誰がために鐘は響く (ぴい)
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第一章.異界化千葉①

2018年12月某日

 

千葉大学キャパス内

 

 

 

 

「さみい......」

 

大粒の雪が降り続く中、俺は文化棟にある部室に向かって歩みを進めていた。今日は午後も講義が詰まっていたため、時刻は既に夕刻を指している。     

 

早いもので、卒業してから二度目の年越しが間近に迫っている。......本当に早いもんだな。

 

因みに、雪ノ下と由比ヶ浜とは今年の夏に起こった"ある事件"以降会っていない。北都先輩がついているのだから、悪いようにはならないだろうが。

 

そんなことを考えていると、ポケットにしまってあった、スマホもといサイフォンが僅かに振動したのを感じた。

 

「はぁ......またかよ。最近ちょっと多すぎね?」

 

俺のサイフォンは少しばかり特別仕様になっており、異界に通じる門が出現しそうな場所や怪異に取り憑かれそうな人間が半径500m以内に存在していると、反応するようにカスタマイズされている。

 

 

――怪異(グリード)

その名の通り、異形の怪物達である。異界(ザナドゥ)という場所に生息しているが、奴らが生息する異界に通じる門が俺達の世界に顕在することがある。普通の人間には門は認識できないが、所謂負の感情が高まっている人間が、門の中に取り込まれるということがある。取り込まれた人間の末路は......まぁ言うまでもないだろう。

 

 

「さてと、急がねーとな。陽菜の居ない間に何かあっても困るし。......まぁ、アイツが代わりに来てるから大丈夫な気もするが。」

 

 

多分"あいつ"のサイフォンにも反応はあったことだろう。部室に向かって更に歩みを早くする俺であった。

 

 

 

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... 

 

 

 

約1年半前

 

2017年6月24日

 

 

日本国――千葉県《千葉市》

 

 

――この日、

"俺"の日常は引き裂かれた。

 

 

 

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2017年6月24日

 

23:00

 

舩橋駅前

 

 

 

 

「それじゃお疲れっす。」

「あぁ。気をつけて帰るんだよ。」

 

マスターから封筒を受け取り、一礼してから入口の扉を潜って外に出る。すると、冷たい風に思わず身震いしてしまった。

 

春到来――とはいえ、未だ夜風が冷たいこの時期、俺は千 でも有数の繁華街"舩橋"にてバイトに勤しんでいた。

舩橋(ふなばし)駅から徒歩5分――bar"エクセリオンハーツ"。ここが俺のバイト先だ。

 

なんでボッチがオシャレバイトなんかしているかというと......まぁ、気の迷いで応募しちゃっただけなんですよね。マスターと従業員の姉さんがいい人だったから何とか続いてるんだが。正直、毎日毎日知らないお客さんと会話するのは地獄である。だって俺ボッチだし、基本的に他人と関わりたくないし。......思い返せば、高3に上がったあたりから、俺の孤独体質は悪化したように思える。まぁ、2年から3年にかけては本当に色々あったから、その反動とも言えるだろうが。

 

 

「ふぅ......」

 

 

店の裏口にある喫煙所で仕事終わりの一服。同時に、今日の戦利品を袋から取り出し、中身を確認する。諭吉さんが1枚か......マスター太っ腹じゃねえか。初日から思っていたが、このバイトかなり待遇が良いんじゃねえか?まさか、危ない飲み物とか出したりしてないよね?と、馬鹿な事を考えつつ、初日にマスターが言っていた事を思い出す。

 

 

――苦学生には優しくしないとね。

 

 

苦学生って......。まぁ、家に金を入れなきゃいけない分、普通の学生よりも金を稼がなきゃいけないのは間違いない。両親は俺の大学の学費と小町の高校卒業までの学費は貯めておいてくれたみたいだが、小町の大学分までは流石に貯蓄できていなかったようだ。あいつも大学には行きたいって言っていたし、少しでも俺が稼いでやらないといけない。

 

 

――そういえば、早いもんでもう半年も経つのか。......親父とお袋が寝たきりになり意識が戻らなくなってから。

 

 

 

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備え付けの灰皿に煙草を押し付け、手元のスマホを見る。すると、時刻は既に23時を回っていた。......働きたくないって言い続けてた奴が今やバイト漬けの生活だもんな。人生ほんと何が起こるかわからない。

 

 

――原因不明の昏睡症状

 

親父とお袋の症状に病名はつかなかった。ある日突然、平塚先生が血相を変えて俺のことを呼びに来た。

 

――比企谷。落ち着いて聞いてくれ。君の両親が倒れた。妹さんは既に病院に向かっている。車を出すから君も急いで来てくれ。

 

ざわつく教室内。心配そうな表情を浮かべる由比ヶ浜と葉山達。俺は暫くの間、何が起こったのか理解することができなかった。

 

