仮面ライダーダークビルドinスイートプリキュア♪【休載】 (萊轟@前サルン )
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主要キャラクター part1

玄野 影兎(くろの えいと)

 

CV.野島裕史(豪炎寺修也) 現在

  藤原夏海(茂野大吾) 過去(7歳~14歳)

 

見た目:黒く逆立った髪や鋭い目つきと先端がイナズマのような形をした独特の眉をしている。

 

プロフィール

 

誕生日:4月27日

年齢:18歳

身長:176㎝

好きなもの(事):南野奏の作るスイーツ

苦手なもの(事):氷室泰山、苦いもの

 

概要

 

仮面ライダーダークビルドに変身する青年。

普段は静かであまり喋らないが南野奏の前だと明るくはないが結構喋る。過ちを犯す前は野心溢れる荒い性格だったが過ちを犯し東都を追放されてからは今のようなおとなしい性格になった。

 

悩み事があるとアホ毛のごとく頭頂部の髪の毛の一部がピョンとはねる。過ちを犯す前は野心溢れる荒い性格だったが過ちを犯し東都を追放された後は今のような大人しい性格になってしまった。

 

 

本名は桐生 篤兎(きりゅう あつと)であるが東都ではその名が通じないため改名することにした。名前の影兎はダークビルド=桐生戦兎の裏(影)の存在という意味から取り名字の玄野は叔母が加音町で経営するバイオリンの店"玄野"から取った。

 

幼い頃、奏の親が経営するラッキースプーンというカップケーキショップで自分より幼い奏が作ってくれたカップケーキの味が忘れられずにいた。18歳になったある日、叔母から加音町が危ないと連絡がきたのでそれをきっかけに再び加音町に行く事にした。カップケーキのことを覚えている影兎はカップケーキをすぐに食べられるようにと奏の家の近くにあるマンションに住む事にした。

 

 

影兎も人体実験をさせられネビュラガスを注入されたが戦 スマッシュにはならなかった。後々、戦兎と同様、元からハザードレベルが3以上あったと判明する。

 

 

「いつかは影が本物を超える。」

 

この言葉をモットーに生活をしている。そのため、皆が見ていない影での努力を欠かさずしている。

 

 

仮面ライダーダークビルド

 

CV.子安武人(白猫プロジェクト ジュダ)

 

どこで手に入れたかは分からないがネビュラビルドドライバーを持っている。そのネビュラビルドドライバーを用いて変身する。組み合わせが正しい時はベストマッチではなくロストマッチと鳴る。

 

変身した後は東都の人に気づかれないよう声を変えている。

 

・ダークラビットタンクフォーム

 

色は全体的に完全にハザードフォームだが複眼が赤青ではなく黄色。

武器もビルドのドリルクラッシャーの色違いのダークドリルクラッシャー。ただ、武器の威力はダークドリルクラッシャーの方が高くダークドリルクラッシャーからはハザードフォームの時のようなプログレスヴェイパーみたいなものも出る。

 

・ホースソードフォーム

 

「戦場翔ける刃!ホースソード‼︎」

 

ウマフルボトルと剣フルボトルを使って変身する。馬のように速く動き剣で相手を攻撃する。

 

必殺技

 

ドライブタイプスピードの必殺技に似ている。素早い動きで円型に残像を作り真ん中の相手を四方八方から切り裂く。

 

・エレファントシールドフォーム

 

「完全鉄壁!エレファントシールド‼︎」

 

ゾウフルボトルと盾フルボトルを使って変身する。ゾウのような巨体と盾を使い身を守る。

 

必殺技

 

四つの盾が相手を前後左右から圧迫し圧迫されている相手の真上から落ちていき相手をプレスする。

 

・エモーション・Aフォーム

 

エモーショントリガーとエインガーフルボトルを用いて変身する。エインガーフルボトルには怒りの感情の力が入っている。ハザードトリガーのような副作用はないため暴走の心配などはない。

 

必殺技

 

エインガーフルボトルに詰められている怒りの感情の力を拳に集め敵を思い切り殴る。

 

・エモーション・Eフォーム

 

エモーショントリガーとヴォルプターフルボトルを用いて変身する。ヴォルプターフルボトルには楽しみの感情の力が入っている。

 

 

プロフィール

 

入間 鹿賀斗(いるま かがと)

 

誕生日:2月5日

年齢:18歳

身長:173㎝

好きなもの(事):魚料理

苦手なもの(事):辛いもの

 

容姿:Divine Gate ギンジ

 

 

仮面ライダーフェニキア

 

入間 鹿賀斗がフェニックススクラッシュゼリーとスクラッシュドライバーを使い変身する。

 

炎の力を使い相手を攻撃する。基本、物理攻撃ではなく火を飛ばすといった特殊攻撃を行う。

 

 

北条 響

 

CV.小清水亜美

 

正義感が強く、曲がったことが嫌いな熱血女子。 元気で明るく、歴代プリキュア体育会系女子の一人である。 見た目は今時の美少女中学生なのだが、言動には女の子らしい可愛らしさを感じさせる部分が少なく、どちらかといえば少年アニメの主人公に近い。

 

 

南野 奏

 

CV.折笠富美子

 

 

私立アリア学園中学校所属の14歳の女の子。

将来の夢は「パティシエール」になり実家の「ラッキースプーン」というカップケーキショップを継ぐ事。

家族構成は父・南野奏介、母・南野美空、そして弟・南野奏太の4人家族。

 

 

真面目でしっかりした性格で、先生や友人からも頼りにされている他、世話焼きで面倒見がよい。しかし納得いかないことは決して譲らない頑固な一面も見られる。

 

 

・仮面ライダーノワール(旧エレン)

 

CV.豊口めぐみ

 

 

エレンという女の子が紫色のビルドドライバーを使い変身する。

 

 

・キャットミアズマフォーム

 

「毒を纏うアウトロー...キャットミアズマ。」

 

ネコフルボトルと瘴気フルボトルを使って変身する。ネコのような速さで動き瘴気で毒を撒き散らす。

 

必殺技

 

目に見えぬスピードで動き瘴気で毒を作り毒を纏った拳で相手を殴る。

 

 

・マンティスシザースフォーム

 

「野原の切り裂き野郎!マンティスシザース!」

 

カマキリフルボトルとハサミフルボトルを使って変身する。超攻撃型のフォームで相手の攻撃を弾きながら自分も攻撃を仕掛ける事が可能。

 

必殺技

 

 

右手をカマキリの鎌に左手をでかいギロチンバサミに変え相手をズタズタに切り裂く。

 

 

・キャットミアズマハザードフォーム

 

 

ネコフルボトルと瘴気フルボトルをドライバーにはめた後にハザードトリガーを使用し変身する。強さはキャットミアズマフォームの3倍。オーバーフロー状態になると更に強くなる。だが、オーバーフロー状態だと自我を失い暴走してしまう。



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主要キャラクターpart2

※part2は第2章と第3章の重要なキャラクターを載せています。


 

・ブラッドスターク

 

CV.金子哲夫

 

概要:謎の組織「ファウスト」の幹部として暗躍する怪人の一人。敵味方双方からは専ら『スターク』と名前を省略して呼ばれる。

コブラの意匠が随所に見られ、その名の通り、血のように赤いワインレッドをイメージカラーとするダークヒーローの様な洗練された容姿をしている。

ファウストの参謀格を務めており、策謀を張り巡らせて相手が自身の手の平の上で踊る様子を眺めて楽しむ傾向を持っている。享楽的で飄々としており、おどけたような仕草や台詞も多い。

 

 

 

・入間鹿糸(いるま かいと)

 

CV.松岡禎丞(エロマンガ先生 和泉 正宗)

誕生日:2月5日

年齢:18歳

身長:173㎝

好きなもの(事):イタリアン料理

苦手なもの(事):辛いもの

 

容姿:革命機ヴァルヴレイヴ エルエルフ

 

概要:鹿賀斗の弟で北都で生まれ育った。あることをきっかけに鹿賀斗と共に北都を離れてどこかに向かおうとするがその途中、鹿賀斗とはぐれてしまい、どこにいるかは不明だったが、影兎と鹿賀斗がスタークと戦った時にグリスに変身した状態で登場した。

 

 

 

仮面ライダーグリス

 

入間鹿糸がロボットスクラッシュゼリーとスクラッシュドライバーを使い変身する。

 

鹿賀斗とは違い物理的な攻撃ばかりをする。特殊攻撃は一切なし。

 

 

 

・黒川エレン/キュアビート

 

CV.豊口めぐみ

 

 

何でも知りたがる好奇心の強い性格。向上心や好奇心の高さはセイレーン時代からも垣間見えていたが、洗脳が解かれた後はより前面に出てくるようになった。悪役時代に比べると人当たりはずいぶんと柔らかくなっている。

 

 

 

・雲田 繭(くもだ まゆ)/ディザスターアサシン

 

イメージCV.沢城みゆき(SAO シノン)

 

誕生日:?

年齢:?

身長:162㎝

好きなもの(事):?

苦手なもの(事):?

 

容姿:進撃の巨人 ミカサ・アッカーマン

 

 

概要:まだ謎が多いキャラ。スタークに似たのか雲田 繭も享楽的で飄々としている。玄野 影兎の様々な部分に興味を持っており現れる度、玄野 影兎を試すようなことをする。スタークには味方のような接し方をしているが実は、スタークのやる事や言動が気にいらなくて酷く嫌悪しているらしい。

 

 

 

 

・黒ミューズ

 

 

概要:一切喋らず喋りたいことがあれば自分の横にいる妖精に代弁させている。敵が味方か分からず正体もまだ分からない雲田 繭と同じ様な謎の多いキャラ。

 

 

 

 

 

※↓本編未登場重要キャラクター

 

 

 

・桐生 真斗(きりゅう まさと)

 

CV.花輪英司(ドラゴンボール超 ジレン)

 

 

概要:どこにいるかは不明だが雲田 繭いわく桐生 真斗は優秀な研究者らしい。彼は現在、有機物のフルボトル同士と無機物のフルボトル同士をどうすればベストマッチにできるかを研究しているらしい。



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物語本編 第一章 加音を脅かす怪物と謎の仮面ライダー
再会


東都を追放された俺は加音町を歩いていた。久しぶりに行く、記憶に残っている彼女の店を目指して。

 自分の記憶にある店の前に行くと、見覚えの無い少年がいた。少年に名前を聞くと南野(みなみの)奏太《そうた》と名乗った。どうやら、俺の知らないうちに彼女にも弟ができたようだ。久しぶりに店の中に入ると彼女がいた。

 

 

「いらっしゃいませ!...って影兎さん!?しばらく会っていない間に大きくなったんですね!」

 

 

 あの子は俺の事を覚えていた。成長した俺の姿を見て驚く彼女の名前は南野(みなみの)(かなで)。彼女は俺の事を大きくなったと言うが、そう言う彼女もしっかりと成長していた。

 

 「お前も大きくなったんだな。」

 

 「そりゃあ、結構な時間経ちましたから!でも影兎さん、大きくなっただけでなく格好良くもなりましたね...///」

 

 

 奏は頰を赤く染めながらそう言う。普通の視点から見れば美少女が頬を赤く染める、眼福な場面だと思う。だが、俺は既に恋愛に興味がなくなっており、奏の頬を赤らめた姿を見ても、何も感動は無かった。俺がボーっとしていると、奏がカップケーキを持ってきてくれた。あの時と同じ、可愛らしいカップケーキだ。

 

 「私特製のカップケーキ、食べてみてください!」

 

 「分かった、ありがとう」

 

 

 俺はカップケーキを口に運び、咀嚼する。肝心な味は、昔に食べた時と何も変わらない、懐かしいあの味のままだった。その味に感動し、無意識に涙が出てきてしまった様だ。

 

 「影兎さん、どうして泣いてるんですか...?」

 

 「...あぁ、泣いてたのか。まぁ、奏のケーキが美味しくてな。懐かしくなって、泣いちまった」

 

「えへへ....実は、あの時作ったカップケーキって私が初めて作ったカップケーキなんですよ」

 

 

 忘れられない、あのカップケーキは奏が初めて自分で作ったカップケーキらしい。という事は、俺は奏のカップケーキを初めて食べた人になる。

 

 「お前とこのカップケーキの味、この2つに再会できて本当に良かった。ありがとう、奏」

 

 「影兎さん、今、私のこと奏って呼んでくれました?」

 

 「....気のせいだ」

 

 ここで俺は加音町に来た目的を思い出し、それに関連する事を訊いてみた。一般的な女子の奏に訊く事に少し躊躇したが、飽くまで偏見だがこの年頃の女子は噂話に敏感だと思っている。なら、訊いてみるしか無いだろう。...そもそも、奏以外に人脈が無いのだが。

 

 

 「最近、ネガトーン?っていう怪物が現れるって噂話を聞いた事有るか?」

 

「はい、本当ですよ。伝説の楽譜を狙う人達が現れて、追い払うのに忙しくてこうやってゆっくりできる時間があまりないんですよ...」

 

 

 

 ...返答がおかしくないか?と言うより、隠せてないだろ。ゆっくりできない、とかもう自分が関係者ですよって暴露しているのと全く同じだぞ。

 その話は置いておくとして、叔母がが言っていた通り、加音町は怪物が頻繁に現れる危ない場所になっていたらしい。昔はごく普通の町だったのにな。

 ふと、外を見ると少し離れたところに巨大な怪物がいた。それを見た俺は席を立ち上がり、走って巨大な怪物がいるところまで行った。会計はまだしていないが、緊急事態だ。後で謝るとしよう。

 

 

 怪物に近付くに連れて、悲しみに沈んでいる人が多くなってくる。どうやら、この巨大な怪物の仕業らしい。

 ...倒すしか無いな。俺がドライバーを腰に装着しようとしたその時、上空から2人組が怪物に急降下キックを決める。怪物--ネガトーンを吹き飛ばすと、その隙に2人組の片割れの白い服の方が近付いてくる。と言うか、フリルが多いな。これで戦えるとは、驚きだな。

 

 「お前は...」

 

 「私はキュアリズム!影兎さん、ここは危ないから早く逃げて!」

 

 

 奏、お前な....初対面なハズの俺の名前を呼んだら、自分が俺の知り合いって事をバラしてるのと同じだぞ?頭は悪くはなかったハズだけどな。まぁ、この話も置いておくか。

 奏に...いや、今はキュアリズムか。逃げろとは言われたが、俺は過去の償いをする為にここに来た。償いの為に加音町を救うと決めた俺は、腰にドライバーを装着して、黒のラビットフルボトルと黒のタンクフルボトルを振ってから構えた。

 

 

〔ラビット!タンク!〕

 

 〔ロストマッチ‼︎〕

 

 フルボトルをセットすると、ドライバーからダークボイスが流れる。

 

〔Are you ready?〕

 

 

〔鋼のムーンサルト!ラビットタンク!〕

 

〔イェーイ!〕

 

 

 全ての音声がダークボイスの為、ダークライダー感が滲み出る。

 だが、俺はこの街を救うと決めた。東都にて今も戦っているであろう、LOVE&PIECE(愛と平和)を掲げて戦う某天才物理学者をイメージして、俺はその言葉を放つ。

 

 

 「さぁ、実験をはじめようか」

 




Suilennさんに大方助けられなんとかリメイク後の第一話を出すことができました!

※Suilennさん本当にありがとうございます!



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一歩前進

ダークビルドに変身した俺。ダークビルドラビットタンクフォームはビルドのハザードフォームを思わせるような容姿。ダークドリルクラッシャーを取り出しネガトーンを縦横無尽に切り裂く。ダークドリルクラッシャー内部にはネビュラガスの成分を利用して開発された万能強化剤「プログレスヴェイパー」が充填されている。その威力は一回切り裂くごとにハザードフォームのパンチ一発分くらいの威力がでる。

 

 

「リズム、いくよ‼︎」

 

「分かった!」

 

「二つのトーンを一つの力に!」

 

「奏でましょう、奇跡のメロディ! ミラクルベルティエ クロスロッド!!」

 

「刻みましょう、大いなるリズム! ファンタスティックベルティエ クロスロッド!!」

 

「翔けめぐれ、トーンのリング! プリキュア・ミュージックロンド! スーパーカルテット!!」

 

 

 2人はそれぞれの掛け声と共に必殺技を打つ。威力は十分だけどなぁ...万が一の場合があったら困るなぁ。と思った俺は確実に奴ら(ネガトーン)を倒せるよう自分自身も必殺技を打つことにした。ドライバーの取っ手をぎゅっと握りしめて勢いよく回す。

 

 

〔Ready go!(レディーゴー!)〕

 

〔ボルテックフィニッシュ!〕

 

〔イェーイ!〕

 

 

 ここでも禍々しいダークボイスが鳴る。2人が打った技と俺のライダーキックが重なり威力が倍増。これで倒せるはず...!案の定、ネガトーンは俺らの技を受け爆発して消えていく。爆発エンドはプリキュアというより仮面ライダーっていう感じがするが....気のせいかな。

 

 

 

 俺が変身を解くと共に2人組も変身を解きこちらにやってきた。

 

「あれ、影兎さん!私達を助けてくれたのですね!」

 

 

 奏、さっきからお前が白い服の奴だってバレバレだ、こんな天然だったっけ?そんな事は無いと思うのだが...でも、この言葉で俺はキュアリズム=奏という確信を得た。俺が2人の正体に気づいた事は敢えて言わないでおくとしよう。

 

 奏は目をキラキラ輝かせながら俺の片手を両手で握る。普通の人なら可愛い子にこんな事されれば鼻の下を伸ばして顔を赤くするだろう。だが、既に恋愛に興味のない俺はこんな事をされてもなんとも思わない。

 

 

「あれ、奏は王子先輩じゃなかったの?」

 

「王子先輩はもういいの!今は影兎さん‼︎」

 

 

 バッサリ切り捨てるんかい!とツッコミたくなるが今はやめておこう。奏は元々面食いな所があるから格好いい男性を見つけるとすぐに惚れてしまうのでバッサリ切り捨てるのはしょうがない事なのかもしれない。だが、それはそれで怖い....

 

 

 そして、ネガトーンを倒した後の帰り道、奏が俺の家の事について訪ねてきた。東都に帰るとでも思ってるのかな?

 

「あの~影兎さんって東都に帰るんですよね?大変じゃないですか?よかったら私の家に....」

 

 やはり...奏は俺が帰ると思ってたのか。奏には言わないつもりでいるが俺は東都に帰りたくはない。だからせめて自分が追放された時にしてしまった罪をここを守る事で償うのだ。

 

「俺の家ならお前の家の反対側にあるマンションだ。」

 

「えっ、えぇー...///」

 

 奏は顔を両手で隠している。普通に考えればこれは脈アリというヤツだが俺は今はもう恋愛については無知なのでこの事が脈アリというのかどうかも分からない...というか興味がない。

 

 

「....何かおかしいか?」

 

「おかしくないです!その、嬉しいというか何というか~」

 

 言わなくても言おうとしている事は大体検討がつくがあえて触れないであげよう。それよりも毎日確実に奏のカップケーキが食べられるよう頼んでみるか。

 

 

「俺は毎日お前の作るカップケーキが食べれると思うとものすごく嬉しいんだが。」

 

「ほ、ほほほ本当ですか?なら、今から作ってきまぁ~す!」

 

 

 今、食べたいと頼んでもいないのに奏は今、カップケーキを作ってくれるそうだ。

 

 

 そう言って奏は猛スピードで自分の家に突っ込んでいった。作ってくれるのは嬉しいが流石にこんな所で待つの辛い。なので店で待つ事にした。

 

 

「影兎さん!作ってきました‼︎」

 

 美味しそうなカップケーキが並んでいた。今にでもよだれが垂れそうなくらいだ。カップケーキがテーブルに並べられると早速、カップケーキに手を伸ばしてしまう。

 

 

「さんきゅー」

 

「...ってかお前も自分の作ったやつ食べてみろよ」

 

 俺は奏に自分のカップケーキを食べるよう推めてみた。奏は遠慮する。しかし、俺が何度も言うと食べますと言った。

 

「あぁ、食ってみろ。美味しいぞ。」

 

 

 奏は一口運ぶ。そして咀嚼する。すると、奏はおいしい!と言う。だろ!と俺は言うが奏はでも、まだまだです!と自分に厳しくできていてとても良いな。と俺は思いながらそれと同時に奏に帰宅する事を伝える。

 

 

「カップケーキありがとな。また食いに来る」

 

「どういたしまして!また食べに来てくださいね!」

 

 

 こうして、1日が終わったのであった。この日はネガトーンを倒し加音町を平和にするのに一歩前進した気がする。だが、それでもまだマイナーランドの者達がいる限りは平和になってはいないのでこれからも"影"なりに頑張っていこうと思った。



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謎の贈り物

翌日、上体だけを布団から起こした状態で俺はしばらくボッーとしていた。寝ても寝ても眠り足りないし疲れが取れない。...昨日、少ししか戦っていないはずなんだけどなぁ...こんな時は好物のカップケーキを食べて元気を出すか。そう思った俺は着替えを済ませてラッキースプーンに向かう。

 

 

「いらっしゃいませ!影兎さん待ってましたよ。」

 

 奏、俺が来る事を知っていたのか...⁉︎そりゃないか。まぁとにかくカップケーキを用意しててくれたみたいだし食べる事にするとしよう。俺はカップケーキを口に運ぶ。だがその時、俺は近くにある郵便物に目がいった。奏にこの郵便物について聞いてみる。

 

 

「この郵便物ってどこから届いたんだ?」

 

「それが、分からないんです。差出人の住所が書いていなくて...けれど、なぜか影兎さんの名前が書いてあるんですよ。」

 

「俺に何を..?」

 

 

 俺は自分宛の郵便物を開ける。すると、中にはカメレオンフルボトル、狙撃銃フルボトル、ゾウフルボトルに盾フルボトルの四つのフルボトルが入っていた。俺宛に送りつけてきたのは誰だろう?まさか、と一瞬、某天才物理学者の名前が頭をよぎったがそんな訳ないか。とすぐに考えるのをやめた。

 

 

「それは影兎さんが使うものですか?」

 

「あぁ、奴らネガトーンと戦うのに欠かせないものだ。」

 

「というか昨日、お前も戦ってたよな?」

 

 

 俺がそう言うと奏はギクッとする。今更ギクッとされてもなぁ...バレバレだったんだよなぁ。俺はすでに分かっているが今バレたつもりの奏は昨日のあの姿について詳しく話してくれた。

 

 

「あれは...プリキュアというもので。」

 

「プリキュア....か。プリキュアってどうゆう組織なんだ?」

 

「簡単に言うとネガトーンを倒す組織です!」

 

「なら、良い奴らって事だな。」

 

 

「そうなりますね!」

 

 

 俺と奏が話しているとその直後に誰かがやってきたようだ。それは、昨日、奏と共に戦っていたもう1人の女の子だ。その女の子は俺らを見てビックリしていた。店入った瞬間、目の前で奏が男の人と座って話していたので驚くのも無理ないだろう。奏は容姿が良いからモテているのかと思っていたがそうでもなかったようだ。

 

「か、かなで!アンタいつの間に彼氏できたの⁉︎」

 

「かっ、かれしぃ~⁉︎///」

 

「...違う、奏はただの友達だ。」

 

「...ってかお前、誰だ?」

 

「私は北条響!よろしくね!」

 

「...あぁ、よろしく。」

 

 

 響と話をしている間に俺の近くにいたはずの奏はどこかへ消えていた。まぁ、この年頃の女子にとってはいきなり彼氏できたの?とか聞かれると恥ずかしくなってどこかへ逃げてしまうのは仕方ない事であろう。俺と響は逃げた奏を追い奏の部屋に向かう事にした。

 

 

 部屋に入ると奏はベッドで布団を被っている。なんか暑そうだなぁ。そう思い俺が布団を剥がすと奏はお湯が沸いたやかんのように顔が赤くなっていた。暑すぎて顔が赤くなったのか?と俺は思ったがその後すぐに顔が普通の肌色に戻る。そして、響は奏に用があったみたいで用件を奏に話す。

 

「奏、今日はデパートにお買い物に行く約束してたでしょ?」

 

「忘れてたぁ~!すぐに準備するから待ってて!」

 

 

 

 

 俺と響は家の外で奏が来るのを待っていた。約10分後、奏が家から出て来て俺らはデパートに向かって歩いていく。奏と響曰くデパートまではあまり遠くないらしい。少し歩いていくと大きな建物が見えてくる。確かに遠くはなかった。東都では無縁だったデパートに来た俺は中に入るのが楽しみ。俺は入り口を見つけた途端、檻から久しぶりに出た犬の様に走っていきデパートの中を細かいところまで見た。

 

 

「影兎さん!待って‼︎」

 

 

 奏は俺に追いつくと俺の手をぎゅっと掴んで来た。おいおい、鬼ごっこしてるわけじゃないんだぞ。俺はただ単に早く中に入りたいから走っただけなんだぞ。まぁ2人を置いていこうとした俺も悪かったが...

 

「もう、いくらデパートが初めてだからってはしゃいじゃダメですよ!迷子になりますよ!」

 

俺の方が年上なのにまるで自分の子のような扱いをされるとは...ってかはしゃいじゃダメって言われてもまだデパートの中にも入ってもないんだが。

 

 

「...大丈夫だ。」

 

「ダメです!影兎さんが迷子にならないよう私が手を繋いどいてあげます...///」」

 

 

 やれやれ...言っても聞かないようだ..俺は仕方なく手を繋ぎながらデパートを見ていく事にした。一方の響は俺らを見てからかうような目でこちらを見ながらニヤニヤしていた。



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買い物中に現れし敵

「やっぱり手を離してくれ。」

 

「離しませんよ!」

 

 

 奏と俺はずっと手を繋いだままでいた。仕方ないなとは思っていたが、そろそろ俺は自由に動きたい...俺がそう思っている事に響は気づいたのかわざと俺と奏の間を通り繋いでいる手を無理やり引き離す。

 

「響‼︎なんて事するの⁉︎」

 

「影兎くんだって自由に動きたいと思うよ。だから自由にさせてあげなきゃ。」

 

「....そうだけどさー」

 

 

 仕方なく手を離した奏はしょんぼりとする。俺も自由に見て回りたかったしこのくらいしょうがないだろう。そして自由になった俺はバイオリンの店を見つけそこへ向かう。バイオリンが奏でる音色は自分の心を癒してくれるものである。流石に奏のカップケーキには敵わないがバイオリンの音色その次くらいに好きなものだ。

 

 

 しばらく店内を見て回っていると外から叫び声が聞こてくる。またネガトーンが現れたようだ。俺は持っていた店のバイオリンを商品棚に戻し走ってデパートの外に出ていった。

 

 

 外にはやはりネガトーンがいる。ネガトーンは既に町の人々を悲しみに陥れている。こうしちゃいられない。ダークラビットフルボトルとダークタンクフルボトルのキャップを正面に向け二つのフルボトルを振る。そしてドライバーにセットする。

 

 

〔ラビット!〕〔タンク!〕

 

〔ロストマッチ!〕

 

〔Are you ready?〕

 

 

〈鋼のムーンサルト!ラビットタンク!〉

 

〔イェーイ!〕

 

 

 俺が変身した直後くらいに響と奏も現れプリキュアに変身する。

 

 

 

「レッツプレイ・プリキュアモジュレーション!」

 

 

「爪弾くは荒ぶる調べ!キュアメロディ!」

 

「爪弾くはたおやかな調べ!キュアリズム!」

 

 

 

それぞれダークビルド、プリキュアに変身しネガトーンに向かっていく。だが、今回のネガトーンは素早い。俺とプリキュアの2人が攻撃をするがなかなか攻撃が当たらない。

 

 

俺はスピード勝負に特化したフォームでネガトーンに挑む事にした。

 

 

 

〔ウマ!〕〔ソード!〕

 

〔ロストマッチ!〕

 

〔Are you ready?〕

 

 

〈戦場翔ける刃!ホースソード!〉

 

〔イェーイ‼︎〕

 

 

 

 ホースソードフォームへ変身した俺はダークラビットタンクの時よりも身軽になっていて速く走れる。だが、敵も敵で中々攻撃をさせてくれるような隙がない。

 

 

 どうすれば...!と思っているとプリキュアの2人が敵の動きを止めようと必死に押さえつけようとしている。2人のおかげで敵の動きが少し鈍くなり必殺技を決めるチャンスができる。俺はすぐにドライバーの取っ手を回し必殺技を発動する。

 

 

〔Ready go!(レディーゴー!)〕

 

〔ボルテックフィニッシュ!〕

 

〔イェーイ!〕

 

 

 ドライブのタイプスピードの必殺技のように相手の周りに円を描きながらソードで切り裂いていく。そして最後の一撃を決め俺とプリキュアの2人はネガトーンを倒すことができた。

 

 

 

 変身を解除するとプリキュアの2人が俺のもとへやってくる。

 

 

「影兎さん!流石です!」

 

「影兎くん、途中で姿が変わったけどあれは一体なんなの?」

 

 

 流石です!と褒めてくれる奏とフォームチェンジが気になる響。俺はホースソードフォームの事そしてフルボトルの事について2人に詳しく教える。

 

 

「フルボトルが力の源なんですね!」

 

「私達も"ビルド"ってのになれればなぁ...」

 

 

 響はそう言うがビルドになるのは決して簡単な事ではない。俺の場合はハザードレベルが3.0を超えていた為ダークビルドになる事が出来たが普通の人にはハザードレベル3.0以上を出すのは難しい。そこで、俺は響にハザードレベルを上げる方法を教える。

 

 

「ビルドみたいになりたいなら日々特訓してハザードレベルを上げるんだな。」

 

「毎日、特訓すればいいの?」

 

「あぁ、時間はかかるだろうが。」

 

「奏、早速特訓しにいくよ!」

 

「私は影兎さんと買い物するからパスで。」

 

「だーめ!」

 

 

 

 響は奏の腕を引っ張りそのまま奏をどこかへ連れていってしまう。1人になった俺はデパートでバイオリンを買い自分の住むマンションへ帰り早速弾いてみたが壁の薄さのせいか隣の人に壁ドンをされ、それでもやめずに弾き続けていると俺の部屋のベルが鳴り扉を開けるとおじさんにうるさいぞ!と注意された。これを機にマンションでバイオリンを弾くのは止める事にしたのだった。



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影の影⁉︎謎の女ライダー現る!

