八幡のカントー地方 〜ぶらり一人旅(希望)〜 (龍@pixivでも活動中)
しおりを挟む

設定
※設定


今回は本編での主な設定を書いています。


俺ガイル×ポケモン 設定

 

○物語の舞台は<カントー>

元となるゲームはファイヤーレッド・リーフグリーン。

以後原作と記載する。

 

○ポケモンについて

 野生やトレーナー戦で出てくるポケモンは全て第一世代のポケモン。フシギダネ〜ミュウの151匹。ポケモンの生息地は作者の曖昧な記憶で出現させていきます。ファイヤーレッドとリーフグリーンのポケモンで、ヤドンやガーディ、アーボなど片方のバージョンにしか出現しなかったものをこの物語では全て出現するものとします。

 進化先や進化前が他の世代な場合、この物語には出さないものとします。例えば、クロバットやピチューなど。

 ポケモンのタイプは第七世代のものを採用。フェアリーが追加され、一部のポケモンのタイプが変化します。

 ポケモンの覚える技は第七世代のものを採用。

 技マシンは、ファイヤーレッド・リーフグリーンにあるものを使います。技マシンは使い捨てです。覚える技も第七世代準拠とさせていただきます。

 メガ進化ありません。リージョンフォルムもありません。

 アイテム(モンスターボールの種類も含め)は第一世代のものを採用します。

 

 

○ポケモン世界から登場するキャラクター

 

・はちまんの母親

 

・オーキド・ユキナリ

お馴染みオーキド博士

 

・ジムリーダー

 

・他、野良トレーナーをオリキャラとして登場させます。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

○俺ガイルからの登場するキャラクター

※キャラ崩壊あり

 

・比企谷八幡 <はちまん>

 この物語の主人公。ポケモンのゲームでの知識はウルトラサンムーンをクリアした程度。赤緑を殿堂入りまで進めたことがあるため、この物語の主軸であるファイヤーレッド・リーフグリーンのストーリーをある程度知っています。タウンマップも把握しており、どこにどんな町があるのかが分かっています。

 体は10歳に若返っています。俺ガイルの原作通り目が腐っています。アホ毛健在です。

 彼が目指すのは、通常プレイ(ぼっち旅)を楽しむことです。

 

・雪ノ下雪乃 <ゆきの>、由比ヶ浜結衣 <ゆい>、一色いろは <いろは>(<>内はポケモン世界での呼び名)

 この3人も八幡と同じ世界から来ました。ポケモンのゲームでの知識は、いろは>ゆい>ゆきの、の順でいろはが一番ポケモンに詳しいです。

 3人も10歳に若返っています。こちらの世界での八幡、雪乃、結衣、いろはの関係は4人とも近所の仲のいい遊び仲間となっていますが、その記憶は彼らの中にありません。

 この3人は基本一緒に行動していて、雪乃を先頭に元の世界に戻る方法を模索しながら冒険をしています。

 

・平塚静 <しずか>

 ポケモンの世界の住人であり、はちまんとはポケモントレーナーとして先輩後輩の関係があります。完全にポケモン世界の住民で俺ガイル方面の記憶はありません。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

※設定 2 (90話まで)

本編も中盤に差し掛かり
ゲームとは違う設定が色々出てきました
なのでそれらをまとめました


この物語の世界観をまとめています

よければ参考にして下さい

内容は本編の『90話』までのものです

 

☆地方

カントー地方

森や山、海や川がある自然豊かな地方

 

街の名前/概要

○マサラタウン

この物語の始まりの場所

主な建物

・オーキド研究所

 

主な人物

・オーキド博士

・しずか先輩

・ナナミ

 

 

○トキワシティ/トキワの森

西へ行くとポケモンリーグがある

主な建物

・ポケモンセンター

・フレンドリィショップ

・ポケモンジム

 

主な人物

・サカキ

・ウキワ

 

 

○ニビシティ/オツキミ山

石の街

主な建物

・ポケモンセンター

・フレンドリィショップ

・ポケモンジム

・博物館

 

主な人物

・タケシ

・ニン

・エリ

・ロンド

 

 

○ハナダシティ/ハナダの岬

水の街

主な建物

・ポケモンセンター

・フレンドリィショップ

・ポケモンジム

・サイクリングショップ

・マサキの家

 

主な人物

・カスミ

・マサキ

・ナァ

 

 

○クチバシティ

港街

主な建物

・ポケモンセンター

・フレンドリィショップ

・ポケモンジム

・ポケモンだいすきクラブ

・釣り堀

・サント・アンヌ号

 

主な登場人物

・マチス

・サチ

・コウタ

・ナズナ

 

 

○シオンタウン

ポケモン達が眠る町

主な建物

・ポケモンセンター

・フレンドリィショップ

・ポケモンタワー

・ポケモンハウス

 

主な人物

・フジ老人

・シオン

・ミコト

・リナ

・カナ

 

 

○ヤマブキシティ

未踏

 

主な人物

・ナツメ

・コブキ

 

 

○タマムシシティ

花の街

主な建物

・ポケモンセンター

・ポケモンジム

・タマムシデパート

・ロケットゲームコーナー

・料理屋

・カントーガールズ本部

 

主な人物

・エリカ

・レイン

・ニシキ

 

 

○セキチクシティ

未踏

 

主な人物

・キョウ

・アミー

 

 

○グレンタウン

未踏

 

主な人物

・カツラ

・フレン

 

 

———————————————

ここからはポケモンセンターなどの施設の設定です

 

☆ポケモンセンター

 

整備

・ポケモン回復

・パソコン

・ATM

・喫茶店

・バトル場

・ポケモンの遊び場

・宿泊施設

・公衆電話

 

 

☆フレンドリィショップ

 

売っている物

・回復の道具

・ボール

・飲食類

 

 

☆ポケモンジム

 

システム

・ジムリーダーに勝つとジムバッチの他に賞金とジムからの仕送り、技マシンが貰える

・ジムリーダーと戦うためのルールとして

ジムリーダーは使えるポケモンの数、道具が限られているが、挑戦者はこれに適応されない

 

 

————————————————

ここからは道具の説明です

 

☆ポケモン図鑑

見つけたポケモン、捕まえたポケモンのデータが記録されていくハイテクな図鑑

その他の機能

・ポケモンのステータスを確認できる

・ポケモンがレベルアップ、新しい技を覚えた、技の数が4つ以上になると音を出して伝える

・オーキド博士の住所と電話番号が書かれている

 

☆自転車

ボディは黒色

前と後ろにポケモンが乗れるスペース

疲れない

 

☆バトルサーチャー

周りにいるトレーナーの数を教えてくれる道具

その他の機能

・秘伝技『フラッシュ』

 

☆おしえテレビ

お兄さんがいろんな事を教えてくれるテレビ

その他の機能

・ポケモンに技マシンの技を教える事ができる

・教えてくれる『お兄さん』を『お姉さん』にする事ができる

 

 

————————————————

ここからはオリキャラ、オリジナルチームである

『カントーガールズ』の説明と99話までのキャラの説明

発覚している手持ちのポケモンの名前です

 

☆カントーガールズ

カントー地方をロケット団から守るために結成された女の子だけのチーム

メンバーは各地に散らばりそれぞれの街を守っている

しかし90話現在ではサカキが動き出したため本部にアミー以外集合

 

 

☆リーダー

○コブキ

ヤマブキシティを担当

歳は17歳

 

見た目

・金色の髪

・金色のドレス

・ピンクの帽子

 

手持ちのポケモン

不明

 

 

☆メンバー

○ウキワ

トキワシティを担当

歳は10歳

 

見た目

・緑色の髪

・緑色のドレス

・黄色い帽子

 

潜入調査時

・黒いパーカー

・黒いスパッツ

 

手持ちのポケモン

・バタフリー

・サンドパン

 

 

○ニン

ニビシティを担当

歳は8歳

 

見た目

・灰色の髪

・灰色のドレス

・赤色の帽子

 

・ゴローニャのぬいぐるみ

 

潜入調査時

・黒いパーカー

 

手持ちのポケモン

不明

 

 

○ナァ

ハナダシティを担当

歳は8歳

 

見た目

・水色の髪

・水色のドレス

・緑色の帽子

 

手持ちのポケモン

不明

 

 

○サチ

クチバシティを担当

歳は9歳

 

見た目

・オレンジの髪

・オレンジのドレス

・灰色の帽子

 

手持ちのポケモン

不明

 

 

○シオン

シオンタウンを担当

歳は8歳

 

見た目

・紫色の髪

・紫色のドレス

・紫色の帽子

 

・ゲンガーのぬいぐるみ

 

潜入調査時

・黒いパーカー

 

手持ちのポケモン

スピアー

 

 

○レイン

タマムシシティを担当

歳は15歳

 

見た目

・肩まである黒い髪

・レインボードレス

 

手持ちのポケモン

不明

 

 

○アミー

セキチクシティを担当

歳は不明

 

見た目

不明

 

手持ちのポケモン

不明

 

 

○フレン

グレンタウンを担当

歳は17歳

 

見た目

不明

 

手持ちのポケモン

不明

 

 

以上が90話までの説明です

不明点は多々ありますが

物語中でわからない事があれば参考にしてください

また物語がある程度進めば不明点を埋めた完成形を投稿します

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

一章 マサラタウン
1話 目覚め



これが自分の初投稿となります。
自己満足な作品になるので、
暇つぶし程度に見てください。
※キャラ崩壊


???「……なさ…は…まん!」

 

 

八幡「zzz……ん」

 

ん?もう朝か。

 

なんだこの匂い、獣臭いな。

かまくらが俺の布団に入って寝ているのか?

それとも俺の部屋にしょんべんでもしたのか?

いやいやいや、いくら俺が家での序列でかまくらより下だとしてもそれはないんじゃないの?

俺何もしてないだろ、昨日座布団と間違えて抱きしめたけど、そのあとちゃんと謝ったじゃん、ちゃんと優しく抱きしめ直したじゃん。無茶苦茶嫌がってたけど。

あ、もしかしてお礼のつもか?

 

かまくら『八幡!八幡の部屋にボクが………してあげる!か、勘違いしないでね!?これは別にあの時抱きしめてくれたお礼とかじゃなくて八幡の部屋でならしてもいいかなって思ったからやっちゃっただけだからね!?』

 

……いやかわいいけど。戸塚ボイスで脳内再生されちゃったかわいいけど。しかもちょっとエロい。ネコだけど。てかお礼がしょんべ…

 

バーン!!

 

???「はちまん!!起きなさい!!」

 

八幡「んひゃあ!!??」

 

び、びっくりした!なっ何奴!?

 

???「ほら、キモい声あげてないで!起きたならさっさと着替えて降りて来なさい!着替えはそこに用意してあるから!しずかちゃんが下で待ってるんだから早くしなさい!まったく……」

 

そういうと俺を起こしに来た女性は俺の部屋から出て行き、いそいそと階段を下りていった。

 

八幡「え……?」

 

キモいって。

ていうか誰だあの人?うちの家族にあんな長髪はいない。

ロシア人でもない。

それにこの部屋、俺のスィートルームとは違う広々とした部屋だ。

パソコンもあるし、テレビもある。あ、ファミコン。

 

八幡「…何処だ?ここ」

 

その時、窓の外からなにかの鳴き声が聞こえた。

恐る恐るベッドから出てテレビの向かいにある窓の方へ行く。

チラ、魔界村だと!?

 

そして窓を開ける。

 

八幡「ええーーーーー!!??」

 

そこは俺が小さい頃から慣れ親しんだ愛する千葉の風景とは掛け離れていた。

 

木々が生い茂り。

海が眼前に広がり。

ビルや住宅街は無く、二階建ての家が数軒ぽつんぽつんとあるだけ。

そして…

 

八幡「あ、あれは…!?」

 

一際目立つ、街中を歩く生物。

それは一般的な生活では見られない、しかしとある人気ゲームの中で見られる生物。

 

それは

通称ポケットモンスター、ちぢめて

 

はちまん「ポケモン!?」

 

これは、はちまんとその仲間達、そしてポケモン達の冒険の物語である。

 

次回予告

はちまん「つまりポケモンの世界に来ちゃったってことか?」

 

はちまん「この人が俺の母親…?あ、アホ毛」

 

???「やあ!はちまん!」

 

はちまん「え?誰?」

 

はちまん「………嘘、だろ?」

 




読んでくださりありがとうございます。
これからぼちぼち更新した行きたいと思いますので見かけたらぜひ暇つぶし程度に見てください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

2話 衝撃

はちまん「ポケモン!?」

 

ええ!?あの屋根の上にいるのってポッポだよな?それに子供と追いかけっこしてるのはコラッタか?あとあそこにいるのはモ、モンジャラか?

 

待て待て待て、落ち着け。

なんでポッポやコラッタとかポケモンが当たり前のように街中にいるんだ!?

 

CG?

いや、あれは実際に生きているように見える。なんか街中獣臭いし。

ポッポもコラッタも

みんなみんな生きているんだ!

友達じゃないけど!

 

夢?

はーい!はちまん行きまーす!

ギュウウいだいいだい

いったー!夢じゃないのか!?

てか、今気づいたけどなんか縮んでない?

手も、足も、背も。

もしかして若返っているのか?

 

窓ガラスに自分を映してみる。

うわホントに縮んでるわ。

10歳くらいか?

てか若返っても目の腐りは高校生のままかよ。

 

???「はちまーーん!!早く着替えて降りて来なさーい!」

 

はちまん「は、はいぃぃ!!」

 

下の階からさっきの女性の怒鳴り声が聞こえる。

着替え?

床に置いてある、あの女性が用意してくれたであろう服をみる。

そこにはフードが付いている黒一色のパーカーと動きやすそうな長ズボンがある。

あの人を怒らせると面倒なことになりそうなので、

今着ているパジャマからそれらに着替る。

着替えながら頭の中を整理する。

 

1、これは夢じゃない

2、自分の体が10歳くらいになっている

3、ポケモンが実在いている

ということは

 

はちまん「つまり、ポケモンの世界に来ちゃったってことか?」

 

それも10歳くらいということはポケモントレーナーになれる歳

ゲームでいうところの一番最初。

自分の家から旅立つ歳。

で、ここは俺の、この世界の俺の家で、あの女性は恐らく俺の…

 

着替えが終わり、階段を下りていく。

体が若返ったはずなのに不思議と違和感を感じなかった。

 

???「おっそーい!こんな日くらいスパッと起きて来なさい!スパッと!」

 

身体は今の俺の頭一つ分くらい大きく、顔も俺や小町にそっくりで、でも俺の知っている母さんの顔じゃなく、髪は腰まである黒色の長髪。

そしてアホ毛。

 

はちまん「この人が今の俺の母さん…(小声)」

 

母さん「ん?どうしたの?」

 

はちまん「い、いや、なんでもない」

 

母さん「そう?」

 

はちまん「ああ」

 

母さん「って、そんなことより!ほら!はやく玄関に行きなさい!しずかちゃんも待っててくれたんだよ!」

 

母さんはそういうと家の奥に向かっていく。

俺は玄関に向かう。

…?誰かいる。

玄関のドアは開いており、そこには少女(歳は16〜17くらい?)が立っていた。

 

???「…ん」

 

その少女は俺を見つけるとこちらに手を振って来た。

って、ええ!?ものすごいキレイな娘じゃん!?

あれ?でもなんか何処で見たことあるような…?

…そういえばさっき母さんがしずかちゃんって…

え!?えぇ!?ま、まさか!!??

 

しずか「やあ!はちまん!迎えに来てやったぞ!しかし相変わらずぬぼーっとしているな?しかし今日は輝かしい旅立ちの日、そんなことではアイツらに先を越されるぞ?まあでもそんなときはこの頼れるスペシャル先輩トレーナーしずかが、」

 

はちまん「あ、あの!!」

 

しずか「ん?」

 

はちまん「好きな食べ物は!?」

 

しずか「ラーメン」

 

はちまん「好きな雑誌は!?」

 

しずか「ジャン○」

 

はちまん「衝撃の?」

 

しずか「ファーストブリット!」

 

う、嘘だろ?

ポニーテールだけど黒い長髪!

男のロマンが詰まった胸囲!

そして男勝りな性格にこの趣味!

間違いない、この美少女

 

17歳くらいの平塚先生だ!!!

 

はちまん「ま、まじか」

 

ヤバイヤバイヤバイ

俺がいた世界の先生もすごい美人だったけど

歳が近い分より魅力的に見えるというか、若い分可愛い雰囲気があって新鮮で、先生と生徒という壁がないから何も障害もなく、しかも俺の事を一番理解してくれる人で、趣味が合うし、

さらに胸!腰!何あのダイナマイトボディ!

これは、これは、これは、

 

はちまん「平塚happy end キターーーー!!!!」

しずか「ひゃっ!?」

母さん「ぬわぁ!?」

 

ハッ!?し、しまった!つい欲望のまま叫んでしまった!!

俺の欲望が叫びたがっていたんだ。

平塚…いやしずかさんと母さんがびっくりしてこちらを見ている。というか母さん、ぬわぁって…

 

母さん「何イキナリ叫んでるの!?びっくりしたじゃない!バカなの!?ゆいちゃんなの!?」

 

しずか「は、はちまん?き、緊張しているのか?は、博士に行って明日にしてもらおうか?」

 

はちまん「い、いや大丈夫、です」

 

しずか「そ、そうか、ならいいんだが」

 

ん?母さんの言ったゆいちゃんって…

 

母さん「ブツブツ…ホントにもうこのバカゆいはっちん!あ!はちまん!はい!バックとおこづかい3000円!大事に使いなさいよ!」

はちまん「え…あ、ああ、ありがとう?」

 

バカゆいはっちんってなに?

あ、そういえば俺は母さんに呼ばれてここに来て、来てみたら平塚先生(攻略可能)がいて、それで、俺はどうすれば?

 

しずか「よし!はちまん!準備出来たな!お母さん、それでは行ってきます。はちまん先に行ってるぞ。」

 

はちまん「は、はい」

 

母さん「はい!しずかちゃんいってらっしゃーい!」

 

これはもしかして博士のいる研究所で最初のポケモンをもらいにいくところか?

でも、なんで…えっと…しずかさんも一緒に?

あ、さっき先輩トレーナーって言ってたな。

え、もしかして俺の為にわざわざ一緒に行ってくれるのか?まさか。

いやもしかしたらただ後輩に頼って欲しいだけなんじゃ?あ、こっちのほうがありえるな。

 

母さん「…さ、はちまん!」

 

はちまん「…え?」

 

母さん「ほら!行ってきなさい!しずかちゃんにポケモンのこと教えてもらってた時からずっと自分のポケモンが欲しいって行ってたじゃない!……体には気をつけてね」

 

はちまん「…ああ」

 

この時俺はワクワクしていた。

 

なんで俺がこの世界に来たのかはわからない。

俺はこの世界で何をすればいいのか分からない。

 

でも俺はここにいる

 

俺の人生丸ごとこっちに来たんだから

俺の人生なんだから

 

好き勝手に

ぼっちに

自由に

 

そう生きたい

 

世界が変わったことでそう思った

 

はちまん「…母さん、あの、」

母さん「ん?」

 

ポケモンやポケモントレーナー

これから、まだ見ぬ奴と出会って

戦って、捕まえて、仲間ができるんだろう

 

正直ボッチにはキツイ

それがポケモントレーナーだろうとポケモンだろうと

知らない奴と話したり

知らない奴と仲良くするなんて

 

 

でも、だからこそ俺は

ぼっちに

孤高に

この世界で生きてみたい

 

 

はちまん「い、いってきまっしゅ!!」

 

か、かんだ…

 

母さん「ぷっ……ぶわはははは!!」

 

母さんの豪快な笑い声を聞き、

俺は顔を真っ赤にしながら走り出す。

 

 

しずか「あっ!はちまん!これからポケモン研究所に案内す…えぇ!?ど、どうした!?は、はちまん!?なんで走って!?ちょ、ちょとまってー!!」

 

 

次回予告

 

???「比企谷君?」

???「ヒッキー?」

???「先輩?」

はちまん「なんでお前らがここに?」

 

???「ここに3体のポケモンがおるじゃろう!この中から選んでくれ!」

はちまん「え?3体?」

 

???「………」

 

はちまん「こいつは……?」

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

3話 部活仲間と後輩と最初のポケモン 前編

家から飛び出し、少し走ったところで止まり、

追いかけてきたしずかさんと合流する。

 

しずか「はぁはぁ…ど、どうしたのだ?いきなり走り出して。そんなにポケモンを貰えるのが楽しみなのか?」

 

はちまん「い、いや、その…」

 

くそっ!俺のバカ!普通あそこで噛むか!?

は、恥ず…

 

しずか「なんだ?楽しみじゃ無いのか?昔あんなに自分のポケモンを欲しがってたのに」

 

はちまん「い、いえ…楽しみじゃない…ことないです?」

 

しずか「なんで疑問形なんだ…自分のことだろ?」

 

んー

こっちの自分、はちまんがどんな考えを持っているかわからんが

俺として、比企谷八幡として楽しみか楽しみじゃないかと聞かれると

ハッキリ言おう

 

むっちゃたのしみです!

 

だってだって子供の頃からずっとやってて

ハマりにハマって

カッコイイポケモン

カワイイポケモン

強いポケモン

いろんなポケモンを知って

こんなポケモンがいる世界にいってみたいなー

なんて考えたのは一度や二度じゃない

 

プテラカッコイイ!

ラプラスカワイイ!

バンギラス大好き!

キバゴは小町!

小町はエンジェル!

 

でも殿堂入りは出来ても図鑑完成は全シリーズやっててもなかなか出来なかったなー

え?なぜかって?

…ゲンガーとかその辺の事情だよ

察しろまじで

 

しずか「まあいい。さあ研究所に急ごう。博士が待ってる」

 

はちまん「は、はい。し、しずかさん」

 

くっやっぱりボッチに名前呼びは厳しいな

このひとの場合それが名前だからしょうがないとはいえ

というかさっきからはちまん、はちまん呼ばれて落ち着かないどころかドッキドキだよ

 

しずか「…なあ」

 

はちまん「ひゃい!」

 

しずか「なんでさん付けで呼ぶんだ?昔みたいにしずかちゃんって呼んでもいいんだぞ?かたっ苦しいだろ?」

 

はちまん「い、いえ、えっと」

 

下の名前で呼んでるだけでもドキドキするのに

ちゃん付けなんてできるか!

どうしよう…

ハッ!

 

しずか『……スペシャル先輩トレーナーしずかに…』

 

これだ!!

 

はちまん「お、俺は今日からポケモントレーナーになるんですね?」

しずか「ん?そうだな」

 

はちまん「そしてしずかさんは俺の先輩トレーナーですよね?」

しずか「えっ?う、うむ!そっそうだな!!」///

 

 

はちまん「そして俺はしずかさんをポケモントレーナーの先輩として、そして人生の先輩として尊敬しています!」

 

しずか「そっそうか!!」///

 

かわいい

 

はちまん「だから俺はしずかさんに敬意を表し、そしてここまで見守っていてくれたお礼と俺のケジメとして、昔みたいな呼び方ではなくさん付けで呼んでいるのです!!」

 

しずか「う、うわわわ〜〜」///

 

かわいい

 

はちまん「だから、呼ばせてください。しずかさん」

 

しずか「うう〜〜」///

 

かわいい、かわいい

 

はちまん「………」

 

しずか「………」

 

しずか「……だ、だめ」

 

はちまん「…えっ?」

 

しずか「どっどうせ呼び方変えるなら…その…し、しずか先輩って呼んで…?」///

 

かわいいひらつかわいい

 

はちまん「…しずか先輩」

 

しずか「…もう三回」

 

はちまん「しずか先輩しずか先輩しずか先輩」

 

しずか「え、えへへ〜〜せんぱい…せんぱい…フフフッ♪」///

 

コマチエル

トツカエル

それにつづく

第三の天使シズカエルが降臨なされた…

 

しずか「ほっほら!いくよはちまん!」///

 

はちまん「はっはい!」///

 

そして俺はシズカエルしずか先輩と一緒に研究所に向かった

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ポケモン研究所前

 

しずか「さあ!着いたぞ!」

 

はちまん「ここが…」

 

この街の他の建物と比べると一際大きな建物で

屋根は三角ではなく平ら

マイ○ラ建築で所謂豆腐建築のような風貌だった。

研究所のすぐそばにあった看板には…

 

はちまん「オーキド…ポケモン研究所…」

 

ポケモンを知っている人なら九割が知っているであろうその名前…

 

オーキド博士

 

そしてオーキド博士の研究所があるということはつまり…

ここは、マサラタウンだ

俺が考えている間にしずか先輩は研究所のトビラを開けていた

 

ガチャ

しずか「すいませーん!オーキド博士!はちまんを連れて来ましたー!」

 

???「おーやっときたか!待っておったぞ!」

 

???「…え?」

 

???「あ、あれって…もしかして…」

 

???「は、はち…まん…?」

 

しずか先輩が研究所の中に呼びかけると中からおじいちゃんにしてはすごい元気な声が聞こえてきた

あの声の主がオーキド博士なのだろう

それと、いま聞こえてきた女の子達の声って…

 

しずか「ほら!はちまん!入ってこい!」

はちまん「は、はい」

 

しずか先輩に呼ばれ研究所に入る

 

そして俺が目にしたのはーーー

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

4話 部活仲間と後輩と最初のポケモン 中編

#ポケモン研究所

 

俺の名は八幡

今朝起きたらポケモンの世界に迷い込んだ

いたって普通の高校二年生

 

そして今俺は天使シズカエルによって

マサラタウンのポケモン研究所に導かれた

 

そして、そこで俺がみたものは…

 

 

ーーーコードがたくさん繋がれたよく分からない機械

 

ーーーたくさんのモンスターボール

 

ーーー走りまわっていたり、寝ていたり、飛んだり跳ねたりしているいろんなポケモン

 

ーーー研究所の奥に見たことのあるおじいちゃん…オーキド博士だ

 

そしてオーキドのとなりにいる

 

ーーーどこかで見たことある風貌の3人の幼女だった

 

???「ひ、ひきがやくん?」

 

???「ヒ、ヒッキー!?」

 

???「せ、先輩…?」

 

一人目、

腰までかかる長い黒髪

それに結ばれている赤いリボン

顔立ちは俺の知っている顔とは少し幼げで

それでもその美しさは健在だった

 

はちまん「雪ノ下……」

 

二人目、

ピンク色の頭の片側にお団子があり

顔は幼くなったからか、少し弱々しい印象

それでいて可愛らしい顔つき

そして10歳とは思えない体型をしていた

いや、どこがとは言えない

 

はちまん「由比ヶ浜……」

 

三人目、

肩までかかる栗色の髪

顔は生意気な子供のそれで

身長も他の二人に比べると小さい

 

はちまん「一色……」

 

3人は総武高の制服を着ていた

 

 

はちまん「なんでお前らがここに…?」

 

 

いや、今朝母さんが言っていたゆいちゃんとは由比ヶ浜のことだろう

それにしずか先輩が言っていたアイツらってこいつらのことなんじゃないのか

ということはこいつらもしずか先輩と同じこっちの住人か?

 

だがさっきのこいつらの驚きぶり

俺が来ることを事前に教えられていたら俺をみて驚くのはおかしいだろう

もしかしてこいつらも俺と同じくこっちの世界に迷い込んだのか?

 

それとも俺が来ることを知らされてなかったとか?

それで『なんでお前いるの?』的なリアクションだったのか?

なにそれ、俺がハブられるの慣れてるからって酷いよ。酷いよ

しかし、こいつらからはそういう悪意を感じない。

 

オーキド「うん?どうしたんじゃ?お主ら」

はちまん「えっ、あ、いや」

 

うわぁ!あのオーキド博士に話かけられた!

ってそんなこと言っている場合じゃない

どうしよう

ここまでくる途中のしずか先輩や母さんとの会話からおそらくはちまんは俺と同じ性格をしていて、周りの人も俺を怪しむこともなく普通に会話していた。

 

だからもしここで

 

『俺じつは別の世界からきた高校生でー

目が覚めたらポケモンの世界に迷い込んじゃったんですよーっべーマジっべー』

 

なんて言っても信じてもらえないだろう

どうする?

 

こいつらがこっちの世界の住人なら話は早い

何も気にせずポケモントレーナーライフを楽しめばいい

 

だがしかし、駄菓子菓子

こいつらが俺と同じこっちの世界に迷い込んだのなら話は別だ

まず知らない場所に放り出されて不安だろうし

何よりここはゲームの世界じゃない

ゲームの世界が現実になっている

もしこいつらがポケモンの知識がない場合

ポケモントレーナーになったとしてもまともに戦えるか疑問だし

何より

 

殺されてしまう可能性がある

 

ゲームではゲームオーバー

つまりアクションゲームでいう"死ぬ"という概念がなかった

たとえ悪の組織アジトでそのボスと戦って負けたとしても賞金が失われポケモンセンターにワープしただけだった

しかし今、ポケモンの世界が現実となったこの世界でそれは死に直結する危険がある

ゲームでも野生のポケモンが出る草むらではポケモンを連れて戦える状態でないと危険とされていた

俺が何を言いたいのかと言うと

なんの知識もないこいつらが外に出ると危険ではないかということ

それならば俺がある程度教えなければならないのではということ

 

まずは、こいつらがどっちの世界の人間か確めなければ

とりあえず…

 

はちまん「すいません!オーキド博士!ちょっとこいつらと話しがしたいんですがよろしいでしょうか?」

オーキド「ん?いや、かまわんが。そのあとはちゃんとわしの話を聞くんじゃぞ?」

はちまん「はい!ありがとうございます!」

 

オーキド博士の了承を得たところで

まだ俺を見て固まっていた3人を呼ぶ

 

はちまん「おい、お前らこっちだ」

ゆい「……え?あ、うん!ヒッキー!行こう!ゆきのん、いろはちゃん!」

ゆきの「え、ええ」

いろは「は、はい!」

 

はちまん「すみません、しずか先輩。ちょっとこいつらと外で話してきます。」

しずか「ん?ここじゃダメなのか?」

はちまん「はい。もしかしたら騒がしくなるかもしれないので研究員の方にご迷惑になるかと」

しずか「そういうことか、なるほど。お前とゆきのは大丈夫だろうが後の二人はやかましくなるだろうな、特にゆい」

 

いろは「むっ…」

ゆい「むうぅ…」

 

雪ノ下が二人をなだめる

 

しずか「まあお前らは仲が良かったからな。積もる話しもあるだろう。私はここで待ってるよ」

はちまん「はい。ありがとうございます。では」

 

俺は三人を引き連れ研究所の外に出る

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

5話 部活仲間と後輩と最初のポケモン

#ポケモン研究所付近

 

俺たちは研究所から出てすぐの広場に集まっていた

俺は何から話そうか考えていた

すると…

 

ゆい「えっと…ヒッキー…でいいんだよね?」

 

ん?こう聞いてくるってことはやっぱり…

 

はちまん「…ああ」

ゆい「ホントに!?ホントにヒッキーなの!?」

はちまん「ああ」

ゆい「ヤッター!」

 

由比ヶ浜はそう言うと雪ノ下に抱きつき

はじけるような笑顔を見せた

 

ゆい「ゆきのん!ゆきのん!ヒッキーだって!ヒッキーだって!よかったよー!」

ゆきの「ゆ、由比ヶ浜さん!急に抱きつかないで!」

 

んー

このガハマさんの百合百合行動でわかったわ

こいつら俺の知ってるこいつらだわ

だっていつも見てた光景だし

なんかあっさりわかったな

俺がいろいろ質問して確かめようとしたのに

たったの百合ひとつでこの難問を解決するとは

俺が由比ヶ浜の隠れた能力に感心していると一色が話しかけてきた

 

いろは「ホントに先輩なんですか?」

はちまん「そうだ」

いろは「ホントにあの先輩なんですか?」

はちまん「少なくとも戸部ではない」

いろは「ホントにホントにあの私の知ってる、目が腐ってて、捻くれてて、猫背でアホ毛で、私の言うことをなんでも聞いてくれるあの先輩なんですか?」

はちまん「いろいろ言ってくれるな!?というか俺はお前の言うことをなんでも聞くってどういうことだよ!?」

いろは「だって先輩チョロいですし」

はちまん「チョロくねーよ!」

 

こいつ!こいつもう間違いないわ

俺の知ってるあの一色だわ

 

いろは「せんぱーい!会いたかったですよ?」

はちまん「あざとい」

 

くっついてくる一色を離しながら雪ノ下の方に向く

 

はちまん「で?お前も俺の知ってる雪ノ下でいいのか?」

ゆきの「ええ、恐らくね。そして認めたくはないけれどあなたも私の知っている…えっと…ヒキガエル君だったかしら」

はちまん「あ、間違いないわ。お前俺の知ってる雪ノ下だわ。てかヒキガエルじゃねぇ比企谷だ」

 

そして雪ノ下から話を聞いた

俺と同じでこいつらもこっちの世界に迷い込んだくちらしい

 

三人は目が覚めると研究所のすぐ近くにいたらしい

 

三人とも互いに確認し合い

さあここはどこだあれはなんだという話になったところで研究所からオーキド博士が出てきて

なんやかんやで連れ込まれ

そして今に至るという

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ゆい「ねぇ、ヒッキー」

はちまん「ん?」

ゆい「いろはちゃんが言ってたんだけど、ここってポケモンの世界なんだよね?」

はちまん「ああそうだろうな。…ほらあそこ」

 

俺がアゴで花壇がある場所を指し示す

そこには花の蜜を吸うバタフリーがいた

 

ゆい「………本当なんだね」

はちまん「…ああ」

 

ゆい「ねぇヒッキー。私たちもとの世界に戻れるのかな」

 

ゆきの「…」

いろは「…」

 

…やっぱり戻りたいよな

俺も小町や戸塚に合いたいしな、あと小町と戸塚…

あれ?あと誰か忘れているような…ざい…ざい…

あ、そーだそーだ彩加を忘れてた。テヘッ☆

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

いろは「…あの、それでこれからどうしましょう」

はちまん「それはもう決まってる」

 

全員がこちらを向く

 

ゆきの「何をするの?」

はちまん「ポケモンをオーキド博士から貰う」

 

ゆい「……いいの?」

はちまん「いいも悪いもいま俺たちが置かれている状況は極めて危険だ。さっき見ただろ?街中にもポケモンがいるんだ。もし襲われても今の俺たちじゃ太刀打ち出来ない。自分たちの身を守る為にもポケモンを貰うしかないんだよ」

 

ゆい「………」

 

ゆきの「由比ヶ浜さん行きましょう」

ゆい「えっでも…」

 

ゆきの「あなたの言いたいことは分かるわ。いまの私たちの体の持ち主の楽しみを奪うようで後ろめたいんでしょう」

ゆい「だ、だって…」

ゆきの「でもね、もしポケモンに襲われて怪我をしたら元も子もないんじゃないかしら?」

ゆい「……」

 

ゆい「……うん!わかった!私ポケモンを貰いに行く!」

いろは「はいっ!私も行きます!」

 

そう言うと2人は研究所の方へ向かっていった

 

ゆきの「…やれやれ」

はちまん「…アイツ、ホントに優しいやつだよな」

ゆきの「…ええ…フフッ。さ、行きましょうか寝坊企谷君」

はちまん「してねーよ!てか語呂わるいだろ!それ!」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆☆ ☆

#ポケモン研究所

 

ゆい「あ、ゆきのん!こっちこっち!」

いろは「せんぱーい!」

 

俺たちが研究所に入ると由比ヶ浜と一色、オーキド博士としずか先輩が一箇所に集まっていた

 

しずか先輩「はちまん、もう話しはすんだのか?」

はちまん「はい」

しずか先輩「そうか」

 

オーキド博士「うむ!皆集まったな!」

はちまん「博士、さっき言ってた話ってなんですか?」

オーキド博士「うむ!それなんだがなはちまん君!」

はちまん「はい」

 

オーキド博士「ど忘れした!テヘッ☆」

 

全員「「はあ?」」

 

オーキド博士「いやーお主らの門出を祝うかっこいいセリフを考えとったんじゃが、すっかり忘れちった!あははは!」

 

そ、そういえばこの人自分の孫の名前忘れるくらいの忘れん坊おじいちゃんだった!

 

オーキド博士「さあ!わしのことはいい!」

 

そう言うとオーキド博士は研究所の奥に消え、少しすると布を被せた台車を押してきた

 

キッ

…バサァ!

 

その台車を俺たちの前に止めると

その布を取った

 

そこには三つのモンスターボールが並んでいた

 

オーキド博士「さあ、ここに三匹のポケモンがおるじゃろう!この中から最初のポケモンを選んでくれ!」

 

 

はちまん「……え?三匹?」

 

 

オーキド博士「ほらほら!こっちにきて選んでくれい!」

 

ゆきの「…あ、あの?博士?」

オーキド博士「ん?どうしたんじゃ?ゆきのちゃん」

ゆきの「ここに私たちは4人います」

ゆい「あー!1匹足りないよー!?」

 

 

オーキド博士「…え?」

 

 




すみません!
今回こそは4人の最初のポケモンが決まるはずだったんですが
切りが悪くなるので次回にさせてもらいます。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

6話 パートナー

あらすじ

俺たちは4人

ポケモン3匹

 

#ポケモン研究所

 

オーキド博士「…あれ?あれ?」

 

はちまん「…あの、どういうことなんですかね?」ヒソヒソ

しずか先輩「…まあ、多分その〜なんだ、ここに来る人数を忘れてたんじゃないか?ほらさっきもなんか自分の言いたいことも忘れてたし…」ヒソヒソ

 

オーキド博士「う〜ん?うーーー」

 

ゆきの「もしかしてあなた博士にハブられたんじゃないかしら?」ヒソヒソ

はちまん「やめてくれ、良い子の味方のオーキド博士にすらそんなことされたらもう立ち直れん」ヒソヒソ

ゆきの「ならあなたが良い子ではないからかしら?」ヒソヒソ

はちまん「おい」

 

オーキド博士「そうだ!!思い出した!!」

はちまん「うおっ!?」

ゆきの「きゃっ!?」

 

び、びっくりしたーー!

てか雪ノ下が「きゃっ」って

かわいいな

 

オーキド博士「はちまんくん!」

はちまん「はい?なんです?」

 

オーキド博士「申し訳ないのじゃが…ここにいる3匹は彼女たちに譲ってはくれぬか?」

はちまん「…えっ!?」

オーキド博士「いやっ!君を仲間外れにするわけではない!君にはここにいる3匹のポケモンとは別のポケモンをあげようと思うのじゃ。

すまん!勝手を承知でここは彼女たちに譲ってはくれまいか?頼む!」

 

そういうとオーキド博士は俺に頭を下げてきた

 

はちまん「ちょっ!は、博士!?」

オーキド博士「すまん!この通りじゃ!」

 

俺は3人の顔を見る

みんな戸惑っていた

 

はぁ…俺はどこに行っても貧乏くじをひくんだな…

 

はちまん「…博士、わかりました。あの3匹は彼女たちに譲ります。だから頭をあげてください」

オーキド博士「本当か!?」

はちまん「ええ」

オーキド博士「ありがとう!ありがとう!」

はちまん「い、いえ…お礼を言われるようなことじゃ…」

 

すると由比ヶ浜がパーカーの裾を引っ張ってきた

 

ゆい「いいの?ヒッキー?」

はちまん「いいよ別に。それに残りもの…いや『はぐれものには福がある』って言うだろ?」

ゆい「え、そーなの?」

 

よかった

ガハマさんがアホの子でよかった

 

雪ノ下と一色も俺を気遣うようにこちらを見てくる

俺は大丈夫だと手を振って応える

 

彼女たちはそれでも申し訳なさそうにしながらポケモンの方に行く

 

まったく普段は図々しいくせに

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

オーキド博士「では!いよいよポケモンたちとのごたいめーん!」

 

そういうとオーキド博士はボールを一つずつ投げていく

 

先ず最初に出てきたのは

フシギダネ

カエルに似た容姿に

自分の身体と同じくらい大きなつぼみを背負っていた

 

フシギダネ「フシッ!フシッ!」

 

久しぶりに外に出たのかその場でぐるぐる走り回っている

 

ゆい「わ〜サブレみたい♪」

 

 

続いて登場したのが

ヒトカゲ

トカゲのような見た目で

二本足で立っている

そして尻尾の先には炎が灯っている

 

ヒトカゲ「………」

 

周りを見渡し俺たちの顔を順番に見たあと

フシギダネの暴走に巻き込まれない場所に移動していった

 

ゆきの「……」

 

 

そして最後に登場したのが

ゼニガメ

まんま亀で青色の皮膚を持っている

背中に甲羅を背負っていて

キレイな尻尾が特徴的だった

 

ゼニガメ「………ふん」ドヤッ

はちまん「」

 

俺の顔を見るやいなや思いっきりドヤ顔してきやがった。なんで?

 

いろは「…ほう」

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

そして3匹全てのポケモンが出揃った

 

---いまもなお爆走し続ける奴

 

---壁に寄りかかって腕を組んでいる奴

 

---目を合わせるとドヤ顔してくる奴

 

 

感想を言おう

全員めんどくさそう

 

 

 

 




さあやっとこさ御三家が出てきたと思ったら
パートナー決めはまた次回

ごめんなさい

そして八幡のパートナーは一体?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

7話 俺ガイルヒロインのパートナー

あらすじ

個性あふれる御三家見参

 

☆ ☆ ☆ ☆

#ポケモン研究所

 

オーキド博士「では、君たち。この3匹の中から好きなポケモンを選んでくれ!」

 

いろは「はーい♪」

ゆい「はいっ!」

ゆきの「はい」

 

そして3人は選ぶ順番を決める

 

いろは「では、誰から行きます?」

ゆい「じゃあ、1番年下のいろはちゃんから!」

いろは「えっ?いいんですか?」

 

ゆきの「私は構わないわ」

ゆい「ほら!ゆきのんもこう言ってるし!いろはちゃん、選んできて!」

 

いろは「はい!先輩方ありがとうございます!では、いろは行ってきまーす!」

ゆい「いってらっしゃーい!」

 

☆いろはのターン

 

オーキド博士「では、3匹の中から選んだポケモンのモンスターボールを取って

そのポケモンをボールの中に戻すのじゃ!」

 

 

いろは「は、はい」

 

そして一色はひとつのモンスターボールを取るとゼニガメに近づいていった。

 

ゼニガメ「……?」

いろは「ゼニガメさん、私はあなたに決めました。」

ゼニガメ「!」

いろは「お願いします!私と一緒に来てください!」

 

ゼニガメ「……コクッ」

いろは「…!じゃ、じゃあいきます!」

 

一色はゼニガメにボールを当てた

そしてゼニガメは一色の持っているボールに入っていった

 

いろは「…はいっちゃった。あ、博士!こ、これで!」

オーキド博士「うむ!いろはちゃん!これでゼニガメは君のポケモンだ!」

 

いろは「やったー!やったー!せんぱい、せんぱい!私の、私のポケモンですよ!ほら!」

はちまん「おう、よかったな」

ゆい「いろはちゃんおめでとう!」

 

いろは「うわぁ〜〜♪あ、博士!さっそくボールから出してもいいですか!?」

オーキド博士「うむ!よいぞよいぞ!あ、そうだ!ポケモンにニックネームをつけてはどうじゃ?」

 

いろは「はいっ!では……カメちゃんで!」

 

いろは「おいで!カメちゃん!」

 

ポンッ!

 

カメちゃん(ゼニガメ)「カメッ!」

 

一色はゼニガメを抱き上げる

 

いろは「カメちゃん!これからよろしくね!」

カメちゃん「ゼニゼニッ!」

いろは「ふふっ♪」

 

一色はゆっくりとゼニガメを床に降ろす

するとゼニガメ…いやカメちゃんは他の2匹の方へ歩いてった

 

はちまん「?」

いろは「カメちゃん?」

 

フシギダネは走り回ってへばっていた

ヒトカゲはあいかわらずクール

 

2匹は近づいてくるカメちゃんの方へ顔を向ける

 

フシギダネ「?」

ヒトカゲ「?」

 

 

カメちゃん「ふっ」どゃあ

 

 

フシギダネ「」

ヒトカゲ「」イラッ

 

う、うぜぇ

 

 

ゆい「あ、あはは」

ゆきの「由比ヶ浜さん。次はあなたがいってきなさい」

ゆい「えっ、でも年下順だったらゆきのんがさきじゃ…」

ゆきの「いいのよ。ほら、いってきなさい」

ゆい「う、うん!わかった!ありがとうゆきのん!」

 

 

☆ゆいのターン

 

ゆい「う〜ん」

 

由比ヶ浜は少し悩んだ後

ひとつのボールを取った

 

ゆい「じゃ、じゃあ…」

 

由比ヶ浜はフシギダネの方へ行った

 

フシギダネ「…」

ゆい「えっと、フシギダネちゃん!私と一緒に来てください!」

 

フシギダネ「!」ぴょんぴょん

 

由比ヶ浜がそう言うとフシギダネは嬉しそうに飛び跳ねている

 

ゆい「フシギダネちゃん!おいで!」

フシギダネ「フシッ!」

 

由比ヶ浜はフシギダネにボールを当て、

フシギダネはボールの中に入っていった

 

ゆい「えっと、こ、これで!」

オーキド博士「うむ!フシギダネはゆいちゃんのポケモンになったのじゃ!」

 

ゆい「〜〜!ヒッキー!」

はちまん「ああ、よかったな由比ヶ浜」

ゆい「うんっ!」

 

ゆきの「おめでとう、由比ヶ浜さん」

ゆい「ありがとう!ゆきのん!」

 

オーキド博士「では、ゆいちゃん。ニックネームはどうする?」

ゆい「う〜ん、それじゃあ」チラッ

 

すると由比ヶ浜は俺の方を見た

なんだ?

 

ゆい「じゃあフッシーで!」

 

ゆい「出てきて!フッシー!」

 

ポンッ!

 

フッシー(フシギダネ)「フシッフシッ!」スリスリ

 

フシギダネ、いやフッシーは由比ヶ浜の足にすり寄っていった

 

ゆい「ふふっ♪よしよし」

 

由比ヶ浜はフッシーの頭を優しくなでる

なんか…癒される…

 

 

ヒトカゲ「………」

 

ポンポン

ヒトカゲ「?」クルッ

 

カメちゃん「ふっ」どゃあ

 

ヒトカゲ「」カチン

 

ヒトカゲ「!!!」バシッバシッ

 

 

☆ゆきののターン

ゆきの「では、最後は私ね」

 

雪ノ下はそう言うと残っていたボールと持ってカメちゃんを叩いているヒトカゲに近いた

 

ヒトカゲは雪ノ下が近づいてくるのに気づくと叩くのをやめ、雪ノ下の方を向く

 

その隙にカメちゃんは一色の方へ逃げていった

 

ヒトカゲ「…」

ゆきの「さあ、あなたは私と一緒に来なさい。」

 

ヒトカゲ「…」

ゆきの「あら?あなたもしかして自分が余りものなのが納得いかないのかしら?」

ヒトカゲ「…」

ゆきの「はぁ…」

 

ゆきの「あなたにいいことわざを教えてあげるわ。」

ヒトカゲ「?」

 

『余り物には福がある』

 

ゆきの「あなたは余ったことでこの雪ノ下雪乃のもとへ来ることができるのよ」

 

ゆきの「あなた、強くなりたくはないかしら?」

ヒトカゲ「!」

 

ゆきの「私がいればあなたは誰よりも強くなれるわ」

ヒトカゲ「…………」

 

ゆきの「安心しなさい、私虚言は吐かないの」

ヒトカゲ「!!!」

 

ヒトカゲ「……………………………」

ヒトカゲ「…!」コクッ

 

ゆきの「…いい目をしているわ。ほら」

 

雪ノ下はヒトカゲにボールを差し出す

そしてヒトカゲは自分からボールの中に入った

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

8話 出会い

#ポケモン研究所

 

ゆい「ゆきのん!よかったね!」

ゆきの「ゆ、由比ヶ浜さん!く、くっつかないで!」///

 

雪ノ下はヒトカゲがボールに入った後

由比ヶ浜に抱きつかれていた

ハイハイ百合百合

 

いろは「先輩、雪ノ下先輩なんかすごかったですね」

はちまん「ああ、すげぇ怖かった」

 

だってずっと高圧的だったし

なんか『誰にも負けない』のところで俺を見てきたし

 

オーキド博士「ではゆきのちゃん、ヒトカゲのニックネームはどうする?」

ゆきの「いえ、このままヒトカゲと呼ぶことにします」

オーキド博士「そうかニックネームはつけないんじゃな」

ゆきの「はい」

 

そして雪ノ下はヒトカゲをボールから出した

 

ポンッ!

 

ヒトカゲ「……」

 

ヒトカゲは雪ノ下の顔を見た後

また壁に寄りかかって腕を組み

目を閉じた

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん「これでこいつらもポケモントレーナーか…ていうか随分あっさり決まったな」

しずか先輩「まあ、いろはとゼニガメは生意気なところ、ゆいとフシギダネは元気なところ、ゆきのとヒトカゲはクールなところ、みんなそれぞれ性格が似ているからな、感じるものがあるのだろうな」

 

『しずか先輩居たんだ』と思いながら

俺は自分達のポケモンができた3人をみる

 

一色はカメちゃんに何か教えていた

嫌な予感がする

 

由比ヶ浜はフッシーとじゃれあっていた

 

雪ノ下は由比ヶ浜を見守っていて

ヒトカゲは未だにあの体制だった

 

……これでこいつらは身を守る手段を手に入れた

でもこいつらはまだまだ危うい

しっかりポケモンの世界の知識を学ばなければかえって危険だ

 

---いや、もしかするとこの3人なら…

 

 

☆はちまんのターン

 

オーキド博士「さて、つぎはいよいよはちまん君の番じゃな」

はちまん「はい。それで俺はどのポケモンを貰えるのですか?」

オーキド博士「うむ、今連れて来る」

 

そう言うと博士はまた研究所の奥に消えていった

ん?

なんか博士の様子がおかしいような

雪ノ下達がポケモンを選んでいる間ずっとはしゃいでたのに

少し経つとオーキド博士はひとつのモンスターボールを持ってきた

 

はちまん「博士、それが?」

オーキド博士「うむ、そうなのじゃが…」

 

博士は少し考え込み

 

オーキド博士「……いや、見てもらったほうがいいか」

 

オーキド博士「はちまん君、この子が君に預けたいポケモンじゃ」

 

そして博士がボールを開けポケモンが飛び出した

 

そいつは、

 

顔全体を覆う骨の被り物をし

自身の背骨ほど長い骨を持ち

背中には小さなトゲがあり

そして---

 

はちまん「……こいつは、カラカラ?」

カラカラ「……」

 

 

目が死んでいた

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

9話 こどくポケモン

あらすじ

ヒロインのパートナー決定

 

#ポケモン研究所

 

カラカラ「………」

 

カラカラは俺たちの顔を見渡し、

俺の顔をじっと見つめた後

その場に座り込んだ

そしてそのままぼーっとしている

 

しずか先輩「……あの、オーキド博士この子は?」

オーキド博士「………うむ。このポケモンはカラカラといっての、とある事情で心を閉ざしておる。」

 

はちまん「………とある事情?」

オーキド博士「…すまぬ、それは教えられん。」

はちまん「…そうですか。では、なぜこいつを俺に?」

オーキド博士「うむ…はちまん君、君のことはしずかちゃんから聞いておったんじゃ」

 

俺はしずか先輩の方を見る

 

しずか先輩「ちょ…は、はかせ…!」///

 

オーキド博士は焦るしずか先輩などおかまいなしに話しを進める

 

オーキド博士「しずかちゃんがここで話すことは大体がはちまん君のことでの、はちまん君がどんなトレーナーかいつも聞かされての。まあ大半が惚気話じゃったんじゃが…」

しずか先輩「わー!わー!わー!」///

 

しずか先輩は両手で顔を隠し足をバタバタさせている

……そんな話されてもリアクションに困る///

 

ヒロインズ「「「……………」」」

はちまん「な、なんだよ……」

ヒロインズ「「「…ふん」」」

 

オーキド博士「まあ…それ以外の、君がどんな性格か、トレーナーとして君がどんな素質を持っているかを聞いてな。

わしは君にならこの子を任せられると思ったんじゃ」

 

オーキド博士「わしは、いろいろ考えて手を尽くした。しかし結局わしはこの子の心を開かせることはできんかった…」

 

オーキド博士「じゃがしずかちゃんからはちまん君のことを聞き…君ならこの子の閉ざされた心を開くことが出来るんじゃないか。そうわしは考え、この日にこの子を君に託そうと思ったのじゃ」

 

はちまん「……」

オーキド博士「はちまん君、わしの勝手な頼み聞いてくれ!いや、この件断ってもらっても結構じゃ!また後日新しいポケモンを用意する!」

 

はちまん「………」

オーキド博士「じゃが!この子の為にも、頼む!はちまん君!」

そう言うとオーキド博士は立ち上がり頭を下げた

 

……君なら出来る、ねぇ

いつもなら俺にそんな勝手な期待押し付けんじゃねぇって思うところなんだが

 

 

俺は目の前に座ってぼーっとしているカラカラを見た

 

 

その目には何もなかった

希望も絶望もない

夢もやる気もない

ただただくすんでいる

灰色の目

 

---だが俺には、その目は魅了的に映った

 

---何色にも染まっていないその目が

 

 

はちまん「……わかりました」

オーキド博士「……え?」

はちまん「俺は俺のパートナーをこいつにします」

オーキド博士「ほっ本当か!?」

 

 

俺は気づいたらそう言っていた

……

別に、こいつに同情したわけじゃない

俺はこいつに何があったかなんて知らないし

ましてや心の扉を開くとか

そんな大層なことできやしない

 

ただ…

俺はぼっちだ

ぼっちでいたい

誰かと一緒に何かをするとか

ましてやこれから

寝る時も

食事する時も

ずっと一緒にいる存在がいることが考えられない

正直いらない、必要ない

率直に言って邪魔だ

 

確かにここに来る前ポケモンが貰えることが楽しみだと思っていた

 

だが同時に1人ではいられなくなることにちょっとした空虚感を感じていた

 

しかしこの世界は危険だ

いつポケモンや悪の組織に襲われてもおかしくない

この世界でポケモンは必要だ

 

だからこそ、1人でいたい

ぼっちでいたいと願う俺にとって

こいつの

何色にも染まっていない灰色の目

 

そんな目を持つこいつとなら一緒にいてもいいかな

そう思っただけだ

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

オーキド博士「では、これがこの子のモンスターボールじゃ」

はちまん「はい」

 

オーキド博士からカラカラのモンスターボールを受け取る

なんか思ってたより重いな

 

そしてまだぼーっとしているカラカラに近づく

 

はちまん「あ〜、えっと今日からお前の主人になるひき……はちまんだよろしく

あ、もしお前が嫌だったらやめるけど」

カラカラ「」ぼー

 

俺が話しかけてもなんの反応もない

ん〜まあいいか

 

はちまん「何も反応しないってことは別に俺がお前の主人になってもいいってことだな?これから俺と旅をして、戦う時も俺の指示に従うことになるぞ?」

カラカラ「………」チラ

 

おっこっち見た

なんかもう諦めた顔してんな

『どーせ断っても連れてくんだろ?』

みたいな

うん、はちまんその気持ちよくわかるよ

 

はちまん「はあ…もういいや…」

 

俺はそれ以上何も聞かずカラカラをボールに戻した

 

…正直前途多難だけど

これで俺も晴れてポケモントレーナーか

 

こうして

こどくポケモンが仲間になった

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

二章 トキワシティ
10話 お使い 前編


はちまん「はぁ…」

カラカラ「はぁ…」

 

俺と旅のパートナーであるカラカラはため息をつく

 

今俺達がいるのはトキワシティ

ゲームでいうと最初に訪れる町で、

マサラタウンから1番道路をまっすぐ北にいくとあり、

マサラタウンと比べると凄く栄えた町だ

 

町の中にはポケモンセンターとフレンドリィショップがあり、

さらにはポケモンジムもある

 

町の外には

北は「トキワの森」という名の森があり

南は最初にいたマサラタウン

そして西へ行くと

「チャンピオンリーグ」がある

 

まあチャンピオンリーグについては追い追い説明するとして、今は………

 

おじいさん「おい!小僧!聴いておるのか!?」

はちまん「は、はいぃ!もちろん聴いておりました!」

おじいさん「いいや!聴いておらんかったじゃろう!そもそも最近の若者は……」

 

目の前にいる

永遠と説教し続けるおじいさんをなんとかしなくては

カラカラはもう涙目だし…

 

どうしてこうなった………

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

…時は俺がカラカラを仲間にした後に遡る

#ポケモン研究所

 

オーキド博士「いやーはちまん君!ありがとう!君にならその子を預けても安心じゃな!いやー助かったー。話かけてもずっとぼーっとしてるだけで、一緒に外で遊ぼうとしたら迷惑そうな顔をされて、しばらくしたらいつのまにか帰っていたりと。ほとほと手を焼いておったのじゃ!いやー良かった良かった!」

 

あれ?もしかしてこいつ体良く厄介払いされただけなんじゃ…?

そして俺はそれをつかまされただけなんじゃ…?

 

ゆい「ヒ、ヒッキー…」

はちまん「だ、大丈夫。大丈夫だから」

 

大丈夫だ俺は騙されてなんかない…多分

 

しずか先輩「よし!これでお前ら4人は今日からポケモントレーナーだ!では!ポケモントレーナーになった事だし早速ポケモンバトルと行こうではないか!」

 

しずか先輩はこの場の空気を変えるようにそう言い放った

 

しずか先輩「さあ!先ずは誰と誰が戦う?」

 

しずか先輩はウキウキとしながら俺達を見渡した

ポケモンバトルか…

これからの事を考えてここでポケモン同士の戦い方をある程度知っておいた方がこいつらの為にもなる

ここはポケモンの知識がある俺が行くべきなんだろうが……

俺は手に持っているボールをみる

 

はちまん「先輩」

しずか先輩「お!お前から行くか?はちまん」

はちまん「いえ、そうではなく俺はやめときます」

しずか先輩「えっ?どうしてだ?」

はちまん「えっと、それはその…」

しずか先輩「…まあ、お前がやらないというのであれば仕方ないか。じゃあはちまん以外で……!」

ゆい「あ、あの!私も、この子が…」

 

由比ヶ浜の方を見るとフッシーが由比ヶ浜の膝枕で寝ていた

 

ゆい「はしゃぎ過ぎて疲れちゃったみたいで…」

しずか先輩「むう…じゃあ今回はやめておくか?まぁ始めてのポケモンバトルだし…

お前達も『負けるのも怖い』だろうし……」

 

 

しずか先輩「まあ、いきなりじゃなくてもしばらくして落ち着いた頃にでも……」

ゆきの「やります」

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ポケモン研究所裏庭

 

こうして雪ノ下と一色がポケモンバトルをすることになった

一色は最初しぶっていたが雪ノ下のスーパーごり押しには勝てず

半ば強引にバトルすることになった

 

オーキド博士「こっちじゃ!」

 

俺達はオーキド博士に案内され

ポケモンバトルをする為に作られた

バトル場がある研究所の裏庭に来ていた

 

ゆきの「………」スタスタ

いろは「………」ぶるぶる

 

雪ノ下は勇足でオーキド博士についていき

一色は雪ノ下に怯えながらもついてった

ちなみに由比ヶ浜のフッシーは今自分のモンスターボールの中で眠っている

俺は隣を歩いているしずか先輩に話しかける

 

はちまん「あの…しずか先輩」

しずか先輩「ん?なんだ?」

 

はちまん「あいつらが戦っている最中でもいいんですが、ポケモンバトルの戦い方をあいつら教えてやってくれませんか?」

しずか先輩「安心しろ。もとからそのつもりでポケモンバトルを提案したんだよ。まあでも私が教えられるのは基本的な戦い方だけだがな」

はちまん「いえ、それだけでも充分です。ありがとうございます、しずか先輩」

 

やったぜ

これで俺の仕事が減ったから楽が出来るぜ

 

…と、いうのは半分冗談で

俺はゲームでのポケモンバトルは熟知しているが

ゲームが現実となったこの世界での戦い方は分からない

もしかしたら仕様が変わっているかもしれない

そう考えると、俺が雪ノ下達に教えるのではなく、こちらの世界のしずか先輩に教えてもらった方がいいだろう

それにしずか先輩は教えるの得意そうだし

博士?

自分の孫を忘れるような人に用はありませんよ

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

しばらくするとバトル場に着いた

アニメで見たことある形だ

 

しずか先輩「では、ゆきのはそっち。いろははそっちに立つんだ」

 

しずか先輩は白線で作られたフィールドの両端にある四角い小さな囲みに2人を立たせるように指示した

2人は言われたとうりにその囲みの中に立つ

そしてしずか先輩はフィールドの外の、2人が向き合うその間に立った

 

しずか先輩「ではこれよりポケモンバトルを始める、しかし君たちは初心者だ。バトルの前にポケモンバトルについて説明しよう」

 

俺はフィールドの近くにあるベンチに由比ヶ浜と座っている

俺は隣にいる由比ヶ浜に話しかける

 

はちまん「由比ヶ浜、しずか先輩の話しをよく聞いておけよ」

ゆい「うん…ねぇヒッキー」

はちまん「なんだ?」

 

すると由比ヶ浜はしずか先輩を指差す

こら、人を指差すんじゃありません

 

ゆい「あれって平塚先生…だよね?」

はちまん「ああ、中身は違うがあれは俺達の知っている若かりし頃の平塚先生だ俺が始め会ったとき確認した間違いない」

ゆい「へ〜!平塚先生ってやっぱり若い頃も美人だったんだ!」

はちまん「ああ、そうだなぁ」

 

なんであんなにキレイなのになんで結婚できなかったんだ?

いや、こっちの世界ではどうなるのかわからんが

どうしよう、俺が貰っちゃおうか

 

ゆい「むぅ…」

はちまん「…なんだよ?」

ゆい「そういえば、なんでヒッキーは先生を下の名前で呼んでるの?」

はちまん「しょ、しょうがないだろ?この世界じゃそれが名前なんだから。ほら、俺だって<はちまん>だしお前だって、その、アレだろ?」

ゆい「そ、そうだけど……」

 

ゆい「あっ!」

 

ゆい「だったら私も、結衣って呼んで!」

はちまん「やだ」

ゆい「即答!?」

 

だって恥ずかしいじゃん

 

ゆい「でも!こっちの世界じゃわたしは

<ゆい>って名前なんでしょ!」

はちまん「そうだけど…」

ゆい「だったらわたしも先生みたいに下の名前で呼んでよ!

わ、わたしも、そのは、八幡って呼ぶから…」///

はちまん「え、それは…その…」///

 

はちまん「いや、まだお前はそのまま『ヒッキー』呼びでいい」

ゆい「えっ…!」

はちまん「い、いや!お前に名前で呼んでもらうのが嫌なわけじゃない!むしろその、嬉しいというか」///

ゆい「そ…そうなんだ…」///

はちまん「でも、『ヒッキー』呼びの方が慣れてるというか、安心するというか、だから…そのままでいい」///

ゆい「えへへ…安心、するんだ…わかったよヒッキー…で、でもそれじゃあ」

 

はちまん「…いや、お前の言う通りこっちの世界で『由比ヶ浜』って呼ぶのもおかしいだろうし…だからその、ゆ、結衣」///

ゆい「ヒ、ヒッキー…!」///

 

 

しずか先輩「は〜ち〜ま〜ん〜?」ゴゴゴ

 

 

はちまん「ひいぃっ!?」

しずか先輩「私にポケモンバトルを教えて欲しいと言ったのはお前だろうが!な〜のになんでお前は私の説明そっちのけでイチャコラしとるんだ!あぁん!?」

 

周りを見ると雪ノ下と一色もこちらを睨んでいる

 

はちまん「いっいえ!こっこれは別にっ!」

 

問 答 無 用 鉄 拳 制 裁 ☆

 

はちまん「ぐぼぁ!!」

 

しずか先輩にぶっ飛ばされながら思った

ああ…この人…間違いなく平塚先生だ…

 

 

 

 




ここまで読んでくださりありがとうございます

ここで何故名前の文字が漢字と平仮名で違うのかというと
俺ガイル世界のキャラとポケモン世界のキャラを区別するためです

深い理由はありませんがなんとなく区別しておこうかな?
と思ったので、これからもこんな感じでいきます

そんなんめんどくせー
統一しやがれコンチクショー
という人は感想欄に意見を書いてください

次回は説明回です
では、また




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

11話 お使い 中編

しずか先輩「え〜では気を取り直して、これからポケモンバトルの仕組みについて教える。心して聞くように。と、く、に!はちまん」

 

はちまん「う、うす」ぼろぼろ…

 

しずか先輩にぶっ飛ばされたあと俺は正座させられ30分も説教された

その後雪ノ下と一色から

 

ゆきの「由比ヶ浜さんだけを下の名前で呼ぶのは不公平でしょう?だから私も雪乃と呼びなさい」

 

いろは「せんぱいっ!私もいろはって呼んでくださいよ!いいですね!」

 

ということでこの2人も下の名前で呼ぶことになった

 

ゆい「結衣…結衣…えへへ〜」///

 

そして由比ヶ浜、いや結衣は終始こんな感じだった

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

しずか先輩「まず、ポケモンバトルの勝敗はポケモンを戦闘不能状態にすることで決まる。相手のポケモンを戦闘不能にしたら勝ち。

逆に自分のポケモンが戦闘不能になってしまうと負けだ。あと、試合やお互いが認めたら降参して自分から負けを認めることもできる」

 

しずか先輩「次にどうやって相手のポケモンを戦闘不能にするかだが

これは自分のポケモンが覚えている技を使い相手にダメージを与えればいい。その為にもポケモントレーナーは自分のポケモンがどんな技を覚えているか知っておかなければならない。ポケモンが一度に覚えられるのは4つだ」

 

しずか先輩「そしてポケモンには……」

 

それからもしずか先輩の説明は続いた

大体はゲームと同じ仕様で

違うところといえば

 

○技をかわすことは出来ないが命中率が低い技は外すことがある

○ターン開始直前に繰り出す技を両者同時に指示し、

すばやさが高い方から技を繰り出す事が出来る

○ねむり状態やメロメロ状態などターン経過で回復する状態変化はすべて3ターン経過すると回復する

○能力を変化させる技はゲームと同じ効果がある

○にほんばれやあまごいなどの天候を変える技などもゲームと同じ効果がある

 

これぐらいか?

それ以外の

一度に持てるポケモンの数

ポケモンの技の数

タイプ相性などはゲームと同じだった

 

そしてこれらは野生のポケモンとの戦いでも適応される

ただし野生のポケモンとは降参ができなくなるかわりに逃げる事ができる

 

しずか先輩「では私の説明は以上だ。何か質問があるか?」

 

いろは「はい」

 

しずか先輩「いろはか、なんだ?」

 

いろは「あの、ポケモンバトルで負けた場合どうなるんですか?そのペナルティとか」

 

しずか先輩「ん?特にないぞ?」

 

いろは「えっ?それじゃあ賞金は払わなくていいんですか!?」

 

しずか先輩「賞金?それはポケモンジムで勝った時や大きな大会で貰えるものだろう?」

 

トレーナーとのポケモンバトルで負けた場合所持金は減らないらしい

しかしそれでは相手からも賞金を貰えず金欠になるかと思いきや

ポケモンジムでトレーナーと戦えばそのジムで決められた賞金をジムから受け取ることができ、さらにそこにいるジムリーダーに一度勝てば毎月一定額が仕送りされるらしい

さらには、月に4回ポケモンジムで大きなポケモンバトルの大会があり

それに優勝すると大金とアイテムが貰えるらしい

つまり、もし資金面で不安になったらジムのある町に滞在すれば、ジムにいるトレーナーに勝つことで資金を稼げるということだ

 

しずか先輩「では、ほかに質問はあるか?」

 

ゆきの「はい」

 

しずか先輩「ゆきのか、なんだ?」

 

ゆきの「野生のポケモンと戦って負けた場合はどうなるのですか?」

 

雪ノ下、いや雪乃のこの質問は俺も聞きたかったことだ

前にも言ったがもし野生のポケモンに負けた場合死んでしまう可能性がある

戦えるポケモンが戦闘不能になり、

何もできなくなった時

野生のポケモンはトレーナーに襲いかかってくるかもしれないからだ

たとえどんなに可愛い容姿をしていてもモンスターと言われる存在だ襲われるとひとたまりもないだろう

 

と、俺は考えていたが…

 

しずか先輩「特に何もないぞ?」

 

「「「「……え?」」」」

 

何もないらしい

野生のポケモンに負けても

襲われることは無いし

その上おこづかいが減る心配もないらしい

理由は不明

 

あれぇー?なんか心配して損した気分

というか何だよそれゲームよりも優しいじゃん、現実のほうが甘ったるいじゃん

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

しずか先輩「さて、説明はこのくらいにして!いよいよポケモンバトルと行こうじゃないか!さあ、2人ともほらほら!」

 

ゆきの「はい」

 

いろは「わ、わかりました」

 

 

ゆきの「来なさい、ヒトカゲ!」

 

ポンッ!

 

ヒトカゲ「………」

 

いろは「おいで、カメちゃん!」

 

ポンッ!

 

カメちゃん「ふっ」ドヤッ

ヒトカゲ「」イラッ

 

 

ゆい「わぁ〜〜!なんだかわたしまで緊張してきた!ゆきのんもいろはちゃんも頑張れー!」

 

さて、この世界で初めて見るポケモンバトルだ

タイプ相性的には一色、いやいろはのカメちゃんが有利だ

しかしレベルが低いため弱点をつける技が無い

その為すばやさが高いヒトカゲの方が有利かもしれない

 

…あれ?というかアイツらポケモンを貰ったばかりで何の技を覚えているかわからないんじゃ?

 

 

すると突然へんなおじさんが乱入してきた

 

 

へんなおじさんは雪乃といろはに小さな紙の切れ端を渡すと去っていった

 

もしかしてあれはそれぞれのポケモンが覚えている技が書かれているのか?

だってへんなおじさんの格好したオーキド博士が渡してたし

なんでへんなおじさんの格好してたのかは分からんが

 

しずか先輩「では、ポケモントレーナーのゆきの対いろは!ポケモンバトル、開始!!」

 

ゆきの「ヒトカゲ!ひっかく!」

 

いろは「カメちゃん!たいあたり!」

 

2人は同時に技を指示する

先に動いたのはやはりヒトカゲ

 

ヒトカゲ「!」シュッ

 

カメちゃんにひっかくのダメージが入り

次はカメちゃんの攻撃

 

カメちゃん「!」ガスッ

 

ヒトカゲにたいあたりのダメージが入り

これで1ターンが終了した

このターンは互いにダメージを与えたが

防御が高い分カメちゃんはダメージが少ないだろう

 

ゆきの「ヒトカゲ、なきごえよ」

 

いろは「カメちゃん!たいあたり!」

 

2ターン目

雪乃は先程の攻撃を見てジリ貧になると踏んだのか相手の攻撃力を下げにいく

対していろははたいあたりの連打

攻撃力を下げられたとはいえダメージ的には一歩リードする

だが

 

そこからは3ターン、4ターンと

互いにダメージを与えていった

やはり2ターン目のなきごえが効いているのかカメちゃんのヒトカゲに与えるダメージが少ない

 

両者とも体力ギリギリの状態

そして…

 

ゆきの「ヒトカゲ!トドメのひっかくよ!」

 

ヒトカゲ「!!」シャッ!

 

カメちゃん「……!」

 

バタン

 

いろは「ああっ!カメちゃん!」

 

5ターン目にしてすばやさが勝っていたヒトカゲが最後の一撃を先制し

 

しずか先輩「勝者!ゆきの!!」

 

雪乃とヒトカゲが勝利した

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ポケモン研究所

いろは「うう〜負けちゃいました〜ごめんねカメちゃん」

 

勝負の後互いに礼をし、研究所の中に戻ってきた

傷ついた2匹のポケモンはしずか先輩が治療してくれた

 

しずか先輩「ゆきの、いろは。2人とも、よく頑張ったな。初めてにしてはなかなかだったぞ?」

 

いろは「うう…」

 

はちまん「おい、いつまで落ち込んでるんだよ?」

 

いろは「だって〜」

 

はちまん「初めてだったんだからそう簡単に勝てるわけないだろ?それに相手はあのゆ、雪乃だったんだから」

 

雪乃は勝負が終わると小さくガッツポーズをしていた

それを見た結衣は雪乃に抱きつき

雪乃は顔を真っ赤にしていた

 

いろは「でも…悔しいです…」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

オーキド博士「お主たち!ちょっと良いか!?」

 

オーキド博士がそう呼びかけると全員がそちらを向く

あれ?そういえばこの人あのへんなおじさんのあと全然姿を見なかったな

何してたんだ?

 

はちまん「なんですか?博士」

 

オーキド博士「お主らに頼みがあっての!」

 

はちまん「頼み?俺達にですか?」

 

オーキド博士「うむ!実はわしが以前注文したものが届いたようでの、隣町のトキワシティのフレンドリィショップまでそれをお主達4人にとってきて欲しいのじゃ!」

 

ええ〜パシリかよ

しかもポケモントレーナーになったばかりのやつに頼むか?

 

オーキド博士「いやーわしももう歳でのー。隣町まで歩くのもおっくうなんじゃーだから若いお主らに行ってもらおうと思っての!」

 

いや、めんどくさいだけだろ

 

オーキド博士「そしてそれはいまわしが作っている画期的な代物を完成させるために重要な物なのじゃ!お主達が取ってきてくれたら完成したそれをお主達にやろう!大丈夫、今度はちゃーんと人数分用意してある!どうじゃ!行ってきてくれんかの!」

 

はあ…この感じ行かなきゃ行けない雰囲気だよなぁ

博士が言っている物って"アレ"だろうし…

 

はちまん「はぁ、わかりました。行きましょう」

 

オーキド博士「本当か!?」

 

はちまん「ただし」

 

俺は雪乃、結衣、いろはの顔を見る

 

 

はちまん「俺1人で行ってきます。」

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

12話 お使い 後編

#1番道路

俺は今オーキド博士のパシ…お使いでマサラタウンと隣町のトキワシティを結ぶ1番道路に来ている

 

そしてしばらく進み、立ち止まる

そこで俺はカラカラをボールから出した

 

はちまん「出てこい、カラカラ」

 

ポンッ!

 

カラカラ「……」ぼー

 

相変わらずぼーっとしているそいつを見る

そして『俺が1人で行く』と言った時の雪乃達の反応を思い出す

…あいつら凄い怒ってたなぁ

怖いなぁ…このままバックレようかなぁ

何故かオーキド博士は快く承諾してくれたけど

 

 

何故俺が1人で行くと言ったのか

それには理由がある

 

一つ目は、あいつらの今の状態だ

雪乃といろはのポケモンは先程の戦闘で疲弊していたのと

結衣のフッシーが未だに寝ていた事から

連れて行くのは難しいと判断した

 

二つ目は、今俺の目の前にいるこいつ

会った時から薄々感じていたが

俺のボッチセンサーによると

こいつもボッチ属性だ

だからなるべく人数が少ない方がいい

 

そして、最も重要な三つ目の理由

それはーーー

はちまん「戻れ、カラカラ」

俺は出したばかりのカラカラをボールに戻す

 

はちまん「よし、いけ!カラカラ!」

そして再びカラカラをボールから出す

ポンッ!

カラカラ「?」

はちまん「戻るんだ!カラカラ!」

そしてまたカラカラをボールに戻す

 

今度は大きく振りかぶって…

はちまん「いくんだ!カラカラ!」

カラカラ「………」

はちまん「戻りまして、カラカラさん」

 

そう俺が1人で行くと言った三つ目の理由は

 

「ボールの投げ方、そして投げる時戻す時の台詞を考えること」!!

 

だってアニメとかでみんな投げ方も台詞も違ったじゃん?

それに自分だけのものとかカッコいいじゃん?

 

他に人が周りにおらず

いい感じに広いこの場所なら恥ずかしくないし!

それに早い段階で決めなくてはならない

さっきのしずか先輩の提案したポケモンバトルにもこれを決めていなかったせいで参加できなかったし

もう俺にはこのお使いに賭けるしかなかった

 

俺は絶対に自分だけのスタイルを見つけてやる!!

 

 

それから俺はボールをひたすらに投げまくり、

怒ったカラカラのアイアンヘッドを鳩尾に食らうまで続いた

 

うん…これはまた今度考えよう

あんまり博士を待たせるのもアレだし…

べ、別にカラカラがものすごい睨んできて怖いからじゃないんだからね!

というかこいつアイアンヘッド使えるのか…

 

☆ ☆ ☆

 

はちまん「うぐぐ…」とぼ…とぼ…

カラカラ「ふんっ!」テクテク

 

い、いてぇ…

俺とカラカラは今トキワシティに向けて進んでいる。

俺はまだ痛む鳩尾を抑えながら何とか歩いていた

 

しばらく進むと街が見えてきた

あと少しで街の入り口に着く

 

そしてそこで事件は起きた

 

おじいさん「おいっ!そこの君!」

はちカラ「「?」」

 

俺たちの前に現れた謎の老人

そしてその老人は言い放つ

 

 

おじいさん「君!ジョウト名物いかりまじゅうかっ…ぶごはぁ!?」

 

はちまん「あ」

その台詞を聞いた瞬間

気づけば俺はそのまんじゅう売りのおじいさんを殴り飛ばしていた

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

---そしてこの話の冒頭に戻る

 

………まあ、俺が完全に悪い訳だが

でも、俺にだって恨みの一つや二つあるんだよ!

 

おじいさん「ふん、まあ反省はしているようじゃな?じゃあ慰謝料として有り金全部貰おうか」

 

やっと説教地獄と思ったら金を要求してきた

…うう、こっち側が悪いから言い返せない

俺は母さんがバックに入れてくれた財布を取り出そうとした

 

 

???「おい」

 

 

そこに男の声が聞こえた

別に大声でもないのに体の奥にズシンとくる声だった

おじいさんは声の主を見る

 

おじいさん「なんじゃあお主?何の用じゃ?こっちは今取り込み中…」

???「お前か?街の入り口で無理矢理まんじゅうを売りつけているっていう爺さんは?いやその格好を見れば間違いないな。

おい、今すぐ消えろ」

おじいさん「な、なんじゃ!なんじゃ!その口の聞き方は!

そ、それにまんじゅうを売って何が悪いというんじゃ!?

別にわしがどこで売ろうがわし勝手……

 

 

???「いいや、ここは俺の街だ」

 

 

???「俺の、俺の為の、俺だけの街だ。

そして俺の街に住む奴らがお前を邪魔だと言ってきた。

いいか?もう一度だけ言う、

 

消えろ」

 

おじいさん「ひ、ひいぃいぃ!」

 

おじいさんは男の威圧に耐えきれず逃げ出していった

 

???「チッ、クソジジイが」

 

 

俺は固まっていた

何故なら、その男を見た瞬間震え上がったからだ

見間違う筈もない

 

 

今俺の目の前にいるのは

悪の組織ロケット団のボスにして8つ目のジムリーダー

 

 

サカキ

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

13話 トキワのジムリーダー

#トキワシティ、マサラタウン方面入り口

 

俺はいま焦っていた

何故なら目の前にポケモンシリーズのビックネーム

サカキがいるからだ

 

どうしてここでサカキが出てくる!?

確かにサカキはトキワシティのジムリーダーで

ここはそのトキワシティだ

この街にいたとしても何もおかしくはない

だが

トキワシティのジムは今は閉まっていているはず

さらにそこのジムリーダーがサカキだと分かるのは

ジムバッチを7個集めた後、つまり物語の終盤に判明する

しかも

サカキはこのカントー地方で悪事を働く悪の組織ロケット団のボス

こんな序盤に出てきていい敵じゃない

 

サカキが今目の前に理由

考えられるのは…

偶然?

 

俺達がこの世界に迷い込み

ゲームの世界が現実となった

その現実世界でサカキが何かの理由で偶々ジムに帰って来ていて

そこに俺が来たことでこうして会合してしまったということか

 

どうする?

今サカキと戦う事になったら…

こっちはまだ戦闘経験のない子供

向こうはカントー地方でも五本の指に入る実力者

勝ち目なんか無い

下手したら殺されるかも知れない

なら、逃げるしか…

 

サカキ「おい」

はちまん「…!」

 

話かけられた

遅かったか…!?

 

サカキ「…どうした?何をそんなに怯えている?」

はちまん「そ、それ、は…」

 

サカキ「……………」

 

サカキ「……おい」

はちまん「は、はい…!」

 

 

サカキ「コーヒーは好きか?」

 

 

はちまん「……は?」

サカキ「コーヒーだ。好きなのか?嫌いなのか?」

はちまん「は、はいっ!大好きです!」

サカキ「そうか。ならついて来い」

 

そう言うとサカキは街の中へ入って言った

 

ど、どういうことだ?

コーヒー?あのサカキが?

それについて来いって、何処に?

 

サカキ「おいっ!早く来いっ!」

はちまん「は、はいっ!!」

 

とりあえず今はついて行くしかない

俺はカラカラと顔を合わせると一緒にサカキの後を追う

 

…しかしあの人を見てるとなんか変な感覚を感じるな

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#トキワシティジム前

 

俺達が連れてこられたのはトキワジムだった

ジムは入り口以外が全て木々に覆われていた

サカキは入り口にあるシャッターを開けると中に入って行った

 

サカキ「入れ」

はちまん「は、はい」

 

俺とカラカラはサカキの後に入って行く

 

はちまん「お、お邪魔します…」

 

ジムの中は真っ暗闇だった、何も見えない

木の匂いと土の匂い、そしてコーヒーの香りがした

サカキが灯りをつける

部屋が明るくなり見えるようになる

 

はちまん「おお………」

 

ジムは学校の体育館くらい広かった

だが驚くほど何も無く

あるのは入り口付近に変な銅像と

ソファーと机、そしてコーヒーメーカーと角砂糖の入ったガラスの瓶だけ

それと

 

はちまん「で、でかっ!」

 

ここの天井に頭がつくかつかないかの大きなポケモンがいた

確かコイツは、ニドキング?

どうやら座って寝ているらしい

カラカラはニドキングを見ると俺の影に隠れた

 

サカキ「おい、そこに座れ。今用意する」

はちまん「え?は、はい」

 

俺はズボンの裾を掴んで震えているカラカラを抱き上げると

サカキが指したソファに座り、カラカラも隣に座らせた

カラカラはまだ震えていて俺の腹に抱きついている

俺は落ち着かせるように背中をさする

 

俺とサカキはテーブルを挟んで座っていて、

コーヒーを作っていた

 

サカキ「砂糖は」

はちまん「は、はい、えっと」

サカキ「いるのか?いらないのか?」

はちまん「い、いります」

サカキ「そうか」

 

そういうと角砂糖の入った瓶を俺の方に寄せて来た

 

サカキ「好きなだけ入れろ」

はちまん「あ、ありがとう、ございます」

 

そしてコーヒーをカップに注ぐと俺に渡してきた

 

サカキ「ほら」

はちまん「ど、どうも」

 

………これ飲んで大丈夫なのか?

 

ズズッ

サカキ「どうした?飲まないのか?」

はちまん「い、いえその…なんと言いますか…」

サカキ「………………」ジッ

 

 

サカキ「お前やっぱり俺の正体に気づいているな?」

 

 

なっ…!

 

はちまん「い、いえ!しょ、正体?何のことだか?」

サカキ「……」

 

 

ドゴォォォン!!!

 

 

はちまん「ヒイィッ!!」

カラカラ「………!!」ビクゥ!

 

な、なんだ!!今の!!

後ろを見るとさっきのニドキングが起きていて

床を拳で叩き割っていた

 

サカキ「とぼけるな、次はない」

 

こ、怖えぇ!

こ、ここ、ここは正直に答えた方がいいな!!

し、しかし、馬鹿正直に

 

『あなた、悪の組織のボスですよね?』

 

なんて言ったら何されるか分からん!!

口封じに殺されるかも知れない…!

こ、ここは言葉を濁らせながら

俺は震えているカラカラを抱き寄せながら

 

はちまん「ええっとその、ア、アレですよね!あなたはその、そう、色!色を塗る職業の人、色塗り職人ですよね!」

サカキ「…色?」

はちまん「えっと、このカントー地方を一色に染めようとしている事業で!あなたはそのお偉いさん!」

サカキ「色…一色…染める」

はちまん「それで…それで…その為には手段を選ばない人」

サカキ「………」

 

何を言っているんだ俺はー!!

もう何が何だかしっちゃかめっちゃかじゃないか!?

なんだよ色塗り職人って!

言葉を濁すにしてももっといい言葉があるだろー!

国語三位の実力はどこ行ったー!?

 

サカキ「………俺が色塗り職人?ハハッ!まあそれでもいいか」

 

あれ?なんか笑ってる

 

サカキ「…で?お前はどこでその情報どこで手に入れた?」

はちまん「それは……すみません、言えない、です」

サカキ「………まあいい、わかった」

はちまん「え?」

 

サカキ「なあ、お前は何しにこの街に来たんだ?」

はちまん「え、えっと、マサラタウンのオーキド博士にお使いを頼まれまして、それで…」

サカキ「オーキド?オーキドって言うと随分昔にチャンピオンになったジジイか?いまはポケモン研究の第一人者、だったか?マサラにいたのか」

はちまん「は、はい。それでこれからこの街のフレンドリィショップに行かなくてはならないんです」

サカキ「そうか」

 

サカキ「この街を騒がしくしないのならそれでいい。で、今すぐ行くのか?」

はちまん「はい、できれば」

サカキ「そうか、わかった」

 

サカキ「案内してやる」

はちまん「え!?」

サカキ「店までの道を教えてやる、外に出ろ」

 

そう言うとサカキはジムの外へ向かった

俺はカラカラを抱き上げそのままサカキについて行く

後ろにいるニドキングを見ると入って来た時と同じように眠っていた

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#トキワシティジム前

 

外に出るとサカキが待っていて俺が出るのを見ると

ジムの入り口のシャッターを閉めた

 

サカキが指で指し示し俺に道を教える

 

サカキ「ここから道なりに真っ直ぐ行って左に行けば店がある。青い看板が目印だ」

はちまん「は、はい。ありがとうございます」

サカキ「じゃあな」

 

そう言うとサカキは森の方へ歩いて行った

 

どうして道を教えてくれたのか聞こう思ったが、やめた

 

何処へ行くのか聞こうと思ったが、やめた

 

俺は黙って、去っていくサカキの背中をみていた

 

 

---先程サカキを見て感じた感覚の正体がわかった気がした

---サカキと話していた間も感じていた感覚

---これは、この感覚は、"親近感"?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、コーヒーを飲むのを忘れていたことに気づいた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

14話 ポケモン図鑑 前編

#1番道路

俺はサカキに案内された通りにフレンドリィショップに行き

そこでオーキド博士の荷物を預かったあと

荷物をバックに入れ

マサラタウンに向けて帰還しようとしていた

 

はちまん「…なあ、カラカラ」

カラカラ「?」

 

俺は隣を歩くカラカラに話しかける

カラカラはこちらに顔を向け、首をかしげる

 

はちまん「いや…今気づいたんだが。

トキワに行く時もこうやってマサラに戻るときもこの1番道路を通っているよな?」

カラカラ「…」コクン

 

カラカラは俺の言葉に頷く

俺は辺りを見渡しながら

 

はちまん「でも、全然野生のポケモンを見てないよな?」

カラカラ「…?」キョロキョロ

 

カラカラは俺と同じように辺りを見渡す

確かゲームではここには野生のポケモンも出現したはずなんだが

ポケモンのポの字も見つからない

なんでだ?

 

あ、そうだ!草むらだ!

 

はちまん「…あった!カラカラ!こっちだ!」

 

俺は草むらを見つけそっちへ向かう

カラカラも俺についてくる

 

はちまん「俺の予想が正しければ…カラカラいつでも戦えるように構えておけ」

カラカラ「…!」ギュッ

 

カラカラはいつも肌身離さず持っている骨を握りしめた

 

はちまん「…いくぞ」

 

俺とカラカラは草むらに入っていった

しばらく草むらで歩いていると…

 

ガサガサッ

 

はちカラ「「!」」

 

出た!ポケモンだ!

あれはコラッタか

 

俺はカラカラを見る

カラカラは頷き骨を構えた

 

確かしずか先輩の説明によれば

こちらが自分のポケモンに使わせる技を指示すれば、野生のポケモンもそれに合わせ

トレーナー同士の戦いのように技を決めるらしい

ただしトレーナー同士の戦いとは違い

相手の使う技が繰り出されるまで分からない

そして攻撃する順番はやはりすばやさが高い方から動く

 

相手はコラッタ

向こうの方が早いだろう

だが防御力はこちらが上だ

 

俺とカラカラは顔を合わせ頷き合う

よし

俺の初戦闘だ

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

野生バトル

はち&カラ VS コラッタ

 

はちまん「カラカラ!しっぽをふる!」

 

最初のターン

先に動いたのは相手

コラッタのたいあたりが炸裂する

 

コラッタ「!」ゴスッ

カラカラ「…!」

 

先手は取られたがやはりあまり効いていない

続いてカラカラのしっぽをふる!

 

カラカラ「!」フリフリ

 

これでコラッタのぼうぎょが下がった!

そして1ターン目が終了した

 

はちまん「カラカラ!アイアンヘッド!」

 

2ターン目

コラッタのたいあたり

 

コラッタ「!」ゴスッ

カラカラ「…!」

 

そしてカラカラのアイアンヘッド!

 

カラカラ「!!」ガーン!

 

コラッタ「…!!」フラフラ…

 

おお…凄え効いてる

自分の身をもって味わったから分かる

あれ、スゲェイタイ

 

そして最後のターン

コラッタはしっぽをふるをして来た

だが今更やっても遅い

…よくあるよね

 

はちまん「カラカラ!トドメのアイアンヘッド!!」

カラカラ「!!!」ガーン!!

 

コラッタ「…!!!」

バタンッ

 

こうして俺とカラカラの初めてのポケモンバトルは勝利でおさめた

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

その後、倒れているコラッタを見てどうしようかと思っていると…

 

コラッタ「!」ピョンッ、ダダダー

 

はちカラ「「!」」ビクッ

 

倒れていたコラッタが突然跳ね起きたと思ったら目にも留まらぬ速さで草むらの奥に消えて行った

 

えっと、いいのか?これで?

カラカラを見ても首をかしげるばかり

ん〜ま、いっか

 

はちまん「カラカラ、頑張ったな。スゲェ強かったじゃん」

カラカラ「…!?」プイッ///

 

俺が褒めるとカラカラはびっくりした表情になりそっぽを向いてしまった

もしかして照れてんのか?

 

はちまん「さて、そろそろ研究所に戻るか。

あいつらも博士もいい加減痺れを切らしているだろうし」

カラカラ「……」コクッ///

 

俺は慎重に草むらから抜け出し

まだ照れているカラカラを連れて

マサラタウンに帰還した

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ポケモン研究所前

 

やっと帰って来れた

空を見上げるとまだ夕方だった

なんかすごい時間が経った気がするけど

こっちの世界に来てまだ1日も経っていないんだな…

というかやっぱあの人に会ったのがインパクトでかすぎた

あそこで寿命の一年ぐらい消費した気がする

 

俺は研究所のトビラを開け

カラカラと一緒に中に入る

 

はちまん「う〜す」

ゆい「あっ!ヒッキー!」

 

俺が中に入ると結衣が反応した

そして駆け寄ってくる

その後ろにはフッシーも付いて来ている

 

 

ゆい「も〜!遅いよヒッキー!何してたの!?」

はちまん「色々あったんだよ、色々」

ゆい「?そーなの?あ!ヒッキー!わたしヒッキーがいない間ゆきのんとポケモンバトルしたんだよ!…まあ、負けちゃったけど」

はちまん「そうなのか。で?感想は?」

ゆい「感想?うーん、なんだろう負けたはずなのになんだか、こう、えっと、スカスカしい?」

はちまん「……清々しいじゃないか?」

ゆい「そう!それ!清々しい!」

 

結衣のアホさ加減はいつも通りなので置いとくとして、なんか結衣らしい感想だな

すると雪乃といろはもやって来た

カメちゃんもいる

 

ゆきの「あら、パシリ企谷君。戻ってたの」

はちまん「パシリじゃねぇお使いだ、雪乃」

いろは「せんぱいっ!お帰りなさいですっ!さみしかったですよっ!」

はちまん「はいはい、あざとい」

カメちゃん「ふっ」ドヤッ

はちまん「お前は安定のドヤ顔か」

 

はちまん「あれ?雪乃、お前のヒトカゲは?」

ゆきの「あの子なら今、休んでるところよ」

はちまん「そういや、結衣から聞いたぞ?結衣にも勝ったんだってな今のところ全勝なんじゃないか?」

ゆきの「いえ、そうだとしても油断はできないわ。結果的に勝ったけれど2人とも強かったもの。これから先も考えて死ぬ気で特訓するわ」

 

さすがですねゆきのさん

 

いろは「もしかして一度もポケモンバトルしてないのって先輩だけですか?」

はちまん「いや、さっき野生のポケモンと戦ってきた」

いろは「結果は?」

はちまん「勝ち」ドヤッ

いろは「うわぁ…」

 

え?なんで引いてんの?

お前のカメちゃんのマネしただけなのに

 

研究所の奥からオーキド博士が走ってきた

怖い怖い怖い

 

オーキド博士「おおっ!はちまん君!もどったか!して、例のブツは!?」

はちまん「例のブツって…はい」

 

俺はバックからオーキド博士の荷物を取り出し博士に渡す

 

オーキド博士「きたー!!これで、これで、とうとうアレが完成するぞ!!はちまん君!ありがとう!ありがとう!

さぁ、早速作るかの!

あ、お主らは今日は研究所の近くにある小さな宿屋で休むといい!

しずかちゃん!案内してやってくれ!」

しずか先輩「はい、わかりました」

 

オーキド博士ははしゃぎながらそう言うと研究所の奥に消えて行き

入れ替わりにしずか先輩がやってきた

 

しずか先輩「はちまん。無事に帰ってきたな」

はちまん「はい、おかげさまで」

しずか先輩「………?お前ら、なんか仲良くなってないか?」

 

しずか先輩は俺とカラカラを交互に見比べるとそう言ってきた

ん?俺とカラカラが仲良く?

俺達は顔を見合わせる。そうか?

 

しずか先輩「まあいい、さっき博士が言った通りもう時間が遅い。

それに君たちも疲れただろう。さあ、この近くにある宿屋に行こう」

 

こうして俺達はしずか先輩に連れられ宿屋に向かった

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

15話 ポケモン図鑑 後編

#ポケモン研究所

 

俺、雪乃、結衣、いろはの4人は

昨晩の疲れを癒すために宿屋に泊った

しずか先輩も一緒だ

翌日、朝食を食べた後、俺達はポケモン研究所に来ていた

中に入るとオーキド博士が入口で出待ちしていた

 

オーキド博士「昨晩はお楽しみでしたね?」ニヤニヤ

 

…朝からめんどくせぇ

オーキド博士の戯言は放っておく

 

はちまん「あの、博士。昨日言ってたのって完成したんですか?」

オーキド博士「ああ!そうじゃ!わしが昨日の晩、夜なべで完成させたんじゃ!

早速お主らに見せてやろう!

こっちじゃ!」

 

俺達はオーキド博士について行き

研究所の奥のテーブルに案内された

その上には赤い物体が4つ置いてあった

 

 

オーキド博士「さあ、これが!わしの心血を注ぎ、様々な試行錯誤の末に完成した人類の歴史上最高傑作!

 

ポケモン図鑑じゃ!!」

 

いろは「おお〜〜!」パチパチ

ゆい「おお〜〜!」パチパチ

 

いろはとゆいは感嘆の声をあげながら拍手する

 

しずか先輩「ポケモン図鑑?博士、何ですか?それは?」

オーキド博士「むふん!よくぞ聞いてくれた!説明しようポケモン図鑑とは!」

 

博士の説明は長かったのでカット

オーキド博士「ええっ!?」

俺がポケモン図鑑の機能はゲームのやつに追加機能がついているらしい

まとめるとこうだ

 

まず基本的な使い方としてはゲームと同じで

持ち主が出会ったポケモンの説明が記録されていく

ポケモンを捕まえた場合より詳しくなる

 

そしてこの世界で追加された機能とは

自分のポケモンのステータスが分かる機能で

これなら自分のポケモンがどれだけ強いか

どんな技を持っているか

また、ポケモンのレベルが上がった瞬間を教えてくれるらしい

これは多分ゲームでは可能だった事が現実で出来なくなったため

ポケモン図鑑に組み込まれた感じだな

 

オーキド博士「そして!このポケモン図鑑!お主ら4人に託そうと思う!

わしももう歳じゃからな

若い君たちにこのポケモン図鑑を完成させて欲しいんじゃ!

どうじゃ?やってくれんかの?」

 

俺達4人は顔を見合わせる

 

ゆい「ど、どうしよう、ヒッキー」

はちまん「…まあ俺達もなんやかんや博士にお世話にっただろ?

これくらいやってもいいんじゃないか?」

ゆい「で、でも」

はちまん「それに」

 

俺は横目でポケモン図鑑を見ながら

雪乃達だけに聞こえるように声を小さくし

 

はちまん「それにこれは俺達が元の世界に戻るために必要なものかもしれない」ヒソヒソ

ヒロインズ「「「!!!」」」

 

ゆきの「本当なのかしら?それは?」ヒソヒソ

はちまん「…いや、わからん。だが戻るために考えられる手段である事は間違いない…多分な」ヒソヒソ

いろは「…なるほど」

 

いろはは俺の説明を聞き何か思い当たったように頷く

そういえばこいつポケモンの知識が少なからずあるんだっけ

 

いろは「雪乃先輩、結衣先輩。恐らく先輩の言っていることは正しいと思います。少なくとも貰っておいて損はありません」

ゆきの「そう、この男はともかく一色さんが言うのであれば間違いないわね」

 

この扱いである

ヒドイよゆきのん

 

はちまん「じゃあ俺と雪乃といろはは貰うってことで、お前はどうする?結衣」

ゆい「…うん。わかった!わたしも貰うよヒッキー!」

はちまん「そうか、わかった。博士」

オーキド博士「うん?決まったかの?」

 

オーキド博士は俺達が話してる間しずか先輩とジェンガをやっていた

…ジェンガって一人でするもんだと思ってた

 

はちまん「はい、俺達はポケモン図鑑完成に協力します」

オーキド博士「そうか、そうか!それは良かった!

んじゃ、ほれこれがポケモン図鑑じゃ!」

 

オーキド博士はテーブルの上にあるポケモン図鑑を

俺達に手渡していった

 

オーキド博士「よろしく頼むぞ」

ゆきの「はい、ありがとうございます」

 

オーキド博士「頼んだぞ」

ゆい「あ、ありがとうございます!」

 

オーキド博士「任せたぞ」

いろは「はいっ!がんばりますっ!」

 

オーキド博士「ほれ」ぽい

はちまん「えっ!ちょ、危っ!」

 

何で俺だけ投げて渡してくるんだよ!?

落とて壊したらどうするんだ!?

 

オーキド博士「じゃ、わしの要件は済んだからわしは寝る

しずかちゃん後は任せた…ふわぁ〜」

 

そう言うと博士は研究所の奥に消えていった

今更だがなんなんだあの人自由すぎるだろ

 

しずか先輩は俺達の方に来るとポケットから何かを取り出した

 

しずか先輩「それじゃ、私からはこれを」

 

しずか先輩は俺達にカードのような物と固いケースのようなものを渡してきた

これは…?

 

しずか先輩「そのカードはトレーナーパスと言って、トレーナーがトレーナーである事を証明する物だ

こっちのケースはバッチケースだ。ポケモンジムのジムリーダーに勝った時貰えるバッチを保管するケースだ

あと、これも渡しておこう

モンスターボールだ」

 

しずか先輩からそれぞれ10個ずつモンスターボールを貰った

 

ゆきの「ありがとうございます」

しずか先輩「ポケモンの捕まえ方ははちまんに教えてある、後で教えてもらうといい」

 

しずか先輩は俺達の顔を見渡す

 

しずか先輩「では、いよいよお前たち4人の門出だ

私も先輩トレーナーとしてお前たちがどんなトレーナーになって帰って来るか楽しみに待っている

ゆきの、ゆい、いろは、あとはちまん

みんな、幸運を祈る」

4人「「「「はい、ありがとうございます」」」」

 

俺達はしずか先輩に別れを告げ

研究所を後にした

 

そして俺達のポケモントレーナー人生が始まった

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

16話 目的 前編

#ポケモン研究所付近

 

俺達は研究所から出ると

昨日雪乃達と会った時に話し合った

研究所近くの広場に来ていた

 

ポケモントレーナーになったのはいいが

これからどうしようかを話し合うためだ

最初に話しを切り出したのは結衣だった

 

ゆい「えっと、これからどうするの?」

ゆきの「…取り敢えず元の世界に戻る方法を考えましょう。さっき含み企谷君が言っていたことも含めて」

はちまん「含み企谷君ってなんだよ。…じゃあ俺が考えた戻る方法を言っていいか?」

 

雪乃達は頷き、俺の言葉を待つ

 

 

はちまん「先ず、この世界の元々の形はポケットモンスターって言う所謂RPGのゲームだ

ロールプレイングゲームとは開発側から与えられたロール(役割)を

プレイ(操作、行う)ゲームだ

 

なら俺達はここで与えられている役割を全うすれば良い

そうすれば恐らく元の世界に戻れると思う…確証はないがな

 

街の名前や人物の名前からして

この世界はポケモンシリーズの中での初代にあたる

赤、緑、青、ピカチュウ

が元になっていると考えられる

 

そして初代ポケットモンスターでの果たすべき役割、いや最終目的は2つ

 

1つは、このカントー地方にある全てのジムバッチを手に入れ

セキエイ高原のチャンピオンロードを超え、ポケモンリーグの四天王、そしてチャンピオンに勝ち殿堂入りすること

 

2つは、さっきオーキド博士から貰ったこのポケモン図鑑

このポケモン図鑑に全てのポケモンを記録し、図鑑を完成させること

 

そしてこの2つが今俺が考えている元の世界に戻れるかもしれない方法だ」

 

 

俺が一通り話し終えると3人は考え込む

いろははある程度ポケモンの知識があるからか飲み込めている様子だ

雪乃はゲームの知識は皆無だが

そこは雪ノ下雪乃、大丈夫そうだ

問題は結衣

顔からして全く理解してない

…いやコイツはこれでいいか、良くないけど

 

はちまん「じゃ、お前ら今の話しで何か質問はあるか?」

ゆい「他の方法は思いつかないの?」

はちまん「…いや、あるにはあるが今最も有力な方法はこれだけだ」

ゆい「そうなんだ…」

 

ゆきの「…チャンピオンとは何かしら?」

はちまん「え?さっき言っただろ?セキエイ高原の…」

ゆきの「いえ、そうではなく。

 

チャンピオンとはどういう存在なのかしら」

 

はちまん「…そりゃあジムリーダー全部倒して、その後の四天王も倒した先にいるやつなんだから

 

ポケモントレーナーの中で1番強いやつなんじゃねーの?」

 

ゆきの「………1番強い、誰よりも、強い存在」メラメラ

 

あ、雪乃ちゃんのやる気スイッチついちゃった

すんごい燃えてらっしゃる

バックに炎が見えるぞ

もしかしてゆきのんもヒトカゲだった?

 

ゆきの「わかったわ、貴方の考えに賛同するのは嫌だし納得いかないけれど今回はその話しに乗りましょう」

 

納得いかないのはこっちだよ

 

ゆきの「貴女たちはどうするのかしら?」

いろは「う〜ん、私もその方法ぐらいしか思いつかないですし、分かりました!私も先輩に賛成ですっ!」

ゆい「わ、私はよくわかんないけど、今はそれしかないんだよね、うん!私も賛成!」

 

ゆい「でも、その方法をしようと思ってもどっちを先にすれば良いの?」

ゆきの「それは…」チラ

 

雪乃がこちらを見てくる

殿堂入りか図鑑完成

どちらを優先するか、それは…

 

はちまん「殿堂入りだ。図鑑完成をするにも殿堂入り後にしか出てこないポケモンもいるからな、それに記録しなくてはならないポケモンは全部で150匹。結構ハードだからジムバッチを集める間にポケモンを捕まえればいいしな」

ゆきの「そう、ならこれから殿堂入りを果たすことを目標にして行動すればいいのかしら?」

はちまん「そういうことになるな」

 

いろは「それで、目的は決まりましたけど先ず何をすればいいんですかね?」

はちまん「それはここから近いニビシティのジムに行ってジムバッチを手に入れるしかない。その為にも先ずはトキワシティに行くんだ…って、あ」

ゆい「どうしたの?ヒッキー」

はちまん「そういえば俺、タウンマップを持ってない…」

ゆきの「それならあるわよ、ほら」

 

そういうと雪乃はバックからタウンマップを2つ取り出した

その内の1つを俺に渡してくれた

なんで持ってるの?

 

ゆきの「貴方がお使いに行っている間に博士のお孫さんから頂いたのよ。ちゃんと人数分あるから大丈夫よ」

はちまん「そ、そうか」

ゆきの「では、これからトキワシティに向かえばいいのかしら?」

はちまん「…いや、その前にしずか先輩から教わったポケモンの捕まえ方について教えとこう」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

ポケモンの捕まえ方

 

先ずポケモンに出会うためには草むらに入らなければならない

草むらで歩いていればそのうちポケモンが出てくる

 

そしてポケモンにボールを投げれば捕まえられる

 

ポケモンを捕まえる際

バトルで弱らせれておけば捕まえやすくなる

ただし技を出す前にしっかり相手の残り体力を見極めなければ

その技で戦闘不能にしてしまい捕まえられなくなる

 

ボールを投げても捕まえられなかった場合

相手が攻撃してきてもこちらは何もできない状態になる

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

はちまん「ーーーこれがポケモンの捕まえ方だ」

 

俺は一通り話した後、結衣に話しかける

 

はちまん「結衣、わかったか?」

ゆい「うん!えっとボールを投げればいいんだよね?」

はちまん「そうだ、それで?」

ゆい「それで、ポケモンが捕まえられなかったら危ないからちゃんと弱らせてから捕まえないといけないんだよね?」

はちまん「そう、その通り。よくわかったな結衣」

ゆい「ふふん!どうヒッキー見直した?」

 

結衣はそう言うと胸を張る

10歳の身体にしては大きすぎるそれが強調される

うん、別の意味で見直した

雪乃にいろは、睨んでくるんじゃない俺は悪くない

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ゆきの「はあ…それじゃあもういい加減、向かいましょうか」

いろは「そーですねー」

ゆい「うん!それじゃあしゅっぱーつ!」

 

いつまでもマサラタウンに留まっていたくないのか雪乃は俺達を急かす。いろはと結衣もそれに同調し歩き出す

 

はちまん「いや、待ってくれ」

 

それを俺は止めた

ここで決めなくてはいけないことはまだある

 

ゆきの「?」

ゆい「どーしたの?ヒッキー?」

いろは「まだ何かあるんですか?」

はちまん「ああ」

 

 

はちまん「俺は---行かない」

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

17話 目的 後編

#ポケモン研究所付近

 

はちまん「俺は……行かない」

 

ゆい「…え!?」

いろは「ど、どうしてですかっ!?先輩!?」

ゆきの「………どういうことかしら?トキワシティに向かうと言ったのは貴方でしょう?

もしかして目だけではなく頭まで腐ったのかしら?ボル企谷くん」

はちまん「いや、俺の頭の中に爆弾はないから」

 

でもなんかボル企谷ってカッコいいな

電気が操れそう

 

はちまん「いや、トキワシティに行かないと言ったんじゃない。俺もトキワシティに行く」

ゆい「……え?じゃあどういうこと?」

 

はちまん「俺はお前らとは行かないってことだ。いやトキワシティに行くこの時だけじゃない。これから先も俺はお前らとは別行動を取ろうと思う」

ゆい「な……なんで!?どうして!?みんなで一緒に行けば良いじゃん!も、もしかしてわたし達といるの…いや、なの?」グスッ

はちまん「いやそうじゃない」

ゆい「じゃあ…!?なんで…?」

 

 

はちまん「カラカラだ」

ヒロインズ「「「え?」」」

 

 

俺はカラカラの入ったボールを雪乃達に見せる

 

はちまん「お前らも聞いただろ?コイツは心を閉ざしてるって

何があってこうなったのかは分からん

分かるのはコイツがボッチ属性だと言うことだ

だからコイツのまわりに大人数でいるのはコイツのストレスになって何が起こるかわからない

下手すると発狂してしまうかもしれない

だから俺はお前らとは行けない

いや、行かない」

ヒロインズ「「「………」」」

 

ゆきの「……………分かったわ

行きましょう、由比ヶ浜さん、一色さん」

ゆい「ゆきのん!?」

いろは「ゆ、雪乃先輩…!」

 

雪乃は結衣といろはの手を取る

 

ゆきの「貴方の言う通りその子の事を考えると確かに貴方とは別行動をとるべきね

それに私達がいくら言っても貴方は曲げないでしょう

いつまでも此処に居る訳にもいかないわ

そうでしょう比企谷君?」

はちまん「ああ」

 

ゆきの「ただし、条件があるわ」

はちまん「え?条件?」

 

なんだろう嫌な予感がする

雪乃の事だから

目でピーナッツを噛めーとか

鼻でスパゲッティをすすれーとか

そんな無理難題を押し付けられる気がする

 

ゆきの「あら?そうして欲しいのかしら?」

 

こらー心の中を読むんじゃないよー

例え読めたとしてもそれを言ったら俺が恥ずかしいでしょー

 

ゆきの「私達3人はこれからジムバッチを集めるための旅をするわ

だから貴方もそうしなさい

私達は貴方より先に進み続けるわ

貴方はその後を追って必ず全てのバッチを集めなさい」

はちまん「ええー」

ゆきの「返事」ギロッ

はちまん「ひっ!わっわかりました!!」

 

こえーよこえーよ

というかなんだその条件

果てしなくめんどくさい

お前らがやるんだったら別に俺やらなくて良いじゃん

あ、でもジムリーダーに勝ったらジムから金が仕送りされるんだっけ

おお?もしかしてそれなら楽して安定した生活が送れるんじゃ!?

 

ゆきの「さ、由比ヶ浜さん、一色さん」

ゆい「ヒッキー…」

いろは「せんぱい…」

はちまん「ほら、先に行け

俺は雪乃さんの言うとおりに後から行くから」

 

ゆきの「大丈夫よ、2人ともこれからもう会えない訳じゃないわ

彼が私達に追いつければまた会えるわ

だから私達は前に進みましょう

元の世界に戻るためにも、ね?」

ゆい「うん…わかった…

ヒッキー!ぜったい!ぜったいにわたしたちについてきてね!!ぜったいだからね!!」

いろは「結衣先輩…うんっ…

せんぱいっ!かわいい後輩のためにもわたしたちについてきてくださいよ!途中でサボったりしたらひっぱたきますからね!!」

 

そう言って彼女達はトキワシティに向かって歩いて行った

途中、結衣といろはがこちらを振り返ってきたが

それでも止まらなかった

 

 

 

はちまん「ひっぱたくって…はぁ、そうだなひっぱたかれたくないからなるべく頑張るよ」

 

こうして

俺と雪乃、結衣、いろははジムバッチを手に入れ

そして殿堂入りを果たすための道を別々に進む事になった

心配なのは

雪乃の方向音痴と結衣のアホさ加減

まああいつらなら互いに助け合ってなんとかするだろう

 

 

 

 

俺が言ったあいつらと別々に行動する理由

確かにカラカラの事もあるが

もう一つ理由があった

だが自分でもよく分からない

ただその理由を考えるとなぜかあの人の…

サカキの背中が思い浮かぶ

 

 




読んでいただきありがとうございます

さて、いただいた感想で

この話ってハーレムになるの?

と質問されました
感想、質問ありがとうございます
感想への返信にも書きましたが
今のところその予定はありません
というか考えていません
なのでハーレムが良い方は感想へご要望をお書き下さい
しかし今回の話を最後まで読んで下さった方なら分かるかと思いますが
八幡と俺ガイルヒロインズは別行動をとります
なので双方が絡む場面は物凄く少なくなります

ハーレムモノなのに八幡と全然絡まない
ポケモンの方がヒロインっぽい
やっぱりカラカラがヒロイン♂

それでもいいよいやその方がいいよ
といい方もぜひ感想へ


では、長くなりましたがこれで
感想・質問待ってます


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

はちまんの今の状態

はい

今回は八幡の今のステータスをまとめました
前回と違うところが多々ありますが

では、今回も暇つぶし



はじめに

 

今回はステータス回です

しかし前回とは違い

本編でヒロインズと八幡が別行動になったため

八幡だけです

 

そしてこのステータス回

章の終わりにやっていこうと思います

 

では

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

比企谷 八幡

<はちまん>♂

 

朝目覚めるとポケモンの世界に来ていた高校生

身体は若返っていたが目はデフォルトヒッキー

アホ毛も健在

こちらの世界では<はちまん>と呼ばれ家族は母親のみ

ちなみに妹(小町)はいないらしい

さらに八幡の第六感『戸塚レーダー』によると戸塚もこの世界に居ないらしい

しかし八幡曰く

「戸塚は天使だ。いつかこの世界にも降臨してくれるかもしれない。そしたら俺は戸塚を笑顔で迎えに行くんだ」

この世界に同じく迷い込んだ

雪ノ下雪乃、由比ヶ浜結衣、一色いろはの3人と出会うが

とある理由で彼女らとは別行動をとる

彼女達のことはこっちの世界で使われている下の名前で呼んでいる

 

旅の目的は元の世界に戻ること

まずは殿堂入りを果たすため各地いる全ジムリーダーに勝ち

ジムバッチを8つ手に入れる

現在はニビジムに向けて進行中

 

『服装』

こっちの世界の母親が用意した服を着ており

上は無地の黒いフード付きパーカー

下は動きやすそうな長ズボン

 

『持ち物』

・大きなバッグ

・財布

・ポケモン図鑑

・トレーナーパス

・バッチケース

 

『どうぐ』

・モンスターボール 10

・キズぐすり 5

 

『たいせつなもの』

・タウンマップ

 

[ポケモン図鑑に新しく追加されたポケモン]

 

・フシギダネ

・ヒトカゲ

・ゼニガメ

・バタフリー

・ポッポ

・コラッタ

・ニドキング

・カラカラ

・モンジャラ

 

 

〈手持ちのポケモン〉

○カラカラ

・こどくポケモン

・高さ0.4m

・重さ6.5kg

・レベル 5

・♂

・せいかく:ゆうかん

・こせい:かんがえごとがおおい

・とくせい:いしあたま

・もちもの:なし

 

八幡の最初のポケモン

目が灰色で過去にトラウマがあり、周りとは距離を置いている

八幡曰くボッチ属性

いつもはぼーっとしていて

ポケモンバトルの時以外はほとんどやる気がないように見えるが、

なぜか八幡の言うことはだけはよく聞く

八幡と歩く時は一生懸命ついていく

意外と怖がり

 

『覚えている技』

・アイアンヘッド PP24

・しっぽをふる PP48

・なきごえ PP64

 

『のうりょく』

こうげきとぼうぎょが高いのが特徴

代わりにすばやさが低い

 

 

 

☆<これからのヒッキー>☆

八幡は雪乃達と別れ、ニビシティへと向かう

ジムで勝つためカラカラと特訓することに

そこで出会う新しいポケモン

トキワの森で始めてのトレーナー戦

そして、ニビジムリーダーとの対決

果たして勝敗は…

 

次回、三章 再びトキワシティ

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

三章 ニビシティ
18話 再びトキワ




今回から三章になります
キャラ崩壊注意です

では今回も暇つぶしに



#ポケモン研究所付近の広場

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

 

俺とカラカラは今、広場にあったベンチに座ってぼーっとしていた

 

どうしてこうなった

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

---時は1時間前に遡る

 

#ポケモン研究所付近の広場

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

---そして今に至る

 

時を遡ってもぼーっとしてました、てへ☆

 

だってやる事ないんだもん!

今トキワシティに行ったら絶対雪乃達と鉢合わせしちゃうもん!

カラカラを強くしようと1番道路に行ってももしかしたらまだ雪乃達がいるかもしれないし!

雪乃達とあんな事言って別れた手前こんな直ぐに会っちゃったらすごい恥ずかし、向こうも気まずいよ!

 

研究所に戻ろうにも雪乃達が居ないから

それ説明しなくちゃいけなくなるからめんどくさいし

 

開き直って宿屋で明日まで寝ようと思っても

まだ朝になったばかりの時間帯だし

 

かといってこのままぼーっとしてるのもなぁ

どうしよっかなー

家に帰ろうかなー

でも母さんのあの性格めんどくさそうだしなー

 

という考えを俺はずっとぼーっとしながら繰り返していた

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

???「あら?あれは……」

 

でもぼーっとしているのって気が楽でいいなー

 

はちカラ「「………」」ぼー

???「おーい、そこの君」

 

あ、もしかしなくても俺、雪乃達に単独行動宣言するタイミングを間違えたんじゃ?

???「あれ?聞こえてない?」

別にマサラタウンから出発する前に言わなくても

トキワシティに着いたところで言えばよかったんじゃないか?

???「おーい、おーい」

あそこなら野生のポケモンが出てくる道路が沢山あるから雪乃達が行った道とは別の道でカラカラを鍛えることが出来る

しかもいろんな店が沢山あったから暇つぶしも出来るし

 

???「おーいってば!」

はちカラ「「……?」」

 

なぜか目の前にキレイな女性が立っていた

俺を呼んでいるみたいだ

?誰だこの人

俺は今ぼーっとするのに忙しいのに

 

???「あ、やっと気付いた。よっ!君こんな所で何してるんだい?」

 

見た目はとても大人しそうな雰囲気だが

中身はとても活発な性格らしい

 

はちまん「ええっと…?俺、ですか?」

???「君以外に誰がいるのさー」

はちまん「はあ。それで、えっと…?」

 

ナナミ「あ、私?私はナナミって言うの。君は?」

はちまん「えっと、はちまんです。こっちはカラカラです」

 

俺はナナミさんの襲来に少し怯えているカラカラを紹介する

ナナミ…?どこかで聞いたことあるような

 

ナナミ「あら?その子もしかして研究所にいた子?」

はちまん「は、はいそうですが、あのどうしてそれを?」

ナナミ「やっぱりそーなんだ!ねぇ!君私の事覚えてる?」

 

カラカラ「……」ふるふる

ナナミ「んーそっかー覚えてないかー」

はちまん「あ、あの」

ナナミ「なーに?はっちゃん」

はちまん「はっちゃん?」

ナナミ「はちまんだからはっちゃん!どお?かわいいでしょ!」

はちまん「は、はあ…」

 

はっちゃん…

それはともかくこの人なんか雪ノ下姉に似てるな

あんな強化外骨格はつけてないようだけど

 

はちまん「それで、どうしてコイツのことを?」

ナナミ「一週間くらい前だったかなー?私がおじいちゃんにお弁当届けた時に一度会ってね。あれ?でもあの時よりなんだか丸くなってるような…?」

はちまん「丸く?それって太ったんじゃ…あいてっ」

カラカラ「……ふん」プイッ

 

骨で殴られた、普通に痛い

というかおじいちゃんってオーキド博士のことか?

そういえばゲームでもナナミって人が最初の方にいたな

たしかライバルの姉でタウンマップをくれる人だったはず

もしかして昨日雪乃達にタウンマップをあげた孫ってこの人なんじゃ

 

ナナミ「あははっ!君達面白いね!それではっちゃん!君はここで何してたの?」

はちまん「ぼーっとしてました」

ナナミ「ぼーっと?」

はちまん「はい」

ナナミ「何で?」

はちまん「えっと、トキワシティに行き…」

 

…たかったんですけど、とある理由で行けない状態で

と、俺が言う前に

 

ナナミ「トキワシティ?トキワシティなら私分かるよ!連れてってあげる!行こ!」

はちまん「えっ!?いや、そうではなくて……!」

ナナミ「いいから!ほら!」ヒョイ

はちまん「わ!わわ!ちょっと!?」

カラカラ「……!?」ぐいっ

 

なんと俺はナナミさんに持ち上げられた

持ち上げられる寸前にカラカラを抱き寄せたため一緒に持ち上げられている格好に

な、何してんだ!?この人!?どんだけ力があんの!?

まさか、このままトキワまで俺達を持っていくつもりか!?

 

はちまん「ちょ、ちょっと!ナナミさん!おっ下ろしてください!」

ナナミ「大丈夫、大丈夫!行くよー!それー!」

 

ナナミさんは俺とカラカラを持ち上げたまま走り出した

 

…ああ、この自由っぷりオーキドだわ、オーキドの血が入ってるわ

俺達は何も抵抗出来ず、結局そのままトキワまで運ばれていった

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#トキワシティ南側入り口

 

はちまん「……はぁ」

カラカラ「……はぁ」

 

俺達はナナミさんにトキワまで運ばれた後ため息をついていた

なんか昨日もここでため息をついていたような

そしてそのナナミさんはというと

 

ナナミ『ばあーい☆』

 

とだけ言い残しマサラに戻っていった

なんなのホント

 

 

まあここまで来ちゃったし今更マサラに戻るのもなぁ

でもこの街にはまだ雪乃達がいるかもしれない

いるとすればポケモンセンターか?

いや、結衣やいろはがいるからどこぞでショッピングでもしているかもしれない

となると迂闊に動けんな

 

一瞬昨日会ったばかりのサカキの顔が浮かぶ

そうだあのジムならあいつらも…

いや、待てよあそこは例えいま閉まっているとは言えジムはジムだ

全ジムバッチを手に入れようとしている雪乃達なら入ろうとせずとも下見くらいはする可能性がある

あそこもダメだ

 

じゃあどうする?

これじゃあ八方塞がりだ

こうなったら1番道路でカラカラを鍛えるか?

さっきナナミさんに運ばれているときあいつらはいなかったしな

しかしトキワのポケモンセンターが使えないとするとカラカラの体力が心配だな

 

うーんうーん

カラカラ「………」くいっ

はちまん「ん?」

 

俺がどうしようか悩んでいるとカラカラが俺のズボンの裾を引っ張ってきた

何か言いたいことがあるのだろうか?

俺はしゃがんでカラカラが話しやすい体制をとる

 

はちまん「どうした?」

カラカラ「……」スッ

 

カラカラは草むらの方を持っている骨で指した

 

はちまん「……野生のポケモンと戦いたいのか?」

カラカラ「……」コクッ

はちまん「だが…」

 

俺が渋っているとカラカラは俺の顔をじっと見つめてきた

 

カラカラ「……」じっ

はちまん「……」

 

なんかそんな訳ないのに

コイツがなんて言っているのかが分かった気がした

 

はちまん「…いつまで悩んでいても仕方ないか。

ここに雪乃達はいない訳だしな

でも大丈夫か?お前。回復せずに戦い続けたら体力が…」

カラカラ「……」

はちまん「…いや、それでも最低一回は戦えるし

いざとなればバックの中にキズぐすりもある

キズぐすりがなくなって危ないと感じたら逃げてでも草むらから抜け出したらいい

今何もしないより断然マシか」

 

いつもの俺ならそんなポジティブな考えは

思いついたとしてもこうして実行しようとはしないだろう

めんどくさいし、何が起きるかわからないからな

だが、コイツがそう言うのであればやってみようかなと思った

なぜかはわからないが

 

 

はちまん「よし!行くか、カラカラ」

カラカラ「……!」コクッ

 

俺とカラカラは草むらへと向かう

さあ、暇つぶし…ニビジムで勝つためにも

特訓開始だ

 

 




ナナミさんカイリキー説

オーキド一族のキャラ崩壊が酷い


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

19話 ポケモンセンター

あらすじ

 

カイリキ ナナミ

 

#1番道路

野生バトル

 

はち&カラ VS ポッポ

 

はちまん「カラカラ!アイアンヘッド!」

カラカラ「!!」ガーン!!

ポッポ「……!!」

バタン

 

はち&カラ VS ポッポ 2体目

 

はちまん「カラカラ!アイアンヘッド!」

カラカラ「!!」ガーン!!

ポッポ「……!!」

バタン

 

俺とカラカラは1番道路の草むらで野生のポケモンとバトルしていた

そして2体目のポッポを倒した時にポケモン図鑑から音が鳴った

 

カラカラ「…!」

ピコーン

はちまん「ん?この音は確か…」

 

俺はポケモン図鑑を取り出し、カラカラのステータスを見てみる

 

[カラカラ]

レベル 6

 

おおっ!レベルが5から6に上がってる!

カラカラの能力値も強くなっていた

これはゲームと同じくポケモンを倒し

一定量の経験値を得ることでレベルアップし

その瞬間ポケモン図鑑から音が鳴る仕組みなのか

 

俺はカラカラの様子を見る

さっき戦ったポッポは2体とも全然ダメージを与えてこなかったのでまだまだ余裕そうだ

よし

カラカラと顔を見合わせ頷き合う

さあ、次!

 

はち&カラ VS ポッポ 3体目

 

はちまん「カラカラ!アイアンヘッド!」

 

ポッポ「!」ゴスッ

カラカラ「……!」

 

ポッポのたいあたりがカラカラを襲う

しかしポッポの攻撃力とカラカラの防御力なら

ダメージは少ない

 

カラカラ「!!」ガーン!!

ポッポ「……!!」

バタン

 

カラカラのアイアンヘッドが炸裂しポッポは倒れた

レベルアップしたからかさっきよりも威力が増しているように見える

 

そして俺達はその後も順調に野生のポケモンを倒していった

しばらくするとまたもや図鑑から音が鳴った

 

カラカラ「…!…!」

ピコーン

ペーン

 

今度はさっきのレベルアップの音とは別の気の抜けるような音が聞こえた

俺はカラカラのステータスを見る

 

[カラカラ]

レベル 7

 

〈覚えている技〉

・アイアンヘッド

・しっぽをふる

・なきごえ

・ほねこんぼう

 

レベルアップしているだけでなく

覚えている技の中に新しくほねこんぼうがあった

おそらく今のレベルアップで覚えたのだろう

さっきの気の抜ける音は新しい技を覚えた時の音なのか

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#トキワシティ ポケモンセンター

 

その後もずっと野生のポケモンと戦い続けカラカラのレベルも

 

[カラカラ]

レベル 10

 

ここまで上がった

途中少し危ない場面がありキズぐすりを1つ消費したが

それ以外はスムーズに戦い続けた

 

しかし気付けばもう夕方になりそうな時間帯だ

流石に俺もカラカラも疲れた

なのでトキワシティのポケモンセンターで休むことにした

 

雪乃達?

知らん

もう気にしないことにした

疲れたし

もし見つかっても他人のふりして逃げればいい

こうして俺とカラカラはポケモンセンターにあるカフェで休憩していた

 

この世界でのポケモンセンターはなぜかものすごい万能な施設に魔改造されていて

ポケモンの回復やパソコンの使用だけでなく

アニメでもあった宿泊施設

先程も言ったカフェ

ポケモンの遊び場の様なスペース

裏庭に行くと研究所にもあったバトル場もあり

更にはATMまである始末

 

なんだよここ

ブラック・ホワイトの時みたいにフレンドリィショップが一緒になってないとおかしいレベルじゃん

なんでないんだよ、ATMは有るのに

まあ、しずか先輩から聞いたこの世界のポケモンジムの仕組みからして仕送りされる資金をトレーナーが確認できるようにここに設置されているんだろう

 

はちまん「……ふう」

カラカラ「………」ごくごく

 

俺はカフェオレ、カラカラはミックスオレを飲み一息ついていた

コイツも甘党らしい

俺もカフェオレではなくマッカンが飲みたかったがここにはなかった

というかもしかするとこのカントー地方にはないのかもしれない

 

い、いや大丈夫だ元の世界では千葉も関東の一部だったしきっとこのカントー地方の何処かにもマッカンはあるはず。希望を捨てるな!!

 

はちまん「……はぁ」ぐびっ

カラカラ「?」

 

俺は儚い希望にため息をつきながらカフェオレを飲む

ため息をつく俺をカラカラは不思議そうに見ていた

 

こうしてその後は雪乃達に会うこともなく

あっという間に時が過ぎ

俺達はポケモンセンターに泊まった

 

今日はカラカラを鍛え、レベルもそこそこ上がった

これならトキワの森に行っても大丈夫だろう

俺は明日の目的地を決めた後眠りについた

 

 

 

 




短いですし話しも全然進んでいませんが
ここまでとさせていただきます

では、今回も読んでいただきありがとうございました


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

20話 トキワの森



今回はオリキャラがでます
ご了承ください

では、今回も暇つぶしに


あらすじ

はちまん「俺、アイアンヘッドしか言ってない」

 

#トキワシティポケモンセンター前

 

はちまん「さてと、それじゃあ今日はトキワの森へ行こう」

 

俺とカラカラはポケモンセンターから出ると

トキワの森に向けて出発しようとしていた

 

はちまん「けどその前にフレンドリィショップに行こう

森を抜けるまでどれくらいかかるかわからんし

どく状態にしてくるポケモンもいるから

キズぐすりとどくけしは買っとかないとな」

 

俺は必要なものを買うため

トキワの森より先にフレンドリィショップに向かう

俺の今の所持金は

最初母さんから貰った3000から

昨日飲んだカフェオレとミックスオレの代金を引いて2300

一昨日泊まったマサラの宿屋とポケモンセンターの宿代は

どちらも朝昼晩の食事付きで無料だった

 

が、このままいくと金欠になる

というか飲み物代がたっかい

カフェオレもミックスオレも350円って

俺の世界じゃ破格な値段だ、マッカンが二本は買える

てか最初に貰った3000円絶対少ないだろ!?

 

心の中で愚痴っているとトキワのフレンドリィショップに着いた

オーキド博士のお使いで一昨日来たばかりだ

カラカラを連れ店内に入る

 

店員「いらっしゃいませー!」

 

はちまん「えーと」

店内に置かれている商品からキズぐすりとどくけしを探す

トレーナーがよく買いに来るのか店内に入ってすぐのところに置いてあった

ついでにマッカンも探したがなかった

俺は必要な数だけをカウンターに持って行った

…そういやゲームにカウンターと技のカウンターをかけてその技を教えてくれる奴がいたな。どこの街だっけ

 

店員「ありがとうございましたー!」

とりあえずキズぐすりとどくけしを2つずつ買って

店を後にする

今の所持金は1500円

とうとう最初の所持金から半分になってしまった

 

心許ない財布を気にしながら

カラカラと共にトキワの森へ向かう

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#トキワの森入り口南側ゲート

 

俺はトキワシティとトキワの森を繋ぐゲートに来ていた

ゲームで見たよりも広く感じ

そのゲートには飲食店やお土産屋などがあり

人も少なからずいた

デパ地下のようなところだった

 

俺とカラカラは人がいるところは苦手なタイプなのでさっさとここを抜けようとした

が、

 

???「待ちなさい!!そこの少年!!」

 

はちまん「!?」

カラカラ「!?」

 

俺達の目の前に女の子が立ち塞がった

歳は今の俺くらいか?

服装は緑色でスカートの短いドレス

髪の色も緑で

頭に黄色い帽子を被っていた

 

???「あなた、ここから先は危険よ

この先はトキワの森と言ってとても迷いやすいところなの

悪い事は言わないわすぐに引き返しなさい

いいわね?」

 

そう言うと緑の女の子はトキワの森へ行ってしまった

なんだったんだ、あの子

俺は周りを見渡す

そこには他にもトレーナーがいる

その人達も俺と同じようにトキワの森へ向かっている

 

もしかして俺に忠告してくれたのか?

でも何で俺だけ?

他の奴らは?

 

はちまん「どうする?」

カラカラ「……」

 

俺とカラカラは顔を見合わせる

引き返せって言われてもなぁ…

別に引き返していいんだが

というかすぐにでも引き返したいまである

だってやる気あんまないし

 

だが俺には雪乃達との約束があるし

それに資金も心許ないから安定した収入を得る為…いや

元の世界に、戻る為一刻も早くニビシティに行かないといけない

 

はちまん「はぁ、忠告?してくれたあの子には悪いが、行くか」

カラカラ「……」コクン

 

こうして俺達はトキワの森へ入っていった

そして---

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#トキワの森

そしてトキワの森に入って30分後

 

迷子になりました、てへ☆

 

ってそんな事言ってる場合じゃない!!

ここどこ!?

 

えーと確か森に入って来た時看板があって

それには「どくを使う虫ポケモンに注意」的なことが書かれてて

虫かーやだなーたとえポケモンだとしても嫌だなー

とか思いながら看板の近くにあった道を使って道なりに真っ直ぐきたはずなのに気づいたらいつのまにか足元にあった道が消えていて

周りが木に囲まれた場所に立っていた

 

どうしよう、どうしよう

なにか分かんないが面倒なことになっているのは分かる

 

カラカラ「……」ブルブル

 

カラカラはいつのまにかこんな場所に居るのに恐怖を感じているのか俺にしがみ付き震えていた

 

ガサガサッ!!

 

はちカラ「「!!??」」ビクゥッ!!

 

ヒィ!な、何だ!?

目の前の草むらが揺れていた

何かがいる!

それはドンドン俺達の方へ近づいてくる

俺はカラカラと抱き合う

 

そこに居たのは

???「…何してるの?」

 

先程の緑色の女の子だった

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

???「はあ…まったく、私があんなに忠告してあげたのに…」

はちまん「す、すみません」

俺は今緑色の女の子に出口まで案内されていた

???「はぁ…まあいいわ」

 

ウキワ「私の名前はウキワ。貴方は?」

はちまん「は、はちまんだ。こっちはカラカラ」

ウキワ「そ、はちまんね。

で、一応聞いておくけどどうして迷子になったの?」

はちまん「えっと、歩いていた道が急に無くなって気がついたらあそこに……」

 

ウキワ「…。まさかとは思ったけど本当に…?」

はちまん「ほ、本当だ。本当に道が……」

ウキワ「いえ、貴方の言う事は疑ってないわ」

はちまん「え?じゃあ…?」

 

ウキワ「貴方、この森に気に入られたみたいよ」

はちまん「……は?森に?俺が?」

 

ウキワ「そ。稀にあるのよ

この森に入った人が出られなくなるの

この森に気に入られてね

 

絶対にこの森から出られなくなる

誰にも見つけてもらえずこの森を彷徨い続ける

 

それこそこの森の名前の通り、永久に、ね」

 

え?それって結構危ないんじゃ?

というかさっきまで俺がそうだったのか!?

下手したらあのままこの森から出られなくなってたのか!?

怖っ!何だよそれ、この森ヤンデレか!?

よかったーこのウキワとか言う子に見つけてもらえて

そうしている間に俺達は先程の道に戻ってこれた

 

ウキワ「あのゲートで貴方を見た時に何となく危ないと感じて忠告してあげたのに…ったく

じゃこの道をまっすぐ進んだらトキワだから」

はちまん「え?い、いや悪いが俺はニビに」

ウキワ「貴方、さっきまでの事もう忘れたの?

私が偶々通りかかって見つけたからよかったものの

あのままだと貴方この森でのたれ死んでたのよ?」

はちまん「うっ…。で、でも俺は…」

ウキワ「それにね、今この森には厄介な奴が迷い混んでるからどっちにしろ危ないの」

はちまん「厄介な奴?」

 

その時草むらから黒ずくめの男が出てきた

いやコ○ンの方じゃなく

 

???「チッ…やっと道に出れたぜ。まったくなんなんだよこの森は無駄に木ばっかり生えやがって、くそっ!」

ウキワ「…アイツよ」

???「ああっ!?何だテメェら!何見てんだよゴラァ!

俺様は天下の"ロケット団"様だ!

丁度良い、テメェら持ってるもん全部寄越せや!!」

 

あ、俺が説明する前に言ってくれた

今俺達の前にいるのは全身黒ずくめで胸に大きなR

ご存知ロケット団の方です

 

ロケット団「ほら早くしろよ!クソガキ!」

ウキワ「調子にのるのも大概にしなさい

貴方、この森のポケモン達にも酷い事したでしょう?」

ロケット団「ハハッ!わからねーなあ?どいつのこといってんだ?」

ウキワ「」ピキッ

 

ウキワ「許さないっ!ポケモン勝負よ!」

ロケット団「イイゼ?望むところだ!」

 

うわぁーウキワさんが怒ってる

まあコイツが居なくなってくれればニビに行けそうだし

ガンバレ、ウキワ…

 

ウキワ「はちまん、出番よ」

はちまん「ええっ!?」

ウキワ「ほら、行きなさい」

はちまん「何で俺なんだよ!?」

ウキワ「道案内してあげたでしょう?だったら恩返ししなさい」

はちまん「な…」

ウキワ「ほら、さっさとやっつけてきて

ニビに行きたいんでしょう?」

はちまん「チッ!クソ!」

 

俺はカラカラを見た後

ロケット団の方を向いた

 

ロケット団「ん?ガキ、お前が相手なのか?」

はちまん「ああ、遺憾ながら」

ロケット団「ん?でもアイツ俺にここのポケモンいじめられてたから

怒って俺に勝負を仕掛けてきたんだよな?

なのに何で怒ったアイツじゃなくてお前が相手なんだ?」

 

ホントだよ

 

ロケット団「まあいい!行くぞ、アーボ!」

 

ロケット団はアーボを繰り出した

俺とカラカラは頷き合う

 

俺の初めてのトレーナー戦

相手は悪の組織ロケット団

 

 

 




はい、という訳でオリキャラ ウキワ登場
そしてロケット団も初登場です

次回はロケット団との戦闘から始まります

では、ご覧いただきありがとうございました


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

21話 ロケット団



前回出たオリキャラのウキワですが
イメージとしては
XYとORASで出てきたバトルシャトレーヌ見たいな感じです

では、今回も暇つぶしに


#トキワの森

 

トレーナー戦

 

はち&カラ VS ロケット団 アーボ

 

何故かロケット団と戦う事になった俺達

 

アーボ「!」シャー

カラカラ「…!」ビクッ

 

あれは、アーボのいかくか

なら今カラカラは攻撃力が下がった状態だ

なら、

 

はちまん「カラカラ!しっぽをふる!」

ロケット団「アーボ!にらみつける!」

 

アーボ「!」ギロッ

カラカラ「…!」ビクッ

 

カラカラ「!」ふりふり

アーボ「…!」

 

1ターン目

両者共に相手の防御力を下げに行く

そして今の行動順で向こうのほうが早いことがわかった

こちらは攻撃力、防御力が下げられた状態

だが元の能力が高いためあまり影響は無いはず

 

はちまん「カラカラ!ほねこんぼう!」

ロケット団「アーボ!まきつく!」

 

 

アーボ「!」くるくるぎゅー

カラカラ「…!」ぎゅー

 

カラカラ「!!」バシン!

アーボ「…!!」

 

アーボ「…!!」フラフラ

カラカラ「…!」ぎゅー

 

2ターン目

相手のアーボはカラカラにまきついた

確かターン経過ごとにダメージを与える技だ

だがカラカラはまきつかれた状態でも何とかほねこんぼうを当てた

どくタイプのアーボにじめんタイプのほねこんぼう

効果は抜群だ

それだけで相手は瀕死寸前

 

カラカラにアーボのまきつくのダメージが入る

だが、ここまでくればもう

 

ロケット団「ア、アーボ!どくばり!」

 

アーボ「!」バシュ

カラカラ「…!」

 

最後のあがきでアーボはどくばりを放つ

だがじめんタイプであるカラカラにどくタイプの技は今ひとつ

そして、

 

はちまん「カラカラ!トドメのアイアンヘッド!」

 

カラカラ「!!!」がーん!!

アーボ「…!!!」

 

アーボ「…」

バタン!

 

3ターン目

カラカラのアイアンヘッドが炸裂し勝敗は決した

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ロケット団「お、おぼえてろよー!」ピュー

 

俺達に負けたロケット団の人は

戦闘不能になったアーボをボールに戻し

捨てゼリフ吐きながら逃げていった

覚えてろとか言われてもアイツらってみんな同じ格好してて誰が誰やらわかんないんだが

カ○ジに出てくる黒服みたいに

 

俺はカラカラの調子を確認していた

最後のどくばりでどく状態になっているかと思ったが

特に異常がない事を確かめると

俺とカラカラは初めてのトレーナー戦での勝利に小さくハイタッチした

 

あ、やば、そういえばここにいるの俺達だけじゃなかった

恐る恐るウキワの方を見るとバッチリ見られていた

きゃー恥ずかしいー!

ウキワが声をかけてくる

 

ウキワ「はちまん、驚いたわ

ザコだったとはいえロケット団相手にほぼ圧勝とはね

能力を下げられていたにも関わらず

慌てず、しっかり状況を把握し、効果的な技を選ぶ冷静な判断力

そして2ターン目、まきつかれていた時も主人の命令をしっかり遂行するポケモン

いいコンビね」

 

めっちゃ褒めちぎられた

きゃー恥ずかしいー!

 

カラカラ「……」///

 

ウキワ「でもまだまだね

たしかに流れるように勝利した戦いだったわ

けど、まだ無駄があるわ

ポケモンのレベルが低いのもあるでしょうね

しっぽをふるで防御を下げた後、効果抜群のほねこんぼうで倒せた筈よ

現にアレを食らった後、相手は瀕死寸前になっていたし

そこで倒せていればまきつくの追加ダメージは食らわなかったはずよ」

 

うぐ…それは俺も思ったところだ

こんな事だと防御力の高いニビジムのポケモンに苦戦する

はぁ…まだまだレベル上げをしなくちゃいけないか…

 

というかウキワさん

飴と鞭の使い方うまいっすね

やだ、もしかして猛獣使い?

いや俺は猛獣じゃなく珍獣だなエンカウント率からして

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ウキワ「さて、じゃニビシティ方面の出口に案内しましょう」

はちまん「え?いや、そこまでしてもらわなくても

この道に沿って進めばいいんだろ?」

ウキワ「……はちまん、また迷子になりたいの?」

はちまん「すいません調子乗りましたぜひ案内してくださいおねがいします」

 

そうだった

勝利の余韻に浸ってたから自分が迷子だったのすっかり忘れてた

 

ウキワ「さ、行きましょう。こっちよ」

はちまん「お、おう」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#トキワの森出口北側ゲート

 

ウキワ「着いたわ、ここがニビシティに続く出口よ」

はちまん「おう、ありがとうな。じゃ」

ウキワ「待ちなさい」

 

俺がウキワに別れを告げ

足早にニビシティへ向かおうとするとウキワに止められた

…嫌な予感

 

ウキワ「貴方、ここまで案内してあげた私に何か恩返ししたいと思わない?」

はちまん「いや、全然。というかさっきアイツを追い払ったからチャラだろ?」

ウキワ「何言ってるの?あれは私が迷子になってた貴方を見つけて助けてあげた事に対しての恩返しでしょう?

まだここまで案内してあげた恩返しがまだよ?」

 

ええぇ〜何だよそれ

でもここまで案内してくれたのも事実

くそー

 

はちまん「わかった…で?俺に何して欲しいの?」

ウキワ「何もしなくてわよ」

はちまん「はあ?」

ウキワ「い、ま、は、ね?これは貸しにしてあげる

いつか返してくれたらいいから」

はちまん「何だよそれ…」

ウキワ「わかった?」

はちまん「ハイハイ、覚えてたらね」

ウキワ「絶対覚えてなさい、いいわね」

はちまん「ハイハイ」

 

こうして俺とウキワはトキワの北側ゲートで別れた

めんどくさい貸しをつけられて

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

22話 ケーキ

はちまん「俺と別行動中の雪乃達、旅の目的は殿堂入りだ」

カラカラ「…」コクッ

 

はちまん「そのためにはジムバッチを8つ集めなきゃいけない」

カラカラ「…」コクッ

 

はちまん「んでその第一歩として今ニビジムに向かっている

ここまではいいよな?」

カラカラ「…」コクッ

 

はちまん「でも今のままだとジムリーダーには勝てないだろう」

カラカラ「…」

 

はちまん「さっきウキワからも指摘された事だが

カラカラ、お前はまだ弱い」

カラカラ「……」

 

はちまん「いや、お前の責任じゃない俺の責任だ

トレーナーである俺がしっかりしなくてはいけないんだ」

カラカラ「………」

 

はちまん「約束する

俺もお前と一緒に強くなると

お前のトレーナーである俺もしっかり成長すると」

カラカラ「…………」

 

はちまん「だから、」

カラカラ「……………」ぷるぷる

 

 

はちまん「これからは気をつけるから!!

お前の楽しみにしてたケーキを床に落としたのは悪かったと思ってるから!!アイアンヘッドだけはやめてくださ……くぼぉあ!!」

カラカラ「!!!」ドゴォ!!

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#トキワの森北側ゲート内

 

はちまん「う、うぐぅ…」

カラカラ「……」グスッ

 

俺とカラカラはウキワと別れた後

ゲート内で休憩していた

 

甘党であるカラカラのため、なけなしの金でケーキを買った

ベンチで座って待っているカラカラのところへ向かう途中

不運にも俺はコケてしまいケーキを床に落としてしまった

しかもケーキを心待ちにしていたカラカラの目の前に

 

その時のカラカラの表情にあった絶望感は凄く

灰色の目を大きく見開き、口は半開き

そしてゆっくりと俺の方を見て

涙目になりながら上目遣いに睨んで来た

 

それを見た俺は土下座するしか無かった

そして冒頭の台詞へ繋がる

上目遣いが可愛いと思ったのはヒミツ

 

今はお仕置きを食らった後で

カラカラはまだ未練があるのか泣いていた

 

はちまん「わ、悪かったって

い、今は無理だがまた買ってやるから、な?

頼む、機嫌を直してくれ」

カラカラ「……」グスッ……コクッ

 

ただでさえ少なかった所持金から出費したため買い直す事も難しい

だが、また今度買ってやる約束をすると

やっと泣き止んでくれた

 

 

うん

今日はもう動けないな

カラカラの気持ちを落ち着かせるのが先だ

俺の自業自得だし

ここのゲートにも宿泊施設もあるし

今日はもう休もう

明日、カラカラが落ち着いたらニビシティに向かおう

俺はそう決め、カラカラの頭を撫でる

 

 

 

そういやさっき出たけど

雪乃達は今何してんだろ

まあここまで来て一度も鉢合わせてないとこを見るともうとっくにニビについてんだろうな

 

 

 

 




と言うわけで短いですがここまで

ご覧いただきありがとうございました


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

23話 合流

#2番道路

 

野生バトル

はち&カラ VS キャタピー

 

はちまん「カラカラ!アイアンヘッド!」

 

カラカラ「!!」ガーン

キャタピー「…!!」

バタン

 

ポケモンの世界に来てから4日目

俺達は今2番道路に来ていた

ニビシティに行く途中

ウキワに指摘されたレベルを上げるため

野生のポケモンと戦うことにした

 

相手はキャタピー

カラカラは何の問題も無く圧勝した

そして倒した瞬間

 

カラカラ「…!」

ピコーン

ペーン

 

ポケモン図鑑からレベルアップを知らせる音と

新しい技を覚えた事を教える気の抜ける音が聞こえる

おお、レベルアップと新しい技か

俺はそう思い内心喜んでいた

が、事態は一変する

 

ビビビビビビビビビビ!!

ババババババババババ!!

ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!

ゴンガンゴンガンゴンガン!!!

カラカラカラカラカラカラ!!!

ピピー!ピピー!ピピー!ピピー!

 

う る せ え よ ! ! !

 

ポケモン図鑑からいきなり公害レベルの騒音が聞こえて来た

カラカラもいきなりのデカい音にビックリしていた

くそ!?何これ!?無茶苦茶うるっせえ!!

俺は慌ててポケモン図鑑を取り出した

そして開けてみると

 

[カラカラ]

レベル 11

 

〈覚えている技〉

・アイアンヘッド

・しっぽをふる

・なきごえ

・ほねこんぼう

 

NEW ずつき

新しい技を覚えようとしている

しかし覚えている技がいっぱいだ

 

………もしかして新しい技を覚えた事で

覚えられる技がいっぱいになってどれか1つ忘れさせなきゃいけないから

それを早めにやらせるためにあんなデカい音を立てたのか?

そりゃ後回しにしてややこしいことになるよりはいいけど

うるせえよ!限度ってもんがあるだろ!?

 

仕方ないから何か忘れさせなきゃ

えっと、カラカラは防御が高いから攻撃力を下げるなきごえを忘れさせようか

で、どうすりゃいいの?

 

ピッ

 

お?なきごえのところを押したら

『なきごえを忘れさせますか?』って出た

俺はその下にある選択肢の『はい』を押した

 

ピッピッピッピコーン

『カラカラはなきごえを忘れた!』

 

カラカラのステータスを見る

 

〈覚えている技〉

・アイアンヘッド

・しっぽをふる

・ずつき

・ほねこんぼう

 

おお、覚えている技からなきごえが消えてずつきが表示された

これでいいのか

てかまさか新しい技を覚えるたびにあの音がなるのか!?

なんかオプションとかで設定変えられないの!?

…出来ないようだ

はぁ、これから憂鬱だなぁ

 

まあそれはさておき

カラカラのレベルが10から11になってより強くなった筈だ

だがこれだけではまだニビジムで危ないだろう

俺はカラカラと頷き合うと訓練を再開した

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

---1時間後

 

流石に疲れた

もうこのくらいでいいだろう

あーしんど〜

もう人生の3年分ぐらい頑張ったなー

 

今俺とカラカラは休憩している

なんか最近休憩ばっかしてる気がするが

無理は禁物

あんま頑張り過ぎると反動でダルくなる

もっと言えば今もダルいし、いつもダルい

働きたくないでござる

 

カラカラのステータスを見る

 

[カラカラ]

レベル 20

 

ヤバイ頑張り過ぎた

3年分どころか一生分頑張ってた

ごめんなさい、2番道路のポケモンたち…

 

〈覚えている技〉

・アイアンヘッド

・ほねこんぼう

・にらみつける

・きあいだめ

 

今覚えている技はこんな感じ

途中新しい技を覚えるたびにあの公害が鳴り響いたが

なんとか精神は破壊されずに済んだ

え?大袈裟だって?

 

先程覚えたずつきを直ぐに忘れさせるのは抵抗あったが

まあ、最善の技を選んだつもりだ

 

因みにこのきあいだめという技

ゲームでは後の技がきゅうしょに当たりやすくなるというもので

この世界でもそれは適用され

気合いを入れ、集中力を高めることで

しっかり相手を見極め、1番効果的な部位を攻撃するようになる

この効果的な部位を攻撃することがきゅうしょに当たるというものなんだろう

 

というかにらみつけるとしっぽをふるって同じ効果だよな?

どっちを取っても良かったんだが

新しい技だからにらみつけるを覚えさせた

べ、別に昨日のこいつの睨んだ顔が可愛いかったからとかそういうんじゃないんだからねっ!勘違いしないでよね!?

 

はちカラ「「…ふう」」

 

さて

いい加減ニビに行くか

そう思い立ち上がった

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

「………のん!早く行かないと……キーに先に行か…ちゃうよ!」

「ま……ゆ………まさん」

 

その時トキワの森のゲートの方から話し声が聞こえてきた

俺はゲートの方を見る

丁度その声の主が出てきたところだった

 

ゆい「ほら!早く!」

いろは「そうですよ!雪乃先輩!」

ゆきの「ちょっと待って由比ヶ浜さん、一色さん

そんなに急がなくてもポケモンジムは逃げないわ

だからあそこにいる猫ポケモンのところへ……!」

 

…アイツらじゃねーか

てっきりもうニビに居るんだと思ってたんだが

もしかして前回の最後のアレ、フラグだった?

というか何で俺より後にゲートから出てくるんだ?

先に行くんじゃなかったのか?

俺は今居る草むらから出て話し掛ける

 

はちまん「…おい」

ヒロインズ「「「きゃあっ!?」」」

 

いろは「だっ誰ですかっ!?何ですかっ!?

私達食べても美味しいでしょうけど食べないでください!!」

はちまん「食べねーよ…ていうか俺だ、俺」

ゆい「え…?あ!!ヒッキー!!」

はちまん「よう」

 

ゆきの「……本当に比企谷君なの?

本物の比企谷君なら今ここで

鼻に腕を入れて耳から出して頭をかくことが出来るはずよ」

はちまん「できるか!バケモンじゃねーかそれ!?」

 

というかスーパーマ○オくんのネタじゃん

ごめんなさい沢田ユキオ先生

 

ゆきの「ええ、比企谷君は化け物よ」

はちまん「化け物じゃねーよ!!

例え目と性格が腐ってても俺は紛う事なき人間だ!」

ゆきの「冗談よ。3日ぶりかしら?化け企谷君」

はちまん「あれ?冗談なんだよね?本当に冗談なんだよね?」

 

いろは「先輩…?こんな所で何してるんですか?」

はちまん「いや、それはこっちの台詞なんだが…

何で先に行ったお前らが後から来てんだよ…」

ゆい「え、あ!そっそれは…」

はちまん「何かあったのか?」

ゆい「あったと言えば…あった、かな?」

 

もしかして昨日の俺みたいに

ロケット団とかなんかヤバイのにからまれたのか?

いや……まさかコイツら…

 

はちまん「……お前らに聞きたい事がある」

いろは「な、なんでしょう」

 

はちまん「先ずいろはに結衣

お前らもしかしてずっと買い物してたから遅くなったのか…?」

結いろは「「ギクゥッ!!」」

 

図星

 

はちまん「次に雪乃」

ゆきの「な、何かしら」

はちまん「お前トキワの森で迷子になったな?」

ゆきの「ギクゥッ!!」

 

これまた図星

 

はちまん「はぁ」

 

まあコイツらと別れるとなった時懸念していたことだし

そこまで驚かない

しかしトキワの森で迷子か

今こうして出て来れてるから何も無いとは思うが

 

はちまん「雪乃、お前突然道が消えたりしなかったか?」

ゆきの「?なんのこ…」

ゆい「ヒッキー!!」

 

雪乃が俺の質問に答えるより先に

結衣が俺に詰め寄ってきた

近い近い、あれ?なんで怒ってんの?

 

はちまん「な、なんだよ?」

ゆい「ゆきのんがいくらわたし達が引いちゃうぐらい方向オンチでも

道がない所をズンズン進んじゃうようなことするわけないでしょ!?」

ゆきの「……ひ、引いちゃう?ほ、方向おんち?」

 

…結衣

雪乃をフォローしたつもりなんだろうが逆効果だ

ゆきのん涙目だぞ?

 

まあこの様子からして何も無かったみたいだな

ちなみに俺達が話してる間カラカラはずっと俺の影に隠れていた

当たり前だがまだ慣れないか

 

いろは「それで、先輩はここで何してたんですか?

まさか私より先に行って草むらに隠れて出待ちしてたんですか

私がびっくりして心が不安定になった所を狙って告白するつもりなんですかそんな事でこのいろはが落ちると思ったら大間違いですし

告白されるのは嬉しいですけどやり方がキモいのを通り越して普通に怖いのでやり方を変えて出直して来てください。ごめんなさい」

はちまん「いや、何で振られたの?俺」

 

はちまん「はあ、俺はコイツと特訓してたんだよ」

ゆきの「特訓……?比企谷君、特訓の意味わかって使っているのかしら?」

はちまん「何?俺が特訓なんかしないと思って俺の国語力を疑ってるの?」

ゆきの「ええ、だって貴方に特訓しようとする根性と思考があるとも思えないから」

 

その通りですね

俺もあるとは思ってませんでした

だってめんどくさいし

 

はちまん「…はぁ、まあいいや

それで?お前らはこれからニビに行くのか?」

ゆきの「ええ、貴方も行くんでしょう?」

はちまん「ああ」

ゆい「だったらみんなで一緒に行こうよ!」

はちまん「いや別に一緒に行かなくてもいいだろ」

ゆい「えぇー!?でも行く所一緒なんだから別に良くない?」

はちまん「まあ、それもそうだが」

 

いろは「それじゃー!せんぱいも一緒に行きましょー!」ぐいっ

はちまん「ちょっ!?いろは!?ひ、引っ張るな!」

いろは「ほらほらー!」

はちまん「わ、わかった!わかったから離せ!」

いろは「いやでーす!」

はちまん「何でだよ…」ヒョイッ

カラカラ「…!」

 

俺は抵抗したがいろはに引きずられてった

連行される直前俺のズボンの裾を掴んでいたカラカラを抱き上げる

 

ゆい「あー!いろはちゃんずる〜い!?」

ゆきの「比企谷君?

私の目の前で後輩にセクハラとはいい度胸ね?」

 

こうして

俺、雪乃、結衣、いろはの4人は合流し、

共にニビシティへ向かった

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

24話 ニビシティのジムリーダー 前編

#ニビシティ

 

いろは「おおぉ〜〜〜!」

 

結衣「わあぁ〜〜〜!」

 

雪乃、結衣、いろはと二番道路で合流し

共にニビシティへ来ていた

 

そこは石の街と言う別名の通り

大きくて立派な石が街中に沢山あった

しかし無作為に置かれている訳ではなく

石の大きさ、石の形、石の色など

街の外観の美しさを削がない

計算された石の配置

 

街の北側には博物館があり

南側には小さな花畑があった

そして街の西側

 

ゆきの「あれが……」

 

この街の入り口からでもはっきりわかる

トキワのモノと比べるとふた回り大きな建物

ニビシティポケモンジム

俺達がマサラタウンから目指した場所

元の世界に戻るための第一歩

俺はジムの方を見ながら雪乃達に問いかける

 

はちまん「……どうする?行ってみるか?」

 

ゆい「え…!?でもわたしはまだ自信が…」

 

いろは「わ、私も…」

 

はちまん「いや、別に今すぐジムリーダーに挑もうってんじゃない。どのみち行くことになるんだから下見くらいはして行かないか?ジムって言うのがどんな感じでどんな風に戦うのか知りたいし、もしかしたらジムリーダーの実力が今のうちにわかるかも知れない。行って損は無いと思うぞ」

 

ゆきの「そうね、行って見ましょう」

 

ゆい「うん!」

 

いろは「はい!」

 

俺達4人と俺が抱いているカラカラは

下見とジムについての情報を得るためポケモンジムに向かう

 

 

 

 

 

 

その時ー

ある小さな人影がジムに向かう俺達を見ていた

 

???「ん〜?あれは〜?…ふふふ〜♪」

 

周りの視線に敏感な俺でも気づかなかったその視線の主は俺達をつけて行く

それを俺が知ったのはすぐ後のことであった

 

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ニビシティポケモンジム

 

男達「「「うおおぉ〜〜〜!!タ・ケ・シ!タ・ケ・シ!!」」」

 

女達「「「きゃああぁ〜〜〜!!!タケシ様〜〜!!キャー!」」」

 

腐達丸「「「キ、キ、キマシタワーーーー!!!」」」

 

俺達はジムに入ると

熱く、黄色く、腐っている歓声に唖然としていた

 

ジムの中はとても広く

草が一本も生えていないグラウンド

そこにバトル場が所狭しと並んでいて

そのバトル場一つ一つに観客席がありバトル場を囲むように設置してあった

バトル場にはトレーナー同士がバトルしていて

見たところジムにあるバトル場はほぼ使われている様だ

 

そしてグラウンドの真ん中

目立つように地面が盛り上がっていて

そこに沢山の観客が集まっていた

 

ゆい「ねえ!あそこ!みんな集まってるよ!行ってみようよ!ほら、いこ!ゆきのん!いろはちゃん!」ぐいっ

 

いろは「はいっ!行ってみましょう!」

 

ゆきの「ゆ、由比ヶ浜さん、待って…!」あたふた

 

結衣はそういうと雪乃といろはの手を引いて人が集まっているところへ向かった

俺はカラカラを抱いたままその後について行く

 

???「…♪」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ゆい「わーすごい人!」

 

嫌気が差すほどの人の群れ

俺達はその後ろの方に立っていた

人が苦手なカラカラはこの人の多さに参っている

 

観客達が注目しているものをみる

それは観客達が囲んでいるバトル場

そこにいる2人の男

だが1人はうなだれていて

もう1人は周りの歓声に応えていた

おそらくうなだれている方は勝負に負けたのだろう

そして歓声に応えている男、それは

ニビジムのジムリーダー タケシだった

側にはイシツブテがいる

 

タケシ「ありがとう!ありがとう!みんな!」

 

ツンツンした髪…魔術の上条さんじゃないよ?

お馴染みの糸目…銀○の東城さんじゃないよ?

 

とても人当たりの良さそうな雰囲気のやつだった

そしてタケシは一通り周りに感謝すると

 

タケシ「さあ!俺はまだ力が有り余っている!この中に誰か、俺に挑戦するものはいないか!?」

 

そう言って観客達をみる

 

???「はーい!この人がやりまーす!ふふふ♪」

 

おお?

