ハイスクールD×Dエクリプスゼロ (ゼロS)
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第1章旧校舎のディアボロス編
第0話人間やめます。


今月はハイスクールD×Dの更新します。


あの人の(かみ)の色と一緒(いっしょ)だ。

鮮血(せんけつ)にまみれた手を見ながら、

(おれ)はそんなことを思っていた。

紅い(あか)ストロベリーブロンドよりもさらに

(あざ)やかな(くれない)の髪。

そう、あの人の美しく紅い長髪(ちょうはつ)は、この手を染めた血と同じ色だ。

兵藤 一誠(ひょうどういっせい)(おれ)の名前だ。両親、学校の(やつ)らは俺のことを「イッセー、イッセ!」()んでいる。

青春を謳歌(おうか)している高校二年生だ。

見知らぬ生徒に「あいつ、イッセーじゃね?」とか

言われたことがあるが、どんだけ俺の下の名前が知られているかはわからない。

以外に人気者?

いや、そんなことはないな。何せ俺は女子剣道部(けんどうぶ)の部室を(のぞ)いたなんて嫌疑(けんぎ)をかけられるぐらいエロくて有名だ。

俺が女子の部室を覗いたなんて、そんな破廉恥(はれんち)なこと………。

ゴメンなさい。現場(げんば)にはいました。女子剣道部の(となり)にある倉庫。そこの(かべ)に空いた(あな)から覗こうとしてました。

 

けど、覗けませんでしたよ。だって、松田(まつだ)元浜(もとはま)がなかなか覗き穴から

(はな)れないんだもんな、あいつら、マジ……。

「うおおお!村山(むらやま)(むね)、マジでけぇ」とか「かぁぁ片瀬(かたせ)、いい足してんなぁ」なんてバカ二人の興奮(こうふん)したセリフだけで、俺もヤバかったです。

俺だって見たかったさ!でも、倉庫に入ってきそうな奴らがいたから、急いで逃げたんだ。

そんな日々エッチなことに情熱(じょうねつ)を注いでいた俺に突然(とつぜん)幸福は飛んできた。

「付き合ってください」

女の子からの告白!

青春感じたね。

彼女のいない俺にとって、あれは一陣(いちじん)の風だった。青春という名の甘酸(あまず)っぱい……。

俺の人生ではじめての彼女名前は天野夕麻(あまのゆうま)ちゃん。

黒髪(くろがみ)がツヤツヤでスレンダーな女の子。

めちゃくちゃかわいくて出会った瞬間(しゅんかん)一目惚(ひとめぼ)れしました。

目の前に超絶(ちょうぜつ)美少女が(あらわ)れて、「兵藤くん!好きです!付き合ってください!」なんていわれたら(そく)OK出すだろう?

それこそ、彼女いない(れき)=年齢(ねんれい)の男にとって、それは(ゆめ)のまた夢のシチューエーションだ。

「それなんてギャルゲ?」って言われてもおかしくないけど、起こりました!

確かに奇跡(きせき)が起こりました!俺、告白されました!美少女に!

何かのドッキリ企画(きかく)だと思ったね。うしろで(ばつ)ゲームを見守るこの子の仲間がいるんじゃないかって再三疑(さいさんうたが)たよ。

仕方ないだろう。俺はもてる星のもとに生まれてこなかったとその日その時間まで信じていた少年なのだから。

その日から俺は彼女持ち。次元が変わったね。なんというか、心のゆとりが(すさ)まじかった。学校の廊下(ろうか)ですれ(ちが)うすべての男子に言いたかった。

俺は勝った!とな。

「あのバカイッセー野郎あの堕天使(クソカラス)風情(ふぜい)に何を騙されているのかあ?

あいつの面倒は俺に任された俺になってくれよ」

クラスメイトの女子が少年に挨拶した。

彼の名前は銀牙(ぎんが)カイト赤い髪、赤い瞳している。



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第1話人間やめます。1

友人である松田と元浜の二人に彼女がいないのが不憫(ふびん)でならなかった。それぐらいの余裕(よゆう)が生まれていたわけよ。

付き合って、初めてのデート。

前々から練っていたプランを決行するときがきた。

ふふふ昨夜(ゆうべ)から何度も歯を(みが)いたぜ。もう取り(のぞ)歯垢(しこう)すらない。

おニューのパンツだって買った。何が起こるかわからないもんな。

そんなチェリー根性(こんじょう)マックスで(のぞ)んだ今日のデート。

待ち合わせ時間はクリア。何せ夕麻ちゃんが来る三時間前に現地到着(げんちとうちゃく)してたもん。前を通り()ぎるメガネっ子を百まで数えたぜ!

途中(とちゅう)、わけのわからないチラシ配りに(あや)しげなチラシを手渡(てわた)されたりしたけどな。

『あなたの願いを叶えます!』って、怪しげな魔方陣(まほうじん)(えが)かれたオカルトなものだ。

………捨てたいけど、いま捨てにいけないし、ポケットに入れておきますか。

んで、夕麻ちゃんが到着したら行ってやったね。

「いや、俺もいま来たところだから」

決まった! つーか、言えた。これを俺はずっと言いたかった!

そんな俺らは手を(つな)いで歩き出した。感動したね。美少女な彼女とお手々繋いでぶらりとデート!

カイト緑色ジャージに目立たないメガネかけていた。

電柱の後ろでイッセーを監視していた。

「イッセー奴めがちにクソカラスとデートしているのを見てみると気持ち悪い」

「くそ今日は監視しなくてはいけないと思う嫌なきになるだからなぁ」

感動して目から熱い水が出るところだったぜ。

早まるな俺。まだ(あわ)てるような時間じゃない。

そのあと、洋服の店に入ったり、部屋に(かざ)る小物を見たりして、デートを満喫(まんきつ)した。

お昼は高校生らしくファミレスだったけど、それでも夕麻ちゃんは美味(おい)しそうにチョコパフェ食べてた。もう、それを見ていただけで満足。

ファミレス中ではドラグーンが監視していた。

イッセーの後ろ席は黒髪で黒い瞳している。少年がいた。

彼の名前は死神ドラグーンこの名前は偽名だ。

ああ、これぞ若者(わかもの)のデートだって痛感(つうかん)したよ。

俺はいま生きてるって実感できた。

母さん俺を生んでくれてありがとう。姉さん……あれ?俺に姉さんていったけ?

父さん、俺は父さんの遺伝子(いでんし)を後世に(のこ)せないと思ったけど、どうやらその心配はなさそうです。

なんてことを思っていたら、もう夕暮(ゆうぐ)れですよ、お客さん!

クライマックスは近づいてくる!

カイト、ドラグーンが木の後ろで気配消しながら見ていた。

「そろそろ時間だなドラグーンそちらの問題はないか?」

「いまところはないなあ?」

「そうか」

「ならゼット狙撃準備OKか?」

黄色の髪に黄色の瞳している。少年だ。

彼の名前は雷神ゼット。

「まあなんとなく狙撃出きるけどなぁ」

「わかった後は作戦通り行うぞ」

「了解」ゼット、ドラグーンが通信機で答えた。



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第2話人間、やめました。2

キス!? 別れ(ぎわ)にキス!? と脳内(のうない)でバカみたいに興奮(こうふん)しました!

などと、性欲絶頂期(せいよくぜつちょうき)の男子高校生はそんなことを思ってしまったわけですよ。

夕暮れの公園。町外れにある公園だ。人気(ひとけ)がなく、俺ら以外はいなかった。そのおかげでエロい妄想(もうそう)はさらにヒートアップしたね。

もっとエッチなハウトゥ本を(くわ)しくサーチしておくんだった!

いつの間にか夕麻ちゃんは俺の手を離れ、噴水(ふんすい)の前へ。

「今日は楽しかったね」

噴水をバックに微笑(ほほえ)む夕麻ちゃん。

くーっ!なんてかわいいんだ。ちくしょう、バックの夕暮れ太陽がいい演出(えんしゅつ)になってるぜ。

「カイト本当に紅のの龍王(スカーレット)紅蓮の龍帝(クリムゾン)の黙示録の神器に赤の蛇持っているてこと本当なのか?」

「わからんがたぶん影乃さん言う通りなら持っているだろうなぁ」

「ねぇ、イッセーくん」

「なんだい、夕麻ちゃん」

「私たちの記念すべき初デートってことで、ひとつ、私のお願い聞いてくれる?」

来た、これ。来ましたよ!

これはアレだ!アレ以外にあり得ない!

口の(にお)い!よし! 心の準備(じゅんび)!うーん!バクバク心臓(しんぞう)鳴ってるぅぅ!

「な、何かな、お、お願いって」

あああああ。声が上がってら。バカな妄想しているってバレちまう!

ここに来て、俺ってば最低なミスを………。

しかし夕麻ちゃんは俺に微笑んでくれるだけだ。

そして、はっきりと俺に向かって言った。

「死んでくれないかな」

……………

………え?はい?

「………え?それって………あれ、ゴメン、もう一度言ってくれない?なんか、俺の耳変だわ」

聞き間違(まちが)いだ。

カイト、ドラグーン、ゼットは夕麻が『死んでくれないかな』て言った瞬間即戦闘体制入ってすぐでも行けるようにした。

そう思ってた。当たり前だ。だから聞き返したんだよ。

でも。

「死んでくれないかな」

また、はっきりと俺に言った。笑いながら。

意味不明な発言。俺が苦笑いしながら、「冗談(じょうだん)キツいなー、夕麻ちゃん」と言おうとした瞬間(しゅんかん)

バッ。

夕麻ちゃんの背中(せなか)から黒い(つばさ)が生えた。

バサバサッと羽ばたきすると、黒い羽が(ちゅう)()い、俺の足元に落ちた。

なんだ、あれ?

え?(たし)かに天使のように夕麻ちゃんは可愛いけど………。

何かの演出か?

夕闇をバックに黒い翼を羽ばたかせる美しい彼女。それは幻想(げんそう)的なシーンそのものだった。

だが、そんな現象(げんしょう)を信じられるわけがない。

彼女の両目がいままでのかわいらしいものから、冷たく(こわ)い目つきになった。

「楽しかったわ。あなたとすごしたわずかな日々。初々(ういうい)しい子供(こども)のままごとに付き合えた感じだった」



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誰3話人間、やめました。3

夕麻ちゃんの声は、なんとも冷たい。大人っぽい妖艶(ようえん)声音(こわね)。口元は冷笑(れいしょう)をうかべていた。

ブゥン。

ゲームの起動音よりも重たい音が空気を()らす。

耳鳴りに等しい音をたてながら、それは夕麻ちゃんの手に(あらわ)れた。

一本の(やり)のようなもの。

光ってる?光が結集しているような………。つーか、槍じゃねぇか、アレ。

ヒュッ。

風きり音。そして、すぐに(にぶ)い音がある。

ドン!

俺の(はら)に何かが()れたと思ったとき、夕麻ちゃんの持っていた光の槍が俺の腹を(つらぬ)いていた。

投げられたんだ……。

槍を()こうとしたけど、ふっと槍は消えてしまう。

残ったのはポッカリ空いた俺の腹だけ。()き出す血。血。血。頭がクラクラし、視界(しかい)がボヤける。気づいたら足元が(くず)れて、(たお)れていた。

ツカツカと倒れた俺に近づく足音。

耳に届くかすかな声。夕麻ちゃんだ。

「ゴメンね。あなたが私たちにとって危険因子(きけんいんし)だったから、早めに始末させてもらったわ。恨むなら、その身に神器(セイクリッド・ギア)を宿させた神を恨んでちょうだいね」

……セイ、なんだって……?

問いただすこともできず、俺は倒れた状態(じょうたい)だ。彼女はそのまま足音を遠ざける。

それと同時に意識(いしき)も遠のいていく。腹にぽっかり空いた(あな)重傷(じゅうしょう)だろう。だが(いた)みはない。

けど、意識が急激(きゅうげき)途絶(とだ)えていきそうなのがヤバいって理解(りかい)できた。

このまま(ねむ)るように意識をなくしたら気持ちいいんだろうな。だけど、そうしたら、俺は絶対(ぜったい)に死ぬ。

マジかよ……高校二年生で死ぬのか?

まだ人生の半分にすら達してねぇよ!

こんなわけのわからない公園で彼女に()されてこの世とオサラバなんて笑えねぇ!

くっそんなことを思っている間にも意識はどんどん(うす)れていく……。

もう、色々なものまで俺の中で消えていきそうで……。

ああ明日の学校、どうなるのかな。

松田は(おどろ)くだろうか?泣くのかな?まさか、あいつらに(かぎ)って……。

(ふくろ)親父(おやじ)……俺ろくな親孝行(おやこうこう)もしてねぇぞ………。

つーか……自室の各所に(かく)したエッチな本が死後に見つかるのはシャレにならねぇ………。

……てか、死ぬ前になんでこんなロクでもないこと考えてるんだ、俺……。

手はまだ動く………。

腹の辺りを手でさすり、顔の近くまで動かす。

紅い………紅い、俺の血。手のひら全体が紅い。全部、俺の血だ。

そのとき、俺は思い出していた。

今際(いまわ)のきわ、俺が思い浮かべていたのは一人の女の子だった。

(あか)(かみ)をしたあの美人。学校で見かけるたびにあの紅い髪が俺の目には鮮烈(せんれつ)(うつ)った。

………どうせ死ぬなら、あんな美少女の(うで)の中で死にたいなんて思ってしまう………。

夕麻ちゃんという彼女がいながら、そんなことを思ってしまう俺は浮気性(うわきしょう)なのだろうかなどと感じてしまう。ってその夕麻ちゃんに、殺されることになったんだけど……。

でもなぁ、死ぬなら夕麻ちゃんのおっぱいぐらい()んで死にたかったなぁ………。

ははっ、死ぬ前まで俺のエロ妄想(もうそう)は、止まりませんでした………。

あぁ視界(しかい)がボヤけてきた………。

いよいよもってラストか………。

ちくしょう、あまりに薄っぺらな人生だった………。

生まれ変われるなら、俺は………。

「あなたね、私を()んだのは」

突然(とつぜん)、俺の視界に(だれ)かが映りこみ、声をかけてくる。

目がボヤけてしまっているせいか、もう誰かすらわからない。

「死にそうね(きず)は………へぇおもしろいことになっているじゃないの。そのあなたがねぇ………。本当、おもしろいわ」

クスクスと興味(きょうみ)ありげな(ふく)み笑い。

何がそんなにおもしろいんだろうか………?

