剣が舞う世界 (あんふぁんぐ)
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001 始まりの剣

初めての投稿です
誤字脱字やおかしな文があってもお手柔らかにお願いします!

※投稿後すこし行のあいだのスペースを増やしました。


「シャァァァァァァァァ」というモンスターの咆哮っと共に断末魔とポリゴンが砕ける音がした。

 

「ふぅ〜」と息をついたのは革の胸当ての軽防具を身につけ、大した装飾はないが確かな重さと鋭さを感じさせる美しい剣「ホーラスブレイド」を手に持った少年『フウヤ』である。

一層モンスターのリトルペネントからドロップした胚珠を拾い上げるとともに、ファンファーレの音楽とレベルアップという文字が目の前に浮かび上がった。

 

隣で

「レベルアップおめでとう」と言ったのは、小学校からの腐れ縁であるキリトだ。

 

たった1000人のベータテスターに選ばれ、確かな知識を身につけたおかげで彼らはデスゲーム開始とともに、この「ホルルンカの森」に駆け込んだ。

「お前の剣やっぱ強すぎね?」というキリト。

 

片手直剣を選択した二人は森の秘薬クエストを受け、報酬であるアニールブレードをメイン武器として使おうと思っていたのだが、道の途中にベータテスターの二人でも知らないモンスターが現れたのだ。

そのモンスター『フレームボア』という名の体の周りに火をまとったイノシシは、攻撃力は大して高くないものの、火を飛ばしてくる厄介な相手だった。

フウヤは危険度も高いし、フレームボアを避けて早くホルルンカに急ごうと言ったが、戦闘狂であるキリトが鼻をヒクつかせ、羨ましそうに眺めていたため仕方なく戦闘に付き合うことに。

 

厄介とはいえやはり一層のモンスターと言うべきか、ステータスが低いフレームボアは洗練された二人のコンビネーションの前には無力だった。

ソードスキル『バーチカル』でフレームボアを仕留めたフウヤの前に大量のゴールドとともに一本の美しい剣がドロップ

その剣を拾い上げてステータスを見た途端体が石のように固まったフウヤを見たキリトが我慢の限界に至ったのか

「な、なあ、フウヤ。俺にもそれ見してくれよ!」とフウヤにしがみついた。

「離れろ!俺は男に抱きつかれて喜ぶ趣味はない」と言いつつ、キリトにも渡すと、キリトも「ウグッ」という奇声を発して同じように固まってしまった。

 

ステータス的にはアニールブレードと対して変わらなかったホーラスブレイドだったが、アビィリティにドロップ増加Ⅱと少しではあるがAGI補正が付いていた。

問題なのはドロップ増加Ⅱの方で、なんとおっかなびっくりドロップ率2倍とドロップアイテムの量が確率で2倍になるのだ。

 

これは化ける、絶対に化けるやつだ。

 

思わずぐっと拳を握りしめてどや顔をしてしまったが、ばんざーいとと叫ばなかっただけでも、かなりいい方だろう、うん。

だってレアアイテムゲットしたらだれでもうれしいでしょうが!!

 

そうしてる間もキリトは固まっている。

 

「いくらほしそうな顔してもその剣はあげないぞ!」

「べ、別にほしくなんかないし!!」

「じゃあ、早くその手を離せよ」

「これはだなぁ、そのなんていうか手が剣にくっついてしまったからどうしようもなくてだなぁ。」

などと下らないやり取りを30分もの間していたのである。

 

その後、キリトのアニールブレードを取りに行くために、リトルペネントを狩りにいくのだが道中フウヤの顔がずっとにやけてたのは言うまでもない。

 

にやけるなって言われても俺もゲーマーだし!レア中のレアだからしょうがないんだぞ!!

 

という流れがあって今に至るのだ。

 

無事にクエストを完了させ、キリトはアニールブレードを手にいれた。

本来から喜ぶべきところなのだが、隣でフウヤがずっとにやにやしなからどや顔攻撃をしてくるので、キリトは頭を抱えていたのだった。

 

 

性格が悪いだって?あー、なんも聞こえないな~~

 




ぼちぼちのスピードで投稿していくつもりなので今後ともよろしくお願いします。


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002 あの日以前のの記憶

今回はフウヤ君の過去についてです
ちなみにフウヤと直葉は知り合ってて、キリトは直葉と仲の良いままという設定です。

※今回も投稿後、行の間のスペースを多くしました。
重ね重ねの訂正すみません!