誰か挑戦する見たいだ

こんな観客に囲まれている中よくやろうと思うよなー

俺は無理だ

あれ?でもいつかはタケシと戦わないといけないからここに立たなきゃいけないのか?

ええー嫌だなー

だが今はそんなことより

 

何故俺の右腕は勝手に手を挙げているんだ?

 

俺の隣にいる灰色の髪をして

灰色のドレスを着て、赤い帽子を被っているこの女の子はだれだ?

何故俺の右手を持っているんだ?

 

そして何故みんなこっちを見ているんだ?

 

タケシ「おおっ!早速挑戦者か!しかもニンちゃんの推薦とはな!さあ上がってこい!」

 

ん?誰も上がろうとしてないな

何してんだよ早く行けよ

もしかしてタケシに対する嫌がらせなのか?

まああいつリア充っぽいしまあいいか

 

???「ほら〜、早く行ったら〜?ふふふ〜♪」

 

隣の灰色の女の子に肩を叩かれる

俺も早く行けってのには賛成だが何故俺の肩を叩く

俺は打楽器じゃないぞ?

 

???「ほら〜タケシくんが待ってるよ〜アホ毛くん〜ふふふ♪」

 

………まあ俺じゃないかって薄々感じてたけど

ほら雪乃達もこっちを見て焦ってるし

カラカラは俺とタケシの方を交互にみて慌ててるし

俺の目の前にあった人集りがモーゼの十戒見たいに真ん中のバトル場に向けて開けて行くし

俺は隣にいる灰色の女の子を睨む

 

はちまん「……お前何してくれてんの?これ俺行かなきゃダメな空気じゃん」

 

???「そうだね〜ふふふ〜♪」

 

はちまん「おい」

 

 

タケシ「何をしている!?早く上がってこい!」

 

 

バトル場からタケシが俺を呼んでいる

何なんだよこの女の子!

くそ!!後で覚えててろよ!!

俺は仕方なくバトル場へ向かう

 

ゆい「ヒ、ヒッキー……!」

 

途中で結衣の心配する声が聞こえた

その声を背にバトル場へ上がる

カラカラを下ろし、様子を見る

人が沢山いて緊張しているようだ

俺はカラカラに声をかける

 

はちまん「カラカラ、落ち着けって言ってもこの人の数じゃ無理な話だよな。俺だって緊張してるし。でも、こうなったらやるしかない」

カラカラ「……」

 

はちまん「まあ緊張しててもいい。どうせあの変な女の子が勝手にやりやがったんだ。負けたってしょうがない。ただこれだけは覚えておけ。負けてもお前の所為じゃない、俺かアイツの所為だ。だから負けても思い詰めるな。いいな?」

 

カラカラ「……」

 

————— — -

 

はちまん『俺の所為だ』

 

はちまん『俺がトレーナーとしてちゃんと…』

 

はちまん『だから、約束するーー俺はお前と強くなる』

 

- — —————

 

カラカラ「……」ぽこっ

 

はちまん「いてっ!?な、なにを……!」

 

カラカラ「……」じっ

 

はちまん「……………お前」

 

 

はちまん「………」

カラカラ「………」

 

 

はちまん「はあぁ〜ったく」

 

カラカラ「……」

 

はちまん「わかったよ、負けねーよ、負けなきゃいんだろ。…勝たなきゃケーキ、買えないもんな」

 

カラカラ「…!」コクコク

 

はちまん「んじゃ、めんどくさいけどやりますかぁ…」

 

カラカラ「…!」

 

俺とカラカラはタケシと対峙する

タケシは俺達のやり取りを見ていたようだ

ていうか観客全員に見られてた!

きやー恥ずかしい!!

 

タケシ「ふむ…ニンちゃん面白い子を連れてきたな…」

 

小声でよく聞き取れなかったが

なんか興味を持たれたらしい

 

タケシ「君、名前は?」

 

はちまん「はちゅっ……ごほん!は、はちまんです」

 

か、噛んだ

きやー恥ずかしい!

 

タケシ「そうか。では、はちまん君!」

 

はちまん「は、はい」

 

タケシ「君のポケモンはそのカラカラだけかい?」

 

はちまん「あっ、は、はいそうです」

 

タケシ「なら俺もこのイシツブテだけで戦おう」

 

はちまん「え!?」

 

いいのか!?

タケシの手持ちってゲームではあとイワークがいなかった?

もしかしてアイツ出番無し?

 

タケシ「いいかな?」

 

はちまん「は、はい!」

 

 

タケシ「では、始めるとしよう!かかって来い!はちまん君!!」

 

 

こうして俺の意思とは関係なく

ニビジムのジムリーダー タケシと戦うことに

俺はカラカラと頷き合う

 

さあ

約束のケーキのためにも、がんばりますか

 

 

 




次回、VSタケシ

読んでいただきありがとうございました


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

25話 ニビシティのジムリーダー 後編

あらすじ

イワーク ( ゚д゚)

 

#ニビシティポケモンジム

 

ジムリーダー戦

 

はち&カラ VS タケシ イシツブテ

 

はちまん「カラカラ!にらみつける!」

タケシ「イシツブテ!ロックカット!」

 

カラカラ「!」キッ

イシツブテ「…!」

 

イシツブテ「!」シャッシャッ、キラーン☆

 

ニビジムのジムリーダータケシとのポケモンバトル

最初のターン

先に動いたのはカラカラ

ついさっき二番道路で覚えたにらみつけるで相手の守備力を下げる

対するイシツブテはロックカット

自分のすばやさが2倍になる技だ

これで恐らく向こうの方が早く動くだろう

 

はちまん「カラカラ!きあいだめ!」

タケシ「イシツブテ!マグニチュード!」

 

イシツブテ「!!」グラグラセブン

カラカラ「…!…!」

 

カラカラ「!」ググッ

 

2ターン目

やはり先に動いたのは向こう

技はマグニチュードだが…なんぼだ?

確か技の威力が出すたびに変わるはずだ

でもどの威力が出たのか全然わからん

………何故か7の様な気がする

だとしたら結構な高威力だ

 

対してカラカラはきあいだめ

これで技がきゅうしょに当たりやすくなる

まあ絶対じゃないが

 

はちまん「カラカラ!ほねこんぼう!」

タケシ「イシツブテ!マグニチュード!」

 

イシツブテ「!」グラグラファイブ

カラカラ「…!」

 

カラカラ「!!」バシッ!

イシツブテ「…!!」

 

イシツブテ「…!!」クラクラ

 

3ターン目

相手はもう一度マグニチュード

威力は……5なの?

それならさっきの攻撃と合わせて考えると

もう一度マグニチュード7を食らうとこっちの負けだ

だが今のほねこんぼうで瀕死寸前まで追い込んだ

きゅうしょには当たらなかったが…

だが次の攻撃を与えれば勝てる!

 

相手のマグニチュードが7以上なら負け

7以下ならこちらの攻撃で勝ち

勝負はこのターンできまる!

 

タケシ「イシツブテ!トドメのマグニチュード!!」

はちまん「カラカラ!トドメのアイアンヘッド!!」

 

 

イシツブテ「!!」グラグラ…………………………シックス

カラカラ「…!!」

 

 

タケシ「くっ…」

 

いよっしゃああああ!!

6だぁぁ!!

 

カラカラ「!!!」ガーン!!!

イシツブテ「…!!!」

 

イシツブテ「…!!」

バタン!

 

そしてカラカラのアイアンヘッドがイシツブテのきゅうしょに炸裂

イシツブテは戦闘不能になり

勝負は決した

 

観客「「「わああああああ!!!」」」

 

 

俺のニビジム挑戦

意図せぬ始まりだったが

俺とカラカラは勝利した

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

タケシ「いやー!負けた負けた!」

 

勝敗が決しタケシはイシツブテをボールに戻すと清々しい顔でこっちに来た

流石リア充負けた後も爽やかだ

俺はカラカラの状態を確認した後それを迎える

 

タケシ「手に汗握るいいポケモンバトルだった!さ、はちまん君。俺に勝利した証、グレーバッチを渡そう!」

 

そういうとタケシはジムの係員みたいな人からバッチを渡され

俺にそれを渡してきた

これが、グレーバッチ…

 

タケシ「んで、これが景品の技マシン『がんせきふうじ』だ」

 

タケシはさらにCDの様な円盤を渡してきた

 

タケシ「技マシンの使い方は…たしか…なんだっけ?まあその辺の奴に聞いてくれ。いや、そういえばニンちゃんと知り合いだったな

じゃあニンちゃんに聞けばいい」

 

はちまん「……。ニンちゃんって誰ですか?」

 

タケシ「…え?いや、さっき一緒にいただろ?あの灰色のドレス着た……」

 

はちまん「あっ……」

 

そういやアイツどこだ!?

勝手に俺を戦わせやがって!?

くそっ人が多い!

帰りたい!帰ろう!

 

はちまん「あの…!も、もう帰っていいですかね?これ以上ここに居たら俺……」

 

タケシ「いやちょっとまて、トレーナーパス持ってるだろ?貸してくれ」

 

はちまん「え…?は、はいわかりました」

 

俺はタケシにパスを渡す

タケシはパスを受け取ると係員の人が持ってきたなんかの機械でアレコレした後返してくれた

何したんだ?

 

タケシ「これでお前の口座にジムからの仕送りが送られるからな

あと、これはそれとは別の賞金だ」

 

はちまん「あ…。えっと、ありがとうございます」

 

タケシから茶封筒を受け取る

そういや賞金貰えるんだっけ

それにジムから仕送りされるなら安定した生活が送れる

やったぜ

 

あ、カラカラにケーキ買ってやらなきゃな

 

てか観客の視線が痛い!

早く帰ろう!早く帰ろう!

 

はちまん「あ、あの受け取ったばかりで申し訳ないんですけど

俺はもう…」

 

タケシ「なんだ、もう行くのか?さっきのバトルの話しをしたかったんだが…。まあ、また今度でいいか。じゃ、はちまん。またいつか会えたらいいな」

 

タケシは俺に握手を求めてきた

流石リア充コミュニケーションがアメリカンだぜ

と、いつもなら思うとこだが今回は違う

 

俺はカラカラの方を見る

疲れているが表情は清々しい

 

タケシの方へ視線を戻し

握手に応じた

 

 

 

 

 

その後俺は沢山の視線から逃げるように

ニビジムを後にした

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

26話 ニビジム勝利後

#ニビシティポケモンジム前

 

俺とカラカラはニビジムで勝利した後

観客の視線をかいくぐりなんとかジムから出てきた

俺はどこか落ち着ける場所を探しながら歩く

ジムのすぐ近くにある公園を見つけ

そこのベンチに腰を下ろす

一緒に来ていた雪乃達がジムから出て来るのを待つ

 

はちまん「…勝ったんだよな?」

 

俺はタケシから貰ったグレーバッチを見る

俺や雪乃達が元の世界に戻れるかも知れない方法

これであと7個集めれば殿堂入り向けてチャンピオンに挑むことができる

こんなに早く手に入れられるとは思わなかった

もうちょっとレベルを上げてから挑むつもりだったが

 

あの変な灰色の女の子

確かタケシが言うにはニンって名前らしい

何でアイツは俺を戦わせたんだ?

ん?灰色のドレスに灰色の髪?

…何だっけ?

なんかそういう風な奴にどっかで会ったような…

 

はちまん「ま、それは置いといて」

 

俺は隣に座るカラカラと顔を合わせる

小さくハイタッチ

うまくいったね♪ハイタッチ♪

 

そして先ほど貰った賞金の入った茶封筒を取り出す

なんかこういうの持ってると誰かに襲われそうで怖いな

周囲を見渡し誰もいないことを確認し、

茶封筒を開けてみる

中には賞金100万が

 

100万!?

 

えええ!?

物凄い大金じゃねーか

怖い怖い怖い、えー!?

 

心の悪幡「コノカネデ、マッカン、ヒャッコカエル」

 

じゃなくて!!

うわうわうわ早く!早く財布に仕舞おう!

これ以上こんなん見てたら頭がおかしくなる!

 

カラカラ「?」

 

カラカラは予想外の大金を前に慌てている俺を首を傾げて見ていた

まだ事態を把握できてないようだ

マジかー

ジムリーダーに勝ったらこんな大金貰えるの?

しかも仕送りもして貰えるんでしょ?

何この世界

トレーナーに甘々じゃん

まぁ実力主義な世界だがな、勝たなきゃ意味ない

 

その時ジムから雪乃達が出てきた

俺を探しているようだ

いろはが俺を見つけ2人に教える

俺はアイツらのところへ向か……

 

ゆい「ヒッキイイイイイィィ!!!」

ドドドドドド!!!

 

…おうとしたところに結衣が爆進してきた

そして俺は結衣に抱きしめられる

 

ゆい「ヒッキー!!やった!やったね!!すごい!すごいよヒッキー!!まさかいきなり戦って勝っちゃうなんて!!すごいカッコよかったよ!ヒッキー!!」

 

10歳の身体とは思えないほどの大きなアレを押し付けながら

結衣は俺の勝利を満面の笑みを浮かべて喜んでいる

 

ああ、多分俺明日死ぬわ

安定した生活を送れると思った矢先コレだよ

だから死ぬ前くらい正直になろう

 

しばらくこのままでいいよね?

 

圧倒的至福の中

八幡!ただ突っ立っているだけ!

 

その柔らかく優しい感触を楽しんでいたが

後からきたいろはに引っぺがされ

至福の時は終わった

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ゆい「あ、あわわ!ひゃあぁ〜〜!」///

 

俺から引き剥がされた後

結衣は自分がした事を理解したのか悶絶していた

 

いろは「結衣先輩ずるいですっ!せんぱいっ!私も向こうから走って飛び着きますね!ちゃんと抱きとめてくださいよっ!」

はちまん「やだ」

いろは「なんでですか!?」

 

アホか

さっきは油断したが二度も食らってたまるか

ホールド聖闘士に同じ技は通用しない!常識だ

 

ゆきの「はぁ…」

 

ん?

雪乃の奴どうしたんだ?

いつもならここで

 

『ホル企谷君?貴方、死刑と極刑どっちがいいかしら?』

 

とか言いそうなのに

おかしなゆきのん

 

はちまん「どうしたんだ?」

ゆきの「いえ、まさか貴方に先を越されるとは思わなくて」

はちまん「いや、仕方ないだろ?アレは俺の意思じゃなくてニンとか言う灰色の……」

 

ニン「ん〜?わたしがど〜かした〜?ふふふ〜♪」

 

4人「「「「!!!」」」」

カラカラ「……!」

 

噂をすれば影がさす

俺たちのすぐそばに灰色の女の子、ニンが居た

よく見ると俺より頭一個分小さい

き、気づかなかったいつのまに!?

 

ニン「やあ〜またあったね〜アホ毛くん〜ふふふ♪」

はちまん「お前…何であんなことしたんだよ?」

ニン「ん〜?かわいかったから〜ふふふ♪」

4人「「「「か、かわいい!?」」」」

ニン「アホ毛が〜ふふふ〜♪」

はちまん「え?アホ毛が可愛いかったから無理矢理戦わせたの?だったら俺の小町…じゃない俺の妹の小町はどうなるの?その理屈でいくと心労で倒れちゃうぞ」

ゆきの「なぜ俺の小町と言いかけたのかしら…」

いろは「シスコン…」

 

雪乃達が冷ややかな目で俺を見てくる

別にいいだろ?未来の嫁第一候補の1人なんだから

そしてもう1人は勿論戸塚

つまり俺の未来予想図は2人の天使と生活を送ることだ

あ、この世界でシズカエルも降臨したんだっけ

どうしよう

 

ニン「あはは〜おもしろいね〜アホ毛くん〜ふふふ♪」

ゆい「そ、それでニンちゃん…だっけ、どうしてここに?」

 

ニン「ん〜?あ〜そう〜アホ毛くんにあやまりにきたの〜かってにたたかわせちゃってごめんなさ〜い〜ふふふ♪」

はちまん「え?謝ってくれるのか?」

 

あれ?もしかしていい子なの?

 

ニン「うん〜じつはアホ毛くんにたのみが〜ふふふ♪」

はちまん「頼み?」

ニン「うん〜でも〜そのまえにききたいことが〜ふふふ♪」

 

そう言うとニンは雪乃達の顔を見る

 

ニン「この町の〜入るところからみてたけど〜あなたたちとアホ毛くんっていっしょにぼうけんしてるの〜?ふふふ〜♪」

はちまん「いや、違うぞ?さっき偶々鉢合わせしただけで基本俺とコイツらは別行動だ」

ニン「そ〜ならよかった〜ならあなたたちがジムに〜ちょうせんしてるあいだ〜アホ毛くんはまってなくていいんだね〜ふふふ♪」

4人「「「「え?」」」」

 

どう言う意味だ?

 

ニン「それで〜アホ毛くん〜アホ毛くんってつぎにやることきまってるの〜?ふふふ〜♪」

はちまん「え?」

 

次にやること?

えっとニビジムに勝ったんだ

次のジムのある町に行かなきゃいけないから

 

はちまん「えっと…ハナダだ、ハナダシティのジムに行く」

ニン「おお〜じゃあ〜ここからハナダに行くんだから〜あのお山を越えるんだよね〜ふふふ♪」

 

ニンが指し示す場所

それはニビシティの東

ここから見える大きな山

オツキミ山だ

 

はちまん「ああ、そうだ、それがどうかしたか?」

ニン「うん〜わたしもいっしょにいっていいかな〜?ふふふ〜♪」

はちまん「は?」

ニン「わたし〜あそこでやらなきゃいけないことができちゃって〜

よければ〜アホ毛くんもいっしょにきてほしいな〜って〜ふふふ♪」

ゆい「ちょっ!ちょっとまって!どうしてヒッキーなの?他の人でもいいんじゃない!?」

ニン「ん〜なんとなく〜?ふふふ〜♪」

ゆい「な、なんとなく!?」

 

なんとなくで山に連れて行かれてたまるか

俺は山がそこにあるから登るんじゃない

山がそこにあるから帰るんだ

だって気象の変化とか色々めんどくさいし

まあそれはさておき

 

はちまん「…わかった、行こう」

ヒロインズ「「「え!?」」」

はちまん「悪い雪乃、お前の条件とは違ってくるがお前らがニビジムで戦っている間俺が先に進んでいいか?」

ゆい「え…?一緒に行かないの!?」

はちまん「いや、元から一緒に行動してるわけじゃないだろ?時間ももったいないしな」

ゆい「そ、そんな」

 

ゆきの「……貴方、私達に何か隠してない?」

いろは「えっ!?」

はちまん「……かもな。でも時間がもったいないってのも事実だろ?」

ゆきの「……はぁ、わかったわ。…私達がハナダに着いたらちゃんと話してもらうわよ?」

はちまん「………わかった。お前らもそれでいいよな?まだお前達はニビジムで勝たなきゃいけないんだし」

ゆい「そ、それは…うぅ…わかった」

いろは「はい…わかりました…」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ゆきの「それじゃ、私達はジムへ戻りましょうか。あそこならジムリーダーに挑戦しなくても他のトレーナーと戦えば特訓にもなるでしょう」

いろは「は、はい!」

ゆい「うん…ヒッキー…またね」

はちまん「ああ…」

 

雪乃達はジムの方へ戻っていった

残されたのは俺とカラカラとニン

 

 

俺が雪乃達より先にハナダへ向おうとする理由

ニビジムの勝利で浮かれていたが

ニンの言う通り

次の目的地ハナダへ行くにはオツキミ山を越えなければならない

そしてそのオツキミ山

ゲームであったそこで起きるイベント

それは、ロケット団との戦闘だ

 

俺はカラカラの様子をうかがう

ジム戦後の為疲れた顔をしている

 

はちまん「なあニン、お前のその用事って明日じゃダメか?」

ニン「ん〜?どうして〜?ってああ〜カラカラちゃんか〜ふふふ♪」

はちまん「ああ、出来れば今からコイツを休ませてやりたいんだが」

ニン「わかった〜いいよ〜ふふふ♪」

はちまん「サンキュ」

ニン「んじゃ〜明日この町の東がわの入り口でまってるね〜ふふふ♪」たたた

 

そう言うとニンはどこかへ消えていった

 

 

 

 

ニビジム戦勝利後

早くも明日次の目的地に向かう事になった

俺は明日オツキミ山であるであろうロケット団との戦闘に備えるため

カラカラと共にポケモンセンターに向かった

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

はちまんの今の状態 セカンドエディション



ものすごい勢いで話しが進んでいるようで
実は30話近くなってやっとニビジム戦攻略です

そして今回は章末恒例のステータス回です



はじめに

 

三章をこの辺りで切り

次回からは四章に入ります

 

なのでその前に八幡の今の状態をまとめました

 

そして前回のステータス回は全然ふざけてなかったので

今回は10割中10割方ふざけます

ご了承ください

 

では

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

比企谷八幡

<はちまん>♂

 

朝起きるとポケモンの世界に来ていた高校生

 

身体は若返っていた

…しかしだからといって探偵団を結成するわけではない

 

腐った目とアホ毛がトレードマーク

…しかしだからといってコンプレックスであることはかわらない

 

家族は母親のみ

…しかしだからといって父親になにかあった訳ではなく

唯一緒に暮らしていないだけである。詳細は不明

 

妹の小町はいない

…しかしだからといって小町ルートが開通した訳ではなくこの世界に小町自体いないようだ

 

八幡に常時搭載されている『戸塚レーダー』によると

戸塚もこの世界にいないらしい

…だが八幡曰く「戸塚じゃないが戸塚の見た目と性格をした女の子ならいるかもしれない」との事…ネタバレじゃないよ?

 

元の世界から来た

雪乃、結衣、いろはと会うが別行動をとる

…なのでこの3人、出番は少ない

 

旅の目的は

ジムリーダーと呼ばれるリア充どもから大金をせしめ

そして安定した生活を送る事である

 

『服装』

レッドさんの着ていたやつは畏れ多いため

無難な黒いパーカーを着ている

着替えも持っているが全てこの服である

 

『持ち物』

・バック

何でも入る魔法のバック

 

・トレーナーパス

銀行やATMで個人認証に使える

 

・ポケモン図鑑

公害

 

・バッチケース

現在のバッチ1つ

 

・財布

1日目 3000

 

2日目 3000→カフェオレとミックスオレで2300

 

3日目 2300→キズぐすり×2とどくけし×2で1500

→ケーキで400

 

4日目 400→ニビジム勝利で1000400円

 

※ごめんなさいここから先ふざけません

力尽きました

 

 

 

 

と、言ったなあれは嘘だ

 

『どうぐ』

・モンスターボール 10

存在を忘れていた

 

・キズぐすり 4

トキワで補充し6

2番道路で計2消費

 

・どくけし 2

トキワで購入

 

『技マシン』

・がんせきふうじ

誰も教えてくれないので使い方が分からない

 

『たいせつなもの』

・タウンマップ

使い道がない

 

[ポケモン図鑑に新しく追加されたポケモン]

 

・キャタピー

・ビードル 描写なし

・アーボ

・イシツブテ

 

以上

 

イワーク(・Д・)

 

〈手持ちのポケモン〉

 

☆カラカラ

 

レベル 20

 

目が灰色のボッチ属性

徐々に八幡との心の距離が縮まっている

甘党

得意技はアイアンヘッド

 

過去にトラウマをもっており

何があったかは明かされていない

 

『覚えている技』

・アイアンヘッド

・ほねこんぼう

・にらみつける(かわいい)

・きあいだめ

 

 

☆これからのヒッキー☆

ニビジムに辛くも勝利した八幡とカラカラ

だが勝利の余韻に浸るまでなく次の目的地を目指す事に

灰色の女の子ニンと共にロケット団のいるオツキミ山へ

八幡とカラカラは無事ハナダに着けるのか

 

次回 四章 VSミニスカ

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

四章 ハナダシティ 前半
27話 VSミニスカ




前回のステータス回ふざけ過ぎましたすみません
実は章末で八幡やその他のステータスをまとめたものを書いているんですが
いつも文字数が足りなくなるんですよね
なので前回試しにふざけまくってみて
これなら文字数足りるかな?と思ったんですけど
あんま変わりませんでした
なのでこれからはああいうのはもうしません
お騒がせしました

と言うわけで四章突入です
今回は長くなります
でも今回も暇つぶし



#ニビシティポケモンセンター

 

今は夕方

俺とカラカラは今ニビのポケモンセンターにいる

そこのカフェで約束のケーキを買った

カラカラのだけ買えば良かったんだが

こいつが俺の分も買えってきかないもんだから

しょうがなくゲートで買ったものと同じケーキを2つ買い

2人(?)で食べているところだ

 

はちまん「…はむっ…ん!美味いなコレ」パクパク

カラカラ「〜〜〜!」パクパク

 

そのケーキは結構美味かった

勝利の美酒というかなんというか

いやーしかしあんな高いケーキを買っても所持金が全然減ってない

やっぱ賞金100万円って高過ぎないか?

まあ正直あの勝負結構危なかったし、いっか

 

初のジム戦、反省する点は沢山ある

あの時、もしイシツブテのマグニチュードが7だった場合

多分負けていた

いや、勝負の直前タケシのあのイシツブテだけで戦うという提案

あれがなければ例えマグニチュード6以下で耐えたとしても

二体目を出されていたら負けていた

 

今までカラカラだけで何とかなってきたが

これからもそうだとは限らない

タケシみたいにみんながみんな相手と同じ数ポケモンで戦おうとするはずがない

 

……あまり気は進まないがポケモンを捕まえて戦力を増強するしかない

 

カラカラを仲間にしようと決めたあの時

ずっと俺につきまとってくる存在を作るのが嫌だった

それはこいつと一緒いるのが全く抵抗がなくなった今でもそう思っている

そして恐らくカラカラも周りと距離を置くような性格の為

周りにポケモンや人が増えていくのを良しとはしないだろう

しかしそれは俺たちのワガママだ

俺たちのことなんざ周りは知ったこっちゃない

 

しかも明日向かうオツキミ山にはロケット団がいる

油断すれば負ける

いや負ける事はそんなに重要じゃない

問題はその負けた後

この世界に来た時に俺が懸念したことで

野生のポケモンは負けても襲って来ないらしいが

アイツらがどうなのかは分からない

負ければ口封じや見せしめなどの理由で殺されるかもしれない

 

そう考えると俺たちのワガママは死に直結する足枷にしかならない

もうそんなワガママ言っていられない

決めた、ポケモンを捕まえよう

 

しかしこの辺で捕まえられるのって何がいたっけ

あ、そーだそーだ

あの公害…ポケモン図鑑を使えばいい

俺はポケモン図鑑を開く

えーと分布、分布

 

んー

この辺のポケモン序盤の所為かパッとしないなあ

強いて言うならビードルを進化させたスピアーくらいか?

でも俺虫苦手だし

どうしよう無理に増やしていっても育てられなかったら無駄だ

それに明日オツキミ山に行くわけだから時間も無い

しょうがないオツキミ山までの道中かオツキミ山で捕まえるか

そう思いポケモン図鑑をしまう

 

はちまん「……ふー」グビッ

カラカラ「〜〜〜!」パクパク

 

俺はケーキを食べ終え一緒に注文したカフェオレを飲む

カラカラにはまたミックスオレを頼んでやった

しかしここのポケモンセンターにもマッカンはなかった

もしこの世界にマッカンがあったらコイツにも飲ましてやろう

甘党のコイツならきっと気にいるだろう

まだみぬポケモン世界のマッカンに心を寄せながら

ケーキを食べ続けるカラカラを眺める

 

カラカラがケーキを食べ終えミックスオレも飲んだ後

ジムからまだ戻って来ない雪乃達を気にしながら

ポケモンセンターの宿泊施設に泊まり

明日に備え眠りにつく

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ニビシティ東

 

翌日

俺とカラカラはニビシティのオツキミ山方面の出口に来ていた

ここで灰色の女の子ニンと待ち合わせだ

昨日ニンはここで待っていると言っていたが

 

はちまん「いないじゃん……」

 

仕方がないのでニンが来るのを待つ

そういえばアイツ、オツキミ山に用事があるんだっけ

いや用事ができたと言っていたな

それってもしかしなくてもアイツらだよな?

という事は急いだ方がいい気もするが

何故いない何故来ない

もしかしてすっぽかされた?

 

ニン「やあ〜アホ毛くん〜はやいね〜ふふふ♪」

はちまん「どぅわあ!?」

カラカラ「!?」

 

と思っていたがいつのまにかすぐそばにいた

昨日初めて会った時もそうだったけどいつのまにこんな近くに来たんだ!?

 

はちまん「お前…なんでいなかったんだよ?昨日ここで待ってるって言ったのお前だろ?」

ニン「え〜〜?わたし〜ずっとここにいたよ〜?ふふふ〜♪」

はちまん「え!?うそ!?」

ニン「ホントホント〜だから〜アホ毛くんが来たのみてから〜こうしてでてきたんだよ〜?ふふふ〜♪」

はちまん「お前、俺が言うのも何だけど存在感薄いな…」

ニン「おお〜それ〜よくいわれる〜ふふふ♪」

 

ニン「そんじゃ〜アホ毛くんきたし〜いこっか〜ふふふ♪」

はちまん「おう」

 

こうして俺たちはニビシティを後にし

オツキミ山へ向かう

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#3番道路

 

ーーはずだった

 

???「ちょっと!そこの君!」

 

何故か3番道路に入った途端

ミニスカートを履いた女の子に詰め寄られた

 

はちまん「な、なんすか?」

ミニスカ「私の名前はエリ!あなた今私の足見てたでしょ!?」

はちまん「はあ?」

 

エリとか言うやつに難癖つけられた

いや、だったらそんな短いスカート履くなよ

 

ニン「アホ毛くん〜?なにしてるの〜?」

はちまん「いや待てニン、これは冤罪だ」

 

あれ?ニンさん?なんか怒ってる?

いつもの『ふふふ〜♪』が無いけど

 

ニン「ん〜?じゃあアホ毛くんは〜あの子の足〜きょうみないの〜?」

はちまん「いや…ないことは…」

 

そう言って俺はミニスカの足を見……は!しまった!

 

エリ「あーー!!今!今見たわね!?何が冤罪よ!見てたじゃないの!?」

はちまん「い、いや待て!これは……」

エリ「問答無用!!ポケモン勝負よ!!」

 

おいぃ!ニン!またお前のせいでめんどくさい事に!

急いでるんじゃなかったのか!?

くそ!こうやってサラリーマン男児は冤罪をなすりつけられるんだなぁ…

 

だが!!そうは行くか!!

 

何が足見ましたね?だ!!

何が尻を触っただ!!

何がセクハラだ!!

 

ふざけんな!!

 

テメェら自意識過剰な女の所為でどれだけのサラリーマン男児が苦しめられて来たと思ってんだ!!

 

確かに痴漢するやつは最低のクズだ!人間じゃねぇ!!

だがな、勘違いだとしても

お前らみたいに人を貶めるやつと何が違うってんだ!?

お前らの勘違いの所為で家族も仕事も幸せも無くす奴だっているんだぞ!?

その責任テメェら取れんのか!!!

 

ぶっ壊してやる…

お前らのその腐りきった思考…

世のサラリーマン男児の為…いや!

全ての男の為に!!

俺は…その幻想をぶち殺す!!

 

 

はちまん「すみませんでしたーーー!!!」

 

…事なく俺は土下座する

え?サラリーマン男児の為?

ごめんやっぱ無理

 

だって昨日戦力不足を痛感して

ポケモンを捕まえるまではあまり戦いたくない

後めんどくさい

さっさとオツキミ山に向かいたい

 

エリ「………」ぽかーん

 

エリ「ハッ」

 

エリ「ふっふっふ!まあ、謝るんだったら許してあげるわ!」

はちまん「そうか、じゃ」スタスタ

 

ミニスカのその言葉を聞くと

俺は土下座をやめ、カラカラとニンを連れ先に進む

はあ〜許してくれてよかったよかった

 

エリ「って、どこ行くの!?」

はちまん「オツキミ山」

エリ「そ〜じゃなくて!何かお詫びとかないの!?」

はちまん「え?土下座しただろ?」

エリ「も〜う!何でそんなふてぶてしい態度なの!?」

 

はあ〜めんどくさい

 

はちまん「じゃあなに、靴舐めでもすればいい?」

エリ「いや、キモいからいい」

 

え?さっきまであんな騒いでたのに急に冷めたよ?

靴舐めってそんなにキモいかな?

うんキモいな

 

エリ「そーじゃなくてー!ん〜あ、じゃあついてく!」

はちまん「は?」

エリ「私もあなたについてく!いいでしょ!」

はちまん「いや、なんで?」

エリ「お詫び!ほらあなた今オツキミ山に行くって言ってたでしょ!?だからハナダのポケセンにあるカフェでカプチーノ奢って?」

はちまん「えー」

エリ「いやーニビのポケセンにはなくてさー、一度飲んでみたいんだー!ね!いいでしょ!?それで、今回の件はチャラ!」

はちまん「でも」

エリ「もしダメって言うんだったらおまわりさんに言いつけちゃうから」

はちまん「それだけは勘弁してください」

 

んも〜ほんとめんどくさ〜い

 

はちまん「わかった…」

エリ「やたー!」

はちまん「ニン、いいか?」

ニン「ん〜ほんとはあぶないとおもうからだめだけど〜いまアホ毛くんがおまわりさんにつれていかれちゃったらこまるし〜うん〜しょうがないからいいよ〜ふふふ〜♪」

 

あ、機嫌直ったっぽい

というかやっぱあぶないのか?

 

はちまん「はあ、えっとそれで…誰だっけ」

エリ「ええー!?最初に言ったよ?アホ毛くん!エリだよ!エ・リ!」

 

お前もアホ毛呼びか

まあ俺の名前言ってないからしょうがないか

そういやニンにも言ってなかったな

まあいいか

 

はちまん「じゃあエリ」

エリ「んーなにー?」

 

はちまん「俺のそばを離れるな」

 

エリ「ふえ…!?」///

はちまん「いや、違うそう言う意味じゃない。俺たちが向かう場所は危険だ。だから何があっても俺のそばを離れるないいな?」

エリ「う、うん……!」///

 

あれ?本当に分かってる?

俺は違うって言ったからな?

 

こうして俺、カラカラ、ニンは

予期せぬ同行者エリを加えてオツキミ山へ向かう

 

 




はい、と言うわけで
性格はオリジナルですが
ポケモンの原作に出てくるミニスカのエリが加わりました

では、読んでくださりありがとうございました


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

28話 ポケモンの捕まえ方

#3番道路

 

オツキミ山に向かう一行

メンバーは俺とカラカラとニン

そして

 

エリ「へ〜!ニンちゃん、カプチーノ飲んだことあるんだ!」

ニン「うん〜!すごくおいしかったよ〜?ふふふ〜♪」

 

何故か俺達について来たミニスカを履いたエリとか言う女の子

なんか女同士で仲良くなっている

人付き合いと人が苦手な俺とカラカラは肩身が狭い

というかカラカラはエリだけでなくニンに対しても怯えていた

やっぱり人が多くなるとダメだな

 

エリ「おっ?おおっ!あれは!」

 

いきなりエリが草むらを指差して騒いでいる

なに?

そこにはポケモンがいた

草むらの外からポケモン見たの初めてだな

草むらに入らなくても見えるのか

 

エリ「プリンだ!プリンだよ!アホ毛くん!」

 

プリンと言ってもお○ゃる丸が好きな食べ物の方ではなく

ポケモンのプリンである

丸いピンク色のボディで大きな目をしている

へープリンってこの辺に出て来るのか

 

エリ「前から捕まえてみたかったんだー!ねぇ!行ってきていいかな!?あ!でも先に行っちゃダメだからね!」

 

チッ

この機会にコイツを切り離そうと思ったんだが

バカっぽいくせに勘がいい

 

はちまん「いいのか?ニン」

ニン「うん〜!いっておいで〜エリちゃん〜ふふふ♪」

 

ニンは新しい友達が出来てテンションが上がっているのかいつもより声量が大きい

 

エリ「うん!ありがとうニンちゃん!じゃ、いって来るね!」

 

そう言ってプリンの元へ向かう

あ、そういや俺ポケモンの捕まえ方の理屈はしずか先輩に教えてもらって知っているが実際に見るのは初めてだな

ちょうどいいコイツ勝手について来てどうなるかと思ったが

俺のこれからのために見せてもらおう

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

エリ「行って!ポッポ!」

 

野生バトル

 

エリ ポッポ VS プリン

 

エリが繰り出したのはポッポ

 

エリ「さー行くよー!ポッポ!かぜおこし!」

 

ポッポ「!」ビュウ

プリン「…!」

 

プリン「♪」

ポッポ「…!…zzz」

 

最初のターン

エリのポッポはかぜおこし

今回の目的は捕まえる事

特防の高いプリンには効果的だろう

しかしプリンはうたうを使って来た

確率は低いがポッポは眠ってしまった

こっちの世界に来た時にしずか先輩から教えてもらった

ねむるとこおるの状態異常は3ターンで治るらしい

なので3ターンの間ポッポは眠った状態だ

 

エリ「ポ、ポッポ!」

 

エリはポッポが眠てしまったため何もできない

厄介だな

今攻撃されてもこっちは何もできない

 

エリ「だったら…!」

 

エリは持っていたバッグからモンスターボールを取り出す

ポケモンが何もできないならトレーナーが動く

しかしかぜおこしで少しダメージを与えただけなので捕まえるのは厳しいだろう

だが0%じゃない捕まえられる可能性も十分にある

 

エリ「えい!」

 

2ターン目

エリがボールを投げプリンに当たる

そしてプリンがボールに入った

三回揺れてボールから『カチッ』と音がしたら捕獲成功だ

ボールが揺れる、一回、二回

 

ポンッ!

プリン「!」

 

エリ「あ…!」

 

ダメだ

ボールから出てしまった

捕獲失敗

そしてプリンの攻撃

 

プリン「♪」

ポッポ「zzz」

 

あれ?攻撃が来なかったな

もしかしてあのプリン、うたうしか覚えてないのか?

 

エリ「もっかい!」

 

3ターン目

エリはもう一度ボールを投げる

プリンがボールに入る

ボールが揺れる

今度はどうだ?

一回、二回、三回

 

ボール「カチッ」

 

エリ「や、やったーー!!」

 

おお、捕獲成功

なるほどこう言う感じで捕まえればいいのか

参考になった

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

エリ「や、やった…!やった…!」

 

エリはポッポを起こすと

プリンの入ったボールを両手で包み込む

 

ニン「やったね〜!エリちゃん〜!ふふふ〜♪」

エリ「うん!ありがとうニンちゃん!」

 

ニンがエリの頑張りを労う

ホントコイツらこの短時間で仲良くなったな

 

 




短くなりましたが今回はここまで

読んでいただきありがとうございました


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

29話 大男

#4番道路

 

エリ「あ!アホ毛くん!ニンちゃん!

あれ!洞くつの入口についたよ!ポケセンもある!」

プリン「…!」キャッキャッ

 

オツキミ山に向かう一行

俺、カラカラ、ニン、エリ

そしてエリが先ほど捕まえたプリン

俺達はオツキミ山の洞窟への入口までたどり着いた

そのそばにはポケセンがある

 

ニン「んじゃ〜とりあ〜えず〜ぽけせんにはいる〜?ふふふ〜♪」

はちまん「ん、わかった」

 

俺達はポケモンセンターで少し休憩することにした

同行者がさらに増え辟易していたカラカラを気遣いながら向かう

そしてポケモンセンターの中に入ったその時----

 

--事件が起きた

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#4番道路ポケモンセンター

 

???「まだなのか?まだ見つからないのか?つきのいしは」

ロケット団員「はっ!申し訳ありません!ただ今総員をあげて捜索中ですがなにぶん小さな石のため……」

???「はぁ…そうか」

 

俺達がポケモンセンターに入った時

中には先客がいた

1人は服装で分かる…ロケット団だ

そしてそのロケット団員が跪いている相手

2メートルほどある身長に

山のようにデカイ体型

そして顔にある大きなキズが特徴的な男だった

ロケット団員が跪いているということはロケット団の中でも位の高い奴なのだろうか

だが今はそんな事よりも気にしなければならない事がある

 

 

カラカラ「…!?!?」ガクガク

 

 

カラカラがあの大男を見た瞬間

まるでお化けを見たかのように顔面蒼白になりながら

からだを震わせていた

 

もしかしてあの大男こと知っているのか?

だがあの大男を見た瞬間のコイツの反応…

どうしたってんだ?

俺はアイツらに聞こえないように小声でカラカラに話しかける

 

はちまん「どうした?カラカラ」

カラカラ「………!」ガタガタ

エリ「ど、どうしたの!カラカラちゃん!」

 

俺が声をかけてもカラカラはあの大男を見ながら震えている

これはヤバイかもしれない

とりあえずこいつをあの大男から離さなければ

 

はちまん「おい、お前ら一度外に出るぞ!」

ニン「うん〜!いこっ!」

 

俺達はカラカラの様子を見て事態を重く見ると

アイツらから離れるため外に出る

その時俺はこいつと出会った時のオーキド博士の言葉を思い出していた

 

オーキド博士『…うむ、このポケモンはカラカラといっての、とある事情で心を閉じておる』

 

心を閉ざす、とある事情……

まさか

あの大男が関わっているのか?

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#4番道路

 

カラカラ「………」ガタガタ

 

ポケモンセンターから出てあの大男から離れたが

まだカラカラは怯えていた

 

はちまん「………」

エリ「えっと…あの…」

ニン「………どうするの〜アホ毛くん〜」

 

カラカラ「………」ガタガタ

 

………

コイツがこんな状態じゃあ先には進めない

かといってさっきのポケモンセンターに戻る訳にもいかない

 

はちまん「………とりあえず、アイツらがあのポケモンセンターから出るまでここで待って、その後ポケモンセンターに戻ろう。ニン、お前の用事ってアイツらでいいんだよな?」

ニン「うん〜そうだよ〜なんかこの山でさわがしくしてたから〜こらしめにきたの〜」

 

ニンもカラカラの状態を重く見ているのかいつもの『ふふふ〜♪』がなくなっている

最初は掴めない奴だと思ったが案外性格が表に出るタイプだな

というかやっぱいい奴だなコイツ

 

はちまん「俺はアイツらが出て来るのを待つがお前はどうする?別に俺と一緒に待って無くてもいいぞ?なんなら今からアイツら懲らしめてきてくれてもいいぞ?」

ニン「ん〜たぶんむりだね〜カラカラちゃんがおびえてたあのおっきいひと〜みたかんじ〜わたしよりつよいし〜それに〜アホ毛くんがいなきゃ〜いけないし〜いっしょにまってるよ〜」

はちまん「そうか…お前はどうする?」

 

俺はエリの方を見る

 

エリ「え?」

はちまん「お前も俺達とここで待たなくても帰っていいんだぞ?」

エリ「むっ…もしかして、私が怖がってると思ってる?」

はちまん「は?いやお前は関係ないから…」

エリ「怖くないもんっ!それに!関係ない事ないもんっ!カプチーノまだおごってもらってない!」

はちまん「いや、今はそんな事言ってる場合じゃ…」

エリ「うっさい!私との約束をバイバイしようとしてもダメだからね!だからっ!私もここで待つ!」

はちまん「バイバイって…。分かったよ、んじゃ余計なことするなよ?大人しくして、俺のそばを離れるな、いいな?」

エリ「え…!?」///

はちまん「いやだから違うそう言う意味じゃない」

エリ「わ、わかってるよ…」///

 

本当に分かっているのか?

そんなエリは放っておき

俺はカラカラの様子を見る

 

カラカラ「………」ガタガタ

 

まだ震えているカラカラをみて思う

はぁ…まためんどくさいことになりそうだ…

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

30話 カラカラの過去

#4番道路ポケモンセンター

 

俺達はロケット団がポケモンセンターから出てくるのを確認した後

またポケモンセンターに入った

ポケモンセンターのカフェでカラカラのためミックスオレを頼み腰を落ち着かせる

カラカラは少し落ち着いてきたが

顔をうつむき落ち込んでいる

 

はちまん「…悪いニン、しばらくこいつの事任せていいか?」

ニン「うん〜まかせて〜ふふふ♪」

はちまん「ああ、すぐ戻る」

 

俺はカラカラをニンに任せポケモンセンターにある公衆電話に向かう

だが目的の人物の電話番号を知らない事に気づく

ど、どうしよう

何かないかと思い手持ちの物を探る

すると公害の裏にそれは書いてあった

自己主張激しすぎだろあの人…犯罪に使われたらどうすんだ…

いや、オレオレ詐欺とか効かなそうだなあの人

住所とともに書かれている番号を見ながら打ち込む

なんか公衆電話というか電話って緊張するな…

 

プル…ガチャ

オーキド博士[もしもし?なんじゃ?]

 

出るの早!?

 

はちまん「あ、えっと俺です、博士」

オーキド博士[………わしが長い人生の中編み出したオレオレ詐欺を撃退する方法『やりかえす』

オレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレオレ…………………]

はちまん「すみませんでしたーー!!

はちまんです!貴方からポケモン図鑑を預かったはちまんです!!」

 

オーキド博士[ん?おおっ!はちまん君か!で、何の用じゃ?]

はちまん「あの、教えてほしい事があるんですカラカラの事で…」

オーキド博士[…………………]

はちまん「…?博士?」

オーキド博士[…………はちまん君、君にとってもあの子にとってもキツイ話しになるかも知れんが聞く覚悟はa…]

はちまん「あります」

オーキド博士[………!]

はちまん「あの、頼んどいてなんなんですけど今ちょっと立て込んでて……。教えてくれるなら早くしてもらえませんかね?……アイツのために」

オーキド博士[………わかった。が、1つ聞いていいかの?]

はちまん「………何ですか?」

 

 

 

オーキド博士[君、わしに当たり強くない?]

はちまん「そんなバカな」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

あの子はわしの知り合いから任されたポケモンなんじゃ

 

 

とある事情でこの子は心にキズを負ってしまった

それも一生残る深いキズを

私にはそのキズを癒す事はできんかった

 

博士、貴方のポケモンに対する愛情

そしてポケモントレーナー達を導こうとするその志

それを信じてこの子を託したい

 

もし貴方がこの子のキズを癒せなくても仕方ない

だが貴方はこれから色んなポケモントレーナーに合うじゃろう

だからその中でこの子を

この子の心を癒すことの出来るトレーナーを見つけてやってほしい

 

頼む博士

この子の為にも

どうか………

 

 

とな

わしはそれを受け入れた

そしてその時その子の事情を聞いたのじゃ

 

その子は…

カラカラは…

 

 

親を…母親を殺されたんじゃ…

 

それも…その子の目の前で…

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん「----!!」

オーキド博士[犯人はわかっておる…。あの黒い集団…ロケット団じゃ]

 

はちまん「………」

オーキド博士[……はちまん君。今わしに話を聞いてきたという事は……。会ったんじゃな?その…仇に]

はちまん「……はい、恐らく」

オーキド博士[…で、お主この話を聞いてどうするつもりじゃ?」

 

はちまん「いえ、特に何も」

オーキド博士[え?]

 

はちまん「いや、アイツの親の仇を知ったからって別に何かしようとは思わないですよ。そもそも貴方にアイツのこと聞いたのはこのままだと先に進めなくるから事情を聞いて無理矢理にでもついて来させようと説得するためです。アイツのために何かしてやろうと思って聞いた訳じゃありません。俺のためです」

 

オーキド博士[お、お主…!]

はちまん「それに…」

オーキド博士[……?]

 

はちまん「それに仇がどうこう心のキズがどうこうそんなのアイツ自身の問題でしょう?だから親の仇をどうするかなんて事は俺が決める事じゃないアイツが決める事です。まぁアイツが仇を討つのであれば協力しますよ。でもアイツが仇を討ちたくない、怖いから近づきたくないって言っても俺は協力します。…アイツには今まで散々助けられてきましたから」

 

オーキド博士[はちまん君……]

はちまん「博士、ありがとうございました。貴方から聞いた話しでアイツを説得できそうです」

オーキド博士[うむ…そうか。なぁちょっと頼むがあるんじゃが]

はちまん「何です?」

 

オーキド博士[わしの分も殴っといてくれ]

 

はちまん「………」

オーキド博士[わしはお主よりあの子の事を見てきたんじゃ。あの子は確かに周りと距離を置き寄せ付けなかった。じゃがなあの子の内にある勇敢な性格は知っておる。

もし君があの子に仇をどうするか聞いた時。きっとあの子なら仇を打とうとするじゃろう。だからそのクソ野郎を倒した時、わしの分も殴ってくれ、頼んだぞ]

 

ガチャ

 

そう言い終えると博士は通話を切った

 

はぁ…

俺だってアイツの性格ぐらいわかってるつもりだっての

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん「待たせたな」

ニン「おかえり〜ふふふ♪」

 

俺が人生で使いたい言葉第五位

蛇さんの名言を言いながら戻ると

まだカラカラはふさぎ込んでいた

はぁ〜

とりあえず付き合わせてしまったこいつらには話しとくか…

 

俺は先程博士から聞いた話しをニンとエリに

博士の頼み以外を話した

 

エリ「そ、そんな……!ひどい…!」

ニン「……あのおっきいひとが……カラカラちゃんの…」ぎりっ

 

話し終えるとそれぞれ違う反応を見せた

というかニンさん怖い!

いつものニンさんに戻って!

ほら!ふふふ〜♪って!

 

はちまん「落ち着けニン。まだそうだと決まった訳じゃない」

ニン「でも〜」

はちまん「それにこれはコイツの問題だ。俺達がとやかく言っていい事じゃない」

ニン「う〜」

 

そして俺はまだ落ち込んでいるカラカラを見る

 

はちまん「じゃ、カラカラ。お待ちかねの決断タイムだ。率直に聞こう、どうしたい」

 

カラカラ「………」

 

はちまん「おい、早くしろ。迷ってる暇はないぞ?俺達は先に進まなくちゃならないんだぞ?」

エリ「ちょっ…!そんな言い方って!」

はちまん「黙ってろ」

エリ「ても…!」

はちまん「黙れ」

エリ「う…!」

 

俺は横槍を入れてくるエリを黙らせる

エリはニンに慰めてもらっていた

 

カラカラ「………」

はちまん「で?どうする?」

カラカラ「………」ジッ

はちまん「何?」

カラカラ「………」スクッ

 

カラカラは俺の顔を見つめた後立ち上がった

そして

 

カラカラ「………」ポコッ

はちまん「いてっ!?」

 

また骨で殴られた

何!?なんなの!?

なんか昨日も殴ってきたよな!?

反抗期?

 

はちまん「何すんの」

カラカラ「………」はぁ

はちまん「あん?」

 

なんかため息つかれた

もしかして叩かれた時の俺の反応なんか間違ってた?

ごめんね?俺Mじゃないから嬉しくないんだ

 

カラカラ「………」ジッ

はちまん「………」

 

そして俺をジッと見てくる

あのね?いつも思うけど

そんな事されても俺エスパータイプじゃないからお前が何伝えようとしてるかなんてわかんないよ?

と思ったが何となくわかった

すげぇ!俺ってエスパー!?

 

はちまん「………確かに、仇打ちなんて後回しでいいよな。今考えるべきは俺達の通る道にロケット団がいる事。後から来る雪乃達の為にも排除しなきゃいけないよな?」

カラカラ「……!」コクコク

はちまん「だったらこんな事してる場合じゃない。雪乃達が来る前にオツキミ山に行かなきゃいけないよな?」

カラカラ「……!」コクコク

はちまん「まあその時偶々あの大男にあっても排除しなきゃいけないわけだから仇打ちが成っても仕方ないよな?」

カラカラ「……!」コクコクッ

 

はぁ

この野郎

さっきまで落ち込んでたくせに

俺より冷静に考えてんじゃねーか

 

はちまん「わかった。んじゃ、仇打ちは今のところ後回しだけど

もしかしたら仇打ちするかも知れない。これでいいか?」

カラカラ「…」コクッ

はちまん「じゃあ約束しろ。またあの大男に会ってもさっき見たいに

怯えない事、いいな?」

カラカラ「!」ビシッ

 

俺がそう言うとカラカラはカフェのメニューを指した

そこにはニビシティで食べたケーキの写真があった

一昨日約束したケーキだ

 

はちまん『俺もお前と強くなる』

 

………

 

はちまん「……お前もビビんなってか?」

カラカラ「……ふん!」どやっ

 

テメェ

………ったく

 

はちまん「わかった

俺もアイツに会ってもビビんねーよ………多分」

カラカラ「!」キッ、ぐぐっ

はちまん「わかりました!わかったからアイアンヘッド だけは勘弁して!!」

 

俺がそう言うとアイアンヘッド の構えをやめてくれた

よかった

アレ、スゲェイタイ

 

こうしてカラカラの仇打ちは後回し

先ずはロケット団を排除することになった

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

エリ「ほえーよくわかんないけど、すごいねーアホ毛くん」

ニン「うん〜なんか〜じゅくねんふうふみたい〜ふふふ♪」

 

さっきまでのやり取りは目撃されています

どうしますか?

ふて寝したいです

 

はちまん「………」///

カラカラ「………」///

 

はちまん「そ、そんな事よりもニンに頼みがある」///

ニン「な〜に〜?ふふふふ〜♪」

 

ふが増えてる!?

 

はちまん「俺達はオツキミ山にいるロケット団を排除したい。だが今の俺達じゃキツイし、あの大男にも勝てないだろう。だから…二時間程特訓したいんだが、いいか?」

ニン「いいよ〜わたしもあのおっきいわるいひとがでてきたらかてないし〜いまはアホ毛くんのパワーだけがたよりだからね〜ふふふ♪」

はちまん「サンキュ」

 

エリ「わ、私も特訓する!」

はちまん「え?なんで?」

エリ「だってこのままじゃ私足でまといになっちゃう!」

はちまん「うん、その通りだ」

エリ「だからプリンを強くする!私、足でまといだけはヤダ!」

プリン「…!」むん!

 

 

そう言うエリにプリンは同調し気合いを入れる

こうして俺とカラカラは特訓を開始する

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

31話 ズバット

#オツキミ山内部

 

俺とカラカラは周りの様子を伺いながら慎重に洞窟の中へ入って行く

 

???「?………〜♪」バサバサ

 

周りにロケット団はいない

 

???「〜♪」すぽっ

 

俺は今オツキミ山の入り口手前に来ていた

ニンとエリは別行動だ

いや、俺達だけで進む訳ではなくこの辺りで特訓しようと思ったのだ

エリは3番道路で特訓中

お互い別の場所でやったほうがいいと考えたからだ

何故かって?

その方が気楽だろ?

 

???「…zzz」

 

ふう、さて

周りの安全を確保した事だし

 

そろそろ突っ込もうか

 

俺はこの洞窟に入ってきた時にいきなりパーカーのフードの中に入ってきてあろうことかそのまま寝てしまった狼藉者をつまみ出す

俺が掴んだのはそいつの足

 

???「zzz」ぶらーん

 

俺が足を持った事でそいつはぶら下がった状態

だがそれでもまだ寝ている

 

ズバット

こうもり ポケモン

 

その名の通りこうもりの様な姿

耳が大きく

代わりに目が無い

口には鋭い牙を持っている

今俺が持っている足は針のように細い

 

…こいつ何してんの?

俺はカラカラと顔を見合わせる

 

はちまん「おい、起きろ」

ズバット「zzz……!」ハッ

 

ズバット「…?…?」キョロキョロ

 

ズバット「………」バサバサ

 

ズバット「♪」すぽっ

 

ズバット「zzz」

 

俺が起こすとズバットは辺りを見回し

俺の手から離れたと思いきや

またフードの中に入り寝てしまった

 

はちまん「って!寝てしまったじゃねぇ!

おい!戻るな!起きろ!」

 

またもズバットをフードから引きずり出す

今度はまた入ってこないよう

両手でズバットの全身を掴む

少しザラザラしている

 

ズバット「zzz…!」ハッ

 

ズバット「………?」ジー

 

ズバットは起きると俺の顔を見つめて不思議そうな顔をした

いや、不思議なのはお前だ

 

てかこいつの相手してる場合じゃない!

あと二時間程でロケット団と戦うつもりだから少しでもカラカラを鍛えたいのに!

それか昨日決めた事で

野生のポケモンを捕まえて戦力を増強したい!

でもこいつ放っておくとまた俺のフードで寝てしまうよな?

あーもうどうすりゃいいの?

 

………いや、ちょっと待て、寝る?

 

俺はズバットを離す

するとまた同じようにフードの中に入り寝た

 

ズバット「zzz」

 

………まさか

俺はモンスターボールを取り出す

そしてフードの中にいるズバットに当てる

 

ボールの中に入るズバット

フードの中で揺れるボール

一回、二回、…三回

 

ボール「カチッ」

 

………ズ、ズバットゲットだぜ……

 

はちまん「ええええぇ!!??」(小声)

 

ゲームでは状態異常になったポケモンは捕まえ易くなる

その中でも眠った状態は最も捕まえ易くなるため

ズバットが寝ているのを見てもしやと思いボールを使ってみたが

アッサリ捕まえてしまった

あれぇ!?

戦闘シーンなかったよね!?

まさかこの世界戦わなくても捕まえられんの!?

ていうかこいつアホすぎだろ!?

ど、どうしよう

展開が急すぎて何したらいいかわかんない

 

カラカラ「…!?…!?」アセアセ

 

カラカラもどうしたらいいかわからず焦っている

 

んー

捕まえちゃったんだから俺のポケモンになったんだよな?

じゃあ公害にズバットのステータスが記録されているかもしれない

そう思い図鑑を開く

 

[ズバット]

レベル 10

タイプ どく/ひこう

とくせい せいしんりょく

 

<覚えている技>

・すいとる

・ちょうおんぱ

・おどろかす

 

お、出た

んー攻撃力は心許ないし覚えている技もイマイチ

カラカラの弱点である水タイプに有効な草タイプのすいとる

相手を混乱状態に出来るちょうおんぱ

低確率で相手を怯ませるおどろかす

 

だがすばやさは一級品

これなら相手より早く動け

攻撃される前に状態異常にする戦法が取れる

 

さらに育てればカラカラの弱点の草タイプに有効なひこうタイプと毒タイプの技を覚えるだろう

これから先有望な戦力になるかもしれない

 

こうしてよくわからない形で新しいポケモン

ズバットが仲間になった

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

というかポケモン図鑑を見て気づいたが

ここでカラカラや捕まえたズバットを育て

レベルアップした時もし新しい技を覚えたら

あの公害が鳴り響くかも知れないよな?

ここは洞窟だからあんなもんなりやがったら中にいるロケット団に怪しまれて危険な状況になるかもしれない

 

あっぶなー!

もしズバットを捕まえなかったら気づかなかった!

ありがとうズバット!後でなんか奢ってあげる!

だがオーキド、テメーはダメだ

 

 

俺はそそくさと退散する

何しに来たのかわかんなくなったが

まあズバットが仲間になってよしとしよう

 




読んでいただきありがとうございました

えー都合が良すぎますが新しいポケモンが仲間になりました



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

32話 駆逐作戦

#3番道路

 

俺はオツキミ山でズバットを捕まえた後

ポケモンを鍛えているエリと

それを見ていたニンの元へ来た

エリはどうやらポッポとプリンを上手く切り替え

うたうしか覚えていないプリンを鍛えている

 

ニン「あれ〜?アホ毛くん〜?どうしたの〜?ふふふ〜♪」

はちまん「いや、まあ、そのお恥ずかしながら俺もこっちで特訓するわ。…理由は聞かないでくれ」

ニン「ん〜?でも『俺は一人がいい、何故ならその方が気楽だから』って〜エリちゃんの〜おさそいことわってたよね〜?ふふふ〜♪」

はちまん「………」

 

くっ

でも仕方ない

あそこで大きな音を立ててロケット団達に気づかれるよりはマシ…

!?

アイツは!?

 

カラカラ「?」

 

俺は急いで足元にいるカラカラを抱き上げ

ニンの元へ行く

 

ニン「?」ぐいっ

 

俺はニンの腕を引き

プリンを鍛えているエリのそばまで行く

今は丁度野生のポケモンを倒して休憩していたところだった

 

エリ「あれ?アホ毛くん?どうし…」

はちまん「悪い」

ニン&エリ「「え?」」

カラカラ「?」

 

ドサッ

 

そういうが早いか

俺はカラカラ、ニン、エリ、プリンを押し倒した

俺達は全員草むらの中に隠れるかたちになる

 

ニン「!?」///

エリ「きゃ!?」

カラカラ「!?」

プリン「?」

 

エリ「ちょっ…!?アホ毛くん!?何を……!」///

ニン「…!?」///パクパク

はちまん「しっ」

 

俺は文句を言ってくるエリを黙らせる

ニンは驚いて声も出ないようだ

だが悪いがそんな事気にしている場合じゃない

何故なら…

 

はちまん「あの大男が戻って来た」

カラカラ「!?」

ニン&エリ「「!?」」

 

俺はアゴでオツキミ山方面を示す

カラカラ、ニンとエリはそちらを伺う

そこには俺の言う通り大男と数名のロケット団員がいる

数は…4人か?

オツキミ山から出てきたようだ

 

俺はカラカラの様子を見る

…さっきの約束通り震えなくはなったが

少し気負い過ぎている気がする

まあ無理もないか

 

エリ「え…!?なんで…!?」(小声)

はちまん「わからん、俺がつけられたか…?」(小声)

 

俺達は草むらの中に身を潜め様子を伺う

 

大男「テメェら、俺は帰る。後は任せたぞ?」

ロケット団員「し、しかしロンド様!この人数では、見つかるかどうか!」

 

…俺達の事は気づかれていないようだ

あの大男…ロンドは帰るようだ

 

ロンド「知るか」

ロケット団「そ、そんな!?」

ロンド「チッ、いつまでもこんな事に付き合ってられるか。くそっ!服が砂まみれじゃねーか。俺はトキワに戻る」

 

そう言うとロンドは服についた砂を払いながら

本当に帰って行ってしまった

 

はちまん「………」

 

ロケット団A「くっ!どうする?」

ロケット団B「…仕方ない、俺達だけでも探すか。いざとなればその辺にいる奴に手伝わせればいい」

ロケットA「……そうか」

 

ロケット団C「おい、AとB。こうなったら手分けして探そうぜ。4人で同じところ探すよりいいだろ」

ロケット団D「俺達CとDは先に行くからよ。お前達は後から来て俺達が探した所とは別の場所を探してくれ」

 

ロケット団A「わかった。ならお前達が行った後1時間くらいしたら俺達2人も行く。待ち合わせはハナダ方面の出口でいいか」

ロケット団C「ああ」

 

そう言うとロケット団員達はオツキミ山の方へ行ってしまった

 

はちまん「………」

 

アイツら別々に行動するみたいだな

それでここに来ているロケット団員はこの4人だけみたいだ

まだそうだと決まった訳ではないが

俺はニンと相談する

 

はちまん「どうする?ニン。アイツらの言ってる事が正しければチャンスだ。先にあの後から行く2人を倒してからハナダ方面の出口にいる後の2人を倒せばロケット団を排除出来る」

ニン「ん〜そうする〜?ふふふ〜♪」

はちまん「だがまだそうだと決まった訳ではない。これが俺達をおびき出す罠かもしれない」

エリ「わ、わな!?」

はちまん「俺がオツキミ山から出るのを見て邪魔だと感じたアイツらが一芝居うっている可能性がある。俺達がこのままオツキミ山に入ると大人数で囲まれて袋叩きにされるかもしれない」

ニン「でも〜たった1人のアホ毛くんを〜やっつけるため〜わざわざそんな〜めんどくさいことする〜?ふふふ〜♪」

はちまん「……それもそうだ」

 

俺はカラカラを抱き上げ周りを警戒しながら草むらを出る

ニンとエリ、プリンも後に続く

 

はちまん「じゃあ始めに決めた方法で行くか」

ニン「うん〜ふふふ♪」

はちまん「しかし、あの後から行く2人を倒せたとしても

その後はどうする?気絶させて運ぶか、それとも…」

 

殺すか

そう言う前に

 

ニン「ダメ」

はちまん「…わかった」

 

殺すのはダメと

まあ俺も殺す気は無いが

でもそうすると倒した後どうするか…

 

はちまん「ん〜気絶させてから身ぐるみ剥いでそのまま放置…でいいか」

エリ「え?なんで?」

はちまん「俺達が先に行った2人を相手している間に後ろからそいつらが来たら面倒な事になる。だから後の2人は何もできない状態にする必要がある」

エリ「え…!?でもそれってポケモンをドロボウするってこと?」

はちまん「いや、後から回復されないようにキズぐすりとかを回収する」

エリ「おお、なるほど」

ニン「ん〜でもそれもドロボウだよね〜?ふふふ〜♪」

はちまん「……大丈夫だハナダ方面の出口にいる奴らを倒して追っ払うときにそいつらに返せばいい。後で獲ったやつらに返してくれるだろ。これならドロボウじゃない」

ニン「ん〜?なんか〜ちがうような〜?ふふふ〜♪」

 

大丈夫、大丈夫

嘘つきじゃなきゃドロボウじゃない

 

はちまん「あ、気絶させると言ってもどうすりゃいいんだ?」

エリ「あ!じゃあこの子!プリンに手伝ってもらお!?」

プリン「!」むん

ニン「なるほど〜プリンちゃんのうたうで〜ねむらせるわけだね〜ふふふ♪」

エリ「そ!」

 

おお、なるほど

そういやアニメでも集団催眠かけてたっけコイツ

オシャレな落書き付きの

 

はちまん「それじゃあ行くか。あんまり時間をかけるとあの4人が合流してしまう。ニン、エリ、絶対にはぐれるなよ?」

エリ「むん!大丈夫!」

 

あなたのだいじょうぶはだいじょばない事ないよね?

 

ニン「そういう〜アホ毛くんも〜ね〜ふふふ♪」

はちまん「わかってるよ」

 

 

さて行くか

作戦決行だ

先ずはアイツらを駆逐してやる



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

33話 ギャングカップル

#4番道路

 

はちまん「ん?」

 

俺達はロケット団を排除するための作戦をたて

オツキミ山へ向かっていた

だがその途中のポケモンセンターが何故か騒がしかった

俺はニンとエリをその場に待機させカラカラと共に様子を見に行く

ステルスヒッキーでバレないように中に入る

 

ロケット団A「ああっ!?何で無料にならねーんだ!?」

店員「で、ですから…」

ロケット団B「おいテメェ!このAはなぁ!この店で注文したコーヒーが紅茶になってたんだよ!可哀想だと思わねーのか!?可哀想だと思ってんだろ?だったら無料にするぐらいワケねーだろ!?」

店員「い、いえですからそちらの方は最初から紅茶を……」

ロケット団AB「「ああぁん!?」」

店員「ひ、ひいいぃ!」

 

………何の話しをしてるんだ

あのロケット団員が店にいちゃもんつけていた

というかアイツらまだオツキミ山に行ってなかったのか?

だがこれはチャンスだ

俺は一度ニン達の元へ戻る

 

ニン「ど〜だった〜?ふふふ〜♪」

はちまん「さっきのアイツらだった。まだオツキミ山に行ってなかったみたいだ。で、変ないちゃもんつけてた」

ニン「ど〜するの〜?ふふふ〜♪」

はちまん「ここで倒す。これは絶好のチャンスだ」

 

俺は考えた作戦のとおり2人に指示する

 

はちまん「ニン、お前はオツキミ山の入口で他の2人が来ないよう見張ってくれ」

ニン「アホ毛くんは〜?ふふふ〜♪」

はちまん「俺はエリとアイツらを何とかする」

エリ「え!?私も!?」

はちまん「お前も協力しろ。足手まといになりたくないんだろ?」

エリ「う、うん…!わかった!」

 

そう言って気合いを入れるエリ

気合いがあれば何でもできる

 

ニン「じゃあ〜エリちゃん〜がんばってね〜ふふふ♪」

エリ「うん!ニンちゃんも!」

ニン「うん〜じゃ〜いってくるね〜ふふふ♪」

はちまん「おう」

 

ニンはオツキミ山の入口へ行く

さて

 

はちまん「それじゃあエリ、これから俺達がする作戦を説明する」

エリ「う、うん!」

はちまん「それは----」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#4番道路ポケモンセンター

 

ポケモンセンターにいかにも俺達悪いゼ的な

ギャングのカップルが入ってきた

その内の男の方が

いちゃもんをつけていたロケット団に向かって行く

女の方はただその後ろで腕を組んで立っているだけだ

 

ギャングカップル男「おい!テメェら!ああぁん!?」

ロケット団AB「「ああっ!?」

ギャングカップル男「なにやってんだ?ああぁん!?ギャンギャン喚きやがって恥ずかしくねーのかああぁん!?」

ロケット団AB「「何だと!?」」

 

ギャングカップル男はロケット団員に喧嘩を売っていく

案の定ロケット団は買っていく

 

店員「まためんどくさいのが…いや、あっちは味方なのか?」(小声)

 

ギャングカップル男「人様にメーワクかけやがってああぁん!?さっきからウルセェしああぁん!?俺達が成敗してくれるああぁん!?」

ロケット団AB「「上等だコラァ!」」

 

店員「いや、お前の『ああぁん!?』もうるせえよ…。というか使い方おかしくなってきてんじゃん…」(小声)

 

ギャングカップル男「ああぁん!?」

ロケット団AB「「ああぁん!?」」

 

ギャングカップルの男と女は外に出て行く

それについて行くロケット団2人

 

店員「とうとう『ああぁん!?』で会話してるよ…。なんか通じてるし…犬かお前ら…」(小声)

 

ギャングカップルとロケット団は対峙する

 

ロケット団A「勝負するのはいいが何でこんな所なんだ?」

ロケット団B「ポケセンの中でやりゃいいだろ!?」

ギャングカップル男「バカやろお前達ああぁん!?人様にメーワクかけるなって言った奴らが人様にメーワクかける場所で戦うワケねーだろああぁん!?」

ロケット団AB「「確かに」」

 

するとずっと黙っていたギャングカップルの女が男に話しかける

 

ギャングカップル女「………ねえ、もういい?」

ギャングカップル男「………ああ、そうだな」

ロケット団AB「「?」」

 

ギャングカップル男「ふぅ〜疲れた〜。何か店員も変な目で見てくるしやっぱやめときゃよかったかな?てか、もう俺あそこのカフェ使えないじゃん」

ギャングカップル女「わ、私も恥ずかしくてもう使えない…」

ギャングカップル男「いや、お前何もしてないじゃん」

ロケット団AB「「?」」

 

そう!何を隠そうこのギャングカップル

ただ着ていた服を着崩しただけの

我らが八幡とエリだったのだ!

 

はちまん「まあでもコイツらをここに連れて来れたからよしとしよう」

エリ「ま!私の名演技なら楽勝ね!」

はちまん「いや、お前何もしてないじゃん」

ロケット団AB「「なんだ?どういうこと?」」

 

例え八幡達の正体がわかっても

八幡達を知らないロケット団達は何が何だかワケワカメ

 

はちまん「さて、それじゃあお前ら勝負するんだろ?どうする?2人まとめてかかってくるか?」

エリ「ん?あれ?私はどうするの?」

はちまん「いや、お前のプリンにはやる事があるだろ?だからコイツらは俺がやる」

 

俺がそういうと隠れていたカラカラとプリンが出てくる

こういう登場のさせかたってカッコいいよね

 

ロケット団A「じゃあ俺から行く」

はちまん「わかった」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ロケット団A戦

 

勝ち

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ロケット団B戦

 

勝ち

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん「はい、終わり」

ロケット団AB「「いや、雑すぎんだろ!?!?」」

はちまん「いやだって話しの流れ的に俺が勝つし、2人も連続で戦闘描写かけるか、めんどくさい」

ロケット団AB「「メタいわ!!!」」

 

はちまん「文句言うな。ほら、エリ」

エリ「はいはーい!」

プリン「〜♪」

ロケット団AB「「まて!このまま行くと他の2人も……zzz」」

 

はい、というわけで

その後身ぐるみを剥ぎ取り

ニンと合流し

オツキミ山に入り

ハナダ方面の出口に向かう途中にいたロケット団も退治

 

ロケット団C「くっそー覚えてろー!」

ロケット団D「こんな雑に終わらせるくらいなら何で前回作戦の話しでまるまる1話使ったんだよ!?チクショー!」

 

 

 

 

 

 

お約束の捨てゼリフを吐いて逃げて行くロケット団

こうして長かったオツキミ山での話しは終わり

俺達は悠々とハナダシティへ向かう

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

#オツキミ山ハナダ方面出口

 

何か邪魔な奴がいる

 

何だよもー

もうすぐハナダなのにー

誰だよこの研究者っぽいやつ

 

研究者?「ふっふっふっ!とうとう見つけたぞ!かいのかせき!こうらのかせき!やったーやったー!」

はちまん「あの〜」

研究者?「たわばぁ!?な、なんだ貴様!?この化石が欲しいのか!?本当ならどちらもやらんところだが私は今機嫌がいい!!このかいのかせきをくれてやろう!ハハハハハ!さらばだ!」

 

なんかの断末魔を叫んだと思ったら

いきなり化石を押し付けてきて

高笑いしながら去っていく

 

はちまん「何なの…?あの人?」

 

 

何が何やら分からないし

展開が雑すぎるけど

ともかくオツキミ山攻略



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

四章 ハナダシティ 後半
34話 ハナダシティ


#4番道路 ハナダシティ方面

 

エリ「やったー!もうすぐハナダだよー!まってろカプチーノ!ヤッホー!」

 

エリははしゃぎながらオツキミ山から出る

俺とニンもそれに続く

いやそれに続くって言ってもヤッホーとか言ってないからね?

普通に歩いて出たよ

 

俺達

八幡、ニン、エリの3人と

カラカラ、プリン、ズバットの3匹は

とうとうオツキミ山のロケット団を退治し

今、ハナダシティへ続く4番道路に来ていた

 

ちなみにカラカラは俺の隣を歩き

プリンはエリと一緒にはしゃぎ飛び跳ねている

 

ズバット「zzz」

 

そして新しく仲間になったズバットは俺のフードの中で寝ている

そこが気に入ったのか知らんがすげぇ首が疲れる

くそ、慣れなきゃいけないのか?

いやもしかしたら慣れる前に俺の首がちぎれちゃうかも

うう死にたくない…

あ、でももしかしたらそれで元の世界に戻れるかも

 

ニン「ねぇ〜アホ毛くん〜エリちゃん〜ふふふ♪」

 

しばらく歩いているとニンが呼んできた

 

エリ「ん?なーにーニンちゃん?」

ニン「わたし〜そろそろ〜ニビにもどるね〜ふふふ♪」

エリ「え!?一緒にハナダにいかないの!?」

ニン「うん〜ごめんね〜エリちゃん〜ふふふ♪」

エリ「そんな〜!ニンちゃんも一緒にカプチーノ奢って貰おーよー!」

 

ちょっと待て

俺が奢るのはお前だけだろ?

あ、いや今フードの中にいるズバットにも何か奢ってやるんだった

 

はちまん「おい、あんま無理言うな。コイツだってこんなのったりして何も考えて無さそうだけど忙しいんだろ」

ニン「アホ毛くん〜?」

はちまん「ひっ!」

 

『ふふふ〜♪』がなくなってる!?

ニンさんお怒りモードだ!

 

ニン「アホ毛くん〜こんどあったら〜おぼえてなさ〜い〜ふふふ♪」

はちまん「は、はい」

ニン「……まぁ〜ありがとうね〜ふふふ♪」

 

そういうとニンはオツキミ山の方へ戻っていく

 

エリ「ニンちゃん!また会おうね!」

ニン「わたしは〜いつもニビにいるから〜いつでもあそびにきて〜ふふふ♪」

エリ「うん!絶対行く!」

ニン「まってるよ〜アホ毛くんもね〜ふふふ♪」

はちまん「……ま、行けたら行くわ」

ニン「ん♪」

 

お?

これはどう言う感情だ?

 

ニン「それじゃあ〜バイバイ〜ふふふ♪」

エリ「バイバーイ!きっと遊びに行くからねー!」

 

ニンはオツキミ山へ向かって行き

見えなくなった

 

長いようで短い付き合いだったな

色々世話になったし

いい奴だったしな

…べ、別に寂しくなんてないんだからね!?

あ、名前教えるの忘れてた

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ハナダシティ

 

エリ「おお〜!すっごーい!」

 

俺達は次のジムがある街ハナダシティへ着いた

そこは水の街

近くに海があるのか潮の香りがして

街の至る所にキレイな水道があり

その上には水色の橋が架かっている

雰囲気はとてもまったりしている

 

エリ「あ!あそこ!ポケセン!行こ!アホ毛くん!」

 

エリは俺との

カプチーノ奢ってという約束のためポケモンセンターへ向かう

 




短いですがここまで

読んでいただきありがとうございました


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

35話 カプチーノ

#ハナダシティポケモンセンター

 

エリ「お、美味しい〜〜〜!」グビッ

 

夕方

俺とカラカラ、そして3番道路からついてきたミニスカのエリ

俺達は今ハナダシティのポケモンセンターにいる

それはここのカフェにあるカプチーノのをコイツに奢るためである

約束の通りエリにはカプチーノ

俺はいつものカフェオレ(ここにもマッカンはなかった)

カラカラもいつも通りミックスオレをそれぞれ頼んだ

ズバットにはトマトジュースをあげた

だってコウモリっぽいし

 

エリ「ふ〜美味しかった〜」

 

しばらくすると全員飲み終えた

これでコイツに痴漢(冤罪)した詫びはなった

よしもうコイツともおさらばだな

いやーよかったよかった

あ、でもコイツ…

 

はちまん「お前、この後どうするんだ?」

 

エリ「ん〜?アホ毛くんはどうするの?」

 

はちまん「俺?俺はハナダジムに挑戦しようと思うから、ここから北にある24番道路と25番道路でコイツらを鍛えようかと」

 

エリ「そ!じゃ私もそれでいいよ!」

 

はちまん「え?」

 

エリ「え?」

 

は?何言ってんのコイツ?

 

はちまん「いや、何でお前の了承がいるんだ?」

 

エリ「え?私も一緒に行くからでしょ?」

 

はちまん「何で?」

 

エリ「え!?だって私たち旅の道連れでしょ!?」

 

え?どう言う意味?

 

はちまん「何だよそれ?ていうかまさかずっとついてくるつもりか?」

 

エリ「だめなの!?」

 

はちまん「当たり前だ。何でお前を連れて行かないといけないんだ」

 

エリ「で、でも『俺から離れるな』キリッって言ってたじゃん!」

 

あー

やっぱ勘違いしてたかー

というかキリッとか言ってないからね?

 

はちまん「言っただろ?それはオツキミ山が危険だったから無理矢理ついてきたお前が邪魔にならないようにするために言ったんだ。だから今カプチーノ奢ったからそれも終わり。お前がついてくる理由もないだろ」

 

エリ「で、でも…!」

 

はちまん「でもじゃない。もともとそういう事だっただろ?」

 

エリ「うう…」

 

俺がそう言うとエリは泣きそうになる

ったく

俺はズバットをボールに戻し

カラカラを抱き上げる

 

はちまん「はあ、もうめんどくさい。俺はもう寝る。お前は帰れ。いや、もしかして旅の途中か?だったら明日何処ぞへと行け。俺とはもう関わるな、いいな、じゃ」

 

エリ「ま、待って…!」

 

はちまん「っと、忘れてた」

 

エリ「え…?」

 

俺はポケモンセンターの宿泊施設の借りた部屋へ行こうとした足を止め

エリの方へ振り返らず伝える

 

はちまん「今日、お前が捕まえたプリンのうたう。ポケモンセンターでロケット団を退治するのを手伝ってくれた事。もしお前が今日ついて来なかったら俺とニンはどうなっていたか分からん。だから、その、ありがとな」

 

そう言い残し俺は部屋に行く

その後エリがどうなったかはわからない

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ハナダシティポケモンセンター宿泊施設

 

翌日

俺は朝早くにポケモンセンターの係員の人に起こされた

何でも俺に客が来ているらしい

最初は『俺じゃないです、人違いです』と断ったのだが

『アホ毛が腐っているはちまん』という方を呼んでくれと言われたらしい

…待って係員の人

それははちまんという人を探して俺を呼んだんだよね?

俺って目は腐っているけどアホ毛は腐ってないよ?

あれ?大丈夫だよね?腐ってないよね!?

俺は戦慄しながら着替えて呼ばれた場所へ来た

ちなみにカラカラはまだ寝ていたので寝かせておいた

そこには…

 

オーキド博士「おーはちまん君!」

 

何故かオーキド博士がいた

うん俺まだ寝てるな

こんな所に博士がいるわけないし

俺のアホ毛も腐ってない

よし部屋に戻って寝よ

そう思い部屋へ戻ろうとしたが先手を取られた

 

オーキド博士「久しぶりじゃのお!ゆきのちゃん達に聞いたがゆきのちゃん達とは一緒じゃないみたいじゃな!何じゃ?喧嘩でもしたか!ハハハハハ!」

 

肩に手を置き話しかけてきた

くそっこれは現実か!

仕方ないので博士の方を向く

 

はちまん「別にアイツらとは何もありませんよ。てか何でいるんすか。暇なんすか?だったらちょっと飲み物買って来てくれません?」

 

オーキド博士「………やっぱお主、わしに冷たくない?」

 

そんなバカな

あの図鑑にほとほと手を焼いているだけです

 

オーキド博士「ま、まあいい。わしがここにいるのは昨日お主に話した事についてじゃ。その後が気になってポケモンのそらをとぶで飛んで来たんじゃ」

 

はちまん「………」

 

昨日の話しと言うと

あの大男…ロンドに会った時に聞いた

カラカラの過去の話しか……

でも実はアレ……

 

オーキド博士「あの子がいないみたいじゃから率直に聞くぞ。お主の言っておったその仇とやらはどうしたんじゃ?」

 

はちまん「あの」

 

オーキド博士「何じゃ?」

 

はちまん「アイツ、多分仇じゃないです」

 

オーキド博士「………は?」

 

はちまん「というか俺アイツが仇だなんて一度も言ってないですよ?」

 

オーキド博士「え?」

 

はちまん「というか博士がカラカラの親が殺されたとかの話しをしたのって博士の早とちりですよ?」

 

オーキド博士「え」

 

 

はちまん「いや、俺は最初アイツを…ロンドを見たカラカラが震え出して何かあるんじゃないかとは思いましたけど

 

それは『大きな人を見たから怯えているのかな?』『カラカラっていつも人を見ると怯えてたからもしかして人間恐怖症なのかな?』程度にしか考えてませんでした

 

それで人間恐怖症なら後々面倒になると思って博士にその事を聞こうと電話したんですが

 

俺が話す前に何故か博士が神妙な空気を出して来て覚悟があるか云々聞かれて

めんどくさいなーまあアイツのためだから仕方ないなーと思ってありますと答えて

いよいよ話しが聞けると思ったら

 

いきなり博士がアイツのクッソ重い過去を勝手にベラベラ話し出してきたんでどうしたらいいか分からず混乱しまして

 

その後聞かれた『仇に会ったのか?』と言う質問にどう答えていいか分からずとりあえず『恐らく』と答えました

まあ俺コミュ障なんで

 

あ、その後の俺が言ったアイツが仇を討つなら云々は本心です

 

それに博士に本当の事話そうにも博士が一方的に切ったんで出来ませんでした

 

あの電話の後

カラカラにこれからお前の仇をどうするか、旅の途中で仇をうちたいのかうちたくないのかという決断を迫った時には博士の話しを聞いてしまったんであの大男が仇じゃないのか?とは思ってましたが、それでもまだ疑っていただけでロンドがその仇だと断言した訳ではありませんでした」

 

オーキド博士「………………」

 

後これは博士には言えないが『これでアイツを説得できそうです』って言ったのは失礼ながら『話しおっも』と思って早く話しを終わらせようとしたからだそれに電話って緊張するし

 

それから博士との電話の後『アイツの性格は俺もわかっているつもりだ』的なことを思ったのは博士の『お主よりあの子を見てきた』って言う言葉に何故かイラッときたからだ

 

はちまん「まあ多分カラカラがロンドを見て震えてたのは俺が最初思った『大きな人を見たから怯えている』が理由だと思います

何故ならその後もう一度ロンドを見ても

俺との約束があったとはいえ

いや約束があったからこそ気負ってただけで震えもせず

さらには仇のはずなのに何もアクションを起こそうとはしてませんでした

 

で、この事からロンドが仇でないと俺は判断しました」

 

俺はあの時の事を全部話し終えると博士を見た

なんか燃え尽きていた

まあ殆どこの人の早とちりだからなぁ

 

オーキド博士「…………………なあ」

 

はちまん「はい」

 

オーキド博士「………………帰っていいかな?」

 

はちまん「出口はあっちです。あ、ベッドの上で悶えるなら腰痛に気をつけてくださいね」

 

オーキド博士「………………はい」

 

 

 

 

 

 

こうしてどうでもいい真相がひとつ明らかになった

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでくださりありがとうございました


次回から八幡の一人旅再開です


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

36話 タイプ相性


この話のメインタイトル
気分で変えました

では今回も暇つぶし


あらすじ

 

ロンド(´・ω・`)

 

#24番道路

 

ポケモンの世界に来て6日目

俺たちはオツキミ山からハナダシティまで進んできた

そして今日はハナダシティのポケモンジムに挑戦するため

24番道路と25番道路で特訓だ

俺はカラカラとズバットを連れて先ずは24番道路に来ている

目の前にはゴールデンボールブリッジがある

金色に輝くその橋はハナダシティの北にある川の上にかけられている

だが今の俺はその橋を渡る訳にはいかない

何故ならその橋の前に

 

水色の女の子が倒れていたから

 

はちまん「な………!?」

 

俺は急いで女の子のもとへ行く

その女の子は水色の髪、水色のドレス、そして緑色の帽子を被っていた

身長は昨日まで一緒だったニン位か?

というかそのニンもトキワの森にいたウキワも

こんな感じの格好だったな、流行ってんの?

いや、そんな事より今はこの女の子だ

 

はちまん「おい!大丈夫か!?」

???「う……」

 

どうやら気を失っているだけのようだ

失礼だとは思ったが体を確認した

見たところ怪我などはしていない

とりあえずポケモンセンターまで運ぼう

そう思って抱き上げる

 

はちまん「悪い、少し揺れるぞ」

???「ん………」

 

声をかけるがまだ起きないようだ

俺はそのままポケモンセンターまで運んでいった

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ハナダシティポケモンセンター

 

俺は水色の女の子を

自分が泊まっている部屋に運び

ベッドに寝かせる

 

はちまん「カラカラ、ズバット

俺はここの係員に伝えて一応救急箱を借りてくる

お前はこの子をみといてくれ」

カラカラ「!」コクッ

ズバット「!」コクッ

 

俺はカラカラ達に女の子を任せ

ポケモンセンターの係員にこの事を伝える

もし目の腐った男が女の子を自分の部屋へ連れ込んだと誤解されたらたまったもんじゃない

いや、事実そうなんだけど

でもホウレンソウ大事

 

はちまん「あの」

係員「はい?あ、腐…いやはちまん様、どうなされました?」

 

今朝オーキド博士が来た時対応してくれた係員だ

俺のことを覚えてくれていた…ん?腐?腐って何?

ま、まあいい

 

はちまん「えっと、さっき倒れてた女の子がいて…

それで今俺の部屋にいるんですが…

救急箱を貸してもらえませんか?」

係員「え…!?あ、はい分かりました!今お持ちします!…ヤベェ」タタタ

 

係員さんは救急箱を取りに行く

でもあの人さっきから反応おかしくない!?

最後ヤベェって言ったよ!?

俺の事なんだと思ってんだ!?

しばらくすると救急箱を持って来た

 

係員「ど、どうぞ……」

はちまん「ど、とうも」

係員「………………よし」(小声)

 

それを受け取る

係員の最後呟いた事に嫌な予感を感じながら

俺は部屋に戻る

まだ女の子は起きていないようだ

仕方がないので起きるまで待つ事にした

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

何もしないのもアレなので

ポケモン図鑑を開き今のコイツらの強さを見る

昨日オツキミ山でロケット団4人と戦ったがレベルは上がっていない

 

[カラカラ]

レベル 20

 

<覚えている技>

・アイアンヘッド

・ほねこんぼう

・にらみつける

・きあいだめ

 

[ズバット]

レベル 10

 

<覚えている技>

・すいとる

・おどろかす

・ちょうおんぱ

 

この2匹を見て俺は考える

ポケモンが2匹以上いれば考えること

それはタイプ相性

例えばカラカラのじめんタイプを中心に考える

 

苦手なタイプ

じめんタイプの弱点

・くさタイプ

・みずタイプ

・こおりタイプ

 

じめんタイプの技が効かない

・ひこうタイプ

 

じめんタイプの技が余り効かない

・くさタイプ

・むしタイプ

 

得意なタイプ

じめんタイプに対し効かない技のタイプ

・でんきタイプ

 

じめんタイプに対し余り効かない技のタイプ

・いわタイプ

・どくタイプ

 

じめんタイプの技が効果抜群のタイプ

・ほのおタイプ

・でんきタイプ

・どくタイプ

・いわタイプ

・はがねタイプ

 

これらにズバットのタイプ相性を当てはめる

ズバットはどく/ひこうタイプ なので

くさタイプとむしタイプのタイプに対し相性がいい

なのでこれらのタイプを持ったポケモンが出て来たら

カラカラからズバットに交代すれば良い

 

さらにこの逆

ズバットの苦手なでんきタイプといわタイプをカラカラが請け負えばズバットのやられる恐れを少なくなるうえ

カラカラの得意なタイプなので倒す事ができる

この2匹は相性の相互関係がしっかりしていると言えるだろう

 

だが不安もある

この2匹のタイプを合わせて考え

弱点であり、有効なタイプではないタイプは

 

・みずタイプ

・こおりタイプ

・エスパータイプ

 

この3つのタイプが出れば対応が難しい

苦戦を強いられるだろう

 

そして大事なのは

ここハナダシティのポケモンジム

タイプはなんと苦手なみずタイプ

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん「……どうしよう」

 

しばらく考えた後俺は頭を抱える

みずタイプに対する方法を考えなければ負けてしまう

ズバットが今くさタイプのすいとるを覚えているが威力が乏しい

 

はちまん「ん〜〜〜」

 

くそ〜

どうしようか

いや負ける事が嫌なわけじゃないが

二度も挑戦するほどの根性が俺にあるかわからない

なるべくなら一度の挑戦で終わらせたい

 

はちまん「いや、方法がないわけじゃないが…」

 

俺がそう言った瞬間

 

???「う〜〜〜ん」

 

水色の女の子が起きたようだ

 

 

 

 




中途半端ですがここまで
こっからはオマケです


被害者の会

ロンド(´・ω・`)「俺、何で出てきたんだ?」

ロンド(´・ω・`)「俺、何もしてないのに
じーさんの早とちりで主役の目の敵にされるところだった」

ロンド(´・ω・`)「しかも、喋ったのってちょっとだけだし
やった事と言えば服に付いた砂を払っただけだし」

ロンド(´・ω・`)「オリキャラだから
絶対みんなに覚えて貰えないだろうし、特徴は大男ってだけだし」

ロンド(´・ω・`)「ホント、何で出てきたんだろ?」


???(・Д・)ノ「出られるだけマシやろ!!」


ロンドΣ(´・ω・`)「あ、あんたはイワークさん!?」

イワーク(・Д・)ノ「ワシなんかタケシの所為で出てないんやぞ!!
さらには主役のポケモン図鑑にものっとらん!
ゲームならこのくらいの時期の図鑑にはのっとんやで!ワシ!」

イワーク(・Д・)「どないしたらええねん!
トレーナーとの勝負にも出てこーへんし
野生のポケモンとして出ようとしたらイワヤマまで我慢せーへんといけんし」

ロンド(´・ω・`)「………あの」

イワーク(・Д・)「なんや?」

ロンド(´・ω・`)「また、ここにきませんか?
イワークさんが出るまででもいいんで…話し聞きますよ?」

イワーク(・Д・)「ロンドはん………」

終わり


ロンド(´・ω・`)「それにしても
カラカラのお母さんの仇って俺じゃないとしたら誰なんだろ?」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

37話 女医さん

#ハナダシティポケモンセンター

 

???「う〜〜〜ん」

 

俺がハナダシティのジムへ挑戦するため

みずタイプの対策を考えていると

ゴールデンボールブリッジの前に倒れていた

水色の女の子が起きたようだ

 

はちまん「おい、大丈夫か?」

 

???「え………?」キョロキョロ

 

そいつは自分がどこにいるのか分からず周りを見渡す

 

はちまん「ここはハナダのポケモンセンターだ」

 

???「ハナダ……あ!!」

 

はちまん「うわ!?」

 

びっくりしたー

いきなり大きい声出さないで欲しい

ヒッキーにはキツイよ

 

???「あの…!どなたか存じませんがありがとうございました!!

それでは私はやることがあるのでこれで…うっ」くらっ

 

はちまん「お、おい!いきなり起き上がるんじゃない!何があるのかわからんがとにかく落ち着け!」

 

俺は慌てて飛び起きてどこかへ行こうするそいつを止める

ほら!フラフラじゃねーか!

だがそいつは俺に詰め寄って来た

近い近い近いいい匂い

 

???「でっでも私は早く行かないといけないんです!!それが私の役目なんです!!」ズイッ

 

はちまん「わかったから落ち着け!慌ててもしょうがないだろ!だから近づいてくるな!怖いし可愛い怖い!………うわ!?」

 

???「きゃっ!?」

 

カラカラ「!」

 

どたん!

俺は水色の女の子に詰め寄られ倒れ込んだ

おれの上に女の子が覆い被さる形になる

…何この定番ラブコメ

望まないラッキーラブコメはいたたまれないだけなんだけど

だがラブコメはまだまだ続く

 

バーーーーーーン!!

 

エリ「うるさーーい!!私は今落ち込んでるんだからチワワのケンカなら他所でやれーーー!!!」

 

カラカラ「!?」ビクッ

 

そこに激おこプンプンなエリがドアを乱暴に開けて入って来た

なんでまだお前ここにいるの?

チワワのケンカって痴話喧嘩の事?

など思ったがこの状況はヤバイ…事ない…事ない!

一瞬コイツ関係ないから大丈夫だと思ったけど

倒れている目の腐った男

その上に女の子

うん勘違いされるなこれ

だからこうしよう

 

はちまん「お前は『な、何してるのアホ毛くん!?』と言う!」

 

エリ「うわ、サイテー」

 

はちまん「あれ!?」

 

うわ恥ずかしい失敗した

今こそ使えると思ったんだがな

 

エリ「あなたがそんなひとだとはおもいませんでしたはやくそのこをこちらにわたしおまわりさんのところへいってくださいほらはやくていこうするならこちらにもかんがえが………」

 

はちまん「キャラキャラ!エリさん!キャラの標準装備間違えてる!」

 

???「そんなことはどうでもいいです!!私が早く行かないと!!ロケット団が………ううっ」バタッ

 

女の子はそういうと倒れてしまった

 

はちまん「おい!大丈夫か!エリ!誰か人を呼んで来てくれ!」

 

エリ「えっ…?」

 

はちまん「早く!」

 

エリ「わ、わかった!」たたた

 

エリに人を呼んで来てもらい

俺は水色の女の子をベッドに寝かせる

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

しばらくするとエリが女医さんを呼んで来た

 

エリ「アホ毛くん!女のお医者さんを呼んで来たよ!」

 

はちまん「わかった」

 

女医さん「倒れたというのはこの子ですか?」

 

はちまん「はい、さっき橋の前に倒れてて、一度起きたんですがさっきまた倒れてしまいまして…」

 

女医さん「そうですか。では貴方は外へ出てください。この子の身体を診ますので…」

 

はちまん「分かりました…」

 

俺はカラカラとズバットを連れ部屋から出てトビラを閉め…る前にエリも出て来た

俺達は部屋の前で待つ

 

はちまん「………」

 

エリ「………」

 

き、気まずい!

昨夜あんな別れ方したから多分怒っているよな?

どうしよう

 

エリ「ねぇ……」

 

はちまん「ひいっ!」

 

話しかけられた!

やっぱ怒ってるよな!?

食べられちゃう食べられる食べられるのか!?

あわあわ

 

エリ「あの子…どうしたの?」

 

はちまん「え…!?あ、ああ、えっとさっきも言ったがハナダの北にある金色の橋の前に倒れてたんだよ」

 

エリ「……さっきあの子ロケット団って」

 

はちまん「………」

 

エリ「また、アイツらが…」

 

はちまん「………多分な」

 

エリ「どうするの?」

 

はちまん「何が?」

 

エリ「ロケット団…また退治するの?」

 

はちまん「いや、めんどくさい」

 

エリ「………そ」

 

そこで会話が途切れた

俺達はまた無言

 

はちまん「はぁ…」

 

そのまま俺達はあの子の診察が終わるまでずっと無言だった

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

38話 カラカラ直伝のアレ

今回いつもより長いです
それに地の文があまり無く読みにくいかも知れません
申し訳ありません


#ハナダシティポケモンセンター

 

女医さん「あの子の事ですが特に外傷はありませんでした。しかし大事をとって今日は休ませてあげてください」

 

昼頃

女医さんは橋の前に倒れていた女の子の診察が終わると

部屋の外で待っていた俺とエリにその事を伝えてくれた

 

はちまん「ありがとうございます」

 

女医さん「では」

 

女医さんは去っていった

俺達は部屋の中に入って行く

 

???「スー…スー…」

 

水色の女の子は安らかに眠っていた

女医さんの言う通り大丈夫みたいだな

さて、この子が目覚めるまでどうするかな

あ、そうだカラカラ直伝のアレがある

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「ねぇ、これからどうするの?」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「この子が目覚めたら何があったか聞くんでしょ?」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「…あのロケット団が何かしたんだと思う」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「でもその事聞いちゃったらアホ毛くんはどうするの?」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「オツキミ山の時みたいに退治するの?」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「あ、さっきめんどくさいって言ってたね…はは」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「でもなんでこの子を連れて来たの?」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「めんどくさいならほっとけばいいのに」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「…あの時は私の勘違いだったけどさ」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「私が無理矢理ついて行ったのに危険だからそばにいろって言ってたよね」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「キミは優しいよ、アホ毛くん」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「…それに、ね」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「キミといると楽しいんだ」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「なんていうか…自分がパーって出せるっていうか」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「キミを見てると…なんか…いろんな隠してる事とかを隠してるのがアホらしくなるというか…」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「あ、でも何でもかんでも出せるってわけでもなくて」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「こう、隠さなきゃいけない事と

隠さなくてもいいものがはっきりするというか。えっと…あ、そう嘘だ。嘘をついてまで隠すものがなくなってスッキリするっていうか」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「嘘をつくのがバカらしくなるっていうか、ね?」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「あはは…なにいってんだろ私…」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「あ…そういえばキミの名前知らないや…」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「ねぇ、キミの名前教えてくれない?」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「いや…昨日…関わるなって言ってたね…」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「…ごめん」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「ん?あれ?聞いてる?」

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

エリ「ね、ねぇ?もしかしてずっと聞いてなかったの?ねぇ」

 

ん?

寝ている女の子が身じろぎする

 

???「う…ん」

 

 

はちまん「お、起きたか」

 

エリ「ねぇ!聞いてるの!?」

 

はちまん「え?何がだ?」

 

エリ「や、やっぱり聞いてなっかったんだ…うぅ」

 

はちまん「?」

 

俺がぼーっとしてる間に何か話してたのか?

まぁいいか

いやーそれにしてもやっぱぼーっとするって気が楽でいいな

何も考えなくていいからなー

 

はちまん「なあ何話してたか知らんが、あの子起きたみたいだぞ?」

 

エリ「え?」

 

???「ん…ここは…」

 

エリ「あ!ホントだ!ねぇ、大丈夫?どこか痛くない?」

 

???「は、はい…ってあれ?私はたしか…」

 

はちまん「さっき起きたと思ったらいきなり俺に突っかかって来たんだよ。んで、その後また気絶したんだよ」

 

???「え…!?そ、そんな…!?も、申し訳ございません…!私、気が動転してて…!」

 

エリ「大丈夫大丈夫!気にしなくていいよ!」

 

はちまん「いや、なんでお前が答えてんだ」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ナァ「私、ハナダのナァって言います…。私この街にロケット団がいるって聞いてずっと警戒していたんです…。それであの橋で目撃情報があって行ってみたんです…。そしたら誰かに何か嗅がされて、眠らされて…。気づいたらここに…」

 

ナァという女の子は事情を説明してくれた

気の弱い性格なのかそれとも疲れているのか

弱々しい話し方だった

 

エリ「眠らされた?それって…」

 

はちまん「………確かじゃないが多分アイツらだな…」

 

ナァ「はい…恐らく…」

 

はちまん「…もしアイツらだとしたら…マズイかもな」

 

エリ「え?マズイって?」

 

はちまん「他の奴が眠らせたって可能性もあるが。ロケット団が…えっと…ナァを眠らせたのならアイツらはナァが自分達について探っていた事に気づいたからあそこにおびき出して眠らせた。もしくはあの橋で何かをするから邪魔なので眠らせた。だとしたらナァを眠らせた今、何か行動を起こすかもしれない」

 

エリ「な、何かって…例えば…?」

 

はちまん「えっと…橋の封鎖とか?」

 

レインボーブリッジは駄目でも

ゴールデンボールブリッジなら出来るかもしれない

 

ナァ「橋が封鎖されちゃったらもうハナダの人たちが岬に行けなくなっちゃいます…!私が早くロケット団を止めないと…!」

 

はちまん「駄目だ、お前は今日一日安静にしてなきゃいけない」

 

エリ「そうだよ!それに起きたばっかりなんだから!無理に動いたら危ないよ!」

 

ナァ「で、でも…!」

 

はちまん「それにそうだと決まった訳じゃないだろ?もしかしたら思い過ごしかもしれない。ロケット団が関係していないかもしれない。今お前が無理して動けなくなったらどうするんだ?ロケット団を止めるのがお前の役目なんだろ?」

 

ナァ「うぅ…はい…」

 

はちまん「だから今は動く時じゃない考える時だ、いいな?」

 

ナァ「はい…」

 

エリ「……」

 

はちまん「それじゃ一つずつ潰していくか。先ずお前が知ってるやつでこういう事をする奴はいるか?ロケット団以外で」

 

ナァ「いえ…」

 

はちまん「じゃあ今のところ他の奴は考えなくていいな。次、ロケット団がお前を眠らせた理由はさっき言ったやつだ」

 

ナァ「はい…」

 

はちまん「で、アイツらがお前を眠らせた後何をするかだが…」

 

その後色々話しあったが答えは見つからない

時間はオヤツの時間くらいになってしまった

 

はちまん「んー。このままだとラチがあかんな」

 

エリ「どうするの?」

 

ナァ「あ、あのもう結構です。今日私は動けませんが、明日動けるようになったら私が何とかするので。お2人はこの件から手を引いてくださいこれ以上この街の人じゃないあなた方に迷惑をかけるわけには…」

 

エリ「めいわくなんて…」

 

はちまん「まあそうだな。俺がこの街に対してここまでやる必要はない。ここのジムリーダーに勝てたらこの街とはそれまでだからな。それにめんどくさい」

 

エリ「ちょ…!?」

 

ナァ「いえ…いいんです。これ以上関わるとあなた方も危なくなるかもしれませんし……」

 

エリ「ナァちゃん……」

 

はちまん「だがな、これ以上めんどくさくなるのもゴメンだ」

 

ナァ「え?」

 

はちまん「俺が何であの橋に行ったか分かるか?ここにいる俺のポケモン、カラカラとズバットを鍛えるためだ。この街のジムに勝つにはあの橋の先にある草むらに行かないといけないんだ。」

 

ナァ「そ、それは……」

 

はちまん「もしかするとあの橋にロケット団がいるかもしれないってそれこそスゲェめんどくさいだろ?」

 

エリ「………」

 

はちまん「あ、そうか」

 

ナァ「?」

 

エリ「?」

 

はちまん「ここで話し合ってもラチがあかないんだったら、俺が今からあの橋に行けばいいんだ」

 

ナァ「え……!?」

 

エリ「な……!?」

 

はちまん「俺が用事があるのは橋の先。俺達の考え過ぎでロケット団がいないかもしれない。そしたら悠々と渡って向こう側へ行ける」

 

ナァ「ま、待って……」

 

エリ「待ってよ!でももしかしたらロケット団がいるかもしれないんでしょ!?そしたら危ないじゃない!」

 

はちまん「関係ない、俺は行く」

 

ナァ「なら、私も……!」

 

はちまん「駄目だ。言っただろ?お前は一日安静だ」

 

ナァ「でも……!」

 

エリ「……じゃあ!私が行く!」

 

はちまん「駄目だ。というかお前関係ないだろ?」

 

 

エリ「関係なくない!!」

 

 

はちまん「!?」

 

エリ「私は!今動けないナァちゃんの代わりに行くの!アホ毛くんは自分のために行くんだろうけど!私はナァちゃんのために行くの!だってもしロケット団が何かするんだったら早く動かないといけないでしょ!だから私が行くの!」

 

こいつ……

 

はちまん「…………………」

 

エリ「まあ、アホ毛くんがナァちゃんのために行くって言うなら、一緒に行ってもいいけど?」

 

はちまん「は?いや何で俺が…」

 

エリ「だってアホ毛くんもナァちゃんのために行こうとしてたんでしょ?……だってアホ毛くん優しいから」

 

はちまん「何言ってんだ?俺が優しい?そんなわけ……」

 

 

エリ「あれ?気づいてなかったの?ナァちゃんの事情を聞いてたのもそうだけど、途中から一緒に考えてたよね?関係ないはずなのに」

 

 

はちまん「それは…」

 

エリ「それにナァちゃんをここに運んだのもそうでしょ?誰かに任せて、アホ毛くんはさっさと先に進んじゃえばよかったじゃん。何で起きるまで待ってたの?」

 

はちまん「………」

 

エリ「ね?だからアホ毛くん…。無理に正直にならなくてもいいけど私を1人で行かせたくなかったら、ナァちゃんのために一緒に行こう?そしたら私も危ないことしないから」

 

………

 

はちまん「はぁ〜〜」

 

 

はちまん「負けた。負けたよ」

 

エリ「お!私アホ毛くんに勝っちゃった?」

 

はちまん「おちょくるな」

 

エリ「へっへーん」

 

はちまん「わかった。俺がナァのために行くならお前は危ないことしないんだな?」

 

エリ「うん!」

 

 

はちまん「だが、駄目だ。お前はここで待ってろ」

 

 

エリ「な…。ふ、ふざけないで!!アホ毛くんが何て言おうが私は行くよ!!」

 

はちまん「違う。落ち着け」

 

エリ「え…?違う?」

 

はちまん「お前にも橋に向かって貰おうとは思う。だが明日だ」

 

エリ「あ、明日!?何で!?今行かなきゃアイツら何するかわかんないよ!?」

 

はちまん「落ち着け。先ず話しを聞いてくれ。頼む」

 

エリ「む〜」

 

はちまん「俺は今から1人で橋に向かう。そこでお前はやってもらはなければならない事がある」

 

エリ「なに?」

 

 

はちまん「ナァを守ることだ」

 

 

ナァ「え…!?私…ですか?」

 

はちまん「ああ。さっきも言ったが、アイツらはお前がロケット団の事を調べてた事であの橋に呼び寄せ眠らせたのかもしれない。だからもしかしたらお前を始末しに来るかもしれない」

 

エリ「始末!?」

 

はちまん「ああ。だからエリ、お前には俺が居ない間ナァを守って欲しい」

 

エリ「で、ても……!」

 

はちまん「ナァのために動くんだろ?だったらそのナァがやられたら本末転倒だ。違うか?」

 

エリ「……っ!で、でも!もしアホ毛くんに何かあったら!?もしロケット団にやられちゃったら私達はどうすればいいの!?」

 

はちまん「だから今日俺はここに帰って来ないから、明日ナァが動けるようになった時一緒に橋に来い。もし俺がやられてたらこの時アイツらをお前らが退治すればいい」

 

ナァ「え?帰って来ない?」

 

はちまん「ああ、言っただろ。俺は橋の向こうで鍛えるって。だからもしロケット団がいて退治出来たとしても、いなかったとしても、どっちにしろここには帰らない」

 

エリ「………そっか。わかった!それでいこ!私は絶対ナァちゃんを守るよ!任せて!」

 

ナァ「え!?で、でも!」

 

エリ「でも約束、ロケット団がいたらナァちゃんのために戦うって」

 

はちまん「ああ」

 

エリ「あ!もし約束をバイバイしようとしたらまたカプチーノおごってもらうから!」

 

はちまん「バイバイって…。わかったよ」

 

 

俺はまたゴールデンボールブリッジに行く事になった

ロケット団が暗躍しているかもしれない橋に

だが俺は旅立つ前にした雪乃達との約束

そしてエリとの約束のため向かう

 

俺は手早く準備するとカラカラとズバットを連れ部屋の出入り口に向かう

 

はちまん「じゃ、行って来るわ」

 

ナァ「す、すみません!あ、ありがとうございます!気をつけて下さいね!無理しないで!そ、それから」

 

エリ「ナァちゃん!大丈夫大丈夫!気にしなくていいから!」

 

はちまん「だから、何でお前が答えんだよ」

 

エリ「アホ毛くん!行ってらっしゃい!!」

 

はちまん「おう」

 

俺は部屋から出る………前に

エリの方を振り返らず声をかける

…なんか昨日もあったなコレ

 

はちまん「あー忘れてた、エリ」

 

エリ「ん?」

 

 

はちまん「はちまんだ」

 

 

エリ「え?」

 

はちまん「俺の名前」

 

エリ「え?え?」

 

はちまん「昨日の夜俺に関わるなって言ったが今関わってるよな?だからまあ仕方ないから教えてやる。だからいい加減アホ毛くんはやめろ。いいな?じゃ」

 

俺はそう口早に伝えると急いで部屋から出る

その後エリがどうなったのかはわからない



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

39話 ゴールデンボールブリッジの戦い


今回も長いです
久しぶりの戦闘で気合いが入り過ぎました

後、冒頭のは気にしないでください


ヒューーー!!(風の音)

はちまん「いよいよ、か」ごくっ

カラカラ「……」

ズバット「…zzz」

 

 

デデン!!

決戦の地『ゴールデンボールブリッジ』

 

 

!!!

ロケット団「誰だ!何しに来た!」

 

フッ

はちまん「何しに来た?」

 

ドンッ!

はちまん「お前を…倒しに来た!」

 

がーん

ロケット団「な、なんだと!?」

 

ぐっ

ロケット団「お、お前みたいなガキに倒されてたまるか!」

 

バッ

ロケット団「こいっ!

ロケット団金○橋攻略特殊部隊『ゴールデンファイブ』!!」

 

さささっ

 

ドンッ

RG5赤「赤!」

 

ドンッ

RG5青「青!」

 

ドンッ

RG5黄「黄!」

 

ドンッ

RG5緑「緑!」

 

ドンッ

RG5桃「桃!」

 

ドンッドンッドンッドンッドンッ

RG5「「「「「5人合わせて……えっとなんでしたっけ?」」」」」

 

はちまん「おい」

ロケット団「ふざけんな」

 

 

はちまん「おいおいおい!しっかりしろよお前ら!いいところだったろ!?アンタ!部下に何教えてんだ!?」

ロケット団「め、面目無い…。おい!お前ら!何してんだ!はちまんさん怒ってんだろ!謝れよ!」

元RG5「「「「「え?俺らが悪いんスカ?」」」」」

 

くそっ!白けるなぁ!

これじゃあモチベーションがた落ちだ!

 

はちまん「もういい。俺は帰る」

ロケット団「ま、待ってくださいはちまんさん!ほら!お前ら早く謝れよ!」

元RG5「「「「「あの」」」」」

はちまん&ロケット「「何?」」

 

元RG5「「「「「何スカコレ」」」」」

はちまん&ロケット「「ごめん」」

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#24番道路

 

ハッ!なんだ夢か

 

俺こと八幡とカラカラ、ズバットは今24番道路へ来ていた

目的はここにあるゴールデンボールブリッジにいるであろうロケット団を退治するためだ

まあいなかったらそれでいいんだが

仕事が減る

 

ロケット団「誰だ!お前!」

 

あ、いたわ

 

はちまん「えっと、一応聞くがアンタ何してんだ?」

ロケット団「あ?言うわけねーだろ。それよりお前ここはロケット団が占領した!さっき厄介な水色の奴が来たがもういないようだしな!お前!ここを通りたくばお前のポケモンを渡せ!」

はちまん「いや、言ってんだろ」

 

あー

めんどくさい事はやってると思ったがまさか弁慶とはな

 

はちまん「なぁ、その水色の奴ってアンタがやったのか?」

ロケット団「いや、仲間が眠らせた!」

はちまん「そうか」

 

よくまあベラベラ喋るなコイツ

 

ロケット団「おい!痛い目にあいたくなかったらさっさとポケモンを渡せ!」

はちまん「やだ」

ロケット団「ならば仕方ない。出て来い!赤!」

R赤「ハッ」

ロケット団「コイツを倒せ!」

R赤「ハッ!」

 

赤色のスカーフをしたロケット団が俺の方へ歩いて来る

来ないで

 

R赤「お前を倒す」

はちまん「なぁ、ここに水色の女の子が来ただろ?」

R赤「ああ、緑が眠らせていたな。それが?」

 

よしターゲット決定

だが先ずはコイツか

何のポケモンが来るかわからんが俺の最初のポケモンはズバット

ハナダジムの前哨戦だ

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

トレーナー戦

 

はちズバ VS R赤 コラッタ

 

はちまん「ズバット!ちょうおんぱ!」

R赤「コラッタ!たいあたり!」

 

ロケット団戦赤

相手のポケモンはコラッタ

 

ズバット「!」ミヨワワワーン

コラッタ「…!」ぴよぴよ

 

コラッタ「?!」バシッ

コラッタ「…!」

 

最初のターン

先に動いたのはズバット

ズバットのちょうおんぱが炸裂しコラッタは混乱する

この世界での混乱状態は3ターンかからないと治らない

そしてコラッタは訳も分からず自分を攻撃した

ラッキーだ、いやラッキーじゃなくてラッキーだ

こちらはノーダメージ

あちらは3ターン混乱状態、また自分を攻撃する可能性がある

なら攻め時だ

 

はちまん「ズバット!すいとる!」

R赤「コ、コラッタ!たいあたり!」

 

ズバット「!」ちゅー

コラッタ「…!」

 

コラッタ「!」ガスッ

ズバット「…!」

 

2ターン目

ズバットはすいとる

今覚えている技でノーマルタイプに効果があるのはすいとるだけ

だが威力も低く、効果抜群でもなくタイプ一致でもない

やはり火力が足りない

このままだとジリ貧でこちらが危ない

相手が混乱している今が交代のタイミングだ

相手のコラッタはまたもたいあたり

今度は自分に攻撃せずに当てて来た

 

はちまん「戻れ!ズバット!行け!カラカラ!」

R赤「コラッタ!たいあたり」

 

ズバット「…」スッ

カラカラ「!」ザッ

 

コラッタ「?!」バシッ

コラッタ「…!」

 

コラッタ「!」ピーン

 

3ターン目

俺はズバットの火力不足を見て交代させる

相手はうまい具合に自分を攻撃する

そしてこのターンで混乱が解けた

だがこっちはノーダメージでエースのカラカラが出せた

あっちの方が早そうだが問題無い

 

はちまん「カラカラ!ほねこんぼう!」

R赤「コラッタ!たいあたり」

 

コラッタ「!」ガスッ

カラカラ「…!」

 

カラカラ「!!」バシッ

コラッタ「…!!」

 

コラッタ「…」

バタン

 

4ターン目

ズバットのすいとるで少しは削ったとはいえ

まさかのワンパン

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ピコーン

ペーン

ビビビビビ(省略)

 

勝負の後

公害が鳴り出したが俺は慣れた手つきでポケモン図鑑を開く

 

[カラカラ]

レベル 21

 

<覚えている技>

・アイアンヘッド

・ほねこんぼう

・にらみつける

・きあいだめ

 

NEW ホネブーメラン

 

カラカラが新しくホネブーメランを覚えた

俺はほねこんぼうを忘れさせてホネブーメランを覚えさせる

説明は後で

後ズバットもレベルアップし、10からなんと12まで上がり

新しくかみつくを覚えた

それほどレベル差があったのだろう

結構危なかった

そしてこの間3分、慣れたもんだ

 

 

ロケット団「くそっ!次!青!」

R青「ハッ!」

 

赤色のスカーフを倒したと思ったら青色のスカーフの奴が来た

来ないで

 

R青「お前を倒す」

 

今度も先行はズバット

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

トレーナー戦

 

はちズバ VS R青 ケーシィ

 

ん?ケーシィ?

 

はちまん「ズバット!かみつく!」

R青「ケーシィ!テレポート!」

 

ズバット「!!」ガブッ

ケーシィ「…!!」

 

ケーシィ「!」ルーラ

ケーシィ「?」

 

1ターン目

ズバットは新しく覚えたかみつく

あくタイプなのでエスパータイプのケーシィには効果抜群

さらにこのかみつく低確率で相手を怯ませる技だ

そして相手

ケーシィが出た時まさかとは思ったがやはりテレポート

知っている街に瞬間移動できる技だが

トレーナーとのバトル中ではなんの効果もない技

しかも実はケーシィこのテレポートしか覚えない

 

結果はお察しの通り

ズバットのかみつく連打

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ロケット団「くそっ!次!黄色!」

R黄「ハッ!」

 

今度は黄色のスカーフの奴が来た

来ないで

 

R黄「お前を倒す」

 

今度も先行はズバット

先程は消化試合だったためノーダメージだ

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

トレーナー戦

 

はちズバ VS R黄 トランセル

 

うわ、虫だ

 

はちまん「ズバット!かみつく!」

R黄「トランセル!かたくなる!」

 

ズバット「!」ガブッ

トランセル「…!」ビクッ

 

トランセル「…!」ビクビク

 

1ターン目

ズバットはかみつく

これは相手がトランセルだったための選択

トランセルは自分の防御を上げるかたくなるを使うため

最初に出来るだけ大きいダメージを与えるため攻撃技を選んだ

相手のトランセルはやはりかたくなるを使ってきたが

かみつくで怯ませたため何も出来なかった

ちなみにトランセルは実際かたくなるしか覚えないが

キャタピーから進化させた場合

いとをはくとたいあたり、むしくいを覚えさせる事ができる

まあ相手がどちらかはまだわからないが

 

はちまん「ズバット!かみつく!」

R黄「トランセル!かたくなる!」

 

ズバット「!」ガブッ

トランセル「…!」

 

トランセル「!」カチン

 

トランセル「…!」フラフラ

 

2ターン目

相手が怯んだのを見てかたくなるを使われる前にかみつく連打

しかし今回は怯まず

トランセルがかたくなるを使い防御が上がった

これでこちらの与えるダメージが少なくなるが

2ターンで結構ダメージを与えたので長期戦になる事はないだろう

なので心配するべきはキャタピー進化型トランセルだった場合だ

この場合こちらにダメージを与えてくるので厄介

 

はちまん「ズバット!かみつく!」

R黄「トランセル!かたくなる!」

 

ズバット「!!」ガブッ

トランセル「…!!」

 

トランセル「…」

バタン

 

トランセルがキャタピー進化型かどうかわかる前に倒してしまった

 

R黄「くっ!行けコクーン!」

 

うわ、虫だ

 

相手は2匹目のコクーンを繰り出した

コクーンもトランセルと同じで

ビードルから進化させればかたくなる以外も覚える

 

はちまん「ズバット!かみつく!」

R黄「コクーン!かたくなる!」

 

ズバット「!」ガブッ

コクーン「…!」

 

コクーン「!」カチン

 

コクーンとの戦闘1ターン目

先程と同じ戦法で攻める

そして相手も同じでかたくなる

もうまたかみつく連打でいい気がしてきた

 

というかそうした

ケーシィ戦と同じくかみつく連打

どうやらコクーンはビードル進化型ではないようでかたくなるしか使って来なかった

少し長期戦になったがノーダメージで倒せた

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ピコーン

ペーン

ビビビビビ(省略)

 

またも公害

そしてオープン

 

[ズバット]

レベル 13

 

<覚えている技>

・すいとる

・おどろかす

・かみつく

・ちょうおんぱ

 

NEW つばさでうつ

 

今度はズバットが新しい技を覚えようとしている

俺は少し悩みおどろかすを忘れさせ

つばさでうつを覚えさせる

この技はひこうタイプでズバットのタイプ一致技だ

 

ロケット団「次!緑!」

R緑「ハッ!」

 

次はナァを眠らせやがった緑スカーフが来た

来いや

 

R緑「お前を倒…」

はちまん「いいや、俺がお前を倒す」

 

先行はカラカラ

ズバットは休憩だ

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

トレーナー戦

 

はちカラ VS R緑 アーボ

 

相手は以前も戦った事のあるアーボ

いかくをしてこなかったためだっぴのアーボだ

だっぴは状態異常を自力で治すとくせいだ

 

はちまん「カラカラ!ホネブーメラン!」

R緑「アーボ!どくばり!」

 

カラカラ「!!…!!」バシッ…バシッ

アーボ「…!!……!!」

 

アーボ「…」

バタン

 

今度は最初のターンからワンパン

いや、ワンパンとは違うか

先程覚えたこのホネブーメラン

これは一度の攻撃で2回攻撃する技だ

命中は百中ではないが1回目の攻撃が当たれば2回目も当たる

この技はじめんタイプなのでどくタイプのアーボに効果抜群

一度も攻撃させずにあっさり倒してしまった

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ロケット団「くそっくそっ!最後だ!桃!行け!」

R桃「ハッ!」

 

今度はピンクのスカーフの奴が来た

もういいよ

 

R桃「お前を倒す」

 

先行はカラカラ

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

トレーナー戦

 

はちカラ VS R桃 スリープ

 

はちまん「カラカラ!ホネブーメラン!」

R桃「スリープ!さいみんじゅつ!」

 

カラカラ「!…!」バシッ…バシッ

スリープ「…!……!」

 

スリープ「!」みわーん

カラカラ「…!」

 

カラカラ「zzz」

 

最初のターン

カラカラの方が早く動きホネブーメランでダメージを与える

だが相手のさいみんじゅつを食らって寝てしまった

まずい

このままだと3ターン何もできない

…2ターン耐えよう

 

R桃「スリープ!はたく!」

 

スリープ「!」バシン

カラカラ「…!」

 

カラカラ「zzz」

 

2ターン目

何も出来ない

 

はちまん「キズぐすり!」

R桃「スリープ!はたく!」

 

ズバット「〜♪」

 

スリープ「!」バシン

カラカラ「…!」

 

カラカラ「zzz」

 

3ターン目

ポケモンが動かなければトレーナーが動く

俺は控えているズバットの体力を回復させる

連戦のため戦闘中くらいしか回復させられない

相手ははたく

カラカラの防御が高いため余裕で相手の攻撃を耐えている

だがそろそろ危うい、だから

 

はちまん「キズぐすり!」

R桃「スリープ!はたく!」

 

カラカラ「〜♪」

 

スリープ「!」バシン

カラカラ「…!」

 

カラカラ「!」ハッ

 

4ターン目

俺はこれまでカラカラが受けたダメージをキズぐすりで回復

これで全快近くまで回復したはずだ

スリープはまたもはたく

そしてカラカラがこのターンで起きる

反撃開始だ

最初のターンでダメージを与えている

だったらもう一度眠らされる前に倒す

 

はちまん「カラカラ!ホネブーメラン!」

R桃「スリープ!ずつき!」

 

カラカラ「!…!!」バシッ…バシッ

スリープ「…!……!!」

 

スリープ「…」

バタン

 

た、倒した…

あれ?カラカラってこんなに強かったっけ?

さっきからあっという間に勝つことが多いんだけど

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ロケット団「くっくっそー!情け無いぞ!お前たち!ええいこうなったら俺が戦う!」

 

五色のスカーフを倒すとさっきからうるさかった奴が来た

去れ

 

ロケット団「覚悟しろ!これが最後だ!」

 

最後らしい

先行はズバット

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

トレーナー戦

 

はちズバ VS ロケット団 マンキー

 

はちまん「ズバット!ちょうおんぱ!」

ロケット団「マンキー!にらみつける!」

 

ズバット「!」ミヨワワーン

マンキー「…!」ぴよぴよ

 

マンキー「?!」バシッ

マンキー「…!」

 

1ターン目

ズバットはちょうおんぱをし相手を混乱させる

そして相手は自分を攻撃

これで3ターンこの状態

 

はちまん「ズバット!つばさでうつ!」

ロケット団「マ、マンキー!けたぐり!」

 

ズバット「!!」シュバシ

マンキー「…!!」

 

マンキー「…!」げりっ

ズバット「……!」

 

マンキー「…!」フラフラ

 

2ターン目

ズバットはかくとうタイプのマンキーに効果抜群のひこうタイプの技つばさでうつ

対するマンキーはズバットに効果いまひとつのかくとう技

ちなみにけたぐりは相手の体重が重ければ重いほど威力が上がる技だ

そして

 

はちまん「ズバット!トドメのつばさでうつ!」

 

ズバット「!!!」

マンキー「…!!!」

 

マンキー「…」

バタン

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ピコーン

 

ロケット団「くっそー!覚えてろよー!」

R5色「「「「「覚えてろよー!!」」」」」

 

ロケット団は捨てゼリフを吐きながら

ゴールデンボールブリッジから去っていく

 

はちまん「…ふぅ、疲れた」

カラカラ「……」ぺたん

ズバット「zzz」

 

俺達はロケット団を撃退した後

連戦の疲れを癒すため休憩

俺とカラカラは地べたに座り

ズバットはいつものフードの中で寝ている

いや、寝るのはえーよ

 

はちまん「これでここにいたロケット団は退治出来たが。他の場所で悪巧みしてると困るな。まあそっちは明日くらいにナァが何とかするか…」

 

これでエリとの約束も果たせた

後は明日ここに来る手はずになっているエリとナァ

そこで結果報告すればいいな

 

んじゃ、当初の目的だった特訓をしますかね

まぁしばらくは休憩してるけど

俺は図鑑を開きこの連戦でどれほど強くなったか確認する

 

[カラカラ]

レベル 21

 

<覚えている技>

・アイアンヘッド

・ホネブーメラン

・にらみつける

・きあいだめ

 

[ズバット]

レベル 14

 

<覚えている技>

・すいとる

・かみつく

・つばさでうつ

・ちょうおんぱ

 

先程マンキーを倒した時ズバットはレベルアップしたようだ

そういえば場違いな音が鳴ってたっけ

 

はちまん「まあ、これで結構強くなったか?」

 

よし、ならしばらく休憩したら

この橋の向こうにある草むらで特訓だ

…ん?あれ?

 

 

 

 

 

はちまん「あ」

 

今日の宿、どうしよう

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

40話 マサキ

#25番道路

 

はちまん「………はぁ」トボトボ

カラカラ「………」トボトボ

ズバット「zzz」

 

夕方

俺はいま途方に暮れていた

何故なら今日の昼

『今日、俺はここに帰って来ない!』

と言ってしまったばっかりに宿がない

鬼畜1人キャンプ(食料なし、道具なし、やる気なし)に移行しそうな勢いだ

だが!ここで暖かい布団ちゃんを諦めるような俺じゃない!…多分

いや何も手段がなかったらきっと諦めるなぁ俺

 

俺達は今、とある建物に向かっている

この先の岬にあるマサキという人物の家だ

そしてゲームではマサキを助けるイベントがあり

その後豪華客船に乗れるチケットがお礼としてもらえるのだが

 

俺はそのチケットを生贄に捧げ一晩泊めてもらう!

 

いや、わかってる

あの船で船長から秘伝マシンを貰えるのはわかっている

けど今危機的状況だからさぁ!

それに、それにだよ?

現実世界となった今秘伝マシン、いる?

目の前に木やら岩やらあってもさー

誰かに頼めばいいじゃん

 

あ、俺コミュ障だったわ てへ☆

 

なるほど!そういう事か!

ポケモンの主人公ってみんなコミュ障なのか!

だからかー

金銀とかハートゴールドソールシルバーで

自分の母親が勝手に自分の貯金使っても何も言わなかったのかー

なるほど納得

 

と、そんな事より

秘伝マシンは俺がコミュ障のため必要になった

じゃあこの話し何だったの?とか思ってるだろうが俺も知らん

まあともかく

うまくいくかどうか分からんがマサキにはチケットと宿

この2つをお礼として貰おう

よしそうしよう

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#25番道路マサキの家

 

さあ着いた

ここが俺達の新しい家…じゃない泊まる家だ

見た目はこじんまりした家で屋根にはでかいアンテナ

さらになんかピコピコ聞こえる

多分コンピュータとかの音だろう

 

コン…コン

 

俺はノックした

返答なし

 

コンコン

 

俺はノックした

返答なし

 

コンコン!

 

俺はノックした

何か呻き声が微かに聞こえた

 

ガチャガチャ!

 

俺はドアを開けようとするがロックされている

呻き声が大きくなった気がする

 

ざっ…ざっ…

 

俺はドアに狙いを定めながらバックした

カラカラ達を離れさせる

 

ダダダ

ドガーー!!

 

俺は思いっきりドアを蹴破った

痛かった

 

はちまん「おい!大丈夫か!」

 

俺は家に入り目の前を見ると

予想はしていたがとんでもないものがいた

身体はピッピ顔は人間の生物が横たわっていた

俺はソイツに駆け寄り抱き起こす

 

はちまん「おい!しっかりしろ!」

人面ピッピ「……うぅ」

 

意識はある

 

はちまん「おい!話せるか!?何があった!」

人面ピッピ「……ド」

はちまん「ド?」

 

人面ピッピ「ドアが…ドアがいきなり飛んできて…頭に」

 

はちまん「……そ、そんな事はどうでもいい!お前!何でこんな事に?」

人面ピッピ「…うぅ…どの事言っとるんや…頭か?身体か?」

はちまん「身体だ。何だ?その身体」

人面ピッピ「その前に…立たせてくれへんか?まだこの身体に慣れてへんねん」

はちまん「わ、わかった」

 

俺はソイツの身体を持ち上げ、ゆっくりと立たせる

 

人面ピッピ「ふぅ……あんさん誰や?」

はちまん「俺ははちまんだ」

人面ピッピ「何しにここへ?」

はちまん「えっと…そのーとある事情で今日泊まるところが無くてな…。あの、悪いが一晩ここに泊めて欲しいんだが…」

人面ピッピ「それはかまへんが…」

 

人面ピッピ「なぁ、あんさん…。これ見て何とも思わんのか?」

はちまん「……これって、それか?」

 

俺は人面ピッピのピッピの部分を指す

 

人面ピッピ「そうや…。傑作やろ?自分が作ったもんのくせして事故してこのザマや。ははっ!わろてくれてええで?ワイの自業自得やからなぁ」

はちまん「……なぁ、笑って欲しいのか?」

人面ピッピ「………」

 

はちまん「お前が汗水垂らして作り上げたもので一度事故したからって赤の他人にそれを笑って欲しいのか?お前の作ったもんは失敗作だ、それで事故るお前も失敗野郎だって、ザマァ見ろって笑って欲しいのか?」

人面ピッピ「……………」

はちまん「お前がそうやって俺に笑わせたら、それはお前が作ったものの否定になるんじゃないか?」

人面ピッピ「それは……」

 

はちまん「俺は笑わねーよ」

人面ピッピ「あ、あんさん…」

はちまん「俺はな、今まで散々周りから笑われて来たんだ」

人面ピッピ「………」

はちまん「だから俺は笑わない。いや、笑うわけがない。お前が汗水垂らして作り上げたんだ。俺は努力は笑わない」

人面ピッピ「……はちまんはん」

はちまん「だから…」

 

 

はちまん「だから例えお前がマダツボミと合体していたとしても俺は笑わな……ぶふぉ」

人面ピッピ「笑っとるやないか!!」

 

 

はちまん「い、いや悪い…。お前の顔がマダツボミの身体の上に乗ってるのを想像したら……ぷふっ!」

人面ピッピ「笑うなや!さっきの感動かえしてぇ!?」

はちまん「じゃあお前、例えば俺の顔がナッシーの顔のところにあったらって想像して見ろよ」

人面ピッピ「………ぶふぉ!あははははは!!」

はちまん「な?ポケモンによっちゃ笑えるんだよ」

人面ピッピ「あはは!ホンマやな…ふふっ」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん「なぁ、それって直せないのか?」

人面ピッピ「ん?いや、無理や。あそこにある転送装置っちゅーもんに入って、外からあの赤いスイッチを押してくれへんと」

はちまん「いや、出来るじゃん」

人面ピッピ「え?」

 

俺は自分の顔を指す

 

人面ピッピ「あ、ああぁぁ!?そうや!はちまんはんに外から押してもらえばええんや!」

はちまん「そういう事」

人面ピッピ「た、頼んでええんか?」

はちまん「ああ」

人面ピッピ「じ、じゃあワイが入ったらあのスイッチを押してくれ!」

 

そう言って人面ピッピは転送装置に入っていく

それを見た俺は赤いスイッチを押す

 

ピピピピピピピピピ

プシュー

 

変な音が鳴って転送装置から煙りが出たと思ったら

人面ピッピが入ってったとことは別の場所が開き中から人が出て来た

ソイツは自分の身体を確かめながら泣いていた

 

???「お、おお、おおお〜!!やった!やった!元に戻れた!」

はちまん「おう、良かったな」

???「はちまんはん!ありがとう!ありがとう!」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

マサキ「ワイの名前はマサキや。ここでこの転送装置の管理をしとる。まあ変なポケモン好きと覚えてくれたらええ」

 

マサキは俺に礼を言うと自己紹介してくれた

自分で変なって言っちゃうんだ

 

マサキ「この転送装置はな、ポケモンセンターとかにあるパソコンに預けたポケモンがこの装置に送られる仕組みになっとる。もしあんさんの手持ちがいっぱいになったらいつでも使ってくれ」

はちまん「おう」

マサキ「いや〜それにしても。はちまんはんがここに来てくれへんかったらと思うとゾッとするわー。ホンマ、ありがとなぁ!」

はちまん「い、いや、もう礼はいい。それより……」

マサキ「おお!そうやったな!ここに泊めて欲しいんやったな!」

はちまん「あ、ああ」

マサキ「ん?でも何でハナダのポケセンに泊まらへんのや?」

はちまん「そ、それは……」

 

どうしよう話そうか

………いやコイツにならいいか

 

はちまん「それはだな…」

 

 

こうして俺はマサキに事情を説明して

一晩泊めてもらう事になった

その後少し25番道路でカラカラ達を鍛えると

マサキの家で寝た

明日はもう一度橋へ行ってエリ達に結果報告だ

ん?何か忘れているような…



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

41話 カスミ

#25番道路マサキの家

 

はちまん「……ふわあぁ〜」。○

 

ポケモン世界7日目

俺は大きな欠伸をした

だるい

朝はだるい

昼も夜もだるい

あ、夕方もね

 

カラカラ「zzz」

ズバット「zzz」

 

カラカラとズバットはまだ寝ている

俺の意識も寝ているがな

だが起きなくてはならない

なぜならここは俺の家ではない

マサキの家なのだ

俺は外に出る

そこにはマサキがいた

 

マサキ「お!起きたかはちまんはん!」

はちまん「おう。悪かったな、泊めてもらって」

マサキ「何ゆーとんねん!はちまんはんは恩人や!」

はちまん「いや、スイッチ押しただけだが」

マサキ「いや、それだけやない!」

はちまん「え?」

 

あれ?なんかやったっけ?

昨日は後ズバットがレベル上がったくらいしかなかったけど

あ、ステータスです

 

[ズバット]

レベル 16

 

<覚えている技>

・すいとる

・かみつき

・つばさでうつ

・ちょうおんぱ

 

というわけで何の事だか

 

はちまん「なんかやったか?俺」

マサキ「昨日ゆーとったやん!橋!あの金ピカの橋や!」

はちまん「あー」

マサキ「一応ワイ自給自足やけどな。あそこにロケット団がおったらハナダに行けなくなって、ワイここでのたれ死んどったわ!」

はちまん「いや、あれは」

マサキ「わかっとる。でも、ワイのためじゃなくても結果的に助かったんや。ありがとう」

はちまん「お、おう」

 

なんか真正面から礼を言われ慣れて無いから照れ臭いな

ん?橋?

昨日なんか忘れてたような

 

はちまん「橋……あ」

マサキ「どないしたん」

はちまん「いや、今日あそこで待ち合わせしたんだが、時間言ってなかった。いつ来るかわからん」

 

まずい、もう来てるかもしれん

俺は家に入り寝ていたカラカラとズバットを起こし急いで橋に向かう

 

はちまん「悪い!マサキ!世話になった!」

マサキ「お、おう。あ!ちょっと待ってくれ」

はちまん「?」

 

マサキは家に戻るとすぐに戻って来た

 

マサキ「これ!お礼ってほどやないけど、サントアンヌ号っちゅーでっかい船であるパーティーの招待券や。いっぱいあったから全部あげるわ!いやーワイこうゆうの興味なかってなぁ。無視してたらいっぱい来てのーははは!」

はちまん「お、おう。サンキュ」

 

マサキ「それじゃ、ホンマありがとな。また会おうや」

はちまん「おう。じゃ、行くわ」

 

俺はマサキから船のチケットを沢山(何枚あるんだ?)貰うと24番道路のゴールデンボールブリッジに向かう

 

はちまん「また会おう…か」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#24番道路

 

はちまん「まだ来てないか」

 

ゴールデンボールブリッジに着くが誰もいない

ナァはまだ動けないのだろうか?

まあ夜が明けてすぐの時間帯だからなぁ

 

???「アンタ、そこで何してんの?」

はちまん「ん?」

 

俺がエリ達が来るまでぼーっとしてようかなーと考えていると話しかけられた

いや、俺じゃないと思いたいが周りに誰もいないし

というかこの人

 

???「私、ロケット団がいるって聞いてここに来たんだけど。……アンタがそうね目が腐ってるし」

 

俺に話しかけて来たのは

ハナダシティのジムリーダー カスミ

スポーツ水着を着ている

朝から何てけったいな格好を…

もうほとんど裸じゃん

そして難癖つけられる俺

いや、目が腐ってる奴なんてロケット団以外にもいるだろ

………あ、いま俺黒い服着てんじゃん

 

カスミ「ふん!何人いるかと思って気合い入れて来たけど1人だけなんてね!拍子抜けしたわ」

はちまん「いや、待て俺はロケット団じゃない」

カスミ「はぁ?それホント?」

はちまん「ホントホント」

カスミ「証拠は?」

はちまん「証拠ならこの後俺の知り合いが来るからソイツからの証言を聞いてくれ」

カスミ「誰?どんな人?」

 

ナァを紹介するだけでいいか、あいつこの街の住人っぽいし

 

はちまん「ナァっていうこの街の奴だ。水色のドレス着た」

カスミ「ナァですって?」

はちまん「ああ、やっぱ知ってるのか?」

カスミ「アンタの事なのね」

はちまん「は?」

 

カスミ「そのナァならさっき会ったわ」

はちまん「え?」

カスミ「昨日『ポケセンに腐った男が気絶した女を連れ込んだ』ってそこの従業員から聞いてね?今朝行って見たらそのナァとミニスカートを履いた女の子がいたわ」

 

………あの係員の人か、あんにゃろう

 

カスミ「その子たちからここでロケット団が悪巧みしているかもしれないって聞いてね?そこへ男の子を迎えに行かなきゃいけないって言ってて。ナァが行こうとしてたけど気絶してたんでしょう?安静にさせてなきゃいけないから代わりに私が来たのよ。ミニスカの娘はナァの護衛らしいし」

はちまん「じゃあアイツらは来ないのか」

カスミ「それで?ロケット団は?」

はちまん「わからん」

カスミ「は?」

はちまん「ここに居た奴は退治したが、ハナダにまだアイツらがいるかもしれないだろ?だからわからん」

カスミ「ふむ」

 

はちまん「アンタ、エリ達の代わりに来たって言っても迎えに来たわけじゃないんだろ?だから俺の事はいいから早くハナダに戻った方がいい。アイツら何するかわからんぞ?」

カスミ「わかったわ」

 

俺はカスミをハナダに戻そうとした

ナァが動かずカスミも居ないとなるとまずい事になるかもしれんからな

 

カスミ「あ、そうそう」

はちまん「ん?」

カスミ「私、ここのジムリーダーなの」

はちまん「ほー」

 

知ってる

 

カスミ「アンタ、私に挑戦しに来るんでしょ?あの子たちに聞いたわ。ジムで待ってるから。ロケット団を撃退したその腕、楽しみにしてるわ」

はちまん「あっそ、期待はずれかもな」

カスミ「なんで?ま、いっか。じゃ」

はちまん「おう」

 

そう言ってカスミはハナダに戻って行く

さて俺も戻るかな

いや、昨日のここでの戦いでわかった事がある

エリ達には悪いがその為にも先にショップへ行こう

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ハナダシティ

 

はちまん「えっと…。ショップはどこだ?」

 

俺はカラカラとズバットを連れハナダに戻って来た

ショップを探す

 

ドーーン!!

 

はちまん「な、何だ!?」

 

街のどこかから何かを破壊した音が聞こえた

近くの民家だ

そしてその民家の庭から黒い服を着た奴が出て行くのをここから柵越しに見えてしまった

 

 

どうやら俺はまだハナダジムに行けそうにない

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

42話 ロコン

#ハナダシティ

 

はちまん「くそっ!」

 

俺は民家から出て来たロケット団を追いかけるため

カラカラを抱き上げ柵を越え

その民家の庭へ入る

 

はちまん「ズバット!アイツを追いかけろ!」

 

ズバット「!」バサバサ

 

俺はズバットにアイツを着けさせる

アニメであったね

俺も追いかける前に壊された壁からこちらを見ていた住人

おじさんと女の子に事情を聞く

 

はちまん「あんたら!何があった!」

 

おじさん「え?えっと、ロケット団に技マシンを取られて…」

 

はちまん「技マシン?」

 

おじさん「あ、ああ。あなをほるって技だ」

 

はちまん「そうか。俺はアイツを追いかける。ついでにアンタらの技マシンも取り返す」

 

おじさん「え、いや…」

 

俺はアイツを追いかけるため駆け出す

前に女の子に伝えて欲しい事を教える

 

はちまん「なあ、君。この街の水色のドレスを着た奴って知ってるか?」

 

女の子「それってナァお姉ちゃんのこと?」

 

はちまん「ああ。そいつ今ポケモンセンターにいるはずだから見つけたら伝えて欲しい。『はちまんは無事だ』と。いいか?」

 

女の子「わ、わかった!」

 

はちまん「じゃ行ってくる!」

 

おじさん「ちょ、まって……」

 

俺はロケット団を追いかける

空を見上げるとズバットが結構近いところで飛んでいた

それを頼りに走る

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#5番道路

 

はちまん「チッ!全然追いつかねー」ハアハア

 

俺はロケット団を追いかけ5番道路まで来てしまった

目の前にはロケット団が走っているのが見える

どうする、このままだとこっちの体力がもたない

だってヒッキーだもん

そうだ!

俺はカラカラを下ろし指示する

 

はちまん「カラカラ!ホネブーメラン!」

 

カラカラ「!」ブンッ……

 

バシッ

ロケット団「あでっ!?」

 

よし!命中!

ロケット団は頭を抑えうずくまる

 

はちまん「よし、よくやったカラカラ」

 

カラカラ「…」///

 

俺はカラカラをまた抱き上げ

アイツが起き上がる前に走り寄る

 

はちまん「おい、お前」

 

ロケット団「なっ!?くそっ!こうなったら!」

 

ロケット団は俺から逃げるため勝負を挑んできた

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

トレーナー戦

 

はちカラ VS ロケット団 サンド

 

はちまん「カラカラ!にらみつける!」

 

ロケット団「サンド!ころがる!」

 

カラカラ「!」キッ

サンド「…!」

 

サンド「…!」ゴロゴロ

カラカラ「……!」

 

ロケット団戦

相手はサンド

最初のターンカラカラが先に動く

サンドは防御力が高いためにらみつけるで防御を下げる

対するサンドはころがる

いわタイプでカラカラに効果はいまひとつ

だがこの技は途中で技を変えることができない代わりにターン経過ごとに威力が上がっていく

早めに対策しなければ危ない技だ

 

はちまん「カラカラ!きあいだめ!」

ロケット団「サンド!ころがる」

 

カラカラ「!」ぐっ

 

サンド「…!」ゴロゴロ

カラカラ「……!」

 

2ターン目

カラカラはきあいだめで急所を狙いに行く

サンドはころがるの効果で続けて同じ技

 

はちまん「カラカラ!ホネブーメラン!」

ロケット団「サンド!ころがる!」

 

カラカラ「!!…!!」バシッ…バシッ

サンド「…!!…!!」

 

サンド「…」

 

バタン

 

3ターン目

ま、まじか

ホネブーメランの二回攻撃どちらとも急所

防御力が下がっているのもあるのかサンドは倒れた

 

なんかカラカラの奴最近調子良いな

なんでだ?

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん「んじゃ、あの民家の人から盗ったものを渡して貰おうか」

 

ロケット団「くそっ!ほら!」

 

俺は勝負の後

ロケット団から技マシンを返して貰おう

 

ロケット団「お、覚えてろよー!」

 

そしてお約束の捨てゼリフを吐いて去って行く

バイバイ

 

はちまん「ズバット、カラカラ。ご苦労さん」

 

ズバット「♪」

 

カラカラ「…」///

 

さて、この技マシンはあの家族に返すとしてハナダに戻るか

そう思ったその時

 

???「すごかった!」

 

はちまん「うわぁん!?」

カラカラ「!?」

ズバット「!?」

 

な、何だ?

いきなりおじいちゃんに褒められた

 

???「今のポケモンバトル!そしてその後のポケモン達の表情!アンタ達の信頼関係!素晴らしい!」

 

はちまん「は、は、は、は!?」///

カラカラ「!?」///

ズバット「♪」

 

何!?何で俺達いきなり褒めちぎられてんの!?

か、帰ろう!

帰ってベッドでバタバタだ!

あったかいハイムを俺は待っている!!

 

はちまん「だ、誰か知りませんが!お、俺アレがアレでアレなので帰ります!それでは!」///

 

???「待ってくれ!ちょっとだけでいいから家に来てくれんか!?お主に頼みたい事があるんじゃ!」

 

はちまん「え?頼みたい事?」

 

育て屋さん「わしはこの5番道路でポケモンの育て屋をしておってな。そこでお主に預けたいポケモンがおるんじゃ」

 

はちまん「え?俺に?何でです?」

 

育て屋さん「わからん!勘じゃ!」

 

はちまん「え、えー」

 

育て屋さん「いや!じゃがワシの勘は当たるんじゃ!」

 

はちまん「えー」

 

というかこんな展開最初の方でなかった?

何?再放送?人生の再放送?

 

育て屋さん「ワシが見る限りあの子を任せられるのは君しかおらん!頼む!!この通りじゃ!!」

 

俺が渋っていると育て屋さんのおじいちゃんが頭を下げて

いや、なんと土下座してきた

え!?そこまでの事なのか!?

 

はちまん「わ、わかりました!俺に預けたいやつがいるんですよね?とりあえずソイツに合わせてくれません?話しはそれからでもいいですよね?だから顔を上げて下さい」

 

育て屋さん「う、うむ。ワシも先走り過ぎた…。すまん」

 

はちまん「い、いえ」

 

なんか気まずい

 

育て屋さん「それじゃあこっちじゃ」

 

はちまん「は、はい」

カラカラ「…」

ズバット「zzz」

 

俺はカラカラといつのまにかフードの中で寝ていたズバットを連れ

育て屋さんについて行く

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#5番道路育て屋

 

育て屋さん「うむ。入ってくれ」

 

はちまん「は、はい。お邪魔します」

 

俺は育て屋さんに連れられ育て屋に入る

えっと『育て屋さん』が人で『育て屋』が建物ね

わかりづらいね

 

はちまん「それで…。その俺に預けたいやつって?」

 

育て屋さん「うむ…。連れて来る」

 

そう言って育て屋さんは奥へ消えていく

やっぱなんか最初の方にあったよね?

何?総集編?人生の総集編?

そうこうしているうちにとあるポケモンがやって来た

 

はちまん「こいつは……」

 

ロコン

きつねポケモン

赤い体にきつねの様な姿

そして大きな6本の尻尾

 

ロコン「…」ちょこん

 

ソイツはこっちに連れられて来た後、床に座った

ん?見る限りそんな問題は無いような?

いや、纏っている雰囲気が何か寄り付きにくい感じだ

そして俺のボッチセンサーが反応する

カラカラは自分から周りと距離を置いていた

だがこのロコンは周りから自分と距離を置かせるような雰囲気がある

これはまさか『ATフィールド』か!?

 

育て屋さん「お主に預けたいのはこのロコンじゃ。野生のポケモンでの、怪我しておったところを助けてこの育て屋においとったんじゃが。そのせいかこの子は他の子とは遊ぼうとせんでな。遊びに誘おうとしても睨んできての。どうしたらいいか悩んどったんじゃ」

はちまん「そう、ですか」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

このロコンはここでずっと1匹だったのだろう

怪我を治してくれたとはいえ環境がいきなり変われば戸惑いもする

周りとどう接すればいいかわからず1匹でいる

わからないまま1匹でいる事が当たり前になる

当たり前ならそれでいい

1匹でいる事が当たり前ならそれでいい

だから周りを寄せ付けない

今さら寄せ付けたくない

今の自分を否定したくない

否定したら自分が自分じゃなくなるかもしれない

それが怖い

 

別にこの育て屋さんが悪いわけではない

ここは育て屋だ他のポケモンもいるだろう

そして見たところこのおじいちゃん1人で切り盛りしている

この人はたくさんのポケモンを大事にしているんだろう

だがそれはたくさんのポケモンだ

1匹のポケモンじゃない

たくさんのポケモンを気にしているけど1匹だけでいるポケモンまでは気が回らない

回したくとも回せない

 

このままだとこいつはずっと1匹だ

 

だがそれが何だ?

1匹でいる事の何が悪い

これは自分を守るため自分が見つけた方法だ

武器だ

 

周りがそうさせたのに

世間がそうさせたのに

後戻りできない所まで来たのに

 

なのに今更みんなでいろという

武器を捨ててこっちへ来いという

 

信用できるか

信じられるか

 

また1匹になるかもしれない

 

今度は周りに裏切られて

信じて見ようと思った奴に裏切られて

自分で作った武器を取り上げられて

丸腰の状態で

 

痛い痛い痛い

 

怖い怖い怖い

 

だったら最初から寄せ付けない

武器は捨てない

そんな痛みもう味わいたくない

怖い

1匹になるのはいやだ

だから1匹のままでいる

 

だってそれが何の痛みもない当たり前の事だから

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん「………」

 

はちまん「ちょっとコイツと話してもいいですか?俺とコイツだけで」

 

育て屋さん「……君には何かわかるのか?」

 

はちまん「いえ」

 

育て屋さん「……そうか。なら少し席を外すぞ」

 

はちまん「ありがとうございます」

 

育て屋さんは奥へ消えていく

はぁ…正直めんどくさい

いやふざけているわけではない

こういう捻れ曲がった考えかたをしている奴を説得するのは大抵めんどくさい

俺が言うんだから間違いない

めんどくさいのはめんどくさいので説得は諦めます

俺はバッグからモンスターボールを取り出しロコンの目の前に置く

 

はちまん「……なあ」

 

ロコン「……」

 

はちまん「俺はお前を預かることになったはちまんだ。こっちはカラカラ。俺のフードで寝てんのがズバット。これからお前と同行する奴らだ。覚えとけ」

 

ロコン「…!」ギロ

 

はちまん「いや…。睨まんでもいいだろ?どうせお前ここにいたってしょうがないだろ」

 

ロコン「………」

 

はちまん「はぁ…。めんどくさいから正直に言うぞ」

 

ロコン「?」

 

 

はちまん「俺はお前が必要だ」

 

 

ロコン「」ポカーン

 

はちまん「いや、間違えた。お前の力が必要だ」

 

ロコン「?」

 

はちまん「この前コイツらのタイプ相性を考えたときに、こおりタイプのポケモンに対する手段が無い事に気づいた。だからほのおタイプのお前の力が必要だ」

 

ロコン「…………………」ギロ

 

はちまん「はっ。まあ、ほのおタイプが必要ってことはお前じゃなくても他に候補はたくさんいる」

 

ロコン「………」

 

はちまん「けどいるだけだ」

 

ロコン「?」

 

はちまん「俺はめんどくさいのが嫌いでな。今こうして簡単に重要な戦力が手に入るならそれでいい。楽だしな」

 

ロコン「」シラー

 

はちまん「何?何でそんな冷たい目で見るの?こおりタイプだったの?」

 

この世界にリージョンフォルムはありません

 

はちまん「て、事で。俺はめんどくさいのが嫌なのでお前を強制的に連れて行きます。異論反論異議申し立ては受け付けないので…」

 

ロコン「…」ガブ

 

はちまん「いって!?暴力的反抗も受け付けていません!」

 

あれ?平塚先生が俺を奉仕部に連れてった時使ってたヤツやってみたけど俺の時みたいにならなかったぞ

やっぱり俺は素直だったんだよ

あ、もしかしてあの時俺も平塚先生に嚙みつけばよかった?

いやダメだ

嚙みつこうとしても殴られて吹っ飛ばされて雪乃のあざ笑うビジョンが見えた

いや、下手したら結婚させられるかも

待って待ってそう考え出したらあの人に近づきたくなくなって来た

 

はちまん「はぁ…。それにお前、さっきも言ったがここにいてもしょうがないだろ?だったら俺の役に立つぐらいいいだろ?」

 

ロコン「…」ギロ

 

はちまん「いいだろ?」

 

ロコン「…」ギロ

 

はちまん「いい、だろ?」

 

ロコン「…」ギロ

 

はちまん「…だ、ダメなの?」

 

ロコン「…」ギロ

 

 

 

はちまん「……好きなもん買ってやるぞ?」

 

ロコン「!」パアァ

 

無茶苦茶嬉しそうな顔をすると自分からボールに入ってった

簡単操作でわかりやす!

 

 

こうしてなんやかんやでロコンが仲間になった

出番はもう少し後かな

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

43話 爺さんの話しは長い

#ハナダシティ

 

ただ今夕方の時間です

カラスが鳴きそうなので帰りましょう

でも昼でも鳴いてるね

だから帰りたかった

でも帰れなかった

何故なら

 

育て屋さんの話しが長過ぎたからだ!!

 

これを見てくださっている皆様

話しの内容気になります?

でもごめんね

思い出したくないの

今から思い出したら朝になっちゃう

全部ポケモン自慢だったし

 

はちまん「……はぁ」とぼとぼ

カラカラ「………」とぼとぼ

ズバット「zzz」

ロコン「………」とぼとぼ

 

俺とカラカラ、そして新しく仲間になったロコンは疲れ切っていた

ガチで朝から晩まで話しを聞いてたからな

その間ずっと寝てたズバットが羨ましかった

まだ寝てるし

 

あ、ロコンのステータスはこんな感じ

 

[ロコン]

タイプ ほのお

とくせい もらいび

 

レベル 15

 

<覚えている技>

・ひのこ

・ほのおのうず

・つぶらなひとみ

・でんこうせっか

 

あれ?かみつくは?やってたよね?

まあいいか

 

今俺達がいるのはハナダシティ

5番道路から戻った後

フレンドリィショップに行き

 

キズぐすり6個

いいキズぐすり6個

どくけし5個

まひなおし5個

ねむけざまし5個

こおりなおし5個

 

を買い

ポケモンセンターに戻っているところだ

寝よう

今日ジムに行こうと思ってたけどこんな状態じゃ絶対負ける

ニビの時みたいに下見に行こうとも思ったが

また無理矢理戦わされたらたまったもんじゃない

だから寝る

寝るしかない

そうこうしているうちにポケモンセンターに着いた

ふう、やれやれ

 

あ、やべ技マシン返すの忘れてた

 

まあ明日でいいか

そう思いながらポケモンセンターに入って行く

 

はちまん「あーでもナァがベッド使ってるかもなー」

 

どうしよう

またマサキのとこに厄介になるか?

いやあそこまで行く元気はない

とりあえず部屋に行くか

 

ゆい「あー!ヒッキー!」

 

え?

俺は振り返る

そこには結衣がいた

 

ゆい「久しぶりー!元気してた?」

はちまん「おう」

 

俺達は同じ世界からこっちに来た

そして俺とは別に結衣は雪乃、いろはと共に行動している

最後に別れたのはニビシティ

俺は早々にニビジムを攻略してしまい

結衣達がニビジムを攻略している間に先へ進んだ

確か俺達が別れたのは3日前だったか?

 

はちまん「お前らもう追いついたのか?雪乃といろはは?」

ゆい「ふっふっふ」

はちまん「どうした?お腹痛いの?」

ゆい「い、痛くないよ!それより!今はヒッキーのほうがわたしたちより遅いんだから!」

はちまん「へ?」

ゆい「だってわたし、もうこの街のカスミンに勝っちゃったもんね!」

はちまん「え?早くね?」

 

カスミンってカスミの事だよな?あってるよな?

ホイミンじゃないよな?ホイミンいじめたら許さないよ?

まあ冗談はさておき

てことはコイツ、ジムリーダーに勝ったのか

早くね?

 

ゆい「ヒッキー!見てて!フッシー!」

 

そういうと結衣は自分の最初のポケモンを出す

お?フシギダネからフシギソウに進化してる

 

フッシー(フシギソウ)「フシッ!フシッ!」ダダダ

 

フッシーことフシギソウは相変わらず爆走している

こらこら迷惑になるでしょ

係員さんが困ってるよ

あ、やっぱあの人はいいや

 

ゆい「ふっふーん!どう、わたしのフッシー進化したんだよ!最初はびっくりしたけど、今はすっごい強いんだよ!」

はちまん「ほー」

ゆい「カスミンにもあっという間に勝っちゃったんだから!」

はちまん「そりゃすごい。じゃあ雪乃といろはは今ジム戦中か?」

ゆい「うん!ゆきのんといろはちゃんのポケモンも進化したんだよ!」

はちまん「そーなのかー」

ゆい「あ、あとあと!新しいポケモンも捕まえたんだ!」

はちまん「マジ?」

ゆい「ほら!出て来て!ピピン!」

 

え?ピピン?

ドラ○エ5にいた奴じゃないよね?

今回ドラ○エネタ多くない?

出て来たのは兵士ではなく

ピンク色の体をしたポケモン

ピッピ………笑っちゃダメだ笑っちゃダメだ

昨日のマサキを思い出して笑っちゃダメだ

 

ピピン(ピッピ)「ピッ!」

 

はちまん「ほ、ほー。ピッピか」

ゆい「うん!かわいいでしょ!」

はちまん「あ、ああ」

ゆい「…?どうしたの?」

はちまん「いや、何でもない」

 

ゆい「あ!ヒッキーはどうだった?カスミンに聞いたけど。まだジムに行ってないんだよね?」

はちまん「ああ。まあ色々あってな」

ゆい「そーなの?」

はちまん「そーなの」

 

すると結衣は俺の隣で床に座っていたロコンを見つけた

 

ゆい「あー!かわいい!はじめまして、結衣って言うの!」

ロコン「……」シーン

ゆい「あ、あれ?」

 

ロコンが何も反応しないのに戸惑うガハマさん

ほんと誰も寄せ付けようとしねーな

 

ゆい「え、えーと。この子ヒッキーの新しいポケモン?」

はちまん「おう、ロコンだ。後こっちにも」

 

俺はズバットを紹介するためフードから引きずり出す

 

ズバット「zzz」

はちまん「コイツはズバットだ」

ゆい「なんでそんなところから!?しかも寝てるよ!?」

 

まあツッコミたいのはわかるが

慣れればそうでもない

そういや進化で思ったが

コイツ、ズバットからゴルバットに進化してもここで寝る気か?

