

 

 「あ、あの、どうかしましたか?」

 

 「その姿はなんだ?お前の個性は適合だったはずだが?」

 

 相澤先生が私に詰め寄ってきた。

 

 「て、適合したのでこの姿になっただけです!それより、タイムは?」

 

 「…!?1秒60…」

 

 「「「「「「「え、ええええええええええええ!」」」」」」」

 

 その後のテストも好成績を出し、結果発表の時間が来た。私は変身を解除しているのでいつもの見た目に戻っていますよ。

 

 「結果発表。」

 

 相澤先生は一気に結果を開示するようです。誰が除籍されるのか…

 

 「ちなみに除籍はウソな。」

 

 「「「「…はああああああああああ!?」」」」

 

 除籍の話は実力を引き出すための合理的虚偽らしい。嘘なら嘘と先に言ってくれればいいのに…

 

 そのあとは面白みのないことが続き、入学初日が終了した。

 

 『結局友達出来なかったなぁ。』

 

 そんなことを思いながら家に帰る。周りを見回すと、緑谷 出久くんだっけ?とあと二人が仲良く楽しそうに帰っている。私もあんな風に帰りたいなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 パラドside

 

 

 

 

 

 「ただいま~」

 

 「おかえり。」

 

 永美が帰ってきたので出迎えに行くが、

 

 「…どうした?何かあったのか?」

 

 「友達出来ませんでした…」

 

 俺はその言葉に少しだけため息が出た。

 

 「友達は一朝一夕でできるものではないと思うからあまり気にする必要はない。それに永美はコミュ障なんだからゆっくり自分のペースで作っていけばいい。」

 

 「パ、パラドオオオオオ!そ、そうだよね!私は人見知りのコミュ障なんだからゆっくり友達を作っていけばいいよね!」

 

 永美は俺の言葉に元気を取り戻したようだ。

 まったく、心配させるなよ。まぁ何事もなくてよかった。

 

 永美の登校初日は平穏無事に終わったようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 永美side

 

 今日から授業が始まる。

 午前は普通授業、午後はヒーロー基礎学という授業をするらしい。

 

 

 

 午後

 

 

 

 「わーたーしーがー!普通にドアから来た!」

 

 オールマイトがコスチューム姿でやってきた。授業の内容は戦闘訓練。そして、入学前に送った「個性届」と「要望」に沿って作られたコスチュームを着用して授業を受けるようです。授業はグラウンド・βで行うそうだ。

 

 『私のコスチュームはどんな風になっているんだろう。ちゃんと要望通りになっているのかな?』

 

 期待に胸を膨らませ、更衣室でコスチュームを確認………あ、あれ?

 

 私のコスチュームは黒一色のスーツだっはずなのに、

 

 「白衣?よ、要望と違う………ま、まさか!パラドの仕業か。」

 

 私は怒りのあまり体が震えるが一度落ち着こう。パラドが普通の白衣をデザインするはずがないと思うから、それに、白衣の下に着るコスチュームもあるみたいだからそれも確認…Tシャツとデニムのパンツ…

 

 「パラドオオオオオオオ!!」

 

 私は怒りのあまり叫んでしまった。

 

 『落ち着け私、落ち着け。』

 

 何とか落ち着くことのできた私はしぶしぶコスチュームに着替える。コスチュームに着替えた。着替えた際に白衣の内側が気になったので見てみると、

 

 『ポケットが一、二………八、ガシャットの数だけついてる。これならすぐに取り出せる。』

 

 少しだけパラドに感謝をし、グラウンドに向かう。グラウンドには私以外のみんなが集まっている。そして、話も進んでいるようなので、オールマイトに話を聞くことにした。

 

 「すみません。おくれました。」

 

 「ん?はっ!すまない!君のことを忘れていた!今回の戦闘訓練について説明するからよく聞いてくれ!」

 

 「はい。」

 

 私は忘れられていたことに少しショックを受けながらも説明を聞く。今回の戦闘訓練は敵側とヒーロー側に分かれて行う。屋内での訓練になっている。設定としては「(ヴィラン)」が核兵器を隠しているので「ヒーロー」がその処理を行うという。敵側は制限時間まで核兵器を守り抜くか、ヒーローを捕まえる。ヒーロー側は核兵器を回収するか、敵を捕まえる。訓練は二人一組で行われる。

 

 「あの、私だけ残ってしまったのですが…」

 

 「そのことなら心配はいらない。私が君の相手をする。」

 

 「オールマイトがですか?どうかんがえても一瞬で終わる未来しか見えません。」

 

 「大丈夫だ。私も手加減する。」

 

 「………手加減されても負ける未来しか見えませんがわかりました。オールマイトはヒーロー側でお願いします。」

 

 「ヴィラン側でいいのかい?」

 

 「かまいません。」

 

 「…わかった。」

 

 こうして訓練が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




主人公のプロフィール的な何か

導 永美

身長 157cm 
体重 ?㎏

見た目
水色の髪をしているが本人はあまり好きではないので常に髪はショート。少しでも伸びると切りたくなる。目の色も水色。目つきは普通にしていても睨み付けているような目。おかげで友達ができない。笑ったときは年相応の顔になる。

プロフィール
導 永美、中学から様々なゲームの大会に出場し、未だ負けたことがない。体力は人並み以下だったが、パラドの特訓のおかげで人並み以上になっている。勉強面はテストの際には上位三名に入ることができる。テストの時も勉強はしていない。雄英高等学校の入試の時は勉強していた。現在は友達作りとヒーローになることを目的としている。


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最強とゲキトツ

 訓練が始まり、ヒーロー側もヴィラン側もどちらも初めてなのにいい勝負をしていると思った。一番緊張したのは爆豪?くんと緑谷くんの戦いだった。どちらも大怪我をおいそうな戦いをしているからはらはらしたよ。

 その後は危ないことはなくほかのみんなの訓練が終わった。そして、

 

 「次は私たちの番だ!お互い頑張ろう!」

 

 「はい。」

 

 ついに私の番が来てしまった。相手はあのオールマイト、負けることにはなるがやれるだけのことはやろう。

 

 気合を入れていると、戦闘訓練が開始した。

 私は戦闘訓練が開始したときから変身しているのでオールマイトが来てもすぐに戦闘に移ることができる。

 

 「私が来た!」

 

 その声とともに正面の入り口からオールマイトが入ってくると、

 

 「さぁ!おとなしくつかまってもらおう!」

 

 オールマイトが一瞬で私に近づいてきた。しかし、

 

 「そう簡単には負けません!」

 

 私はオールマイトに殴り掛かる。オールマイトは私のパンチを簡単に受け止め、

 

 「いいパンチだ!だが、まだまだ!」

 

 オールマイトは私を持ち上げると、後ろに軽く投げ、核兵器に近づいていく。

 

 『こんな簡単に負けられない!』

 

 私は赤い色をしたガシャットを取り出した。

 

 《ゲキトツロボッツ!》

 

 ゲームのスクリーンが表示されスクリーンから赤いロボットが現れた。赤いロボットはオールマイトに突撃し、核兵器に触れさせないようにしている。

 私は核兵器の前まで行くと、レバーを閉じ、ガシャットを差し込む、

 

 「大大大変身!」

 

 《ガッチャーン! レベルアップ!》

 

 《マイティジャンプ! マイティキック! マイティマイティアクションX!》

 

 この音声が流れた後、赤いロボットが私の頭をぱくりと食べたかと思うと、

 

 《アガッチャ!》

 

 ロボットのパーツが変形し、私の頭にはVの文字が入ったヘッドギア、胸にはアーマー、左の拳には大きなロボットの拳が装着された。

 

 《ぶっ飛ばせ突撃! ゲキトツパンチ! ゲキトツロボッツ!》

 

 「そ、その姿は?」

 

 「それを言う必要はないです!行きますよ!」

 

 私は左の大きくなった拳でオールマイトに攻撃を仕掛ける。オールマイトもこの攻撃を食らえば無傷ではなくなると思ったのかよけている。

 

 このままではじり貧、なんとかしないと…そうだ!

 

 「このままでは埒があきません。ですから、必殺技で決めます。」

 

 「必殺技?」

 

 《ガッシューン》

 

 ガシャットを抜き、キメワザスロットホルダーに差す。

 

 《ガッシャット!》

 

 そして、スイッチを押す。

 

 《キメワザ!》

 

 《ゲキトツクリティカルストライク!》

 

 左拳がロケットのようにオールマイトに向かって飛ぶ。オールマイトは飛んでくる拳の速度に驚きながらも拳を受け止めた。

 

 「それが私の狙いです!」

 

 「なに!」

 

 左拳をオールマイトに向かって飛ばした拳、ゲキトツスマッシャーに入れるように殴る。このように殴ることにより普通のパンチよりも威力が増大する。

 

 《会心の一発!》

 

 「よしっ!決まった!」

 

 建物はパンチの威力により揺れたせいか、埃が舞っている。そのおかげで視界がまったく見えないが、今の攻撃を食らえば、流石のオールマイトでも動くことはできない。そう思っていたのだが、

 

 「今の攻撃は素晴らしい一撃だった!」

 

 「え?」

 

 「だが、私はこのとおり普通に動けるぞ。そして、核兵器も確保した。」

 

 その瞬間、訓練が終了した。その後、訓練の講評をし、授業が終了した。訓練が終了したので着替えのため、更衣室に入る。

 

 「はぁ~負けちゃった。オールマイトを超えるにはまだまだ修行が必要だなぁ。」

 

 私は負けてしまったのが悔しく、あの時どうすればよかったのかをしっかりと考えながら着替えていた。

 ※考えていると言っているが口に出てます

 

 「あの、導さん?」

 

 「!?な、なにか?」

 

 「さっきの訓練凄かったよ!」

 

 「え、ええ?」

 

 「だって、本気ではないけど、あのオールマイトと戦って一瞬で決着がつかなかったんだよ!凄いよ!」

 

 私は褒められたことに対してどのような反応をすればいいのかわからなかったが、パラドが言っていることを思い出した。

 

 『感謝の気持ちを伝えるには笑ってありがとうっていえばいい。』

 

 この言葉に従い、

 

 「あ、ありがとう。褒めてくれて。」

 

 「「「「「「か、」」」」」」

 

 「か?」

 

 「「「「「「かわいいいいいい!」」」」」」

 

 「かわいいよ!今の笑顔もう一回!」

 

 「こ、こう?」

 

 私は麗日 お茶子さんに笑顔を何度も求められたり、ほかの子たちにももみくちゃにされた。

 

 「かわいいわ。本当に。」

 

 「いつも睨まれてると思ってたけどそれが普通だったとは思いませんでした。」

 

 このコミュニケーション?のおかげで私はクラスの女子と打ち解け合うことができました。これって、友達ができたということでいいんだよね?

