THE KING OF STREET FIGHTERS (本城淳)
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各チームのプロローグ
空手家チーム


メンバー

孤高の格闘家
リュウ…空手をベースにした暗殺拳
(ストリートファイターシリーズ)

全米格闘王
ケン…空手をベースにした暗殺拳
(ストリートファイターシリーズ)

無敵の龍
リョウ・サカザキ…極限流空手
(龍虎の拳シリーズ、KOFシリーズ)

極限流の紅一点
ユリ・サカザキ…極限流空手
(龍虎の拳2、KOFシリーズ)


アメリカ

サウスタウン

極限流道場本部

 

極限流門下生1「飛燕疾風脚!」

 

ケン「甘い!昇龍拳!」

 

極限流門下生1「リョウ師範代!すいませーん!」

 

断末魔の叫び声をあげて10人目の門下生がKOされる。

 

極限流門下生2「くそっ!さすがは全米格闘王!強い!このままでは看板が奪われる!」

 

極限流門下生3「タクマ総帥やロバート師範代は何故か出掛けているし、リョウ師範代は山籠り…せめてユリ師範代やマルコさんがいてくれれば…」

 

ケン「いや、だから俺は道場破りに来たわけじゃないって!リョウ・サカザキ氏に会いに来たんだよ!」

 

極限流門下生2「ならば道場破りじゃないか!くらえ!飛燕龍神脚!」

 

ケン「空中竜巻旋風脚!」

 

極限流門下生2「しくじったぁ!」

 

ケン(ダメだコイツら…)

 

先日届いた大規模な格闘大会の招待状。この大会には四人一組のチームでなければ参加できない。アイツとチームを組もうと待っていたが、どこかの山籠り中の空手家のところに行ったっきり、戻ってこない。

リョウ・サカザキ。

格闘家であるならば、一度は聞いたことのある極限流空手の無敵の龍。

そいつに会いに行って以来、アイツは山から降りてきていなかった。

このままではエントリーが終わってしまう。それどころかめぼしい格闘家がいなくなってしまう。

あのさくらやショーンだって既にチームを組んでいるのに。

 

ユリ「あれ?なにやってるの?」

 

一人の可愛い女の子が道場に入ってくる。

 

門下生3「大変です!全米格闘王のケン・マスターズが道場破りにやって来ました!」

 

ケン「だから違うって言ってるだろう!話を最後まで聞けよ!」

 

ユリ「違うって言ってるよ?」

 

門下生3「そんなわけないじゃないか!こうなったら俺が…」

 

ユリ「虎煌拳!」

 

門下生3「くそったれぇ!」

 

ユリ「もう!最後まで話を聞かないと!それで、ケン・マスターズさんですよね?お話というのは?」

 

ケン(この娘、並の格闘家よりも強い!)

 

ユリ「マスターズさん?」

 

ケン「ああ、悪い…実は、リョウ・サカザキが山籠りしている山に行きたいんだが、場所がわからなくて…」

 

ユリ「お兄ちゃんの修行場の山ですか?確かに知っていますが…何故です?」

 

ケン「実は…」

 

 

数時間後…サウスタウンより離れた山

 

ケン「けっこう遠いな。でも、アイツが好みそうな山だ。こんな場所があったんだな」

 

ユリ「ここって極限流道場だけが知る、隠れた修行場なんですよ。お兄ちゃーん!」

 

ケン「しっ!この音は…打撃音?」

 

ケンが言うとおり、殴り合いや何かがぶつかり合う音が聞こえる。

 

ユリ「これは…お兄ちゃんの声?」

 

ケン「アイツの声も聞こえる!戦ってるのか!」

 

ケンとユリは足を早めて音のする場所に向かう。すると、水場が近いテントが2つ張られた広場に出る。

 

リョウ「虎煌拳!」

 

リュウ「波動拳!」

 

白い胴着に赤い鉢巻の男と朱色の胴着に金髪の男が気弾を撃ち合う。

 

リュウ「昇龍拳!」

 

リョウ「虎砲!」

 

リュウ「竜巻旋風脚!」

 

リョウ「飛燕疾風脚!」

 

二人の立ち会いは大分ヒートアップする!

格闘家としては最後までやらせてあげたいが、今日はこのままやらせる訳にはいかない。

 

リュウ「やるな…リョウ・サカザキ!だが、ここまでだ!この数日間の修行、楽しかったぞ!」

 

リュウ「お前こそな!永遠の求道者!リュウ!実に充実した修行だった!これで終わりだと思うと惜しい!」

 

二人は気を高めて最後の技を撃とうとする!

 

リュウ「真空…」

 

リョウ「覇王!」

 

ケン「うわわわ!まてまてリュウ!」

 

ユリ「お兄ちゃん!待ってぇー!」

 

技を放とうとする二人の間に入るケンとユリ。

 

リョウ「波動拳!」

 

リョウ「翔吼拳!」

 

タイミング悪く入り込んでしまった二人は技の餌食となり、しばらく意識を飛ばした。

 

 

リョウ「まったく、急に割って入ってくるんじゃない!ユリ!危ないじゃないか!」

 

リュウ「まったくだ。勝負の邪魔をするなんてお前らしくもない。一体、何があったんだ?」

 

ケン「いててて…そうだ、リュウ。これだよこれ」

 

ケンはKOSFの招待状を取り出す。

 

ケン「俺の元にお前と二人分の招待状が届いたんだ。お前の事だから、参加すると思って持ってきた」

 

リョウ「ザ・キング・オブ・ストリート・ファイターズ?KOFみたいなもんか?」

 

ユリ「そうそう。お兄ちゃんの分も持ってきたよ?」

 

リュウ「出てはみたいが…ルールは四人一組のチーム戦だ。一匹狼の俺にはチームなんて…」

 

ケン「いるじゃないか。ここに四人も」

 

リョウ「え?この四人で組むのか?」

 

ユリ「突然だよね!」

 

ケン「だって、もうエントリーまであとわずかだぜ?短期間でメンバーに当てがあるのか?」

 

リョウ「親父やロバートやキングだって…」

 

ユリ「お兄ちゃん。多分、もう組まれちゃってるよ?ほら…」

 

ユリが端末を処理して画像を出すと、当てがあったメンバーはそれぞれチームを組んでいた。

 

リョウ「くぅ!今からじゃ他のメンバーも集まらないか…」

 

ケン「だろぅ?だったら、このままこの四人でチームを組もうぜ?極限ファイター!」

 

リョウ「……良いだろう。俺達兄妹にリュウと全米格闘王!悪くないチームだ!」

 

リュウ「受けてくれてありがとう。リョウ」

 

リュウとリョウはガッチリと握手を交わした。

こうして、空手家チームのエントリーが格闘界を騒がせた。

 

 

 

 

 




まずはCAPCOM主人公、リュウのチームです。

次回はSNK主人公、京のチームです!


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三種の武神チーム

メンバー

燃え上がる紅蓮の炎
草薙京…草薙流古武術+我流喧嘩殺法
(KOFシリーズ)

復讐の紫炎
八神庵…八神流古武術+本能
(KOFシリーズ)

武神の影あり
ガイ…武神流忍術
(ファイナルファイト)

悲劇のソウルパワー
ローズ…ソウルパワー
(ストリートファイターZEROシリーズ)


日本

大阪 草薙流道場

 

草薙京は久々の帰国を果たし、実家の草薙流道場へと足を踏み入れた。

 

京「親父、帰ったぞ」

 

真吾「草薙さぁん!待っていたんすよぉ!」

 

京「うぜぇ…うりゃあ!」

 

京は抱きついて来る真吾を百式・鬼焼きで引き剥がし、自分をわざわざ国際電話で呼び出した父、草薙柴舟の元へ急ぐ。

 

柴舟「帰ったか、京」

 

京「なんだよ親父。わざわざ国際電話までしてきて」

 

柴舟「京、まず座れ。まずはワシとお前宛にコレが届いた」

 

京「あ?なんだこれ。KOFの招待状?」

 

柴舟「似たようなものだな。ただ、きなくささはいつも以上じゃと神楽殿から聞いている」

 

京「神楽から?なんだよ。またオロチ関連じゃないだろうな?」

 

柴舟「わからん。ただキナ臭いとだけしか言ってきておらん…神楽殿もこの二人をワシら草薙に紹介しただけのようだしの。入ってきて下され」

 

柴舟に言われて入ってきたのは赤い忍者装束を着けた男と、どこか神楽と雰囲気が似た外国人の女性だった。

 

柴舟「人の世が乱れるとき、武神の影あり。草薙1800年の歴史の中でも、何度も協力しあってきておるからわかるな?彼は当代の武神流継承者のガイ殿だ」

 

ガイ「武神流継承者のガイでござる。この、きんぐ・おーぶ・すとりっと・ふぁいたーずーなる大会は何か人の世を乱す存在が関わっている。殺意の波動、オロチ、さいこっぱわー。それぞれが複雑に絡んでいるでござる」

 

京(今時ござる口調かよ。女の方も八神みたいに前髪がびよーんと出ているし)

 

京「親父、この人は?」

 

柴舟「元々はシャドルーのベガの弟子だったらしいが、今はベガと対立してガイ殿の協力おるそうだ」

 

ローズ「ローズと申します。普段は占い師をしております」

 

京(うさんくせーな)

 

柴舟「それで、ローズさんとガイ殿が言うには、此度の騒動には封ずる者の力が必要だということじゃ」

 

京「封ずる者って…」

 

ガイ「そう、八神殿の事でござる」

 

京「よりにもよってまた八神かよ。遥か地より出る者の時といい、何度アイツと組まなくちゃいけないんだ?この際、親父で良いだろ。丁度四人いることだし」

 

京と庵は何度も組んできたが、オロチ、ネスツ、遥か地より出る者の時など、これまでもそうだったように、それは仕方なく組まざるを得ない状況だったに過ぎない。互いに相容れないものは相容れないと京は思っているし、おそらく庵もそうだろう。

 

京「俺はおりさせてもらうぜ。八神と組むなんて金輪際ごめんだ」

 

柴舟「ならばこの招待状は渡せんな。武神流と草薙は昔から強い協力体制にあったんじゃ。オロチ関連でもな。なのに、それを断ったとあっては我が流派にも武神流にも顔向けができん。どうしても出たければ武神流の言うとおりにすることじゃな」

 

京「ああ、そうかよ。別に俺は出ても出なくてもどちらでも良いんだ。あばよ」

 

ガイ「京殿!」

 

京「あばよ」

 

京は家を出てバイクに跨がり、どこかへ行ってしまった。

 

ローズ「追わなくても良いわ。やる気の無いものに頼ったところで足手まといにしかならないわ」

 

柴舟「あのバカ息子…すまんのう。ガイ殿、ローズ殿」

 

ガイ「お気になさらず。柴舟殿。拙者の勘が言っているでござる。いずれは交わるところに交わると」

 

 

岬の墓場。

お墓に供えられている煙草の前で、自身も煙草を吸う八神庵。

そこに草薙京が現れる。

 

京「線香代わりのつもりか?」

 

庵「前にもそんな事を言ったな?」

 

京「そうだったか?」

 

庵は煙草を揉み消し、新しい煙草をくわえる。京はジッポに火を付け、庵の煙草に火を付けようとするが、庵はそれを拒否し、自前のジッポで火をつけた。

 

京「前にも聞いたが、必要か?それ」

 

庵「貰い物だ。前にも答えたがな。貴様、もう何年も前になるかなど、聞くまいな?」

 

京「ああ、それも前に聞いたっけな?」

 

それから二人はしばらく黙る。

 

庵「貴様の客人が毎日うるさい。何とかしろ」

 

京「あれは親父の客人だ。前はパシリで今回は客人かよ。シャドルー、ハワードコネクション、R&B社、観月財閥、ガルシア財団…色々な思惑が絡んでいるようだな」

 

庵「どこの誰が何を企もうが関係ない。俺は貴様だけを殺せればそれでいい」

 

京「そうだったな?」

 

庵「用件はそれだけか?今日は興が乗らん。貴様の命は次に預けておく。首を洗って待っていろ。京」

 

庵は愛用の単車に乗り、墓場を去っていった。

 

京「そう言いながら、結局は前もチームを組んだよな?俺達」

 

京は庵が投げ捨てた煙草の吸い殻に目をやる。以前とは違い、その吸い殻に血は付着していなかった。

 

大会当日。

 

ローズ「本当に来るの?草薙京と八神庵は」

 

ガイ「来る!拙者の勘に間違いはない!」

 

根拠もなく言い切るガイにローズがジト目を向ける。

一回戦開始まであと30分。

二人の元に金日蝕環の黒ジャケットを着た男と、三日月のジャケットを着た赤髪の男が現れるのは時間ギリギリのタイミングだった。




次回はアメリカンヒーローズチームです


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アメリカンヒーローズチーム

伝説の餓えた狼
テリー・ボガード…マーシャルアーツ+ジェフ流喧嘩殺法
(餓狼伝説シリーズ、KOFシリーズ)

伝説を継ぐ翼
ロック・ハワード…マーシャルアーツ+古武術
(餓狼MOW)

墜ちた英雄
コーディー…マーシャルアーツ
(ファイナルファイト)

伝説のマッスルボマー
マイク・ハガー…プロレス
(ファイナルファイト)


アメリカメトロシティ

 

養子のロック・ハワードを連れてテリー・ボガードはメトロシティに降り立った。

数年前にギャング集団マッドギアが暴れていた街で、お世辞にも治安がいい街とは言えない。

テリーがこの街に来たのは些細な噂が原因だった。

 

テリー「墜ちた英雄が自由気ままに刑務所を抜け出して暴れている…か。会ってみたいな。墜ちた英雄に」

 

ロック「それでまたバトルをするのかい?相変わらずそう言うのが好きだね、テリー」

 

テリー「お前だって嫌いじゃ無いだろ?ロック」

 

改札を出て、しばらく歩く。

 

テリー「ロック…」

 

ロック「わかってる…尾行されている。それも、かなりの手練れ」

 

駅を出た辺りから尾行されていたことには気がついていた。テリー達は尾行に気が付いていないふりをしながら徐々に人気のない路地へ路地へと入っていく。

 

テリー「この辺なら良いだろう。ヘイッ!尾行している奴、出てきな」

 

ロック「もう尾行はバレている。大人しく出てきたらどうだ?」

 

テリーとロックが叫ぶと二人の男が出てきた。

バンダナに禁煙ジャケット、朱色に塗られた三節棍が特徴のギースの忠犬ビリー・カーンが立っていた。。

 

テリー「ビリー…まさかメトロシティでお前達に出くわすとはな」

 

ロック「父の…ギースの差し金か?」

 

ビリー「俺達の尾行に気付くとは流石だな。テリー。そしてロック。相変わらずギース様に楯突こうとしてるのか?まぁ、良い。今日はお前らに素晴らしい祭りに招待しようと思ってな」

 

ビリーが二通の封筒を投げて寄越す。

 

テリー「ザ・キング・オブ・ストリート・ファイターズ?」

 

ロック「またギースの奴が何か企んでいるのか…以前はオロチの力を自分の力にしようとしたらしいけど…」

 

テリー「いずれにしても、こんな大会に参加するつもりはない。そうギースに伝えておけ」

 

ビリー「腑抜けちまったなテリー。ギース様に手傷を負わせたお前はどこに行っちまったんだ?」

 

三節棍を構えるビリー。構えをとるテリーとロック。

ファンファンファンファン…!