今度こそ死ぬよ?俺

あ、でも死に戻りで小町の元へ帰れるかも

 

はちまん「コイツはこういう奴だ。ほら」

ズバット「zzz…ハッ」

 

ズバット「♪」スポッ

 

ズバット「zzz」

はちまん「な?」

ゆい「そ、そう」

 

ちょと引いてるガハマちゃん

その時宿泊施設からエリとナァが出て来るのが見えた

2人はこちらに気づいたようだ

 

エリ「あー!はちまんくん!」

ナァ「あ!はちまんさん!」

 

昨日俺の名前教えたからアホ毛ではなくそっちを使って呼んでくる

 

はちまん「おーう」

ナァ「だ、だだ、大丈夫でした!?」

エリ「大丈夫だった!?はちまんくん!?」

はちまん「あれ?ここに女の子が来て伝えなかった?」

エリ「来たけど!実際に見なきゃわかんないし!」

ナァ「ご、ごめんなさい!はちまんさん!こんな事に巻き込んでしまって!」

はちまん「いや、それはいい。それよりお前、身体大丈夫か?」

ナァ「は、はい!お陰様で!エリちゃんも看病してくれましたし!」

エリ「い、いや〜そんな。約束だったし」

 

まあ見る限り大丈夫そうだな

 

ゆい「ね、ねぇヒッキー?だ、誰?」

はちまん「ん?ああ悪い。ミニスカがエリで水色がナァだ。2人ともこのピンクのお団子は結衣だ」

ゆいエリ「「説明がざつだよ!?」

ナァ「あ、あはは」

はちまん「あー。後から来ると思うがあと雪乃ってのといろはってのがいるぞ。これでいいか?」

ゆいエリ「「何が!?」」

 

それから結衣とエリ、ナァは互いに自己紹介した

もー自分達で出来るなら俺いらないじゃーん

眠いのにー

 

エリ「それで!どうだったの?ロケット団いなかった!?」

ゆい「ロケット団?それってあちこちで悪さしてる黒い人達?」

ナァ「はい」

ゆい「その人達がどうしたの?」

エリ「はちまんくんが、そいつらがいるかもしれないところに行ったんだよ!」

ゆい「ええっ!?」

ナァ「そ、それで…。無事だったんですから居なかったんですよね?」

はちまん「いや?居たぞ?6人」

 

ゆいエリナァ「「「6人!?」」」

 

ゆい「え、ええぇ!?そ、それって大丈夫だったの!?」

はちまん「いや、俺がここにいるんだから」

エリ「え!?てことは6人全員倒しちゃったの!?」

はちまん「おう。めんどくさかった」

 

ナァ「あれ?そういえば今日の朝カスミさんが迎えに行きませんでした?」

はちまん「ん?ああ、来たぞ」

ナァ「だったらなぜすぐに戻ってこなかったんですか?代わりに女の子が来ましたし」

はちまん「あー。それはこっちに戻る前にまたロケット団を見つけてな」

ナァ「え!?」

はちまん「なんか盗んで行ってて、それ追いかけてた」

ナァ「た、戦わなかったんですか?」

はちまん「いや?戦ったぞ?」

ナァ「え」

 

エリ「じ、じゃあはちまんくん。この街でロケット団を7人も倒しちゃったの?」

はちまん「いや?追いかけた奴は街の外に出て行ったし。後の6人だってこの街じゃなくてあの橋だから違うと思うぞ?」

エリ「そーいうことじゃないよ!?」

ゆい「もー!ヒッキー無茶しすぎ!」

はちまん「そうか?」

 

というかなんだこの話しの流れ

なんか俺がバトルジャンキーになってない?

ラノベ主人公じゃないんだから

 

ナァ「はちまんさん!」

はちまん「え?な、何?」

ナァ「この街のために何から何までありがとうございました!!」

はちまん「いや?この街のためじゃないけど」

ナァ「え?」

 

エリ「そーだよ!ナァちゃん!」

ナァ「エリさん?」

エリ「はちまんくんは、ナァちゃんのために戦ったんだよ!そういう約束だったし!ね!」

はちまん「おう」

ナァ「は、はちまんさん…。エリさん」///

エリ「だから!大丈夫大丈夫気にしなくていいよ!」

はちまん「だから何でお前が言うんだ」

ナァ「あ、ありがとう…ございます…!」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ゆい「あ!ゆきのん!いろはちゃん!」

ゆきの「待たせたわね?由比ヶ浜さん」

いろは「ただいまです!」

 

しばらくすると雪乃といろはが戻ってきた

雪乃の横にはヒトカゲから進化したであろうリザードがいた

相変わらずクールだ

 

はちまん「おう」

ゆきの「あら?何かしらこの人?押し売り?」

はちまん「おい。どこの世界に『おう』から始まる押し売りがあるんだ」

ゆい「ツッコむとこそこなんだ…」

ゆきの「冗談よ。遅企谷君」

はちまん「いや、お前らが早いだけだ」

 

いろは「せーんぱいっ!会いたかったですよ?」

はちまん「ハイハイ」

いろは「反応薄!」

 

はちまん「それよりお前らもハナダのジムに行ったんだよな?結果は…いやその様子を見ると…」

いろは「はいっ!勝ちました!」

ゆきの「ええ。当然でしょう?」

はちまん「そーかい」

 

いろは「あ!せんぱいっ!私のカメちゃん進化したんですよ!」

はちまん「ああ、結衣から聞いた」

いろは「出て来て!カメちゃん!」

 

俺が見せなくていいと言う前に出しやがった

アイツ、俺の顔見るとドヤ顔してくるからウザいんだけど

ボールから出て来たのはカメちゃんことカメール

カメちゃんは出て来た瞬間に俺の方を向く

あーハイハイドヤ顔ですね、と思っていた

だが

 

 

カメちゃん(カメール)「ガ〜〜メッ」キラーン☆

 

 

なん………だと………

 

あざといウィンクに…横ピー付き………だと!?

 

いろは「ふっふっふ!どうですか?これこそ!総武高校一年サッカー部のマネージャーにして総武高校生徒会長一色いろは直伝!そして我が一色一族に伝わる『一色相伝の秘奥義、あざといろは』です!!」

 

いろは「いくよ〜カメちゃん!」

カメちゃん「!」コクッ

 

いろは「はいっ!」キラーン☆

カメちゃん「カメッ!」キラーン☆

 

そ、そんな…

いろはとカメちゃんが合わさって最強に見える

 

もうこれは小悪魔ではない

ましてや天使でもない

 

これは…………………横綱だ!

 

日々の努力が実を結んだ横綱だ!!

 

ど、どうしたらいい

コイツらは俺にこれを見せてどうして欲しいんだ!

 

……

 

………

 

はちまん「…いろは」

いろは「はいっ!」

 

はちまん「…何が飲みたい?」

いろは「カフェオレで!」

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

44話 戦いの前の休息

#ハナダシティポケモンセンター喫茶店

 

いろは「せーんぱいっ!ありがとうございまーす!」

カメちゃん「カメッ」にこ☆

はちまん「お、おう…」

 

俺はあざといろはに敗北しいろはとカメちゃんにカフェオレを奢る羽目に

くそっかわいいから文句言えん

 

いろは「じゃあ私の新しいポケモンちゃんにも奢って下さい!」

はちまん「え?」

いろは「出て来て!ピカちゃん!」

 

ポンッ!

 

ピカちゃん(ピカチュウ)「ピカ!」

 

おおピカチュウだ

よく捕まえられたな

 

いろは「この子!トキワの森で捕まえたんです!かわいいですよね!」

ピカちゃん「ピカ!」ぴょんぴょん

 

ピカチュウは褒められて嬉しいのか飛び跳ねる

あ、あぶねー

さっきのあざといろはにコイツもいたら焼肉奢ってたわ

 

いろは「ちっ」

 

え?

今舌打ちした?

もしかして俺の心読んだ?

 

いろは「せーんぱいっ!ピカちゃんにもカフェオレですっ!」

はちまん「あ、ああ」

エリ「むぅ」

 

ちなみに他の奴も付いて来ている

雪乃、結衣、エリ、ナァ

カラカラ、ズバット、ロコン

リザード、フッシー、ピピン

多いよ

男女比おかしくね?

 

エリ「私も!私にも奢ってよ!」

はちまん「ヤダ」

エリ「えー!?何で!?」

はちまん「いや、奢る理由がないじゃん」

エリ「うー!」

いろは「えっと誰ですか?」

ゆい「この子はエリちゃんだよ。こっちの水色のドレスを着ている子はナァちゃん」

いろは「エリさんにナァちゃんですか…」

 

いろははエリとナァの顔を見て何か考えている

嫌な予感

 

いろは「じゃあ!エリさんもナァちゃんも、雪ノ下先輩と結衣先輩も奢ってもらいましょうよ!」

はちまん「おい待てふざけんな」

エリ「やったー!ありがとう!はちまんくん!」

はちまん「待て待て待て」

ゆい「え!?いいの!?」

はちまん「いやいやいや」

ゆきの「私はエネココアというのを」

はちまん「ちょっと!?」

 

というわけで

 

〜今日の飲み物〜

 

はちまん、カフェオレ

カラカラ、ミックスオレ

ズバット、トマトジュース

ロコン、オレンジジュース

 

ゆきの、エネココア

ゆい、カプチーノ

いろは、カフェオレ

リザード、コーヒー

フッシー、ミックスオレ

カメちゃん、カフェオレ

ピピン、ミックスオレ

ピカちゃん、カフェオレ

 

エリ、カプチーノ

ポッポ、おいしい水

プリン、カプチーノ

ナァ、オレンジジュース

 

〜合計 5550円

 

はちまん「は、はは。まさかいろはのあざとさに5000近く金を払う事になろうとは……」

ナァ「ご、ごめんなさい!わ、私関係ないのに…!」

はちまん「いや……いいよ……。お前だけないってのもアレだし…」

 

ーティータイムー

 

ズズッ

 

ゆい「エリちゃん!このカプチーノおいしいよ!」

エリ「でしょ!」

ゆい「うん!」

 

ゆきの「…エネコ」

ナァ「え?」

ゆきの「…ねこ」

ナァ「えっと」

ゆきの「…にゃー」

ナァ「えぇ!?」

 

いろは「おそろいですねっ!せんぱいっ!」

はちまん「」

 

各々がゆっくりとティータイムを楽しみ

しばらくしてお開きとなった

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ゆきの「さて、比企谷君」

はちまん「なんスカ?」

 

ティータイムが終わり

結衣といろは、エリとナァが部屋に戻ったころ

雪乃が話しかけて来た

 

ゆきの「そろそろ話してもらおうかしら」

はちまん「……昔々あるところに」

ゆきの「ふざけないで」

はちまん「それはそれはかわいい猫が…」

ゆきの「ふざけないで、可愛くない猫がいるわけないでしょう?」

はちまん「そこ!?」

 

はぐらかそうとしたが

ゆきのんの方が上手でした

俺は周りを見る

ここには俺と雪乃

そして2人のポケモン達しかいない

 

はちまん「はぁ…オツキミ山のことか?」

ゆきの「ええ。貴方が何故私達より先に行きたがっていたのか」

はちまん「わかったよ…」

 

俺はゲームの知識で

オツキミ山にロケット団が現れる事を知っていて

そのロケット団を排除する為先に行ったことを話した

 

はい

怒られました

ゆきのん怖い

 

ゆきの「全く…」

はちまん「い、いやでも…。あの時はニンの頼みもあったし」

ゆきの「はぁ…。貴方、そんなにお人好しだったかしら?」

はちまん「う…」

ゆきの「謝ってくれたとは言え、勝手に勝負させられた相手の頼みを無条件に受けるような事する人だったかしら?そういう時貴方なら『めんどくさい、嫌だ』とか言って断りそうなのだけれど」

はちまん「おうふ……」

 

ゆきの「ふぅ…。まさか貴方に借りを作ってしまうとはね」

はちまん「か、借りって…。別にそんなんじゃ…」

ゆきの「いいえ、ダメよ。貴方が何て言おうと私の気が収まらないの。必ず返すわ」

はちまん「はぁ…。わかった」

ゆきの「貴方の了解は必要ないのだけれど」

はちまん「そうかい…」

 

 

そしてそこからはお互い何も喋らなかった

ただ時間が過ぎていく

それは雪乃が部屋に戻るまで続いた

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

雪乃が戻った後1人で明日の事を考えていた

明日はいよいよハナダジム挑戦

作戦という作戦はない

水タイプの対策は無いし

これはもう根気強く地道にダメージを与えていくしかない

 

だがとりあえず明日はあの民家の人に技マシンを返そう

 

そう思いながら部屋に戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、言っておくが部屋に戻ったらナァがまだいて

着替え中に入ってキャーとか

布団の中に女の子が!とか

そういうラブコメエロ展開はないからな?



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

45話 ハナダシティのジムリーダー 前編

四章に入ってやっとこさジム戦です
戦闘は次回


評価ありがとうございます


#ハナダシティ

 

おじさん「おお、君は」

はちまん「どうも」

 

ポケモン世界8日目

俺は昨日ロケット団に盗まれた技マシンを返しに来ていた

昨日の内に返したかったが色々あって無理だったので

今日、ハナダジムに挑戦する前に返しておく事にしたのだ

 

はちまん「すみません、返すのが遅くなりました。盗られたのってこれでいいですよね?」

おじさん「ああ、間違いない。あなをほるの技マシンだ。ありがとう」

はちまん「はい。では俺はこれで」

おじさん「ま、待ってくれ!」

はちまん「え?」

おじさん「この技マシン、君にあげるよ」

はちまん「…は?」

 

おじさんから返したばかりの技マシンを渡される

え?何で?

まさか俺が触ったからいらないって事ないよね?

 

はちまん「あ、あのどうして?」

おじさん「お礼だよ。別にこんな物また買えばいいんだ。だけど君は僕たちのためにロケット団を追いかけて取り返してくれた。その恩返しとしてあげるよ」

はちまん「い、いえあの」

おじさん「ああ、もしかして僕たちのためじゃなくてナァちゃんのためだったりするのかい?だとしたらなおさら受け取って欲しい。あの子はこの街には欠かせない大切な子だからね。その子のために動いてくれた君にお礼がしたい。受け取ってくれ」

はちまん「え、いやあの、わ、わかりました。ありがとうございます」

 

そうやって俺はおじさんから技マシンをもらった

その後家に招待されそうになったが

ジムに挑戦するから遠慮すると言うとわかってくれた

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ハナダシティハナダジム前

 

はちまん「ほー、ニビのと同じくらい大きい…いやこっちの方が若干大きいか?」

 

俺とカラカラ、ズバット、ロコンはハナダジムの前に来ていた

いよいよジム戦だ

ハナダジムからは水の音が聞こえる

やはり水タイプのジムらしく噴水でもあるのだろうか?

俺達はジムに入っていく

 

はちまん「………マジか」

 

噴水はあった、それも沢山あちこちに

そしてジムの中はほとんどがプールだった

バトル場はプールの上に設置してあり

その周りにはきちんと観客席がある

だが俺が驚いたのはそれらではない

俺が驚いたのはジムの真ん中にまた建物があったのだ

おそらくあの中にジムリーダーのカスミがいるのだろう

例えるなら

このハナダジムは水族館

そしてカスミがいるであろうあの建物は水族館のアシカパークといったところか

水族館の花形専用のお立ち台、そういう建物

 

俺はその建物に向かう

その入口に受付のような物がある

確かニビにも似たような物があった気がする

多分あそこでジムリーダーに挑戦する者が受付するのだろう

ニビの時はあの…アレだったから

俺は受付の人に話しかける

 

はちまん「あの」

ジム係員「はい、ジムリーダーに挑戦ですか?」

はちまん「は、はいそうです」

ジム係員「ではまずトレーナーパスをお見せください」

はちまん「わ、わかりました」

 

俺は言われた通りトレーナーパスを提示する

こういうやり取りはボッチにはキツイ

だって緊張するし

 

ジム係員「はい、ご確認できました。ではジムリーダーに挑戦するにあたってのご説明をさせていただきます。あら?あなたはニビシティのジムリーダーに勝っているようですが…。このご説明はよろしいでしょうか?」

はちまん「え!?い、いえ、お願いします」

 

どういう事!?

ジムリーダーに挑戦するには何か説明がいるの!?

タケシー!!

 

ジム係員「では、ご説明させていただきます」

 

ジムの係員の人が説明してくれたのは

 

・ジムリーダー戦での道具の使用は、ジムリーダーは1個、挑戦戦者は無制限に使える

・ジムリーダーのポケモンの数はジムごとに決められていて、ハナダジムでカスミは2匹まで(ん?決められている?)、挑戦者は手持ちの上限まで

 

このくらい

ふむふむなるほど

タケシ怒られてこい、イワークに

 

ジム係員「以上がこのジムでの取り決めとなっております」

はちまん「わ、わかりました」

ジム係員「ではしばらくお待ちを。今カスミ様に連絡をしますので」

はちまん「は、はい」

 

そういうとジム係員さんはカスミに電話をしている

ん?係員さん何か困ってない?

通話が終わると俺に申し訳なさそうに話しかけてきた

何、何かあったの?

 

ジム係員「あの」

はちまん「は、はい」

ジム係員「はちまん様が挑戦しに来たと伝えるとこちらに来るとおっしゃっていて…」

はちまん「え?今来てんスカ?」

ジム係員「は、はい、申し訳ございません。もうしばらくお待ちください。なにぶんここのジムリーダーは少し…」

はちまん「いえ、大丈夫です」

ジム係員「すみません」

 

あのおてんばな性格だからな

大変だろうな

しばらくするとカスミがやって来た

 

カスミ「来たわね!ゆきのやいろは、ゆいからも聞いているわ!あなたなかなか強いらしいじゃない!」

はちまん「え?アイツらが何か言ったの?」

カスミ「ええ!ここにはちまんって男の子が来たかって聞いてきてね?『まだよ、強いの?』って返したら揃いも揃って『強い…かもしれない』って言ってきてね!」

はちまん「その答えって俺誇れないよね?」

 

いや手放しに色んなところで変な事言われるよりマシだけど

もっと何かあるだろ?

というかそのセリフ聞いて何で強いって思ったの?

 

カスミ「でも、私に勝ったあの子たちが気にするくらいの子ってことでしょ?それにアンタあの橋にいたでしょ?」

はちまん「ああ」

カスミ「ナァから聞いたわ。アンタあそこで6人ものロケット団を退治したんですってね?」

はちまん「いや、成り行きだ」

カスミ「それでも、その実力は変わらないでしょ?私その話しを聞いてからこうして戦えるのを待ってたのよ!」

はちまん「へー」

カスミ「それじゃ私は中で待ってるから、呼ばれたら入って来て」

はちまん「あいよ」

 

カスミは…えっと…なんて言おうあの建物

…よし

アシカハウス(仮)に戻って行った

そしてしばらくして歓声と共に俺の名前を呼ばれ

俺もカラカラ達とアシカハウス(仮)に入って行く

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

観客「「「うわあああ!!」」」

 

はちまん「う、うわぁ」

カラカラ「…」ドヨーン

ズバット「…」キョロキョロ

ロコン「…」はぁ

 

俺達はアシカハウス(仮)に入ると人の多さに辟易した

入って来たところから橋が架かっていて

その先にバトル場

その周りにプール

そしてそれを囲むように観客席

バトル場にはカスミがいる

 

カスミ「さあ、はちまん!来なさい!」

 

観客「「「わあああ!!」」」

 

いやだぁ

行きたくなぁい

 

はちまん「あーもう行くしかないか」

 

俺が色々諦め橋を渡ろうとした

その時

 

ロコン「………」くるん

 

ロコン「……」バシッ

 

ガッ

はちまん「え?」

 

バッシャーン!!

 

カスミ「え?」

観客「「「え?」」」

 

俺が橋を渡ろうとした時

ロコンがくるっと回り

尻尾で俺の足を引っ掛け

それに躓いた俺はプールに落っこちた

カスミと観客の驚く声が水の中から聞こえる

俺は水面から顔を出す

 

はちまん「な、何するんスカ。ロコンさん」

ロコン「……」

カラカラ「!?」アワアワ

ズバット「!?」アワアワ

 

俺はロコンに問う

そして慌てるカラカラとズバット

 

はちまん「あ、あの」

ロコン「…」ジー

はちまん「ん?」

 

ロコンは俺の顔をジッと見つめてくる

いやだからそんな事やっても俺はわからな…あら?何かしら?わかる気がするわ

やだわ、これカラカラさんの専売特許じゃなかったのね

 

はちまん「………えっと、このままじゃ勝てないって言ってる?」

ロコン「…」コクン

はちまん「そりゃあ水タイプの対策してないんだから勝つのは難しいと思うが……」

ロコン「……」バシッ

はちまん「いてっ!?」

 

まだプールこら上がってない俺の頭を前足で叩く

だーかーらー

カラカラもそうだけど叩いてくるのやめてくれない?

 

はちまん「…違うって?」

ロコン「……」コクン

はちまん「えっと…どう違うんだ?」

ロコン「………」はぁ

 

ロコンはため息をつくと

カラカラとズバットを見た後

俺の顔を見る

 

…………………

 

………コイツの言いたい事はわかる

いや、わかっているつもりだった

 

 

はちまん「………俺に、お前達がやられるっていう覚悟がないって言いたいのか?」

 

ロコン「……」コクン

カラカラ「!」

ズバット「!」

はちまん「…この戦いでお前達の内誰かがやられる覚悟がないと?」

ロコン「……」コクン

はちまん「………………」

 

俺の心のどこかにある

コイツらがやられるのが嫌だって感情

それをロコンは見破ったってことか

そんなワガママ通るような相手じゃない

いやこれからもそんなん通用しないと言いたいんだろう

 

勝利にはリスクがつきものなんだと

 

リスクなしでジムリーダーには勝てないと

 

そんな舐めたことしてたら勝てるもんも勝てないと

 

俺はカラカラ、ズバット、ロコンの顔を見る

全員覚悟を決めた顔だ

覚悟を決めてないのは俺だけ

 

はちまん「………いいのか?」

カラカラ「!」コクン

ズバット「!」コクン

ロコン「…」コクン

はちまん「俺はお前らを道具のように扱うかもしれない。お前らのうち誰かを犠牲にしてでも勝とうとするかもしれない。それでもいいのか?」

カラカラ「!」コクン

ズバット「!」コクン

ロコン「…」コクン

はちまん「この戦いだけじゃない。この先の戦いでもそうするぞ?いいのか?」

カラカラ「!」コクン

ズバット「!」コクン

ロコン「…」コクン

 

はちまん「………………………」

 

はぁ…

カラカラと一緒に強くなるとか大層なこと約束したくせに

昨日会ったばかりのロコンにそれを諭されるとはな

情け無い

 

覚悟、決めるか

 

はちまん「お前ら………え、えっと。ち、力を貸してくれ。勝つために」///

カラカラ「!」コクン!

ズバット「!」コクン!

ロコン「…」はぁ、コクン

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

カスミ「………………」

 

あ、見てた?

見ちゃった?

…帰ろっかな

 

ロコン「…」バシッ

はちまん「あいてっ!」

 

プールから上がり

カスミの方を見て帰ろうとした俺をロコンが叩く

わかったよ行くよ

俺はカスミがいるバトル場まで行く

今度は落とさないでね?

服びちゃびちゃになるからね?

今もなってるけどね?

フッまあいい、ハンデとしては充分だ

俺はバトル場に着きカスミと向き合う

 

はちまん「お、おまたせしました」

カスミ「………ああいうのってここに来る前にやるもんじゃないの?」

はちまん「そ、そうっすね」

 

きゃー恥ずかしいー!

 

カスミ「…アンタがどういうトレーナーかわかった気がするわ」

はちまん「え?」

カスミ「一言で言うと『めんどくさい』…かしら」

はちまん「おうふ…」

 

カスミ「まあいいわ!さて、さっさと始めましょうか!」

はちまん「は、はい」

カスミ「私のポケモンは2匹!アンタは?」

はちまん「えっと…」

 

俺はカラカラ、ズバット、ロコンを順番に見る

やる気充分か

いいなー

 

はちまん「この3匹…でいいか?」

カスミ「ええ」

 

カスミ「それじゃあ!トレーナーはちまん!アンタの挑戦!このハナダジムのジムリーダーカスミが受けて立つわ!」

 

観客「「「わあああああ!!!」」」

 

 

2つ目のバッチをかけた戦い

ジムリーダーカスミ

コイツらの覚悟のためにも、勝つ

…多分

 

ロコン「…」バシッ

はちまん「いてっ!」

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

46話 ハナダシティのジムリーダー 後編

今回
ご都合主義注意です

ええ、物凄いチートみたいなのが出ます



#ハナダシティ ハナダジム

 

ジムリーダー戦

 

ハナダジム戦俺の先行はズバット

カスミはヒトデマン

水タイプのポケモンで

厄介なのはじこさいせいという技

自身の体力を回復する技だ

だからこの技を使われる前に倒す

 

1ターン目

 

はちまん「ズバット!ちょうおんぱ!」

カスミ「ヒトデマン!みずのはどう!」

 

ズバット「!」ミワワワーン

ヒトデマン「…?!」

 

ヒトデマン「!」もわん

ズバット「…?!」

 

先に動いたのはズバット

ズバットはちょうおんぱ

ヒトデマンはみずのはどう

みずのはどうは相手に攻撃すると同時に混乱状態にもさせる

両者共に混乱状態になる

しかしダメージを受けている分こちらが不利だ

 

 

2ターン目

 

はちまん「ズバット!かみつく!」

カスミ「ヒトデマン!こうそくスピン!」

 

ズバット「?!」バシッ

ズバット「…!」

 

ヒトデマン「!」ぐるぎゃーん

ズバット「…!」

 

ズバット「…!」ふらふら

 

ズバットは混乱して自分を攻撃

ヒトデマンはしっかり攻撃を当ててきた

マズイこのままだとやられる

 

 

3ターン目

 

はちまん「いいキズぐすり!」

カスミ「ヒトデマン!みずのはどう!」

 

ズバット「〜♪」

 

ヒトデマン「?!」バシッ

ヒトデマン「…!」

 

ズバット「…ハッ」

 

ヒトデマン「…ハッ」

 

いいキズぐすりでズバットを回復する

ヒトデマンは混乱して自分を攻撃

そしてこのターンで混乱状態が回復

 

 

4ターン目

 

はちまん「ズバット!すいとる!」

カスミ「ヒトデマン!みずのはどう!」

 

ズバット「!!」チュー

ヒトデマン「…!!」

 

ヒトデマン「!」もわん

ズバット「…!」

 

 

ズバットはすいとるで相手から体力を奪う

ヒトデマンはみずのはどうで攻撃

 

 

5ターン目

 

はちまん「ズバット!すいとる!」

カスミ「いいキズぐすり!」

 

ヒトデマン「〜♪」

 

ズバット「!!」チュー

ヒトデマン「…!!」

 

カスミはいいキズぐすりで回復

今までのダメージが回復された

だがすいとるでその回復した分をこっちが奪う

そしてジム戦の前に説明された通りだと

カスミはもう道具が使えない

 

 

6ターン目

 

はちまん「ズバット!かみつく!」

カスミ「ヒトデマン!みずのはどう!」

 

ズバット「!」ガブッ

ヒトデマン「…!」ビクッ

 

ヒトデマン「…!」ビクビク

 

ズバットのかみつくが炸裂

ヒトデマンは怯んで動けなかった

これでこちらがリード

よし一気に決める

 

 

7ターン目

 

はちまん「ズバット!つばさでうつ!」

カスミ「ヒトデマン!みずのはどう!」

 

ズバット「!」シュバシ

ヒトデマン「…!」

 

ヒトデマン「!」もわん

ズバット「…!」

 

ヒトデマン「…!」ふらふら

 

ラストスパート

ズバットのつばさでうつで相手は瀕死寸前

 

 

8ターン目

 

はちまん「ズバット!トドメのつばさでうつ!」

 

ズバット「!!」シュバシ

ヒトデマン「…!!」

 

ヒトデマン「…」

バタン

 

かなり危なかったが

ヒトデマン突破

ズバットはしっかり仕事を完遂させた

 

----------

 

カスミ「ふふ、やるわね」

 

カスミがヒトデマンをボールに戻しながら話しかけてくる

そしてカスミの最後のポケモンが入ったボールを手に持つ

 

カスミ「でも、この子で終わりよ。悪いけど私負ける気がしないわ」

はちまん「奇遇だな、俺も勝てる気しねーよ」

カスミ「なにそれ」

はちまん「だってそうだろ。こっちはもう運にかけるしかねーんだからよ」

カスミ「え?運に見放されたような顔してるのに?」

はちまん「え?マジで?そんな顔してる?」

 

カスミは最後のポケモンを繰り出す

出てきたのはやはりスターミー

この戦いの鬼門

 

カスミ「私の最後のポケモンはこのスターミーよ。アンタはどうする?変えてもいいわよ?」

はちまん「ん〜」チラ

 

俺はロコンを見る

 

はちまん「お前出れるか?」

ロコン「…」コクン

はちまん「じゃ。ズバットご苦労さん、少し休憩してくれ」

ズバット「…」さっ

はちまん「ロコン、頼むわ」

ロコン「…」コクン

 

ズバットを引かせロコンを前に出す

 

カスミ「……アンタ正気?水タイプのポケモンに対して炎タイプを出すなんて」

はちまん「ロコン」

 

俺はカスミの台詞を無視しロコンに話しかける

 

はちまん「覚悟はいいな?」

ロコン「…」コクン

はちまん「わかった。カラカラ」

カラカラ「?」

 

はちまん「勝機はコイツが作る。お前は…あいつを倒せ」

カラカラ「!!」コクン!

 

はちまん「よし」

 

俺はカスミに向き合う

 

はちまん「んじゃ、始めようか」

カスミ「…いいわ、叩きのめしてあげる」

はちまん「それ死亡フラグじゃね?」

 

----------

 

はちまん ロコン VS カスミ スターミー

 

ハナダジム最後の戦い

 

 

1ターン目

 

はちまん「ロコン!ほのおのうず!」

カスミ「スターミー!みずのはどう!」

 

スターミー「!!」もわん

ロコン「…!!」

 

向こうが先に動いた

効果抜群だ

耐えられるか?

 

ロコン「…!」ふらふら

 

た、耐えた

よし!

 

ロコン「…!」ぼうっぼうっ

スターミー「……!」

 

スターミー「…!」ぼう

 

ロコンがみずのはどうを耐え

ほのおのうずを発動

効果は今ひとつだが

この技は相手を4ターン閉じ込めダメージを与え続ける

ロコンの仕事はここまで

 

はちまん「…」チラ

ロコン「!」コクン

 

ああ

覚悟は出来てる

 

 

2ターン目

 

はちまん「ロコン!でんこうせっか!」

カスミ「スターミー!みずのはどう!」

 

ロコン「!」シュン、ゴス

スターミー「…!」

 

先制技でんこうせっかで削る

そして

 

スターミー「!!」もわん

ロコン「…!!」

 

ロコン「…」

バタン

 

ロコンは効果抜群のみずのはどうを受け

戦闘不能になった

俺はロコンをボールに戻す

 

----------

 

はちまん「サンキュ。後は、俺とカラカラに任せろ」

カラカラ「…!」ぐっ

はちまん「行くぜ、カラカラ」

 

俺はカラカラを前に出させる

ズバットとロコン

2匹が作った勝機をものにするために

 

----------

 

はちまん カラカラ VS カスミ スターミー

 

3ターン目

 

はちまん「カラカラ!ホネブーメラン!」

カスミ「スターミー!みずのはどう!」

 

カラカラ「!…!」バシッ…バシッ

スターミー「…!……!」

 

スターミー「!!」もわん

カラカラ「…!!」

 

カラカラ「…!」ふらふら

 

スターミー「…!」ぼう

 

先に動いたのはカラカラ

ホネブーメランで着実にダメージを与えていく

スターミーはカラカラにとって効果抜群のみずのはどうを繰り出してきた

だが耐える

そしてほのおのうずの効果でダメージを蓄積していく

そろそろか、ここから運にかける

 

 

4ターン目

 

はちまん「カラカラ!きあいだめ!」

カスミ「スターミー!じこさいせい!」

 

カラカラ「!」ぐっ

 

スターミー「〜♪」キラキラ

 

スターミー「…!」ぼう…シュン

 

計画通り

カラカラはきあいだめで急所を狙う

スターミーは体力を回復するためにじこさいせい

そしてほのおのうずの効果はこのターンで消えた

そして俺の考えたスターミーを倒す作戦

『急所に当てて倒す』決行

 

はちまん「カラカラ」

カラカラ「…」

はちまん「大丈夫だ当たる、いや…当てろ」

 

カラカラ「………………カラ!」

 

 

5ターン目

 

はちまん「カラカラ!トドメのホネブーメラン!」

カスミ「スターミー!みずのはどう!………え?トドメ?」

 

カラカラ「………!!」ぐぐぐっ

 

カラカラ「カラ!」バシッ

スターミー「…!!」

 

カラカラ「カラ!」バシッ

スターミー「…!!」

 

 

カスミ「………え!?」

 

 

スターミー「…!!」

バタン

 

 

カラカラのホネブーメランがどちらも急所に当たり

スターミーは戦闘不能

勝負は決した

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

カスミ「…………………え?」

 

俺とカラカラは勝った

そして小さくハイタッチ

うまくいったね♪ハイタッチ♪

 

はちまん「んじゃ、ジムバッチ。ほら」

 

俺はバッチを貰うため手を出す

ん?あれ?カスミ?

何でほうけてんの?

あ、漏らし………

 

カスミ「……!」どがっ

はちまん「…え!?ぐふぅっ!?」

 

カスミが消えたと思ったらボディーブロー貰ってた

何で!?もしかして心読まれた!?

あなたへの気持ちもお見通しなの!?

というかバトル場の端からこっちまで一瞬できたの!?

怖いよ!スーパーハナダ人だったの!?

 

はちまん「お、おい…。こんなもんより…。バッチ…」

カスミ「うるさい!ちょっと待って!今状況を整理するから!」

はちまん「え?何で?」

カスミ「だ、だって!ホネブーメランのどっちの攻撃も急所に当たるなんてそんな事……」

はちまん「いや、ありえるだろ?昨日もやったし」

カスミ「だったら尚更よ!そんなポンポン出されてたまるか!」

 

はちまん「ふっ馬鹿め。そんな考え方だからダメなんだ」

 

カスミ「は?」

はちまん「ふん。俺がホネブーメランを指示する前にカラカラに何をさせたか忘れたか?」

カスミ「え?きあいだめでしょ?それがどうしたの?」

はちまん「そのままだ」

 

はちまん「つまり、気合いの入れ方が違ったんだよ」

 

そう、ここはゲームの世界じゃない現実だ

ゲームじゃ確率という考え方がどこにいこうがひっついてくる

だが現実は違う

気合いがあればなんでもできる

…事がなくても自分の集中力を高めると上手くいく事が多いだろう

勉強する時だって集中すれば作業効率が格段に向上する

 

きあいだめという技は以前も説明したように

 

『気合いを入れ、集中力を高めることで。しっかり相手を見極め、1番効果的な部位を攻撃するようになる』

 

つまり気合いの入れようによっては急所に当たる確率が格段に上がるという事だ

今回はズバットやロコンのため

そして勝つためにカラカラは物凄い気合いを入れていた

だから急所に当たったという事だ

 

考え方、やり方によってはチートに見える結論

すごいね

ご都合主義を注意しててもすごいね

 

カスミ「そ、そんな…」

 

カスミはまだ信じられないようだ

そりゃそうだ

俺だって始めは信じられなかったよ

この作戦とも言えない作戦を考えたのは昨日追いかけたロケット団との戦闘の後だ

その時は『カラカラが調子良いからいけるだろ』ぐらいしか考えてなかったが

ロコンに諭され

カラカラ達の覚悟した顔を見て

絶対に出来ると思った

まあ、本当に俺の気合いの入れ方云々の説明が正しいとは言えないが

それでもコイツらの覚悟を信じた

そしてカラカラがそれに応えた、応えてくれた

 

カスミ「は、はは…。はぁ。わかったわ。いや、本当はよくわかってないけど。私の負けは認めるわ」

はちまん「そうか」

カスミ「ほら。これがブルーバッチよ」

はちまん「おう、サンキュ」

 

俺はカスミからブルーバッチを受け取る

キレイな水色だ

 

観客「「「わあああああ!!!」」」

はちまん「よし、帰ろう」

 

俺がバッチを受け取った事で観客が沸き立つ

それに呼応するように俺の帰省本能が活性化する

こんな周りから注目されるようなところにいつまでもいれるか!

俺はカスミとは違いアシカじゃな……

 

カスミ「…」ごすっ

はちまん「ぐほぉ!?」

 

ねぇ!

心読むのやめろっつってるよね!

というか今日どんだけぶっ叩かれるんだ!?

あ、ロコンを早く治してやらないと

 

はちまん「なあ、もう帰っていいか?」

カスミ「まだよ。はい、トレーナーパス。これでここのジムから支給されるから」

はちまん「おい、いつのまにパスを取りやがったんだ」

カスミ「で、ほら賞金。あと技マシンのみずのはどうね」

はちまん「お、おう」

 

賞金って…

また100万なのか?

ニビでもらった100万まだ全然減ってないんだけど

このハナダジムでも100万貰っ………ん?

 

ハナダ………100万………あれ?何か思い出せそうな

 

 

カスミ「どったの?急に黙り込んで、気持ち悪い」

はちまん「うん。もう帰りたいからその言葉は不問にしてあげる」

カスミ「それじゃ、また会いましょ」

 

そう言って手を差し伸べられる

俺はカラカラを見た後

それに応えた

 

 

こうして二個目のバッチを手に入れた俺は逃げるようにハナダジムを後にした

 

 

 

 

 

 

はちまん「へっくしょん!!」

あ、服びちょびちょだ

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

47話 ハナダジム勝利後

今回で長かった四章も終わりです

次回はステータス回です


#ハナダシティポケモンセンター喫茶店

 

昼頃

ハナダジム挑戦後

ポケモンセンターで

カラカラ、ズバット、ロコンを回復した後

服がびちょびちょだったので風呂に入った

今は風呂上がりに喫茶店で小さな祝勝パーティを開いている

というわけで

 

〜今日のティーメニュー〜

 

はちまん、ケーキとカフェオレ

カラカラ、ケーキとミックスオレ

ズバット、ケーキとトマトジュース

ロコン、ケーキとオレンジジュース

 

〜6200円

 

いつぞや食べたケーキを食べている

高い

昨日の雪乃達に奢った時より高い

だが!そんなものどうでもいい!

何故なら!

ハナダジムで貰った賞金なんと

 

200万!

 

ニビの倍!

夢の億万長者間近!

はっはっは

 

お金怖い

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん「それにしても何か思い出せそうなんだが、何だ?ハナダ…100万…ん〜」

 

ま、いいか

今はこの勝利を祝おう

今回はニビのようにカラカラだけじゃなく

ズバットもロコンも頑張った

お、そうだ

 

はちまん「ズバット」

ズバット「?」

はちまん「ほれ、ハイタッチ」すっ

ズバット「〜♪」ぱん

 

俺はカラカラとの恒例となっていたハイタッチをズバットとした

ズバットはつばさで叩いてくる

よし、次は…いやいいか

どうせやらな………

 

ロコン「…」バシッ

はちまん「いてっ」

ロコン「…」ジッ

はちまん「わかったよ。ほれ、ハイタッチ」すっ

ロコン「…」ぽふっ

 

俺の手に前足でハイタッチ

お、肉球

やったぜ

 

はちまん「んじゃ、流れ的に。カラカラ」

カラカラ「カラ!」

はちまん「ほれ、ハイタッチ」すっ

カラカラ「カラッ!」ぱんっ

 

よしこれでオッケー

うまくいったらハイタッチだ

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ゆい「ただいまー!」

エリ「ただいまー!」

いろは「ただいまですっ!」

 

ん?帰って来たのか

説明すると

雪乃、結衣、いろは、エリ、ナァ

この5人は今日の朝から出かけていた

ナァにこの街を案内してもらいながら買い物に行っていたのだ

何でか知らんがあの5人仲良くなっている

べ、べつに寂しくないんだからね!?

 

エリ「あー!はちまんくん美味しそうなの食べてるー!」

ゆい「あー!ケーキだ!いいなー!」

はちまん「うるさい小娘ども。これは俺達のもんだ。やらん」

ゆいエリ「「ぶーぶー」」

 

ゆきの「余裕綽々にそんなもの食べているということは勝ったんでしょうね?」

はちまん「ん。まあほとんど運だったがな」

ナァ「じゃあはちまんさんもカスミさんに勝ったんですね」

いろは「おめでとうございますっ!せんぱいっ!」

はちまん「おう」

 

その後各々また昨日と同じ注文をして席についた

今度は奢ってないからな

 

ゆい「あれ?ヒッキーお風呂上がり?」

はちまん「ああ」

ゆい「なんで?ジムでなにかあったの?」

はちまん「あー」ちら

ロコン「…」ぷい

ゆい「?」

はちまん「いや、あれだ汗かいたんだよ、多分」

ゆい「な、なんでそんなあややなの?」

ゆきの「…あやふやと言いたいのかしら」

 

あんな話し人に話せるか

俺の不徳の致すところとはいえ

でも見られてんだよなーカスミとかに

あー恥ずかしい

 

ゆい「じゃあお風呂上がりなら今日はもう動かないの?」

はちまん「んーどうするかなー。お前らがここにいるなら急ぐ必要ないし…というかお前ら次の目的地わかってんの?」

ゆきの「ええ。ナァさんから聞いたわ。このハナダの南にあるヤマブキという街は今封鎖されているようなの。だからその街の手前にある地下通路の入り口からクチバという街に行けばそこにジムがあると」

はちまん「ん、クチバね」

 

ヤマブキシティが封鎖

それはおそらくロケット団が原因だろう

まあそっちはまだいい

ただクチバジムの前には確かいあいぎりで切らなければならない木があったはず

いあいぎりは俺が昨日マサキから貰ったチケットで船に乗り

そこの船長から秘伝マシンを貰えばいい

まあ今日は行けないかな

時間はまだ昼だが今日は疲れたしな

 

はちまん「そうか、なら俺は明日クチバに行くわ」

ゆきの「そ。それじゃ由比ヶ浜さん、一色さん。比企谷君はこう言ってるけど、貴女達はどうするの?貴女達が決めていいわよ?」

ゆい「え!?えっと…わたしはまだいいかな…」

いろは「はいっ!私もまだせんぱいといますっ!」

ゆきの「わかったわ。それじゃあ明日クチバへ向かうとしましょう」

ゆい「うん!」

いろは「はい!」

 

というわけで

雪乃達も明日出発することになった

目的地はクチバシティ

 

エリ「え、えっと…」

ナァ「ん?どうしましたエリさん」

エリ「私はどうしようかな…」

ナァ「え?はちまんさんと一緒じゃないんですか?」

エリ「ううん、違うよ」

ナァ「じゃあついて行けばいいじゃないですか」

エリ「そうじゃなくてね」

ナァ「?」

エリ「…………よし」

 

ガタッ

エリ「はちまんくん!」

はちまん「うわ!?な、なんだよ!?」

 

急に大きな音たてないでほしいじょー

ビビるんだじょー

 

エリ「私!この街に残るよ!」

はちまん「あ、そう」

エリ「えぇ!?反応薄!?」

ナァ「え!エリさん、ついていかないんですか?」

エリ「いいの!ナァちゃん!私この街を守るんだ!」

はちまん「は?」

ナァ「え?」

 

エリ「だってこの街ってロケット団が沢山悪い事してたでしょ?全部はちまんくんがやっつけちゃったけど。でもまたこの街でアイツらが悪さするかもしれないじゃん!そんときナァちゃんやカスミさんだけだと何があるかわかんないし!だから私もこの街を守るよ!」

 

ナァ「エ、エリさん」

ゆい「エリちゃん…」

エリ「ね!いいかな、はちまんくん!」

はちまん「なんで俺に聞くの?」

エリ「いいから!どお?どお?」

はちまん「どおって…。いいんじゃねーの」

エリ「だよね!ごめんね?ついて行けなくて」

はちまん「いや、もともとそんなんじゃなかったろ。ま、頑張れよ」

エリ「うん!それじゃはちまんくん!」

はちまん「あん?」

エリ「私はちまんくんと一緒にいて楽しかった。短い間だったけどキミのおかげでいろんな友達ができたから。だからはちまんくん」

 

エリ「ありがとう」

 

はちまん「あ、えっと…。こちらこそ?」

エリ「何で聞いてくるの?」

はちまん「いや。………………あ、ありがとな」

エリ「おお、デレた」

はちまん「デレてねーよ!」

 

エリ「また会おうね、はちまんくん」

はちまん「おう、多分な」

 

 

 

 

ポケモン世界8日目

ジムバッチの2個目をゲットした俺

次なる目的地はクチバシティ

 

 

 

あ、自転車



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

今のはちまん達の状態

今回はステータス回です



はじめに

 

今回は雪乃、結衣、いろはの3人のステータスもまとめます

しかし前回みたいな長文を1人1人書いていくと、とんでもない文字数になるため人物の紹介は短めです

 

では

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

比企谷 八幡

<はちまん>

 

ポケモンの世界に来た高校生

最初のパートナーはカラカラ

元の世界では戸塚と小町がパートナー(妄想)

この世界で1人気ままに旅をしたいが

なかなかうまくいかない

マッカンを追い求める

 

ただいまのバッチ数

・グレーバッチ

・ブルーバッチ

 

図鑑に新しく記録されたポケモン

・フシギソウ

・リザード

・カメール

・トランセル

・コクーン

・ピカチュウ

・サンド

・ピッピ

・ロコン

・プリン

・ズバット

・マンキー

・ケーシィ

・スリープ

・ヒトデマン

・スターミー

 

持ち物

・ポケモン図鑑

・タウンマップ

・トレーナーパス

・バッチケース

・サンタアンヌ号のチケット複数枚

 

・モンスターボール 8

・キズぐすり 10

・いいキズぐすり 5

・どくけし 7

・まひなおし 5

・やけどなおし 5

・ねむけざまし 5

 

所持金 2974200円

 

手持ちのポケモン

[カラカラ]

レベル 22

 

こどくポケモン

じめんタイプ

とくせい いしあたま

せいかく ゆうかん

こせい かんがえごとがおおい

 

<覚えている技>

・アイアンヘッド

・ホネブーメラン

・きあいだめ

・にらみつける

※ハナダジム攻略後レベルアップ

 

八幡の最初のポケモン

目は灰色

ロケット団に母親を目の前で殺された過去を持ち

周りから距離を置いていた

八幡に少しずつ心を開いていく

甘党

 

 

[ズバット]

レベル 17

 

こうもりポケモン

どく/ひこうタイプ

とくせい せいしんりょく

せいかく ようき

こせい ひるねをよくする

 

<覚えている技>

・すいとる

・つばさでうつ

・かみつく

・あやしいひかり

※ハナダジム攻略後レベルアップし、その時ちょうおんぱの代わりにあやしいひかりを覚えさせた

 

八幡がオツキミ山で捕まえたポケモン

八幡のフードの中がお気に入りで隙があればそこで寝る

ゴルバットに進化したらどこで寝るかは不明

周りがぼっちだらけの捻くれ者ばかりなので

ズバットの呑気な性格は八幡達の清涼剤

じつは甘党

 

 

[ロコン]

レベル 15

 

きつねポケモン

ほのおタイプ

とくせい もらいび

せいかく おくびょう

こせい ぬけめがない

 

<覚えている技>

・ひのこ

・ほのおのうず

・でんこうせっか

・つぶらなひとみ

 

八幡が育て屋さんから預かったポケモン

育て屋で1匹だったところを八幡が交渉し連れてきた

ツンツンしていて周りを寄せ付けない

八幡の良きツッコミ役

周りをよく見ていて八幡を諭すこともしばしば

甘党

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

俺ガイルヒロインズのステータス(解説なし)

 

雪ノ下 雪乃

<ゆきの>

 

手持ちのポケモン

[リザード]

レベル 26

 

かえんポケモン

ほのおタイプ

とくせい もうか

せいかく れいせい

こせい まけずぎらい

 

 

-------

由比ヶ浜 結衣

<ゆい>

 

手持ちのポケモン

[フッシー(フシギソウ)]

レベル 24

 

たねポケモン

くさ/どくタイプ

とくせい しんりょく

せいかく わんぱく

こせい あばれることがすき

 

[ピピン(ピッピ)]

レベル 20

 

ようせいポケモン

フェアリータイプ

とくせい メロメロボディ

せいかく のんき

こせい のんびりするのがすき

 

 

-------

一色 いろは

<いろは>

 

手持ちのポケモン

[カメちゃん(カメール)」

レベル 24

 

かめポケモン

みずタイプ

とくせい げきりゅう

せいかく なまいき

こせい すこしおちょうしもの

 

[ピカちゃん(ピカチュウ)」

レベル 19

 

でんきねずみポケモン

でんきタイプ

とくせい せいでんき

せいかく むじゃき

こせい こうきしんがつよい

 

 

 

☆これからのヒッキー☆

ハナダジムを攻略し

次の目的地はクチバシティ

まずはそこへ行くため地下道路へ

クチバで八幡達を待ち受けているものとは

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

五章 クチバシティ
48話 Bicycle and is


#ハナダシティサイクリングショップ前

 

はちまん「う〜〜〜ん」うろうろ

カラカラ「…カラ?」

ズバット「zzz」

ロコン「…」はぁ

 

ポケモン世界8日目

俺、カラカラ、ズバット、ロコンはハナダジムを攻略し

一度ポケモンセンターに戻った

明日はクチバに行く事になっている

だが今俺はそんな事より重要な事がある

そう今日の昼ハナダジムを攻略したのはいいが

その賞金として貰った200万で

 

ゲームでは買えなかった100万の自転車が『今』買えるのだ

 

はちまん「ん〜〜ぐぐぐ。100万…100万…くそ〜ダメだ!買えん!買えるか!………でも自転車があれば快適な一人旅が………でも漕ぐのは俺だし………ぐぐぐ」うろうろ

 

というわけでさっきからずっとサイクリングショップの前でうろうろしながら悩んでいる

ちなみに雪乃達はポケモンセンターにいる

ここには俺と、うろうろしている俺を目で追いながら不思議そうにしているカラカラ、フードの中で寝ているズバット、呆れているロコンしかいない

 

はちまん「今買わなくても後々………でもそしたら育て屋さんクラスの話しを聞くかも………う〜ん」

ロコン「………」バシ

はちまん「いて!?な、何だ!?」

ロコン「…」くいっ

 

俺が悩んでいるとロコンが叩いてきた

俺、暴力系ヒロインは嫌だよ、早く路線変えてね

ロコンがアゴで示した方を見る

空だ、赤い

え!?火事!?

ではなく夕方でした

 

はちまん「げっもうこんな時間か…」

 

そろそろサイクリングショップも閉まるだろう

はぁ…やっぱゲームで出来ない事は現実でも出来ないのだろうか

諦めよ

早くポケモンセンターに戻って明日に備えないとな

後ろ髪を引かれながらポケモンセンターに戻る

何だったんだこの話

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ハナダシティポケモンセンター

 

はちまん「うーす」

カラカラ「カラッ!」

ズバット「zzz」

ロコン「…」

 

俺達は自転車を諦め

ポケモンセンターに戻った

俺は喫茶店へ向かう

そこには昼にいた面子がそっくりそのままいた

こら、居座っちゃ迷惑でしょ

ほら、係員の人も…あ、あの人はいいや

 

ゆい「あ、お帰りー」

いろは「お帰りなさいです!」

はちまん「おう」

ゆい「何しに行ってたの?」

はちまん「自転車見に行ってた」

ナァ「自転車ってあの100万円もする奴ですか?」

エリ「ひゃ、100万!?たっか!」

はちまん「ああ、だから諦めて来た…はぁ、気楽な一人旅が…」

ゆい「あ、あはは」

ゆきの「貴方は何時も一人なのだから自転車は関係ないと思うのだけれど」

 

はちまん「ふっ、わかってねーな。自転車は1人乗りだ。法律で2人乗りは禁止されているからな。ということはつまり自転車は法律に守られた最強鉄壁の1人だけでいられる乗り物なんだよ。車とか電車とか飛行機とか船とかそういう乗り物達は2人以上が乗り合わせたりする可能性が捨てきれない。だが!自転車は違う!2人以上が乗り合わせる事は無い!何故なら法律で守られているから!さらに、家や職場、公園や図書館なんかよりもずっと1人で居られる居場所でもある!いや、確かにツーリングという意味のわからない物もある!だが、そんな時でも気に入らない奴と鉢合わせしたり散歩中の奴と気まずい空気になったりしても、走り去るという最強の手段がある!結論を言おう、自転車とはぼっちの為の乗り物だと言っても過言ではない!!」

 

ゆいエリナァいろは「「「へ、へー、そ、そうなんだ」」」」

ゆきの「………はぁ」

 

あれ?何でみんな引いてんの?

自転車がどれだけぼっちの為にあるかを言っただけなのに

 

ゆきの「………貴方、小町さんと2人乗りしてなかったかしら?」

はちまん「妹と戸塚は別だ」

ゆい「即答!?というかそれじゃあさっきの話しはなんだったの!?」

 

いや何言ってんだ

人間の作った法律で天使が捌けてたまるか

 

ゆきの「………貴方の場合、運動が嫌で自転車を使おうとはしないと思うのだけれど」

はちまん「あたりまえだろダルいし」

ゆい「意味ないじゃん!?ホントなんだったのさっきの話し!?」

 

 

というわけでぼっち代表として欲しいのは山々なのだが

高いので自転車は断念

またの機会という事で

今日のところはおやすみなさい

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ハナダシティ南側出入口

 

おはようございます

先程ポケモンセンターでエリやナァ達と別れの挨拶を済ませ

クチバ方面の街の出入口まで来たのはいいのですが

ただ今めんどくさい事になっております

理由は簡単

雪乃達が一緒に行くというのです

 

ゆきの「私はどちらでもいいのだけれど」

いろは「私はせんぱいと行きたいですっ」

ゆい「わたしもヒッキーと一緒がいい!」

 

という事なのです

やっぱ自転車買えば良かったかな

こういう時自転車なら走り去れるしね

 

はちまん「はぁ…。前にも言っただろ。俺はカラカラがぼっち体質だから大人数で行くのは良くないって、何があるかわからんぞ」

ゆい「え?でもカラカラちゃん私達と普通にここにいるじゃん」

カラカラ「カラ?」

 

結衣はそう言って俺のそばにいるカラカラを見る

見られたカラカラ不思議そうに見返す

…確かに以前のコイツなら見返すなんて事しないよな

以前なら俺の影に隠れたりするはずだ

 

いろは「それに前まで全然鳴いてなかったのに今は普通に鳴いてますよね?」

はちまん「え?そうなの?」

いろは「気づいてなかったんですか!?」

はちまん「んー前からこんなんじゃなかった?」

いろは「絶対違いますよ!だって私達がニビで会った時だって一昨日ハナダで再会した時だって一度も鳴いてませんでしたよ!」

ゆい「あ、ニビの時ってカラカラちゃん私達見て震えてたけど、ここ最近はそんな事なかったよね?」

はちまん「んー」

 

俺はカラカラを見る

何の話?と言わんばかりのキョトン顔だ

雪乃達と一緒にいる事が当たり前のように

もしかして人に慣れてきた?

何でだ?

そりゃあここ最近いろんな奴に会ったが別段何もなかったはずだ

コイツの中で何かが変わったのか?

俺がカラカラの変化に戸惑っていると

ずっと黙っていた雪乃さんが動いた

 

ゆきの「はぁ…。だったらもういっそのこと、一度私達と行動してみればいいんじゃないかしら?」

はちまん「し、しかし何があるか…」

ゆきの「何かあった時は私達が離れればいいでしょう?いつまでもこんな所で燻ってるよりはいいと思うのだけれど」

はちまん「そりゃあ確かにそうだが…」

ゆきの「それに貴方、どこか気負い過ぎに見えるわ。難しく考え過ぎなんじゃないの?」

はちまん「いや…そんな事は…」

 

ゆきの「それともその子以外の私達と行動したくない理由があるのかしら?」

 

はちまん「………」

 

やっベー

雪乃さんにバレてる

俺が普通に一人旅を満喫したいって思ってるのバレてる

何でバレたんだ?

あ、昨日自転車のくだりで言っちゃってたわ

てへ☆

まあそれ以前にバレてそうだがな

 

ゆきの「貴方のそんな下らない理由で進む足が遅くなるのは不愉快なのだけれど。貴方の自己満足に付き合っている暇はないのよ」

はちまん「うぐ…」

ゆきの「その子を理由に私達と一緒に行動したくないのならそれで良いわ。でもそれはその子の心の成長を妨げる、或いはそれがその子にとってのストレスになるかもしれないでしょう?」

はちまん「ぐ…」

ゆきの「1人でいようとするのは構わないわ。でもオツキミ山の時のように勝手に危険な場所に行かれても困るのよ。貴方のこの世界の知識が私達には帰る為に必要なの」

はちまん「ぐぐ…」

ゆきの「それにオツキミ山での借りもあるわ。貴方が一緒に行動してくれたら返しやすいのだけれど」

はちまん「そ、それはお前が勝手に………」

ゆきの「何?」ギロ

はちまん「な、何でもありません」

 

ゆい「ゆ、ゆきのん怖い」

 

 

というわけで俺達4人は一緒にクチバへ向かう事に

そして同時に俺の一人旅終了

どうしてこうなった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

49話 Underground passage

#5番道路

 

育て屋さん「おー!はちまんくん!」

はちまん「げ」

 

ポケモン世界9日目

遺憾ながら俺、雪乃、結衣、いろはの4人

そして4人のポケモン

カラカラ、ズバット、ロコン、リザード、フッシー、カメちゃん、ピピン、ピカちゃんの8匹

ぼっちにとってとんでもない数でクチバに向かう事になった

 

ハナダシティから出て、5番道路に差し掛かると育て屋さんが俺を見つけ呼んで来た

話しが長いおじいちゃんです

 

育て屋さん「いやー!一昨日会ったばかりじゃが、元気にしとったか?」

はちまん「ど、どうも」

いろは「せんぱい、どなたですか?」

はちまん「育て屋さんだ。この5番道路で育て屋をしてんだよ」

ゆい「そだてやさん?それってどん……ムグッ!?」

 

余計なことを聞こうとする結衣の口を押さえる

あ、あぶねー

そんな事聞いたら朝まで話すぞ、あの人

いい人だけどね

 

はちまん「後で話す今は何も喋るな、いいな?」(小声)

ゆい「む、むん」///こくこく

 

俺はこれ以上余計なことを喋らないように釘を刺す

 

育て屋さん「はっはっは!モテモテじゃの、はちまんくん!」

はちまん「そんなんじゃないです」

育て屋さん「そうか?ところであの子は?」

はちまん「ロコンですか?ならここに」

 

俺は足元にいるロコンをさす

ものすんごい逃げる体制なんだが

恩人だよね?

カラカラも逃げようとしてるし

あ、ズバットは寝てます

 

育て屋さん「………やはり、君に預けて良かったようじゃ」

はちまん「え?」

育て屋さん「わしならそんな近くにその子を寄せる事は出来んかったじゃろう」

はちまん「………」

ゆきの「あの、何があっ……むぐっ!?」

 

俺は結衣に続き何か聞こうとする雪乃の口を塞ぐ

後が怖い

 

はちまん「後で話す」(小声)

ゆきの「〜〜〜」///こくこく

 

いろは「むう。あの……」

はちまん「いろは」

いろは「え?」

はちまん「洒落にならん」(小声)

いろは「え、そんなにですか」(小声)

 

2人に続き何故か余計な事を聞こうとしていたいろはを止める

ふざけてやっていい事と悪い事がある

3人を黙らせた後

俺は育て屋さんに話しかける

 

はちまん「育て屋さん」

育て屋さん「うん?」

 

はちまん「俺はハナダジムで勝つことができました。コイツのおかげです。コイツがいなければ勝てませんでした。コイツは良く周りを見ています。会ったばかりの俺に核心をついた忠告するくらいに。なので貴方がコイツを気遣っていた事は分かっているはずです。だから貴方に近づこうと、近づけまいとしていたのは育て屋にいる他のポケモン達の為です。誰のせいでもありません。だからあまり気にしないでください。コイツの為にも」

 

育て屋さん「……ふふ、そうか」

 

ロコン「………」

 

 

育て屋さんはそれから何も言わなかった

育て屋さんと別れ

俺達は5番道路を後にした

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#地下通路

 

俺達は地下通路を通っている

その間に育て屋さんについて話した

 

ゆい「…」///

ゆきの「…」///

 

その間雪乃と結衣

照れてました

話し聞いてた?

 

いろは「むうぅ」

 

その間いろは

むくれてました

話す必要あった?

 

ロコン「………」てくてく

 

俺は隣を歩くロコンを見る

いつも通りのように見えるがどこか寂しさを感じる

顔が少し俯いて下を見ている

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

こういう時葉山とかだったら慰めようとするんだろうな

本当なら俺もそうしたい

だがコイツはぼっちだ

 

ぼっちってのは

1人で何でもできると考えているわけじゃない

1人で何とかしようとしているだけだ

特に自分の事に関しては

コイツは今自分の気持ちを一生懸命整理している

整理して進もうとしている

 

きっと誰も助けてくれない

だから自分の事ぐらい自分だけで頑張りたい

誰にも邪魔されたくない

自分の足で進もう、進みたい

 

今はそう決心する時間だ

1人で踏み出そうとする時間

時間いっぱい使って踏み出そうとする

それを邪魔する事は出来ない

 

自分の時間ぐらい自分だけでいさせてやりたい

自分の決心ぐらい自分だけでやらせてやりたい

 

もしそれが間違ってたら俺が諭せばいい

コイツにされたように

 

コイツは俺よりしっかりしてるからな

ま、大丈夫だろ

すぐに前を向く

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

しばらくすると出口が見えて来た

外の光が見える

 

 

 

 

俺は隣を歩くロコンを見る

ほらコイツはこういう奴だ

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

50話 Multi Battle



クチバでもらえるバトルサーチャーをどうするか悩んでます
新機能を追加しようかなと考えているんですが

あ、ボイスチェッカーは出しません
オリジナルの内容を考えるのが難しかったので
ふざけたおそうとしてたんですけどね
待っていた人、ごめんなさい


申し訳ございません
51話のサブタイトルを直した後
こっちの次回予告の英語を直すのを忘れていました
戸惑った方本当に申し訳ございませんでした




#6番道路

 

俺達は地下通路を抜け

クチバシティへと続く6番道路に来ていた

 

そして雪乃が暴走した

 

ゆきの「貴方達此処で待ってなさい私は今からあの野生のニャースを捕まえに行くから」たたた

 

はちまん「」

ゆい「」

いろは「」

 

地下通路から出て

雪乃が何か見つけたと思ったら間髪入れずにこの台詞

そしてニャースがいる草むらへ向かっていった

 

はちまん「………なあ、今までもこんな感じだったのか?」

いろは「………一回誰かのニャースを見た時がありましたね」

ゆい「………その時は動こうとしなかったから大変だった」

いろは「………無理矢理引きずって行きましたね」

ゆい「………その日の夜ニャースの写真見てたよ」

はちまん「………重症じゃねーか」

いろは「………で、次の日カフェでエネココアを見つけて」

ゆい「………頼んだのに冷めるまで」

いろは「………にゃー」

ゆい「………にゃー」

いろは「………にゃー」

ゆい「………にゃー」

はちまん「………そうか」

 

 

雪乃はニャースを捕まえた

鬼気迫る雰囲気だった

リザードもニャースも怯えてた

 

ゆきの「やった!やった!」ぴょんぴょん

 

今までの雪乃様はどこ行った?

というぐらいはしゃいでらっしゃる

誰だアレ

 

???「おい!そこのお前ら!」

???「ちょっと待ちなさい!」

 

ゆきの「あら?何かしら」スン

 

はちまん「えっ」

ゆい「えっ」

いろは「えっ」

 

誰かに声をかけられた

いやそんな事より

雪乃がはしゃいでいた『ゆきのんねこフィバー』から

急にテンションが戻ったからリアクションが間に合わない

 

コウタ「俺の名前はコウタ!」

ナズナ「私の名前はナズナ!」

 

待って待って勝手に名乗らないで

今は身内の情緒不安定な言動を許容してる途中だから

 

ゆきの「私は雪乃よ、何か御用かしら」

 

おい話しを進めるな

今お前にどんな言葉をかけようか考えてんだから

 

コウタ「ふっ、トレーナーのようと言ったら」

ナズナ「ふっ、決まっているでしょう?」

 

あ、ダメだ

もう間に合いそうにない

 

ゆきの「ポケモンバトル、かしら」

 

こうなったらこのビッグウェーブに乗るしかない

放心している2人を起こす

 

はちまん「………おい、お前らなんか始まるっぽいぞ」

ゆい「………あれ、わたしは一体何を見てたの?」

いろは「………理解が追いつきません」

はちまん「………いや、もう忘れよう」

ゆい「………そうだね」

いろは「………何もしてないのに疲れました」

はちまん「………はぁ」

 

どうしよう

あの会話入った方がいいのかな

 

コウタ「そうだ!」

ナズナ「そうよ!」

ゆきの「あら、でも貴方達は2人でしょう?」

 

いや、もう入れそうにないな

どんどん話しが進んでいく

 

コウタ「だったら2人で戦う!」

ナズナ「だからそっちも2人で戦え!」

ゆきの「2人同士で戦うという事かしら」

 

ん?それってマルチバトルか?

2vs2のポケモンバトルだよな?

 

コウタ「そうだ!」

ナズナ「そうよ!」

コウタ「お前らの中から」

ナズナ「誰か2人」

コウタ「俺達と!」

ナズナ「戦え!」

 

ゆきの「わかったわ。なら私とあそこの目の腐った男が相手よ」

 

あん?

なんか勝手に決められた

さっきまで俺蚊帳の外だったのに

あと結衣といろはも

てかこれ会話に入らないといけないじゃないか

 

はちまん「おい、勝手に決めるな」

ゆきの「いえ、理由はあるわ。貴方が戦っている所をニビから見てないの。これから先何があるかわからないでしょう?だから貴方の今の実力を見ておこうと思ったのよ」

はちまん「いや…。はぁ、疲れたからいいや。さっさと終わらそう」

ゆきの「…?何もしてないでしょう?何で疲れるのかしら」

はちまん「………さあな」

 

なんかもう早くクチバのポケモンセンターに行って寝たい

結衣もいろはも疲れた顔してるし

疲れたから解説も雑です

新しい試みなのにごめんね

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

トレーナー戦 マルチバトル

 

ゆきの リザード VS コウタ オニスズメ

 

はちまん カラカラ VS ナズナ ポッポ

 

1ターン目

 

ゆきの「リザード!ポッポにひのこ!」

コウタ「オニスズメ!カラカラにつばめがえし!」

ナズナ「ポッポ!リザードにたいあたり!」

はちまん「カラカラ、にらみつける」

 

リザード、ひのこ

リザード「!!」ボウッ

ポッポ「…!!」

 

ポッポ「…!」ふらふら

 

オニスズメ、つばめがえし

オニスズメ「!」シュンバ

カラカラ「…!」

 

ポッポ、たいあたり

ポッポ「!」ゴスッ

リザード「…!」

 

カラカラ、にらみつける

カラカラ「!」キッ

オニスズメ「…!」

ポッポ「…!」

 

動いた順番は

1、リザード

2、オニスズメ

3、ポッポ

4、カラカラ

 

リザードはひのこ、ポッポは瀕死寸前、強すぎ

オニスズメはつばめがえし、必中のひこうタイプな技がカラカラに

ポッポはたいあたり、リザードにダメージ

カラカラはにらみつける、にらみつけるは相手2匹に効果がある

 

ポッポは次のターンで倒せるかな

 

 

2ターン目

 

ゆきの「リザード!ポッポにひっかく!」

コウタ「オニスズメ!リザードにつばめがえし!」

ナズナ「ポッポ!リザードにでんこうせっか!」

はちまん「カラカラ、オニスズメにアイアンヘッド 」

 

ポッポ、でんこうせっか

ポッポ「!」ヒュン、バシッ

リザード「…!」

 

リザード、ひっかく

リザード「!!」シャッ

ポッポ「…!!」

 

ポッポ「…」

バタン

 

オニスズメ、つばめがえし

オニスズメ「!」シュンバ

リザード「…!」

 

カラカラ、アイアンヘッド

カラカラ「!!」ガーン

オニスズメ「…!!」

 

オニスズメ「…」

バタン

 

ポッポは先制技のでんこうせっかでリザードにダメージを与える

リザードはきっちりポッポを倒す

オニスズメはつばめがえしでリザードに追い打ち

カラカラは久々のアイアンヘッド 、一撃でオニスズメを沈めた

 

ゆきの&はちまんの勝利

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

コウタ「くそー!覚えてろよ!またリベンジしてやる!」

ナズナ「もおー!覚えてなさい!リベンジしてやるわ!」

 

そう言って、誰だっけ

まあ2人組は帰っていった

もう本当疲れた

 

はちまん「………おい、結衣、いろは。さっさとクチバのポケモンセンターに行くぞ」

ゆい「………うん」

いろは「………はい」

ゆきの「…?どうしたのかしら、貴方達」

はちまん「………」

ゆい「………」

いろは「………」

ゆきの「?」

 

 

はちまんです

初めてのマルチバトルなのに

疲れまくって適当でしたね

次回までは多分元気になってます

 

次回 Vermilion City

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

51話 Vermilion City

すみません
サブタイトルの英語間違えてました
なので以前のと変えています
ご了承ください


ゆい「うわあー!海だー!」

 

これ、叫んだほうがいいかな

だってリア充になった時こう言うの叫ぶんでしょ

はちまん知ってるよ

あ、リア充になる予定ないわ、てへ☆

 

いろは「せんぱいっ!泳ぎましょうよ!」

はちまん「え!?いいのか!?いや、ダメだろ!」

ゆい「あ!そうだね!水着がないや!」

いろは「ハッ!もしかして私が海を見て水着がないのにもかかわらず泳ぎたい衝動が抑えられず裸で泳ぐと思ってここに連れて来たんですか!?ヒドイです!せんぱいっ!」

ゆい「えぇっ!?ヒッキー!エッチ!」

はちまん「はあ!?いや!んなわけねーだろ!そんな事するくらいなら帰って寝るわ!」

いろは「なんですと!?私にそれだけの魅力がないとでも!?ヒドイです!せんぱいっ!」

ゆい「えぇっ!?ヒッキー!サイテー!」

はちまん「じゃあどーすりゃいいんだよ!?」

 

ゆきの「………。あの…どうしてそんな無理に騒いでいるのかしら」

 

はちまん、ゆい、いろは「「「元気アピールです!」」」

 

というわけでやってきましたクチバシティ

冒頭から変なテンションでごめんなさい、八幡です

文句なら雪乃のやつに言ってくださいね

あいつの所為で前回いつも以上にグダグダだったんだから

大袈裟だって?

いや同行者がいきなりあんな奇行しだしたら怖いぞ

初めてのマルチバトルだってのに

後なにげにオニスズメ初登場だったよ

 

まあそれはともかくクチバシティ

眼前に広がる青い海

白い雲

工事中の場所があるのかドンドンうるさい

それでも素敵な街ですクチバシティ

磯の香りがいい雰囲気を醸し出しています

 

………

もういいかな

もうテンション戻していいかな

この薄ら寒い仮面外していいのかな

でも怖いのよ

外した途端に今の自分を思い出して

悶える未来が見えるのよ

下手したら海に飛び込むかもしれない

だからこれだけは伝えます

 

俺は

俺達は今日も元気です

 

じゃあ伝える事伝えたんで

いつものテンションに戻ります

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#クチバシティ

 

俺達は地下通路を抜けてクチバシティに来ている

海が見える

波の音が聞こえる

磯の香りがする

水兵の格好をした人

釣り人

ここは海の街ってのがありありとわかる

だが、今日はそれだけじゃないようだ

 

ゆきの「…?燕尾服やスーツ、ドレスを着ている人が多いわ。何かあるのかしら」

いろは「わー!お金持ちっぽい人達が沢山います!」

ゆい「パーティーでもあるのかな?」

はちまん「あー、それなら……。こっちだ」

 

俺は雪乃達の疑問に答えるべくあるものを探し

そちらへと向かう

 

ゆい「わー!おっきい船!」

いろは「見てくださいっ!あそこ!いっぱい人があの船に入って行きますよ?」

ゆきの「賑やかね。これは…?」

はちまん「あの船はサントアンヌ号って言って、あそこで結衣の言う通りパーティーがあるんだよ」

いろは「んー、でもお金持ちのパーティーって感じがします」

はちまん「だろうな。招待された奴しか入れないっぽいし。このカントー地方でも有名な奴が選ばれてんだろ」

ゆきの「じゃあ私達は無縁の事と言うわけね」

はちまん「いや、そーでもない」

ヒロインズ「「「え?」」」

 

俺はバッグからマサキから貰ったチケットを出す

 

はちまん「ここにその招待券がある」

ゆい「ええぇ!?な、何で持ってるの!?ヒッキー!?」

ゆきの「貴方、窃盗は犯罪よ?」

いろは「え、先輩。盗っちゃったんですか?」

はちまん「ちげーよ!俺が知り合ったマサキって奴がくれたんだよ。こう言うのに興味無いからあげるって、ほらこんなに沢山」

いろは「な、何でこんな沢山……」

ゆきの「本当に盗って無いのよね?」

はちまん「興味無くて無視してたらこんなに来たらしい。それだけマサキに来て欲しかったんだろ」

ゆい「そのマサキって人。どこで知り合ったの?」

はちまん「まあ色々あって一晩泊めて貰ったんだよ」

ゆきの「その人、それだけ優遇されるってどういう人なのかしら」

はちまん「さあ?自分で言うには変なポケモン好きって言ってたな」

ゆい「自分で変なって言っちゃうんだ」

はちまん「ま、いい奴だったな」

いろは「先輩がそう言うって事はすごいいい人なんでしょうね」

はちまん「まぁな。俺が頭にドアをぶつけても、マダヅボミと合体させて笑っても許してくれるような奴だからな」

ゆい「何があったの!?」

 

本当いい奴だったな

例えるなら葉山と戸部を合体させたような性格だな

『キマシタワー!』

ひいぃ!?脳内に直接腐女子が!?

 

ゆきの「では、あのパーティーに参加するのかしら」

はちまん「まあ人数分以上にあるし参加できるけど。このパーティー、チケットに書かれている事によれば何故か一ヶ月くらい続くらしい」

ゆい「え!?何でそんなに!?」

はちまん「さあ?」

いろは「暇なんですかね」

はちまん「だろうな」

 

この船確かゲームでは主人公が船長からいあいぎりを貰い

船から出ると出航したはずだ

まあ多分ゲームから現実になって

船にたどり着く前に出航されたら困るからこんなに長いんだろう

下手したらもっと長くなる可能性がある

 

はちまん「ま、だからそんなに急がなくてもいいだろ」

ゆきの「ならクチバジムに向けて眺める……ゴホン、鍛える時間はあるのね?」

はちまん「……ああ」

 

どうせニャースを眺めるとか言いかけたんだろ

ニャース…ご愁傷様です

 

ゆきの「それじゃあとりあえずポケモンセンターに行きましょうか」

いろは「はい!」

ゆい「うん!」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#クチバシティポケモンセンター

 

俺はクチバシティのポケモンセンターで部屋を借りて荷物を置くと雪乃達が待っている喫茶店に来た

なんかポケモンセンターに来たら喫茶店に来る習慣が出来てしまった

 

ゆきの「さて、では鍛えるためにまた6番道路へ行きましょうか」

はちまん「いや、待ってくれ。そこ以外にもクチバの東から出た所にも草むらがあるんだ」

ゆい「ん?だからどうしたの?」

はちまん「せっかく二ヶ所もあるんだ別々に行こう」

いろは「えー」

はちまん「同じ所で鍛えるより効率いいだろ」

ゆきの「そうね」

はちまん「と、言うわけで俺は東、お前ら3人は北へ行け。じゃあな」

ゆい「ま、まって!」

 

1人で鍛えるためそそくさとポケモンセンターから出ようとすると結衣に止められた

 

はちまん「あん?」

ゆい「わ、わたしもヒッキーと一緒に行く!」

いろは「え!?結衣先輩ずるいですっ!私も先輩と行きます!」

はちまん「えー」

ゆい「だ、だってわたしまだ弱いから、ポケモンのことよく知ってるヒッキーに教えて欲しいの!」

いろは「私も!」

はちまん「雪乃に教えてもらえば?ポケモンについてもうほとんどわかってるだろ。さっきの戦い普通に強かったし」

ゆきの「私は構わないわよ?」

ゆい「え!?えっと…。そ、そう!ゆきのんが2人を教えるより、ヒッキーとゆきのんが1人づつ教えたほうが…えっと」

いろは「効率が良いんです!」

ゆい「そう!それ!」

はちまん「う〜〜ん」

ゆきの「一理あるわね」

 

ゆきの「それではジャンケンで決めましょう。勝ったほうが私、負けたほうが…えっと…に教授してもらうという事で」

はちまん「待て、まだ教えると言ってないぞ。それに俺の名前ちゃんと言えよ。まさか忘れてないよね?」

ゆきの「いえ、まだ時間があるのだし教えてやっても構わないんじゃないかしら。教える事でこの子達が危険になる事も少なくなるでしょう?ロケット団にいつ遭遇するかわからないのだし」

はちまん「た、確かに………」

ゆきの「それに貴方は見てないからわからないでしょうけど、この子達もこの子達なりに頑張っているのよ。元の世界に戻るために」

はちまん「………………はぁ、わかった」

ゆい「ホント!?やったー!」

いろは「やりましたね!結衣先輩!」

 

というわけで何故かポケモンバトルを教える事になった

んで、どっちに教えて貰うかのジャンケン

 

ゆい「さーいしょーはグー!」

いろは「じゃーんけーん!」

 

結いろは「「ポンッ!」」

 

その結果は……

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

52話 Tell your Issiki iroha



えージャンケンの結果ですが
コイントスで決めました

次回結衣もやりますが時間軸は一緒です


すみません
完成する前に間違えて投稿してしまったので
以前に見てもらった方は内容が変わっています
申し訳ございません


#11番道路

 

野生ポケモン戦

 

いろは カメちゃん VS サンド

 

いろは「カメちゃん!あわ!」

 

カメちゃん「!!」ぽわぽわ

サンド「…!!」

 

サンド「…」

バタン

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

いろは「どうですかっ!せんぱいっ!」

 

カメちゃん「カメっ!」キラン☆

 

はちまん「うーん」

カラカラ「カラ」

ズバット「zzz」

ロコン「…」

 

俺は今11番道路で

ポケモンセンターでのジャンケンの結果いろはの特訓を見ている

日はたっていない

明日は何故か結衣の特訓を見る事になった

あの、俺の特訓する暇ないじゃん

しかし教えると言っても正直何もない

だってコイツ俺より強いし

今戦ってたサンドも一撃で倒したし

 

はちまん「うーん、特に教える事は無いと思うけどなぁ。だからもういいだろ」

 

いろは「えー?そうですか?でもでも私もまだ知らない事がありますし!」

 

はちまん「例えば?」

 

いろは「えーと、ほらタイプってあるじゃないですか?」

 

はちまん「あるな、それが?」

 

いろは「私まだ良く分かってないんですよー」

 

はちまん「ん?わかってないってどういうふうに?あれか?何タイプに何タイプが効かないとかか?」

 

いろは「そーなんです!この前ピカちゃんにサンドと戦ってもらったんですが負けちゃったんです…」

 

はちまん「あーなるほどわかった。じゃあその辺説明すればいいか?」

 

いろは「はい!お願いします!」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

ポケモン同士の戦いで技が効かない時がある

それはタイプ相性の問題だ

使った技のタイプが相手のタイプに効果がなければダメージを与えられない

まとめるとこんな感じ

 

技→効かないタイプ

 

ノーマルタイプ→ゴーストタイプ

ゴーストタイプ→ノーマルタイプ

かくとうタイプ→ゴーストタイプ

でんきタイプ→じめんタイプ

じめんタイプ→ひこうタイプ

どくタイプ→はがねタイプ

エスパータイプ→あくタイプ

ドラゴンタイプ→フェアリータイプ

 

この8通りある

ダメージが与えられなければ勝てない

こちらの技が相手のタイプに効かないと思ったら交代するのが無難だ

まあそれを逆手に取る事も出来る事は出来る事が

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

いろは「ふむふむ、なるほど」

 

はちまん「お前の場合、ピカチュウがじめんタイプと当たる時にカメールに変えればタイプ相性的に負ける事は無いだろう」

 

いろは「ふーむ。じゃあ私の今の手持ちで危なそうなタイプって何ですか?」

 

はちまん「んーと。今のところくさとでんきタイプくらいだな」

いろは「今のところ?」

 

はちまん「後ドラゴンタイプがあるんだがこっちはこの辺に出てこないからな、今は考えなくていい。だがもし対策しときたいならフェアリータイプのポケモンを捕まえればいいからな」

 

いろは「はい!あの、でんきタイプの対策はどうすれば?」

 

はちまん「そりゃーじめんタイプがいればいいと思うぞ」

 

いろは「じめんタイプって例えばどんなポケモンがいるんですか?」

 

はちまん「ここにいる俺のカラカラとか、さっきのサンドとか」

 

いろは「じゃあサンドを捕まえればいいんですか?」

 

はちまん「それはそうだが…。あ、そうだ」

 

いろは「何です?」

 

はちまん「さっきここに来る前に洞窟があっただろ」

 

いろは「はい、ありました」

 

はちまん「あそこ『ディグダのあな』って言ってな。ディグダってポケモンがいるんだがソイツもじめんタイプだ」

 

いろは「ほえー。ポケモンの名前がついてる洞窟があるんですね」

 

はちまん「おう。ディグダが作ったらしいぞ」

 

いろは「それで、そのディグダを捕まえればいいんですか?」

 

はちまん「いや、どっちでもいいぞ?何なら見てみるか?」

 

いろは「はい!」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ディグダのあな

 

ディグダ「……」ヒョコ

 

俺といろははディグダのあなに来ている

でんきタイプの対策としてディグダを捕まえるかどうかを決めるためなのだが

 

いろは「か、かわいい!」

 

決まりました

この洞窟に入ってすぐ

ディグダが顔を出したのを見てこの台詞です

 

いろは「私!あの子を捕まえます!」

 

はちまん「おう、だが気をつけろよ?」

 

いろは「はい!わかってます!」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

野生ポケモン戦

 

いろは カメちゃん VS ディグダ

 

1ターン目

 

いろは「カメちゃん!かみつく!」

 

ディグダ「!」グラグラ……セブン

カメちゃん「…!」

 

カメちゃん「!」ガブ

ディグダ「…!」

 

ディグダ捕獲戦

先に動いたのはディグダ

タケシ以来のマグニチュードだ

威力は………7だと思う

対するカメちゃんはかみつく

 

 

2ターン目

 

いろは「モンスターボール!」

 

ボールがディグダに当たる

捕まえるにはボールが三回揺れ

『カチッ』という音が聞こえなければならない

ボールに入るディグダ

一回、二回、三回

 

ボール「カチッ」

 

いろは「やったー!」

 

ディグダ捕獲完了

結構早かったな

 

いろは「やった!やりましたよ!せんぱいっ!」

 

はちまん「おう、よかったな」

 

その後はまた11番道路に戻り夕方までいろはの特訓を見ていた

俺?俺は何もしてないよ

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ポケモンセンター喫茶店

 

いろは「はー!疲れました!」

 

ゆい「……そう」

 

俺といろはは夕方になったのもありポケモンセンターに戻って来ている

いろははカフェオレを飲みながら雪乃と結衣に今日の事を話していた

それを聞いていた結衣が何か意気消沈していた

何かあったのか?

俺は雪乃に尋ねる

 

はちまん「おい、何させたんだ?」

 

ゆきの「特に何も。ただレベル上げをするように言っただけよ」

 

はちまん「え?そんだけ?」

 

ゆきの「いえ、キチンと色々教えたのだけれど…その」

 

はちまん「あ、あー」

 

ゆきの「だから途中からレベル上げだけさせて、明日貴方に…」

 

はちまん「丸投げっスカ」

 

ゆきの「ええ」

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

53話 Tell your Yuigahama yui

#11番道路

 

はちまん「………」

 

ゆい「……うぅ」

 

ポケモン世界10日目

昨日いろはにポケモンについて少し教え

ディグダを捕まえさせた

で、今日は結衣に教える番なんだが

どうやら昨日

雪乃に色々教えてもらったが上手く理解できず

雪乃に迷惑をかけたと思っているようだ

それで落ち込み中々特訓も上手くいかず

今は休憩として2人で座っている

 

はちまん「…はぁ。なぁ結衣。雪乃は迷惑なんて思ってないだろ。お前もアイツの性格わかってるだろ?アイツは困っている人を見捨てないって。だからお前の事もなんとかしようとしただけで……」

 

ゆい「うん、わかってる。ゆきのん優しいからわたしの事考えてくれて、それで今日ヒッキーに任せたんだよね」

 

はちまん「まあ、そうだろうな」

 

ゆい「でも…わたし…足手まといかなって…」

 

はちまん「はあ?」

 

ゆい「だってわたしバカだし、ポケモンのこともっと分かろうとしても分かんないし」

 

はちまん「………」

 

ゆい「今の旅だってわたし全然役に立ってないし。いろはちゃんはしっかりしてて、ゆきのんは凄いし。わたしだけ…何も…」

 

はちまん「……ふう、そうか」

 

さてどうするか

前の俺ならほっとくんだが

昨日も言ったようにこの特訓は結衣の身を守る為のものでもある

このまま燻らせていたら教えるべき事も教えられん

んーどうするか

教える…

よし、平塚先生俺に力を

 

はちまん「なぁ結衣」

 

ゆい「…何?」

 

はちまん「ジャン○って読んだ事あるか?」

 

ゆい「え?えっと戸部っちがこの前学校に持ってきたのをちょっとだけ。平塚先生に没収されてたけど。…でも何でそんなこと?」

 

はちまん「……まあそれは置いとこう。でな、その少年漫画とか熱血漫画にはなこういう時、よくこういうやり方があるんだ」

 

ゆい「え?」

 

俺は立ち上がってフードの中にいるズバットを起こす

 

はちまん「おい、ズバット。出番だ」

ズバット「?」ぱたぱた

 

俺が起こすとフードから出て

俺の周りを飛ぶ

 

ゆい「ヒッキー?」

 

はちまん「ほれ、立て」

 

結衣は俺に言われ立ち上がる

 

ゆい「な、何するの?」

 

はちまん「はぁ…。こういうのは俺に似合わないんだがな」

 

ゆい「え?」

 

はちまん「んじゃ、やるぞ」

 

 

はちまん「足手まとい決定戦」

 

 

ゆい「………ほぇ?」

 

はちまん「いいか、良く聞けよ?お前がこの旅で足手まといだってんなら俺も足手まといなんだよ」

 

ゆい「え!?そんなことないよ!ヒッキー強いじゃん!」

 

はちまん「そういう事じゃない。昨日ハナダを出る時、俺が雪乃に言われた事覚えてるか?」

 

ゆい「え?え、えっと…」

 

はちまん「『貴方のそんな下らない理由で進む足が遅くなるのは不愉快なのだけれど。貴方の自己満足に付き合っている暇は無いのよ』」

ゆい「え!?ゆきのんのマネ!?ムダに上手いし!」

 

はちまん「ムダは余計だ。で、分かっただろ?俺の所為でこの旅は遅れを取っているんだ。だから俺もお前と同じで足手まといって事だろ?」

 

ゆい「そ、そんなこと……!」

 

はちまん「まあお前ならそんな事ないって思ってるだろうな」

 

ゆい「え……?」

 

はちまん「そして俺もお前が足手まといだとは思ってない。だから今からポケモンバトルして、俺とお前どっちが足手まといか決めようって事だ」

 

ゆい「ええぇ!?」

 

はちまん「ほら。さっさとポケモン出せ。出さないと育て屋さんに連れて行くぞ」

 

ゆい「何で!?わ、分かったよ……」

 

そう言って結衣はフッシー事フシギソウを繰り出す

 

はちまん「バトルは一対一。負けた方は足手まといって事で。えっと、勝った方の言う事を何でも聞く事」

 

ゆい「え!?何でも!?な、何でもって、ヒッキーに何でもお願いできるってこと!?」

 

はちまん「お、おう。勝ったらな」

 

ゆい「わかった!フッシー!がんばろう!」

 

フッシー「フシッ!」

 

さっきまで落ち込んでたのに急にやる気に満ちてんだけど

コイツ、俺にどんな無茶なお願いを…いやコイツはそんな事しないか

雪乃と違って

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

トレーナー戦

 

はちまん ズバット VS ゆい フッシー

 

1ターン目

 

はちまん「ズバット!あやしいひかり!」

フッシー「フッシー!あまいかおり!」

 

ズバット「!」ピロピロ

フッシー「…?!」

 

フッシー「!」ふわわん

ズバット「…!」

 

先に動いたのはズバット

ズバットはハナダジム攻略後に覚えたあやしいひかり

あやしいひかりは相手を混乱状態にさせる

前に覚えていたちょうおんぱと同じ効果だが

ちょうおんぱと違いあやしいひかりは百中で当たる

対するフッシーはあまいかおり

相手の回避率を下げる技で

後に出す技が当たりやすくなる

 

 

2ターン目

 

はちまん「ズバット!かみつく!」

ゆい「フッシー!はっぱカッター!」

 

ズバット「!」ガブ

フッシー「…!」

 

フッシー「?!」バシッ

フッシー「…!」

 

ズバットはかみつくでダメージを与える

怯みを期待したが

フッシーは混乱して自分を攻撃したので問題ない

 

 

3ターン目

 

はちまん「ズバット!トドメのつばさでうつ!」

 

ズバット「!!」シュバシ

フッシー「…!!」

 

フッシー「…」

バタン

 

ゆい「あ!フ、フッシー!」

 

ズバットの効果抜群であるつばさでうつが炸裂し

フッシーは倒れた

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ゆい「うう…。負けちゃった。ごめんね、フッシー」

 

結衣はフッシーをボールに戻した

 

はちまん「お疲れ、ズバット」

 

ズバット「♪」

 

ズバット「…♪」すぽっ

 

ズバット「…zzz」

 

はちまん「は、早い。そんなに眠いの?」

 

俺が労うとそそくさとフードに戻って寝てしまった

コイツは揺るぎないな…

俺は結衣の方を見る

 

ゆい「うぅ…」

 

はちまん「はぁ…」

 

落ち込んでいる

俺が追い打ちかけたからな

はぁ

 

後はアイツらに任せるか

 

はちまん「おい、結衣」

 

ゆい「………」

 

はちまん「これでお前がこの中で1番の足手まといだ」

 

ゆい「…」グス

 

はちまん「だがそれは俺達2人が決めた事だ。お前が4人の中で足手まといかはアイツらにも聞かなきゃな」くいっ

 

ゆい「え?」

 

俺が結衣にとある場所を示す

そこには雪乃といろはがいる

 

いろは「結衣先輩っ!」

 

ゆきの「………」

 

ゆい「いろはちゃん、ゆきのん……」

 

 

いろは「結衣先輩!例え先輩が何と言おうと結衣先輩は足手まとい何かじゃありません!」

 

ゆい「いろはちゃん……でも……」

 

ゆきの「由比ヶ浜さん」

 

ゆい「ゆきのん……」

 

 

ゆきの「ごめんなさい」

 

 

ゆい「え?」

 

ゆきの「私は貴女に甘えていたわ」

 

ゆい「ゆ、ゆきのんが、わたしに?」

 

ゆきの「私は貴女が何も言わないのをいい事に貴女の事を考えていなかったわ。昨日、私は貴女への説明を諦めてこの男に任せてしまった。その所為で貴女には気負わせてしまい。その結果、今日の訓練もままならなくなってしまったわ」

 

ゆい「そ、そんなこと……」

 

ゆきの「だから貴女が自分の事を足手まといと言うのなら、今回の事で足を引っ張った私の方が足手まといよ」

 

いろは「そんな事ありません!私だっていつもワガママばっかりでした!私が足手まといなんです!」

 

ゆきの「それじゃあ3人とも足手まといと言う事で、もうこの事は触れないようにしましょう。だから由比ヶ浜さん、これからは絶対に自分の事を足手まといだとか言うのはやめて頂戴」

 

いろは「そうです!結衣先輩が足手まといなら私達も足手まといになっちゃいます!だから今度言ったら『こしょこしょの刑』ですからね!分かりましたか!?」

 

ゆい「ゆきのん………いろはちゃん………。あ、ありがとう……」ぐすっ

 

結衣は2人の言葉に救われたようで泣き出した

それを慰める雪乃といろはを眺めながら思う

 

こいつら3人はやっぱり互いに助け合ってなんとかできる3人だ

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ゆい「2人ともどうして来てくれたの?」

 

結衣が泣き止み

落ち着いた頃そう聞いてきた

 

ゆきの「そ、それは……」

 

いろは「それは雪ノ下先輩が結衣先輩を心配して…」

 

ゆきの「一色さん!」

 

はい、百合入りまーす

 

ゆい「ゆ、ゆきのん……」うるうる

 

ゆきの「い、いえこれは、その……」///

 

ゆい「ゆきのーーん!!」ダキッ

 

ゆきの「ゆ、由比ヶ浜さんっ!」///

 

結衣が雪乃に抱き着く

ハイハイ百合百合

 

いろは「先輩!」

 

はちまん「何?」

 

いろは「そういえばいつから私達がいるって気づいたんですか?」

はちまん「バトルする前からだが、それより前にいたのか?」

 

いろは「先輩がジャン○の話しをしたところからです」

 

はちまん「………その時、雪乃もいたんだよな?」

 

 

ゆきの「ええ、貴方が私の真似をしていたのも見ていたわ」

 

 

あ、オワタ/(^o^)\

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#クチバシティポケモンセンター喫茶店

 

いろは「それで、結衣先輩」

 

あの後夕方まで訓練をしてポケモンセンターに戻って来た

今回はちゃんと俺もレベル上げが出来た

ステータスです

 

[カラカラ]

レベル 24

 

<覚えている技>

・アイアンヘッド

・ホネブーメラン

・きあいだめ

・にらみつける

 

[ズバット]

レベル 19

 

<覚えている技>

・つばさでうつ

・かみつく

・あやしいひかり

・すいとる

 

[ロコン]

レベル 18

 

<覚えている技>

・ひのこ

・でんこうせっか

・ほのおのうず

・つぶらなひとみ

 

途中カラカラとズバットが新しい技を覚えようとしていたが色々考えた結果前と変わらなかった

後、あのポケモン図鑑の公害機能

俺のやつにしか付いてないらしい

ナニコレ、嫌がらせ以外考えられないんだけど

 

そして今

ポケモンセンターの喫茶店でそれぞれ飲み物を頼んだ後

いろはが結衣に何か聞いている

 

ゆい「なーにー?いろはちゃん」

 

いろは「あの先輩との勝負で負けた時の条件ですよ」

 

ゆい「あ!忘れてた」

 

いろは「どーするんですー?先輩が無茶なお願いしてきたら」

 

ゆい「え!?そうなのヒッキー!?」

 

ゆきの「女子が傷心している隙を突いて卑劣な条件を押し付けるとは、最低ね」

 

 

はちまん「……いや、卑劣なのは変わらんから何も言えん」

 

 

ヒロインズ「「「え?」」」

 

いろは「え!?じゃ、じゃあ無茶なお願いするんですか!?」

 

はちまん「ああ」

 

ゆきの「ひ、比企谷君?まさか由比ヶ浜さんに酷いことを」

 

はちまん「ああ、そうなるかもしれない」

 

ゆい「え、え、ひ、ヒヒヒッキー?わたしに何をお願いするの?ヒ、ヒッキーになら何をされてもいいけど、その、まだ心のじゅ、準備が…」///

 

はちまん「いや、悪いが今のうちに心の準備はしておけ」

 

ゆい「ふええぇぇ!?」//////

 

ゆきのいろは「「な……」」

 

 

はちまん「決行は明日だ」

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

54話 Will both go to hell

#クチバシティポケモン大好きクラブ

 

会長「………それでな?そのギャロップは毛並みが美しくて側から見たらツンツンした1匹狼にしか見えないんじゃがな!ちょっとでも褒めるとそっぽを向いて照れての!ほのおタイプのギャロップだけにギャップ萌えじゃあ!その後の後ろ蹴りもその萌えの前では愛情の裏返しにしか見えんかった!1ヶ月の入院なんてへじゃ!その間もポケモン達が寄って来てくれたからの!あ、その時やってきたクサイハナなんじゃがな?これがもう臭いのなんの!しゃがそれも愛情があれば頭がクラクラするあまい香りになるのじゃ!不思議なもんじゃろう?そうそうクサイハナと言えばその匂いが大嫌いなサンドがいての!いっつもわしに体当たりしてきて弁慶の泣きどころを集中的に攻めて来ての!これがもう痛いのなんの!やめてやめてと言って抱きつこうとしたら今度はそのサンドの親のサンドパンがわしを切り裂いて来ての!危うくこの髭が全部無くなってツルツルになるところじゃったわ!それでの!それを見ていたカブトプスも切り裂くのに参加してきての!それでわしは………」

 

はちまん「」

ゆい「」

カラカラ「」

ズバット「zzz」

ロコン「」

フッシー「」

ピピン「」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

1時間後

 

会長「ん?もうこんな時間か…。まだ話したりんのじゃがしょうがないのお…。すまんな君達、こんなに話したのは初めてじゃ。そうじゃ!わしの話しを聞いてくれたお礼にこのハナダにあるサイクリングショップで自転車と交換してくれる引き換え券をあげよう。いやー貰ったのはいいがわしは必要ないからの!遠慮しなくていい、ほら!」

 

はちまん「………………あり、がとう、ございます」

ゆい「」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#クチバシティポケモン大好きクラブ前

 

はちまん「………勝負とはいえ悪かったな」

ゆい「………う、ううん」

 

ポケモン世界11日目

俺と結衣

そしてそのポケモン達は

朝から昼の中頃までポケモン大好きクラブの会長の話しを聞いていた

地獄だった

昨日勝負に負けた条件として一緒に会長の話しを結衣にも聞いて貰った

会長の話しを聞いた理由はさっき貰った自転車引き換え券

一枚しかないが

この後結衣と共にハナダに行き一緒に自転車を貰いに行く予定だ

結衣が一緒の理由?

苦しみや悲しみは共有したいじゃん

因みに雪乃といろはだが11番道路にいる

昨日、この事を言うと微妙な顔をしていたがどこかホッとしていた

 

はちまん「それじゃ、ハナダへ行こうか」

ゆい「……うん」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ハナダシティサイクリングショップ

 

店員さん「はい。引き換え券ですね。色はどうします?」

はちまん「え?色?」

 

俺と結衣は地下通路を通りサイクリングショップで店員さんに引き換え券を渡した

どうやら色が選べるらしい

 

店員さん「赤、緑、青、黄、桃、黒。この中からお選びできます」

 

どっかの橋で見たような配色だが

やっぱ黒だな

かっこいいし

他の色は派手だし

 

はちまん「あの、黒でお願いします」

店員さん「はい、分かりました。こちらが折りたたみ式自転車となっております」

はちまん「おお〜〜」

ゆい「かっこいい!」

 

店員さんが持って来てくれたのは

黒いボディの自転車

しかも所々に赤色が散りばめられていてクソかっこいい

さらに前と後ろに小さなポケモンが乗れそうなスペースがある

どちらもカラカラとロコンが同じ所に2匹入っても大丈夫そうな広さがある

俺の頭にぽわぽわと思い描かれる

俺が自転車を漕ぎ

前にカラカラとロコンが乗っていて

フードには寝ているズバットが

あれ?ちょっと待って

自転車のスピードでズバットが入ったフード千切れて飛んでいかないよね?

それか下手したら首が飛んで行くかも

いやだぁ、死にたくないぁい

 

はちまん「ありがとうございます」

 

俺は黒い自転車を受け取り

それを押しながら店内からでる

ワクワクが止まらねーぜ!

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#地下通路入口

 

ゆい「いーなー!ヒッキー!わたしも欲しー!」

はちまん「…悪い。引き換え券一枚しかなかったから」

ゆい「あ!ち、違うよ?そうじゃなくて!」

 

クチバに帰る途中

結衣が羨ましそうに俺が押している自転車を見ていた

その自転車には早速カラカラとロコンが前のスペースに乗っている

 

カラカラ「カラッ!」ワクワク

ロコン「…」ちょこん

 

カラカラはワクワクしていて

ロコンは大人しく座っている

 

しかし結衣には付き合わせたのに

俺だけ自転車を貰ってしまった

罪悪感ハンパない

どうしよう

………仕方ない、今回だけだ

 

はちまん「結衣」

ゆい「なに?」

はちまん「…後ろ乗るか?」

ゆい「え!?で、でも」

はちまん「この地下通路は長いし、自転車で突っ走った方が早いだろ?雪乃達を待たせるのも悪いし」

ゆい「………いいの?」

はちまん「………今回だけだ」

ゆい「そ、それじゃあ、お願いします…」///

 

俺が自転車に乗った後

何故か敬語で結衣も後ろのスペースに乗る

そして俺の腹に腕を回す

 

むぎゅ

 

やったぜ

 

はちまん「おい、振り落とされんようにな」

ゆい「お、重くない?」///

はちまん「ああ、主人公としての責任が重いな」

ゆい「へ?」

 

俺は自分でも良く分からない事を言いながらペダルに足をかける

ポケモン世界初の自転車

人生初の女の子と2人乗り(小町は天使なのでノーカン)

すごい緊張する

 

カラカラ「カラッ!カラッ!」ワクワク

ロコン「……」

ズバット「zzz」

 

ポケモン達もそれぞれ違ったリアクションをとる

いやごめんリアクションとってたのカラカラだけだ

他は無反応か寝てるかだった

ちなみに結衣のポケモンはボールの中だ

 

はちまん「それじゃ、行くぞ」

ゆい「うん!」///

 

 

 

クチバに向けて自転車を漕ぐ

こうして念願の自転車ゲット

四苦八苦あったが

ぼっち代表として面目はたっただろう

まあ今の俺の状況をぼっちに見られたらブン殴られそうだが

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

55話 Way back

#5番道路

 

はちまん「おおー!あっという間に5番道路に着いたな!」

ゆい「は、早ー!…もうちょっと遅くても」ごにょごにょ

カラカラ「カラッ!カラッ!」キャッキャ

ズバット「zzz」

ロコン「…」

 

会長の話しを聞いて自転車引き換え券を貰い

ハナダシティのサイクリングで念願の自転車を手に入れた

地下通路を結衣と2人乗り…いや後3匹乗ってたけど

2人乗りして自転車を走らせだが

歩くより断然早い

カラカラも珍しくはしゃいでいる

お前だけだよそういうリアクションとってくれるの

しかも全く疲れを感じない

まさかゲームのように火の中水の中草の中森の中土の中雲の中あの子のスカートの中どこでも爆走出来るように作られているのか?

それかアレだ

後ろに乗ってた結衣がスピードを上げるたびにしがみついてきたからかもしれない

柔らかく優しい感触でしたありがとうございます

 

ゆい「それじゃあ、もうこのまま自転車で戻るの?」

はちまん「いや、少し休憩しよう」

ゆい「え!?や、やっぱり重かったの?」

はちまん「いや、大丈夫だ。そういう事じゃない」

ゆい「そ、そう?それじゃ、何で?」

 

はちまん「ま、のんびり行こうや。話したい事もあるし」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

俺は自転車を押しながらクチバへ向かう

結衣はその後をついてくる

しばらく黙って歩いていると痺れを切らした結衣が話しかけてきた

 

 

ゆい「ねぇ、ヒッキー。話したいことって?」

はちまん「……ああ」

ゆい「…?話しづらいの?」

はちまん「…どう話そうか悩んでてな」

ゆい「じゃあ明日話す?」

はちまん「いや、いい。話すわ」

 

俺は足を止める

結衣はそんな俺を少し追い越し

止まった俺に気づき立ち止まり振り返る

 

はちまん「結衣、悪い。ちょっと待ってくれるか?」

ゆい「え?うん、いいけど」

はちまん「カラカラ、ズバット、ロコン。悪いがボールに戻っててくれ」

カラカラ「…」コクン

ズバット「zzz」

ロコン「…」コクン

 

俺は3匹をボールに戻すと結衣に向き合う

 

ゆい「…カラカラちゃんたちには聞かせられないこと?」

はちまん「いや、そうじゃないが…」

 

俺は話しをどう切り出すか考え

 

はちまん「結衣、俺達がこの旅を始めた時の事覚えてるよな?」

ゆい「うん」

はちまん「俺が1人になり別行動になったよな。その時俺が何で1人になったかわかるか?」

ゆい「え?えっとカラカラちゃんのためだって」

はちまん「そうだ。それと自分の為」

ゆい「うん」

はちまん「だがな、それだけじゃ俺は1人になろうとはしなかったと思う」

ゆい「え?」

 

はちまん「お前ら3人はこのポケモンの世界の事を知らなかっただろ?そんな奴らを3人だけで、ポケモンの知識がある俺がついていかず、そのまま行かせると思うか?」

ゆい「それは」

はちまん「もしお前らが、例えば結衣だけでこっちの世界に来ていたら、俺は自分の事やカラカラの事をほっといてお前と一緒に行っただろう。初めて会った奴よりお前らの方が…た、大切だからな」

ゆい「た、大切……。で、でも、それじゃあカラカラちゃんが……」

 

はちまん「ああ、だからお前ら『3人』がこの世界に来てくれて感謝している」

ゆい「感謝?」

はちまん「俺はな、別行動をとろうとした時、お前ら3人なら大丈夫だと思ったんだ」

ゆい「何で?」

はちまん「雪乃は完璧だ。一昨日のマルチバトルを見たら分かると思うが、ポケモンの事について一週間近くでもうほとんど理解して、ものにしている。この旅でも先の事を冷静に考え、合理的に物事を見ている。負けず嫌いだからこれからもどんどん強くなると思う。だからアイツは多分あっという間にジムバッチを集め、チャンピオンになれるだろう。だが雪乃は所々抜けてるところがある…雪乃には言うなよ?」

ゆい「う、うん」

はちまん「アイツは脆い。周りから見たら自分の足でしっかり立っていて完璧だと思うが、実は内心ビクビクだ。もしアイツに越えられない壁ができたら、負けず嫌いのアイツの事だ越えようとするだろう。だがその事を考えすぎて思い詰めるかもしれない。思考が泥沼化してしまうかもしれない。……心当たりあるだろ?この旅の中でも」

ゆい「…………………」

はちまん「だからアイツをお前ら2人に任せたんだ。アイツが立ち止まった時、お前ら2人がアイツを支えて、前へ進む、進ませる。そしてアイツもお前ら2人を導く、進ませる。そういう事ができる3人だと思ったから、お前ら3人だけで行かせたんだ。お前ら3人なら大丈夫だと思ったから、俺はカラカラの事を考えられたんだ」

ゆい「………」

 

はちまん「だから、その、なんだ。お前は足手まといなんかじゃない。それだけは覚えといてくれ。……アイツをお前に任せた俺の為にも」

ゆい「………………」

 

 

ゆい「………ふふっ」

はちまん「え?」

ゆい「ヒッキーもしかして慰めてくれてる?」

はちまん「い、いや」

ゆい「もー。わたし昨日ゆきのんといろはちゃんに言われてもう気にしてなかったのに。それに話し長いし」

はちまん「うぐ…」

ゆい「はぁ…。でもヒッキーにそこまで言われちゃしょうがないね。わかった、もう言わないよ。だからヒッキーも、もう足手まといとか言っちゃダメだからね?」

はちまん「……おう」

ゆい「うん!」

 

 

俺達はその後クチバに戻った

ポケモンセンターに入り

結衣が雪乃といろはを見つけると抱きついた

2人ともビックリしていたが嫌そうではなかった

俺はそれを見た後部屋に戻り

 

ベッドの上で悶えた

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

56話 Battle searcher



今回短いです
バトルサーチャーの話ししか無いです
ご都合主義注意


ポケモン世界12日目

なんか最近日の進み方が早い気がする

ここ3日間で起きた事は

自転車を手に入れ

ポケモン達のレベルもそこそこ上がった

技は以前とは変わっていないが

というかカラカラの場合、

にらみつけるで相手の防御力を下げ

ある意味チートなきあいだめを使い

ホネブーメランの二回攻撃で急所を狙う

さらにフェアリータイプに有効で

安定した命中率と威力のアイアンヘッド

今のままでいい気がする

変わらないってが俺の真骨頂だし

骨だけに

 

ロコン「…」バシッ

はちまん「いてっ」

 

つまらない洒落を考えているとロコンから手痛いツッコミが来た

しばらくご無沙汰でしたね

まあ、出番なかったしね

 

ロコン「…」バシッ

はちまん「いてっ」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#クチバシティポケモンセンター

 

???「ハイハーイ!そこのトレーナーさん達!」

 

俺と雪乃、結衣、いろはがまた特訓しようとポケモンセンターを出ようとした時

大きなバスケットを持った女の人が話しかけてきた

えっと、とりあえず『マッチ売り』って呼ぶか

てか何の用なんだ

いや、違う

俺じゃない

俺なわけがない

だから、無視しよう

 

ゆい「わたしたちのことですか?」

 

おいぃ!

反応するんじゃない!

いや、まだだ!

まだ終わってない!

俺や結衣の勘違いという可能性がある

いやそうに違いない

そうだ、無視しよう

 

マッチ売り「そう!そこのお団子ガールに黒髪ロングガール!そして栗色の髪のガール!あなたたちのことよー!」

 

俺はいない

俺は関係ない

呼ばれたのは雪乃達だけだ

よし、無視しよう

 

マッチ売り「そして!そこのワタシを無視しようとしているボーイもね!」

 

酷いやつもいたもんだ

無視はいけないよ

イジメだめ絶対

さて、無視しよう

 

マッチ売り「それ以上無視したらこのバスケットぶつけますよ」

はちまん「すみませんでした」

 

怖!

いきなりキャラが変わったんだけど

 

ゆきの「その男はほっといていいので。私達に何か用が?」

マッチ売り「イェース!ワタシ、ポケモントレーナー協会のものでーす!トレーナーを応援しているところなんでーすが、貴方達にコレをあげようと思ってーね!」

 

うわ絶対ヤバいよ

というか喋り方がヤバいよ

なのーねって言いそう

 

マッチ売り「この『バトルサーチャー』というものなんでーすが!このバトルサーチャーは何と!周りにいる戦う意志を持ったソルジャーを見つける事のできるアイテムなのでーす!」

 

え、要らない

 

マッチ売り「そして何とそれだけではありまーせんー!」

いろは「それ以外にも何かあるんですか?」

 

マッチ売り「はーい!何と何と!このバトルサーチャー!フラッシュ機能付きなのーです!」

 

はちまん「何だと!?」

ゆい「え?フラッシュってカメラに付いてるアレでしょ?ヒッキー何でそんなに驚いてるの?」

はちまん「ちょ、ちょっと待て。あの、そのフラッシュ機能ってもしかして暗い所を明るくできるフラッシュですか?」

マッチ売り「はーい!よく知ってますねー!コレは秘伝マシンで覚えられる『フラッシュ』と同じ事が出来るのでーす」

はちまん「マ、マジっすか」

 

秘伝マシン

それはポケモンに技を教えられるという点では技マシンと同じだが

秘伝マシンで覚えられる秘伝技はポケモンバトル以外

つまりゲームで言う所のフィールド上でも使える技だ

例えば今出ている『フラッシュ』

コレは洞窟などの暗い場所を照らし明るくできる技だ

他にも『いわくだき』や『いあいぎり』など

これら秘伝技が無ければ進めない場所がある

しかしこの秘伝技忘れさせる事が特定の方法以外では出来ない

何故ならその秘伝技でしか通れない場所に来て

そこで秘伝技を忘れさせてしまうと出れなくなる場合があるため

これを防ぐためである

だが忘れさせる事が出来ないとなると正直めんどくさい

技は4つしか覚えさせられないので

新しく技を覚えようとしても覚える事が出来ない

火力の高い技や使い勝手のいい技、いま使っている戦法の技が使えなくなるからである

なので秘伝マシンを使う時は躊躇する

 

そして、今この人は

ポケモンに秘伝技を覚えさせなくても

秘伝技が使える物を俺達にあげようとしている

こんな便利を絵に書いたような物をそうやすやすとあげるだろうか?

 

はちまん「あの、ホントにそれを俺達に?」

マッチ売り「そーだっていってるじゃないの!いいから!ほら!」

 

ゆきの「ありがとうございます」

いろは「ど、どうも…」

ゆい「あ、ありがとうございます」

はちまん「えっと…」

 

貰ってしまった

ホントにいいのか?

というかホントにそんな機能が?

 

マッチ売り「あーれ?まだ疑ってるの?そーれじゃ!ほら!」ペカー

ゆい「きゃっ!?」

いろは「ま、まぶしっ!」

 

俺がまだ渋ってるのを見て試しにフラッシュ機能を使って見てくれた

まぶしっ!?

何これ、めがチカチカする

キーンて音がする

ほ、ホンモノなのか

 

マッチ売り「ね!遠慮なくもらっちゃーいな!」

はちまん「し、しかし…」

マッチ売り「それ以上渋るとこのバトルサーチャーが詰まったバスケットでぶん殴るよ」

はちまん「すみませんありがとうございます」

マッチ売り「じゃーねー☆」ビュー

 

怖!

マッチ売りの人は俺を恐喝した後

疾風の如く去っていった

 

こうしてバトルサーチャーゲット

新機能フラッシュの付いた便利アイテム

御利用の際はご注意を

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

57話 Do some fishing

#クチバシティポケモンセンター前

 

はちまん「さて、昨日は俺と結衣がハナダに行ってたから、俺と結衣が一緒に特訓するか?え、俺1人でやれ?よしわかった、じゃあ俺は11番道路に行くからお前らは……」

 

ゆい「何も言ってないよ!?ってちょっと待ってよ!今日わたし考えてることがあるんだ!」

 

クチバシティのポケモンセンターでバトルサーチャーを貰った後

さて、今日はどうするかとなって

俺はいつも通り1人で特訓しようと思ったが結衣に止められる

 

ゆきの「何かしら、由比ヶ浜さん」

 

ゆい「うん!今日はみんなで釣りをしない?」

 

いろは「釣り?」

 

はちまん「何でまた」

 

ゆい「昨日ポケモンセンターの人にこの街のこと聞いてみたんだ!そしたらこの街に釣り堀があるって!だからね!いつも特訓とかで戦ってばかりだったから息抜きのためにも行ってみようよ!」

 

ゆきの「そうね、ポケモン達も流石に疲れているでしょうし、私達にもいい息抜きになるかもしれないわね」

 

いろは「いいですね!行ってみましょう!」

 

はちまん「うーん、働かなくていいならそれでいいか」

 

釣りも嫌いじゃないし

この世界の釣りってのも気になるし

 

ゆきの「それじゃあ行きましょうか」スタスタ

 

はちまん「おい、そっちポケモンセンターだぞ?」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#クチバシティ釣り堀

 

釣り男「じゃ、説明する」

 

俺達はクチバの釣り堀に来た

海の香り、魚の香りに包まれる

釣り堀には釣り男がいて

ここの説明をしてくれた

 

1、ここで釣れるポケモンは野生のポケモン

 

2、釣竿はここの釣り堀で貸してもらえる

 

3、釣ったポケモンはポケモンバトルで倒すもよし、捕まえるもよし、逃すもよし

 

4、ゴミは捨てない

 

5、理由はともかくトレーナー同士の魚の取り合いがあった場合、ポケモンバトルで決める

 

6、ポケモンバトルをする場合は周りの人に声をかける

 

釣り男「というわけ、OK?」

 

ゆい「はい!」

いろは「はい!」

ゆきの「わかりました」

はちまん「うっす」

 

というわけで釣り開始

雪乃達は三人固まって釣りを始めた

俺は誰もいない所に座り釣りを始る

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

しばらくして

 

はちまん「………」ぼー

 

カラカラ「………」ぼー

 

ズバット「……zzz」

 

ロコン「………」

 

 

 

……

 

………

 

ビンッ

 

はちまん「お?来たか?」

 

俺の竿………

違う違う違う

ごめんなさいごめんなさいごめんなさい

そう意味じゃありません

だから逃げないでお願い

えっと…ポケモンが釣れそうだ

 

はちまん「よ!」

 

ばしゃーん

コイキング「……」ビチビチ

 

はちまん「ほー、結構でかいな」

 

釣れたのはコイキング

さて、どうするか

まあ逃すか

今日は息抜きに来たんだから戦うつもりはない

それにここのルールでポケモンバトルするには周りに声をかけなければならないらしい

できるか

ぼっちなめんな

 

はちまん「ほれ」

 

ばしゃーん

 

俺は釣ったコイキングを逃す

元気でやれよー

 

釣り再開

はちまん「………」ぼー

 

カラカラ「………」ぼー

 

ズバット「……zzz」

 

ロコン「………」

 

………

 

……

 

 

ビンッ

 

はちまん「お?」

 

あれ?さっき釣ったばかりなのにもう釣れそうだ

 

はちまん「よ!」

 

ばしゃーん

コイキング「……」ビチビチ

 

はちまん「あれ?またコイキング?」

 

まあ逃すか

理由は同じ

 

はちまん「ほれ」

 

ばしゃーん

 

俺は釣ったコイキングを逃す

元気でやれよー

 

釣り再開

はちまん「………」ぼー

 

カラカラ「………」ぼー

 

ズバット「……zzz」

 

ロコン「………」

 

 

……

 

………

 

ビンッ

 

はちまん「お?」

 

あり?

 

はちまん「よ!」

 

ばしゃーん

コイキング「……」ビチビチ

 

また?

 

はちまん「ほれ」

 

ばしゃーん

元気でやれよー

 

………

 

……

 

 

ビンッ

 

はちまん「え?」

 

ばしゃーん

コイキング「……」ビチビチ

 

はちまん「ほれ」

 

ばしゃーん

元気でやれよー

 

 

……

 

………

 

ビンッ

 

はちまん「は?」

 

ばしゃーん

コイキング「……」ビチビチ

 

はちまん「ほれ」

 

ばしゃーん

元気でやれよー

 

………よし、やめよう

なんかめんどくさくなりそう

俺が嫌な予感を感じ

釣りをやめようとしたその時

 

ばしゃーん

コイキング「……」ビチビチ

 

はちまん「へ?」

 

俺が立ち去ろうとした瞬間

コイキングが水の中から飛び出してきた

え?何で?

怖い怖い怖い

は、離れよう!ここから!

 

はちまん「い、行こう!お前ら!」

 

カラカラ「カ、カラ…」

 

ズバット「zzz」

 

ロコン「…」コクン

 

 

釣り男「待ちなさい、君」

 

はちまん「ひぃ!」

 

釣り男「あのコイキング、どうするの」

 

はちまん「い、いや」

 

釣り男「自分が釣ったものは自分で何とかしなさい」

 

はちまん「な、何とかって…」

 

釣り男の人に怒られた

あのコイキングを俺が何とかしなきゃいけない

怖いからいやなんだけど

仕方ないのでコイキングに近づき

持ち上げ逃す

 

はちまん「ほ、ほれ」

 

ばしゃーん

元気でやれよー

 

よ、よし帰ろう

 

ばしゃーん

コイキング「……」ビチビチ

 

はちまん「うわぁん!もうやだー!」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ばしゃーん

元気でやれよー

 

ばしゃーん

元気でやれよー

 

ばしゃーん

元気でやれよー

 

ばしゃーん

元気でやれよー

 

ばしゃーん

元気でやれよー

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

格闘すること数時間

 

コイキング「……」ビチビチ

はちまん「」

 

 

何回も逃したが

何回も戻ってくるコイキング

助けて

 

はちまん「………」

 

コイキング「………」ビチビチ

 

 

 

こうして俺は釣り堀が閉まるまでコイキングと格闘した

それを見ていた釣り男の人が助けてくれた

釣り男の人がコイキングを押さえている間に逃げる

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ハナダシティポケモンセンター

 

はちまん「はぁ…はぁ…」

 

怖かった

怖かった

何あのコイキング

俺が逃がそうとしてたけど

俺が逃げられなくなってた

魔王かアイツ

 

ゆい「あ、ヒッキー。お帰りー」

 

俺はポケモンセンターまで逃げて来た

雪乃達はもう帰っていたらしい

 

はちまん「…おう」

 

いろは「何してたんですかー?ずっと出口で待ってたんですよ?」

 

はちまん「…何も聞かんでくれ」

 

ゆい「あ!そうだヒッキー!わたし新しいポケモン捕まえたんだよ!」

 

ゆい「ででおいで!ミント!」

 

ミント(トサキント)「……」ぴょんぴょん

 

出て来たのはトサキント

床の上をぴょんぴょん跳ねる

 

はちまん「…へー、トサキントか」

 

ゆい「うん!かわいいしキレイでしょ!」

 

はちまん「そうだな」

 

 

こうして息抜きだったはずの釣りは

いつもの特訓以上に疲れたことで終わった

まあ結衣に新しいポケモンができたからいいか

本当にあのコイキング何だったの

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

58話 Let’s enjoy tha party First part

#クチバシティポケモンセンター

 

ゆきの「あの船へ行ってみないかしら」

 

ポケモン世界13日目の朝

雪乃さんが痺れを切らしたのか

パーティーがあるサントアンヌ号に行かないかと聞いてきた

ちなみに結衣といろははまだ起きてこない

昨日の釣りではしゃぎ過ぎたらしい

俺もある意味はしゃいでたけどね

ばっしゃーん!ばっしゃーん!って

 

はちまん「ん?もう行くのか?」

 

ゆきの「ええ。昨日の釣り堀で釣りをしていた人に聞いてみたの。サントアンヌ号では何があるんですか、って」

 

はちまん「パーティーだろ?何で今更聞いたんだ?」

 

ゆきの「あの船、貴方が言うにはずっと停まっているみたいじゃない。だから何かあるかもしれないと思ってこの街の人に聞いてみたかったのよ」

 

あ、そういやそうだ

俺はてっきりゲームから現実になって

不都合が生まれるからあのまま停まっているんだと決めつけていた

だがよく考えたらこの街の人に聞けば良かったんだ

何で思いつかなかったかだって?

ぼっちは人と話すの得意じゃないの

 

はちまん「それで、その理由は?」

 

ゆきの「とある人物がパーティーの日程を延期させたかららしいの。理由はわからないけど」

 

はちまん「とある人物?」

 

ゆきの「この街のジムリーダーよ」

 

はちまん「え」

 

ゆきの「パーティーの開催をしたのもジムリーダーらしいわ」

 

はちまん「何でまた」

 

ゆきの「賑やかなのが好きらしいわ。釣り人達はうるさくて迷惑しているようだけど」

 

ここで説明しよう

この街クチバシティのジムリーダー

その名はマチス

ジムのタイプはでんき

何でも外国の軍人さんらしい

ゲームでも英語を喋っていた

ふむ

ジムリーダーというリア充

日本に来た外国人の『本当に外国人か?』と言わんばかりのコミュ力

なるほど、賑やか好きだとしても納得だ

 

はちまん「それで?そのジムリーダーがあの船にいるのか?」

 

ゆきの「おそらくね。ジムにも顔を出しているようだけど。船に行くのを見たって人達によれば週5で行っているらしいわ。今日もいるはずよ」

 

はちまん「しゅ、週5…。週5もパーティーに行くって…」

 

ゆきの「あら?そんなに不思議かしら?予定が重なればそのくらい行くわよ?」

 

はちまん「俺は庶民だから行かないの。てかジムリーダーは賑やかなのが好きでそんなに行ってんだろ?考えられねーよ」

 

ゆきの「そうね、私もそんなに賑やかなのは苦手…いえ嫌いね」

 

はちまん「ハッキリ言ったよ…」

 

ゆきの「だからジムリーダーが船にいる今のうちに行きたいのよ」

 

はちまん「?」

 

ゆきの「貴方、ニビとハナダのジム。観客が多すぎて辟易したでしょう」

 

はちまん「そりゃな」

 

ゆきの「けど今ジムリーダーはジムではなく船にいる」

 

はちまん「え?船で挑戦する気か?」

 

ゆきの「それもいいけど、違うわ。交渉よ」

 

はちまん「見世物にならない場所でやりましょうって?」

 

ゆきの「…由比ヶ浜さんと一色さんも周りに見られながら戦うのは嫌なようなの。緊張して実力を発揮できないようで」

 

はちまん「それは問題だな…」

 

確かに俺達4人は人前で何かするのは苦手だ

いや、いろはは生徒会長だから少しは耐性があるだろうが

それでも大勢の人に見られながら戦うのは緊張するだろう

慣れればいいんだろうがまだ2回しかジム戦していない

というか慣れる自信がない

この提案はのびのび戦えるためいいと思う

船じゃなくジムで交渉してもいいが週5で行っているならすれ違いになって出来ないかもしれないからな

まあのびのび戦えたから勝てるもんじゃないが

それにこの交渉、実らない可能性がある

ジムリーダーの戦いを大勢の観客に見せ

ジムが儲かるというシステムがジムにあるならこの交渉は破綻だ

 

ゆきの「けどもしかしたら実るかもしれない。人前で戦わずにすむかもしれない。だったらしてみる価値はあるわ」

 

はちまん「心を読むな。わかったよ。んじゃ、アイツら起こして船に向かうか。あ、交渉の内容はどうする?」

 

ゆきの「それは任せて頂戴。昨日のうちに考えてきたわ」

 

はちまん「んー。じゃあお前が交渉している間に俺はあそこでやる事をやっといていいか?」

 

ゆきの「ええ、貴方の分の交渉もしておくわ」

 

はちまん「サンキュ」

 

結衣といろはを起こしサントアンヌ号に向かう

あ、2人を起こしたのは雪乃だからな?

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#クチバシティサントアンヌ号乗り口

 

ゆい「おお〜〜!」

 

いろは「近くで見ると大っきいですねっ!」

 

船に乗るための桟橋を渡りながら船を眺める

周りには『ザ、金持ち』という人が沢山いる

いや、俺も今は金持ちだけど

 

ゆきの「ところで、そのチケットで本当にこの船に乗れるのかしら?」

 

はちまん「おい、ギリギリで不安になるような事言うなよ」

 

進んで行くと船の入り口に船乗りの男の人がいた

入って行く人達の招待券を確認しているようだ

 

船乗り「すみません、招待券をご確認させて……ん?」

 

はちまん「はい?どうしました?」

 

俺達の招待券を確認しようとした船乗りさんが俺の顔を見て止まった

もしかして犯罪者だと思ってる?

目は腐ってるけど犯罪を犯すような度胸は無いですよ

無害ですよ

 

船乗り「あの、失礼ですがお名前は」

 

はちまん「?えっと、はちまんです」

 

船乗り「ああ!やっぱり!」

 

あれ?俺そんなに有名なの?

あ、指名手配の人と間違えてるんじゃ

 

船乗り「マサキ様から伺っております」

 

はちまん「へ?マサキから?」

 

船乗り「はい。マサキ様からここに『はちまん』という男の子が来たらマサキ様の顔に免じて通して欲しいと」

 

はちまん「うえぇ!?そ、そんな事言ったんすか?」

 

ちょ、待って

アイツどんだけいい奴なんだよ

というかマサキって顔が効くぐらいの人物なの?

確かにあの転送装置はすごいけど

 

船乗り「マサキ様には我々だけでなく、この地方のポケモントレーナー、いえ下手したらこの世の全ポケモントレーナーがお世話になっています。マサキ様が通せと言うのならば通さない道理はありません。どうぞお通り下さい」

 

はちまん「は、はい」

 

俺達は船乗りさんに通され船に乗っていく

う、うはぁ

マサキのお陰で顔パスできちゃったよ

すげぇ

今度会ったら何か奢ってやろうかな

 




短いですがここまで

読んでくださりありがとうございました


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

59話 Let’s enjoy the party Second part


マサキの神格化が激しい
まあそれだけの事をやってるわけですが


後、今回閲覧注意です


#サントアンヌ号船内

 

ゆきの「さて、ジムリーダーは何処にいるのかしら」

 

俺達はマサキのお陰でサントアンヌ号に入る事が出来た

あ、チケットは船乗りさんに預けました、もう使わないと思うからな

そしてこの船での目的であるマチスを探す

いるとしたらパーティー会場だろうが

 

ゆい「あ!じゃあ任せて!」

 

そう言うと結衣は船内の廊下を歩いていた船員さんに話しを聞きに行った

おお、俺じゃ出来ない事をやってのける

しばらくすると結衣が戻って来た

 

ゆい「聞いて来たよ。この船の一階の後ろの方に広い部屋があって、そこにいるって」

ゆきの「ありがとう、由比ヶ浜さん」

ゆき「いやいや〜」

いろは「それじゃあ私達はそこに行くとして、先輩はどうするんですか?」

はちまん「俺はこの船の三階に行くわ」

ゆきの「わかったわ。じゃあ交渉が終わったら私達は船を降りるから、貴方も要件が終わったら降りても結構よ」

はちまん「あいよ」

 

雪乃達はジムリーダーがいる場所へ向かった

俺はこの船の船長に会う為三階の船長室に向かう

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#サントアンヌ号船長室

 

閲覧注意

 

船長「おぼろろろろろろぉぉ!」

 

はちまん「」

カラカラ「」

ズバット「」

ロコン「」

 

俺達は三階へ行き

船長室の前にいる船員さん達に部屋へ案内してもらった

そして見たくない光景が広がっていた

あまりありのままを事細かに描写すると色々危ないので控えます

ヒントだけ言うと『吐瀉物』です

流石のズバットも匂いに負けて珍しく起きている

 

船長「はぁ、はぁ。そ、そこにいるのが誰か知らんがちょっと背中をさすってくれんか…」

はちまん「…………………え。は、はい」

 

俺は船長の為にそばによる

それに反比例してカラカラ達は船長から離れて行く

待ってひとりにしないで

 

はちまん「あ、あの。大丈夫、ですか?」さすさす

船長「あ、ああ、ありがとう。少し楽になっ…あっ!」

はちまん「え?」

船長「

 

…………………………………………………………………………

…………………

 

〜ここから先はご想像にお任せします〜

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

船長「いや、ありがとう。君のお陰で何とかなったよ」

はちまん「そうですか。ははは」

船長「お礼にこの秘伝マシン『いあいぎり』をあげよう。遠慮なく受け取ってくれ」

はちまん「ありがとうございます。ははは」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#サントアンヌ号甲板

 

はちまん「よし、忘れよ」

カラカラ「…」こく

ズバット「…」こく

ロコン「…」こく

 

俺達は今船長からいあいぎりを貰い

船長室から避難して後ろの方の甲板に出ている

 

 

俺以外誰もいない

風が気持ちいい

静かだ

 

 

……

 

………

 

『どーん』

 

しばらく黄昏ていると大きな音が聞こえてきた

船が少し揺れる

 

はちまん「何だ?この音」

 

足元からだ

そこには雪乃達やマチスがいるはずだ

何だ?ポケモンの鳴き声が聞こえるが

 

…まさか雪乃の奴マチスと戦っているんじゃ

 

雪乃の交渉とはもしかすると自分がマチスと戦い

勝ったら結衣やいろは、そして多分俺と観客の居ない場所で戦って欲しいという条件をのませることなのでは?

アイツならおそらく負ける事は無いだろうが

…今度お説教だな

まあ俺の推理が正しいとは限らないが

勝手な事しやがって

負けられなくなるじゃねーか

 

はちまん「はぁ……」

 

アイツが戦っているなら降りるわけにはいかない

何があるかわからないからな

ったく

しばらくここにいるか…

 

ん?

 

あれ?

ここにいるのは俺とカラカラ達だけだと思ったが

誰かいる

スーツ姿の男の人だ

何だっけあの帽子、あ、ハットだ

まあいいか

あの人も甲板の手すりを掴んで黄昏ているし

俺のことを気にする事も無いだろう

そう思い俺も手すりに掴んで黄昏る

というかぼーっとする

 

はちまん「………」ぼー

カラカラ「………」ぼー

ズバット「〜♪」パタパタ

ロコン「………」ちょこん

 

俺とカラカラはぼーっとする

ズバットはさっきの事もあるのか寝ておらず俺の周りを飛ぶ

ロコンは甲板の上に大人しく座っている

まだ足元から音が聞こえる

それを気にしながらぼーっとしていた

 

 

その時

 

ガッ

 

はちまん「!」びくっ

カラカラ「!」びくっ

 

うわっ!びっくりしたー!

さっきの男の人が俺の隣に来ていた

その人が手すりを掴む音にびびってしまった

な、何でこっちくるんだ?

いや、こっちの方が景色いいのかな

あの人がさっきまで見てたのクチバの街だし

海が見たくなっ………

 

 

 

???「一色だろう」

 

 

 

???「この海は一色だ」

 

 

 

???「嫌になるほどポケモンが住み着いているくせに」

 

 

 

???「そこに住むポケモンなどお構い無しに一色だ」

 

 

 

???「なあ、お前が俺に言ったのはこういう事か?」

 

 

 

 

その男は被っていたハットを脱ぐ

俺はその時間が永遠に感じた

そして永遠の時が終わり

帽子の影から現したその顔は…

 

 

 

 

 

 

 

 

サカキ「久しぶりだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

60話 Let’s enjoy the party third part

#サントアンヌ号甲板

 

サカキ「久しぶりだな」

 

男が帽子を脱ぎ

俺に見せた顔は

 

この世界に来た日

カラカラと出会ってすぐ

オーキド博士のお使いとして訪れたトキワシティ

その街の入口で出会った人物

何故か俺をジムに連れて行きコーヒーをご馳走して来た人物

 

8つ目のジム

トキワシティのジムリーダー

そして

今まで俺が幾度となく戦ってきた

悪の組織ロケット団のボス

 

サカキ

 

はちまん「……っ!?」

 

俺はその顔を見た瞬間

後ろに下がる

 

サカキ「ふっ、相変わらず警戒心だけは一丁前だな」

はちまん「な、何で……」

サカキ「俺もこの船に呼ばれてな。誰が呼んだか知らんが馬鹿な奴らだ。俺をテメェらに近づけさせるとはな」

 

俺は足元の音を聞きながら警戒する

雪乃達はまだ下にいるのか?

ここで何かされたらアイツらは……

 

サカキ「何を気にしているんだ?」

はちまん「…!?」

サカキ「この下で戦闘しているのはお前の知り合いか?」

 

くっ…

どうする

ここは船の上

逃げ場はない

 

サカキ「お前がこの船に入るのをここから見ていた」

 

サカキ「そう言えばお前の周りに女が居たな」

はちまん「………!」ぎりっ

 

顔も割れてるのか

これじゃあ逃したとしても……!

時間稼ぎするしかないか…!

足が震える

 

はちまん「あ、あの…。俺に何か用、ですか」

サカキ「ようやく喋ったな。用か…。あると言えばあるな」

はちまん「な、何です」

 

サカキ「そう言えばあの時名前を聞いてなかったと思ってな」

はちまん「名前…ですか」

サカキ「ああ」

はちまん「は、はちまんです」

サカキ「はちまん…か」

 

サカキは俺の名前を聞いてきた

何で俺なんかの?

 

サカキ「ああ、俺も言ってなかったな」

 

サカキ「俺の名はサカキ」

 

サカキ「お前が今まで倒してきたロケット団のボスだ」

 

はちまん「な……!?」

 

な、名乗った…俺に…アッサリと…

自分が悪の組織のトップだと

ロケット団のボスであると

しかも俺がロケット団を倒したのを知っている

 

サカキ「どうせ隠しても、もうお前にはバレてるようだしな」

 

サカキ「それに、俺がロケット団のボスだと知ってもお前は何も出来んだろうしな」

 

確かにそうだ

例え俺がサカキの正体を知ってどうなる?

戦うか?

いや、今の俺の実力では絶対に負ける

なら警察に通報するか?

いや、通報したとしてもサカキなら逃げ果せるだろう

それに雪乃達の顔も割れている

報復としてアイツらが危険に晒されるかもしれない

 

はちまん「…くっ」

サカキ「ロンドから聞いたぞ。お前アイツの率いてた部隊を潰したそうだな」

はちまん「そ、それは……」

 

まずい

まさか俺にその報復を…?

 

サカキ「ふん、心配するな。アイツらの事は別にどうとも思ってない。アイツらがお前より弱かっただけだ。そんな事で一々ガキに突っかかっていたら身が持たん。この地方のガキ共は異様に強いからな」

はちまん「そう…ですか…」

 

助かった、のか?

 

サカキ「それにこれはロンドの自己責任でもある。アイツが命令を無視してこっちに戻ってきやがったからな」

はちまん「……」

サカキ「アイツらの上に立つと面倒ごとが多くてな」

 

サカキ「だが組織の中で野望を持っているのは俺だけだからな」

 

サカキ「他の奴に任せる訳にはいかねーんだ」

 

サカキが動く

甲板の中央まで歩いて行く

俺はそれについて行く

た、助かった…!

足が震えたままあそこにいたら海に落ちそうで怖かったからな

カラカラ達もサカキを警戒しながらついてくる

 

その間サカキの言った言葉を考える

なるほど

自分と同じ考えを持った奴が集まったのがロケット団

だがそれでも考えているだけ

それを実行しようとしているのは組織の中でサカキだけなのだろう

 

組織の中で1人

 

『他の奴に任せる訳にはいかない』

と言う事はつまり

自分の今いる場所には誰も近づけさせたくないってことか

『俺がやるから邪魔すんな』って感じか

 

何か、誰も寄せ付け無い

自分は高みにいる

高みにいる事を誇っている

1人きりである事を『誇っている』

1人でいられる存在

1人でいなくてはいけない存在

いや、そうでなくとも

自分から進んで1人になった男

 

『孤高の男』って感じだな

 

 

 

 

サカキ「そう言う意味では俺とお前は同じなのかもな」

 

 

 

は?

 

 

サカキ「お前も1人なのだろう?ならこの俺と同じ穴の貉だな」

 

 

 

は?

 

 

はちまん「同じ…?俺が?」

サカキ「お前も1人でいる事を誇っているのではないか?いや1人でいたいとまで思っている、違うか?」

はちまん「………」

サカキ「1人でいる方が気楽なのだろう?誰も寄せ付けたくないと。1人でいる事に後悔はないと」

 

 

ブチッ

 

 

サカキ「だからお前は俺と………」

はちまん「……はは…ははは」

サカキ「ん?」

 

急に笑い出した俺をサカキが

カラカラ達が不思議そうに見てくる

 

足の震えが止まる

 

あーなるほどなー

この人は俺と自分が同じ種類の人間だと思ってんのかー

俺はぼっちで

サカキは孤高の男

確かに1人でいるって所は同じだなー

ははははは

 

 

 

はちまん「ふざけんな」

 

 

 

久しぶりにぶち切れちゃったよ

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん「孤高の存在であるアンタと、ぼっちである俺が同じ?」

 

はちまん「じゃあ聞くがアンタ失恋した事は?」

 

はちまん「学園祭とかで思いっきり恥かいた事は?」

 

はちまん「無いだろ。だって1人でいたいから」

 

はちまん「誇りを持って1人でいようとする奴が周りから笑われるような事する訳無い」

 

 

はちまん「確かに俺はぼっちである事に誇りを持っている」

 

 

はちまん「でも、最初からぼっちでいたかったなんて思ってない」

 

 

はちまん「ぼっちになった理由なんて単純だ」

 

はちまん「色んな事やって」

 

はちまん「でも、失敗して」

 

はちまん「誰かの為に良かれと思ってやって」

 

はちまん「でも、間違えて」

 

はちまん「一生懸命やって」

 

はちまん「でも、笑われて、恥かいて」

 

はちまん「失敗するのが嫌だから1人になった」

 

はちまん「間違えるのが嫌だから1人になった」

 

はちまん「笑われるのが嫌だから1人になった」

 

はちまん「恥をかくのが嫌だから1人になった」

 

 

はちまん「そうやって1人になった時」

 

はちまん「過去を思い出して後悔する」

 

はちまん「あそこはああすれば恥をかかなかった」

 

はちまん「あそこはああすれば失敗しなかった」

 

はちまん「あそこはああすれば間違えなかった」

 

はちまん「何で俺はあの時あんな事を」

 

はちまん「どうして俺はこんな事を」

 

はちまん「どうして」

 

はちまん「何で」

 

はちまん「俺は1人何だって」

 

 

はちまん「1人である事に後悔していない?」

 

はちまん「後悔ありありだよ!」

 

 

はちまん「1人になった事を後悔していないぼっちがいてたまるか!」

 

 

はちまん「ぼっちはぼっちを止めようとどこかで思ってんだよ!」

 

はちまん「ぼっちはぼっちらしく頑張ってんだよ!」

 

はちまん「誰かに話しかけてみようと必死なんだよ!」

 

 

はちまん「でも、それでも」

 

はちまん「どこかで思ってる」

 

はちまん「もしここで話しかけたら」

 

はちまん「また失敗するかもしれないって!」

 

はちまん「また間違うかもしれないって!」

 

はちまん「また恥をかくかもしれないって!」

 

はちまん「また誰かに笑われるかもしれないって!」

 

はちまん「そんなのもう嫌だって!」

 

はちまん「そんな苦しみ、もう味わいたくないって!」

 

はちまん「鎖で雁字搦めになったように体が動かない!」

 

はちまん「口が動いない!」

 

はちまん「何も動かない!」

 

 

 

はちまん「それで」

 

はちまん「それでずっと1人のままで」

 

 

はちまん「全然自分の周りが変わらなくて」

 

 

はちまん「変わらないっだったら!」

 

はちまん「変われないんだったら!」

 

 

はちまん「もう」

 

はちまん「もう開き直るしかないだろ!」

 

はちまん「俺は1人でいいって!」

 

はちまん「俺は1人がいいんだって!」

 

はちまん「俺はぼっちなんだって!」

 

はちまん「俺はぼっちにしかなれないんだって!」

 

 

はちまん「だったらもうその事に」

 

はちまん「1人でいる事に誇りを持つしかない」

 

はちまん「いや、持つ、持つよ」

 

はちまん「だって変われないんだから」

 

はちまん「だって変わらないんだから」

 

はちまん「自分が誇れるのはそれぐらいしかないから」

 

 

 

はちまん「でもアンタは違うんだろ?」

 

はちまん「アンタは孤高の存在なんだろ?」

 

はちまん「アンタは1人である事に何の疑いもなく」

 

はちまん「アンタは1人である事に誇りを持ってんだろ?」

 

はちまん「立派じゃないか」

 

はちまん「自分の事に誇りを持って」

 

はちまん「1人である事に納得いってない俺達ぼっちとは比べ物にならないくらい立派じゃないか」

 

 

はちまん「だから俺達ぼっちの領域に土足で入ってくるな」

 

 

はちまん「ぼっちと言う底辺に」

 

はちまん「孤高の存在と言う高みにいる奴が来るんじゃねえ」

 

はちまん「じゃないと俺達ぼっちがアンタらを見上げられないだろ」

 

 

はちまん「アンタと俺は違う」

 

はちまん「孤高の存在とぼっちは違う」

 

はちまん「同じであってたまるか」

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

サカキ「………………………そうか」

 

 

ふー

珍しくすげー喋っちゃった

ほらサカキさんも引いてるよ

ん?引いてるの?

あれ?笑ってない

くそーさすが孤高の男

ぼっちの言う事何か笑って済ますつもりか

まあ俺が言ったのはアンタみたいな奴に対する嫉妬みたいなもんだ

 

 

サカキ「お前の言い分はわかった」

 

サカキ「確かに俺とお前は違うようだな」

 

サカキ「だが今はそんな事を気にしている場合か?」

 

はちまん「え?」

 

 

サカキ「お前の前にいるのはロケット団のボスだぞ?」

 

サカキ「ソイツにそんな色々言ってタダで済むと思うか?」

 

 

あ、やっべ

怒りで忘れてた

てへ☆

 

ってやっべーーー!!

ふざけてる場合じゃねーー!!

サカキさん怒ってるよ!!

ひぃ!?

何かモンスターボール取り出したよ!?

ヤバイヤバイヤバイ

死んじゃう俺死んじゃう

 

 

サカキ「出ろ、サイドン」

 

 

サイドン「!!!」

ドスーーン!!

 

グラグラ

 

はちまん「うわぁ!?」

カラカラ「カ、カラ!?」

ズバット「!?」アワアワ

ロコン「……!」

 

サカキがサイドンを甲板に出し

サイドンが船に乗った瞬間船が傾いた

そして浮力で船がグラングランなる

ひいーー!?

どんだけ重いのアイツ!?

な、中にいる雪乃達は大丈夫だろうか?

いや!今それどころじゃない!

ヤバイよ

これバトルしなきゃいけないの!?

と、とりあえず!

 

はちまん「ズバット!ロコン!戻れ!」

 

俺はズバットとロコンを戻す

 

はちまん「か、カラカラ!い、行けるか!?」

カラカラ「カ、カラ!?」ふるふる

 

む、無理かー!

ど、どうしよう!?

アレに対抗できるのカラカラしかいないよ!?

 

サカキ「なあ、そのカラカラ」

はちまん「は、はい!?」

 

な、なんだ?

カラカラがどうしたって?

 

 

サカキ「シオンでウチのもんが殺したガラガラの子供か?」

 

 

はちまん「な!!」

カラカラ「………!」ビクッ

 

サ、サカキはカラカラの親を殺した奴を知ってるのか!?

それにシオンってまさか!?

 

はちまん「そ、それって……!?」

サカキ「まあ、どっちでもいい」

 

そう言うとサカキは手を上げた

サイドンに指示を出すようだ

く、来るか!?

 

サカキ「そう身構えるな。お前とはまた別の場所で戦おうと思う」

はちまん「え?」

サカキ「俺がこの船に来たのは、ただ呼ばれたからじゃない。この船にはカントーにおける重要人物が集まっている」

はちまん「ま、まさか!?」

 

 

サカキ「俺がソイツらを攻撃する事で、ロケット団のボスサカキがカントーに宣戦布告する事が出来る」

 

 

はちまん「な!?」

サカキ「俺はこのカントーをぶっ壊す。だからお前は俺を止めに来い」

はちまん「お、俺が?」

 

何で!?

他にいっぱいいるだろ!?

ジムリーダーとか!

 

サカキ「お前の言う通り俺とお前は違う。だが似ている」

はちまん「に、似ている?」

サカキ「だからお前が俺を止めてみせろ」

 

サカキが手を下ろす

待ってー!

肝心なとこ言って!

 

 

サカキ「俺に船は似合わん」

 

 

サイドン「!!!!!」

ドドーンゴゴゴゴゴゴ

 

はちまん「わ、わ」

カラカラ「…!」

 

サカキがサイドンに指示した途端

サイドンが何か技を繰り出した

こ、これは…じわれ!?

 

船が揺れる

波が荒れる

船が割れる

そして俺の立っている甲板も割れて行く

足元が崩れ下に落ちる

 

はちまん「わわ!?カ、カラカラ!戻れ!」

 

落ちる寸前カラカラをボールに戻す

 

そして俺は落ちて行く

落ちて行く時上を見上げた

そこにはサカキがいる

 

 

ああ、やっぱり

孤高の男はそうでなくちゃ

ぼっちみたいな底辺に来ちゃダメなんだ

ずっとぼっちが見上げられる存在じゃなきゃ

そしてぼっちはアンタらを見上げて思うんだ

 

『ああはなりたくない』って

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

61話 God of Thunder


勝手にサント・アンヌ号ぶっ壊してゴメンなさい
あそこのBGM好きな方すみません
でもサカキにあの台詞を言わせたかったんです


あらすじ

 

はちまん「パーティー要素もエンジョイ要素もなかった。サブタイ詐欺だ」

 

#サントアンヌ号

 

ヒューー

 

ドシン!

 

はちまん「んーー!?」

 

くそっあの人無茶苦茶だ!

カントーに喧嘩売るのか知らないけど俺の居ない時にしてくれ!

い、痛い痛い、声にならない!背中から行った、骨折ったかな

 

ゆい「ヒ、ヒッキー!?」

いろは「せ、せんぱいっ!?」

はちまん「あん?痛っ」ぐきっ

 

名前を呼ばれ振り返ったら背中がぐきって!痛い痛い!

そこには結衣にいろは、それと雪乃と…隣にいるのはマチスか?

雪乃がジムバッチを持っているって事はやっぱマチスと戦ってたのか

その雪乃はビックリした表情でこちらを見ている

 

ゆきの「あ、貴方。何で天井から…」

マチス「oh〜!これがウワサのカミナリ様だな!?よし皆の衆!捕まえろー!」

 

え!?マチスが網を持ってこっち来る!?

待って待って!今腰痛いから逃げれない!

 

???「って!そんな場合じゃないでしょ!?この船沈んでるわ!早く避難誘導を!サチ!急いでここの船長に!」

サチ「はい!わかりました!ウキワさん!」タタタ

 

マチスに捕まりそうになる俺を尻目に

サチと呼ばれた

オレンジ色の髪にオレンジのドレス、灰色の帽子を被った女の子が走って行くのが見えた

ん?ウキワ?

俺はウキワと呼ばれたやつを見る

緑色の髪に緑色のドレス、黄色い帽子

トキワの森であったウキワだ

何でこんなところに?

ウキワはマチスの暴走を止めてくれた

俺の方に来る

 

ウキワ「貴方!はちまんよね!?」

はちまん「ああ、そうっ…痛!?」ぐきっ

 

そっちに体を向けようとするとまたぐきって!痛い痛い!

ちょっと!話しかけるなら俺の正面に来てからにして!

 

ウキワ「何があったの!?」

はちまん「み、見てなかったの?天井からあだだだ!?」

 

話してる途中に激痛が!?

痛い痛い!

ちょっと!話しかけるなら俺を病院に連れてった後にして!

 

はちまん「わ、訳は話すから…。びょ、病院に…あだだだ!?」

ゆい「ヒッキー!大丈夫!?歩ける!?」

はちまん「む、無理…」

 

結衣が駆けつけて来て、俺の心配をしてくれる

ちゃんと俺の正面に来て話してくれる

おお…今なら結衣と結婚してもいいかも…

 

ゆきの「由比ヶ浜さん!一色さん!比企谷君を運ぶわよ!」

いろは「はい!」

ゆい「うん!」

 

こうして俺は雪乃達に運ばれてポケモンセンターに行った

いや、俺ポケモンじゃないよ?

と思ったが人間も診てくれるそうだ

良かっ…ぐきっ…痛い痛い!

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#クチバシティポケモンセンター宿泊施設

 

はちまん「」チーン

 

俺はポケモンセンターの女医さんに診察され

ギプスを付けて安静にしている

今は意識だけがある状態だ

一応喋れるが、体はあまり動かせない

 

いろは「せんぱい…」

ゆい「ヒッキー…」

 

結衣といろはは俺の看病をしてくれている

雪乃は用がある為ここにはいない

 

コンコン

 

部屋のドアがノックされる

 

ゆい「ゆきのんかな?はーい」

 

結衣がそれに応えると

ウキワと…えっと…誰だっけ?船で見たオレンジの女の子が入って来た

 

ウキワ「はちまん、入るわよ」

サチ「おじゃましまーす!」

ウキワ「こらサチ、怪我人の前で大きな声を出さない」

サチ「すみません」

ゆい「あ、ウキワちゃんにサッチャン。どうしたの?」

 

ん?結衣はウキワとオレンジの子を知っているのか?

2人が入って来るとその後に別の女の人が入って来た

 

???「失礼します」

 

金髪に金色のドレス、ピンクの帽子を被った

歳は…17歳くらいか?

 

コブキ「初めまして皆様。私、コブキと申します」

いろは「私はいろはって言います」

ゆい「わたしはゆいです。こっちはヒッキー」

はちまん「待て、あだ名を紹介してどうする」むくっ

 

俺は結衣の間違いを正そうと体を起こす

それを結衣といろはが止める

 

ゆい「ヒッキー!ダメだよ!寝てなきゃ!」

いろは「そうですよ!また腰が痛くなっても知りませんよ!?」

はちまん「このくらい大丈夫だ。自己紹介くらい自分で……いや、やっぱめんどくさいからいろはがやってくれ」ゴロン

いろは「じゃあ何で起きようとしたんですか!?」

ゆい「何でわたしじゃなくていろはちゃんなの!?」

 

お前らうるさい

怪我人の前だぞ、ウキワさんに怒られるぞ

 

いろは「まったく…。えーコブキさん、この人は先輩です」

はちまん「ごめん、やっぱ俺がやるわ」むくっ

 

任せた意味無いじゃん

 

はちまん「えっと、はちまんです」

コブキ「ウキワに聞いております。トキワの森でロケット団を撃退した殿方ですよね」

はちまん「知ってるなら自己紹介要らないじゃん。そういう事は早く言えよウキワ」

ウキワ「いや、自分でやりなさいよ」

 

なんでだよ

仕事が増えるしめんどくさいし恥ずかしい

 

ウキワ「じゃ、次はこっちね。ゆいといろはは知っているけど、貴方はまだよね。紹介するわ、この子はサチよ」

サチ「どーもどーも、はちまんさん。わたしクチバシティのサチって言います。よろしくね」

はちまん「どうも」

サチ「いやー!ウキワさんに聞いてましたけど、聞いた通りの人ですね貴方」

はちまん「ふーん」

 

何て聞いたのか知らんが

またどうせ目が腐ってるだの性格が捻くれてるだのそんな事だろ

興味ないし、聞かなくていいか

 

はちまん「何でお前らはコイツらの事知ってたんだ?」

ゆい「あの船でヒッキーと別れた後、パーティーの会場で会ったんだよ。何かジムリーダーの人と話しててそれで」

いろは「その時にお互い自己紹介したんです」

はちまん「そーなの」

 

会ってすぐに自己紹介か

俺じゃあ考えられんな

 

ウキワ「さて、貴方を訪ねたのは他でもないわ」

はちまん「そうか…。俺はもう用済みか…」

 

どうやらウキワ達は俺を始末しに来たらしい

うう、短い人生だったなぁ

あ、でもこれで帰れるかも

 

ウキワ「何でそうなるの?」

はちまん「え?俺の息の根を止めに来たんじゃないの?」

ウキワ「違うわよ!言ったでしょう?話してくれるって」

はちまん「何を?」

ウキワ「あの時、あの船で貴方に何があったのか」

 

何があった?

うーん

色々ありすぎてどれを話せばいいんだ?

もしかして船長の事か?

思い出したくないんだけど

 

はちまん「えっと、何を教えればいいんだ?」

コブキ「では、率直に伺いましょう」

 

自己紹介の件からずっと黙ってたコブキさんが聞いてくる

 

 

コブキ「あの船の甲板でサカキと何を話していたのですか?」

 

 

………

い、言えるか

言えるわけないだろあんな事

 

はちまん「………」

コブキ「…はちまんさん?」

はちまん「す、すみません」

コブキ「え?」

はちまん「答えたくありません」

ウキワ「な!?」

サチ「え!?」

コブキ「……」

ゆい「ちょ、ちょっとヒッキー!」

いろは「せ、せんぱい?」

コブキ「……私達が信用できないからですか?」

はちまん「……えっと」

 

本当の理由は恥ずかしいからだが

それもある

俺は初めて会った…いや、ウキワは違うか…だがそれでも手放しに信用できるほど人間できてない

それにこの人はサカキを知っている

更にはこのサカキがあの船にいた事も知っている

怪しい事この上ない

 

ウキワ「あ、貴方…!」

コブキ「やめなさいウキワ」

ウキワ「で、でも…」

コブキ「ウキワ」

ウキワ「…はい」

 

ウキワを静めるコブキさん

この2人…とサチの3人は何か上下関係のようなものが見える

この辺りも俺が怪しんでいるところだ

 

コブキ「分かりました。では先ずはちまんさんに信用してもらえるよう、私達の事を話します。はちまんさんも私達と色々縁があるようですし」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

私達はとあるチームを作っています

 

リーダーは私、コブキ

メンバーは

ここにいるウキワとサチ

はちまんさんが出会ったニンとナァ

 

名前は『カントーガールズ』

 

目的はこの地方で暗躍するロケット団から街を守ることです

 

私達はこのカントー地方の各地に散らばっています

ウキワはトキワシティ

ニンはニビシティ

ナァはハナダシティ

サチはクチバシティ

そして私はこの街の北にあるヤマブキシティ

他の街にもメンバーはいてロケット団からその街を守っています

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ゆい「ニンちゃんやナァちゃんも」

ゆきの「ナァさんが言っていた役目とはこの事だったのね」

 

なるほど

そのドレスはそのチームの制服みたいなもんか

あ、雪乃は話しの途中に帰って来ました

 

コブキ「なのではちまんさん」

はちまん「………」

コブキ「あの船で何があったのか。ロケット団のボスサカキと何を話しをしたのかお教え下さい。お願いします」

はちまん「…わかりました。しかし条件があります」

コブキ「条件?」

はちまん「はい」

コブキ「……わかりました。その条件受けます」

はちまん「ありがとうございます」

 

はちまん「では、俺の条件は二つです」

サチ「ふ、二つ?」

はちまん「一つは話しの全てをお話し出来ない事を了承して下さい」

ウキワ「どういう事?」

はちまん「俺の触れたくない事情もあるんだよ」

コブキ「わかりました」

はちまん「もう一つは俺の話しが終わった後、俺の質問に答えてもらう事です」

コブキ「………わかりました」

はちまん「では条件通り、話せるところだけ話します」

 

俺はサカキと何があったかを話した

話してない内容は

色の話し

ぼっちの話し

カラカラの事

サカキが俺に止めてみせろと言った事

 

これ以外の

サカキの目的

サカキがあの船で何をやったか

を話した

 

 

いろは「こ、怖いです…」

ゆい「ヒ、ヒッキー。すごい危なかったんだね…」

はちまん「まあな、何回か死を覚悟したからな」

サチ「ふ、船をじわれで割った?」

ゆきの「常人では考えられない行動ね」

ウキワ「ねぇ、貴方の話しだとサカキの方から話しかけて来たのよね?」

はちまん「ああ」

ウキワ「という事はどこかで以前も会ったのよね?それって…」

はちまん「………いや、どこで会ったかは言えない。だが以前に会っていたのは事実だ」

ウキワ「……そう」

 

 

…俺は何故トキワで会ったと言えなかったんだ?

