ケンイチの世界を特殊能力で生き残る (omega)
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原作前
転生


 

人の一生というのは、頗る短い。それはまるで一輪の花のように儚くそして一瞬のものだ。だからこそ、若い内にやるべきことを決め、実行するのが推奨されるのであろう………しかし、それが出来なかったら?もし非業の死を迎えてしまったら、人生とは無意味になってしまうのだろうか………

 

 

俺は病院のベッドで寝ながら、そんな途方もないことを考えていた。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

俺の名前は、安藤 孝明。俺は幼い頃から重い病気を患っており、病院で寝たきりだった。熱心な治療にもかかわらず、俺はその短い一生を終えた。

 

 

 

 

 

(・・・俺は死ぬのか?・・・出きるなら、もっといろんなことをしたかったな・・・今度生まれる時は、セイッパイ生きおう。そして自分の正義を貫こう)

 

臨終の際、俺はそんなことを思って、死んでいった・・・

 

 

 

 

 

「これ、目を覚ませ」

 

「う~」

 

「覚まさんか!」

 

「!・・何!」

 

「やっと、起きたか・・・孝明よ、ここは神の世界で、儂は神じゃ」

 

「神って、えーー!」

 

「お主の気持ちはわかるが、ひとまず話しを聞いてくれ。まず、お主は死んだ。それで、本来なら天国に行くはずだったのじゃが、あまりに可哀相じゃたので、ここに呼び出したのじゃ。それで、呼び出した理由じゃが、お主に第二の人生をやる機会をやろうと思ってな・・」

 

 

「ちょ、ちょっと待ってください!いきなりいっぺんにいわれてもわからないです。まず、僕が死んだのはわかります。でもなんでここに呼び出したんですか?」

 

「言ったであろう?可哀相じゃたっと。楽しいことを何もせずに、一生を終えるなどあんまりじゃと思ったから、ここに呼んだ」

 

「なるほど・・・それで、第二の人生というのは?」

 

「お主には三つの選択肢がある。一つはこのまま天国に行くこと。二つ目は元の世界に、別の人間に転生すること。三つ目はそのままの状態で、アニメの世界に転生することじゃ」

 

 

「アニメの世界?・・・ドラゴンボールみたいな世界ってことですか?」

 

「そうじゃ」

 

「!・・・本当ですか!まるで夢のようだ・・」

 

俺は慎重にそれらの選択肢を吟味した。

 

(一つ目の選択肢はないな。こんな機会を逃す理由がない。二つ目もない。元の世界に何も思いでがないからな・・・)

 

 

「・・・決めました。三つ目の選択肢でお願いします」

 

「そうか。三つ目の選択肢を選ぶ場合、2つの願いをかなえてやることができる。もしそうしなかつたら、すぐ殺されてしまいそうじゃからな」

 

「そうですか・・・それじぁー、一つ目傷つくことない無敵肉体を。二つ目はRPG風の成長システムを転生先に合わせるかんじでお願いします」

 

 

「分かった。それで行き先は?」

 

「史上最強弟子ケンイチで」

 

これを選んだのは、原作が好きなことと、その世界で最強になってみたかったからだ。

 

 

 

 

そう言った瞬間、意識が遠のいた・・

 

 

 

 

 

 

俺は気づいたら、子供の姿になっていた。そんな俺をうれしそうに見てる夫婦がいる・・・多分両親だろう。

 

「ター君、立ってごらん?」

 

母親らしき人?が提案してきたので俺は立とうした・・・しかし立つことが出来なかった。

 

「・・・何をやってるだ?孝明はまだ一歳だそ?そんな無茶言うな」

 

 

父親らしき人?が叱った。

 

「ごめんなさい。私達の息子だから、出来ると思ったんだけど、やっぱり無理よね・・・ター君ごめんね   」

 

(・・・そうか俺はまだ一歳なのか?)

 

俺がそう思っていると、頭のなかにステータスというコマンドが浮かんで来た。俺は試しに開いてみた。すると数字とアルファベットが表示された。

 

安東孝明

 

種族:人間

 

レベル1

 

攻撃0:G

 

防御0:G

 

スピード0:G

 

幸運0:G

 

特殊能力・・・強靭な肉体(怪我、致命傷を負うことがなく、永遠に長持ちする体)

 

 

ポイント0

 

 

 

弱!・・・えっ何これ?酷すぎない!特殊能力以外ゴミだろ!いくら一歳児でもこれはない。

 

(でも、レベル1なんてこんなものか・・・・頑張ろう・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はその日から、地道に努力した。まずは立てるようになるのが目標だ。壁に寄りかかりながら、俺は必至に食い芝って・・・・なんとか立てた。

 

すると、頭の中でよく聞くレベルアップの音楽が聞こえた。

 

(やった!これで少しはましになるだろう!)

 

そう思って俺は再び、ステータスを開いた。

 

レベル2

 

攻撃0:G

 

防御0:G

 

スピード0:G

 

幸運0.5:G

 

ポイント10

 

特殊能力・・・強靭な肉体

 

ポイント10

 

(・・・泣いていいかな)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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ひたすら特訓

悲観にくれてた俺は、ステータスの欄にポイントと特殊能力いうものに気がついた。

 

(・・・何なんだろう、これ?)

 

俺は試しにまずポイントのコマンドを押してみた・・・すると、転生と特殊能力ショプというのが出てきた。

 

(おっ!これこれ。やっぱり、RPGの醍醐味っていったら、この二つだろう)

 

俺は早速商店街のコマンドを押した。そこには

 

成長率小アップ:成長スピードが、上げる:必要ポイント10

 

ポイント収得率小アップ:レベルアップや修行の際、収得出来るポイントが増える: 必要ポイント10

 

の二つしかなかった。

 

(どういうことかな?・・・・後になると増えるとか?)

 

どっちにしても、今はまだわからないので、試しにこの二つの内一つを買うことにした。でも、どっちにしよう?

 

 

悩んだ俺はポイントより成長率アップを選んだ。ポイントはすぐ手に入りそうだし、俺としてもこんな腑甲斐無いステータスから脱却したいからな。

 

早速購入し、装備してみた。今のところ実感はない。俺は確めるべく、もう一度と同じように立とうとした・・・

 

すると、今度は完全に半分くらいたったくらいで、レベルアップした。

 

(おぉー早い!さすが!)

 

俺は早速ステータスを見た

 

レベル5

 

攻撃2:G

 

防御2:G

 

スピード2:G

 

幸運2:G

 

ポイント10

 

 

 

確かにゴミみたいなステータスだけど、成長を感じたな。しかもマナが20も貯まってる。やばし・・・

 

俺はそのポイントを使ってマナ収得率アップとった。

 

 

 

 

俺はその後も立つことを繰り返したが、レベル7を超えたところで、普通に立てるようになってしまい、レベルが上がらなくなってしまった・・・ちなみにポイントは20だ。

 

(どうしよう・・・もっと違うことをするか?いや、今の伸び率でやっても面白味がない・・・そうだ、転生しよう!)