 

ビリー「ちっ。ポリスが来たか」

 

バルバルバルバル…

ビリーの上空にヘリが到着し、垂れてきたハシゴロープに掴まるビリー。

 

ビリー「あばよテリー!テメェがしっぽ巻いて逃げるならそれでも良いぜ!ギース様も腰抜けには用はねえからなぁ!」

 

ビリーを回収し、飛び去っていくビリー。

 

テリー「逃げたか…それにしてもギースめ。今度は何を企んでいる…」

 

ロック「それよりもテリー、警官隊に囲まれたぞ。どうする?」

 

テリー「どうする…と言われてもなぁ。拳銃で狙われている以上、抵抗すれば蜂の巣だぜ?」

 

???「こんなところでサウスタウンの英雄に会えるとは思わなかったぞ。初めまして、テリー・ボガード」

 

警官隊の中から、スーツが全く似合わないマッチョな男が現れた。

 

テリー「市長直々に警官隊を指揮するとはね。初めまして、メトロシティの市長、マイク・マッチョ・ハガー」

 

ハガー「それはプロレスリング時代のリングネームだよ、Mr.ボガード。ここ最近、ギース・ハワードのちょっかいが激しくてね。マッドギアの次はハワードコネクションだ。この街は悪人に狙われやすいのかねぇ」

 

ロック「奴の野望はとどまるところを知らない。マッドギアが壊滅した今、空白地帯となったメトロシティにギースは目を付けたんだと思う」

 

ロックがそう答えると、ハガーは深いため息をついた。

 

ハガー「Mr.テリー・ボガード、Mr.ロック・ハワード。折り入って話がある。私の市長室まで来てもらえないか?」

 

テリー「上等なランチくらいは期待していいのかい?市長」

 

ハガー「ハングリーなのは通り名だけではないようだね?Mr.ボガード。良いだろう。私のお薦めのステーキをご馳走しよう」

 

テリー「OK、昼飯代が浮いたな?ロック」

 

ロック「はぁ…市長にたかるかなぁ…普通」

 

ハガーの案内でテリーとロックは市長専用のリムジンに乗り込み、市の庁舎まで送られて行った。

市長室には食事の用意がされており、テリー達が普段は食べられないようなステーキが用意されている。

そして、そこには囚人服で覇気のない目をした、金髪の男もいた。

 

ハガー「さぁテリー君、ロック君。食べてくれたまえ」

 

テリー「ご馳走になるぜ、市長」

 

ロック「テリー…少しは遠慮しようよ」

 

ハガー「構わんよ」

 

テリー「で、市長。そこの男は?」

 

ハガー「彼はコーディー。コーディー、彼がテリー・ボガードだ」

 

コーディー「……こいつがサウスタウンの英雄、テリー・ボガードか」

 

テリー「こいつが墜ちた英雄…コーディー」

 

コーディー「憐れみか?ハッ!テメェだって一歩間違えればこうなるんだぜ?いつまで英雄でいられるか?餓えた狼さんよ」

 

ハガー「コーディー。ケンカを売るな。済まんな、テリー君、それで、食べながらで構わないので話を聞いて欲しいのだが…」

 

テリー「ムシャムシャ…もう頂いてるぜ?話というのはこれに関係することか?」

 

テリーはビリーが投げ寄越した大会の招待状の封筒をとりだす。

 

ハガー「察しが良くて助かる。いま、このメトロシティはギース・ハワードにちょっかいを出されている状況なんだ」

 

テリー「で、この大会で主催者の一人である可能性が高いギースに近付こうって算段か?過去にギースやルガール、クラウザー…ネスツに対してそうしたように」

 

ハガー「その通りだ。中でも君はその手段で一番最初にギースに近付き、目的を達成したと聞く」

 

テリー「だから今回も大会に出場してギースを倒せと?確かにギースは俺の親父の仇だが…」

 

テリーはロックをちらりと見る。

 

ロック「テリー。俺は構わない。ギースが勢力を拡大させれば、テリーや俺のような奴がまた出てくる。メトロシティを奴の支配下におかれたら、サウスタウンの二の舞だ」

 

テリー「良いんだな?ロック」

 

ロック「俺はもう、ギースを父親だとは思ってない。あいつは……敵だ」

 

テリー「ということだ、市長。俺とロックは大会に出るぜ。で、残りメンバーは?」

 

ハガー「私と…このコーディーで参加しようと思っている」

 

テリー「市長が?正気か?確かに今でも現役のレスラーだとは聞いているけど」

 

コーディー「はぁ?聞いてないぜハガー。そんなことをして俺に何のメリットがあるんだよ?」

 

ハガー「私の権限でお前の減刑を約束する。喧嘩し放題でファイトマネーも貰え、更に減刑。悪くないだろ?」

 

コーディー「刑期なんかはどうでもいい。ムショ暮らしも悪くないし、気ままな生活に満足してるんでな。だが、強い奴とケンカし放題なのは魅力的だ。最近のメトロシティにはハガーくらいしか骨があるのはいなかったからな」

 

テリー「決まりだな。旅費とかはそっち持ちなんだろ?」

 

ハガー「もちろん、こちらから経費として出そう」

 

テリー「よっしゃ!強い奴を認めてストリートファイトの旅先にメトロシティにやって来たが、面白いことになった!首を洗って待ってろよ!ギース!」




というわけで、SNK格ゲー初代主人公テリーと、その後継者ロックのストーリーでした。
一方、同じ街の英雄繋がりでハガーとコーディーをチームメイトに。
何気にハガーはファイナルファイトリベンジ以外の対戦格ゲーには登場してなかったんですよね?キャラ性能がザンギエフと被るからでしょうか?

次は何チームをかきますかね?
ご意見等あればお願いします!苦情はやーよ♪


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軍人チーム

冷酷の傭兵
ハイデルン…マーシャルアーツ+自己流暗殺術
(KOFシリーズ)

古の血の傭兵
レオナ…マーシャルアーツ+ハイデルン流暗殺術
(KOFシリーズ)

真空の復習鬼
ガイル…マーシャルアーツ
(ストリートファイターシリーズ)

正義の真空
ナッシュ…マーシャルアーツ
(ストリートファイターZEROシリーズ)



アメリカ空軍某基地

基地司令室にノック音が響く

 

司令「入りたまえ」

 

ガイル「失礼します。ガイル中佐、参りました」

 

司令「ガイル君か。待っていたよ。かけたまえ」

 

ガイル「はい。失礼します」

 

ガイルは司令室のソファーに腰をかけ、司令も事務用の椅子からガイルの反対側のソファーへと移る。

 

司令「ガイル君。もうすっかり中佐の階級が板に付いてきたね?仕事には慣れてきたかね?」

 

ガイル「いえ、自分はやはり現場向きの人間ですので今のような管理職は水に合いそうも無いです」

 

司令「まぁ、それもじきになれるだろう。それよりも、本題なのだが…」

 

司令は1つの封筒を取り出した。

 

司令「これが君宛に郵送されてきた」

 

それはKOSFの招待状だった。

 

ガイル「失礼します」

 

ガイルは中身を確認する。その内容は…

 

ガイル「格闘大会?あのKOFのような…」

 

司令「そうだ。そして大会には俄に信じ難いことに、あのシャドルーが関わっているとも聞いた。ハワードコネクションやR&B社も…」

 

ガイル「いずれも黒社会での顔役ではないですか。ベガめ…とうとうギースやルガールとも組むようになりましたか」

 

司令「いずれもそれぞれの思惑で何かを企んでいるのは間違いないだろう」

 

ガイル「それで。私が呼ばれた理由はこの大会に参加しろ…というご命令ですか?慣れない管理職をやらされるよりは気が楽ですがね?チームは軍の腕自慢を集めるという事でよろしいですか?」

 

司令「半分は正解だ。だが、残念だが誰がシャドルーや他の組織の息がかかってやるやも知れない以上、軍の者は信用できない。なので、君は不服に思うかも知れないが、外部の者にお願いすることにした。入ってきて下さい」

 

??「失礼する」

 

そう言って入ってきたのは陸戦部隊の戦闘服にベレー帽を被り、眼帯を付けた男。この世界に身を置く将校で知らないものはいないであろうこの男。コードネームはハイデルン…。

世界を股にかけた傭兵部隊、「怒」の総司令だ。

ガイルも何度か共同で作戦をこなしたこともある。

 

ハイデルン「お久しぶりですな。ガイル少佐」

 

ガイル「お久しぶりです。ハイデルン総司令。今回は総司令が実行部隊にさんかされるのですか?」

 

ハイデルン「そのつもりだ。ルガールが関わっているからには、私が出向くのが筋だろう。そして、メンバーであるが…入ってきてくれ」

 

ハイデルンの声に怒部隊のラルフ大佐、クラーク中尉、レオナ少尉、イギリス特殊部隊のキャミィ、そして…

 

ガイル「ナッシュ…」

 

ナッシュ「恥を承知で参加させて貰うことになった。怒部隊の臨時隊員として本作戦に参加することになった。ガイル…よろしく頼む」

 

ガイル「概要はわかりました。チーム編成は…」

 

ハイデルン「私と中佐、ナッシュ元中尉とうちのレオナ少尉でチームを編成する」

 

ガイル「残りの者とあと一名で組むのですか。あと一名は?」

 

ハイデルン「君達が捕獲しているロレントをお借りする算段になっている」

 

ガイル「ロレントを…ですか。奴を扱いきれますか?」

 

ラルフ「同行するのは俺達だ。まぁ、簡単にはにがさねぇよ」

 

ガイルと同じように現場で叩き上げで昇進した百戦錬磨の男、ラルフ大佐が答えるとガイルは何も言えなくなる。少なくともこの男やその相棒のクラークのように、ナイフ一本で敵の本拠地を壊滅させて無事に生還するような真似は出来ない。その男に言い切られればガイルに発言権はない。

 

司令「私もそれで共同作戦を承認した。受けてくれるね?ガイル君」

 

ガイルと基地司令であるこの少将との付き合いは長い。

ナッシュが行方不明になり、シャドルーに復讐を誓って行動していたガイルを裏からフォローしていてくれたのも彼だ。そうでなければガイルは何度軍法会議にかけられていたか分からない。

その彼に頭を下げられれば、ガイルも無下に出来なくなってしまう。

 

ガイル「わかりました。ガイル中佐、慎んで本作戦に参加させて頂きます。よろしくお願いします、ハイデルン総司令、レオナ少尉、そして…ナッシュ」

 

ハイデルン「協力に感謝するガイル中佐」

 

レオナ「よろしくお願いします。ガイル中佐」

 

ナッシュ「久々に同じミッションに参加できるな。ガイル」

 

ハイデルン「これより、オペレーションKOSFを始動する!」

 

ハイデルンの号令により、米軍と傭兵部隊「怒」の共同作戦が始動したのであった。

 

 

 




製品版では絶対にあり得ないチーム編成ですね。
こういうのだからできるチームです。
何故なら……強い性能、みんな同じ性能、とにかくよくしゃがむ。KOF94の龍虎チーム以上に性能丸かぶりのチームでございます。

ところで、このチームのラスボスはファイナル・ベガにすべきかオメガ・ルガールにするべきか悩みますね?
どっちにしましょうか…。


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新・怒チーム

戦場のヒートガイ
ラルフ・ジョーンズ…マーシャルアーツ+ハイデルン流暗殺術
(タンク、怒シリーズ、KOFシリーズ)

戦場のクールガイ
クラーク・スティル…マーシャルアーツ+ハイデルン流暗殺術
(怒シリーズ、KOFシリーズ)

元マシンソルジャー
キャミィ…デルタレッド格闘術
(ストリートファイターシリーズ)

理想の国家の建国
ロレント…軍隊格闘術
(ファイナルファイト)


ロレント(くっ…軍人が統治する完全平和を守るための理想国家の建国、その志半ばにして我輩が帝国主義の者共に捕獲されようとは不覚!)

 

アメリカ空軍の営倉にロレントは拘束され、たくさんの厳重な監視の元に座らされていた。

そこに彼を捕まえた三人の人物が現れる。

 

ラルフ「ムチ子。奴はどうだ?」

 

ウィップ「私はムチ子ではありません。いい加減にしてください。アックス小隊のサリー、またはウィップです」

 

ラルフ「わかったわかった。覚えていたらそう呼ぶぜ」

 

ウィップ「そう言いながら1度も直したこと無いじゃないですか………」

 

ぶつくさ言いながら監視に戻るウィップ。

 

ラルフ「よう、元マッドギアのコマンダー、ロレント。相変わらず世間を騒がせているみてぇだな?」

 

ロレント「貴様のような奴がいるとはな。この我輩がたった三人に敗れるなどメトロシティ以来の事だ。デルタレッドのキャミィは知っているが、貴様ら二人の名を聞きたい」

 

ラルフ「おいおい。ジュネーブ規定で質問に答えるのは捕虜の方の義務だぜ?ましてやお前の扱いは捕虜ではなく国際テロリストの扱いだ。立場がわかってるのか?」

 

ロレント「名前くらいならよかろう?いずれ我輩が軍事国家を建国した際には貴様ら三人とデザートイーグルを構えるそこの女をスカウトしたい」

 

ハイデルン「私の自慢の部下達を引き抜かれては困るのだがね。ロレント」

 

ハイデルンの登場に姿勢を正して敬礼するラルフ達。

 

ロレント「貴様は『怒』部隊のハイデルン。そうか、貴様らが伝説のラルフとクラークか」

 

ラルフ「俺達も有名になったもんだ。なぁ?クラーク」

 

クラーク「ほとんど大佐の功績ですがね。まったく、普通なら命がいくつあっても足りないことばかりですよ」

 

ロレント「高名なハイデルン司令直々に登場とは…我輩の国家に協力する気になったのか?」

 

ハイデルン「魅力的な誘いは有り難いが、生憎と部下達が私を手放さないのでな。それで本題なのだが」

 

ロレントの皮肉を巧みに返して返答するハイデルン。

そんな言葉遊びをする暇はハイデルンにはなく、進行中の作戦準備を進めなければならない彼は、早速本題に入る。

 

ハイデルン「本来なら君はFBIに引き渡され、然るべき法に照らし会わされる存在だが、彼らと取引をして君にはある作戦の手助けをしてもらうこととなった」

 

ロレント「我輩が作戦の手助けだと?ふんっ!帝国主義の犬になれと言うか!」

 

ラルフ「まぁまぁ、最後まで聞けよ。これを見てみろって」

 

ラルフは招待状のコピーをレオナに渡す。

レオナはプロジェクターに映し出し、拘束具で身動きの出来ないロレントにも出来るようにする。

 

ロレント(シャドルーにR&B…どちらも兵器製造、密造や横流しで儲けている世界的犯罪組織と企業。そこのラインを押さえれば我輩の理想国家建国に一歩近付く。それに、きゃつらを野放しにしては我輩の国の障害になりかねん連中だ。今のうちに潰しておけば一石二鳥となるだろう)

 

ロレント「なるほど、どちらも我輩の邪魔となる組織だ。それを潰す作戦なのだな?」

 

ラルフ「悪くねぇ話だろ?俺達はお前を戦力にできる。お前は邪魔者の排除ができるし、働き次第じゃ減刑も夢じゃねぇ」

 

ロレント「良いだろう。このままFBIに引き渡されても死刑になる未来しか見えん。それならば貴様達に協力した方がまだ建設的だろう」

 

ハイデルン「決まりのようだな。それでは、貴様の身柄はラルフとクラークに移す。後は頼んだぞ?ラルフ」

 

ラルフ「了解だ。とりあえず、大会までは現状維持だ。逃げられると思うなよ?」

 

ロレントを放置して退室する怒部隊の面々。

 

ロレント(ふんっ!利用するだけした後はFBIに引き渡すつもりだろうが、そうはいかん!隙を見て逃げ出してやる)

 

ロレントの黒い笑みが営倉に響いた。

 

 

廊下

 

キャミィ「働き次第では減刑。そんな取引をしてよろしかったのですか?ラルフ大佐」

 

ラルフ「そんな取引なんてしてねぇぜ?キャミィ。かもしれない…とは言ったがよ」

 

クラーク「キャミィちゃん。大佐はただの脳筋ではない。詐欺紛いの話術程度はできる脳筋なんだ」

 

キャミィ「なるほど。考えられる脳筋…というわけですか。覚えておきます」

 

ラルフ「そういうことだ…ってクラーク!誰が脳筋だ!誰が!キャミィも可愛くねぇな!うちのレオナみてえだぜ!」

 

キャミィ「怒部隊の隊風に合わせてみました」

 

レオナ「キャミィ。それで良いわ」

 

ラルフ「レオナてめぇ!」

 

キャミィ(どことなくデルタレッドと同じ雰囲気がある。戦闘時でなければ冗談も言うしアットホームなところもある。伝説の傭兵と聞いて緊張したけど、上手くやれそうだ)

 

ラルフ(デルタレッドのお嬢さんも、変な緊張が取れたみてぇだな。それに、ロレントさんよ、簡単に俺達を出し抜けるなんて思うんじゃねぇぜ?)

