もしもブロリー達がハイスクールDxDの世界に転生したら (JOJI)
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プロローグ


ブロリストならなんか書きたくなるよね。わかる人いる?

もう、何回も没になったと思われるブロリーを絡めた二次作品でございます。
もう没にならないよう頑張りますので応援 夜露死苦 !

オリジナル作品をnovelbaで書いてるので不定期になると思いますが忘れないように頑張ります(フラグ)


 

 

これはある世界の地獄にいる、1人の超戦士の物語

 

 

 

 

 

 

エイジ770年

 

 

 

 

「ハッハッハッ!」

 

ドッ!

 

「ハァッ!!」

 

ガッ!

 

 

「ウォォォォォッ!!」

「てりゃァァァッ!!」

 

 

ドォォォォォォッ!!!!

 

 

ここは死ぬ前に悪さをした悪人などが落ちる、皆もご存知地獄。

 

 

「なんなんだァ? 今のはぁ?」

「なに!?」

 

その地獄で最近知名度がうなぎ登り(悪い意味で)のブロリーと、もはや大界王様のパシリと化しているかもしれない悟空が壮絶な戦いを繰り広げていた。

 

理由は単純でブロリーが暴れるので適当に懲らしめてきて☆ と言う大界王様からの指名を受けて悟空が来たという訳だ。毎度毎度の如く暴れ続けるブロリーに滅入っている鬼達だが、最早慣れたように自分達の仕事に取り掛かるその姿はまさにビジネスマンの如く。全国のニート達も是非見習って欲しい。

 

しかし、ブロリーも理由もなく暴れている訳では無い。暴れたらカカロットが来る。そして、カカロットを倒すと言う意思のみで暴れている。そして、毎回負けているのだ。

 

 

「テヤァッ!!」

「ハァッ!!」

 

 

ズゥッ! ガッ!

 

「あ〜う☆(^q^)」

 

「グッ!」

 

「HAHAHAッ!!」

 

何度目かのパンチとパンチの打ち合いで悟空が負け、地面まで叩き落とされた。

 

 

「くそぉ…」

 

「ふふふっ、今楽にしてやる…ッ!」

 

 

近くの岩の上に着地し、気を溜める。悟空も超サイヤ人3になり、あのお馴染みの構えを取り気を溜める。

 

「か……め……」

 

ギュルルルルと音を立てて緑と青の光が当たりを照らす。

 

「は……め……」

「フフフッ……」

 

その光がお互い同じタイミングでピークに達する。

 

「波ァァァァァァッ!!!!」

「スローイング・ブラスターッ!!」

 

青い光と緑の光がぶつかり合った瞬間、恐ろしいほどの衝撃波で地面が抉り出されあたりに稲妻が迸る。

 

「クッ…グッ……ッ!」

 

「フッフッフッ…ハーハッハッハッ!!」

 

少しずつブロリーのスローイングブラスターが悟空のかめはめ波を押してゆく。

 

 

 

しかし

 

 

 

クッ……波ァァァァァァッ!!」

 

「ナニィ!?」

 

悟空の火事場の馬鹿力によりかめはめ波がより一層鋭さが増し、ブロリーのスローイングブラスターを打ち破る。

 

「な、なんてやつだァ!? う、うァァァァヴァカナァァァァ!?」

 

 

その勢いのまま悟空のかめはめ波に飲み込まれ、ブロリーは星になった。

 

 

 

 

 

デデーン

 

 

 

 

 

<あーほー…あーほー…

 

 

 

地獄の懲罰牢にて

 

 

「くそぉ…何故カカロットに勝てないんだ……パワーは俺の方が上なのに…何故だぁ!?」

 

「ブロリー…お前のカカロットへの復讐心には敬服するが、もう少し雑念をとったらどうかね?」

 

地獄や天国では死人は死なない、既に死んでいるのだから。死んでから数時間経過すると地獄の懲罰牢へと転送され、反省するまで出られないのだ。まぁ、ブロリーのようなパワー馬鹿には簡単に吹き飛ばされてしまうが。最近、ブロリーのような超つおい悪人のための牢獄を作成中らしいが、ブロリーには通じなさそうな気もしなくはない。

 

「てか、なんで親父ぃまでここにいるの?」

 

「お前達の戦いに巻き込まれたんだろうがッ!?」

 

ブロリーと悟空の決着前の文章をよーくご覧下さい。どこかに「あ〜う☆(^q^)」という文字列があると思いますよ?

 

「ヘヤァ!?」

 

「…全く、お前達が周りを気にせずボコスカ暴れたせいで周りの死人はいい迷惑だ。」

 

「なんか…ゴメン」

 

「全くだ。」

 

 

しかし、こうは言っているが数時間経つと「カカロットはどこだァァァ!!」と鬼の血相で牢屋ぶち破って出ていくんだろうなぁ…と、思うパラガスであった。

 

 

少し経ったあと、ブロリーが珍しく神妙な顔でパラガスに聞いてきた。

 

「親父ぃ……なんで俺はカカロットに勝てなかったと思う?」

 

「どうした急に?」

 

「俺は…サイヤ人の中でも強い伝説の超サイヤ人なんだろう?」

 

「そうだが…?」

 

「なら、何故俺は普通のサイヤ人のカカロットに負けるのだ…?」

 

「……」

 

「地獄じゃ、トレーニングしても戦闘力が上がらないのは知っている。だが、それでも俺はカカロットよりもパワーは上だった…なら、何故勝てないんだ…?」

 

「……」

 

「あの、惑星での事も、カカロットの息子の時も…」

 

不意にパラガスがスっと立ち上がり鉄格子前まで歩く。

 

「分からない…確かにあのもじゃもじゃな超サイヤ人になったカカロットでも、戦闘力ではお前に分があったし、新惑星ベジータの時も途中までしか見てなかったが、あの戦闘力差で勝てたとは到底思えなかった。」

 

「そうだろ?」

 

「だが」

 

「?」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()あったんだろう。」

 

「それはなんだ?」

 

「それは分からない。」

 

「…チッ使えん親父ぃだ」

 

「それは酷くないか?」

 

 

<こちらです

 

<そうか

 

 

「おやぁ? 誰か来たようだな?」

 

「なんだァ? またあの汚いおっさん(閻魔)か?」

 

 

しかし、来たのは汚いおっさん(閻魔)でも無く

 

「やぁ! 君がブロリーさんとパラガスさんだね?」

 

巫女とかが着ている服を纏った少年だった。

 

 

 

 

 

 

 

 




なんか、途中からガチブロっぽくなったけど、ギャグとかネタをバンバン入れたい…


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第1話 転生ってなんだァ?

未だガチブロ感が抜けきれていない。

もう、このままガチブロ路線で行こうかな…


「んー、確かに噂通り筋肉モリモリの大男と片目の汚いおっさんだね」

 

「おい、まさか汚いおっさんとは俺のことか?」

 

「うん? そうだよ」

 

「ファーw(´;ω;`)」

 

「なんだァ? ガキ? ナデナデされたいのか?」

 

「失礼だなァ。僕は子供なんかじゃないよ。これでも1億年以上生きてるんだよ?」

 

「そういう夢を見たのかね?」

 

「夢じゃないよ?」

 

「頭でも打ったのかァ? 仙豆をやろう」

 

「いらないよ? ……それとそこの君、もう下がってもいいよ」

 

「は、はい。」

 

後ろで待機してた眼鏡鬼がそそくさと退場したあと、これは邪魔だね、と鉄格子を突然掴むと全ての鉄格子が光の粒子となり消えた。

 

「なっ!?」

 

「ば、化け物?」

 

「化け物じゃないさ…さて、自己紹介をしよう。僕はゲルテナ・ラルバゼウス。こことは別の世界の神様をやっている者さ。」

 

「か、神だと…!?」

 

自らを神と名乗った少年に驚くパラガス。張ったりと思わないのは先程の芸当。腕力で歪めるでも気でかき消すことでも無く、何らかの力で鉄格子を消滅させたあの技である。あんな七不思議な芸当ができるのはそういう能力を持っているものか…それとも神か…

黒と金の左右と分かれている髪の色に黒の左目に金の右目のオッドアイ。それ以外は普通の少年と言ったところだ。

 

 

「…神ってなんだァ?」

 

「……ま、待てお前は別の世界と言ったな? それはどういうことだ?」

 

「うーん、そうだねぇ。簡単に言うと君たちが今いる世界が世界Aと例えるとすると、僕は世界Bから来た神様って所かな 」

 

「なんと、こことは別の世界が存在するのか…!?」

 

「まぁ、君たちの世界よりもレベルは低いけどね……物理的なほうの…」

 

「…?…?」

 

話していることが高次元(ブロリーにとっては)すぎて頭の整理が追いついていないブロリーはとりあえずパラガスに任せることにした。丸投げしたとも言う

 

「……それで? その神様が俺達に何の用なのだ?」

 

「そうそう忘れるところだった、実はさっき言った僕の世界にねバグが入り込んだんだ。君たちの世界のね…」

 

「なに…?」

 

「そこで、そいつらを君たちに退治して欲しんだ。勿論、悪さをするならね。害が無ければいいけど、悪人の気だったからな〜。」

 

「成程、俺達に監視役になれと…?」

 

「そういう事だね。」

 

「しかし、何故俺たちなんだ? 俺が言うもなんだが、生前がいいものでもないぞ? 地獄にいる程だからな。」

 

「天国にいる人達は悪くないんだけど、どうにも難しいだよね。それに、そこの筋肉君はともかく君は反省しているようだし、ここの人の中でも1番まともだからかな。パラガスさんがね」

 

「そうなのか…しかし、そういうことなら孫悟空が適当なのでは?」

 

「彼はこの世界に必要な人物だから連れていくのは無理なんだよねー。それに、連れていくには死人で魂だけのここに未練がない人が1番連れていきやすいんだよ。肉体や未練があると世界の壁を超えることに失敗して、世界の狭間に落ちてしまうからね。助け出すのに時間がかかってめんどくさいんだよね〜。」

 

「助けられない訳では無いんだな…」

 

「うん、肉体が消滅しても魂が無事なら何度でも蘇らせれるしね。」

 

「……」

 

それは大惨事なのでは…と思ったパラガス。

 

確かにパラガスには未練は無い…ベジータ王への復讐は地獄にいるベジータ王を(ブロリーが)ボコったことで晴れたので清々しい気分である。しかし、それはパラガスの未練である。ブロリーはカカロットへの復讐がまだ叶っていない。なんか途中からカカロットへ勝つ事に執着(どっちも同じ)し始めたが……そう言えば、ブロリーは殺される前からカカロットへ憎しみを持っていた気がする。疑問に思ったパラガスは直接聞いてみることにする。

 

「そう言えばブロリー、お前は以前からカカロットに執着していたようだが何故だ?」

 

「……………そう言えば、俺はなんでカカロットが憎かったんだ?」

 

「「…え?」」

 

「カカロットの顔を見た時、何故か無性に腹が立った事は覚えている。」

 

「そ、そうなのか…」

 

そんなあやふやな怒りでボコられた悟空へすこし同情したパラガスであった。

 

「話を戻すよ。悟空さんをこちらへ連れていくことは無理で、天国の子たちは残念ながら力不足。かと言って地獄の悪人達は根っこから邪悪。そこで地獄の中でも今では悪に染まっていないかつ話が通じるくらいの知性のある人物で君達が適任なんだよ。」

 

「しかし、そこまでの力があるのならお前自身が下せばいいだろう? 神と名乗る言うくらいだ。ブロリー以上の力はあるのだろう?」

 

「ナニィ!?」

 

「物理的な力は僕には無いよ。僕にある力は創るか消すの2つだけさ。」

 

「使い方によってはそれは最強なのではないか?」

 

「確かにそうだけど。神が下界に手を出すのはタブーなんだ。」

 

「タブーってなんだァ?」

 

「そうか、神と言うのも楽では無いのだな。」

 

「そうなんだよ〜。すごく大変なんだよ?」

 

「しかし、ブロリーにはカカロットに勝つと言う未練がある。それを果たすまでブロリーはここに残るだろう。自分で言うのもなんだが、俺は戦闘力が高くないからな。サイヤ人の中ではエリートであったが歳には勝てん。今では下級戦士にも勝てないだろう。正直ブロリー無しでは…」

 

「ふむ……ブロリーさんや」

 

「なんだァ?」

 

「君は悟空さんに勝ちたいのかい?」

 

「そうだ。」

 

「しかし、今の君では彼には勝てない。それは君がよくわかっているだろう?」

 

「ぐぬぅ…」

 

「そこで、僕の世界で強くなったらどうだい?」

 

「ナニィ?」

 

「肉体の無い今の君ではここでいくら修行しても戦闘力は上がらない。しかし、僕が転生させて肉体を持てば修行すれば戦闘力が上がるようになる。そして、悟空さんに勝てる希望が持てる。」

 

「おお!」

 

「どうだい? 転生するかい?」

 

「する!」

 

「よし分かった。」

 

(ブロリーよ、チョロすぎないか!?)

 

「ちょ、ちょっと待てブロリー。闇雲に転生するのは危険だ、もっと情報を集めてからでも…」

 

「フッフッフッ、この俺が何の考えもなく決めたとでも思っていたのか…?」

 

「なに!?」

 

「今のままではカカロットには勝てない…なら、強くなればいい。そう思ったのだ!」\\\\ ٩( 'ω' )و ////バーン

 

「……ブロリー、いつの間にここまで逞しく…( ・ ・̥ )」

 

「いや、それ僕がさっき言ったのと同じ」(ボソッ)

 

もう、ツッコまないよ。ツッコミを入れれば負け(放棄)

 

「それで、転生してくれるかい? そこでの生活には色々と手を回しておくから。」

 

「……分かった。」

 

「ホントかい!?」

 

「ただし、人数の追加はよろしいかな?」

 

「うん? まぁ、悪い人じゃなければ大丈夫だよ。」

 

「問題ない。私の部下だった者達だからな。呼んでくるので、少し待っててくれ。」

 

 

 

 

30分後……

 

 

 

 

「待たせたな」

 

パラガスが連れてきたのは髭を生やしたタコと緑色の肌をした宇宙人のような人とヘルメットと戦闘服を齧った感じの服を着こんだならず者何十人だった。

 

「い、意外と多いね…」

 

「俺も、まさか全員付いてくるとは思わなかった。」

 

「パラガス様がついてこいと仰るなら」

 

「何処までも…」

 

「「「「お供致しますッ!!」」」」

 

「お前達…と、言うわけだ。この人数で行けるかな?」

 

「うん、問題ないよ。いい部下達を持っているね。次は見捨てないであげてね。」

 

「分かっている。」

 

この30分の間に部下と上司の絆伝々のエピソードが繰り広げられていたが、それはまた別のお話で

 

「よし」

 

ゲルテナが牢屋の中の壁に手を当てると、壁が歪み眩しいくらいの光が溢れ出す。

 

「かー!? 目がぁ目がぁ!?」

 

「さ、早く中に入って」

 

ゾロゾロとならず者やモアタコとブロリーが中へ入って行き、最後がパラガスとなった。皆に続き入ろうとするが、1歩手前で立ち止まってしまう。

 

「……」

 

「やっぱり心残りかい? 彼女が」

 

「…分かるのか?」

 

「神様だからね、心くらいなら読めるさ。プライバシーに反するから普段は閉じてるんだけどね。…連れていかないのかい? 僕なら連れてこれるよ?」

 

「……俺にそんな資格はないさ。息子を利用してまで復讐から野望へ走った夫なんて、既に見限っているだろう。」

 

「そうかな? 聞いてみないと分からないよ?」

 

「例え、そうだとしても…合わせる顔が無い。」

 

その顔は…酷く寂しげだった。

 

「…そうかぁ……なら、伝言くらいは伝えてあげようか? もう、こんな事はないと思うし。」

 

「……なら、一つだけ………───と」

 

「…分かった。伝えておくよ。」

 

パラガスはそう言い残し、皆に続いて光の中へ消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『愛している』だってさ…熱々だねぇ妬けちゃうよ。」

 

「からかうな。」

 

向こう側の牢屋の影から20代くらいの若く美人な女性が現れた。和服のような服から飛び出しているのは茶色い尻尾

 

「出てこなくて良かったのかい? 何ならついて行っても良かったのに…」

 

「あんな顔されてさらにこんな空気の中にノコノコとでて来れるとでも?」

 

「うん、ごめん」

 

はぁと一つため息をついた後、女性は未だ渦巻く光へ顔を向ける。

 

「行ってらっしゃい。私の息子とバカ夫」

 

 

 

 

 

 

 




ブロリーをパラガスが産んだわけないし、ちゃんと妻はいるよね?

完全に俺のオリジナルだけど…


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第2話 転生したぜ腐☆腐

分かる人には分かるネタ


光を抜けた先にあったのはお金持ちが住んでいそうな洋風の豪邸が目の前を多い尽くしていた。パラガス達が立っているのは恐らく庭。噴水や花壇や木などがあり、奥にはプールが見える。車が通れるくらいの道もあり、庭の土地だけで何軒くらい家が建てられるだろうか。

 

 

「こ、ここは…?」

 

見たこともない光景に圧倒されるパラガス。

すると、後から声をかけられる。

 

「パラガス様、ここは…?」

 

「…その声は…」

 

後ろを振り向くと、頬まで黒髪を伸ばした赤目のえらくイケメンな顔立ちの執事服を身にまとった優男が立っていた。

 

「え?誰っ!?」※パラガス

 

「な、何をおっしゃいますか。モアでございます。」

 

「そんなわけないだろうが! モアはもっとこう…緑の肌をした見るからに異星人な顔立ちをしたやつだぞ? どこをどう間違ってもモアには見えん!」

 

「…? 何を言って……おや? パラガス様、すこしお若くなられました?」

 

「え? た、確かに最近シワ予防の洗顔を使っていたが…若返るなど…」

 

パラガスははっとなり周りを見渡す。そこに居たのはメイド服やスーツを着た美男美女、ツーブロのような髪型の顎鬚と口髭を生やした中年のおっさん。どれも知らない者達ばかりだ。

 

「親父ぃ、ここは何処だァ?」

 

「ブロリー!」

 

見た目もどこも変わっていないブロリーにパラガスは一息つく。心做しかすこし背が縮んだ気もするが、伝説の超サイヤ人を見慣れているせいだろう。しかし、一体どういう事だろうか。

 

ここがゲルテナが言っていたもう1つの世界と言うやつか? しかし、先に行ったモアやタコ、ならず者達が見当たらないが、見知らぬ人達なら見えるが。

 

そう言えば、周りの美男美女達もお互いの顔を見合ったりしてかなり困惑した顔をしている。

 

『あー、あー、聞こえる?』

 

「その声はゲルテナか?」

 

「何処にいるんだァ?」

 

『今、僕は君達の頭の中から話しかけているんだよ。』

 

「ナニィ!?」

 

「伊達に神をやっていないわけだな。それで? ここは何処だ?」

 

「そこは君たちも知っている星、地球さ。」

 

「なに!?」

 

ここが!? と驚愕するパラガス。それもそのはず、明らかに知っている文明とはかけ離れているからだ。

 

『君たちの知っている地球とは勿論違うさ。文明力は君たちの所とは遥かに劣るし、怪獣なんて存在しない。比較的安全な星さ。まぁ、表向きはね。』

 

「と言うと?」

 

『その世界には君達の世界にもいたかもしれないけど、悪魔や妖怪、天使などが存在している。』

 

「なるほど…」

 

「悪魔だと…? 違う…俺が悪魔だァ!」

 

「悪魔妖怪天使…なかなか面妖な存在がいるものですな…しかし、これはどう言うことですかな? 神様殿。」

 

するとカツカツと足音を鳴らしながらパラガス達に近づきながらゲルテナに問うのは、顎鬚と口髭を生やした中年のおっさんだった。どう見てもトニー○タークです本当にありがとうございました。

 

『君は……タコさんだね。』

 

「ハハハッ! 何を言っているんだァお前はァ? こんなおっさんがあのタコのわけがないだろう? 仙豆をやろうか?」

 

「そのまさかですじゃ」

 

「かー!?」

 

『実はね、その世界の地球では人間にとって異星人などはものすごーく珍しいんだ。そこで、勝手ながら僕なりにカスタマイズしてあげたんだ。そして、パラガスさんとブロリーさんはすこし若返って貰ったのさ。とは言っても実年齢を下げただけで、見た目にはあまり変化は無いけどね。』

 

「そうなのか…ならそこの男は?」

 

先程の黒髪の優男を指差すパラガス

 

『モアさんだね』

 

「このおっさんは?」

 

中年のおっさんを指差すブロリー

 

『タコさんだね』

 

「そこにいる奴らは?」

 

『君達の連れていたならず者さん達だね。』

 

マジか…と頭を抱えるパラガス。別に人間の姿になったのはいいのだ。しかし、何故ここまでイケメンな奴が多いんだ。特にモア。明らかに人間の顔をしていなかったやつが何故ここまでイケメンに仕上がらせるんだ。

 

しかし、ならず者の中に女性がいたとは驚きである。しかも割と美人。

 

「腐☆腐」

 

『今いるその屋敷は君達の家だから、必要なものとか一通り揃えているし、その世界に関する本などもその屋敷に置いてあるから自由に見てね。それと……』

 

この後色々説明された。

 




モアの姿はわかる人には分かるアニメキャラの姿でございます。

ヒント、黒執事


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第3話 輝くモア

最近通信制限かかってせいで5月になるまでゲームとかができなくなりました。ハーメルンは開けるんだけどなぁ……

あと、ならず者達の擬人化は個人的な好みでございます。

申し訳ない。


ドォォォォオンッ!!

 

 

強大な何かがぶつかり衝撃で地面が弾け飛び、辺りに砂埃が舞う。砂煙から吹き飛んできたのは黒髪の優男。前回を見ているものならだいたいわかると思うが、新しい身体を得たモアである。はっきり言ってブスだったモアがこれほどまでにイケメンに生まれ変わると、世の中の微妙な男達の視線が痛そうだ。普段は執事服だが、今は黒いジャージを着込んでいる。イケメンは何を着ても絵になる。

 

地に足をつき踏ん張って何とか体制を整える。

続いて煙の中からギュピギュピと足音を立てながら出てきたのは皆もご存知ブロリー。普段の伝説の超サイヤ人は封印して超サイヤ人の状態で修行している。

 

勘のいい読者なら察していると思うが、現在モアはブロリーの修行相手を務めている。超サイヤ人のブロリー相手に修行相手を務めるモアの力量もあるがその体のスペックも凄まじい。ただのイケメンではなかった。

 

「どうしたモア? その程度のパワーでは修行ならんぞ?」

 

「フフッ…さすがブロリー様…では、本気でお相手しましょう!」カッ!

 

ドッとモアの気が膨れ上がり黒い気のオーラが轟々と燃え盛る。赤い瞳が不気味な光を放ち、腰を落として構える。するとモアの気が何かを形作る。

 

それは

 

 

漆黒の巨大観音

 

 

暗黒百式観音

 

 

「私の新しい技です。」

 

「ナナナナニィ!?」

 

決してスタ○ドでも具現化系の能力でも無い……はず…。

 

新しい体になれるため、トレーニングしていた時に偶然できたらしい。モアは意外と天才気質かもしれない。

 

「いきますよ……」

 

ブロリーははっとなり、構える。

次の瞬間、観音の3つの右手が目の前に迫っていた。

 

「へぁ!?」

 

飛び退いて避け、ブロリーも攻撃に移る。しかし、近づこうとしても観音の無駄に多い手が邪魔をし、上手く近づけない。

 

ならと、ブロリーは一旦距離をとり両手に気を溜める。

 

ダブルイレイザーキャノン

 

強力な2つの気弾を放つ。モアも観音の手で防ごうと手の壁を作るが、次々とぶち破られていく。そこでモアは防ぐのが無理ならとブロリーの気弾を両手で包み込む様に、しかし触れずに気を受け流す。それの気弾を上手く受け流し、突っ込んでくるブロリーに投げ返す。

 

「返しますよ」

 

「ナニィ!?」

 

ズガァァァンッ!!

 

自分の気弾をモロに食らいかけるブロリー。両手をクロスにしてガードして何とか防ぐ。受け流されて、しかも投げ返されるとは予想だにしなかったブロリー。しかし、突破口は見つかった。

 

また両手に気を溜めるブロリー。しかし、今度は放つ事ではなく…留めること。

 

イレイザーブロウ

 

「いくぞォ!」

 

ダッ!と駆け出すブロリー。そして、迫る観音の張り手。

 

しかし

 

「ォオオッ!!」

 

雄叫びとともに振られる剛拳。それは観音の張り手をものともせず打ち砕いていく。

 

「っ!?」

 

モアは観音の右手に全気を集中し出力最大の剛拳を振るうが

 

「ハァ“ァ“ァ“ァ“ア“ア“ア“ア“ッ!!」

 

さらに出力を高めたイレイザーブロウに打ち砕かれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドォォォォオン

 

と言う何かが爆発したような音とともに館全体が揺れる。この家がでかくなかったら近所から苦情が来るレベルの騒音である。ブロリー達が修行しているのはこの館の地下深く。ただただすごく広いだけの地下室である。しかし、何かの魔法でもかかっているのかボロボロになっていたのに次の日には綺麗に直るのだ。神様の粋な計らい。

 

「またか…」

 

もはやここでは聞きなれた騒音である。この世界に来てもう1週間の月日がたった。だんだんとここの生活にも慣れ始めてきた。

 

そして、いつものように私室のベランダで紅茶を飲みながらこの世界の本を読み進んでいたら気になるものが目に止まった。

 

「これは…学校…?」

 

そう学校…いわゆる学び屋。この世にせいを受ければ誰であろうと通うであろう学校である。青年少女がきらびやかな青春を送り、友達を作り、そして勉強をする場所。思えばブロリーはこのような場所に通ったことがないな。

 

「……」

 

パタンと本を閉じ、席を立つパラガス。

 

ドンッとタイミングよくブロリーが部屋のドアをぶち破りに入ってきた。

 

「親父ぃ、腹へrs」

 

「ブロリー、学校へ通うぞ。」

 

「……HA?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本当は学校の下りまでやりたかったけど、力尽きてしまった……誰でもいい、オラに元気とネタとギャグセンスを分けてくれぇ!



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旧校舎のディアブロス
第4話 学校ってなんだァ?


魔法カード発動! 2連投稿!

このカードはうp主のライフを全て消費し、1日に2話投稿させる!

「もうやめて! うp主のライフはもうゼロよ!」

「必殺の死体蹴り!」

頭もオーバーヒートした。


 

 

駒王学園

 

駒王町に建てられた学園で、最近女子校から男女合同になったばかりである。そのため、男女比率で圧倒的に女子の方が多いのでハーレム目的や下心丸出しの理由で入学した勇者もいたりする。

 

その学校に巨大な影が忍び寄る。

 

 

 

 

キーンコーンカーンコーン チーンポローパーンパーン

 

 

「お、おい今のチャイムおかしくね?」

 

「機械の故障だろ?」

 

「それより、その情報は確かであろうな? イッセー氏」

 

この3人の男は上から順に兵藤一誠、松田、元浜、この学園の人気者(悪い意味)三人衆である。簡単に彼らを紹介しよう。

 

兵藤一誠 お○ぱいポケ○ン

 

赤ちゃんに性欲の石を与えた結果の進化形。

尋常じゃない性欲・色欲を有する最低最悪な♂。

特にお○ぱいに対する情熱は負けない。

故に学園の女子からは軽蔑の目を向けられる。最近それに快感を覚える気もしなくはない。

変態三人組の異名を持つ

 

松田 ハゲポ○モン

 

髪の退化形

別名「エロ坊主」「セクハラパパラッチ」

イッセーの友人で、丸刈りの頭の♂。

日常的にセクハラ発言をする。

イッセーの友人にしてこの男と言った感じ。

変態三人組の異名を持つ

苗字しか無いのは気にしたら負け

 

元浜 メガネポ○モン

 

メガネの進化形

イッセーの友人で、ロリータ・コンプレックスと言う重い病気を患っている。

メガネを掛けていて、メガネを通して女子の体型が測れることから「エロメガネ」「スリーサイズスカウター」と呼ばれている。

変態三人組の異名を持つ

苗字しか無いのは気にしたら負け

 

 

 

「あぁ、新しく来た先生が担任と言うことと、転入生が来るという情報は俺の情報網では確かだ。」

 

「女か?」

 

「残念ながら分からない。」

 

「しかし、女性という可能性もあるのだろう。できれば合法ロリ先生が来て欲しい。」

 

「あぁ。あと、願望が漏れているぞ。」

 

周りから、わぁまたあの変態共が何か話しているよ…と言う視線が突き刺さる。しかし、その視線をものともし無いメンタルを持ってこそ変態三人組と言われる強さ。

 

「しかし、遅くないか?」

 

「本鈴がなってから2分くらい立っているんじゃないか?」

 

「……? あれ、何だ?」

 

と、何となく窓を見ていたイッセーが何かを見つける。それは黒い線。それもどんどん大きくなっている。

 

「お、おい。あれ、こっちに近づいてないか…?」

 

「……あぁ。」

 

ズドォォォォォンッ!!

 

何かが壁をぶち破り、教室に砂煙と石が飛び交う。

 

キャーと悲鳴が響き渡り教室中はパニックに陥る。

 

すると、突然砂埃が何かによって吹き飛ばされる。煙の向こうに居たのは黒髪を首あたりまでボサっと伸ばした駒王学園の制服を着込んだ大男。そのしたに踏んでいるのはやけに歪んでいる白い棒?

 

大男はスタッとその白い棒から降りると棒を引っこ抜き先端部分を手刀で切り飛ばす。その行動で小さな悲鳴が上がったが、次起こった事には言葉を失った。

 

なんと、棒の空洞から人が出てきたのだ。茶色い肌をしたつんつん頭の片目が潰れた茶色いスーツを着た汚いおっさんがドサッと崩れ落ちた。

 

あれ、死んでるんじゃないか? と生徒全員一瞬思ったが、肩がピクリと動くとよろよろと立ち上がった。

 

「大丈夫かぁ? 親父ぃ」

 

「これが大丈夫そうに見えるか?」

 

おっさんははァとため息をついたあと、皆を見渡した後に口を開く。

 

「えー、騒がしくしてすまない。私が新任教師でこのクラスの担任をするパラガスでございます。そして、」

 

「転入生のブロリーです」

 

この時、クラスの心は初めてひとつになった。

 

((((なんかヤバそうなのが来た))))

 

 

 

 

 

 

 




次回から、5000文字以上頑張るから許して…あと、誰か死者蘇生を…


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第5話 ヘイワナコメディ

文章でブロリーMADを再現するのって難しいね。




ブロリーが転入してから1週間がたった。転入直後から学校の有名人(多分悪い方)となり、駒王生徒にとってものすごく濃い学校生活になるであろう。

 

そして、なんとブロリーに友達ができたのだ。これにはパラガスやならず者達も歓喜の涙を流し、その日はパーティーとなった。そして、ブロリーは友達ができたことにそこまで喜ぶパラガス達になんとも思えない気持ちになったという。

 

その友達は学校の有名人である変態三人組。ある意味有名人同士気があったのだろう。狂気的な変態と狂気、古今東西過去未来永劫こんな組み合わせは無いだろう。

 

「──これで、俺からの話は以上でございます。解散!」

 

パラガス先生(笑)からの話も終わり、放課後となった。

 

ブロリーは帰ろうと席を立った時後から声をかけられた。

 

「ちょいちょいブロリー」

 

「ん?」

 

声をかけてきたのは先程解説を入れた変態三人組のイッセー。石田 元浜も付いている。

 

「なんだァ?」

 

「実はこれからー 石田の家でAVを見に行きます。一緒に行きませんかー?」

 

「ほう」

 

実はブロリー前々からAVとエロ本とやらに興味があったのだ。生まれてこの方そのようなものを聞いたことも見たこともないブロリーの気を引くには十分だった。

 

「いいだろう」

 

「よし、早速行くか。」

 

パラガスに石田の家で遊んでくると報告した後、靴箱へ向かい。靴を履き替えた後、石田元浜と共にイッセーを待つ。すると、妙に気持ち悪いくらい生き生きとした顔で出てきたイッセー。

 

「悪い! 用事思い出したから今日行けねぇわ!」

 

「ナニィ!?」

 

「ちぇーなんだよ。あとから見せてと言われても見せねぇぞ。」

 

「あぁ、悪い!」

 

そう言ってイッセーはそそくさと去っていった。

 

そして、ブロリーは初めてのそっちの世界へデビューを果たしのだが……ブロリー曰くよく分からなかったのだと言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

 

 

 

「「ナァニィィィィイッ!?!?」」

 

「へぁ!?」

 

いつものように投稿したブロリーは鼓膜が敗れるくらいの大声を教室から聞こえた。何事だ、と教室を覗いてみると石田がイッセーの胸倉を掴み元浜と何か言い合っているようであった。

 

どうしたと声をかけてみる。

 

「あ! ブロリー! 聞いてくれよぉ、イッセーがイッセーが……」

 

イッセーを投げ飛ばし元浜と共に顔面崩壊を晒す。

 

「彼女ができたってぇぇえええッ!!」

 

そんな叫びと共にブロリーに見せつけるスマホの画面には黒髪の美少女が映し出されていた。昨日見たAVとやらに出ていた人よりかなり美少女である。しかし、それよりもブロリーが気になったものは

 

「彼女ってなんだァ?」

 

「「「え?」」」

 

そう、ブロリーは彼女というものを知らなかった。

 

3人で何か話し合うと、三人ともブロリーの肩をぽんっと叩く。

 

「フッ…」

 

「俺達は何があっても…」

 

「お前の友達さ…」

 

「HA?」

 

すごく可哀想な人を見る目で何かを悟らしたらしい。ブロリー曰くよく分からないがすごく不快な気持ちになったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやー、今日は楽しかったね。」

 

「うん……イッセー君、お願いがあるの…。」

 

「なに? 何でも言ってよ?」

 

「そう、なら死んでくれないかな?」

 

「エ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

日曜日が過ぎ快適な休日を過ごしたブロリー。土日の間に前から気になっていたゲームというものを体験した。普通のコントローラーではすぐに壊れてしまったが、タコが作ってくれた頑丈なコントローラーのおかげで楽しくプレイできた。勿論、修行はちゃんとしている。

 

そして、最近何のためにここに来たかを忘れてしまった。なんだっけ?と思い出しながら通学路を歩いていると聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「おーい、ブロリー!」

 

「ん?」

 

イッセーであった。しかし、なんか壁に持たれながら歩いている。しかも、汗もすごい。まだ春で気温もそれほど高くないのにどうしたのだろうか。

 

「なんか、朝からなんかおかしくてさ…すっげぇ体が重いんだよ…しかもなんか…いや、何でもない。」

 

なんか気分が悪そうで、しかも突然鼻血がちょろっと出てきた。心做しか顔も赤い。一体何があったんだ?

 

「昨日何かあったのか?」

 

「ん? 昨日彼女とデートしてて…なんだっけ…」

 

 

「…? 彼女ってなんだァ?」

 

「え? この前見てたんじゃねぇか…ホラ…あれ? あれ!?」

 

イッセーがスマホを取り出し写真を開いて取り乱していた。

 

「ない! あれ? 消してなかったはずだけど……なぁブロリー! 後まで伸ばした黒髪の美少女の写った写真見せただろ? あの子だよ!」

 

「…?」

 

そんなものを見せられて石田と元浜が取り乱していた気がするがあまり興味がなかったから話の半分聞いていなかったので知らんと答えた。

 

「え!? そんな…いや、ブロリーの事だしただ忘れただけだろ…落ち着け俺…」

 

普通にイッセーの予想は当たっていたが、この前すごく取り乱していた松田と元浜までもがイッセーに彼女が出来たことを忘れていたのだ。まるで、その子が存在していなかったように

 

放課後、本当に夢だっのかなと思いながら帰ろうとしたイッセーの前に木場裕斗が現れる。教室や廊下が賑わいだ。

 

どうやらイッセーに用があるらしい。何やら部活がなんとか言っていたが特に興味もなかったので聞いていない。そのまま木場は涙目のイッセーと共にどこかへ去っていった。

 

パラガスと部活の事で話し合った。結局入らないことになったが、その帰り道にイッセーが「ハーレム王に俺はなる!」と叫んでいたのを目撃した。

 

 

 




なんか、キリがいいのでここで終わってもいいよね?

え? 5000文字? あれは嘘だ(*`・ω・´)


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第6話 天使シスター現る

せっかく書き上げたのに母さんに呼び出された後、開いたら消えていた…。何故途中保存をしなかった俺ッ!! ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ッ!!


とある昼

 

今日は午前中に授業が終わったのでモアと修行しようとしたが、何故かお使いを頼まれてしまった。まぁ、たまにはこう言うのもいいだろうと承ったブロリー。そして、マ○ナカへと向かうブロリー。

 

すると、

 

「はぅわっ!?」

 

すっとんきょうな声が後から聞こえた。

どうやら誰かが転けたらしい。

 

ブロリーは振り返って見ると白いタオルを被った黒い服を着た女の子が顔面から路面に突っ伏していた。

 

パラガスから女の子には優しく接する事を長時間にも及ぶ授業によりマスターしたブロリーは風に飛ばされてきた女の子の白いタオル(ヴェール)を拾い上げる。

 

「大丈夫かぁ?」

 

ブロリーは女の子に近づき手を差し伸べる。

 

「あぅぅ…。どうして、何も無いところで転んでしまうのでしょうか……ああ、ありがとうございますぅ…。」

 

女の子はブロリーに気づいたようで、顔をこちらへ向ける。

 

────天使(金髪美少女)がそこにいた

 

綺麗に伸ばした輝く金の髪にグリーンの瞳

 

女の子とあったことのないブロリーも思わず見入ってしまうそれほどまで彼女は綺麗だった。

 

「あ、あの…」

 

「へぁ!?」

 

今度はブロリーがすっとんきょうな声をあげる。そして、ブロリーは思った事を口にした。

 

「超サイヤ人ですかァ?」

 

「へ…?」

 

 

 

 

 

 

 

どうやら彼女は買い物しようと出かけたが、買い物できる所が分からず迷っていたらしい。そこで、何かの縁と思い一緒にマル○カへと向かうブロリー。道中で自己紹介を済ませマルナ○へと着いたブロリー達。メモと睨めっこしながらなんとかメモに書いてある通りのものをが揃い。お会計を済まして慎重に袋に詰めていくブロリー。傍から見たらかなりシュールな絵である。

○ルナカを出た頃には既に夕日があたりを照らしていた。

そして、アーシアと帰宅路を並んで歩く。ブロリーが超サイヤ人になっていたら一緒にお買い物をしている兄妹のような図である。

 

「今日はありがとうございますブロリーさん。」

 

「問題ない。」

 

「実は…私、ここに来てまだ日が浅くて、道に迷っていても言葉が通じなくて…でも、イッセーさんやブロリーさんの様な方がいて助かりました。」

 

「へぁ!? アーシア、イッセーを知っているのかァ!?」

 

「えっ!? は、はい。初めて来た時に道に迷ってしまってそこを助けてくださったんです。」

 

「そうなのか…」

 

スケベなくせに紳士だとイッセーを感心したブロリー。

 

「ただ、その…私を見る目がちょっとギラギラしてたのが怖かったです。ダメですよね私、親切にして下さった方に怖いなんて」

 

「いや、それは違う」

 

その直後、ブロリーの中でのイッセーの評価が岩盤までに下がってしまった。今、悪魔稼業に謹んで取り組んでいるイッセーの背中に寒気が走る。

 

「あ、ここ見たことある道です! 」

 

「そうかぁ?」

 

「ここまでなら1人で帰れます! 」

 

「夜道は危険だ、送ってやろうか? 」

 

「……お気遣いありがとうございます。でも、大丈夫です。…では、また会いましょう」

 

「あ、あぁ。」

 

笑顔で手を振りに去っていった。アーシア。ブロリーも帰宅路を歩き、先程見せたアーシアの苦しげな笑顔が気になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰宅路を歩いていると、ある古い廃墟が見えた。その中から嫌な気を感じたのだ。荷物を近くに隠し、堂々と廃墟に立ち入る。

 

すると、廃墟から気持ちの悪い声が聞こえた。

 

「美味しそうな匂いがするぞ? 甘いのかなぁ…苦いのかなぁ…」

 

廃墟の奥から出てきたのは上に裸の女が突き刺さり、下がでかい腕を生やし縦に裂けた切れ目から鋭い牙を生やし獣のような4本の足を生やした化け物であった。

 

「なんだァ?この化け物はァ?」

 

見てて不快感を抱いたブロリー。すると、化け物は両手に持っている槍を振り下ろす。ブロリーに2本の槍が迫るが、それをブロリーは両手で鷲掴みにして止める。ブロリーにとって欠伸が26回ほど出るくらい遅い。

 

化け物が必死に槍を引こうとするが全く動かない。ブロリーも何も感じていない。ブロリーはちょっと掴む手に力を入れてみると、驚く程にあっさりと化け物の槍は粉々になった。

 

「なにっ!?」

 

「もういいかァ?」

 

正直、化け物には気持ち悪いという気持ちしか湧かないので早く消し去りたいのだ。化け物は無駄にでかい腕を振り上げ思いっきり振り下ろす。ドンッと大きい音を立てて振り下ろされた化け物の腕だが、次の瞬間吹き飛んだのは化け物の腕であった。

 

「ガァァァァァアアッ!? 腕がァァァッ!?」

 

「どうした? クズ? 」

 

化け物は恐怖した…自分は恐ろしいものに手を出したんじゃないかと…

 

「フッフッフッ……」

 

「ヒ、ヒィっ!?」

 

化け物は恐怖で後ずさりする。後は壁で、ブロリーの後に出口のある。つまり詰み

 

「た、助け……」

 

「いいだろう…」

 

化け物は一瞬の歓喜を感じた。一瞬の

 

「…っ! ありが…」

 

「…今、楽にしてやる。」

 

「っ!?」

 

ブロリーの手に集められた膨大なエネルギー。それは化け物の体をひとつも残らず消し飛ばす威力を秘めていた。

 

化け物…はぐれ悪魔バイザーは生まれて初めての恐怖を感じた。情けなく涙を流し、恐怖に打ち震えた。

 

「い、いや、イヤァァァァッ!!」

 

自暴自棄になったバイザーは自ら死ぬ道を選んだのか、ブロリーに向けて全力のタックルを仕掛けてくる。

 

ブロリーにとっては嬉しいことだ、的自らこちらへ走ってくるのだから。

 

イレイザーキャノン

 

「ッ!? ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デデーン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、

 

 

「こ、これは…!?」

 

「ど、どういう…こと…っ!?」

 

大公からはぐれ悪魔の討伐の依頼を受け、バイザーのいる廃墟へ来たグレモリー眷属だが、そこにあったのはボロボロに崩れた廃墟であった。

 

 

 

 

 



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第7話 これってデートじゃね?

 

 

 

 

とある日

 

ブロリーはガラガラ抽選会で当たった映画チケット2枚を持つパラガスと共に映画館へ来ていた。構わず修行しようとしたブロリーだが、気分転換にと無理やり連れ出されたのだ。

 

「たまには親子でこう言うのも悪くないだろう?」

 

「フン」

 

完全に乗り気ではないブロリー、しかしそれもすぐに終わる。映画館へ向けて道中を歩いていると見知った人物がいたのだ。

 

「あ、ブロリーさん!」

 

「アーシア?」

 

ブロリーを見つけたアーシアは手を振りながら小走りで近づいてきた。

 

「どうして、こんな所に?」

 

「え、えと、ちょっと野暮用があって、それよりまた会えると思ってました!」

 

「あ、あぁ」

 

またあったくらいで大袈裟だなと思うブロリー。天使のような笑顔を見せるアーシアだが、そこでやっとパラガスに気づく。

 

「あの、この方は?」

 

「俺の親父ぃです。」

 

「パラガスでございます。」

 

「えっ!? ブロリーさんのお父さんっ!? あ、あのこんにちわっ!! わ、私はアーシアと言いましゅ!」

 

噛んだ。しかも、可愛らしく涙目で口を押さえて屈んでいる。

 

パラガスはブロリーとアーシアを交差に見る。これはもしやとパラガスの頭に電流走る。パラガスは腐☆と笑いブロリーに映画チケットと5万円(現金)を握らせる。

 

突然こんなものを握らされて戸惑っているブロリーにパラガスは

 

「用事を思い出したので私はこれで失礼させてもらうよ。これで、2人で遊んでくるといい。」

 

パラガスはそう告げるとそそくさと去っていった。

 

「?…?」

 

未だにはてなマークが浮かんでいるブロリー。パラガスの意図は分からないが、これでアーシアと遊んで来いと言うことか、とうけとる。

 

やっと復活したアーシアにブロリーは

 

「アーシア、今暇かァ?」

 

「え? は、はい。」

 

「なら、一緒に遊ぼう。」

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わぁ〜! すごいですブロリーさん! こんな大きなテレビ画面、私見たことありません!!」

 

ブロリーのすぐ傍で、映画館の大きな画面に好奇心旺盛で目をキラキラさせているアーシアの姿があった。

見ていて微笑ましくなるほど嬉しそうなアーシア。

見る物全てが新しく見えるのか、アーシアは今すぐにでもスキップをしだしそうである。

かく言うブロリーも映画館は初めてなのでテンションは同じくらいアゲアゲである。

 

ブロリー達が見る映画はジュッキー・チェン主演の映画『黒の執行者』という映画を見ている。パラガスがこの日を楽しみに待っていたと聞いたので何となくそれをチョイスした。シリアス満載のタイトルからは想像できないくらいのアクションにコメディ映画の要素を取り入れた、コミカルで明るいカンフー映画である。

 

実は、ブロリーは気づいていないようだがアーシアは見るからに外国人である。ブロリーが何故言葉を理解できるかというと、まぁ勘のいい読者なら気づいているようだが、転生神の粋な計らいであろう。

 

「はぅ! 凄いですブロリーさん!」

 

映画が始まってからアーシアはずっと活き活きしていた。しかし、ちょっと声が大きいことに気がついたアーシアは、顔を真っ赤にして口に手を当てる。……可愛い。

 

 

 

 

 

─・・・・

 

 

 

「ブロリーさんブロリーさん! これは何ですか!?」

 

次にブロリーが向かったのは某チェーン店のハンバーガーショップ。まぁ、マク○ナルドである。

そしてアーシアはまた、紙に包まれたハンバーガーを見ながら右往左往している。教会出身のアーシアがジャンクフードなどの食べ物に縁がないので、食べ方を知らないのは必然。

まぁ、ブロリーも全く知らなかったので、最初は紙ごと齧ったのは今じゃ懐かしい。

 

「アーシア、これはこうやって食べるんだYO☆」

 

ブロリーはそう言うと、紙を取っ払いその大きな口を開けて丸呑みした。身体には良くはないと思うが、偶に食べたくなる味にはチェーン店を褒めてやりたいところだ。

アーシアはブロリーの食べる姿を見て、目を見開いて驚いた。

 

「はわわ! そんな食べ物がこの世にあるなんて!」

 

「HAHAHAッ! さぁ、アーシアも食べロットォ!」

 

「は、はい!」

 

すると、アーシアはその小さな口を開けてハンバーガーを上品に食べる。ブロリーの蛮族みたいな食べ方ではなく、ハンバーガーを片手で持ち、口元に手を置きカスが落ちないように食べている。まさに天使

 

そして、店の中の男性客はおろか、おそらく彼女持ちの男達でさえアーシアに視線を釘付けにしている。

まぁ、それは当たり前と言うところだろう。アーシアは可愛いし、絶世の美少女で清潔で癒しで尚且つシスター服だからな。見るなという方が無理な話だ。

 

そして、ブロリーはその男性陣の羨ましい妬ましい爆発しろという視線を浴びていた。全く気にしなかったが、

 

淡々とハンバーガーの紙くずの山を形成していくブロリー。すると、

 

「あ、ブロリーさん。頬にケチャップがついてますよ?」

 

「え? ドコドコ?」

 

ブロリーはアーシアにそう指摘され、机にあるティッシュで拭き取ろうとしたその時である。

 

「わ、私が取りますね!」

 

するとアーシアが顔を真っ赤にして突然そう言うと、そっとブロリーに手を近づけ────指でケチャップを取りそれをなめた。

 

「へへへへへへァッ!?!?」

 

「あ、あははは……ちょっとハシタナイデスネワタシ…」

 

「は、はい……」

 

お互い顔を真っ赤にして固まる。

こんな美少女に恋愛ゲームの定番をされれば、そんな経験が皆無の童貞がされればこうなるのも必然。周りの男性陣のブロリーへの視線が殺気に変わる。アーシアは未だにモジモジしてブロリーをチラチラ見ている。可愛いさは偶に男性陣限定の凶器となる。

 

 

 

 

─────・・・・・

 

 

 

さて、気を取り直しブロリー達が次に向かったのはゲームセンター。前にちょくちょくイッセー達と遊びに来ていた場所である。並のゲームではブロリーの力ではすぐにぶっ壊れてしまうのでそこでブロリーが選んだのはパンチングマシンである。

 

ゲームの説明を聞いて「すごいです〜!」と言う。もはやアーシアのすごいですが定番になってきていると思うのは俺だけであろうか。

ちなみにこのパンチングマシンは530000まではかれるという超優れもので、世界で最もすごいパンチングマシンと言われている。

しかも、何故か点数をパンチ力ではなく戦闘力と表すことでも有名だ。

 

まず、アーシアがやって見る。

 

「が、頑張ります。」

 

アーシアは慣れていない手つきで専用のグローブをイソイソとはめ込んで、腕を後に引く。

が、全く様になっていない。てか、腰が引けている。

 

「えいっ!」

 

そして、アーシアの拳が赤く硬いクッションの様な計測器にぶつけられる。しかし、音がバコンではなくペコであった。

そして、計測器が残酷な点数を叩きつけた。

 

「せ、戦闘力…5…」

 

アーシアはその数値を見て白く枯れる。

おかしい、この前10くらいの男の子がこれで遊んでいたのをブロリーは見たが、その少年の数値は50はあった。それなのに、その年上であるアーシアが5だと…!? これは故障じゃないのかと疑うブロリー。

しかも、表示された数値の下に「戦闘力たったの5か…ゴミめ」という煽り付きでしかもご丁寧に英語でも表示されている。思いっきり嫌がらせレベルである。

 

「うぅ…ブロリーさん…私はゴミなのでしょうか…」

 

「ぐぅ…ッ! アーシア、仇は取るぞ…!」

 

ブロリーはアーシアの仇を取るため、お金を入れてグローブをはめる。

 

全筋肉を右腕に集中する。白いTシャツの右腕の端が筋肉の膨張により弾き飛び、血管が浮き上がる。

 

「ウォォォォォォオッ!!!!」

 

バキィンッ!!

 

 

 

マシンはぶっ壊れた。

 

 

 

 

───・・・

 

 

パンチングマシンの後、ブロリーはジュースを買って来ると、アーシアはクレーンゲームのディスクに張り付いていた。じっと見ていたのは黄色いヒヨコのようなぬいぐるみだった。それはラッピーというあるゲームのマスコットである。

 

「それが欲しいのかァ?」

 

「はぅ!?」

 

突然後から声をかけられてびっくりしたのか情けない声を出してしまう。ブロリーの方を見て、ブロリーということに気がつくと安堵の溜息をついた。

 

「アーシアはこのひよこが好きなのかァ?」

 

「うぅ、は、はい…。」

 

「そうかァ…」

 

ブロリーはそう言うと機械に小銭をいくつか入れる。

 

「え!? だ、大丈夫ですよ!」

 

ブロリーの行動にアーシアは遠慮するが問題ないとブロリーは答える。

ブロリーはクレーンを操作し、ぬいぐるみを掴もうとするが、何度やっても滑り落ちる。

 

「ぐぬぅ!」

 

「あ、あの、大丈夫ですから…」

 

だんだんと苛立ちを覚えるブロリー。最後の足掻きも虚しく外れた。

 

「…」

 

ブロリーは気を操作し、ぬいぐるみを撃ち落とした。

 

「取れたぞ。」

 

「え? あの、さっきぬいぐるみが勝手に落ちたような…」

 

「気のせいだ。」

 

「あ、ありがとうございます! ブロリーさん!」

 

「どういたしましてェ」

 

アーシアはぬいぐるみをブロリーから受け取ると、それを嬉しそうに抱き寄せる。

本当に嬉しそうで、感動しているのかすこし涙目だった。また、ブロリーは大袈裟だなと思う。

 

「私、これ一生大事にします! ………今日、ブロリーさんに出会えた記念として」

 

「HAHAHAッ! 何を言っているのだァアーシア。こんなもの俺は何度でも取ってやる。」

 

「………………。そうですね、ブロリーさん!」

 

そして、アーシアとブロリーは笑い合う。

 

──────しかし、アーシアの笑顔はどこか儚げだった。

 

 

 

 



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第8話 シリアス

昨日、高校の遠足で鷲羽山ハイランドへ行ってまいりました。友達のテンションに付き添われて、スカイサイクルに一緒に乗せられました。いやー、怖かった(高所恐怖症)あれはガチ泣きしましたねェ。その後はもうずっとスケートやってました。



その日、ブロリーとアーシアは遊び尽くした。

ゲーセンで遊んだ後は、食べ歩きをしたり服屋で服を見たり買ったり……そうしている内に、時刻は既に夕方になっていた。楽しい時間はあっという間に終わってしまう。

 

ブロリーとアーシアは立ち寄った公園で噴水付近のベンチで2人して休憩している。

 

「フフッ ちょっと疲れちゃったYO☆」

 

「は、はい……でも、こんなに楽しかったのは、生まれて初めてです!」

 

「フフフッ俺もだァ…。」

 

ブロリーも女の子とこんな風に遊んだの生まれて初めてであった。不良や変態3人組の新しいメンバーという根も葉もない噂のせいで女子達は怖がって近づいてこず、実際女の子とこのように話すこと自体が初めてである。噂のことは本人は特に気にしてはいないが

 

「その、ブロリーさん……私、ブロリーさんに聞きたいことがあるんです。」

 

「なんだぁ?」

 

「神器って…知っていますか?」

 

「なんだぁ? それはぁ…美味いのかァ?」

 

「ふふっ食べ物じゃないんです。」

 

すると、アーシアはブロリーに手を向ける。すると、アーシアの手から淡く緑色に光り出す。ブロリーは一瞬気功波と思って強ばったがなんだか暖かくて優しい何かを感じた。心なしか身体も軽い。

 

「なんだぁこれはァ? これが神器か?」

 

「はい…変…ですよね? こんな力を見たら普通の人なら……なんて。でも、神様から授かった大切な力なんです。」

 

「…俺も、力ならあるYO」

 

「え?」

 

ブロリーはアーシアに見えるように手を近づけ、気弾を出す。

 

「わぁ…綺麗…」

 

気弾を上に飛ばして消滅させる。幸い周りに人はいないので見られる心配もない。

 

「あれって…神器ですか?」

 

「違う…これはァ練習すれば誰だってできるものだァ。」

 

「そうなんですか!?」

 

「はい…だがアーシアのような、優しいものではないけどな。フフフフッ」

 

「優しい…ですか…。」

 

ブロリーの言葉を聞いたアーシアは、復唱するようにボソッと呟く。

そして…アーシアは、一筋の涙を流した。

いや、一筋所ではなかった。止め止めもなく、ずっと絶えずに涙を流した始めた。

 

「へへへへァ!?!? な、何かオレ変な事言ったかぁ!? ごめんンンンッアーシアァァァッ!!」

 

「ち、違うんです! こ、これは……」

 

「な、何かあったのかァ?」

 

「……はい、私の過去…聞いてくれますか?」

 

「…はい……」

 

ずっと泣くより吐くものはいた方が楽になるんじゃないかと思ったブロリー。ブロリーにしてはかなり考えた答えであった。

 

すると、アーシアはゆっくりと語り始めた。

 

『聖女』と崇められた…1人の少女の救われなかった末路を、涙を流しながら…。

 

 

アーシアは欧州のとある地方で生まれ、すぐ捨て子として教会のすぐ側で捨てられた。そこは孤児院を兼ねた教会だったこともありアーシアは信仰深く優しくすくすくと育った。

 

そんなアーシアに力が宿ったのは8歳の頃であった。孤児院内に偶然怪我をした子犬が迷い込んできたのだ。優しいアーシアは見捨てることはできず、その子犬を不思議な力であっという間に直してしまった。

 

そして、その場面をカトリック教会に見られてしまう。

 

アーシアの人生が変わったのはそこからであった。

 

それから程なくしてアーシアはカトリック教会の連れていかれ、治癒の力を宿した『聖女』として担ぎ上げられる。そして、訪れた信者に加護と称して身体の悪いところなどを治癒していく。

 

アーシアの事が噂になるのはそう時間はかからなかった。多くの信者がアーシアを『聖女』として崇めるようになった。

 

アーシアの意思など関係なしに…

 

教会の人達は良くしてくれるし、他者の怪我を治すことは嫌いじゃない。むしろ自分の力が役に立っているのが嬉しくて力をさずけてくれた神への感謝は片時も忘れたことは無かった。

 

………しかし、アーシアは寂しかった…

 

誰一人、友達と呼べる人がいなかったのだ。

 

そんなある日、転機が訪れる。

 

少女の目の前に大怪我を負った悪魔が現れたのだ。

教会の人間のとって悪魔は忌避すべき存在であり、悪魔死すべし慈悲はないが教会の掟であった(ちょっと違う)

 

だが、心優しいアーシアは悪魔であろうがブスであろうが死にかけている存在を見捨てることができず彼女はその場で治療してしまった。

 

その行動が彼女の人生を反転させることになる。

 

『聖女』が悪魔を治療する現場をまたもや偶然教会のものに見られてしまう。悪魔治療する姿は教会に報告され、報告を受けた教会のお偉いさん方は目ん玉が飛び出るほど驚愕したという。その報告で心肺停止を起こした御仁も居たそうだ。

 

そしてアーシアは『悪魔をも癒すことができる力』を持つ者『魔女』としての烙印と『司祭の心肺停止を引き起こした奴』という謎の烙印まで押されて、そのまま教会を追い出されてしまう。

 

それから各地をさまよった後、偶然『はぐれ悪魔祓い(エクソシスト)』に拾われ、それ以来堕天使の加護を受けることになった。

 

そうして『はぐれ悪魔祓い』の一員となったアーシアだが、神への感謝を片時も忘れたことは無く、今でも祈り続けているという。

 

 

 

 

 

「………」

 

アーシアが語った過去はブロリーにとって分からない単語が飛び交っていたが、一つ言えることは教会滅するべしということだけであった。

 

勝手にアーシアを散々祭り上げた挙句、悪魔の怪我直しただけで大きく掌を返して教会を追い出すとは、教会の三下加減が窺える。ブロリーの中で教会はタブーと化した瞬間であった。

 

「私は、きっと神様に対する祈りが足りなかったんです……ッ 私は1人じゃ何もできないから……ッ」

 

アーシアは、泣きながら笑っていた。

自分を嘲笑い、自分で自分を傷つけていた。

自分を否定して、未だに信じ続けている神に対して「ごめんなさい」と…そうやって謝り続けている。

 

その姿が、何故かブロリーの心に深く突き刺さった。もしかしたら昔の自分を照らし合わせているのかもしれない。自分も生まれながらの強さ故に自分の地位を恐れて王に殺されかけ、復讐から野望に走った自分の実の父親に見捨てられ自分の手で殺した。そして、行き場のない怒りを耳障りな泣き声を側で淡々と浴びせられた相手にぶつけて自分も殺される。

 

ブロリーとアーシアの共通点は………力故の孤独であった。

 

彼女はアーシアは、ブロリーと違い…弱い。その小さな身体が、今にも悲しさで消えそうであった。

ブロリーは考えた。自分がアーシアにできる事……アーシアの自分にも勝る壮絶な過去を知って、今さら何も変えることはできない。

 

「これは試練なんです。神様が私にくれた試練……。これを乗り越えればきっと友達だって……」

 

「「話は聞かせてもらったぜ」」

 

「その声はァ!?」

「?」

 

茂みから現れたのは、右手で顔を覆い隠して人差し指と親指から顔を覗かしている茶色いおっさんと左手をパーで顔の横に置き右手を首の下に置くという謎のポーズをとったつんつん頭の謎の男。

 

「「腐☆腐」」バァンッ!