 

そう思って再び俺はステータス画面を開いた。

 

俺は転生がのコマンドを押した。すると転生するのには所持しているポイントを全部使わねばならず、使った分とレベルで成長率が上がる仕組みらしい。後この転生には回数制限があるらしい。コマンドに表示されてる回数は2回。

 

 

残り2回しかないので、もったいない気もするが、俺は持っていたマナ10を使い落ちこぼれに転生した。すると、力が抜けたような感覚がし、俺は尻もちをついた。ステータスを見ると

 

レベル1

 

攻撃1:G

 

防御1:G

 

スピード1:G

 

幸運2:G

 

残り転生回数:1

 

 

特殊能力・・・成長率アップ、マナ収得率アップ、強靭な肉体

 

 

(おぉー、レベル1の段階でオール1になってる・・・成長を感じるな。よしこの調子で鍛練と転生を繰り返そう!)

 

 

 

 

俺は一歳児から6児までひたすら家の中で鍛えた。あまりの熱心さに両親が、何度も心配して、俺を病院に連れってた程だ。

 

そのかいあって、今の俺のステータスは

 

レベル10

 

攻撃20:G

 

防御18:G

 

スピード18:G

 

幸運30:F

 

残り転生回数:1

 

 

特殊能力:成長率小アップ、ポイント収得率小アップ

 

ポイント:30

 

になった。

 

ちなみにポイントはとっておいてる。というより、使いようがない。転生するにしても、もっとポイントを貯めてからやりたいし。能力ショプに関しては全然新しいのが増えない。

 

(確かに伸びたけど、物足りない・・・そうだ、外に出よう。外に出てトレーニングしたら、何か代わるかも)

 

 

 

 

 

 

 

 



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原作のキャラとぞくぞく遭遇

 

俺は母親の断りを得て、とりあえず公園に行くことにした。修行といったら、定番の気がするからだ。

 

俺が近くの公園に向かってると、後ろから声がした。振り向いていると、主人公の白浜 兼一だった。ちなみに俺の家と兼一の家は仲が良く、兼一ともしばしば会っている。

 

「はぁはぁ・・・孝明君、足早いね。僕、全然追い付けなかったよ」

 

「それは兼一が、全く運動してないからでしょ?」

 

「相変わらず、厳しいなー・・・そうだ、ねぇーまた一緒に遊ぼうよ、龍斗君も呼んで」

 

「ごめん、今から俺修行するんだ。なんだったら、お前達二人も来る?」

 

「はぁはぁ・・・それは無理だよ。だって、孝明君強いもん」

 

そう俺はステータスこそゴミだか、同じ年のやつらのケンカなら、負けたことがないのだ。

 

「そうか・・・じぁー兼一、龍斗と遊べよ」

 

「うん、そうする」

 

 

俺は兼一と別れた後、公園で必死にトレーニングした・・・鉄棒で懸垂したり、ウサギ飛びをして5時間以上やった。

 

「いやー・・・若いのに熱心だね。途中から見させてもらってるけど、その年にしてはたいしたもんだ」

 

声のする方へ向くと、柔道着を着たちょび髭のおっさんがいた。

 

「そんなに鍛えてどうするのかね?まさかいじめられてるわけじゃないだろう?君なら、逆に返り討ちにしそうだ。あっ、誤解しないでくれたまえ。私の名前は岬越寺という。決して怪しいものじゃない」

 

そう、哲学する柔術家 岬越寺 秋雨である。

 

(うぁー、本物?・・・どうしよう、すごい緊張する)

 

俺はゆっくりと修行を止め、秋雨の方を向いた。

 

「・・・昨日までの自分を越えるためです。それと、自分の正義を貫くためです」

 

秋雨は、俺の答えが予想外だったのか、髭をいじりながら、こちらにやって来た。

 

「自分を越えたいというのは分かるが・・・正義を貫くとは?」

 

「・・・もう後悔したくないんです。後悔しない為には、どんな難病や敵にも克てる力がいるんです」

俺は偽らず、素直に答えた。

 

それを秋雨に言うと、驚愕した様子をしたが、すぐに平静に戻った。

 

「・・・その年でその考え方に至るとは、君は天才かな?私もかつて、自分の師匠に言ったことがある。しかし君よりずっと年をとった時だけどね」

 

(・・・どうやら、好印象を与えられたそうだ・・・そうだ、この人に修行を見てもらうってのはどうだろう?)

 

俺は試しにそのことを尋ねてみた。すると、秋雨は、少し考え方に込むような動作した。

 

(やっぱり、無理かな)

 

俺がそう思っていると、

 

「・・・よかろう。明日から、この公園で修行だ」

 

「え!いいんですか?」

 

「あぁー、君の武道に対する姿勢に、私も心打たれてね・・あっ、もちろん無料だよ。子供からお金をとるわけにはいかないからね」

 

 

(よっしぁぁぁーー!これで、最強への道が開かれた)

 

こうして俺は秋雨の指導を受けることになった。



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梁山泊に入門?

「ほら!もっと早く走る!」

 

「くぅぅぅーーーー!」

 

今、俺はタイヤ結んだ紐を腰に着けて、公園を走り回っていた。

 

「どうしたのかね?そんなんでは、100周するのに一日では終わらないよ」

 

そう特訓のためである。

 

(はぁはぁ・・・こんなにきついなんて・・兼一のやつも、初期の頃はこんな感じだったのかな?)

 

「ほら、スピードが落ちてるぞ、バシッ」

 

「痛って!なんでムチなんかもってるですか!」

 

「はぁはぁ、君を指導するために決まってるじゃないか・・・それと、これが終わったら柔術の指導だからね」

 

くそー、このドSめ・・・・・

 

 

 

 

 

 

「はぁ~・・・なんとか終わった」

 

「ふむ。まさかこんな早く終わるとは。これは修行プランを練り直す必要があるな・・・いいだろう、今日はここまでだ。また明日同じ時間以上にくるように」

 

「えっ!俺まだまだやれますよ!・・・ほら!」

 

俺は、体を元気一杯に動かした。

 

(驚いたな。まさかここまでの逸材だとは・・・)

 

もちろん秋雨は、孝明に非凡な才能があると、見込んでいた。しかしそれはあくまで子供レベルでの話だ。だか、修行もセーブをかけておいたのだ。

 

「わかったから、もう止めなさい・・・孝明君、休むことも修行の一つだ。今日は大人しく帰りなさい」

 

「・・・はい、わかりました」

 

(・・・しかも素直だ。その上、武道の正しい道を理解している・・・これはあの人に話して、梁山泊入りも考えなければいけないな)

 

 

 

 

 

俺はその後に素直に家に戻った。ステータスはこんな感じ。

 

レベル20

 

攻撃35:F

 

防御26:G

 

スピード26:G

 

幸運40:E

 

ポイント50

 

残り転生回数:1

 

 

見てのとおり、初のEランク到達。他も時期にEランクに行くだろう。

 

特殊能力はと言うと、新しく

 

タフネス:疲れない:必要ポイント5

 

柔術家の心得:柔術の会得が早くなる:必要ポイント30

 

が出たので取っておいた。つまり、

 

特殊能力:成長率アップ、ポイント収得率アップ、タフネス、柔術家の心得

 

である・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、公園に行くと、秋雨師匠以外に金髪のおっさんがいた。

 

「やぁー、孝明君きたね。紹介しよう、こちらは私が住んでいるところの長老風林寺 隼人だ」

 

(うぁ、無敵超人がもう来ちゃたよ)

 

隼人は優しい笑顔で、こちらに語りかけてきた。

 

 

「・・・初めまして、孝明君。秋雨君から聞いたが、強くなりたいそうじゃな?」

 

「はい!」

 

「それは何でじゃ?」

 

「・・・・己の正義を貫きたいからです」

 

「ふむ・・・強くまっすぐな良い目をしている。なるほど、秋雨君が推薦するのもわかる」

 

「では長老、入門の件は?」

 

「よかろう・・・許可する」

 

(えっ・・・何の話し?)

