怪物兄妹と海に輝く少女たち (サク&いずみーる)
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~プロローグ1 昔話~

初めまして!『兄妹共有でやらせていただいております、サク&いずみーるです!』
本編担当、兄のサクです!推しは果南!
「ツイッターと誤字脱字チェック担当一人称はボク、妹のいずみーるですぅ♪推しは曜ちゃんですぅ」
ついに載せたぜ!!趣味全開のこの小説をっ!!!!
「いやいや………ちょっと待ってくださいよぉさっく~ん?妹の名前決めてないじゃんかぁ……進めらんないよぉ?」
ふっ………よく聞きなさい、いずみーる?我らのモットーにみんなと一緒に作る!というのがあるだろう?
「要約すると学校の課題と続きの話のアイディアに追われてるから人任せだよねぇ?(満面の笑み)」
………すいませんorz
「という訳で皆さん、アイディアあったらボクたちのツイッターか感想欄までお願いしますぅ♪」
それではっ!
『プロローグ1!どうぞっ!!』



  かつてはある幼い少年と少女が静岡県の海辺の町 内浦に住んでいた。

少年は灰色の髪にエメラルドの瞳で、活発な子ども。

少女は真っ白な髪とルビーのような瞳が特徴の病弱な子ども。

 この2人は見た目はもちろん、性格もどことなく対照的だったが幼なじみで、仲も良く幸せに暮らしていた。だが。

 

 

 

 

 突然、2人の運命の歯車が狂い出した。

 

 

 ある日、少年の家にいた2人は見知らぬスーツの大人たちから2人の親たちが事故に遭い、行方不明になったこと。そのため、2人は施設に預けられることを知った。2人は大人たちが提示した()()()()()()()()()()に応じ、従った。

 しかし、それが悪夢の日々の始まりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~果南side~

 

「さあ、そろそろかえろ?こんなにくらくなっちゃったし」

 

 今でも覚えてる。あの時のこと。確か私は小学生でダイヤと一緒に鞠莉の住んでるホテルの敷地に入ってライトで合図してたっけ。

 

「そうですわね」

 

「ふねのとこまでおくってあげるよ」

 

 夜だったし、連絡船もなかったからお父さんが船を出してくれたんだよね。

 

「じゃあ、きをつけてねー」

 

「またあしたー」

 

 そうやってお父さんの船が見えなくなるまで見送ってそろそろ帰ろうと思った時だった。海の中に影が見えたのは。

 

「なんだろう………?」

 

 もっとよく見ようと思ってライトをかざしてみた瞬間。

 

「ギュオオオオオオオオオオオオ!!」

 

 水しぶきを上げて現れたのは怪物だった。

 私の身長の2倍はあって、爪のあるカエルみたいな手足に長い尻尾、全身は魚の鱗で覆われてた。開いた口から覗く牙は反射で光って恐怖心が煽られた。

 怖くて声も出なかったけど、とにかく逃げた。走って、走って、走って、息が切れるまで走って逃げた。

 

「はぁ…はぁ…も、もうだいじょ…」

 

 

 

「ギュガァァアアアアアアアアア!!」

 

「うそ………」

 

 怪物が追いかけて来たのか、先回りしてたのかは分からない。分かったのは、もう終わりだってこと。この怪物に食べられるんだって。怪物が唸りながら近づいて来た時、

 

「やだぁ………まだしにたくないよ……だれか…」

 

 今度は恐怖で体が動かなくなった。かろうじて声は出たけど、もう無理だと思ってた。でも、

 

「たすけてぇぇぇぇぇええ!!」

 

 無意識にそう叫んだ。

 

 その時、空から影が2つこっちに落ちてくる………と思ったらさっきまで落ちてきてたはずの影の1つは怪物を殴り飛ばした。

  鱗の怪物を殴り飛ばしたのも人、とは言えなかった。身長は私より少し小さかったけど、背中から突き出たサメの背びれのようなものは明らかに人じゃない。

 落ちて来た影のもう1つが私の真横に降り立つ。大きいフードとスカーフで顔が見えなかったけど、間からはみ出た月の光にきらめく銀髪、こっちも人じゃないと思わせるには十分な背中の黒いコウモリの羽のことは今もよく覚えてる。

 

「もう大丈夫だよ?」

 

 その声は幼いけどしっかりした女の子の声だった。

 サメの背びれの怪物は羽織ってたマントのフードを取って、こっちを振り返ってにっ、と笑った。黒髪の人間の男の子だった。左右で色の違う目、ギラリと輝く白い牙。でも、少しぎこちない笑みは無邪気な男の子そのもので。この2人の声と笑顔は私を安心させるのには十分だった。

 

「ギュォォォオオオオ…………!!」

 

 さっき殴られた怪物が戻って来た。

 コウモリの女の子は舌打ちして「いけるよね?」と訊く。サメの男の子は「ガァァアアアア!!」と返事代わりに吼えて目にも止まらない速さで怪物に突っ込んだ。女の子も舌舐めずりすると包丁ぐらいの大きさの刃物を出して飛び立った。けど。

 

「ギュガァッ!!」

 

 怪物は腕と尻尾で2人を薙ぎ払った。

 

「グァァッ!!」

 

「きゃぁぁあっ!!」

 

 2人はそれぞれ反対方向に吹き飛ばされていった。

 でも怪物が私の方に狙いを定めたのを見たサメの男の子は近くの木を蹴って方向転換、体をうまく回転させて怪物の方ヘ戻り、そのまま怪物を背びれで真っ二つに切り裂いた。切られた怪物はドロドロと溶けて消えた。

 私がそれを見て気持ち悪さに口を覆い、その場でぺたんと座り込んだ途端、離れた所でサメの男の子が血を吐いた。

 

「やっぱメンテ前はキツイかなぁ……」

 

 そう呟いてふらふらとサメの男の子の元に行こうとするコウモリの女の子を私はマントの裾を掴んで止めた。

 

「ねぇ…あのこ、しんじゃうの……?やだ…わたしのせいで………!」

 

 何故だか今までよりも怖くなって涙が溢れた。すると、

 

「泣くナっテ」

 

 いつの間にかあの男の子が目の前にいた。男の子は薙ぎ払われた時に斬られた右の脇腹を押さえて左手が真っ赤だった。

 

「でも………っ!」

 

 男の子は現れた時に見せたような笑顔で私の涙を右手で拭った。

 

「そうダ、じゃあ"お守り"をアげよう」

 

 人間とも言えない声で言うと、男の子は首にかけていたペンダントを外して私の首にかけた。私はキラキラと輝くペンダントを見て自然と笑顔になった。2人は顔を見合わせると、女の子が男の子に肩を貸して飛び去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  私は今でも"お守り"のペンダントを持ってて、時々眺めたりする。その時にいつも思うの。どうしてあの2人に()()()()()()()んだろう、って。

 

 

 

 




妹の名前が決まらないからネタだけ貯めてる状態ですね。
「ほんっと早く決めなきゃねぇ………」
次はプロローグ2ということで、時系列は現在になります!感想、アイディアお待ちしています!それではっ!
『お楽しみに!!』


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第1話 旅路は長い?

長らくお待たせしましたっ!本編担当のサクです!
「妹のいずみーるですぅ♪………待ってる人いるのかなぁ……?」
そこはいると信じたいかな………
「わざわざツイッターのDMで名前の提案してくれた人たちに感謝しますぅ!ありがとぉございますぅ♪」
それでは、本編をどうぞ!!



  ガタンゴトン………という音がするわけでもないが、早朝の電車の中。

 

「くあぁ…っふぅ~………」

 

 なにやら個性的なあくびをかましながら、せっせと両手プレーでスマホのゲームに勤しむ少女と、

 

「………………………」

 

 アイマスクの代わりなのか本で目元を隠して居眠りする少年の姿があった。

  少女の名は黒羽(くろは)あいり。─11歳、ボクっ子、妹、基本ゲーム廃人。羽織った紫が主体のパーカーのフードを常に被り、その間からチラリと見える髪は雪より白い。

 

 青年の名は鮫島 陸斗(さめじま りくと)。─15歳、変態、兄、元軽度ゲーム廃人。白いパーカーの上に、紺色のラインが入った黒のジャケット。青いズボンの膝の部分にはプロテクターが付いている。少し乱れた灰色の髪はギリギリ肩にかかるぐらいの長さだ。

 

「ふあ……っ…あー…いつの間にか寝てたな。あいりぃ~あと何分?それとそろそろ俺のスマホ返してくんね?」

 

「協力プレイ中だから終わってから…あと5分くらい、電車は30分」

 

「えぇ~………俺のスマホだろ?」

 

 あいりは黙々とゲームに勤しむだけだ。

 

 

 

 

 

「それにしても、いつぶりだったっけなー………内浦に行くとかさ。みんな覚え………てないか…ほんっっっっとに昔だしよ」

 

「窓の外なんか見て何黄昏てんの…らしくもない…」

 

「辛辣だなオイ」

 

 そうこうしている間に5分も待たずに陸斗の手元にスマホが帰って来た。通知があったので開くと「おぅ………!?」と声を漏らす。

 

「妹よ…ネクセルスからじゃないか早くスマホ返せよメールの数やべーよ80件だぞ!?」

 

「協力プレイの時に割り込んで来たユーザーが悪い。ボクだけなら3分いらなかった。レベル低いくせにボスを一人で片付けようとするから」

 

「知らんわ………あーあーまた増えた!!」

 

「ネクを彼氏にしたら彼女さんの携帯、すぐ容量なくなると思う」

 

「その前に彼女できんのか!?」

 

 この二人の言う"ネクセルス"とは信頼をおく知り合いの一人で、返事が来ないと大量の空メールを送りつけてくる。そのネクセルスが提供した()()()()を知った兄妹は幼少期を過ごした故郷、内浦に向かっている。いるのだが………

 

「多過ぎんだよ!!150件突破したぞオイ!?」

 

「しゃらっぷ………」

 

「あ、すいません…」

 

 なんとか1番最初のメールを見つけて、どんな重要事項なのかと息を飲み、見てみると………

 

『オレのお気に入りコミックどこやった?』

 

 ………まぁ、分かってはいた。予想もしていた。デジャブだったし?フラグ回収するんだろうなーとは思ってた。思ってたけど、な?

 

「………りっくん、乙」

 

 覗き込んで来たあいりが合掌する。陸斗は今すぐスマホを床に叩き付けたい衝動をグッと抑えて、代わりに

『空メールの処理を1つ残らずテメーがするまで教えてやんねー』

 と打ち、送信した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 スマホのメール一覧がスッキリしたところで兄妹は沼津駅に着いた。

 

「さっすが田舎だぜ。がらーんとしてやがる」

 

「違う…今、早朝5時だもん」

 

 ボケにツッコんでもらえて何気に嬉しいのは内緒。ネクセルス曰く、

『とりあえず内浦に着いたら、ある高校に行け。そいでもってその高校の理事長に会ってこい。会ったらすぐメールしろ。高校の名前と場所はあいりにのみ教える』

 とのことだった。さらに、あいりにも

 

「教えちゃダメって。ボクのスマホ見てもダメだよ、消したから」

 

 と言われる始末である。しかもそれをにやけて言うのが怪しい。信用度が低いわけではないのだが………。

 

「ん…あのバスに乗るの」

 

 あいりが指差したバスに乗った陸斗は料金を払い、運転席に近いところに兄妹揃って座る。バスの中には運転手と兄妹以外に誰も乗っていない。早朝だからだろうか。

 

「なんか…変わってないね。ボクたちが住んでた時と」

 

 窓の外を眺めながら、あいりがポツリとこぼした。

 

「そうだな………」

 

 陸斗の表情が険しくなったのを見て、あいりは俯いた。

 

「ごめん」

 

「何で謝んだよ?」

 

「いや、別に…思い出させちゃったかなぁって」

 

 陸斗は自分の妹の頭をくしゃりと撫でて微笑む。

 

「全然って言ったら嘘だけどな。過去は変えられないから」

 

 あいりは安堵した表情を浮かべ、窓に寄りかかって眠りについた。あんなことを言ったものの、()()()()はそんな風に割り切れる話ではない。あのことがなければ、兄妹はあそこまで苦しくて辛い思いをしなくて済んだのだ。

 

「そのおかげで守りたいもんが守れるってのは皮肉な話だぜ…」

 

 陸斗は自虐的な笑みを浮かべた。

 

 

 

 




「アニメ本編には入らなかったねぇ」
まぁ………
「あとぉ、テスト直前に投稿するとかさぁ………とんだチャレンジャーだよねぇ?」
Hahaha、テストなんかなくなればいいのな…
「同意するけどぉ…課題を押しつけられてるボクの身にもなって欲しいかなぁ」(満面の笑み)
まぁまぁ………妹キャラの名前はあいりちゃんになりました!
もう土下座で感謝っ!orz
あいりちゃんの姿が気になる方はツイッターの固定ツイートまで!!
「本編やイラストの感想待ってますぅ♪」



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第2話 理事長にご対面

3rdライブに行きたいサクです!(泣)

「単身で2日目ライビュ参戦しますぅいずみーるですぅ♪」

twitterのタイムラインがもうスゴい。あと自分たちの誕生日に期末試験が被ってたことに気づいて海より深く凹みました…

「誕生日くらいゆっくりしたいのにねぇ」

あ、6/27が自分たち兄妹揃って誕生日ですんで祝ってくれると嬉しいです

「ちゃっかりアピールしてるなぁ………例年ボクにしか祝ってもらえないからってぇ」

はーい何も聞こえな~いでは第2話どうぞ~

「さらっと本編に入らないでよぉ………」






 

  ──── 聞こえる。

 

『ぅ…っ……………あああああああああああああ!?』

 

