転生したらクレイジーな道化師だった件について (バルボロスの髭)
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趣味が悪い杖ほど実はヤバい説

本作ではドラクエの魔法・特技などがfateの魔術、サーヴァントを上回る描写がございます。また、主人公はクズです。
それが嫌いな方、不快に感じる方や、原作ファンの方は今すぐブラウザバックを推奨します。
もし、それで不快な気分になったとしても作者は一切責任を取りません。
また、感想欄などでもそういうの類いの感想はやめて下さい。以上のことを踏まえた上で読むことを推奨します。


























ホントによろしいですか?引き返すなら今ですよ。
























では、頭空っぽにして楽しんでください。


突然だが皆さんは神様転生というものをご存知だろうか?

 

トラックや鉄骨など死因に違いはあれど大体神様のせいで死んだからそのお詫びとして特典を付与して別世界へと転生させる例のアレである。

 

今日もまた神のせいで1人の若者が犠牲になった。

ではその話をしよう。

 

 

 

 

 

 

「いやーメンゴメンゴ。お前さんの命うっかり消しちゃったわ。」

 

 

そう言うのは白いローブを着て顔が間抜け面な老人だった。

 

「……は?」

当然若者は困惑した。

 

 

「どういうことですか?」

 

 

「お主は儂のミスで亡くなったから別世界へ転生させる。OK?」

 

「OKな訳ないでしょ!早く元の世界へ戻してください!大体貴方は誰なんですか!」

 

若者はが憤怒の形相で老人に詰め寄るもその本人はどこ吹く風だ。

「あーもううるさいのう。儂はかみさま、ザオリーマとか唱えるドラクエ7のあのかみさまじゃ。」

 

その老人の正体はかみさまだった。創作物の中のキャラ実際に目の当たりにして唖然とする男。その様子を無視してかみさまは続ける。

 

「取り敢えず転生先の世界と転生先はこちらで決めるから、後は特典も一応つけてやるから後はお主次第じゃ」

 

そう言うと同時に若者の足元に大きな落とし穴が現れる。

 

 

「ちょ、ウワァアアアアア」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~side転生者~

 

 

俺が目を覚ましたのは駄神に落とされてから3時間程経った後だった。

 

「ここは?」

目覚めた場所は辺り一面たくさんの草が生い茂ってる場所だった。辺りを見回していると1つの杖が落ちていることに気づく。

 

「そうか……俺は転生したのか。…なんだこれ?」

 

その杖は杖の頭の部分にオレンジの玉が嵌め込まれていた。だが、同時にその杖からはとても禍々しいナニカが発せられていた。

 

「どっかで見たような杖だな。けどなんかヤバそう。」

 

そんな呑気なことを考え、どこか既視感を覚える杖のことを放置して彼は歩き出した。彼が歩いて数時間、湖に到着した。その湖に写りこんだ自身の容姿に彼は絶句した。その容姿を見た瞬間彼は驚愕と絶望を織り混ぜたような表情をした。なぜならそれは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドルマゲスだったからだ。

 

お前、嘘やろ!てことはあの杖デブ魔王と名高いラプソーンが使用してた杖やんけ!拾ったら絶対呪われるやつやん!現にドラクエ8でもドルマゲスだけでなく、ゼシカやレオパルド、マルチェロと言った様々な奴が杖を手にしてたけど漏れなく全員闇堕ちしてたヤバい代物やんけ!と彼は心の中で叫んだ。

 

 

「あの杖拾わんでマジよかった…」

 

と1人ごちたのも束の間、突如辺りから声が聞こえる。

辺りを見回すとさっきの杖がひとりでに浮いていた。

どうやら声はこの杖から発せられてるようだ。

 

 

(力が欲しくはないか?我と契約すれば大いなる力が手に入るぞ…)

 

辺りに威厳がこもった低い声が響き渡る。

 

 

「あ、結構です。」

 

何も知らない奴からすれば願ってもないことだろうが生憎事情を知悉しているため杖の誘惑を断るドルマゲス。

 

 

(……全てを超越する力が手に入るのだぞ。何もかもが思うがままに…)

 

「いや、ホントそういうのいいんで。」

 

心なしか杖から苛立ちが感じられる。気のせいだろうか?

 

 

(もう一度言う。我と契約s…)

 

「ホント大丈夫なんでお引き取り下さい。」

 

(あの…ホントいい加減にしてくんない?これじゃ話進まないんだけど)

 

「知らねぇよ。それに使ったら洗脳されるの目に見えてるし。」

 

 

そのあと数時間に渡るやり取りで彼はラプソーンに自分のことを絶対に洗脳しないという条件付きで暗黒神の杖を手に取ったのであった。この先の自身がどうなるかも知らずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~sideかみさま~

全く、最近の若者は落ち着きが無さすぎるのう。まぁ儂のせいなんじゃが。特典としてラプソーンの杖と膨大な魔力量を贈ってやったが無事生き残れるか心配やのう。

何せ彼が転生した世界は死亡フラグ満載の世界である型月なのだからのう。少しやり過ぎ感は否めないがまぁこの先ビーストよりヤバい奴がいるから妥当かのう。




最後が雑ですみません。誤字脱字がありましたら指摘のほどをよろしくお願いします。


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どれだけ戦闘がポンコツでも魔力量があれば何とかなると思ったらやっぱり何とかならない説

今更ながら先週の仮面ライダービルドを見た。
エボルはやはりカッコいいです。

それではどうぞ。


デブソーンと契約を交わしてから幾ばくかの時が過ぎた。 あれからデブソーン(おい)……何ですか?」

 

(さっきからデブソーンというのは儂のことか?)

