「なぁ、死んでくれよ…織斑」 (夜坂凪)
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00

それは、なんの代わり映えもしない日常で、

朝食の準備をする母、まだ眠たそうに起きてくる父、部活の朝練に行く姉、

登校中の学生で賑わう通学路、少し年期の入った体育館に校舎、

少し五月蝿い(賑やかな)友人、それにノリの良い(ワルノリの過ぎる)クラスメイト。

その時は、何気ないこんな日常が、何時もの様に、変わらずに、続いていくと思っていた。

 

けれど、そんな代わり映えのしない日常は、かけがえのない日常は、

数日前に発見された初の男性IS操縦者《織斑一夏》一つのボタンの掛け違い(彼の登場)で唐突に壊れていく。

 

そんな彼の登場から数日後、日本政府によって、全国で男性を対象にしたISの適性検査が行われた。

自分が住んでいる地域で検査場所に指定されたのは、通っている学校の体育館だった。

検査当日、指定された場所に向かうと友人が先に来ていた。

他のクラスメイトもちらほらと見かけることが出来る。少し遅れて学年主任の先生がやって来た。

その先生の話によると、どうも今回の検査は、中学生を対象にしたものらしい。

どうせ自分には関係ないと、他人事だと思い友人やクラスメイト達と話し半分に聞いていた。

きっと皆そうだった。自分の番が来るまでは…

それから自分の前に並んでいた友人の番が終わり、とうとう自分の番が回ってきた。

友人はすれ違いざまに「どうせお前も反応しないだろう」と言ってきた。

自分もそう思う。そんな風に返事を返し、ISの元へ歩いていく。

検査の為に来ただろうスーツを着た女性達の指示に従いISに触れる。

触れた瞬間、莫大な量の情報が頭の中に流れ込んできた。

 

情報の波に溺れそうになりながらも流れに身を任せる。

 

しばらくして、波が引き落ち着いて来た。

とても長く感じていた時間は、ISに触れてから30秒も経っていなかった。

なにやら、指示を出していた女性が何処かに、携帯で連絡を取りながら他の女性達に指示を出している。

しかしなぜだろうか、視点が高い。それに周りが騒がしい。

 

いや、わかってる。気づきたくないだけだ。自分が《二人目》になってしまったのだと。

 

しばらくして、指示を出していた女性が携帯をしまった。きっと話がまとまったのだろう。

今その女性は、学年主任の先生と話している。恐らく自分のことだろう。

話が終わり、女性が自分を降ろすように他の女性達に指示を出していた。

降ろして貰ったあと、先生がやって来て今日は帰る様に言ってきた。

それと両親に今回のことを学校から伝えるとも。

とりあえずその日は、言われた通りに家に帰った。それに帰った後のことは、余り覚えていない。

 

適性検査から数日経った日の放課後、自分は教頭と担任から校長室に呼び出された。

教頭と担任と共に校長室に入って見ると、両親とこの間の女性がいた。

呼び出された理由は、くだんの件についてらしい。

どうやら両親は既に内容を聞いたらしく、二人の表情から察するに余り良い話ではなかったらしい。

覚悟していたとはいえ、余り頭に入って来なかった。

彼女が言うには、一つは今回の件について情報を規制してあるということ。

二つ目はもう少し先の事だが、重要人物保護プログラムが両親と姉に適用され、

一家バラバラに暮らさなくてはいけないこと。

三つ目、自分が国際IS委員会所属になるらしいこと。これは、既に手配されているらしい。

最後にIS学園に通うこと。

他にも何か言っていたが大事なのはこの四つくらいらしい。

それに加え時間が押しているらしく、直ぐにでも学校を出なくては行けなかった。

余り別れの挨拶は言えなかったが、それでも車に乗り込む前、両親が抱き締めてくれたのは嬉しかった。

ただ一つ心残りがあるとすれば、姉に別れを言えなかった事だろうか…

 

あぁ、どこでズレてしまったのだろうか…

 

そんなことを考えながら車に乗っていた。

 

動き出した(狂い出した)運命の歯車は止まらない(止められない)

 

 

それからは地獄だった。

重要人物保護プログラムという名の人質。

検査という名の人体実験。

訓練の名を借りた暴力。

 

そして()はあの日、自分を殺した(死んだ)/殺された。

 