 

俺が困った顔をしていると、隼人が秋雨君に尋ねた。

 

「・・・もしかして秋雨君、言ってなかったのかね?」

 

「はい。まずは長老に見てもらおうと、内緒にしておきました」

 

「なるほど・・・・孝明君や、儂の道場に来る気はないかね?そうすれば、もっと強くなれると思うんじゃが」

 

(道場・・・・梁山泊か!えっ行けるの?マジで)

 

俺は興奮気味にイエスと言った。

 

「決まりじゃの。今日から君は、梁山泊の入門生じゃ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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中国拳法の使い手

「さぁー、入りたまえ」

 

隼人こと長老に案内されて、俺は梁山泊に入った。すると、原作通りの風景があった。

 

(うわー・・・なんだろうこの感じ、美術品を視ているようだ)

 

「そういえば隆明君、君はどんな武術がやりたいのかね?・・・ここには、柔術、中国拳法、空手、ムエタイがあるんじゃが・・・」

 

「・・・とりあえず、秋雨師匠のままでお願いします」

 

そう言うと、秋雨師匠は自慢ちょび髭を撫でながら、笑った。

 

「はっはっ!わざわざ、私を指命するとは・・・孝明君、よほどしごかれたいみたいだね」

 

人選を間違えたのかもしれない・・・・

 

 

 

 

 

秋雨side

 

 

「・・・・どうしたのかね?もう終わりか?」

 

「まだ まだ!」

 

私は今、孝明君と組み手をしている。本来なら、初心者は、体力づくりをメインで、やるべきだ。しかしどういうわけか、孝明君は体が出来ているので、仕方なしに組み手をやってているのだが・・・

 

(・・・この少年は、一体何ものなんだ?私が教えていく技を、次々にマスターしていく・・・こんなスピードで、成長していくものなど私は見たことがない)

 

「すきあり!」

 

孝明君は、私の懐に入って、投げようとした。

 

「ふむ・・・角度、タイミング完璧だ。だが、舐めてもらっては困る!ふん!」

 

私は、彼の手を取り投げ返した。普通なら、気絶するくらいの力で投げたのたが・・・彼はすぐ立ちあがり、向かってきた。

 

(なんというスタミナ!遥かに、常人の域を抜けている・・・すえ恐ろし才能だ。この子が、高校生位になったら、私を完全に越えるな・・・)

 

私は、内心驚愕しながらも、平然と彼の鍛練を続けた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこまで!・・・二人とも、少し休みなさい。もう7時間ぶっとうしじゃよ」

 

俺は納得がいかず、抗議した。しかし結果は変わらなかった・・・

 

 

「貴方・・・強いですのね?」

 

俺が庭で体を洗っていると、金髪の少女が話しかけてきた・・・すでにわかるだろう?そう風林寺 美羽だ

 

(どうしよう・・・なんて言おう?)

 

「隙ありですわ!」

 

「おわ!、あぶねー!何するんだよ!」

 

「今のを避けるとは・・・私、同い年で私より強人、初めて見ましたわ」

 

人を襲っておいて、なんだその言い草は!

 

「ふん!」

 

俺は、怒ってその場を立ち去ろうとしたが、美羽が必要以上に構ってきた・・・うざい。俺は強くなりにここにきたのに。

 

結局その日は、美羽に付きまとわれて終わった・・・

 

 

 

 

 

秋雨師匠の柔術を一ヶ月続けた後、秋雨師匠が突然、今日から馬 剣星も修行に参加すると言い出した。もちろん俺に異存はないので、了解した。すると、馬師匠が俺の前に出て構えた。

 

「たかちゃんよろしくね!」

 

ちなみに、たかちゃんとは、俺のニックネームみたいになものだ。

 

 

 

「違う、違う。もっと力を抜くね!そんなんじゃ、いつまでたっても、おいちゃんを捕まえられないね」

 

くそ!柔術みたいに、簡単にはいかないな。特殊能力を持ってないからか?

 

 

結局、その後も馬師匠に遊ばれて終わった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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外の世界

梁山泊での修行を終えた俺は、ステータスを見た。すると、新たに中国拳法の心得と静の気の発動、それを買った。図表にすると

 

レベル35

 

攻撃46:E

 

防御40:E

 

スピード40:E

 

幸運50:D

 

ポイント:50

 

特殊能力:成長率アップ、ポイント収得率アップ、柔術家の心得、タフネス、中国拳法の心得(中国拳法の修得が早くなる)、静の気の発動(静の気を発動出来る)

 

である・・・

 

 

 

 

 

 

 

翌日、「中国拳法の心得」を取得した状態でやったら、全然違かった。すぐに馬師匠の動きに、ついていけるようになり、組み手が成立した。

 

「・・・これは驚いたね。おいちゃん、長いこと教えてけど、たかちゃんみたいに成長の早い子、初めてよ」

 

(やったー!褒められた。この調子でガンガンいこう」

 

 

 

 

 

 

 

 

秋雨師匠と馬師匠との数年が過ぎた頃、また新しい師匠を付けると言った。ちなみに今俺は9才だ。

 

 

「それで新しい師匠は?」

 

「アパチャイだよ!よろしくね、孝明!」

 

この人か・・・相手にとって不足なし・・・

 

 

 

「アパーーーー!」

 

「くぅ!」

 

俺は、アパチャイさんの連打を防ぐのがやっとで、反撃まで手が出なかった。すると、人相の悪い男が誉めてきた。

 

「・・・中々やるじゃねーか。アパチャイの攻撃をしのぐなんて」

 

逆鬼 至緒だ。実は前に空手を教えて欲しい、と言ったのだが断られてまった。それ以降話してないのだが・・・最近妙に構ってくる。

 

「孝明!よそみしない!」

 

「う!、くそ!」

 

「良い蹴りよ、孝明!これなら、ムエタイ極められるよ!」

 

 

 

 

 

「えっ空手教えてくれるんですか?」

 

アパチャイんとの組み手の後、逆鬼は突然俺に空手を教えてくれるといった。

 

「バッキャヤロー・・・暇だから仕方なくだ。おら、グダグダ言ってないでやるぞ!」

 

 

 

 

「・・・ぼくもやる」

いきなり、床下からグラマーな女性が出てきた。

 

「うわー!しぐれさん、いきなり出ないでくださよ!」

 

彼女は 香坂しぐれ・・・以上

 

 

 

 