森の秘薬クエストをクリアしたフウヤとキリトは宿屋に戻った。

ここの宿屋は町の掲示板のINNには書いておらず、知る人のみぞ知る穴場のような宿屋だ。(そう、原作でアスナのお風呂事件がおきたあの宿屋である)

 

この宿屋は宿泊費は安いだけではなく、寝室2部屋とお風呂付きで、すっっごいデリシャスなミルクも飲み放題なのだ。

俺(フウヤ)は風呂に関してもこだわりはないが、入浴後の牛乳はとても気に入ってる。

 

まじ三つ星あげたいぐらい美味いんだなこれが。

 

その後、キリトと明日の打ち合わせをして互いの寝室に向かった。

 

俺もはしゃいだせいで結構疲れたが、キリトに至っては打ち合わせ中半分寝てるし。

その後、キリトの部屋で『ガタン!!』と音がしたのは多分こけたのだろう。

あほかあいつ。

 

そんなこともあり、アイテムを整理した後ベッドに大の字でダイブしてまぶたを閉じるととすぐに眠りの波動が押し寄せてきた。

完全に意識が闇に飲み込まれる前に、俺はあの日のことを思い浮かべた。

 

 

俺が生きて帰ると誓ったあの日のことを。

 

 

 

 

ーー俺、フウヤこと加賀風哉は小さい頃からゲームにどハマりし、毎日学校から帰ってくるとランドセルを片付ける前にゲーム機を取り出すほどの根っからのゲーマーだった。

パソコンも使いこなせるようになり、小さい頃から電子部品を分解したり組み立てたりするようになった。

だけど俺はゲームだけしてた訳ではない。

 

もちろんゲームは大好きだったが勉強もしっかりやったし、外で友達ともサッカーするような明るい少年だった。

 

おい、そんなかわいそうな子を見るような目で俺を見るんじゃない。

本気で傷つくぞ。

 

 

まあ、気を取り直してゴホン...

俺の親は、礼儀や常識には厳しいものの、子供にたくさんのことを経験させようとする優しい親で、俺に愛情をたっぷり注ぎ込んだ。

 

そして、俺のはたから見たらはちゃめちゃだった生活に対しても「好きなことをやらせればいい」と肯定してくれただきでもなく、励ましさえしてくれた。

今思えば俺は素晴らしい親を持ったのだと思う。

 

俺がゲームにこんなにも熱中できたのは親のおかげだけではなく、隣の家に住む同じクラスの少年のおかげでもある。

いや、むしろほとんどがこいつのせいだ。

 

俺がこいつ呼ばわりしたキリト、本名桐ヶ谷和人は俺以上のゲーマーで中学に上がっては、休日はほとんど部屋にこもってパソコンの前に向かってるようなやつだ。

そんな奴がたまに外の空気を吸いに穴ぐらから出ていたのも俺とキリトの妹である直葉が無理やり外に連れ出していたおかげだ。

 

直葉ちゃんは活発で剣道は全国レベルと言うキリトとは真反対のような明るい子だったな。

あと、結構可愛い。

一応キリトも剣道やってたらしいが、あいつのことだからしょっちゅうサボっていたことだろうな。

 

俺は何かやってたのかって?

一応過保護な親の勧めで体術はやってたし、剣道もほんのわずかかじってたかな。

 

おかげで反射神経には自信があるし、体術の技術はSAOでも大いに役立っている。

 

俺とキリトが出会ったのは小学五年生のころだ。

同じクラスになった俺とキリトはゲームの話をするやいなや気が合い、よく互いの家で遊んだ。

 

中学校も同じ近くの公立学校学校に進み、あいつは俺の親友になっていた。

あいつにも色々助けてもらったりしているが、口に出していうとからかわれるので絶対に本人には言わない。

 

おっと、ツンデレとか言ってるやつ聞こえてるからな。

 

まあ、あいつとは長い間うまくやってきた。

 

そして、ある日。

 

