災厄招くは狂乱せし不滅の月 (時空の旅人)
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プロローグ的な第一話
とりあえずしばらく小説タイトル詐欺になるかもしれないです。とりあえず『月』だけ回収。
ふと目が覚めた。
「久しぶりのお客さんかな?」
ドーナツ場の黒い地面に泡立つ血の池と私作のボス空間が視界に入る。
危険が迫るか此処に誰かが来るかでしか目覚めない私が起きたのだが、脳内アラートが響いてないので後者だろう……たぶん。
1箇所にしかない扉が開き、中に入ってきたのは如何にも勇者な装備の男に女魔法使い、女戦士、女僧侶と言った感じなメンバーだ。ハーレムじゃないですかやだー。
「不気味な空間ですね…」
「邪神は何処に…」
誰が邪神か、せめて厄神にしなさい。根本的に駄目なのには変わらないけど気分的な問題だよ?
とりあえずボスを待ってるようなので中央の血の池から出るように指示を出す。
それを受信した
「こいつが…」
「なんと禍々しい…」
そうかな?巨大で赤い皮膚、メリハリのない女性の上半身(私ベース)、そこから所狭しと出ている、もがいたような形の人間の腕と苦悶の表情を浮かべた顔の装飾。ハガレンのエンヴィー(デカブツ版)モチーフだっけ?それともぷその禍津だったかな?とりあえず一度置いておいて、それの顔は凹凸がないかわりに、目と口の部分が埴輪のような空洞になっている。なお覗き込んだら一般人だと死ぬ模様。私も見てみたけど奥が見えないんだよね、引きずりこまれるような真っ暗闇で。
次にその下、下腹部のあたりに2色の絵の具を混ぜたけど一向に混ざらずに縦縞模様になったような赤と紫の球体。そこにも埴輪よろしく3つの円でできた目と口がついていて、ボーッと勇者達を見ている。
いつぞや
「うっ…」
あ、僧侶ちゃんの気分が悪くなってる。そんなに駄目?まだSAN値削るような構造じゃないだけマシじゃない?ぬるてかな触手とか蠢く肉壁とか。まあ第二形態で触手入るんですけどね、と思わずニチャァと笑う私。
えーっと……あ、そうそう。2色ボールちゃんの下にはわかる人にはわかるけどわからない人はググってね?なスカルリーパーさんがついてます。ソードでアートなオンラインゲームのボスエネミー。
口頭で説明しようとしたら……ぬらりひょんみたいな後頭部長めかつ眼孔が4つの頭蓋骨にその下、脊椎から上が人間構造の骨…あ、手の部分が鎌になってるからそこは人じゃないね。がついている。その下は延々と脊椎が続いていて、側面からは百足の脚よろしく骨が足として機能、先までいくと針のような尻尾になっている。本来なら。
こいつの場合はその尻尾部分がボールちゃんを囲っている黒い骨に繋がっていて、その上宙に浮いているせいか足も地についてなかったりする。そもそも真下血の池だから、歩けるわけないんですけどね。
カタカタとリーパーくんが勇者達を見据え(目の代わりに赤い光があるだけだけど)、勇者達が構え(偽装ボスだから茶番なんだよねこれ)、上半身とボールちゃんはそれを他人事のように眺め、いざ戦闘開始!の前にだ。
「
「自分で用意すれば?
「本体なのに断られた、なんでさ」
ボス空間の天井、あっちからは真っ暗だけどこっちからは普通に見える待機場所で観戦準備をするが、分体が言うことを聞いてくれません。解せぬ。
・眷属情報
>名前:The Month of disaster
>容姿:エンヴィー(鋼の錬金術師)の恐竜みたいなフォルムの顔や手が生えてる特徴を持った女性の上半身と埴輪(動物の森)顔、その下にソウル・オブ・ニル(星のカービィ)と回りに黒い肋骨、そこから尻尾側がニルに合体しているスカルリーパー(ソードアート・オンライン)のキメラみたいな姿
>能力
:リスポーン並びに再生(リーパー部分と腕のみ。リーパー部分は倒してから3分、腕は5分。このボスを討伐するまで残機無限)
:精神汚染(ニル部分のみ、精神系耐性で防御可能)
:確率即死、発狂(埴輪顔の空洞部分を覗いた時)
:肉体保存(顔、胴体、ニル部分。どれだけ火力を出しても形が残るため即死しない)
>強さ
リーパー部分の攻撃性こそ高いものの上半身はたまに手で押し潰す、ニルは10分に一度程度の頻度でビームを撃つ以外では汚染のみ。という見た目に反して凄く弱い。
特に遠距離がビームしかないので入り口から遠距離でリーパーと上半身は何も出来ない。第二形態から本番。
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茶番観賞な第二話
結局
あ、リーパーくんがやられた。弱い…圧倒的に弱い。いや、勇者と女戦士のごり押しに勝てなかっただけかな?おおリーパーよ、死んでしまうとは情けない。
「一気に叩くぞ!」
あ、ボールちゃんが攻撃されてる。本人……人?は相変わらずボーッと眺めてるし上は上で後衛を狙おうとして腕が届いてないし…AI調整ミスったかな。
「中の
「アンタもその分体でしょうに」
「
「なるほって何ディスってんの?私本体、分体消せる。OK?」
下は一方的で面白くないからかつい隣のこれに怒りが沸く。なお本人は何処吹く風の如くスルーである。実際やったら
あ、リーパーくんが復活した。驚いてる驚いてる。
ん?勇者達が下がって…あ、ちょ、リーパーくん届かないのに鎌振らない。上も無駄に腕振らない。うわぁ、僧侶ちゃんが良い笑顔浮かべてる~。勇者も剣を一度戻して手のひらを向けて……魔法ぶっぱでリーパーくんがぼろぼろに…
「……魔王より弱くないか?」
「そう…ですよね」
「見た目だけ」
「そうと決まれば作業になるなー」
あぁ、今度アプデしないと…隣は爆笑、1カメから4カメも声を抑えて笑っていて私の気分を害して楽しいのか、お前らぁぁぁ!