 

 

 

 




かなり難産でした。ジョジョの方も(。・ω・。)

このチームはバランスが取れてるチームですね。
飛び道具が無いこと以外は。
パワーファイターのラルフ、投げキャラクラーク、スピードのキャミィ、トリッキーファイターのロレントと意図した訳ではなかったのですが、いいチームが出来ました。


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ヒロインチーム

魅惑の脚線美
春麗…中国拳法
(ストリートファイターシリーズ)

大地の健康美
いぶき…忍術
(ストリートファイター3)

炎のくノ一
不知火舞…不知火流忍術
(餓狼伝説シリーズ、KOFシリーズ)

敏腕エージェント
ブルーマリー…コマンドサンボ
(餓狼伝説シリーズ、KOFシリーズ)


日本某所

 

不知火流忍術…660年室町の時代より炎の忍術を操る不知火流の継承者である舞は依頼によりとある学校を訪れていた。

 

舞「今どき忍術を教える学校ってどうかと思うわよね。それで臨時収入を得ている私が言える事じゃないけど」

 

舞は学校の校長室に向かい、ノックをする。

 

校長「どうぞ、お入り下さい」

 

舞「不知火舞、入ります」

 

舞が校長室に入室する。

校長室には忍び装束を着た校長、教師、そして生徒とおぼしき生徒がソファーに座っていた。

舞の入室を確認すると校長は立ち上がる。

 

校長「お待ちしておりました。不知火さん。わざわざお越しいただいて申し訳ありません。どうぞおかけ下さい」

 

舞「ありがとうございます。校長先生」

 

校長に勧められ、着席する舞。そこに事務員からお茶とお茶うけを出されるが、一流の忍者たるもの出先でのお茶等に手を付けることはない。

 

舞「それで…この度の御用向きは」

 

特別講師というのであればわざわざ校長室に通される事はない。何か別の大きな仕事の依頼である可能性が高い。

 

校長「実はそこのわが校の生徒であるいぶきくんなのですが…」

 

舞はいぶきと呼ばれる生徒に見覚えがあった。才能はあるが、現在の都会に憧れる普通の女の子だ。

 

教師「わが校の期末考査の実技試験にこんなものが紛れ込んでまして…」

 

教師が差し出した封筒に舞は見覚えがあった。実は舞の所にもこの招待状が届いていたからだ。

KOSF

最近やたらと世間を騒がせている格闘大会だ。

 

舞「その大会の招待状は我が不知火流の所にも届いております。まさかそのいぶきさんが大会に出場する任務をひいてしまったのですか?」

 

校長「はい。実にお察しの通りでございまして」

 

舞「危険すぎます!この大会の元となっているKOFが、今まで何らかの思惑や事件の利用されるケースは必ずあったんですよ!?不知火流も今回は出場をしない方針でいたくらいです!」

 

主催者がキナ臭いという事で舞は出場を見合わせるつもりでいた。アンディが北斗丸を連れて修行の旅に出ており、既にテリーもジョーもチームを組んでいるという話は聞いている。

 

舞「それでこの話を私にするということは…まさか!」

 

校長「はい、不知火さんにいぶきさんの試験官兼チームメイトを依頼しようかと…」

 

舞「ちょっ、冗談ですよね?!普通そういうのは学校から出すものでしょ!教員とか生徒とか!それ以前に試験内容を変えたりなんなりすれば良いでしょ!」

 

校長「一度決めた内容を変更すると言うのはわが校の伝統としても例を見ないことでして…ですのでKOF常連出場の不知火さんにお願いした次第なんです。わが校の報酬として北斗丸さんの特待生入学便宜と特別講師料の便宜を図る方向で考えますので、是非……」

 

舞もそれを出されると強く出られない。というよりは、目が¥になっていた。所詮、世の中は金である。北斗丸の師であるアンディも、そろそろ一人立ちの時期だと語っている。その時に忍者学校の特待を受けられれば、彼の授業料に当てる資金が丸々浮くので家計の助けになる。

 

舞「わかりました。依頼をお受け致します」

 

いぶき「不知火先生、受けてくれるんですか!?やったぁ!不知火先生なら頼もしいです!武神流からは断られたみたいで不安だったんですよ!」

 

いぶきは思いっきり舞に抱きついた、

 

舞「暑苦しいから離れなさい!それで、あと二人については?」

 

校長「ICPOとフリーのエージェントに依頼を受けてもらっています。不知火さんと面識があるかとは思いますが…」

 

舞「私と面識があるICPOの刑事とフリーエージェントですって?ま、まさか…」

 

 

中国香港の某所

 

春麗は香港にある旧ネスツの施設を現場の刑事であるホンフーが指揮する警官隊と、FBIの依頼を受けたエージェントのブルー・マリーと共に突入していた。

 

ホンフー「だめっちゃー!ここももうもぬけの殻ばい!何も残ってなかと!」

 

ホンフーは悔しげに施設に残された机を蹴る。

 

春麗「またね。シャドルーやR&B社、ハワードコネクションはネスツの研究の何かを狙っていることは確かのようだけど、それが何なのかが読めないわ」

 

マリー「ネスツの研究は多岐に渡るわ。そのどれがやつらの狙いなのかがわからない」

 

舞「その全てよ、ベガはクローン技術、ルガールはゼロキャノン、ギースは草薙京くんから力を奪った技術。それらの研究の資料をかき集めているわ」

 

春麗「あなたは不知火舞?!」

 

マリー「珍しいわね?あなたが私達の諜報活動や警察組織の協力で動くなんて」

 

舞「あら。本来忍者とはそういうものよ?あなた達以上に偵察、諜報活動、潜入、破壊工作は得意なのよ。ハァイ、久しぶりね春麗、マリー」

 

いぶき「春麗さん。お久しぶりです」

 

春麗「いぶきまで…じゃあ日本のエージェント育成学校からの派遣って…」

 

舞「私といぶきよ」

 

マリー「KOF大会の常連上位出場者…あなたなら心強いわね?舞」

 

春麗「挨拶代わりに私達の捜査の協力とは、あなたには毎度一本とられるわね、舞?」

 

舞「既に怒部隊、デルタレッド、武神流、ロシアのレッドサイクロン、元ネスツの残党とかが動いているわ」

 

マリー「それにしてもわからないわ。シャドルーやギース、ルガールがここまで大々的に動くなんて…」

 

舞「確実に何かの罠があるわね。気を抜けない大会になるわよ。良いわね?」

 

春麗(ベガ、ルガール、ギース……何を企んでいるかはわからないけれど、観念しなさい…)

 

 

 

 




ヒロインチームというよりは、女エージェントチームになってしまいました。
本来、忍者のやっていることってエージェントのそれですものね?チームバランス的には…

春麗=スピードタイプ
いぶき=トリッキータイプ
舞=スピードタイプ
マリー=トリッキータイプor投げキャラ

スピード&トリッキータイプ…マリーと舞が鍵なチームになりそうです。

次回は女子高生チームかな?


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女子高生チーム

サイキック女子高生
麻宮アテナ…中国拳法+超能力
(サイコソルジャー、KOFシリーズ)

お嬢様相撲レスラー
四条雛子…大相撲
(KOFシリーズ)

多摩川の元気娘
春日野さくら…暗殺術(SVCカオスより)
(ストリートファイターシリーズ)

スクープ一番娘!
風間あきら…??
(私立ジャスティス学園)


私立太陽学園。

 

文化祭の舞台で世界的アイドル、麻宮アテナが歌っていた。KOFでの活躍に加え、抜群の容姿に歌唱力と人気はうなぎ登りで学園祭の季節には引っ張りだこだ。

ステージで歌った後は格闘衣に着替えて格闘の試合、その後は新聞部によるインタビューなど色々と予定が目白押しだ。

 

日向「あ、さくらちゃん!こっちこっち!」

 

さくら「あ、日向ちゃん。太陽学園ってすごいね!麻宮アテナなんてよく呼べたじゃん」

 

日向「うん!ダメ元でうちの学校が申し込んでみたら、抽選で当たったんだって!格闘技推奨校っていうのも大きいみたいだよ?」

 

さくら「スゴいなぁ。ねぇねぇ、あたしも試合に出れるかな?」

 

日向「真っ先にそこなんだ。」

 

いつも通りのぶれないさくらに日向も苦笑いする。

ライブのステージが終わり、マイクなどの器材が方つけられる。

 

アテナ「アテナ、オンステージ!」

 

アテナがくるりと身を回転させると服装が変わり、KOF94で着ていたような赤いカンフー胴着に変わる。

 

MC「それではただいまよりデモンストレーションマッチを始めます!ん、あれは…いい選手がいました!KOFに参加されていた四条雛子さん!」

 

雛子「え?わたくしですか?」

 

観客席で観戦していた四条雛子が司会に呼ばれる。

観客の視線に耐えきれず、雛子はおずおずと舞台に登った。ほとんど仕方なしに舞台に上がった雛子だったが、いざ舞台にあがれば格闘家の顔に変わる。

 

アテナ「一緒にKOFに出て以来だね?雛子ちゃん」

 

雛子「アテナさん。胸をお借りします!はー!ドスコーイ!」

 

中国拳法と大相撲の対戦が始まる。

すると、普通の一般人に紛れて様子のおかしい人達がいることにさくらは気が付く。

 

さくら「あれ?なんかあの人たち…アテナさんにナイフを向けて仕掛けようとしているような…波動拳!」

 

さくらが不穏な雰囲気を持つ男に波動拳を撃つ。

 

男「いてええぇぇぇぇ!ちくしょう!誰が邪魔をしたぁ!」

 

さくら「やらせないよ!咲桜拳!」

 

さくらのアッパーが決まる!

すると、次々と妙な男達が攻撃を仕掛けてくる。

 

男「死ねぇガキぃ!」

 

さくら「しまった!やられる!」

 

さくらが危機を感じたとき…。

 

???「はぁっ!」

 

迷彩のシャツにズボンだけライダースーツの格好をした女の子がさくらを襲おうとしたおとこを蹴り飛ばす。

 

さくら「あきらちゃん!ありがとう!」

 

外道高校の番長の妹である風間あきらだ。たまたま太陽高校の文化祭を訪れていたらしい。

 

あきら「油断しすぎだよ。さくら」

 

さくら「うん!ごめんね!ありがとう!」

 

急に起こった事件に観客は次々と逃げ出す。

 

アテナ「すごい。あの人達…」

 

雛子「わたくしたちも頑張りましょう!アテナさん」

 

四人の活躍により、この日の事件の怪我人は最小限で終わった。

その後…警察署。事情聴取に呼ばれたアテナ達は後日表彰を受ける事を伝えられ、解放された。

 

アテナ「皆さん強いですね?」

 

さくら「アテナさんも!さすがはKOF常連出場者ですね!」

 

あきら「ところで、何でアテナさんは襲われたの?相手は普通の状態じゃ無かったけど…」

 

さくら「あたし見たんだけど、ドクロマークに羽根が生えた刺青が刻まれてた…もしかしたらシャドルーかも知れない」

 

アテナ「シャドルー……聞いたことがあるわ。確か世界的に暗躍する麻薬組織……」

 

さくら「そうなんです!リュウさん…私の憧れの人もも昔、狙われていたんです!もしかしたらアテナさんのサイコパワーを狙っていたかもしれませんよ?」

 

アテナ「そっか…そういえばこんな格闘大会の招待状が送られて来たんです…。もしかしたらシャドルーが…。だから鎮先生も私を逃がすために修行期間なのにイベントを入れさせたんですね…」

 

アテナは大会の招待状を取り出す。

 

あきら「シャドルーのボスはサイコパワーを使う魔人のような男だと聞いたわ。アテナさんの力が狙われていると気付いたのね」

 

アテナ「そんな……サイコパワーを悪用するなんて。そんな事は絶対にゆるしません!私、大会に出場して悪のサイコパワーを止めて見せます!」

 

雛子「アテナさんが出場なさるのでしたら私も出ます。世界に相撲の素晴らしさを広める機会ですし」

 

さくら「なんか本田さんのようなことを…でも、あたしも出場したいです!アテナさん、一緒に出場してください!お願いします!」

 

あきら「乗りかかった船だわ。あたしも仲間に入れてもらえる?」

 

どうせ師匠達は既にチームを組んでいるだろう。前にもこんなことがあった。その時にも雛子ちゃんとチームを組んだ。

 

アテナ「ありがとう。悪は止めて見せます!皆さん、お願いします!」

 

四人は手を合わせてチーム結成を祝う。こうして女子高生サイキックアイドル、麻宮アテナを中心に女子高生チームが結成された。

 

一方……

 

拳祟「アテナ遅いなぁ。今日帰ってくるゆうてたはずやけどなぁ……」

 

 

 




難産でしたのと、ジョジョの方に集中していました。間が空いてしまって申し訳ありませんでした。

チームについては

バランスタイプのアテナとさくらとあきら
テクニカルな動きが要求される雛子

………やべえ、雛子ストライカー1択だ(^_^;)


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ムエタイチーム

サガット…ストリートファイターシリーズ
流派…ムエタイ

アドン…ストリートファイターシリーズ
流派…ムエタイ

ジョー・東…餓狼伝説シリーズ
流派…ムエタイ

キング…龍虎の拳シリーズ
流派…ムエタイ


ムエタイのタイトルマッチ…ジョーにとってはいつものチャンピオン防衛戦。だが、その実ジョーにとってはつまらない内容だった。

今のムエタイ界にジョーを燃え上がらせる強敵はいない。実質ジョーの独走状態だった。

今日の相手もそうだった。1ラウンドKO勝ち。

 

ジョー(つまらねぇ……)

 

ジョーとてチャンピオンの栄光に不満があるわけではない。むしろ自己顕示欲が強いジョーにはチャンピオンの座は栄光の象徴であろう。

だが、ジョーがムエタイに求めているのはそれだけではない。

強敵……自身を燃え上がらせてくれる強敵が欲しかった。だが、近年のムエタイ界にはそんな強者はいない。

これならばキング・オブ・ファイターズで毎回出場しているキングの方がよほど歯応えがある。

 

ジョー(つまらねぇ……つまらねぇ……つまらねぇつまらねぇつまらねぇ!)

 

ジョーのムエタイ界に対する失望と飢えがそろそろ限界に達しつつあったとき、騒ぎが起きた。

 

??「ジャガークウ!」

 

突然の乱入者の鋭い蹴りがジョーを襲う。

 

ジョー(つえぇ!誰だ!)

 

乱入者は赤い髪を独特の形にまとめた男だった。まるで八神庵の髪型を逆にしたような男……

ジョーはその男を知っていた。いや、この男と戦いたいと望んでムエタイ界に入ったに等しい。

その男の名前は…

 

観客A「アドン様だ……」

 

観客B「ムエタイ界を去って久しいアドン様がお戻りになられた……」

 

そう、サガットの弟子として彼が去った後にムエタイの神話を築いた男……アドン。

ジョーがホア・ジャイよりも戦いたいと切望した男であったが、タイトルマッチを挑めるようになった頃にはムエタイ界に見切りを切って去っており、繰り上がりでホア・ジャイがチャンピオンになっていたムエタイ界の神、アドン。

求めていた人物の帰還にジョーの闘志が燃える。

 

アドン「お前がハリケーンアッパーのジョーか!俺様がいないムエタイ界でチャンピオンになって調子に乗っている日本人がいるって聞いたんでな。鼻っ柱を折りに来てやったぜ!」

 

ジョー「へっ!俺にビビってムエタイ界から逃げ出したくせによく言うぜ!キング・オブ・ストリート・ファイターズ出場前の肩慣らしに丁度良いぜ!」

 

長年望んでいた男との戦いにジョーの喜びは最高潮に達していた。

 

観客「良いぞー!やれー!」

 

心配「こ、困ります!アドン様!チャンピオンも!」

 

アドン「うるせぇ!いつから協会は俺に指図できるようになったんだ!」

 

ジョー「いつもつまらねぇ相手ばっかりと対戦させやがって!こんなおもしれー対戦に限って止めんじゃねぇ!ハリケーンアッパー!」

 

アドン「しゃあ!ジャガーキック!」

 

ジョー「黄金のかかと!」

 

アドン「ライジングジャガー!」

 

ジョー「タイガーキック!」

 

ぶつかり合うジョーとアドン。

突然のサプライズファイトに沸き立つ観客。

協会も止められない。止めたら暴動が起きることは目に見えていた。

ジョーとアドンの二人の戦いは、通報を受けて突入してきた警官隊に止められるまで続いた……。

 

ー控え室ー

 

そこでグラスを片手に互いを称え合うジョーとアドンがいた。同じムエタイファイター相手ならアドンも気さくな人間なのだ。

 

アドン「わかってねぇなぁ!警官も!こんな面白いバトルを止めるなんてよ!」

 

ジョー「まったくだ!会えて嬉しいぜ!アドン!」

 

アドン「ホア・ジャイから連絡を貰ってな。ジョーの奴がムエタイ界にフラストレーションを溜めているから相手をしてやれってよ」

 

いつもはジョーのセコンドをやっているホア・ジャイがいないのはアドンに会うためだったらしい。

これは嬉しいサプライズだった。

 

ジョー「最近のムエタイ界も質が落ちちまった。相手になるのはKOFのキングくらいなものだぜ!」

 

アドン「キング?」

 

ジョー「ああ。KOFの常連として女性格闘家チームのリーダーをしている女だ。トーナメントで当たったときは毎回熱いバトルをしてくれるぜ」

 

アドン「そんな奴がいたのか。俺様が世界でストリートファイトに明け暮れている間にそんな奴が現れていたんだな。俺も参加すりゃ良かったぜ!」

 

ジョー「お、それなら今回も届いているからどうだ?俺とチームを組まねぇか?」

 

ジョーがバックからKOSFの招待状を取り出してアドンに見せる。

今日のタイトルマッチが終わったら、メンバー集めの旅に出る予定だったのだ。

毎度のメンバー、テリーとアンディ、マリー辺りと組むつもりでいたが、そろそろ別のメンバーで出場してみたいと思っていた。毎回仲良しこよしで出るのも良いが、テリー達とは親友ではあれどライバルでもある。

いつかは決着をつけなければいけないとも考えていた。

だが、そうなると他のメンバーが問題だ。

 

アドン「面白そうだが、後のメンバーは決まっているのか?」

 

ジョー「そこなんだよな……誰か宛はあるのか?」

 

アドン「あるにはあるんだが……」

 

アドンは渋面を作る。

アドンはリュウのようにストリートファイトの対戦相手と良好な関係を作るような事をしていない。

心辺りがあるとすれば決別したかつての師匠、サガットくらいなのだが……

 

アドン「サガットくらいだな。だが、俺も逆らってばかりだから受けてくれるかどうか……」

 

ジョー「帝王サガットか!いつかは会って挑みてえと思ってたんだ!居場所は知ってるのか!?」

 

ジョーが憧れた人物……帝王サガット。

ジョーも含めた誰もがその強さに憧れ、彼のようになりたいと思っていた。

そして、チャンピオンに上り詰めたジョーは考えていた。サガットとアドンを越えない限り、真のチャンピオンとは名乗れない。ジョー伝説は二人を倒してから成り立つのだと。

 

アドン「今はサウスタウンにいるって聞いているぜ?」

 

ジョー「サウスタウンか!あそこなら俺もちょくちょく行っているから詳しいぜ!ついでにダメ元でキングも誘ってみるか!」

 