『がぁ……っ!!…うぐぅっ………ぎぃぃぃぃあぁっ!!』

 

  苦しそうな顔で、その口からほとばしる悲痛な悲鳴と。

 

『ぎゃはははははははははっ!!いいぞ、素晴らしい!!』

 

 見た目に釣り合わない、大人たちの汚い笑い声が。

 

  あぁ、またこの夢か。と自分の手──重たい枷の付けられた手を虚ろな目で見下ろす"怪物"。

 周りを見渡せば、同じような者たちがいろいろな顔をしている。

 だが、歓喜の表情を浮かべる者は誰一人としていない。

 この"施設"において、自分たちはただの道具(モルモット)でしかない。

 そんな闇の中でも"怪物"が強く生きることができたのは、

 

 お互いと。

 

 "いつか故郷に、想い人の元に帰る"という強い意志。

 

 それから、闇に刺した"光"があったから。

 その光は自分たちを守るように、包むように暖かく心地いい。だが、やがて遠く離れて、手を伸ばしても届かなくなり………ついには────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ着いたぞ、達者でな」

 

「…ありがとうございました」

 

「あざまーす…ばいばーい」

 

 結局、居眠りしてしまった兄妹がバスから降りた先にあったのは少し急な坂。

 

「この先だよ、学校があるのは」

 

 地図もスマホも出さずにあいりは指差す。

 

「は~長い坂なもんで…一般的には」

 

  陸斗はその場で準備運動とバク転をする。あいりとは対照的に、さっきまで寝ていたとは思えない動きである。

 

「つか、ここで合ってんのか?"浦の星女学院"って女子校だろ?知らないなら教えてやるが、俺ぁ生粋の男子だ」

 

 そう主張する陸斗にあいりは一言、トドメを刺す如く問う。

 

「今までネクの情報とボクの記憶が間違ってたことは?」

 

「………………お疲れ様でした~」

 

 陸斗は即座に走ろうとする。が、

 

「あぐっ!?」

 

 跳んだあいりがジャケットの襟首を掴み、陸斗を叩きつけるように倒すとそのまま引きずって坂を上がる。

 

「離せええええええええええ!!女子校に行ったら死ぬっ!社会的に終わる!!ポリスメン来ちゃうぅ!?」

 

「りっくんは何をしでかす予定なのさぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「失礼します」

 

 よそ行きモードで礼儀正しく陸斗があいりを連れて理事長室に入ると、

 

「あら?」

 

 スーツではなく、制服を着た生徒が理事長の椅子に座っていた。兄妹は互いに目を合わせて同じことを思う。

 

 ………よし、まず落ち着こう。

 どう見てもこの金髪金眼の少女は生徒だ。体は成長しているが大人…ではないはず。そう断じて陸斗は口を開く。

 

「すいません、理事長に用があるのですが」

 

「私に用?」

 

  あれ?と、今度はあいりが問う。

 

「理事長の娘じゃないの?」

 

「私が理事長本人だけど?」

 

  …………………ん?

 

「………本当に言ってます?」

 

「Yes!」

 

  ………………………………ほう。

 

「「………うーわっ」」

 

「What's!?」

 

 最後は兄妹ハモった。あいりは陸斗の顔を覗き込む。

 

「りっくん…?」

 

 陸斗は力なく首を振った。陸斗は嘘を見抜いたりする読心術(コールドリーディング)を得意としており、しかもかなりの実力者だ。その陸斗が嘘じゃないというなら嘘ではないのだろう。

 陸斗もため息が出そうなのを飲み込んで、スマホを取り出す。

 

「少し待ってください。理事長に会えたらメールするように言われたので」

 

「OK!そこでやっちゃっていいわよ?」

 

 スマホをタップする音だけが響いてなんとなく気まずい世界に包まれること十数秒、場違いなピコーン♪という着信音とともに送られて来たネクセルスのメッセージには、こうあった。

 

『アイゼン=オルデュールに薦められて来たと伝えろ。こっちで話はつけてあるから伝わるはずだ』

 

 "アイゼン=オルデュール"とはネクセルスが()()()()()()()()()ための偽名だ。ドイツ辺りで"鉄のゴミ"を意味する、なんとも彼がつけそうな皮肉な名前だ。

 

(そもそも、この学校と俺たちの目的がどう関係する?今回ばかりはネクセルスの野郎の考えが分かんねぇぞ………!?)

 

「りっくん、りっくん?」

 

 あいりがつついてきたことで陸斗は考えを一度シャットダウンし、とりあえず理事長を名乗る少女に状況を説明する。

 

「自分たち、アイゼン=オルデュールさんに言われて来ました。でも…すいません、内容や用件を聞いてないんです」

 

「あら、そうなの?」

 

 兄妹は理事長が首を傾げる動作が不覚にもかわいいと思ってしまった。そうとは知らず、理事長(仮)はその内容と用件を明かした。

 

 

「実はね、あなたたち2人にはこの浦の星女学院に入学してもらおうと思っているの!」

 

「あぁ、な~るほど♪そういうことかー………」

 

 ………………………………んん?

 

「「って………えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」

 

 理事長室に鼓膜を破らんばかりの兄妹の叫び声が轟いた。

 

 

 

 




やっと理事長出てきた………

「次からはようちかも出てくる予定だよぉ」

ライビュの方々、もしエンカしたら妹をよろしくっ!あと、のぞみん誕生日おめでとう!自分たちの母さんと同じ誕生日!

「次の話もお楽しみにぃ~♪」


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第3話 用意周到って怖えーな

テスト期間中に小説アップしてやりました!サクです!

「水泳の授業で毎度毎度溺れてそろそろ死にそぉ…いずみーるですぅ」

ようちか待ってた人ごめんなさい!次は出てくるから!

「それではどうぞぉ………」



  ~陸斗side~

 

  男子が女子校に入るとか、どこのラノベだ!?…ネクセルスの野郎、どんな取引を………!!

 

 とか考えてたら、小首を傾げたあいりが俺を突く。無理無理、この人一度も嘘ついてないから。

 

「今後の費用どうするんですか?」

 

「No problem!あなたたちの学費は理事長権限で免除しマース!」

 

 ………………いや、うん。

 

「自分、男子ですよ?」

 

「男子用の制服作ってあるわよ!」

 

 ほんっと用意周到だな!?

 

「じ、自分たち…「陸斗」」

 

 諭すような表情であいりが俺の手を握る。しゃがんで、とでも言いたそうにグッと引っ張ってくるから、お望み通りにしてやると耳打ちしてきた。

 

「仕方ないことだよ。"目的"のためなんだから。ネクはこんな時にふざけたりしないし…それに、もしかしたら"あの子"に会えるかもよ?」

 

 正直くすぐったくて仕方ない。それでも内容は理解したから盛大にため息が出た。もう…どーにでもなれよ畜生が………

 

「Sorry,この学校近年、生徒数が減少してきたから廃校の噂があるくらいなのよ。廃校を阻止するためにも共学にしようって話もあったけど、いきなりは厳しいからまずは試験的に1人入学させてみようってなったの」

 

「そしたらアイゼンさんが自分が適任だって言ってたってことですか?」

 

「ええ。でも、1人だけなら意地でも拒否するからあなたたち2人で入学させるって…さすがに"あいり"がそんなに小さいとは思ってなかったけど」

 

 さっきまでの俺は滅茶苦茶手を握りしめていた。そりゃもう血管が浮き出てんじゃねーかな?ってくらい。でも、ネクセルスも理事長もいろいろ考えてんだな。なら、俺1人のワガママで立ち止まってらんねーや。

 

「分かりましたよ。ただし、いくつか条件が」

 

「何かしら?」

 

「1つ、学校に関わる費用は学校側の負担。2つ、あいりのパーカーの常時着用許可。これを条件に入学します」

 

「いいわ。学費負担はそのつもりだったし。ただ、最後のは?」

 

「………あいりの体質的な問題です」

 

 間があることに疑問を感じたらしい理事長だったが、別にいいかと考えたのか2人分の書類を差し出した。俺は差し出された書類にサインをしていく。

 ぁ、とあいりが声をあげた。

 

「ところで、理事長の名前は?聞くの忘れてた」

 

「私は生徒兼理事長の小原鞠莉!マリーって呼んでね☆」

 

 ほーほー………大きいな。どことは言わないけど。

 あいりも上向いて震える。あ、一応言っとくけどこれ別に自分が小さいから妬いてるわけじゃねーからな?あいりんはロリ巨乳だし。

 

「はい書きまし…たっと!」

 

「じゃあ、早速今日が入学式だからよろしくね!あ、9時には戻って来てくれる?それまで自由に歩き回ってていいから!」

 

「そりゃ随分急だねぇ……」

 

「はい、分かりました」

 

 

 

 

  ~鞠莉side~

 

 やり取りの後、2人が部屋を出ていったわ。何あの2人!?So cute!危うく抱きつくところだったわ………!!

 礼儀正しく見えるけどヤンチャしてそうな鮫島陸斗くん──リクと、小学生くらいに見える黒羽あいりちゃん──あいりん、覚えておきましょ☆

 

 




今回は陸斗、鞠莉視点でやってみました!次は三人称と千歌視点でやらせてもらいます!

「お楽しみにぃ~………♪」


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第4話 みかんとヨーソロー

今回はガールズラブのタグがほんの少しだけ仕事します!




  兄妹が外に出ると、入学式らしく新入生とその親族でごった返しになっていた。あいりはパーカーのフードをギュッと引っ張って、心なしか震えているように見えなくもない。

 

「りっくん…引きこもらせて……?」

 

「却下。俺は男1人でここに入学するんだぞ?それに比べたらマシだろーが」

 

「でも、りっくん満更でもない…"あの子"に会えるってだけじゃないよね」

 

「………………………しょうがないじゃん!?」

 

  男子諸君なら誰しも思うだろう。

『駅前でイチャイチャチュッチュしてるリア充バカップル、いっぺんくたばりやがれ』とか?

『女子校ブチ込まれてハーレム作ってみたい』とか?

『女子同士のキャッキャウフフ見てみたい』とか!?

『学園系ハイブリッドでハートな主人公とポジチェンジしたい、っつーかラノベ主人公どもそこ代われ』とか!?

  すなわち─ッ!!

 

「これは健全な男子高校生の思考なのだよッ!!」

 

 ………もはや飛躍しまくった暴論でしかなかった。

  あいりは嘆息してフードの耳の部分に付いている、コウモリの翼を思わせる飾りを弄る。

 

「はぁ……それに、りっくん中身はそんなだけど見た目的には結構溶け込めそうだよね。ボクなんかパーカーで悪い目立ち方しそう…」

 

「そればかりはどーにもならんからな」

 

 と、話し合ううちに元気な女子高生の声が聞こえてくる。

 

「剣道部でーす!」

 

「ソフトボール部をよろしくー!」

 

「バレー部いかがですか~!」

 

 部活の勧誘である。そりゃ必要以上に人が多いはずだ。あいりは陸斗に念押しする。

 

「部活はダメだよ?」

 

「わーってんよ。"目的"のため、だろ?ったく…青春したかったぜ…」

 

 この兄妹にだけ伝わる会話の後、あいりは前方を指差した。

 

「あの子…りっくん見覚えあるでしょ?」

 

 あいりが示したのは段ボールの上に立って叫ぶ、メガホン片手にハチマキ巻いた少女だ。みかん色の髪は左耳のところで三つ編みになっていて、ぴょこんと跳ねたアホ毛がトレードマーク。

 あいりは直接会ったことはない。

 だが陸斗は昔、よく会った人物である。陸斗は思い出すと時を置き去りに──はできなかったが、あいりを置き去りにしてダッ!!と駆け出した。

 

 

 

 

 ~千歌side~

 

「スクールアイドル部で~す!春から始まるスクールアイドル部~っ!」

 

 う~~っ!誰も興味ないのかなぁ…?曜ちゃんも頑張ってくれてるのに………

 

「おお!やっぱ千歌じゃん!!大きくなったなー!」

 

 突然聞こえた声に目線を下げる。目の前に現れた男の子を見て、時間が止まった気がした。

 だって、あの子は()()()()()()()()()()()()()()()()んじゃ………?

 

「信じてねー顔だな…"リク"は悲しいぞ?」

 

 あ!その呼び方は…やっぱり…………!!

 

「んぅ~っ………りぃ~~~くちゃぁぁああああん!!!!」

 

「うおっと!?」

 

 私は、昔呼んでたあだ名を叫びながら思いっきり抱きしめた。

 

「へへっ、久しぶり千歌」

 

「今までどこにいたの!?心配してたんだよ………!!」

 

「どうしたの千歌ちゃん?」

 

 私の叫び声に曜ちゃんが釣られてきた。

 

「よーちゃぁん………」

 

「おう、曜もご無沙汰~!」

 

「この子は……!!全速前進~…ヨーソロー!」

 

「『面舵いっぱ~い!いざ進め~!』…だったか?」

 

 これって確か、私達が小さい頃に遊んだ時の合言葉だっけ?懐かしいなぁ~!

 

「その返し方…やっぱりりっくんだ!急にいなくなったと思ったら………うぅ…」

 

 ありゃりゃ、曜ちゃん泣きそうだよ?

 かといって人のこと言えないかも………

 

「おいおい、お前ら泣くんじゃねーよ!?俺が泣かしたみたいじゃんか!?」

 

 あはは、慌てるりくちゃん見てたら、なんか落ち着いてきちゃった。落ち着いたのを見計らって、りくちゃんはばつが悪そうな顔で頭を掻きながら言う。

 

「悪かったな、急にいなくなって。それにしても大きくなったな2人とも…」

 

 言いながら、りくちゃんは目を逸らす。たま~に目線が私達の胸元に………

 

「って、どこ見てるの!りくちゃんの変態っ」

 

 私は腕で胸を隠す。そういうところは年頃の男の子っていうか………ん?