翌日、俺は昨日受け取った四つのフルボトルがどれと合わせればロストマッチになるかを試していた。といっても四つなのでロストマッチはすぐに分かってしまうが...

 

〔カメレオン!〕〔狙撃銃!〕

 

〔ロストマッチ!〕

 

 

〔ゾウ!〕〔盾!〕

 

〔ロストマッチ!〕

 

 

「もらったのが四つだけじゃすぐにロストマッチが見つかるなぁ。」

 

 

 今日は特にやることもなく暇だったので今、見つけたカメレオンと狙撃銃のロストマッチの武器を作る事にした。あと唐突な発言かもしれないが俺は今、カップケーキを食べたい気分。だが今、奏達は学校に行っていて奏の家に行っても奏がいないのでカップケーキは我慢する事にする。しばらくの間、武器を作っていると外から物凄い崩壊音が聞こえる。

 

 

ガシーン!

 

 

 俺は慌ててマンションの外に出てみると石門みたいなネガトーンがいる。そこに2人組もいた。どうやら、既に奏と響はそのネガトーンと戦っているようだ。俺も駆けつけようと現場に向かおうとしたが目の前に紫色のビルドドライバーをはめた女の子がいる。

 

 

「お前、どこでそのベルトを?」

 

「天才物理学者からもらったのよ。」

 

「ちっ、あの野郎....‼︎」

 

「おっと、自己紹介しないとね。私はエレン。あなたは確か...」

 

「俺は玄野 影兎だ。これ以上用がなければそこをどけ。」

 

「用はあるに決まってる。私はあなたを倒しに来たの!」

 

「なら、早く終わらせてやる!」

 

〔ラビット!〕〔タンク!〕

 

〔ロストマッチ!〕

 

〔Are you ready?〕

 

 

〈鋼のムーンサルト!ラビットタンク!〉

 

〔イェーイ!〕

 

 

「これがダークビルドか。中々面白そうだわ!じゃあ私も。」

 

 

〔ネコ!〕〔瘴気!〕

 

〔エビルマッチ!〕

 

〔Are you ready?〕

 

 

〈毒を纏うアウトロー...キャットミアズマ。〉

 

〔イェーイ...!〕

 

 

「エビルマッチだと...⁉︎」

 

「ふふふっ....いくわよ。」

 

 

 謎の仮面ライダーはそう言うと早速、俺に攻撃を仕掛けてくる。ネコフルボトルの力で動きはすごく早い。俺は瘴気フルボトルの力で毒を浴びせられないよう気をつけながら戦っていた。

 

「くっ...ラビットタンクじゃ動きに対応できない...」

 

そう思った俺はウマフルボトルを取り出しラビットと入れ替える。

 

〔ウマ!〕〔タンク!〕

 

〔Are you ready?〕

 

「ビルドアップ!」

 

 ホースタンクはロストマッチではないが今の戦況で戦えるのはこれしかないと思った為、ホースタンクフォームになる。動きに対応できるようになりダークドリルクラッシャーの攻撃もくらわせられるようになってきた。

 

 

「やるわねぇ...!私もフォームチェンジしようかしら。」

 

 

〔カマキリ!〕〔ハサミ!〕

 

〔エビルマッチ!〕

 

〔Are you ready?〕

 

 

〈野原の切り裂き野郎!マンティスシザース!〉

 

〔イェイ..!〕

 

「何だと⁉︎」

 

 

 謎の仮面ライダーは他にもフルボトルを持っており、カマキリとハサミの超攻撃型のフォームにフォームチェンジする。だが流石にホースタンクの速さには追いつけないだろうと思っていたが謎の仮面ライダーは動かない。あれ、動かないのか?なら、こっちからいくぞ。俺が謎の女ライダーに攻撃をしようとした瞬間、それに合わせて専用武器を出し俺に攻撃を仕掛けてくる。攻撃に特化していないホースタンクの攻撃は押し負け、マンティスシザースの攻撃をくらってしまう。

 

「終わりよ!」

 

〔Ready go!(レディーゴー!)〕

 

〔ボルテックフィニッシュ!〕

 

〔イェーイ!〕

 

 

 謎の女ライダーは必殺技を打ってきたので俺はとっさにゾウフルボトルと盾フルボトルを出しドライバーにはめる。間に合え‼︎あのフォームの必殺技を喰らえばひとたまりもないだろう。

 

 

〔ゾウ!〕〔盾!〕

 

〔ロストマッチ!〕

 

〔Are you ready?〕

 

 

〈完全鉄壁!エレファントシールド!〉

 

〔イェイ‼︎〕

 

 

 超防御型のゾウシールドフォームでなんとか謎の女ライダーの必殺技を防いだ。それを見た謎の女ライダーは変身を解く。

 

 

「決めきれなかったか...まぁいいわ。次会う時があなたの最後よ。」

 

 

 

 そう言い残しどこかへ行ってしまった。戦いを終えた俺は急いでネガトーンと戦っている2人の元へ向かっていく。

 

 

 だが、着いた時には既に終わっていて、2人はネガトーンを倒し変身を解き俺の元へ駆けつける。

 

 

「影兎さん、どこいってたんですか?私達、大変だったんですよ!」

 

「石門のネガトーンに縛られて不幸のメロディを聞かされたしねぇ...」

 

 

「すまん、2人とも!エレンとかいうやつに勝負を挑まれて...」

 

「それはセイレーンだわ!でも、なんで影兎さんに勝負を挑んだんだろう..?」

 

「分からん。」

 

「まぁ考えてても分からないわ!影兎さん、私特製のカップケーキ食べます?」

 

 

「食べる!」

 

 

 今、カップケーキを食べれる事になるなんてすごい急展開だと思ったが腹も減っていたのでお言葉に甘えて食べる事にした。奏は自分のバッグからカップケーキを入れる箱を取り出す。そして、カップケーキをたべる。やはり、奏の作るカップケーキは美味しい。隣で響も奏の作ったカップケーキを食べて美味しそうな表情を浮かべている。

 

「いつの間にこんな時間!結局、学校行けなかった...」

 

「まぁしょうがないわ。さぁ、もう夕方だし帰ろうか!」

 

 

こうして、3人はそれぞれ自分の家に帰っていく。俺は帰ってあの女ライダーの対策を練ることにした。

 

 

 

 俺はエレンという女の子が言っていた天才物理学者という言葉が心に残っていた。何の関係があるのだろう?と、対策を練る一方でそう思っていた。



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不死鳥の力を宿す男

↓Twitterで見つけたのですが、ビルドはOPにも深い意味があるんですね...

Be the One 訳“その人になる”

葛城巧でも
佐藤太郎でもない

仮面ライダービルドは『桐生戦兎』という一人の人物を確立させていく物語



翌朝、遂に昨日から作っていたカメレオンと狙撃銃のロストマッチの武器が完成しこれで女ライダー対策もバッチリ。だが、どうしても昨日エレンという子が言っていた"天才物理学者"という言葉がまだ頭に残っていた。

 

 

「桐生戦兎...アンタは何がしたいんだ..?」

 

ぎゅるるる

 

 

 考え込んでいるとお腹の音が鳴る。腹が減った...何しろ昨日の夕方から何も食べていない。あっ、そういえば今日は数量限定のカップケーキを売るんだったんだっけな?そのことを思い出した俺はカップケーキを食べるついでに数量限定のカップケーキも狙う事にした。

 

 

 既に数量限定のカップケーキを売り出してから1時間くらい経っているので行列はなかったが数量限定カップケーキはあと一つ。

 

 

「...これをくれ」

 

 

 と俺が数量限定のカップケーキを指差しながら言うと俺の隣でもう1人同じものを頼んだ人がいた。

 

 

「....お前は?」

 

「俺は入間鹿賀斗!ってかお前、俺のカップケーキだぞ!」

 

「...いや、俺のだ」

 

「なら、カップケーキを賭けて俺と腕相撲で勝負だ!」

 

「...なぜ腕相撲?」

 

「どうでもいいだろ!とにかく勝負だ!」

 

 

 なぜかは分からないが俺は入間と腕相撲で勝負する事になった。入間の力は強く序盤は圧倒されていたがなんとか持ち直し俺が押し切り入間との腕相撲勝負に勝つ。

 

 

「...俺の勝ちだな」

 

「くっそぉ...しょうがねぇ、今回は譲ってやるよ。」

 

 

 勝負に勝った俺は奏から数量限定のカップケーキを受け取る。そして咀嚼する。いつものカップケーキも美味しいが数量限定のカップケーキの味は格別だった。

 

 

「...上手い..!」

 

「俺も食いたかったなぁ〜!」

 

 

 と、ラッキースプーンでゆっくりしていると外からまた崩壊音がする。またネガトーンが現れたようだ。

 

 

「おっと、怪人のおでましか!」

 

「影兎さん、行きましょう!」

 

 

 俺と奏と入間と途中合流した響の4人はネガトーンの出現場所へ向かう。出現場所には悲しみに沈んでいる人々が多くいる。こうしてはいられない。俺らは早速変身する。

 

 

〔ラビット!タンク!〕

 

 〔ロストマッチ!〕

 

〔Are you ready?〕

 

 

〈鋼のムーンサルト!ラビットタンク!〉

 

〔イェーイ!〕

 

 

「レッツプレイ・プリキュアモジュレーション!」

 

 

「爪弾くは荒ぶる調べ!キュアメロディ!」

 

「爪弾くはたおやかな調べ!キュアリズム!」

 

 

 俺と2人はいつもの様に仮面ライダー、プリキュアに変身する。入間もスクラッシュドライバーを取り出し変身する。

 

 

〔フェニックスチャージ!〕

 

〔潰れる、流れる、溢れ出る〕

 

〈フェニックスインフェニキア‼︎〉

 

〔ブララァ‼︎〕

 

 

「.....なんだと⁉︎」

 

「入間さんも仮面ライダー⁉︎」

 

 

「俺は仮面ライダーフェニキア、不死鳥を宿す者だ!」

 

 

 いきなり入間が仮面ライダーに変身したのでこの場の時が一瞬止まった、つまりそれほど驚いたのである。まさかもう1人ライダーがいるとは思いもしなかったから驚いて当然だが。

 

 

「いくぜ!」

 

 

 俺とプリキュアとフェニキアは共にネガトーンに攻撃していく。敵は固く俺とプリキュアの攻撃は弾かれたがフェニキアはネガトーンの攻撃を逆に弾き返す。そしてドライバーのレバーを下へ倒し必殺技を放つ。

 

 

〔スクラップフィニッシュ!〕

 

 

 フェニキアは炎を纏った強烈なライダーキックをネガトーンに決める。体が固いネガトーンはライダーキックを防ごうとしていたがそのまま体を貫かれ爆発して消えていった。

 

 

「ふぅ....やっと終わった!」

 

「...お前は一体⁉︎」

 

「俺か?俺は人間だよ!(笑)」

 

「まっ、用も済んだし今日は帰るわ!」

 

「....また来るのか?」

 

「あぁ、近いうちにな!」

 

 入間はそう言いこの場を去っていく。俺はいきなり仮面ライダーになったアイツは何者なのか?もしかして、東都からの刺客⁉︎とかオーバーに考える。だが、アイツはまた来ると言っていたので俺はアイツがまたここに来た時に詳しく聞かせてもらう事にした。



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再来!謎の女ライダー!

ある日の朝、俺は謎の女ライダーを詳しく調べる為、響、奏と共に加音町の人々に"エレン"という女の子が写った写真を見せて見覚えがあるかどうか聞いていく。

 

「...あの、この子を見た事ありますか?」

 

「いえ、見た事ないわよ」

 

 俺は自分自身の性格のせいであまり町の人に話しかける事は出来なかったが響と奏は次々と町の人々に聞いていく。これを見て俺は2人のそういう所だけは見習わなければならないのかもしれないと思うのであった。

 

 

「...あの、この子を見た事は....」

 

 

 俺は聞いた相手の顔を見て驚く。何故なら、その相手が"エレン"という女の子だったからだ。俺は響と奏の2人を俺の元へ集め変身するよう指示する。それと同時に俺もドライバーを取り出し右手にカメレオン、左手に狙撃銃のフルボトルを構えドライバーにはめる。

 

〔カメレオン!〕〔狙撃銃!〕

 

〔ロストマッチ!〕

 

 

〔Are you ready?〕

 

〈不可視の暗殺者 カメレオンスナイパー!〉

 

〔イェーイ!〕

 

 

「レッツプレイ・プリキュアモジュレーション!」

 

 

「爪弾くは荒ぶる調べ!キュアメロディ!」

 

「爪弾くはたおやかな調べ!キュアリズム!」

 

「あらあら、私を見ただけで変身するとは...」

 

 

 と言いながらエレンという女の子もカマキリとハサミのフルボトルをドライバーにはめ、変身する。

 

 

〔カマキリ!〕〔ハサミ!〕

 

〔エビルマッチ!〕

 

〔Are you ready?〕

 

 

〈野原の切り裂き野郎!マンティスシザース!〉

 

〔イェイ..!〕

 

 

「今日の相手は貴方達だよ」

 

 

 謎の女ライダーはそう言いメロディとリズムの方向へ向かっていく。まずメロディに攻撃を仕掛ける。メロディは謎の女ライダーを殴るが全く効かない。謎の女ライダーはメロディの拳を弾きメロディのお腹を鎌で切り裂く。

 

 

「うっ...リズム..気をつけて..!」

 

 

 メロディは変身はそう言いその場に倒れうずくまる。謎の女ライダーは次にリズムの方へ向かう。リズムは謎の女ライダーの攻撃を防ごうとするが防ぎきれず隙を作ってしまう。謎の女ライダーはリズムが怯んでいる隙に鎌でリズムのお腹を貫く。

 

 

「ぐはぁ...‼︎」

 

 

 謎の女ライダーが鎌を引き抜くとリズムもメロディと同じようにその場にうずくまる。圧倒的攻撃力を持つマンティスシザースの攻撃をくらいうずくまる2人、謎の女ライダーは2人に向けて必殺技を放つ。

 

「終わらせる!」

 

〔Ready go!(レディーゴー!)〕

 

〔ボルテックフィニッシュ!〕

 

〔イェーイ!〕

 

 

「うわぁぁぁ‼︎」

 

 

 必殺技をくらったメロディとリズムは吹っ飛ばされていき強制的に変身が解ける。今の状況では2人が危ないと判断した俺はカメレオンフルボトルの力で自分と2人の姿を消し静かにその場を去った。

 

 

「ちっ、逃したか..‼︎」

 

 

 

 謎の女ライダーから逃げてきた俺は2人を自分の部屋に連れ傷口の手当てをして床に寝かせ毛布を掛ける。2人は酷く傷ついており1番酷く傷ついている部位では今も血が流れ出ている。

 

 

 

「...今の2人はハザードレベルが低いのかもしれない...」

 

 

 

 俺はそう呟きながら2人がやられた後の一日中2人のハザードレベルを上げる為の強化メニューなどを考える。そして夜、2人の弱い所を重点的に鍛え上げるメニューを思いついたのだった。

 



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ラビットな奴

今回と次回のタイトルには少し意味があります。


俺は2人が目覚めるのを待っていたが結局、2人が起きたのはあれから2日後の朝だった。

 

 

「.....あの女ライダーは⁉︎」

 

 

「...もういない」

 

 

 先に目を覚ましたのは響のようだ。奏はまだ起きそうにない。そこで俺は先に響の特訓をする事にした。

 

 

「....おい、俺と戦え」

 

 

「なんで?」

 

 

「....ハザードレベルを上げる為だ」

 

 

 ハザードレベルを上げる為の特訓といっても特殊な内容ではなく普通に俺を勝負する、ただそれだけの事だ。響はやる気満々で既にキュアモジューレを手に持っている。俺もドライバーを腰に巻きダークラビットフルボトルとダークタンクフルボトルをドライバーにはめる。

 

 

〔ラビット!〕〔タンク!〕

 

 〔ロストマッチ‼︎〕

 

〔Are you ready?〕

 

 

〔鋼のムーンサルト!ラビットタンク!〕

 

〔イェーイ!〕

 

 

「レッツプレイ・プリキュアモジュレーション!」

 

 

「爪弾くは荒ぶる調べ!キュアメロディ!」

 

 

「....さぁ来いキュアメロディ」

 

 

「はぁぁ‼︎」

 

 

 メロディは俺に攻撃を仕掛ける。だが、ハザードレベルが俺より低い為、あまり効かない。メロディの攻撃を受け止め今度は俺がメロディを殴る。腹を殴った瞬間メロディは勢いよく吹っ飛んでいく。吹っ飛ぶという事はハザードレベルがまだ低いようだ。

 

 

「....お前は守ろうとせずに攻撃ばかりを仕掛けるから弱いんだ」

 

 

「確かに、守りなんてどうでもいいって思ってたしなぁ....」

 

 

「...戦いには守るということも必要だ、守る事が出来ない限りハザードレベルは上がらない」

 

 

「なら、守りも意識して戦うようにしてみる!」

 

 

 そう言った響に俺は攻撃を仕掛ける。すると、響は守りの体制をとる。今までの響なら攻撃を攻撃で返していたが今回はしっかり守り俺の攻撃を防いだ。それと共に響のハザードレベルが上がっていく。

 

 

「....ハザードレベル1.8いや、1.9いい調子だ」

 

 

「まだまだぁ!」

 

 

 今度は攻めの体制に入る響。俺に攻撃を仕掛けてくるが今回は今までのように直線的ではなくあらゆる方向から攻めてきた。

 

 

「はぁぁ‼︎」

 

 

 俺は響の攻撃を食らう。響の攻撃はさっきよりも威力が増しており響のハザードレベルは2.0に達した。ハザードレベルが一気にこんな上がるのは天性なのかもしれない。だとすると響は更なる可能性を秘めている。だが、響に負けるわけにはいかない俺は必殺技を放ち決めにかかる。

 

 

〔Ready go!(レディーゴー!)〕

 

〔ボルテックフィニッシュ!〕

 

〔イェーイ!〕

 

 

 響はライダーキックを受け止めようとするがまだ俺よりハザードレベルが低い為、受け止めきれずくらってしまい変身が解けてしまう。俺は技をくらい倒れかかった響を支え部屋に戻っていく。部屋に戻ると奏が目を覚ましており今度は奏の特訓をする事になった。

 

 

「影兎さん、私達を助けていただきありがとうございます!」

 

 

「....それより、今から勝負しろ」

 

 

「へっ?」

 

 

「.....いいから勝負だ」

 

 

 

 俺はさっき響と戦った秘密の場所に奏を連れていき戦う。奏はどうしていいのかわからずにいたが俺がハザードレベルを上げる為だと告げると納得してキュアモジューレを構えるのだった。



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タンクな奴

「....さぁ、始めよう」

 

 

〔ラビット!〕〔タンク!〕

 

 〔ロストマッチ‼︎〕

 

〔Are you ready?〕

 

 

〔鋼のムーンサルト!ラビットタンク!〕

 

〔イェーイ!〕

 

 

「レッツプレイ・プリキュアモジュレーション!」

 

 

「爪弾くはたおやかな調べ!キュアリズム!」

 

 

 

 奏は変身したが中々、攻撃を仕掛けてこない。仕方なく俺から攻撃を仕掛けると避けもせずに俺の攻撃をくらい続ける。

 

 

「....なぜ避けない?」

 

 

「影兎さんと戦いたくないんですもん....」

 

 

「.....世界を救う為に戦うとか言っといて大切な人が世界を脅かす悪い奴だったら戦わないのか?」

 

 

「.....」

 

 

「...奏、お前は心が弱いんだ。だから、心を強くすればもっと強くなれるはずだ」

 

 

「もっと強くなれる...?」

 

 

「...あぁ、強くなれる」

 

 

 この時、奏の中で何かが変わる。奏は下を向いていたがやがて顔を起こし俺の方へ向ける。俺は奏がやる気になったと思い構えをとる。

すると、奏は俺に容赦なく攻撃を仕掛けてくる。奏は成長したようだ。証拠にハザードレベルも響と同じ2.0まで上がる。

 

 

「....そろそろ決めるか」

 

 

「私が決める‼︎」

 

 

 

〔Ready go!(レディーゴー!)〕

 

〔ボルテックフィニッシュ!〕

 

〔イェーイ!〕

 

 

 

「プリキュア ・スイートハーモニーキック‼︎」

 

 

 奏は2人技を1人で繰り出す。ライダーキックとプリキュアのキックがぶつかり合う。互いに押されては押し返すの繰り返しだったが最後は相討ちで互いに変身が解ける。最後に計測した奏のハザードレベルは2.3だった。

 

 

「(...ハザードレベルを一気に0.8も上げるとは...)」

 

 

 

 奏のハザードレベルの上がりに驚きを隠せない俺、もしかしたらいつか奏に越されてしまうのでは?と思っていた。そう思っていると奏が俺のもとにやってくる。

 

 

「影兎さんのおかげで私、強くなれた気がします!」

 

 

 強くなれた気がするではなく確実に強くなったが俺は敢えて強くなったとは奏には言わずにいる事にした。

 

 

「部屋に戻りましょう!」

 

 

「....そうだな」

 

 

 

 

 戦いを終えた俺と奏は部屋に戻る。部屋に戻るとなぜかは分からないが俺の部屋の扉が開いていた。扉の前には前送られてきた謎の箱があった。しかも、箱は前より少し大きい。中身を見てみるとまたフルボトルが入っている。あの天才物理学者は何が目的で....と送ってきた主がわからないのに勝手に決めつける俺。合計8本のフルボトルが入っており、俺は明日、前と同じようにロストマッチを探す事にした。



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謎の仮面ライダーの正体

俺は八つのフルボトルを一つ一つ見ていく。八つのフルボトルの名前はオルカ、スタンガン、クロコダイル、リモコン、トカゲ、ガスバーナー、マンタ、石像だった。

 

 

「....どれとどれが合うんだろう?」

 

 

 と、俺が並べた8つのフルボトルを眺めていると自分のスマホが鳴り出す。知らない番号からのようだ。

 

ピッ!

 

 

「...誰だ?」

 

 

「よぉ、玄野 影兎!いや、桐生篤兎。」

 

 

「...なぜ俺の名前を⁉︎」

 

 

「まぁまぁそこは気にするな。今回は良い情報を提供する為に掛けたんだ」

 

 

「...何⁉︎」

 

 

「最近現れる謎の女、どういうやつか知らないだろう?」

 

 

 電話を掛けてきた男はボイスチェンジャーを使ってるせいで誰か特定できない。しかし、俺の名を知っているという事は少なくとも顔見知りの人間だろう。その男がエレンという謎の女の子について話し出す。

 

 

「あいつの正体はマイナーランドの歌姫だ。...っと言っても分からないか。」

 

 

 確かに男が話した内容はさっぱり分からないが謎の女の子が歌姫なのならハミィが何か知っているはず...!と思った俺は話の途中にも関わらず通話を切りハミィの元へ向かう。ハミィの元へ向かう道中、またあの女の子は現れた。俺は奏達に連絡を入れ俺のいる場所に来るよう指示する。エレンという女の子は既にドライバーをはめていて戦う気満々のようだ。

 

 

〔ネコ!〕〔瘴気!〕

 

〔エビルマッチ!〕

 

〔Are you ready?〕

 

 

〈毒を纏うアウトロー...キャットミアズマ。〉

 

〔イェーイ...!〕

 

 

 俺もダークラビットとダークタンクフルボトルを取り出し上下に振りドライバーにはめる。そして取っ手を回す。

 

 

〔ラビット!〕〔タンク!〕

 

〔ロストマッチ!〕

 

〔Are you ready?〕

 

 

〈鋼のムーンサルト!ラビットタンク!〉

 

〔イェーイ!〕

 

 

 俺は謎の仮面ライダーにさっき男に聞いた事を話してみた。

 

 

「....お前、歌姫なんだろ?」

 

 

「えぇ、歌姫よ。」

 

 

「....それじゃ歌姫が世界に不幸のメロディをばら撒くのはおかしくないか?」

 

 

「ハミィとかいうやつのせいよ、ハミィのせいで私はメイジャーランドの歌姫になれなかった。だから、マイナーランドの歌姫になり不幸のメロディをばら撒いてるの。」

 

 

「....負け惜しみでそんなことをしてるなんて情けないな..」

 

 

「なんだと‼︎」

 

 

「....お前がやっている事は負け犬がやる事と同じだ。」

 

 

「ふざけるなぁ‼︎」

 

 

 謎の仮面ライダーはそう言い俺を攻撃する。俺は謎の仮面ライダーの強烈な攻撃に押され吹き飛んでいく。

 

 

「あなたと話しているとなんか嫌な気持ちになるから終わらせるわ。」

 

 

 

〔Ready go!(レディーゴー!)〕

 

〔ボルテックフィニッシュ!〕

 

〔イェーイ!〕

 

 

 俺は謎の仮面ライダーの必殺技をくらいまた吹き飛ばされ強制的に変身が解けてしまった。

 

 

「....ぐっ..」

 

 

「帰る前にいいことを教えてやろう...私は仮面ライダーノワール。世界を不幸のメロディで埋め尽くすものだ!」

 

 

 謎の仮面ライダーは仮面ライダーノワールと名乗る。生身の俺を蹴り飛ばしマイナーランドに帰ろうとしていたその時、奏と響が駆けつける。

 

 

「影兎さん⁉︎大丈夫ですか?」

 

 

「...あぁ、なんとか」

 

 

「影兎君を蹴るなんて許せない...!奏、いくよ!」

 

「うん!」

 

 

 

「「レッツプレイ・プリキュアモジュレーション!」」

 

 

「爪弾くは荒ぶる調べ!キュアメロディ!」

 

「爪弾くはたおやかな調べ!キュアリズム!」

 

 

 

 帰ろうとしていたノワールはプリキュアに変身した2人と戦い始める。

 

 

 

 メロディ、リズムVSノワール勝負の行方は...?そして、2人は特訓の成果を出すことができるのか⁉︎



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第二章 黒き歌姫の本意編
ベストマッチな2人


第二章突入!

第二章は結構重要な章かも⁉︎


※誤字脱字あったら指摘してください!


プリキュアに変身した2人はノワールに向かっていく。それと共にノワールはマンティスシザースフォームへと変化する。

 

 

〔カマキリ!〕〔ハサミ!〕

 

〔エビルマッチ!〕

 

〔Are you ready?〕

 

 

〈野原の切り裂き野郎!マンティスシザース!〉

 

〔イェイ..!〕

 

 

「前の様に貴方達をズタズタに切り裂いてあげるわ!」

 

 

「それはどうかな」

 

 

 メロディはノワールに攻撃をする。前、2人の攻撃がノワールに全く効いていなかった為、ノワールは余裕をかましてガードもせずに攻撃を受け流そうとしたが特訓をして強くなったメロディの殴りはノワールを吹き飛ばす。

 

 

「強くなってる....⁉︎」

 

 

「強くなったのはメロディだけじゃないわ!」

 

 

 そう言いリズムもノワールを殴る。殴られたノワールはまた吹き飛ばされる。

 

 

「ぐっ.....こうなったら、一気に決めてやる!」

 

 

「勝つのは私達だ!リズム、いくよ!」

 

 

「いこう!メロディ‼︎」

 

「「プリキュア・パッショナート・ハーモニー‼︎」」

 

 

「この程度の技なんて効かない」

 

 

 ノワールはそう言うが2人の必殺技はノワールを押している。やがて、ノワールがガードしきれず2人の必殺技をくらう。ノワールは強制的に変身が解ける。倒れはしなかったもののよろよろしながらワープを使いどこかに去っていく。

 

 

「やったね!響‼︎」

 

 

「うん!」

 

 

「....お前ら、成長したな。」

 

 

「成長できたのもノワールに勝てたのも影兎さんのおかげですよ」

 

 

「影兎君が鍛えてくれてなきゃ私と奏また負けてたからね!」

 

 

「さぁ、帰りましょう、影兎さん!」

 

 

 奏は倒れている俺に手を差し伸べる。俺は奏の手に掴まりながら立ちその後、響と奏に肩を貸してもらいながら歩く。俺は自室まで2人に送りとどけてもらい自室に入る。

 

 

「影兎さん傷だらけだし何もできないと思うから私達、影兎さんの家に1日泊まります!」

 

 

 

 奏のその言葉を聞いた俺は自分でできるから結構だ。と言おうとしたがしばらくは身体を起こせそうにないので言葉に甘えて泊まってもらう事にした。

 

 

「今、料理作ってるので出来上がるまで待っていてくださいね!」

 

 

 

 奏が料理を作っている間、俺と響はノワールについて話をしていた。

 

 

 

「まさか本当に仮面ライダーノワールがセイレーンだったとは....」

 

 

「....ノワールが歌姫だったのには俺も驚いた。」

 

 

「早くセイレーンを止めなきゃ世界が...」

 

 

「...安心しろ、送られてきた8本のフルボトルを上手く使えばノワールを倒せるはずだ」

 

 

「ってか私にピッタリなフルボトル開発してよ!」

 

 

「....石動 美空がいないとフルボトルは作れないぞ」

 

 

「そっか....」

 

 

「....まぁいつか気が向いたら頼んどく。」

 

 

 その後、料理が出来上がり奏が俺と響を見ると目を閉じてぐっすり寝ていた。料理を食べさせないと腹が減るが今日の疲れがあるだろうから休ませておこうと思った奏は2人に毛布を掛けた後、自分も布団を敷き眠った。

 

 

 



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不死鳥男は再びやって来る

昨日、ウトウトしながら書いたので変な文、誤字脱字などあれば指摘してください!


