戦え! けものフレンズvsトランスフォーマー (大きさの概念)
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第1話 激突!! フレンズvsトランスフォーマー!!

 今から少しだけ先の未来……人の住む場所を遠く離れた太平洋のどこかに、南海に浮かぶ絶海の島々をまるごと一つのサファリパークにした超巨大自然動物園「ジャパリパーク」が存在するっ!

 そこは彩り豊かな自然の宝庫であり、野生さながらに生きる動物たちに加え、不思議な生き物「フレンズ」たちが仲良く暮らす、まさに地上の楽園であった!

 

 そのジャパリパークの不思議な火山から、フレンズたちと超ロボット生命体トランスフォーマーたちの物語を始めよう!

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

【Episode 1: The Friends More Than Meets the Eyes (姿かたちも十人十色友人たち)】

 

 莫大なエネルギーを持つという謎多き物質「サンドスター」……ジャパリパークの「キョウシュウ」エリアの本土の中央部にはそのサンドスターを噴出する特別な火山が位置していた……。

 

 さあ、ご覧いただこう! ビスマス結晶にも似た、あでやかに虹色に輝く半透明の鉱物、サンドスター・クリスタルの噴火口から吹き出す様子を!

 

 その最後の噴火は、つい今しがたのことであった! サンドスターが細かい粒子となってきらめき、あたり一帯に漂っているではないか!

 

 

 

 さて、その噴火から間もない火山の、火口へと続く険しい山道を歩くふたりの少女!

「びっくりしたー。大きな音だったからまだ頭がクラクラするよ」

「だいじょうぶ? サーバルちゃん?」

 

 見よ! このふたりこそが、只今皆さんにお話しした超アニマル生命体、その名も「フレンズ」である。

 

 一見、動物を模した衣装を着た人間に見えるのだが、その実、彼女たちは、超物質サンドスターの持つエネルギーにより動物がヒトへと変身を遂げた、不思議な生き物なのだ!

 かたちを変えた秘密の動物、人呼んで「アニマルガール」である!

 

「噴火はもう収まったみたいだね」

「またあの大きな黒いセルリアンが出てきたら、どうしよう……?」

「“ししん”のフィルターがあるから、もう大丈夫なはずだけど……」

「あ! かばんちゃん! 何だろう、あれ!」

 

「サーバルキャット」のフレンズ「サーバル」!

「ヒト」のフレンズ「かばん」!

 噴火を目の当たりにしたふたりは、その調査のため火山に赴いたというわけだ!

 

「……これは……バス、かな……?」

「すっごーい! バスがたくさんいるよ!」

 

 思いがけないものを発見したかばんとサーバルが、驚嘆の声をあげる! 何しろ火口付近でフレンズたちが見つけたのは、3台の自動車であったからだ!

 

 バスではない自動車に対して、ふたりは口々に「バス」と言っているが、未開さながらの自然生活を送るフレンズには、当然、車種の区別がつくはずも無かった!

 

『カバン、コレハ“バス”ジャナイヨ。3台マトメテ“クルマ”ト呼ブノガ適切カナ?』

 

 車を知らぬフレンズたちに解説を行う、姿を見せぬ謎の声! その声は、かばんの腕に光る腕時計のようなもののレンズから発せられたのだった!

 

「ふーん。“バス”じゃなくて“くるま”って言うんだね」

「バスと比べて角ばってる?感じかな?」

 

「バスとは何が違うの? この大きい“くるま”はバスそっくりだし、こっちのふたつは“バスのあたま”(うんてんせき)と同じだよ」

「色が黄色じゃないのが“くるま”なんですか?」

 

『後部ニ、人ヲ乗セテ運ブ種類ノ車ノコトヲ“バス”ト呼ブンダヨ』

 

 彼女らフレンズに説明しているのが、パークの解説ロボット「ラッキービースト」である!

 今は理由あって、本体パーツであるレンズのみだが、本来はその名の通り動物の姿のロボットなのだ!

 

「え、えー!? “くるま”と“バス”が同じって、どういうことー!?」

「こういうのがみんな“車”で、特別な車が“バス”ってことかな?」

「難しくて全然わかんないよ! かばんちゃん!」

 

「うーん……簡単に言うと――サーバルちゃんやジャガーさんやスナネコさん、

マーゲイさん、ライオンさん、みんなを“ねこ”の仲間って言うようなものかな……?バスは車の仲間みたいなもので――」

「ボスの言ってることがすぐ分かって、かばんちゃんはすごいねー。私にはちょっと難しいよぅ……」

 

 近代文明の産物を目前にして、頭をかかえるサーバルの姿をご覧あれ!

 

『データベース検索中……コレラノ車両ハ、フレイトライナー・コンボイトラック、ポルシェ・935ターボ、ランチア・ストラトスターボ、ノヨウダネ』

「それぞれの車の細かい種類ですね……不思議な名前だね」

「長くて難しくて、まほうのじゅもんみたい。“くるま”は“くるま”じゃダメなのかな?」

 

 ご覧いただいた通り、ラッキービーストの解説を的確に理解し、車の分類の概念を正確に把握したのが、かばんである!

 彼女は、霊長類「ホモ・サピエンス」由来の頭脳明晰な判断能力を持ち、計算や思考、創造を得意とするフレンズなのだ!

 

 予想だにせず登場した車に対し、思い思いの感想を述べるフレンズたち……突然、彼女らの注目するところの車から、発せられる声があった!

 いち早く反応したサーバルの耳が向けた方向から、聞こえてきた声の主は!

 

『ううっ……マイスター、ホイルジャック、ふたりとも無事か……我々は……気を失っていたようだが……』

『大丈夫です、コンボイ司令……お怪我はありませんか……』

『どないなっとるんやぁ~……一体ここは……?』

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

 そして!

 

「うわああっ!? たっ、食べっ!?」

「く、くるまが、しゃ、しゃべったぁー!?」

『アワッ、アワワワワ……』

 

 3匹が面食らったのも無理はない! ただの車かと思われていたものが突然、人語を発したのだ!

 

 そう、彼らは普通の車ではない!

 

 知性と感情を兼ね備え、乗り物や道具からロボット形態へとトランスフォームする不思議な超ロボット生命体! 「トランスフォーマー」である!

 

『おや、あの声は……? 現地の住民がいるようだが……』

『“ビークルモード(くるまモード)”の我々が喋るのを見て、えらい慌てようでっせ~、司令官』

『よし、ここはひとつ、まず私が彼らに話しかけて、敵意がないことを示しましょう』

 

『『トランスフォーム!』』

 そう言って、特徴的な電子音とともに、フレンズたちの前で次々と「ロボットモード」に変形するトランスフォーマーたち!

 

 驚かせてしまったフレンズたちに、初対面の挨拶に歩み出たのは、トランスフォーマーの一派「サイバトロン」に所属する特殊工作員“マイスター副官”だ!

 ポルシェ・935ターボに変形するトランスフォーマーで、コンボイの秘書。クールだがフレンドリーな一面もあり、何よりも音楽が大好きという、お茶目なサイバトロン戦士なのだ!

 

「わわわ……」

「く、車って喋れるだけじゃなくて、大きくなれるんだーっ!?」

『ケンサクチュウ……ケンサクチュウ……該当データ無シ……ケンサクチュウ……』

 驚愕するフレンズたち! 想定外の状況に対応できずフリーズするラッキービースト!

 

 さあ、フレンズとトランスフォーマー、ふたつの異なる種族の邂逅の瞬間、たあっっぷりとご覧いただこうっ!!

 

『やあ、おふたりとも、初めまして。喋る車にたいそう驚いてるようだね。自己紹介が遅れたが、私の名前はマイスター。我々はサイバトロンといって、べつに怪しいものじゃないさ』

「は、初めまして! 私はサーバルキャットのフレンズ、サーバルだよ!」

「ボ、ボクはかばんと言います……ヒトのフレンズ、らしいです」

『ふたりともよろしく! こちらは私の仲間のサイバトロンたちだよ』

 

『よろしく。私はコンボイ司令官、正義のサイバトロンのリーダーだ』

「よろしくお願いします、“こんぼいしれいかん”さん」

 大型トレーラーからロボットに変形したのは、正義の戦士サイバトロン軍団の司令官、コンボイだ!

 トランスフォーマーたちの中でも、人一倍に知恵と勇気と仲間への愛を備えた、頼れるぅサイバトロン司令官である!

 

 動くものに強い興味を持つネコ科のフレンズであるサーバルは、どこへともなく去っていくコンテナに気を取られて、そっぽを向いていたのだが!

 

『吾輩はホイルジャックだよ~、おふたがた、よろしゅう頼んます。アンタらはこの辺の人かね? えらいケッタイな格好しとるそっちのお嬢ちゃんは、猫の耳に尻尾……まるで動物ソックリときたもんだ!』

 サイバトロン技術者ホイルジャックが話すたび、その耳が点滅する! 彼はアリタリア・カラーのランチア・ストラトス・ターボからトランスフォームするサイバトロン戦士だ!

 トランスフォーマーきって科学力を誇り、関西弁を流暢に操るユーモアも持ち合わせる発明家なのだ!

 

『サーバルちゃん……と言ったかい、君は今流行りのコスプレイヤーなのかな? ニッポンのセントラル・トーキョーのハルミ・チホーのあたりの漫画市場ではよく見かけるらしいが……』

 人間の文化に詳しいマイスターだが、この発言は的外れであった!

 

 だが、無理もあるまい! 彼らトランスフォーマーは、過去のアメリカ合衆国から、フレンズのいる異世界へとやってきたのだから!

 

「うーん……よく分からないけど……私は動物のサーバルキャットからフレンズになったんだ! 3人は車のフレンズなんだよね?」

「“さいばとろん”の皆さんは、サンドスターに当たってフレンズになったんじゃないんですか?」

『さっきからしきりに自分のことを“フレンズ”(なかま)と呼んでいるが、それは……」

『……もしかして君らは、我々の知る“ヒト”じゃないってことかい?』

『どうやらアンタがたは、吾輩らの知らない種族みたいだねぇ~』

 

『“フレンズ”というのも文字通り(ともだち)の意味じゃなくて、君たち種族の名前らしいな』

『ハハッ、私たちトランスフォーマーは、君たち“フレンズ”(アニマルガール)とは違う生き物なんだよ』

「え、えー!! フレンズじゃないー!!」

「ほ、本当ですかー!?」

 

『いやぁ~友好的(フレンドリー)という意味じゃあ~、我々サイバトロンも立派な“フレンズ”でっせ~、コンボイ司令官』

『おっと、君の言うとおりだな、ホイルジャック』

「全然わかんないけど、すっごーい!」

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

【トランスフォーマー解説:01】

 

ID:01 サイバトロン 総司令官 コンボイ / Optimus Prime

トランスフォーム:フレイトライナー社製COEトレーラー

主兵装:コンボイガン(レーザーライフル)

副兵装:エナジーアックス / スペシャル高射砲 / 小型走行車ローラー

体力:10 / 知力:10 / 速度:8 / 耐久力:10 / 地位:10 / 勇気:10 / 火力:8 / 技能:10 / 爆発力:10 / 人事力:10

座右の銘:「自由はあらゆる知的生命が持つ権利だ(Freedom is the right of all sentient beings.)

 

 コンボイはですね、基本的には地球のアメリカという地域のサイバトロン基地に過ごしていまして、

 若干ゃ草が生えているところなので、そういったところで走りやすいように、コンボイ、がっしりした個体で。

 

 フレイトライナーのCOEトレーラー、通称コンボイトラックにトランスフォームするロボットでして、だからコンボイという名前に。

 COEというのは、「キャブ・オーバー・エンジン」型の略で、運転席の下にエンジンがある車両、キャブはトラックや重機の「運転席」って意味の。

 フレイトライナー、アメリカで、一番見かけるトレーラーだと言われています。

 

 あと米国版では、オプティマス・プライム。むしろ最近は、実写版やアニメでこっちの名前ですので、馴染み深いって人も多いんじゃないかと。

 

 ロボット変形部分の「本体」、コンテナから展開して対空砲での自律射撃も可能な「コンバットデッキ」、偵察や陽動に利用できる小型バギー「ローラー」の3パーツに分離できて、これは玩具のギミックが元ネタです。

 アニメでも、使われる頻度は少ないですが、印象的な活躍をしていますよね。

 

 元々はタカラの玩具「ダイアクロン」シリーズ出身で、カーロボット移動基地「バトルコンボイ」、ハスブロがアメリカで発売して、日本に逆輸入されたのがトランスフォーマーシリーズで。

 

 トランスフォーマーは群像劇作品なので、正義の味方のサイバトロンが悪役のデストロンを倒すために、主人公のコンボイが、全話に登場していつもかっこよく大活躍、とか、そういうわけでもなくってぇ――

 

 トランスフォームが可愛いですよね、コンボイは。こう、バンザイ!みたいな姿勢が。

 あと、出たり消えたりするコンテナ、いい味を出していて、あれは瞬間移動できるっていう設定があって。

 

 人事力ぅ……ですかね。部下のトラブルなんかをスッと解決できる総司令官でして。けっこう、指導力が優れているので、作戦の立案以外は、フットワーク、軽々と、いい考えを出して、余裕で適切な判断をしてくれます。

 

『私にいい考えがある!』

『……ってコトは……何も考えてないってコトですかぁ~!?』

 

『ホアアアーーーッ!!』

 

はいけい:ぽーとらんど ふれいとらいなー・とらっくす(あめりか おれごん)

こえ:げんだてっしょう おにいさん

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

「ええー! “くるま”に、“トランスフォーマー”に、“サイバトロン”……名前がいっぱいあって覚えられないよぅ~」

『なあーに、これから覚えていけばいいのさ。僕らはもう友達(フレンズ)なんだから』

『君たちのこと、もっとよく知りたいからね。悪の“デストロン”軍団のこともゆっくり話してあげるよ』

 

「その“ですとろん”というフレンズさんは、どんな方たちなんですか?」

『「デストロン」共は仲間(フレンズ)じゃあないのさ、かばん』

 

 かばんの質問に対し、打って変わって語気を強めるコンボイと、うんうんとそれに同意するサイバトロン戦士。

 その返答には怒りや憎しみといった、ジャパリパークでは珍しいといってよい感情が含まれており、友好的な態度のサイバトロンたちが、突然そのような感情を見せることに、かばんとサーバルは面食らったのも無理はない……。

 

 その時である!

 困惑した空気を切り裂くかのように突然、轟音が鳴り響き、まばゆい閃光があたりに降り注いだ!

 この特徴的な電子音の意味するものは、光学兵器による奇襲である!

 さあ、このビーム攻撃の主は一体!?

 

 サンドスター火山の上空を飛行するものがあった! それは3体のトランスフォーマーたち、しかし彼らはサイバトロンではなかった!!

 

『フッフッフ……おかしな時空の歪みが起こって、どこにワイプしたかと思ったが……サイバトロンめ、連中もこの不思議な島に飛ばされてきたとはな……』

『奴らを攻撃する絶好のチャンスです、メガトロン様! そばにいる未開の原住民ともども総攻撃で全滅させちまいましょう!』

『お前に言われんでも分かっている、スタースクリーム。だがな、うかつに攻撃してはならんぞ。スキャニャーで探査したところ、あの火山は今、とてつもないエネルギー源に満ち溢れた、エネルギーの火薬庫のようなものだと分かったからな……』

『火山内部ニ、莫大ナエネルギー反応ヲ感知。ミサイル・ビーム兵器ノ使用ハ誘爆ノ危険性ガ高イ』

『サウンドウェーブの言うとおりだ。うっかりアタックを仕掛ければ島ごと大爆発、ワシらも爆発に巻き込まれ、全てが失われてしまうというわけだ……なんとしても、あの無限のエネルギーを我ら“デストロン軍団”の手中に収めなければ……』

『数ノ上デハ、3対3。ダガ向コウニハ、アノ“コンボイ”ガイル。白兵戦デノ勝率ハ低イ』

 

 彼らは悪のトランスフォーマー軍団「デストロン」の「メガトロン」「スタースクリーム」「サウンドウェーブ」である!

 

『分かったか、スタースクリーム。無謀な格闘戦を仕掛けてはならん。ここは一旦退却し、体制を整え、改めてこの地にデストロン軍団を編成してから、あのエネルギーを利用する算段を練るのだ』

『しかし今火口を攻撃すれば、エネルギーの暴発で奴らは木っ端微塵ですぜ!』

『だから、そうなれば無意味だと言っておるのだ、馬鹿者めが! ワシの話を聞いていたのか? あの膨大なエネルギー源を無駄にするという考えは、愚かすぎるぞ!』

 

だが!

 

『うるせえっ! いつも人を馬鹿呼ばわりしやがって! みすみすサイバトロン共をオダブツにするチャンスを逃すって手があるかよ! 俺様得意のミサイル攻撃でも食らいやがれっ!!』

『やめろ!! この愚か者(スタースクリーム)め!! エネルギーが水の泡になってしまうではないか!!』

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

 ――というやり取りが火山上空で行われていた! 

 

 デストロンの航空参謀スタースクリームが破壊大帝メガトロンの静止を振り切って放ったビーム攻撃が、サンドスター火山の火口に降り注ぐ!

 

「危ないっ! かばんちゃん!」

 刮目せよ! サーバルキャットのサーバルのジャンプ力ゥ!

 トランスフォーマーのセンサー以上の聴力により危険を素早く察知! 野生の反射神経! 軽々とかばんを抱えるその腕力! 目にも止まらぬしなやかなこの跳躍!

 ネコ科のフレンズであるサーバルならではの、危機的状況での素早い判断で、五月雨のようなビームの爆撃を鮮やかに緊急回避! 余裕のジャンプだ! 馬力が違いますよ!

「あ、ありがとう! サーバルちゃん」

 

『大丈夫か! かばん! サーバル! ホイルジャックとマイスターも無事か!』

『はい! コンボイ司令!』

『サイバトロン戦士! 散開して迎撃態勢を取れ!』

『司令官! 吾輩のデータバンクによると、このナルビームはスタースクリームの奴です!』

『やっぱりデストロンのしわざか! おのれぇ!』

 

 ビーム掃射奇襲アタックの難を逃れたサイバトロンとフレンズたちであったが、その光線がサンドスター火山火口部に結晶化したエネルギー・クリスタルのひとつに直撃していた!!

 

『ああ! クリスタルのエネルギーが!』

『司令官、このままでは周りのクリスタルに引火して大爆発! 島全部が一帯が吹っ飛んでしまいます!』

「ええっ! 火山が爆発しちゃうの!?」

「サーバルちゃん! 早く逃げないと!」

『ダメだ! とても逃げ切れない! すぐにでも爆発してしまう!!』

 

 見よ! 目前のサンドスター・クリスタルは、目も開けられぬ程まぶしいばかりに虹色の輝きを増し、いまにも爆発しそうではないか!

 

 フレンズの身体ほどの大きさのクリスタルであるが、その化学結合には、火口もろとも地形を吹き飛ばす威力のエネルギーが秘められていた!

 

 大爆発まで、あと何秒か!?

 どうする!? フレンズ!? サイバトロン!?

 

「爆発は、上に向かって起こるハズです! 姿勢を低くしたほうが安全です! うつ伏せになって頭を守り、出来るだけ爆風を防ぎましょう!」

「こ、こう? かばんちゃん?」

『よーし、我々の鋼鉄の身体(メタル・ボディ)、いざというときには誰かの盾になれるぞ!』

『全員、爆発の衝撃に備えるんやぁ~!』

 

 緊急時に冷静・的確な状況判断を下すかばん!

 身を挺してフレンズを守る決意を固めるトランスフォーマーたち!

 さあ~! どうなる!

 

『私にいい考えがある!』

コンボイのいい考えとは!?

 

『マイスター! ホイルジャック! フレンズを頼む! 爆発は私がなんとか食い止める!!』

 勇敢にも爆発寸前のクリスタルの前に飛び出すコンボイ司令官!

 覆いかぶさって爆発を最小限に留め、連鎖反応による誘爆を防ごうというわけだ!

 この命をかけたいい考えは功を奏するのか!?

 

『止めてくださいっ! コンボイ司令官! それではあなたの身体が!』

『ダメだっ! もう間に合わん! みんな下がれ!』

 逃げ場を失った強力なエネルギーが、とうとうサンドスター・クリスタルの中から大爆発を起こす!!!

 地獄の業火のような爆風がコンボイの身体の下で爆裂する――!!!

 

『ほっ、ほあああああーーーーっっっっ!!!!!!!!』

「コ、コンボイさーん!」

『しっ、司令官っ!』

「コンボイちゃん!」

『コッ、コンボイ司令ーーっ!』

『アワワワ……ハッ!』

 

 さあ、一体どうなってしまうのか!?

 サンドスターの大爆発の直撃を受けとめたコンボイは!?

 

 そして、火山上空のデストロンたちは!?

 

 フレンズたちとトランスフォーマーの運命やいかに!?

 

【続きは次回に! お楽しみに!】

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

『「PPP&デストロン予告っ!」』

 

「今週は“トランスフォーマー”について予習するわよ!」

「だぁーっ! “さいばとろん”とか“ですとろん”とか、名前がたくさん出てきて覚えられねえぜ!」

「平和を愛する正義の戦士たちが“さいばとろん”で、残忍で暴力的な悪の軍団が“ですとろん”……らしいぞ」

「そもそもトランスフォーマーって何の動物なんでしょうね? ボスの仲間だって聞きましたけど……」

「私たちフレンズとは違う“ちょうろぼっとせいめいたい”らしいけど……“バス”の姿から大きくなって、フレンズのような見た目になるみたいね」

「ばすてきなひとたち……」

「でもあの“トランスフォームッ!”ってのは、ロックでカッコイイよな」

「真似してみてよ、コウテイ」

「……と、とらんすふぉーむっ……ぎごがごごっ、コウテイペンギン、びーくるもーど……」

「イヤ、それ、フードを被って寝そべっただけじゃないですか……」

「とぼがん……」

 

『まったく……愚か者のスタースクリームのせいで、ワシの計画が台無しになるところだったぞ。しかしだ、あのお人好しのコンボイの尊いの犠牲のおかげで、火山全体の爆発は食い止められそうだがな……』

『へっ……コンボイは独り、犬死にってわけだ! “フレンズ”とかいう生命体をかばって自分だけが死ぬなんて、とんだお笑い草じゃねえか!』

『ダガ、見タカ、“フレンズ”ノアノ凄マジイジャンプ力ゥ……相当ナ身体能力ノ持チ主ダ……』

『けっ、腰抜けの臆病者め! あんな未開種族の野蛮人! 恐れるに足らない連中だぜ!』

『いや、サウンドウェーブの言うことは最もだぞ、スタースクリーム。確かにフレンズどもは侮れない奴らよ。我々の世界の人間どもに勝るとも劣らぬ頭脳と身体を持っているようだ。だがな……優れたものほど上手く利用してやればよいのだ。このメガトロン様のやり方でな、ふふふ……』

『あの原始的なフレンズどもと手を組もうだってぇ? メガトロンめ、耄碌したのか、とうとう電子頭脳の回路が動物並みになっちまったみたいだな! そうなりゃあ、やっぱりデストロンのニューリーダーはこの俺、スタースクリーム様よ!』

 

次回、【第2話 サンドスター・エネルギー強奪計画!!】

ぶっちぎるぜ!!



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第2話 サンドスター・エネルギー温泉計画!!

 サンドスター火山にて、「フレンズ」と「トランスフォーマー」の出会い……日々死闘に明け暮れるサイバトロン戦士に訪れた、ひと時の休息……だが! それもつかの間! 悪のデストロン軍団による奇襲アタック!

 航空参謀スタースクリームの放った鋭いレーザー攻撃が、火口のサンドスター・クリスタルのコアを直撃した! 仲間を守るために、励起したサンドスター・エナジーの爆発を防ごうとするコンボイ司令官!

 その身体で大爆発を受け止めたコンボイは、一体どうなってしまったのであろうか!?

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

【Episode 2: Hot War (熱闘!)】

 

 眩い閃光と大音響、爆風の衝撃は、TFのセンサーとフレンズの感覚器官に強い衝撃を与えた……麻痺状態から立ち直った仲間たちの瞳に映ったものは、我らの司令官が胸から煙を上げる姿であった……。

 

『コンボイ司令官!』

「コンボイさん! しっかりして下さい!」

『……皆……無事だったか……良かった』

 

『司令官! 我々を助けるために貴方が!』

『……他の……クリスタルへの誘爆は免れたようだが……私の身体は……メインサーキットまでダメージが及んだようだ……』

「コンボイ! 死んじゃイヤだよ!」

『14時25分アストロ時刻! 装備Aでサイバトロン標準術式応急処置を開始! 今の道具でどこまで直せるかわかりませんがね~。持ちこたえて下さいよ~、司令官。ほな、きばっていきまっせ~!』

 

 刻、一刻と生命の輝きが失われていくコンボイを救命せんがために、尽力するフレンズとサイバトロンたち!

 

 

 

『カバン、高速デ、コチラニ接近シテクル“フレンズ”反応ガ、1体アルヨ』

 火口へと現れる、翼を持ったフレンズの影!

 

「みんな……だいじょうぶ……?」

「あ、あなたはハシビロコウさん!」

 

「“ハシビロコウ”は鋭い眼光が特徴の、鳥のフレンズである! かばん・サーバルとは“へいげんちほー”攻城戦にて共闘し、ライオン軍団との激闘を共に乗り越えた戦友であった!

「……私……“博士”に頼まれて、火山の見張り役をしていたの……“さいばとろん”さんとの話も聞かせてもらいました」

 

 獲物を仕留めるまで長時間相手を見つめて動かない、超A級のスナイパー、ハシビロコウ! また、鳥類のため可聴域こそ狭いものの感度が高い聴覚を兼ね備えている! 目と耳と粘り強さに優れた彼女を監視役に据えた“博士”の考えは、適材適所と言うほか無い!

 

「ごめんなさい、盗み聞きするつもりじゃなかったんだけど……あなたたちはいい人みたいだから、私も出ていこうと思ったけど……私、人見知りで……でも、代わりに『救助隊』を連れてきました」

「きゅ、救助隊ー?」

「待ってて、もうすぐそこ……山を登ってくるから……」

 

 さあ! 「救助隊」とは一体何者なのか!?

 

「いやーずっとおぶさっちゃって悪いですー。私、地面は歩くのは苦手でしてー」

「山道なら私にまかせて! さあ、怪我人さんはどこに!」

 

 紹介せねばなるまい! 死にゆくコンボイの前に救世主として現れたのは、けものフレンズの新メンバー「コアラ」と「マーコール」である!

 有袋類のフレンズ「コアラ」は、有毒樹ユーカリの葉から「パップ」と呼ばれる万能回復薬を精製することができる!

 「マーコール」はペルシャ語で「野の山羊を総べる王」の意! パークの山岳地帯は彼女の縄張り(キングダム)だ! 切り立った岩場の移動など十八番(だいとくい)の彼女が、コアラを背負って来たというわけだ!

 

「“さいばとろん”の皆さん! 私たちが来たからにはもう安心よ!」

「私の特製“パップ”にまかせてですー。患者さんを見せて下さいー」

『フレンズの治療法だろう? トランスフォーマーに効くのかい?』

『いやぁ~駄目で元々! 天才である吾輩の修理もここじゃ限界だからね、試してみようじゃないかねえ!』

 

 見よ! マーコールが癒しの祈りをこめて増幅した、コアラ「パップ」の威力を!

 

『身体が……楽になっていく……君たち……フレンズが……助けてくれたのか……』

 患部にパップが塗布されると、サンドスターが虹色に輝き、植物が爆発の傷跡を覆い隠すかのように、破壊箇所が修復されていくではないか!

 それは、先ほどの爆発したサンドスターと同じでありながら、破壊的なエネルギーではなく、緩やかにそして優しく生命に微笑みかける、尊い輝きなのだった!

 

「すっごーい!」

「あんなにひどい傷が、あっというまに治っちゃったね!」

「これがサンドスターの持つ、“保存と再現”のチカラなの!」

『こりゃあドエラい再生効果でっせー。TF中枢回路を完全に修復しちまうとは! たいしたもんだ! コアラ君!』

「そこまで褒められると照れるですー」

『あの火山のクリスタルの破壊的エネルギーと同じものだが……サンドスターと言ったか……それを反作用にして修理に利用したというわけか!』

手術(オペ)は無事完了……患者さんの容体は安定しているわ。『とらんすふぉーまー』さんの命を救えて、本当によかった……」

「フレンズやけもの以外を治すのは初めてでしたがー……なんとか上手くいきましたー。流石サンドスター。パップ・ヤギスペシャルの効果は上々ですー」

 

『ありがとう、コアラ、マーコール。そして、いち早く助けを呼んできたハシビロコウにも感謝せねばな』

 3匹のフレンズへの、コンボイの親愛のボディタッチ! ポン、ポン……ポン。

 

「どういたしましてですー」

「あなたがいなくなったら……悲しむ仲間がたくさんいる……」

「もうこんな無茶はしないでね! あとちょっとで……本当に死んじゃうところだったんだから!」

 

うっすらと涙を浮かべるマーコール。先ほどまでの、熟練の名医を思わせるてきぱきとした態度とは対照的に、それは年端も行かぬ少女が死の淵から救った動物に見せるような、慈しみの表情だった! 彼女は、他者の命を救うことを至上の幸福とするフレンズなのだ!

 

『おやおや、コンボイ司令、小さな天使に心配をかけてしまったようですよ』

『いけませんな~司令官、正義のサイバトロンがこんなかわいい看護婦さんを泣かせちゃあ~』

『ハハハ、約束するよ、もうあんな無茶はしないって。私としても、あんなエネルギーのヒステリーに付き合うのは、もうこりごりさ』

「約束やぶったら、おしりに注射よ!」

「いいですねー。“パップおしり注射”はきっと効果絶大ですー」

『ハハッ、カンベンしてくれ』

 

「あーよかったねー。いちじはどうなることかと思ったよー」

「ボクたちを守るために……本当にありがとうございます」

『フフッ、皆にも心配をかけて済まなかったな……しかし、私たちに攻撃を加えたデストロンの連中は一体どこに行ったのだろうか……嫌な予感がするが……』

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

 一方その頃! デストロン一行は飛行を続け、火山近くの「ゆきやまちほー」の温泉旅館に到達していた!

 

『まったくこの愚か者めが! お前の浅はかさのせいで、全てのエネルギーがふいになるところだったぞ!』

『し、しかし爆発を防ごうとしたコンボイの野郎を始末することができましたぜ!』

『イヤ、“コンドル”カラノ通信ニヨルト、コンボイハ、生キテイル』

『そんな馬鹿な! あの大爆発を食らって死なねぇなんて!』

 

 デストロンの誇る情報参謀「サウンドウェーブ」は、あらかじめ偵察飛行に直属の兵士を送り出していた!

 その部下とは! カセットロン空中攻撃兵「コンドル」である! 普段はサウンドウェーブの胸の収納部位にカセットとして内臓されているが、任務の際は飛び出して猛禽類型のロボットに変形して飛行する小型のトランスフォーマーだ!

 卓抜した速度・機動性・航続距離! 小型であることを生かした隠密性! 独立飛行射撃可能な2門の背面つつインレーザー砲による正確無比の対地攻撃! また、味方に「臆病」ともしばしば揶揄される。異常なまでの慎重さにより、攻め時・引き際を誤らない判断力こそを、最大の兵装としている!

 

『ゴ苦労、コンドル! リタァ~~ン!』

 偵察任務から帰還したコンドルを胸部に収め、格納庫の扉を手で閉めるサウンドウェーブ。

『よくやったな、コンドル。火口付近の偵察映像を出せ』

 ホログラムによって映し出される、サイバトロンとフレンズのコンボイ治療の様子! コンボイの復活を知るメガトロン一味!

 

『コイツッ!』

『痛てぇッ!』

 落ちていた桶を投げつけられるスタースクリーム。

 

『見たか! コンボイはピンピンしているではないか! お前の行動は、我らデストロンがこの地に来ていることを、サイバトロン共にみすみす知らせるだけの結果に終わったぞ!』

『だ、だが良いニュースもありますぜ! あのフレンズとやらの不思議な治療パワー、我々TFにも効果があるってことです!』

『アレハ、火山ノクリスタルノ持ツ破壊エネルギート同ジ。破壊ト再生、表裏一体ノ、死ト生命ノエネルギー。フレンズ達ハ、名付ケテ、コレ! “星の砂《サンドスター》”ト呼ブ!』

『ふふふ……この島の生態系は、サンドスターで成り立っているようだ! なんと素晴らしい柔軟性に富んだエネルギーではないか! この利用価値は計り知れないぞ!』

『どうやら、今我々の近くにある熱水泉の水脈――人間どもは“温泉”と呼んでいましたがね――その温泉もサンドスターからの地熱エネルギーを使っているみたいです!』

『確かにな……向こうの建物の温泉は、湯煙とともに虹色の輝きで満ち満ちておるわ! その輝きも、全てワシの――余の物にしてくれようぞ! ハァーッハッハッハッ……』

 

の の の の の の の の の の の の

 

 さて! その問題の温泉では!

 

 旅の途中の「アライグマ」「フェネック」のフレンズが湯治客として湯に浸り、日々の疲れを癒やしていた!

「おんせんさいこぉ~、な~のだぁ~」

「わたしもぜんたいてきにどういするよー、アラーイさーん」

「それにしても疲れたのだ~。ひろうこんぱい、きわまるのだ~。“まんまる”は全然見つからないのだ~」

「ここんところ私たち、歩き過ぎたよ。もうしばらく、サンドスターの温泉で休んでいこうよー」

 

 ところがそこへ!

 温泉の竹垣を破壊するメガトロン! 湯舟に乗り込んでくるデストロン軍団!

 

『おや、これはこれは。先客がいるとは知らなかった。いやすまない。レディの入浴中に、大変失礼をした』

「う、うわー!! いきなり、何なのだーっ!! お前らーっ!」

「わー、わー、すごい大きな人たちだよー、アライさん」

『キャーキャー、うるせえぞ、チビ共がァ! これ以上騒ぐと、このスタースクリーム様が一思いにひねり潰してや――』

 まさに青天の霹靂! 狼狽するフレンズ! だが! スタースクリームを押さえつけるメガトロン!

 

『この愚か者めの乱暴を許してくれ……ワシはメガトロン大帝、デストロン軍団のリーダーだ。ワシらはトランスフォーマーといって、動物たちや、お嬢さんたちフレンズとは違う生き物。だが、君たちと友人(フレンズ)になりたいと思っておるんだ』

「わ、私はアライグマのフレンズなのだ! よろしくなのだ! 以後、親愛を込めて“アライさん”と呼んでいいのだ!」

「……私はフェネックギツネのフェネックだよ、ですとろんさん達……」

 

 アライグマとフェネックに表面上は紳士的に振る舞う、欺瞞(DECEPT)化身( ICON )メガトロン! その言動の真意は一体!

 

『さて……お近づきの印に、ここはひとつ贈り物でもしようと思ったのだが……あいにく我々、遠くから命からがら時空を飛ばされてしまったものでな。着の身着のまま、裸一貫。持っているのは、この命しかないのが、本当に残念でたまらん』

「たつまきか何かに飛ばされたのか? ですとろんたちがかわいそうなのだー」

「…………」

『しかし、身体は資本、持つべきものは身体に染み込ませた技術、手に職という言葉もある。ワシの手で、今ここでできる限りの物を作って、お渡ししたいと思うのだが……おちびさんたちは、今何か欲しいものはあるかな?』

「はいっ、あっ、ありますなのだーっ! アライさんたちは今、かばんさんの“ばす”の“まんまる”を求めていますのだー!」

「アライさん……それは……」

『ほう? 何だね? 詳しく話を聞かせてくれ』

「バスのおなかについてて、バスが歩くと、合わせてくるくる回るのだー。でも、かばんさんのバスは、大きなセルリアンをやっつけたときに、頭のまんまるがとれてまがってしまったのだー」

『ほうほう、分かったとも。ワシが“アライさん”に“まんまる”を作ってやるぞ』

 

 温泉侵入の際に破壊した木材を組み合わせ、即座に車輪を作成するメガトロン!

 木を湯気や煮沸によって曲面加工する「曲木」の技術は、19世紀ドイツのトーネット社が発明したのだが、フレンズにとっては全く未知の製法! まさに、まほう! というほかない見事な手際であった!

 

「わぁ~っすごいのだぁ♪ 木が“まんまる”になったのだぁ~」

「フフフ……ワシにとっては造作もないことよ。そんなものはいくらでも作れるぞ」

「アライさん、それは、ギンギツネさんたちが大事にしてる建物を壊して作ったものじゃないかー。そんなのは、もらえないよー」

「あれは事故なのだー! まちがってこわした壁をはいぶつりよう(リサイクル)なのだ―」

 

『ハハハ、もしワシら“デストロン”の仲間(フレンズ)になって一緒に材料を探してくれれば、もっと色々なものを作れるぞ。アライさんの好きなものは、何でも好きなだけ作ってあげよう』

「すっ、すごすぎるのだー! メガトロン……さんは、いだいなのだぁ!」

『そうだ、その“かばんさん”というフレンズにも、プレゼントを作ろう。きっと、アライさんのことをもっと好きになってくれるに違いない』

「ふとっぱらなのだ、メガトロンさんは! アライさんたちはデストロンのなかまになるぞぉ! かばんさんや皆に喜んでもらえるものをたくさんつくるのだ! なー、フェネックぅ!」

「んん……そうだねぇ……アライさん……」

 

『ふう、それじゃあ、一緒に湯に入るとしよう。ワシらも長旅で疲れたものでな……それから、隅っこで震えている小さなけものさんたち、さあ、こっちに来て一緒にサンドスター温泉のエネルギーを取り入れようではないか』

「あ、あなたたち……だいぶ風通しを良くしてくれちゃって……」

「壁抜け(物理)なんて、げぇむてきに反則(バグ)だよ……ちゃーんとチャートどおり、カギを探したりパズルを解いたりしないと……」

「よよよ……私の桶が壊れてたのは、もしかしてあなたがたですかね……ねねね……違ったら申し訳ないですが……」

「あたしゃ、アザラシ友達に誘われてPPPのライブを見にいったんだけどさ……あらやだ! もっとすごいモン見ちまったよ!」

『ハハハ……すまないな、なにしろ身体が大きいと不便なものでね。すぐ物を破壊してしまう。だが、竹のフェンスや板の洗面器など、いくらでも作ってやるぞ……」

 

『それにしても、サンドスターのエキス(だし)は五臓六腑に染み渡るわい。火山を見ながら、一杯やりたいものだ……サウンドウェーブ! フレンズのみなさんに、サンドスターのエネルゴン酒を振る舞って差し上げろ!』

『了解シマシタ、メガトロン様。フレンジー! ランブル! イジェークト! 温泉ノエネルギーヲ、エネルゴン・キューブニ詰メロ!』

 

フレンズたちに取り入ろうとする、卑劣極まりないメガトロンの策略とは! さあ、どうなる!

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

【トランスフォーマー解説:02】

 

ID:16 デストロン 破壊大帝 メガトロン / Megatron

トランスフォーム:ワルサー・P38(アンクル・スペシャル)

主兵装:融合カノン砲

副兵装:背面小口径ビーム砲 / エナジーメイス / レーザーダガー

体力:10 / 知力:10 / 速度:4 / 耐久力:8 / 地位:10 / 勇気:9 / 火力:10 / 技能:9 / ものづくり力:10 / 我慢強さ:10

座右の銘:「圧政による平和を!(Peace through tyranny!)

 

 エコロジー精神旺盛なので、メガトロンって。すぐ寄ってくるんですよ、水力発電所とかに。超自然エネルギーにもワーって、手出すんですけど、それを発明したがるので、メガトロン自身も。

 

 ドイツの名作自動拳銃、ワルサーP38に変形します、日本とフランスのハーフの怪盗で有名な。変形すると基本的に、部下に撃ってもらわないといけないのが可愛くて(笑)

 

 タカラの70年代の「ミクロマン」シリーズの「ガンロボ」アンクルセットですねー、元々の玩具は。出来が良すぎて、お土産として持って行こうとしたら空港で止められてしまい、関税職員の前で変形させてみせたというエピソードが好きです。

 折り畳み銃床(ストック)付きの、ワルサーP38のシルバーメッキモデル、消音器(サプレッサー)仕様、スコープ附属のスナイパーカスタム。

 アメリカのドラマ『0011ナポレオン・ソロ』に登場する、主人公スパイたちの使う特別仕様を再現したものです。ルパン三世もこれが元ネタです、アニメでP38を使うのは。

 

 コンボイたちとは違うシリーズの玩具なので、並べるとすごいです、頭身の違いが(笑)

 でもルーツがバラバラの玩具たちを、TFという、男の子のおもちゃ箱のような、1つの世界観に違和感なく放り込んで物語を描くところに、TFシリーズの懐の深さを感じます。

 

 性格は合理的・進歩的だけど、ちょっと神経質なところもあり、頑固親父です、あの人は。でも破壊と暴力ってほどもないです、裏切り者以外には(笑)

 アメコミでは、前職は炭鉱夫や剣闘士をしていたとか。

 

 全然、海の底とかも潜れるので、デストロン(あのひと)たち、潜水能力も高いので。アニメではよく、深海の秘密基地の中から泳いで出撃してましたね。

 ただ、遠出のときは、ちゃんと臨時基地を作って、サイバトロンに破壊されると、また海底に戻って。

 

『デストロン軍団! アターック!』

 

『この愚か者(スタースクリーム)めが!』

 

はいけい:うるむ かーる・わるさーしゃ(どいつ ばーでん=びゅるてんべるく)

こえ:故・かとうせいぞう おにいさん

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

「ふむ……今作っているのが、湯気のお風呂「さうな」ですな。大変興味深いですよ……よよよ~」

「サンドスターの砂風呂かぁ、こりゃあ完成すりゃあ、いよいよたまらないねぇ~」

「動物のころからひなたぼっこが大好きで~。あぁ~岩盤浴は最高ですね~。肉球ぺたぺた、岩に張り付く、この感触が~」

 メガトロンにそそのかされた温泉宿の宿泊客のフレンズたちが、デストロンの地熱発電装置の建設のため酷使されているではないか!

 

「サンドスター」の爆発的エネルギーの危険さを目の当たりにしたメガトロンは、サンドスター・エネルギーを地熱に変えて、間接的な形で、より安全な利用可能エネルギーとして採取する計画を立てたのだ!

 サンドスター・エネルギーを地下に送り、広範囲の岩盤を熱して地表でエネルゴン・キューブに蓄える発電プロセス! 名付けてコレ! ジャパリパーク「温泉フライパン」発電所! だが、急激な圧力を加えられた熱水脈が地下に張り巡らされた状態であり、ゆきやまちほー全土の大爆発の危険を秘めていた!

 

『素晴らしい……着々と我が温泉フライパン発電所ができていくではないか……。それも全てアライさんのおかげだ、見直したぞ』

「このくらい、お安いごようなのだぁ!」

 

 発電装置の材料探しは、メガトロンの口車に騙されたアライグマが請け負っていた!

環境への高い適応能力を持ち、鋭敏な嗅覚でどこでも探索でき、鋭い牙で切断し、器用な前足で何でも掴んで運搬する! 物探しのエキスパート! それがアライグマなのだ! さらに、以前に凶悪盗難事件の捜査でパークを奔走した経験が役に立っているらしかった!

 

『温泉完成の暁には、このパークのリーダーにしてやるぞ……つまりは、一番えらいフレンズというわけだ』

「ええーっ! すごいのだ! アライさんは、博士よりえらくなるのか! それってパークの『園長』ってことか!? アライさんは園長さんになるのが昔からの夢だったのだぁ~♪」

 

 

 

 そして!

 

『バカバカしい……こんな面倒臭いことしねぇで、直接サンドスターを利用すればいいのに……』

『黙らんか! スタースクリーム! あれは一歩取り扱いを間違えば、取り返しのつかない危険なエネルギー。わざわざリスクを冒すやつがあるか』

『だいたい、フレンズどもにおべっか使って働かすってのが、オレの性に合わねぇぜ』

『利用可能なものは、自分の手を汚さず、最小限の労力で限界まで使い尽くすのがメガトロン流だ……その搾取したエネルギーを、我らデストロンのジャパリパーク征服の糧とする!』

 

 だが! その時!

 

「話は聞かせてもらったよ~、デストロンのおにーさんたち~」

 

 フェネックである!

 その放熱用の大きな耳は、聴力に優れており、砂漠の砂の中の獲物を探し出すのに役に立つ! フェネックの地獄耳の前では、いかに狡猾なデストロンといえど、悪の密談は交わせない相談であった!

 

「最初から、みんなが作った温泉を奪って、独り占めするつもりだったんだねー?」

『フフフ、フェネックちゃん。そいつは誤解だとも』

「誤魔化されないよー。“欲しいものを好きなだけ”なんて聞こえのいい言葉、水と食べ物の貴重な砂漠育ちの私には、どうもうさん臭くてねー……」

『ホウ……それで?』

「最初から、あなたたちのことは信じていなかったのさー。私は生まれついての、警戒心と疑り深さだけが取り柄の、小さいけものでねー」

 

『お人好し揃いのフレンズにしちゃ、お前はなかなか頭が切れるじゃないか。それじゃあ、あのデストロン・ニュー温泉の半分をくれてやるぞ。これでどうだ?』

「そういう問題じゃないんだけどなー……メガトロンさん、アライさんに嘘をついたよねぇ? 皆の望むものをつくるとか、パークの園長になれるってさー。アライさんはそれを信じて頑張っているんだよー?」

『フン、あんな愚か者は、パークのリーダーの器ではないわい。馬鹿は所詮、使い捨てられるだけの価値しかないのだ。それよりも、フェネック、お前は聡明だ。あんな奴のことなど放っておいて、フレンズを支配するために、ワシを手を組まないか?』

 

「あのさー……私、顔には出てないかもだけど、今、すっごい機嫌が悪くてさぁー……?」

『ほう、ご機嫌斜めのお嬢さんは何をしでかすのかね? タヌキ(ラクーンドッグ)ダンス(フォックストロット)でも踊るのか?』

「ひどいことをしてでも、悪いことをするのを止めさせてもらうかなー?」

 

 野生の本能で目を輝かせ、両手からサンドスター粒子を立ち昇らせるフェネック! 体内のサンドスターを消費して、肉食獣の戦闘モードになる「野生開放」だ!

『けっ、下手に出りゃあ付け上がりやがって! この裏切り者の女狐めが! その目つきが気に入らねえぜ!』

『“ジャガー”イジェークト! フレンズノ反乱分子ヲ始末シロ!』

 

 さあ! 今、戦いのゴングが鳴らされた!

 

 サンドスター温泉により熱せられた岩盤地帯! サウンドウェーブが繰り出した猛獣型トランスフォーマー、カセットロン諜報破壊兵ジャガーvs砂漠の狐(デザートフォックス)フェネックの戦い! 小さな体で素早く走り回って攻撃を繰り出すフェネックに対して、熱せられた足場でジャガーは思うように動けない! 生まれも育ちも砂漠のフェネックの足の裏は毛で断熱されており、熱い岩盤などなんのその! 障害物もジャン↑プして回避!

 灼熱の岩盤地帯へと誘い込まれたジャガーに勝機は無かった! 敷設された落とし穴に脚をとられたジャガーに待っていたのは、無慈悲な爪の一撃だった! 大胆不敵なトリック・クロー!

 繁殖期になると気性が荒くなり、パートナーとは1時間以上も愛を交わすというフェネックギツネ! すべては愛する相棒のため! 目つき態度は冷たいけれど、ファイトは熱い!

 冷静さと激しさの二面性を併せ持つ、激しい気温の寒暖差のごとく、砂漠の心を持つフレンズ、それがフェネックなのだ!

 

だが、この状況を手をこまねいて眺めているデストロン軍団ではなかった!

『ちび助がちょこまかとっ! 中々やるじゃねえかっ!』

『ワシの融合カノン砲を食らえ!』

 メガトロンの右腕の融合カノン砲から連続で放たれる反物質エネルギービームは、切り立った岩山を打ち崩した!

 落石により得意のフットワークを封じられるフェネック!

『トランスフォーム! キツネ汁にしてやるぞ! サウンドウェーブ、間欠泉を撃てぇ!』

 拳銃に変形するメガトロン! それを手に取り、露出した温泉脈を狙撃するSW!

 

 怒涛の如くあふれ出す温泉! フェネックの身体を飲み込んだお湯の勢いは、留まることを知らなかった!

 絶体絶命! ふっくらした赤いキツネになってしまうのか! フェネック!

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

 だが! その時! 思わぬ援軍がエンジン音とともに駆け付けた!

 我らがサイバトロン戦士たちだ!

 

『もう戦いが始まっとる!』

『サイバトロン騎兵隊、ただいま参上! 西部劇のお約束どおり、遅れてしまったがね』

『大丈夫か君! さあ、私のエアコンに当たるんだ』

「誰だか分かりませんけど、ありがと~。大きな耳に冷たい風が当たって、涼しくて助かるよ~」

 

 デストロン対サイバトロンの激しい戦い! 激しいビーム攻撃の応酬が続く!

 だが、悪い足場でビークルモードを生かせないサイバトロンに対し、飛行能力に優れるデストロン軍団の圧倒的優勢であった!

 しかも、デストロン側は、先ほどの入浴した際のサンドスター温泉によって、エネルギーが満ち溢れているのであった!

 

『死ねぇ! コンボイ!』

 メガトロンの右腕の融合カノン砲! そして“レーザーダガー”から放たれる光線! 眼から射出されるアイ・エナジー・ビーム! サイバトロンは敗色濃厚であった!

 

「な、なんかいっぱい出てるぅ~!」

「温泉入ってえいちぴい満タンだから剣の先からビームが出るんだよ……」

「よよよ……これはオツなものですなぁ……『はなびたいかい』……ですかな?」

「あたしのこの大きな眼でも、この濁ったお湯の中じゃ前が見えないねぇ~」

「『コンドル』が飛んでます、岩陰にかくれんぼしなきゃ!」

 

 続々と駆け付ける湯治客たちの、大混乱の渦!

 

 その中にアライグマの姿があった!

 

「メガトロンさん! 温泉をひとりじめしようというのは本当なのかぁ!?」

『アライグマよ……物を知らぬ大衆に、自由に資源を利用する権利はない……そんなことをすれば、限りあるエネルギーはすぐに枯渇してしまうからな。一握りの支配者が掌握し、愚かな民衆に平等に分け与えるべきなのだ! 支配こそがリーダーの義務であり、責任なのだ!』

「やめるのだ! 温泉はみんなで使うものなのだ! そう思ってアライさんは手伝ったのだ! アライさんはみんなのために頑張る“園長さん”になりたいのだ!」

『愚か者めが! その甘さこそが、フレンズの最大の欠点だ! 余がその軟弱な精神を叩きなおしてやるとするか! 手始めに人間どものスポーツ……野球だ!』

 

 メガトロンに掴まれ投げ飛ばされるアライグマ! フレンズの身体でキャッチボールを行う残酷非道のメガトロン!

 回転して飛んでいくアライグマ! 大ピンチ! さあ、どうなる!

 

『おっと! 凡フライだぞ、メガトロン!』

「わぁっ、ありがとうなのだ!」

 コンボイによるナイスキャッチだ!

 

 

 

「ああっ! フェネック! 大丈夫か!?」

『私、熱くなりすぎちゃってー……このとおり、湯あたりさー』

「メ、メガトロンさんが……こんな……ひどいことをしたのか!?」

『らしくもなく、勝ち目のない戦いを挑んで負けちゃってねー、こうして頭を冷やしているよー。アライさんの、皆の役に立ちたいって夢を利用したデストロンが許せなかったけど、何もできなくて、くやしくて……とんだ愚か者さー』

「フェネック、アライさんのためにぃ……ぐっ……ぐぬぬぬぅ……」

 

 温泉に飛び込み、お湯の中を、デストロン軍団めがけて突き進むアライグマ!

さあ! アライさんの野生開放をたっぷりご覧いただこう!

「テサグリグマ」の異名は伊達ではない! 高感度の触覚により、視界の効かない濁り湯の中でも、水底の状況を把握して高速走行! これぞ「マジカルウォーターハンド」と呼ぶ!

 水面下から飛び出しての奇襲! メガトロンのボディを駆け上る! 高い所もおまかせのキノヴォリ能力!

 

『うおおっ! なんだぁっ貴様っ!』

「もう許さないのだ! メガトロン! アライさんの必殺技を食らうのだ!」

 

 メガトロンの胸部のスイッチを手で探り当て、即座にボディハッチを開けるアライグマ! 手先の器用なアライグマにとっては、ポリバケツのフタを開けるより容易なことだった! オープンした中枢部に自分の身体を回転させて叩き込む! フレンズの技、“アライトルネード”なのだ! スチールゴミ箱に頭を突っ込んで暴れる動物のアライグマの様子を想像してくれ!

 

『グワァァァッ……! こんなチビに! 余が……このメガトロン様がぁっ……!』

『メガトロンの野郎がフレンズにやられちまった! こりゃ撤退するしかねえぜ!』

『デストロン軍団! 総員、戦線ヲ放棄セヨ! 退・却ッ!』

 大ダメージを受けたメガトロンを連れて、退避を余儀なくされるデストロン!

 

「フェネックにひどいことするやつは許さないぞぉ! パークの平和は、このアライさんにおまかせなのだ!」

 

 熱い戦いは終わった……。

 メガトロンが放った融合カノン砲で、地下の温泉脈は解放され、地盤の大爆発もおさまった。

 こうして、デストロンのジャパリパーク温泉フライパン作戦は未然に防がれ、パークの危機は去ったのだ……。

 

「ごめんなさいなのだ~フェネックの言うとおりだったのだ~」

「いいよいいよ~。それより温泉に入りなおそうよー、アライさん」

『デストロンの地熱発電所は、温泉施設として使っていけそうでっせ~、コンボイ司令』

『ハハッ、名付けて“デストロン湯けむり健康ランド”といったところかな?』

『どれ、我々もひとっ風呂浴びて汗を流し、戦いの疲れを癒やしていこうじゃないか?』

 

「でも、メガトロンは、ほんとうに悪いヤツだったのか……? 温泉での語らいで見せた、夢を語るメガトロンの目の熱い輝きは、温泉の見せた幻にすぎなかったのか……? アライさんにはわからないのだ……」

温泉で戦いを振り返りつつ、虚空を洗浄しながら、アライグマはそう思うのだった……。

 

【次回へ続く! ご期待ください】

 

の の の の の の の の の の の の

 

【けものフレンズ情報:01】

 

 みんな! 今週のお話! どうだったァ!?

 さて! 今回活躍したフレンズを紹介していこう!

 

薬学救助員 ツリーベア / Treehugger

分類:哺乳綱カンガルー目コアラ科コアラ属コアラ

レッドリスト:EX/EW/CR/EN/[VU(危急)]/NT/LC

 オーストラリア大陸の東側のみに棲息する有袋類、コアラだ!

 南に棲む(寒冷地の)個体ほど「ベルクマンの法則」に基づき、明確に体長が大きくなることが知られている。

 600種類以上存在する「ユーカリ」を食料とするが、餌となるのはほんの一部の種類であり、さらには地域によって食性の好みがあるという。

ユーカリは元来栄養価に乏しく、さらに有毒の油分や青酸、タンニン類が含まれる。この消化・解毒のために、1日約20時間の睡眠を余儀なくされる。なお、毒性の低い種のユーカリが生える地域では、活発な個体が多くなると言われている。

 フレンズ化した際、このユーカリを使って万能薬「パップ」を合成する能力を得たが……その精製プロセスは謎に満ちている!

 

山岳救命戦士 スクリューホーン / Screwhorn

分類:哺乳綱クジラ偶蹄目ウシ科ヤギ属マーコール

レッドリスト:EX/EW/CR/EN/VU/[NT(純絶滅危惧)]/LC

 ヤギね! マーコールは、パサン(ノヤギ)とともに、家畜ヤギの原種となったと考えられるけものだ!

 ヒマラヤ山脈とその西部のカシミール地方の、標高の高い岩山や高原に棲息するぞ!

 ユキヒョウなどの肉食獣に見つかると、鮮やかなステップで崖を移動して逃走するんだ!

 その立派な角には薬効があると信じられていたが、フレンズ化により実際に治癒能力を持つことになったのだ!

 

湖底探査兵 スプリングシール / Seekerseal

分類:哺乳綱ネコ目アザラシ科ゴマフアザラシ属バイカルアザラシ

レッドリスト:EX/EW/CR/EN/VU/NT/[LC(軽度懸念)]

 淡水に棲息する世にも珍しいアザラシだ! ロシアのバイカル湖と、そこに注ぐ河川の生態系の頂点に位置する!

 目玉がでかくて、顔が小さくて、首が太くて、ちょっとずんぐりむっくりな感じする、丸っこい身体をしているのがバイカルアザラシです!

 その大きく発達した眼球は、透明度の高いバイカル湖で重要となる視覚を進化させた結果だという!

 世界一の深度を誇るバイカル湖に棲むため、他のアザラシ同様、潜水能力も非常に高い!

 

岩壁監視兵 ロックハイド / Cliffhunger

分類:哺乳綱ハイラックス目ハイラックス科ハイラックス属ケープハイラックス

レッドリスト:EX/EW/CR/EN/VU/NT/[LC(軽度懸念)]

 見た目はネズミ、歯はカバ、骨格はサイ、消化器はウマ、だが、その先祖はゾウやジュゴンの仲間! アフリカ・中東に棲息する、その名もイワダヌキ! こうも呼ばれている、イワハイラックスと! まったく、不思議なけものもいたものである!

 恒温維持性、つまり体温調節の能力が低いとされ、岩盤上での日光エネルギー吸収を行う習性がある! 日向ぼっこが大好きな動物なのだ! 岩場でのんびりと日光浴にふける姿が哲学的・思想的と思われ、旧約聖書でも「思慮深い獣」として記述が見られる。

 足裏の弾力性のある肉球には汗腺が発達していて、粘着性の分泌液で濡らすことにより、垂直な岩盤にも吸着することを可能とする! 偏光レンズのような構造の目が太陽光の照り返しの反射を防ぎ、イヌワシなどの天敵を補足すると、即座に切り立った岩山の亀裂へと緊急避難するのだ!

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

『「PPP&サイバトロン予告っ!」』

 

「今週は“サンドスター”について復習するわよ!」

「動物が火山から噴き出るサンドスターに当たると、フレンズになるんだよな」

「サンドスターは、水の中、土の中、ジャパリまんの中、パーク中にあるみたいですね」

「私たちの身体の中にもあって、無くなると動物に戻ってしまうらしいな」

「わぁ~それはたいへん~。いっぱいジャパリまん食べておかないと~」

「そうじゃなくても、お前はいつも食い過ぎなんだよ!」

 

『初めまして。僕はサイバトロンのニューメンバー、偵察員ハウンドだ』

『私は地質学者ビーチコンバーだよ、みんなよろしく』

『それにしても、ジャパリパークはなんて素晴らしいところなんだろう』

『本当にね。大自然の中で、動物とフレンズたちが調和して平和に暮らしている……』

『できるなら、ずっといたいものだよ』

『地質学的にも、サンドスターは大変興味深い研究対象だしね』

『おやっ! 僕の猟犬(ハウンド)のような(センサー)が、デストロン共の陰謀をキャッチしたぞ!』

『デストロンに、この美しい大自然を破壊されてなるものか!』

『『サイバトロン! トランスフォーム・アンド・ロールアウト!』』

 

次回、【第3話 超巨大ビーバー・ダム水力発電所を襲え!!】

こいつはすごいぜ!!



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第3話 ビーバー・ダム大洪水とジャパリ氷河期!!

 さて! 今日のけものフレンズvsトランスフォーマーは、静かに水を湛える「こはん」から話を始めよう!

 

 キョウシュウエリア最大の面積と深度を誇る湖……その豊かな水量は山々から流れ込む河川によって補われており、湖中の生き物だけでなく、湖畔の森や隣接する湿原の、多種多様な動物とフレンズに生活の場を提供していた。

 

 その起源は定かではなく、火山活動のカルデラによって生じたとも、隕石のクレーター跡に雨水が溜まったとも言われているが……なんと「ビーバーが作った」という説もある! ありうる話であろう! ちなみに、世界最大のビーバーダムは、カナダ・アルバータ州のウッドバッファロー国立公園のダムだ! 2010年に発見されたもので、直径850mという記録がある! このダムは70年代に建築が始まり、現在でもさらに増築中だという!

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

【Episode 3: Diluvium (ジャパリパーク大洪水)】

 

 ジャパリパークの湖岸を望む真新しい立派なログハウス。そこにはふたりのフレンズが住んでいるのだが……ハウスを所在無く眺める謎のフレンズがひとり佇んでいた……。

「はぁ……私もあんなすごい“ろっじ”を作りたいな……」

 ビロードのごとく滑らかな毛皮のパーカー、げっ歯類の歯を模した髪飾り……彼女は「ヨーロッパビーバー」のフレンズである!

 

『その願い……このワシ、メガトロン大帝が叶えてやろうではないか!』

 静かな湖畔に最も似つかわしくない存在、デストロン軍団の登場だ!

「わぁ~! びっくりしましたよ!」

『あそこの丸太小屋には、プレーリードッグとビーバーが住んでおるな、アメリカ暮らしの長いワシらには馴染み深い生き物だ』

「はい……私、あそこに住んでいるビーバーさんとお友達になりたくて……」

『ほう? だが、宿なしのお前など相手にされないぞ。あの2匹は、家のひとつも作れないお前をバカにするだろうな……』

「うう……」

『ならば、お前も立派な建物を作り上げて、見返してやればよいではないか! そのためには、我らデストロンは協力を惜しまんのだ!」

「つ、つまり巣作りを手伝ってもらえるんですね! どうも有難うございます!」

『さあ、共にパーク最大のデストロン・ダムを作ろうではないか! “ビルドロン部隊”出動だ!』

 

 メガトロンに紹介を受けた彼らTFは、デストロンの建築重機連隊「ビルドロン師団」だ! ホイールローダー、ブルドーザー、パワーショベル、ダンプトラック、クレーン車、ミキサー車に変形する6人の工兵で構成された土木作業部隊である! 彼らの出自は謎に包まれており、地球で誕生したという情報もあれば、トランスフォーマーの母星「セイバートロン星」生まれというデータもある!

 

 こうして、メガトロン主導による巨大水上要塞の建造が開始された! ビーバーを見てくれ! なんと高度な建築設計能力であろう! 木材の加工に不慣れなビルドロンたちを、適切な指示でサポートするビーバー!

「す、すごいですぅ……掘ったり、運んだり、巣作りのためにあるようなカラダ、きのうびぃ……あーすごく、カッコイイですぅ……うっとりぃ……」

『オメエさんも、その小さいナリでよく頑張るもんだぜ!』

『木に関する知識もたいしたもんだ! オレたち、木造建築はシロウトだからよ~。よろしく頼むぜ!』

 

『……ところで、さっきから木を切り倒してるコイツは誰だい?』

「こんにちは~。私は通りすがりのヌートリアだけどさ~。面白そうだから手伝うよ~」

 こはんフレンズの新メンバー、“ヌートリア”は水辺に棲むネズミのフレンズだ!

 

『フレンジー、ランブル、イジェ~クト。建設作業、開始セヨ』

『よーし! オレ様のハンマーアームにまかせとけー!』

 

『ひゃあ! 我がデストロン水上基地が着々と出来上がっていくぜ! 木材なんていう原始的な材料を使っている点は気に食わないけどな!』

『文句ばかり言ってないで、お前も作業を手伝わんか! スタースクリーム!』

『くそっ、メガトロンの野郎め……偉そうにしやがって……』

 

 

 

 一方その頃、湖畔の例のログハウスには……ふたりのげっ歯類のフレンズの姿があった! この丸太小屋の製作者にして住人、アメリカビーバーとオグロプレーリードッグである!