 

 

「それにしても、結構遅くまでかかっちまったな。酔っ払いのトラブルがなきゃ、もう少し早く上がれたんだが......ま、お陰でいい稼ぎにはなったが。」

 

 

 

何が起こったのかと言えば、禿げ散らかした酔っ払いのオッサンが泥酔した挙句、他の客にセクハラを始めたのだ。結局あのオッサンは出禁になったらしいが、俺はオッサンよりも姉さん――雪村京香女史に戦慄した。というか、あの太ったオッサンを軽々と背負い投げするってどうなんだよ......。あの華奢な身体の何処にそんなパワーが眠っているのだろうか。雪村さんだけは怒らせないようにしようと本気で思った。

 

 

 

「はぁ......疲れたしとっとと帰るか。遅くなったし小町に連絡しとかないと......ん?」

 

 

 

チャットアプリ"RING(リング)"を開き、小町にメッセージを送ろうとした折、一瞬自分の目を疑った。目に入ってきたのは、容姿端麗を地で行くような美少女が、繁華街の裏路地に向かって歩いていく姿だった。

 

 

 

「天堂......だっけか?......見間違い、じゃないよな?」

 

 

 

――天堂陽菜(てんどうはるな)

 

本人曰く、心境の変化があって髪を伸ばしたそうだ。腰辺りまで伸ばしたロングヘアーに陽乃さんばりのスタイルの良さと整った顔立ちを併せ持つ......うん俺の苦手なタイプだな。冗談はさておき、俺が所属するゼミに所属する同級生で、アイドルグループの元リーダーという異色の経歴を持つ少女だ。なんでも、高校までは東亰に住んでいたらしいが、大学進学を機に千葉に引っ越してきたらしい。......アイツの自己紹介の時の野太い歓声、もとい叫び声といったら煩いったらなかったぜ。いや、ホントに。それにしても、彼女は高レベルのルックスを持ちながら、殆ど浮いた話もなく、真面目すぎる性格の持ち主だったはずだ。だからこそ、治安がいいとは言えない"こんな所"を"こんな時間"に1人で徘徊していることに対して違和感しかない。

 

 

 

「アイツ、こんな繁華街を1人でうろつくような奴だったか?そもそも、顔も随分割れてるんだから普通に考えてあぶねーだろ......」

 

 

 

本人はどう思っているか知らないが、推しも押されぬアイドルグループの元リーダーである。周りのメンバーの個性が強い分、人気も分散していたようだが、俺の記憶が正しければ、天堂自身も相当な人気を集めていた筈で......。え?なんで詳しいからって?そりゃまぁ、人生でも最大級に辛いことが連続して襲ってきた時によくSPICAの曲を聞いてたってだけの話だ。

 

アイドルに興味はなかったが、不思議と彼女達の曲は荒んでいた俺の心の中にスッと入ってきた。言っておくと、別に天堂個人のファンでも何でもない。......ま、強いて言うなら彼女達に対する感謝の気持ちは持ち合わせている、とは言えるが。

 

「......ん?」

 

ぼうっと彼女の後ろ姿を眺めていると、真っ赤な服を身に纏ったガラの悪い連中がヒソヒソと話しながら天童の後ろをついていくのが目に入った。......あぁもう、言わんこっちゃない。

 

「......ったく、バイトが終わったばかりだってのに......。」

 

今思うと、俺らしくもなく自発的に動いた"この時"が、俺の人生の分かれ道だったのだと思う。

 

「スマン小町。お兄ちゃん今日は帰れないかも。主に身の危険的な意味で。」

 

小町にRINGでメッセージを飛ばし、天堂の向かった方向へと歩みを進める。というか、マジで何でこんな裏路地に入ってくんだよアイツは。怪しい店がチラホラと視界に入ってきて怖いんだが。

 

「......見失ったか?確かにこっちの方に歩いていったはずだが......」

 

この時、俺は深追いをせずに、諦めて帰れば良かったのかもしれない。らしくない......こともないか。自分の身をどうのこうのっていうなら、サブレを助けた時もなんであんなことをしたのかって話になる。

 

怪しげな夜のお店の客引きを避けつつ、裏路地の更に奥へと向かっていく。そうしているうちに、徐々に人気がなくなってくるのが、何とも言えない不気味さを醸し出しているように感じた。......というか、いつの間にか郊外まで来ちまったぞ。こんな所に天堂は一体何の用があるんだ?