 

「イッセーと親父ぃ!? 何故ここに!? いや、なんだァそのポーズはァ!?」

 

「アーシアちゃんと言ったかな?」

 

「は、はい」

 

「そのポーズのまま話すのかァ?」

 

「1人じゃ何もできない…神への祈りが足りなかったから…君はそう言ったね? だが、それは違う。君はそれを言い訳にして逃げているだけだ…。」

 

「ッ」

「親父ぃ!」

 

「君に本当に足りなかったのは…勇気だ…。」

 

「勇気…」

 

「何かをものにする行動を起こすための勇気……神への祈りなどそんなものは関係ない。」

 

元々信仰に縁がなかったパラガスであるが、知ったところで何も思わなかった。いくら祈ったところで神は何もしてくれない。いつの時代も切り開いてきたのは神ではなく行動を起こした人達の勇気であった。

 

悟空達も強大な何かに立ち向かう勇気があって…実際それを成し遂げて見せた。自分たちに足りなかったのはもしかしたらそれかもしれない。

 

「アーシアは何も間違っちゃァない。 悪魔すらも治してしまうすげー優しい力なのに、それを追放した教会は大馬鹿野郎だ。勝手に聖女とか崇めて、最終的に魔女なんてお門違いってやつだろ!」

 

イッセーもパシッと左手に右手をぶつける。イッセーも怒っているんだと思うブロリー。今も涙を流すアーシアの頭をなんとなく撫でる。

 

「アーシアは何も間違ったことをしていない。これがもし試練なら、アーシアは十分耐えてきたと俺は思う。」

 

「ブロリーさん…」

 

「それでも神様って奴が足りないというなら、この俺が直々にそいつを血祭りに上げて首を嫌でも縦に振ってもらう。」

 

アーシアを優しく撫でながら拳を握りしめてそんなことを言うブロリー。

 

「ふふふっ…そんなことをしたらダメですよブロリーさん。」

 

それを冗談と取ったのか笑いながら注意するアーシア。その一方、ブロリーなら本気で殺りかねないと笑えないパラガスとイッセー。

 

「やっと笑ったなァ…」

 

「え…?」

 

「ずっと悲しい顔をされていたらたまったもんじゃない。やっぱりアーシアは笑った顔がよく似合う。」イケブロ

 

「////ッ!?」

 

顔を真っ赤にして照れるアーシア。その姿を見て落ちたなと思うパラガスとちょっと嫉妬するイッセー。

 

「そうだ。さっき友達が欲しいと嘆いていたな…。なら、俺と友達にならないかァ?」

 

「いいこと言うじゃないかブロリー! アーシア、俺とも友達にならないか?」

 

「友達……」

 

ブロリー達がそう言うとアーシアはまたポロッと涙を流し始めた。

 

「「へァ!?」」

 

「イッセーとそんなに友達になりたくないのかァ?」

 

「ゑゑゑっ!?」

 

「ち、違いますっ…これは…嬉し涙です…」

 

涙を手で拭い取り笑顔を見せるアーシア。

 

「なら、友達になってくれるのかァ?」

 

「はい! こちらこそよろしくお願いしますっ! ブロリーさん! イッセーさん!」

 

ブロリーとイッセーの差し出した手を握るアーシア。暖かくて優しい温もりを感じた。

 

 

「──────友達? そんなの無理よ」

 

…そんな声が、上空から聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 




イケブロォ…


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第9話 至高の堕天使(笑)





ブロリー達は一斉に上を向く。そこに居たのは黒い翼を広げたナイスバディなエロい格好をしたお姉さんであった。

 

「ふぁ〜腐☆腐」

 

彼女を見たパラガスが気味の悪い笑い声を上げる。ぞろぞろと神父服に身を包んだ集団がブロリー達を取り囲む。

 

「アーシアが逃げ出したと聞いて急いで追いかけてみたら、まさか男とデートしてるなんてねぇ……。アーシアに妬いちゃうわ」

 

「夕麻ちゃん…」

 

「あれ? もしかして兵藤一誠君? あははは! あなたまだ生きていたのねぇ!」

 

「……」

 

「あなた、1度殺したはずなんだけど……もしかしてあなた、悪魔になっちゃったの? うわ、最悪…」

 

堕天使はイッセーを嘲笑する。

堕天使やら悪魔やら聞きなれない単語が飛び交う中ブロリーはアーシアの前に立ち、パラガスはナイスバディな堕天使のラインを凝視する。

 

「れ、レイナーレ様…」

 

すると、アーシアが見知らぬ名前を呟いた。状況からしてあの堕天使の本当の名前はレイナーレととるイッセー。

それにしても、アーシアがレイナーレ達の元から逃げ出した…つまりこいつらはアーシアの敵というわけである。今もブロリーの背中に隠れ怯えるアーシアの様子を見てそうとるブロリー。

 

アーシアに何をしようとしているのかは知らないが、アーシアが怖がっている奴らを消せばいいのか、そう思ったブロリーは密かに気を高める。

 

「アーシア、帰って来なさい。あなたの力は私の計画に必要なものなの。だから…」

 

レイナーレは手を振り上げる。

 

「無理矢理にでも来てもらうわ。」

 

ダッと駆け出してくる男達、それぞれライトセーバーの様な獲物を持ち、それを振り上げる。

 

イッセーも左腕に真っ赤な篭手をいつの間にか付けており、それで応戦する様子であった。

 

「アーシアは渡さねぇ!」

 

イッセーがその篭手で集団の1人を殴りかかろうとしたその時であった。

 

取り囲んでいた集団が何かによって吹き飛ばされる。

 

「うおっ!? 風!?」

 

イッセーもその何かに吹き飛ばされそうになるが、パラガスに掴まれて吹き飛ばされずにすんだ。

 

「あ、ありがとうパラガス先生」

 

「なーに、それより、離れていた方がいいぞぉ…」

 

「え?」

 

スっとパラガスの横を通り過ぎたのは緑色のオーラを放つブロリー。恐らく先程の風はブロリーの放つ気によって起こったもののだろう。。

 

「な、なに? 何が起きたの!?」

 

何が起きたのか理解できず空で狼狽えているレイナーレ。これを見るに実戦経験はかなり少なそうである。恐らく今まで自分より格下の相手としか戦っておらず、同格かそれ以上とは戦ったことがない口であろう。

 

哀れであった。いま、目の前にいるのは自分は愚か自分が心酔している者も捻り潰せそうな相手なのだから。

 

「おい、カラス野郎」

 

「か、カラス!? 」

 

「お前が何をしよかは知らないが……アーシアに何か嫌なことをするのはなんとなく分かった。」

 

「それがどうしたというの? その前にこの至高の堕天使である───」

 

「だから、貴様らを跡形もなく消し飛ばしてやる。アーシアが二度と怯えないようになァ」ニィ

 

そこには魔王も裸足で逃げ出すような悪魔の顔があった。ブロリーから放たれる圧倒的な殺気と威圧感…一般人なら一瞬で昇天しそうなものだ。

 

それを真正面で受けたレイナーレは一瞬で悟った。あいつはヤバいと、自分より上だと嫌でも理解できた。このままでは下の悪魔祓い共々文字通り消し飛ばされるであろう。

 

張り巡らされる思考回路の中レイナーレは、はっと過去の自分がもしもの時のためにしておいたことを思い出す。この間2秒弱

 

「この場で争っても私達への損害が大きそうね…」

 

「? よく分からんが、引くのかァ? なら、アーシアの前に二度と顔を出さないと土下座したら許してやらんでもないぞ? 俺は優しいからなァ…フフフッ」

 

「フフッ…私は至高の堕天使よ…? 貴方のような下賎な輩に頭を下げるとでも…?」

 

「なに…?」

 

かなり高度煽りなので言葉の意味を理解出来なかったが、なんとなく馬鹿にされたのを感じ取り青筋を浮かべるブロリー。

 

「あなた達相手に逃げるのは癪だけど、時間が惜しいのよね…ここは引かせてもらうわ……───アーシアを連れてね」

 

すると、アーシアが光に包まれる。

次の瞬間アーシアがレイナーレの手元に現れた。アーシアもひどく狼狽している。

 

「どういう事だこれはァ!?」

 

ブロリーが声を荒らげてレイナーレに怒鳴ると、レイナーレは薄く笑って答える。

 

「もしもの時のために強制転移のマーキングをしておいたのよ。いらないと思っていたのだけれど、仕掛けておいて正解だったわ。」

 

「……?」

 

「ブロリー、転移とは一瞬で物を移動させるという意味だ。」

 

「なにィ!? 貴様、天才か!?」

 

「いや、褒めるところじゃないと思うのだが…?」

 

驚くブロリーを無視してレイナーレは魔法陣のようなものを展開する。

 

「じゃあね、計画も大詰めなの」

 

「っ!? 待て、話せば分かる! 交渉をっ!?」

 

そう言いながらブロリーは気弾を放つも、微かな差で転移の方が早く、命中することは無かった。

 

レイナーレの転移が終わったあと、周りに倒れていた悪魔祓い達もいそいそと転移して消えていった。

 

 

 

 

 

 

「クソォォォォッ!!」

 

ブロリーは気を解放しレイナーレの跡を追うため飛ぼうとする。

 

「落ち着けブロリー! 闇雲に追うのは危険だァ! もっと情報を集めてからでも遅くはない! 」

 

「うるさァい!」

 

「DORッ!?」

 

ブロリーを止めようと立ちはだかったパラガスであるが、簡単に吹き飛ばされるパラガス。

 

「うぅ…追うにしてもブロリー、アーシアの場所はわかるのか?」

 

「……ぬぅ…」

 

最近気の感知を覚えたブロリーであるが、アーシアの気が小さくどれがどれだが、分からないでいた。しかし、無駄にわかりやすいレイナーレの気なら感知できた。

 

「フフフッ、親父ぃとあろうものがあのカラスの気の事を忘れるとは情けない。俺はアーシアを助けるために出撃する。親父ぃは家に帰ってのんびりミルクでも飲んでいるんだなぁ!」

 

そう言うとブロリーは飛び去って行った。

 

「と、飛んだ…」

 

それを呆然と眺めるイッセー。

 

(ブロリー、気づいていないのか…?)

 

レイナーレより飛び抜けて強い気を放つ者達の事に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




とりあえず今日はここまで

さぁ次回のもしブロはぁ〜?

レイナーレを追って教会に辿り着くブロリー、迎えくる刺客達をバッサバッサと投げ倒し、アーシアとさを救おうとする…しかし、影の奥から奴は現れる…!

次回 第10話 クズロット現る…!?

デュエルスタンバイッ!!


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第10話 アーシア救出劇

「くそぉ…一刻も早くブロリーを止めなければ…!」

 

レイナーレの近くにいる気はそう大きくはない。レイナーレの気は正直言ってクズだが、レイナーレの近くにいる気はフリーザ軍の上級戦士にも勝つる。それならまだいいのだ。パラガスが気にしているのは感じている気の6人の中の1人……5人の中で飛び抜けて高い戦闘力を秘めている。まだ、戦闘力を抑えている気配すらあるのだ。

 

いま、ブロリーは戦闘力を抑えるコントロール装置を付けている。そのせいで上手く力が出せないのだ。コントロール装置を外すスイッチは半径10メートルほど近づかないと反応しないのが仇となった。

 

「すぐに追わなければ…!」

 

パラガスもブロリーを追いかけるため飛び妥当とした瞬間、後方に赤く光る魔法陣が現れた。

 

「なんだ…!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここかァ?」

 

飛んで数分後、レイナーレの気を辿って辿り着いたのはところどころボロボロな教会であった。扉の前に降り立つ。見た目はドラ〇エの教会に近い見た目である。

 

開幕デデーンは中にアーシアの気を感じるので自重する。小難しい作戦とかなしで真正面から打ち破る。

 

「フンッ!」

 

ドッと扉を蹴り飛ばす。勢いが強かったのか丁番が外れ吹き飛んで壁に突き刺さる2個の扉。ブロリーは何事も無かったかのようにスタスタと入っていく。すると、1人の男性…いや、少年くらいの男が立っていた。

 

「んんー? おいおい、てっきりあのクソ悪魔君達がやって来たと思ったんですけどねぇ…? つーか誰ですかアンタ?」

 

神父の服を着ているが、言葉使いはかなり神父とはかけ離れている。あの格好はさっきいた連中の服と同じという事を覚えていたブロリーは、あいつらと同じ連中という事と判断する。

 

「誰だァ? お前はァ…それより、ここにアーシアがいるんだろう? どこだ?」

 

「おやおやぁ? アーシアたんのことを知っているってことは、アンタもしかしてあのクソ悪魔達のお仲間ですかァ? 悲しいねぇ…。 人間のくせに悪魔と仲良くするなんて……そんな残念なアンタは……」

 

スっと男が手にあの男達が握っていたライトセーバーの様な剣を握る。

 

「ここで死ね」

 

ダッと男は駆け出しそのライトセーバーをブロリーに向けて振り下ろす。

 

ギンッと音を鳴らし折れたライトセーバー。ブロリーの頭に当たったライトセーバーは馬鹿みたいに硬いブロリーの頭に見事に真っ二つに折れてしまった。

 

「ハァ!? アンタ、どんな頭してんの!?」

 

「なんだァ? 今のはァ? 」

 

ブロリーにとってはスローモーションの様な動きで行われた斬撃は全くのノーダメージ。偽物のライトセーバー如きではブロリーの石頭を切り裂くことはできなかった。

 

「なら、これならどぅよ!?」

 

「……なんだァ? それはぁ?」

 

男が懐から取り出したのは拳銃。銀色で派手な装飾を施した拳銃をブロリーに向ける。拳銃など、全く見たことがないブロリーは何をしようとしているのか分からず、とりあえず待つ。

 

「はい、ドーン」

 

バンっと耳を劈くような音とともに放たれたのは何か妙な気を放つ弾丸。ブロリーは飛んできたボールをキャッチするように弾丸を掴み取る。

 

「……は? ハァ!?」

 

一瞬、何が起こったのか理解できず呆然とした男は理解できた瞬間拳銃を連射する。バンバンバンバンと音が響き、飛んできた弾丸をつまみ取るブロリー。五月蝿さに流石にイラついたブロリーは男の元まで跳び

 

「うるせぇよッ!!」

 

「ごァっ!?」

 

顔面を殴り飛ばす。男は勢いよく吹き飛び、壁をぶち壊して森林の奥へと消えていった。

 

「バンバンバンバンっとでかい音を鳴らしやがって、こんな豆粒みたいな鉛で何をしようとしたんだ?」

 

未だ拳銃がなんなのか理解していないブロリーであった。

 

しかし、肝心な事に気づく。あの男にアーシアの場所を聞くのを忘れたのだ。気からして地下深くにいるようだが、教会をウロウロしてようやく階段を発見する。ぶち破って言ってもいいのだが、崩れた瓦礫がアーシアに当たる可能性が考えられるので、割と慎重派のブロリーは階段を駆け下りる。

 

すると、奥にやけにでかい扉を見つける。

 

「あれか! でやァ!」

 

ドンッと音を出して粉々にぶち壊れた扉を飛び越え抜けた先に見えたものは、十字架に吊るされたアーシアにそばにあの堕天使と周りを取り囲むようにいる神父達。

 

「ブロリーさん!」

 

安心したような悲鳴のような声でブロリーの名を叫ぶアーシア。その様子に何かしらやばい事をしているのは確かであった。

 

「アーシア…今、楽にしてやる…ッ!」

 

ダッとアーシアの元へ跳ぶブロリー、そこに髪を編み頬に傷を負ったやけに肌が赤い巨男が立ちはだかる。その身を包んでいるのは親父が生前に着ていた戦闘服に酷似していた。

 

だからなんだ、

 

「どけぇッ!!!」

 

今、ブロリーの頭にあるのはアーシアを助ける事だけであった。服が戦闘服に似てようが肌が赤かろうが心底どうでもいい。邪魔をするならば消し飛ばすのみ。

 

イレイザーブロウを男の腹にぶち込み吹き飛ばす。次に飛び出してきた尻のような頭をした紫の肌のブスでチビな奴が跳んでくる。蹴り飛ばそうと足を振り上げた時後からムキムキのイケメンに脇を締め上げられる。

 

「チィ!!」

 

空中で一回転しチビとイケメンを相打ちさせることでなんとか倒す。すると、今度は完全に人外のメッカメカの奴が殴りかかってくる。

 

「俺の、邪魔をするなァ!!!」

 

イレイザーガンで後ろの神父諸共消し飛ばすブロリー。放った直後で隙ができたのか、何者かのエネルギー波で吹き飛ばされる。

 

「なにィ!?」

 

そのエネルギー波はかなり気がこもっているのか、なかなか消せないブロリー。天井を突き破り、外にまで吹き飛ばされる。そこでなんとか体制を整えて、エネルギー波を蹴り飛ばす。

 

「チィ…どこのどいつだァ? 俺をここまで吹き飛ばす奴は!?」

 

「…ほぅ、まだ生きていたか。流石、俺の部下を簡単に蹴散らした程はある。」

 

「…ッ!?」

 

ブロリーはその姿を見て驚愕する。特徴的なカニ頭に黒い戦闘服、そしてあの顔…

 

「カカロットォ!?!?」

 

 

 

 

 




教会の奥に捕らわれたアーシアを助けるために奮闘するブロリーの前に現れたのはカカロット(孫悟空)!?

しかし、何かが違う!?

次回、クズロット現る!?

前のの後書きに書いた内容と違うだって!? 前の後書きに書いたタイトルと被ってるだってぇ!? 気にするなッ!!


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第11話 クズロット現る!?

やっぱり感想が来るとなんだか気持ちが良くてヤル気が断然出るね! 評価よりも感想が来てくれたらテンションが上がってその日に次回書き始めちゃう。


「カカロットォ!?!?」

 

「ほぅ…そいつを知っているのか……だが、残念ながら人違いだ。」

 

「なにィ!? どう見たってお前はぁカカロットだろぉ!?」

 

確かに要素はカカロットに酷似というか生き写しのように似ているが惜しい…肌の色が鼠色なのだ。グレーなのだ…一体どんな環境に住めばあんな肌になるのか、小1時間ほど事情聴取に取り込みたいが、ブロリーはそんなわかりやすい違いすら見分けられないのだ。ブロリーは顔と特徴的なカニ頭で判断しているのかもしれない。

 

「んんー? 確かにぃ、よく見てみれば肌の色がちょっと違うなぁ?」

 

「ちょっとどころじゃないくらい違うだろ? たく、サイヤ人は何故これほどまでバカが多いのか…」

 

やれやれと頭を抱えて振るカカロットに酷使した男。なんとなく馬鹿にされた気がした(思いっきりしてる)ブロリーはムッとなって問う。

 

「じゃぁ、誰だお前はァ? サイヤ人か? 」

 

「ご名答…俺の名はターレス。カカロットに似ているのは下級戦士はタイプが少ないからな。」

 

「ほう、貴様カカロットと同じ下級戦士か。」

 

「そうだ。貴様も下級戦士の俺を嘲笑うつもりか?」

 

「ふん、そんなものに興味は無い。……同じサイヤ人のよしみだ、そこを潔く退けば見逃してやらんでもないぞ? 俺は優しいからな…フフフッ」

 

「丁重にお断りする。」

 

「チッ…なら、血祭りに上げてそこら辺に埋めてやる。」

 

「まぁ、待て…小僧、俺と一緒に来る気はないか?」

 

「…なに?」

 

「好きの星をぶっ壊し、美味いものを食い美味い酒に酔う…こんな生活は無いぜぇ?」

 

「丁重にお断りする。そんなものに興味は無い。」キッパリ

 

「そうか………ならば、死ねぇぇっ!」

 

ターレスは片手をブロリーに向け連続でエネルギー弾を放つ技サンドストームを放つ。

 

「ふん」

 

ブロリーは全身にバリアーを張り、そのまま真っ直ぐターレスに突進する。サンドストームをバリアで押し退けてターレスに迫る。ターレスは突進してくるブロリーを紙一重で避けて、ドリルのように回転するビームを放つ。

 

「チッ」

 

ブロリーはそれをバリアを解除して避けて、ターレスに迫る。

 

「ォオッ!!」

 

「グッ!」

 

ブロリーの右ストレートを右手で受け止め、ターレスのカウンターの顔面に向けた蹴りをブロリーは左腕で受け止める。

 

そこからパンチとキックの応酬。ターレスの膝蹴りがブロリーの鍛えられた腹筋に当たり構わずブロリーは左ストレートをターレスの顎に叩き込む。続いて両方の右ストレートが交差し両方の顔面に叩き込まれる。

 

ブロリーはそれを気合で痛みを押し退けて怯んでいるターレスに踵落としを叩き込む。

 

「でやァ!」

 

「ごァっ!?」

 

教会の屋根をぶち抜き教会の周りがゴゴゴゴゴと地震のように揺れる。構わずブロリーは追い討ちとしてエネルギー波を放とうとするがあの地下にはアーシアがいることを思い出し食い留まる。

 

教会の中に降り、煙の中を見つめる。ビッとビームが煙から飛び出し、それを首を傾けることで避けるブロリー。

放った衝撃で煙が晴れるとボロボロになったターレスが現れる。

 

「ククククッ……流石にやるなァ…やはり生まれながらのエリートは違うねぇ…」

 

「その言い方…俺を知っているのかァ?」

 

「あぁ…表向きは王家を脅かした大罪人…その実は生まれながら1万の戦闘力を誇ったガキに恐怖してベジータ王と言うチキン野郎に抹殺されたパラガス家…」

 

「…」

 

「今思えばベジータ王がどれほど愚かだったか…これほどの人材を見逃すとはな…」

 

「ふん、それがどうした。そんな事に今更興味は無い。今は、アーシアを助けるだけだァ!!」

 

ブロリーは手を横に置き手の平を広げるあのポーズを取る。

 

「…ッ…戦闘力3億4000万っ!?」

 

ターレスがかけている超高性能スカウターに恐ろしい数値が加算される。

 

「…ハァッ!!」

 

ブロリーの気の圧が周りにも被害を及ぼす。地面にヒビが入りガラスが全て割れ元々ボロボロだった教会が完全に廃墟と化す

 

「…ッ」

 

もうお分かりだろうが皆もご存知超サイヤ人である。しかし、ブロリーは困惑していた。何故かそんなに気が高まらないのだ。ブロリーはこの感覚を知っている…かつて野望に走ったパラガスに付けられたあの…ブロリーは恐る恐る額に手を当ててみる。

 

(わ、忘れてたぁー!)

 

ブロリーの有り余る力は日常生活に支障をきたすため、力の制御を覚えるためしばらく制御装置を付けることを親父に言われていて今日もそれを付けてきたのだ。道理でなんか調子でないなーと思ったよっと思うブロリー。これ、家にあるスイッチでしか開かず、割と頑丈なので力ずくですらのけるのに少々手間がかかるのだ。当然、敵の前でそんなにモタモタするのは愚の骨頂。このまま戦うしかない。

 

「……それは本当に超サイヤ人なのか? 普通は金髪のはずだが…」

 

力を制御されているせいで超サイヤ人時の状態がかなり不安定になっているため金色ではないのだ。そのため何故か青になったり紫になったりと色もおかしい。

 

「…ふん、そんな事どうでもいいだろう…考え事は地獄でゆっくりするといい…ッ!」

 

「…そうだな…お前を倒してからでも遅くない。」

 

「何を言っちゃってるんだお前はァ…超サイヤ人になれない奴がこの俺に勝てるとでも思っているのかァ?」

 

「……いつ、俺が超サイヤ人になれないと錯覚していた?」

 

「なにィ!?」

 

確かに、話の流れからターレスが超サイヤ人になれないといつの間にか錯覚していたブロリー。ターレスは両手を握りしめ、力を溜める。

 

ターレスの出す気で稲妻が発生し、壁に更にヒビが入る。

 

「くっ、ハッ!」

 

ドゥッと金色のオーラがターレスから溢れ出し、その衝撃でターレスの周りにあった瓦礫が粉々に吹き飛ぶ。髪が逆立ち金色に変化する。そう、超サイヤ人である。

 

「どうだ…美しいだろ? もう、俺を二度とドーピング野郎と思わないことだな諸君」

 

「…誰に言っているんだァ?」

 

「気にするな…さァ、続きを始めようか…ッ!!」

 

「この、死に損ないめ…ッ!!」

 

一刻も早くアーシアを助けないといけないのに、何故こんな奴の相手をしなければならないんだと思うブロリー。

 

突撃してくるターレスを迎え撃とうと構えた時、

 

「そこまでだ…!」

 

ボウッと飛んできたエネルギー波が見事にターレスに直撃して、ターレスは吹き飛ばされる。

 

「この声は!?」

 

「待たせたな☆」

 

崩れた瓦礫の上に立っていたのは皆も大好き

 

「パラガスでございます腐☆腐」ェ~

 

「親父ぃ!」

 

「ブロリー、ここは任せろ。」

 

「奴は超サイヤ人だぞ、親父ぃには荷が重すぎる」

 

「このブロリーの親であるパラガスを舐めないで頂きたい、時間稼ぎくらいはして見せよう。さっさとアーシアちゃんを助けるんだ。」

 

「親父ぃ…! 簡単に死ぬんじゃないぞっ!」

 

ドッと飛び出していくブロリー。それに向けて飛んでくるエネルギー波。しかし、それはパラガスによって弾かれる。

 

「なにっ!?」

 

「さて、ショータイムと行こうか☆」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アーシアァァァァァッ!!!!

 

 

「ブロリーさん!」

 

「なっ! アイツ、しくじったのか!?」

 

ブロリーが金色の光を纏い、レイナーレに突撃する。

レイナーレは寸でのところで避けれたと思ったが…

 

「ガァァァアッ!! わ、私の翼がァァァ!!」

 

左の翼がバックリともがれていた。すれ違い様にブロリーがもいだのだ。

 

「次は右を貰うぞ…!」

 

「く…そォ…に、人間の分際でぇ………ッ…フッ…フフフフッ」

 

すると、翼をちぎれた痛みで頭がイカれたのか急に笑い出すレイナーレ

 

「どうした? カラス…とうとう頭イッたのかァ?」

 

「強いわねぇ貴方…まるで本物の悪魔のようよ?」

 

「そうかァ? フフフフッ」

 

悪魔と言われて少し気を良くするブロリー。

 

────しかし

 

「でも───残念だったわね」

 

「なにがrr」

 

「い、いやぁァァああああッ!!!!」

 

アーシアが恐ろしいほどの悲痛な悲鳴をあげる。

 

「アーシア!?」

 

よく見なくてもアーシアの胸から緑色に光る何かが出てくる。

 

「アーシアッ!!」

 

すると、イッセーと金髪のイケメンと白髪のチビが部屋に飛び入る。

 

「いけない! 早く彼女を助けないと!」

 

「どう言う事だ木場!」

 

木場と言われた金髪イケメンが続けて

 

「彼女から出ているのはおそらく神器…神器はいわば魂、心臓なんだ。神器を抜き取るということはいわば心臓を抜き取るのと同じ。つまり」

 

「アーシアが死ぬ!?!?」

 

「アーシアが…死ぬ…?」

 

死ぬ…死ぬという事は二度と会えない…あの笑顔を二度と見れない、二度と遊べない。

 

「させるかァァァァァァァァッ!!!!」

 

今までにないほどに加速して瞬きをする間にアーシアの吊るされている十字架を破壊し救出する。アーシアを優しく抱きとめる。

 

「ぶ、ブロリー…さん…」

 

「アーシアッ! 大丈夫だァ! 絶対に簡単にはしなさんぞ…ッ!!」

 

「褒めてあげるわ…人間の体で良くぞそこまで…───でも、残念ながらもう手遅れよ」

 

「なにィ!?」

 

ブロリーはアーシアを優しく抱き寄せ、空いた手に気を集める。こんな雑魚、これで十分だと思った次の瞬間

 

「い、いやぁぁぁぁぁ!! ブロリーさん! ブロリーさんッ!!」

 

「なにィッ!?」

 

───アーシアの胸から淡い緑の光がこぼれ落ちるようにアーシアの元から離れていく。ブロリーはそれを掴もうと必死に手を伸ばしたが、それが届くことは無かった。

 

「ふふふ…アーハハハハハハッ! これよこれぇ! これぞ、私が長年求めてきた力! 至高の存在になるための! 最高のッ!!」

 

「それを返せぇぇぇッ!!」

 

ダッと飛び出したブロリーだが、突然壁が崩れさり、そこから吹き飛んできたのはパラガス。それはブロリーに直撃しようとしていた。しかし

 

「邪魔っ!」

 

「DOOR!?」

 

ブロリーによって蹴り飛ばされ、レイナーレに吹き飛んでいくがサラリと避ける。

 

「ひ、酷い…」

 

次に飛んでくるはターレス。

 

「邪魔するぜ!」

 

「本当に邪魔ァァ!!」

 

ターレスのパンチを紙一重で避けてラリアットで吹き飛ばす。

 

「それを……ッ!?」

 

ターレスを吹き飛ばし、レイナーレに向き直った瞬間であった。

 

 

 

 

 

 

 

────アーシアの光が消えた。




アーシアの霊圧が消えた…!?

よっオッスオラブロリコン。最近シリアスばっかで面白くないなーと思ったそこの読者諸君、残念ながらもうしばらく続くんだよなこれが

アーシアの光が消えた、それはアーシアの死を意味する。悲しみと憎しみと怒りに燃えるブロリー、その先に見出すものとは…ッ!?

次回 もしもブロリーがハイスクールDxDの世界に転生したら

第12話 伝説の目覚め

ぜってぇ見てくれよな!


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第12話 涙

ブロリーのヒロインはアーシアで確定だなこれ…勢いだけで書いたのでいつの間にかこうなっていたお…まぁ、アーシアは個人的に2番目に好きなので書いてて楽しいですけども…え? 1番? そんなの小猫ちゃんに決まってるじゃねぇか(ロリコン)

小猫ちゃんは俺のモノだァ! イッセーにもたとえブロリーにも渡すものかァァッ!!!!(救えないロリコン)

あ、ちなみに今更ですがブロリーの服装は白いTシャツに腰に赤いジャージを巻き白いズボンというめっちゃあの服に似た感じです。

そして、今回も次回予告とは全く違うサブタイトル。次回予告と一緒のタイトルとは言っていない。


アーシアの光が消えた……

 

「ぷ…フフフフッ…残念でしたぁぁぁぁ!」

 

レイナーレが馬鹿にするように…いや、馬鹿にしてケタケタと笑いこける。そして、レイナーレの頬にイッセーの神器が貫く。

イッセーとは思えないほどの力でレイナーレをぶん殴り、レイナーレは衝撃に耐えきれず、壁にぶち当たる。

 

「てめぇッ!!」

 

イッセーが激怒して怒鳴る。アーシアの光が消えた…それはつまりアーシアの神器レイナーレが奪ったという事だ。

 

「クククハッハハハハハッ!! 凄いわ! 致命傷の傷がみるみる治る!! これが聖母の微笑み(トワイライト・ヒーリング)の力ッ!!」

 

「ァ、ァ、アーシア……ッ」

 

ブロリーはおぼつかない足取りでアーシアの元へ歩いて行く。アーシアは、息が絶え絶えで今にも死にそうであった。ブロリーはアーシアのそばに寄り添い抱き上げる。

 

「はぁ…はっ…ブロリーさん…怪我…してますよ…?」

 

アーシアはブロリーの怪我をしている腕に手を当てる……しかし、何も起こらなかった…。

 

ブロリーの中でポッカリと穴が空いた気がした。いや、しているのだ…現在進行形で…

 

「………」

 

守れなかった…それは何故か? ターレスやレイナーレが強かったから? いや違う。あいつらはハッキリ言って雑魚であった。力が制限された状態でも十分瞬殺できた。なら何故か…それは、自分が甘かったから…。 心のどこかでこんな奴に負けるはずがないと慢心して、そのせいで無駄に時間を過ごした。そのせいでアーシアが苦しんだ。アーシアは自分とは真逆だった…優しくて穏やかで何より笑顔が輝いていた。

 

だが、今はどうだ? あの輝きが暗闇に覆い隠され、身を蝕む苦痛を無理に押しのけて笑っている。そこに前の輝きは微塵も残されていない。自分の不甲斐なさに怒りを覚える。

 

「ブロリーさんの、せいじゃないです………」

 

アーシアの無理して出した精一杯の笑顔が、余計にブロリーの心に刺さる。

こんなところにアーシアを置いてはいけない。もっと安全な場所に運ばなければ、そう思ったブロリーは真上に空いた外に繋がる風穴に向かって飛ぶ。そこにおそらくレイナーレの光がブロリーに向かって飛んでくる。ブロリーはそれをバリアで防ごうとしたが、

 

「ブロリー! お前はアーシアを連れて先に上に行け! 俺はこいつをぶっ飛ばしてアーシアの神器を取り返すッ!!」

 

「そうだね。色々と聞きたいことはあるけど、まずはあの堕天使を倒して彼女の神器を早く取り戻してあげないと」

 

「…あいつなんか腹立つ。」

 

その光をイッセーが撃ち落とし、口々にブロリーにそう言葉掛ける。1人ブロリーに向けてじゃないが混ざっていたが気にしない。

 

「……はい…」

 

ブロリーはそう言うしかなかった。

 

 

──・・・・

 

 

ブロリーはボロボロになった教会のまだ無事なところにひっくり返った椅子を戻してアーシアを寝かせる。

 

神器抜かれたとてまだ息はある。ブロリーはパラガスに昔教えて貰った気を使った応急処置を行う。

 

「死なせて…たまるかァ!」

 

アーシアに手を当て、気を与える。少しずつ気をアーシアに与え、乱れている気をただし、枯れている部分を自分の気で補う。

ブロリーは今、かつてない程に集中していた。

 

「ブロリー、さん……」

 

「アーシアっ! 今助けてやる! まだ可能性はある! この俺が言うんだから間違いないッ!! だから、そんな情けない顔を見せるなっ!」

 

アーシアの身体が緑色に光り、気は安定してきている─────しかし、安定はしているも全く回復せずむしろ少しづつ減っていく始末である。

 

「くそぉ…家に帰れば回復するPODがあるのに…」

 

ここから家までアーシアをそっと運ぶのには相当時間がかかる。家に着くまでにアーシアが力尽きてしまうのはブロリーでも分かった。あのメディカルマシーンを持ち運んでいたらまだ何とかなったはずなのに…。タコの科学力の進歩の遅さにイラつくブロリー。

 

「私は………少しの間でも、初めての友達が、、出来て、幸せ…でした……」

 

「何を言っちゃってるんだアーシアッ!!」

 

急に死亡フラグの詠唱を呟き始めるアーシアに怒鳴るブロリー。しかし、ブロリーの脳内ではアーシアの思い出が走馬灯のように流れてきた。

初めてあった時、正直ちょっと見惚れたこと

 

2回会った時は何故かまさかの人生初のデートになった。───全てを楽しそうに笑って、初めて映画を見て興奮して、初めてハンバーガーを食べて喜んで、自分の過去を話してくれて……そして、垣間見るアーシアの笑顔は控えめに言って天使だった。

 

アーシアと過ごした時間はイッセーと過ごした時間よりも本当に少しだった。だけど、破壊しか脳がない自分とは違ってアーシアは……アーシアの笑顔はここで失われていいものではないッ!!

 

「少しの間だと……? ずっとだッ!!」

 

瞬きすら忘れ、ブロリーはアーシアの回復に専念する。しかし、その効果は未だに出ていない。

 

「また遊びに行くんだよォ!! 次は…えっと……どこにだって連れて行ってやるッ!! 友達も……いや、ダメだな。 」

 

思えばブロリーはこの街もそれ以外も全く知らず、どこへ連れていけばいいか分からなかった。他にも友達を紹介しようにも、自分の友達はイッセー3人組しかおらず悪影響しか与えないクズどもであった。その現実に別の意味で絶望しそうになるが、今はその考えを消してアーシアの呼びかけと回復に専念することにする。

 

アーシアは今まで楽しい思い出は指で数えられる程度しかなかったはずだ。ならば、これから辛い記憶を忘れるくらい楽しい記憶で埋めつくしてあげたい。

 

また一緒に遊びに行きたい。そんな事、昔では考えられないことであった。今までの殺戮と破壊と復讐の日々を忘れさせてくれるのはイッセーやアーシア達、友達であった。

 

その友達の1人であるアーシアを死なせることは絶対にあってはならぬことだ。

 

─────たったそれだけの願いなのに…どうして叶えてくれねぇんだよッ!!

 

「わた、そのために……泣いて、くれるんですか…?」

 

ブロリーの頬に流れる一筋の粒が流れ落ちる。目元が熱くなり、視界がボヤけて集中できなくなる。なんだ、これは……これが涙?

 

アーシアが震える手でブロリーの頬を撫でる。

 

「こんなにも、いい人が……私の友達。……もしもブロリーさんと、一緒の国に生まれて……一緒に学校に通えたら──」

 

「通うんだよッ! 通わせてやるよッ! 親父ぃが金を払ってアーシアを学校に入れてやるよ! 一緒に飯食って! 一緒に住ませてやるッ!! 俺、親父ぃを頑張って説得してやるッ!!(物理)」

 

ブロリーは世界の理不尽さに歯噛みする。何故、アーシアが苦しむ必要がある? 苦しむのは俺だけで十分なはずだ…ッ!

 

アーシアは十分苦しんだはずだ…なのに、何故今も尚苦しまなければいけないッ!!

 

ブロリーは心の中でそう叫んでいた

 

「ブロリー、さん───ありがとう…私なんかのた、めに泣いて、くれて…」

 

「アー、シア?」

 

ブロリーはアーシアの気がどんどん小さくなっているのに気づく。ブロリーとアーシアの気は不幸にも全く同調しておらず、同調していない気を無理に押し込むと余計アーシアを苦しませてしまう。そういうことをパラガスに習っていたので少しづつアーシアの気にならしていたが、全く馴染むどころか受け付けてすらいなかったのだ。

 

理科室の勢いの強い水道のように流れ出るアーシアの気。ブロリーの配分が全く追いついていなかった。

 

「助けてくれてっ、ありが、とう…ッ」

 

「何を言っちゃってるんだアーシアッ 俺はまだアーシアを助けてなんかいないッ!」

 

ブロリーが泣きながらそう言うも、アーシアは首を横に振る。

 

「いいえ……救われました……今もこうして、私の傍にいてくれる、ブロリーさ、ん……───今まで私の傍にいてくれた人なんて、いなかっ…たんです……っ」

 

ブロリーの頬に触れていたアーシアの手が、落ちる。ブロリーはその手を片方の手でとっさに掴み、ブロリーは優しく…しかし、離さないように強く握り締める。

 

「初めて、だったんです……あんな本音を、言ったの。……それを、…自分、のことみたいに、きいてくれて……励まして、くれて───私は、救われたんです…ッ」

 

「アーシア……」

 

「ああ、主よ。……あなたは、最後に……私に、とても大切な、思い出を……くれたんですね…?」

 

「なにを…何を言ってるんだアーシアッ!!」

 

もはやブロリーは頭の中がぐちゃぐちゃになりはじめてきた。止まない涙が顔をぐちゃぐちゃにし、アーシアの頬にブロリーの涙が零れ落ちた。

 

「あたた…かい、です……嬉しいです、ブロリー、さん────私を、こんなに大切に思ってくれて……」

 

「そうだ、そうだよォッ!! アーシアはッ俺の大切な人間だッ!! 」

 

「……ありが、と…ブロリー、さん───それだけ、で…私は、幸せ、……なんで、す…」

 

───アーシアの力が抜ける。目を瞑り、まるで安らかにって言いたいようである。

 

「さいごに、お願い、してもいい、です、か…?」

 

「ッ……いいだろう」

 

最後、その言葉がブロリーに深く突き刺さる。その返事をするブロリーの声はかつてない程に震えていた。

 

「おねがい、します……もう、泣かないで……ブロリー、さん…えがおで、いて……?」

 

「笑えねぇよッ こんな事で…笑えねぇ…よッ」

 

もう、ブロリーの声に力が籠らない。初めてであった…こんな気持ちは…

 

「だめ、です……わたし、…未練で…お化けに…なっちゃ、いま…す……」

 

冗談めかすアーシア……気も確実に小さくなり、握っている手がどんどん冷たくなっていく。

 

「ね、ブロ、リーさ、ん……もしわたしが、うまれかわっ…て、その時…もしちかくに、あなたがいたら…」

 

「…ッ──…ッ!!」

 

「───きっと、しあわせ、なんでしょう……」

 

決まっているだろう…その言葉すら、喉が詰まって言えない。

 

アーシアの声がどんどんと気薄になってゆく…

 

「あは、は…そんな、夢物語…無理…ですよね…」

 

「───無理じゃねぇよッ!!」

 

ブロリーは喉の詰まりを押しのけてそう叫ぶ。もし、転生できるのならばあの神のところに押しかけて無理やり転生させてやる…そう確信を持った叫びであった。アーシアは少し目を丸くした後、笑顔を見せる。

 

「あり、がとう…ッ」

 

アーシアは目から涙を流し、次第に優しい声音が小さく…気も小さくなってゆく…

 

 

 

そして………──────

 

 

 

 

 

 

「───────大好き、です」

 

 

その声を最後に…アーシアの気は完全に消えた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最近にYouTube見てたらいつの間にか10時くらいになっているという事件が多発していてハーメルンで書くこと忘れてしまう。しかも、来週中間テストなので勉強せんといかんし……

まぁ、しても国語以外は欠点の自信がある。ヾ(・ε・。)ォィォィ

それはさておき、次回予告といきましょう。

ブロリーの奮闘も虚しく息絶えてしまったアーシア……アーシアを失った悲しみと奪った奴らへの憎しみ…そして…

次回 第13話 伝説の目覚め

ぜってぇ見てくれよな!



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第13話 伝説の目覚め

お気に入り登録数が26で止まっている事にブロリストとして喜べばいいのだろうか……10話以上投稿してブロリー好きが増えない現実に哀れみを覚えればいいか…

まぁ、それは置いといて遂に覚醒するぜ…奴が…ッ!!

ブロリーとハイスクールDxDの二次作品「もう1人の孫悟空が転生したら」この後すぐ!




 

 

ドゴォンッ!!

 

ボロボロだった床が砕けて吹き飛んできたのはイッセー。ブロリーの元まで転がってきた。受け身を取らずに落ちたので、落ちた時に空気を吐き出して悶絶している。その腕に付けている赤い篭手がなんかさらにカッコイイデザインに進化している。

 

あ、死んだ(気絶)

 

続いて穴からレイナーレとターレスが飛んで出てくる。ターレスの腕にはイッセーと一緒にいたイケメン君とロリが掴まれていた。ターレスは2人を雑に放り投げ、ピンポイントにイケメンとロリの順番でイッセーの上に落ちてきて、イッセーにダイレクトアタックする。なにか恨みでもあるのだろうか。

 

「あら? あなたまだいたの?」

 

すると、レイナーレはブロリーに気づいて声を上げる。続いてレイナーレはスヤァと眠っているアーシアに気づいた。

 

「あら、もしかしてアーシア死んじゃったの? ざまぁないわねぇww」

 

(俺も言えたものじゃないが、こいつも相当だな…まぁ、身体は悪くない。後でじっくり楽しませてもらうとするか…)

 

ターレスがレイナーレにいやらしい視線を向けるが、気にせずレイナーレは続ける。

 

「見てよ、この傷…そこのイケメン君にやられたのよ。でも、アーシアの素晴らしい治癒の力で…ほぉらこの通り……本当に素晴らしい力だわぁ」

 

その言葉にブロリーの耳がピクっと反応する。そうだ、アーシアはこいつのせいで死んだんだ…こいつのせいで…

 

ブロリーの中で行き場のない混濁した感情の行き先がレイナーレに向いてしまった。理性と言う錆びた鎖が今まで我慢していた気が噴火寸前のマグマのように溢れ出す。

 

「ヴヴヴ……」

 

ブロリーはゆるりと立ち上がる。その残り僅かな理性によりアーシアとイッセー達にバリアが張られる。これから起こる事に巻き込まれて傷がつかないように…

 

「白目剥いてるけど、あなた大丈夫? アーシアが死んだせいでおかしくなった?」

 

あぁ、おかしくなった。殺意と破壊の衝動が爆発しそうである。その憎たらしい顔にぶち込んでぐちゃぐちゃに引き裂いてやりたい。

 

だが、アーシアはそんな事を望まないだろう。あの馬鹿がつくほど優しいアーシアはこんな屑でも見捨てない清らかで透き通った水のように優しい心を持っている。

 

だが、

 

「アーシアが許しても……俺が許さんッ!!」

 

怒りと憎しみと悲しみの感情のボルテージが崩壊し、無意識に超サイヤ人になる。

 

「ヴヴヴ…ウォォォ…」

 

しかし、それだけでは終わらなかった。なお、高まれせ続けるブロリー。緑のオーラが眩しいほど教会全体を照らす。ゴゴゴゴゴとブロリーの発する気によって軽い地震が起こる。

 

「ン”ン”ン”ン”…ウア゙ア゙ア゙ア゙ア゙…ウォォォォォァァァアアアアアッ!!!!」

 

遂に急激に高まった気が爆発し、開放された緑色の気が教会を吹き飛ばす。

 

「キャッ!?」

 

「くっ!?」ボンッ

 

ブロリーの気によって耐えきれず吹き飛んだレイナーレになんとか耐えたが計測しきれないブロリーの戦闘力にターレスのスカウターは爆発した。

 

「なんだ!? 超サイヤ人とは何かが違う!?」

 

気の爆発が収まり、緑色の光が晴れて見えたのは

 

全身の筋肉が膨大化し、Tシャツは吹き飛び逞しい筋肉が存在を主張する。身長が3m近くになり、緑がかった金髪に緑がかった黄金オーラを発し、眼が白目を向いた状態になっている。果たして前は見えているのだろうか。

 

「なに!? なんなのアイツ!?」

 

「なんだ!? この化け物はっ!?」

 

レイナーレとターレスは直接戦闘力が分からずども馬鹿みたいにでかいプレッシャーを感じていた。

 

「俺が化け物……?」

 

すると、ブロリーはその顔をレイナーレとターレスの方に向ける。

 

「違う…俺は悪魔だァッ!!」

 

その言葉と共にブロリーはターレスの元へ飛ぶ。

 

「速いッ!?」

 

ブロリーはそのマルタのような剛腕を振り上げる。

 

「ダッ!」

 

ターレスはエネルギー弾を放ってひるませようとするが、それをものともせずブロリーはそれを振り下ろす。

 

「──っ!?」

 

声も上げることなくターレスは森林の奥へと吹き飛び、上空でも分かるくらいのクレーターを作り上げた。

 

「さて…」

 

ブロリーはレイナーレの方を見ると、レイナーレは赤色に光る槍を振り上げていた。

 

「これでも、くらってなさいッ!!」

 

その槍をブロリーに向けて投げたレイナーレ。それをブロリーは避けようともせず、その身に受ける。

 

「ふははっ! バカねぇッ! 私の光は並の堕天使より濃度が高いのっ! 悪魔は勿論、人間風情が喰らえば───」

 

「なんなんだァ? 今のはァ…?」

 

レイナーレの投げた槍は確かにブロリーに当たった…しかし、当たっただけで突き刺さることなく、ブロリーを傷つけることなく止まっていた。それは、ブロリーがちょっと気をオーラとして出すと耐えきれずに消滅する。

 

「ば、馬鹿な!? あなた、本当に人間!?」

 

「違う…俺はサイヤ人です」

 

「何よそれ!?」

 

レイナーレがブロリーを見る目が完全に化け物を見るソレであった。ブロリーがレイナーレに近づこうとすると、レイナーレも距離を置く。

 

「フフフッ…どこへ行くんだァ?」

 

「逃げるんだァ…勝てるわけないッ!!」

 

レイナーレは翼を広げて、逃げようとするも、翼をブロリーに掴まれる。ブロリーはレイナーレの翼の根元を持ち

 

「下劣な人間風情がッ至高の私の翼に──」

 

「フンッ!」

 

膝で蹴り上げて、翼を根元から引きちぎる。

 

「ギャァァァァァァアアアッ!!!」

 

レイナーレの絶叫が響くも、ブロリーは気持ちのいい音楽を聞くようにそれを聞く。落ちようとするそれの頭を鷲掴みする。

 

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛あだ、あだまがへごむぅッ!! 」

 

「どうだ屑? アーシアの痛みはこんなものじゃないぞ?」

 

「ゆるじてぇっ! おねがいしまずっ! だずげでェッ!」

 

ブロリーはその命乞いを無視してアッパーカットを叩き込む。

 

「へぶぅ!?」

 

その声とともに真上に空高く吹き飛んでいく。すると、ブロリーの背中にエネルギー弾が放たれる。

 

なんだと後ろを見ると、ターレスが超サイヤ人になって構えていた。

 

「チッ、虫けらめ…大人しく死んでいれば痛い目に遭わずに済んだものを…」

 

「くらえッ!! 」

 

ターレスは真ん中に輪っかができたエネルギー弾のようなものを放つ。

 

「無駄な事…今、楽にしてやるッ!!」

 

ブロリーはそれをイレイザーキャノンで迎え撃つ。ブロリーのイレイザーキャノンはターレスのエネルギー弾をものともせずにターレスに向かっていく。

 

「馬鹿な!?」

 

イレイザーキャノンはターレスに迫り、ギリギリなんとか避けてみせるターレス。しかし、

 

「もう一丁ッ!!」

 

もうひとつのイレイザーキャノンが迫り、見事に命中した。

 

「ア"ア"ア"ア"ア"ッ!!」

 

ターレスの絶叫が響き渡り

 

 

デデーン

 

 

 

「さて、」

 

ビューンと落ちてきたのは先程飛ばしたレイナーレ、それは教会だった場所に落っこちて、見事に床をぶち抜いて地下まで落下する。凄まじい落下音が響き渡り、辺りは地震のように揺れる。

 

「………」

 

あれ、死んだな…もう少しサンドバッグにしようとしていたブロリーは見るからに残念そうであった。

 

 

 

 

 

 

 

ブロリーは眠っているアーシアの傍に近寄る。伝説の超サイヤ人の状態を解くのすら忘れ、ただ起きた現実に囚われていた。

 

────ブロリーの足元に、大粒の涙が止めどめなく落ちる。手で拭ったとしても、それは止まなかった。

 

レイナーレを倒した。それがなんだ? アイツを殺したところでアーシアが喜ぶことも帰ってくることもない。

 

ブロリーの真っ白な眼球の隙間から止むことなく涙が溢れ出し、声にならない嗚咽を漏らしながら………泣くことしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───泣か、ないで…ブロリーさん

 

 

 

 

 

 

 




テスト期間なのに書いちゃう衝動! 提出物終わらない絶望ッ!!

大した次回予告が浮かばないので今回は次回予告無しで(元々当てならない)


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第14話 一件落着

シリアス回もこれで終わりを迎えます。多分シリアスはこれで最後と思う。やっぱりギャグがあってこそのブロリーMADだと俺は思うんだよ。斜め上な発想で笑いをとる…そんなブロリー小説を…誰か書いてほしい







確かに聞こえた。

馬鹿な、アーシアは死んだはずだ。自分の目の前で確かに…疲れているのだろうか。確かに最近伝説の超サイヤ人になってないしトレーニングもサボりがちだったから急な変身に身体と頭が疲れているのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

「ブロリー…さん…」

 

「ッ!!」

 

幻聴ではなかった。アーシアは確かに目を開けて自分の名を呼んでいた。

 

「アーシアッ!!」

 

はっとブロリーはここで気づく。アーシアは確かに生きているがまだ神器とか言うやつが奪われたままである。このままではアーシアが死んでしまう…と思ったブロリーはレイナーレが落ちた穴に秒で向かう。

 

「アーシアの神器を返せぇぇぇッ!!」

 

「ファッ!?」

 

どうやらレイナーレはまだ息があるようであった。あの攻撃を受けてまだ生きているレイナーレのしぶとさには敬服せざる負えない。

ボロ雑巾のようになったレイナーレをズカズカと叩きレイナーレに神器を吐かせようとする。

 

「やめてあげてッ! その堕天使のライフはもうゼロよッ!!」

 

と、赤い髪をした美女がレイナーレをボコるブロリーを止める。後にはポニーテールの美女もいる。

 

「俺に…命令するな…ッ! こいつがアーシアの神器を吐く意思を見せなければ、俺はこの星を破壊し尽くすだけだァ!」

 

「落ち着けブロリー…」ピロロロロ

 

「親父ぃ! 生きていたのか!」

 

「生きていたのだよ。それより、その堕天使がもしアーシアの神器とやらを持っていたら、その傷は既に回復しているのであろう? 何故しない?」

 

「……ん?」

 

「し、知らないわよ! 神器があったらそのおっさんの言う通り全身の傷も 少しマシにできるもの!」

 

「なんだどぉ!?」

 

という事はレイナーレは神器を持っていなかった…? いや、違う。それならば、レイナーレが自慢げに自分の傷を治して見せた説明がつかない。という事はレイナーレは持っていたが、瀕死の傷を負い何らかの理由で所有権が奪われた。ブロリーが思考回路を限界まで回してたどり着いた答えであった。気のせいか頭から煙が吹き出している。

 

「上に戻るぞブロリー。」

 

「…はい」

 

頭が冷えて冷静になったブロリーは伝説の超サイヤ人が解けて、通常状態に戻った。そして、パラガスとともに穴から出てアーシアの元へ向かう。上に戻るとアーシアは椅子から起き上がりもたれ掛かるように座っていた。

 

「ブロリー、さん……ッ」

 

震える足で立ち上がろうとして転けそうになったアーシアをブロリーは高速移動で向かいアーシアを支える。

 

すると、アーシアはブロリーのかすり傷に手を当てる。そして、アーシアの手から淡く緑色に光ってブロリーの傷を直した。

 

「おぉ!! アーシアの神器が戻っているぞォォォォォッ!!!!」

 

「おぉぉッ!!!!」

 

「はいっ! ブロリーさん!」

 

アーシアの神器が戻っていることに興奮したのかブロリーといつの間にか目覚めていたイッセーが雄叫びをあげる。

 

しかし、何故生きているのか…それはブロリーが最後まで気を送り続けた事であった。そのおかげでアーシアは死ぬではなく仮死状態となって生きていたのだ。そのせいで気が感じ取れないくらい小さくなり、ブロリーは死んだと勘違いした。

 

「ここまでいろいろあったがこれで、一件落着だな。それにしても、あのカカロットそっくりなサイヤ人は一体何なのか…いや、その前にこの世界にサイヤ人などいるのか?……まさか、奴があの神が言っていたバグという存在なのか…?」

 

パラガスは思考を巡らせ、これはなかなか骨が折れそうだと思ったパラガス。

 

「そう言えば、ブロリー。」

 

「はい」

 

「あの、カカロットそっくりなサイヤ人はどうしたのかね?」

 

「……誰だァ? そいつはァ?」

 

「いや、あの黒いカカロットの事だ」

 

「………あっ…そいつならさっきデデーンしたYO☆」

 

「……ゑゑゑゑゑゑッ!?!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日談

 

あのあとレイナーレはあの赤い髪の奴に殺られたようである。ブロリーは自分の手で殺したかったが、まぁ取られたなら仕方ないと割り切った。その後、アーシアはリアス・グレモリーと名乗った赤い髪の女に預けるということになった。勿論、何処の馬の骨ともわからん奴に預けるのは信用ならんとブロリーは反対したが、パラガスがなんとか説得してブロリーが折れた。アーシアに何かしたら跡形もなく消し飛ばしてやると釘を指したので大丈夫だろう。

 

そして、いつものような学校生活に逆戻りである。正直、勉強より修行がしたいが時に学ぶことも大切だとパラガスに言われたので来ているに過ぎない。ほとんど寝ているが……

 

「今日、外国から転校してきたアーシア・アルジェントさんだ! この通り、JAPANに来て間もないらしい。諸君、仲良くしてくれたまえ。」

 

金髪碧眼、素晴らしい美少女で癒しのオーラを常時放っているアーシアが笑顔で立っていた。

 

「「─────ゑゑゑゑゑゑゑゑッ!?!?」」

 

ブロリーとイッセーは声を出して驚いてしまう。それもそうだ、昨日死にかけた人が何食わぬ顔で転校してきたのだ。驚くなという方が無理な話だ。

 

「それではアーシア君、自己紹介を」

 

「えっと……紹介にあずばにゅ────」

 

(((((噛んだ……可愛い…)))))

 

「うぅ……私はアーシア・アルジェントと申します! JAPANに来て日が浅いですが、皆さんと仲良くしたいです!」

 

アーシアはニコッと笑って言い終わったがクラス全員思った。

何故日本だけ英語なんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 




悪魔伝々は次回で、別に手抜きじゃないよ?


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第15話 俺が悪魔だァ!

今日はテストでした。全く分かりませんでした。欠点かもしれない。僕、頭悪い。


アーシア転校生事件の放課後、ブロリーはアーシアとともにイッセーと木場にオカルト研究部まで連行されていた。

旧校舎の奥にぽつんとオカルト研究部と書かれている扉を開けるとソファーに白い髪の子と校長とかが座ってそうな椅子に座っている昨日リアス・グレモリーと名乗った美女と横にポニーテールの美女がニコニコ顔で立っていた。

 

そして、何故かパラガスがいる。

 

部室の中は魔法陣があったり意味のわからないものが多数置かれていて、まさにオカルトのような部屋であった。ブロリーとアーシアは物珍しそうにキョロキョロとしている。

 

「来たわね。適当に座ってちょうだい。今、朱乃がお茶を入れるから。」

 

ブロリーとアーシアは空いているソファーに座って、ブロリーはとりあえずパラガスがいることに突っ込む。

 

「親父ぃ、なんでここにいるんだァ?」

 

「俺もここに呼ばれたのだよ。」

 

ブロリーとアーシアの前の机に二つのカップが置かれる。

 

「では、冷めないうちに…」

 

「い、頂きます」

 

ブロリーとアーシアがお茶を1口飲み、少しだけ間を開けて話に入る。

 

「ブロリー…君?」

 

「呼び捨てでいいよ☆」

 

「じゃあ呼び捨てで呼ばせてもらうわ。 だいたいの話はアーシアから聞いたわ。けれど、私はあなた達に聞きたいことがあるの。」

 

「いいだろう。」

 

「わかった。」

 

ブロリーは堂々とした態度で頷き、パラガスもブロリーの横に座って頷く。

 

「ありがとう。 あなた達は……人間なの?」

 

リアス達は全部を見た訳では無いが、おそらく上級悪魔を軽々と葬ってしまう程の魔力を放っていたターレスと互角以上に戦っていた。最後に至っては一方的にボコっていたのだ。そして、ブロリーは変身するのだ。髪が変色し、筋肉が膨れ上がって白目の大男に変身する人間が果たしているのだろうか? 肉体強化型の神器でもここまでの変化を果たすなんて聞いたことがない。

 

そして、極めつけはターレス以上のあの力。おそらくあの大男の形態だと自分の兄であるサーゼクスにも匹敵するかもしれない。つまり、魔王級なのだ。そんな馬鹿みたいな人間が存在するのだろうか? あの力は神器のものではなかった…生身だったのだ。生身で魔王に匹敵するかもしれない人間がこの学校に通っている…正直、暴れられたら溜まったものじゃない。

 

「俺が人間? …違う、俺はあくrs」

 

「サイヤ人でございます」

 

「サイヤ…人? それは部族名かしら?」

 

「そうだ。 しかし、ただの部族では無い。私達は君達で言う宇宙人だ。」

 

「「「「ッ!?!?」」」」

 

「「ゑゑゑッ!?!?」」

 

リアス達は息を飲んで驚き、アーシアとイッセーは声を出して驚いた。まさか、自分と変わらないような友達が宇宙人なのだ。驚くなという方がおかしい。イッセーは確かに自分と同年齢にしてはすごくマッチョな気はしていた。

 

「本当なんですか? ブロリーさん?」

 

「…はい…」

 

パラガスも流石に隠すことはできない。変身する人間なんてどう言い逃れすればいいのだとここに来てずっと考えていたが、子供の苦しい言い訳程度しか思いつかなかった。

 

「宇宙人…いるとは信じていたけれど…まさか…人と同じような姿をしていたなんて」

 

「俺達サイヤ人は戦闘民族だ。この姿が戦闘に最も適した姿と考えるのが、上等だろう。」

 

「…その、サイヤ人というのはどういう民族か…良ければ教えてくれる?」

 

「…サイヤ人は元々宇宙のならず者であった。その脅威的な力をいい事に環境のいい星を見つけてはその星に生きている者達を皆殺しにし、宇宙をさ迷っている民族に提供して商売をしていた。要は星の売買をしていた民族だ。」

 

「……まさか、あなた達も…?」

 

「勘違いするな。それが目的なら既に地球人は存在していないだろう。ブロリーの力があればこの星の人間を一掃することくらい容易いからな。その気になれば簡単にこの星を消し飛ばすこともできる。」

 

「「「「「…」」」」」

 

それ程までにそのサイヤ人というのは脅威的なのか…その事実に戦慄するリアス達。

 

「サイヤ人というのは生まれた時から凶暴で残忍かつ冷酷な性格をしている。勿論、私のような例外もいるがな腐☆腐 …そして、昨日いた黒い肌をした男は間違いなくサイヤ人だった…。」

 

「なんですって!?」

 

敵にとんでもない種族の1人がいることを言われ、動揺するリアス達。

 

「心配するな。あいつはこの俺様が\デデーン/しておいたから」

 

「そ、そう。」

 

「昨日ブロリーが見せた変身はサイヤ人が限界を超えた形態、超サイヤ人(スーパーサイヤ人)だ。」

 

超サイヤ人(スーパーサイヤ人)?」

 

「その変身をすると、凄まじいパワーアップを果たす。」

 

「…」

 

めちゃくちゃすぎる。ただでさえ強いのにパワーアップなんてできる民族ってなんてハイブリッド? パラガスも細かい説明などは省いて簡単な説明だけをした。別にいう必要は無いし。

 

「サイヤ人についてはこのくらいでいいだろう。今度はそちらの番だ。」

 

「え、ええ。話してあげる…みんな」

 

リアスの合図とともにアーシアとブロリーパラガスを除く全員が背中からコウモリのような羽を生やした。

 

「その前に私達の正体を教えてあげる…私達は悪魔なの。」

 

「なんだどぉ!?」

 

「…なるほど、堕天使の次は悪魔か」

 

「えぇ。宇宙人よりもインパクトはかけるますが…」

 

「いや、かなりインパクトはあると思うぞ…主にブロリーに」

 

ブロリーは心の底から驚愕した。自分を悪魔と呼ばれてブロリー自身も悪魔という異名は自分でも気に入っていた。しかし、まさか目の前に本物の悪魔が現れしかもまさか、あのイッセーまで悪魔だったのだ。ブロリーのショックはアーシアの死亡の次にも昇る。

 

「これが悪魔だどぉ……違う…俺が悪魔だァァァァッ!!」

 

自分の中の悪魔像が崩れた怒りとなんか恥ずかしいという感情が高まり急激に気が上昇する。

 

「お、落ち着けブロリーっ! 静まれゑゑゑッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

10分後

 

「落ち着いた」

 

「…」

 

そこにはボロボロに倒れ伏せたパラガスとバリアで保護されたアーシアとボロボロになった部室が広がっていた。




部員は部室の外に避難した模様。

おっすオラブロリコン! アーシアも無事に戻り平穏を取り戻したブロリー。そして、オカルト研究部の部員として招かれ変わらぬ日々を過ごすブロリー、ある日部室でゴロゴロしているとイッセーにある提案が出される。

次回 第16話 自称悪魔 使い魔を取る

ぜってぇ見てくれよな!