 友達ができたことにより、ルンルンと嬉しい気分を隠すことなく家に帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 オールマイトside

 

 

 

 

 「まったく、愛弟子を甘やかしすぎだよ。」

 

 「申し訳ありません。」

 

 私は保健室から退室しようとした。

 

 「ちょっと待ちな。」

 

 リカバリーガールに止められ、

 

 「あんた、傷が増えているのは気のせいかい?」

 

 「そ、それは…」

 

 「何があったのか話してみなさい。」

 

 仕方なく戦闘訓練について話すことになった。

 話自体はすぐに終わったのだが、リカバリーガールが真剣な表情で俯く。

 

 「今の話で何かおかしな点でも?」

 

 「おかしなことばかりだよ。その、永美っていう子の個性は『適合』って聞いたけど、いったい何と適合したのやら。」

 

 「!?」

 

 そうだ、彼女の個性は『適合』、ただ、彼女は今まで完璧な適合をしたことがないと個性届にも記載されていた。だが、相澤くんの話によれば、彼女は適合したと言っていた。なら、何と適合してあの姿と力を手に入れたんだ?

 

 「今日のところは戻りなさい。私はこの子の看病をしているから。」

 

 「はい。」

 

 私は多くの疑問を残しながらも保健室から退室した。

 

 

 

 

 

 

 

 パラドside

 

 今日は永美がうれしそうに帰ってきた。理由を尋ねると、

 

 「今日、友達たくさんできたよ!笑顔を見せたら友達ができた!笑顔は大事だね!」

 

 俺はそれを聞き、納得した。永美の笑顔を見たら誰でも親しみやすいと思う。いつもの睨み付けているような顔からかわいらしい顔に急に変わる。所謂ギャップ萌えという奴だろう。それでも、友達ができたことはいいことだ。

 

 「そういえば、パラド。」

 

 「どうした?永美。」

 

 「パラドの変身した姿、仮面ライダーパラドクスの姿って、私、見たことないよね?変身訓練の時にパラドが使ったのはマイティブラザーズXXガシャット。」

 

 「…まさか、変身して見せろと?」

 

 「うん!」

 

 「ダメだ。」

 

 「ええええええええ。」

 

 変身はしてもいい。してもいいがもしかすると、俺までライダー少女になる恐れがあるからできない。マイティブラザーズXXを使った際は何事もなかったが、ガシャットギアデュアルはどうなるのかまだわからない。本当にピンチの時に使おう。

 

 「ほら、早く夕食を食べろ。」

 

 「は~い。」

 

 永美が何事もなく、自室に戻っていった。俺が変身するときは本当にピンチになった時だけだ。それ以外の時は変身はしない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 永美side

 

 

 翌朝

 

 

 「今日は学級委員長を決めてもらう。」

 

 みんなは学級委員長になりたいようですが、私には興味がありません。私は今のような生活を送り、ヒーローになれたらそれでいい。だから、学級委員長には興味がない。

 

 その後、学級委員長は緑谷くんになった。ちなみに副委員長は八百万さんです。

 

 

 

 お昼休み

 

 

 

 食堂に始めてきてみた。パラドが

 

 『友達ができたんだろ。なら、友達と一緒に食べて来い。』

 

 そう言われてしまいました。友達はできたけど、まだ知り合ってそんなに時間もたってないし、親しいと聞かれれば、親しくないし…

 

 そんなことを思っていると、

 

 「導さん?どうしましたか?」

 

 「八百万さん。それに、芦戸さん。…いえ、なんでもありません。」

 

 私はその場から立ち去ろうとした。すると、

 

 「…まさか、食堂の使い方が分からないとか?」

 

 「!?そ、そんなことはないです!食べる友達がいないとかも思ってませんよ!」

 

 「「え?」」

 

 「あ、ああああああああああ!」

 

 なんてことを口走っているの!私は!

 

 恥ずかしさのあまり頭を抱え込んでいると、

 

 「なら、私たちと一緒に食べませんか?」

 

 私は八百万さんと芦戸さんと一緒に昼食を食べることになった。

 

 『こ、これが青春というもの。』

 

 楽しく話をしながら、昼食を食べていたのですが、

 

 ウウウウウウウウウウウウ~

 

 突然警報が鳴り響き、

 

 《セキュリティ3が突破されました》

 

 《生徒の皆さんは速やかに屋外に避難してください。》

 

 「急いで避難しましょう!」

 

 「うん!」

 

 八百万さんと芦戸さんが避難しようとしているので私も一緒に避難しようと思っていた。ただ、外にいる人たちを見て、避難することを止め、昼食に戻ります。

 

 「なっ!?導さん!早く逃げないと!」

 

 八百万さんがそう言っているとき、飯田くん?が頭上を飛んでいったかと思うと、

 

 『大丈ー夫!ただのマスコミです!』

 

 飯田君が慌てて外に逃げようとしていた生徒たちを落ち着かせた。その後、警察が到着し、マスコミは撤退。

 教室では他の委員を決めるようです。私は何でもいいと思っていると、緑谷くんが学級委員長を辞退し、飯田くんを推薦。クラスみんながそれに納得しているようです。

 少しトラブルがありましたが、今日も下校の時間が来ました。

 そういえば、疑問に思ったことがあるのですが、どうやって校内にマスコミは入ってきたのでしょうか?

 

 そんな疑問が残りながらも私は家に帰る。

 

 

 

 

 

 



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訓練と滾る心

 「パラド。」

 

 「ん?どうした?」

 

 「レベルアップ、できたよ。」

 

 パラドは永美の姿に驚き固まってしまった。

 永美はさらなるレベルに到達した。

 

 

 

 

 

 永美side

 

 

 今日の私はご機嫌です。パラドとの特訓でさらに強くなったのですから。

 

 PM 0:50

 

 「人命救助(レスキュー)訓練だ!」

 

 今日のヒーロー基礎学は人命救助のようです。人命救助に向いているガシャットってあったかな?

 

 考え事をしながらバスに乗っていると、

 

 「導ちゃん、聞きたいことがるのだけどいいかしら?」

 

 「えぇと蛙吹さん?」

 

 「梅雨ちゃんと呼んで。導ちゃんの個性って『適合』って聞いたの。」

 

 「そうですけど。」

 

 「何と適合したらその不思議な力が手に入るの?」

 

 「そ、それは…」

 

 その質問の途中、バスが目的地に着いた。私は逃げるようにしてバスから降りた。

 着いた場所はスペースヒーロー「13号」が作った施設、ウソの(U)災害や(S)事故(J)ルームという場所。13号は個性によっては人を簡単に殺せることを忘れてはいけないことを伝え、人命のために個性をどう使っていくのかを学んで帰ってくださいといった。

 13号の説明が終わった瞬間、相澤先生が、

 

 「一かたまりになって動くな!13号!生徒を守れ!」

 

 私たちの前に現れたのは、

 

 「(ヴィラン)だ!」

 

 相澤先生は敵のもとに向かい戦闘を始めた。相澤先生が時間を稼いでくれている間に避難を始め………え?

 

 「させませんよ。」

 

 黒い靄のような男?がオールマイトの殺害宣言のようなものをした。そして、何か行動しようとしたとき、爆豪くんと切島が攻撃を仕掛けるが、効いている様子もなく、私たちは靄に飲み込まれてしまった。

 

 「で?私たちは敵の集団に囲まれているのはなぜでしょうか?」

 

 「それを聞かれても困りますわ。」

 

 「それより、どう切り抜けるか問題だよね。」

 

 「俺、ここで死ぬのかな?」

 

 「とりあえず、変身しよう。」

 

 「「「変身?」」」

 

 「最初っから飛ばすよ!」

 

 《マイティアクションX!》

 

 《シャカリキスポーツ!》

 

 《ガッシャット!》

 

 シャカリキスポーツのガシャットを起動させると、後ろのタイトル画面から自転車が飛び出し、私たちの周りを守るように回っている。ドライバーにガシャットを同時に差し、レバーを開く。

 

 「大大大変身!」

 

 《ガッチャーン! レベルアップ!》

 

 《マイティマイティアクションX!》

 

 《アガッチャ!》

 

 《シャカリキ! シャカリキ! バッドバッド! シャカっと リキっと 

 シャカリキスポーツ!》

 

 回っていた自転車が頭から合体する。ヘルメットが頭の前頭部分だけ装着され、右肩には自転車の後輪、左は前輪が装着されている。。

 

 「じ、自転車を頭から」

 

 「かぶった…」

 

 「意味が分からない…」

 

 「ノーコンテニューでクリアしてあげます!」

 

 敵が襲い掛かってきましたが、右肩の後輪を外し、投げる。それと同時に私も一緒に走り始めた。敵の周りをくるくる回りながら、攻撃を仕掛ける。後輪も敵にぶつかりながら移動している。しかし、すべてを相手にするのは難しく、三人のもとにも敵が行くが…

 

 「って上鳴くん!ちょっとまっt」

 

 「クソ強え!」

 

 私は電気が地面に触れる寸前に高く飛び上がり、難を逃れた。が、

 

 「俺って強えええええええ!」

 

 「がはっ!」

 

 「え?」

 

 上鳴くんの真後ろに敵が忍び寄ってきたのでとりあえず倒しておきました。さて、もう終わりにしましょう。

 

 「フィニッシュはキメワザです。」

 

 《ガッシューン ガッシャット! キメワザ!》

 

 《シャカリキクリティカルストライク!》

 

 上鳴くんを守るために投げた後輪を手元に戻し、後輪を投げる!

