けものフレンズ二次創作のようなもの (Peftn Kare)
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けものフレンズ二次創作のようなもの

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※※注意※※

この小説はアニメ『けものフレンズ』の二次創作です。

また、アニメ11話・12話のネタバレを含みますので、未視聴の方は先にアニメの方を視聴することをお勧めします。



かばんとサーバル、そしてラッキービーストがバスで黒セルリアンを引き付けている間、ヒグマは終始考えていた。「ヒ」かばんがそう呼んでいたものについてだ。あの時、かばんがヒを出した時、皆はそれを恐れ、怯えていた。自分にはそれが一体何で、なぜ皆それを恐れるのかわからなかった。だが、今はどうでもいい。皆が恐れるものを私は恐れない。皆が恐れるものを私は扱える。ヒを使えば、他のフレンズを屈服させることも容易である。私なら、パークの頂点に立てる。私なら、やれる。

 

 

そう考えていた私は、突如響いた大きな音で我に返った。音のした方を見ると、横倒しになったバス、そしてかばんとボスを両手に抱えたサーバルがいた。かばんとボスをわきに投げ、サーバルの体は黒セルリアンに飲みこまれた。ヒグマはすぐに倒れたかばんへと駆け寄った。「大丈夫か!?」「サーバルちゃんが、サーバルちゃんが…」「あのサイズ、私だけでは…」「食べられたら死んじゃうって、記憶がどうとかって…」サーバルを助けようとするかばんを私は必死に止めた。自分が考えていたこととは全く逆のはずなのに。「バスがだめなら火で誘導だろ。失敗したら、さらに犠牲が出る。あるいは、お前だけ逃げてもいい。ただ、今向かって行っても、無駄な犠牲になるだけだ。」そこからの私は、ただただ夢中だった。あの時の私は、セルリアンハンターのヒグマであり、ただのフレンズだった。

 

 

気付けば私は、ヒとボスを持ちながら海の方へと走っていた。かばんはサーバルをひとりで助けるつもりだろう。失敗してかばんもセルリアンに飲み込まれていたら、ヒを扱える者は私だけになり、私がパークの頂点となる。もし成功していたら…。私は進むのをやめ、もと来た方へ振り向いた。

 

私が、倒す。

 

私がそう思い一歩踏み出した瞬間、上空に何者かの気配を感じた。振り返ってみると、「はかせ…?なぜここに?」としょかんにいるはずのはかせとじょしゅが上空からこちらを見ていた。「ラッキービーストから連絡を受けてかばんを助けるためこっちにきたのです。」「そっちも大事ですが、お前にも用があるのです。ヒグマ。」そう言って2体は地面に降り立った。「用?なんだ一体?」「とぼけても無駄なのです。お前のやろうとしていることはお見通しなのです。われわれはかしこいので。」「なっ…!?」私はとっさに身構えた。たとえはかせでもヒを持っている限りこちらが有利である。しかし私ははかせの言葉に動揺していて背後から忍び寄るセルリアンに反応することができなかった。はかせとじょしゅが猛スピードでセルリアンに襲い掛かる。私はその勢いで、あろうことかヒを落としてしまった。セルリアンを始末した2体が私に詰め寄る。瞬間、私の目の前が暗転した。そのまま地面に倒れこむ。体が溶けるような感覚に襲われる。意識が朦朧としてくる。そのまま、私は眠った。

 

 

「あれ、ここは…?私は…」「お前はヒグマなのです。はやくサーバルたちと会って、かばんという子を助けるのです。」「え…?あなたたちは…?」「無駄口はいいからさっさと行くのです。」ヒグマは背中を押され、そのまま海の方へと走っていった。

 

 

---そして黒セルリアンは駆け付けたフレンズ達によって倒され、かばんは島を旅立った。---

 

 

「行きましたね。」「ええ、計画通りサーバルもついていったのです。ごこくちほーに行けば我々は関係なくなるのです。」「サーバルもあそこまで知性が身についていたとなると相当危険なのです。早く行かせることができてよかったのです。」「しかし、ヒグマのような者がいる可能性も十分あり得るのです。長として、監視を怠ってはならないのです。」そう言うはかせの手には、ヒトが「銃」と呼ぶものにそっくりなものが握られていた。銃からは、サンドスターが零れ出ていた。

 

「我々は、賢いので。」



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