 

「りっくん、あの子は?」

 

 曜ちゃんも気になるらしく、りくちゃんに訊いた。

 

 りくちゃんはパーカーのフードを目元まで被った小さい子に向かって手招きする。

 

「そーいや2人とも会ったことなかったな。紹介するわ、俺の妹のあいりだ」

 

 とてとてという音が合いそうな歩き方で寄って来た女の子─あいりちゃんはチカの方を向いて、ぺこっと頭を下げる。

 次に曜ちゃんの方を向くと顔を赤らめて下を向いちゃった。

 

「えぇ!?出会って早々嫌われちゃったのかな……?」

 

 不安そうな顔の曜ちゃんを見て、りくちゃんは笑い声をあげた。

 

「あっはははは!!違う違う、あいりは曜を一目見て気に入ったから照れてんだよ!あー久々に見たわー、あいりが照れてるところ…ぐあっ!?」

 

 す、すごい…あいりちゃんがりくちゃんに飛び膝蹴りした………しかも、その小さい体からは想像できないような威力が出てるみたいで、りくちゃん結構飛んだよ?大丈夫かな?

 

 

 

 

 

  (あいり)渾身の飛び膝蹴りは油断していたこともあって(陸斗)の顔にクリティカルヒットした。あいりは基本的に引きこもり志望だが、素の運動神経は十分にある。

 

「こ………こんなにたくましくなって…兄ちゃんは嬉しい……ぞ…」

 

 よろよろと立ち上がる陸斗。地面が少し削れているので、普通の人が受けたら骨折は免れないと考えていい。

 

「え、えっと、りっくんとあいりちゃんはなんでここにいるの?」

 

 まぁ、普通そう思うだろう。

 

「りっくんは高1くらいだったと思うけど、ここ女子校だし、あいりちゃんは聞く限り小5らしいし…」

 

 曜はあいりの頭を撫でながら訊いた。

  それにしても、あいりはどれだけ曜を気に入ったのか。

  本来なら頭を触られることを相当嫌悪する。

  信頼のある陸斗すら、あまり触ることができないため、初対面の相手に触らせることはまずないはずだが、嫌な顔1つしていない。

 それどころか、心なしか嬉しそうにも見える。

 

「あーうん、それか…いや、後で分かると思うぜ。うん」

 

 まさか、兄妹も入学するとは思わないだろう。

 

「ところで、お前らはここで何してたんだ?」

 

「ふっふっふ、よくぞ聞いてくれました!」

 

 

  ───これ、面倒臭いやつやん……

 

 

 兄妹がそう断じたとも知らずに千歌はやる気に満ちたキラッキラの目で話す。

 

「スクールアイドル部の勧誘です!もう、ほんっとにキラキラしてるんだよ!」

 

「私はそのお手伝いをしてたんだ!もう水泳部入ってるから」

 

 あいりは頷いて問いかける。

 

「でも…結果は?」

 

「うぅっ………」

 

「お察しの通りでーす……」

 

 ………まぁ。

 

「そうだろうなぁ…」

 

「2人とも…乙……」

 

 見る限り、予想通りだいぶ空回りしていた。見向きもされていなかったように思う。

 

「部員は何人いるんだ?」

 

「チカ1人だよ?」

 

 ………本当に予想以上の空回りをしまくっていた。

 

「あーあ…2人がうちの学校の生徒だったらスカウトしたのになぁ…」

 

((………高校生活、どう切り抜けようか))

 

 兄妹は地味に頭を悩ませる問題に直面したようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




曜ちゃんに一目惚れしたあいりちゃん。これがガールズラブの始まりですよ!
それにしても、もう課題を押し付け過ぎて忙しくなったいずみーるが前書き、後書きのコメントにすら応じなくなりました…どうしたもんかな…


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第5話 小動物と中二病

期末試験も終わって夏休みももう少し…前書きに書くこともなくなりつつあって困ってます…
なんかこう……自分たちに向けて質問の質問とかないですかね?キャラクターの質問はまだできないですけど。



  ~陸斗side~

 

 

 

  少し千歌たちと再会を喜び合っていると2人の少女が前を通った。

  1人は幼い子供か小動物というのが第一印象。赤髪のツインテールで宝石を思わせる青緑色の瞳の少女。

  もう1人はツインテールの少女と同じくらい小柄で、肩までかかった茶髪のふんわりとしたロングヘアが大人しい印象を放っている。

  そんな美少女としか言いようがない2人が談笑する様子はとても微笑ましく、綺麗なもので───

 

「あの!スクールアイドルやりませんか!!」

 

  雰囲気ブレイカー、俺の昔馴染(高海千歌)参上。しかも2人が困っているように見えるのは俺の気のせいか?

 

「ずらっ!?」

 

「ん?『ずら』?」

 

  方言が出て驚いてか口をパッと押さえて茶髪の少女が「い、いえ…」と呟く。

 

「大丈夫!悪いようにはしないから!あなたたち、きっと人気が出るに違いないっ!」

 

「でも、マルは……」

 

  ったく、しゃーねーな………

 

「ゴリ押しはよせって、千歌。2人とも困って……お?」

 

  前言撤回。1人困ってなかった。

  ツインテールの少女が千歌のチラシをじぃ~~っと見ていた。その証拠に千歌がチラシをサッ、と動かすとツインテ少女の目線も千歌の動きに合わせてサッ、と動く。

  シンクロ競技なら得点9割は確実だな、うん。

 

「興味あるの!?」

 

「ライブとか、あるんですか!?」

 

  千歌が嬉しそうに話を進める間、俺は頭上の桜の木に気配を感じた。

  遠巻きにいるあいりに目線を送ると、当人はゆっくり(まばた)きを返した。あいりも同じ気配を感じたらしい。

  ()()がいるのか?少なくとも俺らの知ってる種類じゃねーぞ…まさか()()かよ!?

  とか焦ってたら、

 

「あなたみたいな可愛い子に是非!」

 

  千歌がツインテールの少女の手を握った。その瞬間、一気に少女の顔から血の気が引き、サァーッと青ざめる。

 

 

 

  ─────あ、これヤバいパターンだ。

 

 

 

  茶髪の少女が耳を塞いだのを見て、思考コンマ1秒で断定、少女に倣って耳を塞ぐ。すると、

 

「ぴぎゃぁぁあああああああ!!お、お、おねえちゃぁああああああ!!!!」

 

  ツインテ少女は真っ赤な顔に涙目で悲鳴をあげる。その声の大きさは凄まじいというレベルですらない。

  特に俺。無駄に耳がいいため、絶大なダメージを負っていた。てかこれ…鼓膜破れんじゃね……!?

  少女の(物理的に)破壊力抜群の悲鳴に反応した曜とあいりが耳を塞いで走って来た。

 

「千歌ちゃん何したの!?」

 

  そりゃ、そう思うだろう。千歌も驚いて尻餅ついたまま口をぱくぱくさせる。当の本人も状況理解が追いついてない。

  …お前、よく耳塞がないでいられるな。

 

「ルビィちゃんは…究極の人見知りずら……」

 

  茶髪の少女が少し苦しそうな顔で説明する。

  あいりも少し人見知りするけど、上には上がいるんだな………と思ったら今度は上から悲鳴が。

 

 

 

「うわぁぁああああああああああああああああ!!!!」

 

「ごうっ!?」

 

  しかも、俺の上に落ちてきやがった。桜の木に感じた気配はこいつか。

  神よ、俺に何の恨みがあるってんだ畜生………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ~あいりside~

 

 

 

  おぅ……りっくんの上に落ちたのはダークブルーの髪にシニヨンがついた女の子。

  ()()じゃなくて安心したけど…ありゃ、ツインテの子──ルビィちゃんが茶髪の子の後ろに隠れちゃったよ。

 

「…うぅっ…わ、私……ぐえっ!」

 

  しかも、鞄が遅れて落ちてきて頭にヒット!カエルみたいな声出てたね。

  いや、それにしてもずっと下向いてるけどりっくん踏んでるの気づかないのかなぁ?

 

「ちょっ…いろいろ大丈夫?」

 

  千歌が声を掛けると何かスイッチが入ったようにバッ!!と顔を上げた少女の第一声は───

 

「ふっふっふ…ここは、もしかして地上………?」

 

「「大丈夫じゃない……」」

 

  千歌とハモった。

  いや、めちゃくちゃそのワインレッドの瞳をキラキラさせて低い声で言うんだもん。あれか、中二病ってやつ。それとも、頭打ってネジ飛んだか。

 

「ということは、あなたたちは下劣で下等な人間ということですか………?」

 

  相変わらず低い声で謎の決めポーズをかますシニヨンの子。中二病で間違いなさそう。

 

「うわっ………」

 

  おいおいあの曜ちゃんが引いてるよ!?

 

「それより足、大丈夫?」

 

「いっ!?……たいわけないでしょう?この体は単なる器なのですから」

 

  うん、りっくんじゃなくても分かるね。涙目だもん。

 

「ヨハネにとっては、この姿はあくまで仮の姿。おっと、名前を言ってしまいましたね」

 

  ここでなんとな~くヨハネと名乗る子と目が合ったんで、下を見てみろと指で合図してみた。

  それに気づいてか、ちらっと下を見たヨハネはぐったりしたりっくんに気づいて飛び退く。

 

「きゃっ!?ご、ごめんなさい!!」

 

  ぺこっと頭を下げるヨハネ。なぁんだ、素の声の方がかわいいじゃん。

 

「あぁ…うん……大丈夫…」

 

  まだ若干ふらつきながら立つりっくんをよそに、茶髪の方言っ子が口を開いた。

 

「善子ちゃん?」

 

「ふぇっ!?」

 

「やっぱり善子ちゃんだ!花丸だよ~幼稚園以来だね!」

 

  明らかに動揺が隠せてないヨハネもとい善子。本名バラされちゃぁなぁ。

 

「は・な・ま・るぅ~!?に、人間風情が何を言って……」

 

  化けの皮が剥がれても、その中二病スタンスは貫くらしい。いっそ尊敬するよ。

  だがしかし、茶髪の子──花丸ちゃんはジト目で何か構え出した。

 

「じゃ~んけ~ん……」

 

「「ぽん!」」

 

  花丸ちゃんはグーを出した。

  一方、ヨハネ(なんとなくこっちで呼んであげた方がいい気がする)はよく分からない手を出した。

  なんだかなぁ、見ようによってはしょ〇たんの"トゥットゥルー"に見えなくもないんだよねぇ…

 

「うぅっ………」

 

「このチョキ…やっぱり善子ちゃん!」

 

「チョキなんだ……」

 

  しかも見事に負けるという。

 

「善子ゆーな!いい?私はヨハネ、ヨハネなんだからねー!」

 

  かわいらしい声でそう言うと鞄を頭に乗せたままヨハネは走って逃げた。バランス力すごいなぁ。

 

「善子ちゃーん!」

 

「あっ、マルちゃん!」

 

「善子ゆーなぁ!!」

 

「どうしたの善子ちゃん!」

 

「ま、待ってぇー!」

 

  走って逃げるヨハネに、ヨハネを追う花丸ちゃん。さらにそれを泣きながら追いかけるルビィちゃん………昔のコメディかなぁ?

 

「あの子たち……後でスカウトに行こう!」

 

  1人、ガッツポーズの千歌。

 

  「誰か1人くらい俺のこと心配してくれてもいいんじゃねーか………」

 

「ごめんりっくん……」

 

  言われて心配する曜ちゃんはまだえらいと思う。千歌なんか見向きもしてないもん。

 

「りっくん、早めに行こ?」

 

「あー…うん」

 

  集合の9時にはまだ早いけど、今のりっくん見てると何があるか分からないし。

 

「ん?どこ行くの?」

 

「ちょっと用事……」

 

  やっと反応した千歌にりっくんが答える。

 

「じゃあ、またね!あいりちゃん!」

 

  去り際に曜ちゃんがボクの頭を撫でてくれた。やっばい…顔がめっちゃ緩む………やっぱりボク、曜ちゃん好きだなぁ~♪

 

 

 

 

 

 

 

 




次くらいですかね入学式は。いやもう、なっがい長い………あと、キャラクター紹介を活動報告に入れておきました!これからどんどん更新します!


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第6話 いざ入学式へ



いやっっっほおおおおおおおおおい!!!今日から夏休みだぜ!!

「夏休みの課題も半分くらい終わらせたもんねぇ~………ボクが、だけどぉ」

あちーす、編集担当(いずみーる)さん3日間フル徹夜マラソン乙でーす(くっちゃくっちゃ)。

「なんだかなぁ、すっごい既視感あるやり取りな気がするよぉ………」

ノゲノラだね、いや…いずみーるには本当に感謝。

「おかげで授業中に何度居眠りしたことかぁ…………」

なんなら、もう寝そべりさん愛でながら夢の世界を泳いできてくれてもいいんですよ?
それでは、本編どうぞ!