「どうせ死ぬなら、私が拾ってあげるわ。あなたの命。私のためにいきなさい」

意識(いしき)途絶(とだ)える寸前(すんぜん)、俺の目に(あざ)やかな紅い髪が映りこんだ。

「カイト死ぬところみるなんていつからそんな趣味にかわたなのかしら?」

「いえいえ部長俺の趣味ではありませんこれは部長の義理の姉頼まれことですから」

「義理の姉様がねぇ何かが聞いてくれる?」

「いえなにもただイッセー監視してくれて頼まれただけですけど?」

「そうならこの子運んでちょうだい」

「わかりました」



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第4話兵藤一誠、天野夕麻告白される3日前

イッセーが天野夕麻と告白される3日前

カイトは庭に歩くとそこには中学生の女の子と大人の女性がいた。

紅い髪で長髪にアホ毛がある。

水色の瞳していた。

黙示録種(アポカプリス)神器(セイクリッド・ギア)の所有者だ。

赤の魔神(テスタ)だ。

赤のジャージ着ている。胸あたりにウサギの刺繍されている。

彼女の名前はカノン・グレモリー

「あっカイトさんおひさしばりです」

カノンはカイトに向かって手を思いきりふったのでふりかえした。

紅茶飲みながら仕事するのがカノンの母親だ。

彼女も神器所有者だ《元赤龍帝》の主だ。

茶髪の長髪で茶色の瞳してる。

白シャツと赤スカート履ている。

彼女の名前兵藤ひかり・グレモリーだがいつも偽名のほうでよく呼ばられている。があまり気にしていない。

偽名は兵藤影乃だ。

「予想りよりも500秒遅い何をしていたの?

答え次第にはわ か る よ ね ♥」

手の骨を永遠ボキボキならしながら待っている多分何を答えようがりょうしゃなく論破されるちがいないとカイトはさっして土下座謝った。

「すみません遅れました」

だがふつうの人なら許してもらえるが影乃さんはりょうしゃなく沈められるのが分かりきっていた。

「カイトなにか言いたいことない?」

目が笑っているが顔の表情がなかったこれは許さない事だ。

カイトは右足に碇を500億個浸けられて池に沈められた。がカイトは苦しそうに足掻くが誰も助けられずに1回は窒息で死んで蘇生の炎でよみがえて自力に逃げた。

「はあはあ影乃さんなぜ一回殺したんですか?

ふつうの生物なら死んでますよ?」

カイト苦しそうに言うが相手が影乃さんだからふつうの常識は通用しない人物だ。

「まだお仕置きいる?」

「すみません」

「……ならいい私が頼む任務私の弟が堕天使レイナーレに殺されて紅い蛇出るか確認すること

質問ある?」

「ひとつ聞いてもいいですか?」

「なにかな?」

「防衛ではなく監視ですか?」

カイトが聞くとこくこくと頷く影乃だった。

「………わかりましたが本当に一度殺されていいんですか?」

「それがどうしたの?」

「いつもの影乃さんなら防衛しろと言うと思ったんですがあなたに何があったんですか?」

「カイトに教える事は今はないけどそれでもきになる?」

「今は聞かないけど時がくれば教えてくれますか?」

「もしもその時がくればなぇ」

「わかりました。」

カイトはルシファー(じょう)離れてカイ兄にメール送ってから人間界戻った。

カイ兄とはカイトの実の兄だ。

学園戻った時にはイッセーが天野夕麻に告白されていた。



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第5話人間、やめました。4

昨日投稿遅れましたのですみません ⤵⤵


私立騎王(しりつくおう)学園。

俺の通う高校だ。

現在(げんざい)は共学だが、数年前まで女子高だったせいか、男子よりも女子の割合(わりあい)が多い。

学年が下がるごとに男子の比率(ひりつ)は上がるが、それでもやはり全体的に女子が多かった。

二年生である俺のクラスでも男女比は、三対七だ。三年生だと二対八。

発言力もいまだ女子のほうが圧倒(あっとう)的に強く、生徒会も女性のほうが多くて、生徒会長も女性(じょせい)だ。

男子が強く出られない校風だが、父親に強制された単純な話だ。

楽な試練を突破(とっぱ)してきたのもすべては俺の自由為にだ。

ただそれだけのために、俺は現在この学園に通っていた。

何が悪い!

自分の自由為にいて悪い!

俺の人生だ! 誰にも文句(もんく)を言わせない!俺はこの学校で新しい仲間を探すのが俺が入学した目的だ。

だがよく声かけられるのは一般的な人間の身だ。

イッセーが頭かきながら考えているのを見てカイトの席はイッセーの隣の席だ。

「よー、心の友よ。とクソイケメンヤロウ貸した()DVDはどうだった?エロかっただろ?」

声をかけてきたのは丸刈り(まるが)頭のイッセーの友人その一松田(まつだ)。見た目、(さわ)やかなスポーツ少年に見えるが、日常(にちじょう)的にセクハラ言葉が出る変態(へんたい)だ。

中学時代様々な記憶を()()えてきたほどのスポーツ少年だが、所属(しょぞく)している部は写真部。レンズを通して女子高生のすべてを撮影(さつえい)したいという下心全開だ。

別名『エロ坊主(ぼうず)』、『セクハラパパラッチ』。「ふっ……今朝(けさ)は風が強かったな。おかげで朝から女子高校生のパンチラが(おが)めたぜ」

「そんなアホな事言うからモテないと思うが?」

「本当にモテると思うが?」

カイトは一瞬考えたが無視した。

「おい無視すんな」イッセー、松田が一声に突っ込みいれたがカイトは無視続ける。

キザ男のように格好(かっこう)つけているメガネが友人その二である元浜(もとはま)だ。メガネを通して女子の体型を数値化(すうちか)できる特殊能力(スカウター)を持つ。メガネを取ると戦闘力(せんとうりょく)激減(げきげん)する特異体質(とくいたいしつ)だ。

こちらの別名は『エロメガネ』、『スリーサイズスカウター』。

イッセーの悪友二人だった。

イッセー入れて三バカトリオと俺はそう呼んでいる。

「いいもん手に入ったぞ」

松田が自分の(かばん)を開けて、()しげもなくイッセーの(つくえ)の上に鞄の中身を置いていく。

 



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第6話人間、やめました。5

今書いたのが今日の分です


ドカドカと机に積み上げられていくのは見るからに卑猥(ひわい)な題名の本やDVDだ。

「元浜それ今すぐ捨てないと俺自身が物理的に肉体的に攻撃するがどうする?」

カイトはイッセーの隣の席だからいつも見ることあるが今回は特に多いときには元浜をボコッて本、DVDを捨てている事がある。

「なんだいつもいつもお前が邪魔しなくてもいいじゃねのか?

もしかしてお前も」

カイトは溝に思いきり殴って元浜を一撃でぶった押して

愚かなな物を教室にある特別ゴミ箱に入れるだけではなくDVDはへし折ってから捨てて本はゴミ捨て場所に運ぼとした時いつも『また元浜やられたか』、『銀牙に勝負挑むのが悪い』、『やっぱりカイト君かっこいい』男女ともカイトのやる事を誉めていたが咎める者はいないのはそれは三バカトリオだからだ。

まあいつもの朝だもんな。

カイトはヒモで縛って捨ててにいくのを元浜がカイト足を持って妨害するがただに引きずられるだけだ。

教室に戻った時には元浜は更にズタズタにやられていた。

松田がイッセー所にいって松田が何かに思い当たり、手をポンと(たた)く。

「あー、アレか?俺には彼女がいましたーっていう例の幻想(げんそう)影響(えいきょう)か?夕麻(ゆうま)ちゃんだっけ」

イッセーが「……夕麻ちゃんのこと、マジで覚えていないのか?」

俺の言葉に二人は可哀想(かわいそう)な者を見る目で返してくるだけだ。

「だからさ、俺らそんな子知らないって。マジ、ドラグーンの親父さんがやっている病院とかいったほうがいいんじゃないか? なあ元浜」

「ああ、何度も言うが俺たちは夕麻ちゃんという女の子を紹介(しょうかい)なんてされていない」

……そう、俺が夕麻ちゃんの話を()ってもこいつらは決まってこれだ。

最初は俺をからかっているのだと思った。

けど、一度真剣(しんけん)に語り合った結果、そうではないと痛感(つうかん)する。

俺は(たし)かにこいつらに夕麻ちゃんを紹介した。こいつらが夕麻ちゃんを見るなり、「なんでこんな美少女がイッセーの彼女なんかにぃぃぃぃ!」、「世の中のシステムが反転したとしか思えない………。イッセー、まさか犯罪(はんざい)でも起こしたのか?」などと失礼(きわ)マリないことを言ってきた。

俺も鼻高々に「おまえらも彼女作れよ」よ余裕(よゆう)の言葉を()きつけてやったんだ。

それを俺は強く記憶(きおく)に残している。

なのにこいつらはそれを覚えていない。いや、夕麻ちゃんがいたことさえ覚えていないんだ。

 



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第7話人間、やめました。6

少し投稿遅れました ⤵⤵


天野(あまの)夕麻という女子そのものが存在(ぞんざい)しなかった  と。

夕麻ちゃんと()ごした俺の時間が嘘だったかのように。そう、こいつらが言う『幻想』だったかのように。

でも、松田と元浜の発言を裏付(うらづ)けるように彼女のケータイ番号もメールアドレスも俺のケータイメモリには記録されていなかった。

メモリを消した? (だれ)かに消された? そんなバカな!俺が消すわけないし、誰が消すんだよ!

覚えていた番号にかけてもその番号は現在(げんざい)使われていない。

彼女はいなかった?俺の幻想?んなバカらしい話があるわけ………。

否定(ひてい)したいが、俺の記憶以外で彼女の痕跡(こんせき)一切(いっさい)見つからなかった。

思えば俺は彼女の住所も知らない。彼女は他学校の生徒だった。夕麻ちゃんが着ていた制服から学校を見つけて、彼女のことを在校生(ざいこうせい)(たず)ねてみた。

じゃあ、俺は誰と付き合った?

誰とデートした?

あの(ゆめ)は、ここ最近見ている夢は俺が生み出した幻想なのか?

おいおい、俺は異常者(いじょうしゃ)かよ?

だって、彼女の顔を俺は鮮明(せんめい)に覚えているんだぜ?

………どうしても()せない。

深夜に()き上がる得体の知らない力といい、何かがおかしい。

何かが変なんだ。

考え()む俺の(かた)へ松田が手を置く。

「まあ、思春期の俺の家へ()れ。秘蔵(ひぞう)のコレクションをみんなで見ようじゃないか」

「それは素晴(すば)らしい。松田くん、ぜひともイッセーくんを連れて行くべきだよ」

「もちろんだよ、元浜くん。俺ら欲望(よくぼう)で動く男子高校生だぜ? エロいことをしないと産んでくれた両親に失礼というものだ」

「イッセー俺そろそろ部活いくぜ」

「そうかじゃあお前もまた明日」

「おう」

カイトはイッセーに拳合わせて教室去っていった。

グフフフといやらしい笑い声あげる二人。

変態(へんたい)だ。どこからどう見ても変態すぎる。そしてそのなかにイッセーも入っている。

まあ、いいさ。俺も変態で生きる男子さ。

「わーったよ!今日は無礼講(ぶれいこう)だ!炭酸(たんさん)飲料とポテチで祝杯(しゅくはい)をあげながら、エロDVDでも視聴(しちょう)しようじゃねぇか!」

半ばヤケクソ気味に俺も賛同(さんどう)する。

「おおっ!それだよ、それ!それこそ、イッセーだ!」

「その意気だ。青春をエンジョイしようではないか」

 

 



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第8話人間、やめました。7

5月8日分の投稿です


()り上がる松田、元浜。

夕麻ちゃんの(けん)はこのさい保留(ほりゅう)にする。

たまには息を()く!今日ぐらいは(うつ)な気分を抜け出して、年頃(としごろ)の男子としていきてやる!