「はぁ……また熱くなりたいッス……」

「どうしたでありますか、ビーバー殿? 最近、元気がないでありますよ。この住みかに、何か足りないモノでも?」

「あ、もちろん、オレっちたちの立てたこの立派なロッジに不満はないッスけど……オレっちたち、お家に“住んでる”だけじゃないですか……」

「と言いますと?」

「これじゃ、巣を“持っている”だけッス! オレっちは巣を“作りたい”ッスよ!」

「なるほど~、ココに足りないのは“刺激”というわけですな? また、ふたりで熱い巣作りをしたいと?」

「うぅ~、そうは言ってもコレ以上のお家、なかなか建てられるものでは……ん……?」

「おや? 湖の向こうのほうから、大きな音がするでありますが……」

 

 それはデストロンとヨーロッパビーバーの水上要塞建造の作業音だった!

「す、すごいッス! なんて巨大な巣! あんな大きなもの、見たことないッスよ!」

「我々のナワバリの目の前にあんなのを建てるなんて……これは“りょうどしんぱん”! 我々に対する“せんせんふこく”と判断するであります!」

「たまらないッス! 芸術! 爆発! もう我慢できないッス!」

「ああ~ビーバー殿~どこへ行くでありますかー!?」

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

 そして! サイバトロンのジャパリパーク臨時基地では! 新しいサイバトロン戦士、クレーン車に変形する建築家グラップル、レッカー車に変形する補修員ホイストだ!

「一緒に作りましょう! オレっちたちと、サイバトロンさんで!」

「よろしくお願いしますであります!」

『なるほど、僕たちに協力してもらいたいというわけだね』

『湖のサイバトロン水上基地計画……いかがでしょう? コンボイ司令官?』

『確かに、デストロンの連中のやろうとしていることを放っておくわけにはいかない! 我々も対抗して巨大水上基地を建造し、デストロンの野望を打ち砕くのだ!』

 

 さあ! 戦いだ!

 ただし、今度の戦いでは、光学兵器も爆弾も使われることはない! サイバトロンとデストロンが、お互いにその建築技術の粋を集め、水上基地の建築に勤しむ! トランスフォーマーたちの技術戦争なのだ!

 

 見よ! パークの湖畔にそそり立つ両軍の基地! 動物のビーバーのつくるダムを基本構造とした水上要塞だ!

 つまり、川の流れをせき止める防波堤「ダム」を作り、さらにその内側に住みかとなる「ロッジ」と呼ばれるドーム状の建造物を作るというわけだ! この島のような木造ドームの数ヶ所の入口は水面下に作られており、コヨーテやイタチといった外敵を容易に侵入させない工夫である! まさに天然の要塞と言うべきほかない! そして、ロッジ上部には換気口も備えられており、室内の酸素濃度・湿度調節も万全というわけだ! 驚いたことに、入口付近には身体についた水滴を払い落とすための場所もある! ヒトの建物で言えば、濡れたコートを預けておくクローク・ルームといったところか!

 

 以上が「動物」のビーバーの巣であるが、フレンズ化したビーバーとトランスフォーマーの技術が融合したダムは、はるかに高度なものであった!

 木や石、泥を建材にするだけはなく、火山灰の堆積した凝灰岩を集めた、セメント建築の導入である!

『このスクラッパー様のデータベースによれば、こいつは古代ローマ製法によるコンクリートよ!』

「すごいねぇ~自由に形を変えられる“石”なんて~」

『うう……石灰の食いすぎでミキサータンクが腹一杯だぜ……グレン、整腸薬持ってねえか?』

「頑張って下さい! ミックスマスターさん! デストロンさんの力があれば……アメリカビーバーさんよりすごいものができます!」

「おやぁ、いやにはりきるねぇ~、ヨーロッパビーバーちゃん」

「だってこんなに凄い技術があれば、パークの誰も見たことがない建物がつくれるんですよっ!」

『その気持ち分かるぜぇ~。新しい技術は使いたくなるってのが人情、いや「フレンズ情」ってもんよ~』

 さらに! ダムには水力発電装置が設けられ、その豊富な水量を利用した無限のエネルギーが手に入る計画だった!

 

 

 

 一方! サイバトロン!

『フム……2000年前の古代の技術でも中々のモノが作れるものだね、ホイスト』

『ナポリの土ならぬ、ジャパリパークの火山灰だがね。向こうさんの技術と同じものさ』

『連中には、あの因縁のビルドロンがバックについているようだ。この勝負、負けられないぞ!』

「これは、ヨーロッパビーバーさんとの“フレンズのわざ”の対決ッス!」

「そうでありますとも! 巣作りテクニックをかけて正々堂々の決戦であります!」

『そうとも! 我らサイバトロン基地のほうが優れていることを、ビルドロン共に教えてやろう』

『「おー!」』

 

 打倒、デストロン枢軸軍の決意を新たにするサイバトロン連合軍!

 両軍の基地建設に対する熱い情熱! 戦いは白熱化する一方であった!

 

『サイバトロンの奴らも、対岸に基地建設をおっ始めやがったか……メガトロン様、一気に襲撃を仕掛けて、叩き潰しちまいましょう!』

『それはならぬ、スタースクリームよ』

『一体何故です? またいつもの臆病風に吹かれたんで?』

『愚か者が! 要塞が出来ぬうちから破壊してしまってどうする! 完成したものを奪い取れば一石二鳥ではないか! だからお前はいつまでたってもNo.2なのだ!』

『くっ……』

『ビルドロン達とサイバトロン、お互いが切磋琢磨、競争することでより完成度の高い基地ができるというわけだ! ワシらのビーバーも、向こうの同種族にライバル心を抱いているのを利用してな……そして最後には、ふたつの基地を我がものとし、デストロンのダブル水上要塞とするのだ!』

『で、でも、どうやって奪い取るのですか! 参謀として言わせて頂くと、要害の地に設けられたあの基地は、そうそう簡単に陥落しませんぜ!』

『フフフ……余に攻略のための策略が無いと思うか……ヨーロッパビーバー、例のモノを……おお、もう持ってきておるか……』

 

 ヨーロッパビーバーが持ってきた、この不思議な物体は一体!?

「ふふん、私、タカラモノ集めが趣味なんです……見て下さいコレ」

 それは一見、5本の爪の生えた手のように見えた!

『“ジャガー”ニ、パーク内ニ残サレタ資料ヲ調査サセタ。コレハ“青龍の爪”(クローズ・オブ・アズールドラゴン)。サンドスターヲ利用シタ気象制御装置ダ』

 

「そんなにすごいの~これ~?」

『コイツは言うなれば、天気を自由に操れる装置だ。この“クローオブドラゴン”を使えば日照りや嵐、雷も自由自在! サイバトロン共をあわてさせてやれるぞ!』

「けっ、相変わらず、やることが回りくどいようですがねぇ……」

 

(“クローオブドラゴン”か……野蛮なフレンズどもの棲むジャパリパークに、なんともおかしな機械があるもんだぜ……だが、あれを利用すれば、サイバトロンを倒せるだけじゃねえ! メガトロンをも打ち負かして、このオレ様がデストロンのニューリーダーになれるじゃねえか!)

 

 打倒メガトロンの野望を内なる心に秘める、野心家スタースクリーム! これから、どうなってしまうのだろうか!

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

 両軍の基地基地建設も佳境に入ってきたその時! デストロン軍団の空爆アタックだァ!

「ああっ! メガトロンさんっ! 約束が違います! あれは、アメリカビーバーさんが一生懸命作ったダム! 壊すのだけはやめて下さい!」

「これはぁ~やりすぎだよぉ~」

『うるさいぞ、お前たち、余の邪魔立てするのか? ひっこんでおれ!』

 投げ飛ばされるヨーロッパビーバーとヌートリア!

 

 またたく間に地獄の戦場と化したサイバトロン・ビーバーダム! 湖畔の昼下がりの静けさは、ミサイルの怒号によって打ち消され、穏やかに水を湛えるのみであった湖面は、ビーム兵器の煌めきでまぶしいばかりであった!

 

『ああ! 俺たちの作ったダムをよくも! デストロンどもめ! お前らの鋼鉄のボディをバラバラに引き裂いて、鉄筋代わりにコンクリートに埋めてダムの底に沈めてやるぞ!』

 普段は温厚なサイバトロン建築家グラップルは、ダムを破壊され、真っ赤な怒りに燃えているのだった!

 

「ガリガリガリ……落とし穴作戦ッス!」

「バイバイであります、デストロンの子猫どの!」

 こはんコンビの活躍を見よ! 見事な連携で、諜報破壊兵ジャガーを川流しの刑で撃退だ!

 

 闘いは続く! デストロンのウェザー・コントロール・アタック!

『コンボイ! お前が最後に見るものは、ワシの“クローオブドラゴン”の威力! よくアイ・センサーに焼き付けておけ!』

 

“クローオブドラゴン”のサンドスターパワーによる気象制御! 巻き起こる一面の雨雲! それは大粒の雨をもたらし、サイバトロン・ダムを増水させた! 濁流に飲まれるサイバトロン戦士たち!

『うわぁーっ! なっ、流されてしまうーっ! ウ゛ア゛ェ゛ァ゛ァ゛ァ゛ーーーッ゛ッ゛!!』

『パーセプター! ほっ、ほああああああーっっ!!』

『コンボイ司令! このワイヤーに捕まってください!』

 

 サイバトロン・ロッジは水没必至かと思われたが、その時!

 

「プレーリーさん、大変ッス! ガリガリガリ……」

「ダム管理部隊~、緊急出動であります! ホリホリホリ……」

「こうなれば私も助太刀いたします!」

「伊達や酔狂でこんな前歯してないよ~!」

 

 見よ! ダムの隔壁を切削し、その一部を決壊させるアメリカビーバーたち! そして、建築合戦の不本意な決着を良しとしないヨーロッパビーバーとヌートリアがヘルプに加わったではないか!

 

「はじめまして、ヨーロッパビーバーさん……ほんと、いいウデしてるッスね……」

「アメリカビーバーさん……私は正々堂々、あなたより優れた巣を作って見せます!」

 

 ライバルフレンズの共同作業の結果! ダムの排水が増加し、池の水量をさげてロッジの水没を防いだのだ! これは動物のビーバーも本能的に行う「フレンズのわざ」なのだ!

 

『ビーバーとヌートリアの薄汚ねえ裏切りネズミどもめ! あいつらサイバトロン側につきやがったか!』

『ふん、中々やるではないか! スイミングが気に入らなければ、次はスケートを楽しめっ!』

 

 空一面の雨雲に一陣の冷たい風が吹きつけ、雨粒は(ひょう)(あられ)に姿を変え、湖面に降り注いだ! 凍結する水面! ロッジの水面下の出入口は使用不能は必定と思われた! だがしかし!

 

「氷ときましたか! ヨーロッパの北国育ちの私には、日常茶飯事ですよっ!」

「おお! この匠の技! 劇的ッス!」

 

 なんということでしょう! ダムの排水により、凍り付いた湖面と、その下の水面との間に、空気のある空間が生まれたではありませんか! 大自然の厳冬期を生き抜くダムの伝道師による、移動スペースの確保! 人はそれを職人の知恵と呼ぶ! 川の魔術師のフレンズの技が光ります!

 

 フレンズ工兵部隊の決死の作業により、サイバトロン側は戦闘態勢を立て直しつつあった!

 

『メガトロンめ~、あの装置で天気を操っているのか! これでも食らえっ!』

 コンボイによる正確な投石の一撃が、メガトロンの手から“クローオブドラゴン”を叩き落とした!

 

『あーっ! ワシの“クローオブドラゴン”をよくも! ……おお、スタースクリーム! 早くそいつをよこせ!』

『へっへっへ……イヤだと言ったらどうするね、メガトロン?』

『血迷ったか!? スタースクリーム!?』

『ククク……“5本爪の龍”は、500年前の中国、明王朝(ミング・ダイナスティ)では「皇帝の証」とされたそうですねぇ……メガトロン様ァ……』

『ああ……だがな、皇帝以外の者がその姿を描けば、“反逆者”として死罪になったとも伝え聞くがな……さあ、それをこっちへ渡せ、スタースクリーム』

『やなこった! こいつがありゃあ俺様がデストロンのニューリーダーだぜ! 神の怒りを食らいな、メガトロン! スタースクリーム・サンダーアタックだっ!』

 

 吹けよ風! 呼べよ嵐! それはまさに天空の神、ゼウスの大激怒であろうか! 雨雲から放たれた轟く雷撃が、メガトロンを直撃する!

『グワァァァーッ! スタースクリーム! 貴様ァ! よくも……!』

 

『さあ、メガトロンは倒した! お次の標的はサイバトロンとフレンズたちだ! この「ニュースリーダー様」が今日の天気を占ってやる! 本日のサイバトロンちほーの天気予報は「カミナリのちカミナリ」大警報だぜっ!』

 スタースクリームの、凄まじいライトニング・アタックが炸裂する!

 

『サイバトロン戦士! トランスフォームして各自散開! 遮蔽物に避難しろ!』

『フレンズ諸君、さあ、私たちの中に乗り込むんだ! 雨天決行のデートとしゃれこむぞ!』

 

 サイバトロン! フレンズ! 大ピンチ!

 だが、メガトロンを一撃のもとに下した稲妻の威力は、サイバトロン・カーには発揮されなかったのだ!

 

『くっ……なっ、何故だぁっ!』

くるまモード(オートボット)の吾輩らのタイヤが、絶縁体の役割を果たしたってわけだよ! 小学生の理科の時間になるがね、お分かり頂けたかなァ? 科学者のスタースクリーム君?』

『ちぃっ……“クローオブドラゴン”がもうエネルギー切れじゃねえかよぅ!……サンダービームの撃ちすぎか、ちっくしょう……ん……? メ、メガトロン! 死んだはずじゃあ!』

 

 メガトロンは倒されていなかったのだ! それどころか! 元気いっぱい、エネルギーチャージ満タンの様相であった! 

『急速充電してくれて礼を言うぞ、スタースクリーム……このバカ者めが!』

『お、お許し下さい! メガトロン様ぁ! お、お願いします! やめてぇ!』

『デストロン軍団! いったん退いて態勢を立て直すぞ! 総員退却!』

 

 

 

 航空参謀スタースクリームの企みは失敗に終わり、戦いは終わった……と思ったのもつかの間!

 ジャパリパーク簡易気象制御装置“クローオブドラゴン”の酷使、その急激な天候操作により、パークの気候に異変が!

 

 度重なる大雨が空気中の二酸化炭素を溶かし水中に閉じ込め、雷は水蒸気を電気分解し、大気の温室効果の働きが失われていった! また、増水した水が海に流れ出しその塩分濃度を下げ、浸透圧による暖流の流れが止まり、気温は急速に冷えていった! そして、さきほどの大雪が引き金となり、ジャパリパークは完新世の氷河期に突入したのだ……!

 

 さばんなちほーやじゃんぐるちほーの暖かい所に住むフレンズたちは、この気温低下に耐えられそうもなかった!

 

「お、お、おかしいわね……しゅ、推理力がはたらかないわ……わ、わらひの“アミメ模様の脳細胞”も凍り付いちゃひそう……」

「今日はやけに、しばれるわぁ~。手足がかじかんで、これじゃあ踊れないわ~」

 

 あ! キリンもゾウも氷になった!!

 

「わ~~………………あったか~い……毛皮があついよぉ~(脱衣」

(低体温症による無関心→症状進行による精神錯乱)

 

 天はフレンズを見放したか!?

 パーク大氷河期! 大量絶滅の危機!

 

 どうなってしまうのか!?

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

【トランスフォーマー解説:03】

 

ID:22 デストロン 航空参謀 → 新破壊大帝(ニューリーダー)? スタースクリーム / Starscream

トランスフォーム:ボーイング・F-15イーグル(トリコロール)

主兵装:ツインナルビーム砲

副兵装:ナルスリングショット / 胸部クラスターボム

体力:7 / 知力:7 / 速度:9 / 耐久力:7 / 地位:9 / 勇気:8 / 火力:7 / 技能:5 / 野心:10 / 漫才力:10

座右の銘:「汝の敵の灰燼から征服は成される(Conquest is made of the ashes of one's enemies.)

 

 態度がデカくて、神経が太くて、気が短くて、ちょっと、ヘタレイケメンな感じする、無駄に恵まれた声をしているのが愚か者(スタスク)です。

 メガトロンも裏切らなあかんしぃ、ニューリーダーにもならなあかんしぃ、死んでもこう、裏切りしたりできるような(スパーク)なってるんで。

 

 マクドネル・ダグラス、F-15「イーグル(ワシ)」、80年代当時の最新式ジェット機、今でも現役ですやんか。

 

「ダイアクロン」シリーズのジェット機ロボ・超高速戦闘タイプが元の玩具です、ジェットロンは。コクピットが開くようになってますが、特に意味はなくて、ダイアクロン隊員が搭乗できた名残りなだけです。

 翼の「デストロン・エンブレム」はデカールですが、アニメどおりの貼り方をすると、ロボットモード時に「逆さデストロンマーク」になって、主への反逆の逆十字的な、ちょっと中二病な感じする、ルックスだけはカッコイイ航空参謀(笑)

 

 初期ジェットロンの作画ミスは、堂々とした分身が、アニメ本編じゅうに散らばって、ますやんか。その作画ミスが続く中に、翼のディティールを変更して線画を差別化したのが、後期ジェットロン(とんがりコーン頭)の連中です。さらに点々と作画ミスがあるので、リーダー含めて全員同型・同色、構成人数不明にしたのが、2010ジェットロン(スカージとスウィープス)というわけです。

 

 TF伝統芸能・作画ミスと深い関わりがあるのが、スタースクリーム様です(笑)

 

『オレ様がデストロンのニューリーダーだ!』

『この愚か者めが!』

『お、お許し下さい! メガトロン様!』

 

はいけい:あめりかくうぐん かでなきち(おきなわ)

こえ:故・すずおきひろたか おにいさん

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

【ジャパリ教養講座】

 

「山々はあなたを見て震え、怒涛のように流れ出でる水、淵は叫び声を上げ、その手を高くあげた」

「主よ、私の呼びかけを、あなたは聞きいれて下さらない。“どうしてこんなことに”と訴えたのに、なぜ助けて下さらないのか」

(「としょかん」収蔵、旧約聖書「ハバクク書」より)

 

 

 

【ジャパリコマーシャル】

 

 マイナス40度の世界ではバナナで釘が打てます! 新鮮な薔薇もこの通り! これは普通の高級オイル! ジャパリバスのオイルは、マイナス40度でもこんなに滑らか! 優れた分子構造を持つサンドスターのオイルは、ガソリンとオイル交換を節約するオイルなのです!

 

 

 

 さあ、CM明けだァ! エキサイティング! けものフレンズvsトランスフォーマー!

 

 デストロンの天候操作により、氷河期を迎えたジャパリパーク!

 フレンズと野生動物はあわれ全滅か!? と誰もが思ったその時、不思議なことが起こった!

 

 なんと! フレンズたちの体内のサンドスターが煌めいたと思うと、みるみる内に髪の毛が伸びていくではないか! さらに、フレンズたちの胸部に脂肪が蓄えられていく! 厚い毛皮と豊満な皮下脂肪により、フレンズたちは寒さへの耐性を得ていった!

 

 これは、厳しい環境に適応せんとするフレンズのパワーなのか!? 系統進化を個体成長に反復させるとは! なんと不思議な物質なのだろう、サンドスター! 逞しいフレンズと動物たちは、こうしてパークの冬を乗り切る身体を手に入れたのである!

 

 そして! ここは「しんりんちほー」の図書館! パークの長、アフリカオオコノハズクの「博士」のもとに、フレンズたちやサイバトロン戦士が集まっていた!

 

「それにしても、もっさもっさですね、助手。鳥てきには、冬毛なんてよくある話ですが」

「そちらこそ、ばいんばいんですよ、博士。PPPのアイツみたいな、わがままぼでぃーですね」

 

「ツチノコさんや、カメレオンさん、ヒグマさんは、寒さで眠り込んでしまったそうですが……」

「起こしても、みんなずっと起きないんだよ。うーん、心配だよー」

「おお、かばんにサーバル。お前らも、もっさもっさばいんばいんですね」

「寝てるヤツらは『冬眠』という習性があるフレンズです。連中は放っておいても大丈夫です」

 

 さて、この寄り合いの目的は一体! それは、この氷河期が終わる時、大洪水がパークじゅうを襲うであろうということだ!

 いかにフレンズやトランスフォーマーといえども、この洪水に飲まれればひとたまりもないのだ!

 それをどう乗り切るか! という会議であった!

 

「みんなして泳げばいいと、パフィンちゃんは思います!」

「泳げないフレンズがいるから困っているんですよ、このぽんこつ鳥。脳みそジャパリチップスはこれだから……」

「私のイカダでも、これはちょっと厳しいぞ~」

『この俺がフォースバリアを使えばいいのさ!』

『吾輩も有る程度フォースバリアが使えるが、島民全員は無理じゃないかねぇ……』

「どうすればいいか、全然わからん、コンボイ司令官」

『私にもさっぱりだよ、ジャガー』

 

「メガネの叡智を受けしこの私、メガネカイマンの意見! 息を止めてればなんとかなるのでは!」

「メガネのくせに、ぽんこつですね、こいつ……」

『ワニノ心臓ハ、血液ノ流レヲ切リ替エル事ガデキルンダ、「バイパス」ダヨ。潜水中ハ、心臓ト肺ノ肺循環ヲストップサセテ、酸素ヲ長持チサセテ、ヨリ長時間ノ潜水ヲ可能ニシテルインダッテ』

「いや、できない」

 

 会議は踊る……されど進まず……。

 

「わーい! パークじゅうが水びたしぃー! たーのしそー!」

「カワウソさん、わたくしたちイタチがいくら水辺が好きだからと言って、ちょっと今は不謹慎じゃございませんでして?」

「“ふきんしーん”ってなあにー! へんなのー! あははははっ!」

「(ぷち)……あァ~!?……てめェー……(ピキッ)!? “楽し(エンジョイ)”んでる(トキ)ねぇーべって言っ(ノベ)てんだゾ……(ギリッ)!? “あんま楽しく(エキサイティング)(!?)”してっとォ……その“(ケガワ)”を剥いじゃうヨ……(ギョパッ)!?」

「わわー、怖ーい! オコジョが怒ったぞー! おもしろーい!」

「……ハッ! わたくしとしたことが! なんてお下品な言葉遣いを……」

『ええい! それもこれも、みんなあのデストロンの連中が悪いんだ!』

『チマツリチマツリ!』『コマギレコマギレ!』『サッカーサッカー!』

『ロボット昆虫殺虫剤だってェ! あ、全然関係ないね……』

「どうも。私、マンモスです。キョウシュウが氷河期と聞きまして、海が凍ったので歩いてきました」

 

 

 

 妙案は出るべくもない……と思われたその時! いつも頼りになるのは、我らが人類の叡智である!

 

「皆さん、ボクにいい考えがあります」

『聞かせてくれ、かばん』

「ハイ、コンボイさん。みんなで『ふね』を作りましょう! あのビーバーさんのダムを使って!」

 

「流石かばんさん! 名案であります!」

「やりましょうッス! ヨーロッパビーバーさんも!」

「うう……私がデストロンさんに騙されたばっかりに、こんな事態に……このお詫びのためにも! 一世一代の“ふね”の大建築ですっ!」

「自分の尻ぬぐいは、自分でさせてもらうよ~。TFさんみたいな鉄の身体じゃないけれど、この“鋼鉄の歯”で!」

 

 そこへ突然! 颯爽と現れるデストロン軍団!

『メガトロン!』

『焦るでない、コンボイ。今回は戦いに来たのではない』

『話ハ“コンドル”ガ聞カセテモラッタ。今回ノ洪水、俺タチ、デストロンモ全滅ノ危機』

『オレたちも箱舟(アーク)の建設を手伝いに来たのさ。お前らサイバトロンまで救っちまうのは不本意だがな!』

『まったく、自分が蒔いた種だというのに……』

『我が身かわいさの都合のいい話だが……今は時間がない! 人手は多いほうがいいからな! 協力しよう! ビルドロン!』

『グラップル、ホイスト、嬉しいぜぇ、またお前らとチームが組める日が来るとはなぁ!』

 

 さあ! フレンズとサイバトロン、デストロンが手を取り合い、命を繋ぐ巨大な箱舟「ジャパリ丸」の建造が始まったァ!!

 

 第二次世界大戦末期、イギリス軍に「氷山空母」という秘密計画があった!

 氷塊を切り出して材料にして巨大戦艦を作ろうという大作戦! さらに、秘密大発明「パイクリート」! これは、木屑と水を凍らせれば、コンクリートより硬くなり、しかも水に浮くという夢の素材であった! 実際の実験で銃弾を弾いたほどの頑丈さである!

 

 ダメージを受けても、海水を取り入れて凍らせれば無限に修復可能! イギリス軍の夢の不沈空母! しかし、計画は頓挫してしまった……巨大な内部冷蔵装置を、当時の技術で作れなかったからである……。

 

 だが、フレンズの木材加工能力とトランスフォーマーの科学技術をもってすれば! そして、氷河期ジャパリパークの環境を逆手に取れば! 氷山空母も夢ではなかった!

 

『そりゃああああっ!』

総司令官コンボイのエナジーアックスが唸りをあげて、こはんの針葉樹が次々に切り倒されていく! 鉄骨州知事シュワ……鉄骨司令官コンボイはタフネス設計! その木こりの技を目撃せよ! 

『その皮を剥いでやる!』

『針葉樹の皮剥ギ、ダネ。皮付キノ原木ノママダト、加工シニクイカラネ。今デモ手作業デ行ワレルコトガアルヨ。ソレハ、日本庭園ノ造園ヤ神社仏閣ノ建材ナドニ使ワレル、杉皮ヤ檜皮(ヒワダ)ヲ取ルタメナンダッテ』

 

 さらに、ビルドロン7人目の巨大戦士の大活躍をご覧あれ!

 

『ビルドロン部隊! トランスフォーメーション! 6人合体デバスターだ!』

『フェーズ・ワン!』

『フェーズ・ツー!』

見よ! ビルドロン合体巨人兵「デバスター」のこのパワー! それは、ふたつのダムを合体させて箱舟を建てるのに必須であった!

 

 さあ、巨大氷山船「ジャパリ丸」が完成である! この箱舟が未来へ運ぶのは、大砲や戦闘機ではない、フレンズと野生動物、トランスフォーマーたちなのだ! 「巨大空母」はカナダのアルバータ州で実験されたというが……奇しくもそこはビーバーの一大生息地であったという!

 

 

 

 そして!

 

「ペンギンって言ってもね~。私、寒いのは苦手だよ~。だよね~グレープくん」

「雪はキレイですけど、さばんな育ちの私にはきついですね……」

 フンボルトペンギンとアードウルフだ! フレンズたちは、同種の動物たちを集めて箱舟に乗せていく! 動物たちも、不思議と抵抗する様子はなかった!

 

 そして1週間後! サンドスター火山が大爆発! 噴火により、大気に充満する二酸化炭素! 溶ける氷河! ジャパリパーク大洪水だァ! 40日40夜、方舟はパークを漂流し、水が引いた頃、ゆきやまちほーに漂着した……。

 

「大洪水も収まったみたいです。外の様子を見てくるですよ、ハシブトガラス、カワラバト」

「了解です。ついでにひとっ風呂、行水でもしてきましょう」

「ほぇ?」

『コンドル、バズソー、イジェークト。陸地偵察任務、遂行セヨ』

 

 そして……戻ってきた鳥たちが咥えてきたのは……オリーブの枝ならぬ、セルリアンの触手ではないか!

「ほぇぇー! でっかいタコみたいなセルリアンが近づいてきますー!」

 

 見よ! 溶けた氷の中から解放された、軟体動物型セルリアン! ジャパリパークに伝わる命名方法により、名付けてコレ! 「タコリアン」!

 その巨大な触手に襲われれば、フレンズもTFも丸呑みなのだ! 方舟を破壊していくタコリアン!

 

「い、イヤです……やめて……下さい……しょ、触手……」

 過去のトラウマを刺激され、顔面蒼白になるアードウルフ!

 

『どうしましょう! コンボイ司令!』

『もう一度アレを使うしかないぞ! メガトロン!』

『フン! しかたあるまい! “クローオブドラゴン”、最後に今一度、その力を解放せよ!』

 

 「青龍の爪」(クローズ・オブ・アズールドラゴン)! 最後のサンドスターの輝きだ! 大嵐がタコリアンを打ち上げていく!

 

『やったぜベイビー! セルトパスは吹き飛ばされましたぜ!』

『ダガ“クローオブドラゴン”ハ、パワーヲ使イ果タシテ、使イ物ニ、ナラナクナッタ』

『今回は手を組んでやったが、コンボイ! 今度会うときは貴様らサイバトロンの最後だぞ! さらばだ!』

 

 こうして、ジャパリパークの危機は去ったのだ……。

 

「うう、ごめんなさい! アメリカビーバーさん、プレ―リーさん、ふたりと友達になりたかったけど、私、ふたりみたいな立派な巣を作ったことが無かったから……」

「何を言ってるんスか、巣作りしたことないと友達になれないなんて、そんな理由はないッスよ!」

「そうともであります! それに我々、こんな立派なモノを作ったでありますよ!」

「いやぁ~波乱万丈だったけど、中々面白かったよぉ~」

 

「アメリカビーバー先輩! プレーリー先輩! ありがとうございます! おふたりの技術、これから学ばせて頂きます!」

「そんな、先輩だなんて……照れるッスよ……」

『ごたごたは全部“水に流す”ってワケだ!』

『フレンズたちゃ気持ちのいい連中だねぇ、コンボイ司令』

『なによりも、“誰とでも友達になろうとする心”が、フレンズの一番の長所に違いないさ。人間も見習うべきだね』

 

「……それじゃ可愛い後輩に“プレーリー式挨拶”であります!」

「えっ、何を……! んーっ! んむむむーっ!」

「ああっ……プレーリーさん、人前でそんな大胆な……後で、オレっちならいくらでも相手に……」

「んふふ……ふたりの“技術”……かぁ~……これから一体“何の技術”を学ぶことになるのやらねぇ~……」

 

『氷河期が終わったら、ずいぶんと“お熱い”ことですなぁ……どうやら我々はお邪魔のようですよ?』

『き、気持ちのいい連中……なんでしょうかぁ、これは? コンボイ司令?』

『ハハハ、フレンズは人間の“おしとやかさ”を見習うべきだな!』

 

 長いデストロン氷河期が終わり、雪解け水が穏やかに流れるジャパリパーク! ビーバーたちの友情に、春の訪れを感じるサイバトロンだった……決して変な意味ではなく!

 

【続きは次回! それではまた!】

 

の の の の の の の の の の の の

 

【けものフレンズ情報:02】

 

 みんな! 今日のお話! 面白かったかなァ!?

 さて! 今回はげっ歯類特集だ! おまけは氷河期ついでのマンモスだぞ!

 

潜水軽装工兵 カストール / Castor

分類:哺乳綱ネズミ目ビーバー科ビーバー属ビーバー

レッドリスト:EX/EW/CR/EN/VU/NT/[LC(軽度懸念)]

 アメリカ大陸の大草原「グレートプレーンズ」を作ったのはプレーリードッグである! 木の根を噛み切り、地面を掘り、地中に空気を入れて耕された肥沃な大地! アメリカへの移民たちはそこを農地や牧草地にした……プレーリーこそが、何万年も前からのアメリカの開拓者なのだ!

 それに対し、ヨーロッパの大平原はヨーロッパビーバーが作ったのだ! 川が流れるだけの場所にダムをつくり、やがてダムは土砂に埋まり、栄養豊かな大地は、何千万年ののちの大草原となった……。

 素早い泳ぎを可能にさせる、ウロコの生えた尻尾。厚い毛皮に、水を弾く分泌液のコーティング。奥歯で気道を塞げるので、水中で木を齧ったり、物を咥えて運搬できる……なんと見事な水中生活への適応であろうか!

 だが、その防水性の高い毛皮は乱獲の対象となり、また「ウロコがあるから魚だ」という理由で、キリスト教修道士に食料として狩猟され続けたという負の歴史がある……。実際、ヨーロッパビーバーは欧州の多くの地域で絶滅してしまったのだ。今回のお話のヨーロッパビーバーが、ダム作りへの執念と、自分の同族に対して競争心を抱いていたのは、動物の頃の暗い記憶が原因かもしれない……。

 なお、さりげなく「けものフレンズ」前期OPに登場していたことを、君は知っているか!?

 

水上偵察兵 アイアントゥース / Ironteeth

分類:哺乳綱ネズミ目ヌートリア科ヌートリア属ヌートリア

レッドリスト:EX/EW/CR/EN/VU/NT/[LC(軽度懸念)]

 巨大ネズミ! ヌートリア! カピバラと同じく南アメリカ出身だ! ワニやカバと同じく、目・耳・鼻が直線状に並んでいるのが、水場に適応した生物らしい外見だ! 潜水時、最低限の体積を水面に出しての水上偵察を可能にさせる! 

 カピバラとの違いは、その大きさだ。カピバラが体長1m以上に対して、ヌートリアは50cmほど。また、尻尾のないカピバラと違い、ヌートリアは、長いネズミのような尻尾があるのが特徴だ!

 そして、白い前歯のカピバラに対して、ヌートリアの門歯はオレンジ色。これは、前歯の前面のみが鉄分でコーティングされている為だ! 前歯の裏側のみが摩耗していくので、非常に鋭い歯になる! ちなみに、ビーバーも同じくオレンジ色の前歯をしていて、それを反映したのが、アメリカビーバーの服のあの「オレンジ色のライン」だそうだ!

 余談だが、吉崎おにいさんはカピバラと間違えてヌートリアを描いてしまったというこぼれ話があるぞ!

 

雪原戦闘教官 マンモコンボイ / Woolly Primal

分類:哺乳綱ゾウ目ゾウ科マンモス属ケナガマンモス

レッドリスト:[EX(絶滅)]/EW/CR/EN/VU/NT/LC

 かつて「ワンマンズアーミー」と呼ばれた伝説の傭兵! ではなくってぇ……。

 マンモスにもいろいろ種類があるのだが、一般的によく知られているマンモスは、「マンモスサイズ(超大型)」の種類ではなく、中型の寒冷種「ケナガマンモス」である。肩の高さが3mほどで、インドゾウぐらいの大きさだったようだ。ちなみに北海道でも化石が見つかっているぞ。

 一方、史上最大のマンモス「松花江マンモス」は、史上最大の陸上動物であった! 肩高5m・牙も含めて体長9m・体重20トン以上! ティラノサウルス3匹ぶんの体重だ! でかい!

 また、体高1mしかない超小型種「コビトマンモス」というのもいたぞ! マンモスは更新世(258万年前―1万年前)の生き物と言うイメージが強いが、こいつはロシア・東シベリア、北極海の「ウランゲリ島」で、紀元前1700年前頃まで生きていたそうだ! 最後のマンモスは、ピラミッドが建てられて1000年後まで生きていた! まったく驚きではないか!

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

『「PPP&デストロン予告っ!」』

 

「今週は私たち“ペンギン”について復習するわよ!」」

「いやぁ~。ペンギンって言っても、私は寒いの苦手だし~。今回は大変だったよ~」

「フルルは暖かいところのペンギンだもんな~」

「そういえば、本当に“南極大陸”に住んでるのって、私ぐらいなんだよな」

「後は、アデリーペンギンさんとか……最近会ってないけど、元気にしてるかしら……」

「それにしても、フレンズ皆の胸が大きくなったときは、どうなることかと思ったわよ!」

「もう元に戻ったけど、動きづらくて! 飛び技で困るんだよ、 飛びつき三角とか腕十字とか、フランケンシュタイナーの時に」

「脂肪が多いと大変なんですね……コウテイさんの大変さが、身に染みて分かりました……」

「フッ……あえて肉体の束縛を受け入れているんだ。イバラの道を行くのが帝王(エンペラー)の生き方なのさ……」

「うわぁ~……やっぱりマゾぉ~い…」

 

『フレンジーよぉ~、俺たち“カナヅチ”(ハンマーアーム)にゃあ今回はしんどかったなぁ~』

『まったくだぜ、ランブル! ジャガーの奴もすっかり水恐怖症になっちまった! もう洪水はこりごりだぜ!』

『さて、氷河の溶け残りでエネルゴン・シロップのカキ氷でも作るかな~? 食べるかい、コンドル?』

『……』

『おやぁ~? なにしているんだい サウンドウェーブ?』

『フレンズノ精神構造ノ研究ダ。俺ノ、マインドスキャン能力デ、フレンズニ“デストロン魂”ヲ植エ付ケテヤル作戦ダ!』

 

次回、【第4話 デストロンのフレンズ洗脳教室!!】

サーバルの頭脳をたくみに大改造!! 劇的ビフォーアフター!!

なんということでしょう!



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第4話 デストロン女学園の青空教室!!

 今夜の「けものフレンズvsトランスフォーマー」、あなたのハートにはいったい何が残るでしょうか?

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

【Episode 4: Headmaster Megatron (メガトロン校長のフレンズ洗脳教室)】

 

「あいはう゛あないでぃーあ」

 

 今日のけものフレンズvsトランスフォーマーは! 昼下がりのさばんなちほーから物語を始めよう! 

 

「わんしゃるすたぁんど、わんしゃるふぉーう」

 

 太陽が高く昇り気温が最も高くなる時分、その暑さにより多くのけものたちが休憩するなか、勉学に励むフレンズとTFの姿があった!

 

『イヤー、オイラびっくりしちゃった! 始めたばかりで、もうこんなに覚えるんだもの! かばんは凄く頭が良いんだね!』

「いえ、“えいご”ってすごく難しいですね。まだまだ分からない所がたくさんあります……次の授業も、よろしくお願いします」

『なんのなんの、おやすいご用さ! フレンズのみんなには、エネルギーを分けてもらってるからね!』

 

 かばんに勉強を教えていたのは、サイバトロン戦士の「バンブル」である! 黄色のワーゲン・ビートルにトランスフォームする偵察員で、小柄なボディに人一倍の知恵と勇気を秘めた戦士なのだ!

 不思議なエネルギーにより、過去の世界からワープしてきたトランスフォーマーたち。サイバトロン戦士たちは、博士と助手により利用可能なエネルギーの提供を受け、そのお礼としてフレンズの活動に協力を約束したのである。

 

 さて、この勉強の様子を、木の上から眺めていたフレンズがひとり。サーバルキャットのサーバルだ!

 

「かばんちゃん、まほうでも教えてもらってるの?」

『あはは、サーバルには難しいみたいだね……おっと、もう時間だよ、かばん』

「それじゃあね、サーバルちゃん。これから、博士に本を借りに行く約束なんだ」

『君はお昼寝でもしてなよ~。オイラたち、としょかんまでひとっ走りしてくるからさ! トランスフォーム(ギゴガゴガゴ)!!』

 

(“べんきょう”は難しくて分かんないや。でもかばんちゃん、すごく楽しそうな顔してるから、きっと面白いんだろうな。あーあ、私がもっと頭が良かったら、一緒にべんきょうできるのになぁ……)

 

 だが、その上空を飛来するTFが1体! デストロンの空中攻撃兵、コンドルである! 

 サバンナの青空を飛行し続けながら、紙のようなものを散布するコンドル!

 

「んみゃ……何これ? ちず、かな?……このマークの場所、何だか分からないけど、行ってみようかなー」

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

 そして、その地図に記された悪の紋章、デストロンマークの場所では!

 

『スタースクリームよ、ユニークな能力を持つフレンズどもは、まったく侮れぬ存在だ』

『ですが脳みそのほうは、まさにけもの同然。お人好しを絵にかいたような連中ですぜ!』

『フフフ……そのフレンズの性格を、ワシ好みに変えてしまおうという作戦よ。例のものはまだ出来んのか? サウンドウェーブ?』

『ハイ、メガトロン様。タッタ今“デストロン根性注入棒”ガ完成シタ』

 

 何なのか!? この新発明は!

 

『よくやったぞ、サウンドウェーブ! フフフ、こいつがあれば……』

『いったいぜんたい何なんですゥ? この面白パーティグッズは?』

『これは人間どもが“ジャパニーズ・ケンドー・フェンシング”で用いる道具をフレンズ用の洗脳装置にしたものだ。これで衝撃を与えることで、フレンズの脳内の善と友好の精神を打ち消し、悪と破壊の精神を流し込むのだ!』

 

 ジャイアントパンダのフレンズから盗んだ竹を使い、洗脳用のヒュプノ・チップを埋め込んだ「デストロン根性注入棒」! なんと恐ろしい兵器であろうか!

 

『コンドル、バズソー、リタァ~ン。さばんなちほー広告散布、任務カンリョウ!』 

『じゃんぐるちほービラ配り任務から、サンダークラッカー、只今帰還しました! まったくジャングルの蒸し暑さときたら、サーモスタットのヒューズがブッ飛びそうですよ!』

『ご苦労だったな、お前たち』

「メガトロン様! スカイワープ、只今帰還しましたァ! “ミーアキャット”先生をお連れしやしたぜ!」

『おお~、先生、遠路はるばるよく来てくれましたな』

「貴方ですわね、パークに“がっこう”を作りたいとおっしゃるのは」

 

 ネコではなく、マングースの仲間であるミーアキャット! 「ヘルパー」と呼ばれる「教育」を専門に行う個体を群れに持つ動物なのだ!

 

『ワシは是非ともこのパークに学校を復活させたいのだ!』

「はるか昔……“ジャパリ女学園”というのがあったそうですから、その復活ってわけですわね」

『着の身着のままのフレンズたちだが、彼女らが真の幸せをつかむためには、「教育」が必要不可欠だとワシは考えておる。先生には、そのために遠くからご足労願ったというわけだ。どうか、お力を貸して頂きたい』

「か、感動いたしましたわ……“きょういく”の素晴らしさが分かる方がパークにいるなんて! 理想の『がっこう』設立の為なら、わたくし、何でも致す所存ですのよ!」

 

『では、宜しくお願いする! フフフ……余のデストロン・フレンズ育成学校! “(セント)メガトロニア女学園”とでも名付けるか! さあ、パークにデストロン魂を広めようではないか!』

『やれやれ、天下のデストロン軍団のすることが、女の子チャンの学校とはねぇ……あきれたモンですなぁ……』

 

の の の の の の の の の の の の

 

 そして! 好奇心により集まったフレンズたちに対し、全員が正座するなかで学校説明が行われた!

 

『やあ、ワシは校長先生(ザ☆ヘッドマスター)の破壊大帝メガトロンだ。よく集まってくれたなフレンズのみんな。その点だけでも、君たちは大変賢いと言えるぞ』

「“ですとろん”は悪いひとたちだって、博士たちが言ってたよ!」

『いやいや、それは誤解だとも! 我がデストロン・スクールでは、誰もが“なりたい自分”になれるのだ! その為には我々は協力を惜しまん! さあ、サーバルちゃん、これを見てくれ』

 

 かつての生徒と偽って、同種別個体のフレンズの写真を見せるメガトロン!

 何なのか、この比較写真は!?

 

(以前はクールすぎてワイルドで、鋭く尖ったナイフのような眼光の、近寄りがたい雰囲気だった、哺乳校のイヌ科に通うCさん。メガトロンさんのおかげで、色白だった肌もこんなに小麦色に日焼けして、親しみやすい明るく元気なフレンズになりました!)

 

「わっ! すごーい! まるで別人みたい! ホントに理想の自分になれるんだね!」

 これは詐欺である!

 

「なくぁまぁ~っうぉ~~さがしぃてぇ~~るぅぅぅ~~~っ!!」

 これはトキである!

 

 フレンズたちの能力や性格は、元の動物の生態や習性に基づいている部分が大きい。動物だった頃は、当然自分のこと客観視して考えることはなかったのだが……フレンズ化した今、自分と他者との違いを気にかけてしまうフレンズも存在するのも致し方ない! その心の隙間を突く、メガトロンの卑劣な野望!

 

「じゃあ自己紹介するね。私はサーバル! よくドジーとかゼンゼンヨワイーとか言われるも! つよくてかしこくなって、友達のかばんちゃんと勉強したいんだ!」

「アードウルフです。私、すごく臆病で、弱くて、ちょっと前にもセルリアンに食べられそうになったり……そんな自分を変えたい、です」

「わ、私、ミナミコアリクイ! 気が小さくて、すぐ威嚇しちゃうのを治したい!」

「あ~私“ジャングルキャット”って名前ですけど……あ、やっぱり何でもないです……」

「私はアミメキリン! パークいちの名探偵よ! 私自身は何の欠点もないのだけれど! 友達のナマケモノの怠け者を治してほしいの!」

「わたしはぁ~ナマケモノ~……無理やり連れられて来たよ~……あ~、でも帰るのも面倒だな~……」

「あとは、みんなに“名探偵ギロギロ”の素晴らしさを教えてあげるわね!」

 

 生徒たちは、さばんなちほーと、隣接するじゃんぐるちほーの出身者が多かった!

 

「私は先生のミーアキャットです! さあ生徒のみなさん、お勉強を始めましょう!』

 さあ、勉強のお時間だ!

 

 

 そして、数十分後……!

 

「デストロン、バンザイ!」

「メガトロン様、バンザイ!」

「おーる・はいる・メガトロン!」

デストロンの栄光を称える悪魔のような洗脳教育の成果だ! デストロン学歴社会の奴隷と化したフレンズたち!

 

「フレンズの心が炎なら、デストロンの血は氷!」

「メタル・ボディは冷たいけれど、ファイトは熱いデストロン!」

 洗脳授業の熱が極まり、デストロン校歌を熱唱するフレンズたち!

 

 スゥー……バシィー! バシィー!……バシィー!

 なんと唾棄すべき光景であろうか! 戦慄の「デストロン根性注入棒」で、お互いに尻尾を叩きあうフレンズたち!

 

『よし、作戦は大成功だぞ! フレンズの生徒諸君、エネルギーの採掘に取り掛かれ!』

『下等なフレンズども! どんどん蟻塚を壊しやがれ! さっさと働かねぇかァ!』

『エネルゴンキューブ、作成開始スル』

 

 エネルゴンキューブとは、様々な形のエネルギーを凝縮して保存する特殊な容器のことである!

 

 見よ! サバンナに林立する巨大な蟻塚を! 従順な家畜と化したフレンズたちの強靭な膂力により蟻塚を破壊し、シロアリが体内に取り込んだサンドスター・エネルギーを採取しようというわけだ!

 

 

 

 だが! 洗脳に屈しなかったフレンズがいたのだ!

「なんなのよこれ! こんな学校、推理するまでもなくバカバカしいじゃない! ナマケモノ、しっかりして! こんなところ、さっさと帰りましょう!」

 屈強な精神力を誇る、我らがアミメキリンである!

 

『黙レ! チビフレンズ! 俺ノ“マインドスキャン”デ大人シクサセル!』

 サウンドウェーブの頭部から特殊な音波とともに放たれる、脳波干渉光線! 相手の思考を読み取り精神をコントロールするのだ!

 危うし! アミメキリン!

 

「何よ! こんなもの!」

 だが、そのフレンズ洗脳効果は全く発揮されなかったのだ!

 

『何故ダ!? 俺ノ洗脳音波、ドウシテ効果ガ無イ!?』

「そんなの私が分かるわけないでしょ!」

『分析中……理解不能!?』

「畢竟するに……やっぱり私の鋭敏すぎる頭脳のせいかしら……ああ! 自分の推理力がすえ恐ろしいわ……」

 鹿爪らしい、いや! キリンヒヅメらしい顔をするアミメキリン!

 

『解析完了……原因ハ……分カッタゾ……ヤギネ! ヤ、ヤ、ヤギヤギヤギヤギ……』

『げぇっ! サウンドウェーブの頭脳回路がおかしくなっちまった!』

 

『マインド干渉プログラムを陽電子頭脳にフィードバックさせるとは! なんと強靭な意志力のフレンズなのだ!』

「頭が良すぎるって、罪ね……」

『ただ単にバカがうつっただけじゃねーかねェ……』

「もう! この名探偵に向かって失礼しちゃうわね! こうなったら、力づくでもみんなを元に戻してあげるんだから!」

 

 アミメキリンが叩きつけるマフラー! これは「ネッキング」と呼ばれるフレンズの技だ! 鍛えぬいた丸太のような首の筋肉の重量! ムチのようにしなやかに、高速で叩きつけ、遠心力が加わる加わる! オスのキリン同士の戦いでは、首の叩きつけで轟音が鳴り響き、敗者は死亡することさえあるという! 野生開放したキリンのマフラーの全方位回転打撃は、まるで一回転するムエタイ式ハイキックの華麗なコンビネーションのようではないか!

 

「後ろから来るのはお見通しよっ! “名探偵は脚が命”キック!」

『ウミャアッ!』

 背後から飛びかかろうとしたカセットロンのジャガーを、カウンター後ろ蹴りアタック! サバンナで鍛えた、脚力ぅ……ですかねぇ。

「優れた探偵は脚で稼ぐものよ……サーバル、アードウルフ! 他のみんなも、さあ帰るわよ!」

 自分の信じたいものだけを信じる! 本能の赴くまま、我が道を走るフレンズ、それがアミメキリンだ! それはTFの金属の身体に負けない、鋼鉄の信念! 戦うキリンは、かっこいい!

 

 だが!

 

『手くせ……いや、首くせの悪い……なんとも無作法なお転婆さんだ! フレンズ生徒諸君! このじゃじゃ馬……“じゃじゃキリン”に、デストロン淑女の礼儀作法というものを教育してやるのだっ!』

 

「みんみぃ~」

「な、なんだよぉ~」

「あなたたちは~くさったミカンじゃありませんわ~」

「じゃ~んぐ~る~さいこぉ~」

「め~ん~ど~く~さ~い~」

 

「うわぁっ! み、みんな! やだぁっ……やめてっ! こんなのヒキョウよ、デストロン! 犯人めぇっ! 容疑者ぁ! 売れない作家ぁーっ!」

 調教済みのフレンズたちをけしかけるという、卑劣な手段に打って出るデストロン軍団! 哀れ、仲間と戦うこともできず、捕獲され逆さ吊りにされてしまったアミメキリン! 

 

『ワシらのトリックはアンフェアかな? 名探偵のお嬢さん?』

『へへへ……手こずらせやがって……生意気なフレンズめ、良い眺めだぜ!』

「ぐぬぬ……わ、私のアミメ色の脳細胞に……ち、血が……上っちゃう……」

 このままでは、キリン特有の高血圧により、サンドスターが逆流して脳が大爆発してしまうのも時間の問題だった!

 大ピンチ! アミメキリン!

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

 絶体絶命と思われたその時! 颯爽と空を飛び現れ、間一髪キリンを救出するのは、予備ジェットパックで飛行可能となったコンボイ司令官!

「うぅ、ありがとう……死んじゃうかと思ったわ……」

『さあ君、私のボデーに掴まるんだ! ……デストロンめ! なんてひどいことを!』

 

 同じく空中から参戦するバンブル! その車内から飛び出すかばんやカバ!

 戦火に包まれるデストロン教室!

 

「みんみー……」

「サーバルちゃん! しっかりして!」

「あり……うま……」

「アードウルフもだらしないですわ!」

『カバ! ご自慢のパワーで、みんなをオイラの中に乗せちゃってよ!』

 

『デストロンのクソッタレどもには教育が必要だぜ! サイバトロン式の授業はちと手荒いぞ!』

『なんだと! サンダークラッカーアタックを食らえ!』

 

『怪力ゴング様の鉄拳制裁をお見舞いだ! サウンドウェーブ!』

『哺乳綱クジラ偶蹄目ウシ科ヤギ属ヤギ……』

 

『フレンズ戦士! 突撃ーっ! デストロンに逆襲だ!』

 他のフレンズも友達も正気に戻すべく、コンボイのコンテナから現れて強襲だ!

 

「あ、あっちいってよぉ~!」

「オレだよ、タスマニアデビルだぞー! 噛みついてでも連れて帰るからな!」

「コアリクイ! ヒメに任せるでしゅ!」

 

『みんな! こいつを使え! ちぃ~っとばかり荒療治になるが、これぞ、吾輩の発明した“サイバトロン精神洗浄板”やでぇ!』

 蛇腹状になった何枚もの薄い板を合わせた生体脳波振動装置! これでフレンズの頭部に衝撃を与えて悪の精神をロンダリング! 心の洗濯! 正義を愛しデストロンを憎む、健全なるサイバトロン精神を叩き込むというわけだ!

 

 スッパァーン! スッパァーン!

「ジャングルキャット! オトナになるってイタイことなんでち! せいちょーつうーっ!」

「じゃ、じゃん……ぐ……る……」

 

「サーバルちゃん……ごめん! 元のサーバルちゃんに戻って!」

「うみゃみゃみゃ……」

 

 

 

 さあ!

 

「ハッ! ジャングルゥー? 知らんなぁ~? 生まれも育ちも“ただのキャット”で何が悪い! 猫パンチの痛みに耐えろ! ジョフローイ!」

「あいたたっ! これ全然治ってないでちよ!」

『アカン、それどころか悪化しとるで! 皆、叩くのを止めるんや!』

 

 だが、時すでに遅しであった!

 サイバトロンとデストロン、双方の思想を短時間で植え付けられたフレンズたちの精神は不安定になり、凶暴化を促してしまったというわけだ! ジャパリパークの学級崩壊!

 

 さあ、ご覧あれ! ミナミコアリクイ対フクロアリクイ、有胎盤類と有袋類の生存競争!

「アリ食わせろ! もっとアリ食わせろぉー!」

「私のアリ塚は渡しませんよぉ~! ペロペロ~!」

「威嚇のポーズぅ、からのツメ攻撃! ツメ攻撃ぃー!」

「いたぁい、いたいですぅ~」

 南米vs豪州の世にも珍しいアリクイ対決は、みごとコアリクイに軍配が上がった!

「ふえっ、フクロアリクイをいじめてましゅ!」

「コアリクイ、やめろぉ! くぬやろぅ!」

「貴重なタンパク源! 豊富なプロテイン! もう我慢でけん!」

 

「空気ぃ~うめぇ~。空気はわ~た~さ~ん~」

「あなた、凶暴化してそれなの……?」

 ナマケモノ、不退転の心意気! 決死の威嚇のポーズを見よ(画像検索して下さい)!

 

「フレンズという字は、お互いが支え合うから……触れ合うから、“触れんず”なのですわ……」

 ヒゲじいは黙って。

 

「うみゃあ……く、苦しいよ……かばんちゃん……はいはーい主人公が通りまーす! どいてください主人公でーす!」

「サーバルちゃん!」

 どうなる! 完全に精神が錯乱したフレンズたち! TFの身体で例えるなら、バランス・サーキットを解除されたも同然であった!

 

「みんみ」

「ああっ! サーバルちゃんが変な顔に!」

『その穏やかな笑顔は、元からだと思うけどね……』

『ああもう、すっちゃかめっちゃか……オイラ泣きそう……』

『アカン……吾輩の発明品……大失敗や……』

『落ち込んでる場合ではないぞ、ホイルジャック! 早くなんとかしなければ!』

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

【トランスフォーマー解説:04】

 

ID:11 サイバトロン ミニボット情報員 バンブル / Bumblebee

トランスフォーム:フォルクスワーゲン・タイプ1

主兵装:小型汎用レイガン

副兵装:-

体力:2 / 知力:8 / 速度:4 / 耐久力:7 / 地位:7 / 勇気:10 / 火力:1 / 技能:7 / 可愛さ:10 / 憎まれ口:10

座右の銘:「最も小さな者が最も(The least likely)危険だってこともあるんだぞ!( can be the most dangerous!)

 

 つのが長く湾曲になっておりまして、黄色のつのの先端、鋭くなって、顔も明らかにユニクロンになってる作画があります。

そこは裸出部になっていて、マスクがない状態の白い顔です。オリジナルの玩具版では、バトルマスクを装備しています。

 

 玩具では、赤ら顔のバンブル、ハブキャップというキャラもいます。また、黄色いクリフや赤いバンブルも製造ミスで存在したとか。工場出荷に紛れ込んだバンパーというラインナップに無かったキャラも。

 

 アニメでも、作画ミスで車体が赤い時があるんですけど、車種がビートルなのがバンブルで、ポルシェがクリフです。かわいくて丸っこいのがバンブル、ごつくて四角いのがクリフと覚えるとよろしいです。口の悪さはふたりともどっこいどっこいです。

 

 車内のカラーは普段はジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の、ぐろ~い卵塊色っていうか、ピンクとパープルが混ざり合ったようなビビッドな内装をしています。

 

 ハウンドとかと違って、わりと一生、スパイクと連れ添うって言われてます。

2010ではスパイクとの絡みもなくなりまして、最終回では「ゴールドバグ」に生まれ変わります。

「トランスフォーマーレジェンズ」のバンブルの付属マンガでその辺のフォローがされております。

 

『やったやったー! もう最高だもんね! メガトロンのやつ自滅しやがってんのざまーみろ!』

 

『ハハハ! ジャガー君、そこで永遠に冷たくなってなァ!』

 

『これからはゴールドバグと呼んでね!』

『ハハハハ、いいともバンブル』

 

はいけい:ふぉるくすわーげん あうとしゅたっと(どいつ う゛ぉるふすぶるく)

こえ:しおやよく おにいさん

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

 超! けものフレンジング! トランスフォーマー!

 

 デストロン枢軸軍とサイバトロン・フレンズ連合軍の闘いは続く!

 闘いの喧噪の中でダウンしているサウンドウェーブの思考回路は、ショートしたままだった!

『ヤギハデスネェ、紀元前7000年前ゴロニ家畜化シタト、言ワレテマシテ。乾燥ヤ粗食、悪路に強ク、若干ャ草生エテル西アジアノ山岳地帯デ――』

 そして、人類の妙なる頭脳を誇るかばんは、バンブルから聞いていたSWのユニークな特徴を思い出していた!

 

「ホイルジャックさん! ボクにいい考えがあります! サウンドウェーブさんの発声回路を改造して使いましょう!」

『なるほどぉ! コイツの洗脳装置を利用するってワケやなぁ! あったまいい~』

「さっそく作業に取り掛かりましょう! 手伝います!」

『幸い、デストロンが発掘してくれたエネルゴンキューブでエネルギーもまかなえそうや!』

 

 だが、これを大人しく見ているデストロン軍団ではなかった!

『メガトロン様! あいつらサウンドウェーブの洗脳音声を逆手に取るつもりです!』

『おのれぇ! ワシのサウンドウェーブには指一本触れさせんぞっ!』

『お前の相手はこっちだぞ! メガトロン!』

『サーバルを元に戻してあげるんだ! 邪魔させないぞ、スタースクリーム!』

 

 ホイルジャックとかばんによるサウンドウェーブの改造!

「よーし! 改造完了です! サーバルちゃん、みんな、元に戻って!」

『名付けて、“友情回復装置”のお披露目や!』

 

 フレンズたちの脳裏に、サウンドウェーブの洗脳解除音波が響き渡った!

(アナタヤギネ アナタヤギネ アナタヤギネ アナタヤギネ)

 

「な、なんだよぅ、んめぇー」

「めぇ~んどくさい~」

「めぇーんみぃ」

 

「うわぁ~! 全然治ってないですっ!」

『また大失敗や……もうこりゃアカンわ……』

 

 フレンズの偏差値は下がる一方であった! ジャパリパークのIQ、絶体絶命! かと思われたその時、不思議なことが起こった!

 なんと、サンドスターのエネルギーを保存したエネルゴンキューブが、その虹色の輝きを眩いばかりに増したではないか!?

『ぐっ……一体何だってんだよ、この光は!』

 

 全く不思議なこともあったものである! サンドスター光線を浴びたフレンズたちは、次々に沈静化していった!

「記憶と再現」を司るという謎の物質、サンドスター! 大地に刻まれたその地球の記憶が、フレンズたちに野生のあるべき姿を取り戻させたのであろうか!?

 

「……な、なんだよぅ、みんな寄ってたかって! あっちいけよぅ!」

「やったでしゅ! 元の臆病で逃げ腰なコアリクイに戻ったでしゅ!」

「がぶりがぶり(噛み噛み)」(←タスマニアデビル特有の仲間同士の愛情表現)

 

「ぺろぺろ~! 私の蟻塚を返してよぅ~」

「な、なんだようぅ! ごめんなさいだよぅ!」

 

「ここはどこ? 私は……ジャングルキャット? ……ジャングルに棲んでないのに? ……ああーっ! この、せちがらい現実ゥ! 思い出したくなかったぁっ!」

「これでオトナの階段を一段昇ったでちね……ジョフも誇らしいでち……」

 

「息をするのもめんどくさい~」

「ナマケモノ! 元の怠け者にもどった……のかしら? あんまり変わらないわ……」

 

「うみゃ……かばんちゃん……」

「サーバルちゃん!」

 

『メガトロン様! エネルゴンキューブが全部空っぽ! デストロン教室は学級閉鎖です!』

『おのれ! サイバトロンどもめが! エネルギーのみならず、ワシのセント・メガトロニア学園の夢をぶち壊しおって……デストロン軍団、退却ーッ!!』

 

『なあー、おい、サウンドウェーブは相変わらずヒューズがぶっ飛んじまってるけど大丈夫かよ?』

『横長ノ、四角ノ瞳孔ガ可愛イデスヨネ、ヤギハ。アレハ視野ヲ広クシテ、天敵ヲ発見スルタメデス。アト、頭ノ角度ニ関係ナク、瞳孔ハ地面ト水平ニナッテテ、草ヲ食ベニ頭ヲ下ゲテル時デモ、周リガ見エルヨウニ――』

 

 

 

 闘いは終わった! かくして、魔のデストロン学園は廃校となり、恐怖のジャパリ学歴社会は終わりを告げたのである!

 

 平和になったさばんなちほーのお昼時……かばんとミーアキャットによる青空教室の様子をご覧いただこう!

「こうして、キャプテン・セーバルは、わるいかいぞくから、フレンズをまもったのでした、おわり」

「すごーいっ! おもしろかったーっ」

「次はこの“アリのくらし”を読んでよぅ!」

「わ、私も興味あります……おいしいですよね、アリ……じゅるり」

「ぺろぺろ~、あなた、オオカミのくせにアリを食べるの~? じゅるり」

「あら! この“カバとワニのおおぐちたいけつ”は、水に濡れても読めますのね!」

 

『みんな仲良くしなよ~。かばんほど上手くないけど、オイラも読んであげるからさー』

「バンブル! この“すいりしょうせつ”を読んでちょうだい!」

「それは“アマゾン殺人事件”ですね! ジャングルの川に浮かぶ船が舞台の! 面白いですよね!」

「そうよ! ナイフが飛んできたり、落とし穴に落ちそうになったり。主人公がジャングル特有の罠を切り抜けて、華麗に推理するんだから!」

 

『やれやれ、知的なレディも素敵だけど、素朴なフレンズたちには、堅苦しいお受験は似合わないからね』

『それにしても司令官。吾輩の発明、今回失敗続き……こりゃあ電子工学の初歩から復習せんといかんかなぁ……』

『そう気を落とすな、ホイルジャック。フレンズたちも、サンドスターも、まだまだ我々の理解を超えて謎が多いというわけさ。ふしぎなフレンズたちと出会った我々への宿題だよ』

 

『ホイルジャック、マイスター副官、コンボイ司令~。絵本や図鑑の朗読リクエストが多すぎて、オイラ発声回路がカラカラになりそう~!』

『よーしここはひとつ、みんなでフレンズとの勉強会といきましょう!』

『よっしゃ! 吾輩のデータバンクの出番やで!』

『サイバトロン・スクールの開校だ! トランスフォーム・アンド・ロールアウト!』

「みなさん、ここは教室なんですからね! 真面目に勉強するのです! デストロンの先生方よりビシバシいきますわよ!」

「えーめんどくさい~」

「もう勉強はこりごりだよぅー!」

 さわやかなサバンナの青空教室に、フレンズとサイバトロンの穏やかな笑い声がこだまするのだった……。

 

【あなたのハートには何が残りましたか? 次回に続く!】

 

の の の の の の の の の の の の

 

【けものフレンズ情報:03】

 

 さあ! 今日のお話に登場したフレンズ紹介のコーナーだ!