 

 後輪は意思を持ったかのように敵全てに攻撃を仕掛け、戦闘不能にした。

 

 《会心の一発!》

 

 私は変身を解くことをせず、みんなのもとに行くと、

 

 「オールマイトと戦っているのを見ていましたが本当に強いですわ!」

 

 「驚いたよ。まさかあの数を一人で相手にして勝つとはね。」

 

 「お、俺は?俺の働きは?」

 

 「皆と合流しましょう。」

 

 上鳴くんの話をスルーして、ほかのみんなと合流するため、探すことにした。とりあえず、入口の方に戻ってみることにした。ちなみに、八百万さんたちには別行動してもらっている。

 入口にたどり着いた時、私の目の前に見えたのは、脳みそが見えている巨大な化け物が相澤先生を動けないようにしている瞬間だった。怒りのあまり、その化け物に突撃したが気付いた時には叩き付けられ、意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 パラドside

 

 

 

 

 「…嫌な予感がする。」

 

 永美は今学校にいるはずだ。だが、何故かはわからないが嫌な感じがする。

 

 俺は粒子化し、永美がいるであろう学校に向かうが、

 

 『いない。どういうことだ?』

 

 クラスにはだれもいなかった。永美を探そうと動こうとする。そんな時、

 

 「先生たちが13号が作ったUSJに向かうらしいぞ。」

 

 「なにかあったのかな?」

 

 情報を得た俺は、雄英の教師を見つけ出し、ついていくことにした。その中には雄英の生徒であろう眼鏡をかけた青年がいる。ついていった先には閉じられた大きな扉と巨大な施設があったが、永美がよく見せてくる写真の人物オールマイトが扉を破壊し、中に入って行く。俺も中に入り、永美を探そうとしたのだが、

 

 『永美?』

 

 永美は脳みそが見えている巨大な化け物に持ち上げられている。永美の体は気絶しているのか動いていない。俺は急いで永美の中に入り、永美の状態を確認する。永美は重傷というほどの傷は負ってはいないが意識がない。

 

 『永美、身体を借りるぞ。』

 

 永美の体の主導権を握った俺は、この化け物の手首に全力でけりを入れた。変身しているので威力はかなりのものだ。化け物の手が少し緩み、俺は化け物の手から逃げ出す。俺の近くにいた三人の生徒はオールマイトに助け出されていた。

 

 「永美くん!大丈夫か!…永美くん?」

 

 俺は今、オールマイトの話が頭に入ってこないほど怒っている。

 

 「お前たちは永美を傷つけた。そして、俺の心を滾らせた!」

 

 「「「「俺?」」」」

 

 変身を解いた俺はガシャットギアデュアルを取り出し、ダイヤルを左に回す。

 

 《ノックアウトファイター!》

 

 《The strongest fist! "Round 1" Rock & Fire !》

 

 待機音が流れ始めた。俺の後ろには格闘家のような男が映ったゲームスクリーンが現れている。

 そして俺は、スイッチを押す。

 

 《デュアルアップ!》

 

 《Explosion Hit! KNOCK OUT FIGHTER!》

 

 「なんだ、お前。」

 

 顔に手を付けた男がそう聞いてきた。

 

 「俺は仮面ライダーパラドクスlevel50。」

 

 俺が手の男に攻撃しようとすると、

 

 「脳無」

 

 脳みそが見えている化け物が立ちはだかるが、

 

 「ふんっ!」

 

 拳に火を纏わせ、殴りつける。脳無と呼ばれた化け物は腹を焼かれながら、殴られ続けた。脳無もやられているだけではなく、反撃もしてくるが殴り掛かってくる拳を殴り返し、焼く。そんな一方的な戦いも終わろうとしていた。

 

 「キメワザで決める。」

 

 ガシャットギアデュアルをホルダーから抜き、ダイヤルを回す。

 

 《キメワザ! デュアルガシャット! ノックアウトクリティカルスマッシュ!》

 

 両手に力がたまり、脳無を空中に吹き飛ばす。そして落ちてきたところを地面にたたきつける。

 

 《K.O.》

 

 脳無は意識を失ったのか、動かなくなった。その後、オールマイトを含むヒーローたちが敵の捕縛に努め、事態は収束した。

 俺は永美から離れ、家に戻った。永美のほうはリカバリーガールと呼ばれるヒーローの治癒により傷一つない。俺は永美に危険なことをするなと、説教をした。後、明日から俺も学校についていくということを話すと、嫌がっていたが、今日のことを盾にするとしぶしぶ了承してくれた。

 

 今日みたいなことが起こらないためにも永美は俺が守ってみせる。

 

 そう決意を固めた。

 

 

 

 

 

 

 




仮面ライダーパラドクス ファイターゲーマー level50
 
パラド自身は気付いてはいなかったがライダー少女化していた。
髪型はショートだが、前髪が少しだけだが逆立っている。髪色は赤。頭部には白い鉢巻を巻いている。胴体部分は通常のパラドクス ファイターゲーマーと同じ。肩のアーマーが炎が燃え上がっているような造形をしている。手に装着している拳、マテリアライズスマッシャーが小型化されているが性能は変わらない。


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体育祭とアイテム

 永美side

 

 翌日

 

 昨日、私はパラドに助けられた。あの時、相澤先生がボロボロになった姿を見て、いてもたってもいられなくなった。助けにいったけど、何もできなかった…

 

 「私って弱いね…」

 

 「何を当たり前のことを言ってるんだ?」

 

 自室にいるはずなのに、パラドの声が聞こえたので俯いていた顔を上げると、

 

 「おはよう。」

 

 「おはよう。パラド。」

 

 「…永美、昨日のことは気にするなとは言わない。だが、現状維持はダメだ。何も変わらないっていうのはあきらめている証拠だ。昨日の脳無とか言う化け物相手に永美は負けた。なら、強くなればいい。今あるガシャットを完璧に使いこなせれば、誰にも負けない。俺にも勝てる。だから、そう落ち込むな。」

 

 「パラド………そうだよね。一回負けただけで落ち込んでたら恥ずかしいよね。よしっ!今日から気合を入れて頑張るぞ!」

 

 「今日は昨日のこともあって臨時休校になった。」

 

 「え?」

 

 「朝食の準備ができてるから食べに来いよ。」

 

 パラドをが部屋から出て行った…

 

 「休み?…えええええええええええ!」

 

 私たちの家は今日も今日とて平和でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 オールマイトside

 

 

 

 

 

 「リカバリーガール、彼女、永美君の体を調べて分かったことはありましたか?」

 

 私はリカバリーガールに永美君のことを調べてもらっていた。結果が出たという連絡を受け、来てみたのだが、

 

 「リカバリーガール?」

 

 「オールマイト。永美っていう子が個性で適合したものが分かったよ。」

 

 「本当ですか!」

 

 「いや、分かったというかなんというか…まぁとりあえず見てごらん。」

 

 そう言ってリカバリーガールは私にある映像を見せてきた。そこに映っていたのは、

 

 「オレンジ色?これはいったい…」

 

 「ウイルスだよ。未知のね。」

 

 「なっ!?未知のウイルス!」

 

 「永美っていう子の血液を調べてみると、そこに映っているウイルスを見つけたんだよ。このウイルスについては調査中、と言いたいけど、昨日採取したウイルスが消滅していたんだよ。どこに消えたのやら。」

 

 「そうですか…私が直接永美君に尋ねてみましょう。」

 

 「…それはやめといたほうがいい。もし、今のあんたにそのウイルスが感染でもしたりすればどうなることやら。」

 

 「わかりました。それでは、失礼します。」

 

 私は保健室から出る。

 

 『導 永美。彼女はいったい何者なんだ?いったい何を隠しているんだ。』

 

 そんなことを考えながら、廊下を歩く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 永美side

 

 

 翌日

 

 

 一昨日のこともあって、みんな相澤先生を心配している。心配しているといつの間にか朝のHRの時間になっていた。

 

 「誰が来るんだろう。」

 

 誰が来るのか気になっていたのだったが、

 

 「お早う。」

 

 「「「「「「「相澤先生復帰早えええええええ!」」」」」」」

 

 来たのは入院中だろうと思っていた相澤先生だった。相澤先生はまだ戦いは終わってないと言っている。その言葉にみんなが(ヴィラン)か?と考えていたが、

 

 「雄英体育祭が迫っている!」

 

 「「「「「「「「クソ学校っぽいの来たあああああああ!」」」」」」」」

 

 雄英体育祭とは自分のことをプロヒーローの方たちに売り込む行事です。私も全力で頑張らせてもらいます。

 

 

 

 

 

 

 体育祭当日

 

 

 

 

 

 

 「き、緊張してきた。」

 

 「大丈夫?」

 

 「あ、麗日さん。だ、大丈夫だと思う。パ、パラドも見てるから頑張らないと!」

 

 「パラド?」

 

 「な、なんでもないです!」

 

 あ、危なかったぁぁぁ。パラドのことを言いかけてたぁぁぁ。

 

 そんなこともありながら、ついに雄英体育祭が始まった。1-Aの入場に観客が沸いている。入場が終わると、入試1位の爆豪くんが選手宣誓をしたのですが、あまりにも馬鹿にしているような宣誓だったため、ほかのクラスからブーイングが来ている。

 

 そんな中、今年の1年主審、18禁ヒーロー「ミッドナイト」が第一種目の発表を始める。

 

 「今年は…コレ!」

 

 スクリーンに表示されたのは「障害物競走」という文字だった。

 

 計11クラスによる総当たりレース。コースは約4㎞、コースさえ守れば何をしてもOK。

 

 1年全員がスタート位置についた。スタートランプが全て光り、

 

 「スタート!」

 

 一斉に駈け出した。私はガシャットをドライバーに差し、変身。今回はレベル1の姿で挑むことにする。アーマーが付いていて動きにくいがこれも特訓。そう思い、走ろうと思ったが、脚が動かない。

 

 「え?あああああああああ!」

 

 足が凍り付かされている。

 

 「轟君の仕業か!ま、私には関係ないけど。」

 

 無理矢理足を動かし、氷を割る。少し出遅れているので近くにあったブロックを破壊する。破壊したブロックからメダルのようなものが飛び出し、私の体に入ってきた。

 

 《高速化!》

 

 音声が聞こえると、私は物凄いスピードで走り始めた。そのスピードにだれも追いつけないのか私の後ろには誰もいない。

 

 『あとは1位を狙うのみ。』

 

 後続とかなりの距離を取ったくらいでエナジーアイテムの効果が切れた。

 

 「ここからはアイテムなしです。」

 

 と、思っていましたが、

 

 「追いつける自信がないので、追加のアイテム。」

 

 《伸縮化!》

 

 「つ、使いにくいけど、やるしかないよね。」

 

 第一関門の0ポイントロボットは高速化で抜けてきたので大丈夫でしたが、

 

 『ザ・フォール!』

 

 第二関門は落ちたら失格の綱渡り。だが、

 

 「伸縮可能な私には無意味!」

 

 全力で手を伸ばすとロープ一本分くらいは伸びますよ!