 

「他に誰がいるんだよ。」

 

(暗黒神の儂に向かってなんという言い草だ。即刻お前を呪い○すぞ)

 

「でも肉体がないからどれだけ凄んでもたかが知れてるしな。あとその○す発言は止めろ。このサイトの運営が乗り込んで来るから。」

 

あの後、ラプソーンと契約を交わした際にお互いをよく知るためにある術を唱えた。それは暗黒神曰く意志疎通をより円滑にするためだそうだ。まぁ、分かりやすく言えば、お互いが考えてることが筒抜けってこと。当然そうなれば自身のこれまでの前世の記憶も暗黒神に流れる訳で………

 

 

(お前の世界では儂は架空の存在だったとはな。だが、この杖の中にいる儂は現実の存在だ。くれぐれもそれは弁えることだな。)

 

「わかってるって…ところでこの世界のことについてだけど……」

 

(お主の記憶を辿るならここは恐らくfateという世界だろう。)

 

「よりにもよって型月かよ…まぁ戦闘になってもこの膨大な魔力があるからなんとかなるだろう。」

 

ラプソーンから聞いた話では俺には常人の数十倍の魔力があるらしい。まぁキメラ位ならワンパンだろうな。

 

(おい、貴様何か勘違いしてないか?)

 

そう言うと杖から僅かではあるが怒気が溢れだす。突然のことで身を強張らせるドルマゲス。

 

(いくら魔力量が膨大でもそれを扱うための才覚がなければただのゴミとなる。今の貴様は正にそれだ。いくらこの世界が魔法に劣る魔術を主体としてる世界とは言えその調子で行けばそこらの有象無象にも劣るぞ。)

 

仮にも暗黒神である彼は魔力の扱いを誰よりも心得ていた。だからこそ、魔力量さえあればなんとかなると思って楽観視しているドルマゲスが腹立たしいのだろう。

 

 

「…………」

 

 

(納得いかないのなら実戦で儂に示せ。例え才覚がなくとも魔力量さえあればなんとかなるとな。そら、ちょうどいい相手がもうすぐ前からやって来るぞ。)

 

ラプソーンの言葉に従い前を見るとそこにはキメラがいた。キメラは獲物を見つけたと言わんばかりにその顔に笑みを浮かべて、涎を垂らしている。

 

その瞬間ドルマゲスは全身から大量の汗が吹き出るのを感じた。いくら身体はドルマゲスだからといっても中身は戦いなどとは程遠い安穏とした時代で生きてた一般人だ。

当然、捕食者から発せられる殺意の波動を間近に感じたことがある訳もなく、ただただ恐怖に震えて身体が硬直していた。

 

痺れを切らしたかのようにキメラが雄叫びをあげる。そのことがトリガーとなったのかドルマゲスは我に帰る。

 

取り敢えず何か行動しないと。そう思い行動に移そうとした瞬間ドルマゲスは全身にとてつもない悪寒を感じた。

ー避けろー

 

本能がそう叫んでいた。それに従い、横に飛び転がる。

その瞬間ドルマゲスが元々いた場所はキメラの巨大な手が叩きつけられていた。

 

後少し避けるのが遅ければ人溜まりもなかっただろう。

ドルマゲスはその様子を見て戦慄すると同時にこう思った。今避けられたのは奇跡だと。

 

ちょうどゴキブリが人間の最初の一撃をかわしたのと同じように。次避けられるかはわからない。今の回避行動で体力を結構消耗した。恐らく避けられて後2、3回が限度だろう。元々ドルマゲスは近接というよりは魔法を主体として戦うので余り体力は多い方ではない。そのことも相まってドルマゲスに危機感を与えていた。

 

 

 

 

どうする!どうする!このままじゃゲームオーバーだ。

何か、何か手を打たないと!そうだ魔法だ。俺には魔法がある。それを使えば-

 

その時ラプソーンのあの言葉が脳裏をよぎる。魔力量が

膨大でもそれを扱うための才覚がなければただのゴミとなる。今の貴様は正にそれだ。そんな筈はないと半ば自分にいい聞かせるように無理矢理納得させる。

 

そして、彼は呪文を念じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メラ!