「本物の編集さんたちに敬意を抱きますぅ……」




「失礼します」

 

「しゃーす」

 

  今現在8時半だが、今の陸斗の調子だと何があるか分からないので、とりあえず早めに理事長室に来た兄妹である。

 

「Oh,very earlyね、2人とも。あら?リクはtiredなのかしら?」

 

「はい…まぁ………」

 

  別にさっきの善子が落ちてきた時のダメージを引きずっているわけではない。

 というか、この程度ならあいりの飛び膝蹴りに比べたらどうということはない。

  なんかこう…内浦に来てからいろいろあり過ぎて疲れたというか…………

 

「とにかく、この制服を着て…って言いたいところだけど………」

 

  理事長──鞠莉が言葉を濁す。

 

「どうかしましたか?」

 

「その…あいりんがそんなに小さいというか、幼いと思ってなくて…Sorry」

 

「アイゼンさんから聞いていないんですか?」

 

「ええ、2人とも見た目のことも、年のことも何も言ってなかったわよ。入学って言われたら高校1年生かな~と思って☆」

 

  ネクセルスらしくもない失策だな、と陸斗は苦笑する。

  まぁ何も聞いてないにしても、流石に幼い子供が高校に入学すると考える方が異常だろう。というか………

 

「今さらながら、あいり…入学できるんですか?学力的問題は一切ないですけど、年齢的に」

 

  あいりは記憶力と計算力に非常に優れていて、その気になれば今からでも一流大学に一発入学できる程だ。

 ………………………その気になれば。

 

「そこは…小原家の力で?」

 

「わぁ…職権乱用この上ないなぁ………ってボクの制服はどうするのさ」

 

  あいりがむぅっ、と頬を膨らませた。陸斗はこめかみを軽く叩いて考える。と、何事か閃いたらしく指をパチッと鳴らした。

 

「そうだ、普通のサイズのあいりの制服はありますよね?」

 

「ええ、それなら………」

 

  鞠莉は新品の制服の入った箱を手渡す。

  陸斗は中身を出して広げると、腰のベルトに掛けている箱からケースを取り出す。半透明の小さいケースの中には鋭い針が何本か。

  陸斗の目論見に気づいたあいりが鞠莉の袖口を引く。

 

「ねぇ、ハサミある?」

 

「え、そこにあるわよ?」

 

  机の上のハサミに小さい手を伸ばし、陸斗に投げ渡す。いや、危険極まりない。

 

「よっしゃ、やりますかっ!」

 

  陸斗はそんな掛け声とともに作業に入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~鞠莉side~

 

 

 

 

 

 

  マリーとしたことが重大なmissを…と考えてたら、あいりんがハサミを要求してきたわ。って、あいりんもdangerousな渡し方するわね……でも、ハサミを受け取った後のリクの行動にはもうビックリ!

  制服の腕の部分を切り離して短く切っていっちゃうの!しかも切って布きれになった袖を分解、糸にして針に通して縫い付けちゃった!

 

「リク!あなた、すごいわね!職人技かしら?」

 

  って私が言ったら、

 

「職人技?まさか!ただの代用術ですから。裁縫くらい、いつもやってますし」

 

  って今度はスカートを縫いながら言われた。

  Amazing♪リクって、もっとワンパクでシャイニーな見た目なのに、こんな細かい作業も得意なのね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっし、こんなもんかな。どれ、着てみな?後ろ向いてやっから」

 

「はいなぁ~」

 

 完成した制服(改二)を受け取ったあいりはパーカーは脱がずに、器用に中のシャツだけを脱ぐ。

  ────いや、少し待って欲しい。

 

「理事長、何故うちの妹の着替えをガッツリ見てらっしゃるんです?」

 

「え?こういうのって見届けるものじゃないの?」

 

 ………多分、千歌か曜が相手なら陸斗は迷いなく、首を縦に振っただろう。それどころか、率先して見ようとすらすると断言できる。

 だが、あいりはなんか安易に見ちゃダメだと思う。本当になんとなくだが。

  そもそもあいり本人が、着替えているところを見られるのを(相手は男女構わず)あまり好まないという変わった性格をしているというのがあるが。

 

「ダメです」

 

 陸斗は手で鞠莉の目を覆う。

 

「ちょっとお!!」

 

「いくら理事長でも聞けませんね」

 

「分かったわよ!リクの着替えで妥協するから!」

 

「どんな妥協の仕方ですか!?しかもそれでいいんですか?!」

 

  男子の着替えに需要があるのか、陸斗には到底理解が及ばなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  着替え終わった兄妹はお互いの制服姿を見合っていた。

 陸斗は千歌たちが着ていたセーラー服を学ランにしたような制服。

  あいりはセーラー服の裾が若干長く、スカートが少し隠れている。そんなセーラー服の上にいつものパーカーを羽織ったスタイルだ。

 

「似合ってるね、りっくん」

 

「あいりは変わらんように見えるのはパーカーのせいか?」

 

  兄妹はケラケラと笑った。

 

「そろそろ9時になるかしら?廊下にteacherを待たせてるから、ついて行ってちょうだい?」

 

「タクシー待たせてるみたいなノリで言わないでよ…」

 

 ぼそっとあいりが突っ込んだ。

 

「では、失礼します」

 

「ばいば~い」

 

 理事長室を出ると、すぐにそれらしい先生がいた。無愛想そうな雰囲気を纏い、眼鏡をかけた女性の教師だ。

 

「よろしくお願いします」

 

 陸斗の礼儀正しい挨拶に対して、女性教師はわずかに会釈をしただけで、すたすたと先を行ってしまう。

 

「素っ気ないなぁー…今の女教師はこれがトレンドなの?」

 

「やめろ、あいり…すいません」

 

 まるで聞こえていないような素振りだ。さすがの陸斗も肩をすくめて、後に続く。

 

 しばらくして、兄妹は体育館の舞台袖のような場所に連れて来られる。そこで初めて教師の口が開く。

 

「『編入生の紹介です』と言われたら出てください。生徒会長の話の次ですので」

 

 相変わらず素っ気ない態度。それだけ言うとその教師は戻っていった。

 

「ひゃぁ~緊張するねぇ……」

 

「どうせ話すことなくね?緊張するか?」

 

「するんだって!ほら、手がぷるぷるだぁ…」

 

 本当にあいりの手が震えていた。緊張なのか、人見知りなのか………とりあえず、陸斗は妹の小さな頭に手を乗せた。今回は嫌がらない。

 

「ま、実は俺も、ちーっとだけ緊張してんのな。でも、俺にはあいりがいるからな、問題ねーよ」

 

 …これを兄妹の信頼と取るか、ただのくさいセリフと取るかは諸君に任せよう。

  とりあえず陸斗は妹が微笑んだのを見てひと安心した。それでいい。

 

「続いては、本日から編入された生徒の紹介です」

 

 はきはきとした声が響く。合図のセリフだ。

 

「さあ、行こうぜ!」

 

「はいなぁ~!」

 

 兄妹は互いの手を握る力を強めて、一歩を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




制服を分解したら糸になるかは分からないです。
でも陸斗はなんか器用にやりそうできそうだと思って。というか、やらせてみたかった。

「あとハサミ投げちゃダメですからねぇ?」

皆さんも良い夏休みを!


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第7話 失敗は黒歴史のもと

夏休みだぜ!!と歓喜していた時期が自分にもありました…7月いっぱいは午前中に補習があることについさっき気が付き、非常に落胆しております。

「まさか知らない間に母さんが申し込みしてたとはねぇ…しかも、さっくんだけっていうねぇ?」

母さんは抜け目ない、自然の摂理らしいです。あとファンミが見事に全落ち。
e+さん、わっつ はぷん?

「あと、ボクUR果南のウェディング編引き当てましたぁ♪乱数調整、最強説を提唱しますぅ!!」

あ、UA1000件突破ありがとうございます。

「皆さんから見えないだろうけどぉ、さっくん、だいぶ死んだ目だよぉ」

それでは、どうぞ。

「わぁ…誠意もなんにも見えないやぁ………」








 

  「「はぁ~………」」

 

  盛大なため息が2つ。陸斗とあいりである。

 しかし、意図は異なっている。その証拠に陸斗は死んだ目で、口元は不気味に笑っていた。

  あいりのため息は、『学校だるいぃ~』という意図がある。

  陸斗のため息。話は入学式に遡る。

 

  陸斗がなんとアドリブで編入生紹介で話をして好印象を残して終わり、舞台袖に戻ろうという時だ。

  何が起きたか、陸斗が足を滑らせて漫画のように転んだ。

  しかも、盛大に後頭部を打って。

  ガコーン!!と凄まじくも虚しい音が人の少ない体育館に響いた。

 

「……………………………………。」

 

  …しばらく、陸斗は動くことができなかった。痛みのせいか、それともトラウマレベルのこの状況のせいか。

 その後、必死にポーカーフェイスを決め込むあいりに手を引かれてご退場。

 

  これが原因だった。

 

  「あはは、うふふふふ」と時々危ない笑い声を漏らすので、そろそろ本気であいりも引いてきた。

  現在、兄妹や他の1年生たちは教室待機。周りの女子は感動の再会でもしたのだろう、話を弾ませている。

  さすが廃校の噂が出回るだけのことはあるようで、1年生は1クラスのみ。しかも10人ちょっとしかいないときた。

  あいりが教室を見渡すと、見覚えある赤髪と茶髪が目の前に見えた。

  何か話してみようと茶髪の少女──花丸の肩をつつく。(もし、赤髪少女──ルビィをつついて、また叫ばれたら大惨事になるから)

 

「花丸ちゃん…で、いいんだよね?」

 

「え?そうだけど、なんでおら…じゃなかったマルの名前を」

 

  ──覚えてないのかぁ…

 

  若干傷ついたあいりがふっ……と上を向きかけたところで花丸はポンと手を叩いた。

 

「あ、そのパーカー…!朝、先輩に勧誘された時に一緒にいた?」

 

「ん、覚えててもらって安心したよ。ほい、りっくん~うぇいくあーっぷ」

 

  いつの間にか机に突っ伏していた陸斗を揺する。あまり会話が続かない気がしたからだ。

 

「ふふふふふふ、やめてくれよあいりん~兄ちゃんもう疲れたよ~あははは」

 

  ダメだ。病んでるね。

  あいりは静かに合掌した。

 

「じゃ、先生来たら起こすねぇ~」

 

「その人…善子ちゃんに潰されてた男の子?」

 

「うん、覚え方やばいね。あれはあれでインパクト強かったけど」

 

「『兄ちゃん』っていうのは?」

 

「それは自己紹介の時にでも、ね?そうだ、ボクそっちのルビィちゃんとも話したいなぁ」

 

  それを聞いて、ルビィのビクっと肩が跳ね上がる。さすが究極の人見知り。振り向いたら顔真っ青。

 

「あ、あなたは…編入生の………」

 

「はいなぁ~黒羽あいりだよ☆」

 

  今世紀1番のキラっキラな笑顔であいりはピースサインを作った。

 

「ルビィちゃん、黒羽さんは今朝の先輩と一緒にいた人ずら…だよ」

 

「無理にその口癖直さなくていいよ。あいりでいう一人称ボクみたいなもんだし」

 

  いつの間にか復活した陸斗はやんわりとした言い方で応じた。

 

「対・人見知りさんの話し方だぁ」

 

「つか、あいりんコミュ力上がってね?」

 

「だってこのお二方かわいいんだもん。お近づきしたいじゃん?」

 

  それを聞いた当のお二方は照れて顔を真っ赤にさせる。

 

「そ、そんな…かわいいなんて……ルビィ…///…(えへへ…)

 

「ずらぁぁ~………///」

 

  しれっとスマホで照れた2人を撮影して、あいりは睨み付けるように陸斗を見る。

 

「じゃ、何?りっくんはこのお二方がかわいいの部類に入らないと申すので?」

 

  その目線は副音声に『入らないっつったらりっくん相手でも容赦しねぇ』と付いていそうだった。

 

「や、確かに当然かわいいだろ?ガチで」

 

  心からそう思う、と付け加えて2人をオーバーヒートさせたタイミングで担任と思わしき先生が入って来た。

 

「はい、じゃあ早速で悪いけど鮫島くんと黒羽さんは前に出てきて。改めて自己紹介してもらえるかしら?」

 

「はい!」

 

「ん~………」

 

  やはり前に出て話すのは気が進まないらしく、あいりがむすっとした顔をする。

 そんな妹に苦笑して、陸斗は全体に向けて一礼。少しくだけた自己紹介を始める。

 

「改めて…つい今朝、入学手続きをして編入された鮫島陸斗です。学校側の事情で、男子たる俺が女子校に入ることになったけど…まぁ、よろしくお願いします!」

 

  もう一度、一礼すると拍手が聞こえた。十数人ではあまり大きくはないが。

 

「こっちは黒羽あいり。少し人見知りするから、今は緊張で話せないけど慣れてきたら話せるようになるから」

 

  あいりは首だけを傾けて一礼した。

 

「あいりは本来、小学5年だけど頭の良さが並外れていて、飛び級を重ねて今、高校1年生としてここにいるんだ。周りが当然、年上ばかりで警戒してるけど根はいい子なんで仲良くしてやってください!…えっと、質問ある?」

 

  スッ…と真っ先に手を挙げたのは意外にも、大人しそうな雰囲気の花丸だった。

 

「あ、あのっ…黒羽さんと鮫島くんってどんな関係なん……ですか?」

 

  その質問が出た途端に周りの女の子たちの目が輝く。………あいにく、皆さんが期待しているような結果じゃねーですよ?

 

「うん、いろいろと事情があってね。兄妹って関係なんだ。元は幼なじみみたいなもんだったけど」

 

  ちなみに、兄妹なのにあいりの名字が変わっていないのはある日、あいりを置いて、陸斗の両親とともに出かけて事故に遭ったあいりの両親が行方不明になったからだ。

  …さすがに、そんなことは暗くなるから言えないが。

  閑話休題。

 

  さて、ここで目を輝かせていた生徒一同がため息を吐く人と、まだ目を輝かせる人に分かれた。

 

  ───この意図は読みたくねーな……

 

  次に他の生徒も手を挙げる。

 

「黒羽さんのそのパーカーは?」

 

「これ?俺の手作り。あいりの体質の関係で理事長直々に許可もらってるんだ」

 

  クラスに驚嘆の声が上がる。そりゃそうだろう。服1着を手作りしたと言うのだから。

  質問はそのくらいだった。

 

  ───というか皆、男子である俺が来たことにはなんとも思わないんだな…………

 

  次は他の皆が自己紹介をする番だった。次々に自己紹介していく中、今朝の桜の木から落ちてきた少女──善子の番が来た。

 

「俺さ、ちょーっと嫌な予感するんだけど」

 

「マジかぁ…いやボクもなんだけど」

 

  そんな兄妹の期待2割、不安9割を背負って前に立った彼女の自己紹介は────ッ!!