・設定は沢山思い付くけど、それを文章にする力がねぇ!
・主人公がIS学園に行くタイミングは鈴の編入前後を予定してまふ。
・ヒロイン未定って言うかヒロイン居ないんじゃないですかね。
・読みにくかったらごめぇんね。
・原作読んでないんだ、許してヒヤシンス。
・手元にある資料はアニメ一期とコミック版(赤星健次著)のみ。
・一期までしかやらないんで楯無さんと簪ちゃんはでませぇん!てか、かけないっす。
・予定しているストーリーの進行の為、主人公を強めに設定してありまふ。
・読み直して自分的に違和感のあった場所を修正しますた。
・感想ありゃあとぉござます!
 ポッろっとネタバレとかヒントを出してしまいそうなので返信はしません!
・スタートとゴールは出来てるッス!道がないだけッス!
 ヘイトに関しては受けとる人によってラインが違うので保険ッス!描写も同様ッス!


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01

委員会からの通達で今日からIS学園に通うことになった。

少なくとも、彼処に居るより全然良い。それに彼も学園に居るのだろう。

そんなことを思いながら、モノレールから降りて歩き出す。

歩道に沿ってしばらく歩いていると、校門が見えてきた。

それに遠目にだが人が立っているように見える。

段々と校門との距離が短くなっていく。

どうやらその立っている人が資料にあったクラスの担任らしい。

 

「お前が転入生か?私がお前の配属されるクラスの担任をしている織斑千冬だ。挨拶はしなくてもいい。

既にホームルームが始まっているからな、お前の挨拶は教室にいってからだ。着いてこい。」

 

先を歩く彼女に着いて行く。

それからしばらく学園の敷地内を歩き、校舎の中へ入ったあと彼女の方から話しかけてきた。

 

「クラスは一年一組だ。あと、明日からお前は、学園内の寮から通うことになる。

放課後に部屋の鍵と部屋番号を教えてやる。」

 

返事を返し廊下を歩いていると、ある教室から恐らく教師と生徒のものと思われる会話が聞こえてくる。

 

「一年一組のクラス代表は織斑君に決定です! 一繋がりで縁起もいいですね!」

 

「いやいやいや!! 先生! 負けたんですよ、俺は! それが何でクラス代表になってるんですか!!」

 

どうも自分が配属されるクラスには、彼が居るらしい。

 

「それは(わたくし)が辞退して差し上げたからですわ!」

 

「はぁ?」

 

「まぁ…貴方は確かに負けてしまいましたが、それは少し考えてみれば至極当然こと。

なんせイギリスの代表候補生たるこの(わたくし)、セシリア・オルコットが相手だったのですから、

それは仕方のないことだったのですわ!」

 

「反論出来ねぇ…」

 

「それで(わたくし)も大人気なかったと反省いたしまして、

それで一夏さんにクラス代表をお譲りすることに決めたのですわ。

あ…あの、そ…それで…ですね、やはりISの操縦を覚えるには、実戦が一番だと思いまして、

よ…良ければ(わたくし)が操縦を教えて差し上げようかと…《!!!!!!》」

 

教室から何かを叩きつけたような音が聞こえたが大丈夫なのだろうか。

 

「生憎だが、一夏の相手は(わたし)で足りている。直接、頼まれたのだからな。」

 

彼女の方を見ると眉間を抑え、頭が痛そうにしていた。

 

「ですから、(わたくし)が!」

 

「いいや、(わたし)だ!」

 

もう一度、彼女方を見ると彼女は、

 

「はぁ…お前は、そこで少し待っていろ。いいな?」

 

ため息を吐きながらそう言って教室の中へと入っていった。

 

「何時まで騒いでいるつもりだ! さっさと席につけ、馬鹿ども!」

 

「「はい…」」

 

「あっ、織斑先生!」

 

「遅れてすまないな、山田君。」

 

「いえいえ、私は大丈夫ですよ。それで、転入生の子は?」

 

「あぁ、奴なら教室の外で待っていてもらっている。何時までも待たせては悪いからな。

さて、諸君。クラス代表は織斑一夏で異存ないな?」

 

「「「「「はいっ!! 」」」」」

 

「だ、そうだ。励めよ?織斑。」

 

「は…はい」

 

「待たせて悪かったな、入ってこい。」

 