『今さらでしょ』
ひどっ…
~1時間経過~
戦闘能力では問題なくても体力・精神は疲労するようで、何かしらの薬で回復はしているようだけど一部飲みすぎで苦しそうだ。特に魔法使いちゃんが。
「うっ…まだ倒れないんですか…」
若干ボテ腹気味で涙目な彼女をお持ち帰りしたい気分ではあるが、そろそろ倒されそうなんだよねー。ボールちゃん。押せば落ちそう。
次に疲労してるのが意外にも勇者というか、漸く精神汚染が女戦士に効いてそれを止めるのに体力を使ったようだ。まあ全力とはほど遠い力でしか暴れないので同等以上の能力があれば止めるのも簡単なわけで…
僧侶ちゃんは余力を残して警戒してます。こういう人がいると厄介だよね。それに精神耐性上げられてもう汚染入らないと思うし。
「これで…落ちろぉぉぉ!」
必☆殺ブレイブソード、ボールちゃんは力つきた。
上半身はその体表の装飾のようにもがき苦しんで消えていき、ボールちゃんは血の池に落下していった。
今までになかった
僧侶ちゃん以外は気を抜いているけど、止められるかな?どうかなー?
「これd「ボコボコ…」……おい、まさか…」
何やってんのさ、そこは不意討ちでしょ?今から出ますよー、って教えてどうするの?馬鹿なの?阿呆なの?
「だから私達は「わかったから黙って」」
認めるのやだなー。こんなのってないよ、あんまりだよー(棒)。
で、まあ下に視点を戻しまして。泡は少しずつ水…というか血柱に変化していき、飛び出しましたは私と同じ美少女ボディに埴輪顔を張り付けたパチモンのようなもの。服の代わりに眼孔や口、各部関節からびちびちと飛び出している触手があちこちを隠している。
これ触手ガードなかったらセクハラじゃないの?えぇっ?
そんなことを考えている間に触手ちゃんが魔法使いちゃん目掛けて全力前進☆DA!とはならずすかさず立ち上がった勇者に妨害されました。駄目やん。
「ひっ…」
「あっぶねぇな…」
「キィィィヤヒャッヒャ!」
「ちょっと何言ってるかわかりません」
「わかったら可笑しいだろ…」
僧侶ちゃんちょっと余裕ありすぎませんかね?と私達会議を行いながらも状況に変化無しである。やっぱり見た目ばかり意識してスペック酷すぎたかなぁ…
ていうか触手も触手でびちびちとなっているだけでまともに機能してないんですけど……誰?触手のAI半端で済ませたの?……私か。
「!?きゃっ!!」
ん?お?おおっ?どうやら止められたのはわざとなようで、血の池経由で触手を伸ばして魔法使いちゃんを絡め取ったようだ。すぐさま両手両足を縛り、自身の近くに引き寄せ口に触手を突っ込む姿はアブノーマル以外の何でもないよね。まあ魔法防ぐのに詠唱させないのはわかるけども……けども、ローブの中漁る意味ないよね?服の中漁る意味ないよね?ちょっとそこ変われエロ触手ぅ!
『……』
「うわ、
何で分体作ると性癖が作用されてなかったり理解されないんだろ……いいじゃんガールズラブとか爛れた同性愛、経験ないけどさ。
とか思ってる間に復活した女戦士が魔法使いちゃんを救出してました。触手、お前はいいやつだったよ……だから○ね。
その想いが届いたのか、顔を赤くしてお怒りの魔法使いちゃんが情け容赦なく触手を消し飛ばしました。いやー、ボスってなんだっけ…裏ボスのはずなのにこの難易度。笑いが止まんなーい(棒)。
とりあえず手元に押しボタンを用意します。回線繋がっているか確認します。それではポチっと。
「な、なんだ?」
「まさか崩落するんじゃ…」
「扉も開いてる…いや、でも…」
「潰される前に脱出するぞ!」
ギミックが発動して部屋全体が振動し、壁に張り付けたり天井…でいっか。に張り付けたりしていた岩や装飾がどんどん落ちていく。ボスが倒れたら部屋が消える。ゲームでもあると思います。いや、ないかなぁ…
唯一僧侶ちゃんが納得してないようだけど勇者に連れられ、この空間から出ていった。出ていってしまった。
「はいみんなお疲れー」
『お疲れー』
もう一度ボタンを押しギミックを停止させ、片付けに入る私達。
1日もしない内に
結局、暇潰し用の分体を量産する事しかできなかった私であった。
・眷属情報
>名前:The Month of frenzy
>容姿:ミクツインテール(ボーカロイド)に埴輪顔、眼孔や口、関節から触手の少女(128cm)
>能力
:再生(触手のみ)
:寄生(5分ほど時間がかかる)
>強さ
一般人レベルで見れば強いけど冒険者とかだと雑魚レベルのボス第二形態。本領発揮は寄生して体を奪うなどしてからになるので、それまでに倒せば楽という見た目だけちょっとグロいエロ系眷属。出番はもうないだろう。
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下準備の第三話(IS)
「そうだ、何処かでオリ主にちょっかいかけてこよう」
『は?』
分体の中でも自由班の私は、忙しそうに眷属の事や複数世界の情報を整理している情報班の前でそう呟いた。
案の定殺意や敵意の籠った目を向けられるが、気にしないのが吉だ。
今さらになるけど、分体というのは私達の持つ異能の一部でもって創られたそこそこ
我ながら私自身の持つ《創造》の万能さと特典である《模倣》の便利さには呆れるね。特典と言っても転生じゃなくて拉致のお詫びだけど。もしお兄ちゃんが転生してたら同じ能力が良いって伝えたら予想以上のチートが貰えたというね。これにはペド神も予想できなかったようであっさり去勢させてもらいました。ざまぁ。そもそも能力与えようと思った理由が今でもわからないよ。
「じゃあいってくるー。楽しめたら喋りに来るねー」
『来なくていい』
遠慮しなくていいのになー。
やって来ました、オリ主が確認できたインフィニット・ストラトスの世界。機体はガンダム系っぽいね、オリジナルとガンダム系の敵機体のどっちにしようかな。作る機体は。