 

「堕天使ヨハネと契約して、あなたも私のリトルデーモンになってみない……?」

 

  ふふっ、と決めポーズ&低音ボイス。

 期待を裏切らない、中二病全開の自己紹介だった。何を思ったか、クラスもしーん…と静まり返る始末である。

 

「ピーンチっ!!」

 

  耐えきれなくなってか、とうとう善子は叫んで教室を飛び出してしまった。

  ……これは、陸斗と同じく黒歴史の1ページを飾るだろう。

 

「りっくん、このパターンは………」

 

「ああ、多分しばらく不登校だと思うぜ?」

 

  兄妹は主のいなくなった席を見て呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




飛び級とか、名字の違う兄妹とか、もう法律なんかクソ喰らえのスタンスです。

「お願いだからさぁ、その死んだ目で小説作るのやめてよぉ~マジで怖いんだってばぁ……えっとぉ、引き続き、よろしくお願いしますぅ…」



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第8話 待ち焦がれたイルカの少女との再会


こんなに夏って暑かったかな………ってビックリしながら昨日の朝起きたら、布団がぐるんぐるんに巻かれてたんですよ。しかも冷房切れてて、ガチめに死にかけました、サクです…

「あれはボクもビックリしたよぉ…」

布団で死ぬとか笑えないからなぁ…犯人は酔いつぶれた父親でした(白目)

「アルコールって怖いねぇ…では、本編どうぞですぅ♪」




  自己紹介が終わった後、少し先生が話をしてから解散した兄妹は項垂(うなだ)れた千歌を見つけた。

 ズーン…という擬音が聞こえてきそうである。

 もちろん、曜も一緒。

 

「あっ、りっくんにあいりちゃんだ!おーい!」

 

  曜が手を振るのを見るなり、あいりは嬉しそうに微笑んで手を振り返して駆け出した。

 

「まさか、2人とも浦の星に来るとはね……しかも、あいりちゃんは飛び級かぁ…すごいねぇ!」

 

  曜が駆け寄ってきたあいりをぬいぐるみみたいに抱きしめて言った。あいりも満更でもない様子だ。

 

「ところでさ、千歌に何があった?らしくない顔して」

 

「長くなるかもしれないから後でね。千歌ちゃん、早くしないと淡島行きの船出ちゃうよ?」

 

  遮ったのは曜だった。

 

「あ、2人も来る?」

 

「おう、もちろん行くぜ!果南に挨拶しないとな。訊くまでもないと思うけど、あいりんは?」

 

「りっくんが行くならどこへでも」

 

  淡島。陸斗にとって大切な、それこそ()()()()()()()()()()守りたいくらい大切な人がいる場所。行かないわけがない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ───ということで連絡船に乗っているのだが。

 

「う"ううううぅ………………う"っ」

 

「あいりぃ~気をしっかり持て!まだ遠いぞー!!」

 

  久々過ぎてあいりが船酔いした。何も喋らない。というか、胃の中身を戻しまくって喋れなかった。強いて言うなら唸るか、時々弱々しく「よーちゃぁん……」と涙目で言うくらい。

  その度に曜があいりの背中をさする。

 

「で、千歌はどうしてあんなズーンと?」

 

「実は、りくちゃんたちが行った後、生徒会長に呼び出されちゃってね。部を作るなら5人は必要、仮に5人集めても設立許可はしないって…」

 

「お前、勝手に勧誘してたのかよ…そらぁそうも言われるわな」

 

「あ、そうだ!」

 

「嫌でーす、あいりんも同意見で」

 

  続きを待たずに陸斗は遮った。

 

「まだ何も言ってない~!」

 

  頬をぷくーっと膨らませる千歌に向けて、手をヒラヒラさせて陸斗は笑った。

 

「いやいや分かるからwどうせ『部活一緒にやろ!昔なじみのお願いだからさぁ~!』とか言うんだろ?」

 

「うっ………!!」

 

  図星だった。分かりやすく顔に出ている。まぁ、この程度なら誰でも分かるだろう。

  千歌は最後の希望、とばかりにあいりを指差す。

 

「でも、あいりちゃんのことまで決め付けるのは良くないと思うよ!」

 

  と、千歌が言ったそばからあいりが青白くなった顔をブンブンと横に振り、また海に向かって顔を出す。

  曜はあいりの背中をさすりながら「大丈夫だよー」と声をかけている。天使のような優しさだ。

 

「ええ!?も~!…っていうか2人はともかく、なんでダイヤさんはスクールアイドル部はダメーなんて言うんだろう…?」

 

「嫌い…みたい」

 

  ポツリと曜がこぼした。

 

「え?なんで?」

 

  陸斗が訊く。

 

「この前クラスの子が作りたいって、言いに行った時も断られたって…」

 

「え~!?曜ちゃん知ってたの!?早く言ってよ~!!」

 

「ごめん!!千歌ちゃん夢中だったし…」

 

  まぁ、あんなに楽しそうにやっている中でその事実は伝えづらいだろう。

 

「とにかく、生徒会長の家って綱元で、結構古風な家らしくて…だから、ああいうチャラチャラした物を嫌ってるんじゃないかって噂もあるし……」

 

「生徒会長って、入学式の時に前に出て話してた黒髪の先輩?確かに厳格な雰囲気あったな…あったけど……」

 

  だが、人を見る目のある陸斗は思う。

 

 あれは何か"()()"を被っている気がする。本性を隠すような仮面を。

 

  そうとも知らず、千歌は夕焼け空に手を伸ばして呟く。

 

「チャラチャラじゃないのになぁ………」

 

  その目は少し虚ろに、空を舞うカモメを追っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~、やっと着いたぁ…これで次はちゃんと乗れるといいなぁ………」

 

  もうすっかり胃の中が空っぽになったあいりがため息とともに不満をこぼした。

  船を降りてすぐ見えるのは懐かしいダイビングショップ。

  そこにいるのは海のように青い髪をポニーテールにした、紫の瞳が綺麗なダイビングスーツの少女 松浦果南。

 

  彼女こそ、陸斗が幼少期からずっと想いを寄せてきた相手である。

 

「千歌に曜じゃん。あとの2人は………!!」

 

  果南の動きがまるで、時を止めたように固まる。と思ったのも束の間、次の瞬間ダッ!と走ってきた。

  いや、速すぎんだろ。

 

「陸斗…あいり……!今までどこにいたの………!!」

 

  果南は身長の異なる兄妹をいっぺんにハグしながら、強い口調で言った。その強さに思わずあいりの肩がビクッと跳ねた。

  だが、

 

「良かった…心配したんだから…会いたかったよ…本当に……!!」

 

  果南が必死に泣かないようにしているのを感じて、あいりは肩に顔を押し付け、陸斗は優しく頭を撫でて呟く。

 

「果南…ごめんな」

 

「心配かけたよね…でもっ」

 

「「ただいま、果南!」」

 

  果南は兄妹の笑顔を見て、目元を拭うと同じく笑顔で返した。

 

「おかえり…陸斗、あいり!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの…すごくいい雰囲気の中申し訳ないんだけど、もしかして私たち忘れられてない?」

 

「やべ…ガチで忘れかけてた。悪ィ」

 

「っていうか、果南ちゃんってあいりちゃんのこと知ってたの?」

 

  千歌が何度目かのふくれっ面をしながら訊く。

 

「あ、そっか。実は昔はあいり、何かと病気がちだったからずっと家にいたんだけど、私は何度か家に行ってたからね」

 

  そう。今でこそ元気に外を歩き回ったり、陸斗を飛び膝蹴りしたりしているが……

  昔のあいりは風邪を引けば致死レベルの病気に悪化して、生死の境をさまよったり。

 転べば大半は骨折。

  それどころか、下手に外に出れば病気を拾って拗らせてしまうレベルの体の弱さだった。

  そんな中、果南だけは陸斗の近所であるあいりの家にも寄って行くことがたまにあったのだ。

 

「にしても、やっぱり大きくなったね2人とも…陸斗は私とほぼ同じくらいじゃない?」

 

「はー、まだ俺は果南を抜かせてないのかよ…果南も成長したよな」

 

  陸斗は目を逸らして言った。逆にあいりはジーっと見て思考を巡らせる。

 

 ────ふむ、理事長にも劣りませんな。

 

  ……あいりはいい歳した親父的な思考をしていた。

 

  そうとは知らない果南は両手を広げる。

 これは、あれだな?

 

「じゃあ、改めて…ハグ、しよ?」

 

  ハグ待ちだ。陸斗はやれやれ、といった具合に、でも嬉しそうに言う。

 

「さっきハグっただろ?」

 

「むぅ、さっきのは別なの!それとも、陸斗は私とハグするの…嫌?って、うわっ!?」

 

  果南の目を見た陸斗は本能的に抱きついた。

なんせ、涙目だった甘えた声だったのだ!

しかも何『むぅ』って!!嫌なはずないし!?

 これで断れる男がいるというなら名乗り出て欲しい。納得できなければぶん殴るだけだから。

 

「ふふっ♪あいりもおいで?」

 

  あいりは真正面から抱きつきに行った陸斗に気を遣って果南の背後に回ってハグをした。

  …あの柔らかい感触が味わえなかったのが心残りだけどしゃーない。次にでもハグしてもらおう。

  陸斗がずっと片想いしていた…いや、今でも()()()()2()()がやっと出会えたのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~陸斗side~

 

 

 

 

  果南のダイビングショップに向かいながら、俺たちは今までのことを話せるだけ話した。

 

  まぁ、話したって言っても俺とあいりが兄妹になったこと、あと浦の星女学院に入学したことくらいしか話してないけどな。

  今まで、どこで何をしていたのかはさすがに話せなかった。申し訳ないとは思ったけど俺の独断じゃあ、どうしようもない。

 

  果南は優しい笑みを浮かべてうんうん、と時々相づちを打ちながら聞いている。

  勝手にいなくなったから、怒られることを覚悟していたけど、果南は優しい。でも、やっぱり気になったから訊いてしまった。

 

「なぁ、果南は怒ってないのか?その…俺たちがいなくなったこと」

 

「うん…そりゃ怒ってるよ。何も言わないで突然いなくなったんだから」

 

  ザクっ、と俺の心が抉られた音が聞こえた気がする。気のせいか心が痛い。

 

「でもね、それ以上に陸斗が戻ってきてくれたことが嬉しかったんだ。もちろん、あいりもね」

 

「泣いちゃうくらい?」

 

  俺に背負われたあいりが茶化す。

 恥ずかしいところを見られたことを思い出してか、果南の頬がほんのり赤くなる。

  いや待て。マジで何すかこのかわいい生物!!俺知らないぜ!?一応、2つ年上だけどさぁ!

  赤くなったのを誤魔化すように果南が千歌たちに話を振る。

 

「そ、そういえば、千歌と曜は遅かったね!今日は入学式だけでしょ?」

 

  曜は苦笑いで「それがいろいろと…」と答える。

 

  「はいっ!回覧板とお母さんから!」

 

  ダイビングショップに着いたタイミングで千歌がビニール袋を差し出した。

 

「どうせ、またみかんでしょ?」

 

「文句ならお母さんに言ってよ!」

 

  いつものやり取りらしいな、このスムーズさは。

 

「果南、なんか手伝ってやるよ」

 

  果南の前でカッコいいところ見せたいしな。

 

「ありがと♪じゃあ、中のダイビングの道具を外に運んでくれる?」

 

「はいよ、っと!」

 

  持ちにくいだけで重くはない。()()()()()()か?

 

「それで、果南ちゃんは新学期から学校来れそう?」

 

「えっ、果南って学校行ってなかったの?……不登校?」

 

  あいりも驚いているが、それどころじゃねぇ!!

 

「安心しろ果南!俺がなんとかしてやる!後のことは全て俺に任せておけ!さしあたっては果南をいじめた奴の住所と携帯番号、それからいじめを放任した担任教師の名前を教えろ!然るべき報いを食らわしてやるッ!!」

 

  なんつーこったい…果南がそんな辛い目に遭わされているのにも気付かず、俺は各地をほっつき歩いていたというのか……

 

「違う違う!家の手伝いとかがあるから休学してるだけだって!」

 

「っていうか、それ物語シリーズのネタじゃん…」

 

  あいりがジュースのストローから口を離して、ボソッと呟く。

 うん、まさか俺もこんな長いセリフ覚えてるとは思ってなかった。

  なんだろう、これが愛の力って奴?

 

「それに父さんが骨折しちゃって。もう少しかかるって」

 

  マジかよ…果南の父親って体が丈夫なイメージあったんだけどな…何やらかしたら骨折レベルの怪我するんだ………?

 

  「そっかぁ…果南ちゃんも誘いたかったなぁ……」

 

  千歌が呟いた。

 

「誘う?」

 

  果南の問いかけに千歌は嬉しそうに答える。

 

「うん!私ね、スクールアイドルやるんだ!」

 

  それを聞いた果南の手が一瞬止まったのを俺は見逃さなかった。千歌たちには見えないだろうが、表情も心なしか陰が差したように見える。

 

「果南………?」

 

「ふーん…まぁ、でも私は千歌たちと違って3年生だしね」

 

  今の表情…俺たちのいない間に何かあったんだろうな………。

  そんなことも知らず、千歌が続け──

 

「知ってる~?すごいんだよー…ぐわっ!」

 

  ──ようとしたところを遮って果南が干物を押し付ける。

 

「お返し♪あと、陸斗とあいりの分も」

 

「おぉ、あざまーす」

 

  やばっ…顔がニヤける。果南から何かもらうとか、何年ぶりだよ!!