結局、俺は全ての武術を習うことが出来た・・・

 

 

「逆鬼さん、しぐれさんありがとうございました!」

 

「おう、また明日な」

 

「!ってことは、明日も修行つけてくれるんですか?」

 

「うっうるせー!さっさっと帰れ!」

 

「孝明・・・きよ・・・つけてね」

 

 

全く、天の邪鬼な人だ・・・・

 

 

俺は修行が済んだので、帰ろうとした。しかし美羽が来て「夕食を食べていってくださいですわ」と言われた・・・なぜか美羽は俺に構い、この前は無理矢理ショピングに付き合わされた。

 

「いいや、いいよ。早く戻って、自主トレしたいし」

 

「いや・・・でもですわ・・」

 

渋る美羽に困っていると長老がきた……いつも通り、ペロペロキャンディーを舐めた状態で

 

「たかちゃんや、美羽は同学年の友達がいないのじゃ。つきあってくれぬか?」

 

「・・・わかりました」

 

そう言うと、美羽はひまわりのような笑顔になった・・

 

 

 

 

 

家に帰ってステータスをみたら、案の定ムエタイと空手と武器の心得。そして、静の気の解放というのがあったので、買っておいた。

 

レベル:カンスト

 

攻撃60:c

 

防御54:D

 

スピード54:D

 

幸運65:c

 

ポイント100

 

残り転生回数:1

 

 

 

特殊能力:成長率アップ、ポイント収得アップ、柔術の心得、中国拳法の心得、ムエタイの心得、空手の心得、武器の心得、静の気の解放(静の気を解放出来る)

 

 

見てのとおり、レベルがいつのまにかカンストしてしまっている。俺は機を見て、転生するつもりだ。と言っても、今はきつい修行で、そんな余裕ないけど・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふーーー」

 

「ほうこれは・・・「解放」を出来るようになったのかね?」

 

数週間経って、俺が梁山泊の庭で、気の解放していると、秋雨師匠が尋ねてきた。

 

「・・・はい、出来るようになりました」

 

「はぁはぁ!出来るようになりましたか・・・本当に軽く言うな君は」

 

「それよりも、何かようですか?」

 

「あぁー、今日は、美羽と組み手をしてもらうも思ってね」

 

「・・・でも、美羽が相手じゃ・・・」

 

「わかっている。物足りないのであろう。しかしそれも経験だ、我慢しなさい・・・」

 

 

 

 

 

道場で、俺と美羽は向い会っていた。

 

「では、いきますわよ!」

 

美羽が勢いをつけて、回しゲリをしてきた。しかし今の俺にとっては遅い・・・

 

簡単にいなし、美羽の腹に正拳づきを入れた。すると美羽は簡単に吹っ飛び、道場の壁をつき向けて、外に出た。

 

「それまで!・・・これほどとは」

 

審判をしていた秋雨師匠も、呆れた様子だった。

 

「ほぉほぉ、もう美羽では、相手にならんの・・・秋雨君」

 

長老がお気に入りのキャンディーを舐めながら入ってきた。

 

 

 

「長老見てらしたのですか?」

 

「ふむ・・・秋雨君から見て、孝明君はどうじゃ?」

 

「非凡の一言。少なくとも、妙手でも上位に食い込む実力かと。いずれ間違いなく達人級になるでしょう」

 

「儂も同意見じゃ・・・そろそろ孝明君にも外の世界を見せておこうかの・・・」

 

 

 

数年経って、14才になると、梁山泊全員をほとんどの技を習ってしまい、することがなくなってしまった。ちなみに、中学には行ってない。自宅学習だ。そのことを長老に相談すると、笑いながら

 

「どうじゃたかちゃん、儂と一緒に旅に出てみぬか?」

 

「旅ですか?・・・わかりました、長老がそう仰るのなら・・・」

 

 

 

 

そのことを師匠達に言うと、みんな驚愕した

 

(まぁ、それはそうだろう。なんたって、無敵超人だもん)

 

驚愕しながらも、全員が賛成してくれた・・・ただ一人を除いて。

 

「ねぇー、おじぃーさま!私も一緒に連れてって下さいですわ!」

 

そう美羽だ。美羽が凄い駄々を捏ねてるのだ・・愛する孫娘の頼みに長老は困り果てた。

 

「美羽よ、わかってくれ。これは男同士の旅なんじゃ」

 

「嫌ですわ!孝明さんが行くなら、私も行きますですわ!」

 

(ずっと、この繰返しだ。いい加減飽き飽きしてきた)

 

 

結局夜、美羽が寝た頃になって、俺と長老は旅に行くことが出来た・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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囚われた鳥

 

俺は旅の途中転生をし、生まれ変わった。能力はこんな感じ

 

レベル1

 

攻撃52:D

 

防御50 :D

 

スピード50:D

 

幸運57:D

 

ポイント:0

 

特殊能力:成長率アップ、ポイント収得率アップ、柔術/中国拳法/ムエタイ/空手/武器の心得、静の気の解放

 

見てのとおり、能力があまり落ちてない。これなら、Aを狙えそうだ・・・

 

 

 

「ほら、ほら、たかちゃん!次いくぞ」

 

俺は道中、長老に修行をつけてもらった。そう原作で兼一がやった、制空権の修行だ。しかし俺はすでに制空圏は能力を使わず、マスターしていので、その上の流水制空圏の特訓中だ・・・

 

夜、なってステータスを見ると、「風林寺 隼人の秘技の心得」があった。説明によると、「風林寺隼人の秘技を修得しやすくなる」らしい・・・

 

 

翌日、やってみると、簡単に出来た。これには長老も参ったらしい・・・「いつか、たかちゃんは儂を越えるかもしれんな」とまで言われた・・・

 

 

 

その様に修行しながら、旅をしていた・・

 

 

 

 

 

 

そんなある日。その日は俺は一人で、深い樹海の中で修行していた。長老は野暮用で二三日帰ってきてない。

 

(あんなところに、俺と同じ位の子がいる)

 

その子は、小鳥を抱き手のひらに乗せている・・・小鳥に何かあったのだろうか?

 

 

俺はすぐにその子の側によって、話しかけようとすると、

 

「!ふん!」

 

「!」

 

その子は躊躇いなく、俺の急所を狙ってきた。多分俺じゃなかったら、死んでいただろう。

 

「・・・誰だ、お前?今のを避けるとなると、ただ者ではないではないな」

 

その子は、年には似やわない、殺しの目で見てきた。

 

「・・・・敵じゃないから、安心して。それより、その小鳥どうしたの?」

 

「・・・怪我をしている」

 

「・・・ちょっと、見せて貰えるかな?俺は多少医術の心得がある」

 

むろん秋雨から習ったことだが・・・

 

 

 

 

怪我を治してやると、小鳥は元気に飛びたった。

 

「・・・鳥はいいよな、自由に空が飛べて」

 

鳥の治療をしてやると、その子はさっきとは、一変して悲しい表情になった・・・

 

俺は、そのような表情に我慢出来ずに、

 

 

「・・・君だって、羽ばたけるさ・・・何処にだってね」

 

 

と言ってしまった。

 