翌日の朝、俺は2人よりも早く起きる。2人はまだ寝ているので寝かせておいて俺は前、ノワールの邪魔が入りできなかったノワールの調査の続きをする為街へ向かう。

 

 

 街へ来て早速、聞き込みを行おうとすると目の前に見覚えのある人物がいた。灰色寄りの黒い髪に背が俺より少し低い...そう、その人物とは入間鹿賀斗の事だったのである。

 

 

「おっ、影兎か!1人でどうしたんだ?」

 

 

「....調査をしている。お前こそどうしたんだ?」

 

 

「俺はある事情で故郷に帰れないんだ....だからここにいる。」

 

 

「.....ある事情とは?」

 

 

 俺は鹿賀斗に故郷に帰れない理由を聞いた。故郷に帰れない理由は俺と同じで国から追放されたかららしい。更に俺は鹿賀斗に追放の理由まで聞いてみることにした。

 

 

「追放の理由は国家反逆だ」

 

 

「...なぜ国家反逆を?」

 

 

「今は詳しく言えないが気にくわない事があったんだよ」

 

 

「....そうか」

 

 

 俺はこれ以上聞くとまずいと思い聞くのをやめノワールの調査の続きをする。すると、鹿賀斗がそれならこの市の事なら市長に尋ねれば?と言う。そんな簡単に市長に会えんのか?と俺は思ったがどうやら鹿賀斗の父がこの市の市長をやっているらしい。そうと知った俺は鹿賀斗を連れて市長の元へ向かう。

 

 

 

 俺と鹿賀斗は市長のいる場所へきた。まず鹿賀斗がここへきた理由などを市長に話す。鹿賀斗と市長の会話の様子を見る限り市長は良さそうな人だ。反逆で追放された息子の前で厳しい事を言うかと思ったら言わないしまず追放された事も知らなそうな顔をしている。

 

 

「影兎!いいってよ!」

 

 

 

 俺は遂に市長と話す事になった。俺はまず市長に最近現れる怪物について聞いてみる。どうやら市長は怪物について知っているらしい。なら、ノワールについても知っているはず。と思った俺はエレン(ノワール)について聞いてみた。

 

 

「....エレンという女の子の事について何か知っている事はありますか?」

 

 

「エレンという子なら一週間前くらいにお前と同じようにここを訪ねてきたぞ」

 

 

「...何だと⁉︎」

 

 

 なんとノワールは俺らよりも少し前に市長の元に尋ねにきていたらしい。どんな事を聞かれたか聞いてみるとビルドドライバーのありかについて聞かれたらしい。

 

 

「....で、ビルドドライバーのありかを教えたのか?」

 

 

「世界を救う為だとか言ったから教えてやった」

 

 

 市長のこの言葉を聞いた瞬間、俺はノワールがこの町のビルドドライバーを盗んだことが分かった。市長にエレン(ノワール)の事を詳しく伝えると市長は驚いていた。

 

 

「そうなのか....私はなんてバカな事をしたんだ...!」

 

 

「....大丈夫、俺が奴から取り返してくる」

 

 

「本当か...⁈」

 

 

「...あぁ、本当だ」

 

 

「1人じゃ危険だから俺もついていく!」

 

 

 どうやら鹿賀斗は協力してくれるらしい。今日はネガトーンも現れずいないような感じがしたので俺と鹿賀斗は明日、ノワールを探す事にした。そう決まり市長の部屋を去ろうとした時、市長の電話が鳴る。市長は誰かと話しているが顔が段々と青ざめていく事から俺は只事ではないと思い市長の持つ受話器を手に取り相手と話した。

 

 

「...誰だ?」

 

 

「私はエレン。」

 

 

「...何の用だ?」

 

 

「明日の夕方までにフルボトルを持ってきなさい。」

 

 

「...何故だ?」

 

 

「それは教えられないけど持ってこないとあなたの大事な奏ちゃんと響ちゃんが痛い目に合うよ」

 

 

「....分かった、フルボトルを持ってく。」

 

 

 そう言い俺は電話を切る。鹿賀斗にフルボトルを渡すつもりか?と聞かれたがアイツらの命の方が大切だ!と言い俺はこの場を去る。俺に続いて鹿賀斗も去っていった。

 

 

「おい、何か作戦とか立てないのか?」

 

 

「....立ててあるさ、良い作戦をね」

 

 

 

to be continued.....



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漆黒のハザードフォーム!

俺と鹿賀斗は奏と響が本当にさらわれているか確認をしにいく。奏の家に行くといつもいるはずの奏の姿がない。常に奏と一緒にいる響もいないようだ。

 

 

「...本当にさらったみたいだな..」

 

「そうみたいだな...」

 

 

 念の為にもう一度家の中を探したがやはりいない様子。俺は今日ゆっくり休み明日に備える事にした。

 

 

「俺を泊めてくれ!」

 

「...お前の父さんの家に泊まらせてもらえ」

 

「親父の家は俺が追放された北都にあるから無理なんだよ!」

 

「....しょうがないな、一日だけだぞ」

 

 

 俺は故郷を追い出され家がない鹿賀斗を一日だけとめることにした。そして、翌日俺はフルボトルの最終調整を行う。

 

 

「なんで最終調整なんかしてんだ?」

 

「...奴に偽のフルボトルを渡すからバレないように細工してんだ」

 

「そっか」

 

 

 

 俺は偽のフルボトルを作成しておりそれをノワールに渡す予定だ。すぐにバレる可能性はあるが2人を助け出しかつフルボトルを守るにはこういう作戦しかないのだ。

 

 

 偽のフルボトルの最終調整を終えると俺と鹿賀斗はノワールのいそうな場所に向かう。いそうな場所に行くとやはり奴はいた。奴の後ろには腕を拘束され傷だらけな2人がいる。

 

 

「...約束通り、フルボトルを持ってきたぞ」

 

「フルボトルから渡しなさい」

 

「...分かった」

 

 

 俺はノワールにフルボトルを渡す。すると、ノワールは2人を返すと思いきや生身の2人に向かって攻撃をする。

 

 

「...何故、攻撃を⁉︎」

 

「このフルボトルが偽物だからよ」

 

「...バレていたのか」

 

「渡す気がないなら力ずくで奪うわ!この新しい力でね...」

 

「...新しい力?」

 

 

 ノワールはそう言うと服のポケットからスイッチ付きの赤い装置を取り出す。そして、ネコと瘴気のフルボトルをはめてから赤い装置のスイッチを押しはめる。

 

《ハザードオン!》

 

 

〔キャット!〕〔ミアズマ!〕

 

〔スーパーエビルマッチ!〕

 

ガタガタゴットン!

ズッタンズタン!

ガタガタゴットン!

ズッタンズタン!

 

〔Are you ready?〕

 

 

〈アンコントロールスイッチ!ブラックハザード!〉

 

〔ヤベーイ!〕

 

 

「これが、仮面ライダーノワール キャットミアズマハザードフォーム!」

 

 

 仮面ライダーノワールの全身は黒一色に染まり複眼だけが色づいている禍々しい姿だ。これには影兎もビックリ。

 

 

「...ハザードだと⁉︎」

 

「この力に勝てるかしら?」

 

「...勝つさ、勝ってあの2人を取り戻す」

 

 

 俺はダークラビットフルボトルとダークタンクフルボトルを取り出しキャップをカチっと合わせドライバーにはめる。

 

 

〔ラビット!〕〔タンク!〕

 

〔ロストマッチ!〕

 

〔Are you ready?〕

 

 

〈鋼のムーンサルト!ラビットタンク!〉

 

〔イェーイ!〕

 

 

「...さぁ、実験を始めようか」



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ハザードの圧倒的力量

俺は今、仮面ライダーノワールと戦っている。仮面ライダーノワールのハザードフォームの圧倒的な力に押され守るのが精一杯の状況だ。ハザードフォームと同じくらいの威力を持つダークドリルクラッシャーも全く効いていなかった。

 

「あらあら、この程度かしら?今度は私の番!」

 

 

 ノワールはそう言うと俺に向け圧倒的な威力のパンチを何発も繰り出す。俺は何発も連続で殴られた為、防御しきれず吹き飛んでいく。

 

「...くそ...前よりもはるかにパワーアップしている..これが、ハザードトリガーの力なのか⁉︎」

 

「そうよ、これがハザードトリガーの力...!これさえあれば....うっ..!」

 

 

 と、ノワールは頭を押さえながら苦しみだした。ハザードトリガーの副作用だろう。その後、自我を失ったノワールはハザードトリガーのスイッチを押す。

 

 

《マックスハザードオン!》

 

〔Ready go!〕

 

 

《オーバーフロー!》

 

〔ヤベーイ!〕

 

 

 ノワールのドライバーがそう言った瞬間、ノワールが物凄い勢いで俺に殴りかかる。ノワールのパンチは通常のハザードよりも威力を増していて2発くらった所で俺の変身が強制的に解けた。だが、ノワールは攻撃を止める気配はなく俺に向かってくる。ノワールに殴られかけたその時、フェニキアに変身した鹿賀斗が俺を連れこの場から飛び去っていった。

 

 

 フェニキアは俺をラッキースプーンの入り口に下ろす。フェニキアは俺の他にもフルボトルを手に持ったり奏と響を抱えていたりした。

 

 

「作戦成功だな!」

 

「...あぁ、成功だ」

 

 

 実はこれは作戦で俺がノワールと戦って気をそらしている間に鹿賀斗がフェニキアに変身しフルボトルを取り返し奏と響を救出するという作戦だった。

 

 

「ふぁぁ....あれ、影兎くんここで何してるの?」

 

 

 最初に響が起きる。響はさらわれていた事を全く覚えてないという。一方の奏は響が起きてから少し後に起きた。奏にもさらわれたときのことを聞いてみたが響と同じく全く覚えていないという。

 

 

「...奴はなぜフルボトルを要求したんだ?」

 

「パンドラボックスを開く為じゃないのか?」

 

「....それは東都とかの話じゃないのか?」

 

「やっぱそうだよな...だったらアイツらは何をしたいんだろう?」

 

 

 俺と鹿賀斗が話していると奏が俺らの元に来て話しかけてきた。

 

 

「影兎さん、入間さん何か食べていきますか?」

 

 

 どうやら奏は料理を振る舞ってくれるようだ。それを聞いた鹿賀斗は1秒も経たないうちにラッキースプーンの中へ入っていった。

 

 

「影兎さんも食べてってください!」

 

 

 奏は俺にそう言うので俺は言葉に甘えて料理を食べさせてもらうことにした。料理を食べた後、ラッキースプーンの外に出るとそこには鹿賀斗がいた。

 

 

「....どうしたんだ?」

 

「影兎、俺ここに住む!」

 

「...急にどうしたんだよ。」

 

「なんか、この町をほっとけない気がしてさ」

 

「....そうか、了解した」

 

 

 俺はそう言いこの場を去る。去り際に後ろを振り向くと鹿賀斗が多くの星が輝く夜空を見上げていた。

 

 そして家に帰った俺はノワールのハザードフォームに対抗するための策を夜更かししながら考えるのだった。

 

 

 

to be continued......



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コブラ男と弟

翌日の朝、俺は昨日のノワールの使っていたハザードトリガーを参考にしてハザードトリガーみたいなものを作り出した。

 

「...作ったはいいがどう使えばいいんだ?」

 

 俺の作ったハザードトリガーのようなものはノワールの物に形だけを似せてそこに色々と素材をぶち込んだだけなので使い方などはよく分からない。

 

 

 俺が完成した装置を見ていると部屋のベルが鳴る。こんな朝早くに誰なのだろうか?俺が部屋のドアをゆっくり開けると外には鹿賀斗がいた。

 

 

「おい影兎、おれと勝負しねぇか?」

 

「...別に構わないけど何故こんな朝はやくに?」

 

「そんな事はいいから来いよ!」

 

 

 俺は鹿賀斗に腕を掴まれ抵抗もできずそのまま引っ張られていく。鹿賀斗に連れてこられたのは加音町の広場。広いスペースもあるしここなら思う存分戦えそうだ。

 

「いくぜ影兎‼︎」

 

 

〔フェニックスチャージ!〕

 

〔潰れる、流れる、溢れ出る〕

 

〈フェニックスインフェニキア‼︎〉

 

〔ブララァ‼︎〕

 

 

 俺はあまり戦う気はなかったが鹿賀斗がフェニキアに変身した為、仕方がなくドライバーを腰に巻き新たに手に入れたシャチとスタンガンのフルボトルを取り出し

 

 

〔オルカ!〕〔スタンガン!〕

 

〔ロストマッチ!〕

 

〔Are you ready?〕

 

 

〈電閃のオーシャンキラー!オルカサンダー!〉

 

〔イェーーイ!〕

 

 

 新たなロストマッチのオルカサンダーフォームにに変身した俺はオルカの水の力でフェニキアに攻撃をする。ポケモンでいうハイドロポンプみたいなものがフェニキアに向かって放たれていく。

 

「炎には水って事か!だが、俺の炎は水には負けねぇ!」

 

 

 フェニキアはそういい俺の攻撃を防ぎきる。攻撃を防ぎきったフェニキアは俺に火の玉を何発も飛ばしてくる。俺はそれを避けきれずくらってしまう。

 

 

「...ぐっ..中々やるな」

 

「当たり前だ!この俺だからな!」

 

「...だが、俺は負けない」

 

 

 俺はドライバーの取っ手を勢いよく回し続け必殺技を放つ。

 

 

〔Ready go!(レディーゴー!)〕

 

〔ボルテックフィニッシュ!〕

 

〔イェーイ!〕

 

 

 音声と共に巨大な水の円球がフェニキアを覆う。そしてその円球に向かって電気を放ちフェニキアを水中で感電をさせる。

 

 

 必殺技をくらったフェニキアの変身が解ける。勝負は俺の勝ちのようだ。

 

「くっそー!負けた!やっぱお前は強いな!」

 

「...そうかな」

 

 

 勝負の後、俺と鹿賀斗が話していると周囲から誰かの声が聞こえる。周りを見てみると見覚えのあるコブラ男とその隣に下を向いた仮面ライダーがいた。

 

「おやおや、2人揃って何をしてるんだ?」

 

「...お前には関係ない」

 

「フン、まぁいい。今回用があるのはお前じゃなく入間 鹿賀斗だ。」

 

「...アイツ、お前に用があるらしいぞ」

 

 

 と、俺がそう言いながら鹿賀斗の方に顔を向けると鹿賀斗が何かに驚いている。俺は何に驚いているかを鹿賀斗に聞いてみた。

 

「...お前、そんな顔してどうしたんだ?」

 

「コブラ野郎の隣にいるライダー俺の弟の鹿糸なんだ...」

 

 鹿賀斗のその言葉を聞き俺も驚く。何故、鹿賀斗の弟がコブラ男の方にいるのか理解できない俺。

 

「俺の弟を返せ‼︎」

 

 

 鹿賀斗は物凄い勢いでコブラ男に向かっていく。そして、2人はぶつかり戦いが始まった。鹿賀斗を放っておけない俺も変身する。

 

〔ラビット!〕〔タンク!〕

 

〔ロストマッチ!〕

 

〔Are you ready?〕

 

 

〈鋼のムーンサルト!ラビットタンク!〉

 

〔イェーイ!〕

 

 

 俺もフェニキアに加勢しコブラ男を倒そうとしたが隣にいるライダーが通せんぼした為、俺はそのライダーと戦うことになった。

 

 

 突如始まったこの戦い。影兎&鹿賀斗VSコブラ男&謎の仮面ライダーどちらが勝つのか⁉︎

 

 

 

to be continued......



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白銀のソルジャー

俺は今、鹿賀斗の弟と言われる方と戦っている。だが、そのライダーは一発が重く防御しても少し吹き飛ばされる。なので、俺はゾウとシールドフルボトルを取り出しエレファントシールドフォームにフォームチェンジする。

 

 

〔ゾウ!〕〔盾!〕

 

〔ロストマッチ!〕

 

〔Are you ready?〕

 

 

〈完全鉄壁!エレファントシールド!〉

 

〔イェイ‼︎〕

 

 

 エレファントシールドフォームになった俺は重い攻撃をなんとか防ぎきっているが守ってばかりでは攻撃ができない。そこで俺は一か八か必殺技を打つ事にした。

 

 

〔Ready go!(レディーゴー!)〕

 

〔ボルテックフィニッシュ!〕

 

〔イェーイ!〕

 

 

 俺が必殺技を放つと相手は俺を引き離し自分も必殺技をを放つ。

 

 

〔スクラップフィニッシュ!〕

 

 

 俺の必殺技と相手の必殺技がぶつかり合う。押したり押されたりの繰り返しだったが俺は耐えきれず相手の必殺技をくらってしまう。必殺技をくらった俺は変身が解ける。

 

「ビルドの影とやらはこの程度か。」

 

「...ぐっ..」

 

「俺は仮面ライダーグリス、以後お見知りおきを。」

 

 

 さっきスタークの隣にいた白銀色のライダーは仮面ライダーグリスと名乗った。今の俺ではグリスの力には敵わない。この負けがまた夜遅くまで対策を考えるきっかけとなる。

 

 

 一方のフェニキアは炎の球を生成しそれをコブラ男に飛ばすような攻撃をしていた。コブラ男はその攻撃を巧みにかわしながらフェニキアとの距離を詰めていく。

 

 

 コブラ男は目と鼻の先くらいの距離までフェニキアに詰め寄り腹を殴る。だが、コブラ男が殴る時炎のようなものが拳から出ていた。パンチをくらったフェニキアは吹っ飛ばされ建物壁にぶつかり地面に落ちそのまま強制的に変身が解ける。

 

 

「フン、手応えもない奴らだ...いくぞ、入間鹿糸。」

 

 

 コブラ男とグリスはこの場を去っていく。ボロボロの俺らは気を失ってしまった。

 

 

 目を覚ますとそこは広場ではなく建物の中だった。周りには奏と響がいる。しかも、窓を見ると既に夜。どうやら、この2人に助けられたようだ。

 

 

「やっと起きましたか!心配したんですよ!」

 

 俺にはよく分からないが俺の手を握り締めながら奏は泣いていた。

 

 

「....心配かけてごめん、次からは心配かけんようにする」

 

 

 俺はそう言いまだボロボロな体を起こしベッドから出ようとしたがグリスとの戦いで負った傷の痛みのせいでベッドから出ることができない。

 

 

「まだボロボロなんだから寝ててください!食事は私が作りますから安心してください!」

 

 

 奏にそう言われ俺は寝ている事にした。隣のベッドに寝ている鹿賀斗はまだ起きない様子。俺は自分よりも鹿賀斗の安否が気になっていた。鹿賀斗は無事なのか?考えているうちに俺は眠ってしまった。

 

 

 

to be continued.....



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コブラの陰謀と芽生える怒りの感情

いつまで寝ていたのだろう?起きて時計を見ると昼になっていた。奏と響はいないようだ。隣には鹿賀斗が寝ていて俺は鹿賀斗を起こす。

 

「もうちょい寝かせろよぉ....」

 

 俺は寝言を言う鹿賀斗をほっておきベッドから出て自分の部屋へ帰ろうとした時、机に手紙が置いてあった。

 

 そこには、指示された場所に来ないと大事な白猫を消す。という文が書かれていた。この文を見て俺は察した。

 

「...アイツら、まさか!」

 

 

 俺はぐっすり寝ている鹿賀斗無理やり起こし着替えをさせて急いで奏と響の2人が行った場所へ向かう。

 

 

 その場所へ向かうとハザードトリガーの影響で暴走しているノワール&コブラ男とプリキュアの2人が戦っている。プリキュアの2人はノワールとコブラ男に押されていた。

 

 

ガタガタゴットン!

ズッタンズタン!

ガタガタゴットン!

ズッタンズタン!

 

〔Ready go!(レディーゴー!)

 

 

〈ハザードアタック!〉

 

 

 ノワールは脚からプログレスヴェイパーを出しながら奏と響を思い切り蹴る。蹴り飛ばされた二人は変身が解けその場に倒れこむ。

 

 

 戦いが終わるとコブラ男は俺たちの方に顔を向け話し出した。

 

 

「やっときたか....待ちくたびれたぞ!」

 

「....奏と響を返せ。」

 

「返すわけにはいかない。」

 

 

 コブラ男はそう言いノワールの背中を押しノワールを俺らに仕向ける。俺らはドライバーを取り出し変身する。後で聞いたのだが変身する際に鹿賀斗が俺を見ると俺はいつもより憤りを感じているような顔をしていたらしい。

 

 

〔ラビット!タンク!〕

 

 〔ロストマッチ‼︎〕

 

〔Are you ready?〕

 

 

〔鋼のムーンサルト!ラビットタンク!〕

 

〔イェーイ!〕

 

 

〔フェニックスチャージ!〕

 

〔潰れる、流れる、溢れ出る〕

 

〈フェニックスインフェニキア‼︎〉

 

〔ブララァ‼︎〕

 

 

 俺と鹿賀斗は仮面ライダーへ変身しノワールに向かっていく。暴走しているノワールは俺らの攻撃を受けても微動だにせずにいた。そして、ノワールは俺らに攻撃をする。ノワールの圧倒的な威力のパンチをくらい前と同じように俺らは吹き飛ばされる。そこで、俺は賭けに出る。鹿賀斗と同時に必殺技を放ち2人でノワールを攻撃しようという賭けだ。失敗すれば足を掴まれまた吹き飛ばされる。だが、やらないと奏と響は助けられない。助けるのが優先な俺らは必殺技を放つ。

 

 

 

〔Ready go!(レディーゴー!)〕

 

〔ボルテックフィニッシュ!〕

 

〔イェーイ!〕

 

 

 

〔スクラップフィニッシュ!〕

 

 

 

 俺とフェニキアのライダーキックはノワールの胸元めがけ一直線。ノワールは腕をクロスさせ必殺技を防ぐ。だが、俺は負けじとドライバーの取っ手を回しフェニキアはレバーを下に倒しさらに威力を高める。耐えられなくなったノワールは俺らの必殺技をくらい変身が解ける。

 

 

「私が..負けるなんて...!」

 

 

 エレンはヒザと腕を地面に着き四つん這い状態になっていた。すると、コブラ男がエレンの元に来て耳打ちしエレンの腹を思い切り蹴飛ばす。

これを見た俺に怒りという感情が芽生える。

 

 

「...お前...‼︎」

 

「こいつは用済みなんだ。もう俺には必要ない。」

 

 コブラ男のこの言葉を聞き俺は完全に怒りの感情をあらわにする。

 

「仲間は使い捨てじゃねぇんだよ‼︎仲間は一生ものだ‼︎なのに、お前はそれを大事にしようとしない。そんなお前を俺は許さない‼︎」

 

 

 俺がそう言うと2つの空のボトルにライダーシステムの成分と怒りの成分が溜まっていく。そして、前に作ったハザードトリガーみたいなものが白色に染まっていく。自然と俺の頭の中にこのアイテムの名前と効果が入っていく。このトリガーは「エモーショントリガー」と言い、今できた怒りのフルボトルのような有機物、無機物にも属さない感情のフルボトルにこれを使う事で一時的に感情のフルボトルを有機物に変える事ができるらしい。俺は早速エモーショントリガーを使いダークラビットタンクフルボトルを怒りのフルボトルとライダーシステムのフルボトルに差し替えコブラ男にこう言い放つ。

 

 

「さぁ、実験を始めようか‼︎」

 

 

to be continued.....



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新たなる力、エモーション・Aフォーム

誤字、脱字あれば指摘してください(またウトウトしながら書いてしまったので)


俺はエモーション・Aフォームへ変身する。

 

 

〔エモーションオン!〕

 

〔セット!エインガーエモーション‼︎〕

 

ガタガタゴットン!

ズッタンズタン!

ガタガタゴットン!

ズッタンズタン!

 

 

〈anger emotion relive‼︎エモーション・A‼︎〉

 

 

 俺はエモーション・Aフォームにパワーアップした。ダークラビットタンクフォームより力がみなぎる感じがする。俺はみなぎるこの新たな姿の力でコブラ男を殴る。

 

「ぐっ...ハザードレベル4.2!空っぽの影に1つ感情が芽生えただけでこんな強くなるとはなぁ...」

 

「だまれぇぇ‼︎」

 

 

ガタガタゴットン!

ズッタンズタン!

ガタガタゴットン!

ズッタンズタン!

 

〔Ready go!(レディーゴー!)〕

 

〔エモーションアタック!〕

 

 

 俺は怒りの感情の力を拳に込めコブラ男を殴る。コブラ男は吹き飛ばされていきその場に倒れこむ。そして、エレンに指示を出す。

 

「くっ...こうなったら..お前、この白猫を始末しろ!」

 

 エレンは無言のまま再びドライバーを巻きネコフルボトルと瘴気フルボトルをさす。

 

 

〔ネコ!〕〔瘴気!〕

 

〔エビルマッチ!〕

 

〔Are you ready?〕

 

 

〈毒を纏うアウトロー...キャットミアズマ。〉

 

〔イェーイ...!〕

 

 

「うっ....うぁぁ....‼︎」

 

 再変身は危険なはずなのにエレンは苦しみながら再びノワールに変身し必殺技を放つ為、ドライバーの取っ手を回す。取っ手を回す手はガタガタ震えているような感じがした。必殺技を放つ時もノワールは再変身の副作用である苦しみと戦っていた。

 

「ぐっ....」

 

〔Ready go!(レディーゴー!)〕

 

〔ボルテックフィニッシュ!〕

 

〔イェーイ!〕

 

 

 ノワールはライダーキックを放つ。だが、ノワールがライダーキックを放った方向にはハミィではなくコブラ男がいた。

 

「な、何だと⁉︎」

 

 

 コブラ男はライダーキックに対し前の鹿賀斗との戦いで使った謎の力で対抗する。だが、ノワールのライダーキックの威力が上回りコブラ男はノワールのライダーキックをくらい変身が解ける。

 

「何故だ...なぜ、裏切った⁉︎」

 

「本当の仲間を見つけたからよ!」

 

 ノワールはハミィを抱えていた。どうやら、ノワールの中の何かが変化したようだ。前まではハミィに恨みを持っていてプリキュアorライダー達を標的とするコブラ男と手を組んでいたがコブラ男に蹴られた後、ハミィならこんな事はしないはず.....と、いつも優しくしてくれていた懐かしき頃のハミィが唐突に脳裏に浮かび上がりハミィこそが真の仲間なんだと気づきハミィを助けたのだった。

 

「セイレーン、ありがとうニャ!」

 

「どういたしまして!」

 

 

 ノワールがハミィと仲良く話しをしているとコブラ男は火の玉みたいなものをノワールの首あたりにめがけて放つ。たいしたダメージは食らわなかったが何かが割れる音がする。

 

 

「あっ、私のペンダントが...!」

 

「これでお前は人間として過ごすしかない。慣れない人間生活頑張れよ〜!チャオ!」

 

 

 コブラ男はそう言い残してこの場を去っていく。ノワールは変身を解除して俺らの元へ来る。

 

 

「今までの事どうか許してください!」

 

「...許すも何もお前に罪はない。だから、安心しろ。」

 

 

 俺はそう言いエレンの頭を優しく撫でてあげる。エレンの顔はみるみる赤く染まり気づいた頃には湯気まで出ていた。

 

 

「...じゃあ帰るか、お前も一緒にな。」

 

「...‼︎」

 

「...置いてくぞ?」

 

「あっ、待ってください!今、いきます!」

 

 

 こうして、俺らは無事にハミィを取り戻した。新たにエレンも仲間に加わり俺らはまた世界平和に一歩近づいたのだった。

 

 

to be continued.....



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惑う黒き猫

誤字、脱字あれば指摘してください!(またウトウトしながらかいたので...)