 

新兵教育軍曹 スリゲイト / Suricata

分類:哺乳綱ネコ目マングース科スリカータ属ミーアキャット

レッドリスト:EX/EW/CR/EN/VU/NT/[LC(軽度懸念)]

 ミーアキャットは↑の分類の通りマングースの仲間だ! アンゴラから南アフリカ共和国にかけて、カラハリ砂漠周辺の荒野やサバンナに生息している。その名はアフリカーンス語で「猿」の意、あるいは「シロアリマングース」を意味するとも言われている。ちなみに分類的には、マングース科はネコ目の中でも、とくにジャコウネコ科・ハイエナ科に近いと言われているぞ。

 雑食性の強い肉食けもので、地面に巣穴を掘り、家族単位の群れをつくって生活するぞ。この家族がいくつか集まって、大きな集団を形成することもあるのだ。プレーリードッグの生態との類似点が指摘されることが多い。朝晩冷え込むサバンナや砂漠で体温を高めるために直立して日光浴をする習性も、プレーリードッグのそれを思わせるところだ。

 群れの最上位のカップルのみが繁殖をして、それ以外の個体は「ヘルパー」となり、赤ちゃんの母乳係、子どもたちの子守係、若い個体のかりごっこの教育係などの専門に分かれて、共同繁殖を行うのが特徴だ。

 そんな子煩悩なミーアキャットだが、肉食けものらしく鋭いツメを持ち、気性が荒い一面もあるのだ。メス同士の熾烈な争いで全滅した動物園もあるという。また、砂漠の誇る殺人マスィーン、サソリの毒に耐性を持ち、好んで食べるというマングースの仲間らしいところもあり、別名「サバンナのギャング」とも呼ばれる。まさに、私立けものフレンズ学園の「元ヤン先生」……なのかもしれない。

 

密林隠蔽兵 スロウス / Aerial

分類:哺乳綱アリクイ目フタビナマケモノ科フタビナマケモノ属フタビナマケモノ

レッドリスト:EX/EW/CR/EN/VU/NT/[LC(軽度懸念)]

 中南米に生息するナマケモノは「フタビナマケモノ」「ミユビナマケモノ」の2つの科に分かれている。前足の指(ツメ)の数が2本か3本かの違いだ。ミユビナマケモノのほうが気性が穏やかで動きが遅く、怠け者度が高いぞ。

 1日約20時間の睡眠をとる、哺乳類では珍しい「変温動物」なのだ! 1日多くてわずか10g(1円玉10枚の重さ)ほどの葉っぱ等しか食べない! 生態の似ているコアラでさえ1日500gの葉っぱを食べる恒温動物だ! ヨーロッパに紹介された当時は「空気を食べるけもの」と思われていたのも納得である!

 どちらも完全に樹上生活に適応していて、長いツメを樹に引っ掛けてキノヴォリするぞ。年齢を重ねた個体の体は昆虫の住処となり、そのフンを栄養としてコケが生え緑色の体色を帯びるようになる。これは擬態に役立つほか、食べ物が無い時の非常食にもなるという。

 ちなみにミユビナマケモノは水泳を得意とするけものだ! 雨季に川が氾濫し、木の上までも水没するアマゾンの熱帯雨林ならではの進化といえる。フタユビナマケモノのほうは、雨季でも水没しない地域に分布しているため、泳げないのだ!

 ミユビナマケモノは「セクロピア属」という有毒の木など、90種類以上の南米産の木やツタの葉を好んで食べ、しかも個体によって食性を選り好みするため、南米以外では飼育が困難である! 日本の動物園で会えるのは、雑食性が強くわりと何でも食べるフタユビナマケモノの仲間なのだ! なお、静岡の日本平動物園によるコラボで新しいイラストが出たので、要チェックだ!

 

蟻塚防衛兵 アントスレイヤー / Antslayer

分類:哺乳綱アリクイ目オオアリクイ科コアリクイ属ミナミコアリクイ

レッドリスト:EX/EW/CR/EN/VU/NT/[LC(軽度懸念)]

 アンデス山脈以東に棲むコアリクイの仲間は、コロンビアからアルゼンチンにかけて生息するミナミコアリクイと、メキシコからペルーの一部に棲むキタコアリクイの2種類に分けられる。

 例の威嚇ポーズが有名なミナミコアリクイだが、この後ろ足で立ち上がる姿勢は、一番の武器である前足の強力なツメを誇示する立派な示威行動だ! この爪でアリ塚を壊すほか、ナマケモノと同じく、樹に引っ掛けてのキノヴォリも可能とする(仲間のオオアリクイはキノヴォリは不得意で、地上での活動が得意)! ツメだけが攻撃手段ではなく、スカンクの数倍の悪臭と言われる肛門腺分泌液を隠し武器とする!

 アリクイたちが主食とするシロアリは、枯れ草や倒木の木質部のセルロースを食べ、空気中から窒素を固定してタンパク質を合成できるぞ! 菌類や細菌などの、腸内微生物との共生の賜物と言える。シロアリ食は、まさに畑の肉ならぬ、アリ塚の肉なのだ! ちなみにシロアリはゴキブリ目、アリはハチ目に属していて、共通する生態も多いが進化的には全く別の分類の昆虫だ。

 なんべいちほーで進化した固有のけものたち、アルマジロ・アリクイ・ナマケモノは「異節類」あるいは「南アメリカ獣類」と呼ばれる! あふりかちほーで進化した「アフリカ獣類」、ろーらしあちほー(ユーラシア大陸・北米大陸)で進化した北方真獣類の2グループ(「ローラシア獣類」と「真主齧類」)と合わせて、哺乳類の有胎盤類の4つの大きなグループとなっているぞ!

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

『「PPP&サイバトロン予告っ!」』

 

『イェーイ♪ オレっちは80年代のアイドル・ミュージックもオマカセだぜ!』

「ブロードキャストさん、いつも“おとのでるはこ”モード、ありがとうございます」

「これぞまさに往年のエイティーズ・ロック! 最高だぜ!」

「いまぁ~い」

「今日の練習はここまでにしようか」

「さあ、次回予告をするわよ!」

 

「今週は――あっ! 先輩! お疲れ様ですっ!」

「「「「ジャイアント先輩! お疲れ様ですッ!」」」」

「ちぃーっすぅ~、ペパプのみんな~。おつかれさ~ん」

「今日はどうしたんですか、先輩?」

「にしし~、なんと! ひょんなことからワタシ、アイドルグループをつくることになってさぁ~」

「ええっ!! マジすか先輩!!」

 

「いやマジ。それがもう大マジよ~。こちらがワタシらグループの音楽プロデューサー、サウンドウェーブPだよ」

『先輩アイドルグループPPPニ、アイサツニ来タ。並ビニ、コレハ宣戦布告ダ! フハハハッ!』

「先輩! デストロンに騙されてますよ!」

「いや~、サウンドウェーブPのペンギンアイドルにかける情熱は本物だよ~」

 

中古(ちゅうぶる)ラジカセ野郎め、今度は何を考えてやがる……このサウンドシステムの面汚しめが!』

『口先ダケノ、イカレサウンドガ! オ前トハ、ステージデ決着ヲ、ツケテヤル!』

「あわわ……(白目)」

 

「やぁやぁ、盛り上がって来たね~。ワタシを含めて5人のペンギンフレンズが、新生アイドルグループをつくるのさ~」

「フフフ……」

「ククク……」

「真のペンギンアイドルの座は頂くぞ……」

「これからは我らの時代だ……」

「ああっ! フードで顔を隠した謎のフレンズが4人!」

 

『ソノ名モ“デストロン・デスメタル・デバステーション”! 名付ケテ“ddd”ダ!』

「こいつぁロック……いやメタルだぜ……」

「デーデーデーかぁ、わぁ~、そこはかとなくペンギンっぽい名前ではあるね~」

 

次回、【第5話 ブロードキャスト対SW!! ペンギンアイドルへの挑戦!!】

黒い天使に翼はいらない!

ダークネス・ペンギンアイドルの悪徳を称える歌を聴け!



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第5話 ペンギンアイドルへの挑戦!!

 今週の「けものフレンズvsトランスフォーマー」は! デストロンが新たなペンギンアイドル・ユニットをプロデュースしようというお話だ! 夢のダブルPPPの演奏を目撃せよ!

 

の の の の の の の の の の の の

 

【Episode 5: PPP vs ddd (爆誕! ブラックペパプ!)】

 

 ジャパリパーク、キョウシュウエリア北部に広がる湿原地帯……そこには様々な固有の植物や動物が棲息しており、まさに水鳥たちの楽園である!

 そして、水上道路を走る2台の車ァ! それはジャパリパークの園内トレーラーバスであったが、客車を牽引するのはサイバトロン戦士たちなのだ!

 

「あてんしょんぷり~ず。次は~終点“みずべちほー”でございま~す。太陽の方向に見えますのが、本日アイドルグループ・PPPのライブ練習が行われる会場でございま~す。お降りの方は~、各自ジャンプしてお降りくださ~い。お忘れ物をしないよう、ご注意くださぁ~い」

 

 ぞろぞろと降車してくフレンズたち!

 

「これよりバスは回送となり、車庫行きとなりま~す。本日の運転は、コンボイ司令官さんとドラッグさん。バスガイドはわたくし、リョコウバトが務めさせて頂きました。ジャパリ交通・PPPライブバスツアー、またのご利用お待ちしておりま~す」

 

『トランスッフォーッ!』

『やれやれ、司令官。ちっちゃな島にこれだけたくさんのフレンズがいたとは、驚きですよ』

「PPPは大人気ですからね、島中からPPPのファン“フリッパー”が集まってますよ。今日は長い道のりを走って頂いて、お疲れさまでした。本当にありがとうございます」

『なんの、おやすいご用だよ。リョコウバトも長時間飛んでいて疲れただろう。帰りは乗せていってあげよう』

「いえいえ、おかまいなく。まだまだ元気ですから。動物だった頃は、もっと速い速度で何日も休まずに飛び続けたものですよ」

『そうかい。それじゃあまた何かあったら、遠慮なくお願いしてくれ』

 去っていくコンボイ司令官と技術員ドラッグ!

 

「ふふっ、やはり大人数の旅行は楽しいものですね。最後にファンの皆さんの姿を撮ってから帰りましょうか」

 キャリーケースの中からカメラを取り出すリョコウバト! だが、これがデストロンの仕掛けた罠だとは知る由もなかった!

 

「ぱっぱっぴぷっ! ぺっぺっぽっぱっぽー!」

 

「キャー! タマちゃんタマらないですぅ~~!」

「ボクらのPPPの奏でる歌は、鮮やかなる天上の調べ。紺碧の海と群青の空を彩る、虹色のハーモニー……」

「嗚呼……あなたがたの笑顔は素敵すぎましてよ……わたくしたちには眩しすぎますわ。まさに5つの小さな太陽……」

「ぺぱぷー! がんばれがんばれ! ぺぱぷがんばれ~!(笹食いながら)」」(←寝る時以外は無理して食べ続ける)

 PPPの練習風景に歓喜の声を上げるファン達!

 

 ライブ会場の写真を空撮するリョコウバト! だがしかし! そのカメラは、デストロン光学情報兵「リフレクター部隊」の3体のTFが変形合体した物だった! その映像はメガトロン達に送信されていたのだ!

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

 そして! デストロンのみずべちほー水中臨時基地では!

 

「空は~♪ 飛べないけど~♪」

(ピカァ……)

 PPPの映像を見て、不気味にその赤い瞳を光らせるのはデストロンのリーダー、破壊大帝メガトロンだ!

 

『PPPとかいう連中、フレンズの間ではたいそうな人気ではないか。これを利用しない手はないぞ。偶像(アイドル)を掲げての情報戦(プロパガンダ)は戦争の常套手段だ!』

『そうと決まったら、さっそく奴らを誘拐しやしょうぜ! その役目は、ぜひこのスタースクリームにお任せ下さい!』

『まあ待て、スタースクリームよ。PPPフアンの中には、クマやトラ等の猛獣フレンズが多数いるではないか。お前だけで、そう簡単に上手くいくものか』

『ヘッ……相変わらず臆病なこって! じゃ~なんか上手い作戦でもあるんでェ?』

『この愚か者にも分かるように話してやれ、サウンドウェーブよ……』

 

『俺ノ計画! デストロン・音楽バンドヲプロデュースシテ、フレンズヲ集メ、デストロンノファンヲ、大量生産スルノダ!』

『アイドルグループ作って人気取りってワケかァ! フレンズどもに媚びるのは気に食わねぇが、アイツらを従順な下僕にするってのは面白そうだぜ!』

『ウム! 入ッテ来イ、フタリトモ』

 

 さあ! メガトロンの前に現れたペンギンのフレンズたち!

「おいっす~! ワタシはジャイアントペンギンだよ~。よろしく~」

「私はオオウミガラス~。アイドルやらせてもらいます~」

 

『おお! 古代の巨大ペンギンに、初めてペンギンの名を与えられた水鳥か……まさに元祖ペンギン・アイドル・グループ結成というわけだな。この作戦の全指揮権、お前に一任したぞ! サウンドウェーブよ!』

『凶悪アイドル育成作戦、開始スル! マダアト3人、メンバーノ心当タリガアル!』

『よーし! さっそく出発だ! オレ様のコクピットに乗り込みなぁ、チビ助どもっ! 超音速でかっ飛ばして行くぜっ!』

 

「みずべちほー」のペンギン・コロニーへと飛び立つデストロン一行!

 デストロン・バンドの新メンバーのスカウトだ!

 

 野生のペンギンに混じって、会話をしているのは3人のペンギンフレンズ!

 彼女たちは、キングペンギン、ヒゲペンギン、アデリーペンギンだ!

 

「えー、その部分はふつう食べないよな……」

「なんだよ! 食って悪いか!」

「いやぁ、私も流石に残しますねー、ソコは」

「ええっ! もったいないって思わねーのかよ! お前ら!」

「まさか……逆のところも食べたりするとか……?」

「それは……ありえません……若干引きます……」

「うるせえな! どこを食おうが自分の勝手だろ!」

 

 そこへ現れる空飛ぶ超音速ジェット機と巨大ラジカセ! スタースクリームとサウンドウェーブである!

『トランスフォームッ! おうおう、ペンギンども! オレ様のバンドに入りやがれ!』

「うおおーっ! いきなり何だァッ! てめえらっ!」

「わわわわ……(白目」

 ペンギンコロニーは瞬時にして、蜘蛛の子ならぬペンギンのヒナを散らすような大混乱である!

 

「よっ! みんな、元気してるか?」

「あっ、ジャイアント先輩じゃないですか! この大きな人たちは誰なんですかぁ?」

「この人たちは“デストロン”と言って、新しいペンギンバンドを作りたがってるのさ」

『PPPニ対抗シテ、新ペンギングループ“デストロン・デスメタル・デバステーション”! 名付ケテコレ“ddd”ト呼ブ!』

 

 ddd! それは反逆のPPP! あるいは獣の数字であろうか!

 デストロン恐怖のペンギンアイドル計画!

 

「メタルバンドか! 良い趣味してんじゃねーか! ……か、可愛くないオレでも入れるのかよ?」

『ソノ、ガラスノヨウナ鋭ク尖ッタ、メタルナ感性……熱烈大歓迎ダ!』

「私、超地味です。暗いし特徴ないし無個性ですが、OKですか?」

『ムシロソノ、イブシ銀ノカラーリング! ブラック&ホワイトガ、悪ノ軍団ニピッタリダ!』

「わたし、PPPのコウテイと、めちゃくちゃキャラがカブっちゃってるんだけどな」

『下剋上ダ! 逆ニ、向コウガ真似シタノダト! 真ノ王者ヲ、皆ニ知ラシメテヤルノダ! オ前ガ神ダ!』

 

 音楽に関しては、人が変わったように饒舌になるSWの熱烈スカウト! さあ! どうなる!

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

 一方その頃、PPPライブ会場では!

 サイバトロンの新メンバー、通信員「ブロードキャスト」の姿が!

 ラジカセにトランスフォームして、音楽を大音量で流しているではないか!

 

『イエーイ! みんな~! ノッてるかーい!』

「ダンスは“びぃーじーえむ”があってこそですわね! さて、本日の練習はここまでにしましょう!」

『イマいダンス・レッスンをセンキュウ! オオフラミンゴ・ティーチャー!』

「今日もありがとうございます!」

「それじゃあ私はこれで……1週間後のライブに向けて、自主練と体調管理もしっかりするのよ!」

 

「今日の練習はなかなか良かったわね!」

「うむ! みんな動きのキレが良くなっているぞ」

『さすがのPPPだ! 歌も踊りもイケイケだったぜ~♪』

「ブロードキャストのロックミュージックのおかげだぜ!」

「ふぁ~つかれた~。ジャパリまん食べようよ~」

「あーっ! もう食べてるじゃないですかぁ!」

「ぐひひ~……巨大ロボットとの異色コラボ……アイドルの可憐さがひと際強調されてたまらないですねぇ……はぁはぁ……うっ……」

 

 日々のアイドル活動に忙殺されるPPPに訪れた、つかの間の団欒の時間……。

 しかし! 耳をつんざく轟音とともに、その平穏なひと時を打ち破って現れるデストロン軍団だが!

 そう! 今回のその目的はアタックではないのだ!

 

『トランスフォームッ! お前らがPPPだな! 挨拶がてら来てやったぜ! 紅茶でも出しやがれ!』

「なっ、何なのよ! あなたたち!」

『我ラ、デストロン軍団。ペンギンアイドル・グループヲ結成シタ! フハハハハッ! ソノ名モ“ddd”!』

 

『お前はサウンドウェーブ! 新しいペンギンアイドルを作っただと!』

『……ブロードキャスト! オ前ガ肩入レシテイル、PPPヲ潰シテヤル! ソレモ、闘イデハナク、音楽デダ!』

『何を企んでやがるが知らないが、その勝負、ステージの上で受けて立ってやる!』

 サウンドシステムTF同士の因縁の対決!

 

 さらに、ペンギンメンバー達も、それぞれにライバル心を燃やしていたのだ!

「よっ! 面白いだろ~? そういうわけなんでよろしくな~」

「ジャイアント先輩! どういうわけなんですか!?」

「にししし~。一度、お前たちとはやり合ってみたかったってだけさ~」

 

「ヒゲッペ! メタラーが高じて、そんなメタル野郎と手を組んだのか!?」

「ロック野郎……正々堂々音楽で勝負だ! 久々にオレの魂のギターを聞かせてやるぜ!」

 

「まさかお前と戦うことになるとはな、キング……」

「フッ……コウテイ……なんていうか、そういう流れになってしまってな……」

 

「なんという清純派……私の親戚なのに、どうしてここまで違うのでしょうか……」

「あ、アデリーさん。お久しぶりです」

 

「むむ~! 本家ペンギンの名をかけて、負けないですよ~」

「わ~なんだか大変なことになっちゃったよ~グレープ君」

 

『7日後ノPPPライブ! ソコデ俺タチトノ、ミュージックバトル! 首ヲ洗ッテ待ッテイロ! ブロードキャスト!』

『お前らこそ、怖気づいて逃げ出すんじゃないぞ! サウンドウェーブ!』

 

『すごいわ……ダークな魅力あふれるdddもステキよ……水辺に咲いた悪の華……ああ! マネージャーの私が浮気しちゃダメなのにぃ~! でも……1週間後のライブ、“夢のダブルペパプ”が見られるなんて……あぁ~もう想像するだけで……う゛っ(鼻血』

 

 さあ! 両陣営、ライブに向けての猛練習の開始だァ!

『歌ッテ踊ル、アイドル路線ノPPPニ対シテ、我ラdddハ、楽器演奏ヲアピールスル! サア、練習ダ!』

 音楽TF、サウンドウェーブの敏腕プロデュースが光る!

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

 1週間、dddのメンバーの必死の練習が続いた……それを盛り上げるべく、ラジカセに変形したサウンドウェーブの流すBGM!

『オイオイ、SW、なんだよその音楽はぁ? リフレクターの奴らも、ホログラムでフレンズ共のモンタージュ映像なんか作ってやがるぜ!』

『ドウダ? トレーニングガ盛リ上ガル演出ダロウ?』

 

 さて、ここで読者の皆様には新ペンギンアイドルユニット、dddの変則的なバンド編成をご紹介をしよう!

 

・ヒゲペンギン:リードボーカル、ギター

・ジャイアントペンギン:ボーカル、ドラム

・キングペンギン:ボーカル、タンバリン

・アデリーペンギン:ボーカル、トライアングル

・オオウミガラス:ボーカル、カスタネット

 

「それにしても、先輩がドラム打てるとは……」

「しししし……長生きしてると、隠し芸だけは豊富なんだよなぁ~」

 

「わたしら3人はズブのシロウトなんだけどなぁ(シャンシャン)」

「こんな暗い私がバンドなんて(チーンチーン)」

「わ~い、友達と一緒に演奏なんてたのし~(パカラッパカラッ)」

 

『まともに演奏できるのは、ヒゲペンギンとジャイアントだけじゃねえか! 勝負はもう明日だってのに、こんなお遊戯会でホントに勝てるのかよ?』

『ムムッ! 予想以上ニ素人ダナ! ダガ、心配ナイゾ! 俺ニ大逆転ノ秘策ガアル! カセットロン達ヲ残スカラ、後ハ任セタゾ!』

 

 飛び立つサウンドウェーブ! その逆転の秘策とは!?

 

 

 

 そして! 「みずべちほー」の外れ、キョウシュウエリア中央部の山岳地帯との境目だ。切り立った山々の斜面には水路が張り巡らされ、進んだ灌漑設備によって棚田や段々畑が広がっている。その風景はまるで西日本の田園地帯、あるいはペルーの古代インカ帝国の高度な農業用水路を思い起こさせるものだった。

 

 その田んぼで水浴びをしている、3人の水鳥のフレンズ!

「私たちの羽毛、取れるのよ。ほら、こんな所まで……」

「おおっ! 本当ですけど! さあ、舐めるように見てください! この私の美しい紅い羽の下の秘密を!(ドヤァ」

「つるつる……」

 ニッポニア・ニッポン! トキ、ショウジョウトキ、クロトキだ!

 そこへ現れるサウンドウェーブ!

 

『朱鷺ノクセニ鶴鶴トハ、コレイカニ……』

「うわ、あなた誰?」

『俺ノ名前ハサウンドウェーブ! 君タチ、トキノ調査ヲシテ、ソノ歌声ニ魅セラレタ者ノ、ヒトリダ』

「むふ……つまり私たちのファンね」

「こんなに大きなお友達は初めてですね……」

「さすがこの私! ショウジョウトキィー! またひとり悩めるファンが生まれてしまいましたァ! なんて罪作りな鳥なのかしらァ(ドヤァ」

『君タチノ歌声、美シイダケデナク、凄マジイエネルギーヲ秘メテイル……。俺ノ胸ノカセットニ録音シテ、爪ヲ折ッテ永久保存版ニシタイ程ダ……』

 

 トキの歌が美しいかはどうかはともかく、とてつもなく強力な音波エネルギーを持っているのは確からしい!

 この「トキ・ハーモニー・パワー」をPPPにぶつけて対抗しようというのがSWの計画であった!

 

 さて! dddの秘密練習場では! 一向に戻らないSWにいら立ちを隠し切れないスタースクリーム!

 

『けっ、こいつらまるっきり烏合の衆だぜ!』

「呼ばれて飛び出て、通りすがりのウミウだう!(じゃじゃーん」

『うわっ、何だ! お前なんか、呼んでねえぞ!』

 

 烏合とは、漢字のとおり(カラス)の集まりのことであり、()とは関係ないのだ!

 

「何でも願いを聞いてあげるウミウだう!」

『オレ様の願いはな……お前が目の前から消えることだぜっ! さっさとどっか行かねえと踏みつぶすぞっ!』

「お呼びでないウミウは去るのみだう……(しょぼーん」

『ちっ……SWのヤロウはまだ戻ってこねえのか……ちくしょう、こうなったら強行手段あるのみだ! おい! カセットロンども、出撃するぞ!』

 

『ヨッ! 中々イケるじゃねえのよ、フレンジー』

『デストロンにピッタリの曲だと思わねえか? ランブル?』

「ロックヤローの~~イワビーには~~絶対負け゛ね゛え゛~~~!(デスメタル超低音シャウト」

「にしし……張り切ってるねぇ……」

「皆の衆! 私のタンバリンを聞け!(シャンシャン) これが王のタンバリンさばきだ!」

「コンドルさん、ジャパリまん食べませんか?」

(ピカァ……)←猛禽類の鋭い眼光。

「よしよ~し、ジャガーちゃん、いいこいいこ~」

『ウミャ~』

『てめえらいい加減にしやがれ! PPPライブ会場に行くぜっ! オレ様の後に続けッ!』

「みんなどこ行くの~?」

 

『スタースクリームよ、サウンドウェーブはdddの練習を監督していろと言っていたぜ?』

『うるせぇや! そのSWがいない今、このオレがお前らのリーダーなんだ! オレ様の命令を聞け!』

 

『ちぇっ! いばってやがらぁ!』

『ホントいけすかねぇ野郎だぜ、スタースクリームの奴!』

『……』

『ニャー!』

 上官であるスタースクリームには従うものの、その横暴さに対して憤りを隠し切れないカセットロン部隊!

 

 さて同時刻、PPPライブ会場では!

 オオフラミンゴとブロードキャストの指導の下、音楽に造詣の深いサイバトロン戦士マイスターとトラックスを加え、歌と踊りの猛練習の真っ最中であった!

「前にも増して良い調子ですわ、皆さん!」

『ゴッキゲェン♪なダンシングだぜ! オレっちもスピーカーがバリバリ最強絶好調!』

 

「なにしろ、あのジャイアント先輩が相手だからな……あの人何でもできそうだし……」

「ヒゲッペの野郎もすごい演奏テクしてるんだぜ! 油断できねーよ!」

「先輩の前で無様な姿は見せられませんよ!」

「あの子たちもアイドルやりたかったんだね~。ホント、夢がかなってよかったよ~」

「敵を応援してどうするのよ! 私達、負けられないわよ!」

 

「ぐはぁ……ライバル登場でますますアイドルに磨きをかける皆さん……青春してますぅ……」

 

 だが! そこへ突然! スタースクリームとカセットロン軍団のアタックだァ!

 

『ブロードキャスト! PPPのメンバーはもらっていくぜ!』

『スタースクリームだ! クソッ! 打ち落とせっ!』

 

 しかし多勢に無勢、強力な航空戦力、コンドルのアタックにより軽くあしらわれてしまう、マイスターとトラックス、ブロードキャスト!

 

「ちょっと! 離しなさいよっ!」

「わ~たすけて~」

 

「このこのっ! あわわ……! ペパプの皆さんが~っ!」

 

 マーゲイ得意の3次元空中殺法でなんとかジャガーを退けたものの、デストロン軍団にPPPの誘拐を許してしまう!

 どうなってしまうのか!?

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

 dddのアジト! ツタで拘束されたPPPアイドルたち!

 

「しばられちゃったよ~」

「こんなひどいこと……お願いです、止めてください!」

「くっ……あなたたち! すぐにこの縄を解きなさいよっ!」

「うむ、縄が胸や下半身にやたら食い込んで苦しいぞっ!」

「ヒゲッペ! 正々堂々戦うってのは嘘だったのかよ!?」

 

『どうだぁ~、PPPの連中を捕まえてきたぜ! これで明日の音楽対決は、オレ様たちdddの不戦勝ってワケよ! 最初からこうすればよかったんだ!』

「ざけんじゃねーぞっ、この野郎ッ! なんてことしやがる!」

 スタースクリームの卑劣な行為に激怒するヒゲペンギン!

 

「そりゃあ、オレ達はシロートの集まり……付け焼刃の練習で、マジでPPPに勝てるなんて思っちゃいねー……こいつら今までメチャクチャ頑張ってきたの、知ってるからな……」

「ヒゲッペ……お前……」

 

「でも! それでもガチで真正面からやり合いたくて! この1週間必死こいて練習してきたんじゃねーか!」

「そーです! そーです!」

「やることが汚いぞー! このスタースクリームめ!」

「縛るなんて苦しくてかわいそう! ひどい!」

「dddのみんな……」

 

『うるせえっ、ペンギン・フレンズども! マネージャーの俺にたて突く気なら、容赦しねえぞっ!』

 

 さあ! 戦いだ! ddd対スタースクリーム!

 だが、数の上では勝っていても、戦いの苦手なペンギンのフレンズ達には不利な戦闘である!

 と、誰もが思っていたその時!

 

「にししぃ~、ワタシにいい考えがある!」

 長年パークに生きてきたというジャイアントペンギンの叡智が、今ここに炸裂する!

 

「長生きすると、疑り深くなってね~……デストロンが裏切ったときのために、こういうものを用意していたんだよ~!」

「わ~かわいい~。卵みたいな石がいっぱい~」

「ただの石じゃないよ~! サンドスターの原石なのさ! みんな、ワタシにどんどん石を投げてくれ!」

 

 さあ、野生開放だ! サンドスター・エネルギーを実体化させた「けものプラズム」でできたヘルメットをかぶり、バットを振りかぶるジャイアントペンギン! 強打者特有のスラッガー・フォームから放たれる、剛腕スイング! サンドスター原石の千本ノックの五月雨打ちだ! 野球は一人でもできる! ストライクゾーンはスタースクリーム! サンドスター・ボールがターゲットに当たるたびに起こる、エネルギーの小爆発ストライクの連鎖!

 

「おらおら~悪い子はお仕置きしちゃうぞ~」

『ぎゃあ! ク、クソッ! なんて威力だ! とっても耐えられねえっ! ……フレンジー! ランブル! 何ボサッと見てるんだよ! 早く助けねえか! フレンズどもを捻りつぶしちまえ!』

 

『やなこった! 俺達のリーダーはサウンドウェーブなんだぞー!』

『お前の命令を聞いてやったら、このザマじゃねえか! てめえでなんとかしな! 俺達はSWの元へ帰るぜ!』

『……(汚い物を見るような猛禽の眼光』

『ウニャア~!』

 

『まっ、待て! どこへ行く、お前ら! この裏切り者どもめ! オレ様はデストロンの次期リーダーなん……うぎゃあっ!』

「にっししし~! 顔面センター前ナイスヒット~! これでスタースクリームは永遠にGOOD☆NIGHT~!」

「せ、先輩……怒らせたらマジで怖ぇよ……」

 

 戦いは終わった!

 

 そこへ駆け付けるサイバトロンのマイスターとトラックス!

『サイバトロン戦士ただいま見参! ……ありゃ、もう戦いが終わってるじゃないか!』

『それもペンギンフレンズ・チームの、逆転ホームランみたいだぞ!』

『今日のMVPの“小さな巨人”に感謝というわけか!』

「ふぅ~疲れた~。ちょっとサンドスターの使い過ぎで、縮んじゃったかもな~」

 

「サイバトロンのみんな! もうライブが始まっちゃうわよー!」

『よーし! ペンギンのお嬢さんがた、我々に乗りたまえ!』

『レディのエスコートなら任せてくれ!』

 

 大勢のファンの待つPPPライブ会場まで急げ! サイバトロン・カー!

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

【トランスフォーマー解説:05】

 

ID:17-A デストロン 情報参謀 サウンドウェーブ / Soundwave

トランスフォーム:ポータブルカセットプレイヤー・ウォークマン

主兵装:振動ブラスターガン

副兵装:エレクトリックランチャー/カセットロン部隊

体力:7.5 / 知力:9 / 速度:2 / 耐久力:6 / 地位:8 / 勇気:5 / 火力:6 / 技能:10 / 巻き添え体質:10 / 日和見主義:10

座右の銘:「泣キ叫ブ悲鳴……俺ニハ心地良イ音楽ダ……(Cries and screams are music to my ears...)

 

 角ばってマッシブなところが、情報参謀らしいところ。平たい胸からは想像できないほどの数のカセットをしまい込んでいて、とっても多くのカセットロンに慕われているTFです。セイバートロン星ではなく「音楽惑星」の出身という説があります。彼、言わばデストロンの「顔」ですよね、文字通り。

 

 元ネタ玩具は、ミクロマン・ミクロチェンジシリーズ「カセットマン」。当時大流行の携帯型ウォークマン・ラジカセに変形。手持ち武器のブラスターガンと右肩のエレクトリックランチャーは単三電池サイズで、変形時にはちょうど電池ボックスに2本収まります、余剰パーツを無くさないようにという心意気ですよね。また、ロボット時に背中に見えるバックパックのようなものは、玩具だとベルトに引っ掛けて留める用のクリップです。たいへん(ギミック)が細かい。振動ブラスターは、バネ仕掛けで銀色のミサイルが飛びます。昔の玩具らしくていいですね。

 

 音楽プレーヤーは流行り廃りが激しいせいか、最近は人工衛星やベンツや日産GTRなど、サウンドシステム以外に変形するSWが多いんですよね。

 

 エフェクトのつよい声をして、無表情がかわいいですよね、SWは。コンボイみたく、フェイスマスクがモゴモゴッって上下に動いて、喋るときがかわいらしいです。

 いつもメガトロン様の横にいるイメージ。かなりの古参らしいし、忠誠心は深いながらもタメ口だったり、二人の関係は謎が深い。ガルバトロン時代になってもDVされずに一人だけ愛されていました。抱っこされたり、手を繋いで一緒に飛んだりしていて、本当かわいいです。

 

 1つのファミリー……ってか、部隊ですけど、1体だけ合体戦士チームみたくリーダーがいて、あいつの言うことは絶対聞かなくちゃいけないとか、そういうのは、カセットロンの部隊にはなくってぇ……。

 

『コンドル、イジェ~クト!』

 

『サウンドウェーブ、頭良イ! ビルドロン皆、馬鹿バカリ!』

『なんだと! テメエみたいなゴマスリのクズ野郎なんかに!』

 

(よくゴングに倒されるSW)

 

はいけい:そにーほんしゃ そにーしてぃ(とうきょうとみなとく)

こえ:まさむねいっせい おにいさん

 

の の の の の の の の の の の の

 

 けものフレンズvsトランスフォーマー!

 

 一方その頃、PPPライブ会場では! 前座の催し物が行われていた!

 噺家フレンズ、ウグイスによる「ジャパリ落語」である!

 

「“ジャパリまん16個よこすのです” “それじゃ博士、手を出してくださいよ。1、2、3、4、5、6……ところで、今何時ですか?” “1時なのです” “ハイ1時ね……2、3、4、5、6……” オヤ、余計に勘定して渡しているぞ……どうも、おあとがよろしいようで……」

 

「……いや、わからん……どういうことか、全然わからん!」

「……う~ん、パフィンちゃん、頭を使ったらジャパリまんが食べたくなったのー……」

「……鹿せんべいならあるけど食べる?」

「ウメーウメー笹ウメー」(←実は竹や笹以外も食べる)

 

(あ、あれ……イマイチお客さんにウケないですね……定番のネタなんですが……)

(ウ、ウグイスさん。“かず”や“じかん”が分からないフレンズが多いからですよ……)

 

(ぐぬぬ……マーゲイさん、もう限界ですよ……ネタ切れです。PPPはまだ来ないのですか……他のフレンズ芸人は……?)

(漫才コンビ「ツリーボアズ」もネタ切れ。ディンゴさんの「ジャパリ手品」も「種も仕掛けも無い」です……)

(エジプトガンさんとイリエワニさんの前座「ぷろれすごっこ」の「みずべですまっち」は?)

(ヒートアップしすぎて、リングごと壊して流されてっちゃいましたぁ……)

 

(くっ……それでは、わたくしがもうひと頑張りしないとですね……俳句で鍛えたべしゃりを見せますよ!)

「ホーホケキョ~。え~ある日、真っ赤なジャパリまんのカゴを頭に乗せたボスが歩いてきました。“なんで赤いジャパリまんのカゴなんか乗せているんだろう”……と私が考えていると、突然ボスが喋りだして、こう言ったのです……“パークノ緊急事態ニツキ、話シテアゲルヨ。ナンデ僕ガ、赤イジャパリまんノカゴヲ、頭ニ乗セテルカト言ウトネ――”」

 

(もうしばらく頑張ってください! ウグイスさん! そして早く帰ってきて、PPPとサイバトロンさん!)

 

 ウグイスの小咄もネタ切れは時間の問題! とうとうマーゲイ秘蔵の「PPP秘密暴露トーク」タイムに突入か、と思われたその時!

 サイバトロン・ハイヤーの到着だァ!

 

『長らくお待たせしたね! みんなのアイドルのお出ましだ!』

「キャー! タマちゃん待ちくたびれたよぉー! ペ・パ・プ! ペ・パ・プ!」

「ルビー、ボクの心が恋焦がれて燃え尽きる前に、飛べない翼の天使たちが舞い降りたよ……下々の者がPPPと呼ぶ、夢の翼を持つ天使たちが!」

「ええ、ルター。そして可憐なる純情の堕天使たちdddの悪魔的な魅力……嗚呼! ddd! それはなんて蠱惑的な響きなのかしら!」

「うん! わかる!」

 

「みんな行くわよ!」

「にししし~。それじゃ、やりますか~」

『よ~し! みんな~! ディスコっていこうぜ~!』

 さあ! とうとう対決だ! PPP vs ddd!

 と、思った矢先のことである!

 

「お、お姉ちゃん! 何やアレ! こっちへ向かってくるで! セルリアンとちゃうか!」

「ホンマや! アレは普通のセルリアンとちゃうで! わ~! ごっつでっかい奴や~!」

 

 PPPライブの熱狂により深海から目覚めたのであろうか!? それは原始的な触手を数多く持つ巨大セルリアン「チューブワームセルリアン」だ!

 その巨大触手に捕えられたら最後、いかなるフレンズやTFといえども、捕食されてしまうのは必至であった!

 

 ジャパリパーク全滅の危機! どうなるフレンズ! トランスフォーマー!

 

『アレハ、資料デ見タコトガアル! 音楽ニ反応スルセルリアンダ!』

「あっ、サウンドウェーブ、戻ってきたのか~?」

 

『奴ノ触手ハ、パイプオルガンノ様ニ、音ヲキャッチスルノダ!』

「おい! あんなデカブツ! オレたちでどうしろって言うんだよ!」

『カツテ、パークノヒトトフレンズトデ協力シテ、陽気ナ音楽デ追イ払ッタトイウ……』

「つ、つまり、私たちの楽しい音楽で満足させれば追い返せるのね!」

「……や、やるしかないのかよ! ここで終わりたくないぜ! プリンセス!」

「イワビー! ビビッてんじゃねーぞ! テメェのロックはそんなもんなのかよ!」

「ヒゲッペ……! お前たちの(フリッパー)を、貸してくれ!」

「へっ、言われるまでもねぇな! オメーらとオレたちのペンギン魂が合わさりゃ無敵ってもんだぜ!!」

 

「ハイ、こうなったら全面協力しますよ、生き残るために。私も無理して精いっぱい明るくします」

「ししし、PPPとdddのコラボライブか~。面白くなってきたよ~」

『サイバトロンとデストロンの協同作戦だ……サウンドシステムの面汚しのお前と手を組むハメになるとはな!』

『フン……口ダケノ、イカレサウンドガ! ダガ、今ハ争ッテイル場合デハナイゾ! ブロードキャスト!』

「わわわ……土壇場での夢のコラボ実現ですぅ~。これが最後に見られるなら、私は今日死んでもいいですよ~」

「縁起でもないですよ! マーゲイさん!」

「うむ! コウテイ! 私のタンバリンでパークを救っちゃうぞー(シャンシャン」

「おう! オオフラミンゴ先生に鍛えられた歌と踊り! PPPとdddの最初で最後の合同ライブだ!」

「あ~あ、最後にお腹いっぱいジャパリまん食べたかったなぁ~グレープく~ん」

 

「なんだか私たち……(むふ」

「とんでもないことに……(ドヤァ」

「巻き込まれちゃったみたいね~~♪」

「「「私たちも~~♪ 精一杯~~~♪ 歌うわ~~♪」」」

 

『私のミュージック・スピーカーの出番だな!』

『4649頼むぜ! マイスター副官!』

『フレンジー、ランブル、ジャガー、コンドル、バズソー、ラットバット、合同ライブ設営開始セヨ!!』

 

「PPPの皆さん、ジャイアント先輩、アデリーさん、キングさん、ヒゲッペさん……」

「どうした? オオウミガラス?」

「みんなとバンドが組めて良かった……私、剥製に戻っても、ひとりじゃない……みんなのこと……」

「うるせぇ言うんじゃねえバカヤロー! オレたち最凶メタルバンドdddの伝説はこれから始まるんだからよ!!」

 

「それじゃあ、あれをやるわよ!」

「それってあの曲だよな?」

「ぶっつけ本番だぜ! みんな知ってるあれしかないぜ!」

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

【PPP・ddd・サイバトロン・デストロン 合同ライブコンサート】

♪ようこそジャパリパークへ

 

 フレンズ達は歌った。TF達も歌った。観客達も歌った。

 歌の上手な者、下手な者。演奏のできる者、できない者。踊りの得意な者、不得意な者……。

 しかし皆が今までで一番心をこめて、歌い、演奏し、踊った……。 

 

 すると、その時奇跡が起こった! 巨大セルリアンが踵を返して、海の方角へと戻っていくではないか!

 この曲は、かつてヒトがいた頃のパークのテーマソングだったという……。

 セルリアンにとってそれは、自身の故郷、母なる海の熱水噴出孔を思い出させる、子守歌の役割を果たしたのだろうか……。

 

 パークの大ピンチは去ったのだ!! ライブ観客たちの大歓声!!

 

「や、ややや、やりましたぁ~~~!! セルリアンですら満足させるなんて~! PPPとdddの大勝利ですぅ~~(大出血」

「わぁーっ! すごい流血試合だぜ! マーゲイ!」

「もう! あなたの鼻が大ピンチになってどうするのよ!」

 

「フン……PPPとの対決はまた今度だな……」

「あっ……ヒゲッペ……」

 

「にしし~。いや~面白かったな~。一度きりの人生、やっぱ面白くないとな~」

「ジャイアント先輩……勉強させて頂きました……」

 

「それじゃあ、また。私はやっぱり、薄暗いところでトライアングルの練習してるが似合います(チーンチーン」

「頑張ってくださいね!」

 

「ふははっ! さらばだ! また会おう、コウテイ!(シャンシャン」

「お前結構ノリ良いよなー」

 

「友達が沢山いるって、すごく楽しいんだね~!」

「ふふふ、そんなの動物だった頃から知ってるよ~。ねっ、グレープ君~」

 

『貴様トハ、イツカ決着ヲツケル……ブロードキャスト!』

『その時は、この命を賭けてでもお前を倒してやるぞ! サウンドウェーブ!』

 

 こうして、PPP対dddのライブコンサートは大盛況のうちに幕を閉じたのだった……。

 

 全てが終わった……ように思えたが! 気絶したスタースクリームは、その後どうなったのであろうか?

 読者の皆様には、最後にその様子をご覧いただこう!

 

『……なんでェ……忌々しいフレンズどもめ……サウンドウェーブの野郎は帰ってこねえし……カセットロンの奴らも俺を見捨てやがって……クソッ、このオレ様はいつかデストロンのニューリーダーになる男なんだぞ……ちくしょう、見てろよ、今に見返して……うわぁっ! なんだコイツは!』

 なんというタイミングの悪さ! スタースクリームは、帰路についた「チューブワームセルリアン」にばったりで出くわしてしまったのだ!

 

『うわぁぁぁ!! SW! PPP! ddd! だっ、誰でもいい! 誰か助けてくれーーっ!!』

 

【めでたしめでたし! 次回に続く!】

 

の の の の の の の の の の の の

 

【けものフレンズ情報:04】

 

 今日のけものフレンズ情報は! 昔のペンギンたちの特集をしよう!

 

潜水巨兵 ギガントダイブ / Heavydive

分類:鳥綱ペンギン目ペンギン科

レッドリスト:[EX(絶滅)]/EW/CR/EN/VU/NT/LC

 世界最大のペンギン現生種といえば、体長130cm、体重45kg、ご存知「コウテイペンギン」である!

 だが、あなたは知っているだろうか? はるか昔……数千万年前にトランスフォーマーたちが、惑星セイバートロン星でクインテッサ星人によって造られるよりも前……古代の地球に超大型のペンギンたちが生きていたことを!

「ジャイアントペンギン」は3000万年以上前……新生代新第3紀始新世の終わり頃に生きていたという古代のペンギンたちだ! コウテイペンギンより大型の種が6種類確認されており、絶滅と出現を繰り返していた! 身長160cm! 体重80kg! 生けるペンギン山脈! 一人ペンギン類大移動! 大巨人鳥、アンドレ・ザ・ジャイアント・ペンギン!

 白亜紀(1億4500万年前~6550万年前)に最初の種が誕生したと言われるペンギン類、かつては50種類もいたというペンギンたちは、現在では18種類を数えるのみである。

 かつては恐竜が映ったその瞳は、今は黒く虚ろな眼窩になり果てた……彼女に会いたければ、動物園や水族館ではなく、南半球の博物館に行くとよい。悠久の時を経て物言わぬ姿になっても、ガラスの陳列棚の中で、静かにあなたを待っていることだろう……。

 

北方極地水兵 ノースポーラ / Northpolar

分類:鳥綱チドリ目ウミスズメ科ウミスズメ属オオウミガラス

レッドリスト:[EX(絶滅)]/EW/CR/EN/VU/NT/LC

 ペンギンの本場は北半球にあった! 学名ピングィヌス・イムペンニス(Pinguinus impennis)。元祖・人鳥、真の飛べない海鳥、ジ・オリジナル・ペンギンである!

 ↑分類を見ての通り、南半球に生息するペンギンとは地理的・遺伝的に遠縁なのだが、収斂進化により、外見や生態に共通点は多数あるのだ。

 全長80cm、体重5kgのウミスズメの仲間でも大型の水鳥である。かつてはイギリス、アイスランド、グリーンランド、ノルウェー、カナダ、北米と、北大西洋から北極圏の島々にかけて、広く分布していた。

 元々は数百万羽いたとされているが、噴火や地震による生息地の破壊、1年に1つしか卵を産まないという繁殖力の低さ、そして「獰猛な天敵」に好奇心で近づいていってしまう警戒心の低さが災いしたのであろう、16世紀に発見されてから、わずか300年ほどで絶滅寸前まで数を減らしていった。そして1884年の6月のある日、最後の夫婦がその儚い命を散らし、オオウミガラスは地球上から絶滅した……。

 のちの世に遺されたものは、いくばくかの剥製や標本、そして「どんなに繁栄している生き物でもあっけなく絶滅する危険性がある」という「生きた教訓」だけである。

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

『「PPP&デストロン予告っ!」』

 

「ddd……また戦うことになるのかしらね……」

「ヒゲッペ……アイツは、口は悪いしガンコだけど、筋の通った真っ直ぐなペンギンだぜ!」

「よーし! もっと練習して“アイドルのわざ”に磨きをかけましょう!」

「キング……久しぶりに会ったら、なんだか私に似てきたなぁ~……。ヒナのころは茶色のモフモフで、似ても似つかなかったのに……」

「もぐもぐ……食べられるうちにジャパリまん食べとこ~。人生は一度きりだものね~グレープく~ん」

「もう! それは先輩の受け売りでしょ! そうでなくてもいつも食べてるくせに!」

「ふひひぃ……これからは私の楽しみも2倍ですよぉ……」

 

『ああ……死ぬかと思ったぜ。なんだよ、あのデカブツセルリアンは……海に帰っていったからいいものの……』

『お! 帰って来たな! スタースクリーム! 大バカのお前のせいで、ワシとサウンドウェーブのアイドルユニット計画が台無しになったではないか!』

『スタースクリームノ勝手ナ行動、“コンドル”ガ全テ、記録シテイタ!』

『そ、そんなぁ! や、止めて下さい! お許しを~、メガトロン様ぁ~っ! うぎゃあ~!!』

 

次回、【第6話 じゃんぐるちほー奥地!! 神秘の古代遺跡!! トランスフォーム仏像パワーの秘密!!】

いんどちほーのフレンズの大活躍にご期待ください!



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第6話 じゃんぐるちほー地下遺跡の秘密!!

 ジャパリパーク・キョウシュウ島南部に位置する「じゃんぐるちほー」……そこは、東南アジアの島々や南米アマゾン川流域を彷彿とさせる、広大な熱帯雨林となっている!

 

 曲がりくねった河のまわりには鬱蒼とした大樹林が広がり、地上部は低木やつる植物が足の踏み場もないほど生い茂るジャングル! 生息する野生動物とフレンズの種類も最多であり、彩り豊かな生態系を誇っている!

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

【Episode 6: Finding Japari El Dorado (パークの黄金郷を求めて)】

 

 その、じゃんぐるちほーの上空を飛行する謎の未確認飛行物体! はたしてその正体は⁉

 

「あぁーっ! もうダメだ~っ! 落ちる~~~っ!!」

 

 そして!

 

「すごいねー! ライブでセルリアンを追い払ったのかぁー!」

「姉ちゃんがPPPの大ファンだから、今度一緒に――……あっ、何だろう、あれ!」

「うわーっ! へんなのが落ちてくるぞー!」

 

 じゃんぐるちほー在住のフレンズ、「ジャガー」と「コツメカワウソ」だ!

 

 轟音とともに樹木をなぎ倒して、転がり落ちながら胴体着陸を試みる謎の飛行体! いや、それは墜落と言っても差し支えなかった!

 

「あっ、あそこに落ちたぞー。ねえ、あの子も“トランスフォーマー”かな?」

「おおーい、ずいぶんひどい落ち方したけど、大丈夫か?」

『うぅ……私はサイバトロンのアダムス。落下のダメージは平気だが、エネルギーが足りない……』

 

 サイバトロン戦士の新メンバー、偵察通信員「アダムス」はアダムスキー型UFO円盤に変形する!

 顔がでかくて、首が太くて、足が短くて、ちょっと不細工な感じする、ずんぐりむっくり野郎がアダムスです!

 

「“えねるぎぃ”ってのは、TFの食べる“ごはん”らしいぞー」

「アダムスちゃん、お腹が空いて動けないんだね」

『……君たち、私を……エネルギーのもとへ運んでくれ……』

「しっかりしなよ! アダムス! えねるぎぃってのはよく分からんけど、この近くには“ケガを治す場所”があるんだ」

「よぅーし! ジャガー、コレに乗せて運んでいこうよ!」

 

 河岸から壊れた橋板を拾うカワウソ! これを簡易的な担架として使おうというわけだ!

 

「「えっさー! ほいさー!」」

 

 ジャガーとカワウソに運ばれていくアダムスだが、一体どこへ連れていこうというのか!

 

の の の の の の の の の の の の

 

『ううっ……機能が回復していく……この場所は一体……?』

「お? ちょっとは気分が良くなったかい? まだしばらくじっとしていなよ」

 

 運ばれていったそこは密林の奥地、古代遺跡のような施設! 祭壇のような場所に安置されるアダムス!

 

『もう大丈夫だよ、TFもできそうだ……いや、ありがとう。君達が私をここまで運んでくれたんだね』

「へっへー、どういたしまして! このくらいおやすいご用だよ!」

「アダムスちゃん、さっき落ちた時のケガは大丈夫?」

『ああ、平気さ。墜落するのには慣れているからね!』

「キミは高いところから落ちるのが得意なTFなんだね!」

 

『それにしても、この場所は一体……奇妙なエネルギーの照射をセンサーで感じるが……』

「ふふー、面白いでしょー? ここに来ると、ちょっとしたケガや病気ならすぐ治っちゃうんだよー」

 

 多様な生態系を維持するジャングルは、病気の種類も様々である!

 そんな持病の療養のため、この不思議な場所には多くの地元のフレンズが集まっているのだ!

 

「ぐぅっ……我が呪われし病の運命(さだめ)か……離れていろ……私の中の悪魔が目覚める……」

「何カッコつけてんだバカ!(がぶがぶ) オレがついてるからしっかりしろ!(噛み噛み」

「くっ……静まれぇッ……我が左目ッ……!」

 ジャングルの小悪魔、タスマニアデビル!

 オーストラリアデビルの襟首を噛んで引きずって、眼病を治しに来たわけだ!

 

「ヨロイが重くて、いつも肩こりが酷くて困りましたわ……」

「最近知ったんだけど~、あたしたちの皮ヨロイ……取れるんだよ?」

「えっ! ホントですか(バッ!) ホントですわ……」

「あたしみたいに、軽装の“びきにあーまー”にしたらどう?」

 鎧を脱いで泥遊びしているのは、スマトラサイとインドサイ!

 

「ふぇ~ん。いたいよ~」

「泣き虫ぃ! アリジゴクに噛まれたぐらいで泣くなよぉ!」

「よしよし、順番待ちの間、お姉ちゃんが絵本を読んでやるから、我慢するのだぞ」

 まるで姉妹のようなヒメアリクイ、ミナミコアリクイ、オオアリクイ!

 

「ふー……筋肉痛が治って、筋肉が成長するのを感じる……ちょうかいふくぅ~」

「この川は牛乳が流れてきます。私のミルクよりおいしいかもです」

 すげえ筋肉! 今も鍛えてんの? あのオーロックス以上の肉体美を持つ、筋肉モリモリ・マッチョマン、野牛フレンズのガウル!(女の子やぞ) と、その友達のガンジーだ!

 

「木陰が涼しくて気持ちいいなぁー……居心地よくて、怠けるにはさーいこぉー。光合成がはかどるよ~」

「なんか蜂蜜が流れてきて、おいしいんですけど~。ハチもぶんぶん飛んでますけど~」

 ナマケモノとマレーグマ!

 

『おお……ここはさしづめ、自然の動物病院というわけだね』

「そうなんだよっ! 面白いところでしょー!」

 

 なんとも不思議なパワースポットがパークにあったものだ!

 怪我や病気を癒やすために集まったフレンズと野生動物たち! けものたちは草食・肉食の別を問わず、野生を忘れてくつろいでいるではないか!? まるで大自然の赤十字! 進化の停戦協定が結ばれた、ジャングルの中立野戦病院であった!

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

 だが突如! その桃源郷の平和を乱す存在があった!

 空中最速・残虐非道・銀河最強のデストロン戦闘機部隊、ジェットロンの猛攻アタック!

 さあ~っ! 戦いだァッ!

 

『デストロン軍団、アターックッ! 動物とフレンズどもを殲滅するのだ!』

『へっへっへ……オレ様のクラスター爆弾を食らいな!』

 スタースクリーム、スカイワープ、サンダークラッカー、アストロトレインのジェット編隊!

 それを率いるのは悪のデストロン軍団の首魁、破壊大帝メガトロンだ!

 

『クソッ、デストロンめ! お前らの思うようにはさせないぞ!』

 指から光線を放って応戦するアダムスだが!

『スカイワープたま、ただいま参戦! とっておきのミサイルを食らえ!』

『ああ~ッ!! 熱線追尾弾を避けきれない!』

 エネルギーの欠乏が激しいため満足に動けず、サイドワインダーで撃墜されてしまうアダムス!

 

『朝のナパーム弾の臭いは格別だぜ!』

 サンダークラッカーの得意とするファイアーアタック!

「あつい~……めんどくさいけど、逃げるか~」

「ふっ、そんな動きじゃハエからも逃げられないぞ?」

 まさに間一髪! 焼肉になる寸前のナマケモノ! その鋭い爪でナマケモノを掴み、すんでの所で救助したのは猛禽類のフレンズ、ハヤブサだ!

 オーストラリアの一部の猛禽類は、火を使って狩りをすることが知られている! 炎を恐れずに華麗に飛行するハヤブサ!

 

 フレンズたちの楽園は、一瞬にして戦場と化した! ジャングルのエデンの園は、黙示録における最終戦争の様相を呈してきたではないか! デストロン失楽園! アポカリプス・ナウ! サウンドウェーブの流す、士気高揚のクラシックを聴け!

 

「かみなり! ほのお! ……まるで魔法みたい!」

「ジャガー! “どくたー”達がデストロンに捕まっちゃったよぅ!」

「よし! 今助けに行くからねっ!」

「ダメだよっ! とても敵わない! 助けを呼んでこなきゃっ!」

「くっ……しょうがない……後で必ず助けに戻って来るからねっ!」

 TFに勝るとも劣らぬパワーを秘めた、密林に君臨する肉食獣の王者ジャガー! そうはいっても、近代兵器の前には一時的撤退を余儀なくされるのだった……!

 

『よし! フレンズどもを追い払ったぞ!』

『2名ノフレンズト、アダムスヲ、捕虜ニシタ!』

 

「ああっ! このシロクジャクの美しい身体を傷つける気でしょう!」

『とんでもない。捕虜を傷つけたら、この遺跡の道案内ができなくなるではないか』

「やめて! 私の美しい飾り羽にひどいことするつもりでしょう! 美しい私を虐めて興奮を覚えるのね! ひどいひと!」

『メガトロンさまぁ~、コイツはダメですぜ~。ちっとも人の話を聞かねぇフレンズだ』

『だが、あちらのイノシシのフレンズの方は、少しは話が分かりそうだぞ……』

 

「ふ……全くずいぶんマナーの悪い患者がおいでだ……TFというのは、皆こうも穏やかでない連中なのかね?」

『フフフ、病院で大変失礼をした……急患のため、待合室のフレンズには出て行ってもらったのだ』

「ずいぶん健康そうに見えるが? ……私は研究者、Dr.バビルサ。キミ達、じゃんぐるちほーには何用かな? 名所観光、というわけでもなさそうだがね?」

『よくぞ聞いてくれた、ドクター。我がデストロン軍団の目的は、この“ジャパリ寺院”に眠る、秘密のエネルギーを手に入れることだ!』

 

 メガトロンの言う「ジャパリ寺院」の秘密のエネルギーとは一体!?

 そして、囚われの身となったアダムスたちの安否は!?

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

 一方その頃、アダムスからの救難信号をキャッチしたサイバトロン戦士たちが、彼を救助せんがため、ジャングルのけもの道を進んでいた!!

 じゃんぐるちほーのフレンズたちがその水先案内人だ!

 

『この辺りが、アダムスが最後に救援シグナルを送信してきた場所だが……』

「運転ならあたしに任せて! 一度“とらっく”に乗りたかったんだぁ!」

 熱帯雨林の道なき道を切り開いて進むのは、我らがコンボイ司令官! その運転席に乗り込むのは「フォッサ」だ!

 大きな尻尾を持つ、マダガスカルマングース科の肉食けもの! 大型トラック運転に興味があるフレンズなのだ!

 

『カーナビの方向指示がまるで働かない……コンクリート・ジャングルは見慣れたものだが、本場のジャングルはたまらないね』

『オフロードは苦手ですかな、司令官?』

『やれやれ。このジャパリパークの大自然の中では、君のようにジープをスキャンしていたら……と考えてしまうよ』

『俺、グリムロック! ジャングル、ずっと同じ風景に見える! うわっ、ここやけに滑るなー(バシャー』

 けもの道を並走するのは、ウィリス・アーミージープに変形するサイバトロン戦士の偵察員ハウンド!

 それに並んで走る恐竜TF、グリムロックだ!

 

「“くるま”って素敵ですね。私のこの美しい飾り羽を汚さずにジャングルを走れます」

『俺っちは車というか、船だけどねー。それにしても、川が曲がりくねっていて迷子になりそう……』

「このジャングルの覇者、ジャングルキャットでさえ、よく“とうざいなんぼく”が分からなくなっちゃうの!」

『そういう時は……こうして地面に棒を立てて、太陽の影の位置を小石でマークしておく。そして影が少し動いたら、また石でマーク。その2点を結べば、正確ではないけれど、東西の線になるんだよ。最初の石が西、2つ目が東。地球上どこでも使える方法だよ』

「すごーい! “にし”は太陽の沈む方向、“ホワイトタイガー”の方角ですね!」

 コンボイ達を先導する、海上防衛員シースプレーと地質学者ビーチコンバー! それぞれ、ホバークラフトとデューンバギーにTFする! 彼らの不整地走破性能とナビゲーション知識には、現地のフレンズ、クジャクとジャングルキャットも驚嘆の声を上げる!

 

『夜間は北極星を見つければ方角が分かるよ。ジャパリパークなら“南十字星”も見えるね』

「ふむふむ! いかにもジャングル慣れしてそーな知識、他のフレンズに披露出来ちゃいます!」

『クジャク、キミの美しい羽……俺っちにもっと見せてくれないかい?』

「うふふ……この水面に映る豪華絢爛・虹色尾羽……自分でも惚れ惚れします」

 

『みんな! 道草を食っている暇は無いぞ!』

『俺、グリムロック、肉食、ティラノサウルス! 草なんて、まずいもの、食べないぞぉ!』

「このお上品な私、道ばたの草を食べるなんて……あっ、サソリ発見!(パクッ) うーん!(ムシャムシャ) おいしーい!(バリバリッ)」

 

 

 

 決死の探検サバイバル! TFスペシャル! コンボイ探検隊が行く!

 

『コンボイ司令! どうやって、アダムス、探す? 臭い、嗅げとでも、言うか?』

『ああ! そうだ! 我々には格好の猟犬(ハウンド)がいるじゃないか!』

『了解しました! 俺の(センサー)にお任せ下さい!』

 

 ハウンドの嗅覚センサーで墜落UFO、アダムスを追う!

 はたして、じゃんぐるちほーでサイバトロン特派員が見たものは!

 

「オオオッ! なんだお前らっ! オラァッ!(ドラミング」

『おっと、驚かせて済まないね、ゴリラさん』

 筋肉はゴリラ! 牙はゴリラ! 燃える瞳は原始のゴリラ!

 それは現地住民のゴリラのフレンズ!

 なお、ドラミングは握りこぶしではなく、平手で胸板を叩いて行うぞ!

 

 そして、傍らでは野生のローランドゴリラと数匹の猫たちが戯れているではないか!

『おや? こちらのレディは子猫ちゃんがお好きかな?』

「……」

『驚いた、これは人間の手話だ! “猫、とてもかわいい、大好き”と言っているぞ!』

『俺、グリムロック! 猫なんて、キライだ!』

 

『ところで、ここいらで“太っちょの変なモノ”が空を飛んでいるのを見なかったかい?』

 コンボイの言う、太っちょの変なモノとは、無論アダムスのことである!

「オラオラッ、向こうの不思議な建物の方へ飛んでくのを見たぜ!」

「……」

『“別の、とても大きい、鳥たち、見た”と言っていますよ、コンボイ司令!』

『それはデストロンの連中に違いない! 一刻も早くアダムスを助けにいかなければ!』

 

 道を急ぐサイバトロンとフレンズだが! 密集する低木や太いツタがその行く手を阻んでいる!

 

『俺っちに言わせりゃ、まるでフラワーショップのバーゲンセールだ……ジャングルは何もかも育ちすぎだぜ!』

『地質学的なことを言わせてもらうと、これは氾濫する川が栄養を運んでくるため、土壌が非常に豊かということだね』

「ありゃりゃあ~通れないよ……あたしたちならともかく、さいばとろんは体が大きすぎるからねぇ」

『参ったな。これじゃ進めそうもn――』

 

「私にお任せ下さい!(チョキチョキ」

 コンボイのセリフを食い気味に現れた謎のフレンズ! 両手のハサミを使いこなし、手慣れた様子で茂みを切り倒していく!

 彼女はユキヒツジ! 辻斬りヘアセット「辻セット」を得意とするフレンズだ!