 

 

コブキ「…わかりました。はちまんさん、ご協力感謝します」

はちまん「いえ、俺が話したのはほんの一部だけです」

コブキ「それでもサカキの目的、サカキの実力がわかっただけでも収穫はありました」

はちまん「そうですか」

コブキ「それで私に質問とは」

はちまん「どうしてトキワを守るウキワがここにいるんです?」

ウキワ「サカキが私の守るトキワのジムリーダーだったからよ」

はちまん「だったって事は最近知ったのか?」

ウキワ「ええ、貴方とトキワの森で別れた次の日にね」

 

てことはニビジムに勝った日か

そしてそれを知ったウキワがここにいるという事は

 

はちまん「あの、もう一ついいですか?」

コブキ「なぜあの船にウキワとサチがいたか…ですよね」

はちまん「はい」

 

コブキ「………それは私がサカキをあの船に呼んだからです」

 

ゆい「え!?」

いろは「ど、どうしてそんな危険な事を?」

ゆきの「…………餌、かしら」

はちまん「それって…」

 

あの船にはサカキの言う通りカントーの重要人物が沢山いた

コブキさんはそこにサカキを呼び

サカキにその人達を攻撃させ

サカキを世間に知らしめ

サカキを浮き彫りにし

ロケット団を殲滅するためだろう

船にいた人達は言葉通りの餌

結衣がウキワとサチがマチスと話していたと言っていた

それは恐らくジムリーダーに

船に危険人物が乗っているため注意しておいてほしいと伝える為

そしてパーティー会場にいた人達を守る為だろう

まあサカキはコブキ達の想像を超える攻撃をしてきた訳だが

 

コブキ「私の勝手な行動の所為で貴方達を危険に晒してしまった。許してもらえるとは思っていません。どんな咎も受ける覚悟です」

 

ゆきの「そうね、許す訳にはいかないわ」

 

はちまん「ゆ、雪乃?」

ゆきの「貴女の所為で比企谷君はこんな怪我を負ったのよ?いえ、もしかすると死んでいたかもしれないわ」

はちまん「ま、待て雪乃。怒ってくれるのは嬉しいが、そんな事言ってもしょうがないだろ」

ゆきの「あら?では貴方は私や由比ヶ浜さん、一色さんが危険な目に会っても怒らないのかしら?」

はちまん「………………」

 

はちまん「…。お前の言い分もわかるがな。今はそれどころじゃないだろ」

ゆきの「………わかったわ」

コブキ「…本当に申し訳ありません」

ゆきの「もういいわ。それより貴女がサカキにさせた事の責任、どうするつもりなのかしら?」

 

コブキ「我々の総力を挙げてサカキを止めます」

 

ゆきの「…出来るのかしら?」

コブキ「…やるしかありません。私だけでも戦います。私の責任ですから」

ゆきの「それは当然の事でしょう?出来るか出来ないかを聞いているのだけれど」

コブキ「…出来ます」

ゆきの「根拠は?」

コブキ「私達の力が集まればきっと!」

ゆきの「各地に散らばっているのでしょう?集まるの?」

コブキ「はい、大丈夫です」

ゆきの「………2日よ」

コブキ「え?」

ゆきの「2日で全員を集めなさい。そうでもしないと時間かかり過ぎるわ」

コブキ「…………わかりました」

ゆきの「そして集まったら直ぐにでも行動を起こしなさい。例え誰かがぐずったり怠けたり怯えたりしても無理矢理にでも貴女が行動させなさい。それが貴女の責任よ」

コブキ「わかりました!」

 

いつの間にか雪乃がコブキさんに指示していた

怖いよゆきのん

コブキさんとウキワ、サチはメンバーを集めるため部屋を出て行った

 

はちまん「い、言い過ぎじゃないか?」

ゆきの「いえ、言い足りないくらいよ」

はちまん「そ、そっすか」

 

ゆい「………」

いろは「………」

 

結衣といろはは雪乃がコブキさんと話している間

ずっと黙っていた

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

62話 Preparedness

#クチバシティポケモンセンター

 

コブキさん達が部屋から出て行った後

雪乃が今後について話し始めた

 

ゆきの「結論から言うと交渉は成立、マチスさんは周りに観客の居ない場所で挑戦を受けてくれるそうよ」

 

マチスは雪乃の提案をのんだ

マチスとしても満足のできる勝負がしたいため

その方が戦いやすいと言うのであれば異論はないようだ

ただしそれを受けるには条件があると

 

はちまん「それでお前が戦ったのか」

ゆきの「ええ、あの人に勝てたら提案をのんでくれると言う事だったから」

はちまん「それで戦って、勝って、その場でジムバッチを貰ったのか」

ゆきの「そして貴方が降ってきた」

 

なるほど

雪乃がさっき居なかったのは

その時サカキが行動を起こしたため日時や場所を決めてなかったからか

 

ゆきの「場所はこの街に少し開けた広場があるそうなの、そこで行うわ、日時はいつでも受け付けるそうよ」

はちまん「それって俺達3人に適応されるのか?」

ゆきの「ええ、心配しなくても貴方は忘れていないわ。私以外」

はちまん「何でお前は忘れてんの!?大丈夫だよね?ちゃんと交渉に俺の名前出してくれたんだよね?」

ゆきの「大丈夫よ」

 

本当かなぁ

 

ゆい「ゆ、ゆきのん、ごめんね」

ゆきの「え?」

いろは「私達、雪ノ下先輩に頼ってばっかりで」

ゆきの「そんな事は…」

ゆい「さっきだって、わたしもコブキさんとかに怒りたかったけど、何も言えなかったし」

いろは「雪ノ下先輩だけに言わせてしまって…」

ゆきの「はぁ…。だったら行動で示して頂戴。必ずジム戦で勝つと」

いろは「それは、もう!」こくこく

ゆい「うん!絶対勝つよ!」

ゆきの「貴方もよ」

はちまん「………ああ」

 

コイツらそんな事気にしてたのか

まあ俺も雪乃に世話になり過ぎているところがあるしな

俺も勝つしかない

だが

 

はちまん「それじゃあお前ら、ジム戦に向けて特訓して来い。マチスと一回戦った雪乃が見てくれれば大丈夫だろ。俺は行けんがな」

いろは「で、でもそれじゃあ先輩が……」

はちまん「大丈夫だって、このくらい痛くないって……多分」

いろは「本当ですか?」

はちまん「まあどっちにしろお前らは勝たなきゃいけないんだろ?だったら時間がもったいないだろ。俺はここで安静にしてるから」

いろは「わかりました…。何かあったらすぐに呼んでくださいよ!」

はちまん「おう、お前の名前を大声でな」

いろは「え…。そ、それはちょっと…」

 

えーじゃあどうやって呼べばいいの?

テレパシーかな

雪乃達は部屋から出て行き俺は1人になった

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

さて

 

はちまん「カラカラ」

 

ポンッ!

 

カラカラ「…………カラ」

 

コイツをどうするかだな

サカキが船を壊す前に言っていた台詞

 

サカキ『シオンでウチのもんが殺したガラガラの子供か?』

 

以前博士に聞いた話しによると

カラカラの母親を殺したのはロケット団だと言っていた

だからそのボスであるサカキが知っていても不思議じゃない

そのガラガラがこのカラカラの母親とは限らんが

 

サカキが言ったシオンとはシオンタウンの事だろう

ここからだとクチバから東に行って11番道路の先にあるゲートをくぐり、12番道路を北へ進むとある

 

カラカラ「…………」

 

博士によると母親はカラカラの目の前で殺されたと言っていた

サカキの言ったガラガラがその母親だとすると

カラカラの母親が殺された場所はシオンで、そこでコイツもその死を目の当たりにしたと言う事

カラカラにとってシオンはトラウマになっているかもしれない

シオンにコイツは近づけない方がいいかもしれない

 

でもそれはコイツが決める事だ

 

だが今コイツは意気消沈している

いつまでもこの状態でいさせる訳にはいかない

早めに決断させないといけない

マチスへの挑戦もあるが

これじゃあ前に進めない

俺の戦力の要はカラカラだからな

 

はちまん「…どうする?マチスに挑戦する前にシオンへ行ってみるか?」

カラカラ「……」ふるふる

 

挑戦が先と

それか行きたくない、か

 

はちまん「でもお前がそんな調子じゃあ勝てないぞ」

カラカラ「…………」

 

はぁ…

どうするかな

 

カラカラ「………カラ」

はちまん「ん?」

カラカラ「……」ジッ

 

おっ久々のアレだなよし

来てます来てます

カラカラが何を言おうとしているのか

フッフッフ、お前の考えている事が手に取るように分かるぞ

…ごめんなさい睨まないで

 

はちまん「……えーと、シオンに行ってみたい…でもそこに行ったら自分がどうなるかわからない、そこに行っても何も変わらないかもしれない…」

カラカラ「………」

はちまん「だから今は考えたくない…それにやるべき事がある」

カラカラ「………」

はちまん「………でも、必ず行く、どうなるかわからないけど…わからないままほっとくのは嫌…って所か」

カラカラ「カラ」コクン

はちまん「今はクチバジム攻略を考える。でもシオンはその後必ず行くって事でいいんだな?」

カラカラ「カラ」コクン

はちまん「俺もその方がいいが、大丈夫なんだな?」

カラカラ「カラ!」コクン

 

相変わらず俺より考えてんなコイツ

自分の感情もよくコントロール出来てる

いいぼっちだ

 

はちまん「よし、なら明日。雪乃達には悪いが俺達だけで特訓だな」

カラカラ「カラ!」

はちまん「………いや悪い」

カラカラ「?」

はちまん「…………明日出来るかわから…いででで!」

カラカラ「カ、カラ!?」

 

痛い痛い痛い!!

これ明日まで治ってるかな

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

63話 Golbat

ここでおさらいしておきますと
ポケモンが覚える技は第七世代のものです


ロケット団のサカキが大々的にカントーへ喧嘩を売った

 

原因は重要人物が乗るサントアンヌ号の破壊

幸い怪我人はいなかった

だがこの由々しき事態にカントー側はパニック

早急にサカキ及びロケット団の弾圧を決断、実行に移す

 

しかし予想外の事が起きた

あんなに各地で好き勝手に暴れていたロケット団の消息がこれを機にパタリと止んだのだ

嵐の前の静けさなのか、草の根を分けて探しても見つからない

カントーの住民はこれに恐怖した

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#クチバシティポケモンセンター喫茶店

 

ポケモン世界14日目

俺は喫茶店でカフェオレを飲みながら新聞を読んでいる

ポケモン達もいつものやつを飲んでいる

むむむ

サカキのやつ前から思ってたがやることなす事大胆過ぎる

あ、怪我は完治しました

心配してくれた方、ありがとうございます

 

はちまん「はー。あのウキワ達のナンタラってグループ大丈夫か?」

 

俺は昨日お見舞いに来てくれたウキワ達を思い浮かべる

 

はちまん「まあいいか、今日はそれよりお前らを鍛えていこう」

 

カラカラ「…カラ」コクン

ズバット「〜♪」

ロコン「…」こく

 

カラカラは決意に満ちている

自分の母親が殺されたかもしれない場所に行くのを後回しにして

ジムリーダーに勝つために強くなる決意だ

 

はちまん「よし、行くか」

 

ちなみに雪乃達は昨日の特訓の成果を出す為

今結衣といろはがマチスに挑戦している

ま、大丈夫だろ

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#11番道路

 

野生ポケモン戦

 

はちまん&ロコン VS スリープ

 

1ターン目

 

はちまん「ロコン!ほのおのうず!」

 

ロコン「!」ぼうぼう

スリープ「…!」

 

スリープ「!」バシ

ロコン「…!」

 

スリープ「…!」ぼう

 

ロコンはほのおのうずでスリープを閉じ込める

対するスリープははたくで攻撃

その後ほのおのうずのダメージをくらう

 

2ターン目

 

はちまん「ロコン!でんこうせっか!」

 

ロコン「!」シュ、ゴス

スリープ「…!」

 

スリープ「!」ミワンミワン

ロコン「…zzz」

 

スリープ「…!」ぼう

 

ロコンは先制技でんこうせっかで攻撃

しかしスリープにさいみんじゅつで眠らされる

ここは交代か

 

 

3ターン目

 

はちまん「戻れ、ロコン!行け、ズバット!」

 

交代、ズバット

 

ズバット「!」さっ

 

スリープ「!」バシ

ズバット「…!」

 

スリープ「…!」ぼう

 

ロコンを戻しズバットを出す

スリープははたくでズバットを攻撃

 

 

4ターン目

 

はちまん「ズバット!かみつく!」

 

ズバット「!!」ガブ

スリープ「…!!」

 

スリープ「…」

バタン

 

効果抜群のかみつくが炸裂

スリープは倒れた

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん「フー、お疲れ」

ロコン「…」コクン

ズバット「〜♪」

はちまん「カラカラもな」

カラカラ「カラ」コクン

 

ここに来て2時間後

結構鍛え上げられたと思う

ステータス、どん

 

[カラカラ]

レベル 26

 

<覚えている技>

・アイアンヘッド

・ホネブーメラン

・きあいだめ

・にらみつける

 

[ズバット]

レベル 21

 

<覚えている技>

・かみつく

・つばさでうつ

・すいとる

・あやしいひかり

 

[ロコン]

レベル 20

 

<覚えている技>

・ひのこ

・ほのおのうず

・でんこうせっか

・おにび

 

カラカラのレベルは上がっていないが

ズバットは21、ロコンは20になった

ロコンが新しく覚えた技はおにび

相手をやけど状態にする技だ

やけど状態になると1ターンごとにダメージを受け

さらに攻撃力も下がる状態異常だ

ただしほのおタイプには効かない

 

はちまん「よし、それじゃあもうちょっと頑張るか」

ズバット「!!」パタパタ

はちまん「…?どうしたズバット」

ズバット「!!」パタパタ

はちまん「ん?お前が次やるのか?」

ズバット「!!」コクンコクン

 

何だ?ズバットのやつ

いつもは寝てるのに今日はやけにやる気だな

 

はちまん「わかった。んじゃ次はお前からいくか」

ズバット「!」コクン

 

俺はズバットを連れて草むらに入る

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

野生ポケモン戦

 

はちまん&ズバット VS アーボ

 

1ターン目

 

はちまん「ズバット!あやしいひかり!」

 

ズバット「!」ピロピロ

アーボ「…?!」

 

アーボ「?!」バシッ

アーボ「…!」

 

ズバットはあやしいひかりでアーボを混乱状態に

アーボは混乱して自分を攻撃する

 

 

2ターン目

 

はちまん「ズバット!かみつく!」

 

ズバット「!」ガブ

アーボ「…!」ビクッ

 

アーボ「…!」ビクビク

 

ズバットのかみつくでアーボは怯んだ

 

 

3ターン目

 

はちまん「ズバット!トドメのつばさでうつ!」

 

ズバット「!!」

アーボ「…!!」

 

アーボ「…」

バタン

 

面白いくらいのワンサイドゲーム

ズバットは一度もダメージを受けずに勝利した

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ピコーン

 

はちまん「お、レベルアップか」

 

俺がポケモン図鑑から聞こえたレベルアップを知らせる音聞いたその時

 

ズバットに変化が起きた

 

ピカーーー

 

はちまん「な、何だ!?」

カラカラ「カ、カラ!?」

ロコン「…?」

 

ズバットが急に光り出した

光がどんどん強くなり目が開けられなくなる

 

はちまん「ぐっ……」

 

徐々に光りが弱まっていく

目もだんだん見えるようになる

 

はちまん「え……」

 

そしてズバットがいたところを見るとそこには……

 

 

ゴルバット「バット!」バサバサ

 

 

ズバットの進化系ゴルバットがいた…ってことは!

 

はちまん「し、進化した…のか」

 

なんと俺のズバットがゴルバットに進化した

 

 

ゴルバット「バット♪」バサバサ

 

 

身体も翼も大きくなった

ズバットの頃にはなかった目がある

俺並みに目つきが悪い

口は大きく…というか身体が口だ

デカすぎ

牙も大きく鋭くなっている

後足も前よりもわかりやすくなっている

 

ほえー

ズバットが進化した…

……何か寂しいな

でもコイツは俺の知ってるズバットが成長しただけだ

トレーナーである俺がそんな態度をしてはいけない

でないとコイツに失礼だ

…ま、まぁ、前の方が可愛かったけど

 

ゴルバット「バット!」バサバサ

はちまん「ん?」

 

ゴルバットは俺の方に飛んでくる

そして俺の後ろに……って待て!

まさかフードの中に入る気か!?

俺も残念だし寂しいけどもう入らないよ!?

 

ゴルバット「バット♪」がしっ

はちまん「え?」

 

ゴルバット「zzz」

 

…………えっと

ど、どう説明しようか

あ、そうだ

 

I←このアルファベットの『アイ』が俺の上半身

 

L←このアルファベットの『エル』が今のゴルバットの体制

 

LI←そしてこれが今の状態

 

つまりゴルバットは俺の腰の辺りを足で掴み上体を起こし寝ている

ええええ!?どういう事!?

それで寝れんの!?

というか掴まれてんのに全然痛くも重くもないよ!?何で!?

どんな原理で掴まってんの?それ

 

ゴルバット「zzz」

 

………まあいいか

あれ?でもコイツ、ズバットの時隙あればフードで寝てたよな?

てことはずっとこの体制なのか!?

ポケモンセンターでも、自転車に乗る時も、歩く時もずっと!?

さ、先が思いやられる…

 

 

というわけで

俺のズバットがゴルバットに進化しました

初めは慣れないと思いますがどうぞよろしく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、コイツがこの体制で翼を広げたらカッコよくね?

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

64話 Beak tee Gym leader of First part

ここでおさらいしておきますと
この物語に出てくるのは第1世代のポケモンだけです
なので前回進化したゴルバットはクロバットにはなりません

今回マチスが出ますが
ガンガン英語を使わせるつもりはありませんのでご安心下さい


#クチバシティポケモンセンター

 

はちまん「雪乃、俺もマチスに挑戦したいんだが…」

 

ポケモン達をもう充分というところまで鍛え

マチスに挑戦するため雪乃にマチスがどこにいるのかを聞く

 

ゆきの「え、えっと…。それなら私が連れて行ってあげるけど…」

はちまん「でもマチスはまだそこにいるのか?」

ゆきの「い、いると思うわ。ついさっきまで由比ヶ浜さん達が挑戦していたから…。恐らくね…。」

はちまん「ん?そういえばアイツらはどこにいるんだ?」

ゆきの「い、今挑戦が終わってお風呂に入っているところよ」

はちまん「結果は?」

ゆきの「わ、私が鍛えたのだから当然勝ったに決まっているでしょう?」

はちまん「そっか、勝ったのか」

 

確か今日初めて挑戦したはずだ

ということは一度戦っただけで勝利したのか

やっぱ結衣もいろはも俺より強いな

まあ俺が特訓とかがめんどくさいからってのもあるがな

 

はちまん「じゃあ悪いが早速案内してくれるか?」

ゆきの「え、ええ、わかったわ」

 

俺と雪乃はポケモンセンターが出てマチスのいる場所に向かう

しばらく歩くと雪乃が話しかけてくる

 

ゆきの「あ、あの…」

 

雪乃は俺の背中を指す

 

 

ゆきの「貴方のその背中の…何?」

はちまん「気にするな」

ゴルバット「zzz」

 

 

俺の背中にくっついて寝ている

さっき進化したゴルバットに戸惑いの眼差しを向ける雪乃

ズバットの時と違って身体も大きいから気になるのだろう

でも気にする程じゃない

大きくなった翼は寝てる間は折りたたんでいるので邪魔にならないし

まあバッグから物を取り出す時は正直取りにくいが

 

ゆきの「た、戦う時もその状態でいるつもり?」

はちまん「さあ?コイツ次第だ」

ゆきの「そ、そう」

 

こうしてどうでもいい事を話しながら歩いていると

 

ゆきの「どうでもいいとは思えないのだけれど…。ボールに戻すという発想はないのかしら…?」(小声)

 

遠くの方に広場が見えて来た

そこに迷彩の服を着た金髪の男がいる

多分マチスだろう

俺は隣を歩く雪乃に聞く

 

はちまん「なあ、あそこでいいのか?」

ゆきの「ええ、そうよ」

 

そうらしい

よし、そこそこ気合い入れて行くか

俺はカラカラとロコンが入ったボールを持ちそう考える

 

ゆきの「ボールに戻す発想あるじゃないの…。何でその子だけ出したままなの…?」(小声)

 

雪乃がさっきから小声で何か言っているが

多分俺の悪口だろう

全くコイツは、これから大事な戦いが始まるってのに

 

はちまん「カラカラ!ロコン!」

 

俺はマチスのところに着く前にカラカラとロコンをボールから出す

 

カラカラ「カラ!」ぐっ

ロコン「……」

ゴルバット「zzz」

 

よし、カラカラは気合い充分だな

あの戦法は気合いがなきゃ効果がないからな

ロコンはいつも通りだ

まあコイツがいきなりはしゃぎ出したらビビるからいいか

そして俺達はマチスのもとに辿り着く

 

ゆきの「せ、背中の子は…?起こさなくていいの…?」(小声)

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#クチバシティ広場

 

マチス「oh〜!youがユキノの言ってたハチマンか?ハッ!いつぞやのカミナリ様じゃないか!皆の衆〜!捕まえろー!」ダダダ

はちまん「えぇ!?ちょ、ちょっと!?」ダダダ

 

マチスが俺を見るなり網を持って追いかけてくる

どこから出したのその網!

待って待って追いかけて来ないで!

助けてゆきのん!

 

ゆきの「はぁ…。マチスさん、この男は貴方に挑戦しに来ました。早く受けてください」

マチス「ハハハ〜!相変わらずユキノはクールだな!」

はちまん「はぁ…はぁ…」

 

雪乃が追いかけてくるマチスを止めてくれた

た、戦う前に疲れた

まさかこれがマチスの戦略か!?

 

はちまん「雪乃…。この人お前が挑戦した時もこんな感じだったの?」

ゆきの「ええ、中々戦いを初めてくれなかったから苦労したわ」

はちまん「えぇ…」

 

マジか

い、いらない事言わせる前に初めてもらおうか

 

はちまん「あ、あの…。挑戦、お願いします」

マチス「OK!ユキノとの約束だからな!」

はちまん「ありがとうございます」

マチス「Meが使えるアイテムは一つ!you が使えるのはいくつでもいい!そしてMeが出すポケモンは3匹!you は?」

はちまん「このカラカラとロコン。後、背中のゴルバットです」

マチス「背中?ハハ!ホントにいた!何でそんなところにいるんだ?」

はちまん「気にしないで下さい」

ゆきの「無理よ」(小声)

 

 

マチス「よし!Meのエレクトリックなポケモン!GO!!」

 

マチスはピカチュウを繰り出す

 

はちまん「ロコン、行けるか?」

 

俺の先行はロコン

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

ジムリーダー戦

 

はちまん ロコンVS マチス ピカチュウ

 

1ターン目

 

はちまん「ロコン!ほのおのうず!」

マチス「ピカチュウ!でんげきは!」

 

ピカチュウ「!」バチバチ

ロコン「…!」

 

ロコン「!」ぼうぼう

ピカチュウ「…」ひょい

 

先に動いたのはピカチュウ

ピカチュウの使ったでんげきはは必ず当たるでんきタイプの技

そしてロコンのほのおのうずだがピカチュウのすばやさが高い為か外してしまった

くっ…

 

 

2ターン目

 

はちまん「ロコン!おにび!」

マチス「ピカチュウ!でんげきは!」

 

ピカチュウ「!」ビリビリ

ロコン「…!」

 

ロコン「!」ボッボッ

ピカチュウ「…!」ジュッ

 

ピカチュウ「…!」ジュッ

 

ピカチュウはでんげきはの連打

対するロコンはおにびでピカチュウにやけどを負わせる

これでターン経過ごとにダメージを負わせられる

さらにピカチュウの攻撃力も下がった

 

 

3ターン目

 

はちまん「ロコン!ひのこ!」

マチス「ピカチュウ!でんげきは!」

 

ピカチュウ「!」ビリビリ

ロコン「…!」

 

ロコン「!」ボッ

ピカチュウ「…!」

 

ピカチュウ「…!」ジュッ

 

またもピカチュウはでんげきは

でんげきはを三回も食らったがロコンは結構頑丈だから大丈夫だろう

ロコンはひのこでダメージを与える

そこにやけどの追い打ち

恐らくどちらも体力は半分くらいか

 

 

4ターン目

 

はちまん「ロコン!ひのこ!」

マチス「いいキズぐすり!」

 

ピカチュウ「〜♪」

 

ロコン「!」ボッ

ピカチュウ「…!」

 

ピカチュウ「…!」ジュッ

 

マチスはピカチュウにいいきずぐすりを使う

本当はもっと早くにやけどなおしを使わせるつもりだったが

これでマチスはもう道具を使えない

こっちは相手が回復しているうちにダメージを与える

 

 

5ターン目

 

はちまん「ロコン!ひのこ!」

マチス「ピカチュウ!でんげきは!」

 

ピカチュウ「!」バチバチ

ロコン「…!」

 

ロコン「…!」フラフラ

 

ロコン「!」ボッ

ピカチュウ「…!」

 

ピカチュウ「…!」ジュッ

 

ピカチュウ「…!」

 

ピカチュウはまたもでんげきは

ロコンも同じくひのこ

互いにダメージを与えどちらも瀕死寸前だ

よし、勝負だ!

 

 

6ターン目

 

はちまん「ロコン!でんこうせっか!」

マチス「ピカチュウ!でんこうせっか!」

 

技はどちらも先制技のでんこうせっか

これでは素早さの高いピカチュウの方が早く動いてしまう

だが

 

ピカチュウ「!」ビュ、ゴス

ロコン「…!」

 

ロコン「…!」フラフラ

 

ピカチュウはやけどの効果で攻撃力が下がっている

ロコンを倒す程のダメージはなかった

 

ロコン「!」ビュ、ゴス

ピカチュウ「…!」

 

ピカチュウ「…」

バタン

 

よし、ギリギリの駆け引きだったが何とか倒した

しかし

 

ロコン「…!」びりっ

 

ロコンはピカチュウの特性せいでんきによりまひ状態になってしまった

まひ状態になると素早さが二分の一になるほか

しびれて技が出せなくなることがある

マチスのポケモンは後2匹

連続で戦うのはキツイか

 

------------

 

はちまん「ロコン、お疲れ。交代だ」

ロコン「…」コクン

 

俺はロコンを下げる

 

マチス「GO!ビリリダマ!」

 

マチスの2匹目はビリリダマ

 

はちまん「行け、カラカラ!」

カラカラ「カラ!」ぐっ

 

俺はカラカラを前に出す

この戦い早急にカタをつける

 

------------

 

はちまん&カラカラ VS マチス ビリリダマ

 

1ターン目

 

はちまん「カラカラ!ホネブーメラン!」

マチス「ビリリダマ!たいあたり!」

 

ビリリダマ「!」ゴス

カラカラ「…!」

 

カラカラ「!!…!!」バシッ…バシッ

ビリリダマ「…!!……!!」

 

ビリリダマ「…」

バタン

 

相手の方が素早く攻撃を受けたが

それでも効果抜群のホネブーメランで倒した

よし

 

------------

 

マチス「ハハハ!強いな、ハチマン!」

はちまん「いえ、そうでもありません。ピカチュウの時はギリギリで危なかったですし」

 

マチスはビリリダマを戻しながら話しかけてくる

 

マチス「ハハハ!しかし、Meのラストポケモンは強いぞ!youは倒せるか!?」

はちまん「ま、やってみます」

マチス「ソーグッド!それでいい!」

はちまん「え?」

 

マチス「何ごともチャレンジから始まる。チャレンジしなければ何も始まらない!しかしチャレンジの仕方はみんな違う!1人でチャレンジするもの、みんなでチャレンジするもの。いろいろなやり方がある!Meは賑やかなものが好きだからみんなでチャレンジしたい!だがチャレンジするのは自分だ、周りのみんなじゃない!自分だ!自分で決めるんだ!何でもいいから周りに決められる前に自分で決めるんだ!だって前に進むための足は自分だけしか動かせないからな!ハハハ!」

 

はちまん「お、おお…」

 

す、凄え

な、何か体が痺れた

マチスって適当な人かと思ったが考えを改めなければいけない

だってこのマチスの考え方俺の考え方とちょっとだけ似てるんだもん

 

マチス「さあ!再開しよう!youのMeに対するチャレンジを!」

はちまん「はい!」

 

マチス「GO!ライチュウ!あのチャレンジャーを痺れさせてこい!」

ライチュウ「!」バチバチ!

 

マチスの最後のポケモンはライチュウ

ピカチュウの進化系だ

 

はちまん「カラカラ、少し休んでてくれ」

カラカラ「…カラ」コクン

 

俺はカラカラを下げる

よし、練習の成果見せてやる

 

はちまん「ゴルバット!出番だ!」

ゴルバット「!」

 

バサァ

バサァ

 

 

マチス「オ、オオォーーー!!」

 

俺の背中にいるゴルバットが翼を広げる

マチスからは俺にコウモリの翼が生えているように見えるだろう

 

マチス「ドラキュラ!ドラキュラだ!」

 

フッフッフ

この演出すごい練習したからな

カッコよくないはずがない

 

はちまん「さあ!第3ラウンド、開始だ!」

ゴルバット「バーット!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆきの「…何か途轍もなく悪役みたいね」(小声)



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

65話 Beak tee Gym leader of Second part

#クチバシティ広場

 

ジムリーダー戦

 

はちまん&ゴルバット VS マチス ライチュウ

 

1ターン目

 

はちまん「ゴルバット!あやしいひかり!」

マチス「ライチュウ!しっぽをふる !」

 

ライチュウ「!」ふりふり

ゴルバット「…!」

 

ゴルバット「!」ピロピロ

ライチュウ「…?!」

 

先に動いたのはライチュウ

ライチュウはしっぽをふるでゴルバットの防御力を下げる

ゴルバットはあやしいひかりでライチュウを混乱状態にする

ん?でんき技でくるかと思ったがしっぽをふる?

あ!カラカラか!

じめんタイプのカラカラにでんき技は効果ないからか

だがそのおかげでライチュウを混乱状態にできた

 

 

2ターン目

 

はちまん「ゴルバット、戻れ。行け、カラカラ!」

 

交代、カラカラ

 

カラカラ「カラ!」さっ

 

マチス「ライチュウ!でんこうせっか!」

 

ライチュウ「!」ビュ、ゴス

カラカラ「…!」

 

俺はゴルバットを下げカラカラを前に出す

そしてライチュウのでんこうせっか

ここは読み通りだ

だがカラカラはこのでんこうせっかとビリリダマのたいあたりを食らっている

油断は出来ない

 

 

3ターン目

 

はちまん「カラカラ!にらみつける!」

マチス「ライチュウ!しっぽをふる!」

 

ライチュウ「?!」バシッ

ライチュウ「…!」

 

カラカラ「!」キッ

ライチュウ「…!」

 

ライチュウ「…!」ハッ

 

ライチュウは混乱して自分を攻撃する

カラカラは下準備のためライチュウの防御力を下げる

そしてライチュウの混乱状態が解けた

ゴルバットが繋いでくれたこの機、逃すわけにはいかない

 

 

4ターン目

 

はちまん「カラカラ!きあいだめ!」

マチス「ライチュウ!でんこうせっか!」

 

ライチュウ「!」ビュ、ゴス

カラカラ「…!」

 

カラカラ「!」ぐっ

 

-------

 

雪乃に案内される前

 

はちまん「カラカラ」

カラカラ「カラ」

はちまん「いいか、お前が言ったんだ。この後マチスに勝って、絶対にシオンに行くって」

カラカラ「………」コクン

 

はちまん「怖いか?」

カラカラ「…」

はちまん「自分の親が殺されたかもしれない場所に行くのは」

カラカラ「……」

はちまん「奇遇だな、俺も怖い」

カラカラ「?」

はちまん「その場所に行ったら、お前も何か変わっちまうんじゃないかって」

カラカラ「!」

はちまん「別に進化したズバット…いやゴルバットが悪いんじゃない。でも正直寂しかった。俺が変わってないのに、いつもそばにいたやつが急に姿も中身も成長、変わってしまった。ワガママだとは思うが寂しかった」

カラカラ「…………」

 

はちまん「だが、それでお前が変わって、俺が寂しがったりしたら。お前との約束を破ることになる」

カラカラ「!」

はちまん「言ったよな。俺もお前と強くなるって」

カラカラ「カ、カラ」コクン

はちまん「正直お前には変わってほしくない。だがお前が強くなる、変わりたいって思うなら俺は嫌々でも協力する。そして俺も強くなる」

カラカラ「………………」

はちまん「だ、だから……」

カラカラ「?」

 

 

はちまん「え、えっと、その、こ、これからも、ず、ずっと俺と、いい一緒にっ………や、やっぱ無理!」///

 

 

-------

 

カラカラ「………」フッ

 

え?何でコイツ笑ったの?

余裕ってか

じゃあその余裕見せてもらうか

 

 

5ターン目

 

はちまん「カラカラ!トドメのホネブーメラン!」

マチス「ライチュウ!でんこうせっか……ワッツ?」

 

ライチュウ「!」ビュ、ゴス

カラカラ「…!」

 

 

カラカラ「…………」ぐぐぐっ

 

カラカラ「カラ!」バシッ

ライチュウ「…!!」

 

カラカラ「カラ!」バシッ

ライチュウ「…!!」

 

 

ライチュウ「…」

バタン

 

 

ホネブーメランの攻撃がどちらも急所に当たり

ライチュウは倒れた

勝負は俺達の勝ちだ

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

マチス「オ、オーノー!ま、まさか二回連続でクリティカルとは!」

 

 

マチスは驚いている

カスミと一緒だな

…あれ?これまた説明しなきゃいけないパターン?

どうしようめんどくさい

 

カラカラ「カラ!」スッ

はちまん「あん?」

 

カラカラが手のひらをこちらに向けてくる

あっ、そうか忘れてた

 

はちまん「カラカラ、ほいハイタッチ」スッ

カラカラ「カラ!」ぱんっ

 

うまくいったね♪ハイタッチ♪

後でロコンとゴルバットともしなきゃな

 

マチス「フッハハハ!いいコンビだ!ハハハ!」

 

げっ見られてた

やばい帰りたい…けど雪乃が一緒だ

ほっとくとアイツあらぬところへ行くぞ

方向音痴だから

 

ゆきの「………………あれが比企谷君の、実力」(小声)

 

雪乃の方を見たら何か考えてるようだ

ん?もしかして俺とゴルバットの吸血鬼演出がカッコよすぎた?

惚れちゃっ……

 

ゆきの「調子に乗らないで頂戴。コウモリの翼に貴方の腐った目、そしてそのそばに侍る灰色の目をしたカラカラと冷たい目をしたロコンが相まって凶悪な悪役にしか見えなかったわ。暗い所でやると相手は恐怖のあまり失神するかもね」

はちまん「………………………………マ、マジすか」

 

そんな事ないと思いたいが

自分で想像したらなるほどと思ってしまった

……結構気に入ってたんだけどな……やめようかな

 

マチス「ハッハッハ!!よし、ハチマン!」

はちまん「はい」

マチス「Meに勝った証としてこのオレンジバッチをプレゼントだ!」

はちまん「あ、ありがとうございます」

マチス「で、これが賞金だ!あと仕送り…だっけ?それはユキノから聞いたハチマンのトレーナーパスのナンバーの所に送られるからな!」

 

俺はマチスから賞金と衝撃を受け取る

ちょっと、ゆきのさん

何危ない事してくれてんの

俺の金取られたらどうするの

って、そういやまだニビからもハナダからも仕送り来てなかったから1円も入ってなかった

やっぱりジム戦に勝ってから1ヶ月経たないと送られないらしい

まあ結果的に良かったけどさぁ

今度からはやめてよ?

ん?あれ?ていうか俺、雪乃に金握られてない?

き、気のせいだよね?

 

 

マチス「では、ハチマン!また会おう!」スッ

 

 

マチスはそう言って握手を求める

俺はカラカラの顔を見た後

それに応じた

 

 

こうして俺はキツイ戦いを経て

3つ目のバッチを手に入れた

 

 

 

 

 

 

 

そして俺はまたマチスに追いかけられないうちに

雪乃と足早に去っていく

その後ポケモンセンターに戻るまで俺と雪乃は無言だった

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

66話 After Jim Victory of Vermilion

クチバジム勝利と言うわけで
この章はここまで
次回はステータス回です
手持ちの数は変わっていませんがね


すみません話数間違えてました


#クチバシティポケモンセンター喫茶店

 

ゆい「ヒッキーも勝ったんだね!」

 

いろは「これで4人ともバッチが3つってことですね!」

 

はちまん「おう」

 

俺はマチスに勝った後

ポケモンセンターの喫茶店で祝勝パーティを開いていた

雪乃、結衣、いろはもそれぞれ勝利を祝っている

というわけで

めんどくさいので雪乃達以外の

俺とそのポケモン達のパーティメニュー!パチパチ

 

はちまん、ケーキとカフェオレ

カラカラ、ケーキとミックスオレ

ゴルバット、ケーキと(なんと)イチゴオレ

ロコン、ケーキとオレンジジュース

 

以上6200円

 

いつも通りのメニューかと思いきや

なんとゴルバットがトマトジュースよりイチゴオレの方が良いと言うではありませんか!

多分進化して味覚も大人になったのだろう

イチゴオレは大人の味だからな

 

 

ゆい「ヒッキーたちって、ハナダでもそのケーキ食べてたよね?好きなの?」

 

はちまん「ん〜?どーなんだろ?ウマいのはウマいんだがな」

 

ゆい「え?わかんないの?」

 

はちまん「何か勝ったらコレを食べなきゃ落ち着かないと言うか」

 

ゆい「うーん?どういう事?」

 

はちまん「まあ願掛けみたいなもんだな」

 

ゆい「へ、へー。が、がんかけ…」

 

わかってないだろコイツ

っとそうだ勝利した後と言えば

 

はちまん「雪乃達がいるが、まあいいか。おい、お前ら」

 

カラカラ「カラ!」

 

ゴルバット「バット!」

 

ロコン「…」

 

カラカラに向けて掌を見せる

 

はちまん「ほい、まずカラカラ。ハイタッチ」スッ

 

カラカラ「カラ!」ぱんっ

 

次にゴルバットに向けて掌を見せる

 

はちまん「ほい次、ゴルバット。ハイタッチ」スッ

 

ゴルバット「バット♪」ばさっ、バシッ

 

そして…

 

はちまん「じゃあ最後…はどうせやらないからいいか」

 

ロコン「……」ばしっ

 

はちまん「いて!?わかったよ…。ほら、ロコン。ハイタッチ」

 

ロコン「…」ぽふっ

 

そして最後にロコンへ向けた掌に小さな前足が当たって終了

お、肉球

やったぜ

 

いろは「先輩達、仲良いですね…」

 

はちまん「そうか?うまくいったらハイタッチするのは当然だろ?」

 

いろは「そ、そうなんですか?あ!だったら!」

 

はちまん「何」

 

いろはが俺に掌を向ける

 

いろは「はい!せんぱいっ!ハイタッチです!」スッ

 

はちまん「へ?何でお前とするんだ?」

 

いろは「それはですね、先輩。先輩が教えてくれたでんきタイプの対策、私のグダちゃんが今回の挑戦で大活躍だったからですっ!」

 

はちまん「グダちゃん?ああ、ディグダの事か」

 

いろは「そーです、そーです!それで、先輩と私のでんきタイプの対策がうまくいったって事で!はい!ハイタッチですっ!」スッ

 

はちまん「うまくいったなら仕方ないな。ほい」ぱんっ

 

いろは「イェーイですっ!」

 

あざとい

 

ゆい「わ、わたしも!」

 

はちまん「あん?お前も?お前何かあったっけ?」

 

ゆい「え、えっとあれ?な、何もない!?」

 

はちまん「だろ?」

 

ゆい「で、でもわたしもハイタッチしたい!」

 

はちまん「…………はぁ、わかった」

 

ゆい「え?」

 

はちまん「ほれ、ハイタッチ」スッ

 

ゆい「い、いいの?」

 

はちまん「やらないんだったらいいが」

 

ゆい「や、やるやる!」

 

はちまん「んじゃ、ほれハイタッチ」スッ

 

ゆい「イ、イェーイ!」ぱんっ

 

あざと…くない

むしろイェーイと言った瞬間にアレが揺れてエロ…げふんげふん

ま、コイツも色々考えて頑張ってたしな

俺も世話になったしこれくらいはいいだろ

えーと

それで後1人残ってるが…

 

ゆきの「……」

 

まあいいか

どうせやらないし

 

はちまん「さて、これからどうするかだが」

 

ゆきの「比企谷君」

 

はちまん「マチスに勝ったからここにいる必要はない」

 

ゆきの「比企谷君」

 

はちまん「かと言って無闇矢鱈に動いてもロケット団がいつ動くかわからないしな」

 

ゆきの「比企谷君」

 

はちまん「そういやウキワ達のチームが明日くらいに動くんだよな」

 

ゆきの「比企谷君」

 

はちまん「俺は用事があるからどっちにしろ次の街には行けない…」

 

ゆきの「比企谷君!」バン!

 

はちまん「ひぃ!?」ビクッ

 

雪乃がいきなり机を叩いた

な、何!

何で怒ってんのコイツ!

 

ゆきの「比企谷君?どうして私とはアレをやらないのかしら?」

 

はちまん「ああ、アレねわかったわかった。おーい店員さーん!この人にありったけの冷水を…」

 

ゆきの「ふざけないで」

 

はちまん「え?『あちらのお客様からです』ていうのをやりたいんじゃないの?」

 

ゆきの「そんな訳ないでしょう?だとしてもどうして水なのよ」

 

はちまん「いやでもお前の好きなのってエネココアだろ?ありったけのエネココア飲んだら具合が悪くなるだろ。それにそんなに頼んだら金が無くなるし」

 

ゆきの「それは水も同じでしよう?」

 

はちまん「いや、金額が違う」

 

ゆきの「そこじゃなくて具合が悪くなると言うところよ。というかそもそもありったけと言うのを忘れなさい。というかそもそもそんな話しではないわ!」バンッ!

 

はちまん「え、そうなの?エネココアいらないの?」

 

ゆきの「そ、それは……………。お、お願いしてもいいかしら」///

 

はちまん「うす」

 

そして俺は雪乃にエネココアを奢ってやった

あ、コイツさっき自分で頼んでたよな

大丈夫かな

 

ゆきの「…ねこ」

 

はあ、よかったよかった

機嫌が直ったようで

マチスと戦ってからずっと変なプレッシャーを俺に向けてたからな

居心地悪いったらありゃしない

 

いろは「え、えーと、それでこれからのことですよね?」

 

ゆい「ヒッキー、次に行くところって?」

 

はちまん「わからん」

 

いろは「ええ!?わからないんですか!?」

 

はちまん「だって次のジムがある所に行くにはここから北にあるヤマブキシティの西へ行かなきゃいけないんだ」

 

ゆい「え?じゃあそうやって行けばいいんじゃないの?」

 

はちまん「忘れたか?ヤマブキは今封鎖中だってハナダでナァが言ってたろ?」

 

ゆい「あ!そっか!じゃあどうするの?」

 

いろは「ハナダからこの街に来るために使った地下通路はないんですか?」

 

はちまん「あるにはあるがな。それにはまずこの街の東にゲートがあって、そこを抜けて北へ行く。そこにシオンって町があるからそこを西に行って、そのずっと先に地下通路がある」

 

いろは「と、遠!」

 

ゆい「え、えっと東で西で、北で西?」

 

はちまん「結衣、それだとさっき言ったヤマブキルートになるぞ」

 

いろは「そんな遠回りしないと行けないんですか?」

 

ゆい「ほ、他に道はないの?」

 

 

はちまん「後はイワヤマって言う暗〜い洞窟を通るめんどくさいルートがある」

ゆい「く、暗〜いのは嫌だな」

いろは「そのルートは却下ですね」

 

------

 

『そのルートは却下ですね』

 

イワーク( ゚д゚)

 

------

 

 

はちまん「じゃあシオンを通るルートでいいか?」

 

ゆきの「いえ、待って頂戴」

 

お、雪乃が復活した

リ・ボーン!!

誰かが復活したらいいたいよねコレ

あ、エネココア飲み終えてる

 

ゆい「何?ゆきのん?」

 

ゆきの「そんな遠回りしなくてもそのヤマブキシティを通ればいいじゃないのかしら」

 

はちまん「え?いや、だからヤマブキは封鎖……」

 

ゆきの「ちょっと待ってて頂戴」

 

そういうと雪乃はどこかへ行った

ん?道迷わないの?大丈夫?

と、思ったがしばらくするとちゃんと戻ってきた

よしよしゆきのんはお利口さんだな〜

 

ゆきの「エネココアもう一杯」

 

はちまん「すみませんでした」

 

俺は大人しくエネココアを奢る

てか三杯目だよね?大丈夫?

何か今日コイツを心配することが多いな

 

いろは「雪ノ下先輩、何しに行ってたんですか?」

 

ゆきの「コブキさんに電話してきたのよ」

 

はちまん「え?お前、あの人の電話番号知ってんの?」

 

ゆきの「ええ、今朝私にアドバイスが欲しいって言ってきてね。その為に番号を交換したのよ」

 

ええー

あのチームのアドバイザーとして見られてんの?

確かにコイツが味方になったら心強いけどさ

 

ゆい「それで?何でコブキさんに電話したの?」

 

ゆきの「彼女、ヤマブキシティをロケット団から守っているって言っていたでしょう。だから何かヤマブキシティを通れる手段が無いか聞いてみたのよ」

 

はちまん「で?」

 

ゆきの「危険だけど30分だけヤマブキシティの南と西のゲートを解放してくれるそうよ。時間は明日の朝」

 

いろは「それじゃあ!」

 

ゆきの「ええ、明日の朝ヤマブキシティに行けば遠回りしなくても次の街に行けるわ」

 

ゆい「やったー!すごいよゆきのん!」

 

遠回りしなくてすむ

てことはコイツらはシオンには行かないんだな

じゃあ話すならここだな

俺はカラカラを見る

目が合った

わかってるよ、約束だもんな

 

はちまん「お前ら、次の街へ行くにあたって話しがある」

 

ゆい「なに?」

 

はちまん「俺はお前らとは行けない」

 

いろは「ええ!?」

 

ゆい「ど、とうして!?」

 

ゆきの「………また1人でいたいからではないでしょうね」

 

はちまん「違う」

 

ゆい「じゃあ…何で?」

 

はちまん「軽々しく言える事じゃないから訳は言えない。だが俺にとって…いや俺とカラカラにとって大事な用があるんだ。頼む、わかってくれ」ペコリ

 

俺は頭を下げる

 

ゆい「ヒ、ヒッキー…」

 

いろは「先輩…」

 

ゆきの「…………わかったわ」

 

 

ゆい「ゆきのん…」

 

ゆきの「私達と貴方はまた別行動という事にしましょう。…また会えるかはわからないけれど」

 

いろは「え…。会えない?」

 

ゆきの「今カントーにはロケット団が潜んでいる。いつ暴動を起こすかわからない。そんな状況でいつでもまた会えるとはいかないわ」

 

はちまん「…………」

 

ゆい「そ、そんな!ヒ、ヒッキー!」

 

ゆきの「それに最初の条件通り私達は進み続けるわ。貴方の用事が終わって私達を追いかけて来ても追いつかないかもしれない」

 

いろは「う、うう……」

 

ゆきの「でも、そんなのは御免だわ」

 

はちまん「は?」

 

ゆい「え?」

 

いろは「へ?」

 

ゆきの「言ったでしょう?貴方には借りがあるって。だから貴方と会えなくなるのは私にとって困るのよ」

 

はちまん「で、でも…」

 

ゆきの「だから約束よ」

 

はちまん「?」

 

 

 

ゆきの「また会いましょう。絶対に」

 

 

 

はちまん「………………」

 

 

 

はちまん「そうだな、貸したもんは返してもらわないとな」

 

ゆきの「ええ、そうよ」

 

はちまん「わかった、また会おう。ロケット団なんかに邪魔されず、絶対に」

 

俺は結衣といろはを見る

 

はちまん「お前らもな」

 

いろは「わかってますよ!そんなこといちいち言われなくても!先輩達めんどくさいです!ハッキリまた会いたいって言えばいいのに!せんぱいっ!約束です!絶対にまた会いましょうね!」

 

はちまん「おう」

 

 

ゆい「ヒッキー…。わたしは嫌だよ」

 

はちまん「結衣、でもな」

 

ゆい「ううん、大丈夫。それでもわかってるから、大事な用があるんだよね」

 

はちまん「ああ」

 

ゆい「うん。うん!ホントは嫌だけどガマンする!だからヒッキー!ゆきのんといろはちゃんはわたしに任せといて!」

 

はちまん「当たり前だ。最初からそのつもりだ」

 

ゆい「じゃあ約束!また会おう!また、会って、今度は絶対に離れないって約束して…?」

 

はちまん「えっとそれは」

 

ゆい「できるだけでいいから!お願い…ヒッキー…。もうヒッキーとお別れは嫌だよ…」

 

はちまん「…………わかった。約束する」

 

ゆい「うん。ありがと」

 

はぁ

ここ最近約束ばっかしてるな俺

 

ゆきの「じゃあお別れは明日の朝かしら?」

 

はちまん「ああ、お前らが行く頃には俺は出てるよ」

 

ゆきの「わかったわ。じゃあ比企谷君」

 

ゆい「ヒッキー」

 

いろは「先輩」

 

 

 

雪乃、結衣、いろは「またね」

八幡「ああ」

 

 

こうして俺ら4人はまた別行動だ

また会う約束して

 

そして俺が向かうはシオンタウン

カラカラの決着をつけるために

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Now the state of Hachiman

わかりづらい英語のサブタイトルもこれにて終了です




はじめに

 

今回は八幡だけのステータス回です

本編では描けなかった裏設定もありますので

出来る事なら見て頂けると助かります

 

では

------------

比企谷 八幡

<はちまん>

 

ポケモンの世界に来てしまった高校生

ただ今14日目(66話現在)

腐った目とアホ毛が特徴的

得意技は『ぼっちセンサー』

自分と同じぼっち仲間に敏感

あと周りの視線に敏感

カントー地方にあるかもしれないマッカンを追い求める

 

ただ今のぼっち…バッチ数

・グレーバッチ

・ブルーバッチ

・オレンジバッチ

 

図鑑に新しく記録されたポケモン

・オニスズメ

・ライチュウ

・ゴルバット

・ディグダ

・ニャース

・ビリリダマ

・サイドン

・トサキント

・コイキング

 

持ち物

・ポケモン図鑑

・タウンマップ

・トレーナーパス

・バッチケース

・バトルサーチャー

・自転車(黒)

 

・モンスターボール 8

・キズぐすり 10

・いいキズぐすり 5

・どくけし 7

・まひなおし 5

・ねむけざまし 5

・やけどなおし 5

 

所持金 436550円

※マチス戦の賞金は150万

 

 

手持ちのポケモン

※マチス戦後現在

 

[カラカラ]

レベル 27

 

こどくポケモン

じめんタイプ

とくせい いしあたま

せいかく ゆうかん

こせい かんがえごとがおおい

 

<覚えている技>

・アイアンヘッド

・ホネブーメラン

・きあいだめ

・にらみつける

 

八幡の最初のポケモン

目は灰色

八幡と共に旅をして

己の過去のトラウマに向き合う決意をする

甘党

 

 

[ゴルバット ]

レベル 23

 

こうもりポケモン

どく/ひこうポケモン

とくせい せいしんりょく

せいかく ようき

こせい ひるねをよくする

 

<覚えている技>

・かみつく

・つばさでうつ

・すいとる

・あやしいひかり

 

八幡がオツキミ山で出会った

クチバでズバットからゴルバットに進化した

進化した後の寝る体制は名付けて『LI』

八幡と練習した背中で翼を広げる演出は

マチス曰く『ドラキュラ』

雪乃曰く『八幡の目、周りのポケモン達と相まって凶悪な悪役に見える』

甘党

 

 

[ロコン]

レベル 21

 

きつねポケモン

ほのおタイプ

とくせい もらいび

せいかく おくびょう

こせい ぬけめがない

 

<覚えている技>

・ひのこ

・ほのおのうず

・でんこうせっか

・おにび

 

八幡が育て屋さんで出会ったポケモン

冷徹な雰囲気を醸し出し周りを寄せ付けない

周りをよく見ているため

八幡が何を考えているかがわかる

そして前足で叩きツッコむ

甘党

 

 

☆これからのヒッキー☆

3つ目のバッチを手に入れた八幡

次のジムへ向かう雪乃達とまた別行動をとる

しかし今度は1人でいたいためではなく

カラカラの過去を知るためにシオンタウンへ

 

 




おまけ

被害者の会

ロンド(´・ω・`)「あ、イワークさんのいるイワヤマがスルーされてる」

ロンド(´・ω・`)「…………」

ロンド(´・ω・`)「また、荒れてんだろうな、イワークさん」


イワーク(・Д・)ノ「やあやあロンドはん。またせてしまうたな」


ロンドΣ(´・ω・`)「え!?イワークさん!落ち込んでないんですか!?」

イワーク(・Д・)「まあ確かにショックやったけどな。いちいち落ち込んどったらロンドはんにめーわくかかるからな!」

ロンド(´・ω・`)「イワークさん!お、俺のために…!」

イワーク(・Д・)「そーいうこっちゃ!というわけで、この沈んだ空気を変えるために今回はゲストを呼んだんや!」

ロンドΣ(´・ω・`)「ゲ、ゲスト!?」

イワーク(・Д・)「そうや!」

ロンド(´・ω・`)「この会二回しかやってないのに?」(小声)

イワーク(・Д・)ノ「では、どうぞ!」


コーヒー「」


ロンド(´・ω・`)「……………………は?」

イワーク(・Д・)「トキワシティで八幡はんに飲んでもらえへんかったコーヒーはんや!」

コーヒー「」

ロンド(´・ω・`)「…………何でコーヒー?」

イワーク(・Д・)「この会ってこの物語の中で悲しい奴がきとるやろ?」

ロンド(´・ω・`)「まあ」

イワーク(・Д・)「やから、せっかくサカキはんに作ってもらったのに飲んでもらえへんかったやろ?存在意義わからへんやろ?」

コーヒー「」

ロンド(´・ω・`)「…………そっすか」

イワーク(・Д・)「いやーロンドはんも残念やと思うやろ?あんさんとこの大将がせっかく淹れたコーヒーを飲んでもらえへんかったんよ?」

ロンド(´・ω・`)「まあ、サカキ様が直々に淹れてくれたものですからね。俺そんな機会ないですよ」

イワーク(・Д・)「せやろせやろ。せやから連れて来たんや!」ぐびぐび

ロンドΣ(´・ω・`)「あ、飲むんだ」(小声)

イワーク(・Д・)「そういやトキワと言えば気になることがあるんや!ロンドはんのことでな?」ぐびぐび

ロンド(´・ω・`)「はぁ…。俺のこと?」

イワーク(・Д・)「何でオツキミん時トキワに帰ろうとしたんや?」

ロンドΣ(´・ω・`)「あっ!」

イワーク(・Д・)「お?やっぱなんかワケがあるんやな?」

ロンド(´・ω・`)「イワークさん」

イワーク(・Д・)「何や?」


ロンド(´・ω・`)「それ、この物語の終盤に関わってくる事なんですが…」


イワーク(・Д・)「…………マジ?」

おわり


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

六章 シオンタウン
67話 忘却


今回から6章です


#クチバシティクチバジム前

 

ポケモン世界15日目

昨日雪乃、結衣、いろはと別れを告げ

今朝雪乃達は次の街へと向かった

 

そして雪乃達と別行動をとっている俺、八幡

雪乃達が行く頃にはシオンタウンに向かうはずだった

だが今朝、ポケモンセンターを出ようとするとポケモンセンターの係員の人に呼び止められ

 

『はちまん様でございますよね?何でもジムリーダーのマチス様が用があるからジムに来て欲しいとの事です』

 

と、言われ

思いっきり出鼻を挫かれた

で、今ジムに来て待ちぼうけを食らっている

ジムの人によればもうすぐマチスが来るはずなんだが

 

はちまん「一体何の用なんだ?」

 

全く見当がつかない

 

カラカラ「……カラ」

 

カラカラは自分のトラウマと向き合うため

シオンタウンへ行くはずだったのに

いきなり出鼻を挫かれ意気消沈している

 

ゴルバット 「zzz」

 

ゴルバットはお休み中

俺の背中にくっついている

ここに来る途中、色んな人に見られた

慣れればどおってことないのに

 

ロコン「…」ちょこん

 

ロコンは大人しく俺の隣に座っている

相変わらず無愛想だ

 

 

マチス「Hello!ハチマン!待たせたな!」

 

俺が人生で言いたい名言を言いながらマチスが来た

待ってたよ

 

マチス「sorry、sorry!」

はちまん「あの、何の用なんですか?」

マチス「昨日のバトルの後これを渡すのを忘れていたんだ!」

はちまん「?」

マチス「技マシン『でんげきは』だ」

はちまん「は、はあ…」

 

俺はマチスから技マシンを受け取る

そういえば貰ってなかったな

 

マチス「それじゃ!バーイ!」

はちまん「へ?」

 

そう言うとマチスはジムへ戻っていった

 

……

 

………

 

それだけかい!

 

何だよもう!そんなことで出鼻を挫かれたの!?俺!

無理言ってジムの外で戦ってもらった俺の言えたことじゃないけどさ

というか技マシンの使い方まだ知らないんだけど!

まあ今のところ使う予定ないからいいけど!

 

 

はちまん「はぁ…。行くかお前ら」

カラカラ「………カラ」こくん

ロコン「…」こく

ゴルバット 「zzz」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#12番道路

 

俺達はシオンタウンに向かうため

クチバから11番道路の先にあるゲートを通過して12番道路に来ている

そして俺がそこで目にしたのは

 

カビゴン「ゴ〜ン…zzz」

 

デカイいびきをかいて寝ているカビゴンだった

丁度俺達の通る道で寝ている

って

 

はちまん「忘れてたー!」

 

そう言えばここゲームではコイツがいて通れないんだっけ

これじゃあシオンタウンへ行けない

また出鼻を挫かれた!

 

カラカラ「……カ、カラ」しょぼーん

 

ゴ、ゴメン!カラカラ!そんな落ち込まないで!

ぜ、絶対連れてくから!

けどどうしようこのカビゴン

ゲームではどうしてたっけ

ゲーム?

いや、現在になった今ならゲームと違う方法が出来るかも

でもどんな方法が…

 

はちまん「う〜ん」

ロコン「…」ちょいちょい

はちまん「ん?ロコン、どうした?」

ロコン「…」くいっ

 

ロコンが前足で叩いて俺を呼ぶ

そちらを見るとロコンは俺の背中をアゴで示す

俺は背中を見る

 

ゴルバット「zzz」

 

そこにはいつも通り寝ているゴルバットが

それがどうしたんだ?

コイツが寝てるのはいつもの…

 

……寝る?

 

俺は前を向く

 

カビゴン「ゴ〜ン…zzz」

 

そこには寝ているカビゴンが

そしてもう一度背中を見る

 

ゴルバット 「zzz」

 

そこにも寝ているゴルバットが

 

その時八幡に電流走る

 

俺の頭の中にゴルバットがズバットの頃に初めて会った光景が浮かんで来た

確かコイツを捕まえた時って、コイツが寝てたから捕まえられるかなーって感じで…

戦闘も何もなく…

 

………嘘だろ?

 

俺はモンスターボールを取り出す

そして目の前のカビゴンに向けて

投げる

 

ヒュン

 

ボールはカビゴンに当たった

ボールに入るカビゴン

ボールが揺れる

一回、二回、三回…

 

ボール『カチッ』

 

…………カビゴン、ゲットだぜ…………

 

はちまん「えええええぇぇ!?」(大声)

 

 

また!?またなの!?

またこんな感じで捕まえていいの!?

俺一回もちゃんとした捕獲戦やってないけど!?

というかコイツ、ゲームのイベント扱いだった気がするんだけど!

捕まえられちゃっていいの!?

ご都合主義注意ってレベル超えてるんじゃない!?

 

ロコン「…」ちょいちょい

はちまん「え、こ、今度は何」

 

ロコンがまた俺を前足で叩いて呼ぶ

 

ロコン「…」くいっ

 

ロコンがアゴで示す先

そこは先程までカビゴンが寝ていた場所

通れなかった道が通れるようになっている

 

はちまん「…………」

 

ロコンのおかげで通れるようになったけど

なんか納得いかない

 

カラカラ「カラ!」

 

だが

今はそれどころじゃなかった

カラカラのためにシオンタウンへ行くんだった

俺は雑念を振り払いカラカラ達と共に進む

 

 

こうして俺達は禁忌の裏ワザを使いカビゴンをゲット

新しい仲間が加わった

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

68話 説明

[カビゴン]

レベル 30

 

とくせい めんえき

もちもの カゴのみ

 

<覚えている技>

・のしかかり

・なしくずし

・ねむる

・あくび

 

俺は先程捕まえたカビゴンのステータスを見る

高耐久に高火力そして状態技

一気に戦力が倍になった気がする

さらに持ち物『カゴのみ』を持っている

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

『もちもの』とは

 

ポケモンには色々なアイテムを持たせることができる

そしてポケモンはそのアイテムの効果を受ける

例えば『きのみ』というアイテム

これは持たせるきのみの種類によって効果が異なり

体力を回復するもの、状態異常を治すものなど色々ある

カビゴンの持っている『カゴのみ』はそのきのみの一種で

ねむりの状態異常を治すことができる

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

さらに俺のゲーム知識によれば

カビゴンは覚えられる技が多かったはずだ

特出するとすれば

・きあいパンチ

・じしん

・サイコキネシス

・どくどく

・ソーラービーム

・ふぶき

・かみなり

・シャドーボール

・だいもんじ

・がんせきふうじ

・なみのり

・すてみタックル

 

まだまだあるがこれくらいでいいだろう

今持っている技マシンもほとんど使えるはずだ

 

カビゴンについて長々説明したが

結論を言おう

 

結論:トレーナーの技量が試されるポケモン

 

感想:流れで捕まえたが凄え不安

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#12番道路

 

今俺はカビゴンの入ったボールを見ながら

12番道路の桟橋

別名『サイレンスブリッジ』を渡っていた

 

はちまん「コイツ、凄い強いけど。俺がしっかりしないと宝の持ち腐れになっちまうな」

 

それにカビゴンのとくせい『めんえき』もすごい使えるとくせ…

あれ?そう言えばとくせいの話しってしたっけ?

ヤバイしてないかも

今まで下手ながらも色々説明してきたのに!

 

とりあえず手持ちのポケモンだけでも

 

[カラカラ]

いしあたま

反動を受ける技をノーダメージで出すことができる

 

[ゴルバット]

せいしんりょく

怯まない

 

[ロコン]

もらいび

ほのおタイプの技を無効化し自分のほのおタイプの技の威力を上げる

 

[カビゴン]

めんえき

どく、もうどく状態にならない

 

という感じです

ちなみに『もうどく』状態とは『どくどく』や『どくどくのきば』などで受ける状態異常であり

ターン経過で受けるダメージが『どく』状態より多い

つまりどく状態にしてくるポケモンにカビゴンを当てればどく状態に心配せずに戦えるということ

 

ふーー

間に合ったー

今までとくせいの効果がなかったからよかったものの

説明が遅かったらどうなっていたか

という事でこれからはこれらの事を踏まえてご覧ください

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん「………見えてきたな」

カラカラ「………」

 

しばらく桟橋を北へ進んでいると

町が見えてきた

あそこがシオンタウンだ

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

69話 警戒

#シオンタウン

 

はちまん「ここが…シオンタウン…」

カラカラ「カラ………」

 

俺達はシオンタウンに着いた

シオンタウン

そこは寂しい雰囲気の町だった

建物が少なく

人もぽつんぽつんと数人歩いているだけ

空気は澄み渡っているがどこか肌寒い

焼香の匂いがする

そして一際目立つのは町の北東にある塔

名前は『ポケモンタワー』

俺に霊感があるかどうかわからないが

あの塔からは嫌な気配がする

 

はちまん「………」

カラカラ「………」

 

俺はカラカラの様子を見る

この町を見てから様子がおかしい

震えてはいないがどこか不安定

足取りが重い

色々な感情がコイツの体の中にひしめいて

自分が何をすればいいのかわからないのかもしれない

 

はちまん「カラカラ」

カラカラ「………」

はちまん「ここ、見覚えあるか?」

カラカラ「………」

 

カラカラ「………」こくん

 

はちまん「……そうか」

カラカラ「………」

はちまん「……とりあえず、この町のポケモンセンターに行ってみるか」

カラカラ「……カラ」こく

 

カラカラはこの町に来た事がある

カラカラの目の前で母親が殺されたという事は

この場所でカラカラは母親が殺される光景を見ているかもしれない

だがカラカラはこの町を見ても取り乱したり、震えたりなどしていない

サカキの言ったガラガラはコイツの母親じゃないのか?

それかカラカラがここで起きたことを忘れてしまったか

とりあえず情報を集めるためポケモンセンターへ向かう

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はずだった

 

はちまん「え……?」

カラカラ「……カ、カラ?」

ゴルバット 「zzz」

ロコン「…!」キョロキョロ

 

いきなり周りが霧に包まれた

何が起きた?

あたりを見回すが霧が濃くて何も見えない

 

はちまん「……お前ら、離れるなよ」

カラカラ「…」コクン

ロコン「…」コクン…キョロキョロ

 

何が起こるかわからない

俺はカラカラ達をそばに寄せる

ロコンはしきりに辺りを警戒している、流石だ

 

だがその警戒網を抜けて俺の目の前に影がいた

 

はちまん「!?」

ロコン「!?」

 

こんな近くまで来ているのに気づかなかった!

 

 

???「………………………」

 

 

ユラユラ揺れる影

その影は人のように見える

ハッキリとは確認できない

 

???「………………………だれ?」

 

その影は話しかけてきた

女の子の声だ

ここは正直に答えた方が良さそうだな

この霧があの影が作ったものなら主導権は向こうにある

俺は警戒心を強めながら答える

 

はちまん「…はちまんだ」

???「………………………なにしにきたの?」

 

俺はカラカラを見る

影に対し警戒している

 

はちまん「…ここがコイツの故郷かもしれないからここに来た」

???「………………………コイツ?」

はちまん「俺のそばにいるカラカラだ」

???「………………………カラカラ?」

 

目の前にいる影がカラカラの方を見た気がする

 

???「………………………あのときの」

 

あの時?

あの時ってまさか!?

 

はちまん「おい、何か知ってるのか?」

???「………………………うん」

 

俺はカラカラと顔を見合わせる

カラカラは俺に力強く頷く

聞く覚悟はあると

 

はちまん「聞かせてくれないか?」

???「………………………どうしよう」

はちまん「?」

???「………………………おじちゃんにはなしたらだめって」

はちまん「おじちゃん?」

???「………………………だからいえない」

 

この子はそのおじちゃんって人にその事を話すのを止められているのか

 

???「………………………だから」

はちまん「だから?」

???「………………………おじちゃんにきいてみて」

はちまん「そのおじちゃんってどこにいるんだ?」

???「………………………あそこ」

 

影が動き何かを示した

そちらを見るとそこにはポケモンタワーが

 

はちまん「ポケモンタワーにいるのか」

???「………………………でも」

はちまん「ん?」

???「………………………かえってこない」

はちまん「帰ってこない?何で?」

???「………………………わからない」

はちまん「どれくらい帰って来てないんだ?」

???「………………………くろいひとたちがでていってふつか」

 

黒い人達って、まさかロケット団か?

それに2日?

それってサカキがサントアンヌを壊してカントーに宣戦布告した頃か

確か昨日読んだ新聞によるとロケット団は宣戦布告後カントー地方から忽然と姿を消したらしい

という事は恐らくこの子の言うロケット団はアジトに帰って行き

そのおじちゃんというのはそれ以来帰ってないのか

 

はちまん「その黒い人ってどこにいたんだ?」

???「………………………あそこ」

 

またもポケモンタワーを示す影

どういうことだ?

おじちゃんがいるポケモンタワーからロケット団がいなくなったって事はその脅威はないはず

だとしたら帰れるだろ

他に帰れない理由が?

もしかするとロケット団が帰る前に怪我を負わせ動けなくなっているかもしれない

だとしたら危ない

このままだと餓死してしまう

 

はちまん「おい!本当にそのおじちゃんってのはあのポケモンタワーから帰って来てないんだな!?」

???「………………………うん」

はちまん「わかった!行くぞ、お前ら!」

カラカラ「カラ!」コクン

ロコン「…」コクン

 

急がないと間に合わなくなるかもしれない!

まとわりつく霧を振り払いポケモンタワーへ向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

???「………………………あ、そのこはだめ」

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

70話 昇進

#ポケモンタワー『一階』

 

俺とカラカラ、ロコンはポケモンタワーに入った

『おじちゃん』という人がこの塔から戻ってこないという事で

もしかすると危険な目にあっている可能性がある

それにカラカラの過去を知っている人物のようなので助けなければならない

今、塔の一階にいるが見る限り人影はない

俺は階段を見つけた

この上にいるかもしれない

 

はちまん「カラカラ、行けるか?」

カラカラ「カラ!」

 

この町はカラカラにとってトラウマになった場所かもしれない

なので気負ってると思いきや

今は自分の事より人助けと言わんばかりに気合が入っている

俺はカラカラの様子を確認した後

カラカラとロコンを連れ二階へ上がる

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ポケモンタワー『二階』

 

二階に上がるとそこにはお墓があった

この塔は死んでいったポケモン達を供養するための場所なのだろう

 

はちまん「ここにも…いないか…」

 

辺りを見回すが人の気配がない

 

ロコン「……」くんくん

はちまん「どうだ?」

ロコン「…」ふるふる

 

ロコンが匂いを嗅ぐも手ごたえなし

ならもっと上の階か?

俺は階段を探す

 

はちまん「あった」

 

階段を見つけ上がろうとした

その時

 

ゴース「!」バァ

はちまん「うあぁ!?」

カラカラ「カラ!?」

ロコン「!?」

 

いきなりゴースが目の前飛び出してきた

びっくりしたー!

 

はちまん「ロ、ロコン!行けるか!?」

ロコン「!」コクン

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

野生ポケモン戦

 

はちまん&ロコン VS ゴース

 

1ターン目

 

はちまん「ロコン!おにび!」

 

ロコン「!」ボッボッ

ゴース「…!」ジュッ

 

ゴース「!」ベローン

ロコン「…!」ゾワッ

 

ゴース「…!」ジュッ

 

先に動いたのはロコン

おにびで相手をやけど状態にする

対するゴースはしたでなめる

ゴーストタイプの技で低確率で相手をまひ状態にする技だ

今回は運悪くまひになってしまった

その後ゴースはやけどのダメージを受ける

 

 

2ターン目

 

はちまん「ロコン!ほのおのうず!」

 

ゴース「!」ベローン

ロコン「…!」

 

ロコン「…!」バチッ

 

ゴース「…!」ジュッ

 

ロコンがまひしているため先ほどとは違いゴースが先に動く

ゴースはまたもしたでなめる

ロコンはまひしている所為で技が出せなかった

そしてゴースはやけどのダメージを受ける

 

 

3ターン目

 

はちまん「ロコン!ほのおのうず!」

 

ゴース「!」ベローン

ロコン「…!」

 

ロコン「!」ぼうぼう

ゴース「…!」

 

ゴース「…!」ジュッ

 

ゴース「…!」ぼう

 

ゴースはまたもしたでなめる

そして今度はちゃんとほのおのうずが出せた

これで4ターン経過までゴースはダメージを受け続ける

さらにやけどのダメージも入る

 

 

4ターン目

 

はちまん「ロコン!ひのこ!」

 

ゴース「!」ドヨーン

ロコン「…!」

 

ゴース「…」

バタン

 

え?

ゴースが技を繰り出して、それをロコンが受けたと思ったら

ゴースは倒れてしまった

まさか最後に出した技はうらみか?

『のろい』って言う技は使うタイプによって効果が変わる技で

ゴースはゴーストタイプだからその効果は

自分の体力全体の半分を削り相手にターン経過ごとにダメージを与える技になる

つまりゴースは自分の体力が半分にもかかわらずのろいを使った為力尽きてしまったのだろう

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ポケモンタワー『3階』

 

俺はゴースを倒した後ロコンのまひ状態を治し3階に来ている

この階にもお墓がある

何か空気が淀んできた気がする

ここにも人の気配はしない

俺は階段を探す

 

はちまん「…あったけど、また出てこないよな?」

 

階段を見つけまた不意を疲れないように慎重に向かう

 

ゴース「!」バァ

はちまん「うあぁ!?」

カラカラ「カラ!?」

ロコン「…!」

 

まあ慎重に行ってもびっくりするものはびっくりする

俺は背中いるゴルバットを起こす

 

はちまん「ゴルバット!出番だ!」

ゴルバット「バーット!」バサァ

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

野生ポケモン戦

 

はちまん&ゴルバット VS ゴース

 

1ターン目

 

はちまん「ゴルバット!かみつく!」

 

ゴルバット「!!」ガブッ

ゴース「…!!」ビクッ

 

ゴース「…!」 ビクビク

 

ゴルバットのかみつく、効果は抜群だ

そしてかみつくの効果でゴースは怯み動けなかった

 

 

2ターン目

 

はちまん「ゴルバット!かみつく!」

 

ゴルバット「!!」ガブッ

ゴース「…!!」

 

ゴース「…」

バタン

 

もう一度かみつくをするとゴースは倒れた

華麗なパーフェクトゲームだ

やっぱ吸血鬼演出が良かったに違いない

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ポケモンタワー『4階』

 

はちまん「ん?」

 

ゴースを倒し4階に上がると初めて人影が見えた

だが『おじちゃん』という感じはしない

巫女装束っぽいものを着ている女の人だ

どうしよう

おじちゃんの事知ってるかな?

話しかけようにもぼっちが邪魔して話しかけられない

頑張れ俺

 

はちまん「あ、あの〜」

巫女さん『…ダレ、ダ』

はちまん「えっと、俺は…」

巫女さん『…ナニシニ、キタ』

はちまん「あの、ここにおじ…」

巫女さん『…ソウ、カ』

 

何も言ってないというか言わせてもらってないよ!?

ぼっちと話す時はゆっくり喋ってください!

いやこの人さっきからゆっくり喋ってるよな?

う、嘘だろ?俺のコミュ力はここまで低下したのか!?

 

巫女さん『…コロ、ス』

はちまん「ほえ?」

 

今とんでもないセリフが聞こえたような

この小説コ○助の名前出しちゃダメなんだけど

 

巫女さん『コロスコロスコロスコロスコロス!!』

はちまん「ひいいぃ!?」

カラカラ「カ、カラァ!?」

 

ごごごごめんなさい!!ごめんなさい!!

もうふざけませんから!ヤンデレだけは勘弁してください!

俺の思いも届かず巫女さんはポケモンを繰り出してきた

 

ゴースト「ゴースト!」

はちまん「くそっ!話しを聞かないタイプのヤンデレ巫女さんか!カラカラ、行けるか?」

カラカラ「カラ!」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

トレーナー戦

 

はちまん&カラカラ VS 巫女さん? ゴースト

 

1ターン目

 

はちまん「カラカラ!にらみつける!」

巫女さん『…ブツブツ…フイウチ』

 

ゴースト「!」

ゴースト「?」

 

カラカラ「!」キッ

ゴースト「…!」

 

ゴーストが出したふいうちと言う技は

相手が攻撃技を繰り出す時に先制して攻撃出来る技だ

しかしカラカラの技が変化技だった為効果がなかった

 

 

2ターン目

 

はちまん「カラカラ!アイアンヘッド!」

巫女さん『…ブツブツ…フイウチ』

 

ゴースト「!」バ…バシッ

カラカラ「…!」

 

カラカラ「!」ゴーン

ゴースト「…!」

 

相手のふいうちが今度は成功

先制技を受けてしまう

しかしカラカラのアイアンヘッドで結構削れたはず

 

 

3ターン目

 

はちまん「カラカラ!トドメのアイアンヘッド !」

巫女さん『…ブツブツ…ナイトヘッド…』

 

ゴースト「!」デーン

カラカラ「…!」

 

カラカラ「!!」ゴーン!

ゴースト「…!!」

 

ゴースト「…」

バタン

 

最後ゴーストはナイトヘッドを繰り出してきた

この技は自分のレベルと同じダメージ数を与える技だ

しかしカラカラを倒すには至らず

トドメのアイアンヘッド をくらい倒れた

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

巫女さん「…うっ」バタン

はちまん「えっ?」

 

ゴーストを倒したと思ったら巫女さんも倒れた

ダイレクトアタックしたっけ

俺は巫女さんに駆け寄る

 

はちまん「あの〜大丈夫ですか?」

巫女さん「……う、ん。ここは?」

はちまん「へ?」

巫女さん「私は何を…」

 

ナント記憶喪失まで所持していたとは

難易度高い巫女さんだな

 

はちまん「えっと、貴女は今俺と勝負して…」

巫女さん「え?キャア!オバケ!」サササッ

 

………よし先に進むか、これ以上傷を負う必要はない

俺は傷つきながらも次の階へ進もうとする

ここにおじちゃんはいなさそうだしなハハハ

 

巫女さん「…あ、あれ?人?あの!待って!」

はちまん「………何スカ」

巫女さん「人…よね?」

はちまん「………そうっす」

巫女さん「ご、ごめん!急に貴方を見たからびっくりして」

はちまん「………そ、そっすか」

 

急に俺を見たらオバケに見えるらしい

みんなも気をつけてね

 

ミコト「私ここで祈祷師をやってるミコトって言うの、貴方は?」

はちまん「ん?さっき聞き流しませんでした?」

ミコト「へ?…………まさか私取り憑かれてたの?」

はちまん「いや、わかんないです」

ミコト「きっとそうよ!そんな…。祈祷師である私が取り憑かれたなんて…」

はちまん「ドンマイです」

ミコト「うぐぐ…」

はちまん「それじゃ」

 

なんか失敗したらしい巫女さん改め祈祷師のミコトさんを置いて先に進む

だがまたミコトさんに呼び止められる

 

ミコト「ま、待って!貴方どこに行くつもり!?」

はちまん「え?それも聞き流しませんでした?」

ミコト「だから!認めたくないけど私は取り憑かれてたの!」

はちまん「はーすごいですね。俺は急いでるんで、それじゃ」

 

俺は今度こそ上の階へ向かう

 

ミコト「ま、待ってってばー!」

 

階段へ向かう俺を追いかけてくるミコトさん

呼び止められているが

おじちゃんが危ないかもしれない

気にしている場合じゃない

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ポケモンタワー『5階』

 

はちまん「うっ…ごほごほ!」

カラカラ「カ、カラ」けほけほ

ゴルバット「zzz」

ロコン「…!」けほけほ

 

上の階へ来ると一層空気が淀んでいた

咳がでるくらいに

 

ミコト「待って!ここは瘴気が強いから危ないわよ!」

はちまん「それでもこの先に探している人がいるかもしれないんです」

 

というかミコトさんここまで追いかけてきたのか

 

ミコト「それが誰か知らないけど、とりあえずコッチ!」ぐいっ

はちまん「えっ!ちょっ!」

 

俺はミコトさんに腕を引っ張られる

ミコトさんに連れて行かれた場所は何か魔方陣みたいなのが床に描かれた場所だった

俺は引っ張られるままその魔方陣の中に入る

そこでミコトさんが何かを唱えると魔方陣が光だした

何か体が軽くなった気がする

咳も出ない

 

ミコト「この結界の中なら瘴気も関係ないわ」

 

まさか黒魔法も使えるのこの人

ヤンデレ巫女魔法少女系女子かよ

いや少女って歳じゃな…

 

ミコト「ふん」バキッ

はちまん「あだっ!?」

ミコト「貴方今失礼な事考えたでしょ」

 

怖っ

暴力系も追加か

って

 

はちまん「あ、そうだ。ここに老人が来なかったか?」

ミコト「老人?ここはポケモンのお墓があるから色んな人がきてるの。老人なんて沢山来てるわ。特徴はないの?」

はちまん「ここ2日出て来てないらしい」

ミコト「2日も?うーん。あ!フジのおじいさんかしら」

はちまん「フジ?」

ミコト「ええ、いつもここに来てポケモン達のためにお参りしてくれる優しいおじいさんでね。でも2日も出ないくらい熱心に…?」

はちまん「………なあこの塔って何階まであるんだ?」

ミコト「上が最上階よ」

 

ここまでおじちゃんらしき人はいなかった

という事はこの階か上にいるのか

 

はちまん「ならまずこの階を探すか」

ミコト「へ?」

はちまん「それじゃ、ありがとな。あ、ミコトさんはここにいてくれ。人を見つけたらここに連れて来るから」

ミコト「え?えっと、わ、わかったわ」

 

俺は魔方陣を出て今いる階を探す

 

はちまん「ロコン、どうだ?」

ロコン「…」ふるふる

 

手ごたえなしと

すると上かな

俺は階段を探す

 

 

カラカラ「……………………カ、カラ」

 

 

するとカラカラが何かを見つけたようだ

だが様子がおかしい

 

はちまん「どうしたカラカラ」

カラカラ「………………」ぷるぷる

 

声をかけるが反応がない

それどころか震えだした

俺はカラカラの見ている方を見る

そこには

 

 

ガラガラがいた

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

71話 光景

#ポケモンタワー『5階』

 

ガラガラ『…………』

 

カラカラが見る先

そこにはガラガラがいた

その後ろには上の階へ行く階段が見える

 

カラカラ「…………から、から」

 

カラカラは涙を流しながらガラガラを見ている

…まさか

あれが…カラカラの?

けど死んだって…

生きて…たのか…?

 

はちまん「カラカラ…」

 

俺はどうすればいいのかわからない

色んな感情が俺を動かしてくれない

俺が動く前にカラカラが動いた

 

カラカラ「カラーーー!!」

 

カラカラは涙を流し

ガラガラの方へ走って行く

母親なのだろう

間違いなくカラカラの…

だったら母親の元に行きたいのは当然だろう

 

けど俺は

 

その走って行くカラカラの

 

俺から離れていく

 

カラカラの小さな背中に手を伸ばす

 

はちまん「カラカラ……」

 

『行くな』

 

その一言は言えない

 

今さら言えない

 

覚悟したはずだった

 

こうなるかもしれないと

 

カラカラの故郷に行けば

 

カラカラの母親の思い出の地に行けば

 

離れていくかもしれないと

 

だからあの時言おうとした

 

ずっと一緒にいたい

 

変わらずずっと

 

でも言えなかった

 

言うのが恥ずかしかった

 

1人旅がいいと言いながらそんな事言えないと

 

いつか俺もカラカラから離れていくから言えないと

 

一緒に強くなると言ったのに俺だけそんな自分勝手な事言えないと

 

素直に言えなかった

 

だがそれを言ってどうなる

 

あの離れていく背中を止められたか?

 

止めるなら今しかない

 

でも『行くな』とは言えない……………

 

 

ガラガラ『…………デテ、イケ』

 

——————————!!

 

 

はちまん「カラカラ!!行くな!!」

 

 

だが走り出したカラカラの足は止まらない

ガラガラに辿り着く

だがガラガラはそんなカラカラに持っている骨を振り上げる

 

はちまん「カラカラ!!」

 

俺は走り出す

ガラガラの振り上げた骨はカラカラに向かって振り下ろされる

 

ガラガラ『デテイケ!!』ドカッ

カラカラ「カラッ!?」

 

ガラガラがカラカラを殴り飛ばす

カラカラは俺の方に飛んでくる

その体は重力に従い床に落ちる

 

間に合え———!!

 

カラカラが床に叩きつけられる寸前に

俺はその体を受け止める

カラカラは突然の事に呆気にとられている

 

はちまん「カラカラ!大丈夫か!」

カラカラ「から…から…」

はちまん「くっ…」

 

その間にガラガラがこちらに向かって来る

敵意むき出しだ

カラカラがこんな状態じゃまずい

ここは一旦引こう

俺は背中のゴルバットに指示を出す

 

はちまん「ゴルバット!あやしいひかり!」

ゴルバット「!」ピロピロ

ガラガラ『…!?』

 

ガラガラはゴルバットのあやしいひかりに気を取られている

その隙にロコンがいる所まで引く

そしてロコンに指示を出す

 

はちまん「ロコン!おにび!」

ロコン「!」ぼっぼっ

ガラガラ『!』

 

あやしいひかりを振り払いこちらを追いかけてきたガラガラをおにびで止める

 

はちまん「ロコン!さっきのとこまで戻るぞ!」

ロコン「!」コクン

 

俺はミコトさんのいる結界まで戻るためカラカラを抱えながら走る

ロコンは俺の後について来る

 

カラカラ「から?……から?」

 

結界まで辿り着くまでカラカラはずっと混乱していた

そんなカラカラを見ながらこれからどうするか考える

 

…俺が強くなるしかないようだ

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ミコト「ど、どうしたの?」

はちまん「……悪い、後でいいすか?」

ミコト「え、うん」

 

カラカラの様子を見て事情を聞いてくるミコトさん

それは後で説明することにして少し待ってもらう

 

カラカラ「から……」

 

カラカラは少し自我を取り戻している

だが会えた母親が自分を殴り飛ばした事がまだ信じられないようだ

少し落ち着くまで待つか

その間、ミコトさんに説明する

 

ミコト「え……?死んだはずのカラカラの母親……?それって……」

はちまん「何か知ってるんですか?」

ミコト「ええ…。でも話していいのか……」

はちまん「話してください。俺も事情を知りたいんです」

ミコト「………知ってどうするの?」

 

はちまん「強くなります」

 

ミコト「え?」

はちまん「俺はカラカラと約束したんです。一緒に強くなるって。だから俺が強くなって」

 

???「………………………ホント?」

 

はちまん「え?」

 

いつの間にか俺の目の前に女の子がいた

紫の髪に紫のドレス、それに紫の帽子

ドレスって事はウキワ達の関係者か?

 

ミコト「シ、シオンちゃん?」

はちまん「シオン?」

ミコト「この町の子よ」

 

シオンタウンのシオンか

 

シオン「………………………はなしをきいたらつよくなれる?」

はちまん「お前、ここに来る前の霧の奴か?」

シオン「………………………こたえて」

はちまん「……どうだろうな。強くなった事がないからわからん」

シオン「………………………ならきくひつようがない」

はちまん「何で?」

シオン「………………………つよくなれないかもしれないなら」

はちまん「……かもな」

シオン「………………………じゃあ」

 

はちまん「だがそんなん関係ないな。俺は例え強くならなくても話しを聞く」

 

シオン「………………………はなしをきいてそのこがないても?」

はちまん「ここには泣いちゃだめなんて決まりがあるのか?墓場があるのに?」

シオン「………………………ちがう」

 

シオン「………………………そのせいでそのこがきずつくかも」

 

 

はちまん「どうせいつかは傷つくさ」

 

 

シオン「………………………え?」

はちまん「実は俺遠い場所から来ててな。一緒に来てるやつもいる。いつかそいつらと一緒にその場所へ帰る事になる」

シオン「………………………それで?」

はちまん「その時コイツは連れて行けない。一緒にはいられない」

シオン「………………………どうして?」

 

はちまん「知らねーよ」

 

シオン「………………………どういうこと?」

はちまん「知らねーよ、離れなきゃいけない理由なんて。正直離れたくねーよ。さっきだって離れたくないって思ってたよ。泣きそうだったよ」

シオン「………………………つらい?」

はちまん「まあな」

シオン「………………………しんどい?」

はちまん「そりゃな」

シオン「………………………なかないの?」

はちまん「俺は人前で泣くのは得意じゃなくてな。ま、コイツが泣いたら泣くわ」

シオン「………………………ばか」

はちまん「おい」

シオン「………………………ぼけなす」

はちまん「まてその流れは」

シオン「………………………あほ」

はちまん「はちまんって言えよ。そこまで言ったらはちまんって」

シオン「………………………なんで?」

はちまん「いや、何でもない」

 

そりゃ名前言ってないんだから言えるわけないか

 

シオン「………………………はなしてあげる」

はちまん「いいのか?」

シオン「………………………はなしてそのこがないてあなたがなくのがみたい」

はちまん「さ、最低だね」

シオン「………………………じゃ、はなすね」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

話すのが得意じゃないシオンがミコトさんに助けられながら話してくれたカラカラの過去

 

3週間前

 

ガラガラはロケット団から逃げていた

何でもガラガラの持っている骨が貴重な物だったらしい

その骨を奪うためロケット団はガラガラを殺そうとした

ガラガラはそれから逃げるためシオンタウン中を逃げ回った

時には物陰に隠れ

時には町の人達に助けられ

しかし追いかけて来るロケット団の数が多過ぎた

いくら逃げても追いかけて来る

それでも逃げた

 

何故なら生まれたばかりのカラカラも一緒にいたから

 

そしてガラガラはとある民家に辿り着く

そこはフジという老人の家

ガラガラはそのフジ老人にカラカラを託そうとした

フジ老人は急いでガラガラからカラカラを預かり

ガラガラも家に入れようとした

 

その時ガラガラはロケット団に殺された

 

ガラガラは最後の力を振り絞って持っていた骨をフジ老人に預ける

そしてガラガラは生き絶えた

カラカラはフジ老人の腕の中でその光景を見てしまった

 

その後骨を手に入れるためフジ老人の家に入ろうとするロケット団を町の人が必死に止めた

それでも止まらないロケット団

 

そこに不思議な事が起こった

大地震が起こったのだ

 

ガラガラの怒りか

 

シオンタウンの悲しみか

 

ロケット団はその揺れに耐えられず立っていられない

そのうちに地震は静まった

ロケット団はその地震に恐れをなし

我先にと逃げて行った

 

 

その後フジ老人はガラガラの骨をこのポケモンタワーの最上階に

カラカラをオーキド博士に預けたという

その経緯はこの前オーキド博士に聞いた通りだ

 

そして今

カラカラは俺の元にいる

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

72話 超越

#ポケモンタワー『5階』

 

俺はカラカラの過去を聞いた

カラカラの様子を見る

その時の光景を思い出したのか

そしてこれから自分がするべき事がわかったのか

体を震わせ泣くのを必死に堪えているようだ

 

はちまん「カラカラ」

カラカラ「…………」ぐっ、ぐぐっ

 

はちまん「聞いただろ、あのガラガラは亡霊だ」

 

はちまん「恐らくこの塔の最上階にある骨を守っているんだろう」

 

はちまん「だがそこにはフジ老人がいるかもしれない」

 

はちまん「お前を助けてくれた人が今度は危険な目にあっているかもしれない」

カラカラ「…………」ぐぐっ

はちまん「だから進むために俺達は、いやお前はあのガラガラを倒すしかない」

カラカラ「………………」

はちまん「あのガラガラを倒すのはお前だ、カラカラ」

カラカラ「から…」

はちまん「…嫌だよな」

カラカラ「…」

 

はちまん「自分の母親を倒すなんて」

 

はちまん「でもそれじゃあフジ老人がどうなるかわからない」

 

はちまん「それに他の奴に倒されるのも嫌なんだろ」

カラカラ「…」

はちまん「お前が成仏させてやれ、自分を守ってくれた母親を」

カラカラ「か、らぁ」

 

 

カラカラ「からぁぁぁ〜!」ポロポロ

 

 

カラカラは耐えきれなくなったのかやっと泣き出した

自分の母親が死んだ事

その母親が亡霊になっている事

その亡霊を自分が倒さなければならない事

慟哭が部屋に響く

 

はちまん「…また1人になるのが嫌か?」

カラカラ「から…からぁ!」

 

カラカラは泣きながら頷く

 

はちまん「あの亡霊がいなくなったらまた1人になると思ってるのか?」

カラカラ「…からぁ!」ポロポロ

 

ポカ、ポカ

 

カラカラは泣きながら俺を骨で叩いてくる

 

はちまん「…俺もいつかはいなくなるだろって?」

カラカラ「から…から…!」ポカ、ポカ

はちまん「…また…自分を1人にするだろって?」

カラカラ「から…から」ポカ、ポカ

はちまん「だったら…亡霊でもいいから…っ…誰か一緒にいてほしいって?」

カラカラ「…からぁ」ポロポロ

 

カラカラは俺を叩くのをやめた

そして俺もいつの間にか泣いていた

 

はちまん「俺だって…俺だって…」

 

俺だってお前とずっと一緒にいたい

1人が嫌で泣いてるお前のそばにずっといたい

 

ジム戦で勝った後、お前はいつも笑ってた

それをみたら俺も頑張ってよかったなって

その後勝負に勝ったら互いに喜んで

ハイタッチして

まだ一緒に旅がしたい

また一緒に自転車に乗りたい

また一緒にケーキが食べたい

 

でもいつかは別れの時がくる

絶対に俺は元の世界に戻るから

俺はあの場所

 

 

『奉仕部』に戻りたい

 

 

 

はちまん「でもそれは今じゃないっ…」

カラカラ「から…から…」ぐすぐす

 

はちまん「それまではっ…一緒にいられるから」

カラカラ「からぁ」ぐすっ

 

はちまん「それに今お前は、俺だけじゃない…。ここにいるゴルバットだって…ロコンだって…まだまだお前のそばにいてくれる奴は沢山いる」

カラカラ「カ、カラ」ぐずっ

 

あの場所に戻るために

カラカラの決着を一緒につける

 

互いにわかった

今は泣いてる場合じゃない

泣くのは今度でいい

後回しだ

今は前に進む

 

 

はちまん「お前の母ちゃん、倒しに行こう」

カラカラ「……」

はちまん「また泣きたい時は一緒に泣いてやるから」

カラカラ「…カラ」

はちまん「行こう、カラカラ」

カラカラ「カラ」コクン

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん「行くぞ、お前ら」

カラカラ「カラ!」

ゴルバット 「バット!」

ロコン「!」コクン

 

俺達はあのガラガラに挑む

アイツは強い

カラカラ1人で決着をつけてやりたいが

 

はちまん「カラカラ」

カラカラ「…」コクン

 

負けるわけにはいかない

絶対に勝ってカラカラの母親を成仏させる

俺達で

 

はちまん「っと、お前もな」

 

俺はカビゴンの入ったボールを見てそう言う

 

はちまん「カラカラ、コイツらがお前の力になる」

カラカラ「カラ」

はちまん「だからお前はトドメをキッチリ刺してこい」

カラカラ「カラ!」

 

そして俺達はガラガラへと挑む

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

73話

#ポケモンタワー『5階』

 

ミコト「私達、ここで帰りを待ってるから!」

シオン「………………………いってらっしゃい」

はちまん「おう、おじちゃん連れて戻ってくるよ…多分」

シオン「………………………なにいってるの」

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ガラガラ『……』

 

カラカラ「……」

はちまん「いるな」

カラカラ「カラ」

 

俺達はガラガラのいる場所まで戻ってきた

相変わらず階段の前で通せんぼしている

さて、どうするか

どうやったらアイツとの戦闘が出来るんだろ

俺が前に出て行くしかないか

 

はちまん「お前ら、しっかりついてこいよ」

カラカラ「…」コクン

ゴルバット「…」コクン

ロコン「…」コクン

 

俺はガラガラの前に出る

そしてガラガラは俺を見た

 

ガラガラ『デテ…イケ…』

 

よし、これでポケモンバトルが始まるはずだ

俺はカビゴンの入ったボールを構える

作戦『カビゴンでゴリゴリ削ってトドメをカラカラが刺す』

決行

 

はちまん「行け!カビゴ…」

 

俺がカビゴンを繰り出そうとした

その時

ガラガラも投げるモーションをしてきた

あれ?アイツもポケモントレーナーだったの?

ってそんなわけない!

どう見てもあれ俺に向かって骨を投げるつもりだ!

 

はちまん「ちょっと…」

ガラガラ『デテイケ!!』ブンッ

 

非情にもその骨は俺に向かって投げられる

まずい逃げる暇がない!

 

カラカラ「カラ!」ブンッ

 

ガチーン!

 

カラカラがガラガラの投げた骨に自分の持っている骨にぶつけた

骨の軌道が変わり俺は当たらずに済んだ

だが

 

バキーン

 

はちまん「な!?」

カラカラ「カラ!?」

 

なんとカラカラの投げた骨が粉々に砕け散った

あの骨がカラカラのより硬かった所為か

くそっ

ガラガラは戻ってくる骨をキャッチすると

こちらに向かって襲いかかってくる

俺は自分の骨が粉々になって呆然としているカラカラを抱き上げる

 

はちまん「一旦引くぞお前ら!」

 

向こうがルール無用で来るなら

こっちもルール無用で行ってやる

総力戦じゃい!

 

はちまん「ロコン!ほのおのうず!」

ロコン「!」ぼうぼう

ガラガラ『…!』ぼう

 

ロコンのほのおのうずでガラガラは閉じ込められる

その間に俺は後ろ一直線に後退する

 

はちまん「ゴルバット!ロコン!左右に分かれろ!」

ゴルバット「!」コクン

ロコン「!」コクン

 

後退してガラガラが真っ直ぐにこっちへ来れるところ

ガラガラが俺を見つけられるところで止まる

抱き上げていたカラカラを下ろす

そしてボールを構える

一方ガラガラはほのおのうずから抜け出していた

 

はちまん「ガラガラ!こっちだ!」

ガラガラ『!!』

 

ガラガラは俺を見つけると真っ直ぐ俺の方へ向かって来る

ギリギリまで引きつける

 

ガラガラ『デテイケ!』

 

今だ!

 

はちまん「カビゴン!なしくずし!」

 

ポンッ!

 

カビゴン「ゴーン!!」

 

俺の構えたボールからカビゴンが飛び出す

 

カビゴン「ゴーン!!」どがっ

ガラガラ『!?』

 

そしてガラガラを吹っ飛ばす

その時ガラガラの持っていた骨がガラガラの手から離れ

床に落とした

 

はちまん「カラカラ!走れ!」

カラカラ「カラ!」タタタ

 

カラカラをガラガラの元へ走らせる

アイツがトドメを刺す為に

ガラガラは落とした骨を拾いに行く

そうはさせるか

 

はちまん「ゴルバット!あやしいひかり!」

ゴルバット「バーット!」ピロピロ

ガラガラ『!?』

 

はちまん「ロコン!おにび!」

ロコン「!」ぼっぼっ

ガラガラ『!?』

 

左右にいるゴルバットとロコンに骨を拾おうとするガラガラの足止めをさせる

その隙にカラカラはガラガラの元まで辿り着く

 

カラカラ「カラー!」タタタ

ガラガラ『!』

 

ガラガラはカラカラが向かって来るのを見ると骨を拾うのを諦め

カラカラを迎え撃つ体制をとる

頭をカラカラの方へ向けた

あれは『ずつき』か

だったらこっちも

 

はちまん「カラカラ!アイアンヘッド !」

カラカラ「カラ!!」タタタ

 

カラカラの十八番『アイアンヘッド』!

 

 

カラカラ「カラーー!」タタタ

ガラガラ『!!』ダダダ

 

 

互いに頭を向け合いながら突っ込んで行く

 

 

 

ゴーーン!!

 

 

火花が散る

空気が振動する

そして

 

 

カラカラ「………」

ガラガラ『………』

 

 

 

ガラガラ『…』

バタン

 

 

カラカラ「カラーーーー!!」

 

 

カラカラの咆哮が響く

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ガラガラ『…』

 

ガラガラは目を閉じたまま動かない

 

カラカラ「から」

ガラガラ『ガ、ラ』

 

カラカラが呼びかけると

ガラガラの目がゆっくりと開いていく

 

カラカラ「カラ!」

ガラガラ『ガラ?』

 

ガラガラはカラカラを見る

しばらく見つめた後

ゆっくりとカラカラの頭を撫でる

 

カラカラ「か、から〜」///

 

カラカラは照れ臭いのか身をよじる

 

ガラガラ『…ガラ』

 

ガラガラはそんなカラカラを見て微笑んだ

 

 

そしてガラガラの身体が優しく光出した

 

 

カラカラ「カ、カラ!?」

 

カラカラは突然光出したガラガラを見て慌てる

 

 

ガラガラ『…』ふわっ

 

 

ガラガラの身体はカラカラから離れ

浮かんでいく

 

カラカラ「からぁ!?からっ!からっ!」

 

カラカラはその身体を掴もうとするが届かない

 

 

カラカラ「からぁーーーー!!」

 

 

そしてガラガラは空に消えていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カラカラの おかあさんの まよえる たましい

 

やさしい カラカラの おかあさんに

 

もどった たましいは

 

 

カラカラに ほほえむと

 

 

ぶじに てんに のぼって…

 

… … きえて いきました

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

74話 救出

#ポケモンタワー『最上階』

 

俺達は最上階へ来た

暗い

目を凝らして奥の方を見ると人影が見える

あれが『おじちゃん』か?

 

はちまん「あの」

 

近寄るとハッキリと老人とわかった

優しい雰囲気の老人だ

部屋の奥にある棺桶に向かってお祈りをしていた

俺が声をかけると振り向いた

 

???「…誰かな」

はちまん「あ、えっと、はちまんです」

???「ん?」

 

老人は俺の隣にいるカラカラを見た

カラカラは俺のズボンの裾を掴んで離さない

 

カラカラ「………」

???「そ、その子は」

 

カラカラに見覚えがあるらしい

やはりこの人がおじちゃんであり『フジ老人』なのか?

 

???「そうか…。君が博士の言っておったトレーナーか…」

はちまん「あの…」

???「あ。ははは、すまないね。まだ名乗ってなかったか…」

 

フジ「私の名前はフジじゃ。みんなからはフジのおじちゃん、フジ老人とか呼ばれておるの」

 

はちまん「貴方がコイツの…」

フジ「私は何もしておらんよ」

はちまん「え?」

フジ「いや、私は何もできんかった…。ガラガラを助ける事も、そのガラガラが命辛々預けてきたその子を救う事さえも…」

はちまん「………」

カラカラ「………」

 

フジ老人はカラカラを見た

 

フジ「ここへ来たということは…。下の階にいた…」

はちまん「はい、コイツが成仏させました」

カラカラ「………」

フジ「そうか…」

 

フジ老人は天井を見上げる

 

フジ「…この子の母親は…いや、それも覚悟の上で…」

はちまん「…………」

カラカラ「………」

フジ「だとしたら…私がここにいる意味もないか…」

はちまん「あの、どうして2日も…」

フジ「それはの…」

 

そういうとフジ老人は部屋の奥の棺桶に優しく手を置いた

よく見るとその棺桶の上には骨が置いてあった

 

はちまん「その棺桶って…」

フジ「その子の母親が入っておる…」

カラカラ「!」

はちまん「カラカラ」ひょい

 

俺はカラカラを抱き上げ棺桶のそばまで行かせる

 

カラカラ「から…」すっ

 

カラカラは棺桶を撫でる

 

フジ「………」

 

フジ老人はそれを暖かく見守っている

しばらくするとフジ老人は

 

フジ「私の家で話そう、ここはポケモンの寝ているところじゃ。騒ぐのはよくないからの」

はちまん「…わかりました。行くぞカラカラ」

カラカラ「………から」

 

フジ老人は下の階へ向かう

俺がカラカラを抱き上げたままそれについて行こうとした

その時

 

からん

 

はちまん「ん?」

カラカラ「?」

フジ老人「どうしたんじゃ?」

 

棺桶の上に置いてあった骨が床に落ちた

 

はちまん「あ!す、すみません」

 

俺が当たって落としてしまったかもしれない

急いでその骨を元の場所に戻そうと骨を持つ

思ったよりも重い

 

フジ「待ってくれ」

 

俺が棺桶に骨を置こうとすると

フジ老人が止めてきた

 

はちまん「何ですか?」

フジ「聞きたいのじゃが、その子の持っていた骨どうしたんじゃ?」

はちまん「えっと、さっきガラガラと戦った時壊れて…」

フジ「……なるほど。はちまんくん、その骨持っていってくれんか」

はちまん「へ?でもこれって…」

フジ「ガラガラの形見じゃ。ここに祀っておった」

はちまん「じゃあ持っていったら駄目じゃないですか」

フジ「…これは私の勝手な考えじゃがな、恐らくガラガラは自分の子供に持っていてほしいんじゃろう。それにそれはその子の母親の物じゃ、その子が持っていてもなんら問題はない」

はちまん「それは……」

 

俺は腕の中にいるカラカラを見る

 

はちまん「どうする?」

カラカラ「…………カラ」コクン

はちまん「持っときたいって?」

カラカラ「カラ」

はちまん「わかった。お前が言うんなら、はい」

 

俺はカラカラに形見の骨を渡す

カラカラはそれを受け取ると手ざわりや大きさを確認すると

俺の腕の中から抜け出した

床の上に着地すると骨を振ってみる

 

カラカラ「カラ!」

 

ぶうぅん!

 

おお、今までのやつとは振った時の音が違う

カラカラはもう一振りするとその骨を握りしめた

そして俺の方を見る

 

はちまん「え?それ戦う時に使うの?」

カラカラ「カラ!」

はちまん「いや、それ形見じゃないのか?」

カラカラ「カラ!カラ!」

はちまん「使いやすいし、強くなった気がするからって…。お前がいいんならいいけどさ」

カラカラ「カラ!」ふんす

 

カラカラは形見の骨を誇らしげに眺めている

 

フジ「ふふふ、君達仲がいいようじゃな。目で通じ合っておる」

はちまん「…」///

カラカラ「…」///

 

はちまん「あ、あまりここにいるのはよくないですよね。早く下の階へ戻りましょう。シオンって子も待ってますから」

フジ「ほう、あの子が」

はちまん「はい、心配していましたよ」

フジ「そうか、なら行こうかの」

はちまん「はい」

 

その後シオンとミコトさんと合流して

ポケモンタワーを出た

そしてフジ老人に案内されるまま家に招待された

『ポケモンハウス』と言うらしい

シオンはともかくなぜかミコトさんまでついてきた

そこでフジ老人が帰らなかった理由を聞いた

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

2日前、ロケット団がポケモンタワーを占領した

 

その事を知ったフジ老人はガラガラの形見を心配して最上階へ向かった

ロケット団は最上階にいて何かを企んでいたらしい

何を話していたかはわからないがロケット団はフジ老人に話しを聞かれたとして拘束

だが何かされる前にあのガラガラの亡霊がフジ老人を守った

ガラガラは最上階からロケット団を追い出し

そこへ続く階段に居座り

近寄る者を全て追い返した

 

フジ老人はガラガラが成仏しきれてないと思い

ガラガラの遺体が入った棺桶にずっとお祈りをしていた

2日間何も飲まず食わず

それがガラガラを救えなかった自分の咎として

 

そして今に至る

 

 

それとロケット団の事だがガラガラに追い出された後の事はわからないという

つまりロケット団はアジトに収集されたから出て行ったわけじゃなくてガラガラに追い出されたからいなくなったのか?

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ポケモンハウス

 

はちまん「あの、俺たちがもしあの時来なかったらどうしてたんですか?ずっと飲まず食わずって…」

フジ「…いや、恐らく餓死はせんかったじゃろう」

はちまん「え?」

フジ「時々あのガラガラが食べ物を持ってきてくれたんじゃ」

 

亡霊のはずのガラガラが…

恩返しのつもりなんだろう

 

フジ「あの子は優しい、何もできんかった私を守ってくれた…」

はちまん「いえ、そうではないでしょう」

フジ「え?」

 

はちまん「貴方は何もできなかったんじゃない、なんとかしようとしただけです」

 

フジ「なんとか…」

はちまん「だからコイツをオーキド博士に預けた。コイツを救うために」

フジ「それは」

はちまん「だから形見の骨を守ろうとした。いつか必ずコイツに見せるために」

フジ「………」

はちまん「貴方はコイツにとってかけがえのない恩人です。そんな人だからこそガラガラは母親として恩返しがしたかったんじゃないでしょうか。亡霊となってまで」

フジ「………」

はちまん「そしてガラガラだけじゃない。今コイツの『おや』はトレーナーである俺です。だからお礼を言わせてください。コイツを、コイツの大切なものを守ってくれて、ありがとうございました」

 

はちまん「そしてもうコイツは大丈夫です。俺よりしっかりしてるんであっという間に立ち直ります。けどまた1人なるかもしれない。そんな時はまた助けてやってくれませんか。そばにいるだけでいいんです。それだけでコイツは幾分にも強くなりますから」

フジ「…………そうか」

 

 

 

それからフジ老人は何も言わなかった

その日はポケモンハウスに泊まった

カラカラはその晩泣いていた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、布団の中に女の子が!?

はちまん「ふざけんな」

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

75話 発覚

#ポケモンハウス

 

はちまん「…………………」

シオン「zzz」

 

ポケモン世界16日目

昨日

フジ老人のはからいでシオンタウンのポケモンハウスに泊まった

ポケモンハウスには部屋が沢山あり

俺とそのポケモン達はその中の一室で寝泊まりした

あ、ちなみに

カラカラとロコンは俺の布団で

ゴルバットは天井

カビゴンは床で寝ている、うんデカイ

 

そして今日

起きて布団の中を見てみると女の子が

全身紫のシオンが寝ていた

というか寝る時もドレス着てるの?

 

はちまん「…………………」

シオン「zzz」

 

……まあいい二度寝するか

 

ロコン「…」バシッ

はちまん「いてっ」

 

久々にロコンのツッコミを頂いた

コイツいっつも俺より先に起きてるんだよなー

その割に俺より後に寝るし

そんなに寝顔見られたくないんだろうか

まあこの前寝たフリして寝顔見たんだけどな

はい可愛い寝顔でし…

 

ロコン「!!!」バシッバシッバシッ

はちまん「いたっ!いたっ!いたいって!悪かったって!もうしないから!」

シオン「………………………うるさい」

 

俺が騒いだせいでシオンが起きた

カラカラ達はまだ寝ている

まあ俺の手持ちって半分が睡眠キャラだしな

 

はちまん「お前なんで俺の布団にいるんだ」

シオン「………………………あなたがつれこんだ」

はちまん「してねーよ!」

シオン「………………………おおごえでひとをよぶ」

はちまん「お前の願いを言え、どんな願いも1つだけ叶えてやろう」

シオン「………………………すいみん」

はちまん「おやすみなさい」

シオン「zzz」

 

また寝るシオン

これじゃあ理由を聞こうにも起こしたら俺が社会的に…

俺何もしてないのに…

社会め…

何で中学辺りで歴史とかに分裂したんだよ

そのまま1つでいろよ

しょうがない起きるか

まだ寝ている奴らを起こすのは忍びないが

 

カラカラ「からー」ごしごし

はちまん「おはようさん」

カラカラ「カラ…」

はちまん「いや、俺も眠いけどシオンが勝手に…」

 

カラカラは俺の布団の中にいるシオンを見た

シオン「zzz」

はちまん「な?」

カラカラ「カ、カラ」ひきっ

はちまん「待て、俺じゃない」

 

俺は冷たい視線を向けてくるカラカラと

いつも通り冷たい視線を向けてくるロコンを連れ部屋を出る

いやー朝っぱらから冷たいね

部屋を出るとフジ老人がいた

 

はちまん「おはようございます」

フジ「おお、おはよう」

はちまん「すみません、お部屋をお借りして」

フジ「別に構わんよ。それよりシオンを見んかったかの」

はちまん「…俺の布団の中に」

フジ「ん?ふぉふぉ、そうかまたあの子は」

はちまん「また?」

フジ「あの子はいつも誰かと一緒に寝ようとしての。いつもは私の所で寝るんじゃが。ふふ、君懐かれたようじゃの」

はちまん「そ、そんな事…」

 

フジ「現にいま君のそばを離れようとしとらんしの」

はちまん「はい?」

 

フジ老人が後ろ後ろと言ってくる

俺が恐る恐る振り返ると

 

シオン「zzz」

 

はちまん「ひっ」ビクッ

 

さっきまで寝ていたはずのシオンが俺のそばにいた

立ったまま寝ていて俺の服を掴んでいる

い、いつの間に!?

さっきカラカラと見た時は確かに寝てたよな!?

 

はちまん「あ、あのこここれどうすれば?」

フジ「ん〜、起こすと機嫌が悪くなるからそのままの方がいいかもしれん」

はちまん「そ、そんな」

 

これ動いても大丈夫なの?

俺は試しに少し動いてみる

 

シオン「zzz」ぐいーっ…

はちまん「え?ちょっ危な!」ガシ

 

俺がシオンから離れるように動くと

シオンは服を掴んだまま動かず

そのまま引っ張られ倒れそうになる

倒れる前に俺が支えたからいいものの

これじゃあ動けないんだが

 

はちまん「あの、ホントどうすれば」

フジ「動く時は抱っこしてやればよい」

はちまん「は!?え!?抱っこ!?」

フジ「あれじゃ、お姫様抱っこというやつじゃ」

 

お姫様抱っこって!

そ、そんな事小町にしかした事ないよ!

でもこれじゃあ動けないし

オンブしようにも背中はゴルバットの特等席だし

オンブもキツイし

……………いっそここで動かず暮らそうか

 

ロコン「…」バシッ

はちまん「いてっ」

 

俺がお姫様抱っこの難易度を前に人生を諦めかけたが

ロコンのツッコミのおかげでなんとか持ち堪えた

ありがとうロコン

そうだ代わりにお前を抱っこしてやろう

 

ロコン「!!」バシッバシッ

はちまん「いてっ、いてっ。わかった!やらないって!」

 

俺がロコンを抱っこしようとするとスッゲー叩いてきた

くそー抱っこできると思ったのに

 

シオン「………………………やかましい」

 

またシオンさんが起きてしまった

機嫌が悪い

 

シオン「………………………だっこするならはやくして」

はちまん「いやお前が起きたんだったら別にいいだろ。てか離せ」

 

何で抱っこさせようとしてんの?

確かに時々移動を怠く感じる事はあるけどさ

 

シオン「………………………わたしはいくとこがある」

はちまん「ん?何の話し?」

 

急に話しが飛んだぞ

 

シオン「………………………たぶんあなたといっしょ」

はちまん「何が?」

シオン「………………………だからつれてって」

はちまん「主語を言え主語を」

シオン「………………………めんどい」

はちまん「気持ちは良くわかるがな、どこに連れて行けばいいのかわからないんだよ」

 

シオン「………………………たまむし」

はちまん「え!?虫!?どこどこ!?」

シオン「………………………ちがう、まちのなまえ」

はちまん「虫いないの?よかったー」

シオン「………………………わたしすぴあーもってる」

はちまん「願いを言え、どんな願いも1つだけ叶えてやろう」

 

コイツもしかしなくても…だよな

イジワルな奴だ

 

シオン「………………………わたしをたまむしまでつれてって」

はちまん「何でまた」

シオン「………………………そこにみんないるから」

はちまん「みんな…ってまさかそのドレス」

シオン「………………………わたしもちーむ」

 

あのナントカってチームだろ?

確かコブキさんがリーダーの

そのドレス見てもしやと思ってたがな

あれ?でも

 

はちまん「確かサカキが動いてから2日で集まるんじゃなかったか?サカキが動いた日を入れても…もうその期限過ぎてないか?」

シオン「………………………ちこく」

はちまん「もしかしてフジさんが帰ってくるの待ってたからか?」

シオン「………………………うん」

はちまん「そっか」

 

はぁ

だったら仕方ないか

コイツはフジ老人を心配して遅れたんだよな

じゃあ俺も無関係とはいかないな

 

フジ「シオン…」

シオン「………………………おじちゃんはわるくない」

フジ「しかし…」

シオン「………………………わるいのはくろいひと」

はちまん「そうだな、全部ロケット団が悪いよな」

フジ「………わかった。はちまん君、ちょっと待っててくれ」

 

フジ老人はそう言うとどこかから笛を持ってきた

 

フジ「これは『ポケモンのふえ』じゃ、ポケモンを大切にしている君にあげよう」

はちまん「え?で、でも…」

フジ「いいから、受け取ってくれ」

はちまん「わ、わかりました」

 

俺はポケモンのふえをフジ老人から受け取る

た、確かこれって…

 

フジ「はちまん君、シオンの事頼みます」ペコリ

はちまん「いえ、そんな」

フジ「この先君が困るような事があればいつでも頼ってくれ。私の出来る限りの事をやってみよう」

はちまん「そ、そんな…。あ、じゃあ1ついいですか?」

フジ「何かの」

はちまん「もしここに長い黒髪の女の子とピンクのお団子の女の子、それと栗色の髪の女の子の3人組が来たら助けてやってくれませんか?そいつら俺の…えっと…し、知り合いなんで」

フジ「ふむ、わかったよ。任せてくれ」

はちまん「はい、お願いします」

 

俺は頭を下げてお願いする

アイツらがここに来るかもしれないからな

雪乃とか方向音痴だし

 

シオン「………………………じゃ、いこ」

はちまん「おう、それじゃあフジさん。ありがとうこざいました」

シオン「………………………おじちゃん、いってきます」

カラカラ「カラ!」

フジ「ふふ、いってらっしゃい」

 

 

俺達はフジ老人に別れを告げてポケモンハウスを後にする

次の目的地はタマムシシティ

4つ目のバッチがある街だ

雪乃達まだいるかな

さあ、タマムシに向けていざ行かん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、その前に

 

はちまん「悪いお前ら、ちょっと待っててくれ」

シオン「………………………?」

カラカラ「?」

ロコン「…」はぁ

 

数分後

 

シオン「………………………どこいってたの?」

はちまん「いや、なんでもない」

 

この町にもマッカンはなかった

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

今のはちまんの状態 +α

ここで6章終了です

次回は7章と言う事で
今回はステータス回です


はじめに

 

今回はステータス回です

少し前回とは文章構成が変わっています

 

この章で出てきたシオンも含めたオリジナルチーム

『カントーガールズ』のちょっとした設定も載せています

 

では

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

比企谷 八幡

<はちまん>

 

ポケモンの世界に来た高校生

只今2週間と1日が経過

シオンタウンでカラカラ達といつかは別れる事を自覚

しかし奉仕部に戻るため、それでも帰る事を諦めない

腐った目とアホ毛が特徴

ジムバッチ4つ目を前にしてポケモン達のレベルに不安を感じている

 

バッチ数

・グレーバッチ

・ブルーバッチ

・オレンジバッチ

 

みつけたポケモン

・ゴース

・ゴースト

・ガラガラ

・カビゴン

 

バッグの中身

たいせつなもの

・ポケモン図鑑

・タウンマップ

・トレーナーパス

・バッチケース

・バトルサーチャー(フラッシュ機能付き)

・ポケモンのふえ

 

わざマシン

・みずのはどう

・でんげきは

・がんせきふうじ

 

ひでんマシン

・いあいぎり

 

どうぐ

・モンスターボール

・キズぐすり

・いいキズぐすり

・どくけし

・まひなおし

・ねむけざまし

・やけどなおし

 

所持金 436550円

 

手持ちのポケモン

*ポケモンハウス出発時

 

[カラカラ]

レベル 29

 

こどくポケモン

じめんタイプ

とくせい いしあたま

せいかく ゆうかん

こせい かんがえごとがおおい

 

もちもの ふといほね(母親の形見)

 

<覚えている技>

・アイアンヘッド

・ホネブーメラン

・きあいだめ

・にらみつける

 

八幡の最初のポケモン

オーキド研究所で出会った

生まれ故郷シオンタウンで過去のトラウマに向き合い

八幡と共に一歩踏み出した

持っている骨は母親の形見

甘党

 

 

[ゴルバット]

レベル 25

 

こうもりポケモン

どく/ひこうタイプ

とくせい せいしんりょく

せいかく ようき

こせい ひるねをよくする

 

もちもの なし

 

<覚えている技>

・つばさでうつ

・かみつく

・あやしいひかり

・すいとる

 

オツキミ山で出会った

ひるねをよくすると言うかずっと寝ている

八幡の背中が寝床

八幡が寝ている時は天井で寝る

吸血鬼演出はゴルバットがバトルする時にいつもやる

甘党

 

 

[ロコン]

レベル 23

 

きつねポケモン

ほのおタイプ

とくせい もらいび

せいかく おくびょう

こせい ぬけめがない

 

もちもの なし

 

<覚えている技>

・ひのこ

・ほのおのうず

・おにび

・だましうち

 

*ガラガラ戦闘後

『でんこうせっか』から『だましうち』に変更

 

育て屋で出会った

周りに隙を見せないようにしている、特に八幡

八幡のツッコミ担当

前足で八幡を叩くのが主流

ツンデレ疑惑

甘党

 

 

[カビゴン]

レベル 30

 

いねむりポケモン

ノーマルタイプ

とくせい めんえき

せいかく いじっぱり

こせい うたれづよい

 

もちもの カゴのみ

 

<覚えている技>

・のしかかり

・なしくずし

・ねむる

・あくび

 

12番道路『サイレントブリッジ』で出会った

寝ているところを八幡に捕獲された

高耐久高火力に急な出撃にも瞬時に対応できる天才

寝ることも食べることも好き

甘党

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

『カントーガールズ』

 

リーダー

 

コブキ

ヤマブキシティ担当

17歳

責任感が強い

ロケット団に対抗するためチームを結成

 

 

メンバー

 

ウキワ

トキワシティ担当

10歳

冷静な性格

トキワの森が好き

 

 

ニン

ニビシティ担当

8歳

おっとりとした性格

口癖『ふふふ〜♪』

 

 

ナァ

ハナダシティ担当

8歳

頑張り屋

エリと共にハナダを守る

 

 

サチ

クチバシティ担当

9歳

元気な性格

ウキワの事を尊敬している

 

 

シオン

シオンタウン担当

8歳

不思議ちゃん

話すのが苦手

 

 

 

☆これからのヒッキー☆

シオンタウンでの用事を済ませ

シオンと共に雪乃達が先に向かった

花の都タマムシシティへ向かう

4つ目のバッチは手に入れる事が出来るか

そして、ついにアイツとの対面が!?

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

七章 タマムシシティ
76話 ダブルとシンパシー


今回の話し疑問符が多いです
? ←これです、これ
それにオリキャラであるシオンのセリフが全て平仮名であり、全てに点々があります
… ←これです、これ
まあ元から多かった気がします
読みにくいかもしれませんがご了承ください


ー追記ー
申し訳ありません。
誤りを感想の方でご指摘いただいたので修正しています。



#シオンタウン西側出入口

 

はちまん「そういや」

 

俺とシオン、カラカラとロコンは

シオンタウンから次の街タマムシシティへ向かう為

街の出入口付近に来ていた

歩きながらずっとシオンに聞きたかった事を聞いてみる

 

シオン「………………………なに?」

 

はちまん「お前らのチームって何でタマムシに集まってんだ?」

 

シオン「………………………ちーむのほんぶがあるから」

 

はちまん「本部?何でタマムシに?」

 

シオン「………………………それはりーだーにきいて」

 

はちまん「お前は知らないのか?」

 

シオン「………………………はなすのめんどい」

 

はちまん「そうかい」

 

身もふたもない発言だが何故か納得してしまった

なんかコイツとは時々シンパシーを感じる

 

シオン「………………………きいていい?」

 

はちまん「何」

 

シオン「………………………なまえ」

 

はちまん「あ、言ってなかったな」

 

名乗るのをよく忘れるな俺

まあ

 

はちまん「はちまんだ」

 

シオン「………………………しおん」

 

はちまん「そうか」

 

シオン「………………………うん」

 

名乗ってもコレだからな

相手がコイツだからってのもあるだろうが

いやそんな事ないな俺が話すのが苦手なだけだな

この沈黙も嫌いじゃないしな

ん?コイツ今俺の名前を知ったんだよな

でも今朝俺がチームの事を知ってるの前提で話して来なかったか?

 

はちまん「なあ、俺がお前らのチームを知ってる事を知ってたのか?」

 

ややこしいな

 

シオン「………………………なまえはしらなかった」

 

はちまん「名前は?」

 

シオン「………………………でも『あほげくん』ってのはしってた」

 

はちまん「あ、アホ毛くん?それって…」

 

シオン「………………………にんのばかがあったっていってきた」

 

はちまん「やっぱニンか。てかバカって仲悪いの?」

 

シオン「………………………あいつぐいぐいくる」

 

はちまん「あー」

 

なるほど

俺も経験済みだからわかるわ

ニビジムでの事とか

オツキミ山での事とか

シオンと同じで存在感薄いくせに何でだろ

 

はちまん「あ、そういやアイツにも名乗ってないな」

 

シオン「………………………しゃ」ぐっ

 

なんか嬉しそうにガッツポーズするシオン

ニンの知らない事を自分が知っている事が嬉しいんだろう

そんなに嫌いなのか

 

はちまん「お前とニンって同い年なの?」

 

シオン「………………………みとめたくないけど」

 

はちまん「何歳くらい」

 

シオン「………………………はち」

 

はちまん「8か」

 

今の俺が10歳くらいだから2歳下か

 

シオン「………………………あとなぁもおなじ」

 

はちまん「ほー、ナァも」

 

シオン「………………………ちーむのなかでいちばんした」

 

はちまん「えっとあのオレンジは?」

 

クチバにいたオレンジ色の女の子の事を聞く

アイツもシオン達と同じくらいに見えるが

 

シオン「………………………さちはひとつうえ」

 

はちまん「9か」

 

そうだそうだサチって名前だったな

あんま印象に残ってないからな

てか年齢層低くないか?

今まで聞いた奴みんな俺より下なんだが

 

はちまん「ウキワは?」

 

シオン「………………………じゅう」

 

はちまん「同い年か」

 

シオン「………………………うきわはにがて」

 

アイツ真面目そうだからな

あと気が強いし

いや、それより

 

はちまん「…お前が得意な奴って誰?」

 

シオン「………………………はっ、いない」がーん

 

だよな

俺がシンパシーを感じる奴だからな

 

シオン「………………………いや、いた」

 

はちまん「え、いるのか」

 

シオン「………………………はち」

 

はちまん「は、蜂?俺は苦手だな」

 

コイツ、スピアー持ってたんだっけ

てか人間の話しだったんだが

 

シオン「………………………ちがう」

 

はちまん「?」

 

シオン「………………………はちまんだから、はち」

 

はちまん「………お、おう」

 

わかりづら!あだ名かよ!

俺が得意って事?

どういう意味

扱いやすいってか、やかましいわ

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#8番道路

 

そうこうしているうちにシオンタウンとヤマブキシティを繋ぐ道

8番道路に来ていた

だが俺達はヤマブキに行くわけではなく

この街の前にある地下通路を通ってタマムシへ行く

それにヤマブキシティは封鎖されてるはずだしな

そうだ、その事聞いてみるか

…なんかさっきから質問ばっかだな

互いに話すのが得意じゃないからポンポン答えられないのが原因か

 

はちまん「なあ、何でヤマブキは封鎖されてんだ?ロケット団が原因ってのはわかるんだが」

 

シオン「………………………りーだーにきいて」

 

はちまん「あっはい」

 

めんどい、と

後色々聞きたかったんだが

まあタマムシでコブキさんに聞いてみるか

それからはずっと黙ったまま進んで行った

 

 

……

 

………

 

???「そこのおとこの人!」

???「とまってくださいっ!」

 

ん?

しばらく歩いていると女の子2人に声をかけられた

シオンよりも小さい

男の人って事は俺でいいんだよな

でもこんな小さい子とどう話したらいいんだ?

俺はシオンを見るが首を振られた

お前も無理か

 

はちまん「な、なんかようか?」

 

???「ポケモンさん!」

???「もってますか!」

 

はちまん「いるぞ、ほら」

 

俺は隣を歩いているカラカラとロコン

あと、背中で寝ているゴルバットを指す

 

???「あ、ポケモンさんねてる…」

???「おこしたらだめだね…」

 

おお、何て優しい子達なんだ

ゴルバットを気遣ってくれるとは

 

???「じゃあ、ねてないポケモンさん」

???「おきてるポケモンさんとたたかいます」

 

はちまん「戦いたいの?」

 

???「はい!」

???「うん!」

 

そうか

こんな小さな子達もポケモントレーナーなのか

 

はちまん「2人で戦うのか?」

 

リナ「うん!カナといっしょに」

カナ「はい!リナといっしょに」

 

はちまん「そうか。シオンお前はどうする?」

 

シオン「………………………めんどい」

 

はちまん「わかった。んじゃカラカラ、ロコン行けるか?」

 

カラカラ「カラ!」

 

ロコン「…」コクン

 

マルチバトルはやった事あるが

ダブルバトルは初めてだ

 

はちまん「こっちはこの2匹だ。君たちはどうする?」

 

リナ「それじゃ!」

カナ「うん!」

 

リナ「ピッピ!」

カナ「プリン!」

 

ポン!ポン!

 

リナとカナが投げたボールからピッピとプリンが飛び出す

 

リナ「あたしはピッピで!」

カナ「わたしはプリンで!」

 

はちまん「わかった、1人1匹ずつでいいんだな」

 

リナ「そうだよ!」

カナ「そうなの!」

 

はちまん「よし、始めるか」

 

リナ「はじめ!」

カナ「かいし!」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

トレーナー戦 ダブルバトル

 

はちまん

カラカラ&ロコン

 

VS

 

リナ・カナ

ピッピ&プリン

 

1ターン目

 

はちまん「カラカラ!にらみつける!ロコン!ピッピにおにび!」

リナ「ピッピ!ちいさくなる!」

カナ「プリン!カラカラにりんしょう!」

 

ロコン「!」ぼっぼっ

ピッピ「…!」ジュッ

 

カラカラ「!」キッ

ピッピ「…!」

プリン「…!」

 

ピッピ「!」ギュゥ

 

プリン「!」リーン

カラカラ「…!」

 

ピッピ「…!」ジュッ

 

マズイ

相手のピッピがちいさくなるを使ってきた

『ちいさくなる』は自身の回避率を上げる技で

技をかわしやすくなる、攻撃が当たらなければ勝てない

そしてプリンの使った『りんしょう』も厄介

この技は使い続けると技の威力が上がっていく

確かピッピは『このゆびとまれ』という自身を囮にする技が使えたはず

ヤ、ヤバイ

今までにない危機的状況だ

ジムリーダー達が可愛く見える

だがとりあえず『おにび』でピッピを倒す保険は作った

後はピッピをどれだけ早く倒せるかだ

あ、そうだガラガラと戦った後、ロコンが新しく覚えた技が使えるかも

 

 

2ターン目

 

はちまん「カラカラ!ピッピにアイアンヘッド !ロコン!ピッピにだましうち!」

リナ「ピッピ!このゆびとまれ!」

カナ「プリン!カラカラにりんしょう!」

 

ピッピ「!」ぴっぴっ

カラカラ「…!」

ロコン「…!」

 

ロコン「…!」バ、バシ!

ピッピ「……!」

 

カラカラ「!!」ゴーン

ピッピ「…」ひょい

 

プリン「!」リーーン

カラカラ「…!」

 

ピッピ「…!」ジュッ

 

やはりピッピは『このゆびとまれ』を使ってきた

だがいくら回避率を上げようとロコンの『だましうち』は相手の回避率に関わらず必ず当たる技だ

しかしフェアリータイプにあくタイプの技はいまひとつ

早期決着は難しい

カラカラの攻撃はかわされ

プリンの『りんしょう』は威力が上がっていく

 

 

3ターン目

 

はちまん「カラカラ!ピッピにアイアンヘッド!ロコン!ピッピにだましうち!」

リナ「ピッピ!カラカラにめざましビンタ!」

カナ「プリン!カラカラにりんしょう!」

 

ロコン「…!」バ、バシ!

ピッピ「……!」

 

カラカラ「!!」ゴーン

ピッピ「…」ひょい

 

ピッピ「!」バシン

カラカラ「…!」

 

プリン「!」リーーーン

カラカラ「…!」

 

カラカラ「…!」フラフラ

 

ピッピ「…!」ジュッ

 

ピッピ「…!」フラフラ

 

カラカラに攻撃が集中する

そしてりんしょうのダメージもあり瀕死寸前

そしてピッピも『やけど』と『だましうち』のダメージが蓄積し、こちらも瀕死寸前

苦戦を強いられているが次のターンで決まるか?

 

 

4ターン目

 

はちまん「カラカラ!ピッピにアイアンヘッド!ロコン!ピッピにだましうち!」

リナ「ピッピ!カラカラにめざましビンタ!」

カナ「プリン!カラカラにりんしょう!」

 

ロコン「…!」バ、バシ!

ピッピ「……!」

 

ピッピ「…」

バタン

 

ピッピが戦闘不能になった

カラカラの攻撃対象がプリンになる

 

カラカラ「!!」ゴーン!

プリン「…!!」

 

プリン「…」

バタン

 

プリンも効果抜群のアイアンヘッドをくらい戦闘不能

結果は俺達の辛勝

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

リナ「ま、まけちゃった…」しょぼーん

カナ「つ、つよいです…」しょぼーん

 

リナとカナは俺に負けて落ち込んでいる

だが正直な感想を言おう

 

はちまん「いや、お前ら強かったぞ」

 

リナ「ふぇ?」

カナ「ほぇ?」

 

はちまん「俺が今まで戦ってきた人たちの中でいちばん強かった」

 

リナ「ええ!ほ、ホント!?」

カナ「う、ウソじゃない?」

 

はちまん「おう、正直負けると思ってた。お前ら2人ならそのうち俺より強くなれると思う」

 

リナ「やったー!」ぴょん

カナ「よっしゃー!」ぴょん

 

強くなれると聞いて飛んで跳ねて喜ぶ2人の幼女

 

シオン「………………………へんたい」

 

はちまん「違うわ。これが変態になるなら保母さんはみんな変態だ」

 

全く、何で幼女見ただけで変態になるんだ

俺は悪くない

コイツらが可愛いのが悪い

 

リナ「あ、トレーナーさん!おなまえ教えて!」

カナ「リナ、わたしたちがさいしょにしないと」

 

リナ「あ、そーか!わたしはリナ!」

カナ「わたしはカナ!」

 

リナ「よろしくね!」

カナ「よろしくおねがいします」

 

おお、何だろう

最近俺の周りが殺伐としてたから

凄え癒される

 

はちまん「俺ははちまんだ」

 

カナ「はち…まん?」

リナ「はちって呼んでいい?」

 

はちまん「いいぞ」

 

リナ「よろしくね!はち!」

カナ「よろしく!はち!」

 

さっきシオンにつけられたあだ名だが

この子達はちゃんと俺に呼んでいいかを聞いてくるのか

いい子だ

 

はちまん「あ、こっちの紫はシオンな」

 

シオン「………………………ざつ」

 

リナ「シオンちゃんだね!」

カナ「シオンおねぇちゃんだね!」

 

シオン「………………………いやされる」

 

はちまん「だろ?」

 

シオンも幼女パワーに負けたらしい

まあシオンも幼女だが

 

シオン「………………………よろしく」

 

リナ「よろしくね!」

カナ「よろしく!あ、よろしくおねがいします!」

 

リナは元気いっぱいって感じで

カナはしっかりしようとしている感じだ

 

はちまん「シオン。ポケモンを回復させたら行くか」

 

シオン「………………………うん」

 

俺はカラカラにいいキズぐすりを使い回復させる

 

リナ「えー!もう行っちゃうの!?」

カナ「リナ、はちとシオンおねぇちゃんはごようじがあるんだよ」

 

リナ「ぶー」

カナ「それにピッピとプリンも元気にしないと」

 

シオン「………………………それならもうした」

 

ピッピ「〜♪」

プリン「〜♪」

 

早っ!?

いつの間にしたんだよ

 

リナ「わ〜!元気になってる!」

ピッピ「〜♪」

 

カナ「ありがとうございます!シオンおねぇちゃん」

プリン「〜♪」

 

シオン「………………………いいって」

 

カナ「ほら、リナも!」

リナ「ありがとう!シオンちゃん!」

 

シオン「………………………どういたしまして」

 

ほー

シオンのやつ結構面倒見が良さそうだな

いや、優しいだけか

 

はちまん「んじゃ、行くか」

 

リナ「えー!ホントに行っちゃうの!」

 

シオン「………………………またあえるよ」

 

カナ「リナ、むりいったらダメ」

リナ「…はーい」

 

シオン「………………………わたしはいつもシオンタウンにいる」

 

リナ「へ?」

 

シオン「………………………いつかあそびにきて」

 

リナ「シオンちゃん!うん!わかった!」

 

 

はちまん「じゃーな」

 

シオン「………………………またね」ふりふり

 

 

リナ「ばいばーい!はちー!シオンちゃーん!」

カナ「またあおうねー!はちー!シオンおねぇちゃーん!」

 

俺達はリナとカナに別れを告げてタマムシシティへと進む

シオンやカラカラ達と歩きながら俺は考えていた

先程の戦闘かなり危なかった

あの子達の戦法が強いのもあるが、こちらのレベルが低いのも原因か

はぁ、また特訓しなきゃなー

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

77話 迷子とエンジェル

話数間違えてました
すみません


#地下通路入口

 

俺とシオン、それとカラカラ、ロコン、背中のゴルバットはヤマブキシティ東側方面の地下通路に来ている

ここを抜けると7番道路、タマムシシティへ行ける

しかし問題が発生

 

シオン「………………………だるい」

はちまん「同感」

 

7番道路に出るまでの道のりが長い

まあ街1個横断するようなもんだから仕方ないけど

それにしても長い

もう行かなくていいんじゃね?

さっきのトコ戻ってあの幼女達と遊んだ方が有意義な時間が過ごせると思うんだが

 

シオン「………………………ろりこん」

はちまん「幼女と遊んだくらいでロリコンになるなら俺はロリコンになる。だって癒されたいし」

シオン「………………………いやし、ほしい」

はちまん「あの子らいい子だから手間がかからないと思うし」

シオン「………………………ふむ」

はちまん「タマムシに行ったらどうせまた殺伐とするだろ」

シオン「………………………めんどい」

はちまん「戻ろう。また会いたいって言ってたし、あの子達も歓迎してくれるだろ」

シオン「………………………そうだね、もどろ」

ロコン「…」バシ

はちまん「いてっ」

 

地下通路のあまりの長さに俺とシオンは引き返そうとしたが

ロコンの手痛いツッコミにより断念となった

ちょっと、何で俺だけ

シオンにはツッコミなし?

 

ロコン「…」ギロ

はちまん「い、いや行かなきゃいけないのはわかるんだがこれじゃあ途中でだるくなって諦める可能性があるだろ?それにお前だって疲れるの嫌だろ」

ロコン「…」はぁ

 

ロコン「…」くいっ

はちまん「あん?」

 

ロコンがアゴで背中のゴルバットを示す

え?また睡眠捕獲方をやるの?

でもどこにも寝てる奴いないけど

 

ロコン「…」ふるふる

はちまん「え?違う?」

ロコン「…」ぴょん

はちまん「うおっ」

 

ロコンが俺の肩に飛び乗ってきた

 

ロコン「…」ポンポン

はちまん「ん?バッグ?」

 

ロコンが俺の肩に乗り

前足で俺の背負ってるバッグを叩く

バッグ…

中に入ってるのは…

 

はちまん「あ、自転車か」

ロコン「…」こくん

 

そうだそうだ

すっかり忘れてた

ハナダで引き換え券と交換してもらった自転車があったな

そういや結衣と一緒に帰る時も地下通路を自転車使って通ったっけ

俺はバッグから自転車を取り出す

ごめんねゴルバットちょっと寄ってね

 

はちまん「パラパラパー、自転車ー」

シオン「………………………おー」

カラカラ「カラー」

 

黒いボディにポケモン達も乗れる親切設計

折りたたみ式なので持ち運びも簡単

しかも全然疲れない

どうです奥さん

この自転車、今ならなんと100万円!

普通にたっか

 

はちまん「カラカラ、ロコン」

カラカラ「カラ!」

ロコン「…」

 

俺はカラカラとロコンを前にあるスペースに乗せる

 

はちまん「よし、行くか」

シオン「………………………まてい」

 

準備万端いざ行かん

とペダルを漕ごうとしたらシオンに止められた

 

はちまん「どうした」

シオン「………………………のせてけ」

はちまん「いやでも」

 

俺は自転車の後ろを見る

確かにシオンが乗れそうなスペースがあるが

俺の背中にゴルバットがいて乗れそうにない

 

はちまん「乗れんよ」

シオン「………………………ぼーるにもどして」

はちまん「えー」

シオン「………………………わたしすぴあーもってる」

はちまん「悪いゴルバット」

 

俺はゴルバットをボールに戻す

 

はちまん「ほれ」

シオン「………………………よいしょ」ちょこん

 

シオンは自転車の後ろに乗る

あ、2人乗りだ

いやでも結衣ともやったし

しかしぼっちとしての意地が…

 

はちまん「う〜ん」

シオン「………………………どうしたの?」

はちまん「………」

シオン「………………………いかないの?」

はちまん「シオン」

シオン「………………………なに?」

 

はちまん「お前は天使だ」

 

シオン「………………………」

はちまん「いいな」

シオン「………………………ん」こくん

 

よし、ならいい

天使はノーカンだ

俺は自転車を走らせる

 

 

シオン「………………………いいかぜ」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#7番道路

 

カラカラ「カラ!カラ!」キャッキャッ

シオン「………………………ついた」

 

地下通路を抜けて7番道路に出る

自転車から降りて

ゴルバットをボールから出す、定位置に帰還

西の方が賑やかだ

 

はちまん「あれが」

シオン「………………………はなのまち」

はちまん「タマムシシティか」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#タマムシシティ

 

タマムシシティ

街がキラキラしてる

ビルに森にゲーセンにジム

さらにデッカいデパート

何でもござれの大きな街

ここでなら俺は幸せになれる自信があるくらいだ

人が少なければな!多いわ!

 

7番道路から来た俺達だがもうすでに人混みに巻き込まれている

ひーお助けー

ご慈悲を、ご慈悲を〜

 

はちまん「も、戻れ!お前ら!」

 

ポケモン達をボールに戻す

出したり戻したりごめんねゴルバット

隣にいるシオンに声をかける

 

はちまん「シオン」

シオン「………………………なに」

はちまん「ポケモンセンターで合流」

シオン「………………………あいよ」

 

逸れた時の為に目的地を決めておく

そして今いる人混みの中から抜け出す方法を探す

ポケモンセンターの赤い看板はここから見えている

あれを目指して一直線だ!

 

 

 

 

 

 

 

30分後

人混みに揉みくちゃにされ

目標にしていた赤い看板を見失う

ここはどこ

タマムシシティ恐ろしいトコ



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

78話 再会とアイドル

先ずは謝罪を
申し訳御座いませんでした
後で見返すと文章中の『お立ち台』の後に『猫』が入ってました

何故だ

なので訂正しています
本当にごめんなさい
代わりに此処に猫を置いときます






#タマムシシティ

 

はちまん「くそっ、どこだここ。シオンとも逸れたし、ポケモンセンターも…見当たらないし」

 

俺は今絶賛迷子中である

周りの景色はビルやマンションに囲まれている

相変わらず人混みが多いが

今はその忌々し塊から抜け出し

脇道にそれている

 

はちまん「ポケモンに協力してもらおうにもこの人の多さじゃ逸れそうだし…」

 

ゴルバットに空から案内してもらおうと思ったが

それすらも見失ってしまう不安がある

無闇にポケモンは出せない

 

はちまん「何か目ぼしいものはないか」

 

この街にはゲーセンやデパートがある

先ずはそこら行って体制を立て直そう

そこでこの街の地図とかが手に入ればこっちのもんだ

 

はちまん「ん?」

 

辺りを見回していると今までいた人混みに何かを感じた

そうだ俺は揉みくちゃにされ流されるようにここに来た

つまりこの人混みは何かを目指しているのか?

人混みの流れる先を見てみる

 

『〜♪』

 

音楽と人の歓声が聞こえてくる

イベントか何かあるのか?

あんまり人の多い所には行きたくないが

流れに逆らって行くとまたどこに出るかわからない

ここは流れに沿ってあの音楽が聞こえる場所に行ってみよう

俺は意を決してまた人混みの中に入る

そして人の流れに乗っていく

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#タマムシデパート前広場

 

 

『どうして貴方が泣いてるの』♪

 

 

『貴方は泣かないで』♪

 

『その役目はわたしのものでしょ』♪

 

『貴方はいつもわたしが泣いたら慰めてくれた』♪

 

『下手な言葉、可笑しな話し』♪

 

『一緒に笑ってわたしを助けてくれた』♪

 

 

『なのに貴方は泣かなかった』♪

 

『わたしはいつも隣にいたのに』♪

 

『貴方の涙を見たことない』♪

 

『笑ってばかりで』♪

 

『強がってばかりで』♪

 

『貴方は一度も泣かなかった』♪

 

『だから貴方が泣いてもわたしは貴方を助けられないの』♪

 

 

『いつもわたしを助けてくれたのに』♪

 

『わたしは貴方の助け方を知らないから』♪

 

『貴方が泣いてもどうすればいいのかわからない』♪

 

 

『何もできないわたしがイヤ』♪

 

『貴方のために何もできないわたしがイヤ』♪

 

『そんなわたしを認めるのがイヤ』♪

 

『だからお願い』♪

 

『いつまでも貴方の隣にいたい』♪

 

『わたしのために泣かないで』♪

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

観客「「「わああぁ!!レインちゃーん!!」」」

 

 

流れに流されて

俺はデパートらしき建物の前にある広場にいる

周りは人だらけ

そしてその人達が上空に向けて歓声を上げる

俺も見上げてみる

 

はちまん「あれは…」

 

みんなが見ている場所

それはデパートの屋上

そこににあるお立ち台で歌う1人の少女だった

肩まである美しい黒髪を風になびかせている

着ているのは…確か…レインボードレス?

様々な色が使われたドレスを身に纏い

マイクを持って歌うその姿はまるで…

いや、周りの反応からして間違いないだろう

 

あの虹色の女の子はアイドルだ

 

一曲歌い終わったようで音楽が止まる

そして虹色の子…周りの観客が言うにはレインと言う名前らしい

レインは観客に向かって挨拶を始めた

 

レイン『どうもー!カントー地方のみんなー!今日は来てくれてありがとうー!』

 

観客「「「わああぁーー!!」」」

 

レインは屋上からマイクで言葉を伝えている

俺は歓声に耳を塞ぎながら周りを見る

人の流れが緩んでいる

今がチャンスだ

デパートから見て向かい側の方に噴水が見えた

あの辺りは人が少ないようだ

俺は人混みを掻き分けてそこへ向かった

レインの話しを背中で聞きながら

 

 

???「ん?あれは…」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#タマムシシティ噴水

 

はちまん「だ、脱出成功…」

 

噴水がある所まで辿り着いた

俺はデパートの方を見る

レインの話しは続いていて

事あるごとに歓声が沸き立つ

 

はちまん「何であんな所に行こうと思ったんだ…」

 

あまりの熱気に吐くかと思ったくらいだ

よく見ると『アイドルが好きだよ』風男子が大勢いる

ここで死ぬんじゃないかってくらい必死にレインの名前を叫んでいる

まあ俺も気持ちもわかる

俺だって目の前で戸塚が歌ってたら必死で応援するからな

あ、やべ戸塚に会いたくなって来た

 

はちまん「とりあえずここで一息つくか、デパートから離れてて人も少ないし」

 

でも何しよう

あの声援に対抗してこっから戸塚の名前を大声で叫んでやろうか

いやダメだ

そしたらアイツらが戸塚の存在を知ってしまう

下手したら俺の元から戸塚が居なくなってしまうかもしれない

今もいないけど…ぐすん、とつかぁ…

 

ポン

 

はちまん「ひゃあ!?」ビクゥ

 

急に肩を叩かれた

何奴!

まさか戸塚!?

俺の願いが届いて戸塚が降臨したのか!?

いや、でもそれはおかしい

この世界に来てからずっと戸塚と小町に会いたいって思ってたんだから今更降臨するのはおかしい気がする

それに戸塚センサーも反応しないし、違うな

じゃあ誰だ

俺は振り返る

そこには…

 

 

マサキ「お、やっぱりはちまんはんや!」

はちまん「えっ、マサキ?」

 

 

ハナダの岬で知り合ったマサキが居た

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

79話 約束とお嬢様

#タマムシシティ噴水

 

マサキ「久しぶりやなー!はちまんはん!」

はちまん「マ、マサキ?何でここに?」

 

俺は今タマムシにある噴水の前でマサキと再会していた

とある事故でややこしい事になっていたマサキを俺が助け

そのお礼に俺は一晩泊めてもらった

確かハナダジムに挑戦戦する前の事だ

 

マサキ「さっき人混みの中にはちまんはんらしき人を見つけてな!そしたらホントにはちまんはんやったんや!」

はちまん「あ、あの人混みの中から…か?」

マサキ「ワイ目はいいほうなんや!そいであんさんは何でここにおるん」

はちまん「えっと、迷子中」

マサキ「迷子?あの歌っとる子を見に来たんやないのか」

はちまん「いや、あそこに行ったのは本当に偶然だ」

マサキ「ハハハ!まあ、また会えたんやからええか!」

はちまん「お、おう」

 

迷子の俺はちっともよくないんだがな

するとマサキの隣に居るメガネの男性がマサキに話しかける

き、気づかなかった

 

???「マサキさん、この人は?」

マサキ「そうやった!悪い悪い!この人はワイの恩人のはちまんはんや!」

はちまん「お、恩人って」

???「ああ、君がマサキさんの言っていたトレーナーか!」

 

そう言うとメガネの男性は俺に自己紹介をしてくれた

 

ニシキ「僕の名前はニシキ。ここにいるマサキさんとは友人で、このカントー地方から海を渡った先にある『ナナシマ』という諸島の預かりシステムを管理しているんだ」

はちまん「ど、どうもはちまんです」

ニシキ「話しは聞いているよ、マサキさんを事故から救ってくれたんだよね。友人である僕からもお礼を言うよ、ありがとう」

はちまん「い、いえ俺もマサキには助けられましたし」

ニシキ「はは、そうか。マサキさんの言う通り優しい人のようだね」

はちまん「そ、そんな事ないです」

 

まずい

こ、このままだと褒められ続ける気がする

話題を変えなくては

話題、話題

 

はちまん「あ、えっと2人はどうしてタマムシに?」

マサキ「それはやな、あの人混みん中にワイらの大学ん時の友達がおっての。そいつに連れてこられたんや。今流行りのアイドルがライブっちゅーのやるってから来いって言われての」

ニシキ「全く、こういう騒がしいのは苦手なんだけどね」

マサキ「同感や、1人でいるほうが楽や」

はちまん「同感」

ニシキ「おお、はちまんくん。君もそのクチか」

はちまん「俺は特に人が苦手なんで」

ニシキ「ははは、君も僕らみたいな研究者向きなのかな」

はちまん「へ?いえ、数学も苦手なんで」

ニシキ「そうか…。頭が良さそうだから向いてると思ったんだが。あ、後敬語使わなくていいよ」

はちまん「え、いえ…。いや、わかった」

 

んもう、話題変えたのに褒められたんだけど

というか何故かニシキから葉山臭がプンプンするんだけど

『キマシタワー!』

ヒィ!?脳内に直接腐女子が!?

 

マサキ「はちまんはんは何でタマムシに来たんや?」

はちまん「それはジム戦に」

マサキ「そういやジムバッチ集めとったんやったの」

はちまん「まあまだ3つしかないがな」

ニシキ「いやいや、それでも立派に目的を達成して行ってるんだからいい事じゃないか」

はちまん「そ、そうか」

 

ま、まじで葉山っぽいな

何だろ、喋り方か?

するとデパートの方がさらに騒がしくなった

俺達はそちらを見る

 

マサキ「お?」

 

マサキは何かを見つけたようだ

 

マサキ「はちまんはん」

はちまん「何だ?」

マサキ「はちまんはんのお目当ての人が出てくるらしいで」

はちまん「俺の?」

マサキ「ほら、屋上」

 

マサキに言われるまま屋上を見る

虹色のアイドル、レインが何かはしゃいでいた

そして横に移動していく

そのレインが居た場所に別の女性が出てくる

 

はちまん「あれは…」

 

レインの時以上の歓声の中出て来たのは

黒髪に袴姿

歳は今の俺、10歳くらいか?

結構小柄な印象だ

タマムシシティジムのジムリーダー エリカ

その人だった

 

はちまん「あれがジムリーダー」

マサキ「ハハハ!べっぴんさんやなー!ハナダのやつも美人やったし、この地方は美人が多いのー!」

ニシキ「確かどこかのお嬢様だったかな。カントーのジムリーダーの中でも結構な実力者らしいよ」

はちまん「お嬢様、ねぇ」

 

エリカを良く見ると後ろの方に女の人が沢山侍っている

…何でみんな武装してんの?

あーそうか

最近物騒だからな

ロケット団とか…………ん?

 

はちまん「…こんなに人がいるのにロケット団はいないのか?」

マサキ「へ?」

ニシキ「ロケット団?」

はちまん「いや、こんなに人がいたらロケット団も紛れ込んで何か企んでそうだなーって」

ニシキ「どうだろ、最近大人しいみたいだけど」

マサキ「そういやサントアンヌ号で何かやらかしたって聞いてからはとんと見とらんなー」

 

まあ俺もここに来るまでも全然見かけなかったけど

考えすぎか?

 

マサキ「そうや、サントアンヌって言ったら」

はちまん「何だ?」

マサキ「あんさんにあの船の招待状あげたやろ?」

はちまん「あ、そうだ。お前が船に乗る為の口引きしてくれたんだったな」

マサキ「…ちょっと待て」

はちまん「ん?」

マサキ「という事は乗ったんか?」

はちまん「ああ」

マサキ「…もしかして」

はちまん「いや待て、お前は悪くない」

マサキ「で、でも」

はちまん「あの船に乗ったのは俺の意思だ。それと船をぶっ壊したのはアイツだ。悪いのはアイツだろ」

マサキ「………はちまんはん」

はちまん「ま、それでも悪いと思うなら…。そうだ」

マサキ「何や?」

はちまん「さっきニシキが言ってた『ナナシマ』ってとこにいつか連れてってくれ、それでチャラだ」

マサキ「わ、わかった!今度ワイの自家用船で連れてったるわ!」

はちまん「待って、お前船持ってんの?」

マサキ「ああ、速いのがな!」

ニシキ「マサキさんのちょっとした趣味なんだよ」

はちまん「へ、へー」

 

マサキってもしかして凄い金持ちなの?

 

ニシキ「じゃあナナシマに来た時は僕が案内するよ」

はちまん「おう、頼むわ」

 

そんな話しをしていると屋上に居たエリカが下がっていく

ゲスト出演だったのか

いや、歌うとは思ってなかったけど

…頼んだら歌ってくれるかな

まあそれはさておき

俺が挑戦するやつは覚えた

次は勝つために特訓しなくちゃな

今のレベルでは勝てる気がしない

それにこの街で…

あ、シオン忘れてた

 

 

はちまん「悪いお前ら、待たせててるやつがいるからそろそろ」

マサキ「そうか、残念やけど。はちまんはん、また会おうな」

ニシキ「はちまんくん、また会おう」

はちまん「おう」

 

俺はマサキとニシキに別れを告げポケモンセンターに向かう

それにしてもあの2人すげーいい奴なんだけど

 

はちまん「また会おう…か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

30分後

全く道がわからず

街の中にある森に来てしまった

ここはどこ

タマムシシティ恐ろしいトコ

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

80話 寝坊と存在感

#タマムシシティ森の中

 

はちまん「マサキ達に道聞きゃよかった…」

 

ポケモンセンターを目指して進んだはずが

森に来てしまった

周りは木に囲まれている

何かデジャヴ

どうしようかな

デパートの方からはまだあの喧騒が聞こえるが

あそこに行くとマサキ達とまた会ってしまう

そんなの恥ずかしい

 

はちまん「でも意地はってる場合じゃないかな」

 

このタマムシではやる事が沢山ある

それには先ずシオンをアイツが所属するチームの本部に案内しなくては

いや、ちょっと待て

本部に案内すると言ってもそんな場所俺は知らない

というかこの街まで来たならもうアイツといる必要がない

自分で勝手に本部まで行くだろ

 

はちまん「うん、よしシオンは一旦置いとこう」

シオン「………………………なんで?」

はちまん「ひゃああ!?!?」

 

びびびびびっくりした!!

シシシオン!?

 

はちまん「なななな、何でお前ここに!?」

シオン「………………………なにいってるの」

はちまん「へ」

 

 

シオン「………………………ずっといっしょにいたでしょ」

 

 

はちまん「」

シオン「………………………どした」

はちまん「ず、ずっとって…ずっと?」

シオン「………………………いちどもはなれてないよ」

はちまん「ポ、ポケモンセンターで合流って…」

シオン「………………………いっしょにいたし」

はちまん「マ、マサキとニシキがいた時も?」

シオン「………………………あのふたりにがて」

はちまん「お、俺の『シオンとも逸れたし』発言の時も?」

シオン「………………………なにいってんだこいつっておもった」

はちまん「」

 

存在感ないってレベルじゃねーだろ!

マサキ達も気づかないくらいって事だろそれ!

てかその時話しかけてよ

1人で寂しかったんだからね

 

はちまん「な、何で話しかけなかったんだ?」

シオン「………………………ひつようあった?」

はちまん「お前的にはそうだろうけど俺は…いやもういいや」

シオン「………………………へんなの」

 

これ以上何を言ってもしょうがない気がする

俺って周りの視線に敏感だったはずなんだが

なんだろう、故障かな

 

シオン「………………………それより」

はちまん「な、何」

シオン「………………………おいとくってなに」

はちまん「い、いやだってお前らの本部とかって知らないし。俺が一緒にいる必要ないかなって…」

シオン「………………………ひどい」

はちまん「うっ」

シオン「………………………はちのばか」

はちまん「わ、悪かったって」

シオン「………………………でも、ゆるしたげる」

はちまん「ほんとか?」

シオン「………………………ただし」

はちまん「やっぱ何かあんの」

シオン「………………………ななしまにいくときわたしもつれてって」

はちまん「へ?でもいつ行くか分からないぞ?」

シオン「………………………もりのなかにつれこまれたっていうよ?」

はちまん「地の果てまでも探し出して必ず連れて行く」

シオン「………………………よろしい」

 

コイツ…

話しかけなかったのってこの為なんじゃ…

 

はちまん「ナナシマに何か用でもあるのか?」

シオン「………………………かんこう」

はちまん「そ、そっすか」

シオン「………………………おじちゃんにおみやげかう」

はちまん「フジさんに?」

シオン「………………………おせわになってるから」

 

おお、良い子や

これで脅迫グセがなかったらいいのに

 

はちまん「じゃ、そんときは買ってやるよ」

シオン「………………………いいの?」

はちまん「俺もフジさんには世話になったからな」

シオン「………………………ありがと」

 

と言うわけでシオンとは逸れてませんでした

まあそれでもとりあえずポケモンセンターに行くか

疲れたし

あ、雪乃達がいるかもな

 

はちまん「ポケモンセンターってどこにあるかわかるか?」

シオン「………………………わかる、けど」

はちまん「けど?」

シオン「………………………またひとがたくさんいるとおもう」

はちまん「た、確かにいそうだな。また迷子になるのもごめんだし、今行くのはやめとくか」

シオン「………………………あのひとたちがかえるのまつ?」

はちまん「でもあのライブが終わるまでいるだろ。今が…昼の中頃…夕方前くらいだから夜まで続くならかなり待つことになるぞ」

シオン「………………………そろそろおわる」

はちまん「そうなの?」

シオン「………………………れいんさんいつもゆうがたまえにはおわらせるから」

はちまん「え?あのレインってアイドル知ってるのか?」

 

シオン「………………………れいんさんもちーむ」

はちまん「まじか、お前らアイドルも仲間なの?」

シオン「………………………れいんさんはあれがちーむのしごと」

はちまん「アイドルがチームの仕事?」

シオン「………………………みんなをえがおにする」

 

つまりアイドルとして歌い

その歌でロケット団に悪さをされた人達を元気づけると言うのがあのレインのチームでの役割であるらしい

でもあの曲、何か辛い曲に聴こえたけど

泣かないでほしいとか

まあそれでも好きな人は好きなのかな

 

はちまん「そろそろ終わるなら夕方にはポケモンセンターに行けるかな」

シオン「………………………きっとね」

はちまん「その間何してよう。この森から出て行ったらまた人混みに巻き込まれるだろうし」

シオン「………………………あそぶ?」

はちまん「遊ぶって」

シオン「………………………このもりたんけんしよう」

はちまん「いや、虫が出るかもしれないから駄目だ」

シオン「………………………ぶー」

 

はちまん「もうここで昼寝しようぜ、疲れたし」

シオン「………………………えー」

はちまん「今朝無理矢理布団の中入ってきたお前の所為であんま寝てないんだよ」

シオン「………………………むー」

はちまん「んじゃそういう事で、おやすみ」

 

ゴロンと横になり寝る

静かな森の中

木の香り

日の光もいい具合に当たる

今日だけで色々あったためもの凄く疲れているからか俺はすぐに眠りについた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ポッポー

ピジョンー

ピジョットー

 

はちまん「んぅ…とり…?」

 

俺は鳥ポケモンの鳴き声を聞き眼を覚ます

随分と寝てしまったようだ

そろそろ夕方だろう

あの集団も帰っているだろうしポケモンセンターへ

って

 

はちまん「あれ?」

 

俺の頭上にはお天道様

君の存在は眩しい

真上にあるって事は今は昼なのか

あれー結構寝たはずなんだけど

昼ならまだポケモンセンターには行けないな

 

はちまん「ん?シオン」

シオン「zzz」

 

俺にしがみついてシオンが寝ていた

朝チュンか!?と思ったが今は昼だ関係ない、と思う

俺が寝てしまったから一緒に寝たのか

今起こしてもどうせ移動出来ないからまだ寝かせとこうか

 

はちまん「んー、でも疲れは取れてる感じはするんだが」

 

寝る前が昼の中頃で、今は昼

てことはそんなに寝てない

そのはずなのに体が軽く頭も冴えてる

真上から感じる太陽の光が気持ちいい

…ん、真上?

俺はもう一度空を見上げる

きゃっ!まぶしっ!

 

はちまん「寝たのが昼の中頃…夕方前だったから太陽はもう沈んでいってなかったか?」

 

でも太陽は真上

どういう事

 

まさか日を跨いで寝てしまったとか?

 

 

はちまん「…いや、ま、まさかな」

 

いくら疲れてたからってそれはないでしょう

俺に限って24時間くらいぶっ通しで熟睡してしまうようなアホな事ある訳が…

そうだ起こすのは忍びないがシオンに聞いてみよう

 

はちまん「シ、シオン起きてくれ」ゆさゆさ

シオン「zzz」

はちまん「シオン、シオン」ゆさゆさ

シオン「………………………ん〜、やかましい」

はちまん「ちょっと聞きたい事があるんだが」

シオン「………………………ねかせろ」

はちまん「後でいくらでも寝かせてやるから、頼む」

シオン「………………………むぅ、なに」

はちまん「なぁ、俺どれくらい寝てた?」

 

シオン「………………………わたしがねたのがゆうがた、それまでずっとねてた」

 

はちまん「」

シオン「………………………もういい?」

はちまん「おやすみ」

シオン「zzz」ギュ

 

また俺にしがみついて眠りにつくシオン

俺の中に絶望感が溢れてくる

少なくとも夕方までは寝ている

そして今は昼、真昼間…

い、いやまだだまだ終わってない

そうだ証言者を増やそう、ロコンに聞いてみよう

 

はちまん「ロコン、カモーン」

 

ポンッ!