 

 

 

 

 

だが、現実は非情。ドルマゲスが唱えたメラは何も起きずに終わった。

 

 

 

次の瞬間ドルマゲスの身体は宙を舞っていた。

自身の身体に計り知れない衝撃が走り、地面に叩きつけられる。内臓が潰れたのではないか思う程の衝撃が身体を襲ったのだ。まぁ、実際今ので骨も何本か折れた上に臓器も幾つか潰れたのだが。

 

 

「カ……ッ……ァ……」

 

 

呼吸すらままならない状態のドルマゲスにキメラは無慈悲にも止めの一撃を下す。瀕死の状態のドルマゲスは当然何か出来る筈もなく潰された。

 

ドルマゲスは見るも無惨な姿になり果てた。骨はひしゃげて、脳漿はぶちまけられて、眼球は転がっている。

 

 

獲物を仕留めたと感じたキメラは去ろうとして動いた瞬間、身体が体勢を崩したのを感じた。

 

 

-何が起こった?-

 

 

その原因を探ってるとキメラはある方向からとてつもない殺気が発せられてるのを感じ、その方向へと視線を向けた。

そこには一つの杖が宙を浮いていた。そう、ラプソーンの杖である。

 

-この重圧はあの杖から発せられている-

 

 

そう結論付けたキメラは元凶を排除すべく杖に襲いかかった次の瞬間、キメラは地に伏していた。

 

 

-なんだこれは-

 

 

何が起きたのかわからずに杖を視線をよこすと、何故か視界が半分しか見えない。それだけではない。

 

手足や翼、胴体などのキメラの身体の至る所に風穴が空いている。

 

一体いつ?何が起きた?その事態を把握するために少ない知性をフル稼働して、出した結論にキメラは戦慄した。あの僅かな時間で自身に風穴を開けたのだと。

 

その結論に達したキメラはドルマゲスに雄叫びを上げたのとは違う咆哮をした。それは恐怖。

 

奇しくもキメラが手にかけたドルマゲスと同じ感情を抱いた。当然、身体の至るところに風穴が空いてるキメラはなすすべもなく、ラプソーンに蹂躙されたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~sideラプソーン~

取り敢えずあの凡愚の仇は取ったがどうしたものか。まぁ、幸いあの凡愚の遺体は残ってるし蘇生呪文で何とかなるだろう。

 

 

 

 

~sideドルマゲス~

俺は確かに死んだ筈だ。キメラに無惨にやられて。

なのに生きている。意味がわからない。

 

そう状況に困惑していると、(おい、凡愚)

 

 

「ラプソーンか。何で俺は生きてるんだ?」

 

 

(それは儂がザオリクをかけたからに決まってるからだろう。遺体さえ残ってれば蘇生呪文でどうとでもなる。お前の知ってる漫画のキャラのセリフを借りるならばでぇじょうぶ、ドラゴンボールで生き返れるさという訳だ。)

 

「そうか、ありがとう。それと済まなかった。お前の忠告を無視するようなことをして。」

 

そう言い、ドルマゲスは頭を下げる。

 

 

(これで貴様もわかっただろう。いかに自分が愚かだったかを)

 

 

「あぁ、十分過ぎるほどにな」

 

 

(ならば、魔法に関する鍛練を始めるぞ。幸い蘇生呪文があるから例え亡くなっても遺体が残ってる限り大丈夫だ。暗黒神であるこの儂が直々に伝授してやる。)

 

 

「え、ちょ……」

そう言うやいなや地獄の特訓が始まった。

 

 

 

 

 

 




戦闘描写がやはり難しかったですね。それと今回はゴキブリの文章の部分はテラフォーマーズの2巻からパクr引用しました。

誤字脱字があったら感想欄にてお願いします。


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力を持った小物ほどフラグを建てやすい説

今まで通して明確な時代の描写がされてなかった…

時代は中世で、ブリテンです。時系列としてはアルトリアが王になる前です。
ガバガバな所もあるかもしれませんが、そこはご容赦下さい。


ラプソーンとの地獄の特訓を辛うじて乗り越えたドルマゲスは何とかマシなレベルの強さになった。

 

 

魔法の使い方、戦闘での恐怖を数多の魔物との戦闘で何とか克服したのであった。

………特訓で100回以上死亡したが。

 

これにはさすがの暗黒神も嘆息した。何せその分ザオリクを掛けなければいけないのだから地味に苦痛な作業である。

 

(それにしても貴様のセンスは呆れる程無いな。)

 

そう、皆さんはお忘れかもしれないがドルマゲス自体の

スペックはお世辞にも良いとは言えない。

ドルマゲスがドラクエ8であのような活躍が出来たのは大体ラプソーンの杖のおかげなのである。

 

その低スペックなドルマゲスがここまで上達したのはラプソーンによる死んだ方がマシとも言える扱きを受けたからだ。実際は結構死んでるのだが。

「私もここまで自分が雑魚だとは思ってませんでしたので感謝しますよ。貴方の精神の一部を私の中に送り込むことによって、魔力の上限量が飛躍的に上昇したのですから。」

 

たが、身体はドルマゲスでも中身は一般人である彼はもちろん戦闘など経験したことがあるはずもなく、当然そのような人が暗黒神の扱きに堪えられる筈もなかった。

結果から言うと精神がイカれかけた。

これを好機と見たラプソーンはドルマゲスに自身の精神の一部を杖を介してドルマゲスに送り込んだのだ。

 

これによって、ドルマゲスの身体に2つの精神が存在することになった。

 

 

ラプソーンが何故彼に自身の精神を送り込んだのかというと、1つは自身の精神を送り込むことによって、少しでも自身に近づけるためである。

 

2つ目は杖で逐一指示を出すより自分の精神を送り込んだ方が色々手間が省けるからである。

 

 

 