サウスタウンは親友テリーとアンディの故郷。それに、度々KOFを始めとした数々の格闘大会が開催されているので、ジョーは強者と戦いたいときなどはたまに足を運んでいる。また、親友のアンディの彼女である不知火舞を通じて女性格闘家チームのリーダーであるバー・イリュージョンの店長兼オーナーのキングとも知り合いであり、サウスタウンを訪れた時はパオパオカフェと同じくらいバー・イリュージョンに立ち寄っている。

落ち着いて飲むときはイリュージョンの方が適しているからだ。

 

ジョー「そうと決まれば行くぜ!アドン!」

 

アドン「ちょっ!俺はまだタイに戻ってきたばかりなんだっての!」

 

アドンの愚痴もジョーの耳には入っていない。サガットに会える……それだけがジョーの頭の中身を占めていた。

 

 

ーアメリカ・サウスタウンー

バー・イリュージョン

 

オーナーであるキングはいつも通り、カウンターの中でグラスを磨いていた。

いつもなら酔いどれ達で賑わう店内だが、今日はとある客が居座っており、それを怖がって店内にいる客は少ししかいない。

普段だったら売り上げに支障をきたすのでため息もので不機嫌になるところではあるが、今日のキングの機嫌は悪くない。それどころか良い方だ。

 

サリー「キングさん、今日の売り上げは悪いのに機嫌がいいやよね?エリザベス」

 

エリザベス「そうよね?姉さん、何か知ってる?」

 

双子のウェイトレスのサリーとエリザベスが不思議な顔でこそこそ話をしている。

これが普段だったら極限流空手のリョウと何か良いことがあったか、弟のジャン関連かと考えるのだが、リョウは例年通りの山籠りの修行に出掛けてしまったし、開店前までのキングは普通だった。むしろリョウが山籠りから中々帰ってこないことに不機嫌だったくらいだ。

 

キング(ふ……格闘家じゃなければわからないよ。この人が店に来てくれた光栄さは)

 

キングは上等なワインをグラスに注ぎ、軽いつまみと一緒にその男に出した。男の注文ではない。キングからのサービスだ。

 

男「頼んでないが?」

 

体格が良すぎ、禿げ上がった頭に眼帯をかけ、少しくたびれたマント一枚でカウンターに陣取っていた男はギロリとキングを睨み付ける。

イリュージョンには似合わない…それどころか世界中の人間が集まるこのサウスタウンでも不審者として通報されかねない風貌の強面の男。

この客こそが今日の売り上げを著しく下げている男なのだが、むしろキングはそれを光栄に思っていた。

 

キング「あたしからのサービスですよ。ムッシュサガット」

 

そう、帝王サガットだ。

 

サガット「俺を知っているのか?」

 

キング「あたしら格闘家で帝王サガットを知らない人間はもぐりさ。特にあたしみたいにムエタイを嗜む者にとってはね」

 

サガット「帝王か……その名は今の俺には相応しくない」

 

キング「それでもあたしらムエタイファイターにとっては憧れの存在さ」

 

サガット「ふ……店長。名は?」

 

キング「帝王サガットに名を聞かれるなんて光栄だね。あたしはキング。もちろん、本名ではないけどね。リングネームみたいなもんさ」

 

サガット「帝王は止めてくれ。そうか……聞いたことがある。KOFで上位トーナメント常連チームに名を連ねる女ムエタイファイター…キング。お前がそうだったのか」

 

キング「おや。ますます光栄だね。あたしなんかの名前がムッシュサガットの記憶に残っていたなんて。サウスタウンにはどういった用で?」

 

サガットは注がれたワインを煽り、出されたソルトピーナッツを口に含む。

 

サガット「俺を倒した男、リュウがこの街の極限流道場にいるリョウ・サカザキを訪ねていると聞いてな。久々に闘いを申し込みに来たのだが、極限流道場には誰もいなくてな……仕方がないので一杯飲みに来たのだが…パオパオカフェでも良かったのだが、今日は落ち着いて飲みたかったのでこちらに来た。俺なんかが来店したせいで売り上げに影響が出たであろう。これはチップを兼ねた迷惑料だ」

 

サガットはマントのポケットから数枚の紙幣を出そうとするが、キングはそれを制する。

 

キング「要らないよ。むしろお代は要らないくらいさ。ムッシュが来てくれて凄く光栄なくらいさ」

 

サガット「む…そうか。お言葉に甘えよう。華麗なるムエタイマジック、キング」

 

キング「ごゆっくり。ムッシュサガット」

 

互いに柔らかく微笑み合うサガットとキング。

 

キング「しかし、リョウが山籠りのでいないのはわかっていたけど、ユリやタクマまでいないのはおかしいね。何かあったのか?」

 

サガット「そうか……リョウ・サカザキやタクマ・サカザキはいないのか。無駄足だったようだな」

 

残念そうにワインを飲むサガット。彼は強い格闘家と出会うことを好む。どうやらリョウもサガットのお眼鏡に叶っているようだ。

 

サガット「だが、あのキングとこうして出会えたのだから完全な無駄足ではなかったと言うわけだがな」

 

キング「お上手じゃないか。ムッシュサガット。今日は大赤字覚悟でご馳走するよ」

 

サガット「そういうつもりではなかったのだがな。せっかくだから頂こう」

 

そんな時だ。バーの入り口が騒がしくなる。

せっかくの落ち着き、和やかだった店内をぶち壊しにする連中が入店してきた。

ジョーとアドンだ。

 

ジョー「ようキング!サガットの情報を何か知らないか?」

 

雰囲気を読まないジョーが大声でキングに話しかけてくる。

上機嫌だったキングの眉間に皺が刻まれた。

 

キング「ムッシュサガットならそこにいるよ。それにしても相変わらず騒がしいねぇ。少しは静かにできないのかい?ジョー。こうして一緒にいるとムッシュサガットとの格の違いがハッキリわかるねぇ」

 

アドン「サ、サガット!まさかいきなり会えるなんて思わなかったぜ……」

 

穏やかな雰囲気を邪魔されて不機嫌になったのはキングだけではない。サガットもだ。

 

サガット「アドンと…ジョー・ヒガシか。俺に何の用だ?試合なら別の機会にしろ。今は試合という気分ではない」

 

サガットはそう言うとワインのお代わりをキングに注文する。

それを受け取ると、一口だけそれを煽り、ジョーに目を向ける。

 

サガット「ジョー・ヒガシ。いつかは会いに行こうとは思っていた。日本より単身タイに渡り、瞬く間にチャンピオンに上り詰めた快男児の事は聞いていた。会うのを楽しみにしていたんだがな……こうまで騒がしい男だったとは……ムエタイ界の低迷は本当だったようだな。こんな格の低い男に頂点を譲り渡すとは」

 

少し失望気味のサガットがジョーに辛辣な言葉を浴びせるが、ジョーは気にした様子はない。

格がどうとか言うのは言われ慣れているし、細かいことは気にしない性格だ。

 

ジョー「会えて光栄だぜ!サガット!単刀直入に言わせて貰うぜ!俺達と一緒にこれに出場してくれ!お前もだ!キング!」

 

キング「はぁ?あたしはあんたがそれにもいつものテリーやアンディと一緒に出場すると思っていたよ。舞も既にチームを組んだと聞いたからてっきり……」

 

既にキングは舞がチームを組んだということで、一緒にチームを組めないという謝罪の連絡を受けていた。

今度開催されるKOSFには誰と出場するか…キングもそれを悩んでいたが、まさかジョー・ヒガシから誘われるとは思っていなかったので思わず変な声をあげてしまった。

 

サガット「貴様達と?ミズキングならいざ知らず、貴様達と組むなどお断りだ。俺の格まで疑われる。話がそれだけなら帰れ。もう俺に用はない」

 

サガットはとりつく島のない態度で酒を楽しむことを再開する。

だが、ジョーは聞き捨てならないことを口にした。

 

ジョー「そっか。そりゃ残念だ。そうそう、キング。さっき極限流のロバートから連絡が来たんだけどよ。リョウとユリもエントリーしたらしいぜ?」

 

キング「へえ?リョウとユリもねぇ。あたしはあんたとロバートが連絡を取り合う仲だって事に驚きだけどね」

 

ジョー「ああ、最近アイツの会社、タイに進出しようとしているらしくてな。タイに来たときは連絡が来るんだよ。お互い実力が近いから手頃なスパークリング相手としてピッタリなんだよ。それでよぉ、リュウとケンって知ってるか?ケン・マスターズは有名だから知ってるけどよ、リョウはそいつらと組んだみたいだぜ?」

 

サガット「なにっ!?リュウだと!?」

 

サガットは急に立ち上がり、ジョーの胸ぐらを掴む。

 

サガット「リュウがケン・マスターズとリョウ・サカザキと組んだというのは間違いのない情報なのだな?!」

 

ジョー「あ、ああ。ロバートとリョウは昔から同門の親友でライバルだからな。その情報もリョウからロバートにされた報告だから間違いねぇよ。知っているのか?」

 

サガット「もちろんだ。リュウはこの俺に唯一土を着けた男……そのリュウが出場する大会に、この誘い。これぞ御仏のお導きか……フフフフ………フハハハハハ!」

 

大声で笑い始めるサガット。

 

サガット「小僧!気が変わった!その大会には俺も出る!そのKOSFとやらの大会でリュウと決着を付けるのも悪くない!他にもリョウ・サカザキ、ロバート・ガルシア、草薙京、八神庵、テリー・ボガード……血が騒ぐではないか!」

 

ジョー「なんだかしんねーけど出てくれるなら良いや。キング、おめぇはどうするよ?」

 

キング「本当ならあんたの誘いなんてお断りだけど、帝王サガットと並び立てるなら光栄だわ。あたしもそのチームに入れさせて貰うから、足だけは引っ張るんじゃないよ」

 

ジョー「っしゃあ!決まりだな!燃えてきたぜ!アドン!」

 

アドン「あ、ああ……」

 

サガット(待っていろ、リュウ。この大会でお前に必ず勝つ!)




今回はムエタイファイターで固めてみました。

それでは次回もよろしくお願いいたします!


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日本武術チーム

エドモンド本田…ストリートファイターシリーズ
流派…相撲

水神ほくと…ストリートファイターEXシリーズ
流派…水上流古武術

大門五郎…KOFシリーズ
流派…柔道+我流

藤堂香澄…ART OF FIGHTING 龍虎の拳外伝
流派…藤堂流古武術




両国国技館

 

大相撲本場所。千秋楽。

結びの大一番。優勝決定戦。

番付こそ大関であるが、実力は横綱のエドモンド本田は当然この土俵に立っていた。

 

本田(むぅ?)

 

土俵の上で四股を踏み、立ち会いの準備をするなか、気になる人物が升席にいるのを本田は発見した。

体格に合っておらず、ピチピチの背広を着た角刈りで糸目の大男が妻であろう女性と息子であろう良く似た子供と一緒に相撲を観戦している。

 

大門五郎

 

オリンピック金メダリストにして日本柔道選手団を選手兼監督として日本柔道会、しいては世界柔道を牽引して頂点に立つ男である。

 

本田(これは下手な立ち会いは出来んのう)

 

世界巡業と称しては角界の制止を振り切って世界中の猛者達を求めて旅をしている本田は、当然大門の事を知っている。

キング・オブ・ファイターズの常連選手としても有名な大門五郎とはいつか会ってみたい、いつか立ち会いたいと願っている相手だった。

そんな大門五郎が自分の立ち会いを見に来ている。

本田とて立ち会いではいつも全力で挑んでいるが、今日は特に気合いが入った。

一方で大門五郎もこの結びの大一番に対して身を乗り出して観戦モードに入る。

これまでの対戦も楽しんで見ていたが、エドモンド本田が土俵に上がった瞬間にはその意味が変わった。

大門とて格闘家。

四条雛子のように素人相撲でありながらKOFという大舞台で活躍するものがいる。ならば本場の相撲を生で見てみるのも一興だと思い、本場所の千秋楽のチケットを前々から予約していたのだ。

その中でも目的はエドモンド本田。

並みいる横綱達も悪くはない。だが、その中でもエドモンド本田はテレビ越しでもその強さが輝いているように見える。是非とも一度生でエドモンド本田の立ち会いを見てみたい。

実力は横綱以上でありながら、破天荒な行動から角界に目を付けられ、伝統ある横綱に相応しくないと未だに大関の番付にいる本田。

その本命がついに土俵に上がった。

 

大門(見せて頂こう。角界の風雲児の取り組みを!)

 

相手は横綱。だが……

 

大門(格が違う)

 

土俵で見るとどちらが横綱なのかわからない。

本来なら格下の大関が横綱に挑む形式なのだが、どっしりと構えているのは大関であるエドモンド本田の方だ。

 

大門(これでは良い立ち会いは期待できそうもない。あの土俵にいるのが儂であったのなら)

 

時間いっぱい。結びの大一番。

 

行司「はっけよ~い………のこったぁ!」

 

本田「百烈張り手!」

 

横綱「ぶほぉ!」

 

大門(これは凄まじい張り手の連撃!関取の張り手はボクサーのパンチ以上とは言われておるが、エドモンド本田のあの連撃は一発一発がそれ以上!)

 

大門が本田の百烈張り手の物凄さに戦慄を覚える中、角界の重鎮達は……。

 

角界幹部「なんだあの張り手は……華々しさの欠片もない」

 

角界幹部「結びの大一番でこのような立ち合いを…角界の恥だ!やはり横綱昇進は見送るべきだ!いや、関脇への降格も視野に入れた方が良い!」

 

大門(むぅ…何を見ておるのだ!華々しさも十分あるではないか!)

 

柔道の強さに限界を感じ、柔道界を一度は去った大門。

相撲の強さを十全に発揮しながらも、その格式により評価されないエドモンド本田。

自分達はどこか似ているような気がすると大門は感じていた。

 

大門(ぬっ!?)

 

張り手の最中、大門は一瞬だけこちらをチラリと見たエドモンド本田の視線を感じた。

 

大門(ワシの存在に気付いておったのか。本田殿)

 

一方で相手の横綱もプライドが傷付いた。

 

横綱(立ち合い中によそ見とは!侮るな!)

 

張り手の猛攻をダメージ覚悟で無理矢理掻き分け、四つ組に入ろうとする横綱。だが、無理矢理百烈張り手を掻い潜った代償は大きく、その時には消耗で力の大半が奪われてしまう。

 

本田(結びの大一番がこれとは……やはり相撲も異種格闘技を稽古の一貫として取り入れるべきじゃのう)

 

本田は得意の上手投げで横綱を土俵に沈める。

相撲取りとしては頭突きや頭部を狙ったキックなど、破天荒な戦いかたをすることが多い本田だが、投げ技が苦手な訳ではない。

むしろ上手投げは異種格闘技戦でも使う必殺技「大銀杏投げ」に組み入れる程までに得意な技だ。

力業のみの本田と思われがちだが、実際に技のバリエーションは多い。実際は技巧派なのである。

 

本田(やはり相撲にも異種格闘技を稽古の一環として取り入れるべきじゃのう。本場所が終わったら例の大会に出よう。ワシの考えが正しいと証明できる上に世界に相撲を広められて一石二鳥だわい)

 

大会の招待状は本田の元にも当然届いてはいるが、角界は当然、出場を禁じた。

だが、それを素直に聞く本田ではない。本田とてまだ見ぬ強者と戦いたい願望は強い。むしろ同じ取り組みばかりで飽きてきていた。

 

本田(ワシを例の日本チームに入れては貰えんかな?丁度大門五郎もおることだし、頼んでみるか)

 

 

ー路上ー

 

優勝会見のあと、エドモンド本田は両国の街を歩いていた。もう両国の街にいないかもしれないが、大門五郎と接触できるかもしれない。

大門五郎も自分との接触を望んでいる。

確証はないが、なんとなく勘がそう言っている。

部屋への車を断り、本田は両国の街を彷徨く。

 

そんな時だ……戦いの音が聞こえたのは。

興味をもった本田はその音に惹かれて歩いていく。

 

???「く……ここまでとは……藤堂流。侮っていた」

 

???「それはこちらもです……」

 

そこにいたのは袴姿の二人の美少女だった。

片方はKOFでもお馴染みの藤堂香澄。藤堂流の継承者候補で実は藤堂流の開祖、竜白よりも強いのではないかと言う噂がある娘。

もう片方は水神流の継承者候補、水神ほくと。

表舞台に立つことはないが、草薙流や八神流と同様に非常に歴史が長い流派だ。一説には八神流と同様に何かしらの呪いが込められているのではないかと格闘仲間のリュウから聞いたことがある。

 

勝負は一進一退。

すもうや柔道では失われた細かい技の応酬は、遠巻きに見ていた本田にも彼女達が並の武芸者ではないことがわかる。

 

ほくと「お遊びはここまでです。私の前に立ったからには、その命……捨てる覚悟は出来ていると見受けられます」

 

香澄「なんの!こちらも武術に身を染めた身です!覚悟、よろしいな?」

 

必殺の力を込めるほくとと香澄。

 

本田(いかん!若い才能の芽がこんなところで潰れるのは見過ごせん!)