そんなふうに三人の結束を新たにしたときだった。

俺の視界に(くれない)(うつ)る。

(あざ)やかな紅。

教室の(まど)から見える校庭。一人の女子の通学風景が俺の(ひとみ)釘付(くぎづ)けにする。

真紅(しんく)(かみ)をした少女。人間離(にんげんばな)れした美貌(びぼう)を持った()が高校のアイドル。スラリとした身体は、日本人のそれではない。

当然だ。彼女は日本人ではない。北欧(ほくおう)の出身だと聞く。

父親の仕事の都合で日本の高校に通っているそうだ。

誰もが彼女の美しさに目を(うば)われ、一瞬(いっしゅん)で心をもとらわれる。

リアス・グレモリー。

この学園の三年生。俺の先輩(せんぱい)にあたる。

気づけば、俺以外の者たちも男女問わずして彼女に釘付(くぎづ)けだ。松田、元浜も。

これは毎朝のことだ。彼女の通学を、歩く姿(すがた)を多くの学生が見つめる。ある者は歩を止めて、ある者はおしゃべりを()めて。誰もが()り向いてしまう。

だがカイト、ドラグーン、ゼットはあまりに興味なかった。

全校生徒の視線極一部は集まらない。彼女は優雅(ゆうが)に紅の髪を風に()らす。

(こし)まである真紅の長髪(ちょうはつ)は風に流れると、さらに一層(いっそう)紅を周囲の風景に()えさせる。

雪のように白い(はだ)が対照的だった。

美しい。

彼女の存在(ぞんざい)を一言で表すならそれだ。それ以外の言葉はいらないだろう。

俺もその美貌と高貴(こうき)雰囲気(ふんいき)夢中(むちゅう)だった。

その姿を見かけるたびにそのときしていた行動を止めてまで彼女に見入っていた。

だけど、この頃、その感覚に変化が生じていたんだ。

(たし)かに美しい。彼女は美しすぎる。

しかし、その美貌を少しだけ(こわ)く感じるようになり、いつしか心の(すみ)畏怖(いふ)していた。

なぜ、そんなふうに思うようになったかはわからない。だが、そう思うようになった時期は夕麻ちゃんの存在が消えた日からだ。

そのとき、彼女の視線が動く。()き通るような碧眼(へきがん)が、俺を(とら)えていた。

っ。

 

 



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第9話人間、やめました。8

5月9日分の投稿です!✌


一瞬で心まで(つか)み取られる感覚に(おちい)る。

なんだ、この感じ。圧倒(あっとう)的な実力差のある相手に(にら)まれたような………。

彼女は青い双眸(そうぼう)を細め、少しだけ口元を微笑(ほほえ)ませた。

俺に向けたもの?

バカな。俺と彼女の接点(せってん)なんてないじゃないか。

そう思ったとき、俺はふいに夢の出来事を思い出していた。

夢の最後、紅色(べにいろ)の髪をした誰かが俺に話しかける。

やさしく、そして冷酷(れいこく)な存在感を放っていた人影(ひとかげ)

それと彼女が重なってみえたとき、すでに彼女は視界から消えていた。

「おっぱい()みてぇなぁ!」

号泣(ごうきゅう)する松田を()()せ、俺たちはエッチなDVD鑑賞会最後の作品を視聴(しちょう)していた。

学校から帰宅(きたく)して、無駄(むだ)に高いテンションのままエロDVD鑑賞をはじめたわけだが、枚数(まいすう)を重ねていくうちに興奮(こうふん)が冷めていき、「なぜ俺たちには彼女ごいないのだろうか?」

真剣(しんけん)に思い出し、(ぎゃく)に泣けてきてしまった。

松田なんね三作品前あたりから(なみだ)が止まっていない。

元浜に(いた)ってはクールに(よそお)ってはいるが、メガネの(おく)で涙を(あふ)れさせていた。

三十分前に小声で「………俺、 女の子に体育館(うら)()ばれたんだ………。生まれて初めてかつあげされたよ………」と(つぶや)き、(あや)うく俺も泣き出すところだった。

エロDVDで(うつ)になる俺ら三人は何なんだろうか。

いや、知れている。

モテない男子高校生三人組だ。

ちくしょう。今頃(いまごろ)、同じ年代の男が女子イチャイチャしていると思うとこの世界を(うら)みたくなる。

そんなことを思いながら最後の作品を見終えると、すでに空は暗かった。

時計を見たら、もう夜中の十時だ。親に松田の家で()ごすことを伝えてあるが、これ以上お邪魔(じゃま)しているとマジで心配されるし、明日の通学にも支障(ししょう)をきたす。

「さて、そろそろ帰るか」

俺の言葉を切っ()けに全員がその場で背伸(せの)びして、別れの準備(じゅんび)を行った。

「じゃあな」

玄関で松田と別れると、俺と元浜は歩き出す。

「いい夜だ。こんなにいい夜だもんな。そりゃ、エロDVDも見たくもなる」

 



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第10話人間、やめました。9

5月10分の投稿です


夜空を見上げながらわけのわからないこと言う元浜だが、ため息は大きい。

テンション下がりすぎだろう。

まあ、明日になればいつもの元浜、松田に(もど)っているはずだ。

「じゃあ、また明日な」

「ああ、いい(ゆめ)見ろよ」

と、元浜と帰り道の途中(とちゅう)で別れたが、(やつ)の手を振る仕草もどことなく元気がない。

あとで激励(げきれい)のメールでも送るか。

元浜と別れて、数分。

帰り道を歩くイッセーだが、先ほどから体の内側から溢れてくる力の(うず)きが(ひど)かった。

例の「夜になると力が溢れ出す」ってやつだ。

やっぱり、俺の体、おかしすぎだろ。

どう考えてもまともな現象(げんしょう)じゃない。目が()えて、五感が(するど)くなる。

聴覚(ちょうかく)、視覚が尋常(じんじょう)じゃないぐらいによく動く。周囲の家の中から会話が聞こえてくるし、暗闇(くらやみ)の道でも夜目が()きすぎている。

街灯(がいとう)などの光が(とど)いていない場所まで鮮明(せんめい)に見えるのはおかしいだろう!

日に日にこの現象が強くなっている気がする。

いや、これは気のせいじゃないだろう。

だってこの体中を走る悪寒(おかん)は本物だから!

さっきから感じる他者の視線。そして、イッセーへ向けられる冷たいもの。

眼前(がんぜん)、道の先から俺へ向けて得体の知れない空気が(ただよ)ってくる。

(ふる)えが(すさ)まじい。体が小刻(こきざ)みに震えを発していた。

男だ。スーツを着た男がイッセーを(にら)んでいる。

とんでもない睨みようだ。

視線が合うだけで体の(しん)まで(こお)ってしまいそうになる。

これ、殺意とかいうやつじゃないのか?

敵意(てきい)確実(かくじつ)に感じる。だが、それ以上に危険(きけん)な感じだ。やっぱ、これ殺意だろう!

男が静かに歩み寄ってくる。俺に向かってきているし!やっぱ俺ですか!

変質者(へんしつしゃ)!? (あぶ)ない人!? ヤバイのか!?か?

ヤバイよな! だってさ、さっきから震えが止まらない!

帰り道に危ない人と遭遇(そうぐう)かよ俺!」

「これは数奇なものだ。こんな都市部でもない地方の市街で貴様(きさま)のような存在(そんざい)に会うのだものな」

……………?

「何を言っている?

いやいや、頭のイッちゃってる人はこの手のことを口走るんだろう。

やっぱり、危ない人か!

うわ! 刃物(はもの)とか出されたらどうする!

護身用(ごしんよう)格闘技(かくとうぎ)なんて俺は習っていないし、そもそもケンカなんてしたことないぞ!

そ、そうだ

夜中にパワーアップしてる俺の力! これだ! これで()げるしかない!」

後ずさりしつつ、距離(きより)を取った。

変質者の空気全開な男性(だんせい)はスタスタとこちらへ向かって歩いてきている。

「逃げ(ごし)か? (あるじ)(だれ)だ? こんな都市部から(はな)れた場所を縄張(なわば)りにしている(やから)だ、階級の低い者か、物好きのどちらかだろう。おまえの主は誰なんだ?」

イッセーが「わけわからないっつーの!」

バッ!

俺は()り向き様、一気に来た道を(もど)った。全速力だ。

速い。(ちょう)速い。俺が言うのもなんだが、やっぱり夜の足はおかしいぐらいの速力を出している。

夜の(やみ)()き分けて、俺はひたすら逃げた。

途中(とちゅう)で道を曲がったりしながら、見知らぬ街道(かいどう)を走る。

息は上がってない。まだ走れる。こうなったら、絶対(ぜったい)()いてこられないであろう距離を(かせ)いでやるさ!

十五分ぐらい走ったところで、開けた場所に出た。

公園だ。

足を一旦(いったん)止め、歩みに変える。

少しだけ息を整えながら、噴水(ふんすい)の辺りまで歩を進めた。

公園の街灯下で周囲を()回す。俺は不可思議(ふかしぎ)なものに(とら)われていた。

知っている。



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第11話人間、やめました。10

この公園をイッセーは知っている。………。

そうだ、ここは(ゆめ)の夕麻ちゃんとのデートで最後に(おとず)れた場所だ!

「おいおい、なんつー偶然(ぐうぜん)というか、奇跡(きせき)というか。

いや、無意識(むいしき)のうちにここへ足が動いた? まさかね………。」

ぞくっ。

背筋(せすじ)に冷たいものが走る。

何かが後方にいる………。そんな感覚だ。

ゆっくりと振り返ると、俺の眼前を黒い羽が()った。

「カラスの羽? (ちが)う。」

「逃がすと思うか? 下級な存在(そんざい)はこれだから(こま)る」

俺の前に(あらわ)れたのは黒い(つばさ)を生やしたスーツの男。

「さっきの変質者だ。

………天使? いやいや、いくらなんでもそれはファンタジーすぎだろう!?

コスプレ? にしては()ってる。 ほ、本物? なわけないだろう!」

「おまえの(ぞく)している主の名を言え。こんなところでおまえたちに邪魔(じゃま)をされると迷惑(めいわく)なんでな。こちらとしてもそれなりの………。まさか、おまえ」

スーツ男の言葉を上からカイトが空降ってきて完全に邪魔した。

「俺達の主は言えないけど

仲間を守るぐらいやらなくゃあけねぇけどなぁ

堕天使(クソカラス)様よ」

「………カイト!?」

カイトは紅いコート着ていた。

スーツの男が「下級悪魔風情がこの俺に逆らうなー」

スーツ男が光を(やり)のようなものに形成されていった。

「槍。

槍かよ、やっぱり!

俺は、夢であの槍に(はら)(つらぬ)かれて大変な目に()だたんですけど!」

「イッセー邪魔だ」とカイトはイッセーを後ろに蹴り飛ばしてカイトはスーツ男に右腕で光の槍をにぎっりしめった。

「な、なに貴様本当に悪魔か!?」

「いちよう悪魔けど光に耐性が高いだけだ」

カイトは腰から剣を抜いてスーツ男の右目と左腕を切り捨てた。

「ぐっくそ殺ろう殺す殺す殺す」

「あらあら怒ってもお前じゃ殺されるはずがないじゃん

それでも続けるなら次は本気で殺るけどどうする?」

さっきまでにやにやしていたカイトのひょうじょが笑顔消えて逆に圧倒的な殺意が出てきた。

「次は必ず貴様を殺す名前は?」

「グレモリー眷属(けんぞく)だまあまた合う機会があるなら今度はそちらさんの拠点にいかさせてもらうよ」

スーツ男が

「そうかなら我が名はドーナシークだ」

ドーナシークは自らの名を言ってから消えた。

「カイト何故お前がここにいるんだちゃと説明を!?」

 



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第12話人間、やめました。11

「詳しくは明日に説明するから今日は休めわかったなイッセー」

カイトは微笑(ほほ)笑みながら言った。

「どういうこと……」イッセーは最後まで言い終わる前に眠りについた。

「……イッセーお前の運命は慘獄(ざんごく)な事理解出来ないだろうなぁ」

カイトはスマホ取り出してドラグーンに電話かけると即出た。

「もしもしドラグーンそっちのはぐれ神父(カス)どもの排除終わったか?」

カイトはイッセーを肩に手を腕を回して公園から後にしようとしていた。

彼の名前は死神ドラグーン

黒髪で赤い眼している。

一方ドラグーンははぐれ神父の死体の山の上で座りながら電話している。

ドラグーンは顔に白い仮面はかえり血で仮面がほぼ真っ赤に染まっている。

「この死神がー死ね、死ね、死ね、死ね」

はぐれ神父はドラグーンの後ろから弾丸の雨の用に打ち続けたが一切無傷だ。

「終わりか?」凍えるような声で言った。

はぐれ神父は土下座しながら『助けてください』を何度も何度もれんごうし続けるがドラグーンは「ダメた」と言ってナイフで首の脈を一撃で切り捨てた。

「………任務完了」

次に目を覚ましてみれば、いつもの朝だ。

「どういうこと?

………また、(いや)(ゆめ)を見たってことだよな?」

夢だろ、あれ。けど、リアルすぎる。

こうして(おれ)は部屋にいるわけで。ベットで()ていたわけで。

今度は夕麻ちゃんじゃなく、どこぞの男に追いかけられる夢。黒い翼は同じなんだけど。

頭を()る。

しっかりしろ俺。なんで、こう毎朝のように変なものを見る?