俺は住む場所がないエレンを自分の部屋に連れて帰り一晩だけ泊めてあげる事にした。さっき俺が頭を撫でた時は照れていたエレンは今、顔を下に向けながら悲しげな表情を浮かべている。

 

「ねぇ、私の判断って正しかったかな?」

 

「...何の判断だ?」

 

「私があなた達に味方したという判断は正しかったのかな?」

 

「...正しかったと思う」

 

「そうなのかな...」

 

「...あの場面でお前が味方してくれてなかったら白猫がどうなっていたことやら...」

 

「.....そう。」

 

 

 エレンはそう言いその場に立ち上がり顔を下に向けたまま俺の部屋から出ていく。開けた部屋のドアを閉めず、自分の靴も履かずにどこかへ行ってしまった。俺は部屋から出ていってしまったエレンを連れ戻す為、エレンの後を追いかける。

 

 

 

 靴も履かずに走りまくってエレンがたどり着いた場所は公園。エレンはトンネルのような遊具の中に入りトンネルのような遊具の中で体育座りをし自分の下した判断について改めて考えながら小声で独り言を呟く。

 

 

「....やっぱり正しくないのかな」

 

ドタドタドタ!

 

 そう言っていると、誰かが自分に向かって走ってくる。その正体は影兎だった。

 

「アンタ..!どうしてここがわかったの?」

 

「...お前を追いかけてきたからだよ」

 

「私を...」

 

「...いいか、悪者だったからって良いことしちゃいけないって事はないと思う、逆に悪者だから悪い事するというのはダメだ。」

 

「ってことは私の判断は正しいって事?」

 

「...あぁ、だが、もし仮にお前が自分の判断は"正しくない"と思っていたらお前は悪者のまんまだぞ。」

 

「じゃあ、初めから私の判断は....!」

 

「....お前の判断は"正しい"の一択しかなかったって事だ」

 

「....お前は悪者じゃない、皆を救う正義の味方だ」

 

 俺のその言葉を聞いたエレンは悲しげな顔から普通の顔に戻る。そして、エレンは俺の方に顔を向けニコッと笑みを浮かべる。

 

「ふふっ...なんかスッキリした!ありがとう、影兎!」

 

「....んじゃ、戻るか」

 

「そうね...」

 

 

 俺はエレンの悩みを解決し2人で公園を去ろうとした時、近くで物凄い崩壊音が聞こえた。

 

 

「....⁉︎何事かしら?」

 

 

 2人が崩壊音のした方に顔を向けるとそこには全身黒く染まったネガトーンがいた。ネガトーンはいつもより凶暴さを増していて次々に町の建物を破壊していく。

 

 

「....ちっ、面倒な奴らだ」

 

「いこう、影兎!」

 

「...あぁ!」

 

 

 2人はそう言いネガトーンのいる場所へ向かっていく。

 

 

 2人が向かうとそこには既にネガトーンと戦うメロディとリズムの姿があった。2人は黒く染まったネガトーンに苦戦している。

 

 

「....加勢するぞ」

 

 

 俺はそう言いながらエインガーフルボトルとライダーシステムフルボトルを取り出し上下に振りドライバーに挿す。そして、エモーショントリガーを使う。

 

 

〔エモーションオン!〕

 

〔セット!エインガーエモーション‼︎〕

 

ガタガタゴットン!

ズッタンズタン!

ガタガタゴットン!

ズッタンズタン!

 

 

〈anger emotion relive‼︎エモーション・A‼︎〉

 

 

 エモーション・Aへ変身した俺は別人になったかの様に人が変わる。

 

 

「ネガトーン...!てめぇをぶっ倒す‼︎」

 

 

 エレンは俺が変身したのを見て自分もドライバーを腰に巻きとネコフルボトルと瘴気フルボトルを挿し、変身する。だが、変身すると共に、ドライバーに電流のようなものが走り変身が出来ない。しかも、電流のようなものがドライバーに走ると同時に巻いていたドライバーが外れエレンは吹っ飛ばされる。

 

 

「....なっ、何で変身できないの⁉︎」

 

 

 電流が走ったドライバーに挿さっていた瘴気フルボトルは真っ二つに割れていた。幸い、ネコフルボトルはヒビが入るだけで済んだ。

 

 

「もうダメだ...私、正義の味方になんかなれない。」

 

 

 エレンは自分の今の状況に絶望しながらそう言うのであった。

 

 

 

to be continued.....



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新たな正義の誕生

誤字、脱字あれば指摘してください!


エレンは両手と膝を床につけながらもうダメだ...と何回も言っていた。そんなエレンにネガトーンが迫る。だが、エレンは自分自身に迫りくるネガトーンを避けようとしない。

 

 

「エレン‼︎」

 

 

 俺は全速力で走りエレンを抱えネガトーンから離れていく。エレンは俺のおかげで何とかダメージを食らわずにすんだ。

 

「何してんだよ、避けるくらいしろ!」

 

「……」

 

 

 俺はエレンにそう言ったがエレンはボーっとしていて俺の話を全然聞いてないようだ。

 

 

「お前、もう正義の味方になれないとでも思ってんのか?」

 

「えぇ、なれないと思ってるわ、フルボトル壊れちゃって変身できないし....」

 

 

 俺はこんな状態のエレンを少し放って置く事にした。俺がネガトーンに向かっていくと同時に弱音を吐いているエレンの元にコブラ男が現れる。コブラ男はハミィを片手に持ちながらエレンにこう言う。

 

 

「おいおい、この白猫がどうなってもいいのか?」

 

「離してニャ!」

 

「ハミィ...‼︎ハミィを離して!」

 

「お前が俺に勝てたら離してやる」

 

「……」

 

「そんな中途半端な正義じゃ俺には勝てないぞ」

 

「……」

 

「返事なしか。じゃあ、この白猫も終わりだな」

 

「やめるニャ!そんな事しても良い事ないニャー‼︎」

 

 コブラ男はそう言いハミィの頭にトランスチームガンの銃口を向ける。そして、コブラ男が打とうとしたその瞬間、エレンは立ち上がる。

 

 

「ハミィを離して...!離して‼︎」

 

 

 エレンはそう言いながら生身でコブラ男に向かっていく。ひたすらコブラ男を殴るが生身での攻撃の為、全然ダメージを与えられていなかった。コブラ男はエレンの顔を殴り、突き飛ばす。エレンはさっきとは全然違い殴られても諦めずに立ち上がり果敢にコブラ男に向かっていく。殴られては立ち上がるの繰り返し。何回も何回もコブラ男に向かっていったエレンだが全身傷だらけで立ち上がれなくなっていた。

 

「セイレーン‼︎」

 

「終わったな...」

 

 

 コブラ男がそう言って再びトランスチームガンをハミィにつけようとするがエレンはよろけながらもその場に立ち上がり再びコブラ男に向かっていき今度はコブラ男の腕を掴む。離されないようしっかり掴んでいた。

 

 

「もうこれ以上、ハミィを....ハミィを悲しませないで‼︎」

 

 

 エレンがそう言うと割れたはずの首飾りが光り出しエレンを包んでいく。包む光が消えるとそこにはプリキュアに変身したエレンがいた。

 

 

「遂に覚醒したか‼︎この時を待っていたぞ!」

 

「あなたを倒す!」

 

 

 プリキュアに変身したエレンはコブラ男を殴っていく。さっきとはスピードとパワーが違いコブラ男はエレンに押されていく。コブラ男は謎の炎を片手に纏いエレンの腹を殴ろうとしたがエレンは手のひらで受け止める。そして、コブラ男に蹴りを入れて吹っ飛ばす。

 

 

「フン、今回だけは見逃してやる。だが、今度会った時は最後だと思え...」

 

 

コブラ男はそう言いどこかへ去っていってしまった。コブラ男から離れ地面に落ちているハミィをエレンは抱きかかえる。そして、言葉を掛けた。

 

 

「ハミィ、大丈夫?」

 

「セイレーン、助けてくれてありがとニャ!」

 

「どういたしまして!」

 

 

 ハミィを助け終わるとエレンの変身が解けた。

 

 

「私、プリキュアになったのね...」

 

「これでセイレーンも正真正銘の正義の味方ニャ!」

 

「フフッ、私、なれたんだ。正義の味方に!」

 

 

 エレンがそう言うと同時に近くから必殺技音声が聞こえる。どうやら、ネガトーンを倒したらしい。ネガトーンを倒した俺はエレンの元に向かう。

 

 

「....成長したな」

 

 

 俺はそう言いエレンの頭を撫でてあげる。エレンは嬉しそうな表情を浮かべる。既に時刻は20時。俺とエレンは俺の部屋に帰る事にした。

 

 

「...んじゃ、帰るぞ」

 

「えぇ、帰りましょう。」

 

 

 

 そう言い俺とハミィを抱えたエレンは俺の住むマンションに向かって歩いていくのだった。

 

 

 

to be continued....



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魂の調べ!

第2章最終話です!


エレンがプリキュアに覚醒したその次の日の朝、部屋でエレンはハミィと仲良く寝ていた。皆で買い物に行きたいなと思っていた俺だが寝ている2人を起こすわけにはいかないので俺は2人を寝かせたまま1人で買い物に行く。

 

 

 影兎が買い物に行ってから数分後、2人は目覚める。目覚めた2人は外に出て太陽の光を浴びに行く。

 

 

「ふぁぁ.....おはよう、ハミィ...!」

 

「おはようニャ!」

 

 

 ハミィの周りにはフェアリートーン達がおり、ハミィはフェアリートーン達とともに歌をうたい出す。ハミィとフェアリートーン達の歌う様子を見たエレンは歌声につられて自分自身も歌いだす。エレンが歌いだすとエレンの胸元が光り出した。それに気づいたハミィ目を擦って再度確認するがその時には光が消えていた。

 

 

「ハミィ、どうかしたの?」

 

「なんでもないニャ」

 

 

 エレンは自分を何秒間も見つめるハミィを少し不審に思いそう聞いた。ハミィはエレンの胸元で突然輝いた光は何だったのだろう?と心の中でそう思いながらエレンに返事をする。と、2人の元に奏と響がやってくる。奏はカップケーキが入った箱を持っており、それをハミィに渡す。ハミィは早速、箱を開け箱の中にあるカップケーキを食べる。だが、エレンは気まずそうな顔をしていた。

 

 

「エレン?どうしたの?」

 

「……」

 

 

 響は心配そうな顔でエレンにどうしたの?と聞くがエレンは無言のまま下を向いていた。響はそんなエレンの近くへ行き肩にポンっと手を置く。

 

 

「昔の事はもういいんだよ。今のエレンは"正義の味方"なんでしょ?だから、私達はエレンの事を信じる!」

 

 

「あなた達...!」

 

 

「しかも、あなたはハミィを救ってくれた!あの場面であなたがいなければハミィはあのコブラの怪物にやられてたわ。」

 

 

「だから、これから仲良くやっていこうよ!エレン‼︎」

 

 

「2人共...!うん!仲良くやっていきましょう‼︎」

 

 

 さっきまで気まずそうな顔をしていたエレンだが自分の過ちを許してくれた奏と響の言葉を聞き笑顔を取り戻す。そして、3人が話していると影兎が買い物から戻ってきた。

 

 

「あら、買い物は終わったのかしら?」

 

「...あぁ、終わった」

 

「じゃあ、帰りましょう」

 

「....そうだな」

 

 

 そう言い俺とエレンは俺の家に戻っていく。その様子を見た奏は頬を膨らませていた。

 

 

「エレンめ...!今回は見逃してあげるけど次、そうゆう風にしたら許さないわ!」

 

「奏、落ち着いて...」

 

 

 影兎の家に帰っていくエレンにそう言う奏。響は奏、落ち着いて!と注意し場を鎮める。影兎とエレンが家に帰ったので奏と響も家に帰ろうとしたその時、トリオ ザ マイナーと名乗る3人組が2人の元に現れそのうちの1人のバスドラという名前の人物が近くにあった木をネガトーンに変える。それを見た2人はすぐにプリキュアへ変身する。

 

 

「「レッツプレイ・プリキュアモジュレーション!」」

 

 

「爪弾くは荒ぶる調べ!キュアメロディ!」

 

「爪弾くはたおやかな調べ!キュアリズム!」

 

 

 プリキュアに変身した2人は木のネガトーンに向かっていく。木のネガトーンはまず、根を地面に沈め、根を沈めた後、緑色の光弾を2人に向けて放つ。2人はそれを避け飛び上がろうとしたが地面から出てきた根に縛られ身動きが出来なくなる。そして、木のネガトーンがもう一度、光弾を2人に向けて放とうとした時、エレンと影兎が現れた。

 

 

「おやおや、裏切り者がのこのこと....どうしたのですか?」

 

「怪物を倒しにきたの!私はもう"正義の味方"‼︎街の平和は私が守る!」

 

 

 エレンがそう言うと再びエレンの胸元が輝き光を放つ。今度はエレン本人にもこの光が見えたようで光を見たエレンは驚いている。

 

 

「ニャ~!さっき見たのは本当にハートのト音記号だったニャ!」

 

 

 と、ハミィが言う。すると、エレンの輝く胸元の光からキュアモジューレが現れる。エレンはそれを掴みプリキュアに変身する。

 

 

「レッツプレイ・プリキュアモジュレーション!」

 

 

「爪弾くは魂の調べ!キュアビート‼︎」

 

 

 エレンはキュアビートに変身し木のネガトーンの根を切り裂く。エレンが根を切り裂くと縛られていた2人は解放され、身動きがとれるようになった。プリキュアの3人は木のネガトーンを攻撃をする。そして、木のネガトーンが一瞬フラついた場面でキュアビートはギター状の武器を取り出し必殺技を放つ。

 

 

『駆け巡れトーンのリングプリキュアハートフルビートロック‼︎』

 

 

 必殺技は木のネガトーンに命中し、メロディとリズムと同じように三拍子を数える。そして、木のネガトーンは消えていった。

 

 

 木のネガトーンを撃破した後、仲良く話す3人だがその様子を誰かが木の陰から見ていた。

 

 

「キュアビート...か。いつか、戦える日を楽しみにしてるよ」

 

 

 木の陰から見ていた者はそう言いその場を去っていった。

 

 

 

 エレンが正式にプリキュアになり戦力が増した俺たち。これで世界平和という願いも近いうちに叶えられると思ったが、この戦いはまだ始まりに過ぎないという事を後々知るのだった......

 

 

 

 

Continued on the next chapter.....



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特別編
good bye!また会える日まで....


作者が海外に行く都合により、連載をここで一旦、終わりにさせていただきます。

出来れば、お気に入りは解除しないでほしいです。

影兎達のその後については今後、覇王龍さんが書いてくださるのでこの話の後から先は

仮面ライダーローグ&HuGっと!プリキュアを読んでください!



※特別編なので前回の話とは繋がっていません。

※文才が無いので上手くまとまりませんでしたが読んで行ってくれたらありがたいです!

追記

サルンの弟である私、萊轟がこの作品を継ぐことになりました!

近いうちにまた投稿を再開するので待っていてください!




ある日、俺と奏が久しぶりに2人で買い物をしていると俺のスマホがズボンのポケットの中で鳴り響く。

 

ピロピロピロ!ピロピロピロ!

 

ピッ!

 

 

「...どうした?」

 

 

 俺は電話相手から事情を聞いて驚いた。なんと、はぐくみ町はここ以上にスマッシュが出現してるらしい。ちなみに電話してきたのははぐくみ町に住む俺の友達だ。そうと分かればすぐにはぐくみ町に向かいたいが加音を離れるわけにはいかない。どうすれば...と、影兎は悩むのだった。

 

 俺の悩むと跳ね上がる頭頂部の髪を見た奏は俺にどうしたんですか?と聞いてきたがこんな事は言えないので俺はなんでもないと奏に言う。

 

それからしばらく歩いていたが俺はいまだに加音町かはぐくみ町どちらを選ぶか悩んでいた。俺がずっと浮かない顔をしていたので奏はもう一度、俺にどうしたんですか?と聞いてきた。俺がまた何でもないと奏に言うと、奏は少し怒り気味に嘘つかずに話してください!と俺に言う。俺は仕方なく奏に悩みを言うのであった。

 

 

「...実は、はぐくみ町が今、スマッシュ達やクライアス社とかいう奴らに襲われているらしいんだ。だから、加音を出てはぐくみ町に行こうか、加音に残るかで悩んでるんだ。」

 

「影兎さん!加音に残ってくださいよ!私、影兎さんいなきゃ生きていけません‼︎」

 

 

 奏は涙ながらにそう言う。残りたい気持ちも山々だが今、危機にさらされている町をほっておけないと言う気持ちもある。俺がまだ行くとは決めてないから大丈夫だよ。と奏に言おうとした時、既に奏は自分の家の方に向かって走り去っていってしまった。

 

 

 俺は奏を追いかける。そして、追いかける事数分後、奏の家に着いた。中に入るとお馴染みのメンバーがいた。皆、俺の方を見てくる。

 

 

「影兎君!奏に何かしたの?」

 

「...いや、俺はただ加音に残るかはぐくみ町に行くかとか言っただけで....」

 

 

 響は俺を睨みながらそう言うが、事情を聞くと目を開き、えっ?というような顔になった。

 

 

「影兎、詳しく話してよ。」

 

 

 エレンにそう言われ、俺は電話で話した内容を皆に話す。

 

 

「....実は、はぐくみ町にスマッシュが現れたらしいんだ。それ以外にクライアス社とかいう敵組織もいて本当に危機を迎えているらしい、だから、はぐくみ町に行こうかなって思ったんだ。」

 

 

 俺がそう言うと、奏は再び行かないで!と言うが、響とエレンは行ってきなよと言う。

 

 

「影兎、行ってきなよ!はぐくみ町の安全を守ってきてよ!」

 

「....でも」

 

「でもじゃない!影兎君は"正義のヒーロー"なんでしょ?はぐくみ町の皆の明日を創造(ビルド)してきてよ!影兎君がいない間は私と奏とエレンが加音を守るから安心してよ!」

 

「...奏は...」

 

「影兎さん....」グスン

 

「奏、あなたも影兎さんを笑顔で送り出そうよ!そうすれば影兎さんも安心してはぐくみ町に行けるからさ!」

 

 

 奏は泣きながら影兎に言葉を贈る。

 

「影兎さん...あの、その...はぐくみ町でも元気に過ごしてください..そして、はぐくみ町を救ったらまた加音に戻って来てくださいね...」

 

 

 奏はそう言いながら俺の肩に両手を置き、背伸びをして俺の唇に自分の唇を重ねた。その様子を見ていた響とエレンは驚いていた。俺と奏は10秒間くらいの少し長いキスの後、お互いに抱きしめ合った。

 

 

「さようなら....じゃないですからね!」

 

「....わかってる、またいつか必ず帰ってくる!」

 

 

 俺はそう言い、奏の家に入る前に寄ったフラワーショップで買った一本の花を奏に渡した。そして、渡した後、奏の家の扉の取っ手に手をかける。

 

「....皆、またな。」

 

 

 皆はまたね!と俺に言い俺を送り出して行く。皆の言葉を聞いた俺は奏の家を出て加音町を後にした。

 

 

 

「さようなら影兎さん、またいつか会える日まで....」

 

 

 私は小声でそう呟いた。その後、影兎さんからもらった花を詳しく見てみる事にした。

 

 影兎さんのくれた花はアイビーという花でした。

 

 アイビーの花言葉それは...

 

 

 "永遠の愛"

 

 アイビーの花言葉を知り、悲しみに染まっていた心は次第に明るみを増していく。更に、アイビーの花に銀色に輝くあるものがかかっていたのが見えた。それを見た私の心から一気に悲しみが出て行った。

 

 

 アイビーの花には銀色に輝く指輪がかかっていた。私はニコッと笑いながらその花を大事に抱き抱え、自分の部屋に飾るのだった。

 

 

 

 

 

ダークビルドinスイートプリキュア

 

Another ending......




影兎はあっさりとはぐくみ町行きを決断しましたが本心ではきっとまだまだ悩んでいる途中だったと思います。前書きの通り文才がないせいで話が上手くまとまらなかったです。読みづらかったならごめんなさい。


それと、何度も言いますがここまで見てくださって本当にありがとうございました!あっちで野球をやって帰国して、時間に余裕ができたらまた新しい小説をやろうと思うので(いつ帰国出来るかわかりませんが)その時はまたよろしくお願いします!


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第三章 蜘蛛の企みとメイジャーランドの姫編
コブラ男の正体と黒ミューズ


第3章スタートです!


エレンが"キュアビート"と名乗り正式にプリキュアになってから約一週間、ネガトーンも一切現れず俺たちは平和な生活を送っていた。

 

 

・奏の家

 

 

「影兎さん、最近ネガトーンが現れませんが平和になったんですかね?」

 

「...いや、まだ平和になってはいない。コブラ男とあの三人衆がいるからな。」

 

「平和な世界にしたいのならまずはトリオ ザ マイナーを倒す事が先決だと思うわ。」

 

 

 エレンは俺と奏の会話に入りそう言う。だが、俺はトリオ ザ マイナーという三人衆よりもコブラ男を倒すのが先決だと考えていた。

 

 

「俺は先にコブラ男をぶっ倒す!」

 

 

 どうやら、コブラ男に操られている弟を取り戻したいと思っている鹿賀斗もコブラ男を倒す方が先決だと思っているようだ。

 

 

ゴォォン!

 

 

 と、奏の家にいる皆が話していると街から崩壊音が聞こえてくる。崩壊音を聞いた俺たちはすぐに現場に駆けつける。現場に駆けつけるとそこにはネガトーン2体とコブラ男と白銀のグリスに変身した状態の入間鹿糸がいた。

 

 

「おい!俺の弟を返せ‼︎」

 

「利用価値があるものを返せと?返すわけないだろう....」

 

「だったら力づくでいくぜ‼︎」

 

「愚かな....やれ、入間鹿糸!」

 

 

〔フェニックスチャージ!〕

 

〔潰れる、流れる、溢れ出る〕

 

〈フェニックスインフェニキア‼︎〉

 

〔ブララァ‼︎〕

 

 

 フェニキアに変身し、コブラ男に向かっていくがグリスに変身している入間鹿糸がその行く手を阻む。グリスは容赦なく兄である鹿賀斗を何度も殴る。殴った後はツインブレイカーを取り出しフェニキアに向けて何発も光弾を放つ。

 

 

「鹿糸‼︎お前、どうしちまったんだよ⁉︎」

 

 

 フェニキアはグリスに攻撃をせず、ずっと攻撃から身を守りながら必死に弟の入間鹿糸に語りかけていた。

 

 

 一方、響、奏、エレンの3人はネガトーン2体を倒す為プリキュアに変身する。ネガトーンを3人に任せ俺はコブラ男を倒す事にした。

 

 

「...今日こそお前を倒す」

 

「今のお前にそれができるかな?」

 

「...どういう意味だ。」

 

「戦ってみれば分かるさ」

 

 

 俺はダークラビットとダークタンクフルボトルを取り出し上下に振ってドライバーに挿していく。

 

 

〔ラビット!〕〔タンク!〕

 

 〔ロストマッチ!〕

 

〔Are you ready?〕

 

〈鋼のムーンサルト!ラビットタンク!〉

 

〔イェーイ!〕

 

 

 俺はコブラ男に殴りかかる。だが、コブラ男は動きを読んでいるかのように俺の動きに対応してくる。

 

 

「お前の動きはすでに読めている....」

 

「....何だと⁉︎」

 

 

 やはり、コブラ男は俺の動きを読めていたようだ。俺の攻撃は全てかわされコブラ男はかわすと共に俺を攻撃する。コブラ男に攻撃された俺は少し吹き飛ばされる。俺が吹き飛ばされると共にコブラ男は俺に向け技を放つ。

 

 

〈スチームブレイク!コブラ‼︎〉

 

 

 コブラ男の技をくらいそうになったその時、俺の前に全身黒い何者かが現れコブラ男の技を弾く。技を弾いた後コブラ男を蹴り飛ばす。そして、トドメを刺そうとしたその時、コブラ男はトランスチームガンからコブラフルボトルを抜き、変身を解く。

 

 

「もうこの姿を隠す必要はない。」

 

「....あんたは一体⁉︎」

 

「俺は石動惣一。そして、変身した状態の名はブラッドスターク」

 

 

 コブラ男の正体は石動惣一という男。変身状態にもブラッドスタークという名前があったようだ。

 

 

「もうここに用はないから退いてやろう...チャオ!」

 

 

 と、名前を名乗ったブラッドスタークはここにはもう用がないと言いこの場を去っていった。

 

 

 俺とブラッドスタークの戦いは終わったがプリキュア3人と鹿賀斗の戦いは終わっていないようだ。プリキュアの3人は苦戦する事なく戦えていたが鹿賀斗はグリスに苦戦していた。俺は戦いに加勢しようと鹿賀斗の元に向かったが鹿賀斗は来るな!と俺に言う。

 

 

「これは俺たち兄弟の戦いだ!お前はそこで見てろ!」

 

 

 俺は鹿賀斗にそう言われたので2人の戦いを近くで見守ることにした。

 

 

 

 フェニキアVS白銀グリス。兄弟の熱き戦いはどちらが制するのか?そして、影兎を助けた黒き戦士は一体、誰なのか?

 

 

 

to be continued.....



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エレンに迫る蜘蛛女

プリキュアの響、奏、エレンの3人が2体のネガトーンを倒し終わりそうな頃、フェニキアVS白銀グリスの兄弟対決は更にヒートアップしていた。

 

「はぁぁ‼︎」

 

ドゴッ!

 

 

 白銀グリスの腹を殴るフェニキアだがあまり効いていない様子。白銀グリスはフェニキアとの距離を取りツインブレイカーをフェニキアに向けて光弾を何発も放つ。白銀グリスの攻撃をくらったフェニキアは少し吹き飛ばされるがすぐにツインブレイカーを取り出し再び白銀グリスに向かっていく。

 

 

「鹿糸‼︎お前、どうしちまったんだよ?」

 

「どうもしてないよ兄さん。これが僕の選んだ道なんだ...」

 

 

 鹿賀斗は弟の鹿糸に語りかけるが鹿糸は僕の選んだ道だと鹿賀斗に言い鹿糸はビームモード状態のツインブレイカーにロボットスクラッシュゼリーとロボットフルボトルを挿しこみ鹿賀斗の腹に突きつける。

 

 

〈シングル!(ロボットスクラッシュゼリー)〉

 

〈ツイン!(ロボットフルボトル)〉

 

 

《ツインフィニッシュ‼︎》

 

 

 ツインブレイカーの必殺技をくらったフェニキアは派手に吹っ飛んでいき変身が解ける。変身が解け、倒れている鹿賀斗の元に白銀グリスが歩み寄りこう言う。

 

 

「兄さん、僕の邪魔をしないでくれ」

 

 

 白銀グリスはそう言いこの場を去っていく。鹿賀斗は鹿糸が去ると同時に気を失ってしまった。一方、エレンを除いた響、奏の2人はネガトーンを倒し終わり変身を解き俺の元に来ていた。

 

 

「....2人とも、あそこで倒れている鹿賀斗の手当てを頼む」

 

「了解です!」

 

 

 響と奏は早速、倒れている鹿賀斗の手当てに向かう。その頃、エレンは謎の女と話していた。

 

 

「君がキュアビートだね?」

 

「あなたは誰...?」

 

「私は雲田 繭(くもだ まゆ)!」

 

「繭さんは私に何の用があるのですか?」

 

「私と戦ってほしいの!ねぇ今から戦おうよ!」

 

 

 雲田はエレンの返事を待たずトランスチームガンを取り出しスパイダーフルボトルを挿し変身する。

 

 

〔スパイダー!〕

 

「蒸血‼︎」

【ミストマッチ!】

 

【スパイダー・・・スパイ・スパイ・・スパイダー!】

 

【ファイヤー!】

 

 

「私は雲田繭、またの名をディザスターアサシン!」

 

「ディザスター....アサシン...?」

 

「さぁ、君もプリキュアになって!」

 

 

「あ、あぁ、わかった。」

 

 

 エレンはディザスターアサシンにそう言われキュアモジューレを取り出しプリキュアに変身する。

 

 

「レッツプレイ・プリキュアモジュレーション!」

 

 

「爪弾くは魂の調べ!キュアビート‼︎」

 

 

 エレンがキュアビートに変身するとディザスターアサシンはスチームガンの銃口をエレンの方に向け、光弾を何発も放つ。エレンは光弾を弾きディザスターアサシンに向かっていく。そして、ディザスターアサシンに殴りかかる。だが、ディザスターアサシンはキュアビートが自分に殴りかかってきた瞬間、スチームブレードを取り出しキュアビートの腹に突き刺す。

 

グサッ!

 

「ぐっ....」

 

 

 ディザスターアサシンは何秒後かに刺したスチームブレードを抜きその場でよろけるキュアビートを蹴り飛ばす。キュアビートは再び立ち上がり戦おうとするが変身が解けその場に倒れ気を失う。

 

 

「黒川エレン...君が強くなった時にまた会おう。」

 

 

 ディザスターアサシンはそう言いこの場を去っていった。

 

 

 気を失い倒れているエレンと鹿賀斗。2人はどうなってしまうのか?そして、新たに現れたディザスターアサシンは敵なのか味方かどちらなのか?

 

 

to be continued.....