そう言われ、長かったな…何て思いながら教室のドアに手を掛け、

自分がこの教室のドアをくぐった後のことをふと考える。

きっと彼と新しいクラスメイト達は驚くだろうと。

彼以外の男性操縦者が居たことに。自分以外の男性操縦者が居ることに。

そんなことを考えながら、()はドアを開け教室に足を踏み入れた。




・主人公君の情報は規制されている!されているんだ!!
 主人公君、既にいない子扱いです。織斑さん家の一夏君には表立って手が出せないからね!
 三人目が見つかるかわからない以上、主人公君で実験するしかねぇ!
 でも一応何か有った時の為に、サンドバッグを兼ねた訓練もしゅる。
・主人公君自己紹介できてないっ!まぁ、自己紹介させても偽名だから関係ねぇ!
・原作読んでないから基本アニメ+漫画版のストーリー通りに進めるん。進めたいん。(願望)
・ゴールまでの道が舗装出来ねぇ!軽く迷子だ!助けてくれ!
・少し気になったところを修正しますた。
・非ログインユーザーの方も感想を書けるように変更いたしますた。


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02

「皆さぁーん、出席番号順に並んでくださぁーい。」

 

クラス代表の決定と自分の自己紹介もを兼ねたホームルームも終わり、

ISスーツに着替え、一時限目の授業を受けるためにグラウンドへと向かった。

そこで生徒達より少し先に来ていたクラスの副担任である山田先生からの指示に従い、

他のクラスメイト達と共に整列して待機していると、

 

「よっ!学園に二人しか居ない男同士なんだ、よろしくな!

 まぁ、お互い肩身が狭いけど、仲良くやろうぜ!俺の名前は…「よし、揃っているな?」

 

なんて話しかけてきた彼の言葉は、少し遅れて来た織斑先生の言葉に遮られた。

その言葉を聞いた彼は、「じゃあな!」といって自分のいた列の中に戻っていった。

まぁ、さっきの自己紹介を聞かなくても(お前)のことは知っているのだが。

 

「では授業を始める。専用機持ちは皆の前に出てISを装着しろ。」

 

「おう!」「わかりましたわ!」

 

「返事は、はいだ。次から気をつけろ、わかったな?織斑、オルコット。」

 

「「…はい」」

 

彼女がそう言いと彼とオルコットさんが前に出て、ISを装着する。

二人が装着し終わった後、()は織斑先生に話しかける。

 

「ん?何だ?」

 

こちらに視線を向けた彼女に、自分も専用機を持っていることを伝えた。

 

「そうか、そうだったな。では、お前も前にいってISを装着しろ。」

 

オルコットさんの隣に行き、自分もISを展開する。すると隣から、

 

「お前も専用機持ってるのか?!」「貴方も専用機を持っていますの?!」

 

なんて驚いている二人の質問に、『まぁ、色々あって…』そんな曖昧なニュアンスの返事を返す。

自分的には見飽きた専用機だったが、二人のISと比べて見ると自分のISは細く鋭利な印象を受ける。

それに加え、全身装甲は珍しいのか自分に視線が集まっているように感じる。

 

「さて、装着したな?ではお前達、武装を展開して見せろ。」

 

その言葉を合図に登録された武装を展開する。

 

「それでは駄目だ、織斑。最低でも0.5秒で展開できるよう努力しろ、いいな?」

 

「頑張ります…。」

 

「精進しろよ?織斑。」

 

「ほぉ…及第点といったところか。まぁ、約二ヶ月でその出来ならば上手い方だ。

 たが、出来るからといって訓練を怠るなよ?」

 

彼処で散々やらされたんだ。0.5秒位ならば余裕である。

まぁ、褒められて悪い気はしない。まぁ、隣の彼女には敵わないのだが。

 

「二人に比べ…流石だ、オルコット。やはり代表候補生なだけはある。」

 

全くの同意見だ、流石である。

 

「ありがとうござい…「だがな?オルコット。」

 

「え?」

 

ところで何故、自分は隣に立っている彼女に銃口を向けられているのか。

これは、あれか?自分も銃口を彼女に向けた方が良いのだろうか?なんて、ふざけたことを考えていると、

 

「そのポーズはやめろ。そいつの頭に銃口を向けてどうするつもりだ?