同じ自由班に声をかけて、一部には資材班にお願いしにいってもらって作戦会議といこうか。以下会議の風景を一部抜粋。
「どうちょっかいかける?無人機?有人機?」
「無人機量産して自爆特攻」
「ガガでいいじゃん」
「暴走班を唆して送りつけるとか」
「いいね」
「相手の機体に合わせる?」
「暴走班に原作再現みたいなの気にしたら駄目だし、オリジナルでいいんじゃない?」
「いっそのこと自由班からも1人出そっか」
「いいね」
「能力と武装どうしよ」
「可愛い女の子多いんだし趣味全開で」
「いい「さっきからいいねしか言ってない馬鹿はお前かぁぁぁ!」ペンチやmぎぃやぁぁぁ!?」
「……じゃあそこら辺は作りながらで」
「おk」
こんな感じである。
なおいいねの私はその後、コンテナに詰められその上からペンチでスプラッタにされてました。合掌。
3秒ほど記憶に残し、自由班総勢9人で作業を始める。別のIS世界で
>名前:
>容姿
:初音ミクと同じツインテール(黒髪)
:美少女と美幼女の間のような顔と体型(メリハリ無し128cm)
>服装
:基本的にはデニムパンツ、ミニスカも穿くがスパッツ着用。時折ブカブカ袖のゴスロリ服
>能力
・遺伝
《創造》(無から有を生む)
派生:寿命無限
《虚無》(有を無に帰す)
派生:即死・状態異常・弱体化無効
《瞬神》(速度上限撤去、同世界内最速{例:光の速度で動く相手がスローに見え、動ける})※固有能力の方に頼りすぎて使わないが持ってる程度
・特典
《模倣》(技・能力・法術・武器・生物問わずそれらを知った場合に再現や召喚が可能になる。生物や武器に関しては契約や主従関係も問題ない。ただし技や法術は再現しかできないためかいじろうとすると失敗することが多々ある)
・固有
《瑠奈》(模倣で得た中でも相性のいい闇、影、血、不死や不滅、月、状態異常系の能力を最適化したもの。模倣不可のものとして十全に扱える)
《狂乱》(自他問わずありとあらゆるものを狂わし乱す。概念や時間、生命力といったものにも影響を及ぼすために危険な能力。強弱は使い分けれるがon/offは切り替えられない)
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襲撃してみた第四話(IS)
昨日空いてしまったので文字数はさておきキリのいいところで投稿です。
自由班から4人と暴走班から
オリジナル……と思って作ってた機体は結果的に元ネタのある改造機体となってます。見た目的には
今現在も、操縦者たる幼女の
海面を歩いてるように見えるのは、
それはさておき、腹部は
そして歩行用だけの足ではないのがこの《変異錆朱》で、何と象の足のように先が広くなっている足の先の中央は大砲となっている。ここからプラズマガンを撃ったりエネルギーネットを撃ったり、エネルギーワイヤー付きエネルギーネットを撃ったりって結局捕縛用。これはひどい。
更に捕まえて引き寄せた相手を掴むための3本クローが内蔵。そしてそしてってそろそろ着きそうだ。残り2つだったかな?機能は。それの説明は使っていたらにしよう。IS学園側には襲撃がバレてるし。何故かって?それはだね。
「わーいわーい♪」
はしゃぐ幼女のは置いておいて。この《変異錆朱》、頭胸部で2m、腹部4m、足にいたっては長さを統一して関節を減らしていても、頭胸部と繋ぐ第一の関節、腿部分最短4m最長16m、第二の関節(膝)が入って脛分体は腿部分と同じ、足の先が3mかつ先ほど言ったように象の足のように広がって先はなんと太さ1m。踏む潰せば強そう。とまあこんな最長35mに届く最早ISの要素がその機能だけなこれは凄く目立つ。
ほら、こっちに向かって専用機持ち達が飛んできている。
さて、ちょっかい開始だね。
例の3機の内の1機、フラッグの私は声を変えMA形態に変形(その際やばそうな音と「いったぁ…!?」と聞こえたのは幻聴です)し加速して、例のオリ主君に「会いたかった、会いたかったぞ!ガンダム!」と言って突撃しました。
「グラハム!?何で!?」と動揺してる間に「抱き締めたいな、ガンダム!」と再度変形、MS形態に戻りタックルしそのまま拉致った。
水色髪の眼鏡ちゃんが慌ててそちらを追おうとするが3機の内の1機、ブレイヴの私が妨害。最後の1機、スサノオの私は織斑一夏の前でその手のブレードを向けている。
「この私、
『ぶはっ!!』
当人除く自由班、吹き出す。キャラ名そのまま使えばいいのに何で混ぜるのさ。ほら、せっかくオリ主君を分断したフラッグの私が専用機だろう黒い獅子がモチーフの機体、バンシィ・ノルンに蹴り落とされた。ブレイヴの私もむざむざ《山嵐》というマルチロックオンミサイル撃たれてるし。無事というか変化ないの幼女のだけじゃん。てか一期ヒロインズ+シスコンが相手のはずなんだけどあの子、やっぱり暴走班は怖いなぁ……あ、ブレイヴのが妹ちゃんをヒロインズの方に無理矢理合流させてきた。さてさて、私は大人しく観戦しますか。
・分体の班分け
大まかにわけて粛清班、護衛班、情報班、資材班、戦闘班、研究班、自由班、そして暴走班。また暴走班は暴走の仕方や見た目によってタイプが分けられてます。それはまた次回の後書きで
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暴走しました第五話(IS)
「」が個人、『』が複数、《》は機体や能力名、〈〉が武装名、()が思考や(無駄な)捕捉、かっこの使い分けって大変で忘れそう…
この世界でオリ主の立ち位置にいる
残り1人の分体は光学迷彩を使用することで姿を消して観戦していた。オリ主のところはちょっかい、一夏のところは足止めなのでヒロインズと幼女ののところに集中している。
「るなとあそぼう!」
「こんな小さな子供を…!」
《