 

ロコン「…」ジト

 

あ、このジト目は俺の事を見下しているか呆れているかのヤツだ

それが全てを物語っている

 

そうか…

認めなくてはなるまい

受け止めなければなるまい

俺が、俺が一日中寝てしまった事を

ならば俺がするべき事は1つ

 

 

 

はちまん「…二度寝しよう」

ロコン「…」バシ

はちまん「いてっ」

 

俺のポケモン世界17日目

スロースタート

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

81話 料理屋とゲーセン

#タマムシシティ森の中

 

カラカラ「…」

ゴルバット「…」

ロコン「…」

 

ポケモン世界17日目

俺は地べたに正座し、ポケモン達に白い目で見られている

原因は俺の元気な睡眠時間

何とびっくり約24時間

俺にはやる事があると言うのにまさか一日中寝ていたという

 

はちまん「で、でもこれで今日も一日元気に…」

カラカラ「…」ギロ

ゴルバット「…」ギロ

ロコン「…」ギロ

はちまん「うぐっ…」

 

寝ている間コイツらはずっとボールの中で俺が起きるのを待っていたようだ

なのでいつも呑気なゴルバットにさえ睨まれる始末

それに問題はそれだけではなく

 

シオン「………………………ちこく」

 

シオンだ

ロケット団を倒すため自分のチームの本部に行かなくてはならないのだが

ただでさえ訳ありで遅刻しているにもかかわらず

俺と一緒に寝てしまった所為でさらに遅刻してしまう事に

 

はちまん「いや、ちょっと待て。お前の場合自業自得じゃ…」

シオン「………………………ひるねするってはちがいった」

はちまん「うぐっ」

 

そう言えば暇だから昼寝しようと言ったのは俺だった

えっとこれは

 

はちまん「すみませんでした」

 

旗色悪しの土下座

悪いと思ったら謝ろう

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#タマムシシティ

 

ガサガサ

 

シオン「………………………みち」

 

俺達は森の中から抜け出しタマムシシティの道路に出る

因みにポケモン達はまた人混みに巻き込まれて逸れるといけないのでボールに戻している

俺達が出た場所はマンションが立ち並ぶ所で

昼時のためメシの匂いがプンプンする

 

シオン「………………………おなかへった」

はちまん「ずっと寝てたから腹減ったな、どっかメシ屋ないか」

 

先ずは腹ごしらえと店を探す

しばらく探していると一軒の料理屋を見つけた

行列はないが結構繁盛しているようだ

あれ?ポケモンは入れないのか

どうしよう

 

シオン「………………………いいにおい」

はちまん「…あっこにするか」

シオン「………………………ん」

 

俺とシオンはその料理屋に入る

ポケモン達には悪いが後で別のもん食わしてやるか

 

店員さん「いらっしゃーい、何名様ですか」

はちまん「えっと、2人で」

店員さん「ではこちらへどうぞ」

 

俺とシオンは案内されカウンターに座る

んーメニューは…

ほえー和洋中が揃ってる

お、豚骨ラーメンあったアレにしよう

 

はちまん「シオン、何がいい」

シオン「………………………おむらいす」

はちまん「わかった。すいませーん!」

 

俺は店員さんを呼んで豚骨とオムライスを頼む

しばらくして2人の料理がきた

 

はちまん「いただきます」

シオン「………………………いただきます」

 

うん美味い、いい店だ

食事中は互いに黙々と食べていた

まあ話す事もないし

 

はちまん「ご馳走さまでした」

シオン「………………………ごちそうさま」

はちまん「じゃ会計済ませてくるわ」

シオン「………………………おかね」

はちまん「ん」

 

俺はシオンからオムライスの代金を受け取る

奢ろうかと思ったが

やっぱこう言うのはキチンとしないとな

俺は会計を済ませシオンと店を出る

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

店を出て少し歩いていると賑やかな音が聞こえてきた

またアイドルかと思いきやこの街のゲーセンだ

思ったより色んなのが置いてある

 

はちまん「ほー、ゲーセン」

シオン「………………………あ」ふらふら

はちまん「え、どこ行くんだ」

 

シオンが何か見つけたと思ったらゲーセンの方へふらふらと行ってしまった

急いで追いかける

シオンはクレーンゲームの前で止まる

あれ、何かこんなのなかったっけ結衣の誕生日あたりで

 

はちまん「何か欲しいのあったのか?」

シオン「………………………げんがー」

はちまん「え?ゲンガー?」

 

中を見てみる

手前の方にゲンガーのぬいぐるみがある

 

はちまん「欲しいの?」

シオン「………………………かわいい」

はちまん「…取ってやるよ」

シオン「………………………でも」

はちまん「今日俺のせいでお前は遅刻してんだからその詫びだ」

シオン「………………………ありがとう」

はちまん「いや、取れるかわからんがな」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

格闘5分

金額1500円

 

ガタン

 

はちまん「と、取れた…」

 

取り口に落ちるゲンガーのぬいぐるみ

やっと取れた、長かった

シオンの為に取ろうと思っていたが途中から何か楽しくなっていた俺がいた

俺はゲンガーのぬいぐるみを取り出す

 

はちまん「ほれ」

シオン「…………………………かわいい」ギュ

 

シオンは俺からぬいぐるみを受け取ると嬉しそうに抱きしめた

気持ちが表情になかなかでないコイツだが今回ばかりはわかりやすかった

てかそのぬいぐるみどうするの

ずっと持って歩く気?

 

シオン「………………………ありがと、はち」

はちまん「おう」

 

ま、コイツが嬉しいんならいいか

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん「さて、そろそろ行くか」

シオン「………………………うん」

 

結構時間をくってしまった

ぬいぐるみを抱きしめているシオンに尋ねる

 

はちまん「どうする、先にポケモンセンターに行くかこのままお前らのチームの所に行くか」

シオン「………………………はちがきめて」

はちまん「いいのか?遅刻してコブキさんとかウキワに怒られない?」

シオン「………………………あ、うきわ」

 

ウキワに怒られるみたいだな

シオンの為にもそっちに行くか

あ、コブキさんってのはコイツが所属しているリーダーで

ウキワはメンバーだ

 

はちまん「あ、俺は行かなくてもよくないか?」

シオン「………………………おくれたりゆうがなにをいう」

はちまん「ごめんなさい」

 

そうだった

俺のせいだった

 

はちまん「じゃあお前が案内してくれ」

シオン「………………………こっち」

 

俺はシオンについて行きゲーセンを出る——

 

 

——時にとある人物を見つけてしまった

 

 

はちまん「!」

シオン「………………………はち、どうしたの」

はちまん「シオン、出るぞ」

 

向こうはこちらに気づいていない

周りを見ても俺達の存在には誰も気づいていないようだ

影が薄いのが幸いした

シオンの手を引き急いでゲーセンを出る

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

シオン「………………………なにかあったの?」

はちまん「悪い、さっきの森に戻るぞ。説明はそこでする」

 

俺はシオンを連れて先ほどいた森に向かう

あそこなら人もいないから大丈夫だろう

歩きながらシオンにある事を提案する

 

はちまん「…なあ、シオン」

シオン「………………………なに?」

はちまん「お前、このまま本部に戻ったら怒られるんだろ」

シオン「………………………うきわ、こわい」

はちまん「だろーな。それに俺も怒られそうだ」

シオン「………………………それが?」

はちまん「今すぐ戻っても、遅れて戻ってもどっちにしろ怒られるよな」

シオン「………………………?」

 

 

はちまん「だったら土産、持って行こうぜ」

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

82話 土産と変装

#タマムシシティ森の中

 

はちまん「ここなら話しても大丈夫そうだな」

 

俺とシオンは先程まで寝ていた森の中にいる

周囲を警戒して人の気配がしない事を確認した

 

シオン「………………………はち、おみやげって?」

はちまん「ああ、順を追って話す」

シオン「………………………うん」

はちまん「だがその前にいいか?」

シオン「………………………?」

 

はちまん「お前らのチームって名前なんだっけ」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

俺はひとつずつシオンに説明していく

 

先ずシオンのいるチーム

『カントーガールズ』の現状だ

 

今このチームはロケット団を追っている

だがサカキの決起直後からロケット団の姿が消えた

恐らくだがカントーガールズもロケット団を見失っているんだろう

そしてロケット団がいつ動くのかわからない現状に危機感を感じている

 

 

昨日デパートの屋上でライブをやっていた

そのライブを見て俺が思った事がある

 

この大勢の人の中にロケット団が潜んでいないか、と

ロケット団が悪巧みをしていないか、と

 

カントーガールズもそれはわかっているはずだ

わかっていてチームの一員であるレインにカントー地方中に宣伝したライブを開催させたのだろう

 

ロケット団をおびき出すために

 

だが街の様子を見る限り

昨日のライブでロケット団は出なかったようだ

ジムリーダーが出るほどの大きなイベントだった

あれだけのイベントを起こしても動かないロケット団

 

じゃあ何をすれば動くのか

ロケット団はいつ動くのか

 

 

ロケット団の動向がわからず

今カントーガールズは手詰まり状態だろう

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

シオン「………………………かもね」

はちまん「という事はロケット団の動向を、そして居場所を喉から手が出るほど知りたいはずだ」

シオン「………………………そうだね」

 

はちまん「そして俺はロケット団の居場所を知っている」

 

シオン「………………………まじ?」

はちまん「これ、土産としては一級品だろ」

シオン「………………………でもどこに?」

はちまん「さっきのゲーセン」

シオン「………………………え?」

はちまん「あそこの店員の1人が俺の知ってるロケット団員だったからな」

シオン「………………………まちがいない?」

はちまん「ああ、トキワの森で戦った奴だ。俺の最初のトレーナー戦の相手だったし、アイツが去り際に『覚えてろよー!』って言ってたからな」

シオン「………………………まじめだね」

はちまん「だろ?」

 

アイツが覚えてろって言ったから覚えてたらほんとにまた会うんだもんな

 

はちまん「あ、ウキワも知ってるはずだから連れて行くか。それなら確証が持てるだろ」

シオン「………………………でもまずわたしにもみせて」

はちまん「わかった……が」

シオン「………………………どうしたの?」

 

俺はシオンの格好を頭からつま先まで見る

紫の髪、紫のドレス、紫の帽子、抱えているゲンガーのぬいぐるみ

うん可愛い

じゃなくてコレ絶対目立つだろ

元々存在感薄いからさっきはバレなかったようだけど

このドレスはチームでの共通の服装らしいからウキワを知っているはずのあのロケット団員が気づいてしまっかもしれない

 

シオン「………………………どした」

はちまん「シオン、代わりの服持ってるか?」

シオン「………………………ううん」ふるふる

 

どうしようかな

あ、俺の替えの服があるな

でもサイズ的に大きいかな

上のパーカーくらいなら着れるか

俺はバッグから今俺が着ているやつと同じ

黒いフード付きパーカーを取り出す

シオンと重ねて大きさを確かめてみる

 

シオン「………………………なにしてるの?」

 

んー上だけでも少し大きいな

でもぶかぶかになるが全身は隠れるな

しかしそうなると下が…

うーん

 

はちまん「なあ、シオン」

シオン「………………………ん?」

 

はちまん「お前スカートの下、何か履いてるか?」

 

シオン「………………………」

はちまん「そのスカート短いしスパッツとか履いてないか?」

シオン「………………………はち」

はちまん「ん?」

シオン「………………………なにするき」

 

はちまん「あのロケット団にバレないようにこのパーカーに着替えてもらおうかと、でも大きいから下が…」

シオン「………………………あ、そういうこと」

はちまん「で、大丈夫か?」

シオン「………………………いっかいきてみる、かして」

はちまん「じゃあ俺は向こう向いてるから」

シオン「………………………うん」ごそごそ

 

俺はシオンに背を向ける

後ろからシオンの着替える音が聞こえる

…ん?なんかラブコメの神様の悲鳴が聞こえるような?

ま、いいかこれからのことを考えよう

何かあったらまずいから一応ポケモンは連れて行きたい

あそこのゲーセンにもポケモン連れは多かったし

だがアイツがカラカラを覚えている可能性、ゴルバットが背中にくっついていると目立つ事、多分カビゴンは入れない事を考えると

ロコンを連れて行くしかない

 

はちまん「ロコン」

 

ポンッ!

 

ロコン「…」

はちまん「ロコン、悪いがついてきてくれ」

ロコン「…」

はちまん「ん?どうした?」

 

俺の顔を見ながら何かを考えているようだ

と思ったら肩に飛び乗ってきた

 

ロコン「…」ぴょん

はちまん「うおっ」

 

そしてそこに留まっている

あんがい軽いなコイツ

 

はちまん「何で肩に乗ってんの?」

ロコン「…」

はちまん「ん?偽装?」

ロコン「…」

はちまん「さっきゲーセンでもしかしたら俺の格好が覚えられているかもしれない、だからお前がそこにいる事で『さっきのやつとは違いますよ』と見せることができるって事?」

ロコン「…」コクン

はちまん「なるほどな、じゃあフードも被って行くか」ふぁさ

 

俺はフードを被ってみる

おお、このフード初めて被った

 

シオン「………………………はち」

はちまん「ん?おお…」

 

シオンに呼ばれて振り返るとそこにはぶかぶかの黒いパーカーを着たシオンが

おお、可愛い

下が短いせいで太ももがバッチリ見える

ドレス着てたからわからなかったけど足綺麗だなー

色も白いし

というか白過ぎない?

生気が感じられないほどに白いんだけど

ちゃんと食べるもの食べてる?

 

シオン「………………………どう?」

はちまん「んーやっぱり下が短い気がするが…」

シオン「………………………これくらいだいじょうぶ」

はちまん「そうか…。あ、ドレスはどうした?」

シオン「………………………あのきにかけてる」

 

シオンの着ていた紫のドレスはシオンの後ろにある木にかけられていた

持って歩くのは不自然だよな

 

はちまん「どうする?俺のバッグに入れようか?」

シオン「………………………あれ、あげる」

はちまん「は?」

シオン「………………………はちにあげる」

 

何言ってんのコイツ

 

はちまん「いや、あのドレスお前らチームの制服みたいなもんなんじゃ」

シオン「………………………いえにたくさんあるからへいき」

はちまん「だからってあげるのは…」

シオン「………………………わたしはこっちがいい」

 

そう言ってシオンは着ているパーカーを見る

いや、それ俺のなんだけど

って

 

はちまん「もしかしてあのドレスとそのパーカーを交換しようとしてる?」

シオン「………………………だめ?」

はちまん「あのドレス貰っても使い道ねーわ」

シオン「………………………おねがい」

はちまん「………はぁ、わかった」

シオン「………………………ありがと」

はちまん「あ、その被ってる帽子はどうする?」

シオン「………………………こっちもあげる」

はちまん「そ」

シオン「………………………はい」

 

俺はシオンからドレスと帽子を貰った

…ほんとこれどうすればいいの

雪乃達にこれ持ってるのバレたらどうしよう

怒られるよな

地雷じゃねーかこれ

 

はちまん「はぁ…。じゃあお前もフード被れ」

シオン「………………………よしきた」ふぁさ

 

シオンもフードを被る

 

はちまん「よし、行くか」

ロコン「…」コクン

シオン「………………………ごー」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#タマムシシティゲーセン

 

俺達はゲームセンターに戻ってきた

お目当ての人を探す

 

はちまん「えっと、あ、いた」

シオン「……………………どこ」

はちまん「いや、とりあえず怪しまれないように何かのゲームをしとこう。ゲームをやりながら教える」

シオン「……………………ん」

 

俺とシオンは手頃なゲームを探す

あのメダルゲームでいいか

俺は1000円をメダルに変えて見つけたゲームをシオンに遊ばせる

 

はちまん「ほれ、これでそのゲームやってろ」

シオン「……………………らじゃー」

 

さっきからシオンのテンションが高いような気がする

なんとなくで違いはわからないが

シオンはメダルゲームで遊ぶ

それを見ながら小声で話す

 

はちまん「言ったところを横目で見てくれ」

シオン「……………………あいよ」

はちまん「スロットのコイン売り場、そのカウンターにいる右のやつだ」

シオン「……………………あのひと?」

はちまん「そうだ」

シオン「……………………ほかのひとは?」

はちまん「他の人?」

シオン「……………………ほかのてんいんさんにみおぼえは?」

はちまん「え?えっと…」

 

俺は怪しまれない程度に周りを見渡す

あ、あの青色のスカーフ

ゴールデンボールブリッジでケーシィを出してきたやつだ

 

はちまん「スロットマシンの隣にいるやつ」

シオン「……………………あのひとも?」

はちまん「ああ、金色の橋でみたやつだ。青色のスカーフしてるだろ」

シオン「……………………うん」

 

見覚えのあるロケット団が2人

て、ことは

 

はちまん「シオン、ひと通り遊んだら戻るぞ」

シオン「……………………うん」

 

 

 

 

 

1時間後

俺とシオンは普通に楽しんで

ロコンにため息をつかれながらも店を後にした

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

83話 自由と嫉妬

#タマムシシティとあるマンション

 

はちまん「ここが?」

 

シオン「……………………ほんぶ」

 

俺とシオンはゲームセンターから出てそのままカントーガールズの本部があるマンション、その裏口に来ていた

俺が寝ていた森の他に

街の北にも森があり、そこからマンションの裏口にこれるようだ

ちなみに俺達の格好はゲーセンに行った時と同じで

互いに同じパーカーを着てフードも被っている

シオンはゲンガーのぬいぐるみを持ったまま

ロコンも俺の肩にいる

 

シオン「……………………はいるよ」

 

はちまん「おう」

 

シオンがマンションの裏口のドアに近づきノックする

 

コン…コン…

 

すごいゆっくりなノックだ

中にいるやつに聞こえているのか不安になるくらい

しばらくすると中から声が聞こえた

 

『…誰』

 

ドア越しで誰かはわからないが女の声だ

 

シオン「……………………しおん」

 

『え?シオン?』

 

ゆっくりとドアが開いていく

そこにいたのは緑の髪に緑のドレス、黄色い帽子のウキワだった

 

ウキワ「シオン!」

 

シオン「……………………おくれた」

 

ウキワ「何してたの!集合をかけて何日経ってると思っているの!」

 

シオン「……………………ごめんなさい」

 

はちまん「待ってくれウキワ」

 

ウキワ「え?はちまんがなんでいるの?」

 

はちまん「訳は説明する。とりあえず中に入れてくれ」

 

ウキワ「…わかったわ、入って」

 

俺達はウキワが開けてくれているドアを通り中に入る

中は狭っ苦しい

というか階段しかない

部屋というよりは廊下と言った方がマシだ

どういうこと?

 

はちまん「え、ここが本部?」

 

ウキワ「上よ、ついてきて」

 

ウキワが階段を上っていく

それについて階段を上がる

二階三階と上がり屋上に出た

タマムシシティを一望できる

その屋上には小さな建物があった

あれが本部か

何か秘密基地みたいだ

 

ウキワ「貴方達、ちょっと待ってて」

 

ウキワは俺とシオンを待たせてその建物に入って行く

中にいるやつに説明するためだろう

 

ウキワ「ただいま」

 

???「おかえり〜ふふふ♪」

 

中から声が聞こえる

この『ふふふ〜♪』はニンか?

 

シオン「……………………ちっ」

 

シオンがニンの声を聞いて舌打ちする

そういや仲悪いんだっけ

そして今から鉢合わせてしまうところに俺は行くのか

やだなー行きたくないなー怖いなー

中からウキワとニンの会話が聞こえてくる

 

ニン「また押し売りでした〜?ふふふ〜♪」

 

ウキワ「いいえ、シオンが来たのよ」

 

ニン「シオンのアホがやっとですか〜だいちこくですね〜ふふふ♪」

 

 

シオン「……………………あのやろう」

 

 

ウキワ「あとなんでかはちまんもね」

 

ニン「ん〜?アホ毛くんがなんで〜?ふふふ〜♪」

 

ウキワ「さあ」

 

 

シオン「……………………はち、にんのばかははちのことしらないんじゃ」

 

はちまん「い、いや俺が名前を教えてなかっただけで他のメンバーから聞いたんじゃないか?」

 

シオン「……………………くそ」

 

ひぃぃ、怖いよー

俺にも飛び火が来そうで怖いよー

 

ウキワ「2人とも、入っていいわよ」

 

はちまん「お、おう」

 

シオン「……………………ただいま」

 

ウキワ呼ばれて中に入る

中は結構整頓されていて

奥の方には何故か黒板

真ん中にはテーブル

それを挟むように3人ソファー2つ

後壁沿いにも椅子やらテーブルやらがある

窓は左右に2つずつある

 

入り口にウキワ

テーブルを挟むソファーにはニンが座っていて

床に虹色の死体があった

よし、帰ろう

 

はちまん「…シオン、やっぱ俺ポケモンセンターに行ってるわ」

 

シオン「………………………なにいってるの」

 

はちまん「だって怖いよここ!何で死体が転がってんの!?」

 

シオン「………………………あれ、れいんさん」

 

はちまん「え?」

 

よく見ると昨日ライブをしていたアイドル

レインボードレスを着たレインだ

あ、少し動いた

何だー死体じゃないのかーよかったー

でも凄い負のオーラを感じるんだけど

 

シオン「………………………つかれてるだけ」

 

はちまん「疲れてあんな風になるのか。やっぱ適度な休みは必要だな」

 

シオン「………………………はちはやすみすぎ」

 

レインは昨日のライブで疲れているらしい

やっぱ働きたくないな

あんな死体のようになるなら働きたくない

もうすでに目が死んでるだろって?やかましいわ

 

ニン「…な、なんで」

 

はちまん「あん?」

 

ソファーに座っているニンが驚いた顔でこっちを見ている

ん?感動の再会かな

よし俺の胸に飛び込んでこい

 

 

ニン「なんでペアルックなの〜!?」

 

 

ん?ペアルック?

ペアルックってアレだろ

カップルが同じ服着て

『僕達私達はこんなにラブラブです』アピールのアレだろ?

何でわざわざ周りにアピールするのかよくわからんが

自分達だけが知ってたら充分じゃないの?

 

リゆうなんてない

アピール命

じぶん大好き

ゆうき百倍

うっとおしい

 

なるほど流石リア充様、格が違うぜ

で、そのペアルックがどうしたの

俺はシオンを見る

シオンも俺を見る

 

はちまん「あ」

 

シオン「………………………あ」

 

そういや服が同じって冒頭でも言ったな

これがペアルックか

んーでもシオンが可愛いとしか感じないけど

まさかこれがペアルックの効果か?

 

シオン「………………………にん」

 

ニン「なに〜?」

 

シオン「………………………どやぁ」

 

ニン「」イラッ

 

何かシオンがニンに対してドヤ顔をかましている

どんだけ嫌いなんだ

 

ニン「アホ毛くん〜?」

 

はちまん「ひっ」

 

ふふふ〜♪がない

ヤバイニンだ

 

ニン「何でおなじ服をきてるの〜?」

 

はちまん「えっと潜入作戦の名残りだ」

 

シオン「………………………これわたしの」ふふん

 

シオンは胸を張って着ているパーカーを自慢する

待って火に油を注がないで

 

ニン「へ?」

 

シオン「………………………わたしのどれすとこうかんした」

 

ウキワ「はちまん…貴方…」ひきっ

 

はちまん「待て交換を申し出たのはシオンだ」

 

シオン「………………………でもこれをきさせたのははち」

 

ウキワ「う、うわぁ…」どんびき

 

はちまん「待てやむ終えない事情が…」

 

ニン「むう〜あだ名まで〜」

 

シオン「………………………わたしはじこしょうかいしてくれた」

 

ニン「うう〜」

 

シオン「………………………それにぬいぐるみもくれた」

 

そう言って持っているゲンガーのぬいぐるみをニンに見せつける

 

シオン「………………………がんばってとってくれた」

 

ニン「な、何で〜?」

 

シオン「………………………わたしといっしょにねたから」

 

ニン「ね、ねた〜!?」

 

シオン「………………………しかもふつかつづけて」

 

シオン「………………………じてんしゃにもふたりでのった」

 

ニン「自転車〜?それがどうしたの〜?」

 

シオン「………………………そのときわたしのこと『てんし』っていってくれた」

 

ニン「て、天使〜!?」

 

ウキワ「…」

 

はちまん「待て何か喋ってくれ」

 

ウキワ「…」スタスタ

 

ウキワは無言でニンとシオンの仲裁に行った

 

ウキワ「ニン、シオン」

 

ニン「は、はい〜」ぷるぷる

 

シオン「………………………うきわ」

 

ニンは涙目

シオンは勝ち誇っている

 

ウキワ「その話しは一旦置いといてくれるかしら」

 

シオン「………………………わかった」

 

ニン「うぅ」こくん

 

ウキワ「ふふ、お利口さんね」

 

おお、ウキワが笑ってる

付き合い長い訳じゃないが始めて見たか?

いや、トキワの森で一回悪そうな顔で笑ってたな

だがニンとシオンを見るウキワの顔は優しい

あのサチとか言うオレンジの子もウキワを尊敬してたようだし

歳下の面倒見がいいのかもな

だがその笑顔に新鮮味を感じるのもつかの間

 

 

ウキワ「さあ〜て、はちまん?」

 

 

こちらに振り向くウキワ

あれまウキワさん、どしたのそんな怖い顔して

腹でも下したの

 

ウキワ「シオンの話しを聞く限り、シオンが遅れた原因は一緒に寝たり遊んだりしていた貴方にあるように聞こえたんだけど、ど〜いうことかしら〜?」

 

あ、オワタ/(^o^)\

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

俺はシオンが遅れた事情を説明した

集合がかかった時、恩人がなかなか帰ってこないためシオンタウンから出られなかった事

だがそれは2日ばかりの事で

恩人が帰って来た後は俺と一緒にタマムシシティへ向かった

だがその後色々あり

俺が一日中森で寝てしまったためにさらに遅れてしまった

そして今にいたると

 

ウキワとニンは呆れてモノが言えないらしい

ちなみに俺はソファーに座り

ウキワはその真向かい

ニンとシオンは何故か俺を挟むように座っている

時々2人がギスギスして居心地悪かった

あとレインは話し終わってもまだ床に突っ伏している

 

ウキワ「シオン、恩人が帰ってこないため来られなかったのは仕方がないから許すわ。でもはちまん、何でそんなに寝たの?ただの馬鹿じゃないの」

 

はちまん「い、いやだから色々あったんだよ」

 

ウキワ「何があったの」

 

はちまん「えっと、シオン何があったっけ」

 

シオン「………………………ちいさいことあそんだ」

 

シオン「………………………じてんしゃにのった」

 

シオン「………………………れいんさんのうたをきいた」

 

シオン「………………………はちのしりあいとはなした」

 

シオン「………………………で、ねた」

 

ウキワ「……遊んでるだけじゃない」

 

はちまん「すみませんでした」

 

ニン「アホ毛くん〜おバカさんですね〜ふふふ♪」

 

俺は頭を下げる

 

ウキワ「で、その後は?起きたのが今日の昼で今が夕方前だからその間にもここに来れたはずよね?」

 

はちまん「メシ食った」

シオン「………………………おむらいすたべた」

 

はちまん「ゲーセン行った」

シオン「………………………げんがーかわいい」

 

ニン「ちっ」

 

はちまん「もっかい森に戻ってもっかいゲーセンに行った」

シオン「………………………あのじゃんけんかてない」

 

はちまん「で、土産を持ってここに来た」

シオン「………………………ぺあるっく」

 

ニン「ちっ」

 

ウキワ「やっぱり遊んでるだけじゃない」

 

確かに今考えるとロクなことしてないな

まあ世界が平和って事だな

その時床に突っ伏していたレインが起き上がった

 

レイン「お土産!?」

 

はちまん「わ」

 

レイン「どこどこどこどこお腹すいた!」

 

レインは飛び起きると周りを凄い勢いで見渡す

え?腹ペコキャラ?

ウキワはため息をつきながらレインの暴走を止める

 

ウキワ「レインさん…落ち着いてください」

 

レイン「ウキワ!お土産は!?お腹すいた!」

 

ウキワ「今ご飯持ってきますんで」

 

レイン「おう!たのむぜい!」

 

ウキワは部屋の奥から食事を持って来た

おお、ハンバーグ

レインは俺の向かいにあるソファーに座りウキワの持って来た料理を凄い勢いで食べ…終わったって、早!?

一文しか使ってないよ!?

 

レイン「ふー、ご馳走さま!」

 

ウキワ「お粗末さまです」

 

ウキワは食器を片付け

また部屋の奥へ戻った

 

はちまん「おいニン、あの人いつもああなの?」

 

ニン「ライブの後つかれてねて〜次の日におなかがすいて〜であんなかんじ〜ふふふ♪」

 

はちまん「じゃあライブがない日は?」

 

ニン「自由なひとってかんじ〜ふふふ♪」

 

この世界の自由人…いい思い出がない

するとレインはシオンを見つけたようだ

 

レイン「あー!シオンちゃん、やっと来たの?コブキさんが心配してたよ?」

 

シオン「………………………ごめんなさい」

 

レイン「あはっ!謝るなら私じゃなくてコブキさんにしたら?」

 

シオン「………………………でもみんなにもめいわくかけたから」

 

レイン「きゃー!相変わらず可愛いねー!」

 

シオン「………………………りーだーは?」

 

ウキワ「ヤマブキよ」

 

食器を片付け終わったウキワが戻って来た

てかレインの可愛いね発言は無視か

 

はちまん「え?今コブキさんいないの?」

 

レイン「あれー?誰ー?」

 

ウキワ「はちまんです。一昨日リーダーが話してたトレーナーです」

 

レイン「ああ!リーダーやみんなのお気に入りか!」

 

はちまん「お気に入り?」

 

レイン「うん!まずウキワがー」

 

ウキワ「レ、レインさん!その話しはダメですっ///」

 

レイン「えー聞かせてあげようよーウキワが強いって褒めて…」

 

ウキワ「晩飯抜きにします」

 

レイン「ごめんなさい」

 

はちまん「なぁ、『まず』って?」

 

レイン「あ、聞きたい?後ね、ニンがー」

 

ニン「レインさん〜!?///」

 

レイン「とっても優しい…」

 

ニン「もう〜ライブ後に〜マッサージして〜あげません〜」

 

レイン「ごめんなさい」

 

ニン「あと〜アホ毛くんも〜ゆうはつしない〜」

 

はちまん「ごめんなさい」

 

シオン「………………………むう」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

レイン「それでー?はちまん君は何でここにいるの?」

 

はちまん「シオンの付き添い」

 

レイン「ほー!あ!それでさっき言ってたお土産って!?」

 

はちまん「その事なんだが…コブキさん本当にここにいないの?」

 

ウキワ「ええ、今メンバーを連れてヤマブキシティに行っているわ」

 

はちまん「いつ頃帰るんだ?」

 

ウキワ「んー、実際どれくらいかかるかわからないわね」

 

はちまん「そんなに忙しいのか」

 

ウキワ「忙しいと言えば忙しいし、忙しくないと言えば忙しくない」

 

はちまん「あーやっぱりまだロケット団の動向が掴めてないのか」

 

ウキワ「ええ、カントーにいるのか怪しいくらいにね」

 

はちまん「じゃあアジトは?」

 

ウキワ「わかってたら苦労しないわ」

 

俺は隣にいるシオンに話しかける

 

はちまん「な?俺の言った通りだろ?」

 

シオン「………………………みなおした」

 

ニン「む〜」

 

ウキワ「何の事?」

 

レイン「ねー!お土産はー?」

 

土産を催促するレインはほっとく

しかしその土産を渡すにもリーダーのコブキさんがいないとなると

うーん

 

はちまん「ウキワ、コブキさんはどうしてヤマブキにいるんだ?」

 

ウキワ「あの街、封鎖されているのは知ってるわよね?」

 

はちまん「ああ」

 

ウキワ「実はあの街、ロケット団の暴動が絶えない場所だったの」

 

はちまん「それで危険だから封鎖?」

 

ウキワ「そ」

 

はちまん「街の人達は?」

 

ウキワ「暴動を抑えようとコブキさんもヤマブキのジムリーダーも奔走したわ。でも数が多過ぎて、もうロケット団が我が物顔で街を歩く状況までになっていたの」

 

はちまん「でも今は」

 

ウキワ「サカキの決起後音沙汰無し。前までの騒ぎが嘘の様に収まっているわ。それが逆に不気味で…正直手が離せないの」

 

はちまん「じゃあ逆にお前らがここにいるのは?シオンを待ってたのか?」

 

ウキワ「それもあるけどね。この街もヤマブキ程じゃないけどロケット団の暴動が前まであって、それも警戒しないといけないから」

 

はちまん「一応聞くがあのエリカってジムリーダーは協力を?」

 

ウキワ「この本部を作ってくれたのがエリカ様よ」

 

はちまん「ん?暴動が激しいヤマブキには作らなかったのか?」

 

ウキワ「作ろうとしたらしいけどね。街の顔役の1人に止められたそうよ」

 

はちまん「らしい?お前はその時何してたんだ?」

 

ウキワ「このチームにも歴史があってね。私は後から入ったのよ」

 

はちまん「ほー」

 

はちまん「本部がこっちにあるのにヤマブキにかかりきり…。コブキさんを呼び戻すことは?」

 

ウキワ「無理…というか何でそんなにリーダーにこだわるの?」

 

ウキワの質問にどう答えるか考える

慎重に事を運ばなければならない

アイツらが動く前に

 

シオン「………………………どうするの?」

 

はちまん「…とりあえず話すか」

 

俺は部屋にいるやつの顔を見渡す

 

はちまん「じゃ、お前らに土産だ」

 

レイン「待ってましたー!」パチパチ

 

ニン「おみやげ〜って〜言っても〜何ももってないようにみえるけど〜?ふふふ〜♪」

 

はちまん「おう、『土産話し』だからな」

 

レイン「えー!?何ソレ酷い!」

 

ウキワ「………待ってさっきの話しからして、まさか」

 

はちまん「おうそのまさか、俺が今から話すのは」

 

 

はちまん「ロケット団の居場所について」

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

84話 苦手と選択

#タマムシシティカントーガールズ本部

 

はちまん「ロケット団の居場所について」

 

ウキワ「どう…いう事?貴方がロケット団の居場所を知ってるって事?」

はちまん「ああ」

ニン「ふむ〜話しの流れてきに〜このまちにいるの〜?ふふふ〜♪」

ウキワ「ちょっとニン!信じるの!?」

ニン「え〜?アホ毛くんが〜そういうならそうなんじゃ〜ないんですか〜?ふふふ〜♪」

ウキワ「でも…」

ニン「では〜アホ毛くんが〜わたしたちに〜うそをつくいみはありますか〜?ふふふ〜♪」

ウキワ「それは…」

ニン「それにわたしは〜アホ毛くんを〜信じてます〜ふふふ♪」

 

え、ニンて俺に対してそんなに信頼が厚かったの

 

ニン「アホ毛くんは〜まもるもの〜大切なものがある〜わたしたちと同じ〜にんげんです〜アホ毛くんを〜信じないという事は〜自分や〜わたしたちチームを〜信じない事と同じようなものです〜ふふふ♪」

はちまん「ニ、ニン…」

 

な、泣きそう

そんなに俺の事を…

こんな事を言われたのは初めてだ

 

ニン「抱きしめても〜いいですよ〜?ふふふ〜♪」

はちまん「え、マジ?」

シオン「………………………はち、だめ」

ニン「シオンのあほは〜ほっといて〜カモ〜ン〜ふふふ」バッ

 

両腕を広げ小さな身体で俺を迎えるニン

 

はちまん「え、こ、これ行っていいの?いいの?いいのかな?」

シオン「………………………はち、だめ」

ニン「カモ〜ン〜ふふふ♪」

はちまん「で、でもここで行かなかったらもうこんな機会…」

シオン「………………………じゃあわたしを」バッ

 

両腕を広げ小さな身体で俺を迎えるシオン

 

ニン「カモ〜ン〜ふふふ♪」

シオン「………………………かもん」

 

両サイドで美幼女が抱きしめOKの体制

俺は混乱した

 

はちまん「どどどどうしようどうしようこれどうしたらいいのこんなラブなコメでいいのこんな雑な流れでいいのというかなんでお前ら両サイドでこれじゃあどっちも抱きしめられないいやまさか選べと俺に選んでくださいと言っているのかあでもドレス着てるニンは抱きにくそうだしじゃあシオンに「脱ぎます〜ふふふ♪」待って脱がないでうわ肌キレイってだから脱ぐなっつの「お〜コッチにきますか〜ふふふ♪」そうだな脱がす訳にもいかないからニンに「………………………ぬぐ」待て待てお前も脱ぎ出したら肌白って片方しか止められないだろてかお前らこんな所で脱いでいいのか俺が居るんだぞ他のやつだって居るんだ「………………………おんなのこしかいない」そうだった俺以外全員女性だだったら見られてもってだから俺がいるんだって何俺になら見られていい的なあれかだったら…」

 

バン!!

 

ウキワ「いい加減にしなさい」

はちまん「ごめんなさい」

ニン「ご、ごめんなさい〜」

シオン「………………………ごめんなさい」

 

レイン「ウキワ怖っ!」

 

ウキワがテーブルを叩き俺達の暴走を止める

よかった危うく戻れない道を行くところだった

ありがとうウキワ

そうだ代わりにお前を抱きしめて

 

ウキワ「近づいたら殺す」

はちまん「ごめんなさい」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ウキワ「とりあえず聞くだけ聞いてみるわ」

はちまん「う、うす」

 

俺はウキワにこってり絞られた

ニンとシオンも一緒に怒られて涙目だ

 

ウキワ「じゃあ結論から、どこにいるの?」

はちまん「ロケット団はゲームセンターにいる」

レイン「え!?あのスロットがあるゲーセンだよね!?嘘!?」

 

ウキワ「根拠は?」

はちまん「トキワの森で俺が戦ったロケット団員、覚えているか?」

ウキワ「ええ」

はちまん「そいつがあのゲーセンの店員だった」

ウキワ「見間違いの可能性は?」

はちまん「それはお前が一緒に見てくれたら解決する」

ウキワ「それだけ?」

はちまん「もう1人知ってるやつがいた。ナァから聞いてるかと思うが俺がゴールデンボールブリッジで戦ったやつらの1人だ」

ウキワ「6人も倒したってアレね、覚えているものなの?」

はちまん「6人中5人は色違いのスカーフをしてたから覚えてる。そのうちの青いやつだった」

ウキワ「スカーフだけ?顔は?」

はちまん「いや、その辺は自身がない。だからお前が一緒に来てトキワの森のやつかを確認してくれればいい」

ウキワ「自身満々に言った割には人頼りなのね」

 

はちまん「いや、後1つある。レイン」

レイン「なに?」

はちまん「お前この街の住人だよな」

レイン「うん」

はちまん「じゃああのゲーセンの名前知ってるか?」

レイン「えっと…あ!」

 

レイン「ロケットゲームコーナー!!」

 

レイン「な、何で気づかなかったの…」

ウキワ「で、でもそんなあからさまに…?」

はちまん「何言ってんだ」

ウキワ「え?」

はちまん「ヤマブキシティでは我が物顔でロケット団が歩いてたんだろ?だったらこのタマムシシティでも同じようにこの街を自分達の物だと思っていてもおかしくない。んで自分達の街でわざわざ名前を隠す必要がないと考えたんだろ」

レイン「それって…!」

 

はちまん「完全になめてたんだろ、この街の連中を」

 

レイン「な…!?」

はちまん「どうせ堂々と名前を出しても何も出来ないだろってな」

レイン「ふっざっけんな!」

 

レインは俺の胸ぐらを掴む

ひ、ひいい

 

レイン「この街には私達カントーガールズも!エリカ様だっているんだよ!?そんな事あるはずない!」

はちまん「で、でもお前らもエリカもあのゲーセンの存在には気づかなかったんだろ?」

レイン「そ、それは…」

ニン「レインさん〜アホ毛くんをはなしてあげてください〜」

シオン「………………………れいんさん、おねがい」

レイン「…ごめん」

 

ニンとシオンのおかげでレインさんは離してくれた

こ、怖かった…

アイドルが怒ったらあんなに怖いのか…

 

はちまん「…それにあの人ならこの街の連中に気づかれようが気づかれまいが堂々と手前の名前だしてるだろうよ」

ウキワ「…貴方、どうしてそう言い切れるの」

 

はちまん「コソコソ隠れて何かするのはぼっちの仕事だ。孤高の男がする事じゃない」

 

はちまん「孤高の男ってのはみんなに見られていながらも、みんなに接されながらも1人でいる奴のことだ」

 

はちまん「何されても何言われても1人でいる奴が孤高の男なんだ」

 

はちまん「そんな傲慢に、強情に、絶対に折れない信念を貫く孤高の男がいちいちチマチマ人の事を気にしてやる事やれない奴だと思うか?」

 

ウキワ「…………そう」

はちまん「ま、ゲーセンの名前に『ロケット』がついてるってだけでまだそうと決まったわけじゃない。だからあのゲーセンがロケット団と関係がある事を証明するためにウキワが一緒に来てくれ」

ウキワ「わかったわ、今から行く?」

はちまん「いや、俺とシオンが案内するつもりなんだが今日はもうこの格好で行ってしまったから明日以降だな」

シオン「………………………もうゆうがた」

 

シオンの言う通り空は赤く染まっている

確認しようにも仕事を誰かと交代していたら意味がない

行くなら同じ時間帯、昼に行くべきだ

 

はちまん「後、動こうにもコブキさんの指示を仰がないといけないんじゃないか?」

ウキワ「そうね」

はちまん「本格的に動くのはコブキさんが帰って来たら。そのための下準備も必要だろ。例えば戦力の整理とか」

 

ウキワ「コブキさんが来ても万が一の為にこの本部にいてもらうとして、戦えるのは」

ニン「レインさん〜ウキワさん〜わたし〜あほ〜アホ毛くんですね〜ふふふ♪」

シオン「………………………だれがあほだばか」

はちまん「待て何故俺も戦力に加える」

レイン「えー!はちまん君は戦わないの?」

はちまん「めんどくさい」

ウキワ「貴方が言い出したんでしょ」

はちまん「いや、ただの情報提供者だ」

 

シオン「………………………はち」

はちまん「何だよ、何言われたって俺は…」

シオン「………………………わたしすぴあーもってる」

はちまん「ロケット団を全員殲滅する」

 

ウキワ「シオン、どう言う事?」

シオン「………………………はちはむしがにがて」

ウキワ「な〜るほど〜」ニヤァ

 

ウキワ「来て、バタフリー」

 

ウキワがわっるい顔をしたと思ったらバタフリーを呼んだ

おい待てまさか

そのまさか窓から部屋にバタフリーが入って来る

うわ、虫だ

 

バタフリー「〜♪」

 

バタフリーはウキワの腕にとまる

ウキワが一層わっるい顔をする

い、いやな予感

 

はちまん「な、何する気だよ…」

ウキワ「い〜え?これで貴方を思い通りに動かせるかなーって」

はちまん「おい待てふざけ…」

ウキワ「バタフリー、はちまんへ」

バタフリー「〜♪」パタパタ

はちまん「ひっ」サササッ

 

ウキワがバタフリーを俺にけしかけて来た

俺はそれから逃げる

追いかけて来るバタフリー

うわわ

 

はちまん「ちょっ、ウキワさん!止めて止めて!」サササッ

バタフリー「〜♪」パタパタ

はちまん「ウキワさん!聞いてます?ウキワさーん!」サササッ

バタフリー「〜♪」パタパタ

 

ウキワ「あははは!バタフリー!もういいわ」

 

ウキワの方に戻って行くバタフリー

た、助かった…

 

ウキワ「あっはは!はちまん本当に虫が苦手なのね、あはは!」

 

ウキワは腹を抱えて笑っている

こ、こんにゃろう

そこにバタフリーがいなかったらどうしてくれようか

てか怖くて動けない

いつ来るかわからないからいつでも動けるようにしてなくては

 

ウキワ「あはは…おっかしー!ははは!」

 

涙を出しながら笑うウキワ

こなくそ

どんだけ笑いやがるんだ

 

 

 

レイン「ウキワってそうやって笑うんだねー、初めて見たよー」

 

 

ピシリ

レインの一言に空気の固まった音が聞こえた

ウキワは笑うのをやめて恐る恐る周りを見渡す

 

ニン「ほえ〜いつもクールな〜ウキワさんが笑うとは〜ふふふ♪」

シオン「………………………しんせん」

レイン「いつも肩肘張ってガッチガチのウキワがあんなに笑うのっていままで見たことなかったなー。結構可愛いねー」

 

ウキワ「あ、ああ…」///

 

この世の終わりのような

いやこの世の終わりを知らないからコレじゃないな

セーブデータが消えた時のような表情で

顔を真っ赤にしながら後ずさる

あー恥ずかしいよなー

みんなが知らない自分を見られるのって

すっっっっごい気持ちがわかる

だから俺が言える事はこれだけ

 

 

 

 

 

はちまん「あ、逃げるチャンスだ」

 

俺は部屋から出て屋上に出る

さらばウキワ

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

85話 適材適所と愛

#タマムシシティとあるマンション屋上

 

はちまん「ふー」

 

俺はウキワから逃げるため

カントーガールズの本部から出て屋上にいる

今頃部屋の中ではウキワが盛大に恥をかいているだろう

ご愁傷様

俺は屋上の壁に寄りかかって少し休憩

話しすぎたから喉乾いたなー

 

ロコン「…」ちょいちょい

はちまん「ん?」

 

今の今までずっと俺の肩で大人しくしていたロコンが俺の頰を前足で撫でる

こっち向けってことか?

だがロコンが肩にいるとそちらに向きにくい

俺はロコンを抱き上げ目の前に持ってくる

 

はちまん「どした?」

ロコン「…」じっ

はちまん「ん?雪乃達?あ、忘れてた」

 

そうだ俺がシオンタウンに行っている間

雪乃、結衣、いろはは4つ目のバッチを手に入れるためにこのタマムシシティに来ているはずだ

まだこの街にいるのだろうか

 

はちまん「まあでも、今はロケット団だ」

ロコン「…」じっ

はちまん「ん?雪乃達とロケット団が鉢合わせしないか?…そんなもんわからねーよ、心配だがな」

ロコン「…」こてん

 

俺がそう答えるとロコンは首をかしげる

あれ?コイツのこんな仕草初めて見た

 

はちまん「なんか気になる事があるのか?」

ロコン「…」じっ

はちまん「……へ?」

 

はちまん「雪乃達は今までの旅でロケット団に遭遇した事があるのか?」

 

ロコン「…」コクン

はちまん「い、いやわからねーよ。ずっと一緒にいるわけじゃないし。けど確かにアイツらからそう言う話しは聞かないな…」

ロコン「…」コクン

はちまん「でもそれがなんだ?ロケット団に合わないのはいい事じゃないか?」

ロコン「………」こてん

 

ロコンはまた首をかしげる

まだ納得いってないみたいだ

 

はちまん「ま、それがなんの意味があるのかわからないが。今度またアイツらに会った時に聞けばいいさ」

ロコン「……」コクン

 

ロコンはとりあえず納得してくれたようだ

ちょっとしたしこりを残して

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

いま俺はロコンを抱き上げている

やっぱりほのおタイプなだけあって体温が高い

 

はちまん「…ロコン」

ロコン「?」

はちまん「ちょっとだけ…いいか」

ロコン「………」コクン

 

いつもよく周りを見ているロコンの事だ

俺がいま考えている事もお見通しなんだろう

ロコンを優しく抱きしめる

抵抗はしてこない

 

はちまん「…」ぎゅ

ロコン「…」

 

壁に寄りかかったままズルズルと腰を下ろす

夕日が沈んでいき周りがだんだん暗くなっていく

ロコンの頭を撫でる

 

ロコン「…」すう

 

おお、目を細めて気持ちよさそうにしている

それに毛並みが良くてふわふわだ

ロコンをこんなに近くで見た事は無かったかな

 

ロコン「…」

はちまん「…」なでなで

ロコン「…」

はちまん「…」なでなで

 

俺はしばらくロコンを撫で続ける

自分の心の整理が出来たところで

ロコンに話しかける

 

はちまん「ロコン」

ロコン「…」

はちまん「お前カラカラやゴルバット、カビゴンの事。どう思ってる?」

ロコン「…」

 

ロコンは俯いた後

俺の顔を見る

 

ロコン「…」じっ

はちまん「仲間…か」

ロコン「…」

はちまん「ま、付き合いなんてたったの半月くらいだ。そんなもんだよな」

ロコン「…」じっ

はちまん「俺か?大切な仲間だよ。お前と同じだ。アイツらやお前を友達だと思った事は一度もない。まあ、気が合うしいなかったら寂しいがな」

ロコン「…」

 

俺とロコンは少し黙った

そろそろ本題にいこうか

 

 

はちまん「俺がいつかお前らの前からいなくなるのはわかっているよな?」

ロコン「…………」

はちまん「俺はカラカラと一緒に泣いてそれを実感した。いつかコイツらと離れるんだって」

ロコン「…………」

はちまん「それで、あの時からずっと考えている事がある」

ロコン「…………」

 

はちまん「俺がいなくなった後、お前らがどうなるのかって」

 

ロコン「…………」

はちまん「誰かに預けようとは思ってる。この世界で信頼できるやつにお前らを託そうと思う」

ロコン「…………」

はちまん「候補は、いまこの部屋の中にいる3人。ウキワ、ニン、シオンだ。アイツらすげーいいやつだし、面倒見も良さそうだしな。レインは…ちょっと不安があるから…」

ロコン「…………」

 

ロコンは黙って俺の話しを聞いてくれている

 

はちまん「だが、あの3人がしっかりしてて優しいやつでも、それでもカラカラ達がどうなるかはわからない」

ロコン「…………」

はちまん「ゴルバットやカビゴンはともかく、カラカラのやつはぼっちだからな、気難しい所がある。もしかしたら孤立してまた泣いてしまうかもしれない」

ロコン「…………」

はちまん「だから、ロコン」ぎゅ

ロコン「…………」

 

俺はロコンを強く抱きしめる

 

はちまん「その時はアイツを、アイツらの事を頼んでいいか?」

ロコン「…………」

 

 

 

ロコン「…………」コクン

 

しばらく間があった後ロコンは頷いてくれた

俺は最低だな

いつもコイツに助けられてばかりで

いなくなった後もまた難題を押し付けようとしてるんだから

でもな

 

はちまん「ありがとう、ロコン」

ロコン「………」

はちまん「でも、ロコン」

ロコン「……?」

 

はちまん「もしお前が辛くなったら、カラカラも他のポケモンもほっぽり出して、自分の為に生きてもいいんだからな」

ロコン「……!」

 

はちまん「お前だってぼっちの端くれだ。辛い時だってあるだろ。だからそんな時は俺が許可する、何も考えず逃げろ」

ロコン「………」

はちまん「いいな?」

ロコン「…………」コクン

はちまん「よし」なでなで

ロコン「…」すう

 

俺はまた撫で始める

ロコンは目を細める

それを愛おしく感じながら、伝える

 

はちまん「ロコン」

ロコン「…?」

 

はちまん「俺のところに来てくれてありがとな」

ロコン「……………」///コクン

 

はちまん「はっはっは、照れてんのお前」

ロコン「!」バシッバシッ

はちまん「いてっ」

 

 

 

 

 

はちまん「とでも言うと思ったか!」

ロコン「…!?」

はちまん「俺はお前の攻撃を受け続け、最近気づいてしまったのだ」

ロコン「?」

 

はちまん「お前の攻撃、全然痛くない!」

 

ロコン「!?」

はちまん「むしろ可愛い!」

ロコン「!?」///

はちまん「ちっこい前足で一生懸命俺に攻撃してくるんだぞ!可愛い過ぎるわ!」

ロコン「………」あわあわ

 

ロコンは思わぬ俺の反撃に戸惑っているようだ

ならばこれでトドメだ!

俺はロコンの耳元で囁く

 

 

はちまん「ロコン…愛してるぜ」

ロコン「?!」///

 

 

ははははは

俺から顔をそらしてしまったぞ

あっはっは今までのお返しだ、ははは!

 

ロコン「…………」///

 

フッフッフ

ぐうの音も出ないようだな

恥ずかしい事を言ってしまった気がするが

まあいい可愛いロコンが見れた

さて、そろそろウキワも立ち直った頃だろう

部屋の入り口を見る

 

ドアの隙間からカラフルな人達がこちらを見ている

 

お、妖精かな

そうかそうかこの世界も祝福してくれているのか

あっはっは

 

ウキワ「はちまん…貴方…」

ニン「むぐぐ〜」

シオン「………………………わ、わたしはてんしだし」

レイン「うわー、そういう時代なのかねー?」

 

 

レインのその言葉を聞いた瞬間

俺は屋上からの飛び降りを決意、実行に移し

ウキワ達に必死で止められた

いやーはなしてーあっちの世界で妹が待ってるのー

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ウキワ「さて、いい加減話しを進めましょう」

はちまん「おう、戦力の確認からだな」

 

俺は部屋に戻りコブキさんが帰ってくるまでの下準備を再開する

まあやる事は話し合いくらいだが

 

レイン「あははー!2人とも切り替え早いねー!」

ウキワ「レインさん、黙って」

 

さて、もう一度整理しよう

リーダーであるコブキさんはヤマブキシティから手が離せない状態

なのでコブキさんが来るまで本格的に動けない

 

はちまん「あ、コブキさんに連絡は?」

ウキワ「さっきバタフリーに手紙を渡して、コブキさんのところまで送らせたわ」

はちまん「その手紙が届いて、コブキさんがこっちに来るまで最低何日かかるんだ?」

ウキワ「ヤマブキで何もなく、スムーズにこっちへ来たら1日で着くわ」

はちまん「その手紙の信憑性は?コブキさんはその内容を信じるか?」

ウキワ「私達4人のサインと『はちまんからの情報です』って書いたから大丈夫よ」

はちまん「え、なんで俺の名前使うの。シオンからの情報って言えばいいじゃん、チームなんだし」

ウキワ「チームの一員ではないけど、チームに少なからず関わっている人の証言よ。例え信じなくても何事かとこっちに来るでしょう」

はちまん「なるほど」

 

はちまん「手紙を持ったバタフリーがロケット団に捕まる可能性は?」

ウキワ「無い…とも言い切れないけど、その可能性は低いでしょうね。ロケット団はいま姿を見せてないんだし、それにバタフリーも強いしね」

 

ふむ

不安はあるがとりあえずコブキさんは最低1日でこちらに来ると

いまが夕暮れ時だから明日の昼くらいか?

ならその時にウキワとゲーセンに行けばいいか

 

話しを戻して戦力の確認

戦えるのは

ウキワ、ニン、シオン、レインの4に…

 

ウキワ「バタフリー」

 

んなわけなく

ロケット団を殲滅する俺こと八幡に5人だ

うう、虫怖い

 

はちまん「お前ら以外のメンバーは全員ヤマブキシティにいるんだよな?そいつらも戦力に加えられないのか?」

ウキワ「難しいかもね。メンバーごとにそれぞれ別の場所を担当しているから。ナァはハナダ方面、サチはクチバ方面、タマムシ方面はコブキさんがシオン方面は『フレン』さんが守ってるの」

はちまん「フレン?」

ウキワ「このチームの一員であり、このチームをコブキさんと共に作った人よ」

はちまん「年上?」

ウキワ「ええ、コブキさんと同い年よ」

はちまん「ほー。で、それだけか?」

ウキワ「あと1人いるのだけど…その…」

レイン「まだ来てないんだよねーあの人ー」

はちまん「あれ、ここに来てなかったのシオンだけじゃなかったのか」

レイン「あの人!自由な人でねーまったく!」プンプン

 

あんたに言われたくないと思う

それはともかく

他のメンバーは戦力に数えられない、と

 

ニン「5人だけか〜ちょっときびしいね〜ふふふ♪」

レイン「大丈夫だよー!私がいるしー!」

ウキワ「これ以上の戦力増強は望めないわね」

 

はちまん「いんや、まだいる。エリカだ」

 

レイン「え!?エリカ様!?」

ニン「ほ〜なるほど〜アホ毛くんあたまいい〜ふふふ♪」

はちまん「この街のジムリーダーにも協力してもらおう。戦力としては申し分ない」

ウキワ「でも、協力してくれるの?貴方のたわ言だって言って断られるんじゃ」

はちまん「大丈夫大丈夫。『あなたの腹ん中にゴキブリがいますよ』って言えば誰だって気になるだろ」

レイン「そ、想像しちゃったー!」ぞわぞわ

シオン「………………………ごきぶり」うげ

ニン「お、おそろしい〜」ぶるぶる

ウキワ「…例えは最悪だけど、確かに自分の街が危険だってわかったら何かしらはしてくれるでしょうね」

はちまん「ま、交渉は必要だろうけどな。そこんとこはウキワに任せるわ、明日の朝くらいにジム行けばいいだろ」

ウキワ「何言ってるの。貴方も交渉しに行くのよ」

はちまん「え?お前だけで充分だろ」

ウキワ「言い出したのは貴方でしょ」

はちまん「…………またバタフリーをけしかけられたらかなわんからな。わかったよ」

ウキワ「よろしい」

 

戦力はエリカ次第で増えるということで

明日のお楽しみ

さて、他にすることは…

 

はちまん「作戦を立てようにもコブキさんの指示…というかまだあのゲーセンがロケット団と関係があると決まったわけじゃないから立てようがないな」

シオン「………………………せんにゅうのさくせんはできる」

はちまん「お、そうだそうだ。ウキワ」

ウキワ「何?」

 

はちまん「お前スカートの下、何か履いてるか?」

 

ウキワ「」

ニン「な〜!?」

レイン「う、うわー!だいたん!」

はちまん「あ、でもお前の場合ズボンならいけるか?」

シオン「………………………ふくだしてみて」

はちまん「ほいさ」

 

俺はバッグから俺やシオンと同じ黒いパーカーを取り出す

 

はちまん「ウキワーじっとしてろよー」

 

俺はウキワと服を重ねて大きさを確かめる

んーシオンほどじゃないけどやっぱ大きいな

シオンは頭身が低かったから隠れてたが

ウキワの場合微妙に見えてしまうかもしれない

俺はズボンも取り出す

 

はちまん「ウキワーじっとしてろよー」

 

ズボンも重ねて確かめる

大きいかなー?

裾を折ったとしてもヘソくらいまで上がってしまうかも

それはちょっと不恰好かな

んー

 

はちまん「ウキワ、いっぺん着てもらってもいいか?」

ウキワ「」

はちまん「ん?ウキワ?」

 

どうしたんだろ固まってる

え、もしかして俺の後ろにお化けがいるんじゃ

きやー

ってそんなわけあってもどうせポケモンだろ

気にしない気にしない

でもウキワが固まったままじゃあどうしようもないし

あ、そうだ

 

はちまん「レイン、お前服の事とかわかるか?」

レイン「わかるよ!」

はちまん「じゃあこの黒のパーカーをコイツに着せていい感じにしてくれないか?俺は外に出て飲み物でも買ってくるから」

レイン「あいあいさー!私、ココア!」

はちまん「あいよ、じゃあニンとシオンついてきてくれ。また迷子になるかもしれないし、俺が」

ニン「…わかった〜」ぶす

シオン「………………………あいあいさー」

 

 

俺はウキワをレインに任せて

ニンとシオンを連れてマンションを出る

いやーこれが適材適所ってやつですな!

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

86話 夜の街とちびキャラ


今回長いです
あと話しの途中に出てくる商品はフィクションです

だが商品化してくれ

商品化希望タグでも付けようかな
何でも付ければいいってわけじゃないんですけどね



#タマムシシティ

 

俺はニンとシオンを連れて夜のタマムシシティを歩いている

昨日のレインのライブの時みたいな人混みは無く

街灯の光だけが街の道を彩っている

あ、ちなみに肩に乗っていたロコンだが照れまくっていて可愛すぎるのでボールに戻している

あと、俺とロコンを見る女達の視線が痛いから

 

はちまん「お前ら、暗いから逸れるなよ。俺が迷子になっても知らないからな」

ニン「うわ〜なさけない〜ふふふ♪」

シオン「………………………はちのほうがはぐれそう」

はちまん「うるせぇ、こっちは土地勘がないからしょうがないだろ」

ニン「じゃあ〜アホ毛くんは〜いまどこへいこうと〜してるの〜ふふふ♪」

シオン「………………………そっちなにもないよ」

はちまん「…お前らが先導してくれ」

ニン「どこが〜いい〜?ふふふ〜♪」

はちまん「ココアがあるとこ」

ニン「りょうか〜い〜ふふふ♪」

 

ニンが俺達の先を歩く

俺とシオンはそれについて行く

 

はちまん「シオンお前、俺から見えるところにいろよ?」

シオン「………………………なんで?」

はちまん「側にいるのに見失うくらい存在感がないからなお前」

シオン「………………………はちのちゅういぶそく」

はちまん「それにお前はいま黒い服着てて夜だと見えにくい」

シオン「………………………はちもくろい」

ニン「そうそう〜アホ毛くんも〜おつきみ山で〜ときどきみうしなったからね〜ふふふ♪」

はちまん「マジ?ずっと隣歩いてただろ?」

ニン「ほんと〜エリちゃんも〜いっかいみうしなってた〜ふふふ♪」

はちまん「うそ…そんなに存在感薄いの…俺」

シオン「………………………はち、はち」

はちまん「ん、何」

シオン「………………………いっしょ」

はちまん「そ、そうだな」

 

一緒だからなんだというのだろう

てかいまいる3人みんな存在感薄いやつばっかりだ

迷子になったら見つけてもらえないかも

 

ニン「あ〜そういえば〜わたしは〜そのふくきなくて〜いいの〜?ふふふ〜♪」

はちまん「お前は着る必要ないと思うが…」

ニン「でも〜わたしもいっしょに〜行ったほうが〜ふふふ♪」

はちまん「何でだ?」

ニン「わたしも〜おつきみ山で〜くろいひと〜みてるから〜ふふふ♪」

はちまん「おおそうか、お前の知ってる奴がいるかもな」

ニン「そういう〜こと〜ふふふ♪」

はちまん「わかった貸すわ」

ニン「え〜くれないの〜ふふふ♪」

はちまん「あげるわけないだろ」

ニン「でも〜シオンは〜あ〜そうか〜こうかん〜ふふふ♪」

はちまん「は?」

ニン「わたしも〜このドレスと〜こうかんする〜ふふふ♪」

 

そう言ってニンは自分の着ている灰色のドレスを広げる

 

はちまん「いや待て、俺は別にお前らのドレスが欲しい訳じゃなくて」

ニン「ダメ〜?ふふふ〜♪」

はちまん「………はぁ、わかった」

ニン「やった〜ふふふ♪」

 

嬉しそうにするニン

何でそんなにこの服欲しいの

その辺に売ってるだろ

 

ニン「シオン〜ふふふ♪」

シオン「………………………なに」

ニン「どやぁ〜ふふふふ♪」

シオン「………………………むか」

 

シオンにドヤ顔を食らわすニン

だから何で自慢するんだ

 

ニン「じゃあ〜帰ったら〜渡して〜ふふふ♪」

はちまん「おう」

 

それから俺達は無言で歩き続けた

しばらくすると見覚えのある道が

昨日人混みに巻き込まれながらも通った道だ

そしてこの方角は

 

はちまん「この先って確かデパートがなかったか?」

ニン「うん〜まだ開いてると思うから〜ふふふ♪」

 

まあ飲み物を買うだけだからそんなに時間はかからないか

だんだんと近づいていくデパートを見ていると、ふと思い出した

買い物と言えば

 

はちまん「あ、そういえばニン」

ニン「なに〜ふふふ♪」

はちまん「雪乃達っていまどこにいるかわかるか?」

ニン「ゆきのちゃんたち〜?それならもう〜このまちを出ちゃったよ〜ふふふ♪」

はちまん「え!?いつ頃だ?」

ニン「きょうの〜ひる〜ふふふ♪」

 

雪乃達はこの街にいないらしい

という事はもう4つ目のジムバッチを手に入れたのか

早いなーアイツら

俺なんかその頃グースカ寝てたよ

 

はちまん「どこに行ったかわかるか?」

ニン「シオンタウンから〜南に行って〜セキチクシティ〜ふふふ♪」

はちまん「てことはすれ違いか…」

シオン「………………………ねぇ、それっておじちゃんにたのんでたこ?」

はちまん「ああ」

ニン「どういうこと〜?ふふふ〜♪」

はちまん「それは…」

 

うーんどこまで話そうか

フジ老人に頼み事をした経緯を説明するにはまずカラカラの事を話さなければならない

ニンはカラカラの過去を少なからず知ってるから話した方がいいと思うが

でもここで話す事ではないな

 

はちまん「悪い、その辺はちょっとややこしくてな。帰ったら話すわ」

ニン「大事なこと〜?ふふふ〜♪」

はちまん「ああ、ここでは話せない事でな」

ニン「わかった〜でもかえってから〜ウキワさんたちに〜きかれても〜大丈夫なことなの〜?ふふふ〜♪」

はちまん「あ、それもそうだな…。どこか3人で落ち着ける場所を見つけたら話すわ」

ニン「ん〜わかった〜ふふふ♪」

 

そうこうするうちにデパートにたどり着いた

人もちらほらいる

昨日の事が嘘のようだ

俺達はデパートに入る

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#タマムシデパート『1階』

 

はちまん「どの階に何があるとかわかるのか?」

ニン「大体は〜ふふふ♪」

シオン「………………………にかいにしょっぷ」

はちまん「そこにココアがあるのか?」

ニン「うん〜そう〜ふふふ♪」

はちまん「じゃあ上がるか」

 

俺達は階段で2階に上がる

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#タマムシデパート『2階』

 

はちまん「ほーショップと言っても色々売ってんだな」

 

フレンドリィショップなどにある『キズぐすり』系統や『モンスターボール』系統のものはもちろん、技マシンも売ってある

お、『こおりなおし』に『げんきのかけら』

持ってない道具があった、買っておこうかな

技マシンは6つ

・ほえる

・はかいこうせん

・あなをほる(そういえば持ってる事忘れてた)

・かわらわり(言い難い)

・ひみつのちから

・メロメロ

『かわらわり』欲しい、2つぐらい欲しい

だってあれ使いやすい技だし

あ、技の説明しとこう

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

・ほえる

相手のポケモンを強制的に交代させる技

野生のポケモンの場合は戦闘を終了できる

『みがわり』などの効果を打ち消す

 

・はかいこうせん

威力の高いノーマルタイプの特殊攻撃

技の発動後は次のターンに動けなくなる

だがここが初代ポケモンの世界であるなら相手を倒せば普通に動ける

 

・かわらわり

かくとうタイプの技、威力はそこそこ

『リフレクター』や『ひかりのかべ』などの効果をなくす事が出来る

 

・ひみつのちから

技を出す場所によって追加効果が変わる技

草むら→ねむり

水の上→攻撃力を下げる

砂地→命中率を下げる

岩場/洞窟→怯ませる

雪/氷の上→こおり

その他建物などの場所→まひ

 

・メロメロ

異性の相手を『メロメロ』状態にする

♂なら♀

♀なら♂

『メロメロ』状態になると技が出しづらくなる

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

説明が足りないかもしれないがこのくらいかな

よし『かわらわり』買おう

例え相手が『リフレクター』などを使っていなくてもかくとうタイプの技というのは使いがってがいい

防御力の高い『いわ』や『はがね』タイプの弱点をつけるタイプだからな

特に『ノーマル』の弱点をつけるタイプなのは大きい

 

はちまん「だが先ずはココアだな」

シオン「………………………こっち」

 

俺はシオンについていく

そこには食べ物やら飲み物などがある

えーココア…ココア…マッカン…ココア…ココア…え?

 

マッカンだと!?

 

俺はコーヒーと一緒に並べてあるその黄色ボディを手に取り殺す勢いで凝視する

M…A…X…L…コーヒー

『MAXLコーヒー』

な、名前こそ違うパチモンだが含有成分は同じ

それにこの黒いギザギザは…

やった!見つけた!ギザうれしす〜☆

パチモンのマッカンだから『ぱちマッカン』って呼ぼう

俺も『はちまん』だし名前が似てて親近感がわく

よし買おうもうこれから出会えないかもしれない全部買おう

この店に残っている個数は…え?20?

う、嘘だろ…そんなに人気ないの?

まあいい俺が全部買って布教してやる

俺は買い物カゴを持って来て20個のぱちマッカンを入れる

おっと価格を見るのを忘れていた

『100円』

おお…何という親切…

ありがとう神様仏様エリカ様

 

はちまん「ふっふっふ、これを飲んだら俺はもう誰にも負けないぜ…。あ、そうだカラカラ達にも飲ませてやろうか。アイツら甘党だからきっと気に入ってくれるだろ」

ニン「アホ毛くん〜?そののみものな〜に〜ふふふ♪」

はちまん「おう、俺の大好きな飲み物だ」

シオン「………………………おいしいの?」

はちまん「うん、あと甘いの」

ニン「甘いもの〜わたしもほし〜ふふふ♪」

シオン「………………………かんみ」

はちまん「ま、こんだけ買うんだし一本くらいなら…ハッ!このタマムシに住めばいくらでも買えるじゃないか!」

 

確かポケモンジムにいるトレーナーに勝つとそのジムに応じた賞金が手に入ると聞いた事がある

つまり稼いだ金でこのぱちマッカンを買い占めることが下手すれば毎日できる

ヤバイ住もう

この街が俺の桃源郷だった

まあ雪乃との約束があるから移住はジムバッチを全部集めた後だな

 

シオン「………………………あ、ここあかわないと」

はちまん「あ、忘れてた」

 

危ない危ない

レインに頼まれたココアを忘れるところだった

あとウキワにもココアをやろう

 

はちまん「お前らはこのぱちマッカンでいいか?」

ニン「うん〜ふふふ♪」

シオン「………………………はちといっしょの」

 

ぱちマッカンとココア2つをカゴに入れて

ついでに『かわらわり』2つと『げんきのかけら』、『こおりなおし』を5つずつを買った

 

はちまん「お前ら、もうここに用は無いか?」

 

俺は買った物全てをバッグに入れてニンとシオンに問う

ほんと何でも入るなこのバッグ

 

ニン「アホ毛くん〜ふふふ♪」

はちまん「どうしたニン」

ニン「わたしも〜ぬいぐるみほし〜ふふふ♪」

 

そう言ってシオンの持っているゲンガーのぬいぐるみを見る

羨ましそうな眼差しで

こいつ普段はしっかりとして大人びているが

やっぱり年相応の女の子なんだな

 

はちまん「そんなにそのゲンガーのぬいぐるみ欲しいの?」

シオン「………………………あげないよ」

ニン「そうじゃなくて〜4階のぬいぐるみやさんで〜かってほしいな〜ふふふ♪」

はちまん「えー」

シオン「………………………にん、わたしはいっしょにねたからもらったんだよ?」

ニン「じゃあ〜わたしも〜いっしょにねる〜ふふふ♪」

はちまん「待たんかい。その理屈でいくと俺が一緒に寝てくれたお礼にぬいぐるみをやってるように思われるだろ。そのぬいぐるみをゲーセンで取ってやったのは俺のせいでシオンが遅刻したからその詫びだ」

シオン「………………………そうだっけ」

はちまん「そうだよ。それからニン、ぬいぐるみ買ってやるよ」

ニン「え〜ほんと〜!?ふふふ〜♪」

はちまん「ああ、そういえばオツキミ山で世話になった礼がまだだったしな」

ニン「ん〜まあそれでいいか〜ふふふ♪」

 

というわけで俺達は4階へ

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#タマムシデパート『4階』

 

ニン「わ〜!ふふふ〜♪」

シオン「………………………ぬいぐるみいっぱい」

 

ニンとシオンはぬいぐるみの山に目を輝かせている

ほーいろんなのがあるんだな

俺が元いた世界にあったグッズの種類よりも多いんじゃないか?

だってカブトプスの等身大のぬいぐるみなんか見た事ないし

流石ポケモンの世界

ってうえ!?

 

ジムリーダーエリカのぬいぐるみ!?

 

な、なんで人間のぬいぐるみが!?

それだけこの街で人気という事なのか!?

流石に等身大ではなく所謂『ちびキャラ』な見た目

買おっかな可愛いし

『1600円』

よし買おう、明日の交渉に使えるかもしれないし

というかこんなもん誰だって買うだろ

他のジムリーダーのぬいぐるみはないのか?

あ、あった…けど女性だけだ

エリカにカスミに

あと赤い目に黒い髪

ヤマブキシティのジムリーダー『ナツメ』もある

えっネコミミ衣装のもあるんだけど

カスミは人魚衣装もあった

しばらく悩んだ結果

 

3人のノーマルタイプと

ナツメはネコミミ

カスミは人魚

エリカは白いワンピース姿

 

これらを買う事にしてカゴに入れた

これ元の世界まで持って帰れないかな

すげークオリティ高くて可愛いんだけど

 

ニン「あ、アホ毛くん〜それって〜」ひきっ

 

俺がぬいぐるみを持ってニンとシオンのいるところに行くと

ニンに引かれた

 

はちまん「待てこれはしょうがない。誰だってこんなの見たら買うだろ」

シオン「………………………むー、わたしがいない」

はちまん「いやいるわけ無いだろ。で、ニン決まったのか?」

ニン「うん〜このゴローニャ〜ふふふ♪」

 

ニンは俺に丸っこいゴローニャのぬいぐるみを差し出してくる

 

はちまん「わかったそれでいいんだな。シオンは?」

シオン「………………………わたしはこれでいい」ぎゅ

 

ゲンガーのぬいぐるみを抱きしめるシオン

あ、持って入ってよかったの?ソレ

 

はちまん「じゃあ買ってくるわ」

 

俺は会計を済ませて

ゴローニャのぬいぐるみ以外をバッグに入れた

そしてぬいぐるみをニンに渡す

 

はちまん「ほれ」

ニン「アホ毛くん〜ありがと〜ふふふ♪」ぎゅ

 

ぬいぐるみを抱きしめるニン

嬉しそうだ

 

はちまん「じゃ、そろそろ帰るか」

ニン「うん〜ふふふ♪」

シオン「………………………うん」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#タマムシシティ

 

俺達は満足した買い物を済ませて帰路へつく

外はもう真っ暗

だがお月様は変わらず俺達を照らしてくれている

 

ニン「月〜♪」ぴょんぴょん

 

月を見て何故かはしゃぐニン

月が好きなのかな

俺達は月明かりを頼りに夜の街を歩く

珍しくはしゃぐニンを見ながら俺は考えていた

 

はちまん「今日どこで寝よう」

シオン「………………………ほんぶでねれば?」

はちまん「アホか、ウキワとかお前らがいるだろ」

シオン「………………………でもいっしょにねるからおなじ」

はちまん「え?お前と一緒に寝るのは決定事項なの?」

シオン「………………………あたりまえ」

 

あ、当たり前だったのか知らなかった

 

ニン「わたしも〜アホ毛くんとねる〜ふふふ♪」きゃっきゃっ

 

ニンが凄い笑顔でとんでもない事を言い出す

というかはしゃぎ過ぎじゃない?

飛び跳ねてるから色々危ない

何が、とは言わないが

 

はちまん「あのな、俺はお前らの枕じゃないんだが」

シオン「………………………でも」

はちまん「ん?」

シオン「………………………はちがいないとさみしい」しゅん

 

グハッ

 

ニン「わたしは〜アホ毛くんとねたいな〜ふふふ♪」きゃっきゃっ

 

グハッ

 

しょんぼりしたシオンと普段ではありえない満面の笑みのニン

くそっ!こんなもんどうせぇっちゅうんじゃい!

言う事聞くしかないやろ!コンチクショー!

覚悟決めろ八幡!

 

はちまん「わかったわかりましたよ。でもあの本部は駄目だ。ウキワやレインのいるところで寝れる訳ない」

シオン「………………………だいじょうぶ」

はちまん「え?大丈夫って?」

ニン「あのマンションには〜あのほんぶいがい〜まだへやが〜あるから〜ふふふ♪」くるくる

 

今度はキレイに回りながら歩くニン

ドレスのスカートが舞い上がっている

だから危ないって!

 

はちまん「部屋を借りてもいいのか?」

ニン「うん〜いっぱいへや〜あるから〜ふふふ♪」くるくる

シオン「………………………しんぱいしないで」

はちまん「まあ未だにこの街の地理に詳しくないから、ポケモンセンターがどこあるかわからないし、ご厚意に甘えるかな」

シオン「………………………あまあま」

ニン「あま〜あま〜ふふふ♪」けんけん

 

2人とも『あまあま』言いながら歩く

ニンさん今度はけんけんですか忙しいですね

まあそれならスカートの心配はいらないからいいな

本部に帰るまでニンのご機嫌と2人の『あまあま』は続いた

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#カントーガールズ本部

 

ニン「ただいま〜ふふふ♪」

シオン「………………………ただいま」

はちまん「うーす」

 

俺達はカントーガールズの本部に戻ってきた

ニンのご機嫌な行動はマンションに入ると静まった

やっぱり月が好きなのか

 

レイン「おっかえりー!」

 

レインが元気に出迎えてくれた

部屋には服が散乱している

恐らくウキワの着せ替えでこうなったのだろう

うわぁ…頼んだ俺が言うのも何だけど…うわぁ

レインさん本気出し過ぎ

ん?着せ替えされたはずのウキワは?

部屋の中には見当たらな…いやレインの後ろにいた

俺達から身体を隠すようにレインの陰に隠れている

 

はちまん「ウキワ、何してんの」

ウキワ「うるさい、出てけ」

はちまん「あいよ」

 

俺は言われた通りに外に出る

歳頃の女の子は気難しいからあまり逆らったらめんどくさくなる

いやー気遣いの出来る男はやる事が違うぜ

だがレインに呼び止められた

 

レイン「待って待ってー!ココア!ココア!」

はちまん「あ、そうだった」

 

俺はバッグからココアを2つ取り出し

部屋の真ん中にあるテーブルに置く

 

はちまん「ほれ」

レイン「わーい!」

ウキワ「あ!」

 

レインがテーブルのココアに飛びつく

結果レインの後ろに隠れていたウキワの姿が露わになる

上は俺と同じ黒いパーカーを少しぶかぶかに着ている

下は黒いスパッツを履いていた

スタイルいいなコイツ

 

ウキワ「レ、レインさん!」///

レイン「んー?ああ、ごめんごめん!でもどうせ見られるんだからいいでしよー!」

ウキワ「そ、そう言う問題じゃ…」///

 

はちまん「ほれ、お前らぱちマッカンだ」

ニン「わ〜い〜ふふふ♪」

シオン「………………………わーい」

 

俺はニンとシオンにさっき買ったぱちマッカンを渡す

コイツら気に入ってくれるかなー

 

ウキワ「て、ちょっとはちまん!」

はちまん「ん?ああ悪い悪い、今部屋から出るわ」

ウキワ「もう意味ないわよ!」

はちまん「そうなの?俺、ここにいていいの?」

シオン「………………………はち、いっしょにのも?」

ニン「ほらほら〜こっち〜ふふふ♪」

はちまん「おう」

 

ニンに手を引かれてソファーに座る

俺を挟んでニンとシオンが座る

さて、いよいよ飲んでみるか

バッグからもう1本ぱちマッカンを取り出しプルトップを開ける

 

はちまん「いただきます」ぐび

ニン「いただきます〜ふふふ♪」ぐび

シオン「………………………いただきます」ぐび

 

おおおおお!これだ!これこれ!

全身に染み渡る甘み

くうー!

やっと、この世界に来てやっと飲めたこの甘さ

最高だ!

 

シオン「………………………あまあま、おいしい」

ニン「あっま〜い!あまあま〜!ふふふ〜♪」

 

どうやら2人にも好評らしい

よかった、ほんとによかった

この味をわかってくれる人がこの世界にもいて

泣きそう

 

はちまん「ふー、ご馳走さま」

 

あっという間に飲み終わってしまった

まだまだぱちマッカンはあるが

ポケモン達にとっておこう

ニンとシオンはまだ飲んでいる

 

レイン「ココアー!」ごくごく

 

俺達の向かいにあるソファーに座っているレインはココアを凄い勢いで飲んで…はいはいもう飲み終わっているんですよねわかってました

さてウキワはと言うと

レインの隣に座っているがココアは飲んでいない

あれ?嫌いだった?

 

はちまん「ウキワ」

ウキワ「な、何よ…」///ちらちら

 

俺が話しかけると顔をマッカンに…真っ赤にしてこちらをちらちら見てくる

歳頃の女の子は(省略)

気にしない事にしよう

 

はちまん「ココア、飲まないのか?」

ウキワ「え?あ、飲むわよ…。ありがと」

はちまん「どういたしまして」

ウキワ「……」ちびちび

 

お礼を言ってココアをちびちび飲む

だがその間も器用にこちらをちらちら見てくる

歳頃の女の子は(省略)

気にしない気にしない

あ、そういえば部屋を借りないとな

 

はちまん「ウキワ」

ウキワ「…!な、なに?」///

はちまん「ニンやシオンに聞いたが、このマンション俺が寝泊まりできる部屋があるのか?」

ウキワ「え?あ、あるけど…」

はちまん「じゃあ使っていいか?」

ウキワ「い、いいわよ」

はちまん「サンキュ」

ウキワ「……」

 

よし家主の許可も取れたし早速…ってそういえば昼まで寝てたんだった

全然眠くない

しょうがないからしばらくここにいよう

でも何してよう

するとレインに話しかけられた

 

レイン「ねーねー!はちまん君!」

はちまん「なんだ?」

レイン「ウキワ、ウキワ!」

はちまん「ん?ウキワがどうした…ってどうした?」

 

レインに言われウキワの方を見ると真っ赤なふくれっ面で睨んでいる

え、何で怖い

ココアに塩でも入ってた?

 

ウキワ「……」むす

 

うーん

塩は関係なさそうだな

じゃあ何だ、味噌か?味噌が入ってた?

味噌ココア

名前の響きはいいが想像したくない

てか味噌も違っぽい

お手上げ、レインに聞こう

 

はちまん「レイン、どう言う事?」

レイン「わからないの?」

はちまん「え、やっぱり味噌が入ってた?」

レイン「へ?味噌?」

 

同じココアを飲んだレインの反応から味噌は選択肢から除外だ

 

レイン「そうじゃなくて!服!服!」

はちまん「ん?服が変わったのは知ってるぞ?」

レイン「だーかーらー!その服の感想だよ!」

はちまん「あ、なるほど」

 

女子って着ている服の感想を聞きたがるもんな

でもしっかりとした感想を伝えないと怒られる

やっぱり歳頃の女の子は(省略)

と言うわけで

感想を言うためにもウキワの服装をキチンとよく見る事にする

 

はちまん「…」じー

ウキワ「な、何よ…」///

 

上は先程も言った通り黒いパーカー

少し大きくウキワの小さな手がパーカーの袖で見え隠れする

 

はちまん「……」じーー

ウキワ「よ、用があるなら早く言ってよ」///

 

下は黒のスパッツを履いているだけ

確かにこれなら大丈夫だろう

何がとは言わないが

だが脚にぴったりと張り付くスパッツはウキワの太ももを強調する

 

はちまん「………」じーーー

ウキワ「は、はちまん…?」

 

しかも黒色だからウキワの色白の肌が眩しく見える

それにドレスではなくなったためウキワの足が露わになり

細くてキレイな足が新鮮味を帯びている

 

はちまん「…………」じーーーー

ウキワ「うぅ…。はち、まん…」///

 

はっきり言って凄い魅力的だ

告白して、振られて、告白して、振られるレベル

2回も告白しちゃうのかよ

てかどっちも振られちゃうのかよ

ふむ、嘘をつく必要もない正直に言おう

 

はちまん「ウキワ」

ウキワ「は、はい…」///

 

あれ?何で敬語?

いや、いまは感想を伝えるのが先だ

 

はちまん「お前の今着ている服」

ウキワ「う、うん…」///

はちまん「そしてそれを着ているお前」

ウキワ「う、うん!」///

はちまん「正直言って…」

ウキワ「!」///どきどき

 

 

はちまん「スパッツ履いてる方が、エロくね?」

 

 

 

 

その後、八幡を見た者はいない

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

87話 お兄さんと技マシン

#タマムシシティとあるマンションの一室

 

はちまん「ハッ!」

 

俺は眼を覚ます

ここはどこだ

周りを見渡すと広い部屋のようだ

見覚えはない

 

はちまん「まさか…また…?」

 

また異世界に飛ばされたのだろうか

飛ばされた異世界から別の異世界に飛ばされるとか

2段ジャンプじゃないんだから

そんなのスマ○ラの復帰する時ぐらいにしか使わないよ

だから俺を元の世界に復帰させてくれ

 

はちまん「ん、ニン…とシオン」

ニン「zzz〜」

シオン「zzz」

 

俺にしがみつくように寝ている2人の女の子

灰色の女の子 ニン

紫色の女の子 シオン

2人とも俺があげたぬいぐるみを抱いている

コイツらがいるってことはどうやらポケモンの世界にいるらしい

 

はちまん「あ、ウキワか」

 

そーだそーだ

服装の感想を言ったらブン殴られたんだった

で、俺は気絶したと

ニンとシオンが一緒に寝ていると言う事は気絶した俺をマンションの部屋に運んでくれたって事か

へー

マンションにある部屋にしては広いな

天井も高いし

 

はちまん「いま何時だろ」

 

部屋の窓に近づく

ニン達がしがみついていて動きにくかった

窓から外を見ると真っ暗だった

月が出ている、夜中だ

 

はちまん「まさか…また…?」

 

俺がウキワに気絶させられた時は夜中

そして今も夜中

まさか一日中寝ていた…?

そんな事ないと思いたいがあるんだよなーこれが

 

でもいまはロケット団の居場所を突き止めると言う大事な時期で

俺とウキワは朝方にエリカの所へ協力してくれるよう交渉をしに行く予定だった

ウキワ1人ですでに交渉をした後、という可能性もあるが

あ、それなら俺が楽できていいな

 

だが俺にはまだ仕事がある

ウキワを昼頃にタマムシシティのゲームセンターへ連れて行き

そこで俺が見つけたロケット団員の確認をしてもらう案内をしなくてはならない

別に俺が案内しなくてもシオンもその団員を見ているからシオンがやればいいんだけどね

あれ?よく考えたら俺何もしなくてもいいんじゃね?

 

だがしかしまだ仕事がある

ロケット団の居場所を突き止め、戦闘になった場合戦わなくてはならない

その時の戦力に俺も加えられている

脅してまで俺を戦わせようとしたので俺を寝かせたままというのは考えにくい

という事はウキワに気絶させられたが朝は迎えていない

寝過ごしていない

よかった

いや、よかったのか?

寝たままなら仕事をしなくて済むのでは?

 

だがそうもいかない

ロケット団と戦うための戦力は俺を入れてたったの5人

少ない、1人がサボると厳しい戦力だ

 

その戦力増強のためにエリカと交渉する訳だが

エリカにはこの街にいる強いトレーナー、協力してくれるトレーナーを紹介してくれるだけでいい

この街のジムリーダーなら知っているだろう

理由は、俺がロケット団員を見つけた時から懸念している『罠』という可能性

俺はロケット団員どころかロケット団のボスにまで顔が割れている

カントーガールズと関わりを持っている俺を使い

この街の戦力をゲームセンターに集中させ

その隙に街を占領してしまうかもしれない

なのでエリカにはこの街を監視して

ロケット団の動きを警戒してもらいたい

考え過ぎかもしれないが念のためにな

 

戦力の話しに戻そう

俺が戦力に数えられている、が

正直なところ足手まといになるのが目に見えている

相手がどれだけ強いのかはわからない…いやロケット団とは戦った事があるからある程度はわかるがそれでもほんの一部だけだ

ロケット団は数が多い

その中には強いやつが沢山いるだろう

まあつまるところ、俺が行った所で大した戦力にはならない

でも行くからにはカラカラ達のトレーナーとしてしっかりしなくてはいけない

 

はちまん「先ずはカラカラ達の強さの確認だな」

 

近くに置いてある俺のバッグを漁りポケモン図鑑を取り出す

俺はポケモン図鑑を開いてカラカラ達のステータスを見る

 

[カラカラ]

レベル 29

 

持ち物 ふといほね

 

<覚えている技>

・アイアンヘッド

・ほねブーメラン

・きあいだめ

・にらみつける

 

[ゴルバット]

レベル 25

 

<覚えている技>

・かみつく

・つばさでうつ

・あやしいひかり

・すいとる

 

[ロコン]

レベル 23

 

<覚えている技>

・ひのこ

・だましうち

・ほのおのうず

・おにび

 

[カビゴン]

レベル 30

 

持ち物 カゴのみ

 

<覚えている技>

・のしかかり

・なしくずし

・あくび

・ねむる

 

 

ジムバッチを3つ持っているわりにはレベルが低い

相変わらず『みず』タイプや『エスパー』タイプに弱い

一応『すいとる』や『だましうち』で対策はしているが火力が低い

…むしタイプのポケモンを捕まえればタイプ相性的に何とかなるが、俺の相性的に難しいというか虫嫌

これは技の威力の底上げにもレベル上げをしなくてはいけない

 

だがそんな時間はあるのか?

カントーガールズのリーダーコブキさんがヤマブキシティからタマムシシティまで戻って来るのが最低1日、明日の昼には戻る計算

その時にウキワとゲーセンに行こうと思っているが

ロケット団の居場所、関わりのある場所だと確定した場合

そのままロケット団との戦闘になるかもしれない

 

そう考えるとレベル上げができる時間は今と明日の朝

だが朝にはエリカの元へ交渉に行く

つまり今この時しか強くなる時間はない

すげえ鬼畜仕様

 

はちまん「今から草むらに行ってレベル上げをするのも…。じゃあ今簡単に戦力を上げる方法は…」

 

技マシンを使うしかない

今持っている技マシンは

・みずのはどう

・あなをほる

・かわらわり 2

・でんげきは

・がんせきふうじ

 

秘伝マシン

・いあいぎり

 

ジムリーダー達に貰ったの技マシン

ハナダの民家のおじさんに貰った『あなをほる』

船長から貰った『いあいぎり』

デパートで買った『かわらわり』2つ

数は少ないがタイプの種類は被っていない

それとカビゴンを捕まえた時に説明したが、カビゴンは覚えられる技が多い

いま持っている技マシンも『いあいぎり』以外は全て覚えられるだろう

だがこれらの技マシンを使うには大問題がある

 

はちまん「使い方がわからない」

 

ニビジムでタケシから技マシンを初めて貰った時にタケシが使い方を教えてくれそうだったが

ジムリーダーのくせに何故かど忘れしていて、代わりにその説明をニンに任せていたが

なんやかんやあって結局使い方を誰にも教えてもらっていない

ゲームではボタン1つで簡単に出来たがこの現実となった世界でそれが通用するとは思えない

というかこのCD見たいなのでどうやって覚えられるんだ?

頭に乗せればいいのか?

やってみたらわかると思うが何が起こるかわからない

下手に試すものではない

やはり誰かに教えてもらった方が安全だ

 

コンコン

 

その時、都合良く誰かが部屋のドアをノックした

ウキワかな

予想通りウキワがドアを開け、顔を見せる

緑色の女の子 ウキワ

服装はさっきの黒いパーカー姿だ

 

ウキワ「はちまん、起きてる?」

はちまん「おう」

ウキワ「あ、もしかして起こした?」

はちまん「いや」

ウキワ「そ」

 

ウキワは寝ているニンとシオンを見る

ドアの隙間から手招きする

話しがあるのだろう

俺はニンとシオンを起こさないように部屋から出る

 

はちまん「っと、その前に」

 

俺はバッグから黒いパーカーを取り出して寝ているニンの近くに置く

そしてバッグを持ったまま部屋を出る

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#タマムシシティとあるマンション『廊下』

 

ウキワ「ごめんね、夜遅くに」

はちまん「いや、俺も聞きたい事があるから大丈夫だ」

ウキワ「私に?なに?」

はちまん「いや、後でいい。それより話しがあるんだろ」

ウキワ「ええ、ちょっと歩くけどついて来て」

はちまん「ここじゃ話せないのか?」

ウキワ「そういうわけでもないんだけどね。本部の方で話したいの」

はちまん「え、でもいまあそこ散らかってるんじゃ」

ウキワ「…服はもう片付けたわよ」

 

服の話しをするとウキワはちょっとピリッとした

まだ照れているのだろうか

 

ウキワ「貴方のセクハラ発言にイラついてるだけよ」

 

あ、やっぱりセクハラになるのか

まあ女の子の面前であの発言は自分でもどうかと思うが

 

ウキワ「じゃあ何で言ったの」

はちまん「知らん、その時の俺に聞いてくれ」

ウキワ「何それ」

 

ウキワはそこまで言うと歩き出す

階段を下りる

 

はちまん「ん?屋上じゃなかったのか?」

ウキワ「1回外に出ないと行けないのよ」

はちまん「めんど」

ウキワ「我慢して」

 

ウキワについて行く

マンションの正門から出て

ぐるっと回って

マンションの裏口から屋上へ繋がる階段を上がる

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#カントーガールズ本部

 

ウキワ「適当に座って」

はちまん「おう」

 

俺はソファーに腰掛ける

ウキワはその向かいに座る

ウキワの言う通り部屋は片付けられている

あれ

 

はちまん「レインは?」

ウキワ「レインさんは別の場所で寝ているわ」

はちまん「ほー。どうでもいいんだが、何でお前らレインをさん付けで呼んでるんだ?年上なのか?」

ウキワ「ええ、私や貴方より5つ年上よ」

はちまん「15か」

 

確かにレインは俺たちより背が高いし

顔つきも少し大人っぽかったけど

言動でそうは思えないだよな

あと15って言うと中学生くらいだから小町と同じくらいの年ってのもあるんだろう

まあそれは置いとこう

 

はちまん「で、話しって?」

ウキワ「明日の事で2つほど」

 

ウキワ「まず、エリカ様に協力してもらうための交渉はどうするの?」

はちまん「そこは出たとこ勝負だ。というか交渉のほとんどはお前に任せる。俺はエリカの性格を知らないからな。てかやっぱり俺行かなくてもよくね?」

ウキワ「駄目、貴方が発案者なんだし来なさい」

はちまん「レインを連れて行けば?アイツこの街のやつなんだろ?」

ウキワ「貴方、よく考えてみて」

はちまん「あー性格的なアレか。でも大丈夫だと思うがな」

ウキワ「呼び捨てのわりにはレインさんの評価高いのね」

はちまん「怒った顔すげー怖かったから」

ウキワ「ふふっ、そうね。でもレインさんはここに残ってコブキさんの帰りを待っておいて欲しいの」

はちまん「あ、なるほど。それならしょうがないか」

 

 

ウキワ「次、あのゲームセンターがロケット団と関係があったとしたらどうするの?」

はちまん「知るか、俺に聞くな。コブキさんに聞け」

ウキワ「それなら質問を変えるわ。リーダーはどうすると思う?」

はちまん「それこそ知らんわ、俺はコブキさんじゃない」

ウキワ「それでも貴方の意見を聞かせて」

はちまん「……コブキさんがどうこうはわからんから何も言えんが、俺的には放って置いていいと思ってる」

ウキワ「…ロケット団のアジトだとしても?」

はちまん「アジトなら尚更ほっといた方がいいだろ。もしロケット団が動き出した時、真っ先に叩ける場所を残した方が後々楽だろ」

ウキワ「動き出す前に叩くというのは?」

はちまん「叩いても何も出ないと思うがな」

ウキワ「何も出ない?アジトだとしても?」

はちまん「じゃあお前は何が出ると思う」

ウキワ「…………ボス」

はちまん「出ると思うか?」

ウキワ「…いえ」

はちまん「だろ?アジトを叩いたぐらいでそう簡単に出るとは思えん」

ウキワ「でも、出ないと決まったわけじゃ…」

 

はちまん「出たとしても俺やお前らチームの実力じゃ手も足も出ないだろ」

 

ウキワ「…!」

はちまん「トキワにサカキがいた事は知ってるんだよな」

ウキワ「…ええ」

はちまん「じゃあ見た事あるんじゃないか、サカキを」

ウキワ「…私がチームに入ってすぐにサカキの写真を見せられて。それで貴方がトキワの森から出て行った次の日に偶然サカキを見つけて…」

はちまん「どうだった?」

ウキワ「………」

はちまん「勝てると思ったか?」

ウキワ「……私ではとても…あと正直…他のメンバーも……リーダーでも…」

はちまん「そうだよな、あの人怖いもんな」

 

俺も何回ビビらされた事か

というか1回怪我させられてるし

 

はちまん「ま、さっき放って置いた方が楽だとか言ったがな。もう一つ危ないってのもある。サカキが出なくても強いやつはいるだろうし、蜂の巣を殴るようなもんだ。ひぃ!」

ウキワ「…何で自分の喩えで怯えてるの…」

はちまん「い、いや想像してしまった」

 

俺の頭の中に蜂の大群がブワワワー!って向かってくるビジョンが浮かんだ

ひーゾワッとする

 

はちまん「ま、まあこれは俺の意見だからコブキさんがどうするか知らないし、お前も例え勝てないと思っててもコブキさんに言われたら戦うんだろ?」

ウキワ「…当たり前よ、チームなんだし」

はちまん「まあ俺はお前らチームが危なくなったらコブキさんに何言われようがお前らに何言われようが、お前とニンとシオン担いで逃げるがな」

ウキワ「は?」

はちまん「理由は知らん、1秒前の俺に聞け」

ウキワ「…何言ってるのかわからないけど、私は逃げない」

はちまん「そうかい。ま、危険にならないように祈っとくわ」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん「お前の話しは終わりか?」

ウキワ「ええ、貴方の話し聞くわよ」

はちまん「いや、話しと言うほどでもない」

 

俺は持ってきたバッグから技マシンを取り出す

 

はちまん「コイツの使い方を知りたいんだが」

ウキワ「え…?あ、貴方ジムバッチを持っているのよね?何で技マシンの使い方知らないの?」

はちまん「誰にも使い方を聞く機会がなかったから」

ウキワ「と言う事は『アレ』も持ってないの?」

はちまん「アレ?」

ウキワ「ちょっと待ってて、確か余ってるのがあったと思うから」

 

そう言ってウキワは部屋を出る

技マシンを使うには何か必要なのか?

しばらく待っていると戻って来た

小さいテレビを持っている

 

 

ウキワ「お待たせ、これが『おしえテレビ』よ」

 

 

……………

………………

…………………

ツ、ツッコんじゃダメだよな…これ…

俺の知っている使い方と違うが…

 

はちまん「そ、それが技マシンを使うために必要なのか?」

ウキワ「ええ、ここにそのCDを入れるところがあるでしょ?」

はちまん「た、確かにあるが…え?マジで?」

ウキワ「使って見せましょうか?」

はちまん「お、おう。じゃあ…えっとカラカラ!」

 

ポンッ!

 

カラカラ「カラ!」

 

技を教えるためにカラカラをボールから出す

久しぶりの出番だ

俺はバッグから『かわらわり』の技マシンを取り出し、ウキワに渡す

 

はちまん「じ、じゃあこれをカラカラに…」

ウキワ「わかったわ。カラカラ、テレビの前に来て」

カラカラ「カ、カラ…」

 

ウキワの言う通りに戸惑いながらもテレビの前に行くカラカラ

な、何が始まるんだ

テレビに技マシンを入れるウキワ

 

ウキワ「さ、しっかり見てて」

はちまん「お、おう」

カラカラ「カ、カラ」

 

ウキワがテレビの電源を入れ

画面が表示される

そこには…

 

————————

 

ててててててててて、てててててん

てんてんててーて、ててんててんてて

 

お兄さん[よいこの みんなー こーんにー ちわー]

 

お兄さん[おやー げんきが ないぞー ?]

 

お兄さん[あー そうかー]

 

お兄さん[よいこ じゃなくて ポケモン だったかー]

 

お兄さん[はははは はは]

 

お兄さん[では こんかいは からわわり ……]

 

お兄さん[ではなく かわらわり について おしえよう]

 

お兄さん[はははは いい にくいねー]

 

お兄さん[このわざは かくとうの わざだ]

 

お兄さん[いまから おてほんを みせるから]

 

お兄さん[ポケモンは きちんと みてるんだ ぞー]

 

お兄さん[ではこの かわらを ]

 

お兄さん[おにいさん が わって みせるから ねー]

 

お兄さん[いくよー それー]

 

バキッ!

 

ピーーーー

 

 

——————————

 

はちまん「…………………」

 

お兄さん、手、大丈夫かな…

 

ていうかこれで終わり!?

瓦割れてなかったけど!?

 

ビビビッ…はっ!パカッ

 

ポケモン図鑑から公害が鳴り出した瞬間

条件反射でポケモン図鑑を開く

無意識に開いたけど、まさか…

 

[カラカラ]

 

<覚えている技>

・アイアンヘッド

・ホネブーメラン

・きあいだめ

・にらみつける

 

NEW かわらわり

 

ポケモン図鑑に表示されているものを見た後

信じられないものを見るように恐る恐るカラカラの方を見る

 

カラカラ「カ、カラ〜」キラキラ

 

キラキラした目でお兄さんのいなくなったテレビを見ている

アレで覚えられたのか…お前…

てかそのキラキラした目、なに

俺そんな目向けられた事ないんだけど

……ちっ

まあいい、とりあえず何か技を忘れさせよ

俺は悩んだ後、にらみつけるを忘れさせた

 

[カラカラ]

 

<覚えている技>

・アイアンヘッド

・ホネブーメラン

・きあいだめ

・かわらわり

 

俺は技を確認した後、ポケモン図鑑をしまう

というか技マシン使うたびにこれ見るの?

……くそ

とりあえずウキワにお礼を言おう

 

はちまん「ウキワ、ありがとな」

ウキワ「いえ、別にいいのよ。でも貴方機嫌悪くない?」

はちまん「いや、別に…」

ウキワ「ま、いいけど。このテレビ余ってるから貴方にあげるわ」

はちまん「……正直いらない」むす

ウキワ「え?でもこれがないと技マシンが使えないのよ?」

はちまん「……わかった、貰らっとく」

ウキワ「え、ええ、ほら」

 

俺はウキワから『おしえテレビ』を受け取る

そしてバッグに入れ、背負う

俺はカラカラを抱き上げ、立ち上がる

 

はちまん「ウキワ、話す事はもうないか?」

ウキワ「いえ、あるけど明日でいいわ」

はちまん「わかった、お休み。また明日な」

ウキワ「お休み」

 

カラカラを抱き上げたまま部屋を出る

そんな俺をカラカラは不思議そうに見上げる

 

 

 

 

………部屋でカラカラとぱちマッカン飲も

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

88話 エリカと夫婦

#タマムシシティタマムシジム前

 

はちまん「ここがタマムシジム…花の香りがする」

カラカラ「カラ〜♪」

ゴルバット「zzz」

ロコン「♪」

 

ポケモン世界18日目

昨日の晩、カラカラ、ゴルバット、ロコン、カビゴンと小さな宴会を開いた

部屋が広かったのでカビゴンもボールから出すことができた

すぐそばでニンとシオンが寝ていたのでそんなに長くはできなかったが、宴会の飲み物『ぱちマッカン』は好評だった

この調子だと20本あったぱちマッカンはすぐに無くなってしまうだろう、残機13

そして今日

朝早くにエリカの協力を仰ぐためウキワとタマムシジムに交渉に来た

ウキワは昨日の夜と同じ黒いパーカーを着ている

ニンとシオン、レインもついてこようとしていたが

ニンは着替えがあるし、リーダーのコブキさんを本部で待つ人がいないといけないから置いてきた

ジムの見た目は今まで見てきたジムと比べると凄く小さい

トキワジムが体育館ぐらいの大きさだったのに対して

このジムはその半分くらいしかない

これでは他のジムのように沢山のトレーナーを入れる事が出来ないのではなかろうか

 

はちまん「なあ、何でこんなにこのジムは小さいんだ?」

ウキワ「エリカ様は目立ったり騒がしいのが嫌いな人でね、中に入れるトレーナーも制限されているの」

はちまん「ほー、気が合いそうだな」

 

俺もそう言う賑やかなのは嫌いだ

まあ俺の場合目立つ事はないが…

 

はちまん「ん?目立つのが嫌いなら何でレインのライブにゲストとして出ていたんだ?」

ウキワ「あれはエリカ様のご好意でね。みんなを笑顔にしようとするレインさんの手伝いをしたいって」

 

おお、立派な人なんだな

自分の嫌いな事でも人のために頑張る

俺には到底できない事だ

今の俺と同い年くらいなはずなのにな

 

はちまん「それでエリカはここにいるのか?」

ウキワ「いいえ、この時間帯ならこの近くにある別の建物にいるはずよ」

はちまん「何してるんだ?」

ウキワ「寝てる」

はちまん「……ますます気が合いそうだな」

 

朝早いからなー

眠いのは仕方ない

 

ウキワ「こっちよ、ついてきて」

 

エリカの元まで案内してくれるウキワについていくと、ジムから少し歩いた所にさらに小さな木造の建物があった

周りが木々に囲まれていて

花が沢山咲いている

丁度西日が当たる場所に建てられているらしい

建物の窓に日の光が当たり、部屋の中に射し込む

 

はちまん「ほー、寝るにはうってつけの場所って感じだな」

ウキワ「…寝ちゃダメよ?」

はちまん「…ね、寝るわけないだろ」

ウキワ「信用できると思う?」

 

寝ないよ何言ってんの

さっき起きたばかりだってのに失礼しちゃう

確かにいま俺の背中で寝ているゴルバットが羨ましいとは思ってるけど

 

ウキワ「…貴方、今日が大事な日だってわかってる?」

はちまん「わかってるよ。ついでに言えば昨日も大事な日だった」

ウキワ「貴方が大事な日とか関係なく寝てしまう人だと言うのはわかったわ」

 

そんな事ない

総武高校の入学式にはちゃんと早起きしたし

まあ、犬と車にサンドイッチされちゃったけどね

でもいまそれは置いといて

 

はちまん「エリカは本当にここにいるのか?」

ウキワ「ええ、きっとね」

 

ウキワは建物の入り口に立つ

ドアも木造で木目が入っている

 

ウキワ「エリカ様ー、ウキワですー」

 

ウキワはドアに向かって声をかける

しかし、いくら待っても中からは何も聞こえない

これはアレか?フリか?

マサキの家でやったアレをやればいいのか?

ドアをぶっ飛ばしてエリカの頭にぶつければいいのか?

 

ウキワ「エリカ様ー、入りますよー」

 

俺の葛藤も知らずウキワはドアを開け入って行く

あ、鍵かかってない

俺は女の子がいる場所に入る気にもならず、外で待つ

背中からゴルバットの寝息を感じながら待っているとウキワが出てきた

 

ウキワ「何してるの?早く入りなさい」

はちまん「エリカは寝てるんだろ?入らない方がいいだろ」

ウキワ「いいから、エリカ様は寝起きの時は余り動かないの」

はちまん「えーめんどくさー」

ウキワ「エリカ様もそう言ってるわ」

はちまん「マジかよ」

 

俺は仕方なしに中に入る

そこは畳の敷かれた部屋で

お茶の香りと花の香りが入り混じった匂いが部屋に充満している

小物も余り無く

必要最低限の物しか置かれていない

ちゃぶ台に座布団

そして敷布団にお目当ての人物

短い黒髪に整った顔立ち

エリカが寝巻き姿で上体を起こし座っていた

寝起きで頭がはっきりしていないのか虚空を見つめている

 

ウキワ「エリカ様ー、お客様をお連れしましたー」

はちまん「いや、お前もお客様だろ」

エリカ「ウキワ様、わたくしは眠たいのであと1時間程経ちましたら起こしてくださいませ、ではおやすみなさい」

 

そう言ってねっ転がるエリカ

 

はちまん「あ、ズルい」

ウキワ「ちょっとエリカ様、大事な用事があるので起きてください。あとはちまん、貴方は寝たら駄目よ」

エリカ「えー」

はちまん「えー」

ウキワ「サンドパン」

 

ポンッ!

 

サンドパン「…」

 

ウキワはサンドパンをボールから出した

え、何する気

 

ウキワ「サンドパン、この2人が寝たら容赦なく切り裂いて」

サンドパン「…」シャキーン

はちまん「ひい!」

 

ウキワの指示を聞き

俺に長い爪を突き立てるサンドパン

こ、怖えー

というかエリカも切り裂くの?

 

エリカ「あら、ウキワ様。それは少し乱暴なのでは…」

ウキワ「寝なければいい話しです」

エリカ「相変わらず手厳しいですわね」

 

エリカはゆっくりとサンドパンを警戒しながら起き上がる

口調は穏やかだが内心ビビっているのだろう

てかエリカが起きたのはいいがまだ寝巻き姿じゃないか

ていうかほっそ!身体細い!ちゃんと食べてるの?

 

はちまん「おいウキワ。エリカは着替えるだろ。俺は外に出てるから」

エリカ「あら、そのようなお気遣いは必要ありませんわ。お話しがおありなのでしょう?わたくしはこの格好のままでお聞きしますわ」

はちまん「え?でも」

ウキワ「エリカ様がこう仰っているのだからお言葉に甘えてここに居なさいよ。時間ももったいないし」

 

いや、エリカのアレ着替えるのがダルいだけだろ

まあ時間がないのは事実だから、エリカがいいならここにいようか

 

エリカ「ではウキワ様と…えっと」

はちまん「あ、はちまんだ」

エリカ「あ、ゆきの様方が仰っていた殿方でございますか」

はちまん「げ、またアイツらが何か言ったのか」

エリカ「ふふふ、詳しくはご本人にご確認下さいませ」

はちまん「いや、いいわ。どうせロクでもない事だろ」

エリカ「あらあら、どうでございましょう?ふふふ」

 

な、何言ったんだアイツら…

 

エリカ「はちまん様、ウキワ様、こちらへおかけ下さいませ」

 

そう言ってエリカは俺達に座布団を差し出す

俺とウキワは座る

その間にエリカはお茶を淹れていた

この香りは…緑茶か?

それからお茶菓子を出して俺達の前へ置いていく

 

エリカ「ウキワ様、どうぞお召し上がりくださいませ」

ウキワ「ありがとうございます」

エリカ「はちまん様も、どうぞお召し上がりくださいませ」

はちまん「どうも」

 

エリカから緑茶とお茶菓子を貰う

こういう時の作法とかあんまりわからない

まあ適当にやるか

俺が四苦八苦しているとエリカはポケモン達にもお茶を差し出していた

 

エリカ「サンドパン様も、どうぞお召し上がりくださいませ」

サンドパン「…」ペコ

エリカ「カラカラ様もロコン様もどうぞお召し上がりくださいませ」

カラカラ「カ、カラ」ペコ

ロコン「…」ペコ

エリカ「あらあら、ロコン様は社交場での作法をどこかで学ばれたのかしら?わたくしよりも姿勢がお綺麗ですわ」

はちまん「多分お前の姿勢を見て、見よう見まねでやってるだけだと思うぞ。コイツすげー頭いいから」

ロコン「…」///

 

お、照れてる

屋上での一件からロコンが俺に対してツンケンしなくなって

代わりにこういう恥ずかしがるのが多くなった

好感度が上がった証拠だな

 

はちまん「あ、エリカ。コイツにも頼めるか?」

 

俺は自分の背中を指す

 

エリカ「あらあら、そのようなところにもポケモンが…。くすくす、ゆきの様が仰っていた通りの面白い殿方でございますね」

はちまん「やっぱロクでもない事言ってんだな」

エリカ「ふふ、それではゴルバット様にもお淹れしますわね」

はちまん「おう、サンキュ。ほらゴルバット、エリカがお茶を淹れてくれるってよ」

ゴルバット「バ〜ット?」ふらふら

 

ゴルバットは寝起きでふらふらしながらも俺の背中から離れて床に足をつける

 

エリカ「ゴルバット様、どうぞお召し上がり下さいませ」

ゴルバット「バット」ペコ

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#エリカの寝室

 

さて、一息ついたところで本題に入るか

俺はウキワに視線を送る

ウキワはそれに気づき頷くとエリカに話し始めた

 

ウキワ「エリカ様、単刀直入に用件を述べてもよろしいでしょうか」

エリカ「構いませんわ」

ウキワ「ロケット団の事なのですが」

エリカ「…あまりよろしくないお話しのようですわね」

ウキワ「いえ、私達チームにとっては朗報です」

エリカ「あら、そうなのですか」

ウキワ「ここにいるはちまんからの情報なのですが、ロケット団と思われる人物をこの街で見かけた事なのです」

エリカ「近頃この街では見かけませんでしたが、それは本当の事なのでしょうか」

ウキワ「いえ、確証はまだありません。ただこのはちまんが見たロケット団員は私も知っている人物のようなので、今日の昼頃にはその人物の元へ行き確認しようと思います」

 

するとエリカの纏う空気が変わった

 

エリカ「ウキワ様、確証のない用件をわたくしの睡眠を妨げてまでお伝えに来られたのですか?」

ウキワ「い、いえ…」

エリカ「貴女様はとても慎重な性格だと存じ上げておりましたがわたくしの思い違いだったのでしょうか」

ウキワ「それは…」

 

エリカのやつ怒ってんのかこれ

そんな言い合いしている場合じゃないんだが

仕方ない俺が入るか

 

はちまん「それに関しては俺の責任だ。俺が勢いだけでいけばいいって言ったからな」

エリカ「あら、はちまん様にはお聞きしておりませんわ」

はちまん「知るかそんな事。こっちは忙しいんだよ」

エリカ「あらあら、わたくしにはご用事がないと仰るのですか?」

ウキワ「ちょ、はちまん!エリカ様にそんな事を…」

はちまん「いや、いいウキワ。エリカ、用件だけ言うぞ。協力してくれ。もし俺の見つけた場所がロケット団と関係のある場所、あるいはロケット団のアジトだったら、俺やウキワ達の戦力だけでは戦闘になった場合厳しい。だからエリカ、その為に協力してくれ」

 

俺は頭を下げる

 

エリカ「あらあら、わたくしに頼み事をしていらっしゃるのですわよね?ならばその態度は頼み事をしている相手に対して失礼ではありませんか?」

はちまん「あ、じゃあいいわ。帰るぞウキワ」

ウキワ「ふぇ!?な、何で!?エリカ様に協力して貰いたいんじゃ…」

はちまん「いや別に、ここでコイツが協力しなくても少し日をおけばお前らのチームが集まるだろ。そしたら戦力はコイツがいなくても充分だ」

ウキワ「ちょっとはちまん!」

エリカ「……わたくしをけなしていらっしゃるようですわね」

 

はちまん「先に貶したのはそっちだろ」

 

ウキワ「え?」

はちまん「例え確証のない用件だったとしてもお前のところまで伝えに来たんだ、一大事だってのは普通に考えればわかるだろ。それを慎重じゃないだと?慎重だからお前に伝えに来たんだろうが。この街にロケット団がいるかもしれないから慎重に事を考えてからこの街のジムリーダーで顔役であるお前に伝えに来たんだろうが」

エリカ「……」

はちまん「あと勘違いしているようだから言っておくが俺達はお前に頼み事をするためにここへ来た訳じゃない」

ウキワ「え…違うの?」

はちまん「俺達は確認しに来ただけだ」

エリカ「ご確認…でございますか?」

はちまん「ああ、お前がこの街にロケット団がいるって聞いて協力するかどうかっていう確認だ」

エリカ「なんですって」

はちまん「ああ、大丈夫だから。お前が協力しなくても言いふらしたりしないから。お前はウキワ達チームの本部を作ってくれたんだろ?だったらコイツらにとっては恩人だ。恩人の評判を汚すような事はしないから、安心してゆっくり寝むっててくれ。後はこっちで何とかするから。たださっきも言った通り戦力が少ないからな、何とかしようとした結果でこの街がとんでもない事になってもウキワ達を恨むなよ?」

エリカ「………ふ、ふふふ」

ウキワ「エ、エリカ様?」

 

エリカ「ふふ、あ、あははは!あはっあははは!」

 

エリカは突然笑い出した

さっきまでの態度とは真逆の笑い方だ

ま、まさか…このお茶に毒を…?

 

エリカ「あは、あはは…そうでございますか。この街をとんでもない事にするわけにはいきませんわね。それにわたくしが協力しなければウキワ様方に恨まれてしまいますわ。ふふっ」

ウキワ「え…?エリカ様?」

エリカ「ウキワ様、少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか…ふふふっ」

ウキワ「え、は、はあ」

 

ウキワの了解を得るとエリカは笑いを落ち着かせる

その笑いが止まったらみんな倒れるとかないよね?

毒は入ってないんだよね?

だがみんな倒れる事はなくエリカは笑いを止めて

ウキワに向き合う

 

エリカ「それではまず謝罪をいたしますわ。ウキワ様、先程のわたくしのご無礼、誠に申し訳ございませんでした」ぺこり

ウキワ「え!?エリカ様!?い、いえ、それはこちらにも不手際があったので…」

エリカ「いいえ、そうではございません。これは先程わたくしがウキワ様に対する不適切な発言に対する謝罪でございますわ。ウキワ様、貴女様は常に冷静に物事を考える事のできる方です。よく冷静に考え、周りにいる方々の意見を取り入れ、コブキ様方の力になろうと一生懸命に努力なされていらっしゃる事をわたくしは存じておりました。それを存じていながらわたくしは自分勝手な物言いを貴女に向けてしまいました。ウキワ様、本当に申し訳ございませんでした」ぺこり

ウキワ「エ、エリカ様…」///

エリカ「ウキワ様、お許しになられますでしょうか」

ウキワ「はい、エリカ様。顔を上げてください。それとありがとうございます。私の事をそんな風に見ていてくださって…」///

エリカ「ふふっ、わたくしは貴女様方の事をとても好いておりますわ。そんなわたくしがウキワ様の良いところを見逃すはずがございませんわ」

ウキワ「エエ、エリカ様っ!?」///

 

え?何これ百合?

あ、部屋の中に百合の花が咲いている

するとエリカはこちらを向いて来た

 

エリカ「はちまん様」

はちまん「なに?」

エリカ「お聞きしてもよろしいでしょうか」

はちまん「なんだよ」

エリカ「先程はちまん様はわたくしがご協力するかご協力しないかをご確認をする為にこちらへ参ったと仰いましたね」

はちまん「ああ、それは間違いない」

エリカ「では、もうご確認は済んでしまわれましたか?」

はちまん「いや、まだお前の口から何も聞いてないからわからん」

エリカ「ふふっ、ではまだ間に合いますでしょうか?」

はちまん「知らん、お前が決める事に俺がとやかく言えるわけないだろ」

エリカ「わたくしはこの街の為に戦ってもよろしいのでしょうか」

はちまん「お前の街だろ、好きにしろよ」

 

 

エリカ「それでは、はちまん様。わたくしは貴方方にご協力させて頂きますわ」

はちまん「いや、それは駄目だ」

 

 

エリカ「え…?」

ウキワ「は…?どういう事よ」

はちまん「俺は一度も俺達に協力しろとは言っていない。この街にロケット団がいて、戦うかもしれないから協力してくれと言ったんだ」

ウキワ「何が違うの?」

 

はちまん「関係が違う」

 

ウキワ「関係?」

はちまん「お前らチームのリーダーは誰だ?」

ウキワ「そんなのコブキさんに決まってるじゃないの」

はちまん「じゃあコブキさんが戦えって言ったら戦うか?」

ウキワ「戦うに決まってるわ。リーダーの命令だもの」

はちまん「そうだよな、お前らのリーダーはコブキさんだからコブキさんの言う事は絶対だよな」

 

はちまん「じゃあエリカは?」

 

ウキワ「あ…!」

エリカ「え…」

はちまん「お前らにエリカが協力する。つまりはお前らの行動にエリカがひっついていくって事だよな?例えばコブキさんが『アレ』を取って来いって命令したらお前らは『アレ』を取りに行く、そしてそれに協力するエリカも『アレ』を取って来なければならなくなる」

ウキワ「それって…」

エリカ「つまりはわたくしもコブキ様のご命令をお聞きにならなければいけなくなると…」

はちまん「そう言う事。エリカにはエリカのやり方がある。だからもしエリカがコブキさんの命令に疑問を持てば衝突が起きるかもしれない。チームのメンバーでは無いのだからコブキさんの命令は絶対だとは考えられないだろう」

エリカ「しかしそれは…」

はちまん「お前とウキワ達のチームは仲がいいからそんな事は無いって言いたいのか?だが今のコブキさんはヤマブキシティに目が行っている状態だぞ?もしコブキさんがタマムシシティを見捨てるような事があったらどうするつもりだ?」

ウキワ「はちまん!!」

はちまん「ウキワ、絶対無いと言い切れるか?サカキがどう動くのかわからないんだぞ?もしかしたらカントー地方全ての街を攻撃するかもしれない。そんな時お前はどうする?他のメンバーはどうすると思う?」

ウキワ「………!」

はちまん「自分が守ってきた街を守ろうとするんじゃないのか?そこに大切な人がいるから」

ウキワ「くっ…!」

 

エリカ「わかりましたわ。わたくしはこの街を守る為に尽力いたします」

ウキワ「エリカ様…」

エリカ「ウキワ様、わたくしはコブキ様が信じられないのではありません。ただ少しでも貴女方とのご関係の摩擦をなくしたいだけでございます」

はちまん「あと、エリカにはジムリーダーとして個別に動いて欲しいから俺達と一緒にいたら困るからな」

ウキワ「え…?エリカ様に何をさせるの?」

はちまん「街の警備と警戒。もし俺達がアジトを見つけて乗り込んだとしても罠だという可能性がある。アジトに戦力を集中させてこの街をいただくっていう罠がな。だからそうならないためにもエリカにはこの街を守ってもらいたい。エリカだって自分の街を取られたくないだろ?」

エリカ「しかしそれではわたくしがお力になれませんわ」

はちまん「別にお前が戦わなくても、この街にいる強くて協力してくれそうなトレーナーを紹介してくれればそいつらを連れて行く」

エリカ「わたくしのお力は必要がないとおっしゃいますか」しゅん

 

俺の提案に落ち込むエリカ

え!これで落ち込むの?

やっぱりジムリーダーの誇りとかあるのかな

 

はちまん「い、いや、そりゃあお前が来てくれたら助かるけど、お前はこの街を守らなきゃいけないだろ?」

エリカ「この街のロケット団を倒すのもこの街を守る事になるのではないでしょうか」

はちまん「そりゃあそうだけど、さっきも言った通りウキワ達について行ったらややこしい事になりかねないから…」

 

エリカ「では、わたくしははちまん様についていくといたしますわ」

 

はちまん「は?何言ってんのお前。何でそこで俺がでてくるんだよ」

エリカ「はちまん様もウキワ様方のチームとは違うお方ではありませぬか?」

はちまん「確かに俺はウキワ達のチームではないが…まあコイツらには色々世話になっているから協力しているだけだ」

エリカ「それならばわたくしもウキワ様方にはお世話になっておりますわ。しかしながらわたくしはウキワ様方に直接ご協力させていただく事は残念ながら出来ませんわ」

はちまん「まあ、敵の前で喧嘩するような事があったらめんどくさいからな」

 

エリカ「なのではちまん様にはわたくしとウキワ様方とのかけ橋になって頂きたく存じ上げますわ」

 

はちまん「はあ!?な、何でそんな……いや、それなら…」

エリカ「ええ、このようにするのであればわたくしとウキワ様方とのご関係の摩擦が緩和されるのではないのでございませぬか?」

はちまん「だがそれにはウキワ達のチームが俺を信頼していなかったら意味ないだろ」

エリカ「そのような事は」

はちまん「例えここでウキワがそんな事ないと言っても、リーダーはコブキさんだ。コブキさん自身に聞くまでは決められない」

ウキワ「はちまん…」

はちまん「だからこうしよう」

 

はちまん「これから俺達は本部に戻ってコブキさんが戻って来ていたらその事を聞く。その間エリカは頼れるトレーナーにこの街の警戒を依頼してくれ。もしコブキさんが俺の事を信じられないと言ったら諦めて街の警備に当たってくれ。だがコブキさんが俺を信じると言うのであればついて来ても構わない」

 

ウキワ「コブキさんが戻って来ていなかったら?」

はちまん「その時は日を改めればいい。どのみち戻って来てくれるんだろ?だったらする事は変わらない」

エリカ「はちまん様」

はちまん「ん?何か不安な点があったか?」

エリカ「いえ、その事に関しては貴方方に任せる他ありませぬわ。ただ…」

はちまん「ただ?」

 

エリカ「はちまん様がコブキ様にお信頼されていらっしゃらないとしたとき、はちまん様はどうなされるおつもりでございますか」

 

はちまん「……………」

ウキワ「エ、エリカ様…」

はちまん「信頼されてもいないやつがうろちょろするわけにはいかないからな。その時はこの件から手を引くわ」

ウキワ「え…」

エリカ「はちまん様のお気持ちはわかります。しかしそれでは少し自分勝手ではございませぬか」

はちまん「だが…」

 

エリカ「わたくしの元までいらっしゃられたのはこの街を守る為にわたくしを動かすためでございましょう。そしてわたくしはこの街の為に戦う事を決意いたしましたわ。それなのにわたくしの背中押してくださったご本人がその戦いには関わらないと言うのは己可愛さに事を進めたとしか思えませぬわ。責任を取る事の出来ない殿方をわたくしは好いてはおりませぬ」

 

はちまん「…だが信頼の出来ないやつが…」

エリカ「そこでご提案なのでございますが」

はちまん「提案?」

 

エリカ「もしもコブキ様が貴方様をお信頼されていなければわたくしの元へいらしてくださいませ」

 

はちまん「は?」

ウキワ「ええ!?」

エリカ「わたくしの元へいらしてわたくしのお手伝いをして頂きますわ。これならば貴方様のご責任を取る事が可能でございましょう」

はちまん「確かにそうだが…それもお前の信頼が」

エリカ「わたくしは今日会ったばかりの殿方をお信頼するような女ではありませんわ。しかしゆきの様、ゆい様、いろは様はお信頼をいたしておりますわ」

はちまん「アイツらを…?」

エリカ「はちまん様、わたくしがお信頼する方々は貴方様のことに関してお話しをして下さるとき、とても良き笑顔でお話になられていらっしゃいましたわ」

はちまん「そ、そっすか…」

 

エリカ「はちまん様、わたくしは貴方様をお信頼いたしますわ。あの方々をおそばにいらっしゃらなくても笑顔にする事ができる貴方様をわたくしは信じとうございます」

 

きゃー恥ずかしいー!

というか何で俺の話題がエリカとの会話で出てくるんだよ

どんな会話の流れだったんだよアイツら

 

エリカ「というわけでございますので、わたくしは貴方様をお信頼させていただきますわ。ですから遠慮なくわたくしの元へいらっしゃってくださいませ」

はちまん「わ、わかった。もし路頭に迷ったらお前の元へ行くわ」

エリカ「あらあら、まさかわたくしの元にお婿としていらっしゃるおつもりでございますか?」

ウキワ「な!?」

はちまん「そんなわけ……ないとも言いきれん」

ウキワ「何ですって!?」

 

だってこの街マッカンもといぱちマッカンがあるんだもん

ゲーセンもあるし、デパートもあるし、豚骨ラーメンもあるし

それにエリカってお嬢様だから色々持ってそうだし

あとエリカとは波長が合うと言うか、気が合うと言うか

寝腐り同盟を立ち上げても文句を言われないだろうし

あれ、俺にとってエリカは運命のひとなのでは…

 

エリカ「くすくす、もしそのおつもりでしたらいつでもいらしてくださいませ。わたくし達が夫婦になったあかつきには共にジムリーダーを務めていただきたく思います」

はちまん「ジムリーダーってほいほい決めてもいい事なの?」

 

エリカ「わたくし達ジムリーダーは皆様方に実力を認めていただいた上で成り立っております。なのでわたくし達が認めた方であれば皆様方にも納得していただけると思いますわ」

 

はちまん「そうなのか。ま、まあ夫婦とかはまた考えとくわ」

ウキワ「…」

 

そ、そろそろ本部に戻るか

ウキワが不機嫌だから

自分の目の前で結婚がなんだ夫婦がなんだの会話をしていたらいい気持ちはしない

爆発しろと思うわな

 

はちまん「そ、それじゃあ俺達はそろそろ…」

エリカ「ふふ、結果のご報告は本日中にお願いいたしますわ。はちまん様がわたくしの元へいらっしゃるならば手厚くお迎え差し上げますわ」

はちまん「お、おう、ありがとな」

エリカ「いえいえ」

ウキワ「…」

 

 

俺とウキワ

ポケモン達はエリカに別れを告げ建物を出る

本部を戻る途中ウキワは黙っていた

さーてコブキさんは戻っているかなっと

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

89話 責任と疑問

今回今までにない程長いです
読まれる際はお覚悟を


ウキワ「……」

 

俺達はエリカに協力をこじつけた後

カントーガールズの本部に戻る

その途中ずっとウキワは俯いていた

 

はちまん「……」

 

そんなウキワの前を行く俺

俺には不安があった

 

これ本当に本部へ行ける道なのだろうか

 

ウキワが俯いて歩調が遅いため結果的に俺が前を歩くことに

だが俺は未だにタマムシシティの地理に疎い

この道を進んでいいのか悪いのかが全くわからない

こんな調子のウキワを前にするわけにもいかず

どうする事も出来ない

というかここどこ、見た事ない場所に出てしまった

ま、まずいまた迷子だ

ウキワもいるから大丈夫だと思いたいが

 

ウキワ「…はちまん」

 

はちまん「うぇ!?な、なんすか!?」

 

俺が焦っているとウキワが話しかけてきた

うわーやっぱり道間違えたか

怒られるかな

 

ウキワ「さっきの事で話しがあるの」

 

はちまん「え!?やっぱりあそこ右に曲がった方が良かった?」

 

ウキワ「は?そんな事知らないわよ」

 

知らないの!?

ウキワ、道知らないの!?

いよいよまずくなってきた

 

ウキワ「そうじゃなくて、エリカ様と話してた事」

 

はちまん「エリカ?…いや、それどころじゃ」

 

ウキワ「…コブキさんが貴方を信用していないって言ったら本当にエリカ様の元へ行くの?」

 

はちまん「それはもう決まった事だろ。…そんな事より」

 

ウキワ「ニンやシオンが止めても?」

 

はちまん「別に今生の別れって訳でもないんだし。…てかこのまま行くと街から出ちゃわない?」

 

ウキワ「…私が止めても?」

 

はちまん「いや、お前にはいま本部に戻っている俺を止めて欲しいが…。…あ、なんかへんな家が見えて来た」

 

ウキワ「え?本部に戻るとまずいの?」

 

はちまん「だっていまから本部に戻ってコブキさんがいて、そこで『はちまんさんは信用できません』って言われたらゲームセンターに俺が行けなくなるだろ。…ん?誰か家から出てきた」

 

ウキワ「確かにそうだけど…。ていうかそれコブキさんのマネ?上手くないわね」

 

はちまん「うるせえ、一度会っただけなやつのマネなんかできるか。…うわすげー美人、芸能人かな?」

 

ウキワ「でも貴方、それってゲームセンターに行く気満々ってことよね?」

 

はちまん「ん?そうなるな。…えっ?こっち来る」

 

ウキワ「貴方、意外にも働き者なのね」

 

はちまん「俺が働き者なわけないだろ。…は?追っかけ?俺が?」

 

ウキワ「えっ?じゃあ何で?」

 

はちまん「いまお前が着ている服を返してもらうためだ。…え?『そらをとぶ』?何で俺に」

 

ウキワ「この服、私にくれたんじゃないの?」

 

はちまん「あげるわけないだろ、何でニンといいお前といい人のもんを欲しがるんだ。…口止め料?」

 

ウキワ「あ、そうか。貴方シオンのドレスと交換していたわね」

 

はちまん「アレはシオンが頼んで来ただけだ。…アンタがここに居る事を誰にも言わなければいいんだな?」

 

ウキワ「ニンもドレスをあげると言っていたし…。ま、まさか貴方…私のドレスも…」

 

はちまん「いや、正直お前らのドレス貰っても使い道がないんだが。…1人になりたい時ってあるもんな、わかった誰にも言わない」

 

ウキワ「…残念だけれど仕方がないわね。この服は諦めるわ」

 

はちまん「そうしてくれ。あ、でもそうなると…。…ああいや、こちらこそ」

 

ウキワ「そうなると、何?」

 

はちまん「俺がお前が着た服を俺が着る事になるなって。…あ、さようなら」

 

ウキワ「な!?そ、それは…。ど、どうしよう」

 

はちまん「俺にはわからん。…お幸せにって…え?」

 

ウキワ「…わかったわ。私のドレス、貴方にあげる」

 

はちまん「…………………」

 

ウキワ「はちまん?」

 

はちまん「お、おうそうだな!」

 

ウキワ「え?いいの?」

 

はちまん「あ、ああ構わん構わん!」

 

ウキワ「そ、ありがと」

 

はちまん「あ、ああ」

 

 

 

 

ウキワ「で?ここどこ」

 

はちまん「知らん」

 

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#カントーガールズ本部前

 

はちまん「や、やっと戻って来れた…」

 

ウキワ「貴方、どうして街の外に出たの…」

 

はちまん「す、すまん。後、ありがとなロコン」

 

ロコン「…」こくん

 

俺とウキワはあの後ロコンに先導され

這々の体で本部のあるマンションへ戻って来れた

ロコンが道を覚えていてくれて助かった

いまはもう昼前の時間帯

コブキさんは戻って来ているだろうか?

ウキワは本部のドアを開けて中に入って行く

俺もそれに続く

 

ウキワ「ただいまー」

 

はちまん「うーす」

 

部屋に入るとニンが出迎えてくれた

俺と同じ黒いパーカーに着替えている

シオンと同じくらいの身長なためこっちも下が危うい

何がとは言わないが

だが可愛い

肌キレイ、眩しいくらいに

 

ニン「おかえり〜なさい〜ふふふ♪」

 

はちまん「お、ちゃんと着てんのか」

 

ニン「うん〜これきごこちがいい〜ふふふ♪」

 

はちまん「そうなのか?ウキワ」

 

ウキワ「まあドレスよりはいいわね」

 

ニン「あ〜そ〜そ〜これ〜わたしのドレス〜ふふふ♪」

 

そう言って灰色のドレスと赤色の帽子を渡してくる

シオンのもそうだけどこのドレス本当にどうしよう

いつかどこかに居を構える事になったら飾るかな

灰色のドレスをバックに入れる

 

ウキワ「じゃあ私も、はい」

 

ウキワも緑色のドレスと黄色の帽子を渡してくる

これで三色揃った、やったぜ

緑色のドレスもバックに入れる

 

はちまん「シオンとレインは?」

 

部屋には2人とも見当たらない

買い物かな

 

ニン「2人は〜さっき〜コブキさんをむかえに〜いったよ〜ふふふ♪」

 

はちまん「え、ここで待ってるんじゃなかったのか?」

 

ニン「コブキさんの〜ポケモンが〜ここにきて〜ふふふ♪」

 

つまりニンが言うには

コブキさんのポケモンがこの本部に来て

それを見たレインがコブキさんがこちらに向かっていると考え、出迎えに行くと言い出したようだ

何故かシオンはレインに連れて行かれた

ニンはそのお留守番

 

はちまん「何でシオンを連れて行ったんだ?」

 

ウキワ「恐らく私達の服装の説明でしょうね」

 

はちまん「あ、なるほど」

 

先ほども言った通りウキワ、ニン、シオンはドレスから黒いパーカーに着替えている

事情を詳しく知らない状態で見れば驚く

これからコブキさんとするのは重要な作戦会議だ

スムーズに話し合うためにも事前に説明しておく必要があるだろう

だからレインはコブキさんが本部に着く前に説明を終わらせるためシオンを連れて行ったんだろう

それかシオンのパーカー姿が可愛いからいち早く見せたかったか

 

ウキワ「はちまん、3人が戻って来る前に少し気になった事があるんだけど聞いていい?」

 

はちまん「何だ?」

 

ウキワ「いまエリカ様にも動いてもらって、リーダーもヤマブキからこっちに戻って来てくれている。そこまでした上でゲームセンターがロケット団と関係がなかったら貴方はどうするの?」

 

はちまん「あ、え、あ、やべ考えてなかった」

 

ウキワ「…自信があるのはいい事だけど、責任はキチンと取りなさいよ?」

 

はちまん「責任…」

 

エリカは街のトレーナーに声をかけ

街の警備又は警戒、或いはカントーガールズと共にロケット団と戦うように依頼してくれている

コブキさんはヤマブキでロケット団の動向を厳重な体制で警戒していたにも関わらず、それを中断してまでこちらに戻って来てくれている

ここまで色んな人を動かしておいて俺の情報が誤りだったら全てが徒労に終わる

そうすれば情報提供者である俺が責任を問われるのは間違いない

 

今日の昼に潜入隊を組み

件のゲームセンターに乗り込む算段になっているが

そこで俺が見たロケット団員がウキワの知っているのとは違うやつだと発覚すれば俺は終わり

どどど、どうしよう

責任は取るつもりだが正直怖い

何されるかわかったもんじゃない

はらきーりさせられるかも

 

俺が提示した証拠は2つ

1つは俺とウキワが知っているロケット団員がいた事

確証は昼にウキワが確認すればOK

2つ目は件のゲームセンターの名前に『ロケット』が付いている事

だが今までこの街にいたエリカやカントーガールズは全く気づかなかったらしい、思い違いの可能性がある

 

どちらもあのゲーセンがロケット団に関係していると言う証拠としては弱い

確証を得る為にもう一つくらいは証拠が欲しい

んぐぐ、何かないかな

あ、そうだ

 

はちまん「なあウキワ、お前の知り合いにあのゲーセンを利用しているやつはいないか?」

 

ウキワ「残念ながらいないわね」

 

はちまん「ニンは?」

 

ニン「いない〜ふふふ♪」

 

くそっ

ゲーセンの利用者から何か聞き出せるかと思ったんだが

その辺はジムリーダーのエリカに相談してみるか

この街の利用者を探し出してくれるかもしれないからな

だがそれもこの場で出せる証拠ではない

いますぐにでも出せる証拠が欲しい

 

はちまん「ゲーセンがいつ頃建てられたかはわからないか?」

 

ウキワ「私がこの街に初めて来た時にはもうあった気がするわ」

 

ニン「わたしもです〜ふふふ♪」

 

これもダメか

恐らくこのチームはゲーセンとかには余り興味がないんだろう

だからロケットの文字に気づかなかった

後でこの街に昔からいそうなレインかコブキさんに聞くか

 

他に何かないか…

ロケット団…ロケット団…ロケット団…

今まで戦って来たロケット団を思い出していく

 

はちまん「……ん?」

 

その時何かが頭に引っかかった

今までのロケット団の事を思い出し

少し違和感と疑問を感じたところがあったからだ

 

ウキワ「どうしたの?」

 

はちまん「…いや何でもない」

 

…考えすぎだろう

その違和感と疑問はすぐに消えた

難しい顔をして考え込んでいる俺に声をかけてくるウキワ

それに答えていると本部のドアが開いた

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

レイン「たっだいまー!」

 

シオン「………………………ただいま」

 

部屋に入ってくるレインとシオン

そして

 

 

コブキ「ただいま」

 

 

金色の髪に金色のドレス、ピンク色の帽子

コブキさんも部屋に入ってくる

リーダーのお出ましだ

結局コブキさんが戻って来るまで他の証拠は手に入らなかった

 

コブキ「ウキワ、ニン。ただいま」

 

ウキワ「おかえりなさい、コブキさん」

 

ニン「おかえり〜なさい〜ふふふ♪」

 

ウキワとニンに挨拶した後コブキさんは俺の方を向く

 

コブキ「お久しぶりです、はちまんさん」

 

はちまん「はい」

 

コブキ「4日ぶりですね」

 

はちまん「あれ、そんだけしか経ってないんすか」

 

コブキ「ふふ、色々あったようですね」

 

はちまん「ええまあ。あ、そうだ。雪乃達が遠回りせずにこの街に来れたのはウキワさんのおかげでしたね。ありがとうございます」

 

コブキ「いえいえ、雪乃さん達には私も色々と助けられていますので」

 

はちまん「そうですか」

 

俺との挨拶を済ませると

コブキさんは早くも本題に入る

 

コブキ「ここに来る途中にレインとシオンから大方の事情は聞きました。ロケット団と思われる人物がゲームセンターにいると」

 

ウキワ「はい。それとそのゲームセンターの名前が『ロケットゲームコーナー』という名前であると、はちまんから教えられました」

 

はちまん「その名前の事なんだが、コブキさん。この事をアンタは知っていましたか?」

 

コブキ「…いいえ、申し訳ございません。私の注意不足によりそこまでの事実は知りませんでした」

 

はちまん「いえ、それじゃあいつ頃出来たとか、あのゲーセンを利用している人も知らないんですか?」

 

コブキ「ごめんなさい…」

 

はちまん「レインは?」

 

レイン「私もあんまり興味なかったから」

 

はちまん「そっか…」

 

今得られる情報はないか

 

コブキ「これからそのゲームセンターに向かうのですよね」

 

ウキワ「はい、それでリーダーの指示を仰ごうかと。あのゲーセンがロケット団と関わりがあった場合私達はどうすればいいのか」

 

コブキ「…ウキワはどう思いますか?」

 

ウキワ「どう…とは」

 

コブキ「ゲームセンターを『黒』とした場合、私達カントーガールズはどうすればいいと思いますか?」

 

ウキワ「…私はリーダーではありません。指示を出す側ではなく、指示に従う立場です。私の意見を聞いても何の意味もありません」

 

コブキ「それでも構いません。私はウキワやみんなの意見を聞きたいのです」

 

ウキワ「…」ちら

 

ウキワは俺を見る

ああ、昨日のアレか

俺はほっときゃいいって言ったが

 

ウキワ「私は早急に対応すべきだと思います」

 

コブキ「対応とは具体的にはどのような?例えばゲームセンターにロケット団が潜伏していたらどう対応しますか」

 

ウキワ「殲滅、捕縛します」

 

コブキ「随分と攻撃的ですね。それはなぜ?」

 

ウキワ「ロケット団が動き出す前に止めるためです」

 

コブキ「ふむ、ウキワはそう考えますか…」

 

ウキワ「……はい」

 

ウキワはロケット団と戦う腹づもりらしい

まあロケット団をのさばらせておくとどうなるかわからない

またカラカラのような被害者が出るかもしれない

そんな事は俺も嫌だ

ウキワのこの意見は俺も少なからず賛成だ

 

コブキ「レイン、貴方の意見は?」

 

レイン「え!?私!?わ、私はよくわかんないです」

 

コブキ「そうですか」

 

レイン「でも…」

 

コブキ「?」

 

レイン「私はこの街を守ります」

 

コブキ「レイン…。ありがとう」

 

 

コブキ「では、ニンはどう思いますか」

 

ニン「えっと〜おこりませんか〜?ふふふ〜♪」

 

コブキ「はい、もちろんです」

 

ニン「それでは〜どうすることもできない〜ていうのが〜わたしの〜いけんです〜ふふふ♪」

 

ウキワ「!」

 

コブキ「どうすることもできない?それはどういう」

 

ニン「あ〜なにもできないって〜わけではなく〜けいかいぐらいなら〜できると〜思います〜ふふふ♪」

 

コブキ「警戒?それだけですか?例えゲームセンターがロケット団の居場所だったとしても?」

 

ニン「ん〜少しいいですか〜?ふふふ〜♪」

 

コブキ「はい?構いませんが…」

 

ニンはコブキとの会話を中断すると俺の方を見た

 

ニン「アホ毛くん〜わたしの〜このいけん〜どう思う〜?ふふふ〜♪」

 

はちまん「ん?どういうことだ?お前の意見だろ?」

 

ニン「わたし〜おはなしするのが〜とくいじゃないから〜かわりに〜ふふふ♪」

 

はちまん「ああ、なるほど。わかった。俺もおんなじような意見だしな」

 

ニン「え〜ほんと〜?ふふふ〜♪」

 

はちまん「だが先に聞いておく。お前のその意見、根拠はオツキミ山のアイツでいいんだな?」

 

ニン「うん〜あのおっきいわるいひと〜わたしより〜つよいから〜ふふふ♪」

 

シオン「………………………え?にんよりつよい?」

 

ニンが言っているおっきいわるいひととは

オツキミ山で見たロケット団『ロンド』の事だ

風貌は顔に傷があり、大きな体を持った大男だ

俺はニンの意見を伝えるためコブキさんに向き合う

うわーコブキさんの金髪キレイ

ではなく真面目な話しだ

 

はちまん「コブキさん、ニンの代わりに俺が話してもいいですか?」

 

コブキ「ニンは話すのが得意でないし、はちまんさんも同じ意見と言う事のようなので構いません」

 

はちまん「では、結論から。ロケット団の居場所を見つけてもカントーガールズでは太刀打ち出来ない」

 

コブキ「…ニンの言った人物はそれほど強いのですか?」

 

はちまん「どれくらいかは実際に戦わないとわかりませんが、ニンが言うには自分より強いと。それと恐らくロケット団の中でも立場が上の人物です」

 

レイン「ニンちゃんよりって…。ニンちゃんこの辺のトレーナーより格段に強いよね…」

 

コブキ「そこまでの実力を持った人が…」

 

 

はちまん「それにロンドクラスの実力者が数人いると見ていいです」

 

ウキワ「え!?」

 

コブキ「何故そう言い切れるのです?」

 

はちまん「俺がサカキと話した事があるのは知っていますよね?」

 

コブキ「…はい」

 

はちまん「そこでサカキは言っていました。『ロンドの部隊』と」

 

コブキ「つまり他にも部隊を率いる者がいると」

 

はちまん「はい。実力が全く同じとは言い切れませんが、ロンドと同じく部隊を率いられる者がいるのは確かです」

 

 

コブキ「しかしそれは私達カントーガールズがロケット団に太刀打ち出来ないと判断するための理由にはなりません。私やフレンはこのチームの中でも強いですから」

 

はちまん「それはそうなんでしょう。しかしサカキは?」

 

コブキ「サカキに関しては、どうにもならないのが現状です」

 

はちまん「サカキの実力はコブキさんもわかっていると」

 

コブキ「はい」

 

はちまん「ならばサカキが出てきた場合どうするんです」

 

 

コブキ「逃げます」

 

はちまん「え?」

ウキワ「え?」

 

はちまん「に、逃げるんですか?」

 

コブキ「はい、それは初期メンバーとも話し合ってもう決めていました。サカキが出たら一目散に逃げてまたやり直そうと」

 

はちまん「初期メンバー?」

 

コブキ「はい。私、フレン、そして『アミー』の3人です」

 

はちまん「アミー?」

 

コブキ「セキチクシティを担当しているメンバーです。…まだ本部に戻って来ていませんがね」

 

レイン「ほんと、自由だよねーあの人」

 

あんたには言われたくない

てか初期メンバー3人しかいなかったのか

しかもその内の1人はバックれていると

まあ気持ちはわかるが

 

ウキワ「逃げるのですか?」

 

コブキ「はい、ウキワもサカキの実力はわかっているでしょう」

 

ウキワ「しかしそれでは…」

 

コブキ「勝てない相手とは勝てるようになってから戦えばいいのです」

 

はちまん「では何故、クチバでサカキを動かしたんですか?」

 

コブキ「…勝てると思ったからです。いまの私達なら勝てると踏んで実行に移しました。しかし…」

 

はちまん「戦う前に姿を消したと」

 

コブキ「…私が愚かでした。軽率に動いたせいでこの様な状況に…」

 

ウキワ「コブキさん…」

 

 

はちまん「何かありましたっけ?」

 

 

コブキ「へ?」

ウキワ「え?」

 

はちまん「さっきロケット団について少し考えていたんですが、サカキが動いてから何かありました?」

 

コブキ「そ、それは、ロケット団の動向がわからなくなり、いつ動くかもわからない状態に…」

 

 

はちまん「それ、前と同じではないですか?」

 

 

コブキ「あ…」

 

はちまん「変わった事と言えばロケット団の姿が消えただけ。確かにこれは不気味です。サカキがこのカントー地方に喧嘩を売った後なら尚更のこと。しかしはたから見ればロケット団がいない、すげー平和な光景に見えませんか?」

 

コブキ「そ、それは…」

 

はちまん「それにサカキが動いたときの被害と言っても大きな船が壊れて、俺が天井から落ちて怪我したくらいじゃないですか」

 

コブキ「…」

 

はちまん「アンタは進もうとしただけです。このカントーを守るために。ロケット団を倒すために。その結果俺が怪我したってだけ。それがなんだって言うんですか。俺はこの通りピンピンしてますし、怪我した事もさっきまで忘れていました。だから貴女は俺の事なんか気にせず前だけ向いていてください」

 

コブキ「…はちまんさん」

 

 

はちまん「貴女はこのチームの光です。貴女が塞ぎこんだら…えーと…あれ、特に何もないかな」

 

 

コブキ「え…………?」

 

ウキワ「はあ!?」

 

レイン「ちょ、ちょっと!?はちまん君!?」

 

ニン「あ、アホ毛くん〜?」

 

シオン「………………………なにもないの?」

 

 

はちまん「いやだってお前らしっかりしてるじゃん。コブキさんが塞ぎこんでも自分達で何とかできそうだし」

 

レイン「は、はちまん君…いいところだったのに…。でも私もそう思うから何とも…」

 

コブキ「れ、れいん…?」

 

ウキワ「レインさん!?」

 

レイン「だって、みんなが力を合わせれば何でも出来るよ!塞ぎこんだリーダーなんか首が折れるくらいに前を向かせられるよ!」

 

コブキ「く、くびを…」

 

レイン「ね、ウキワもそう思うでしょ!」

 

ウキワ「た、確かに私達が力を合わせれば…。しかしリーダーがいないと…」

 

レイン「えー!でもでも!リーダーの自分一人で抱え込むクセ、ウキワも嫌いだって言ってたじゃん!」

 

ウキワ「はいそれは嫌いです」

 

コブキ「う、うきわ…?」

 

 

ウキワ「何でもかんでも私が悪い私が悪いって、もういい加減にしてって思ってますから。私が失敗した時も私が私がって、自分のケジメくらい自分でつけさせて欲しいです」

 

コブキ「そ、それは…」

 

ニン「たしかに〜ときどき〜ほっといて〜ほしいなって〜ときはありますね〜ふふふ♪」

 

コブキ「に、にん…?」

 

 

ニン「わたしが〜ひとりで〜いたいときも〜おかしをつくろうとか〜さいほうをやってみようとか〜いろいろ〜言ってくるのが〜だるいと言うか〜ふふふ♪」

 

コブキ「だ、だ、だるい……」

 

はちまん「確かにそれは嫌だな」

 

コブキ「あ、ああ…」

 

 

コブキ「あわわ…わたしは…わたしは…」ガクガク

 

 

総攻撃によりグロッキー状態のコブキさん

 

コブキ「はっ!」

 

シオン「………………………?」

 

そこで先ほどから何も言わないシオンを見つけた

救いの女神、癒しの天使のようなシオンに救いを求める

 

コブキ「し、しおん…シオン…貴女は私をどう思っていますか?」

 

シオン「………………………りーだー」

 

コブキ「そ、そうではなく、私の普段の行いをどう思っているのか…」

 

シオン「………………………あんまりりーだーといっしょにいない」

 

コブキ「…………そ、それでもなにかありませんか?」

 

シオン「………………………うーん」

 

コブキ「どきどき」ドキドキ

 

 

シオン「………………………あ」

 

コブキ「な、何かあるんですね?」

 

シオン「………………………ふれんさんがいってた」

 

コブキ「フ、フレンが!?私の事をどう言っていたんですか!?」

 

シオン「………………………ふれんさんが」

 

コブキ「は、はい」

 

シオン「………………………りーだーは」

 

コブキ「わ、私は…?」

 

 

 

シオン「………………………おむねがちいさいって」

 

 

 

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

コブキ「で、では、は、話しの続きをしましょう」ぐすん

 

コブキさんはシオンにトドメを刺された後

何とか崩れ落ちる寸前にリーダーの意地で踏み止まり

涙目になりながら、いまはソファーに座りウキワの淹れたお茶を飲んでいる

強い人だ、涙目だけど

ちなみに席順は左から

シオン、俺、ニン

お向かいは

ウキワ、コブキさん、レイン

涙目のコブキさん可愛いかったです

 

はちまん「どこまで話しましたっけ」

 

ウキワ「私達がどうするかを相談していたわ」

 

はちまん「それで、結局どうするんですか?」

 

コブキ「私は、レインの言う通りにしたいです」

 

レイン「え?私何か言ったっけ?」

 

はちまん「この街を守りたいって言ってたぞ」

 

レイン「おーそうだそうだ!ありがとうはちまん君!」

 

 

 

コブキ「私は何があろうとこの街を守ります。例え勝てなくても、この街の人達は絶対に守り抜きます」

 

 

 

はちまん「具体的には?」

 

コブキ「いえ、正確に言うと何があるのかまだわからないので保留です」

 

ウキワ「保留?」

 

コブキ「まだゲームセンターがロケット団と関係しているかわからないんですよね。ならば今はロケット団をどうするか考えるよりこの街を守る決意をします。もしロケット団と関係があった場合はその時に決めます」

 

つまりコブキさんはいまするべきことを考えている

それはロケット団がゲームセンターにいるのかどうかという問題を解決しろと

確かにロケット団と関係なければ取り越し苦労

無駄な労力を割く事になる

それよりはまずしっかりと確認してから

その後にきちんと作戦を立てればいい

焦って難しく考えるよりはずっと楽だ

 

はちまん「…まあ妥当なところか。いまから確認しに行くわけだからすぐに結果はわかる。ロケット団と関係していたとしても今日中に決められるし、後手後手に回る心配もない、か」

 

コブキ「それともしロケット団がいた場合はとりあえずその場で警戒してください。こちらからは決して手を出さないで下さい」

 

ウキワ「リーダーの指示ならば異論はありません」

 

レイン「私も!いろんなし!」

 

ニン「わたしも〜ありません〜ふふふ♪」

 

シオン「………………………わたしもない」

 

リーダーコブキの指示は『保留』

ただしロケット団がいた場合は『手を出さない』

リーダーの指示だ

メンバーである4人はこれに従う事になる

 

はちまん「そうなると…。あ、やべ」

 

コブキ「どうしました?」

 

このチームの方針が『手を出さない』となると少しややこしい

なぜならこのチームの他にエリカがいる

エリカは別の勢力として動いてもらう事になっているため

コブキさんの指示を聞く必要がない

エリカがロケット団と戦う事になれば

コブキさんの指示が意味をなさなくなる

 

エリカならこの意見を聞いてくれると思うが

タマムシシティのジムリーダーエリカとしてはどうだ?

この街を守るためにこんな悠長な事が受け入れられるか?

衝突を避けるために勢力を分けたのがすれ違いを生むかも知れない

 

いや、その為に俺がいるのか

 

俺がエリカとこのチームの架け橋になれば

情報、意向のすれ違いがなくなるかもしれない

その為には…

 

エリカとの約束でコブキさんに俺の事をどう思っているかを聞かないといけないんだが

どうしよう、何て聞こう

いいやもう聞いちゃえ

色々考えるのもめんどくさい

時間もないし

例え嫌われていても俺にはエリカがいる

 

はちまん「コブキさん」

 

コブキ「何ですか?はちまんさん」

 

はちまん「俺の事、どう思ってます?」

 

コブキ「へ?」

 

 

レイン「ウキワ、はちまん君って意外と大胆だよね」

ウキワ「いえ少し事情がありまして、アレはただ開き直っているだけです」

ニン「ウキワさん〜どういうことですか〜?ふふふ〜♪」

シオン「………………………?」

ウキワ「ちょっとこちらへ」

 

ウキワがレイン達を部屋の隅に連れて行く

事情を説明するためだろう

あっちは大丈夫そうだな

問題はこっち

 

コブキ「それはどういう…」

 

はちまん「答えてください」

 

コブキ「えっと、はちまんさんですか…」

 

 

ウキワ「それでエリカ様と…」

レイン「ほえー、よくわかんないなー」

ニン「それって〜」

シオン「………………………はち」

 

コブキさんは俺を見ながら考えている

なんかドキドキしてきた

中学で女の子に告白したときもこんな感じだったなー

懐かしいなー

 

コブキ「……はちまんさんとはあまり話したことがないのでどう答えればいいのか」

 

はちまん「それでもお願いします」

 

コブキ「…わかりました。では、お答えします」

 

はちまん「は、はい」

 

 

レイン「うわー、ドキドキするー」

ウキワ「…大丈夫です、多分」

ニン「アホ毛くん〜」

シオン「………………………はち」

 

コブキさんは姿勢を正す

俺も背筋を伸ばす

き、緊張する

 

コブキ「私ははちまんさんを…」

 

はちまん「はい…」

 

コブキ「認めています」

 

ん?あれ?

俺の期待した答えと違った

あ、聞き方が悪かったか

 

はちまん「すみません、聞き方が悪かったです。俺の事を信じているかどうかを教えてください」

 

コブキ「信じていますよ」

 

はちまん「あれ、そんなアッサリ?」

 

 

レイン「うわっ!ぐだぐだ!」

ウキワ「そ、それでも信じているようですね」ほっ

ニン「よかった〜」ほっ

シオン「………………………はち」ほっ

 

これで俺はこのチームの協力者として動けるが…

果たして本当に?

 

はちまん「本当ですか?」

 

コブキ「はい」

 

はちまん「で、でも俺とコブキさんが話したのって少しだけしか…」

 

コブキ「はちまんさんが私に聞いたのは話した時間ではなく、私がはちまんさんを信じているかどうかでは?」

 

はちまん「へ…?そ、それはそうですが…」

 

コブキ「話した時間と比例して信頼が得られるならば、私は悪人とも信頼関係になれる自信があります」

 

はちまん「そ、それは極論では…」

 

 

コブキ「では、はちまんさんはどう考えているのですか?いいえ、はちまんさんは何に怯えているのですか?」

 

 

はちまん「怯えて…?」

 

コブキ「怯えているから疑問を持つのでしょう。自分を守る為に。ならば聞かせていただきませんか?はちまんさんが何に怯えているのかを」

 

 

はちまん「……俺は、裏切られるのが怖い」

 

コブキ「ならば裏切り返せばいいのです」

 

 

コブキ「信頼関係とは人と人との相互関係です」

 

コブキ「恩も仇も、好きも嫌いも、貸しも借りも、愛する事も愛される事も」

 

コブキ「なので裏切られたと思ったら」

 

 

コブキ「裏切られた事を裏切り返せばいいのです」

 

 

コブキ「愛を裏切られたら愛で裏切ればいいのです」

 

コブキ「だから、そうですね…」

 

コブキ「私がはちまんさんを裏切ったとはちまんさんが思ったら」

 

コブキ「私を抱きしめてください」

 

コブキ「そのかわりはちまんさんが私を裏切ったら」

 

コブキ「私がはちまんさんに抱きつきます」

 

 

コブキ「これを私とはちまんさんの『信じる』という意思表示にしましょう」

 

 

コブキ「言葉で言ってもわからない事は沢山あります」

 

コブキ「だから行動で示しましょう」

 

コブキ「事前に決めておけば勘違いもすれ違いも」

 

コブキ「間違いも起こらないでしょう」

 

 

はちまん「」ポカーン

 

俺は何も言えなかった

そんな

そんな簡単な事なのか?

 

 

 

 

コブキ「あ、でも勘違いはしちゃいますね…ふふ」

 

 

そういうコブキさんの笑顔は眩しかった

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

90話 崩壊と報告

今回は前回の話しの続きからです

キャラ崩壊注意


#カントーガールズ本部

 

コブキ「それで、はちまんさんはなぜ私にこのような質問を?何か理由があるのでしょう?」

 

はちまん「あ、それはエリカに協力してもらう事になったので」

 

コブキを「ん?エリカ様と私の信頼がどう関係しているのですか?」

 

ウキワ「それは私が説明します」

 

ウキワはエリカとの話しをコブキさんに説明した

エリカに協力してもらう事

それはカントーガールズに協力するわけでなくこの街を守るために協力する事

共に協力したいため俺を関係の架け橋にする事

その為にはコブキさんの信頼が必要だった事

 

コブキ「確かに我々だけでは戦力的に不安があります。エリカ様にご協力していただければ心強いですね」

 

ウキワ「はい」

 

はちまん「エリカ……あ」

 

コブキ「どうしました?」

 

はちまん「すみません今からエリカの元へ行ってきます」がたっ

コブキ「え?今からですか?」

 

ウキワ「なんで?何か忘れてた?」

 

はちまん「ゲーセンの事言うの忘れてた」

 

ウキワ「あ!」

 

あの時は俺が照れてウキワが不機嫌になって

早々に立ち去ったが

よくよく思い出すとロケット団を見つけたと伝えたが

ゲーセンで見つけた事までは伝えていなかった

 

はちまん「シオン、俺の教えた奴覚えているか?」

 

シオン「………………………うん」

 

はちまん「じゃあウキワとニンを連れて先にゲーセンへ向かっていてくれ。俺もエリカを連れてそこへ行く」

 

コブキ「エリカ様も連れて行くのですか?」

 

はちまん「俺達…いやこのチームとエリカは対等の関係でなくてはいけません。重要な情報は共有するべきです。もしエリカが行かなければエリカに関係する別の人を連れて行きます」

 

コブキ「なるほど。しかしこの3人とはちまんさんとエリカ様、それだけで充分ですか?私やレインは連れて行かないのですか?」

 

はちまん「コブキさんはもしも俺やウキワ達が動けなくなれば他のメンバーを連れてゲームセンターに来てください。レインはゲーセンには連れて行きません」

 

俺がそう言うとレインが

 

レイン「えー!私は行かないのー!?私もそのパーカー着たい!」

 

はちまん「いやこのパーカーは着なくても…」

 

レイン「だってそのパーカー着やすそうだし!」

 

はちまん「10歳の服を15歳が着れるわけないだろ」

 

レイン「ぶーぶー、そんな事ないもん!私細いから大丈夫だよ!」

 

はちまん「うーん、それはわかるが…」

 

レイン「私のドレスもあげるから!」

 

はちまん「だからいらないって。貰ってもしょうがないんだよ」

 

レイン「もー!その服ほしー!」

 

はちまん「あーもう時間がないのに…。わかったあげるから…」

 

レイン「わーい!ありがとう!はちまん君!」

 

何でこのパーカーこんなに人気なの

てかレインが着たらヘソが見えそうなんだが

 

はちまん「でもゲーセンには行くなよ」

 

レイン「えー?何で?」

 

はちまん「お前自分の立場わかってる?」

 

レイン「私の?」

 

ウキワ「ああそうか」

 

レイン「ウキワ、何か知ってるの?」

 

ウキワ「レインさんはこの街のアイドルでしょう?」

 

レイン「うん!そうだよ!」

 

ウキワ「でしたらこの街のゲームセンターに行けば目立つのでは?」

 

レイン「あ!そうかー!」

 

こいつアイドルの自覚がないのか?