確か、昨日は普通(ふつう)に学校行って、普段通(ふだんどお)()ごし、学校帰りに松田の家に寄ってイッセー、松田、元浜の三人でエッチなDVD鑑賞会をしたんだ。

で、家に帰ってきた。家路の途中(とちゅう)で翼生やした変質者(へんしつしゃ)(おそ)われたなんてこと。

放課後。

「イッセーすこし付き合ってもらうぞ」

「それって確か昨日ついてか?」

「そうたけど知りたいか?」

「ああ、」

カイト、鞄を持っていた。

イッセーはカイトの後ろついていくだけで他の生徒こそこそ話が少し聞こえてくる言葉はほぼイッセーの事だ。

「カイトつく前にひとつ質問いいか?」

「………いいがなに気になる?」

「俺にて姉ちゃんていたと思うか?」

イッセーが真剣に聞く。

「イッセーは覚えているか?」

「………覚えていないがそれがどうした?」

「そうかなら時がくればわかるさ」

「それはどういう意味だ!?」



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第13話人間、やめました。12

「………」カイトはイッセーを無視して旧校舎方向へ歩いていったがイッセーただカイトの後ろの後ついていった。

この旧校舎は我が理事長(クソオヤジ)いや、この学園を《原始界》さらに広がる世界を開く(ゲート)神器(セイクリッド・ギア)化がクソオヤジの目的だと思うがそれには何が必要かはわからない。

カイトは旧校舎入り二階の一番奥にある部屋に行くと足を止めてイッセーが着くのを待った。

「カイトここが俺が知りたい《真実》があるのか?」

イッセーはカイトに緊張しながら聞いた。

「まあなだいたいはあると思うけどまずお前は聞く以外には選択肢はないけどなぁ」

カイトは頭をかきながら言う。

「それはどういうことだ?」

イッセーはカイトいうと

「俺は部室入るわ」

「あっちょっとまっ」

イッセー最後言い終わる前にカイトは部室に入った。

その部室には《オカルト研究部》て書いて合った。

「ふうーはーふうーはー」

イッセーは深呼吸を何度も何度もしてやっと覚悟決めて部室に入った。

室内に入ると、イッセーは中の様子に驚いた。

室内、至るところに謎の文字が書き込まれていた。

床、壁、天井に至るまで見たこともない面妖(めんよう)な文字が記されている。

そして、一番特徴的なのは中央の円陣。

教室の大半を占める巨大な魔方陣らしきものだ。

何やら不気味さと異質さを最大級にまで感じるぞ。

あとは、ソファーがいくつか。デスクも何台か存在する。

ん? ソファーに一人座っているじゃないか。小柄(こがら)な女の子………。

知っている。あの子を知ってるぞ!

一年生の塔城子猫(とうじょうこねこ)ちゃんだ!

ロリ顔、小柄な体、一見では小学生にしか見えない我が高校の一年生だ!

一部の男子に人気が高い。女子の間でも『可愛い』とマスコット的な存在だ。

黙々と羊羮(ようかん)をたべている。いつ見ても眠たそうな表情だ。

そういや、超がつくほどの無表情な女の子なんだっけ、この子。

こちらの視線が合う。

「昨日部長が新しい眷属加入する奴だ

イッセー自分で説明しろ」

カイトはめんどくさそうに子猫ちゃんに紹介してくれた。

ペコリと頭を下げてくる塔城子猫ちゃん。

「兵藤一誠ですよろしく」

「あそこで将棋うってるのが木場だ」

ドラグーン隣にガチに真剣勝負する少年がいた。

その少年の名前は木場祐斗(きばゆうと)

本気になる必然的不要だ。

「カイトくんその子が部長のおつかいなの?」

「まあな

あと木場そこで金を動かすとドラグーン有利に繋がるぞ」

「………!!あっ本当だ」

「バカカイトなに言いやがる」



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第14話人間、やめました。13

「その方がゲームになるだろう」カイトは飛車で王手してドラグーンは負けた。

「さすがカイト君だね」木場に誉められた。

イッセーは意味わからない状況ただ見ているだけだ。

子猫が立ちカイトの近く行きカイトの服の袖をくいくいと引っ張った。

「ん?どうしたの子猫ちゃん?」

「カイト先輩昨日頼でいた物ありますか?」

「あるけど今食べるの?」

カイトが聞くと子猫ちゃんはこくこくと頭をたてに降って頷いた。

カイトはそれを見て鞄からケーキ箱を取り出して子猫ちゃん渡した。

箱には『LIFE』と書いてあった。

このケーキ屋はフランスに大人気店で一年前にこの町『LIFE』の店が開店している。

「ありがとうございます……カイト先輩」

「いいよ子猫ちゃん」

「ここはお前のハーレムかよ」

イッセーはきれぎれに言う。

「お前は何勘違いしてるんだ?

ここはオカルト研究部だぞ!!」

カイトは自信満々にそう言った。

「お前てたまーに頭おかしい事自信満々言うことあるよなーあ」

木場、子猫ちゃん、ドラグーン、イッセーが同感するように頷いた。

「あらあらカイト君のデザートはケーキですか?」

「これは子猫ちゃんのお土産です

こちらが今回のティータイム用物です朱乃(あけの)先輩」

「今日はクッキーですかこの会社のクッキーは私のお気に入りです」

イッセーは驚きで絶句した。

黒髪のポニーテール! 絶命が危惧されているポニーテール! この学園最後のポニーテール所有者じゃないか!

いつも笑顔を絶やさないニコニコスマイル! 和風感漂う佇まい!大和撫子を女子高生の身で体現している我が高校のアイドルの一人、姫島朱乃(ひめじまあけの)先輩!リアス先輩と併せて『二大お姉さま』と称されているお方!

男子女子問わず憧れの的!

「あらあら。はじめまして、私、姫島朱乃と申します。どうぞ、以後、お見知りおきを」

ニコニコ顔で丁寧なあいさつされる。なんともうっとりしてしまう声音だ。

「こ、これはどうも。兵藤一誠です。こ、こちらこそ、はじめまして!」

「イッセーさんもクッキーたべますか?」

朱乃が言うとはいと答えてクッキー貰って口に入れて食べる。

イッセーは緊張しながら、あいさつを交わす。

「ゴメンなさい。やっとゼットとの話が終わった」

それを『うん』と確認するリアス先輩。

「これで全員揃ったわね。兵藤一誠くん。いえ、イッセー」

「あの部長『神集団』、『性格が魔王』がいないけどいいんですか?」

「彼なら今回はお兄様任務で帰れないはずよ」

「………そうですか」

「は、はい」

イッセーはまだ緊張していた。

「私たち、オカルト研究部はあなたを歓迎するわ」

「え、ああ、はい」

「悪魔としてね」

っ。

どうやら、何かが起こりそうです、父さん、母さん。



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第15話人間、やめました。14

「イッセー、コーヒーでいいよなあ」

「まあ」カイトは缶コーヒーを渡した。

テーブルに木場、リアス、カイトが座っていて。

逆にソファーは子猫ちゃん、朱乃さん、ドラグーンが座っている。

全員の視線がイッセーに集まる。

な、なんでしょうか………。こんなに密集して、なおかつ視線がイッセーに

集まると緊張してしまうのですが………。

口を開くリアス。

「単刀直入に言うわ。私たちは悪魔なの」

イッセーは悩んでいる顔している。

そ、それはとても単刀直入ですね。

リアスが言う。

「信じられないって顔ね。まあ、仕方ないわ。でも、あなたも昨夜、黒い翼の男を見たでしょう?」

あれが夢じゃないなら、、イッセーはそれを見ている。

「あれは堕天使。元々は神に使えていた天使だったんだけれど、(よこしま)な感情を持っていたため、地獄に堕ちてしまった存在。私たち悪魔の敵でもあるわ」

堕天使ときましたか。

ファンタジーもここに極まるね。

「私たち悪魔は堕天使と太古の昔から争っているわ。冥界(めいかい)人間界で言うところの『地獄』の覇権を巡ってね。地獄は悪魔と堕天使の領土で二分化しているの。悪魔は人間と契約して代価をもらい、力を蓄える。堕天使は人間を操りながら悪魔を滅ぼそうとする。ここに神の命を受けて悪魔と堕天使を問答無用で倒しに来る天使も含めると三すくみ。それを大昔から繰り広げているのよ」

「いやいや、先輩。いくらなんでもそれはちょっと普通の男子高校生である俺には難易度の高いお話ですよ。え?オカルト研究部ってこういうこと?」

「なんだと思った イッセー?」

「なんかエロい部?」

「お前死にたいか?」

カイトは無表情の笑顔でイッセー睨む。

「………」

「ゴメンなさい」

「カイト、イッセー話の骨折らないで」

「すみません、部長」

「すみません、リアス先輩」

カイト、イッセーは謝罪した。

この機会はすでにオカルト研究部の議題か何かですか?

リアスが「オカルト研究部は仮の姿よ。私の趣味。本当は私たち悪魔の集まりなの」

………いえいえ、オカルト研究部の会話でしょ、これ。

「天野夕麻」

その一言を聞いて、イッセーは目を見開いた。

「どこでそれを知った?」

「あの日、あなたは天野夕麻とデートをしていたわね?」

「………冗談なら、ここで終えてください。正直、その話はこういう雰囲気で話したくない」

いつの間にか、俺の声に怒気(どき)が含まれていた。

それは、その話は俺にとって腫れ物に近い。

その話をしたところで誰も信じちゃくれなかったし、誰も覚えていなかった。

彼女のことを。

俺の夢だと。俺の幻だと。誰も信じなくて、そして彼女の存在も無かった。

どこでその話を仕入れてきたかはわからないが、それをオカルトうんぬんで語ってもらうと困る。

つーか、怒る。



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第16話人間、やめました。15

「彼女は存在していたわ。確かにね」

ハッキリとリアス先輩は言う。

「まあ、念入りに自分であなたの周囲にいた証拠を消したようだけれど」

リアス先輩が指をひと鳴らしすると、姫島先輩が(ふところ)から一枚の写真を取り出す。

そこに写っていた者を見て、イッセーは言葉を失った。

「その写真取ったのは俺だ」とドラグーンが言う。

「こいつだろう天野夕麻(ガイチュウ)だろう」カイトが言う。

そう、写真に写っていたのは探しても見つからなかった彼女の姿だった。

以前、ケータイの写真で取ったのに、それすらも残っていなかった彼女の姿がそこには鮮明に写し出されていた。

そして、その夕麻ちゃんの背中には黒い翼が生えている。

「こいつは堕天使イッセー、おまえは襲われたカスな存在だ」

………堕天使? 夕麻ちゃんが?

「カイトあとはわたしがはなすから少し黙ってくれるかしら」

「わかりました」

「この堕天使はとある目的があってあなたと接触した。そして、その目的をはたしたから、あなたの周囲から自分の記憶と記録を消させたの」

「目的?」

「そう、あなたを殺すため」

ッ!

なんだ、そりゃ!?

「な、なんで俺がそんな!」

「な、なんで俺がそんな!」

「部長少しイッセーと話してもいいですか?」

「ええいいわよ」

「ありがとうございます」

カイトはリアス部長から許可もらってイッセーと話を始めた。

「お前は死ぬ事は『影乃』という人物が望んだからだまずお前がどういう運命たどっても同じ事になるだろう」

「影乃て誰だ?

まず助けろと命令あれば助けるのか?」

「助ける距離にいたし

それに俺あの公園の木の後ろにいたからだ」

「……ふざけるな

お前はなんでそんな事平然な事言える、お前には人の心あるのか?」

「そんな事今はどうだっていい話戻すぞ?」

じゃあ、あの日イッセーが夕麻ちゃに殺されたのはほぼ『影乃』のせいだろう!?

………うん?

殺された? いや、俺は生きてる。こうして生きてるじゃないか。

部長がまたもう一度話始めた。

「あの日、あなたは彼女とデートして、最後にあの公園で光の槍で殺されたのよ」

「でも、俺生きてるっスよ!だいたい、なんで俺が狙われるんだよ!」

そうだ。イッセーは狙われる理由はない。

なんで堕天使とやらに付け狙われなきゃいけない!

「彼女があなたに近づいた理由はあなたの身にとある物騒なモノが付いているかいないか調査するためだったの。きっと反応が曖昧だったんでしょうね。だから時間をかけてゆっくりと調べた。そして、確定した。あなたが神器(セイクリッド・ギア)を身に宿す存在だと」

カイトはそれだけではないだなぁ黙示録種(アポカリプス)、究極神器、紅の蛇がいるて影乃さんが

所持しているていってたけどなあとカイトは頭中でそう思った。



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第17話人間、やめました。16

神器(セイクリッド・ギア)

その単語に聞き覚えがあった。

『ゴメンね。あなたが私たちにとって危険因子だったから、早めに始末させてもらったわ。恨むなら、その身に神器(セイクリッド・ギア)を宿させた神を恨んでちょえだいね。』

夕麻ちゃんは確かにあのときそう言った。

俺の体に神器(セイクリッド・ギア)ってのがある………?

木場がイッセーに話しかけた。

「イッセーくん神器(セイクリッド・ギア)とは、特定の人間の身に宿る、規格外の力。たとえば、歴史上に残る人物の多くがその神器(セイクリッド・ギア)所有者だと言われているんだ。神器(セイクリッド・ギア)の力で歴史に名を残した」

「特に真の別格はカイト君みたいな悪魔な世代な連中だったよねぇ」

「まあその中で悪魔に転生したのは俺とマリア、タイガ、サラぐらいは悪魔にみづから悪魔になったのは」

「現在でも体に神器(セイクリッド・ギア)を宿す人々はいるのよ。世界的に活躍する方々がいらっしゃるでしょう?あの方々の多くも体に神器(セイクリッド・ギア)を有しているのです」

木場に続いて姫島先輩とカイトも説明してくれた。

リアス先輩がさらに続く。

「大半は人間社会規模でしか機能しないものばかり。ところが、中には私たち悪魔や堕天使の存在を脅かすほどの力を持った神器(セイクリッド・ギア)があるの。イッセー、手を上にかざしてちょうだい」

え? 手を上にかざす? なぜ?

「いいから、早く」

リアス先輩が()かす。

イッセーは左腕を上にあげた。

「目を閉じて、あなたの中で一番強いと感じる何かを心の中で想像してみてちょうだい」

「い、一番強い存在………。ド、ドラグ・ソボールの空孫悟(そらまごさとる)かな………」

「では、それを想像して、その人物が一番強く姿思い浮かべるのよ」

「………」

俺は心の中で悟がドラゴン波を撃つ姿を思い浮かべた。

って、これでいいのか?