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番外編 自称悪魔 使い魔を取る 前編

今回、16話にしようかなと思ったけど、番外編でいいやと思って番外編にしました。番外編に本気を出す男ってどう思いますか?


今更だけど、俺の語彙力の低さやばくね?


 

 

あの至高の堕天使(笑)がアーシアを殺してブロリーガチギレ事件から既に数日がたった。この間で変わったことを説明しよう。

 

まず、アーシアがブロリー家に引っ越してきた。元々身寄りのなかったし、ここに来て住んでいた教会は誰かさんにほとんど崩壊されており、実質ホームレス状態なのだ。そこで、リアス先輩がブロリーの家に居候させたらどうかという提案を出した。家主であるパラガスは全然OKという事でブロリー家にアーシアが追加されました。卍リアス先輩チッスチッス卍

 

次に、ブロリーとアーシアがオカルト研究部に入部しパラガスがオカ研の担任となった。ここを治めているリアスとしてはやはりブロリーとパラガスは放っては置けない存在なので入部してもらったのだ。ブロリーも特に入ろうと思った部活はなかったし、特になにかするような部活でもないらしいので入った。パラガスは担当している部活がなかったので丁度いいらしい。アーシアがオカ研に入ったのはまた狙われる可能性が無い訳では無い、オカ研に入ったことによりリアス・グレモリーの関係者と思わせていたら狙われる可能性が低くなる。

 

特に変わったのはこのくらいである。それ以外は特にあげるようなものは無い。強いていえばイッセーがアーシアもいる中の女子の着替えを覗いたことにより病院送りにされた程度である。誰にとは言わなくても分かるであろう。

 

 

 

 

 

いつもの放課後、ブロリーはオカ研の部室でくつろいでいた時であった。

自分の隣で漫画を読んでいたイッセーにリアスがある提案を持ちかける。

 

「イッセー、そろそろ使い魔を持ってみない?」

 

「え、使い魔?」

 

「えぇ」

 

ブロリーは自分には関係なさそうな話だと思い漫画を読むのを続行しようとしたブロリーの耳に気になる話をし始めた。

 

「使い魔は悪魔と契約した魔物、精霊、動物のことよ。情報伝達や追跡、意思疎通ができる便利な存在。今じゃ使い魔は悪魔にとっては必要不可欠な存在なのよ。」

 

その言葉を聞いてブロリーの耳がピクっと動く。「使い魔は悪魔にとっては必要不可欠な存在」という言葉がブロリーの頭の中でリピートされる。自分に足りなかったのはそれかと考えるブロリー。悪魔としてブロリーに足りなかったのは部下だ。恐ろしさと強さは今のところ十分悪魔的な要素としては足りている。しかし、自分には配下がいなかった。モアとタコとその他は何やかんやでパラガスについてきたヤツらだ、ブロリーが自分で配下にした奴らじゃない。

 

マンガで読んだ魔王は四天王とか大勢の手下がいる。しかし、自分にはいない。ということは自分に足りなかったのは使い魔というわけだ。そして、使い魔という名前の響きもなんかカッコイイ。

 

「イッセーはもう何件も人間と契約しているから、そろそろ使い魔を持った方がいいんじゃないかしら?」

 

「部長」

 

「なにかしらブロリー?」

 

「使い魔は、悪魔にしかできないのかァ?」

 

そこである。ブロリーはサイヤ人であって悪魔ではない。1度リアスがブロリーを悪魔に転生させようと試みたが、悪魔の駒が自ら逃げ出すようにリアスの後ろへ移動したのだ。まるで、ブロリーを恐れるかのように。アーシアも結局、ブロリーが転生しないならと悪魔の誘いを断った。悪魔になる感覚を味わってみたかったブロリーはかなりテンションが下がって見えたのはイッセーだけではないはず。ちなみに、転生させようとした駒は戦車だった。

 

「いえ、一応人間やほかの種族が使い魔を持つことは可能なのだけど、事例があまりないのよね。天使や堕天使はいらないところでプライドが高いし、人間はそもそも魔物なんて存在一部の者しか知らないしね。。」

 

「そうかァ…フフフフッ☆」

 

それを聞いでにんまりと笑うブロリー。

 

「ブロリー、もしかして使い魔が欲しいの?」

 

「はい…」

 

「そうねぇ…」

 

ブロリーの使い魔…果たして一体どんなものが来るのか…ドラゴンとのツーセットしか想像できないリアスであった。

 

「使い魔ってどこにいるんですか?」

 

「それは──」

 

イッセーがリアスにそう質問した時であった。

 

コンコン

 

唐突に部室の扉を誰かがノックした。

 

オカ研の部員は一応全員そろっている。いないとしたら担任のパラガスだが、まだ仕事をしているはずだ。それに、パラガスはノックという律儀なことは校長室に入る時くらいである。

 

どうぞとリアスが言うと、入ってきたのはどこかで見たことがある面々であった。何だったか、たまにある長ったらしい話をしに来る奴らのお礼の挨拶とかで見たことがある。

 

「ブロリーさん、あの方々は?」

 

「…イッセー」

 

「生徒会の面々だな。アーシアにわかりやすく言えば、この学校を支えてくれている人達だよ。」

 

「そうなんですか!? そんな人達のことを知らないなんて…あぁ、主よ! 罪深い私をお許しください!」

 

「ohっ! アーシア、それやめて…」

 

「あぁ! ごめんなさいイッセーさん!」

 

生徒会を知らないだけで首につってる十字架のネックレスを握って祈りを捧げるアーシアの行動で頭痛を起こすイッセー。幸い範囲は狭くてそばにいたイッセーにしか効果は出なかった。

しかし、見事にその生徒会も悪魔の巣窟出会ったみたいである。恐らく生徒会長である眼鏡っ娘が1番強い気を放っているのであれが悪魔で言うキングなのだろう。

 

「…リアス、そこの彼らがもしかして…」

 

「えぇ。最近、私の眷属になった兵士(ポーン)の兵藤一誠、そして何故か半裸の男がブロリーでその隣にいるのがアーシアよ。今はいないけどパラガス先生も協力者よ。」

 

「この姿が落ち着くのだァ」

 

「ブロリー、それ露出狂のセリフや」

 

「なにィ!?」

 

ブロリーにツッコミを入れた後、イッセーは立ち上がって眼鏡っ娘にお辞儀をする。

 

兵士(ポーン)の兵藤一誠です!」

 

そして、一応するべきかと思い。渋々上を着ながら立ち上がってお辞儀をするブロリー。アーシアもブロリーに続く。

 

「ブロリーです…」

 

「アーシア・アルジェントと申します!」

 

すると眼鏡っ娘はブロリー達に15°の礼をし、にこりと笑う。

 

「はじめまして。学園では支取蒼那をなのってはいますが、本当の名はソーナ・シトリー。上級悪魔でシトリー家の次期当主です。」

 

シトリー家。それはグレモリー家に並ぶ名家である。大昔に悪魔と天使と堕天使の三勢力の戦争で生き残った純粋な悪魔の生き残りを元72柱と呼び、リアスとソーナもその名家の次期当主である。

 

「それでソーナ。今日は何のつもりで来たのかしら?」

 

「えぇ。お互い、下僕が増えたようですし交流を兼ねてと思いまして…匙」

 

「はい! 会長!!」

 

すると今まで会長の隣にいた男子生徒が大きな声を上げて前に出てくる。

 

「はじめまして。ソーナ・シトリー様の兵士になりました。2年の匙元士郎です。よろしくお願いします。」

 

「へぇー、俺と同じ兵士か。よろしくな!」

 

イッセーが匙の前まで行き手を出すが、匙はそれにため息をついた。

 

「俺はいつも覗きばかりしている変態3人組の一人のお前と同じだなんて、流石にプライドが傷つくぜ」

 

「なっ、会っていきなりそれかよ!」

 

「ほう、この俺とやる気か? 俺は兵士の駒を4つも使用した超エリート転生悪魔だぞ? ただの兵士の下級転生悪魔の越えられない壁と言うやつだ。 」

 

「そうかな? ただの兵士でも、必死に修行すればエリートだって超えられるかもしれねぇぞ?」

 

「なに?」

 

実は仲いいんじゃね? 的なコントを繰り広げている所を水を指すようで申し訳なさそうに匙の頭を叩いてイッセーに頭を下げるソーナ。

 

「か、会長!? なんでそんな奴に頭を下げてるんですか!?」

 

「黙りなさい、匙。今のはどう見ても挑発したあなたが悪いです。あなたも無礼を詫びなさい。それに、匙は何か勘違いをしているようですね。」

 

「と、と言うと?」

 

「兵藤君はリアスの兵士の駒8つ全てを消費してやっと転生できたんです。あなたと比べて4つ多いんです。そして、兵藤君は今代の赤龍帝です。あなたでは勝つどころか瞬殺です。無礼を詫びなさい匙。」

 

「ダダダダダニィ!?」

 

「どうした? 笑えよ匙(笑)」

 

「く、くそぉ……すまなかった…。」

 

「ああ、改めてよろしくな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方達も使い魔を?」

「も、ということはリアス達も?」

 

どうやら生徒会長さんも新人転生悪魔である匙に使い魔を持たせようと思ったらしく。リアスと目的が被っていた。

どうやら使い魔を手に入れるには月に1回、満月の夜だけらしく使い魔の専門家は月に数人しか受け持っていないらしい。

 

「どうせなら4人で行ったらどうだ? それの方が早いし、我先にという訳では無いだろう?」

 

と、パラガスが提案をだすと、あっさりとその案は呑まれた。

 

ちなみに行くメンバーはブロリー、パラガス、アーシア、リアス、小猫、朱乃、

匙、そして生徒会長ソーナだ。

木場も行きたがっていたが、悪魔家業の仕事が入ったらしくそっちに行った。副会長さんはまだ生徒会の仕事が残っていたのでそちらを終わらせるらしい。パラガスはなんか居てなんかついてきてた。

そして今、ブロリー達は使い魔を持つべく、使い魔にできる生き物が多く生息している森にいきていた。

 

「ゲットだぜぇいッ!!」

 

「ひゃっ!?」

 

「おぉおわァ!?」

 

「タコスッ!?」

 

突然現れたマサラタウン出身の少年が言いそうなセリフを叫んで飛び出してかのは帽子をかぶったおっさん。突然大きな声を出されてアーシアはびっくりして可愛らしい悲鳴をあげて尻餅をつき、ブロリーはびっくりしておっさんを殴り飛ばした。

 

「あっいったァ〜あっいったァ〜あっいったァ〜ッ!!」

 

おっさんは顔面を抑えて地面を転がって悶絶した。

 

 

 

 

おっさん治療中

 

 

「俺はマザラタウンのザトゥージ! 使い魔マスターだぜ! 」

 

「ついに夢を叶えたんだな…サ〇シ」

 

「それ違う! ポケ〇モンマスターの方ちゃう!」

 

イッセーのボケに的確に突っ込んだサト…ザトゥージは咳払いをした後に、本題へと入る。意外とビジネスマンであった。

 

「えぇと…3人ほど増えたけど良かったかしら?」

 

「問題ないぜ! …ほうほう、追加の人は金髪美少女に黒髪の筋肉ムキムキマッチョマンに冴えない茶髪なのか金髪なのかどっちなのか分からない男と…汚いおっさん?」

 

「おい、誰が汚いおっさんだ?」

 

「すまんすまん」

 

なかなか異様な解釈をされた気がするが、気にせず使い魔探しに出発する一行。完遂にまとめると非常に濃い内容だった。1番印象に残ったのは美しく可憐でおとぎ話でも有名な人魚は鮭にボディービルダーの足と手をくっつけたようなゲテモノ生物だったということだ。いろいろ濃いものもあったがこれに全部持っていかれた。かなり期待したイッセーは夢を壊され泡を吹き、純粋なアーシアは打ち砕かれて膝が崩れた。夢を砕いた罪は重いとブロリーが人魚を\デデーン/したのは言うまでもなかろう。そして、パラガスはザトゥージにムッチムチでおとなのおねえさんのような魔物がいるかと聞き、いるぞと答えられそそくさとどこかへ消えていった結婚済みのクソ親父はほっておいて奥へと進む一行。

 

そして、立ち直ったイッセーはザトゥージにある質問をする。

 

「ちなみにザトゥージさん、ここらでおすすめの魔物ってありますか?」

 

「あと、強いやつも」

 

と、イッセーの質問にブロリーも上乗せした。

 

「そうだな…ここらでおすすめの強いやつと言えば、こいつしかねぇな!

龍王の一角、そして龍王最強と謳われる伝説級のドラゴン! 天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)ティマット! 時たま姿を現しては暴れ回るらしいが、まぁ手に入れられた悪魔はいねぇぜ。」

 

「おぉ…」

 

「おぉ! カッコイイなぁ! そいつはどこにいるんだァ?」

 

「悪いがそいつは分からねぇな。最近姿を見せてねぇからもしかしたらもうここにはいねぇかもしれないし。」

 

「……チッ」

 

「そうだな…それじゃあチャレンジャーな兄ちゃんにおすすめの魔物を紹介するぜ!」

 

「おぉ!そう来なくちゃ面白くない。」

 

「まずは1匹目、こいつは神出鬼没で目撃例が少なくて会う可能性は低く、個体数も非常に少ないとされている古龍種、《幻獣 キリン》。白銀に輝く美しい体毛を持ち合わせており額から伸びる一本の角が特徴の古龍種モンスターだ。使い魔ギルドじゃ一応大型指定モンスターとして扱われてちゃいるが、その体格は小柄で、中型モンスターとさほど変わらない大きさだが、侮っちゃいけねぇ。その危険性は並の大型モンスターじゃ相手にすらならねぇほど危険なやつだ。そいつが最近になってここら辺に出没するらしいんだ。」

 

「おぉ…」

 

「お次はこいつだ!」

 

「もうお腹いっぱいなんすけど…」

 

「そいつは───」

 

歩きながら説明しているといつの間にか開けた場所に出ていた。すると、その場所に赤い鱗を持つ羽の生えたでかいトカゲのようなやつが何かを貪っていた。

 

話始めようとしたサトゥージはすぐに中断し注意を促す。

 

「いけねぇ…あいつァ炎竜リオレウス。空の王者とも言われる大型モンスターだ。」

 

「なぁ、さっきからつっこみたかったんだけど、こいつらってモンハ──」

 

「シッ、非常に凶暴でな。目に付いたヤツらを襲うんだ。」

 

「……炎竜に赤龍帝…ねぇイッセー! リオレウスを使い魔にしなさい! 」

 

「ぶ、部長!? 話聞いてましたよね? それ俺、完全に死ぬ方向ですよね!?」

 

「大丈夫よきっと、位的にはあなたが圧倒的に上なのだから。」

 

「いや、そういう話じゃなくてですね!?」

 

すると、突然物凄い寒気に襲われ背中がビクッと跳ねるイッセー。ゆっくりと後ろを振り返ってみるとリオレウスと目が合った。

 

「あ、あら、こ、こんにちは〜」

 

 

 

 

 

グォォォォォォォォオッ!!!!

 

 

 

「うおあああああっ!? 部長! 逃げましょう!」

 

「くっ! 仕方ないわね。イッセー! 使い魔にするわよ!」

 

「What!?」

 

口から日を吹き出して迫ってくるリオレウスを目の前にしてヤケになって神器をだして構える。次の瞬間。

 

 

 

 

バチィィィンッ!!

 

 

リオレウスの真上から突然凄まじい落雷が降ってきてリオレウスを眩しく照らす。声もあげることなく真っ黒に焦げて崩れ落ちるリオレウス。自然の力にほっと胸を下ろすイッセーだが、リアス達は構えを解いていない。いや、さらに緊張を増したように冷や汗までかいていた。リオレウスが現れても興味なさげなブロリーですら、構えをとっている。

 

「ど、どうしたんですか? 部長?」

 

「イッセー、逃げるわよ…」

 

さっきまでリオレウスを使い魔にしようと輝いていたものとは思えないほどシリアスと化したリアスにただ事ではないと感じ取ったイッセー。リアスが向いている方向を見る。

 

 

そいつはリオレウスの死体の上に立っていた。

 

白銀に輝く美しい体毛と額から伸びる一本の鋭い角。大気が震えてバチバチと稲妻が迸る。

 

「ま、間違いねぇ…《幻獣 キリン》ッ!?」

 

 




うっ…久しぶりに長文を書いて力が…誰か、オラに元気を分けてくれぇ…


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番外編 自称悪魔 使い魔を取る 後編

もう、察しはついていると思うけどここのモンハンの子達はバカ強い設定です。主に古龍種は龍王やそれ以上という設定で…いろいろインフレがすごいけどそこはご都合主義ということで

ご都合主義大好き♡




「間違いねぇ…あれは《幻獣 キリン》…ッ!!」

 

所々に落雷が起き、あ〜う☆(^q^)という悲鳴も聞こえる。そこにいるだけで圧倒的に威圧感を放つキリンにリアス達は鳥肌が止まらない。

 

「か、会長…ッ!」

 

「…」

 

「会長ッ!!」

 

「ハッ!? いけません! ここは一旦退きましょう!」

 

「えぇ、その方が良さそうね…」

 

古龍種とは早く説明するとめっちゃ強い種族ということだ。二天龍と五大龍王などの伝説級な存在がこれに当てはまる。今のリアス達じゃ勝負にすらならない。正直、威圧に当てられて立っていることがやっとなのである。気づかれていないうちにとリアスとソーナは協力して転送魔法を使おうとするが、ブロリーがそれを止める。

 

「その必要は無い。」

 

「どうして? 古龍種はこの前の堕天使とは次元が違うのよ? いくらあなたでも…」

 

「そうかなぁ? やってみなきゃわからぬゥ!! アーシアを頼んだぞ」

 

「ちょ…」

 

「ブロリーさん!」

 

ブロリーはそう言い残すとキリンの元へ向かった。リアスはため息をついた後、ブロリーを置いて転送するのは流石に悪いと思いブロリーが諦めるまで待つことにした。いつでも転送できるようにして

 

「おい、そこの白っこいの。」

 

「グルル?(通訳:誰?)」

 

ブロリーは舞空術でキリンと同じ目線に浮き、キリンに話しかけた。キリンの赤い瞳と目が合う。

 

「俺の使い魔になる意志を見せロットォ」

 

「クル?(通訳:は?)」

 

キリンは何を言っているんだこいつはと思っているかとように首を傾げる。いや、実際思っているだろう。

 

「大人しくこの俺の使い魔になる意志を見せなければ、俺はこの森を破壊し尽くすだけだァ!」

 

ブロリーは超サイヤ人になり、指を指しながらそう宣言する。今回はちゃんと制御装置を外してきたので金色に光っている。ターレス戦とは比べ物にないほどにつからが溢れてくる感覚に気持ちが高ぶってくるブロリー。

 

「グルッ!(通訳:下賎な人間風情がこの私を使い魔だと? 冗談も大概にしろ。 貴様のような愚かな人間には死こそが恵み。華々しく散れッ!)」

 

あの短い鳴き声に一体どれほどの意味が込められていたのかは定かではないが、キリンはブロリーに向けて稲妻を放つ。それを手のひらで受け止めるブロリー。

 

「フフフフッ、そう来なくちゃ面白くない…フッ!」

 

 

「ガウッ(通訳:どうやらただの愚かな人間ではなさそうだな。ならば、私も本気で行く必要があるようだ。)」

 

ひとつの単語に意味を込めすぎたろ、胸焼け起こすわ。

 

リオレウスの死体から飛び上がり上空へ上がる。ブロリーもそれを追いかける。そこへ、数々の雷がブロリーの元へ飛来する。

どうやらキリンは雷を自在にコントールできる能力を持っているようだ。ブロリーはお構い無しに突っ込んでいく。自分の周りにバリアを貼り雷をバリアで無効化しキリンにタックルを食らわせる。

 

「ガウッ!?」

 

キリンは体内の雷を放出してブロリーを吹き飛ばす。

 

「グゥ…クォォォォンッ!!!(通訳:今のは…痛かった…痛かったぞォォォッ!!)」

 

キリンは自身に凄まじい雷を落とす。すると、身体中が青白く光り輝き、角がいっそうに伸びて神々しさが増した。

 

「グフフフッ…(通訳:貴様はもう終わりだ…私は雷を自身に纏うことができる。すると、凄まじいパワーアップを果たすのだ。その名も…(スーパー)キリンだ)」(キリッ

 

「おぉ! なんかカッコイイな!」

 

これはあれだ、スゴく残念なやつだ。通訳は読者側にしか意味が無いのでブロリーにはキリンが何を言っているかは分からない。いや、わからない方がいいだろう。夢を潰すのは良くない。

 

「グゥ! ガウガウガァァウッ!! (くらぇぇ! これが(スーパー)キリンの雷鳴牙突だァァァァッ!!)」

 

キリンは自身に纏っている雷を角に集中し、さらに周りの雷を角に集中する。すると、角はさらに巨大化し、さらに鋭く進化する。そして、まさに雷のごとくの速さで駆け出しブロリーに迫る様子はまさに電光石火。

 

「フフフフッ、そう来なくちゃ面白くない…ハァァァァッ!!」

 

伝説の超サイヤ人となり、迫ってくるキリンを迎え撃つ。右手に気を集めてキリンの巨大な角に振りかぶる。

 

 

 

 

 

ドォォォォォォォンッ!!!!

 

 

 

 

一人と一匹は拳と角をぶつけた状態で止まっていた。そして、敗れたのはキリンだった。自己主張の激しかった角は粉々に砕かれており、青白く発行していた姿が嘘かのように輝きを失っていた。

 

ズンと地面に落ち、倒れ伏せる。ブロリーもキリンの側に降り立つ。

 

「ガゥ…(通訳:私の負けだ…くっ殺せ…!)」

 

「…フフフッ、やっとこの俺の使い魔になる気になったかァ?」

 

「っ!?…グゥ…(そうだったな…約束だ。お前の使い魔になってやろうではありませんか!)」

 

すると、ブロリーとキリンの下に巨大な魔法陣が現れてその光が一瞬強くなり、消えていった。

 

「なんなんだァ? 今のは?」

 

「使い魔の契約です。マスター。」

 

「へぁ!? 誰だァ?」

 

少女の様な声がしたが、そのような人物は見当たらない。

 

「私です。」

 

「も、もしかしてお前かァ?」

 

「はい。」

 

「かー!?」

 

「使い魔になると意思疎通が可能になるようですね。」

 

「そうなのか」

 

確か、リアスがそのようなことを言っていいた気がすると考えるブロリー。しかし、何かキャラが変わっているような気がするが、ここはスルーしておこう。何者も第一印象は大事である。

 

しかし、何やかんやあったがこれで使い魔をゲットである。もう、自称悪魔などと言わせない。

 

「フフフフッフハッハッハッハッ!!」

 

「…ッ!? いけませんマスター!!」

 

「ハッ!? ドゥオァッ!?!?」

 

高笑いをしていると背後から巨大な何かに吹き飛ばされるブロリー。何とか押し留まる。

 

「誰だァ?」

 

イラつきながら後ろを見ると、漆黒の体毛と側頭部から真横に伸びる一対の巨大な角を生やし、巨大な剛腕を持ったデカい猿が殴ったあとの体制でいた。

 

「グォォォォォォォォオッ!!!!」

 

凄まじい咆哮をあげて立っている地面は没落し近くの木々を吹き飛ばす。こいつはさっきのキリンよりも強い気を放っていた。

 

「フフフフッ、ついでにお前も使い魔にしてやロットォォォ!!」

 

「ガァァァァッ!!」

 

お互い同時に駆け出した。ブロリーと巨大猿の剛腕がぶつかり合う。地面は割れ、木々は弾け飛ぶ。

 

「フハハハハッ!!」

 

「ォォォォオオッ!!」

 

何度目かのパンチの応酬をくぐり抜けブロリーが巨大猿にボディブローをヒットさせる。追撃にブラスターシェルを放つが巨大猿が放った雷弾をぶつけられて躱される。ブロリーは巨大猿を追いかけてダッシュし、イレイザーキャノンを放つ。巨大猿もさっきよりも強い気を放つ雷弾をぶん投げてイレイザーキャノンとぶつかる。押し切れず爆発して終わるが、巻き起こった煙を突き抜けてブロリーは巨大猿に向けて右ストレートをぶち当てる。

 

地面に足を食い込ませて何とか耐えた巨大猿はお返しとばかり剛腕を振り上げる。ブロリーも負けじと拳をぶつける。拳がぶつかり合う度に森が悲鳴をあげる。

 

「でぇやッ!!」

 

「ォオンッ!!」

 

ブロリーの右ストレートが巨大猿の顔を貫き巨大猿の右ストレートがブロリーの頬を貫く。両方とも衝撃で吹き飛んで距離が開く。

 

血が垂れる口を手で拭い、不敵に笑うブロリー。まさか伝説の超サイヤ人であるブロリーにここまでやるとは驚きである。

 

「グゥ…ゴァァァァァアアアッ!!!!」

 

「ォオ!?」

 

興奮したのか咆哮をあげて金色のオーラを放出する。すると、漆黒の体毛が金色に染まり、前腕は赤黒く染まった。巨大猿の周りに稲妻が弾ける。それはさながら超サイヤ人のようであった。

 

「…超サイヤ人ですかァ? フフフフッまさかサイヤ人だったとは」

 

ブロリーは同族と勘違いしているようであった。もちろんサイヤ人ではない。

 

すると、巨大猿の口が光だし黄金のビームを放つ。ブロリーはそれをまともに食らった。

ブロリーの後に続く森の大半が消し飛び、かなり開けた感じになった。

 

巻き上がった煙から伝説の超サイヤ人になった反動で敗れた制服の上着が完全に消し飛び、ズボンも所々敗れて入るが無傷なブロリーが現れる。

 

「なんなんだァ? 今のはぁ…?」

 

バチバチと稲妻が弾け体が何か痺れている感じがするが気合で押しのける。巨大猿が両腕に雷を纏って殴りがかってくるのをイレイザーブロウで迎え撃つ。殺し損ねた衝撃が周りに影響を及ぼすが、お構い無しに派手な技をぶつけ合う。

 

巨大猿が後方に跳び、口に気が集中される。またあのビームを打つ気のようだ。

 

「無駄なことォ…今楽にしてやる…ッ!!」

 

ブロリーも後ろの丘に着地して気を集める。緑色に世界が染まりその光がブロリーの手に集められる。

 

 

「スローイングブラスターッ!!」

 

「ガァァァァァァァアアアッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ドォォォォォォォォオオオオッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁ☆」

 

「…どうしてこうなった」

 

すっかり大人しくなった猛獣2匹を連れて笑顔で帰ってきたブロリーに、頭を抱えるリアス。

 

「いえ、無事ならいいのだけれどね…周りが全く無事じゃないのよ…?」

 

そう、ブロリーと巨大猿の戦闘のせいで森の大半が消し飛んでしまった。あんな攻撃をまともに受けてこれだけの被害で済んだのはもはや奇跡だろう。

 

「ほう、これは凄い。《幻獣 キリン》はまだしも《金獅子 ラージャン》が使い魔になるとはなぁ…極めて凶暴でてなずける事は不可能と言われていたのだが…」

 

「フフフフッ、俺に不可能はない。」

 

「凄いです! ブロリーさん!」

 

「フフフフッそうだろうアーシア」

 

「キュウ!」

 

「へぁ!?」

 

アーシアにいつの間にか抱かれているドラゴンの子どもに驚くブロリー。どうやらブロリーが戦っている最中に使い魔になったそうだ。

 

蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)のラリーちゃんです! 」

 

「そうかァ…ふむ…」

 

そうなるとラージャンとキリンにも名前をつけなければいけないなと考えるブロリー。まぁ、それは帰ってから考えたらいいだろう。まずは飯を食いたい。リアスの説教を耳にそんなことを考えるブロリーであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんでこうなるの……ぐふっ…」

 

黒焦げになり、忘れられたクソ親父が1匹

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やっぱりラージャンは外せないよね。初めてラージャンと戦った時超サイヤ人だー! って言ってたのを今でも覚えている。

キリンは普通にキリン装備を着ている子のイラストが可愛くて…つい出しちゃったんです。後悔はしていない。


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戦闘校舎のフェニックス
第16話 厄介事が起こりそうな予感


今のところイッセーの戦闘場面が一切ないのはブーストとかを英語で書くのがすごく面倒で、できればイッセーの戦闘場面は極力カットしたいなーとか思ったりしてるブロリコンです。もち、大事な場面はしっかり回収する気けどね。世の中にはDxDの奴をネットに書き込んでくれている暇人がいるので

お気に入り件数1126を目指して頑張っていくぜ。あと、何年になるかは分からないけど…

あ、またタイトル変更したぜ。



<チュッチュッチュ

 

「ん…」

 

小鳥の鳴き声で目が覚めるブロリー。起き上がろうとすると、布団に自分以外にいることに気づく。

 

「…なんだァ? …へぁ!?」

 

布団をめくってみるとそこには下着姿のアーシアちゃんが…! 驚きのあまり大声を上げてしまう。ブロリーは寝相がいいほうだ。寝ぼけて誰かの布団に入り込むなんてことは決して無いはずだ。そして、昨夜はお楽しみというわけではなかった。ブロリーはアーシアを絶対的過保護にあたっているので寝込みを襲うなどありえない。ということはアーシア自分から入り込んできたのだろうか。

 

 

ここで話は少し変わるが、ここはブロリーの家でして、しかも使用人(ならず者)などもいる豪邸なのだ。当然主の悲鳴が聞こえたら心配する訳でして

 

「失礼しますブロリー様! 何かありましたでしょうか!?」

 

バッと扉を開けて入ってきたのは今じゃすっかりイケメン執事が定着したモア。ブロリーの安否を心配して駆けつけてきた。そして、モアはブロリーを見て、そして、布団を見て固まった。

 

「い、いや…そのこれは…」

 

ブロリーは今までにないほどテンパった。数秒後、モアは何か納得したように笑って

 

「失礼しました。パラガス様と他の使用人には固く言いつけておきますので…お楽しみのところ申し訳ございません。あと、コンドームはお付けに──」

 

「待て待てぇいッ!!」

 

この後、モアを説得するのに10分ほどかかった。

 

 

 

 

どうやらアーシアは桐生愛華という友達に吹き込まれたらしく、理由は言わなかったが下着姿で一緒に寝るということを言われたらしい。

 

「桐生愛華様ですか…なかなか個性的な子とお友達になられましたね。」

 

「はい! 凄くいい人なんですよ! たまによく分からないことを言われますが…」

 

苦笑いをしながらそう答えるアーシア。しかし、下着姿でしかもブロリーに気付かれずに入ってくるとは…アーシアやりおる。しかし、このままではブロリーのSAN値てきにも危ういので少し注意をするモア。

 

「しかし、アーシア様。一緒に布団で寝る…これはいいでしょう。しかし、下着姿で一緒に寝るというのはいけません。男性というのは皆様獣ですから、アーシア様のような可愛らしい方が隣で肌を晒して寝られるとどうなるか分かりかねますからね。ブロリー様も例外ではございませんよ?」

 

「か、可愛いだなんて……///」

 

寝ぼけているのか可愛いということしか聞こえてないらしい。アーシアは顔を真っ赤にして「きゃ〜」と悶えている。完全に乙女だ。寝起きで意識がはっきりしていないぽい。

 

「一緒に寝たい時はちゃんとブロリー様の了解を取ってからにしましょう。」

 

「…はい! わかりましたモア様! 」

 

アーシアはモアのことを様呼びしている。モアは呼び捨てで構わないと言ったが、もはや癖らしいのでモアも諦めた。

 

ちなみにここはブロリーの部屋で今、ブロリーはトレーニングルームで汗をかいている。モアも朝食の用意のために部屋を出ようと扉に手をかけたところで思い出したかのように

 

「あぁ、そう言えば…この後ブロリー様に買い出しに行かせようと思っているんですが…一緒にどうです?」

 

「っ! はい! 行きます!!」

 

「では、お早めにご支度を…」

 

モア、品位・教養・武術・料理・容姿(NEW)全てにおいて完璧であり、気遣いもできるというパラガス家には勿体無い執事である。

 

 

 

 

 

 

 

ブロリーはモアに言われてアーシアとマ〇ナカへ向かっていた。ネットという便利な物でいくらでもいいものを買えるだろうに、節約は大事とモアは何かとうるさい。まぁ、アーシアが楽しそうなので良しとするブロリー。折角の休日だがやることはトレーニングだけというブロリーにはいい気分転換である。

 

そして、いつものあの公園の前についた。

 

「あ、公園ですね。」

 

「あぁ、あの堕天使の時の…」

 

「……レイナーレ様達のことですね。」

 

できれば自分の手で殺したかったが、今更悔やんでも仕方が無い。今更ながら自分にもこんな感情があるとは驚きである。

 

「あの方にも…天使様であった時代があるんですよね…」

 

「ふん! あいつが天使になれるなら…俺は神になれる自信がある。」

 

「…そう…ですね…。」

 

くっ、なんかしんみりした空気になったぞ。さっさとスーパーに行こうと歩きだそうとした時、聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「ほら、あと50回よ!」

 

「はい! 部長ぉ!!」

 

興味本位でそちらに目を向けると、腕立て伏せをするイッセーとその背中に乗ってカウントをしているリアスの姿があった。

 

「あ、部長さん! イッセーさん!」

 

アーシアの声に反応したリアスがこちらに振り向いた。

 

「あら、アーシアにブロリー。おはよう。」

 

「はい、おはようございます!」

 

「何をしているんだァ?」

 

「見ての通り、イッセーを鍛えているの。この子の能力は鍛えれば鍛えるほど強くなっていくものだからね。」

 

「それは全部に当てはまるんじゃないのかァ?」

 

「ふふ、それもそうね。」

 

確か『赤龍帝の籠手』というものだった気がする。何回か見たことがあるがカッコイイ見た目をしていたのを覚えている。

 

「ぶ、部長! 俺もアーシアとブロリーに挨拶をぉ!」

 

「いいからあなたは腕立てを続けなさい。無駄口を叩く余裕があるなら回数増やすわよ!」

 

「ひぃぃ!!」

 

「が、頑張って下さいねイッセーさん!」

 

「がんば!がんば!」

 

「それはそうと、二人はどうしたの? 休日にわざわざ出て来るなんて…もしかして、デートかしら?」

 

「ふぇ!? で、デートだなんて…そんな…//」

 

「でーとってなんだァ? 俺はモアに頼まれて買出しに行っているところだァ なぁ、アーシア」

 

「……はい、そうですね。」

 

おや、アーシアの表情が暗くなった。

 

「…なるほど、今は一方通行って訳ね。頑張りなさいアーシア」

 

「はぅぅ…//」

 

「けれど、羨ましくもあるわね。何も縛られることもなく、そうやってお想える相手がいるのって…」

 

一瞬だけ、リアスが悲しそうに顔を俯かせたが、次の瞬間にはいつもの余裕のある表情に戻っていた。

 

「どうしたんだァ?」

 

「いいえ、何でもないわ。気にしないで」

 

「そうかァ。…そうだ、イッセーを俺が鍛えてやろうか?」

 

「え? そうねぇ…確かに初心者な私よりも専門のブロリーが鍛えた方が効果が出るかも…」

 

「ファ!? ちょ、ちょっど待って!? いくら何でも部長! あんな化け物じみた戦いをするブロリーの修行って絶対俺死ぬよね!?」

 

「俺が化け物? 違う、俺は悪魔だ! 心配するなイッセー、死なない程度に手加減してやる。……手加減ってなんだァ?」

 

「超心配!? 助けてアーシア!」

 

「頑張って下さいイッセーさん!」

 

「アーシアァァァァァ!?」

 

 

その後、公園の小さなクレーターに倒れ伏せたイッセーを見たとか。ヤムチャしやがって

 

 

 

 

 

 

 

 

「買い物は?」

 

「「あ…」」

 

 

 

 

 

 

 

 




やって参りました第2章! いやー長かったねぇ〜。何事もなく終わるか、何かあって終わるか…それはブロリー次第でございます。


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第17話 あっ・・・・・・

うぉぉぉぉ!! 欠点とったぞぉぉぉぉおッ!!!!

終わったァァァァ!!! 俺、留学かもしれん

それでも俺は、書くのをやめない!


次の日

 

 

 

「ウォォォォォォォオオッ!!!!」

 

「でぇやぁぁぁッ!!!!」

 

 

ドンッ!!!

 

 

最大限の加速が生んだパンチがぶつかった衝撃で館全体が悲鳴をあげる。今、トレーニングルームで3人が2対1のバトルを繰り広げていた。

 

一人は言わずもがな、ブロリー。既に超サイヤ人となっており2人の少女とほぼ互角の戦いを繰り広げている。白いジャージのズボン履いており上は破けたので捨てて半裸である。

 

一人目の少女は側頭部から真横に大きく伸びる一対の角を生やしボサボサな漆黒の髪を伸ばし、褐色肌で赤い瞳をしている少女。黒いジャージを着込んでいる。

 

もう1人の少女は白銀のショートヘアで額から1本の角を伸ばしており、美しいほどの白い肌をしており青い瞳をしている。こちらは青いジャージを着ていて、七支刀のような見た目をした青く輝く大剣を構えている。

 

 

「はァァァッ!!」

 

「ッ!!」

 

 

横から白銀の少女が大剣を振り上げて突っ込んでくる。黒い髪の少女を蹴り飛ばして距離を置き、自分も後に飛んで躱す。コンクリート製の地面に亀裂が走りそれが壁にまで行き渡る。

 

「まだまだッ!! 召雷剣(しょうらいけん)ッ!!」

 

召雷剣と呼ばれた大剣が青い雷を放ち、ブロリーへと迫る。イレイザーブロウで殴って防ぐが、

 

「喰らえ! 主ッ!! はァァァ…クンッ!」

 

黒い髪の少女が人差し指と中指を上げるとブロリーの地面から雷が発生し大爆発を起こす。

 

「ハッハッハッハ! どうだ! 我が生み出した新たな必殺技『スパーキングストーム』の味は! ハッハッハッハッ!!」

 

「やりすぎですジャン。マスターが大怪我をしたらどうするんですかジャン」

 

「我の名前を語尾のように使うなリン! 問題ない。この家にはアーシアがいるのだからな! ハーハッハッハッハッハ!!」

 

煙がだんだんと晴れてゆき、人影が見えてくる。そして、完全に煙が晴れ、粉々になりデカいクレーターが出来上がった中ブロリーがその場に無傷で佇んでいた。

 

「ハッハッ…ハッ!? 」

 

「なんなんだァ? 今のはぁ…?」

 

「ば、馬鹿な!? 我のスパーキングストームをまともに食らったはずなのにビクともしてねぇ!?」

 

「フラグ回収乙でございます。」

 

「く、くそォ…もう、どうにでもなれ! ダダダダダダダダダダダダダダダッ!!!!」

 

ヤケになったのかジャンと呼ばれた少女が雷弾をグミ打ちする。しかし、この業界ではグミ打ちはフラグである。

 

「はぁ…はぁ…フフフッ…流石にもう───」

 

「もう、終わりか?」

 

「ダニィ!?」

 

「お返しだァ…!」

 

ブロリーが右手に気を凝縮し緑色に輝く。

 

「ま、ま、待てェ…っ! は、早まるなぁ!?」

 

「イレイザーキャノンッ!!」

 

ブロリーの放った渾身のイレイザーキャノンは怯んだジャンに見事に命中する

 

「アーワタシハトリヨーッ!」

 

 

 

 

 

デデーンッ!!

 

 

 

 

 

「くっ! ジャンがやられたか…ッ! だが、奴は四天王最弱……しかし、お前はまだ我々と戦うにはレベルが足りないようだ。では、また会おう。」

 

そのまま去ろうとするリンと呼ばれた少女の頭を鷲掴みするブロリー。

 

「何処へ行くんだァ?」

 

「お、お前と一緒に…朝食の準備だァ…!」

 

「そうかぁ、なら俺が連れてってやろう!」

 

「ま、待て、話せば分かる! 交渉を…!!」

 

ブロリーはリンを放して腕を振り上げる。

 

「へへっ…」

 

 

 

 

パリンッ!

 

 

 

 

 

 

まぁ、勘のいい読者ならもう気づいているかもしれないが一応説明しておこう。最初にグミ打ちしたジャンはラージャンが人化した姿である。人間の体にはまだ慣れておらず本来の力がまだ出し切れていない。

 

もう1人のリンと言われた少女はキリンが人化した姿である。こちらも人間の体に慣れていないので本調子では無い。ちなみに召雷剣はなんか召喚できたので使っているらしい。2人の名前は最後の二文字を取ったシンプルな名前にした。ブロリーがつけようとした名前がゴンザレスやアックマンなどネーミングセンスの欠けらも無いものばかりなので仕方なくモアが提案した名前である。

 

2人とも人間で言うとまだ15にも満たない年齢でその歳で僅かでもブロリーと渡り合った2人の伸び代は大きい。将来が末恐ろしいものだ。

 

「うぅ…おめぇー少しは手加減しろよォ」

 

「手加減ってなんだァ?」

 

朝食を食べながらアーシアの治療を受けるジャンとリン。

 

「朝からブロリー様のご相手お疲れ様でしたジャン、リン。スイーツはいかがですか?」

 

「ぉお! 話が分かるではないかモア! やはり持つべきものはモアだな!」

 

「何を言っているんですかジャン。あ、いただきます。」

 

モアから手作りスイートケーキを受け取り食べ始めるジャンとリン。ここに来てからすっかり甘味にハマってしまったようだ。やはりどの生物であっても女性は甘味を求めるらしい。

 

パラガスは既に出勤しておりブロリー達もそろそろ学校へ登校する時間である。

 

「そろそろ学校へ行きましょうブロリーさん!」

 

「はい…」

 

カバンを手に家を出ようとするブロリーとアーシア。

 

「うー、つまんないのだ〜我も主と学校へ行きたいのだ。」

 

「それにはまず、中等までの勉強を済ませないと転入はできませんよ。」メガネスチャァ

 

「世の中は世知辛いものです。」

 

「鬼! 鬼畜! ブロリー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特に何か起こることもなく、放課後となり今日はオカ研にでも顔を出すかとオカ研の部室に入ったブロリーとアーシアだが、珍しくすごくシリアスな空気を発していた。

 

木場は壁に持たれ掛けて腕を組み、小猫は珍しく歌詞を食べずに黙ってソファに座っており朱乃はリアスの横にニコニコ顔で立ちそのリアスはゲンドウポーズで座っていた。唯一この空気に戸惑っているのはイッセーだけである。しかも、見覚えのない白銀の髪をした女性もいた。

 

とりあえずイッセーの横に座るブロリー。アーシアもブロリーの横に座る。

 

「なんなんだァ? この空気はぁ?」

 

「さ、さぁ?」

 

「あの方は誰なんでしょうか?」

 

「えーと、部長の家のメイドさんのグレイフィアさんって人らしい。」

 

「メイドさん…」

 

「……」

 

家の使用人にも同じような格好をした奴らがいるからそいつらと同じ役割か、と無言で納得するブロリー。ブロリーはとりあえず昼に食べ損ねた弁当の残りでも食べようかと、重箱をカバンから取り出した時であった。

 

突然ゲンドウポーズで構えていたリアスが話を切り出してきた。

 

「全員揃ったわね……でも部活を始める前に少し、話があるの」

 

「お嬢様、私がお話しましょうか?」

 

リアスは片方の手を上げる仕草でグレイフィアの申し出を断りゲンドウポーズに戻ると話し出そうとする。今日は意地でもそのポーズをやめないつもりなのだろうか。しかも、何事も形からとでも言いたいのかいつの間にかメガネをかけておりそれっぽく光を反射している。

 

「実はね────」

 

リアスが何か言おうとした時だった。

・・・・部室の魔法陣が光出すと共に広がる熱い炎。季節が夏に近づいて室温がただでさえ高いのにさらに倍近く熱くなる。弁当が一気に臭くなるんじゃないかと心配するブロリーを横に展開は進む。

 

「…フェニックス」

 

魔法陣の炎がさらに高まり気温がさらに高くなる。そこでブロリーが立ち上がり壁にかけてある非常用の消化器を取り出す。

 

「な、何をして……ま、まさか!?」

 

リアスがブロリーのその行動に困惑したあと嫌な予感を感じて止めようとしたが時すでに遅し。一瞬消化器とにらめっこしたブロリーだが、使い方が分からずとりあえず火元にぶん投げればいいのだろうかと思い。火元の中心部分と思われる場所にぶん投げた。

 

「ふぅ、久々の人間界───ドガスッ!?!?」

 

「「「「「「「あ……」」」」」」」

 

ガンッと音を立てて突然中心から現れたスーツを着崩した男が現れる。そして、ブロリーがぶん投げた消化器が男の顔面に直撃する。そして、衝撃で消化器のガスが爆発寸前に高まったのか内側からところどころに穴が空いて白いガスが男を中心にして部室中に広がる。

 

 

 

ガチャッ「すまない提出物の処理に忙しく──な、なんだ? これは一体どういう状況だ?」

 

 

 

 




まさにあっ・・・・という状況だね!これ完全に終わったね! 皆さんは火元に向けて消化器をぶん投げないように注意しよう! そして、取扱説明書をちゃんと読もう!


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第18話 婚約者ってなんだァ?

ナッパのクンッ!(ジャイアントストーム)ってカッコイイよね。そして、またシリアスな展開になっていこうとするが…一体どうなるか! 人(?)に消化器を投げつけてまさかの消化器が破裂するという大事故。普通の人間ならこの時点で死んでいるが!?


10分後・・・・

 

 

「なんなんだ!? あの人間は!? 火元に消化器を直接投げつけるとか頭おかしいんじゃねぇの!? 派手な演出で登場した俺にも枇はあるだろうが、それでも直接投げるのはどうかと思うぞ!? 科学原理というものを知らんのか!?」

 

先程消化器を投げつけられ真っ白になった男がキレて現在キャラ崩壊を起こしている。台本だとこのまま嫌な奴として話が進みバトルに発展していく予定だったが、この状況だとただの不幸なやつとしか認識されなさそうだ。

 

「サーセンンンンンンッ!」

 

「くそ…」

 

男が腕を広げると突然炎が男を包み込み真っ白だった服などがもとの色に戻った。何その便利機能。

 

「そもそも、なんでここに人間がいるんだ!?」

 

「パラガスでございます。」

 

「ブロリーです」

 

「あ、アーシア・アルジェントです!」

 

「彼らは現在、リアス様に協力してくれている人間の協力者です。」

 

と、グレイフィアがそう説明する。

 

「……リアス。協力者はちゃんと選べよ…。」

 

「……」

 

今回ばかりは何も言い返せないリアスであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁ、愛しのリアス♪ 会いに来たぜ」

 

気を取り直して軌道修正を図る男。

 

それにしても、こいつは一体誰なのか。愛しのリアスとか訳の分からないことを言ってるがさっきの消化器で頭イッてしまったのか?

 

「愛しのリアス…って、グレイフィアさんあの人は誰なんですか?」

 

「……まさか、俺を知らないとはな。リアス、下僕の教育がなってないんじゃないか?」

 

「教える必要性皆無ですもの」

 

リアスをきっぱりとそう言い放った。

 

「ぐふっ…愛しのリアスは今日も辛辣…。」

 

やはり消化器のせいでまだキャラ崩壊が起こっているようだ。

 

「兵藤一誠様、並びにブロリー様。」

 

すると、グレイフィアはブロリー達の前まで移動して話し始める。

 

「この方は古い家柄であるフェニックス家の三男坊にして将来が有望視さえされている上級悪魔の一人……ライザー・フェニックス様です。」

 

「なるほど、おぼっちゃまということか」

 

「口を慎め人間…ッ」

 

「これは失礼した。口が滑ってしまったようだ。」

 

グレイフィアはパラガスとライザーのやり取りをスルーして「そして」と付け加える。

 

「この方はグレモリー家の次期当主……すなわち、リアスお嬢様の婚約者であらせられています。」

 

「「……な、なにぃ!?!?」」

 

「…って、こんやくしゃってなんだァ?」

 

「おい(汗)」ベシッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、な、な、なにィ!? リアスはあのチャラいやつと結婚ンンンするというわけか!?」

 

「そういう事だ」

 

「おい、チャラいやつとはいったい誰の事だ? んー?」

 

「ごめんンンン また口が滑っちまった。」

 

「なら仕方ねぇな」

 

ライザーは置かれた紅茶を一口飲み、とても優雅な顔をしている。

 

「いやぁ…リアスの女王が入れてくれたお茶は美味いな。少し変な味はするが…」

 

「すみません。手が滑ってしまいまして……(青酸カリでは駄目ですか…)」

 

「なら仕方ないな。」

 

さりげなく毒殺を図ろうとする朱乃に戦慄する私(ナレーター)。実は気づいていたグレイフィアだが、青酸カリ程度じゃフェニックスは死なないと知っているので止めはしなかった。

隣にゲンドウポーズで表情を隠しているリアスだが、表情を見なくても不機嫌なのは火を見るより明らかである。 時折、ライザーがリアスの紅の髪を触ったり、太ももを撫でたりと…まず、女性を落とすに当たって一番ありえない行動に走るライザーに恋愛(ゲーム)マスターのイッセーはイラつく。

 

(品性の欠けらも無いな。あれがリアス君の婚約者…)

 

(まだイッセーの方がマシだな。)

 

パラガスとブロリーはそれぞれそのような感想を抱く。ブロリーとて女性との接し方に付いてはTHE・紳士のパラガスにある程度学んでいるつもりである。女性の髪を不用意に触るのはアウトであり太ももを触るのは論外どころかセクハラである。一瞬携帯に手を伸ばしかけたイッセーだが、何とかその手を抑える。

 

「いい加減にして頂戴、ライザー。私は前にも言ったはずよ。私はあなたとは結婚しない………私は私の旦那様を自分の意思で決める。」

 

と、ゲンドウポーズのまま微かに覗かせる瞳がギラりと光る。

 

「しかし、リアス。……先の戦争で純粋な悪魔の72柱の大半が消えた。この縁談はそんな純粋な悪魔を減らさぬよう、俺の父やリアスの父、そしてサーゼクス様の考えの総意なんだよ。それに君のお家事情はそんなことが言えるほど、切羽詰まってしまっているのではないか?」

 

「私は家を潰さないし、婿養子は迎え入れるわ。……でもそれは私が本気で好きになった人とよ。だからもう一度言うわ。ライザー、私は貴方とは結婚しない…結婚しない!!」クワッ

 

ゲンドウポーズのまま睨みをきかせてクワッと言い放つ。ライザーは部長の目の前に立って睨みをつけ舌打ちする。

 

「リアス…俺もなフェニックスの看板────んー?いや、ちょっと待って…さっきから気になっていたがそのポーズなんだよ?」

 

「……実はさっきこの体制をとった時腰を…この状態から動けないの。」

 

「50代のおっさんかよ!? いや、まずなんでそのポーズを!?」

 

 

 

 

 

…アーシア治療中

 

 

仕切り直し

 

「リアス。俺もなフェニックスの看板を背負っているんだよ。家名に泥を塗られるわけにはいかないんだ。俺はお前の眷属やそこの人間を焼き殺してでもお前を冥界に連れて帰るぞ。」

 

そして、全身からプレッシャーを放ちまた部室に炎が広がり、部室を再び熱気が包む。その炎を手に集める。

 

「さぁ、どうする?」

 

「くっ……」

 

「ニィ……ではまず…そこ金髪の女から…」

 

その手の中に収まった炎をアーシアに向け……あっ…

 

「あっ……いや、その子はやめた方が…」

 

と、イッセーは注意を促すが時すでに遅し。

 

「なんだと?」

 

その言葉を聞き…アーシアコンのブロリーは立ち上がった。

 

「なんだ? お前から死にたいのか? 人──」

 

その時、ライザーは自分でも信じられないほどのドッと汗をかいた。凄まじい殺気とライザーとは比べるのもおこがましいほどのプレッシャーを放つブロリーにライザーは戦慄する。パラガスがカバーしているおかげでアーシアは殺気とプレッシャーに当てられずに済んだが、それ以外の部員は息するのがやっとの現象に陥った。

 

それは恐怖。本能で感じたのだ…アレには勝てない 逃げろと、自分に向けられている訳でもないのにこれほどまでにヤバいのだ。実際に向けられているライザーの心境は凄まじいだろう。

 

寒い訳でもないのに寒気がブワッとあがり、口がカタカタと音を鳴らす。

 

「な、なんだ…お、お前…!?」

 

「そんなことはどうでもいい。貴様、アーシアに何をしようとしていた?」

 

「い、いや、その…」

 

あの誇り高き(笑)フェニックスが情けなく教師に説教されている生徒のように縮こまり体が震えていた。ただでさえ自分より身長が上なのにライザーには巨人のようにでかく見えた。

 

「くっ…くっ…ふ、ふざけるなッ! 人間が、このライザー様より上なわけがあるかッ!!」

 

その凝縮された火球を手にブロリーの胸にぶち当てる(身長差)

 

ボンッと凄まじい爆発音を鳴らして破裂した火球。巻き込まれた腕が肘まで消し飛ぶがすぐに再生する。部室中に煙が巻上がり焦げ臭くなる。

 

「ふっ…はははっ! やはり勘違いだったようだな…この俺が人間なんかに震えるわけ───」

 

「…なんなんだァ? 今のはぁ?」

 

「ハッ!?」

 

ブロリーが気で煙をかき消して現れる。不敵な笑みを浮かべて

 

ブロリーはライザーの頭を鷲掴みして持ち上げる。

 

「グッ!? 下賎な人間が気安く触れるなぁ!?」

 

ライザーは火を纏った足でブロリーの顎を蹴りあげるがまったくきいていない。

 

「HA☆NA☆SEッ!!」

 

「いいだろう」

 

ぱっとライザーを放すブロリー。しかし、もう1つの剛腕がライザーに迫っていた。

 

その剛腕がライザーを貫く時であった。

 

「そこまでです。」

 

 

ライザーを貫こうとしていたブロリーの腕が何者かにパシッと受け止められる。グレイフィアが横から手を突き出して手の平で受け止めたのだ。

 

「これ以上の勝手な振る舞いは許しませんよ?」

 

「……」

 

「ハッ……はぁッ…!?」

 

開放されたライザーが必死に空気を吸っている中グレイフィアとブロリーの視線が飛び交う。正直さっきより怖い。

 

ブロリーが情けなく跪いているライザーをチラ見して舌打ちする。

 

「…興醒めだ。帰るぞアーシア。」

 

「え、あ、はい!」

 

「…私はもう少し残っておこう。」

 

ブロリーはカバンを片手に部室を後にする。それを急いで追うアーシア。

 

「…すまないな。私の息子が無礼を働いた事を代わりに詫びよう。すまなかった。 どうぞ続けてくれたまえ。」

 

「……」

 

跪いているライザーはただキッと扉を見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いやぁ、なんかすまない。どうしてもネタには知りたくてライザーのキャラをブレッブレにしてしまい…そもそも、ライザーのキャラをあまり理解してなくてすまない…


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19話 たのしいがっしゅく!

あー、高校って楽じゃねぇなー。俺の頭の許容量じゃ、授業についていけねぇよ(ㅇㅁㅇ)

ドラゴンボールがあったら…俺の頭をブルマかドクターゲロの天才的な頭と入れ替えてほしい。

あと、近いうちにブロリー家の設定とかを書いて投稿するかもです。主に俺が忘れないように


ブロリー達の目の前にあるのはブロリー家を超えるのではないのかと思うくらいの大きな屋敷が立っていた。勿論、この屋敷はブロリーのものでは無い。グレモリー家の別荘。つまり、リアスの別荘ということだ。お金持ちが考える思考は分からないものだと、実質大金持ちのパラガスはそう考える。

 

「ほう、これはなかなか。」

 

「大きさでは私達の家を超えているかも知れませんね。これが別荘とは……、グレモリー家の住居は相当なものでしょうね。かなり儲けているようです。流石、魔王という所でしょうか。」

 

「でっかいなァ…」

 

「凄いですね!」

 

パラガス、モア、ブロリー、アーシアはそれぞれそのような感想を抱く。何故、ブロリー家がグレモリー家の別荘にいるか説明しよう。ブロリーが部室を後にした後、話は進み…落ち着いたのが『レーティングゲーム』での決着。レーティングゲームとは簡単に言うと上級悪魔が自分の部下と協力してバトルをするものらしい。しかし、相手はアレでも若手の中で結構つおい部類だ。リアス達はこのまま戦っても勝ち目がないと思って学校を休み、この別荘でトレーニングをするというわけだ。

 

しかし、自分達の自主トレじゃ限界は見えている。そこで、指南役としてブロリー達を呼んだということだ。あのムカつく野郎をぶちのめすという事なら喜んで協力するブロリー(あと、学校をサボれる)。ブロリーだけではちょっと…いやかなり不安と思い、パラガスとモア、回復要員としてアーシアが派遣された。

 

パラガスとてサイヤ人である。一応現役時代はエリートとして活躍をしていて、生前も隙を見ては自主トレをしていた。ここに来てからはブロリーに修行に付き合わされて嫌でも戦闘力が身についた(サンドバッグ)。モアは、元々星々を転々とするならず者で、様々な異能をその身に宿したという。パラガスでもその強さは測れないらしい。え? なんでパラガスにあっさりとやられたかって? シランナ☆

 

両者とも指南役としては十分すぎるほどの素質を持っている。あれ? ブロリーいらなくね?

 

そして、まだここに居ない者達を待つため時間を潰しているとようやく足音が聞こえてきた。

 

「……ふぅ…」ドサッ

 

まず、坂道から現れたのは馬鹿見ないな大きく膨らんだカバンをもって小猫が上がってきて続いて木場、既に死にそうになりながらイッセーが登ってきた。最後にリアスと朱乃が登ってきた。

 

「あら、早いわね。待たせちゃったかしら?」

 

「いや、問題ない。担任教師が部員よりも早めに到着するのは当たり前だろう?」

 

「5分前行動というわけだァ!」

 

「ふふ、そうね。……あら? その人は?」

 

ここで、リアスがモアの存在に気づいてパラガスに質問する。

 

「俺達だけでは些か不安でな。勝手ながら助っ人を呼ばせてもらったよ。」

 

モアが前にでて胸に手を当ててお辞儀する。

 

「初めまして皆さん。イッセーさんは何度かお会いしましたが、私はパラガス家にお使いするモアと言うものです。以後お見知りおきを…。」

 

「ご丁寧にどうも、私はリアス・グレモリーです。悪魔ということは聞いているかしら?」

 

「ええ、パラガス様からお伺っております。そのような面妖なものが存在していたとは、驚きでした。今まで、ブロリー様の戯言かと思っておりましたが…」

 

サラッと毒を吐くモアにグサッとくるブロリー。否定出来ない…。リアスは念の為にブロリー達について調べており、家が豪邸なのが分かっている。しかし、どの経路であの家の電気代やらを稼いでいるのか未だに掴めていない。

 

「はぁ…はぁ…パラガス…先生…はぁ…はぁ…モアさんもサイヤ人…なんですか?」

 

気になったのか、絶え絶えな息をなんとか繋いでイッセーがパラガスにそう質問する。

 

「いや、人間だ……多分。」

 

「え? (多分?)」

 

「失礼ですねパラガス様。今の私はれっきとした人間ですよ。」

 

(今の?)