 

「うー…また干物~?」

 

  俺とは対照的に千歌はがっかりした様子だ。がっかりするくらいなら俺によこせよ!

 

「文句は母さんに言ってよ?」

 

  やっぱりいつものやり取りらしく、スムーズだ。でも…

 

「まぁ、そういう訳でもうちょっと休学続くから、学校で何かあったら教えて?陸斗とあいりもね?」

 

「はいなぁ~」

 

「え?ああ、うん……」

 

  やっぱり引っかかる。小さい頃、あんな顔見なかったから。さすがに今訊くべきじゃないから思い留めておいたけど。

 

 

 

 

 

 

 




FNSでAqoursとRoseliaが共演して兄妹揃って大興奮しました!!

「しかも嬉しいのは、Twitter上でラブライバーが『Roseliaすごい』、バンドリーマーが『Aqoursすごい』って 言い合ってたことですぅ♪」

こういう平和で、手を取り合えるのっていいですよね!
これを燃料に自分たちもまだまだ加速していきたいと思っているので、よろしくお願いします!!

「感想も待ってますぅ♪」



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第9話 運命の出会い

スク感東京…今週ですね。

「ボク行きますぅ!」

あ、これ上がる頃には千歌ちゃん誕生日ですかね。おめでとう!!
それでは本編どうぞ!!



  あれから果南と別れて内浦に戻ってきた兄妹はバスに揺られながら、ある問題に突き当たった。すなわち─

 

 ──()()()()()()()()()

 

  とりあえず、兄妹はなんとな~く千歌と一緒にバスを降りた。

 

「あれ?りくちゃんって家こっちだっけ?」

 

「いや、久しぶりに砂浜見て行こうかと思って」

 

  千歌に痛いところを突かれたが、気にする様子もなく陸斗は誤魔化した。

  陸斗はあいりだけに分かるように『ネクセルスに連絡しておけ』と合図を送る。

 あいりはゆっくりと瞬きして了解の意思表示を示すと、スマホを取り出した。

 

「そっか…」

 

  千歌は鞄から朝配っていたチラシを片手にため息を吐く。

 

「どうにかしなくちゃなぁ……せっかく見つけたんだし………ん?」

 

「どうした?」

 

  千歌の目線の先にいたのは、桟橋に立つ少女。

  ワインレッドの長い髪をバレッタで留めていて、その髪が吹いてくる風になびく様子はとても綺麗だ。

着ている服は制服、しかしこの辺のものではなかった。転校してきたのだろうか。

  と、おもむろに少女がブレザーを脱ぎだした。

 

 ──………え?何?露出k─

 

  アブない思考を絶ち切るようにあいりは陸斗の目を覆った。

 

「いや、あいりさん痛いです」

 

  だが、そのあいりの手もすぐに離れる。少女は制服の下に学校指定系の水着を身に付けていた。

  ………いや。いやいやちょっと待って欲しい。

 陸斗は自分の考えをまさか、と笑った。

 

 ──何を考えてんだよ、鮫島陸斗変態15歳。

 

  今は4月じゃなかっただろうか?

 4月でも海の温度は結構冷たい。

 下手すると凍えて死ぬか、心臓に負荷かかって死ぬくらい。

 よっぽど体が強いか、深刻な脳異常の見られるアホでもない限り飛び込むなんてあり得ないだろう?

 

  それが千歌にも伝わったらしく。

 

「嘘…まだ4月だよ?止めてくる!!」

 

 荷物を放り投げて走りだす。

 

「千歌さんよー、さすがに飛び込んだりは─」

 

「やぁぁあああああーっ!!」

 

 …そんなことを考えていたのが甘かった。

 

 少女は助走をつけて、飛び込もうとしていた。

 と、ギリギリのところで千歌が彼女の腰に抱きついて止める。

 

「待って!死ぬから死んじゃうから~!」

 

「離して!行かなきゃいけないの!」

 

  しかし、少女も千歌を振り切ろうと必死だ。だが、そうこうしているうちに2人の足がもつれて──

 

「へっ?」

 

「わぁ!?」

 

「「うわぁぁあああああ!?」」

 

  ドボーン!!と豪快な音と水飛沫を上げて仲良く落ちていった。

 

 ………あとで病院を勧めてやらなくてはならないようだ。

 

「……ったく、なんとなく分かってたよ畜生っ!!」

 

  陸斗は荷物をあいりに押しつけて、制止の声も聞かずに制服のまま、思い切り息を吸って海に飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っくしゅん!」

 

「全く……何やってんだか…沖縄じゃあるまいし」

 

  そう言いながら陸斗は千歌が家から持ってきたタオルを少女に渡す。

 すると、あいりがこっちに走ってくる─

 

「お、あいりん。荷物ありが…どがっ!?」

 

  と、あいりは陸斗の荷物を顔めがけて投げて命中させる。

 その一撃でぐらついた陸斗に、あいりは駆ける勢いを乗せてタックルを食らわせた。

 体格差もあるため、馬乗りとまでは言えないが、それに近い体勢であいりは砂浜に落ちている鋭い石を見せびらかしながら陸斗に耳打ちする。

 

「何が『全く……』だよ!無闇に海に飛び込むのはやめてって散々言ってるじゃん!」

 

「面目ない…」

 

  さっき陸斗も飛び込んだため、乗っているあいりも濡れてしまうのだが、そんなの知ったことかといわんばかりにあいりは激おこだった。

 

()()()()()()()()()()()()()!じわじわ限界が来そうなんだよ?はぁ……」

 

「ほんっと申し訳ないです」

 

「次やったらドロップキックだからね!邪神ちゃんドロップキック!!」

 

「お前は邪神ちゃんというよりゆりねだろ」

 

  あいりは石を陸斗の首のすぐそばに刺すと、

 

「全くもう…全くもうだよ、全くもう………」

 

 と呟きながら陸斗から降りた。

 

「海に入りたければダイビングショップとかあるのに…」

 

  千歌が髪を拭きながら、少女に対して言った。

 問題はこっちだった。

 

「…海の音を聞きたいの」

 

  少女はポツリとこぼした。

 

「海の音ね~……方法がだいぶ血迷ったっぽいけど」

 

  陸斗はうんうんと頷く。

 

「どうして?」

 

  少女が千歌の質問に対して黙秘を貫く。

 

「分かったじゃあもう訊かない~!」

 

  それを見て千歌は諦め──

 

「海中の音ってこと?」

 

 ──るはずがなかった。いやはや、しぶとい。

  それに何を思ったか、少女はクスッと笑うと話し始める。

 

「私、ピアノで曲を作ってるの。でも、どうしても海の曲のイメージが浮かばなくて……」

 

  そう言う少女の顔はなんとなく暗い。

 

「はぁ、曲を…作曲なんてすごいね!ここら辺の高校?」

 

  少女は少し躊躇うように間を置いて「東京」と答えた。

 

「それはまた都会だねぇ」

 

「東京って………わざわざ!?」

 

「わざわざっていうか………」

 

  少女の隣に寄ってきてぱぁっ、と顔を輝かせた千歌は彼女に再度、質問する。

 

「じゃあ誰かスクールアイドル知ってる?」

 

「スクールアイドル?」

 

「それって朝言ってた?」

 

「うん!東京だと有名なグループたくさんいるでしょ?」

 

「何の話?」

 

「えっ?」

 

  しばらくの沈黙の後、

 

「まさか知らないの!?」

 

 という千歌の叫びが砂浜に響いた。

 

「あのな千歌、東京の人間が何でも知ってると思ってるなら今すぐその考えを改めろ……」

 

「スクールアイドルだよ!?学校でアイドル活動して、大会が開かれたりする!」

 

「人の話を聞け!」

 

  陸斗は千歌の頭を取っ捕まえて某国民的アニメの母親の如く、こめかみにげんこつを見舞う。

 

「痛い痛い!や~め~て~!」

 

「ふふっ…有名なの?」

 

  少女が興味を持ったと見たのか、千歌はうまく陸斗の手から逃れて少女に詰め寄る。

 

「有名なんてもんじゃないよ!ドーム大会が開かれたことがあるくらいちょー人気なんだよ!……って私も詳しくなったのは最近だけど」

 

「そうなんだ…私、ずっとピアノばかりやってたから…そういうの疎くて……」

 

  少女はまた俯いた。

兄妹も小耳に挟む程度で、スクールアイドルの存在をなんとな~くは知っていたが、大半は聞き流していた。

第一、当時はそれどころではなかったのだ。

 

「じゃあ見てみる?『なんじゃこりゃ~!』ってなるから!」

 

「「なんじゃこりゃ?」」

 

「なんじゃこりゃ♪」

 

  千歌はスマホの画面を陸斗と少女に見せる。あいりも寄ってきてスマホの画面を覗き込む。

  画面には9人の制服姿の少女たちが映り、下の方に"START:DASH!! ーμ'sー"と表示されている。

 

「これが…」

 

「ほう……」

 

「どう?」

 

「どうって…何というか……普通?」

 

  陸斗も頷く。

 

「んー…確かにかわいいけど普通に女子高生だな」

 

  すると少女が慌てて、

 

「あー、いえ…悪い意味じゃなくて!…アイドルって言うから、もっと芸能人みたいな感じかと………」

 

 と、言い繕う。いい人だな、と兄妹は感心した。

 

「だよね」

 

「「「えっ?」」」

 

  予想外の反応に陸斗と少女、あいりまでもがハモった。いつもなら反論してくるはずだからだ。

 

「だから…衝撃だったんだよ。あなたみたいにずっとピアノを頑張ってきたとか、大好きなことに夢中で打ち込んできたとか…将来、何になりたいって夢があるとか……そんなの1つもなくて………」

 

「千歌………?」

 

  陸斗は千歌の顔を伺った。声のトーンこそ低いものの、その瞳には確かな光が宿っていた。

  千歌は陸斗を見て微笑んだ。……不覚にもドキッとしたのは内緒である。

 

「私ね、普通なの」

 

  体育座りのまま、千歌らしくもなくポツポツと話し始めた。

 

「私は普通星に生まれた普通星人なんだって、どんなに変身したって普通なんだって……そんな風に思ってて。それでも何かあるんじゃないかって思ってたんだけど、気が付いたら高2になってた…」

 

  さっきまでの少女のように俯いてしまった千歌に声をかけようと、あいりが近づくと千歌がバッ!!と立ち上がった。

 

「うわぁ!?」

 

「まずっ!?このままじゃ本当にこのままだぞ!普通星人を通り越して"普通怪獣ちかちー"になっちゃう~って!がおーっ!」

 

  コミカルに大げさな動きをする千歌を見て少し安心したのか、尻餅をついたままだったあいりは陸斗の手を借りて立ち上がった。

 …その小さい尻をさすりながら。

  それでも千歌の話は続く。

 

「そんな時、出会ったんだ。あの人たちに。……皆、私と同じようにどこにでもいる普通の高校生なのにキラキラしてた…」

 

  昔なじみである陸斗は知っている。

 千歌は自分の思ったことを言葉にするのは、決して得意ではない。

  だからこそ、今の千歌は懸命に言葉を紡ごうとしていると。

 

「それで思ったの。一生懸命練習して、皆で心を1つにしてステージに立つと、こんなにもかっこよくて…感動できて……素敵になれるんだって!スクールアイドルって、こんなにも…こんなにもキラキラ輝けるんだって!」

 

  熱っぽく語る千歌の目にはキラキラと輝き、燃える炎が宿っている。

  いい顔してるな、と兄妹は思った。

 

「気づいたら全部の曲を聴いてた!毎日動画見て、歌を覚えて、そして思ったの!私も仲間と頑張ってみたい…この人たちが目指すところを私も目指したい!」

 

  千歌はタオルを持つ腕を広げて、夕焼けの海に向かって叫んだ。

 

「私も…『輝きたい』って!」

 

  兄妹は眩しそうに千歌の後ろ姿を見た。

 

「本気なんだねぇ……」

 

「…羨ましいな」

 

  少女も微笑み、礼を言う。

 

「ありがとう。何か…『頑張れ』って言われた気がする、今の話」

 

「本当に?」

 

「ええ…スクールアイドル、なれるといいわね」

 

「しゃーねーな、俺たちも応援くらいならしてやんよ。な、あいりん?」

 

  あいりも黙って頷いた。

 

「うん!あ、私は高海千歌!あそこの丘にある浦の星女学院って高校の2年生!」

 

「俺は鮫島陸斗。そこの小っちゃい子は黒羽あいり、俺の妹」

 

「ん、よろでっす」

 

「高海さんと同い年ね。私は桜内梨子。高校は、

 

 

 

 

  音ノ木坂学院高校」

 

  兄妹の目にはキラキラと光る風が吹いたように見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




唐突なんですが、自分たちネットにこれ上げる前に"原作ノート"って呼んでるノートに下書きみたいなの書いてから上げるんですよ。
あれに本編以外にも凄まじい量の番外編ネタ書いてるんですね。

「あぁ、あの後世に残したら黒歴史化確定のノートねぇ…で、要するにぃ?」

番外編書きたくて仕方ないッスよ!!
例えば………

・善子の儀式が失敗してAqoursが獣耳化
・兄妹の詳しい過去
・兄妹が迷子の子どもを拾う
・兄妹がようかなとデート
・梨子とあいりがコミケに行く

とか、あと誕生日ネタとか!?