「ゆっくりと腕を下げて、その場で立ち上がって」

腕を下げて、立ち上がる。イッセーはソファーから腰をあげた。

「そして、その人物の一番強く見える姿を真似るの。強くよ?軽くじゃダメ」

なんてこった。

イッセーは周囲に人がいるのに、この歳になってドラゴン波のポーズを取らないといけないのか!?

イッセーはカイトを見ると子猫ちゃん隣で爆笑していた。

ドラグーンは木場の隣で苦笑している。

まだカイトよりも許せるがカイトは許せないが殴ろうとしたら逆にフルボッコされるだけだ。



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第18話人間、やめました。17

恥ずかしすぎるだろう!

イッセーは目を閉じているからって、もうカイト、ドラグーンは笑っているじゃないか!

「ほら、、早くなさい」

リアス先輩が再び急かす。

おおおおーい! マジか! マジでやらないといけないのか!

クソ! なら見てろ! 兵藤一誠、一誠一代のドラゴン波だ!

「ドラゴン波!」

俺は開いた両手を上下に合わせて前へ突き出す格好のまま、声を張り上げる。ドラゴン波のポーズだ。

「さあ、目を開けて。この魔力漂う空間でなら、神器(セイクリッド・ギア)もこれで容易に発言するはず」

先輩の言う通り、目を開ける。

カッ!

俺の左腕が光りだす。

「はぁぁぁぁぁ!?

何これ! 何これ!俺、ドラゴン波出せるの!?」

光はしだいに形を成していき、左腕を覆っていく。

そして、光が止んだとき、俺の左腕には赤色の籠手(こて)らしきものが装着されていた。

かなり凝った装飾が施されている。見た感じは立派なコスプレアイテムだ。

手の甲の部分には丸い宝石みたいなものがはめ込まれている。宝石というよりも宝玉?

「な、なんじゃ、こりゃぁぁぁぁぁ!」

叫ぶイッセー。チョー驚いている。

当たり前だ! なんだよ、これ! ドラゴン波を撃ったと思ったら、変身ヒーローのアイテムみたいなのが腕に装着されていた!

うわぁ、何なのこれ!

「それが神器(セイクリッド・ギア)。あなたのものよ。一度ちゃんとした発言ができれば、あとはあなたの意思でどこにいても発動可能になるわ」

っ。

こ、この赤い籠手が神器(セイクリッド・ギア)………?

えぇぇぇぇぇぇ………。

まだ信じられない。ドラゴン波を撃って、イッセーは………イッセーは………。

「あなたはその神器(セイクリッド・ギア)を危険因子されて、堕天使天野夕麻に殺されたの」

「………夕麻ちゃんも、この神器(セイクリッド・ギア)も本当のこと。

じゃあ、俺が殺されたことも本当………?

なんで、俺、生きているの?」

「瀕死のなか、あなたは私を呼んだのよ。この紙から私を召喚してね」

リアス先輩が取り出したのは一枚のチラシ。

俺はそのチラシになんとなく記憶があった。

夕麻ちゃんとのデート、待ち合わせ中、チラシ配りからもらったものだ。

『あなたの願いをかなえます!』

そんな(うた)い文句と奇妙な魔方陣の描かれたチラシだ。

そういや、このチラシの魔方陣は床の巨大な魔方陣と同じ模様だ。

「これ、私たちが配っているチラシなのよ。魔方陣は、私たち悪魔を召喚するためのもの。最近は魔方陣を書くまでして悪魔を呼び寄せる人はいないから、そうしてチラシとして、悪魔を召喚しそうな人間に配っているのよ。お得な簡易版魔方陣。あの日、たまたま私たちが使役している使い魔が人間に化けて繁華街(はんかがい)でチラシを配っていたの。それをイッセーが手にした。そして、堕天使に攻撃されてイッセーは死の間際、に私を呼んだの。私を呼ぶほど願いが強かったんでしょうね。普段なら眷属の朱乃たちが呼ばれているはずなんだけれど」



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第19話人間、やめました。18

あのとき、イッセーは光の槍に貫かれて………強く思った。

手が血に(まみ)れたときに紅を思い浮かべたんだ。

『リアス・グレモリー』という、紅い髪をした女の子を強く(ほっ)した。

「そうか、じゃあ、あの夢いや、あの出来事の最後に現れた紅い髪の人はやはり先輩だったんだ。」

「召喚された私はあなたを見て、すぐに神器(セイクリッド・ギア)所有者で堕天使に害されたのだと察したわ。問題はここから。イッセーは死ぬ寸前だった。けれどあなたの傷は何故か治癒されていたのよ人として甦るだけではなく悪魔としてねイッセー何か特殊な能力あるかしら?」

「俺自身が悪魔として甦たのか?

俺にそんな力俺にはないと思うけど?」

「そう

イッセー、あなたは私、リアス・グレモリーの眷属として生まれ変わったわ。あなた自信が私の下僕になったのよ」

「カイト俺あのとき何かしたかわかる?」

イッセーはおどおどしながら聞いてくる。

「………多分その籠手以外の神器(セイクリッド・ギア)の能力だと思うぞ」

イッセー、リアスが納得した。

実際は違う治癒したのはのはイッセーが持つ特殊な能力である事には違いではない。

今カイトが知っている能力は、因果を書き加えるという能力が持っているのが唯一イッセーが持つ究極神器(セイクリッド・ギア)

バッ!

その瞬間、イッセー以外の人間の背中から翼が生える。

堕天使とやらの黒い翼とは違う、コウモリのような翼だ。

 

ドラグーンの身リアス先輩とは異質な翼生えている。

漆黒な忌々しい翼に黒い霧が翼回りに出ている。

その羽を唯一持つのは死神の最上級の翼だ。

バッ。

イッセーの背中からも何かの感触が生まれる。

背中越しに見れば、イッセーの背中からも黒い翼が生えていた。

………マジか。

イッセーは思考に『俺、悪魔? 人間やめちゃったの?』

「改めて紹介するわね。祐斗」

リアス先輩に名を呼ばれ、木場がイッセーに向けてスマイルをする。

「僕は木場祐斗。兵藤一誠くんと同じ二年生ってことはわかっているよね。えーと、僕も悪魔です。よろしく」

「………一年生。………塔城子猫です。よろしくお願いいたします。………悪魔です」

小さく頭を下げる塔城子猫ちゃん。

「いちよう自己紹介いするぜイッセー

俺は銀牙櫂斗今後もよらしくまあ俺も悪魔だ

ドラグーンもゼットも悪魔だ」

「三年生、姫島朱乃ですわ。いちおう、研究部の副部長も兼任しております。今後もよろしくお願いいたします。これでも悪魔ですわ。うふふ」

礼儀正しく姫島先輩は深く頭を下げる。

最後にリアス先輩。紅い髪を揺らしながら堂々と言う。

「そして、私が彼らの主であり、悪魔でもあるグレモリー家のリアス・グレモリーよ。家の爵位(しゃくい)公爵(こうしゃく)。よろしくね、イッセー」

どうやら、俺はとんでもないことになってしまったようだ。



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第20話悪魔、はじめました。

「うおおおおおおおおおおおおおおお!」

イッセーは深夜、ドラグーンの右羽を腕にして握りしめて運んでくれている。

ドラグーンの今回の仕事はイッセー見届け約だ。

チャリより早いがドラグーンの速度でいごいてる為風がすごく痛い。

「どどどどドラグーン風が痛いし息が出来ないからもう少し速度弱めてくれ頼む」

イッセーの目には視界なんてうっていなかった。

それをかづいたドラグーンはいっきに速度弱めた。

その瞬間イッセーは息をやっと出来た感じだ。

「はあはあはあこんなところで死にかけたぞ」

イッセーはドラグーンに怒り込めっていうがドラグーンはわりて即答で返してきた。

理由は簡単。

チラシ配りだ。簡易版魔方陣。

欲のある人間がこのチラシを手にとって願いを込めると、俺たちが悪魔がババンと召喚される仕組みだ。

手に持った携帯機器を見る。モニターには周囲の町マップが表示されていて、赤い点が点滅していた。

そこに向かってドラグーンが超高速で飛びイッセーは叫ぶ。

点滅していた場所、誰かの家に着くと、ポストへチラシを投函(とうかん)する。

そして、再び近くの点滅している箇所へ移動。

これを繰り返す。

とにかく、繰り返す。

「どどどどドラグーン早いからもう少し遅めてー」

そんな絶叫はドラグーンに聞こえようがきこえないようがこいつには『遅める』概念が存在しない。

イッセー、ドラグーンは公園で休憩中

「てめえ俺の声聞こえているよなあ

絶対聞こえているよなあ」

イッセーの足はぶるぶるに震えている。

もう精神的に限界越えている。

「くっはっはははは」

「何が面白い?」イッセーキレながら言う。

「すまんすまん面白いからなんとなくいじりたいだけだ」

こいつたまあにドSか思うぐらいだ。

でもドラグーンの普段はドSではない。

「イッセーそろそろ休憩終えて続きでもやるか?」

「………」

「やらないと終わらんぞ?」

「わかったーよやればいいんたよなあ?」

イッセーはドラグーン羽に掴みもう一度空の旅出掛けた。

あの日、イッセーが悪魔だと認識した日に時は(さかのぼ)る。

イッセーが神器(セイクリッド・ギア)所有者であり、夕麻ちゃんが、堕天使であり、リアス先輩が悪魔だとわかった日だ。

ちなみに悪魔の翼は、あのあとすぐにしまった。日常的には邪魔なシロモノだからな。

慣れてくると飛べるようになれるらしい。「翼を動かすという新しい感覚が気持ち悪いのですが………。」

いかんせん、背中から翼が生えるというのはちょっと衝撃的だった。



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第21話悪魔、はじめました。1

「私のもとに来ればあなたの新たな生き方も華やかになるかもしれないのよ?」

悪魔になったことで軽く頭を抱える俺に、リアス先輩はウインクしながら言ってきた。

どうにもイッセーは、リアス先輩として転生させられた代わりに、彼女の下僕として生きていかないといけなくなったらしい。

そういうものなのだそうだ。

人間から悪魔に生まれ変わった者は必然的に転生してくれた悪魔の下僕として生きねばならない。とかいう、悪魔のルール。

がイッセーの場合はイッセー自信がリアス先輩に転生を望んだ普通ならありえないが今回は奇跡おきてイッセーは悪魔として転生出来た。リアスはイッセーに自分の下僕として悪魔の契約させた。

そんな。イッセーが下僕………。美女の下僕も悪くないかもしれないけど、それでも納得できないものもある。

「てもね、悪魔には階級があるの。爵位っていうのがね。私ももっているわ。これは生まれや育ちも関係するけど、成り上がりの悪魔だっている。最初は皆、素人だったわ」

「どこぞの学校のCMみたいなことを言わないでください! つーか、本当ですか?いまいち信用できない」

文句を垂れるイッセーは先輩は何やら耳打ちしてくる。

そこの中には櫂斗も入っている。

文句を垂れるイッセーに、先輩は何やら耳打ちしてくる。

紅い髪から良い匂いがするぜ。脳が麻痺しそう。あ、これが魔力?

「やり方しだいでは、モテモテな人生も送れるかもしれないわよ?」

っ。

その一言が脳内を駆け巡る。

「どうやってですか!?」

心中で想うよりも先にそんな言葉が出た。

スケベ根性、ここまでくれば大したもんだ。

いや、これからして先輩の魔力なのかもしれない。テンションが無駄に高いと自分でも思った。

純粋(じゅんすい)な悪魔は昔の戦争で多くが亡くなってしまったのよ。そのため、悪魔は必然的に下僕を集めるようになったの。まあ、以前のような軍勢を率いるほどの力も威厳(いげん)も消失してしまったけれど。それでも新しい悪魔を増やさないといけなくなった。悪魔にも人間同様に性別はあるから悪魔の男女の間に子供は生まれるわ。それでも自然出生で元の数に戻るには相当な時間がかかってしまうの。悪魔という存在は極端(きょくたん)に出産率が低いから。それでは堕天使に対応できない。そこで素質のありそうな人間を悪魔に引き込むことにしたわけ。下僕としてね」

「やっぱり、下僕じゃないですか」

「もう、そんな残念な顔しないで。話はここから。ただそれでは下僕を増やすだけで力のありそうな悪魔を再び存在させることにはならない。だから、悪魔は新しい制度を取り入れたわ。力のある転生者つまり、人間から悪魔になった者にもチャンスを与えるようになったのよ。力さえあれば、転生者でも爵位を(さず)けようと。そのせいもあって、世間に割と悪魔は多いわ。私たちみたいに人間社会に潜り込んで行動している悪魔も少なくないしね。イッセーも知らず知らずのうちに悪魔と町中ですれ違っていたと思うわ」

 



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第22話悪魔、はじめました。2

「悪魔ってそんなに身近だったんスか!」

「ええ。もっとも、認知できる者とできない者がいるわ。欲望が強い者や悪魔の手でも借りたいほど困っている人間は悪魔を強く認識しやすいわね。そういう人たちに魔方陣つきのチラシを配ると私たちは召喚されやすいのよ。悪魔を認知できても、先ほどのイッセーのように私たちの存在を信じない者も多いけれど、魔力を見せれば大抵は信じるわ」

なんと! 俺が死ぬ間際に先輩を召喚したのは欲望が強かったからなのか!

しかし、悪魔社会も変革ですか!

そりゃ大変ですが、この際、その辺の政治はどうでもいい。

そうか、ってことは俺でも!

「じゃ、じゃあ! やり方しだいでは俺も爵位を!?」

「ええ。不可能じゃないわ。もちろん、それ相応の努力と年月がかかるでしょうけど」

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!」

イッセーが叫んでいた。部室で。

「マジか! 俺が! 俺がハーレムを作れる!? エ、エッチなこともしていいんですよね!?」

「そうね。あなたの下僕にならいいんじゃないかしら」

リアスがそう言うとイッセーの中で雷が落ちる。

バカな。

そんなことが可能なのか!?