 

「またつまらぬものをカットしてしまいました……」

「ジャングルのヤブが美しく手入れされてしまいました! このクジャクの美しさを引き立てます」

『おお! 西洋庭園風になって通りやすくなったぜ! 誰だか知らないが、助かったぜ! ありがとう!』

「ふふふ……植木だけでなく、あなたがたのヘアセットも如何ですか?」

『俺、グリムロック、髪ナイから、無理』

「ごめんねー。ジャングルキャット達は急いでるから、また今度ねっ」

 

「フッ……お見受けしたところ、なにやらただならぬご様子! この私も皆様にお供しm――」

『さようなら! 親切な見知らぬヒツジさん! サイバトロン&フレンズ戦士、スタート・ユア・エンジンッ!』

「えぁっ! ちょっ、待ってくださ~い! カッコよく登場した私だけど、”びよういん”を探して、迷子なんですぅー! ジャングルに迷える子羊を置いてかないでぇーっ!」

 

 さあ道は開かれた! アクセル全開で古代遺跡へいざ行かん! サイバトロン!

 そして、ジャングルに「病院」はあっても、「美容院」は無いとは知る由もない、ユキヒツジ!

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

 では、古代遺跡のデストロン一行はどうなったのであろうか?

 

 ツタで縛り上げた捕虜フレンズを案内人にして、密林の不思議な石像の立ち並ぶ中を練り歩くデストロン軍団!

「あぁ~、このシロクジャクの清廉潔白・純白尾羽を……もっときつく縛って下さい! その方が興奮するんでしょう! あなたも! 私も!」

『こいつ、脳みそのヒューズでも飛んでやがるのか?』

 

『フム、この遺跡は中南米のメソアメリカ文明を思わせるわい……このヒスイでできた南米ネズミ、デグーの像の細かい造形、なんと高度な技術だ!』

『サラニ、マワリノ仏像ハ、ゾウヤライオン、ワニノ顔ダ。東南アジアノ仏教寺院ヤ古代エジプトヲ思ワセル造形。ムムッ、センサーニ、スキマ風ヲ感ジル!』

「さあ、デストロンどの、このインドゾウの石像を押してくれ。下から湿った臭いがする。地下への入口が下にあるらしい」

 

 ここはまるでマヤ文明の神殿のようでもあり、またカンボジアのアンコールワットのようでもある!

 地下への階段を進むデストロンたち! そこは古代ローマの地下墓地カタコンベや、トルコのカッパドキア地下都市を思わせる広大な地下空間だ!

 

「この“ジャパリ寺院”はフレンズが建てたかもしれないんだ」

『何だと? バビルサ、そんな馬鹿なことがあるか。こんな超高度な建造物を、フレンズが建てられるわけがあるまい』

「まあ、そう言わず聞いてくれたまえ……昔々、全てのフレンズが読み書きができた頃の話だよ。このジャングルのamazonには、手紙や荷物を運ぶ配達員のフレンズがいたんだ」

『クロネコかペリカンのフレンズでもいたのか?』

 

「いや、チーターの郵便屋さんだよ……彼女は配達の帰り道、このジャングルで、なんの変哲もない石ころに不思議なイマジネーションを受けて、“自分だけの神殿”を作ろうと決意した……で、何十年もかけて、この神殿を作ったというわけさ」

『一見乱雑に見えるこの遺跡は、東西南北の方角や天体の運行、さらには円周率や黄金比に沿って緻密に設計されている。フレンズが作ったなど……ただの伝説や噂話にすぎんぞ』

「まあ、そうかもしれないね。でもこのチーターの不思議な昔話は、じゃんぐるちほーのフレンズ達の夢に出てくるんだ。この神殿の近くで寝ると、みんな時々その夢を見るんだよ、なんとも奇妙な話だとは思わないかい?」

『地下カラ、不思議ナパワーノ波長ヲ感知。ソレガ睡眠中ノフレンズノ脳波ニ、干渉シテイルト思ワレル』

『フフフ……フレンズ達の夢にまで影響するエネルギーか……何とも楽しみだわい』

 

 

 

『くっ……デストロンめ! コンボイ司令官たちが必ず私を助けに来るぞ! その時がお前たちの最後だ!』

『テメェの立場をわきまえず、でかい口を叩くじゃねえか、不細工なハンプティ・ダンプティ野郎め! この地下の穴に突き落として、卵みたいに叩き割ってやろうか!』

 

 不細工なハンプティ・ダンプティ野郎とは、アダムスのことだ! アダムスを崖に突き落とそうとするスタースクリーム!

 

 危うし! アダムス!

 

『バカ者!』

『ぎゃっ!』

 だが、危機一髪! スタースクリームを殴り飛ばして制止するメガトロン!

 

『この愚か者(スタースクリーム)めが! このずんぐりむっくり野郎の宇宙探索用エネルギー・センサーが今回の地下探検の鍵なのだぞ!』

『やれやれ~、お前はロクなことしねえなあ~。アダムスの見張りはこの俺、スカイワープ様に任しておくんだなぁ~、ナハハハ~!』

『ぐぬぬ……』

「デストロンの愉快な仲間たち諸君! 取り込み中のところ悪いが、前を見たまえ!」

 

 さあ目の前には、3つの分かれ道が現れたぞ!

 

『うむむっ、この黄金像はまるで肉食恐竜のヴェロキラプトルではないか! そして、銘板に彫られたラテン語は“恐ろしいトカゲの辿った、現世へと続く道を進め”とある!』

 

 3つの道にはそれぞれ、始祖鳥・プテラノドン・クビナガリュウの絵と学名がついたプレートがかかっている!

 

「つまり、恐竜がどの仲間に進化して今に生き残ったのか……正解の道を進めばいいというコトかな? 不正解の道にはおそらく、侵入者よけの危険な罠があるのだろう」

『よし! スタースクリーム! シロクジャク! お前たちが先に進むのだ!』

『ええーっ! デストロン軍団の将来を背負って立つ、この航空参謀、スタースクリーム様がですかァ! 何故そんな生贄のような真似を!』

「この美しい私の白い羽が、無残に散る姿を見たいとおっしゃるのですね……ああ……なんて残酷な……想像しただけで興奮しちゃいます……!」

『この鳥頭フレンズと一緒にしねぇで下さいよぉ! 古代アステカ文明の生贄文化に従い、って話なら、そのシチメンチョウ野郎だけで十分なのに!』

『うるさいぞ! これはワシの命令だ! さっさと行かんか!』

 

 待ち受けるは、生か死か! どの道を選ぶ?

 超エキサイティング・シンキングタイム!

 

『うむむ……恐竜の進化の道か……進化といえば、強くなることだ! そして、強くなるというのは、飛べるようになることだぜ! 大空を制するものが世界を制すんだ!』

「いえ、必ずしも、飛べることが強いことではないハズです。私のように、飛べなくなった鳥のフレンズだって、たくさん……」

『あっちの変な始祖鳥とやらは、翼が短くて飛べなさそうだ。名前からして恐竜じゃなくて鳥だしな……』

「そういえば、海に戻るコトも進化ですよね……PPPのように、泳げる鳥のフレンズたち、いっぱいいますし……」

 

『じゃあオレ様は、この大きな翼の“プテラノドン”の道を進むぜ! 憎きダイノボットの、スワープのモデルってのが気に食わないがな!』

「では私は、この上手に泳げそうな“クビナガリュウ”の道を選びますよ! 名前にリュウって付くし!」

 

 はたして!

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

『ぐぇぇーっ!』

「ぎゃぁーっ!」

 

 不正解である! 間違いの道を選んだスタースクリームとシロクジャクを容赦なく襲うトラップ! 顔面に降りかかる猛毒サンドスター液の噴出罠だっ!

 この毒を食らっては、いかにTFやフレンズといえども身体機能が侵され、命は無いのである!

 

「やれやれ、正解は始祖鳥さ。翼竜や首長竜は恐竜とは違うんだよ」

『恐竜カラ、始祖鳥ヘト進化シ、サラニ今ノ鳥類ニナッタ! 現代ノ生物学デハ鳥モ、恐竜ノ仲間ナノダ!』

『全く不勉強な奴だ……翼竜や首長竜の辿った道は“絶滅”……間違った道に進めば、同じく先に死が待っているというわけか……』

 

「あぁ……短い一生でしたけど、フレンズになれて良かった……これが“死”……」

「そうだよ。“苦労のない穴にさようなら”というわけさ」

 

「……その通りです、全く苦しくない……ん? っていうか……アレ? 本当に全然平気なんですけど……?」

「アハハ、クジャクのフレンズの君には、毒なんて効かないんだよ! ゴメンね!」

「ええ~! もっと早く言って下さいよぉ! でも、美しい私が死の恐怖に怯えるのって……めちゃくちゃ興奮しますね……!」

「おいおい……なんて“悪食”なんだ……」

 

 クジャクは毒虫や毒蛇を好んで貪る鳥である! そんなクジャクの亜種のフレンズ、現地では神の使いと崇められる純白の「シロクジャク」には、いかなる毒物をも無力化する、聖なるけもパワーがあるのだ!

 

『ダガ、スタースクリームハ、重症ヲ負ッタ』

『お、お願いです~……助けてくださぁい……メガトロン様ァ……』

『お前をこんな薄暗い地下に置いていかねばならないとは……いや全く残念だな……スタースクリームよ』

『クソォ……死んだら幽霊になって化けて出てやるぜ……』

 

 あーん! スタ様が死んだ!

 

 ……とか、そういうのは、このお話にはなくってぇ……。

 

『科学者のお前が非科学的なことを! そんな哀れっぽい声を出すな、今助けてやる! バビルサ、例の物を!』

「ほら、ドクター謹製の“泥薬”を塗りたまえ。“性格”と“頭”以外の悪い所は、ただちに治ること請け合いさ!」

 

 バビルサ特製の“泥”が、スタースクリームの体内の有毒サンドスターを中和・排出していく!

 

 インドネシアに棲む「バビルサ」は、泥を浴びて寄生虫を落とし、有毒の草や木の実を食べても特別な泥を食べて解毒できるというイノシシ! Dr.バビルサはそのフレンズ・パワーにより、泥であらゆる薬を作ることができる! 超一級の大地の薬剤師! 薬の調合のスペシャリストなのだ!

 

『ハハハ! 残念ながらデストロンのNo.2は無事に回復したようだな! さあ、先を急ぐぞ!』

『ちくしょう……それでユーモアのつもりかぁ、メガトロンめ! ……お前が死にそうな時は、オレは容赦なく見捨てて行くからなぁ!』

『何か言ったか? スタースクリーム? 地下水脈の音がうるさくて、聞こえんがな? ふはははっ!』

『フハハハーッ!』

 笑うメガトロンとSW!

 

「この“クイズの迷宮”はまだまだ続きそうだ。そして、これを作ったものは、大層なけもの知識の持ち主らしい……」

『ああ、最新の進化生物学の知識を持ってなければ、分かり得ぬ問題……くくく、この謎の地下遺跡に封じ込められたエネルギー、是が非でもこのワシ……余のモノとするぞ!』

 

 

 

 デストロン探検隊の冒険は続く!

 

Q.今に生きる「ヒト」の先祖の眠る扉に進め

A1.クロマニョン人

A2.シロマニョン人

A3.アカマニョン人

 

『せっかくだからオレは、この“アカマニョン人”の扉を選ぶぜ! オレ様の美しいボディカラーの赤だ!』

「じゃあ、私は、美しい私と同じ色の“白の扉”!」

『「……ぐえーっ! 転がる大岩の罠!」』

 TFは岩に全く弱い!

 

Q.獣の祖先、背骨の道を(さかのぼ)

A1.ミロクンミンギア

A2.ピカイア

A3.ハルキゲニア

 

「私たち、けもの達のご先祖さまか……頭も足もあるし、背中もとげとげの固そうな3番の変なのが正解ですね!」

『クソッ! 今度はちゃんと調べてから進むぞ! オレ様のバイオロジー・データベースによると正解は2番!』

『「……ぎゃーっ! 落とし穴の罠!」』

 スタースクリームの参照したデータは、少し古い情報であったのだ!

 飛ぶのが苦手なクジャクは穴に全く弱い!

 

 立ちはだかる問題は、どんどん古い時代のものになっていった! まるで生物進化の歩んだ道のりの系統樹の根もとへ進むようだ! タイムマシンのような錯覚を呼び起こす、進化を逆戻りする地下迷宮!

 

「はぁっ……はぁっ……美しい私の羽毛がボロボロ……傷だらけの私の、弱った恥ずかしい姿、皆に見られてる……あぁ、快感ですぅ……」

『クソっ……なんでオレ様がこんな目に……こりゃ帰ったらオーバーホールだぜ』

 

 そして! 幾度となくピンチになりながらも、とうとう遺跡の最深部、巨大地底湖へと辿り着いたのだ!

 まるでそこは、古代マヤ文明の水上都市メキシコ・シティだ! 地底水上都市の奥から発せられるエネルギー反応の源は一体!

 

 そこに安置されていたものとは! サンドスター・クリスタルでできた巨大ドクロである!

 

『おお! これぞまさに“サンドスターしゃれこうべ”だ! よーし、こいつを運び出すぞ、アストロトレイン!』

『へっへっ、輸送任務ならこの俺に任せてください! トランスフォーム!』

 スペースシャトルに変形し、水晶ドクロを地上へ運ぼうとするアストロトレイン!

 

 だがそこに! サイバトロン戦士の突撃アタックだァ~~ッ!

 

『トランスフォォーーッムッ!』

 

 さあ! 戦いである!

 しかもそこに、ジャガーやカワウソ、ナマケモノが合流しているのだ!

 フレンズ達の逆襲だ!

 

「シロクジャク! 助けに来ましたよ! 私たちは、友情すら美しいのですね!」

 キジ科のクジャクの持つ、ニワトリと同様の「蹴爪」を突き刺す、必殺の逆立ち蹴りだ! まるでカポエイラのような、優雅な舞いからの(トリ)ッキーな足技!(ここヒゲじい要素) 

 

 加えて、派手な飾り羽の目玉模様によって、本体の位置を誤認させる視覚偽装効果!  オスクジャクの飾り羽の目玉模様は5、6月の初夏のころの繁殖期に最も美しく生えそろい、メスを魅了させる効果があるという!

 

『バックダンサーの手配なら、このハウンドにお任せあれってんだ!』

 さらに! 火力(ファイアーパワー)でデストロンに劣るハウンドが、フレンズの後方支援に従事する! 自慢の「ホログラム照射」で分身クジャク(動物)を作り出し、攪乱能力を強化した(トリ)ップ幻惑連繋! 「魅了凝視子安キック」の威力を見よ!

 

『トランスッフォーッ!!』

「ふふん! あたしは4tトラックの運転だけじゃなくて、かりごっこも得意なんだぞっ!」

 TFの勢いを利用してコンボイが放り投げるのは、長い尻尾を使い樹上を巧みに移動する、マダガスカル島の百獣の王フォッサ! 普段は引っ込めているツメを出しての奇襲攻撃だ! 能あるフォッサは爪を隠す!

 

 若いフォッサのメスは、繁殖期になると「オス化」して交尾を避ける能力があるという! それと同様に、普段は面倒見の良いトラックの女運転手のようなフレンズのフォッサも、いざ戦いとなると雄々しく勇猛果敢な漢らしい戦士になるのだ!(だから女の子やぞ) 尻尾を振り回して遠心力を乗せた、急降下クロー・アタック!

 

「えいえーいっ! 噛みついたり引っかいたりしちゃうぞー!」

 勇猛果敢なイタチの仲間であるコツメカワウソのハンティング!

(「オオカワウソ 狩り」で画像検索して下さい)

 

「このパンチはさっきのお返しだよっ!」

 そして! “一突きでとどめを刺すもの”こと、南米最強の肉食けもの! 飛びかかる「ジャガー」の一撃の美学が、実戦で炸裂する!

 

「めんどくさいけど助けるよ~……」

 ついでにナマケモノはジャガーの背中に掴まって攻撃の質量を増加だ!

 

『ぎゃあ~!』

『ギニャーッ!』

 一撃必殺のけもリンク・コンビネーションははスカイワープを一太刀で撃沈!

 デストロンの獰猛な番犬、カセットロン・ジャガーも、フレンズ・ジャガーの強そうな腕のパンチには敵わない!

 

『クソォ! 俺のファイアーストームなら!』

『俺、グリムロック! フレンズに、負けないぞぉ~!』

 見よ! ダイノボット指揮官、グリムロックの吐く火炎放射が、サンダークラッカーのファイアーアタックを打ち破った!

 

『アダムスやフレンズを返すんだーっ! メガトロンッ!』

『あーっ! 何をする、コンボイ! ワシの“サンドスターしゃれこうべ”が壊れるではないか!!」

 

 コンボイがメガトロンに放ったビークル(くるま)モードでの体当たりの一撃が、水晶ドクロを台座からはね飛ばした!

 

 すると! 驚くべきことに、ドクロの下の穴から謎の毒ガスが噴き出してきたではないか!

 

『うおおっ! 何だこのガスはっ!』

『ホアアーーッ!』

『水晶ドクロの癒しパワーは……この毒ガスを封じ込めていたんですぜ!』

 

 だが、時すでに遅しであった!

 

 神秘のドクロ・パワーでもって封印されていた、超有毒ガス!

 その封印が解かれ、密閉空間のTFとフレンズに襲い掛かった!

 絶体絶命!! どうなってしまうのか!?

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

【トランスフォーマー解説:06】

 

ID:02 サイバトロン 偵察員 ハウンド / Hound

トランスフォーム:三菱・J59ジープ(ミリタリーモデル)

主兵装:ホログラムガン

副兵装:12.7mm機銃型レーザースコープ旋回砲塔

体力:5 / 知力:8 / 速度:5 / 耐久力:7 / 地位:6 / 勇気:10 / 火力:3 / 技能:9 / 知恵と勇気と自然への愛:10 / ホログラムのお役立ち感:10

座右の銘:「全てを観察し、さらにそ(Observe everytihng, )れ以上のものを記憶せ(remember even more.)よ」

 

 Hound is one of the Season 1 Autobots, but you can still see him in the late Japanese episodes. This is because the TV series was broadcast in a different order in Japan, mainly because of Skyfire (Jetfire).

 ハウンドは初期サイバトロン戦士のひとりですが、日本版では後半のエピソードでも登場します。これは日本のテレビ放映順がアメリカと違うからです、主にスカイファイアー(バルキリー)のせいで。

 

 Hound appears as the partner of Spike Witwicky in the first three pilot episodes, and Bumblebee replaces his position later (some grass grows.

 ハウンドは、パイロットフィルムである最初の3話ではスパイクのパートナーとして登場して、のちにバンブルにそのポジションを奪われることになります(若干ゃ草生えます。

 

 Hound is seen only in a few episodes through the Season 1 and 2, but his holography is almost always very useful when it is used. Precisely speaking, the stronger abilities they have, less often they appear in the show, like Miarge, Trailbreaker or Skywarp.

 初代の全編を通してハウンドは出番が少なめなのですが、彼のホログラム能力が登場する時は、ほぼ必ず有効活用されます。というか、リジェやトレイルブレイカー、スカイワープのように、強力な能力の持ち主ほど作中で出番が少ない傾向があります。

 

 The original toy was "Diaclone Mitsubishi J59 Jeep". Willys Jeep was licensed to Mitsubishi, and so-called "Mitsubishi Jeep" was a Japanese long-seller SUV produced from 1953 until 1998.

 元の玩具はダイアクロンの「三菱・J59ジープ」です。ウィリス・ジープが三菱とライセンス契約を行った、いわゆる「三菱・ジープ」は、昭和28年から平成10年まで生産された、日本のロングセラーのRV車です。

 

『この自慢の鼻で嗅ぎつけてみせますとも!』

 

『命中してりゃあ、こうはならなかったさ……』

『命中……? い、痛いところを突くなぁ……』

 

「ハウンド、君はノーマークだ!」

 

はいけい:とれど うぃりす・おーばーらんどしゃ(あめりか おはいお)

こえ:ほりうちけんゆう おにいさん

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

『ぬおおーーっ!』

『ホッ! ホアーーッ!』

 

 さあ! 地下遺跡の水晶ドクロの下から噴き出してきた怪しいガスの正体は!

 

『メガトロン様! 該当データヲ発見シタ!』

『本当か! サウンドウェーブ!』

『サンドスター・クリスタル・スカル“トゥーマイ”ノ、治癒パワーデ、コノ地ノ悪シキ、異常サンドスター鉱脈ヲ封印スル! コノ鉱脈カラ発生スル恐ロシイ毒ガスハ、“生命力減退ガス”!』

『何だと! “生命力減退ガス”!』

『コノ毒ガスヲ吸ウト、瞬時ニ“生ノ輝キ”ガ失ワレ、“怠ケ者”ニ、ナッテシマウ! カツテパークヲ襲ッタ悪魔ノ花、ハナリアンノ花粉ノ模倣デアリ、ソノ対策ハ――』

 

 怠けガスの対策は何だと言うのか!

 

『……ワカラン……調ベルノ、面倒ニ、ナッタ……』

『……そうか、ワシも聞くのが億劫になってきたわい……』

 

 即座に横に寝っ転がるメガトロンとサウンドウェーブ!

 これが恐怖の「やる気出ないガス」の効果なのだ!

 その威力はフレンズとTF全体に及んだ!

 

「ごはん……めんどくさ……」

『正義とかどうでもいい……まあ、サイバトロンもデストロンも怠け者になれば、宇宙は平和になっていいか……』

「わー……面白がるも辛いぞー……」

『俺、グリムロックも、ナンでもカンでも、メンドウだ……』

「すごくユウウツです……“ぴーこっく”ブルーな気分です……(毒グモ食いながら」

『俺のホログラムが……代わりに動いてくれればラクなんだけどなぁ……』

「息をするのも面倒…………ごほっごほっ!……苦しくて、気持ちいいです……」

『地質学ぅ……? 土ばかり見て、何が面白いのか理解に苦しむよ…‥』

「ジャングルなんてどうでもいいよぅ……もうただのキャットでいいやー……」

 

『非常ニ、マズイ状況ダ……コンドル~……イジェ~クト……』

『……(墜落 ズザザザ』

 

 生きる本能を失ったフレンズとトランスフォーマー達! あの「コンドル」までもが行動不能なのだ!

 このままでは全員、地下深くにて衰弱死! それは時間の問題か、と思われたその時!

 

「パークの危機! 何とかしなければっ!」

『ナマケモノ! お前はガスが平気なのか! どうやらオレ様も平気みたいだが……』

 見よ! 毒ガスの影響を受けなかったナマケモノとスタースクリームだ!

 しかも! ナマケモノは人が変わったように、やる気に満ちているのだ!

 

「このガスが地上まで噴き出れば、パークのフレンズの危機!」

『オレ達デストロンも全滅は間違いねえぜ!』

「なんとしてでも防がなければっ!」

 

「あのサンドスター・ドクロです! あれを元の位置に戻すんです!」

『だが、どうやって?』

「“押す”んですよっ!」

 

 

 

 そして!

 

『「よいしょー! こらしょー!」』

 

 力をあわせて巨大ドクロを押して、ガスの湧き出る穴を塞ぐナマケモノとスタースクリーム!

 ふたりの働きで、ジャパリパークの危機は去ったのだ!

 

『ふー、これで一安心……うわぁっ! ごぼぼぼぼb』

 

 そう思ったのも束の間!

 唸りを上げて、地下神殿に怒涛の如く押し寄せる、水! これは、南米アマゾン川で見られる、大潮のときの河口の逆流現象「ポロロッカ」なのだ!

 大自然の驚異! ジャパリポロロッカ現象! この地底湖へと通じる地下大河の大逆流は、サンドスター水晶ドクロを動かした影響なのだろうか!?

 ジャパリ地下神殿の水上都市を襲う鉄砲水!

 

『ホアアァーーーッ!』

『コンボイしれいかーんっ!』

 

『トランスフォーム! 俺たちに掴まるんだ! みんなー!』

 円盤とホバークラフトに変形し、フレンズを救助するアダムスとシースプレーの大活躍!

 

『メガトロン様ぁ! みんなも、早く俺の中へ! エアコン入れて乾かしますぜ!』

 スペースシャトルに変形するアストロトレインも、デストロン軍団の救助活動に尽力した!

 

 さて、地上では!

 寺院付近に集まったフレンズ達が、地下探検隊の安否を心配していた!

 

「地下へ行ったジャガー達はどうなったんでち……」

「オラッ! 下から何か水の音がするぞ……!」

 

「うわーっ! 逃げろー!」

 唸りを上げて地上へと逆流する水! 命からがら水上を走って逃げるエリマキトカゲ!

 

 さあ、どうなる!?

 

「遺跡から水が噴き出てるでちよ! すごいでちー!」

「オラオラッ! ジャガー達が飛んでいくぞ! トランスフォーマー達も!」

 

『ホォーッ! こうなったら波乗り作戦だ!』

「おっ! こりゃ中々面白いね!」

『シースプレー様のサーフィンでござぁ~い!』

「わーい! たのしー!」

『俺、グリムロックも、たのしー!』

 

『問題ノ“怠ケガス”ノ対策法! ソレハ“水”ダ! 大量の水ニヨリ中和サレタゾ!』

『地下遺跡の水晶ドクロも完全に水没してしまいましたぜ! ボス!』

『くっ! ワシの水晶ドクロをよくも! デストロン軍団! 退却ーッ!』

 

 サイバトロンもデストロンも散り散りになってしまい、流れ出た地下水によってジャパリ神殿は封印された!

 かくして、戦いは終わった!

 

『司令官、デストロンも水晶ドクロにはもう手が出せないでしょうよ』

『ああ、これで一安心だ』

 

「地下探検、楽しかったね、ジャガー!」

「えぇ……あんなのはもうこりごりだよ……」

『俺、グリムロックも、ジャガーと、同じ意見! ジャングルのほう、はるかにマシ』

「またトラックの運転させてね!」

 

「いやー、今日は色々とひどい目にあって……とても興奮しました……」

「シロクジャク、羽がボロボロですよ。ああ……それに比べて、水もしたたる美しい私……(ジョロウグモ食いながら」

『可愛いフレンズと一緒に過ごせて、俺っちも楽しかったぜ~』

「ジャングルの覇者の大冒険……忘れないうちに皆に話そうっと!」

『地底湖の古代の地層をくわしく観察する時間が無かったなぁ! うーん、残念!』

「ふふふ、非常に興味深い地下遺跡だった。さて、帰って今回の探索結果をレポートにまとめて、“としょかん”に報告するとしようかな」

 

「あー……つーかーれーたー……」

「ナマケモノ! どうしてさっきはあんなに元気だったの?」

『ハッハッハッ……きっとそれは“怠けることを怠けた”んじゃないかな?』

 

「あれはもう一生分動いたねぇー。これから1週間はーずぅーっと怠けるぞー……」

「あははー! ちょっとは怠けガスが残ってた方が良かったのにねー!」

 

【次回! お楽しみに!】

 

の の の の の の の の の の の の

 

【けものフレンズ情報:05】

 

 今週のけもフレvsTF、どうだったかな?

 さあ、今回のお話に登場した、ジャングルのマッチョなフレンズ達の解説をせねばなるまい!

 

肉弾突撃員 ボスガウラス / Bosgaurus

分類:哺乳綱クジラ偶蹄目ウシ科ウシ属ガウル

レッドリスト:EX/EW/CR/EN/[VU(危急)]/NT/LC

 弾けろ筋肉! 飛び散れ汗! これが、ザ・肉体派! 力こぶれ!! 肉密度1000%!!

 別名インドヤギュウとして知られるガウルは、インド・ネパールからマレー半島にかけて生息する、現生ウシ科で最大の野牛だ!

 体長3m、肩高2m以上! 1トンのウルトラ・マッチョが大暴れ! これぞ♂肉体の決定版! その野生の筋肉を見てくれ(画像検索)! だがその性格は温和、気は優しくて力持ちのフレンズだ! しかし、いざ戦いとなれば、その弾ける筋肉でトラも返り討ちにするという!

 白のソックスを履いているような、かわいい脚もギャップがあってチャームポイントだぞ!

 

密林戦闘指揮官 シルバーコンボイ / Silverback Primal

分類:哺乳綱サル目ヒト科ゴリラ属ゴリラ

レッドリスト:EX/EW/[CR(絶滅寸前)]/EN/VU/NT/LC

 ♂身長180cm! 筋肉体重200kg 握力はなんと驚異のスーパー500kg!

 一体誰だ! ソイツは、ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ!(ニシゴリラの学名)

 大きく分けてニシゴリラ(ニシローランドゴリラとクロスリバーゴリラ)とヒガシゴリラ(マウンテンゴリラとヒガシローランドゴリラ)の2種類がいるぞ!

 従来は粗野で凶暴なイメージがあったが、それはどちらかと言うとチンパンジーの方だ! ゴリラは非常に温厚で繊細な生き物で、あまりの神経質さに、ストレス過敏で下痢をすることもあるそうだ! とても臆病で思慮深く、その高い知能が仇となり恐怖と痛みに敏感で、優れた身体能力を生かせずヒョウなどの肉食けものにやられてしまうこともあるという!

 その知能については「ココ」というゴリラの例が有名だ! 彼女は人間の言葉を理解して手話を使いこなし、嘘やジョークを言うこともあり、ペットの猫を可愛がっていたという! (ココ、本名ハナビコ、2018年6月19日「苦労の 無い 穴で 眠る」)

 憂いを帯びたその神秘的な表情は、まさしく「森の賢者」のそれを思わせる! ジャングルのクールな眼差しは、アフリカの大地が育んだ筋肉の瞳! すごーい! インテリでマッチョなフレンズなんだね! きっといつもみんなのために「いい考え」を思いついているんだよ!

 

湿地衛生兵 ディアーホッグ / Deerhog

分類:哺乳綱クジラ偶蹄目イノシシ科バビルサ属バビルサ

レッドリスト:EX/EW/CR/EN/[VU(危急)]/NT/LC

 インドネシアのスラウェシ島近辺にのみ生息するイノシシ! レアキャラ、バビルサだぞー! 下アゴから伸びるキバ! そして、その間にツノのようなものが生えているが、実はコレ、上アゴのキバがUの字型に上に曲がって、鼻を貫通して突き破って伸びたものなのだ!(※イノシシ科の上アゴの犬歯は上に伸びる! イボイノシシの画像を見ると分かりやすいぞ!)その湾曲したキバが成長すると、最後には頭蓋骨に突き刺さって死んでしまうという伝説があり、「自分の死を見つめるけもの」という二つ名を持つ! 根も葉もない噂というわけでもなく、本当に刺さってしまうこともあるとか!

 パンギノキという植物の果実を好んで食べるが、これは種子が青酸化合物を含んでおり有毒な木の実! この解毒の為に、温泉由来の中和成分を含んだ泥や水たまりをすするのだ! フレンズ化したドクター・バビルサの薬学化学の知識は、人間をしのぐ遙かに高度なものとなったのだ!

「国内の動物園じゃ会えないけものさんなんですよ~! インドネシアに旅行の際はぜひぜひ!」

 パークガイドさんもイチオシの珍けものだぞ!

 

視覚陽動員 ウィングディスプレイ / Wingdisplay

分類:鳥綱キジ目キジ科クジャク属インドクジャク

レッドリスト:EX/EW/CR/EN/VU/NT/[LC(軽度懸念)]

  「な、なんだよぅ! あっち行ってよぉ!」 

の>「クジャクです」

  「タスマニアデビルだぞー!」

 図鑑の表紙映えのするフレンズ、クジャクだ! ド派手なオスと地味なメスで有名だが、フレンズはオスの特徴を受け継いでいるぞ! その鮮やかな青い色は色素ではなく、コガネムシやタマムシの鞘翅の光沢のある緑色と同じ、「構造色」によるもの! なお、オスの美しい飾り羽は、実は尾羽の上を覆う「上尾筒」という羽が変化したものだ! 飾り羽は、繁殖期のあとの初夏の終わりから秋にかけて抜け落ちるので、地味な色合いの尾羽はその時に観察できるぞ!

 アジアに棲むインドクジャクとマクジャクの2種、そしてアフリカには親戚のコンゴクジャクがいる! ニワトリと同じくキジ科に属する、飛ぶのが苦手な鳥だ! 英語でも「Peafowl(エンドウマメにわとり)」と言うぞ! その実、イメージに反して大変雑食で頑丈、適応力の高い鳥で、飼ってみると、派手な姿の変な鳴き声のニワトリのようなものらしい! 小学校の飼育小屋で飼っていたという読者の方もいるのでは?

 また、神経毒への抵抗力が非常に高く、大変な悪食! サソリなどの毒虫やコブラなどの毒蛇を食べる益鳥であり、見た目の神々しさから、仏教の守護けものとして取り入れられている!

 さばんなちほーの「不動明王」に対して、じゃんぐるちほーの「孔雀明王」なのだ! しんごん! おん・まゆ・きらてい・そわか! まほう!

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

『「PPP&サイバトロン予告っ!」』

 

「今週の怠け者ガス……あんなものがジャングルの地下にあったなんてね!」

「ジャパリパークは謎だらけですね……あの“ジャパリ寺院”って誰が作ったんでしょう?」

「みんながフルルみたいになる怠けガスなんて、恐ろしいぜー!」

「えぇ~、ひどぉ~い」

「あの、仏を名乗る清純派・純白の鳥フレンズ……またもやPPPのライバル出現だぞ! 私が神だ!」

「それはマゾのコウテイだけの話でしょ~」

 

『PPP諸君! この俺、ハウンドの”トランスフォーマーのわざ”を見てくれ』

「わっ! すごいわね! マボロシの私たちがたくさん!」

「わ~これは“しんきろう”だね~。私の生まれ故郷の砂漠を思い出すよ~」

『そうさ、自由に作り出せる蜃気楼の幻、ホログラムっていうんだ!』

「いい考えがある~。ステージで私たちのかわりに、“ほろぐらむ”に歌って踊ってもらうってのはどうかな~?」

「フルル、やっぱり怠け者じゃないか……」

「え~、もちろん、じょうだんに決まってるじゃない~」

「お前が言うと、冗談に聞こえないんだよ!」

 

『スタースクリームよ、今回ばかりは褒めて遣わすぞ! ナマケモノと協力して、あの未曽有の大ピンチを救ったのだからな……』

『えっ……あ、ハイ……ありがとうございます……』

 

『そういえば、あの時はフレンズもTFもほとんど全滅! あの怠けガスを使えば、オレ様がジャパリパークの支配者になるチャンスだったじゃねぇか! くそっ! 我ながら、なんでメガトロンを助けるような真似をしちまったんだ!』

 

『それはおそらく、お前が普段の行動の、“役立たず”や“裏切り”を怠けてしまったというわけだな!』

『ワハハハッ!』

『笑うんじゃねぇや! サウンドウェーブ!』

『ふへへっ! お上手ですな~メガトロン様! さっすがァ~、ジョークのセンスがお有りですぜェ~!』

『うるせぇぞ! スカイワープ! チクショーッ! せっかくのニューリーダーになるチャンスを無駄にしちまったぜェーッ!』

 

次回、【第6.5話 博士と助手のTF観察日記! WJのフレンズ論文!(総集編)】

サンドスターから生まれたフレンズと、パークに時空ワープしてきたTFの謎に迫る!

新情報たぁっっぷりで送る総集編だぞ! 来週も見てくれ!



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第7話 ジャガーとコンドルのフレンズ体験!!

 さっそくだが、デストロンの水中基地の様子をご覧いただこう!

 不思議なことが起こったのだ!

 

 そこには悪のデストロンの謀略渦巻く本拠地に似つかわしくない、猛禽類とネコ科、ふたりのフレンズがいる!

 

『コンドル! ジャガー! コレハ一体、ドウシタコトカ!?』

「俺にもわからない、サウンドウェーブ。気が付いたらヒト型の有機生命体になっていたのだ」

「うみゃあ~」

 

 デストロンの諜報破壊兵ジャガーと空中攻撃兵コンドルが、フレンズの体になってしまったのだ!

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

【Episode 7: Friends in Disguise(スパイ・フレンズ作戦!)】

 

『うむ……コンドルとジャガーが、まるでフレンズの姿に変身してしまったではないか! これはサンドスターの影響に違いないぞ!』

『こいつぁ、ジャパリパークの大気が影響を及ぼしたに違いありませんぜ!』

 

 そう! コンドルとジャガーの両名がフレンズ化を発症するという兆候は、諜報活動のためパーク全土の偵察に日夜従事しており、大気中のサンドスターに最も長い時間さらされた結果であろう! また、カセットロンの身体の小ささ故、体重に対する表面積の割合が大きいことも影響しているらしかった!

 

『フレンジーよぉ! こ、こりゃあ大変だぜー!』

『オレは“変身”ってのには、嫌な記憶があるんだよなぁ~。パークの空気を吸うと、ああなっちまうのかい!?』

『ずっとカセットのまま、SWの胸の中に引きこもっていたいぜ~』

 仲間のフレンズ化に驚きを隠し切れないランブルとフレンジー!

 

『オォウ……コンドル……ジャガー……』

「そんな悲しそうな顔しないでにゃ~、サウンドウェーブ。ジャガーは姿形が変わっても、ジャガーにゃあ~」

「さらに付け加えれば、我らはサウンドウェーブの忠実なしもべであり、勇敢で忠実なデストロン兵士だ」

「ジャガーはフレンズになっちゃっても、デストロンの為に働くのにゃ~」

「メガトロン様、サウンドウェーブ……ご命令とあらば、コンドルはいつ何時、何処へでも出撃する所存」

『オ前タチ……デストロン(スパーク)ハ変ワッテイナイノダナ……』

 

 しかし!

 

『ハッ……なんとも情けねぇ姿じゃねえかよぅ! 超ロボット生命体の誇らしきオイルの流れる金属のボディが、こんな(ぷにぷに)柔らかい脂肪のつまった、醜い肉の塊になっちまうとは!』

『何ダト……スタースクリーム……俺ノ部下ヲ侮辱スルコトハ、タトエ貴様デモ、許サンゾ!』

「フシャーッ! もう一度言ってみるにゃっ!」

『すっかり役立たずな、女の子チャンのコンドルとジャガーは、このまま引退かな? それともパークのフレンズ相手に、お友達ごっこの輪に混ぜてもらうかい?』

 

 コンドルとジャガーの小さな体を鷲掴みにし、あざ笑うスタースクリームだが!

 

「……!(シュバッ」

『ぎゃっ! 痛ぇっ!』

 

 コンドルの無言の、目からビーム攻撃! フレンズ化しても、TFであったころの能力は健在であるらしかった!

 

「失礼した、スタースクリーム……このフレンズの身にまだ慣れていなくてな……たまたま、レーザーが出た方向にお前の指があってな……」

『くっ……こいつ! 鳥公フレンズの小娘が、生意気抜かすじゃねえか……!』

 

 このやり取りを見て、目を赤く輝かせ、ほくそ笑むのは破壊大帝メガトロン!

 

『ククク……これは好都合ではないか』

『どういうことです、メガトロン様!? 野蛮なフレンズの身体になったこいつらを、一体どうするおつもりで!?』

『愚か者が! 想像力というものが足りないから、いつまでたってもお前はNo.2なのだ!』

『ぐっ……』

『ワシの今回の作戦はだ! この姿のジャガーとコンドルを、サイバトロン基地やフレンズの図書館に潜入させようというものだ! フレンズの姿で油断させておいて、連中の機密情報をあますところなく盗んでやれるわい!』

『そ~う上手くいきますかねェ……アンタの計画はいつもアヤシイもんだぜ……』

 

の の の の の の の の の の の の

 

 そしてここは「じゃぱりとしょかん」! キョウシュウエリアの北西部「しんりんちほー」に位置する、フレンズたちの知の殿堂だ! そこではジャパリパークの長、フクロウのフレンズの博士・助手が日々万物に関する調査研究を行い、他のフレンズへの知恵の伝達を生業としている!

 

「おいしぃ! おいしいのですよ!」

「これは! たまらないのです!」

 アフリカオオコノハズクの博士とワシミミズクの助手が我を忘れたように「りょうり」を貪っているではないか!

 

「いやー、火が平気で本が読めるフレンズがいてくれると助かるですよ、博士」

「ええ、本当ですね、助手。“レーザービーク”はたいへん有能な図書館職員なのです」

 

 新種の猛禽類フレンズ“レーザービーク”として図書館に潜り込んだのは、デストロンの空中攻撃兵コンドルだ!

 

「ご満足頂けたようで何よりだ……私にできることであれば何でも言ってくれ」

「頼れるぅ! ですね! レーザービークは!」

「その通りなのです……それに比べ、“司書”のほうは……」

 

 図書館受付のカウンターに立ち、接客を行っているのは「ヘビクイワシ」のフレンズだ!

 

「お貸しした本は如何でしたか、ヘビクイワシさん? ご感想をお聞きしてもよろしいかしら?」

「ふふふ……ヒラコテリウム君……この本、全然わかりませんでしたよ!」

「えっ……どういう事でしょうか、それは? 作者の意図が分かりにくかったとか、テーマが一般的でなかったとか、主人公に共感できなかったとか……」

「いえ、わたし、こう見えましても字が読めませんのよ! だから今度はもっと、挿し絵や写真の多い本をお願いしますわ!」

 

「あ……そ、そうですか……それは……それは……あら、ウグイスさん! こんにちは!」

「ごきげんよう、ヒラコテリウムさん。今日は私、古典文学の名作を借りに来たんですよ」

「良いですね! 向こうで一緒に日本文学のお話をしませんこと!」

 

「むむむ……あのおふたり、この司書にも分からないくらい、高度な話をしていますわね……」

「司書! ちゃんと仕事をしてくれないと困るですよ!」

「利用客に対してテキトーな態度は許されない、ですよ!」

「だって、字ばかりの本なんて難しいでありましょう。あ、私にいい考えがあります! 絵本と図鑑とマンガ専門の図書館にするという案は如何でしょうか!」

 

 ヘビクイワシの活字嫌いに閉口する博士と助手!

「(ひそひそ)……ヘビクイワシは“秘書鳥”“書記官鳥”の異名があるのに……こいつ、メガネかけてるくせに、大分おつむがぽんこつなのです、博士」

「(ひそひそ)……先代の個体はたいそう賢かったという記録があったから、司書として雇ったのに、失敗でしたね……“きゃりあうーまん”みたいなくせに、ぽんこつなのです、助手」

 

「お前には困ったものですね……とりあえず、この“ジャパリこくごドリル”で勉強するのです!」

「直接書き込まず、この“ジャパリカ学習帳”に10回ずつ練習するのです!」

「テストもするですからね! 満点じゃないとジャパリまん抜きですからね!」

「げぇ! ドリル! テスト!」

 

「我々はりょうりの材料をちょいしに、畑まで出かけてくるです!」

『博士らは外出……最寄りの畑まで、往復するのに数時間は要する……』

 

 

 

 そして! 「ジャガーノート」(丸っこい輪っかちらばっている中に点々がある模様のノート)で書き取り練習をするヘビクイワシ!

 

「ぐむむ……“こくご”は難しいです。このままではわたくしの夕食のジャパリまんが……」

 

 そこへ現れるレーザービークこと、フレンズ化したコンドル!

 

「あっ! あなたはレーザービーク君! ……どうしたんですか?」

「いや……ノートが足りないかと思って、この“カモシカ学習帳”を持ってきた……」

「あ、ありがとうございます」

 

「それにしても、本の知識だけが“知恵”ではないと、俺は思う……」

「えっ、それはどういうことですか?」

「あの博士と助手は知識人だけに、狭量な一面がある。俺は思う、文字が読めるだけが司書ではない、と……」

「そ、そうですよね! さすがレーザービーク君!」

「ここしばらくお前の働きぶりを見ていたが……本を整理する時のてきぱきした動き、あれは一朝一夕にできるものではない……」

「うふふ。やけに褒めますね……」

 

「それと、階段を上り下りする際の、長い脚の動かし方の優美さ……俺と同じ猛禽類特有の、洗練された美しさを感じる……」

「えへへぇ……そこまで言われると、照れますねぇ……」

 

「まあ、視野が広がる分、読書ができるに越したことはないがな……どれ、俺も少しは読み書きの覚えがあるから、“ジャパリこくごドリル”を教えてやろうか?」

「わぁ~、ありがとうございます! すごく助かります、レーザービークさん!」

「その代わりと言っては何だが……地下にあるフレンズに関する秘密の資料、見せてくれないか? 俺はフレンズになって日が浅いから、もっと知りたいのだ……君達フレンズのこと……」

 

 これは、極秘データを盗もうと画策する、コンドルの作戦であったのだ!

 さあ、どうなる! パークの機密情報!

 

「さあどうぞ! ココが“きこーぼん・えつらんしつ”です! すごい本がたくさんあるんですよぉ、わたしは読めませんけどねっ!」

「ほう、興味深いファイルが多数保存されているようだ……この記録映像を見せてもらおうか」

 

【ジャパリリサーチ20XX アニマルガールの謎を追え!】

 

 さて、アニマルガールあるいはフレンズと呼ばれる者たちの紹介をしよう! ジャパリパークの動物たちは、超エネルギー物質「サンドスター」を取り込むことにより「フレンズ化」する! サンドスターは、太平洋に位置する火山諸島をサファリパーク化した、ここ「ジャパリパーク」特有の鉱物であり、パークの土壌・水中・大気、至るところにサンドスターは含まれているのだ!

 

 パークで生活するだけで、動物たちは自動的にサンドスターを摂取することになる。また、現地の野菜や果物、魚などの食物は、よりサンドスターが濃縮されており、これを食べることで、さらなるサンドスターの摂取を可能とするぞ! そして、このサンドスターを豊富に含む、フレンズの高機能栄養食「ジャパリまんじゅう」、通称「ジャパまん」がパーク内で量産されており、フレンズ達はこれを主食としているのだ!

 

 フレンズ化した動物は、動物だった頃の生態や習性を、外見や行動に色濃く反映したフレンズとなる! それは、体内に取り込まれたサンドスターが「けものプラズム」となり、衣服や武器などを物質化させるのだ! さらに、元動物由来の能力を「フレンズのわざ」と呼び、フレンズたちはパワーアップしたユニークな技をそれぞれが持っているのだ!

 

 またフレンズたちは、体内のサンドスターを著しく消費して自らの特性を強化する「野生開放」という行動が可能だ! だが、体内のサンドスターを失い過ぎると、ショックでけものプラズムによるフレンズの姿を保てなくなり、元となった動物に戻ってしまう! フレンズとしての記憶を全て失い動物に戻ることは、フレンズとしての死を意味するっ!

 

 未確認情報だが、過去には幻獣やロボット、宇宙人がフレンズ化したという記録もあるという!  また、サンドスターについては、宇宙から隕石などに乗って飛来した物質という仮説もある! フレンズとサンドスターに関しては、まだまだ謎だらけなのだ!

 

 真相がわかり次第、追って報告する!!

 

「うむ、民間向けのビデオ資料か、だいたいは俺が調べた情報と一致する内容だな……“非生物のフレンズ化”に関する専門的な情報がもっと欲しかったが……」

 フレンズの新情報のため、地下の閲覧室を捜索するコンドルであったが、目ぼしいものは無かったようである!

 

「レーザービークさん……これを見てください……」

「何……このメモリーチップは……“ミライ文書”だと! ……かつてのパーク調査隊長の秘密記録か!」

「ふふふ、博士の言っていた通り……すごいモノなんですね、コレ……約束通り“ほうしゅー”として、わたしに“あいうえお”を教えてもらいますよ!」

「ククク、それどころか平仮名・カタカナ・アルファベットまで、手取り足取り教えてやるさ……」

 

 さあ! パークの機密ファイル「ミライ文書」! その衝撃の内容とは一体!?

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

 一方その頃、サイバトロンのジャパリパーク基地では!

 潜入に成功したカセットロンの諜報破壊兵ジャガーと、バンブル・ホイルジャック・マイスター・ブロードキャストのサイバトロン戦士たちだ!

 

 その略奪(ラヴィッジ)という偽名に違わず、サイバトロンの情報を奪取せんと知略を巡らすジャガー!

 

「うにゃー! ジャg……ラヴィッジに教えてほしいのにゃー、トランスフォーマーのこと~」

『いいともさ、子猫ちゃん! オイラたちトランスフォーマーは、ただの機械じゃなくて、知性と感情を兼ね備えた“超ロボット生命体”なんだよ。TFには、オイラたち平和的な正義の“サイバトロン”戦士と、冷酷で極悪非道の“デストロン”軍団、2つのグループがあるんだ』

「ふむふむ!」

 

 平和を愛するサイバトロン戦士たちは、残忍で暴力的な悪のデストロン軍団と戦う民兵の部隊だ! ほとんどが軍用車両や戦闘機に変形するデストロンに対し、サイバトロンはおもに民間車両にTFするぞ!

 

『かつて我々が住んでいたTFの惑星“セイバートロン星”は昔はエネルギーに満ち溢れた星やったけど、デストロンどもの略奪のせいで荒廃し、吾輩らはエネルギーを求めての探索の旅の末、緑の惑星“地球”へたどり着いたっちゅうわけや!』

『その地球のアメリカで私達はデストロンと戦いながら過ごしていたんだ……いや、それにしてもNYの大都会が懐かしいな。ホームシックになりそうだよ』

『テレビも無え♪ ラジオも無え♪ 全くオレみたいにゃ都会っ子は、パークの大自然っぷりに、ノイローゼになりそうだゼ~!』

 

 トランスフォーマーたちは、エネルギーがなければ生きていけない! それは、我々人間や動物たちが食物を食べるように、石油や石炭などの燃料や、水力・風力・地熱といった発電プラントの電力などのエネルギーを、TF達は必要とする! さらに、このエネルギーを濃縮させて保存する「エネルゴンキューブ」という技術をTF達は持っている! TFにとってのエネルゴンキューブは、必要不可欠な保存食であり、フレンズの「ジャパリまん」のようなものなのだ!

 

「むむむー、なるほどにゃー。でもそんにゃコトくらい、ラヴィッジも知ってるよー」

『ええっ、どうして知ってるんだい? さてはキミ……オレっち達サイバトロンのファン!?』

「そ、そうにゃよ! そんにゃところにゃあ~!」

 

(心配ダカラ、ツイテキタガ……大丈夫カ、ジャガー……フレンズ化ノ影響カ、ドコトナク、知能(アイキュー)ガ、下ガッテイル様ダガ……)

 岩陰から様子をうかがっているのは、デストロン情報参謀サウンドウェーブである!

 

『で、アメリカで暮らしてたオイラたちだけど……ある日突然、TFたちがジャパリパークに送られてしまうという事件が起こったんだ!』

『吾輩らもこの現象については研究中だがね……まっ、この物資の乏しいパークじゃあ、それも思うようにいかんというわけさ~』

 

 1980年代のアメリカを襲った、謎の「TF消失現象」! それは、サイバトロンとデストロンの両軍団に平等に巻き起こったようだった!

 多数のTFが、時間と空間を超えて、ジャパリパークに転送されてしまったのだ!

 パーク全土にバラバラに転移したTFたちであったが、時が経つにつれ、おのおのが合流し始めるという兆しを見せていた!

 

『でもこのジャパリパークは、我々のいた時代より少し未来のようだね……科学技術も、我々には到底及ばないものの、相当進歩している……』

『物資が足りなくて、仲間たちの修理には苦労しているがね。みんな修理班のことなんか考えずに、ムチャばかりするからなぁ~』

 彼らはサイバトロンの研究者パーセプターと軍医ラチェットだ! それぞれ、顕微鏡と救急車にトランスフォームする、優秀な科学者と衛生兵なのだ!

 

「にゃー。サイバトロンの大ファンのにゃあは、知ってるコトばかりにゃー。もっと仲間に自慢できる情報をくれにゃ」

『ええっ! 仲間ってことは……もうオイラ達のファンクラブができちゃったってことかい?』

『イエーイ♪ 俺達もあのPPPやdddみたいに、フレンズたちをキャーキャー言わせてるわけだな!』

 

「そうにゃよ~。だからさっさと(ガリガリ)サイバトロンのヒミツ(ガリガリガリ)教えるのにゃ~」

『あーっ! 机を引っ掻くなよ!』

『これは俺たちがビーバーたちにもらった大事なものなんだ。ツメ研ぎに使われちゃ困るよ』

 サイバトロンの技術者、ホイストとグラップルだ!

 

「う~ん、ごめんにゃさい」

『ジャガー……スッカリ、ケモノ同然ニ、ナッテシマッテ……』

 

 

 

 機密情報を引き出そうと四苦八苦するジャガーと、それを監視するSWだったが!

 

『あっ! 俺のセンサーが、デストロンくさいと警告すると思ったら、やっぱり!』

『お前か! サウンドウェーブ!』

 偵察員のハウンドとコンボイ司令官に見つかってしまうのだった!

 

『ムッ、見ツカッタカ! ヨシ例ノ作戦ヲ実行ダ!』

 ラヴィッジこと、ジャガーを掴むサウンドウェーブ!

 

『コノ、猫フレンズガ、人質ダ! サイバトロンノデータ、並ビニ、エネルギーノ有リカヲ教エロ! サイバトロンドモ!』

「教えるにゃ~、さいばとろんども!」

 

『早クシロ! コノ猫ノフレンズガ、ドウナッテモイイノカ?』

「はやくしろぉ! デストロンのジャガーが、どうにゃってもいいのか?」

『オイ!』

「しまったにゃー!」

 

『あいつ、今自分のことを、デストロンのジャガーって言いましたよ?』

『それにあのフレンズ、耳や手を怪我していますが、あれは先週じゃんぐるちほーのフレンズと一緒に痛めつけてやったジャガーの負った傷と同じです!』

『ええー! それじゃ、あの猫ちゃんはカセットロンのジャガーなのかい!?』

 

『あのフレンズは、姿形の変わったデストロンのジャガーなんだ!』

『そうと分かったら、そいつに人質の価値はないぜ!』

『そうだ! 遠慮することはないぞ! みんなでやっちまおう!』

『ああ! 全員で一斉射撃を浴びせるんだ!』

 サイバトロン戦闘員、アイアンハイド、クリフ、ランボル、ゴングが攻撃体勢を整える!

 

『ク……マズイナ……』

『うみゃ~……』

 

 絶体絶命! サウンドウェーブ! ジャガー!

 

 しかし!

 

『オ、オイラには撃てないよ~! コンボイ司令官~!』

『サウンドウェーブの奴はともかく、あのジャガーは温かい血の流れるフレンズなんだ! それを傷つけるなんて!』

『かばんやサーバルと同じフレンズ……吾輩にはとても撃てません!』

『く……銃を下すんだ、みんな……』

 

 一斉射撃を逡巡するサイバトロン戦士たち! 射撃中止を命令するコンボイ!

 だが、それも無理あるまい! 彼らが銃口を向けたのは、あの金属のボディのジャガーではない! 可愛らしい少女の見た目をした、猫のフレンズなのだ!

 

『予定ト少々異ナルガ、人質作戦、成功!』

「わーい! ジャガーの大活躍にゃー! ほめて、ほめてー! サウンドウェーブー!!」

 

 フレンズ化したジャガーを攻撃できないサイバトロン戦士たち!

 さあ! どうにゃってしまうのか!

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

 サイバトロン戦士たちが苦戦を強いられる一方! じゃぱりとしょかんでは!

 ヘビクイワシとコンドルが「けものこくごドリル」に悪戦苦闘していた!

 

「ヘルベンダーの“ヘ”、ビントロングの“ビ”、クロクスクスの“ク”、イワシャコの“イ”、ワオキツネザルの“ワ”、シロヘラコウモリの“シ”……できましたわ!」

「惜しい! これは“シ”ではなくて“ツ”になってしまっている!」

「あぁ~っ! 難しいですっ!」

「だが、だんだん字が綺麗になってきているぞ! もうちょっとだ! がんばれ!」

 

 ちょっと渋いラインナップの動物たちで、楽しく文字を覚えられる! それが「けものこくごドリル」なのだ!

 

 図書館の学習室でふたりで文字の練習を続けるヘビクイワシとレーザービーク、ことコンドル!

 それは任務のためであったが、同じ猛禽類のよしみであろうか、ヘビクイワシに親身になって文字を教えるコンドル!

 そしてヘビクイワシのほうも、コンドルの無口だが思いやりのある教え方に、親近感を覚えるのだった……。

 

「ねえ、レーザービークさん。一休みして、一緒に踊りませんこと?」

「急にどうした?」

「ふふふ、そういう気分になっちゃいました」

 

 コンドルの手を取り、ダンスをするヘビクイワシ!

 

「どうですか、フレンズになって? 動物じゃ、こうやって手をつないで踊れないでしょう」

「うむ、悪くないな、フレンズの身体も……勉強になるよ」

「わぁ、私がレーザービークさんに勉強を教えちゃいました」

 

 ふたりの鳥のフレンズが見せる、素朴なステップ……白鳥の舞いを思わせるダンス、それは、野生が時折見せてくれる、動物の動きの洗練された美しさの片鱗であった……。

 

 

 

 だが! ふたりのけものが静かに舞う図書館ホールに! 音速の壁と本棚を突き破って現れる、一台のF-15戦闘機!

 

『トランスフォームッ! 邪魔するぜェッ!!』

 

 スタースクリームだ!

 

「な、なんですか! あなたは! せっかく整理した本棚を崩しちゃうなんて!(げしげし」

『うるせぇ! 下等なフレンズの鳥公め! お前のその羽は、枕の中身になってるのがお似合いだぜ!』

「きゃあ!」

 連続キックをお見舞いするヘビクイワシを掴み、ソファに投げつけるスタースクリーム!

 

「貴様……基地で待機するようメガトロン様に言われたはずだ……何の用だ……?」

『おいおい……“何の用だ”は無ェだろぉ? つれねぇーなぁ、コンドルさんよぉ? 航空参謀様がわざわざ手伝いに来てやったんだぜ?』

「……命令違反だ。このことは、サウンドウェーブに報告する」

 

『けっ! 命令違反なんてクソくらえだ! お前だって任務をほっぽり出して、そこのおバカなアホウドリとイチャついてるじゃねえか!』

「黙れ。俺のやり方に横から口を出すな」

 

 コンドルとスタースクリームとの対立! そして、状況を理解できずに困惑するヘビクイワシ!

 

「あ、あのレーザービーク様……これはどういうことなんでしょう……」

「……お前は気にしなくていい。この馬鹿の阿呆鳥のスタースクリームの、耳障りなさえずりだ……」

『何だとぅ! てめぇ! メガトロンから目をかけられてるからって、つけ上がりやがってぇ!』

「失せろ……」

 

 さあ! 戦いの始まりである!

 

「スタースクリーム、“としょかんではおしずかに”だ。表へ出ろ」

『へっ! SWの腰巾着のニワトリ野郎め、オレ様がよぉ~く躾けてやるぜ!』

「ああ……レーザービーク様! よく分からないけど……私の為に争わないで!」

『問題ない……こいつを片付けたら、また国語ドリルの続きをやろう』

 

 この戦いはいつものサイバトロンvsデストロンの戦闘ではない!

 航空参謀スタースクリームvs空中攻撃兵コンドル! デストロン同士の戦いなのだ!

 

『オレ様のナルビームを食らえ! コンドル!』

「……遅いぞッ! スタースクリームッ!」

 さあ! じゃぱりとしょかん上空でのドッグファイト! 壮絶な空中機動戦が展開される!

 

 耐久力の点で大きく劣る小型TFコンドル! 一発被弾してしまえば即撃墜されてしまうため、サイバトロンのスナイパーや空対空ミサイルに辛酸を舐めることもあったコンドルだが!

 

 だが、見てくれ!

 

 図書館に生える大木の木の枝を利用して、スタースクリームの攻撃をかわしているのだ! これはカセットロンのボディではできない芸当! フレンズ化した今の身体の手足を使って、上手く木の枝を掴んで、ブレーキや方向転換を行っているのだ! 密集した樹木の木の枝の間を、自由自在に高速で飛び回るコンドル! 機動力ぅ……ですかねぇ……!

 

『クソッ! ちょこまかと! 目障りなハゲタカめ!』

「遅すぎるぞッ! 航空参謀とは名ばかりか?」

「キャー! カッコイイ!」

 

 エネルギー切れしやすいという弱点を持つコンドル! 当然それを自分でも把握しており、決して無駄撃ちはしない! 2門の独立ビーム砲による、一撃必殺の追尾レーザーをスタースクリームに命中させていく! フレンズ化により火力が大幅に下がっているが、チリも積もれば山となる! コンドルの得意とするヒット・アンド・アウェイ戦術なのだ!

 

『隠れてねぇで正々堂々戦いやがれ! デストロン一の臆病者のチキン野郎めが!』

「デストロン一の卑怯者が……戯れ言を抜かすな!」

 

 戦いは一方的であった! コンドルのレーザー攻撃を何度も受けてしまい、疲労困憊の色を隠せないスタースクリーム!

 このまま戦いは決着か、と思われたその時!

 

『けっ! 止めだ、止めだ! 同じデストロン同士、争うのは止めにしようぜ……』

「……どういうつもりだ、スタスクリーム……?」

『こういうつもりだぜ、コンドル……』

 

 ナルビーム・キャノンの銃口を「じゃぱりとしょかん」に向けるスタースクリーム!

 

『こっちのデカい的で、的当てごっこをしようかねぇ……だが、これだけの本を燃えちまえば、あのワシのフレンズも大層悲しむだろうなぁ……』

「貴様ッ……!」

「あの火で、としょかんの本を燃やすつもりなのね! なんてひどいことを!」

 

 卑劣な手段に打って出るスタースクリーム!

 

「仕方があるまい……パークの貴重な本を失わせるわけにはいかない……」

『はっはっは、デストロンにコンドルありと恐れられたお前も、やはりフレンズ化して、性格が甘チャンになっちまったようだな!』

「レーザービーク様!」

 

『へっへっへ……いい子だぜ、コンドルよ……それじゃあ大人しく、このオレ様のナルビーム光線を甘んじて食らうこったな……』

「無駄口叩かずに、さっさとやれ……」

『ブルッちまわなくてもいいぜ、デストロンの同胞を焼き鳥にしたりなんて、ひでえコトはしねえさ……』

「……」

『フレンズの身体ってのは、頑丈らしいんだってな……それを気晴らしに多少痛めつけてやるだけだからなぁ~……』

 

 さあ! スタースクリームの無慈悲なミサイル攻撃!

 微動だにせず、その直撃を受けるコンドル!

 

 ミサイルの大爆風! 数秒ののちに、その煙が消えると、そこには!

 あのフレンズのコンドルの姿は無かったのである!

 

「レーザービーク様ーーっ!!」

 

 スタースクリームのミサイル攻撃で、跡形もなく吹き飛んでしまったというのか!? コンドル!?

 

 コンドルが死んだ!? キャンペーン!?

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

【トランスフォーマー解説:07】

 

ID:20 デストロン 空中攻撃兵 コンドル / Laserbeak

トランスフォーム:カセットテープ

主兵装:独立追尾式レーザーキャノン砲×2

副兵装:レーザー強化クリスタル

体力:5 / 知力:6 / 速度:8 / 耐久力:5 / 地位:6 / 勇気:2 / 火力:8 / 技能:9 / イケメン度:10 / 強キャラ感:10

座右の銘:「サイバトロンノ、気ニ入ッテル所ハ(The only point I like in Autobots:)……融点ダケダナ( melting point.)