 

「あぁ、まぁ強さに関しては私が保証しよう。」

 

「…そう。」

 

ターレスにぼろ負けしたり、息子達をほっといて大人のお姉さんの使い魔を探しに行ったパラガスが言ってもイマイチ信用ならないリアス達であった。

 

「さぁ、そろそろ修行を始めましょう。部屋に案内するから各自ジャージに着替えて集合するように」

 

でかい荷物を持って別荘に入っていく。中は思ったより手入れがされていて、掃除も行き届いていた。埃一つも残っていない。

 

 

 

 

 

「中は思ったより綺麗ですね」

 

「なんだか寒いです…」

 

「お、おい…もう帰ろうぜ…」

 

「なんだよイッセー、ビビってるのかァ?」

 

 

「……一応聞いておくけど…何してるの?」

 

モアとアーシアとイッセーとブロリーが何やら本を持って音読しているのを何となく聞いてみるリアス。

 

「いえ、雰囲気作りは大事かと思いまして」

 

「すみません…ブロリーさんに言われて…」

 

「すみません部長、一度言ってみたくて」

 

「この家があの館にそっくりだからァ」

 

「……そういうのは修行が終わってからにしてちょうだいね…。」

 

未だに子供心が抜けないイッセーとブロリーに苦笑いを浮かべるリアスであった。

 

茶番は置いといて荷物をとりあえずリビングに置いて更衣室(空き部屋)で着替えるブロリー達

 

「おぉ…やっぱりブロリーて筋肉すげぇな」

 

「んん? そうかァ?」

 

「確かに、無駄のない引き締まった体をしているね。」

 

「…アレだな。本気になると服を筋肉でビリィィィと破けそうだな。」

 

「え? あぁうん確かに」

 

「なら、やってみるかぁ?」

 

ブロリーは白いTシャツを着て、筋肉に思いっきり力を入れてみる。すると、服が胸から縦に裂けて吹き飛ぶ。

 

「おぉ! まさか、リアルでシャツビリィィィが見れるとは…!!」

 

シャツビリィィィが現実で見れて興奮するイッセー。

 

 

モアに叱られる5秒前であった

 

 

 

 

 

 

 

大きなたんこぶができた頭を擦りながら出て来たイッセーとブロリーで庭に全員が揃った。そして、パラガスが皆の前に出て話し始める。

 

「それではこれより修行を始めるとする。修行内容だが、残念ながらまだ全員のプランが決まっていない。だが、イッセーの修行のプランは決まっている。」

 

「え!? 俺のだけっすか!?」

 

「あぁ、ブロリーとマンツーマンの修行だ。」

 

「ぇ……」

 

「フッフッフッフッ」

 

その言葉を聞いてイッセーはこれ以上似ないほどの絶望的な顔をした。イッセーは生まれて初めて心の底から震え上がっている。死の宣告と目の前に不敵に笑う悪魔に、恐ろしさと絶望のあまり涙すら流している。

 

<ざわざわ

 

「まぁ、話を最後まで聞きたまえ。まずは、君たちの力を見せてもらいたいのだ。」

 

よく考えてみるとまだブロリー達はリアス達の各々の実力を知らない。それでは修行のプランを決めれないのだ。勿論、リアス達の能力についてはリアスから聞いている。

 

「そこで、リアス眷属1人1人ブロリー……と、言いたいところだがここはモアと闘ってもらいたい。勿論、本気で闘ってもらう。」

 

「ぇえ!? マジかよーんだよー…」

 

「Yes,my lord」

 

「イッセーはそこでモアと部員が戦っているところを見ていろ。お前は戦闘経験がほとんどないからな。見て技を盗むのも強くなる秘訣だ。」

 

「……ハィ」

 

「さて、まずは……木場君」

 

「はい」

 

最初に木場が呼ばれる。モアが庭の中央に歩み寄り、木場もモアと相対するように庭に出る。

 

他の皆は邪魔にならぬよう観戦するために距離をとる。

 

「あなたから何か異質な魔力を感じます。初めて見た時から気になっていたんですよ。」

 

「おや、落とし文句ですか? すみません、私はそういうのは間に合っているのでほかを当たっていただきたく─」

 

「違うよ( 苦笑 )」

 

「本気で戦ってもらうため、神器とやらを思うように使ってくれたまえ。モアも、油断しないよう気おつけたまえ。」

 

「分かりました。」

 

木場は生唾を飲み込みながら返事をして剣を固く握る。

 

「御意」

 

モアも手袋を上げて返事を返す。

 

「では、はじめぃッ!!!!」

 

始まりの合図とともに木場が一気に駆け出す。イッセーでは目で追い切れないスピードであるが、モアはしっかりと木場の姿を捉えていた。木場が振り下ろす剣をモアは右手だけを持ち上げて人差し指と中指で木場の剣を止める。

 

「ッ!?」

 

驚愕する木場だが、すぐに我に返って剣を離して次の剣を作成してモアに振るう。

 

(なるほど、確かにスピードは悪くはありませんね。センスもそれほど悪くはありません。ですが、攻撃が軽い。)

 

モアは木場から貰った(奪った?)剣を使って木場の攻撃を受け止め受け流し躱す、木場の全力の連撃をいとも容易く捌いくモア。木場も気づいているだろうがモアはその場から1歩も動いていない。剣の軌道を完全に見切られている。

 

「くっ!」

 

大振りに剣を振り下ろす木場だが、その攻撃はモアの体をすり抜けた。

 

「なっ!?」

 

「残像です」

 

「ッ!!」

 

挙句に後に剣を振るうが、その剣はモアの剣に弾かれて首筋に剣を突きつけられる。

 

「……参りました」

 

「お疲れ様です。」

 

「…祐斗先輩が剣の腕とスピードで負けた」

 

小猫が皆の気持ちを代弁するかのように驚いた。

 

スピードが最大の特徴であるナイト……そのナイトがスピードで完全に圧倒されたのだ。木場の特技である剣技も凌駕されたのだ。モアの強さに戦慄するリアス一行。

 

「モアよ。木場と戦ってみてどうだった。」

 

「そうですね。スピードはさほど悪くはありません。剣筋も私から見ても美しかったです。ですが、攻撃が軽い。」

 

その言葉を最後に木場の腕を掴んでモミモミするモア。

 

「っ」

 

「筋力がまるでありません。捕まってしまえばスピードも意味をなさないでしょう? まずは最低でもスピードに見合うだけの筋力を身につけた方がいいかと…それと、相手を目で追おうのは結構ですが世界は広いです。自分より早い相手もいます。」

 

「っ……」

 

実際に目の前にいるのでグゥの音も出ない。

 

「そこで、相手の気配を追うことを意識しましょう。これでより、戦い方が一段と良くなるでしょう。」

 

「なるほど…ありがとうございます。」

 

「いえいえ」

 

パラガスがモアを選んだのはこれである。相手の技を見切り相手の欠点を見出す洞察力にモアはかなり優れている。そして、人にものを教えるのがとても上手い。

彼が塾を開いた方がパラガスより儲かるのではないだろうか? 奥様方のハートが危ういが…

 

「それでは次、小猫君」

 

「はい」

 

次に小猫が呼ばれる。モアの前まで歩み寄りぺこりとお辞儀をする。

 

「よろしくお願いします…」

 

「こちらこそよろしくお願い致します。」

 

モアも胸に手を当ててお辞儀を返す。そして、小猫は構えをとる。

 

(あの構えをは、見たことがありますね。こちらの世界を調べている時に見た格闘技の情報にあったボクシングとやらですか。)

 

「では、はじめッ!!」

 

「……」

 

「……」

 

今回はどちらも動かずお互い間合いを図っているようだ。両者ジリジリと間を詰め寄り、小猫が先に仕掛ける。

 

「シュッ!」

 

小猫は一気にモアとの距離を詰めて渾身の右ストレートも放つ。モアはそれを腕で防御する。

 

(ほう、ブロリー様の手加減無しのジャブと同等の力が込められていますね。)

 

続いて小猫は高速のジャブの連打を放つが手のひらで全て受け止めれる。

 

(ボクシングを身につけたのは良い判断ですね。突きに関してはボクシングは最強と調べが出ています。しかし、この娘…別の何かを感じますね。)

 

余裕顔で攻撃の全てを受け止められる小猫はムキになり蹴りを繰り出して腿に当てる。

 

(やった)

 

綺麗に入った蹴りに顔に出さずに確信する。

 

「腿を狙うのはいい判断ですね。」

 

「ッ!!」

 

しかし、モアに効いた様子もなく、余裕顔を保っていた。

 

「しかし、油断は禁物かと」

 

モアの腕は手刀の形で小猫の首筋に止められていた。小猫が腿を攻撃する瞬間に放ったようだ。

 

「くっ!」

 

小猫はモアの腕を払って蹴りを加えた怒涛の連撃を放つが全て紙一重で躱されて右ストレートを掴まれて逆の手の手刀をまた首筋に止められる。

 

「ガラ空きです」

 

「うっ…てやぁ!!」

 

また払い除けて今度は掴みに掛かるがモアの身体をすり抜ける。

 

(これは、祐斗先輩の時の…)

 

その時の光景を思い出して小猫後に回し蹴りを放つが誰もいなかった。

 

「なっ」

 

「残念、前です。」

 

「っ」

 

小猫が振り返ると額にモアがデコピンの構えをとっていた。

 

バチンッ!

 

「にゃっ!?」

 

デコピンとは思えないほどの激痛に額を押さえ込んでしゃがみこむ小猫。

 

「にゃぅぅう…」

 

「木場様の時のように後に回り込むだけの技ではありませんよ。あなたも気配を読むことから始めましょうか。それと、当てたからと油断をしてはいけません。敵はいつ何処にいるのか分かりませんから、生物は敵を倒したあとが油断しやすいですからね。これができれば今のところ上々でしょうか。」

 

「…はい。」

 

「これは、ブロリー様にも良く見える傾向がありますね。」

 

「なにぃ!?」

 

まさかの自分もそういう癖があると指摘されて不意に驚いてしまうブロリー。そして、周りから少し笑われて一緒に笑っているイッセーに八つ当たりする。

 

「次、姫島君!」

 

「はい」

 

今度は朱乃が呼ばれる。いつものニコニコ顔で中庭へ歩み寄った。

 

「うふふ、よろしくお願い致しますわ。」

 

「こちらこそ、よろしくお願い致します。」

 

大人同士の立ち会いみたいになったかなり緊張感が湧き出る中。パラガスが開始の合図を出す。

 

「では、始め!」

 

「いきますわ!」

 

先手必勝の如くモアに向けて手を突き出して黄色い魔方陣が開かれて稲妻が迸った次の瞬間に巨大な雷が放たれた。

 

「ほう、これが魔法ですか…気とは違うものを感じますね。」

 

巨大な雷が迫る中モアは平然とそんなことを呟いている。そして、もう目の前に迫った時にようやく後に組んでいた右手を雷に向ける。そして、片足を後に引き腰を下げる。そして、気を張った右の手のひらで雷を受け止めて受け流し左手で包み込むように受け止めて後に下げた左足を軸にして回転し遠心力を利用して雷を放つ。

 

「返しますよ」

 

ズオンッ!!という音ともに放たれた雷は朱乃の真横を通り過ぎて後ろの大岩を貫き森を通過して爆発した。

 

「「「「「……ッ!?」」」」」

 

一瞬何をしたのか分からず放心して、頭が理解した時声にならない驚愕の声が漏れる。

 

「い、今のは?」

 

「見ての通り姫島様の雷を受け流してあなたに返したのですよ。」

 

「い、いえ…それは分かるのですけれど…どうやって…?」

 

「そうですね…例えるとしたら川の流れを変えたようなものです。川の水は障壁があると流れを変え、違う場所へ向かおうとします。それと同じようなものです。」

 

説明されたけど全く分からないリアス達。人に物を教えるのは難しいですねと思うモア。

 

「塔城様もこれができれば文句はないのですが」

 

「無理です」

 

キッパリとそう答える小猫。当たり前である。

 

「では、再開いたしましょうか。あぁ、今のはもうしないので安心して容赦なくやってください。」

 

「…わかりましたわ」

 

ばっと朱乃が腕を振り上げるとモアの頭上に魔法陣が開かれる。

 

難なくバックステップで躱すモア。負けじとモアも右手から気弾を放つ。

 

「ッ!!」

 

挙句に結界を出して気弾を防御して耐え切る。

 

「気を弾にして攻撃できるんですの?」

 

「えぇ、気を扱うものなら誰でも可能ですよ。」

 

「うふふ、そうですの。」

 

そう言いながら多数の魔方陣を開き無数の雷を放射する。モアも両手に気を練る。

 

『ダブルトラップシューター』

 

モアの放った2つの気弾は分裂して多数に増え、それで応戦する。両方の攻撃がぶつかり眩しいほどの光が視界を遮る

 

「あらあら、器用ですね。」

 

「あなたは少々不器用なようですね。」

 

「あらあら」

 

お互いが相殺し合って打ち消しあう中、モアが口を開いた。

 

「なかなか強力な攻撃ですね……威力も中々で連射が可能……波の相手では相手にならないでしょう。」

 

「うふふ、ありがとうございます。」

 

「ですが、いつまで続きますかな。…かなり燃費が悪いようですね。先程よりも…制度が落ちていますよ。」

 

「っ…」

 

強力な気弾と巨大な雷が相殺して爆発を起こす。巻き上がった煙を2つの気弾が貫通して朱乃へ迫る。

 

「無駄ですわ!」

 

そう言って雷を広範囲に展開させて気弾ごとモアを飲み込もうとする。が、モアは笑って返す。

 

「その攻撃はとても強力ですが、その分無駄が多い。それが体力の消耗が激しい原因です。もっと自分の攻撃をコントロールしましょう。こういう風に…」

 

すると、モアの放った2つの気弾がドリルのように回転し始めて広範囲に放たれた朱乃の雷を突っ切って進む。モアは飛んでくる雷の粒子をバリアで防いでやり過ごす。朱乃も結界でその気弾を伏せごうとするが、その気弾は結界にヒビを入れてどんどんと結界を崩していく。

 

「っ!?」

 

「はいっ」

 

すると、結界が崩れる寸前にその気弾は上に起動を変えて消滅した。

 

朱乃は結界をといてその場にへたり込む。

 

「朱乃様はその恵まれた魔力とやらの多さに頼り、強力な攻撃を何発も打ってしまう傾向があります。魔力は無限ではありませんのでもっと攻撃をコントロールするように意識しましょう。そうすれば、攻撃のレパートリーも増えるはずです。」

 

「…分かりましたわ」

 

 

 

これで、メンバーの一通り終わった。リアスだが、今回は眷属達の修行なのでリアスは皆の修行を手助けするらしい。勿論、自分も修行するらしい。とりあえず今日はこれで終わって明日に備えて休むことにした。

 

 

「うめぇじゃねぇか!このヤローっ!!」

 

 

そして、今はモアの作ったカレーを食べている。ご飯はモアが全て担うと言ったがそれではかなり悪いので当番制にしようとしたが晩飯だけは断固として譲らなかったので晩飯以外は料理ができるものが当番制になった。

 

カレーの美味さに次々と皿の山を作っていく小猫とブロリー。小猫に関しては涙すら流している。

 

「強くて家事万能でイケメンなんて、非の打ち所のないわね…。」

 

「俺も、こんなイケメンに生まれたかった…ッ!!」

 

リアスがそう呟き、イッセーが血の涙を流しながらカレーをバクバクと口に突っ込んでいく。

 

「…私、モア様に一生ついて行きます。」

 

「小猫が落ちたッ!?」

 

そんな騒動が起きながら夜は空けていく

 

 

 

 




やべぇ、久しぶりに書いたらすげぇ長くなった(2日目)
どこかで釘ろうと思ったけどなかなかオチが見つからず、遂に7000文字を達成してしまった。多分、疲れて語彙力の低下とか誤字があると思うけど優しく報告してちょんまげ

読み返して思ったこと。モアって誰だっけ(哲学)


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第20話 特訓の日々でございます

夏休みが迫る中、私はどんどんと迫ってくる期末テストにビクビクしながら日々を送っています。皆様はどうお過ごしでしょうか。私はこうしてこちらに逃げて現実逃避をしなければ白毛が大量発生して乙しそうでございます(ガチ)

現実逃避は大事(名言)




ドォーンッ!!

 

 

「おぉ!? 」

 

何かが爆発したような大激音が別荘の分厚い壁をぶち抜き全体に響き渡り、それと同時にこの山全体が揺れて呑気に寝ていたイッセーがベットから叩き落とされた。

 

「な、なんだ!? 地震か!?」

 

イッセーは敵襲かと思い廊下へ飛び出すと、窓ガラスは全て砕かれていて壁にはところどころヒビが入りとにかく酷い有様であった。これは、本格的にやばいと直感したイッセーは走り出すと壊れた窓の近くにブロリーとモア以外の全員が揃って窓の外を覗いていた。

 

「ぶ、部長? これは一体?」

 

「あら、イッセーおはよう。」

 

リアスはいつものにこやかな笑顔でそうイッセーに挨拶したが、どこか悟った表情をしていた。イッセーは皆が見ている窓の向こうを見てみると、そこには所々にクレーターができて酷い有様になった庭があった。そして、何かの影が差すと同時にまた1つクレーターが出来上がる。何が起こっているのか理解できないイッセーはパラガスに聞いてみる。

 

「あ、あのパラガス先生? これは一体yr」

 

ゴッ

 

今度は庭から打撃音が鳴り響きイッセーがなった場所を見てみると、黒いジャージがビリビリに破れてボロボロになったモアといつものように上半身裸で白いズボン姿のブロリーが殴りあった状態が見えた。そして、すぐに消える。

 

「解説のパラガス先生さん! これは一体何が起こっているのでしょうか!?」

 

いつの間にかセットされた椅子に座り、解説と実況という札が貼られた机を前に窓の外を眺めてイッセーがマイクを握っていた。このノリにツッコんではいけない

 

「説明しよう。前回大活躍であったモアであったが、その活躍がこの物語の主人公であるはずのブロリーよりも魅力的な戦い方をしたせいでモアの人気がうなぎ登りしてしまったせいで嫉妬したブロリーはモアに八つ当たりをしているという訳だぁ!」

 

「なんて理不尽極まりない! だが、そこがブロリー!! ところで解説のパラガス先生さん!」

 

「何かね?」

 

「私、何が起こっているのか見えなくて実況のしょうがないのですが?」

 

「シランナ☆」

 

「やってやれるかこんな仕事!!」

 

イッセーがそう叫んでマイクを投げ捨てると、突然壁から腕が突き出てきてパラガスが頭を鷲掴みされる。

 

「ゑ?」

 

捕まえたのはやはりブロリー。そして、壁をぶち破って連れ去られたパラガスはある方向にぶん投げられる。

 

「ふぉぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?」

 

パラガスの断末魔が山中に響き渡り、何かにぶち当たる。なんとそれはPOD。

 

ウィーンと扉を閉められる。

 

そして、蘇る過去の記憶。

 

「ゑゑゑゑゑッ!? まままま、待ってくれ!¥$#〒〆€rs 」

 

ダッシュで向かってきてブロリーはパラガスの話を聞くこともなくPODを鷲掴みする。持ち上げられてメキメキと潰されながらブロリーの気が纏わりつきPODが緑色に光り輝く。

 

「ぉぉお…自分の子供にゴミのように使われるとは…これもサイヤ人の運命か…ッ」

 

そして、ブロリーがその光り輝くPODをぶん投げる。

そして、怯んでいたモアに迫る。

 

合技『親父PODスティンガーッ!!』

 

 

「ふぉぁぁぁッ!! ふぁーはっはっふぁ〜(´;ω;`)」

 

 

 

 

 

 

 

 

\デデーン/

 

<あ〜う☆(^q^)

 

<うわぁぁぁぁぁぁッ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まぁ、そんなこともあるが修行は順調に進んでいた。毎日修行終わりにヤムチャしたイッセーを見るが明日の朝には元気になるイッセーのタフネス性は正直驚きを隠せない。その修行風景を少し紹介しよう。

 

 

 

~小猫&木場〜

 

 

 

「はァァァッ!!」

 

「ふッ!」

 

木場と小猫が2人のパンチとキックと剣の応酬をモアは紙一重で避け受け流して躱し続けている。何度目かの打ち合いの中にモアが木場の剣の腹を叩き剣の軌道が大きくズレて隙が生まれる。そこをカバーするかのように小猫が間に入るが逆に気の衝撃波で木場と一緒に吹き飛ばされてしまう。

 

何とか大勢を整えて構える。次に木場だけがモアに突撃してくる。木場がモアの目の前に迫るとその剣を振り下ろすがその軌道はモアではなく地面。嫌な予感がしたモアは飛んで離れるとモアのいた地面から剣が突き出てくる。

 

「なかなか、恐ろしいことを考えますね。」

 

これにはモアも苦笑い。

 

「生半可な戦い方じゃあなたには勝てません…からッ!」

 

木場は自分の持っていた剣をモアにぶん投げる。当然モアはその剣を手で弾いて躱すが

 

『魔動拳』

 

木場の後から現れた小猫が魔力の弾を放ってくる。

 

「ッ」

 

モアはその魔動拳に向けて腕を突き出し気を放つ。魔力と気がぶつかり合いモアの気が小猫の魔力を押しのけて消し飛ばす。そして、モアは腰を下げる。すると頭上に何かが通り過ぎる。

 

「なっ!?」

 

それは小猫の技に気を取られている隙に後に回り込んでいた木場の剣だった。

 

「甘い」

 

モアは木場の溝に肘を打ち込み態勢が崩れ下がった首に左腕を回して右腕を股に回して投げ飛ばす強引な投げ技を仕掛ける。投げ飛ばされた木場は着地した小猫にぶち当たり2人とも転がって静止する。

 

「はい、そこまで」

 

モアがパンパンと手を叩いて終わりの合図を示す。剣を杖にして立ち上がった木場は倒れるように座り込み、小猫なんとか起き上がって体育座りをする。

 

「2人とも素晴らしいチームワークでしたよ。文句無しの花丸です。」

 

と、終始余裕顔で躱していたモアがにこやかな笑顔でそう告げる。朝から\デデーン/された人とは思えない動きであった。普通の人なら嫉妬しただけで\デデーン/されるこんな職場即逃げ出すか胃に穴が開くかするはずなのに全く堪えている気がしない。

 

(完全に手加減されていた…)

 

(やっぱり敵わない…)

 

「日が経つにつれてだんだんと容赦が無くなっているのは少し気になりますが、これなら恐らくそこらの悪魔には負けないでしょう。生憎あなた方の他に悪魔など見たことありませんから保証は出来かねますが。」

 

「そう、ですか。」

 

「……」

 

「しかし、2人ともまだまだ詰めが甘いです。例えば先程の奇襲、木場君はあまり気配が隠せていませんでした。そして、小猫さんは──「グォォォォォオ」─おや?」

 

何やらすごく近くから獣が唸るような音が聞こえてその音を視線で辿ってみると

 

「……」グォォォォォオ

 

お腹を抑えて少し恥ずかしそうに頬を赤くした小猫が

 

「…お腹…空きました。」ぐぉぉぉrs

 

「…おやおや」

 

「…ッ…ッ…」

 

修行後のブロリーを思い出して苦笑いを浮かべるモアと必死に笑いを堪える木場。

 

「では、この話は昼食の後にいたしましょう。」

 

 

 

 

 

〜魔力&気〜

 

 

「魔力というのは体から溢れるオーラを流れるように集めるのです。……ってイッセー君に言って出来るかしら?」

 

「そうかな? やって見なきゃ分かんねぇ!!」

 

なんと言っても魔力が絶望的に少ないイッセーである。出来たとしても豆粒程度…(以下略)気合いを込めるように手に力を込めるイッセー。しかし、全くでる気配なし。

 

「ふむ、気と似たようなものか。果たして俺達にできるのか…。」

 

「たとえ魔力とて、この俺を超えることはできぬぅ!!」

 

ブロリー達はイッセーと共に魔力の訓練をしてもらっている。理由は何となくだ。アーシアは気というより魔力の方が向いているようなので一応アーシアには魔力を習得してもらう。ブロリーがいるがいつどんな時に何が起こるかわからない、そのために少しは身を守れたらいいなぁ的な感じでこの場にいる。

 

「というか、俺達に魔力はあるのか?」

 

「そうですわね…パラガス先生からかなりの魔力を感じますわね。ブロリー君からには……全く感じないですわね。」

 

「ナナナナナナナニィ!?」

 

自身に魔力が全く宿ってないことに驚くブロリー。

 

「ハッハッハッハッハッハッッ!!」

 

その事に絶望的に魔力が”少ない”イッセーが高笑いを上げる。

 

「笑っちゃう──ほぉああっ!?」

 

その事にムカついたブロリーはイッセーにラリアットをぶち当てどこからともなく岩盤が現れてイッセーはそれに押し付けられる。

 

「お前が、笑うな、YO☆」

 

「す、すみません」

 

「わぁ! できました!できましたよ!ブロリーさん!」

 

「うぉわぁ!?」

 

すると、後から自分の名前を呼びながら歓声をあげるアーシアの声が聞こえる。

ブロリーはイッセーを投げ捨ててアーシアの元へ向かう。そこには手元に小さな緑色に淡く光る球体が浮び、飛んで喜んでいるアーシアがいた。

 

「おぉ! 俺のとそっくリーです。」

 

ブロリーは気弾を出してアーシアの手元に近づける。ブロリーの気弾も緑色に淡く光っていた。

 

「はい! ブロリーさんと同じ色です!!」

 

自分と同じ色ということですごく喜び天使のような笑顔を向けるアーシアに思わず吐血しそうになるブロリー。なんとか膝を着く程度に治まる。

 

「そう言えば…気ってどうやって出すんですか…?」

 

地を這いずりながら戻ってきたイッセーがそう質問する。

 

「手法は魔力とほぼ一緒だ。しかし、根本的ななり方が全く違う。気とはいわゆる潜在パワーのようなものでどの生物にも宿っているものだ。体を鍛えれば鍛えるほどその気の量は高まっていく。俺達サイヤ人は戦闘民族で気の使い方をある程度本能的に使えていたほどに気に長けていた。」

 

「えーと、つまり気はその気になれば誰だって使えるんですか?」

 

「あぁ、勿論適正的なものはあるが努力すれば誰だって使えるものだ。」

 

「 俺でも使えるんですか!?」

 

「そうだな、悪魔が魔力以外を使えるかは知らないが、できるんじゃないか?」

 

「マジすか」

 

「マジ☆マジ☆」

 

「体を鍛えれば鍛えるほどに増えるですか…魔力よりイッセー君には気の方が相性がいいかもしれませんわね。」

 

「マジですか」

 

「マジですわぁ」

 

そして、流れ的にパラガスが気の使い方を教えるハメになった。

 

 

 

 

と、このように半分気が抜けているような感じだが至って真面目に修行に取り組んでいた。え? イッセーの修行はって? イッセーの修行はひたすらブロリーと筋トレをするだけという何とも暑苦しいものが続くだけなのでキング・クリムゾンです。

 

「「ハァ☆」」

 

 

そして、どんどんと『レーティングゲーム』への時間が迫ってくる。

 

 




気を出す練習に小学生時代の半分の時間を費やしてしまった。そのおかげで今なら集中すればたまにでてる気がします。

そして、また途中から力尽きて適当になりかけてます。


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第21話 決意

あ〜テスト返しじゃぁァ…数学欠点だ。やったぜ(白目)

異世界行きたい(悟り)


「ォォオオオッ!! オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラッ!!」

 

イッセーはブロリーに怒涛の連打を放つ。日々の筋トレで鍛えられた凄まじい筋肉によりプロボクサーもびっくりな速度でブローを放つイッセー。しかし、ブロリーはそれを紙一重で躱す。

 

『Burst』

 

イッセーの神器から渋いおっさんの声が響く。これはイッセーの神器 赤龍帝の籠手の能力、倍加。それがキャパシティを超えた時に鳴る音声?だ。正直音声か神器の中のおっさんが言っているのかわからないのでここでは音声と表そう。ちなみに普通の倍加では『Boost』となる。

 

「いくぜぇ! ブロリーッ!!」

 

『Explosion』

 

「フハッ! いいぞぉ…もっと気を高めロットォォォオオッ!!」

 

「ブロリー直伝! イレイザーブローッ!!」

 

「ヌリュアッ!!!」

 

イッセーのイレイザーブローとブロリーのパンチがぶつかり合い地面に亀裂が走り衝撃でパリッと近くの岩にヒビが入る。

 

両者拳を合わせた状態で静止し、先に崩れたのはイッセー。左腕を抑えてのたうち回る。

 

「ウォォォォイテェェェェッ!! これ絶対骨折した! recovery(アーシア)helpmeッ!!」

 

「フハハハハハハッ!! ぬるい!ぬるすぎるッ!! その程度のパワーではこの俺を超えることはできぬぅ!! 」

 

「ウオオオオアアアア\( 'ω')/アアアアアッッッッ!!!!!」

 

「うるせェよっ!!」

 

「DORっ!?」

 

 

 

 

 

 

「ああ〜〜いい〜」

 

イッセーは今日の疲れをこの別荘の露天風呂で落とす。もはや温泉旅館で売ってもいいんではなかろうか。お湯にどっぷり浸かり半分身体が溶けかけている。

 

「はぁぁぁぁぁぁ〜」

 

ブロリーもさすがに温泉の時は静かである。鉛のような体を伸ばして疲れを落とす。温泉とはいい文化である。この温泉には微妙ながら魔力が込められているようで普通の温泉よりも疲れを落とし美肌効果も抜群であるようだ。やはり温泉旅館(以下略

 

こんなものを知らずに冷たい水を被っていたブロリーは人生を半分損した気分になった。

 

「……ブロリーはいつからそんなに強かったんだ?」

 

なんとなくそうイッセーがブロリーに聞いてみる。この半日ですっかり逞しい身体になったイッセーはその身体をど広い温泉の湯に横になりぷかぷかと浮きながらそんなことを聞く。かなり行儀の悪い浸かり方だがそこはあえてツッコまない。

 

「…生まれた時から……と言ったらどうする?」

 

珍しくシリアス顔なブロリーは冗談混じりに言ってみる。あながち嘘ではないが…

 

「…確かに赤ちゃんの時からそんなに強いなら納得できるんだけどな。どうにもお前を見ているとほんとに同い年か疑う時があるんだよな…。けど精神年齢は俺より低そrs」

 

「フハハハハハハッ!! それは俺がサイヤ人だからだろう?」

 

「…そうかもな。」

 

ブロリーは少し驚いた。

イッセーがそんなことを言ってくるとは……割と核心をつかれたブロリーはなんとか誤魔化す。

 

「星かァ…」

 

ブロリーはふと空を見上げる。暗い夜空をキラキラと明るく照らす星の美しさに少し感動するブロリー。こうしてのんびり星を眺めることなど1度もなかった。ふと新惑星ベジータでシャモ星人の星を破壊した時のことを思い出す。向かうところ敵無しの高揚感で満ち溢れ何もかも壊したい破壊衝動に身を任せた結果の行為。別に反省する気もないし気持ちがよかったからどうでもいいが、今思えばかなりハッスルしたなと他人事かのように思う。

 

「ブロリー、俺絶対に勝ってみせる……じゃねぇと部長があの焼き鳥野郎に奪われちまうからな。」

 

「その為にも、貴様はこの俺に一泡吹かせんといかんがな。」

 

「うっ…もう少し難易度を下げても」

 

「嫌です…」

 

「oh......」

 

「お互い頑張ろうねイッセー君」

 

「あぁ! ………ん?」

 

「へぁ!?」

 

「木場…いつからいたんだ?」

 

「え、ずっといたけど」

 

「え?」

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

そして、翌日

焼き鳥(ライザー)とのレーティングゲームがあと五日と迫るこの日、いつものようにイッセーを鍛えるためにブロリーはイッセーの元へ行く。イッセーの部屋を訪れるとイッセーはDORにもたれ掛かって腕を組んでいた。

 

「何をしているんだァ?イッセー、カッコつけかァ?」

 

「ブロリー…俺はこのままではいけないと思うんだ。」

 

「は?」

 

「確かに、このまま行けばあの時俺をぶっ飛ばしたチャイナ娘を多分倒せるくらい強くなるはずだ。だけど、それじゃダメだ。あのムカつく鳥やろうぶっ飛ばせるくらい強くなりたい。部長を守れるくらい強くなりたいんだ。だから、俺を徹底的に鍛えてくれないか?」

 

「…ほう、まさかお前がそんなことを言うとは夢にも思わなかったぞ。しかし、いいのかイッセー。手加減なんぞできんぞ。」

 

「あぁ、覚悟の上だ。」

 

昨日の夜、イッセーはリアスと話をした。らしくもない弱々しい声で自身の弱音を語ってくれた。その時イッセーは思った。リアスも自分たちと同じなんだとようやく理解した。自分達と同じように不安だったんだと、負ければあのナルシストチキンと生涯を共にしなければならない。リアスも思春期真っ盛りの女の子だ。自分の彼氏夫は自分で選びたい、そんな当たり前のことをしたい為にこうして戦うんだ。

 

相手はレーティングゲーム上級者でこっちはほとんど素人と言っても過言ではない。その不安を王として表に出さずみんなを不安にさせないため心の奥に閉まっておいた弱音を自分に打ち明けた。イッセーはたまらなく嬉しかった。そして、守りたいと思ったのだ。このちょっと強がりで優しい普通の女の子を、そのために強くなりたい。

 

「部長ォォォオオ!」

 

ブロリーはイッセーを脇に抱えてリアスの元へ向かった。

 

「何かしら?ブロリー」

 

「ちょっとこいつ貰っていくぞ?」

 

「あら、イッセー。」

 

「…部長、俺、絶対強くなって戻ってきます。」

 

イッセーはブロリーに脇に抱えられながらグッと親指を立てる。

 

「…ええっ!」

 

リアスはなんかよくわからなかったがとりあえず親指を立てて返事をする。

 

「じゃあ、行くぞイッセーッ!!」

 

「行くって何処に?」

 

「俺の家だァ」

 

そう言うとブロリーはオーラを噴射して窓ガラスをぶち割ってどこかへ飛んでいってしまった。

 

「……」

 

まるで嵐のようだったと当時のリアスはそう供述していたという。

 

 

 

 

 

レーティングゲーム当日

 

ゲーム開始は深夜0時、リアス眷属の皆、そしてパラガスとモアはオカルト研究部の部室に集まっていた。しかし、その場にいない者がいた。イッセーとブロリーだ。五日前イッセーはブロリーに連れ去られたあと全く連絡がつかない。パラガスが呼びに行ったが\デデーン/された。時計の針が0時に差し掛かる瞬間

 

「着ましたか…」

 

「全く待たせおって…」

 

最初にモアがそう呟き、パラガスがため息を吐く。そして、部室の扉がギィィとゆっくり開きブロリーが入ってきてそして段違いのオーラを放ったムキムキの茶髪の大男が入ってくる。

 

『『『『『誰…!?』』』』』

 

 

 




考えるな、感じるんだ


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第22話 ムキッセー

いい所まで書いた時にLINEが来て返したあと戻りました。そしたら画面が真っ白になり、さっきまで書いてあった文章がなくなり、そこには何も残らなかったという。



途中保存大事

ムカついたのでまた作品名変えました。


「よぉ、久しぶりみんな!」

 

「そ、その声はイッセー…!?」

 

聞き覚えのある声にリアスが反応する。

 

「そうですけど、どうしたんですか? まるで別人のようになったかのような反応して」

 

「いや、別人だよ!?」

 

耐えきれずツッコミを入れる木場。当たり前だ。十日前のひょろひょろな体がボディービルダーも笑うしかない程にムキムキになっできたのだ。beforeafterにも程がありすぎる。しかもイッセー(?)の周りだけ異様に熱気を放っている。

 

小猫は菓子を落としアーシアは固まって動かなくなり朱乃はお茶を入れた体制で固まってお茶をこぼしている。パラガスは親になんて説明すればいいか考えモアは何かを察したかのように笑っている。予想外の変化に皆も戸惑っているようだ。

 

「いったい、どこが、別人に、見えると、言うんだ?」

 

言葉の合間にボディービルダーのポーズを取るイッセー。

 

「ぶ、ブロリー? あなた一体イッセーに何をしたの?」

 

「何もしていない。ただ修行しただけだァ…ただ」

 

「ただ?」

 

「プ〇テインを毎日飲んでいたYO☆」

 

「「それだ!」」

 

リアスと木場が息ぴったりに言った時、イッセーの身体から湯気が溢れ出す。

 

「今度は何!?」

 

煙が晴れるとそこにはいつものイッセーの姿が

 

『『『What'sッ!?』』』

 

「あちゃー、時間切れか…」

 

「時間切れってどういう事かしら?」

 

「あれはプ〇テイン飲んでいたらなれました。」

 

「「「プ〇テインすげぇ!」」」

 

すると部室に銀色に光る魔法陣が現れ、この前いたメイドグレイフィアが現れた。グレイフィアはリアス立ちを見ると目を見開いた。

 

「……10日で随分と変わられましたね。お嬢様、私の立場上申し上げにくいのですが………頑張ってください。」

 

「…グレイフィア…えぇ。最善は尽くさせてもらうわ。」

 

そう言うとグレイフィアはリアスから視線を外し、ブロリー達を見る。

 

「観戦の方ですか?」

 

「はい…。」

 

「分かりました。特別に許可はもらっております。この魔方陣の中にお入りください。」

 

「はい…。」

 

ブロリーとアーシア、そしてパラガスとモアはグレイフィアの出した魔法陣に入る。

 

「皆さん!がんばって下さい!」

 

「今のお前達のパワーであのクソヤローをこの世から消し去ってしまえー!」

 

「常に冷静に戦いなさい。そうすれば勝てますよ。」

 

「お前達が勝つ意思を見せなければ、俺がクズを血祭りにあげるだけだァ!」

 

それぞれそう言い残して魔法陣の光に包まれて消えた。

 

自分達を鍛えてくれた3人のために最善を尽くすことをもう一度胸に固める。

 

「ちなみに、このゲームは魔王であるサーゼクス・ルシファー様も見ていられます。」

 

「お、お兄様が!?」

 

「え」

 

イッセーはリアスが先の魔王のことをお兄様と呼んだことに驚き声が漏れる。

 

「部長は魔王サーゼクス・ルシファー様の妹だよ。言ってなかった?」

 

「聞いてないよ!?」

 

かなりのお嬢様とは思っていたけどまさか魔王の妹とは、これは別の意味で勝たなければならないとイッセーは戦慄する。

 

「では皆様、この魔法陣の中にお入りください。」

 

グレイフィアは先ほどと同じように魔法陣を展開させる。そして、みんなが魔法陣の中に入ると、魔法陣から銀色の光が溢れ出す。

 

「これにより皆様を戦闘フィールドにご案内します。それでは、ご武運を…」

 

そして、イッセー達は光に包まれて消えた。

 

 

 

 

 

 

 

ブロリー達は目を開けると何やら広い部屋に転送される。豪華な装飾が施されていて、THE・お金持ちという豪華な部屋である。

 

「ここはどこでしょう?」

 

「やぁ、来たね。待っていたよ。」

 

バッと後ろを振り返るとそこには赤い髪を伸ばした美男子がソファーに座っていた。

 

「誰だお前はァ? 死にたいのかァ?」

 

「ふんっ!」

 

「オウ!?」

 

あっていきなり脅すブロリーにパラガスからの鉄拳制裁が下る。

 

「息子が失礼した。私はパラガスでございます。」

 

パラガスは胸に手を当ててお辞儀して名を名乗る。

 

「これはご丁寧に、私はサーゼクス・グレモリー。リアスの兄だ。」

 

 

 

 




なんか、いい感じにオチがついてしまったので今回は短めだけどここまで。多分明日次回投稿します。今回はなんか思いつきでムキッセーを出して頭おかしい事書いて終わりましたが、次回は普通のイッセーです。

良かったら感想と評価お願いします。


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第23話 我が生涯に一片の悔い無しッ!!

えぇい!クソォ、ネタをどう挟むかすごく悩んでいるブロちゃんです☆
次の日に投稿すると言ったな…あれは嘘だ☆

マリオテニス欲しいんジャァァァッ!!

ハーメルンもYouTubeみたいに広告とかで宣伝料媚びればいいのに…くそ、高校が邪魔でバイトができねぇじゃねぇか


目を開けるとそこは何の変哲もない今までいたはずの部室だった。転移したはずだが、失敗かな?と思うイッセー。なんか真面目そうなメイドさんにも可愛いところあるじゃねぇかと思う。

 

『皆様、この度フェニックス家とグレモリー家の試合に置いて、審判役を任されましたグレモリー家の使用人、グレイフィアと申します。』

 

すると、アナウンスのようにどこかからグレイフィアの声が聞こえる。

 

『この度のレーティングゲームの会場として、リアス・グレモリー様が通う、駒王学園の校舎を元にしたレプリカを異空間に用意させていただきました。』

 

おう、そう来たか。

 

窓から外の風景を覗いてみる。悪魔の力って偉大だなと改めて思ったイッセー。そこには全く一緒の校舎があり、空は不気味な色で覆われていた。

 

『両者、転移された場所が本陣でございます。リアス様は旧校舎、オカルト研究部。ライザー様は新校舎の生徒会室でございます『兵士』はお互いの敵地に踏み込んだ瞬間に昇格が可能となります。』

 

ということはイッセーは新校舎に踏み込めば昇格が可能で、向こう側は旧校舎に踏み込んだら昇格ができるというわけだ。

 

「めんどくせぇな。要は全員血祭りにあげればいいんだろ?」

 

「この数日で随分と逞しくなったねイッセー君。」

 

「全員、耳に通信気をつけなさい」

 

「……通信機?」

 

部長が差し出してきた通信機を受け取る。しかし、それは光の球のようなもので映画でよく見る通信機とは全く違う。てか、機械ですらない。

 

「通信機と言っても、魔力を介した物よ。この光を耳に入れれば、仲間たちと会話が可能よ。」

 

そうリアスが説明する。イッセー達はリアスに言われるがまま光を耳に入れる。イヤホンを耳につけたかのような違和感がない。入れていたことを忘れて生涯を共にしないかいらぬ心配をするイッセー。

 

「……準備は完了だわ」

 

かっこつけて言っているぽいが通信機を耳に入れただけでrs

 

『それでは0時になりました。開始の時間となります。制限時間は人間界の夜明けまで、盟約に誓って…さぁゲームを始めましょう』

 

『アッシェンテッ!!』

 

 

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、じゃあまずどう攻めるかを決めましょうか。」

 

机の上には学校の全体が書かれた地図が広げれており、マスで区切られ、縦と横に英字と数字が書かれてチェスを倣っている。

 

「やはり、体育館が重要な拠点になりそうね。もし、ライザーに取られてしまったら、こちらが不利になるわ。」

 

「こちらが先に押さえても、数の不利がある以上、体育館を守り続けるのは難しいですわね。」

 

「部長、俺が行きましょうか? 今の俺ならなんとかなる気がする。」

 

ビシッとプロテインを構えてそう宣言するイッセー。

 

「いえ、それはなしにしましょう。それに頼ってしまったらあなたの主人公としてのイケメンというポテンシャルが崩れてただのムキムキマッチョマンの変態になってしまうわ。」

 

「な…だと…!?」

 

事実を突きつけられてショックを受けたのかズーンという効果音がなりそうなくらい落ち込んで何やらブツブツと呟いている。

 

「そうだわ、体育館はいっそのこと破壊してしまいましょう。そうすればこちらの手数を増やすことが出来るわ。」

 

取られたら不利、とっても不利ならば無くしてしまえと…脳筋ぽく聞こえるがなかなかいい考えである。

 

「部長、きっと相手も体育館を取りに来るはずですから、体育館を囮にしましょう。」

 

「そうね。敵の撃破も兼ねて一石二鳥だわ。それでいきましょう。」

 

これで大まかな作戦は決まった。

 

「佑斗、小猫、朱乃はまず森にトラップを仕掛けてちょうだい。それまではイッセーはここで待機してちょうだい。」

 

「はい、部長」

 

リアスに指示され木場と小猫、朱乃は三人は使い魔を召喚して外に出ていく。

 

朱乃達を待っている間、暇なのでイッセーはブロリーに教えられた相手の気配を読むことを実行する。まだまだ気を使うのが慣れていないイッセーはかなり集中していないとそれができない。

 

「ぬぅぅぅ……」

 

無意識に変な唸り声が口から漏れる。そして、感覚を広げてなんとかライザー達の気を感知する。まだ新校舎でくつろいでいるようだ。

 

「っハッ……ハァハァ…」

 

溜まっていた空気を吐き出して新しく空気を吸う。ぴりぴりと頭痛がしてちょっと痛い。ブロリーも最初はこんな感じだったのだろうか。全く想像ができない。

 

「イッセー?」

 

「は、はい部長。」

 

「良かったわ、ずっと読んでいたのに反応しないから心配したのよ?」

 

「あ、すみません。これ、集中しないとできないので。」

 

「何をしていたの?」

 

「ライザー達の動きを探っていました。」

 

「イッセーそんなことできたの?」

 

「ブロリーに教えられました。俺は習得に凄くかかりましたけどめっちゃ初級のやつらしいですよ。」

 

「あら、そうなの? 便利そうだから私も習おうかしら」

 

イッセーがそう言うとリアスは笑いながらそう言う。

 

「あの、俺まだ使い切れてないんでこれ使うと頭痛くなるんで、バフ〇リンないですか?」

 

「ないわよ」

 

「oh......」

 

「それで、ライザー達は?」

 

「…特に動きはありませんでした。余裕のつもりなんでしょうか?」

 

「そう……イッセー、こっちに座ってちょうだい」

 

リアスはソファーに座り隣をぽんぽんと叩く。イッセーは言われるがままリアスの隣に座る。すると、リアスは自分の太ももぽんぽんとさすと

 

「ここに横になってちょうだい」

 

それがイッセーにとってはエコーに聞こえた。

 

「え、あ、い、今なんと…!?」

 

「ここに横になってちょうだい。」

 

(幻聴じゃなかったァァァ!? まてまて兵藤一誠! 落ち着け、冷静に考えるんだ。部長は太ももを指して横になる、それはつまり膝枕ッ!!まさかそんなことがあるのか!? あの駒王学園のお姉様のリアス先輩に…いいのか!? いろんな所から叩かれやしないか!? まて、ここで膝枕の機会を逃してしまえば一生膝枕ができないかもしれない! いや、100%無理だろう…膝枕ッ!!)

 

「し、失礼しマッスルッ!!!」

 

イッセーは意を決してリアスの太ももにダイブッ!!

 

そっとリアスの膝に頭を預ける。人肌の温もり、そして絶世美女の膝、部位的に太もも辺りは柔らかくそれは枕以上! これ以上の解説は膝枕などされたことのない童貞うp主には厳しく作画されないが、それはもう至福の一言!

 

天をも貫くかのような親指がつき上がる。その顔はまさに武人。一滴の涙を流しこう語る。

 

「我が生涯に…一片の悔い無しッ!!」

 

すると、光の粒子に包まれてサラァと消えていくイッセー

 

「イッセー!? イッセー!? イッセェェェェェェッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




彼女が欲しい人生であった…


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第24話 血祭りに上げてやる 一

映画予告きたぁぁぁぁぁ! 主役ブロリーきたぁぁぁぁぁ!ウオオオオアアアア\( 'ω')/アアアアアッッッッ!!!!!

ブロリー:フッフッフッ、やっときたかぁ…

パラガス:俺たちの時代が…

アーシア:おめでとうございます! ブロリーさん!

モア:ハイ、映画に出演しましても一緒懸命に…

パラガス:モア、かぁん違いするな。この映画は俺達親子映画なのだからなぁ。お前のでばぁんはない!

モア:ウアアアアアアアアアッ!

ブロリー:アーシアは出ないのかァ?

アーシア:ブロリーさん…それは無理なんです。

ブロリー:なにィ!? 何故だァ!?

アーシア:この映画はドラゴンボール超の映画で、ハイスクールDDとは一切関係がないのです…。

ブロリー:なにィ!?そうだったのか!?

パラガス:やっと脳天気なお前でも飲み込めたようだな。すべてはアーシアの言う通りだ。

ブロリー:そんなこと知らヌゥ! 製作委員会がハイスクールDDとコラボする意志を見せなければ、この俺が劇場を破壊し尽くすだけだァ!

パラガス:やめろブロリー! そんなことをしたらこの映画を待ち望んでいるならず者達からのクレームが恐ろしすぎるぞぉ!

アーシア:ブロリーさん! 大丈夫です! きっと誰かがこの小説のようなブロリーMADを作ってくれるはずです! だから、ブロリーさんは映画の役に徹してください!

ブロリー:アーシア…分かったYO

パラガス:映画 ドラゴンボール超 ブロリーは12月14日に公開予定だぞ! その為にも金の準備を怠るなよならず者達よ!

ならず者:オオーッ!

ブロリー:映画を視聴する意思を見せなければこの星を破壊し尽くすだけだァ!




ギャグ補正で蘇ったイッセーは体育館付近で小猫と合流し、そのまま裏口から体育館へ侵入する。

イッセー達は舞台袖で相手がいるかどうかを窺っている。

木場は森で待機して相手の兵士を迎え撃つことになっている。

 

『イッセー、小猫。朱乃の準備が整い次第、連絡を入れるわ。そちらも体育館で相手を無力化したら連絡してちょうだい。』

 

「了解!」

 

体育館には、既に4人の敵が待ち構えていた。

 

 

「イッセー先輩」

 

「ああ、気づかれているな。」

 

気づかれていては隠れる意味は無い。やれやれだぜといった雰囲気で舞台に堂々と立つ。チャイナドレスの女の子、ブルマ姿の双子、そして書かれてはいないがライザーの命でイッセーを襲った棍棒を持った女の子だ。

 

「こんにちは、グレモリー眷属の下僕さん……と、あなたでしたか。あのライザー様に喧嘩を売って私に倒された殿方(笑)」

 

「ハッ! 今の俺を昔の俺と一緒にしてもらっちゃ困るぜ? あの時の借りを倍返ししてやるよ! 棍棒女ァ!」

 

「なっ!? 殺すッ!」(^ω^ )

 

「私はライザー様に仕える『戦車』シュエランよ」

 

拳を構える

 

「同じく『兵士』のイルでーす!」「ネルで~す!」

 

チェンソーをブォーンと鳴らす

 

「『兵士』のミラ!」

 

棍棒をくるくると回し脇に構える。

 

「兵藤一誠。リアス部長に仕える唯一の『兵士』ッ!!」

 

神器を発動して構える

 

「『戦車』の小猫」

 

グローブを上げてファイティングポーズを取る

 

「あの三人の兵士は俺に任せてくれないか小猫ちゃん。」

 

「…大丈夫なんですか?」

 

「ふふふっ、この新のゴールデンイッセーのお味をご堪能来て頂きたくてね。サービスシーンは多い方がゴニョゴニョ」

 

「…分かりました。やるからには負けないでくださいね。仕事が増えます。」

 

「大丈夫だ、問題ない。」

 

そしてイッセーと小猫は舞台から飛び降りて、そのまま敵へ突っ込んでいく。

 

『Boost!!』

 

闘いの狼煙のように篭手から音声が鳴り響くのであった。

 

 

 

 

「「バッラバラ、バッラバラ♪♪」」

 

とでも跳ねるような子供らしい無邪気な声が聞こえます。可愛らしい双子の女の子の息ぴったりで物騒な擬音を鳴らしながらイッセーの元へ駆け寄ってきます。

 

チェーンソーを振り回して───

 

「か、可愛い顔してなんてもん振り回してんだコノヤロー! 市販じゃ絶対手に入らないような物騒なチェーンソー振り回しやがって! その類のギャップ萌えはもう古いぞ! 俺は好きだけど!」

 

双子得意の息ぴったりなコンビネーションでチェーンソーブンブン鳴らしながらイッセーを攻めるイルとネル。

 

「あははははっ! お兄さんぶっちゃけかっこいいからバラバラしがいがあるよ!」

「バラっバラの刺身にしてくれるッ!!」

 

「こら! 幼い子が血走った目でそんな物騒なこと口走るんじゃありません! あと、そんな古いネタはいいの! もう現代の子達にはわかんないだから!!」

 

『Boost!!』

 

ネルが後に回り込み足を切りさ後と横にチェーンソーを振ろうとし、イルが胴体に向けて横にチェーンソーを振ろうとする。

 

(殺す気か!? だが、)

 

イッセーはイルとネルの身長を超えるほどの高さまでジャンプし回転蹴りでイルとネルをぶっ飛ばす。

 

「あぶねー…おっ!?」

 

着地したイッセーの顔に向けてに向けて放たれる棍棒による突き。イッセーは首を傾けることによって上手く躱し、逆にミラの胸に向けてパンチを一撃お見舞する。そして、合法的におっぱいを触ることに成功するイッセー。ちなみに感触は『無』であった。恐らくあの服の下にサラシを巻いているのだろうというどうでもいい感想はそこに置いておこう。

 

イッセーのパンチで少し後ろへ後退されたミラは即座に体制を整えイッセーの首を狙った突きを放つ。体を左へ傾けることで避けるイッセー。次に横払いを腕でガードし引かれる前に棒を掴む。そして、神器を纏った左手で掴んだ棒に向けて掌底打ちを放つ。が、

 

ガンッ

 

金属と金属がぶつかったような音がした後左手は弾かれる。

 

「硬!?」

 

「残念っねッ!!」

 

ミラは棒を捻りながら引っ張ることによって棒をねけださせる。

 

「ただのひのきの棒かと思ったかしら? この棒はわたしの魔力で強化してあるの。その程度じゃ折れるものですか!」

 

「うわぁやだやだ。魔力でなんでも解決する人嫌ですわー。」

 

「ふん、なんとでも言いなさい。すぐにその生意気な口を閉じさしてあげる。」

 

「美少女の顔を容赦なく蹴り飛ばすなんてなかなか鬼畜なお兄さんだね! もう許さないんだから!」

 

「蹴ったな!? 親父にも蹴られたことないのにっ!! もう絶対に許さんぞムシケラッ! じわじわとなぶり殺しにしてくれる! 覚悟しろッ!!」

 

「やっぱり3対1は調子乗ったかな…いや、今の俺ならなんか行ける気がする。勝利のビジョンは読めたぜ!」

 

「ほざけトンガリ頭ッ!!」

 

ネルのその声を合図に一斉駆け出してくる。

 

「ハッ!!」

 

それをイッセーは気の衝撃波で三人ともぶっ飛ばすことに成功する。そして、イッセーはまずイルとネルを倒すことに決める。

 

「まずはそのチェーンソーを没収しないとな!!」

 

「やだよーんだ!!」

「絶対に許さねぇ!」

 

「なんか双子なのに片方の気迫段違いだよね!?」

 

イルとネルも体制を整えチェーンソーを吹かす。

 

「イル! あれやるよッ!」

 

「真っ二つにして日本とブラジルに埋めてくれるわァ!」

 

「妙に凝ってらっしゃる!?」

 

イルとネルはチェーンソーを縦と下にくっつけてチェーンソーに纏わせた魔力の出力を上げる。するとチェーンソーは3mほど巨大化し、透明だった魔力がピンク色に光って表に現れる。チェーンソーも完全にひとつになりそれはそう、ひとつの巨大なハサミのように

 

『合技・チェーンソーバサミッ!!』

 

「これでお兄さんも終わりだねッ!!」

 

「この形態を見せたのはライザー様を入れて53人目だよ」

 

「結構見せていらっしゃる!」

 

ピンク色の魔力がゴウッとバーナーのように燃え盛り勢いを増す。

 

「死ねぇ!小僧ッ!!」

 

「オーストラリアの砂漠の有名な風景な場所にお前の墓を立ててやるから安心して死ねぇ!」

 

「なんかありがたいけどありがたくないッ!!」

 

ドッとイルとネルは息ぴったりにイッセーに向けて飛び出し、その巨大なハサミを横に大きく広げて間に飲み込もうと迫る。勢いよく閉じるそのハサミを飛んで避けるイッセー。

 

「かかったなアホがぁッ!」

 

「ダニィ!?」

 

イッセーの上には魔力を纏った棍棒を振り上げたミラが待ち構えていた。

 

「どうやらあの時とは全く違うようだから全力で行かせてもらうわよ!!」

 

「お、おう。ばっちこい!」

 

『龍華一線ッ!!』

 

ミラの魔力が龍となりイッセーを飲み込み撃ち落とす。

 

ドゴォンッ!!と音を鳴らし体育館全体に響き渡る。床に大きな穴が空き煙がまう。

 

「イッセー先輩ッ!!」

 

小猫が心配してイッセーの名を叫ぶが、相手の戦車がお前の相手は私だと言わんばかりに出しゃばる。

 

「「やったか!?」」

 

双子が息ぴったりに素晴らしいフラグを立てる。

 

『Boost!!』

 

煙から出てきたのは服が少し破けた程度のイッセーの姿。

 

「少しは効いたぜ…」

 

「「「ダニィ!?」」」

 

「次はこっちの番だ…ッ!!」

 

ダッと床を蹴り双子に迫るイッセー。

 

「「ッ! チェーンソーバサミッ!!」」

 

「また新しいの買ってもらえよ!!」

 

『Explosion!!』

 

イッセーは小さく飛ぶことで閉じるハサミを躱し、閉じた瞬間に根元に向けて

 

『ブロリー直伝ッ! ガチ殴りッ!!』

 

チェーンソーに向けて放ったイッセーのガチ殴りは根元を貫通し刃は砕け散り床に大穴が開きイルとミラの服が破けさって吹き飛ぶ。二次災害のお祭り

 

「ふぅ…さて…」

 

イッセーはゆっくりと振り返る。そこには棍棒を構えたミラ。

 

「あの時の借りを返さないとな…。」

 

「あなた…一体何者なの? あの時のハナタレと全くの別人じゃない!?」

 

「誰がハナタレだ! そうだな、エロ以外に本気を出しただけさ」

 

「何よそれ」

 

「説明するのも面倒だ。自分で勝手に想像してろ。」

 

「説明されたくもないし、想像したくもないわよ。」

 

言葉を交わしながらゆっくりと間合いを測っていく。

 

(あいつはもう桁違いに強くなっている。ちまちました攻撃は通じないに等しい。先程の全力の攻撃も誇りを巻き上げるだけだった。なら、私の全身全霊をかけた一撃で全てを決めるしかない!)

 

圧☆倒☆的脳☆筋☆思☆考

 

(ここで体力を無駄に消費するのは避けたい。小猫ちゃんも相手の戦車に結構手間取ってるみたいだし援護は期待できない…ならあれしかないな。)

 

「さぁ、来いよ」

 

イッセーは挑発のように手招きする。

 

「くっ! 言われなくてもッ!!」

 

ミラは持てる全ての魔力を解放する。その魔力の形はまさに龍の如く。

 

「たァァァァァッ!!」

 

『龍牙一線ッ!!』

 

『Boost!!』

 

「貴様の生まれたままの姿見せてもらうぜッ!」

 

『Explosion!!』

 

イッセーはミラの必殺技を紙一重でよけ、強化された神器を振り絞るッ!!

 

『昇竜拳ッ!!』

 

「かはっ!?」

 

ミラは空高く舞い上がった。

 

「貴様の服に俺の魔力を仕込んだ。お前の服はもう死んでいる。」

 

 

 

K・O

 

 

 

 

イッセーが全裸になった三人の身体を長々と眺めて脳内保存に勤しんでいる中、『戦車』と『戦車』の戦いも終わりを迎えた。勝ったのは小猫である。相手の隙を誘い見事沈めて見せた。4人とも傷だらけだが、まだリタイアではなさそうである。

 

そして、小猫がこちらを駆け寄ってきて三人を見つめた後、

 

「最低ですね先輩。分かってましたけど」

 

「俺は悪くない。読者が求めたからこうなったんだ。」

 

「何を意味のわからないことを言っているんですか。」

 

「軽蔑の目ありがとうございます!」

 

「…まぁ…先輩、随分と強くなりましたね。前とは段違いです。」

 

「HAHAHAッ、ブロリーと修行したら嫌でも強くなるよ。」

 

ハイライトを失った目で遠くを見るイッセーにこれ以上追求してはいけないと悟った小猫はリアスに報告する。

 

「先輩、ここから離れましょう。」

 

「あぁ、うん」

 

小猫の呼びかけに戻ってきたイッセーは小猫と一緒に体育館から飛び出す。

 

瞬間、今までそこにあった体育館に激しい落雷が激突して消し飛ぶ!

 

「──テイク」

 

『ライザー様の『兵士』3名、『戦車』1名、リタイア』

 

上空に悪魔の翼を広げた雷の巫女が不敵な笑みを浮かべて佇んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 




2週間ほど家族と旅行へ行くのでしばらく書けないぞよ。

良かったら評価、感想をよろしくお願いしまんそ仮面ッ!!


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第25話 血祭りにあげてやる 二

ただいま日本! ただいまマイホーム! ただいまハーメルンッ!!