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加音町にやって来た天才物理学者

さっきの戦いで倒されて気を失った鹿賀斗とエレンを俺と響で背負い奏の家に向かう。

 

 数十分後、奏の家に着くと俺と響は部屋にある机を挟んで向かいあった二つのソファに鹿賀斗とエレンを寝かせる。奏は2人の様子を見守る事にした。俺と響は2人を見守っていて買い物に行けない奏の代わりに買い物に行く。

 

 

「すいませ〜ん、カップケーキ買いに来た者なんですけど〜!留守ですか?」

 

 

 俺と響が買い物に行こうと部屋を出たその時、入口の方から声がした。その声は聞覚えのある声だった。その声の主はカップケーキを買いに来たらしい。俺と響は急いで声の主の元へ向かった。

 

 

 向かってみるとそこには東都の天才物理学者の桐生戦兎がいた。

 

 

「お前は、桐生.....篤兎...?」

 

「...昔はな、だが今は違う...今は玄野 影兎だ」

 

「ふーん、無口のくせに良いネーミングセンスしてんじゃん!」

 

「....無口ではない」

 

 

 と、俺と戦兎が話していると響が話しに割り込み戦兎に話しかける。響は戦兎にブラッドスタークについて知ってるかどうかを聞いてみる事にした。

 

 

「お話中悪いんだけど...戦兎さん、ブラッドスタークについて何か知ってる?」

 

「知ってるよ。だって俺、スタークを追うためにここに来たんだもん。でも何で俺にスタークのことを聞いたんだ?」

 

「仮面ライダーなら知ってるのかな〜?って思って!」

 

「何で俺が仮面ライダーって分かったんだ⁉︎」

 

「影兎君の持ってるベルトに似た物を着けてるから!」

 

 

 最初はどのカップケーキを買うか聞く予定だったのが俺と戦兎の話を発端にどんどん話が脱線していき今では東都について話し合っている。

 

 

「....奴の尻尾の針に毒があるのか....」

 

「あぁ、スタークの尻尾の針に刺されると体に毒が回ってやられる」

 

「東都って加音(ここ)より物騒なんだねぇ....」

 

 

 と、3人が話しているとラッキースプーンの入り口の扉を叩く音がする。客だと思い響が扉を開けるとそこには石動惣一がいた。

 

 

「どういうカップケーキが欲しいんですか?」

 

 

 コブラ男の正体を知らない響は石動惣一に何の警戒もなく話しかける。そんな響に俺は注意を呼びかける。

 

 

「....響、気をつけろ。アイツは例のコブラ男だ」

 

「俺が危険人物だなんて、ひどいこと言うなぁ〜」

 

「スターク、何をしに来たんだ?」

 

「お前が持つボトルの回収をしに来たんだ」

 

 

 今回スタークがここに来た理由は戦兎の持っているフルボトルを奪うためだったのだ。戦兎は場所を変えようとスタークに言い店の外に移動する。そして、戦兎はビルドドライバーを腰に巻きラビットタンクの複眼が描かれた空きカンみたいなフルボトルを取り出し上下に振ってからドライバーに挿す。

 

 

〔ラビットタンクスパークリング!〕

 

〔Are you ready?〕

 

〈シュワっと弾ける!ラビットタンクスパークリング!〉

 

〔イエイ!イエーイ!〕

 

 

 石動惣一もトランスチームガンにコブラフルボトル装着しブラッドスタークへ変身する。

 

【コブラ!】

 

「蒸血!」

【ミストマッチ!】

 

【コッ・コブラ・・・コブラ・・・】

 

【ファイヤー!】

 

 

 俺も戦兎に加勢してスタークと戦おうとしたが戦兎はここは任せてお前は友達を助けろ!と言う。何言ってんだろう?と思ったが戦兎が指を指す方向に謎の女と腕と足を縛られている響がいた。

 

 

「....いつの間に⁉︎」

 

「あれは俺の新たな助手のディザスターアサシンだ」

 

 

 響を捕まえたのも縛り付けたのもあの謎の女のせいらしい。俺は響を助ける為、ネビュラビルドドライバーを取り出し腰に巻きダークラビット、タンクフルボトルを取り出し振るのを省略してそのままドライバーに挿して変身する。

 

〔ラビット!〕〔タンク!〕

 

 〔ロストマッチ!〕

 

〔Are you ready?〕

 

 

〈鋼のムーンサルト!ラビットタンク!〉

 

〔イェーイ!〕

 

 

 俺が変身すると謎の女もトランスチームガンとファウスト製だと思われるスパイダーフルボトルを取り出し変身する。

 

【スパイダー!】

 

「蒸血‼︎」

【ミストマッチ!】

 

【スパイダー・・・スパイ・スパイ・・スパイダー!】

 

【ファイヤー!】

 

 

「私の名は雲田 繭...またの名をディザスターアサシン!」

 

 

 謎の女の名前は雲田 繭と言うらしい。雲田はディザスターアサシンに変身するといきなり俺にトランスチームガンの銃口を向けトリガーを何度も引き光弾を何発も放つ。

 

 

 

 戦兎VSブラッドスターク、影兎VSディザスターアサシンの戦いが始まった。果たして、戦兎と影兎はスタークとアサシンの2人に勝つことが出来るのか⁉︎

 

 

 

 

to be continued.....



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正義のヒーロー失格

ディザスターアサシンこと雲田繭は今後の物語の鍵を握る重要人物です!

誤字、脱字などあれば報告お願いします!

※今更感がありますが雲田繭の紹介です。(現在判明している部分だけ)


 
雲田 繭(くもだ まゆ)
 
イメージCV.沢城みゆき(SAO シノン)

誕生日:?
年齢:?
身長:162㎝
好きなもの(事):?
苦手なもの(事):?
 
容姿:進撃の巨人 ミカサ・アッカーマン


現在、戦兎はスタークと影兎はアサシンと戦っている。スタークは戦兎に向かってトランスチームガンで光弾を放つ。戦兎は突差にドリルクラッシャーを取り出しスタークの放った光弾を弾いてスタークに向かっていきドリルクラッシャーを振り下ろした後フィッシングの様にスタークのみぞおちの辺りを突いていく。

 

ギュイーン‼︎

 

 少し派手なドリルの効果音と共にドリルクラッシャーのドリルはスタークに二発とも命中し後方へ少し吹き飛ばしていく。そして戦兎はスタークの隙をついてハリネズミフルボトルをドリルクラッシャーに装填し必殺技を放つ。

 

【Ready go‼︎】

 

【ボルテックブレイク‼︎】

 

 必殺技をくらい吹き飛ばされたと思われたスタークだったが必殺技を食らう前、突差に自分の胸の前のあたりで腕をクロスにして防御の構えをとっていた為、あまりダメージを受けなかった。

 

「戦兎、更に腕を上げたようだな...だが、この程度じゃまだ俺は倒せないぞ」

 

「黙れ。」

 

「おいおい、命の恩人に"黙れ"はないだろぉ..?」

 

「...お前なんか命の恩人じゃない...敵だ!」

 

 

 戦兎はスタークにそう言い放ちドライバーのレバー勢いよく回しドリルクラッシャーをどこかへ投げ捨てスタークに向けてライダーキックを繰り出す。

 

【Ready go!】

 

【スパークリングフィニッシュ!】

 

【イェーイ!】

 

 スパークリングフォームで放つライダーキックは炭酸飲料などでよく見るような泡を足に纏い辺り一面に吹かせながらスタークに向かっていく。

 

 スタークはスパークリングフォームのライダーキックを受け止めようとライダーキックを避けずにぶつかり合う。しばらく互角の状態が続いたが戦兎の"正義"がスタークを打ち破る。スタークは吹き飛ばされたが変身は解けなかった。

 

 

「戦兎、お前もやれば中々出来るじゃないか。さて、あとはディザスターアサシンに任せて俺は退くとしよう...」

 

 

 スタークはそう言い残しこの場を去っていった。一方、影兎VSディザスターアサシンの戦いはディザスターアサシンが優勢だった。俺はディザスターアサシンのトランスチームガンから何度も何度も放たれる光弾を避けれず全てをくらい変身が解ける寸前にまで追い込まれていた。ここで、ディザスターアサシンが俺にこう言う。

 

 

「玄野影兎、お前は戦いを楽しめていないようだな...」

 

「....戦いを楽しむ奴なんかいるはずがない」

 

「戦いを楽しめないようならお前は大事な人を守れない」

 

「...なんだと!」

 

 

 俺はその言葉を聞き少し混乱する。ディザスターアサシンは俺が自分の言葉に惑わされている間に縛られている響にトランスチームガンの銃口を向ける。ディザスターアサシンが銃口を響に向けた時に俺はハッとなり、止めろ!とディザスターアサシンに言う。だが、ディザスターアサシンがトランスチームガンを下ろす気配はない。

 

 

「...止めろ‼︎」

 

「やぁめないよぉ〜‼︎」

 

バァン‼︎

 

 俺の止めろ!という言葉に対してディザスターアサシンはそう返しトランスチームガンのトリガーを引いて響に向けて光弾を放つ。光弾は響の腹部に当たる。光弾を受けた響の腹部から血が流れ出す。響は少しの間痛みに苦しみその後、ゆっくりと目を閉じ気を失っていった。

 

 その光景を呆然と眺める俺。ディザスターアサシンは呆然としている俺の耳元でこう囁く。

 

 

「結局、大事な人を守れなかったね!玄野影兎、お前は正義のヒーロー失格だな‼︎」

 

 

 ディザスターアサシンはそう言い嘲笑しながらこの場をゆっくりと去っていく。戦いが終わっていて響が大ケガをしているというのにまだ呆然としている俺の元に戦兎が走って向かってくる。

 

 

「おい!何ボーっとしてんだ‼︎早く彼女を助けろよ!」

 

 

 ようやく呆然としている状態から我に返った俺は大ケガをしている響の容態を見てから救急車を呼び病院へ向かう。

 

 響が大ケガしたと聞いて奏も病院に来ていた。奏の後ろには気を失っていたエレンと鹿賀斗もいた。

 

 

 響は一命を取り留めたがまだ目を覚まさない。響の病室に皆が集まる。俺はその場で皆に響を救えなくてごめん。と響が銃撃を受けるまでの経緯を話してから謝罪をする。エレンと鹿賀斗は気にするな的な事を俺に言ったが奏は俺を睨んでいて2人が言い終わった後遂に怒りを露にする。

 

 

「何、敵の言葉に惑わされてるのよ‼︎惑わされもしなければ響は救えたはずでしょ‼︎あなたはそんなに心が脆いの⁉︎見損なったわ!もう二度と店に来ないで‼︎」

 

「...奏、それは言い過ぎじゃないかな?」

 

 

 エレンは奏にボロクソ言われた俺をフォローするが奏がまた俺に厳しい事を言う。

 

 

「響がケガして1番苦しむのは親友のこの私なのよ‼︎そんなのも分からないの?」

 

 

 奏はそう言い立ち上がって病室を後にする。奏は病室を出る前にこんな事を言い残していった。

 

 

「...あんな人を好きになって後悔したわ。」

 

 

 奏に言われた言葉は全てナイフとなり俺の心に突き刺さっていく。

心に多くのナイフが突き刺さった俺は戦意喪失し次の日から家に引きこもるようになった。

 

 

 

 ディザスターアサシンの言った、戦いを"楽しむ"というのはどういう意味なのか⁉︎そして、自分が惑わされたせいで響を守れず挙げ句の果てに奏にボロクソに言われ戦意喪失してしまった影兎。影兎は今後、どうなってしまうのか⁉︎

 

 

 

to be continued.....



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天照らす光へ導くビート

誤字、脱字あれば報告してください!


響を守れなかったあの日以来、家にずっと閉じ籠り放しの俺。頭の中にはあの日奏に言われた言葉がまだ残っていて最近では幻覚も見え始めてきた。その幻覚の内容は色々な人が俺に近寄り「お前は正義じゃない」「人の一人も救えないやつに出る幕はない」というようなマイナスな事ばかりを言ってくるような物ばかり。あと、今は戦いたくないし、できれば外にも出たくない。

 

 俺がそう思っていると部屋のインターホンが鳴る。出たくはないが誰がきたか気になったので俺は部屋の扉を開ける。そこには、桐生戦兎がいた。

 

 

「よっ!」

 

バタン!

 

 俺は扉を開けるが部屋の扉の前にいた桐生戦兎を見た瞬間、勢いよく扉を閉めて部屋に鍵をかける。すると、外から桐生戦兎の声がした。

 

 

「おい、閉めることないだろ!俺はお前が心配でここまできたんだぞ‼︎」

 

「...心配?人を守れない正義のヒーローを心配してる場合かよ。心配してる間にも敵は来るかもしれないぞ?」

 

「どうやら、お前には何言ってもダメなようだな....分かった。もう戦わなくていいよ、そのまま家にいればいい。」

 

「...そうさせてもらう」

 

 

 俺がそう言うと部屋の外から次第に小さくなっていく足音が聞こえた。戦兎がこの場から去ろうとしている足音だ。戦兎は去り際に俺に聞こえないくらいの小声で一言残していく。

 

 

「これがお前のなりたい"正義のヒーロー"なのか?」

 

 

 俺は戦兎が立ち去ると再び自分のベッドに横になり全身を覆うように毛布を被ってそのまま眠りにつく。だが、数分後に誰かが身体を揺さぶるような感覚と自分を呼ぶ声で俺は目を覚ます。

 

 

「おーい、えいとー!起きてー!」

 

 

 起きてみると俺の目の前にはエレンがいた。エレンにどうやって部屋に入ったのか聞いてみる。

 

 

「....どうやって部屋に入ったんだ?」

 

「どうやっても何もないよ。だって鍵開けっぱなしだったんだもん!」

 

 俺は戦兎が自分の部屋に来た時、扉を一瞬開けて閉める時鍵をかけ忘れていた事に今気付く。

 

 

「それよりさ影兎、あなた、"正義のヒーロー"という肩書きを重く感じているが為に堅苦しくなってない?」

 

「...なってはいない」

 

「いや、なってるよ。だって、奏に言われた言葉気にしてるじゃない!」

 

「....それは、その....」

 

 

 俺がエレンに返事をするのに困っているとエレンはいきなり俺へ抱きつく。そしてこう言う。

 

 

「あなたの"正義のヒーロー"って肩書きをそんなに重く思わなくていいのよ。」

 

「....‼︎」

 

「影兎は"正義のヒーロー"に失敗は許されないと思ってるみたいだけど、"正義のヒーロー"にも失敗はあるんだよ。」

 

「....失敗...か。」

 

「気楽すぎるのはダメだけど、今よりもう少し"正義のヒーロー"を気楽に考えてみようよ!そうすれば堅苦しくならずに楽しく戦いに入っていけるはず!」

 

「...."正義のヒーロー"を少し気楽に考えても奏は....」

 

「奏は今頃、影兎にあんなこと言ったのを後悔してると思うわ!奏、あなたの事が大好きなんだし‼︎」

 

 

 俺はエレンから「奏はあなたの事が大好き」と聞くと怒りの感情の時のように心に何かが芽生えた。何かは分からないがものすごくドキドキする。

 

 

 その様子を見て安心したエレンは俺に奏の所へ行くように指示をする。俺は中々足が進まなかったが意を決して奏の所に向かう。奏の所に行く為に俺が部屋の扉を開けるとそこには奏がいた。

 

「「……」」

 

 

 気まずい雰囲気の中、俺と奏は沈黙を続けていた。だが、少しの沈黙の後、奏が話し始める。

 

 

「あの...前はあんな事言ってしまって本当にごめんなさい!好きにならなきゃ良かったって言いましたがあれは嘘です!影兎さんの事は今も大好きですよ...///」

 

ドクン、ドクン‼︎

 

 

 奏にそう言われた俺の胸の鼓動が次第に速くなっていくのが分かった。しかし、俺はこれが告白?的なものとはまだ分からなかった為、あまり理解はできなかった。だが、分からないはずなのにドキドキしていた。

 

 

「だから、影兎さん...もう一度、正義のヒーローになってくれませんか?」

 

 

 俺は少し迷ったが奏の「もう一度、正義のヒーローになってくれませんか?」と、言う時の真剣な顔を見て俺はもう一度正義のヒーローとして戦うことを決意した。

 

 

「...あぁ、やってやる。」

 

「ありがとうございます!」

 

 

 奏はそう言い俺の右手を両手で握り上下に何回も激しく振る。一方、二人の近くにいるエレンは奏と影兎の中が元に戻って嬉しいのか安堵の笑みを浮かべていた。

 

 

 

 影兎を暗い闇のどん底から救い出したエレン。そして、奏と仲直りをして立ち直った影兎は今後、どういう戦い方をするのだろうか⁉︎

 

 

 

to be continued......



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復活の「E」

誤字、脱字あれば報告お願いします!


奏と仲直りをして立ち直った日の次の日の朝、俺は自分が立ち直りもう一度"正義のヒーロー"として戦いたいと戦兎に言う為に戦兎を探しに街へ向かう。

 

 

 俺は街へ行くが、戦兎の姿がなかなか見えない。そこで、奏たちなら戦兎の行方を知ってると思い俺は奏たちの元へ聞きにいく事にした。奏の家に着き中に入ると中には怪我で療養している響を除いた奏、エレン、鹿賀斗といったおなじみのメンバーがいた。

 

 

「影兎、二人から聞いたぜ!お前立ち直ったんだってな!」

 

「....まぁな」

 

 

 鹿賀斗は立ち上がって俺の近くまで歩み寄り左肩をポンっと叩きニコッと笑いながらそう言う。俺は鹿賀斗にそう言われて返答した後、

目的である戦兎の行方について皆に聞いてみた。

 

 

「....桐生戦兎の行方について知ってる奴いるか?」

 

「俺は知らんぞ」

 

「私も」

 

「戦兎さんなら響のお見舞いに行っていると思いますよ!さっき戦兎さんが響のお見舞いに行ってくると言っていたので」

 

 

 鹿賀斗とエレンは戦兎の行方について何も知らなかったが奏は戦兎に響のお見舞いに行ってくると伝えられていた。それを聞いた影兎は響の病院の場所を聞きその病院に向かう。

 

 

 響が入院している病院へ着き何号室にいるのかを受付の職員に聞き、影兎は教えてもらった病室へ向かう。病室に入るとそこには響と戦兎がいた。戦兎は響と話している途中だったが響に「ちょっと待ってて」と告げると俺を病室の外まで押し出し少々怒り口調で話し始める。

 

 

「今更何をしにきた?」

 

「....もう一度"正義のヒーロー"になるって伝えにきた」

 

「やめとけ。どうせまた同じことがあれば昨日みたいになる」

 

「....俺はもう昨日のようにはならない」

 

「とにかく帰れ。響ちゃんは俺が守る」

 

 

 戦兎はそう言い病室へ戻っていく。戻っていく際に扉を閉めるのだが戦兎は怒りからか扉を思い切り閉めた。俺はここで帰れば昨日と同じような感じになってしまうと思い、ずっと病室の外に留まり続けた。

 

 

 それから数十分後、病室の反対側にある廊下の窓から外の景色を眺めていると突然、響の病室から何かが割れる音がした。中に入ってみるとそこには雲田 繭がいた。

 

「やぁ、"正義のヒーロー"....いや、ただの玄野影兎君。」

 

「....俺はもうただの玄野影兎ではない」

 

「へぇ〜なら、私VSそこの東都の人とあなたで勝負しましょうよ!あなた達が勝ったら愛しい響ちゃんを返してあげる」

 

「....望むところだ」

 

 

 俺らは雲田 繭こと、ディザスターアサシンと勝負する事になった。勝負をする為、俺らは勝負の場所を誰もいない廃工場に変える。

 

「....復活した"正義のヒーロー"の力、見せてやるぜ」

 

 俺はドライバー腰に装着し、ポケットからウマフルボトルとソードフルボトルを取り出す。そして、その二つのフルボトルを上下に振ってからドライバーにはめる。

 

 

〔ウマ!〕〔ソード!〕

 

〔ロストマッチ!〕

 

〔Are you ready?〕

 

 

〈戦場翔ける刃!ホースソード‼︎〉

 

〔イェーイ‼︎〕

 

 雲田 繭もトランスチームガンを取り出し、スパイダーフルボトルを装填して変身する。

 

 

【スパイダー!】

 

「蒸血‼︎」

【ミストマッチ!】

 

【スパイダー・・・スパイ・スパイ・・スパイダー!】

 

【ファイヤー!】

 

 

 俺と雲田 繭は変身したが何故か戦兎は変身どころか、ドライバーも何も取り出さずその場に突っ立っていた。

 

 

「....変身しないのか?」

 

「あぁ、変身しない」

 

 

 

 こうしてディザスターアサシンとの戦いが始まったが桐生戦兎は何故か変身しない。戦兎は一体、何を考えているのだろうか?そして、影兎は復活した"正義のヒーロー"の力でディザスターアサシンを倒し、響を救うことができるのか⁉︎

 

 

 

 

to be continued......



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新たなるエモーション

※投稿遅れてしまってすいません!


俺は響を取り返す為に今、ディザスターアサシンと戦っている。戦兎は変身せず俺とディザスターアサシンの戦いを見ている。ディザスターアサシンはトランスチームガンを使い俺に向けて何発も撃つが俺はそれを軽快な動きでかわしていく。前みたいに堅苦しくなっていたらきっとこんな軽快に動けていなかっただろう。

 

 

「(....体が軽い...!)」

 

 

 これはボトルの力ではなく自分の力であるようだ。俺はその後もディザスターアサシンの攻撃をかわしていく。そして、ディザスターアサシンの隙をつきホースソードで何回か斬り裂く。ディザスターアサシンは少し吹っ飛んだがすぐに体制を立て直す。

 

 

「どうやら、少しは成長したらしいなぁ...んじゃ、私も本気で行こうかしら!」

 

 

 ディザスターアサシンはそう言うと身体に謎の緑色のオーラを纏い、スチームブレードを片手に持ちながら俺の元へ向かってくる。向かってくる時のディザスターアサシンのスピードはいつもの何倍も早く、そのスピードから繰り出された斬撃をくらった俺は大ダメージをくらいその場に倒れかける。

 

 

「(....これがやつの本気なのか...‼︎)」

 

 

 と、少しディザスターアサシンの本気の力に驚いていた時、近くから戦兎の声がした。

 

 

「おい、また堅苦しくなってんぞ!もっと楽しめ!」

 

 

 戦兎は前のように堅苦しく戦いかけていた俺にそう言う。俺は戦兎の言葉を聞いてもっと気楽に楽しく戦っていくという事を思い出す。

 

 

「(....もっと気楽に楽しく、もっと気楽に楽しく...!)」

 

 

 俺は何回もそう心の中で呟く。すると、俺の身体から前のようにオーラが出てきてそのオーラは戦兎のズボンのポケットに向かっていく。身体から出ていたオーラが消え、戦兎が自分のズボンのポケットから何かを取り出した。それはフルボトルだった。

 

 

「俺のエンプティフルボトルが普通のフルボトルになってるだと...⁉︎」

 

「...戦兎、それを俺に貸してくれ」

 

 

 俺は戦兎からさっき俺の身体から出たオーラが入ったフルボトルを受け取る。どうやら、俺が楽しみの感情を覚えた事により身体からオーラが出てその身体から出たオーラがフルボトルと共鳴し、新たなフルボトルが出来上がったようだ。ちなみに、このフルボトルの名前はヴォルプターフルボトルだ。

 

 俺は早速、エモーショントリガーとライダーシステムフルボトルを取り出し、ウマフルボトル、ソードフルボトルと入れ替えてドライバーに挿し、新たなエモーションフォームに変身する。

 

 

〔エモーションオン!〕

 

〔セット!ヴォルプターエモーション‼︎〕

 

ガタガタゴットン!

ズッタンズタン!

ガタガタゴットン!

ズッタンズタン!

 

 

〈voluptatem emotion relive‼︎エモーション・V‼︎〉

 

 

 

 新たなるエモーションフォームであるエモーション・Vフォームに変身した俺は今までにない体の軽さを感じた。これなら、本気のディザスターアサシンより速く走れそうだ。

 

 俺はエモーション・Vの力を使いディザスターアサシンの元へ向かう。ディザスターアサシンへ向かうスピードはものすごく速かった。ディザスターアサシンの元へ向かうと、俺はダークドリルクラッシャーを取り出し素早い斬撃で圧倒する。ディザスターアサシンもさっき出した謎のオーラを纏い俺の素早い斬撃をかわそうとするが俺の斬撃が早すぎて斬撃をかわせていなかった。

 

 

「さぁ、楽しいバトルもフィナーレだ‼︎」

 

 俺はそう言うと、ドライバーの取っ手を勢いよく回し、ライダーキックの構えを取る。

 

 

ガタガタゴットン!

ズッタンズタン!

ガタガタゴットン!

ズッタンズタン!

 

〔Ready go!(レディーゴー!)〕

 

〔エモーションアタック!〕

 

 

 そして、ラビットタンクフォームの必殺技のような物理法則のエフェクトが出てきて俺はそれに沿ってディザスターアサシンにライダーキックをする。ディザスターアサシンはライダーキックを受け止めようとしたが受け止めきれず食らってしまう。ライダーキックを食らったディザスターアサシンの変身が解ける。

 

 

「ふふふ....やるわね。今回の所は退いてあげるわ!」

 

「ちょ、おい待て!」

 

 

 雲田繭はトランスチームガンで自分の目の前に煙を発生させ、煙で見えなくなっている間にどこかへ去っていった。俺は響を助けに向かう。

 

 

「響、大丈夫か?」

 

「え、影兎君...?助けてくれてありがとう...!」

 

「お前が無事でよかったよ!」

 

 

 俺がそう言うと響はにっこりと微笑んでそのすぐ後にまた目を閉じ眠ってしまった。響の怪我を考え、早く病室にいかなきゃ!と思い俺は響を抱きかかえながら変身した状態のまま病室に向かう。そして、響を病室のベッドに寝かせた。

 

 

 ディザスターアサシンとの戦いに勝ち、響を取り返す事が出来た影兎。新たな力も手に入れ強くなった影兎はこれから迫り来る敵を倒す事ができるのか⁉︎

 

 

 

to be continued.....

 

 

 



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黒ミューズは敵?味方?

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俺は病室で響を寝かせた後、変身を解いて戦兎に何拍か間を置いてから話しかける。開いた窓の外から聞こえる風の音以外音のしない静かな病室で俺と戦兎の二人は話し始める。

 

 

「....なぁ、戦兎」

 

「...お前は"正義のヒーロー"だ!さっきの戦い、最高だっだぜ!」

 

 窓に寄りかかって下を向いていた戦兎は寄りかかるのをやめて俺の方に顔を向けてそう言う。それを聞いた影兎は嬉しさからか初めて笑みを浮かべる。笑みを浮かべた俺の顔を見た戦兎も心がほのかに温まり微笑みを浮かべる。

 

 

「やっと笑顔を見せたな」

 

 

 戦兎がそう言うが、俺は無意識のうちに笑みを浮かべていた為、自分が笑顔だったことに気づかなかった。感情を失っている俺は笑みを浮かべていて少し柔らかくなっている自分の頰に手を当てながら話をする。

 

 

「....これが、笑顔...か。....笑顔とは良いものだな」

 

「あぁ!笑顔は良いものだぜ!俺は誰かの笑顔を見ると嫌な戦争を一時の間だけ忘れられるんだ...!」

 

 

 俺が笑顔というものに感動していると戦兎は再び病室の窓に寄り掛かり天井を見上げながらそう言った。

 

 

 戦兎が話してから少しの静寂が流れる。その静寂の後、戦兎の携帯が鳴り出した。戦兎は携帯の画面を見ながら「万丈...?何のようなんだ?」と小声で呟き、画面の着信ボタンを押して電話に出る。

 

 

「どうした?」

 

 

 戦兎が通話の相手から何を聞いたのかは分からないが「何だと⁉︎」と目を見開いて驚きながら言う。どうやら、表情から察して緊急事態のようだ。

 

 

「影兎、急で悪いが俺は東都に戻る!東都のボトルの場所が北都にバレたらしい‼︎」

 

 

 戦兎はそう言うとこの場を勢いよく走り去っていく。東都には嫌な思い出しかないがこの緊急事態をほっとくわけにはいかず、俺は先に東都へ向かって走り去ってしまった戦兎を追う。戦兎に追いつけそうだったが入り口の付近に来た所でバイクのエンジンの音が聞こえる。戦兎がバイクに乗って走り去っていく様子が見えた。俺も自分のバイクに乗り後を追いかける。

 

 

 数十分後、東都、北都、西都にかけて高くそびえ立つスカイウォールが見えてきた。この景色だけは俺が東都にいた頃と変わっていない。

 

 その後も、バイクで走って戦兎を追いかけていると戦兎は東都のボトルが保管されていであろう場所にバイクを止める。目の前を見ると加音町で見た黒ミューズがいた。黒ミューズは東都のガーディアンを次々と倒していく。この様子を見た俺はドライバーを腰に装着してシャチとスタンガンのフルボトルを取り出して上下に振ってからドライバーに挿す。

 

 

〔オルカ!〕〔スタンガン!〕

 

〔ロストマッチ!〕

 

〔Are you ready?〕

 

 

〈電閃のオーシャンキラー!オルカサンダー!〉

 

〔イェーーイ!〕

 

 

 変身した俺は黒ミューズに敵か、味方がどっちなのかを聞く為、黒ミューズの元へ向かう。

 

 

「....お前は俺らの敵なのか、味方なのか?どっちなんだ?」

 

「どっちでもないドド」

 

 

 黒ミューズは喋らず、黒ミューズの近くにいた紫色の妖精みたいなのが黒ミューズの言いたい事を代弁していた。紫色の妖精が言い終わると黒ミューズは俺のお腹を思い切り蹴る。不意打ちされた俺は吹っ飛ばされていき近くの建物の壁にぶつかる。黒ミューズが俺を攻撃したことから俺は黒ミューズを敵とみなし、スマッシュやスターク同様に躊躇なく攻撃をする。

 

 

 一方、加音町の某所ではディザスターアサシンとスタークが何かを話していた。

 

 

「おい、アイツに圧倒されるとは...ディザスター族も落ちたなぁ...!」

 

「ブラッド族にそんなことを言われるとは....なら、ブラッド族とディザスター族どっちが上か決めようか。」

 

 

 雲田 繭はそう言い、トランスチームガンとスパイダーフルボトルを取り出しスパイダーフルボトルを軽く上下に振ってからトランスチームガンに挿す。

 

 

【スパイダー!】

 

「蒸血‼︎」

【ミストマッチ!】

 

【スパイダー・・・スパイ・スパイ・・スパイダー!】

 

【ファイヤー!】

 

 

「しょうがない、少しは付き合ってやるよ」

 

 

 石動惣一はそう言いながら、雲田 繭と同じようにトランスチームガンとコブラフルボトルを取り出しコブラフルボトルをトランスチームガンに挿す。

 

 

【コブラ!】

 

「蒸血!」

【ミストマッチ!】

 

【コッ・コブラ・・・コブラ・・・】

 

【ファイヤー!】

 

 

 こうして、スタークとアサシンの戦いが始まった。2人の言うブラッド族、ディザスター族とは一体何なのか?そして、東都でボトルを守るために黒ミューズと戦う影兎はボトルを守りきれるのか⁉︎

 

 

 

 

to be continued......