 転入祝いに風穴でも開けてやるつもりか?」

 

「こ…これは、私の中でイメージを固めるのに大切な…「直せ…出来るな?」

 

「…はい」

 

流石に教師である彼女には敵わなかったのか、オルコットさんはしゅんとしながら銃口を下ろした。

イメージは大切だ。まぁ、彼女の言いたいこともわからなくはない。

だが、装備を展開するたびに銃口をこちらへ向けるのは勘弁してほしい。頑張って直してくれ。

 

「では、次だ。今から、ISでの基本的な飛行操縦をしてもらう。三人とも、準備はいいか?」

 

「「はい!」」

 

何時でも行ける。

 

「では、その場から急上昇してくれ」

 

「「はい!」」

 

《!!!!!》

 

「二人とも早いなっ!!」

 

「何をのろのろ飛んでいる、さっさと行け!あいつの機体には及ばないが、

 スペック上の出力はブルー・ティアーズより白式の方が高いぞ。」

 

どうやら、遅いのは機体のせいではなく、彼の技量の問題らしい。

事前に聞いていた話だと、初めてISに触れた日から入学するまで一切触れていなかったらしい。

それが本当ならば納得だ。それにあの様子なら本当のことなのだと思う。

だとしたらそれまで何をしていたのかという話になるが。

 

「そこで大丈夫です!急上昇をやめて待っていてください。」

 

おっと、考え事をしながら飛ぶものじゃないな。

山田先生にとめられなければこのまま何処かへ飛んでいくところだった。

それに今彼のことを気にしても仕方ない。何時、指示を出されても良いように準備をしておこう。

まぁ、この高さだ。恐らく次にやることはここからの急降下だろう。

それとも何か別のことでもやるのだろうか?

瞬時加速(イグニッション・ブースト)なら何とか出来るようになったが無反動旋回(ゼロリアクト・ターン)なんかは微妙なところだ。

 

「それでお前は何をイメージしてるんだ?」

 

「ちょっと、聞いてますの?」

 

ん?どうやら話しかけられていたらしい。

どうも自分は考え事をすると、考え事に集中し過ぎるらしい。

イメージの話だったか。それが何についてのイメージかはわからないが、

そうだな、強いて言えば―――――――だろうか?

 

「…は?」「…え?」

 

イメージの話だろう?聞かれたことを答えただけなのだが…。

もしかして質問の答えを間違えたか?だが、質問してきてその反応もどうかと思う。

ちゃんと聞いていなかった自分も悪いがその反応は無いだろうと二人に抗議する。

 

「…もうしわけありませんわ。」

 

「わ…悪い。それでもう一回聞きたいんだが、何をイメージして飛んでるんだ?」

 

あぁ、彼は飛行操縦中のイメージを聞いていたのか。それならあれだ…燕、swallow。

 

「燕?」「燕…ですか?」

 

燕のあの動きは非常に参考になる。

もっと上手くイメージ出来れば良いんだが、それがなかなかどうして…

 

「一夏っ!いつまでそこにいるつもりだ!早く降りてこ「何をしている、篠ノ之。」《!!!!!!!》…っ!!」

 

何事かと思い下を視ると、彼女の頭に織斑先生の出席簿が襲いかかっていた。

流石に指示を出すためのインカムを山田先生から奪ったのは駄目だったらしい。

 

「馬鹿ものが…聞こえるか?次は急降下と完全停止だ。目標は地表から10cmだ。」

 

今回も先に行かせてもらうとしよう。

高いところから身を投げ出すように、逆さまになり落ちていく。

段々と地面との距離が近づいていく。目標から4m位の高さで減速し身体を反転させ停止する。

 

「…おい。」

 

…はい。

 

「あれは、やめろ。見ていて胆が冷えた。」

 

危険だからやめろとのことらしい。

自分を心配して言ってくれたようだ。

そう言われては素直に言うことを聞くしかない。

 

「わかったな?一応、目標通りだ…では次、オルコット。」

 

彼女はなんの危なげもなく、急降下と完全停止を成功させていた。

 

「なんですのあの急降下と完全停止は?!危険ですから控えてください!」

 

降りてきた彼女にまで言われてしまった。申し訳ない。

 

「最後、織斑。」

 

名前を呼ばれ彼も急降下を始めた。

自分が言えた立場じゃないのはわかっているが、あんなにスピードを出して彼は大丈夫なのだろうか?