すると、少年は驚いた顔したと思ったら、急に笑い出した。なんでも、そんなことを言われたのは、初めてだったらしい・・・

 

 

その日から、少年は妙に俺に、なれなれしくなった。俺が修行をしていると、一緒にしたり、時には組手をしたりした・・・もちろん、俺の全勝だが。それと、修行の際俺の知らない沢山の武術を教えてもらった。

 

 

 

 

 

 

 

それから、また数日経った日、その少年は、ここから去らなければならない旨を伝えてきた。

 

「そうか・・・そういえば君の名前は?俺は安藤 孝明」

 

「叶 翔・・・あのさ、僕達友達だよね」

 

(叶翔か・・・そんな気はしてたんだよな)

 

 

 

俺がイエスと答えと、翔は奇声発しながら、去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

数年の旅で、上がったステータスはこれ。

 

レベルカンスト

 

攻撃80:A

 

防御80:A

 

スピード80:A

 

幸運80:A

 

ポイント500

 

特殊能力:成長率アップ、ポイント修得率アップ、武術の達人(あらゆる武術の達人になる)、超人率アップ(超人に可能性がぐっと高まる)、気の掌握

 

 

 

見てのとうり、ステータスはカンストだ。心得の種類はいつの間にか、「武術の達人」に変わっていた。後、面白そうなので「超人率アップ」も買った。それでも、ポイントが余っていたが、とりあえずとっておくことにした・・・

 

 

 

 

 

 

長旅を終えて、帰ってきた頃には、俺はもう16才になっていた。えっ、勉強?そんなのしるか!長老もそこには目をつぶってくれてる。

 

 

久々にみる、梁山泊の門を見て感動した。

 

「長老、やっと帰ってきましたね」

 

「ふむ。よくやったぞ、たかちゃん!今のお主は間違いなく、特A級の実力がある。胸を張れ」

 

「・・・でも、俺まだ長老に勝ったことないですよ?」

 

「・・・心配するな、お主なら、時期に抜く。儂はこの旅で確信した・・・お主は儂以上の化けものになるとな・・・ふぉふぉ!」

 

 

余談だが、その後置いていった美羽に、俺と長老は数週間かけて怒られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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原作突入
原作スタート


今、俺は美羽に付き合わされて、荒涼高校に向かっていた。

 

「なんで俺が、付き合わなきゃいけないんだよ!通ってもないのに!」

「いいじゃありませんの。眠気ざましには、ぴったりですわ」

「馬鹿言え、こんなんじゃ寝てるのと大差ないぞ」

 

旅先から帰ってきて以来、美羽はますます強引になってきた。それに逆らおうものなら、長老ですら対処出来なくなる。

 

・・・そういえば、転校初日に兼一は美羽と出会うだっけ?

 

「美羽・・・少し此処で組手でもしないか?時間も余裕なんだろう?」

 

「いいですけど、私では孝明さんの相手には、なれないと思いますわ」

 

「いいんだ・・・それでも」

 

案の定、美羽の動きは止まって見えて、全く相手にならなかった。

 

 

そうこうしてる内に、兼一が本を読みたがら、こっちに向かってるが見えた。

 

おっ、来たな!

 

「美羽そこまでだ!」

 

「ふぅー・・・結局、孝明さんに一発も当てることが出来ませんでしたわ」

 

「悲観するな。俺以外の同学年なら、お前が多分ぶっちぎりだろ」

 

「あんまり、慰めになってないですわ」

 

俺たちが話していると、兼一が美羽の後ろまで近づい来た。

 

 

「美羽、待て」

 

美羽は裏拳で、兼一を殴ろうとしたが、俺が二人の中に入って止めた。

 

「うわぁ!なんなんだ・・・って、たかちゃん!久しぶり!一体どこに行っての!心配したんだよ」

 

「まぁ、色々あってな・・・それより、美羽謝れ」

 

美羽は既に正気に戻っており、急いで兼一に謝った。

 

「すいません!反射で殴ってしまうところでしたわ!」

 

「・・・反射で殴るとか、どんな家庭で育てられたの」

 

「詳しくは歩きながら、話そう。時間もないことだし」

 

 

 

 

 

「へぇー・・・たかちゃんは、旅に行ってだ。道理で家に行っても居ないはずだ・・・って、ここどうやって渡るの!まさか、泳いでって訳じゃ・・・」

 

「・・・まさか・・・飛び越えるですわ」

 

美羽は、原作通り兼一の手を引き、川を飛び越えた。途中置いていかれた兼一は、川に落ちそうになった・・・

 

 

「よっと・・・」

 

・・・が、俺が素早く助けて、川を飛び越えることが出来た。

 

「ありがとう、たかちゃん!・・・それに引き換え、いきなり何するんですか!僕を殺す気か!」

 

「まぁまぁ、美羽も悪気が有った訳じゃ無いんだ・・・多分」

 

「そこは、断定して下さいですわ!」

 

 

 

 

 

美羽達を無事学校に届けた俺は、梁山泊に帰ろうとした。途中の電信柱に、見慣れた奴がいた。

 

「お前、また来たのか?」

 

「酷いな~僕達、友達だろ?・・・それより、考えてくれた、闇に入る件?君なら、すぐに一影九拳にだってなれるよ」

 

「だから、前にも言っただろう?俺は梁山泊に入ってるんだ。つまり闇とは敵なんだぞ?そんな俺が闇に入れる訳ないだろう」

 

「僕も言ったはずだよ。諦めないって。君は僕の始めての友達なんだ、絶対に闇に来てもらうよ」

 

こんな風に、翔は別れてから、何らかの方法で俺の居場所を突き止め、俺を闇にスカウトしてる。そのしつこさと言ったら、美羽と張り合うレベルだ。

 

「と言ってもな・・・そうだ、お前が梁山泊に来い!俺が直々にしごいてやる」

 

「なんでそうなるんだよ まぁ、歩きながらゆっくり話そうよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・そう言えば、孝明と一緒に居た女の子何て言うか・・・凄い惹かれた。もし孝明の女じゃなかったら、拐ってたよ」

 

「何言ってだ?美羽は俺の女何かじゃないぞ。むしろ色々難題を言ってくる疫病神だな」

 

翔はキョトンした顔をしたと思ったら、なぜか笑い出した。

 

「はぁはぁ!・・・君のそういうところ本当に最高だよ」

 

・・・なんなんだ。俺の回りは意味わからない奴だらけなのか?