 

そんなことを考えていると、どこの誰とも知らない男の声が聞こえてきた。......いや、実際はどこかで聞いたことがある声だったが、この時は全くもって気づかなかったのだ。

 

「おいおい、嬢ちゃん。つれねえじゃねえか。」

「ほんのちょっとくらいお喋りしてくれてもよくね?」

 

おお、あれが噂の壁ドンってやつか。......なんて思う暇はなく、俺はどうしたものかと頭を抱えていた。目の前で不良に絡まれて壁ドンされている美少女......さすがに見て見ぬふりはできそうもない。

 

 

「......」

「あっれ〜、とことん無視ィ?」

「なんだかお兄さん、そろそろムカついてきちゃったなあ。」

 

 

イライラしだした不良達を見た天堂の対応は......ひたすらに無視!それにしても、アイツ度胸あるな。凄んでくる金髪の不良を二人も相手にして、俺ならどげさして謝り続けるまであるぞ。そんでボコボコにされるまである。......結局殴られるのかよ。

 

イライラする不良達と天堂の姿を物陰から見ながら、出来ることなら、反応してくれない時点で引き下がって欲しいと思ったが、そうは問屋が下ろしてくれなさそうだった。

 

「ん〜、見れば見るほどキレーな顔してるじゃねえか。」

「そんな顔してないで笑顔のひとつくらいサービスしてくれてもいいっしょ!」

 

詰め寄る不良達。ひたすらに顔を背けてシカトを続ける元アイドル。マジで警察来てくんねえかな。そして、しょっぴいてくれ、アイツらのこと。

 

「......」

 

「ハハ、はんま怖がらせんなよ。」

 

というかあいつら、最近噂になってるチンピラチームの西舩キャッツか?しかも、あのロン毛どこかで見たような。って!まさか......戸部!?

 

 

 

――戸部翔

 

高校時代の同級生で、当時からチャラチャラした風貌の奴だったが、女相手に二人がかりで絡むような奴ではなかった筈だ。むしろ、女に対しても男に対しても優しい奴......いわゆる"いい奴"だった印象が強い。そんなアイツが、何でチンピラの真似事なんかしてやがるんだ?

 

 

 

「アイドル引退してぶっちゃね退屈してるべ?たまにはオレらと思いっきりハメ外してもいいっしょ!」

 

 

戸部は顔をしかめている天堂に向かって、ニヤニヤしながら詰め寄っていく。本当に......あの阿呆は一体何やってんだ......ちっ、仕方ねぇ。

 

 

 

「おい、お前ら――」

 

天堂の居る方向へと1歩、2歩と踏み出す。その時、不良達の背後で何かが割れるような音が耳に入った。そして、次の瞬間俺の目に入ってきたのは、周辺の空間が血の色のように真っ赤に染まりひび割れていく、異様な光景だった。

 

「な、何だ...?!?」

「赤い、ヒビ......?」

 

焦りと恐怖の表情を浮かべるのは戸部たちだ。俺はというと、ガクガクと足が震えていた。今すぐ逃げろ。"アレ"に近づいてはいけない。俺の第六感がそう告げている。......だが、そうも言っていられない状況が目の前に広がっている。

 

「な、何だよ!あ――」

「う、うわあああああっ!?」 

 

戸部の身体がグニャりと歪んだ。すぐにもう一人の身体も左右に、上下に歪み、"赤い空間"へと吸い込まれれるように消えていく。俺はといえば、目の前で何が起こっているのかわからず、心拍数だけが跳ね上がっていく。

 

 

 

「"(あらわ)れました"ね――」

 

 

 

"赤い"空間が広がり、"彼女"の方へと迫っていくのが見えた。顕れた......?こんな時に、天堂は何故落ち着いているのだろうか。何を言っているのだろうか。疑問は沢山あった。だが、彼女が呟いた言葉の意味を考える前に、俺の身体は動いていた。

 

 

「ハルナ―――――ッ!!」

 

「え......!?」

 

 

天堂が"飲み込まれる"のと同時に、ほとんど無意識に、俺も"その中"に飛び込んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――そういえば、私のこと名前で呼び捨てにしてくれたのはあの時が最初だったよね。......あの後、あんなことしてゴメンね。もっといい出逢い方ができればよかったのになー.........。

 

 

 

後々になって陽菜に言われた言葉。恥ずかしすぎて死にそうになったが、不思議と悪い気はしなかったな......。

 

 

 

結論。俺と元アイドルの出逢い方はとても間違っていた。

 

 

 

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... 