まぁ、帰ってきたのは8月の11日なんですけどね。なぜこれほどまでに更新が遅れたのかと言いますと、まぁぶっちゃけ宿題ですかね。やろうと思えばいつでもやれたのだ。しかしやらんといかんなーっと思っていたらいつの間にか夏休み最終日。ろくに宿題に手をつけずドラゴンボールゼノバースに浸かりに浸かっていました。夏休みあとの土日に終わらせましたが…。

そして、久しぶりなので少し話を忘れてしまったので前回を見返したらめっちゃ文章がねけていたのに気づきました(今更)
そのほかも色々手直したのでそちらも見返していってくだサイヤ☆

フェニックスの涙って何個配られるか忘れた(´>∀<`)ゝ
無けなしの記憶だと2つだと思うので2つにしました。早くバイトして金稼いでハイスクールDxD全巻買わなければ(逆になぜ買っていなかった)


「うわぁ、あの四人死んだんじゃないの?」

 

「大丈夫と思いますよ、多分」

 

イッセーと小猫は瓦礫の山となった体育館を見てそう感想を残す。普通ならこの瓦礫の山の下敷きになっているところだが恐らく転送されたのだろう。

 

「世の中には11回も雷に打たれたて生き残った人がいるらしいけど、あれは確実に消し飛ぶだろうなぁ…」

 

「何を当たり前のことを言っているんですか? さっさと次に行きましょう。」

 

「あ、はーい」

 

小猫が急かしながら先に走り出す。瞬間、小猫の足元から魔法陣が広がる。

 

「っ!?」

 

「小猫ちゃんッ!!」

 

イッセーは懸命に手を伸ばすがその手が届くことは無かった

 

バァァァァァァァンッ!!!

 

「くっ…ぁあっ!?」

 

凄まじい爆発が起き、イッセーも風圧で吹っ飛んでしまう。

 

「ふふふふ、まさか攻撃されるとは思わなかったかしら? 狩りを終えて油断した獣は1番狩りやすい……基本よ。」

 

「小猫ちゃんッ!!」

 

小猫の安否は煙で確認出来ずイッセーは小猫を必死に呼びかける。

 

「油断?」

 

「!?」

 

小猫の声が聞こえた瞬間、一瞬で煙が吹っ飛びそこには手を光らせた小猫がいた。

 

「これは、余裕と言うものですッ!!」

 

『魔動拳ッ!!』

 

「なっ!? クッ!」

 

『ハート・クイーンッ!!』

 

相手のお姉さんは杖を振るい、先を小猫の攻撃に向けて技を放つ。それは巨大なハート。ハートと魔動拳がぶつかりどちらとも弾けて爆発を起こす。

 

「余裕とは言ってくれるじゃない。…あら?」

 

「くっ…」

 

小猫が少しよろめき右腕を抑える。どうやら先の攻撃を完全に防げなかったようだ。右腕にひどい怪我をしている。

 

「大丈夫か!? 小猫ちゃん!!」

 

イッセーが駆け寄り小猫を支える。

 

「問題ない…です。」

 

「どこが余裕なのかしら? 私には余裕がなさそうに見えるのだけど?」

 

お姉さんは紫の唇を頬まで裂けるように笑い。絵に書いたような悪魔の形相を晒して杖に魔力を溜める。しかし、お姉さんの頭上に雷雲が現れる。

 

「余裕ですわよ」

 

「なにっ!?」

 

お姉さんの元に一筋の光が降り注ぐ。間一髪の所でお姉さんは魔障壁を張って耐えきる。ちょうどあの『女王』と相対するように上空から降りてくる。

 

「イッセー君、小猫ちゃん……先を急ぎなさい」

 

「「朱乃先輩!!」」

 

巫女服に何故か似合う悪魔の翼を広げ、バチバチと稲妻を響かせている。漂う圧倒的強者感を身にまとった姿で現れた。

 

「だけど、ここは一緒に戦った方が───」

 

イッセーはそう言いかけたが、朱乃先輩の顔を見た時察した。

 

「心配はご無用ですわ。私の大切な後輩に不意打ちで傷つけようとする不届き者はオカルト研究部副部長として──」

 

ゴウッと朱乃の魔力がオーラとなって姿を現し稲妻が唸りを上げる。朱乃先輩は珍しく怒っていた。

 

「倒しますので」

 

「「はい!」」

 

イッセーと小猫はそのまま木場との合流地まで急ぐ。

 

「さて爆弾女王(ボムクイーン)さん、お相手させていただきますわ。」

 

「うふふふ…雷の巫女と呼ばれるあなたに知られているなんて光栄だわ。でも、私ね? その名はあまり(ダサくて)好きではないのよ」

 

「嘘をおっしゃって? 技の名前にしているじゃない。」

 

「技の名前はクイーンからとっているのよ? 」

 

「あら、そうですの。てっきりツンデレさんなのかと」

 

「ツンデレの意味を理解して?」

 

こうして、女王同士による激しい魔力合戦が始まった。

 

 

 

『ライザー様の『兵士』3名、リタイア』

 

「木場か!」

 

イッセーと小猫は運動場付近に到着すると、イッセーは腕をひかれて物陰に引っ張られた。

 

「やぁ、イッセー君、小猫ちゃん。無事で良かったよ。」

 

イッセーの腕を引いたのは木場であった。三人を相手にしたのに無傷で涼しい顔をしている。

 

「お前も無事で何よりだぜ。」

 

「まぁね、それにしてもイッセー君は服がボロボロだね。そして、小猫ちゃんはすごい怪我だ。」

 

言われてみれば、自分の服が所々破けて制服の面影無くなっていた。恐らく体育館で派手に食らったせいだろう。小猫の傷は決して無視ができないものだ。止血は既に済んでいるが見るからに痛々しい火傷である。

 

「僕の上着を代わりに着るかい?」

 

「いらねーよ。別に服で防御力が上がるわけじゃないんだ。それに…どうせ破れるしな。」

 

「?…そうだね。」

 

イッセーの言葉の妙な間を疑問に思った木場だがどうせ戦闘で破れるだろうしなっという意味で捉えた。

 

そして、イッセー達は運動場の近くにある用具倉庫に入った。すると、木場は小猫の怪我をした腕を見ながら

 

「……小猫ちゃん、君は一旦リアス部長の元へ戻るんだ。」

 

「ッ、どうしてですか?」

 

「見ての通り君は腕に酷い怪我をしている。そんな腕じゃまともに戦えないはずだ。」

 

「ッ…」

 

このまま戦えば腕の傷は戦闘に支障が出るはずだ。平気そうな顔をしているが女たらしの木場の目には無理をして隠しているのはすぐに分かった。

 

「無理をして戦う必要は無い。まずは傷を癒して次に生かすんだ。」

 

「……分かりました。」

 

木場は気を使って遠回しに励ましたが、小猫には分かった。自分がここにいれば邪魔になるだけだと。足でまといだと……反応できたのにうまく防げなかった力不足の自分が憎かった。

 

「さて、話も決まったことだしここから出たいんだが…」

 

「いますね。」

 

「そして、気づかれているというサービスつきでね。」

 

気配的には6人。まさかの全勢力投下である。ここでイッセー達を全員潰す気である。

 

「これはどうしようか…完全に人数負けをしている。」

 

「やっぱり私も…!」

 

「ダメだ。」

 

やはり自分も戦うと言い出す小猫にイッセーが厳しめに言い放つ。

 

「怪我をしている女の子に戦わせるのは男が廃るってものだ。」

 

「…ですが!」

 

「可愛い後輩が怪我してるんだぜ? ちょっとは先輩ズラさせてくれって!な?」

 

「っ…」

 

イッセーは小猫の頭を撫でながらそう言うと、小猫は俯いて黙ってしまう。ここで読者諸君が思っていることを代弁させてくれ。お前本当にイッセーか?

 

「…………分かりました。すぐに戻ってきます!」

 

「…さて、僕が完全に空気になっているところで悪いんだけど、この状況が何も進歩してないんだけど」

 

「んなもん決まってんだろ。策がねぇなら正面切ってぶつかればいいのさ!」

 

『Boost!!』

 

倉庫の鉄製の横スライド型の扉を蹴破って外へ飛び出すイッセー。

その姿に木場はこう口から漏らす。

 

「君今日ちょっとイケメン過ぎないかい?」

 

 

 




すげー思いつきで殴り書きしたけどイッセーや、イケメンすぎやしないかい? もはや別キャラ(定期)


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第26話 服斗神拳

最近と言うか結構前からグループ仲間とPUBGやるのにハマっちゃってます。そのせいかいつの間にか時間が過ぎていることがチラホラと、ゲームって怖い。あと一応Twitterで小説の報告とどうでもいいことを上げてます。URLは私の自己紹介欄に貼ってるので気が向いたらフォローおなしゃす。


あと、今回は色々とはっちゃけてます。


「出てこい! ライザーの女共ッ!! 俺達は1人以外逃げも隠れもしねぇぜ!!」

 

扉を蹴破って外に出たイッセーは運動場全体に響くほどの大声で1人逃げます宣言する。これには木場も苦笑い。小猫はイッセーに注目が行っている間に本陣へと走る。

 

「堂々と真正面から現れるなど、正気の沙汰とは思えんな───だが、」

 

運動場から霧が現れたかと思うとそこから1人の甲冑女が現れる。

 

「私はお前らのような馬鹿が大好きだッ!!」

 

「…(顔ルックス的に悪くは無い。恐らくあの甲冑の下には膨大な果実が眠っているだろう。)悪くないな。」

 

「何がですか?」

 

「私はライザー様に使える『騎士』カーラマインだ。さぁ、グレモリーのナイトよ! 名を名乗れッ!」

 

カーラマインは名を名乗ると帯剣していた剣を引き抜いて構える。

 

「……僕はグレモリー様に使える『騎士』、木場祐斗。騎士同士の戦い…待ち望んでいたよ!!」

 

木場は帯剣していた黒い剣を引き抜き、剣先をカーラマインへと向ける。

 

「良く言った、リアス・グレモリーのナイトよ!!」

 

「いざ…」

 

「尋常に」

 

勝負ッ!!

 

お前ら練習でもしたのかと言うくらい息ピッタリの声とともに両者は高速で始める。

剣馬鹿には、剣馬鹿をだ。

 

「…全く、頭の中まで剣で塗り尽くされた者同士の戦いなど泥臭くてたまりませんわ。カーラマインったら兵士を犠牲にする時も渋い顔をしていたし。主の戦略が気に入らないのかしら。」

 

「なるほど、確実に潰すつもりか…」

 

霧が晴れるとそこにはライザーの持つ全女が集結していた。

 

金髪ツインロールに仮面女、和服にこれまた双子猫耳少女と来たもんだ。全部ライザーの趣味なのだろうか。ムカつくやつだが話は合いそうだと思ったイッセー。

 

(6Pとはなかなかマニアックだな。)

 

「随分と物静かになったものだな。だいぶ慌てふためくかと楽しみにしていたのだがなリアス・グレモリーの『兵士』よ。」

 

仮面の女がそうイッセーに言ってくる。

 

「悪いが寄せ集めのような数じゃ物足りないな。もっとぼっきゅんぼんなお姉さんが沢山いたら慌てふためいていたな。」

 

「それは別の意味で慌ててないか?」

 

「ま、まな板でもお姉さんでもやることは変わらないけどな…」

 

「随分と余裕ですわね。まさか、貴方がお兄様が言っていたリアス・グレモリーの兵士、赤龍帝かしら?」

 

「ん? あぁ、俺がリアス・グレモリー様の『兵士』で赤龍帝の兵藤一誠──んー? ちょっと待ってちょっと待ってお兄さま? 今お兄さまと?」

 

「えぇ。私はレイヴェル・フェニックス。フェニックス家の娘ですわ。」

 

「マジか」

 

まさかの焼き鳥、実の妹を眷属にするという。

 

すると仮面が説明する。

 

「ライザー様曰く『妹をハーレム入れることは世間的にも意義がある。ほら、近親相姦に憧れるやついるじゃん? 俺は妹萌えじゃないからせめて形だけでもってことで』とのことだ。」

 

「マジかあいつ最低だな。俺的には理由の衝撃よりもあんたの声真似に全部持っていかれたんだけど」

 

「実は冥界声真似選手権優勝者でな。声を自在にコントロールすることができるのだ。」

 

「マジか、あとでサイン貰っていい?」

 

「イザベラ! 無駄話はそこまでよ!!」

 

「……分かりました、レイヴェル様。悪いがリアス・グレモリーの『兵士』よ、ここでリタイアさせてもらう。」

 

イザベラと呼ばれた仮面の女はボクシングのような構えをとる。イザベラに続いて後ろの眷属もそれぞれ構える。

 

「またこのパターンか。」

 

1対4でイッセーが圧倒的不利である。向こうの方が場数を踏んでこっちははじめてのたたかいである。

 

「5Pとはなかなかマニアックな趣味ですな。」

 

しかし、イッセーは落ち着いていた。

 

「イザベラ、5Pって何?」

 

「恐らくゲームのプレイヤー数かと」

 

それは自信。10日間という短い時間ではあるが仲間とブロリーとの修行で得た経験と力が相手より上という自信である。

 

「さぁ、行くぞ! リアス・グレモリーの『兵士』よッ!」

 

ダッ!と駆け出したイザベラの渾身のブロー。それをイッセーは避けずに受け止める。

 

(重いッ!だが)

 

思い出すはブロリーとの修行の手合わせ。

 

(ブロリーのと比べたら)

 

次にイッセーの溝目掛けてボディーブローを放つが掌で難なく受け止められる。一旦距離をおこうと思ったがものすごい力で引っ張られ離れられない。

 

(なっ!?)

 

「ハァァァァァアアアッ!!」

 

すると、イッセーの身体から闘気が溢れ出し筋肉が膨張して衣服を破けざる。

 

「はッ!?」

 

「ァァァアアアッ! アタタタタタタタタタタタタタタタタタッ!」

 

繰り出されるはもう片方の拳での凄まじい連打。その拳はイザベラの衣服の隅から隅まで貫く。最後は、掴んでいた手を離しすかさず人差し指で仮面の額を貫く

 

「あたぁッ!」

 

服斗百裂拳

 

「くっ!?」

 

攻撃がやんだ瞬間に距離をとりレイヴェルの元へ戻るイザベラ。

 

「これ程とは……ならば全員で掛かるのみ!」

 

「無駄だ」

 

「なに?」

 

「お前の服はもう死んでいる」

 

「? 何を言って──」

 

イザベラがイッセーの言葉の意味を理解出来ず聞き返した瞬間である。

 

バキッとイザベラの仮面にヒビが入り、イザベラの纏う衣服が全て破裂するように破け散った

 

「ッ!? きゃぁぁぁぁァァァァァァッ!!!」

 

「これが俺の技、服斗神拳だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




イザベラの声真似はただのネタ。てか、全てがネタ。

良かったら評価と感想の方をよろしくお願いします!


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第27話 ブロリー要素

最近YouTuberのおすすめ欄に北斗の拳をよく見かけます。特に調べたわけでもないのに何故かよく見かけます。そして、なんとなく開くじゃないですか。そしたら何故か時間がすごく経っているんですよね。北斗の拳恐るべし。

てか、さすがにブロリー登場させんとタイトル詐欺に


「イザベラ! 大丈夫!?」

 

イザベラの元へ1人の眷属が駆け寄る。

 

「…大丈夫だ。傷も痛みもない、どうやらあの技は服だけを重点的に攻撃して破りさっているようだ。」

 

うずくまって上手いこと胸と股を隠してうずくまったイザベラがイッセーの技を解説する。

 

「なんて技なの…この、女の敵ッ!!」

 

「俺もできればこれを使いたくなかったさ…だが、なりふり構ってられなくなかった。」

 

既に体育館で披露済みである。そして、敵が女性であれば躊躇なく使うためにイッセーはこの技を開発した。真のエロスを求めて

 

俺以外のハーレム野郎は死あるのみ

 

理不尽の根源、なんとでも言うがいい。

 

「さぁ、行くぞライザーの女共。服の貯蔵は十分かッ!」

 

「そんなの、当たらなければどうということは無いよ! 行くよリィ!」

 

「うん!ミィ!」

 

猫耳の双子が息ピッタリなフットワークで攻めてくる。猫耳なだけに敏捷な動きで惑わし、左右から同時に攻撃にかかってきた。その動きを捉えたイッセーは両方の前腕を片方ずつ相手に向けて前腕のみに気とひとしずく波の魔力を加える。

 

「退け!リィ!ミィ!何が来るぞッ!!」

 

その様子を見たイザベラが叫ぶも、一足遅かった。

それは一瞬、イッセーの両腕が光を発したかと思うと光線が放たれ一瞬にしてリィとミィの体を貫いた。

 

「「!?」」

 

服斗服装破斬拳(ふくと・ふくそうはざんけん)

 

驚き、攻撃を中断して引き下がるが体には何も起きていない。

 

「何よ、何も起こってないじゃん。」

 

「やっぱり、ただのコケ脅し──」

 

リィとミィが煽っていた最中、2人の服が真っ二つに切り開いた。

 

「「きゃっ!?」」

 

二人とも可愛らしい声を上げて慌てて押さえて止める。

 

「猫耳と制服…やはり気が合いそうだな…」

 

ぼそっと何やら呟いたイッセーは2人をチラ見して脳内保存し、歩みを進める。

 

「お下がり下さいレイヴェル様。ここは私が…!」

 

十二単を纏った以下にも和という感じの美女が前に出て錫杖を構える。

 

「美南風!」

 

「ほう…(和服美女キタァァァ!!)」

 

最初らへんでセリフのみで登場はしていたがモブに溶け込んでいて気づかなかった。そう言えば原作でもこの子の登場ほとんどなかったような(メタ)

 

(正直いって今まで1番タイプだ。ちょっと惜しいな…)

 

「いきます! 風よ!」

 

彼女の周りに風が纏うようによせ集まる。目で見えるくらい彼女の周りに集まっている。見るからにひこうタイプだ

 

「はぁぁぁ! 翔凛風(しょうりんふう)ッ!

 

彼女の持つ錫杖がチャリンと音を鳴らし彼女が指をクイッと上げると物凄い勢いでイッセーのましたから風が吹き荒れ、一瞬で上に飛ばされる。

 

「くっ!」

 

イッセーは体制を整えようとするが、相手はその隙を待ってはくれない。彼女の錫杖がチャリンと音を鳴らし、イッセーの元へ風が押し寄せる。

 

「踊りなさい!裂傷風(れっしょうふう)!!

 

イッセーに目に見えるほど荒い風がイッセーの身体を切り刻む。身体に薄い切り傷ができ、鈍い痛みが走る。

 

「はァっ!」

 

まとわりつくその風をイッセーは気合で吹き飛ばす。

 

「なに!?」

 

「上に打ち上げて追撃の必殺コンボか…参考になるぜ。」

 

今の状況で焦るどころか参考になると完全に余裕の表情である。煽っているのか無自覚なのかは定かではないが敵のプライドを傷つけるには十分である。

 

「言ってくれるじゃないですか…なら…ッ!!」

 

美南風は錫杖を地面に突き刺し錫杖に掌を向けて魔力を溜める。何かでかいのがくると予感したイッセーは攻撃が来る前に先に仕掛けるべく駆け出す。

 

イッセーが美南風の目の前まで踏み込んだ時、イッセーの足元に魔法陣が広がる。

 

「掛かりましたね!」

 

魔力を溜める行動はおとり、本命は攻撃の最中に仕掛けておいた罠魔法である。

 

風の鎖(かぜのくさり)

 

魔法陣から風が吹き出しイッセーの身体にまとわりつくとイッセーの体の自由を奪った。

 

「くっそぉ、動けねぇ!」

 

「無駄ですよ。その風には私の全力の魔力が込められています。いくらあなたでも簡単には破れませんよ。」

 

「くっ!」

 

「皆さん!今です!」

 

「油断したな!変態!」

 

「お気に入りの服の仇ィ!」

 

「地獄に落ちろ!」

 

服を破られた3人が恥を捨てて同時に全力の攻撃をイッセーに放つ!

 

双猫拳(ダブルネコパンチ)!!』

 

『イーグルキックッ!!』

 

猫と鷹がイッセーを襲う!

 

「チクショォォォォッ!!」

 

「ふふふふふっ!! これでおしまいよ!」

 

最後に美南風が風を飛ばしてイッセーをリタイアさせようと迫る!

 

 

 

 

 

 

 

「なんちゃって」

 

『Explosion!!』

 

ドゴォォォォォォンッ!!

 

4人の全力の攻撃が見事に命中

 

「やったか!?」

 

したかに見えた。

 

砂煙の晴れた向こうには緑色のシールドに囲まれたイッセーの姿。無論傷一つついておらず、むしろ美南風に付けられた傷が癒えていた。

 

「「「「!?」」」」

 

「どうした? 笑えよお前ら」

 

これにはレイヴェルも言葉が出なかった。いくら赤龍帝といってもまだ発動して間もないと報告されている。ミラにすら歯がたたなかったと、それがなんだ? なんだこの強さは…まるで上級悪魔のような圧倒的強さであった。あの攻撃をくらって余裕の笑みを浮かべて何故か己の筋肉を強調するポーズをとっている。

 

「舐めるな小僧ッ!!」

 

全裸のイザベラが怒りで我を忘れて殴りかかる。

 

「退きなさい!イザベラ!!」

 

レイヴェルはイザベラに呼びかけるが怒りでイッセーしか目に見えていない。

 

『イレイザーパンチッ!!』

 

イザベラの全力の一撃!しかし

 

「ブロリーのと比べたら生温いぜ。」

 

鼻で笑いながら掌で受け止められた。

 

「な!?」

 

「いいか? パンチってのはな…こうするんだよ。」

 

呆然としたイザベラを1度突き放し、空いた距離を踏み込みで飛び込み、遠心力と気を込めた全力のパンチ

 

『ブロリー直伝ッ!! ギガンティックオメガッ!!!』

 

 

ズドォォォォォォンッ!!!!

 




さりげなくブロリー要素を詰め込むことに成功しました。次回は少し多めにかけたらいいなぁ

そして、皆さんは美南風と言うキャラをご存知だろうか。今回割と活躍したキャラですが、原作だと目立った活躍もなくwikiでもどんな戦い方をするかすら書かれておらずどんな力を使うかも書かれていなく。結果雰囲気でひこうタイプで行かせてもらいました。顔も結構好
みでライザー眷属の中で1番タイプだったんですかねぇ。

良かったら高評価 感想の方をよろしくお願いします


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第28話 ここからが本番だ。

映画ブロリーってさもうちょっとカッコイイサブタイ思いつかなかったのかな。例えば英語にしてBURORIとか、伝説の始まりとか。ということで新しいタイトルにして転生せし伝説にしてみました




『ライザー様の『兵士』2名、『騎士』1名、『僧侶』1名、リタイア』

 

「やべ、力加減間違えちまった。くそー、まだ裸を拝んでいない騎士っ子がいたのになー…仕方ねぇか…。」

 

勢い余ってまだ名前も知らない『騎士』が出番もセリフも与えられずその場にいたのか不思議に思うくらい空気のままリタイアしてしまった。その出番を奪ったイッセーは仕方ないと割り振って我らが『騎士』木場の戦いを見る。

 

どうやらあちらの戦いもクライマックスのようだ。

 

 

 

「…貴様らの『兵士』はどうなっている?」

 

「残念だけど僕が聞きたいくらいだよ。」

 

(前までは僕との差は歴然なほど実力が離れていたのに1週間ほどブロリー君に連れ去られて帰ってきたと思ったらムキムキに変身できるようになってるし僕よりもパワーが上になってるしで頭痛くなるね。)

 

1週間で人はこんなに変われるのかと内心めっちゃ驚いている木場。かのライザ○プもびっくりである。手元の剣を見る。そこには柄から先の刃がない。先程折られたのだ。

 

「これで終わりだな…」

 

木場の剣が折れて油断せず近づいてくる敵の騎士カーラマイン。

 

「そうかな?」

 

「なに?…っ!?」

 

見ると自分の剣が氷に覆われていたのだ。

 

「はァっ!」

 

木場は空いた距離を詰めて凍った剣に向けて蹴りを放つ。その蹴りは真っ直ぐ剣を貫いて砕いた。よく見ると木場に握られていた折れた剣先から氷の剣ができあがっていた。

 

「氷の神器か!? ならば!」

 

カーラマインは折れた剣を捨てて、腰に下げていた短剣を抜く。そこからフェニックスの炎が眩く光る。

 

「これならどうだ!」

 

その炎の剣を木場に振るう! しかし、

 

「無駄だよ。」

 

木場の持っていた氷の剣はいつの間にか無くなっており、代わりに先程の剣より剣先が大きく、円盤状で中心に不可解な球体がある。

 

そして、その球体は炎をまるで風のように吸い取ってゆく。

 

「僕は複数の神器を持っている訳じゃない……創ったのさ。」

 

次の瞬間、木場の周りに複数の様々な剣が現れる。

 

魔剣創造(ソード・バース)

 

その剣の海から1つの剣を握る。

 

「僕の任意であらゆる魔剣を呼び出す神器さ。覚悟はいいかい?」

 

「…なるほど…しかし! 私もここで折れるわけには行かない! せめて貴様だけでも連れてってやろう!」

 

カーラマインはライザーから貰った短剣を強く握り、凄まじいスピードで木場を倒さんと駆け出す。

 

「なら僕も、全力で相手をしよう!」

 

木場の周りの剣の剣先が全てカーラマインに向けられ、まるで鳥のように真っ直ぐ飛んでゆく。

 

(あの剣は相手に放つことができるのか…だが…)

 

「遅いッ!!」

 

カーラマインはさらに加速し迫り来る剣を薙ぎ払いながら木場の元へ辿り着く。

 

「くっ!」

 

目の前まで迫ってきたカーラマインを木場は切り払うが、実に軽やかな動きで木場の後ろへ回り込んだ。

 

「取ったっ!」

 

カーラマインの剣はたしかに木場を切り裂いた!

 

 

はずだった。

 

その剣はまるで空気を切ったかのように手応えがなかった。

 

「残像だよ。」

 

トンッ!!

 

 

 

 

 

 

『ライザー様の『騎士』1名、リタイア』

 

「あら、そちらの眷属さんほとんどやられてしまったようですわね。」

 

視点は変わって朱乃の戦闘をお送りしよう。しかし、こちらは既に終盤へ近づいていた。押しているのは朱乃。その服には埃1つも付いておらず余裕の笑みを浮かべて悪魔の翼を広げて空を飛び人差し指をバチバチと稲妻を走らせている。

 

一方、相手のユーべルーナは傷だらけで服はほとんど破れており地面に膝をついている。その表情には困惑、焦り、怒り、負の表情しか浮かんでおらず。おばさん顔がさらに醜く歪んでいた。

 

(おかしい…雷の巫女のデータは全て見通したけれど、これほど強いということはありえない。いくら実践を詰んでいたとしても下級のはぐれ悪魔程度のはず…ましてこの私がここまで遅れを取るなんて…っ!?)

 

「先程までの余裕はどうしました? ほら、後ろから攻撃が来ていますよ? 」

 

「!?」

 

そう言われて後ろを振り返ったが何も来ていない。瞬間、横から衝撃と電流が身体に走る。

 

「カァァァァァッ!」

 

「ごめんなさい。横からでしたわ♪」

 

滲み出るは黒い笑。完全にドSモードに入っている。

 

「貴様ァ!」

 

怒りのボルテージが限界突破しガムシャラに魔法を発動し無数の球弾を創り出す。

 

『クイーン・ザ・ダンスッ!!』

 

一つ一つに凄まじい魔力が籠った爆発球を一気に朱乃目掛けて放つ。朱乃目掛けて真っ直ぐ飛んでくるユーべルーナの魔法だが怒りで我を忘れたのかガムシャラに放ったせいか朱乃に簡単に全て躱されてしまい後ろへ飛んでいく。まるで元々躱される前提の攻撃かのように

 

「もう、終わりですか?」

 

「ふふふっ…まだよッ!!」

 

すると、先程通り過ぎていった爆発球が猛スピードで朱乃へ飛んでくる。

 

「…」

 

しかし、その程度でやられるほど朱乃は甘くはない。直ぐに躱すように身構える。しかし、その球弾達はいきなり急停止し朱乃の周りを覆い囲むように散開する。

 

「なるほど…」

 

そう、2度に渡ってのフェイントを掛けた包囲技。それがユーべルーナの狙いであった。

 

「さぁ、もう逃げられないわ!」

 

「たしかに、逃げられないですわね。」

 

ほとんどの退路を爆発球が防いでしまい逃げられる隙間はない。

 

「私を追い込んだお礼に、一瞬でイかせてあげる。あちらでゆっくりお仲間がライザー様にお仲間が倒される様を見ておくのねぇ!」

 

ユーべルーナなが開いた掌をぐっと閉じると朱乃を囲んでいた爆発球が朱乃に一気に飛んでくる。

 

ドカァァァァァァンッ!!

 

凄まじい爆発が起き空に黒い煙が舞う

 

(やった!!)

 

ライザーの眷属は自らフラグを建築する芸人魂でもあるのだろうか? なかったらこんなにも素晴らしいフラグを建てることは不可能だろう。

黒い煙が薄まり黄色い光がピカピカと内側から光っている時点で察しはついている。煙が晴れた向こうには朱乃の体に雷の羽衣が纏っているような姿に変身し無傷の状態でそこにいた。

 

雷の羽衣(かみなりのはごろも)

 

「雷は纏えないといつ錯覚していましたか?」

 

「っ…ッ!?」

 

人と同じような人格を持つものなら自分の中でありえないことが起きるとどうしても硬直してしまうものだ。そして、それが致命的な隙へと繋がる。

 

ユーべルーナの足元に魔法陣が広がる。

 

「しまッ!?」

 

「さよなら、爆弾魔さん」

 

『雷』

 

ドォォォォォォオオッ!!

 

「…」

 

朱乃はその場に留まり巻きあがった砂煙をじっと見つめる。

 

「なるほど、油断しませんでしたか…。残念ですわね。」

 

煙が晴れた向こうには傷と服が元通りになったユーべルーナの姿。

 

「フェニックスの涙…。」

 

「そう、全て元通り。また振り出しに戻ったわね雷の巫女さん」

 

しかし朱乃の顔は微塵も変わっておらず不敵な笑みをずっと浮かべている。ユーべルーナがフェニックスの涙を持っていたことは予想済みであった。

 

「問題ありませんわ。また倒して差し上げるだけですから。」

 

「言ってくれるじゃない。次はあなたの番よ…ッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「やるじゃねぇか木場!」

 

「そっちこそ、その姿はあの時だけのネタじゃなかったんだね。」

 

「あれは伏線だったというわけだァ!」

 

イッセーのギガンティックオメガであらかた倒したがやはりライザーの妹のレイヴェルは倒せなかったようだ。さすがフェニックス。

 

『イッセー先輩! 聞こえますか!』

 

すると、小猫の通信が突然響いた。あの冷静な小猫が焦っている。只事じゃないのはそれだけでわかった。

 

「どうした小猫ちゃん! 生理でもきた!?」

 

『冗談言っている場合じゃないんです! 部長が…部長が…!』

 

イッセーの額に嫌な汗が通る。いつものセクハラ発言がたった一言でどかされるほど焦っている小猫の声を聞き嫌な予感がするイッセー。

 

『───部長が単騎で相手の本陣へ向かいましたッ!!』

 

 

ゲームは終盤へと向かっていく。

 




タイトル変えまくりでごめんね。


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第29話 ショータイムだ☆


まさかの連続投稿。忘れぬうちにってね。うちの高校って広いグラウンドがなくてね。体育祭を別の場所でやることになりまして…移動がだるい。はい、ただそれだけです。


「小猫ちゃん、一体何があったんだ!? どうして部長が…」

 

元々の作戦は相手の駒を減らして本陣を一気に叩くというシンプルなものだった。確かに今相手の駒は実質女王ひとつにはなったがまだ動くはずが…

 

『……私が部室に戻る最中に…突然、相手の『王』のライザーに襲われたんです。』

 

「なっ!?」

 

────それを聞いた瞬間、イッセーの頭はフリーズした。

 

小猫が襲われた。つまり自分が陣地へ戻したから?

 

『抵抗はしたんですが…捕まってしまって……私を殺されたくなかったらって……そのままキャスリングの方法でッ!! すみません…私のせいで…っ』

 

…今にも泣きそうな小猫の声が聞こえる。いや、泣いているだろう。二度にわたって自分の不甲斐なさで足を引っ張ってしまった。小猫のショックは大きい。

 

「木場…」

 

「うん、分かっているよ。」

 

「キャスリングってなんだ?」

 

「部長を助けに──ってそっち!?」

 

ドォォォォォォオオッ!

 

「「『ッ!?』」」

 

それと同時に、新校舎から爆発と轟音が響く。リアスとライザーの戦いは既に始まっていた。

 

 

 

 

 

 

 

『消滅之斬月』

 

小さな太陽(スプラッシュ・サン)

 

赤黒い三日月形の魔力がリアスから放たれ、それをライザーが無数の光る球で躱殺する。

 

(私は王失格ね…考えた作戦を無視して私は今、感情でライザーと戦っている。…でも、許せない。リタイアするかしないかの瀬戸際まで小猫を痛めつけて挙句の果てに一騎打ちしないと殺すとまで言われた。そんなの私が我慢できるわけないじゃないッ!!)

 

だけど…

 

(悔しいけど…強い。)

 

「リアス、いい加減諦めろ……君はもう詰んでいる。君の最強の『女王』は私の最強の『女王』が抑えている。もうじき君の女王はリタイアになるだろう。そして、君がここで倒されればチェックメイトだ……投了(リザイン)しろ、リアス。」

 

「誰が!!」

 

『消滅之双蛇』

 

リアスの両手から赤黒い巨大な蛇が現れるライザーへと迫る。

 

「君も少し腕を磨いたようだが」

 

しかしライザーの腕の炎に切り裂かれて消える。

 

「技の使い方、コントロールがまだ甘い。リアス、君も分かっているはずだ。」

 

「…」

 

「リアスと俺じゃ実力が開け過ぎている。」

 

「ッ!」

 

「技の使い方、戦い方、経験…全て俺に届いちゃいない。そんな君じゃ俺には到底かなわない。」

 

「はぁッ!」

 

リアスはライザーの顔に向けて大質量の魔力を放つ。しかし、たとえそれが直撃してもライザーの頭は消し飛んでまた再生する。

 

「そして、俺の不死身の力。君にたとえそれが足りていたとしてもこの力がある限り俺に敗北はない。リアス、君は最初から詰んでいたんだ。」

 

「そうかもしれないわね…確かに私の攻撃は一切通じないかもしれない。全てあなたの言う通りかもしれない────だからって、私は貴方を許せないッ!!」

 

何度も何度も…通じない攻撃を放ち続ける。リアスがいくら恵まれた体質でも無限ではない。消耗は激しい。ライザーの攻撃も防御しても反動はかなりくる。

 

「私は諦めるわけにはいかないわ……まだ戦っている下僕(みんな)がいる! それなのに『王』である私が諦めるわけにはいかないじゃないッ!!」

 

リアスは気合で今までとは質の違う滅びの魔力を放つ。しかし

 

「リアス、確かにそれはすごい力だ……だがな、リアス! 君の攻撃は単調で見え見えだッ!!」

 

それは避けられてしまいリアスはライザーの接近を許してしまい壁に叩きつけられてしまう。

 

「っ…くぅぅッ…」

 

痛い…痛みで意識が遠くなりそうになるが唇を噛んで耐える。重りをつけているかのように重い傷だらけの身体を無理やり起こす。

 

ここで諦めたらイッセーに笑われる…いや、笑わないだろうけどそう思っておこう。

 

イッセーならこの状況に置かれた時諦めないのだろうか。いや、諦めないのだろう。根拠はないけれど、そう思う。

 

だから

 

私も

 

諦めないッ!!

 

体の底から力が湧き上がってくる。その力を一気に解放する。

 

「ッ!!」

 

それにライザーの表情が一気に変わる。

 

「……やはりリアス、君の将来性はすごい。この独壇場でさらに力を上げるとは…」

 

「ライザー、あなたはさっき私にはあなたの全てにかなわないと言ったわね。」

 

「そうだな。」

 

「貴方が自分の力で私を倒すなら…私は下僕(なかま)の力で貴方を倒すわ。」

 

その瞬間新校舎の天井からつけ抜けて何かがライザーのそばに落ちてくる。それはライザーの『女王』であるユーべルーナ。

 

「なっ!?」

 

「申し訳ありません…ライザー…様…」

 

その言葉を残してユーべルーナは消える。

 

『ライザー様の『女王』1名、リタイア』

 

「お待たせしました部長。」

 

そして、降りてくるは我らが『女王』姫島 朱乃。そして、凄まじいスピードでライザーに接近してきた剣。片腕を切り落とされるが間一髪避けるが息する暇もなく紅い拳がライザーの溝を貫く。そして、白い魔力弾がライザーに撃ち込まれて壁まで吹き飛んで爆発する。

 

「「お待たせしました部長」」

 

「待たせたな☆」

 

「えぇ…さぁ、ショータイムよ!」

 

 

 

 

 





ちょっと短い、そして、語彙力の無さ

よかったら感想・評価の方をよろしくお願いします


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第30話 技名は叫んでから殴るもの

多分みんなお気づきかと思いますが、この小説のコンセプトはどこぞのアニメのように技名を叫んでから殴るというものになってます。いや、正直言うと今思いついたんですが、気づいたら技名言ってから殴らせていました。そして、技名のネタ切れ感ハンパねぇ(手遅れ)

PS.書いてる途中で途中保存せずにほか事をするとデータ消える。途中保存大事


ここにグレモリー眷属の全員が無事揃った。服はボロボロだが不敵な笑みを浮かべたままの朱乃。片腕の傷が治っている小猫。あの戦線のなかほぼ無傷で戦い抜いて来たイッセーと木場。決して無傷では無いが眷属に弱い自分を見せぬため立ち上がるリアス。

 

大して向こうは『王』1人。向こうに勝機は見えない。

 

「さっき私に言ったことを言ってあげるわ。投了(リザイン)したらどう? ライザー。」

 

言い返してやったぜと鬱憤を晴らしてスッキリしたような表情をするリアス。許してやってほしい。彼女だって感情はあるんだ。

 

壁に埋もれて俯いて表情が見えないライザー。もしかして今のがかなり堪えたのかしらと思ったその時、ライザーは突然笑いだした

 

「HAHAHAはははっ! 形勢逆転とでも思っているのだろう? リアス。君はたまに子供っぽいところがあるからなぁ。」

 

「なぁ!? 」

 

子供っぽいと言われて少し腹を立てて声を上げるリアス。

 

「だが、逆だよリアス。俺は鼻っからアイツらに期待してはいない。流石に1人も削れないとは予想外ではあったがなぁ。所詮は使い捨ての(ゴミ)だ。」

 

「…」

 

「俺の狙いはなリアス。君の眷属共を俺の力でじわじわと血祭りに上げることだ。もちろん、君の目の前でな。」

 

「てめぇ、取り消せよ…」

 

「あ?」

 

「取り消せってつってんだよライザー!!」

 

「ふぅほぉ!?」

 

怒り心頭のイッセーは木場も驚くほどのスピードでライザーを壁にまた叩きつけた。

 

「貴様ァ、1度ならず2度までもこの俺を壁に叩きつけやがって─ごぉ!?」

 

怒鳴るライザーの頭を鷲掴みにしてもっと奥へと叩きつける。

 

「てめぇの眷属はなぁ、どうしよもねぇクズのてめぇのために柔肌傷つけて戦ったんだぞ。最後までてめぇを思って戦い抜いたんだぞ。それを屑だと!?」

 

イッセーは『赤龍帝の籠手』で奥に突っ込みすぎて見えなくなったライザーの顔面目掛けて振り下ろす。

 

「何故かは知らねぇがあんなかわい子ちゃん達がてめぇを思って戦ったんだ。どうしよもねぇクズのてめぇの為に、それがなんでわかんねぇんだ。先に言っとくがこれがむさいおっさん共だったら殴りもしねぇし同情もしなかったぞ。俺ら(童貞)を怒らせちまったのはハーレム築いておいて鼻っから目も置かねぇでうつつ抜かしてどうしよもなく腹が立った。」

 

前半凄くいいことを言っていたが怒った理由はただの個人的嫉妬。しかし、それがイッセー。だが、前半に言っていたことも嘘ではない。てか、言ってること矛盾してるよイッセー君!

 

「…」

 

「なんだ? 思いっきり殴って顔が潰れちまったのか? フェニックスだからって体脆くちゃ見てられねぇぞ。」

 

「…れ」

 

「ちょっと奥に突っ込みすぎたかな…聞こえないぞ。」

 

「だまれぇぇぇぇえッ!!」

 

「うわあっつッ!?」

 

埋まっていた壁の全体がライザーの発した熱で灰と化し、イッセーも事前に危機を察した木場に回収されて後ろへ下がる。

 

「さっきからこの俺をクズクズクズといい加減にしろよ下級がァ! 貴様だけは簡単には死なさんぞ。じわじわと嬲り殺しにしてやる、覚悟しろ!!」

 

完全にキレたライザーは熱を高めて上半身のスーツが燃えてなくなる。だいたいこういうラスボスって上の服無くなるよな、と呑気なことを思うイッセーをよそに、それぞれ戦闘態勢に入る。

 

 

先にしかけたのは木場。その持ち前のスピードをフルに使い氷の魔剣でライザーに斬りかかる。

 

「チェストォォォオッ!!」

 

しかし、ライザーにはそれは読まれていたようで炎を纏った手で受け止められる。木場の氷の魔剣は掴まれた場所から溶けてゆきライザーに砕かれた。

 

「はははぁ!その程度のものじゃ俺の炎の前では無力だァ!」

 

「なら!」

 

木場は1度距離を取り騎士との戦いに創ったダイソン魔剣を創りライザーの炎を吸い取る。

 

「ほう、俺の炎を吸い取れるのか。だが、無尽蔵に湧く炎を吸い取って意味があるのかな?」

 

「意味はあるよ。君の動きは止まったからね。」

 

「!」

 

「ぬぉぉぉ! イッセーの会心のいちげき!」

 

「ごはっ!?」

 

動きが止まっているうちに近づいてきたイッセーの渾身のボディブローが決まる! さらに、ライザーのベルトを掴みあげて上にぶん投げる。

 

「小猫ちゃん! 朱乃先輩!!」

 

『雷よ!!』

 

『魔動拳!!』

 

ぶん投げられたライザーに上から雷、下から白い魔力弾のサンドイッチ攻撃をまともに受けて花火のように爆発する。

 

「汚ぇ花火だ」

 

イッセーがどこかで聞いたことがあるセリフを吐き捨ててもう一度倍加を発動する。あの程度でやれる奴じゃないと言うのはここにいる皆が知っている。

 

思った通り炎が巻き上がり炎の翼を広げたライザーが姿を現す。

 

「ふぅ、これで分かっただろう? 貴様らの攻撃はこの不死身の前では無力だ。これが最後のチャンスだリアス。投了(リザイン)しろ。」

 

「しないわ!」

 

ライザーの顔面にリアスの魔力がぶち当たり吹き飛ぶ。

 

「そうだぜ! お前にはたっぷり借りがあるんだ。俺の気が済むまでサンドバックになってもらうぜ!」

 

「知ってますか? 焼けた鳥は美味しい。」

 

「君が泣くまで斬るのを止めない。」

 

「不死身だなんて虐めがいがありますわ。」

 

それぞれ思い思いにライザーに言葉をぶつける。復活したライザーの顔に青筋が浮かび上がる。

 

「いいだろう。貴様らが投了しようがしまいが結果は同じだ。せいぜい足掻くがいいリアス!!」

 

炸裂する太陽(プライド・サン)!!』

 

ライザーの周りに纏わりついた炎が四方八方に飛び散る。イッセー達はそれを飛んで躱し、避けきれないものは剣で弾き魔力で消して躱す。チラッと着弾した場所を見てみるとジュワァと音を立てて溶けている。まともに当たれば火傷じゃすまないみたいだ。

 

「どうにかして反撃しねぇと…」

 

絶え間なく撃ち続けられて反撃する余裕が無く、そしてライザーはバリアを張っているようで強い攻撃じゃないとビクともしない。倍加で誰かにギフトをと、イッセーが思った時

 

『雷撃!!』

 

『消滅之魔弾!!』

 

『合技・雷鳴魔弾撃!!』

 

一瞬の隙を窺いライザーに朱乃の雷がリアスの魔弾にまとわりついてドリルのようになりそれがライザーのバリアを正面からぶち壊す。ライザーは咄嗟に避けようとするが身体の半分以上を持っていかれ地面に落下する。というかいつの間に合体技を

 

「すっげぇ…と、ボーとしてる場合じゃねぇ! 木場ァ!」

 

「うん! イッセー君!」

 

『Explosion!!』

『Transfer!!』

 

魔剣創造(ソード・バース)!!』

 

3段階まで倍加した力を木場に譲渡し、倍加を上乗せした魔剣創造をライザーの地面から突き出し串刺しにする。

 

「ごは!? く、クズがァ! 」

 

ライザーを中心に小爆発が起き周りが灰と化す。

 

「調子に乗るなよクソ野rsぐぉ!?」

 

無駄口を叩くライザーの顔面に小猫のアッパーが炸裂する。

 

「いいえ、乗らせてもらいます。」

こそから小猫による連打連打連打連打ァ! ものっそい血相でライザーの身体中が凹むまで殴るのをやめない小猫。あれは完全にお冠である。

 

「さっきのお返しです。」

 

『大猫拳』

 

白い魔力が小猫の手を包み、それは巨大な猫の手を形作る。

 

『ネコ・パンチ!!』

 

ライザーに小猫のネコパンチが炸裂! 凄まじい威力のそれはライザーの胴体を軽く吹き飛ばしグロ映像を作り出す。モザイク案件

 

「ぅ、オロロロロロッ」

 

慣れていないイッセーが虹を吐いた。

 

「人の体の構造見て吐いてんじゃねぇ!」

 

「きゃ!」

「くっ!」

「オロォォ!」

 

蘇ったライザーが小猫木場イッセーを炎で吹き飛ばす。

 

「くそ、人の体を好き勝手ぶっ飛ばしやがって…不死身でも遠慮くらいしやがれ!!」

 

なんかキレてる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




進撃の巨人のゲームにハマりました。しばらく帰ってこないかもしれない。


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第31話 知ってた? この小説ブロリーが主人公なんだぜ?

どうもお久しぶりです。ダークソウルにハマってしばらく帰れなかったブロリコンでございます。プレステ4を金的問題で買えず好きなダークソウルシリーズを断念したあの日からはや2年。ついにSwitchでリマスターが発売されてガチでやりこんでいます。正直Ps3のダークソウル2以来なので操作がなれませんが元気にやってます。

そして雷派生にする予定で頑張って育てたアヴェリンを間違って結晶化してしまいかなり死にそう




視聴室

 

「何だかこの回に入って俺達の出番減ってないか? 最初の7話以降出番どころか名前すら出なかったぞ。」

 

「完全に空気ですね。」

 

薄型テレビの前でお茶の間を開いてくつろいでいるブロリー一行。

 

「というかこれ俺達が主人公なのかァ? 本編主人公のイッセー達をサポートする系のキャラじゃなかったのかァ?」

 

「違いますよブロリー様、これはあなたの転生物語です。」

 

「そーなのかァ」

 

「俺達の最後の出番からもう5ヶ月は経っているぞ。流石にスマホの前の読者諸君は俺達の小説ってこと忘れているんじゃないのか?」

 

「確かにですね…いったいうp主は何をやっているのやら。」

 

「そういえば、うp主君曰く最後にブロリー君の出番を予定しているらしいよ。」

 

「まじかァ!? やったァァ!」

 

「良かったですねブロリー様。」

 

さりげなく会話に混ざるサーゼクス。

 

「あの〜」

 

「あ、みかん貰いますね。」

 

「あ! モアァ! それは俺のだァ!!」

 

「早い者勝ちです。 あら、美味しい」

 

「チィ! ポーピー」

 

「ウワァァァァ!!」

 

「まぁ落ち着けブロリー。俺のをやるぞぉ!」

 

「うぉ! 親父ありがっとぉぉぉ!」

 

「ちなみにそれ、デスソース入だ☆」

 

「ブォホォ!?」

 

「ファハッハッハッハァァ!」

 

「ふざけんなよオッサン!!」

 

「DOOR!?」

 

「あの〜」

 

「やめろ!ブロリー! 落ちつけぇ!」

 

「ははははは! 面白いねぇ君達」

 

「あの!!」

 

「へぁ!?」

 

「DOOR!?」

 

やっとアーシアの呼びかけに気づいたブロリー達

 

「何だァ?アーシア」

 

「あの…カメラ…回ってますよ?」

 

「「「ゑ」」」

 

 

 

 

「ほぉ、あの悪魔君やるねぇ。とても何週間前に悪魔になったばかりとは思えない動きだ。」

 

「当然です。ブロリー様が徹底指導をしましたからね。」

 

「ふHAHAHA!! 今のイッセーなら焼き鳥野郎も敵ではない! 」

 

「イイぞぉ! あの焼き鳥をこの世から消し去ってしまえぇ!」ピロロロロッ

 

「頑張ってください皆さん!!」

 

大画面のテレビを前に盛り上がるブロリー一行。まるでワ〇ルドカップを応援しているような熱を感じる。いや、ワールドカ〇プを超えているだろう。てか、ワール〇カップって何?

 

「それでも妙だね…」

 

「えぇ…」

 

モニター(テレビ)を見てモアとサーゼクスとパラガスがライザーの戦い方を見て思う。

 

「彼はあんな性格だけどレーティングゲームの腕は一流だ。例えリアスが相手でもあんな力だけで押していくような戦いはしないはずだが…」

 

「一応ライザーという悪魔について調べましたが、どの資料にも慎重にだが確実に相手を追い詰めていき、そして豪快なスタイルでした。無意味な捨て駒もしません。」

 

「そうか…だが、ただ単にリアス達を舐めて油断して戦った可能性もあるはずだ。今はただ見守るとしよう。」

 

「そうですね。」

 

「……(悪魔の情報を調べるのはそう容易いものじゃない。それもフェニックス家程の大物になると僕達魔王の情報門でも掴みづらい。ついこの前悪魔の存在を気づいたと聞いたが相当前に知っている可能性があるね。私の優秀な部下が彼らの情報を何一つ調べあげることが出来なかった…この人達はいったい…興味深いね…)」

 

先程からサーゼクスがモアを熱い視線で見ているが気にしてはいけないと思い特に触れないモア。そして映像は終盤へ差し掛かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「もぉう許ざんぞぉぉぉお!! こうなったらフルパワーで貴様らを灰にしてやる!! 簡単にリタイアできると思うなよぉ!」

 

ライザーから放たられている熱が一気に爆発する。この場の気温が一気に上がり夏場の埼玉県とは比べられない気温になりその場から抜け出したい衝動に駆られる。男子は股間のところがムラムラし女子は汗で制服が透ける。

 

「あいつどんだけの熱量放ってんだよ…俺たちを熱中症にさせる気か!?」

 

「熱中症どころじゃないよイッセー君!」

 

「…帰りたい」

 

「心が折れるの早すぎるよ小猫ちゃん!」

 

夏場の中暖房を付けているような暑さに早くも心が折れそうなイッセー達。このままではいけないと木場が先行し仕掛ける。黒い魔剣を創りライザー目掛けて振る。しかしバチィ!と音を立てて何かに阻まれるようにライザーの肩辺りで剣が止まる。

 

「なっ!?」

 

「ハハァッ!」

 

ライザーの拳が木場の剣のガードを貫き顔面を貫いて吹き飛ばす!

 

ドゴォン!!

 

「「「「木場!!(先輩! 君!)」」」」

 

「すみま…せん…」

 

『リアス様の『騎士』1名、リタイア』

 

ここでリアスチームのツッコミ役木場がリタイア。遠距離型かと思ったがパワーも相当なようだ。

 

「てめぇ! よくも木場をォ!」

 

イッセーが怒りで1人で突っ込む!

 

「イッセー! 危険よ!」

 

「イッセー先輩!」

 

小猫もイッセーのあとに続く。

 

「あいつはイケメンが取り柄なんだ! その取り柄を潰そうとしやがって! ぜってぇ許さねぇ!」

 

(((それは怒ってるの? 蔑んでるの?)))

 

『Burst!!』

 

「行くぜ!」

 

ドッ!とイッセーの筋肉が盛り上がりつんつん頭がさらにつんつん力を上げる。蒸気なんかが体から発せられオーラが増す。名付けてムキッセーモード

 

「なっ!?」

 

その変化に流石にまじかで変身されて少したじろぐライザー。その隙にイッセーは攻撃に入る!

 

神器を纏った左手をグッと握りしめ魔力をその手に集め

 

『Explosion!!』

 

神器で強化しそれをライザー目掛けて振るう。

 

『DRAGON!! SMASH!!』

 

腰を入れた見事な重いパンチがライザーに命中する。それはただのパンチではなく少しだけの魔力が凝縮され、それが一気にパンチ共に炸裂する。

放出されたイッセーの魔力はエネルギーの波のの様にライザーを飲み込み吹き飛ばす!

 

「ハッハッ! どんなもんじゃrs!?」

 

「「「イッセー!(君! 先輩!)」」」

 

イッセーが突然体を抑えて膝を着いた。ムキッセーモードも切れて身体から蒸気のような煙がシュゥーと音を立てる。

 

「身体に負荷をかけすぎたようだな…。神器に覚醒したてがあれほど神器を使ったんだ。むしろよく持った方だ。」

 

「くそ…動けぇ…!」

 

身体に力を入れようとするが逆にバランスを崩して倒れてしまう。

 

「ははははは! 今代の赤龍帝はハズレの様だなぁ! 全くもって無様だ!! 」

 

ライザーはイッセーを貶しながら蹴り飛ばそうと足を振り上げる。が、それは空振りに終わった。

 

「イッセー先輩はやらせません。」

 

間一髪のところで小猫がイッセーを抱えて避けたのである。言っちゃえば立場逆。

 

「小猫ちゃん…」

 

「雷よ!」

 

「はぁ!」

 

ライザーへ轟雷と禍々しい魔力の弾が飛来する。どんな悪魔でも消滅してもおかしくないがライザーはあれくらいじゃ消滅はしないだろう。直ぐに再生するだろう。

 

「学習しないなお前らは…俺にはどんな攻撃も通用しない。この不死身の前では全てが無力だ! いい加減リザインしろリアス。それとも眷属と共に仲良くおねんねしたいか?」

 

「誰が!」

 

無数の消滅の魔弾がライザーめがけてぶち込まれた。

 

「知っているわよ…あなたにはこんな攻撃なんて効かない…倒せないくらい。」

 

「なら」

 

「だけど! ここでリザインしたら、こんな不甲斐ない王のためにボロボロになりながら頑張ってくれた下僕達に合わせる顔がないじゃない!」

 

「「部長…」」

 

「リアス…」

 

「だから、あなたが折れるまで撃つのを止めないわ…!」

 

「…残念だよリアス…君がそれほどまでに馬鹿だったなんて…いいだろう俺も本気でやってやる…!!」

 

空間が捻れるような空気がひろがり、常人ならばその場にいるだけで吐き気を覚えるだろう。

 

先に仕掛けたのは小猫、ライザーとの距離を一気に詰めて全力のパンチを打ち込む。しかし、

 

「どうした? 先程までの威力が全くないじゃないか。」

 

「くっ!」

 

小猫のパンチは平然と受け止められ、逆に膝蹴りをくらってしまう。

 

「貴様には先程の仮があるからな。これでは終わらんぞ…ッ!」

 

ライザーがさらに追撃をしようとするが朱乃の雷に邪魔をされる。

 

「させないですわ。」

 

「…先に厄介な貴様からだな雷の巫女」

 

炎の玉を朱乃目掛けて放り投げるライザー。

 

拡散する太陽(ショット・フレア)

 

ショットガンのように拡散し広範囲で爆発を起こすライザーの攻撃。当然魔力でガードする朱乃だが、煙の向から突然飛び出してくるライザー

 

「想定内ですわ!」

 

前もって溜めておいた雷をライザーに向けて放つ。確かに朱乃の雷はライザーを貫いた。しかし、そのライザーは炎へ姿を変えて消える。

 

「なっ!?」

 

「かかったなアホがァ!」

 

朱乃の後ろへ回り込んだライザーが朱乃の背中に手を当てる。

 

「しま!?」

 

ドォォォンッ!!

 

「大人しくベットでミルクでも飲んでるんだな。」

 

「「朱乃(先輩)!!」」

 

「ごめん…なさい…リアス…」

 

『リアス様の『女王』1名、リタイア』

 

「そんな…くっ!」

 

「さて、お次は…」

 

ライザーの視線が小猫へ移る。

 

「ッ!」

 

「小猫!」

 

「おっと」

 

リアスがライザーへ攻撃を仕掛けようとした時、リアスの周りから炎が巻き上がりリアスを閉じ込める。

 

「こんなもの!」

 

リアスは魔力弾を炎へ撃ち込むが、一瞬だけそこに穴が開くが直ぐに閉じてしまう。

 

「しばらくそこにいてもらおうかリアス。のんびり自分のミルクでも飲みながら君の大好きな眷属がボロボロになる様を見ておくんだな。」

 

「ライザー!!」

 

「さてsr」

 

ボコォ!と音を立ててライザーの顔面に小猫の拳がめり込む。しかし、その手をライザーに掴まれる。

 

「お、驚いたな…。まだそこまで動けるとは…流石タフなだけあるなリアスの眷属は…。」

 

「あなたには言われたくありません!」

 

小猫が蹴りを入れると同時にライザーのパンチが小猫へ入る。

 

「くっ! はぁ!」

 

小猫は怯むことなくライザーへ追撃を行う。パンチキックのラッシュを打ち込みライザーに攻撃を与える隙を作らせない。が、

 

「鬱陶しい!!」

 

ライザーの渾身の膝蹴りが小猫の腹へ決まる!

 

「かはっ!?」

 

「はぁ!」

 

ライザーの炎が至近距離で爆発する。

 

「小猫!!」

 

ボロボロになった小猫が地面に転がる。

 

「くっ! うぅ!」

 

しかし、小猫はまだ立ち上がろうとする。その目には強い意志が込められていた。

 

「ほう、しぶといな。流石リアスの『戦車』なだけはある。」

 

「負け…ない…!!」

 

「だが、これで終わりだ。」

 

ライザーは巨大な炎の玉を作り出し、それを小猫へ投げる。

 

「避けなさい小猫!」

 

「くっ! ぅ!」

 

そこから動こうとするが、体が上手いこと動いてくれず、そこから離脱するのが遅れてしまった。

 

しかし、その炎は紅い拳に打ち砕かれる。

 

「それ以上、後輩をいじめるのは辞めてもらおうか不審者。」

 

 

 

 

 

 

 




2日ぐらい頑張って書いたので結構普段より長めでございます。え? いつもこれくらい頑張れって? だが断る


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第32話 その拳は


このままブロリーを幽霊主人公にする訳にも行かないので、そろそろ終わらせようと思います。

あと、下ネタ注意です。




「これ以上、後輩をいじめるのは止めてもらおうか不審者。」

 

「「イッセー!(先輩)」」

 

「待たせたな☆」

 

「ほう、まだそれほどの気力があるか…俺の炎を消し飛ばすとはな。」

 

「はっ! 温すぎて火傷すらできる気がしなかったぜ。」

 

神器を纏った手で中指を立てながらそう言い放つ。その姿に頼もしく感じるリアスと小猫。

 

「ふん、馬鹿が…あのままおねんねしていたら楽になれてたものを…いいだろう、そんなに俺の炎に抱かれたいならその通りにしてやる。」

 

「うわ、くっさ。今時そんなこと言うやついねぇぞ」

 

「死ねぇッ!!」

 

「恥ずかしいなら言うなよ!!」

 

怒りに任せて放った無数の炎の弾。不規則な軌道を描いて全てイッセーに向かっていく。

 

「脳筋に見えて器用なことするなこいつ…小猫ちゃん! 後ろへ下がってッ!!」

 

「っ! は、はい!!」

 

今のイッセーは何かが違っていた。気絶している間にいい夢でも見たのか…凄くスッキリしたような…そう、例えるなら溜め込んでいたものを全て解き放った時の男の顔だ。

 

話はかなり変わるがブロリーとのワンツーマンの修行での生活は物凄くきついものだった。食って鍛えて食って鍛えて食って鍛えて寝るの繰り返し。間に休憩を挟むが身体を休める、便所に行くくらいの時間しかない。夜に何かをする余裕すらなく修行を終えれば何かに取り憑かれたかのようにベットへ行き、気づいたら朝になっていたことが天ぷら(テンプレ)であった。夜にゲームする余裕がなく、そして男の瞑想の時間の余裕すらもなく、イッセーの欲求は溜まりに溜まっていった。イッセーに癒しはなかった。

 

そう、イッセーは癒しを求めていた。その願いに神器が答えたのかもしれない。夢の中でイッセーは出会った。リアスとは少し違う燃えるよう赤い髪になんちゃらハンターで見た赤い鎧にそっくりのものを身につけた俺っ娘に。本人曰く「宿主の願いに答えた神器が俺をこんな姿にしたんだ勘違いするなよ」との事だ。神器もよく分かっている。俺っ娘にはツンデレだ、とイッセーは思った。正直いってドストライクであった。リアスとはまた違う魅力であった。夢で何か話をした気がするが正直あまり覚えていない。そして、それがきっかけでイッセーの溜まりに溜まったものは一気に解き放たれた。

 

 

 

 

 

 

夢精である。

 

(パンツの中はべちょべちょで温かくて正直いって動きづらいが…だけど…いい気分だ。今の俺なら)

 

迫り来る無数の炎をタイミングよく前に出ることで回避し、そのままライザーへ走る。

 

「なに!?」

 

(何だってできる気がする!!)