それに合わせてセシリア・オルコットの専用機《ブルー・ティアーズ》の武装〈スターライトmk-Ⅲ〉と第三世代兵装〈ブルー・ティアーズ(機体名と同じで紛らわしいが、そもそも機体名の由来がこちららしい)〉のビットからレーザーが放たれるが足の一部を伸ばしたり縮めたり、まともに当たらせてはもらえない。
「何なんですの、あの動きは…」
「ふむ、幼いながらあれほどの動きを見せるとは。ぜひ黒兎隊に入ってもらいたいものだが…」
呆れるセシリアの隣で冷静に動きを観察するラウラ・ボーデヴィッヒ。
正面で避けていた箒と入れ替わるように
「何であんなぽんぽんと衝撃砲避けれるのよ…」
「僕だって一度も有効打与えれなかったよ…」
「だが攻撃に関しては素人そのものだ、回避は本能的に避けられてもそちらはどうにもならん」
「お姉さん達とも遊びましょう?」「はーい!」と戦闘中にも関わらず和むやり取りを尻目に対策や攻略法を議論する。
時たま隙を見せたとラウラの専用機《シュバルツァ・レーゲン》の大口径リボルバーカノンが火を噴くがやはりこれもすんなりと避けられる始末。
「ハイパーセンサーではなく本人の勘だろうな。撃つ前に動いていたぞ?」
「勘だけで避けられるのは納得がいきませんわ!」
「私の〈
いつの間に交代したのか、楯無と簪が合流し代わりにラウラ、シャルロット、箒が向かっていった。ラウラに関しては恐らくレーゲンの第三世代兵装〈
なお簪は観察6割:心配4割で悠真の方の戦闘を見ている。わずかに目を向けた一夏の方は観察10割である。ただ、心配が観察よりも多くないのには理由があり…
「……やっぱりゲームとアニメで見せた動きは淀みないけど、それ以外だと素人…」
…ということである。
自由班として大して戦闘もしない彼女ら分体達は、《模倣》によってできる達人的な動きと素人の動きが混じったちぐはぐな存在である。
特撮やヒーローもの以外にもガンダムのようなロボットものも見ている彼女ならではの目線だ。
そしてそれを越えるガチのガンダムオタクな悠真は現在、動きを完全に見切りフラッグのをフルボッコにしていた。
そこまで確認した簪は視線を幼女のに戻し、自分も話に加わる。
「…悠真の方は圧倒し始めてた」
「あら。それなら終わったら合流してもらいましょ、一夏君のところは決闘みたいだし」
「ぶー。あたらなーい、つまらなーい」
こちらはこちらで足が当たらず機嫌が急降下してきた幼女のが、何をしでかすかわからず警戒を解くことができない。その場でしばらく地団駄のようにじたばたしていると思えば急停止。にぱーっと言う表現が合う気の抜けそうな笑顔をした彼女が次に取った行動は…
「まきちらせー!」
…エネルギーネットの乱射である。それも錆朱の頭胸部にて
幸い海上なので壁に張り付きトラップに、ということにはならないがいかんせんぐるぐると回る足を避け、突撃してきた頭胸部と腹部を避け、飛んで来るエネルギーネット全てを避ける等という行動を全員取れるはずがなく。
「くっ…!」
専用機こそ持っているが最もISの操作に慣れていない箒にネットが付着。それを敏感に感じ取った幼女のが回転を止めエネルギーワイヤー付きのネットを飛ばし、ワイヤーを切られる前に素早く巻き取りその足に引き寄せ、アームで掴むはずが間違えてそのまま殴ってしまった。
強大なパワーアシスト+巻き取りの勢い+大質量の足による一撃で吹き飛んだ箒と紅椿は粘着性のあるエネルギーワイヤーがゴムのように伸び、再び足に引き寄せられ今度こそアームで掴まれ、捕まる。
「……あは、あはははははハハハ!」
『え?』
突如狂ったように笑う幼女のに、捕まっている箒を含むヒロインズが困惑する。
なおこの時その他分体達に関しては『え"っ』と嫌な予感が過っていた。
「るなはオモチャデあそブ!こわレルマデあそブノ!」
まるで水ヨーヨーのように紅椿を殴り引き寄せ殴り引き寄せとしていく狂った幼女の。そんな
「オにんぎょう!もッテかえル!」
そして幼女のに目をつけられるラウラ。ちょっかいから始まった戦闘は混沌としてまだ続く…
・暴走班について
タイプや見た目によって呼び方や危険度が異なり、酷いものでは暴走班だと発覚次第即座に粛清である(主にマッド)。また、タイプ別に暴走条件があったり同タイプでも暴走条件が全く違ったりとはた迷惑。
異形タイプ(常時暴走型)、幼女タイプ(通常時思考力の弱い条件暴走型)、マッドタイプ(眷属量産放置型)、戦闘狂タイプ、大罪タイプ(正義を含めた計8人のみ)が主な分け方で、粛清優先度や個体危険度が下記のようになる。
・粛清優先度
マッド>異形>幼女>戦闘狂>大罪
・本人危険度
異形>大罪>幼女>戦闘狂>>>>>>>>マッド
戦闘狂が優先度・危険度どちらも低いのは殺しはしない(闘えなくなるから)、邪魔はしない(相手に優先すべき事があれば譲る、心置無く闘えるように)、現在強い又は未来に強くなるものにしか挑まないため。
大罪の優先度が低いのはそもそも数が少ないのに加え、それぞれの暴走条件さえ突かなければ普通に接することができるため。ただし怠惰に至ってはそもそも人目につかないので危険度も優先度もなかったりする。
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終戦しました第六話(IS)
皆さんゴールデンウィークはどう過ごされましたか?自分はひたすらだらけて、だらけて、時たまゲーセンにいった9連休でした。投稿が送れた理由としては執筆もだらけてやってませんでした(
「未来への水先案内人は…このルナハぁぁぁ!?」
「武士道とは死ぬこととぉぉ!?」
「アハハハハハハ!」
「……なにやってんの、あの阿呆共」
ブレイヴとスサノオの
後ろを見るとIS学園組が私を警戒してるし、前に視線を戻すと《
「さてさて。あの子が暴走しちゃったので私達はあれを止めるけど、邪魔しないでもらえるとありがたいかなぁなんて。むしろ手伝ってほしいと思っておりまする」