「おーい、フウヤ。人類初の MMOVRPGのソードアートオンラインのβテストが遂に始まるらしいぜ。」

「俺もその記事ネットで見たけどまじですごいよな。でもβテストは抽選なんだろ?すごいやりたいけど倍率絶対めちゃくちゃ高いでしょ。」

「あまいな〜和人くんよぉ〜。俺のとうさんSAOの開発関係者だってのは知ってるだろ? それで二つ取り寄せてきてくれたんだ」

 

言ってなかったが、俺のとうさんはSAOの開発担当者の一人であり、俺にいつも自慢をしてくる。

 

「え!? まじのまじのまじ!!!?」と目を輝かせるキリト。

「そのまじのまじのまじだ」と言ってやるとキリトは無言で拳を握りしめて空に掲げた。

 

目にうっすら涙を浮かべてたのは気のせいだろう。

その後、直葉に挨拶を済ませて急いで帰宅し、ナーヴギアを装着した。

 

こうして俺とキリトはSAOベータテスターとしてゲームの世界に飛び込み、せっせと攻略に励んだ。

結局15層の途中でβテストは終わってしまったのだが...

 

そして、流れるようにサービス開始同時にこの世界に踏み込み、囚われた。

あの日、後悔もしたし、もしやってなかったらなどとも思った。

 

だけど、足を踏み出さなければならない、こうして俺とキリトは前に進んだ。

 

 

そういえば、幼馴染もいたな。

とっても可愛らしい子だったが、その子が引っ越してから連絡はきっぱり途絶えた。

 

 

名前は... 〇〇○だったっけ。

 

 

 

そして、俺の意識は闇に引きずり込まれた。

 

 

 

 




フウヤ君の幼馴染の名前はお楽しみに!!
観覧して下さってる方、今後もよろしくお願いします!


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003 ボス攻略会議

今回は一層ボス攻略会議についてです

アスナには妹がいて、名前はノアという設定です



「キリト早く走れ、遅れるぞ!」

「お、おい。まだ何も食ってないから腹が減ってるんだけど」

「お前が寝坊したせいだろ!!こっからトールバーナまで結構遠いんだからダッシュだ!」

「お前も俺と起きた時間あんま変わらないじゃん...

 

朝から騒がしくしている二人の少年はフウヤとキリトだ。

いや、朝というのは間違いだろう。後五分もすれば正午になるだろう。

 

二人の少年がAGIにものを言わせ、 学校の廊下で走ってたら間違いなく校長室で怒られるだろう速さで街を駆け巡っていたのには訳がある。

 

ヒゲのペイントがモチーフで、<鼠>というあだ名で知られる情報屋『アルゴ』から今日の12時から一層ボス攻略会議がある事を伝えられたのだ。

しかし、昨日深夜まで武器アップグレードのための素材集めをしていたせいで、二人ともぐっすり寝てしまった。

 

お日さまが真上に登っていても全然気づかないぐらいに...

 

 

キリトはともかく、俺まで寝過ごすとは...

 

そんなわけで二人はあらん限りのスピードで走っていたわけである。---

 

 

やっとの思いでトールバーナにつくと、そこにはすでにたくさんの人が闘技場のようなスタジアムの観客席に腰を掛け、真ん中には一人の青年が立っている。

 

どうやらもう会議は始まったらしい。

 

俺たちも、よっこらしょと腰をかけるて目を凝らすと真ん中の青い髪のさわやかイケメンが演説をしていた。

 

名前はディアベルと言うらしい。

なんか聞いたことがある気もするが、気のせいだろう。

 

 

あいつは学校で生徒会長とかやってるタイプだな

 

半分以上を耳から外に流して観ていると、トゲトゲ頭の片手直剣を携えたおっさんが飛び出してきた。

 

「ちょぉまたんか!!」

おっさんは、流暢な関西弁で叫んだ。

 

俺の予感がこいつはめんどくさいやつだと語っている。

できるだけ関わらないようにしておこう。

 

会議をしきっていたディアベルも困惑している。

 

「わいはキバオウっていうもんや、いっこ言いたいことがある!」

 

周りからは失笑が漏れる。

 

「それはなにかな?」

ディアベルは、若干苦笑いを浮かべつつも澄まし顔で対応してのけた。

 