「うんうん、これが全部えっちぃ展開になったのはちょっとなぁ…って思うんだけどねぇ」

いやいや、こうすることによって読者のニーズに応えるんだよ?
ほどほどにえっちぃくらいが人気出るんですよ?
………どっちにしろ、内容的に善子加入するまで書けないけど!!

「えぇ………次回もよろしくですぅ」


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第10話 兄妹の正体は

さて、張るのが下手過ぎて撒いたと言った方がいい伏線…今こそ回収の時!!

「本編どうぞぉ!」





 ───魔法。

 

  科学と正反対と言われる不思議な存在をリアルに信じる人は、まずいないと思う。

  ファンタジーかゲーム、中二病の代物だと言うだろう。はたまた、子どもかアホかと。

 

  だが、それには2つ訂正しなくてはならない点がある。

 

  魔法は、実在する。

  それから…科学と魔法は案外、紙一重であるということも。

 

  何故こんな話が出てきたのか不思議だろう?

 それは陸斗、あいり兄妹に関わるからだ。

 

  もうなんとなく察しがついているかもしれないが、この兄妹は体質がまともな人間ではない。

  陸斗は簡単に言うとホホジロザメの体質を、あいりは吸血鬼の体質を持つ。

 

  陸斗は少し複雑だが、あいりは比較的単純だ。

 

今回はあいりについて説明しよう。

  あいりは改良された吸血鬼の性質を持つ。

 

 夜になれば人間ではあり得ない身体能力を発揮し、人間の血を吸うあの吸血鬼。

 

  なら、どこに改良を重ねたのか?簡単だ。

 その多過ぎる弱点の軽減、削減をしただけ。

  十字架、にんにく、聖水、太陽光。そんなものであいりは死なない。

  ただ、太陽光だけは削減しきれず、当たり過ぎは良くない。

 いつもフード付きパーカーを着ているのはそのためだ。

 

  さて、兄妹を始めとした人々を怪物にした"施設"では様々な実験が行われていた。

  普通の実験は言うに及ばず、生物兵器として扱うために動植物を合体して化け物を作ったり、その化け物を人間に合成したり。

 

  言ってみれば、違法で非道な実験がメインの研究施設だった。

  ある日、その"施設"は爆破された。もちろん、研究員や薬、実験で生まれたものたちを巻き込んで。

  だが、怪物の多くは生き残った。

 中型や小型のものだけだったが1体の能力は侮れない。

 

  純粋に動植物だけを合体させて作られたものは"合成体(キメラ)"と呼ばれた。

 合成体(キメラ)は本来、命令をプログラムしてから、それに従って動くはずだったが兵器として実装される前に放たれた。

  つまり、理性(命令)がなければ本能──破壊本能に従って動くということで。

 多少はかつての動物、植物としての習性や性質がはたらくが基本的にはとりあえず破壊。

 

  知能も思考も自意識もない、人形(バケモノ)だ。

 

  そんな恐ろしい奴らに対抗できるのは動植物か合成体(キメラ)に人間、もしくは人間の思考が足されている怪物"変異体(ミュータント)"くらいだ。

 兄妹も変異体(ミュータント)だ。

 

 ここからが本題だ。兄妹を始めとした変異体(ミュータント)たちは各地に散らばった合成体(キメラ)を駆除してきたが、ある日ネクセルス(彼も"施設"の実験台だった。機械に人の感情、つまり心を組み込まれた"心機性(エクスマキナ)"と呼ばれる種類)が知らせた情報、それは

『君たちが生まれた内浦という場所に小型合成体(キメラ)の目撃情報が寄せられている』

 というものだった。被害は今のところ農作物や海産物に収まっているし、合成体(キメラ)の存在もバレていないらしい。

  だが、いつ人々に被害が出るか分からないということを聞いた兄妹は合成体(キメラ)を全滅させることを目的に戻ってきた。

 

  故郷を、大切な人を守るために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  あのやり取りの後、兄妹は砂浜を立ち去った。

 前に言ったように、ここでの"拠点"がないから探す必要があった。

 

「ネクセルスは何て?」

 

「ん~…『山奥か廃墟でも探しとけ』って。丸投げされた」

 

「はぁっ!?ネクセルスの野郎…今までだったら何かしら用意してたろーが……廃墟なんかねーし、かといって山奥はちょっと…」

 

  あいりも必死に記憶を遡る。すると、陸斗をちょいちょいと突っついた。

 

「どうした妹よ?」

 

「ある。更地になってなければ心当たりあるよ!」

 

「なんと!?」

 

「昔のボクたちの家だよ!どっちか残ってたらね」

 

 今でこそ兄妹を名乗っているが、元は幼なじみ。道路挟んでお互いの家があったのだ。

 

「よっしゃ!それに賭けるぞ!!」

 

「はいなぁ~♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  かつての兄妹の家は淡島がよく見える海辺にあり、千歌の家の旅館からは離れた場所にある。

  だが、陸斗の家はボロボロ。さらに、あいりの家はなかった。

 

「や~っぱねぇ…まぁ、りっくんちがあるだけマシかな?」

 

  あいりはまるで、知っていたかのように言った。

 

「やっぱりって…いや、何でもない」

 

「たださぁ、中がどうなってるかは知らないよ?日もだいぶ落ちたから使えるかなぁ……そ~れっ!」

 

  あいりがパーカーの内ポケットから取り出し、投げたのはコウモリの形の黒い紙。それがポンッと煙と音を立てて本物のコウモリが出た。

  視覚のみを共有する使い魔を召喚、使役する。

  ちなみに、この使い魔には『モッちゃん』と名付けている。

 

  この技は、あらかじめ魔力を流し入れておいた特殊な道具を後から任意のタイミングで起動させるちょっとした裏技だ。

一度魔力を入れておけば、何度も循環させるため省エネなのだ。

 

「久々に見たな、モッちゃん」

 

「まぁ、日が出てる間は使えないからね。それっモッちゃん、怪しいもんないか見といで!」

 

  あいりの声に応えるようにキエェェェと鳴くとバサバサと羽を打って飛んでいった。

 

「さぁて…どうなってるかなぁ………って!?」

 

「どうした?」

 

「りっくん…悲報だよぉ……中、廃墟より廃墟なんだよ…」

 

「マジで…………!?え、どうなってんだ?」

 

「天井とか穴開いてるし、かろうじて家具は原型保ってるけど、テレビとかヤバいね。しばらく魔法頼りかぁ……ボク、持つかな?」

 

  と言っている内にモッちゃんが帰ってきた。

 

「報告ぅぅぅ!!」

 

「どこぞのイエェェェーイな芸人的な話し方、直してほしいなぁ………ピーク過ぎたんだし」

 

  あいりの要望を無視してモッちゃんは続けた。

 

「危険物問題なぁぁぁし!!!!崩壊度中ぅぅぅ!これ以上の崩壊はなぁぁぁし!多分!!原因はぁぁ………放火あーんど強盗!!金品の確認ないから!!以上!!」

 

  どこまでも発狂気味な…いや、発狂した報告を終えたモッちゃんはポンッと紙に戻った。

  ………これでも、いざという時には頼りになるのだ。

 

「放火…にしては不自然な気がするけどな」

 

  陸斗はボソッとこぼした。

 

「まぁ、とりあえず中に入ろ?そいでもって掃除しよ?」

 

「だよなー…」

 

  この後、兄妹(主に陸斗)は一晩かけて掃除した。

 

 

 





元々、この話って自分たちが作ったオリジナルキャラの兄妹がようかなとイチャつくところが見たくて書き始めたんですよ。

「で、ボクが吸血鬼ものって少ないねぇって言ったんだよねぇ?」

そう!吸血鬼っていろいろ使えるからいいなと思って。でも、妹だけ人外なのはちょっとなーと思って、いっそのこと兄妹揃って人外にしてしまえと。

「趣味全開だよねぇ~」

これである程度、答えることができる質問が増えました!次回もお楽しみに!!

「感想、質問待ってますぅ♪」



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第11話 小さな1歩

はいはい遅くなってすいません!

「やぁ~もぉいろいろあってさぁ…テストに課題、ボクとか名古屋ファンミで初めて会場入りさせていただいたりぃ?」

Aqoursも紅白が決定!4thはライビュでしたが、『想いよひとつになれ』、ダブルアンコールで涙腺大崩壊したり?

「さらにボク、期末試験の真っ只中ですわわのお渡し会に行けることになったりぃ!!」

いろいろあり過ぎて、投稿する暇もないという!

「しかも、その間に作った今回の作品がまぁひどいっ!」

今まで以上に駄文極めてますが、それでも良ければどうぞ!!



『なぁ、俺はテメエらのこと…信じてるぜ!』

 

 ───やめろよ。

 

『そんなことしなくたって…………!!』

 

『いや、頭のいいお前なら分かるだろ?吸血鬼の。ここはそうするしかないんだよ』

 

 ───でも、それは俺の望んだことじゃ…………っ!!

 

『…分かってるさ。すまんな……でも、あのクソガキはお前らにしか止められないんだ』

 

 ───……………………。

 

『……………………っ』

 

『サメの、吸血鬼の。次………頼むよ』

 

 ───…………ああ、任せろ。

 

『…………ん…ごめんね』

 

 

  みんな、こうして託して。

 

  祈って。

 

  願って、繋いでいく。

 

  誰も傷つけさせないために、人から堕ちた兄妹はそんな世界を見て、誰にともなく問う。

 

  誰も傷つかない世界は本当にあるのか、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………はぐあっ!?」

 

  陸斗が見たのは、全部夢だったらしい。

 

「チッ…昔の夢見るとか、寝覚めの悪ィ…………」

 

  スマホで時間を見る。午前5時だ。

このタイミングで二度寝したら、起きられる自信がない。

 

「…朝飯あったっけ」

 

  1階に降りて、多少は小綺麗になったキッチンを漁る。

 

「やっべ、何もない………コンビニあったかな?」

 

  朝ご飯は大事。コンビニまで走ることを決めた陸斗はそろそろ、現実逃避していた事実に目を向ける。

 

「ん…ぷすぅ………」

 

  あいりは天井の穴から垂らした紐に絡まっていた。

 

  あいりの本来の特徴の1つは、背中から生えた黒いコウモリの羽。

 いつもは魔法─存在を隠す"隠蔽魔法"─で隠すのだが、"拠点"に帰った時には隠蔽魔法を解いて羽を出している。

(ちなみに、陸斗も背中からサメの背びれが生えているが、あいりの魔法で隠している。浜辺で飛び込んだ時にあいりが怒ったのは、陸斗にかけた魔法は海水を飲んでしまうと効果が消える性質があるからだ)

 

  そのあいりの羽にまで紐がぐるんぐるん。

あいりはリラックスして寝ると、寝相が悪いことこの上ない。

  その結果がこれだ。

 

「寝相悪いにも程があんだろ……あいりん、ちょっと起きてみろ?」

 

「ふあ~……おはよぉごさ…………いっ?」

 

  うっすら開いた、ガーネットを思わせる真紅の目を擦ろうとして腕が動かせないことに気がついたあいり。

  さらに、動かせない理由にも気がついた彼女は「ふぅ………」と一息。そして、

 

「りっくん一体何事かなぁ!?しかも割と日光浴びてて力が出ないんですが!?」

 

「何事かなぁって…兄ちゃんが訊きたいな!?大体予想つくけど!………ってあーもういいや、どうせ刃物も対合成体(キメラ)用の短剣しかねえし。それじゃ切れん。コンビニ行ってくるわ」

 

  財布とスマホを持って、陸斗は"拠点"を後にする。

 

「おろっ?……っちゅーことは…その間このままボク1人!?嘘っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう一度?」

 

  あれから、自由になったあいりを連れて陸斗はバスに乗り、ようちかコンビと合流。千歌がやっぱり諦め切れないと言ったのだ。

 

「うん!ダイヤさんの所に行って、もう一回お願いしてみる!」

 

  千歌は即答。

 

「でも…」

 

「………また、ダメって言われるかも」

 

  曜と朝食のコンビニおにぎりを食べるあいりは消極的な発言。

  だが、千歌はまだ1人しか書かれていない入部届を握りしめる。

 

「諦めちゃダメなんだよ!あの人たちも歌ってた…『その日は絶対来る』って!」

 

  幼い頃には見たことのなかった、しかし昨日見たようないい笑顔でそう言う。

 

「千歌も見ない間に成長したもんだ…」

 

 陸斗は腕を組んで嬉しそうにニィッ、と笑った。

 

「本気なんだね………」

 

 曜も優しく微笑んで小さく呟くと、千歌の隙を突いて入部届を取る。

 

「あ!?ちょっと!」

 

 と怒る千歌をよそに、かわいらしい少し照れた表情の曜は語り出した。

 千歌と背中合わせなのは、照れ隠しのつもりだろう。

 

「私ね、小学校の頃からずっと思ってたんだ。千歌ちゃんと一緒に夢中で、何かやりたいなぁって。だから、水泳部と掛け持ち……っだけど!」

 

 曜はいつの間にか持ったペンを入部届に走らせて、自分の名前を書き、千歌に渡した。

 

「はいっ!」

 

「よーちゃん………」

 

 あいりもクスっと笑う。

 

「なら、ボクは正式な入部……まではしないけど、ある程度の手伝いはしようかなぁ。曜ちゃんの優しさに免じて、ね?」

 

「良かったな、千歌。いい幼なじみを持ったもんだよ」

 

「あいりちゃん…りくちゃん………うわぁぁーん!!」

 

 千歌は入部届を放り投げて、涙目で3人に抱きつく──が、陸斗には避けられた。

 

「苦しいよ~!」

 

「うぎゅぎゅ~………」

 