 

「何だそのスッキリしたような顔はッ!!」

 

清々しい顔をして距離を詰めてくるイッセーにライザーの無数の怒りの炎が迫り来る。しかしイッセーはそれを軽快なステップで躱し、その勢いでライザーに飛び蹴りを放つ。

 

顔面ど真ん中に打ち込まれたライザーは瓦礫の元まで吹っ飛び大きな音を立てて埋もれる。

 

「飛んだな〜…ムキッセーモードじゃなくても意外と行けるもんだな。」

 

突然、ライザーが埋もれた瓦礫から凄まじい火柱が立ち上りたちまち瓦礫が灰へと変わる。

 

「ヒュー、お金払うから冬に家に来て欲しいね。」

 

先程までの熱いイッセーはどこへやら、余裕なのか軽口すら叩ける。

 

しかし、とうのライザーは怒り心頭。誇り高きフェニックスが下級悪魔にいいようにされて最早惨めの領域。血が上りすぎて頭の傷から血が吹きでる。

 

『兵藤一誠、聞こえるか』

 

「お、その声は夢であったお姉さん」

 

『お姉さんではない! 俺は赤龍帝…ドライグだ。』

 

「え、まじ」

 

『マジ』

 

「…で、そのドライグ姉さんが何の用だ? 今取り込み中なんだけど」

 

『ドライグ姉さんは止めろ! 俺も好きでこんな格好を……まぁいい。貴様が今戦っているあのフェニックスの小僧、どうやら再生に回している不死の力を攻撃に回したようだ。』

 

「…ということは?」

 

『やつを叩くなら今がチャンスだ。』

 

「よし、行ってくる。」

 

『待て! そんなコンビニに行ってくるような気持ちで行けるような事態じゃない。攻撃に回したということはやつは今、ドラゴンの鱗すら貫く炎を放つ、フェニックスの力を解き放ったも同然だ。先の戦いで力のほとんどを使い果たした今の貴様じゃ近づいただけで燃える。』

 

「殺す気満々じゃねぇか。」

 

『上級悪魔はプライドの塊だからな。あれじゃあ奴のプライドはもうボロボロだろう。フェニックスは精神だけは不死身じゃない、すり減った精神は不死身すら滅ぼす。』

 

「うぁぁぁぁァァァぉぉおおおおおッ!!!!」

 

完全に白目を向いたライザー、正気を保っているのか定かではない表情だが、近づこうにもかなり距離があるイッセーの元でもその尋常ではない熱量が窺える。

 

「で、その無理ゲーの塊をどうしたら倒せる? 只でさえべちょべちょなのに汗でむらだって正直言って早く帰りてぇ!」

 

『倒せる方法はただ一つ、禁手(バランス・ブレイカー)だ』

 

禁手(バランス・ブレイカー)?」

 

『簡単に言えば神器のパワーアップのようなものだ。』

 

パワーアップと聞いてイッセーのテンションが見るからに上がる。

 

「おお! なんだよ、そんなものがあるならさっさとやればいいのにー」

 

『そうもいかんのだ…これには相応の器が必要なんだ。今のお前ではこれにたどり着くことはできん。』

 

「できないのかよ!?」

 

『いや、俺の力で貴様の身体に無理やり顕現させることは可能だ。ただ…』

 

「ただ?」

 

『それには俺の力をお前の身体に直接進歩させる必要があるんだ。』

 

「…どういう意味だ?」

 

『つまり、代償が必要なんだ。』

 

「代償…」

 

『そうだ。それで一時的に無理やり禁手(バランス・ブレイカー)に至らせることができる。だが、その箇所は二度と戻らない可能性がある。』

 

「……ドライグ姉さん」

 

『…』

 

「…ドライグ」

 

『なんだ?』

 

「その禁手(バランス・ブレイカー)ってやつじゃなきゃアイツをぶん殴られないんだな?」

 

『そうだ』

 

「そうか……なら、この左腕をくれてやる。」

 

『いいのか? 代償にした箇所は戻らないかもしれないんだぞ。』

 

「くれてやるさ。どうせそれしか方法がねぇんだ。リアス先輩のためなら、左腕くらい安いもんだ!」

 

『…フッ…その覚悟…見せてもらったぞ。』

 

ライザーがその熱を放ちながらこちらへ歩いてくる。そんなに逞しくない肉体は格闘家のように筋肉隆々となり髪は逆立ち白目を剥き白い歯を見せて笑っている。

 

「独り言は終わったか?」

 

「おう、悪いな最近妄想癖が激しくてな。そっちも、見ないうちに逞しくなられて」

 

「ふん、元々こんな風だ。貴様の目は節穴か?」

 

「いや、俺の目が確かならそんなtheラスボス感を出してなかったはずだが…」

 

殺気と殺気のぶつかり合いで空間が歪んでいるように感じる小猫とリアス。呑気な会話をしているようだが両者ひとつの油断をしていない。着々と間合いを詰めていく。

 

『準備は整ったぞ。』

 

その声とともに、イッセーの頭の中である言葉が浮かび上がる。

 

「行くぜ! 禁手化(バランス・ブレイク)!!」

 

『Welsh Dragon Over Booster!!!!』

 

イッセーの神器から女性の機械的な声が何やら呪文のようなこと発したその瞬間、イッセーは赤く光り輝く。そして、その光から赤い鎧に身を包んだイッセーが現れる。ライザーから放たれる炎を反射しよりいっそうギラギラと光る。

 

禁手化(バランス・ブレイク)ですって!?」

 

その言葉にリアスが驚き、腰が抜けたのか座り込んでしまった。

 

ブゥンと音を立てて緑の光が目のあたりから発せられた瞬間、突然ライザーの目の前にイッセーの赤い拳が放たれる。

 

「なっ!?」

 

完全に見えていなかったのか反応が遅れたライザーはその攻撃をまともに受けてしまう。

 

『タイムリミットは10秒だ。それ以上はお前の体が持たない。』

 

「そんなにいらねぇぜ…あんな奴、5秒で片をつけるッ!!」

 

 

 

 




汚い。覚醒の理由が汚すぎる。だが、それがいい


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第33話 これで、全てが変わる...ッ!

ここであの名言を使うという。名言の無駄遣い。

そして、いつの間にかお気に入り登録者が100人突破していたと言うね。今まで2,3人くらいしか読んでくれてないかと思ったぜ。そして、前回あの変身した時の効果音的なのを書きわせれていたので付け足しました。サーセン


「5秒で片をつけるッ!!」

 

背中の装甲が開き緑色の光がそこから溢れ出す。それがイッセーを加速させそのスピードは光すら超える。

 

『10!』

 

先程の女性の声がカウントを始める。正直いってカウントって焦るよね。しかし、イッセーは焦ること無くライザーへパンチを放つ。

 

「そう何度も食らうかァ!」

 

ライザーはそのパンチを捕え、紙一重で避けてカウンターにイッセーに炎を纏ったパンチをイッセーの頬にお見舞いする!

 

「ぐっ!」

 

鎧に少しヒビが入りイッセーの鎧の隙間から血が吹き出す。

 

「「イッセー(先輩)!!」」

 

「フッ…」

 

ライザーはニヤリと笑い追撃にさらにパンチを放とうとするが、逆に溝にブローを打ち込まれる。

 

「フッ…」

 

「ぐっ…!」

 

『9!』

 

ライザーは一度距離を取ろうとするがイッセーは距離は取らせまいと追撃を行う。

 

「しつこいぞ貴様!」

 

「お前が言うな!」

 

イッセーの渾身の飛び蹴りがライザーの顎に命中する。普通なら顎が外れるが意外と頑丈で外れずに踏み込んで耐えたようだ。

 

「なっ」

 

『8!』

 

逆に足を掴まれ投げ飛ばされるイッセー。ブースターを吹かせ何とか踏みとどまるが、追撃に無数の炎がイッセーに迫る。

 

「芸が無いなッ!!」

 

 

 

何度も同じ光景を見たイッセーはそう愚痴る。ブースターを吹かせて横に飛び円を描きながら避けて、隙を見てライザーに突っ込んだ。

 

「かかったな阿呆がァ!!」

 

「何!?」

 

『7!』

 

ライザーの目の前まで迫った時、ライザーから特大の炎の玉がイッセーに放り投げられる。すぐさま方向転換使用とするが、かなりのスピードを出していたのですぐさま方向転換転換するのは難しく間に合わない。

 

「しまっ!?」

 

「調子に乗ったクソガキッ!!」

 

『6!』

 

ドォォォンッ!!!

 

「イッセーーーッ!!」

 

「部長ッ!!」

 

リアスが悲痛の叫びを上げイッセーの元へ走り出す。いくらなんでも至近距離で力を解放したライザーの特大の火の玉を食らっては一溜りもないだろうと皆思った時、カウントが進んだ。

 

『5!』

 

「なにぃ!?」

 

突如煙から突き出された赤い血がライザーの腕を掴み自らの方へと引っ張って腹パンをお見舞いする。

 

「──悪ぃな、ここで終わると少々尺が足りねぇんでな。」

 

煙から出てきたのはほとんどの装甲がボロボロになり半身が剥き出しになり傷だらけのイッセーの姿だった。しかし、イッセーは止まらない。終われない。

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラッ!!」

 

「ちょ、ま、ぐ、ほぉアッ!?」

 

反撃をする隙も与えない連打がライザーを襲う。キザ顔が見るも無残に変形しボコボコに腫れ上がる。

 

『4!』

 

「ま、まてぇ!? きはま、分かっへいるろか!? ほの結婚は悪魔の未来のたへのものら!! おまへのような何も知らないガキが、どうこふしていいもんらいじゃ、ごへぇ!?」

 

「聞き取れねぇよ! もっとはっきり喋りやがれッ!!」

 

「だへのせいだと!?」

 

イッセーはライザーを空中に蹴りあげる。人生で1度も痛みというものを感じなかったライザーは初めての痛みに怯み反撃する気力がない。

 

「痛いかライザー!!」

 

『3!』

 

「だがなライザー! リアス部長はてめぇが感じているその痛み以上に傷ついているんだ!」

 

「何を言っへ…!?」

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostッ!!』

 

禁手化によって限界を超えた強化を初めて使う。イッセーは自身の持つ全てのエネルギーを左手に預ける。

 

「泣いてたんだよ、部長はッ!!!」

 

「っ!?」

 

「部長は本当は弱虫で、でも誰よりも頑張る努力家で、そして誰よりも優しい人だ!! そんな部長を泣かせたお前が許せねぇ! 悪魔の気難しい事情は知ったことかッ!!」

 

『2!』

 

「イッセー…!」

 

『Explosion!!』

 

「終わりだ…ライザー」

 

空中へ浮かんだライザー目掛けて一気に跳ぶ!!そして、その左手を一気に突き上げる!!

 

 

 

 

 

 

イッセーのエネルギーが赤い竜へと姿が変わりその大きな口を開きライザーを飲み込む。

 

「…ドラ…ゴン…」

 

 

 

 

 

 

 

 

デデーンッ!!

 

 

 

 

 

『ライザーフェニックス様、戦闘不能と見なしました。よってこのレーティングゲーム、リアス・グレモリーチームの勝利となります。』

 

 

 

 

 

『宣言した時間を5秒オーバーしたぞ? 兵藤一誠』

 

「うるせぇ…5秒だと尺が足りないって気づいただけだ…」

 

『尺とはなんだ?』

 

「裏事情だ。」

 

粉々になった新校舎に大の字で横になったイッセーはそう愚痴る。するとイッセーに近づいてくる足音に気がついた。

 

「イッセー!!」

 

「イッセー先輩!」

 

リアスが横になっているイッセーを抱き寄せる。リアスのたわわと実った2つの果実がイッセーの顔面に…おっとこれ以上はいけないな。

 

「ぶ、部長。」

 

「イッセー……あなたって…無茶をするんだから…!!」

 

「部長…」

 

イッセーの安否に安心したのか涙を流すリアス。するとイッセーの左手の変化に小猫が気づいた。

 

「イッセー先輩、その手は…!?」

 

見るとイッセーの左手は神器の様な手に変形していた。ドライグ曰くこれは神器の代償によって身体の一部がドラゴンになるというものだ。

 

「あぁ、これですか。さっきの禁手化の代償ってやつですよ…」

 

「そんな…」

 

「でも、いいんです。こうしないとあいつには勝てなかったし、リアス部長があいつの女になるくらいなら左手くらい安いもんですよ! ほら、よく見るとカッコイイですし。」

 

堂々とそう宣言するイッセー。もはや、告白と言っても過言ではないだろう。てか、告白だろ。

 

「もう、バカ。」

 

「バカですね。」

 

「そんな言う!?」

 

すると、視界の端でライザーが炎とともに気絶した状態で現れる。

 

「ライザー…」

 

すると、ふらついた足で立ち上がりライザーの元へ歩く。

 

「イッセー…」

 

「イッセー先輩…」

 

ライザーの目の前までイッセーが来た時、ライザーの妹であるレイヴェルがライザーの前に立って手を広げてイッセーを止める。

 

「…なんもしねぇよ。どんなツラして寝てんのか見たくなっただけだ。」

 

レイヴェルの頭を優しく撫でてリアスの元へ歩く。

 

「ライザーが目を覚ましたら言っておいてくれ。文句があるならいつでも俺のところへ来い。何度でも真正面からぶっ飛ばしてやる──ってな」

 

「っ! は、はい!」

 

 

 

 

 

 

「それにしても部長、どうやって帰るんですか?」

 

「えぇ、向こうから転送して送ってくれるわ。でも、変ね。もうそろそろ転送が始まってもいい頃なのに、何かあったのかしら。」

 

「それにしても遅すぎますよ。」

 

レーティングゲームが終わり、もう5分経過しているが転送される様子がない。さすがに皆が不審に思った時、寝ているライザーに異変が起きる。

 

「GAAAAAAAAAAAAAAAAAッ!?」

 

急に苦しみだし胸を掻きむしるように苦しみ出した。

 

「兄様ッ!?」

 

当然レイヴェルは心配して駆け寄るが謎の黒いオーラに弾き飛ばされる。

 

「レイヴェル!! くそ、今度はなんだ!? 」

 

『これは、あのフェニックスの小僧の中に何者かの魔力が流れ込んでいるようだ。不味いぞ兵藤一誠! 早くあの小僧をもう一度眠らせろ!!』

 

「無理だ! あいつの魔力が強すぎて近づけねぇ…」

 

すると、ライザーの胸の中心に赤い玉が現れる。それを中心に赤黒い模様が広がり、目は赤く充血する。

 

「なんだ…あれは!?」

 

ライザーは黒い炎を纏い、イッセー達の元へ突撃する!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ふう、やっとここまで来たぜ。
遂にライザーも倒し一件落着かと思いきや、何やら危ない状態に変化したライザー。彼らの運命は如何に!?


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第34話 漢は背中で語る

期末テストダルすぎてもうやだ…


少し前の視聴部屋

 

「うぉぉぉぉおおッ!! イッセー頑張れぇぇぇえええッ!!!!」

 

「イッセーさん! そこです! そこそこ! よっし!」

 

応援に熱が入りいつの間にか用意したリアスチームLOVEと背中に書かれたピンク色のはっぴを試着しサリウムを両手に振り回して応援する超サイヤ人(フルパワー)状態のブロリー。その横でブロリーに影響されたかサリウムを両手に握って応援するアーシアの姿もあった。テレビ中継の方はこちらに独占されており他はモニターで大人しく見ている。

 

「『禁手化』ですか、なかなか興味深い物ですね。」

 

「イッセーの気が著しくアップしている。あの鎧もただの鎧では無さそうだな。」

 

モアとパラガスはイッセーの禁手化にかなり興味を示しているようだ。

 

「どうやら赤龍帝ドライグの力で一時的に『禁手化』を成功させたようだね…あの状態は10秒と持たないようだ…。」

 

「しかし、両方ともスピードが桁違いに上がっていますね。映像が追いついていません。」

 

そして、決着は直ぐに着きイッセーの勝利となった。

 

『竜拳!! 爆発ッ!!』

 

「ウォォォオッ!! イッセーッ!!」

 

「やりましたね! ブロリーさん!!」

 

「イェイッ!!」

 

興奮が絶頂に達し気が高まるブロリー。はっぴとサリウムが弾け飛びテレビが大破する。

 

「さっそくぅ!イッセー達をで向かいに行くぞぉ! あとに続けアーシアァァ!!」

 

「はい!」

 

「グレイフィアからは学校では変態くん呼ばわりと聞いていたけれど、かなりカッコイイ感じだねぇ。」

 

「普段からあんなかぁんじならば夢のハーレム王も夢じゃないんだがな…」

 

「えぇ、そうですね…」

 

それぞれ部屋を出ようとパラガスが手をドアにかけた時だった。ばんと大きな音を立ててドアが開かれた。

 

「Doorッ!?」

 

ついでにパラガスが扉にぶっ飛ばされた。

 

「サーゼクスッ!!」

 

慌てて飛び出してきたのはグレイフィアさんであった。いつも落ち着いている彼女が珍しく目に見えて焦っている。これはただ事では無いことが明らかであった。その様子を見てサーゼクスも少し驚いた様子であった。

 

「何がったあったんだい?」

 

「それが、レーティングフィールドを何者かに支配されたようです!」

 

「なんだって!?」

 

「どういう事だ?」

 

鼻を擦りながら立ち上がったパラガスがサーゼクスに質問する。

 

「話は管理室に移動してからしよう。」

 

足で移動する時間すら惜しいようで転移で管理室に移動する。そこではモニターが沢山あり、数人の悪魔達が魔法陣を開きその魔方陣に向かってパソコンを打っているかのように指を動かしている光景である。モニターにはライザーとイッセー達が戦っていた。

 

「っ!? 何故まだ戦っているんだ? 決着は着いたはず!?」

 

「パラガス様、どうやらライザー様は正気ではないようですよ。」

 

パラガスがいち早くその様子に気づいて声を出して驚く。それに続いてモアがライザーの様子について指摘する。

 

「どうやら何者かによって洗脳され、パワーを底上げされているようです。今のイッセー様たちでは危ないですよ。」

 

「魔王クラスの魔力であの場を支配され、こちら側からの進歩が不可能になっています。今、解析を行い進歩できるように全力を注いでいますがあちらの方がかなり上手の方で…」

 

「分かった、私が変わろう。」

 

サーゼクスが魔法陣を開いてその中に両手を突っ込みまさぐる様な動きをする。

 

「これは…確かに凄く厄介だね。相手はかなり魔法に長けてるようだ。」

 

「どうだ?」

 

「そうだね。結論から言うと支配権をこちら側に上書きすることは可能だ。しかし、少し時間がかかりそうだね。その間にリアス達が持つかどうか怪しい。」

 

「なにぃ!?」

 

「そこでだ。ブロリー君にお願いがあるんだ。」

 

「はい…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フHAHAHAハハッ!! イイ気分ダ…今ナラナンダッテデキソウダ…。ニヒィッ!」

 

『黒炎の残光』

 

ライザーが縦に腕を振るうと黒い炎の飛沫が縦に放たれイッセー達に迫り来る。

 

「くっ!」

 

イッセー達は横に飛んで避け難を逃れたが、後ろにあった壁を突きつけて倉庫を斬り裂いた。当たれば即死だろう。

 

「おい!どうしたんだよライザーッ!!」

 

「アHAァッ!!」

 

今度は黒い炎の塊をイッセー達に投げ飛ばす。しかし、それはリアスの消滅の魔力弾によって消し飛ばされる。

 

「元々まともじゃなかったが、アレじゃ完全に正気失ってるな。」

 

『洗脳をされているようだな。』

 

「ドライグ、アイツを元に戻す方法ってあるか?」

 

『ある。』

 

「それは?」

 

『アイツをまた眠らせる事だ。』

 

「どうやって?」

 

『拳で』

「詰んだ」

 

現状あいつを元に戻す方法はなしという事になる。さらにパワーアップするとかどんだけしぶといのよって話。

 

「洗脳されてるって誰にだよ…」

 

『分からん…だが、洗脳の力が桁違いだ。フェニックスの炎を汚すほどの力を持っているということは魔王クラスの魔術師の可能性があるな。』

 

「それってヤバいの?」

 

『めちゃくちゃヤバい。』

 

「詰んだ。」

 

正直に言って今すぐにでも頭抱えて逃げたいと思うイッセー。話している間もライザーの攻撃は止まず、避けるのに精一杯である。

 

「一応聞いとくけどもう一度『禁手化』はできないのか!?」

 

『無理だ。』

 

「デスヨネー!」

 

「どうやら助けを待つしかないようね。」

 

「時間稼ぎ」

 

もはや、新校舎は見る影もなくぶっ壊れやり過ごす場所も無くなってくる。すると、ライザーは炎ブッパを止め体に黒い炎を纏って突撃してきた。

 

「チョコマカ動クンジャネェ!当タラネェダロウガ!」

 

「当たったら死ぬでしょうが!!」

 

黒い炎を纏ったライザーがイッセーに突進を仕掛け、イッセー はギリギリを攻めて避けて逃げるがライザーはありえない程の直角カーブでイッセーとの距離を離さずむしろ縮めて来る!

 

「ファッ!?」

 

イッセーの身体が悲鳴をあげるが気合いで体を動かし走る。

 

「そこよッ!!」

 

「魔動拳ッ!!」

 

そこに小猫とリアスの魔力がライザーにぶち当たる。ライザーは怯み、小猫とリアスを睨みつける。

 

「邪魔ダ!小娘ェッ!!」

 

豪速球の特大の黒い炎の玉がリアス達に迫り来る。先程の攻撃の反動か直ぐに動けず反応が遅れた。

 

「「しまっ!?」」

 

『Boost!!』

 

「でぁッ!」

 

『Explosion!!』

 

『ドラゴン・ショットッ!!』

 

イッセーのなけなしの魔力で放った攻撃がライザーの炎を消し飛ばす。リアスと小猫は難を逃れたが、そこでイッセーの身体が力尽きて、膝を着いた。

 

(やべぇ、もう身体が動かねぇ。)

 

「HAHAHA! ヤット殺サレル覚悟ガデキタカ!」

 

「イッセー!!」

 

リアスと小猫がライザーに魔力を放つがライザーの炎で一喝され足止めにもならない。

 

「させない!」

 

小猫がライザーにタックルを仕掛け歩みを止める。

 

「イッセー先輩はやらせない!」

 

「邪魔ダァ!」

 

ライザーのパンチを紙一重で躱して見事に蹴りが入る。がしかし、その逆に足を掴まれて引き込まれぶん殴られる。

 

「かはっ!」

 

「小猫!」

「小猫ちゃん!」

 

「安心シロ、アノ小僧ノ後ニ二人仲良クアノヨ世ニ送ッテヤル。ソノ後ニ俺ヲコケニシタアノ木偶の坊モナァ!」

 

「木偶の坊? ブロリーの事か…?」

 

「ソウダ…アイツダケハコノ手デ殺サント気がスマンッ!! 」

 

「…はははははっ」

 

「何ガオカシイ?」

 

「いや何、お前じゃ絶対無理だって思ってさ…」

 

「ナンダト!?」

 

イッセーがよろよろと立ち上がりライザーを睨めつける。

 

「今のお前でも天と地がひっくり返ってもブロリーには勝てねぇよ。この命を賭けてもいいぜ?」

 

「ホウ…今ノ俺ノ力ガ分カランノカ?」

 

「分かんねぇな? 炎がちょっとカッコよくなったくらいじゃねぇの?」

 

「貴様…ッ!!」

 

「俺の目指す背中がてめぇなんかに負けるわけねぇんだよ。」

 

「貴様…トコトン俺ヲ怒ラセタイらしいナ?」

 

すると、イッセーが何かに気づいたように微笑み神器を解除する。

 

「なぁ、ライザー。賭けをしないか?」

 

「ナンダト…?」

 

「今のお前がブロリーに勝てるかどうか。俺の賭け物は俺の命とブロリーの命。お前の賭け物は…そうだな…お前のボコボコにされた顔写真でいいや。」

 

「貴様…ドコマデモ俺をコケにするカァ!?」

 

「俺のダチがこんな大イベントを見逃すわけがないもんな…なぁ? ブロリー。」

 

すると、ライザーの後ろからギュピ、ギュピという足音が聞こえる。

 

「はい…」

 

「ナッ!? 貴sr」

 

言葉を発する前にライザーは巨大な拳に顔面を鷲掴みにされ、空中に投げ飛ばされる。

 

「フフフフッ、やっと俺の出番だァ!」

 

ブロリーは既に超サイヤ人(フルパワー)となっておりむき出しの筋肉をムキッと主張する。その服?は前世に着ていたものだった。ブロリーは空中でガンつけているライザーに向けて指をさして死刑宣告を言い渡す。

 

「まず、お前から血祭りに上げてやる。」

 

 

 

 

 




次回、ライザーの運命が決まります。


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第35話 血祭りに上げてやる

問題: 今回のオチはどれ?

A:岩盤浴

B:デデーン

答えは本編の後で!




時を少し遡り

 

「ブロリー君にお願いがあるんだ。」

 

「なんだァ?」

 

「僕がここで上書きする間、ライザー君を足止めして欲しいんだ。」

 

「ほう?」

 

「ちょっと待ってくれたまえ。さっき何者かによって支配権を上書きされたとか進歩できないとか聞いたが、その状態だと貴方が上書きするまであそこへは行けないんじゃなかったのか?」

 

と、パラガスが当然の疑問を持つ。そして、サーゼクスがパラガスの質問に答えてくれた。

 

「僕の力ならリアス達のいるレーティングゲームの場所まで強引に転移させることが出来るのさ。しかし、あそこを支配している者の力が大きすぎて1人しか移動させることが出来ないがね。」

 

「なるほど」

 

「フフフフッ、少々話が難しくて理解出来んがあの鳥野郎をぶっ飛ばせることはわかった! その役目、俺に任せロットォォッ!」

 

「はははっ、頼もしいよ。じゃ、早速行くよ。」

 

サーゼクスがブロリーに手をかざすとブロリーの足元に紅い魔法陣が開かれた。

 

「さっき足止めと言ったが、別に血祭りに上げても構わんのだろう?」

 

「ハハハハッ、その台詞を聞くとちょっと心配になるけど君なら大丈夫かな。リアス達のこと、頼んだよ。ブロリー君!」

 

「はい…」

 

 

 

 

 

時は戻って現在。

 

「ナ、ナンダ…その姿ハ…!?」

 

ブロリーの初めて見る超サイヤ人(フルパワー)状態に驚きを隠せないライザー。いや、彼が驚いているのはブロリーから放たれている底知れぬ力だろう。正直、今更細マッチョがムキムキ金髪になったところで驚けない。

 

「これは、貴様を倒す姿だァ!」

 

ギュッと握りしめた拳から緑の光が漏れ、そこから放たれたのは緑の閃光。少し反応が遅れて気づいたライザーは慌てて黒い炎を飛ばしかき消そうとするがそれは炎を飲み込みながら真っ直ぐライザーへと突き進む。

 

「ヒッ!?」

 

ライザーはここに来て初めて恐怖を覚えた。それは確実に自分を殺すことのできる敵。自分を何倍も上回る敵。ライザーは背を向けて逃げることでその閃光から逃れることができたが、突如目の前に現れた巨体によって退路は絶たれた。

 

「どこへ行くんだァ?」

 

「は…は…ハガッ!?

 

腹のど真ん中にボディブローを決められる。腹を突き抜けるかと思えるほどの衝撃を与えられ中のものを吐き出してむせるライザー。モザイク案件にブロリーは逆の意味でたじろいだ。

 

「はぁ…ハァ…ハァッ!」

 

吐き終わるのを目の前で待っているブロリーにライザーは不意をついて黒い炎を放つ。

 

「ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!!」

 

絶え間なく消し炭になるまで黒い炎を放ち続けるライザー。煙が建物を覆い尽くすまで放ち続けた。

 

「はァ…はぁ…は、ハハハ!! 油断したナァ! ハァーハッハッハッハッ!!」

 

しかし、その煙を突き抜けて現れたのは白い歯を剥き出しにして笑いまさに悪魔の笑顔の様な顔で現れた。身体は焼けるどころかやけどひとつ見当たらない。ライザーの笑い声が止まった。

 

「何なんだァ?今のはァ?」

 

「あ…ハ…そん…ナ…」

 

グミ撃ちはフラグと相場が決まっている。頭を鷲掴みされ、持ち上げられるライザー。

 

「今、楽にしてやる…!」

 

「ハ、離セ…!」

 

ライザーの声にもう力が込められなくなっていた。ライザーの頭が話されたと同時にライザーの体に吸い込まれるかのように放たれたのは巨拳。その拳は簡単にライザーの体を吹き飛ばす。しかし、ブロリーの攻撃はこれで終わらない。

 

「フフフフッ…!」

 

不敵な笑いとともにポーピーと放たれた気弾。それはライザーに吸い込まれるかのように命中しそのままライザーと共に遠くへと消える。そして、ライザーの後ろから何かが現れた。

 

ゴゴゴゴッと地面から生えてきたのは巨大な岩盤。まるでいらっしゃーいと言っているかのように現れたそれはライザーを固く出迎えてくれ、気弾とライザーと岩盤のサンドウィッチが完成した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デデーン(やかましい)

 

 

 

 

 

 

 

「終わったなぁ…所詮、クズはクズなのだ…。」

 

スッキリし、清々しい笑顔を放つブロリー。何ヶ月も跨いでやっと出番が貰えて嬉しいのだろう。正直にすまんかった。

 

「おーい、ブロリー!!」

 

遠くへと避難していたイッセー達がブロリーの元へ駆け寄る。イッセーはリアスに肩をかけられた状態で

 

「やぁ」

 

「助かったぜ!ブロリー!」

 

「助かったはブロリー」

 

「ありがとうございますブロリー先輩。」

 

パシッとハイタッチをするブロリーとイッセー。

 

「レーティングゲームの試合、見てたぞ! よく頑張ったと褒めてやりたい所だァ!」

 

「へへへ、お前が鍛えてくれたおかげだ。あの修行がなけりゃ、ガチで死んでたぜ…」

 

(一体、どんな修行をしたのかしら…)

(たった数日に劇的に強くなった。私もブロリー先輩に修行を頼めばあんなに強くなれるのかな…)

 

ブロリーとの苦行の日々を思い出しながら苦笑いをするイッセー。そこで、ブロリーは懐からあるものを取り出した。それは1粒の豆だった。

 

「そんなお前に、仙豆をやろう! はい…」

 

「え?」

 

ブロリーはその豆を指で弾いてイッセーの開いた口の中にシュートした。挙句に飲み込んでしまったイッセー。

 

「ちょ、何すんだよブロリー! ん?」

 

すると、イッセーは異変に気づいた。さっきまで悲鳴をあげていた身体が突然静まり傷が治っている。疲れていた体も数日ゆっくり休んでいたかのように回復していた。

 

「き、傷が治ってるし身体が軽い!」

 

「ブロリー、あの豆は一体?」

 

「タコが作った仙豆という豆だ。1粒で身体中の傷が治り体力が回復すると言うやつらしい。」

 

「あら、凄いわね。もう1粒あるかしら?」

 

「あるぞ。」

 

「あ、私にも…」

 

ブロリーはリアスと小猫にも1粒ずつ仙豆を配る。そして、ブロリーは思い出したかのように話した。

 

「そう言えばタコが、「この仙豆はまだ試作品のものですので副作用があるかもですじゃ、うわへへへwww」と言っていたな。」

 

「「え?」」

 

今まさにリアスと小猫が仙豆を口へ運ぼうとしていた手が止まった。そして、この会場中にある音が響き渡った。

 

ギュルルルルルルルルッ!!!!

 

「あ、は、腹がァァ…だ、大が…も、漏れる…ッ!!」

 

「「エエエッ!?」」

 

「ヘァアッ!?」

 

どうやらあの仙豆の副作用はすっごい下剤の効果があったようだ。この場所全体に響き渡るような音がなり尻と腹を抑えて動かなくなるイッセー。プルプル震えてもう数秒と持たなさそうだ。

 

「ち、近くにトイレはッ!?」

 

「だ、ダメです! この場所の建物という建物が破壊されてトイレがある気配がありません!!」

 

「もうダメだァ…おしまいだァ…! この小説のオチはイッセーのおもらしで終わるさダメなのだァ!」

 

「諦めてはダメよブロリー! この回だけでも健全に…ッ」

 

「も、もうダメ……あっ」

 

「「「あっ」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レーティング上空にて

 

 

「まさか、彼がこの時空にいるなんてね…」

 

「ここで倒すか?」

 

「ダメよ…それでは計画が台無しだわ…。」

 

「だが、それだとドラゴンボールが…」

 

「問題ないわ、あれはレプリカ。あんな雑魚にドラゴンボールを使うわけないじゃない。」

 

「そうだな…。」

 

「ここは退くわよミラ…。大丈夫、彼は後でじっくり頂けばいいじゃない。」

 

「分かった…」

 

「いい子ね…」

 

その影は誰も知る由もなく去っていった。

 

 

 

 

 

 

 




正解はCのイッセーのお漏らしでした。やっと長きに渡るフェニックス編が終了しました。次回からやっと聖剣編ですな。楽しみにお待ちくだサイヤ人。


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番外編 伝説の超サイヤ人ブロリーVS世紀末覇者ミルたん

今回は前々から希望のあったミルたんとブロリーとの絡みでございます。特に思いつかず悩みに悩んだらこういう結果となりました。ミルたんのイメージはほとんど私個人のものですので、ミルたんファンの皆様はその怒りを抑えながら読み、感想欄でその怒りをぶちまけてください。


リアス・グレモリー婚約事件から数日の時が過ぎた。あの時の慌ただしさはすっかり過ぎ去り、皆平穏の時を過ごしていた。約1名、心に癒えない傷を負ってしまった者がいるが。しかし、変わったことがある。1つはリアスとイッセーが同居し始めたことだ。良かったじゃないかイッセー、ハーレム王に一歩近づいたぞ。

 

2つ目はイッセーが本格的に修行し始めたことだ。しかも、ブロリーと共にだ。ブロリーとだけは死んでも修行しないと誓っていたあのイッセーが死にものぐるいで修行し始めたのだ。やはりライザー戦で力不足を感じていたのだろう。

 

あとは特に変わったことも無くいつもの様に部室でくつろぐブロリー。最近イッセーに紹介されたドラグソボールという漫画を読み進めていた。アーシアに膝枕をされながら…アーシアの顔は凄く幸せそうである。ブロリーちょっとそこ変われ

 

「この孫悟食という男、どこかで見たことあるぞ…何処だったかなぁ〜。」

 

そりゃお前、元ネタの本人とライバルだからなぁという野暮なツッコミは無しだぜ旦那(読者)

 

(ブロリーさんの髪の毛、少しつんつんしてる…)

 

完全にイチャコラムードな部室にバリィと言う擬音が発せられる。それは向こう側のソファーで煎餅を小猫が食べているからである。心無しかブロリーをジト目で見つめている。

 

(イチャイチャし過ぎです…)

 

オカルト研究部って何かないとただの休憩所みたいだなぁっと剣の手入れをしながら思う木場。我がオカルト研究部部長も恋愛雑誌を顔に被せて椅子を浮かせていた。副部長の朱乃とイッセーは悪魔のお仕事でいない。

 

ブロリーはイッセーに借りた分のドラグソボールを読み終え、そろそろ帰ろうかなっとブロリーが思い始めた時、部室の扉がバタンっと開かれた。

 

「ブロリー!居るか!?」

 

「は、はい…」

 

扉を開けたのはイッセーであった。イッセーだと分かった瞬間、リアスが椅子からこらがり落ちて机に置かれた全ての恋愛雑誌が机の下に落ちる。

 

「ちょっと来てくれないか? 大至急!」

 

「は、はい。了解した」

 

そして、ブロリーはイッセーに連れられて部室を後にした。勿論、アーシアも着いてこようとするが

 

「これから行くところはアーシアには酷すぎる…アーシアは先に帰ってくれ…。」

 

と、割と真剣な顔で言うのでブロリーとお互い息を飲み、イッセーの言う通りに従った。ここでこっそり着いてかないところがアーシアらしい。

 

「良かったですね部長…気づかれなくて」

 

「…そうね……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「一体何の用なのだァ?」

 

「実はな、俺の依頼主に魔法少女になりたいという人がいてな…実は、お前に協力して欲しいんだ。」

 

「ほう…だが、俺は魔法なんぞ使えんぞ?」

 

イッセー達と修行の時に朱乃に魔力ZERO判決を受けて割とショックを受けているブロリー。これ以上我が傷を抉るかとイッセーを睨みつけるブロリー。

 

「いやいや、俺も使えないし依頼主の人に使えるのか怪しいから…気なら使えそうだけど…」

 

「ん?」

 

あまり話の意図が読めないブロリー。すると、一件の二階建てのマンションにたどり着いた。

 

「ここだ。」

 

「結局、何をして欲しいんだ?」

 

「いやぁ…それがね…あ、まず依頼主にあってから話そう!」

 

「…はい」

 

何か隠している反応を見て怪しむブロリー。まぁ、ここはイッセーに従おうと思い、イッセーのあとに続く。そして、1つの扉の前で止まった。ピンク色で206号室の番号の周りに花が囲っているデザインが施されている。

 

この扉から察するに女だなと考察するブロリー。あながち間違いではない…はず。

 

イッセーがインターホンを鳴らす。すると、思いもよらぬ声が帰ってきた。

 

「あーいてまーす! どうぞにょ!」

 

文字ではわからないが物凄く図太い声が帰ってきた。個性的な語尾に女性とは思えぬ太い声…これは面倒事の予感がするブロリー。

 

そして、ドスドスドスとブロリーとはまた違う巨大なものが扉へ迫る足音が聞こえる。

 

ガチャっと開かれるドア、そして天井にまで迫る巨体が現れた。只者ではないごつい顔に、服の上からでもわかる鍛え抜かれた肉体、そして謎のヒラヒラとしたピンク色の衣装。

 

「いらっしゃいにょ…ミルたんだにょ!」

 

女子ならきゃぴっと効果音がなりそうなポーズを決めて挨拶をする巨男…もとい、ミルたん。あまりのインパクトにブロリーも絶句する。そして、数秒固まったあと、イッセーに肩を叩かれて正気に戻った。

 

「ブ、ブ、ブロリーです…」

 

しかし、幾度か言葉が詰まり、動揺が隠せないブロリー。まさか、自分以上にインパクトのある筋肉キャラがいたとは夢にも思わなかったであろう。

 

はっと我に返るブロリー。自分を上回る筋肉キャラがいて溜まるかと、そしてブロリーは超サイヤ人(フルパワー)へと変身し自らの筋肉を主張する。

 

「やぁ! ブロリーです…!」

 

「にょ!? 変身したにょ!」

 

ブロリーが変身したして驚きの声を上げるミルたん。

 

「フフフフッ…その程度の筋肉でこの俺を上回るとでも思っていたのか? 」

 

「この人がイッセーちゃんの言っていたブロリー君だにょ!?」

 

両手を合わせて目をキラキラさせてブロリーを見つめるミルたん。言葉使いだけでは分からないだろうが何処かの世紀末覇者を思い出させるようなごつい顔で迫られると流石のブロリーでもたじろいでしまう。

 

「は、はい。」

 

「じゃあ、早速行くにょ…ッ!」

 

「え?」

 

ミルたんの上腕二頭筋が急に膨れ上がったかと思うと、恐ろしい速度で巨拳が振るわれブロリーはいとも簡単にその巨体を浮かされてしまう。

 

「うわぁぉぁぁぁぁ!?」

 

吹っ飛ばされたブロリーをミルたんはあとを追うように、大腿二頭筋を膨らませてブロリーが吹っ飛んだ方向へ飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─日本の何処かの荒野─

 

「さぁ、やって参りました『第26回:ブロリー日本プロレス大会』会場は現代日本ではあるはずがない何処かの荒野でお送り致します。実況は私、プロレスなんて1回も見た事もない悪魔、兵藤一誠と解説のブロリーの父であり、自動車学校の校長の顔を持つパラガスさんに来て頂きました。パラガスさん、今回はよろしくお願いします。」

 

「よろしくお願いします。ところで、私は何故ここに居るのかせつrs」

 

「今回はチャンピオンのブロリー対夢見る乙女であるミルたんの試合とのことですが、パラガスさんはどう観るのでしょうか?」

 

「そうですね、服の上からでもわかるあの筋肉が飾りかどうかは一目瞭然でしょう。彼もブロリーに勝る過酷なトレーニングを積んでいるように見えますね。彼のトレーニングがブロリーにどう通じるかどうか、そこが主になって来るでしょうね。それはそうとして、何故俺はこんな所に連れてこられたのkr」

 

「なるほど、筋肉と筋肉のぶつかり合い…これは熱い試合が観られそうです! さぁ、試合のゴングが刻一刻と迫ってきました! 両者構える!」

 

ヒュ〜と風が吹き砂埃が舞う。ブロリーとミルたんは一瞬も互いの隙を作らず、緊張した空気だけがその場を支配していた。

 

「それではパラガスさん、合図をお願いします。」

 

「…分かった。」

 

パラガスはスーツのポケットから10円金貨を取り出し、コイントスをする。10円がクルクルと空中を回転し風を切る音がやけに大きく聞こえる。そして、マイクと実況と解説と書かれている札だけが置かれた机にキィィンと音を立てて落ちた瞬間、両者共に動いた!

 

「おーと! 両者共に動いた!」

 

「後ろ手に出ると何をされるかわからない、ならば先に仕掛けるという互いの思考が一致したのでしょうな。」

 

2人の拳と拳がぶつかり合い、その衝撃で地面が一瞬で砕け散った。そして、掴み合いとなり力比べとなる。

 

「ほう、力がブロリーと互角とは…本当に人間か?」

 

「資料によれば確かに人間のようですが…」

 

「ウォォォォオッ!!!」

 

「にょォォォオッ!!!」

 

緑の気と桃色の闘気がぶつかり合い、そこだけ次元が歪みそうになっていた。気の摩擦により空気が破裂を起こしパチッと音を立てまくりイッセーとパラガスの冷や汗が止まらない。

 

「にょぉぉおッ!!!」

 

「なにィ!?」

 

恐ろしい程の膂力によりブロリーが掴みあった状態で持ち上げられ蹴りあげられた!

 

「行くにょっ!」

 

ミルたんは蹴り飛ばされたブロリーよりも早くそして高く飛び上がり、バレーのスマッシュを打つポーズを取る。

 

『ミルたんスマッシュッ!!』

 

まるで大砲を撃ったかのような轟音を鳴り響着させながらブロリーは地面に叩き落とされた。

 

「ブロリーにミルたん選手のスマッシュが直撃ッ! これは決まったかぁーッ!?」

 

「…いや、まだだ。」

 

「ウォォォォオッ!!!」

 

雄叫びとともに叩き落とされた大穴から緑の気が天を貫く程立ち上り、それと共にブロリーが打ち上がる。そのまま、ブロリーは真っ直ぐミルたんに突撃し、タックルを食らわす!

 

「にょぉぉぉおっ!?」

 

ブロリーのタックルをまともに受けて吹き飛ばされるミルたん。そのミルたんをブロリーは倍の速度で追い抜き、ミルたんの後頭部に向けてラリアットを食らわせる。

 

「にょっ!?」

 

まともに食らってしまったミルたんは顔面からうつ伏せで倒れてしまう。ブロリーは倒れたミルたんの腰を掴み逆さまに持ち上げる。

 

「ま、まさかアレは!?」

 

そのままブロリーは垂直に飛び上がり、舞空術を利用したブーストで下に急降下し、そのままミルたんは頭から地面に真っ逆さまに

 

『ブロリー式:パイル・ドライバーッ!!』

 

ズドォーンと派手な音を立てて頭から真っ直ぐに埋まってしまったミルたん。流石に決着は着いたかに見えたが…

 

「にょ!」

 

ズポォ!と抜け出しまるでダメージを受けた感じではない。恐らく特注サイズであるミルたんの衣装は見る影もなく、ほとんど服の機能を果たしていない。というか、戦う前から自らの筋肉の膨張で破れていた気がする。

 

「チィッ 死に損ないめ…ッ! 今ので寝ていたら痛い目を見ずに済んだものを…今楽にしてやる…ッ!!」

 

「いいにょ! ミルたんも本気で行くにょッ!!」

 

溢れ出る気と闘気がぶつかり合い両者の手に集まってゆく。緑の凝縮された膨大な気がブロリーの手に、体中に纏われた桃色の闘気を自らの手に集中させるミルたん。タイミングは同じ、あとはどちらが上かの力比べ

 

『イレイザーキャノンッ!!』

 

『桃色剛掌波ッ!!』

 

ブロリーの巨大な気とミルたんの膨大な闘気がぶつかり合い、大地が割れ、空が歪み、荒野が更地に変わる。

 

その衝撃は実況ルーム(仮)まで届いた。

 

「な、なんというぶつかり合いでしょうッ!! このままでは地球がぁぁ! 地球そのものがぁぁああっ!! パラガス先生! これ、明日のニュースに乗るんじゃないですか!? 」

 

「だ、だ、大丈夫だ、問題ない。このフィールドはモアの固有結界によって用意されたものだ。ブロリーが何かと戦う意思を見せた時に発動する。モアによれば強度はたとえ巨大隕石がぶつかったとしても内側から破れることはない、との事だ。」

 

「あ、あの…その固有結界って…あれですか?」

 

「ゑ?」

 

イッセーが指をさした方向は空。その空は歪みが生じ、よく見たら巨大なヒビが入っている。

 

「ゑゑゑゑゑゑゑッ!?!?」

 

「あれってやばいんじゃないですかっ!?」

 

『パラガス様! 聞こえますか!?』

 

「その声は、モアかっ!?」

 

『一体、中で何が起こっているんですか!? 私の固有結界が内側から破られそうなのですが!?』

 

「あ、ああ。今、ブロリーとミルたんなるものが戦っている最中だ。」

 

『このまま結界を破られたら気という気が溢れだしますよ?』

 

「そうなると、どうなるんだ?」

 

『最低、日本は無事ではないでしょうね…。』

 

「ブロリー! 今すぐ落ち着けぇぇぇ! ヤメロォォォ!」

 

今更やめろとか言われても両者の耳に届くことは無い。あるのは目の前の敵を倒すことのみ。

 

「にょぉぉぉおッ!!」

 

「ハーハッハッハッハッハァ!! フンッ!」

 

競り合うブロリーとミルたんの気と闘気はとどまることを知らず。ぶつかり合った力が爆発する。力の差は互角であった。

 

大地が盛り上がり、モアの固有結界も崩れかけてきた。残された時間は極わずか。これが、最後の一撃となるだろう。

 

「ウォォォォオッ!!」

 

「にょァァァァぉぉおおッ!!!」

 

両者一気に距離をつめてミルたんが先にパンチを繰り出した。しかし、その拳はブロリーの頬を掠めて外れ、ブロリーのパンチがミルたんの溝に決まった。

 

「ウオオアアアアアアアッ!!!」

 

ブロリーは力の限り振り抜き、ミルたんはそのまま衝撃に身を任せて吹き飛ばされる。吹き飛ばされたミルたんは結界にぶち当たり、それを最後にモアの固有結界は崩れ去った。

 

 

 

 

 

 

パリィンと音を立ててモアの懐中時計が割れ、ブロリー達が出現する。

 

「き、決まったぁぁああっ!! 僅かな差でブロリー選手のパンチによりミルたん選手ダウン! よってこの勝負、ブロリー選手の勝利となりますッ!!」

 

ワァァァァアッ!!

 

ブロリーの勝利により観客の声(ラジオ)が湧く!

 

「いやぁ、見事な試合でしたねぇ。パラガスさん。」

 

「えぇ、今回はPODに詰められて投げつけられることも無く、日本が滅び去ることも無く無事に試合がすんでほっとしています。」

 

倒れていたミルたんがのそりと立ち上がり、ブロリーと握手する。

 

「いい筋肉だにょ。ミルたんもまだまだだと分かったにょ!」

 

「フフフフッ! お前も中々の筋肉だったぞ。俺もまだトレーニングが必要のようだなぁ…!」

 

「筋肉と筋肉の試合は筋肉で終わる…。そういう事ですねパラガスさん。」

 

「いや、知らんがな」

 

ふと、ブロリーは思った。そう言えば何故俺はミルたんと戦うことになったのか。特に理由を聞かず戦ったが、やはり少し気になった。

 

「そう言えば、ミルたんは何故俺と戦いたかったんだァ?」

 

「ミルたんは魔法少女になりたいにょ。それで、イッセー君がブロリー君に勝てば魔法少女になる方法を教えるって言ったにょ。」

 

「ん?」

 

「やべっ」

 

全速力で逃げ出すイッセー。しかし、退路は巨体によって阻まれた。

 

「何処へ行くんだァ?」

 

「お、お前と一緒に修行する準備だァ!」

 

「一人用のトレーニングルームでかァ?」

 

「なぁにを言っているんだrs ふぉほっ!?」

 

イッセーは頭を掴まれてどこからともなく現れた岩盤に叩きつけられた。

 

「俺を利用するとはいい度胸だなイッセー。」

 

「ご、ごめんなさい…」

 

 

ライザー戦が終わったばかりで

 

この始末☆

 

果たして、この先どうなることやら…

 

 

 

 

~完~

 

 

 




書きながら、気づいたことがあるんです。これ、プロレスじゃなくね?


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月光校庭のエクスカリバー
第36話 始まりの剣


なんか、気分転換に新作でも書こうかなーて思い始めたこの頃、ブロリーばっかりだと頭の中ブロリーばっかりになりそう。新ブロリーの可愛さに戸惑いを隠せずにはいられなかったぜ。しかし、俺は旧ブロリーを貫く者なり。新ブロリーに浮気したブロリストなどブロリストに非ず。あ、新ブロリーのIF系はどんどん受け付けてますよ?


ライザー騒動はもう遠い昔となり、夏休みが目の前に迫ってきたこの頃。ブロリーは体育のテストに悩んでいた。正直、力加減が難しいのだ。この世界に来てから学ぶことが多く、そして学ぶ事に強くなるブロリーにとって人間レベルに合わせて走ることさえ難しくなってきた。ブロリーが本気を出せば人類の数々の世界記録を一瞬で塗り替えることさえ簡単なのである。

 

しかし、そんなことしてしまえば学校生活所の話ではなく、いろんな方面から引っ張りだこだ。なので今、手加減レベルを設定中である。そして、ブロリーの番が来た。

 

「おい、ブロリー…今日は負けねぇからな。」

 

「フハハハッ! 松田ァ程度のパワーで、この俺を超えることはできぬゥ!」

 

元陸上部の松田は体育の時だけ真面目である。変態な方向には知らずに爽やか系スポーツ男子を貫けば女子からの評価もいい方向に行くと思うのだが…。

 

「熱くなりすぎてうっかりコケるなよ〜。」

 

体育の担任はパラガスである。すっかり先生が板に着いてしまったが視線は隣で柔軟をしている女子に釘付けである。

 

「先生も女子ばっか見てねぇでちゃんと記録してくださいよ!」

 

無事、ブロリーは50メートルを人間レベルに合わせて走り切った。もちろん松田には勝った。あとは待つだけなので少し離れて芝生に横になる。昨日は新発売のス〇ブラSPをやり込んで寝不足気味なのだ。しかし、いつブロリーはス〇ブラに参戦できるのだろうか。いっそ任〇堂に殴り込みにでも行こうかと考えながら空を眺めていると何かが近づく気配があった。

 

「にゃ〜」

 

それは小さな黒猫であった。その黒猫は徐々にブロリーに近づいてきて、ついにブロリーのお腹に頬を擦り寄せ、そして丸くなって寝ようとしていた。その姿を見て、この世界に来たばかりの頃を思い出した。あの頃は右を左も分からず、そこらを散歩していた時、負傷していた白猫を拾った事がある。かなり衰弱していたがタコの科学技術によりなんとか無事に回復して元気になったが、1週間たった時ふらっといなくなってしまったのだ。猫は気まぐれと聞いたことがあるので仕方ないと割り切ったが、未だにちょっと心残りである。

 

「かわいいなぁ…このまま眠りに落ちたいところだァ。」

 

その1週間の間、ブロリーはその猫をすごく可愛がっていてすっかり猫派にされてしまった。そのことを思い出すと懐かしくなってついその黒猫を撫でた。黒猫は震えるように、しかし嬉しそうな仕草で体を震わせる。親父に頼んで猫を買って貰うのも悪くないなと思うブロリー。

すると、またもやブロリーに近づく気配があった。

 

「………ブロリー先輩は猫が好きなんですか?」

 

隣から小猫の声がしたのでブロリーは猫を気遣いながら上半身を立たせた。ブロリーの左側の芝生に体操着の小猫がしゃがみながらブロリーを見ていた。

………狙っているのか、アングルが異様な程に際どいのはきっと気のせいだろう。

 

「はい……。少し前に怪我をした猫を1匹拾って少し面倒を見ていたのだが、勝手にどっか行ったきり帰ってこなくなったのだぁ。可愛がっていたんだがなぁ…」

 

「……先輩はその猫のこと、どれくらい好きだったのですか?」

 

「んー、親父ぃ以上。『ゑゑゑ!?』」

 

「…そ、そうなんですか…」

 

それを聞いて小猫の顔が少し赤くなる。なにか困らせること言ったかな、と思うブロリー。

 

「………先輩は、その猫に帰ってきて欲しいですか?」

 

「はい…。」

 

「……そう…ですか…。」

 

小猫は少し寂しそうにそう呟いた。なぜ小猫が寂しそうな表情をするのか、この時のブロリーには何を意味しているのか分からなかった。

 

 

 

 

────放課後──

 

 

本来ならいつもの部室でジャプソの最新刊を読む所だが、今日はあいにく旧校舎の耐久確認とやらで使えず家で読もうと思ったが、皆がイッセーの家で集合するらしくブロリーもそのノリに合わせて兵藤家にお邪魔させてもらった。部活の担任であるパラガスは資料をまとめるのに忙しいらしいので来れなかった。まぁ、どうでもいいが(ゑゑゑ!?)

 

イッセー達は今、その月の悪魔稼業の契約者数についての結果発表をするらしい。

 

「じゃあ、今月の定例会議をするわ。まずは契約者数から…朱乃11件、小猫10件、祐斗8件よ。」

 

「おお! 流石、姫島先輩と褒めてやりたい所だァ!」

 

「……あと、1歩届かず……。」

 

「そして、イッセー…0件」

 

「うっ…」

 

「フハハハッ! 所詮、クズはクズなのだァ。」

 

「うっせ!」

 

「頑張って契約を取らないと、上級悪魔への道はますます遠くなるわよ?」

 

「面目ありません…。」

 

「イッセーさん!次は頑張りましょう!!」

 

「ああ! 来月こそはトップを目指します!」

 

ガッツポーズをして闘志を燃やすイッセー。そこへ、イッセーのお母さんがやってがやってくる。お茶と何かの本を持ってきた。

 

「ま、まさか…お母様それはっ!?」

 

「ええ、イッセーの成長アルバムよ♡」

 

「くっ!」

 

イッセーはそのアルバムを取り上げようと立ち上がろうとした時

 

「祐斗」

 

「…ごめんね、イッセー君。女の子は怒らせたら怖いから」

 

「HA☆NA☆SE HA☆NA☆SE HA☆NA☆SE!!