 

 大体、SWの胸に収まるくらいの大きさで、額のところはデストロンマークで、余剰パーツがちょっとあって、それがビーム砲2門。

 カセットテープの形にキュッと縮んでポッと飛んできたり、コンボイを山から転がり落としてくるシーンが印象的とか、みなさん言ってみえますね。

 

 スタースクリームを撃墜した直後キャッチしたり、ガダルカナル島へ捨てに行ったりと、わりと航空参謀と絡みます。

 

 プテラノドンを眼光ビーム一発で追い払ったり、強キャラのイメージが強いですね、ピューマにミサイルで辛勝したジャガーとは違うとみえます(笑。

 子供にクラッカーを貰ったり、2010の「クモの巣惑星」で地べたをチョコチョコ歩いていたり、かわいい一面もあります。

 なお、よく間違われるのですが、「空中破壊兵」はバスソーのほうです。作中でもスパイクが間違ってますね。

 

 若い人はどうも半信半疑ですけども、私自身もやっぱり、最強なんじゃないかなぁ~と思います。

 

 お年寄りがですねえ、コンドルが画面内にいっくらでもおったら、デストロンは最強って言われるんです、作画ミスで。

 ザ・ムービーのユニクロン戦争でも、KONDORがあと10体いたら、サイバトロンは負けていたんでは、と。

 

 作中の活躍も1回2回じゃないもんで、まんざら嘘じゃないんじゃないかなあーと、僕は思っとるんですけども。

 

「ねえコンドルさん、クラッカー食べない?」

 

はいけい:いんかていこく まちゅぴちゅ(あんですさんみゃく)

こえ:ふらんくうぇるかー おにいさん?(the late くりすらった おにいさん?)

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

 さて、サイバトロン基地のジャガーとサウンドウェーブはどうなったのであろうか?

 戦いはまだ、膠着状態が続いていた!

 

『サア、手ガ出セマイ! サイバトロンノ機密情報ヲ、ヨコセ!』

「よこせー」

 

 だがその時! フレンズとなったジャガーに異変が!

 見よ! その身体が虹色に輝いたかと思うと、カセットロンのボディに戻っていくではないか!?

 

『ニャア~』

『オオ! コレハ一体!』

『ややっ! 見て下さい! ジャガーの奴が元の姿に戻っていきまっせ~!』

 

 それは、時間!

 時間の経過により、ジャガーの体内に蓄積されたサンドスターが消費されたのだった!

 

『よぉ~し! フレンズ・ジャガーの奴が、もとの冷たい鉄の塊に戻ったぞ!』

『こうなったら手加減無用だぜ! サウンドウェーブもろとも射撃の的にして、ハチの巣のスクラップにしちまいましょう!』

『さんざん手こずらせやがって……もう我慢でけん! ふたりまとめて仲良くバーナーでドロドロに溶かして、フレンズの“あそびどうぐ”にしてやる!』

『よくもオイラたちを騙したな~! ジャガーめ、お前の背骨を引っこ抜いてやるからな~!!』

『バラバラの鉄クズの山になり果てたお前らの残骸を海に放り込んで、イルカフレンズ達の住処にしてやるぜ!』

 

『サイバトロン戦士! 撃てーッ! 一斉射撃を浴びせろーッ! 撃って撃って撃ちまくれ!』

 コンボイの号令で、ジャガーとSWに一斉射撃を食らわせるサイバトロン戦士たち!

 

『グワァーッ! デストロン、退・却ッ!』

『ミンミィ~ッ!』

 

 戦いは終わった!

 

『あっ! サウンドウェーブたちが逃げていく!』

『やれやれ、惜しいことしたぜ! もう少しで、デストロンマークつきの“あそびどうぐ”を作ってやれたのに! 残念!』

『危ないとこやで~。危うく吾輩らのサイバトロン情報を盗まれるところやった!』

 

『それにしても、コンボイ司令官。あのジャガーがフレンズになるなんて、不思議なこともあったものです』

『ああ、サンドスターとフレンズはまだまだ謎が深い……我々、TFに不思議な影響を与えることが、またあるかもしれないな』

 

『ああ~、あのカワイコちゃんがジャガーだったなんて! オイラ、ショックだよ~!』

『おやぁ~、バンブル君? フレンズ・ジャガーにすっかり“骨抜き”にされたと見えるねぇ~?』

『ハッハッハッ!』

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

 その頃! じゃぱりとしょかんでは!

 

『オレ様のミサイルでオダブツだぜ!』

「レーザービーク様ーっ!」

 

 スタースクリームのミサイル攻撃により、そこにはフレンズ・コンドルの姿は跡形も無かった……。

 

 そう! その瞬間、コンドルもまた時間経過により元のカセットロンの姿に戻ったのだ!

『あっ、お前! 元の姿に!』

 

 そして! 返す刀でスタースクリームにレーザーの集中砲火を浴びせるコンドル!

『ぎゃぁ~!!』

 さあ~! 逆襲だぁ! たぁっぷり見てくれ! オリジナルのボディに戻ったコンドルの猛攻アタック! この破壊力!

『く、くそぉ!! だが、オレ様もタダでは引き下がらねぇぜ! お前の見つけたこの“ミライ文書”は頂いていくぜ!』

 機密ドキュメント「ミライ文書」を奪って、図書館から去っていくスタースクリーム!

 

 戦いは終わった……。

 

 こうして図書館の貴重な蔵書はデストロン焚書から守られ、デストロン同士の戦いは終わったのだ!

 

「レーザービーク様……いえ、コンドル様……」

『約束ヲ守レナクテ、スマナイ……モウオ前ニ、文字ヲ教エテヤレナクナッタ……俺ノコノ爪デハ、鉛筆ガ握レナイ……』

 

 タイム・リミット! 12時の鐘が鳴り変身のまほう!が解け、シンデレラは元の姿に戻ってしまうのだ……!

 

「そんな! コンドル様!」

『オ前ニ、自分ノ名前ヲ書カセテヤリタカッタガ……オ前ノ手モ、モウ握レナイ……』

 

 戦うために生まれたトランスフォーマー! それはフレンズと対極の存在!

 デストロンの手は、他者と手を取り合うためのものではなく、武器を取って相手を打ち負かすためのものなのだ!

 

『サラバダ! 鷲ラシク、誇リ高ク生キロ! 蛇ヲモ食ラウ、サバンナノ大地ノ猛禽類“ヘビクイワシ”ヨ!』

「ああっ! 行かないでぇ! コンドル様ーっ!」

 

 こうして、デストロンとフレンズとの奇妙な交流は終わりを告げた……。

 また相見える時、それは二人は敵同士の関係ということを意味する!!

 

 だが、そのいくばくかの短い触れ合いの時間は、鳥のフレンズの記憶とカセットロンのメモリー回路に、いつまでも鮮やかに焼き付いていることだろう……!

 

「コンドル様……貴女の手が暖かかったこと、私は忘れません……私は、自分の名前も……ひらがなもカタカナも全部覚えてみせます!」

 

 コンドルとの輝かしい思い出を胸に、決意を新たにするヘビクイワシであった!

 

「あーっ! 司書! これはどおーいうことなのですかぁ~!? じっくりワケを話してもらうですよっ!」

「本棚がもうメチャクチャなのです! お前はやっぱりジャパリまん抜きで後片付けなのですっ!」

 

 食料調達から戻ってきた、博士と助手!

 

「ええーっ! 腹が減っては勉強はできぬ、なのに! 勘弁してください~」

 

 フクロウのふたりに、小一時間追い回されるヘビクイワシであったという……。

 

『フ……イイ夢見サセテ、モラッタゾ……マタ会オウ……ソノ時ハ、立派ナ“図書館司書”ニナッタオ前ト……』

 

【~FIN~】

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

 まだ終わりではない! コンドルから「ミライ文書」の強奪に成功したスタースクリームは、その後どうなったのであろう?

 メガトロンに極秘ファイルを献上するスタースクリーム!

 

『おのれ! この大馬鹿の愚か者めが! また勝手な行動をしおってからに!』

『お、お待ちください、メガトロン様! この重要ドキュメント“ミライ文書”をご覧ください! これの内容こそが、いかなる命令違反への、正当な理由となることでしょう!』

 

『うーむ……どれどれ……おお! こいつは、かつてのジャパリパークの調査隊長が記した、フレンズに関する超極秘資料のようだな……いや、でかしたぞ! スタースクリーム!』

『へっへっへ……ありがとうございます……』

『なんと強固なプロテクトだ! これは相当に重要なデータが収められているに相違ない!』

『このたびの働きに対し、デストロンのニューリーダーの座を、ぜひこのわたくしめに! そしてサウンドウェーブやコンドルをヒラのデストロン兵士に降格を……!』

 

『おっ! パスワードが解析できたぞ! さあ、どんな情報が隠されているというのだ!』

 

 さあ! ミライ文書に隠された、驚愕のフレンズの秘密とは!

 

【ミライ文書 プライベート極秘ファイル ~フレンズの超・秘密~】

 

・サーバル(◎):耳も尻尾も究極にして至高。たまらぬ。夜行性なので、スキだらけの夕方の寝起き時を狙うべし。

・カラカル(◎):サーバルさんと比べると比較的スレンダー。ガードが固いので注意。

※一度、サーバル・カラカルのダブルけも尻尾の極楽を味わったが、あれは大変良いものです……ついよだれ出すぎて、サバンナで脱水症状になって死にかける。

・シロサイ(△):あの固い鎧のせいでイマイチ。今度、温泉で脱いでいる所を奇襲しよう。誰も寄せ付けない強固な鎧の下から、可愛らしい尻尾が露わに……いかん、想像したら興奮してきた。

・ルル(トムソンガゼル)(〇):正しい意味で、カモシカのような、と形容できる、逞しく締まった下半身の筋肉……たまりませぬな。

・トキ(〇):あぁ~、鳥のフレンズさんの羽毛、いい……いいよね……でも歌ってくるのは正直勘弁してほしい。

・コモモ(コモドドラゴン)(-):園長にべったりでスキが無い。抱きつこうとしたら毎回尻尾で反撃される。だが私は諦めない。

 

『……これは何だ? スタースクリーム? この“ミライ怪文書”は?』

『い、いやぁ~……こいつはフレンズの“触りごこち図鑑”のようですねぇ~。人間どもの中には変わったシュミの奴がいるようで……へへ……けものどもの耳や尻尾の何がいいのか、オレにはさっぱり分かりませんや……』

 

『ワシがさっぱり分からないのはな! お前のそのバカさ加減だぞ! このスタースクリームめ!』

『ぎゃあ~っ! も、申し訳ありません! メガトロン様ぁ~!!』

 

【おしまい 次回に続く!】

 

の の の の の の の の の の の の

 

【けものフレンズ情報:06】

 

 今週のけもフレvsTF、どうだった?

 個性豊かなフレンズとTFについて、もっと知ることができたかな?

 これからの彼らの大活躍に、ますます目が離せないぞ!

 

情報記録事務官 スネークイーター / Serpenteater

分類:鳥綱タカ目ヘビクイワシ科ヘビクイワシ属ヘビクイワシ

レッドリスト:EX/EW/CR/EN/[VU(危急)]/NT/LC

 サバンナのワシ! 強烈キック! サバンナ業界の猫のスーパーモデルがサーバルなら、鷲のスーパーモデルはこのヘビクイワシだ! 陸上の猛禽類の美脚を拝んで驚いてくれ!

 頭の飾り羽が特徴的だが、これがカツラに羽ペンを差していた中世ヨーロッパの書記官に似ていることから、英語名はセクレタリーバードだ! 日本でも「秘書鳥」「書記官鳥」の異名を取る!

 パフアダーなどのヘビの頭を正確に狙い、何度も踏みつけて弱らせてから捕食する習性が有名! この連続ローキックは、一発一発が体重の数倍もの威力があるという! なお、名前に反して、ウサギ・ネズミ・小鳥・昆虫など何でも食べるぞ!

 陸上に適応した鳥だが、ダチョウやヒクイドリなどとは違って空を飛ぶことができる! 固い獲物の場合、掴んで空から落として叩き割ることもあるとか!

 レジェンド世代のヘビクイワシのフレンズも図書館司書をしていたという記録がある! 今回の本編に出てきたヘビクイワシも、コンドルとの淡い友情の思い出を胸に、立派な司書になったほしいと願うばかりである!

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

『「PPP&デストロン予告っ!」』

 

「TFがフレンズになっちゃうなんて……ホントびっくりね!」

「鳥フレンズ同士の友情、素敵でした!」

「デストロンのフレンズとも友達になれたら、嬉しいぜっ!」

「TFのフレンズ化か……今後も起きるのだろうか……」

 

『……(ぺたぺた』

「あーっ! キミ、グレープ君じゃないでしょ~! においが違うもの~、一体誰なの~!」

『カカカ……よくぞ見破った喃! PPPのフルル殿! これぞ我の“けもの変化の術”也!』

「うわーっ! グレープがトランスフォーマーになったぞ……!(白目」

 

『申し遅れた。拙者、デストロン・シックスチェンジャー、忍者参謀“シックスショット”と申す者ぞ!』

「ニンジャの……トランスフォーマー……!」

「あいええ~にんじゃ~」

『此度は、ジャパリパークに“デストロン忍術道場”をオープンする事と相成り申した! ついては次回予告を司るPPP殿に挨拶に参った次第にて候!』

「デストロン忍術道場だってぇ!」

『ファファファ! PPPファンのフレンズに、拙者の道場の宣伝を宜しく頼み申す! (ピクトグラムのチラシ500部手渡し)では、さらば! トランスフォームッ!』

 

「凄い変身の技ですね……」

「それもだけど……いきなり現れて自分の宣伝して帰っていく、自己アピールの技も凄まじいわね……」

「私たちアイドルも、あの“じこけんじよく”の強さは見習うべきだな……」

「あいつシノビのくせして、目立ちたがり屋なんじゃねえのか?」

「にんじゃなんで~」

 

次回、【第7話 フレンズ・ニンジャ出現! ナイトバード作戦!】

くのいちフレンズ育成。入門者、随時募集中。

未経験者、大歓迎。懇切丁寧にマンツーマンで指導します。

 



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第8話 ニンジャ・フレンズ道場!!

 ニンジャ……それは、ミステリアスな生態とユニークな習性で有名な、夜行性のヒトのグループ!

 ニンジャ……千年の太古の昔より日本に生息する固有種!

 

 ヒトが絶えて久しいジャパリパークにおいて、ニンジャの伝統と技術は失われてしまったかに思えた!

 いや、ニンジャは絶滅していなかった! ニンジャの技術と精神を受け継ぐ者たちが、パークには生き残っていたのである!

 

の の の の の の の の の の の の

 

【Episode 7: Ask, and It Shall Be Given You(求めよ、さらば与えられん)】

 

「きゃーーっ!!」

 

 さばんなちほーの青空、そこにフレンズの悲鳴がこだまする!

 これは何者の襲撃なのか!?

 

 逃げ惑うフレンズは、ハイエナの仲間のアードウルフだ!

 それを追うジャパリパークの異形の捕食者、セルリアン!

 

 セルリアンとは、超鉱物サンドスターの変種「サンドスター・ロウ」によって生まれる、謎の生命体である!

 フレンズを襲い捕食し、体内のサンドスターを奪って元の動物に戻してしまう! フレンズの記憶や思考能力を失われてしまうことは、フレンズとしての死を意味するっ!

 

「助けてえーーっ!!」

 

 まるでヘビやミミズのような細長い鞭毛ボディを蛇行させ、アードウルフを追跡する大型セルリアン「セルネイク」! およそ生物離れしたその無機質な監視カメラの如き単眼が、怯えるアードウルフを付け狙うっ!

 

 動物のアードウルフは、体重10kgほど、柴犬程度の大きさであり、外敵に対する抵抗手段をほとんど持たないけもの! 強靭なアゴを持つハイエナの仲間でありながら、シロアリを主食とするアードウルフの咬合力は、非常に弱いのだ! よって、フレンズのアードウルフは、このような大型セルリアンと渡り合う戦闘能力を持っていなかった!

 

 多くの動物が行うように「ジグザク走り」で引き離そうとするが! セルネイクの優れた追尾能力! サバンナの若干草の生えている悪路をものともしない移動能力で、あっというまに距離を縮められてしまった!

 

「だっ、誰か助けてぇーっ!!」

 

 岩場の行き止まりに追いつめられたアードウルフ! 絶体絶命! と思われたその時!

 

 

 

 差し伸べられる救いの手! いや前足!

 突如現れたイヌ科フレンズのパンチが、セルリアンの頭部に直撃(クリーンヒット)

 

「キレイに頭に入ったのに……全然効いていないですよぉ!」

「大丈夫ですか!? あなた!? あのセルリアンは私たちに任せて、早く隠れてください!」

「はっ、はい! ありがとうございますっ!」

 古いアリ塚に緊急避難するアードウルフ!

 

 ハトのフレンズからセルリアンの報告を受け討伐に駆け付けたのは、パークの「セルリアンハンター」部隊だ!

 

 持久戦のプロフェッショナル・イヌ科、集団戦のエキスパート! 抜群のかりごっこ成功率は数字が違う! 超A級の追跡者(ストーカー)! サバンナ・ヒットマン! リカオン!

 

 樹上生活で鍛えた霊長類の腕力! 自慢の棒術は伊達じゃない! セルリアンは皆、西方浄土へ送ってやる! フレンズ界の斉天大聖! キンシコウ!

 

「みんなぁーっ!! 行くぞっ!!」

 

 超ド級のパワーと溢れんばかりの知力、ジャパリパークは二物を与えたもうたり! サンドスターはフレンズの上にフレンズを造ったのかーっ!? サイキョーすぎるだろ!? ヒグマァーッ!!

 

 さあ~っ! 戦いだあーっ!

 

 ヒグマ率いるハンターチームvsセルネイクの、超・エキサイティングな戦闘のゴングが今、サバンナ草原リングに高らかに響く!

 

 リーチの長いキンシコウと、素早さと持久力に優れるリカオンが相手を攪乱させ、ヒグマが止めの一撃を与える戦術! 幾多のセルリアンを痛めつけ、血祭りに上げてきた、シンプルにして各々の特性を生かした、ハンターの必勝連繋!

 

 だが今回のセルリアンは並々ならぬ強敵! 恐怖のセルネイクの俊敏な動きと超パワフルな毒牙! 神経毒と血液毒、毒のカクテル! ひと噛みされれば、いかに強靭な生命力を誇るフレンズとも瞬時に全身麻痺に陥ってしまうのだ!

 

 戦闘は膠着状態に陥り、疲労と焦燥の色を隠し切れないハンターチーム!

 

「くっ……こいつ! 中々やるな!」

 このままでは、犠牲者が出るのも時間の問題であった!

 

 だがそこへ!

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

『トランスフォームッ! サイバトロン・カウボーイのお出ましだ! 大人しくしな、ガラガラヘビめ!』

 工作員マイスターの手首から飛び出すフック付きワイヤーの投げ縄! これでセルネイクの首根っこを締め上げようというわけだ!

 

『いいぞ、マイスター! ヤツの毒牙さえ封じれば勝機はある!』

 コンボイのコンテナからは、かばんやサーバルなど、さばんなちほーのフレンズの救援隊の登場だ!

 

 だがしかし! セルネイクには奥の手、いや奥の牙を隠していたのである!

 

(シャァァァーッ!!)

「あの首の毒腺は……皆さん、危ない! 離れて!」

『ホアアーッ!』

 

 首の毒腺から猛毒の溶解液を吹き付けるセルネイク! 弱点の首を抑えられた際の防御用の隠し技なのだ!

 

「“ヤマカガシ”というヘビは、毒の牙のほかに、首の皮膚に毒を持っていると聞いたことがあります!」

『くそっ! そりゃあ暴れ馬よりよっぽどタチが悪いぜ!』

 

 日本の固有種ヘビ、本州以南に生息するヤマカガシは、唾液腺が変化した毒腺「デュベルノア腺」によるハブの10倍・マムシの3倍の威力の毒牙に加え、食餌とするヒキガエルの毒「ブフォトキシン」を生物濃縮により溜め込み、頸部毒腺から飛散させる裏技を持っている!

 

「ど、どうしよう、かばんちゃん! あんな大きなヘビ見たことないよ~!」

「……あのセルリアンにヘビの性質があるとしたら……体温を下げれば動きが鈍くなるかも!」

『よーし! それなら俺の冷凍ビームをお見舞いしてやるぞ!』

『俺も協力するぜ! アイアンハイド!』

 

 サイバトロン戦士、アイアンハイドの瞬間凍結液と、クリフの冷凍ガス弾のコンビネーションの威力! 変温動物の「輝き」を持つセルネイクを凍結させることで、サバンナの炎天下におけるその俊敏な動きを封じたのだ!

 

『野郎~っ、まだ大口開けてきやがる! 虫歯の治療をしてやろうぜ、アイアンハイド!』

『それなら奴さんの毒牙もろとも銀歯でフタをしてやる! 俺の溶けた鉛を食らえ!』

 

 アイアンハイドの手首から発射されるメタルジェット流の液化超合金! 喉に重厚な液体金属を注がれ、サバンナの土を舐めさせられることを余儀なくされるセルネイク!

 

 その頭部に、フレンズたちが集中攻撃の洗礼を浴びせる!

 

「やっちゃいましょ~!」

「えいえいっ!」

「うみゃみゃみゃ!」

 トムソンガゼルとサバンナシマウマの、強靭な脚力による踏みつけ攻撃! サーバルの「烈風のサバンナネコパンチ」も炸裂だ!

 

『奴は私が止めを刺す! その皮を剥いでやる!』

「最強クマクマスタンプッ!」

 

 コンボイのエナジーアックスとヒグマの熊手の連繋攻撃! パッカァーッン!と(いし)を爆発させ、虹色のキューブに分解されはじけ飛ぶセルネイク!

 

 戦いは終わった! サイバトロンとフレンズたちの友情の勝利だ!

 

『やったぞ!』

『セルネイクの奴、シッポの先だけ残して消えてしまいましたね。アルコール漬けにして、蛇酒にしてやろうと思ったのに! 残念!』

 

「コンボイさん、サイバトロンの皆さん、ありがとうございます!」

『いやぁ、君達ハンターがセルリアンを引き付けてくれたから、被害を最小限に食い止めることができたんだ』

 

「かばんさんやサーバルさんにも、大変お世話になりました」

「大活躍したのは、かばんちゃんだよっ!」

「いえいえ、ボクはたいしたことは……」

 

「み、みなさん、どうもありがとうございます……」

「アードウルフも無事で良かったね!」

 

 

 

 さて……戦い終わって、今回の戦いの反省会を開くハンターたち!

 

「私たちだけでは危なかったな……」

「最近は、ああいう大きくて強いセルリアンが多いですから……」

「正直、今回みたいなキツいオーダーは遠慮したいですよ……」

 

「私ももっと力をつけなければ……そうと決まったら善は急げだ!」

「ええっ! どこへ行くんですか!? ヒグマさん!?」

「新たな力を身につけるため、しばらく“しゅぎょう”してくる! それじゃあとは任せたからな、キンシコウ!」

 

「あー行っちゃった……ヒグマさん、一度言い出したら聞かないですからね……」

「えぇ~……相変わらずガンコなんだからなぁ、リーダーは……」

 

 どこへ行こうというのか!? ヒグマ!

 そして、この時ヒグマを追いかける、謎のフレンズの影! その正体ははたして⁉

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

 そしてここは廃墟の「ゆうえんち」! ジャパリパーク、キョウシュウの海の玄関「ヒノデ港」の近くに作られた小規模の娯楽施設だ! サビ付き朽ち果てたアトラクションの間を練り歩くヒグマだが、その背後から謎のフレンズの声!

 

「あ、あのぉ……」

「お! お前は確かさっきの……アードウルフだな! 私は強くなるための修行に行くんだが、お前もそうなのか?」

「は、はい……この子も一緒に……」

 

 さばんなちほーから追いかけてきたアードウルフ! その腕には野生動物の「ツチオオカミ」が抱かかえられている!

 

 遊園地の観覧車やジェットコースター!

「わー。へんな所ですね、ここ」

「上ばかり見ていても仕方ないさ。用があるのは……下だ!」

 

 ふたりはマンホールから遊園地地下の下水道へ! そこは大蛇の舌苔を思わせる苔類が繁茂する、泥水と湿気の支配する世界!

 栄養豊富な水が絶えず流れ込み、適温に保たれた環境は、まるでアメリカ南部の湖沼地帯だ!

 

「この地図によると、こっちの方向だな……」

 

(むぎゅ)

 

「あいたっ! 踏まないでくださいようっ!」

「きゃあっ! ごっ、ごめんなさい!」

 アードウルフが朽ち木だと思って踏んでしまったのは、ミシシッピーワニのフレンズの尻尾だ!

 

「気を付けて歩いて下さいようー。ここはジャングルみたいで居心地が良くて、フレンズや動物が沢山いますから」

 

 まわりにぞろぞろとワニのフレンズが集まってくるではないか!?

 彼女たちはメガネカイマン、イリエワニ、インドガビアルだ!

 

「むむむ~、この私のメガネによると……あなたはイヌのフレンズ?」

 斜めの角度に見つめ、骨格と瞬膜の変化したらしいメガネで、アードウルフを視界の端に捉えて、まじまじと見つめるメガネカイマン! それは、かつてワニであった頃に正面方向が死角であった名残りであろうか!?

 

「ええっと……私はアードウルフです。アードは“つち”で、“ウルフ”ってのがオオカミのことらしいんですが、でも私はオオカミじゃないらしいです……」

「ふーん、へんなの~……私はメガネカイマン! メガネだし、カイマンなのよ!」

 

「おおーお前、強そうだなあ~! なぁー、私と“プロレスごっこ”しないか?」

「悪いな。今は急いでいるんだ」

「そうなんかー……私は“みずべちほー”のリングによくいるから、ヒマがあったら来てくれよな!」

 

「迷いやすい下水道……目的地が見つからなくて、ヒグマさん、お(クマ)りでしょう?」

「おおっ、お前もしかして“にんじゃどうじょう”を知っているのか? インドガビアル?」

「ええ。トランスフォーマーの方が、フレンズを集めて何か変なことをしてますよ」

 

 さあ、アードウルフとヒグマは下水道の奥へ! ふたりがたどり着いた場所とは!

 なんと驚いたことに、そこには日本家屋のような建物があり、集まったフレンズたちが武道の訓練をしているではないか!? まるで空手(マーシャルアーツ)のドージョー・ジムだ!

 

「たのもうー(ガラガラー」

『カカカカ! 入門希望者でござるな!』

「うわっ! 普通に出て来いよ……」

 

 天井から降って現れたのは、デストロン忍者参謀「シックスショット」だ!

 

 戦闘機や戦車など6つの形態にトランスフォームできる、すごい実力を持った宇宙の流れ者! メガトロン率いるデストロン本隊の所属ではなく、一匹狼のTFなのだ!

 

『じゃあ、早速この契約書を読んで判子を押してくれ。拇印でも良いぞ』

「文字が読めないし、ハンコーとかボインとかよく分からんけど、紙に指の跡を残せばいいんだな?」

『ウム、これが入門同意書。それは道場の使用許可書。こっちは武器の所持誓約書。そっちが怪我したときの念書だ。あっココにも拇印をな』

 

「ヒ、ヒグマさん……“ですとろん”は、わるい人たちだと博士から聞きましたよ……」

「アードウルフ、心配はありがたいが……たとえ危険なヤツだろうと……そのワザを食らって身につけて自分の力にする! 私はそのために来たんだ!」

『毒と分かっていても皿まで喰らう……その心意気や良し!』

「あいにく、私は“雑食”でね。意地汚くて悪いな」

『フフフ……なかなか野性味溢れる、骨のありそうなフレンズにて候……』

 

 

 

 正座して道場を見学するヒグマとアードウルフ!

 さあ、シックスショットの訓練の様子をご覧に入れよう!

 

 タタミ・マットの上で対峙する、原猿と亀のフレンズ対決!

 

「アイアーイ! サイ攻撃でございます!」

「タートル・パワー全開ですぅ!」

 

 アイアイの操るニンジャ武器の(サイ)! 原猿類(曲鼻猿類)「アイアイ」、イワトビペンギンとは関係ないぞ、和名はユビザル! その名のとおり長い中指をもつ霊長類! この長い中指は昆虫を採るため、木の穴に突き刺して使われる! その身に合った得物を実体化させて、動物の時の習性を利用して戦う技術を、シックスショットが仕込んだわけだ!

 

『あれはジャパンのリューキューに伝わるニンジャのワザ也!』

「す、すごい武器さばきです……」

『訓練により自由に得物を作り出せる“けものプラズム”とは便利なものよ喃……』

 

 アイアイのサイ突きの猛攻を、ブラジリアン柔術仕込みのグラウンドポジション「(タートル)ガード」で防ぎ、寝技での反撃の機会をうかがうのはミドリガメこと、「アカミミガメ」だ!

 

 MMA(そうごうかくとうぎ)においては頭部や背面に打撃を食らう危険性がある亀ガードは有用性が低いとされるが……カメフレンズであれば、全ての攻撃を甲羅で防ぐ鉄壁の要塞に他ならない! 下から手をさし入れてひっくり返そうものなら、三角絞めや腕ひしぎなど組み技での反撃は必定!

 

「なるほどな……カメの弱点“甲羅返し”に、ヒトの技で反撃をするわけか……」

『けものの特性とヒトの武術との融合! それが拙者の目指す“フレンズ・ドー”でござる!』

 

 

 

 一方、こちらのタタミでは! 6段変形のひとつ「ウルフモード」にTFするシックスショットと組み手を行う、オオカミのフレンズ!

 

「「ええーい! 分身まほう!」」

「わわわっ! ふたりに増えましたよ!」

 

 金狼のフレンズの使う影分身の技だ!

 

「あのぉ……種明かししますと……実は私たち……」

「そっくりなのでしたぁー! どうですかぁー! すごいでしょ、わんわん!」

 

 実はコレ、双子のようにそっくりなオオカミフレンズ「キンイロジャッカル」と「アフリカンゴールデンウルフ」の連繋プレイだったのだ! この2種は近年まで同種と考えられており、母方遺伝するミトコンドリアDNAの解析により別種認定されたのは、2015年のことである! 息の合った素早い入れ替わりにより、ひとりをふたりに、ふたりをひとりに見せかける幻術!

 

「こんなの本当の分身じゃない。卑怯だぞ」

『戦いに卑怯もお経もあるか! その考えの浅さが戦場では命取り! 忍にとってはずるい・汚いは誉め言葉よ! 相手を騙して勝つのがニンジャのワザだ!』

 

「勝つためには何でもするというわけだな……! よーし気に入った! 私も入門してニンジャのワザを身につけるぞ! シックスショット! あんたをシショーと呼ばせてくれ!」

「わ、私も強くなりたい……です……」

『来る者拒まず、去る者は追わずだ! はたして拙者の修行についてこれるかは、保証書の対象外だがな?』

「望むところ! 私は強くなる、パークサイキョーのフレンズになるんだ!」

 

 アードウルフとヒグマのニンジャ特訓の始まりだ! それは、動物に由来するワザではなく、「ヒトの遺した武術」を後天的に身につけること!

 まさにヒトの体でしか使えない「フレンズの技」を習得することに他ならないのだ!

 

 そして、道場には見覚えのある顔が!

 

「あっ、ハンターさんでござる。ご無沙汰にてござる」

 ニンジャフレンズ、パンサーカメレオンである!

 

「お前は“黒いセルリアン”と戦った時に会ったな」

「ふふふ、拙者も新たな技を見につけるでござるぞぉ……見るでござる、拙者のこの“とんふぁー”捌きを!」

『カメレオンは樹上生活に適応したけもの也……その木の枝を握る本能を生かして戦えるのが、このニンジャの武器、トンファーだ!』

「あぁ~拙者、今すごく……シノビっぽいでござるぅ……」

 

(パンサー)の名を持つ故に、樹がお前の武器だ! 今こそ豹になるのだっ!』

「がお~ぅ、でござる! たぁーっ!」

 

 トンファーの4刀流! 両手だけではない! 木の枝を掴むことも可能な「第5の脚」である尻尾にも武器が! また、高速で射出可能なカメレオンの舌と同様の働きをする髪の毛でも、トンファーを扱っている!

 

『ヒョウだ! お前はヒョウになるのだ!』

「なめたらあきまへんでぇ~! いてこましたる~! 奥歯ガタガタ言わしたるでござるよ~!」

 

「こいつはすごいぜ!」

 ヒグマも舌を巻くほど! パンサーカメレオンのトンファーの技!

 

 

 そして! 下水道の奥に作られた、神社の鳥居のような謎の施設!

 

『集まれい! 皆の衆! 現刻(いま)より特別訓練を開始(はじ)める! トランスフォーム!(ギゴガゴギゴ』

「おお! シックスショット・センセイの“ちくわ撒き”の修行でござるぞ!」

 

 6つの変形形態のひとつ「レーザーガン」に変形し、銃口から「サンドスターちくわ」を連射するシックスショット!

 混じって発射される鉄アレイを避け、ちくわを集める! 動体視力と反射神経、瞬発力を鍛える、日本の伝統的なニンジャ・トレーニングなのだ!

 

「(ドゴンッ!)いたぁいっ!」

 飛んできた鉄アレイが後頭部に直撃するアードウルフ!

 

 ニンジャ修行は続く!

 だが、シックスショットの真の目的は一体何なのだろうか!?

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

 さて、その頃、さばんなちほーの荒野に作られたサイバトロン臨時基地では!

 コンボイ司令官が科学者パーセプターとともに、倒したセルリアンが残した体組織を分析していた!

 

 サイバトロンきっての研究者・パーセプターは、顕微鏡に変形するトランスフォーマーである! その高倍率ロングスコープは、望遠鏡や長距離ビームバレルとしても使用可能だ! 顕微鏡モードにはキャタピラがついていて、いざ戦いとなれば、超遠距離でも狙撃可能な火力を持つ自走砲として大活躍!

 

『プレパラートにあるのは、あのヘビ型セルリアンの尻尾の先端部分の組織です。この器官の独特の形状を観察して下さい、司令官』

『どれどれ……』

 

 顕微鏡モードになったパーセプターの接眼レンズを覗くコンボイ!

 

『ここに観察できるのは細胞死(アポトーシス)の痕跡。言い換えれば、トカゲの尻尾切りや節足動物の脚のように、末端部分での母体からの切断、自切を行ったことを示唆します。より生物学的に正確な言い方をしますとね、コンボイ司令、クラゲやヒドラといった比較的原始的な生物には、出芽と呼ばれる、無性生殖のメカニズムがありまして。あの個体、セルネイクは母体から成長して、捕食・繁殖のために離れたものだと推測されます。一般的な生物学の例から考えますと、本体部分は分離体よりも遥かに巨大なものだと予想されますがねぇ~……』

 

『つまり早い話、どういうことなんだ? パーセプター?』

 パーセプターの研究者特有の長話に、しびれを切らして尋ねるコンボイ!

 

『(ギゴガゴガゴ)結論から簡潔に言いますとね、あのセルネイクは、より大きなマザー・セルリアンから分離した体の一部に過ぎないわけですよ!』

『何!? つまりセルネイクの親となる、巨大セルリアンが存在するのか!?』

 

 フレンズとサイバトロンが協力し、辛うじて一体を倒すことがやっとであったセルネイク……なんと、さらに強力なマザー・セルリアンの「本体」が存在するという、恐ろしい事実!

 

 

 

 一方、基地の外では、フレンズたちが、ホイルジャックの新発明のお披露目会を開いていた!

 

『じゃじゃーん! これぞ、新しいサイバトロンの一員“テレトラン(ビースト)”だよ!』

 

 見よ! パークの管理ロボット「ラッキービースト」の予備ボディパーツを使い、サイバトロンの高性能コンピューター・テレトラン1の能力を組み込み、通信・分析機能を強化した、ウルトラ情報管理ロボット、それがテレトラン(ビースト)なのだ!

 

「うわあぁ~! かわいい! かわいいっ! ボス! 新しいボスだぁ!」

『ヨロシクネ、リカオン』

「しかも! 僕に話しかけてくれるっ!(鼻血」

 

 リカオン大興奮!

 

『かばんに付き添っていたラッキービーストの新しいボディなのさ!』

『アリガトウネ、ホイルジャック。コレデ、久シブリニ、自由ニ動ケルヨ』

「前のボスはお昼の空の色だったけど、新しいボスは夕方の空の色と同じ! かっこいいね!」

『ほーんと! サイバトロン・エンブレムがよく似合ってるよ! おニューのボディなんて、オイラうらやましいよ~』

 

「体を無くしたラッキーさんに、ホイルジャックさんが新しい体を作ったんだよ!」

「つくったぁ~っ!? すっごーいっ!」

「そんなことができるなんて……トランスフォーマーさんって本当に凄いですね……」

 

『カバン、サーバル、コレカラモ、ドウカヨロシクネ。コノ新シイ体デ、フレンズノ為ダケデナク、サイバトロンノ為ニモ、頑張ルヨ』

「はい! 3人でまた一緒に冒険できますね!」

 

「ボス、最近フレンズにもすっごい喋るね!」

『TFガヤッテ来テカラハ、ズット、パークノ“非常事態”ダカラネ……オヤ、コンボイ司令官カラ、緊急周波数ノ連絡ダヨ。一体何事ダロウネ……』

「あ~ボスかわいいよぉ……」

 

 ところが! この会話を密かに偵察している者がいた!

 そう、デストロンの空中攻撃兵、コンドルである!

 

 

 

 ここは、海底にあるデストロンのジャパリパーク臨時基地!

 メガトロン、スタースクリーム、サウンドウェーブがサイバトロンの様子を観察中だ!

 

『サイバトロンめ……ラッキービーストとかいうロボットを改造洗脳して、新たな味方を作りおったか……』

『あんな原始的なロボット! 恐るるに足りません! オレたちTFに比べたらキャラメル……いや、ガムのオマケみたいなもんですぜ!』

『イヤ、LBドモハ、謎ガ多イ連中……侮レバ、痛イ目ニアウゾ……』

『ふふふ……では奴らに対抗して、我々も味方を作りにいくとしよう!』

 

 メガトロンの言う、デストロンの新しい味方とは!?

 

『メガトロン様……コレガ例ノ、最近巷デ流布シテイル広告デス』

『スタースクリームよ……このチラシを見るのだ。どうやらあのシックスショットがパークに来ているらしいのだ……』

『おお! 日本かぶれの、変わった流れ者デストロンがいるってのは、前々から聞いたことがありましたが……』

『フフフ……こやつはフレンズどもを集めて、良からぬことを企んでいる様子……その計画、ワシらも一枚かませてもらうとしよう!デストロン軍団、出発だ!』

 

 シックスショットに合流せんとするメガトロン一味! 海底基地から出発だ!

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

 ところ変わって、件の下水道のシックスショット道場では!

 

 書をしたためる「ウグイス」のフレンズ!

 筆を巧みに操り、様々な漢字を書くウグイス! 道場の床の間に飾る掛け軸を目下制作中なのだ!

 

(色即是空)

(臨兵闘者皆陣烈在前)

 

「こういうのはいかがでしょうか? かっこよくて掛け軸にぴったりですよ?」

『むむむ……ニンジャ道場のインテリアとしては、どの言葉もパッとしないな……あれだ! “アニメーション”と書くのは如何か?』

「えぇ……へんなの……なんなんですかそれは……」

『さて、拙者は弟子どもに指導をしてしんぜよう! トランスフォーム!』

 タンクモードに変形して、下水の側溝を走り去るシックスショット!

 

 そして!

 

「きゃあああ!!」

『アードウルフーッ! 逃げてはならぬッ!』

 

 なんと! バトルカー(たたかうくるま)モードのシックスショットがアードウルフを追い回しているのだ!

 

『車に立ち向かうのでござるーっ!』

「(ドンッ)う゛っ!!」

 突撃アタックを受けるアードウルフ!

 

「……やっぱり私にはムリです……セルリアンと戦うだなんて……」

『弱音を吐くのでない! アードウルフ!』

「わ、私には……力も素早さも無いし……すごいフレンズの技もありません……」

『立て! 立つのだ!』

「私には……何もないから……逃げることしかできません……」

 

『……けもののアードウルフにとっては、逃げることが最良にして、唯一の手段であろう……』

「うぅ……」

『だが、お主はフレンズの身! 己の身を護る術を身につけようとは思わぬのか!』

「…………」

『まあ、時間をかけて、よく考えてみることだな……』

 

 この特訓風景を影から見るものがいた! 道場のニンジャ・フレンズたちだ!

 

「アードウルフさん、すごく落ち込んでるですぅ……」

「わたくしたちで、どうにか助けてあげられないでしょうか?」

「でもなー、あたしたちじゃ励ましてあげるくらいしか……」

 

「ほっとけよ。他人が口出しできる問題じゃない」

「ヒグマどの……そうは言うでござるが、拙者たちでも、話し相手になってあげるとか……」

「“自分の身を守る手段”なんて、自分で見つけるしかないだろ」

「それはそうなんですけど……でも、シックスショット師匠には、きっと良い考えがあるはずです……!」

 

 

 

「はぁ……」

「……(ペロペロ」

 

 ここは、下水道の奥の空き部屋! 他のフレンズと違って、自分の戦闘スタイルを見出せず、落ち込むアードウルフ! そこへ近づいてくる野生動物、ツチオオカミ! 自分の同種のフレンズの顔を、その長い舌でアリ塚を探るように、舐め始めたではないか!

 

「キミは優しいね……」

「……(ペロペロ」

 

 アードウルフは、以前にさばんなちほーで大型セルリアンに危うく食べられそうになった経験がある! その時の恐怖のトラウマが、彼女の戦闘意欲を下げているのであった!

 

「ううん! こんな優しい子に甘えてちゃダメだよね! 私も頑張らなきゃ……! 自分の身は自分で守るのがパークの掟だもの……」

 

 そこへ現れる、ひとりのフレンズ! 

 

「きゃっ! ヒ、ヒグマさん!」

「そんなに驚かなくてもいいだろ……頼みごとがあって来た。お前にしか頼めないことだ……」

「は、はい……」

「私のヒミツを言うぞ……ここだけの話なんだが……実は私……()()()()()()()()()()()()()()……」

「え、えーっ! そうだったんですか!?」

「だ、誰にも言うなよ! ハンター仲間にもヒミツなんだからな!」

 

 北海道、アイヌ民族の伝承に「ヒグマはヘビを嫌う」とある! 実際、ヒグマに遭遇してしまったら、縄やベルトなどヒモ状のものを振り回して追い返すという風習があったのだ!

 

「こーんな小っちゃいヘビでも、見ただけでビビってしまってな……も、もちろんハンターチームの前じゃあ、平気にしているけどな!」

「うふふ……すごく強いヒグマさんにも、そんな弱点があったんですね……なのに、あのヘビのセルリアンから私を助けてくれましたね……」

「ハンターなんだから、当然だ。それに、あれはサイバトロンや他のフレンズの助けがあっただろ。私は、もっと強くならないといけないんだ!」

「ハンターさんは、心も強いんですね」

「そこでだ! お前のそのパートナー、そいつの“長い舌”を借りたいんだ!」

「え……この子の舌を……ですか?」

「代わりに、私のセルリアンハンターの技術を教えてやるから」

 

 さあ!

 

(ペロペロペロペロペロペロ)

「お゛ぉ゛わ゛ーーっ!!」

 

 ツチオオカミの舌で体を舐め回されるヒグマ! これは、シロアリ食をするツチオオカミの長い舌を、ヘビの攻撃に見立てての訓練なのだ!

 

「頑張って下さい! ヒグマさん!」

(ペロペロペロペロペロペロ)

「ぬっ!! ぬ゛う゛ぅぇぁーーっ!! 負けるもんかぁーっ!! 私はサイキョ―だぁぁぁっ!」

 

 

 

 ふたりが対ヘビ対策の特訓をしている頃、シックスショットは弟子のアードウルフのことを考えていた!

 

『うぬぬ……拙者は如何致すべきか……皆目見当つかぬ……』

 考えてはいたのだが! 妙案は全く無かった!

 

『拙者にできることは……神仏の加護にすがるほかあるまい……』

 

 先ほどちくわ撒き特訓を行った神社へと赴くシックスショット! しかも! 今度は花や線香やロウソク、酒樽を携えての参拝なのだ! 花はパークの自然から! 線香とロウソクは売店から! 酒はジャパリまん製造工場で調理用の「ジャパリ酒一升瓶」なるのを頂戴(ちょいちょい)してきたモノである!

 

 祠のまわりの掃除をした後、レーザーガンで灯明に着火! 献花、献香! そして、脚を組んで座り、両手の掌で三角形を作る……この東洋の神秘的なポーズは座禅の作法なのだ! さらに、不思議な呪文を唱え始めるシックスショット!

 

『バー・ウィップ・グラーナ・ウィー・ピニボン……』

 

 下水道の滝に打たれながら座禅をして、異国的な真言を唱え続ける!

 これは、アードウルフが「身を護る力」を身につけられるよう、願掛けをしているのだ!

 

『コウモリ・アマモリ・オリタタンデ・ハテハテ・オリオリ・スリスガター……』

 

 しばらく座禅の滝行を続けていると……魔訶不可思議な事が起こった! なんと! お宮の祠から、キツネのフレンズが現れたのである!

 

「ふう……現世に現れて、誰かとお話するのなんて、久しぶりですね……」

 耳に尻尾……足袋に下駄、片方の太腿に結んだ紐……その容姿は和装の白いキツネのフレンズに他ならないが、えも言われぬ神々しさに満ち溢れているのだ!

 

『おお、ジャパリパークでは神仏の類もフレンズになるとは! 其の御姿……貴女は稲荷神の眷属にあらせられるか?』

「そうです。私は、かつて皆から“オイナリサマ”と呼ばれていた存在。もっとも、その名を知る者もパークから少なくなって久しいですが……」

 

 信心深いトランスフォーマー、シックスショットは思わず正座をして合掌するのであった!

 

『……このジャパリパーク、やはり神仏への信仰心が消えて久しいのか……末法の世であるなあ……』

「でも、こうしてあなたに祈祷を捧げてもらったおかげで、フレンズの姿になってお話できるわけです。長い間話すのは無理ですが……」

『神仏も、かのような苦労をするとは、難儀な時代よのう……』

「シックスショットさん。願い事をしにいらしたあなたに言うのも申し訳ないのですが……たってのお願いがあるのです」

『ややや! これはけったいな! 神が拙者のようなTFに頼み事とな!』

「すみません……あなたしか、私と話せる方がいないので……」

 

 申し訳なさそうに話を続けるオイナリサマ!

 

「……実は今、パークに恐ろしい危機が迫っております。それは、私のこの神社に関係のある話……長い間、この下水道に封印されていた“ヘビのセルリアン”が今、目覚めようとしているのです!」

『むぅ! オイナリサマ殿! 体が消えかかっているぞ!』

 

 下半身から段々と、オイナリサマの肉体が消えかかり、虹色に輝く立方体にその姿を変えていく!?

 

「ああっ! もう時間が……この祠の、サンドスター・パワーに満ちた“かがみもち”をお渡しします! 上手く利用して、戦いを有利にして下さい! そして、あなたがたTFがパークにやって来た理由も……TFとフレンズは、全てもとを正せば同じ――……」

『オイナリサマ殿ォ!』

 オイナリサマの姿はたちまちに消え、あとには静寂のみが残された……。耳を澄ましても、聞こえるのは下水道の水音のみ。

 

 祠の扉を開けて中を探るシックスショット。

『“かがみもち”とはコレか……ジャパリまんの一種のようだが、長い時を経ても腐らぬのは神仏のなせる業か……それにしても、オイナリサマ殿の言っていた“ヘビのセルリアン”とは一体……!?』

 

 

 

 一方その頃、書道を続けていたウグイスは!

 

(遊びは文化 宝)

 

「うん! これはなかなか……良い作品ができました……」

 

『邪魔するぜェ!』

 だが、下水のレンガ壁を破壊して現れるデストロン軍団だァーーッ!

 

「わあっ! お行儀が悪いですね! フスマを開けて入ってきてくださいよ!」

『ピィピィうるせえぞっ! さえずるなっ! スズメフレンズめ!』

 

『乱暴はよさないか、スタースクリーム……ワシは破壊大帝メガトロンというものだ。それにしても……この場所では、下水道の豊富で安定した排水を利用して、大規模な水力発電を行っているようだな……いやあ、たいへん興味深い』

 

「そのじぇ……“じぇねれーたー”は、この辺をナーバリにしているシックスショットという方が作ったんですよ」

『ほう、ただのニンジャかぶれのオッサンだと思ってたが、中々やるじゃねえか!』

『……水力発電でエネルギーを補給し、さらにフレンズを集めてニンジャ軍団を育成しようとは、まったくユニークな作戦だ!』

『ニンジャか……あのポンコツの“ナイトバード”軍団を、フレンズで編成しようってワケですね……』

 

「今は皆さんお出かけ中ですが、ここでお待ちになりますか? お茶でも入れますよ?」

『おお、これはありがたい』

『のんきに一服してる場合ですかァ? 爺婆の趣味には付き合ってらんねえぜ!』

 

 

 

 煎茶を淹れるウグイスであったが、そこへ!

 

 テレトラン(ビースト)とサイバトロン戦士たちの登場だ!

『僕ノ、セルリアン・センサーノ反応ハ、コノ辺リダヨ』

 

『おお! お前はメガトロン! 今回の事件はお前の仕業だったのか!』

「“カフェ”を飲んでるよー、いいなぁ~」

「飲んでるのは“お茶”だよ、サーバルちゃん」

 

 さあ! 戦いの火ぶたは切って落とされようとしている!

 

『メガトロン! 巨大セルリアンの眠る地下でフレンズを集めて、一体何を企んでいるんだ!?』

『何を言っているのだ!? コンボイ! 巨大セルリアンとは一体何のことだ!』

 

 両軍の対峙! 緊張状態が続き、すわ戦いか、と思われたその時! 排水溝の奥の暗闇から迫りくる、おぞましい数の水音っ!

 それはヘビ型セルリアン、セルネイクの襲撃! それも狭い下水道の穴から何匹も出てくるのだ!

 

『ホアァァ!』

『オオッ! 何なのだこいつは!』

 

 これがオイナリサマの話していたヘビの怪物なのか!?

 どうなる!? フレンズ!? トランスフォーマー!?

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

【トランスフォーマー解説:08】

 

ID:D-98 デストロン 忍者参謀 シックスショット / Sixshot

トランスフォーム:Shot-1 ロボット忍者 /Shot-2 ロボット狼 /Shot-3 高機動装甲車 /Shot-4 突撃戦車 /Shot-5 SFジェット機 /Shot-6 SFレーザーガン /Shot-7 ???????

主兵装:強襲用デュアルハンドガン

副兵装:SF手裏剣

体力:10 / 知力:9 / 速度:4 / 耐久力:9 / 地位:7 / 勇気:8 / 火力:9 / 技能:8 / キャラ変わり度:10 / 役職の意味不明感:10

座右の銘:「倒す価値のある敵が存在してこそ(Life is worth living only as long as there)、生命は生きるに値する( are enemies worth destroying.)

 

 造りがすごく平べったい、すごく変形遊びに特化した形になっていて、ディティールは粗めで「見立て変形」じみていまして、トランスフォーマーというイメージから少し、また外見上だと離れているような玩具です。6つの変形形態(+隠し形態や俺変形)で遊べるわけですから、プレイバリューは最高です。余剰パーツが無いのも良いですね。

 

 アニメ「ザ☆ヘッドマスターズ」本編では、サイバトロンNo.2のウルトラマグナスなんかを叩きのめす、というか本当に死んじゃうぐらいの、分身技と精密射撃と暗殺術を持っています。HMってポンポン旧キャラが脱落しますね、マグナスはあの「ザ・ムービー」でバラバラになっても平気だったのに……。

 

 海外版HMの「ザ・リバース」では、海外設定の「単独TF強襲隊 S.T.A.G. (Solo Transformer Assault Group)」として多段変形を披露して一騎当千の活躍しますが、1話のワンシーンにしか出てませんし、全然忍者っぽくもなかったりします。

 

 HMの前半後半でキャラ違いすぎ……クロームドームの親友を血祭りにするくせに、ダニエルと仲良くなったり……っていうふうに言われています。これは玩具の出来が良くてよく売れたので、その煽りを受けてキャラが変わったというウワサ。あとNo.2のライバルっぽく登場したわりには、絡んでる回は少ないですね。まあマグナス本人が出番が少ないので……。

 

 ちなみに、「トランスフォーマーV」のグレートショットは、彼と同族の「シックス一族」らしいです。時代劇風の喋り方も声も同じなので、同一人物という説もあります。この辺の話は、TFレジェンズの付属漫画に色々書いてありますよ。なお後年、「勇者警察ジェイデッカー」のシャドウ丸の玩具の元ネタになったりしてます。

 

 デストロン、サイバトロンと渡り歩いた数奇な運命。TFから勇者シリーズへの架け橋。謎多き孤独なTFにして、男の友情に厚い男。姿形だけでなく、キャラや設定までもが変幻自在なTFが忍者参謀シックスショットなのです。

 

『君は説明書を読まずにトランスフォームできるかな?』

 

『拙者を友と思ってくれたのは……ダニエルが初めてだ……ありがとう……』

 

はいけい:こうかのさと にんじゅつむら(しが)

こえ:いけみずみちひろ おにいさん

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

 ここは、ジャパリ暗渠の最深部! パーク全土の雨水が集まる、超巨大な地下放水路だ!

 

 そこに鎮座ましましているのは、超大型の名状しがたい多頭蛇セルリアン! ヘビ型セルリアンの発生の根源! おぞましき触手の集合体! なんと冒涜的であろうか! 名付けてコレ、神格クラス・セルリアン「セルヒュドラー」である! サイバトロンとフレンズが協力して葬った眷属、あの「セルネイク」などは、しょせんは地上に放った一尖兵にすぎぬ存在だったのだ!

 

 さあ! 永い眠りから復活したセルヒュドラーとの、負けられない戦い! セルヒュドラーが完全に覚醒し、地上で繁殖してしまえば、ジャパリパークのフレンズに未来は無いのだ! おまけに甲殻類型セルリアン「セルキャンサー」もこの戦いに駆け付けたぞ!

 

『メガトロン! こうなったら、一致団結して戦うしか生き残るすべは無いぞ!』

『全く忌々しいが……お前の言うとおりだ! 手を組んでやろうではないか、コンボイ!』

 

 パーク未曽有の危機に対して、サイバトロン・デストロンの共闘である! 陣頭指揮を取るのは、コンボイとメガトロンの2大司令官! 

 

「広い場所で戦ってはまずいです! セルヒュドラーの首を一体ずつ、トンネルの中に誘い込んでから、集中攻撃で叩きましょう!」

「オッケー! かばんちゃんっ! みんなっ、セルリアンの毒に注意だよっ!」

 

 戦術家として活躍するヒトのフレンズ、かばん! 得意のジャンプで、セルリアンを引き付ける囮役を買って出るのはサーバルだ!

 

『イジェ~~クト! フレンジー・ランブルハ、俺ニ続ケ! コンドル・バズソー・ラットバットハ、各自散開シテ、首ヲ遊撃! ジャガー・スカウトロボハ、トンネル誘導ノ、囮ノフレンズノ、援護ヲシロ!』

 

 カセットロン部隊も総動員の構えだ!

 

「シュリケンの術でございます!」

「マキビシの術でござるよ!」

「亀の脱皮! “はーふしぇる・ていくおふ”ですぅ!」

「「わんわんっ!」」

 ニンジャ・フレンズの猛攻を見よ!!

 

「なんか騒がしいと思ったら……すごいことになってますぅ……」

「おいおい、これって結構ヤベーんじゃねーか!?」

「なんとも蛇ィー(ヘヴィー)な相手ですね……」

「私たちも一緒に戦いますよ! 皆にメガネの加護のあらんことを!」

 下水に暮らすワニフレンズも参戦だぁ!

 

『ワシの“融合カノン砲”を喰らえ! 下等生物めが! 今だ! コンボイ!』

『目障りなヘビめぇ! その多すぎる頭を切り落としてやる!』

 

 一体の首を必殺の「エナジーアックス」で叩き切ったコンボイだが! なんと! あっという間に根もとから新たな頭部が再生してしまうのだ!

 

「傷口を火で焼けば、再生を防げるかも……ダメだ……火がつかない!」

『くそぉっ! オレのヒートビームも、これじゃマッチの火同然だぜ!』

 かばんの松明や、デストロン航空兵・サンダークラッカーの火炎放射も、この下水道の高い湿度の中では使用不能に陥ってしまったのだ!

 

『ニャァーッ!!』

『ぐわぁ~!! 助けてくれぇ~!!』

『メ、メガトロン様ぁ~!! アンタがリーダーでしょうがぁ! さっさと何とかして下さいよぉ~っ!』

 セルヒュドラーの毒牙を受け、戦線離脱を余儀なくされるジャガーとスカイワープ、スタースクリーム!

 

(ドゴーン!)

『オォウ……スカウトロボ……』

 アナコンダのような強力な胴締めによって破壊され、爆発四散するスカウトロボ2世(ザ・セカンド)

 

『う゛わ゛ぁぁーーっっあぁあーーーーっっう゛え゛ぁあぁー―――z____っっっ!!』

『た、たまらん! なんちゅうやっちゃあっ!』

 

「こ、こんなのに勝てるんですかぁ……」

「地上へセルリアンを逃がすわけにはいきません! なんとかしてここで仕留めなければ!」

 

 セルヒュドラーの強靭な治癒力、圧倒的なパワーに、フレンズ・TF軍は苦戦を強いられる! 次第に消耗する連合軍側に対し、滝の如く地上から注ぎ込む水流から生命力を得るセルヒュドラーは無敵!

 

 連合軍の全滅は時間の問題か! と思われたその時!

 

 

 

『デストロン忍者参謀シックスショット! 義によって助太刀いたす!』

「キンシコウ! リカオン! 待たせたな!」

「リーダー!」

「ヒグマさん!」

 

 トンネルから満を持して登場するジェット機と肉食獣のフレンズ!

 シックスショットとヒグマの参戦だぁぁぁっ!! (アードウルフもいる)

 

 ふたりの闘い! たあっぷりご覧いただこうッ!

 

『六射流忍術・六道変化の術!』

 

 シックスショットの6つのモードの分身体が現れ、飛び回って何かをあちこちに運んでいく!? なんと、運んでいるのはあの酒樽だ!? 一体どういう事なのか!?

 

『カカカカ! サンドスター入りの酒だ! 蟒蛇(うわばみ)に飲ますにはちと勿体無いがな!』

 

 セルヒュドラーの首がこの酒を浴びると、まるで酔っぱらったように動きが鈍くなったではないか! つまり、皮膚から酒中のサンドスター・エタノールが取り込まれることで、水分子の吸収を妨げ、サンドスター・ロー受容体の作用を阻害しているのだ! エネルギー不足による反射反応により皮膚吸収が活発化するが、ますますアルコールを取り込んでしまう悪循環の生理現象!

 

 さあ、各々の首を眠らせることにより、連繋を分断することに成功だ!

 

 そして! サウンドウェーブのスイッチをいじるシックスショット!

 

『ナ、何ヲスル!』

『我が弟子の晴れ舞台なのだ! いい曲を流して士気を高めるのでござる!』

 

(負けるものか! デストロン! 力の限り戦うぞ――……)

 サウンドウェーブのスピーカーから大音量で流れる戦意高揚のBGM!

 

『これぞ日本的演出にて候! お前らアメリカかぶれのTFには分からんのでござる!』

 

 さあ! ヒグマの大活躍!

 

「どぉりゃあっ!」

 

 ヒグマの超パワーの突き上げ掌底が炸裂する! 拳を振り下ろす野生のヒグマの習性に反した、まさにフレンズの姿ならではの技! セルリアンの顎を突き上げてから後頭部を地面に叩きつける! 相手の自重により威力を増大させる「最強クマクマアッパー」だ! アスファルトより幾倍も固いコンクリート舗装の地面すらも武器なのだァッ!

 

「よーし、効いてるぞ! そして、蛇に勝つには蛇の力だ! 私の“ぬんちゃく”の技を食らえ!」

 

 見よ! アードウルフとの特訓で編み出した必殺技! ヘビの蛇行の柔軟で自由自在な動きを取り入れた、ヒグマの新武器! 小ぶりの熊手のハンマーをふたつ、けものプラズムの鎖で結んだ「最強クマクマヌンチャク」だっ!

 

 変幻自在! 手数の多いヌンチャク殺法でセルヒュドラーを追撃するヒグマ!

 

 

 

 そして! ツチオオカミを胸に抱かかえるアードウルフだが!

 

(ど、どうしよう! ……わ、私も戦わないと、この子もセルリアンに食べられちゃう……! そんなことさせない! ……ヒグマさんは言っていた……「けものの時の力を使え」って……)

 

『アードウルフーッ!』

「シックスショット先生!」

『この“オイナリかがみもち”を食べるでござる! これは神の功徳のあるジャパリまん! お前の野生の力を高めてくれようぞ!』

「はいっ!」

 

 さあ、オイナリサマのサンドスター・パワーを得たアードウルフ! 輝く瞳は「野生開放」の証! 自らの思い描く必殺技が今、セルヒュドラーに繰り出される!

 

「お゛え゛ぇ゛~~~!!」

『おお! これは毒霧、しかも超強力なものにてござる!』

 

 たっぷり見てくれ! アードウルフの口から噴出される白い毒ガス! 実際の動物のアードウルフは、タテガミに臭腺を持っていて敵に対して強力な臭いを放つという! これを発展させたフレンズの技なのだ!

 

 この毒ガスの元は、アードウルフのみが好んで食べるという「シュウカクシロアリ」! ひと晩で30万匹も食べることがあるという! この有毒シロアリの毒を体内で生物濃縮させた、必殺の生物兵器なのだ!

 

 名付けて「毒々シロアリブレス」だ!

 

 密閉空間でこの必殺技を受けては、セルヒュドラーはひとたまりもなかった! また、先ほどのシックスショットのアルコール散布が、毒の吸収を速めたのであろう!

 

(ギャオオオーーッ……)

 

 

 断末魔を上げて次々と打ち倒れていくセルヒュドラーの首……全滅だ!

 セルキャンサーは戦いの最中にTFに踏まれ、いつのまにか倒されていた。

 

 闘いは終わった!

 ジャパリパークのニンジャたち! フレンズ・ドーの勝利だ!

 

「アードウルフ! すっごーい!」

「シノビっぽいでござるぅ……!」

 

「すごい技だ……お前、やるじゃないかー」

「い、いえ、ヒグマさんのおかげです……そして先生のおかげ……あっ、シックスショット先生!」

 

 第7の姿「ウイングウルフ」モードで飛び去るシックスショット!

 

『大儀なり、アードウルフ、ヒグマ、そして我が愛弟子フレンズたち……見事な技の数々、とくと拝見させてもらった! 皆これにて、シックス流ニンジャ道場の卒業生とする!』

「ど、どこへ行かれるのですか!? シックスショット先生!?」

 

『拙者もまだまだ修行中の身! この広いジャパリパーク……さらなる見知らぬ場所にて修行を積んで参る! 拙者も、フレンズ流の“けものの生き方”を学ばせてもらったぞ! さらばだ! 我が弟子であり師匠であるフレンズたちよ!』

「せ、先生ーっ!」

 

(フフフ……この戦いで自信がついたか、アードウルフよ! これからも精進せよ! ……自分自身の力で生きるというのはフレンズだけではない、我々TFもそうだ! この宇宙の全ての生き物の掟なのだ!)

 

『あっ、おい待たんか! シックショット! デストロン軍団! ヤツを追えーっ!』

 

『ありゃ? 逃げていくぞ? あのニンジャのデストロンは一体何だったんでしょうね~、司令官?』

『さあ? 私にもさっぱりだよ、バンブル』

 

 こうして、シックスショットはキョウシュウを去っていった……。

 だが、フレンズとTFの修行は終わることはない!

 

 生き残るため、進化せよ! フレンズ道はけもの道と見つけたり!

 

 皆! これからも、フレンズとトランスフォーマーのことを応援してくれ!!