 

 

 

2017年6月25日

 

千葉大学

 

西千葉キャンパス

教育学部1号館教室内

 

 

「......であるからにして、虐待を行ってしまう心理的な背景としては、幼少時代に満たされないまま封印した気持ちが関係している場合がある。 話を聞いて欲しい、甘えたいなどの気持ちのことだな。これは、心理学的にも証明されており......」

 

 

教授が説明する内容をカリカリとノートにメモする。俺ってこんなに真面目だったっけ?なんてことを思ったが、答えはやはり否である。興味がある"心理学"の範囲だから眠くならずに聞けているが、その他の授業は大体は眠気が襲ってくる。まぁ、"ある事情から"半年ほど前からバイト三昧の日々になっており、疲れが半端ないことを考えれば仕方ないとは思う。......だご、まだ入学したばかりなのにこんな調子で、果たして俺は大丈夫なのだろうかという不安があるのも事実だ。

 

 

それにしても、とてつもなく眠い。そして、身体全体が筋肉痛にでもなったように、やたらと重く感じる。昨日のバイトはいつも通りだった筈だが......そういや、何時まで働いてたんだっけ?そもそも、どうやって家まで帰ったんだ?

 

靄がかかったように、バイトの終盤から帰宅までのことが思い出せない。いや、違うな。思い出そうとすると、頭がズキズキと痛むのだ。......まさか、風邪でもひいたか?

 

 

まぁ、疲れてたんだろ。多分......。

 

 

釈然としない気持ちを紛らわすため、俺は高校時代のことを思い浮かべる。

 

 

......母校である総武高校を卒業してから約1ヶ月が経った。結論から言うと、修学旅行以降、俺達はどこかギクシャクした関係を卒業まで続けることとなった。その間、色々な出来事があったが、それでも1度ヒビが入った関係を完全に修復するには至らなかった。そんな中、一色や小町、大志は俺達の仲を何とか元に戻そうと頑張ってくれた。だが、肝心の俺達が不甲斐なかったということだろう。......あぁ、本当に不甲斐なかったと思う。

 

卒業以来、あいつらとは連絡を取っていない。なし崩し的に継続されていた奉仕部も今は存在しない。今の状況は決してプラスではないのは確かだろう。だが、決してマイナスになったわけでもない。思えば、今までの日々が異常だったのだ。プラマイゼロになってぼっちが還るべき場所に還っただけの話だ。......どうでもいいけど還るべき場所ってなんかカッコイイよね。と、この時の俺はそんなことを考えていたのだが、この後に起こる数々の出来事を知っていれば、口が避けてもこんなことは言えなかっただろう。まぁ、こんな風に黄昏ちまうくらいには、この時の俺は荒んでたんだろうな。

 

 

 

――ちょいちょい

 

(!?)

 

 

不意に、肩のあたりに何かが当たったような気がした。ビクッと身体を震わせた後、隣をちらりと見ると、こちらを見つめる可憐な女子の姿が。......うん、幻影だな。いよいよ目まで悪くなってきたらしい。え?元々腐ってるだろって?勿論そんなことは知ってる。あー俺も重症だな。いくらなんでも可愛い女子が肩をツンツンしてくる幻影を見るなんて、痛すぎる。何ならどこぞの剣豪将軍並に痛いまである。......今日は早めに帰って寝るか。なんて、そんなことを考えながら教授に目線を戻すと

 

 

 

――ツンツンツンツンツンブスッ

 

 

ん?ブスッ?

 

 

美少女が俺の右腕をシャーペンで連打していました。てか、痛えよ!!!

 

 

 

「.........」

「あ、あはは......」

「何やってるのお前。」

「いや、まさかシカトされるとは思わなくてですね」

 

 

愛想笑いを浮かべる女子。そんな引き攣った顔をするなら初めからするなよ......

 

 

 

「............」

「............」

 

 

じっと俺の顔を観察するように見てくる。一応今は講義中だからちょっかい出さないで欲しいんだが。え?普段はいいかって?答えは否だ。駄目に決まってる。

 

 

そう思い、ひたすらに無視していると、天童は苦笑いを浮かべながら、ノートの切れ端を俺の目の前にそっと置いたのだった。

 

 

――教科書見せて下さい

 

 

この子はどうやら教科書を忘れたらしい。

 

 

 

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............

.........

......

... 

 

 

 

「比企谷さんはサークルとか入らないんですか?」

 

またしても夕方の講義中。先日、俺の右手をシャーペンで注射してきた女子は俺の隣に陣取っていた。あの後になって気付いたのだが、この女子――天堂陽菜は驚くべきことに元アイドルだった。......いや、あの後軽く自己紹介をした(強制的にさせられた)のだが、第一声がアイドルやってました!だった。その時は頭が少し弱い子なのかと思ったが、顔をまじまじと見てみると確かに見覚えがあったのだ。

 

 

――SPICA(スピカ)

 

東亰都杜宮市を拠点としたご当地アイドルグループで、一昨年辺りから急激に知名度を上げてきたグループの筈だ。はじめは地元限定だったようだが、今は全国ツアーなども行っているとか。