流石イケメンは違うな。

 

 

「協力してボス攻略をするのはええけど、ベータテスターどもにはここでわびてもらわなきゃあかん。

あいつらは自分勝手にーーー」

 

その後もキバオウはたらたらと長い文句をいいつづけていた。

 

 

くだらない、あいつはなにもわかってない。

この一ヶ月で1000人もの人が死んだが、そのなかの大半がベータテスターだ。

 

たしかにベータテスターはその知識を活かして、ゲームが開始するやいなや始まりの町から飛び出す人がほとんどだ。

そして、安全で効率の良いレベリングができる。

 

<だけど、それはほんの一部にすぎない>

 

『生半端な知識では、無知よりも危険』

それがこの世界の掟だ。

 

知識がある分警戒心が薄れてしまう。

それがこの世界ではいともたやすく<死>に繋がる。

 

それに、アルゴのようにみんなのために頑張っている、ベータテスターも少なくはない。

 

なのにキバオウはなんもわかっちゃいない。

 

俺はぐっと歯を食い縛った。

キリトの方を見ると俺と同じようなことを思ったのか、険しい顔をしている。

 

「なんか文句あるやつはおるか?

ベータテスターは全員ここで土下座して、アイテムを出してもらうんや!!」

 

俺は遂に我慢ができなくなり、立ち上がろうとした。

 

しかし、ちょうど俺がたとうとしたタイミングで肌色が黒く、二メートルもありそうなマッチョガイがたちあがった。

 

「俺の名前はエギルだ。

みんな、これは見ただろう!」

そう言って取り出したのは一冊の小さな本だ。

ネズミのアルゴが作った攻略本だ。

 

「この『無料配布された』攻略本には俺たちがここで生きていくための情報が載っている。

戦いかたや一層モンスターの弱点、アイテムのことまである。

この本に救われた人も少なからずいるはずだ。

皆もそうおもうだろう!!」

 

周りを見ると皆拍手をしたり、称賛の声をあげている。

 

 

エギルはこれから仲良くしていきたい。

見た目とちがって、結構いい人みたいだな。

 

さらにディアベルが

「皆で争ってる場合ではない、仲良くやっていこう。」

と言ったので、これには流石のキバオウも強くは言えず、一瞥だけして戻っていった。

 

これで嵐は去った。

 

 

と思っていた...

 

 

しかし、本当の地獄はこれからだった。

 

 

 

「パーティーだと!?」

思わず俺は大声を上げてしまった。

 

ディアベルが言うにはボス攻略はなるべく連携を取りやすくするために、4人か6人のパーティーを作って欲しいとのこと。

 

しかし、忘れてはいけない。

俺たちは常に二人で行動しているため、他の人とは一切と言えるほど関わりを持ってない。

 

さらにキリトはコミュ障だし、俺も見知らぬ他の人に笑顔でパーティーを組もうぜ!なんて言えるような人ではない。

 

エギルと組もうかとも思ったが、もうすでに他の人と組んだらしくナイスなスマイルを浮かべながら談笑している。

 

 

つまり俺たちはハブれた組

世間でいう『ぼっち』というやつだ。

 

だが幸い俺たちと同じくはブレたらしいフード付きマントを被った小柄のプレイヤー二人が奥の方に座っている。

俺はキリトを引っ張って、声をかけることにした。

 

「えーと、良かったらパーティーを組みませんか?

他に組む人がいないようですし。」

 

すると赤いマントを着た方のプレイヤーが

「別にはブレた訳じゃなくてむさ苦しいのは嫌いなだけよ」

 

むむ

 

「もし、そっちから申し込んでくれるなら組んであげてもいいけど」

 

むむむむ

 

フードで顔は見えないが、声的におそらく女性だろう。

どう返答するか迷っていると、隣の青いマントを着たプレイヤーが

 

「お姉ちゃんそんなこと言わないの!

うちの姉が変なこと言ってすいません!!」と謝ってきた。

 

「ちょっと何言ってるの、ノア!?」

「お姉ちゃんいいから謝って!