「…さっきまでは変声器でも使っていたのか」
「Yes!その通りでございまーす。とりあえず協力してもらえるなら情報送るよ?あの子の狙いはラウちゃんだけどどうする?」
「貴様にそう呼ばれる筋合いはない」
銀髪兎ちゃんに拒絶されorz状態になるが、まあいつもの事かとすぐに立ち直る。にへらと笑うがフルフェイスなので見られることもなく、そのせいで気味悪がられも注意されもしなくて少し残念である。
「因みにあの機体、接触してるだけでエネルギー奪うから決めるなら早めにね☆」
「…っわかった。協力するよ」
「モッピーも聞こえたー?《絢爛舞踏》は使わないでねー?」
「誰がモッピーだ!!」
とりあえず了承は貰えたのでコアネットワークに割り込んでデータを送信する。それを見た面々は呆れたり(酷すぎて)絶句したりしてる。実際武装を並べると…
・近接用装甲足×8(エネルギー砲内蔵)
・腹部エネルギーネット砲×2
・頭胸部内蔵パイルバンカー〈ポイズンファング〉×2“New”
・接触型エネルギー吸収機能〈アブソーバ〉“New”
…こんな感じである。いや、ほんと、エネルギー砲もほとんどエネルギーネットしか撃たないので、火力があるのがパイルバンカーだけというこの歪な機体でよくもここまで戦えるなぁと。時たま飛んで来るネットを処理しつつ準備ができたであろう学園組に顔を向ける(見えないけど)。
「最優先は救助で、隙が出来たら隠れてるもう1人が破壊するからそのつもりで」
「まだ仲間がいたんだね…」
元男装金髪女子が呆れてるが普通じゃない?
「伏兵は常識じゃないかね?シャルル君や」
「僕はシャルロット!」
「とりあえずおりむーも零落白夜で狙えたらよろー」
「お、おう」
ふはは!おちょくると面白いねやっぱり。後はオリ主君にもこれ渡しとこう。
「はいこれ」
「おい。どうやってこれを」
「マグナムで弾幕よろしくねー」
「……大丈夫なのか、本当に」
ビームマグナムのカートリッジを持てるだけその場で
そして学園組も混じった幼女のの鎮圧戦(ここだけ聞いたら大問題だね)は剣道ポニテ娘を救出し、代わりにスサノオのが捕まえられるところまで進んだ。
足1本につき1人を狙っても捕まっていた掃除用具ちゃんを除くヒロインズ6人、オリ主君、私達3人の計10人で攻撃していたからか、唐変木君がフリーとなり足を切り飛ばして有利になっていった。助けた時には足が5本になっており、手数が減って近づけたスサノオのが成し遂げたのだ。
『やっちまえ!ルナァ!!』
3人揃って待機してた1人を呼ぶ。まだ捕まってるのにだのなんだの学園組が五月蝿いが遠ざけて、気にしないでおこう。
「バルバドスじゃないんだけど?」
そうぼやきつつ光学迷彩を切って現れるのは、黒がメインカラーに一部青く光る装甲、手や関節が黄色い極限の名を関するボス機体が4機(内3機は分身)。それぞれの背中からは紫色の蝶を模した光の羽根が生え、輝いている。それはとあるシステムのデータを元に作った〈希望蝶〉。《変異錆朱》にぶつけるとシールドエネルギーを消し飛ばしていき装甲を砂のように分解し、訳がわからないといった顔の幼女のだけが残った(なお巻き込まれたスサノオのも分体だけを残して機体は塵とかした)。
幼女のを回収し、後は任せたと消える分体を見送り機体無しを回収していた私達は首を傾げていたが、学園から来た何かに悪寒を感じ恐る恐る振り向いた先には…
「貴様らには聞きたいことがある。抵抗はするなよ?」
『イエス、マム!』
捕まった分体達3人はしばらくIS学園で厄介になるのだが、これはまた別の話。
・他作品機体紹介
《
ゲーム『
《フラッグ》《スサノオ》《ブレイヴ》
『機動戦士ガンダムOO』『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』よりグラハム・エーカー(スサノオの時はミスター・ブシドーと名乗って仮面をつけていた)の機体からGNフラッグ、スサノオ、ブレイヴ指揮官用試験機。劇場版で死んだと思われたグラハムが生きていたのでネタとしてこの3機を入れたが、マキオンでもあまり使わずアニメを見たのもいつだったかというレベルなので武装は特に覚えてない。
《バンシィ・ノルン》
『機動戦士ガンダムUC』よりバンシィを改修した機体。マキオンでは撃ちきり手動リロードのビームマグナムやビームマグナムからキャンセルで出せるリボルビング・ランチャーで落ちながら射撃したり、特殊移動で距離を詰めたり離したり、発生が早い特殊格闘で盾を刺したりできる射撃寄り万能機。S覚の暴力は本当に嫌いです。
《エクストリームガンダムMk-Ⅱ
漫画『ガンダムEXA VS』よりマキオンにも出演しているラスボス機体。漫画では分身、瞬間移動、人工物を砂状に分解する希望蝶に加え既存の機体を上回るスペックを持つ。マキオンではボスなのに覚醒までは一部行動を除きスーパーアーマーが抜けてたり、希望蝶の間は行動をキャンセルできなかったりと少々残念なところがある。その代わり発生から発射した弾も早い射撃があったり、範囲の無駄に広い横薙ぎがあったりと作者は未だにブランチコース一番下のAXEを倒せてません。
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眷属製作の第七話
なんとなく思い出したものをぶちこんでいくスタイル。いつもの。
我々研究班は情報班以外の班と比べると忙しい。どのような眷属にするか思案し、実際に眷属を生み出してみて実験(
私は粛清や殺戮に関する眷属を担当しているが、実のところそういうのは既存の作品の生物を送るだけで十分だったりする。特に殺戮という点においては居るだけで周囲を殺すような毒を撒き散らす生物や、動けば星が危ないような化け物等探せば沢山いると思う……たぶん。