そして、そのSPICAの一員であった筈の天堂がなぜこんな所で俺と駄弁っているのだろうか?という疑問は当然でてくるだろう。これに対する答えは単純明快。アイドル稼業は今年の春で引退したのだそうだ。引退宣言した時は相当な反響があったようだが、残念ながら俺はその頃のことをよく覚えていない。何より、奉仕部絡みで色々大変だった時期だったため、他のことに気を回している余裕がなかったのである。そもそも、元々俺はアイドルに興味ないし余計だろう。そして、アイドルに興味はないし、サークルにはもっと興味がない。よって、天童の質問に対する俺の答えを決まりきっている。

 

 

「入らん。リア充共がウェイウェイしてるだけの溜まり場なんかに行きたくない。想像するだけで疲れるわ。」

「ウェイウェイって......サークルへの偏見強すぎません?」

「ほっとけ。てか、何でお前は俺に構うの。」

「......から」

「ん?」

「め、目が死......特徴的だったから気になったんです!」

「今、目が死んでるって言おうとしたよね。何、俺の心を痛めつけようとしてるの?殺しにかかってるの?」

「す、すみません......」

 

 

 

無言である。この子は一体何がしたいのだろうか......

 

 

「......そういう天堂は何かサークル入ってんの?」

「入ってますよ~。その名もX.R.Cです!」

「えっくす......?」

「XRCです。正確にはXRC千 支部なんですけどね。」

 

 

何故かドヤ顔を浮かべる美少女。だがしかし、全くもって説明になっていないことに、彼女は気づいているのだろうか?ひょっとして、由比ヶ浜並みに頭が弱い子なのか?いや、由比ヶ浜でももっとマシな説明はしてくれるような気がする。......由比ヶ浜を超える頭の弱さ、想像するだけでも恐ろしい。

 

 

「すまん。それだけ聞いても何やってるのかさっぱりわからん。」

「んー、わかりやすく言うと、学生のためのお悩み相談室ですかね。それと、千葉の不思議の発掘および検証です!」

「お悩み相談室ね......大学生にもなって奇特なことをする奴らがいるとはな。」

「その奇特な奴が君の目の前にいるんですけどね。」

「......ま、俺には関係ない話だ。」

「む......つれないですね~。」

 

 

当然だ。俺には関係ない。それにしても、どっかの誰かさん達と同じようなことをする奴らがいるとは思わなかったな......。

 

 

「ま、講義も終わりしましたし、そういうわけなので、そろそろ行きましょうか。」

「ん?どこに?というか、どういうわけで?」

「部室です♪」

 

 

俺の質問の一部を完全にスルーしながら、万遍の笑みで答える元アイドルであった。



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第一章.異界化千葉②

オリキャラのひとみちゃんが登場。

正確には、ザナドゥのヒトミなので、オリジナルは苗字だけ。


海老名さんととべっちを物語にどう絡ませるか悩み中。


「......私、どうすればいい?どうしてあげればいいい?」

「......本当に俺のことを思うなら、もう俺に関わるな。正直、付き纏われるのは目障りだし迷惑だ。」

 

 

――砕けた日常。

 

 

何も知らずに無邪気に過ごしていたあの頃。

 

 

私ね、信じてたんだよ。

 

 

ずっと君と一緒だって、あんな毎日が続くって、信じ切ってたんだよ。

 

 

 

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異界化千葉②

 

 

 

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2017年6月25日

 

18:00

 

杜宮記念会館

 

 

陽菜からLINEが来た。しかもツーショットの写メつきで。......この目の腐ってる男の人は誰だろう?こんな可愛い女子と一緒に写ってるのに、なんか凄い嫌そうな顔してるんだけど。てか、これ講義中だよね?少し前まで塞ぎ込んでたのに、ちゃっかりキャンパスライフを満喫してるじゃん!

 

「璃音せんぱい~。そろそろ本番ですよ。って、何見てるんですか?」

 

後ろから私のサイフォンを覗き込んでくるのは、栗色の髪がキュートな私の新たな後輩......一色いろはちゃん。陽菜が脱退してから加入した新メンバーで、普段は千葉県内の高校に通っている。ちなみに、今日はスピカのライブがあるので早退したみたいだけど。この子が芸能界に入ってきたのはつい最近のこと。そして、今日が初ステージだってのに、余裕かましちゃってまぁ。私なんか、初めての時はガチガチだったのになぁ。そんなことを思い出していると、いろはは何か信じられないものを見たような表情を浮かべながら固まっていた。

 

「ん?どったの?」

「そ、その人......」

「あー、陽菜から写メが送られてきてさ。まさか彼氏とかかな?目は腐ってるけど、よく見るとイケメンだし......って、いろは?」

 

私のサイフォンを指差しながら、いろははわなわなと肩を震わせている。まぁ、陽菜と男の人のツーショットなんて見せられたらびっくりするよね。この子、私達がデビューしてからずっとファンでいてくれた上に、ずっと陽菜の信者らしいし。でも、この反応は......何というか、それだけでもないような......?