 

 伸ばしては縮めてを繰り返し、第二関門をあっさりとクリア。

 

 第二関門をクリアした先にあったのは、

 

 『一面地雷原!怒りのアフガンだ!』

 

 じ、地雷原!?

 

 驚いた隙に抜かされていくが、またブロックを破壊し、エナジーアイテムを取り込む。

 

 《鋼鉄化!》

 

 防御力が上がり、地雷など気にせず走れると思ったのですが、

 

 「うわああああああ!じ、地雷の威力が高すぎる!」

 

 空中に飛ばされました。そのまま落下するものだと思っていると、

 

 「な、なにあれ?」

 

 後ろのほうから大爆発が起きると、何かが私のほうに向かって飛んできた。

 

 「この際なんでもいい!掴まらせろ!」

 

 「え?ええええええええ!導さん!?」

 

 飛んできたのはロボットの装甲に乗っている緑谷くん。私はその装甲を下から掴み、一緒に飛ばされる。1位争いをしているところまで飛ばされたことを確認し、装甲から手を離し、落ちる。私も1位争いに混ざり、さらに、緑谷くんも混ざった。

 

 ゴールに最初にたどり着いたのは…

 

 「緑谷くん…凄いね。」

 

 緑谷 出久だった。これには私も予想ができなかった。私の順位は4位です。あの二人には負けましたよ。

 

 私たちの後に続々とゴールをし続け、全員がゴールしたのを確認し、第一種目が終了。休憩があるのかと思ったが、

 

 「さーて、第二種目よ!私はもう知ってるけど~何かしら!?言ってるそばからコレよ!」

 

 次の種目は騎馬戦

 

 ルールは通常の騎馬戦だが、第一種目の結果にしたがい各自にポイントが振り分けられる。ただし、1位の人、緑谷くんのポイントは1000万ポイント。制限時間は15分、振り分けられたポイントの合計が騎馬のポイント、騎手はそのポイントが表示された鉢巻を頭に巻く。取ったハチマキは首から上に巻く。通常の騎馬戦と違うことは鉢巻がとられようが、騎馬が崩れようがアウトにはならない。

 ただし、ここで問題が発生しました。

 

 「みんなチームが決まっているけど私だけ決まってない。に、人数の問題で試合に参加できない…」

 

 「だ、大丈夫だから。四人で支えるという感じで騎馬を作れば。」

 

 ミッドナイトが慰めてきますが、私はあることを思いつきました。それは、

 

 『おおおおおおおっと!何だあれは!?』

 

 プレゼントマイクが突然叫んだ。

 

 『同じ姿の奴が四人もいるううううううう!』

 

 「「「「「「「「えええええええええええええええ!」」」」」」」」

 

 私のことを生徒、観客、教師が見てくる。それもそのはず、私が四人もいるのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




オリジナル?設定にはなると思いますが、エナジーアイテムの効果時間を延ばしています。


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エンジンと自転車

 永美side

 

 『な、何が起こっているんだ!?同じ姿の奴が四人もいるぞ!』

 

 全く同じ姿の人が四人もいると驚くよね。流石雄英と言えばいいのか分からないけど、基本的に四人に増えても個性ということになっているのでスルーしてくれます。個性届にはある程度の情報は書いていますよ。本当のことしか書いていませんよ。

 さて、そんな説明をしている間に、騎馬戦の準備が整いました。そして、

 

 『3・2・1 START!』

 

 騎馬が一斉に動き始めた。

 

 「行くよ!私たち!」

 

 「「「おおおおお!」」」

 

 今の私たちの姿はレベル2の姿です。狙うは高得点と言いたいところですが…

 

 「私も四位だから狙われるよね。」

 

 大量の騎馬に囲まれています。

 

 「鉢巻貰うぞ!」

 

 最初に襲ってきたのはB組の方たちだが、

 

 「私の騎馬は早いよ。」

 

 騎馬の私たちが物凄いスピードで動く。そして、

 

 スパパパーン!

 

 「ハチマキゲット!」

 

 周りにいたB組のメンバーのハチマキを取り終えたので、

 

 「移動移動!」

 

 「「「おおおおお!」」」

 

 移動しながらハチマキを取っていく。しかし、私たちはもっとも出会ってはいけない人に会ってしまった。

 

 「次だ!デクと轟んとこだ!………ん?なんだてめぇら。」

 

 「永美ちゃんたちだ!」

 

 「マジで四人になってやがる。」

 

 「マジかよ!」

 

 「ちょうどいい。てめぇらのポイントももらってくぞ!」

 

 私たちの意思は一つ!

 

 「「「「全力で相手をします!」」」」

 

 先に攻撃を仕掛けてきたのは爆豪くんのチームだ。瀬呂くんがテープで足止めをしようと仕掛けてきた。しかし、

 

 「先頭の私!テープを私に向かって蹴り上げて!」

 

 「了解。私!」

 

 テープが私の目の前に飛んできた。それをキャッチし、一気に引っ張る。瀬呂くんは引っ張られるが、すぐさまテープを切り離した。

 

 「あ、あぶねぇ。」

 

 「爆豪。導の個性は謎だがどうする?」

 

 「決まってんだろ!ポイントを奪う!」

 

 「そうだね!」

 

 ここから私と爆豪チームの攻防戦が始まった。この攻防戦には数組のチームが巻き込まれポイントを私と爆豪くんに取られている。爆豪君は私に近づき目の前で爆破しようとしているが、私に距離を取られ、なかなかできない。そんなことを続けていると、

 

 『TIME UP!』

 

 騎馬戦が終了してしまった。私は何位だろう。わくわくしてきました。

 ※騎馬戦が終わった瞬間、エナジーアイテム《分身》の効果は切れています。

 

 『1位 轟チーム!』

 

 『2位 爆豪チーム!』

 

 『3位 心操チーム!』

 

 『4位 緑谷チーム!』

 

 『以上4組が最終種目へ進出だ!』

 

 あ~あ、ダメだったか~

 

 私はがっかりしながら控室に戻る。騎馬戦が終了した時点で昼休憩になっている。ということは、

 

 「昼食です!」

 

 昼食をしっかりと楽しんでいると、八百万さんがやってきました。

 

 「導さん。」

 

 「どうしましたか?」

 

 「私と一緒に来てもらえますか?」

 

 八百万さんについていくことになった私、いったいなにをするんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『あくまで体育祭!レクリエーションの種目も用意してんのさ!本場のアメリカからチアリーダーも呼んで…ん?アリャ?』

 

 プレゼントマイクも一瞬固まるのも仕方がない。なぜなら、

 

 『どうしたA組!?』

 

 A組女子全員がチアリーダーの格好をしているのだから。

 

 「は、はずかしい…」

 

 私もチアリーダーの格好をしている。先ほど八百万さんにこれを着せられ、今の状況に陥っている。レクリエーションの前に最終種目の一対一のガチバトルのトーナメントの組み合わせのくじを引くようです。

 そんな中、尾白くんとB組の二連撃くんが辞退したようです。そして、繰り上がりで、5位の私と鉄哲くんがトーナメントに参加することになった。ちなみに私の相手は上鳴くんです。

 

 トーナメントのくじ引きも終わり、レクリエーションが始まった。レクリエーションは楽しく、あっという間に時間が過ぎた。そして、ついにトーナメントが始まった。

 

 私の番はまだ先だからゆっくり精神統一をしたいと思う。

 

 時間はあっという間に過ぎ、私の番が来た。

 

 『次の対決!増えたり変身したりと謎の個性!導 永美!(バーサス)スパーキングキリングボーイ!上鳴 電気!』

 

 「導ちゃん。」

 

 「導ちゃん?」

 

 「変身させなきゃ怖くねぇよな。その個性。一瞬で決める!」

 

 

 

 

 

 「ウエ…」

 

 「普通に鍛えていますから。私。」

 

 『一瞬だったああああ!個性を使うこともせず、一瞬で近づき気絶させた!変身しなくても強すぎる!』

 

 一回戦は私の勝利で終わった。その後、一回戦は麗日さんと爆豪くんの戦いが本当によかったです。結果は爆豪くんが勝ちましたが麗日さんも頑張りました。

 一回戦はこれで終わり、二回戦が始まる。

 

 二回戦が始まりました。第一試合は緑谷くんVS轟くん。試合がスタートし、始めに動いたのは轟くんでした。轟くんは一気に決めようとしたのでしょう緑谷くんを凍らせようとしました。しかし、緑谷くんも負けずに自損覚悟の攻撃を仕掛けています。それが何回も続いた時、緑谷くんの攻撃が轟くんに決まった!ここから緑谷くんが攻め始めていると、緑谷くんが轟くんに挑発なのか応援なのかよくわからないことを言いはじめた。その言葉が轟くんに響いたのか、使わなかった左の炎を使い始めた。お互いの全力であろう一撃が同時に放たれ、暴風のような風が吹き荒れ、結果、勝利したのは、

 

 「緑谷くん、場外。轟くん、三回戦進出!」

 

 轟くんが勝利。しかし、緑谷くんが保健室に運ばれていった。

 

 『第二試合!導(バーサス)飯田!』

 

 「導くん、君には悪いが勝たせてもらうよ。」

 

 「それは私のセリフです。」

 

 『START!』

 

 飯田君が物凄いスピードでこちらに向かってくるが、

 

 「なっ!」

 

 『あのスピードの攻撃をよけた!』

 

 飯田くんは紳士だ。だから顔は狙わず、脚を狙ってくる。それを予想していたのでジャンプして回避する。そして、

 

 《マイティアクションX!》

 

 《シャカリキスポーツ!》

 

 《ガッシャット! ガッチャーン! レベルアップ!》

 

 《マイティマイティアクションX!》

 

 《アガッチャ!》

 

 《シャカリキ! シャカリキ! バッドバッド! シャカっと リキっと 

 シャカリキスポーツ!》

 

 『頭から自転車をかぶったぞ!どうなっているんだ!』

 

 「その姿はいったい…」

 

 「先に言っておきます。当たれば即終了ですよ。」

 

 「なに?」

 

 私は後輪を取り外し、飯田君に投げるが簡単によけられてしまう。しかし、後輪は走り続ける。私も後輪と同じスピードで走り、飯田君に攻撃を仕掛ける。

 

 『飯田は導の攻撃で動けない!』

 

 「こうなったら!レシプロバースト!」

 

 飯田君が視界から消えると、私の目の前まで来ていた。

 

 「なっ!?」

 

 「くらえ!」

 

 咄嗟にガードはするが威力大きすぎて後ろに吹っ飛ばされた。

 

 「終わってたまるか!」

 

 《ガッシューン ガッシャット! キメワザ!》

 

 『導はいったい何をするつもりだ!』

 

 私は空中にあった後輪を足場にし、必殺技を決める!