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フルボトル防衛戦

誤字、脱字があれば報告お願いします!


俺は今、東都でこの国のフルボトルを狙う黒ミューズと戦っている。黒ミューズは俺の攻撃を全てかわしていく。そして、俺の攻撃をかわした後、自身の長い脚で俺を何度も蹴る。

 

「……」ドスドスッ!

 

「う"っ....1発が重い....」

 

 

 黒ミューズの蹴りは素早い上に一発の威力が高かった。俺は黒ミューズの蹴りに圧倒され、変身解除寸前まで追い込まれていた。黒ミューズが俺に最後の一撃を喰らわせようとした時、俺はあることを思いついた。シャチフルボトルの力で黒ミューズと周りを水浸しにした。

 

バッシャーン!

 

「水をかけるだけで終わりドド?つまらない男ドド」

 

「.....終わりじゃないさ」

 

 

 妖精は代弁ではなく自分の言葉として俺にそう言うがこれは俺の窮地を逃れる為の作戦の一部に過ぎない。俺は黒ミューズが作戦に感づいていない隙に、スタンガンフルボトルの力でさっき水浸しにした所に電気を流した。すると、電気は水をたどっていき全身が水で濡れている黒ミューズに伝わり黒ミューズは感電した。

 

ビリビリビリ‼︎

 

「うっ.....」

 

「水を回路にして電気を流す作戦を考えるとは.....只者ではないドド?」

 

 

 今まで妖精に代弁させていた黒ミューズは今の感電攻撃をくらい、痛さからか自分の声が漏れてしまった。その声はこの身長からは考えられないような幼くて可愛いらしい声だった。そして俺は黒ミューズが怯んでいる隙にドライバーの取っ手を勢いよく回し続け必殺技を放つ。

 

 

〔Ready go!(レディーゴー!)〕

 

〔ボルテックフィニッシュ!〕

 

〔イェーイ!〕

 

 

 音声と共に巨大な水の円球が黒ミューズを覆う。そしてその円球に向かって電気を放ち黒ミューズを水中で感電をさせる。

 

 

「うわぁぁぁ‼︎」

 

 

 必殺技をくらい、黒ミューズはさっきよりも大きい声を漏らしていた。黒ミューズは近くの建設物の壁まで吹き飛ばされ、壁に全身を強く打ってしまいそのまま気を失ってしまった。黒ミューズの履いている漆黒の衣装も一部破けていて仮面の部分も仮面全体の4分の1くらい破けていた。だが、その4分の1を見ても誰と判断するのは困難だった。

 

 

「この子をここまで追い込むとは、あなたは何者ドド?」

 

 

 気を失って倒れる黒ミューズの近くにいる妖精にそう聞かれた為、俺は珍しくかっこよく言い返してみた。

 

 

「....ただの正義のヒーローさ」

 

 

 俺は妖精にそう言い戦兎の元へ向かった。俺がその場を去っていくのを見て妖精は黒ミューズに合図を送る。

 

 

「もういいドド。」

 

 

 妖精の合図と共に気を失っていたはずの黒ミューズは少しフラフラしながら起き上がる。黒ミューズは気を失ったフリをしていて俺が去って誰もいなくなった隙を狙い戦兎のいるフルボトルのある建物の入り口を通らず別のルートから建物内に侵入してフルボトルを奪おうとしていた。

 

 

 一方、戦兎の元へ駆けつけた俺は戦兎が3体のスマッシュと戦っているのを見て急いで戦いに加勢した。俺が来る前は1対3だった為不利な戦況だったが俺が来て2対3になった事で少しずつ戦況が変わり始めた。俺はここで、戦況を一気に変える為クロコダイルとリモコンのロストマッチを試す事にした。シャチフルボトルとスタンガンフルボトルをドライバーから抜き、クロコダイルフルボトルとリモコンフルボトルをドライバーに挿す。

 

〔クロコダイル!〕〔リモコン!〕

 

〔ロストマッチ!〕

 

〔Are you ready?〕

 

〈水際の電波野郎!クロコダイコン!〉

 

〔イェーーイ!〕

 

 

 俺はこのロストマッチの音声が少しダサいなと感じたがそれ以上は特に気にする事なく戦いに入っていく。俺が戦兎に加勢すると3体のうちの2体が俺の元へ来て攻撃を仕掛けてきた。攻撃を仕掛けてきた2体はスタッグハードスマッシュとオウルハードスマッシュだった。2体はスマッシュにも関わらず人間と同じように普通に話していた。

 

 

「もう1人のビルドがいたの?そんなの聞いてないよ!」

 

「2人いたって戦力は大して変わらねーよ。俺がやるからお前はあっちの方に加勢しろ!」

 

「わかった!」

 

 

 スタッグハードスマッシュがオウルハードスマッシュにそう指示を出し、この場は俺とスタッグハードスマッシュの1対1となった。スタッグハードスマッシュは自身の持つ「ラプチャーシザース」という武器を使い俺に斬りかかってきた。剣技が得意なのかスタッグハードスマッシュの剣さばきは異様に速かった。

 

 

シャキシャキシャキシャキーン!!

 

「(....くそっ、早い剣さばきのせいでかわす事しかできない。一体、どうすれば....)」

 

 

 スタッグハードスマッシュの高速剣技をかわすのに精一杯だった俺は中々、攻撃が出来ずにいた。そこで俺は考えた末、クロコダイルフルボトルの力でスタッグハードスマッシュの武器を折ることにした。

 

 二つの剣の出どころを見極める為、俺はガタックハードスマッシュではなくガタックハードスマッシュの持つ二つの剣に焦点を置いて剣の出どころを見極めながら攻撃をかわしていく。少しすると、剣の出しかたのパターンがワンパターンである事にきづいた。出どころを見極めた俺はクロコダイルハーフボディ側の腕でデスロールをした。デスロールをすると共に剣は真っ二つに折れていく。自分の武器が折れて驚くスタッグハードスマッシュ。スタッグハードスマッシュが驚いている隙に俺はもう片方の剣も掴んで真っ二つに折った。

 

 

「俺の武器がぁ...!」

 

「....決める!」

 

 

 俺はスタッグハードスマッシュがまだ武器が折れた事に驚いていて隙だらけだった為、ドライバーの取っ手を回して必殺技を放つ。

 

 

〔Ready go!(レディーゴー!)〕

 

〔ボルテックフィニッシュ!〕

 

〔イェーイ!〕

 

 

 音声と共に敵の弱点に正確な赤外線を当て、足にクロコダイルを纏いながら赤外線で当てた場所にライダーキックで突っ込んでいく。

 

 

「‼︎...いつの間に⁉︎」

 

 

 不意を取られたスタッグハードスマッシュはライダーキックをくらい、その場で倒れスマッシュ状態から人間状態へ姿が戻る。俺がスタッグハードスマッシュを倒したと同じ頃、戦兎も必殺技を決め、キャッスルハードスマッシュとオウルハードスマッシュを倒した。

 

 

「ちっ、ちくしょう...!今日の所はこれくらいで勘弁してやる!」

 

「では、さらばだ!」

 

 

 キャッスルハードスマッシュの奴がそう言い3人は逃げるように走り去っていった。

 

 

「ふうっ....一件落着みたいだな!」

 

「.....だな」

 

 

 3体のスマッシュがいなくなり、攻めて来るやつはもういないと思い安堵の表情を浮かべていると、遠くから容姿が似てるが色が違うスクラッシュドライバーをはめた2人のライダーがこちらに来ているのが見えた。

 

 

 「....あれは..グリス...?」

 

 

 黄金色の方については全然わからないが白銀色の方は加音町で見ている為、すぐにグリスだと分かった。

 

 

 グリス達は先端が尖っている武器を手に持ちながら俺らの元に走って向かって来ていた。俺らは構えを取り、グリス達が近くに来るのを待つ。そして、グリス達は俺らの近くに来ると武器を持つ方の腕で殴りかかってきた。武器の威力は高く、武器による攻撃をくらった俺は少し吹き飛ばされていった。戦兎も俺と同じように武器による攻撃をくらい吹き飛ばされた。

 

 

「(....グリスが2人いるだと...⁉︎)」

 

 

 グリスは俺らを見ながら声を揃えてこう言った。

 

 

「「心火を燃やしててめぇらをぶっ潰す!」 」

 

 

 

 

 こうして、影兎、戦兎VSグリス達の戦いが始まった。グリスのたった一撃に圧倒された影兎と戦兎はグリス達に勝つことができるのか⁉︎

 

 

 

 

 

to be continued.......

 



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北都の策略

誤字、脱字あれば報告お願いします!


2人のグリスの攻撃で吹き飛ばされる程の大ダメージをくらった影兎と戦兎はダメージのせいで立ち上がれずにいると、2人のグリスが再び俺と戦兎の近くまで迫り、武器を振り下ろす。攻撃をくらい俺らはまた、遠くへ吹き飛ばされた。

 

 そして、吹き飛ばされる俺と戦兎を見た2人のグリスは同時にドライバーのレバーを下に倒しライダーキックの構えを取る。

 

 

〔スクラップフィニッシュ!〕

 

 

 危機を感じた戦兎は素早くラビットタンクスパークリングを取り出し、ラビットフルボトルとタンクフルボトルをドライバーから抜いてラビットタンクスパークリングを挿れ、ラビットタンクスパークリングフォームへ変身する。

 

 

〔ラビットタンクスパークリング!〕

 

〔Are you ready?〕

 

〈シュワっと弾ける!ラビットタンクスパークリング!〉

 

〔イェイ!イェーイ‼︎〕

 

 

 戦兎はラビットタンクフォームへ変身すると、少しフラつきながらも立ち上がりドライバーの取っ手を回す。戦兎もライダーキックの構えを取る。次の瞬間、戦兎と2人のグリスはその場で勢いよく高く舞い上がり互いに目掛けてライダーキックを放つ。

 

 

〔Ready go!(レディーゴー!)〕

 

〔スパークリングフィニッシュ!〕

 

 

 戦兎は2人のグリスに向かって勢いよくライダーキックをするが、2対1と戦兎が2人に勝てるはずもなく2人のライダーキックを浴びて建物の壁へ吹き飛ばされていく。そして壁にぶつかり、戦兎の変身が解ける。壁にぶつかった時の衝撃で戦兎はそのまま気を失ってしまった。

 

 

「1人片付いたな」

 

「あぁ。」

 

 

 と、2人はそう言うと俺の方を向き再びドライバーのレバーの部分に手を掛けてレバーを下に倒す。

 

 

「次はお前だ...!」

 

「さらばだ、玄野影兎」

 

 

 2人はそう言い、さっきと同じようにその場に跳ね上がり、黄色の液体を足に纏いながら俺を目掛けてライダーキックを放つ。俺が両手を顔の前に出して必殺技を防ごうとした時、どこからか聞覚えのある変身音声が聞こえた。

 

 

〔フェニックスチャージ!〕

 

〔潰れる、流れる、溢れ出る〕

 

〈フェニックスインフェニキア‼︎〉

 

〔ブララァ‼︎〕

 

 

 それは鹿賀斗だった。鹿賀斗は俺が2人のライダーキックをくらう寸前に背中にあるフェニックスの羽を使い俺を助けた。

 

 

「....お前、何故ここに?」

 

「探したぞ!加音にいないから東都にいるかと思ってきたら案の定、東都にいるじゃねーか!全く...心配したんだからな!」

 

 

 鹿賀斗は抱えたままの影兎を地面に降ろし、白銀色の方のグリスである弟の鹿糸の方に顔を向け話す。

 

 

「おい鹿糸、もうやめろ。」

 

「兄さん、僕の計画の邪魔はしないでくれ」

 

「あぁん?計画だと?どうゆう計画なんだ?」

 

「僕を倒せたら教えてあげる」

 

 

 白銀グリスこと、入間鹿糸はそう言い、武器を振り上げながら鹿賀斗の方に向かっていく。鹿賀斗はフェニックスフルボトルの力で手から炎の玉を出しグリスに向けて何発も放つ。フェニキアの炎の玉は速くて避けられない事が多いのだが、白銀グリスはフェニキアの放った炎の玉をすんなりとかわしていきながらフェニキアに近づき武器を振り下ろし渾身の一撃をくらわせた。

 

 フェニキアは吹っ飛んでしまう。吹き飛ばされた後、フェニキアは怯んでしまい隙だらけになってしまった。白銀グリスはその隙を見逃さず、素早くドライバーのレバーを下に倒し、ライダーキックの構えを取る。そして、高く跳ね上がりフェニキア目掛けて一直線。フェニキアは隙をつかれた為、避けられず白銀グリスのライダーキックをくらってしまう。ライダーキックをくらったフェニキアは戦兎と同じように吹き飛ばされて壁にぶつかり、変身が解ける。フェニキアの変身が解けると白銀グリスは鹿賀斗に近寄り、鹿賀斗の腕を掴みそのままどこかへ連れ去ろうとしていた。

 

 

「....まて、どこに連れていく気だ?」

 

「教えるわけねぇだろ、そんなに知りてぇなら北都まで来るんだなぁ」

 

 

 そう言い、白銀グリスはどこかへ姿を消していってしまった。俺は自分の仲間を攫った白銀グリスに激しい憤りを感じていた。一方、気を失っていた戦兎は意識を取り戻して目を覚ました。そして、フラフラと今にも倒れそうな感じでその場に立ち上がりあたりを見回す。

 

 

「おい、W(ダブル)グリスはどこだ?」

 

「.....白銀グリスなら今さっき俺の仲間を攫ってどこかに行った」

 

「で、もう1人は?」

 

「...えっ、もう1人...まさか!白銀グリスが囮になっている間にボトルを奪いに行ったのか⁉︎

 

 

 戦兎のこの言葉を聞いた途端、俺はさっき白銀グリスに気を取られていて忘れていたがもう1人グリスがいたのを思い出した。俺は慌てて立ち上がってフルボトルが保管されている建物に向かおうとするがさっきの戦いで負った傷のせいで立ち上がることが出来なかった。

 

 そして、数分後ボロボロ状態な俺と戦兎の前に黄金のグリスとさっきの俺との戦いで気を失っていたはずの黒ミューズが東都のボトルを持っていた。

 

 

「ボトルは俺ら北都がいただくぜ」

 

「玄野影兎、あなたは詰めが甘いドド」

 

 

 黄金のグリスと黒ミューズはそう言い残して北都の方向へ去っていってしまった。結局、俺らは北都の策略にハメられてしまいボトルを守りきれなかった。先程から負った傷に耐えていた俺は耐えきれなくなりここで気を失ってしまった。

 

 

 

 白銀グリスとの戦いで負った傷のせいで気を失ってしまった影兎は果たして無事なのか?そして、白銀グリスに連れてかれた鹿賀斗は一体、どうなってしまうのだろうか?

 

 

 

to be continued.......



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闇に侵される炎

誰かの呼ぶ声がする....誰かが...これは、聞き覚えのあるの声だ。次第に声は声量を増していき、俺に何と言っているのかも鮮明になってきた。

 

 

「え...ん‼︎え...い...ん‼︎えいとさん‼︎」

 

 

 少しずつ目を開けていくとまず、目の前には霞んだ景色が広がっていた。その景色は見覚えのあるものだった。そして目の前にはオリーブ色の髪をした女の子がいた。その女の子から雨粒のようなものが延々と垂れてくる。

 

俺は目を開ききり、辺りがはっきりと見えるようになる。オリーブ色の髪をした女の子は奏だった。奏は涙を流しているというのにまだ涙袋には多量の涙が溜まっていた。

 

 

「.....俺は何故ここにいるんだ...?」

 

 

 目を覚ました場所は東都ではなく奏での部屋だった。俺がベッドの上で上半身を起こすと奏の悲しい顔が笑顔に変わる。奏は俺を優しく抱きしめる。泣いている奏の身体はいつもより熱くなっていた。

 

 

「あなた、昨日からずっと眠ったままだったのよ」

 

 

 エレンにそう言われたが俺はそんなはずがないと思い、ズボンのポケットからスマートフォンを取り出し、日付を確認する。日付が一日進んでいた。どうやら、エレンの言う通り俺は本当に一日眠ったままだったらしい。

 

 

「早く鹿賀斗を助けに行かなければ!!いたっ...!!」

 

 

 北都に連れて行かれた鹿賀斗を早く助けにいかなければ!と思った俺はベッドから出て立ちあがろうとしたが白銀グリスと戦った時に負った傷が治っておらず、ベッドから出る事ができなかった。

 

 

 

 

一方、北都では.....

 

 

 オレは何かの箱のようなものの中で目を覚ます。目が覚めた直後、付近からレバーを倒す様な音が聞こえる。レバーを倒した音が聞こえたと共に何か煙の様なものがはこの中に充満する。

 

「うわぁぁぁぁ!!!」

 

 オレが浴びたのはネビュラガスだった。ズボンのポケットに入っていたフェニックススクラッシュゼリーの中にネビュラガスが入り込んでいく。中がネビュラガスで満たされたフェニックススクラッシュゼリーは黒く染まった。

 

 そして、箱みたいなものから出された後、鏡で顔を見てみると顔面は白くなっており、目の下には隈ができていた。

 

 

「お前、俺にネビュラガスを浴びせて何をする気だ?」

 

「秘密だよ!そのうち分かるさ、この実験をした意味がね...!」

 

 

 入間 鹿糸はそう言い、高笑いしながら実験室を去っていく。オレは辺りを見回して誰もいないことを確認すると実験室の中を歩き回り脱出場所を探す。

 

 オレが脱出場所を探していると誰かがオレの方に向かって歩いてくる。そして、その誰かはオレに絶望的な言葉を言う。

 

コツコツコツ...

 

 

「脱出なんて不可能ドド」

 

「てめぇ、誰だ!?」

 

「黒ミューズドド」

 

「よく分からんがオレに何の用だぁ?」

 

「アナタがズボンのポケットの中に隠し持ってるフェニックスフルボトルを貰いに来たドド」

 

「てめぇらなんかに渡さねぇよ...」

 

 

 オレはそう言い、スクラッシュドライバーを取り出して、黒いフェニックススクラッシュゼリーをドライバーにはめて変身する。

 

 

〔ダークフェニックスチャージ....〕

 

〔焼ける、燃える、焼き尽くす....〕

 

〈ダークフェニックスインフェニキア....!〉

 

〔オーラァ...!!〕

 

 

 

 ドライバーからはいつもと違う変身音声が流れた。容姿も全体がハザードフォームのような黒色で複眼は紫色だった。

 

「うぉぉぉ!!」

 

 

 オレは凄い勢いで黒ミューズに向かっていき、持っていたツインブレイカーでミューズに殴りかかる。

 

 黒ミューズはフェニキアの攻撃を避けきれずくらってしまう。ネビュラガスの力でパワーアップしたフェニキアの一撃は重く、黒ミューズは一発くらっただけなのに実験室の壁を突き破り外まで吹っ飛ばされた。

 

 

「くっ....どうやら、入間 鹿賀斗は格段とパワーアップしたようドド」

 

「はぁ...はぁ...うぐっ!?」

 

 

 強さと引き換えに変身するだけで体力を沢山消耗するこのフォーム。副作用は体力の消耗だけだと思っていたが実はもう一つ副作用があった。

 

 

 それはハザードフォームと同じで長時間変身していると理性を失い最終的に自我が消滅し、破壊衝動の赴くままに暴走状態に陥ってしまう。 というものであった。

 

 

 黒ミューズを外へ吹っ飛ばし、オレは戦いを終わらせようとドライバーのレバーに手をかけた。

 

 しかし突如、謎の頭痛がオレを襲った。どうやら、自我が消滅していってるらしい。少しして完全に自我を失ったオレは黒ミューズにものすごい勢いで殴りかかり、ツインブレイカーのアタックモードで追い打ちをかける。

 

ギュイイイン!!

 

「うぐっ...」

 

 

 フェニキアの凄まじい一撃の重さのせいか、普段は無口な黒ミューズの口から攻撃されて苦しむ声が聞こえる。暴走したフェニキアはそんな苦しむ声を聞いても全く気にせずツインブレイカーで殴り続ける。そして、黒ミューズが攻撃に耐えきれなくなりその場に倒れこむ。

 

 それを見たフェニキアはツインブレイカーを捨ててドライバーのレバーに手をかけてレバーを下に倒す。

 

 

〔ダークスクラップフィニッシュ...!〕

 

 

 フェニキアが上に高く飛び上がり黒ミューズに向かってライダーキックを決めようとしたその時、フェニキアの背後にスタークが現れ、フェニキアのドライバーからスクラッシュゼリーを抜いた。

 

 ドライバーからスクラッシュゼリーを抜いた事によりフェニキアの変身が解けてオレは地面に落ちてそのまま立ち上がる事なく気絶した。

 

 

「実験終了!黒ミューズ、お疲れさん!!」

 

「お疲れさんじゃないドド!これはどういう事ドド!?」

 

「入間 鹿賀斗を我が精鋭にする為の実験だぁ!変身する度に入間 鹿賀斗の心は闇に蝕まれていく。入間 鹿賀斗の心を完全に闇に染めるために必要な変身回数はあと3回だ」

 

 

「アナタ、何者ドド?」

 

「まだ知らない方がいい...」

 

 

 

スタークはそう言いどこかに去っていく。

 

 

 

 あと3回変身してしまうと闇に心を支配されてしまう入間 鹿賀斗。彼は今後はどうなってしまうのか?そして、影兎はそんな彼を助け出す事ができるのか?

 

 

 

 

to be continued.......



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空前のニューヒーロー

怪我のせいで鹿賀斗を助けに行けずにいた俺はベッドから動けない自分を情けなく思いながら深いため息をつく。

 

 

「なら、私たちが影兎の代わりに助けに行くわ!」

 

「....いや、行くな」

 

 

 俺がため息をつく様子を奏と共に近くで見ていたエレンがそう言い出すが俺は行くなとエレンに言った。何故なら、現時点での俺でも敵わない北都の精鋭達を倒すなんて今のエレンの強さでは無理があるからだ。

 

 

「行くなって....だったら誰が鹿賀斗を助けるのよ!?」

 

「...俺があいつ(鹿賀斗)を助ける」

 

「今の影兎じゃ無理だよ...」

 

トストストス

 

 

 

 エレンは小声で俺にそう言い、奏の部屋のドアに向かって歩いて行きドアノブに手をかける。

 

ガチャ!

 

 

「おい、待て!ぐっ...」

 

 

 俺は待て!と言ったが声は届かずエレンは奏の部屋を出て行ってしまった。エレンが向かったのは恐らく北都だろう。エレンを追いかけようとしたが俺は傷のせいで動けない。

 

 

「影兎さん!私がエレンを追いかけるので影兎さんは休んでてください!」

 

 

痛みに苦しむ俺を見た奏が俺の代わりにエレンを追いかけていった。

 

 

 

 

一方、北都では....

 

 

「う〜ん....ここは、どこだ....?」

 

 

 オレは気を失っていたようだ。覚えている限りではオレは実験室にいたはずなのだが、いつの間にか外にいた。しかも、体中傷だらけだった。

 

 

「ようやく目を覚ましたようだな、入間鹿賀斗」

 

 

 仰向けで倒れていたオレが立ち上がると後方から聞き覚えのある声が聞こえる。振り向いてみるとそこには雲田繭がいた。

 

 

「何でお前がここに?」

 

「戦うためさ...」

 

「あなた、とね...」

 

 

 雲田繭はトランスチームガンとスパイダーフルボトルを取り出してディザスターアサシンへ変身する。

 

 

〔スパイダー!〕

 

「蒸血‼︎」

【ミストマッチ!】

 

【スパイダー・・・スパイ・スパイ・・スパイダー!】

 

【ファイヤー!】

 

 

「どうやら、やるしかねぇみたいだな」

 

 

 あと三回の変身で心を闇に蝕まれてしまうとは知らないを鹿賀斗は何のためらいもなくスクラッシュドライバーを腰に巻き、ダークフェニックススクラッシュゼリーをドライバーに挿して変身する。

 

 

〔ダークフェニックスチャージ....〕

 

〔焼ける、燃える、焼き尽くす....〕

 

〈ダークフェニックスインフェニキア....!〉

 

〔オーラァ...!!〕

 

 

「ふふっ....変身したね!」

 

「ごちゃごちゃうるせぇ!!」

 

 

 フェニキアはディザスターアサシンを何発か殴った後に蹴り飛ばす。だが、ディザスターアサシンが苦しむ様子はなく、むしろ不気味に笑っている。

 

 

「もっとだぁ...もっと楽しませてくれよぉ!!」

 

「オラァァ!!うぐっ....」

 

 

 フェニキアがディザスターアサシンに再び殴りかかろうとしたその時、暴走した時のような頭痛が鹿賀斗を襲う。鹿賀斗の頭痛が起こると共に鹿賀斗を助けに来たエレンが2人の元へ着いた。

 

 

「あなた、鹿賀斗に何したの!?」

 

「ふふっ、私は何もしてないわ」

 

「嘘よ!だったらなんであんな黒くなってるの!!」

 

「黒くなったりゆうが知りたければ直接コイツから聞くといい...」

 

 

 ディザスターアサシンはそう言い残し、トランスチームガンで自分の周囲に煙を放ち消えていった。

 

 

「鹿賀斗!大丈夫!?」

 

 

「..........」

 

 

 エレンが声をかけた時、既に鹿賀斗は暴走状態になっており、返事が返ってこなかった。やがて、フェニキアはエレンの方へ顔を向けて唸りながらエレンの方へ勢いよく向かっていく。

 

 

「ウラァァ!!」

 

「くっ、戦うしかないのね..!」

 

 

 自分の方へ勢いよく向かってくる鹿賀斗を見たエレンはその凶暴さから鹿賀斗が暴走状態になっていることに気づき、暴走を止める為、鹿賀斗と戦うことを決意する。

 

 

「レッツプレイ・プリキュアモジュレーション!」

 

 

「爪弾くは魂の調べ!キュアビート‼︎」

 

 

 キュアビートに変身したエレンはフェニキアに向かっていき、殴りかかるが、その腕をフェニキアに弾かれてしまう。攻撃が弾かれて隙ができてしまったビートは鹿賀斗に腹を殴られ、吹き飛ばされてしまう。

 

 

「ぐっ....」

 

「......」

 

 

 鹿賀斗からくらった一撃が重かったのかビートは腹を抑えてよろめいている。その様子を見た暴走状態のフェニキアはドライバーのレバーを倒して必殺技を放つ。

 

 

〔ダークスクラップフィニッシュ...!〕

 

 

 フェニキアは上に高く飛び上がりビートに向かってライダーキックを放つ。ビートにライダーキックが決まり、エレンは変身が解けると共にその場で後ろ向きに倒れていく。

 

 エレンはそのまま気絶してしまった。それを見た暴走状態の鹿賀斗はエレンの胸倉を掴み、自分よりも少し高いところまで持ち上げていく。そして、空いている手の拳に黒いオーラを溜めて殴り飛ばそうとしていたその時だった。

 

 

「やっぱり、追ってきて正解だったみたい..」

 

 

 来たのは加音からエレンを追って来ていた奏だった。奏は本来、影兎の看病をする予定だったがエレンが鹿賀斗を助けると言い飛び出していった為、もしもの場合を考えてエレンを追いか系ていたようだ。

 

 暴走状態の鹿賀斗は奏を見るなり、掴んでいたエレンを地面に落として奏の方へ向かっていく。どうやら、標的をエレンから奏に変えたようだ。

 

 

「影兎さん、ごめんなさい!使わせてもらいます!」

 

 

 そう言い、奏が取り出したのはビルドドライバーだった。奏はクローズドラゴンのような自立行動メカにキャットフルボトルをはめて、ドライバーに挿す。そして、ドライバーの取っ手を勢いよく回す。

 

 

〔シャノワールキャット!!〕

 

 

〔Are you ready?〕

 

「変身!!」

 

 

《Weak up lightning! Get CHATNOIR CAT! Yeah!》

 

 

 奏は仮面ライダーシャノワールに変身した。自分の方に向かってくる暴走状態のフェニキアを前にしながらもこう言い放つ。

 

 

「気合いのレシピで勝利を創る...!!」

 

 

 

 

to be continued......