 

「......ま、悪くないんじゃないですかね。」

 

表情を殺したように、無表情でいろははそう言うと写メから目を背けるように背を向けた。

 

「なんか怒ってる?」

「怒ってません!ほら!皆待ってるんですから早く行きますよ!」

 

私のツッコミに、いろはは般若のような表情を浮かべながら、私の手を引く。てか、痛い!強い!力が!

 

「わ、わかったわよ。ちょ!顔怖い!何をそんなに怒ってるのよ!」

「怒ってません!」

 

いや、絶対怒ってるでしょ!とは言えなかった。顔が怖くて。

 

 

ま、なんか知らないけど気合い十分みたいだし、私も頑張りますかね!今日はコウ君も見に来てくれてるし、最っ高のステージにしないとね!

 

 

新メンバーのいろはを迎えての初ステージ。

 

 

陽菜、私達もようやくスタートを切れるような気がするよ。

 

 

 

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2017年6月25日

 

少し前

 

千葉大学西千葉キャンパス

 

サークル棟

 

 

気がついたらサークル棟の中に連れ込まれていました。しかも、現在進行形て黒髪クール系JKに睨まれています。......何でだよ。何か俺悪いことしたの?

 

「誰。このぬぼーっとした人は。人を連れてくるなんて聞いてないんだけど。」

 

目の前のJKに思わず見惚れてしまったのが数分前の出来事。まるで、ルミルミがあのまま美人系に成長したような......そんな美少女がいたらいくら俺でも見惚れてしまう。だがしかし、いきなりの悪口。そして、この言われよう、何だか記憶にあると思ったらどこぞの雪の女王様ですね。はい。というか、雪ノ下も初対面で同じようなこと言ってた気がすんぞ。性格は雪ノ下で見た目は成長したルミルミ。結論、嫌な予感しかしない。

 

「ゴメンゴメン。でも、ひとみちゃんも男手あったほうがいいでしょ?色々と、さ。」

 

両手を合わせて謝る天堂。つーか、謝るくらいなら連れてこないで欲しかったんですがねぇ。それに対して、黒髪JKは品定めでもするかのように、俺のことを頭の上から足元まで目線を移動させる。まぁ、目を除けばそんなに酷いなりはしていないはずだ。これ以上罵倒されるようなことは......

 

「時坂センパイや高幡センパイならともかく、その人普通に一般人でしょ?正直、役に立たない人が幾ら増えても......」

「オゥケーイ!お前が俺の事を嫌いなのはわかった。」

 

はい。更なる罵倒が待っていました。というか、会って5分立たずに約立たずのレッテルを貼られる俺ってどうなん。そもそも一般人以外の奴ってどんな奴だよ。お前はアレか、ただの人間には興味ありません!とか自己紹介で言っちゃう系女子か。

 

 

「いきなり大きな声出さないで。しかも、お前じゃない。ひとみ。横須賀仁美。」

「お、おう......比企谷八幡だ。」

「は、はち?......ぷ。へ、変な名前......」

 

 

横須賀は不満そうな表情を浮かべた後、少しだけ真剣な表情に切り替わり、突如クスクスと笑い始めた。知ってる?1人で百面相してるって気持ち悪いんだよ。まぁ、美人とイケメンは例外だが。あ、ってことはコイツは例外か。結局、見た目がいい人は許されるんですね。わかります。

 

 

「ほんと失礼な奴だな......。てか、なんで女子高生がこんなとこにいんだよ。」

「んー、仁美ちゃんは私と地元が一緒で、引っ越してきたばかりで友達も居ないから私と一緒にいることが多いんですよ。それならばと、人数不足のこのサークルに入ってもらったんです。」

「いや、大体わかったけど、お前......」

 

 

1人でスタートしたのかよ......という言葉は言葉のうちにしまっておく。というか、天堂がサークルを立ち上げたのなら、人くらいいくらでも集まりそうなもんなんだがな。しかも、言っちゃ悪いが、会議室のような広い部室なのはいいんだが、如何せん人が見当たらない。まさかとは思うが、部員はこいつら2人だけですか?

 

「つーか他に人が見当たらないんだが......部員は天堂と横須賀だけなのか?」

「まぁ、発足したばかりですしね。気長にやっていきますよ。今丁度3人目をゲットしましたし。」

 

元アイドルは笑顔でとんでもないことを言い出した。ハチマンは逃げ出した!しかし、回り込まれてしまった!