 

木場がイッセーの関節を極めて動かせないようにする。

 

「木場、貴様ァ!?」

 

「イッセー……悪いとは思うけれど、前からその存在が噂となっていた伝説の超写真集を前にすれば、私は我慢ができないの」ゴゴゴゴ

 

「な、なんでやつだァ…」

 

「あ、悪魔たん…」

 

 

 

 

───

 

 

「見て! これは小学生の時のイッセーよ」

 

お母さんを中心にイッセーのアルバムを見るリアス達。今見ているのはおそらく風呂上がりのイッセーが全裸で牛乳を飲んでいる写真である。イッセーは部屋の隅で体育座りでうずくまっている。

 

「もう誰も信じられない…」

 

「小さいイッセー、小さいイッセー!」

「あらあらふふふ、ちっちゃくて可愛らしいですわぁ。」

「フハハハッ! イッセー可愛いじゃねぇかコノヤロー!」

 

「くそー、お母さんめ…余計なもの持ってきやがって」

 

「ははは、いいお母さんじゃないか。」

 

「どこがだよ! 裏切り者ー!」

 

木場はリアス達とは別のアルバムを見ながら悲しげに呟いた。

 

「いいよね…家族って…繋がっている感じで……羨ましいよ…。」

 

「? そう言えば木場って─」

 

「っ!?」

 

木場があるページを見た途端、目の色が変わった。

 

「イッセー君、この写真は何かな?」

 

木場が指をさして見せたのは、8歳くらいのイッセーと男の娘が暖炉の前で一緒に遊んでいる写真だ。

 

「あぁ、この男の子は近所の子でさ。よく遊びに来てたんだけど親の転勤とかで海外に行っちゃってさ…名前はなんて言ったけか…」

 

「ねぇ、イッセー君。この剣に見覚えはある?」

 

と、木場が指を指したのは暖炉に飾ってある剣であった。

 

「…わかんねェ。なんせ昔のことだからさ、この剣がどうしたんだ?」

 

「そうか……こんな偶然もあるんだね…」

 

まさか今回の一件が、このなんの変哲もない写真から始まるなんて…誰も予想はできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よう、早いな木場。」

 

今は夜中でグレモリー眷属はある悪魔からはぐれ悪魔の討伐の依頼を受け、ある廃工場の跡地に来ていた。そこには自我を失った凶悪なはぐれ悪魔が潜伏しているらしく、早めに来ていた木場とイッセーしかいないが、今回は保険としてブロリーとアーシアに来てもらう予定らしい。そのことから察するに、今回の相手は相当やばいらしい。ちらっと聞いた話では上級悪魔も殺した相手だとか。

 

しかし、今日の木場の様子は少し変でずっと上の空状態である。今もイッセーのといに答えずじまいだ。

 

「おい、木場…今日は帰るか?」

 

「……いや、大丈夫だよ。はぐれになんて遅れはとらない…。」

 

木場はそう言うと一人で廃工場に入って言ってしまう。まだリアス達が来ていないのに、いつもの木場からは考えられない行動だ。

 

「おい! 木場!! 部長達はまだだぞ!」

 

「…やることは一緒だよ。先に片付けてしまおう。」

 

と、それを言い残し廃工場の中へ入ってしまう。まだリアス達は来る気配がなく、必然的に木場を止めなければいけないのはイッセーである。

 

「くそ、待てよ木場!!」

 

イッセーは赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を顕現し、木場の後を追いかける。工場の中は埃に包まれてて視界が悪く鼻がツンとするような異臭も漂っていた。

 

かなり戦うには場所が悪く、相手がどんなやつかなんて分からないまま飛び込むのはやはり自殺行為だ。今の不安定な木場が戦えば危険である。急いで追いかけるが既に遅く、木場は剣を抜き工場の中心にたっていた。

 

「さぁ、姿を表しなよ。僕が相手だ。」

 

「なっ、馬鹿!」

 

木場は無表情なまま剣で風を切り、潜んでいるはぐれ悪魔に挑発するように言い放つ。

すると、物陰から巨大な影が現れる。

 

「カッカッカッ、何が来たかと思えば下級悪魔の小僧とは…舐められたものだな…。」

 

現れたのは3メートルにも差し掛かる巨大な体に、筋肉隆々のマッチョマンの変態であった。顔は鬼のようなごつい顔で上半身は獣のようなもっさもっさに黒い毛を生やし下半身は羊のような蹄の歩きにくそうな足。いかにも強そうな見た目で魔力も木場とイッセーを合わせても半分以上もある。知能も高そうだ。

 

「これ、やばい奴じゃね?」

 

「君がはぐれ悪魔、チーンコーンだね。さぁ、君を殺すよ。」

 

「はっ! どの口がほざくか…そんな細腕でこの俺を殺すだと? 下種が…」

 

「フッ!!」

 

油断している隙に木場が一気に仕掛ける。木場の魔剣ははぐれ悪魔の顔を斬り裂いた…はずだった。その剣は顔に振られたが、はぐれ悪魔の丸太のような太腕に止められそのまま真っ二つに折れてしまう。

 

「脆いな…フンッ!」

 

はぐれ悪魔の巨拳が木場に放たれる。間一髪のところで避けられたがその拳圧は廃工場の壁におお穴を開けるまでに至った。

 

「チッ…」

 

木場は一旦距離を取り、新たな剣を創生する。

 

「ほう、魔剣創造(ソード・バース)か…。」

 

「へぇ、はぐれの癖にこの力を知っているなんて相当知識があるんだね…。」

 

「魔剣を自在に創り出す力なんぞそれくらいしかなかろう…。しかし、所詮は簡易な魔剣程度しか創れん雑魚だ。」

 

「……雑魚かどうか、試してみるかい?」

 

「面白い…やってみるがいい。」

 

「と、その前にこれでも食らっとけッ!!」

 

『Explosion!!』

 

最大まで溜めた倍加を、左手に集めた気に与える。

 

竜弾(ドラゴン・ショット)ッ!!』

 

はぐれ悪魔が木場に気を取られている隙に倍加を溜めていたイッセーがはぐれ悪魔の目の前に現れ至近距離でそれを放つ。はぐれ悪魔はイッセーの攻撃をまともに受けて大爆発が起きる。今にも崩れそうだった廃工場がさらに揺れて鉄骨などが派手に音を立てて落ちる。運良くここの付近には民家はないので余程のことがない限り民間人に被害は出ない。派手に壊してもリアス達が何とかしてくれるだろう。

 

「やったか!?」

 

しかし、巻き起こった砂煙から出てきたのは特に傷を負った様子のないはぐれ悪魔の姿だった。

 

「なっ!?」

 

「なんだ? ただ埃を巻き上げるだけの技か?」

 

「あんな、至近距離でイッセー君の攻撃を食らって傷一つないなんてね…これは相当骨が折れそうだね。」

 

「骨が織れるどころの話じゃねぇぞ木場!! ここは一旦引いて部長達を呼ぼう!」

 

「いや、こいつはここで殺すッ!!」

 

新たな魔剣を握りはぐれ悪魔に斬り掛かる木場。しかし、その頑丈な毛に防がれて切り傷すら着きそうにない。

 

「あぁ、もうくそ!!」

 

イッセーも覚悟を決めて本気のムキッセーへと変身しはぐれ悪魔に殴り掛かる。しかし、イッセーと木場の攻撃をものともせずその剛腕を振り上げるはぐれ悪魔。

 

「不味い、避けろ木場ッ!!」

 

「っ! しまッ!?」

 

「遅い!!」

 

反応が遅れた木場に迫るはぐれ悪魔の剛腕。それが木場の体を引き裂こうとした瞬間、はぐれ悪魔は殴り飛ばされた。

 

「やぁ、貴様が悪魔だと? 違う…俺が悪魔だァ!」

 

「ブロリー!」

 

超サイヤ人(フルパワー)となったブロリーが駆けつけた。何となく嫌な予感がしたのでアーシアを置いて先に駆けつけたのだ。瓦礫に埋もれていたはぐれ悪魔が瓦礫を跳ね除けて叫ぶ。

 

「なんだ? 貴様ァ!? この俺の顔に…傷をつけたなぁ!?」

 

「フハハハッ! ブサイクな顔に今更傷が増えたところでなんともなかろう!」

 

「ゆ、ユルザン…絶対にユルサンゾォォォ!!!」

 

その巨体から思えないほどのスピードでブロリーに殴り掛かるはぐれ悪魔チーンコーン。しかし、その剛腕から振るわれたパンチは片手で受け止められた。

 

「な、ナニ!?」

 

「クズがァ…今、楽にしてやる。」

 

チーンコーンの巨体はブロリーの気によって悠々と吹き飛ばされ、追撃に放たれた気弾により空高く舞い上がって

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デデーン

 

 

 

 

 

 




特に落ちが思いつかなかった。


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第37話 聖剣エクスカリバー

スマブラでキング先輩やロイが目立っている中、俺はあえてあまり目立たないロボットを極める。特に意味は無い。

しかし、Switchでいつペルソナ5は来るのだろうか。




パンッ! と、乾いた音が鳴り響いた。頬を叩かれた音だ、叩かれたのは木場。俯いているせいで顔ははっきり見えなく、どんな表情をしているのか分からない。はぐれ悪魔はブロリーの一撃で完全に消滅し、今は朱乃が工場跡地を魔法で直している最中だ。

 

「祐斗。これで、多少は目が覚めたかしら? あなたが行った独断行動がどれだけ危険なことか分かっているかしら? 相手はA級指定クラスのはぐれ悪魔だったのよ。ブロリーが駆けつけてくれたおかげで大事には至らなかったけれど…下手をすればあなたかイッセー、もしくは二人とも死んでいたかもしれないのよ!?」

 

涙目で木場を怒鳴るリアス。そう、現にまるで狙っていたかのようなタイミングでブロリーが助けに来なければ、あのはぐれ悪魔の一撃で殺されていたかもしれない。

 

「すみません。」

 

顔を上げ、リアスに謝罪する木場だが、その表情は無で一切の感情が読めない。いつものウザイくらいの爽やかさが微塵も感じられないのだ。

 

「どうしたの祐斗? 貴方らしくもない。」

 

「調子が悪かっただけです。今日はこれで失礼します。」

 

そう言うと木場はそそくさとその場を立ち去ろうとした。

 

「おい! 待てよ!木場!!」

 

木場を追いかけるイッセーとブロリー。

 

「お前、最近変だぞ? 部長にあんな態度だなんて…」

 

「あのウザイくらいのイケメンンンンはどこへ行ったんだ?」

 

「君達には関係ない。」

 

「心配してんだよ!」

 

「心配? 誰が誰をだい?」

 

「はぁ?」

 

「悪魔は本来、利己的なものだろう? ま、今日は僕が悪かったと思っているよ…」

 

そして、そのまま立ち去ろうとする木場。

 

「待てよ! もし、悩みとかあるなら相談に乗るぞ! 俺達、"仲間"だろ!?」

 

「"仲間"…か…イッセー君、君は熱いね…。僕はこの頃、少し浮かれていて本来の僕を忘れていたんだよ。」

 

「なっ」

 

木場は薄笑いを浮かべながら振り返る。感情の無いその笑みにたじろぐイッセー。

 

「僕はね…基本的なことを思い出したんだよ…」

 

「基本的なこと?」

 

「僕が生きる意味…──そう、僕が戦う理由さ。」

 

「それは、部長のためだろ。」

 

「違うよ。」

 

「えっ」

 

「僕は"復讐"の為に生きている」

 

「復讐…?」

 

「なに?」

 

復讐という単語を耳にしたブロリーが反応する。その言葉を聞いて何かを思い出しかけた。ずっと頭の隅に封印していたあの記憶。もう触れまいと思っていた思い出。

 

「"聖剣エクスカリバー"……それを破壊するのが、僕の"生きる意味"だ。」

 

「っ」

 

「…」

 

その名を口にした時の木場の目を、ブロリーは知っていた。憎悪の全てが篭ったその目をブロリーはマジかで見たことがあった。それは、自分の父親であるパラガスが自分達を殺そうとしたベジータ王に復讐を誓った時と同じ目だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の朝

 

「"聖剣計画"とはかつて教会によって行われた非道的な人体実験ですね。使い手を選ぶために確保しただけでは意味が無いと感じた教会が、聖剣の適合者を人工的に創り出そうと考えた故に立ち上げられた計画ですね。しかし、計画は失敗に終わり、非道的実験が上にバレて壊滅した…なんとも呆気ない計画です。」

 

「なるほど、そして木場君はその実験に利用された子の生き残りと言うわけか…。」

 

「えぇ、実験には微かに聖剣使いの因子を持つおよそ20名あまり子供が選ばれ、非道的実験に耐えきれず死亡、もしくは自害した子も居るようで実験終了時には半数にまで減ったという記録があります。そして、最後は情報を漏洩させないために生き残りの子供を毒ガスで殺したようですね。」

 

モアが独自のルートで調べあげた情報をパラガス、ブロリー、アーシア、ジャンとリン(ブロリーの使い魔)そしてリアスとイッセーと聞いていた。

 

「なんということ…いや、俺が言えた義理ではないか…。」

 

「なんてやつだァ…クズを通り越してカスだなァ…。」

 

「聖剣計画なんて…私が教会にいた頃でも聞いたことがありません…。」

 

「内容が内容なので教会側も漏洩を防いだんでしょう。まぁ、漏れていますが…ね。」

 

こんな計画が他の組織にバレでもしたら教会としての立場は無くなるだろう。神を信仰する教会がこんな事をしたなんて知られれば教会(という名のクズの集まり)という汚名は免れないだろう。モアは資料をめくりながらアーシアにそう言う。完全に嫌味だ。

 

「薄汚い人間が考えそうなことですね。マスターの使い魔になって正解でした。」

 

リンが軽蔑の目で当時の主任であるパルパー・ガルレイという人物の写真を見る。

 

「くそ、なんて野郎達だ…木場達をまるでゴミのように使って、必要なくなったら殺すなんて…悪魔より悪魔だぜ…!」

 

「でも、よくここまで調べあげれたわね。教会でもトップシークレットでこのことを知っているのは教会の上層部くらいで、そのことに関する資料も厳重に保管されていると聞いているわよ。魔王でもここまでのことは知らされていないわ。」

 

と、リアスが1枚ずつ資料を見ていき驚きを隠せないでいる。自分の兄であるサーゼクス・ルシファーの優秀な部下でもここまで調べられることは無理だったという。

 

「いえいえ、少々お邪魔させてもらっただけですよ。」

 

どこに?と聞くのは何だか怖いのでそれ以上は聞かないことにしたリアス。この人相手には何も隠し事出来なさそうだなって思うイッセー。

 

「主殿の友人には同情するが、復讐という感情はどうにもならんの。」

 

「それは、どういうことだ? 」

 

意味深な事をジャンが言うのでブロリーが気になって聞いてみる。饅頭を頬張りながら答えるジャン。

 

「復讐というものは果たせば達成感が溢れるものだが、果たした後…一体何が残るものか…。その者の復讐対象が聖剣だとして、それを壊して何を得るのか………いや、なんでもない主殿。」

 

珍しくジャンが悲しげな顔をするので心配するブロリー。何か悪いものでも食ったのだろうかと思うブロリー。

 

「ん? おっと、そろそろ学校へ行かないと遅刻するぞ。確かに木場君のことは気掛かりだが、今はまだ様子を見るべきだ。」

 

「そうね…。」

 

腹の中がモヤモヤするような感じを抱いて、ブロリー達は学校へと急いだ。

 

 

 

その日は何事も起きずに放課後となった。木場の事が気掛かりで全く授業が頭に入らなかったイッセーとブロリー。ブロリーはいつも内容は入ってきてないが、今日はずっと上の空だった。そのブロリーをアーシアは激しく心配していた。いつもは軽く平らげる通学用カバンでは入り切らない程でかい重箱7箱の弁当を2箱残したのだ、異常すぎる。

 

今日は部室に寄らずに帰ろうかと思ったが、顔だけでも出しておくかと部室に立ち寄った。

 

ガチャ「チャオ☆ 今日は早めに帰るから─」

 

部室には木場とパラガスも含めて全員の部員が揃っていた…がしかし、それ以外にも白ローブの2人組もいた。2人はリアスと向かい合ってソファーに座って何か話をしていたようだ。しかも、異様な程に空気が重い。そして、ブロリーは直感した。

 

タイミングミスったと

 

「ブロリー、こちらへ来るんだ。」

 

「は、はい…」

 

パラガスに手招きされ、帰るタイミングを失ったブロリーは仕方なくパラガスの元へ向かう。アーシアもブロリーと一緒に隣に立つ。

 

「……悪魔の巣窟に何故、人間が…?」

 

白ローブの片方の青い髪の女性がリアスに質問する。

 

「…とある事情で協力してもらっているの。右からパラガスさん、ブロリー、そしてアーシアよ。」

 

「へぇ…人間が悪魔に加担するなんてね。」

 

「加担とは人聞きの悪い。俺達は利害一致で協力しているのだ。あなた達教会からしてみればよく思わないだろうがな…。」

 

嫌味のように言い放ったオレンジ髪の少女にそう言い返すパラガス。

 

(利害一致なんて話、したかしら?)

(話の流れだ。気にするな。)

 

「教会だと?」

 

教会はアーシアを苦しめた連中である。そして、木場も苦しめた連中でもある奴らだ。ブロリーの目が敵を見る目に変わろうとしていた。

 

「気を沈めろブロリー。今は争う時では無い。」

「……チッ」

「ブロリーさん…」

 

こんなヤツらの話を聞く気にはなれないが、パラガスが話は聞いた方がいいぞと言うので仕方なくブロリーはこの場に残る。アーシアもブロリーの影に隠れるように立つ。

 

「……それで、今まで悪魔を敬遠してきた教会側が一体、私達に何の用かしら?私達と交渉するくらいだもの……相当なことがあったのでしょう?」

「……簡潔に言おう。我々教会はある聖剣が所有している。その聖剣―――エクスカリバーが、堕天使によって少し前に奪われた」

 

"聖剣"

 

それは、つい今朝話した木場達が実験されていた原因。そして、昨日木場が言い放った復讐の対象である"聖剣エクスカリバー"であった。

 

 

 

 

 

 

 




落ちとギャグがない! シリアスのせいでネタを少々しか挟めない! 俺は悔しいぜ…。


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第38話 アーシアが魔女…? 違う、アーシアは天使のようなアイドルだァァァァァァッ!!

スマブラで今1番悩んでいるのは小ジャンプです。力み過ぎて手汗ヤバいんだけどぉ! ネットで負けすぎて心折れそうだし、COPのレベル9がえぐい程強いんだけどー! 8と9のレベル差激しすぎひん? レベル9に未だ勝てない男です。

まぁ、それはさておき底辺ブロリストの俺ですが最近ブロリーの口調が普通になってきてね?と感じたのでブロリーとパラガスのセリフをより一層ブロリーMADに近づけていくよう心掛ける所存です。
ブロリーMADに常識は要らない(名言)



「……簡潔に言おう。我々教会はある聖剣が所有している。その聖剣―――エクスカリバーが、堕天使によって少し前に奪われた」

 

聖剣エクスカリバー

 

その名が部室中に響いた。

聖剣エクスカリバーは木場の復讐の対象であり、ゲームなどでもお馴染みの伝説の聖剣だ。

 

「…………私たち、教会は3つの派閥に分かれていて、所在が不明のエクスカリバーを除いて6本の剣を2つずつ所有していた。それが少し前、堕天使によって3本が奪われた」

「…………」

 

「なにィ? 親父ィ。エクスカリバァァァはいっぱいあるのかァ?」

 

「モアの調べによると、聖剣エクスカリバーは大昔の大戦で折れてしまい、その折れてしまったエクスカリバーを長い年月をかけて七つに分散させるという形で蘇ったという訳だァ!」

 

「ドラゴンボールの様だなぁ…。」

「それは、言わないお約束でございます。」

 

リアス達は突然の事で驚きを隠せないでいた。それは、木場も同様である。話の流れから察するにこの女達はその3本のエクスカリバーを目当てにやってきたということだろう。

 

「先に言っておこう…。我々は聖剣使いだ───エクスカリバーのな。」

「「「!?」」」

 

「ほぉ、これは驚いた。何やら戒めな剣を担いできたかと思えばそのエクスカリバーとやらとはな。」

 

リアス達は身構える。自分達悪魔の天敵である聖剣使いで、おまけにエクスカリバーの使い手となれば脅威でしかない。木場も別の意味で身構える。当然だろう仇が目の前にいるのだから。

 

「私の持っているエクスカリバーは『破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)』」

「そして私のは『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』よ☆」

 

「…厨二病ですかァ?」

「ブロリー少し落ち着けェ!」

「サーセンンンンンッ!!」

 

青髪のゼノヴィアと名乗った女は隣に置いてある布に包まれた大きな剣を、オレンジ髪のイリナと名乗った少女は腕に巻かれた紐のようなものを指した。

 

「我々がこの地に来たのはエクスカリバーを奪った堕天使がこの町に潜伏したからだ。我々は奪われたエクスカリバーを奪還、もしくは破壊するためだ。」

「堕天使に奪われるくらいなら破壊した方がマシだもの。」

 

「……貴方達の聖剣様を奪った堕天使の名前を教えて貰えるかな?」

 

パラガスが2人にそう質問する。堕天使の名前を聞いても多分分からないだろうが、後でモアに調べてもらおうかと思ったのだ。別に知ってもどうもしないが

 

「堕天使コカビエルだ。」

 

「何だァ? その変な名前はァ?」

「私に聞かれても困る。」

 

ブロリーにとっては変な名前のカラスとしか思わなかったが、リアス達はかなり驚いた様子であった。極1部のマニアならその名くらいは聞いたことあるくらいかの知名度を持つ堕天使である。

 

「まさか、堕天使の中でもトップクラスの堕天使とはね。古の戦争を生き抜いた堕天使の強者……ということは…今回の件は…」

 

「ああ、間違いなく『神の子を見張る者(グリゴリ)』が関係している。」

 

「グリゴリ? なんだそれは?」

 

パラガスが口に出して疑問を言う。首を掲げていると朱乃が耳打ちしてきた。

 

「彼方より存在する堕天使の組織ですわ。おおよその堕天使は全て所属しているわ……この前のレイナーレもグリゴリのメンバーですわね。」

 

「……それで、貴方達は私達に何を要求するのかしら?」

「簡単だ……今回の件に、悪魔の介入を許さない。それが我々、教会側の総意だ。つまり、今回の事件で悪魔側は関わるなということだ」

 

ゼノヴィアの発言にリアスが少し怒りを覚える。

 

「今回の件は要は教会側が対策が足りず聖剣が強奪された話だろう? 責任の全ては教会側にあり、悪魔になぁんにも落ち度はないはずでございます。君達の発言はただの逆恨みというやつでないのかね?」

 

「なんとでも言うといい。私達教会は、それほど悪魔達を信用していないという事だ。」

 

(こんな愚かな連中に信仰されている神様も、溜まったものでは無いな。)

 

と、自分達を転生させた神様に少し同情するパラガス。

 

「それは牽制かしら?それにしては随分な言い方だわ……もしかして、貴方達は堕天使の行為に私たち、悪魔が関わっているとでも思っているのかしら?」

「……悪魔にとっては聖剣とは身を滅ぼす兵器だ。堕天使と結託して聖剣を壊すと言うのならば、利害は一致していると思う。それが本部が示した可能性の一つだ」

 

リアスは完全にキレていた。消滅の魔力を抑えきれていないのがその証拠だ。

 

「もしそれが本当なら、我々は貴方を消滅させる。たとえそれが魔王の妹である貴方でもな」

「私を魔王の妹と知っているということは、言わせてもらうわ───私はグレモリーの名に掛けて、魔王の顔に泥を塗ることはしない」

 

リアスは視線を鋭くし、ゼノヴィアを睨むようにそう言い放つ。それに対してゼノヴィアは、嘆息して納得するような表情を浮かべる。

 

「それが聞けただけでいい。今のは上の考えだから、私の本意ではないさ。」

ゼノヴィアは好戦的な笑みを浮かべながら立ち上がる。どうやらリアスがそう答えるとわかっていたようだ。

 

「それで私たちが今回のことに介入しなければ、貴方達は私たちに関わろうとはしないのかしら?」

「ああ、神に誓って約束しよう」

「……了解したわ」

 

リアスはそう言うと肩の力を抜く。話は終わったようだが…まだ、そうでも無い者がいた。木場だ。先程から殺気の篭った視線でゼノヴィアの持つ聖剣を睨んでいる。当たり前だろう、待ち望んでいた仇が目の前にいるのだから。

 

「……ではそろそろ帰らせてもらう。」

 

「あら、もう帰るのかしら。お茶でも入れるわよ。」

 

「気遣いは無用だ。悪魔にお茶を入れられたら私の信仰に反する。」

「私も遠慮するわ。」

 

「あら、そう。」

 

そして2人が部室から去ろうとした時だ。

 

「──名前を聞いた時から薄々気になっていたが、もしや君は…アーシア・アルジェントか?」

 

ブロリー達を通り過ぎようとした時、アーシアの顔を見てゼノヴィアがそう聞いてきた。

 

「は、はい。」

 

アーシアは自分の名前を聞かれて少し驚いたような表情で返事をした。そして、教会の者がアーシアを知っているということは当然あのことについて知っているのだろう。

 

「…まさか、こんな地で『魔女』に出会えるとはな。」

「──っ!」

 

魔女…その言葉はアーシアの最大のトラウマであり、忘れられない悲しい日々の始まりの言葉だった。

 

「確か、一部で噂になった元聖女───悪魔をも治癒してしまう力のせいで教会を追放されてしまった少女ね。」

 

イリナという少女もアーシアの存在に気づいたのか、ゼノヴィアと違い同情の目でアーシアを見る。

 

「まさか、悪魔に加担するとはな……安心しろ、このことは上には報告しない。たが、堕ちれば堕ちるものだな。聖女と崇められた者が、本物の魔女になるとは…。」

 

「っ」

 

「貴様…ッ」

 

ブロリーがゼノヴィアに殴りかかろうとしたところをパラガスが止める。ここでブロリーが手を出せば大変な事になる。悪魔と教会が戦争する事態になりかねないのだ。パラガスの意図は分からんでもない、だがブロリーがどこまで我慢出来るか。

 

「…君はもしかして、まだ神を信じているのか? 君からは罪の意識を感じながらも神を信じている信仰心がまだ匂う。私はそういうのに敏感でね…。」

 

「……捨てきれないだけです……ずっと、信じてきたものですから……ッ」

 

アーシアは涙を浮かべながらゼノヴィアの質問にそう答える。辛いはずなのに、アーシアは言うしかなかった。その言葉にブロリーはアーシアコンを湧き立てる。

 

するとゼノヴィアはいきなり聖剣の包帯を解いたかと思えばその剣をアーシアに向けた。

 

「そうか、なら私達に斬られるといい。我々の主は罪深い君でも、それでも救いの手を差し伸べてくれるだろうからな……せめて私が断罪してやろう…神の名のもとにな。」

 

その言葉にイッセーは神器を構え、リアスは消滅の魔力を纏い、小猫はグローブを手にはめ、朱乃は雷を纏い、木場は剣を構えた。それは、全てゼノヴィアを向けて……ではなく、ある者を止めるためである。

 

それは───

 

「黙って聞いてりゃァ好き勝手言いやがって…ッ!!」

 

その瞬間、部室中が圧倒的なプレッシャーと殺気で包み込まれた。圧倒的な力があたりを支配し息苦しささえ覚える。そして、その全てを真正面から受けたゼノヴィアとイリナはその比では無い。ゼノヴィアは足が震え、イリナは腰が抜けて立ち上がれない。そのプレッシャーを放つのはこの部室で1番のアーシアコンの男、ブロリーであった。

 

「そのクズを向けてアーシアに何をするつもりだ?」

 

ゼノヴィアの向ける破壊の聖剣を掴み握りしめる。気のせいか聖剣からパキッという音すら聞こえた。

 

「アーシアを血祭りに上げるだと? 何様のつもりだムシケラがァ…」

 

「気を沈めろブロリー!!」ピロロロロ

 

「うるさいッ!!」

「DORッ!?」

 

パラガスの制止の声を殴り飛ばし、聖剣に込める力をさらに高める。ブロリーは知っている、アーシアの優しさを、その笑顔を…。ブロリーはアーシアのその笑顔を救われたのだ。だから、許せなかった。何も知らないクズに、アーシアを貶されるのがたまらなく嫌だった。

 

「ブロリーさん…ッ!!」

 

アーシアが泣いている、また泣いているのだ。あの時と同じようにアーシアを殺そうとする奴がいる。ブロリーが血祭りに上げる理由はそれで十分だ。

 

「貴様、アーシアを魔女と言ったなァ…?」

 

「…だ、だが現時点では間違いなくそうだろう? 堕ちた聖女、そして今は悪魔の仲間だ。どこからどう見ても彼女は──」

 

「貴様、余程死にたいらしいな…クズがァ!」

 

怒りがピークに達し、制御装置の許容範囲を超えた感情による波動で無意識に超サイヤ人となるブロリー。その有り余るパワーにより、握っていた聖剣を砕いた。破壊の聖剣は柄から先が粉々に粉砕され、破片が飛び散る。その名の通り破壊された。

 

「な、は、は、破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)が……」

 

「く、砕かれた!?」

 

震えていた足が限界に達し、ゼノヴィアも膝を着いた。バラバラとなった聖剣を見つめて…

 

「勝手に聖女なんかに祭り上げといて、今度は魔女だと? 貴様ら教会はアーシアをなんだと思っているんだァ!? 女神か? 天使か? 違う…アーシアはお前らと同じ人間だァ!」

 

ブロリーはゼノヴィアの頭を鷲掴み、自分の顔の元まで持ち上げる。

 

「いいか?よく聞けよムシケラ(教会)。俺は神なんぞ信じちゃいない。アーシアの優しさに気づかない神なんぞクズだ! アーシアに指一本でも触れてみろ…まずお前から血祭りに上げてやる…ッ!!」

 

それだけ言うとブロリーはゼノヴィアを投げ捨てて部室を後にした。そしてアーシアはゼノヴィアの元へ近づいて神器を発動する。

 

「─ッ!」

 

癒しの光に気づいてゼノヴィアは顔を上げる。そのゼノヴィアにアーシアは笑顔を見せ

 

「確かに私は聖女じゃ無いかもしれません…でも、魔女でもありません。私はアーシア・アルジェント。ただの女の子です。」

 

そう言うとアーシアはブロリーを追いかけて部室を後にした。ゼノヴィアはその後ろ姿をずっと見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




聖剣折っちゃったよブロリー。所詮名だけの聖剣、ブロリーの破壊力には及ばないのだ。それはさて置き、最近平日は元気なのに休日になると急に体調が悪くなるのですが、何かの呪いなのかな?


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第39話 動き出す黒い影

前回、本当はあのまま戦闘に持っていくつもりだったけど実力差ありすぎるから勝負にすらならないしブロリーが手加減なんかできないし変わりにイッセーと木場に変わりに戦ってもらおうかと思ったけどそれでブロリーが納得するようには思えないから、戦意喪失イベントで治まりました。尺的に十分だったしあまり必要ない部分はできるだけカットしたい。だって、このままのんびりやっていると1番書きたい章までまた年越すかもしれないから!



あの失礼極まりない2人組と会ってから数日が経過した。パラガスは今後あの様な勝手な真似はしないでくれと叱られたが、ブロリーにとっては知ったことではなかった。あの後しばらくご機嫌斜めではあったがそこはブロリーなので暫くしたら2人のことを忘れていた。まぁ、覚える必要性皆無だし得もなんにもないので忘れていた方が良いが、人生そう甘くなかった。

 

ある日、最近ちょっと気まず目になった部室が鬱陶しいので今日は部室に寄らずそのまま帰ることにした。スーパーでモアに言われたお使いを済ませて帰宅路を歩くブロリーとアーシア。

 

「なんか、最近部長ォォ達が俺によそよそしいんだが、何かあったのかなぁ?」

 

「たぶん、この前のことが原因だと思います…。」

 

「この前…? 何かあったかなぁ…?」

 

「えっと…」

 

恐らくブロリーは忘れているだろうから、ここは言うべきか迷うアーシア。しかし、このままそっとしておく方が両方のためになるのではないだろうかと思った。嘘は時には人を助けると誰かが言ってた気がする。

 

「ん?」

 

すると突然ブロリーが何かを感じたように明後日の方を向いた。

 

「どうしたんですか?ブロリーさん?」

 

「イッセー達が誰かと戦っているようだ。」

 

「えぇ!?」

 

「しかも、イッセー達が押されている。」

 

「えぇ!?」

 

ブロリーの情報に2度驚いたアーシア。ライザーとの戦いの後もイッセー達は修行を続けているのですごく強くなっているはずのイッセー達が苦戦を強いられる相手は上級悪魔クラスの奴らくらいだ。ということは上級悪魔クラスのやばい奴がいるということになる。

 

「ちょっと行ってくる。アーシアは先に帰っていロットォォ!!」

 

「え!? ブロリーさん!」

 

ブロリーは持っていた荷物を置いて疾風の如くイッセー達の元へ走り去って行った。

 

「全く、アーシア様が持てないほどの荷物を置いていくとは、ブロリー様もまだまだですね。」

 

「あ、モアさん!」

 

すると建物の影からモアが現れてブロリーの置いていった荷物を持つ。

 

「では、ブロリー様の後を追いましょうかアーシア様。」

 

「え、でもブロリーさんが…」

 

「イッセー様達が大怪我でもしていられたら大変です。」

 

「…そうですね! 行きましょうモアさん!!」

 

アーシアは勢い良く走り出そうとするが、直ぐにモアの方を振り返り

 

「あの、イッセーさん達のいる場所って何処でしょう?」

 

「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このエクスカリバーに三下魔剣が敵うはずがねぇだろぉいッ!!」

 

「うるさい!! 僕はこの剣でエクスカリバーを壊す! それだけだッ!!」

 

剣がぶつかり合う度に火花があたりに散り、そしてまた木場の魔剣が砕かれる。既にこの泥試合が数分繰り広げられていた。天閃の聖剣(エクスカリバー・ラビッドリィ)を手にしたはぐれ神父フリード・セルゲンの動きは物凄く速い。そのスピードは今の木場にも迫る。スピードは互角、剣の質は向こうが上。よって砕かれる木場の魔剣。だが、木場は折れる訳には行かない。同士達の思いを示すため、復讐を終わらす一歩を歩み出すため。

 

数日前、ブロリーが聖剣を砕いた。砕かれた聖剣はゼノヴィアが回収した。伝説の聖剣がちりとりに入れられる様は正直なんとも言えなかった。

 

だが、それ以上に木場の心にはぽっかり穴が空いたような虚しさがあった。砕かれたのだ。同志達を殺し。自分の人生を壊した剣の一振が、呆気なく握り潰された。憎しみの対象である聖剣が、酷く脆く呆気なく砕かれた様を見た木場は、全身の力が抜けるのを感じだ。

 

人目でわかった。ブロリーが砕いたあの聖剣はその名の通り本当に破壊に秀でた剣だと、同時に気づいた。あの剣を壊すのは生半可な力じゃ無理だと…。

 

聖剣を全ては壊すのは修羅の道か。木場は聖剣を全て壊すのがどれほど厳しい道か再確認していたが。

 

悪魔でもなければ天使でもない。端から見ればただの人間であるブロリーが、易々とその聖剣を砕いて見せたのだ。

 

それをそばで見ていた木場の心の憎みも、砕けた聖剣と共に砕けたのかもしれない。

 

「………っ………いや、そんなことは有り得ないッ!!」

 

鍔迫り合いになっていた聖剣を振り払い、相手の足元に魔剣を生み出した。しかし、フリードはそれをジャンプで躱し、壁を蹴って木場の真上まで到達し木場に向けて剣を振り下ろす。

 

「HeyHeyHey! Say! JUMPッ!!」

 

幼い頃、聖剣によって歪められた人生

 

聖剣へ向けた憎しみの炎は未だ消えてはいない。

 

「彼には感謝しなければならないな。」

 

振り下ろされた剣を紙一重で躱し、更に触れあげられた剣を崩しその隙を突き、フリードの剣を握っている腕とは逆の腕の肩を貫く。

 

「アウチ!!」

 

フリードは直ぐに距離を取ろうとするが、木場は距離を離すまいと詰め寄る。

 

ブロリーのお陰で聖剣は破壊することが不可能では無いと証明された。破壊の聖剣はその対価と言っていい。

 

残る聖剣は目の前のを含めて後六つ。

 

全て破壊するまでこの憎しみに身を焦がす日々は終わらない。

 

「……いや、終わらせないッ!!」

 

「さっきから何言ってんだよぉいッ!!」

 

木場の魔剣とフリードの聖剣が鍔迫り合いになる。たが、先程のような鋭さはない。これは、行けるッ!!

 

「ハァッ!」

 

「うわっちょ!?」

 

 

「うぉ!?」

 

フードを深くかぶった神父服の者の攻撃を受け止めるイッセー。恐らくはぐれ神者の類だと思うがお得意の光の剣を使ってこない。10人程の人数を小猫と匙、別れて探索していたゼノヴィアとイリナが増援に来て5人で2人ずつ相手をしているが

 

「こいつらすごく強いぞ!? ほんとにはぐれ神者か!?」

 

と、小猫と共に相手をしている匙が叫ぶ。確かにはぐれ信者の類ならばこの面子ならものの数分で方が着くが、何故が信者の癖に素手で戦うしなんか無言無表情で戦うから人と戦っている気分になれない。

 

「コイツらからは信者の匂いどころか人の気配すら感じられない!」

 

「はぁ!?」

 

ゼノヴィアがかなり問題発言をして驚く匙。それを聞いて声に出す暇がないがイッセーも驚いた。そして、やっと敵の1人の顔面に神器を顕現した左手で渾身のパンチを当てたイッセー。そして、驚いた。先程のパンチによってフードが外れて剥き出しになった顔。顔は普通の中年男性の顔だが、注目すべきはそこではない。その顔のイッセーによって殴られた頬が鉄のような見た目であった。よく見ると足元に剥がれたであろう肌が見えた。

 

「まさか、コイツら機械か!?」

 

「え!?」

 

「なるほど、それならば人の気配がしないのも納得が行く。しかし、まさかここまで人の技術が進歩していたとは…」

 

しかし、これ以上手こずっていると木場の手助けに行けない。仕方ない。相手が人間じゃないのなら思いっきりやっても大丈夫という事だ。

 

「本気で行くぞ…ッ! 匙! ちょっとでいい、アイツらの動きを止められるか?」

 

「任せろイッセー! 伸びろラインッ!!」

 

匙の神器は黒い龍脈(アプソープション・ライン)。龍系統の神器で相手の力を吸い取り相手に渡すことの出来るサポート神器である。吸った力は自分でも使うことも出来るので使い勝手は最高だろう。そして、その龍脈は並の力じゃ切ることも出来ないほど頑丈でもある。

 

『……黒邪の龍王と謳われた龍王の一角、ヴリトラの魂が封印されている神器だな。しかもあれはヴリトラの魂が封じられた神器の一つにすぎない。全部そろえば、それこそ神滅具ともタメを張れるだろう』

 

と、ドライグのお世辞付きである。

 

匙の腕につけられた篭手から黒い触手のようなものが伸びていき機械共の体に巻き付いた。小猫達とイッセーが相手押していた6人の動きを見事止めてみせた。

 

「今だイッセーッ!!」

 

「よっしゃ! フルパワーだッ!!」

 

『Explosion!!』

 

最大限まで溜めた強化を全て溜めていた気に回す。イッセーの気が目に見えるほど巨大化し膨大に膨れ上がる。

 

「くらえッ!! 『龍の弾丸(ドラゴン・ショット)ッ!!』」

 

指鉄砲のように構えた指から巨大なエネルギー弾が放たれる。そのエネルギー弾は真っ直ぐ匙が捕らえた機械達の方へ飛んでゆき、機械達はイッセーのエネルギーに飲み込まれた。

 

「よっしゃ!」

 

「すげぇ…」

 

イッセーはガッツポーズし、匙はイッセーのパワーに驚愕する。数ヶ月前まではただの人間のイッセーがここまで成長しているのだ。驚かない方が無理だ。

 

「ハァッ!」

 

「そいッ!」

 

ゼノヴィアが拳で機械の腹をぶち抜き、イリナは首を切り裂いて最後の機械達を倒した。ゼノヴィアは破壊の聖剣が壊れたので一応武器を持っていなかった時のために教わった護身術で戦うらしい。最初に木場がゼノヴィアにあった魔剣を創造しようとしたが「悪魔の剣を使う訳にはいかない」と言って断った。教会はプライドがお堅いらしい。

 

「これで全部か?」

 

「そのようだな。」

 

「木場の方は…?」

 

「グッ…ッ!」

 

「うぉ!?」

 

機械も倒し終わり、木場の方を確認しようとした時イッセーの元へ木場が吹き飛んできた。イッセーは何とか木場を受け止める。

 

「木場、大丈夫か?」

 

「大丈夫。しかし、奴の動きが急に良くなり、エクスカリバーの力が増した…。一体何が…?」

 

「──そいつはねぇ。体に流れる因子をエクスカリバァァァに集中させたんですわ。それじゃあこれにて、本気タイムって事で…って言いたいところだけど、こっちはぼっちでそっちは6人ってちょっとこっちが不利すぎやしませんかぁ?」

 

「─確かにそうだな。少しお前が分が悪いようだ。」

 

すると建物の影から小太りのおっさんが出てきた。

 

「まさか、貴様はバルパー・ガリレイッ!?」

 

「───ッ!!」

 

ゼノヴィアが驚きながらおっさんの名前を口にする。木場はその名を聞いた瞬間、木場の目はおっさん、いやバルパーを目を見開いて怒りの表情を向ける。

 

「……ソード・バースか。あらゆる属性、あらゆる力の魔剣を生み出し、使い手によれば無類な力を発揮する上級の神器。それに聖剣使い二人…いや、一人か? そして、赤龍帝。」

 

「バルパァァァガリレイッ!!」

 

木場は目にも止まらない速さでバルパーに斬りかかったが、木場の剣はフリード…ではなく突然現れたバルパー以上に太った真っ白肌の男に受け止められた。

 

「なっ!?」

 

そのまま木場は剣ごと投げ飛ばされた。木場は何とか体制を整えたが、一体あの男はいつ現れたのだ。

 

「あいつからも人間の気配を感じられない…先程の機械と同じようだ。」

 

「やっぱりか…。」

 

ゼノヴィアがバルパー達に聞こえない程度の小声で皆にその事を伝え、イッセーはそれに相槌をうつ。

 

「…もしやお前…聖剣計画の生き残りか?」

 

「……そうだ。俺は一度貴様に殺され、そして悪魔となって蘇った! 僕のこの魔剣は貴様に殺された同志達の無念を顕現したものだ! だから僕はこの剣で貴様を殺し、復讐を果たす!!」

 

木場の思いが剣に通じたのか光り輝いて見えた。木場の魔力の純度も上がり、それだけ木場の思いが強いってことを示した。

 

「……これは分が悪い、聖剣使いに赤龍帝がいるのならば、計画に支障をきたすかもしれん……。」

 

「───ならばここで始末するのが良いな。」

 

更に今度は年老いた老人の声が聞こえた。そいつは空から舞い降りるようにバルパーの隣に降り立つ。黒い色の中にリボンのマークが入った縦に長い帽子が特徴的な老人であった。しかし、こいつからも人間の気配を感じられず、こいつも先程の機械と同類のようだ。

 

「──貴方ならばそれは可能なのかな? ドクター・ゲロよ」

 

「……」

 

突然現れた白い機械人間とドクター・ゲロと呼ばれた機械人間は何者なのか? そして、バルパーの言った計画とは一体?

 

 

 

次回に続く

 

 

 

 




最後ちょっとだけドラゴンボール感を出して終わらせてみました。まぁ、ただ落ちが思いつかなかっただけなんだけどねぇ〜


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第40話 おっとフラグが立った気がするゾ

本当は26の日に間に合わせようとしたんだけど、スマブラにうつつを抜かしてしまって書き逃してしまった。そして諦めてまたスマブラをしていたらかなり時間が経っていました。26の日記念の特別編も描き逃す始末。スマブラマジ許さん。だが、面白い。


「お前は誰だ!?」

 

バルパーの隣に立つ老人に声を荒らげて問いかける木場。返答次第では斬りかかる態勢に入っている。

 

「ドクター・ゲロ。我が研究に大いなる対価を果たしてくれた素晴らしい科学者だよ。」

 

「科学者だと!?」

 

老人の代わりにバルパーが正体を明かす。科学者が何故教会なんて所に味方しているのだろうか。

 

「長話をしている時間は無いぞバルパーよ。」

 

「おぉ、そうだな。コイツらに話したところで無駄か…。どうせここで死ぬのだからな!」

 

「行け、19号。」

 

「了解。」

 

19号と呼ばれた先程の白い肌の男が1歩踏み出した。

 

「来るぞ!」

 

得体の知れない19号にそれぞれ身構える。次の瞬間、19号が消えた。突然消えた19号に戸惑いながら辺りを見渡すイッセー。突然、イッセーの背中に冷たい何かが過ぎった気がした。

 

「い、イッセー! 後ッ!!」

 

「なっ…!?」

 

なんと、19号は一瞬の内にイッセーの背後に移動していたのだ。目に負えないほどの19号のスピードにそれぞれ戦慄した。

 

「まずは、赤龍帝。」

 

『不味い、避けろ相棒ッ!!』

「イッセー君!!」

 

ドライグと木場の呼びかけに我に返ったイッセーだが、既に19号の攻撃が迫っている瞬間であった。

 

「ォォォォォォオオッ!!」

 

突如、裏路地に響き渡る凄まじい雄叫びと何かを破壊しているような轟音、そして次々と倒れていく建物。

 

「この戦闘力は…?」

 

19号とドクター・ゲロの動きが止まった。瞬間、壁をぶち壊して現れた何者かがイッセーを巻き込んで突進してきた。イッセーは顔面を鷲掴みにされて建物に叩きつけられる。

 

「ぐぉ…かは…」

 

「やぁ✩ イッセー助けに来たYO☆」

 

「もうちょっと助け方考えてくれない…?」

 

イッセーを岩盤したのはもちろんブロリー。今日は珍しくノーマルでのご登場。イッセーを建物に押し付けながら周りを見渡す。見覚えのないおっさんとデブ2人と何かカッコイイ剣を持ってる男。そして、見覚えのある女二人がいた。

 

「あ! テメェらっ!!」

 

「「ギクッ!!」」

 

静かにそろりと帰ろうとしたところをブロリーに見つけられたゼノヴィアとイリナ。あの時の事を思い出したのかゼノヴィアは足が震え、イリナは腰を抜かしている。そんなことはいざ知らずブロリーはゼノヴィアにズカズカと近づいき、いきなり頭を下げた!

 

「済まなかった。」

 

「……え?」

 

「「「「「え?」」」」」

 

この場にいるブロリーを知っている者全てが呆然とし目の前に起きていることが理解出来ずに居た。

 

「親父に言われた。悪いことしたら謝れと。別にあの時にやった事は後悔はしていないし悪いとは思ってはいない。だが、少し言いすぎたかもしれないとアーシアに言われた。だから、すまなかった…。」

 

ブロリーらしい不器用な謝り方だ。呆然としていたゼノヴィアだが、ブロリーの言葉を聞いて今度はゼノヴィアが頭を下げた。

 

「いや、謝るべきは私の方だった。噂や情報だけで彼女を魔女と蔑み傷つけさせてしまった。私の方こそすまなかった。」

 

今度はゼノヴィアが頭を下げた事にブロリーが驚いていた。そして、ゼノヴィアを見直した。

 

「フフフッ、よく頑張ったがとうとう仲直りの時が来たようだな。」

 

「フッ…そのようだな。」

 

すっと差し出された手。2人が仲直りの握手をしようとした時だった。この空気にイラついたフリードが2人に斬りかかった。

 

「仲直りの会はあの世でしてなぁ!」

 

2人は握手しようとしていた手を握り拳に変え、2人の息の揃ったストレートが聖剣を真正面から打ち砕いた。

 

「へっ? ブッ!?!?」

 

目の前に起こった信じられない出来事に間抜け面を晒したフリードに2人のストレートが炸裂する。大きく円を描いて空高く舞い上がったフリード。ちょっと砕けた聖剣を破片が暗い路地裏を少し照らした。

 

「グヘ!?」

 

バルパーの隣に情けない声を上げて落ちたフリード。あのパンチが余程聞いたのか声も出ないほど悶絶している。

 

「せ、聖剣を素手で…ッ!? ば、馬鹿な…そんな、有り得ん!?」

 

バルパーも目の前で起こったことが想像も絶することだったようでブツブツと何かを考え始めた。

 

「データに無い人物だ。貴様は何者だ?」

 

行動不能になった二人に代わってゲロがブロリーに何者か問う。

 

「誰だお前は? 人に何かを問う前に、まずは自分から名乗るのが礼儀だろう?」

 

ブロリーが珍しく知的な返しをしている。自分たちの時はこんな感じじゃなかったのにと壁に埋まりながら思うイッセー。

 

「これは失礼した。私の名はドクター・ゲロ。今は20号とも呼ばれている。」

 

「ブロリーです…」

 

「…やはりデータには無い。貴様、()()()()()()()()ではないな?」

 

「何?」

 

ゲロが何か気になることを言い出した。そして、何か考える素振りを見せた後。

 

「ここは一旦退くことにする。」

 

ゲロと19号はバルパーとフリードの近くに立ちそう口にする。

 

「何処へ行くんだァ? この俺から逃げられるとでも?」

 

「みすみす逃がしてたまるか!!」

 

 

ブロリーと木場が逃がそてたまるかと攻撃を仕掛けようとするが、ゲロが何やら手からエネルギー弾を出したと思ったら、そのエネルギー弾が眩しい光を放ちだした。

 

「へぁ!?」

 

「くっ!?」

 

次に目を開けた時にはゲロ達の姿はどこにもなく、近くに気配も感じなかった。

 

「イリナ!追うぞ!」

「分かったわ!」

 

いち早く復帰したゼノヴィアとイリナがゲロ達の後を追いに走り出す。

 

「絶対に逃がしてなるものか!」

 

その次に木場が後に続く。

 

「くそ、世話が焼ける奴らだ。早速バルパー達を征伐しに出掛ける! 後に続けブロリー!」

 

「はい…」

 

「何処に出掛けるですって?」

「何処へ行くんだ? ブロリー。」

 

………この場で響くはずのない声がブロリーとイッセーの耳に通る。そして、その声が聞こえた瞬間、ブロリーとイッセーの動きが止まった。まるでサウナにでも入っているかのように冷や汗を大量に流し、その顔には戸惑いと恐怖の表情が見えた。ブロリーとイッセーは壊れた人形見たいに少しづつギギギっと声のする方向に向いた。

 

「「へへへへへへへへァ!?」」

 

そこには笑顔だが、寒気がするくらい怒りのオーラが物凄く出ているリアスとパラガスの姿があった。更にソーナ会長に副会長と朱乃が後ろに見えた。

 

 

 

 




そのうちゆっくり26の日記念特別編的なのを描き進めようかと思います。それまで、ゆっくりしていってね。


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第41話 人造人間

ブロチラが尊いんじゃ〜。いつかブロリー×アーシアを生み出してくれる人を願ってます。あと、ブロまりの更新はまだですか?


「だってよ〜親父ぃ…」

 

「バッカもぉん! だってもあってもあるか! 見ろ!あの残骸を!」

 

ビシッと指を指したのはブロリーがぶち抜いてきた建物の残骸であった。それは何軒も続き瓦礫の山を形成していた。

 

「もっと行き方というものがあるだろう! これから修理に入るならず者達のことも考えろ! この前だって必要以上に破壊し──」

 

ブロリーは今、パラガスに正座で説教をされていた。場所は例の廃墟。こうなるとパラガスの説教は長い。朝の朝礼の校長先生並になる。

 

「イッセー、姿勢を崩さない。」

 

「うっす…」

 

隣ではイッセーと小猫が正座でリアスに説教をされている。隣には朱乃も立っている。更にその隣にはソーナ会長に魔力込みでお尻ぺんぺんをされている。叩かれる衝撃音が廃墟に響き渡っている。

 

「おう!? あん!? か、会長…こ、これ以上は…っ あうっっ!?」

 

「ハァハァ…いいえ! まだです! 貴方はまだまだこれくらいじゃ終わりません! 後1000回です!」

 

「ダニィ!?」

 

「あっ! ブロリーさん! あれ? なんで怒られているんでしょう?」

 

「まぁ、そうなるでしょうね。」

 

何だろう…何かの扉を開きそうな二人である。しばらくしてパラガスの説教から開放されたブロリーは家に戻り晩飯をやけ食いしていた。

 

「ガツガツ、たく、親父のヤツと調子に乗りやがってぇ! ガツガツ」

 

「あはは…」

「モア、主は何故怒られたんだ?」

 

「建物を突き破って移動したからですよ。」

「それの何がいけないんだ?」

 

「ジャン様はもし、この家を破壊して移動なされた人がいたらどうしますか?」

 

「そいつをぶち殺す!」

 

「そういう事です。」

「なるほど」

 

世界広しでも建物をぶち壊しながら進むのは何処かの大怪物か自分の主位なのではとモア特製のパフェを食べながら密かに思うリン。

 

「しかし、興味深いですな。人間の様な機械とは、私もそのようなものは作ったことがありませんですじゃ。うわへへww」

 

最初以降一切登場しなかった者が一名そこに居た。それはタコ。久しぶりに研究室から出てきたと思えば体は元のタコの姿に戻っており触手を器用に操りながら紅茶を啜っていた。

 

「しかし、人の気配が読めないのはなかなか厄介ですね…。こうしている間にも邪魔者である私たちを襲いに来る可能性も…」

 

「ま、まさか…」

 

「心配することはない。まだ敵が俺達の存在に気づいているはずがないのだからな。ファーww」

 

「はい。もし見つかっても一生懸命にrs」

 

リンがなかなかのフラグを立てて、ジャンがパラガスのモノマネを披露し更にフラグを掻き立てて、モアが恒例のセリフを言い切る瞬間、リビングに眩い閃光が放たれて大爆発を起こす。リビングは吹き飛びし屋敷の大半が瓦礫とかした。

 

続けてエネルギー弾が屋敷に撃ち込まれるがその全てが撃ち落とされる。

 

「いきなり人様の家を破壊しにくるとは、余程死にたいようですね。」

 

「この俺の家をぶち壊しやがってぇ! 血祭りにあげてやるッ!」

 

気を解放するモアと一気に超サイヤ人(フルパワー)に変身するブロリー。どちらも怒り心頭のご様子。そして、屋敷に攻撃を仕掛けたのは無駄に広い敷地を覆い尽くすかのような人数が空に滞空していた。

 

(攻撃されるまで気配を感じませんでした。ということはこの者達が機会人間ですか…。)

 

モアがそう考えていると、機会人間達が次々と降り立ちモアたちを囲んだ。どれもこれもブロリー並に図体がでかく分厚そうな黒いコートに身を包み中折の黒い帽子を深く被り、中から除く顔は真っ白でまるで生気を感じられない。

 

「イッセー様から聞いた姿とまるで一致しませんね。新型でしょうか?」

 

「たとえ新型の機体であろうが、パイロットの居ない無人機ごときでは俺は殺られん!」

 

「あ! あれ見たことあるぞ! この前やったゾンビゲームにでてたストーカー野rむぐ?」

「ジャン、それ以上はいけない。」

 

すると、コート野郎の中から3人の男が出てきた。

左右にRと描かれたリボンのマークが特徴的なキャップを深く被った男と真っ白な肌の今日男に紫色の肌の小柄なサングラス。キップの男以外人間ではまずならないだろう肌の色が特徴的で人間ではないことがひと目でわかる。

 

「その容装、お前が伝説の超サイヤ人ブロリーで間違いがないな。」

 

「誰だ?お前はァ…死にたいのか?」

 

キャップの男がブロリーを見てブロリーの事を知っているかのように伝説の超サイヤ人の言葉を口にした。このことを知っているのは今の所ここにいるもの達だけだ。敵キャラが知っているはずがない。

 

「俺はドクター・ゲロによって造られた人造人間13号だ。隣の白いのは14号、さらに隣のチビは15号だ。」

 

「…」

「…」ゲシッ

 

14号と呼ばれた巨漢は無表情だが、15号はチビと言われたのが気に食わなかったのか13号に蹴りを入れた。どうやら彼らは人造人間と呼ばれておるようだ。

 

「それで? 貴様ら人造なんちゃらが俺に一体なんの用だ? まさか、この俺を殺しに来たとは言わんだろうな?」

 

「お前の返答次第ではそうなるな。」

 

「チッ 調子に乗りやがって…ッ!」

 

「ブロリー様、ここは抑えて礼儀として相手の要件を聞いて差し上げましょう。」

 

「いきなり俺の家をぶち壊したやつに礼儀をクソあるかってんだ!」

 

「ブロリーさん…」

 

「チッ 仕方がない、要件だけは聞こうか」

 

アーシアが不安の表情を見て、ブロリーは怒りのオーラを抑えて睨みつけながら要件を聞く。

 

「それは有難い。こちらも無駄な出費は避けたいのでな。」

 

「御託はいい。さっさっと用件を言え」

 

「では、要件はひとつだ。俺たちの仲間にならないか?」

 

「何?」

 

「俺達は今、この世界を手に入れようと動いている者だ。聞けばお前はサイヤ人の中で伝説の存在だそうじゃないか、破壊と殺戮だけを好み銀河の1つを恐怖の中に陥れた。」

 

「…」

 

「俺達はお前の腕を借りたい。お前ものうのうと暮らすより、破壊と殺戮の中で暮らす方がきっといいはずだ。どうだ? 悪い話じゃなかろう?」

 

「…フッ」

 

不敵に笑うとブロリーはギュピッと足音を立てて13号へ近づく。

 

「お前ならこっちを選んでくれるとs」

 

瞬間、ブロリーの姿が一瞬ぶれたかと思った13号が真後ろのコートの人造人間を巻き込んで吹っ飛んでいた。13号が立っていた位置には殴り飛ばした姿勢のブロリーが居た。

 

「俺がそんな安い話に乗るとでも思っていたのか? 家をぶっ壊してアーシアを傷つけようとしたクズの話なんぞ願い下げだってんだ!」

 

「「ッ」」

 

そう言い放つブロリーに14号と15号が殴りかかったが、2人のパンチはブロリーの分厚い筋肉に傷をつけることは無く逆にブロリーに頭を鷲掴みにされ、コート人造人間に押し付けられるように当てられエネルギー波で吹っ飛ばされる。

 

「まぁ、そうなるでしょうね…。」

 

「私はブロリーさんを信じてましたよ!」

 

「主を敵に回したことを後悔させてやるぞリン!」

 

「私のパフェを破壊した罪は重い…。」

 

「さぁ! 来い!! ここがお前達の死に場所だァッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 




未だブロリストは不滅なり、しかし悲しき事かな…ブロリストの数は年々に少なくなっている。しかし、映画ブロリーで新たなブロリストの誕生を私は願っている。


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第42話 決戦

「リアス先輩。今、生徒会総出で駒王学園を大結界で覆っています。余程のことがない限り外に被害が及ぶことは無いと思います。しかし、魔力の消費が激しくあまり長くは持たないと思われます。」

 

「これは飽くまで被害を最小限に抑えるためのものです。正直、コカビエルを相手にこの結界では1分と持たないでしょう。彼が本気を出せばこの町ごと消すことが可能ですから…。」

 

匙とソーナがリアスに現在の状況の説明を行っていた。痛みを訴える尻を抑えながらぎこちない歩きで生徒会の元へ戻っていく匙を見て静かに敬礼をするイッセー。今、リアス達は駒王学園の門前にいる。ここにコカビエル達が大規模な魔法の準備に入っているらしい。実は先程、コカビエル自らイッセー達の前に現れたのだ。そして、傷ついたイリナを投げ渡して宣戦布告をして来た。

 

これから駒王町を破壊すると、

 

コカビエルはそう言い放つと駒王学園の方へ飛び去って行った。そうして、コカビエルを追ってここに集まったという訳だ。

 

「朱乃、ブロリー達は?」

 

「今、連絡をとっているのですが、繋がりません。」

 

「これは、ブロリー達にも何かあったわね。」

 

リアスがそう考えていると上空から何者かがリアス達の前に降り立った。

 

「一体、何が起こっているのだ?」

 

それはパラガスだ。

 

「パラガスさん、ブロリーとは一緒ではないのかしら?」

 

「あぁ、ブロリーの機嫌を取るために予約していたジャソプフォースを買いに行っていたのだよ。それより、これは一体どういう状況だ? ブロリーも何やら気が乱れているようだが?」

 

「えぇ、実はかくかくしかしかブロブロなのよ。」

 

「…なるほど、どうやら相当な大事なようだな。ということはブロリーも今、戦闘中のようだな。」

 

「やっぱりね…」

 

「しかし、戦っている相手は一体誰だ? ブロリー達以外の気配が全く感じないが…」

 

「え? ブロリーから話を聞いていないのですか?」

 

「あぁ、あの後すぐに用事が入って帰ってから聞くことにしていたのだ。」

 

「そうなんですか、実は…」

 

実際に戦ったイッセーが気配を感じない機械人間について説明した。

 

「ほう、人間のような機械か…」

 

「あと、一人の爺さんがドクター・ゲロって言われてました。」

 

「な、なんだと!? ドクター・ゲロ!?」

 

するとパラガスがドクター・ゲロという名前を聞いた途端物凄く驚いた。

 

「え、知っているんですか?」

 

「あ、あぁ…だが…」

 

(ドクター・ゲロは確か俺達の世界の地球の科学者のハズ、まさかこの世界に紛れ込んだというバグの1人だというのか? あのカカロット似のサイヤ人だけではなかったのか…もしそうだとしたらリアス達だけでは危ない…!)