 

しかし、距離が離れている。

間に合わない!そう思われた時。

 

大門「ふんごぉぉぉぉ!」

 

反対側から大門五郎があらわれ、両手を地面に叩きつけた。

地雷震。

大門が山での修行で身につけた、局地的な地震を発生させる荒業だ。大門五郎の代名詞とも言える技である。

その地震を受けた香澄とほくと、それにエドモンド本田はひっくり返ってしまっていた。

 

大門「真剣勝負の最中に割り込んでしまって申し訳ない。が、そちらのお嬢さんを見ておると、わしの戦友の宿敵によく似ておるがゆえに放っておけなくてな」

 

ほくと「あなたは……大門五郎」

 

香澄「大門さん!」

 

大門五郎はほくとに対して言葉をかける。

彼女をみていると、何となく八神庵を思い出してしまうのだ。

こんなうら若き少女を八神庵と同じような道に進ませるのはしのびない。

 

ほくと「草薙京と八神庵か……余計なお世話だ。大門五郎」

 

そこにエドモンド本田も話に加わる。

 

本田「日本の裏社会におるからそんな暗い目になってしまうんじゃ!一度表舞台に立ってみるのはどうかのう?ちょうどKOSFも開催されるようじゃしな」

 

大門「エドモンド本田殿…」

 

香澄「エ、エドモンド本田関!だ、だ、大ファンです!え?もしかしてエドモンド本田関も出場されるのですか!?」

 

どうやら香澄は本田のファンであったようだ。

その瞳はキラキラと輝いている。

 

ほくと「格闘大会か……確か裏ではギース・ハワードが関わっているとか……ふ、日本古武術の面汚しを誅するのも一興か」

 

ほくとはギース・ハワードに思うところがあったらしい。

それに、裏の一族とはいえ、彼女も一介の格闘家。草薙京や八神庵、以前に戦った事のあるリュウやケンと戦える機会を得られるのならば血が踊ることも確かだ。

 

ほくと「良いだろう。その大会は四人一組と聞く。私は他に水神流の者しか武芸者を知らぬ。お前達と組めば良いのか?」

 

香澄「うーん………」

 

香澄は考える。いつもKOFで組んでいる女性格闘家チームのメンバーもそろそろチームを組んでいるだろう。

アンチ極限流チームも普段どこで何をしているのかわからないし、ユリ・サカザキと組むのはもう真っ平だ。

父親も相変わらず行方不明。

それに憧れのエドモンド本田とチームを組める大チャンスだ!大門五郎とも付き合いは長いがチームを組んだことは一度もない。これは良い機会だろう。

 

香澄「是非ともお願いします!水神ほくとさんも!」

 

大門「わしも構わん。そろそろ京や紅丸以外のメンバーとチームを組む機会が欲しかったところだ。真吾も本当の仲間を得て一人立ちをする頃だしな。よろしく頼む。エドモンド本田殿、藤堂香澄殿、水神ほくと殿」

 

なんと、大門五郎自らがチームを組むことを提案した。

大門も考えていた。これまでのKOFでは京や紅丸、真吾以外とチームを組んだことは無かった。

特に紅丸とは一度も決着を付けたことがない。

今回はそのチャンスだろう。

 

本田「これは幸運!一丁、日本武術チームで世界巡業と、相撲………いや、日本武術の素晴らしさを世界に広めるとするかのう!がっはっはっはっ!」

 

 

 

 

 




ある意味では異色のチーム、日本武術チームの完成です。

安定して強いのは最強の投げキャラと名高い大門。
あばれで結構強いエドモンド本田。
作品によってまちまちなのが藤堂香澄。
もう久々過ぎて忘れてしまったほくと。

次はどのチームにしますか。


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プロレスチーム

ザンギエフ…ストリートファイターシリーズ
流派…プロレス

R・ミカ…ストリートファイターZERO3
流派…プロレス

ライデン…餓狼伝説
流派…プロレス

ラモン…ザ・キング・オブ・ファイターズ
流派…ルチャ・リブレ


サウスタウン

ギース・ハワードが私腹を肥やすために始めた大会、ザ・キング・オブ・ファイターズが生まれた場所として、格闘技の聖地となった場所。

 

そんな街であるサウスタウンは、毎日のように大なり小なりの格闘大会が開催されている。

 

この日もある大会が開催されていた。

プロレスの所属団体を抜きにした頂点を決める世界大会。

世界中のプロレスファンには堪らないこの大会も、格闘の聖地サウスタウンならではの大会だろう。

 

その大会には当然のようにこの男も出場していた。

ロシアの赤きサイクロン、ザンギエフ。

世界一のレスラーと謳われている彼がこの大会に出場しないわけがなかった。

既にザンギエフはグリフォン・マスクなどの名高いレスラーを下し、男性トーナメント決勝へと駒を進めており、控室でウォーミングアップしていた。

そこのドアが開かれ、一人の女レスラーが入ってくる。

ザンギエフがその才能を見出だし、自分の後継者と目をかけている女レスラー、R・ミカである。

 

ミカ「ザンギエフ様~!自分、優勝したっすよー!」

 

ミカはそう言ってザンギエフに抱き付いてきた。正直言えば照れ臭い。

 

ザンギエフ「うむ!よく千堂つぐみを決勝で破った!おめでとう!」

 

千堂つぐみ……。テリー・ボガードがギース・ハワードを破ったキング・オブ・ファイターズに参加していた女子プロレス界のホープとされるプロレスラーだ。下馬評では彼女が女性の部では優勝されると言われていたが、思わぬダークホースの登場に会場は揺れていた。

 

ミカ「ザンギエフ様の決勝のお相手はビッグベア選手だとか……楽勝ですね!ハガー市長とかなら分かりませんでしたけれど」

 

ザンギエフ「いや。彼もヒューゴやアンドレ等の強豪を破って決勝に駒を進めている。油断は出来んぞ?」

 

それに、気になる噂もある。

ビッグベアの過去だ。もし、ビッグベアの正体が彼ならば…油断できない。彼はギース主催者時代のキング・オブ・ファイターズでは何度か優勝しているし、件の千堂つぐみを例の大会で負かしたのは彼なのだ。

そして、ザンギエフも彼とは野試合で引き分けた経験がある。

正直言えば、ザンギエフとしてはビッグベアが彼であってほしいと願っていた。

というのも、今回サウスタウンを訪れたのは大会だけが目的ではない。

例のごとく国の偉い人の命令でフリーエージェントと組み、とある大会の調査をするべく訪れたのだ。

「KOSF」

先程から何度も口にしているキング・オブ・ファイターズが母体となった大会だ。

この大会には必ずきな臭い裏側がある。

今まで祖国ロシアはKOFに関与していなかったが、この大会にはついにザンギエフに招待状が届いた。そこで祖国はザンギエフに大会の調査を依頼したのである。

手始めにKOFの発祥の地となったサウスタウンを調査することになったのだか、ザンギエフはサウスタウンを訪れたことはない。

なので祖国はとあるフリーエージェントに協力要請をしたのだ。

協力者は表向きは丁度同時期に世界プロレス大会の出場を名目にサウスタウンを訪れる口実を作ってくれた。

しかも、その大会には彼…ビッグベアが出場するという。

もしかしたら今回のKOSFについて何か知っているかも知れない。

 

 

 

リング

 

互いに向き合うザンギエフと正統派レスラー、ビッグベア。

こうして向き合うと記憶にある彼に益々似ている。

 

ビッグベア「初対決だな。ロシアの赤きサイクロンと戦えるとは光栄だ」

 

ザンギエフ「久しぶりだな………」

 

ビッグベア「………誰と間違えているかはわからんが、俺はリングでは正統派レスラー、ビッグベアだ。さっき言っただろう?初対決だと」

 

ザンギエフ「そうだったな。まずはお互いの力をぶつけ合おう!ビッグベアといったな!シベリアの熊と共に鍛えられた俺にお前の力は通用しないと思え!」

 

ビッグベア「何人も見てきたからな。熊殺しと名乗りながらこの俺にボコられる奴をな。ロシアの赤きサイクロンが噂と違わないことを祈るぜ」

 

ザンギエフとビッグベア。二人の対決がはじまった。

 

……………

 

ミカ「凄かったっす!ザンギエフ様もビッグベアも!あんな人が今まで無名だったなんて信じられないっす!」

 

試合はザンギエフの判定勝ち。

今回のルールには引き分けはない。必ず勝敗は付く。

今回はザンギエフが勝った。しかし、彼にとっては満足の行く戦いではなかった。

もし、戦っていたのが彼だったのならば…負けていた。

ルール無用のストリートファイトならば…。

そんな事を考えていると、来客が来た。

 

???「せっかくお膳立てしたのに、収穫なしかい?ミスターザンギエフ」

 

ザンギエフ「おおっ!ラモン君!済まん済まん!ついつい試合を楽しんでしまったわ!」

 

立っていたのは何故彼がこの大会に出場しなかったのだろうかと不思議でならない最強の人類と称されるメキシカンプロレスラー……ルチャドールの達人、ラモンだった。

彼もザンギエフと同様に世界を又にかけたエージェントである。今回は彼と組んでKOSFの裏を探る任務を受けていた。

 

ラモン「なにやってるんだ?同じプロレス好きなら怒部隊のクラーク中尉の方が役に立つぜ?」

 

ついつい叱られ、ザンギエフは小さくなる。

 

ザンギエフ「むむぅ……そうだな。目的は大会の優勝ではなく、KOSFの情報だったのだからな」

 

ラモン「だろうと思って、連れてきたぜ。目的の人物をな」

 

ラモンがそう言うと、突然ドアが開かれ、強烈なタックルがザンギエフを襲う。その男は……

 

ザンギエフ「ビッグベア選手!」

 

ビッグベア?「ビッグベア?違うな。さっきも言っただろう?それはリングの上だけの名前だ!」

 

ビッグベアと距離を取り、その顔を見ると……覆面を着けていた。その顔には見覚えがある。

元ギース・ハワードの部下である伝説の悪役レスラー…その名は……

 

ザンギエフ「ビッグベア。やはりお前が彼……いや、伝説のヒールレスラー、ライデンだったか!」

 

ライデン「ガハハハハハ!俺はリングの上ではビッグベアだが、リングの外では今でも悪役レスラーのライデンだ!KOFの舞台や異種格闘大会、ストリートファイトではな!久しぶりだな、ザンギエフ!」

 

噂は本当だった。プロレスラーの世界で囁かれるビッグベア=ライデン説。

ザンギエフは早速ライデンにKOSFの裏のことを尋ねようとしたが……。

 

ライデン「すまねぇが、俺からお前らに話せることは何もねぇ。俺は既にギースとは手を切っている。今でもリングの外ではライデンと名乗っているが、それは名前の上であって、悪事から完全に足を洗ってるんだ」

 

そう。ライデンはテリー達が表舞台に立ったKOF以来、裏社会からはキッパリ決別していた。

リングの外でライデンと名乗っているのもプロレス協会がビッグベアとしてではなく、ライデンならばギリギリ黙認できる条件として提示されているだけにすぎない。

 

ザンギエフ「むう……やはり大会に出場してベガやギースの動向を探るしかないか…だが、メンバーが」

 

ライデン「ならばこの女子プロレス大会の覇者と俺をメンバーに加えてはどうだ?」

 

ミカ「じ、自分もっすか!?ザンギエフ様の足手まといになりかねないっすよ!?」

 

突然自分に白羽の矢がたち、戸惑うミカ。

だが、ライデンはザンギエフ同様に彼女の才能には可能性を見出だしていた。

彼女が決勝で下した千堂つぐみは異種格闘大会にも通用する実力者である。ギースの配下時代に彼女と戦ったライデンは、その実力を認めていた。

その千堂つぐみに勝ったミカならば、KOFの大舞台でも通用するだろう。

 

ラモン「今回はプロレスラーと組むのか…ま、セスからは最悪大会出場も視野に入れろと言われてるし?俺は構わねぇぜ」

 

ザンギエフ「うむ!ライデンとミカならばこころ強い!よろしく頼むぞ!」

 

ロシアの赤きサイクロン、ザンギエフ。

伝説のヒールレスラー、ライデン。

人類最強のルチャドール、ラモン。

女子プロレスの期待の超新星、レインボー・ミカ。

 

プロレスラー達の夢のチームがKOSFに参戦!

このニュースに世界中のプロレスファンがわいた!




はい、今回はプロレスチームです。

久々のビッグベアの名前が世に出たと思います。
ビッグベアは餓狼伝説2及びspecialに登場した正統派レスラーのライデンです。

そして名前だけの登場ですが、千堂つぐみをご存知の方はいますでしょうか?
千堂つぐみはポリゴン版の餓狼伝説「餓狼伝説WAB」に登場する女性プロレスラーの卵です。
WABは初代餓狼伝説とはストーリーが同じの言わばパラレルワールド的な作品のキャラクターです。初代餓狼にも出場していた設定で今回は書きました。

チーム編成はグリフォンとヒューゴを当初考えていたのですが………
キャラクターが被りすぎているのでグリフォンをラモンに、ヒューゴをミカに変更しました。

それでは次回もよろしくお願いいたします。


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サムライチーム

覇王丸…サムライスピリッツシリーズ

楓…月下の剣士シリーズ

ソドム…ファイナルファイト

忌野雹…私立ジャスティス学園



時は江戸……

 

古枯院

 

WARSやバース等による凶事により時を超えて未来に行くことが多くなったナコルルは、知り合いの強豪剣士である覇王丸の元を訪れた。

彼に協力を仰ぐためである。

古寺の本堂でナコルルは覇王丸の前で深々と頭を下げている。

 

覇王丸「困ったなぁ……ナコルル。頭を上げてくれねぇかなぁ……おりゃぁ、人様に頭を下げられるような人生を送っちゃぁいねぇんな。どうにもばつがわりぃんだ」

 

覇王丸は剣士だ。

人斬りでは無いので好んで人を斬ったりはしないが、剣士の性ゆえに勝負は常に命を伴う。

互いに合意だったとはいえ、奪った命は少なくない。業深き商売ゆえにお天道様に顔向け出来るとは考えていなかった。

 

ナコルル「いいえ!協力して頂けると約定してくれるまでいつまでも下げ続けます!お願いします!覇王丸さん!」

 

覇王丸「相変わらず可憐な見た目に反して強情だねぇ。おめぇさんに合力するってんなら、それこそあの南蛮人忍者やニコチンの爺さんにでも頼みゃあ良いと思うんだけどねぇ」

 

ナコルルと覇王丸の付き合いは長い。

島原の凶事にて天草を倒してから幾度となく協力して凶事を解決してきた。

故に覇王丸は知っている。この蝦夷の巫女がか弱そうで可憐な見た目とは裏腹に一度こうと決めたら梃子でも動かないであることを。

そして見た目通りの少女でないことも。

 

ナコルル「覇王丸さんは宿命の青龍魂と半陽の力をお持ちです。その力はきっと世界を救うことが出来ると信じているからこそのお願いです。現に覇王丸さんは天草や羅生神みずき、壊帝ユガなどの夷敵を破ってきたではありませんか!」

 

覇王丸「青龍だとか半陽だとかと言われても俺自身は特に何かの力を持っているわけじゃねぇんだけどなぁ?俺は降りかかる火の粉を払ってきただけだぜ?」

 

覇王丸は自らの氏すら捨ててしまったただの素浪人だ。

生まれだって武蔵の国の貧乏旗本のせがれというだけである。

とてもナコルルの言う御大層な力を持っている訳ではない。

天草を始めとした斬紅郎や羅生神みずき、壊帝ユガやアスラの事だとて諸国漫遊の剣客の旅の中でたまたま居合わせただけである。

ナコルルのように何かの使命をもっていたわけでもなく、ただただ好きなように生きてきた上での成り行きだったに過ぎない。

WARSとかという妙な組織が主催した「ばとる・ころっしあむ」とかという大会だとてその一環だ。

 

ナコルル「それでも!私は覇王丸さんの力が必要なのです!」

 

いくら断っても頭を上げないナコルル。

覇王丸はついに根負けしてため息を吐いた。

 

覇王丸「その、『きんぐ・おぶ・ふぁいったーず』ってやつはかの『ばとる・ころっしあむ』の時みてえに強い奴が出るんだろうな?」

 

覇王丸の質問にナコルルは目を輝かせて頭を上げる!

 

ナコルル「覇王丸さん………それでは!」

 

覇王丸「たまには未来のまだみぬつえぇ野郎に会いに行くのも面白れぇ。連れてってくんな。その仕合によ」

 

ナコルル「はいっ!」

 

 

 

幕末………

 

 

覇王丸の時代より約200後の時代。

楓は世話になっている一条の家に間借りしている一室で眠っていた。

 

雪(楓…)

 

楓(姉さん………姉さんの声がする………)

 

そんなはずはないのに……楓の義理の姉、雪は封印の巫女として地獄門を封じるため、その若き命を散らした。

 

ならば今しがた聞こえた声は夢なのだろうか?

 

雪(楓………あなたの力が必要です。WARSのような組織が現れ、未来で再び地獄門の力が利用されるやも知れません……世は再び青龍の力を必要としています)

 

楓(地獄門が?)

 

地獄門を放置していては雪や師のような悲劇が再び起きてしまう。

あんな悲劇はもう沢山だ。

 

雪(行きなさい!楓!もうひとつの青龍と手を取り合って、凶事を終わらせるのです!)