南野 奏は何故、ビルドドライバーを持っているのか、何故、仮面ライダーに変身できたのか?次回、その理由が明かされる!!



そして、南野 奏は暴走状態の鹿賀斗を止めて鹿賀斗を元に戻すことができるのか!?


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暗躍のスパイダー

現在、奏は暴走状態の鹿賀斗と戦っている。奏は自我を失っている鹿賀斗に対して自慢気に何故、自分が仮面ライダーになれたのかを語り出した。

 

 

「ふふっ、私が何故変身できたか教えてあげる!」

 

 

〜回想〜

 

 

「影兎さん、それは何ですか?」

 

「...これはドライバーからネビュラビルドドライバーを改良したビルドドライバーとシャノワールキャットっていう自律行動メカだ」

 

 

 影兎は奏にそのドライバーを見せながらそう言う。

 

 

「....といってもハザードレベルが3.0ないとどっちも使えないけどね」

 

  

 影兎はそう言いながらドライバーを近くのテーブルに置いて、奏の部屋から出ていった。奏は影兎が置いていったドライバーとシャノワールキャットを引き出しに隠し、どこかへ向かっていった。

 

 奏が向かった場所はかつて、影兎が響と奏のハザードレベルを上げる為に使った修練場である。ここには特訓用の戦闘ロボが何体かある為、1人でもハザードレベルを上げる特訓ができるようになっていた。奏はそこでひたすら、戦闘ロボと戦い続けた。

 

 そしてある日の事、奏が変身してみた所、変身ができた。奏は晴れて仮面ライダーになることができたのだ。そして今に至る。

 

〜回想終了〜

 

 

 奏はフェニキアの攻撃を上手くかわしながら、フェニキアの胸部を殴っていく。

 

 フェニキアは奏の攻撃をくらい後方に少し吹き飛ばされたが、すぐに立ち上がり再び奏の方へ勢いよく向かっていく。

 

 

「暴走状態の人って結構タフなのね....」

 

 

 奏は何度攻撃をくらっても苦しむ様子を見せずに、こちらへ勢いよく向かってくる暴走状態の鹿賀斗に少々驚いていた。何度も何度も攻撃をするが、全然怯む気配さえもないフェニキアを見て奏はこれならどうだ!と心の中で思いながらドライバーの取っ手を回して必殺技を放つ。

 

 

〔Ready go!(レディーゴー!)〕

 

〔シャノワールテックフィニッシュ!〕

 

〔イェーイ!〕

 

 

「これで終わりよ!!」

 

 

 奏はそう言いながら高く飛び上がりフェニキア目掛けてライダーキックをする。奏の放ったライダーキックは決まったと思われたが、決まっていなかった。

 

 フェニキアは奏の足を片手でガシッと掴みハンマー投げのようにして近くの建物の壁へ投げつける。奏は建物の壁にめり込み、凄まじい崩壊音と共に変身が解けて地に落ちていく。

 

 

「....うっ..え..い...と...さん.......」

 

 

奏は影兎の名前を途切れ途切れに言いながら気を失ってしまった。

 

 

 奏とフェニキアの戦いを少し離れた場所から見ていたスタークと鹿糸だったが、鹿糸は怒り口調スタークに何かを言っていた。

 

 

「おい、どういう事なんだよ!?何故、自我を失うという副作用があるんだよ!!」

 

「強化アイテムには副作用的な物があった方が面白いだろ...?」

 

「トゥループロジェクトを何だと思ってる....」

 

「そんなことは知らんなぁ...俺は闇に心を蝕ませてアイツを兵器にして北都中心の世界を作ろうとしたんだがな」

 

「そんな事は望んでない!!」

 

「ほぉ...そうか」

 

 

「チッ....」

 

 スタークは鹿糸の言葉に対して適当な返事をする。鹿糸はそんなスタークの態度に呆れて舌打ちをした後、その場から足早に去っていった。

 

 鹿糸が去った後もスタークはその場に残っていた。近くの手すりに腕を置き頬杖をつきながらある男の登場を待っていた。

 

 

 スタークが暫く待っているとその男はやってきた。男の手には黒い二つのボトルそして、もう片方の手にはドライバーが握られている。スタークが待っていたある男とはそう、玄野影兎であった。

 

 

「やはり来たか...さぁ、お前の力を見せてくれ!!」

 

 

 一方の影兎はフェニキアの立ち位置まで数メートルという所まで来ると、ドライバーを腰に装着し、フルボトルをドライバーに挿して変身する。

 

 

〔ラビット!〕〔タンク!〕

 

 〔ロストマッチ‼︎〕

 

〔Are you ready?〕

 

〈鋼のムーンサルト!ラビットタンク!〉

 

〔イェーイ!〕

 

 

「....鹿賀斗、今助けてやるからな」

 

 

 影兎はそう言い、フェニキアに向かっていく。ダークドリルクラッシャーを使い、フェニキアに何回か斬攻撃を仕掛ける。だが、フェニキアには全く効いていない様子。

 

 

「....くっ、なんて防御力だ...」

 

 

 と、影兎がフェニキアの防御力に苦悩しているとすぐ側から影兎の名前を呼ぶ聞き覚えのある声がした。

 

 

「玄野影兎、今のお前では兄さんを止めることはできない」

 

「...何だと...!!」

 

「だから、今回だけ止めるのに協力してやる」

 

 

 

 鹿糸グリスは影兎にそう言い、フェニキアに向かっていく。一方の影兎も鹿糸グリスに続いてフェニキアに向かっていき、攻撃を仕掛ける。鹿糸と影兎はフェニキアにダブルパンチをかまし、圧倒的な防御力を持っているフェニキアを吹き飛ばす。

 

 そして、2人は間髪入れずに必殺技を発動する。

 

 

〔Ready go!(レディーゴー!)〕

 

〔ボルテックフィニッシュ!〕

 

〔イェーイ!〕

 

 

〔スクラップフィニッシュ!〕

 

 

 

 2人は鹿賀斗に向かってライダーキックをしていく。フェニキアは両手で2人のライダーキックを受け止めるが、2人のライダーキックの威力がフェニキアの防御力に勝り、必殺技がフェニキアに決まる。

 

 

 2人の必殺技をくらったフェニキアの変身が解け、周辺にはドライバーとスクラッシュゼリーが散らばっていく。鹿賀斗は前と同じように変身解除後は気を失っていた。そして、鹿糸はこれ以上の鹿賀斗のこの姿への変身は非常に危険だと思い、散らばっているスクラッシュゼリーとドライバーの回収に向かう。

 

 

 鹿糸が回収しようとしたその時、スタークが現れスクラッシュゼリーとドライバーを奪い、もう片方の腕に鹿賀斗を抱えた。

 

 

「入間 鹿賀斗は俺が頂いた」

 

「貴様、何するつもりだ!!」

 

「心配するな、ちょっとイジるだけだ」

 

「何だと...!?」

 

「変わった兄貴を楽しみにしてろよ...チャオ!」

 

 

 スタークは鹿糸にそう言い残してその場を去っていってしまった。少しの沈黙が続く中、影兎の携帯の着信音が鳴り響く。

 

ピロロロリ

 

ピッ!

 

 

「...俺だ、どうしたんだ?」

 

 

 

「...!!何だと⁉︎すぐに戻るから待ってろ!」

 

 

ピッ!

 

 どうやら、叔母から掛かってきたようだ。影兎は叔母が急に電話を掛けてきた為、どうしたのか事情を聞いてみるとそれは何と驚くべき内容だった。影兎は電話を切ると、すぐに自分のバイクにまたがり気を失っているエレンと奏をその場に残し、1人加音町に向けて走り出していった。

 

 

 

 

 その頃、北都の某所ではディザスターアサシンと黒ミューズが話していた。

 

 

「あなたは何が目的ドド?」

 

「この世界を支配する事だよ」

 

「フン、くだらないドド」

 

「ところで、何故、この北都に加音の戦士達が集結したと思う?」

 

「どういう事ドド?」

 

「加音町を潰す為だぁ!北都に加音の戦士を集めれば加音を守る奴は誰もいなくなるからなぁ!」

 

「.....でも、北条響がいるドド」

 

「北条響は重傷を負って入院中だ」

 

「くっ....ミューズ、急ぐドド!」

 

 ディザスターアサシンから加音の現況を聞かされた黒ミューズは焦りながら加音の方へ走っていった。

 

 

 

 バイクで北都から走って約1時間、影兎が加音町に到着した。叔母から連絡が来てから1時間経過していた為、町の空が薄暗くなり、ほとんどの人が重度の鬱状態のようになっており、プリキュアではない影兎もネガトーンの放つ不幸のメロディに影響され、苦しんでいた。

 

 

「くっそ....」

 

 

 と、不幸のメロディに苦しんでいる影兎の元に黒ミューズがやってきた。影兎はやってきた黒ミューズに協力してもらおうと黒ミューズに話しかけてみる。

 

 

「...黒ミューズ、加音を守る為に俺に協力してくれないか?」

 

 

「...いやドド」

 

 

 

 

加音を守る為に協力してくれと黒ミューズに頼んだ影兎だったがあっけなく断られてしまう。黒ミューズに断られた影兎はどうするのか?

そして、影兎は絶対絶命の危機にさらされているこの加音を守る事が出来るのだろうか?

 

to be continued........



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災厄のアンファング

「...えっ?」

 

「だから、今言った通りアンタに協力するなんて嫌ドド!」

 

 

 影兎は即答でそう言われた為、唖然としていた。町を守る為に協力するのは当たり前だと思っていた影兎にとって黒ミューズのこの返答は予想だにしなかったことである。影兎は仕方なく1人でネガトーンへ立ち向かっていく。

 

 だが、その行く手にディザスターアサシンが立ちはだかる。

 

 ディザスターアサシンはトランスチームガンを影兎の方に向けながら影兎に話しかける。

 

 

「やあ玄野影兎、また会えたね!」

 

「....これは何のつもりだ?」

 

「何のつもりかって?私に勝てたら教えてあげるわ!」

 

 

 その瞬間、ディザスターアサシンはトランスチームガンのトリガーを引き、影兎に向けて光弾を何発も放つ。影兎はディザスターアサシンが放った光弾が迫る中、ドライバーを腰に装着し、ダークラビットとダークタンクフルボトルを素早くドライバーに挿して、ドライバーの取っ手を勢いよく回し、変身する。

 

 

〔ラビット!〕〔タンク!〕

 

 〔ロストマッチ‼︎〕

 

〔Are you ready?〕

 

〈鋼のムーンサルト!ラビットタンク!〉

 

〔イェーイ!〕

 

「さぁ、実験を始めようか...!」

 

 

 影兎は"加音町は俺が守る"という想いをこの言葉に込めて、ディザスターアサシンに向け、言い放つ。この時の影兎の表情は今も平和の為に戦い続けている桐生戦兎のような正義感に溢れた表情だった。

 

 影兎はダークドリルクラッシャーを右手に持ちながらディザスターアサシンに向かっていく。ディザスターアサシンは影兎が自分の方へ迫る中、トランスチームガンで影兎に向けて何発か放つが、影兎はディザスターアサシンが放った光弾を持っている武器で切り裂いていく。そして、ディザスターアサシンに近づき、武器を上から下へ振り下ろす。

 

 

「ぐっ....これならどうだぁ!」

 

 

〈スチームブレイク!〉

 

《スパイダー!!》

 

 

 影兎に攻撃されて少し吹き飛ばされたディザスターアサシンはすぐに体制を立て直し、トランスチームガンに東都から奪ったであろう忍者フルボトルを挿し込み、地面に向けて放つ。

 

 

〈フルボトル!〉

 

《スチームアタック!!》

 

 

 ディザスターアサシンが忍者フルボトルを使い、トランスチームガンで技を放つとディザスターアサシンの分身が三体出てきた。三体の分身は影兎に迫っていき、一斉に殴りかかる。

 

 影兎は三体の分身の攻撃を防ぎきれず、食らってしまい数メートル先まで吹き飛び、地面に転がっていく。三体の分身は影兎を攻撃し、消えた。

 

 

「ふふふ...勝負あったな」

 

 

 ディザスターアサシンはマスクの中で不気味に微笑みながらゆっくりと地面に転がる影兎に近づいていき、トランスチームガンを突きつける。追い詰められた影兎は何とかこの状況を打破できる方法がないかと、張り詰めた空気の中で考えているのだった。

 

 

 

 

一方、黒ミューズは怪物の元へ向かっていた。怪物のいる場所に着くと、そこには既に1人のプリキュアがいた。

 

 

「ミューズ!あれを見るドド!!」

 

「...!!」

 

 

 一人で怪物と戦うプリキュアとはディザスターアサシンの銃撃を受けて重傷を負い、入院してたはずのキュアメロディこと、北条響だった。

 

 

「怪我してるのになぜ戦うドド?」

 

 

 黒ミューズはメロディの近くへ行き、戦闘の合間にメロディにそう聞く。メロディは顔に笑みを浮かべながら黒ミューズにこう答える。

 

 

「加音を守りたいんだもん、しかも、ここでやらなきゃ女がすたる!」

 

「そっか...!なら、守ろう!この加音を‼︎」

 

 

 黒ミューズはメロディの言葉の"守りたい"という部分に感銘を受け、さっきまでは拒んでいた共闘を、今は逆に自ら共闘しようと申し出るまでになっていた。しかも、その言葉を発したのは黒ミューズの隣にいる妖精ではなく黒ミューズ自身だった。黒ミューズは遂に全身黒色のスーツを脱ぎ捨て、本来の姿へと戻った。

 

 ミューズの本来の姿は全体的に服の色が黄色く、額に赤いハートのティアラ、黄色いリボンのヘアアクセがつけられている。

 

 

「「はぁぁ!!」」

 

 

 ミューズとメロディは時計塔ネガトーンに向かってキックをかます。時計塔ネガトーンは二人の力が合わさった強力なキックをくらい遠くまで吹っ飛ばされる。

 

 時計塔ネガトーンは吹っ飛ばされたが怯む事なく、メロディやミューズの元へ勢いよく向かっていき、メロディとミューズを攻撃しようとしたその時、どこからかやってきた金髪と紫色の髪の二人のプリキュアが勢いよくこちらに向かってくる時計塔ネガトーンを思い切り殴り、再び遠くに吹っ飛ばした。

 

 

「待たせたわね...」

 

「メロディ⁉︎何無茶してるのよ‼︎」

 

 

 ビートはメロディとミューズに向けそう言い、一方のリズムはメロディの怪我の状態を心配していた。

 

「3人とも、ネガトーン相手を頼めるかしら?」

 

「あれ、その声....まさか、姫様⁉︎」

 

「それは置いといて!」

 

 ミューズが3人にネガトーンの相手を頼むために3人に声を掛けた時、ミューズの声に聞き覚えのある声だなぁ...と感じたビートはミューズの正体に気づくことが出来たが、今は正体はどうとか話している場合ではない為、正体についての話はすぐに終わった。

 

 

「まっとにかく、ネガトーンは私達がなんとかするよ!」

 

「ありがとう、じゃあ私は別の目的を果たしに行ってくるわ!」

 

 

 メロディはミューズの頼みを引き受け、リズム、ビートと共にネガトーンの元へ向かっていった。一方、皆にネガトーンの相手を頼んだミューズはメフィストの元へ向かっていった。

 

 

 

ミューズは何故、メフィストの元へ向かったのか?そして、窮地に追い込まれている影兎は打開策を見つけ、ディザスターアサシンを倒すことができるのだろうか?

 

 

 

 

to be continued.......



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追憶のメモリー

三章最終話です!


 ミューズはメフィストの元へ着くと、メフィストに向かって必死に何か呼びかけていた。

 

 

「もうやめて!パパ!」

 

「アコ...!なぜ、お前がここに?」

 

 

 ミューズの正体はメフィストの実の娘でありメイジャーランドの姫である調辺アコであった。ミューズがメフィストに呼びかけるとメフィストは驚きながらなぜここにいるかをミューズに聞いた。

 

 

「これ以上、悪いことはしてほしくないの!お願い、あの頃の優しいパパに戻って!」

 

 

 娘の言葉を聞いたメフィストの周囲に懐かしきあの頃の思い出が映し出される。その懐かしき思い出を見たメフィストの瞳は潤っており、正気に戻りかけていた。

 

 

「アコ....」

 

「パパ....」

 

 

 メフィストがミューズに手を伸ばしたその時、メフィストは自身の耳に付けられたヘッドフォンからノイズが聞こえたらしく苦しみ出す。

 

 

「どうしたの⁉︎」

 

「くっ....来るなぁ....!」

 

 

「待ってパパ!」

 

 

 心配するアコに来ない様に言うメフィスト、苦しんだまま上空に上がったと思えばそのまま消えていく。ミューズの声は届く事はなかった。

 

 召喚主であるメフィストが去ったと共にネガトーンも消え、3人はミューズの元へ向かうが、ミューズの悲しげな表情を浮かべているような背中をただただ見ているしかなかった。

 

 

「ミューズ.....」

 

 

 加音町を覆っていた雲が少しずつ晴れていき、雲の隙間から出てきた太陽が4人を照らしていた。

 

 

 

 

 同時刻、影兎はディザスターアサシンに銃を突きつけられ未だに動くことができていなかった。影兎は打開策が何も思いつかずダメだと思ったその時、影兎とディザスターアサシンの戦いを始まる前からずっと少し離れた場所で見ていたスタークが2人の前に現れた。

 

 

「よぉ....お二人さん!」

 

「スターク、何しにきた?」

 

「見ててつまらない戦いを盛り上げにきたのさ。ほら、これやるよ」

 

 

 影兎とディザスターアサシンの戦いを見てて退屈だと言うスタークは戦いを盛り上げにきたと言い、影兎に新たなアイテムを渡す。そのアイテムの見た目は黒くなったスパークリング缶のような感じであった。

 

 

「何のマネだスターク⁉︎奴を始末すれば邪魔が減って計画が更に捗るはずだ!」

 

「計画の邪魔をしているのは玄野影兎を消そうとしているお前自身だ...玄野影兎はまだ計画に必要な人材、消す訳にはいかない」

 

「....計画だと?お前ら一体何を企んでいるんだ⁉︎」

 

「まだ知らない方がいい.....」

 

 

 スタークはある計画の為にまだ影兎が必要であるとディザスターアサシンに言う。影兎は何を企んでいるのかをスタークに聞いたがスタークは知らない方がいいと影兎に言ってその場を去っていった。

 

 

「.......」

 

 

 ディザスターアサシンはスタークに影兎がまだ計画に必要な人材である事を言われてからしばらくの間、不動のままその場に立っていた。影兎はディザスターアサシンを倒すチャンスだと思い、ベルトの取っ手を勢いよく回し、高くへ飛び上がりディザスターアサシンに向けてライダーキックをする。

 

 

〔Ready go!(レディーゴー!)〕

 

〔ボルテックフィニッシュ!〕

 

〔イェーイ!〕

 

 

 ライダーキックは決まったと思われたが、ディザスターアサシンが寸前の所でライダーキックを受け止めていた為決まっていなかった。ライダーキックを受け止めたディザスターアサシンの全身からこの世の者とは思えないようなオーラが出ていた。

 

 

「スタークにどう言われようが私は玄野影兎....お前を倒す!!」

 

「....ここでやられる訳にはいかない‼︎」

 

 

 ディザスターアサシンは計画に必要な人材と言われてもなお、影兎を倒すつもりらしい。ディザスターアサシンにそう言われた影兎は先程、スタークから受け取った黒いスパークリング缶のプルタブを開けてからドライバーに挿して取っ手を回し、新たな姿へ変身する。

 

 

「ハザードスパークリング!!」

 

〔Are you ready?〕

 

 

〈ボワッと溢れる!ハザードスパークリング!!〉

 

〔イェイ!イェーイ!〕

 

 

 影兎はハザードスパークリングフォームへ変身したが、変身した瞬間、影兎の身体に多量のネビュラガスが注入された。影兎は自我を失いかけていたが何とか自我を保ちながらディザスターアサシンに向かっていく。

 

 

「はぁぁ!!」

 

 

 ハザードスパークリングフォームの攻撃は強力でフルパワーのディザスターアサシンをひと殴りで遠方にある壁までふっ飛ばしていく。

 

 

「ぐっ....なんなんだ、この力は⁉︎」

 

 

「....うっ、うぐっ...‼︎」

 

 

 確かにハザードの力は強力だが、10秒経つごとに変身時のような感覚が影兎を襲う。どうやら、10秒ごとに多量のネビュラガスが注入されていくらしい。影兎が自我を保ちながら戦えるのは20秒だけのようだ。影兎は自我を失う前に決めようとドライバーの取っ手を回し、ワームホールの様な図形を出現させてその中にディザスターアサシンを拘束し、無数の泡と共にライダーキックを叩き込む。

 

 

〔Ready go!(レディーゴー!)〕

 

〔スパークリングフィニッシュ!〕

 

〔イェーイ!〕

 

 

 ディザスターアサシンは再び影兎のライダーキックを受け止めようとするが、ハザードスパークリングの強力なライダーキックに力負けし、ライダーキックをくらってしまう。

 

 

「ぐはっ!!」

 

 

 ライダーキックをくらったディザスターアサシンは地面へ転がっていき、変身が解ける。変身が解けてしまったディザスターアサシンはよろめきながらも立ち上がる。

 

 

「フッ....なかなかやるじゃないか...!だが、これで終わると思うなよ、玄野影兎....いや、葛城 巧太!!」

 

「葛城巧太だと⁉︎どういう事だ!」

 

「フフフ、教えな〜い♪」

 

 

 ディザスターアサシンはそう言い、トランスチームガンで煙をまいてどこかへ行ってしまった。影兎はディザスターアサシンに最後に言われた葛城巧太という名前が気になる様子。だが、戦いが終わったのでひとまず、奏の家へ戻る事にした。

 

 

 

 

ディザスターアサシンが影兎に言い残しっていった葛城巧太とは誰なのか?そして次回、影兎達の新たな戦いが幕を開ける。

 

 

 

to be continued........



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第四章 玄野影兎の過去と真実
過ぎ去りし時のフラグメント


四章スタート!


 加音町の危機から数日後の朝、カップケーキを買いに影兎がラッキースプーンへ行くとお馴染みのメンバーに加えて小学3、4年生くらいの眼鏡をかけた女の子が入り口近くのテーブルの椅子に座っていた。

 

「...お前は誰だ?」

 

 影兎が真剣な顔をしながら聞いてみると、女の子は椅子から立ち上がり影兎の方へ近づきながら自分の名前を言う。

 

 

「私は調辺アコ」

 

 

 女の子の名前は調辺アコというらしい。アコは自分の名前を言った後、突然影兎に頭を下げて加音町の危機の日の事に協力しないと言ってしまった事を詫びる。

 

 

「あの日はあんなこと言ってしまってごめんなさい」

 

「別に大丈夫だが...ってか、お前がミューズなのか?」

 

「うん、私がキュアミューズ」

 

 

 調辺アコはもう全身黒タイツで姿を隠したり声を出さず妖精に会話を頼むことなどせずすんなりと自分がキュアミューズである事を影兎に伝えた。

 

 

「あの...それで私のパパを救うのに協力してほしいんだけど...」

 

「親父さんの身に何があったんだ?そしてお前はなぜ今まであんな姿をしていたんだ?」

 

 

 調辺アコは自分の父の身に起きた事や自分が何故あんな姿をして戦っていたのかを一から詳しく影兎に話した。

 

 

「なるほど....親父さんの心を取り戻したかった、しかし、操られている親父さんを敵に回すのは嫌だしマイナーランド一派に正体を知られたくなかったから仮面を被り、思いはその紫色の要請に託したということか」

 

 

 アコから話を詳しく聞き、事情を知った影兎はアコに背を向け、まるで協力しないかのような態度を取ったが少し振り返りアコを横目で見ながらこう言う。

 

 

「協力してやるよ」

 

「ありがとう!」

 

 

 アコは影兎が父親を助けるのに協力してくれると言ってくれたので先程の真面目な表情が緩み今は穏やかな表情になった。恐らく、自分があの時、影兎の協力を断っていたので正直、協力してもらえるか分からず影兎の返答を聞く緊張感から顔がこわばっていたのだろう。

 

 

「んじゃ、そうと決まれば早速...」

 

 

 と、影兎が何かを言いかけたその時、店の扉が開いた。開いた扉の前に立っていたのは不良がよく着るようなガラの悪い服を着た影兎と同い年か一個下辺りの青年だった。青年は影兎を見ると間近まで迫っていき、影兎の左手を両手で握りながらこう言った。

 

 

「兄貴ィ!久しぶりです!俺の事覚えてますか?」

 

「えっと、兄貴って?どういう事だ?」

 

「とぼけないでください!兄貴の名前は加藤一郎!ダークラビッツのリーダーじゃないすか!」

 

「………えぇぇ⁉︎」

 

 

 それを聞いていた周りの皆は少しの沈黙の後に一斉に驚きの声をあげる。皆が驚いている中、影兎は皆に一旦落ちつけと言い、場を静かにさせてから青年に改めて自分が"加藤一郎"という人物であるのかを聞いてみた。

 

 

「本当に俺が加藤一郎なのか?」

 

「はい!間違いなくあなたが加藤一郎さんです!」

 

 

 青年は影兎にそう言いながら何年か前のものであろう写真を出してきた。そこには影兎と瓜二つの青年が写っていた。

 

 

「本当だ....俺そっくりだ」

 

「うわぁ...これどう見ても影兎君でしょ!」

 

「いやいや、でも流石にそんな訳ない」

 

「なら、西都に来てください!全てが分かるはず」

 

 

 写真の人物があまりにも影兎に似ているため、響や皆はこの写真に写っている瓜二つの青年が影兎であると断言しているが、影兎自身がまだ写真の人物が自分ではないと言い張っている為、青年が西都に来れば全てが分かると言うので影兎は青年についていく事にした。

 

 影兎は自分のバイクに乗り、青年と共に西都に向かっていく。西都は北都を制圧した後、戦力を駆使して遂に東都に対しても宣戦布告、日本全土の制圧に向けて動き出しているらしい。西都の住民でない影兎はいつ狙われてもおかしくないので充分に気をつける必要がある。

 

 

 

西都....

 

 

 影兎は西都にあるダークラビッツのアジトに着いた。青年に案内されアジトの中に入っていく。アジトの中に入ると、コンクリートの壁一面に落書きが描いてあり、正にヤンキー集団という感じがした。

 

 

「なんかやばい雰囲気だ...」

 

「私、怖いです!」

 

 

 影兎がそう言うと誰かが同情してそう言う。自分以外ここにはきていないはずと影兎が思っていると自分の右腕に誰かが身を寄せて来る感触がした。恐る恐る見てみるとそこには

 

 

「影兎さん!付いて来ちゃいました!」

 

 

 奏がいた。影兎はなんで付いて来た?どこまで心配性なんだコイツと思ったが、奏はプリキュアに変身できる為、万が一の事が起きた場合に戦力になると考え、加音町には返さず自分と同行させる事にした。

 

 

「これがあなたが兄貴である証拠です!」

 

 

 そう言い青年が差し出して来たのは首筋に稲妻マークの傷を入れた時の写真、正直これのどこが証拠になるのかは分からなかったが、自分の首筋を見てみてくださいと青年に言われ、鏡で首筋を見てみた影兎は驚いた。

 

 なんと、加藤一郎と同じ稲妻マークの傷が首筋にあったのだ。複雑な心境になる影兎だが、確かに共通点あるので自分が加藤一郎であるという事を認める事にした。

 

 自分がダークラビッツの元組長であることは認めたもののその組長が不在の間、誰が組長をやっていたのかを聞いてみた。すると、奥から見覚えのある人物が歩いて来た。

 

 

「よぉ影兎、久しぶりだな」

 

「鹿賀斗、何故ここに⁉︎」

 

「俺が2代目組長だからだ」

 

 

 影兎たちの前に現れたのは北都に捕らえられていたはずの入間 鹿賀斗であった。雰囲気は以前と違い、真っ黒なコートを着ていた。

 

 

「影兎、今日は俺と戦ってもらう為にお前をここに呼んだんだ」

 

「何だと⁉︎」

 

「お前に昔の姿を知ってもらうのも目的の1つにあったが本来の目的はお前を潰すことだ」

 

 

 鹿賀斗は影兎を連れて来させた本当の目的を言った。影兎は身に危険を感じ、ドライバーを取り出した。奏もキュアモジューレを取り出し、いつ戦いが始まってもおかしくない状況になった。

 

パチン!