 

 

 

 

 

 



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本郷への説得

俺と翔が話していると、前から黒いコートをきたサングラスの男がやって来た。

 

 

「翔・・・任務をさぼって、何をやってる?」

 

「げっ、本郷先生。これは違うです、先生!孝明という戦力を闇に入れようとしてた・・」

 

「言い訳は聞かない。来い!」

 

もう分かると思うが、この人物は 翔の師匠の本郷 晶である。翔が俺に構って任務さぼる際、いつも自ら来ている。

 

「うわぁ!孝明助けて!」

翔は恐れをなし、俺の後ろに隠れた。本郷は俺の前に立った。

 

「退け」

 

「本郷さん・・・教育のことを兎や角言うつもりはありません。でも本郷さんも翔が何を欲しているのか分かっていますよね?」

 

「次は無い・・・退け」

 

「はぁ~・・・相変わらず、融通が聞かないですね。いいでしょう、拳で語り合うのも、武人の特権。でも、人が居ない場所に行きませんか?関係ない人に被害を出したくないので」

 

「・・・いいだろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は本郷を、人気のない近くの山に連れてった。

 

「この辺でいいでしょう。僕の我が儘を聞いてくれてありがとうございます」

 

「礼はいい・・・構えろ」

 

「はい・・・」

 

俺が構えると本郷は少し距離置いた。

 

「翔、見ているのだろう?・・・よく観察しておけ、達人同士の戦いを・・・・ふん!」

 

本郷は一気に距離を詰め、いきなり心の臓に向かって、ねじり貫手をかまして来た。

 

・・・早い。達人でもこれをくらったら、一溜りもないだろう。でも、今の俺なら十分対処出来る。

 

 

俺は体をずらして貫手を避け、逆に正拳突きをした。

 

「チェスト!」

 

 

本郷もそれを避けた。そして今度はさっき以上の攻撃を一編に叩き込んできた・・・そこからは近距離の乱打戦だった。

 

バン、バン、バン!

 

「全く、年下相手に手加減がないですね!僕じゃなかったら、とっくにしんでますよ!」

 

「刃向かうものであれば、女子供とて容赦しない」

 

俺達の激しい戦いで、回りの地形が変わっていった・・・大地は砕け、木は倒れ、川は溢れだした。

 

 

 

「チェスト!」

 

「!」

 

本のちょっとの隙を狙って、俺は前蹴りを顎にヒットさせた。しかし敵も達人。自ら後ろに引いて、衝撃を和らげた。

 

「そうはさせません!」

 

俺は本郷の上に飛び、逆鬼から習った猛羅総拳突きをかました。

 

「ぐっ!」

 

流石の本郷も防ぐので手一杯だった。

 

「チェスト!」

 

「ぐふぁ!」

 

防御の隙間から、渾身の正拳突きをくらわした。

 

「!舐めるな!」

 

「くっ!」

 

なんと本郷は喰らった状態で、手を掴み、俺の腹に蹴り数発喰らわせた!俺は無理に体勢をずらし、追撃を避けた。

 

「・・・随分しぶといですね。渾身の力でやったのですが」

 

「ふん・・・鍛えかたが違う」

そう言いながらも、立った本郷はふらついていた。

 

 

 

・・・どうしょう。このままじゃ、本郷は死ぬまで追いすがってくる・・・

 

 

「何を戸惑っている・・・武人なら相手を倒す!・・・それでけを考えればいい。余計な感情は捨てろ」

本郷は段々と近付きながら、言った。

 

俺は構えながら言った。

「・・・それではただの殺人気と同じです。武は人を殺める為にあるのではありません・・・人を活かす為にあるのです!」

「ふっ・・・活人拳か・・・良かろう。どっちが正しいか、決めようではないか!ふん!」

 

本郷また一瞬で、懐に入った。俺は逃げようとしたが、驚いたことに既に退路をなかった。なぜなら、あらゆる方向から貫手が襲ってきたからだ!

 

・・・これは半分は虚だ!何故か分からないが、感じ取った。

 

「気付いたか!両手の内片方は実で、もう片方は虚だ」

 

・・・実の方を食らったら、終わりってわけか・・・逆に言えば、虚の方を受け止めれば隙が出来て、俺の勝ちだ。

 

そう見定めて、俺は精神を極限まで落ち着かせ、集中した。その間にも貫手迫ってきて、遂に心の臓まで達しようした!

 

 

 

「・・・・流水制空圏!、バシッ!」

 

「何だと!」

 

俺は流水制空圏で本郷の行動を読み、虚の方貫手を見事引き当てた。

 

「不動砂塵爆!」

 

「ぐはぁぁぁぁ!」

 

無防備になった本郷に、逆鬼習った必殺技『不動砂塵爆』を喰らわした。

 

「ぐぅぅぅぅぅ~~~~!」

 

さすがに本郷は膝を着いた。しかし目はまだ死んでおらず、猛獣のような目をしていた。

 

「先生!もういいよ!」

 

翔が隠れてた茂みから出てきて、俺と本郷の間に割って入った。

 

「・・・退け、翔。これは戦いだ。余人の出る幕はない」

 

「先生、もうボロボロじゃないですか!それに僕は先生の弟子です。余人なんかじゃありません!」

 

「・・・・」

 

「先生、お願いです!もう止めて下さい!この通りです!」

そう言って、翔は頭を下げた。

 

「・・・お前が意見するとはな・・」

余程珍しかったのか、本郷は面をくらっていた。

 

「・・・本郷さん。どうです?翔もこう言ってることですし、勝負は又の機会ということで?」

 

本郷は俺の顔を睨み付けた後、暫くして言った。

「よかろう・・・ただし、決着はつけるからな。首を洗って待っていろ」

俺が頷くと、本郷は自ら立ち、立ち去ろうとした。しかし、ふらついて倒れそうになった・・・

 

「先生、危ない!」

・・・のを、翔が肩を組んで助けた。

「離せ、翔」

「嫌です」

「もう一度だけ言う・・・離せ」

 

俺に向けてきた同様の威圧を翔に与えた。しかし翔は臆することなく、首を横に振った。

 

「・・・またか・・・どうやら、翔はお前の影響で、変わったらしいな」

「いえ、変わったのではありません。自分に正直になったのだと思います・・・」

 

俺の答えに、本郷は鼻で笑い、翔に助けられながら、去って行った・・・・

 

 

 

 

 

 

「ところで先生、僕先生助けたから、罰とかってありませんよね?」

そう言うと先生は珍しく、口を緩めながら

「安心しろ・・・24時間みっちりしごいてやる」

「そ、そんな~~~~~~!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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お説教と兼一の入門


少し期間があいてしまいました。


 

「行った……か。これであの人も少しは分かってくれだろう」

 

「なにがわかったんじゃ?たかちゃん」

 

「自分の命日じゃねぇーか?じじぃー」

 

 

「げっ、長老に師匠達!」

 

 

 

後ろを振り向くと、全員が目を鬼ように光らせ立っていた。

 

「たかちゃんや、これは一体どういうことじゃ?激しい気がぶつかり合ってると思って来てみたら、一影九拳の一人と戦っておろうとは………」

 

「しかも相手はあの本郷だ。死んでたかもしれないんだぜ?」

 

「そうだぞ、孝昭君。いくら君が強いと言っても、勝負は時の運。少しは自重したまえ!」

 

「全く、困った弟子ね」

 

「アパパパパー!」

 

「そう………だ」

 

「でっでも!自分の信念を貫く為に、どうしても避けられなかったです!」

 

「言い訳無用!たかちゃんには罰として、梁山泊に二週間謹慎してもらう!異論、反論は一切認めない!」

 

「そっそんな~~~~!」

 

「詳しい話しは帰ってからじゃ!さぁ行くぞ!」

 

長老の掛声で、師匠達はゆっくりと歩いて行った。

 

 

 

 