 ジタバタもがくあいり、表情が満更でもない。

 

「よーし!絶対すっごいスクールアイドルになろうね!」

 

「うん!」

 

「はいなぁ!頑張ってこ~♪」

 

 さて………

 

「ごめん、水を差すようで申し訳ないんだけどさ…足元見てくんね?」

 

 そこには、水溜まりに入水した無惨な姿の入部届が。

 数秒の沈黙の後。

 

「「「わ━━━━━━━━━!!」」」

 

 3人の少女の叫びが一帯に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  あの後、ようちかコンビは生徒会室、兄妹はその前で聞き耳を立てるということになった。

 聞こえてきたのは──

 

「よく、これでもう一度持ってこようという気になりましたわね…」

 

 と、ため息をつく生徒会長 黒澤ダイヤの声。

 

「しかも、1人が2人になっただけですわよ?」

 

 そりゃあ、快く承諾…とはいかないだろう。

 水溜まりに落とした汚い入部届で尚且つ人数も揃っていない。

 これで対応してもらえるだけ奇跡だ。

 

「やっぱり、簡単に引き下がったらダメだって!きっと、生徒会長は私の根性を試しているんじゃないかって…!」

 

 なんというポジティブシンキング。これには、あいりも呆れてふー……と息をつく。

 

「違いますわ!何度来ても同じとあの時も言ったでしょう!!」

 

 バンッと机を叩く音が響く。兄妹が窓から覗くと苛立った表情のダイヤが身を乗り出している。

 

「どうしてですっ!」

 

「この学校にはスクールアイドルは必要ないからですわ!」

 

「なんでですっ!」

 

 千歌まで机に身を乗り出した。

 

「まぁまぁ………」

 

「行儀悪いなぁ………」

 

 曜もバチバチと火花が見えそうな2人をなだめる。ダイヤはより身を乗り出す。

 

「貴女に言う必要はありません!!やるにしても曲は作れるんですの?」

 

「曲?」

 

 ダイヤはきょとんとする千歌に呆れ、身を引いて窓辺に向かった。

 

「ラブライブに出場するには、オリジナルの曲でなくてはいけない…スクールアイドルを始める時、最初に難関になるポイントですわ。東京の高校なら、いざ知らず…うちのような高校だとそんな生徒は……」

 

「いない………かぁ。こんな田舎の高校じゃ無理あるかなぁ」

 

 あいりは再び息を吐く。その傍ら、陸斗は思考にふけっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 することもない、せっかくなので学校を回ることにした兄妹は無言で歩いていた。

 やがて、陸斗が沈黙を破った。

 

「黒澤先輩…何か裏があると思う。過去に何かあった、とかさ」

 

「それでも、少なくともボクらが今知ろうとする必要性はないよ」

 

 あいりはそっけなく言うと、パーカーのポケットからマーブルチョコを出して口に放り込む。

 

「………それ授業中はよせよ?兄ちゃんヒヤヒヤするからな?授業中寝るならまだしも」

 

「まぁ…大丈夫っしょ?成績はいいし、入れたの理事長だしぃ?」

 

「完全否定しきれない自分が怖え……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──しばらくして気が済んだ兄妹が教室に戻ってくると、ほとんどの生徒が揃っていた。

 まあ、人数も少ないし、時間もいい頃だから当然といえば当然だろう。

  が、ある少女の姿が見当たらない。

 

「りっくん。ルビィちゃん…いなくね?」

 

「善子って子も…いや、あの子は大方予想つくからいいか」

 

 だが、ルビィは善子と違って不登校ルートになるような言動・行動はしていないはずだ。それで来ないということは───

 

「あの子を入学早々いじめるクズがいるんすかね………」

 

「ちょっ、りっくん!?のー!!すてい!!うぇいと!!その殺意溢れる真っ黒オーラを早急にしまって!?」

 

 

 と、あいりが陸斗をなだめるという珍しい構図が出来上がった直後。

 

「はぁっ…はぁっ………ま、間に合ったよぉ………」

 

 噂をすればなんとやら、ルビィが飛び込んできた。善子の時ばりにクラスの目線が集まる。

 

「どうしたのルビィちゃん!?」

 

「ツインテの大きさと位置が微妙に合わねえ、寝坊したろ?朝飯も取ってないな。あいりん、マーブルくれ」

 

 陸斗が鋭い観察眼でいろいろ見抜くと、その間にあいりは集まったクラスの目線を散らす。

 人見知りはあまり目立ちたくないものだ。

 

「ま、不登校じゃなくてよかった。俺にとってはトップクラスの癒しなんだから」

 

 そう言うと、陸斗はマーブルチョコを与えながらルビィの頭を優しく撫でた。

 

(あれ?男の子に撫でられてるのに嫌じゃない…ううん、むしろ嬉しい。この気持ちって………)

 

 ルビィはいかにもお年頃な思考を巡らせているが、陸斗は気づくはずもなく撫で続けていた。

 

 




お知らせです!
もう少し落ち着いたら新しい小説を投稿しようと思ってます!
テーマは、『RELEASE THE SPYCE』通称『リリスパ』!

「今季、ボクたちが一番ハマってるアニメでねぇ?五恵ちゃんがもぉかわいくてかわいくて仕方ないっ!」

しかも、新規小説はいずみーる作!

「ゆーてさっくんの書き方と変わんないけどねぇ」

次回、そして新規小説の実現をお楽しみに!!

「感想待ってますぅ~!」


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第12話 理事長室での会談

「すわわのお渡し会が神イベでしたぁ……!!今、必死にレポ書いてますから待っててくださいっ!」

何でも本名入り直筆サイン付きらしいんですよ。完璧にいずみんのじゃねえか!!

「寝る前に見てるとニヤニヤが止まんなくてねぇ~…♪」

テストも惨敗!とにかく今回も駄文っ!さあどうぞ!!




 授業の真っ最中に来たのは、入学式の時に兄妹を案内した無機質な雰囲気の教師だ。

 授業を行っている教科担任に何か耳打ちしている。

陸斗はノートを取る手を止めて、耳を研ぎ澄ます。

 あいりは………教科書もノートも、それどころかシャーペン1本出さずに机に突っ伏して堂々と寝ていた。

 

「理事長が編入生の2人を呼んでいるのですが…」

 

「え、ちょっと、理事長も生徒でしょ?まだ授業中よ?」

 

「ですが、すでに理事長室で待っている状態です」

 

「何だって…あーもう面倒……ごめん、鮫島くんっ黒羽さんっ行ってきてくれる?」

 

 頭痛くなってきた…、と言いながら実際に頭を押さえて教科担任の教師は弱々しく言う。

 

 陸斗はスッと立つと、あいりをつつく。だが、僅かに唸るだけで反応がないため、背負った。後で起こすことにしたらしい。

 

「あ、花丸ちゃん後でノート見せてくれる?」

 

「分かったずら!…………じゃなくて、分かったよ。黒羽さんも?」

 

「や、あいりんは大丈夫。伊達に飛び級してないからさ」

 

 ヘラヘラと、だがしっかりと信じた笑みを浮かべて、陸斗は小5にしては軽過ぎる妹を背負って教室を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 理事長室にいるのは、金髪金眼、左側頭部の結ばれた髪が特徴の制服姿の少女。

 3年生でありながら、まさかの理事長、小原鞠莉である。…………再度言っておくが、彼女もれっきとした学生の身だ。当然、授業も受けねばならない。

 そんな彼女が授業中に呼び出すということは……

 

「非常事態級重要案件か、超絶どーでもいいか。フラグだなぁ~…」

 

 あいりは機嫌悪そうに頭をかきむしって、大きなあくびをした。さっきまで心地よい眠りについていたのに、無理に起こされたら、あいりでなくてもご機嫌斜めだろう。

 

「いや、結構深刻そうな顔だから大丈夫だろ…で、何の用ですか理事長?」

 

 鞠莉は心底真面目な表情で告げた。

 

「あなたたち、スクールアイドル部に入ってくれる?」

 

「「…………………」」

 

 そんなことのために呼んだのかよ…と思う陸斗はフッ、と笑みを漏らす。

 

「めっさデジャブ…フラグ回収、乙」

 

 あいりは眠たげな目をして敬礼1つ、理事長室を出ようとする陸斗の後を追う。

 

「失礼しました」

 

「待って!!」

 

「いやもうねぇ理事長さん、授業中に呼び出されてどんな重要案件かと思ったら『部活やらなぁい?』ってさぁ……ボクだって暇じゃないんだよ?」

 

「嘘つけ、あいりん授業中爆睡だったろ…でも確かに、これは褒められたものじゃないですよ」

 

 陸斗は苦笑いで、あいりに至っては隠す気もないだるそうな顔でドアに手をかけようとする。が、

 

「せめて最後まで話を聞いてっ!!」

 

 陸斗は鞠莉の訴えるような悲痛な叫びで手を止めた。

 

「全部…これに賭けてるから………っ」

 

 チラッと鞠莉の顔を見ると、今にも泣き出しそうな顔をしていた。陸斗はそれが演技ではなく、本心であることを見抜くと大きなため息をついた。

 

「りっくんは変わらないね」

 

 あいりは陸斗の考えを理解して呟いた。

 

「ほんとにな。はあ………分かりました。話聞きますけど、ふざけたり嘘ついたら分かりますから。その時はすぐ帰ります」

 

 鞠莉は頷くと目元を拭って話し出した。

 

「千歌っち…高海千歌って子は知ってるかしら?」

 

「はい、もちろん。昔馴染みというか、そういう関係なんで。強いて言えば、千歌がスクールアイドル部を作ろうとして生徒会長に却下されたことも」

 

「なんならボクたち、その現場を見届けてきたし?」

 

「なら話が早いわね。私はあの子を応援してあげようと思ってるの」

 

「そりゃまた何故にぃ?」

 

 鞠莉は目を逸らして考えるように黙り込む。

 

「…ごめん、別に無理しなくていいよ?」

 

 あいりは眠たげな目のままだが、優しく気遣うような表情で声をかける。

 

「ありがと。入学してくれた時にも言ったけど、この学校は廃校の噂があるわ。それも今の3年生が入学したぐらいからね」

 

「ああ、そんな話ありましたね。でも、それと千歌にどんな関係が?」

 

「……ある3人の女の子たちが廃校の噂を聞いて、入学希望者を増やすためにスクールアイドルになったわ。人気になって、入学希望者が増えたら廃校を阻止できると思ったんでしょうね」

 

 他人事のように話しているが、どうも他人事にしては懐かしむような顔をしている。

 

「彼女たちは本当に頑張ってた。でもある日突然、その子たちはグループを解散。3人は離ればなれになってしまいました………っと、まぁそんな昔話ね」

 

 話し終えた鞠莉の表情は少し苦いものだった。

 

「それを千歌と重ねている…という解釈でいいんですか?」

 

「とりあえず、そういうことでいいわ」

 

「で、同じ結末を辿らせないようにしてやってくれってことですよね?」

 

「なら、尚更やめさせた方がいいんじゃない?だいたい、それをなんでボクたちに言うの?」

 

 知り合って間もないボクたちなんかに、とあいりは眉をひそめる。

 結果が予想できていて、それがよくないと思ったら先手を打つ。

 その考えは今まで合成体(キメラ)に立ち向かってきた兄妹がやってきたこと──考え得る限りの最善策だった。

 

「さぁね…私も分からないけどなんとなく、あなたたちなら信用できる、あなたたちにしか頼めないって思ったの」

 

「えらく信用されてるねぇ」

 

「少なくとも、あの子の活動をやめさせちゃいけない。これが廃校阻止の糸口になるかもしれないから。だから…」

 

 鞠莉は兄妹に頭を下げる。

 

「お願い…!ずっと私のわがままに付き合わせて迷惑かけてるのは分かってるけど、これがうまくいけば………っ!!」

 

 2人は顔を見合わせ、険しい顔をする。兄妹がここまで渋るのは、内浦に来た本来の目的──合成体(キメラ)全滅が疎かになることを恐れているからだ。

 かと言って、生徒であるといえども理事長でもある鞠莉が頭を下げてまで頼んでいるのに即決で断るほど冷酷な感情はない。

 こういう時に中途半端な自分が嫌になる。

 

「顔上げてくださいよ理事長、俺たちも学費免除してもらっている身ですしね」

 

「ボクに至っちゃぁ、少しは手伝うって千歌に言っちゃってるしぃ?」

 

 鞠莉はそれを聞いて、ようやく顔を上げる。陸斗はただし、と続ける。

 

「少し考える時間をください。いくら何でも急過ぎるし、俺たちも事情がありますから……今週か、遅くても来週中に答えを出します」

 

 陸斗の提案に、鞠莉はこくんと頷いて同意の意思表示をする。

 

「私のわがままを通してもらえるかもしれないんだから、私がどうこう言うことできないわよ」

 

 少し肩の荷が降りたような笑みを浮かべた鞠莉を見て兄妹は微笑んだ。

 

「理事長は…せんぱいは笑っている方が好きですよ」

 

「えっ!?」

 

 かぁぁっ、と急激に顔が赤く染まる鞠莉を見てあいりはくすくすと笑って陸斗をつつく。

 

「りっくんが口説いてるぅ~!本命は誰であるっ!?」

 

「うるせえ、んなもん昔から1人って決めてんだ」

 

「は~いはいっ♪」

 

「とりあえず、この件はまだ保留ね」

 

 鞠莉の顔が赤いままなのがどうも締まらないが、今度こそ兄妹は理事長室を立ち去ろうとする。

 

「じゃあこれで…」

 

「失礼しゃしたぁ」

 

「リク、あいりん………ありがと」

 

 鞠莉の小さな呟きは、案外この兄妹に届いているのである。

 

 

 

 



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