何となくだがイヤな予感がする。具体的にはグラウンドに穴が開くんじゃないかと思う。

そろそろ減速して身体を反転させないと地面に………あぁ、これは駄目だな。

 

《!!!!!!!!!!!》

 

 

 

 

彼がグラウンドと熱いキスを交わしてからしばらくたち、ようやく土煙が晴れてきた。

どうやら彼は自分で開けた(掘った)穴から自力で這い出てこられたらしい。

だが、そんな満身創痍の彼の前に立っていたのは出席簿を振りかぶった般若(織斑先生)だった。

 

流石に同情する。憐れ、織斑一夏……南無三。

 

《!!!!!!》

 

「…っ!!」

 

「…で、誰が地上に激突してグラウンドに穴を開けろ(掘れ)といった?」

 

「………すみませんでした…。」

 

「自分で開けた(掘った)穴だ、自分で埋めろ。後始末くらい自分でやれ。」

 

「…はい……はいっ?!」

 

今この瞬間、彼女の言葉に初めて、クラス全員が一つに纏まったように感じた。

絶対に、彼に巻き込まれまいと。皆揃って無事に教室へ帰えるのだと。

 

授業が終わり、他のクラスメイトがグラウンドから去っていく中、

自分で開けた(掘った)穴を埋めるため、グラウンドに独り残された彼の背中には哀愁が漂っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まぁ、そんなこともあったりしたが、残りの授業は特に何の問題もなく終了した。

放課後も特に予定がないので織斑先生のところへ向かい、

部屋の鍵と部屋番号を教えてもらうい寮に向かった。

 

寮に着き教えられた部屋へと向かう道中、

クラスメイトから夕食後に彼のクラス代表就任を祝って、

食堂でパーティーをするから良ければ参加しないかと誘われたが、

登校初日で疲れていることを伝え、誘ってくれた彼女には悪いが参加を断り、部屋を探した。

 

部屋を探す最中、すれ違った生徒に部屋の場所を教えて貰いなんとか見つけた。

鍵を開け部屋のなかに入り荷物を床に置いた後、

ベッドに自分の身体を放り投げこれまでのことを思い返していた。

彼には悪いが、自分がここに来る原因となった事に対して、色々と思うところが無いとは言えない。

たが今は、いつ終わりが来るかわからないこの瞬間(日常)を大切にしようと思う。




・長い!でも、ちゃんリン出てねぇ!
・やったね!主人公君、専用機持ちぃ!
 だが主人公君、君は実験対象だ!
 そんな君の専用機がまともなはずがない!あるはずない!
・比較的マイルドちっふ(願望)。だが、襲いくる出席簿。
・連休が終わり、更新速度が落ち始めますん。
・ゴールからスタートを目指すよりも、
 スタートからゴールを目指した方が話が進……まねぇ!知ってた。
・篠ノ之の篠が筱になっていたため修正しますた。
・読んでみて気になった部分を修正しますた。


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03

どうも自分が思っていたよりも疲れが溜まっていたらしく、起きた時間は少し遅めだった。

そのこともあり食堂についたのは少し遅かったが、軽く食事を取るくらいは出来た。

朝食を食べ終え食堂あとにする。

時間が押していることもあり、少し急いで教室に向かった方が良いだろうと、

走らない程度に早歩きで廊下を歩いていると、

 

「なんだ、寝坊でもしたか? まぁ、私も教室へ向かうところだ。一緒にいくか?」

 

後ろから織斑先生が話しかけてきた。

まぁ、織斑先生と共に向かえば遅刻することもないだろうと、一緒に行くことにした。

 

「それで、どうだ。これからやっていけそうか?」

 

そんなことを聞かれても何時までここに居られるかはわからない。

正直、なんて答えたらいいかわからない。困った。非常に困った。コマッタナー。

いっそのこと無難にいこうか。それがいいだろう。そう思う。

そんな訳で、頑張りますということをフワッとした感じに伝えてみた。

 

「……はぁ」

 

溜め息を吐かれてしまった。

 

「まぁ、いい。それで、その…なんだ? 教師…としてではなく、だな…織斑一夏(彼奴)の姉としての頼みなのだが…出来れば、彼奴と…一夏と仲良くしてやってくれると嬉しい…。」

 

…………。

ありがとう。本当にありがとう。本当に困るやつがきた。

彼女は()の事情を知っていて、そう言っているのだろうか。

それとも、知らずにただ恥ずかしくてあんな喋り方をしているのだろうか。

もし前者ならば、()は一生彼女を軽蔑するだろう。

そんなこと思いながら正直なところ気が乗らないが、了承の返事を返した。

 

「そうか、お前がそう言ってくれて安心したよ。彼奴は人の悪意に鈍い。お前もそうだが彼奴も男だろ?彼奴一人では息も詰まっていただろうからな。彼奴のことを頼んだぞ?」

 