 

の の の の の の の の の の の の

 

 さて、激しい戦いは終わって、訪れた束の間の休息……。あの気弱だったアードウルフは、戦う自信をつけてから、その後どうなったのであろうか?

 

 見てくれ! アードウルフが「アリ塚ともだち」のオオアリクイ、タテガミオオカミ、アリツカゲラとアリトークをしている!

 

「クロを食べると、お腹壊しちゃいますもんね……」

「うむ! アリはやはりシロに限る!」

「今度、さばんなちほーのいい物件を紹介しますよ~」

「うん! アリ塚ですると、ひんやりして気持ちいいよ!」

 

「は?」

「え……?」

「え゛!」

 

「お゛え゛ぇ゛~~~!!」

 

「「「ぎゃぁーっ!! なんかでた~!!」」」

 

 ……こうして、しばらくの間、アードウルフは何かの拍子に、ショックでうっかり毒ブレスが出る体になってしまい、ますます人見知りが悪化して大層苦労したそうな……。

 

【次回、お楽しみに!】

 

の の の の の の の の の の の の

 

【けものフレンズ情報:07】

 

 今日のけもフレvsTF、面白かったかな?

 さて、今回のけものフレンズ情報は、爬虫類について見てみよう!

 

水上奇襲兵 ガリアル / Gharial

分類:爬虫綱ワニ目ガビアル科インドガビアル属インドガビアル

レッドリスト:EX/EW/[CR(絶滅寸前)]/EN/VU/NT/LC

 太古の昔、2億年以上前、中生代三畳紀に進化した爬虫類が「ワニ」だ! 鳥類と遺伝子的に最も近い爬虫類なのだ! 

 さて、ワニの仲間は、大きく分けてアリゲーター科とクロコダイル科の2つに分類される! 外見ではさほど区別できないが、クロコダイルのほうは、「鱗板」と呼ばれるウロコの1枚1枚に、温度を感知する「穿孔(ピット)」という穴状の器官があるのが特徴だ! これは、温度の安定している水中を生活の場とするアリゲーターに対して、温度変化の激しい陸上環境で主に活動するクロコダイルが、温度差に敏感に反応して能動的に狩りを行うために進化させた結果と言われている! 他にも、高度に進化した肺呼吸システムや、常時生え変わる歯など、水辺の肉食生活に適応した生態がワニの特徴である!

 南北アメリカ・中国揚子江を中心に8種が分布するアリゲーターは、ずんぐりむっくりな口先をしていて、比較的大人しいと言われている! なお、カイマンというのは比較的小型のワニで、アリゲーターの一種だ!

 そして、アフリカ・中南米・インド・東南アジア・オーストラリア北部などに14種が生息するクロコダイル科は、スマートな口先をしていて全体的に凶暴な性格をしているぞ!

 さらに、ガビアルの仲間は「インドガビアル」一種のみ。インド・ネパールに棲む、口先が尖った変わり者のワニだ! オスの場合、細い鼻先にコブがついているという、変なワニがガビアルなのだ!(ガビアル科はクロコダイル科に含めるという説もあり)

 日本ではペットのワニが逃げ出してしまって野生化する事件が少なくない! 「イリエワニ」は、過去に八丈島や西表島で目撃例がある! そして鹿児島県瀬戸内町、奄美群島の加計呂麻島(かけろまじま)では、東南アジアから海流に乗って漂着したイリエワニが発見された!(2017年10、11月) なお、1974年にもワニが捕獲された記録がある(この個体は地元の資料館で剥製になっている)。さらに歴史を遡れば、幕末の1850年ごろ、薩摩藩士名越左源太(なごやさげんた)が奄美大島の様子を記録した資料「南島雑話」にも挿し絵つきで現地でワニを捕まえたという話があるのだ!

 なお、日本で最も簡単にワニが目撃できる場所のひとつは、静岡県東伊豆町「熱川バナナワニ園」だ! 世界各地17種類のワニに出会えるほか、日本でもココでしか見られないニシレッサーパンダやアマゾンマナティーといった珍しいけものにも会えるぞ!

 

水陸防衛兵 レッドストリーク / Redstreak

分類:爬虫綱カメ目ヌマガメ科アカミミガメ属アカミミガメ

レッドリスト:EX/EW/CR/EN/VU/NT/[LC(軽度懸念)]

 カメの話をしよう! カメとは、2億年以上前、中生代・三畳紀にワニや恐竜から分かれて出現した、甲羅を持つ爬虫類のことだ!

 あの甲羅は背骨や肋骨が発達してくっついたものなので、脱げたりはしないぞ! そして首の筋肉が発達しているため噛む力が強く、現生種のカメにはクチバシがあるのが特徴だ! また、ワニガメやカミツキガメ、スッポンなど、イメージに反して素早く攻撃的な種も多いぞ!

 体の構造で大きく分けて「曲頸類」と「潜頸類」に分けることができる! 「曲頸類」は原始的なカメで、首を横に曲げて甲羅の中に入れる、完全には頭を隠せないカメだ! 今では南半球にのみ生息していて、希少種が多いぞ! 対して「潜頸類」とは、新しく進化した、首を真っ直ぐ後ろにS字型に畳んで引っ込めることができる、いわゆる「普通のカメ」だぞ!(オーストラリアでは曲頸類のほうが一般的なのだが!)

 アカミミガメについては、日本では亜種の「ミシシッピアカミミガメ」が有名だ! 幼体は鮮やかなグリーンの、いわゆる「ミドリガメ」として、ペットショップで流通している! だが、成長するにつれて体色は黒っぽくなり、体長は最大30cm以上にもなって、気性も荒々しくなるため、しだいに飼うのは難しくなるぞ! 非常に生命力が強く、不幸にも捨てられたペットが野生化することは珍しくない! 在来種のクサガメやニホンイシガメ等を追い出してしまい、生態系に大きな影響を与える等の問題となっている!

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

『「PPP&デストロン予告っ!」』

 

(動物朋友 対 変形金剛)

「なにこれ?」

「さっき、ウグイスの奴が持って来たんだ。“けっさくのかけじく”なんだってさ」

「ぜんぜんわからん~」

 

「それはともかく! 今日は“フレンズ化”について予習するわよ!」

「火山から噴き出すサンドスターが“動物”や“動物だったもの”に当たると、フレンズになるんですよね」

「でも、“機械”がフレンズになったこともあるって、前にジャイアント先輩が言ってたぞ……」

「この前はTFがフレンズになったわけだけど、それについてもけっこう謎だぜ~?」

「う~ん、もしかしたら“いのちのある”ものなら、何でもフレンズになるのかもよ~?」

 

 

 

『けしからん! シックスショットのやつめ! ……ワシら本家デストロンに挨拶無しでどこかへ行ってしまうとは! 武士道かぶれのくせに、礼儀をわきまえぬ奴だ!』

『下水道ノ、発電ジェネレーターモ、セルヒュドラーノ出現デ、破壊サレテシマッタ……』

『あのですねェ~、あんないい加減なよそ者に頼ろうってのが、そもそもの間違いなんすよぉ! 頼る相手なら、未来のデストロンのニューリーダー、このスタースクリームを頼って欲しいもんですなぁ!』

『大口を叩くでない! この愚か者が! そういう事は、立派な戦果を挙げてから言うセリフだぞ! バカモノめが!』

 

『くそ~! メガトロンのやつめ! こうなったらオレ様も一丁、ドデカい作戦を成功させて、ほえ面をかかせてやるぞ! その為には……やはり、SWのように優秀な部下が必要だ! スカイワープやサンダークラッカーじゃ当てにできねぇぜ! ……そういや、あのサンドスター火山の中腹に、人間の兵器のジェット機の残骸が落ちていたな……くくく、オレ様の考えが正しければ、こいつは利用できるぜ! 見てろよ~! メガトロンめ~!』

 

次回、【第9話 スタースクリーム・フレンズ!】

なんと! デストロンの新メンバーは……フレンズ!? 

あのスタースクリームに、残虐非道・冷酷無比の新たな部下が!?



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第9話 スタースクリーム・フレンズ!!

 さて、今日のけもフレvsTFは! パーク近海の海底の様子からお目にかけよう!

 

 ジャパリパークの火山島、キョウシュウ島の湾岸部「キンコウ湾」……そこには硫化水素などの火山性ガスが海底から噴き出す「熱水噴出孔」が数多く存在する! 分類不明の謎の生き物、ジャパリ・ハオリムシなどが生息するこの謎多き場所は、地元の海獣フレンズからは「たぎり」とも呼ばれ、火山性サンドスターの放出量もまた膨大である!

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

【Episode 9: Do What You Wish (汝の欲することをなせ)】

 

『よし! 熱水タービン・ジェネレーターを作動させるのだ! ビルドロン部隊!』

 

 見よ! 熱水噴出孔から噴き出すエネルギーを利用せんがため、デストロン軍団が海底に発電装置を敷設しているのだ!

 ビルドロン師団に指示を出すのは、メガトロン、スタースクリーム、サウンドウェーブの3名だ!

 

『へへへっ! 面白いようにエネルゴンキューブが出来ていきますぜ~、メガトロン様!』

『全くジャパリパークには資源がごろごろしているわい! エネルギーに満ち溢れるこの“熱水噴出孔”は、生命起源の場所と言われているのも納得だな……惜しむらくは、現時点ではこのエネルゴンキューブをセイバートロン星に送ることができないという事だが……』

『我々TFノ、時空移動ノ原因、並ビニ、コノ未来ノ世界ノ状況、目下調査中ダ。元ノ世界トノ通信、マダ回復ノ目途ガ立タナイ』

 

 さて、デストロン軍団がエネルギーの発電に精を出す間、予想だにしない者が海中を遊泳して様子をうかがっていたのである!

 

『コンドルカラノ警戒警報! 気ヲツケロ! 近クニ侵入者アリ!』

『くそぉっ! 何者だ!? 姿を現しやがれ!』

『待たんか! おい! スタースクリーム! 深追いするでない!』

 

 海底に潜む3体の謎の影! 一体何者なのか!? その正体を確かめんと、海中を追いかけるスタースクリームだが!

 

「あははっ! キミも泳ぐの得意なんだねっ! あたしはマイルカ! よろしくね!」

「私はバンドウイルカだよ! ねえ、あなたは何のフレンズ?」

「わたくしはシナウスイロイルカと申します。“音を見て”いたら、あなたがたを見つけましたの」

 

 海底の偵察者の正体は、イルカのフレンズ達だったのだ!

 

 音を見るというのは、イルカのわざ「エコーロケーション」! 水面下の世界では、音の伝導速度は空気中の4倍以上、視覚より聴覚に頼るほうが効果的だ! イルカは頭の上の鼻腔から「クリック音」という種類の超音波を出し、これを「メロン体」と呼ばれる脂肪の塊を通して指向性を持たせて前方に発信して、その音の反射を顎の骨で受け耳で聞くのだ! これにより、水中の障害物や動物の位置を感知するほか、仲間同士の交信を音波を通じて行うこともできる!

 

「ねえ、お友達になろうよ~! 一緒に遊ぼうよ~!」

「友達だから、これあげる! “人魚の財布”っていうの! きれいでしょ!」

「うふふ、大きいお友達というのも、悪くありませんものね」

 

 さあ、この誘い、どうする? スタースクリーム?

 

『オレを馬鹿にするんじゃねえや! 誰がお前らフレンズどものお遊戯会につきあうかってんだ!』

「きゃっ! いたーい!」

 

 イルカフレンズを掴んで、海底の巨大コンブ、ジャイアントケルプ(オオウキモ)の林立する「ケルプの森」に投げつけるスタースクリーム!

 

『さっさと帰りやがれ! オレ達は忙しいんだ!』

「あーっ! ひどいよー! 髪飾りを落としちゃった~!」

「ひどーい! らんぼーう! 髪の毛引っ張られたー!」

「や、やめて下さい! どうしてこんなことをするんですか!」

 

『お前らが近づくとなぁ~、オレ様の輝かしいボディが魚臭くなるんだよっ! とっとと失せろっ!』

 

「わあーん! おかあさんに作ってもらったヒトデの髪飾りが~!」

「なによーもうー! ひどいねー! ほんと失礼だよ! あたし遊ぶのやだ!」

「みなさん、こんな野蛮な人は放っておいて、イロワケイルカちゃんと遊びましょう!」

 

 怒りながら海の奥へと消えていくイルカたち!

 

の の の の の の の の の の の の

 

『けっ、全く下らねえぜ……うおっ! な、なんだこの揺れは!?』

 

 海底を襲う大振動! これは大災害の前兆か!? 天変地異の前触れなのか? いや、そうではなかった!

 

「このぉ~! あなたですね! うちの子たちをいじめたら許しませんよ~!」

 

 なんと! これは「シロナガスクジラ」のフレンズが海底に体当たりして、地震を起こしているのだ!

 

 フレンズ対TF! 海底の戦い! だがそれは、もはや戦いとは呼べぬ一方的なものであった!

 

『うわぁーっ! こ、この野郎~、止めねえか!』

「さっき、うちの子たちにひどいことしたでしょう! お仕置きですよ~!」

「こいつめ~! そんなに大きな体して、小さい子をいじめるなんて恥ずかしいと思わないのかっ!」

 

 全長26m! 体重100t以上! 46億年の地球史上最大の動物! それがシロナガスクジラだ! そのパワーを受け継ぐ、フレンズクジラの超パワフルな頭突き! 身の丈7mの金属の塊、スタースクリームを海中で吹っ飛ばす威力! 守護けもの……神格クラスのフレンズに匹敵するパワーには、ひとたまりもない! そして、長いツノが具現化した武器のスピアーで鋭い追撃を加えるのは「イッカク」だ!  

 

『うぎゃあ~! や、止めてくれ~! もうフレンズにひどいことしねえからよぉ~!』

「その言葉、本当ですね……みんな、仲良くしないとダメですよ」

「私の妹達にまたらんぼうしたら、許さないからな!」

 

 戦いは終わった……クジラ偶蹄目のフレンズの圧倒的勝利だ!

 

『く、くそーっ! あんな小娘どもに、最新鋭TFのこのオレ様がやられるなんて……』

『おっ! やっと追いついたぞ、スタースクリーム! 何を泡を食っておる! 一旦基地へ退散するぞ!』

『サッキノ地震デ、発電装置、故障シタ。修理物資、足リナイ』

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

 海底臨時基地に帰還したデストロン一行!

 

『ちくしょう! なんてパワーだ、イルカどもめ! ジャパリパークじゃ、あのけもの同然の原住民の“フレンズ”どもがやりたい放題ですぜ!』

『スタースクリームよ! 我々のいた時代の人間どもを、お前も知っておろう……スパイクやチップ、スパークプラグ……フレンズは知能こそ低いものの、あのヒトに勝るとも劣らぬ身体能力に加え、野生由来の“フレンズのわざ”を持つ!』

 

『けっ! ちぃっとばかし強力だからって、たかが未開の有機生命体の分際で、いい気になりやがって!』

『うかつに連中に戦いを仕掛けるなど、愚か者のすることだぞ!』

『だが、小娘どもにおべっか使ってご機嫌取りなんて、オレはゴメンでさぁ!』

 

『そこがお前の未熟なところなのだ、スタースクリーム。わざわざ余計な戦闘をしかけて何になる? 欺瞞、懐柔、脅迫……無駄な武力を使わずとも、単細胞のフレンズどもを支配してエネルギーを強奪する方法など、いくらでもある』

 

『相変わらず、まどろっこしいやり方がお好きのようですなァ!』

『フン! ならば貴様の考える、サンドスター・エネルギー採取の“冴えたやり方”とやらを、見せてもらおうではないか!』

『望むところだ! タンマリとエネルギーを持って帰ってきてやるとも! そしてオレ様こそがデストロンのニューリーダーにふさわしいと、アンタに認めさせてやるぜ!』

 

 さあ! ジャパリパークの資源を我が手中に収めんとするスタースクリームの野望!

 いったいどうするつもりなのか!?

 

『だが、エネルギー集めはひとりじゃムリだぜ。よ~し、まずは部下どもを集めるか!』

 

 まずは基地内のデストロン兵士に声をかけて仲間を集めようというのだ!

 

 

 

『スカイワープ! サンダークラッカー! お前ら、オレ様のエネルギー収集について来い!』

『やーなこった! お断りでい! お前さんの作戦じゃあ~、信用できねえってモンよ!』

『スカイワープの言うとおりだぜ。アンタの“保護者”としてメガトロン様がついて来るってんなら、話は別だけどなぁ!』

『な、なんだとぉ~! てめえら~っ! オレはお前らの上官だぞ!』

『てやんでい! 誰がてめえなんかのおマヌケな命令に従うかってんだ! ナハハハ~!』

『なあおいこいつ、怒りのあまり、顔の放熱装置がオーバーヒートして、表情回路のヒューズが飛びそうだぜぇ~!』

 

『く、くそーっ……覚えてろよ~! お前らがサイバトロンにやられて死にかけた時は、容赦なく捨てて置き去りにしていってやるからなぁ~……』

 

 他にも仲間を誘うスタースクリームだが、その結果は無残なものであった!

 

『ちっ……SWは“スカウトロボ”の修理中だとか言うし、カセットロンどもは偵察任務に出動中、ビルドロンは海底発電装置の修理中で、リフレクターはパークの航空写真の編集で忙しいときやがる……』

 

 

 

 

 結局、スタースクリームについて行こうという部下は、だれひとりとして集まらなかったのである! みんなやることがあって忙しいのだ!

 

『ちくしょう……みんな馬鹿にしやがって……たとえオレ独りでもやってやるぞ!』

 

『……そうだ! フレンズだ! サンドスターのエネルギーを使ってオレ様のフレンズを作ってやる! あのいけ好かないフレンズどもを忠実な部下にできるなんて、我ながら良い考えだぜ! 善は急げだ! 早速“フレンズのもと”を探しに行くぞ!』

 

の の の の の の の の の の の の

 

 そしてここは「ジャパリ自然史博物館」! 化石や剥製、標本の蒐集の充実具合においては類を見ない、まさに地球生物史の殿堂である! そして今は、訪問客のツチノコとビーチコンバーが館長(キュレーター)のマンモスに案内されているのだ!

 

 ツチノコは考古学に造詣の深いフレンズであり、日夜パークの考古学的遺産の研究を行っている! サイバトロンの研究者ビーチコンバーは、専門の地質学のみならず、地球科学や古生物学の知識においても右に出る者はいない!

 

「うおほっはぁーっ!! はっくぶつかぁん!」

『それもふつうの博物館じゃない。とてつもなく、でかぁ~い博物館だよ』

「んな、なんてぇすっげぇ場所なんだァーっ」

 

『保存状態の良い収蔵品の数々……いやぁ、素晴らしい。ジャパリパークは“生命だったもの”の宝庫でもあるのか……』

「ふふふ……この“がくげいいん”の私がご案内しますよ。生命の神秘をたっぷり閲覧していってくださいね」

 

「フハぁっ…‥ま、まさにヒトの遺した遺産の山じゃないかぁ……」

『これは、一日中見て回っても飽きないだろうねぇ』

「一日じゃあ、とても全部見切れないですよ。それと、迷子にならないように気を付けて。ここには隠し扉や秘密の通路がたくさんありますから……」

 

 だがそこに! 博物館の知の静寂を打ち破る影っ! 壁を打ち壊して入ってくるスタースクリームだァ!

 

「あーっ! 展示室の壁が~! 展示物に直射日光は厳禁なのにぃ!」

『悪いが入場チケットは持ってねえぜ!』

「なぁなな何だァ! お前ェえ!」

『お前はスタースクリーム! お願いだから、館内で戦うのはやめてくれ! ここにはたいへん貴重な博物学標本がたくさんあるんだ!』

 

『ククク、別にお前らと戦いに来たワケじゃねぇぜ……もっとも、仲良くお勉強会をするつもりもないがな! オレ様のナルビームを食らえ!』

 

 見よ! スタースクリームの持つ「ナルビーム」の威力! 殺傷能力こそ無いが即効性の麻酔効果があり、相手を行動不能に陥らせる恐ろしい兵器なのだ! 強力なフレンズパワーを持つマンモスですら、瞬時に全身が麻痺してしまうのだ!

 

「お、お客様ぁ~……か、館内の展示品に直接手を触れるのはご遠慮ください~……」

『へへへ、オレ様はお客様じゃないからなぁ~……遠慮なぁ~く、何でも持ってかせてもらうぜ!』

 

 博物館の中を物色するが、はたして目ぼしいものは!?

 

『おお~! こいつぁ良いモンを見つけたぜ! 軍用の猛禽類の剥製に、軍用犬の首輪だぞ!』

 

 軍用の猛禽というのは実在する! 第2次世界大戦の頃、伝書バトを多用する英軍に対し、ドイツ国防軍がタカを使って襲撃したことに端を発する! 日露戦争では宮内庁の鷹匠の軍事利用が検討されていたそうだ! また現代では、フランス空軍やオランダ警察で、ドローン(小型マルチローターヘリコプター)の襲撃用に猛禽類が使われている!

 

 また、軍用にイヌを使役する例は世界各国、枚挙にいとまがない! ここにディスプレイされているドッグタグは、かつてジャパリパークで秘密の任務に就いていた個体のものであるらしい!

 

『強そうなノコギリだなぁ! このノコギリザメの標本ももらってくぜっ!』

「だめ~! レプリカじゃなくて本物なんですよぉ~!」

『じゃあな!  あばよっ!』

 

 博物館から飛び去って行くスタースクリーム! これからどうするつもりなのか!?

 

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

 一方、さばんなちほーの片隅のサイバトロン基地では! サイバトロン戦士たちとフレンズが「テレトランビースト」の映像再生能力を使い、動物ドキュメンタリー番組を楽しんでいた!

 

(だからこういうことなのよ。タローはハナコと浮気をしていて、ハナコはジローと不倫の関係。そしてジローは――)

『ア……“おしどり夫婦ロマン劇場”ヲ一時停止シテ、野外調査中のコンボイ司令官ノ、緊急連絡ヲ見セルネ』

 

 テレビ番組の再生を中断するテレトランB! かばん、サーバル、マイスター達の残念がる声!

「え、えー!」

『タローとハナコとジローは!?』

「この後がいいのにぃ……」

『ホントだよお……』

 

 さて、コンボイの緊急の報告とは!?

 

(博物館がデストロンの襲撃を受けた! ツチノコとビーチコンバーからの無線連絡によると、スタースクリームが収蔵品の動物標本などを強奪しているらしい)

 

『それは不思議ですね、司令官。ヤツは何故そんなものを集めているのでしょうか?』

「ジャパリパークの自然が好きになって、フレンズさんやけものさんのことをもっと知りたくなった、とか……?」

『いや、アイツの頭の中身は悪事でいっぱいである方に、私のPPPチケットを賭けてもいいがね!』

 

(今パワーグライドにヤツを尾行させている! マイスター、かばん、サーバル、テレトランB、君たち4人も、至急出かけて欲しい! 他のサイバトロン戦士たち、インフェルノとグラップル、ブロードキャストは待機! 基地の警備任務と、周辺の警戒に当たってくれ!)

 

「はい、了解しました! コンボイ司令官!」

『これは、司令官の右腕の私の出番だぞ!』

「私もりょーうかーいっ! かばんちゃん、一緒にがんばろうねっ!」

 

『ちぇ、俺も一緒に行って戦いたかったよ! あのクソったれジェット機の(ノーズ)をへし折ってやりたいぜ!』

『そうボヤかないの、インフェルノ。私は、フレンズに頼まれている“がっこう”作りに、ホイストと出かけてくるからねぇ』

『基地の防衛なら俺っちと“カセットボット部隊”にお任せ♪ ナウいPPPのイカす新曲をギンギンに流しちゃうぜ~♪』

 

『向こうについたらまた連絡するよ、ブロードキャスト。ではサイバトロン戦士、トランスフォームして出動!』

 

 ポルシェ・935ターボに変形するマイスターに乗るかばん・サーバル・ラッキー! スタースクリームの野望を阻止せんと火山へと赴く!

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

 所変わって、空飛ぶスタースクリームを尾行する攻撃機A-10サンダーボルトII! これはミニボット空中戦士「パワーグライド」のTFした姿なのだ! お茶目でお調子者のサイバトロンだが、任務遂行に対する忠実さにおいては他の戦士たちに全く引けを取らない!

 

『なんだありゃあ~? どおいう風の吹き回しなんだぁ? スタースクリームのヤツ? あんなガラクタなんか集めちゃってぇ!』

 

 己のフレンズ軍団を組織せんと、精力的に活動するスタースクリーム!

 彼が次に向かった目的地は! 皆さんおなじみのサンドスター火山! 実はこの山には、はるか昔に墜落した軍用機の残骸が残っており、その調査に来たというわけだ!

 

『くそっ、外装甲はボロボロだし、メインコンピューターの回路が無くなってしまっている。所詮は人間どもの幼稚な技術で作った軍用機だな。ここまで状態が悪いと、流石に使うのは無理か……ん……あれは一体何だ?』

 

 遠方に何かを発見するスタースクリーム! 山腹に爆撃機のようなものが存在するではないか! 

 

「これは傑作(マスターピース)ですね! この“ひこうき”は本物と区別がつかない出来です!」

 

 その問題のステルス機! なんとそれを作ったのは、鳥のフレンズ「ニワシドリ」! まるで芸術家のような風貌の、おフランス系・シャレオツ・フレンズなのだ!

 

 さて、スタースクリームが遠くから認めたステルス爆撃機、これはニワシドリの制作した作品であった! フレンズの体になった彼女は、木の枝などを集めて飛行機の模型を作り、彩り豊かな拾い物でカラフルに飾り付けたというわけだ! 本物より断然小さいのだが、なかなかディティールに凝っている!

 

『なんだこいつァ! 枝や藁でできたオモチャの飛行機じゃねえか!』

 独りで勝手に憤慨するスタースクリーム!

 

「そこのカラフルなアナタ、ワタクシのゲージツを理解できて? 素晴らしい出来栄えでしょう!」

『チッ……なんでこんな紛らわしいものを作ったんだよ?』

「それはですねー、この辺りのフレンズに伝わっている昔話がありますのよ」

『長い話はよしてくれよ!』

 

「まあまあ……むかしむかし、このジャパリパークで、セルリアンがうじゃうじゃ現れる大災害がありました。というのも、サンドスターの火山がおかしくなり、セルリアンの巣へ通じる穴が出来てしまったからです。パークを救うために、大きな平たい鳥“ひこうき”が火山の口にたくさん燃えるフンを落として、セルリアンの巣穴を塞ぎました。でも、大きな鳥はその時にお尻を火傷して死んでしまいましたとさ……火山の地下にずっと閉じ込められたセルリアン達が暴れるせいで、噴火が起こるというワケです」

 

『なるほど……それは過去にパークで起こった実際の事件を、フレンズ達が語り伝えたものに違いないな』

「そういうわけで、ワタクシはとしょかんで本を調べて、ニセの“ひこうき”を作ってますのよ。本当の“ひこうき”が仲間と勘違いして、降りてきてくれるかもしれないでしょ。パークの救った大きな鳥、一度は生きているのを見てみたいもの。あの山の向こうに落ちている黒い“ひこうき”、アナタご覧になったでしょ?」

 

『これは人間の学者が言う所の“カーゴ・カルト”って奴か……ニセの空港や滑走路まで作って、兵隊の真似をして、全くご苦労なモンだぜ!』

 

「“カミは細部に宿る”とは言いますでしょ?(博士が言ってたけど、どういう意味かしら」

『でもなんでこんなにカラフルなんだ? あの飛行機は黒一色だろ?』

「それは……アレはメスだから地味な色なんですー! オスはきっとこんな素敵な色よ! ふふ、それにしてもアナタ、なかなか見る目がありますわね!」

 

(どうやら、火山周辺の地元のフレンズには、奇妙な「信仰」があるらしい……一丁、こいつを利用してやるか! 過去の記録を調べていたら、人間の「信仰」がフレンズになったという例もあるそうだしな! ダメモトだぜ!)

 

『よぉ~し! この飛行機はこのオレ様、スタースクリームが頂くぞっ! トランスフォームッ!』

 

 ジェット機モードに変形し、ニワシドリの“ひこうき”をマニピュレーターで掴んで強奪するスタースクリーム!

 

「あーっ! 持ってっちゃダメぇ! ワタクシの最高傑作がーっ! ……ってわぁー! あの人“ひこうき”になったぁー! あの方自身が“ひこうき”だったのね!」

『あばよ! お前の作品の出来の良さを恨むんだな!』

 

「や、やはりこれは、ワタクシのゲージツがユウシキのコウズカのヒヒョウカのカブキモノに認められた結果なのねっ!(ユウ(シギ)のコウ鹿のヒ豹科のナマケモノって、どういうけものなのかしら?」

『代金なら、このミサイルで支払うぜっ!』

「(ドゴーン)ゲージツ~! バクハツ~!」

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

 さあ、猛禽類の剥製、軍用犬のドッグタグ、ノコギリザメの標本、ニワシドリの作った飛行機の玩具……これらの物品をサンドスターに当てて、陸海空を制圧可能な強力な直属フレンズ部隊を作ろうというのが、スタースクリーム発案「恐るべきフレンズたち計画」なのだ! 果たして、この計画は上手くいくのであろうか!? サンドスター火山の火口へと赴くが!

 

『よし! あとは火山からサンドスターが噴火するのを待つだけだぜ!』

 

 だが!

 

『アレハ、デストロンノ、スタースクリームダネ。ジェットロン航空参謀、永遠ノNo.2ナンダヨ』

『サイバトロン戦士!! アターック!!』

「うみゃぁみゃーッ!」

 

『うおっ! いつの間にサイバトロン!』

 

 ドアから飛び出したサーバルのディスアーム・クローアタックが、離陸前のスタースクリームのナルビーム砲を叩き落とす! 最も脅威となる銃を無力化するという、デストロンとの戦闘経験を積んだサーバルの判断力! 空中からパワーグライドの航空援護を受け、スタースクリームを地上に釘付けにすることに成功したぞ! サーバルの放つストンピング空中殺法、「烈風のサバンナふみふみ」を見よ!

 

 そして、頼れるぅ♪サイバトロン副官マイスターの乱れ撃ち! レースカー形態からTFし、遮蔽物に隠れて光子ライフルをファニングしての早撃ちクイックドロー! ブラックのウェスタン・スリーピースに身を包んだ、西部のクールなガンマンを思わせる戦いだ!

 

 両軍のNo.2同士の対決! 高い戦闘能力を持つスタースクリームだが、戦況は数で勝るサイバトロン側の有利であった!

 

『それぇ~い! みんなでスタースクリームをスクラップにしちまおうぜぇ~い!』

『ジャパリパークの大地に金属の骨を埋めろ、スタースクリーム! お前の腐った心も良い肥料になるだろうよ!』

 

『くそ~っ! 多勢に無勢とはこのこと! かくなる上は……一か八か! これでどうだっ!』

 

 なんと! 意外にもスタースクリームのナル・パチンコが発射されたのは……サンドスター火山の火口!

 巻き起こる噴火! 流れ出る溶岩と飛び散る火山弾! 大自然の脅威の前に、戦いは中断されたのだった!

 

「うわあっ! サーバルちゃん! 木に登ろう!」

「きゃぁっ! あついぃっ! あついよぉっ!」

 

『かばん、サーバル、早く俺っちに乗りな! 救助活動ならこのパワーグライド様におまかせだぁい!』

『フタリトモ、軽イ火傷ヲ負ッテイルネ。僕ノ“治療装置”デ、応急処置シテアゲルヨ』

 

『く……かばんとサーバルを安全な場所へ逃がさないと! パワーグライド、一時退却だ! トランスフォーム・アンド・リトリート!』

『命拾いしたなぁ、スタースクリームめ~! この勝負はお預けだぞゾ、っと!』

 

 

 撤退するマイスター! パワーグライドはA-10攻撃機に変形し、かばんとサーバルを収容して飛び去って行く!

 

『へへ、これで邪魔者はいなくなったぜ……さて、火山のエネルギーをエネルゴンキューブに入れて、苦労して集めた“フレンズのもと”にサンドスター当てるとするか……』

 

 だが、スタースクリームのこの不審な行動を見逃さなかったのは、かばんである!

「スタースクリームさんは、また何か良からぬことを考えていそうです……せめて置き土産にこれを! えいっ!」

 

 かばんは去り際にバックパックから何かを取り出し、頭上で振り回してから投げた! 回転しながら飛んでいき、スタースクリームの脚に絡みついたこの物体は「ボーラ」だ! 複数の石の(おもり)をバオバブの樹皮を裂いて編んだロープで結んだ、狩猟や護身用に使われる投擲武器だ! 先史時代の東南アジア発祥とされており、世界中に伝播して、カナダのイヌイット・南米インカ帝国・日本のニンジャ・中国のクンフーなどでも同様の物体が使われる! ヒトが野生動物より優れる身体能力のひとつ、投擲力を生かした武器なのだ!

 

『オアッ! 何をする! ああ~っ! オレ様の“フレンズ・アイテム”がっ!』

 

 ボーラに脚を取られて山頂で転んでしまうスタースクリーム! そして、かき集めた収集物は全て火口の中へ投げ捨てられてしまったのだ!

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

 そして! サンドスター火山の爆発だ!

 飛び散る溶岩弾に混じって、火口から飛び出てきたひとりのフレンズ!

『あれはフレンズだ! 生まれたんだ! 落ちてくる!』

 

「(ドグチャァッ!)……(ゴロゴロゴロゴロゴロ)……」

 

 岩場に勢いよく後頭部から落下して、激しく転がりながら、やがてその運動エネルギーが失われ静止、ぴくりとも動かないフレンズ!

 

『噴火のサンドスターで、火口に落ちた物品から1体のフレンズが誕生したようだが……こいつは爆発と墜落の衝撃で死んでしまったのか……?』

 

 はたして彼女の安否は!

 

「……さ、再起動中…………再起動中…………」

 

 なんと! 致命傷と思われたダメージから、無事に起き上がったではないか!

 

『おおっ! だ、大丈夫なのか、お前?』

「イエス。負傷部位、軽微です。歩行・飛行ならびに潜水機能に問題ありません。脳震盪および全身の軽度の骨折・脱臼・靭帯損傷、治癒継続中です」

『なんか理屈っぽい喋り方のヤツだな……お前は何のフレンズなんだ?』

「ラジャー。ネットワーク接続不可のため、スタンドアローンで内部データベースを検索します。ID確認中……所属および個体識別名、不明です」

 

『……まあ、確かによく分からない姿をしているからなぁ~、お前……』

 

 彼女の容姿をまじまじと観察するスタースクリーム! 一見イヌ科のフレンズを思わせる風貌ではあるが、翼や羽毛を思わせる髪の毛は、まさに猛禽類フレンズのそれだ! 加えて、軍服のような服装に背嚢、胴部のハーネスにくくりつけた雑嚢や弾薬ケースなどを見ると、WW2のドイツ軍の兵士のようである!

 

『ふーむ……オレが集めたアイテムは、軍用猛禽類の剥製、軍用犬の首輪、ノコギリザメの標本、ステルス爆撃機の玩具だったな。そして噴火のサンドスターで生まれたのが、この色々な特徴の混じった変なフレンズがひとり……つまり、コイツは動物や機械の要素が融合した、キメラのフレンズってわけか!』

 

「今の発言に関して質問があります。私を製造したのは、貴方なのですね」

『おうともよ! オレ様がお前の親にして上官だ! オレの名前はスタースクリーム! 超ロボット生命体トランスフォーマーの一派、デストロン軍団のニューリーダーなんだぞ!』

 

「ラジャー。製造者、兼上官、スタースクリーム様。役職、デストロン軍団・ニューリーダー。自分は貴方様の命令に何でも従います。まずは、自分に個体認識名をお与え下さい」

名付け親(ゴッドファーザー)になって欲しいってわけだな。よーし、“けもの”と“ステルス爆撃機”から生まれたお前の名前は“ビースト・ボム”……“B・B”だ!』

「個体呼称名B・B。登録完了です。これより自分は貴方様の指揮下に入ります。ご命令を、スタースクリーム様」

 

 イヌ科の走力、スタミナ、咬合力、忠誠心! 猛禽の飛行能力、強靭な脚力、鋭敏な視覚! ノコギリザメの潜水能力と切れ味鋭いブレード! そして、B-2爆撃機のステルス性と攻撃能力! これら、全ての能力を併せ持つスーパー・フレンズ! それがデストロン「陸海空獣爆兵B・B」なのだ!

 

『よーし一丁、お前のスーパーパワーを見せてもらおうか! サイバトロンの基地を襲撃するぞ! トランスフォームッ!』

「ラジャー。サンドスター充填開始。テイクオフ」

 

 サイバトロン基地へ逆襲に向かうスタースクリームと、その忠実な部下、野生動物と近代兵器のパワーを併せ持つ強力無比のフューザー戦士(フレンズ)B・B! 絶体絶命! サイバトロン!

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

 超! けものフレンンジング! トランスフォーマー!

 

 さばんなちほーのサイバトロン基地を襲う、デストロンの奇襲アタックだァァーッ!!

 襲撃をいち早く察知したのは、サバンナに聞こえる音や声を熟知し、著しく聴覚に優れるサーバル!

 

「なにあれ! なにあれー! 飛んでくるよー!」

『あっ! あれはスタースクリームと……鳥のフレンズなのか!?』

「でもあの姿はタイリクオオカミさんに似ています。イヌ科のフレンズさんでしょうか?」

『なんにせよ、あの“パタパタ犬”を、スタースクリームのヤローが率いているじゃんか~!』

 

 さあ、戦いだ! だが守備の不意をつく、攻撃側のデストロン・コンビの圧倒的優位性!

 

『やっちまいなァ~ッ! B・B! まずは手はじめに、ミサイル攻撃をお見舞いして連中を驚かせてやれ!』

「ラジャー。ミサイル攻撃、開始します」

 

 サンドスターを消費して「けものプラズム」により数個のミサイルを実体化させる! 空対地(エア・トゥ・グラウンド)ミサイルを小脇にかかえ、サイバトロン基地上空に急降下……! そのまま着陸した勢いで、ミサイルを持って爆走するB・B!? これは一体どういうことなのか!?

 

「えっほ、えっほ、えっほ」

『バッキャロめが!! なんで地上に降りるんだよっ! ミサイルは空から撃って使うんだ!』

「お?」

 

 突撃するB・Bだったが、地面の草に脚をとられ転倒! その調子にミサイルは信管を強く叩かれて爆発! 誘爆! 自爆! 吹き飛ばされるB・B!

「(チュドーン)……(ゴロゴロゴロ)……ば、爆撃、失敗しました」

『このばかっつら!』

「申し訳ありません。次の攻撃命令を。スタースクリーム様」

 

『くそー! 銃を使え! 機銃掃射でサイバトロンの奴らを慌てさせてやるんだっ!』

「ラジャー。光学式バルカン砲、具現化。給弾ベルト装填。発射準備完了」

 

 チェーンガンをバッグから出しなよ……とばかりに取り出したのは7.62mm口径ビーム・ミニガンだ! フレンズでも持ち運び可能な携行武器だが、その毎秒100発を誇る発射速度の光の矢の威力は、TFの兵器に勝るとも劣らないのだ!

 

『よーし、撃てーっ!』

「撃つー!」

 

 ガトリングの回転銃身が高速回転し、電動ノコギリのような金切り声を上げて発射される、レーザービームの五月雨! だが、その照準はスタースクリームを向いたままだった!

 

『ギャーッ!! オレに向かって撃つんじゃねえ! ホールド・ファイアー! このバカタレー!』

「すんません……」

 

 それにしても、B・Bのこの要領の悪さは、一体どういうわけなのか? おそらく、イヌ・ワシ・サメ・爆撃機それぞれの戦闘思考が混ざってしまい、思考制御が上手く働かないためと思われた! コンピュータに例えるならば、機能制御用のオペレーティング・ソフトが複数インストールされて、機能衝突を起こすようなもの!

 

 あるいは、けものの本能とメカの合理的思考の相性の悪さか? 誕生時に強く頭を打ったせいか? それとも、噴火時のサンドスターに、スタースクリームのナルビームが科学的反応を起こしたのか? はたまた、TFの生みの親・クインテッサ星人に知能を低く設計された、デストロンの宿命であろうか!? やはり、生みの親がスタースクリームなのが全部悪いのか!?

 

 なんにせよ、サイバトロン戦士とフレンズも、このおかしな状況に困惑の色を隠せなかった!

 

『なにやってんだろ、あいつら……』

「うーん、わかんないや! でもたのしそうー!」

「犬さんのふさふさのお耳に! 鳥さんのふかふかの羽! 尻尾ももこもこしていて……あっ! あぁ~……」

「よっ、よだれがすごい出てるよ! かばんちゃんっ!」

 

『スタースクリームのヤツ、とうとうデストロンをクビになって、コメディアンでも始めたのかね?』

『違いねえぜ! 頭脳回路がおめでたいアイツには天職ってやつだよ!』

『漫才コンビでも結成したのかなぁ~? ”ザ・ツリーボアズ”と同じように、PPPの前座くらいには、モノになるかもな~♪』

 

『くそぅ! くそぅっ! テメエ全然使い物にならねェじゃねーかっ!!』

「ハイ。お役に立てず申し訳ありません」

『サイバトロンの連中までオレを馬鹿にしやがってぇー! デストロン軍団、退却だぁっ!』

「ラジャー」

 

 戦い?は終わった……さばんなちほーを去っていくスタースクリームとB・B!

 

「あのフレンズさん、なんだったんでしょうか?」

『さあ、アイツが何を考えているのか、さっぱりだよ』

「よくわかんないけど、あの子は、すごいことが色々できるフレンズなんだね!」

『スタースクリームの新しい部下みたいだけど、頼りなさそうだね~』

『全くだ。あの様子じゃ、これからデストロンでやってけないよ』

 

 

 

 デストロン海底基地! ボロボロの姿のまま敗走し、基地に帰還したスタースクリームとB・Bを迎えるスカイワープとサンダークラッカー、ダージ、スラストだが!

 

『おっ! スタースクリームと女の子チャンが、デートからご帰館なすったぜ~!』

『ホントだ。コンドルの偵察カメラでお前らの戦いを見せてもらったが、全くお笑いだったぜ。笑いすぎてヒューズがぶっ飛びそうだったよ』

『やれやれ、何ともひでえ有様じゃねえか。まったく呆れたもんだ~』

『そのフレンズは何の材料から作ったんだい? お砂糖とスパイスと素敵な物だろうぜ! アハハ!』

 

 女性型トランスフォーマーがいないデストロン軍団は男尊女卑の傾向がある! B・Bへの風当たりは強かった!

 

『なんだとテメエら! B・B、お前も何か言ってやれ!』

「ハイ。自分のせいでスタースクリーム様にご迷惑をかけてしまい、本当に申し訳ありません」

 

『そうじゃねえ! コイツらにデカイ口叩かれて、悔しくねえのかよ!? お前の感じたままのコトを言うんだ!』

「ラジャー(ぐ~)……お腹が減りました、スタースクリーム様。怪我の回復と衣類の修復のため、ジャパリまんの補給をお願いします」

 

『ナハハハッ! 赤ちゃんはお腹が空いたからママのミルクが飲みたいってよぉ!』

『“オカマスクリーム”ちゃん、この子にオッパイでも飲ませてあげたらどうだい?』

『デストロンには、結婚退職や子育て支援制度は無いんだぜ?』

『航空参謀は止めて、漫才コンビに転職するのをオススメするがな! ワハハハッ!』

 

「あ、スタースクリーム様。膀胱から老廃物の体液を排出したいのですが、どこか適切な場所は……」

『『『『ぎゃはははっ!!』』』』

 

 堰を切ったようにあざ笑うジェットロン航空兵たち! ふたりを包む哄笑の渦!

 

『くそぅ~っ……くそぅっ! くそぅっ! ……B・B、テメエはクビだぁッ!』

「クビ」

 

『今日限り、デストロンはクビで引退だ! もう部下でも何でもねえ! どこへでも勝手に行っちまえっ!』

「クビで引退」

 

『そうだ! 金輪際戻って来るんじゃないぞ! テメエみてえなガラクタのポンコツ、その辺で野垂れ死んじまえばいいんだ!』

「ラジャー……」

 

 デストロンから追放されたB・B! 彼女はどうなってしまうのか!?

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

【トランスフォーマー解説:09】

 

ID:06 サイバトロン 副官(国内設定) マイスター / Jazz

トランスフォーム:ポルシェ・935ターボ(マルティーニ・レーシング仕様)

主兵装:光子ライフル

副兵装:ステレオサウンドスピーカー / フック付きワイヤー

体力:5 / 知力:9 / 速度:7 / 耐久力:7 / 地位:8 / 勇気:9 / 火力:5 / 技能:10 / 頼れるぅ♪度:10 / No.2度:10

座右の銘:「カッコよくキメられ(Do it with style or )ないならやるな、だ(don't bother doing it.)!」

 

 原語版ではジャズという名前で、性格もちょっと違い、陽気なおもしろ黒人のようなキャラになってるんです。というのも、原語版の声優さんはアメリカの黒人ミュージシャン「スキャットマン・クローザース」さんで、俳優として「カッコーの巣の上で」や「シャイニング」にも出演されてます。2010で副官の出番が無くなるのは、この方が亡くなられているからなんです。

 

 TFテレフォンによると、読書に凝っていて、意外にも名前に反してクラシックが好みだと言っていますね。この趣味の音楽を武器に変えた、大音響と閃光を広範囲に放つ必殺技「ミュージックアタック」はアニメ作中でも大活躍です。

 

 元ネタ玩具は、ダイアクロン・カーロボット「ポルシェ935ターボ」です。レースカー仕様のマルティーニ・ストライプがイマ~い! TV玩具CMでピンで出演したり、もうこの時点で破格に待遇が良い……玩具版マイスターは背中にウィングがあったり、「フリーゾンキャノン(スペクトルビーム)」なる肩ミサイルランチャーの装備があったりしますが、折り畳んだり外したりしてアニメ版の姿にすることができます。G1復刻商品を購入するなら、TFコレクション版よりアンコール版のマイスターがお勧めですよ。金型が変更されて、顔がイケメンになって屋根部分に固定用のツメが追加されたり、ゴーグルに塗装が加わっています。TFコレクション版は金型が古い方なのですが、設定やアニメの物語がまとめられた情報ファイルのオマケつきです。

 

 海外設定では、特殊作戦員(Special Operations Agent) や破壊妨害工作員(Saboteur)という役職なので、副官という割に出番が少ないのも納得です、玩具だと「AGENT MEISTER」ってたくさんシール貼ってありますし、テックスペックの値もそれっぽいですよね。でもその割に、コンボイのそばでNo.2っぽくしているシーンも多いような……ちなみに、影が薄いがサイバトロンマークのモデルでコンボイに次ぐ地位9の戦略家「プロール」と、出番が多く陣頭指揮を執ることも頻繁にあるコンボイ直属の警護員(ボディガード)「アイアンハイド」、司令官お付きの秘書「マイスター」、この3名がサイバトロンの最高幹部とされています。

 

 副官ファン必見の「32話 スカイゴッド」では、デストロンの副官たるスタースクリームと対決を迎えるんですけれども、No.2同士の闘争が激しくなったりして、喧嘩しているスタスクの首を絞めるわ「今日こそ息の根を止めてやる」っていうセリフといい、赤組並みの悪さをすることはあります。理性的で温厚でも、やはりサイバトロンのオイルが流れているんですね。もう1つの主役回「73話 サイバトロンの逆襲」ではサイバトロン全軍のピンチを救う大活躍するのですが、もともとTV未放映で、声優が片岡さんではないのがちょっと残念ですよね……。

 

 PS2のゲームではメインキャラのひとり。TFコレクションでは第1巻で発売。初代アニメ1話冒頭から登場し、あのユニクロン戦役を生き残り2010とHMにも出演する、すごい優遇されてるTF。マイケル・ベイに「一番死にそうにないキャラ」と言われたのも納得です。え、その監督の作った実写版? オォウ……そんなの知らないんですけど!

 

『このコンドルカセットで、デストロン達の好きなヒット曲でもひとつ聴きますか!』

『なかなかノれるじゃないの~! イェイ~!』

 

『雪だるまじゃないよ、スパイク。スノーロボットさ!』

『これこそが本当のロックンロールだけどね!(ノイズアタックで落石事故起こしながら』

 

はいけい:しゅとぅっとがると ぽるしぇはくぶつかん(どいつ ばーでん=う゛ゅるてんべるく)

こえ:かたおかこうき おにいさん

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

 キンコウ湾の海底部! 問題の熱水噴出孔では! 発電機材の修理を完了したデストロン軍団が熱水サンドスター・エネルギーの採掘を再開せんとしていた! それとは別問題だが、スタースクリームを叱責するメガトロン!

 

『この甲斐性無しめが! あのB・Bとかいうフレンズを勝手に追い出しただと!?』

『で、でもぉ……あのヤワちゃんフレンズでは、とてもデストロン兵士は務まりませんぜ!』

『サイバトロンの連中はフレンズと戦うのをためらうはず! 利用価値を見極められねば、No.1は務まらん! そんな風だから、友達のスカイファイアーには離反され、部下のコンバットロンには裏切られるのだぞ!』

『くっ……人の過去の失敗を蒸し返すのは止めて頂きたいですなぁ!』

 

 口論を続けるふたりであったが、そこへ突如! サイバトロンの逆襲だ!

 コンボイとともに、デストロン軍団を襲撃するマイスター、インフェルノ、グラップル、ビーチコンバー、ブロードキャスト! 迎え撃つのは、デストロンのジェットロン部隊とビルドロン師団だ!

 

『サイバトロン戦士、アターック! 撃て撃て―っ!』

『おのれ! 海の藻屑となれ、サイバトロンのウジ虫どもめ! 余が海の支配者であると教えてやるわい!』

 

 さあ! 戦いだ! 海底での静かな水中戦をご覧いただこう! 爆発物や光学兵器の威力が落ちる水中では戦況は膠着し、しだいに至近距離での格闘戦に待ちこまれていったが……!

 

 

 

 ところがである!

 

 鋭く異変を察知したのは、鋭敏な地質探査用センサーを持つ、ビルドロン採掘兵スカベンジャーだ!

 

『おい、スカベンジャーよ、さっきからなんだか水が熱いような気がしねえかい?』

『実際に水温が上昇しているのさ、スクラッパー!』

 

 デストロンの熱水噴出孔からの強引なエネルギー採掘と、シロナガスクジラの岩盤への体当たり、そしてスタースクリームが火山の火口に放ったミサイル攻撃の影響が、密かにパークの地下のマグマの活性化を促していたのである! その結果! この近くに眠っていた海底火山「すざく」が目覚め、大噴火を控え、周りの海の水温も急上昇していた! ジャパリパーク諸島は、海底火山の噴火と隆起によって生じたと言われている! 海底に眠る大火山が噴火すれば、ジャパリパークの滅亡は必定!

 

 さらに、この水温上昇によって集まって来た者たちがいたのだ!

 

『うおおっ! 何だ! この下等生物どもは!? 早くワシを助けんか、バカモノ!』

『メ、メガトロン様!』

 

『ホアアアーッ! こ、この触手は一体!?』

『司令官! こいつらはセルリアン! それもすごい数です!』

 

 深海に棲息する謎の触手を持ったセルリアン「セルテヅルモヅル」である! ヒトデやウニ、ナマコなどの棘皮動物の一種、深海生物「テヅルモヅル」の輝きを持つセルリアン! 幾何学模様・フラクタルを想起させる、幾重にも無数に枝分かれした触手により、移動と捕食を行う! 動きは緩慢だが、触手が切断されても急速に再生が可能で生命力は非常に高い! 海底の温度変化により大終結した、暴徒と化したセルテヅルモヅルの大軍団が、所属を問わず両軍のトランスフォーマーたちを蹂躙するっ!!

 

 間近に迫る海底火山の噴火!! 恐怖の触手セルリアンの大群!!

 パークとTFたちはどうなってしまうのか!?

 

 

 

 一方! デストロン基地を放逐されたB・Bは! 空腹状態のまま浜辺に横たわっていた!

 そこへ偶然現れたのは、カワラバト(ドバト)のフレンズだ!

 

「くるぽっぽー……あっ! あんなところに鳥の子がいる!」

「…………」

「し、死んでるの……?」

「ノー。生きてます」

 

「なーんだ、よかったー。私はカワラバト。でも、あなた、怪我してるね、羽もボロボロだし」

「個別認識記号、私の名前、B・B。空腹によるサンドスター飢餓状態。損傷の回復、および外装の修復、不能。歩行・飛行、不可能」

「ほえ? ビービーちゃん? よおするにー……お腹が空いてキズが治らないし、動けないのよね? 私のジャパリまんを食べなよー」

 

「ノーサンキュー。お気持ちは有難いのですが、遠慮します。こうして(グー……)お腹を空かしている最中なのです、お気遣いなく」

「ええー! 食べなかったら、サンドスターが無くなって、もとの動物に戻っちゃうんだよ!?」

「ノー。自分は古い剥製などから生まれた身。ガラクタから生まれたものが、元のガラクタに戻るだけです」

「じゃあ死んじゃうってことじゃない! それなら、なおさらだよ! せっかく生まれてきたのに、どうしてそんなこと言うの!?」

 

「自分は“死ぬ”という命令を受けました。上官の命令、絶対服従」

「ほええー!? どういうことなのか全然わからないよー!! 誰がそんなひどいこと言ったのか知らないけど、そんなのってないよ! それはきっとチョットけんかしただけだよ? 言葉のアヤってやつでしょ。まー、とにかく食べなって」

「ム……つまり、自分の命令解釈ミスの可能性……それならば、有難く頂戴いたします。もぐもぐ」

「ジャパリまん、ボスからもっともらってくるよ!」

 

 そして!

 

「破損部位、再生完了。ありがとうございます、カワラバト様。次の問題は“クビで引退”になった自分は、誰にお仕えして、何をすればいいのか……ご意見お聞かせ願えないでしょうか?」

「ううーん……そんなのテキトウでいいじゃないかな?」

「ラジャー。適当……つまり、それは個人の裁量、自由意志。上官より部隊から外された場合、指揮権が自分自身に移動……」

「あはは、難しくて何言ってるのかわからないやー。でもまあ、フレンズの体になったんだから、人生を楽しんだらいいんじゃないかなー」

「人生を楽しむ……」

「そうだよぉ~。おいしい物を食べたり、好きなだけ寝たり、友達とお話したり。この身体でしかできないことをするんだよ~」

「この身体でしかできないこと……」

 

 

 

「これ、オリーブの首飾り、作ったの! あげるよ!」

「ありがとうございます。おお不思議。これをつけると、マジックショーのBGMが脳内で聞こえます……」

 

 打ち解けるB・Bとカワラバトだが! そこへ忍び寄るセルリアンの奇襲攻撃だ!

 

「きゃあーっ!! セルリアンだっ!! ビービーちゃん、早く逃げなきゃ!!」

 

 ドローン(マルチローターヘリコプター)型セルリアン「ドローンリアン」の大群の襲撃である! 立体空中機動を得意とするセルリアン! 中型のボディサイズと独立動作可能な複数ローターの利点を生かし、自由自在の方向転換と小回りをきかせて、群れで獲物を追い詰める空のギャング集団だ! それは、南北アメリカ大陸に生息する中型の猛禽類、モモアカノスリ(ハリスホーク)の群れでの狩りを思わせる! ドローンリアンの独特の不快なプロペラ音は、鳥のフレンズにとっては恐怖の象徴! 死の予兆! 空の死刑執行人の耳障りな足音に他ならない!

 

 空中を逃げるカワラバトとB・Bだが、セルリアン側には数の利があった!

 

「だっ、ダメ……逃げ切れそうにない……ううっ、戦わなきゃ……」

「ん? アイツらとは、戦っても良いのですか?」

 

 狩る者と狩られる者の、決死の戦いが今始まる!

 

「そうだよ! 少しでも数を減らして、空いた所を突破して逃げよう!」

「ラジャー。数を減らすのはかまいませんが、全滅させてしまっても良いのですね?」

「ほえ?」

 

 さあ、B・Bの大活躍! たぁっぷりご覧いただこう!

 

「ミサイル、発射! 敵に向けて、機銃掃射!」

 

 見よ! 誘導ミサイルと大口径バルカン砲の威力を! さしものドローンリアンといえども、戦闘方法を学習した陸海空重爆兵B・Bの猛攻撃には、ひとたまりも無かった! ドローンリアンの大群はまたたく間に爆発四散! 全滅だ!

 

「ふー。もう大丈夫ですよ、カワラバト様」

「……あっ……ありがとう……ね……」

「……」

 

 だが、カワラバトと手を繋いだ時に、B・Bは気が付いた! 心細そうに手を震わせるカワラバト……それはセルリアンの恐怖や、戦いから解放された安堵ではなく、フレンズには過ぎたる戦闘力を持つ自分へ向いている恐怖であることに!

 

(……この子たち、平和に生きるフレンズ。戦うために生まれてきた私とは、相容れぬ存在……)

 

 B・Bの取った行動とは!

 

「ふっふっふ……この銃は、豆鉄砲ではない。私はセルリアンより、ずっと、こわーい……」

「(ビクッ)ひっ……」

 

「がおぉーう! カワラバト! 食べちゃうぞぉ!」

「きゃああああーーっ!!」

 

 怯えて一目散に逃げていくカワラバト!

「さよなら、最初で最後のトモダチ……」

 

 さあ、始まる火山の噴火! パーク破滅の時は近いぞ!

「行かなくては……私のいるべき場所へ……この身体でしかできないことをするため……」

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

 そして! キョウシュウ、キンコウ湾の海面では!

 

 波間に揺られてお昼寝中のラッコたちと、そのフレンズ! アラスカラッコとカリフォルニアラッコ! 海流に流されないように、海底に根を張る巨大コンブ、ジャイアントケルプを腹巻にして、お互い手を繋いで眠っている! いったい何の夢を見ているのであろう!?

 

「むにゃむにゃ……世界の考古学的遺産は全て、このアラスカラッコのコレクションに……」

「ぐうぐう……みんな~、すしがあるぞぅ~、ウニもだぁ~……」

 

 だが!

 

「ひぎゃわーっ! 熱っ! 熱いぃいっ!!」

「あばばばーっ! 水が熱いよぅ! 毛皮が溶けちゃうよぅっ!」

 

 アイヌの伝承によると、ラッコの肉が煮える臭いは欲情を刺激し、1人でいては気絶してしまうほどだという……と、そんな非常事態になる前に、ラッコたちは命からがら、全速力で泳いで、無事に遠くの水域へと避難していった!

 

 海底火山「すざく」は、デストロンのせいで爆発寸前! その周辺部の水温は急上昇の一途を辿っていたのだ!

 

 海底では、デストロン、サイバトロン、セルリアンの三つ巴の激しい戦いが続いていた! 切っても切っても再生するセルテヅルモヅルの群れに対し、戦いは膠着状態の様相を呈してきた!

 

『く……エネルギーを使いすぎてしまったわい!』

『コノママデハ、サイバトロンモ、セルリアンモ、倒シキレナイ。水温上昇モ著シイ』

『しかたがあるまい! デストロン軍団! 発電施設を放棄し、退却するぞ! トランスフォームッ!』

 

 ワルサーP38に変形し、サウンドウェーブに持たせてジェネレーターとエネルゴンキューブを狙撃させるメガトロン! 発電装置を奪われないように、砲撃で破壊しようという焦土作戦だ!

 

『うわあああっ!!』

 だが、スタースクリームはこの銃撃による爆発に巻き込まれ、岩の下敷きになってしまうのだった!

 

『この愚か者めが! ドジさにかけては、貴様は立派にデストロンのNo.1だぞ!』

 

『見ろ! メガトロンの攻撃でスタースクリームが生き埋めになったぞ!』

『はははは! ざまぁないぜ! そのまま海の底でオネンネしてな!』

 

『あの海底火山の噴火は止められない! 私たちも退却し、パークの全フレンズに避難勧告を出さなければ! サイバトロン戦士! 総員退却ぅっ!』

 

 サイバトロンも海底から退散だ!

 

 

 

『だっ、誰かー!! 助けてくれぇー!! この岩をどけてくれー!! メガトロン様ぁー!!』

 

 哀れ! ひとり置き去りにされ、海底に消える運命か、スタースクリーム!

 

 しかし!

 

「お助けします、スタースクリーム様」

 

 サンドスターパワーと戦闘意欲に満ち溢れたB・Bの満を持しての登場! サメの持つ微弱電流感知器官「ロレンチーニ器官」で、水中を探索してデストロンの危機に馳せ参じたというわけだ! 魚雷による爆破でスタースクリームを閉じ込めた岩を爆破するB・B! 

 

『お前は、B・Bじゃねえか!』

 

「火山の噴火、間近……よし、こうなったら一か八か……」

 

 海底火山「すざく」の大爆発まで、あと何秒か!?

 どうする、B・B!?

 

「こうする!」

 

 なんと! 海底火山の火口へ単身特攻し、全武装の一斉射撃により岩盤を崩して塞いでしまおうというのだ! 噴出する溶岩や高熱の火山性ガスにもいっこうに怯まずに、全火力を集中させるB・B! 弾薬が尽きた後も、さらにノコギリザメ由来の回転式チェーンソーで火口の岩をなぎ払う! 歯が欠けても再生する近接白兵戦用の兵装だ!

 

『バッ、バッキャローめが!! 死ぬ気か!』

「全てがあるべき姿に戻るだけです」

 

 

 

「任務……完了……お元気で、スタースクリーム様」

 力尽き火口へと落ちていくB・B! 直後、火口の岩盤が大きく崩落する!

 

 海底火山大噴火は、こうして未然に防がれた……高熱化した地盤に熱せられたセルテヅルモヅルも全滅した……。

 パークの危機は去ったのだ……ひとりのフレンズの命が犠牲になって……。

 

『くそぅっ!! くそぅっ!! お前がけものだったら、こんな危険な場所からはさっさと逃げていただろうし……もしお前がメカだったら、自分の命を捨てるような非合理な真似はしなかっただろうぜ!』

 

「ビービーちゃーんっ! さっきは助けてくれたのに、怖がっちゃって、ごめんなさいー! ホントは、あなたは良い子なんでしょー! ねえ、どこにいるのー!」

 

『他人を救ってテメエが死ぬなんざ、やっぱり大馬鹿野郎だっ!! 下等なフレンズどもは、だからキレえなんだっ!!』

 

 海底火山の火口を掘り続けるスタースクリームと、パーク上空を捜索するカワラバト……身を挺してジャパリパークを救ったB・Bは、火口で死んでしまったのであろうか……? いや、彼女は生きているのだ! スタースクリームやカワラバト……我々の心の中に、いつまでも、永遠に!

 

【さらばB・B! また会える日まで!】

 

の の の の の の の の の の の の

 

【けものフレンズ情報:08】

 

 今日のけもフレvsTF、どうだったかな?

 さあ、けものフレンズ情報は、今回のお話に登場した鳥フレンズの紹介だ!

 

美術建築兵 アートガーデナー / Gardenmake

分類:鳥綱スズメ目ニワシドリ科カンムリニワシドリ属チャイロニワシドリ

レッドリスト:EX/EW/CR/EN/VU/NT/[LC(軽度懸念)]

 オーストラリアとニューギニア、その近隣の島々に生息するスズメ目の鳥だ! 別名コヤツクリ、アズマヤドリとも呼ばれる! 鳥が巣作りをするのは当たり前であるが、その建築能力をアートの領域まで高め上げたのがニワシドリだ!

 種類によって様々な形状のバワー(あずまや)を作る! これは巣ではなく、メスにプロポースをするための愛の建造物なのだ! そして、鳥類特有の「4色型色覚」に基づき、あずまやを色とりどりの色彩の拾得物で飾り立てるぞ! さらに、この収集品の配置の際には「遠近法」を検討する! これは自らの求愛ダンスをより魅力的に演出するためだという!