 

 《シャカリキクリティカルストライク!》

 

 力が足にたまり、動けない飯田君にライダーキックをくらわせる。飯田君は吹き飛ばされ、壁にたたきつけられた。

 

 『導の重い一撃が決まった!導 永美!三回戦進出!』

 

 三回戦に進出したのは轟くん、爆豪くん、常闇くん、私の四人です。

 

 『三回戦第一試合は、ヒーロー家のエリート!圧倒的力で相手をねじ伏せてきた!今回もそうなるのか!轟 焦凍!(バーサス)!ゲーム大会でワールドチャンピオンの座を譲らない!現実でも負けを知らないのか!最強ゲーマー!導 永美!』

 

 「私の情報をどこから入手してきたんですか!」

 

 『もちろん保護者から!』

 

 私は考えることをやめ、目の前の勝負に集中する。

 

 『三回戦第一試合!START!』

 

 三回戦が幕を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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氷とドラゴン

 試合が始まり、轟くんが右手の氷で攻めてきた。

 

 「その攻撃は対処できます!」

 

 私が取り出したガシャット、それは今までは使えなかったガシャット。

 

 《ドラゴナイトハンターZ!》

 

 私の背後のスクリーンから現れたのは、

 

 ギャアアアアア!

 

 『ど、ドラゴンだあああ!』

 

 これには轟くんも驚いているようです。いえ、轟くんだけではなく観客、生徒達、先生たちも驚いている。

 

 轟くんの氷による攻撃はドラゴンの炎により溶かされてしまった。

 

 「ここからは私の番。」

 

 《マイティアクションX!》

 

 《ガッシャット! ガッチャーン! レベルアップ!》

 

 《マイティマイティアクションX!》

 

 《アガッチャ!》

 

 《ド・ド・ドラゴ!ナ・ナ・ナ・ナ~イト!ドラ・ドラ・ドラゴナイトハンター!Z!》

 

 ドラゴンが変形し、私の頭から胴体、両腕、両足に装着された。

 

 「何だ…その姿は…」

 

 「レベル5の姿だよ。ノーコンテニュークリアします!」

 

 「!やってみろ!」

 

 轟くんは足元を凍らせてきましたが、そんなワンパターンな攻撃が通じると思っているのでしょうか。私はその場から動かず大きく息を吸い込むと、

 

 ゴオオオオオオオオオ!

 

 巨大な炎の塊を吐いた。炎のブレスは氷を溶かし、轟くんに向かって直進していきます。轟くんはそれを間一髪で避けるが、

 

 「ブレスだけじゃないよ。」

 

 ブレスの後ろに隠れながら進んできた私には気付かなかったようです。私の尻尾での薙ぎ払いが腹に直撃し、吹き飛ばされた。

 

 「くっ…」

 

 轟くんは場外に落ちる寸前、氷で足場を作り、踏みとどまる。

 

 「まだだ!」

 

 氷を使い、空中に足場を作る。

 

 『なにをするつもり?』

 

 私の頭上近くまで来た瞬間、氷が崩れ落ち、私の上に落下してきた。

 

 「この程度、どうとでもなる!」

 

 「そういうと思ってた。俺の目的はそっちだ!」

 

 落下してきた氷の中に轟くんが紛れ込んでいた。轟くんの目的はわからないが、ブレードで弾き飛ばした。その瞬間、

 

 《ガッシューン》

 

 変身が強制解除されてしまった。私はドライバーを確認すると、ガシャットを二本轟くんに奪われている。………奪われている?なぜ、どうして?あれは私の手にした力。

 

 とられたとられたとられたとられたとられたとられたとられたとられたとられたとられたとられたとられたとられたとられたああああああああああああ!!

 

 永美の体にノイズのようなものがあらわれている。

 

 「あ、ああ、あああああああああああああああ!」

 

 その状況にただ事ではないと思い。ミッドナイト、セメントスの二人が永美を落ち着かせようとステージに上がったが、突然永美の体からノイズが消え、倒れ伏した。

 

 生徒、先生、観客もこの状況に戸惑っていたが、ステージに上がった二人が永美を保健室まで運ぶ。永美はその後、気絶したままだった。気絶している間に轟が永美から取ってしまったガシャットを返却しに来た。

 ちなみに雄英体育祭の1位は爆豪、2位は轟、3位は常闇です。

 

 

 

 

 

 

 パラドside

 

 

 

 

 「永美!」

 

 体育祭をテレビで見ていると永美が急に倒れた。それも、ゲーム病を発症し、消滅寸前になっている。俺は粒子化し、永美のもとに向かい、身体に入る。永美のストレスを俺に移すことによってゲーム病を抑える。

 保健室に運ばれた永美の体は体育祭が終わって数時間経過した後にようやく目を覚ました。

 

 「こ、ここは?」

 

 「ここは保健室さね。あんたは試合中に倒れてここに運び込まれたんだよ。」

 

 「そう、ですか。」

 

 『永美、聞こえるか?』

 

 『パラド。どうして私の中に?』

 

 『お前がゲーム病を発症したからだ。バグスターウイルスを抑制するために永美の体に入ったんだよ。』

 

 『助けてくれてありがとう。』

 

 『はぁ~今日は帰るぞ。』

 

 俺と永美は帰ろうとしたのだが、

 

 「ちょっと待ちな。」

 

 「な、なんでしょうか?」

 

 リカバリーガールに引きとめられた。

 

 「あんた、『適合』の個性のはずだけど、何と適合したのか聞かせてもらおうか。」

 

 永美は突然の質問で、困っている。だが、まだ隠し通せることはできるはずだ。バグスターウイルスのことは、

 

 そう思っていたのだが、

 

 「あんたが適合したのはウイルス。それも未知のウイルスだろう?」

 

 「!?」

 

 「その様子だと知っていたみたいだね。」

 

 しまった!顔に出てしまいました!

 

 永美が焦っている間にも話は進む。

 

 「個性届には特殊なウイルスと適合したおかげで今使っているアイテムで変身している。と、書いているがその特殊なウイルスはいったい何なんだろうね?そのアイテムも個性の一部と書いてあるがいったい誰が作ったのやら。」

 

 「そ、それは…」

 

 「私はこの学校の生徒を任されている先生の一人でもある。そんな未知のウイルスを持っている生徒は他の生徒のため学校には置いておけないね。」

 

 「………」

 

 リカバリーガールの言い方はきついがその通りだ。仕方ない。

 

 『永美。』

 

 「なに?パラド。」

 

 「パラド?誰と話しているんだい?」

 

 『体の主導権借りるぞ。』

 

 「え?」

 

 永美の体の主導権を奪い取り、俺が表に出てきた。おそらくだが目の色が真っ赤になっているだろう。

 

 目の変化、そして、雰囲気の変化に気付いたリカバリーガールは警戒している。

 

 「リカバリーガールでいいな?」

 

 「あんたは何なんだい?」

 

 「俺はパラド。永美の体に感染しているウイルスの本体だと思ってくれればいい。」

 

 「なに?」

 

 「今からあんたに永美と俺の出会いを話す。それを信じるか信じないかはあんたしだいだが、聞いてくれるか?」

 

 「…一応聞いてあげるよ。私も未知のウイルスは気になるからね。」

 

 「じゃあ話を聞いてくれ。」

 

 俺は永美がどのようにして感染し、今の力を得たのか、簡潔に話した。話している間リカバリーガールは驚いていたが納得しているようだった。そして、バグスターウイルスの特性も話した。

 

 「そうだったのかい………これは世間に知ってもらってもいい案件だとは思うけど…はぁ~ここだけの話にしといてあげるよ。まったく、そのガシャット?が抜けないようにしときなさい。さもないと、また今日みたいなことになるよ。」

 

 「ありがとうございます。」

 

 「ほら、早く帰りなさい。」

 

 俺は保健室から出ていった。

 

 『永美、もう大丈夫だ。リカバリーガールは秘密にしてくれるらしい。』

 

 『ほ、本当に?』

 

 『あぁ安心しろ。相手は雄英の教師、嘘はつかないだろう。』

 

 『そっかぁ。でも、ガシャットが抜けないようにしないとまた私…』

 

 『そこは俺に考えがあるから任せておけ。さぁ帰るぞ。』

 

 『うん!』

 

 雄英の校内を歩いていると、緑色の髪をした男の子とおっとりとした感じの女の子がこちらに走ってくる。

 

 「あ!導さん!目を覚ましたんだね。よかったぁ。」

 

 「本当に大丈夫だった?もう二時間以上も気絶していたんだよ。」

 

 「あぁ永美は大丈夫だ。問題ない。」

 

 俺はいま不意にしゃべってしまった。まずい!