ウキワが説明している間にパッグから黒いパーカーを取り出す

レインの前にそれを置く

 

はちまん「お前にはパーカーを渡しとくから好きにしろ」

 

レイン「ありがとー!でもゲーセンに行かないなら私は何すればいいのー?」

 

はちまん「ここで待機。だが俺達がゲーセンに行ってからいくら待っても帰ってこなかったらそのパーカーに着替えてゲーセンに来てくれ」

 

レイン「あいあいさー!」

 

ウキワ「目立つんじゃないの?」

 

はちまん「そこはもうしょうがない。俺達は確認するだけだが何があるかわからないからな」

 

さてとやる事は大体言ったな

エリカのところへ行くか

そのために俺が立ち上がるとニンが話しかけてきた

 

ニン「アホ毛くんは〜エリカさまの〜ところへ〜いくんだよね〜?ふふふ〜♪」

 

はちまん「え?ああそうだが、それがどうした?」

 

ニン「みち〜わかるの〜?ふふふ〜♪」

 

はちまん「大丈夫だ、ロコンがいる」

 

ニン「ほほ〜う〜ロコンちゃん〜かしこい〜ふふふ♪」

 

はちまん「おう、俺がびっくりするほどにな」

 

ちなみにポケモン達はみんなボールの中にいる

なので照れたロコンが見れない

あーしくったー

 

はちまん「と言うわけで、行って来るわ」

 

コブキ「行ってらっしゃい」

ウキワ「行ってらっしゃい」

レイン「いってらっしゃーい!」

ニン「いって〜らっしゃい〜ふふふ♪」

シオン「………………………またあとで」

 

俺は本部を出る

…前にひとつ確認しておきたい事があったのを思い出した

 

はちまん「シオン、ちょっといいか?」

 

シオン「………………………どうしたの?」

 

はちまん「ちょっとこっちへ」

 

俺はシオンを部屋の隅に誘う

別にコブキさん達に聞かれてもいいんだが

どうでもいい事だろうから余計な詮索をさせないように小声でシオンにある事を聞く

 

 

その答えを聞いた後

俺の中にまたとある可能性が生まれたが

それも考えすぎだと頭から消えた

 

はちまん「ありがとなシオン」

 

シオン「………………………うん」

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#エリカの寝室

 

朝に訪れたエリカがいるであろう

エリカの寝室がある小さな建物にたどり着いた

 

はちまん「あ、ありがとうロコン。俺だけだったらまた変な場所に行くところだったわ」

 

ロコン「…」しらー

 

ここ最近はなくなったロコンのジト目

なぜこれを俺が今更くらっているのかと言うと

シオンと話し

さあエリカの元へ、と本部を出てタマムシの街に意気揚々と出たのはいいが

ロコンに道案内してもらう事をすっかり忘れていて

思いっきり逆方向であろう7番道路へ出てしまった

クギを刺されたばかりだったと言うのに情け無い

 

はちまん「さ、さて気を取り直して…。エリカーいるかー」

 

コンコン

 

ロコンのジト目から逃げるようにドアをノックする

……

返事がない、ただのドアのようだ

ならばぶっ壊しますか?

 

いやいや壊したらダメだろ

なんで最近思考が過激なの

でも返事がないって事はエリカはいないのか

それかまた寝てるのかも

いまのこの状況でそうは思いたくないが

どんな状況でも眠気はあるし

寝ていてもしょうがないが

だがどうする

このまま部屋に入ってもいいものか…

 

はちまん「うーん」

 

ロコン「…」とてとて

 

ぎぎぃー

 

俺が悩んでいるとロコンがドアを開けてしまった

考えている暇はないと

寝てるならさっさと起こしてこいと仰るのか

わかったよ

確かに時間はないからな

 

はちまん「お、お邪魔しまーす。エリカ寝てるの…寝てるのか」

 

エリカ「すー…すー…」

 

あらま可愛い寝顔だこと

まさか本当に寝ているとは、こいつ結構神経図太いな

とりあえず起こすか

 

はちまん「おーい、起きろーエリカー」

 

エリカ「……いやぁ」

 

はちまん「大事な用があるんだよ」

 

エリカ「ねるぅ……」

 

はちまん「寝るじゃなくて…ってお前今朝の毅然とした態度はどうした」

 

エリカ「しるか…」

 

はちまん「おいおい、1話空けたぐらいでキャラ崩壊すんな」

 

俺がしつこく話しかけると

エリカはどんよりとした目で

機嫌が悪そうに少し睨んでくる

 

エリカ「はぁ……なに」どよーん

 

はちまん「お前をロケット団がいる所へ連れて行く」

 

エリカ「めんど」

 

はちまん「その気持ちはわかるが我慢してくれ」

 

エリカ「うぅ…あ…はちまんさま…」

 

はちまん「え、いま気づいたの?」

 

エリカは俺の存在に気づくとダラダラした態度が嘘のように消え

今朝の毅然とした態度で起き上がる

 

エリカ「はちまん様、コブキ様とのご関係は良好でありましたか?」

 

はちまん「何勝手に話し進めてんの。それでさっきまでの態度が許されると思ってんの」

 

エリカ「あら、何かご不満な点がおありでしょうか」

 

はちまん「不満しかない。てかお前いつから寝てたの」

 

エリカ「はちまん様とウキワ様がお帰りになられて1時間ほど経ちました後に、気持ちようございました」

 

はちまん「…街の人に声かけてくれた?」

 

エリカ「ご心配なさらずともよろしいですわ。それはもうすでに済ませておりますわ。いまごろは皆様方も街の警戒をお強めになられておりますでしょう」

 

はちまん「あん?それだけ?こっちに人は寄越さなかったのか?」

 

エリカ「なにゆえそのような事を」

 

はちまん「いや、人手足りるのか?これからロケット団がいる所へ行くんだから、人数が少ないとお前が危ないだろ」

 

エリカ「あらあら、ご心配いただきありがとうございます。ですがそうなさるにもはちまん様次第でありました故、どうしようもございませんでした」

 

はちまん「俺?」

 

エリカ「はちまん様はわたくしに何もお伝えしてくださいませんでしたわ。どこにロケット団がいらっしゃるのか、いつ頃そちらへ向かわれるのか、本当にわたくし達は動いていいのかわかりませんでした故、はちまん様がわたくしにお伝えいただけぬ限り皆様方へのご説明が出来ませんでしたの」

 

つまり俺がロケット団がこの街にいるとエリカに伝えたのはいいが

それ以外何の情報もなく

それにカントーガールズとの関係もあり

架け橋になるはずの俺がコブキさんに信頼されているかどうかもわからない

チームとのすれ違いが起きるかもしれない

無闇矢鱈に動いていいものかと踏ん切りがつかず

結果、協力してくれる人達に説明することができなかったため

そのまま街の警戒をさせているという

 

はちまん「俺はいまそれらを伝えに来たが、いますぐに人をここに呼ぶ事は出来ないのか」

 

エリカ「はい、いますぐとはいきませんわ」

 

はちまん「…じゃあお前自身が付いて来てくれるか?」

 

エリカ「あら、その前にご報告してもらいませんと」

 

はちまん「ああわかった」

 

俺は約束通りエリカに俺とコブキさんの信頼関係を報告した

結果は良好

これで俺はエリカとカントーガールズとの関係を取り持つ事になり

双方の主張が衝突しないように事を運ばなければならない

うわーめんどー

そのあとカントーガールズの方針は『保留』『手を出さない』と言う事を伝えた

 

エリカ「つまりわたくし達もそのように行えばよろしいのでございますね」

 

はちまん「ああ、ロケット団を見つけても戦おうとはしないでくれ。コブキさんは恐らくロケット団を刺激したくないんだと思う」

 

エリカ「わかりましたわ。ちなみにこれははちまん様の頼み、と言う事でよろしいでしょうか」

 

はちまん「ん?ああそうか、カントーガールズの方針をそのまま伝えて行動されては困るな。わかったそれでいい」

 

エリカ「ふふ、はちまん様の頼みとあらばしかたありませんね。ではこれよりわたくしははちまん様について行き、ロケット団がいるであろう場所に向かえばよろしいので?」

 

はちまん「ああ…そうなんだが…」

 

エリカ「どうなされましたか?」

 

俺はエリカの全身を見る

まだ寝巻きの白い浴衣姿のまま

短く黒い髪は寝癖で少しボサボサ

とても人前に出られるような格好ではない

 

だがエリカのこの格好、周りはエリカだとわからないのでは

エリカもレインと同じこの街の顔役だ

周りはみんなエリカが歩いていたら注目するだろう

だがエリカだとわからなければいいのだ

よしこの格好で連れて行こう

しかしそうなると寝巻きのままで外を出歩く事になる

上だけは着替えさせるか

俺は黒いパーカーを取り出す

 

はちまん「エリカ」

 

エリカ「はい、何でございましょう」

 

 

はちまん「その下、何か着てるか?」

 

 

エリカ「いえ、なにも」

 

 

はちまん「え!?」

 

エリカ「眠るときはいつも眠りやすいように下着は身につけておりませんわ」

 

はちまん「え、何もって…何も?」

 

エリカ「はい」

 

はちまん「えっと、その、ど、どっちも?」

 

エリカ「あらあらあら、もしかしてはちまん様気になりますの?よろしいですわ。信頼する殿方、それも将来を誓い合った殿方にみられるならわたくしは本望でございます」

 

 

はちまん「」

 

エリカが下着を着けてないだとか

身に覚えのない将来を誓い合ったとか

いまにもエリカが浴衣を脱ごうとしているだとか

きれいな肌が見えるだとか

俺の許容範囲を超えた事象が目の前で起こりまくり

混乱した俺は

 

 

はちまん「とりあえず拝見させて頂きます」

 

ロコン「…」ぼう

 

はちまん「あっちい!?」

 

前足攻撃が効かないと知ったロコンの『ひのこ』でお仕置きされ

ロコンに部屋を追い出された

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん「うーん、お嬢様はビッチ…うーんありなのかなしなのか」

 

俺は外でエリカが出てくるのを待つ

ロコンがエリカを無理矢理着替えさせているらしい

時々『ひのこ』の『ぼう』っという音が聞こえる

しばらくすると

髪は寝癖のまま

黒いパーカーを身につけたクタクタのエリカが出て来た

あれ、下半身に何も身につけてないけど

エリカの身体が小さく細いから大丈夫…なのか?

まあでもこれならエリカだとはバレないだろう

 

エリカ「は、はちまん様。ロコン様はどのような育て方をなさっているのでしょうか…」ふらふら

 

はちまん「俺も知りたい」

 

ロコン「…」

 

多分俺が反面教師になっているんだろーなー

トレーナーなのに情け無い

ははは

 

エリカ「わたくしにこれを着せたのは何故でございましょう?」

 

はちまん「バレない為の変装だ。ウキワも着てただろ」

 

エリカ「たしかに今朝ウキワ様はいつものドレスではございませんでしたね。それにこの服、とても着心地が良いですわ」

 

はちまん「やらんからな」

 

エリカ「考えておきますわ」

 

はちまん「どういう意味だ」

 

コイツの事だから

俺に協力したお礼にパーカーをくれとか言いそう

て、日が真上に来てる

結構時間をくった

 

はちまん「そろそろ行くか。ウキワ達も待ってるし」

 

エリカ「いえ、その前にどこへ向かうのかをお教えくださいませ」

 

はちまん「ああ、ゲーセンだ……。なぁエリカ」

 

エリカ「はい、何でございましょう」

 

はちまん「その口調変えられないか?」

 

エリカ「え?」

 

はちまん「あ、そうだ。さっき寝ぼけて使ってたあの口調、いま出来ないか?」

 

エリカ「え、えーと…ごほん」

 

エリカは咳払いをすると

目をどんよりさせ

 

 

エリカ「これでいぃ?」どよーん

 

 

はちまん「お、おお、さっきのどんよりしたやつだ。それならゲーセンに行っても不自然じゃないな」

 

エリカ「うえぇ…、そんなことのためにこんなめんどくさい…いやもうしゃべんのもつかれたぁ…」

 

はちまん「え、口調が変わると性格も変わるのか?」

 

 

エリカ「はちちゃーん、だるいからおんぶー」

 

はちまん「はあ!?何で俺がそんな事?その辺に歩いてるおっさんに頼めばいいだろ」

 

エリカ「えぇいさぁー」がし

 

はちまん「のわ!?どんより背中にしがみついてくるな!かわし損ねただろ!てかその背中はゴルバット専用だ!どけ!」

 

エリカ「ふー、らくちんらくちん、ぐーすかぴー」

 

はちまん「待て寝るな!」

 

ロコン「…」はぁ

 

結局そのままエリカをおんぶしてゲーセンに向かう

その間エリカはずっと寝ていた

軽いから全然苦にならないけど

これゲーセンの中に入っても続くの?

ウキワ達に何て説明しよう

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

91話 景品と変人

#タマムシシティロケットゲームコーナー付近

 

はちまん「おいエリカ、もうついたから降りてくれ」

エリカ「いやん、ねむねむ…zzz」

 

俺は壊れたエリカをゲーセンまでおぶって来た

だがこのままゲーセンに入る訳にもいかない

 

はちまん「おい、起きろ」

エリカ「やーだーれーたーすー」

はちまん「くそっ、振り落そうにも怪我させたらめんどくさいし」

エリカ「えへ、やさいしいなー。その優しさに包まれてわたしはグー…zzz」

 

コイツこの野郎

何が何でも寝るつもりか

俺は周りを見る

幸いこの変人を気にかける者はいない

関わりたくないだけか

だがそれも好都合

これならこの変なやつがエリカだとは気づくまい

 

俺はさらに周りを注意深く見る

ウキワ達を探すためだ

アイツらはいま俺やエリカと同じ黒いパーカーを着ているはず

しかしどこにもそれらしきものは見当たらない

もうゲーセンの中に入ったのだろうか

 

はちまん「エリカ、ウキワ達はもう先に行ったみたいだから俺達もゲーセンに入るぞ。っていい加減降りろ!」

エリカ「うぅー歩くのめんどいからこのままーれっつごーやー」

はちまん「怪しまれるだろーが。てかさっきから何で言葉の中に野菜を入れてるんだ、お腹空くだろ」

エリカ「あなたはーだんだんーおなかがーだんだんごー」

はちまん「ぶっ飛ばしていいか?」

 

ロコン「…」はぁ

 

エリカが意味のわからない言葉を言い出し

俺がいい加減ムカついてきた頃

俺達を先導し道案内をしてくれていたロコンがため息をついた

そして

 

ロコン「…」ぼぅ

エリカ「え!?あちちっ!ロコンちゃんっやめてっ!うわわ」

 

エリカに容赦なく『ひのこ』を向ける

エリカはそれから逃げるために俺の背中から離れる

しかし

 

はちまん「ちょっ!ロコン!こっちにも飛び火が…あちち!」

 

俺の背中に向けたため俺にも被害が

 

ロコン「…」くいっ

 

ロコンが鬱陶しそうにアゴでゲームセンターを示す

めんどくさいからさっさと行けって事か

だがそれはエリカに言ってくれ

確かに口調を変えてとは言ったがダラけていいとは言ってない

 

エリカ「じめんに足ぃついちゃった、もうわたしは歩くしかないんだね…」ずーん

 

つーかダラけ過ぎだ

歩かせてもちゃんとついて来るのか?

俺が離れた瞬間帰ったりしないか心配だ

 

エリカ「じゃーまん、てーつないでよ」

はちまん「俺の心を読むな、『じゃあ』と『はちまん』を省略するな、あと何でそんな事しなきゃならないんだ」

エリカ「だってーわたしが…あっ、私が貴方から離れていくのが嫌なんでしょう?だったら私を抱きしめて!」

はちまん「途中で思いついたようにボケるな、昼ドラかラブコメっぽく言っても手は繋がないからな。あとハードル上げてんじゃねーよ」

エリカ「じゃあハードル下げればいいんだね」

はちまん「は?」

エリカ「はいと」ぽん

 

何をするかと思えば

エリカは俺の背中自分の手のひらを当ててきた

小さい手が押し付けられる

 

はちまん「ん、何の意味があるんだ、これ」

エリカ「はちまんはこのわたしの手のひらを背中で感じて、わたしの手のひらの感触がなくなったらわたしを探してね。わかった?」

はちまん「そんな事しなくてもお前がしっかりついてくればいいだろ」

エリカ「だーめ、こうしないとはぐれちゃうでしょ」

はちまん「いや、人も少ないし逸れる事はないと思うが」

 

エリカ「それにこうすればはちまんがわたしの事をずっと気にかけてくれるでしょ」

 

はちまん「…??人にずっと気にかけられるってダルくないか?」

エリカ「ありゃま、はちまん先生はそう考えるか…」

 

よくわからないが

これなら手を繋がなくてもいいんならこれでいいか

でも逸れないようにって言ってたからこの背中の感触を覚えなきゃな

えーと

小さい面積のものが押し付けられる感じ

ずっと押し付けられるからその場所から全身に行き渡るように暖かくなり、腹の中がぽかぽかする

それとエリカが近くにいるから花の香りがする

これくらいか

よし、覚えたぞ

 

はちまん「んじゃ、行くか。エリカ、フード被れ」

エリカ「被せて」

はちまん「はぁ…、ほら」

エリカ「サンキューリ」ファサ

 

俺とエリカはフードを被る

だから何で野菜を言葉の中に入れるんだ

何の意味があるんだそれ

言葉だけスーパー野菜人か

 

はちまん「あ、ロコンお前はどうする?前みたいに俺の肩に乗ってるか?」

ロコン「…」ふるふる

はちまん「特にロコンがそうする意味がない、と。わかった、じゃあボールに戻ってるか?」

ロコン「…」こくん

 

俺はロコンをボールに戻す

そしてお待たせしました

いよいよゲームセンターへ乗り込みますよ

背中から感じる熱をもとに

エリカが追いつけるくらいの歩調に合わせゲーセンへ入る

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ロケットゲームコーナー

 

はちまん「ウキワ達は…あそこか」

 

ゲーセンに入り

店内を見渡すと黒いパーカーを3つ見つけた

ニンとシオンは流石にあげたぬいぐるみを持っていない

てかあの2人またあのジャンケンやってんのか

空気的にどっちが1番勝てるかを勝負しているらしい

ウキワはそれを見守っている

するとウキワはこちらに気づいた

アイコンタクトとジェスチャーで会話する

 

はちまん「(もう確認したのか?)」

ウキワ「(まだよ)」ふるふる

はちまん「(シオンに聞かなかったのか?)」

ウキワ「(いないみたい)」ふるふる

はちまん「(そうか…)」

 

俺はカウンターの方を見る

確かにアイツはいない

だが…

チラホラ見たことある顔が…

 

ウキワ「(合流できる?)」

はちまん「(合流…)」キョロキョロ

 

ウキワは俺と合流したいらしい

この店内で怪しまれずに合流できそうなのは…

スロット台が沢山並んでいるところを見つけた

あそこなら声を出してもスロットの音で聞こえないだろう

人も少ないし

 

はちまん「(ニンとシオンを置いてスロットに)」くいっ

ウキワ「(わかったわ)」こくん

 

俺はエリカを連れてスロット台に行く

エリカを店の1番入り口に近いところのスロット台に座らせ俺は隣に座る

これコイン制なのか

 

はちまん「ちょっと待ってろ」

エリカ「ほいほい」

 

俺は両替機でお金をコインに替えるために席を外す

その時エリカの手は背中から離れた

うーん何枚くらいしよう

昨日シオンと来た時は1000円で交換して50枚と両替できた

2人いるから2000円で100枚と交換しよう

へーコインの枚数で景品と交換できるのか…って

ポケモンも景品なのか…

俺は両替した後、エリカの待つ席へ戻る

俺の座る席のエリカとは逆方向の隣にはウキワが座っていた

ウキワと話す前にコインをエリカに渡す

 

はちまん「ほれ、これで遊んでろ」

エリカ「ほーい」

 

エリカはスロットを回しだす

俺もスロットを回しながら隣のウキワに小声で話しかける

 

はちまん「お前はやらないのか?」

ウキワ「遊びに来たわけじゃないし」

はちまん「このスロットで回ってるロゴ、ロケット団のやつじゃないか?」

ウキワ「ええ、それはさっきから気になっていたわ…それにコイン景品がポケモンだった」

 

ウキワは歯を食いしばりカウンターの方を見る

まだ俺の言っていたロケット団員はいないが

怒りが抑えられないのだろう

 

ウキワ「……貴方の言っていたやつを確認するまでもないわね。…こんな堂々と…アイツら、なめやがって」

はちまん「まあ待て、とりあえずそっちも確認しよう。後ニンは何か言ってなかったか?アイツもオツキミ山で見たやつがいるかもって連れてきたんだが」

ウキワ「…見覚えのあるやつが1人…って」

はちまん「…あのクレーンゲームの景品の位置を変えてるやつか?」

ウキワ「貴方も見た事あるの?」

はちまん「俺がオツキミ山で戦ったやつだ」

 

確かポケモンセンターで店員さんにいちゃもんをつけ

俺がミニスカのエリとギャングカップルの変装をして倒したやつの片割れだ

まあ戦闘はカットしたが

あそこにいたやつって事は大男『ロンド』の部下か

 

はちまん「…今日言ったロンドってやつもどこかにいるかもしれない」

ウキワ「…ニンより強いってやつ?」

はちまん「ああ、俺も勝てる気がしない」

 

ジャラジャラ!

 

エリカ「うわあ、見て、はちまんいっぱいでてくるよこれー」

 

俺とウキワが話している間にもスロットを回していたエリカ

うお!すげー出てきてる!

俺が渡したのは50枚だけだったんだが

見てわかるくらいその枚数を超えている

コイツの運が凄いのか、この台が出やすいのか

 

エリカ「やった、やったぁ」

 

止めどなく出てくるコインを見てはしゃぐエリカ

そんなエリカを見てウキワが聞いてきた

 

ウキワ「…ねぇ貴方、どうしてそのエリカ様を連れて来たの?それって寝起きの時のテンションよね」

はちまん「そうかお前はエリカを起こした事があるから知ってんのか。これはこのゲーセンで怪しまれないようにするためだ」

ウキワ「でも、逆に目立たない?」

はちまん「…そりゃコイツをおぶって来た時も色んなやつに見られたがな。でもこれで誰もエリカだって気づかないだろ」

ウキワ「えっ?おんぶして来たの…って、あーそのエリカ様なら歩きたくないって言いそう」

はちまん「ま、そう言う事だ」

 

 

エリカ「ん?あれぇ?」

 

するとエリカが何かを見つけたようだ

店の入り口の方を見ている

ウキワとの会話を中断する

 

はちまん「どうしたエリカ」

エリカ「ねぇー、レインも来てるのー?」

はちまん「は?いや、本部にいると思うが…」

ウキワ「…外が騒がしいわね」

はちまん「え?」

 

入り口の方を見る

確かにウキワの言う通り騒がしい

ここからでも人混みが出来ているのがわかる

…先程のエリカの台詞、まさか…

ゲーセンの入り口が開く、そこには

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

レイン「みんなー!助けにきたぜぃ!」

 

 

『『わあああーー!レインちゃーーん!』』

 

数人、人を引き連れている

黒いパーカーに赤いミニスカート姿のレインが

やはりヘソが見え隠れしている

 

レイン「あれ?どーこだー」

 

レインは店内を探す

ま、まさかあいつ

俺が『いくら待っても帰って来なかったらここに来い』って言ったけど

アイツの中の『いくら』が経ってしまい俺達が心配でこっちへ来てしまったのか…

さ、30分後とか1時間後とか、時間制限をつけとけば良かった…

 

あのついて来ている人達はレインのファンだろうか

街中でレインを見つけてついて来たのだろう

だがこんなに目立ってしまうとまずい

 

店員1「な!?あれは確か俺達を邪魔するドレス女の1人!」

店員2「あ、あの服装…確か昨日の昼も…」

店員3「いや!今日も来ていたはずだ!」

店員1「まさかそいつらもドレス女の仲間か!?」

 

やはりと言うべきか

周りの店員達がレインの登場に騒ぎ出す

それに俺達と同じ服装だから俺達と一緒方にされた

それだけじゃない

 

店員4「あの黒いパーカー!間違いない!オツキミ山で俺達をコテンパンにして眠らせやがったガキの服だ!」

店員1「て、事はソイツもいるのか!?」

店員5「くそっ!?とうとう俺達の居場所がバレたってのか!?」

 

あらま俺ってばそんなに有名になってたの

てかこんだけ主張しててバレないと思ったの?

 

レイン「あれ?みんなどこー?」

 

俺達を助けに来たはずなのにその姿が見えず、レインは周りを見渡し首をかしげる

 

ウキワ「くっ…!レインさ…」

 

ウキワがレインに呼びかけようとした

 

———その時、レインの後ろに大きな人影が

 

あれは…!

俺はレインに向かって走り出す

 

はちまん「レイン!!」

 

 

ガッシャッーーーン!!

 

 

レイン「きゃあ!」

 

入り口が破壊されその衝撃でレインが吹っ飛ばされる

 

はちまん「レインっ!」がしっ

 

ファンの方『『レインちゃん!?』』

 

幸い俺の方向に飛んで来たお陰でレインを受け止める事が出来た

その勢いのまま俺とレインは倒れ込む

 

はちまん「レイン!大丈夫か!」

 

だが俺が呼びかけてもレインから返事はない

くそっ気絶したのか!?

 

 

『どーせバレたんならいらないだろ、ここ』

 

 

前方から野太い男の声が聞こえる

恐らく入り口を壊し、レインを吹っ飛ばした張本人

傍らにはニドリーノとニドリーナを従え

顔に傷があり

山のように大きな巨体

オツキミ山で見た威圧感のある人物

 

 

はちまん「ロンド…」

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

92話 怒りと誇り

今回ロケット団員が沢山出て来ます
なので呼び方を八幡が見た場所で区別していきます

トキワの森で見たロケット団員
→森R

オツキミ山で見たロケット団員 4人(ロンドの部下)
→山RA、山RB、山RC、山RD

ゴールデンボールブリッジで見たロケット団員(スカーフ無し)
→金R

ゴールデンボールブリッジで見たロケット団員 5人
→赤R、青R、黄R、緑R、桃R

『あなをほる』を盗ったロケット団員(悩んだ)
→盗R

ゲームセンターの店員
→店員R
複数人いるためこの後ろに番号を付ける


今回これら全てのロケット団が出るとは限りませんが
これからこのロケット団員達はこう表記します

それから今回セリフとセリフの間を1行空けています
読みにくい場合はご指摘ください



#ロケットゲームコーナー

 

はちまん「ロンド…」

 

ゲームセンターの入り口は破壊され

そこには山のように大きい男が立っている

傍らにはニドリーノとニドリーナ

恐らくあの2匹が入り口を壊したのだろう

俺は共に倒れこんだレインをロンドから庇うように立ち上がる

幸い俺もレインも大した怪我はない

 

ロンド「あ?何で俺の名前を知ってんだお前?」

 

ロンドは怪訝な顔で俺を見る

いま俺はフードを被っている状態

顔はわからないだろう

どうする…

俺は倒れたままのレインを見る

コイツをこのままにはしておけない

くそっ…時間を稼ぐか…

その間にエリカかウキワが何とかしてくれるだろう

 

はちまん「…」ばさっ

 

俺はフードを外す

顔が露わになるがロンドは俺の顔を知らない

しかし先程クレーンゲームの景品を変えていたやつが俺の顔を見て驚く

あいつとはオツキミ山で戦ったから覚えているのだろう

 

山RA「あ!ロンド様!コイツ、オツキミ山で!」

 

ロンド「オツキミ山…俺が帰った後お前らが戦ったガキか…」

 

山RA「そうです!」

 

あのロケット団員はロンドの部下だったな

ロンドはそのロケット団員の報告を聞き俺を検分するように眺める

 

ロンド「ボスが…こんなガキを…」

 

声が小さく何言っているのかわからないが

とにかく今は時間稼ぎだ

何か会話しなくては

俺は頭をフル回転させる

だが俺が何かを言う前にうつ伏せに倒れているレインが動いた

 

レイン「……………」ぐぐっ

 

起き上がろうとしている

気を失っていたのではないのか

だが様子がおかしい

 

はちまん「レイン?」

 

レイン「…よくも」ゆらっ

 

レインはゆっくりと立ち上がり

ロンドと向き合う

その目は怒りに満ちていた

レインはその怒りを静かにロンドへ向ける

 

レイン「…ファンのみんなの前で恥をかかせてくれたわね?」

 

いつもの陽気な喋り方とは違いとても冷たい

自分のアイドルとしての誇りを傷つけられ怒りを覚えている

 

レイン「ふー…」

 

だが己のその怒りもひと息で吹き飛ばす

そしてファンに向かって大きな声で呼びかける

 

 

レイン「みんなー!!」

 

 

ファンの方『『レインちゃん?』』

 

いつも通りのレインだ

ロンドの登場により腰が引けていたファン達

だがレインのその声を聞くと顔から恐れは消え

驚いたようにレインを見る

 

レイン「びっくりさせちゃってごめんねー!でも大丈夫っ!実はコレー!わたしの新しいパフォーマンスのリハーサルなんだー!」

 

ファンの方『パフォーマンス?』

ファンの方『リハーサル?』

ファンの方『これは演技なのー!レインちゃん!?』

 

レイン「そうそう!わたしが悪い人をやっつけちゃうってやつ!今回特別にみんなに見せてあげるからねー!そして!」ビシッ

 

ロンド「あん?」

 

展開についていけずにいるロンドを指差す

 

レイン「そこにいる人がその悪い人なの!その人はとーっても悪い人で!何とあのロケット団の人なの!」

 

ファンの方『ロ、ロケット団!?』

ファンの方『ほ、本物なのか?』

ファンの方『だ、大丈夫なのー!?レインちゃん!?』

 

レイン「だいじょーぶ!あの悪い人はわたしと!」

 

レインは俺の腕を引く

 

 

レイン「ここにいるはちまん君が一緒にたおしちゃうから!」

 

 

はちまん「は?」

ロンド「は?」

 

レイン「だからみんなー!応援よろしくー!」

 

ファンの方『『おおーー!!』』

ファンの方『頑張れー!レインちゃんー!』

 

何勝手に決めてんだ

俺がそう言おうとした時

 

 

ビーーーー!!

 

 

ゲームセンター中にブザーが鳴り響く

するとカウンターの方から大勢の足音が聞こえてくる

そちらを見ると黒い服を着た奴らがカウンターの奥にある階段から駆けつけてくるのが見えた

先程のロンドの部下がいない

アイツが応援を呼んだのか…

 

——————

 

ロケット団1「このアジトがバレたらしいぞ!」

ロケット団2「急げ!知った奴は生かして帰すな!」

 

山RB「あのガキが来てるって!?」

山RA「ああ!あの腐っている目!間違いない!」

 

ロケット団員とロンドの部下達は俺達の方へ向かってくる

だが

 

 

シオン「………………………」

 

 

シオンが立ち塞がった

 

ロケット団1「な、なんだコイツ!?」

山RA「い、いつの間に!?」

ロケット団2「くそっ!ジャマだ!どけ!」

 

 

シオン「………………………そこのくろいひと」

 

シオンは2人のロケット団員を見つめる

 

シオン「………………………みたことある」

 

ロケット団1「あぁ!?」

ロケット団2「何言ってんだこのガキ!どけよ!」

 

 

シオン「………………………しおんたうんでみた」

 

え?

それって…

 

シオン「………………………このまえ」

 

シオン「………………………ぽけもんたわーからにげたひと」

 

 

ロケット団1「ポケモンタワー?」

ロケット団2「あのガラガラが出た…」

 

 

シオン「………………………つまり」

 

シオンの周りの空気が変わる

寒気がするほどのプレッシャーを感じる

 

 

シオン「………………………おじちゃんをいじめたひと」

 

 

ガシャン

ガシャン

ガシャン!

 

パリン

パリーン

パリン!

 

シオンがそう言った瞬間

周りにあるガラスや照明が次々に割れていく

空気が沈み、周りが暗くなる

 

ロケット団1「な、な!?」

ロケット団2「ヒ、ヒィ!?」

 

 

シオン「………………………」

 

スウッ

 

シオンの影が起き上がる

そこには赤い目が2つ

ロケット団2人を見つめる

 

 

シオン「………………………げんがー、やれ」

 

 

——————

 

山RA「おい!お前ら!」

山RB「いま助ける!」

 

ロンドの部下はロケット団員達を助けようと駆け寄よる

だが

 

 

どがーーーん!!

 

 

 

突然大きな音を立てゲームセンターの四分の一程が吹き飛んだ

 

 

 

山RA「な、なんだ!?」

山RB「何が起こった!?」

 

ロンドの部下達は驚き、音が聞こえた方を見る

そこには土煙りが舞う中

 

ゴローニャに乗ったニンがいた

 

ニンはロンドの部下達を見る

 

 

ニン「ひさしぶり〜くろいひとたち〜」

 

 

山RA「なんだテメェ!」

山RB「お前もあの変なガキの仲間か!?」

 

ニン「わすれちゃったか〜」

 

ニン「アホ毛くんと〜あったときは〜まだしらなかったし〜」

 

ニン「いまも〜リーダーのしじで〜がまんしたけど〜」

 

ニン「シオンも〜うごいたし〜もういいよね〜」

 

山RA「な、何言ってんだ!?このガキ!?」

山RB「わけのわかんねーこと言ってんじゃねー!」

 

 

ニン「あなたたち〜おつきさまのポケモン〜いじめたでしょ〜」

 

 

ニン「それも〜ここのけいひんにしたり〜」

 

ニン「おつきさまのポケモンが〜たいせつにしてた〜ものをとったり〜」

 

ニン「したよね〜」

 

 

ニンは笑う

冷酷な目で見つめ

口を三日月のようにして笑う

 

 

ニン「ゴローニャ〜やっちゃって〜フフフ〜♪」

 

 

——————

 

ドガーン!

 

俺は後ろで繰り広げられる壮絶な光景を見て呆気にとられていた

怖っ!何あの子達!?

アイツら怒らせるとあんなに怖いの!?

だが驚いているのもつかの間

 

 

エリカ「皆様方!!」

 

 

エリカがゲームセンターにいる者全てに聞こえるように声を張り上げる

先程までダラダラしていた人だとは思えない程に毅然とした態度と声量、そして気迫

 

エリカ「ここにいらしては危険ですわ!一刻も早く外へ避難してくださいまし!レイン様を応援してくださる方々も外へ!」

 

エリカはゲームセンターの利用客達を外へ避難するよう指示する

利用客達はエリカがいる事に驚いたが

素直に従い外に出る

それを確認すると今度はウキワに指示を出す

 

エリカ「ウキワ様、ウキワ様にお願いがございます」

 

ウキワ「はい」

 

エリカ「これからコブキ様の元へ行き、この事をご報告してくださいませ」

 

ウキワ「し、しかしそれでは…」

 

エリカ「コブキ様が貴女様方に下したご命令とは異なった状況になってしまいましたわ。しかしこうなった以上は仕方がありませんわ。ウキワ様がコブキ様に指示を仰ぎまして、貴女様方チームがどのように動くのかをご決断して頂きたいのです」

 

 

ウキワ「ニンとシオンは…」

 

エリカ「あのお二人方はコブキ様の新しき命を下されるまではわたくしがお守りいたしますわ。もしコブキ様がお二人方にお戻りになられるよう指示されましたら、ウキワ様がお二人方をお迎えに来てくださいまし。必ずやお返しいたしますわ」

 

 

ウキワ「エリカ様は…」

 

エリカ「わたくしは貴女様方チームと共にこの街を守るというはちまん様とのお約束をお守りいたしますわ。なのでご心配なさらずに。ニン様もシオン様もレイン様も、ここにいる方々も、そしてはちまん様もわたくしが必ずお守りしますわ。ジムリーダーの誇りをかけて」

 

 

ウキワ「……わかりました、すぐに戻ります!」

 

エリカ「ええ、頼みましたよウキワ様」

 

ウキワはコブキさんの元へと走り出す

チラッと俺の方を見た

そして店の外に出ると

 

ウキワ「サンドパン!あなをほるで本部まで!」

 

サンドパンを繰り出し穴をほらせ、ともにその穴の中へ入っていった

エリカはウキワが本部に向かったのを見ると

 

エリカ「ニン様!シオン様!コブキ様のご指示が出るまでその方達のお相手を!」

 

エリカ「レイン様!そしてはちまん様!貴方様方のお背中はわたくし達がお守りいたしますわ!貴方様方は目の前の敵のお相手に集中してくださいませ!」

 

レイン「ありがとー!エリカ様!」

 

レインはエリカに礼を言うと

 

レイン「さあ!はちまん君!行くよ!」

 

俺に戦わせようと声をかけてくる

だが俺はまだ状況を把握しきれていない

するとエリカがこちらを見た

 

エリカ「あらあら、はちまん様。何を呆けているのですか?」

 

はちまん「いや…お前ら何勝手に決めてんだ…」

 

さっき言えなかった文句を言う

こんな事言っても意味がないのはわかっているが

案の定エリカが食いついてくる

 

エリカ「あら、怖気付いてしまわれましたか」

 

はちまん「いきなりあんな大男と戦えって言われたんだぞ、ビビるに決まってるだろ」

 

エリカ「ふふ、しかしそうも言っていられませんわ。ほら、レイン様を応援してくださっている方々も貴方様を心待ちにしておりますわ」

 

 

ファンの方『はちまんとやら!レインちゃんが待ってるだろ!さっさと戦っちゃいなよ!』

ファンの方『小僧!安心しろ!レインちゃんが大丈夫と言ったんだ!大丈夫に決まってる!』

ファンの方『お前が戦わないなら俺が戦うぞ!いいかな!?レインちゃん!』

 

レイン「気持ちは嬉しいけどダメだよ!ごめんね!さあほら、はちまん君!早く早くー!」

 

俺はこめかみをおさえるゆきのんスタイルでため息をつく

なーんでこんな事に…

 

はちまん「はぁ…負けても文句言うなよ」

 

仕方なしに俺はロンドに向き合う

ずっと蚊帳の外だったロンドは青筋を立て険しい表情をしていた

 

ロンド「…テメェら何勝手に決めてんだ」

 

はちまん「奇遇だな、俺も同じ意見だ」

 

ロンド「おい、ガキ。コイツらはいつもこうなのか?」

 

はちまん「さぁ?最近あったばかりだから何とも。ただ図々しくて、言う事聞かないと脅してくるようなやつらだってのは知ってるな」

 

ロンド「…お前も大変だな」

 

はちまん「いや、女ってこんなもんじゃないか?」

 

ロンド「ウチは男所帯だからよくわからん」

 

はちまん「へー、羨ましいな。俺もロケット団に入れば良かったか」

 

ロンド「お前が来ても俺達と馴染めないと思うぞ」

 

はちまん「奇遇だな、俺も同じ意見だ。お前らって何か闇を抱えてそうでめんどくさいからな」

 

ロンド「闇…か。確かにそうかもな…」

 

はちまん「え、あんの?服が黒いだけじゃなかったのか」

 

ロンド「テメェ…舐めてんのか?」

 

はちまん「舐められるような事をしているお前らが悪い」

 

ロンド「ちっ、やっぱテメェは気に食わねえな」

 

ロンドはそばに控えるニドリーナとニドリーノを前に出す

 

ロンド「ニドリーナ、ニドリーノ」

 

ニドリーナ「!」さっ

ニドリーノ「!」さっ

 

ロンドは俺とレインを交互に見ると不敵に笑う

 

 

ロンド「テメェら2人まとめてくるんだよな?いいぜ相手してやるよ、かかって来やがれ!!」

 

 

レイン「よし!行くよー!はちまん君!」

 

俺とレインはポケモンを繰り出す

 

レイン「いっけー!イーブイ!」

 

イーブイ「ブイッ!」

 

はちまん「カビゴン!」

 

カビゴン「ゴーン!」

 

俺とレインは構える

勝てる気はしないが、まあやるだけやるか

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

93話 とっておきと取り引き

#ロケットゲームコーナー

 

トレーナー戦

 

ロケット団のロンド ニドリーナ&ニドリーノ

 

VS

 

レイン イーブイ

&

はちまん カビゴン

 

1ターン目

 

ロンド「ニドリーナ!イーブイににどげり!ニドリーノ!カビゴンににどげり!」

レイン「イーブイ!かげぶんしんだよ!」

はちまん「カビゴン!ニドリーナにあくび!」

 

イーブイ かげぶんしん

イーブイ「!」シュシュシュ

 

ニドリーノ にどげり

ニドリーノ「!!」げしっ、げしっ

カビゴン「…!!……!!」

 

ニドリーナ にどげり

ニドリーナ「!」げしっ

イーブイ「…」ひょい

 

カビゴン あくび

カビゴン「!」ふわぁ。○

ニドリーナ「…!」ふわぁ。○

 

 

最初に動いたのはイーブイ

技は『かげぶんしん』

これは自分の回避率を上昇させる技で、結果ニドリーナの攻撃を回避した

ニドリーノの『にどげり』はカビゴンに命中

にどげりはホネブーメランと同じ二回連続攻撃技で

さらにかくとうタイプのためノーマルタイプのカビゴンに効果抜群、大ダメージを受けてしまう

だが耐久の高いカビゴンだ、それでもまだ余裕がある

そしてカビゴンの『あくび』

これは次のターン、対象の行動が終わると効果が発動し相手を『ねむり』状態にする

つまりニドリーナは次のターン攻撃し終わるとねむってしまうという事だ

 

次のターン

イーブイが『かげぶんしん』で回避率を上昇させているため、相手はカビゴンを集中攻撃してくるだろう

二回くらいの『にどげり』なら耐えられそうだが

いま受けたダメージと合わせると、次のターンでカビゴンはやられてしまうかもしれない

だが1ターン耐えればどうにかなる

ここはカビゴンの耐久力を信じて…

 

 

2ターン目

 

ロンド「ニドリーナ!ニドリーノ!カビゴンににどげり!」

レイン「イーブイ!リフレクターだよ!」

はちまん「カビゴン!ねむる!」

 

イーブイ リフレクター

イーブイ「!」ぶうーん

カビゴン「!」ぶうーん

 

ニドリーノ にどげり

ニドリーノ「!!」げしっ、げしっ

カビゴン「…!!……!!」

 

ニドリーナ にどげり

ニドリーナ「!!」げしっ、げしっ

カビゴン「…!!……!!」

 

カビゴン「…!」ふらふら

 

カビゴン ねむる

カビゴン「ご〜ん…zzz〜♪」

 

カビゴン『カゴのみ』

カビゴン「!」もぐもぐ、シャキーン

 

ニドリーナ「…zzz」

 

 

おお、レインのイーブイが『リフレクター』を張ってくれたおかげでなんとか耐えられた

『リフレクター』という技は味方を物理技に対して強くする技で、カビゴンの耐久力と合わせ瀕死寸前でギリギリ耐えられた

サンキューレイン

カビゴンを『ねむる』で体力を全回復させ、持っていた『カゴのみ』の効果で『ねむり』状態も回復させる、戦う前の状態に戻った

そしてニドリーナは『あくび』の効果でねむり、3ターンは眠った状態で攻撃できない

これで注意すべきはニドリーノの攻撃

選択肢は2つ

攻撃してくるニドリーノを先に倒し、その後にニドリーナを倒す

それとも寝ているニドリーナを倒してからニドリーノを倒すか

効率的にはニドリーノを先に倒す方が良さそうだが

ニドリーナが起きる前に倒さなければ、また集中攻撃をくらってしまう

しかし、いまはニドリーノを攻撃しておくか

 

 

3ターン目

 

ロンド「くっ、ニドリーノ!カビゴンににどげり!」

レイン「イーブイ!スピードスターっ!」

はちまん「カビゴン!ニドリーノにのしかかる!」

 

イーブイ スピードスター

イーブイ「!」キラキラパラパラ

ニドリーナ「…!」

ニドリーノ「…!」

 

ニドリーノ にどげり

ニドリーノ「!!」げしっ、げしっ

カビゴン「…!!……!!」

 

カビゴン のしかかる

カビゴン「!」のしっ

ニドリーノ「…!」

 

ニドリーナ「zzz」

 

 

イーブイは『スピードスター』

これは相手2匹を攻撃できる必中の技

対するニドリーノはカビゴンに『にどげり』

ニドリーナが起きるまでダメージを稼いでおく作戦だろう

ニドリーノに『のしかかる』が、次のターンで倒せるかどうか…

 

ぽんぽん

 

レイン「だいじょーぶ!私に任せてっ!」

 

レインが俺の肩を叩きそう言った

ニドリーノを倒す自信があるのだろうか?

あ、そうかイーブイの…

 

 

4ターン目

 

ロンド「ニドリーノ!カビゴンににどげり!」

レイン「イーブイ!ニドリーノにやっちゃえ!とっておきっ!」

はちまん「カビゴン!ニドリーナにのしかかる!」

 

イーブイ とっておき

イーブイ「!」ジャジャーン

ニドリーノ「…!」

 

ニドリーノ「…」

バタン

 

カビゴン のしかかる

カビゴン「!」のしっ

ニドリーナ「…!」

 

ニドリーナ「…!」ハッ

 

 

イーブイの『とっておき』

これは自身の覚えている技のうち、『とっておき』以外の技全てを使った時のみ発動できる高威力技

これでニドリーノは倒れた

残ったニドリーナに『のしかかる』で攻撃

そしてこのターンでニドリーナは起きる

 

—————

 

ロンド「くそ!戻れ、ニドリーノ!」

 

ロンドは倒れたニドリーノをボールに戻す

そして次に繰り出されたのは…

 

ロンド「あのガキをぶちのめせ!カイロス!」

 

ポンッ!

 

カイロス「!」

 

うわ、虫だ

ロンドの次のポケモンはカイロス

攻撃力の高い虫ポケモンだ

だがリフレクターが張られているのはロンドもわかっているはず

さあどうくる

 

—————

 

ロケット団のロンド カイロス&ニドリーナ

 

VS

 

レイン イーブイ

&

はちまん カビゴン

 

 

1ターン目

 

ロンド「カイロス!カビゴンにかわらわり!ニドリーナ!てだすけ!」

レイン「イーブイ!カイロスにとっておき!」

はちまん「カビゴン!カイロスにのしかかり!」

 

ニドリーナ てだすけ

ニドリーナ「!」ぱんっ

カイロス「!」ぐっ

 

カイロス かわらわり

カイロス「!!」ガシャーン

カビゴン「…!!」

 

カビゴン「…」

バタン

 

イーブイ とっておき

イーブイ「!」ジャジャーン

カイロス「…!」

 

カイロス「…!」ふらふら

 

くっ、カビゴン…

ニドリーナがやった技『てだすけ』は味方の繰り出す技の威力を上げる技

効果抜群のかくとう技に『てだすけ』が上乗せされ、カビゴンは倒れてしまった

しかもカイロスの『かわらわり』で『リフレクター』も破られた

だがイーブイの高火力『とっておき』でカイロスは一気に瀕死寸前

 

—————

 

はちまん「…お疲れ、カビゴン」

 

俺はカビゴンをボールに戻す

ふー

さて相手はダメージを負ったニドリーナに瀕死寸前のカイロス

ロンドの残りのポケモンでまだ出されていないのが後3匹だとすると

主力のカラカラは温存

虫タイプのカイロスに有利で、なおかつニドリーナのどくタイプの技とかくとう技に対して強いやつ

そんなのはアイツしかいない

 

俺はボールを背中に持っていく

 

レイン「何してるの?はちまん君」

ロンド「あ?」

エリカ「はちまん様?」

 

俺の行動を見たレインとロンド、そして後ろで戦いを見ていたエリカが首をかしげる

ふっ、いまにわかる…

よし、準備完了

行くぜ!

 

 

はちまん「出番だ!ゴルバット!」

ゴルバット「バーット!」

 

バサァ

バサァ

 

 

俺とゴルバットの吸血鬼演出!!

 

レイン「おおーー!!」

 

ファンの方『『おおーー!!すげー!!』』

 

ふっふっふ

どうやらレインやそのファンの方々には受けたみたいだ

そうだろうそうだろう

みんなには俺がコウモリの翼を広げているように見えている事だろう

カッコよくないはずがない!

目を輝かせたレインから

 

レイン「すごいよはちまん君!カッコいい!」

はちまん「そーだろそーだろ。何せゴルバットと何度も練習したからな!」

ゴルバット「バット♪」

 

ファンの方『うおおー!バット○ン!バット○ンだ!』

ファンの方『アイドルのレインちゃんと共に戦うダークヒーロー!すげー演出だぜ!』

ファンの方『カッコいいよー!レインちゃん!』

 

レインやファンの方々から褒められて、俺の気分は最高

やったぜ

雪乃には少し不評だったが、わかる人にはわかるんだよ

だが俺の目の前にいる変な巨体は…

 

ロンド「…それ、なんか意味あんのか?そんなんやっても戦いにはなんの関係もないだろ」

はちまん「は?」

レイン「えぇ!?まさかあなた、この良さがわからないの!?」

ロンド「え、いやそんなんやっても強くなるわけじゃ…」

 

俺はこめかみを抑える

コイツ…どうやらわかっていないらしい

 

はちまん「……お前、頭が弱いとは思っていたが…まさかそこまで…」

ロンド「ああ!?なんだとこのクソガキ!」

はちまん「はぁ、仕方ない。エリカ、教えてやりなさい」

エリカ「え、わたくしがご説明するのでこざいますか?」

 

俺は後ろにいるエリカに説明させる

だがエリカはなぜか戸惑っている

え、嘘だろ?

 

はちまん「エリカ…まさかとは思うが…。この演出の意味をわからないとか言うんじゃ…」

レイン「ええ!?エ、エリカ様もわからないの!?ジムリーダーなのに!?」

エリカ「え?これとジムリーダーとどのような関係が…?」

はちまん「お、お前…さっきウキワにジムリーダーの誇りがどうとか言ってただろ!あれは嘘だって言うのかよ!?」

エリカ「え、ええ…で、でも…」

 

俺とレインの責めにより狼狽えるエリカ

 

エリカ「どうなされたのでしょうか、はちまん様…。このようなお話しをされている場合では…」(小声)

 

エリカが何かを呟いているが

俺はいまエリカに失望しそうになっていてそれどころではない

 

はちまん「…エリカ、このままだとジムリーダー失格だぞ」

エリカ「で、ですから、ジムリーダーとそのご格好にどんな関係があるのですか?他のジムリーダーの方々もそのご格好の意味はわからないと思いますが…」

はちまん「いーや、マチスはわかってた。わかってないのはお前だけだ」

エリカ「えっと、それはあの方の感性ではないのですか?」

 

まだ認めないか

ポケモンを大切にしているであろうエリカならわかると思ったんだが

 

エリカ「いえ…はちまん様もこのようなお話しをしている場合ではない事はおわかりになられていらっしゃるはず。しかしそれでもお話しを続けると言う事は…。はっ、もしや時間稼ぎでございますか!?確かにあのお相手様はお強い、このまま戦を続けましても勝てますかどうか…」(小声)

 

はちまん「おーい、エリカー?」

 

エリカの様子がおかしい

ずっと俯いてブツブツ言っている

少し言い過ぎたか?

 

エリカ「そのためはちまん様は、ウキワ様がコブキ様をお連れしてくださる事を期待して…、そしてコブキ様なら勝てるであろうと考えわたくしとの問答でコブキ様がいらっしゃるまでの時間稼ぎを…?そ、そうに違いありませんわ!そうと決まれば…」(小声)

 

俺は謝ろうとしたが、エリカが何かを閃いたように顔を上げ

『わかっていますわ』と言わんばかりの顔で俺に微笑んだ

どうした急に

 

エリカ「はちまん様!」

はちまん「?」

エリカ「少しお時間を頂いてもよろしいでしょうか!?」

はちまん「え、それはロンドの奴に聞かないと…」

ロンド「いや、説明なんか必要ないからさっさと…」

 

 

エリカ「うるさいですわねっ!貴方様がお聞きになった事でしょう!?わたくしが回答するまで大人しく待っていなさい!この図体だけのトリ頭野郎!!」

 

 

ロンド「」

はちまん「」

レイン「」

 

ファンの方々『』

 

エリカは激高し、周りを静かにすると顎に手を当て考えだす

俺やロンドは怒られたくないので黙っている

しばらくするとエリカは

 

エリカ「…わかりましたわ」

はちまん「え、本当か?」

エリカ「ええ」

 

エリカ「その翼を広げるような演出ははちまん様とゴルバット様の息があってこその演出ですわ。それははちまん様がゴルバット様を、そしてゴルバット様がはちまん様を信じていると言う信頼関係の証し…。これを戦いの直前でするのはポケモンとトレーナーの意思伝達を強化するため」

 

エリカ「さらに己の気合いを高めるためにはちまん様が考案なされた所謂『ふぁいてぃんぐぽーず』でもありますわ。これによりゴルバット様は気合い充分になり、戦いもはちまん様が圧倒的なものにするでしょう」

 

ファンの方々『『おおーー!!流石エリカ様ーー!!』』

 

 

はちまん「な、なあそんな理由だっけ…」コソコソ

レイン「わ、私もわかんない…ただカッコいいってだけじゃないの?」コソコソ

はちまん「い、いや俺もそのつもりだったんだが」コソコソ

 

 

ロンド「……おい、もうわかったからさっさと再開しょうぜ」

はちまん「あ、ああそうだな、頼むぞゴルバット」

ゴルバット「バーット!」

 

—————

 

ロケット団のロンド カイロス&ニドリーナ

 

VS

 

レイン イーブイ

&

はちまん ゴルバット

 

1ターン目

 

ロンド「カイロス!まもる!ニドリーナ!ゴルバットにつつく!」

レイン「イーブイ!もっかいリフレクター!」

はちまん「ゴルバット!ニドリーナにあやしいひかり!」

 

カイロス まもる

カイロス「!」ガード

 

ゴルバット あやしいひかり

ゴルバット「!」ピロピロ

ニドリーナ「…?!」

 

イーブイ リフレクター

イーブイ「!」ぶうーん

ゴルバット「!」ぶうーん

 

ニドリーナ つつく

ニドリーナ「…?!」ばしっ

ニドリーナ「…!」

 

 

カイロスの『まもる』

これは1ターンの間ダメージを受けなくする技

だがイーブイはカイロスに割られた『リフレクター』の再展開

ゴルバットは『てだすけ』を警戒しニドリーナを『あやしいひかり』で混乱させたため『まもる』の効果は発揮できなかった

ニドリーナは混乱して自分を攻撃した

 

カイロスが『まもる』?

恐らくゴルバットのひこうタイプ技を警戒し出したのだろうが

何かあるのか?

状態変化技か、それとも…『カウンター』?

『まもる』は連続して出すと失敗する可能性が高くなる

多くのトレーナーはその隙をつき攻撃をする

そこで物理技読みの『カウンター』を出すとすれば

しかしこの戦略はかなりの難易度だ

相手が攻撃し、なおかつそれが物理技であり、さらにカイロスがその攻撃を耐えなければ意味のない戦略だ

考え過ぎかもしれないがカイロスの『まもる』が怪しいのも事実

ここは無難に『あやしいひかり』で

 

 

3ターン目

 

ロンド「カイロス!イーブイにばかぢから!ニドリーナ!てだすけ!」

レイン「イーブイ!カイロスにとっておき!」

はちまん「ゴルバット!カイロスにあやしいひかり!」

 

ニドリーナ てだすけ

ニドリーナ「!」パンッ

カイロス「!」ぐっ

 

ゴルバット あやしいひかり

ゴルバット「!」ピロピロ

カイロス「…?!」

 

カイロス ばかぢから

カイロス「…?!」ばしっ

カイロス「…!」

 

ロンド「ちっ」

 

イーブイ とっておき

イーブイ「!」ジャジャーン

カイロス「…!」

 

カイロス「…」

バタン

 

 

カイロスはニドリーナの『てだすけ』からの『ばかぢから』

なるほど『まもる』はこの『ばかぢから』のためか

『ばかぢから』は高威力のかくとう技なのだが

攻撃した後に自分の攻撃力と守備力が下がる技で

守備力の下がったカイロスを倒されないようにするための『まもる』だったのか

深読みし過ぎた

だがその読みおかげでカイロスを混乱させ、イーブイに攻撃させなかった

もっともいまイーブイは回避率が上がっているので当たるかどうかも怪しいが

そしてカイロスはイーブイの『とっておき』により沈んだ

 

—————

 

ロンド「くそっくそっ!」

 

ロンドは倒れたカイロスを戻して、悔しがっている

まあ『かげぶんしん』をやられるのは俺も嫌だけど

 

はちまん「おい、どうした。まだポケモンはいるんじゃないのか?」

レイン「さっさとだしなよ!わたしのイーブイはまだまだ体力満タンだよ!」

イーブイ「ブーイ!」

 

ファンの方『『おおーー!流石レインちゃん強い!!』』

ファンの方『まだ一撃もくらってない!すごいよレインちゃん!』

 

ポケモンを2匹とも倒し、さらに無傷というレインの好成績に観客は沸き立つ

運も味方したが、これがレインの実力なのだろう

 

ロンド「くそが……」

 

ん?

ロンドはどこかを見ている

方向は俺とレインの方だが、俺達を見ていない

俺達の後ろか?

すると

 

ニン「アホ毛くん〜まだ〜?ふふふ〜♪」

シオン「………………………はち、おわった?」

はちまん「うおっ!?びっくりした!」

 

俺のそばにニンとシオンがいた

いつのまに!?

相変わらず存在感薄いな

てか、コイツらがここにいるって事は…

俺は後ろを振り返る

そこにはエリカがいて

そのさらに後ろには…物凄い光景

 

ガラスは割れまくり

スロット台も壊れて中からコインがジャラジャラ

先程見た時はゲームセンターの4分の1をニンが壊していたが

いまはもうおっ広げ、壁なんてない

そこら中に転がっているロケット団員とゲームセンターの店員達、そしてそのポケモン

 

はちまん「あ、あれお前らだけでやったの?」

ニン「うん〜やりすぎちゃった〜ふふふ♪」

シオン「………………………すっきりした」

はちまん「エ、エリカは?」

エリカ「わたくしは何もしておりません」

 

ニン「あ〜エリカさま〜けいひんにされてたポケモンたち〜たすけてあげませんと〜ふふふ♪」

エリカ「ふふ、そうでございますね。そろそろコブキ様かウキワ様がいらっしゃると思うので皆様と協力してもとにいた場所へ帰して差し上げましょう」

ニン「おつきさまの〜ポケモンは〜わたしが〜ふふふ♪」

エリカ「ではニン様、よろしくおねがいいたしますわね。ふふ」

ニン「はい〜ふふふ♪」

 

ニンとエリカはもうすでに後始末の相談をしている

恐らくあそこで倒れているロケット団がここにいた全員なのだろう

いや、後1人ここにいるが

俺はロンドの方を見る

 

はちまん「あの、どうする?続けるか?」

ロンド「…………続けるに決まって」

 

???「駄目ですよそれは」

 

はちまん「!?」

エリカ「!?」

レイン「え!?だれ!?」

ニン「え〜!?」

シオン「………………………ぽっきー」

 

まだ戦おうとするロンドを止めたのは顔の白い細い長身の男

長い手足に長い顔

黒いベストに白いタイツ、それに縦に長い黒のシルクハット

あれだ、少年マンガに出てくる参謀ポジションの様な奴

…シオンが何でポッキーと言ったのかは不明

出てきた男を見て似ていると思ったのだろうが…

食べたいのかな、後で買ってやろう

 

ロンド「ロロット、テメェ…」

 

ロロットと呼ばれた男は薄気味悪い顔で笑う

ロンドの反応からしてロンドと同格の人物か?

 

ロロット「くく、ロンドさん貴方は我がロケット団の貴重な戦力なのですよ。貴方がボスのお気に入りの少年に勝ったところで後ろにはジムリーダーが控えています。貴方がこのまま戦い続ければ消耗し捕まりますよ」

ロンド「……構わねえよ、あそこで倒れている俺の部下はどのみち捕まるんだ。だったら俺も…」

ロロット「貴方は貴重な戦力だと言ったでしょう。それにオツキミ山での失態を取り返せていないのにさらに失態を繰り返したのです。ちゃんとボスにご自分からご報告しなさい。そして…後は言わなくてもわかりますよね?」

ロンド「くっ…」

 

ふむ

ロロットの最後の言葉が気になるが

それは置いといて

会話の内容からしてロロットはロンドに捕まって欲しくないらしい

そしてロンドは倒れているロケット団員と心中すると

俺は後ろの惨状を見る

……よし

 

はちまん「おいロロットて奴、ちょっといいか?」

ロロット「おやおやボスのお気に入りが私に何のご用でしょうか」

はちまん「お前取り引きしないか?」

ロロット「取り引き…ですか」

 

エリカ「は、はちまん様!?」

はちまん「いいから」

 

俺は止めようとするエリカを制する

 

ロロット「それはどの様な取り引きでございますか」

はちまん「簡単だ、あそこに伸びてるロケット団員とそこのロンド。捕まえないでやるからさ。このゲームセンターまるまるくれないか?」

ロロット「ほう?」

はちまん「壊れてるからどうせお前ら使わないだろ。だったらこのタマムシシティに寄付してくれないか?」

 

エリカ「はちまん様!?何を勝手に!?」

はちまん「エリカ、俺を信じてくれ悪い様にはしない」

エリカ「はちまん様…」

 

エリカやコブキさん達には悪いが

今は優先すべき事がある

 

はちまん「で、どうなんだ」

ロロット「ふむ確かにもうここはもういらないですね。不要物件と大事な団員達を交換してくれるとは…本当によろしいので?」

はちまん「いや、悪いがそれは違う」

ロロット「はい?何が違うのですか?」

 

はちまん「俺はこのゲームセンターまるまるくれって言ったんだ。つまりゲームセンターという物件だけでなく、景品であるポケモンごとこちらに渡せと言っている」

 

ニン「アホ毛くん〜!〜ふふふ♪」

 

ロロット「ほう、悪の組織を捕まえるよりポケモンを助けるほうが大事だと?」

はちまん「当たり前だ。お前ら汚いおっさんよりも、ポケモンの方が大事に決まってるだろ」

ロロット「くく、ボスの言う通り面白い事を言う少年ですね。論はふざけていますが納得してしまいました」

 

ロロット「しかし、よろしいので?私達を野放しにしてしまうと貴方達には不都合では?」

はちまん「アイツら捕まえても得られるものは特にないだろ。どうせあそこで寝てる奴らには何も教えてないんだろ?」

ロロット「ほほう、そこまで読んだ上での取り引きですか。なかなか食えそうにありませんね貴方」

はちまん「あ、それロンドにも言われた。気にくわないって」

 

ロロット「…それで?貴方はどこまで読んでいますか?」

はちまん「ロンドの事は偶々で、お前が『暇つぶし』でここにいるって事くらいかな」

ロロット「なっ…!?ふっくく、しかしそこまで読まれているのでしたらこの取り引き、我々にとって不利なのでは?」

 

はちまん「お前らが団員を見捨てるって言うんならそれでいいがな。どうせポケモン達はこっちで回収するつもりだったし。その上でこっちは団員を返すって言っているんだ、お前らにとっては得だろ」

ロロット「それにしても難しいのですよ。ここは私達の本拠地…ボスの許可なく手放すわけには…」よよよ

はちまん「あっはっは!白々しい、アンタ演技下手だな」

ロロット「くく、我ながらそう思いました、くく」

 

はちまん「おい、これ以上話す必要はないだろ」

 

ロロット「はいはい、『帰りますよ』くく」

 

ロロットはそう言うと手を挙げた

するとレインのファンがいる人混みからロケット団の隊服を着た女性が数人出て来た

ロロットの部下だろう

そいつらはゲームセンターの中に入り倒れているロケット団員を外へ運んで行く

そしてまた人混みの中へ消えていった

それを見たロロットはロンドに声をかける

 

ロロット「ご好意に甘えてロンドさん、ほら」

ロンド「……わかった。ガキ今度は一対一で勝負だ」

 

ロンドは俺に変な約束を押し付け、繰り出していたニドリーナをボールに戻すと去って行った

えーなにそれやだよめんどくさい

そんなに勝負したいなら1人でジャンケンすればいいのに

さあ君は右手と左手、どっちの味方だ!

ロンドが去ったのを確認するとロロットがこっちを見た

 

ロロット「貴方、お名前は?」

はちまん「ん?お前らのボスから聞いてないのか?」

ロロット「くく、聞いていますが貴方の口から聞きたいのです」

はちまん「なんだよそれめんどくさい…後気持ち悪い。はちまんだ」

ロロット「はちまん…ですね。しっかりと覚えておきます。またお会いする事がありましたらその時は私のお相手もよろしくお願いしますね」

はちまん「えー、だったらロンドとやってろよ」

ロロット「くく、私は貴方を気に入りました。あ、そうです。貴方私達ロケット団に入りませんか?」

はちまん「多分お前らと考え方が違うからやだ」

ロロット「そうですか、残念です。貴方がいればこのカントー地方を支配できたでしょうに」

はちまん「それは無理だ」

ロロット「ほう、そうなのですか?」

 

はちまん「俺より何百倍も強い『雪女』がこの地方にはいるからな。この俺がどれだけ策略を巡らせようともそいつには勝てない」

 

ロロット「雪女…四天王のあの方とは違うようですね…。くく、そのような方がいるのですか。敵方へ行かないように祈りますかね」

はちまん「いまのところ望み薄」

ロロット「残念です」

 

ロロット「では、次に会うときは戦場で」

はちまん「お断りします」

ロロット「あはは」

 

ロロットはひとしきり笑うと煙のように消えた

なにアイツ忍者ハッ○リくん?

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

94話 元気と理由

はちまん「ったく、なんでアイツらは俺に予約していくんだ…」

 

ロンドとロロットがいなくなった後、俺は一人愚痴る

あの2人と言いアイツらのボスと言い

戦うなら俺じゃなくて他のやつにしてくれよ

俺はまだまだ弱いってのに

っと

 

はちまん「ゴルバット、お疲れさん」

ゴルバット「バーット♪」

はちまん「ちょーっと怖いお姉さん達とお話しがあるからボールに戻っててくれ」

ゴルバット「バット…」しょぼーん

はちまん「俺の背中で寝るならまた今度な」

 

俺はゴルバットをボールに戻す

 

はちまん「カビゴンもお疲れさん」

 

カビゴンの入ったボールに声をかける

いち早く回復させたいが

 

エリカ「はちまん様?ご説明いただけますか?」

 

まずは後ろにいるお嬢様に説明しなくては…

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#元ロケットゲームコーナー

 

はちまん「エリカ、説明するにも少し待ってくれるか?ウキワもこっちへ戻って来ているはずだし」

エリカ「…………わかりましたわ」

はちまん「それじゃあ、レイン」

レイン「ん?なーにー?はちまん君」

 

はちまん「エリカ達は先に本部へ戻ってるから、お前はあのファンの方を帰してやってくれ」

レイン「はいはーい!わかった!」

 

レインは元気よく返事をするとファンの方々の元へ走って行く

わわわ、スカート!

 

はちまん「エリカ、お前は後でここに人手を…」

エリカ「ご心配なく、はちまん様が交渉なされている間に手配しておきましたわ」

はちまん「早いなおい」

 

このゲームセンターは大丈夫そうだな

 

はちまん「ニン、お前はどうする?先にポケモン達をここから出してやるか?」

ニン「それは〜もうエリカさまに〜たのんで〜アホ毛くんの〜はなしがおわったら〜おてつだいする〜ふふふ♪」

はちまん「そうか、ならお前も本部に戻っているか」

 

ニン「ん〜?アホ毛くんは〜いっしょにもどらないの〜?ふふふ〜♪」

エリカ「え、そうなのですか?」

はちまん「ああ、俺はちょっとやる事があるからな。先に本部へ戻っててくれ、説明は俺が戻ったら説明する。あ、何があったかはお前らがコブキさんにやっといてくれ、俺はやらんからな」

エリカ「ふぅ…。わかりましたわ、それはお任せください。しかしお逃げにならないでくださいませ、必ず戻って来てください」

はちまん「大丈夫だって、シオンも連れてくし」

ニン「え〜なんでシオン〜?わたしは〜?ふふふ〜♪」

はちまん「悪い、後で埋め合わせするから」

ニン「ほんと〜?ふふふ〜♪」

はちまん「ああ」

 

エリカ「わかりましたわ、それで了解いたしましょう」

はちまん「いや、お前には言ってねーよ。…ん?」

エリカ「どうなされました?」

はちまん「いや、なんかお前の喋り方に違和感が…」

エリカ「そうでございますか?」

はちまん「なんか…こう…丸いと言うか…うーん」

エリカ「くすっ、はちまん様の気のせいですわ」

はちまん「…そうかもな」

 

さて、レインの方は大変そうだが…まあなんとかなるか

エリカとニンは本部に帰すとして

いまするべきはこんくらいでいいかな

 

はちまん「シオン」

シオン「………………………わたしはどうするの?」

はちまん「悪いが俺と一緒に来て欲しい所があるんだ」

シオン「………………………わかった」

 

はちまん「それじゃあ俺とシオンは行く所があるから、お前らはウキワが戻って来たら一緒に本部へ戻っといてくれ。レインはファンを帰したら戻るだろ」

エリカ「わかりましたわ」

ニン「それじゃあ〜アホ毛くん〜あとでね〜ふふふ♪」

はちまん「おう。行くぞシオン」

シオン「………………………ん」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

俺とシオンはとある場所へ向かいタマムシシティを歩いている

目的地に結構近づいて来た所でシオンが聞いてきた

 

シオン「………………………はち」

はちまん「ん?」

シオン「………………………こっちって」

はちまん「ああ、7番道路だ」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#7番道路

 

シオン「………………………どうしてここに?」

はちまん「その前に少し待ってくれるか?」

シオン「………………………いいよ」

はちまん「サンキュ」

 

俺はシオンからの了承を得て、カビゴンの入ったボールを取り出す

 

はちまん「カビゴン」

 

ポンッ!

 

カビゴン「ご〜ん〜」ぐったり

 

先程の戦いで瀕死になったカビゴンはぐったりして寝ている

大丈夫かな、と思いながらバッグから『げんきのかけら』を取り出す

『げんきのかけら』とはポケモンが瀕死になった時に使える道具で

瀕死状態を直し、体力の半分を回復させる事が出来る

あと瀕死状態を直す道具に『げんきのかたまり』と『ふっかつそう』という道具があり、それらは全回復できる

確か食べさせればいいんだっけ

俺は寝転がっているカビゴンの口のところへ持っていく

 

はちまん「ほらカビゴン」

カビゴン「ご〜ん」ぱく

 

カビゴンの大きな口に『げんきのかけら』を入れる

カビゴンはそれを食べ、しばらくすると

 

カビゴン「…!ゴーン!」

 

ぐったりした表情から生気を取り戻した

カビゴンの性格上立ち上がる事はないが、とりあえず元気になったようだ

しかし全快したわけではないはずなので、あとでポケモンセンターに連れて行ってやろう

てか毎回見るたびに思うんだが、デカイなコイツ

昨日の宴会の席でも天井ぎりぎりだったし

一昨日シオンタウンのポケモンハウスで一緒に寝ていた時も俺が部屋の端っこに追いやられるくらいに大きかった

よく考えるとあのポケモンハウスにあった部屋、結構広いんだな

それに部屋も沢山あったし

 

はちまん「ホント、お疲れさん。カビゴン」

カビゴン「ゴーン」

はちまん「しばらくはボールの中で我慢してくれ、後でポケモンセンターに連れて行くから」

カビゴン「ゴン」こく

 

俺はカビゴンをボールに戻す

そう言えばシオンタウンで思い出したが

ニンにまだあそこで起きた事を話してなかったな

今日は忙しかったから俺、シオン、ニンの3人だけで話せる機会があまりなかったから仕方ないが

 

はちまん「悪い、待たせたな」

シオン「………………………ううん、だいじょうぶ」

 

シオン「………………………それで、どうしてここに?」

はちまん「ちょっと気になる事があってな」

シオン「………………………きになること?」

はちまん「…なあ、今日の昼頃、エリカのとこへ行く前に俺がお前に聞いた事があっただろ?」

シオン「………………………うん」

 

はちまん「ポケモンタワーから逃げたロケット団がどの方向に逃げたのかってな」

 

シオン「………………………うん」

はちまん「シオンタウンから逃げるとすれば西のヤマブキシティ方面か北にあるイワヤマ、それと南の12番道路。この中でシオンが言った方向は…」

 

シオン「………………………やまぶき」

 

はちまん「そう、それなんだよ」

シオン「………………………ん?」

はちまん「ヤマブキシティってさ、いま封鎖されてるだろ?」

シオン「………………………あ」

はちまん「ヤマブキに入れないとするとアイツらはここの地下通路を使ってタマムシシティへ逃げたはずだ。現にさっきいたしな」

シオン「………………………うん」

はちまん「でも、そいつらはいいんだ。問題は俺がハナダで会ったロケット団なんだよ」

シオン「………………………はしのひと?」

はちまん「そっちもあるんだが、アイツらはイワヤマ方向からシオンタウンへぐるっと通ってこの地下通路を使ったと考えると辻褄が合う」

シオン「………………………ふむ」

 

はちまん「だがおかしいのはもう1つの方なんだ」

シオン「………………………まだいるの?」

はちまん「ハナダにある民家から技マシンを盗んだロケット団がいてな、そいつは俺が倒して取り返したんだが…」

シオン「………………………なにかおかしいの?」

はちまん「そいつが逃げた方向がおかしいんだ」

シオン「………………………にげたほうこう?」

 

はちまん「そいつはハナダからヤマブキシティへ続く5番道路へ逃げたんだ」

 

シオン「………………………?」

はちまん「でもそのヤマブキは封鎖中、逃げるならもっとマシな方向があるだろ。さっき言ったイワヤマとかオツキミ山方面とか。でもそいつはヤマブキシティ方面へ逃げたんだ」

シオン「………………………でも、そこにもちかつうろはある」

はちまん「なあ、地下通路を通ろうとした時俺とお前は何て言ったっけ?」

シオン「………………………ん?えっと」

 

シオン「………………………だるいって、あ」

 

はちまん「そ、だるくなるほど長いんだよ地下通路は。しかも自転車がスピードを出して走れるほどに直線だ。そんな所を逃げ場所に選ぶか?」

シオン「………………………でもくちばにいこうとしてたら?」

はちまん「んー、そこは俺も不安な所なんだがな」

シオン「………………………じしんないの?」

はちまん「ああ、全くない」

 

はちまん「だが、地下通路を逃げ場所に選んだとしたら一つの仮説が生まれる」

 

シオン「………………………え?」

はちまん「だがその仮説は本部に戻ってから説明する」

シオン「………………………じゃあここにはなにしにきたの?」

はちまん「エリカのとこへ行く前に一回来たんだけどな、もう一回確認したくて」

シオン「………………………なにを?」

 

 

はちまん「風」

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#カントーガールズ本部

 

はちまん「うーす」

シオン「………………………ただいま」

 

レイン「お、お帰りー、2人ともー」

 

俺とシオンは確認が終わり本部に戻って来た

コブキさん、エリカ、ウキワ、レイン、ニン

みんな揃っている

だがレインのお出迎えがたどたどしかったのでわかると思うが

 

すんごいギスギスしてる

 

コブキさんは俺とシオンが帰って来ても無反応

レインとニンは居心地が悪そうにしている

ウキワは不機嫌そうな顔…てか不機嫌だ

エリカはなにも動じていないような澄まし顔

コブキさん、ウキワ、エリカが同じソファーに座り

レインとニンがその向かいのソファーに座っている

ちなみにコブキさんは金色のドレス

コブキさん以外みんな黒いパーカーを着ている

統一感がすごい

んーしかしこれは仕方ない

 

はちまん「座るとこなさそうだから俺は外に…」

コブキ「レイン、窓際の椅子に座ってください」

レイン「は、はい!」

 

俺が逃げようとするとコブキさんがレインに席移動を命じる

レインはそれに瞬時に対応した

具体的に言うとニンのすがるような眼差しをかわしながら超スピードで窓際の椅子に座った

 

コブキ「はちまんさん、シオン、そちらへ」

 

コブキさんがレインの開けた席に俺達を座るようにすすめる

くそ、レインのやつ…

まあ説明しなくてはいけないからどっちにしろ覚悟を決めなきゃな

俺は腹をくくりソファーに座る

シオンも後から座り

俺の両側にニンとシオンが座る形になる

俺の真向かいにはコブキさん

こちらは見ておらず紅茶を飲んでいる

ウキワも紅茶、エリカは緑茶

 

はちまん「ニン、飲み物あるのか?」

ニン「の、のどをとおらない〜」

はちまん「ま、ぱちマッカン置いとくわ」コト

ニン「あ、ありがとう〜」

 

俺はバッグから『ぱちマッカン』を3本出して1本をニンの前に

 

はちまん「ほれ、シオン」

シオン「………………………あまあま」

 

1本をシオンに

そして最後の1本を俺の前に置く

残機 10

さてこれは落ち着いてからゆっくり飲むとして

…どう切り出そうか

ん〜どう切り出しても地雷な気がする

どれから話すか…

俺が悩んでいるとエリカが助け船を出してくれた

 

エリカ「はちまん様、お話しは済ませておりますわ。後はどうしてあのような取り引きをされたのかをご説明してくださいますか」

ウキワ「…貴方がみすみすロケット団を見逃したってとこからね」

はちまん「見逃した…って。エリカ、どう説明したんだよ」

エリカ「あら、わたくしはありのままをお伝えいたしましたわ」

はちまん「はあ…。あそこは見逃すも何も後々の事を考えるとあれくらいしか方法はなかったぞ?」

ウキワ「どこがよ、ロンドって奴も捕まえる所までいったんでしょう?なんでそのまま捕まえなかったの?それに大勢のロケット団員まで返しちゃって、貴方一体何を考えているの?」

はちまん「いや、何言ってんだ。俺はロケット団を捕まえるつもりなんて最初からなかったぞ」

ウキワ「は?じゃあなんでゲームセンターにロケット団がいるって情報を私達に提供したの?」

はちまん「それは俺が危険になるかもしれないからだ。ロケット団がいつ動くのかわからない場所になんていたくないからな」

ウキワ「だったら尚更のこと捕まえた方がいいじゃない。そうすればこの街からロケット団がいなくなるのよ?」

はちまん「昨日の夜に言っただろ、放っとけばいいって。だがただ放って置くわけじゃなく、ゲームセンターを警戒するくらいにしろと」

ウキワ「それがよくわからないのよ。捕まえた方が安全になるでしょう?」

はちまん「これも昨日の夜言ったよな?アイツらは危険だって、蜂の巣を叩くようなものだって。例え捕まえられたとしてもその過程で絶対に誰かは傷つくだろう。それが俺かもしれないからお前らに情報を提供したんだよ」

ウキワ「…つまり貴方は自分の事しか考えてなかったのね」

はちまん「そうだな」

 

エリカ「そんなわけないでしょう」

 

はちまん「あん?」

ウキワ「エリカ様?」

エリカ「はちまん様が自分の事しか考えていなかった?本当に自分の事を考えた場合、わたくしならそんな情報は捨ててとっととこの街から出て行きますわ。それならばウキワ様達とロケット団の抗争に巻き込まれる事なく、ロケット団と関わる事もないですわ」

はちまん「い、いや、この街ではお前からバッチをもらうっていう目的が…」

エリカ「あら、ならばわたくしがバッチを渡せばこの街から立ち去るというのですか?」

はちまん「……それは」

 

俺がどう返事を返そうか悩んでいると

エリカは懐から何かを取り出した

ん?パーカーしか着てないはずなのにどこから…?

 

エリカ「こちらがレインボーバッチでございます」

 

出所は不明だが

花びらの形をした虹色のバッチが俺の前に置かれる

 

エリカ「では、はちまん様。お別れでございますね」

はちまん「………」

エリカ「あら、どうなされたのです?貴方の目的はこのバッチ、これを受け取ればもうこの街に用はございませんでしょう?」

はちまん「………いや」

エリカ「おや、はちまん様。わたくしと戦わずしてこのバッチを頂くというのは後味が悪うございますでしょうか?ご安心ください、ジムバッチとはジムリーダーが実力を認めて初めて頂ける物でございますわ。はちまんの先程の戦いを見てわたくしは貴方様の実力を認めましたわ。なのでご遠慮なさらずにバッチを受け取り、この街を出て行かれますよう。後の事はわたくしやコブキ様方にお任せくださいませ」

 

俺はこめかみを抑える

 

はちまん「……あーもう、ほんとにもう。何で俺の周りの女はみんなめんどくさいやつらばかりなんだ…くそ」

エリカ「あらあら、1番ご面倒な貴方様に言われるとは…世も末でございますね」

はちまん「全くだ」

エリカ「あら、反論はないのでございますか?」

はちまん「俺がめんどくさいってのは俺が一番わかっているからな」

エリカ「では、正直に申されてくださいませ。あまり時間をかけたくないのです」

 

はちまん「…その、自分のために動こうとしたのは本当なんだが、ニンやシオンには世話になったから…こいつらの為に何かしてやろうかなーとは思ったかもしれない…かな」

ニン「お〜わたしのため〜ふふふ♪」

シオン「………………………そっかそっか」

はちまん「お前らなに偉そうにしてんだ。って、よく考えたらお前ら俺を脅して無理矢理協力させたよな?」

シオン「………………………う」

ニン「わたしは〜してないも〜ん〜ふふふ♪」

シオン「………………………でもはちのちからがひつようだったから」

はちまん「だったらそう言えばいいだろ」

シオン「………………………いってもきいてくれないとおもったから、ごめんなさい」

はちまん「うぐ、それを言われるとなにも言えないが…。…じゃあ代わりに俺の願いを聞いてくれるか?」

シオン「………………………わかった、なに?」

はちまん「……いや今はいい、その時が来たら頼むわ」

シオン「………………………?」

 

ニン「あ〜シオンだけずるい〜わたしは〜?ふふふ〜♪」

はちまん「いや、お前は何もしてないだろ。てか俺に願い事を頼まれるのがずるいってどういう事?」

ニン「わたしも〜なにか〜たのんで〜ふふふ〜♪」

はちまん「何で、頼む理由がないだろ」

ニン「ん〜じゃあ〜おつきさまのポケモン〜たすけてくれた〜おれい〜ふふふ♪」

はちまん「あれは何も言わなくてもお前がやってただろ。逆にややこしくした気がするんだが」

ニン「いいの〜いいの〜ほらほら〜ふふふ♪」

はちまん「何でそんなに…わかったよお前にも頼むから」

ニン「ふむ〜よろしい〜それで〜なにをたのむの〜?ふふふ〜♪」

はちまん「…じゃ、お前もその時が来たら、な」

ニン「え〜わたしも〜?ふふふ〜♪」

 

いつかシオンとニンに頼み事をする約束

その時が来たら…ねぇ

いつ来るのやら

 

レイン「えー!ねぇねぇはちまん君!私はー!?」

はちまん「なにが?」

レイン「私のために『なんとかしてやろう』とは思わなかったのー!?」

はちまん「特には」

レイン「えー!?ひどいよはちまん君!私と一緒に戦って、ファンのみんなにも人気になったのにー!」

はちまん「え?人気?俺が?」

レイン「うんー、また私と共演して欲しいー!ってファンのみんなが」

はちまん「何で?俺ほとんど何もしてないだろ」

レイン「みんなあのゴルバットの『バサァ』っていうのがカッコいいって!あと何もしてない事ないからね!はちまん君もあの時色々考えて戦ってくれてたでしょ!」

はちまん「あの演出がカッコいいのは認める。だが俺じゃなくてもいいだろ、他のやつがやればいい」

レイン「他の人にはちまん君のゴルバットを渡してもいいの?」

はちまん「駄目だ。けど絶対に共演とかしないからな、他を当たってくれ」

レイン「ぶー、けち」

はちまん「うるせえ、何で知らないやつの期待に応えてなきゃいけないんだ」

レイン「でも戦おうと思ったのはファンのみんながはちまん君を待ってたからでしょ?」

はちまん「いやそうじゃなくて、あのままだとレインの面子が…あ」

レイン「むふふー!そうですかそうなのか!はちまん君が私のために戦ってくれてたんだー!」

はちまん「ま、待てこれはそう言うのじゃなくて、お前がチームの役割としてアイドルをやってるって聞いたから仕方なく…」

レイン「それってどっちにしても私かチームのために戦ったって事だよね!」

はちまん「はっ!し、しまった…」

エリカ「ほう、レイン様の話術に引っかかりましたか」

はちまん「く、くそっ図ったな!」

レイン「ほぇ?何が?」

 

レインはきょとんとした顔をした

まさかコイツ無自覚で…!?

レイン、恐ろしい子

 

 

 

 

 

 

ウキワ「………むぅ」いらいら

エリカ「ふふ、ウキワ様もはちまん様が大事にされていらっしゃる女の子でございますわ」

ウキワ「え!?」///

エリカ「そうでないとこうして面と向かい意見を言わないでございます。意見を言い合える仲。ウキワ様ははちまん様の心の支えであるとわたくしは思いますわ」

ウキワ「エ、エリカ様…」///

エリカ「今すぐにとは言いませんわ。ですがいつの日にか貴女様が素直な気持ちを伝えられるよう、わたくしは願っておりますわ」

ウキワ「わ、私はそんなんじゃ…」

エリカ「ふふ、まあゆっくりと…ですわ」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

コブキ「ご、ごほんっ!…っ!けほけほ」

ウキワ「だ、大丈夫ですかっリーダー!?」

 

コブキさんが大きな咳払いで会話の流れを変えようとしたが

失敗してむせてしまった

それでも俺は少し冷静になれた

 

コブキ「けほっ、だ、大丈夫です。それよりはちまんさん。まだ説明が…」

はちまん「すみません、少し気が動転してしまいました」

エリカ「わたくしも言い過ぎましたね。しかしウキワ様、はちまん様はわたくし達の為に動いてくれた事を忘れてはいけません」

ウキワ「…わかりました、エリカ様。…はちまん、ごめんなさい」

はちまん「い、いや俺の方こそ…説明が悪かったな、すまん」

ウキワ「いえ、それよりも話しを続けましょう」

 

 

はちまん「それでどこまで話しましたっけ」

エリカ「まだ今回の件は触れていませんわ。あの交渉の意味をお教えくださいませ」

はちまん「わかった」

コブキ「その前に今更なのですが、何故はちまんさんは私に敬語を使うのですか?」

はちまん「え?あ、どうしてでしょう?年上だからですかね」

コブキ「レインも年上ですが敬語ではありませんよね」

はちまん「ああ、確かにそうですね」

コブキ「では私もタメ口で結構です。名前も呼び捨てで構いませんよ」

はちまん「うーん。やはりさん付はしてもいいですかね。タメ口はしますので、いやするから」

コブキ「わかりました。ですがさん付が面倒になったらいつでも呼び捨てで構いませんよ」

はちまん「どうも」

 

 

はちまん「先ずあのゲーセン、エリカとウキワはどう見た?」

エリカ「わたくしはロケット団のアジトだと」

ウキワ「私はロケット団にとって重要な場所かなって」

はちまん「まあ、ロケット団がいたんだからそう思うよな。だがそうだとするとおかしくないか?」

 

ウキワ「おかしい?それはあんな堂々と自分達の名前を使って営業していた事?」

はちまん「いや、おそらくそれはさほど意味はない」

ウキワ「え?ロケットって名前やロケット団のロゴが使われていたのに?」

はちまん「だったら別の視点で考えて見よう」

コブキ「別の視点…ですか?」

はちまん「ああ、ロケット団の視点、或いは自分の居場所を持つやつ…かな」

エリカ「なるほど、自分の場所だから好き勝手にしても構いませんわ。自分のお気に入りの『ぽすたー』を貼ったり、自分が大好きな音楽をかけますわね。つまり…」

はちまん「まあ、要するにあそこはロケット団にとっての遊び場みたいなものなんだろ」

エリカ「ふむ、だから『暇つぶし』でございますか」

はちまん「それにはまだ意味があるんだが…まあそんな所だな」

 

コブキ「それで、おかしい所とは…?」

はちまん「ニン、シオン、お前ら何人くらい倒した?」

ニン「ん〜あんまりよく〜わかんないけど〜わたしは5人くらい〜かな〜ふふふ♪」

シオン「………………………わたしもそのくらい」

レイン「え?それって」

エリカ「アジトだとしても人員が少ないですわね」

はちまん「そ、まさにその通り。そしてアイツらにはとある共通点がある」

ニン「きょうつうてん〜あ〜ふふふ♪」

ウキワ「はちまんが見つけたって人達…トキワの森にいた奴、オツキミ山にいたって奴、他の奴もみんなはちまんに倒されているわね」

はちまん「それとシオンがやっつけた奴も、みんな何か勝負に負けたか失敗している」

ニン「あの〜ロンドって〜ひとも〜しったいしたって〜ふふふ♪」

ウキワ「つまりあそこは失敗した団員達の溜まり場」

はちまん「もしくは失敗を取り返すための働き口だな」

 

はちまん「人員が少ない、失敗していた奴らが多い。これから考えられるのはあのゲーセンはロケット団にとってどうでもいい場所って事だろ」

ニン「でも〜あのほそいひとは〜ほんきょちって〜ふふふ♪」

はちまん「ロロットが言ってたやつか?」

エリカ「はちまん様はそのセリフを演技だと笑っていましたねそれは何故ですか」

ウキワ「本拠地ではないって事?」

はちまん「アイツの言った通りあのゲーセンはロケット団の本拠地、アジトなのは間違いないなかっただろう。だがロロットの反応を見る限り『元』本拠地だ」

コブキ「つまり、ロケット団の本拠地は別の場所にあると?」

エリカ「もしくは最近新しく作られたか、ですわね」

 

はちまん「そこで俺は1つの仮説を思いついた」

ウキワ「仮説…?」

コブキ「それはロケット団に関わる事ですよね?」

はちまん「もちろん」

ウキワ「その仮説、重要性は?」

はちまん「ある」

ウキワ「確証は?」

 

はちまん「そのための交渉だ」

ウキワ「え、でもエリカ様やニンからの話しではポケモン達のためって…」

はちまん「いやそれもあるにはあるが、ロロットにも言った通りどっちにしろ助ける算段をニンがすでに立ててたからな。そのために交渉するなら意味はないんだよ」

コブキ「では他の意味があると?」

はちまん「ああ、3つほど。まあ重要なのは2つだけで、あとの1つはおまけみたいなもんだが」

 

はちまん「1つ目はさっきの本拠地かどうかっていう話しの確認。あいつらに帰る場所があればあのゲーセンは本拠地ではない」

エリカ「それでロケット団は帰って行ったということは」

コブキ「ロケット団の本拠地が別の場所にあると確定したと」

はちまん「だが問題は…」

ニン「どこにあるか〜だね〜ふふふ♪」

 

はちまん「それで2つ目だがロケット団の居場所の特定だな」

コブキ「え、居場所も特定出来たのですか?」

はちまん「特定と言っても範囲的にな、さっきの『暇つぶし』と合わせて近場を考え、短絡的なんだがどこへ行けるかだな」

シオン「………………………それって」

はちまん「レイン、このタマムシシティの西に行けば何がある?」

レイン「えっと、『サイクリングロード』があるよ。自転車で坂を駆け下りるとこ。こうビューンって!」

はちまん「それじゃあコブキさん、この街の東に行けば何がある?」

コブキ「……まさか」

はちまん「あの倒れていたロケット団員を担いで急斜面を駆け降りるなんて鬼畜なマネは流石のロケット団でもしないだろ。それなら徒歩で行ける場所、それは東にある街」

 

コブキ「ヤマブキシティに拠点があると言うのですか…?」

 

ウキワ「でもいまヤマブキは封鎖されてるから入れない…」

コブキ「そ、そうです!それにまだタマムシシティにいるという可能性が…」

はちまん「そこは俺の仮説で不安なところなんだよ」

ウキワ「え、自信ないの?」

はちまん「ないな全然ない、だが」

シオン「………………………あ」

エリカ「シオン様、何かわかったのですか?」

はちまん「シオンにはちらっと仮説を聞かせたからな」

エリカ「それでは先程までその仮説を裏付けるための行動を…?」

ニン「シオン〜アホ毛くんと〜どこへ行ってたの〜?ふふふ〜♪」

 

シオン「………………………ちかつうろ」

 

ウキワ「え?何でそんな所に?」

コブキ「……は、はあ!?まさか!?はちまん様!」

ウキワ「え、どうしたのですか、コブキさん」

エリカ「ウキワ様、地下通路とはどこにありますか?」

ウキワ「それは5番道路と6番道路、それと7番道路と8番道路に…」

はちまん「いやそれはただの入り口だ。地下通路自体がどこにあるかだ」

ウキワ「……あ」

 

ウキワ「ヤマブキシティの…地下…!」

 

レイン「ああっ!?」

ウキワ「それじゃあはちまんの仮説って…」

 

はちまん「俺は地下通路にロケット団がいると考えている」

 

コブキ「そ、そんな馬鹿なことがあるはずないでしょう!?ただの道である地下通路にロケット団がいるなんて…。ありえません!」

はちまん「この仮説を裏付けるのはまだあってな」

 

そこで俺は7番道路でシオンにした

ハナダシティで俺が戦ったロケット団の話しをした

その話しを聞くと各々考えている

 

ウキワ「5番道路を進んだ先って言うと確かにヤマブキシティかクチバシティまでの地下通路しかないわね」

エリカ「しかし地下通路を使ったのがロケット団の本拠地だとしてではなくクチバシティへ向かうためのものだとしたら」

レイン「あとあと!5番道路で隠れようとしたとも考えられるよね!」

はちまん「まあそんな疑問点は置いといて」

ウキワ「え、置いとくの?」

はちまん「いまはどうにもならん話しだからな。先に別の話しをしよう」

コブキ「まだそのロケット団員の事で地下通路がロケット団の居場所だと言う裏付ができるのですか?」

はちまん「ああ、裏付けとしては荒っぽいが…」

 

俺はバッグから1つの技マシンを取り出す

 

はちまん「これがその民家から奪われたものだ」

レイン「『あなをほる』の技マシン?」

ウキワ「これがどうしたの?」

 

コブキ「ヤマブキ…地下…あなをほる…」

エリカ「どうやらコブキ様も同じ考えのようですわね」

コブキ「そんな…そんな馬鹿な」

ウキワ「ロケット団がヤマブキの地下にいて…」

レイン「えっと、そこにロケット団がいるだけって事はないから…」

 

ウキワ「つまりヤマブキシティをロケット団が襲う作戦を立てている…?」

レイン「『あなをほる』で地面から出ておそうって事?」

はちまん「恐らくな、それもロンドやロロットを含めた大勢力でな」

 

ウキワ「でもわざわざ『あなをほる』でそんな作戦をする必要があるの?」

はちまん「さあ?俺はただこの盗まれた『あなをほる』の意味と、地下通路にロケット団が潜んでいる利点を合わせて考えただけだ。あといまロケット団は姿を現さないよな?それは大々的な作戦が控えているから戦力温存していると考えられる。その作戦がヤマブキシティの襲撃だとしたら納得もいく。いまのヤマブキシティにはお前らカントーガールズ達もジムリーダーも警戒している状況だからな」

 

 

コブキ「…わ、私達はヤマブキシティばかりを警戒して…地下までは…くっ」

はちまん「いや、まだ決まったわけではないからそんなに思い詰める事もないだろ。ただ俺のこの仮説を信じてくれるならカントー地方にとって嬉しい事が起こる」

レイン「嬉しい事!?なになに!?」

エリカ「はちまん様の仮説がカントー地方に影響すると言うのですか…?」

はちまん「ああ、この仮説通りに行くといまロケット団は作戦のためにわざわざヤマブキシティの地下にいるって事だよな」

 

はちまん「だったらもう、街の封鎖は解いてもいいんじゃないか?」

 

レイン「おお!ついにヤマブキシティを通れるようになるの!?」

コブキ「い、いえ、それは…」

エリカ「ふむ、そうする他ないですわね」

コブキ「え?」

 

 

エリカ「例えはちまん様の仮説が間違っていたとしても、地下通路にロケット団がいるかもしれないという可能性が生まれました。ヤマブキシティを通って他の街へ行こうする方は、ヤマブキシティが封鎖されている以上その地下通路を使う他に進む道がございませんわ」

ウキワ「地下通路にロケット団がいたら通行人が襲われる危険性があると。それに地下通路は暗く狭い、襲われても逃げられる可能性は極めて低いわね」

レイン「それに、ロケット団がヤマブキシティをおそってくる前にヤマブキシティのみんなを他の街へ逃す事が出来るし!」

シオン「………………………あと、いちいちやまをこえるのがめんどい」

ニン「そうですね〜わたしたちチームの〜れんけいをスムーズに〜するためにも〜ヤマブキシティは〜とおれたほうが〜いいですね〜ふふふ♪」

 

 

コブキ「し、しかし地下通路にロケット団がいるとしてもあの狭い道のどこに…?」

はちまん「隠し部屋を作って潜伏しているか、或いは…考えたくないが…」

コブキ「或いは…?」

 

はちまん「あの暗い道の影に潜んでいるか」

 

ニン「ひっ」

ウキワ「通行人達を影から見ているって事?気づかれずに?」

レイン「と、通るたんびに見られてたの〜?ひいぃ〜、きもちわる〜!」

シオン「………………………とおったけどいるとはおもえなかったよ?」

はちまん「うーん、それかもうすでに『あなをほる』で地上…つまりヤマブキシティのどこかと繋げていて、そこにいるって可能性もあるな。まあこれは考えにくいから、恐らく地下通路にどうにかしているんだろ」

 

コブキ「で、でもそれならなら地下通路を警備すれば…」

はちまん「それはロケット団を無駄に刺激する事になって、作戦の決行が早まる可能性がある。そうなった場合レインが言った通りヤマブキシティの住民を他の街へ逃す必要がででくるよな?ヤマブキにどれだけの人がいるのかは知らんが短時間で全員逃がせられるか?それよりは普段からちまちまと逃して行って、少しでも人口を減らしたほうがいいと思うが」

ウキワ「ロケット団を刺激せずに通行人を守る、そうなると地下通路を封鎖した方がよさそうですね」

 

コブキ「でも、それは後手後手に回ってしまうのでは…」

エリカ「コブキ様、いままで先手を取れた事ありますでしょうか?先ずロケット団が動いて、それを対処するために動いていたのでは?だったらもう先手は諦めて、街の人達を守ることに専念いたしませんか?」

 

コブキ「し、しかし、封鎖を命じた街の顔役がそれを許すかどうか…」

はちまん「その顔役がどんな奴かは知らないが、まあガキの絵空事に付き合うような奴ではないんだろ」

コブキ「え、絵空事など…はちまんさんのお話しは信じるに値するものです」

はちまん「いや、ほとんど俺の体験談が元だからな。そう簡単に信じられるものではないだろ」

エリカ「ふふ、ロケット団の本拠地…いえ元本拠地を見つけ出した者の台詞とは思えませんね。あれを見つけたのもはちまん様の体験が元なのではなかったのですか?」

はちまん「確かにそうなんだがな…。今回のは不確定要素があり過ぎると言うか…」

ウキワ「その不確定要素を確定しようとするためのあの交渉なんでしょう?それに交渉以外でもわかった事が沢山あるわ」

 

ウキワ「1つ、ロケット団には逃げられる事が可能な場所がある。しかしヤマブキシティに逃げる事は街が封鎖されているため不可能。よってタマムシシティ内に逃げている可能性が高い。後、地下通路を使いシオンタウンへ行った可能性もあるがあの大人数で長い道を延々と進むというのは考えにくい。そう考えると大人数で移動できる場所がロケット団の居場所だと考えるのが妥当ね。候補はここタマムシシティ、西の『サイクリングロード』、そして東のヤマブキシティと地下通路」

 

ウキワ「2つ、いままで姿を現さなかったロケット団が大勢の人前に出て来てまでロンドを助けようとしたのは、ロケット団が大きな戦力を必要としている。この事からロケット団は大きな作戦を立てている可能性が考えられるわ」

 

ウキワ「これにはちまんの仮説を組み入れると…ロケット団の居場所は地下通路、ロケット団はヤマブキシティを地下通路から『あなをほる』を使い襲撃する作戦を立てている、と」

エリカ「本拠地がどこにあるかはまだわかりませんが、それでもロケット団の居場所があるであろう範囲が絞れたたのは大きいですわ」

コブキ「しかし、ここまで言ってもその顔役が納得するかどうか…」

はちまん「なあ、一応聞いとく誰なんだそいつは」

コブキ「シルフカンパニーの社長です。とても気難しい方で…」

はちまん「シルフ…社長…ふむ」

レイン「その社長さんね!街の真ん中におっきいビルを持ってるんだよ!ここからでも少し見えるくらいの!」

はちまん「街の真ん中…おっきいビル…」

 

はちまん「狙いはそれだな」

 

コブキ「え…?狙いってロケット団のですか?」

はちまん「ああ、俺はここまで色々仮説を立てたがロケット団の動機がイマイチ思いつかなかったんだが…」

ウキワ「ロケット団がヤマブキシティを襲う目的はシルフカンパニーの社長だって言いたいの?」

はちまん「いや、社長はどうでもいいと思う」

コブキ「ど、どうでもいいのですか…?」

はちまん「街の顔役なんかを捕まえるのはサカキの目的とは違う気がするんだよ。サカキの目的はカントー地方をぶっ壊す事だ。何をもって壊した事になるのかは不明だが、多分そのビルを本拠地にしたいんじゃないのかな」

コブキ「しかし、それに何の意味が…」

はちまん「ヤマブキはカントー地方の中心だ。その中心の街の中心に手頃なビルがあるならそこを本拠地にしようと考えたんじゃないか?おっきいビルって言うくらいだから人も大勢入るだろうし」

ウキワ「た、単純過ぎない…?」

エリカ「『しるふかんぱにー』が目的だとすると…『かんぱにー』の乗っ取りは考えられませんか?」

はちまん「経済的にそっちの理由もあるだろうな」

ウキワ「うん、それなら納得できるわね」

 

エリカ「ロケット団の目的、作戦、居場所。不明瞭な点は多々ありますが、はちまん様のお話を信じたならばこれらの事に対して対策ができますわ」

コブキ「…そしてそれら全てはヤマブキシティに関わっている」

エリカ「どうします、コブキ様?はちまん様の意見を信じて動いてみてはいかがでしょう」

コブキ「……私は」

はちまん「いや、動くのも考えるのも後でいい。いまはやるべき事をやろう」

コブキ「えっ!でもロケット団を…」

 

はちまん「正直どうでもいいだろあんな奴ら」

コブキ「え、ええ!?」

ウキワ「ど、どうでもいいって…」

レイン「あーなるほどー!そっちかー!」

ニン「アホ毛くん〜!ふふふ〜♪」

エリカ「くすっ」

シオン「………………………ぽけもんたち」

ウキワ「あ、景品になってたポケモン…」

 

はちまん「景品のポケモン達をもといた場所へ帰してやるのが先だ。どうせロケット団の対処をしようにも社長さんを説得するまでに時間がかかりそうだし、そんなくだらない事で時間を割かれる前にやる事やっとこう」

 

エリカ「ふふ、そうですわね」

ニン「うん〜わたし〜がんばる〜ふふふ♪」

はちまん「コブキさん、ニンもやる気出してるし考えるのは後にしよう。もうどうせならカントーガールズ全員でやればいい。それで、その仕事が終わった後にみんなでゆっくり考えればいい」

コブキ「はちまんさん…。私危うくまた1人で抱え込むところでした、ウキワにそれはやめろと言われたばかりなのに」

ウキワ「そうです、リーダーには私達がついてます」

レイン「そーそー!私達ががんばればどんな事もできる!」

ニン「そうですね〜ふふふ♪」

シオン「………………………うん」

 

コブキ「わかりました!ではいまからみんなを集めてポケモン達を帰してあげましょう!考えるのはそれからです!」

ウキワ「では早速みんなに知らせを」

レイン「あ、でも」

 

コブキさん達が意気揚々と相談していると

レインがとある疑問を投げかけた

 

レイン「アミーさんはどうするの?」

 

レインは本部に戻って来ないメンバー アミーの名前を出した

その名前を聞いたコブキさんが苦い顔で

 

コブキ「…アミーは来ないでしょう」

 

何かアミーが来られない事情があるのだろうか

コブキさんとの間に何かあったとか?

いや、まあ来られない事情なんか1つくらいしか思いつかないが

だがそこでシオンが待ったをかけた

 

シオン「………………………ううん、だいじょうぶ」

コブキ「え?」

レイン「だいじょうぶなの?シオンちゃん!」

シオン「………………………あみーさんはわたしがつれてくる」

ウキワ「シオンが?なんで?」

シオン「………………………わたしはしゅうごうにちこくした」

 

シオン「………………………だからわたしがあみーさんをつれてくる」

 

コブキ「しかし、アミーはいまセキチクシティにいるのですよ?」

シオン「………………………だいじょうぶ、はちといくから」

はちまん「は?」

シオン「………………………はち、つぎのばっちはせきちくでしょ?」

はちまん「いや待て、お前を連れて行くくらいならしてやるがな。次も何もまだここのジムバッチを貰ってないから進めないぞ」

 

エリカ「それはどうでしょう」

はちまん「どうでしょう?水曜?」

レイン「水曜?なーに?それ?」

はちまん「いや何でもない。それでエリカ、なにがどうなんだ?」

エリカ「ふふ、はちまん様お忘れですか?目の前にそのバッチがある事を」

はちまん「あん?俺の目の前にはぱちマッカンしか…」

シオン「………………………ここにあるよ」

 

シオンがぱちマッカンの隣をさす

ぱちマッカンの存在感と陰で見えなかったが、虹色のバッチがあった

そう言えばさっきエリカがここに置いてたっけ

 

はちまん「え?でもこれお前がふざけて置いたんじゃ…」

エリカ「いいえ。大切なバッチを気軽に置く程わたくしは無知ではございません。それははちまん様に差し上げるために置いたものでございます」

はちまん「まだお前と戦っていないのに?」

エリカ「あらあらはちまん様、耄碌されましたか。先程、その理由は申し上げたではありませんか」

はちまん「あれホントの事なの?ジムリーダーが認めたらどうたらこうたら」

エリカ「ええ本当の事でございますわ。ほら、もう受け取ってくださいまし」

はちまん「……うーん、そう言われてもなぁ」

 

俺は腕を組み考える

本当に受け取ってもいいのだろうか

エリカの言う通りに受け取ってもいいんだろうが、なんかこう…

あ、そうだアレを忘れてた、駄目だこれじゃ

しかしエリカはくれる気まんまんだし…

それじゃあ折衷案で

 

はちまん「エリカ、悪いが1匹だけでもいいから戦ってくれないか?」

エリカ「あら?わたくしはもうはちまん様の実力を認めていると…」

はちまん「こっちにも色々事情があってな。1匹同士だけでいい、頼む」

エリカ「……うーん、受け取るのを渋っているわけでもなさそうでございますね。わかりました。しかし条件がございます」

はちまん「条件?」

エリカ「はい、わたくしと勝負をして勝っても負けてもはちまん様はこのバッチを受け取ると」

はちまん「え!?で、でもそれじゃあ…」

 

その条件、俺に都合良すぎないか?

するとエリカに変化が起きた

こ、これはまさか…

 

エリカ「というかー正直に言うとめんどくさいんだって、わたしもやる事たくさんあるのにジム戦なんてやってられないって…」どよーん

 

あ、朝方寝起きエリカだ!

確かに今回の一件でジムリーダーとしてやる事は多そうだけど

ジムの仕事放棄ってどうなの

 

エリカ「だからほらー、1匹だけ戦わせるんでしょーさっさとやるよー」すう〜

 

だるーくボールを取り出すエリカ

だからパーカーだけの服装のどこからだしてんだ

まあゲーセンでのニンやシオンもそうだが

 

はちまん「え、ここでやるの?狭くない?」

エリカ「あ〜そうだね〜じゃあ屋上に行けー」

はちまん「でもまだ話しは終わってないし…」

エリカ「それは後でいい、いい。ほら早くー」

はちまん「わ、わかったって。コブキさん、話しは勝負の後で…」

コブキ「え、ええ、わかりました」

 

エリカが屋上へ出ろと急かすので仕方なく話しを中断し、部屋を出る

というかエリカのやつ、その状態でやるつもりなの?

逆に戦法が読めなさそうだな

さて、思いがけないタマムシシティジムリーダー戦と行きますか

 

 

 

 

 

コブキ「ウキワ、あれって…」

ウキワ「はい、寝起き状態のエリカ様です」

コブキ「な、なぜはちまんさんはエリカ様の性格が急に変わったのに普通に接しているのですか?」

ウキワ「いえ、特に気にしていないんだと思います」

ニン「アホ毛くんは〜だれにたいしても〜しっかりと相手をみて〜せっしていますから〜ふふふ♪」

シオン「………………………それか、ああいうへんなのひとになれてるか」

レイン「あははは!はちまん君もエリカ様も面白いねー!」

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

95話 タマムシシティのジムリーダー

#タマムシシティとあるマンション『屋上』

 

エリカ「屋上へ行こうぜ…キレちまったよ…」

はちまん「もう来てるし、お前がキレる意味がわからんし、そのネタやる必要ないだろ」

 

俺とエリカはカントーガールズの本部があるマンションの屋上で対峙する

一応ジム戦だ、バッチは貰っているけど

でもここで情け無い勝負をしてしまうと取り上げられてしまうかもしれない

1匹同士の戦い

俺が繰り出すのは…

 

はちまん「頼むぞ、ロコン」

 

ポンッ!

 

ロコン「…」すっ

 

ボールから出たロコンはすぐに戦いに備えて構える

そう言えば戦う時にロコンをボールから出すのはこれが初めてだな

ちなみに俺のポケモンを繰り出すフォーム、つまりこの世界に来て直ぐに考えていたボールの投げ方はポケモンによって変えている

いまのロコンは下投げ

カラカラは上投げ

ゴルバットはまず背中で一度出し、吸血鬼演出をしてから戦闘に向かわせる

カビゴンは右腕を前に突き出し、それを左手で抑えて繰り出す

例えるなら『右手ロックバスター』又は『右手サイコガン』だ

 

エリカ「ラフレシア!」

 

ポンッ!

 

ラフレシア「!」さっ

 

俺のロコンに対してエリカはくさ/どくタイプのラフレシア

タイプ相性はこちらが有利だが、あのポケモンはどく、まひ、ねむりの状態異常させる技が使える

油断は出来ない

ラフレシア…特性を考えるとアレを覚えているかどうか…

いやこちらがほのおタイプである以上使ってこないだろう

ここは堅実にいくか

 

エリカ「さあ〜いくぜぃ!」

はちまん「キャラを安定させろよ」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

ジムリーダー戦

 

エリカ ラフレシア

 

VS

 

はちまん ロコン

 

1ターン

 

エリカ「ラフレシア!ギガドレイン!」

はちまん「ロコン!ひのこ!」

 

ラフレシア「!」すぽぽぽー

ロコン「…!」

 

ロコン「!!」ぼう

ラフレシア「…!!」

 

 

先に動いたのはラフレシア

技は『ギガドレイン』

これは相手に与えたダメージの半分を自分が回復する

いまゴルバットが覚えている『すいとる』の上位のくさタイプ技だ

ロコンはひのこ

効果は抜群だ

これで相手にそこそこのダメージが入っただろう

なら

 

 

2ターン

 

エリカ「ラフレシア!ギガドレイン!」

はちまん「ロコン!ほのおのうず!」

 

ラフレシア「!」すぽぽぽー

ロコン「…!」

 

ラフレシア「〜♪」

 

ロコン「!!」ぼうぼう

ラフレシア「…!!」

 

ラフレシア「…!」ぼう

 

ラフレシアはもう一度『ギガドレイン』

先程と違い今度は体力を回復させるが、効果がいまひとつなため回復量は少ない

ロコンは『ほのおのうず』で4ターンの間ラフレシアにダメージを与える

『ひのこ』も『ほのおのうず』もラフレシアには効果は抜群

いまラフレシアはかなりのダメージを受けているはず

ラフレシアの方が素早さが高いため、勝負の前に考えた技『にほんばれ』はしてこないだろう

だが恐らく次のターンは回復技をしてくるはず

『こうごうせい』か『つきのひかり』か

いずれにせよ天候によって回復量が変わる

いまの天候はノーマル、『にほんばれ』を使っていない以上回復量はあまり期待できないだろう

 

 

3ターン

 

エリカ「ラフレシア!にほんばれ!」

はちまん「ロコン!おにび!」

 

ラフレシア「!」たいよーう

 

天候/ひざしがつよい

 

ロコン「!」ぼっぼっ

ラフレシア「…!」ジュッ

 

ラフレシア「…!」ぼう

 

ラフレシア「…!」ふらふら

 

 

な…使ってきた…『にほんばれ』

次のターンの回復量を増やすためだろうが、この状況で…?

まさかこちらの『おにび』に対して当ててきた?

ロコンの主な攻撃技が低威力の『ひのこ』しかないとふみ、俺が少しでもダメージを与えるため『おにび』をしてくると読んでの『にほんばれ』か

くっ

『おにび』でラフレシアを『やけど』状態にして、ほのおのうずのダメージで瀕死状態まで追い詰めたが、次のターンで回復されてしまうだろう

『ひざしがつよい』状態でのほのお技が強いと言っても

先程の『ひのこ』のダメージ量からして2発食らわせないと倒せないと思う

その隙に恐らくラフレシアは状態異常の技を使ってくるだろう

くそっどうする…

 

 

4ターン

天候/ひざしがつよい

 

エリカ「ラフレシア!こうごうせい!」

はちまん「ロコン!ひのこ!」

 

ラフレシア「!」こあああ…

ラフレシア「〜♪」

 

ラフレシア「…!」ジュッ

 

ロコン「!!」ぼう

ラフレシア「…!!」

 

ラフレシア「…!」ぼう

 

やはりラフレシアは『こうごうせい』で回復

恐らく体力全快あたりまで回復しただろう

『ひのこ』『やけど』『ほのおのうず』でダメージを与えるが、早々に決着はつきそうにない

それに次のターンで状態異常の技を使ってくるはずだ

何がくる…回復技が多い事からして『どく』が濃厚か

 

 

5ターン

天候/ひざしがつよい

 

エリカ「ラフレシア!ギガドレイン!」

はちまん「ロコン!ひのこ!」

 

ラフレシア「!」すぽぽぽー

ロコン「…!」

 

ラフレシア「〜♪」

ラフレシア「…!」ジュッ

 

ロコン「!!」ぼう

ラフレシア「…!」

 

ラフレシア「…!」ぼう

 

 

あれ、こっちも読みが外れた

状態技を使ってこないという事は

こちらに回復技がなく、状態異常にしなくともジリ貧でこちらが負けると考えたのか

それなら少しでも体力を回復でき、ダメージを与えられる『ギガドレイン』を選択したと

その通りこちらには回復する手段がない

それにこのターンで『ほのおのうず』の効果が切れた

もう一度『ほのおのうず』をするか…?

いや、相手が大回復をしてくる以上『ほのおのうず』のダメージは期待できそうにない

勝ち筋は…

いま発動している『にほんばれ』の効果は5ターンしか続かないはず

道具で長引かせていたらもう終わりだが

それを考えず、5ターンで切れるとすると残り3ターン

3ターン耐えきり、ラフレシアがもう一度『にほんばれ』をする事を願って、そしてそのあいだ回復しない事を願って、『ひのこ』連打

『こうごうせい』で回復付きの『ギガドレイン』でロコンが倒れるのが先か

『ひざしがつよい』で威力が上がっている『ひのこ』でラフレシアが倒れるのが先か

『こうごうせい』をされたら負けのこの勝負

かなりの崖っぷち

 

ロコン「…………」

 

どうする…

他に手は…

 

 

ロコン「コンッ!」

 

 

え?

 

はちまん「お、お前いま…鳴いて…」

ロコン「!」ばしっ

はちまん「あいてっ!?」

 

痛い!?

前足攻撃はもう痛くないと思っていたが普通に痛い!

 

はちまん「な、なんで…」

ロコン「…」じっ

はちまん「え?………………………………はぁ!?」

ロコン「…」

はちまん「い、いやそれは流石に…」

ロコン「………」じっ

はちまん「………できるんだな?」

ロコン「…」こくん

はちまん「…わかった、お前を信じよう」

ロコン「…」ふっ

はちまん「あ、いま笑ったな」

ロコン「…」ふん

 

ロコンは俺の冗談を無視して前を向く

戦いに集中しろと

 

エリカ「くすくす、何の作戦会議?」

はちまん「いや、作戦ってもんじゃないがな」

エリカ「ふーん、まあいいや」

 

さて、覚悟決めますか

 

 

6ターン

天候/ひざしがつよい

 

エリカ「ラフレシア!ギガドレイン!」

はちまん「ロコン!ひのこ!」

 

ラフレシア「!」すぽぽぽー

ロコン「…!」

 

ラフレシア「〜♪」

ラフレシア「…!」ジュッ

 

ロコン「!!!」ぼう

ラフレシア「…!!!」

 

ラフレシア「…!」ふらふら

 

 

エリカ「な…え?」

 

やはりラフレシアはギガドレイン

そしてこっちは急所の『ひのこ』

低威力の『ひのこ』と言えども急所に当たればそれなりのダメージを与える

ラフレシアは瀕死寸前

だがラフレシアは次のターン『こうごうせい』で回復するだろう

なら仕方ない…

 

 

7ターン

天候/ひざしがつよい

 

エリカ「ラフレシア!こうごうせい!」

はちまん「ロコン!ひのこ!」

 

ラフレシア「!」こあああ…

ラフレシア「〜♪」

 

ラフレシア「…!」ジュッ

 

ロコン「!!!」ぼう

ラフレシア「…!!!」

 

ラフレシア「…!」ふらふら

 

 

エリカ「ん?え、え?え?」

 

やはり回復して来たか

これで先程のターンのダメージはほぼ回復されただろう

だがこちらも『ひのこ』が急所に当たる

またもラフレシアは瀕死寸前

ならば次も相手は『こうごうせい』か

だがな、エリカ

お前はもうロコンの術中にはまっている

 

 

8ターン

天候/ひざしがつよい

 

エリカ「ラ、ラフレシア!こうごうせい!」

はちまん「ロコン!ひのこ」

 

ラフレシア「!」こあああ…

ラフレシア「〜♪」

 

ラフレシア「…!」ジュッ

 

ロコン「!!!」ぼう

ラフレシア「…!!!」

 

ラフレシア「…」

バタン

 

 

エリカ「へ、え、な、え…?」

 

ラフレシアは『こうごうせい』で回復するが

『にほんばれ』で強化された『ひのこ』が急所に当たり

ラフレシアは倒れた

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

エリカ「な、なんで…こんな連続で急所に…?は、はちまん様!どうしてこんな事が…」

 

はちまん「」ぽかーん

ロコン「…」ふん

 

エリカ「え、はちまん様?」

 

はちまん「ロ、ロコン…お前…マジ?」

ロコン「…」じっ

はちまん「いや、お前を信じてなかったわけじゃないんだが…カラカラの『きあいだめ』なしで急所に…って」

ロコン「…」

はちまん「ん?どうした?」

ロコン「……」ちら…ちら…

はちまん「ロコン?辺りを見渡してなにしてんだ?」

ロコン「……」

 

するとロコンは俯いた

 

ロコン「…」///ちら

 

そして俺の方を恥ずかしそうにちら見してくる

上目遣いで

ロコンの目が意味するものは…

 

はちまん「……え?」

ロコン「……」///

はちまん「………え?」

ロコン「……」///

はちまん「…………えぇ?」///

 

 

エリカ「はちまん様!!」

 

 

はちまん「のわっ!?な、何だエリカ!?」

 

俺がパニクっているとエリカが大声で俺を呼んで来た

てか口調がお嬢様の口調に戻ってる

 

エリカ「わたくしの質問にお答えください!どうしてあんなにも連続で急所に当たるのですか!?」

はちまん「あ…えっと…」///

ロコン「……」///

エリカ「…何故照れていらっしゃるのですか?」

はちまん「い、言っていいのか?ロコン」///コソコソ

ロコン「……」///こ、こくん

はちまん「そ、そうか、いうのか…」///

エリカ「はちまん様?」

 

はちまん「え、えっとだなっぁっエリカ」///

エリカ「何故どもっておられるのですか?」

はちまん「そ、その、さっきのアレ…連続急所はな…」

エリカ「はい」

はちまん「……ぃ」///

エリカ「はい?聞こえませんですわ」

 

はちまん「ぁ、愛の力、らしい!!」//////

ロコン「……」//////

 

エリカ「は?」

はちまん「お、俺がこの屋上で…その…ロコンにあ、ぁぃしてると言ったから…そ、それに応えるために…ロコンが、頑張って…」///

ロコン「……」///

エリカ「…は?」

はちまん「だ、だから、まあそういう事だ、あは、あはは」///

ロコン「……」///てれてれ

 

きゃー恥ずかしいー

俺のあの言葉をそんな風に受け止めてくれてたなんて

顔が熱い

さっさと本部に置いたままになってるぱちマッカンを飲もう

 

はちまん「ロ、ロコン、どうする?一緒に本部へ戻るか?」

ロコン「…」///ふ、ふるふる

はちまん「そ、それじゃあ、ボールに戻すからな」

ロコン「…」///こくん

 

俺はロコンをボールに戻して本部に戻る

コブキさん達と話しの続きをする予定だったが

このままではまともな会話が出来そうにない

頭を冷やすためにも全員の飲み物でも買ってくるか

そう言えばいま何時だろ

俺は空を見上げる

ゲーセンに行ったのが昼の中頃で

それから7番道路に行ったり、コブキさん達と話したりで

もう夕方だ

…そう言えばロコンとここで話したのも夕方だったな

……ってダメだダメだ!

さ、さっさと欲しい飲み物聞いて買ってこよう

っと

 

はちまん「エリカ、飲み物何がいい?」

エリカ「…………あのはちまん様が飲んでいらっしゃった物で」

はちまん「ぱちマッカンか…あるかどうか分からんぞ?」

エリカ「………なければココアで」

はちまん「わかった」

 

 

エリカに欲しい飲み物を聞いた後

本部の中にいるやつらからも欲しい飲み物を聞いた

コブキさんは紅茶が本部にあるのでいらないと

ウキワはココア

レインも同じくココア

ニンとシオンはぱちマッカン、なければミックスオレ

それらを聞いた後、俺は昨日行ったデパートへ向かう

ニンとシオンはまたついてこようとしたが

1人になりたい気分だったので遠慮した

途中まだ本部に入ろうとしないエリカがいたが

何かぶつぶつ言っていたので放って置いた

というか俺にそんな心の余裕がなかった

…顔の熱、帰るまでに冷えてるかな

 

 

 

 

 

 

エリカ「愛…でございますか…ふふ。やはり面白い方ですわねはちまん様…」

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

96話 心配とラインナップ

あらすじ

 

愛の力ってすげー!

 

#タマムシデパート『2階』

 

はちまん「ぱちマッカンはと…お、もう並んでんのか。入荷早いな」

 

俺はお目当てのぱちマッカンを見つけ買い物カゴに入れていく

えーと、1、10、20本…また20本か

ニンとシオン、あとエリカが頼んだのに必要なのが3本

俺のはまだ本部のテーブルに置いたままなのでいまは必要ないとして

結果、残機27本

あとはココア2本だな

よし、あった

これで頼まれたのは全部だな

 

一応技マシンを買っておくか

ん?そう言えばここに『あなをほる』の技マシンがあるな

ここで買えるならハナダのロケット団がこの技マシンを盗む必要がないじゃないか

やっぱり俺の仮説は間違っていたのかな

まあ参考に1つ買ってみるか

 

それで後は

『かわらわり』はもう1つあるからいいとして

使えそうなのは『はかいこうせん』くらいか

でも俺のポケモンって特攻がそんなに高くないんだよな

強いて言えばロコンくらいだが

残念ながらロコンでは覚えられない

この技マシンはあまり効果的ではなさそうなので諦めよう

 

あ、技マシンと言えば

エリカとのジム戦(?)で俺が勝ったから技マシンが貰えるはずだよな

マチスの時は忘れてて、無駄な時間を使ったからな

二の舞にならないように帰ったらエリカにこの事を言っておこう

 

さて話しを戻して

とりあえずいまは他の技マシンは必要なさそうなので

『あなをほる』の技マシンだけを買い物カゴに入れ

会計を済ませて、買った物をバッグに入れた

 

はちまん「ん?そういえばこのデパート、まだ上の階があるんだよな」

 

昨日デパートでニンにぬいぐるみを買ってやった時は4階へ上がって、途中3階を見たがテレビしか置いてなかったな

もしかしてあの中にも技マシンを教えさせられる『おしえテレビ』があるのだろうか

…あのテレビを想像したらイライラしてくる

特にあのお兄さん

アイツだけは絶対に許さん

俺は怒りを抑えながらデパートの地図を見る

 

はちまん「3階は置いといて、4階はぬいぐるみ屋の他にまだ区画があるのか。それと行ってないのが5階と屋上。屋上は確かレインがライブしていたところだったな」

 

それじゃ先ずはまだ行ってない4階の区画に行ってみるか

俺は階段を上がる

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#タマムシデパート『4階』

 

3階を飛ばして4階へ到着

えーと、まだ行ってない区画は、と

あった

売っているのは…

 

はちまん「石?」

 

そこで売っていたのは石だった

種類は

・ほのおのいし

・みずのいし

・かみなりのいし

・リーフのいし

これらはもちろんただの石ではなく

とあるポケモンを進化させるための道具だ

例えばみんな大好きピカチュウは

かみなりのいしを使う事でライチュウになる

そしてほのおのいしは…

…いや、いまは必要ない

他に目ぼしい物は売っていなさそうだし

上の階へ行こう

俺は逃げるように5階へ向かう

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#タマムシデパート『5階』

 

はちまん「栄養ドリンクに戦闘中に使える道具…あまり興味ないな」

 

5階で売っていたのは少し異質な物

栄養ドリンクと呼ばれるものは

ポケモンに使うと基礎ポイントがアップする

主に上げたい能力がある時に使う

使ったほうが強くなれるのだが、値段が高い

買えない事もないが、これ旅中にはあまり使わないんだよな

後々にポケモンを育成する時に使う事が多いからいまはいいかな

ちなみに種類は

・HPを上げるマックスアップ

・攻撃力を上げるタウリン

・防御力を上げるブロムヘキシン

・特殊攻撃力を上げるリゾチウム

・特殊防御力を上げるキトサン

・素早さを上げるインドメタシン

 

もう一種類は戦闘中にポケモンの能力を上げられる道具で

種類は

・プラスパワー

・ディフェンダー

・スピーダー

・スペシャルアップ

・ヨクアタール

・エフェクトガード

・クリティッター

 

こっちも使えるのは使えるが、使うのを忘れてポケモンの技で能力を上げてしまい、結局最後まで使わない事が多い

というかこの二種類の道具、正直言って…いやメタイ事を言うが

 

小説でこれらの道具使えねえ

能力の基礎値とか努力値も計算してないのにどれだけ上がるとかわかるか

それに戦闘中で使うやつも戦闘シーンが長くなるから使えない

ご覧になっている方、申し訳ございません

これらの道具はこの小説では使いません

 

と言うわけで

この階はこれらの他に売っていないようなので次の階、屋上へ行こう

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

タマムシデパート『屋上』

 

デパートの屋上

そこは自動販売機やテーブルがある休憩施設のようなもの

自動販売機のラインナップを見る

何故か『おいしいみず』『サイコソーダ』『ミックスオレ』の3種しかない

…しかも全てぱちマッカンより高い

マッカン、やっぱ至高の飲み物やで

 

この屋上で自動販売機以外に目ぼしい物は

強いて言えばレインがライブをしていたお立ち台くらいか

こんな高いところにあるお立ち台によく上れるよな

ていうかここ、下から見上げると首が痛くならないか?

んーやはりアレは必要かな

 

さて、このデパートをひと通り回ってみたわけだが

もう特に用はないかな

空ももう暗くなってきてるし帰ろう

 

その前にポケモンセンターでポケモンを回復させるかな

そう思いデパートを後にする

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#カントーガールズ本部

 

はちまん「うーす」

 

デパートから出た後

迷子になる事なくポケモンセンターへたどり着き

ポケモンを回復させ本部に戻ってきた

本部に入ると何故か

 

ギスギスしていた

 

なにここ

ギスギスしないといけない決まりでもあるの

しかし機嫌が悪いのはニンだけ

他のウキワやコブキさんはそのニンを見てどうしようかと困っている

たがシオンやエリカはいつも通り

 

レイン「あ!おかえりはちまん君!」

 

レインもいつもの陽気な感じで入口まで出迎えて来てくれる

 

はちまん「おう、ほれココア」

レイン「わーい!ココア!」ごくごく

 

レインはココアを凄い勢いで飲み干した

ははは、一度見たら慣れるなこれ

さて、何があったか聞いてみるか

 

はちまん「で、レイン。何があったんだ?」

レイン「うーん、それがね。ニンちゃんがすねちゃって」

はちまん「すねる?なんでまた」

レイン「またシオンちゃんがはちまん君と一緒なのかーって」

 

ああなるほど

エリカに勝った事で俺がこの街にいる意味もなくなり

一緒にセキチクシティへ行って欲しいというシオンの頼みを受ける事が出来る

そうなるとまたシオンと共に行動する事になるから、それで拗ねているんだろう

ニンが俺と一緒にいたいから、とか驕るつもりはないが

ニンのやつ結構子供っぽいところがあるからな

ま、しょうがないか

 

はちまん「わかった、何とかするわ」

レイン「え!何とかできるの!」

はちまん「どうせニンがワガママ言って、コブキさんとウキワがそれを諌めようとしたけど、あの2人無駄に真面目だから難しい事色々言ったからさらにややこしくなったんだろ?」

レイン「おおー!全部あたってる!そーなんだよー、ニンちゃんに『ニンには街を守る義務があります』とか『貴方、自分の立場わかってる?』とか言ってさー!もー空気が不味かったよー!」

はちまん「おお、コブキさんとウキワのモノマネか?なかなか上手いな」

レイン「ふっふーん!演技は得意なんだ!」

 

はちまん「ま、そんなとこだろうと思ったがな。でもニンの役目の話しはしなかったのか?」

レイン「役目?何かあったっけ?」

はちまん「いや、お前は覚えてなさそうだが…」

 

はぁ、コイツらときたら

 

はちまん「ま、いってくるわ」

レイン「いってらっしゃーい」

 

俺はニンの元へ向かう

でもどこに座らせてもらおう

席順は

ウキワ、コブキさん、エリカ

ニン、シオン

 

シオン「………………………はち、おかえり」すっ

 

座るところを悩んでいるとシオンがここは座れと言ってきた

そこはシオンとニンの間

前と一緒だが、機嫌の悪いニンのそばへこさせるとは

シオンさん鬼畜やでー

まあ他に座るところもないのでそこへ座る

隣にはぷんぷんなニンが

 

コブキ「はちまんさん、おかえりなさい」

ウキワ「はちまんおかえり」

エリカ「おかえりなさいませ、はちまん様」

はちまん「おう、ウキワとエリカ、頼まれてたやつだ」

 

俺はウキワにココアをエリカにぱちマッカンをあげる

俺のぱちマッカンはまだテーブルの上に健在

よかった誰にも飲まれていない

 

はちまん「ほい、シオン」

シオン「………………………ありがと」

 

シオンにもぱちマッカンをあげる

そういえば本日2本目のはずだが、まあ大丈夫か

そんで

 

はちまん「ほれ、ニン」

ニン「む〜」むす

はちまん「はぁ、ニン。何で機嫌が悪いのかは大体わかるが、いまはこれでも飲んで落ち着け。話しはそれからだ」

ニン「…わかった〜ありがと〜アホ毛くん〜」

 

はちまん「はちまんだ」

 

ニン「え〜?」

ウキワ「ん?」

コブキ「どうなされました?はちまんさん」

はちまん「いや、ニンに言ってるんだ。ニン、俺の名前ははちまんだ」

ニン「え〜?えっと〜どういうこと〜?」

はちまん「そういえばお前にはちゃんと自己紹介してなかったからな、教えてやる。そのかわりもうアホ毛くんはやめろ、いいな」

ニン「それって〜でも〜」

はちまん「お前も知ってるエリは教えたらちゃんと名前で呼んでくれたがな」

ニン「エリちゃんが〜うん〜わかった〜わたしも〜はちまん〜ううん〜はちくんってよぶ〜ふふふ♪」

はちまん「お、機嫌直ったな」

ニン「あ〜わすれてた〜む〜ふふふ♪」むす

はちまん「はは、笑いながらむくれても意味ないだろ」

ニン「えへへ〜もういいかな〜って〜ふふふ♪」

 

コブキ「な、なんと…」

ウキワ「ニンの機嫌をあっというまに直した…」

 

機嫌が直ったニンはぱちマッカンを飲む

 

ニン「あまあま〜ふふふ♪」

シオン「………………………ふっ、あまあま」

 

シオンはそれを見ると安心したようにぱちマッカンを飲む

俺も置いたままだったぱちマッカンを飲む

ふむ、いい甘さだ

しかも室温で温かくなった分甘さが増している

ふっ、置いといたのはこれが狙いなのさ!

 

エリカ「あ、あま〜」

 

だがエリカの口にこの甘さは合わなかったらしい

険しい顔でちびちび飲んでいる

可愛いそうなやつめ

 

ニン「ふ〜ふふふ♪」

 

ニンがひと息ついたところで

ニンの頭を撫でる

 

はちまん「よーしよし」なでなで

ニン「ん〜?えへへ〜ふふふ♪」

 

俺が頭を撫でると嬉しそうな顔で身をよじる

ははは、可愛いやつめ

頭を撫でながらニンに問いかける

 

はちまん「ニン、お前の機嫌が悪かったのは俺とシオンがまた一緒に行動するから、だよな」

ニン「うん〜シオンばっかりずるい〜ふふふ♪」

はちまん「けどなニン。お前にはやるべき事があるだろ」

ニン「わかってる〜おつきさまの〜ポケモンを〜かえしてあげなきゃ〜ふふふ♪」

はちまん「そうだ。シオンがアミー…えっと、年上か?」

コブキ「はい、わたしと同い年です」

はちまん「へぇ、そうなんだ。それで、アミーさんをここへ連れて来るまでには時間がかかるだろう。だからその間に少しでもポケモン達をもとの場所に帰さなきゃいけない」

ニン「うん〜わたしも〜おつきさまの〜ポケモンが〜しんぱいだから〜かえしてあげる〜ふふふ♪」

はちまん「ま、お前の事だから心配しなくてもそのくらいはわかってたか」

ニン「うん〜じぶんのやるべきことは〜わかってる〜ふふふ♪」

 

はちまん「で、わかった上でお前はどうしたい?俺と一緒に来たいって言うならついてきてもいいが」

ニン「ついていきたい〜けど〜ポケモンたちが〜ふふふ♪」

はちまん「お前がポケモン達を心配して、早く元の場所へ帰してやりたいと思っているのはわかっている。だがお前がする必要はあるか?他のやつに頼んで、お前はお前のやりたい事をやればいい」

ニン「それはだめ〜わたしは〜おつきさまの〜ポケモンが〜いじめられたから〜くろいひとをやっつけたの〜それなのに〜そんなわがままは〜言えないよ〜ふふふ♪」

はちまん「何だ?ロケット団に気を遣っているのか?」

ニン「そんなわけない〜でしょ〜?ただ〜わたしが〜かっこわるいから〜ふふふ♪」

はちまん「ポケモンの為にあそこまで怒ったお前をカッコ悪いとは誰も思わないと思うが。それでもしっかりと自分の責任をとりたいって事だな?」

ニン「うん〜シオンは〜ちこくしたことに〜きちんと〜せきにんをとろうと〜してるから〜わたしも〜シオンに負けないように〜せきにんをとる〜ふふふ♪」

シオン「………………………にん」

 

はちまん「そっか、ならお前はついてこないって事でいいんだな」

ニン「うん〜じぶんのために〜そうしたいから〜ふふふ♪」

シオン「………………………はち」

はちまん「ん?どうしたシオン」

シオン「………………………わたしはついていってもいいの?」

はちまん「は?お前は遅刻した責任を取るためにセキチクまで俺についてくるんだろ?それにこれからの事も考えてアミーさんは本部にいてもらったほうがいい」

シオン「………………………せきにんはとる、でも」

はちまん「でも?」

シオン「………………………わたしもにんとおなじで、はちといっしょにいたいきもちがあるから」

はちまん「いや、それは…」

 

ニン「シオン〜まさか〜わたしにきをつかってる〜?ふふふ〜♪」

シオン「………………………そんなこと」

ニン「シオン〜あほのくせに〜よけいなこと〜かんがえなくて〜いいよ〜ふふふ♪」

シオン「………………………あほじゃないわ、ばか」

ニン「そんなこと〜きにしなくても〜はちくんには〜いつかうめあわせ〜してもらうから〜ふふふ♪」

はちまん「何を勝手に…いや、これはまあいいか」

ニン「ふふ〜ん〜さっきシオンと〜ちかつうろにいった〜のとあわせて〜2こぶんだね〜ふふふ♪」

はちまん「え、2個いっぺんにか?」

 

ニン「そ〜だからこんど〜わたしとデートして〜はちくん〜ふふふ♪」

 

シオン「………………………え」

ウキワ「で、デートって…」

はちまん「デート…俺と?」

ニン「はちくんって〜いったよ〜?ふふふ〜♪」

はちまん「でも、どこに?」

ニン「ん〜それは〜そのときまでに〜きめとく〜ふふふ♪」

 

シオン「………………………に、にんだけずるい」

ニン「これは〜はちくんが〜わたしにする〜うめあわせだから〜シオンは〜かんけいないよね〜ふふふ♪」

シオン「………………………はち、わたしもなにかない?」

はちまん「ん?お前とはナナシマに行く約束があるだろ?それじゃ駄目か?」

シオン「………………………そうだった」

はちまん「おい、お前が行きたいって言ったんだろ」

ニン「え〜はちくん〜シオンとまた〜おでかけするの〜?シオンばっかり〜ぶ〜」むす

はちまん「それじゃお前も来ればいいだろ、ナナシマに」

ニン「お〜そっか〜そこでデートしようかな〜もちろん〜ふたりきりで〜ふふふ♪」

シオン「………………………え」

はちまん「それなら俺も色々楽でいいかもしれないが、ナナシマに何があるかわからないぞ?」

ニン「それでも〜いいから〜ふふふ♪」

はちまん「わかった。ただしそこへ行くには俺の知り合いの船に乗せてもらわないと行けないんだ。だからもしその船が定員オーバーで誰かが乗れないって事になったらシオンを優先させてくれ」

シオン「………………………はち」

ニン「ん〜まあシオンが〜先に〜やくそくしたからね〜しかたないか〜ふふふ♪」

はちまん「悪いな、もしそうなっても後でお前も連れて行くから」

ニン「うん〜やくそく〜ふふふ♪」

はちまん「ああ」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

さて、ニンの機嫌も直ったし

そろそろ時間も遅いから寝るかな

でもその前にやりたい事があるからまたあの部屋を借りなきゃな

 

はちまん「ウキワ、また部屋を借りてもいいか?」

ウキワ「は?何言ってるの?貴方」

はちまん「あ、やっぱり2日続けて借りるのは駄目か?」

ウキワ「いや、まだ話しは終わってないでしょ」

はちまん「あれ?そうだっけ?」

ウキワ「はあ…貴方寝る事しか頭にないの?」

 

まだ話す事あったっけ

特にないと思うが

 

エリカ「はちまん様、流石にそれは阿呆ですわよ?まだあの交渉の意味の3つの内2つしか説明されてはおりませんわ」

はちまん「あーそうだったな、忘れてた」

コブキ「それで、それはどのような?」

はちまん「ん、そんな難しい事じゃない。ただあのゲーセンをタマムシ側が改装できないかなってくらいだ」

ウキワ「え…?それだけ?」

はちまん「うん、それだけ。まあ改装にあたって色々アイデアは言っておきたいが」

エリカ「では、タマムシ側の人間としてわたくしが参考までに聞いておきましょう」

 

はちまん「ま、ひとつぐらいしかないんだが。レインのライブ会場をあの敷地に作れないか?」

レイン「ほぇ?私のライブ会場?それならデパートの屋上にあるよ?」

はちまん「でもあそこ、下から見上げると首が痛くならないか?」

ウキワ「確かに5階分上を見上げないといけないから首に負担はかかるわね」

はちまん「まああのゲーセンの立地的に動員数は稼げそうにないと思うが、ロンドと戦う時にレインが『これはパフォーマンスの練習だ』って言ってたが、この街の住人はゲーセンがいきなり壊されてて驚いているはず、だったら改装記念とかなんかでレインを出して言い訳を取り繕えばいいだろ」

エリカ「ほう、それならばわたくしが街の皆様に壊れた理由をご説明する手間が省けますわね」

レイン「ふーむ、私もそれでいいけどー。そうやって街のみんなに言い訳をするって事はロケット団の事をみんなに言わないの?」

はちまん「んーいや、このゲームセンターを改装する事にはまだ理由があってな」

ウキワ「それはロケット団に関わる事よね?」

はちまん「一応そうなんだが、これは結構望みが薄いと言うか…」

コブキ「構いません、お話しください」

 

はちまん「ロケット団がゲームセンターに居たと言う事実を隠蔽して、ロケット団を誘き寄せる」

 

レイン「え?ど、どう言う意味?」

はちまん「まあ簡単に言えば、あそこはロケット団のちょっとした遊び場だったかもしれないって、さっき言っただろ?」

レイン「うん!あとロケット団の本拠地でもないって!」

はちまん「そ、いまロケット団はあのゲーセンとは別の場所にいる。そしてあそこはロケット団の遊び場。つまり…」

コブキ「つまりゲームセンターに居るロケット団が私達に追い払われた事を知らないまま、遊びに来たロケット団を捕まえられるかもしれないと言う事ですか?」

ウキワ「でもロケット団内で情報が隅々まで行き届いていなければそんな事は起きないわ。それに貴方、ロケット団は捕まえたくないって言ってなかった?」

はちまん「でもさ、あのゲーセンにロケット団がのこのこ遊びに来たらそれは、ロケット団内で情報統制が取れていないって言う事実が浮かび上がってくるだろ。それに捕まえたくないとは言ったがあそこに来るのは恐らく比較的身分の高いやつだと思うんだよ。ロロットは遊ぶのが目的で来てたみたいだしな」

レイン「簡単に言うと?」

はちまん「エビでタイを釣る」

ウキワ「奇跡的に近いけれど、得るものは大きいと言う訳ね」

はちまん「まあやるにしてもタマムシ側が決める事だがな」

 

はちまん「あとどうでもいいが、あのゲーセンで働いていた他の従業員も戻って来るかもしれない。俺が見たトキワの森で戦った奴も青いスカーフをしていた奴も、あの時いなかったみたいだからな」

ウキワ「確かにいなかったわね。どこに行ったのかしら」

はちまん「さあ?あの時奇跡的に休暇でどこか遊びに行ったか、それともまだわかっていないロケット団の本部へ行ったか」

コブキ「それともはちまんさんの言ったヤマブキシティを襲撃する作戦に参加しているのか、ですね」

 

はちまん「あ、その話し何だがな。少し怪しい点が」

エリカ「先程『でぱーと』へ行かれたのですね。そこで技マシン『あなをほる』が売られていたのを見て、ハナダシティで『あなをほる』を盗んだロケット団の動向がわからなくなり、結果はちまん様の考えた『あなをほる』を使ったヤマブキシティ襲撃作戦の信憑が怪しくなった、といったところでございますか」

はちまん「…何でわかったの」

エリカ「あら、この街のジムリーダーはわたくしですわ。『でぱーと』に売られている商品も少しくらいは記憶しておりますわ」

はちまん「…何でそれを知っててさっきの話しの中で言わなかったの?」

エリカ「例え『でぱーと』で売られていたとしても、ハナダシティのロケット団が何かしらの理由で『あなをほる』が必要になったと考えられるからですわ。それに『あなをほる』がハナダシティで盗まれたのは紛れも無い事実ですわ。これに理由をつけるとするならばはちまん様の理屈が正しいと考えたからですわ」

ウキワ「ロケット団は作戦のため『あなをほる』を手に入れなければならなかった。だから技マシンを盗んだ」

コブキ「技マシンは使い捨てです。人数分の『あなをほる』が用意できなかったというのが可能性としては濃厚ですね」

ウキワ「それではロケット団はヤマブキシティに多面攻撃を仕掛けるつもりでは」

コブキ「他に考えられるとすれば、ハナダ・クチバ間の地下通路にいるロケット団とシオン・タマムシ間の地下通路にいるロケット団は別に動いているかですね」

ウキワ「その2つの地下通路でロケット団が繋がっていないとすればタマムシシティのデパートで買えるはずの『あなをほる』がハナダ・クチバ間のロケット団に行き渡っておらず、人から盗むしかなかったと」

コブキ「しかしそうなると、はちまんさんに技マシンを取り返されたのですから何か別の手段を取るでしょう」

ウキワ「『あなをほる』が必要ならばポケモンがレベルアップで覚えるものもあります。それが使えるポケモンを捕まえるか、それともトレーナーから奪うか」

 

コブキさんとウキワによってどんどん話しが進められていく

しかし俺の仮説が正しい事前提で話し合いをしている

いまは別にどう話し合っても構わないが

後々コブキさんはメンバー全員と話し合う

その時に俺の仮説が正しいと決めつけていては危ない

それが間違っていた場合、どうなるかわからない

今のうちに釘を刺しておくか?

しかしその前に気になる話題があがってきた

 

はちまん「トレーナーから奪う?それって」

コブキ「はちまんさん、何か心当たりが?」

はちまん「ナァから聞いたと思うが、俺がハナダの北にある『ゴールデンボールブリッジ』で戦った奴らがそんな事してたなーって」

ウキワ「またハナダ方面…まさかそいつらも『あなをほる』が必要になって…?」

 

はちまん「いや待て、そう決めつけるのは早計だ。まだ確実な証拠はないんだからもっと慎重に…」

エリカ「あら、いま話し合う分には構わないのでは?」

はちまん「それはそうだが、あんま決めつけて行動すると危ないというか」

ニン「だいじょ〜ぶ〜はちくん〜みんなで〜はなしあうときは〜しっかりとかじを〜とるから〜しんぱいしないで〜ふふふ♪」

はちまん「…本当だな?信じていいんだな?間違えてもメンバー全員で地下通路を見張るなんて事はないんだろうな?」

ウキワ「私達を何だと思っているの?貴方に心配されるようなチームではないわよ」

はちまん「……ゲームセンターの名前を見落としていたのはどこのどいつらだよ」

ウキワ「うっ…それは…」

はちまん「はぁ…、別に責める気はない。お前らチームの管轄がカントー全域と考えればそういう見落としもあるはずだ。だが敵を前にして自分達を見失う事だけはやめてくれ」

コブキ「それはわかっております、ゆきのさんにも言われましたから」

はちまん「雪乃に?」

コブキ「はい」

 

そういえばアイツ、このチームのアドバイザーみたいな事してるって言ってたな

コブキさんとも電話番号を交換しているらしいし

…ん?…雪乃…

 

はちまん「なぁエリカ、雪乃達はお前に勝ってバッチは貰っているんだよな?」

エリカ「はいその通りですわ。ゆきの様もゆい様もいろは様もわたくしに勝利いたしましたわ」

はちまん「…ニン、確か雪乃達はもうこの街を出たんだよな?」

ニン「うん〜ゆきのちゃんたちは〜ここにきて〜わたしたちに〜おせわになりましたって〜あいさつして〜まちをでたよ〜ふふふ♪」

はちまん「…それが昨日の昼頃だから…ウキワ、お前もその場にいたんだよな?アイツらはどっちの方角へ向かった?」

ウキワ「それはシオンタウンからセキチクシティへ行くって…」

はちまん「…何でシオンに向かったんだ?」

ウキワ「西には『サイクリングロード』があって、あの子達自転車を持ってなかったみたいだから」

はちまん「…ちなみにコブキさん、またヤマブキシティをアイツらに通らせたって事は?」

コブキ「いえ、流石に2度も封鎖を解くのは…だから…はっ!」

 

エリカ「…まさか地下通路を通ってシオンタウンに?」

 

はちまん「いまから地下通路に向かってもアイツらは既に通り抜けて…何もなければシオンタウンに辿り着き、いまはセキチクに向かっているはず。確かめようにもロケット団がアイツらを拘束し、どこかへ監禁していれば見つかりっこない。もし監禁されていたとすれば地下通路にいるはずだ、隈なく探せば見つかる…いまから行くか?しかしアイツらを拘束する理由がロケット団には…あ、そういえばサカキにアイツらの顔はわれているんだったな。…何かの取り引きにアイツらを使ってくるか?だとすれば何かしらのコンタクトを俺にとってくるはず、だが今日の昼に会ったロロットからはそんな素振りがなかった。アイツらが捕まる時間帯は昨日の昼頃、あのゲーセンにロロットが来たのは今日の昼だからその時にコンタクトを取ってきてもおかしくない。しかしそれがなかったとするとやはり雪乃達は捕まっていない?いや、襲われて動けなくなっていたとすれば…待て落ち着け、アイツらが無事かどうか確かめる手段は…俺もセキチクシティへ向かうしかない」

ウキワ「は、はちまん…?」

 

はちまん「シオン!いつ頃セキチクシティへ行くんだ!?」

シオン「………………………あしたのあさ」

はちまん「時間も遅いし仕方ないか…ならもしロケット団が何かしてきた場合に備えて…」

 

はちまん「悪い!ウキワ!また部屋を借りるぞ!」

ウキワ「え、ええ…」

はちまん「ニン、シオン!また俺と一緒に寝るって言うなら別に俺は構わないが、少しやる事があってうるさくなるかもしれないが我慢してくれよな」

ニン「う、うん〜わかった〜」

シオン「………………………わかった」

 

俺は急いで明日に備えるべく本部をでようとする

ドアに手をかけたところで思い出した

 

はちまん「あ、後エリカ!俺はジム戦に勝ったって事になってんだよな!?確か技マシンをくれるんじゃ!」

エリカ「え、えっと少しお待ちを…こちらの『ギガドレイン』を…」

はちまん「サンキューエリカ!愛してるぜ!」

エリカ「え!?」

 

 

俺はエリカから技マシンを受け取ると本部を出て急いで昨晩寝た部屋に戻った

早速明日の準備に取り掛かる

ポケモン達に技マシンを使い新たな技を覚えさせ

持ち物もしっかりとチェックし

 

あとはこの焦った気持ちを落ち着かせるため早めに寝た

くそ、明日には本調子に戻ってるといいが

 

 

 

 




と言うわけで、慌ただしいですが今回はここまで
次回でこの章も完結です
変わったステータスも次回に発表します



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

97話 出発と戦闘

今回でこの章は終わります
次回は恒例のステータス回です


#タマムシシティとあるマンションの一室

 

オニスズメー

オニドリルー

 

はちまん「うん…朝か…」

 

ポケモン世界19日目

鳥ポケモンの鳴き声を聞き眼を覚ます

俺は体を起こし、あたりを見渡す

昨日と同じくニンとシオンが俺に抱きついて寝ている

2人とも服装は昨日と同じ黒いパーカー

腕にはシオンはゲンガー、ニンはゴローニャのぬいぐるみを持っている

そういえばこの2人ゲームセンターでこのポケモンを使っていたな

やはり自分のポケモンは可愛いものなんだろう

まあニンとシオンが一緒に寝ているのは問題ない、可愛いし

しかし俺が気になるのは

 

エリカ「すー…すー…」

 

何故お嬢様まで一緒の部屋で寝てらっしゃる?

幸い俺に抱きついていないが、それでも結構近い

この前みた寝巻きの浴衣姿ではなく、俺と同じ黒いパーカーを着ている、ズボンは履いてない

…寝る時は下をつけないと言っていたが…本当だろうか?

って、いかんいかん何を考えてんだ落ち着け!

流石にパーカー1枚で寝るわけがない

…もし履いてなかったら、エリカの足の方から見れば…

って、だから何を考えてんだ落ち着けっつの!

…でも履いてたとしても下が見える…

って、いい加減にしろ!それを言ったらニンとシオンだってズボン無しのパーカー1枚だから足の方から見れば…

 

はちまん「ぐっ…煩悩よ立ち去れ…!」

 

せいっ、煩悩鳳!

…よし、とりあえずは収まった

また出て来る前に昨日の事を整理しよう

 

まずロケット団についてコブキさんやウキワ達と話し合い

俺は地下通路にロケット団が存在しているのではないかと考えた

だがその場合

タマムシシティのジムバッチを手に入れ、次の街セキチクシティへと向かった雪乃、結衣、いろはの3人に危害が及んでいるかもしれない

今の俺がアイツらの安否を知るには、セキチクシティへ向かう事しか出来ない

昨日の夜はアイツらが心配で少し慌てたが

眠った事で少し頭が冴えてきて、気分も落ち着いてきた、煩悩が出て来るくらいに

んで、寝る前にポケモン達を強化するため

テレビの中のお兄さんに殺意を覚えながら、技マシンを使った

あのテレビ、ポケモンに技を教えるかわりに、トレーナーに嫉妬心を教えるらしい

…みんな…目を…キラキラ…くそっ

ロンドと戦ったり、エリカと戦ったためレベルも少し上がっている

それでこれがステータス

 

[カラカラ]

レベル 29

 

持ち物 ふといほね

 

<覚えている技>

・ホネブーメラン

・アイアンヘッド

・かわらわり

・きあいだめ

 

 

[ゴルバット]

レベル 26

 

持ち物 なし

 

<覚えている技>

・そらをとぶ

・かみつく

・あやしいひかり

・すいとる

 

 

[ロコン]

レベル 24

 

持ち物 なし

 

<覚えている技>

・ひのこ

・おにび

・だましうち

・あなをほる

 

 

[カビゴン]

レベル 31

 

持ち物 なし

 

<覚えている技>

・のしかかり

・かわらわり

・ねむる

・あくび

 

こういう感じ

 

とある事情で誰から貰ったかは言えないが

ゴルバットに秘伝マシンの『そらをとぶ』を覚えさせた

この技は1ターン目で上空へ飛び上がり

次のターンで攻撃するひこうタイプの技

飛び上がっている状態に、相手はほとんどの攻撃技を当てる事が出来なくなる

しかし癖のある技のため対策されやすく

1ターン目の飛び上がっている状態にも当てられる技があるし

2ターン目の攻撃に合わせて『まもる』や『カウンター』を使われる事がある

この技を使うには要注意だ

そして秘伝技であるがゆえに戦闘以外でも使える

効果は知っているポケモンセンターへ移動する事が出来る

これで街へ戻る時に面倒がなくなる

ちなみにお兄さんは鳥人間コンテストっぽい事をして、崖から転落

 

ロコンには『あなをほる』

これはロコンのとくせい『もらいび』がほのお技を吸収することから

ほのおタイプに効果抜群の技を覚えさせる事で、こちらは攻撃を受けず効果抜群を叩き込む戦法

ちなみにお兄さんはスコップで地面に穴を掘ろうとしたが、偶々そこにいたディグダを怒らせて『すなじごく』で地面の中に

 

カビゴンには『かわらわり』

カラカラと同じものだが、やはりかくとう技はあって困らないと思ったので、攻撃力が高いカビゴンに使った

本当は『がんせきふうじ』か『でんげきは』が良かったが、それは取っておこう

ちなみにお兄さんは前回と同じくかわらを割ろうと挑戦、結果はお察しの通り

 

レベルもゴルバット、ロコン、カビゴンがアップしている

だがやはりレベルが低い、圧倒的に

ロンドの時はレインがいたからどうにかなったが

今度は一対一で戦えと申し込まれている

…今日は朝にシオンとセキチクシティへ向かう事になっているが、その出発を少し遅らせてもらい

これから先、ロンドもしくはロロットがで出来た時を考えて鍛えるか?