 

雪の幻影から光が生まれ、楓を包み込む。

 

翌朝

 

あかり「楓兄ちゃん!もう朝やで!……っておらん?どこへ消えたんや?」

 

どこかへ出掛けた形跡はない。なのに楓の姿だけが無くなっていた。

 

あかり「あんびりーばるや!うちの陰陽師の勘が言うてるで!………ばとる・ころっしあむみたいなのに呼ばれたんや!こうしてはいられへんでぇ!十三!十三はおらんかいなぁ!」

 

この日、幕末の日ノ本から青龍の魂を受け継ぐ剣士と、未来の天才陰陽師が謎の神隠しに遭った。

なお、巻き込まれた神崎十三の事など誰も気にしてはいなかった。

 

 

アメリカ

 

メトロシティ

 

覇王丸「参ったねぇ……ここは南蛮じゃねぇか」

 

貧乏旗本出身の覇王丸は当然蘭語(オランダ語)は話せない。例え話せたとしてもここはアメリカなので蘭語は通用しないのだが、どっちにしても言葉が通じないことには変わりないのでどうだって良い。

 

覇王丸「ナコルルもどうせなら日ノ本に送ってくれれば良かったのによ」

 

???「Oh!ジャパニーズ、サムライ!」

 

覇王丸「あ?」

 

声がした方を振り向いて見ると戦国の世にいそうな鎧兜姿の男が立っていた。こんな姿は覇王丸の時代でもまったくいない。

 

覇王丸「何だあんた。ずいぶんと傾いたかっこうしてやがるな?」

 

ソドム「マイネーム イズ ソドム!ホワット ユア ネーム?」

 

覇王丸「米ねぇむ伊豆?そどむ?わりぃが分かる言葉でいってくれ。蘭語はわからん」

 

ソドム「Oh ソーリー!ワタシ ソドム いいまぁす!アナタノ ナマエハ ナンデスカ?」

 

聞き取りにくい日本語ではあったが、覇王丸は何とか通じた。ガルフォードなどクセのある日本語のお陰であった。人間何が幸いするか分からない。

 

覇王丸「俺は覇王丸っていうんだ。『きんぐ・おぶ・ふぁいったーず』とやらに参加するために来た」

 

ソドム「Oh!『KOSF』デスカ?ペラペラ」

 

ここから先は覇王丸にはわからなかった。ソドムは興奮していて彼の言葉の配慮をまったく考えていなかったのである。

 

覇王丸(勘弁してくれよ……)

 

?「彼は『KOSF』には四人一組でないと出場は出来ないと言っている。楓、彼で間違いないのか?」

 

また新しい奴が現れた。

今度は異人の格好をした日本人らしき男だ。そして、彼の連れには見知った顔があった。

 

 

WARSが主催した『NEO・GEO バトルコロシアム』で出会った剣士である。

同じ青龍の力を宿すものとして惹かれあった関係から、覇王丸も彼の事は覚えていた。

 

楓「お久しぶりです。青龍の覇王丸さん」

 

覇王丸「楓か!久しぶりじゃねぇか!また会えるとは思ってなかったぜ!で、このバテレンかぶれの男は?」

 

雹「私は忌野雹。訳あって世捨て人をやっていたが、カムイコタンの巫女によって君達を世話するように頼まれていた」

 

忌野……聞いたことがある。風間一族や風魔、不知火のように歴史の裏で動いていた忍者軍団の一つだ。

未来でも残っていたとは意外だった。

 

ソドム「Oh!イマワノ!オヒサシブリデース」

 

雹「ソドム殿か……久し振りだな」

 

覇王丸達はここで互いの自己紹介をする。

 

覇王丸「へぇ………またしても地獄門やアンブロジャが関わるのかい………ナコルルの為にも、こりゃあ頑張らねぇとな。何より、腕が鳴るねぇ?」

 

雹「ならばこの侍達でチームを………いや、組を作ってはいかがかな?間違えた私の人生の償いにもなろう」

 

覇王丸「そりゃ渡りに船だぜ」

 

覇王丸達は雹が隠れ住んでいる屋敷へと身を寄せる。

そこで覇王丸は使用人を呼び止め、持っていた瓢箪に酒を詰めて貰う。

支度といってもその程度である。

 

楓「相変わらずですね、覇王丸さん」

 

覇王丸「おうよ!祭りの始まりだ!今夜は呑むか!」




かなりストーリーは無理矢理ですが、侍でチームを作ってみました。

カプコンの侍には他にビシャモンがいますが、かれはコミュニケーションが取れない怨霊の鎧なので断念しました。

他にもジョジョのチャカもいますが、ジョジョは純粋なカプコン作品では無いので断念しました。

雪ノ○陽乃「何で………すって………」

いや、俺ガイル×ジョジョからもキャラ出しませんからね?

他にもSNKから「天外魔境ー真伝ー」もありますが、同様の理由で却下しました。
地雷也、卍丸、承太郎、ジョセフのチームも面白そうではありましたが………。

それでは次回もよろしくお願いいたします。


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ボスチーム

ベガ…ストリートファイターシリーズ
サイコパワー

豪鬼…ストリートファイターシリーズ
殺意の波動

ギース・ハワード…餓狼伝説シリーズ、KOFシリーズ
古武術

ルガール・バーンシュタイン…KOFシリーズ
総合格闘術


ネスツ基地の跡……。そこでは新たな主達が一つの存在の誕生を待っていた。

 

ギース「間もなくだ。殺意の波動……それをコントロールする力を手に入れ、コントロールすることが出来れば……」

 

ギース・ハワード。暗黒の力の使いと手としてアメリカ最大の街、サウスタウンに君臨し、これまでオロチの力や秦の秘伝書など、力に関するありとあらゆるものに貪欲に追い求めて来た。

そして、今度は殺意の波動に目を付け、ネスツのクローン技術を使って殺意の波動の第一人者とも言える存在をコピーしようとしていた。

 

リッパー「順調ですね。ギース様」

 

ギース「………だからこそこういう時には周囲に鼻を利かせなければならん」

 

ホッパー「は?」

 

ギース「ネズミが入り込んでいるぞ。リッパー、ホッパー」

 

ギースが鋭い視線を物影に向けると、そこから赤い正装をした金髪にちょび髭を生やした隻眼の男が現れる。

 

ギース「ふん。お前も私と同様に力を追い求める事に関しては貪欲だったな。自ら出てくるとは余程人材不足と見える。こそ泥のような真似を自らしなくてはならないとは堕ちたくないものだな。一応聞いておくが、何の用で来た?ルガール」

 

ルガール「さすがだな、ギース。この私の気配に気が付くとはな」

 

闇の武器商人、R&B社の社長、ルガール・バーンシュタイン。近年ではKOF95の優勝セレモニーのおりにオロチの力が暴走し、消滅したという噂が流れていたが、やはり地下に潜伏していたようだ。

 

ギース「ふん。何の用で来た?ルガール。まさかこの私が集めている力を奪いに来た……とかいう下らん内容ではあるまい?」

 

ルガール「ふん、ネスツやWARZの技術はこの私が使ってこそ有効に使うことが出来る。貴様などには勿体ない」

 

ギース「ふん。小悪党が盛りおる。残念だが貴様などに相手をしている暇はない。私が招待したい客は…」

 

ベガ「私であろう?ギース・ハワード」

 

いつの間に現れたのか、真紅の軍服を着用したシャドルー総帥のベガがギースの研究室に現れた。

 

ギース「ふ……そろそろ来ると思っていた。シャドルー総帥、ベガよ」

 

ギースはまるで最初からこの場にベガが現れることを知っていたかのように落ち着いてベガと相対した。

 

ベガ「ふん、私の元にこんなものを寄越しておいてよく言う…何が目的だ?Vというのは、私のことであろう?」

 

ベガはKOSFの招待状を手にとってギースを威圧する。

 

ルガール「それは……巷で話題になっているKOFの招待状。やはりギース……貴様の仕業だったのか。しかもR……私の名前を勝手に……」

 

ギース「貴様らのクローンは既に完成しているからな。だが、本人が現れたのならば話は早い。ベガよ、貴様が欲している殺意の波動……そのサンプルがほしくはないか?」

 

ギースは操作盤を弄くると、背後にある培養カプセルのカバーが開く。中には……

 

ベガ「これは……豪鬼、リュウ…」

 

ルガール「それに八神庵、ケン・マスターズ、ハイデルンの娘のレオナ……貴様はオロチの力までも我が物にする気か……」

 

ベガ「貴様がオロチの力や殺意の波動を手にしているのはわかった。だが、我々を誘き寄せた理由がわからん。何を企んでいる?」

 

ギース「ふ………これらの力を手に入れれば、三種の神器や武神流、オロチ一族の妨害が現れるのは明白だ。これらの力を手にする前に、奴等を始末する必要がある。その後に、世界の覇権を賭けた戦いをすれば良い」

 

ルガール「我々を手駒にするつもりか?Mr.BIGやクラウザーのように、邪魔者を排除する為に……」

 

ベガ「ふん。私を奴等と同じと見て見くびっているのだとすれば……甘く見られた物だな」

 

過去にギースはボガード兄弟の抹殺が目的と称してMr.BIGと異母兄弟のクラウザーを手駒にKOFに参加したことがあった。今回はベガとルガールをその手駒に利用しようと言うのだろうか?

例えば……ベガのサイコパワーやルガールが掠め取ったオロチの力……更にはその先の力までも。

 

ギース「そう受け取ってもらっても構わない。貴様らは更にリュウや本物の豪鬼の力も欲しければ、武神流や三種の神器が邪魔であるのも確かだろう。私にとってもボガード兄弟や極限流は邪魔だ。どうだ?1枚噛むつもりはないか?」

 

世界を又にかける巨悪を前にしてもギースは強気の姿勢を崩さない。

 

ベガ「……良いだろう。だが、くれぐれも私をクラウザー達と同じと見ないことだ」

 

ベガは現れた時と同様に急に姿を消した。

 

ルガール「ふん。私をやつらと同じ扱いにするとはな。ギースよ……全てが終わったとき、お前の力も私がもらい受ける」

 

ルガールもそう言って研究室を後にした。

 

ギース「ふ……全てが終わったとき…この世界は私の物になっていなければ良いな?ルガールよ……ベガよ…。リッパー、ホッパー。ビリーに指示を出しておけ。首尾は怠ることが無いようにな」

 

 

 

カプセル内

 

豪鬼(クローン)(………俗物めが………うぬらの良いようにされる我ではないわ!…真に拳を極めるのは…我のみぞ!)

 

 

それぞれの思惑を乗せたボスたちの戦いが…始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、ボスチームです。

豪鬼が苦労しました。彼らを見たとき、果たして本物の豪鬼はどう動くのか!

それでは次のチームもよろしくお願いいたします!


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異世界姉妹チーム

ナコルル…サムライスピリッツシリーズ


リムルル…サムライスピリッツシリーズ


モルガン…ヴァンパイアシリーズ


リリス…ヴァンパイアセイヴァー




リムルル(姉様の声が聞こえる………)

 

以前の目覚めから、幾時の時が経ったのだろう。

眠りに就いたのはナコルルがカムイコタンの巫女としての使命を果たし、その身を大自然に捧げた時よりしばらく経った時(真サムライスピリッツ)。

次に目覚めたのはそれから50年以上も経った頃、江戸幕府が完全に安定した頃だろうか。

リムルルはかつて若かった覇王丸が、白髪だらけの姿で妖精となった姉、ナコルルと話していたのを見たときは驚いた事を覚えている(蘇りし蒼紅の刃~侍魂~)。

 

ナコルル(リムルル……目を覚まして…大自然は失われ、人は自然意思・オロチとも敵対するようになった…だけど、人の世はまだ続いているの…でも、再び世は凶事に襲われようとしている…あなたが守って!人の世を、アンブロジャから……)

 

カムイコタンの力が光となって守っていたリムルルを形作る。

 

そこは………

 

リムルル「何……これ………大自然の声が……まったく聞こえなくなっちゃった……」

 

そこは大自然が溢れていたかつてのカムイコタンでは無かった。リムルルが愛したアイヌの聖地は、今や北海道と名付けられ、すっかり開発され切った地と変わり果てていた。

馬が無くても走る鉄の馬車、江戸の民が使っていた文字や、姉に好意を持っていた金髪の忍者が使っていたエングリッシュと呼ばれる文字……そんな物が所狭しと書かれている街並み…。

 

リムルル「こんなものを守るために…姉様は……」

 

リムルルはへたり込み、その瞳には涙が溜まっていく。

 

リムルル「こんなになっちゃったカムイコタンを…ううん?人の世界を…守る必要なんてあるのかな……」

 

姉の遺志を継いで、リムルルはアイヌの巫女となった。そして、永い眠りへと就いた…。なのに、守りたかった大自然や、カムイコタンは……。

 

 

 

 

もう、ない。

 

そんな失意のリムルルに話しかける声があった。

 

???「純白な魂。綺麗で汚れのない魂……美味しそうだね?」

 

振り向くと、異形の者の姿があった。

 

リムルル「あなたは?」

 

リリス「リリスは、リリスだよ?夢魔なの」

 

リリス(この子は……完全な魂じゃない。だけど、魔物は魔物……)

 

リムルルは氷の精霊、コンルを出して構える。

だけど……

 

リムルル(今の人間の世界は……魔から守る価値があるのかな……姉様が愛した大自然を壊しちゃった世界に、あたしは守る意味を感じられない……)

 

リリス「どうしたの?遊ばないの?つまんないなぁ」

 

リムルル「もぅ……リムルルが戦う意味なんてないもん……こんなの、姉様が愛した世界じゃない……」

 

もう、どうなっても良い。

 

リムルル「好きにして……リムルルの魂をアンブロジャに捧げるなり、なんなりして」

 

もう、この世界に姉はいない。覇王丸や、ガルフォードもいない。リムルルは本当に独りぼっちだ。

 

???「あらあら。せっかくの綺麗な魂がどんどん汚れていってしまうわ?このまま朽ちていくなら、いっそのこと本当に闇に落としてしまおうかしら」

 

再び魔の気配が現れる。

振り返るとリリスを大人にしたような美女がリムルルの背後に立っていた。

またしても魔の者だ。

 

モリガン「初めまして。綺麗な魂のお嬢ちゃん。私はモリガン。モリガン・アーンスランド。魔界の貴族の当主よ」

 

リムルル「………リムルル。カムイコタンの戦士……でした」

 

モリガン「カムイコタン?そう言えば、毎度私がこの国にちょっかいをかけると邪魔してくる彼女も、そう言っていたわね」

 

この時代にも、カムイコタンの戦士はいる。ならばいっそ、その人に任せれば良いのかも知れない。これ以上自然を破壊された世界を見るのは……もう、耐えられそうもない。

 

リリス「ダメだよモリガン。この子はリリスが見つけたの。リリスが闇に落とすんだよ?」

 

モリガン「あら?しばらく見かけないと思ったら、こんなところにいたのね?」

 

リリス「だって、アーンスランドにいるだけなんて退屈だもの。リリスだってまだ楽しみたいじゃない?」

 

モリガン「そう。だけど、この子はダーメ。今の人間の世界に、これだけの純白な魂はないわ。こんなご馳走は滅多に見つからないもの」

 

モリガンはリムルルを背後から抱き、その首筋をペロッと舐める。ゾクゾクとした感触がリムルルを襲うが、それはまた、甘い感触も伴っていた。

 

リムルル「あなたも……アンブロジャの手下?」

 

モリガン「アンブロジャ?ああ、あの魔界村みたいに魔界の中でも独自の文化を持つ、あの閉鎖的な国の主ね?ビシャモンとかもそこの出身だったかしら?一緒にしないで。あんな下品な種族。あんなのと一緒にされるくらいなら、まだデミトリやジェダの方がましよ」

 

魔物にも色々あるらしい。確かにこの魔物たちは不知火幻庵や、羅生神ミズキ、壬生斬紅朗とは違う感じがする。元々人であった天草よりも、人間らしい。

 

モリガン「さぁ……私に身を委ねて……そして、快楽と一緒に……闇に落ちましょう?」

 

リリス「だめ!ねぇ、私と一緒に気持ちよくなろう?大丈夫。痛いのなんて、一瞬だから…ね?」

 

魔がリムルルを誘惑してくる。リムルルにとってはどっちでも良かった。こんな悲しい現実よりも、いっそ堕ちてしまった方が……。

 

ナコルル「ママハハ!」

 

ブォォン!

 

リムルル(この声は………姉様の……?)

 

自分は幻聴でも聞いているのだろうか?