 

 『永美!チェンジ!』

 

 『えええぇぇぇぇぇ。』

 

 永美に体の主導権を渡し、俺は引っ込むことにした。永美、ファイト!

 

 

 

 

 

 

 緑谷side

 

 

 

 

 

 「導さん、だよね?本当に。」

 

 「今の喋り方はおかしいよ。導ちゃん。どうしたの?」

 

 「だ、大丈夫です!私は平気です!今日はもう疲れたので帰らせていただきますね!それでは!」

 

 そういうと、導さんは走り去っていった。

 

 「元の導ちゃんに戻ってたよね?」

 

 「う、うん…」

 

 『そういえば、ヴィランが襲撃してきた際に導さんの口調が今みたいになっていたような…』

 

 考えても仕方ないと思った僕は、麗日さんと一緒に帰ることにした。導さんには謎が多い。それに個性も不思議だ。彼女はいったい何者なんだ?

 

 そう思ってしまうほど、導さんは不思議な人だ。

 

 

 

 

 

 

 

 永美side

 

 

 

 

 

 「ハックシュン!」

 

 「大丈夫か?」

 

 「う、うん。大丈夫だけど。パラド。」

 

 「どうした?」

 

 「ガシャットの件はどうなったの?」

 

 「それについては明日のお楽しみだ。」

 

 パラドは家につくと私が持っているガシャットすべてを回収したと思うと、自分の部屋にもっていってしまった。なんでも、改良をするとかどうとか…

 

 「二日は休みだから、それまでに改良間に合わせてね。」

 

 「任せておけ。」

 

 パラドは部屋にこもってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 パラドside

 

 

 

 

 

 俺は今、手紙を読んでいる。この手紙が送られてきた場所は不明だが、おそらく、俺が転生したあの白い空間から送られてきたものだと思う。手紙の内容は新たなガシャットを送ってくるということと明日、ガシャットが改良されるということだった。改良の内容は、変身者以外がガシャットをドライバーから抜くことができなくなる。もし、ガシャットを奪われたとしても自動的に戻ってくるというものだ。

 

 「追加のガシャットに改良か~」

 

 どのようなガシャットが送られてくるのか気にはなるが、今は明日に備えて手紙の内容を覚えないといけない。この手紙は明日午前0時に完全消滅するからだ。だから、頭に入れておかないと。

 

 今日のこの時間はすべて手紙を覚えるだけの時間になる。明日からは永美の特訓だ。

 

 こうして、今日という激動の一日が終わりを迎える。

 

 「今日は本当に疲れた!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ライダー少女 エグゼイド 
ハンターアクションゲーマーレベル5(フルドラゴン)

頭から胴体にはゆるキャラのようなドラゴンがデフォルメされたパーカーを着ている。背中には小さな羽がある。左腕にはドラゴナイトガンと呼ばれる電磁キャノン砲、右腕にはドラゴナイトブレードと呼ばれる電磁ブレードが装着されている。足には黒い少し機械のような見た目のブーツを履いている。


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特訓とブラザーズ

 永美side

 

 今日と明日は休みです。なので、

 

 「パラド~ガシャット返して~。」

 

 パラドの部屋の前で叫ぶ。

 

 「永美、部屋の前で叫ぶなと言ったはずだよな?」

 

 「ご、ごめん。そ、それで、ガシャットのほうは?」

 

 私がそういうとガシャットが入っているであろうケースを渡してくれた。

 

 「ガシャットは抜けないようになっているんだよね?」

 

 「そのはずだ。試しに変身してみてくれないか?」

 

 私はパラドに言われた通り変身してみた。

 

 「変わったように見えないけど?!?パラド、何をしているの?」

 

 パラドが突然、私のドライバーからガシャットを抜こうとしている。

 

 「ん?ガシャットが抜けないかどうか試そうとしているだけだ。」

 

 「そ、そうなんだ。」

 

 私がそういうと、パラドはガシャットに手をかけ、抜こうとしたが、

 

 「うん。抜けないな。」

 

 「本当!って、抜けるけど。」

 

 「ガシャットの使用者以外が抜けないようになっているだけだ。だから、俺は抜けなくて、永美は抜けるんだ。」

 

 それを聞いた私は安心し、変身を解く。

 

 「あと、追加のガシャットだ。」

 

 パラドは黄色のガシャットと白い厚みのあるガシャットを渡してきた。

 こんなガシャット見たことないけど…

 

 「このガシャットは?」

 

 「黄色のガシャットは爆走バイク、白色はドクターマイティーXXだ。」

 

 「どんな能力を持っているの?」

 

 「爆走バイクは仮面ライダーレーザーに変身するガシャットだ。ただし、レベル2になるとバイクになるからな。」

 

 「そ、それなら使わない…」

 

 バイクになるなんて想像もつかないし、なりたくもないのでパラドに返しておく。

 

 「ドクターマイティーXXは本来の効果が変化している。効果は傷をいやす力だ。ただし、ライダーにしか効果はない。」

 

 「じゃあ、私とパラド専用ってことだよね?」

 

 「そういうことだ。あと、ガシャットが奪われた時、ガシャットは自動的に戻ってくるから安心しろ。」

 

 「奪われる心配もないんだね!やったね!」

 

 「ガシャットについての説明はこれで終わりだ。特訓は朝食を食べてからするぞ。」

 

 「了解!」

 

 パラドが朝食を作るためキッチンに向かった。私も一緒について行く。

 

 

 

 

 

 

 朝食後

 

 

 

 

 「訓練を始めるぞ。」

 

 「はい!」

 

 訓練場所は私の家の地下倉庫です。かなり広いので訓練にはちょうどいいです。

 

 「今日の訓練は…」

 

 「訓練は?」

 

 「マイティブラザーズXXを使用し、俺と協力プレイをする。」

 

 「え?」

 

 私は驚いた。あのパラドがマイティブラザーズXXの使用を許可したのです。パラドの説明によれば、マイティブラザーズXXはパラドと合体?融合?することで半分が私、半分がパラドになる。言ってみれば二人になるということです。

 

 「マイティブラザーズXXを使用できるようになるということは、パラドも一緒に学校に来るっていうこと?」

 

 「そうしないと、協力プレイができないだろ?ほら、早くやるぞ。」

 

 「うん。」

 

 訓練開始の合図なのか、パラドが私の中に入ってきた。

 

 《マイティブラザーズXX!》

 

 ガシャットを起動し、ドライバーに差す。

 

 《ダブルガシャット!》

 

 レバーを開く!

 

 《ガッチャーン! レベルアップ!》

 

 《マイティ!ブラザーズ!二人で一人! マイティ!ブラザーズ!二人でビクトリーX!》

 

 地下倉庫には姿見が置いているので見た目を確認しに行く。鏡に映っている姿はいつものピンク色の髪の姿ではなかった。髪型が少し逆立っているのは変わっていないけど、前髪が触覚?ていう髪型?というものになっていた。髪色も右がオレンジ、左が水色になり、目の色まで髪の色と同じになっている。頭より下はいつものアーマーだった。

 

 「変わりすぎて驚いたけど、パラドはどこに行ったのかな?」

 

 『まだ永美の中だ。本当はやりたくないが…レバーを閉じて、レバーを開いてみろ。』

 

 「う、うん。」

 

 《ガッチョーン》

 

 レバーを閉じると待機音のようなものが鳴り始めたので、レバーを開くと、

 

 《ガッチャーン! ダブルアップ!》

 

 すると、私の体が光の渦?にのまれたと思ったら、アーマーがはじけ飛ぶ。

 

 《俺が お前で! お前が 俺で! マイティ! マイティ! ブラザーズXX!》

 

 音声が鳴りやむと、私は自分の状況を確認。肩にはマイティ?の大きな顔の半分がついている。そして、顔はいつものバイザーに目の色が水色。髪型?いや、頭の右半分はショートでオレンジ色の髪、左半分はギザギザしたヘルメットみたいなものをかぶっている。ヘルメットの左端には触覚の半分がある。

 

 「う~ん、変身したけどパラドは?」

 

 「ここだ。」

 

 「ん?なっ!い、色違いの私!?」

 

 「色違い言うな。」

 

 「そ、その感じはパラド?」

 

 「はぁ~そうだ。」

 

 パラドの見た目は私と完全に真逆だった。髪の色、ヘルメットの位置、マイティーの顔のある場所などなど完全に真逆です。それに、

 

 「ぱ、パラドが女の子になっている!」

 

 「これが嫌だったからマイティーブラザーズは使いたくなかったんだ。だが、これからの永美のことを考えるとつかわないとだめだからな。では、特訓を始めるぞ。」

 

 そういうとパラドは手を空中に突き出す。ガシャコンブレイカーを取り出すのかと思うと、

 

 《ガシャコンキースラッシャー!》

 

 パラドの手には見たこともない武器があった。

 

 「な、なにそれ?」

 

 「新しい武器だ。これを使って特訓をする。一応的を準備してあるからそれを(ヴィラン)に見立てて戦闘をするからな。」

 

 「わかりました!」

 

 こうして、私の地獄の二日間が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 特訓終了

 

 

 

 

 

 

 

 「これで、最後!パラド!」

 

 「あぁ!」

 

 《ガッチョーン キメワザ! ガッチャーン!》

 

 《マイティダブルクリティカルストライク!》

 

 私とパラドのライダーキックが的に直撃し、爆発を起こす。

 

 《会心の一発!》

 

 「や、やっとおわったあああああ!」

 

 変身を解除すると元の髪色(と言ってもさっきまで水色だったけどね)に戻った。パラドも元の姿に戻ったのかと思ってみてみると、

 

 「だ、だれ!?」

 

 「お、俺の体が…」

 

 私の色違い、オレンジ色の私がいる。髪の色、目の色がオレンジ色、着ている服はパラドの服だけど女物に作り替えられている。

 

 「…まぁいつかは戻るだろう。」

 

 かなりのショックを受けているものだと思っていたけど、そんなにショックは受けていないようだ。

 

 「さて、永美に言っておかなければならないことがある。今日は学校だ。」

 

 「え?まだ、やす、み………あ…ああああああああああ!」

 

 「そういうことだ。特訓で時間の感覚がおかしくなっていたから気付いてなかっただろ。学校まで時間があるから準備してこい。朝食は作っておくからな。」

 

 「わ、わかった!」

 

 私は全速力で準備をした。学校まではあと一時間、走っていける距離にあるからまだ大丈夫。パラドが作った朝食を食べ、学校にレッツゴー!