このままだと私たちボス攻略に参加できなくなっちゃうよ!」

「う、うう... ごめんなさい」

 

「ま、まあ。あまり気にしないでください。

それよりこれからよろしくお願いします。」

 

なんか俺の方が悪いような気分だな

 

どうやら関係的には姉よりも妹の方が高いらしい。

と言うよりも姉の方が素直じゃないだけみたいだが

 

後、キリトは完全に空気なんだが...

 

こうして俺とキリトは女性であろうプレイヤー二人とパーティーを組むことになった。

そして、視界の右側に新しく二つの名前とバーが追加された。

 

『Asuna』と『Noa』である。

 

 

 

そう言えば確か俺の幼馴染もアスナという名前だったが、今はどうしているのだろうか。




ちなみにアスナとフウヤは幼馴染です。

今回は表現や口調におかしな点もあると思いますが、温かい目でご覧いただれば幸いです。
今後もよろしくお願いします。


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004 お風呂事件

内容はタイトル通りです
原作とは少し変わった展開をお楽しみください。

ゴールデンウィークは時間が余っているのでうれしい!


俺とキリトは今絶賛賢者モード中だ。

ほぼ全ての精神を無へと集中させ、悟りでを開くように心を鎮める。

しかし...

 

「ふわぁ、気持ちいい!!」

「お姉ちゃん私も入る!」

 

 

俺の努力もむなしく集中力はかけらも残さず飛んでいった。

とりあえず何周目かわからない攻略本に目を通して、明日のボス戦のことでも考えよう。

 

しかしいくら考えようとしても、全く頭に入ってこない。

 

キリトに至っては頭を壁にゴンゴン打ち付けている。

 

どうしてこうなったのか説明しよう。

先ほどパーティーを組んだアスナとノアが今俺たちの泊まってる宿屋で入浴中なのだ。

宿屋といっても、いくつもの部屋があるようなものではなく、一軒家のような宿屋だ。

 

こうなってしまったのは俺のせいでもキリトのせいでもない。

そして、いやらしいことも全くない。絶対に!

 

 

なぜこうなってしまったのか説明しよう。

4人でパーティーを組んだ俺たちは軽く自己紹介をした。

 

「俺はフウヤでこいつはキリトだ、これからよろしくお願いします。」

「ういっす、よろしく」

 

キリトの口調が若干ちゃらくなっているのは気にしないでおこう。

 

するといきなりアスナが

「ちょっとフウヤ君借りるわ」と言って俺を引っ張り出した。

 

「お、おい 何するんだよ」

 

するとアスナが真剣な顔で

「あなたって名字が加賀だったりする?」と聞いてきた。

 

図星だったが思わずビックリして違う!と答えた。

 

「そう... 気にしないで

知っている人に似ていただけよ」

 

顔はフードでよく見えないが、少し残念そうな雰囲気をかもしだした。

 

ここで俺は確信した。

 

 

彼女は俺の幼馴染である『結城明日奈』であると。

身長が伸びて雰囲気も変わったので最初はわからなかったが、ちらっと見た顔とさっきの質問で確信した。

だけど、少し恥ずかしいので俺はそのままやり過ごすことにした。

 

「誰にでも間違いは間違いはありますよ。それに二人とも待たせているので早く戻りましょう。」

 

アスナは無言で頷くと二人の方に歩き出した。

 

キリトは俺を見ると、何があったのか聞きたそうに鼻をピクピクさせている。

何科しゃべる前に「何も聞くな」と釘を挿しておいた。

ノアの方は何があっのか全て分かっているような顔でニコニコしている。

そして俺の隣まで来て耳元で

「お姉ちゃんをよろしくね、お兄ちゃん」

なんて言って来た。

 

ふあぁ!?

思わず吹き出す。

 

そう言えば、アスナは妹がいたな。

あまり会ってなかったから忘れたけど『希空』は俺をお兄ちゃんと呼んで慕っていた...

 

気がする

 

頭の中で一度に起きた大量の情報の整理をしていると

 

アスナは軽く咳払いをして口を開いた。

 

「さっきの続きをしましょ、アスナよ よろしく。」

「私はノアです。キリトさんにフウヤさん、よろしくお願いします!」

 

「あのー、ノアさんとアスナさんってリアルでも姉妹なんですか?」とキリトが尋ねる。

 

「敬語はやめにしましょう?