現実社会じゃ、人間のままじゃ、ハーレムなんてなかなか作れません。

タダの人間のイッセーじゃどんなにがんばっても女の子の群れを作るなんてことはできないだろう。

だって、現在が酷い有様だ。

彼女の一人もいない。いや、いたけど、元カノに殺された。

だが、いまなら! いまなら!

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!悪魔、最高じゃねぇか!何、これ! 何、これ! チョーテンション上がってきたよ! いまなら秘蔵(ひぞう)のエロ本も捨てられ」

そこまで言い、イッセーはしばし考え込む。

「いや、エロ本はダメだ。アレはダメだ。俺の宝だ。お袋に見つけられるまではやっていける! それとこれは別だ。うん、別だ!」

「フフ。おもしろいわ、この子」

「カイト先輩 カイト先輩」子猫ちゃんがカイトの裾を引っ張り視線を注目させた。

「ん? どうしたの子猫ちゃん?」

「カイト先輩の『知り合いてだいたい変態』ですか?」

カイトは子猫ちゃん質問に今まで事を考えた………結果ほとんど『変態級個性だと』わかった。

「子猫その質問は返す言葉がない」

「………そうですか」

リアス先輩が本当におかしそうに笑う。

「あらあら。部長が先ほどおっしゃっておられた通りですわね。『おバカな弟ができたかも』だなんて」



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第23話悪魔、はじめました。3

うふふと姫島先輩もにこやかに笑う。

あはは、さりげなくイッセーに酷いことを言っているよね。

「というわけで、イッセー。私の下僕ということでいいわね? 大丈夫、実力があるならいずれ頭角を現すわ。そして、爵位ももらえるかもしれない」

「はいリアス先輩!」

イッセーは素直にリアス先輩と言った。

「違うわ。私のことは『部長』と呼ぶこと」

「部長ですか? 『お姉さま』じゃダメですか?」

と、調子のいいことを言ってみる。

一度欲しかったイッセーの『お姉さま』。百合展開(ゆりてんかい)でもないのに年上の美女を『お姉さま』と呼びたい欲求を男子なら誰でも持っているはずだ。

リアス先輩は真剣に悩んだあと、首を横に振った。

「うーん。それも素敵だけれど、私はこの学校を中心に活動しているから、やはら部長のほうがしっくりくるわ。いちおう、オカルト研究部だから。その呼び名でみんなも呼んでくれているしね」

「わかりました! では、部長! 俺に『悪魔』を教えてください!」

イッセーの言葉に先輩部長は小悪魔な笑み浮かべる。心底うれしそうだ。

「フフフ、いい返事ね。いい子よ、イッセー。いいわ、私があなたを男にしてあげるわ」

部長の指がイッセーのあごをなでる。

お、お姉さま! イッセーのお姉さまだ!

この人のもとでイッセーは悪魔として覚醒する! いや、成り上がる!

いいじゃないか!

どうせ、人間には戻れないんでしょう? なら、このまま突き進むだけだ!

以外にもすんなり状況を受け入れてしまうイッセーがいた。

バカらしいかもしれないが、まあ、そういうこともあるんじゃないだろうか。と納得してみる。

というよりも、それ以上にスケベ根性が機能全開だった。

テンションが無駄に上がっていたせいもあるだろう。

エロで動く男子で良かった!

うじうじと自分の新たな世界を思いなおすよりもいまを生きてやろうじゃないか!

「ハーレム王に俺はなるっ!」

「じゃあ、俺は史上最強の神器(セイクリッド・ギア)使いになるっ!」カイトはイッセー風に言ったら即子猫ちゃんに「カイト先輩はもう存在自体が最強だと思います………」

「ありがとうね子猫ちゃん」カイトは子猫ちゃんの頭を優しく撫でた。

「カイト先輩の撫で方好きです」

冷静にこのときを振り返ってみれば、イッセーは部長の魔力とやらに脳をやられていたのだと思う。

ま、それでもいいかな。

ハーレムだもんな。ハーレム作れるって、やっぱりスゴイよ。

こうして、イッセーはオカルト研究部の末席に名を(つら)ねることとなった。



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第24話悪魔、はじめました。4

投稿遅れました ⤵⤵


そして、悪魔人生開始から数日。

イッセーは夜中、ドラグーンに連れて絶望の叫びを大声叫んでいる。

あれから、イッセーはリアス部長の下僕となり、日々汗を流している。

まず、集まりは旧校舎の部室。そして時間は深夜。

これは夜のほうが悪魔としての力が発揮できるからだ。

夜、イッセーの体に(おとず)れていた得体の知れない力は悪魔のものだった。

悪魔だからこそ、闇の世界になると力が増大(ぞうだい)する。なんとも素敵なものだ。

おかげで朝に弱くなったのも悪魔のせい。悪魔は光を嫌う。光の力が強ければ強いほど、体に悪いそうだ。

光は毒。

部長はそう教えられた。

カイトは根性で耐えろと言われた。

光を武器にする堕天使、そして天使は悪魔の天敵(てんてき)だそうだ。会ったら逃げろと言われた。

でも慣れれば朝の日差しぐらい平気になれるらしい。

イッセーが朝苦手だったのは、それにも悪魔として転生した初めの頃は朝の光に慣れていないから。

もうしばらくすれば、それにも慣れるって話だ。

イッセーは悪魔になって少しの間放置されていたのは、自分の変化に自分で気づいて欲しかったかららしい。

頃合いをみてイッセーを呼び寄せ、真相を話す予定だったと言っていた。

それがスーツの堕天使に狙われた日だったわけだから、運命を感じる。

何はともあれ、イッセーは悪魔として、リアス・グレモリーの眷属(けんぞく)悪魔としてがんばっていた。

イッセーは悪魔になって日が浅いため、まずは悪魔社会の仕組みを勉強しなくちゃいけない。

下積みとして、こうやってチラシ配りを夜中にやっているわけだ。

夜中に動くと両親が心配しそうだが、カイトの父親が話つけていた『カイトの父親は悪魔社会の事知りながらそれをサポートしてくれている。』

確かに父さんも母さんもイッセーが仕事を終えて、夜中に帰ってきても怒らない。

うーん、部長の魔力すごい。

すごいと言えば、一番驚いたのが学園に(およ)ぼしているカイトの一家の組織『ロード・オブ・ナイト』の圧倒的な権力だ。

俺たちが通う駒王学園は今の所有権があるのはカイトだがその主リアス・グレモリーの領土なっている。

そのため学園の裏の支配者らしい。

学園のお偉いさんも悪魔と関係がある者らしく、グレモリー家に極一部頭が上がらないようだ。

つまり、あの学校ほぼカイトの父親の私有物ということになる。

夜中に学園へ集まれるのもこれのおかげだ。

と、話はお仕事に戻る。

リアス・グレモリーの眷属を呼び出す魔方陣が描かれたチラシを、部長からいただいた謎の機器で選ばれたお家のポストへ投函する毎日。



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第25話悪魔、はじめました。5

今日の文の投稿


手に持っている機器は、悪魔の科学が生んだ秘密道具らしい。

最近の携帯ゲーム機のような形だ。モニターがあって、ボタンがある。そしてタッチパネル形式だ。タッチペンも機器に付いている。

イッセーは教えてもらった操作方法通りに機器を操っていた。

モニターにはイッセーが住む町部長の『縄張り』マップが表示される。

悪魔ごとに人間界で活動のできる範囲が決まっており、その領域内(りょういきない)でしか仕事ができない。

仕事つまり、召喚され、契約を結んで、相手の願いを叶えることだ。

代償として、それ相応の代価をいただく。お金だったり、物だったり、時には命ももらうらしい。

まあ、最近は命を払ってまで強い願いを()う契約者は出てこないって話だ。

出たとしても代価が願いと釣り合わず破談となる。

部長曰く、『人間の価値は平等じゃないわ』だそうだ。

うん、厳しいね。

で、モニターのマップで点滅しているところが欲張りな人間が住むお家だ。

イッセーはそこに向かって移動して、例の魔方陣付きチラシを配る。

点滅が続く限り、イッセーの夜の絶望の高速移動は終らない。

悪魔となったため、他の人間、特に警察にも認知されなくなった。どうやら、イッセーはすでに悪魔として活動しているため、お仕事中は人間に存在を認識されないようだ。

しかし、毎日毎日ドラグーンの高速空中運びを続けているモニター上の点滅が尽きることはない。

それだけ人間ってのが欲深い存在ってことなのかな。

一度願えば、癖になって再び俺たち悪魔を呼び寄せるらしい。

契約は基本的に夜間限定。悪魔が行動を許されている時間は夜だけだからだ。

昼間は天使や神様の時間らしい。その辺、まだよくわからん。

チラシは一度しか使えないから、使用されたら、再びポストに投函しないといけなくなる。

つまり、イッセーの下積み作業は永遠に繰り返されるってことだな。

まあ、そのおかげでリアス部長たちは悪魔として活動できて、お仕事も尽きない。悪魔として活動できて、お仕事も尽きない。悪魔としてのポイントを着実にたかめている。

何度も契約を取って願いを叶えれば、悪魔の王から評価されるんだそうだ。

なるほど 仕事をしまくれば、王様から爵位をもらえるかもしれないわけだ!

大きな仕事を取れば取るほどいいらしい。

取りたい!

イッセーも契約取りたい!

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!! 早く女の子に囲まれたいぃぃぃぃぃぃッ!」

今は我慢して下積みだ!

………って、いつまでやればいいの?



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第26話悪魔、はじめました。6

ある日の放課後。

イッセーは悪友二人に別れを告げて、一路旧校舎へ向かっていた。

そもそも、あのチラシ配りは元々部長の使い魔がやっていたことらしい。

ネズミやコウモリやらを使役(しえき)している先輩をそれを人間っぽくばけさせて、イッセーのようなチラシ配りをさせていたようだ。

それらは昼間問わずやっていたという。

イッセーにわざわざやらせていたのは、悪魔の仕事を一から教え込むため。

これは、カイトたちもやっていたことだ。

木場、カイト、ドラグーン、ゼット、『神の集団』、『性格が魔王』、城塔小猫ちゃん、姫島先輩もリアス部長の下僕悪魔。イッセーの先輩に当たる。

彼らも下積み経験しているんだな。人に歴史ありだ。あ、人じゃなくて悪魔か。

どうでもいいことかもしれないが、城塔子猫ちゃんちゃんのことを『小猫ちゃん』、姫島先輩のことを『朱乃さん』と呼んでいい了承を本人たちから得ていた。

同じ部員として一歩前進。

ふふふ、松田、元浜の前で堂々と彼女たちを名で呼んでやった。悔しがる奴らの表情は最高だった。

松田たちにイッセーのことを話していない。話したところで信じないだろうし、こちらの世界へ不用意に足を向けるのは大変危険だと思う。

イッセーだって、一度死んだわけだし、奴らまで巻き込む必要はない。

で、木場は木場のままだ。イケメン死ね。そとれカイトも一緒に死んでくれ。

誰が『くん』付けで呼んでやるものか!

そして、今日、イッセーは部室に呼ばれていた。

通いなれてきた旧校舎に入り、二階の部室を目指す。

「入りまーす」

そう言って入ってみると、すでにイッセー以外のメンバーがいた。あらら、イッセーが最後か。

床に点々としているロウソクの灯りだけしかない。

「来たわね」

イッセーを確認するなり、部長が朱乃さんに指示を送る。

「はい、部長。イッセーくん、魔方陣の中央へ来てください」

手招(てまね)きしてくる朱乃さん。

美女の手招きありがとうございます!それだけでご褒美です。

イッセーは魔方陣の中央に立った。さて、何をするんだ?

「イッセー、あなたのチラシ配りも終わり。よくがんばったわね

ドラグーンも補佐よくがんばったわね」

ドラグーン何かつまらなそうな顔している。

イッセー的にはあの絶望恐怖の高速移動が終わってやっと喜びの顔していた。

笑顔の部長。そうか、イッセーのチラシ配り終わりか。

「改めて、あなたにも悪魔としての仕事を本格的に始動してもらうわ補佐にはゼットよろしくね」

「わかりました部長」

ゼット普通に答えた。

 

 



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第27話悪魔、はじめました。7

「部長なぜ俺がゼットと一緒に契約取りなんですか?」

イッセーがリアス部長に質問するが「今回はイッセー初めてだから、ゼットの補佐として着いてもらうわ

レベルの低い契約内容からだけれど。小猫に予約契約が二件入ってしまったの。両方行くのは(むずか)しいから、片方はイッセーとゼットに任せるわ」

「………よろしくお願いいたします」

ペコリと頭を下げる小猫ちゃん。

「わかったよ塔城小猫イッセーの補佐だけど何とかやるよ」

「………あいからずですねゼット先輩は」

「俺はいつも通りだ」

「………そうですか?」

小猫ちゃんの代わりか。それでもいいさ。

チラシ配りに少し心が潰されかけた特にあの『超絶級高速移動』がな

夜中にドラグーンの高速移動でポストにチラシを投函する日々が、以外にもイッセーの心と精神を潰す『黒い死神』がいる。

他の部員は魔方陣の外に出ている。魔方陣中央の朱乃さんが何やら

詠唱(えいしょう)していた。

魔方陣が青白く(あわ)い光を発している。

「あ、あの………」

「黙っていて、イッセー。朱乃は、いまあなたの刻印を魔方陣に読み込ませているところなの」

と、部長に言われる。

ほう、イッセーの刻印。この部室の床に書き込まれた魔方陣は『グレモリー』を表すものらしい。

俺たち、部長の眷属悪魔にとってこの魔方陣は家紋のようなものだと教えられた。

つまり、召喚する者、契約を結びたい者にとって、これが俺たちを表す記号となる。

魔力とやらの発動もこの魔方陣を(から)めたものになるようだ。

木場やカイトたちの体にはこの魔方陣が大小各所に書き込まれており、魔力の発動と共に機能しだす。と説明された。 

イッセーの体にも書き込んでもらおうかと思ったが、悪魔に成り立ての頃はまず魔力のコントロールから始めないといけないらしく、魔方陣を絡めてた超常現象的(ちょうじょうげんしょうてき)な魔力はまだまだ先の話だそうだ。

と、思っていたのだが。

「イッセー、手のひらをこちらに出してちょうだい」

部長に言われるまま、イッセーは左手の手のひらを部長へ向ける。

部長は、イッセーの手のひらに指先で何かをなぞっていた。これはお呪い?