 

 「俺を忘れていくな。」

 

 そういうとパラドは私の体の中に入ってきた。

 

 『よし、行くぞ。』

 

 「了解!」

 

 学校に向かっている最中、道行く人々が私のことを見てくる。

 

 『体育祭で私のことを知ってくれたのかな?』

 

 『それはわからないが、っと学校に着いたぞ。』

 

 時間もギリギリだったので、全速力で教室まで走っていく。教室に到着、というタイミングで、

 

 「ぐっはっ!?」

 

 私の意識は刈り取られた。

 

 

 

 

 

 

 相澤side

 

 

 

 

 「廊下を走るな………気絶してるのか?はぁ~保健室まで運ぶしかないのか…」

 

 俺は廊下を走っていたやつを保健室まで運ぼうとしたが、そいつは起き上がった。

 

 「まったく、だれがこんなことを…」

 

 「お前、導か?」

 

 「お前が顔の前に板のようなものを出してきたのか?」

 

 目の前には俺のクラスの生徒、導 永美と全く同じ顔のやつがいる。いや、さっきまでは導だった。だが、髪の色、目の色まで変わっている。

 

 「そうだが…お前、誰だ?」

 

 「俺の名前は…なんだ?気絶から復帰するの早すぎて驚いた。叫ばなくてもいい。今から代わってやるから。」

 

 導の姿をしたそいつはひとり言を言っていると思っていた時だった。そいつの髪の色、目の色が導と同じ水色になった。

 

 「あ、相澤先生!先ほどはすみませんでした!そ、それでは私はこれで!」

 

 導?は教室に入っていった。

 

 「なんだったんだ。今のは…」

 

 気になったが、後で聞けばいいと思い、俺も教室に入る。

 

 はぁ~今年の1年はどうなっているんだ…

 

 そう思うしかない俺だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




活動報告で次の話に登場させるヒーローを募集しています!


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名前と職場体験

 永美side

 

 教室に入った私はおとなしく席に着く。

 

 『はぁ~パラドのことどうやって言い訳しようかな?』

 

 『とりあえず、二重人格でした。と、言ってみたらどうだ?意外といけるかもしれないぞ。』

 

 『そうしようかな…はぁ~』

 

 パラドと相談していると、相澤先生が教室に入ってきた。先ほどまで喋っていたみんなが突然黙った。

 

 『うん。いつもの光景だね。』

 

 『そうなのか。』

 

 パラドと話していると、相澤先生が今日のヒーロー情報学はいつもと違うと言っている。どんなことをするのかワクワクしていると、

 

 「『コードネーム』、ヒーロー名の考案だ。」

 

 「「「「「胸ふくらむヤツきたああああああああああ!」」」」」

 

 相澤先生が言うには、先日の体育祭でプロからのドラフト指名が来ているようです。今回の指名は興味を持っているというだけの指名らしい。卒業までにその興味がなくなれば、指名はなかったことになるらしい。今回の指名の結果は爆豪くんと轟くんに集中している。

 

 『私の名前は無いね。』

 

 『試合中にぶっ倒れたからな。』

 

 『それもそうだね。』

 

 みんなが指名についてざわざわしているが、まだ相澤先生の話はまだ続いている。

 

 「これを踏まえ…指名の有無関係なく。いわゆる職場体験ってのに行ってもらう。」

 

 職場体験の目的はプロの活動を実際に体験することによってより実りのある訓練をすることが目的らしい。

 

 『なるほど、プロと一時的ではあるけど仕事を共にするからヒーロー名がいるんだね。』

 

 『そうみたいだな。』

 

 「まァ仮ではあるが適当なもんは…「付けたら地獄を見ちゃうよ!」

 

 ミッドナイトが突然現れ、相澤先生の代わりに説明を始めた。なんでも、この時付けた名前が世の中に認知され、プロ名になることが多いらしい。

 

 『…永美。』

 

 『どうしたの?』

 

 『永美にどうしても俺が考えている名前にしてほしいと思っているんだが、いいか?』

 

 『変な名前じゃなければ…』

 

 

 

 15分後

 

 

 

 「出来た人から発表してね!」

 

 ミッドナイトの言葉に、続々と自分の考えたヒーロー名を発表していく。そして、

 

 「えぇ爆豪君はまだ終わりそうにないので、実質最後、導ちゃん、発表してね。」

 

 「は、はい!」

 

 緊張してカクカクした動きになりながらみんなの前に立つ。

 

 「わ、私の名前は!仮面ライダーエグゼイド!です!」

 

 「仮面ライダー?」

 

 「は、はい!」

 

 「理由を聞いても?」

 

 「わ、私の友達が、私の変身した姿をエグゼイドと言っていたからです!」

 

 「…仮面ライダー。どこかで聞いたことがあるような?でも、その名前いいね!」

 

 「あ、ありがとうございます!」

 

 私の名前が決まった!そのことがうれしくて小躍りしそうになったが、

 

 『お、落ち着け~落ち着け~。』

 

 『仮面ライダー。人知れず、世界を救った人たちの名前だ。』

 

 『そうなんだ。』

 

 『あぁ、だから、名前負けしないように頑張ろうぜ。永美。』

 

 『うん!』

 

 名前が決まった後、相澤先生が職場体験の説明を始めた。

 職場体験は一週間、職場は指名があった人は個別にリストを渡され、その中から選ぶ。指名がなかった人は雄英がオファーした全国の受け入れ可能な事務所40件の中から選ぶ。今週末、残り二日のうちに選ばなければならない。

 

 相澤先生は授業が終わると教室から出て行った。

 

 『朝のこと聞かれなかったぁ。』

 

 『それを言うと…』

 

 『なに?』

 

 「導。お前に少し話がある。」

 

 相澤先生に連行されています。

 

 『ど、どうしてこうなった…』

 

 空き教室に連れてこられ、相澤先生に朝のことを尋ねられた。

 

 「髪と目の色の変化。性格のあの変わりようはどういうことか説明してくれるな?」

 

 「…実は」

 

 私はパラドと考えていた二重人格の話を相澤先生に本当の事かのように話した。相澤先生は驚いていたが納得したように頷き、

 

 「…お前も大変なんだな。そんな導に渡すものがあったのを忘れていた。」

 

 渡されたものは一枚の紙。書かれていることを読むと、

 

 「し、指名、ですか?」

 

 「あぁ。だが、その事務所は昨年に突然現れたヒーローによって作られた事務所だ。そのヒーローは新人だが、事務所をたった一ヶ月で東京にあるヒーロー事務所の中でもトップ10に入る勢いで成果を出している。」

 

 「そ、そんなすごい事務所から!」

 

 「事務所の名前は、ゲームヒーローOFFICE。」

 

 「ゲームヒーロー…わかりました!そこに行きます。」

 

 「分かった。提出しておいたことにしておく。」

 

 相澤先生は教室から出ていき、私一人だけになった。空き教室に一人でいる趣味もないので家に帰った私。だが、帰っている途中、パラドに声をかけるがパラドから返事がない。家の中に入ると、玄関に置手紙があった。読んでみると、一週間ほど、パラドは私用で帰ってこられないらしい。

 

 パラドはどこで何をしているのかな?

 

 そんな疑問が浮かぶが、とりあえず晩御飯を食べよう。

 

 このような日が二日続き、

 

 

 

 

 

 職場体験 当日

 

 

 

 

 

 「くれぐれも失礼のないように!じゃあ行け。」

 

 相澤先生にそう言われ、各々、自分が行く職場に向かっていく。

 みんなが散っていく中、飯田くん、緑谷くん、麗日さんが何か話している。そういえば、飯田くんは体育祭の時にお兄さんをヒーロー殺しに再起不能にされていたね…

 

 そのことが少し気にかかるが私は自分が行く事務所に向かう。

 

 事務所がある渋谷に向かう。

 

 『はぁ~それにしても、パラドはいったいどこに行ったの?』

 

 考えているうちにいつの間にか、渋谷についていた。着いてからは事務所までの地図を頼りに事務所に向かう。

 そして、

 

 「ここかな?」

 

 着いた場所には大きな看板があり、看板にはゲームヒーローOFFICEと大きく書かれている。事務所の中に入ると、

 

 「ようこそ、ゲームヒーローOFFICEへ。」

 

 「!?ぱ、パラド!」

 

 私を待ち構えていたのはパラドだった。

 

 「ど、どうして、パラドがここに?」

 

 「そんなことか。それは、ここが俺の事務所だからだ。」

 

 「え?パラドの、事務所?」

 

 「そうだ。永美に会って、二週間くらいでヒーローになったからな。」

 

 「ど、どどど、どういうこと!?」

 

 「今から説明してやる。」

 

 パラドの話によれば、私と会って、一週間ほどが経った時に、大物政治家や雄英の校長先生がヴィランの集団に人質に取られてしまったことがあったようです。その時、偶然その騒ぎを聞きつけたパラドがヴィランの集団を一瞬で壊滅させた。その力をその場にいた全員に認められ、特殊な形だがヒーローになったそうだ。その後、一人でヒーロー事務所を立ち上げ、四苦八苦しながら今の事務所にまでしたそうだ。

 

 「ぱ、パラドの意外な一面…」

 

 「話は終わったから、コスチュームに着替える!これから見回りに行くぞ。」

 

 「は、はい!」

 

 今のパラドは職場体験先のヒーロー。ちゃんと、パラドの行動一つ一つを見て、立派なヒーローになるため頑張ろう!