だが鍛えると言ってもどこで…

 

エリカ「お〜い」

はちまん「あん?何だ起きたのか」

 

俺がどうしようか悩んでいるとエリカがいつのまにか起きていて、呼びかけて来た

寝起きエリカだから口調ものろーりしている

 

エリカ「なやんでいるようだねー少年」

はちまん「ああ、鍛えようと思ってんだがどこでやろうかと。やっぱりこの街を出た7番道路の草むらしかないか」

エリカ「いやいやーそれよりもいい方法があるんですがねー少年」

はちまん「いい方法?何だそれ?」

エリカ「ふっ、私が誰か忘れたのかいー少年」

はちまん「エリカ」

エリカ「ふんっ、それは仮の名前…私の本当の名は…ジムリーダーエリカ!ー少年」

はちまん「ジムリーダーがどうしたんだよ、てかその語尾の少年やめろ鬱陶しい」

エリカ「少年ーでは問う、ジムでは何が出来るのかを…!」

 

はちまん「前に持ってきても鬱陶しいからな。ジムで出来る事?ジムリーダーと戦ってバッチを貰うくらいだろ?」

エリカ「ふはっ!笑止、ふはは!まだ他にもあるではないか!」

はちまん「笑止って言った後に笑うな。他に出来る事…あ、トレーナーと戦えるのか」

エリカ「そのとおーり!それに勝てばお小遣いももらえちゃうよ?」

はちまん「確かに鍛えるならジムでトレーナーと戦う方がポケモンの経験も、人と戦う事の経験も上がるか…。しかしそんな時間があるか?レベル上げは重要なのは確かだが早くセキチクシティへ行かないと…」

エリカ「あーもうよく考えて、早くいく必要はある?」

はちまん「…それは」

 

確かに早く行く必要も意味もない

ただ俺が雪乃達の安否を早く知りたいと言うだけ

 

エリカ「それにね?昨日はちまんくんは焦ってたけどさ、あの子たちがそう簡単に危険な目にあうと思う?」

はちまん「…」

エリカ「あの子たちははちまんくんよりも私よりも強いよ。多分今この瞬間もすごく強くなっていってると思う。だからさ、はちまんくんも少しくらいは強くなっておこうよ。守りたいんでしょ?」

はちまん「…そうだな」

エリカ「大丈夫、はちまんくんならあっという間に強くなるよ。だって今はちまんくんのポケモンってものすごいレベルが低いだよね?それでも私やあのロンドって人に勝てたんだから」

はちまん「いや、どっちも俺だけの力じゃない。お前の時はロコン頑張りが、ロンドの時はレインがいたから勝てたんだ」

エリカ「それも含めて、はちまんくんは強いんだよ」

はちまん「?」

 

エリカ「はちまんくんもはちまんくんのポケモン達も、レベルや技の強さだけじゃない、もっと別の大きな力を持ってるんだよ」

 

はちまん「…大きな力?」

エリカ「あれー?まだわかってないの?んー、まあいいか。その内わかるだろうし、いやわかったとしてもはちまんくんは変わらないか」

はちまん「よくわからんが、まあ強くなれって事だな」

エリカ「そうだね」

 

エリカ「それじゃあ今からジムに案内するよ。シオンちゃんも連れて行って、それなりに強くなったらジムからこの街を出ればいいんだよ」

はちまん「わかった、そうするわ」

 

エリカと話し終わった後

ニンとシオンを起こして、本部の方へ向かった

どうでもいいけど

『大きな力』って

『大きなか』に見えるよね

大きな蚊…ひっ

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#カントーガールズ本部

 

本部にはコブキさん、ウキワ、レインがいた

ウキワとレインは黒いパーカーからそれぞれの着ていたドレスに着替えている

メンバー全員が集まるから、チームの制服みたいな物であるドレスに着替えたのだろう

 

コブキ「おはようございます」

ウキワ「おはよう、エリカ様おはようございます」

レイン「おっはよー!」

 

ニン「おはよう〜ございます〜ふふふ♪」

シオン「………………………おはよ、ねむ」

エリカ「おはようございます、コブキ様、ウキワ様、レイン様」

はちまん「うーす」

 

エリカはここへ来る途中で本調子に戻った

 

ウキワ「ニン、シオン。貴方達もドレスに着替えなさい。その服装だと他のメンバーに何を言われるかわからないわ」

ニン「は〜い〜ふふふ♪」

シオン「………………………わたしも?」

ウキワ「シオンもアミーさんと会うのだからいらぬ詮索をされないように着替えなさい。後二人共、持っているぬいぐるみはここへ置いて行きなさい。失くしたくないでしょう?」

ニン「わかりました〜ふふふ♪」

シオン「………………………はい」

 

ニンとシオンは持っていたぬいぐるみを部屋のソファーに置き

ウキワについて部屋を出て行った

 

レイン「あー、そーそー!はちまん君!はいこれ私のドレス!」

はちまん「え?あー、忘れてた。そう言えばお前とも服の交換を約束してたな。てか本当に貰っていいのか?」

レイン「いいよ!だって約束だもん!」

はちまん「わかった、ありがたくないけど貰っとくわ」

レイン「はいどうぞ!」

 

俺はレインからレインボードレスを受け取り、バッグにしまう

これで4人分のドレスが集まった

7つ揃えると何か起こるかもな

 

コブキ「して、はちまんさんはこれからどうするのですか?」

はちまん「今からジムに行ってレベル上げ。その後セキチクシティに向かう」

コブキ「そうですか。…申し訳ございません、私が雪乃さん達をヤマブキシティからシオンタウンへ行かせておけばこんな事には…」

はちまん「いや、地下通路にロケット団がいるかもしれないなんて誰も思いつかないし、そもそも俺の仮説が間違っているかもしれないだろ?コブキさんがそんなに思い詰める必要はない」

コブキ「はちまんさん…」

 

レイン「でもはちまん君はどうやってセキチクシティへ行くの?地下通路は危ないかもしれないし、ヤマブキシティも通れないし」

はちまん「俺には自転車があるから『サイクリングロード』を通って行く」

レイン「おお、あの道ならあっという間にセキチクへ着いちゃうよ!」

エリカ「それならば、時間も沢山とれますわね」

はちまん「うーん、夕方近くまでなら鍛える時間があるか…」

エリカ「それでは今すぐジムへ向かいますでしょうか?」

はちまん「そうだな。少しでも時間が欲しいし、シオンが戻って来たら出発するか」

 

コブキ「では、はちまんさんとはここでお別れですね」

はちまん「ああ、世話になったなコブキさん」

コブキ「何を仰います。お世話になったのは私の方です。ここ数日ロケット団の動向がわからずに私達チームは右往左往しておりました。しかしはちまんさんがやるべき事を示してくださったおかげで、私達も少し前へ進める気がします。本当にありがとうございます」

はちまん「いえいえ、こちらこそありがとうございました」

コブキ「またタマムシシティへ立ち寄る事がありましたら、その時は是非おもてなしをさせてください。はちまんさんの飲んでいらっしゃった黄色いお飲み物を用意してお待ちしております」

はちまん「おお、本当か!」

コブキ「はい、いつでも気軽にお越しください」

はちまん「ああ、わかった」

 

レイン「それじゃあまたね、はちまん君!」

はちまん「おう、レインもな」

レイン「私はいつでもこのタマムシにいるから!会いたくなったらいつでもきてね!」

はちまん「ほう、アイドル様にいつでも会えるのか」

レイン「うん!ライブ中でも私に会いに来て!なんだったらそのまま一緒に共演しよ!あのコウモリのやつやってさ、『バサァ』って!」

はちまん「やだ」

レイン「ぶー!ケチ!」

はちまん「ケチで結構。てかあの演出が気に入ったのなら羽繋がりでウキワに頼めば?アイツのバタフリーで同じような事が出来るだろ」

レイン「おお!コウモリじゃなくてちょうちょだね!」

ウキワ「何を勝手に決めているの?はちまん」

はちまん「うわ!もう戻って来たのかよ」

 

ウキワ「貴方レインさんにいらない事吹き込まないでよ」

はちまん「いいじゃないか、蝶々娘とアイドルって事で一緒に出れば」

ウキワ「その蝶々の格好で貴方に襲いかかればいいのね?」

はちまん「やめてくださいお願いします」

ウキワ「まったく、レインさんもあまり乗り気にならないでくださいよ?」

レイン「えー!?でもウキワ絶対可愛いって!」

ウキワ「か、可愛い?」

レイン「そーだよ!あ、だったらはちまん君とウキワで出ればいいじゃない!おそろいで!」

ウキワ「お、おそろいっ…」

はちまん「いや、バタフリーが怖いからやらない」

ウキワ「…そう」しゅん

レイン「ありゃま、ウキワがしぼんじゃった」

 

はちまん「あれ?ウキワ、ニンとシオンは?」

ウキワ「…そろそろ戻って来ると思うわ。 シオンが来たらもう行くの?」

はちまん「おう、時間が惜しいからな」

ウキワ「そ、ならはちまん。今回はありがとね、色々と助かったわ」

はちまん「だったら、トキワの森で言ってた借りはもう返したって事でいいのか?」

ウキワ「借り?そんなのあったっけ?」

はちまん「おい、覚えてろって言ったのお前だろ」

ウキワ「貴方って案外律儀なところがあるわね」

はちまん「ふふん、そうだろ」どやぁ

ウキワ「…そのドヤ顔が腹立ったから、借りはそのままにして置くわ」

はちまん「あんまりだ」

ウキワ「はぁ…、貴方凄いのか凄くないのかよくわからないわね…」

はちまん「俺が凄い?あれ?お前にあの吸血鬼演出見せたっけ?」

ウキワ「何でそうなるの…」

はちまん「いや、俺の凄いところって言うとそれくらいしか」

ウキワ「…もういいわ。それじゃ、また会いましょ」

はちまん「おう」

 

3人と別れの言葉を済ませてニンとシオンを待つ

少しすると

灰色のドレスに赤い帽子のニンと

紫色のドレスに紫色の帽子を被ったシオンが戻って来た

シオンは小さな鞄を背負っている

 

ニン「ただいま〜ふふふ♪」

シオン「………………………もどった」

はちまん「よし、シオン。戻って来たところ悪いが、今からジムへ行くぞ」

シオン「………………………ん、わかった」

ニン「それじゃ〜すこしの〜あいだ〜おわかれだね〜はちくん〜ふふふ♪」

はちまん「ナナシマに行く時は、お前も連れて行くからな。あ、でも普段どこにいるかは教えてくれないか?当てもなく探すのは面倒だし」

ニン「しばらくは〜たまむしか〜やまぶきに〜いるとおもう〜でも〜ポケモンたちも〜かえさなきゃいけないから〜ニビのほうにも〜いくかも〜ふふふ♪」

はちまん「それならこの本部に来ればいいな。もし俺が来た時のために置き手紙はしといてくれ」

ニン「りょうかい〜ふふふ♪」

はちまん「またな、ニン」

ニン「うん〜またね〜はちくん〜ふふふ♪」

 

ニンとも別れ

カントーガールズの本部を出る

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん「さて、行くか」

シオン「………………………うん」

エリカ「それでは、タマムシジムまでご案内いたしますわ」

 

シオンと共にエリカの後をついて行く

しばらく歩くと花の香りがするタマムシジムに着き中に入る

ジムの中は小さな外観と変わらずこじんまりとした空間

花や草木が沢山あり

ジムと言うより小規模なジャングルっぽい

ジャングルジムってか

利用者も少なく、2人だけ

ポケモンバトルを行えるバトル場は3つしか設置されていない

そしてジムの真ん中に花に囲まれたバトル場

恐らくあの場所でエリカが挑戦者と戦うのだろう

 

はちまん「トレーナー2人しかいないって、あの2人と戦ったらもう特訓が終わるじゃないか」

エリカ「いえいえ、あの方々以外にも『とれーなー』はいらっしゃいますわ」

はちまん「え、どこに」

エリカ「こちらへ」

 

そう言うとエリカはジムの奥へ

俺とシオンはそれについて行く

そしてドアの前に立ち止まり開ける

そこには

 

女の子「あ!エリカ様!」

男の子「エリカ様!おれと戦ってください!」

 

『わー!エリカ様!戦ってー!』

 

トレーナーらしき人が沢山いた

みんなはエリカの姿を見ていきり立つ

何だこれ

 

はちまん「おいエリカ、何だコイツら」

男の子「おい!そこのお前!エリカ様になんて口の聞き方だ!」

女の子「失礼よ!」

エリカ「いえ、その方はよろしいですわ。わたくしのお客様でございますから」

男の子「で、でも礼儀が」

 

はちまん「ん?ここではお前への口調を気をつければいいのか?」

エリカ「いいえ結構ですわ。貴方様はそのままで充分でございます。貴方様の丁寧な口調はわたくしは気に入りませんので。それにコブキ様も苦手なご様子でございましたし」

はちまん「嘘っ!?コブキさんに敬語をやめてくださいって言われたのはそう言う理由があったの!?」

エリカ「ご冗談でございますわ、ふふ」

はちまん「ほっ、よかった。まあお前に口調がどうこう言われたくないしな」

エリカ「あら、それはどう言う意味でございましょうか」

はちまん「だってお前いきなり変な口調になるし」

エリカ「貴方様が変えろと仰ったのではありませんか」

はちまん「それは1回だけだろ。お前昨日今日でどれだけおかしかったかわかってるのか?特撮戦隊ヒーロー1ヶ月分の変身量だったぞ」

エリカ「そんな事ありませんわ。仮面『らいだー』くらいですわ」

はちまん「どっちも同じだろ」

エリカ「いいえ、人数が違いますわ」

はちまん「いや、最近の仮面ライダーも複数人変身するからな。敵も味方も変身して、もうどれを応援すればいいのかわからなくなるんだぞ?」

エリカ「主人公様を応援して差し上げればよろしいのでは」

はちまん「敵にも格好いいのがいるんだよ」

エリカ「それは他の作品や物語でも同じなのでは、応援したいお方は人それぞれですわ」

はちまん「確かに『バッファ○ーマン』とか好きだけどさ」

エリカ「その方も悪魔から正義に変わりましたでしょう?ならば主人公様と言ってもよろしいのでは?」

はちまん「いいや、主人公は『キン○マン』とリングに上がった者だ。『マンモ○マン』とか格好いいんだから」

エリカ「あら、獣系がお好きなので?」

はちまん「いや『ロビ○マスク』も『ラーメ○マン』も好きだ」

エリカ「『ラーメ○マン』様が味噌らーめんだったのは驚きましたわ」

はちまん「俺もだ。まさか味噌ラーメンだったとは…」

 

女の子「あの…エリカ様…?」

男の子「そんな…味噌ラーメン…?」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん「それで、ここはなんなんだ?お前と戦いたいって言ってるけど」

 

話が脱線してしまったのを何とか戻し、1度部屋を出てエリカと話すのが

危ない危ない

新シリーズに『ウル○マン』がいつ出てくるかの談義はまた今度にしよう

 

エリカ「ここはわたくしに挑戦する方々の控え室でございますわ」

はちまん「控え室?そんなのがいるのか?」

エリカ「わたくしは騒がしいくなるのが苦手でして。わたくしが挑戦者の方と戦っている間、他の挑戦者の方々にはここでお待ちになるようお願いしております」

はちまん「そういえばバトル場の周りに観客席とかなかったな。でも挑戦者を応援したい奴らはどうするんだ?」

エリカ「その辺りはご自由にさせておりますわ。挑戦者の関係者である事が条件でございますが」

はちまん「でもここにいる人数…20人くらいいないか?いつもこんなにいるのか?」

エリカ「今日は特別に以前からわたくしと戦いたいと仰っていた方々にお越し頂きました。しかしわたくし1人で捌き切るのは至難の技…そこではちまん様の出番という訳でございます」

はちまん「…?俺にコイツらと戦わせてふるいにかけるって事か?でも実力的に俺で大丈夫なのか?」

エリカ「さあ、それはわかりませんわ。しかしこれは貴方様の特訓になり、尚且つわたくしが楽になりますわ」

はちまん「それが本音か。しかしお前に挑戦しに来て俺と戦うってのは…」

エリカ「以前申し上げました通り、わたくしはその方の実力を認めてバッチをお渡ししています。なのでわたくしの認めた貴方様と戦い、勝利した者をわたくしの挑戦者といたしますわ」

はちまん「んー」

エリカ「しかしそれを決めるのはあの方達でございますわ。その条件はのめないと仰られるなら致し方ありません、わたくしがお相手致しますわ。それでもいいと言う方と貴方様は戦ってくださいませ」

はちまん「ん〜、納得はいかんが…。まあ当人達がそれでいいなら…」

エリカ「では、お聞きしてきますね」

 

そう言ってエリカは部屋に戻っていく

 

はちまん「シオン、お前は俺が戦っている間どうする?」

シオン「………………………ここではちをおうえんしてる」

はちまん「それでいいのか?どれだけ時間がかかるかわからないぞ?」

シオン「………………………だいじょうぶ」

はちまん「そうか、悪いな」

 

しばらくしてエリカが部屋から出てきた

結果はなんと20人全員俺と戦うと言う

何で全員そんなに乗り気なんだよ

エリカが何か余計な事を言ったのでは?と思ったが

戦う相手が多ければこちらも都合がいい

エリカを怪しみつつもそれを了承し

20人もの大人数と戦う事に

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん「……き、きつ」

シオン「………………………おつかれ」

 

夕方

俺は20人と戦い、今はジムの芝生で座り休憩している

隣にシオンも座って、俺を労ってくれた

そして結果は最後の2人に負けて、その前の3人くらいが危なかった

ポケモンの体力の問題だが、1人1人戦うたびにエリカが回復してくれた

そのため敗因は恐らく俺の集中力不足

全員実力はさほどではなかったが、手持ちのポケモンが全員6匹の連戦で俺も疲れていた

合計120匹との戦闘…マジか…

エリカと戦うために来ていただけあって戦法は似ていた

後、相手はほのおタイプのポケモンが多く

じめんタイプのカラカラと

ロコンの『あなをほる』が大活躍、計画通り

 

そしてこれが連戦した後のポケモン達

上の方にある元のステータスの見比べてほしい

 

[カラカラ]

レベル 37

 

持ち物 ふといほね

 

<覚えている技>

・ホネブーメラン

・アイアンヘッド

・かわらわり

・きあいだめ

 

 

[ゴルバット]

レベル 35

 

持ち物 なし

 

<覚えている技>

・どくどくのきば

・そらをとぶ

・きゅうけつ

・あやしいひかり

 

 

[ロコン]

レベル 36

 

持ち物 なし

 

<覚えている技>

・かえんほうしゃ

・あなをほる

・だましうち

・じんつうりき

 

 

[カビゴン]

レベル 35

 

持ち物 なし

 

<覚えている技>

・のしかかり

・かわらわり

・ギガインパクト

・あくび

 

 

カラカラはほのおタイプのポケモン相手に活躍した結果

レベルが10近くアップ

新しい技は覚えさせなかったが、いまはこれでいいかな

しかし相手にひこうタイプのポケモンも多く

『がんせきふうじ』を覚えさせようかと悩んでいる

 

ゴルバットの新しい技は『どくどくのきば』と『きゅうけつ』

『どくどくのきば』は以前に紹介した、相手を『もうどく』状態にできる技

『きゅうけつ』は虫タイプの技

シリーズ全てをやった事のある俺にとっては違和感ありまくりなのだが、結構高威力な技

効果は『ギガドレイン』と同じ体力吸収

 

ロコンはほのおタイプのポケモン以外にむしタイプのポケモンも多くいたためレベルがかなり上がった

新しい技は『かえんほうしゃ』

高威力で命中率も安定した『ほのおタイプ』の技

今まで『ひのこ』しか頼れる技がなかったためこれは嬉しい

それと『じんつうりき』も覚えた

『おにび』を忘れさせるのは抵抗があったが

『じんつうりき』はエスパータイプの技、覚えさせない方が色々ともったいないので優先した

 

カビゴンは少しレベルの上がり方が遅いのかそれほど上がらなかった

しかしどくタイプの相手にとくせい『めんえき』で活躍

そして高威力技『ギガインパクト』を覚えた

反動を受けるのは『はかいこうせん』と同じ

しかしこちらは物理技のためカビゴンと相性ばっちり

格下が相手なら先ず負ける事はないだろう

 

 

攻撃力的に見るとかなり強化された

だが死活問題と言っていい大きな問題が1つ

それは…

 

あんまりゴルバットとの吸血鬼演出が受けなかった

 

な、何故だ…!?

ゲームセンターではあんなに受けたのに!

いや、受けが悪かったのは女性ばかりだった…

あとそのほとんどが怯えていた

雪乃にも不評だったし…

まさか女の子は吸血鬼が嫌い?

でもレインは格好いいって言ってくれたし

うーんわからん、全くわからん

どこか改善すべきところがあるのだろうか

あの格好よさに甘えていたが、改良してみるか…

もう少しゴルバットの位置を肩の方へ上げるとか

1度ゴルバットに俺の周りを一周飛んでもらった後であの演出とか

うーむ

 

エリカ「はちまん様、お疲れ様でございます」

はちまん「………」

エリカ「はちまん様?」

はちまん「…ん?ああ、エリカか。何の用だ?」

 

いつのまにかエリカが俺達のそばに来ていた

ちなみに黒いパーカーから袴姿になっている

挑戦者たちの前だからきちんとしようときがえたのだろうが

俺の黒いパーカー返してもらってないんだけど

うーん、まあいいか

 

エリカ「連戦お疲れ様でございます。そしてありがとうございました」

はちまん「いや、本当にあれで良かったのか?」

エリカ「貴方様と戦う事はあの方達が決めた事故、それにわたくしと戦う前に己の実力を見定めるいい機会だったと思いますわ」

はちまん「でも俺とお前とでは実力も戦法も違うだろ」

エリカ「それは当たり前の事ですわ。わたくしと戦う前にわたくしと戦うのはおかしいでしょう?」

はちまん「た、確かにそれはそうだが…」

 

俺が納得いきそうなギリギリの感情を抱いていると

エリカが俺に封筒を渡してきた

 

エリカ「それではここでの『とれーなー』戦に勝利したはちまん様にはお小遣いをお渡ししますわ」

はちまん「あ、そう言うのもあったな」

エリカ「それとわたくしに勝利した賞金もまだでしたのでご一緒に封入しておきました」

はちまん「そうか、ありかとな」

 

俺は封筒を受け取り財布にそのまま入れる

確認は後でいいだろう

本人の前では開けたくない

 

エリカ「それと、『とれーなーぱす』をお渡しくださいませ」

はちまん「仕送りもあるんだっけ、はい」

エリカ「それではお預かりいたしますね」

 

エリカは俺のパスとニビシティでタケシが使っていた機械でアレコレすると返してくれた

 

エリカ「はい、お返しいたしますね」

はちまん「おう」

 

さて、これくらいで特訓は終わりでいいかな

けど最後の戦闘でポケモン達が戦闘不能になっている

エリカに頼んでポケモン達を回復してもらったら

サイクリングロードへ行こう

 

はちまん「エリカ、ポケモンの回復…」

シオン「………………………わたしがした」

 

カラカラ「カラッ♪」

ゴルバット「バット♪」

ロコン「…」

カビゴン「ゴンッ♪」

 

早っ!?

いつのまにしてくれたんだよ!?

 

はちまん「あ、ありがとなシオン」

シオン「………………………いいってことよ」

エリカ「あらまあ、シオン様。わたくしのお仕事を奪ってしまわれましたか、楽なのはいい事でございますが少し悔しいですわね」

はちまん「何で悔しいのかわからんが、シオンのおかげでいまからでも出発できるな」

シオン「………………………もういく?」

 

シオンのその質問に答える前に外の様子を見る

空が赤い、もう夕方だ

今からサイクリングロードへ行っても

夜道の下り坂を自転車で走るのは危ない

 

はちまん「どうするか…、1度ポケモンセンターに泊まるか?」

エリカ「それならご安心を、『さいくりんぐろーど』の前に『げーと』がございます。そこで1泊お休み頂き、朝までお待ちになってからお進みくださいませ」

はちまん「ゲートか、よしそれでいくか。シオンもそれでいいか?」

シオン「………………………おっけい」

はちまん「じゃあ暗くならない内にゲートに行くか」

シオン「………………………そうだね」

 

エリカ「それでは、わたくしとはここでお別れでございますか」

はちまん「そうだな」

シオン「………………………おせわになりました」

はちまん「エリカ色々ありがとうな」

エリカ「ふふ、こちらこそ」

 

出発するため、俺とシオンはポケモン達と一緒にジムを出る

エリカも出迎えのため共に出る

 

 

エリカ「では、はちまん様。またお会いしましょう」すっ

 

エリカが手を差し伸べてくる

握手だろうか

俺は周りにいるポケモン達を見た後それに応えた

 

はちまん「ああ、またな」

 

だが俺がエリカの手を握った瞬間

エリカが俺の方へ倒れ込んできた

 

はちまん「エ、エリカ!?」がし

 

ぶつかる寸前に受け止める

 

はちまん「どうした!?どこか具合が…!」

エリカ「ふふ、大丈夫でございます…」ぼそ

はちまん「ひっ」

 

俺はエリカを心配するが

耳元で囁かれた

ちょっ、俺耳弱いんだから!

 

エリカ「はちまん様…」

はちまん「なっ、なに!?」

 

エリカ「お返事はまたの機会までとっておきますわ…」

 

はちまん「返事?」

エリカ「くすっ、お楽しみに」ぎゅう

はちまん「ちょ、ちょっと」

シオン「………………………ずるい」

 

返事とは何かと考える暇もなくエリカに抱き締められた

背中にまわされた腕は細く柔らかい

花の香りがする

 

はちまん「エ、エリカ、なにしてんの?」

エリカ「うんぅ〜昨夜はニン様とシオン様にとられましたからその分をここで…はちまん様〜」すりすり

 

やめて!そんな可愛い声で顔を擦り付けないで!

昨夜って事は、今朝のニンとシオンが抱きついていたあれか

エリカもそのそばにいたけど、お前もしたかったの?

いやコイツまだ10歳くらい何だっけ

誰かに甘えたい年頃だろう

それなのにジムリーダーとしてこの街を守ろうとしてたんだな

エリカと初めて会った時、ウキワの事があったとはいえ色々言い過ぎたかな

そう思いいまだすりすりしてくるエリカの頭を撫でる

 

エリカ「…えへへ〜はちまん」ぎゅー

 

頭を撫でるとすりすりをやめてさらに抱きついてきた

柔らかい柔らかい!いい匂い!

くっそ、このまま抱き返したいがシオンもいるし

そうするといつまでも抱きしめ合う事になりそうだ

 

はちまん「エリカ…そろそろ…」

エリカ「むぅ、仕方ありませんね。またお会いしましたら続きを」

 

続き!?

これの続きって何!?

すごく気になるが、エリカは名残推しそうに俺の身体から離れる

 

 

エリカ「では、はちまん様、シオン様。いってらっしゃいませ」

はちまん「ああ、じゃあなエリカ」

シオン「………………………いってきます」

 

 

エリカに別れを告げ

俺とシオンはタマムシシティを出る

先ずはサイクリングロードに続くゲートで一泊して

明日の朝にセキチクシティへ向かう

 

待ってろよ雪乃達

 

 

 

 

あ、後セキチクジム

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

今のはちまんの状態

今回はステータス回です


はじめに

 

今回はステータス回です

注意事項

みつけたポケモンに、前回のタマムシジム20人抜きで描写はないですが戦闘に出て来たポケモンも入っています

しかし120匹全て違うポケモンでは都合が良すぎるので条件をつけます

 

1、タマムシジムのくさタイプポケモンに有力なタイプを持つポケモン

2、既に出ているポケモンの進化系

 

この2つの内どちらかを達成しているポケモンであり、尚且つ物語の中心に来るようなポケモン以外を記載いたします

 

それでは

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

比企谷 八幡

<はちまん>

 

ポケモン世界に来た高校生

タマムシシティで様々な人と関わり

その中でポケモン達とも信頼や愛情を深めていった

アホ毛と腐った目が特徴の、愛と気合で戦うポケモントレーナー

今は雪乃、結衣、いろはの安否を心配している

 

バッチ数

・グレーバッチ

・ブルーバッチ

・オレンジバッチ

・レインボーバッチ

 

みつけたポケモン

・ピジョン

・サンドパン

・ニドラン(♀)

・ニドリーナ

・ニドラン(♂)

・ニドリーノ

・ラフレシア

・パラス

・コンパン

・マダヅボミ

・ウツドン

・メノクラゲ

・ゴローニャ

・ポニータ

・カモネギ

・ドードー

・ベトベター

・ゲンガー

・カイロス

・イーブイ

 

バッグの中身

たいせつなもの

・ポケモン図鑑

・タウンマップ

・トレーナーパス

・バッチケース

・バトルサーチャー

・ポケモンのふえ

・おしえテレビ

 

・ウキワのドレスと帽子

・ニンのドレスと帽子

・シオンのドレスと帽子

・レインのドレス

 

・カスミの人形

・カスミの人形(人魚バージョン)

・エリカの人形

・エリカの人形(白いワンピースバージョン)

・ナツメの人形

・ナツメの人形(ネコミミバージョン)

 

わざマシン

・みずのはどう

・でんげきは

・がんせきふうじ

・あなをほる

・ギガドレイン

 

ひでんマシン

・いあいぎり

・そらをとぶ

 

どうぐ

・モンスターボール

・キズぐすり

・いいキズぐすり

・どくけし

・まひなおし

・ねむけざまし

・やけどなおし

・こおりなおし

・げんきのかけら

 

・MAXLコーヒー

通称『ぱちマッカン』 個数27

 

所持金 6345350円

※タマムシジム賞金200万

 

手持ちのポケモン

[カラカラ]

レベル 37

 

こどくポケモン

じめんタイプ

とくせい いしあたま

せいかく ゆうかん

こせい かんがえごとがおおい

 

持ち物 ふといほね

 

<覚えている技>

・アイアンヘッド

・ホネブーメラン

・かわらわり

・きあいだめ

 

八幡の最初のポケモン

マサラタウンで出会った

持っている骨は母親の形見

『気合の力で戦う』

『きあいだめ』を使う時、カラカラの気持ちによって急所に当たる確率が上がる

この章ではあまり出番がなかったため

次の章では大活躍?

甘党

 

 

[ゴルバット]

レベル 35

 

こうもりポケモン

どく/ひこうタイプ

とくせい せいしんりょく

せいかく ようき

こせい ひるねをよくする

 

持ち物 なし

 

<覚えている技>

・どくどくのきば

・そらをとぶ

・きゅうけつ

・あやしいひかり

 

八幡がオツキミ山で出会ったポケモン

寝る事が大好きで

八幡の背中にくっついて寝る

『八幡との演出の力で戦う』

八幡と息のあった吸血鬼演出が戦闘に影響するかも?

ゴルバットも出番が少なかったため次の章に期待

甘党

 

 

[ロコン]

レベル 36

 

きつねポケモン

ほのおタイプ

とくせい もらいび

せいかく おくびょう

こせい ぬけめがない

 

持ち物 なし

 

<覚えている技>

・かえんほうしゃ

・だましうち

・あなをほる

・じんつうりき

 

八幡が育て屋で出会ったポケモン

周りが驚くほど賢く

八幡もロコンには助けてられてばかり

『愛の力で戦う』

八幡に『愛してるぜ』の一言により

エリカ戦で何と『きあいだめ』なしの連続急所という偉業を成し遂げる

この力がこれからの戦いでどのように影響するのかはわからない

甘党

 

 

[カビゴン]

レベル 35

 

いねむりポケモン

ノーマルタイプ

とくせい めんえき

せいかく いじっぱり

こせい うたれづよい

 

持ち物 なし

 

<覚えている技>

・のしかかり

・かわらわり

・ギガインパクト

・ねむる

 

八幡が12番道路で出会ったポケモン

体が大きいためボールの外に出る事は少ないが

八幡にとって最強のアタッカー

『万能な対応力で戦う』

攻守共に優れ

寝ていたところをいきなり捕まえられ

いきなり繰り出され

いきなり技を使えと言われても対応できた

甘党

 

 

☆これからのヒッキー☆

カントーガールズと共にロケット団のアジトを壊滅

その後の話し合いによりヤマブキシティの地下にある

地下通路にロケット団が潜んでいる可能性を考慮、対応を急ぐ

しかし雪乃達がその地下通路を使った事が判明

八幡はこれを危険視し、雪乃達の安否を知るため

カントーガールズの1人アミーを本部へ連れて行くシオンと共に

次の街、セキチクシティへ

 

はたして雪乃、結衣、いろはの運命は…?

 

 

 




読んでいただきありがとうございます

おまけ

被害者の会

ロンド(´・ω・`)「………ん?」

ロンド(´・ω・`)「何で今この会を……?」

ロンド(´・ω・`)「あ、俺が出たから?」

ロンド(´・ω・`)「でも話すことなんかあんまりないよね」

ロンド(´・ω・`)「もしかして、またゲストが来るのかな」


イワーク(・Д・)ノ「その通りや!ロンドはん!」


ロンド(´・ω・`)「それで今回は誰を…いや、何を連れて来たんですか?イワークさん」

イワーク(・Д・)「あれ?ゲストが来る事はおーけーなんかいな、ロンドはん」

ロンド(´・ω・`)「どっちでもいいです。で、ゲストは者ですか?物ですか?」

イワーク(・Д・)「者や!しかもべっぴんさんや!」

ロンド(´・ω・`)「ん?美人で酷い目にあった人って事ですよね?」

イワーク(・Д・)「そうや!」

ロンド(´・ω・`)「そんな人いましたっけ?最近出ていないとはいえ、あの俺ガイルヒロインではないでしょうし…」

イワーク(・Д・)「まあワイにもロンドはんにも関わらない人やからなぁ。でも見てもらったらすぐにわかるで!」

ロンド(´・ω・`)「…?誰でしょう?」

イワーク(・Д・)ノ「では、どうぞ!」


ミコト(°▽°)「どーもー!ポケモンタワーにいた祈祷師のミコトでーす!」


ロンド(´・ω・`)「えっと…、ああシオンタウンの時にいましたね。確か主人公に巫女と間違えられたり記憶喪失とかに間違われたりしていた人が」

ミコト(°▽°)「そーよ!あの子ったら最後まで私が取り憑かれたって事に気付かなかったんだよ!それに、色んな属性を付けたくせに最後はちょーっと文書に名前が載っただけで私がどこにいるかとか、どうなったとか書かれなかったんだから!ホント、酷いと思わない!?」

イワーク(・Д・)「うーん、確かに酷いな。ところでそのミコトっちゅー名前はとあるビリビリのやつとは関係あるのかいな」

ミコト(°▽°)「ううん、ぜーんぜん!微塵もないよ!ただゲームのポケモンタワーに出てくる祈祷師の中で『ゴースト』を使ってたのが私ってだけ!あ、みんなも私を探してみてねー!」

イワーク(・Д・)「ほーうそーなんか。そういやこの話しに出てくるトレーナーの名前はみんなゲームにおった奴らしいな」

ロンド(´・ω・`)「ただしチーム『カントーガールズ』のメンバーや俺とかロロットとかはオリジナルです。しかし『カントーガールズ』のメンバーは適当に付けた名前ではなく作者が少し考えて付けた名前です。まあ特に気にする必要はありません。あ、着ているドレスの色はその街の名前にある色がモチーフです。例えばニビシティは『にび色』、つまり灰色なので灰色のドレス、と言う風に」

ミコト(°▽°)「ふーん、ロンドさんやそのロロットって人も何か名前に理由があるのかな?」

ロンド(´・ω・`)「特にないみたいです。名前に『ロ』が入っていれば何でもよかった作者の思いつきです」

イワーク(・Д・)「それでもしっかりと役割をもらっとるんやろー?ええなーええなー」

ミコト(°▽°)「私もまたいつ出るかわからないから羨ましいなー」

ロンド(´・ω・`)「ミコトさんは縁の下の力持ち的なポジションにいくらしいです。出るとすれば最後の方ですかね」

ミコト(°▽°)「えー!?最後!?」

イワーク(・Д・)「出れる事が決まってるだけましやろ!」

ミコト(°▽°)「うーんそうかもね。でもさー、ロンドさんよくそんな事知ってるよねー」

ロンド(´・ω・`)「ええまあ」

ミコト(°▽°)「じゃーさー!イワークさんがいつ出るかとかわからないのー?」

イワーク(・Д・)「ハッ!そうや!前回もなんや重要そうな事をゆーとったし、そんな事を知っとるっちゅー事はロンドはん、ワイが出るかどうかもわかるんやないのか!?」

ロンド(´・ω・`)「え?いや、それは言えませんよ」

イワーク(・Д・)「ワイの事は気にせんでええ!言いにくいならヒントだけでもええんや!頼むわロンドはん!」

ミコト(°▽°)「私からもお願い!」

ロンド(´・ω・`)「はぁ…、それではヒントを1つだけ」

イワーク(・Д・)「おお!」ドキドキ

ミコト(°▽°)「わくわく」ドキドキ

ロンド(´・ω・`)「イワークさんが今後出るかどうか、いつ頃出るかのヒント……」

イワーク(・Д・)「お、おう!」



ロンド(´・ω・`)「それは『イワーク』です」



イワーク(・Д・)「…………は?」

おわり




ミコト(°▽°)/「あ!ゲストのミコトでしたー!またねー!」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

八章 セキチクシティ
98話 クルクル!サイクリング!


#サイクリングロード

 

ちゃりちゃりちゃり

 

はちまん「へー。急な下り坂を想像してたけど結構緩やかだな」

 

ポケモン世界20日目

自転車を引き、チェーンが巻かれる音を聞きながら

これから下る坂道を見る

 

シオン「………………………うみ」

 

隣を歩く紫色のドレスを着た女の子、シオン

シオンが見ているのは目の前に広がる青い海

どうやらこの道は海の上にあるらしい

潮風が気持ちいい

 

はちまん「これくらいの坂道と風の強さなら、シオンと2人乗りしてもカラカラやロコンが乗っていても大丈夫そうだな」

 

カラカラ「カラ!」きゃっきゃ

 

ロコン「…」

 

自転車の前にあるスペースでカラカラがはしゃいでいる

コイツ自転車が好きだからな

対して同じ所に座っているロコンは澄まし顔

隣でカラカラがはしゃいでいても無反応だ

 

シオン「………………………はち」

 

はちまん「ん?」

 

ポケモン達の様子を見ているとシオンが話しかけてきた

 

はちまん「どうした?」

 

シオン「………………………かぜでおもいだした」

 

はちまん「何を?」

 

シオン「………………………ちかつうろでのこといわなくてよかったの?」

 

地下通路

いまロケット団がいるかもしれないと危惧している場所で

一昨日、ゲームセンターでの一件の後

シオンと共に地下通路へ行った

それはロケット団が地下通路にいるという確証を得るため

 

以前シオンと共にあの地下通路を自転車で走った

その時シオンが『いい風』と言ったのを思い出し

それが気になり、その風を確かめたかった

シオンがその台詞を言ったのが自転車に乗った後なので

走った時の風を感じただけかもしれないが

もしかすると地下通路から何処かへ繋がっているのではないか

地上への入口があるのではないか

ロケット団の秘密基地がそこにはあり、その入口から吹く風だったのではないか

そう思い確かめた

 

シオンと共に向かう前、エリカの元へ行く前に一度入口まで立ち寄ってみた

つまりゲームセンターへ行く前に地下通路へ

すると入口で生暖かい風を感じた

その時外から吹く風なのかもしれない、と思ったが

風が吹いてくる方向は地下通路の中

これは空気の流れが地下通路の内部から外へ向いているという事

シオンタウン方面の入口から吹いているとも考えられるが

もしかすると地下通路内に別の入口があるかもしれない

 

そう考もう一度地下通路の入口へシオンを連れて行った

それもゲームセンターの一件でロケット団がどこかへ去った後を見計らって

結果は、シオンも同じ風を同じ方向から感じたという

だが黒と決めつけるにはまだ早かった

最初に来たのはロケット団と接触する前

シオンと来たのがロケット団が移動した後

そのどちらからも同じ風が感じられた

これではシオンタウン方面から吹いて来ている可能性が捨てきれない

 

はちまん「…だからあの時、コブキさん達には言わなかったんだ。正直この話しを聞く価値はなかったからな」

 

シオン「………………………ふむ」

 

説明が終わるとシオンは考え込む

そして口を開く

 

シオン「………………………たしかめるほうほうはほかにあるの?」

 

はちまん「これはシオンタウン方面とタマムシシティ方面、両方の入口で確かめればわかるな」

 

シオン「………………………それならなおさら、はなしたほうがよかった」

 

はちまん「確かにコブキさん達が協力してくれれば解決する。しかしそれはコブキさん達にそんな暇があった場合だ。あの時はまだ地下通路にロケット団がいるかどうか懸念していた状態、とてもこんな憶測に付き合わせるような状況ではなかったからな」

 

シオン「………………………でもいたらどうするの?ておくれになるかも」

 

はちまん「ふふふ、俺を誰だと思っている。そんな事を考えつかないとでも思ったか?もうすでに手はうってある」

 

シオン「………………………ほんと?」

 

はちまん「おう」

 

シオン「………………………それはどんな?」

 

はちまん「俺達だ」

 

シオン「………………………?」

 

はちまん「俺がセキチクシティへ行く理由は知ってるよな?」

 

シオン「………………………はちのしりあいにあうため」

 

はちまん「そう、そして何故俺がアイツらを気にかけているのかわかるか?」

 

シオン「………………………きけんだから」

 

はちまん「危険、それは何故?」

 

シオン「………………………ちかつうろをとおったから、え?」

 

はちまん「そうだ、アイツらも同じ地下通路を通っている。もしアイツらがシオンタウン方面の入口で同じような風を感じていたら、それは地下通路内に別の入口があるという確証になる」

 

シオン「………………………でもかぜのむきとか」

 

はちまん「確かに、アイツらが通った日と俺が地下通路に居た日は別だからその可能性はある。だが俺の仮説と合わせて聞くとこの話しの価値は出てくるはず」

 

シオン「………………………ふーむ」

 

はちまん「まあ、同じ風をアイツらが感じてなかったら元も子もないがな」

 

っと話し込んでしまった

そろそろ行こうか

 

はちまん「その話しは後にして、セキチクシティへ行こうぜ」

 

シオン「………………………あとでいいの?」

 

はちまん「当人達に聞かないとわからないし、後この話を聞いてほしい人がまだいるからな」

 

シオン「………………………だれ?」

 

 

はちまん「お前らチームの1人、セキチクシティにいるアミーさん」

 

 

シオン「………………………なんで?」

 

はちまん「この情報が当たりだった場合、アミーさんに持ち帰ってもらうためだ」

 

シオン「………………………わたしはだめなの?」

 

はちまん「お前、アミーさんを本部へ帰らせる作戦とかあるのか?」

シオン「………………………あ」

 

はちまん「これは重要な案件だからな、帰らざるを得ないだろ」

 

シオン「………………………はち、わたしのために」

 

はちまん「さあな」

 

シオン「………………………ありがとう、はち」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

カラカラ「カラッ!」

はちまん「おお、悪い悪い、すぐ行くからな」

 

自転車を楽しみにしているカラカラに催促された

カラカラとロコンがしっかりと自転車に乗っていることを確認する

大丈夫そうだ

ちなみにゴルバットとカビゴンは諸事情の為ボールの中にいる

 

はちまん「さてと、ほら乗れるか?シオン」

 

シオン「………………………だいじょうぶ」ちょこん

 

後ろのスペースに乗るシオン

 

はちまん「落ちないようにしろよ?」

 

シオン「………………………はちにしがみついてる」

 

はちまん「本当に大丈夫なんだな?」

 

シオン「………………………しんぱい?」

 

はちまん「そ、そういうわけじゃないが。走っている途中で落ちられたら拾いに行くのに手間がかかるだろ?」

 

シオン「………………………じゃあこうする」

 

そう言うと持っていた小さな鞄からボールを取り出す

そして繰り出す

 

シオン「………………………すぴあー」

 

ポンッ!

 

スピアー「…」

 

ひっ、虫だ!

 

はちまん「な、何でスピアーを出すんだよ!あ、まさかまた俺を脅す気じゃ…」

 

シオン「………………………はち」

 

俺がそう言って警戒するとシオンの空気が変わった

怒ってるのか?

 

シオン「………………………それはもうしないっていったよね?」

 

はちまん「でも…」

 

シオン「………………………わたしがうそついたとおもってるの?」

 

はちまん「いやそんな事は」

 

シオン「………………………ごめん」

 

はちまん「え?」

 

シオン「………………………やっぱりやめる、はちがいやがるのみたくないから」

 

シオンはスピアーをボールに戻そうとする

俺はスピアーにビビりながらもそれを止める

 

はちまん「ま、待て、何か考えがあって出したんじゃないのか?」

 

シオン「………………………わたしがおちたらひろってもらおうとした」

 

はちまん「な、なるほど」

 

シオン「………………………でも、もういい」

 

はちまん「ま、待てって!わかったから、お前が落ちた時の救済措置ならソイツを出してていいから!」

 

シオン「………………………でも、はちが」

 

はちまん「あ、安心しろ!昨日のタマムジムでむしポケモンを嫌というほどみったからな!そ、そゆなスピアー1匹どおっててことない!」

 

シオン「………………………かみかみ」

 

はちまん「う、うるせえ!それよりソイツは出してていいが、しっかりとお前の後ろを飛ぶように言っとけよ!ソイツが前に来たら意味ないからわかったな!?」

 

シオン「………………………うん、ありがとはち」

 

よし、よーし

これでシオンが落ちる事は気にしなくていいかな!

正直後ろからスピアーが追って来るってのはおっそろしいが…

いやでもマラソンとかで後ろから蜂に追いかけられるのを想像したら早く走れるっていうし!

大丈夫だろ!

 

はちまん「よよよ、よし行くぞ!しっかりとつかまってろよシオン!」

 

シオン「………………………ん」ぎゅ

 

シオンが俺の腰に手を回したのを確認して

スピアーが後ろにいる事を確認して

ペダルを漕ぐ

 

ビューー

 

はちまん「おおっ!早い早い!」

 

カラカラ「カラッ!カラッ!」きゃっきゃ

 

ロコン「…」

 

シオン「………………………びゅー」

 

スピアー「……」ブウゥーーン

 

坂は緩やかだが

スピードに乗り出すとかなり早くなる

早い!

これならあっという間にセキチクシティにつくな!

 

俺は今、風になっている…

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

99話 トリトリ!トリプルバトル!

#18番道路

 

鳥使いA「そこの2人!」

鳥使いB「止まれ!」

鳥使いC「僕達と戦え!」

 

サイクリングロード

本当の名前は17番道路らしいが

そこを通り抜けて

ゲートをくぐり18番道路に来ると

鳥かごを持った少年3人に道を塞がれた

 

はちまん「…悪いアンタら、俺達は急いでいるんだ。そこをどいてくれ」

鳥使いA「通りたくば僕達と戦え!」

はちまん「いや、だからそんな暇は…」

鳥使いB「何だ?怖気付いたのか?」

はちまん「ああもうそれでいいからどいて…」

鳥使いC「だがしかし、僕達の鳥はお前達と戦いたがっている」

はちまん「そんな事言われても」

 

ススム「僕の名前はススム!行け、オニドリル!」ポンッ!

ユウスケ「僕の名前はユウスケ!ゆけ、オニスズメ!」ポンッ!

ハルト「僕の名前はハルト!飛べっ、ドードリオ!」ポンッ!

 

こっちの言い分も何処吹く風

勝手に名乗って勝手に戦う体制に

どうしようめんどくさい

俺は足元にいるカラカラとロコンを見る

 

はちまん「どうする?お前ら」

カラカラ「カラ」うーん

ロコン「…」はぁ

 

戦うかどうか聞いてみたが

カラカラは悩み

ロコンはため息をつく

微妙な反応

どう対処すればいいのかわからないので、2匹の目を見る

 

はちまん「うーんと」じっ

 

カラカラは早く進みたいけど、自分の実力も知りたい

ロコンはどうせ戦う事になるから諦めている

半々な意見と中途半端な意見

どちらも戦う事のを嫌がっていないようなので受けようか

カラカラの言う通り自分の実力は知っておきたいし

だが

 

はちまん「アンタら3人同時に戦うのか?」

ハルト「そうだ、僕達のコンビネーション見せてやる」

はちまん「3人…シオン、お前はどうする?」

シオン「………………………かずてきにむり」

はちまん「だよな」

 

俺とシオンが戦うとしても

どちらかが2匹を出さなければならない

 

はちまん「それじゃあ、俺が3人とも相手する事になるのか…」

シオン「………………………かてる?」

はちまん「骨は拾っといてくれ」

 

めんどくさいが戦わないと道を開けてくれなさそうだし

仕方ないか

俺はボールを取り出し背中へ持っていく

 

はちまん「出番だ、ゴルバット」

ゴルバット「バーット!」バサァ

 

ススム「おおっ!」

ユウスケ「かっこいい!」

ハルト「翼だ、翼が生えている!」

 

おお、コイツらには好評なのか

まあ見た目的にとりポケモンが好きそうだからな

さて、これで3匹対3匹

 

はちまん「俺はこの3匹でいくが、アンタらはどうするんだ?」

ススム「僕達も合わせて3匹!」

はちまん「わかった」

 

ポケモンの数は同じだが

1人対3人

これは相手の戦略を早くに掴む必要があるな

 

相手の布陣は

ドードリオを真ん中に、オニスズメが右、オニドリルが左

見たところドードリオが要か

ならばこちらの布陣は

ロコン、カラカラ、ゴルバット

防御力の高いカラカラを真ん中へ配置

 

俺は並んだ3匹のポケモンを見る

 

カラカラ

持っている骨を変えた影響か

最近になってカラカラの攻撃力が格段に上がっている

ほとんどの相手を一撃で屠る程だ

高い攻撃力と防御力でどんな戦場でも勝てる可能性を持っている

 

ゴルバット

スピードを生かした先取りの状態異常にさせる戦法が得意

さらに『きゅうけつ』で相手の体力も吸い取る事もできる

『あやしいひかり』で相手を行動不能にし

『どくどくのきば』で攻撃しつつ『もうどく』を狙う

 

ロコン

以前は状態異常やターン経過によるダメージの蓄積を狙った戦法をとっていたが

今のロコンは主力になれる力を持っている

特に新技『かえんほうしゃ』は強い

 

この3匹とはなんやかんやで付き合いが長い

俺の頼れるポケモン達

ははっ、負ける気がしないね

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

トレーナー戦 トリプルバトル

 

はちまん

ロコン、カラカラ、ゴルバット

 

VS

 

ススム、ハルト、ユウスケ

オニドリル、ドードリオ、オニスズメ

 

1ターン

 

はちまん「カラカラ、ドードリオにアイアンヘッド !ゴルバット、オニスズメにそらをとぶ!ロコン、オニドリルにかえんほうしゃ!」

 

ススム「オニドリル、こうそくいどう!」

ハルト「ドードリオ、こうそくいどう!」

ユウスケ「オニスズメ、こうそくいどう!」

 

ドードリオ こうそくいどう

ドードリオ「!」シュシュン

 

ゴルバット そらをとぶ

ゴルバット「!」バサバサ

 

オニドリル こうそくいどう

オニドリル「!」シュシュン

 

ロコン かえんほうしゃ

ロコン「!」ぼおおお

オニドリル「…!」

 

オニスズメ こうそくいどう

オニスズメ「!」シュシュン

 

カラカラ アイアンヘッド

カラカラ「!」ゴーン

ドードリオ「…!」

 

相手は3匹とも『こうそくいどう』

これは自身の素早さを上げる技で

ゴルバットがドードリオ以外より早く動いていたが

次のターンからは相手のポケモンが先に動くだろう

 

ゴルバットはオニスズメに対して『そらをとぶ』、空へ舞い上がった

ロコンがオニドリルに『かえんほうしゃ』

カラカラがドードリオに『アイアンヘッド 』

どちらとも大ダメージを与えたはず

 

素早さの上がった3匹から集中攻撃を受けるかもしれない

先に倒せそうなオニスズメを倒しておく方がいい

だが『そらをとぶ』で次ターン攻撃できる

それにロコンの攻撃はオニスズメに届かない

ならば要であろうドードリオにカラカラとロコンでダメージを与えよう

 

 

2ターン

 

はちまん「カラカラ、ドードリオにアイアンヘッド!ゴルバット、オニスズメにどくどくのきば!ロコン、ドードリオにかえんほうしゃ!」

 

ススム「オニドリル、カラカラにつばめがえし!」

ハルト「ドードリオ、カラカラにつばめがえし!」

ユウスケ「オニスズメ、カラカラにつばめがえし!」

 

ドードリオ つばめがえし

ドードリオ「!」シュンバシ

カラカラ「…!」

 

オニドリル つばめがえし

オニドリル「!」シュンバシ

カラカラ「…!」

 

オニスズメ つばめがえし

オニスズメ「!」シュンバシ

カラカラ「…!」

 

カラカラ「…!」ふらふら

 

ゴルバット そらをとぶ

ゴルバット「!」ヒュー、ガスッ

オニスズメ「…!」

 

オニスズメ「…」

バタン

 

ロコン かえんほうしゃ

ロコン「!」ぼおおお

ドードリオ「…!」

 

ドードリオ「…!」ふらふら

 

カラカラ アイアンヘッド

カラカラ「!」ゴーン

ドードリオ「…!」

 

ドードリオ「…」

バタン

 

 

相手の三連続『つばめがえし』がカラカラを襲い瀕死寸前

しかしロコンとカラカラの集中攻撃でドードリオを倒し

ゴルバットが『そらをとぶ』でオニスズメを倒す

これで残すは体力の少ないオニドリルのみ

恐らくカラカラを攻撃してくるだろう

万全を期しゴルバットと居場所を交代させるがオニスズメは素早さが上がっているためこちらより早く動く

カラカラが倒される前にゴルバットと交代できればいいが

耐えてくれよ…

 

 

 

3ターン

 

はちまん「ロコン、オニドリルにかえんほうしゃ!ゴルバット、カラカラと交代!」

 

ユウスケ「オニドリル、カラカラにつばめがえし!」

 

オニドリル つばめがえし

オニドリル「!」シュンバシ

カラカラ「…!」

 

カラカラ「……」ふらっふらっ

 

ゴルバット 交代 カラカラ

ゴルバット「!」さっ

カラカラ「!」さっ

 

ロコン かえんほうしゃ

ロコン「!」ぼおおお

オニドリル「…!」

 

オニドリル「…」

バタン

 

 

カラカラはギリッギリで耐え

ゴルバットがカラカラを安全圏へ

そしてロコンの『かえんほうしゃ』でオニドリルにトドメを刺し

勝負は決まった

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ススム「立つ鳥」

ユウスケ「跡を」

ハルト「濁さず」

 

ダダダダ〜

 

勝負を仕掛けてきた鳥使いの少年達は走り去っていった

おい、通せんぼした詫びもなしかよアイツら

 

はちまん「はぁ…、まあお疲れさん」

カラカラ「カ、カラ…」はっ、はっ

ゴルバット「バット!」

ロコン「…」こくん

 

俺は頑張ってくれたポケモン達を労う

カラカラの息が荒い

さっさとセキチクシティのポケモンセンターに行くか

とりあえず全員ボールへ戻ってもらおう

 

はちまん「サンキュウな、お前ら」

 

さて、また邪魔が入らないうちに早く行こう

 

はちまん「行こうかシオン」

シオン「………………………うん、ごめんね」

はちまん「ん?何が?」

シオン「………………………はちばっかりにたたかわせて」

はちまん「そういやお前と一緒にいる時はいっつも俺が戦ってるな。でもそんなの気にすることないって」

シオン「………………………そうかな」

はちまん「そうだって、別に俺はお前のために戦ってるわけじゃないんだしさ」

シオン「………………………わかった」

はちまん「わかったならいい。あまり思いつめるなよ?」

シオン「………………………うん、こんどはわたしもたたかう」

はちまん「今度って、いつまで一緒にいる気だよ」

 

シオン「………………………ずっとはだめなの?」

はちまん「駄目に決まってるだろ。誰がアミーさんを連れて行くんだ」

シオン「………………………ひとりでかえるよ」

はちまん「そりゃあ持ち帰らせる情報はアミーさんが伝えるべきだから1人で帰ってもいいが、お前はチームの仕事をやらなくちゃいけないだろ」

シオン「………………………やることあるの?」

はちまん「いや、話し合いとか色々あるんじゃないか?」

シオン「………………………わたしはなすのにがて」

はちまん「それは知ってる。だがアミーさんを帰らせるのにお前だけ帰らないのはおかしいだろ」

シオン「………………………そうだね」

はちまん「だからお前はアミーさんと一緒に帰れ。俺の事は気にするな」

シオン「………………………ん」

 

 

???「それはどうかしらね?」

 

 

俺がシオンと話していると誰かが割り込んできた

声をかけられた方を見る

そこには女の子が立っていた

160センチくらいの身体

腰まであるピンク色の長髪

スカートがベルの形に広がっているピンク色のドレス

確かベルドレスだったか

頭にはオレンジ色の帽子

この風貌、まさか…

 

 

シオン「………………………あみーさん」

 

 

カントーガールズのメンバー、アミー

チームの問題児ここに登場

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

100話 モルモル!守るもの!

いよいよ100話目に到達!

いやー長かったです
ここまで来る途中散々ヘマをやらかしました
何日何時に編集済みの日時が投稿日から五分も経っていなかったり
マチスが英語を使っていたからって意気揚々と五章のサブタイトルを英語にしてみたけど間違えていたり


まだまだ続く
『八幡のカントー地方 〜ぶらり一人旅(希望)』

いつもご覧下さっている読者様
これからもどうぞよろしくお願いいたします



#18番道路

 

アミー「久しぶり、シオン」

 

アミー

カントーガールズのメンバーで、セキチクシティを守る役目を持っているピンク色の女の子

口調や雰囲気は同じメンバーのウキワに似ているが、どこか違う

ウキワは真面目で責任感が強く、周りの人間に対して面倒見が良かった

例えるなら周りの人に気を配り、自分の役目を果たすクラス委員長

だがアミーさんは勝気な上に、厳しさや己の正義を貫こうとする気迫を感じる

例えるなら周りの人を見定め、自分の役目を守る風紀委員長

現にいま俺を厳しく観察し、正体を探ろうとしている

 

だが俺はアミーさんの視線を気にする暇がない

何故なら

 

万乳引力に引っ張られているからだ!

 

なんだアレ!?

デ、デカイ!そんじょそこらのものとは格が違う

この俺の視線を引っ張る大きな力…

これは一度経験した事がある

ま、まさか…

 

元いた世界の結衣と大きさが同じ…!?

 

アミーさんは17歳だと言っていたからそれもありえる

いや…違う…

この力…まだ何かある…

はっ!?き、着痩せか!?

着ているドレスの上からでも結衣クラスに見えるが…

 

まだその上をいくというのか!?

 

嘘だろ!?結衣クラスがいるというだけでも大事件なのに

くそっ!ピンク色の髪をしている奴はみんなああなのか!?

視線を逸らそうとしても引っ張られる!

目が目があぁぁ!!

 

シオン「………………………はち」

はちまん「な、何だシオン」

シオン「………………………あみーさんのおむねをみすぎ」

はちまん「お、おむっ!?み、見てねーよ!何勘違いしてんだよ!」

シオン「………………………でもずっとおむねみてる」

はちまん「だから見てないって!」

シオン「………………………はちはおおきいのがすき?」

 

はちまん「俺は例え世界が滅ぼうとも女の子の胸はどんな大きさでも問題ないと言いたい。だって大きい女の子も小さい女の子も可愛いやつは可愛いし、綺麗なやつは綺麗だ。それに俺は専業主夫を目指している。そんな俺を受け入れてくれる女の子なんて1人いるかどうか、いたらそれはもう奇跡だ。胸の大きさに囚われてその奇跡を手にできないようにはなりたくない。大きな胸より小さな幸せをください」

 

シオン「………………………なにいってるのかわかんない」

はちまん「わからなくていい。ただ俺が大きさに囚われない男だとわかればそれでいい」

シオン「………………………どっちもはむりだよ?」

はちまん「辛いけど、凄くすっごく辛いけどそうだね」

シオン「………………………えらぶとしたらどっち?」

はちまん「わからん、選ぶ時の俺に聞け」

シオン「………………………ゆうじゅうふだん」

 

優柔不断とは失礼な

ただ今決めるべきではないと言っているだけだ

てか胸の大きさで人を判断しようとは思わない

コブキさんは小さいのにいい人だし

それに胸の大きさで好意が変わるのなら男はどうなる

女の子全員胸筋バリバリのマッチョが好きなのか

それともおデブさんが好きなのか

じゃあ葉山の周りにいた女の子は何なんだ

葉山がおデブさんに見えているのか?

材木座を差し置いて葉山がおデブさんなんてこの世の終わりではないか

材木座のアイデンティティスティールだ、酷いキャラ泥棒だ

ハッ!俺のアイデンティティも誰かに盗まれてしまうかも!?

そんな事されてたまるか!

俺の妹愛と戸塚愛は誰にも邪魔させん!

しかし現在世界レベルで邪魔されている模様

ふざけんな、こんな世界ぶっ壊してやる!

 

アミー「ねぇアンタ達、私の事忘れてない?」

 

胸の話しがキッカケで生まれた世界破滅計画を止めたのはアミーさん

ありがとう、またひとつ世界が救われたよ

 

アミー「アンタら私に用があんでしょ」

シオン「………………………うん」

アミー「ま、シオンが来てんなら決まってるわね。どうせ私をタマムシの本部へ連れて行こうって言うんでしょ」

シオン「………………………そう」

アミー「最初に言っとくけど、本部へ戻る気なんてないから」

シオン「………………………いまたいへんなことに」

アミー「はっ、何言ってんのアンタ?大変な事なんていっつも起きてるわ。そんなの今に始まった事ではないっての、ロケット団が各地で悪事を働いてるんだから」

シオン「………………………それは」

アミー「それにね、本部にみんなが集まったからって何が変わるって言うの?集まったってロケット団は止まらない、アンタもわかっているでしょ」

シオン「………………………」

アミー「コブキがいくら本部に集まってロケット団を止めようって言っても本部からはタマムシかヤマブキしか守れないじゃない。本部に集まらなくてもいつものように別々の街をそれぞれが守ればいいのよ。それならロケット団がどう動いても対応できるし」

シオン「………………………」

 

シオンは何も言わずに俯いている

アミーさんに言われ放題だ

確かに、1箇所に全員集まるよりもカントー地方に沢山ある街を個別に守る方が効率がいい

ロケット団がどう動くかわからない

全ての街を一斉攻撃する可能性もある

だがコブキさんはヤマブキシティとタマムシシティが1番ロケット団の被害が大きかったため、本部をタマムシに作りいまヤマブキを警戒していると言っていた

メンバー全員を集めろと雪乃に言われたとは言えコブキさんだって考えている

それに今は話し合いの時だ

メンバー全員で知恵を絞る時だ

ロケット団が動く前に何も出来なくていい

ただどれだけ損害をなくせるか、どれだけの人を守れるか

その為に何をすればいいのかを話し合う時だ

 

はちまん「…」

 

何も言わないシオンに変わってアミーさんを説得しようと俺が口を開こうとした、が

 

シオン「………………………はち」

 

シオンにそれを止められた

 

シオン「………………………ここはわたしがいう」

 

そう言ってアミーさんに向き合う

 

シオン「………………………あみーさん」

アミー「何よ」

シオン「………………………ちがうよ」

アミー「は?違うって何が?みんな集まればロケット団を止められると本気で思ってるの?」

シオン「………………………それじゃない」

アミー「?」

 

シオン「………………………かわったよ、わたしたち」

 

アミー「え?」

シオン「………………………かわったよ、わたしたちのちーむは」

アミー「変わったって何が?何も変わってないじゃない。ヤマブキシティの封鎖だって解かれてないし、ロケット団の動向だって全然わからない状態じゃない」

シオン「………………………わかってないね」

アミー「はぁ?」

シオン「………………………ふふ、おしえてあげる」

 

表情が読みにくいシオンには珍しく、表情がはっきりと変わった

小さく微笑んだ

優しく微笑んだ

その微笑みの理由をアミーに伝える

 

シオン「………………………まず、わたしがじてんしゃにふたりのりした」

アミー「何それ?アンタの事なんか聞いてないんだけど」

 

シオンとタマムシに行く途中とさっきのサイクリングロードでの事だよな

 

シオン「………………………それからどれすからちがうふくにきがえた」

アミー「ドレスを…!?それは私達チームの制服じゃない!なんで脱いだの!?」

シオン「………………………わたしだけじゃない」

アミー「え?」

シオン「………………………にんも、れいんさんも、うきわも」

アミー「ニンやレインはともかく、あの真面目なウキワが…?チームにとってこのドレスにどういう意味があるのかわからないはずが…」

 

ドレス、と言う言葉に過剰な反応を示すアミーさん

チームにとってのドレスの意味…?

 

シオン「………………………あと、うきわがわらった」

アミー「それがどうしたの?」

シオン「………………………なみだめで、おおわらい」

アミー「え」

 

バタフリーをけしかけてきたアレか

怖かった、あれは怖かった

 

シオン「………………………それと、りーだーがないた」

アミー「コブキが、泣いた…?何言ってるの?そんな事あるわけないでしょ?あの責任感の塊みたいなやつが人前で泣くわけ…」

シオン「………………………おむねがちいさいっていったから」

アミー「あ、なるほど」

 

納得してやるなよ、否定してやれよ

 

シオン「………………………で、くろいひとをたおした」

アミー「黒い人…ロケット団を!?」

シオン「………………………ほんきょちもみつけた」

アミー「な…!?」

シオン「………………………でも、つかまえなかった」

アミー「はぁ!?な、何で捕まえなかったの!?」

シオン「………………………わかんない」

アミー「は?」

 

 

シオン「………………………いままでいったのぜんぶ、はちのせいだから」

 

 

アミー「はち…?それって…」

シオン「………………………うん、このひと」ぐいっ

 

アミーさんが俺を見て

シオンに袖を引っ張られる

待って、この話しの流れからすると…

 

はちまん「お、おいシオン…」

 

やばい流れを感じ、話しを止めようとするが

シオンはドンドン話しを進めていってしまう

 

シオン「………………………このひとが、わたしたちをかえたの」

アミー「変えた…?」

シオン「………………………いままでのわたしたちじゃありえないようなことしたのは、わたしたちがかわったから」

アミー「それをコイツがやったって言うの?アンタやウキワ達がドレスを脱いだり、コブキが泣いたりしたのはコイツが原因って事?」

シオン「………………………そう」

アミー「…ロケット団を捕まえなかったのもコイツの所為って事?」

シオン「………………………うん、そう」

アミー「…っ!」ギロ

 

ひっ

アミーさんに睨まれた

だから話しをやめてほしかったのにっ!

 

アミー「何でこんな得体の知れない奴の言う事なんか聞いたのよ!?そんな事したらどうなるかアンタもウキワだってわかっているでしょう!?」

シオン「………………………りーだーはなにもいわなかった」

アミー「はあ!?コブキもコイツの話しに乗ったって言うの!?」

シオン「………………………えりかさまもなにもいわなかった」

アミー「エリカって…タマムシのジムリーダーよね?何でそんな人もコイツを…?」

シオン「………………………かわったから、えりかさまも」

アミー「変わった変わったって、何が変わったって言うのよ?」

 

シオン「………………………こころ」

 

アミー「心…?」

シオン「………………………こころのなかのなにかがかわったの」

アミー「…何が?」

シオン「………………………わかんない」

アミー「ア、アンタねぇ…」

シオン「………………………でもたいせつなことがわかった」

アミー「え?」

シオン「………………………くろいひとをつかまえるより、たいせつなことがわかった」

アミー「ロケット団を捕まえるより?そんなものあるわけ…」

 

シオン「………………………ぽけもんのこと」

 

シオン「………………………そして、ちーむのこと」

 

アミー「っ!」

シオン「………………………それはくろいひとよりだいじだって、きづいた」

アミー「そ、それは元からわかっているでしょ!?それを守る為に私達は戦っているんだから!」

シオン「………………………ほんとに?」

アミー「な…」

シオン「………………………くろいひとたちのことより、ゆうせんできる?」

アミー「それは…」

 

シオン「………………………まえのわたしがどうするかはわからない」

 

シオン「………………………くろいひとをたおしたときも、おこっちゃったし」

 

シオン「………………………でも、いまはちがう」

 

シオン「………………………はちの、あのすがたをみて」

 

シオン「………………………ぽけもんのためになくはちをみて」

 

シオン「………………………ぽけもんたちのため、わたしたちのためにはなしあいをするはちをみて」

 

シオン「………………………たいせつなひとをまもるために、いっしょうけんめいかんがえるはちをみて」

 

シオン「………………………だれかのためにつよくなろうとするはちをみて」

 

シオン「………………………わたしもこうなりたいっておもった」

 

シオン「………………………はちみたいに、なにかをゆうせんできるようになりたいって」

 

シオン「………………………じぶんのまもりたいものをみうしないたくないって」

 

シオン「………………………わたしのたいせつなものはなにかをかんがえて」

 

シオン「………………………そうおもった」

 

アミー「………」

はちまん「シオン…」

 

…たいせつなもの、か

 

シオン「………………………あ、でも」

アミー「え?」

シオン「………………………おねぼうさんにはなりたくない」

アミー「は?寝坊?」

 

はちまん「待てお前、凄いいいところだったのになにくだらない事ぶっ込んでんの。後お前も寝坊しただろうが、一緒にグースカ寝てただろうが」

シオン「………………………ちがう、はちのせい」

はちまん「いや確かに昼寝しようと俺が言ってあの時もそれで俺の所為だと納得しだが、よく考えるとお前あの時睡眠を望んでいたよな?ちゃっかり二度寝を決め込んだよな?それはお前の所為だろーが」

シオン「………………………はちのせい、だいたいはちのせい」

はちまん「テメェまさかこの話しもさっきのいい雰囲気も、全ての罪を俺に被せようと…」

シオン「………………………はちったらまったく」

はちまん「おいコラ、早速『アイツならやりかねんやれやれ』的な知り合い以上の無関係者を装うな。てか俺は何もしてないだろ」

シオン「………………………なにも?」

はちまん「当たり前だろ?俺を誰だと…」

シオン「………………………なにも?」

はちまん「……」

シオン「………………………ほんとうになにもしてない?」

はちまん「ごめんなさいそんな事ありませんですはい」

シオン「………………………いこうか」

はちまん「待てどこへ連れて行く気だ」

シオン「………………………おまわりさんのとこ」

はちまん「ふざけんな、警察沙汰になる事なんかしてねーよ!」

シオン「………………………おむね、みたでしょ?」

はちまん「いやいやいや待て待て待てあんなにでかいの誰だって見るって!お前だって自分のそばにでっかいショベルカーが寄って来たら絶対に見るだろ!」

シオン「………………………はなしがちがう」

はちまん「そんな事ない。ショベルカーが近くに来てそれを見てしまうのはそれが自分の身に及ぶ危険な物だと知って警戒しているからだ。つまり俺も女の子のあの大きなモノが危険だと知っているから警戒の為についつい見てしまうんだ。俺は悪くねえ、悪いのは人間の本能だ」

 

シオン「………………………おんなのこのおむねがきけん?」

はちまん「ああ、俺の経験上最も危険な物だ」

シオン「………………………こわい?」

はちまん「えっと、いやまあ怖いって言えば怖いけど」

シオン「………………………じゃあ、ばいばいだね」

はちまん「え」

シオン「………………………わたしもおんなのこでおむねがあるからはちがこわがる」

はちまん「ま、待てシオン…」

シオン「………………………はち、とめないで」

はちまん「いや…」

 

はちまん「お前のはあるって言うより…ない…」

 

 

 

 

シオン「………………………さようなら」たたた

はちまん「シオン!戻って来てくれ!シオン、シオーーン!!」

 

 

アミー「…何これ」

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

シオン「………………………えへへ」

 

 

その後、アミーさんの協力もあり

帰ろうとするシオンを何とか止めた

そしてお前はまだ8歳であり、まだまだこれから

てかそれが可愛いお前が可愛いと説得したら素直に戻って来てくれた

 

アミー「はぁ…アンタ達何しに来たの…」

はちまん「一応シオンはアミーさんを連れ戻しに来たんですよ」

アミー「連れ戻すって、そんな家出した子供みたいに言わないでくれる?後敬語とさん付けやめて気持ち悪い」

はちまん「…わ、わかった」

 

ぐ、ぐう耐えろ…

ただ気持ち悪いって言われただけだ

そんなのいつも言われてるだろ慣れてるだろ

よし、よし、何とか持ちこたえた…

 

アミー「何度でも言うけど、帰るつもりはないわよ」

はちまん「ん、まあ今はそれでいい」

アミー「は?」

はちまん「いや何でもない」

アミー「……やはり何かあるのね」

 

ゾワッ

アミーから不穏な空気が流れてきた

その空気を感じとりてれてれしていたシオンもアミーに向き合う

アミーはボールを取り出す

 

アミー「…アンタに何が出来るのかわからないけど、ここは痛い目にあってもらうしかないわね」

 

アミーが俺を睨んでくる

先程のとは違う

責めるような目ではなく

警戒している目

恐らく俺が何かをしてくる前にこの街から出て行かせようとしているのだろう

くっ、カッコつけて言葉を含ませ過ぎたか

 

はちまん「…何だよ急に」

アミー「急?あははっ、アンタ気づいてないのね」

はちまん「え?」

 

アミー「アンタここで3人のトレーナーと戦ったでしょ?」

 

はちまん「…まさか、お前の差し金か?」

アミー「あははっ、気づくのが遅いわ」

 

先程俺がトリプルバトルをした相手

あの3人はアミーの指示でここにいたという事か

という事はつまり

 

はちまん「俺が来るのを知っていた…?いや違うな、他のメンバーが来るのを待っていたのか」

アミー「いいえ、待っていたんじゃなくて帰ってもらいたかったの。この街から私を引き離そうとするチームメンバーをね」

 

アミーはこの道路にあの3人を待ち伏せさせ、セキチクシティに他のメンバーを入らせないようにしていたのか

いや、あの3人の実力からしてカントーガールズに太刀打ち出来るとは思えない

だが

 

はちまん「一度戦わせて、弱った所をアンタが…」

アミー「そ、ある程度ダメージを負ってる相手なら私も勝つ確率が上がるでしょ」

 

確かに同じメンバーであるアミーならばカントーガールズに勝てる見込みが出てくる

それにあの3人が使って来た戦法

先ず無理矢理にでもトリプルバトルを行わせる

そして3匹が『こうそくいどう』で次のターン相手より早く動き

1匹に集中攻撃をして瀕死状態に追い込む

これなら後のアミーが1匹を確実に倒せる

 

はちまん「はっ、アンタいい性格してるな」

アミー「…まあでも、狙いは外れたけどね」

はちまん「悪かったな俺で」

アミー「いいえ、さっきのシオンの話しによるとアンタも要注意人物のようだから結果オーライよ」

はちまん「…俺が素直にお前と戦うと思うか?それにこっちはまだシオンが無傷でいるんだぞ?」

アミー「ならばアンタが戦わなくてはいけない状況、そしてシオンが戦わない状況を作るだけよ」

 

ピューッ

 

ザザザザザ

 

アミーが口笛を吹く

すると道路に沢山の人が現れた

男女も大人子供も問わず彼方此方からゾロゾロと

ま、まさか

 

はちまん「シオン!セキチクまで走るぞ!」

シオン「………………………うん」

 

俺はシオンの手を引きセキチクシティまで走る

しかし

 

アミー「通すわけないでしょ」

 

俺達の行く手を阻むポケモン

ボクサーのような風体

確かコイツはエビワラーだったか

 

エビワラー「…」すっ

 

エビワラーは俺達を通さないよう拳を構える

街に近づくと襲いかかると言わんばかりに

くそっ先手を取られた

そうこうしている内に俺とシオンは大勢の人に囲まれてしまった

抜け道は目の前のエビワラーを含めてなさそうだ

 

はちまん「ちっ」

アミー「あはっ、諦めなさい」

 

こんなにたくさんの人集められると何をされるかわからない

迂闊に逆らえない状況にされてしまった

 

はちまん「くそっ、そんなに戦いたいのかよ」

アミー「ううん、アンタ達が街に入らないって言うなら戦わなくてもいいのよ?もちろん私の事も諦めてね」

はちまん「……普段の俺ならその言葉を聞いてさっさと帰る所なんだがな」

 

そうもいかない

セキチクシティには雪乃達の安否を確認する為に来たんだ

帰る訳にはいかない

だがこの人数…

何か突破口はないかと囲んでいる人達を見る

ん?

圧倒的有利な立場にいるはずなのに、取り囲んでいる人達の様子がおかしい

表情から読み取れるのは、疑問と戸惑い

その疑問も戸惑いも俺達に向けられている

表すなら『予想外のやつ』

カントーガールズを狙ってこの包囲網を形成しているならチームでもなんでもない俺は確かに予想外の異物だろう

だがそれらの感情はシオンにも向けられている

カントーガールズのメンバーであるシオンも予想外という事か?

あの3人が待ち伏せしていたこの道路はサイクリングロードとセキチクシティを繋いでいる

そしてサイクリングロードは…

これは、もしかすると…

 

はちまん「アミー」

アミー「何よ、さっさと私にやられて立ち去りなさいよ」

はちまん「いやこの状況だとアンタと戦うしかない、だがその前にひとつ謝っておこうと思ってな」

アミー「謝る?」

 

はちまん「悪かったな、黒い服着てて」

 

アミー「…バレちゃった?」

 

サイクリングロードはこの道路とタマムシシティを繋いでいる

タマムシシティはロケット団の被害が大きいとされていた

その脅威がいつサイクリングロードからセキチクシティへ渡るかわからない

だからアミーはこの道路でそのロケット団を撃退するためにこんな事をしているのだろう

そして黒い服を着ている俺をロケット団と見間違えたと

 

はちまん「でもロケット団と間違うのはどうかと思うぞ?隣にいるシオンが見えなかった訳じゃないだろ。いやあの鳥使い3人の早とちりか」

アミー「ううん、ちゃんとドレスを着た女の子も撃退する対象だって指示したから早とちりでも間違いでもないわよ」

はちまん「そんなに帰りたくないのかよ」

アミー「見ればわかるでしょ」

 

まあここに来る前からわかっていたが

アミーが本部に戻らない理由

それはセキチクシティを守る為

アミーが言った通りロケット団がどう動くかわからない

各地の街を一斉攻撃するかもしれない

アミーの守るセキチクシティもその対象だ

その攻撃から街を守る為に本部へ集合せず、セキチクシティにとどまっていたのだ

街の入り口付近にここまで厳重な防備を敷いているのだからそれは間違いない

 

アミー「私はこの街を守る。その邪魔だけは誰にもさせない。例えそれがコブキやフレンだとしても」

 

決意は固い、か

こりゃ俺の考えたアミーを戻そう大作戦が効くかどうか

いや今はそれどころじゃない

 

アミー「さ、はちと言ったっけ、さっさと私にやられて帰りなさい。それともこの多人数から暴力を受けたいのかしら?」

シオン「………………………まってあみーさん」

アミー「シオンはそこで大人しくしてなさい、コイツが私に負けてアンタが本部に戻る事になってもね」

シオン「………………………ちがう、はちのぽけもんはいま」

アミー「瀕死寸前のポケモンがいるのはわかっているわよ。元々それが目的であの子達にコイツと戦わせたんだから」

シオン「………………………でも」

はちまん「いいんだシオン、この状況だとアミーの言う事を聞いて戦うしかない」

シオン「………………………はち」

はちまん「負けたらゴメンな」

シオン「………………………はち」

 

俺はアミーに向き合う

 

アミー「ふんっ、戦う前から負けるつもりでいるの?情け無いわね」

はちまん「そんな事はどうでもいい、アンタはこのエビワラーで戦うのか?」

アミー「その子を退けたらアンタ達が街へ入ってしまうから戦わせない。それに1匹で戦うとも言ってないわよ」

 

アミーは新たなボールを取り出す

くそ、エビワラーが避けた瞬間街に走り込む作戦が読まれた

 

アミー「出てきて、モルフォン」

 

ポンッ!

 

モルフォン「…」パタパタ

 

うわ、虫だ

モルフォン、どく/むしタイプのポケモンか

確かどくやまひ、ねむり状態にするのが得意だったはず

 

俺は手持ちのポケモンの状態を確認する

ゴルバットとロコンはダメージなしだが

カラカラは瀕死寸前

…ならここは

俺は右手を前に突き出し、そこに左手を添える

 

はちまん「出てこい、カビゴン!」

 

ポンッ!

 

カビゴン「ゴーン!」

 

『どく』状態無効のとくせい『めんえき』を持ったカビゴンで勝負だ

 

 

アミー「絶対にここは通さない、私はこの街を守る」

 

 

カントーガールズのメンバー、アミーとのバトル開始

…さてどうするか

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

101話 ギガギガ!ギガインパクト!

#18番道路

 

トレーナー戦

 

はちまん カビゴン

 

VS

 

アミー モルフォン

 

1ターン

 

はちまん「カビゴン、あくび!」

アミー「モルフォン、しびれごな!」

 

モルフォン「!」ぱらぱら

カビゴン「…!」びりびり

 

カビゴン「!」ふわぁ。○

モルフォン「…!」ふわぁ。○

 

最初のターン

両者共に状態異常を狙っていく

そしてどちらも命中

カビゴンが『まひ』状態になり

モルフォンは次のターン『ねむり』状態になる

 

さて、アミーはどうでるか

『あくび』状態を回復するために一度引いてくるか?

それともそのまま居座るか

可能性としては居座りの方が高い

『まひ』による行動不能が怖いので次のターンは『のしかかり』を選択

必殺技『ギガインパクト』は隠しておこう

 

 

2ターン

 

はちまん「カビゴン、のしかかり!」

アミー「モルフォン、いばる!」

 

モルフォン「!」ふんっ

カビゴン「…?!」かちん

 

カビゴン「…?!」ばしっ

カビゴン「…!」

 

モルフォン「zzz」

 

くっ、狙い通りモルフォンは居座ったが『いばる』をされてしまった

『いばる』は相手の攻撃力を上昇させ、さらに混乱状態にする技

そのためカビゴンは攻撃力の上がった状態で自分を攻撃してしまった

カビゴンは防御が高いから耐えているが、このままこの状態が続くと厄介だ

それに『まひ』の効果もあるため、こちらの攻撃できるチャンスが絞られてしまった

モルフォンは『あくび』の効果でねむった

これでモルフォンは何もなければ3ターンねむり続ける

だが旗色はこちらが悪い

くそっ、一歩出遅れた形になるがここは…

 

 

3ターン

 

はちまん「カビゴン、ねむる!」

 

カビゴン「ご〜ん…zzz」♪

 

モルフォン「zzz」

 

カビゴンをねむらせ、受けた状態異常全てとダメージを回復させる

これでとりあえずはどうにかなった

だが起きるタイミングは両者同じ

その為、素早さの高いモルフォンが先に動いてしまう

また『まひ』か『こんらん』にされては同じ事の繰り返しだ

何とかその2つの状態異常を回避して

『いばる』の効果で威力の上がった『ギガインパクト』を打ち込めば何とか…

 

4ターン

 

モルフォン「zzz」

カビゴン「zzz」

 

5ターン

 

モルフォン「zzz」

カビゴン「zzz」

 

モルフォン「!」はっ

カビゴン「!」はっ

 

 

両者共に起きる

次のターン、出来る事なら『ギガインパクト』をしたいが

先に『あくび』をしておくか?

しかし今度は居座りが望みではなく、交代を望む『あくび』だが

 

 

6ターン

 

はちまん「カビゴン、あくび!」

アミー「モルフォン、いばる!」

 

モルフォン「!」ふんっ

カビゴン「…?!」

 

カビゴン「!」ふわぁ。○

モルフォン「…!」ふわぁ。○

 

 

モルフォンはまたも『いばる』でカビゴンを混乱させた

幸い今度は自分を攻撃しなかったが、後々になり自分を攻撃してしまうといくらカビゴンの防御が高いと言っても一撃で戦闘不能になってしまうかもしれない

何とか『あくび』を当てたが、混乱を回復するためまた寝るか?

いやアミーはカビゴンが『ねむる』を使える事を知っている

モルフォンより後に動くカビゴンを『まひ』にしようがダメージを与えようが回復されてしまうとわかっているはず

そうなるとアミーは高確率で交代してくる

『ねむる』を使えば交代した相手に隙を見せる事になる

ここは俺も混乱回復も兼ねて交代するべきか

 

 

5ターン

 

はちまん「カビゴン交代!出番だ、ゴルバット!」

アミー「モルフォン交代!出てきて、オニドリル!」

 

モルフォン 交代 オニドリル

 

ポンッ!

 

オニドリル「…」さっ

 

カビゴン 交代 ゴルバット

 

ゴルバット「バーット!」バサァ

 

 

やはり交代して来た

両者入れ替え

ゴルバットとオニドリルの対面だ

有利とも不利とも言えない

ここは安全に『あやしいひかり』を撃っていきたいが

オニドリルに状態異常技を覚えさせているとは考えにくい

だったらもう一度カビゴンを出せるかも

アミーが交代してこない事を祈りながらもう一度カビゴンの出番だ

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん ゴルバット

 

VS

 

アミー オニドリル

 

6ターン

 

はちまん「ゴルバット交代!もう一度出陣だ、カビゴン!」

アミー「オニドリル、つばめがえし!」

 

ゴルバット 交代 カビゴン

 

ポンッ!

 

カビゴン「ゴーン!」

 

 

オニドリル「!」シュン、バシッ

カビゴン「…!」

 

 

よっしゃ、交代してこなかった

出て来た所を攻撃されるが、これでカビゴンの高火力『ギガインパクト』で大ダメージを与える事が出来るかもしれない

アミーの手持ちの内

カビゴンに有利なのは今のところモルフォンだけのはず

道を塞いでいるエビワラーが出てくれば話しは違うが

このままオニドリルが出張るかモルフォンに交代か

だがとりあえずは『あくび』をしておこう

『ギガインパクト』1つで落とせるとは思えないし

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん カビゴン

 

VS

 

アミー オニドリル

 

7ターン

 

はちまん「カビゴン、あくび!」

アミー「オニドリル、つばめがえし!」

 

オニドリル「!」シュン、バシッ

カビゴン「…!」

 

カビゴン「!」ふわぁ。○

オニドリル「…!」ふわぁ。○

 

 

オニドリルは交代せず『つばめがえし』の連打

カビゴンは『あくび』

…これは俺の望んだ流れなのだが

アミーはカビゴンが『あくび』を使える事も知っているはず

だが対策もせずに同じ技を続けて…?

何か嫌な予感がするが、ここは攻撃するしかない

『ギガインパクト』を当てるにはこのタイミングしかない

…が、嫌な予感を信じて『ギガインパクト』は隠しておくか

この臆病風が吉と出るか凶と出るか

 

 

8ターン

 

はちまん「カビゴン、のしかかり!」

アミー「オニドリル、つばめがえし!」

 

オニドリル「!」シュン、バシッ

カビゴン「…!」

 

カビゴン「!」のしっ

オニドリル「…!」

 

オニドリル「zzz」

 

 

両者共にダメージを与え、オニドリルが眠りターン終了

俺の嫌な予感が何かはわからないが

…次も『のしかかり』で

 

 

9ターン

 

はちまん「カビゴン、のしかかり!」

アミー「オニドリル交代!出てきて、モルフォン!」

 

オニドリル 交代 モルフォン

 

モルフォン「…」パタパタ

 

 

カビゴン「!」のしっ

モルフォン「…!」

 

 

アミーはここでモルフォンに交代

交代してきたモルフォンに『のしかかり』が当たる

…どういう事だ?

オニドリルが眠ったタイミングでモルフォンに交代…

オニドリルが行った行動は全て攻撃だった

つまり防御が高いカビゴンを倒すため、オニドリルで体力を削れるところまで削り

その後モルフォンに交代し、カビゴンを状態異常を駆使して倒す算段か

ゴルバットが出ていた時から攻撃してきたという事は、カビゴンへの交代は読まれていたのか

危なー!あの時『ギガインパクト』でオニドリルを倒せたとしても

『ギガインパクト』の効果で行動不能になり、その隙にモルフォンへ交代され、また『まひ』や混乱にされるところだった…!

アミーは『ギガインパクト』の存在を知らないはずだが、恐らく戦法は同じ

オニドリルで削り、モルフォンに交代しカビゴンを状態異常で倒す

今その戦法通りの展開になっているわけだが

危うくもっと酷い事になっていたかも

ありがとう俺の直感…!

 

さて、『ギガインパクト』でドツボにはまるのは避けれたが

今はアミーが作った戦略に乗っている

狙いはカビゴン

ここは交代が安全だが、それも読んでいるはず

モルフォンにもオニドリルにもダメージが入っていて、こちらがリードしている

恐らくアミーは攻撃を仕掛けてこの差を縮めようとするだろう

…ここは引かずにカビゴンで押すか

……済まんカビゴン

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

10ターン

 

はちまん「カビゴン!ギガインパクト!」

アミー「モルフォン!むしのざわめき!」

 

モルフォン「!」ざわ…ざわ…

カビゴン「…!」

 

カビゴン「!!」ドガーーン!

モルフォン「…!!」

 

モルフォン「…」

バタン

 

カビゴン「…!」じーん、ぷるぷる

 

 

カビゴンの必殺技『ギガインパクト』がモルフォンに炸裂

モルフォンを撃破

しかしカビゴンは反動で動けなくなった

そしてモルフォンの最後っ屁『むしのざわめき』のダメージとオニドリルの連撃

瀕死寸前でなくとも受けているダメージは大きいだろう

そんな隙をアミーが見逃すはずはない

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

アミー「ありがとう、モルフォン」

 

アミーは倒れたモルフォンをボールに戻た

そして

 

アミー「さあ、厄介なあのカビゴンにトドメを刺してきて!エビワラー!」

 

エビワラー「…」ざっ

 

街の入り口を固めていたエビワラーが出て来た

エビワラーが退いた代わりに周りにいた人間が入り口を固める

 

はちまん「…いいのか?ソイツを退かすと俺達が街に入っちまうぞ?」

アミー「大丈夫よ、見ての通り皆が代わりに街を守ってくれるから」

はちまん「そうできるなら何で最初からソイツを使わなかったんだ?」

アミー「この子は使うつもりなかったのよ。でもアンタが以外にも強いから出てもらうの」

はちまん「強い…ね」

アミー「この子を戦わせるのなんてフレンと戦った時以来なの。誇っていいわよ、このエビワラーを私に出させた事を」

 

 

アミー「さあ、そろそろこの戦いも終わりよ」

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん カビゴン

 

VS

 

アミー エビワラー

 

11ターン

 

アミー「エビワラー、こうそくいどう」

 

エビワラー「!」シュシュン

 

 

カビゴンが行動不能の隙をつき、エビワラーが繰り出したのは『こうそくいどう』

くっ、素早さを上げられた

攻撃するのではなく、しっかり能力を上げてくる

こうなるともう

 

 

12ターン

 

はちまん「カビゴン、ギガインパクト!」

アミー「エビワラー、インファイト」

 

エビワラー「!!」どかがかがか

カビゴン「…!!」

 

エビワラー「…!」ガクッ

 

カビゴン「…」

バタン

 

 

エビワラーの『インファイト』でカビゴンは倒れてしまう

『インファイト』はかくとうタイプの高威力技

しかしその代償として防御と特防が下がる

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん「お疲れ、カビゴン」

 

俺はカビゴンをボールに戻す

そして考える

エビワラーは素早さが上がっている

『インファイト』で耐久が下がっていたといえ必ず先手を取られるだろう

かくとうタイプを半減できるゴルバットを出すか

 

はちまん「出番だ、ゴルバット」

ゴルバット「バーット!」バサァ

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん ゴルバット

 

VS

 

アミー エビワラー

 

13ターン

 

はちまん「ゴルバット、そらをとぶ!」

アミー「エビワラー、れいとうパンチ!」

 

エビワラー「!!」かちかち、ぼかっ

ゴルバット「…!!」

 

ゴルバット「…!」ふらふら

 

ゴルバット「!」バサバサッ

 

 

危なっ!

すっかり忘れてた、エビワラーは三色のパンチを使えるんだった

三色のパンチとは

『れいとうパンチ』こおりタイプの技

『ほのおのパンチ』ほのおタイプの技

『かみなりパンチ』でんきタイプの技

この内ゴルバットに効果抜群なのはこおりとかみなり

ギリギリで耐えられたが…

 

だがそれでも『そらをとぶ』の体制をとれた

これを当てればエビワラーに効果抜群

アミーがそれを黙って見るか、それとも…

 

アミー「…ごめん」

 

14ターン

 

はちまん「ゴルバット、そらをとぶ!」

アミー「エビワラー交代!出てきて、オニドリル!」

 

エビワラー 交代 オニドリル

 

ポンッ!

 

オニドリル「zzz」

 

 

ゴルバット「!」ヒュー、ガスッ

オニドリル「…!」

 

オニドリル「…」

バタン

 

 

エビワラーにダメージが入るのを避ける為

カビゴンのダメージを受け、さらに『ねむり』状態のオニドリルを切ってきた

ゴルバットのタイプ一致攻撃を受け、オニドリルは倒れた

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

アミー「……戻って、オニドリル」

 

アミーはオニドリルをボールに戻す

主力であるエビワラーを倒されないようにする為とはいえ

オニドリルを身代わりにしてしまった事を悔やんでいる

 

…アミーの気持ちはわかるが、今は戦闘中だ

人の事を気にしている場合ではない

 

アミーがオニドリルを切ったという事は、他にひこうタイプ技を受けられるポケモンがいないと言う事だろう

もしくはエビワラー以外にエースがいて、温存する為か

そうするとゴルバットが出ている以上、エビワラーが出せないからそのまだ見ぬエースが出てくるか

それともエビワラーがこおり技でゴルバットを倒しにくるか

何がくるかわからないが…ゴルバットは今瀕死寸前

いや、エビワラーは能力の変化がリセットされた状態だ

『インファイト』で下がった耐久は戻ったが、『こうそくいどう』で上がった素早さも戻った

エビワラーが出ても先手を取れる

 

アミー「出てきて、エビワラー」

 

ポンッ!

 

エビワラー「…」

 

エビワラーを出してきた

てことはエース温存が濃厚か

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん ゴルバット

 

VS

 

アミー エビワラー

 

 

15ターン

 

はちまん「ゴルバット、そらをとぶ!」

アミー「エビワラー、れいとうパンチ!」

 

ゴルバット「!」バサバサ

 

エビワラー「!」かちかち、ぼかっ

すかっ

 

 

16ターン

 

はちまん「ゴルバット、そらをとぶ!」

アミー「エビワラー、れいとうパンチ!」

 

ゴルバット「!!」ヒュー、ガスッ

エビワラー「…!!」

 

エビワラー「…!」ふらふら

 

エビワラー「!!」かちかち、ぼかっ

ゴルバット「…!!」

 

ゴルバット「…」

バタン

 

 

ゴルバットは『そらをとぶ』でエビワラーを瀕死寸前にするが

『れいとうパンチ』で倒れてしまった

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん「お疲れ、ゴルバット」

 

俺はゴルバットをボールに戻す

ゴルバットのおかげでエビワラーを倒せる

ありがとな

 

はちまん「頼むぞ、ロコン」

 

ポンッ!

 

ロコン「…」

 

カラカラは今瀕死寸前の状態

実質的にロコンが俺の最後のポケモンだ

アミーのポケモンが後どれだけいるのかはわからない

たが、何とかやってみようかな

まあ先ずはエビワラーを倒す

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん ロコン

 

VS

 

アミー エビワラー

 

 

17ターン

 

はちまん「ロコン、じんつうりき!」

アミー「エビワラー、インファイト!」

 

ロコン「!!」ギューン

エビワラー「…!!」

 

エビワラー「…」

バタン

 

 

どちらの素早さが上かわからなかったが

幸いロコンの方が早く

効果抜群の『じんつうりき』でエビワラーを倒した

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

アミー「ありがと、エビワラー」

 

アミーはエビワラーをボールに戻す

よし、エビワラーは越えた

さて問題はアミーの次のポケモン

何がくるか…

 

アミー「中々強いわね、アンタ」

はちまん「そうかもな」

アミー「…こんな長い戦い、今までなかったわ」

はちまん「アンタさっきからどんだけ思い出に浸ってるんだよ」

アミー「うるさい、ホントにこんな事なかったんだから感傷に浸っても構わないでしょ」

はちまん「いや、あんま浸り過ぎると年寄り臭くなるぞ」

アミー「はぁ!?アンタ私がおばあちゃんだと言うの!?そんな歳じゃないわよ!」

はちまん「わ、わかってるって。俺はただアンタのしてる事がジジくさいって…」

 

ブチッ

 

アミー「ジジ…ジジくさい…私がジジくさいって…」

 

あ、やべ何かしくった

アミーが俯いてブツブツ呟いている

その周りに変なオーラが出てきた

俺達を囲んでいる人達もアミーの様子を見て慌てている

これかなりやばい感じがする

と、とりあえず落ち着けさせよう

 

はちまん「ま、待て待て、ジジくさいのジジは黒猫の…」

 

 

アミー「アンタだけは…アンタだけは絶対に許さない…」ゴゴゴ

 

 

聞く耳持たず

あ、オワタ\(^o^)/

 

 

アミー「出てきて!ベトベトン!」

 

ポンッ!

 

ベトベトン「…」べとべと

 

どくタイプの大御所、ベトベトン

コイツがアミーのエースか

…アミーの怒り補正とかないよね?

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん ロコン

 

VS

 

アミー ベトベトン

 

 

18ターン

 

はちまん「ロコン、じんつうりき!」

アミー「ベトベトン、どろばくだん!」

 

ロコン「!!」ギューン

ベトベトン「…!!」

 

ベトベトン「!!」どろっ、ばんっ

ロコン「…!!」

 

ロコン「…!」

ふらふら

 

くっ、ロコンが瀕死寸前に

あのベトベトンじめんタイプの技『どろばくだん』を使えるのか

『じんつうりき』で効果抜群のダメージを与えたが、あまり聞いているようには見えない

次のターンで倒せるとは思えない

…どうする

次も『どろばくだん』を受ければロコンはやられる

そうすると残るは瀕死寸前のカラカラだけ

だが、『じんつうりき』以外他に手が…

くそっ

 

 

19ターン

 

はちまん「ロコン、じんつうりき」

アミー「ベトベトン、どろばくだん!」

 

ロコン「!!」ギューン

ベトベトン「…!!」

 

ベトベトン「!!」どろっ、ばんっ

ロコン「…!!」

 

ロコン「…」

バタン

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

102話 ばくばく!自分の気持ち!

#18番道路

 

ベトベトンの『どろばくだん』によりロコンは倒れてしまった

ロコンをボールに戻す

 

はちまん「お疲れ、ロコン」

 

ロコンが倒れ、ゴルバットもカビゴンも戦闘不能

残るは瀕死寸前のカラカラ

対するアミーは

モルフォン、オニドリル、エビワラーが戦闘不能

残るポケモンは今わかっているだけでもベトベトンだけ

 

アミー「さ、どうするのアンタ」

はちまん「どうするって?」

アミー「まだ戦うつもりなの?もう勝てる見込みはないと思うけど」

はちまん「…いや、一応ある」

 

今出ているベトベトン

ロコンの『じんつうりき』を2発食らっている

ここでカラカラを出し、『ホネブーメラン』を当てればベトベトンは倒せる

 

アミー「ホントにそう思うの?私のポケモンが後ベトベトンだけだってどうしてわかるの?」

 

…やはりまだ後続がいるのか

カラカラがベトベトンを倒せたとしても

次に出されるポケモンにやられてしまう

それでも

 

はちまん「カラカラ」

 

ポンッ!

 

カラカラ「カ、カラ…」はぁ、はぁ

 

俺は戦う

セキチクシティへ行くために

…しかしカラカラは疲れ切っている

こんな状態のカラカラを戦わせるのか?

 

アミー「ほら、その子もう戦えそうにないじゃない」

 

カラカラ体力を道具で回復させればいいんだが

今までの戦闘からしてアミーが道具を使った隙を見逃すはずがない

しかも相手はどくタイプのベトベトン

隙を見せると『どくどく』で『もうどく』状態にされてしまうだろう

 

シオン「………………………はち」

はちまん「…悪いシオン、俺は」

シオン「………………………ううんだいじょうぶ、はちのせいじゃないよ」

アミー「慰め合いは結構だけど、アンタ達さっさと帰ってもらえる?私も暇じゃないの」

 

くっ…

カラカラの状態からして帰った方が身のためだ

また出直せば活路が見出せるかもしれない

しかし帰ると言ってもどこへ…

タマムシシティへ戻る一択しかないがそれには『サイクリングロード』の坂道を登る事になる

そんなめんどくさい事はやりたくない

だがポケモン達の事を考えるとここは引くしかないかもしれない

 

くそっ、何か手はないか

俺は周囲を見渡す

依然として周りには大勢の人が取り囲んでいる

エビワラーが塞いでいたセキチクシティの入り口も

エビワラーの代わりに人が塞いでいる

俺の位置からして、街の入り口は左手側

前方にはアミー

右手側はサイクリングロードへと続くゲート

後ろには柵があり、その先は森

そしてどの方向にも人が立ち塞がっている

とても隙をついて抜け出せそうにない

…いや、よく見ると人と人の間に隙間がある

そこを縫って行けばどうにか…

 

アミー「ねぇ、早くしてよ。降参するの?それともまだ戦うの?」

 

だがそれをアミーが見逃すはずがない

会ったばかりだが、アミーの性格は戦いや言葉の中から何となくわかった

 

アミーは全ての思考が守る事、堅守的な思考に集まる傾向がある

常に安全策、必勝法を探す

 

そんな奴が俺の逃走ルートを見逃すはずがない

ちょっとした隙をついたり意表を突かない限り

この包囲網からは逃げ出せないだろう

 

カラカラ「…カラ」

はちまん「ん、カラカラ?」

 

その時、俺の思考を止めたのはカラカラの一声だった

 

はちまん「どうした」

カラカラ「…」じっ

 

カラカラは俺の目をじっと見つめ伝えてくる

そしてその意味を理解した時、気づいた

 

……俺はもう逃げ出す事を考えているのか

 

確かにこのままカラカラを戦わせても勝てないだろう

しかし負けたわけじゃない

最後まで戦う選択肢もまだ残されている

だが負けたらどうなるかわからない

いや

 

はちまん「勝ってもどうなるかわからない、か」

カラカラ「…」ふっ

はちまん「どっちにしろわからないなら、いっそのこと戦おうか。勝っても負けても、どうすればいいのかなんてそん時に決めればいいか」

カラカラ「カラ」こくん

 

そうだよな、コイツの言う通りだ

負けたっていい

どうせもとから絶対に負けると思ってなかった

ここで逃げても何も得はない

それに

目の前にいるベトベトンはカラカラの『ホネブーメラン』で倒せる事もわかった

それでも先手を取られれば終わりだが、回復すればいいと先程思いついたところではないか

『もうどく』にされたってベトベトンは必ず倒せる

アミーが持っている残りのポケモンはわからない

だが

ここまで考えついたくせに、どうしてそこで何の利益もない逃げる選択肢が出てきた?

ここは戦うしかないだろ

アミーを連れて帰る使命を持ったシオンの為にも

アイツらに会うためにセキチクシティへ行きたい俺の為にも

倒れていったポケモン達と、目の前で戦う意思を見せるカラカラの為にも

そして

 

はちまん「お前との約束の為にも、戦うしかないな」

カラカラ「カラ!」こくん

 

よし、俺の心は決まった

アミーに向き合う

 

はちまん「続行だ」

アミー「は?戦いを続けるの?負けてしまうかもしれないわよ?」

はちまん「ああ、俺もカラカラもそれは覚悟の上だ」

アミー「……負けて、後悔しても知らないから」

 

負けて後悔?

負けなくても後悔してるって

そんなもん心ん中で毎日してるわ

1人になった事に後悔してるわ

ぼっちですから

 

はんっ

後悔プロの実力を見せてやる

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん カラカラ

 

VS

 

アミー ベトベトン

 

 

20ターン

 

はちまん「いいキズぐすり」

アミー「ベトベトン、ヘドロばくだん!」

 

いいキズぐすり

カラカラ「〜♪」

 

ベトベトン「!」ベチャッ

カラカラ「……!」

 

 

カラカラ対ベトベトン

俺は計画通りにカラカラを回復させる

全快とまではいかなかったが、これで首の皮一枚繋がった

対するベトベトンは『ヘドロばくだん』

どくタイプの技だからじめんタイプのカラカラには効果いまひとつ

てっきり『どくどく』をしてくるかと思ったが

アミーは恐らく、俺がポケモンを回復させる事と読んだ

しかしその回復させる対象がわからなかった

もしカビゴンの瀕死状態を回復させられるとかなり不利な状況に追い込まれる

なので数的有利を保つ為にもカラカラを確実に倒しておこうと考えた、というところだろう

さて、このアミーの選択がどう転ぶか

 

 

21ターン

 

はちまん「カラカラ、きあいだめ!」

アミー「すごいキズぐすり」

 

すごいキズぐすり

ベトベトン「〜♪」

 

カラカラ「!」ぐぐっ

 

 

アミーはベトベトンを回復させてきた

カラカラを回復させられた事により『ヘドロばくだん』や『どろばくだん』の一撃で倒せなくなった

それならばベトベトンの耐久力を生かして、ある程度ダメージを与え

次のポケモンで倒そうという考えだろう

人海戦術

数的有利を手に入れている向こうとしてはその方が安全だ

やはりアミーは安全策を、合理的な方法で確実に勝てる方法を第一に考えている

だから人を集めた

だから鳥使い3人のように、他の人に戦ってもらった

その思考は何もおかしくない

ポケモンをやっているゲームプレイヤーなら誰もが持っている思考だ

トレーナーのほとんどが合理的に考える

 

だがな

ぼっちははぐれもんだ

世間からも集団からも

『友達はいた方がいい』とか『周りの人と協力し合う』とかの

 

そんなスーパー合理的な思考回路からもはぐれてんだよ

 

 

はちまん「行こうか」

カラカラ「カラ」

はちまん「あの合理的主義おっぱいに目にもの見せてやろう」

カラカラ「カラ」

 

 

22ターン

 

はちまん「カラカラ!急所に当てろ、ホネブーメラン!」

アミー「ベトベトン、ヘドロばくだ…ん?」

 

ベトベトン「!」ベチャッ

カラカラ「……!」

 

カラカラ「…」ぐぐぐ

 

カラカラ「カラッ!」バシッ

ベトベトン「…!!」

 

カラカラ「カラッ!」バシッ

ベトベトン「…!!」

 

 

アミー「なっ……!?」

 

 

ベトベトン「…」

バタン

 

 

例え耐久力が高く、道具で回復してようとも

効果抜群の攻撃を2連続で急所に当てれば1ターンで決着がつく

ベトベトン戦闘不能

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

よし、ベトベトン撃破

 

はちまん「やったな、カラカラ」

カラカラ「カラ」こくん

 

アミーの手持ちがまだ把握しきれていない以上油断は出来ないが

とりあえず最初の関門は突破

 

アミー「な、なに、いまの…」

 

アミーは2連続で急所に当たった事が信じられないのかぼーぜんとしている

確か何時ぞやのカスミもあんな感じだったな

まーた説明しないといけないのかなー?

めんどくさいな

するとシオンが話しかけてきた

 

シオン「………………………はち」

はちまん「ん?」

シオン「………………………いまのなに?」

はちまん「あれ?お前には見せた事なかったっけ」

シオン「………………………うん」

 

そういえばこの必殺戦法はここ最近使ってなかったな

仕方ない説明してやろう

 

はちまん「これはな、カラカラの『きあいだめ』の効果だ」

シオン「………………………きあいだめ?」

はちまん「確かに『きあいだめ』をしただけでこんなに急所に当たるのはありえないかもしれない。だがそれは確率の問題だ」

シオン「………………………ちがうの?」

はちまん「これは気持ちの問題だ」

アミー「気持ち…?」

 

説明を聞いていたアミーが俺の台詞で首をかしげる

だがシオンは的確な答えを出す

 

シオン「………………………きあいまんたん」

はちまん「そう言う事。気合いを入れて集中して、必ず急所に当てるんだ」

アミー「そ、そんな…」

シオン「………………………すごいね」

はちまん「はっはっは、俺とポケモン達の絆は人一倍強いからな!」

シオン「………………………そうかもね」

はちまん「あり?否定しないの?」

シオン「………………………するきがおきない」

はちまん「そっすか」

アミー「…ありえない…そんな事…」

 

アミーは俯いた

ショックを受けてしまったようだ

守る事に定評があるアミーだ

今回の戦いでは使っていないが

『リフレクター』や『ひかりのかべ』などの壁も貫通できる急所攻撃が常に出せる事を認めたくないのだろう

だが俯いていたのもつかの間

何かを決意したようにアミーは勢いよく顔を上げる

そしてその反動でアレが揺れる

…俺は何も見てないよ

 

アミー「まだ終わってない、私にはまだポケモンが残ってる。気合いで勝利するなんて認められない。アンタのその幻想を打ち砕く」

 

そう言って倒れたベトベトンをボールに戻し、新たなポケモンを繰り出す

 

アミー「出てきて、モンジャラ!」

 

ポンッ!

 

モンジャラ「…」もさもさ

 

アミーの次のポケモンはモンジャラ

くさタイプのポケモンだ

じめんタイプのカラカラでは相性が悪い

急所に当てようにも先手を取らなければ勝てない

これは、ピンチかな

俺がどうしようかと考えていると

アミーは宣言した

 

アミー「私のポケモンはこの子が最後」

はちまん「え?」

アミー「他に残っているポケモンはもういない。これが私とアンタの最終決戦よ」

はちまん「…何でそんな事を言ったんだ?黙ってれば俺が余計な考えを持ち、隙が生まれるかもしれないのに」

アミー「そんなものに頼らなくても勝つ。勝負において強さとはどういうものか、どうすれば確実に勝てるかの合理的な考え方を、気合いなんていうものに頼っているアンタに教えてあげる」

はちまん「いや教えてもらわなくてもそんな事わかって…」

 

アミー「だったら何でカラカラを進化させていないの?」

 

はちまん「…!」

カラカラ「…!!」

 

アミー「進化させれば確実に強くなれる。守る力が手に入る。なのにアンタはそうしていない、何で?」

はちまん「そ、それは…」

カラカラ「…」

 

タマムシシティでカラカラのレベルを見た時の事を思い出す

カラカラのレベルは37

そしてガラガラに進化できるレベルは29

カラカラは進化できるレベルをいつのまにか超えていた

だが進化するような予兆も変化もカラカラには見られなかった

進化するタイミングを何かの偶然で逃した?

 

いや、カラカラが進化するのを嫌がったのが原因か

カラカラが進化したくない理由

それは以前俺がカラカラに変わって欲しくないと言ってしまったからだろう

俺の周りにいるやつがドンドン成長して行くのを見たくない、妬ましいとカラカラに言ってしまった

それをカラカラが受け止めて、進化しないでいるのかもしれない

 

はちまん「カラカラ…」

カラカラ「……」

 

俺が、俺がコイツの成長を止めているのか?

一緒に強くなるとか言ったくせに、コイツが強くなるのを止めてしまっているのか?

 

はちまん「か、からから…」

 

俺は済まない気持ちで一杯になった

コイツが成長も強くなる事も、止めているのは俺

俺の身勝手な考えでカラカラは進化する事が出来なくなっている

謝って済む問題ではなかった

カラカラのこれから進む時間、過ごしていく時間や可能性を奪ってしまった

それはもう、悪魔の所業

命と引き換えに願いを叶える悪魔だ

俺はカラカラの人生と引き換えに、自己満足のためにカラカラを縛りつけている

 

どうせそのうちカラカラの元からいなくなるくせに

 

カラカラ「カラ…」

 

俺が自己嫌悪に身を焼かれそうになっている時

カラカラが俺に何かを訴えかけている事に気づいた

しかしいつものように俺の目を見ていない

戦う相手に背を向けず

ただ背中で静かに語っている

背中で伝えてくる

 

その小さな背中から伝わる事

カラカラの今の気持ち

自然とその気持ちを口に出していた

カラカラの気持ちを代弁するように

それが俺の事のように、俺の気持ちであるように吐露する

 

はちまん「…強くなりたい」

 

はちまん「…いまよりもっと強くなりたい」

 

はちまん「…大切な人との約束だから」

 

はちまん「…でも」

 

はちまん「…でも、それでも」

 

はちまん「…変わりたくない」

 

はちまん「…今の自分がいい」

 

カラカラは前を向いていた状態から、顔を伏せて俯く

まるで俺が代弁している自分の気持ちを受け止めるように

 

はちまん「…変わらない」

 

はちまん「…変わってほしくない」

 

はちまん「…それは大切な人が望んだから」

 

はちまん「…でも、それだけじゃない」

 

はちまん「…それだけなら、こんなに辛くはない」

 

はちまん「…こんなに自分を責めたりしない」

 

俺はカラカラの気持ちを受け止め、口に出しながら

それを頭の中で整理していく

カラカラが…自分を責める?

 

はちまん「…進化を望んでいないのは、自分も同じ」

 

はちまん「…自分も進化したくない」

 

カラカラ自身が進化を望んでいない?

強くなる事を望んでいるのに…どうして

 

はちまん「…進化したくない理由」

 

はちまん「…それは」

 

はちまん「…大切な人が、今の自分を大切にしてくれているから」

 

はちまん「…大好きな人と、出来るだけ長く一緒にいたいから」

 

カラカラの身体が震えている

伝えていく自分の気持ちを

これから先に伝えられる、伝わってしまう気持ちを怖がるように

 

はちまん「…進化するのが怖い」

 

はちまん「…進化してしまうとどうなるのかわからない」

 

はちまん「…それが怖い」

 

はちまん「…もし進化して」

 

はちまん「…成長して」

 

はちまん「…身体が大きくなったら」

 

はちまん「…大切な人の隣を歩けないかもしれない」

 

はちまん「…大好きな人に抱っこされなくなるかもしれない」

 

はちまん「…また一緒に自転車に乗れなくなるかもしれない」

 

はちまん「…ケーキ食べたり、小さな宴会を開いてみんなで飲んだり食べたり、一緒に笑ったり、一緒に何もせずぼーっとしたり」

 

はちまん「…そんな、楽しい事や嬉しい事が」

 

はちまん「…進化したら、もう出来なくなるかもしれない」

 

はちまん「…その分、共にいられる時間がなくなるかもしれない」

 

…カラカラ

俺はカラカラの気持ちを口に出すのがやっとだった

 

はちまん「…そんなの嫌だ」

 

はちまん「…そんなの耐えられない」

 

はちまん「…大切な人と一緒にいられないなら」

 

はちまん「…大好きな人と一緒にいられないなら」

 

はちまん「…進化なんてしたくない」

 

はちまん「…変わりたくない」

 

はちまん「…今の自分でいたい」

 

はちまん「…今の、この関係を壊したくない」

 

はちまん「…変わりたく、ない」

 

カラカラはさらに身体を震わせる

その目からは雫が落ちていく

変わりたくないと言う自分の気持ちを責めているのか

 

はちまん「…でも」

 

はちまん「…それでも、強くなりたい」

 

はちまん「…大好きな人との約束だから」

 

はちまん「…強くなる事で、大切な人を守れる」

 

はちまん「…強くなる事で、大切な人が大切にしているものを一緒に守る事ができる」

 

はちまん「…もしかしたら」

 

はちまん「…この、変えたくない大切な関係を壊す人が出てくるかもしれない」

 

はちまん「…そんな時、それを守れるように強くなりたい」

 

はちまん「…大切なものの為に強くなりたい」

 

カラン、カラン

 

母の形見である骨がカラカラの手から離れ、地面に落ちる

そしてカラカラは力なく腕を下ろす

目から涙が溢れ落ちる

 

 

はちまん「…強くなりたい」

 

はちまん「…でも」

 

はちまん「…変わりたくない」

 

はちまん「…でも」

 

はちまん「…大切なものの為に強くなりたい」

 

はちまん「…でも」

 

はちまん「…大切なものの為に変わりたくない」

 

はちまん「…でも」

 

はちまん「…大好きな人を守る為に強くなりたい」

 

はちまん「…でも」

 

はちまん「…大好きな人と一緒にいたいから変わりたくない」

 

はちまん「…でも」

 

はちまん「…それでも」

 

 

はちまん「…強くなるには変わるしかない」

 

はちまん「…変わらなければ強くなれない」

 

 

俺も

カラカラも

どうしようもない

どうする事も出来ない気持ちに押し潰されそうになる

 

はちまん「…強くなりたい」

 

はちまん「…変わりたくない」

 

はちまん「…強くなれない変わらない」

 

はちまん「…強くなりたい変わりたくない強くなりたい変わりたくない強くなりたい変わりたくない強くなりたい変わりたくない強くなりたい変わりたくない強くなりたい変わりたくない強くなりたい変わりたくない強くなりたい変わりたくない強くなりたい変わりたくない強くなりたい変わりたくない強くなりたい変わりたくない強くなりたい変わりたくない強くなりたい変わりたくない強くなりたい変わりたくない」

 

カラカラの気持ちは爆破しそうになっている

カラカラの小さな身体の中で

2つの気持ちがぶつかり合い

身体の震えは今まで以上のものになる

涙を流していた灰色の瞳を閉じる

頭が地面につくのではないかというほどに身体を丸める

 

それは

カラカラがその体制でいたのはどれくらいだったか

永遠に感じられる時が流れていく

今、カラカラの気持ちは伝わってこない

カラカラの中で何が起こっているのか

どうしようもない2つの気持ちの行き場がどこにもないのか

気持ちが混濁して、思うように気持ちを整理できないのか

 

だが、その永遠の時間も

カラカラの行動により動き出す

 

がしっ

 

カラカラは落としていた骨を拾う

それを強く握り締める

カラカラまだ身体を丸め、震えている

それでも力を振り絞り、骨を握り締める

 

そしてまた、カラカラの気持ちが俺に流れてくる

それはどこか吹っ切れたような

開き直ったような

 

それを感じとった俺は恐れた

吹っ切れて、開き直って

それは

その気持ちは

…まさかカラカラ…

 

だが伝わる気持ちを口に出す

認めたくない事でも

それがカラカラの気持ちであるならば

俺は受け止める

 

はちまん「…強くなりたい」

 

はちまん「…変わりたくない」

 

伝わる気持ちは今までと同じ

しかし、伝わる強さが違う

 

はちまん「…だったら」

 

はちまん「…だったら」

 

そしてカラカラは動く

自分の中の力を抑え込むように身体を丸める

そして俺はカラカラの、最後の気持ちを口に出す

 

 

はちまん「変わらないまま、強くなる」

 

 

ピカーーーー!!

 

 

カラカラの身体が光りだす

その光の強さに俺も、アミーやシオンも、周りを取り囲む人達を顔をそらす

 

この光…

ゴルバットが進化した時と同じ…

 

いや、違う…?

 

どこか光が鈍く、歪んでいる

進化とは違う…?

 

 

カラカラ「カラアアアアアァァァァァァ!!!!」

 

ピカァァァーー!!

 

 

カラカラの大きな叫びと共にカラカラを包む光は強くなる

目を開けていられない

 

はちまん「ぐっ、カラカラ…」

 

光はさらに強くなっていく

俺は腕で顔を塞ぐ

 

空気が変わった

吹く風がカラカラに集まっていく

 

そして

 

しゅーーん…

 

光の強さが収まっていく

目を開けられるようになる

風が止む

 

俺は目を開け、カラカラのいた場所を見る

そこには

 

 

 

カラカラ「………」

 

 

頭の被り物が金属光沢のある灰色になった

カラカラの姿があった

 

 

 




次回 カラカラの変化、その正体が明らかに!

ご都合主義が嫌いな方は要注意です


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

103話 オリオリ!気合い進化!

今回オリジナルの進化が出ます
これの説明は次回でいたします



カラカラは変わっていた

見た目が変わっていた

 

カラカラ「……」

 

頭の被り物が灰色になり

その被り物には金属光沢がある

 

辺りは静まり返っている

俺も

アミーもシオンも

周りを取り囲む人達も

そのカラカラの変化に驚きを隠せず

言葉を発することができない

 

いや、あれは変化なのか?

カラカラの進化なのか?

しかしカラカラの進化形はガラガラのはず

だが今のカラカラは頭の被り物が変わって見えるだけで

身体のどこも変わっていない

大きさも元のカラカラのままだ

 

空気が止まり

風が止み

何の音も聞こえない

その時間と空間

 

だがそれもカラカラによって打ち消される

 

 

カラカラ「カラァァーーーー!!!」

 

 

ドーーン!!

 

ゴオオオ!

 

 

はちまん「なっ!?くっ……」

 

カラカラの咆哮と共に爆発的な振動が起こり

風がカラカラからその周りへと勢いよく吹き出してくる

そのとてつもない衝撃と風の強さで立っているのがやっとだ

周りにいる人の何人かも倒れてしまった

まるで台風のように爆発力のあるその現象はすぐに収まった

そして

 

カラカラ「カラ…」

 

カラカラは前を見据える

そこにいるのは驚いた顔のアミーとそのポケモンのモンジャラ

 

アミー「な、な、何…それ…?」

 

アミーはカラカラの変化を信じられないようだ

自分の知らない変化

それが目の前で起こり戸惑っている

 

それは俺も同じだ

俺もカラカラの変化に戸惑っている

何だこれは…

戦闘中に進化した?

…まさかメガ進化か?

だがカラカラのメガ進化なんて聞いた事がない

じゃあ別の進化…?

別の進化って何だ?

そんなものが存在するのか?

 

ピー

 

混乱しているとバッグに入っているポケモン図鑑から音が鳴った

まさかこの変化が何かわかるのか?

俺はポケモン図鑑を取り出し、開く

そこにはカラカラのステータスが表示されていた

だがいつも見ていたものとは違っている

 

[カラカラ]きあいしんかしたすがた

レベル 37

 

こどくポケモン

じめん/はがねタイプ

とくせい きあいじゅうぶん

せいかく ゆうかん

こせい かんがえごとがおおい

 

持ち物 ふといほね

 

<覚えている技>

・アイアンボーン

・ホネブーメラン

・かわらわり

 

 

な、何だコレ…

色々疑問点がある

先ずタイプがじめんタイプだけでなくはがねタイプまである

 

とくせいも変わっている

『いしあたま』だったはずが『きあいじゅうぶん』と言う得体の知れないものになっている

 

それと技

『アイアンヘッド』がなくなり、代わりに見たことのない『アイアンボーン』と言う技を覚えていた

それに技の数が3つに減っている

 

そして極めつけは名前の横にある文字

『きあいしんかしたすがた』?

何だよそれ

まさかカラカラのこの変化は『きあいしんか』と言うのか?

その『きあいしんか』のせいでステータスもこんなに変わってしまったのか?

 

はちまん「お、おいカラカラ…」

 

俺は訳がわからなくなり、カラカラに聞いた

だがカラカラは相手を見つめたまま動かない

その背中から伝わるものは…

 

はちまん「…自分を信じて戦えって?」

 

……

俺はこの変化がどういうものかはわからない

だがカラカラが伝えてくれる今の気持ち

その気持ちからわかる事

それは

 

変わらない

だけど強い

 

強くて変わらない

その進化は

それは俺のためにしてくれた変化なのか

 

はちまん「わかった、カラカラ。お前を信じる」

カラカラ「カラ」こくん

 

 

俺はカラカラの変化を受け入れる

 

カラカラのために

 

 

アミー「…何がなんだかわからない状況だけど、それで勝負するって言うのね?」

はちまん「まあ俺もよくわかってないけど、そうだ」

アミー「なら、私は戦うだけよ。セキチクシティを守るために」

はちまん「…別に俺達侵略者じゃないんだけど。どっちかっていうとお客様だよ」

 

アミー「私はこの街を守りたいのよ。カントー地方何て大きなものではなく、セキチクシティを守りたいの」

 

そのアミーの言葉に周りの人間は様々な表情を浮かべる

期待している顔

不安な表情

感銘を受けている顔

顔を伏せる者

 

アミー「私をこの街から引き離そうとするアンタ達は、私にとって有害な存在なの。だから私がその勝負に勝ったら大人しくこの街から出て行って」

はちまん「…ま、勝ったら考えてやる」

 

さて、前置きはこのくらいでいいか

 

カラカラ「……」

 

カラカラはこの話しの間にもずっと相手のモンジャラを見据えている

その背中からは今コイツにどんな指示を出せばいいかが伝わってくる

まるで俺が指示されているようだ

カラカラ、その進化がどんなものか教えてもらうぞ

この戦いの中で

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん カラカラ

 

VS

 

アミー モンジャラ

 

 

23ターン

 

はちまん「カラカラ、アイアンボーン!」

アミー「モンジャラ、ギガドレイン!」

 

モンジャラ「!」すぽぽぽーん

カラカラ「…!」

 

 

カラカラは効果抜群であるはずのくさタイプの技を受けてもそれほどダメージを受けているようには見えない

やはり本当に新しくはがねタイプが追加されたのだろう

そして見たことのない新しい技『アイアンボーン』

 

カラカラ「…」シャッ、シャッ

 

 

カラカラは持っている骨を頭の被り物にこする

あの灰色になった被り物

金属光沢がある事から金属になっているのか?

もしそうだとして

その金属に武器である骨をこするという事は

研磨しているのか?

 

 

カラカラ「カラ!!」バシッ

モンジャラ「…!」

 

 

カラカラは研いだ骨でモンジャラを攻撃する

モンジャラの受けた反応からして効果抜群でもいまひとつでもないようだ

だが

 

モンジャラ「…!」ふらふら

 

 

はちまん「な…!?」

アミー「え…!?」

 

なんと一撃でモンジャラを瀕死寸前まで追い込んだ

う、嘘だろ…?

モンジャラって防御力が高いポケモンだったはず

それを一撃で瀕死寸前に…?

それだけこの進化でカラカラの攻撃力が上がったのか

しかしカラカラの技はまだ終わっていなかった

 

 

カラカラ「カラ」キラーン

 

 

カラカラがモンジャラを攻撃した後

骨を掲げる

その骨は頭の被り物で研がれて、削られた破片がついているためかキラキラして見える

あれに何か意味があるのか?

そして次のターンへ移る前

 

カラカラ「カラ」

 

カラカラよりまた同じ技を使えと伝えられる

でもアミーはモンジャラを回復してくると思うんだが

体力を全回復されたら同じ事の繰り返しなのでは?

と思ったが

 

カラカラ「カラ」

 

…信じろと

あいあい、わかりましたよ

 

 

24ターン

 

はちまん「カラカラ、アイアンボーン!」

アミー「すごいキズぐすり」

 

すごいキズぐすり

モンジャラ「〜♪」

 

 

やはり回復したきた

そしてカラカラは先程と同じく骨を研磨して

 

カラカラ「カラ!!」バシッ

モンジャラ「…!」

 

 

同じようにモンジャラを攻撃する

モンジャラは体力満タンのはずなのでまた耐えるかな

と思ったが

 

モンジャラ「…」

バタン

 

 

モンジャラはカラカラの攻撃を受け、倒れた

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん「って、ええっ!?」

アミー「え…う、うそ…!?」

 

な、何でさっきと同じ攻撃だったのに今度は倒れたんだ!?

 

カラカラ「カラ」すっ

はちまん「カラカラ…ん?」

 

カラカラは俺に骨を見せてくる

それはまた削られたからかさらにキラキラして見える

…さらに?

 

はちまん「…まさかあの技の後に攻撃力が上がったのか?」

カラカラ「カラ」こくん

はちまん「そんな事って…」

 

俺が信じられずカラカラに問い正そうとした時

 

ピカーー

 

カラカラの身体がまたもや光り出した

その光は最初の光と同じく

鈍く、歪んだ光だった

 

はちまん「くっ」

 

俺は目を閉じる

目が慣れてきたのか今度はそれほど眩しくはなかったが、その光が放出されている間はとても目を開けていられなかった

 

シューー

 

光が収まっていき

そこには

 

カラカラ「カラ!」

 

いつも通りのカラカラがいた

頭の被り物も灰色ではなく骨と同じ白い色

元の姿に戻ったって事は

あの進化は一時的なものなのか?

モンジャラを倒し、アミーとの戦闘が終わったから戻ったのか

いよいよメガ進化っぽくなってきたな

 

はちまん「なあカラカラ、それってどういう原理なんだ?」

カラカラ「カラ」

はちまん「…??進化しようとした時に進化したくないと思ってたらああなってた?」

カラカラ「カラ?」

はちまん「いや俺は何もしてないから関係ないと思うが」

カラカラ「カラ…?」

はちまん「そうなるとどうやってなったのかわからないって、結構いい加減だな」

 

カラカラ「カラ!カラ!」

 

はちまん「え…!?」///

カラカラ「カラ」こくん

はちまん「い、いやそのそんな事を言われてもどう返事すればいいか…」///

カラカラ「カラァ?」

はちまん「うるせえ!ほっとけ!」

 

 

 

 

アミー「……何を話しているのかさっぱりわからないけど…私の事忘れてない?」

 

シオン「………………………わたしも」

 




次回は今回出た『気合い進化』について説明します

話しの続きは次々回です


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

オリジナル進化系統 気合い進化

はじめに

 

ここでは前回でたカラカラの進化

オリジナル進化系統『気合い進化』について説明します

 

このオリジナル進化に不満がある方

いきなりこんな都合の良いものを作った作者に不満を持った方

申し訳ございません

 

この進化を思いついたのは最近の事でして

ゲームをしながら、ピカチュウやホルビー可愛いなー

と考えているとふと疑問に思ったのです

 

ポケモンは皆が皆

進化したがっているのかと

 

進化してしまえば元の姿には2度と戻れません

恐らく進化とはポケモンの成長です

人間で例えると子供から大人になる事と同じ事だと考えられます

その子供たちの中には大人になりたくない人もいるでしょう

今の時間、空間が好きだから子供のままでいたいとか

大人を見ていると色々大変そうだから子供の方が楽だとか

どうしてもこのままの自分でいたいと考える人もいるのでは

 

そしてそれはポケモンにも当てはまるのではないのでしょうか

確かに進化すれば強くなれます

でもそれをポケモンが望んでいるかどうかは、当然ゲームの中の話しなので私達にはわかりません

しかしポケモンの世界が現実であったならばどうでしょう

人間と同じように

中には進化したくないポケモンもいるのではないでしょうか

 

ポケモンの世界が舞台となっているアニメでは

ポッチャマが進化したくない、このままの姿でいたいと『がまん』を使ってまで自分自身の進化を止めていました

 

 

しかし現実は非情

強くならなくてはいけない

その事を周りが、そして自分が望んだ時

『進化したくない』と言うその思いは通用するのか

どうしても強くなりたい気持ち

どうしても進化したくない気持ち

 

気持ちと気持ちがぶつかり合った時

そのポケモンの中で何が起こるのか

この『気合い進化』はそんな疑問から生まれた進化です

 

 

そしてもう一つ

『進化したくない気持ち、強くなりたい気持ち』と『気合い進化』と言う名前にどんな関係があるのかですが

それは『気もちと気もちのぶつかり合いによってうまれたもの』です

漢字に注目して下さい

シャレです

 

 

納得のいかない方、この作品ではこのような進化を取り扱います

不満がある方はご指摘ください

 

では説明に入ります

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

オリジナル進化系統『気合い進化』

○気合い進化とは

 

説明

 

・進化前のポケモンの中で、変わりたくない気持ちと強くなりたい気持ちがぶつかり合い、その気持ちが暴走した事により生まれた。進化前でも進化後でもない、どっちつかずの中途半端な進化系

言うなれば『進化中』

その為『しんかのきせき』の効果はある

 

 

・『気合い進化』は戦闘中の一時的に出来るものである。戦闘が終われば元の姿に戻る

 

 

・この進化をすると『こうげき』『ぼうぎょ』『とくこう』『とくぼう』『すばやさ』の能力の内、1番目と2番目に高い能力が6段階上昇する。代わりに1番低い能力が6段階低下する

 

 

・タイプが変わる場合がある

 

 

・とくせいが『きあいじゅうぶん』に固定される

効果

全ての技が急所に当たる

『きあいパンチ』や『きあいだま』の威力が2倍になる

相手が『おまじない』状態だと急所に当たらない

とくせい『トレース』や技『スキルスワップ』の効果はなし

とくせいを変える技『シンプルビーム』などを受けると元の姿に戻る

 

 

・この進化をする為には『きあいしんか』という技を使う必要がある

効果はターンの最初に気合いを溜め、ターン終了時に進化するというもの。ただし、技『きあいパンチ』と同じように途中で攻撃を受けると進化出来なくなる

この技を覚えていると進化出来ない

※だだし、道具『きあいのハチマキ』や『きあいのタスキ』を持たせていると必ず進化出来る

 

 

・『きあいしんか』は通常のレベルアップで覚える事はなく、覚える条件は以下の通り

1、『きあいだめ』を覚えている

2、進化前のポケモンである

3、レベルが進化レベルを超えている

これら全ての条件を満たし、尚且つそのポケモンが進化を受け入れられず、それでも強くなりたいという思いが強くなければ覚えない

覚える時になると『きあいだめ』が『きあいしんか』に変わる

 

 

・『気合い進化』を成し遂げると、自身の体力が全回復し、その時受けていた状態異常も回復する

『リフレクター』などの壁や、『ステルスロック』などの設置技も進化した瞬間に放出される気合いで消し飛ばす

ただし天候、ちかい、フィールド、ルームは変えられない

※『ねをはる』と『じゅうりょく』の効果は消す事が出来ない

※『ファストガード』や『たたみがえし』などガード系の効果は消す事が出来ない

 

 

・『気合い進化』により覚えている技が変わる

変化する技は『気合い進化』したポケモンの思入れがある技が対象になる

思入れのある技が2つ以上あると、変化する技が2つになる

 

 

・『気合い進化』した時、変化した技も含めて技が3つに限定される

これはこの進化をした瞬間に『きあいしんか』が技の中から消えてしまうからである

 

 

・戦闘中に一度『気合い進化』してしまうと戦闘が終わるまで意図的に変身を解く事は不可能

ボールに戻しても戻らない

ただし『シンプルビーム』『いえき』『コアパニッシャー』『なかまづくり』『なやみのたね』でとくせいを変えると戻す事が可能

 

 

・戦闘中、何らかの方法で元に戻った場合、もう一度『気合い進化』し直す事が可能

進化を行う為の『きあいしんか』発動条件は同じ

とくせいを変えられて戻った場合、もう一度進化するととくせいが『きあいじゅうぶん』に戻る

 

 

・進化後の姿は大きく変わるものやあまり変わらないもの、身体の一部のみが変化するものなどポケモンによってその変化は変わる

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

気合い進化したカラカラ

 

初めて気合い進化したアミー戦時のステータス

 

[カラカラ]きあいしんかしたすがた

レベル 37

 

こどくポケモン

じめん/はがねタイプ

とくせい きあいじゅうぶん

せいかく ゆうかん

こせい かんがえごとがおおい

 

持ち物 ふといほね

 

<覚えている技>

・アイアンボーン

・ホネブーメラン

・かわらわり

 

説明

自分の強くなりたい気持ちと、進化したくないと言う気持ちがカラカラの中でぶつかり合い、暴走

その結果に中途半端な進化を成し遂げてしまった姿

この進化は一時的なもの

カラカラはこの時、気合いに満ち溢れている

見た目は頭の被り物が鋼製になり、カラカラの目と同じ灰色になった

能力は『こうげき』と『ぼうぎょ』が6段階上がり

『すばやさ』が6段階下がった

 

この進化による戦闘への影響

じめんタイプにはがねタイプが加わった事により弱点が1つ増えた

技が3つに減った

新技『アイアンボーン』を使うためには『アイアンヘッド』を忘れさせる事が出来なくなった

攻撃と防御が格段に上がったが素早さが減少した

特防はそのままなのでほのおタイプやみずタイプの特殊技を受けると倒される

 

 

技の説明

『アイアンボーン』

はがねタイプの技

威力は『アイアンヘッド』と同じ 80

鋼となった被り物で持っている骨を研ぎ澄まし相手を攻撃

技終了後、骨を研ぎ澄ませた事により攻撃力が一段階上昇する

命中率は『アイアンヘッド』と同じ 100

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

以上がオリジナル進化系統の『きあいしんか』の説明です

 

よくわからない、気合い進化のこの辺りを説明してほしい

などのご指摘、質問等は感想欄にてお待ちしております

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

104話 さくさく!街の散策!

いつもとは違い、今回からは台詞と台詞の間を1行空けていきます

特に理由はないですが
こっちの方が今までのより読みやすいかなーと思ったので




#18番道路

 

ピピー

 

カラカラにこっぱずかしい台詞を言われているとポケモン図鑑が鳴りだした

何だ何だと開けてみるとカラカラのステータスが表示されていた

 

[カラカラ]

 

じめんタイプ

とくせい いしあたま

 

<覚えている技>

・アイアンヘッド

・ホネブーメラン

・かわらわり

・きあいしんか

 

 

タイプやとくせいが元に戻っていた

技のところも

『アイアンボーン』から『アイアンヘッド』に戻っている

だが問題は

 

『きあいしんか』という技が増えている事

 

その技が増えている代わりに『きあいだめ』がなくなっている

もしかして『きあいだめ』が『きあいしんか』というものになったのか

そしてこの『きあいしんか』という技

名前から察するにカラカラがなっていた進化と関係があるようだ

恐らくこの技を使うとカラカラがあの進化になるんだろう

 

はちまん「…えーと、技やタイプが変わったり戻ったり…カラカラこれでいいのか?」

 

カラカラ「カラ」

 

はちまん「でもそれじゃあお前が…」

 

カラカラ「カラ!」

 

はちまん「…はぁ、わかったよ。お前がそこまで言うならもうなにも言わんよ」

 

カラカラ「カラ」こくん

 

コイツの覚悟がそれほどのものとはな

それだけ強くなりたかったのだろう

自分や…俺の為に

ははっ、可愛いやつめ

 

はちまん「カラカラ、疲れているだろうしボールに戻ってるか?」

 

カラカラ「カラ」

 

はちまん「大丈夫だよ。アミーからは敵意を感じないし」

 

カラカラ「カラ」こくん

 

はちまん「お疲れさん、後ありがとなカラカラ」

 

カラカラ「カラ!」

 

 

 

 

アミー「ねぇシオン、さっきからアイツ何してんの?」

 

シオン「………………………かいわ」

 

アミー「え、ポケモンと意思疎通が出来てるの?」

 

シオン「………………………そうみたい」

 

アミー「…アイツって色々人間離れしてない?」

 

シオン「………………………ぎゃく」

 

アミー「逆?」

 

シオン「………………………はちがいちばんにんげんくさい」

 

アミー「ほー?なるほどね、それでアンタもアイツにくっついて回っているわけね」

 

シオン「………………………どういういみ?」

 

アミー「アンタ結構寂しがり屋なところがあるのよ。ポケモンと一緒にいても周りに人がいないと寂しそうな顔をしてる時が偶にあるじゃない。アンタってきっと人間が、いえ特定の人間が好きなのね」

 

シオン「………………………?」

 

アミー「わからない?じゃあアイツと一緒にいた時間を数えてごらん。答えはすぐに出てくるわ」

 

シオン「………………………」

 

 

 

 

シオン「………………………はちといたじかん」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

アミー「はあ…、それにしてもまさか戦闘中に新たな力を開花させるなんてね。認めたくないけど私の負けね」

 

はちまん「いいのか?『何よそのずるっこ!?反則よ!ノーカン!』とか言わないの?」

 

アミー「…それ私のマネ?似てないし不愉快だから二度としないで。それに反則も何も戦闘中に進化してはいけないなんて決まりはないわ」

 

はちまん「と言ってもアンタのモンジャラが何もしていなかった時に起きた事なんだから戦闘外じゃないか?文句は言ってもいいと思うが」

 

アミー「あの進化は私の言葉がキッカケで起きたもの、その言葉もアンタの言う戦闘外で言ったんだからお互い様よ。文句なんて言えるはずがないわ」

 

はちまん「うーん、でもアンタにとって不測の事態が起こったんだからもう少し何かこう…言う事があるんじゃないか?」

 

アミー「何をどう言えばいいのよ。アンタとの戦いでどれだけ不則の事態が起こったと思っているの?いきなり進化したり急所に連続で当てたり、さらにはポケモンと会話しだしたり」

 

はちまん「そんなんそこら辺のトレーナーも一緒だろ」

 

アミー「アンタ見たいなのがそこら中にいたらこの世界は終わりよ。腐った目の人しかいなくなっちゃう」

 

はちまん「目かよ!」

 

そんなんで世界が終わってたまるか

てかそうなったら腐った目が人類のデフォルトにならないか?

にーちゃんもねーちゃんも腐り目になっていくんだろ?

ああ、もしかしてあれか?

みかん箱の中で1つみかんが腐ったら周りのみかんも腐るあれか

みんなで腐れば怖くない

でもそうなると戸塚も腐り目に…?

本当だ、世界の終わりだ

 

はちまん「で?俺が勝ったって事でいいなら俺とシオンはどうすればいいんだ?」

 

アミー「仕方ないけど勝負だからね。街の中に通してあげる」

 

はちまん「だとよ、一時はどうなる事かと思ったがやったなシオン」

 

シオン「………………………」

 

はちまん「…シオン?」

 

シオン「………………………そだね」

 

はちまん「?」

 

アミー「やれやれ」

 

シオンが何かそっけない

どうしたんだろ

あ、一昨日タマムシシティのゲーセン行った後にポッキー買ってやるの忘れてた

それか

よし、セキチクシティにポッキーがあるか探してみよう

 

アミー「あ、シオン。街の中には入れてあげるけど、私は帰るつもりないからね」

 

シオン「………………………わかった」

 

はちまん「っておいおいさらっと流していいのかよ。ここで帰れって言わなかったらいつ言える機会があるかわからないぞ?」

 

シオン「………………………だいじょうぶ」

 

はちまん「その根拠は?」

 

シオン「………………………あみーさんはこのまちがすき」

 

シオン「………………………だからこのまちにいればいつでもあえる」

 

はちまん「相手の居場所がわかっていると探す手間が少なくなるか。はは、まるで迷子の猫の散歩ルートを辿ってるみたいだな」

 

アミー「誰が迷子よ」

 

はちまん「…ん?猫?」

 

頭の中で猫と言う単語が引っかかる

猫…ネコ……ネッコアラ

ネッコアラ?

ネッコアラ…ねる…すいみん

ゴルバット…吸血鬼演出…

女子に不評…

はっ!雪乃だ!

 

はちまん「シオン、アミーを連れて帰る交渉はアイツらにあの情報を聞いてからでいいか?」

 

シオン「………………………もとからそのつもり」

 

はちまん「そうか。アミー、俺達はセキチクシティに入ってもいいんだな?」

 

アミー「ええ、アンタらが何を企んでいるか知らないけど勝負だからね」

 

はちまん「ならもう俺達はアンタに用がないから通らせてもらうぞ」

 

アミー「わかったわよ。みんな避けてあげて」

 

アミーは入り口を塞いでいた人達に道を開けさせた

道を開ける際、俺に様々な視線を向けてきた

信じられないものを見るような視線に恐ろしいものを見るような視線

それはカラカラの『気合い進化』を見たこの人達の感情を表している

やはりこの辺りでは『気合い進化』なるものは存在しないのだろうか

そんな事を考えているうちに街の入り口までの道が開かれた

 

アミー「ほら、通っていいわよ」

 

はちまん「あいよ、行こうかシオン」

 

シオン「………………………うん」

 

はちまん「じゃあなアミー」

 

シオン「………………………あみーさん、またあとで」

 

 

アミー「はいはい、その内しっかりと諦めさせてあげるわよ」

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#セキチクシティ

 

セキチクシティ

大通り以外は整備されているようには見えず

自然の中にそのまま街を作ったような街

段差や山があり街全体がデコボコしている

行き止まりも多いようだ

北には大きな建物

南には海が見える

 

もし雪乃達がこの街にいるとしたら1番いそうな場所

そしてポケモン達の回復の為に

俺達は先ずポケモンセンターを探す事にした

 

はちまん「シオン、ポケモンセンターがどこにあるのかわかるか?」

 

シオン「………………………わかんない」ふるふる

 

はちまん「うーん、適当に歩いてみるか」

 

またポケモントレーナーにエンカウントしないように祈りながら街の中を散策する

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

散策結果その1

 

シオン「………………………ここは」

 

はちまん「フレンドリィショップだな」

 

最初に見つけたのはショップだった

そういやアミーと戦った時に消費したっけ

 

はちまん「シオン、ちょっとここで待っていてくれるか?」

 

シオン「………………………ん、いってらっしゃい」

 

はちまん「すぐ戻る」

 

シオンをおいて店に入る

 

ウイーン

 

店員さん「いらっしゃいませー」

 

いいキズぐすり、げんきのかけら、なんでもなおしを10個ずつ買い

後ポッキーを1個買う

残りの所持金はタマムシジムでもらった賞金(昨日確認した)も合わせて6317150円

 

なんでもなおしとは

あらゆる状態異常を治す道具で

治せるのは

『どく』『まひ』『ねむり』『やけど』『こおり』『こんらん』『メロメロ』

一応言っておくが人間の薬ではありません

『厨二病』『高二病』『ニート』『コミュ障』などの難病は治せないのであしからず

 

店員さん「ありがとうございましたー!」

 

ウイーン

 

シオン「………………………おかえり」

 

はちまん「ただいま。ほれポッキー」

 

シオン「………………………ぽっきー?」

 

はちまん「あれ?欲しかったんじゃないの?」

 

シオン「………………………?」

 

はちまん「?」

 

互いに首をかしげる

 

はちまん「ま、いいや。あげる」

 

シオン「………………………でも」

 

はちまん「いいから」

 

シオン「………………………うーん」

 

シオンは少し悩むと

 

シオン「………………………じゃあ」

 

ポッキーを受け取る

箱を開けて2つあるポッキーの入った袋を取り出す

 

シオン「………………………もってて」

 

はちまん「…?わかった」

 

言われる通りに箱を持つ

シオンは箱を持たせると袋を開けていき

ポッキーを1本取り出す

 

シオン「………………………はち、あげる」

 

はちまん「え?いや俺は別に」

 

シオン「………………………いいから」

 

はちまん「…はは、ありがとな」

 

俺はそれを受け取り、チョコの部分を咥える

甘くて冷たい

シオンも1本取り出し咥える

 

ぽりぽり

 

はちまん「ん、うまい」

 

シオン「………………………」ちら

 

ぽりぽり

 

シオン「………………………ん、うまい」

 

 

はちまん「…シオン?」

 

シオン「………………………む?」もぐもぐ

 

はちまん「…いや何でもない」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

散策結果その2

 

シオン「………………………さふぁり?」

 

はちまん「サファリパーク。この街の目玉だな」

 

街の北にある大きな建物についた

名前はサファリパーク

ここでは色んなポケモンがゲットできる

通常の捕獲戦をせず

専用のボールのみで捕まえるのがここの決まり

簡単に言えばノーダメージのポケモンを捕まえるという事

さらに利用するには確か500円を取られたはず

だがそれらのデメリットを差し引いても得られるものは大きい

大切な事なのでもう1度言う、得られるものは大きい

 

その得られるものとは強いポケモンだ

攻撃力の高いポケモン

体力が異様に高いポケモン

ドラゴンタイプのポケモン

エスパータイプのポケモン

これらのポケモンを捕まえるだけでゲームがイージーモードになる

特に牛

しかし育成は必須なのでご注意

特に龍

 

はちまん「でも今はここに用はないかな」

 

今は雪乃達を探すのが先決

後で必ず来る事になるだろうから道はしっかりと覚えておこう

 

はちまん「ここがこの街の1番北で、周りには動物園見たいにポケモンが公開されながら飼育されていると。よし覚えた」

 

シオン「………………………それじゃあ、みなみにいく?」

 

はちまん「そうだな」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

散策結果その3

 

街の南

海が見える方へ進み、街の南端であろうところにつくとそこには見覚えのある建物

 

はちまん「これは…釣堀?」

 

なんとクチバシティにもあった釣堀を発見した

海がある街には全て釣堀が設けられているのだろうか

 

はちまん「んー、ここにも特に用はないな。少し西に行ってみるか」

 

シオン「………………………うん」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

散策結果その4

 

はちまん「お、やっと見つけた」

 

釣堀から西へ行くと赤い看板が目印のポケモンセンターを見つけた

しかし

 

シオン「………………………すこしたかい」

 

今いる所とポケモンセンターがある所は高低差があり

ここから行くには俺の身体よりも少し高い段差を登る必要がある

手を伸ばしたりジャンプしても届きそうにない

さてどうするか

 

はちまん「あ、じゃあこうしよう」

 

シオン「………………………ん?」

 

はちまん「先ず俺がシオンを担いで登らせる」

 

シオン「………………………はちは?」

 

はちまん「俺のゴルバットを預けるからお前はゴルバットをポケモンセンターで回復させて俺に返してくれ。そしたらゴルバットに俺ごと飛び越えてもらう」

 

シオン「………………………てまがかからない?」

 

はちまん「そうか?あ、それと他のポケモン達も一緒に回復させてくれないか?いつまでもこのままは可愛いそう…げふんげふん、このままだと何かあった時に困るからな」

 

シオン「………………………ふふ、わかった」

 

はちまん「じゃ、担ぐぞ」

 

それから計画通りにポケモン達の入ったボールをシオンに預け

肩車で段差に登らせた

…シオンを肩車した時の事を詳しく?

いやわかるでしょ?

ハーメルンをご愛用してくださっている皆様なら言わなくてもわかるでしょ?

まあ言うんだけどね

 

肩車するために最初は抱き上げて肩に乗せようとした

テレビでお父さんが子供によくやっているやつだ

シオンの小さな身体にあい反せず軽々と持ち上げられたのだが

いかんせん俺とシオンの身長の問題で

シオンを肩に乗せるには腕の長さが足りず

上体を少し前に倒して乗せやすい体制をしても

ぽふっと

顔にシオンのお尻が…あ、やべ言わんとこ

 

抱き上げるのは困難となり

俺がしゃがんでシオンが背中側から乗る作戦に

最初俺がしゃがんだ瞬間

俺の前側から乗ろうとしたシオンに驚いたが

シオンが片足をしゃがんでいる俺の肩に乗せ

そこから一生懸命もう片方の足を乗せようと頑張っていたが

もちろんそれでは乗る事が出来ず

むにゅっと

顔にシオンの…あ、やべ言わんとこ

 

前から行くのは諦めてもらって

背中側から乗ってもらうとスムーズに肩車できた

プニッと

肩にシオンの柔らかい太ももが…あ、やべ言わんとこ

 

シークレットが沢山の詳細もほどほどに

俺が段差に近づき、シオンが肩車かれたまま段差の端を掴む

そのまま段差の上に登る

 

はちまん「シオンー大丈夫かー?」

 

シオン「………………………おっけい」

 

段差の上からシオンが顔を見せる

無事に登れたようだ

 

はちまん「それじゃあポケモン達を回復して、俺の所まで戻って来てくれ」

 

シオン「………………………ん」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

シオン「………………………はち」

 

はちまん「お、戻って来たか」

 

しばらく待っているとシオンが戻って来た

 

はちまん「ポケモンは?」

 

シオン「………………………げんきになった」

 

はちまん「ならゴルバットが入ったボールだけをこっちに渡してくれ」

 

シオン「………………………ん」

 

はちまん「あ、落ちないようにな」

 

シオン「………………………わかってる」

 

シオンは段差の上から手を伸ばしてボールを渡してくる

それを受け取り、そのまま背中に持っていく

 

はちまん「出番だ、ゴルバット」

 

ポンッ!

 

ゴルバット「バーット!」バサァ

 

お約束を達成して、元気なゴルバットを繰り出す

 

はちまん「よしゴルバット、このままあの段差の上まで運んでくれ」

 

ゴルバット「バーット!」こくん

 

がしっ

 

寝床である俺の腰ではなく肩を足で掴み

ゴルバットは意気揚々と羽ばたく

 

ばさっ、ばさっ

 

身体が浮く

これがゴルバットの飛び方か

肩が引っ張られているはずなのに全然痛くない

またこの世界の謎が深まった瞬間だった

 

トンッ

 

はちまん「よっと」

 

エクセレントな着地

あっという間に上まで来れた

 

はちまん「シオン、サンキューな」

 

シオン「………………………うん」

 

俺は上で待っていてくれたシオンに礼を言って

他のポケモンを返してもらおうとした時

 

「え?」

 

前方から声が聞こえてきた

そちらを見ると

 

 

いろは「先輩?」

 

 

栗色の髪をした後輩がそこにいた

 

 

 

 

 

 

 

 

はちまん「あり、もうみつけちった」

 

いろは「は?」

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

105話 るんるん!いろはるん!

お詫び申し上げます

この話しを書いている途中で、以前の話しに必要な説明事項を書いていない事がわかりました
雪ノ下雪乃・由比ヶ浜結衣・一色いろはの服装です
何を着ているかについては初登場の時に少し説明しましたが細かい事までは説明していませんでした
この説明は初登場時以降に全くしておらず、ここまで読んでくださった方の記憶からもなくなってしまっている事でしょう
さらに雪乃達や主人公である八幡が持っているバッグの詳細については何もありませんでした
なので冒頭に雪ノ下雪乃・由比ヶ浜結衣・一色いろは服装と、この3人に八幡を加えた4人の持っているバッグについての説明を致します

本当に申し訳ありませんでした

それと今回は初のはちまん以外の視点を書いてみました
上手く出来ているといいのですが

○比企谷八幡

[バッグ]リュックサック
ファイヤーレッド・リーフグリーンの男主人公が使っていたものを想像してください
それよりも少し小さく、横幅は狭いです
色は黒です


○雪ノ下雪乃の服装

10歳相当のサイズになった総武高校の制服を着ている
制服は夏服で、上は白いポロシャツで首元のボタンを開けており、下は丈の短いスカートと黒いニーソックスを履いている

[バッグ]ボストンバッグ
ダイヤモンド・パールの女主人公が使っていたものを想像してください
色は青色です


○由比ヶ浜結衣の服装

10歳相当のサイズになった総武高校の制服を着ている
制服は夏服で、上は白いポロシャツで首元と胸元のボタンを開けており、下は丈の短いスカート
雪ノ下雪乃や一色いろはと比べると服のサイズが大きいですが、その理由はご想像にお任せします

[バッグ]肩掛け式のバッグ
ハートゴールド・ソウルシルバーの女主人公が使っていたものを想像してください
色は赤色です


○一色いろはの服装

9〜10歳相当のサイズになった総武高校の制服を着ている
制服は夏服で、上は白いポロシャツで首元のボタンを開けており、下は丈の短いスカート
首元には星型のネックレスをつけている(イニシャルHから貰った)
※物語の中では触れません

[バッグ]斜めがけのショルダーバッグ
ブラック・ホワイトの女主人公が使っていたものを想像してください
色は黄色です


以上で至らなかった説明を終わらせていただきます
では本編です


#セキチクシティポケモンセンター前

 

いろは「せんぱいっ!やっと私達に追いついたんですね!」

 

ポケモンセンターの前で後輩の一色いろはと再会した

街に入ってあっという間に見つけてしまったな

もう少し時間がかかると思ったんだが

 

はちまん「おう、そうだな」

 

いろは「反応薄!?なんなんですかー!感動の再会だっていうのにー!」

 

はちまん「そうか、よかったな」

 

いろは「だから反応薄いですって!こうして可愛い後輩と久しぶりに会えたんですからもっとリアクションしてくださいよ!」

 

はちまん「…後輩と…久しぶりに…リアクション…?」

 

いろは「あ、ごめんなさい私が悪かったです。そういう機会がない…全くない先輩には酷でしたね」

 

はちまん「うるせぇ」

 

いろは「いやーそれにしてもすごい久しぶりですよねー。先輩と別行動になったのが…えっと…いつでしたっけ?」

 

はちまん「さあ、覚えてないな。雪乃ならわかるんじゃないか?」

 

いろは「そーですね!役立たずの先輩より雪乃先輩の方がいいです!」

 

はちまん「おい、その通りだから言い返せないだろ」

 

いろは「あー!そうそう凄いんですよ雪乃先輩!ここに来る途中にいーっぱいトレーナーの人と出会って戦いを挑まれたんですけど、そのほとんどを雪乃先輩がやっつけちゃったんですよ!」

 

はちまん「ふーん、ん?」

 

いろは「どうかしました?ついに私の可愛いさに気づいてしまいましたか?」

 

はちまん「お前って雪乃の事を『雪乃先輩』て呼んでたっけ?確かお前は『雪ノ下先輩』って呼んでたような」

 

いろは「スルーですか…。ええ、最近呼び方を変えたんですよ。結衣先輩は結衣先輩なのに雪乃先輩だけ雪ノ下先輩なのはおかしいかなーと思いまして」

 

はちまん「あ、そう」

 

いろは「その反応は先輩から聞いてきたのにひどくないですか!?」

 

はちまん「で、その雪乃と結衣はどこにいるんだ?ポケモンセンターの中か?」

 

いろは「スルー…。いえ先輩方は買い物に行きました。私はお留守番です」

 

はちまん「いつ頃帰って来るかわかるか?」

 

いろは「んーと買い物に行ったのが朝方で今がお昼前くらいですからそろそろ帰って来ると思いますよ」

 

はちまん「そうか、ならポケモンセンターの中で待ってるか。シオンはどうする?」

 

いろはと会話している間にずっと黙っていたシオンに尋ねる

 

シオン「………………………いっしょにまつ」

 

はちまん「そっか、じゃあ中に入るか」

 

シオン「………………………そのまえにぽけもん」

 

はちまん「お、悪いな」

 

シオンからポケモン達を返してもらう

カラカラ、ロコン、カビゴン

それと背中で寝ているゴルバット

段差の上に飛び上がった時は起きていたが

いろはと話している内に足で腰をがしりと掴んで寝ていた

 

いろは「先輩先輩」

 

はちまん「なんだ、いろは」

 

いろは「その紫色のドレスを着た可愛い女の子は誰ですか?はっ!?ま、まさか先輩…誘拐…」

 

はちまん「違うわ!コイツは…ちょっと待て、この説明はお前にした後にもう1度雪乃と結衣にも説明しなくちゃいけないよな?」

 

いろは「…2度も同じ説明をしたくないから雪乃先輩と結衣先輩が帰って来た時に一緒に説明したいと」

 

はちまん「そうそう」

 

いろは「はぁ…、3日経ったら男子はなんたらかんたらって言いますけど先輩はいつまで経っても先輩ですね」

 

はちまん「『男子3日合わざれば刮目して見ろ』か?」

 

いろは「そう!それです!」

 

はちまん「なるほどな、お前はこのことわざ通りに3日間合わなかったくせに何も変わっていない俺が不服と言うわけか」

 

いろは「いえ、先輩が変わっていないのは嫌ではないです…それに私の知らないところでせんぱいが変わっちゃうのも…さみしいというか…ゴニョゴニョ」

 

はちまん「は?ゴニョニョがどうしたって?」

 

いろは「い、いえ何でもないです!」

 

何でもない?