そういうわけで粛清用眷属の製作が主な仕事だ。今までも、その分体が復活できないように分体の魂を刈り取る死神タイプの
とは言え、魂喰らいは独特の雰囲気を持つらしく気配察知ができる相手には返り討ちにあい、魔眼蛇は射程が数メートル程度と貫通能力の代わりにそこが犠牲になっているため遠距離から潰されてしまう。
封印に特化した聖職者型の人形は封印が完了する前にがらくたにされた。
ドラゴンのような大きく能力もある生物でも、そもそも正面から戦うと暴走班の個体の方が上だったりする。その上目立つためその世界の住人には迷惑をかけた。
ドッペルゲンガーのような模倣能力を持った眷属をぶつけたりもしてみたが、現状では完敗である。何故だ。
「必要なのは何かしらの隠密能力と再生を妨害するか魂に干渉できる能力」
魂を抜けば始末できるのは間違いないが、再生能力が厄介なのが問題だ。
再生能力が低いものでも腕や足さえ残っていれば再生するし、本体に近いものは血溜まりや指1本、髪の毛の束から再生する。まあ本体が血の1滴、皮膚片1つ、髪の毛1本からフレーム単位で復活するのに対して、数十秒かかるだけましなのだろう。黒光りするG並にしぶといのは変わらないが。
とりあえず既存作品のとある生物は不死者を好んで襲い、長く味わうために数十年かけて消化するという。そういう部分は積極的に入れていくべき……なのだろうか。数十年あれば腕が消化されるより先に体を始末され、腕からまた再生されるなんて事もあり得る。
では魂に干渉できる方を作ろうとすると、今度は深刻な基礎ステータス不足が発生する。例が魂喰らいだ。
あれは鎌さえ当てれば分体を殺せるが、逆に言えば鎌以外が雑魚である。姿を消して近づくこそすれ、気配駄々漏れでやられる。なのでそういった干渉能力はオマケ程度、器である体を壊してから使えるようなレベルにしよう。
そして隠密能力は基礎ステータスや干渉能力に応じて変化する。強くしすぎると気配が強まるか、体が大きくなるかするのでバランスを考えなければならない。難しいものだ。
「とりあえず試作品がこちら」
肘から先が地面から生えた右腕さんである。地面ないし壁からしか生えられず、移動速度もせいぜい歩く速度、耐久値は低くその上悪霊タイプなので塩でやられる。……もろパクリである。でも実際この右腕さん、メリット部分はかなり強い。
まず悪霊、すなわち霊なのでそういう眼がないと見えない。魂喰らいは実を言うと霊系にしてなかったので姿隠しは後付けなのだ。
次にその力は掴んだものを離さず透過して引き込み、そして地面や壁の内で残さず食べるように作られてるので肉体の再生を封じられる。肉体を食べた後のとどめとして魂に干渉してそちらも貪る。
そして何と群れで作れる。構造が簡単だからこその生産性だ。弱点を多くしたから気配が強いということもない。
「そして試作改良型がこちら」
2mの塊から無数の腕が生え、さらにその腕からも無数の腕、さらにさらにと腕がひたすら固まってできた4mほどのゴーストボール、左腕さんである。
こいつはひたすら転がり、接触した分体を引き込み、ボール内部でそのまま食らうという移動速度を高めたものである。塊は右腕さんを圧縮してできたものなのでこれも霊系に入り、眼がないと見えないのは変わらない。
ただ、右腕さんの群れよりも多い数の左腕の塊なせいか、1本あたりの腕の食事量が少なくなり足りないらしい。空腹で我々研究班に食いついて来なければいいのだが…
「とりあえず実験しようか」
そういえば、だ。私は誰に向かって説明していたのだろうか。
その分体の実験は大まか上手くいったように思われたのだが腕達の空腹は予想よりも大きく、脱走した腕がちらほらと出ては暴走班以外の……それこそ現地民を襲い、見事に暴走班の仲間入りを果たすこととなるのはしばらく先の話。
・腕
『
花弁のような小さなものなら握るだけで消滅し、そこそこ大きなものが入ったレジ袋は地面に引き摺り込んでから「ぐちゅ…ごりっ…ぐちゃ…」という感じで喰われて(?)いた。
漫画では移動しなかったそれは、アニメ版では主人公を追い詰めるように動き、群れで囲み、腕が伸びてきたところで他者の介入で助けられるまでかなりアクティブな動きをしていた。
漫画版で主人公が見えなくなって良かったものが……とか言っていたが、見えずに接触し掴まれ、喰われる方がよほど怖いと思う。室内にも湧いて出る可能性もあり得るので。
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補喰しましょう第八話(GE2)
安定の不定期更新です。しばらくゴッドイーター2になります。
「これが、ブラッドアーツだ」
数体のオウガテイルと呼ばれるアラガミを、ロングという中型サイズのブレードを溜めてから一振りの技で倒した目の前の男性、ジュリウス・ヴィスコンティ隊長がそう言った。
現在、新人ゴッドイーターの俺こと神威ヒロと同期の香月ナナは黎明の亡都と呼ばれるエリアに来ており、実地訓練(という名の実戦だったけど)を受けていた。俺達ブラッドは皆少し前に見せられた『血の力』、そして『ブラッドアーツ』を持っているとのこと。その説明のために後から沸いてきたアラガミを相手に使ってくれたのだ。最後にどう伸ばしどう生かすかは俺達の意志次第という一言を頂き、帰投準備に入ろうとしたその時だった。
『緊急!!現在そちらに中型種のアラガミと、それを追う偏食場パルスを確認しました!この反応はコンゴウと……』
「恐らく『彼女』だろう。……運が良かったな、新入り達の顔見せをしてから帰投する」
『了解しました。お気を付けて』
オペレーターのフラン=フランソワ=フラ……長いからフランさんと呼ぼう。その人からの通信を受け一瞬で臨戦態勢に入ったと思った隊長は、その『彼女』とやらと判断して気を抜いた。気を付けるように言われたのに大丈夫なんですかね?