この反応からして恐らく後者だろうと思う。

純粋に彼を心配していた彼女の言葉を曖昧に返事をし聞き流す。

その後は返事に困る話題もなく、他愛もない話をしながら教室へと向かっていった。

 

「…でだな、ん? どうも教室の方が騒がしいな。それで、どこのクラスだ?」

 

確かに。しかもうちのクラスの教室らしい。

 

「…はぁ。朝から何を騒いでいるんだ、あの馬鹿どもは。」

 

よく見ると教室の入り口に何かちっこいのがいる。

それに会話を聞くに原因は彼女と彼らしい。

 

「その情報古いわよ!」

 

「…え?」

 

「二組も専用機持ちがクラス代表になったんだから。そんな簡単には勝たせてあげないわよ!」

 

「……お前、鈴か?!」

 

「…一夏、久しぶりね。でもね、一夏? 今の私はただの鳳 鈴音じゃないわ!中国代表候補生の鳳 鈴音よ!」

 

「なに格好つけてるんだ?似合わないぞ、鈴。」

 

「な、なんてこと言うのよ!一夏!!」

 

タイムリミットだ、中国代表候補生(二組)のちっこいの。後ろの彼女に絶望するといい。

 

「《!!》いったぁ…なにすんのよ!」

 

今回は、拳骨ですか。出席簿は使わないんですね。

 

「もうホームルームの時間だぞ?」

 

「…千冬さん。」

 

「ここでは織斑先生だ。さっさと自分のクラスに戻れ、邪魔だ。お前も早く入ってこい。」

 

はーい。

 

「また後で来るから逃げずに待ってなさいよ、一夏!」

 

「…お、おう。」

 

これから彼の周りは騒がしく(賑やかに)なっていきそうだ、そんな予感がする。

出来れば何事もなく、平和に終わることを祈ろう。

そんなことを考える()を余所にホームルームは進んでいった。




・これにて漫画版一巻まで終了にござるぅ。
・新学期初日とか思ってるより疲れるよね?って話。個人差はあるだろうけどネ?
・元国家代表だからってなんでもは知らない、知ってることだけ。
 だって人間だもの。ちっふ。
・土日で更新しますん。出来るかな?出来ればいいね?
 まぁ、タグにあるからね。エタらなければとええねん。


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04

午前中の授業も終わり、昼食をとりに食堂へ来たわけだが…

 

「鈴、お前いつ戻ってきたんだよ?あと、いつの間に代表候補生になったんだ?」

 

「質問ばっかりしないでよ、一夏。

 アンタの方こそ、IS乗ったってニュースみてビックリしたわよ。

 まぁ、ここにはアンタ以外にもう一人居るみたいだけど?」

 

視線をこっちに向けないでくれ鳳さん。

しかし何故、自分以外がここに居るのだろうか。

可笑しい。明らかに可笑しい。

最初は自分一人しか、このテーブルに居なかった筈なのに。いつの間にか包囲されている。

 

「そろそろ、説明して貰いたいのだがな? なぁ、一夏?」

 

「そうですわ、一夏さん! まさか、こちらの方とお付き合いなされている…

 なんてこと、ないですわよね?」

 

「べ、別に…つ、つつつ…つ、付き合ってる訳じゃないわよ…」

 

「そうだよ…ただの幼馴染みだよ。」

 

「幼馴染み…?鳳なんて名字聞いた記憶はないが?」

 

「あぁ、そうか…。ほら、箒は四年生の終わりに引っ越しただろ?

 入れ違いで鈴が引っ越してきたんだよ、五年生の頭にな。

 まぁ、中二の終わりに帰国したんだけどな?」

 

「そうなのか」

 

「あぁ、そうなんだよ箒。鈴、お前に前、話しただろ? 俺が通ってた剣術道場の娘がこっちの箒だ。」

 

「そういえば、聞いたことあったわね……へぇ…そうなの…

 改めて初めまして、鳳 鈴音よ。よろしくね。」

 

「あぁ、御丁寧にどうも。篠ノ之箒だ。こちらこそ、よろしくたのむ。」

 

「例えるなら、鈴はセカンド幼馴染みで、箒がファースト幼馴染みってところだな。」

 

少し待ってくれ…それは幼馴染みなのだろうか?

まぁ、篠ノ之さんはわかる。鳳さんは怪しくないか?