つまり、ドルマゲスはラプソーンの分身のようなものになったのである。自分のことを私と言うようになったのはその影響だ。

……まあ、ラプソーンの分身になったと言っても、ドラクエ8の本編に登場するドルマゲスよりは劣る上に、未だに雑魚の領域からは脱していないのだが。

 

「あぁ、早くこの溢れんばかりの力を思う存分に使いたいですよ。今なら誰にも負ける気がしないですねぇ。」

 

 

人はそれをフラグと言う。

 

「手始めに誰をこの手にかけてやりましょうか。フッフッフッ、アーハッハハハハハ!」

 

ちょっと強くなっただけでかなりイキっちゃってるドルマゲスであった。

 

 

 

 

 

 

~sideラプソーンの杖~

奴に特訓を施したおかけで少しはマシになった。だが、未だに雑魚の領域だ。

 

今の奴はワイトキングやボーンファイターよりも弱い。

おまけに近接戦がからきしだからそれを主体とした敵が現れたら補助呪文を重ね掛けしなければ間違いなく詰む。

 

儂の復活の保険のために奴に儂の精神の一部を送り込んだが、あのままではすぐに死ぬだろう。情けない話だが、今の儂は肉体が実在しない精神だけの存在だ。

 

そこらの魔獣程度なら自身の思うがままに杖を操ればよいが、ある程度の強さを持った敵の場合は間違いなく詰む。何より、杖を破壊されたら儂の目論見が水泡に帰す。宿主を代えようにも、儂に適合出来る者はそうそういない。

 

他にも奴の知識にはドルマという闇の呪文やメドローアなる未知の呪文があった。

 

記憶を視認できる術でその全貌を確かめたのだが、儂が生きてたころにはそんなものはなかった。

そういう意味でも、今の宿主は色々と都合がいい。

 

何にせよ、奴にはもっと強くなってもらわねば………

 

 

~sideoutラプソーン~

 

 

 

 

 

 

~side???~

 

調子にのってるドルマゲスの近くに1つの影が近づいていた。その影の主は四足歩行で全身が紺色で覆われており、身体はライオンで、ハリネズミの針のような鬣、極めつけはエメラルド色の瞳が左右対象に3つずつある異形の獣だった。その獣の名、異界の極刺獣は未だに高笑いを決め込んでいる間抜けに対象を定める。

自分の餌にするために極刺獣はドルマゲスに飛びかかった。

 

 

 

 

 

 

~sideドルマゲス~

 

最初にドルマゲスが感じたのは胸騒ぎであった。嫌な予感がする。そう感じた彼がその場を離れようと試みたその隙に極刺獣がドルマゲスに飛びかかった。

結果、ドルマゲスは極刺獣に押し倒された。

 

 

「ッ!」

 

極刺獣の鋭利な牙がドルマゲスの眼前に迫り今にも喰い千切らんとばかり鋭利な歯をガチガチと鳴らせている。

 

ドルマゲスはすんでの所で杖を盾にすることで極刺獣の牙を防いでいた。

 

 

 

「獣の分際で……この私に刃向かうなァ!!」

 

このままではジリ貧になると考えたドルマゲスはある行動にでた。

 

すると、辺りを眩い光が覆った。極刺獣は突然の光に視界を潰され、鋭い爪を振り回した。しかし、その攻撃は空しく空を切る。

 

その様子を見計らって、ドルマゲスはメラミを唱えた。極刺獣の顔面にバスケットボールと同じサイズの火球が直撃した。

 

この攻撃で極刺獣は怯み、ダメージを受けたものの、未だにに倒せてはいない。

 

 

そこで極刺獣が立ち上がる前にドルマゲスはまた別の呪文を唱えた。ベタドロンである。

 

次の瞬間、極刺獣の身体から凄まじいGが襲いかかった。これにより極刺獣の全身から骨が軋む音が鳴り響いた。所々、手足はひしゃげ、一部の眼球は飛び出している。

 

ドルマゲスは止めと言わんばかりに爆発呪文であるイオラを唱えた。

最早勝負はついたと思われたが、その時不思議なことが起こった。何と、潰れかけた極刺獣が口から瘴気の塊を飛ばしてきたのだ。

 

思わぬ反撃に動揺するドルマゲスは反応が遅れてしまい、その攻撃を喰らってしまう。

 

最期に一矢報いた極刺獣はあえなく力尽きた。

 

すぐさま、瘴気がかかった服を脱ぎ捨てた後、ドルマゲスは事切れた極刺獣を力強く睨み付ける。

 

「この私に傷を付けたな……ッ……ふざけるなァァ!」

 

そういうや否や、ドルマゲスは辺りかまわず呪文を撃ち始めた。周囲の森林が炎に包まれていく。その炎はあっという間に辺りの森林を包み込んでいった。

 

 

 

その様子を遠目に見ている者がいるとも知らずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは少々まずいことになりそうだね……」

 

 

 




今回出演した遊戯王のモンスター

異界の極刺獣 闇属性 ☆5 ATK1100 DEF2200

詳しくはググって下さい。




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キャラ設定

今更ながら設定です。


ドルマゲス(憑依)