「『彼女』ってどんなアラガミなんだろうね?」
「いや、そこはゴッドイーターじゃ…」
「どちらも正しく、そしてどちらも間違いだ」
ナナが小声で聞いてきたのでそう返し、そこへ隊長からそう告げられた。いや、どっちもって……それ敵の可能性もあるんじゃ…
そうこうしている間に高台から走ってきたのは猿のような外見的特徴とパイプと呼ばれる部位を持つ中型アラガミ、コンゴウ。飛び降りてからもこちらに見向きもしないで走り出す姿は、どう見ても天敵から逃げる獲物のようだ。
「来たぞ、あれが『彼女』だ」
コンゴウが来た場所からコンゴウの数倍速く向かってくるそれは、両肩から先がアラガミのようになっており両手で二振りの神機のような何かを持ち、ツインテールに纏めた髪を靡かせ疾走する少女の姿をして『何か』だった。……うん。確かにアラガミじゃないしゴッドイーターというか人間なのかという疑問も浮かぶよね。今も何もない空中で(恐らく)空気を蹴って加速、その勢いでコンゴウの正面に回り込み、慌てて方向転換したところに両手の神機モドキを叩き込んで三枚下ろしにした。
そして沈黙したところに両方の神機モドキをプレデターフォームに変え補喰している。コアだけじゃなくその躯も残さず喰うように。
そこに気にせず近づいていくのは我らが隊長、補喰に夢中になっていた少女もすぐ傍まで寄られると気づいたようだ。
「お前は相変わらずか、久しぶりだな」
「おー、ジュリウスさんかー。久しぶりー」
先ほどまでの様子とは随分違い語尾が伸びた口調と弛んだ表情で話し出す少女は、コンゴウを追っていた『彼女』とは別人に見えた。とはいえ、今も左手の神機は補喰を繰り返しているので違和感が半端ないが…。
近寄ってみてわかるが、神機モドキを持つ少女はあまりに小さく、元ゴッドイーターだったとかには見えなかった。見た目の年齢的に。
そして一言二言何かを話していた隊長は少女の意識をこちらに向けさせた。
「紹介しよう。第二期候補生の新入りが二人だ」
「えっと、神威ヒロです」
「私はナナ、よろしくねー。あ、おでんパン食べる?」
「ヒロさんとナナさんだねー。私はルナだよー、よろしくねー。それと貰えるならぜひー」
お互いに自己紹介をし、反応に困るナナのおでんパンを喜んで受け取った『彼女』改めルナは、それをバリバリゴリゴリと美味しそうに召し上がった。串とか刺さってるし、それ以外にそんな音出るもの入ってないはずなんだけど…。ていうか今右手で受け取ったけど神機モドキは何処?それに今手に持ってるのコンゴウの一部だよね?まさかそれを、ってやっぱり普通に食べたぁぁぁ!?何なのだろうこの子、人型のアラガミだって言われたら絶対納得するんだけど!?