(どういうことだ!俺のしたことは間違っていたのか。余計なことだったのか………いや、そんなはずない。自分の友の為に、自分の信念の為に戦ったんだから、間違ってはずがない!」

 

「待って下さい!」

 

俺は師匠達の背中に向かって、怒鳴った。

 

「………なんじゃ、たかちゃん?詳しい話しは帰ってからと言ったであろう?」

 

「………これだけは言わせて下さい!」

 

俺の真剣な目に感化されたのか。長老たげでなく、師匠全員が俺の方を向いた。俺は全員を目を見ながら……

 

 

 

 

 

「……確かに、僕のしたことは無謀だったかもしれません。勝てるかどうかわからない戦いをするなんて。師匠達の仰有る通り、それで死ぬ可能性だって充分ありました………しかしそれこそが僕の人生であり、生き様です。元々僕は自分の信念を貫く為に、修業し力を得ました。例えそれが原因で死んだとしても、僕は笑って死ねる自信があります」

 

 

 

 

 

 

 

 

「………たかちゃんや、お主にとって武闘家とはなんじゃ?」

 

「武闘家とは………死ねる日に向かって生きるものです」

 

(そう。前の人生で思いしった。人間の命とは、とてもはかない………でも、だからこそ人は抗い、努力するんだ。例えつまづいても、また歩き出せばいい。大切なのは成功することでなく、自分がどう生きることなのだから………)

 

 

 

 

 

 

 

僕の返答余程以外だったのか。長老を含めた全員が、破顔し………笑いだした。

 

「ちょ、なんで笑うんですか!僕は本気なんですよ!」

 

「いやいや、すまんすまん!………はっはっはっ!」

 

「いい加減、笑い止んで下さい!」

 

 

 

 

それから暫くして、全員が笑い終わった。

 

「しかし『死ねる日に向かって生きるもの』か………これは名言だ。ですよね、長老?」

 

「うむ。全く持ってその通り。武人の本質を見事についた文じゃ」

 

「さすが俺の弟子だぜ!」

 

「しかしたかちゃん、そんな恥ずかしい台詞よく言えたね?」

 

「アパパパパパパ!アパチャイも気に入ったよ、孝昭の言葉!」

 

「凄い………ぞ、孝昭……」

 

なぜか皆一変して、いきなり俺のことを褒めだした。

 

「なんなんですか!怒ったり、褒めたり……」

 

 

「………実はのー、儂らはたかちゃんが戦ったことには怒ってないんじゃ。むしろ、誇りに思っておる。詳しい経緯は知らんが、翔という友の為に戦ったのであろう?ならば、活人拳として何も問題はない」

 

「だったらどうして………?」

 

「それはたかちゃんに自分の命を大切してもらいたかったからじゃ。いくら友の為とはいえ、そんなぽんぽん命を放り出されては困るからの。だからこそ心を鬼にして、冷たく当たったのじゃ」

 

「そうだったんですか………」

 

「………しかしどうやら、儂らはたかちゃんのことを見くびっておったそうじゃ。たかちゃんは儂が思っておるより、ずっと考えて戦っておる。ならば、もう何も言うことはあるまい。儂に出きるのは、応援することだけじゃ」

 

「………すいませんでした!そんな師匠達の思いも知らず、勝手ことを言ってしまって!」

 

 

「よいよい………儂も教えられたからの。武人の生き様というものを」

 

 

 

 

 

 

 

それから俺は師匠達と仲良く梁山泊に帰った。

 

「………ちなみに長老。謹慎二週間は無しですよね?」

 

「何を言う?それそれ、これはこれじゃ!罰はきっちりと受けて貰う」

 

「そっそんな~~~~~~!」

 

 

 

 

 

 

 

梁山泊に帰ると、美羽が何処に居たのか問いただしてきた。もちろん心配させない為に、嘘のこと言って誤魔化しといた………美羽は納得してないようだが。

 

 

 

 

 

 

(そういえば、今日は兼一が入門する日か?だったら、もう来るはずなんだけど………)

 

「……………もう!」

 

(ん?門から声がする。言ってみるか……)

 

 

 

門を開けてみると、案の定兼一がいた。だらしないことに、こんろんでいたが。

 

「おや、たかちゃんの知りあいかね?」

 

隼人が髭を弄りながら、やって来た。

 

 

「はい、一応………ほら、兼一立て」

 

「うっっっ。ありがとうたかちゃん……って何でここにたかちゃんがここにいるの!」

 

「でかい声をだすな………言っただろう?道場に通ってるって?」

 

「そういえば!でもこことは知らなかったな!」

 

 

 

「たかちゃんや、その子を紹介してくれぬか?」

 

「はい。こいつは………」

 

 

俺は隼人に簡潔に兼一のことを伝えた。すると兼一の方も落ち着いてきたのか。隼人に対し、入門を意思を伝えてきた。

 

「ほぉほぉ!入門したいとな。それで、兼一君はどんな武術をやりたいのかね?」

 

「……ここの道上で、空手は教えてますか?」

 

「あぁー教えてとるよ。師匠の所に案内しょう……」

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

「弟子になりたいだ?お前が?」

 

逆鬼はいつものように、酒を飲んでいた。

 

「はっはい!僕白浜兼一と言います。美羽さんとたかちゃんの友達です」

 

「どうじゃね、逆鬼君?引き受けてくれるかね?」

 

「つってもな~~~。おい、お前武道の経験は?」

 

「……ありません。部活で空手部に入ってるくらいです」

 

「つ~~~ことは初心者か。いきなり俺との修業はハードルが高いと思うぜ」

 

逆鬼は原作みたいに頭ごなしに叱ってこない。どうやら、俺というイレギュラーな存在が逆鬼を変えたようだ。

 

 

「………そうだ!最初は秋雨に見てもらえ。その方がお前にとってもいいはずだ」

 

「そうじゃの。秋雨君なら、儂も安心出来る」

 

「そうですか。なら、その方でお願いします」

 

(………可哀想に兼一。秋雨師匠は一番ドSなんだ……)

 

それを兼一この後身を持って知ることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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新たなる波乱の予感

ラグラレク篇ですが、基本的にオリ主は手を出しません。


謹慎中特に何もやることがないので、座禅を組んで精神を統一していた。

(これもいい機械かもしれない。最近ハードな修行ばかりで、根本的な心の鍛練を怠っていた。どんなに強くても、実が伴っていなければロボットと一緒だ。それを忘れるとは………我ながら未熟だ)

 

 

「失礼しますわ」

暫くすると、美羽の声が聞こえた。

 

「……何だ美羽?今は鍛練中だ」

 

「知っていますわ。孝昭さんはいっつも修行ですもの。しかしそれでは気が滅入ってしまうと思いますので、息抜きにお茶を入れてきましたわ」

 

「……それもそうだな。入れ」

そう言うと、美羽は襖を開けて入ってきた。手にはお盆があり。お盆の上にはお茶と煎餅があった。

 

 

 

 

 

 

 

「どうです?新しいお茶っ羽を試してみたのですが?」

飲んでいると、美羽はそっと隣に移動してきた。

 

「……悪くない。個人的には好きな部類に入る」

 