いや、本人達に言うつもりはないが…。

 

「んっ……(わたくし)のことを忘れてもらっては困りますわ、中国代表候補生の鳳鈴音さん?」

 

「……アンタ………誰?」

 

「んなっ?! まさか、(わたくし)を! イギリス代表候補生セシリア・オルコットをご存じないの?!」

 

「うん。アタシ興味ないから、他の国とか。」

 

それは代表候補生としてどうなんだ、アカンでしょう?鳳さんや。

 

「言っておきますが(わたくし)…貴女のような方には絶対に負けたりいたしませんわ!!」

 

「…ふぅん。まぁ、アンタには悪いけど戦ったらアタシの方が強いんだから勝っちゃうわよ?」

 

おいおい、鳳さん。自信過剰過ぎやしないでしょうか?

でも、彼の話だと鳳さんが中国へ帰国したのが中二の終わり頃。

そのことを考えると約一年で代表候補生になったのだから、

言い過ぎなんてこともないのかも知れない。

いつか大きな壁に当たった時が大変そうだが。

 

「そんなことよりも一夏!」

 

「ん?なんだ、鈴?」

 

そんなこと扱い……。

可哀想にオルコットさん。隣の篠ノ之さんに慰めてもらうといい。

その彼女が慰めてくれるとは思わないが。

 

「クラス代表なんでしょ? アンタの操縦、アタシがみてあげようか?」

 

「鈴がか?」

 

「勿論、アンタが良ければだけどね?」

 

「ホントかっ?!助か…《!!!》」

 

oh…耳がっ?!

 

「一夏に教えるのは、頼まれた私の仕事だ!」

 

「それに貴女は二組でしょう? 敵の施しなんて必要ありませんわ!」

 

「外野は引っ込んでてよ。アタシは一夏と話してるの。」

 

「いいえ!一夏さんは一組のクラス代表ですから一組の人間が教えてさしあげるのが当然ですわ!

 貴女こそ後から出てきて図々しく……」

 

「アタシの方が付き合い長いんだから、後からじゃないわよ。」

 

「それなら私の方が早い!一夏とは何度も家族ぐるみで食事をした!」

 

「ご飯?それならアタシもそうよ?」

 

「……なぁ、一夏?」

 

「……どういうことですの?」

 

「そ、その…」

 

修羅場か?修羅場なのか?

もしも修羅場なら頼むから勘弁してくれ。

 

「鈴の家が中華料理屋やってたんだよ。それで、よく食べにいってただけだよ。」

 

「御実家がお店でしたの。」

 

「そうか。それならば何も不自然な事はないな。」

 

実家が料理屋だったのか。納得である。

ところで、篠ノ之さん。不自然な事って何だ。

 

「そういえば…なぁ、鈴。」

 

「何、一夏?」

 

「親父さん、元気か?」

 

「あぁ…元気……だと思う。…それより一夏!

 今日の放課後、時間があるなら久し振りだし二人でどこかいってみない?」

 

「悪いが今日の放課後はISの特訓をするんだ。既に一夏の予定は埋まっている。」

 

「そうです! クラス対抗戦に向けて特訓をしなくてはいけないのですから!」

 

「へぇ……それならんその特訓とやらが終わったら行くから待っててよ? 一夏!」

 

「……あ、あぁ」

 

一つ言わせて貰えるのなら、二度と()を間に置かないで欲しい。

そして、俺の昼休みが終わった(僕は食堂から解放された)

 

余談だが、

このあとの授業で、織斑先生の出席簿が女子生徒二名の頭に振り落とされた。




・何故か包囲される主人公君。そのままラヴァーズ達の修羅場へ。
 ちなみに主人公君、自分から話に行かないだけで
 話しかけられると普通に喋るるる。
・謎の包囲網は主人公が特に相手の顔も見ずに返事をしていただけ。
 モグモグ…。席空いてる?モグモグ…。座ってええ?…ええよ。ありがとー。モグモグ。
・昼食時の席は右から鈴、一夏、主人公君、箒、セシリアでごぜぇます。
 テーブルとか席はアニメの方をイメージして貰えればと思うん。
・話が…進まねぇ!大丈夫……牛歩だが進んでいる……はずん。
・若干書き始める前とずれてるが、リメイクとかしなからぁ!!
 若干修正とかはするけどリメイクはしないからぁ!
 