 

......すっと回れ右をした俺の前に素早く回り込む天堂。さすが元アイドル。動きが俊敏ですね。そして、殴りたい......その笑顔。

 

 

「......相手の承諾を取るってことを知らないの?」

「え?ついてきてくれたってことは入ってくれるんですよね?」

 

 

コイツ、可愛い顔に反して実はめちゃくちゃ自己中なのかもしれない。まぁ、アイドルなんてそんなもんかもしれないけどさ。

 

 

 

俺がかつて憧れていたアイドルが暴君なのは絶対にまちがっている。

 

 

 

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同日21:00

 

天堂宅

 

 

 

完全に余談だが、私こと天堂陽菜は千葉駅の隣の駅、西千葉駅の駅前に住んでいる。部屋の間取りは1Kだから余り広くはないんだけど、新築物件だったこともあり、中はとても綺麗だ。結構気に入っている。

 

「ふぅ。」

 

早めのお風呂を済ませ、パタンとベットに倒れ込む。すると、私のサイフォンが微かに光っているのに気がついた。そういえば、璃音にメッセージ送ったんだっけ。バタバタしてて、返信を確認するのすっかり忘れてたよ。それに、今日はライブの筈だ。忙しくて返信は明日来るかなー、なんて思ってたんだけど、璃音ってこういうとこ結構マメなんだよね。

 

 

"キャンパスライフ満喫してるんかいっ!てか、その男の人誰よ?彼氏?かれぴ?かれぴん?ps.なんかしらんけど、いろはがおこだよ。じゃ、頑張ってくるね!"

 

 

添付された写真を見ると、不貞腐れたいろはちゃんの顔が......かわいい。じゃなくて、何を隠し撮りしてるのよこの子は。というか、彼氏じゃないし、物心ついてからは今日初めてまともに喋ったよ。

 

2枚、3枚と写真を捲っていくと、レイカ達を隠し撮った写メが何枚も添付されている。

 

 

......ほんと、キラキラしてるなぁ。皆。

 

 

――Never give up, chu chu,踊るように カジュアルな覚悟――

 

 

テレビに目をやると、"恋のシューティングスター"が流れており、丁度いろはちゃんのパート。少し声が震えてる。でも、身体は動いてるし、音も外してない。何より、楽しそうな気持ちを身体全体で表現できてる。頑張れ。私が駆け出しの頃よりも、表現力も歌唱力も、ファンを引きつける可愛らしさも持ち合わせてる。君なら絶対にやれるから。

 

 

――ぼやぼやしてたら 恋のシューティングスター

誰かのものになるから――

 

 

「ふふ......」

 

璃音達の計らいで、何度かお話したことはあるけど、入ってきてくれたのがこの子で本当によかった。あざといけど憎めなくて、応援したくなるようなひたむきさが、この子にはある。それにひきかえ私は......

 

「少し、焦りすぎたかなぁ。」

 

思い出されるのは、先程、比企谷君を強引に部室に連れ込んだ時のこと。流石にやりすぎたかな、と思ったけど、案外ひとみちゃんとも気が合いそうだし結果オーライっちゃオーライかな?ただ、もう少し段取りというものがあったのは間違いないよね。私らしくもない。

 

ゲートの中に躊躇なく飛び込んで来てくれた比企谷さん。正直とても驚いたし、この人は一体何を考えているのかと思った。まぁ、その後は異界内部でしっかりと気絶していたのはご愛嬌だけど。そして、まさかファーストネームで呼ばれるとは思わなかった。もしかして、SPICA時代にファンで居てくれたとか?......いやいや、やめておこう。どうせレイカやリオン、もしくは若葉や晶だろう。期待していて落ちた時は結構応えるから、出来ることなら期待しないほうがいい。

 

表向きは"勇退"実際は"歌えなくなった"ことによる事実上の戦力外。......戦力外なんて言い方をしたらレイカ達に怒られるか。でも、"喉の腫瘍"を患ってからの私は完全に戦力外だった。僅かな希望を託してメスを入れたのが昨年。でも、私の声は元には戻らなかった。傍目にはほんの微妙な変化。でも、音程もコントロール出来ないうえ、耐久力も低下し、一曲歌いきるのが精一杯のアイドルなんていらないよね。

 

丁度その頃、異界に取り込まれた私とひとみちゃんが璃音と時坂さんに救われたのは、また別の話だ。その後、"適格者"として覚醒した私と彼女は、柊さんが所属するネメシスの一員として行動することになった。因みに、肩書きは二人共、柊さんの代理。私とひとみちゃんがここに来たのは完全な偶然だったのだけど。丁度よくタイミングが合ったため、杜宮から離れられない彼女に代わってベテランの執行者と私達が千 に赴いた、というカラクリだ。ま、暫くの間、地元の杜宮からは離れたかったし、私としては渡りに船というところではあったんだけど。ひとみちゃんは家庭の事情だから少し可哀想だったかな。