「よかったですわ!これ高かったんですもの!」

 

「………何だ?わざわざ買ってきたのか?」

 

「はっ!いえ、その偶々ですわ!偶々!」

美羽は両手をばたつかせながら、大仰に言った。

 

「……まぁーいい。それより兼一はどうだ?あれから毎日来てるんだろ?」

 

「はい。その熱心振りにはおじいさまも感心してましたわ………ただ、初心者なので少し危なっかしいところもありますが……」

 

やはり原作通りか……この分なら、兼一は順調に強くなっていくだろう……負けぬよう、俺も精進しなくてはいけないな。

 

「あの~~~孝昭さん?お願いがあるんですけど」

美羽は体を小さくしながら言った。

 

「なんだ、買い物に付き合うのか?謹慎があけたら、いいぞ」

 

「ありますございます!」

 

 

 

夜、厠の帰り庭をみたら、ボロボロになっている兼一がいた。

 

「それでは今日の修行はここまで」

秋雨師匠はそう言って、中に入ってきた。

 

「あぁー孝昭君、ちょうどいい。兼一君にマッサージをしてあげてくれないかね。私はこれから用事があるのでね。長老には私から話しておこう」

 

「はい。わかりました」

 

 

 

 

 

 

「はぁ~~~気持ちいい………ほんと、たかちゃんはなんでも出来るんだね」

兼一は部屋でマッサージされながら言った。

 

「まぁーな………それでどうだ、武術は?中々奥が深いだろう?」

尋ねると、兼一は顔を渋く………そして悲しそうした。

 

 

「……正直、僕なんか凡人がやってて意味あるのかなって思ってるよ。自分のから言ったことだけど、梁山泊の師匠達を見てると、なんか自信なくしちゃて……やっぱり、僕みたいな人は大人しくしてたほうがいいのかな?」

 

言ってる最中、兼一の眼から涙が落ちた。

 

 

「………なにも、あの人達だって最初から強かったわけじゃない。血の滲むような鍛練の末、得た力だ。今結論付けるのは早計だろう」

 

「でっでも、それはやっぱり才能があったからでしょ?たかちゃんだって、才能があったから強い訳だし……」

兼一は涙で濡れた目で、こちらを真剣に見た。

 

(才能………か。確かにそれもあるだろう。なんたって、神さまから能力を貰い転生したわけだ。無いっと言い張るほうが難しいだろう。

……………でも、だからこそわかる。才能なんて必要無いんだってことが)

 

「………確かに世の中には、才能という数値化出来ない要素がある。世の中の偉人達のほとんどが、この才能というもの持った『天才』達だろう」

 

「……やっぱりそうだよね。なにもするにしても、才能が無ければ意味が無いよね………」

兼一は頭をがっくりと落としながら、諦めにも似た溜息をついた………

 

 

 

 

 

 

「意味が無い?誰がそんなことを言った?」

 

「えっ?……今たかちゃんが……」

 

「俺は偉人達の話しをしただけだ。別に意味かどうかの話しはしていない」

 

「でっでも、同じことでしょ?結果が伴わければ過程なんて……」

 

 

俺は兼一に優しく微笑みながら………

「兼一………お前は偉人になりたいのか?この世に名を残したいのか?」

っと問うた。

そう問うと、兼一は手をばたつかせながら、

「そっそんなことないよ!」

っと否定した。

 

「だったら、いいじゃないか。才能がなくたって………

 

 

人間の一生というものは頗る短い。更に人生というのは苦難の連続だ。数々挫折や失敗を味わうことだろう……

 

 

でも、それがどうした?それが人生というものだ。別にマンガの主人公じゃないんだ。必ずハッピーエンドにする必要はないだろう?

 

俺は思うだ……人生というのはその人自身を物語るストーリーだ。だから人生に優劣ない。むしろ少し変わってた方が愛嬌があるってもんさ」

 

俺の言葉に、兼一は徐々に顔を上げていった。

 

「でっ………でも……」

 

「ふっ………むずかしく考えるな。要は「「胸をはれるような自分になり、後悔をしない人生を歩め」っとことさ………」

 

 

 

 

 

言い終わると、兼一は目の色を変え、涙を手で拭った。

 

「ありがとう、たかちゃん!……ぼくもう少しだけ頑張ってみるよ!」

 

「そうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………それで、そろそろ出てきたらどうですか?盗み聞きとはあまり誉められた行為ではありませんよ?」

 

「えっ?……それって」

 

 

 

 

俺がそう言うと、床下、天上、窓あらゆるところから師匠達と長老、そして美羽が出てきた。

 

「いやーすまんすまん!するつもりはなかったんじゃ。みんなでけんちゃんの様子を見にきたのじゃが、たかちゃんがあまりに立派なことを言うもんじゃから聞き惚れてしまったのじゃよ」

長老が代表して、みんな言い分けを答弁してきた。

 

「え~~~~~~~~~~~!みなさん聞いてたんですか!人が悪いなー!」

兼一は全く気付かなかったようだ。

 

「いや、私は止めたのだぞ。しかし剣星のやつが……」

 

「秋雨どん!それは言わない約束ね!それに言い出しっぺは逆鬼どんね!」

 

「てめ!俺に振るなよ!」

 

「アパパパパ!孝昭かっこよかったよ!兼一気にしちゃダメよ!」

 

「う…ん。そう……だ」

 

「孝昭さんの言葉………胸に深く刺さりましたわ」

 

 

 

「なんかぼく、凄い可哀相な子みたいじゃないですか!」

 

その後も長老達は意味もない説明を続けたので、俺が打ち切った。

 

「……各々言い分はあるでしょが、やった行為は誉められたことではありません。故に、誤って下さい。今回はそれで手を打ちます」

 

そう言うと、師匠達さ一斉に言い分けを止め

「ごめんなさい!」

と謝った………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

約束通り謹慎が開けると、俺は美羽のショピングに付き合っていた。いたのだが、

 

「………美羽、映画鑑賞はショピングに入るのか?」

 

「もちろんですわ!最近はどんなことでも、ショピングに入りますのよですわ!」

 

このように、ショピングと関係がないことにまで付き合わされていた………そう、まるでデートのように……

 

(デートってそんなわけないか。美羽は兼一が好きなはずだ。変なことを考えるのは止めよう)

 

 

 

「あはは!孝昭さん、早く早く!」

 

「全く、そんな元気があるなら、武術に集中しろよ。

………!美羽止まれ!」

 

「へっ?」

 

美羽は気付かなかったようだが、いきなり美羽の前方に複数の気配が現れた………達人級のだ。

 

俺は高速移動し、美羽と彼らの間にを遮った。

 

(この気配、ただの達人級じゃない。みんな特A級だ。これほどの逸材がいるとなると………一影九拳か!)

 

 

俺は素早くりんせいたいせいになり、相手の出方を伺った………すると、

 

(貴様が、梁山泊の弟子じゃな。細かい話しは貴様が本郷と戦った場所じゃ。師匠に言うな……と言いたいが、既に気づいておろう、連れて来てもよいぞ。その代わり必ず来るのじょぞ)

 

言い終わると、達人達の気配が一気に消えた………

 

 

 

 



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