 

「パラガス先生?」

 

「ん? あ、ああ! ドクター・ゲロという名前がブロリーのやっているゲームにもあったなーと思ってな。HAHAHA!」

 

「もう、しっかりしてくださいよ。」

 

「すまない」

 

ドクター・ゲロは別の世界の人物だ。この世界にいるはずのない人物だから有名な科学者だったとか言ったら後々、調べられたりしたらめんどそうだ。ここは知らないふりを通すしかない。別の世界から来たなんて知られたらダメなんて言われてはいないが、今はまだ話せない。

 

「ところで、君たちだけで行くのか?」

 

「えぇ、ブロリー達にも協力して欲しかったのだけれど…どうやらそっちも大変そうだからね。」

 

「なるほど、なら俺だけでも君たちの助っ人をしてやろうではありませんか!」

 

「え!? でも、ブロリー達は?」

 

イッセーがパラガスにそう聞き返す。しかし、パラガスは愚問だなという表情をしながら答えた。

 

「ブロリー達なら心配は要らないだろう。向こうには他にも優秀な部下達が居るからな。私としては君たちの方が心配でね。コカビエルがどれほど強いかはわからないが、君たちだけで神話にも語り継がれる伝説の超堕天使を相手に勝てるとは思えない。」

 

「言ってくれるわね…と、言いたいところなのだけれど残念ながら貴方の言う通りよ…コカビエルは1000年前の大戦を戦い抜いた強者、そこらの堕天使とは訳が違うわ。私達だけでは勝てる見込みがないわ……手を貸してくれるのなら有難いわ。」

 

「勿論だとも、俺は君たちの教師なのだからなァ!」

 

「ふふふ、そうだったわね。」

 

「パラガス先生だと心配…」

「こら、小猫ちゃん!」

 

「さぁ、行くわよ! 皆、死んではダメよ。生きてあの学園に通いましょう!!」

 

「「「はい! 部長」」」

 

「いいぞぉ! 今のお前達のパワーでコカビエルをこの世から消し去ってしまえー!」

 

イッセー達は気合いの入った返事を返し、パラガスはその生徒を励ます。

 

「頼んだぞ、兵藤!」

「ああ! 匙も結界の維持を頑張ってくれよ!」

「おう!」

 

『あの生意気な鴉に赤龍帝の恐ろしさを教えてやるぞ相棒!』

「ああ!」

 

(さて、一体中で何が待ち受けているのか…。相手次第ではブロリーに助けを求めるしかないな。)

 

 

 

 

 

 

堂々と正面から入り、コカビエルの前に立つパラガス達。下手に隠れながらに言ってもバレるだろうし、まず結界で覆った時点でバレているので不意打ちは無理に等しい。

 

コカビエルは宙で椅子に座りながら紅茶何かを啜っている。地上では魔法陣の中心に4つのエクスカリバーらしき剣が浮かんでいる。その前にいるのはバルパーとドクター・ゲロと19号と呼ばれた機械人間がいた。

 

「良く来たなグレモリー。ん? 一人見覚えのない人間がいるようだが…」

 

「彼は助っ人よ。」

 

「くっ! ハハハハハハッ! 天下のグレモリー家もとうとう人間に頼る事になるとはな!」

 

「言っておきなさい。彼はそこらの人間とは違うわよ?」

 

「ほう、神器保持者か…」

 

「違うわよ?」

 

「なに? では、なんだ?」

 

「私達の先生よ。」

 

「パラガスでございます✩」エェー

 

「……なんだそれは…ふん、まぁいい。バルパー、エクスカリバーの統合はあとどれくらいだ?」

 

「五分もかからんよ。」

 

「そうか、引き続き頼む」

 

コカビエルは椅子から立ち上がると椅子が音を立てて砕け散った。10の羽を広げリアス達を見下ろすコカビエル。気味の悪い笑みを浮かべている。

 

「コカビエル、貴方の目的は何なのかしら? 悪魔と天使に喧嘩を売って、貴方は一体何がしたいのかしら?」

 

リアスはコカビエルにそう質問するとコカビエルは静かに答えた。

 

「──つまらんのだよ…こんな平和は」

 

コカビエルはそう切り捨てた。その表情は言う通り、つまらないの一言。この世の全てにうんざりしているという事を体現しているようであった。

 

「戦争が終わり、堕天使の幹部どもは戦争に消極的になりやがった。しかもアザゼルのやつは神器の研究にお熱になって戦争はしないと断言をする始末だ…どいつもこいつもふざけてやがる!」

 

「お前は…戦いを望むのか?」

 

「ああ! そうだ、人間! 俺は戦いがしたい! 殺して殺して、殺しあって! 殺しが正当化される戦争を望む! エクスカリバーを奪えば天使側が攻めてくると思ったが…送ってきたのは雑魚神父と聖剣使いのみ…ならば次はお前達、悪魔に喧嘩を売ろうと思ったわけだ!」

 

その男の考え方は、サイヤ人の本能の様であった。破壊と殺戮を繰り返し、星々を渡っては平気でそこに住む住民を虐殺し、自分の利益のためなら同じ仲間を平気で殺す外道。今も昔も変わらなかった。自分はそんなサイヤ人が嫌いであった。そして、そんな自分も嫌いであった。

 

その男の目は自分の嫌いな目をしていた。自己中心的で戦うこと殺すことにしか脳のない猿共と同じ目だ。

 

「ところで、リアス・グレモリー。今回来るのはルシファーか? それともレヴィアタンか?」

 

「魔王様の代わりに私たちが相手になるわ!」

 

リアスがそう答えた瞬間、閃光がコカビエルから放たれ体育館が吹き飛ばされる。

 

「ふざけるなよ…いや、まぁいい。貴様が殺されたと知ったルシファーの顔も面白そうだ。」

 

恐ろしいほどの威力を放つ光の槍に悪魔である皆が固唾を飲む。あの威力の光を食らってしまえば一瞬で灰となるであろう。

 

『ビビったのか相棒?』

「ば、ば、バカを言え! これは武者震いって奴だよ!」

 

イッセーは固唾どころか少し漏れたかもしれない。足が震えて立つのがやっとのようだ。

 

「さて、まずは俺のペットと遊んでもらおうか。」

 

コカビエルが指を鳴らすとパラガス達の前に無数の魔法陣が現れて、そこから10メートルはあるであろう三つ首の犬が現れた。その数は10を超える。

 

「「「ワォォォォォンッ!!」」」

 

三つ首から発せられる咆哮が衝撃となって周囲を震わせる。

 

「ぶ、部長! あれは!?」

 

「地獄の番犬と異名で呼ばれているケルベロスという魔物よ。」

 

よくRPGなどで知られている中ボスポジションの犬の名前を聞いてマジでいるのかとテンション上がる一方で、その中ボスが雑魚的なみに群れで出てくるという恐怖絵図を見て更に震えるイッセー。

 

「本来は冥界に続く門周辺に生息しているの。それを人間界に連れてくるなんてね! 行くわよ皆! パラガスさんも! …パラガスさん?」

 

すると、リアスはパラガスが崩れた体育館の方を見て静かに震えていた。

 

「フンンンンンフムゥゥゥゥンンッ! 貴様…よくも、俺の秘蔵コレクションをォォォッ!!」

 

パラガスは意味のわからない怒りの発言をし、その弾みで超サイヤ人に変身して向かってくるケルベロスに向けて突撃した。パラガスの手に緑の気が集まるとそれが棒状に変形し見た事のある野菜に変型した。

 

我が名の剣(アスパラガス)ッ!』

 

パラガスはその剣を手に向かってくるケルベロスを一瞬の内に切り捨てた。

 

「すっ、すげぇ…」

 

「パラガス先生…強かったんだ…。」

 

「…はっ! 皆! 私達もパラガスさんに続いて行くわよ!」

 

「「「はい!!」」」

 

「あの体育館倉庫には俺の密かに集めていた秘蔵本であるムフフ本を隠していたのだぞ!」

 

「知らんわ! 何故そんなものを体育館倉庫なんぞに隠しているんだよォ!」

 

 

 

 

 

 



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第43話 ゴミ掃除

待たせた癖に今回はかなり短めです。久しぶりすぎて考えていた内容がかなり飛んでしまったためです。しかし、心配はご無用。そのうちきっと思い出すから

あぁ〜スカイリム楽しいんじゃ〜



 

「ウオオオオオオオオオッ!!!」

 

街全体が震える程のブロリーの雄叫びと共に戦いが始まった。それと共に庭の噴水からビーム放出され、それが空へと伸びて一定の距離まで伸びた途端敷地全体を包み込むように広がった。

 

「なんだアレはァ!?」

 

ブロリーがその光景に敵の罠かと驚いてそれに注目する。当たり前だ、自分の家の噴水が突然水ではなくビームを放出したら誰でも驚く。

 

「あれは、この前タコ様が作ったエネルギーバリアの発射装置ですね。ちょうど敷地の中心に位置しているのでちょうど良くて魔改造されたようです。」

 

「ェェェッ!? 聞いてないぞ!?」

 

すると、ブロリー達の近くに付けられたスピーカーからタコの声が聞こえた。

 

『ブロリー様気をお鎮め下さい。コンピューターが弾き出したデータによりますと、このバリアは屋敷の内側にも効果がありまして、まず内側の騒音を一切遮断しデータ上にある最大のパワーにも耐えうる防御力があるのですじゃ。これで外側に対する心配は無用ですじゃ。それと、このバリアは外側からは見えない構造なのでインスタやTwitterで上げられる心配も無用ですじゃ。うわへへww』

 

「なるほど、流石タコと褒めてやりたい所だァ! さて、これで心置き無く血祭りに上げられるぜ!」

 

と、ブロリーが敵の方を向いた瞬間、黒コートの巨漢の拳がブロリーの顔面に入った。しかし、ブロリーはその場から動くことも怯むことも無く不敵な笑みを浮かべる。

 

「何なんだァ? 今のはァ?」

 

「ッ!?」

 

お返しとばかりに巨漢の腹に入ったブロリーのパンチは巨漢の腹をいとも簡単に打ち抜き巨漢からネジやらなんやらが飛び出す。

 

「フハハハハッ!」

 

ブロリーは巨漢の顔面を鷲頭にして大群に突っ込んでいく。その迫力に感情の無いはずの人造人間達がたじろいだように見えた。

 

 

 

「モアあれ、主だけで終わるんじゃないか?」

 

人造人間達がブロリーによって破壊し尽くされているのを見てジャンがモアにそう聞いた。

 

「そうですね…あの(超サイヤ人フルパワー)ブロリー様が人間に造られた程度の人形(ガラクタ)ごときに遅れを取るはずがありませんよ。しかしそうですね、私はアーシア様を護衛していますから、ジャン様とリン様はあちらでブロリー様に攻撃をさかけようとしておられる14号と15号という方をお相手して差し上げたらいかがでしょうか? あの方達はこの黒い巨漢とはタイプが違うようですしね。」

 

と、アーシアに攻撃しようとした人造人間を粉々にしながらそう提案するモア。

 

「そうだな! じゃあ我はあの強そうな白いの戦おう!」

 

モアのその提案に目を輝かせながら見た目が強そうな14号に突撃して行った。

 

「…じゃあ、私は紫のと戦う。」

 

先にジャンに取られてしまったリンは仕方なく15号の元へと向かった。

 

「あの、モアさん…」

 

「どうしました? アーシア様」

 

胸の前で祈るように手を合わせているアーシアが不安そうな表情で俯いている。

 

「部長さん達は大丈夫なんでしょうか? 私達がこうして襲われたという事はあちらの方も…」

 

「ふむ…」

 

実は先程から駒王学園の方から異質な気が放たれていることを察知していた。こちらの事がなければ出向いていたが、向こうにはパラガスとイッセー達が向かったようなので後にしていた。しかし、敵には気を発しない無機物もいる。1度パラガス達の状況を確認する必要がある。

 

「申しあげ係」

 

「はい!」

 

「きゃっ!?」

 

すると、突然モアの隣に紫のヘルメットを被ったの男が現れ膝まづいた。それはここの使用人でモアの部下の者達の1人だ。その者達は係で分けられており、この者は申しあげ係という者だ。

 

「申し上げます! 駒王学園で妙な儀式をされており、それは聖剣を融合を目的とした物のようでした! 首謀者は堕天使コカビエル、パルパー・ガリレイ、そして人造人間かと思われる2名です!」

 

「現在の状況を説明しなさい。」

 

「申し上げます! 現在、兵藤一誠様、リアス・グレモリー様、塔城小猫様、姫島朱乃様が多数の3つ首の巨大な犬と交戦中、パラガス様が堕天使コカビエルと死闘を繰り広げています!学園はリアス様のご友人の方達が結界を張られており外部への被害は今のところありません。 バルパーは儀式に集中しており、人造人間達には今のところ動きはありません!」

 

「ご苦労、引き続き監視していなさい。」

 

「はっ」

 

申しあげ係が去ったのを見届けて視線を無双しているブロリーに戻す。最近暴れる事が少なくなっているので余程たまっていたのかすごく生き生きとしているのが分かる。

 

(パラガス様はああ見えてサイヤ人に見合う実力を持つお方、心配は3つ首の犬の相手をしているイッセー様達ですね。どうやら木場様が居ないようですし…早く増援に向かう方が良さそうですね。動きのない人造人間と聖剣とやらも気掛かりですし。)

 

こちらの戦況はと言うと、ブロリーが敷地を覆い尽くす程の数だった人造人間を既に八割近く破壊し、恐らく人造人間のリーダー格らしき人造人間は、一体は殴られた後反撃の機会を伺っているものと、一体はジャンに遊ばれ、もう一体は既に解体されていた。

 

(こちらはもう良さそうですし。)

 

モアはブロリーを後ろから襲撃しようとした人造人間人間を気弾で破壊する。

 

「む?」

 

それに気づいたブロリーがモアの方へ視線を向ける。

 

「ブロリー様、こちらはもう良いのでパラガス様の増援に向かってください。」

 

この数ならアーシアを庇いながらでも殲滅は可能だろう。ブロリーとの交戦を見たところこの人造人間の個々の性能は見た目以上にかなり低い。

 

「親父の?」

 

「今、パラガス様はイッセー様達とともに堕天使コカビエルとその他と戦っています。戦況はあまり良くはないように思われます。ここは任せて増援に向かった方がよろしいかと。」

 

「そうかぁ…分かったYO」

 

ブロリーは少し未練がましく粉々の人造人間を放り投げて駒王学園へ向かおうとする。

 

「ブロリーさん! 待ってください!」

 

ブロリーが飛び立とうとした時、アーシアがブロリーの腕に抱きつく。

 

「へァ!?」

 

「私も連れて行って下さい! イッセー様達の傷を癒してあげたいんです!」

 

「だ、だがアーシア、あっちは──」

 

「覚悟の上です!」

 

「ぐっ」

 

いつもおっとりしているアーシアがブロリーがたじろぐ程の気迫を見せ、モアが苦笑いをうかべる。

 

「…分かった…だが、危なくなったらイッセーを盾にして逃げろYO」

 

「はい!」 イッセー(ゑ!?)

 

ブロリーはアーシアを脇に抱えて駒王学園の方角へと飛び、バリアをぶち抜いて向かった。

 

「逃がさん!」

 

すると、13号と名乗った人造人間がブロリーの後を追う。他の人造人間の相手をしていたモアは反応が遅れて逃してしまう。

 

「くっ、ここで追うのは得策ではありませんね。」

 

自己修復でバリアの穴が塞がるのを見てそう呟くモア。人造人間へと向き直り指の関節を鳴らす。

 

「さて、そろそろゴミの掃除を終わらせましょうか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最近になって新ブロリーの二次作をハーメルンで見つけて見てみると、お気に入り登録者が自分の倍以上ありそんなに新ブロがいいかと、そんなにヒロアカ好きかと思いました。まぁ、遅れた理由の半分はこれを読み進めてたんですけどね。この小説の倍以上おもろいし。


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第44話 戦い

毎度お久しぶりです。最近、モチベが上がらないブロリコンです。モチベって言うかただゲームがやりたいだけなんですけどね。だけど、ふとした時にこれを思い出して妄想に耽っていつの間にか授業が終わったりするんで書こっかなーってなるんですけどね。



「オラァ!」

 

掛け声とともに渾身のパンチをケルベロスに打ち込んだイッセー、既に満身創痍だったケルベロスはその一撃に耐えきれず声も出さず絶命する。

 

「はぁ…はぁ…くそ、気分が悪いぜ…」

 

実戦経験が浅いイッセーは血の匂いと命を奪う感覚に吐き気がするイッセー。しかも、ケルベロスを相手に温存しながら戦う事は出来ず、疲労が隠しきれない。

 

コカビエルは10体のケルベロスを召喚してイッセー達に仕掛けてきた。そのうちの3体はパラガスが倒して8体を相手にすることになったのだが、何せ初めての相手にしかも8体同時ということで全く上手く戦うことが出来ず、結局獣に翻弄されてバラバラとなってしまったのだ。一人一人で受け持つことになってしまったが、所詮前座でありライザーより数段劣るケルベロスに遅れを取らずに倒せた。

 

息を整える間もなく仲間の応援に行こうと当たりを見渡すと、一体のケルベロスを打ち倒した隙を狙ってケルベロスが小猫に飛びかかっていた。

 

「小猫ちゃんッ!!」

 

急いで飛び出すも既にケルベロスは小猫にその牙を突き立てようとしており完全に間に合わない。苦し紛れに気弾を放つが、その気弾がケルベロスを貫く前に小猫がその牙の餌食にと思ったその時、小猫の背後から剣が現れてケルベロスを貫き、ケルベロスは自分の身に何が起こったかもわからず絶命した。

 

「待たせたね…」

 

「木場先輩…」

 

「木場!」

 

颯爽と駆けつけたのは先に追いかけたくせに迷子になっていた木場であった。イッセーは木場に駆け寄る。そして、思いっきりげんこつを食らわせた。

 

「ぐふっ」

 

「おっせーよ! イケメン王子!」

 

「ご、ごめんって…」

 

「祐斗…あなたは…」

 

「部長…遅れました」

 

木場はケルベロスを倒し終えて駆けつけてきたリアスに苦笑いをしながら謝罪する。すると、木場に遅れて校舎の影から現れたのはゼノヴィアだ。ゼノヴィアはケルベロスに向けて渾身の飛び蹴りを放つ。

 

「加勢に来たぞ。グレモリー眷属」

 

ブロリーにエクスカリバーの刀身を折られてしまい、今は背中に背負うだけの飾りとなってしまったが、それでもゼノヴィアの眼から闘志がなくなることは無く、己が拳で立ち向かうつもりであった。

 

「雷よ」

 

ゼノヴィアの飛び蹴りで怯んだケルベロスに無数の雷が降り注ぐ。一瞬にしてケルベロスが灰と化し、焦げ臭い匂いがその場から立ち上る。

 

これで10はいたケルベロスが3体まで数を減らし、その圧倒的な力を目の当たりにしたケルベロスが心做しか怯んで見える。

 

「さぁ! あと少しよ! 行くわよ!皆!」

 

「「「「はい! 部長!」」」」

 

 

 

 

イッセー達がケルベロスに立ち向かっている時、駒王学園上空では今まさに激戦が繰り広げられていた。エロ本を破壊された怒りで超サイヤ人に目覚めたパラガスの勢いは凄まじく。コカビエルと互角の戦いをしていた。しかし、僅かにだがパラガスが押されているようにも見えた。

 

パラガスが放つエネルギー弾がアスパラガスへと姿を変えてコカビエルに迫り、コカビエルはこれを自身の光の槍を持って撃ち落とす。その隙を付いてアスパラガスソードを構えてコカビエルへ奇襲をするが、コカビエルは冷静にこれを読んで対処し失敗に終わる。そこから近接戦に入るが、だんだんと傷を作り始めたのはパラガス。

 

「ぐっ」

 

このままではダメだと、パラガスは剣戟の最中に生まれた一瞬の隙をついて気で衝撃を作り怯んだ隙に蹴りで突き放す。

 

「ぬっ、ほうやるな人間──!?」

 

『死の恐怖を味わうがいいッ! デッドパニッシャーッ!!』

 

蹴り離した瞬間に密かに溜めていた気を解放し凄まじいエネルギー弾を放つ。その一撃は直撃を貰えば死を招く。

 

「ぬぅ! こんなものぉぉ!」

 

人間が放った力を恐れを為して避けるのは堕天使のプライドが許さないのか、コカビエルはパラガスのデッドパニッシャーを受け止める。光の出力を高めて押し返そうとした所、その先にあったパラガスの気配が消えたことに気づいた。

 

「ッ!!」

 

コカビエルはその気配が自身の背後に移動するのを許してしまったことに気づいたのだ。

 

パラガスは自身の気をアスパラガスソードへと注ぎフルパワーを持ってコカビエルの首へと振るった。その剣はコカビエルの首を落としたかのように見えた。しかし、その剣は黒い刃を持って防がれてしまう。

 

「なに!?」

 

パラガスは声を出して驚いた。その刃はコカビエルの背に生える10の翼であった。

 

「甘いわ!」

 

コカビエルは背後を振り返らずに自身の翼を振るってパラガスを打ちのめして吹き飛ばす。

 

「ぐぁっ!?」

 

パラガスはその攻撃をまともに受けてしまい翼の攻撃とは思えぬダメージを追って地面へと激突した。コカビエルはデッドパニッシャーを早々に撃ち消して翼を羽ばたかせながらパラガスの方へ振り返る。

 

「この翼は堕天使の象徴に等しいのだ。俺はこの翼を丹精を込めて磨き上げ、もはや俺の武器と成したのだ。俺の背後に隙はないぞ?」

 

「くっ」

 

やけに鋭く光ると思った訳だと納得の感情とそんなのアリかという驚愕の感情が混ざり合う。急いで立ち上がろうと身を起こそうとするが、衝撃時の痛みとは別の痛みが体を襲う。

 

(くっ、運動不足か…)

 

意識せずに無理やり体を動かしていたが、急に超サイヤ人に目覚めたことで全く超サイヤ人の力に体が慣れておらず思っていた以上に体にダメージを負っていたようだ。このような身体管理も怠るとは、私も落ちたものだと落胆の感情が浮かぶ。

 

しかし、ここは戦場だ。そんな事を気にしている余裕はない。相手は百戦錬磨の戦士だ。そんな隙を相手が逃すはずもなく、パラガスに無数の光の槍が放たれる。

 

「ぐぅ!」

 

パラガスは痛む体を無理やり叩き起して急いでその場を離れる。光の槍の間を縫うように避けて、こちらも反撃のエネルギー弾をコカビエルに放つ。

 

『イレイザーキャノン!!』

 

パラガスの全力のイレイザーキャノンに対し、コカビエルは全力の光の槍を持って対処する。パラガスのイレイザーキャノンとコカビエルの光の槍がぶつかり合う衝撃で駒王学園を覆う結界に傷が入り、地は割れ、校舎が崩れる。

 

「うぉ!? す、すげぇ!?」

「パラガス先生、強かったんだ」

「子も子なら、親も親というわけね…」

 

ケルベロスが一段落着いたリアス達がパラガスの戦いぶりを見てそれぞれの感想を抱く。

 

「ぐぅ…っ!」

 

「ぬぅ…ッ!!」

 

僅かにパラガスが押され始め、ついにパラガスのイレイザーキャノンが打ち破られてパラガスに迫った。

 

「くそぉ!」

 

自分の力のなさに悪態をつきながら、その場を飛び退くパラガス、光の槍が地面に激突し地面にありえないほどの大穴が出来上がる。

 

「なんという破壊力だ…」

 

その力に戦慄するリアス達。そして、パラガスは気づいていた。自分はこうして体力を削りながら戦っているのに対し、コカビエルは体力どころか呼吸ひとつ乱していない。

 

コカビエルは10の翼を広げて拍手をしながら地面に降り立つ。

 

「素晴らしいぞ人間。俺にここまでやらせる人間は初めてだ。しかし、惜しいな。貴様には相当なブランクがあると見える。貴様も戦いから離れ、平和ボケしたという口だろう…。実に腹立たしい…っ!」

 

(平和ボケ…か…)

 

ブランクならば10年はあると言えるだろう。しかし、平和ボケという言葉を聞き、確かに自分は随分とこの世界の平和を満喫していたと思った。かつて、星々を破壊し世界を我がものにしようと悪しき野望に囚われていた頃は、このような平和など考えたこと後なかった。思えば、いつからだろうか…復讐から、野望へと変わったのは…

 

 

「ふはははは!! 遂に、遂に完成だッ!!」

 

 

 




うーん、早く岩盤ヤリたいな)


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第44話 目覚める剣

夏休み入ったぜやったぜ(歓喜) 宿題くそ多いぜやったぜ(白目)

夏休みの間にバンバン書けたらいいなーっ思ってます。


「この戦闘力とあの金色に変化した髪…間違いない、超サイヤ人か…!?」

 

バルパーとは少し離れたところで観察をしていた人造人間20号…ドクター・ゲロが驚きと憎しみが混じった声で呟いた。そして、隣の人造人間19号が口を開く。

 

「孫悟空、ベジータ、トランクス、どのデータにも一致しない。」

 

「そんなこと、見れば分かる!問題は何故、サイヤ人が奴らの味方をしているという事だ。この世界にサイヤ人は存在しないはずだ…!」

 

「我々と同じように連れてこられたのでは?」

 

「それは有り得ん…この世界と別の世界を繋ぐのは相当な魔力を持つものか、破壊神に相当する神にしか不可能だ…、この世界の魔王あたりならもしかしたらとは思うが…」

 

「20号、あのサイヤ人は始末するのか?」

 

「……いや、あのサイヤ人の始末はコカビエルに任せる。我々はあれさえ手に入りさえすれば良いのだからな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「くははははっ! 遂に…遂に完成だっ!」

 

バルパーが狂ったかのような笑い声を上げる。そのバルパーが見上げる先には眩い光を発している魔法陣の上に浮かぶ4つのエクスカリバーが輝いている様子だった。

 

「俺の目的は戦争で、そのついでに奴の計画を手伝ってやったが…あの魔法陣は少ししたらこの町全土を崩壊させるものだ。」

 

「なに!?」

 

「なっ!?」

 

コカビエルから聞かされた内容に、皆は驚愕と怒りに包まれる。

 

「なぜ、そのような事を…いや、そんな事はどうでもいい…!」

 

パラガスは即座にその疑問を投げ捨て、猛スピードで魔法陣を制御しているはずのパルパーへ迫る。しかし、その前進はコカビエルによって阻まれる。

 

「邪魔はさせん」

 

コカビエルが放った光がパラガスと、その影でパルパーへ迫っていた木場を巻き込む。

 

「くっ!」

「ぐあっ!?」

 

パラガスは直撃する前に躱すが、木場はその爆発の衝撃に巻き込まれダメージを負う。

 

「木場くん!」

「木場ぁ!」

 

しかし、ダメージを負いながらも木場は剣を手に取りパルパーを睨みつける。

 

「バルパー・ガリレイ!! 貴様は…貴様だけは許さないッ!」

 

憎しみと殺意の篭もった叫びを上げながら木場は立ち上がる。かつて殺された仲間のために、この日出来た仲間のために

 

「ようやく私の悲願が叶う! 新しいエクスカリバーの誕生だ!!」

 

そこには1本の聖剣が浮かんでいた。4本とエクスカリバーを1つにしたのだ。7本のエクスカリバーは元はひとつの聖剣。なら、1つにできても不思議ではない。

 

「くそ! バルパー・ガリレイ! 」

 

木場の叫びにようやく興味を示したのか、木場の方へ顔を向けた。

 

「…そういえば、君は聖剣計画の被験者の1人だったな。感謝しよう!

君達の犠牲のお陰で私は手に入れた!」

 

「…何が感謝だ、バルパー・ガリレイ!! お前は僕達を傷つけるだけ傷つけて、殺したんだ! 犠牲なんかじゃない…お前達は僕達を生贄にしたんだ!!!」

 

魔剣創造…生贄にされた木場とその仲間のやりきれない想いが顕現した神器と、木場は想う。創る魔剣は何色にも染まらないほど黒く、それは染まることの無い復讐の現れ。

 

「僕はお前を殺すッ! そして、お前が生贄にした仲間たちの無念を僕が晴らすッ!」

 

その復讐の宣言を真正面から受けたバルパー・ガリレイは余裕の表情で拍手する。

 

「素晴らしい覚悟だ。では、君に真実を教えてやろう。しぶとく生き永らえた褒美だ。」

 

バルパーはそう言うと懐から青く光る小瓶を木場の足元に投げ捨てる。木場はその小瓶を手に取った。とても懐かしい感じがしたのだ。

 

「貴様達は因子を持ち合わせていなかった訳では無い──ただ、足りなかったのだ。」

 

「…何を言って…?」

 

バルパーの言葉に木場は呆然となる。木場達は聖剣の因子がなく、エクスカリバーに適応できなかった故に殺されたと聞いた。しかし、バルパーは言う。因子が足りなかった、と

 

「言葉通りだ。聖剣を扱うための因子が不足していたのだ。なら、不足している出来損ないの因子はどうすればいい?──答えは、因子を抜けばいいのだ。」

 

因子を抜く。その言葉を聞いて木場は頭が真っ白になった。木場とバルパーの様子に耳を傾けていた他の皆も動揺する。バルパーはその様子を見て愉快そうにさらに続ける。

 

「因子を抜き、それを集めて結晶化できれば聖剣を第三者が扱うことができる! たとえ、才能がなくてもだ!そして、私は研究の末、完成させた。だが、どうしたものだ…教会は私を異端として追放した挙句、その研究成果を奪った!」

 

「待て! 因子を抜くだけなら、殺す必要は無かったはずだ!」

 

因子は抜かれても死にはしないはずである。後は、捨てさえすれば命だけは助かったはずだと、木場はそう言い放つ。バルパーはその木場の言葉を聞いて、心底不思議そうに首をかしげながら言い放った。

 

「何を言ってるんだ…? 貴様達は実験動物だ。使い終わったモルモットは殺すに決まっているだろう?」

 

──実験動物、モルモット

 

かつての同士をそう例えられ、木場は膝から崩れ落ちる。

 

(なぜ、そんな事を簡単に言える─! どんなに苦しくても明日を信じて生きた同士達を、こいつはモルモットと言うのか…ッ!)

 

「今、君が握りしめているのは君たちから抜き取った因子の残りカスだ…ちょうどどう処分するか困っていたところだ。君にあげよう。そんなゴミは私にはもう必要ないからね。」

 

「てめぇ! どこまで木場を傷付けるつもりだッ!!」

 

木場は手に取った小瓶を呆然と見つめた。大切な仲間達の結晶。その光はとても青く綺麗に光っているも、どこか淡かった。今にも怒り狂いそうなのに、その身体は立ち上がれず、ただ結晶を握り締めて震える。

 

(僕は、ずっと思っていた。なんで、僕だけが生き残ったんだろうって…僕よりもずっとずっと生きたいと思っていた子はたくさんいた。素敵な夢を持った子もいた。)

 

──皆が皆、夢があり想いがあり──でも、僕には何も無かった。夢も想いも

 

ただ、聖剣に憧れて辛い実験に耐えて─ただ、皆の笑顔が、皆が夢を語る時の顔が大好きで、守りたくて、ただそれだけだった。そんな夢も、直ぐに消え去った

 

(僕だけ生き残って、それで部長の眷属になって、学校に通えて、友達ができて──僕だけがこんなに幸せになっていいのだろうかって…そう考えた。)

 

何度も、何度も考えた。あの時、施設から逃げ出して、部長からいろいろなものを貰った。暖かさ…力…いろんなものを

 

(僕は何故ここにいる? ここにいて言い訳がない! それなのに…)

 

今だって、復讐と仲間への想いに揺れるくらいの半端者なのに…僕はそれすらも守れない! 僕は生きている価値は何も無い…僕は一人だ。

 

「僕は一人だ…だから──」

 

自暴自棄だ。そんな事は分かっている。何も持たず、何も考えず、ただ復讐だけを背負って走ろうとした。そうやって、死のうと思って、辛いのはもう嫌だ、真実を知って、何も出来ない自分が嫌で、そして

 

──目の前の大切な物に目を眩んでしまう自分が嫌で、

 

「アアアアアアアアアアッ!!」

 

きっと僕はあのエクスカリバーに斬られて死ぬ。なら、せめて一人で足掻いてみせる。

 

 

──貴方は一人じゃない

 

 

 

 

 

 

(不味いことになった…)

 

自分よりも圧倒的に実力が上の堕天使に苦戦し、更にエクスカリバーが完成し、そして今度はあの魔法によって駒王町が破壊し尽くされてしまう。まさに万事休すである。

 

(あれに近づこうにもコカビエルに邪魔をされ、近づけたとしてもおそらくあの人造人間に邪魔をされるだろう。何か、何かないのか…!)

 

パラガスがこうなったら一人用のポッドでブロリーを呼び出そうかと思った、その時

 

「アアアアアアアアアッ!!」

 

「!? 木場!!」

「裕斗!!」

 

木場が雄叫びを上げて今にも駆け出そうとしていた。

 

「アカァァンッ!!」

 

あのまま行けばコカビエルの光の餌食かエクスカリバーの餌食がどちらかだろう。おそらく木場はその覚悟で捨て身の特攻を仕掛けたのだ。自分を犠牲に隙を作るため。

 

(させるかッ!)

 

捨て身をするのは俺だと、パラガスは木場の間に入りこもうとしたその時だった。

 

木場の周りを人の形をした光が囲んだのだ。何を言っているのか分からねぇと思うが、パラガスも何が起こったのか分からねぇ。

 

ただ、その光が木場にとってとても暖かく、とても心地よいものだということが伝わってきた。途端に涙を流しながら再び木場は座り込む。

 

(…あれは、まさか…っ!?)

 

「ふん、くだらん。」

 

そう言い捨てて、コカビエルは木場に向けて光を放つ。その光をパラガスは弾き飛ばす。

 

「俺の教え子が今まさに成長しようとしているのだ。その邪魔はさせんぞ。」

 

パラガスはスーツの上着を脱ぎ捨ててネクタイを緩める。そして、自らに喝を入れて再び超サイヤ人へと変身する。

 

「ふん、貴様にはもう用はない。雑魚は引っ込んでいろ!」

 

 

 

 

 

木場の頭に、人とは思えない声が響いた。ひとつでは無い。何人も、何人もの声が聞こえる。

 

『泣かないで、どうして1人なんて悲しいことを言うの?』

『死ぬなんて、悲しいよ…』

『君は生きていいんだよ。君は僕達の希望なんだから』

 

「どう…して…、みんな…っ…?」

 

木場の周りにはうっすらと光る人影が囲んでいた。小さい人影、大きい人影があった。顔はうっすらとしていて分からないしかし、木場には分かった。彼らはかつて実験を共に耐えた仲間だということに

 

「僕は…ッ…僕は何もできなかったッ! 皆を見捨て、あの場から逃げ出して! おめおめと平和に生きていた! そんな事、許されるはずがないッ! 」

 

木場は仲間の結晶を握り締めて震え泣く。自分の贖罪を身近で感じ、なおも果たせない情けない自分に

 

『見捨ててなんかいないよ』

『だって君は、ずっと僕達の事を想ってくれていた。忘れないで居てくれた。』

『たとえ、それが復讐なんだとしても』

『それに君は今も───涙を流してくれている。』

 

指摘され更に涙は溢れ、服で拭っても、止まらなかった。

 

「忘れるはずがないッ! 皆…大切な仲間だッ! 友達だッ! 辛い日常を皆笑顔で励まし合ったんだ…大好きな皆を、忘れるはずがないッ! 」

 

『なら、私達もあなたを大切に想う』

『貴方はひとりじゃない。』

『1人の力は弱くても』

『みんなの力を合わせれば大丈夫。』

『だから、受け入れよう。』

 

僕は皆に手を伸ばす。今も尚、彼らを持つ手を。みんな、笑顔を浮かべて僕の手に自分達の手を添える。

 

歌おう───みんなで歌った歌を…

 

一緒に歌う。彼らと過ごした日々を、大好きな彼らの心を、想いを。

 

『聖剣を受け入れよう』

『神が僕達を見放しても』

『僕達は君を見放さない』

『あなたには私達がいる』

『神なんていらない』

『たとえ僕達を神が見ていなくても僕達はきっと』

 

『『『「繋がっていける」』』』

 

そうだ…僕達はずっとそうだったんだ。なら、僕が君たちの分まで笑顔になってみせる。だから僕達は

 

「…─一つだッ!」

 

木場の周りにいた霊魂のような魂が光となって木場を纏う。

 

(暖かい…みんなの気持ちが僕に入ってくる…僕はひとりじゃない。共に行こう皆。)

 

木場は立ち上がって涙を拭う。その目から再び溢れることは無く。決意に満ちた瞳でバルパーを捉える。

 

「……バルパー・ガリレイ。僕は忘れていた…僕の仲間は復讐なんて望まない優しい心を持っていたことを…復讐なんて考えないことを、だけど貴方はこれからもずっと人を傷つけ、殺すだろう。」

 

木場は剣を創る。みんなの想いを乗せた剣を

 

「僕は第二、第三の僕達を創らないために、バルパー、貴方を滅する。」

 

「黙れ! モルモットごときが、おい! フリード! ちょうどいい、エクスカリバーを取れ! やつを殺せ!」

 

「待ってました〜!!」

 

フリードがエクスカリバーを取り、その切先を木場に向ける。

 

「さぁ、やろうぜイケメンくーん!!」

 

「フリード!!」

 

さぁ、行こうみんな…僕達はエクスカリバーを壊す。

そして、証明する。

 

「僕は剣になる。皆を守るための…眷属の剣となる!」

 

「裕斗、やりなさい。私のナイトは、エクスカリバーなんかに負けはしないわ!」

 

「ぶつけたれ木場ァ! 言ってやれ!お前の剣はエクスカリバーすら壊せるってよ!」

 

…はい。部長、イッセー君!

 

「皆、越えよう──あの時できなかった、叶えることの出来なかった聖剣への想いを」

 

木場の声に応えるかのように、木場の剣に光が宿る。心地いい聖なる光が、魔のオーラと共に木場の剣に宿る。

木場の剣が、変わった。

 

「さぁ、行こう。 ソード・バースッ!!」

 

青いオーラが剣を包み込み、黒と白のオーラが剣に纏う。激しいオーラを放ち、そして形を成した。

 

双覇の聖魔剣(ソードオブ・ビトレイヤー)…聖と魔を司るこの剣で、エクスカリバーを超えるッ!」

 

 




久しぶりすぎてこれ書くだけで2日かかった。

感想くれたらモチベーション上がるんだけどなー(o¬ω¬o)チラチラ


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第45話 なにこれ

学園でクライマックスが起きている頃、駒王町上空でも激戦が繰り広げられていた。

 

「ええい! ちょこまかとしつこいぞクズがァ! さっさと粉々に吹き飛びやがれぇ!」

 

「残念だが、それは無理だ。」

 

雲の上レベルの上空で戦いを繰り広げていたのは超サイヤ人に変身したブロリーと13号と呼ばれた人造人間であった。駒王学園へ飛んだブロリーを追ってきた13号とかれこれ数十分に及ぶ時間を費やしていた。別に13号が強いから手こずっている訳では無い。

 

ブロリーがその気になれば数秒もかからずに血祭りに上げることができる。しかし、それをすれば片腕に抱いているアーシアに負担がかかるのだ。なのでブロリーはアーシアに負担がかからないようアーシアを気で包み負担を軽くし更に細心の注意を払いながら13号を相手にしていた。

 

ブロリーは今、人生で一番集中している。

 

「ごめんなさい、ブロリーさん…私が着いてきたばかりに…」

 

「気にするなアーシア。口を閉じていろ。舌を噛む」

 

 

「はぁぁ!!」

 

13号は後退したブロリーに向けて無数のエネルギー弾を撃ち込んできた。

 

「うぜぇ!」

 

ブロリーはそれをバリアーですべて受けて、どさくさに紛れて突っ込んできた13号の攻撃を避けて反撃にエネルギー弾を腹に押し込む。

 

「くっ!」

 

「消えろッ!」

 

そのまま振りぬき、13号はエネルギー弾に吹き飛ばされそこに更に追加でブロリーのエネルギー弾が上乗せされて爆発した。

 

「くはははっ! 雑魚が──!?」

 

嘲笑っていたブロリーだが、咄嗟に横へ飛ぶ。すると、次の瞬間先程まで居た場所に、正確にはアーシアを持っている腕を狙ったかのように貫通型のエネルギー弾が通りすぎた。

 

「…今、アーシアを狙ったのか」

 

「…外したか」

 

クズが

 

怒りのパーセンテージが振り切られると思った時に、ブロリーはふと自分の真下に覚えのある気を感じた。

 

「ここは…!?」

 

「もらった…ッ!」

 

 

 

 

 

 

 

「くっ!」

 

「ほらほらどぉしたっ!? さっきまでの威勢はどこへ行ったんだ人間!!」

 

コカビエルは光の槍の怒涛の連撃でパラガスを追い詰める。パラガスも気で剣を形作って何とか受けきっているが、少しの隙をつけいって蹴りを入れられる。

 

「ぐはっ!?」

 

「死ねぇ!」

 

パラガスは体に喝を入れて振り下ろされる槍を気合いで避ける。そして、バックステップで距離をとって離際に剣をコカビエルに投げ捨てる。コカビエルはその剣を弾くが、パラガスの気の塊でできていたその剣は弾いた瞬間爆発する。

 

地面に着地するパラガスだが、ダメージは大きいようで超サイヤ人が解かれ膝を着いた。

 

「ハァハァ…くそ…」

 

もはや満身創痍のパラガスの前に不意打ちを受けてなお少しのダメージを負っただけのコカビエルが降り立つ。

 

「人間のくせになかなか骨のあるやつだったぞ。褒めてやる。だが、それもここまでだなぁ?」

 

コカビエルがパラガスにトドメを誘うと光の槍を振り下ろそうとした瞬間。禍々しい魔弾がコカビエルに命中する。更に追い討ちに緑の気弾と白い魔弾がコカビエルに命中した。その更に雷がコカビエルの頭上に降り注いだ。

 

「お、お前達!?」

 

「祐斗があんなに頑張ったもの、王である私が何もしないなんて王失格だわ。」

 

「木場ばっかりにいい格好させられねぇぜ!」

 

「手伝いますパラガス先生」

 

「あらあらうふふ。皆、張り切っちゃって。私も頑張らなくてはね。」

 

「……そんなに死に急ぎたいかリアス・グレモリーよ。」

 

先程の猛攻撃をかすり傷程度で済んだコカビエルがキメ顔で煙から現れる。

 

「死に急ぐ気なんてないわ。私は寿命で死ぬって決めているの。だから、こんな所で死ぬ気は無いわ。そして、この町も貴方の好きにはさせない。」

 

「ふん、決め台詞にしては味気がないな」

 

「黙ってなさい」

 

リアスが滅びの魔力を迸らせ、イッセーが神器を構え、不敵な笑みを浮かべて朱乃が雷を鳴らし、小猫が静かに構える。

 

「…まったく、先生使いが荒いなこの世界は」

 

震える足に喝を入れて再び立ち上がるおっさん。

 

「よかろう、そんなに死にたいのならここで死───」

 

コカビエルが悪役のセリフを言い切る瞬間、突如コカビエルに何かが打ち落とされた。生徒会が張った結界を容易く撃ち抜いて。コカビエルはその落ちてきた物と共に地面に激突する。

 

「「「「え?」」」」

 

パラガス達が唖然としているとパラガス達の前に人が降りてきた。

 

「やぁ☆」

 

「皆さん怪我はありませんか!?」

 

ブロリーとアーシアだ。唖然としていたパラガスは我に返ってブロリーに駆け寄った。

 

「おお! ブロリー! よく来てくれた。家の方は大丈夫だったのか?」

 

「はい。変な奴らが襲ってきたが返り討ちにしてやったぜ! 家の方が片付いたから親父を助けに来てやったYO」

 

「そうか、やはり人造人間が来たか。なら、あそこにいる…ん?」

 

パラガスは先程見た人造人間の居た場所を見たがその場に2体の人造人間がいなかった。

 

「貴様のエネルギーを頂くぞ」

 

「なに!?」

 

すると、突然背後から首を捕まれた途端、体から力が抜けるのを感じた。

 

「親父ぃ!」

 

突然パラガスを襲ってきた20号を殴り飛ばそうとするブロリーだが、割って入った19号に吹き飛ばされる。

 

「パラガス先生!!」

 

突然襲われたパラガスを助けようとリアス達が攻撃しようとするが、そこへブロリーに撃ち落とされボロボロになった13号が立ちはだかる。

 

「どけ!」

「邪魔!」

 

先行したイッセーと小猫のパンチを、顔色ひとつ変えずに受け止めてみせる。

 

「イッセー、小猫! 退きなさい!」

 

「「はい!」」

 

小猫とイッセーはリアスの指示に従い13号から一度離れる。そこへ、雷が降り注いだ。

 

「はぁ!」

 

さらに、リアスの滅びの魔力を込めた強力な魔弾が叩き込まれる。並の者じゃ塵ひとつ残らないもう攻撃だが

 

「…ふん、この程度か」

 

「「「「な!?」」」」

 

13号は傷をおうどころか鼻で笑いながら平然と立っていた。

 

「ま、マジかよ!?」

 

「これが…人造人間…!?」

 

「厄介ですわね…」

 

「本当に機械だというの…!?」

 

 

 

 

 

「くぅ…うぅぅぅ!」

 

「流石、超サイヤ人…凄まじいエネルギー量だ。」

 

「くぞぉ…!」

 

パラガスは体を動かして反撃しようとするも、体に何か仕込まれたのか麻痺して全く動けない。そして、こうしている間にもパラガスの気がこのジジイに吸い取られている状態だ。

 

「うぅぅぅ! やーめてください!」

 

そして、懸命に助けようと涙目になりながら20号のパラガスを掴んでいる腕の服を引っ張っているアーシア。

 

「ええい! 鬱陶しい小娘だ!」

 

さすがにイラついてきた20号がアーシアに向けてエネルギー弾を放とうとすると、パラガスが凄まじい気合いで動かした手で掴まれて止められる。

 

「ほう、この世界のクジラでも数時間麻痺させる神経毒でも効果は薄かったか。」

 

「その娘に…手を…出すな!」

 

「ほう?」

 

「その娘に…何かをすれば…(お前達が)大変なことになる…!!」

 

「…ふん、戯言を…平和ボケして頭でも腐ったのか?」

 

20号はパラガスの腕を振り払って、アーシアをつまみ上げて空高く投げ飛ばした。

 

「全く、最近の若者は─」

 

20号がジジくさいことを言い切る瞬間、何かが裂ける音と共に頭上を何かが通り過ぎた。

 

その方を見ると、そこにはぐちゃぐちゃに引き裂かれ、見るも無残になった19号の姿があった

 

「なっ!? 19号!? ブロリーは!?」

 

20号は戸惑っていると、突然体に衝撃が走り吹き飛ばされた。

 

「ドクター・ゲロ!!」

そこへリアス達を相手していた13号が向かう。放置されたリアス達はアーシアとパラガスを助けたブロリーへ駆け寄る。

 

「ブロリー! パラガス先生とアーシアは!?」

 

「だ、大丈夫だ…毒を盛られただけだ…」

 

「大丈夫じゃないじゃないですか!?」

 

「私は大丈夫ですから、パラガスさんを!」

 

パラガスは毒を盛られて、アーシアは投げ飛ばされるわで少しパニック状態のリアス達。そこへ、さっき13号に押しつぶせる形で穴に埋まっていたコカビエルが現れる。

 

「くそ! 誰だ、俺を押しつぶしたやつは!!」

 

「「「「あっち」」」」

 

「覚悟しろ!!」

 

キレたコカビエルが13号へ突撃していった。

 

「俺も行ってくるぜぇ!!」

 

そこへ、アーシアを投げ飛ばされてキレたブロリーも突撃していった。こんなカオス状態の一方でエクスカリバーへの復讐を見事達成して事の一端を見ていた木場が呟いた。

 

「なにこれ」

 

 

 

 




ほんと、なにこれ。書いててこんなに内容のない内容は初めてだわ。もうダメだな(確信)


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第46話 俺が神だ!

後半くらい意味のわからないことを書いてます。頭を空っぽにして読んでくださいな。


「ドクター・ゲロ! 無事か?」

 

「くっ…(なんてパワーだ!? やつはただのサイヤ人ではない! 孫悟空を遥かに上回っている!)」

 

ブロリーの一撃で胴体と下半身がおさらばしてしまった20号もといドクター・ゲロ、帽子もどこかへ飛び去ってしまい頭の脳が丸見えである。

 

(やつをこのまま生かして置けば、間違いなく我々の計画の邪魔になる…!)

 

「13号! 14号、15号、19号と奴らを襲撃したその他の人造人間の戦闘データと動力炉を吸収し合体しろ! 私はその間にアレを回収する!」

 

「!? だが」

 

「さっさとするんだ!」

 

「…分かった」

 

ドクターゲロは13号にそれを伝えて体を少し浮かせてそそくさとどこかへ移動する。

 

(やつがどれほど強かろうと合体した人造人間に叶うはずがない!)

 

「どこへ行くんだァ?」

 

そそくさと移動していたドクターゲロの前に何かが降り立った。金のブーツに白いズボン、赤い腰巻に存在を主張する膨大な筋肉。大きく逆だった金髪の下には鬼もなく形相が見えた。

 

「ひ、避難する準備だぁ…」

 

「1人でかぁ?」

 

まるで丸太のような腕でドクターゲロの顔面を鷲掴み、顔まで持ち上げた。

 

「よくもアーシアを投げ飛ばしてくれたなぁ?」

 

「あぁ、いや、その…ひ、人に迷惑をかけるのはいけないよと教えてあげようと…」

 

「人に迷惑を掛けているのはどっちだァ?」

 

「ぅ…」

 

(じゅ、13号は何をしている!?)

 

ドクターゲロはいつまで経っても助けに来ない13号に腹を立てるが、視界の端にコカビエルと戦っている13号を見て、救いはないと悟った。

 

ブロリーの額に青筋が見え始めて掴む腕に力が増しドクターゲロの顔面が悲鳴を上げ始める。

 

「アーシアを投げ飛ばしてくれたお礼に、俺もお前を投げ飛ばしてやる。」

 

「え、遠慮しておこう」

 

「お前に拒否権があると思っているのか?」

 

ブロリーは両方の手で胴体を棒状にするかのように潰し始めた。

 

「い、一体何をするつもりだ!?」

 

「この前、やり投げの動画を見て、試したいと思っていたんだ」

 

ゾッとした。ただでさえ極悪な面相がさらに歪んでみえ、無邪気に人を弄ぶ本物の悪魔を見た。

 

顔だけ無事なドクターゲロは本当に体が棒状になり、ついにブロリーに片手で体を掴まれる。

 

「行くぞ!!」

 

「や、やめろォ!」

 

うおぉぉぉぉぉおああッ!

 

<アー!ワタシハトリヨー

 

大地が震える程の雄叫びとともにぶん投げられたドクターゲロは空高く飛び去り、結界をぶち破って夜空の星となった。

 

「終わったな…所詮、クズはクズなのだ。さて、残ったクズを血祭りに上げるとするか」

 

ブロリーは次のターゲットを13号に変える。13号はコカビエルと互角な戦いを繰り広げている。

 

「ええい! ちょこまかとッ!」

 

「流石は大戦を生き抜いた堕天使と言ったところか…今の俺では勝てない。だが…」

 

13号はコカビエルの前にでて凄まじい光を放つ。

 

「なっ!?」

 

「目がぁ!?」

 

コカビエルは咄嗟に目をガードし、ガン見していたブロリーはダイレクトで目にダメージを負う。数秒後に光は治まり、すぐに目を開けたコカビエルが見たものは、距離を置いた13号の背後に無数の何かの部品のようなものが次々と現れる。そして、その全てが13号に引っ付いていき吸収されていく。

 

「ぬぅ、うぁぁぁぁァァァッ!」

 

そして、13号の体が眩しく体格が変化していく。肌は青色に変化していき、髪は逆立ち紅く変色し優男な顔も鬼のような形相に変化する。

 

「なんだ? あれは!? 俺の猿真似かぁ?」

 

「ほう、パワーアップか。面白い」

 

「ウガァァァァァァァッ!!」

 

 

 

 

 

 

「なんだありゃ!?」

 

凄まじい方向とともに変身を果たした13号を見てイッセーは声を上げて驚く。

 

「何も感じないけれど、分かるわ…今のあいつには私たちじゃ手も足も出ないわ…」

 

パワーアップした13号の力を感じ取って意気消沈するリアス。それを聞いて他の者も気を落とす。

 

「そう気落とすな。君達はよくやった。あとはブロリーに任せよう。」

 

「そうか!! 分かったぞッ!」

 

パラガスが皆を励ましていると、突然さっきまでぶつぶつ考え事をしていた…えっと…

 

「お前誰?」

 

「バルパー・ガリレイだッ!」

 

めちゃくちゃ復讐の対象だった木場さえも一瞬存在を忘れるほど空気となっていたバルパーが突然声を上げた。

 

「バルパー・ガリレイ! さっきまでちょっと忘れてたけど、とりあえずお前を殺す!!」

 

「まぁ待て、少し私の話を聞いてくれ。あと、前半別に言わないでも良くない? あと、もうちょっとセリフ練ろ?」

 

とりあえずぶっ殺しようとした木場に、バルパーが待ったをかける。

 

「なんだ? 今更命乞いなのか?」

 

パラガスは木場の肩に手を置き、バルパーに質問する。

 

「んんッ! いや、違う。そこの木場祐斗君だったかね? 君のその異質な禁手(バランス・ブレイカー)は”本来は”絶対に交えない2つの属性が混ざってしまっているんだよ。」

 

「何…?」

 

木場は自分の剣を見て、その言葉に困惑する。

 

双覇の聖魔剣(ソードオブ・ビトレイヤー)…だったか…それがどうしたんだ?」

 

「まだ、分からんのかね? 聖魔剣…それは本来相反する聖性と魔性の2つが混ざりあっているという事だ。これがどういう意味か…分かるかね?」

 

「…魔性…確か、1000年前の大戦で先代の魔王は全員死んだのだったか…聖性…と言ったら天使か。」

 

「いえ、聖性を管理しているのは神が創ったシステムが…まさか!?」

 

「気づいたようだな…リアス・グレモリー。そう、魔王は既に死んだが、神が生きていれば神が創った聖と魔が混ざり合うことは無い。しかし、現に今、そこの騎士が聖魔剣という混ざりものを創ってしまった…」

 

バルパーが木場の聖魔剣を指差し、そして言い放った。

 

「そう、1000年前の大戦で魔王のみならず、神もまた死んでいたといrs」ズドーン

 

バルパーが最後まで言い切る前に13号と戦っているブロリーとコカビエルの流れ弾がバルパーに直撃する。

 

「あ、やべ、ごめん」

 

光の槍に串刺しにされたバルパーは言うも言わさず絶命する。それを13号に放って外した流れ弾がバルパーに当たった形になってしまったコカビエルが思わず素で謝る。まぁ、おそいけど

 

「そ、そんな…主は…主は死んでいたのですか?」

 

「そ、そんな…なら、私は一体何を信じていたというのだ…」

 

アーシアとゼノヴィアが崩れ落ち、呆然とする。当たり前だ、今まで信じて祈っていた神が既に死んでいるというのだから。その言葉を聞いたパラガスは別の疑問を持つ。

 

(神は死んでいるだと? バカな…なら、俺達を転生させたあの神はいったいなんだと言うのだ?)

 

そして、呆然としているアーシアとゼノヴィアの所に13号とコカビエルの流れ弾が降ってくる。

 

「しまった!?」

 

いち早く気づいたパラガスだが、少し出が遅れて間に合わない。しかし、アーシアの前に颯爽と駆けつけたブロリーがアーシア時の壁となった。アーシアと重なるように並んでいたゼノヴィアも奇跡的に助かる。

 

「クズが…撃つならちゃんと狙って撃ちやがれ! アーシア無rsへぁッ!?」

 

ブロリーが振り向いた時見たものは、ブロリーを見つめながら涙を流し続けるアーシアの姿だった。

 

「アアアアアーシア!? 一体どうしたんだァ!? またあいつか!? あいつがrsなんでお前も泣いているんだ!?」

 

ブロリーはまたゼノヴィアかと思ったらゼノヴィアまで泣いているのでもはや意味がわからん状態である。そこで、パラガスが助け舟を出す。

 

「実は…ゴニョゴニョ」

 

「…なにィ!? あいつ死んでたのか!?」

 

「シッ、まだそうと決まった訳では無い。だが、アーシア達の心の傷は深いだろう。」

 

「ぬぅ…」

 

ブロリーは虚ろな目でただ涙を流すアーシアを見て、アーシアが死んだ時とは違う別の感情が渦巻いた。それは、困惑。なぜアーシアは悲しいのか、なぜアーシアは泣いているのか。他の者からしたら愚問とも言いたいほどの問題だが、ブロリーは神という存在に全く興味がなかった。故に、アーシアが今抱いている悲しみの理由が分からなかった。

 

「親父ィ…神ってなんだぁ…?」

 

「え? えーと、神は人々を救い、人々を平等に愛するとかなんとかするやつだよ。」(目逸らし)

 

ブロリーと同じように神などについて詳しくないパラガスは適当に覚えている事を口にする。

 

「人を救い、人を愛する。フフフフッ! そんなこと俺でもできるじゃねぇかッ!!」

 

「ゑゑゑッ!?」

 

「…どうした親父ィ?」

 

「なんでもございません」

 

「アーシアッ!!」

 

「…はい」

 

ブロリーが大きく呼ぶと、アーシアが力なく返事をした。

 

「神は死んだ、かもしれない。もしかしたらあのボロクズのただの妄言なのかもしれない。だが、それがどうした? 神が死ねば俺達は死ぬのかァ?」

 

「ちょ、ブロリー! お前!」

 

突然、追い打ちをかけるような事を言い出したブロリーをイッセーが止めに入ろうとする。しかし、ブロリーはイッセーを無視して続ける。

 

「神は俺達を救い、俺達を愛するらしいな。だが、今はもういない。なら、アーシア! 俺が今からお前の神になってやるッ!」

 

「…え?」

 

「「ゑ?」」

 

「俺がアーシアを救ってやる! 俺がアーシアを愛してやる! 祈りたければ俺に祈るがいいッ! どうだ? いい考えだろう!!」

 

高笑いをしながらアホな事を抜かすブロリーに呆れを通り越して哀れすら感じてきたパラガスとイッセー。

 

「ふふっ」

 

「ん?」

 

「はははははははっ! ブロリーさんって、やっぱりお馬鹿さんですね!」

 

「ェエエッ!?」

 

アーシアのまさかのブロリーおバカ発言で冗談抜きでグサッとくるブロリー。

 

「でも、その考え…いいと思いました」

 

「おお! 流石、IQ26万の俺が辿り着いた答えだ! なら、有言実行だな! まずはあのクズを血祭りに上げてここを救ってやる!!」

 

そう言うとブロリーは神とは程遠い凶悪な顔で高笑いをしながら13号に突撃して行った。

 

「…ブロリーさん……」

 

 

 

 

 

 

 



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第47話 ゴミは始末✩

ゴミはゴミ箱へ、スマホは便器にぽちゃん。(゜∀゜)ハハッ


 

 

 

「全く、無茶苦茶言うなあいつ…」

 

「でも、ブロリー先輩らしいです。」

 

俺が呆れながら笑っていると、小猫ちゃんも笑いながらそう言ってくる。ブロリーらしいか、確かにそうだな。あいつはいつもメチャクチャで、でも真っ直ぐなやつだ。

 

手が震える。本当はあの戦いに混ざりたい、だけど今の俺じゃ絶対に足でまといになる。

 

「悔しいな…」

 

「…はい」

 

 

 

 

 

 

 

「ぬぉぉぉ!!」

 

「ウォォォアアアアッ!!」

 

コカビエルが巨大な光を13号にぶつけ、13号はそれを押し返そうと踏ん張っている。するとそこへ、緑の気弾がコカビエルの光をぶち破って13号に炸裂した。凄まじい爆発が起こる。

 

「なに!? 貴様!?」

 

コカビエルは自分よりも上に停空しているブロリーを睨みつける。

 

「ふははっ! あんなモビルスーツ相手に手こずっているクズには用はない! さっさと消えるがいい!」

 

「なんだと!? 貴様から死にたいようだな! 人rsブッ!?」

 

ブロリーを攻撃しようとしたコカビエルを13号が押しのけるように吹き飛ばした。

 

「グォォォォオオッ!!」

 

「ふははっ! 俺ほどではないがハンサムな顔どころか言葉まで失ったようだな!!」

 

まるで猪のように突撃してきた13号を片手で受け止める。

 

「今、楽にしてやる」

 

受け止めた片手に気を集めるブロリー。しかし、ブロリーの気が手に集まるどころか気が抜けていっているように思えた。

 

「なんだァ?」

 

今度はもっと力強く気を溜めるがやはり 一向に溜まる気配がない。いや、集まった側からどこかへ消えていっているような。

 

「!? 貴様っ!?」

 

思い至ったブロリーは13号を羽飛ばそうと腕を降るが、13号が両手でがっしりとブロリーの腕を掴んで離れない。

 

「こいつ!? 俺のパワーを吸い取っているのか!? ええい! 離れろ気持ち悪い!!」

 

ブロリーは懸命に腕を振り回すが握力にものを言わせて離れる気配がない13号に痺れを切らしてブロリーは自分事地面に激突する。さらに、13号を地面に擦り付けながら何度も13号を地面に振り下ろす。

 

しかし、それでも離れない13号にイライラが止まらないブロリーだが、すると何かを思いついたのか途端に笑みを浮かべる。

 

「おい! ガラクタ! 俺のエネルギーは美味いかぁ?」

 

「ウ?」

 

「なら、絶対に離すなYO」

 

今度は逆にブロリーが13号の腕を握りしめて、引っ張り始めた。握られている逆の方の手で13号を押さえつける。

 

「ガ!? UGAァァァ!!」

 

「ウフッ! ウハハハッハハハッ!!」

 

今度は13号が悲鳴をあげブロリーが高笑いする。13号はブロリーをなんとしても引き剥がそうともがき、叩き、蹴り、頭突く。しかし、ブロリーは決して力を緩めず、ところかさらに力がマシ、13号の腕の根元がギチギチと嫌な音を立て始めた瞬間、13号の腕が根元からもがれた。

 

「ウォォォオオオ!?!?」

 

13号の腕が根元からちぎれ、もがれた箇所からオイルのようなものがドバドバと吹き出す。13号は痛みを感じるのか顔を歪めてもがれた箇所を片腕で抑える。

 

「フフフッ! ガラクタも痛みを感じるのかぁ? フハッ!」

 

ブロリーは何がおかしいのか玩具を壊して面白い子供のように13号の腕を13号に振り下ろす。

 

「グァ!?」

 

「それじゃぁ、不格好だからな。もう片方も抜いてやる。」

 

「!? ヌァグァァァァァッ!!」

 

13号は怒りを滲ませた怒号を上げてブロリーに襲い掛かる。13号の渾身のパンチとキックが炸裂するが、

 

「なんなんだァ? 今のはァ?」

 

「ナァ!?」

 

ブロリーの剛筋肉に傷一つ作れるはずもなく、音だけが虚しく響くだけ。腕力じゃ敵わないと思ったのか、今度はエネルギー弾を連続でブロリーに撃ち当てる。

 

しかし、何度うち当ててもブロリーにとって煙を上げるだけの豆鉄砲である。

 

「もう、終わりかぁ?」

 

「ヴッ!?」

 

13号は本当の恐怖を感じる。身を焦がすような殺気に、押し潰される程の狂気に.......

 

「ウァァァァアアアッ!!」

 

13号は上空に飛び立ち、全エネルギーを解放する。そして、全てのエネルギーが凝縮し1つのエネルギー弾が完成する。禍々しい光を放ち、そのエネルギーには一瞬で地球を消す力が宿っている。

 

「フハハハッ! クズがァ…その程度のパワーで俺を倒せると思っているのか?」

 

「ウォォアアアアッ!!」

 

フルパワーSSデッドリーボンバー

 

13号は全エネルギーを込めた禍々しいエネルギー弾をブロリーに撃ち放つ。それに対してブロリーはそのエネルギー弾に自ら突撃する。13号の腕を縦にするように突き出してエネルギー弾を受け止める。当然、13号の腕は秒もかからずに消し飛ぶ。

 

「ウハハハハハッ!!」

 

勝ちを確信したのか13号は高笑いをしだす。しかし、次に笑い声が聞こえたのは13号ではなく気弾の向こう側からだった。

 

「フハハハッ!」

 

なんと、ブロリーは13号の気弾をバリアで防ぐどころか生身で突き破ってきた。

 

「所詮、クズはクズなのだ!」

 

「グッ.......ウォォォオオオ!!」

 

目の前の化け物に自暴自棄になったのか13号は捨て身の特攻をする。しかし、先程の攻撃で本当にエネルギーを使い果たした13号のタックルはただの転生装置大型トラックに等しい。容易く片手で受け止めたブロリーはもう片方の手に気を高める。

 

「無駄な事を…今楽にしてやる!」

 

ブロリーは気合砲で空中に吹き飛ばし、気を一気に解放する。

 

イレイザーキャノン!!

 

解き放たれた気の暴力が13号に襲い掛かり、そのまま天高くまで打ち上げる。

 

「ウァァアア…ァ…ァ…ッ」

 

 

デデーン

 

 

果てさて、この先どうなります事やら

 

 

 

 

 

 

「どうにもなんねーよ!」

 

「…急にどうしたんですか先輩」

 

 




男の情事をしようとしたらスマホが落ちました。


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