「アラガミも美味しいけどー、このおでんパンはもっと美味しかったー。また会った時に頂戴ー?」
「いいよー」
おでんパンを通じて仲良くなる二人、それを冷静に眺める隊長に内心ツッコミだらけの俺。
しばらくして彼女が次の獲物を探しに行き、不思議な邂逅を終えたのであった。
その後、
「…空腹ではなくて良かったな」
「あの、それってやっぱり…」
「………限界を迎えると人間も食べるらしい。もっとも、彼女の移動速度と討伐速度からその事例は未だにないが」
そういったやり取りを隊長と交わした。
なお、今後も頻繁に遭遇する事になるとは思ってなかったが、それはまた別のお話。
・オウガテイル
二足歩行、尖った下顎の牙、鬼の顔のような巨大な尾という特徴を持つ。
初代無印から2に入るまでの雑魚を担当していたアラガミ。2からはドレッドパイクやナイトホロウといった極端に脆いアラガミが出たために雑魚はこちらとなった。
頭突きみたいな噛みつき、尻尾をバネのようにして飛びかかり、尻尾から棘飛ばし、尻尾を横薙ぎといった数種の攻撃しか持たず、またモーションがわかりやすいため眺めると以外とかわいい。
・コンゴウ
面を付けたゴリラ。非常に耳が良く消音スキルや隠密集団がないとすぐに探知してくる上、アラガミの鳴き声にすら反応して索敵モードに入る鬱陶しいアラガミ。
武器が揃えば簡単に狩れるとはいえ、同種が複数だと集団戦になりやすいため注意が必要。特に独自進化したとされるハガンコンゴウと呼ばれる金ゴリラは、無駄に範囲の広い『ころがる』を使用してくるためにフルボッコにして完膚なきまでに狩りつくしてやりたいという作者の個人的見解と恨み。主な攻撃は横殴り、腕振り下ろし、ころがる、溜めからの突撃殴り、同モーションからその場で回転殴り、パイプから空気弾発射、パイプから空気弾(座標攻撃)発射、パイプから空気発射(アラガミ周辺範囲攻撃)等。
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デート()しましょう第九話(GE2)
遅くなりましたが更新。GE2なのに2要素がほとんどない話。
極東から離れた異国の地。そこでアラガミを狩っていた青年はふと何かが迫ってくるのを感じた。それは自分が知ってる気配で、自分を目標にして地響きを鳴らしながら駆けてくる。
「ユウー!!久しぶりー!」
「うわぁ…」
青年、神薙ユウの元に向かうその気配は『
そして嫌そうな表情の理由の最たるもの、それは少女が普段使う神機モドキの形はバスターなのに対し、ショートだからであった。何故ショート装備が嫌なのかというと━━
「相変わらずユウってば美味しそうねー!!」
━━対神薙ユウ専用装備なのである。ゴッドイーターとして現状人類最強のユウ相手では、ある意味最強の人型アラガミであるルナでも普段のバスターでは一方的にやられるのである。
……別にこのユウは特典を得た憑依者とかというわけでもないのであるが、ルナに狙われ撃退し時には共闘し、ということを繰り返した結果が人類どころかゴッドイーターから見ても化け物な人物となったのだ。
そんなユウを襲う時だけは彼女もショートを使わざるをえなかったのだ。
「だから喰われてあげられないって」
「えー!?私はユウが大好きなのにー!」
「食料としてでしょ?」
左右から振るわれる神機モドキを紙一重で避け、時に自分の神機で弾き、場合によっては空いている左手で剃らし、彼女の猛攻を軽く捌いていく。隙を見て近くのアラガミを彼のみが使えるようになった硬直のない補喰で噛み殺しバースト状態になり、二人は高速で移動していく。なお近くを通ったアラガミは全て処理し、彼女がバースト状態になれないようにしつつ自分は維持していく。
「ならユウが私を食べてくれてもいいよー?性的にー」
「しないって…」
「でしょー?だから私が食べるんだよー」
「物理的に?」
「色んな意味でー♪」
「…………」
捕まったら終わると思い、気合いを入れるユウ。そんな会話をしつつも二人は加速していき、もはや神機ではなく体に接触したアラガミが死んだりもしていく始末。
遠目に見ているアラガミ達は逃げ出すが、ユウはバースト維持、ルナはバースト化のために逃げるアラガミを巻き込んでいく。なおこの間も全てのアラガミはユウが倒している。
「ユウのいじわるぅ…」
「こうでもしないと余裕で対処できないからね」
結局一度たりともかすらせず、ルナが諦め神機モドキをしまったところで移動しながらの戦闘をやめる。通ってきた方を見るとそこには死屍累々とアラガミの残骸が散らばっている。
同行者がいなくて良かったと思いつつ、ここに来た目的を聞くことにした。
「それで?僕に用があっ「んっ」た……んじゃ……━━」
いつの間にやら左手を捕まれ、人差し指を甘噛みされていた。いきなりの事で思考が停止したが、幸い久しぶりの再開からの興奮が冷めたのか喰おうとする気はないようだが、これはこれで問題だらけだ。
「んんっ……ユウの味ー…いい…♪」
「━━━━じゃなくて!」
「ご、ごめんなさいぃ…」
無理やり引き剥がして正座させる。反省しているように見えるが欠片もしてないのはいつものことなのでそのまま話を促す。
「実はブラッドってところの新入りにねー、ユウの時みたいにびびっと来る子がいてねー?」
「」
…………御愁傷様、とその新入りに心の中で合掌する。ユウ自身、何かが彼女の直感に引っかかったからこそ今でも追いかけ回されている。
だが合掌と同時に新入りには感謝もしている。自分以外で積極的に襲われたというのを聞いたこともなかったので、上手く新入りが育てば彼女にかけられる負担が減るからだ。まあそれまでの間に何度襲われるかはわからないが…
「ねぇユウー?もう少し噛ませてぇ…?」
「駄目です」
「けちー!じゃあ怪我させて血舐めるからー!!」
拒否したら何故か再びやる気を出し始めた。何度も付き合うのは勘弁願いたいと思い、フラッシュグレネードを複数(彼女は1つだと怯みもしない)使用し、全力で離脱した。ルナよりも速いユウだからこそこれで逃げられるだろうが、他のゴッドイーターなら確実に数秒足らず捕まるので如何にルナが規格外で、ユウが理不尽かはわかるだろう。
「ユウの馬鹿ー!たらしー!とーうーへーんーぼーくぅぅぅ!!」
背後から響いた罵倒を聞き流そうとしたが、馬鹿以外は全く身に覚えがないので今度あった時に訂正しようとそう思ったユウであった。
余談ではあるがこのユウ、極東だけでもアリサ、カノン、リッカ等という面子に加え寄った様々な支部でも複数無意識に落としているので、そう罵倒されても仕方なかったりする。
・神薙ユウとは
原作GOD EATERにおける主人公。神を薙ぐ
・この世界においての神薙ユウ
神機はルフスカリギュラ素材のショート、スナイパー、バックラー一式。一度動けば群れが駆逐され、二度動けば大量発生が蹂躙される。こいつさえいれば他のゴッドイーターいらないんじゃね?という理不尽極まりない存在、世界最強のゴッドイーター。
ルナの影響もあるが、元々バグキャラになる要素は多々あるのでこうなった。この世界のルナからはアラガミ的な観点からは極上の餌、人間的な観点からは非常に魅力的な人物として見られているが神威ヒロの出現によりどうなるかは不明。なお、普通のアラガミからは死神のような存在と認知。
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