もう二度と聞くことが無いだろうと思っていた一番大切な声が、リムルルの耳に届く。

 

モリガン「んもう!またあなたなの!?」

 

リリス「誰?良いところだったのに」

 

ナコルル「リムルルを……私の大事な妹を……好きにはさせません!退きなさい!魔の者!」

 

リムルル「姉…様………?」

 

魔に堕ちかけていたリムルルが目の焦点を合わせると、目の前には確かにナコルルの姿が……。

 

ナコルル「魔に堕ちてはダメよ!リムルル!確かに大自然は失われ、カムイコタンの血は失われつつあるわ!でも、それでも人はまだ、生きている!大自然は、まだ世界に息づいている!絶望してはダメよ!」

 

リムルル「姉様は……姉様は確かに大自然と1つになっちゃったはずなのに……何故?」

 

ナコルル「………私は、カムイの力で過去からやって来た私。大自然と1つになる前の私よ…覇王丸さんと一緒に、未来へやって来たの。アンブロジャや、地獄門の凶事から人の世を守る為に」

 

どんな理由でも良い。自分の前にナコルルがいる。その事実だけで、失っていた心の力が戻ってくる。

寂しさが嘘のように消えていく。

 

リムルル「姉様は……知っているんですか?この魔の者を」

 

ナコルル「ええ。これで何度めかわからないわ。アンブロジャとかに比べたら、彼女達は人と共存出来る存在。だけど、魔の者であることには変わらない」

 

ナコルルはモリガンとリリスを強く睨む。

モリガンはやれやれと言った感じで、その闘気を受け流す。

 

モリガン「安心しなさい。もう、あなたたちに興味は無いわ」

 

ナコルル「信用できると思いますか?」

 

リリス「本当だよ。だって、今あなたは言ったじゃん。アンブロジャや地獄門が関わってくるって」

 

モリガン「私達に取っても死人やアンブロジャの軍勢に物質界をメチャクチャにされたら困るのよ。言ったでしょ?品と刺激の無い世界は嫌いだって。たまにちょっかいをかけるのが楽しいからこそ、私達は退屈せずに済むのだもの」

 

リリス「それで何が起こるの?リリス達も協力するから、面白いことなら混ぜてよ」

 

少しは真面目な感じになったモリガンと、あくまでも遊び感覚のリリス。

 

ナコルル「何が目的ですか?」

 

モリガン「あら?本音よ?まぁ、刺激を求めてるってことも確かよ?あなた達の邪魔はしないから、安心しなさい?どうかしら?」

 

リリス「あなた達の目的は、これでしょ?」

 

リリスはKOSFのチラシをナコルル達に見せる。

 

ナコルル「そ、それは……あなた達はその武芸大会にツテがあるのですか!?」

 

それはナコルルがどうやって参加しようか迷っていた事だった。

 

モリガン「大会主催者とは縁……といっても因縁だけど、あるわ。もっとも、頼るツテは他にもあるけど。例えば……観月の力を頼るとか…ね」

 

かつてモリガンとリリスは観月財閥と協力して物質界や幻想界、魔界に未来に冥界を又にかけてこの世界を守った事がある。

その時に観月財閥とは浅くない縁を築いている(NAMCO X CAPCOMシリーズ)。

元々一つだったモリガンとリリスの存在も、個として強制的に別々に確立されたのもその時の話だ。

 

モリガン「あなた達は目的を果たせる。私達は刺激を得ることが出来る。どう?悪くない話じゃない?」

 

ナコルル「………不本意ですが」

 

リムルル「私は姉様と一緒ならそれで……」

 

モリガン「決まりね。よろしくお願いね?ナーコちゃん?」

 

ナコルル「気安くしないで下さい。魔の者と並び立つのは……今回で最初で最後です」

 

リリス「仲良くしようね?リムルル♪」

 

リムルル「あまり…近付かないで」

 

アイヌの巫女たちと魔界の貴族……

異色のチームが時や世界を超えて並び立つ!




ナムカプをベースにしているわりには死んでいたハズのローズが生きている事に関しては目を瞑って頂くと幸いです。
そうでないとモリガンとリリスが並び立つことは困難だったので(^_^;)

一方、リムルルは凶事が関わらなければカムイの意思で眠りに就いている…という真サムライスピリッツから数十年後の世界を描いた「侍魂」の設定を用いました。
既存のキャラは覇王丸のみ。
半蔵も出ていますが、その正体は真より天草から解放された息子の真蔵ですし、アスラもユダとして記憶を失った別の存在。色と反面のアスラは亡くなっており、その娘の命が中ボスとして登場しているゲームです。
PS1の家庭用としてしか存在しないゲームで、餓狼WAB以上にマイナーなので、知っている方は少ないかも知れません。
SNKキャラを恋愛ゲーム化した「Days of memory」シリーズの時代劇版では「侍魂」のキャラが一部出てきましたが。そう言えば「いろは」も出てきましたね?俺ガイルの一色いろはとは別キャラですよ?何度も言いますが、ジョジョは出しませんし、ましてや俺ガイルなんてなおのこと出しませんからね?

一方でナムカプですが、こちらは知名度が高いかと思います。後にスパロボシリーズとクロスした「無限のフロンティア」や鉄拳、さくら大戦、そしてストリートファイターシリーズやテイルズともクロスした作品の走りなので。

KOSFはたまにジョジョの合間の息抜きで書いてますから完全に不定期ですが、お付き合い頂けると幸いです。

それでは次回もよろしくお願いいたします。


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弟子チーム

火引ダン…ストリートファイターシリーズ
サイキョー流

ショーン…ストリートファイター3シリーズ
マスターズ流空手

矢吹真吾…KOFシリーズ
草薙流古武術

アリス・ガーネット・ナカタ…パチスロ餓狼伝説、KOF14
流派なし


ダン「ちくしょう!またなのかよ!」

 

サイキョー流道場にて、ダンは荒れていた。

…と言うのも、KOSFに参加する為のめぼしいメンバーが、みな既にチームを組んでいるか、若しくは連絡が付かないかのどちらかなのだ。

いつもそうだ。世界的に有名な大会、KOFが開催されると聞くたびに、ダンはサイキョー流を知らしめるまたとないチャンスだと思って勢い良くチームを組もうとするものの、毎度招待状が届かなかったり、フリー参加が可能な場合でも、大抵は既にチームを組まれているか、連絡が付かないか、断られるか…。

プライドを捨ててサイキョー流のパクり(と勝手にダンは思っている)極限流道場に頼み込んだ事もあるが…。

 

タクマ「お前と?ふざけるで無いわ!どうしてもと言うならば、極限流の門下に入れ!さもなぐば、覇王翔吼拳を会得してきてから出直せ!」

 

と言われたので、似たような「我道翔吼拳」や「覇王我道拳」を会得して出直してみたものの、タクマ・サカザキからは…

 

タクマ「未熟者めが……貴様が覇王翔吼拳を会得したとしても、極限流に並ぶ事などできぬわ!」

 

と、天狗の仮面を被って言われ、覇王至高拳で吹き飛ばされた。

ならばアンチ極限流チームを作ろうと奔走しても、如月影二や藤堂香澄達からは鼻で笑われて門前払い。

弟子(と勝手に思っている)であるさくらやジミー(ブランカ)はこういう時に捕まらない。

自棄になって無謀にも八神庵に頼めば

 

庵「下らん……お前と組むくらいなら京と組んだ方がましだ。楽には死ねんぞ!」

 

と殺されかけ、更に自棄になって豪鬼に恃めば

 

豪鬼「痴れものが!去ねぃ!滅殺!」

 

と殺されかけ、ギースに頼めば

 

ギース「ふん。良いだろう。だがまずはテストだ。この仕事を上手くこなして見せろ」

 

と、悪事に荷担されかけ、文句を言ったら大西洋に危うく沈むところだった。

 

自分でもあの時はどうかしていたんだと思わなくも無いが、とにかくダンはまともにチームを組めた試しがない。

今回もさくらやかりんを頼ろうと思ったが……

 

さくら「あ、ごめんなさい!既にアテナさん達と組んじゃったんだ!」

 

っとあっさり断られた。安くない電話代を公衆電話に飲み込まれたのに…。

ダンは失意のどん底で渋谷のハチ公前で項垂れていた。

 

 

真吾「そんなぁ!何でですか!草薙さんとチームが組めないなんて!」

 

柴舟「あやつには三種の神器としての使命があるからのう。お前はお前でチームを組んで出れば良いじゃろう」

 

真吾「簡単に言わないで下さいよ!だったら師匠が組んで下さい!」

 

柴舟「残念じゃが、ワシはワシで既にチームを組んでおるんじゃ。悪いが他を当たってくれ」

 

真吾「もう良いっすよ!紅丸さんや大門さんに頼んでみるっす!」

 

泣きながら草薙流道場を飛び出した真吾。何だかんだで面倒見が良い紅丸や大門ならば組んでくれるだろうと考えていたが…。

 

紅丸「悪いな。俺様はもう組んじまってるんだ。京の親父さんに聞いたら、京は既にチームを組んだと聞いていたからな。てっきりお前とゴローちゃん当たりと組むもんだと思ってたから、俺は俺でチームを組んじまったんだよ」

 

大門「ぬぅ?紅丸も京も既にチームを組んでおると聞いておったから、てっきりお主もそのチームに入っていたかと思ったぞ。すまんな…ワシも既に組んでしまった」

 

と、門前払い。自棄になって庵に頼んでみれば

 

庵「今度は貴様か……俺は今、機嫌が悪い。遊びは終わりだ!泣け!叫べ!そして死ねぇ!」

 

と、超必殺技を食らいそうになり、K´に頼んでみても

 

K´「テメェ……正気か?俺一人で充分だ…。シャラァ!」

 

と蹴り飛ばされ、セスに頼んでみれば…

 

セス「良いだろう。で、料金はこれくらいかかるが?」

 

と、法外な料金を請求されかけた。

冷静になって考えれば組織の依頼で動くエージェントが数日間にも及ぶ大会を無償で動いてくれる訳がないし、依頼ともなれば百万円単位の金を請求されても当たり前なので、法外でも何でも無いのだが、そんな当たり前の事も真吾は考えることが出来なかった。

あの時はどうかしていたのだと自分でも思う。

 

真吾「どうすれば良いんッスかー!」

 

思い返してみれば、真吾は草薙流のツテか紅丸のツテでこれまでKOFに参加できていたことに今更ながら気が付いた。

気付かない内に真吾は増長していたのかも知れない。

京や紅丸達とチームを組み、半ばKOFの常連となっている事で一流の格闘家のつもりになっていたのだと。

だが、蓋を開けてみれば誰もチームを組んでくれる者はいなかった。

口ずさまない者に至っては京や紅丸のオプション扱い、酷いときには日本チームの数合わせのオマケや、刺身のツマ合わせ扱いだった。

真吾の格闘家としての評価はこんなものだったのである。

 

真吾は知らない事ではあったが、柴舟は真吾と組んでくれそうなメンバーには心当たりがあったのだが、敢えて紹介をしなかった。

真吾の才能と実力は天才的だ。柴舟が教えられることはもうあまり無い程と言えるくらいに。

格闘技を始めてわずかな期間でKOFという大舞台で活躍出来ているのがその証拠だ。だが、今のままでは京達の陰に隠れてしまい、せっかくの実績も霞んでしまう。

真吾は日本チームの真吾ではなく、矢吹真吾として世に出るべきだ…。

その最初のステップ…それは。

 

「チームを自力で組んで、本当の仲間を作れ」

 

……と言う事。

ネスツとの戦いが終わり、京達に真吾は言われた。お前も本当の仲間を作れと。

その時、真吾は京達が自分を仲間だと思ってくれないのは自分が弱いからだと嘆いていた。だから、それを目にしていた柴舟は真吾を気紛れで弟子にしたのだが、師事してみてすぐにわかった。

京は既に真吾を仲間として認めている。それだけの実力は既にある。足りないのは実績と自信、それと切磋琢磨する存在だ。

それらを得られた時、真吾は………。

 

千鶴「柴舟さん。これで良かったのですか?」

 

柴舟「ええ。誰もが通る道じゃ。真吾にとっては今がその時なのじゃよ。……寂しいものじゃな」

 

そう、これは試練だ……。どんなときでも弟子はいずれ一人前になるときがくる…。人はそれを……。

 

千鶴「寂しい…ですか。確かにそうなのかも知れませんね」

 

柴舟「そうじゃな。弟子の一人立ちと言うのは、師にとっては寂しいものじゃ。そうじゃろ?京」

 

京は既に真吾を一人立ちさせようとしていた。

それを邪魔していたのは自分だ…。今こそ、本当の真吾の一人立ちの時なのだ。

わざわざ東京に出向いてまで千鶴に断られ、項垂れて渋谷のハチ公の前で座り込んだ真吾を、柴舟は隠れて見ていた。

 

 

一方、自称ケンの弟子、ショーンも東京に出向いて来ていた。

ショーンもKOSFに出場したいと考えていたが、師匠であるケンは数日前から仕事をほっぽり出して行方不明である。

ケンの事だから同門であるリュウと共に出場するだろう。もしかしたら最近見つかったケン達の師である豪拳と組むかも知れない。だったら自分も……と考えていたのだが、ショーンの場合は真吾と違ってケンに合格点を貰えるほどの実力はない。

一人立ちどころか、ケンがかつて全米格闘王の称号を得る切っ掛けとなった大会だって、予選大会の1回戦ですら突破したことが無いのだ。

ケンがチームメイトとしてショーンと組むことなどあり得る話ではなかった。ましてや、毎回主催者の思惑が絡み、大会が開催される度に何かしら事件が発生するKOFの流れを汲む大会なら尚更だ。

参加する事自体、ケンがいたら反対していただろう。それどころか、実力が伴わないショーンが出たがるなど、夢にも思ってなかった。それくらいの分は弁えていると思っていたのだが、ショーンは弁えていなかった。

ショーンはケンがいないとわかるや否や、すぐにメンバー集めの旅に出た。

全米格闘王の弟子ともなれば、すぐにメンバーが集まるだろうと甘く考えていたのだ。

手始めに空手で有名な極限流に行ってみれば……

 

マルコ「またケン・マスターズの関係者の道場破りか!覇王翔吼拳!」

 

極限流空手師範代のマルコの一撃であっさり撃沈。波動拳すら満足に撃てないショーンにはどうしようもなく、トラウマを植え付けるだけに終わった。前日にケンが道場破りと間違えられて多数の門下生が逃げられてしまったという不運もあったのだが、結果としては同じだったに違いないだろう。

次に日本へと渡り、竜胆館のまことを頼ったが…

 

まこと「誰じゃおまんは?ケン・マスターズの弟子?嘘つくんじゃなか!正中線五段突きじゃあ!」

 

女の子の拳を貰って一撃KO。

最後にケンがかつて指導したという名門、観月かりんを頼ってみたが……

 

バーディー「ケン・マスターズの弟子?お前が?誰かわからんが、ケン本人ならともかく、お嬢様がお前なんかとチームを組むわけが無いだろう。マダラチェーン!」

 

と、用心棒らしき男に鎖で巻き上げられ、二回ほど地面に叩きつけられた。考えてみれば世界旅行はおろか、個人で宇宙旅行が出来る財閥の令嬢であるかりんが面識のないショーンを、しかもアポ無しで会ってくれる訳がなく、門前払いされても仕方が無かったのだが、そんな事もわからなくなっているほどショーンは焦っていた。

既にかりんのライバルであり、リュウの自称弟子であるさくらがチームを組んでいたこともショーンが冷静ではなくなっていた理由なのかも知れない。

救いが無いのは真吾は日本チームの腰巾着とかパシリとか言われていても、それなりに格闘界では名前が知れていたが、ショーンに至っては全くの無名であることである。

真吾以上に実績が無いのだ。

 

ショーン「今更実家を頼るわけにもいかないしなぁ…」

 

ショーンは実家の家業を捨て、家出同然にケンの弟子にと飛び出した。今更頼るわけにもいかない。

 

ショーン「どうするかなぁ……イライザさんにKOSF出場するまで帰らないって大風呂敷広げちゃったから、手ぶらで帰るのもカッコ悪いし……」

 

かりんに門前払いされ、トボトボとハチ公前までたどり着いたショーンは、失意のどん底でとうとう座り込んでしまった。無名の格闘家の、ハードルの高い甘い考えから始まった無謀な挑戦は、手痛い挫折で終わろうとしていた。

 

 

アリス「信じられません!舞さんもキングさんも…テリーやロックまでチームを組んでしまっているなんて!」

 

テリーに憧れ、さくらや真吾のように自ら格闘技を始めるようになったアリス・ガーネット・ナカタ。

KOF14が開催された時、女性格闘家チームの若きホープとして本戦に出場できたアリスは、同じノリで舞やキングとチームを組もうとしていたが、世の中そんなに甘くない。

世間のアリスの評価はこうだ。

 

「女版矢吹真吾」「舞やキングのお荷物」「何年かに一人は現れるテリーのおっかけ」

 

である。

実力的には真吾同様にKOFでも渡り会えるだけの実力はあるのだが、いかんせん脇を固めていたのがKOF常連の中でも超一流の舞とキングである。

憧れのテリーにですら舞やキングのお陰で本戦に出場出来たと言われる始末だ。もちろん、そんな彼女が簡単にチームを組める訳がなく……。

 

ユリ「ごめんねぇ。舞さん達の仲間だから協力したいのはヤマヤマなんだけど、ちょっと今回は無理かな?」

 

…と、初代女性格闘家チームの先輩のユリには断られ、舞のツテを頼って香澄を訪ねても…

 

香澄「今回は本気で打倒極限流を掲げてますから、あなたではちょっと…」

 

と、断られ、千鶴や雛子にも断られた。

次に河口湖にある不知火道場を訪ねてみても……

 

アンディ「済まないが、弟子の北斗丸の面倒もあるし、舞にいらない誤解をされたくない。申し訳ないが、他を当たってくれ」

 

と、テリーの弟に断られ、舞の祖父の友人である山田十兵衛を訪ねてみれば……

 

十兵衛「ええぞ?じゃが、まずは組手をして実力をはからんといかんのう?」

 