ドラクエ好きな一般人が憑依転生した。そのため、本編のドルマゲス程残虐になれてない。戦闘はポンコツなため、ラプソーンに地獄の特訓を施される。その結果、精神が壊れかける。

その時にサラッとラプソーンの精神を流し込まれた。

現在力を手に入れて、調子に乗ってる真っ最中。

 

現在ドルマゲスが使える呪文・特技

メラ

メラミ

イオ

イオラ

ベタン

ベタドロン

スカラ

ピオラ

狂気の笑い

ベホイミ

茨攻撃

眩しい光

タップダンス

ルーラ

魔物を呼ぶ

 

因みに第2形態への変身はまだ出来ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

呼び出せる魔物(予定)

スライム

ドラキー

どくやずきん

串刺しツインズ

ホイミスライム

ダークキング

アークバッファロー

キラーマシン

ダンビラムーチョ

バードファイター

エリミネーター

マーマン

オクトセントリー

メーダロード

デビルパピヨン

ドラゴンソルジャー

デンデン竜

マージリンリン

ナイトフォックス

シャドー

ドロヌーバ

レッサーデーモン

スカルソード

ミミック

マドハンド

イーブルアイズ

エビルホーク

ボストロール

いばらドラゴン

だいまじん

 

 

ラプソーン(杖)

 

 

ラプソーンの精神が封印されてる杖かみさまが特典としてつけてくれた。ドラクエ8で主人公たちにボコられた後、かみさまがラプソーンの精神を封じ込めた杖を特典としてドルマゲスに贈った。

ドルマゲスを利用して復活することを企んでいるも、彼に憑依して一般人の記憶の俗世に関する知識に興味を惹かれている。

スタンスとしては、取り敢えず復活に最低限なことは実行して、出来るときにやる感じ。

 

 

 

 

 

 

ラプソーン(精神)が使える呪文・特技

 

 

メラゾーマ

凍てつく波動

インテラ

念じボール

闇の波動

イオナズン

ベホマ

暗黒の瘴気

不気味な光

凍える吹雪

闇の結界

マホカンタ

魔物召喚

 

 

 

召喚できる魔物

暗黒の騎士

暗黒の魔神

サイクロプス

ストーンマン

キングミミック

キラーマシン2

アックスドラゴン

デスプリースト

ヘルダイバー

妖魔ゲモン

ジャハガロス

ヘドロイド

スピンサタン

スライムダーク

闇の司祭

影の騎士

クロコダイモス

デスターキー

あんこくちょう

スケアフレイル

シャドーパンサー

ダークムーチョ(オリジナル)

ブラックアックス(オリジナル)

黒の雄牛(オリジナル)

影の使い魔(オリジナル)

黒茨の竜(オリジナル)

デスハンター(オリジナル)

 

 

ダークムーチョ

ダンビラムーチョを黒くした感じ

 

ブラックアックス

バトルレックスの黒ver.

 

影の使い魔

レッサーデーモンを黒くした感じ

 

黒の雄牛

アークバッファローの黒ver.

 

黒茨の竜

茨ドラゴンを黒くした感じ

 

デスハンター

キラーマシンを黒くした感じ

 

 

 

 




オリジナルモンスターは全てレティシアに出てくる黒いモンスターたちが元ネタです。

ネーミングセンスがなくてすみません。


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威厳を持った奴ほどキャラ崩壊が激しい説

UAがいつの間にか1500を超えてた件について。
こんな駄作を見て下さって本当にありがとうございます。

今回も頭空っぽにして読んで下さい。


ある一室で一人の男性が思案していた。

「うーん。これはなるべく早目に対処しといた方がいいね。」

 

そう呟いたのは白い衣装に身を包み、ゆるふわ感が漂う優しそうなお兄さん、マーリンである。

……実際はクズ中のクズなのだが。

 

 

マーリンが暇潰しに千里眼を使ってみると森に所構わず呪文を放つドルマゲスの姿が見えたのだ。

 

マーリンは一目見て思った。この男は危険だと。早急に排除しなければ取り返しのつかないことになると本能が警鐘を鳴らしていた。

といっても実際戦闘になったらマーリンレベルの強さからしたらドルマゲスは雑魚もいいとこなのだが。

 

 

「彼を放っておけばとんでもない災厄を引き起こすかもね。そうは思わないかい?キャスパリーグ。」

 

 

 

「フォウフォーウ。フォウフォフォウ(その通りだ。クズにしては中々いいこと言うじゃないか。)」

 

マーリンに対して返答したのは見た目は柔らかそうな白い毛皮で包まれており、リスのような愛らしさを漂わせながら、内心毒を吐きまくってるマスコット的な動物、キャスパリーグである。

その正体は実際はビーストⅣである。

 

 

「キミ、ホントいい性格してるよね。」

マーリンはキャスパリーグの言動に思うず苦笑いを浮かべる。

 

「フォフォウフォウ。(お前ほどではないよ)」

 

 

「何にせよ危険な芽は摘み取って置かないとね。」

 

 

そういうや否やマーリンはドルマゲスがいる場所へと移動した。

 

 

 

~sideドルマゲス~

 

 

 

 

異界の極刺獣との戦闘で思わぬ反撃を喰らって癇癪を起こして辺りを焦土と変えた張本人、ドルマゲスは肩で息をしていた。魔力の残量を考えずにバカスカ呪文を唱えたので魔力が枯渇しかけていた。