 

それにしても、聞いていた以上に異界化が進んでいる。その証拠に、ゲートの現れる頻度が異常なことに加えて、怪異の力も増してきているように思える。正直、異常事態ともとれるが、まだ観測し始めて数ヶ月だ。結論を出すには早すぎる、と思う。何より、私の上司が今のところ問題なし、と判断しているしね。やはり、暫くは様子見かな。

 

「しかしまぁ......私情を挟みまくってる私は、柊さんの協力者としてはどうなのかな。」

 

比企谷さんをXRCに連れ込んだ理由は二つある。

 

一つは、単純に彼に興味があったから。わりと、ずっと前から。何なら、小学校の頃には既に。

 

もう一つは、彼に対して私の"サイフォン"が反応したから。

 

理屈はわからないが、負の感情が高まると異界に取り込まれる危険性が高くなる。それとは別に、突発的に異界への門が出現する場合があるが、これは人々の感情とは関係ないと言われている。あくまで、自然災害的なものだ。

 

話は戻って、"異界に取り込まれる"という点においては、その人によって危険性を測定する装置を、ネメシスが開発済みである。尤も、私達現場には昨年実装されたばかりであるため、試験段階なのは否めないんだけど。

 

因みに、"人が異界に取り込まれる"という点において、新たな仮説も提唱されている最中である。その仮説というのが、異界に生息する怪異は"人"を媒体に成長していき、やがてその人自身を飲み込む......というもの。ただ、この仮説についても、未だ研究段階の域を出ない。

 

 

......装置で測定できる危険度の段階は10段階。脅威度の大きい順に、ランク10、ランク9、ランク8、ランク7、ランク6、ランク5、ランク4、ランク3、ランク2、ランク1と続く。

 

 

正直、私は千葉に来るまでランク5以上を見たことがなかった。

 

 

......だが、今日比企谷さんに近づいた時、私のサイフォンは最高値である10を指し示していた。

 

 

「......考えていても仕方ないか。」

 

 

いくら悩んでも、比企谷さんのために出来ることは少ない。それならば、事が起こった時には私が必ず彼を助けたい。それがあの頃の恩返しにもなるだろうから。幸い、今の私には異界絡みのことなら彼を助ける力がある。

 

 

.....................

..................

...............

............

.........

......

... 

 

 

 

――踊れ、狂ってしまえ!抗う、術なき、嘆きの鐘は響く――耳塞いで!それでも、ああ!拒むことなど出来はしない――

 

 

SPICAの新曲が耳に入ってくる。

 

どこか危うさの感じさせるメロディーが耳に残る。サビの部分を独唱するのはレイカといろはちゃん。レイカの声によくよくマッチした選曲だと思う。まさか、いろはちゃんがこんな迫力のある声を出せるとは思わなかったけど。

 

 

――染まれ、浸ってしまえ!逃れる、術なき、嘆きの鐘は笑う!声枯らして!叫ぶ拒絶......NO!――絡み囚われ......溶ける響き――

 

――祈りにも似たリフレイン――

 

 

レイカといろはちゃんが最後を締める。最高潮に盛り上がる観客席。私がいなくとも、彼女達はこんな素晴らしいステージを創りあげることができる。

 

 

「私もあそこに立ってたんだよね......なんだか夢みたい。」

 

 

しばしの放心状態。SPICAのライブを見ると、毎回こんな調子だ。もう1年も経つのに、我ながら引きづってるなぁ、なんて思う。

 

 

「......やっぱり見るんじゃなかったな。」

 

 

私の呟きは誰にも届くことはない。

 

 

 

.....................

..................

...............

............

.........

......

... 

 

 

 

同じ頃 

 

舩橋駅前 繁華街

 

bar エクセリオンハーツ

 

 

 

「比企谷君......久しぶりだね。」

「もう俺のことなんか忘れてると思ったんだが。電話貰った時はびっくりしたぞ。」

 

 

突然知らない番号からの着信があったのがほんの数分前のこと。

 

 

「もう。数ヶ月しか経ってないんだから忘れるわけないよ。」

 

 

ケラケラと笑う彼女。空っぽな笑顔。

 

あの頃と同じ、微笑みの奥に果てしない空洞が広がっているのを感じる。

 

 

春用の薄目のコートをハンガーに丁寧にかける彼女。見れば、真っ白で今にも透けて見えそうなシャツに身を通しており、主張している女の部分に嫌でも目が行ってしまう。ボタンを第二まで外し、下はショートパンツとニーハイを組み合わせたその格好は、どこか男を誘っているようにも見える。

 

 

俯き気味な表情は憂いを感じさせ、どこか妖艶な雰囲気を纏う彼女。海老名姫菜とはこんな女の子だっただろうか?



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