鬼視点のリアル鬼ごっこ (Allan)
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12月15日-3日前

こないだ部屋を漁ってたらリア鬼が出てきたので書きました。
主人公の名前は未定のまま最後まで突き通すかもしれないし、途中で決まるかもしれません。もし見てくださってる方がいてアイディアとかがあったりしたら言ってくだされば途中からまるで元からその名前であったかのように使います。いや、たぶん使うと思います。使う、かなぁ。使うかもしれない。使うんじゃないかなぁ。

不定期更新です。


〜これは、「リアル鬼ごっこ」に鬼として参加したとある男の物語〜

 

12月15日、金曜日。

俺はある国の兵士として働いている。

といっても、平和な国なので定期的に訓練をするだけだ。

それだけで給料がもらえる。おいしい仕事だ。

そんな俺の元に、一通の手紙が届いた。

「おいおい…何だよこれ…」

俺は手紙を見たとき、思わず呟いてしまった。

手紙は国から届いたもだった。そこまでは何の問題もない。

しかし、内容がおかしかった。

内容は、

 

12月18日から佐藤さんを減らすために鬼ごっこをするから鬼役になること。

拒否した者には極刑が下される。

〈身に付ける物〉

・佐藤探知ゴーグルを装着(翌日以降に配布)

・拳銃

・迷彩柄の服

 

〈仕事内容〉

・佐藤さんを捜索する。

・発見次第、警戒音を鳴らす。

・佐藤さんを捕まえる。

・収容所行きの車に乗せる。

 

〈注意点〉

・他の鬼と協力しても良し。

・一日に一人以上は捕まえなければ極刑が下される。

・一日に何人捕まえても良し。

・警戒音を鳴らさなかった場合は、佐藤さんを捕まえても無効とする。

・乗り物を使用した者は、佐藤でなくともその場で直ちに処刑する。

以上。質問は随時電話等で受け付ける。

 

といったものだった。

「12月18日…あと3日じゃねえかよ!!」

思わず声が出た。

落ち着け俺。王国がこんなブラックジョークを送りつけてくるはずがない。

つまりこれは…現実。

とりあえず仲間に連絡してみよう。

俺は特に仲が良い兵士の仲間に電話してみた。

 

俺「おい、王国から手紙届かなかったか?」

友「あぁ…届いたよ…」

俺「やっぱりか…」

俺「ありがとう、それだけだ」

 

俺は電話を切った。

その後何人かに連絡をしてみたが、やはり全員の元に手紙は届いていた。

あと3日で…要するに人殺しをしないといけないのか…

しかも一日に一人以上捕まえないと極刑…

最悪だ…

しかし、佐藤さんの方が最悪に感じるのではないか。

そうだ。追われる側に比べたら追う側の方がマシだ。

少しだけ気分が楽になった…?いや、さっきよりかは幾分かマシだ。

とりあえず、最低一人は捕まえなければいけない。

しかし、当然命がかかっているのだから佐藤さんだって逃げるに決まっている。

乗り物は使えない。ということは、必然的に徒歩ということになる。

「足を鍛えよう」

俺はそう確信した。

俺でも一応兵士なので、自宅にトレーニング器具くらいはある。

俺はランニングマシーンを起動し、訓練を始めようとした。

「これ…どうやって使うんだ?」

国から支給されたはいいものの、使い方がわからない。

結局その日は一晩中、ランニングマシーンと格闘していた。




日付あってるよね…?

あと、…が多いのは私の癖(?)です。
気にしないで。


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12月16日-2日前

いろはすのイントネーションがわからない


12月16日、土曜日

 

鳥の鳴き声が聞こえる。

俺は起きようと思い、目を開いた。

そこにはランニングマシーンがあった。

あぁ、そうか…俺は昨日、ランニングマシーンの使い方がわからないまま寝ちまったのか…

 

あれ、何でランニングマシーンなんて使おうとしたんだっけ…

 

足を鍛えようとして…

 

何で足なんて鍛えようとしたんだっけ…

 

そんな事を考えながら部屋を見回している時、ある手紙が目に入った。

「鬼」「佐藤」「収容所」

という単語が読み取れる。

 

あぁ、鬼やらないといけないんだった…

そうだった、俺は明後日から、直接的ではないにしろ人を殺さないといけないんだった…

よく考えたら、足を鍛えたところでほんの数日で効果が出るとは思えない。

今するべき事はそんなことじゃない。

俺はとりあえずテレビの電源を入れ、ニュースを確認した。

俺が毎朝見ている番組だ。

「国王が『佐藤さん』を対象とした『鬼ごっこ』を明後日より開始するとのことです」

もうそんな事発表してるのか…

テレビでは、俺が知っている情報はおろか、知らない情報までもが細々とニュースキャスターによって淡々と読み上げられていく。

こんな事を発表したら、大パニックが起こるんじゃないか…

そんな考えが俺の頭に浮かぶ。

しかし、そんな事をしたら処刑されてしまう。

いや、でもいずれは死ぬ…なら、いっその事処刑されるような事をしても…そんな思考に至ってもおかしくないはずではないか?

そんな事を考えていると、速報が入った。

「速報です。えー先程、児童養護施設に放火したとされる佐藤恭介容疑者が逮捕されました。」

 

佐藤恭介…佐藤だ。

しかも、児童養護施設に放火だと!?どんだけストレス溜まってんだよ。

いや、ストレスじゃない。鬼ごっこだ。

しばらくすると、キャスターが

「佐藤容疑者は犯行の動機を『鬼に捕まって死ぬくらいなら今処刑されたって構わない。むしゃくしゃしたからやった』と述べており…」

と言った。

やっぱりだ。

このままでは、王国は壊れてしまう。

俺はよっぽど王国に鬼ごっこをやめるよう連絡しようかと思った。

しかし、そんな事したら俺が死ぬ。

結局は自分の命が惜しい。

 

数時間後、国から招集がかかった。

ある場所に兵士たち…いや、鬼たちが集められたのだ。

そこで鬼についての説明や、担当場所が決められた。

俺の担当場所は…横浜?

自宅から遠くはないがそこまで近くもない。まあマシな方だ。

毎日国が自宅から車で送ってくれる。

なかなかの好条件だ。

鬼たちの打ち合わせが終わり、俺は横浜の街に寄ることにした。

どこに佐藤さんが逃げそうか、どこが追い込みやすいか、ある程度の土地勘を身につけておく必要がある。

できるだけ道を覚えながら街を歩いていると、青年とすれ違った。大学生くらいだろうか。

その時、何となく…本当に理由は無いのだが、彼が佐藤である気がした。

そして、彼とは今後何度か関わる気がした。




めちゃくちゃわかりやすく書きましたが、最後の青年は翼です。ぎゃあ。言っちゃった。


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