 詳しくはグーグル画像検索してくれ! まさに彼女は鳥類のレオナルド・ダ・ヴィンチ! ヒトのルネサンス美術など、文字通り自然の「再現」に過ぎないことが分かるだろう! これには、でいびっど・あってんぼろーおにいさんもビックリ!

 なお、公式にはまだフレンズは登場していない、このお話のオリジナルのフレンズだぞ!

 

空中伝令兵 ピースウォーク / Speedbird

分類:鳥綱ハト目ハト科カワラバト属カワラバト

レッドリスト:EX/EW/CR/EN/VU/NT/[LC(軽度懸念)]

 顔がちっちゃくて、胸(胸筋やぞ)がでかくて、やたら首を振って歩いて、ちょっとずんぐりむっくりな感じする、丸っこい体をしてるのがハトです! キジバトやアオバトなどハトの仲間にも色々種類があるが、最も普通に見かけるハトが「カワラバト」だ! カワラバトは首の部分が緑色と紫色をしているのが特徴! これは色素ではなく「構造色」で、DVDの裏面やシャボン玉などと同様に、羽の先端の微細構造が特定の光の波長のみを反射して色が変わるのだ! 原産地はヨーロッパや北アフリカ、中央アジアの乾燥地だったが、繁殖力が高く家禽としても使役されるこの種は世界中で見られ、家禽化されたものをとくに「ドバト」と呼ぶ! 高い知能、鋭い視覚・嗅覚、太陽コンパス、体内時計、地磁気の知覚などにより方角の判定能力が非常に高い! 航続距離とナビゲーション能力に優れ、1000km以上離れた場所から帰巣することができるのだ! 

 伝書バトとして、おもに距離200km(所要時間は約2時間)以内の通信・輸送目的で、ヒトに長らく使役されてきた! 人間に飼われてきた歴史は古く、その起源は紀元前5000年前の古代シュメール時代まで遡るというっ! 帰巣本能を利用するため、通常は、ある場所から自分の鳩舎への一方通行の通信ルートしか使えないのだが、2つの鳩舎を行き来できるエリート「往復鳩」もいるぞ! さらに旧日本軍には、持ち運び鳩舎を移動させてもそこへ帰ってくる特殊な「移動鳩」がいたらしいが、現代ではその訓練法は失われてしまっている!

 電源の要らない迅速な伝令能力は、歴史上重要な役割を担ってきた! 中でも第一次世界大戦フランスの「ヴェルダンの戦い」では、「シェール・アミ」というハトが、12通の機密文書を運搬し、フランスの軍事功労章であるクロワ・ド・ゲール勲章を受章した! また「アルゴンヌの森の戦い」では、戦場での散弾銃(ショットガン)鳥撃ち散弾(バードショット)をかいくぐって、胸部に被弾し右足を失う重傷を負いながらも任務を果たし、194人の米兵の命を爆撃から救った! 傷という勲章を全身に身につけたその身体は、スミソニアン博物館に剥製となって展示されている! まさに伝書バト界の日曜洋画劇場、コマンドー! 弾けるハト胸! 飛び散るピジョンミルク! 豆鉄砲(さんだん)なんかじゃビクともしねェ! 鉄骨伝書バトは、タフネス設計! 戦うポッポーは、かっこいい!

 第二次世界大戦、伝書バト全盛期では、イギリス軍は50万羽のハトを軍事利用したそうだ! 文書やマイクロフィルムの他にも、血清や薬品、家畜の精子などの軽量物資を背中に背負って運搬することもあり、空気圧による自動撮影式の小型パノラマカメラ「ドッペル=シュポルツ」でのスパイ偵察もこなしたという! カセットロンのコンドルもびっくり! さらにWW2のアメリカ軍では、ミサイルの誘導にハトを使うという、行動心理学者B.F.スキナーによる「プロジェクト・ピジョン」なる計画があったそうな! このように長い歴史がある伝書バトだが、IT通信技術の発達により廃れた現在では、そのノウハウや技術は「レース鳩」に転用されている!

 なお、伝書バトやレース鳩を撃ってしまうおそれから、カワラバトは狩猟対象から外されている! そのため都会などでは増えすぎて、フン害による汚染や、羽毛に寄生するダニやフンに繁殖するカビなどの健康被害をもたらし、市街の繁殖地では大きな問題になっている!

 「平和の象徴」として名高いハトだが、オーストリアの動物学者コンラート・ローレンツは『ソロモンの指環』という本の中で、ハト同士の喧嘩ではお互いに死ぬまで攻撃を止めないという話をしている! これは、戦い慣れしておらず、鋭いツノやツメなどの強力な武器も、甲羅などの防具も持たないため、戦いが泥沼化しやすいからだという! 狩りに慣れた戦闘能力の高い肉食けものや、気性が荒く喧嘩慣れしていたり防衛能力の高い草食けものよりも、むしろ「武器や防備を持たないけものこそ、いったん争えば凄惨な殺し合いに発展する」例として挙げられることがある!

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

『「PPP&デストロン予告っ!」』

 

『くそっ! オレが必ず、この海底火山から助け出してやるぞ……! B・B……!』

「(ヒョコッ)ふー。ありがとうございます、スタースクリーム様。こんなに早く、海底の火葬場から解放されるとは、思ってもみなかったです」

『ぎゃあ! お前、フツーに生きているじゃねえか!』

「イエス。お尻が燃えた程度です。B・B、思ったよりずっと丈夫でした……そんな細かいことより、デストロン追放と野垂れ死にという、スタースクリーム様の命令を破ってしまいました。なんなりと処罰を」

『フン! まあいいさ! さっそくこれからはオレ様とデストロン軍団のために、身を粉にして働けよな!』

「ラジャー」

 

(こいつはおバカだが、中々実力があるようだ。いじめられっ子のマイク・タイソンがヘビー級ボクサーになったように、オレ様が名トレーナー、カス・ダマトになってやる!)

 

(……燃え残ったこれは、カワラバト様から頂いたオリーブの首飾り、平和と友好の証……デストロン兵士には必要ないものは、“ひとりのフレンズの死”を喪って火山に捧げよう……)

 

 

 

「火山に落ちたB・Bは生きていたのね! 良かったわ~」

「おお! 死んじゃったかとおもったぞ!」

「でもデストロンに、強力新メンバーが生まれてしまったわけですね!」

「これからも、サイバトロンとフレンズを応援してくれよなー!」

「読者のみなさ~ん、ナレーションさんからお話があるよ~」 

 

 

 

 今回は特別に、けもフレvsTFのオリジナル・新メンバーを皆さんにご紹介しよう!

 

ID:-- サイバトロン パーク通信案内員 テレトラン・ビースト / Teletraan B

分類:???

レッドリスト:EX/EW/CR/EN/VU/NT/LC/[N/A(該当せず)]

主兵装:LB1型標準装備・底面式除草カッタ―

副兵装:-

体力:4 / 知力:10 / 速度:2 / 耐久力:5 / 地位:2 / 勇気:10 / 火力:1 / 技能:8 / マカセテ度:10 / ドラテク:10

座右の銘:「僕ニマカセテ(Trust me, and )、君ノ見タイモノハ全部、見セテアゲルネ(I show you everything you want to see.)

 原作アニメ「けものフレンズ」にて、かばんとサーバルとのパークの旅路の終わりに体を失い、本体部分のみになってしまったラッキービーストが、前回の物語中でサイバトロンの技術提供により、新たなボディを得た姿だ! パーク内で発見したラッキービースト1型の在庫ボディとサイバトロン戦士の予備パーツを利用し、凄腕の研究者、ホイルジャック、ラチェット、パーセプターの3名が共同開発を行った!

 ジャパリパークの内部ネットワークの他に、サイバトロン・データベースとも常時リンクアップしており、通信機能・ナビゲーション能力・緊急時の判断力・ホログラム投影能力を標準のLBより向上させているぞ! 性格や記憶はもとのまま引き継いでいるので、フレンズとのコミュニケーションやパークガイドの経験も豊富だ!

 元の世界のサイバトロン基地の「テレトラン1」のようなオレンジ色のボディカラーと、正義と友好の証・サイバトロンマークが、一般のLBと異なる特徴だ! なお新ボディに追加装備は無く、戦闘武装となるものは草刈り用カッターのみで、変形機構も無い……はずなのだが、あの稀代の発明家ホイルジャックのことだ、これから先のお話では何か新しい機能が追加されるかもしれないぞ!

 姿は変わってしまったけれど、アニメでかばん、サーバルと苦楽を共にしたラッキービーストだ! 読者のみんな! これからもサイバトロンとテレトランBを応援してくれ!

『カバン、サーバル。コレカラハ、僕ノコトハ、テレトランBッテ、ヨンデネ』

「はい! ラッキーさん」

「これからもよろしくね! ボス!」

 

ID:-- デストロン パーク陸海空重装獣爆兵 B・B / Beastbomb

分類:???

レッドリスト:EX/EW/CR/EN/VU/NT/LC/[N/A(該当せず)]

主兵装:光学式7.62mmガトリング砲 / 多目的ミサイル砲「BBランチャー」 / 汎用空爆ポッド

副兵装:チェーンソーサーベル「ヘルスクリーマー」

体力:8 / 知力:2 / 速度:4 / 耐久力:9 / 地位:1 / 勇気:9 / 火力:9 / 技能:3 / 設定盛りすぎ度:10 / アホの子度:10

座右の銘:「身体はフレンズでも、(The body of the FRIENDS )心は常にデストロンと共に(with the spirit of the Decepticons.)

 今回のお話で登場したフューザー・フレンズ、B・Bだ! スタースクリームが、軍用猛禽類の剥製・軍用犬のドッグタグ・ノコギリザメの標本・フレンズが作った爆撃機の玩具模型を集めて、この4つが火山噴火のサンドスター・エネルギーで合体して誕生したのだ!

 イヌとトリが合わさったような外見をしているが、それらの能力の他にも、サメの水中活動能力と、B2爆撃機スピリットの攻撃能力とステルス機能を併せ持っている! ジャパリパークの大自然、陸・海・空のどこでも、ステルス状態で忍び寄り、高火力での電撃陣地制圧戦が可能なのだ! ジャパリパークのシンボル「の」マークの上に、メガトロンから授与された悪の紋章、デストロンマークをつけているぞ! 暴力と破壊と恐怖こそを至上の喜びとする、残虐非道、冷酷な悪魔、スタースクリームの忠実なる番犬、戦って死ぬために生まれた悪の尖兵だ!

 だが、その高い能力の代償として、知能が低下してしまったという致命的な弱点を持つ! これは、4つの動物・メカの認知能力、意識形態の不統一によるものと考えられる! 「合体戦士は強いけどアホ」なのはTFの常識なのだ! 能力は高いが知能と性格に問題があるのは、まったくデストロンらしいではないか!

 このような恐るべき敵が増えてしまったが、負けるな! サイバトロン! ジャパリパークのフレンズの自由と平和のために、頑張ってくれ!

『あのお人好しでマヌケのB・Bだが、自分で考えて動けるフシがあるし、なかなか根性がある。下等なフレンズと言えども、訓練して戦い慣れすれば、それなりモノになるかもしれんな……』

『メガトロン様、B・Bこそは理想的な戦士でさぁ! 勇敢でしかも忠実! 第一オレ様にでしゃばらない!』

『フン! それを言うなら、奴には人を見る目がないってことだわい! いつまでもNo.2が関の山の愚か者を、リーダーに奉っているんだからな!』

『うるせえッ!! 人をコケにしやがるのもいい加減にしろぉっ!!』

「メガトロン様、スタースクリーム様、けんかは止めてください。お腹が減ります」

 

 

 

「さあ、気を取り直して来週の次回予告をするわよ!」

「次回はサイバトロン戦士たちが車モードに変形!ヘンケイ!して大活躍するらしいぞ」

「サイバトロンさんは、別名“オートボット”……”くるまロボット”なんですよね」

「車とフレンズが、パークじゅうを走り回って競争するんだってよ!」

「PPPの“れーすくいーん・こすぷれ”もいいよね~。あ、グレープ君の好みの話だけど~」

「フルル~! お前またのろけ話かよ!」

 

次回、【第10話 ジャパリパーク横断ラリー・スペシャル!!】

開催! モータースポーツの祭典! フレンズたちとカーロボット(オートボット)たちの大レース!

デストロンたちも参加して……!?

パーク全土をめぐる超過酷なエキサイティング・大自然ラリー!

素晴らしい賞品と優勝カップの栄冠は誰の手に!?



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第10話 ジャパリ・ダカール・ラリー!! Part.1

 さて、今回のけもフレvsTFは!

 

 さばんなちほーに集結したフレンズとサイバトロンたち! 一体これから何が始まるというのか!?

 

 実は……フレンズとトランスフォーマー……パークに暮らす2つの種族、お互いの理解と親睦を深めるため、かばんの発案によりジャパリパークを舞台にしたラリーレースの開催の運びとなったのだ!

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

【Episode 10: Japaris-Dakar Rally Special Part.1 (ジャパリダカ・ラリー・スペシャル前編)】

 

 大会の運営する博士と助手、そしてコンボイ総司令官による開会式の挨拶だ!

 

「さあ、ジャパリパーク横断ラリー“かばんカップ”の開幕なのです」

「みんなルールを守って、安全第一でレースを楽しむのですよ」

『フレンズとサイバトロン戦士たち! トランスフォーム! スタート・ユア・エンジン!』

 

 だが、そこへ突如として現れる悪のデストロン軍団!

 

『おおっと! サイバトロン諸君! 銃をホルスターに収めてもらおうか! 今日はワシらは戦いに来たのではないのだ!』

『なんだとメガトロン! どういうつもりだ!』

 

『フレンズとサイバトロンで、合同レースを開催するそうじゃないか。このような面白いイベントを黙っているとは水くさいぞ、コンボイ。お前とワシの仲ではないか?』

『ふざけるな! メガトロン! 今度は一体何を企んでいる!?』

 

『さて……アフリカオオコノハズク博士とワシミミズク助手、ワシらデストロンもこの大レースに参加したいのだが、よろしいかね? もちろん今回は敵も味方も無く、この素晴らしきレクリエーションを、精一杯楽しませてもらうつもりだよ』

「うーん、そういうことなら、お前らも一緒に走ってもいいですよ。なんてったって、我々は寛大ですからね」

「でもルール破りや“ぼーりょく”はめっ!なのですよ! みんな仲良く、なのです」

 

『だが、博士、助手……こいつらデストロンは信用できない連中だ!』

「お前らサイバトロンがデストロンと仲が悪いのは知ってます。でも、こうして向こうから歩み寄ってきている者を無下にしてしまうのは、今回のレースのテーマ、“友好と調和の精神”に反します」

「博士の言うとおり。むしろ、今回のレースがお前ら2つのグループの架け橋になることを、我々は望んでいますよ」

 

『こうおっしゃってるぞ、コンボイ。やはりパークの長たるお二方は、その大いなる知恵と経験ゆえに、たいへん融和的な考えでいらっしゃる。頭の固いサイバトロンは、彼女らを見習うべきではないかな?』

『ぬかせ、メガトロン! ……ならばこのレースで、お前らのくず鉄ボディの代わりに、そのプライドを完膚なきまでに叩き潰してやる!』

「お前ら、やめるです、けんかは。全く、これだからトランスフォーマーは……」

「どーして、生まれが違うというだけで、同じTFなのに仲良くできないのですかね……」

 

 さあ! フレンズ・サイバトロン・デストロン、合同ジャパリラリーの開催だァーッ!

 

 

 

 レギュレーションを説明しよう! このジャパリパーク横断ラリーは、車モードに変形したサイバトロン戦士にフレンズがドライバーやナビゲーターとして搭乗し、各々の能力を生かし協力しあって、キョウシュウ島を一周するという、超エキサイティングなラリーレイドだ!

 

 例外として、TFにTFが乗っているデストロンチームの2組や、フレンズ達が交代でマラソンリレーをしていくチームが2組エントリーしている! マラソンチームの場合は定員8名! 車両で出場の場合は搭乗者に人数制限は無いが、数がいるほど重くなってしまって最高速度や加速が落ちるし、燃料を消耗しやすいぞ!

 

 TF達は自律運転が可能なため、搭乗者のフレンズ達は主にナビゲーションや、トラブルの際の救援で活躍する! かばんやキタキツネ、フォッサなど操縦能力のあるフレンズは、コ・ドライバーとなってTFの運転を補助するぞ!

 

 さばんなちほーの草原からレーススタート、島を一周し、ヒノデ港に設けられたゴールへと到着する! 参加車両は、以下のSS(スペシャルステージ)に設置されたCP(チェックポイント)を順番通りに進まなければいけない! だが、いくつかの分岐ルートが存在するため、ある程度のコース選択を迫られることになるのだ!

 

Stage 1: さばんなちほー

([熱帯草原] → [涸れ川土手車道 or 川底ショートカット] → [謎の壁画洞窟])

 

Stage 2: じゃんぐるちほー

([ジャパリバス専用道 or 密集熱帯林直進ルート] → [アンイン橋] → [密林の遺跡神殿])

 

Stage 3: こうざん

([登山道] → [ジャパリカフェ] → [空港跡地] → [ジェットパック装着で空中移動])

 

Stage 4: さばくちほー

([地上&オアシス通過ルート or 地下バイパス&地下迷宮ルート])

 

Stage 5: しんりんちほー

([湖畔] → [草原] → [落葉樹林帯])

 

Stage 6: みずべちほー

([田園地帯] → [湿原] → [廃墟水族館] → [水中移動 or 氷上移動])

 

Stage 7: ゆきやまちほー

([雪洞トンネル] → [温泉宿] → [針葉樹林帯] → [ロッジアリツカ])

 

Stage 8: ゆうえんち

([サンドスター廃鉱山トンネル] → [廃墟居住区] → [遊園地サーキット] → [ヒノデ港])

 

 各ステージに何か所か存在するCPは必ず通過しなければいけない! CPでのみ、フレンズにはジャパリまん・水分補給、TFには燃料補給と車体修理を行ってもらえ、マラソンチームの場合は走者交代が可能だぞ!

 

 途中で搭乗者の大怪我・水食料切れや、車両の事故・燃料切れなどを起こして進めなくなってしまうと、そのチームはリタイアだ! 登録車両と登録搭乗者全員が無事に揃っていないと、ラリー続行は不可となる! まさに野生のレース、ワイルド・グランプリだ!

 

 さらにラリーの様子はカメラ撮影され、島の各地のラッキービーストの立体映像を通じてフレンズ達に放映されるぞ! コンドルやジャガー、リフレクターによる撮影協力を申し出たのは、メガトロンだ!

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

 では、出場チームの紹介をしよう! エントリーナンバー チーム名 /【出場部門】登録車両 / 搭乗者 の順に紹介していくぞ! 各チームのテックスペックや得意地形は、車両の性能と搭乗者の能力から独自に算出・予想したものだ、優勝チーム予想の参考にしてくれ!

 

 全チーム入場!!

 

01 フォレスト・フィロソファーズ【オート】ランチア・ストラトスターボ・レーシングGr.5(ホイルジャック)/ アフリカオオコノハズク ワシミミズク

加速力:8 / 最高速度:7 / 悪路走破性:7 / 耐久性:7 / 燃費:7 / テクニック:9 / ナビゲーション:10 / 得意地形:亜寒帯林 温帯林

 科学者ホイルジャックのTFするラリーマシン「ランチア・ストラトス」の出場だ! なんとドライバーとナビゲーターは、ラリー主催者である博士と助手! マシン性能だけではなく、メンバー全員の知性や判断力も高いという優勝候補! まさに本命中の本命チームだ! V・V! ビクトリー! トランスフォーマー・ビクトリー!

「博士! 大変なのです! 我々、あくせるとぶれーきに足が届かないのです!」

「けっ、決して我々が、短足なわけではないのですからねっ!」

『今回の吾輩は、発明家としてではなく、走り屋として参戦や! ラチェットくーん、今日はいっちょやったるでぇ~!』

 

02 わたりツーリスト【カミオン】後輪1軸アメリカントラック(ドラッグ)+ ハト型ジャパリバス / リョコウバト キョクアジサシ

加速力:4 / 最高速度:2 / 悪路走破性:4 / 耐久性:6 / 燃費:6 / テクニック:3 / ナビゲーション:10 / 得意地形:雲海

 改修した旧式ジャパリバスを、サイバトロン技術者ドラッグが牽引する形で出場だ! どこからか見つけてきたこの旧型バスは、アニメ「けものフレンズ」に登場したネコ型のモノとは異なり、鳥をモチーフとしたタイプだ! 渡り鳥のフレンズが搭乗し、優勝より観光が目的だ! だが、超長距離飛行の経験が豊富な彼女たちは、ナビゲーターとしては最高の存在なのだ!

『やれやれ。非番の日ぐらい、基地でゆっくり休んでいたいんだがね……』

「そう言わないで、ドラッグさん。私たち、きっとステキな旅ができますよ!」

「ミーは空のロングジャーニーの経験はベリーマッチ、ありマース! バット、今日のバストリップも、きっと超エキサイティングな予感デース!」

 

03 ひっぽーライダー【モト】ハーレーダビッドソン・ツアーグライド・ポリスバイク(グルーブ)/ カバ ゴルゴプスカバ

加速力:8 / 最高速度:7 / 悪路走破性:7 / 耐久性:2 / 燃費:8 / テクニック:8 / ナビゲーション:8 / 得意地形:熱帯草原 湖沼

 プロテクトボット偵察員グルーブが変形するハーレーにまたがる、セクシーなライダースーツのお姉さんはカバ! 唯一のバイク車両として参戦だ! 「ゆうえんち」から拾ってきたサイドカーには、相方のゴルゴプスカバが乗っている! さあ、サバンナの超ド迫力コンビのお通りだ!

『ラリー運転ができてこそ、野外救助活動が務まるってもんよ!』

「かばん、サーバル、アードウルフ、負けないわよ! 今日の私は、ワイルドでいきますわ!」

「おケガをされたくなれば、ライオンさんもワニさんも、道を阻むものは皆様おどきになってね!」

 

04 ロード・メガトロナス【カミオン】ケンワース・K-100エアロダイン“コンボイトレーラー”(モーターマスター)/ メガトロン フレンジー

加速力:7 / 最高速度:5 / 悪路走破性:7 / 耐久性:8 / 燃費:5 / テクニック:9 / ナビゲーション:9 / 得意地形:荒野

 なんと! 破壊大帝メガトロンとその部下フレンジーが、スタントロン参謀「モーターマスター」が変形するトラックに乗り込んでの参加となる! 最新鋭のトレーラーで、耐久面以外ではコンボイより全体的な性能に優れる車両だ! それにメガトロンの知略が加われば、まさに向かう所敵なしというもの!

『……ふふふ、サイバトロンのボンクラどもには、我らの真の目的までは分からぬとみえる……だがレースでも負けないぞ、コンボイ! 本当の走りというものをみんなに見せつけるのだ!』

『了解です! メガトロン様! 陸の王者が誰なのかを、旧式トレーラーに見せつけてやりますとも!』

『サウンドウェーブ~、ランブル~、見てるか~、1位は俺たちが頂きだぜ~』

 

05 ジャパリパーク探検隊【クアッド】デューンバギー(ビーチコンバー)/ ツチノコ スナネコ

加速力:5 / 最高速度:4 / 悪路走破性:8 / 耐久性:7 / 燃費:6 / テクニック:8 / ナビゲーション:10 / 得意地形:砂漠 砂浜 浅瀬

 レース優勝よりも、ジャパリパークの遺跡と動植物・鉱物の調査が目的という、変わったチームだ! しかし、高性能タイヤを装着した全地形対応車であるクアッド(4輪サンドバギー)は、パークの荒々しい大自然を走破する能力を秘めているぞ!

『私たちの目的は考古学調査だよ。ラリーの方は完走できればいい、ぐらいの気持ちで行くからね』

「よォし! スナネコ、ビーチコンバー、いくぞぉ! パークに眠るまだ見ぬヒトの遺産が、オレ達を待っているんだァァッ!」

「はい」

 

06 ダイノベース・ちぇいさー【モト】Tレックス(グリムロック)+ 脚こぎ4輪車(ばすてき)/ アライグマ フェネック

加速力:5 / 最高速度:4 / 悪路走破性:5 / 耐久性:10 / 燃費:7 / テクニック:3 / ナビゲーション:9 / 得意地形:温帯林

 猪突猛進を絵にかいたようなレーシングチームのエントリーだ! ティラノサウルスに変形するTF、ダイノボット部隊の「グリムロック」が牽引する「ばすてき」車両に搭乗するアライグマとフェネックのコンビ! アライさんとグリムロックが明後日の方向に行かないように、上手くコントロールしてくれ、フェネック! オシャレなグリムロックは、今日はサファリハットにムチ、冒険者風の衣装で参上だ!

「ぐらんぷり1位に授けられるというお宝は、アライさんのものなのだ! いっちょう円くれ!」

『オレ、グリムロック、他のみんなに、負けないぞぉ。アライさん、フェネック、よろしくなのだ』

「どもどもー、グリムロックさん、よろしくなのだー。今日は一緒に頑張ろうねー」

 

07 スーパー赤いきつねカート【オート】4WDピックアップトラック(ギアーズ) / キタキツネ ギンギツネ

加速力:6 / 最高速度:4 / 悪路走破性:8 / 耐久性:8 / 燃費:6 / テクニック:10 / ナビゲーション:8 / 得意地形:亜寒帯林 ツンドラ 氷雪原

 温泉旅館のコンピューターゲームのレースでは飽き足らず、ついに本物のラリーに出場したゲーマーたち! キタキツネとギアーズだ! ビデオゲームで鍛えたセンスとテクニックは実戦で通用するのか!?

『ちぇっ! ゲームだけじゃなくて、まさか本当のラリーに参加するハメになるとはね!』

「ボヤかないで、ギアーズ! さあ、出るからには私たち、優勝を目指すわよ!」

「……ボクの腕前、どこまで行けるか……あうとらんっ!」

 

08 オプティマス・プライム【カミオン】フレートライナー“コンボイトレーラー”(コンボイ総司令官)/ フォッサ

加速力:6 / 最高速度:4 / 悪路走破性:5 / 耐久性:10 / 燃費:4 / テクニック:10 / ナビゲーション:5 / 得意地形:荒野 熱帯雨林

 我らがコンボイ司令官と、大型トラックの運転が得意だというフォッサがドライバーだ! 重心が高くてバランスには難が有るのを、ドラテクでカバーするコンビネーション!

「運転ならあたしにまかせて!」

『フォッサ! 頼んだぞ! とくに崖際は注意してくれ!』

 

09 インビジブル・ミラージュ【オート】リジェ・JS11レースカー(リジェ)/ パンサーカメレオン エリマキトカゲ

加速力:10 / 最高速度:10 / 悪路走破性:1 / 耐久性:2 / 燃費:2 / テクニック:10 /ナビゲーション:4 / 得意地形:熱帯雨林

 透明になれる能力をもったサイバトロン偵察員リジェと、忍者パンサーカメレオンが手を組んだぞ! F1レースカーがラリーでどこまで通用するのか、その結果はキミの目で確かめてくれ! レース性能だけでなく、ユニークな特殊能力が光るチームであり、なんとエリマキトカゲは水上走行が可能! まさに、道は星の数ほど、のびのびと好きな道を! というわけだ!

『俺はこうも呼ばれているのさ! サーキットのミラージュ(蜃気楼)と!』

「か、かっこいい~……すごく……シノビの名前っぽいでござるよぉ……」

「おうらァッ! みんなまとめてェかかってこいやぁ~!」

 

10 ホイール・オブ・ザ・ラクーンドッグ【モト】タイヤ(タヌキ)/ ※なし

加速力:4 / 最高速度:4 / 悪路走破性:5 / 耐久性:6 / 燃費:10 / テクニック:5 /ナビゲーション:5 / 得意地形:温帯林

 たぬぱんち君が化けたタイヤだ! 正直、扱いに困るぞ! そうはいっても、地形によって、サーキットではスリックタイヤ、泥道ではレインタイヤ、雪道はスノータイヤ、草地ではトラクター用タイヤと逐一適切なものに変化でき、対応力は高いぞ!

「が、がんばりますぅ!(PONG!」

 

11 マッスル・オックス【オート】ランボルギーニ・カウンタックLP500S(ランボル)/ オーロックス ガウル

加速力:9 / 最高速度:9 / 悪路走破性:9 / 耐久性:7 / 燃費:3 / テクニック:2 / ナビゲーション:1 / 得意地形:温帯林 温帯草原

 サイバトロンの赤いれん坊がラリーに参戦だ! ランボルギーニの雄牛エムブレムにちなんで、野牛フレンズが搭乗する! いざとなったら、ジェットパックで空も飛べるぞ! なお3人とも方向音痴なため、地図参照と方向指示能力に不安が残る!

「バッチリ睡眠をとって今日も筋肉のノリが良い! 見て、この“だいでんきん”のハリ……お尻で木の枝を折れるよ~、ふんぬっ!(ベキッ」

「もっともっと鍛えるぜ~! そのためにも、1位の賞品にはぷろていん味のジャパリまんをもらうぜ~!」

『こいつらくらいタフじゃないと、このオレの荒い運転には耐えられないぜ!』

 

12 ジャングル・ビューティ【オート】シボレー・コルベット3代目C3型“スティングレイ”(トラックス)/ クジャク シロクジャク アカクジャク

加速力:7 / 最高速度:8 / 悪路走破性:10 / 耐久性:3 / 燃費:5 / テクニック:8 /ナビゲーション:8 / 得意地形:熱帯雨林

 華麗で優美なトランスフォーマー、戦士トラックスの出場だ! 美しき3羽のクジャクが乗り込むぞ! トラックスは車体の下から主翼が出て飛ぶことができるカーロボットで、飛び入り参加の謎の鳥フレンズ、アカクジャクの活躍にも注目が集まる!

『レースの走りにも貴賤ってものがあるんだ。ただ勝つだけじゃダメさ、美しく走らなきゃ。みんな、そこんとこ分かってるよね?』

「もちろん! レースに勝って、わたくしたちの美しい走りっぷりを、パーク中に知らしめましょう!」

「超過酷なジャパリ・ラリー……傷つき倒れて、あられもない姿になりながらも、最後に勝利する私たち、実に美しいですねぇ……」

「先週の噴火で目覚めたら、なんとまあ賑やかな事よ。アニマルガールたちが(くろがね)の巨人どもと、趣のあるいべんとを催しておるではないか。どれ、我も楽しませてもらうとするかのう」

 

13 ロンリーロードスター【オート】スーパーカウンタック(サンストリーカー)/ アードウルフ

加速力:10 / 最高速度:10 / 悪路走破性:9 / 耐久性:4 / 燃費:1 / テクニック:8 /ナビゲーション:2 / 得意地形:熱帯草原

 後部に電子推進ブースターを装着した、SFモデルのカウンタックLP500S! 空も飛べるサンストリーカー様のお通りだ! サイバトロンには珍しい“フレンズ嫌い”の彼は、座席にフレンズを乗せたくなかったのだが、これは親善が目的であり、しかもナビゲーターが必要なラリー! そして「大人しいヤツなら」ということで、アードウルフに白羽の矢が立ったという次第だ!

『いいか! 俺は好きでフレンズを乗せているわけじゃないんだからな! お前はシートベルトしめて大人しくしてろよ!』

「は、はい……ご迷惑をかけないよう頑張ります……よろしくお願いします……」

 

14 デザート・キャラバン【オート】三菱・J59ウィリスジープ(ハウンド)/ ヒトコブラクダ フタコブラクダ

加速力:6 / 最高速度:6 / 悪路走破性:9 / 耐久性:9 / 燃費:10 / テクニック:4 /ナビゲーション:4 / 得意地形:砂漠

 どんな悪路でも走れるミリタリージープにTFするハウンドの活躍を見よ! そして、暑さ・乾燥・空腹・長距離移動に非常に強いラクダフレンズたち! この過酷なラリーでは、フレンズ達の身体能力もモノを言うのである!

「ふふふ、飲まず食わずの長旅なら、私たちの“どくだんじょー”だよ!」

「そーよね~、ヒトコブちゃん。今のうちにお水、たくさん飲んでおこうっと」

『すごい飲み貯め! もうコップ500杯は飲んでるぞ!』

 

15 クリフジャンパーズ【オート】ポルシェ・924ターボ(クリフ)/ ユキヒツジ シロイワヤギ ジャコウウシ マーコール

加速力:4 / 最高速度:3 / 悪路走破性:8 / 耐久性:7 / 燃費:6 / テクニック:5 /ナビゲーション:5 / 得意地形:山岳 ツンドラ 氷雪原

 ツノが生えている、小さくても気性が荒い、ジャンプする習性……あなたはヤギのTFね! 全然違うよ、ポルシェ・924ターボだよ! 搭乗者はヤギのフレンズ達! 悪路でのジャンプ力に優れ、断罪絶壁もなんのそのだ! フレンズとTFの治癒能力を持つマーコールがメンバーにいるのもポイントだ!

「ザ・辻カットこと、わたくしユキヒツジ! 僭越ながら、ゴールテープもカットさせて頂きます!」

「登山はいいぞ! サイバトロンのクリフ君、キミも一緒に山に登ろう!」

「……あのー、私は編み物しててもいいですか?」

「みんな、怪我をしないようにね!」

『デストロンの連中を2、3人血祭りに……上げないけど……今回はレースで叩きのめしてやる!』

 

16 サバンナ・ロングラック【カミオン】三菱ふそう・T951クレーン車(グラップル) / アミメキリン ロスチャイルドキリン ケープキリン

加速力:2 / 最高速度:3 / 悪路走破性:5 / 耐久性:7 / 燃費:5 / テクニック:4 /ナビゲーション:8 / 得意地形:熱帯草原

 クレーン車に変形する技術者グラップルが出場だ! 乗り込むのはサバンナ出身キリン軍団! 道に迷ったときは、お得意の伸びる首と、アミメキリンの推理力にお任せだぞ!

「先生、先生ぇーッ! 先生も出場するんですね! 私たちも負けないですからねー!」

「まあまあ、アミメちゃん、落ち着いて~。ほどほどにがんばろうよ~」

「わーい、ピクニックだ~。みんなでケーキ食べよ~」

『仲間の修理は俺に任せておいてくれ、グラップル』

『頼んだよ、ホイスト。今日はたっぷり羽を……いや首を伸ばして楽しんでくるとも』

 

17 ポーラスター・ウィンドジャマー【モト】ホバークラフト(シースプレー)/ ニシツノメドリ エトピリカ オオウミガラス

加速力:2 / 最高速度:3 / 悪路走破性:10 / 耐久性:1 / 燃費:3 / テクニック:3 /ナビゲーション:5 / 得意地形:海洋 砂浜 浅瀬 湖沼 氷雪原

 海鳥のフレンズ達が搭乗員となるホバークラフトは、サイバトロン戦士シースプレー! スピードや耐久力は低いものの、空中移動が可能に加え、エントリーチーム中、唯一水上走行に対応している! カタログスペック以上の大活躍を期待してくれ!

『わ~、こんなカワイイ女の子たちと一緒だなんて、もう俺っちどうしよう!』

「パフィンちゃんが欲しい優勝賞品は、お菓子たくさんのたくさんでーす!」

「たくさんのたくさん、ということは3個より多い数が、その3個ぶんより多いの!? ええー、そんなにたくさん!」

「楽しいな、楽しいなァ、みんなと一緒にかけっこ競争なんて♪」

 

18 送りオオカミ陸送隊【マラソン】タテガミオオカミ(1) ドール(2) イタリアオオカミ(3) コヨーテ(4) ニホンオオカミ(5) ホッキョクオオカミ(6) ツンドラオオカミ(7) タイリクオオカミ(8)

加速力:7 / 最高速度:6 / 悪路走破性:8 / 耐久性:7 / 燃費:8 / テクニック:9 / ナビゲーション:9 / 得意地形:草原 砂漠 森林 ツンドラ 氷雪原

 イヌ科のマラソンリレーチーム! ()内は各々が担当するステージ番号だ! なにしろ環境への適応力と高度な社会性により、随一の繁栄を極めるオオカミ連盟! 各ちほーに適応した仲間たちが集められ、得意な地形を走るぞ! 適材適所の超エリート・リレー集団! そのワイルドな走りを見よ! 総合バランスのいい優勝候補の一角だ!

「おれの永遠のライバル、G.ロードランナーには負けないぜっ!」

「わんわんっ! 仲間(ウルフパック)がいっぱいで嬉しいなっ! みんなで頑張って優勝したら、もっと嬉しいんだろうなぁ!」

「ちょうどいい機会だよ。最近はろっじに引きこもり気味で、運動不足だったからね。ふふふ、マンガ以外にも凄い所をキリンに見せつけて、たっぷり褒めてもらうとするかな?」

 

19 ロードランナー・エクスプレス【マラソン】ダチョウ(1) ヒクイドリ(2) ライチョウ(3) オオミチバシリ(4) ブラウンキーウィ(5) ジャイアントペンギン(6) ジャイアントモア(7) ディアトリマ(8)

加速力:9 / 最高速度:10 / 悪路走破性:4 / 耐久性:5 / 燃費:5 / テクニック:5 / ナビゲーション:6 / 得意地形: 草原

 空を飛ぶ翼を捨て、地べたに留まることを選んだ南半球の堕天使「走鳥類」を中心に構成されたリレーチーム! 苦手とする山岳部と水辺では、ライチョウとジャイアントペンギンをヘッドハンティングして採用! このスーパーハードなラリーに本気で臨む構えだ!

「この戦い、私の占いによると一波乱ある模様です……」

「1位になって欲しいもの……? わたしが求めるのはスピードのみぃ!」

「にししし……なんだかすごく面白いことやってるじゃないかぁ~」

 

20 バンド・オブ・ブレーメン【オート】ポルシェ・935ターボ(マイスター)/ ニワトリ イエネコ イエイヌ ロバ ブロードキャスト

加速力:6 / 最高速度:7 / 悪路走破性:5 / 耐久性:6 / 燃費:5 / テクニック:9 / ナビゲーション:5 / 得意地形:山里 農村部 都市部

 音楽が大好きなイマいフレンズとTFの楽団だ! ラジカセモードのブロードキャストも搭乗! ナウなミュージックで過酷なラリーのムードをギンギンに盛り上げてくれるぞ! それだけではなく、優勝も狙っていこうという、イケイケ強豪チームだ!

「くっくあどぅーどぅるどぅー」「みゃみゃみゃみんみ~」「ばうわう」「ひーはー」

『合唱でもレースでも、ギンギラギンに盛り上がって行こうぜ~♪』

『ラリーじゃNo.2に甘んじる気はないとも! 優勝はもちろんこの俺さ!』

 

21 フライト・オブ・ザ・バンブルビー【オート】フォルクスワーゲン・タイプ1(バンブル) / かばん サーバル テレトランB

加速力:2 / 最高速度:1 / 悪路走破性:2 / 耐久性:3 / 燃費:10 / テクニック:10 / ナビゲーション:10 / 得意地形:全地形

 無謀とも思えるワーゲンビートルでのラリー出場だ! だが、小さいぶん小回りの効く小さい車体は、燃費も非常に良いという利点がある! かつて島中を旅した、かばん・サーバル・ラッキーの3人組の知恵と勇気と強い絆! マシンスペック以上に活躍すること間違いなし!

「一緒にがんばろうね、サーバルちゃん!」

「かばんちゃんとボスと私だもん! ぜったい負けないんだから!」

『僕タチ、マタ一緒ニ、車デ旅ガデキルンダネ。嬉シイネ。バンブル、今日ノ走リ、期待シテイルヨ』

『オイラ、ジャパリバス以上にがんばっちゃうもんね! 小さくても凄いんだってところ、見せてやるぞ~!』

 

00 ダブルオー・スクリーム【オート】FMCクライスラー・XR311コンバットバギー(スウィンドル)/ スタースクリーム B・B

加速力:7 / 最高速度:8 / 悪路走破性:9 / 耐久性:9 / 燃費:9 / テクニック:8 / ナビゲーション:6 / 得意地形:荒野 砂漠

 デストロン、コンバットロン部隊の一員スウィンドルに乗り込む航空参謀スタースクリームと、その忠実な部下、イヌとトリのキメラのフレンズB・B! さあ、ゼロゼロゼッケンのマシンのスタースクリームのことである、どんなトラブルを巻き起こしてくれるのだろうか!?

『スウィンドル! てめえがノロノロするから、登録が間に合わずにナンバー0番になっちまったじゃねえか!』

『文句こくんじゃねえ! 愚か者(ザ・フール)にはゼロの数字がお似合いよ!』

「第一目標、優勝。一緒に頑張りましょう、スタースクリーム様」

 

 

 

 以上! 全22チーム! エントリー完了ッ!

 

 山あり谷ありのキョウシュウ島を駆け抜ける、鎬を削る24時間耐久レース! オフロード・バトルだ! 過酷・危険・苛烈を極める超エキサイティングなラリーに挑む22組の出場者の勇気をここに称えよう! さあ、名誉ある優勝トロフィーの栄冠は誰の手に!? 栄えある優勝者には、望み通りの「素晴らしい何か」が与えられるのだ!

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

「今日は私たちPPPはレースクイーン……いえ、レースプリンセスよ!」

「それにしても暑い……さばんなちほーでは“ぱらそる”が必須ですね……」

「うおおー! 見てくれ! この毛皮が噂の“はいれぐ”だ! すごい!」

「ええー、コウテイ、普段のとあんま変わらないぞー」

「翼の折れたえんじぇ~る~みんな飛べないえんじぇ~る~」

「皆さん! せっ、せくしーすぎますよぅ! こすぷれもたまらないですぅぅ~~~(鼻血」

 

「PPPの先輩がた、初めましてッス! よろしくお願いしまッス!」

 

 レースクイーン衣装に身を包んだスーパーアイドルPPPと、マネージャーのマーゲイだ! そして、けものフレンズの新メンバー「ケープペンギン」もいるぞ! 

 

『あっ、マーゲイ、すごい出血だ! レースが始まる前なのに怪我人かい?』

「大丈夫よ。この子はいつもこうだから、気にしないで」

『そうなのかい? ボク達、機械の体が専門だから、フレンズの体はよく分からないけど』

 

 救急車にTFするラチェットとファーストエイド、彼らはこの大会の救護班なのだ! サイバトロンのプロテクトボット(偵察員グルーブ除く)は、ラリー中の怪我人や急病人に対応するため、パークじゅうのパトロールを行うぞ!

 

 

 

「う~う~う~」

「レース始めですぅ~」

 

 さあ! ドワーフサイレンによって今、レーススタートの、サイレンがさばんなの夜明けの空に高らかに鳴り響いた! ラリーの予想時間は24時間! ゴール地点はスタート地点のすぐ近く、さばんなちほーに隣接するヒノデ港! 審判のアフリカタテガミヤマアラシのゴールフラッグのもとへ、真っ先に到達できるチームは!?

 

 このレースは、かつてヨーロッパとアフリカ大陸を舞台に行われた「パリ・ダカール・ラリー」よりも過酷なものになると予想される!

 

 超エキサイティング!! ジャパリ・ダカール・ラリー・スペシャル!!

 

 さあ、戦いだぁーッ!!

 

【レース本編は次回! お楽しみに!】

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

『「PPP&サイバトロン予告っ!」』

 

「とうとう始まったわね……ジャパリパーク一周ラリー!」

「ジャイアント先輩も、鳥フレンズチームとして参加されてますね! 先輩も他のチームも頑張って欲しいですね!」

「そ、それにしてもぉ……さばんなちほーは暑すぎるぜ~! この“はいれぐ毛皮”も取ろっちゃおうぜ!」

「よし! 毛皮を無くして、少しでも涼しくしよう!」

「おお! ペパプの先輩がたは、暑さが苦手なのですね! 温かい海岸出身の私、ことケープペンギンとフルル先輩は、若干ゃ暑さに強いですから!」

「そうはいってもね~、さばんなの暑さは、やっぱりきついよ~(脱ぎ脱ぎ」

 

「ア、アイドルがそんなだらしない恰好で……あふれるプライベート感……寝起きドッキリ生潜入! マネージャーは来た、見た、勝った! ……もう我慢でけん! げひゅぅーっ……!(鼻血」

 

『失礼、控室テントに入るよ~、PPP諸君。サイバトロンのプロテクトボットだよ』

『みんな~冷凍車を用意したよ。この暑さで熱中症になったら困るからね』

『遊園地に残っていたアイスクリーム屋さんの車を修理したんだ』

『わっ! みんな脱いでるし、マーゲイは倒れてるし! どうなってるんだ!?』

 

次回、【第11話 ジャパリ・ダカール・ラリー!! Part.2】

大波乱のオフロードラリー開幕!

過酷な一面を見せるパークの大自然の前に、脱落者が続出!?

さあ、優勝者の月桂冠とシャンパンは誰の手に!?

 



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第11話 ジャパリ・ダカール・ラリー!! Part.2

 前回のけもフレvsトランスフォーマーは!

 

 ジャパリパーク一周、ワイルド・ラリー・グランプリ“かばんカップ”が開催されることとなった次第!

 フレンズ達とサイバトロン・カーの親善レースにデストロンも参加して……どうなってしまうのか!?

 

 さあ、参加チーム全22組の中で、優勝カップの栄光に与かるのは誰だ!?

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

【Episode 11: Japaris-Dakar Rally Special Part.2 (ジャパリダカ・ラリー・スペシャル後編)】

 

 さあ、サバンナの地平線に雄大な朝日が昇ると同時に、全車一斉にスタートッ!

 

 1stステージ、さばんなちほー!

 

 サバナ気候の「ジャカ=ンニャクサ大平原」(アフリカの言葉で「まばらに草を見かける地域」という意味)を走る、TFビークルとフレンズたちによる、激走オフロードレースの開幕だ!

 

 トップを走るのは誰だ! おおっと、これは意外! ゼッケン18番「送りオオカミ陸送隊」第一走者「タテガミオオカミ」である!

 

 日本では上野動物園でしか見られないタテガミオオカミは、イヌ科タテガミオオカミ属に分類されるオオカミの近縁種で、単独行動で狩りをするキツネに近い生態をしている! スラリと伸びた長い脚が特徴で、アフリカ・サバンナのスーパーモデルがサーバルなら、南米・パンパ(熱帯草原)のスーパーモデルはタテガミオオカミである!

 

 その超スーパーロングな美脚による類稀なるスピードはイヌ科でも最速! 野生動物の中でも最高時速120kmのチーターに次ぐ速度、なんと時速90km以上に達するという! だが、持久力で優れるイヌ科ゆえ、マラソンの総合力では野生動物最速であろう! セラードのイヌ、強烈スプリント! 同じ側の前脚・後脚を同時に前に出して走る「側対歩」という走法を常時行うが、これは肉食動物では珍しく、ゾウ・キリン・ラクダ・ロバなどが行う走り方である! これは、ヒトでは「ナンバ」と呼ばれる、古武術に端を発するとされる歩法で、上体を捻らないために疲労しにくいと言われ、陸上競技や伝統武術の分野で研究・応用されている!

 

 フレンズのタテガミオオカミはこの疲労を最小限に抑える「ナンバ走り」を無意識に行い、まばらに生える背の低い草藪や低木、沼地などの障害物の多いサバンナの大地を、ものともせず走るではないか! いかなるラリーカーや4WDにも無理な芸当!

 

『くそっ! 草地や水場が多くてスピードが出せないぜ!』

「すごく、シノビっぽい走り方でござるぞぉ……」

 9番「インビジブル・ミラージュ」のF1カーに変形するリジェも、未舗装の大地では思うように加速できない! 伝統武術の優れた走法を目の当たりにして、感嘆の声をあげるパンサーカメレオン!

 

「これが私の“普通”の速さよ!(チラッ)チーターにだって負けないんだからっ!(チラチラッ」

 一定距離走ると後方確認する習性を、なるべくがまんしつつ走るタテガミオオカミ!

 

「コケーッ! すっごーい! 私よりはやぁーい!」

 このスピードには、20番「バンドオブブレーメン」のニワトリも竦み上がった! 現地の民話ではニワトリを睨み殺すと伝えられるタテガミオオカミに、ニワトリはすっかり萎縮してマイスターの車内に引っ込んでしまったのである!

 

 だが!

 

「むむむ……タテガミオオカミさん、お気を付けください。わたくしの占いによりますと、健康運に難ありと出ていますよ」

 ダチョウによる、タマゴのような水晶を用いた今日の運勢占いだ!

 

「ぐぐ……ぽんぽん冷えてきた……フルーツ食べ過ぎたかな……あ~! おなかごろごろする~! もうだめぇ~!」

 へそ出しルックのお腹を押さえながら、大きな古い蟻塚に駆け込むタテガミオオカミ! 蟻塚を「お花摘み」いや「おアリ摘み」の場所に使う習性を持つ! 小さい方ではないので、ロスタイムは長そうだ! ここで大きく順位を落としてしまったぞ!

 

 

 

 さて、順位が繰り上がりトップに躍り出たのは、この占い師フレンズのダチョウ、19番「ロードランナー・エクスプレス」のファーストランナーだ!

 

 地上最大最速の鳥類、ダチョウ! 立てば230cm、座れば130kg、歩く姿は最高時速70km! ライオンより、はやーい!

 

 この最高速度を保ったまま1時間走行可能な驚異的スタミナと、5km先まで見渡せるという抜群の視力! サバンナを走る際の土ぼこりを防ぐ瞬膜と長いまつ毛! さらに、100平方cmあたり4.8tのキック力ぅ、ですかねぇ……これはヘビー級プロボクサーの右ストレートや、スモウ・レスラーのブチカマシ・ヘッドバット・タックルの数倍の威力と言われている! 最強すぎるだろ……。

 

「私たちを代表して頑張ってください! ダチョウさん!」

「がんばれがんばれー、ダチョウちゃんがんばれー(ジャパリまん食いながら」

 ダチョウに声援を送る走鳥類、エミューとアメリカレア! ダチョウよりひと回り小さいエミューと、南米に生息する近縁種アメリカレア! その応援を受けて、草原を独走するダチョウだが!

 

「ああ……喉が乾きました。ここでちょっとQKしましょう。おや、この石、キレイですね。ぺろぺろ(ゴクン……」

 道ばたの手ごろな石を胃石として飲み込み始めた! これは、砂嚢の石でエサの消化を助けるための、歯が無い鳥であった頃の習性!

 

「ぺろぺろ……んん? 水晶タマゴのお告げが……私も健康運が大凶と出てまs……(ベゴッ)……ごぼぁぅ゛っ!!」

『ぐわぁーっ!! トランスフォームッ!!』

 

 おおっと、ここで追突事故発生!!

 

 ナンバーゼロゼロマシン「ダブルオー・スクリーム」ジープのスウィンドルが、かがみ込んだダチョウに高速で突っ込んでしまった!! 吹っ飛ばされて、全身を強打するダチョウ! TFしてかろうじて受け身(バンプ)を取るスウィンドル! 双方ともかなりのダメージだが!!

 

『このバッキャローめが! そんな所で道草、いや道石なんか食ってんじゃねぇぜ、目玉より小さい脳みその鳥公がァ!』

「あ、人身事故、発生。ダチョウ、ケガ、大丈夫ですか? 救援を要請、リタイア?」

 

「す、すみません……ゲボぉっ(吐石)……この程度のケガなら、私は平気です。ちょっと休めばすぐ治ります」

 

 ダチョウの仲間は高い免疫力を持っている! 知能が低いために不注意で、ケガや病気によくかかるが、短時間での急速回復が可能である! 危険で不衛生な野生環境でも平均寿命は50年以上! その生命力の逞しいこと! 「ダチョウ抗体」利用のための調査研究も行われているほどである!

 

「これ、きれいな宝石。すっぱい臭い、しますけど」

『おお! コイツが吐き出した中にダイアモンドがあるぜぇ!! 人間どもに売りさばけば、いい金になるじゃねえか、なぁ~!!』

『バカ野郎! そんなもんジャパリパークじゃ、なんの意味も無えだろうがっ!』

 怪我人のくせに欲張るスウィンドルをたしなめる、スタースクリーム!

 

『B・B、スウィンドルの破損部分をちゃっちゃと修理して出発するぞ!』

「ラジャー」

 

「ご迷惑おかけしました……わたくしは……休みませてもらいます……ちょっとだけ……」

 

 ケガにより順位を落とすダチョウ!

 

 

 

 さらに!

 

「ううぅうぅー……ぎもぢわ゛るい……です……おえっぷ……」

『えマジか? ウソおっ!? おいお前、大丈夫かよ! 中でするなって! シートを汚すんじゃない!』

 13番「ロンリーロードスター」のスーパーカウンタックのサンストリーカーに搭乗するアードウルフが、ハードなラリーにより体調を崩してしまった! 悪いと思って黙っていたのだが、もう我慢の限界!

 

「「ぎゃあーっ! どくのけむり! ウエェヘッ、ウェヘッ!」」

 アードウルフが常食するシュウカクシロアリに含まれる毒素が生物濃縮し、サンドスター毒ガス「シロアリどくどくミスト」となって放たれたではないか! 迷惑をこうむる後続車のフレンズたち!

 

『ちぇっ! 足手まといになってェ! これだからフレンズを乗せるのはイヤだったんだ!』

「……うぷっ……めいわ゛ぐがげて……ほん゛とに……ごめ゛んな゛ざい……」

 怒るサンストリーカーと、謝るアードウルフだが!

 

『まあいい、これで後ろの連中は、しばらく追ってこれないだろ! 少し休んだら出発するぞ! 仕方なくヌルい運転で勘弁してやるから、我慢しろよな!』

「ずびばぜん……あ゛りがどうござい゛ま゛す……ザンズドリ゛ーカーざん……」

 

 大波乱のトラブル続きのラリーは、順位が目まぐるしく入れ替わる!

 

 

 

 そして! ジャパリラリーの一行は大きなワジ(涸れ川)に差し掛かったぞ! 現在のさばんなちほーは乾季! 土手の整地された車道だけではなく、水無川となって干上がった川底をショートカットとして走ることもできる! さあ、どちらの道を選ぶのか!?

 

「よーし、私たちは下へ行きましょう!」

「ほほほ! 川はわたくし達の“ほーむ”ですことよ!」

『分かったぜ!』

 

『オレ、グリムロック。ダレもいない、水の無い川、走りやすいと、思う』

「よぉーし! 行くのだ、グリムロック! アライさんもがんばるのだ! うおおおおーっ!(キコキコキコ」

「がんばれー。ふたりともー」

 

『私にいい考えがある! ライバルの少ない川の底を走ろう』

「おっ、いいねぇ~、りょーかーい!」

 

 さあ、3番「ひっぽーライダー」のハーレー、6番「ダイノベース・ちぇいさー」の恐竜牽引ばすてき車と、8番「オプティマス・プライム」のコンボイ司令官トレーラーが、川底の道を進むルートを選択! 残りは土手の道を走る!

 

 

 

「みんなやるわね~! こうなったら、私にいい考えがあるわ! ロスチャイルド、ケーキプリン、例の物を!」

 16番「サバンナ・ロングラック」の司令塔は、クレーン車のグラップルに乗り込んだのアミメキリンである! 今回の彼女は一味違うぞ、迷彩服ルックに着込んだ軍装コーディネートで、探偵としてではなくレースチームのリーダー、アーミーメキリン!(ヒゲじい要素)はたして、そのサバンナ色の脳細胞に思いついた、いい考えとは!?

 

「おっけー“ほうすいぱーつ”装備!」

「いくわよ~“うぉーたーほーす作戦”開始!」

『妨害作戦か……私は気が進まないんだがねぇ……』

「何言ってるのよ! サバンナの掟は、勝つためにはなんでもあり(バーリトゥード)よ! よーし準備完了、みんなをびっくりさせてやるんだから! お水、発射ぁーっ!」

 

 なんと、キリンたちが、クレーン車のグラップルに装着したのは消防車の放水用のパーツだ! グラップルの同型機である消防車「インフェルノ」との共通パーツである予備の放水装備をあらかじめ借りてきたというわけだ!

 

 さあ! アミメキリンの頭脳プレイ! 弱肉強食のサバンナ・スタイル! 手段を選ばぬ、放水によるレース妨害作戦なのだ! 他のチームに振りまかれる水! 暴徒鎮圧の技として最も効果的とされる放水攻撃の威力のほどは⁉

 

 だがしかし!

 

「おほほほ! 全然効きませんことよ! アミメキリンったら、カッコつけた毛皮をつけても、相変わらずおバカさんね!」

「カバの私たちには水なんか全然平気なのにね。ゾウさんの赤ちゃんのシャワーの方がまだ気合が入ってますわ」

 

「およよ? フタコブちゃん、川が降ってきたよ。ごくごく」

「ごくごくごく。ひゃーおいしー」

 

『なんだぁ、サイバトロンのマヌケめ!? ありがたいぜ、砂ぼこりで汚れたボディをわざわざ洗車してくれるってのかぁ!?』

『はははっ、この愚か者(アミメキリン)めが! “大キリン、総身に知恵が回りかね”かな? 首が長すぎるのも困りものだな、フハハハッ!』

 

「ぐぬぬぬ……ど、どういう意味かしら……バカにされている気がするけど……」

 

 アミメキリンの奥の手「放水攻撃」は全く効果が無かった! いや、むしろそれどころか、逆効果! 炎天下と乾燥が支配するサバンナを走るフレンズとTFに、貴重な水分の潤いを提供するという結果に終わってしまった!

 

 だが、この放水がこの後思いもよらぬ事態を巻き起こすとは、誰もが知る由も無かった!

 

 

 

 ドドドドド……!

 

 何なのか! 見えない巨象の大群が唸り声を上げて押し寄せてくるような、この不気味な地響きの轟音は!

 

「あ! まずいよ、まずいよ、この音は!」

「みんな、川底から早く逃げませんとっ!」

 サバンナ暮らしの長いサーバルとカバが、この水無川の異変をいち早く察知するっ!

 

 ドゴゴゴゴゴォーーッ……!!

 

 だが、時すでに遅しであった! 怒涛の如く涸れ川に押し寄せる、鉄砲水! 雨季の涸れ川では、突然上流から鉄砲水が押し寄せることが知られているが……だが、乾季であっても涸れ川近くには地下水脈が存在する、それをグラップルの先ほどの放水が刺激し、呼び水となって、水源が地上へ浸透してきてしまったのであろう!

 

『オレ、グリムロック、手が短くて、犬かきも、できない。がばばば……』

「アライさん、自分が洗われるのはゴメンなのだ~っ! ぐぶぶぶ……」

「あ~、私たち、沈んじゃうよ、アライさん……ごぼぼぼ……」

 

『フォッサ、君は早くジャンプして土手へ逃げるんだ……ホッ、ホアァァーーッ!』

「あーっ! コンボイが流されちゃう! 誰かぁ、コンボイを助けてぇっ!」

 

 カバとゴルゴプスカバは持ち前のパワーで、バイクのグルーブをかついで無事に川岸へ上がったのだが!

 グリムロック、アライグマ、フェネック、コンボイが、大洪水に流されてしまった! 絶体絶命!

 

「推理しなくとも……これは私のせいね! グラップル、みんなを助けてあげて!」

『もちろんだとも! さあ、クレーンを伸ばすから、司令官たちを引っ張り上げてくれよ!』

 

 グラップルのクレーンからさらに、お互いにマフラーを結んだキリンたち3人が急流に入って救助活動を行う!

 

『それっ! アンカーワイヤーだぞ! これに掴まるんだみんな!』

『空中も水上もバッチリの俺っちにお任せだい!』

「皆さん、しっかりして! さあ、この水に浮く“けもヴィトンのトランク”を使って下さい!」

 

 さらに、マイスター、シースプレー、リョコウバトなど、救助が得意な者たちが救命活動と車両の回収に尽力した!

 その中には、なんとあのデストロン破壊大帝メガトロンの姿もあった!!

 

ハンマー(かなづち)かな、コンボイ? まるでフレンジーやランブルの仲間ではないか』

『……どういうつもりなんだ、メガトロン! 敵である私を助けるとは……!』

『どういうつもりも何も、このレースを皆で楽しみたいと思っているだけだ。そうに決まっておろう……フフフ……』

『く……』

 

 

 

「アライさん達、助かったのだ~! ありがとうなのだ、みんな~!」

「ありがとう~……でも私たちの“ばすてき”が壊れちゃったよ~。これはもう走れないかな~……」

『オレ、グリムロック! ばすてき、直せばいいと、思う!』

「そうだね、グリムロックさん。がんばろう、きっと直せるよ。アライさんも手先が器用だし」

「任せるのだ!」

 

『フフフ……及ばずながら、このワシもお手伝いさせてもらいたいのだが……?』

 鉄砲水で大破した「ばすてき」の修理を申し出るのは、メガトロンだ!

 

『オレ、グリムロック! サイバトロンの敵、デストロンのリーダー、メガトロン、信用できないと、思う!』

『まあまあ。そこの原始的な恐竜の短すぎる手よりかは、役に立つ自信はあるぞ?』

『オレ、グリムロック、すごく、馬鹿にされた! オレ、一緒に修理する、イヤだ!』

「そう言わないのだ、グリムロック! 今日のメガトロンさんは、みんなとレースを楽しみたいだけなんだぞ~!」

『そういうことなら、しょうがないな。オレ、グリムロックも、手伝うぞー』

 

「んー……ふたりはああいうけどねぇ……メガトロンさん?」

『フフフ……フェネックちゃん、そう怖い顔をしないで欲しいものなんだがね……ワシは、みんながこのジャパリパークラリーを完走できることを望んでおるのだ。そう、この島を一周することをな……』

 

 

 

『本当にすみません、コンボイ司令官……グリムロック、アライさんとフェネックも。まさか、このような事態になるとは……』

「みんなを傷つけるつもりはなかったの……」

「うわぁあ~ん! ごめんなさぁ~い~!」

「泣かないで、ケーキプリン……私が全部悪いのよ、謝罪するわ……優秀な推理力を持つ私でも、時には予想できないことがあるのね……」

 

「大丈夫なのだ! アライさん、あんなのへっちゃらなのだ!」

「暑かったし、ちょうど水浴びしたかったんだよー。気持ちが良かったねえー」

『オレ、グリムロックも、気にしない。あんなの、水泳の練習』

『皆のいう通りさ。あれは事故、気にすることはない……それよりも、私が気になるのはメガトロンの奴の不気味な動向だ……』

 

 

 

 さあ、さばんなちほーの大地の終わりが見えてきたぞ! 謎の壁画洞窟を通過する1stステージ最終コースだ!

 

 洞窟壁画といえば、アルジェリアのタッシリ・ナジェール国立公園の洞窟壁画や、リビアのタドラルト・アカクスの岩絵遺跡などが、ユネスコ世界遺産になっており有名である! 8千年以上前の先史時代に描かれた壁画にはキリンやゾウの姿が見られ、今は不毛のサハラ砂漠が、当時は緑豊かなサバンナであったことがうかがえる!

 

 さばんなちほーの端に位置する「スウェンガ・シュキ壁画洞窟」は、壁や天井をキャンバスに、背景として鮮やかな青や緑などの顔料を塗り、特徴的な平面的画風のアニマルガールの姿が描かれた謎の洞窟! 頭・胴体・腕・脚など体を部分部分に分けた、意味不明な洞窟絵(腕と脚は何故か1本ずつである場合が多い)も描かれており、特別な儀式用の壁画という説もあるが真相は定かではない! 