何とも間抜けな話である。

 

 

 

 

これにはラプソーンも呆れるしかなかった。

 

 

(貴様は一体何をしてるのだ……)

 

あの暗黒神をも呆れさせることはある意味すごいが今はそんなことを言ってる暇はない。何せドルマゲス元に特大の死亡フラグが近づいてきているのだから。

 

 

 

ドルマゲス「ハーッ……ハーッ……」

 

 

 

そうとも知らずにに今だに肩で息をしているドルマゲス。

 

それを見かねたラプソーンはある術式をドルマゲスに施した。すると、ドルマゲスの顔色はみるみる回復していった。ラプソーンはドルマゲスに魔力を回復する術を使用したのだ。

 

「おお、感謝しますよ。これでまた力を使える!」

 

魔力が回復した瞬間歓喜の表情にまみれるドルマゲス。

 

 

回復した力をどう使うか思案していた所である1人の男性の声が響いた。

「君がこの辺りを変えた張本人かな?」

 

 

 

 

~sideマーリン~

最初にマーリンがドルマゲスに対して抱いた印象は不可解の一言である。

 

見たところ強さはお世辞にも良いとは言えず、今でも隙だらけだ。なのに、内包している魔力が尋常ではない。

何より、神秘が薄れているこの時代で魔術ではなく魔法を使うなどあり得ない。

そして、マーリンが一番脅威を感じていたのはドルマゲスの所持している杖だ。

 

あの杖からは禍々しいオーラが感じられている。それも良く観察しないとわからないように上手く隠している。

 

 

そこでまず己の疑問を払拭するために目の前の男に問いかける。

 

 

「君がこの辺りを変えた張本人かな?」

 

~side out マーリン~

 

 

 

 

 

 

 

 

~sideドルマゲス~

「おやおや、どなたか存じませんが私がこの辺りを変えたとは心外ですねぇ。」

 

 

 

自分で変えておきながら白々しい反応するドルマゲスだが、内心では焦りまくっていた。

 

(ちょ、おま嘘だろ?!何でここにマーリンがいるんだよ!アカンて、ホンマにこれはアカン。)

 

驚愕のあまりに、キャラ崩壊を引き起こすドルマゲス。

 

 

(ラプソーン、ホントにこれどうすんの?てか逃げる以外選択肢はないけれども。)

 

遠回しにラプソーンに逃げを伝えるドルマゲス。

 

 

(貴様が戦わないのは勝手だ。けどそうなった場合誰が代わりに戦うと思う?儂だ。儂は今回のことで貴様に負い目を感じてる。だから貴様がやらなければ儂が手を下すことになるだろう。)

 

どうやらラプソーンも軽い現実逃避をしてるようだ。

 

(ネタに走ってる場合か!どうすんだよこれ!)

 

 

これがメディアなどのキャスターならこうはならなかっただろう。だが、目の前にいるのは近接戦もこなすキャスター(笑)だ。

 

前にも話したがドルマゲスは近接戦に弱い。おまけにまだ、雑魚の域から出られずにいる。

 

頼みのラプソーンも前回の懸念が的中してしまった。

 

相性は最悪。おまけに実力差は歴然。

 

 

この絶望的な状況で彼が取った一手はルーラ。

これで逃げれるとドルマゲスは考えたが、そうは問屋が卸さなかった。

 

 

 

「何処にいくのかな?」

 

 

いつの間にか眼前にマーリンがいた。驚愕したドルマゲスは思わずイオラを唱えた。

 

辺りを爆煙が覆う。その隙にドルマゲスはピオラををとスカラを2回ずつ唱えた。

 

 

これにより敏捷性と守備力は格段に上昇するも、その程度では実力差は埋まらない。

 

次の瞬間、爆煙の中から魔弾が飛来してくる。当然ドルマゲスはそれを避ける。が、その背後からマーリンがエクスかリバーを振り下ろす。ドルマゲスはピオラを掛けていたお陰で辛うじて回避することが出来た。

 

 

「へぇ。今のを避けるんだ?まぁこの程度でやれるとは思ってないけど。」

 

 

マーリンは少し自分の中でのドルマゲスに対する評価を改めた後、エクスカリバーの剣先を地面に突き刺す。

 

すると、突き刺した地面を伝ってビームがドルマゲスの元へと向かう。それをドルマゲスはルーラで回避する。

 

 

マーリンはすぐさま次の行動に移そうとした瞬間、全身に普段の何倍もの重力が身体にのし掛かる。ベタドロンである。

 

 

 

数瞬の間、顔が驚愕に染まるもエクスカリバーを横凪ぎに振るう。すると、エクスカリバーから剣圧が発生し、ドルマゲスに襲いかかる。

 

普段の数倍の重力を受けながらも、反撃してくるマーリンに戦慄しながらも、ドルマゲスは剣圧にベタドロンをかけることによって、威力を軽減させることに成功した。

 

 

何度か攻撃を防いでいく内に、ドルマゲスの中である考えが芽生え始めた。これ、もしかしたらいけるんじゃないか?だが、その考えは甘かったと感じることになる。

 