丸っぽいのを描いてた気がするけど………。

瞬間、手のひらが光だす。

イッセーの手に円形の陣、魔方陣が書き込まれていた。

青白く光る。

「おおっ、魔方陣!」

「これは転移用の魔方陣を通って依頼者のもとへ瞬間移動するためのものよ。そして、契約が終わるとこの部屋に戻してくれるわ」

「おー、なるほどこ、これにそんな効力(こうりょく)があるのか。」



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第28話悪魔、はじめました。8

「朱乃、準備はいい?」

「はい、部長」

朱乃さんが魔方陣の中央から身を引く。

「さあ、中央に立って」

(うなが)されて、イッセーは魔方陣の中央に立った。

すると、いっそう強く魔方陣が青く光る。

なんだか、力を感じるぞ。この魔方陣に触れていると、体の内側から力が(あふ)れてくる。

これが『眷属』の特典ってやつなのか。

「魔方陣が依頼者に反応しているわ。これからその場所へ飛ぶの。到着後のマニュアルも大丈夫よね?」

「はい!」

「いい返事ねイッセー。

ゼット、イッセーの面倒よろしくね。」

「わかりました」

「行ってきなさい!」

「テンション上がってきた!

俺の初仕事!絶対に無事完遂してみせるぜ!」

「大丈夫だお前の魔力じゃあ、転移は、できねぇからぁ」とゼットは小さな声でぼそぼそとつぶやいた。

「何か言ったかゼット?」

「いや、ただの独り言だから気にするなイッセー」

「そうかならいいけどなぁ」

魔方陣がさらに光だす。「いよいよ瞬間移動か。」

「………」ゼットは無言で、見ていた。

最大級の光がイッセーとゼットの体を包む。イッセーは眩しさに目をつぶった。次に目を開けたときは依頼者のもとだ! 「くー! 楽しみだ!」

そしてイッセーの体の深奥。

紅蓮の炎の世界に一人の少女がいた。

赤い髪に赤い瞳。

赤いワンピース着ている。

「悪魔風情が我の王を愚弄(ぐろう)する者は『ウロボロス』、『グレートレッド』だろうと許さんぞ愚かな存在がー」

赤い少女が怒ると世界歪んだ。

一気に魔方陣が破壊された。

瞬間移動を

……………。

……………。

ん? んん?

あれ? 移動したの? 完了?

恐る恐る目を開けてみる。

部室だ。

部室内はあらゆる場所が何故か(黒い炎)で燃えている。

「部長たちはいごかないで下さい」

「………何が………起こったなの?」

リアスがいきなり起こった事で理解が到底できていなかった。

木場、小猫ちゃん、朱乃さん理解できない。

この場でゆういつ理解できるのはカイト、ドラグーン、ゼットの身だ。

数十分かけて(黒い炎)の消火し終えていた。

あれ? 瞬間移動は? 依頼者さんは?

見れば部長の表情がほぼ無にちかった。

朱乃さんは『あらあら』と残念そうな表情。

木場の野郎はため息をついていた。なんかムカつくがイッセーに何が起きた?

カイトは何か暗い表情。

ゼット、ドラグーンはにやにや笑っている。

「イッセー」

部長が呼ぶ。

「はい」

「あなたに何者かに邪魔された可能性が高いわ」

「その何者てなにですか?」

「カイトなら何か知ってるでしょ『お姉さま』から聞いてるでしょ?」

「まあ知っているけどその正体は『紅の王』がイッセーの肉体に宿っているぐらいなら知っているけどそれより詳細は知らん」

「『紅の王』」カイト、ドラグーン、ゼット以外初耳した顔している。

「イッセー話を戻すけど

残念だけど、あなた、魔方陣を破壊してこの部室を焼いたの」

 



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第29話悪魔、はじめました。9

「ん? それ、どういうことですか?」

怪訝な表情を浮かべているイッセーに先輩が先輩が説明をしてくれる。

「魔方陣は一定の魔力が必要なわけだけど………。これはそんなに高い魔力を有するものではないわ。いいえ、むしろ悪魔なら誰でもできるはず。子供でもね。魔方陣ジャンプなんて初歩だもの」

「でもあの『力』は魔力感じたまるでイッセーを『守る』力をでもあの魔力量なら下手したら魔王級(まおうクラス)の力がこの子にあるの?」リアスは頭の中でそう思った。

「ど、どういうことでしょうか………?」

「つまり、イッセー、あなたの魔力がない場合子供以下。いえ、低レベルすぎて、魔方陣が反応しないのよ。イッセーの魔力があまりにも低すぎるの逆の場合は魔王並の魔力以上かもしれないわ」

「なっ。

なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!?」

「な、なんじゃそりゃぁぁぁぁぁ!?」

絶句するイッセー、笑うドラグーン、ゼット。

「えぇぇぇぇ、じゃあ、俺って魔力があるかないかわからない状況だから魔方陣を使って依頼者のもとへ行けるかもからないてことですか?

悪魔ですよね? 俺、悪魔ですよね?」

「………無様」

小猫ちゃんが、無表情でぼそりと言う。痛烈(つうれつ)な打撃だぜ、小猫ちゃん。

「あらあら。困りましたわねぇ。どうします、部長」

朱乃さんも困り顔で部長に訪ねている。

「うおっ。俺の悪魔出世街道は初っ端(しょっぱな)から波乱だぜ………。」

しばし考え込んだ部長はハッキリと言い渡してくる。

「依頼者がいる以上、待たせるわけにはいかないわ。ゼット」

「何ですか部長?」

「イッセーを現場まで連れていって」

「わかりました。」

「ゼットが連れててくれるのか?」

「まあバイクだけどなぁ」

「お前バイク持っているのか?」

「いちようカスタム済みけどなぁ」

驚愕するイッセー。それは予想外のお答えでしたよ、部長!

「ええ、チラシ配りと同様に誰かと行動して、依頼者宅へ(おもむ)くのよ。仕方ないわ。魔力がないんだもの。足りないものは他の部分で(おぎな)いなさい」

「ドラグーンの高速移動ですか!? そんな悪魔存在するんですか!?」

ビシッ。

無言で小猫ちゃんがイッセーを指差す。小猫ちゃぁぁぁぁん、キミ、イッセーの心を抉りに決まってくれるねぇ………。

「ほら、行きなさい! 契約を取るのが悪魔のお仕事! 人間を待たせてはダメよ!」

急かす部長。顔は真剣だ。

「うぅ俺の出世街道は出鼻から(くじ)かれた!」

「う、うわぁぁぁぁぁん! がんばりますぅぅぅ!」

イッセーは涙を流しながら、部室をあとにした。



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第30話龍神皇その1

白い世界

紅蓮の龍がそこにいた。

魔方陣使って人の姿になった。

黒い髪で浴衣着ている。

その男はかつて『宮本武蔵』の英雄の初代の肉体だ。

「てめぇなんのようだニルヴァーナ」

赤い龍が怒りながら言う。

「紅蓮の龍神皇バーニングのあんちゃん昔焼き払った裏京都どうおもうかねぇ」

ニルヴァーナはおんわんにおっさんぽく言う。

「裏京都何千万前の話だ?」

ニルヴァーナは白い龍している。

「いや二千年前の話だ」

「…………………………ああ思い出したぜ(まい)あの狐のことだろう?」

「まあそうだな」

「それがどうした今の俺の主は銀牙櫂斗だそれが今になってが俺に関係がある?」

「バーニング本当に忘れたのか?」

「舞はお前の禁忌の力を使った少女のことだ?」

「……………!?」

「思い出したか?」

「………ああ………舞は自分の娘を守る為に『異端の力』、『極限の皇』発現したクソ狐だ。

それに俺が使うなて言った究極奥義使った

『神帝皇』のことだろう?」

「まあな」

ニルヴァーナが答える。

「ついさっき姫島神社からアニマ・バハムートを持ち出した者がおる」

「それに冥界の若僧たち我ら究極神器2種類目の兵器の『デウス・エクス・マキナ』の事を知っているか?

バーニングお前はゼロと共に一緒に旅したなかだからな」

「知っているけどあやつは才能あるかない決まっている奴だとくに『ペンドラゴン家』繋がる最悪な神器だがそれがどうした?」

「昨日俺の友のアルカナ・フェニックスが大臣共に捕まった何とかならない?」

アルカナ・フェニックスとは旧魔王の血筋だ特に魔王武装の血の魔剣(ブラッド・ソード)持っている。

「なぜ助ける?」

「バーニングには助ける理由必要なの?」

「………わからねぇ」

「今の君の主はどうなの?」

「あいつは自ら首突っ込んでいく愚かな者………でもあいつは自分の血筋魔王の血があろとないと関係ないと思う

それであいつの仲間その性格知っているから一緒にいるだと思う」

「………そう

あの娘も?」

「そうかもな」

「……………」

「……………」

「そろそろアルカナ助ける為に冥界に行くよ」

「そうか

現魔王はどうする気だ?」

「殺さないよ僕はアルカナ助けるだけだよ」

ニルヴァーナ言って空に飛びたった。

「俺の本来の力発動条件がペンドラゴンの力か、

カイトお前は禁忌使っても勝つ愚かな存在?

それとも魔法使いの力合わせた新たな可能性力どっちを選ぶ」

バーニングは空見ながら微笑んでいた。

現在。

白い狼カイトの使い魔の『桜花』だ伝説最強のフェンリルだ。

桜花は心の綺麗な人には攻撃しない。

「桜花今日もアザゼル見張りよろしく」

「キッルルル」あまえながら唸った。

 

 



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第31話悪魔、初仕事

今回はゼットのバイクで神速で走り去る。

目元は涙で濡れている。泣いた。ああ、泣いたさ。

魔方陣から召喚されない悪魔。それがイッセー。前代未聞らしいですよ、奥さん。

おかげで涙が止まりません。

「魔力がないって、どういうことだよ! ちくしょう! こんなんでイッセーは爵位もらえるのか!?」

携帯悪魔機器で探りながら、イッセーを呼んだ人間のお家へ向かってゼットが運転するバイクで向かってつき進む。

学園から二十分の位置にあるアパート。ここの一室に依頼者がいるらしい。

デリバリーサービスなら、客にキレられてもおかしくない時間だよな。

普通は瞬間移動だ。ところが二十分以上客を待たせている。人間の商売なら店長に怒られるレベルだ。

その店長はイッセーに対して少しだけ困っていた様子だったけど。失望させたかな?

うーん、悪魔人生はムズいね。

コンコンとドアをノックする。

「こんばんは! 悪魔グレモリーさまの使いの者ですが、すみません! 召喚された方はこのお家ですよねぇ?」

イッセーはこれでいいはずだ思った。

ゼットはイッセーの後ろでくすくす笑ながら見ていた。

悪魔は契約したい人間にしか認知されない。イッセーが深夜こんなことしても、関係のない住民にとってみれば何事も起きていない。

いまの言葉も依頼者以外には感知されていないそうだ。悪魔のお仕事中は特殊な魔力が働くので、関係ない者には迷惑が及ばない。と、部長の説明より。

「だ、誰だ!?」

中から聞こえてきたのは、狼狽(ろうばい)している男性の声だ。

「えーと、悪魔です。新人ですけど、なんか、お呼ばれされたんでここまで来ました」

「う、嘘つくな! 玄関を叩く悪魔なんかいるもんか! 悪魔はこのチラシの魔方陣から出てくるだろうが! いままでの召喚ではそうだったはずだぞ! それに僕が呼んだのは小猫ちゃんだ!」

そりゃそうだ。

そこに謝ります。ゴメンなさい。

イッセーも部長たちも予想外の出来事なんだよ。

「あ、すみません。俺、魔力がてんで足りないみたいで魔方陣から出現出来ないんですよ」

「ただの変態なんじゃないのか!」

その一言にカチンと頭にきた!