 

「右手に見えますのはー、たくさんのフレンズの絵でございます。すごいですねー」

「Oh! ミステリアスなピクチャー、メニーメニー、ウォールにもルーフにも描かれてマース! マカフシギ! キョーテンドーチ! ショーキのサタではありまセーン!」

「旅の思い出に、写真とりましょっ(パシャパシャ」

「こんなファンタスティーックで、キテレツダイヒャッカなブツを見られるなんてー、陸のジャーニーも捨てたモンじゃねーデース!」

『やれやれ、呑気なもんだ。すっかり観光旅行気分かい』

 

「うほォーホホホぁー!! なンだくぉれェわ、スゲーェ!!」

「わあーきれーい……」

『これは大変興味深いね。ジャパリパークは火山活動により最近になって隆起して現れた火山島だと聞いていたが、これはまるでヒトの新石器時代の壁画だ。顔料となった鉱物を成分を採取すれば、描かれた年代を割り出せるぞ』

「う゛えぇえッ!! TFってンなコトまでできるのかァ!!」

「まあ、そんなにさわぐ程でもないです……」

 

 2番「わたりツーリスト」のリョコウバトとキョクアジサシ、5番「ジャパリパーク探検隊」のツチノコとビーチコンバーはすっかり不思議な壁画に魅せられて、順位を落としてしまうのだった!

 

 

 

 涼しげな洞窟の出口付近が最初のCP(チェックポイント)となる! 水・食料・燃料の補給や、次のじゃんぐるちほーに備えてチューンナップやマラソンランナー交代を行う!

 

「やあ~、サーバル~。ジャパリまんの他にも、バオバブの実をたくさん持ってきたよ」

「水を飲みたければ、バオバブのうろに前の雨が降ったのが溜まってますし、向こうには“たびびとのき”が生えてます」

 補給部隊を買って出たトムソンガゼルとサバンナシマウマだ!

 

「ふたりとも、ありがとう! かばんちゃん、これは“たびびとのき”って言って、ツメで突っつくと、お水がたくさん出てくるんだ!」

「ごくごく。うわぁ、おいしい! 旅をするフレンズを助けてくれるから旅人の木なんだね!」

『“タビビトノキ”ハ、バナナノ仲間ダヨ。葉ノ根元ニハ、雨季ノ雨水ガ、タクサン溜マルンダ。ソレニ、太陽ノ照ル南ヲ向クタメニ、葉ッパガ東西方向ニ開クカラ、旅人ガ方角ヲ知ル、助ケニナルンダネ』

 

「あついー、ボクもうやだ。ここ涼しいからごろごろしてる」

「もう! やる気出しなさいよ! 毛皮を脱げばちょっとは涼しくなるわよ」

『現実のラリーはたまらないぜ! 全く、大人しくゆきやまちほーでゲームだけしてりゃよかったよ!』

 

 過酷な走行に疲れ果てたラリーチームに訪れる、ひと時の休息!

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

 さあ! 2ndステージはじゃんぐるちほーだ! ここでは曲がりくねった見学用ジャパリバス車道を進んでいくのが本来のルートだが、生い茂る熱帯雨林の中を直進してショートカットすることもできる!

 熱帯雨林では、樹木の樹冠(上層部の枝葉)の集まる林冠が日光を遮り、陽の当らない地上部には木が生えず、枯れ葉や枯れ木ばかりで比較的歩きやすい! が、山火事や倒木などで、ひとたび太陽の光が差し込むようになれば、ツル植物や低木がみっしりと密集して繁茂し、植物の壁となり行く手を阻むのだ! この下草が、ちほーの呼び名の由来ともなっている「ジャングル」である!

 

「せっいやァッ!」

 前蹴り……だったと思う。キック一発で樹木を打ち倒すのは、19番「ロードランナー・エクスプレス」の第2走者ヒクイドリ! 170cm、60kg(メス)と、ダチョウに比べて体格は小ぶりだが、時速50kmで走れる強靭な脚力と、出刃包丁のように鋭利な刃渡り12cmのツメによる前蹴り(ティープ)は一撃必殺! 大木も指先ひとつでダウンさせる! まさに現代を生きる恐竜の末裔だ!

 とある実験によると、成人男性のパンチ力が819ニュートンに対して、ヒクイドリは1,274ニュートンのキック力をたたき出したという!(「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」より)ヘビー級のダチョウに対し、ウェルター級のヒクイドリ! ダチョウをパワーとスピードのマイク・タイソンに例えるならば、ヒクイドリはスピードとテクニックとメンタルのモハメド・アリと言ってもいい!

 

『トランスフォームッ! 邪魔な木を切り倒していくぞ!』

 コンボイ司令官の光の戦斧、エナジー・アックス! 木こりパワー炸裂だ!

 

『危険ダカラ、ドイテテネ。樹木ノ伐採ノタメニ、水圧レーザー、作動スルヨ』

「わー、ボス! お水で木が切れてるよー、すごーい!」

 サイバトロンに改造されたLB、テレトランBのパワーを見よ! 作業用・医療用のウォータージェットカッターだ! 水源が近くないと使えないが、引火の心配がなく、精密な裁断加工も可能! 緊急時には武器にもなるのだ!

 

「カーット! カーット! カットの鬼よ!」

 ミス・辻カッターこと、15番「クリフジャンパーズ」所属、ユキヒツジの華麗な剪定!

 

『木を切り倒してオレ様の道を作れッ! B・B!』

「ラジャー、スタースクリーム様。ぎこぎこ」

 こちらはノコギリザメのパワーを持つキメラ・フレンズ、B・Bの帯刀している、チェーンソー・サーベルによる森林伐採だ! このノコギリの歯は、破損してもサンドスターを消費してサメの歯のように再生するのだ!

 

『よし、ワシも手伝うぞ、B・B!』

「ありがとうございます、メガトロン様」

 メガトロンの左手から発射される電動丸ノコギリ!

 

「すぱん、すぱん! うごごごごご! ぐいいいーーん! がりがりがり!」

 これは……紛らわしい! 電ノコの声帯模写をする一般通行フレンズ、コトドリの鳴き声であった!

 

「ぢャッ! ちぇりャァッ!」

 皆に負けじと、目にも止まらぬキックコンビネーションを繰り出すヒクイドリ! これぞフレンズの技「キックの千手観音」だ!

 

「あいつ木を蹴り倒して進もうとしてるぞ。野蛮だねぇ、乱暴だねぇ」

「おお、ナムアムダブツ、ホトケ! ありがたや、ありがたや、なむなむ……」

 ウシのフレンズ、ジャージーとガンジーだ!

 

「ううぅ……わ、私は、らんぼうでもオオボケでもないから! 普通のトリの子だぞ! うっ……うわあぁーん!」

 なかないで。

 

 

 

 さて、残りのチームは遠回りながらも、かつての車両専用道を進むぞ!

 

「ミーはディスウェイ! こっちのロードをチョイスるホウが、よりクイックなのネ! セいてはコトをミステイク、イソがばゴーアラウンドがアイアンルールなのヨ!」

 インドやインドネシアの森林地帯に生息するオオカミのフレンズ、ドールだ!

 

『ジャングルはむしむししていて、気持ちがくさくさするねえ。こうなったらイマいBGMを一丁頼むぜ、ブロードキャスト!』

『オッケー♪ マイスター副官! ミュージックON! ノリノリでいくぜ~♪』

 20番「バンド・オブ・ブレーメン」ラジカセに変形するブロードキャストの奏でるナウい音楽!

 

「くっくるーッ! 音がにぎやかで楽しいね! ニワトリ―、がんばってー!」

「熱帯雨林を代表して、このワタシ、ジャングルキャットが応援するよー! 頑張れ、イエネコ!」

「「応援ありがとー!」」

 仲間に声援を送るセキショクヤケイとジャングルキャット!

 

 さて、森を切り開いて近道を進み、1位に躍り出たのはスタースクリーム率いる00マシンだ!

 

『サイバトロンとフレンズどもを驚かせてやれ! B・B! 妨害作戦開始だ!』

「ラジャー。もぐもぐ」

 

 ジャングルには、ジャパリまん製造用のバナナ農園があり、その栽培種の多くが野生化している! 道端から採取した野生バナナを食べて、なんと、その皮を車道にバラ撒くB・B! 植物性の油分を多く含むバナナの皮で滑るというのは、19世紀の文学に歴史を遡り、20世紀初頭のサイレント映画でお馴染の光景! 使い古された陳腐な作戦のようで、泥と落ち葉で元々滑りやすい熱帯雨林の路面ではシンプルながら効果的!

 

「B・B、胃容量、97%使用中。もうおなかいっぱい、満腹です」

『バカ野郎! 別にわざわざ中身を食べる必要はねえんだ!』

 

 この脅威のバナナ・スキン作戦に対し、スリップする後続車が続出だ!

 

「うわーうわー! すっごいすべるわよ! キタキツネ!」

「くおー、ぶつかるー。ここであくせる全開ー、はんどるを右にー」

 

 キキーッ、ガシャン! スリップによる接触事故だ! ゼッケン7番「スーパー赤いきつねカート」の4WD(ギアーズ)と12番「ジャングル・ビューティ」のシボレー・コルベット(トラックス)の衝突!

 

『ボンネットがっ! オレの美しいボンネットがぁっ……!』

「タッケテー! タッケテー!」

「大変! トラックスとシロクジャクが“うつぼかずら”セルリアンに飲まれちゃった! 毛皮を溶かされちゃう!」

「どれ、助けてやるとするかな。我も病み上がりで調子が出んと言うのに……全く、このかけくらべは災難続きじゃのう……」

 インドクジャクの蹴爪での踵蹴りと、アカクジャクのバーミリオン・ファイアーブレスによる救助活動!

 

「あーもう! ひどいことするわね! あのスタースクリームとB・Bったら!」

『だから俺は最初からラリーなんてイヤだったんだ!』

「これは、復帰に時間かかりそう……バナナ強すぎなんだよ。どこでも生えててすぐ補充できるのに、回復あいてむとして使用後のぐれねーど攻撃のでばふ効果も威力高いし。これじゃ、バナナげぇ~じゃん。ばらんす悪いよ~、かほうしゅうせいして」

『ジャングルなんて、俺はもうTVでも見たくもないぜ! クソォ!』

 ギアーズを修理するキツネコンビ! 幸いなことに、頑丈なオフロード4WDのために損傷は軽微!

 

 

 

『はっはっは! ざまあみろ、サイバトロンとフレンズのマヌケどもめ!』

『やめんか! この大バカ者めが!』

 勝ち誇るスタースクリームを張り倒すメガトロン! 軽い金属音を響かせて倒れるスタースクリーム!

 

『な、なにしやがる! メガトロン! バナナのカドに頭ぶつけたか!?(Have you gone bananas?)

「そんな馬鹿な(バナナ)

「お呼びに与かりましたわたくしは、馬のフレンズ、ヒラコテリウムと申します」

「呼ばれて呼び出たあたし、アクシスジカ!」

『帰れ! (うま)鹿(しか)のフレンズなら、このB・B……ウマシカ頭のワン公(Banana-head Bitch)一匹でたくさんだ!』

「私、トリ頭のワン公(Bird-head Bitch)ですよ」

 

『愚か者どもが! このラリー、皆がゴールを目指して走らなければならないのだ! 余の深遠なる秘密作戦、サル向けのパズル(one-banana problem)すら分からぬお前たちの、未熟なオツムでは理解できんだろうが……よいか、キーマン(Top Banana)はワシだ! 貴様ら、ワシの言う通りにしておればよいのだっ!』

そう言って、走り去っていくメガトロン!(Megatron made like a banana and split.)

 

 にしてもさっきからバナナのせいで、サイバトロンたちはタイヤが滑って、デストロンたちはカイワが滑っていますぞ~(ヒゲじい要素)

 

『チェッ! メガトロンめ、バカにしやがって! きっと、オレ様が1位になってデストロンのニューリーダーとして認められるのを怖がっているに違いねえ! なんとしても優勝して、オレ様を認めさせるんだ! B・B、スウィンドル、気を取り直して出発するぜっ!』

「うっぷ、ラジャー」

『大人しく、メガトロン様に従ってりゃあいいと思うがねぇ……』

 

 

 

 さあさあ突然、密林が開けて目の前に現れたのは、大きな川!

 ここはじゃんぐるちほーの「アンイン橋」……!

 

 だが、橋などどこにも無いではないか!?

 

「こ、これはどういうことかしら!? グラップル!?」 

『パークに“架橋戦車”が残っていたから――架橋戦車ってのは、川に道をつくれるバスさ。動物の名前をしてたっけ――それを修理して、今回のラリーに備えて橋を作っておいたハズなんだが……数日前の増水で流されてしまったのだろうか……?』

 

 トラブル発生、橋が無い! 大問題! どうする!

 

『ノープロブレム! こうして飛んでいけば良いのさ! トランスフォーム! 吾輩、少しなら飛行できるんやで~!』

「ホイルジャック! やりますねぇ!」

「やるです! 隠し芸ですね!」

 1番「フォレスト・フィロソファーズ」のランチア・ストラトスのホイルジャックは、空を飛んで川を越えていこうというのだ! 一部のサイバトロン戦士には飛行能力が備わっている!

 

『空を飛べるのはお前だけじゃないぜ! トランスフォーム!』

「すげぇな! お前も飛べるのかよ! ん? もしかして鍛えれば俺も飛べるのか!?」

「ええ~、どこの筋肉鍛えれば、背中から火が出るんですか~? 火ッ出ィング・マッスル?」

 

『トランスフォーム! しっかり掴まってろよ、弱虫フレンズ! 落ちても助けてやらないからな!』

「きゃあっ! は、はいっ! よろしくお願いしますっ!」

 

『水溜まりやバナナの皮で、タイヤと神経をすり減らすのはもうたくさん! 泥にまみれて川遊びもゴメンだね! 僕トラックスも、空を行かせてもらうとするか!』

「わあ、すごーい! 下から翼が生えてきましたよ!」

「へぶしょっ! 毛皮無しのあられもない姿で寒がる私も、また美しいですねぇ……」

「おお、トラックス、やるではないか! 人間どもの乗っていた車より高性能じゃのう!」

 

 カウンタック兄弟ランボル・サンストリーカーと、戦士トラックスの飛行能力!

 

「こんな川、パフィンちゃんやエトピリカちゃんや私の故郷、北極海の荒波に比べたら、潮だまり(タイドプール)みたいなものです!」

『おーし! 俺たちもいくぞぉ!』

 17番「ポーラスター・ウィンドジャマー」のオオウミガラスたち海鳥フレンズと、ホバークラフト・シースプレーにとっては、氾濫する川などトラブルの範疇にすら入らない!

 

「ハト型ジャパリバス、潜水モード起動です! 防水隔壁、クローズ!」

 

『それっ! ワイヤーアンカーだ! みんなこれに掴まって進むんだ』

 

「うらぁーッ! 見さらせや! これぞエリマキトカゲの水上ダッシュじゃぁい!」

 

『トランスフォーム! 俺たちのジャンプ力を見せてやろうぜ!』

「「「「おー! ヤギフレンズ・パワー全開!」」」」

 

『オイラ、水中だってへっちゃらさ! かばん、トランクから潜水用パーツを!』

「はい、バンブルさん!」

「かばんちゃん、私も手伝うよ!」

 

 他のフレンズとTF達も、各々が渡河する手段を見つけて、レースを続行!

 

 

 

 ジャングル・リバーのクルージングを満喫した後は、バリ島のジャティルイを思わせる風光明媚なライステラス(棚田)地帯の農道を一気に走り抜けて、密林の奥地「けもブドゥール遺跡群」の大回廊を進む! 

 

『自然では見られない完全円形の沼や、強い力で崩落した建物、さび付いた不発弾、土壌中の枯葉剤の痕跡……。ここで、はるか昔に戦いがあったようだね』

「そうなのか……そんなことが……ここは平和そのもので、とてもそうは見えないけどな……」

『爆弾や化学兵器を使われても、パークの大自然の回復力が、過去の醜い傷跡を治してくれたのさ。当たり前だけど、自然の力と言うのは、本当にすごいね、この世で最も尊いもののひとつだ』

 自然の脅威に感銘を受ける、ツチノコとビーチコンバー!

 

 さあ、じゃんぐるちほーのCPだ! 寺院の境内で、屋台で食べ物をふるまうジャガーや、ジャグリングでおにぎりをつくるコツメカワウソ! TFにはエネルゴン・トロピカル・ジュースが振る舞われる!

 

「おこめ……まんぞく……」

「ごはん、おいしいでーす。もぐもぐ、パフィンちゃんも大満足なのでーす」

 

 次の難関ステージ「こうざん」越えするため、皆は英気を養うのであった!

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

 3rdステージ、ジャパリパーク山岳部、通称こうざん! TFとフレンズたちは、車両用に設けられた険しい登山道を一心不乱に走る!

 

「はあはあ……きついですね……日頃の運動不足が祟りましたわね……」

 

 ペースが苦しそうなのは「送りオオカミ陸送隊」第3走者のイタリアオオカミ! イタリアを縦断するアペニン山脈やアルプス山脈西部の山岳地帯に500頭ほどが棲息すると言われている! ローマ建国神話において、初代ローマ王ロムルスとその双子の弟レムスを育てたオオカミだ! その授乳シーンをあらわした有名な中世イタリアのブロンズ(フィギュア)「カピトリーノの雌狼」は、母性(バブみ)溢れる傑作彫刻である!

 

「イタリアオオカミ、だらしないアルよ! 山頂のジャパリカフェに、好物のジャパリ中華まん、タクサン用意したのコトね! 根性出すアル!」

「お・かぴーと!(×:オカピだぞ~ 〇:りょうかーい!) がんばるよ! ついでに“ぷったねすか・すぱげてぃー”も作ってよね!」

「アハハ、呆れたアル、ホント食い意地張ってるネ! それじゃあ頑張るヨロシ!」

 仲間のチュウゴクオオカミ(チベットオオカミ)の叱咤激励を受けて、闘志を燃やすイタリアオオカミである!

 

 

 

 さて、そのライバル、「ロードランナーエクスプレス」走者のライチョウの様子は!

 

 キジ目キジ科ライチョウは他のキジ科のなかま同様、めったに飛ばないと言われる鳥! とくに冬の山は歩くことを優先して、体力の温存を図るのだ! 飛行は思ったよりカロリーを消費する!

 ユーラシア大陸や北アメリカの北極海沿岸のツンドラに生息するほか、アルプス山脈、ピレネー山脈、日本の本州中央部の山岳部に分布する! これは氷河期に日本にやってきたものの、氷河期が終わり気温が上昇したため高山帯にのみ取り残されたグループである!

 

「あーん、やだぁ! こんなに走ったら、脚に筋肉がついちゃう!」

 だが、イマイチやる気が無いライチョウ!

 

「走るのは筋肉にいいぞ! こうざん、さーいこぉー!」

「太ももばっきばきぃ、ですよぉ! 高地とれーにんぐぅ、さーいこぉー!」

 ライチョウの意見に、異論を唱えるオーロックスとガウル!

 

「やあねー、ウシさんたち。頭まで鍛えちゃって。あたし、脚が太くなるなんてイヤよ。楽しちゃおっと!」

 コンボイ司令官の変形するトレーラーコンテナに飛び乗ったではないか!

 

「あ、いんちきしてる! ずるいんだ! 自分で走らないとダメだろ!」

「ちぇっ! ちょっとくらい、いいじゃない」

 さっさと追い払われるライチョウ!

 

 だがその時!

 

『よーし! メガトロンめ! 思い知らせてやる! 落石作戦だ!』

「ラジャー」

 

 アクセル全開でトップに立ったゼロゼロマシン、スタースクリーム、スウィンドル、B・Bの3人が、銃撃で岩を撃ち崩し始めたのだ!

 

 後続車に襲い掛かる落石の五月雨! 山の神の怒りにも等しい、大岩の絨毯爆撃!

 

『ハァーハッハッ! コンボイ! この落石で地獄へ落ちろ! いや、天国へ登りなァ! ちょうど雲の上まで近いようだしな!』

『スタースクリームめ、汚い手を! ホォッ! ホアアアーッ!』

「あ! コンボーーイ!」

 

 ジャンプして離脱するフォッサだが、落石の直撃により、谷底へ転落してしまうコンボイ!

 まばたく宇宙(うちゅう)のデスティニー そめて……崖を横転して落下していく!

 

『司令官がやられて落ちてくる! 今、助けます! トランスフォーム!』

「みんな! 登山で鍛えたパワーを見せるぞ!」

「んめぇー! ド根性なんじゃーい!」

「ケガ人発生! ただちに現場に急行! ジャコウウシ、あなたの編み物を借りるわ!」

「んあ?」

 

 コンボイを救出せんと行動を開始する15番「クリフジャンパーズ」の戦士クリフとヤギのフレンズたち!

 なんと、ジャコウウシが自分の毛で編んだ毛糸の救助ネットにして、コンボイをキャッチしたではないか!

 

 それを可能にしたのは山羊(やまひつじ)と書いてヤギ、彼女たちのパワーだ! シロイワヤギ、ユキヒツジ(シベリアビッグホーン)、マーコール、ジャコウウシ!

 クジラ偶蹄目のヤギの、2つに分かれた(ひづめ)(ヒトだと中指と薬指にあたる)は、固い外側とくぼんだ柔らかい内側によって、急斜面の岩場の凹凸に引っ掛けやすくなっているのだ! かかとにあたる部分には、副蹄と呼ばれる小さな爪(人差し指と小指)があり、これを下ろすことでさらに接地面積を大きくして、摩擦力による滑り止めが可能! 断崖絶壁でも、ほんのわずかな取っ掛かりを見つけて、巧みに移動! さらに、ジャンプ力ぅも高く、種類によっては1.5m以上の高さを飛ぶこともでき、着地の際には足関節が優秀なクッションとなる! ヤギの足は、まさに生物進化が編み上げた高級登山靴!

 

 ヤギの仲間は皆、本能的に崖に登りたがる、生まれついてのイワトビ野郎たちばかりなのだ!(女の子やぞ) ロッククライマーだぜ! 「ヤギ 崖」で、画像検索してみてくれ! どこぞの、ウマとシカなフレンズが言っていた「高い所に登る習性」は本当だったのだ!

 

「へぶしょっ! うぅ~、こうざんは寒いわねー……」

「大丈夫? アミメキリン? カゼひいた?」

「グラップルちゃんに診てもらっては?」

『ええっ! 僕はTFの修理が専門だから、フレンズのことはちょっと……』

「ありがとうみんな! でも私は平気よ! 名探偵はカゼひかないって言うでしょ! さあ、みんなの司令官として頑張らなきゃ!」

 

 

 

 一方、クリフとヤギ軍団の尽力により無事に救助されたコンボイだが!

 

『大丈夫ですか、司令官? TFできますか?』

『あ……ああ……大丈夫だ……』

「マーコールに診てもらっては?」

『大丈夫だと言ってるだろうが!』

「きゃっ!」

 

『はっはっは……自分の部下とレディに八つ当たりとは、みっともないぞ。何を苛ついておる、コンボイ? もっとも、泳げない、飛べない、走るのも遅いじゃあ、同情もしたくなるがな……』

『貴様! メガトロン!』

 

『この野郎! 正々堂々とか言っておきながら、この落石もお前の差し金だろう、メガトロン! 今この場で、貴様を八つ裂きのスクラップにしてバラ撒いて、登山道の目印(ランドマーク)にしてやるぞ!』

『おっと、それは濡れ衣だ、全くとんでもない! あれは愚か者のスタースクリームの独断……ヤツは血気盛んで、ワシでも抑えられないところがあってな。コンボイ、お前にもそんな部下、無能のくせに口先だけは達者な弱小ウジ虫が、すぐそばにおるではないか?』

『なんだと貴様!? 言うに事欠いて!? 今すぐお前の心臓(オイルポンプ)を引き抜いて、アステカ文明の生贄のように――』

『ぐ……やめろ、クリフ……』

『でも!』

『フハハハ! ワシの考えていることが分からず、焦っておるようだな! だが、最初に言った通り……余は、皆がこのレースを完走することが望みなのだ! では、お先に行かせてもらうぞ!』

 モーターマスターのTFする大型トレーラーで走り去っていくメガトロン!

 

『悔しいが、ヤツの言うとおりだよ、クリフ……ヤツは何を考えているのだ……ただフレンズ達とラリーを走りたいわけでもあるまいが……』

『司令官……畜生! メガトロンめ! 何度血祭りにあげても物足りないくらい憎いですよ!』

 

「よく分からんけど、クリフも大変なんだなあ! そんな悩み事は、気持ちよく山に登って忘れよう!」

「そうだよ! レースを続けよう! 運転ならあたしに任せてね、コンボイ!」

 シロイワヤギとフォッサの励ましを受けて、いくらか気が楽になるコンボイとクリフの両名!

 

 

 

 ラリーチーム一行は、高度2000mを超えるCP、ジャパリカフェに到着だ!

 

「いらっしゃあぁ~い! ほんどよぐ来たよぉ! みんなが来るのをぉ、待っでだんだからぁ! 紅茶もコーヒーもたくさんあるゆぉ! のんでげのんでげぇ! からだ、すんごくあっだまるんだからぁ! あ、この毛皮はにぇ~、“きもの”ってゆんだぁ、博士に教えでもらっだの~!」

「チベットスナギツネとは自分です。あ、今回は私“うぇーとれす”ですよ。TFの方には“えねるごんてぃー”があるので、ゆっくり飲んでいけばいいと思いますよ」

『オレ、グリムロックも、ウェートレス、したい。オレにも、エプロンと蝶ネクタイ、くれ』

 

「はやくカレーよこすのです。カフェにはカレーなのです」

「火が使えないお前ら、“れとるとぱっく”の“ゆせん”でかんべんしてやるです」

 

「西洋峠茶屋“かふえー”であるな。ハイカラじゃのー。懐かしいのう。うむ、くるしゅうない、我にも緑茶を一杯頼むぞ。え、西洋紅茶しかないのか?」

「わたくしは、サソリの黒焼きをお願いします」

「茶を飲むのも久々じゃな……って、熱っ!」

「あはは、アカクジャクさん、火を吐けるのに猫舌なんて、へんなのー」

 

「ビントロングとハクビシンじゃない! なにしてんの?」

「あ、フォッサ!」

「私たち“こぴるあく”を……」

 

 さあ、各自補給を済ませて、少し走ったところにある廃墟となった飛行場でジェットパックを装着し、いざゆかん空の旅へ!

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

 レースも後半戦に突入! この後も過酷なラリーは続いた……!

 その様子を一部、ダイジェストでお伝えしよう!

 

『砂漠でオープンカーは暑すぎるぜ! B・B、お前なんとかしろ!』

「ラジャー。高級車、デストロン・ハイヤーは、ワンタッチ・ルーフでございまーす」

 着ていた黒地のケープを脱ぐB・B! じつはコレ、ドイツ軍のツェルトバーンのように、広げれば三角形の天幕(テント)にもなる、レーダー探知を防げる優れモノなのだ!

 

『アチッ! 暑ゥッ! おい、なんだこれは!』

「うごご……黒色は、高い熱吸収率……オーバーヒート、思考回路ダウン……強制終了します(ばたんきゅー」

『このバカ!』

 

 

 

 砂漠地下の迷路で迷う「マッスル・オックス」のオーロックス・ガウル・ランボルの、地図の読めない3人組!

 

「ええっと……武器を持つ方が東だっけ、太陽が右でしょ? 自分に北の風が吹くと、上が西で、下が東で……目の前が南だから、右の3つは真ん中が横になって……左に回って4回進むと、風が吹く場所は東から南に変わって……」

「武器を持たないさうすぽうが南で左の、後足だから……右にじゃぶじゃぶすとれーとで真っ直ぐ進むと、左にくろすして曲がって、東の方がおーそどっくすだよ」

『前のゲートにトラの絵があって、後ろのゲートがオオカミで……ウシとトラだと北東で……ウマの耳に東風が吹くから、ウマの方角にフェニックスの絵が……全然わからん! まあいいや、穴を掘ってまっすぐ進むのが一番の近道さ……うぎゃあ! 落盤だ!』

 

「お、お前らァアーッ! 貴重な遺跡をぉ壊しやがってェエッ! ゆ゛る゛さ゛ん゛!! ツチノコキック!!」

 

 

 

 しんりんちほーの温帯林地帯でも、インドクジャクたちにトラブルが!

 

「わたくしにいい考えがあります! あの原っぱを走って近道しましょう!」

『アカクジャク! 草地を焼き払って、通り抜けていこうぜ!』

「お主ら……我が“天来浄化の業火”を“農家さんの除草用バーナーか何か”だと思うてないか? ……まあよい、我が力、思う存分見せようぞ!」

 

 しかし! まさかこれが思わぬ事態になろうとは!

 

「あ、あるぇー……草の焼けるケムリがぁ……吸うと気が抜けますぅ……らぶあんどぴーすぅ……」

「はっしぃしゅー……気持ち良いよう―……とにかく、きく……」

『サ、サンドスター色のガス……多幸感で、感情回路がおかしくなる……ゴッキゲェ~ン……』

「ふにゃ……妙じゃ……この五色の煙は心をうつけにするのぅ……ぐぁーんじゃあー……」

 

「素敵ぃ……美しい私が、さらに鮮やかに美しく……美しすぎ……あっ、あっ……空の青と海の青は、私の羽から流れ出るのね……」

「や、やだぁ……あなた、私の心の中、触ってるでしょ……んんっ……身体の中には白い羽毛が詰まって? ……きもちいいよぅ……私の心、もっと触って……」

『なんだ、あの空の排気管(エグゾーストパイプ)は? ああ、あれは太陽から生えてる尻尾。ジャパリパークでは、太陽もフレンズになるのか……ああ、俺が尻尾が揺らすと空に風が生まれる。ヒュー、ヒュー。俺が風だ』

「セイリュウ、ビャッコ、ゲンブ……タヌキにキツネ、カラスにオロチも! 我は独りで寂しいぞ! この世は、(すがた)は同じでも、皆違うフレンズなのじゃよー……え? 他の者もおるのか? おお! みな、肉体のなかに隠れておったとは! ははは、こやつら、いじわるしおってー、このー! ……現世の体など、所詮は遺伝子(きおく)の方舟に過ぎぬ……いやー、みんな、本当に懐かしいのう……」

 

「あーっ! あいつら“おうごんのはらっぱ”の“おばかになる草”を焼いちゃったのです!」

「あそこの”じゃぱりふぁな”は、吸うと頭が“ぱっぱらぱー”になっちゃう草なのです!」

 

 博士たちが気付いた時には、時すでに遅しであった!

「しあわせの草」の煙の影響を受け、バッドトリップする後続のフレンズとTFたち!

 

『見ろ! ゾウさんだ! ピンクのゾウさんだ! ピンクのパンサーもいるぞ』

 

「あ~ボクもピンクの仔馬(リトルポニー)になっていく……ロイヤルペンギンはどこ? シュービドゥ、シュシュビドゥー」

『俺もマスターピースになったり、実写版に出たいよ~……ギャー! 監督に殺されっちまう!』

 

「右手に見えますのは……大群のわたくしでございまぁ~す、あは、当機はこれよりわたくしの乱気流の中にはいりま~す、シートベルトをお締めに、きつく締め、絞めっ……あはは……」

「苦しい……た、卵の、子だけは……お願い……助けて、下さい……」

 

『あの空にいるのが、ダイアモンドでいっぱいの、アウストラロピテクスのルーシー』

「スナネコ、これ俺の絵だけど、どうだ?」

「うわーきれーい(焦点の合っていない目」

 

『な、なんだここは……サイバトロンが悪で、デストロンが善の世界……』

『なんでオイラのボディが赤いのさ!?』

 

「空を飛びすぎて……身体が溶けちゃいマース!」

「パ、パヒンちゃん自身がお菓子! パフィンちゃん、パフィンちゃんを食べないでくださーい!」

 

『頭が……メガトロン……コードが……俺の頭に……』

「いやぁ……セルリアン……触手はやめてぇ……」

 

『愚か者めが! でくのぼうの分際で、2人に増えおってからに!』

『アンタこそ! 胸のマークがサイバトロンじゃねーですかよう、この裏切り野郎!』

「スタースクリーム様、どこかで、私、見かけませんでしたか? どこにも、私がいないんです。どこを探しても、いないんです」

 

「みんみ(例の顔」

「ボクのかばんの中にいる、君は誰? どこから来たの?」

『僕ノ頭ヲ開イテネ。中身ハ、ナニモ無イ、カラッポダヨ。カラッポナンダヨ』

 

「……ああ、こまったものなのです。みんな悪い夢を見てるのです」

「まあ、ほっとけば治るのです」

 

 

 

 みずべちほーの田園地帯の片隅にあるジャパリ・コンポスト!

『くそ……このオレが、こんなひどい目にあうとは……』

 ラッキービーストの管理により、ジャパリまん工場の生ゴミや、動物たちの排泄物を再生利用して肥料を作る装置だが! 堆肥発酵槽に落ちてしまったサンストリーカー!

「待っててください! 今助けます!」

『馬鹿っ! アードウルフ! はやく離せ! お前まで沈んでしまうぞ!』

「イヤです! 誰かを独りぼっちでさびしく死なせるくらいなら、私も一緒に!」

『アードウルフ……』

 

 だが! 引き上げようとする努力空しく、肥溜めに滑り落ちるアードウルフ!

「あっ!(ズルッ! ボチャン!)んあ゛ーっ! あ゛づっ! 熱いですぅっ!」

『誰も、死ぬなんて言ってないだろ……底が浅くて足がつくから、平気なのに……』

 肥溜めの発酵熱というのは70℃にも達し、寄生虫や細菌が死滅するほどなのである!

 

 

 

 ゆきやまちほーの亜寒帯林を爆走する、ジャイアントモアのフレンズ!

「さむいわぁ! でもこのくらいの寒さで私の走りを止められると思ったら、大間違いなのよぉ!」

 ダチョウは灼熱のサバンナだけでなく、シベリアの大地でも生存可能、そのダチョウより遙かに大きな、体長3.6m・体重250kgの巨体のジャイアントモアの適応力はさらに凄まじい! 風速が1m/s増すと体感温度は1℃下がると言うから、時速70kmで走行すれば体感温度は19℃以上も下がるが……それをものともせぬ、ジャイアントモアの胸部の皮下脂肪! 存分に見てくれ!

 

「あいつ、揺れますね。我々は、全く揺れませんが……」

『そりゃあ吾輩、安全運転を心がけておるからね!』

「そういう話じゃねーのです……しかし、胸骨に“竜骨突起”を持たないダチョウの仲間は“平胸類”と呼ばれるくせに……」

「あいつこそ“胸峰類”。いや、胸豊類なのです。ヒトは嘘つきです、キライなのです……」

『どないしたんやぁ、おチビちゃん達ぃ、いったい何の話かね?』

「うっ、うるさい!! うるさいのです!!」

「ダレのドコがおチビなのですかぁ!?」

『おやまあ……この大天才の吾輩でも、フレンズの心だけは分らんわぁ……』

 

 ラリーでは、他にも色々な出来事があった。湖畔の山火事の大事故からTFとフレンズ達を救うコンボイの「ローラー」と「コンバットデッキ」の大活躍……リジェとカメレオンのコンビネーションで全員を透明化して太古の時代から復活した恐竜から逃れ……流れる流氷をピンボールのように動かして窮地を逃れるキタキツネとギアーズのビデオゲーム・テクニック……。

 

∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀ ∀

 

 さて、一団はとうとう最終ステージ「ゆうえんち」の、廃墟となった居住区に差し掛かる! この街路を走り抜ければ残すところは、遊園地のゴーカート・サーキットのウィニング・ランのみ!

 

 だがこの時、思いもよらぬメガトロンの罠が、フレンズとサイバトロンを待ち受けていたのである!

 

『ホォッ!! な……なんだ!? 一体あれは!?』

 

 突然! ジャパリリパークキョウシュウ島の中央にそびえ立つ「サンドスター火山」から、金属的な唸り声を上げて虹色のサンドスター・エネルギーが立ち上り、渦を描いて上昇していくではないか!? まるで、2つの螺旋を描いて空へと登る光の樹である! 一体この自然現象は何なのか!?

 

『驚いたか? これは、パークの全ての命の原初の根源! 砂の星が天へと登る道! 余が作り上げた“生命の樹”(ジャパリ・ツリー)だ! コンボイ!』

『なんだとメガトロン! どういうことか説明しろ!』

 

『ふふふ……今回のお友達ごっこは、莫大なエネルギーを解放する“儀式”だ! 10の地に、22の駒を動かすこと! 我々が島中を巡ることが発動の“鍵”となっていたのだ!』

 

「10の地と言うのは、パークの5つの気候帯をさらに細かく分けた10の場所のこと! そして、我々ラリーチームが22組の駒……22とは、タロットカードなど、ヒトのオカルトや黒魔術で扱われる神秘的な数! つまり私たちは、メガトロンさんの掌の上で、ジャパリパークというゲームテーブルで、魔術的な“すごろく遊び”の儀式をさせられていたのですね!」

「あ、ダチョウ。お前、いつの間にいたのですか?」

「何ですかそのトンデモオカルトオモシロ世紀末滅亡論は? 非ぃ科学的なのでーす」

「キタキツネ~、“たろっとかあど”とか“すごろく”って何?」

「げぇむの1種だよ。ボクたち、ぷれいやーのメガトロンのげぇむの中のえぬぴーしーだったんだよ」

「はぁ? 何それ?」

 

「ええー! 全然わかんないよー!」

「つまり、ボクたちがひとりも欠けずにラリーを走り切ることで、火山からエネルギーを引き出すのが、最初からあなたの計画だったんですね!」

『ぐぬぬ! 完走することに意義があるとか言ってたのはそういうことか、おのれメガトロン!』

「はじめっから分かってたわ、やはりメガトロン、あなたが犯人だったのね!」

『このエネルギーは……大地の記憶だ。46億年の地球環境を“保存”して“再現”する、サンドスターの2重螺旋……』

「うわぁ……きれーい……」

 

「この“らりぃ”の走者と道順を見ただけで嫌な予感がしておったが……メガトロンめ、どうやって調べたのか知らんが、大昔の儀式を復活させおって……“ぱわぁ”が失われた我に、どこまでできるかのう……もし“あやつ”なら、こういう時どうする……?」

 

『フハハハッ! この膨大なエネルギー波は、ジャパリパーク上空、宇宙空間を飛行する人工衛星が受け止めるぞ! 米軍が“スターウォーズ計画”で残していた衛星に、サウンドウェーブやレーザーウェーブが待機しておるわい!』

『さ、さすがメガトロン様! なんという壮大な計画! 俺にも教えてくれればよかったのに……』

『さあ、スタースクリーム、モーターマスター、スウィンドル、フレンジー、B・B! ワシらも宇宙衛星へ向かうぞ! さらばだ、愚かなサイバトロンとフレンズ諸君!』

 

 宇宙へ飛び去るメガトロン一味! これに追撃を加えようとするサイバトロン戦士たちだったが! そこへ、宇宙から降り注ぐ謎の麻痺エネルギー放射線! バリアに守られるデストロンに対して、サイバトロンのみならずフレンズまでもが行動不能に陥ってしまった!

 

『うう……なんだこの宇宙線は……オイラ、指の先まで動かないよ~』

『吾輩たちサイバトロンだけじゃない……フレンズ達も……』

「この筋トレは凄すぎるぜ! 鍛えぬいた俺の筋肉でも全然動けねえぞ!」

「ア、アライさぁん……なんだかー、すごいことになっちゃってるよー……」

『オレ、グリムロック、ダイノボット・パワーでも、全然ダメ』

『コンボイ司令官……このままでは……何か、パークを救う手立ては無いのでしょうか……?』

『くっ……そんないい考えがあるなら、私の方が教えて欲しいよ、マイスター……』

「か、かばんちゃん……苦しいよ……」

『アワワワ……』

「うぅ……この麻痺光線をどうにかしない限り……」

「うぐぐ……昔のチカラさえ取り戻せば、こんなへなへな光線など……あ~、全身が筋肉痛じゃよー、歳は取りたくないもんじゃの~!」

 

『はっはっは……今日は大変楽しいお遊戯会だったからな……これはそのお礼だ。どうだ、宇宙衛星からのパラライザー・ビームの味は? 上空から眺めると、貴様らは虫ピンで張り付けた昆虫標本のようだぞ、ウジ虫どもめが! 貴様らサイバトロンとフレンズには、大変手を焼かされたからな……そのみじめな姿のままもっと苦しむがいい、あわれな虫ケラども!! 余に反抗できる力を全て奪い尽くしたあと、全てのサイバトロンとフレンズは、我が奴隷と家畜になり果てる! ジャパリパークは今日からは、デストロンの千年王国“メガトロンパーク”になるのだぁっ、ワァッハッハッハッ……』

 

 勝ち名乗りを挙げるメガトロン! 絶体絶命! パークのサイバトロンとフレンズは、悪のデストロンの支配下に落ちた! この日がジャパリパーク終焉の時、デストロン黙示録(アポカリプス)の日なのか!? けものたちの自由と平和のユートピアは、メガトロンの独裁と圧制によるディストピアとなってしまうというのか!

 

 

 

 ジャパリパークの上空……雲の上よりさらに上の宇宙空間の、かつての米軍の「スターウォーズ計画」の名残り……ヒトが残した軍事衛星では!

 

『ヤリマシタ、メガトロン様。サンドスター火山ヨリ放出サレル、2重螺旋情報記憶放射線“生命ノ樹”ノ、エネルギーヲ、順調ニ吸収中』

『そのエネルギーを電力にして、私が開発しました強力麻酔エネルギー光線を、リフレクターのレンズで増幅して、地上のサイバトロンとフレンズの奴らに照射中です。地中だろうが海中だろうが、パークのどこに隠れていても、逃げられっこありませんよ』

『いやあ、ご苦労だったな! サウンドウェーブ、レーザーウェーブ!』

 

『流石です、メガトロン様! サイバトロンのみならず、あの厄介者のフレンズどもも一網打尽とは、たまげました! ホント気分がいいですぜ~、ナハハハ~』

『アイツらと一緒にレースをするなんておっしゃった時は、俺も驚きのあまりヒューズがブッ飛びそうでしたが、このような深遠なお考えがあるとは、思いもよりませんでしたよ』

『ククク……トランキライザー・ビームを防ぐバリア発生装置は我が手の中……サイバトロンとフレンズの連中は全く打つ手なしというわけだわい! 余に逆らうものは誰一人としておらんわけだ! 余がこの野生の王国の帝王である! ふはははっ!』

 

 だが! ここにまだ、メガトロンに反旗を翻そうという者がいたのだ!

 

『おおっとぉ……自分一人で成し遂げたみたいな言い方をしますが、誰かのことをお忘れじゃありませんかね、メガトロン様? 今回の“生命の樹”作戦が上手くいったのも、わたくしのサポートぶりが優れていたからというもの!』

『何を言うかと思っておったら……この愚か者めが! お前は、姑息な妨害工作をして、ラリーの進行を妨げただけではないか! 全く余計なことをしおって! レースチーム22組がラリーを完走できなければ、あの不思議なエネルギーは出現することはなかったのだぞ!』

『ぐぐぐ……それはアンタが前もって、俺にこの計画を教えなかったからでしょうがぁ!!』

『妨害を止めろと言ったのを、無視しおってからに……簡単な命令1つまともにきけない者が大口を叩くな!! このバカモノが!!』

『うるせえ!! いい加減にしろ!! デストロンのニューリーダー、ジャパリパークの王になるのは、このスタースクリーム様だぜ!!』

 

 スタースクリームの反逆! なんと、レーザーウェーブにナルビームを放ったではないか!

『ぐわぁっ! な、何をする! スタースクリーム!』

『どきな、レーザーウェーブ! てめえの作った麻痺ビームのターゲットを、この人工衛星にしようってのよぉ!』

『ハッ! ワシらに麻痺光線を食らわせる算段だろうが、ワシにはこのウルトラバリア装置があるのだ! お前の考えなどお見通しだ! お前はもう100回はワシを裏切っておるのだからな!』

『だが、101回目は違うぜ! こっちには味方がいるってことだ! B・B!』

「ラジャーッ!」

 

 なんとB・Bがメガトロンからバリア発生装置を奪ったのだ! そして、スタースクリームによって、ステーション内に放たれる麻痺エネルギー照射光線! 瞬時に身体の自由を封じられるデストロン軍団!

 

『き、貴様ら……』

『ハァーハッハッハ! 今回はオレ様の勝ちのようだな! デストロン軍団の天下はオレ様のものよ! お前も笑え、B・B!』 

「笑います。はっはっは」

 

Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ Ψ

 

 そして、地上のサイバトロンとフレンズ達は!?

 

『おや? オイラ動けるぞ! 麻酔光線が止まりましたよ、司令官』

「おー! 助かったのです、動けるのです!」

『一体、どういうわけなんだ!?』

『どうせデストロンの作るポンコツのことでっせー。おおかた故障でも起こしたんとちゃいます?』

『だが、このデストロン台風の“目”はいつまで続くかわかりません! 早く奴らの計画を阻止する行動を起こしましょう!』

 

『しかし、連中は今は雲の上の、空の上……宇宙だ……!』

「え、えー! すごーいっ! 空の上ぇ!」

「スカイのジャーニーならミーやリョコウバトに、と言いたいところデスが……そこまでハイなプレイスはインポッシブルなのデース……」

『うーん、吾輩やランボル君など、空が飛べるサイバトロンはいれど、宇宙進出となるとねぇ……』

 

 このままでは、成す術無し(ナス)です、と思われたその時!

 

「皆の衆、我に良き考えがあるのじゃ」

『キミは確か……トラックスのチームの“アカクジャク”!』

「だが、はるか昔には、こうも呼ばれておった……南の方角と紅蓮の炎を司る聖けもの! 守護けもの・四神が一柱“スザク”と!」

「ええ! それは本当なのですか!? あぶない草を吸って、昔の思い出に泣いてたお前が、あの守護けもののスザク!」

「やばい葉っぱの煙で、鼻水とよだれをダラダラ垂らしてむせび泣いていたお前が、あの四神のスザクだったとは、オドロキなのです!」

「や、やめんか、お主ら……人様の過去の過ちを蒸し返すのは……長く生きていると“のるたるじー”に浸りたいコトだってあるんじゃよー……長命な“さいばとろん”どもは、我の気持ち、分かってくれるじゃろ?」

『そんなことはいいから、早く君の考えを言ってくれ!』

 

「……うおっほん……我の守護けものたる所以の、聖なるあにまるがーる・ぱわぁのしるし、“スザクの印”を、けものの誰かに与えようという試みじゃ! さすれば、強力な力を身につけることが可なり! だが、そやつは空の上の“ですとろん”のいる“くず鉄星”まで飛んでいける、申し分の無いチカラと勇気と、稀有な“ふれんずのわざ”を持ったけものでないといかんのじゃ!」

 

『それなら、オイラ、ぴったりのフレンズを知ってるよ! 敵と戦う力と、仲間を思う勇気と、すっごーいジャンプ力を持ったフレンズ……サーバル、キミのことさ!』

「うみゃあ! 私、雲の上の、空の上までジャンプしちゃうんだから!」

「サーバルちゃん……」

「かばんちゃん、心配しないで! 大丈夫だよ! 私、みんなのために頑張るんだから!」

「うん……生まれたばかりのボクに、木登り、教えてくれたよね。この大きな“生命の樹(ジャパリツリー)”だって、かんたんに登れちゃうに決まってる!」

「みゃっ! かばんちゃんがそう言ってくれたら、私、元気いっぱい! やる気まんまんだよっ!」

 

『私にもいい考えがある! サーバルに掴まって一緒に私も行くぞ! ランボル、お前のロケットブースターを貸せ! 命令だ!』

『ロケットブースターを!? まさか、止めて下さい、コンボイ司令官!』

『そうです! リーダーのあなたが、そんな危険な任務をするなんて! ここは副官の私が!』

『いや……軍事衛星に乗り込み、デストロン軍団と単身で戦い、生きて戻れるのは、私しかいない! これは私の役目だと、胸の中の“マトリクス”が私に囁くのだ!』

『司令官……もう覚悟を決めているのですね……ご武運を……!』

『ふふふ……サイバトロンの宇宙船が初めて地球に来た時のことを思い出すな……だが、今度は、無様にやられたりはしないぞ! 必ず戻る!(I'll be back.)

 

「サーバルちゃん! ボクらで何とかして、あの“生命の樹”のエネルギーの放出を抑えてみせるよ! そうすれば、あの動きを止める光も使えなくなるはず!」

『地上ハ、カバント、サイバトロン戦士達ト、僕“テレトランB”ニ、任セテ。サーバル』

『よぉーし、情報員のオイラも頑張るぞ! “生命の樹”のデータを探るんだ!』

『こんなこともあろうかと持ってきといた、吾輩の発明品の出番やでぇ!』

 

『よし、サイバトロン&フレンズ戦士! トランスフォームして、出動ォーーーーッ!』

 

 けものフレンズvsトランスフォーマー!

 さあ、戦いだ!

 

 

 

 その問題の宇宙衛星では!

 

『グッ……スタースクリームッ!! 貴様ッ、この期に及んで、この裏切り者めが!!』

『ハァッハッハッハ……唯一麻痺していない口で、何とでも言いな、メガトロン! おい、B・B、お前頭は悪いが、なかなか忠誠心ってヤツがあるし、生まれは下等有機生物のフレンズだが、No.2に取り立ててやるぞ。光栄に思え』

「はぁっはっはっは。ありがとうございます、スタースクリーム様。これからも、あなたの為に尽くします」

 

『さて、サイバトロンとフレンズの連中はどうしてやがるかな……デストロンの奴らのエネルギーはもう切れかけで、メガトロンも動くエネルギーすら残ってねえ。そろそろ麻痺ビームを地上に照射して、奴らの動きを止めなければ……』

 

 デストロン軍団へ向けられていた麻痺光線を解除するスタースクリーム。それを地上へ発射しようとした、その刹那!

 

「うみゃああーーっ!!」

『ホアアアアーーッ!!』

 

 人工衛星の床をウルトラジャンプとロケットブースターで突き破って現れた、サーバルとコンボイだ!

 

 ジャンプ力ぅ……ですかね、衛星軌道までスッとジャンプできる動物になりまして。四神スザクの飛翔パワーを一時的に手に入れたので、軽々と1000km、2000kmは余裕でキノヴォリ・ジャンプしてくれます。

 

 コンボイvsスタースクリーム! サーバルvsB・Bの一騎打ち!

 

 落ちていた鉄パイプで応戦するスタースクリームだが、怒りに燃えるコンボイの類稀なる白兵戦能力と、光学戦斧「エナジーアックス」の威力に押されつつあった!

 

『ハンサムな顔だな、スタースクリーム……私の斧で、誰かも分からぬ醜く潰れたくず鉄の塊にするには惜しい』

『く、くそぉっ! 何チンタラしてんだァッ、B・B! 早くコッチに加勢してくれぇっ!!』

『なあに安心しろ。ボディのほうもちゃんと始末する。バラバラに切り刻んだスクラップはゴミ袋(ボディバッグ)に入れて、燃えない宇宙ゴミ(スペースデブリ)の曜日に捨ててやる……さあ、早く私に、星クズの悲鳴(スタースクリーム)を聞かせろ』

『サーバルをさっさと始末して“麻痺光線”のスイッチを入れるんだよぉっ!』

 

 スザクの炎のチカラを得たサーバルの「熱風のサバンナクロー」の、ケニアに吹く南風(オウラリ)コンビネーション! イヌ・トリ・サメ・飛行機のキメラ・フレンズである陸海空重爆兵B・Bは、黒のケープを片手に巻いて盾とし、帯刀するノコギリザメ(ソウシャーク)サーベル「ヘルスクリーマー(地獄の金切り声)」を引き抜き、サーバルを迎え撃つ構え!

 

「うみゃみゃみゃっ!! みんみっ!!」

「サーバル、私のデータより何倍も、いや何十倍も強力。原因不明。防戦一方」

「あなた、ビービー、どうして悪いコトするの!?」

「質問への回答。生みの親であり上官である、スタースクリーム様の、命令だからだ」

「あなたもフレンズ、私の友達なのに!! どうしてフレンズやサイバトロンと戦うの!? どうしてデストロンの味方をするの!?」

「質問その2へ回答。ある朝目覚めた時に、戦う相手を、決められていたから。質問その3へ回答。私はデストロンの心(スピリット・オブ・デストロン)と一緒に行くからだ」

「うみゃあーっ!! もう!! 何言ってるのか、ちぃっとも分かんないよぅっ!!」

 

 フューザー・フレンズB・Bは、ノースロップ・グラマンB-2爆撃機のパワーも持っている! そのステルス性でサーバルの視覚を誤認させ、イヌと猛禽類の身のこなしで戦闘から離脱! “麻痺光線”のスイッチのあるコンソールへと忍び寄る!

「ポチッとな」

『でかしたぞ! サイバトロンとフレンズども、地べたにキスしなぁ!』

 

 万事休すか! コンボイ! サーバル!

 

 だが!

 

「あらー。麻痺ビーム、作動しません。原因は不明」

『な、なぜだぁ!!』

 

「やったぁ! かばんちゃんとボスのおかげだよ!」

『マイスター、バンブル! やってくれたのか!』

 

 

 

 そうなのだ! マイスター副官率いるサイバトロン&フレンズ地上部隊、それに火口に続々と集まった武闘派のフレンズ達の活躍により、サンドスターエネルギー軌道エレベーター「生命の樹」の、根元が攻撃されて切り倒されていたのである!

 

『ネットワーク接続中ダヨ』

『テレトランBの“生命ノ樹”の情報、オイラが解析するからね』

「バンブルさん! 生命の樹が地球の“遺伝子”なら、切り離せる弱い部分があるはずです!」

『サイバトロン戦士! 脆弱部を狙って一斉射撃! 撃って撃って、撃ちまくれ!』

 

「えぇ……全然分からん! けど、このでっかい光る木を切ればいいんだよな?」

「はっはっは……自慢じゃないが私も全く分からないぞ! とにかく突撃、突撃、突撃あるのみぃーっ!」

「おうちでゴロゴロするためにも~……がお~っ! 喰らえっ! こんにゃっろ~っ!」

 

 

 

『ワ……ワシの……余の“生命の樹(ジャパリツリー)”が倒れてしまった!』

『ち、ちきしょうめ! せめてコンボイとサーバルだけでも! B・B!』

「ラジャー。白兵戦は、不利と判断。有効攻撃は、ミサイルとガトリングと予想」

 

 さあ、B・Bは自身のサンドスターを限界まで消費して、ありったけの数のミサイルを具現化! そして、 チェーンガンをバッグから! 機銃弾200発とチェーンガンをフルパック! それでも生きていられる動物はいないはずだ! ましてあの距離では!

 

 B・Bの全火力一斉掃射!

 

 ところが!

 

『バカヤロウ! こんなところでミサイルやレーザーを使ったら……!』

「あ、やば。それは、いわゆる、副次的災害(コラテラルダメージ)というもの」

 

 軍事衛星の内部は、疑似重力用に高い圧力がかかっており、内側からの爆撃に耐えうる構造ではないのだ! 爆撃により内壁が破壊され、「生命の樹」から受け取って貯蔵されたエネルギーに反応・引火・誘爆! そして、当然の帰結である、軍事衛星の大爆発!

 

「うみゃああーーーっ!」

『ホッ、ホアアアアァーーーッッ!!』

『おわあああーーーーっ』

 

『うわあああーーっ! やっぱりテメエは大馬鹿野郎だああーーーっ!!』

「すんません」

 

 戦いは終わった! メガトロンの「生命の樹」は破壊され、ジャパリパーク上空を周回する軍事衛星も大爆発を遂げたのだが!

 

 

 

 遙か下の地上では……!

 

『あれは司令官だ!』

『やったんだ!』

『でも落ちてくる!』

 

 デストロンの軍事衛星は破壊されたものの、宇宙空間からの墜落を余儀なくされるコンボイとサーバルだが!

 

 しゅたっ。

 

「ほいよっと! とやー!」

『ありがとう、サーバル! 私だけなら、墜落していたところだ!』

『コンボイ司令! よくぞご無事で!』

今戻った。(I'm back.)心配かけたな、みんな』

 

『ネコ科だけに見事な着地だ! サーバル選手、ウルトラC!』

『審査員のオイラ、満点の10.0をつけちゃう!』

「かっこいい! サーバルちゃん」

「いやぁー、そんなことないよー! こんなことができたのも、スザクのチカラのおかげ……」

 

『スザクはどうした?』

「そう言えば、いないですね。さっきまで、ボクらといっしょにいたんですが……ケガでもしたんでしょうか?」

 

 

 

「あっ! そういえば!」

「どうしたの、かばんちゃん?」

「ラリーの続きだよ! ボク達、まだゴールしてないじゃない!」

「わ、忘れてたー!」

 

『よーし、ここからゆうえんちとヒノデ港まで競争と行こうぜ!』

『ゴッキゲンな勝利のBGMを流しながらね♪』

 

 

 

『フレンズとサイバトロン戦士! トランスフォーム・アンド・スタート・ユア・エンジン!!』

 

(やれやれ。フレンズたちもTFたちも、まったく世話が焼けるのう。さて、そろそろ我はまたひと眠りするとするか……)

 

【おわり。次回に続く】

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

※※第1回ジャパリ・ダカール・ラリー「かばんカップ」レース結果※※

 

【オート部門】

 

[1st] 09 インビジブル・ミラージュ / リジェ・JS11レースカー(リジェ)/ パンサーカメレオン エリマキトカゲ

 

[2nd] 13 ロンリーロードスター / スーパーカウンタック(サンストリーカー)/ アードウルフ

 

[3rd] 11 マッスル・オックス / ランボルギーニ・カウンタックLP500S(ランボル)/ オーロックス ガウル

 

[4th] 20 バンド・オブ・ブレーメン / ポルシェ・935ターボ(マイスター)/ ニワトリ イエネコ イエイヌ ロバ ブロードキャスト

 

[5th] 01 フォレスト・フィロソファーズ / ランチア・ストラトスターボ・レーシングGr.5(ホイルジャック)/ アフリカオオコノハズク ワシミミズク

 

[6th] 15 クリフジャンパーズ / ポルシェ・924ターボ(クリフ)/ ユキヒツジ シロイワヤギ ジャコウウシ マーコール

 

[7th] 14 デザート・キャラバン / 三菱・J59ウィリスジープ(ハウンド)/ ヒトコブラクダ フタコブラクダ

 

[8th] 07 スーパー赤いきつねカート / 4WDピックアップトラック(ギアーズ) / キタキツネ ギンギツネ

 

[9th] 21 フライト・オブ・ザ・バンブルビー / フォルクスワーゲン・タイプ1(バンブル) / かばん サーバル テレトランB

 

[DNF] 12 ジャングル・ビューティ / シボレー・コルベット3代目C3型“スティングレイ”(トラックス)/ クジャク シロクジャク スザク(※搭乗者スザク行方不明)

 

[DNF] 00 ダブルオー・スクリーム / FMCクライスラー・XR311コンバットバギー(スウィンドル)/ スタースクリーム B・B(※車両・搭乗者全員行方不明)

 

 

 

【カミオン部門】

 

[1st] 16 サバンナ・ロングラック / 三菱ふそう・T951クレーン車(グラップル) / アミメキリン ロスチャイルドキリン ケープキリン

 

[2nd] 02 わたりツーリスト / 後輪1軸アメリカントラック(ドラッグ)+ ハト型ジャパリバス / リョコウバト キョクアジサシ

 

[3rd] 08 オプティマス・プライム / フレートライナー“コンボイトレーラー”(コンボイ総司令官)/ フォッサ

 

[DNF] 04 ロード・メガトロナス / ケンワース・K-100エアロダイン“コンボイトレーラー”(モーターマスター)/ メガトロン フレンジー(※車両・搭乗者全員行方不明)

 

 

 

【モト・クアッド部門】

 

[1st] 03 ひっぽーライダー / ハーレーダビッドソン・ツアーグライド・ポリスバイク(グルーブ)/ カバ ゴルゴプスカバ

 

[2nd] 05 ジャパリパーク探検隊 / デューンバギー(ビーチコンバー)/ ツチノコ スナネコ

 

[3rd] 10 ホイール・オブ・ザ・ラクーンドッグ / タイヤ(タヌキ)/ ※なし

 

[4th] 17 ポーラスター・ウィンドジャマー / ホバークラフト(シースプレー)/ ニシツノメドリ エトピリカ オオウミガラス

 

[DNF] 06 ダイノベース・ちぇいさー / Tレックス(グリムロック)+ 脚こぎ4輪車(ばすてき)/ アライグマ フェネック(※無茶な走りにより、応急処置した「ばすてき」が分解四散)

 

 

 

【マラソン部門】

 

[1st] 19 ロードランナー・エクスプレス / ダチョウ(1) ヒクイドリ(2) ライチョウ(3) オオミチバシリ(4) ブラウンキーウィ(5) ジャイアントペンギン(6) ジャイアントモア(7) ディアトリマ(8)

 

[2nd] 18 送りオオカミ陸送隊 / タテガミオオカミ(1) ドール(2) イタリアオオカミ(3) コヨーテ(4) ニホンオオカミ(5) ホッキョクオオカミ(6) ツンドラオオカミ(7) タイリクオオカミ(8)

 

 

 

運営委員長・アフリカオオコノハズク博士からのコメント:

やれやれなのです。記念すべき第1回ジャパリダカラリーは、本当にトラブル続きなのでした。特にデストロンのせいで、ゴール直前に、もうすっちゃかめっちゃか。完全にゴール直前の市街地のレース性能だけで、順位が出てしまったのです。まあ、それでも何とかレースの体裁を保つことができたのは、ひとえに我々、博士のアフリカオオコノハズクと助手のワシミミズクの、スカウト&プロモーション能力の高さの賜物なのです。ラッキービースト映像でレースを見ていたフレンズたち、パークの長である我々の偉大さをこれからも称えるのですよ。あ、ちなみに次回のラリーの予定は未定なのです。

 

 Ψ   Ψ   Ψ   Ψ 

 

『「PPP&デストロン予告っ!」』

 

「むむむ、今回のレース結果は、1・2・3着を、タロットで表すならば、“9 隠者”、”13 死神”、“11 力”。これは、これからのパークの行く末を暗示しています!」

「あなたは、ダチョウね。それって、“占い”でしょ。このコーナーは“次回予告”だし、ちょっとちがうわよ」

「どっちも似たようなモノですよ」

 

「さあ、次回予告をするわよ! それにしても、ラリーの終盤に凄いことになってたみたいね……」

「私達はずっと冷凍車にいたから、全然わからなかったんだけどな……」

「聞いた話ですと、デストロンさんは空の上で爆発して、みんな行方不明になってしまったみたいですよ」

「ぐっばい・めがとろん・せっと!」

「あのしつこいメガトロンやスタースクリームが、そう簡単にやられるハズはないと思うぜ~」

 

 

 

『くくく……その通りだとも……ワシらデストロンがそうそう死んでたまるものか!』

『全くその通りですぜ。我々はしぶといのが取り柄。なにしろ日本じゃあ、1年半かけて総集編込みの74話もサイバトロンと戦ったんですからねェー』

『うるさい! バカモノめが! 反逆の罪は重いぞ! 貴様とB・Bは、この即席の宇宙艇の動力として、最低限の休息とエネルギーで、たっぷり強制労働してもらうからな! ジャパリパークまでまだまだだぞ、もっとペダルを漕がんか!』

 

『けっ、今に見ていろ、メガトロンめ! くそっ! それもこれも、今回の失敗は、全部お前のドジのせいだぞ、B・B!』

「イエス。B・B、ほんとドジです。反省中」

『まあ、今回はすんでのところで失敗したが、また近いうちにリーダーの座を奪い取ってやるからなぁ! B・B、もっとペダル漕げ!』

「ラジャー。デストロンのためなら、えんやこら」

 

次回、【第12話 メガトロンのアニメ制作会社!!】

「生命の樹」作戦が失敗したメガトロンは、再び邪悪な大計画に着手した!

それは、パークのフレンズを洗脳しデストロンの味方にするプロパガンダ・アニメの制作!

アンチ・サイバトロン・ヘイト・アニメに対し、どう戦うのか、サイバトロン!?



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