 

 

何故ならドルマゲスの胸からエクスカリバーが生えていたからだ。

 

 

「え?」

 

 

思わずそう溢したドルマゲスをよそに、マーリンはエクスカリバーを引き抜く。

 

すると、ドルマゲスの胸から血が溢れ出る。

 

ドルマゲスが後ろを振り返る前にマーリンは止めを刺すべく、ドルマゲスの首をはねるために剣を振るう。

 

その刹那、ドルマゲスを覆うようにラプソーンの杖を中心に禍々しい結界が貼られた。

 

エクスカリバーがその結界に触れた瞬間、マーリンの身体に斬擊が襲い、血飛沫が噴き出す。

 

 

(斬擊に対する反射型の結界か…厄介だね。)

 

マーリンは即座に術の本質を見極めた上、近接を不利と考えすぐさま距離を取る。

 

 

それに追尾するかの如くラプソーンの杖から大量の黒い瘴気が溢れ出す。それは一瞬にしてマーリンの視界を奪った。

 

マーリンはそれを剣圧で風を起こして吹き飛ばすも、視界が晴れた時にはドルマゲスの姿はなかった。

 

 

「逃げられたか…まぁどの道あの傷じゃ長くは持たないだろうけどね。」

そう言うとマーリンはその場を離れた。

 

 

 

 

 

 

 

この判断が誤りであったと気付くのは後のことである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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高笑いを決め込む奴程、厨二病をこじらせてる説

久しぶりの投稿です。遅くなってすみません
時系列はアルトリアが王になった後です。

※転生の意味なくね?という感想でのご指摘により一部修正しました。


数多の魔物がブリテンの地を支配せんと歩を進めていた。

 

それらを率いるのはマーリンに殺された筈のドルマゲス。

 

「この私の力をとくと思い知るといい。ヒャーッヒャヒャヒャヒャh」

 

 

「うるせぇ!」

 

調子に乗って高笑いを決め込むドルマゲスにキレる幹部魔物の一人。まぁ、実際あの高笑いを間近でやられると鬱陶しいからしょうがない。

 

「あ、ハイ」

そこにはクレイジーな道化師の姿はなく、部下にキレられてへこむ情けないおっさんの姿だった。

 

 

 

 

 

 

~ここまでの経緯に至る数時間前~

 

 

 

「あのクズめ……よくもこの私を殺してくれたな」

 

(それは貴様がこれいけるんじゃね?とかフラグを建てるからだ。)

 

 

あれからドルマゲスはマーリンに殺された後、ラプソーンに蘇生したもらった。

 

生き返って早々マーリンに対してクズと宣っているが、自分もクズだということは触れないでおこう。

 

おまいうとかブーメラン乙とか言ってはいけない。

 

「だが、今のままでは勝てないのも事実…」

 

 

そう、これまでたくさんの魔法を使用したことにより、ドルマゲスの魔力は枯渇寸前に陥っていた。

 

それに加えて、ラプソーン自身も魔力が不足していた。

 

何せここまで、ラプソーンはドルマゲスに特訓を施した際に、100回以上死亡した彼の蘇生、魔物の召喚を行い、戦闘でも多大な貢献をしてきた。

 

当然その分だけ魔力は消費され、ラプソーン自身も、メラゾーマ3発分しか撃てない程には魔力が枯渇していた。

 

「何にせよまずは力を蓄えねば……」

 

これに対して2人はどこか安全な場所を見つけてそこに引きこもり、そこで魔力を回復するという手段を取った。

 

 

 

そこから暫く時は経ち、結果的には魔力は回復したものの、完全には回復しなかった。

 

しかも、かなりの時間彼らは引きこもっていたため、身体が鈍っていた。

 

 

 

彼がまず取った行動は瀕死の人間と数多の死体を収集することだった。

 

瀕死の人間を、自分の手中に納めるためにドルマゲスは数多の戦場の跡地を巡り、重傷を負っている人間の傷を治した。

 

中には死体も沢山あり、ドルマゲスは適当にそれらも回収し、蘇生した。

 

 

彼らに恩を感じさせて、自分の手駒にするために。

 

そして、彼らはドルマゲスによって魔物に変えられた。

そこにもはや人間としての自我はなく、あるのは魔物の性だけだった。

 

あるものはゾンビ系の魔物に、あるものは魔獣系の魔物に変えられた。

 

 

 

~回想終了~

 

 

 

手駒が十分に揃ったドルマゲスはマーリンに復讐するために数多の魔物を引き連れてブリテンに侵攻した。

 

 

 

「フフフ…早く彼の断末魔を聞きたいですねぇ…」

 

 

 

~sideoutドルマゲス~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、今日の会議はここまでとしましょう。」

 

 

 

 

「では、今日の議題は粗方片付きましたが、各自何か発言はありませんか?」

そう言うのは荘厳な鎧で身を包み、聖剣エクスカリバーを帯刀している金髪の女性、アルトリア・ペンドラゴンである。

 

彼女はウーサー王の次のブリテンの王として即位していた。

 

 

そんな彼女は円卓の騎士と呼ばれるメンバーと会議をしており、発言の有無を確認するために辺りを見回した。

 