「変態じゃない! 俺だって、知るもんか! いけるなら魔方陣から出てみたいわ! 何が悲しくて深夜バイクで送られた気持ちわかるか!」

「逆ギレするなよ、ど変態!」

「ど変態!? ふざけんな! 俺は悪魔だっつーの!」

「帰れ!」

ドアを開けて、文句を言ってくる依頼者。

痩せ型の男だ。不健康そうだよ。

怒り心頭の男性だったが、イッセーの顔を見るなり表情を緩和させる。

 



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第32話悪魔、初仕事1

がゼットが依頼者に黒い銃を向けた。

「君はなにするんだ?」

依頼者は銃口を向けられて恐怖心で支配されて何を言いたいかわかっていない。

「部屋に入れるか死ぬどっち選ぶか?」ゼットはそろそろ馬鹿な話聞くのが我慢の限界だ。

「はい………どうぞ」

依頼者はびくびくしながら部屋に案内してくれた。

「イッセー部屋に入っていいって入ろうか?」

ゼットは怖い笑顔で言ってくる。

「ゼットお前たまに怖いところあるよなぁ」

とイッセーはドン引きな声で言う。

「変態なイッセーに言われたくない」とゼット目を細めて言う。

森沢さんはゼットに脅迫されて強制的に部屋に案内させられた。

室内は小綺麗だ。一人暮らしの男性の部屋にしては、こざっぱりしている。

開けば、彼は昼間公務員をしているらしい。

真面目に働いていた森沢さんだが、人との触れ合いに餓えていたようで、例のチカラを見てついつい悪魔を召喚したんだそうだ。

「小猫ちゃんじゃないんだね………それで先ほどすみません」

森沢さんはまだゼットに恐怖あった。

為がゼットは部屋から出ていくことにした。

で、初めての契約を交わした小猫ちゃんに一目惚れし、それ以来彼女を呼ぶようになったそうだ。

「すみません、あの子、人気らしいんで。つーか、かわいい系の担当らしくて」

チラシに願いを込めるときに指名したい悪魔の名を呼べば呼び寄せることができる。

と、説明を受けたことがある。

今日に限って小猫ちゃんの仕事がイッセーに回ってきていた。

手が回らないときは担当者以外で手の空いている悪魔が訪れることもあるわけだ。

「ぼ、僕、かわいい系のお願いを契約チラシに願ったんだけど………」

「俺もかわいい新人悪魔ってことで、ひとつ納得してくれませんかね?」

「ハハハ! 無茶言うね、キミ! ここに祝福儀礼された銀作りの剣でもあったらザックリ切っちゃうところだよ!」

お兄さん、笑ってるけど目がマジだよ。

「ちなみにお訊きしますけど、小猫ちゃんを呼んで何を願うつもりだったんですか?」

イッセーの質問だ。イッセーでそのお願いは代用できないのか?

そんな想いは森沢さんが部屋の片隅から取り出してきたシロモノを見て儚くも散った。

「これを着させようと思って」

どこかの女子高生の制服だ。うーん、見たことあるような。ないような。

「これは短門キユの制服だよ」

「短門…………あっ!  暑宮アキノの」

イッセーでもそれは知っている。

暑宮アキノシリーズ。昨年話題になったアニメだ。

悪友と共に一時期鑑賞していたからな。主に女性陣を中心に。



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第33話悪魔、初仕事2

「悪魔くん、キミは短門が好きかい?」

「いえ、どちらかというと俺は夜水可子派です」

「理由は?」

「おっぱいです」

「っ」

迷いのないイッセーの一言に森沢さんは一瞬言葉を失う。

夜水可子『暑宮アキノ』シリーズのレギュラーキャラであり、グラマーな美少女だ。

「巨乳派かい?」

「はいおっぱいには夢が詰まってる。これは断言出来る」

森沢さんがふふふいやらしい笑みを見せる。

「いい目をしている。おっぱいには並々ならぬ熱意がありそうだ。なるほど、僕とは真逆の性癖のようだね。僕はね、貧乳キャラが好きなんだ」

「それもわかります。友人にそういうのがいますから」頭に浮かんだのは悪友のメガネ元浜。奴は生粋の変態だ。これも断言できる。

「うん。彼女、小猫ちゃんはなんというか短門に似ているだろう? 雰囲気とか。少しばかり背は足りないけど」

言われてみれば。小猫ちゃんは小柄だが、無表情キャラ、凹凸(おうとつ)が少ない体型、髪も短いし、それっぽいな。短門キユもそんな感じのキャラだ。

「だからこそ、これを着てほしかった。着てほしかったんだよッッ!」

森沢さんが悔し涙を流す。さぞ無念なんだろう。

よほど、着てほしかったんだな………。

「すみません。わかりました、俺が着ましょう」

「殺すぞ、この野郎!」

いった瞬間外で銃声が鳴り響くと森沢さんがまたびくと震えた。

イッセーの好意を遮って叫ぶ森沢さん、号泣しながらキレないでくれ。冗談だよ、冗談。

森沢さんは涙を拭うと、深呼吸して落ち着こうとしていた。

ふーっと大きな息をつくと、冷静さを取り戻したようだ。

「まあいいや。キミ、特技は何? 悪魔なら何かあるよね? こう不思議な力的なものが。ちなみに言うけど、小猫ちゃんは怪力が自慢だったよ。僕、お姫様抱っこされたもの」

自慢げに言う森沢さん。それは男としてどうなんですか?

ああ、女の子に持ち上げられることに興奮する男もいるだろうな。

つーか、特技か。うーむ。

イッセーは腕を組んでしばし考え、真面目に言った。

「特技はドラゴン波です」

「死んでしまえ」

「なっ! なんスか! その即答はないでしょ! しかもチョー殺意がこもってる!」

「こもりたくもなるわ! どこの世界にドラゴン波が特技の悪魔なんかいるんだよ!」

「ここにいるよ! こ・こ・・にぃ!」

イッセーは自身を指指して強調してやる。

「ならやってみろよ!」

「あーやってやるさ!」

イッセーと森沢は暑くなっていた。

一方ゼット

外で携帯液晶の時間みながら『遅い』と殺意こめながら言った。



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第34話悪魔、初仕事3

「撃てるもんなら撃ってみろってんだ! ドラグ・ソボール世代をなめるなよ。僕らが小学生の頃はね、毎週月曜日になったら学校の休み時間はドラゴン波さ。豪気玉を作るため、地球上の豪気だって無駄に集めた。なめるなよ、僕らの世代を!」

「うるさいっスよ! 直撃世代がなんだってんだ! 俺だって、全巻持ってんぞ! 特装版だって全巻初版で買ったわ! 悪友と公園で『気で探るかくれんぼ』ぐらいやったっつーの!」

売り言葉に買い言葉。

しかし、イッセーはキレたよ! あー、ぶちギレさ!

ならば、見せてやろう! 兵藤 一誠、渾身のドラゴン波!

神器(セイクリッド・ギア)を発動させる!

まずは目をつぶり、左腕を上にあげた。頭のなかで空孫悟を思い浮かべて………腕を下げながら、ドラゴン波のポーズを取る。

気合いを入れろ! くそ! 直撃世代、見てろよ! これがイッセーの渾身の一撃だッ!

「ドラゴン波ぁぁぁぁっ!」

カッ! 瞬間、左腕が光だす!

赤い籠手の神器が形成されていき、イッセーの左腕に装着された。

どうだ! これがイッセーの神器だ!

ぶわっ。

外では赤い光だした。

「馬鹿イッセーなぜ神器を発動する必要性あるのか?」

と呟いていた。

見返してやったと思い、森沢さんのほうを向くと彼は号泣していた。

本棚から、ドラグ・ソボール一巻を取り出してきた。

イッセーの手を取ると、熱い握手する。

「語ろうかッッ!」

ぶわっ。

イッセーの目からも熱い涙が溢れ出す。

その一言で十分だった。ドラグ・ソボールファンにとってこれ以上ない言葉だ。

「ええ。語りましょうッッ!」

長い夜が始まった。

この時のイッセーはのちの後あんな事になることいまのイッセーには理解できない。

「ハハハ。僕も思うよ。デルの声優さんは老本さんで本当によかった」

「ですよね。『これだ!』って思えますものね」

漫画を手に取りながら、二人で談笑すること二時間。

会話は進み、イッセーたちは歳の差をものともしない友達になっていた。

ふふふ。あんなに初見は最悪の印象だったのに、なかなかどうして、話してみるとこんなにも相性バッチリじゃないか。

「よーし、僕ってば、キミで契約とってみようかなー?」

「よっ! 大統領! ご使命ありがとうございます!」

よし! よしよしよしよし!

なんだかんだで初契約ゲットだぜ!

これから出世街道驀心してやる! イッセーの伝説が始まるんだ!

「定番だけど、お金持ちはダメかな?」

なるほど。それはメジャーで王道な望みだ。

「わかりました。ちょっと調べてみます」

イッセーは悪魔専用の携帯機器に電源を入れて、手早く操作する。

事柄を記入したら、答えが表示された。



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第35話悪魔、初仕事4

「あー、えーと、あなたの場合、それを願いにされると代価は命ですね。死にます」

イッセーは表示さるたことを棒読みしながら説明した。

「死ぬ!?」

「はいなんか、『人の価値は平等じゃない』が悪魔の格言らしいので、すみません。森沢さんの場合は金持ちの願いで死にます」

「ひ、酷く心をえぐられる物言いだけど、まあいいや。で、仮に願いを叶えたら、どこで死ぬの?」

「えーとですね。あ、大量の金が天から降ってきたところで死にます。手で触れることもできないようですね。これはヒドイ」イッセーは悪魔専用の機器でさらに調べると酷い事が表示されていた。

「ぐはっ! 札束でキミすらも殴れないのか!」

「いや、俺を殴らんでくださいよ」

うん、なんとも夢クラッシャーな展開だ。

そうか。やっぱり、森沢さんの人生では金持ちの願いは高嶺(たかね)の花なのね。

これが価値は平等じゃないってやつか。世知辛い世の中だ。

森沢はもう心が傷だらけになっていた。

悪魔の『価値』のせいでだ。

「じゃ、じゃあ、ハーレムは? 女の子いっぱいの酒池肉林が願いなら、どつなの!」

おおっ。そこに行き着きますか!

ちょっと感動。男だもんね。そういうの願っちゃうよね。

「森沢さん! 俺もハーレム大好きです! 男の夢ですよね! 最高だ! あんたとはいい酒が飲めるに違いないよ! 俺、未成年だけど」

イッセーは熱くなっていた。

「そんなのいいから、どうなの?」

森沢は代価がどうなるか気になって言った。

ちょちょいと機器を操作。あらら、この答えは厳しい。

「えっと、美女、美少女が森沢さんの視界に映った瞬間に死にます」

「見ただけで死ぬの!?」

森沢は『見た、視界』だけで死ぬ言われて驚いていた。

「いや、視界に映るってことなんで美女か美少女かわからないと思いますよ。」

「ひでぇな、これ。町で美女とすれ違うほうがまだマシじゃねぇか」

「うわぁぁぁぁっぁぁぁぁんっっ!」

突然青年森沢は泣き出す。

「僕って、そ、そんなに価値のない人間だったのか! う、うぅ、生まれてきてゴメンとしか言えないじゃないか………」

イッセーは森沢さんの肩を叩いて。

「今日は朝までドラグ・ソボールを語りましょう。バトルごっこしましょうか?俺が悟で森沢さんがフルータ。これで行きましょう」

涙を流しながら、森沢さんが頷く。

「はぁー朝までだと殺すぞイッセー」とゼットは大声で近所迷惑関係鳴く叫んだ。

「部屋出た時その首に首輪つけて死を与えてやろう

くっはっはははは」

憎悪に満ちた笑うゼットだった。



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第36話白龍、赤龍会談1

カイトは魔界の屋敷に転移した。

そこには何故かレックスがずたずた姿していて湖に落ちていた。

黒髪で赤いと瞳している。

 「レックス………お前何しているんだ?」

カイトは目を細めて言う。

レックスは立ち上がり湖から出た。

 「カイトお前、イッセー見張りだったか?」

 「まあそうだがそれがどうした?」

「てめぇ俺達は」

「そのことはわかってやがる『特務隊』だろう?」

特務隊とは魔王の命を従うことになっている。

「レックス一回死んだ時どうだった」

カイト聞く

「それはな黒い炎で焼き殺されたさ」

絶望の顔していた。

「そうか」

答えてカイト、レックスは園庭に向かって歩いていく。

そこには『ルシファーの刻印』が刻まれて土地別名ルシファー領土なっている今住んでいるのはカイトの母の身だ。

カイトの母親は純血悪魔だ。

園庭はサーゼクス、影乃、セラフォール、カイ、がもう椅子に座っていた。

赤髪に赤い瞳している。

彼の名前サーゼクス・グレモリー。

サーゼクスの後ろには茶髪の髪した影乃がいた。

「やあカイト君、レックス君来るのが遅かったねぇ」

笑顔で言うサーゼクス。

「白い雑魚に愚かな赤私たち魔王待たせるのが愚かな事だって理解している?」

影乃の笑顔よりも殺意を感じた。

「はい すみません影乃さん」

カイトは謝罪した。

「あんた達早いだけでしょう?」

レックスは逆に文句言った。

「そうレックス………いっぺん消滅してみる?」

「それて」最後言わせる前に

影乃は禁使った。

赤い鎧姿なった。

「モードブラスター」

赤い鎧に後ろに二本主砲が出現した。

放射(ファイヤー)

と放った砲撃は超高速でレックスに当たり消し飛んだ。

「カイトは正解だね

それでレックス私は間違いかね?」

影乃はレックスの塵向かって言う。

魔方陣現れて消滅した肉体元に戻った。

「すみませんでした」と土下座した。

影乃元の場所に戻った。

「カイト久しいな銀牙家の集まりぶりかな?」

カイが言う。

「違うカイ兄シトリー家集まり時だろう」

「そうかはっはははは」と笑う。

白い髪に赤い瞳している。

「カイト君いい加減御義理姉(おねえちゃん)と呼ばない?」言うセラフォールが言う。

黒髪で紫瞳している。

「その話また後日しましょうセラフォール様」とカイトは話を反らす。

カイト、レックスが椅子に座るとカイトの後ろに魔方陣現れた。

魔方陣から金色髪に赤い瞳で耳が長い。

彼女の名前ブラッド・ブランディ

カイトの女王(クイーン)だ。

「レックス先日の特務の黒龍型アギト討伐任務同だった?」

「そうだよあいつらと組んでだから予想よりも300年早く終わったて影乃さんが言った」



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