私とノアはリアルでも姉妹よ。

あと、私はフウヤくんとキリトくんって呼ばせてもらうから直接アスナってよんでいいわよ。」

 

「私はちょっと恥ずかしいので敬語を使わせていただきますね。

私のこともノアってよんでください!」

 

「う、うん。

じゃあ、改めてよろしくおね... よろしく。」

 

と他愛ないやり取りをしていた。

このまま終われば何も起こらない、そのはずだった。

 

「あのー、キリトさんとフウヤさんってどこに泊まってるんだすか?私たちは主街区の宿屋なんですけど、ちょっと高くて...」

 

「あーもしかして町の掲示板のINNに載ってるやつ?」

 

ノアは頷いた。

 

「あれって実は載ってないやつでもたくさんあるんだ」

そう言うと二人は体を固まらせて驚いた。

 

「俺たちのところは安い割には、部屋でかいしお風呂と牛乳付きで...」

とキリトが言った瞬間...

 

「「お風呂!!」」

 

女性陣が見事にはもった。

そして

「ちょっと待ってて」と言って何やら相談をし始めた。

 

「なあフウヤ、俺なんか変なことでも言ったか?」

「俺に聞くな」

こそこそと話していると、二人が戻ってきた。

 

するとアスナが少し顔を赤らめながら

「一晩だけその部屋譲ってくれない?」と聞いてきた。

 

「俺たちが借りてるところは最初に10日分の支払いをして、その間の部屋のオーナーは変更できないようになってるんだ。」

 

二人は落ち込んだような表情をしている。

だが、ここでアスナが爆弾を落とした。

 

「今日一日でいいからお風呂かしてほしいの!」

 

俺はうぐっと言葉を言葉を詰まらせたが、言った本人も相当恥ずかしかったのか顔を真っ赤にしてうつむいている。

 

ノアも真っ赤になりながらあわわわわとか言ってるし。

なんだこれ

 

 

「まあ、いいけど」

キリトが紳士なんだか変態なんだか分からないこと言いやがった。

 

じっとキリトを睨むと、しょうがないじゃんていう顔を向けてきた

 

殴ってやりたい

てか部屋に戻ったら絶対殴る

 

 

こうして今に至る。

 

これがアニメならお風呂から出てきた美少女と主人公がぶつかってきゃあ!とか言う展開になるのだろうけど、このSAOでそんなことになったら確実に監獄行きだ。

現実でも同じか

 

まあ、アクシデントは起こる可能性はあるので先に部屋に戻ってこもってよ。

「おいキリト、俺先部屋戻るからからそこで二人が出てきたら呼んで」

「ま、待ってくれ!俺を一人にするな」

「だいたいお前が悪いんだ!」と言ってキリトを放置

 

そのまま部屋まで走っていつものようにベットに飛び込む。が、寝てしまいそうなので椅子に重い腰を下ろし、ふうと息をつく。

 

今日色々ありすぎて疲れたわ

 

それにしても、アスナとノアか

ノアには正体バレたっぽいけど、アスナには言ってないみたいだし

今度俺が加賀風哉であること言わなきゃな

 

なんて考えているとだんだん眠くなって来た。

俺は少しだけ眠ることにした。

 

 

 

「きゃああああ!!!」という声とともに意識が覚醒する

キリトがなんかやらかしたのかと思い、急いで部屋を出る

 

そして俺の思考が完全停止した

 

 

下着姿のアスナとノアが走って来たのだ。

本来ならすぐに避けるべきだったが、俺の思考はショートしてたので

小さい頃と比べて、二人とも成長して美人になってるなあ、なんてこと考えながらぼーっと立っていた。

 

はっ!と思った頃にはときすでに遅し。

まさにお約束展開が起きちゃった

 

先頭を走っていたアスナは俺にぶつかり、俺を押し倒す体制で倒れた。

 

恐る恐る顔をのぞくと、羞恥エフェクトがバグってるんじゃないかってほど顔が赤くなってる

 

美少女の幼馴染に押し倒されて嬉しいけど、この後の展開がわかってるので素直に喜べない

 

 

 

よし、現実逃避をしよう

かわいいなあ やわらかいな

 

 

さらなる悲鳴とともに、俺の頰に衝撃がはしり、俺は意識を失った。

 