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05

朝の様なこともなく、昼間の様なこともなく。

夕食も終わり、ゆっくりと過ごしていた筈なんだ。

それが何故か()は今、のろけ話を聞かされている。

()は愚痴を聞いてくれと言われて、愚痴に付き合っていたはずだ。

おかしい。これは、おかしい。おかしいなぁー。

そうは思わないかな?思わないのかなぁ?どうなのかなぁ?

ねぇ、鳳さん?

 

「わ、悪かったわね…で、でも!」

 

でもも何も、いきなりそんなことを言われたら、

彼と、彼と同室らしい篠ノ之さんだって困るだろ?

 

「うぐ…。」

 

それに、彼が告白の内容を間違えて覚えていたって言う話についてだが、

()の個人的な意見を言わせて貰えるのなら言いたいことがあります。

 

「な、何よ?」

 

告白の内容もそうなのだが、

付き合ってもいない異性にいきなりプロポーズってどうなの?

 

「…………。」

 

そこで黙らないでほしい。

 

「こ、告白なんて恥ずかしいじゃない!!」

 

プロポーズのほうが恥ずかしいし勇気がいると思う。

 

「うぅ…。」

 

それに鳳さんが自分で言っていただろう。

彼は、そういうことに関して鈍感だと。

その事は告白(プロポーズ)前からわかっていたはずなのだから

ストレートに好きだと伝えるのが正解だったのだと思う。

 

「はぁ…そうよねぇ」

 

とりあえずこれで、鳳さんが告白(プロポーズ)した話は終わりしよう。

それで彼にビンタをして泣きながら部屋を飛び出した鳳さんや。

 

「なによ?」

 

今回の件は正直、彼からの謝罪は無いと思う。

 

「なんでよ?! アイツが悪いんじゃない!」

 

まぁ、落ち着いて聞いてほしい。

鳳さんから今回の話を聞いた感じ、彼は約束を間違えて覚えていることに気がついていない。

つまり彼の視点からしたら、約束の内容をしっかり覚えているのにいきなりビンタされ、

何故か鳳さんが怒っているという状況になっているはずだ。多分。

 

「多分って、アンタねぇ…」

 

結果、自分は間違っていないのだから謝罪する意味が無いという結論に至るわけだ。

だから今回は、彼からの謝罪は諦めて、鳳さんの方から折れてあげるのがいいと思う。

 

「………そうね、直ぐには無理かも知れないけど謝りに行ってみるわ。

 少し冷静に考えると、告白の件だって言ったアタシと

 言われたアイツとじゃ色々違うだろうしね」

 

いきなり告白(プロポーズ)した人とは思えないほど冷静になった。

 

「う、うるさいわね! あ、あの時はテンパってたのよ!

 それに自分以外の視点でみてみると、確かにって納得しただけよ? 悪い?」

 

別に…まぁ、次からは日和(テンパ)らないと良いですね?

 

「アンタ…いい性格してるわね」

 

うん、よく言われました。

 

「はぁ…まぁ、良いわ。ワザワザ付き合ってくれてありがとね?」

 

いえいえ、どういたしまして。

 

「それじゃあ、アタシそろそろ部屋に戻るから」

 

お休みなさい。

 

「お休み、バイバイ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何て言って別れたのが数日前…

 

「覚悟しなさい、一夏! アンタのことボコボコにしてやるんだから!」

 

「勝って理由を聞いてやるから、覚悟しとけよ! 鈴!!」

 

あれから何があったんですか鳳さん…。




・次でクラス代表戦。たばうさを完全に忘れていたなんて言えない。
・主人公君、自販機の飲み物を買いに来たところをリンリンに捕まる。
 ついでに飲み物を奢らされる。
・ちょこばにゃにゃは古戦場から逃げ出した。しかし、回り込まれてしまった。
・ちょこばにゃにゃはぐだぐた明治維新から逃げ出した。しかし、回り込まれてしまった。
・主人公君のISの設定考えるの楽しいタノシイタノタノタ…タス……タノ…ケテ…。
 活動報告に上げるかも知れない?上げないかも知れない?上げない。

NEW

謝罪と言い訳+α

・次話は半分位までしか進んでおらぬぅ…。すまぬぅ…。
・リンリンとワンサマの戦闘描写がかけぬぅ…。すまぬぅ…。
・Q.クラス代表戦なくなるかも? A.なくなりません。
・Q.主人公君無理に絡ませなくてもええんでね? A.少し絡みます。


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