 

 

 鹿賀斗が指を鳴らすと共に部下達が一斉に影兎と奏に襲いかかる。影兎はダークラビット、ダークタンクフルボトルをベルトに挿してドライバーの取っ手を回し、変身する。奏もキュアモジューレにフェアリートーンをセットして変身する。

 

〔ラビット!〕〔タンク!〕

 

 〔ロストマッチ‼︎〕

 

〔Are you ready?〕

 

〈鋼のムーンサルト!ラビットタンク!〉

 

〔イェーイ!〕

 

 

「レッツプレイ!プリキュア・モジュレーション!」

 

 

 変身した2人は迫り来る大衆の元へ果敢に向かっていく。鹿賀斗はニヤッとしながらその戦いを眺めているのであった。

 

 

 

 

鹿賀斗が敵というのは一体どういう事なのか?そして、影兎と奏の2人は大衆を相手に勝つことができるのだろうか?

 

 

 

to be continued......



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黒脚のローグ

 影兎と奏は向かってくる雑魚達を苦戦する事なく倒していくが数が多い為、倒しきれず、影兎と奏は雑魚複数人の攻撃をくらってしまう。

 

 雑魚達の攻撃をくらい、地に転がっている影兎と奏の近くにフェニキア・ダークに変身した鹿賀斗が迫る。

 

 鹿賀斗が2人に向けてツインブレイカーを構え、トドメを刺そうとしていたその時、後方から豪快な崩壊音が聞こえた。どうやら、誰かがダークラビッツのアジトに乗り込んできたようだ。そのシルエットを見た雑魚の1人が震え声で仲間達にこう伝えていく。仲間達は恐れおののいてアジトの奥へ逃げていく。

 

 

「お、おい...あいつはまさか...」

 

「"黒脚の鰐滋"じゃねえか、殺される....」

 

 そう言いながら雑魚とその仲間達は恐れおののいてアジトの奥へ逃げていく。戦いの場に残ったのは影兎と奏と変身状態の鹿賀斗と"黒脚の鰐滋"という異名を持つ人間だけだった。

 

 

「ソイツは俺に任せてお前らはとっとと故郷に帰れ」

 

「お前は...⁉︎」

 

「...難波浩二、またの名を仮面ライダーローグ」

 

 

 浩二はそう言いながらクロコダイルクラックフルボトルを取り出し、キャップを表面に合わせて降るボトルを起動させる。

 

[ピキツ ピキツ ピキツ D A N G E R]

 

[デデン デデン デデン...]

 

 という音声が流れ、フルボトルからダークヒーローのドライバーでよく聞くような不気味な待機音が鳴る。その状態でフルボトルをドライバーのスロットに装填。

 

 

[クロコダイル!]

 

[デデン デデン デデン....]

 

 

[割れる!食われる!砕け散る!]

 

[クロコダイルインローグ、 オーラァ!]

 

 

 浩二は仮面ライダーローグへ変身し、フェニキア・ダークへ向かっていく。フェニキア・ダークも紫色の禍々しいオーラを全身に纏いながらローグに向かっていく。両者はぶつかり合い、激しい戦いが始まった。

 

 ローグは自慢の蹴りで影兎達が苦戦していたフェニキア・ダークを圧倒していく。そして、渾身の蹴りでフェニキア・ダークを蹴り飛ばしてからドライバーのレバーを下に倒して必殺技を発動させる。

 

 

〈クラックアップフィニッシュ!〉

 

 

 ローグは相手に噛み付くように両脚で挟み蹴りを繰り出し、そのまま回転して敵を吹き飛ばした。

 

 挟んだ敵を回転して捩じ切るように繰り出すその一撃は、ワニが獲物の肉を食い千切る際に行う「デスロール」を彷彿とさせる。

 

 

「ぐっ...グガァァァ‼︎」

 

 

 フェニキア・ダークの全身にバチバチと閃光が流れ、変身が解けていく。変身が解ける際に"1"というカウントが見えた。これを見たローグはやはりな..という顔をしながら鹿賀斗のスクラッシュドライバーからダークスクラッシュゼリーを抜き、ズボンのポケットにしまってから鹿賀斗を背負ってこの場を去ろうとする。

 

 

「お前、鹿賀斗をどうするつもりだ?」

 

「コイツはもう入間 鹿賀斗ではない」

 

「鹿賀斗じゃないだと?どういう事だ!」

 

「まぁ、後にわかるだろう」

 

 

 浩二は影兎にそう言い、ダークラビッツのアジトを去っていった。もう少し自分について詳しく調べたいところだったがこんな危険な場所に長居はできないと思い、影兎は後部座席に奏を乗せて加音町に向けてバイクを走らせていった。

 

 そして、奏の家に着くと、影兎は皆から何か自分についての情報を掴めたかを聞かれたが影兎は特にないと皆に言った。

 

 影兎は自分が加藤一郎かどうかというよりもディザスターアサシンに言われた葛城巧太の方が気になっており、自分の家に帰った後、パソコンで葛城巧太について調べようとした時、ズボンに違和感を感じてポケットの中を探るとそこには一本の黒いUSBメモリが入っていた。誰が自分のズボンのポケットにUSBメモリを入れたのか分からなかったが、もしかしたら重要な情報があるかもしれないと思いUSBメモリをパソコンに挿して入っているデータを見てみることにした。

 

 データには有機物同士、無機物同士をどうすればドライバーに装填して変身できるかを葛城巧太と名乗る人物が解説していた。しかし、この研究は自分1人では難しいと思い、影兎は近いうちに桐生戦兎の元を訪ねる事にしたのだった。

 

 

 

影兎のズボンのポケットに入っていたUSBメモリ。一体、誰が入れたのだろうか?そして、影兎は葛城巧太の研究を完成させられるのか?

 

 

 

to be continued......




NEXT「葛城の目論見」


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葛城の目論見

 休日の朝、影兎は桐生戦兎がいる東都に向かった。影兎は東都の国民ではない為、東都も西都と同様、侵略者とみなされ、狙われてもおかしくないので細心の注意を払いながらバイクで東都に向かっていく。

 

 バイクを走らせてから約数十分後、特に何事も起きず無事に桐生戦兎がいる東都のnascitaに着いた。中に入るとそこには敵だったはずの仮面ライダーグリスこと猿渡一海がいた。

 

 影兎は最近の東都や北都、西都の事情を知らない為、まだ猿渡一海が敵だと思い眉間にしわを寄せて猿渡一海を睨みつけていたが、戦兎が猿渡一海はもう仲間だから警戒しなくて大丈夫と言うので睨みつけるのをやめ、とっとと戦兎がいつも研究を行っているカフェの地下に向かった。

 

 

「早速、葛城巧太とやらの研究データを見せてもらおうか!」

 

 

 そう言い、手を差し出す戦兎にUSBメモリを渡す。影兎からUSBメモリを受け取った戦兎は早速、パソコンにUSBメモリを挿して葛城巧太の研究データを順々に見ていく。

 

 

「これは…今、俺が研究しているやつに似ている…?」

 

「似ている?」

 

「あぁ。今、俺はハザードトリガーの特性を活かしたボトルの研究をしてるんだが、このデータの研究工程が俺の研究工程と似ているんだ」

 

 

 戦兎はそう言い、影兎にこのデータを何日か借りてもいいか?と聞いた。影兎はデータの内容さえ理解できれば作れると戦兎に言うが、戦兎はお前には難しい研究だからと影兎に言う。元々、戦兎と共同で研究をする予定だった影兎は本来やるべきだったことが無くなったので、研究データを戦兎に貸して、日を改めて研究データを返してもらいにまたnascitaを訪れる事にした。

 

 東都から加音町へ帰る途中、影兎はふと思った、なぜ葛城巧太はこんな研究をしたのだろうかと。葛城巧太の目論見が分からずにいた影兎は加音町に帰った後も葛城巧太の目論見について、奏の家のテラス席に座り、机に頬杖をつきながら考えこんでいた。

 

 

「はい、あ〜ん!」

 

パクッ

 

 

 誰かが自分の近くでそう言うので影兎は声のする方に顔を向けて口を開いた。すると、口の中にカップケーキが入っていくのが分かった。誰が食わせてくれたのか、斜め45度くらい上を見上げてみると奏の顔が見えた。

 

 奏は影兎の悩んでいると跳ねる頭頂部の一部の髪がピョンと跳ねていたので何かに悩んでいると思い、元気を出させるためにカップケーキを持って来たのだと言う。だが、今回、髪が跳ねたのは寝癖のせいだった。

 

 

「影兎さん、髪が跳ねてるって事は何か悩み事があるんですよね?」

 

「いや、悩んでない、これはただの寝癖!」

 

 

 影兎が奏にそう言うと、奏はにっこり微笑みながら元気なら良かった!と言う。影兎にそう言った時の奏のにっこり微笑んだ顔は心が和むようなとても美しい顔だった。

 

 影兎が奏のその顔に見惚れてジーっと見つめていると、影兎に見つめられている事に気付いた奏が頬を赤く染めてもじもじしながら影兎の反対側の席に座った。

 

 

「あ、あの…そんなに見られると恥ずかしいです…///」

 

「あっごめん、なんか綺麗な顔だったからさ…」

 

「影兎さんにそう言われると嬉しいな…///あの、影兎さんもし良かったら私と…」

 

 

ピロリロリ!

 

 

 奏が影兎に何かを言おうとしたその時、影兎の携帯が鳴り、影兎は着信に出て、通話を始めてしまった。奏はハリセンボンのように頬を膨らませて少し悔しい表情をしながら店の中へ戻っていった。

 

 影兎の電話相手は入間鹿糸だった。入間鹿糸は西都が加音町までもを支配しようとしていると影兎に告げる。それを聞いた影兎は驚き、通話を切り、テラス席から遠方をみるとそこには煙が立ち上っていた。どうやら、既に西都は侵略を始めているらしい。その時、影兎はなぜ、葛城巧太がここまでの事態を予測してあらかじめ元気データを作っておいたのではないかと考える。だがその時、影兎の脳裏に誰かがこう呼びかけてきた。

 

 

「玄野影兎、君はこれ以上進んではいけない…!」

 

 

 この言葉を聞いた影兎は声の主にじゃあ、研究データは何の為にあるのかと聞くが、誰も答えるわけもなくただの独り言になった。西都の侵略を防ぐ為、影兎は急いでバイクに乗り、煙が上がっているところに向かっていくのだった。

 

 

 

遂に加音町に手を出してきた西都。影兎は西都の軍を倒して加音町を守る事ができるのか?そして、影兎に語りかけてきた声の主の正体は一体、誰なのだろうか?

 

 

 

to be continued.......



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黒脚のファントム

 煙が上がっていたところに着くとそこには、西都にあるダークラビッツのアジトに行った時に影兎達を助けてくれた仮面ライダーローグがいた。ローグは影兎を見るなり、影兎の方へ勢いよく向かってくる。

 

 影兎は危機を感じてドライバーを腰に装着してダークラビット、ダークタンクフルボトルを取り出して上下に振ってからドライバーに挿し、レバーを回して変身する。

 

〔ラビット!〕〔タンク!〕

 

 〔ロストマッチ‼︎〕

 

〔Are you ready?〕

 

〈鋼のムーンサルト!ラビットタンク!〉

 

〔イェーイ!〕

 

 影兎は自分に向かってくるローグのパンチを防ぐが、その後のローグの蹴りをくらってしまい、吹き飛ばされていく。ローグは地面に転がる影兎にネビュラスチームガンの銃口を向けながらこう言う。

 

 

「玄野影兎、これは戦争を終わらせる為なんだ。悪く思うなよ」

 

「ぐっ…こうなったら、アレを使うしかないか…!」

 

 

 影兎はそう言い、ハザードスパークリングを取り出してダークラビット、ダークタンクフルボトルを抜いて、ハザードスパークリングをドライバーに挿してレバーを回し、フォームチェンジする。

 

「ハザードスパークリング!!」

 

〔Are you ready?〕

 

 

〈ボワッと溢れる!ハザードスパークリング!!〉

 

〔イェイ!イェーイ!〕

 

 

「この戦いを20秒以内に終わらせてやる…!」

 

 

 影兎はローグに向かってそう言い、再度、ドライバーのレバーを回して必殺技を発動させる。

 

〔Ready go!(レディーゴー!)〕

 

〔スパークリングフィニッシュ!〕

 

〔イェーイ!〕

 

 

 影兎が自分に向かって必殺技を発動してきたのを見たローグは咄嗟に西都のガーディアンを自分の前に置き、盾にして影兎の必殺技を防いだ。

 

 

「玄野影兎…今回は見逃してやる。だが、次会った時は必ずここ(加音町)を支配する」

 

「何故だ!なぜ、加音町を狙うんだ?」

 

「全ては大義の為だ!」

 

 

 ローグは影兎に加音町を支配するのは大義の為と言い、この場から去っていった。影兎は西都の軍が加音町から撤退していくのを見て心の帯を緩めたかのようにホッとする。

 

 その後、影兎が奏の家に行って皆に西都軍が加音町に攻めてきた事を伝えるとアコはそれを聞いても冷静でいたが他の3人はまさか加音町が狙われるとは思っていなかったようで今まで過ごしてきた中で一番の驚きの表情を浮かべていた。

 

 

「で、何か対策みたいなものはあるの?」

 

「とにかく、西都軍が攻めてきたら皆で迎え討つ」

 

 

 再度、西都軍が攻めてきた時の対策を考えていなかった影兎はアコにそう返答した。

 

 アコは対策案ではなく西都に攻められる前に代表戦という3vs3のバトルで勝った方が自分達の要望を聞いてもらうのはどう?と影兎に提案する。だが、代表戦は勝てば支配は免れるが負けたら支配されるというある意味、賭けなので名案だとは思えないが、他に対策案が挙がらなかった為、アコの考えた代表戦という案を採用する事にした。

 

 

 そして数日後、奏達4人は加音町の町長さんに西都との代表戦を行いたいと言う為に町役所に向かい、影兎は戦兎に研究データを返してもらいに再び東都にあるnascitaへ向かった。

 

 nascitaに着いた影兎は早速、nascitaの地下に行き、戦兎に研究の結果を聞いた。

 

 

「研究はどうだ?成功したか?」

 

「当たり前だ、俺はてぇぇんさい物理学者だからな!」

 

 

 戦兎は自意識過剰なのか"天才"という部分を少し強調しながらも影兎に研究が成功したことを伝える。

 

 

「ほらよ、これがフルフルラビットタンクスパークリングだ!」

 

 

 戦兎はそう言いながらフルフルラビットタンクボトルみたいな形状をしたフルフルラビットタンクスパークリングを取り出し、影兎に渡した。

 

 

「んじゃ、俺は数日後に西都との代表戦があるから自分の研究する!」

 

 

 どうやら、東都も西都と代表戦をするらしい。戦兎は代表戦に使う新たなボトルの研究に戻ると影兎に言う。新たなボトルを貰った影兎はここでやる事がない為、加音町に帰る事にした。

 

 一方の4人は町役所に着き、町長と代表戦の事について話していた。

 

 

 

「代表戦ねぇ〜いいかもしれないけど君達は圧倒的な武力を持つ西都に勝てるの?」

 

「勝てますよ!」

 

 

 皆が町長の言葉を聞いて黙り込んでしまった中、奏だけは勝てると町長に言った。

 

 

「ほぉ…なら、期待してるよ!」

 

 

 町長は不気味な笑みを浮かべながら4人にそう言った後、部屋から出て行ってしまった。4人は町長のその顔を見て少し引いていた。町長が部屋から出て行ってしまった後、4人も町役所から出て奏の家に戻っていく。

 

 

「よぉ…久しぶりだな」

 

 

 帰路を歩いている途中の4人の前に突如、白銀のグリスと呼ばれている北都の仮面ライダーが現れた。4人は戦う事になると思い、キュアモジューレを出して身構えていたが白銀のグリスは両手を上げて危害を加えない事を強調していた。

 

 

「ちょっとお前らに頼みがあってな…」

 

 

 白銀グリスは4人に頼みがあると言う。4人は人混みの多い場所では流石に話を聞けないと思い、奏の家で白銀グリスの話を聞く事にするのだった。

 

 

突如4人の前に現れた白銀グリス。彼の頼みとは一体、何なのだろうか?

 

 

to be continued........



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戦いの幕開け

 戦兎からボトルを受け取り、加音町にある奏の家に帰るとそこには、偉そうな態度でソファに座る入間 鹿糸がいた。

 

 

「お前!?なぜ、ここに?」

 

「ちょっと頼み事があってな…」

 

「頼み?」

 

「兄を助けるのを手伝ってくれ!」

 

 

 入間鹿糸の頼み事は西都にいる闇に心を蝕まれかけている兄を助けるのを手伝ってくれという事だった。影兎は鹿糸が前まで北都の戦士として東都を襲っていたという事で断ろうとしたが、鹿糸の兄の鹿賀斗は大切な加音の仲間なので放って置けないと思い、鹿糸に協力することにした。

 

 

「…しょうがない、鹿賀斗は俺たちの大事な仲間だ。手伝ってやる」

 

 

 影兎の言葉を聞いた響達も協力するよと言っているのかのように首を縦に振り頷いた。鹿糸に協力する事が決まったその後、影兎は自宅に戻り、鹿糸のハザードレベルを人間の最大値である5のギリギリまで高める強化アイテムを作っていた。

 

 作り始めてから数十分経った時、窓の外を見てみるとあちこちの建物から黒煙が上がっていた。それを見た影兎は慌てて自宅の外に出る。すると、そこには何故か西都の軍がいた。西都とは代表戦で決着を着ける事になっているはずなのに何故いるのか?と疑問に思いながらも加音町を守る為、腰にドライバーを装着し、二本のフルボトルを上下に振ってからドライバーに挿し、レバーを回して変身する。

 

 

〔ラビット!〕〔タンク!〕

 

 〔ロストマッチ‼︎〕

 

〔Are you ready?〕

 

〈鋼のムーンサルト!ラビットタンク!〉

 

〔イェーイ!〕

 

 

 変身した影兎は無数にいる西都のガーディアンの集団の中へ突っ込んでいき、ダークドリルクラッシャーで何体かずつ切り裂いていく。

だが、数が多すぎて斬りきれない。そんな影兎の元に奏達も合流し、加勢する。

 

 

「奏!何故、西都が攻めてきてるんだ!?町長に代表戦を申し込んでもらうよう頼んだんじゃないのか?」

 

「私にも分かりません!ですが、私達はちゃんと町長に代表戦の件は伝えました!」

 

 

 五人が西都のガーディアンと戦っていると、町長が拍手をし、歩きながらやってきた。町長の行動を不自然に思ったメロディとビートとミューズの3人が町長に代表戦の件はどうなったかを聞いた。

 

 

「町長!これはどういうことなんですか?代表戦で決着を着けるんじゃなかったんですか?」

 

「町長ねぇ…そんなもの最初からいないんだよ」

 

 

 町長?はそう言いながら3人をひと蹴りで遠くまで吹っ飛ばした。吹っ飛ばされた3人の変身は解けてしまった。

 

 3人はあまりの攻撃の強さに立ち上がることができず地に転がったまま町長の話を聞いていた。

 

 

「どういうことだ!」

 

「私は誰かに化ける事が出来るんですよ…」

 

 

 町長の顔と声が段々と見覚えのある顔と声に変わっていく。町長の顔と声が8割変わった時点で影兎は町長に化けていたのが誰なのかが分かった。

 

 

「ディザスター…アサシン…!」

 

「正解!」

 

 そう、町長に化けていたのはディザスターアサシンだった。ディザスターアサシンは町長に化けてずっと加音町を攻める機会を狙っていたのだ。

 

 ディザスターアサシンはトランスチームガンを取り出してスパイダーフルボトルを挿し、トリガーを引いて変身する。

 

 

〔スパイダー!〕

 

「蒸血‼︎」

【ミストマッチ!】

 

【スパイダー・・・スパイ・スパイ・・スパイダー!】

 

【ファイヤー!】

 

「フッ…今日で加音は消滅する」

 

 

 ディザスターアサシンは変身した後、そう言いながら影兎に向かっていくが、横から現れた白銀グリスに止められて白銀グリスと戦い始めるのだった。

 

 

ディザスターアサシンの罠にはまり、遂に西都との戦争が始まってしまった。果たして、加音町はどうなってしまうのだろうか?

 

 

to be continued......



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災厄のショータイム

 白銀グリスはツインブレイカーでディザスターアサシンを連続して殴っていく。だが、いつもなら効いていた攻撃が今回は全く効いていなかった。

 

 

「その程度か?んじゃ、次はこっちの番だ!」

 

 

 ディザスターアサシンは白銀グリスの片腕を掴みながらみぞおちあたりを拳で何回も殴りつける。最後は拳に炎を纏いながら殴り、白銀グリスを吹っ飛ばした。

 

 吹っ飛ばされた白銀グリスの変身が解ける。ディザスターアサシンは生身の入間 鹿糸にトランスチームガンの銃口を向けながらゆっくりと迫っていく。

 

 入間 鹿糸がピンチに陥る様子を見たエレンはディザスターアサシンに飛び蹴りをするが、片手で片足をガッシリと掴まれてしまいハンマー投げのように回されてから付近の建物の壁へ投げ飛ばされていく。壁に叩きつけられたエレンの変身も解けてしまう。

 

 ディザスターアサシンはエレンに近づいていき、エレンの首を掴んでぎゅっと握り締めていく。ディザスターアサシンがエレンの首を締めている様子は草加雅人が木場カイザに首を絞められている様子に似ていた。

 

 

「(うぐっ…!首が…締まって…いく…)」

 

「フッフッフ…!このままへし折ってあげるよ!」

 

 

 ディザスターアサシンの首を握り締める手の力は次第に強くなっていき、エレンの意識も朦朧としてきていた。エレンが絶対絶命のピンチに陥ったその時、メロディがディザスターアサシンにタックルをかまし、ディザスターアサシンを吹っ飛ばした。

 

 メロディは首を絞められていたエレンの元へ行く。エレンの首には絞められた跡がくっきりと残っている。メロディがエレンに声をかけるが返事がなかった。メロディはまさか…と思いながら脈があるか調べてみた。エレンの脈は微かに動いていて、ただ気を失っているだけだった。

 

 その頃、影兎は黒脚の異名を持つローグと戦っていた。蹴り技に警戒しながら距離を詰めていき、ダークドリルクラッシャーで斬っていくがハザードレベルの差のせいなのかローグにはあまり効いていない様子。ローグは影兎の隙を突いて連続して蹴り技を使う。影兎は蹴り飛ばされ、地に転がっていく。影兎はこの姿では勝ち目がないと思い、フルフルラビットタンクスパークリングを取り出し、上下に振り、ラビットスパークリングモードにしてからドライバーに挿してレバーを回す。

 

〔Are you ready?〕

 

〈暗黒のスピーディジャンパー!〉

 

〈ラビットラビットスパークリング!〉

 

〔マジ・ハエーイ!〕

 

 

 影兎はパワーアップ前とは比べものにならないくらいの速さでローグを攻撃していき、追い込んでいく。そして、ローグが怯んだところでドライバーのレバーを回して必殺技を発動する。

 

〔Ready go!(レディーゴー!)〕

 

〔ラビットラビットスパークリングフィニッシュ!〕

 

 

 影兎は足に赤い炭酸の泡を纏い、ワームホールの計量という物理法則を潜りながらローグに向かっていく。

 

 必殺技は決まったかと思われたがローグは必殺技を両手で受け止めていた。どうやら前よりもハザードレベルが上がっているようだ。

 

 ローグは複眼を光らせてから影兎に向かっていく。スピードも先ほどより速くなっており、ラビットラビットスパークリングに追いつけそうな速さだった。そんな互角の勝負をしている2人の元に鹿賀斗がやってきた。

 

 

「楽しそうじゃねぇか…俺も仲間に入れてくれよ」

 

 

 これで変身すれば鹿賀斗の闇に蝕まれるまでのカウントダウンはゼロとなり変身を解いた瞬間、鹿賀斗は人ではなくなってしまう。しかし、鹿賀斗はニヤニヤ笑いながら影兎達に仲間に入れてくれよと言い、スクラッシュドライバーを取り出して腰に装着し、ダークフェニックススクラッシュゼリーをドライバーに挿して変身する。

 

 

〔ダークフェニックスチャージ....〕

 

〔焼ける、燃える、焼き尽くす....〕

 

〈ダークフェニックスインフェニキア....!〉

 

〔オーラァ...!!〕

 

 

「不死の炎に呑まれるがいい…」

 

 

 

to be continued.........




草加ネタをブチ込みましたが気づいた方いるかな?まぁ、結構有名だから気づきますよね(笑)


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災厄の開花

 フェニキアダークに変身した鹿賀斗は影兎に向かっていく。このままでは2対1で不利になってしまうと影兎がそう思ったその時、鹿糸が再変身をし、ツインブレイカーでフェニキアダークを攻撃する。

 

 

「玄野影兎!兄さんの相手は俺がやる!お前はローグを頼んだ!」

 

「おう!」

 

 

 入間鹿糸にそう言われた影兎は再び視線をローグに戻し、激しい攻防を繰り返していく。だが、ローグは段々と影兎の動きを読み始め、遂には動きを先読みして影兎のガラ空きな所を集中的に攻撃していくまでになった。攻撃をくらい、追い込まれた影兎はフルフルラビットタンクスパークリングフルボトルを一回抜き、タンクタンクスパークリングモードにしてから再度、ドライバーに挿しこみレバーを回してフォームチェンジした。

 

〔Are you ready?〕

 

〈鋼鉄のダークウォーリアー!〉

 

〈タンクタンクスパークリング!〉

 

〔マジ・ツエーイ!〕

 

 タンクタンクスパークリングフォームはビルドのタンクタンクフォームのように戦車を模したアーマーを全身に装着しているが所々炭酸の刺激を彷彿させるようなギザギザのラインが入っている。

 

 影兎は足をキャタピラに変形させ、変則的な動きをしながら肩アーマーの戦車の銃口をローグに向けて弾を何発か放っていく。弾は全て命中し、ローグは地に転がっていく。そして、ローグの隙をついた影兎はドライバーのレバーを回して必殺技を発動する。

 

〔Ready go!(レディーゴー!)〕

 

〔タンクタンクスパークリングフィニッシュ!〕

 

 必殺技を発動した瞬間、タンクタンクスパークリングのアーマー全体から無数の弾が放たれていき、無数の弾がローグを攻撃していく。必殺技は見事に決まり、ローグの変身が解けた。

 

 影兎はローグに勝つことができたがその頃、フェニキアダークと戦っていた白銀グリスは劣勢だった。白銀グリスはひたすら攻撃をしていたがフェニキアダークにはあまり効いていなかった。その様子を見た影兎はビルドドライバーとグリスストームボトルとグリスストームナックルを白銀グリスに渡した。

 

 

「使わせてもらうぜ!玄野影兎!」

 

 

 白銀グリスはそう言うと、ドライバーをビルドドライバーに巻き直してグリスストームボトルを上下に振ってからナックルと一緒にドライバーに挿しこんでレバーを回し変身する。

 

〔ボトルビビューン!!〕

 

〈グリスストーム!〉

 

〔are you ready?〕

 

 

《激風想力!グリスストーム!!ビュウビュウビビューン!!》

 

 

 グリスストームの容姿は基本、グリスと変わらないが全身緑色のアーマーに覆われており、肩アーマーにはグリスとフェニキアのライダーマークが入っている。

 

 グリスストームはストームナックルを使い、フェニキアダークを何発も殴っていく。グリスストームの攻撃はフェニキアダークに効いており、フェニキアダークが怯むことが増えて隙だらけになってきた。グリスストームは隙をつき、ドライバーのレバーを回して必殺技を発動する。

 

〈シングルストーム!〉

 

《ガストアタック!!》

 

 

 グリスストームはストームナックルに風を纏いながらフェニキアダークに向かっていく。そして、風を纏ったストームナックルでフェニキアダークを殴る。必殺技は見事に決まり、フェニキアダークの変身が解けていく。変身が解けると、カウントダウンがゼロになった影響かスクラッシュゼリーから黒い成分が溢れ出てきた。その瞬間、グリスストームは自分のポケットから二つのエンプティボトルを出して鹿賀斗を蝕もうとしていた闇の成分を吸い取った。

 

 兄弟を救う為に二つのエンプティボトルを用意し、闇の成分を吸い取った事に感心していた影兎だったが次の瞬間、鹿糸はとんでもない事をし始めた。

 

 

「これが…究極の力…!」

 

 

 鹿糸はそう言いながら、闇の成分が詰まった二つのボトルを自分の体に挿した。瞬く間に鹿糸は闇に呑まれていき、気づいた時にはもう鹿糸ではなく別の怪人がいた。

 

 

「フフフ…ハッハッハッハッハ!」

 

「我が友の復活だぁ!」

 

 ディザスターアサシンは高笑いしながらそう言う。

 

「アサシン!!どういう事だ!?」

 

「アサシン?友が復活した今、もうこの名前はいらない…私の本当の名は"ギラルゴ"ディザスター族の一人だ」

 

「そして今復活したこの俺がアビス!」

 

 

 影兎が強い口調でアサシンにそう尋ねとアサシンは自分の本当の名を影兎たちに明かした。そして、入間鹿糸の身体を使っているこの怪物はアビスというらしい。影兎と浩二そして、プリキュア達は突然の出来事だらけに何も出来ずにいるのだった。

 

 

遂に姿を現したディザスター族の一人のアビス。アビスは一体、どんな能力を持っているのだろうか?

 

 

to be continued.......



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