次回はこれの続きになります
後、フウヤ君の正体内容にもあるように、ノアにはバレています
アスナはまだ分かってないので、ネタバラシもします。

今回も作品をご覧いただきありがとうございました
次回の作品もお楽しみください


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005 ボス戦の狼煙

投稿遅れてすいません
失踪はしないつもりなので、今後ともよろしくお願いします。


 

「フウヤ君昨日のあれは忘れてね!」

朝早くからありがたいお言葉を頂戴した。

 

 

昨日の事件の後、鬼神と化したアスナはしばらく顔の表情を豊かに変化させた後ようやく我に返ったのか急いでパジャマを装着した

そして、俺に恥ずかしそうにごめんねとだけ言って、リビングに駆け込んだ。

 

ノアは

「あははは... フウヤさんごめんなさいね」と言ってアスナの後を追っていった。

 

「すまないねえ、フウ坊」

 

アルゴがヒゲをなでるように顔をかいた。

 

うん?なんでいるんだこの人

 

「なんでいるの?」

「いやー キー坊がお姉さんを呼び出したから...」

 

じいーっとキリトの顔を見つめる。

 

「おい!俺はそんなこと言ってないからな!」と懸命に訴えかける

でもとりあえずキリトを一回殴ってみた。

 

「ぐぼあ な、何するんだよ!」

「俺は確かお前に見張ってろって言ったはずだよな」

「これについては俺のせいだけど俺のせいじゃないぞ!

ていうか仕方がなかったんですーーー」

 

キリトが言うには

俺が部屋に戻った後、装備品の点検をしてたらアルゴがやって来たのだとか。

しかし、アスナとノアを家に連れ込んでいるのがバレたら誤解を解く間も無く、神速の速さで噂を流されるので自然体でやり過ごすことに。

 

それで、話が終わっていざ安心となったはずだったのだが

アルゴが着替えたいと言って浴室の方に直行

止める間もなく、入っていったが...

 

先客がいたので3人で鉢合わせ。

びっくりした先客のおふた方は外に飛び出したのだとか

 

不幸中の幸いはアスナとノアはすでに入浴を終わらせていたことだろう。

 

 

そんなことを思い出していると、ギロッとアスナに睨まれる

 

思わずキリトみたいに鼻をピクピクさせてみると、今度はフェンサー様がフンッとそっぽを向いた。

一体俺にどうしろと...

 

その後、なんだかんだ特に何もなく攻略組の本隊と合流し、ボス部屋の前に集まった。

やはりみんな緊張しているのだろう、重い空気がみんなにのしかかる。

 

しかし...

「まずは一人も欠けずに集まってくれたことに感謝するよ!ぶっちゃけ会議と比べて10人は減ると思ってたから胃が痛くて眠れなかったよ」

 

鶴の一声というべきか、ディアベルの冗談に場が一気に笑いに包まれた。

やはりカリスマ性が高いのだろうと一人で納得したように頷く。

 

「と言っても私たちの役割は取り巻きの対処だけじゃない。そんなの不公平よ。」

どうやらフェンサー様は不満げのようだ。

 

「私たちのパーティー四人しかいないからしょうがないよお姉ちゃん」

 

「そうだな、適材適所ってやつだよ」

とキリトも言うが、顔にちくしょーという文字が浮かび上がってる。

あの戦闘狂のことだから派手にボスをぶった切ってLAをさらっていきたかったのだろう。

 

俺はどうかって?そりゃあムカつくに決まってるじゃあないですか

だけど、面倒なことはもっときらいなのでがまんがまん

 

そんなことより今は集中しないと!

息を大きく吐いて気を沈め、精神を研ぎ澄ませる。

 

「みんな、準備はいいか!一人も欠けずにボスを倒そう!」

ディアベルの掛け声と共に一層ボス部屋の扉が開いた。

 

俺は相棒と二人のフェんサー及びアスナとノアと一緒に部屋に足を踏み入れた。

 

 

『諸君、ソードアートオンラインへようこそ』

 

茅場明彦言葉が頭に響いた。

 

本当のですゲームはまだはじまっていないのだろうか

 

 

 




誤字脱字があったらすみません!
気長に次回を待っていただけたら嬉しいです。


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