そこにいるのは厳格な雰囲気を漂わせる強面なおっさんであるアグラヴェイン、糸目でハープを奏でるよくわかんない人であるトリスタン、人妻厨のランスr「誰が人妻厨だ!」等の円卓のメンバーが揃っている。

 

 

「ランスロット卿?どうしましたか?」

 

 

「申し訳ありません、王よ。取り乱してしまいました」

 

そんなギャグパートも束の間、部屋に部下の一人が駆け込んでくる。

 

 

「報告します!ブリテンに向けて数万の魔物が攻め込んできています!」

 

 

 

「何だと!?」

 

思わずそう溢したランスロット。

 

「具体的な状況は?」

 

冷静に状況を聞くアルトリア。それに対して部下が答える。

 

 

「空と陸から多数の魔物が襲来しており、中にはドラゴンのようなものもいます。」

 

当然この報告を聞いた円卓のメンバーは騒然とした。

ただださえ多数の空と陸からの魔物の対処をしなければならないのにその上ドラゴンともなると更に人員を割かなければならない。陸はどうにか防げるが、空から来る敵は対抗手段が限られてくる。

 

思わずため息を吐きそうになる現状を打破するためにアルトリアは思考の渦に入ろうとした時、

 

 

「空から来る奴らは僕が対処するよ。」

 

その声の主はマーリンである。意外な人物の登場に円卓の騎士らは懐疑的な視線を向ける。

 

「珍しく協力的だなマーリン。いつもなら高みの見物を決め込んでいるお前がどういう風の吹き回しだ?」

 

アグラヴェインがそう感じるのも無理はない。いつもなら大体見物を決め込む奴が協力すると言ってるのだから。

 

「協力もするさ。このまま行けばブリテンが滅亡させられるからね。」

 

マーリンから出た爆弾発言に騒然とする一同。

 

「どういうことですかマーリン。貴方は何を知ってるのです?」

 

 

 

「千里眼で未来を見たらブリテンが滅ぼされてる未来が見えたからね。それだけではなく、今回の事態を引き起こした黒幕は放っておけば世界を滅ぼす。今回の黒幕はドルマゲス。魔法を使う道化師さ。」

 

今回の黒幕は魔法を使う。この言葉に驚愕の表情を浮かべる円卓の騎士。

 

 

「あり得ない!今の時代に魔法だと?!」

 

そう言うのは円卓のメンバーの一人であるガウェイン。

 

「たかだか魔法を使うからって何だよ。んなもん隙を見て術者を斬れば終わりじゃねーか。お前ら何を―」

 

モードレッドの発言を遮り、マーリンが再び状況を説明する。

 

「残念ながらそうはいかないんだよね。」

 

自身の発言が遮られたことによりマーリンに対して強い視線を向けるも本人はそれを流しつつ、説明をする。

 

「彼に斬擊は効かない。いや、近接攻撃は効かないと言ったほうが正しいかな。それに彼は重力や爆発、炎熱系の魔法を使用する。それに恐らく蘇生魔法も持っている。」

 

 

マーリンの説明に会議室に重い空気が漂う。今の話が真実なら剣を主体とする円卓の騎士では不利なのは明らかだからだ。

 

「黒幕の能力は分かりました。ですが、マーリン何故貴方はそのことを知っているのですか?」

 

それは当然の疑問だった。返答次第では容赦しないと言わんばかりの殺気を匂わせるアルトリア。

 

 

それに対して特に気にすることはなく淡々と答える。

「それは僕が彼と一度戦ったからね。」

 

「どういうことです?」

 

「暇潰しに千里眼で辺りを見ていたら魔法を所構わず放つ彼の姿が見えたんだ。僕は彼の対処に向かってそこで戦闘になった。結果から言えば僕が勝ったけれど取り逃がしてしまってね。

当時は心臓をエクスカリバーで貫いたから大丈夫だと思ったんだけれど彼はどうやら何らかの方法で生き延びたようだ。これが僕が彼のことを知ってる理由だ。」

 

 

「貴方がドルマゲスのことを知ってる理由は分かりました。でs」

 

 

 

「何だよ?つまりお前のミスで今回のことが起きたんじゃねぇか。」

 

そう発言するのはモードレッド。

 

「お前がきっちりあの場で殺しときゃこんなことにはならなかったってことだろ?」

 

モードレッドはお前のせいだろと言わんばかりにマーリンを睨み付ける。

 

「辞めなさいモードレッド。彼を責めても事態は変わらない。今はどう対処すべきかを考える時です。文句は後でも言えるでしょう。」

 

モードレッドを何とか諌めるトリスタン。モードレッド自身もそれがわかっているのか舌打ちしつつも渋々引き下がる。

 

 

「分かりました。取り敢えず今は迫り来る数多の魔物を対処する方針で行きます。それでよろしいですね?」

 

 

「私とランスロット、ガウェイン、モードレッドは陸から来る敵を、アグラヴェイン、マーリン、トリスタンは空から来る敵を対処してください。ガレス、ケイ、べディヴェールは城の守りをお願いします。」

 

「「「「「「「「はっ!(了解)」」」」」」」」

 

 

「では、各自作戦通りにお願いします。」

 

 

 

今ここにブリテンの存亡をかけた戦いが始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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