 

 コスチュームに着替え、気合を入れた私はパラドとともに見回りに出かける。その前に、

 

 「俺の変身前の姿を知っているのは事務所のヒーローと永美だけだ。これからも、他人に素顔を見せるつもりがないから、俺は変身していく。」

 

 「パラドの変身!?見たい!」

 

 パラドはガシャットギアデュアルを取り出すと、ダイヤルを左に回した。

 

 《パーフェクトパズル!》

 

 《What's the next stage?》

 

 ボタンを押すと、

 

 《デュアルアップ!》

 

 《Get the glory in the chain.PERFECT PUZZLE!》

 

 パラドが変身した。

 

 「仮面ライダーパラドクスlevel50。」

 

 「か、カッコイイ!」

 

 パラドの見た目は私のとは全く違っていた。私のように髪の毛があるとかではなく、フルアーマーだ!

 

 「行くぞ。」

 

 「はい!」

 

 私とパラドは見回りを始めた。

 

 

 

 

 

 

 



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見回りとゾンビ

 永美side

 

 その日、パラドとの見回りは特に異常もなく終わった。事務所に戻ってきた私たちであったが、

 

 「永美。」

 

 「なに?パラド?」

 

 「今はパラドクスな。それより、職場体験中の宿泊先は事務所内にある部屋の一室だからな。」

 

 「ホテルじゃないの?」

 

 「何か起きたときにホテルにいたらどうなる?」

 

 「救助に間に合わない。」

 

 「そういうことだ。部屋に案内するからついてきてくれ。」

 

 「了解です!」

 

 パラドに案内され、部屋に入った私。部屋自体はそこまで広くはないけど、生活に必要な家電製品。最低限の家具。キッチン、バスルームも付いている。キッチンには調理器具が充実している。寝室もあった。

 

 「これ、普通に生活できるよね。」

 

 そんな感想を抱くしかない。そんなことがあったが、その日は特に何もなく終わった。二日目も特に何事もなく終わった。

 

 

 

 三日目 夕方

 

 

 

 「今日も何も起こらないね。」

 

 「こんなヒーローが多くいる場所に(ヴィラン)が襲撃を仕掛けてくることが滅多にないからな。」

 

 「そっかぁ~暇だね。」

 

 「見回り中にそんなことを言うな。」

 

 今日も特に何も起きずに終わるのかと思っていた。しかし、

 

 「パラドクス、通信機が鳴っているよ。」

 

 「ん?永美の携帯にも何か来ているぞ。」

 

 「え?」

 

 パラドは通信機を私は携帯を確認する。

 

 「なんだと!?今から行く!」

 

 「ここ来いってことかな?」

 

 私の携帯に緑谷くんから位置情報が送られてきた。おそらく緑谷くんの今の居場所だとは思うけど…

 

 「パラドクス!私、今から保須市に行ってくる!それと、これ借りていくね!」

 

 「待て!それは!?」

 

 私はパラドの部屋にあったバグヴァイザーにベルトがついているものと白いガシャットを借りて、全速力で保須市に向かう。向かっている最中、保須市の方面から逃げてくる人が多くいた。やっぱり何かあったんだ。

 

 緑谷くんのいるであろう場所に向かう。到着した場所にいたのは、

 

 縄でくくられた(ヴィラン)とボロボロになった緑谷くん、轟くん、飯田くんとボロボロのヒーローだった。緑谷くんたちは私の存在に気が付き、

 

 「導さん!」

 

 「導、遅すぎだ。」

 

 「導くん…」

 

 な、なんだろう。このもう終わりました感は…

 

 「えっとぉお、お疲れ様?…何があったの?」

 

 「それは!?導さん!後ろ!」

 

 私の後ろにいたのはUSJで私たちを襲ってきた脳無と呼ばれていた化け物だった。まずい!

 

 そう思った私は全力で脳無を路地裏から大通りに蹴り飛ばす。

 

 「緑谷くん!逆方向に逃げて!」

 

 「でも!」

 

 「いいから!早く!」

 

 無理矢理みんなを逃がした私は脳無とのリベンジマッチに挑む。脳無の見た目はUSJの時と似た見た目なのでおそらく馬鹿みたいなパワーを持っているはず。

 

 『マイティ―ブラザーズを使っても負けてしまう。なら、』

 

 パラドから借りたバグヴァイザーが付いたベルトを巻く。その時、吹き飛ばした脳無が瓦礫の中から起き上がり、私に突っ込んでくる。咄嗟にしゃがみ込み、避けた。

 

 『今の私は変身解除状態だから危なかった!』

 

 ひやひやしながら、パラドから借りたガシャットを起動させる。今はこのガシャットだけが頼りだ!

 

 《デンジャラスゾンビ!》

 

 不気味な音声が鳴り響く。だが、私はそんなことを気にする余裕もなく、ガシャットをバグヴァイザーに差し込む。

 

 《ガッシャット!》

 

 「こ、この後は!?」

 

 変身できないことに戸惑い、バグヴァイザーを触っていると、ガシャットの差し込み口の左側にボタンがあった。見つけたのはいいが、脳無の拳が目の前まで迫ってきている!やけくそでボタンを押す。

 

 《バグルアップ!》

 

 低温ボイスが鳴ると、

 

 足元から黒い靄みたいなものが出始め、ひび割れたスクリーンが現れた。スクリーンは私の目の前で止まった。

 

 「もしかして…」

 

 私はスクリーンを突き破るように、前に出る。

 

 《デンジャー! デンジャー! ジェノサイド! デス・ザ・クライシス! 

デンジャラスゾンビ! ウオオオ!》

 

 「ふぅぅぅ、変身できた。脳無、行くぞ!」

 

 脳無の攻撃が来るが片手で止めることができた。

 

 「すごい…これなら!」

 

 私は脳無に拳を何度も叩き込む。

 

 「これで、終わりだ!」

 

 気絶させるため、頭に重い一撃を入れようとしたとき、脳無が私の後ろを見ていることに気が付く。

 

 「あ、あああああ!?」

 

 恐怖におびえ、動けない一般人がいた。脳無は標的を私からその人に変え、とびかかる。

 

 「させるかぁ!」

 

 全力で脳無の攻撃から市民を守る。どんなに拳で殴られようとも守る。拳で殴られているとき、ある事に気が付く。

 

 (痛みがない。)

 

 殴られたところにダメージが入った感覚もなければ痛みもない。

 脳無も異変に気が付いたのか後退りを始める。

 

 「必殺技で終わらせる。」

 

 なんとなくではあるが必殺技のやり方がわかる。ドライバーのAとBを同時に押し、Aを押す。

 

 『クリティカル・エンド!』

 

 空中に飛び上がり、縦に回転しながらキックを繰り出す。

 キックをくらった脳無は吹き飛ばされ、意識を失う。

 

 「これで、おわった…」

 

 私は変身を解こうとした。その時、後ろから炎が飛んできた。私は炎を拳で打ち払い、炎が飛んできた方向を見ると、

 

 「だれ。」

 

 「それは俺のセリフだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 緑谷side

 

 

 

 

 

 「俺を殺していいのは本物の英雄(オールマイト)だけだ!」

 

 僕を助けてくれたヒーロー殺し ステインはその言葉を残し、気絶した。そのあと、ヒーロー殺しの捕獲のために多くのヒーローが来たとき、僕は思い出した。

 

 「導さんが!早くいかないと!」

 

 僕が叫ぶと轟くんがエンデヴァーに導さんのいるであろう場所を教えた。僕たちもエンデヴァーの後に向かうと、そこにいたのは、

 

 「だれ。」

 

 「それは俺のセリフだ。」

 

 半分が黒、半分が白の髪、バイザーの下から見える目は赤と青、口元にはボロボロのガスマスクをつけている。体にはボロボロの白のアーマーを纏っている。

 そのヴィランのような見た目をしている人物の隣には頭だけが地面に倒れ伏している脳無の姿があった。

 

 「もしかして、導さん?」

 

 「少年、それがこのヴィランの名前か?」

 

 エンデヴァーがそう尋ねてきたが、

 

 「彼女は僕たちのクラスメイトです!」

 

 「緑谷くん。無事だったのね。」

 

 僕の言葉の後に、導さんが言葉を発した。それと同時に導さんが変身を解く。

 

 「よかった。無事で。」

 

 「導さんが助けてくれなかったら今頃は…そ、それより、脳無を倒したのって、やっぱり…」

 

 「私です。さて、私は自分の事務所の方のところに戻らな、い、がはっ!」

 

 導さんが口からとんでもない量の血を吐きはじめ、倒れた。

 

 「導さん!導さん!」

 

 導さんと僕たちはその後、病院に入院することとなった。導さんは二日経過しても起きることはなかった。そして、3日目になろうとしたときだった。看護師の方が僕たちの病室に入ってくると、

 

 「お友達の導さんが目を覚ましました!」

 

 僕たちは急ぎ、導さんの病室に向かう。そこにはベッドから起き上がっていた導さんがいた。

 

 「導さん!起き上がっても大丈夫なの?」

 

 導さんはこちらを見ると、

 

 「おぉ!緑谷じゃないか!それに、飯田に轟まで!私の見舞いに来てくれたのか!ありがとう!」

 

 僕たちは固まった。

 

 見た目は導さんだけど中身が違う。

 

 轟くんが導さんに近づく。

 

 「お前、だれだ?」

 

 導さん?は尋ねられると笑い始めた。

 

 「あはははは!ばれたか。ご明察の通り、体は導、中身は違う。先にいっておくが永美の回復を早めるために俺が体を使ってるだけだからな。安心しろ、永美はもうすぐ起きる。あと1時間ほどで目覚めるから頼んだぞ。」

 

 導さんの体はそういうと、ぱたりとまたベッドに倒れた。

 その後、その言葉の通り、導さんは意識を取り戻した。

 導さんに体が誰かに使われていたことを教えると、

 

 「たぶんパラドね。」

 

 「パラド?」

 

 「私の保護者みたいなものかな。さて、私はもう少し眠らせてもらうね。」

 

 導さんに部屋を追い出されてしまった。

 

 ともかく、ヒーロー殺しの事件は幕を閉じた。

 導さんに関して色々聞きたいことはあるけど、今は体を治すことに専念しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 




パラドに送られてきたガシャットの中にはデンジャラスゾンビもありました~
仮面ライダーエグゼイド本編で、パラドが使っていたので今回登場させてみました。
デンジャラスゾンビの登場はこれで終了!主役はゲンムではないので!
永美が使った際に血を吐いたのは、変身時の反動ということにしておきます


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