ゴニョニョは何でもなくないだろ

ゴニョニョの進化系であるバグオングはノーマルタイプでシャドーボールやかみくだくを覚えるから

ホウエン地方の四天王フヨウ戦で無双できる優秀なポケモンだろ

つーか実質バグオングだけで四天王全員とチャンピオンに打点が作れる

もしホウエン地方の四天王に勝てないと思ったらこちらを参考にしてみて↓

 

ルビー・サファイアバグオング

・シャドーボール

・ばくれつパンチ

・れいとうビーム

・ハイパーボイス(火力)

 

エメラルドバグオング

・シャドーボール

・ばくれつパンチ

・れいとうビーム

・でんげきは(ミクリ戦)

 

ORASバグオング

特攻特化に育成

・シャドーボール

・きあいだま

・れいとうビームorでんげきは

・チャームボイス

 

このバグオングがいるだけで四天王戦が全然変わってくる

ただしばくれつパンチときあいだまの命中率には注意

持ち物は何でもいいが素早さが低いため『せんせいのツメ』や『オボンのみ』を持たせるといい

サポート役としてはポワルンやテッカニンがオススメ

っと話しがそれた

 

はちまん「説明はアイツら2人が帰って来たらするとして、とりあえず名前だけでも教えとく、シオンだ」

 

シオン「………………………ども」

 

いろは「シオンちゃんですね!私はいろはっていいます!よろしくね!」

 

シオン「………………………よろしく、いろ」

 

いろは「え?いろ?」

 

はちまん「あだ名、あだ名」

 

シオン「………………………いろはだから、いろ」

 

いろは「へ、へー…そうですか。あ、えっとありがとうございます」

 

はちまん「まあ、いろって微妙だよな」

 

いろは「そ、そんなことない…こともないですかね」

 

シオン「………………………いやなら、ろはにする?」

 

はちまん「ろは…ロバみたいだな」

 

いろは「誰がロバですかっ!けど確かにあだ名をつけるとしたらむずかしいですね…」

 

シオン「………………………じゃあくりいろのかみだから、くりは」

 

はちまん「ク○リンのかめ○め波を省略したみたいだな」

 

シオン「………………………じゃあ、いくり」

 

はちまん「それも何か微妙だな」

 

いろは「ちょ、ちょっとっ!何を勝手に決めているんですかっ!?」

 

はちまん「いやでも結構重要な事だろ、コレ」

 

いろは「えっ!?そ、それってせんぱいが私にあだ名をつけたいって事ですか!?」///

 

はちまん「いんや、結衣のやつが変なあだ名を付ける前にあらかじめ考えておいた方がいいだろ」

 

いろは「……そう…ですか」しゅん

 

シオン「………………………でもむずかしいね」

 

はちまん「もう最初のいろが1番いい気がする」

 

シオン「………………………はち」

 

はちまん「ん?」

 

シオン「………………………そのゆいってひとはなんてつけるとおもう?」

 

はちまん「結衣がいろはに…?」ちら

 

いろは「え?」

 

はちまん「うーん」じー

 

いろは「え、えと、せんぱい?」

 

はちまん「『いろはちゃんのあだ名?それならいろいろとかいいんじゃないかな?ほら可愛いし!』とか言うかもな」

 

いろは「か、かわいい…」///

 

シオン「………………………いろいろ?」

 

はちまん「それかいろはるん、とか?」

 

シオン「………………………あ、いろはすは?」

 

はちまん「それは前から言ってるから新鮮みがない、もっとインスピレーションが必要だ」

 

シオン「………………………いんすぴれーしょん?」

 

いろは「あの、もういいじゃないですか!いつまでも立ち話しはなんですからとにかくポケモンセンターの中に入りましょうよ!積もる話しもありますし!」

 

はちまん「積もる話しか…いろはるんといろはバス、どっちにするかはポケモンセンターの喫茶店で決めるか」

 

シオン「………………………そうだね」

 

俺とシオンはポケモンセンターに入っていく

 

いろは「待ってください!?積もる話しってそれしかないんですか!?てかいろはバスって案はどこから来たんですか!?」

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#セキチクシティポケモンセンター喫茶店

 

結衣「ただいま〜」

 

雪乃「いろはさん、今戻ったわ」

 

ポケモンセンターの喫茶店でお茶し始めて30分ほど経った頃

ピンク色の髪にお団子をのせた結衣と

黒髪ロングの雪乃が戻って来た

ちなみにこの喫茶店では飲食等の持ち込みが禁止されていたので

マッカンもといぱちマッカンは我慢してカフェオレを頼んだ

ポケモン達もなぜか立ち入り禁止になっていたのでカラカラ達はお預けをくらっている

何でだよと文句を言おうと思ったが

 

『1週間前に当店でマルマインが大爆発を起こしたため店長の心に傷ができました。傷が癒えるまではポケモンの立ち入りを禁止させていただきます。申し訳ございません。by店長の奥さん』

 

…どこからツッコめばいいのかわからない

店の中を見回してもそんな被害があるようには見えないが

もう修理された後なのだろう

店長の心以外

仕方がないので背中で寝ていたゴルバットもボールに戻した

ごめんなゴルバット

 

ゆい「あ!ヒッキー!」

 

はちまん「おう」

 

ゆきの「久しぶりね比企谷君、5日ぶりかしら」

 

はちまん「え、そんだけしか経ってねーの?」

 

シオン「………………………あ、はちとあったのもそのくらい」

 

はちまん「マジ?何か1週間ぐらいは経ってるもんだと」

 

シオン「………………………いち、に、さん、よん、ご、うんそれくらい」

 

はちまん「えーと…シオン行って…タマムシ行って…で今ここ、おおほんとだ」

 

シオン「………………………あそんでばかり」

 

はちまん「そんな事ないだろ、俺だって大変だったし」

 

シオン「………………………たとえば、なにしたの?」

 

はちまん「えーと、寝て食べて遊んでまた遊んで買い物行って宴会して…それから…あれ?」

 

シオン「………………………ほら」

 

はちまん「いや待て、結論を出すのは早計だ。あ、あれだゲーセンで戦ったしジム戦だって」

 

 

ゆい「え、えと…ヒッキー?」

 

いろは「結衣先輩、無駄です」

 

ゆい「いろはちゃん、ムダって?」

 

いろは「私と話している途中もあんな感じで2人だけの世界に入って行きましたから」

 

ゆい「へー、ヒッキーにも仲のいい子が出来たんだね」

 

いろは「結衣先輩!そんなゆうちょうな事を言ってる場合ではありません!これはマズイですよ!」

 

ゆい「え?マ、マズイの?」

 

いろは「結衣先輩、ちょっと待ってください。あの先輩」

 

 

はちまん「昨日の夜はお前の着替えるタイミングが悪かっただけで…ん?何だよいろは。今コイツに…」

 

いろは「そんな事どーでもいいですからっ!シオンちゃんって何歳くらいですか?」

 

シオン「………………………はち」

 

いろは「8…やはり…」

 

ゆい「いろはちゃん?」

 

いろは「結衣先輩、それと雪乃先輩もこちらへ」

 

ゆきの「それよりも彼から不穏な言葉が…」

 

いろは「雪乃先輩、早く来てください」ぐいっ

 

ゆきの「え、ちょっと…」

 

はちまん「?」

 

シオン「………………………?」

 

 

 

☆ ☆

いろは視点

 

私は雪乃先輩と結衣先輩を引っ張って先輩から少し離れた場所まで連れていきました

雪乃先輩が何か言っていましたが今は私の見解通りだとすると危機的状況なのです

 

いろは「ここなら先輩に聞かれる事なく話せそうですね」

 

ゆい「いろはちゃん、マズイ事ってなに?」

 

いろは「結衣先輩、あの2人を見てどう思いますか?」

 

ゆい「仲がいいなーって」

 

いろは「そうです!仲がよすぎるんですよ!」

 

ゆい「…仲がいい…はっ!も、もしかしてそう言う事?」

 

いろは「はい、リード的な事です」

 

ゆきの「?」

 

結衣先輩は先輩の事に関しては鋭いですから私の真意を理解してくれたようですね

雪乃先輩はまだわかっていないようですけど話しを聞いているうちに理解してくれるでしょう

 

ゆい「で、でも相手はちっちゃい子だよ?」

 

いろは「結衣先輩甘いです。確かに私達や先輩は高校生であの子は8歳です。しかしよーく考えてください、今の私達は…」

 

ゆきの「…なるほど、そう言う事ね」

 

ゆい「今のわたし達?…あ!」

 

いろは「そうです、今の私達は先輩も含めて10歳くらいに若返っています」

 

ゆきの「精神的には5歳以上離れているけれど肉体的には2歳しか違わないと」

 

さすが雪乃先輩です、理解が早いです

しかし

 

いろは「それだけではありません。先輩と2つ年下の子、これに思い当たるものはありませんか?」

 

ゆい「ヒッキーより2つ下?それって…えっと…ヒッキーが高校2年生でそれより2つ下だから…中学生?」

 

いろは「確か先輩には妹さんがいましたよね?それも中学生の」

 

ゆきの「!!」

 

ゆい「!!」

 

私はつい最近知った事なのですが

そう、先輩には妹さんがいるのです

それも中学3年生

ちょうど2つ下の年齢です

シオンちゃんの年の差とがっちします

そして先輩の行動を見ているとわかりますが

先輩は極度のシスコン&年下に甘いです

先輩がシオンちゃんを自分の妹並みに気にかけていてもおかしくないのです

…先輩が妹さんとか関係なくただ年下が好きなら私も…えへへ

 

ゆい「い・ろ・は・ちゃん?」

 

いろは「ひっ」びくっ

 

そ、そうでしたこんな話しではありませんでしたねっ

真面目な話し今現在シオンちゃんがこの中で1番優制です

まだシオンちゃんが先輩をどう思っているかわかりません

しかしさっきまでの会話を聞いた限り、シオンちゃんは先輩に懐いています

というか先輩と似ているところも多々あります

会話が苦手なところやどことなく香るやる気のなさ

それに私達3人がいない間はあの子がずっと一緒にいたみたいですし

これは…強敵の出現ですね…

 

ゆい「で、でもシオンちゃんがどう思っているのかまだわからないし!それに…ヒッキーも…」

 

私達にはわかりません

2人がどういう関係なのか

私達がいなかったこの5日間どんな事があったのか

どんな思いがあるのか

もし先輩が…

そう考えるとすごく怖いです

 

ゆきの「そんなに気になるのなら彼に直接聞いてみたらどうかしら」

 

いろは「え、でも…」

 

ゆきの「私はどっちでもいいのだけれど、貴女達がそんな雰囲気だと私も困るのよ。とにかく私達がいない間何があったかくらいは聞かせてもらいましょう。…あの子にどんな感情があるのかは置いておくとして」

 

ゆい「そ、そうだよねっ!あの子の事以外にもヒッキーが何してたとか気になるし!わたし達もヒッキーに話したい事あるし!」

 

いろは「…ですね、少し焦ってたみたいです。よーし!それでは先輩に何があったか根ほる葉ほる聞いちゃいましょう!」

 

ゆきの「いろはさん、それは根掘り葉掘りかしら?」

 

いろは「そ、そうとも言いますね!では先輩達の元へ戻りましょう!」

 

ゆい「根ほり葉ほり?なにそれ、大根?」

 

 

 




中途半端ですが今回はここまで

次回はこのままいろは視点です


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

106話 きのきの!ゆきの女王!

いろは視点

 

#セキチクシティポケモンセンター喫茶店

 

いろは「すみませーん、お待たせしましたー」

 

私は座っていた喫茶店の席につきました

雪乃先輩と結衣先輩も各々好きなところへ座りました

ちなみに席順ですが

長机の周りに椅子が8つほどあって

 

○ ○ ○ ○

[長つくえ]

○ ○ ○ ○

 

このような配置です

上側の4つに端から私・雪乃先輩・結衣先輩と並び

私の向かいに先輩、その隣にシオンちゃんと並んで座っています

つまり先輩の隣をシオンちゃんが占領しているのです

これはやっぱり…

って、その事は後々!

今はとりあえず先輩がこの5日間に何をしていたかを聞きましょう

その中でシオンちゃんの事も聞けるでしょうし

 

はちまん「待たせたって…お前ら何の話しをしてたんだよ」

 

ゆい「ねーねーヒッキー」

 

はちまん「結衣?どうした?」

 

ゆい「根ほり葉ほりってどういう意味?大根と何か関係あるの?」

 

はちまん「…お前ら本当に何の話しをしてたんだよ」

 

はっ!

私が考え事をしている間に結衣先輩が話しをややこしくしてしまいました

それに先輩にも少し怪しまれていますし

これは早く軌道修正をしなくてはこちらの意図がバレてしまいます

 

いろは「結衣先輩の事はほっといてください、後で雪乃先輩と一緒に説明しますから」

 

ゆきの「どうして私も説明する事になっているのかしら?」

 

いろは「何言ってるんですか。結衣先輩の担当は雪乃先輩じゃないですか、いまさらですよ」

 

ゆい「わたしの担当ってなに!?」

 

ゆきの「そうね、すっかり失念していたわ」

 

ゆい「ゆきのんも何で納得してるし!?わたしがそんなに手のかかる子だと思ってるの!?」

 

いろは「はい」

 

ゆきの「ええ」

 

ゆい「なっ…」がーん

 

あ、結衣先輩が落ち込んでしまいました

少し言い過ぎましたね

後で励まさないといけないです

本当手のかかる先輩です

 

ゆきの「では先ずはお互いに自己紹介をしようかしら。私の名前はゆきの、貴女は?」

 

シオン「………………………わたし?」

 

ゆきの「ええ、貴女の名前を聞かせて欲しいわ」

 

シオン「………………………しおん」

 

ゆきの「そう、シオンと言うのね」

 

ゆい「わたしはゆいって言うの!よろしくねシオンちゃん!」

 

シオン「………………………ども」

 

おお、さすが結衣先輩

自己紹介とあらば瞬時に立ち直りました

人と繋がりを持とうとする時の行動力は人一倍ですね

こういう所は私も見習わないといけませんね

 

いろは「それでですね先輩、私達がいなかった間に何してたんですか?」

 

はちまん「何してたって聞かれても、どう話したもんか」

 

ゆい「あ、だったらまずは新しいポケモンを捕まえたとか、ポケモンが進化したとかそういう話しはどう?それなら難しい事を考えなくてもいいでしょ?」

 

いろは「おお!結衣先輩グットアイディアです!」

 

ゆい「今のうちにお互いの顔を知っておかなきゃいけないしね!」

 

いろは「ではポケモン達をボールから出せるところへ行きましょう!そこでみんなのおひろめ会です!」

 

ゆい「えっと、ここはポケモンを出したらダメだし、ちょっと狭いかな。ならこのポケモンセンターにあるバトルするところに行こうよ!あそこなら問題ないよね!」

 

いろは「はい!それではさっそくレッツゴーですっ!」

 

ゆい「ゴー!」

 

結衣先輩と共にポケモンセンターの裏手にあるバトル場へ

意気ようようと向かう私と結衣先輩を見て先輩と雪乃先輩はしょうがないと言う感じでついて来ます

その先輩の後をシオンちゃんがついて行ってます

…距離が近いと思ったのは私だけでしょうか

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#セキチクシティポケモンセンターバトル場

 

バトル場へつきました

そこはポケモンセンターの後ろにある小さな山をくりぬいて

その穴の中に作られていました

かなり暗いです

照明はあるにはありますが、それもバトル場やベンチなどの設置物の周りだけでして

それ以外のところは暗闇です

バトル場は数えて4つです

その内3つはもう利用している人がいました

残っているバトル場を使います

ベンチはバトル場を挟んで両側に2つずつあります

その内の1つにみんなの荷物を置きます

ここでポケモン達のおひろめをするのでバトル場の真ん中に集まろうというわけ、なのですが

 

はちまん「どっこいしょ」

 

この先輩はなぜベンチに座ったのでしょう

 

いろは「あの、先輩。早く真ん中に集まりましょうよ」

 

はちまん「え?俺も?」

 

いろは「…主に先輩のポケモンが見たいからここに来たんですが」

 

はちまん「でもアイツらも座ってるぞ」

 

いろは「え?」

 

周りを見ると雪乃先輩と結衣先輩が、先輩の座っているベンチのすぐ隣にあるもう一つのベンチに座って、シオンちゃんもいつのまにか先輩の隣に座っていました

 

いろは「ええ!?何で先輩方も座っているんですか!?」

 

ゆきの「その男がだらけてベンチに座るのはわかりきっていたわ。それを咎めるのも面倒だし、だったら最初から私も座っておこうかと」

 

ゆい「あはは、ヒッキーはヒッキーだからね」

 

はちまん「どういう意味だ」

 

いろは「こ、この先輩どもは…」ぷるぷる

 

先輩がだらけるのは仕方ないですが

雪乃先輩と結衣先輩も一緒になってだらけてるのはどうなんですか

ここへ何で来たのかわかってます?

 

いろは「はぁ…」

 

3対1…いえ4対1では私の意見も通りにくいです

ここは私が率先して動くしかありません

全く世話のかかる先輩達です

私はバトル場の真ん中に立ちました

 

いろは「…ん?」

 

何気なしに周りを見回すと

他のバトル場を使っている女の子がおかしな格好をしていました

歳はシオンちゃんくらいでしょうか

しかしあの服は何でしょう

浴衣のような和服をツーピースに着ています

それになぜか鼻と口を布で隠しています

詳しそうな先輩に聞いて見ましょうか

 

いろは「先輩先輩」

 

はちまん「ん?何」

 

いろは「あの子の格好ってなんていうものなんですか?」

 

私は先輩の元に戻って

その女の子の服装を先輩に聞きました

するとそれを見た先輩の顔色が変わりました

 

はちまん「…あれはまさか」

 

いろは「どうしました?」

 

はちまん「…いや可能性としては有りなのか?そうだここは…」ぶつぶつ

 

いろは「先輩?」

 

はちまん「え、あ、悪い。アイツの格好だがな、あれは忍び装束って言うやつだ」

 

いろは「しのび装束?」

 

それって忍者が着る服ですよね

テレビで見ました

壁を走ったり手裏剣を投げたり

 

いろは「でも忍者って男の人がやるものなんじゃないんですか?あの子は女の子ですよ?」

 

はちまん「いや男女共に存在すると思うぞ。元々忍者ってのは怪しまれずに情報を集めたりする職業だからな。男社会だった時代なら女が1番怪しまれにくいし、ターゲットに近づいて暗殺するのも男よりやりやすいだろうからな」

 

いろは「へー」

 

はちまん「絶対興味ないだろお前。で、ああいう女の忍者を『くノ一』っつーんだ」

 

いろは「くノ一ですか?」

 

はちまん「女って漢字をバラバラにしたらく・ノ・一に分けられるからそう言われるんだろ。詳しい事は知らん」

 

いろは「ほえー。あ、じゃあ私もくノ一になれますかね!」

 

はちまん「時代が違うし、それになってどうすんの?多分面倒くさい仕事を押しつけられるだけだぞ」

 

いろは「そーじゃないです。あのしのび装束を着てみたいんです」

 

はちまん「はあ?いや似合わんと思うぞ」

 

いろは「え!?な、何でですか!?」

 

私にそこまで魅了がないというわけでしょうか…

そんな…先輩の口から…

 

はちまん「お前はあんな暗い感じの服より、もっと明るい色の服が似合うと思う。その方がお前の性格にもぴったりだし」

 

いろは「えっ!せ、せんぱいは私にそういう服を着てもらいたいんですかっ!?」///

 

はちまん「うえ!?い、いやそういう意味じゃなくて、ただお前は明るい色が似合うってだけで…」

 

いろは「そ、それなら…明るい色の…どんな服がいいでしょう?」///

 

はちまん「どんな服って言われても…」

 

いろは「私はどんな服が似合うと思いますか?」///

 

はちまん「え、えっと、その…」

 

いろは「あ、ご、ごめんなさい!せんぱいは服とかにうといですからこんな事聞かれても困りますよね…ごめんなさい」

 

はちまん「そ、そんな事は…。えっと、パーカーは…微妙か?」

 

いろは「パーカー?それってせんぱいの着ているのと同じやつですか?」

 

はちまん「これは黒色だから明るい色とは違うだろ」

 

シオン「………………………でもきやすいよ」

 

いろは「はい?」

 

ゆきの「え?」

 

ゆい「へ?」

 

きやすい?

着やすいってどういう意味ですか?

先輩のパーカーが着やすい事なんて事を何でシオンちゃんが知っているんですか?

そんなの着ないとわからないじゃないですか

…まさか

 

ゆい「ね、ねぇシオンちゃん、そ、それってどういういみ?」

 

シオン「………………………なにが?」

 

ゆい「何でそんな事知ってるのかな、って」

 

シオン「………………………これ」

 

結衣先輩の質問にシオンちゃんは自分の小さな鞄から先輩と同じ服を取り出しました

 

ゆい「え!?な、何でシオンちゃんがヒッキーの服を持ってるの!?」

 

いろは「…はっ!そ、それはシオンちゃんが自分で買った物ですよね!?そうですよね!?」

 

 

シオン「………………………はちからもらった」

 

 

ゆい「」

 

いろは「」

 

ゆきの「…どういう事かしら、そこの逃げようとしている比企谷君」

 

はちまん「げっ」びくっ

 

私達の空気が重くなったのを危険と感じたのか

先輩はコソコソ逃げようとしていました

先輩が気配を消していたので逃げる時の初動がわかりませんでした

ナイスです、雪乃先輩

 

いろは「どーいうことですー?せーんぱい」ゴゴゴ

 

ゆい「何でシオンちゃんに服をあげたの?」ゴゴゴ

 

はちまん「そ、それはやむおえない事情があってだな」

 

いろは「自分の服を女の子にあげる事情ってなんですか!?」

 

シオン「………………………いろはるん」

 

いろは「な、なんですかシオンちゃん」

 

シオンちゃんが先程つけてくれたあだ名で呼んできました

センスは微妙ですが…

 

シオン「………………………あんしんして」

 

いろは「安心?」

 

ゆきの「何が安心出来るというのかしら」

 

 

シオン「………………………ちゃんとわたしのふくもあげたから」

 

 

いろは「」

 

ゆきの「」

 

ゆい「」

 

…言葉が出ません

安心どころか乱心してしまいそうです

私が暴れる前にゆきの女王が動きました

 

 

ゆきの「説明」

 

はちまん「…ま、待て、これは」

 

ゆきの「説明」ギロ

 

はちまん「仰せのままに」

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

はちまん「うーん、説明するにしてもどこから…」

 

先輩は腕を組んでどう説明しようか悩んでいるみたいです

私は先輩の隣に座ります

シオンちゃんと服を交換した理由

それが聞ければよかったのですが

 

先輩の話しは私の予想を遥かに超えて行きました

 

はちまん「まあ先ずはロケット団の話しからだな」

 

ヒロインズ「「「え?」」」

 

ロケット団?

どうして真っ先に関係なさそうな名前が?

ロケット団と言えばカントー地方で悪さをしている人達ですよね

旅の途中で何度か新聞をチラッと見ましたが

見出しにはいつもその集団の名前が挙がっていました

今は大人しいみたいですが

それでも見出しからロケット団の名前がなくなったのは見た事がありません

それほど危険な集団なのでしょう

先輩も何度か戦った事があるようで

話しによるとロケット団のボスとも面識があるみたいです

…正直不安です

先輩が危険な目に合わないか心配です

いやもうあってますね

高い所から落っこちて怪我を負ってしまったのですよね

…せんぱい

 

ゆい「ヒッキー?そのロケット団が関係あるの?」

 

はちまん「大元の理由はロケット団だ。ロケット団をとある場所で見つけてな、それで見間違いではないかどうかを確かめるためにシオンをパーカーに着替えさせたんだよ。何で交換したのかは知らん、シオンに聞いてくれ」

 

ゆきの「…もう服の事はいいわ。それよりも貴方、また危ない橋を渡ろうとしたのね?私達には貴方が…いえ貴方の知識が必要だと言わなかったかしら?」

 

はちまん「え、えと、それは…」

 

ゆきの「比企谷君、話して頂戴。貴方にどんな理由があろうとも受け止めるわ」

 

ゆい「ヒッキー、ちゃんと話してほしい」

 

いろは「先輩、もしかしてまた誰かのために…」

 

はちまん「…」

 

私達が問い詰めると先輩は黙ってしまいました

 

いろは「せんぱい…」

 

先輩はまた何かを背負ってしまったのでしょうか

自分が傷つくのもかえりみず

誰かのために自分を犠牲にして…

 

はちまん「…シオン」

 

シオン「………………………はち」

 

先輩は隣にいるシオンちゃんに声をかけました

小さな声で

その呼びかけに応えるシオンちゃん

もしかしてその誰かとはシオンちゃんなのでは

 

はちまん「…言っていいのか?」

 

シオン「………………………うん」

 

はちまん「…本当にいいのか?」

 

シオン「………………………いいよ」

 

はちまん「シオン…」

 

えっ…!?

先輩は泣きそうになっています

こんな先輩は見た事がありません

いつも強気に振舞おうとして

自虐ネタで自分の弱みをさらしていても

人前では泣き顔を見せようとしなかった人が

 

そこまでの事なんですか?

先輩がプライドを捨ててまで守ろうとしたものがあるんですか?

 

いろは「せ、せんぱい…」

 

もういいです

もう言わなくていいです

泣きそうになっている先輩にそう言おうとしました

しかし先輩はもうすでに言葉を出していました

 

はちまん「理由は…」

 

いろは「せんぱい…!」

 

このままでは私が先輩を傷つけてしまうかもしれない

先輩の言いたくない事を無理矢理聞いてしまったら先輩はまた傷ついてしまう

そんなのは嫌だ

すると

 

 

ゆい「ヒッキー!もういいよ!」

 

はちまん「ゆ、結衣?」

 

 

結衣先輩が先輩を止めてくれました

結衣先輩も私と同じ気持ちなんでしょう

先輩を傷つけたくないのは同じです

この話しを止めるなら今です!

 

いろは「そうです!そんなに無理して言わなくてもいいです!私達が聞いても多分難しくてわからないと思います!そうです!聞いても意味がないんです!だからもう話さなくていいですよ!ね、雪乃先輩!」

 

ゆきの「…そうね、少し厳しすぎたかしら。比企谷君、いろはさんの言う通りもうこれ以上追求しないわ」

 

はちまん「え?」

 

ゆい「ほら!ゆきのんもこう言ってるしこの話しはやめにしようよ!ここにきたのはポケモンをみんなに見せるためなんだから、こんな話ししてる時じゃないよ!」

 

いろは「その前に話し疲れたでしょうし飲み物を買いましょうよ!私が買ってきます!何がいいですか?」

 

ゆい「あ、わたしも行くよ!ゆきのんも一緒に行こ!」

 

ゆきの「ええ」

 

いろは「それじゃあ先輩とシオンちゃんは何か欲しいものはありますか?」

 

はちまん「え、えっとそれじゃあカフェオレを…」

 

シオン「………………………はちとおなじの」

 

いろは「わかりました!行きましょう結衣先輩、雪乃先輩」

 

ゆい「うん!」

 

私達は先輩とシオンちゃんを残して飲み物を買いに行きます

この間に雪乃先輩と結衣先輩とも少し話し合わなければなりませんね

この話題を触れないようにしようと

先輩を傷つけないためにも

 

 

 

 

 

☆ ☆

 

はちまん「…シオン」

 

シオン「………………………」

 

はちまん「…なんか、ただ寝坊したから怒られないためにって言えない雰囲気になってしまったんだが」

 

シオン「………………………なんでだろ」

 

はちまん「お前がこの話題について淡白すぎて、俺がシャックを受けたからだろうな。お前も自分に責任があまりないからって酷くないか?」

 

シオン「………………………いいわけのしようがなかっただけ」

 

はちまん「そっすか」

 

シオン「………………………どうする?」

 

はちまん「…このままでいっか。別に話す必要もないしな」

 

シオン「………………………だね」

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

107話 新いろはチーム!

注意、今回もいろは視点から始まります



#セキチクシティポケモンセンターバトル場

 

はちまん「…」よしよし

 

ゴルバット「バ〜ット♪」

 

カラカラ「…」ぼー

 

ロコン「…」ちょこん

 

カビゴン「ゴ〜ン…zzz」

 

私がバトル場に戻ると先輩はゴルバットちゃんを膝に乗せてその頭を撫でていました

カラカラちゃんとロコンちゃんも先輩と一緒のベンチに座っています

ハナダシティから出発した時と同じ顔ぶれです

あれから1週間ほど経ったはずなのですが

先輩は相変わらずですね

けど先輩が座っているベンチの後ろで寝ている大きなポケモンは見たことありません

先輩の新しいポケモンでしょうか

 

…なんだか視線を感じます

 

いろは「先輩」

 

はちまん「ん?」

 

いろは「頼まれてたカフェオレです」

 

はちまん「おう、サンキュ」

 

喫茶店で買ってきたので白いコーヒーカップです

持っているお盆からカップに入ったカフェオレを先輩に渡します

ここに持ってきてもいいのか心配でしたが

今喫茶店にポケモンが入らない代わりにここで飲んでいいそうです

 

先輩に近づくとその怪しい視線を強く感じました

誰かが先輩の方を見ているようです

 

いろは「はい、シオンちゃんも同じものでよかったですよね?」

 

シオン「………………………うん、ありがと」

 

シオンちゃんにもカフェオレを渡して、先輩の隣に座ります

私も先輩達と同じカフェオレです

 

こくっ

 

ん〜おいしいです〜

ハナダで飲んだものと一緒のカフェオレです

あの時は先輩と同じのを頼んで親近感を持たせる作戦でしたが

今はもうとりこです

この甘さ加減がちょうどいいんですよね〜

 

…先輩の隣に来てみたらこの視線が誰のものかわかりました

さっきのくノ一ちゃんです

チラチラこちらを見ています

私はそのくノ一ちゃんに気取られないように警戒します

どうして先輩の方を見ているのでしょう?

 

はちまん「なあ、コイツらのは買ってきてくれたのか?」

 

いろは「あ、すみません!ポケモン達のは何が好みかわからなかったので…その」

 

はちまん「そうか。ま、気にすんな。俺には秘蔵のブツがあるからな」

 

ゆい「ひぞう?なにそれ?」

 

私の後から戻ってきた結衣先輩が尋ねます

結衣先輩は雪乃先輩と一緒にポケモン達の分を買ってくれたので2人でお盆に分けて持っています

先輩方は隣のベンチに座ると私のポケモン達の分を渡してくれました

 

ゆきの「はい、いろはさんのポケモンの分よ」

 

いろは「ありがとうございます!ごめんなさい、先に飲んじゃって、それに私のポケモン達の分まで運んでもらって…」

 

ゆきの「気にしないで、これは私が自分からやると言った事なのだから。それにお礼を言うなら結衣さんにも」

 

いろは「はい!結衣先輩、ありがとうございます!」

 

ゆい「いいよ、いいよ。それよりヒッキーの分がないけど、どうするの?」

 

はちまん「ふふふ、俺にはこれがある」

 

先輩は変な笑い方をして、自分のバッグから缶飲料を取り出しました

それは先輩の近くにいるとイヤでも見なれてしまう飲み物でした

よく見ると名前が違います

 

はちまん「これはタマムシのデパートで見つけたマッカンのぱちもんだ。ぱちもんのマッカンだから俺は『ぱちマッカン』と呼んでいる。ふふふ、いいだろ」

 

ゆい「へーこの世界にもマッカンはあったんだー」

 

いろは「よく見つけましたねー。私達もそのデパートに行きましたけど全然わからなかったですよ」

 

はちまん「それは愛が足りないからだ、マッカンに対する愛がな」

 

ゆい「よくわかんないけどヒッキーそれ好きだもんね」

 

はちまん「まあな」

 

そう言って先輩はマッカン…いえぱちマッカンでしたっけ

ぱちマッカンをポケモン達に配っていきましたが

その時ゴルバットが先輩の手から離れて、背中にくっつき、寝てしまいました

ゴルバットにぱちマッカンをあげようとしていた先輩は困ってます

さらには先輩の後ろにいたおっきいポケモンも寝ていたので先輩はもっと困ることに

缶コーヒーを両手に持ってあわあわしています、可愛いです

 

…ん?

くノ一ちゃんからの視線を感じません

興味がなくなったのかな?

 

いろは「っと、そういえばどうして先輩はもうポケモン達を出しているんです?順番では私が最初ではなかったですか?」

 

はちまん「いや、どうせ俺が1番変化がないだろうから先に終わらせておこうと。…仕方ない、コイツらには起きたらやるとするか」

 

どうやら先輩は寝ているポケモン達を起こすのは忍びないようで

起きているカラカラちゃんとロコンちゃんだけにぱちマッカンをあげました

カラカラちゃんは普通に缶から飲んでいますが

ロコンちゃんはそうもいかないので

先輩がロコンちゃんを膝の上に乗せ、手を器のようにして少しずつあげていました

流石先輩のポケモン達です

甘いのが好きなんですね

 

ゆきの「確かに貴方の面子はハナダシティからほとんど変わっていないわね。あるとすれば貴方の後ろで寝ている大きなポケモンかしら」

 

はちまん「コイツはお前らと別れてすぐに12番道路で捕まえたカビゴンだ」

 

ゆい「へー大きいねー。ほかにはいないの?」

 

はちまん「ああ、今の手持ちはコイツらだけだ」

 

ふーむ、4匹だけなんですか

私達3人はもう6匹集まってますけど

先輩ってあまり群れるのを嫌いますからね

ポケモンを捕まえるのに少し抵抗があるのでしょう

 

いろは「先輩がどんなポケモンを持っているかはわかりました!次は私の番ですね!」

 

はちまん「おーう」

 

ゆい「いろはちゃん!がんばって!」

 

いろは「はい!がんばります!」

 

私は結衣先輩の声援を受けてバトル場の真ん中に向かいます

その時ずっと気になっていたくノ一ちゃんを探してみました

しかしどこにもいません

帰ったのかな

まあいいです

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

いろは「出てきて!カメちゃん!」

 

ポンッ!

 

カメちゃん(カメックス)「カメッ!」

 

はちまん「ほー、あのカメールが進化したのか。カメックスはやっぱカッコいいな」

 

先輩は見てないですが

クチバシティで特訓している間に進化したカメックスことカメちゃんです

身体が大きくなり、声も低くなりました

そして何よりすごく強くなって

今まで沢山のトレーナーと戦いましたが

圧倒的なまでの強さの違いに、ほぼ全ての戦いで圧勝しました

さて次は

 

いろは「出てきて!ピカちゃん!」

 

ポンッ!

 

ピカちゃん(ピカチュウ)「ピッカ☆」ぴょんぴょん

 

はちまん「進化させてない…なるほど間違ってはいない」

 

私の教えたあざといろはが板についたピカチュウことピカちゃんです

出てきて早々に可愛く飛び跳ねています

どうやって進化するのかわからないのでピカチュウのままですが

進化の方法がわかってもさせないと思います

だってピカチュウの進化系ってあのクチバのジムリーダーさんが使っていたライチュウですよね

あの子可愛いことは可愛いんですが

もう名前がピカちゃんですし

それにこのままの方が小さくて可愛いというあざとい可点があり…げふんげふん

 

いろは「出てきて!グダちゃん!」

 

ポンッ!

 

グダちゃん(ダグトリオ)「♪/…/(^^)」

 

はちまん「おお、こっちはあの時のディグダがダグトリオに進化したのか。3匹とも性格が違うみたいだな」

 

3匹目は先輩と一緒に捕まえたディグダが進化したダグトリオことグダちゃんです

捕まえたあの時からあっという間に進化して3匹に増えました

出す度に地面に穴が開いてしまうのがたまに傷ですが

この子はとても素早いので先手を取ることが多いです

先輩に教えてもらった通りでんき技が効かないですし

カメちゃんとの相性は抜群です

 

いろは「さてここからは先輩の知らない新しいポケモン達です。まずは…スタちゃん!」

 

ポンッ!

 

スタちゃん(ブースター)「…」

 

 

はちまん「お、コイツはブースターか」

 

いろは「はい!タマムシシティでレインさんからもらったんです!」

 

はちまん「え?レインから?」

 

ゆきの「ええ、レインさんのご好意で私達3人はポケモンをそれぞれ頂いたのよ」

 

ゆい「うん!すごく可愛いから後で紹介するね!」

 

はちまん「…そう」

 

あら、先輩はそんな事なかったみたいですね

まあそれはさて置き

このブースターことスタちゃんはタマムシシティのエリカさんとの勝負で大活躍でした

私のポケモン達はくさタイプに弱いと先輩から聞いていたのでその時はどうしようかと思いましたが

スタちゃんのおかげで勝てました

性格は少しツンツンしていますが

 

いろは「お次は昨日の朝サファリパークで捕まえて、リーフの石に触れたら進化しちゃった…ナッちゃん!」

 

ポンッ!

 

ナッちゃん(ナッシー)「…」ふさふさ

 

はちまん「…いろはすがなっちゃんって…これがやりたかっただけだろ」

 

サファリパークで捕まえた時はタマタマという卵が6つのポケモンでしたが

偶々持っていたリーフの石にタマタマが偶々当たってしまいタマタマから偶々進化したナッシーことナッちゃんです

…やりたかっただけですよねコレ

ていうか私にどれだけタマタマ言わせるんですか!?

最低です!

まあネタとかそういうのを抜きにこのナッちゃんは強いです

昨日捕まえてから少し戦わせて見ましたが

ナッちゃんの『じんつうりき』がすごい強いんです!

理由は後ほど

 

いろは「さあ最後の6匹目です!出てきて!リヤちゃん!」

 

ポンッ!

 

リヤちゃん(バリヤード)「バリバリー」

 

はちまん「おお?バリヤード?よく見つけられたな」

 

いろは「いえこの子はクチバシティからタマムシシティに行くためにヤマブキシティを通った時にある人からもらったんです」

 

はちまん「ある人?」

 

いろは「名前は教えてもらえませんでしたが、確か会った時にエスパーなんたらって言ってました」

 

はちまん「…ヤマブキのエスパーがつく人?…そんなのあの人しか」

 

その人から不思議な事をいっぱい言われました

『なるほど貴女はそういう役割ですか』とか

『貴女のお友達によろしくね』とか

その時は怪しいので無視しようと思ったのですが

私にバリヤードを渡すと消えるようにいなくなっちゃったので返すことができませんでした

どうしようかと思いましたが

先輩からのアドバイスにドラゴンタイプのポケモンにはフェアリータイプが有効だと聞いていたので

フェアリータイプとエスパータイプのバリヤードは私のとって渡りに船でした

…私っていろんな人に助けられていますね

 

不思議な出会いでしたが

それでもリヤちゃんは強いです

先ほどのナッちゃんと同じでエスパータイプというのが最大の強みみたいです

確か先輩の話によるとエスパータイプの技はあくタイプのポケモンに効果がないようですが

私が出会ったポケモンの中にあくタイプのポケモンがいないんです

それに弱点であるゴーストタイプを持っているポケモンがゴースやゴーストしかおらず

それらはゴーストタイプの他にどくタイプを持っているためエスパータイプの技が効果抜群です

なので実質エスパータイプはむしタイプのポケモンを警戒すればあとはどうとでもなるタイプなんです

まあ他にあくタイプの技を使ってくるポケモンもいますが

そのあたりも十分に注意すれば最強です

 

 

いろは「どうですか先輩!これが新いろはチームです!」

 

カメちゃん「カメ!」キラン☆

 

ピカちゃん「ピカッ!」キラン☆

 

グダちゃん「(^^)/(^.^)/(^。^)」

 

スタちゃん「…」

 

ナッちゃん「…」

 

リヤちゃん「バリバリー」

 

 

はちまん「何というか、顔が多いな」

 

いろは「ええっ!?なんですかそのコメント!?」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ゆい「それじゃあ次はわたしだねっ!」

 

いろは「先輩のコメントは納得いきませんが。がんばってください、結衣せんぱいっ!」

 

ゆい「うん!がんばるよ!」

 

 

 

 

 

 

いろは「あ、視点変えますね」

 

ゆい「支店?」

 

 




ここまで読んでくださりありがとうございます

ではここで名前とタイプだけですが新いろはチームの簡単なまとめをしておきます

○カメックス(カメちゃん)みずタイプ

○ピカチュウ(ピカちゃん)でんきタイプ

○ブースター(スタちゃん)ほのおタイプ

○ダグトリオ(グダちゃん)じめんタイプ

○ナッシー(ナッちゃん)くさ/エスパータイプ

○バリヤード(リヤちゃん)エスパー/フェアリータイプ


次回はゆい視点から始まります


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

108話 わたしの新しいチーム!

今回はゆい視点から始まります


#セキチクシティポケモンセンターバトル場

 

ゆい「それじゃあ、行くよー!」

 

バトル場の真ん中でわたしはいきごむ

ヒッキーにわたしがどれだけ強くなったか知ってもらわなくちゃね!

わたしはヒッキーの方を見る

ロコンちゃんをヒザの上に乗せてこちらを見てる

さっきまでロコンちゃんにぱちマッカンをあげてたけど

もうぜんぶ飲んじゃったみたい

ロコンちゃんはキョーミなさそうにヒッキーのヒザの上でねてる

…いいなー

となりでよりそうようにすわっているカラカラちゃんもなんだかヒッキーの相棒って感じでなんだかカッコいい

最初はすごく気むずかしい子だなーと思ってたけど

今はヒッキーの事を心のそこから信頼しているのがわかる

まあ気むずかしいのはヒッキーもふくめてみんなだけどね

でもヒッキーの背中でねてるゴルバットちゃんはそこまでとっつきにくい感じじゃなかったなー

最初あったときにねてたからかな?

あ、そうそう

このセキチクシティに来るまでにいろんな人と戦って

その中でいろんなゴルバットちゃんを見たけど

みんなすごく怖かった

ベロをでろーんと出して

目もすごく恐ろしかった

けどヒッキーのゴルバットちゃんはかわいい

ほかのゴルバットちゃんとはちがって目もやさしいふんいきがある

ベロもでろーんて出てないし

 

って

今はヒッキーにポケモンをしょうかいしないといけないんだった

 

ゆい「まずはヒッキーも知ってる子から!出ておいで、フッ…」

 

ポンッ!

 

ゆい「きゃっ!」

 

フッシーをボールから出そうとしたらほかのボールからポケモンがとびたしちゃった

 

サンダース「サンッ!」

 

ゆい「ちょ、ちょっとダース!かってにでてきちゃダメでしょ!」

 

ダース(サンダース)「サン!サン!」

 

はちまん「サンダースか…てかダースって何」

 

わたしのサンダースことダース

ダースはすごくせっかちだからわたしがボールから出すまで待てなかったみたい

 

はちまん「お前がレインからもらったのはソイツなのか?」

 

ゆい「うん!かわいいでしょ!」

 

ダース「サン!」たたっ

 

ゆい「あ、ダース!ヒッキーにあいさつしないと!」

 

わたしが呼びとめてもダースはそれを無視してヒッキーの方へ走って行っちゃった

早く捕まえないと!

でもダースはすごく足が速いから捕まえられるかどうか…

 

ポンッ!

 

ゆい「きゃ!」

 

またほかのボールからポケモンがとびだす

 

ガーディ「ガー!」

 

ゆい「こ、こら!かきピーもかってに出てきたら…」

 

かきピー(ガーディ)「ガッ!ガッ!」だだっ

 

ゆい「ちょっとー!?」

 

わたしが怒るのも気にせず

ガーディことかきピーもダースを追いかけてヒッキーの方へ走って行く

 

はちまん「かきピーって…ダースといい何でお菓子の名前を…」

 

走ってるダースとかきピーを見てヒッキーはあきれちゃってる

カッコいいところを見せようと思ったのに〜!

あ、それと

かきピーは見た目がかきピーっぽくてかわいいからかきピーだよ

 

ダース「サン?」くるっ

 

かきピー「ガッ!」だだっ

 

ダース「サンッ!」たたたっ

 

かきピー「ガッ!?」だだだっ

 

ダースはかきピーが追いかけてくるのを見るともっと速く走りだし

それを見たかきピーも追いつくために速く走りだした

どっちもすごいスピードでヒッキーへとっしんして行く

けど先頭を走るダースのねらいはヒッキーじゃないみたい

ヒッキーが座っているベンチを通りこして

その後ろでねているカビゴンに向かっていって

 

カビゴン「ゴ〜ン…zzz」

 

ダース「サン!」ピョン

 

かきピー「ガッ!…ガフッ」ぼすっ

 

そのままカビゴンの大きなお腹に飛び乗ってしまった

かきピーも飛び乗ろうとしたけど失敗してカビゴンにぶつかった

 

ゆい「ああ!ダメだよ!その子はねてるんだから!起こしたらかわいそうでしょ!」

 

わたしは急いで2匹を止めに行く

けどヒッキーに止められた

 

はちまん「待て、お前が行ったらさらに騒がしくなりそうだから駄目だ」

 

ゆい「どういう意味!?」

 

はちまん「それにあのサンダースはカビゴンに危害を加えるつもりはないみたいだし」

 

ヒッキーの言う通りダースはカビゴンのお腹の上でおとなしく座っている

かきピーはそれをうらやましそうに見上げていた

 

ゆい「た、たしかにそうだけど…いいの?これだとカビゴンがかわいそうだよ」

 

はちまん「だーいじょうぶだろ。あいつはあんな小さい事を気にするような器じゃない」

 

カビゴン「ゴ〜ン…zzz」

 

ゆい「お腹の上にダースがいるのにまだねてる…」

 

はちまん「あの辺があいつの強みだ。あらゆる変化に対応しながらあらゆる変事を物ともせず己の道を行く。まあ寝てるだけなんだが」

 

ゆい「うーん?どういう意味?」

 

はちまん「雪乃に聞け」

 

ゆきの「丸投げするのやめてもらえないかしら」

 

よくわからないけど

ようするにカビゴンはあれでも大丈夫ってこと?

ヒッキーがそういうならそうなんだろうな

 

かきピー「が…!?」カチーン

 

ゆい「ん?どうしたのかきピー」

 

かきピーがダースから目をはなして辺りを見回したと思ったら

あるものを見た瞬間に固まってしまった

かきピーの視線の先には

 

はちまん「あ?」

 

ロコン「…」

 

ヒッキーとそのヒザの上に乗って目を閉じているロコンちゃんがいる

その視線に気づいてロコンちゃんは目を開ける

 

ロコン「…?」

 

かきピー「…が」カチカチーン

 

ロコンちゃんにふしぎなものをみる目を向けられて

かきピーはさらに固まった

…これってもしかして

ヒッキーもその事に気づいたみたい

 

はちまん「おい、そのガーディの性別は?」

 

ゆい「オスだよ」

 

はちまん「なんだと!?」

 

ヒッキーが顔色を変えてかきピーをにらみつける

そして腕でロコンちゃんをかきピーからかばう

 

はちまん「てめぇ、うちのロコンに色目使ってんのか…」ゴゴゴ

 

ロコン「…」

 

ヒッキーはかきピーをけいかいしている

やっぱりそうなんだ

かきピーってばロコンちゃんに一目惚れしたみたい

でもヒッキー

自分のポケモンを守りたい気持ちはよくわかるけど怒りすぎだよ

まるで小町ちゃんが川崎さんの弟と一緒にいるときくらいに怒ってる

いろはちゃんがヒッキーの様子を見てなだめようとしてくれる

 

いろは「お、落ち着いてください先輩、かきピーちゃんは何もしないですって。ただロコンちゃんが気に入っただけで、多分好意とかはないと思いますよ」

 

はちまん「この態度を見てもそう言い切れるか?」

 

かきピー「ガァガァ!」

 

ロコン「…」

 

かきピーはヒッキーのスネに前足を乗せて

後ろ足で立ち上がりヒザの上にいるロコンちゃんに近づこうと必死になっている

まるで好きな人に気に入られようとアピールしている人のように

 

ゆい「か、かきピー!」

 

はちまん「おいそれ以上ロコンに近づくんじゃねぇ」

 

わたしがかきピーを止めようとして

ヒッキーがロコンちゃんをかきピーから遠ざけるために抱き上げようとした

その時

 

するり

 

ロコン「…」とん

 

はちまん「ロ、ロコン?」

 

ロコンちゃんがヒッキーの腕から抜け出して

地面に降り立った

それを見たかきピーはロコンちゃんに寄っていく

 

かきピー「ガッ!」たっ

 

ロコン「…」さっ

 

かきピー「が!?」

 

かきピーがロコンちゃんに走り寄ると

ロコンちゃんはかきピーから背を向けて離れていった

その行動におどろくかきピー

あきらめずに近寄っていく

 

かきピー「ガッ」たっ

 

ロコン「…」さっ

 

かきピー「ガッ!ガッ!」たたっ

 

ロコン「…」ささっ

 

そのどれもをロコンちゃんはいなしていく

しばらく追いかけっこが続き

とうとうロコンちゃんはかきピーからかなり距離が離れた

まるで追いつけない

いまだロコンちゃんはかきピーの方を見向きもしない

かきピーはだんだん疲れてきている

 

かき「…っ!がーー!」だだだ

 

ゆい「かきピー!」

 

このままではいつまでたっても追いつけないと思ったかきピーは強行手段にでた

ロコンちゃんに向かって思いっきり走りだした

ものすごい勢いだ

ぶつかったらどちらもケガをしちゃう!

 

はちまん「…!」

 

ヒッキーが立ち上がり走りだす

かきピーを止めるためだろう

でも2匹はここからずいぶん離れている

間に合わない!

しかし

かきピーがロコンちゃんにぶつかる瞬間

 

 

ぴょん

 

ロコンちゃんはその場でかきピーに背を向けたままジャンプ

 

かき「がぁ!?」

 

かきピーをかわす

 

 

くるっ

 

空中で一回転して

 

 

すたっ

 

着地

かきピーは走った勢いでこけた

ロコンちゃんはそれを全く気にせず

ヒッキーの方へ歩いて行く

わたしはこけたかきピーにかけ寄って抱き上げる

 

いろは「ほえー」

 

いろはちゃんもおどろいた顔でロコンちゃんを見ている

わたしもさっきのロコンちゃんの動きが頭から離れなくなっていた

 

ゆきの「向かって来るかきピーさんに全く動じず、圧倒的に突き放すために計算された足運び。可憐な足取り。そして今のかきピーさんを飛び越えた大胆かつ華麗な交わし方。ロコンさんの美しい毛並みや立派な尻尾がその動きと相まって、それはまるで1つの芸術品のよう。気高く、そして素敵だったわ」

 

まさかゆきのんがこんなに褒めるなんて!

でもそれくらいロコンちゃんはすごかった

なんていうか、カッコいい!

言い寄ってくる男の人を何でもないようにかわす大人のお姉さんみたいですごくカッコよかった!

ゴルバットちゃんと同じで

ロコンちゃんもほかのロコンと比べると

ほかのロコンは可愛いっていうか、人懐っこい感じ

でもヒッキーのロコンちゃんはカッコいい!

もしロコンちゃんが人間だったら絶対憧れていただろうな

それくらいロコンちゃんは…えっと…大人っぽい!

 

ゆい「すごい…感動したよ」

 

いろは「私もあんな女子になりたいです」

 

わたしやいろはちゃんが憧れの眼差しをロコンちゃん向けていると

ヒッキーが近づいてきたロコンちゃんにしゃがんで話しかけていた

 

はちまん「お前、すげー大絶賛じゃねえか」

 

ロコン「…」ふん

 

ロコンちゃんはヒッキーと目を合わせて鼻で笑った

わたし達の褒め言葉なんかどこ吹く風だ

ああいうところもすごいワイルドでカッコいい

 

はちまん「でもわざわざ俺から離れてあんなことしなくてもよかっただろ」

 

ロコン「…」

 

はちまん「しつこい男にはあれでいいって…」

 

ん?

なんでそんな事がわかったの?

ヒッキーはロコンちゃんの言ってる事がわかるのかな?

 

はちまん「なんで男の対処方法なんか知ってんだよ」

 

ロコン「…」

 

はちまん「元いた育て屋で言い寄ってきた奴がたくさんいたから?ほー、でもそんなにいるなら受け入れたこともあるじゃないか?」

 

ロコン「…」ふんっ

 

はちまん「そんな安いお誘いには乗らない…?」

 

話している事からすると

どうやらロコンちゃんはモテモテで

でも一度もその誘いには乗らなかったみたい

軽い女じゃないって事だね!

へー!

やっぱりロコンちゃんはすごい!

わたしの中でロコンちゃんが憧れの存在として大きくなっていく

しかしヒッキーの一言でそれが揺らいできた

 

 

はちまん「でもお前、俺が『好きなもん買ってやる』って言ったら嬉々として俺のとこに来ただろ」

 

 

ロコン「…///」ぼおお!

 

はちまん「のわ!?ちょ、待って!?かえんほうしゃは流石に危ないって!あちち!」

 

それから照れたロコンちゃんがヒッキーを追いかけ回していた

まるで恥ずかしいからそれを取りつくろうように

あれ!?ワイルドでカッコいいロコンちゃんはどこ行ったの!?

…でもあれはあれで可愛いな

まるで正直になれない恋する乙女みたいで

 

いろは「なるほど、これがギャップ萌えですか」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

ロコンちゃんが落ち着いたところで

かきピーの事をヒッキーとロコンちゃんに謝った

もちろんかきピーも一緒に

2人(?)とも許してくれたけど

またこんな事が起きないようにかきピーにはバトル場の隅で大人しくしているように言い聞かせた

落ち込んでいるから後で慰めてあげないと

それにちゃんと躾けないといけないよね

…またあの時みたいにならないためにも

ちなみにダースはバトル場の周りをぐるぐる走り回っている

 

ゆきの「さて結衣さん、後残り4匹も紹介してしまいなさい」

 

ゆい「うん。あ、その前にダースはさっき言った通りレイからもらって、かきピーは7番道路で出会ったんだよ」

 

はちまん「レイ…レインの事か?まーた変なあだ名つけてんな」

 

ゆい「変じゃないよ!可愛いでしょ!」

 

はちまん「南○水鳥拳を使ってきそうで怖い」

 

ゆい「なんと?すい…なに?」

 

はちまん「いや何でもない」

 

ヒッキーの言ってることはわからないけど

とりあえず次に紹介するのは最初のポケモンのフッシー

 

ゆい「出ておいで!フッシー!」

 

ポンッ!

 

フッシー(フシギバナ)「フシッ!」

 

はちまん「おお、フシギバナだ。やっぱ御三家の最終進化系はカッコいいな」

 

いろはちゃんのカメちゃんと同じように

クチバシティで訓練してたらフシギソウから進化したフシギバナことフッシー

前みたいに走り回ったりはしなくなって寂しいけど

元気な性格は変わってなくて

いまもボールから出て嬉しそうな笑顔をしている

 

ゆい「ドンドン行くよー!出ておいで!ピピン!」

 

ポンッ!

 

ピピン(ピクシー)「ピ〜!」

 

はちまん「なるほど、あれからピピンも成長したんだなぁ」

 

オツキミ山でぐうぜん見つけたつきのいしでピッピから進化したピクシーことピピン

前の姿とは比べものにならないくらいに大きくなった

わたしくらいかな?

 

ゆい「次はこの子!出ておいで!ミント!」

 

ポンッ!

 

ミント(アズマオウ)「…」

 

はちまん「お、トサキントも進化したのか」

 

アズマオウことミント

クチバシティの釣り堀で捕まえたトサキントが進化した

頭のツノが大きくなって

身体も白から赤が基調になった

トサキントの頃は地面に出すと飛び跳ねていたけど

アズマオウになってからはヒレを使って安定して地面にいる

体重がふえたからかな?

でも水がないのに平気なのはすごいよね

 

 

 

ゆい「そして最後はヒッキーもおどろくよ!」

 

はちまん「ん?」

 

ゆい「出ておいで!ラフラン!」

 

ポンッ!

 

ラフラン(ラプラス)「ラー」

 

はちまん「えええ!?ラ、ラプラス!?」

 

ゆい「ふふふ、やっぱりおどろいたね!」

 

ラフラン「ラー♪」

 

はちまん「あ、え、ええ?は、ええ?ラプラスって、ええ!?嘘だろオイ!?」

 

ゆい「え、おどろきすぎだよ」

 

はちまん「何でラプラスが!?」

 

ゆい「昨日3人でサファリパークに行った時に係員の人からもらったんだよ。この子にいろんな世界を見せてあげたいって」

 

はちまん「…サファリパークの前ににラプラスがいたからありえない事じゃないのか…?」

 

 

ゆい「というわけで!これがわたしの新しいチームだよ!」

 

フッシー「フシッ!フシッ!」

 

かきピー「が…」しょぼーん

 

ダース「サン!サン!」たたたたた

 

ピピン「ピ〜」

 

ミント「…」

 

ラフラン「ラー♪」

 

 

はちまん「なんていうか、ラプラスが全部持っていったな」

 

ゆい「ええ!?」

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

いろは「さてお次は」

 

ゆきの「私ね」

 

いろは「はい!頑張ってください!」

 

ゆきの「先程からそれが気になるのだけれど…。それよりもっと気にする事があるわ」

 

いろは「なんですか?」

 

ゆきの「シオンさんがいつのまにか居なくなっているわ」

 

ゆい「え!?あ!ほんとだ!」

 

いろは「な、何で!?」

 

はちまん「ああシオンならいろはがポケモンを紹介し始めたくらいに用事ができたとか何とかでどっか行ったぞ」

 

いろは「どっかって…」

 

はちまん「まあアイツなら大丈夫だろ」

 

ゆきの「…貴方はそういうけれど何があるかわからないわ。心配…いえ何かあってからでは遅いわ。早く終わらせましょう」

 

いろは「では視点を移しますねー」

 

ゆい「支点?」

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

109話 新しいゆきのんのチーム

絵を描くのにはまりつつあります

前回の後書きにゆいチームのまとめを書くのを忘れていました

○フシギバナ(フッシー) くさ/どくタイプ

○ガーディ(かきピー) ほのおタイプ

○サンダース(ダース) でんきタイプ

○ピクシー(ピピン) フェアリータイプ

○アズマオウ(ミント) みずタイプ

○ラプラス(ラフラン) みず/こおりタイプ

以上がゆいのチームです

では今回はゆきの視点から始まります


あ、Switchで新作スマ○ラが出ますね!
それもスネー○復活だとか!


#セキチクシティポケモンセンターバトル場

 

ゆきの「始めるわよ」

 

私はバトルフィールドの中央に立つ

結衣さんといろはさんのポケモン達がまだいるので少し狭い気がするわ

 

ゆきの「出て来なさい、リザードン」

 

ポンッ!

 

リザードン「…」すっ

 

はちまん「おお!リザードン!カッケェ!って相変わらずその腕組みはやるのね」

 

クチバシティでリザードから進化して

ほのお/ひこうタイプになったリザードン

レベルは47

覚えている技は

 

・かえんほうしゃ

・そらをとぶ

・きりさく

・えんまく

 

『きりさく』はノーマルタイプの物理技

『えんまく』は相手の命中率を下げる技

この『そらをとぶ』は秘伝マシンをヤマブキシティを通った時にコブキさんから頂いたわ

しかしこのリザードンはどうやら特殊技が得意のよう

なので『そらをとぶ』と『きりさく』の扱いをどうするか思案しているわ

 

ゆきの「では次、ペルシアン」

 

ポンッ!

 

ペルシアン「ペル〜♪」

 

ニャースから進化してペルシアンになったネコさん

ニャースも可愛いけどペルシアンも充分に可愛い

特にあの丸っこい耳がチャームポイント

でもやはりニャースの三角の耳も捨てがたい

今度暇があればまたニャースを捕まえたいわね

ふふふ

タイプはノーマル

レベルは46

覚えている技は

 

・ねこだまし

・きりさく

・パワージェム

・ちょうはつ

 

私のペルシアンは素早さが高く、相手の戦術をかき乱す事を得意としていて、技もそれに特化したものになっている

『ねこだまし』は先制できる技で、さらに相手を怯ませる事が出来る

そして『ちょうはつ』は相手に変化技を使わせなくする技

この2つを使う事で相手の戦法を封じる事が出来る

『パワージェム』はいわタイプの特殊技、これはサブウェポンとして覚えさせているわ

私のペルシアンは技の面と能力の面からして素早さは高いけれど全体的に火力不足が否めない

『きりさく』だけでは同レベルのポケモンを倒せるかどうか怪しい所

何か改善策はないかしら

 

ゆきの「次は、シャワーズ」

 

ポンッ!

 

シャワーズ「シャ…」

 

はちまん「雪乃はシャワーズか。いろはのブースターに結衣のサンダース。カントーブイズ勢揃いだな」

 

レインさんから頂いたシャワーズ

人魚のような尻尾が特徴

タイプはみず

レベルは45

覚えている技は

 

・オーロラビーム

・ハイドロポンプ

・とける

・アクアリング

 

この子もリザードンと同じく特殊技が得意で

特に『ハイドロポンプ』は強力ね

『とける』は自分の防御力を上げる技

『アクアリング』は毎ターン自分の体力を回復する技

 

ゆきの「出てきなさい、ニドクイン」

 

ポンッ!

 

ニドクイン「ニドー」

 

はちまん「ニドクイン…あれ?」

 

いろは「どうしたんですか?」

 

はちまん「ニドクインって俺らくらいの大きさなんだなーって」

 

ゆきの「身長1m 30くらいかしら。確かに怪獣のような見た目にしては小さく見えるけれど、それがどうしたのかしら」

 

はちまん「…ニドクインがこのくらいならニドキングもこれくらいって事だよな。でもあの人のニドキングは座った状態でもジムの天井に頭が届くくらい、低く見積もっても2m以上あった。一体何を食わせたらああなるんだよ…コーヒーか?」

 

ゆきの「比企谷君?何をボソボソ呟いているの?」

 

はちまん「あ、いや悪い何でもない。気にするな」

 

ゆきの「?」

 

ま、彼がおかしいのは今に始まった事ではないわね

このニドクインは昨日のサファリパークで捕まえたニドリーナに

オツキミ山で見つけたつきのいしを当てたら進化した姿

タイプはどく/じめんタイプ

レベルは45

覚えている技は

 

・だいちのちから

・かみくだく

・にどげり

・がんせきふうじ

 

『だいちのちから』はじめんタイプの特殊技

『かみくだく』はあくタイプの物理技で、相手の防御力を下げる事があるわ

『にどげり』はかくとうタイプの連続技

そして『がんせきふうじ』はニビシティのジムリーダーから頂いた技マシンで覚えさせたわ

あの『おしえテレビ』というのには教えてくれる人を男性から女性に変更する事が可能で

私は女性の方に教えて貰ったわ

…大きな岩が次々と降ってきてお姉さんはその岩に囲まれて、お姉さんはその後、岩が邪魔でカメラに顔を出せなくなっていたわ

 

ゆきの「次行きましょうと言いたいのだけど…」

 

はちまん「どうした?」

 

ゆきの「この子はややこしい名前なのよ」

 

はちまん「ま、とりあえず出してみろよ」

 

ゆきの「行くわよ。出てきなさい、まさこ」

 

ポンッ!

 

まさこ「ルージュ」

 

はちまん「ああ、何だまさこか」

 

まさこ…はニックネームで

本当の名前はポケモン図鑑によるとルージュラというわ

まさこは私が名付けた訳ではなくて

まさこはとある方から頂いたポケモンで、その方が付けた名前なの

髪の毛は金色

大きな唇が特徴的な女性の姿をしているわ

タイプはエスパー/こおりタイプ

レベルは43

覚えている技は

 

・のしかかり

・ゆきなだれ

・めざましビンタ

・あくまのキス

 

『ゆきなだれ』はこおりタイプの物理技

『めざましビンタ』はかくとうタイプの物理技で、相手が寝ていると威力が上がる技

『あくまのキス』は7割の確率で相手を眠らせる技

『あくまのキス』→『めざましビンタ』の流れが1番強いのだけれど

それでもイマイチの威力なのよね…

何が原因なのかしら

それにこのまさこは物理に対する耐久力が低い

かくとうタイプのポケモンと戦う時に注意しなければいけないくらい

エスパータイプなのにエスパータイプの技を覚えさせていないからだろうけど

なかなか覚えてくれないのよね

 

 

ゆきの「さあ、最後のポケモン紹介ね」

 

はちまん「おお、どんと来い」

 

ゆきの「出て来なさい、ハクリュー」

 

ポンッ!

 

ハクリュー「リュ!」

 

私の6匹目はサファリパークで借りた釣竿を池で使うと出て来たハクリュー

長い胴体と頭のツノが特徴

なんとこの子は今まで見た事がなかったドラゴンタイプ

レベルは30

覚えている技は

 

・でんじは

・こうそくいどう

・たたきつける

・アクアテール

 

『アクアテール』はみずタイプの物理技

ハクリューは物理技が得意なようで

この『アクアテール』と『たたきつける』も強力

それにタイプのおかげで弱点が少ないようだし

レベルは他の子と比べたらまだまだだけど

これから凄く強くなっていくでしょう

 

はちまん「oh…six hundred group」

 

ゆきの「六百…グループ?」

 

ゆい「なんて?」

 

はちまん「お前…どうやって捕まえたんだよ」

 

ゆきの「サファリパークの池で釣竿を使ったら…」

 

はちまん「何回使った?」

 

ゆきの「1回使ったらすぐに出て来たわ」

 

はちまん「…ボールは何個使った?」

 

ゆきの「1個当てたら捕まえられたわ」

 

はちまん「……………マジ?」

 

ゆきの「私、嘘言は吐かないの」

 

はちまん「確かにハクリューも、その進化前のミニリューもサファリパークで捕まえられるが、どちらも出現率が低すぎるほどに低い上に捕獲率もかなり低い。体力を減らしてゲットという方法ができないサファリパークならなおさら。それをいとも簡単に…俺がゲーム内でどれだけ苦労したか…くそっ、これが俺とお前の実力の差か…」

 

いろは「?それほど珍しいポケモンなんですか?」

 

はちまん「この前ドラゴンタイプについてちょこっと話しただろ」

 

いろは「はい、私のポケモンとタイプ相性的に悪いタイプだけど、出会う事が少ないのであまり気にしなくいいと」

 

はちまん「ドラゴンタイプってのはこのハクリューとその進化前のミニリュー、そして最終進化系のカイリューの3匹しかいないんだ。実質進化系で1種類だな」

 

ゆい「へー、特別なポケモンなんだね」

 

はちまん「oh Yes」

 

ゆい「何で英語!?てかさっきもなぜか英語だったよね!?」

 

 

ゆきの「さっきの六百?グループ?っていうのは?」

 

はちまん「カイリューは600族って呼ばれててな。簡単に言えば合計種族値600のポケモンだ」

 

ゆい「合計種族値?」

 

はちまん「ポケモンの強さって言うのはポケモンが持っている個々別々の様々な数値で決まるんだよ。その内の『種族値』ていうのはポケモンの種族によって違う数値だ。例えばお前のアズマオウといろはのカメックスはタイプが同じでもそれぞれ基本的な能力が違うのはわかるよな?アズマオウは物理技が得意でもカメックスは防御面が強いだとか。それはアズマオウの種族値は攻撃の数値が高くカメックスは防御面の数値が高いからだ」

 

ゆい「うんうん」

 

はちまん「基本的な能力の違いを決める『種族値』には能力それぞれに割り振られた数値の合計値が元から決まっている。まあ見方を変えると割り振る事ができる数値の上限みたいなものか。この合計値から『たいりょく』『こうげき』『ぼうぎょ』『とくこう』『とくぼう』『すばやさ』の6つに割り振られる訳だ。例えば…カラカラ」

 

カラカラ「カラ?」

 

はちまん「よっと」ひょい

 

比企谷君はベンチで一緒に座っているカラカラを自分の膝に乗せた

 

はちまん「例えばこいつの合計種族値が…確か320。この合計値から『ぼうぎょ』に95、『とくこう』に40、『すばやさ』に35、他の『たいりょく』『こうげき』『とくぼう』が同じ50に割り振られていて、これがカラカラというポケモンの種族値だ」

 

いろは「ほうほう」

 

はちまん「カラカラ、降ろすぞ」

 

カラカラ「カラ」

 

比企谷君はカラカラを元の位置に降ろして

 

はちまん「んじゃ、次はロコン…」

 

ロコン「…」ちょこん

 

はちまん「…っと」

 

今度はロコンを乗せようとしたけど比企谷君がそうする前にロコンが比企谷君の膝の上に座った

 

はちまん「このロコンの合計種族値が…えーと…299だったかな。んでこの合計値から『たいりょく』が38、『こうげき』が41、『ぼうぎょ』40、『とくこう』50、『とくぼう』と『すばやさ』が同じ65となっていた…はず」

 

ゆきの「はず?」

 

はちまん「全ポケモンの種族値を覚えているわけじゃないからな。まあとにかくこのロコンの種族値とカラカラの種族値で、ロコンの『とくこう』が50でカラカラの『たいりょく』『こうげき』『とくぼう』も同じ50」

 

ゆい「あれ?同じ50なのにロコンちゃんの能力は1つでカラカラちゃんの方は能力が3つある」

 

はちまん「何故同じ数値なのにその能力はカラカラの方が多いのか。それはカラカラの合計種族値がロコンより高いからだ。合計種族値が高ければ高い分それだけ割り振れる数値が増えるからな」

 

ゆきの「なるほど、その合計種族値が600なのがこのハクリューの最終進化系であるカイリューであり、600族と呼ばれるポケモン達というわけね。それに貴方が特別視していたところを見ると、600族のポケモンは少ないのね」

 

はちまん「ああ、このカントー地方ではカイリューしかいない」

 

いろは「え?1匹だけって事は600族のポケモンが1番強いんですか?」

 

はちまん「強さの基準が種族値だけなら、特例を除けばそうなるな」

 

ゆきの「特例?600族よりも高い数値を持つポケモンがいるのかしら?」

 

はちまん「まあいわゆる『伝説』のポケモンとかだ」

 

いろは「で、伝説のポケモンなんているんですか…」

 

 

はちまん「まあな…ってあれ?お前知らなかったのか?」

 

いろは「へ?いや知らないですよ」

 

はちまん「でも少なからずポケモンの知識があるって言ってなかったっけ?ほら、この世界に来た初日にポケモン図鑑を知ってたようだし」

 

いろは「あ、それなんですけどこの際言っちゃいますね。確かに私はポケモンの事を知っていますがそれはすこーしだけなんです」

 

はちまん「すこーしってどれくらい?」

 

いろは「ポケモンに興味を持ちだしたのが最近なのでもしかしたらすこーしどころかちーっとも知らないかもしれません」

 

ゆきの「最近?そのキッカケは?」

 

いろは「前に葉山先輩の所に行ったら戸部先輩と一緒に何かのゲーム雑誌を読んでいたんです。なに見てるんですか?って聞いてみたら戸部先輩が新作のスマ○ラっていうゲームが発売され…」

 

はちまん「え!?スマ○ラの新作が!?マジか!?」

 

いろは「は、はい…。て、え、先輩が知ってるくらい有名なゲームなんですか?葉山先輩も柄にもなくテンションが上がっていましたし。スネー○が復活するーとか…」

 

はちまん「おい!今すぐ元の世界に帰るぞ!早くしろお前ら!」

 

ゆい「ええー!?」

 

ゆきの「落ち着きなさい。今はまだその帰る手段がわからないから帰ろうにも帰れないわよ」

 

 

はちまん「……ナンテコッタ」Σ('◉⌓◉’)

 

 

比企谷君はショックを受けた様で固まってしまった

 

いろは「え、えーと」

 

ゆきの「その男は置いておいて、話しの続きを」

 

いろは「は、はい。それでスマ○ラの話しの流れでピカチュウも出るって聞きまして」

 

ピカちゃん「ピカ?」

 

いろは「あ、ややこしいけどピカちゃんの事じゃないよ。で、そのスマ○ラに出るピカチュウの画像を色々見せてもらって、その時はポケモンの事をテレビとかでちょこちょこ見かけて見た目くらいしか知らなかったんですが、葉山先輩達と別れた後にこれは葉山先輩に近づくチャンスだと思いまして少しポケモンについて調べてみたんです。そこでゲームやアニメのポケモンについての知識がすこーし身についたってところですね」

 

ゆい「つまり?」

 

ゆきの「ポケモンについてある程度の知識は知っているけれど比企谷君並みの知識は無いって事ね」

 

いろは「すみません、その時にもっと詳しく知っておくべきでした」

 

ゆい「ううん!そんな事ないよ!わたしだってピカチュウなら知ってるけど詳しくは知らないんだもん、お互い様だよ」

 

ピカちゃん「ピカ?」

 

ゆい「あ、ピカちゃんの事じゃないよ」

 

ゆきの「今はその様なたらればの話をしても仕方ないわ。元の世界でポケモンの知識がなかったのは私も同じよ。それにその時に知識を得られなかったとしても今は幸か不幸かポケモンに詳しい比企谷君がいるでしょう」

 

いろは「ふ、不幸って」

 

ゆい「もー、ゆきのんったらまたそんな言い方してー!ヒッキー、ゆきのんのはいつもの事だから気にしないでね?…ヒッキー?」

 

いろは「先輩?」

 

結衣さんといろはさんが声をかけても反応がない

何故なら

 

 

はちまん「……」('◉⌓◉’)

 

 

いろは「…これは」

 

ゆい「…さっきのでまだショックを受けてるみたいだね」

 

ゆきの「…はあ」

 

伝説のポケモンについて聞きたかったのだけれど

彼を元に戻すのも面倒だし、彼のことは放っておいて

仕方がないのでどこかに行ってしまったシオンさんを待つ事にしましょう

 

 




ここまで読んでくださってありがとうございます

では新しい雪乃のチームです

○リザードン ほのお/ひこうタイプ

○ペルシアン ノーマルタイプ

○シャワーズ みずタイプ

○ニドクイン どく/じめんタイプ

○まさこ(ルージュラ) こおり/エスパータイプ

○ハクリュー ドラゴンタイプ

次回ははちまん視点です
それと前書きに俺ガイルの面子が持っている全ポケモンを今までのように簡単にまとめます



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

110話 アンズ

と言うわけで
俺ガイルメンバーの手持ちのポケモンです

☆はちまん☆
○カラカラ じめんタイプ
LV38

○ゴルバット どく/ひこうタイプ
LV37

○ロコン ほのおタイプ
LV37

○カビゴン ノーマルタイプ
LV36


☆ゆきの☆
○リザードン ほのお/ひこうタイプ
LV47

○ペルシアン ノーマルタイプ
LV46

○シャワーズ みずタイプ
LV45

○ニドクイン どく/じめんタイプ
LV45

○ルージュラ(まさこ) こおり/エスパータイプ
LV45

○ハクリュー ドラゴンタイプ
LV30


☆ゆい☆
○フシギバナ(フッシー) くさ/どくタイプ
LV45

○ガーディ(かきピー) ほのおタイプ
LV41

○サンダース(ダース) でんきタイプ
LV42

○ピクシー(ピピン) フェアリータイプ
LV44

○アズマオウ(ミント) みずタイプ
LV43

○ラプラス(ラフラン) みず/こおりタイプ
LV40


☆いろは☆
○カメックス(カメちゃん) みずタイプ
LV46

○ピカチュウ(ピカちゃん) でんきタイプ
LV45

○ブースター(スタちゃん) ほのおタイプ
LV43

○ダグトリオ(グダちゃん) じめんタイプ
LV44

○ナッシー(ナッちゃん) くさ/エスパータイプ
LV41

○バリヤード(リヤちゃん) エスパー/フェアリータイプ
LV40


以上が俺ガイルメンバーの手持ちです
そして今回は八幡視点です


#セキチクシティポケモンセンターバトル場

 

シオン「………………………ただいま」

 

俺がポケモン…任天堂…ワンチャンと希望を見出していたころ

何処かへ行っていたシオンが帰って来た

 

はちまん「おう、どこ行ってたんだ?」

 

シオン「………………………こまったこをおいかけてた」

 

はちまん「困った子?」

 

ちら、と結衣を見る

 

ゆい「何でわたしを見るの!?」

 

ごめん

ついついそっちに目がいっちゃった

でもねこれだけは言わせて

お前のガーディを隔離させてくれ

イッシュ地方あたりまで

 

ゆきの「困った子と言うのは、どういった風に?」

 

シオン「………………………はちを、かくれてみてた」

 

はちまん「へ?」

 

ゆい「えええ!?ひ、ヒッキーを!?」

 

そんな気配あったかなー

雪乃達が買い物に行ってる間にはそんな視線無かったし

その後もずっと…

 

いろは「あ!もしかして、あのくノ一ちゃんですか?」

 

はちまん「くノ一?」

 

いろは「ほら!向こうのバトル場を使っていた、忍び装束を着た女の子ですよ!」

 

はちまん「あーアイツか」

 

いろは「あの子、私が帰って来てからずーーっと先輩を見ていたんです!でもそれは私がポケモンを紹介する辺りから無くなって…」

 

ゆきの「ふむ、その時間帯ならシオンさんが居なくなった時間と合致するわね」

 

はちまん「シオン、そうなのか?」

 

シオン「………………………ん、きになっておいかけたらにげられた」

 

シオンによれば

くノ一の視線は俺が雪乃達を待っている間からあった

特にいろはが帰って来た辺りなんかは凝視するほどに見つめていて

雪乃と結衣も帰って来た頃

いよいよポケモン紹介といった時には俺の背中を取るように移動していたと言う

その視線は隣に座っていたシオンも分かるわけで

気になって仕方なかったので近づいてみた

するとシオンの接近に気づいたくノ一はポケモンセンター内に逃走

何かやましい事があるのかもしれない

そう思いシオンはそれを追跡

 

くノ一は逃げる途中

ポケモンセンターで色んなところに隠れた

天井とか

カフェの看板の裏とか

柱の後ろとか

だがシオンはその全てを看破

見つける度にくノ一の驚いた顔が印象的だったと言う

シオンとくノ一の隠れんぼは続き

くノ一が偶々居合わせたゴーリキーの背中に隠れて

それをシオンが見つけたところで試合終了

くノ一は白旗を上げて事情を説明してくれた

何故俺を見ていたのか

それは………

 

はちまん「俺のゴルバットを見ていた?」

 

シオン「………………………うん」

 

くノ一はどくタイプのポケモンを専門的に扱っているらしく

そのため俺のゴルバットに興味を持ったのだと言う

俺は背中で寝ているゴルバットを見る

 

ゴルバット「…zzz」

 

なるほど

確かにいろはが帰って来る辺りで俺はゴルバットの頭を撫でていたからそれを見つめていたって事か

 

いろは「ほっ…。先輩ではなかったんですね」

 

ゆきの「当たり前でしょう。この男が突然女性に興味を持たれる何てあるわけないもの」

 

それって逆ナンってやつか?

俺がされるのは地球が隕石となって土星に落ちるぐらいあり得ないが

いきなり知らない女の人から声かけられるとか

男の精神を削っているだけなんだよな

気になる男性に唾をつけたいからそうマネをするんだろうけど

苦手意識を植え付けて逆効果になるんじゃないか?

女の子に声をかけられるのは男として嬉しい

でもいきなりはやっぱり怖いよ

ホラー映画に出てくる女の幽霊だっていきなり来るから怖いんだし

 

 

くノ一「にんっ!」

 

 

はちまん「のわあ!?」

 

突然俺の目の前に件のくノ一が現れた

上から降って来たように見えた

びっくりしたー!

だから止めろって!怖いから!

 

いろは「あー!くノ一ちゃん!」

 

くノ一「どうも」

 

くノ一は鼻まである覆面をもごもごさせながら俺たちにお辞儀をする

頭は紫色の髪を髷に結んでいて

忍び装束と首に巻いたスカーフが特徴

シオンくらいの小さな子供だった

 

はちまん「お前、いきなり出てきてどうしたんだよ」

 

くノ一「シオン殿が拙者を紹介したいとの事で、着いて来たのでござる」

 

シオン「………………………みてはち、ぱいなっぷる」

 

くノ一の頭を指して言ってくる

確かに立派なパイナップルヘヤーだけど

………え?

俺にそれを見せるだけに連れて来たのか?

 

くノ一「し、シオン殿、それだけでござるか?」

 

シオン「………………………うん」

 

くノ一「そ、そんな」

 

マイペース過ぎるだろ

ほらくノ一の子も戸惑ってるじゃん

もう帰してあげて

 

くノ一「くぉっ、こ、こほん。気を取り直して、自己紹介をするでござる」

 

いま噛んだ?

咳払いで噛む人初めて見たよ

 

 

アンズ「拙者、アンズと申します。この街で忍びの極意とポケモンの扱いを修行してござる」

 

 

あ、やっぱりアンズだったのか

はじめ見たときからまさかとは思ったけど

本当にセキチクのジムリーダー、キョウの娘だったとは

それならどくタイプのゴルバットに興味を持った事も納得がいく

 

このくノ一改めアンズはポケモンシリーズの第2世代でここセキチクシティのジムリーダーになる人物だ

第1世代でジムリーダーだったキョウが四天王に転職(昇進?)したためだと言われる

されどジムリーダーはジムリーダー

それだけの実力を持っていると見て間違いない

 

ゆい「アンズちゃんだね!わたしはゆいって言うの、よろしくね!」

 

いろは「私はいろはです!さっきは疑ってごめんなさい」

 

アンズ「いえ、謝るのは拙者の方でござる」

 

ゆきの「私はゆきのよ。そっちの腐った目は腐った人よ」

 

はちまん「紹介になってねーだろ。はちまんだ」

 

ふむ、と何かを思い出すように首を傾げるアンズ

 

アンズ「短期間で各地のジムリーダーを倒しているトレーナーあり、名はゆきの、ゆい、いろはの三人組。どの様な強者かと想像しておったが、まさか女子だったとは」

 

ゆい「え!?もしかしてわたし達が噂になってるの!?」

 

アンズ「その道に精通した者であれば多少は情報が入ってくるでござる。それに拙者は忍びである故、情報収集はお手の物」

 

いろは「な、なんだか照れますね」

 

ゆきの「8つのジムリーダーのうち半数を制覇しただけなのだから、騒ぐ事でもないでしょうに」

 

はちまん「……あれ、俺は?」

 

俺も同じ事をしてんだけど

するとアンズは申し訳なさそうに

 

アンズ「済まぬ、ご主人の名前は聞いた事がござらぬ」

 

はちまん「え、マジ?」

 

アンズ「ただ黒い服を着た男がカントー地方で暴れ回っているとしか……」

 

はちまん「それもうロケット団じゃねーか!」

 

黒いパーカーを着てるけども

暴れた事なんかないぞ!

 

アンズ「あと、今日の朝方に街の入り口でも暴れていたと」

 

いろは「え…先輩何してんですか」

 

ゆきの「やっぱり気が狂ったのかしら」

 

はちまん「待たんかい、暴れるってポケモンバトルの話しだろ?対戦相手のアミーを忘れてんじゃねえか。あっちが勝負をふっかけてきたんだからな?あと雪乃、やっぱりって何だ?」

 

アンズ「しかし目撃した者によれば、周囲を吹き飛ばすほどの術を使用し、見たことのない面妖な出来事であったと」

 

はちまん「面妖って…」

 

俺はカラカラの顔を見る

こてん、と首を傾げられた

いやいや多分お前の事だろ

 

アンズ「その上、風を巻き起こしアミー殿のスカートをめくり、その隙に勝利したと報告が…」

 

ゆい「ヒッキー…」

 

はちまん「してないからな!?どっから来たガセだ」

 

アンズ「本当でござるか?」

 

はちまん「本当の本当が本当だ。だったらアミーに聞いて見ろよ」

 

アンズは布に覆われた口をにやっとさせた

 

アンズ「ふっ、アミー殿に聞かなくても、確かめる方法はあるでござる」

 

はちまん「へ?」

 

ゆきの「実際に検証してみると言う事かしら?」

 

アンズ「そうでござる。いやはや、話しが早くて助かるでござる」

 

イヤーな予感

俺とカラカラは顔を見合わせる

そうかお前もそう思うか

 

アンズ「拙者とポケモンバトルでござる」

 

はちまん「えー」

 

アンズ「おっと、言い忘れていたでござる」

 

はちまん「ん?」

 

アンズ「拙者はこの街で修行をしていると申したでござろう。その修行のために街の警護も担っておるでござる」

 

はちまん「お、おう…」

 

アンズ「なのでご主人のその面妖な技がどんなものか証明出来なければ、アミー殿のスカートをめくったという疑いが晴れず、ご主人はお縄という事に……」

 

はちまん「逃げ道がない」

 

こ、これは勝負するしかない

だが問題がある

ここで俺が勝負して弁解出来ればいいのだが

事実

使い方を間違えればスカートがめくれる技なんだよ…

まさしく八方塞がり

どうする……

お、そうだ

 

はちまん「待ってくれ、忍びっ子はさっき雪乃の'検証"と言う言葉に頷いた。つまりはお前の言う面妖な技でスカートがめくれるかどうかを確かめるわけだ。てことは、だぞ?」

 

ゆきの「…っ!?あ、アンズさん、この勝負は破棄よ!彼はスカートをめくってなんかいないわ!この私が保証するから!」

 

アンズ「はい?しかし…」

 

ゆい「ゆきのん、どうしたの?」

 

ゆきの「結衣さん、彼が言った事をよく考えて。スカートが捲れたかどうかは、同じスカートを持ってしないと検証にはならないのよ」

 

いろは「はっ!つ、つまり誰かのスカートを使わなければいけないって事ですか!?」

 

ゆい「え!?///」

 

ゆきの「それだけではないわ。もし本当にスカートが捲れるとしたら、検証対象の人物の…」

 

いろは「スカートがめくれて、中が…///」

 

結衣「はわわ…///」

 

雪乃、結衣、いろはの視線がこちらを向く

3人とも顔が真っ赤

提案したのはあっちですよ

ほらあのパイナップルを見て!

 

アンズ「…成る程」

 

そのパイナップルは自分の身体を見下ろすと思案顔になった

ほっ、わかってくれたか(フラグ)

 

 

アンズ「失敬、拙者はスカートではござらんかったな。なれば何方かスカートを履いている者が代役を…」

 

 

4人「「「「そう言う問題じゃないっ!」」」」

 

アンズ「はて?」

 

シオン「………………………?」

 

年下組が首を傾げる

どう説明しようか年上組で考えていると

 

アンズ「なれば、当の本人であるアミー殿に来てもらって、事実検証を行えば良いのですな。それでは今から、拙者が読んで来るでごさる。にんっ!」

 

ぽんっ!と煙を巻き上げてアンズは姿を消した

アミーを連れて来るって…

何て説明してから連れて来るんだろう…

やべー、あの調子だと俺がアミーのスカートの中を見たいから、とか言うかもしれん

 

はちまん(…………いや待て、これはチャンスだ)

 

ここにアミーが来る

それも雪乃達がいる場に

これならこの街に入る前にシオンと話した

アミーを本部へ連れ戻す『地下通路にもしかしてロケット団いるんじゃね?』作戦を決行できる

俺とシオンがアミーを探す手間が省ける

だが問題はアミーが勘違いして俺をセクハラ野郎だと怒って来るかもしれないと言う事だ

これは…

 

ほとぼりが冷めるまで逃げるしかない

 

俺はカラカラとロコンを抱き上げた

そしてカビゴンをボールに…腹に乗っかっていたサンダースを避けて…戻した

 

はちまん「悪いお前ら、俺は今からアレがアレで手荒れがすごいから出かけるわ!シオンっ!アミーがここに来たら待っているように言っとけ!じゃあな!」

 

女達の返事を待たずにそそくさと退散した

後ろで雪乃やいろはが何か言っていたが気にしない

背中にいるゴルバットでその言葉を遮断しながら

ポケモンセンターを後にした

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

111話 バキバキ!凶悪ポケモン!

#セキチクシティのどこか

 

はちまん「さて、逃げて来たのはいいものの、何するか…」

 

お騒がせ忍者、アンズ

勘違いか意図的なものかはわからないが

あの忍者が召喚するアミーさんから逃げるために

雪乃達やシオンと別れてポケモンセンターから出てきた

今はポケモンセンターのそばにある崖を飛び降り(ちょっと怖かった)ふらふらと街中を歩いている

隣にはカラカラとロコン

背中には寝ているゴルバット

 

はちまん「うーむ」

 

ポケモン達を見回して感じた事がある

それは雪乃、結衣、いろはとの大きな戦力差だ

アイツらは6匹埋まっていて俺はシオンタウンから4匹のまま

何よりアイツらのポケモンはみんながみんな強いポケモンばかり

 

はちまん「何故ここまで差がついたのか…」

 

歩んだ道のりは違えど同じ日数を過ごしている

だというのに3人とも俺をとっくの昔に超えている

原因は…俺の怠慢かな

真剣に特訓したのは最近のタマムシジムでの20人抜きのみ

それ以外は野生のポケモンとすら戦っていない

…ていうか、あれ?

最後に野生戦をしたのっていつだっけ?

 

はちまん「少しマズいな」

 

いや少しどころか凄くマズいかもしれない

このまま弱いままだと

アイツらに格好がつかない…のは仕方ないが

雪乃部長に怒られてしまう

まだレベルの低さには気づかれていないから怠慢はバレていない

しかし結衣との約束…これからは離れない…という(重い)約束をクチバで交わしてしまったため

もし俺が弱いままなら結衣は気を遣ってしまう

だから雪乃が結衣の事を考えて俺に強くなって欲しいと思うはず

 

はちまん「なら言われる前に行動あるのみ、怖いし」

 

で、何しよう

アイツらがこの短期間で強くなったのは

シオンタウン・クチバシティからセキチクシティへと続く

14番道路、13番道路、12番道路を通ったからだろう

あそこはゲームでトレーナーが面倒くさい程いたのを覚えている

そのトレーナー全てと戦って来たのなら急激に強くなったのも頷ける

そうだ、12番道路と言えばカビゴンを捕まえた場所だ

…捕まえる

俺は空を見上げた

まだまだ時間に余裕はあるけど

今日一日で三つの道路でトレーナー全てと戦う事は出来ない

だったら手取り早くポケモンを捕まえるか

ここから1番近い草むらは14番道路だ

何がいたっけ…

俺はポケモン図鑑の分布図を見る

 

はちまん「目星いのは…特にいないなぁ…」

 

ナゾノクサ、マダツボミ、コンパン

どれも微妙

育てればそれなりに強いし

カラカラ、ロコンの弱点であるみずタイプの技を半減できるくさタイプは貴重だ

でもマダツボミはマサキの件で笑ってしまいそうだし

コンパンは虫だし

消去法で行けばナゾノクサが1番いいのだが

どくタイプを持っているのが少し厄介

俺の手持ちのタイプ相性としてじめんタイプに対する打点と耐久が乏しい

そうなると等倍になるとは言え

どくタイプのポケモンはじめんタイプに弱いのであまり加えたくはない

それにどくタイプならゴルバットいるし

 

はちまん「みずタイプを半減出来て、じめんタイプの弱点をつけるポケモン…」

 

あ、みずタイプか

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#セキチクシティ釣り堀

 

釣り人「へい、らっしゃい!今日はイキのいい魚がたくさんいますよー?」

 

はちまん「寿司屋か」

 

みずタイプをゲットすると言えば釣りだ

そして幸運にもこのセキチクシティにはクチバシティと同じく釣り堀がある

なので早速来てみたのはいいものの

いきなり案内役の釣り人にボケられた

確かにイキのいい魚はいるだろうけども

 

はちまん「あの、釣りをしたいんですが…」

 

釣り人「あっはっは、お客さん!釣り堀に来て釣り以外に何をするんですか?あははは!」

 

はちまん「……釣り竿って貸し出し出来ますか?」

 

釣り人「してなかったらどうするんだい?もしかして手づかみで取るんじゃないだろうねっ?あ、それも見たいから君には貸さないでおこうかなー?あはははっ!」

 

はちまん「………ロコン」

 

ぼうっ、とロコンのかえんほうしゃが釣り人を襲う

 

釣り人「あちちちっ!?わ、わかった貸すよ!貸せばいいんでしょ!?」

 

初めからそうしろよと思いながら釣り竿を受け取る

それからどこで釣ろうかなと辺りを見渡す

人がいない所がいいなー…ん?

 

はちまん「あれ?人が少ない」

 

俺以外だと釣り人も入れて2、3人しかこの釣り堀にはいなかった

しかもみんな釣り人と同じ格好をして釣り堀の中を歩いているだけ

従業員のようだ

って、実質俺しか客がいないじゃないか!

 

はちまん「なんで誰もいないんすか?」

 

釣り人「さあ?なんか俺が対応したらみんな帰っちまうんだよ」

 

はちまん「クビになれ」

 

そりゃあんなウザい対応されたら帰りたくもなるわ

はあ、まあ俺にしたらラッキーだ

釣り堀にはポケモンバトルをする際に声がけをしなくてはいけないのだが

これなら誰にも迷惑をかけない

釣り堀内の端に陣取り釣りを始める

 

はちまん「釣り堀…そういやクチバで何回も釣れたコイキングがいたなー」

 

何回も逃し何回も上がってきたコイキングを思い出す

それはまるで魔王の如くしつこかった

あの時はポケモンを捕まえる気がなかったから逃していたが

今回は何よりも来て欲しい

 

はちまん「………」ぼー

 

カラカラ「………」ぼー

 

ゴルバット「zzz」

 

ロコン「………」

 

ポケモン達と一緒に釣れるのを待つ

なんかこの状況も既視感がある

カラカラとぼーっとして

ゴルバットが寝てて

ロコンが静かに座って

クチバにいたのは1週間くらい前なはずなのに

遠い昔のように感じる

色んな事があったなーと思い起こしながらぼーっとしていると

 

ビンッ

 

はちまん「お?」

 

竿が揺れる

早速かかった

 

はちまん「カラカラ」

 

カラカラ「カラッ」

 

カラカラに迎撃体制をとらせる

ロコンには少し下がってもらう

相手がみずタイプならカラカラもロコンもキツイが

カラカラの攻撃力なら何とかなるだろう

 

はちまん「よ!」

 

俺は一気に竿を引き上げる

 

 

バシャーン

 

 

そして現れたポケモンを見て

俺は考えが甘かった事を自覚した

 

はちまん「なっ…!?」

 

バキバキバキ!!

釣り堀に縁を壊しながらそのポケモンは姿を現した

俺よりも遥かに大きな体躯

蛇のように手足のない長い胴体

額には冠のように尖ったツノ

何でも丸呑みに出来そうなぽっかり空いた巨大な口

そして何者も恐怖を感じざるを得ない凶悪な顔

 

 

はちまん「ギャ…ギャラドス…」

 

 

ギャラドス「……」ギロ

 

 

ギャラドスは釣り上げた俺やカラカラ達を睨みつけてくる

思わずその威圧に震え上がってしまった

まさかギャラドスが釣り上がるとは…

これは予想してなかった

カラカラの攻撃で弱らせようにも

ギャラドスはみず/ひこうタイプ

じめん技もはがね技も効果が薄い

 

はちまん「くっ、カラカラ!ロコン!戻れ!」

 

とにかく被害を最小限に抑えるためにカラカラとロコンをボールに戻す

その時

 

ブワッ

 

はちまん「え?」

 

目の前にいるギャラドスが何と天高く飛び上がったのだ

バギャンッ!と釣り堀の天井を突き破る

青空にギャラドスの姿が映る

その姿はまるで天に昇る龍の如く

水滴が太陽の光を浴びてギャラドスの身体をキラキラと神秘的に包む

だが見惚れている場合ではなかった

 

 

ギャラドス「ギャアアァァ!!」

 

 

ビリビリ!

大地が震える程の咆哮を放った後

くるっと空中で身体を一回転させると

 

ブンッ

 

水滴を浴びた長い尻尾を振り下ろしてくる

あれは…アクアテールか!?

て、このままだとあの尻尾を叩きつけられて死ぬ!

 

はちまん「ご、ゴルバット!」

 

ゴルバット「バーット!」

 

バサァ

 

背中にいるゴルバットが翼を広げ

俺を掴んで飛び上がる

 

ゴシャアァ!

 

間一髪でギャラドスのアクアテールを躱す

俺のいた場所は粉々になり

跡形もなく壊れ去った

ギャラドスはそのまま足場下の海へ入った

 

はちまん「いなくなった…」

 

バシャーン!

 

ギャラドス「ギャアァ!」

 

はちまん「わけではないですねはい!」

 

くそっどうする?

アイツはルール無用のデスマッチをご所望様だ

だがこっちはそんなつもりはない

そもそもこの釣り堀が壊されて損害金を請求されないか不安だ

周りを見ると従業員の人はみんな慌ててギャラドスから離れている

怪我人はいない

しかしこのままだと釣り堀がセキチクシティの観光マップから消える

 

はちまん「ゴルバット!逃げるぞ!」

 

ゴルバット「バット!」

 

バサァ

 

俺はゴルバットに海に沿う様、釣り堀の外まで連れて行ってもらう

 

ギャラドス「ギャア!」

 

それを見たギャラドスは海を泳ぎ俺に着いてくる

そのままギャラドスを連れてセキチクシティの外

南にある海岸まで飛んで行った

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

112話 ボウボウ!暴走ポケモン!

大きく投稿期間をあけて申し訳ございません


#セキチクシティ南

 

バシャバシャ

 

海をうねる様にギャラドスが後ろからついてくる

その凶悪な顔は俺を睨みつけている

 

はちまん「釣り堀が壊れないように着いて来させたものの…、これは逃げたと言う行動に取られないのか?」

 

ゲームで野生戦では『にげる』コマンドがあって

バトルを強制的に終了できる

だがこれだけ離れようとしているにもかかわらず

ギャラドスは敵意むき出しで

俺を逃す気はさらさらないように見える

戦闘を始めていないと言う可能性もあるが…

 

はちまん「何だよこれ…。逃げられないって魔王かアイツは」

 

ん?

魔王…逃げられない…釣り…

そしてギャラドス…はて、何だろこの既視感…

 

ギャラドス「ギャァアアアアア!!」

 

俺が考えていると

追いかけてくるギャラドスが空を飛んでいる俺に向かって咆哮を放ってきた

あまりの迫力に問答無用で思考を止められた俺はとりあえず近くにあった浜辺に向かう

 

はちまん「ちっ…戦うしかないか」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#セキチクシティ南の浜辺

 

バサッバサッ

 

ザッ、と砂浜に降りる

その浜辺はセキチクシティと隣接していて、セキチク方面に行くには坂を登る必要があるようだ

海岸の方を見ればしっかりとギャラドスがついてきている

ギャラドスが浜辺に辿り着く前に作戦ねろう

逃げようにもああやってしつこくついてくるのなら戦うしかない

さて、どうするか

まずギャラドスのタイプだ

ギャラドスのタイプはみずとひこう

ならばタイプ相性的にカラカラとロコンは出せない

となればゴルバットかカビゴンが戦う事になる

さっきの『アクアテール』の威力を見る限りあのギャラドスの攻撃力は高い

てことは、ゴルバットと比べて防御力が高いカビゴンが適任か

しかし問題がある

それはギャラドスのとくせいだ

ギャラドスのとくせいは『いかく』

…隠れ特性で『じしんかじょう』があるが、そのとくせいは今のところ問題視しなくてもいい

問題なのは『いかく』

これは相手の攻撃力を一段階下げる効果がある

物理が得意な俺のカビゴンにとっては非常に厄介なとくせいだ

しかし、この『いかく』にも効果を打ち消す方法がある

色々あるが、俺が出来るのは

戦闘に出したポケモンに『いかく』の効果を受けさせてから、交代でカビゴンを出すという方法

だが、これにも難点がある

カビゴンを交代で出した時にギャラドスの攻撃を受けてしまう事だ

 

はちまん「うーん…」

 

攻撃力を無視して戦うか

ダメージを無視して戦うか

どちらにせよリスクは大きい

攻撃力が足りずギャラドスを倒せなくてもマズイし、体力が足りずに倒せなくてもマズイ

カビゴンが倒されたら、戦えるポケモンはゴルバットしかいない難しい状況になってしまう

 

はちまん「………」

 

俺はギャラドスがそろそろ浜辺に辿り着きそうなのを確認してから、ポケモン図鑑に書かれている事を見た

…これなら、賭けてみるか

 

ギャラドス「ギャアアアアアア!!!」

 

向かってくるギャラドスに俺は右腕を向ける

そして左手を添えて、ボールから繰り出す

 

はちまん「出てこい、カビゴン!」

 

カビゴン「ゴーン!」

 

ドシーン

 

飛び出したカビゴンは砂浜に砂煙をたてながら足をつける

ギャラドスがカビゴンに気づいて速度を緩め、ゆっくりと腹を砂浜に上げる

 

カビゴン「………ごーん」

 

ギャラドス「………」

 

両者は睨み合う

その間に背中のゴルバットをボールに戻す

さて…

 

……

 

カビゴンを繰り出して、ギャラドスとの戦闘が始まった…わけなんだが

あれ?『いかく』ってどんな感じで発動すんの?

随分前にトキワの森でロケット団と戦った時に、アーボの『いかく』を見たことがある

あの時はわかりやすくアーボがいかくしてきて、カラカラが驚いていたから発動されたのを視認できた

だが、ゲームみたいにピコーンって表示されないからよく分からないんだが

もうカビゴンの攻撃力は下がっているのか?

それともギャラドスのとくせいが『いかく』ではなく、『じしんかじょう』だった?

 

ギャラドス「ギャア!」

 

俺の不安を他所にギャラドスは動き出す

あっちの方が素早いだろうから仕方ない

 

カビゴン「!」

 

カビゴンはギャラドスのアクアテールを喰らう

中々のダメージだ

ならこっちは

 

はちまん「カビゴン!あくび!」

 

カビゴン「ご〜ん…」。○

 

ギャラドス「!」

 

これでギャラドスは次のターンの最後に眠ってしまう

そこでダメージを与えれば勝算がある

 

ギャラドス「ギャア!」

 

またもギャラドスがアクアテールを放ってくる

あ、あれ?間隔が短いような…?

 

カビゴン「!」

 

カビゴン「…!!」フラフラ

 

に、二回くらっただけで瀕死寸前…!?

どんだけ攻撃力が高いんだよあのギャラドス!

だが、次のターンに眠る事を利用して、この技を食らわせる

 

八幡「カビゴン!ギガインパクト!」

 

 

カビゴン「ゴーン!!」ドガーン!!

 

ギャラドス「…!!」

 

カビゴンに『ギガインパクト』を当てる

これで大ダメージを与えられた

しかし『ギガインパクト』は技の反動で次のターン動けない

そこで『あくび』を使ってギャラドスを眠らせ、1ターン猶予を作る

なので次のターンはどちらも動けない

そしてその次のターン、ギャラドスが起きなければまたもう一度『ギガインパクト』を発動する

これなら戦闘不能に出来なくとも瀕死寸前までは減らせるだろう

 

ギャラドス「…!…zzz」

 

よし、作戦通りギャラドスは眠った

後は次のターンにギャラドスが起きないのを祈るだけ…

 

 

 

 

————ここで俺は大きな思い違いをしていた

 

 

 

 

次のターンにギャラドスが眠ったままなら確かに勝てるかも知れない

だがそれはこの戦闘が'ターン制の戦闘"だった場合だ

 

俺は気づかなかった

 

カビゴンに指示を出したのがギャラドスの行動後だった事を…

 

俺はもっと気にするべきだった

 

なぜ『いかく』の発動が分からなかったのか…

 

そう、俺は失念していた

とても重要なことを…

 

ここはゲームの世界であると同時に、現実である、と

 

 

ギャラドス「…っ!ギャアアアア!!!」

 

 

はちまん「!?」

 

カビゴン「!?」

 

なんとギャラドスはターン経過を待たずして眠りから目覚めた

ど、どういうことだ!?

こんなに早く起きるなんてことはよほど運がいいか、とくせいの効果によって起きるかだ

だが先ほども言った通り、ギャラドスのとくせいは『いかく』と『じしんかじょう』

どちらも眠りを一瞬で治すとくせいではない

ならば運が良かった?…とも違うようだ

 

ギャラドス「……っ!!」ギロ

 

なんとギャラドスは俺の方を睨みつけてきた

そのあまりの威圧感に怯みながらも考える

いままで色んなポケモンと戦ってきたが、戦闘中に俺に向けてこれほどの敵意を向けられたことはない

ましてや、戦闘相手のポケモンがいる中でトレーナーに集中するなんて事は通常の戦闘ではあり得ない

戦闘中なのだ、相手のポケモン以外に意識を向ければ指示を出す時間やタイミングに支障が出る

そんな事をすれば戦闘システムが崩壊してしまうのではないのか?

そしてそんな現象はゲームで見たことがない

となれば、これはシステム上の事ではない…?

その時、俺の頭の中にとあるポケモンの姿が思い浮かんだ

 

 

ポケモンタワーで戦ったガラガラだ

 

 

あのガラガラはゲームの戦闘システムを無視して俺に襲いかかってきた

あれがあそこに眠るガラガラの遺恨が生み出した幽体であり、怨みによって襲ってきたと言うのであれば、システムに囚われないというのも一応納得が出来る

そしてその時と同じ現象がいま目の前で起こっている

しかし、あのギャラドスはどう見てもまやかしの類ではない

だがアレの行動がシステムの枠から逸脱しているのも確かだ

では、幽体ではないとすれば他にあのガラガラとの共通点は何か

 

…怨み、か?

 

まさかあのギャラドスは俺に何らかの怨みを持っていて

その感情のままに襲ってきているのか!?

となればこれはアイツの…システムもルールも関係のない…暴走!!

 

 

ギャラドス「ギャアアアア!!!」ずずずっ!

 

 

俺がそう結論付けるのと同時に、ギャラドスが浜辺に上がってきた

そして目の前にカビゴンがいるにもかかわらず俺に向かってきている

 

はちまん「くっ…」

 

ま、まずい

カビゴンはいま瀕死寸前の状態で、とてもこのギャラドスを相手できるような体力は残っていない

しかもさっきの作戦が破綻した今となっては止める手段が何もない

…こうなったら…逃げるしかない!

俺はカビゴンをその場に残したまま身体ごと反転させる

 

はちまん「こっちだ!ギャラドス!」

 

ギャラドス「ギャアアアア!!!」ずずずっずずずっ

 

案の定ギャラドスは脇目も振らずに俺の方に向かってくる

そのまま俺は浜辺の先、セキチクシティの方へと坂を駆け上がり逃げる

よし、このまま俺がアイツを引きつけて時間を稼ぐ

その内に妙案を出さなければ

しかし、またも俺にとって不利な状況になった

 

はちまん「…………っ!?なっ!?」

 

坂を登ってセキチクシティまで逃げて来られたのは良かった

だがそこには大きな問題が待ち受けていた

 

はちまん「ぽ……ポケモンセンター!?」

 

坂の先にはセキチクシティのポケモンセンターがあった

そうか、そういえばゲームでポケモンセンターは1番海に近い場所に設置されていた

 

はちまん「くっ…しまった…!」

 

後ろを振り返ると、もちろんギャラドスが追いかけてきている

このままだと暴走したギャラドスがポケモンセンターに接触してしまう

 

下手をすればポケモンセンターを破壊し出すかもしれない

 

冗談じゃない

今…ポケモンセンターの中には…っ!

だがどうする?

唯一対抗できるカビゴンは置いてきた上にそもそも戦えない

手持ちのポケモンでギャラドスを止められそうなものはいない

どうやってあの暴走したギャラドスを止める…っ!?

 

……………

…………

………

 

いや、いた

止められそうなやつ

 

俺だ

 

 

はちまん「…っ!」

 

 

俺は進む足を止めて、またも反転させる

今度は逃げるためではなく、ギャラドスに立ち向かうために

 

…ポケモンが動けない時は、トレーナーが動く

 

俺が、何とかしなければ…いけない

どうする?モンスターボールを投げて捕まえるか?

いや、捕まえられなかった時、ただの時間稼ぎにしかならない

だったら、身体で止めるか?

いや、俺の貧弱な肉体で止められるはずもない

なら…なら…どうするっ…

 

ギャラドス「ギャアアアアア!!!」

 

気づけば目前まで迫っていた

こうなったら…死ぬ気で止める…!

そう俺が覚悟した

刹那

 

 

 

ごおおおおおおーーーーん!!!!

 

 

 

はちまん「っ!?!?」

 

 

浜辺の方から大きな声が聞こえてきた

大地が震えるほどの咆哮

あれは…あの声は…カビゴン?

 

ギャラドス「っ!!?」くるっ

 

ギャラドスも驚き、振り返る

だが遅かった

その頃にはもう、カビゴンはそばまで迫っていた

しかしそれは後ろではなく

 

頭上

 

ギャラドス「っ!」さっ

 

なんとカビゴンは空から降ってきていた

ギャラドスもそれに気づいて避ける

 

ずうぅううぅぅん!!!

 

ぐらぐらぐら…

 

はちまん「う、うおおっ!?」ふらっ

 

カビゴンが地面に落下したと同時に地鳴りが響いた

その揺れで足元がふらつく

 

がしっ

 

そんな不安定な状態だったが、俺の身体をカビゴンが手で支えてくれた

俺は戸惑いながらカビゴンを見つめる

 

はちまん「か、カビゴン…?お、お前…?」

 

色々と疑問はある

なんで上から降ってきたのか、とか

さっきまで瀕死寸前だったのにこの元気はなんだ、とか

だがそれ以前に

 

 

カビゴン「……」キリッ

 

 

そのやる気に満ちた顔はなんだ?

普段あんなにのんびりとしたやる気のない顔をしていたのに

今はそんな気配など微塵も感じないほどやる気に満ちている

なんかゴゴゴ…とかの効果音が聞こえるくらいの迫力だ

いや、実際先ほどの地鳴りでゴゴゴ…と聞こえる

え?な、なにがあったんだコイツ…?

俺の疑問も他所に、カビゴンはギャラドスを睨みつける

ギャラドスもカビゴンの変化に驚いていたようだが、カビゴンのその敵意ある目に応えて睨み返す

 

カビゴン「……」キッ

 

ギャラドス「……」ギロ

 

2匹が睨み合う

そこに俺は呆然としながら立ちすくんでいた

これは…俺がカビゴンに指示しなくてはいけない場面か…?

 

はちまん「……」

 

いや、カビゴンのこの背中…

任せろと言わんばかりの威圧感だ

朝方にカラカラが気合い進化した時のような意思表示を俺は感じとった

 

はちまん「カビゴン…お前に任せる。後始末は俺に任せろ」

 

カビゴン「……」ふっ

 

俺がそう言うと笑いかけてきた

え、なにこのイケメン…///

 

カビゴン「…ご〜ん」ぐぐぐ

 

カビゴンは突進するつもりなのか、身体を低くして構える

 

ギャラドス「…ギャラ」ぐぐぐ

 

相手のギャラドスも突進するつもりか、同じく身体を低くした

カビゴンにとっしんと言う技はない

するとこれはカビゴンの技のうち、『ギガインパクト』か?

しかしいつもとは様相が違う

なんだかわからないが、俺はカビゴンを信じる

ならやりたいようにさせるだけだ

そして睨み合いの拮抗が崩れ、動く

 

 

カビゴン「ゴオオオオオォォォン!!!」ドドドドド!!

 

 

ギャラドス「ギャアアアアア!!!」ぐおおお!!

 

 

 

 

ドオオオオオオオオオオンッ!!!!

 

 

 

両者は走り出し、そしてぶつかり合った

強大な力と強力な力の激突

その破壊力は計り知れない

空気が震え

肌が痺れる

だがそれに怯んではいられない

俺は、俺の仕事をする

 

カビゴン「…………」

 

ギャラドス「…………」

 

ぶつかり合いの結果は…

 

 

カビゴン「」ふらっ……どーん

 

ギャラドス「」ふらっ……どーん

 

両者共に倒れた

前の戦いで受けたダメージが残っていたためだ

 

はちまん「カビゴンっ!」

 

カビゴン「」

 

呼びかけても返事がない

カビゴン…

 

ギャラドス「……っ」ぐぐっ

 

しかしギャラドスは瀕死であるにもかかわらず、まだ起き上がろうとしている

それほどまでに俺への恨みは大きいのだろう

俺が何をしたのか知らんが

ならそれは後でしっかりと聞いてやる

だから

 

はちまん「モンスターボール!」

 

ポンッ

 

俺の投げたモンスターボールはギャラドスにあたり、ギャラドスはボールの中に入る

そしてボールが揺れる

 

一回

 

二回

 

三回

 

…カチッ

 

 

はちまん「ギャラドス…ゲット」

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

113話 リキリキ!ゴーリキー!

#セキチクシティ南方

 

はちまん「カビゴン…」

 

カビゴン「………ご、ごん」

 

倒れたカビゴンの元へ寄る

急いでバッグからげんきのかけらを取り出して、食べさせる

もぐもぐ…ごくん

飲み込んだあと、顔が安らかになったのを見ると効果はあったようだ

 

はちまん「ふっ…。ありがとな、カビゴン」

 

耳のあたりのなでる

 

カビゴン「ごーん…zzz」

 

するとカビゴンは気持ち良さそうな顔になると、寝むりだした

はぁ、全くコイツは

 

はちまん「しかし、なんだったんだ?あのカビゴンの動き」

 

あんな攻撃は見たことがない

何度も言うようだが『ギガインパクト』はあんなモーションではない

それにカビゴンの見たことのないキリッとした顔

 

はちまん「……ふーむ」

 

なんだか最近…というか今日、分からない事が起きすぎな気がする

カラカラ然り、カビゴン然り

まあそれは追い追い考えておくとして

ギャラドスを捕まえたボールを回収する

ああ、こっちの事も考えないとな

そしてふと顔を上げると

 

はちまん「…………あ」

 

さらに考えないといけない事があった

それも今すぐに

 

はちまん「や、やべぇ」

 

俺の目の前にはセキチクシティから海岸へと続く坂道があるのだが

さっきのカビゴンとギャラドスが激突した衝撃でとんでもない惨状になっている

坂道の段差や岩は見るも無残に砕かれており、

坂道の両側にある岩壁はボロボロに崩れ、砂浜も微かに砂が残っているだけで実質消失していた

 

はちまん「え、えーと…、とりあえず逃げるか」

 

カビゴンをボールに戻して、その場から急いで逃げた

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#セキチクシティのどこか

 

[ギャラドス]

レベル 30

タイプ みず/ひこう

とくせい いかく

 

<覚えている技>

・アクアテール

・こおりのキバ

・かみつく

・にらみつける

 

歩きながら捕まえたギャラドスのステータスを確認する

ふむふむ

やっぱりとくせいは『いかく』であっていた

そして覚えている技だが、これまた絵に描いたように都合のいい技ばかり

先ず、さっきまでずっと使っていた『アクアテール』

これはみずタイプの物理技で、攻撃力の高いギャラドスには相性のいい技

しかし命中率が90%しかない

これは少し不安定かな

そして新たな技である『こおりのキバ』

これも物理技で、タイプはこおり

こっちも命中率が95%しかない

うーん

技の威力は『アクアテール』も『こおりのキバ』も安定している

しかしその分、命中率に不安がある

いや、かなりの高確率なのはわかっているが

 

経験上、ポケモンで命中率100%以下は信じられない

だけど技威力100以下も信じられない

しかしそんな技はなかなかない

どうしようもないこの気持ち

 

ま、それはそれとして

後の『かみつく』と『にらみつける』は以前に紹介したのを参照して下さい

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

さて、俺はいまとある場所に来ていた

本当はポケモンセンターに帰りたかったが、その前にやる事ができた

それはギャラドスを捕まえた事により気づいたこと

これから必要になる物を手に入れるために来た

 

#サファリパーク

 

そう俺が来ているのは

ライオンだー♪、の歌でお馴染みのサファリパーク

その入り口にいる

そしてここで手に入れる物とは

秘伝マシン『なみのり』を手に入れることだ

サファリパークの壁に貼ってあるポスターにはこう書かれている

 

『ただ今、キャンペーン中!

サファリパークの奥地まで行き、従業員に報告すると秘伝マシンなみのりをプレゼント!

ヤドン園長より』

 

ヤドンの頭に茶色いハットを被せたイラストと共にそう書かれていた

サファリパークの奥地とは何か

サファリパークには3つのエリアがあり、その内の3つ目に到達して、そこにある小屋の中にいる従業員に話しかければ『なみのり』が貰えるのだ

ちなみにヤドン園長とは、園長がヤドンに似ていることからそう言われているらしい

…た、たぶんイジメではない、ヤドン可愛いし

 

受付「こんにちは!サファリパークをご利用ですか!?」

 

はちまん「はい、そうです」

 

受付「それではご説明をさせてください!」

 

受付に行くと、係りの人がサファリパークの利用について説明してくれた

 

・ルールその①

利用金額は500円

・ルールその②

園内のポケモンは通常のモンスターボールでの捕獲は禁止

捕まえるには園側が用意した『サファリボール』を使用すること

なお、サファリボールは30個まで

・ルールその③

各トレーナー自身のポケモンを持ち込み、同伴は禁止

持ち物、バッグ、アイテム等も持ち込みは禁止

・ルールその④

園内に居られる時間は30分まで

もしくはサファリボールを使い切った場合にも退場して頂きます

 

受付「以上です。あとは他のご利用客にご迷惑をかけないよう注意してください。よろしいですか?」

 

はちまん「うっす。あの質問いいですか?制限時間がきたり、ボールを使い切った時に帰る時はどうするんですか?」

 

受付「それは………カモン!リキちー!」

 

受付の人が裏手に呼びかけると、かいりきポケモンのゴーリキーがやってきた

…え?まさか?

 

受付「もし園の入り口から遠い場所で制限時間がきた場合、ボールが無くなった場合はこのゴーリキーのリキちーがここまで運んでくれます!」

 

リキちー(ゴーリキー)「リキー!」むきっ

 

ゴーリキーことリキちーはマッスルポーズをとった

ま、まて…それは…

 

はちまん「そ、それって、このゴーリキーがずっとついて来るってことですか?」

 

受付「はい!そうでーす!」

 

リキちー「リキー!!」むきっ

 

またもマッスルポーズをとるリキちー

た、確かにそれなら制限を守れるからいい手段だとは思うが

 

はちまん「あ、あの、このゴーリキーにビビってサファリパークのポケモンが驚いて近づいてこないと言うのは…?」

 

受付「ふふふ、そのあたりは無問題です!リキちーはこのパークのポケモンにとっては人気者ですから、ポケモン達が離れていくどころか近づいて来ますよ!」

 

ほっ、よかった

別に今回はポケモンを捕まえにきたわけではないので関係はないが、これから先にまた利用するかもしれないので安心

しかし、後ろからゴーリキーが付いてくるのは作品の秩序的に不安…

 

『キマシタワー!しかもこれはある種のケモ○ーも同時に味わえる!!』

 

ヒィ!?脳内に直接腐女子(ケ○ナー装備)が!?

 

受付「では、こちらをお持ち下さい!」

 

係員の人から手渡されたのはサファリボール30個

ポケモンのエサ団子が何個か入った袋

そして……ナンダコレ?

ウマ?シャベル?

 

はちまん「あの、エサが入った袋はわかるんですが。この馬とシャベルカーをくっ付けて小さくしたような機械は何ですか?」

 

受付「これはですね!ポケモンを捕まえるために使う道具でして!エサはポケモンの気を惹きつけるためです!そしてこの機械!名前は『バンバンドロダンゴツクール君』です!それを使えば簡単に泥団子が作れてしまうのです!ちなみにモチーフは『ドロバンコ』というポケモンらしいのですが、私は知りません!違う地方のポケモンらしいのですが!」

 

確かに言われてみれば形は、うさぎうまポケモンのドロバンコにそっくりだ

全体的に茶色いし、先ほども言った通り馬の形をしている

ドロバンコの顔がシャベル状になっていて、首の辺りが上下に動いて自動で土を掬(すく)い、泥団子を作り出す機械のようだ

たてがみの所がスイッチで、押すと首が動く

へー、これいいな、可愛いし

どっかで売ってるのを見つけたら買ってみようかな

 

受付「では、お気をつけて!いってらっしゃーい!」

 

俺はバッグとポケモン達を預けて、サファリボールとエサ袋と『バンバンドロダンゴツクール君』を持った

そしてリキちーを連れてパーク内へ入った

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#ちゅうおうひろば

 

はちまん「……えーと」

 

サファリパーク

それはもう草木が生い茂る自然豊かな園だった

入り口からすぐの場所は広場になっている

草むらがたくさんあって、草むらの中にいるポケモンもここから見えるくらい沢山いる

…だいたいが虫ポケモンだがな

お!あれはカイロスか

って、スゲェ!ストライクも一緒にいるぞ!

ど、どうしよう、あの2匹捕まえようかな?

ゲームでもすっげぇ珍しかったからな

…あ、なんかカイロスがストライクに襲われてる

恐ろしいカマの猛攻にタジタジなカイロスは、遂には逃げ出した

それを逃さまいとするストライクは…

 

ブーーン!

は、速っ!?なんだあのストライクの飛行速度!?

あっという間にカイロスに追いついたぞ!

振り下ろされるカマ

 

ガキーン!

しかしそれは運良くカイロスの角に当たって難を逃れた

 

ブンブン!

それを見たカイロスは角を振り回して反撃に出た

 

ドゴォ!

だがその角がストライクに当たる事はなく、横から突進してきた違うカイロスにぶっ飛ばされていた

な、なにゆえ!?

ぶっ飛ばされたのとは違う、横から来たカイロスは戸惑っている

どうやらストライクから襲われているカイロスを助けようとしたが、間違えて助けようとしたカイロスをぶっ飛ばしてしまったようだ

 

ドゴォ!

さらにぶっ飛ばされたカイロスは怒り狂い、はたで惨劇を見ていた別のカイロスをぶっ飛ばしていた

どうやらこっちも間違えて攻撃してしまったらしい

それから3匹のカイロスで喧嘩しだした

ストライクを放ったらかしにして

 

はちまん「な、なんなんだアイツら…」

 

あんま関わらない方がいいな

カイロス達から離れるように俺は次のエリアへ移動した

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#だい1エリア

 

はちまん「…………」

 

パークの奥へ向かう途中に、歩きながらまたもギャラドスのステータスを覗いていた

よーく見てみると気になる文章がある

ステータスには、性格や個性が書かれているのだが

それ以外にも『であったばしょ』と言うものが書かれている

例えばカラカラはマサラタウンのオーキド研究所

ゴルバットはオツキミ山

ロコンは3番道路の育て屋さん

カビゴンは12番道路

そしてギャラドスは……

 

クチバシティ、とある

 

……えーと

ま、まあ薄々気づいていたが

やはりクチバシティの釣り堀で何度も釣り上げたコイキングが進化したのがこのギャラドスなんだ

しかしそうなると分からない事だらけだ

何故コイキングがギャラドスに進化したのか

何故クチバシティの海にいたコイキングが、ここセキチクシティの海にいたのか

そして何より

何故俺を狙って襲いかかってきたのか

 

はちまん「うーむ」

 

1つずつ消化していこう

 

まず、コイキングがギャラドスに進化している事だが

恐らくコイキングが独自に進化を果たしたのだろう

ゲームから現実となった世界でトレーナーに干渉されないとポケモンは進化出来ない、と言う決まりはない

野生のポケモンには進化済みのポケモンもいるのだから自然に進化してもなんらおかしくない

 

それから何故、クチバシティからセキチクシティに居場所が変わっていたのか、だが

このカントー地方の海は繋がっているので、海を渡ってきたと言う事で解決

 

とすると問題はただ一つ

俺を標的として襲ってきた事だ

原因は何だ?

クチバシティの釣り堀でコイキングにした事と言えば

逃しても逃しても、何度も釣り上がってきて、最終的にはコイキング自身から陸に上がってきていた

その後、釣り堀にいた釣り人さんに怒られて

また逃して逃して

それでも何度も上がってくるから仕方なく釣り人さんに協力してもらって何とかなった

 

はちまん「あれ?どちらかと言えば、俺が被害者じゃね?」

 

釣り糸を垂らしたのは俺だが、その後にはキチンと逃して処理したのに向こうがしつこく上がってくるんだ

あの時はホントに迷惑してたんだからな

と、なると原因は俺ではない?

もしかしてあの後に何かあったのか?

例えば釣り人さんに何かされたとか…

 

はちまん「………ん?釣りの後?」

 

釣りをしたその後日って…

 

 

サントアンヌ号をサカキが派手にぶっ壊した日じゃねーか

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#だい2エリア

 

エリア移動しながら思考を巡らせる

ここからはもしかしての話しだが…

もし俺とサカキの甲板のやり取りをもしコイキングが見ていたとしたら?

もしサカキが船を壊した時、コイキングはその近くにいて被害を受けていたとしたら?

そしてコイキングの勘違いで俺がサントアンヌ号を壊したと捉えられていたら

それで恨まれていたとしたら

 

はちまん「逆恨みにもほどがあんだろ…」

 

釣り上げられまくった事で恨まれていても

サントアンヌ号が壊れた事による被害で恨まれていても

どちらにせよとんでもない逆恨みだ

だってどっちも俺が被害者だし

しかしこれまでのはただの仮想だ

他にも原因があるのかも知れない

…うーん、こればっかりは直接聞かないとわかんねぇな

 

はちまん「…お、そろそろ最後のエリアに着くか」

 

てか、クチバシティにいたのって6日前なんだな

サカキが暴れたのも明日で丁度一週間か

時が経つのが遅いような、早いような

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#だい3エリア

 

はちまん「ん?」

 

目的のエリアへと足を踏み込んだ瞬間、目線の先にキラキラした物が落ちていた

近づいてみるとそれは金色に輝く入れ歯だった

 

はちまん「ああ、えーとこれは…」

 

ゲームでのイベントで出てきたアイテムだ

確かここの園長の私物だったはず

だだ園長に届けようにも人の入れ歯なんて手に取りたくない

あ、そうだ

 

はちまん「なあ、リキちー。この入れ歯を園長に届けてやってくれ」

 

リキちー「リキッ!」むきっ

 

いや、マッスルポーズはとらなくていいから

余計な事はしていたがリキちーはちゃんと園長の入れ歯を拾ってくれた、そのまま手に持っている

よかったー従業ポケモンが付いてきてくれてて

でもこの入れ歯のイベントってなんだっけな

ふたご島に入る前にクリアした記憶はあるんだが…

まあいいや

俺は考えるのをやめて、このエリアのさらに奥にある小屋に入る

ガチャ

中には男性の係員がいた

 

男性係員「おっ!やっと来たか!」

 

はちまん「あ、どうも」

 

中でずっと人がくるのを待っていたのか嬉しそうな顔で招かれた

 

男性係員「いやー、よかったよかった!では、これが景品の秘伝マシンだ!」

 

はちまん「ありがとうございます」

 

なみのりの秘伝を受け取る

よし、もうここに用はないな

さっさと帰るか

俺は足早に小屋を出て行く

 

 

男性係員「もう本当にだーれも来なくてさー!暇で暇で仕方なかったんだー!あ、そうだ!よかったら話し相手に…」

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#サファリパーク入り口

 

はちまん「お、おおう…」

 

リキちー「リキッ!!」むきっ

 

小屋から出た後、時間切れになり

リキちーが肩車して、受付のあるパークの入り口に運んでくれた

すごい体験だった

なんだろう、ゴーリキーってこんなにガッシリした身体だったんだ

安心感がハンパない

そして安心感と共に既視感も感じていた

あの時は肩車じゃなかったけど、マサラタウン辺りで似たような事があったなー

 

受付「あ、お帰りなさい!」

 

はちまん「どうも」

 

最初に受付してくれた人が俺を見つけて話しかけてくれた

 

はちまん「リキちー、ありがとうございます。とても頼りになりました」

 

受付「そうですかー!それはよかったです!」

 

はちまん「あとこれ、入れ歯なんすけど落ちてたんですよ」

 

リキちーの持っている入れ歯を指す

 

受付「えっ!?き、金色の入れ歯って…園長の…」

 

はちまん「そうなんですか。では預けておきますね」

 

受付「うぇっ!?え、あ!そうです!わたしは忙しいのでお手数ですがお客様が届けてくれませんか!?園長の家はこの町の南にあるので!」

 

あー、この人も触るのは嫌なんだろうな

 

はちまん「分かりました。でもそのかわりに、このリキちーも一緒に来てもらっていいですか?」

 

受付「あ、はい!大丈夫です!」

 

と言うわけで、ポケモン達とバックは返してもらい

ゴーリキーのスタンドは続行で着いてくることに

サファリパークを出て、園長の家に向かう

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

#セキチクシティ南側

 

はちまん「ここか?」

 

リキちー「リキッ!」

 

リキちーに案内されながら園長の家に着いた

隣には池付きの家がある

 

カラカラ「か、から」ビクビク

 

ゴルバット「zzz」

 

ロコン「……」

 

途中でカラカラ達を外に出して、一緒に歩いていたんだが

カラカラがリキちーにビビりまくっていた

うーん

まだコイツの初めて会った時からのビビリ症は治ってないみたいだな

そーいやロンドを始めて見た時もこんな感じだった

てかコイツ、ロンド以外にデカイ体躯のヤツを見た事がなかったような…?

カビゴンは早めに慣れてたから良かったけど、サカキのサイドンにはビビってたし

この症状は中々治りそうにないなぁ

でも新しく捕まえたギャラドスには早めに慣れてもらいたい

あ、ちなみにビビっているのを見てるのもいたたまれないので抱き上げて歩いています

抱き上げた後、何故かロコンが肩に乗って来た

むすっ、としていたのからヤキモチかな?

そーなると

腕にカラカラ、背中にゴルバット、肩にロコン、そして後ろからゴーリキーがついて来る

見ようによってはハーレムに見えなくもない

♂ばっかだがな

 

はちまん「お邪魔しまーす」

 

家の中にはスーツを着ている爺さんがいた

たしかにヤドンと顔が似ている気がする

あ、インターホンとか押さなかったけど、インターホンとかないから別にいいよな

 

園長「ふぉ?ふぁふぇふぁへ?」

 

園長さんはこちらに気づいて話しかけてきたが、歯がないのでうまく話せないようだ

歯がない…はがない…

…やべ、ネタは見つけたけど面白いことが何も思いつかない

だからこのネタは拾わないです

ごめんなさい

 

はちまん「リキちー」

 

リキちー「リキッ!」むきっ

 

リキちーに指示を出すと、マッスルポーズをとってから園長さんに金色の入れ歯を渡してくれた

 

園長「ふぉ、ほれふあぁ!?」

 

園長さんは驚いてそれを受け取り

早速自分の歯にはめ込んだ

 

園長「もご…もご。んぐ…あ、あーあー。はひふへほ、かきくけこ。おおっ!喋れる!やはりこの金の入れ歯が1番会うわい!」

 

嬉しそうに色んな言葉を発してみている園長さん

……その入れ歯、地面に落ちてたんだけど大丈夫かな…?

その上ずっとリキちーが持ってたんだけど…

まあいいか

 

園長「あははっ!いやーどこの誰かはわからんが、ありがとう!」

 

はちまん「いえ、お礼を言うならリキちーにしてやって下さい。コイツがそれを持っていてくれたんで」

 

園長「そうか。ありがとう、リキちー」

 

リキちー「リキッ!」むきっ

 

園長「しかし、君にも何かお礼をあげたい。なのでこれを君にあげよう」

 

園長さんは何かのわざマシンを渡してきた

これは、秘伝マシン?

 

園長「秘伝マシンのかいりきじゃ!これを使えばポケモンに『かいりき』を覚えさせることができるのじゃ!」

 

あー、思い出した

このイベント

ふたご島で『かいりき』が必要になったから解決したやつだ

それに技もノーマルタイプの物理技だから使えない事もない

そうだ、ついでに『なみのり』も軽く説明しておこう

『なみのり』はみずタイプの特殊技で、戦闘での使い勝手がかなり良い

ちなみに秘伝マシンは6つある

『いあいぎり』

『そらをとぶ』

『なみのり』

『かいりき』

『フラッシュ』

『いわくだき』

このうち俺は『フラッシュ』と『いわくだき』以外を持っている

だが『フラッシュ』はトレーナーサーチャーに搭載されているから

使用できないのは『いわくだき』だけだ

 

はちまん「ありがとうございます」

 

園長「おう!リキちーには別にお礼をあげるからの!」

 

リキちー「リキッ」むきっ

 

さて、もうようはないかな

 

はちまん「では、お邪魔しましたー」

 

足早に園長さんの家から出て行く

 

 

園長「しかし本当に良かったー!ずっとまともに喋れなかったからの!あ、そうだ!良かったら話し相手に…」

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

114話 誰だ誰だ!拙者だ!

#セキチクシティ

 

なみのり、かいりきの秘伝マシンを手に入れて、俺はセキチクシティの町をカラカラやロコンと共に歩く

ゴーリキーことリキちーはサファリパークの方に戻っていったので、カラカラを腕から降ろした

そしたらロコンも肩から降りてくれた

ゴルバットは例によって背中で寝てます

アイツ本当にしっかりしているな

さって、これからどうするか

 

はちまん「…まあ、先ずはコイツをどうにかするか」

 

ギャラドスの入ったモンスターボールを見ながらそう呟く

捕まえてから瀕死状態のままだ

だからポケモンセンターに行くか

でも、もしかしかしたら怒り狂ったアミーをアンズが連れて来ていたら困るな

いや、もしかしたら雪乃達が弁明してくれているはずだ、多分、きっと

どちらにせよ、ギャラドスは回復させねーとな

 

はちまん「えーと、ポケモンセンターは園長の家から西…」

 

西の方角を見る

そこには沈んでいく太陽が見えた

今頃気がついたが、もう夕方になろうとしている

そりゃあそうだろう

今日だけでどれだけの事があったか

 

朝はサイクリングロードを通ってセキチクシティまで来て、町の入り口付近で鳥使いの少年達やアミーと戦い

昼は町の散策をして

ポケモンセンターに行くと雪乃達と再会、互いのポケモンを紹介し合った

それから釣り堀に行ってギャラドスと遭遇し、襲われはしたがカビゴンの頑張りで何とかなった

その後、必要な道具を手に入れるためにサファリパークへ

そこでゴーリキーことリキちーとパーク内を通り、目当ての物を獲得

そして今、その帰りの途中

 

はちまん「…今日一日でどんだけ出来事があったんだよ。そろそろ俺のキャパシティも破裂するぞ」

 

これはもうギャラドスの事もあるし、ポケセンに行くの一択だな

これからの事はそこで考えよ…

 

「待たれよ、少年」

 

はちまん「えっ?」くるっ

 

カラカラ「?」

 

ゴルバット「zzz」

 

ロコン「?」

 

帰ろうとして歩こうとした瞬間、背後から誰かに話しかけられた

後ろを見るとそこには全身紫色の格好をした男性がいて、こちらを見ている

頭には紫色のニット帽を目深く被っているので顔はわからない

上半身は紫色のジャージに下半身は紫色のスウェット

見た目はまんま不審者にしか見えない人だった

えっ!なに?職質…、じゃねーわ

職質されるのは不審者の方だ

じゃあ不審者にまで職質される程に俺は怪しいのでは!?

でも警察の格好してないと、いきなり街中で職質したら誰でも怪しまれるよなぁ

とりあえずこの人は紫男って呼ぼう

 

はちまん「えっと…俺に何か用ですか?」

 

紫男「単刀直入に聞こう。街の南であった騒ぎを其方は知っておるか?」

 

はちまん「うえっふ!?え、えっと」

 

騒ぎ…ってのは間違いなく、ギャラドスの件だ

ここでギャラドスのやった事を思い出してみよう

釣り堀を破壊

海が震えるほどの咆哮

そして浜辺の消滅

うん、迷惑かけてばっかりだね

バレたら終わる

 

はちまん「し、知らないですね」

 

紫男「そうか。ならば聞き方を変えよう」

 

すると紫男さんは俺の周りにいる、カラカラやロコンを見て聞いてくる

 

紫男「其方はポケモントレーナーと見受ける。しかも中々の腕の持ち主のよう。されど、ポケモントレーナーとは、トレーナーの性格がポケモンに現れるもの。言うなればポケモンとはトレーナーの生き写し、分身」

 

はちまん「は、はぁ」

 

何が言いたいんだろう?

 

紫男「では、もう一度聞こう。カラカラ殿よ」

 

カラカラ「か、からっ?」

 

紫男「其方は町の南で起きた、ギャラドスが暴れたと言う騒ぎを知らぬか?」

 

カラカラ「……」あせあせ、ちらっ

 

突然に聞かれたから、カラカラは焦っている

チラチラと俺の方を見て、どうすればいいのか聞いてくる

…やられた

まさかカラカラに聞いてくるとは思わなかった

こうなるともう誤魔化せない

カラカラに嘘をつかせるわけにはいかない

 

はちまん「…すみません、嘘つきました。その暴れたギャラドスは俺が釣り堀で釣り上げました。その後浜辺まで場所を変えて、そこでも破壊行動をしました。しかし全て故意にしたわけではありません」

 

 

紫男「ふむ、そうであるか。…ファファファ!ならば話しは早いでござる!」

 

 

バッ!

 

いきなり口調が激しくなったと思ったら、着ていたジャージを脱ぎ捨てた

紫男さんがジャージを脱いだその姿は、忍び装束に赤いマフラー

そしてニット帽がなくなった事により、露わになった顔は…

 

はちまん「なっ!?」

 

セキチクシティジムリーダーのキョウ!?

 

文字通りここセキチクシティのジムリーダーであり、どくタイプポケモンの使い手である

そしてさっきポケモンセンターで会ったアンズの父親だ

変装していたのか!?

 

はちまん「な、なんでジムリーダーが!?」

 

キョウ「ファファファ!件の騒ぎを聞きつけ、釣り堀の方へ行ってみれば、そこの者からはギャラドスが暴れた為に釣り堀が破壊されたと言う!そしてそれを黒い服をした男が釣った事が原因であり、その原因の男はギャラドスを連れて海の方へ行ったと!拙者が知っているのはここまででござるが、まさか更に被害が出ているとはな!」

 

はちまん「ま、待って下さい!たしかに被害を出したのは俺です!ですがそれには事情があって…」

 

キョウ「どんな事情があろうとも、拙者は其方を懲らしめねばならぬ。其方にも言い分があるのなら、ポケモン勝負でござる!」

 

はちまん「くっ!」

 

こ、これは勝負を受けなければならない状況になってしまった

この勝負を拒否すれば、あらぬ疑いが更に増えてしまう恐れがあるし

 

第一に、ギャラドスのおやは俺だ

 

しかし、今からの戦闘はマズイ

相手はジムリーダーのキョウ

弱点が少なく、厄介な状態異常にさせる技が豊富にあるどくタイプの使い手であり

ゲームでは『どく』『まひ』『ねむり』『こんらん』を治せる道具と、相手のポケモンが使う『ちいさくなる』の回避率を上げる技の対策がなければキツかった

まず『ちいさくなる』ならロコンの『だましうち』でどうにかなるし、ロコンは更にエスパータイプの『じんつうりき』で弱点がつける

ゴルバットは『どく』状態にはならない

カラカラはじめんタイプでどくタイプに有利だ

全体的に有利ではあるが

 

大きな問題がのしかかっている

 

俺の周りにはカラカラとロコン、背中にゴルバットがボールから出ていて、手持ちのポケモンがキョウにネタバレしている

さらに、こっちのネタはバレていないが、カビゴンはギャラドスの戦闘後、げんきのかけらを使って回復させたとはいえ半分ほどの体力しか残っていないし

ギャラドスはあの戦いの戦闘不能状態から回復していない

 

なので、新しく入ったギャラドスは体力不足で戦力外

カビゴンはとくせいの『めんえき』で相手のどく状態にする技に有利だが、体力の問題で長時間の戦闘は出来ない

なので100%の実力で戦えるのは、カラカラ・ゴルバット・ロコンだけ

さらにタイミングを逃せば、『まひ』や『ねむり』で動けなくなったところを一方的に攻撃されて、あっという間に負けてしまう

くそ、なんで俺はこんなピンチ状態からの戦闘ばっかりなんだよ…!

唯一の勝てる可能性は、キョウにバレていないカラカラの『気合い進化』だが、そっちも未だに全てが判明しているわけではないので使いこなせるかどうか…

あーもう!本当に崖っぷちだな!?

だがキョウは勝負をする気満々みたいだ

し、仕方ない

ここはどうにかして、なんとかして、切り抜けよう

 

 

キョウ「こわっぱが、この町を好き勝手にしてくれおったな!どくを喰らったら自滅!眠れば無抵抗!忍びの技の極意を受けてみるがよい!」

 

 

 

 




と言うわけで
いきなりですが次回、セキチクシティジムリーダーキョウ戦から入ります

キョウの先発はドガース
はちまんはゴルバットです


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

キョウ戦

 カビゴンと新しく入ったギャラドスは体力が減った状態。残りの3匹はというと、3匹ともボールから出している状態なので手が読まれている。

 危機的状況下の中、戦いを仕掛けてきたのはセキチクシティのジムリーダーキョウ。間違いなく実力者であり、これほどのハンデを負いながら余裕で勝てるほどの相手ではない。

 さらに言えばここはジムではなく、ジム戦ではない。そのことから相手に公式の試合ルールなんてないはずで、回復のアイテムも使われるだろうし、手加減もしてこないだろう。

 まさに負けることが確定していると言っても過言ではない。

 

 だがしかし突破口はある。カラカラの新たなる力『きあい進化』の存在だ。あれははがねタイプが付与されるので、毒タイプ使いのキョウ相手なら有利。

 けれどこれには致命的な欠点があり、俺自身がこの進化に関して何も知らないということだ。

 

 

キョウ「ゆくぞ! ドガース!」

 

はちまん「ご、ゴルバット! 出番だ!」

 

 

 圧倒的不利な状況でジムリーダーキョウとのバトルが始まった。

 相手のポケモンはドガース。どくタイプのポケモンだ。

 こっちは吸血鬼演出する余裕もなくゴルバットを前に出す。頭の中であらゆる戦法を考えては、片っ端から除外していって決めた戦法は、

 

 

はちまん「ゴルバット! そらをとぶ!」

 

 

 考えられるほどの余裕の作れる猶予が欲しい。その一心で一旦ゴルバットを戦闘から離脱させる。

 

 

キョウ「ドガース! えんまく!」

 

 

 キョウのドガースは命中率を二段階さげる『えんまく』を使って来た。しかしゴルバットの方がすばやいため、そらをとぶで上空に避難したのでえんまくは外れた。

 まずは、一呼吸。よし、よしよしよし……考えはまとまって来た。

 次のターン、俺はすでに指示を出している状態。

 

 

キョウ「ドガース! じばく!」

 

はちまん「⁉︎」

 

 

 指示を出している状態なのでキョウの指示する技を聞けたが、彼の言った技名に驚きを隠せない。

 

 

ゴルバット「!」ヒュゥーー、バシッ!

 

ドガース「……!」

 

 

ドガース「!!」ドガァン!

 

ゴルバット「……!!」

 

 

ドガース「」バタン

 

 

 ドガースの放った『じばく』という技は、己の身を犠牲にして相手に大ダメージを与える技。

 結果、マタドガスは倒れて、そして高威力のじばくをくらったゴルバットも大きなダメージを負ってしまった。

 

 

はちまん「まだやれるか? ゴルバット」

 

ゴルバット「バット」こくん

 

 

 ゴルバットの調子を確認しながら、今のキョウがとった行動を考える。

 なぜ『じばく』だった?確かにゴルバットのそらをとぶの降りてくるタイミングで発動すれば必ず当たる。

 しかしそれはドガースを行動不能にしてまで取るべき行動だったのだろうか。まだバトルが始まって2ターンしか経っていない、早々に1匹を失うのは痛手だろう。

 そう思ってキョウの顔を見れば、笑っていた。こちらに不敵な笑みを向けながらドガースをボールに戻すと、2匹目のポケモンが入ったボールを手にした。

 

 

キョウ「困惑しているな。忘れていたか、ワシは状態異常にするのを得意とするジムリーダーという事を。そしてそれはポケモンに限らず、こうして相手トレーナーの意図できぬ行動を見せる事でトレーナー自身を混乱させられるのだ」

 

はちまん「………術中と言いたいのか」

 

キョウ「全てが術中。私の取る行い全てが貴様を貶める術よ! さあ次だ! 待ったはなし! いでよベトベトン!」

 

 

 2匹目は、アミーも使って来たベトベトンだ。

 どくタイプの技なら受け切れるだろうが、ベトベトンは技範囲も広い。それに『とける』を使われて防御力を上げられるのもまずい。

 早々に決着をつけるのならば『そらをとぶ』で悠長なことはやってられない。

 

 

はちまん「ゴルバット! あやしいひかり!」

 

キョウ「ベトベトン! ちいさくなる!」

 

 

ゴルバット「!」ピロピロ

 

ベトベトン「……⁈」

 

 

ベトベトン「!」ぐぐぐっ

 

 

 すばやさはゴルバットの方が早く、先制で混乱状態にできた。

 しかし相手のとった行動は『ちいさくなる』。いつぞやに双子の幼女と戦った時、ピッピがしてきた技だ。回避率を上げて受ける技を当たりにくくする。

 混乱にできたものの、技が当たらずに長期戦になれば混乱の自傷行為も意味がない。なら早めに手を変えるべきだ。

 

 

はちまん「戻れゴルバット! いけるか、ロコン」

 

ロコン「……」こくん

 

はちまん「よし」

 

 

 ゴルバットをボールに戻して、ロコンを出す。

 

 

キョウ「ベトベトン! とける!」

 

ベトベトン「!」ぐちょぐちょ

 

 

 そしてベトベトンは『とける』をしてきた。これで回避率が上がった上に、防御力も上がった。攻撃が当てられても中々ダメージを与えられないだろう。

 俺がロコンに変えたのは、必中技の『だましうち』で確実にダメージを与えようと考えたからだ。しかし『とける』をされてしまえばだましうちによるダメージも雀の涙。

 『ちいさくなる』と『とける』を最大まで積まれて、こっちが何もできなくなった時に攻撃されれば不利だ。

 エスパー技の『じんつうりき』でいくか?じんつうりきなら弱点もつけるし、とけるでの物理防御力上昇も関係ない。けれど回避率も上がっているので当たるかどうかは運任せ。

 

 

はちまん「ロコン! じんつうりき!」

 

キョウ「ベトベトン! ヘドロこうげき!」

 

 

ロコン「!!」

 

スカッ

 

 

ベトベトン「⁈」バシッ!

 

 

 両者とも攻撃を仕掛けるが、ロコンは技が当たらなくて、ベトベトンは混乱自傷を起こした。

 そしてこのターンでベトベトンの混乱状態は回復する。

 『じんつうりき』で倒せるまで撃ち続けるか、それとも……、

 

 

はちまん「………」ちら

 

カラカラ「………」じっ

 

 

 カラカラの『気合い進化』を出すかだ。カラカラの方をチラッと見ると、カラカラも見つめ返してきた。いつでもいけるぞ、か。

 ……うーん。

 

 

キョウ「悩んでられる暇はなかろうて」

 

はちまん「え?」

 

キョウ「申したであろう、あの手この手を使いトレーナーをも混乱に陥れると。さあワシの次の一手が想像できるか! なぜ君の前にワシの娘が現れたのか! そしてワシが『黒い服』と聞いて敏感にもここまで行動したのか! 全てを加味してポケモンセンターの方角をみるがよい!」

 

はちまん「ポケモン……センター……?」

 

 

 ポケモンセンター。そう言われて真っ先に頭に浮かんだのは雪乃、結衣、いろは、シオンの4人だ。あの4人は今ポケモンセンターにいる。

 ゆっくりとポケモンセンターの方を見た。瞬間ーー

 

 ドガーーーンッ!!

 

 

はちまん「!?!?」

 

 

 そちらに目を向けた直後、大きな爆発音と地響きがした。ポケモンセンターからだ!

 

 

はちまん「な、なにを……アンタ何をしたんだ! アソコにはアンタの娘もいるかもしれないんだぞ!」

 

キョウ「私がしたか否かは答えられぬな。だがどうする? この爆発音を聞いてキミはどう動く。このまま続行するか?」

 

はちまん「そんなのっ!」

 

 

 決まっている。バトルなんてしている場合ではない。すぐにもポケモンセンターに向かって4人を助けにいかなくては。

 だがしかし、次にキョウが言った言葉は非情なものだった。

 

 

キョウ「ならば敵前逃亡とみなしてバッチはあげないこととしよう」

 

はちまん「はあ⁉︎」

 

キョウ「キミの正体は知っている。タケシからもカスミからもキミのことを話されたからな! そしてジム制覇を目的としていることも理解している! だからこそ言おう、ここで戦闘を放棄すればバッチは絶対にあげない。もしここでキミの行動がワシが気に入るものだとしても、放棄すれば金輪際ワシの持つピンクバッチは手に入れられないと知れ」

 

はちまん「な……な……」

 

 

 俺のことを知っててなお勝負を仕掛けてきたのか!だとか、そんな道理あるのか!だとか言いたかった。けどそんなことよりもーー!

 

 

はちまん「ロコン! 戻れ!」

 

 

 ロコンをボールに戻して、足元にいたカラカラを抱き上げる。

 

 

キョウ「ほう? ジム制覇は諦めるか」

 

はちまん「もともとそんなんどうでもいい……最初から俺は、誰かがバッチを全部取ればいいと思ってた……それよりもここで失っちゃいけないのはアイツらだ!」

 

 

 キョウから背を向けてポケモンセンターに急ぐ。

 

 

 

 

 

キョウ「ファファファ………」

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

危機

 キョウが何をしたのかわからない。でも爆発音はたしかに聞こえた!

 俺は走ってポケモンセンターに急ぐ。そして中に入ると煙の匂いがした。

 

 

はちまん「ゆきの! ゆい! いろは! シオン!」

 

 

 名前を呼んで4人を探す。

 が、返事は返ってこなかった。

 煙はバトル場のあるポケモンセンターの後ろの方からだ。そちらに向かう。

 そこにはーー

 

 

マルマイン「………」

 

 

 瀕死のマルマインが転がっていてーー

 

 

ロロット「おや、まさかこんなところで出会うとは奇遇ですね」

 

 

 片手でアンズの首を手で締め付けて、余裕で持ち上げている、薄気味悪い笑みを浮かべているロロットがいた。

 

 

はちまん「な、え、ロロット⁉︎」

 

 

 ロロットとは、ロケット団の中でそれなりの地位にいると思われる人物だ。細長い見た目と怪しげな雰囲気がある。

 

 

はちまん「なんでここに………アンズ!」

 

アンズ「うっ………くう……」

 

 

 首を絞められているアンズから苦しそうなうめき声がした。

 

 

ロロット「なんでと言われましても、ここは私の故郷でしてね。挨拶に来たら突然ここにいる小娘達に攻撃されまして。やれやれ」

 

 

 小娘“達”?周りを見ると、離れた壁の方にピンクのベルドレスを着たアミーが倒れているのが見えた。体にあざができていてこっぴどくやられてしまった様子。

 アンズとアミーが、現れたロロットに攻撃したのか。そして、2人は負けたと。

 

 

はちまん「とりあえずアンズを離せ」

 

ロロット「交渉ですか? それは」

 

はちまん「ああ、俺をどうしても構わないから離せ」

 

アンズ「はち………まん………さん」

 

ロロット「はいはい、カッコいいですね」

 

 

 あっさりとアンズを解放したロロットは、床に倒れ込んで咳き込むアンズの腹を蹴り上げてこちらに蹴り飛ばしてきた。

 飛んできたアンズの体をキャッチする。

 

 

はちまん「アンズ……大丈夫か?」

 

アンズ「うぐっ……は、はい……けほけほっ!」

 

 

 アンズをゆっくりとおろしてから、ロロットを睨む。

 

 

ロロット「おーおーそんな怖い顔で睨まないでください」

 

アミー「くっ……そ、そいつは前にもここに現れて……ポケモンセンターのカフェでマルマインを爆発させたの……!」

 

 

 倒れていたアミーが起きあがろうとしながらそう言った。思い出せばカフェの注意書きにもマルマインが爆発したのでポケモンは入店禁止と書かれていた。その原因がロロットだったのか。

 

 

はちまん「アミー! アイツらは!」

 

アンズ「ゆ、ゆきのさんたち……は、アミーさんと会った後、買い物に……ううっ」

 

はちまん「そうか。ありがとう、アンズはもう喋らない方がいい」

 

アンズ「はい……」

 

 

 アイツらは無事なのか。ロロットが現れる前に買い物に行って危機回避したらしい。

 だが爆発音を聞いてすぐに戻ってくるかもしれない。そうなるとあぶない。相手はアンズとアミーを余裕の表情で倒してみせたんだ。雪乃達でも勝てるかどうか……。

 

 

ロロット「…………ま、安心してください。そろそろ退散しますよ。実験していた同僚もお仕置きできましたし、この街に用はありません。ここには本当にご挨拶にきただけですから」

 

はちまん「実験……?」

 

ロロット「ポケモンを無理矢理進化させるという実験らしくてですね、困ったことにロケット団も一枚岩とは行かなくてですね。私のやり方に合わなかったのでお仕置きを、と」

 

はちまん「ポケモンを……無理矢理進化させる……?」

 

ロロット「これ以上は申し上げられません。あなたとの勝負、心待ちにしておりますよ、ボスのお気に入りさん」

 

 

 そこまで言うとロロットは瀕死だったマルマインをボールに戻すと、煙のように姿を消した。まるで忍者だ。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

アミー「……私たちが攻撃した途端、なんの躊躇いもなくマルマインをだいばくはつさせた。しくじった……相手がロケット団と知っていたのに、警戒を怠った!」

 

ゆきの「いいえ、サントアンヌ号での一件もそうだったけれど、あの人たちは私たちの想像を超えてくるわ。情や倫理などない、そう言う行動を予想できる人なんていない。だからこそ“悪の組織”と呼ばれているのよ。そう自分を卑下するものではないわ」

 

アミー「………………」

 

 

 ロロットがいなくなった後、爆発音を聞きつけた雪乃達がすぐに戻ってきた。

 そしてアンズとアミーはポケモンセンターで治療を受けている。大事には至らなかったのが幸いか。

 

 

いろは「けど……買い物にいかずにあのままあそこにいたら出会ってたんですよね私たち」

 

ゆい「う、うん……怖いね。ヒッキーは大丈夫だったんだよね?」

 

シオン「………………………はち?」

 

はちまん「あ、ああ……大丈夫だ」

 

 

 俺はアンズとアミーの2人が寝ている寝室にいて、ずっと1人で考えていた。ロロットの言った『ポケモンを無理矢理進化させる実験』と言うもの。

 そして俺の捕まえたギャラドス。

 もしかしてアイツらがしていた実験対象はギャラドスだったんじゃないか?

 そしてギャラドスが俺を見て一心に襲いかかってきたのは、この街に来てからたびたび怪しまれる要因となっている、俺の着ている黒い服だ。ロケット団も黒い服を着ていて、ギャラドスはこれを見て怒り狂い俺に襲いかかってきたのではないか?

 

 

はちまん「………なあ、アイツはここが自分の故郷だって言ってたけど」

 

アンズ「……あの人は父上の弟子でござる。拙者の兄弟子で……とても残虐な心を持っていたでござる」

 

はちまん「……そっか」

 

 

 だからあんな忍者みたいな姿の消し方をしていたのか。

 そして同門の人間からも残虐な性格だと言われているからロケット団にも入れたのだろう。

 そう結論付けた俺だったが、アンズの話はまだ終わってなかった。

 

 

アンズ「でも」

 

はちまん「うん?」

 

アンズ「それでも“とても素敵な夢”を持っていたでござる。それは拙者も尊敬していたでござるよ」

 

 

 “とても素敵な夢”?

 しかしそれを詳しく聞く気持ちにはなれなかった。

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

さて

はちまん「さて、バッチ制覇できなくなったわけだが」

 

 

 ポケモン達を回復させてカラカラ、ゴルバット、ロコンをボールから出して話し合う。今はバトル場のあるポケモンセンターの裏手の洞窟に来ている。

 

 

はちまん「ゆきの達には事情を話すけど、うーん、まあ別に支障はないからいいか」

 

 

 雪乃達には悪いことをした。これで最初にかわした約束も果たせなくなる。

 けどジム制覇をしなくたって別に問題はないのも事実。

 

 

はちまん「は〜、ゆきのからキレられそ」

 

シオン「………………………これからどうするの?」

 

 

 一緒にいてくれているシオンが聞いてきた。

 今までの旅の目的はバッチ集めだった。

 けれどこれでもう8個全部集められなくなった。もちろんポケモンリーグにだって行けない。

 

 

はちまん「どうすっかな……ロケット団の件でタマムシに戻るってエリカと約束してるから、そっちを片付ける方向で行くか」

 

シオン「………………………じゃあ」

 

はちまん「お前と、アミーと一緒に行くってことになるかな」

 

シオン「………………………やった」

 

はちまん「ならアミーを帰す方法を考えるかー」

 

 

 ごろん、と大の字になって床に転がる。実はこのバトル場がある場所は一度安全面を考えて封鎖されていたが、後々キョウが封鎖を解いた。

 解かれたばかりなので俺ら2人とポケモン達しかいない。俺はカラカラの頭を撫でながら、洞窟の天井を仰ぎ見る。

 

 

はちまん「………なにしよう」

 

 

 アミーを本部に戻す方法を考えてみた。でもそれはアミーがいないとどうしたって話は進まない。

 だったらと頭の片隅にそれは置いておいたけど、そうすると何もすることがなくなった。

 

 

はちまん「ポケモンを鍛えるにも、街の横の12番道路、13番道路、14番道路、15番道路は長いからなぁ……行こうにもって感じだ」

 

アンズ「ふふ、そうはなりませんでござるよ」

 

はちまん「アンズ?」

 

 

 いつのまにか俺のそばにアンズがいて、頭上から俺の顔を見下ろしていた。

 

 

アンズ「安心してくだされ、ピンクバッチならここにあるでござる」

 

 

 そう言って手の中のハートの形をしたバッチを見せてきた。

 

 

はちまん「えっ⁉︎ な、なんでそれ持ってるんだ⁉︎」

 

アンズ「全く、人を試すのは父上の悪いくせでござるよ。しかしはちまん殿、拙者からこのバッチは差し上げるでござる」

 

 

 アンズはからかうように俺の額にピンクバッチを乗っけてきた。

 

 

アンズ「父上は『ワシの持っているバッチはやらない』と言っていたはずでござる。なれば『拙者から』あげるバッチはそのひとつではないでござる」

 

はちまん「え……?」

 

 

 額に乗っけられたピンクバッチを手に取って起き上がる。そしてアンズの方をみる。

 いいのか?

 しかしたしかにアンズの言う通りであるなら、キョウはバッチをくれる気だったってことか?

 

 

はちまん「なんであんな試すような……」

 

アンズ「全くでござる。娘の命もかかっていたのにもかかわらず、最初からあの人の仕業だとわかっていて、それでもなおはちまん殿の真意のほどを試したかったらしいでござるよ」

 

はちまん「それで……」

 

アンズ「それではちまん殿の自分の中の何物にも変えられない大切なものを守ろうとする行為に対して、バッチを授けるとのこと」

 

シオン「………………………」

 

はちまん「……は、はは、なんだそりゃ」

 

 

 バッチ、貰えたって事でいいのか?

 

 

はちまん「あ、そうだアンズ、体の調子はいいのか?」

 

アンズ「うむっ! 半日も寝れば完全回復でござる」

 

 

 腕をムキっとさせて自信満々に回復した身体を見せつけてくる。可愛い。

 アミーの方はまだ完治とはいかないらしい。

 

 

はちまん「バッチ、手に入ったってことはもうここにいる意味もないのか」

 

シオン「………………………はち」

 

はちまん「安心しろシオン。アミーさんが帰ると言うまで一緒にいるから」

 

シオン「………………………わかった」

 

 

 どこか嬉しそうに、どこか寂しそうにしてシオンは頷いた。

 そんないじらしくするシオンを、俺は自分でもわからない内に抱きしめていた。

 

 

シオン「………………………はち?」

 

 

 細い。

 軽い。

 そして、小さい。

 力一杯抱きしめてしまうとすぐにでも折れてしまいそうな身体だ。そんなシオンを俺は抱きしめて、

 

 

はちまん「……よかった」

 

 

 彼女の耳元で、訳もわからずそう呟いた。

 自分でも何をやっているのかわからなった。ただシオンがこうしているだけで安心した自分がいる。

 あの時、俺は3人のほかにシオンも心配していた。だから無事なのが嬉しいのか。だとしてもこんな大胆なこと俺らしくないなぁ、と思うと笑えてきた。

 

 

はちまん「はは……無事でよかったってとこか」

 

シオン「………………………」

 

アンズ「はちまん殿、はちまん殿」

 

はちまん「ん?」

 

アンズ「シオン殿、倒れそうなくらい照れてるでござるよ」

 

はちまん「へ?」

 

 

 体を離してシオンの顔を見れば、真っ白な頬にうっすらと赤みがさしていた。

 しかし表情は若干強張ってるってだけであまり変わらない。

 

 

はちまん「え、そこまでじゃないだろ」

 

アンズ「そうでござるか? ふふっ」

 

シオン「………………………ぱいなっぷる、あとでおしおき」

 

アンズ「おーおー、怖い怖い」

 

 

 昼頃に追いかけ回されたお返しと言わんばかりにシオンをからかって布で覆われた口で小さく笑うと、アンズはどろんと姿を消した。

 アンズがいなくなり、シオンの顔を見て本当に変わったのかどうか吟味するためにジックリと彼女の顔を見つめていると、ぐいっと顔を押しのけられた。その頃にアミーがやってきた。

 

 

アミー「ほんと仲良いわねアンタら」

 

はちまん「アミー? 起きてきて大丈夫なのか?」

 

アミー「大丈夫よ。それにやることが多いし寝てられないの」

 

はちまん「ああ、ロロットが現れたってことはどこかにロケット団が潜んでるだろうからな。街の住民に警戒してもらわないと……」

 

アミー「ロケット団はもう捕まった、そして警戒させるのももうやった。そして安全だと判断して警戒体制も解除されてるわよ」

 

はちまん「はやっ⁉︎ え、怪我して寝てる時にいつのまに……」

 

アミー「アンズがどうしてあんなにも父親の話をあなたにできたかわかる? それはね、私達の部屋にキョウさんが現れて、伝えにきたからよ」

 

 

 街の警備やらなにやら何から何までキョウが全部後処理を済ませたらしい。そういえばここを一度封鎖して、それを解いたのもキョウだったな。

 

 

アミー「ふう〜〜〜………」

 

 

 アミーは大きなため息をつくと、その巨大な胸の下で腕を組んだ。そして自虐的に笑うと、

 

 

アミー「まるで私いらないみたいじゃない?」

 

はちまん「…………」

 

アミー「ぜーんぶぜんぶキョウさんがやってさ、今までこの街を守ることにやっきになってたけど、私は怪我しただけで後のことはぜーんぶあの人が」

 

はちまん「アミー、それは」

 

アミー「慰めの言葉はいらないわよ。10歳児に元気付けられるほど子供じゃないし、わからないわけでもない」

 

 

 いや、とアミーは続けた。

 

 

アミー「子供だったかもね、私は。この街守るって言ってロロットに勝てなかった。ロロットの街への侵入も許している。たしかにあの人なら私の警戒網の抜け道くらい知ってるとは思うけど……悔しい。悔しくて、自分が惨めでさ」

 

はちまん「…………アミー」

 

アミー「慰めはいらないって。それで、キョウさんの行動を見て踏ん切りがついたわ。帰るわ、本拠地に」

 

シオン「………………………あみーさん」

 

はちまん「やること多いって言ってたのはそのことか……でもいいのか?」

 

アミー「正直に言わせてもらうと、私らが集まったところでサカキやロロットに勝てる見込みは微塵も感じられない。でも話し合う時なんでしょうね。意固地になってばかりじゃいられないってこと」

 

 

 さて、と自分の心も落ち着かせるように一息ついてから腰に手を当てると、

 

 

アミー「で、いつ戻るの? 私のオニドリルならすぐにでも本部に空飛んで戻れるけど」

 

シオン「………………………」

 

はちまん「シオン?」

 

シオン「………………………」

 

 

 じーーーっとシオンは黙って俺の顔を見つめてくる。無表情で。

 

 

はちまん「なに」

 

シオン「………………………わからない?」

 

はちまん「言われないとわかんねーよ」

 

シオン「………………………そのこみたいにはいかないね」

 

 

 シオンはカラカラの方を見た。カラカラは首を傾げる。

 

 

シオン「………………………はなれたくない」

 

はちまん「シオン」

 

シオン「………………………わかってる、でも」

 

 

 スカートをぎゅっと掴むと、シオンは顔を伏せた。ゆっくり首を横に振ってから、すぐに顔を上げて、

 

 

シオン「………………………またあえるよね」

 

はちまん「おう。約束、あるからな」

 

シオン「………………………ん」

 

 

 短く返事をすると、アミーの手を引いた。

 

 

シオン「………………………いこ」

 

アミー「いいの?」

 

シオン「………………………にんばかりかっこいいことさせられない」

 

アミー「へぇ……わかった。それじゃ行こっか」

 

 

 シオンは最後に俺の方を見てから、

 

 

シオン「………………………うん」

 

 

 2人でポケモンセンターから出て行った。アミーと手を繋いで出て行くシオンの後ろ姿を見ていると、なんとなく喪失感を覚えた。

 そうか、シオンタウンからずっと一緒だったもんな。

 けどナナシマに連れてく約束もあるからすぐに会えるだろ……と、ここまで思って自分がまた会えることに安心したのを自覚して思わず笑ってしまった。前までの俺ならもう会わなくて済むと思うところなのに、どうしたんだろーな。



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 ~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。