とか言われて立ち会ってみれば、セクハラのオンパレードだ。流石にこんなスケベジジイなんかとは、例えチームが組めても御免である。

 

アリス「どうすれば良いのかわかりませーん」

 

何故かキム・カッファンの事が頭を過ったが、それはとても危険であるような気がした。

失意のどん底で渋谷のハチ公前で力尽きたアリスは、銅像の前でへたり混んでしまった。

 

 

ハチ公銅像の周りを取り囲む四人の溜め息が同時に出る。

 

ダン、真吾、ショーン、アリス

『大会、どうしよう…出たいなぁ~。KOSF』

 

『え………?』

 

偶然か必然か………

 

リュウやケンの兄弟子、ダン。

草薙柴舟と草薙京の弟子、真吾。

ケンの弟子、ショーン。

自称テリーの弟子、アリス。

 

この四人、成り行き任せの勢いでチームを組むまで、そう時間はかからなかった。




はい、若干二名ほど(ダンとアリス)、弟子とは違う気もしますが、弟子チームです。

有名なのはダンと真吾。

マイナーなのがアリスとショーンってところでしょうか。
実際に使用すると、一番強いのは真吾で後は微妙なチーム編成ですね。
ダンとショーンが鍵を握るといった所でしょう。
本来ならばアリスではなく、作中に出てきた極限流のマルコ辺りを入れようとも思いましたが、マルコは既に師範代をやっているので除外しました。
ダンは……まぁ、性能的にも扱い的にもあれですから違和感はないかと思います。
ネスツ編以降の真吾の方が断然強いですし……。

それでは次回もよろしくお願いいたします。


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新オヤジチーム

タクマ・サカザキ…龍虎の拳シリーズ、KOFシリーズ
(極限流空手)

草薙柴舟…KOFシリーズ
(草薙流古武術)

豪拳…ストリートファイター4
(空手をベースにした暗殺術)

忌野雷蔵…私立ジャスティス学園
(忌野流忍術)


日本、とある人里離れた山に草薙柴舟とタクマ・サカザキの姿があった。

真吾の独り立ちを見守った後に、柴舟自身も大会に参加すべくメンバーを集める為である。

今回の大会出場にあたって柴舟は是非ともチームを組みたい人物がいた。

表向きには死んだことになっている人物ではあるが、柴舟はその人物がちゃっかり生きていて、今でも現役で武者修行をしていることを知っている。

 

柴舟「よろしかったのですかな?タクマ殿。リョウ君やユリさん達とチームをくまなんで」

 

タクマ「心配無用ですじゃ。ここでワシがおらんで早々に負けるようであれば、それはリョウ達がまだまだ未熟であるというもの。それにワシとて時には極限流の総帥としてではなく、ただの一格闘家として気楽にやりたいのですよ。柴舟殿もそうではないですかな?」

 

柴舟「いやいや、お恥ずかしながら草薙流の継承者の座は京に譲ってしまいましてな。今までも自由にやり過ぎておる次第でして…親子共々放浪癖がついてしまっておると妻には嫌味を言われ三昧ですよ」

 

タクマ「ハハハハ。自由気ままに武者修行。私にとっては憧れる限りです」

 

柴舟とタクマは談笑しながら険しい山をヒョイヒョイと登って行く。まるでピクニックか、もしくは軽いハイキングのような気楽さである。

その内、柴舟の目前に打ち捨てられた山寺の姿が見えてきた。古来より暗殺拳を伝承する修行場であり、そして数年前まではあのリュウやケンもこの寺で修行をしていた場所であるが、時代の移ろいにより今では誰も住んではいない半ば廃墟と化してしまっている寺である。

しかし、柴舟達はこの日に寺の主が帰ってきていることを知っている。

 

柴舟「失礼しますぞ」

 

柴舟はほぼ廃墟と化しているその古寺に、目的の人物は仏像に向かって座禅を組んでいた。

 

豪拳「これはこれはお珍しい。柴舟殿でありませんか」

 

目的の人物の名は豪拳。

リュウとケンの師であり、老齢になってもなお、現役を掲げて常に荒行を続けている豪傑である。

 

柴舟「これは心ばかりの品ですが…それと、お供え物も持ってきましたのでワシらにも供養をさせて貰えませぬかな?」

 

柴舟は豪拳に土産物を渡し、持ってきていた菊の花束を見せる。

 

豪拳「これはこれは……お気を遣わせてしまいましたかな?どうぞどうぞ。師も喜びましょう。師も柴舟殿のお父上とは互いに腕を磨きあった仲でございましたからな。草薙流の元継承者であられる柴舟殿に供養して頂けるなど、嬉しい限りですじゃ。そちらは極限流空手のタクマ殿ですかな?無敵の龍のご活躍はこの老骨の耳にも届いておりますぞ?」

 

タクマ「いやいや。無敵の龍の名は倅のリョウに譲りましてな。今のワシはただの空手家に過ぎず、お恥ずかしい限りです」

 

豪拳「ご謙遜を……聞いておりますぞ?Mr.KARATEのご活躍を」

 

タクマ「豪拳殿もお人が悪いですな。重ね重ねお恥ずかしい。良い歳をしてはしゃぎすぎであると反省しております所でして……」

 

豪拳「ハハハハハ!いやいや、このワシも未だに滾る闘志を抑えきれず、各地ではしゃいでおりお恥ずかしい。因果な商売ですな。おおっ!ワシとしたことが失礼を。師の眠る場所まで案内をせずに。ささっ、どうぞこちらへ。いささか場所が辺鄙な所にありますが」

 

柴舟「なんのなんの。これも修行ですよ。それでは案内をお願い申してよろしいですかな?」

 

豪拳の案内で彼の師の墓へと赴く柴舟達。

今日は豪拳の師である豪轍の命日である。

墓……といってもしっかりとした墓石があるわけでもなく、簡素な石を数段重ねた程度の物だ。

柴舟は仏花を供え、指から出した炎で線香に火を付ける。

 

柴舟「本来であれば、焚き火を焚いた火でお線香の火を付けるのが作法なのでしょうが、ワシが格闘家に捧げるお線香の火は、この草薙の火が相応しいのでしょうな」

 

豪拳「最高の手向けとなりましょうな。師に代わり、感謝申し上げます、柴舟殿」

 

柴舟とタクマは豪轍の墓に線香を供え、姿勢を低くして手を合わせて立ち上がる。

 

豪拳「して、柴舟殿、タクマ殿。本当のご用向きは他におありの用ですが、それは巷で噂になっている例の大会のお話ですかな?」

 

柴舟「ハハハハ。流石は豪拳殿ですな。いやいや、ご慧眼の通りです。流石ですな、感服致しました」

 

タクマ「柴舟殿。それは流石に慇懃無礼と言うものですぞ?白々しいにも程がありますぞ」

 

豪拳「タクマ殿の言うとおりですな。さすがにこの時期に柴舟殿が来られる理由など、それしか有りませんからな」

 

そう言って豪拳は髭をさする。

 

豪拳「普通ではワシは既に表舞台から姿を消したジジイに過ぎぬでしょうが……格闘家の性なのでしょうな。こうも血が騒いでしまうのは……」

 

柴舟「それが格闘家というものなのでしょう。豪拳殿。ワシらの誘いをお受けくださらぬか?」

 

柴舟とタクマが頭を下げる。

 

豪拳「……わかりました。頭を上げて下され、柴舟殿、タクマ殿。因果な商売ですな。格闘家というものは…強いものと戦えるやも知れない。そう思うだけで居ても立ってもいられぬのですから。して、かの大会は四人一組での参加が必須。あと一人は如何されるのですかな?」

 

タクマ「ジャスティス学園校長の忌野雷蔵殿とも既知でしてな。既にお約束を取り付けておりまして。ご多忙の身の故にここに来れずに申し訳ないと申しておりました」

 

豪拳「ほほう!あの雷蔵殿とも!やや、存じておりますとも。ハハハハ!流石はタクマ殿に柴舟殿!あの雷蔵殿ともお知り合いでしたとは!いやはや、これはなおのこと楽しみになりましたな!是非とも若い者達に我ら達人の戦いというものを見せてやらねばなりますまいな!」

 

タクマ「そうですな。若輩者の鼻っ柱を折り、若者たちを更なる高みに導くのが我ら親父の役目というもの」

 

柴舟「ふむ。では参りますか。一つチャンピオンベルトを携えて、豪轍殿の墓標に飾りませぬとなりませんな」

 

豪拳「ハッハッハッ!これは師への冥土の土産になりましょうぞ!親父の威厳を掛けて、優勝をもぎ取らねば師に顔向け出来ませんな!ワッハッハッハ!」

 

忘れられた古寺で、三人の親父達の笑い声がこだました。




はい、今回は真オヤジチームです。

KOF95、98の中ボスの草薙柴舟。
龍虎の拳のラスボス、SVCカオスの中ボスであるMr.KARATEことタクマ・サカザキ。
スト4の隠しボスである豪拳。
ジャスティス学園の中ボスである雷蔵。

渋い親父達で結成されたオヤジチームですが如何でしたでしょうか?

それでは次回もよろしくお願い致します。


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中間デモやゲームの流れ

第7試合まではランダム~第8試合はライバル的なチーム(空手家チームなら三種の武神チームみたいな感じです。ストゼロ2やスト4がその流れですね)→小ボスチーム→ボスチーム→ボスチームに勝ったキャラクターに応じて真ボス→エンディングという流れで。

真ボスはベガ2(ファイナルベガ)、真・豪鬼、ナイトメア・ギース、オメガ・ルガールの内のどれかという感じでいこうかと思います。
裏ボスに狂シキ鬼、ガルダ、オロチ等を出しても良いかも知れません。

それではエディットチームで試しに。
エディットチームは特にライバル戦はありません。


小ボス戦

 

「いつの間にか地下に……」

 

「俺達はどこに運ばれたんだ?」

 

「待て!どこかに着いたぞ!?」

 

「ここはネスツ基地の跡地?」

 

扉が開き、どこか広い場所に出る。

 

ギース「優勝おめでとう、諸君。素晴らしい試合の数々には我々もいたく感動した」

 

「ギース!それにベガ、ルガール!」

 

ベガ「早速だが、君達には素晴らしい歴史的な実験に付き合って貰うことになる」

 

ルガール「ネスツやWARZが残した技術を我々が利用して作り出した実験体だ」

 

「実験体?なんだそれは!」

 

カプセルが開く

 

「これは……豪鬼!ばかな!何故豪鬼が!」

 

ギース「ネスツが生み出したクローン技術。草薙京のクローンを大量に生み出した技術を、我々が使った」

 

「なんて最悪な存在を!」

 

ベガ「それを我がシャドルーが持つ豪鬼のデータを反映させ、より本物の豪鬼に近付けてある」

 

「豪鬼が量産される……そんな悪夢は俺達が止める!」

 

ルガール「出来るかな?君達に。手始めに別の個体を相手にしてもらおう」

 

「これは……リュウ?」

 

「リュウだけじゃない!ケンに八神庵、レオナもいる!」

 

ギース「いずれも殺意の波動やオロチの力を注入し、本物よりもより強力にしてある」

 

「殺意の波動にオロチの力だと!?」

 

ベガ「これらに屈するようでは豪鬼の実験に耐えられんだろう」

 

ルガール「せいぜい頑張ってみたまえ」

 

「お前らの好きにさせてたまるか!」

 

小ボス(暴走キャラチーム)

 

殺意の波動リュウ(ストリートファイターZERO2α)

 

洗脳ケン(SNK VS CAPCOM SVC CHAOS)

 

ツキノヨル オロチノチニ クルフ イオリ(KOF97)

 

ヤミノナカ オロチノチニ メザメタ レオナ(KOF97)

 

 

中ボス戦前デモ

 

「どうだ!こんなもので俺達を倒せるとでも思っていたのか!」

 

ギース「中々やるではないか。だが、これでより豪鬼は完璧になった」

 

「お前に言われても嬉しくないぜ!」

 

ベガ「ムハハハハハ!だが、これからが本番だ!」

 

「今度はお前達が相手か!」

 

ルガール「是非ともフルコースで頼もうではないか」

 

「来い!まとめてこらしめてやる!」

 

豪鬼「……」

 

ギース「さぁ、殺意の波動の力と我々の暗黒の力をとくと味わうが良い」

 

ボスチーム戦

 

真ボスデモ(ベガ2戦)

 

「どうだ!」

 

画面暗転

 

「な、何だ!?」

 

ベガ2「ムッハー!私を含めた我々を倒したのは称賛に値する。お陰で邪魔物の始末も楽に済んだわ」

 

「べ、ベガ!?なぜベガが!では俺達が倒したベガは何者だ!」

 

ベガ2「ネスツの技術を使って生み出したクローンの体に我がサイコドライブを使って代替えしたのがこの新たな私だ。そこにいるのは私が捨てた古い体……いわば脱け殻に過ぎぬわ!」

 

「さ、サイコドライブだと!?まだそんなものが存在していたのか!」

 

ベガ2「フッフッフッ……ギースは私を始末した後に、このクローンを影武者にしてシャドルーを牛耳る傀儡にするつもりでいたようだが……それが逆に私に力を与える事になるとは思わなかっただろう」

 

「ギースめ……余計な事をしてくれた!」

 

ベガ2「フッフッフッ……朽ち果てかけていた我が体だったが、ネスツの技術によってリュウの体やローズのように代替えの体を奪わずとも私は新たなる体を…全盛期の力を手に入れる事が出来た。もう殺意の波動など、おそるるに足りぬわ!」

 

「お前なんかに負けるか!」

 

ベガ2「ふん!手始めにお前達でこの新たなる体の力を試してやろう」

 

「お前なんかの好きにさせるか!倒れるのはベガ!お前の方だ!」

 

ベガ2「ふ……ぬるいわ!なに、殺しはしない。私の前に倒れ伏した後は、我がサイコパワーとネスツの技術でお前達を我がシャドルーの新たなる兵として使ってやるわ!」

 

ベガ2(ストリートファイターEX)

 

 

 

 

真ボス(真・豪鬼)

 

「どうだ!」

 

立ち上がる豪鬼

 

豪鬼「ふ…笑止!我は……」

 

画面暗転

 

突然現れ、豪鬼を瞬獄殺で始末する真・豪鬼(本物の豪鬼)

 

「お前は……本物の豪鬼!」

 

真・豪鬼「我は拳を極めし者なり。殺意の波動は、作られし力では極めること不可能なり」

 

「これが本物の殺意の波動だと……!さっきまでの偽物の豪鬼なんかとは格が違う!」

 

真・豪鬼「オロチ、地獄門、魔界、サイコパワー……如何なる力も極めし真の力に比ぶれば、児戯にも劣る」

 

「真なる殺意の波動………これがあるからこそ、凶事は終わらないんだ!豪鬼!お前を倒す!」

 

真・豪鬼「笑止!真の拳、受けてみるか?」

 

「俺達が力を合わせれば、お前なんかに負けない!」

 

真・豪鬼「我は拳を極めし者なり。強者と名乗るであれば、我を超え、そして真なる拳を極めて見せよ!」

 

 

 

真・豪鬼…ストリートファイターZERO2他

 

 

 

 

真ボス戦(オメガ・ルガール)

 

「どうだ!」

 

ルガール「ハッハッハッハッハッハッ!ご苦労だったな!諸君!」

 

立ち上がるルガール

 

画面暗転

 

ギース、ベガ、豪鬼の体から力を吸収し、髪の毛が銀髪になり、オメガ・ルガールになる。

 

「何て奴だ!全員の力を吸収してしまった!」

 

オメガ・ルガール「諸君!君達には感謝するぞ!豪鬼の殺意の波動!ベガのサイコパワー!ギースの暗黒の力!更にはオロチや三種の神器、ネスツが持っていた力も我が物にすることが出来た!」

 

「最悪の事態だ!全ての力がルガールに渡ってしまった!」

 

オメガ・ルガール「これは素晴らしい!オロチの力など比にもならない全能感!世界の覇権はこのルガールが手に入れた!この私がネスツやシャドルーに代わって新たなる神として降臨しよう!」

 

「誰がお前なんかにひれ伏す物か!」

 

オメガ・ルガール「どうやら理解できないようだ!この私の新たなる力を!良いだろう!この新たなる神、ルガールを称える神話の最初の1ページは、君達の無惨な死から始めるのが相応しかろう!」

 

「そんなことはさせない!ルガール!ここでお前を倒す!」

 

オメガ・ルガール「せいぜい足掻いて見せるが良い!私の強さを引き立たせる為に!そして君達の体は、それを後世に伝える銅像になってもらおうではないか!」

 

オメガ・ルガール…KOF95,KOF98,KOF2002

 

 

 

 

 

真ボス戦(ナイトメア・ギース)

 

「どうだ!」

 

ギース「ぬぬぬぬ!許るさーん!よくもこの私を……」

 

画面暗転

 

???「はしゃぎすぎたようだな……影よ……」

 

ギース?「ギ……ギ……ギースゥゥゥ……」

 

「ギースが二人!?いや!後から来たギースが本物のギース!偽物は豪鬼だけでは無かったのか!」

 

影武者「い、生きていたのか!ギース!」

 

ギース「クラウザーが用意した影武者よ……勘違いをしていたようだな?」

 

影武者「ギースゥ!私が……私こそが世界を!世界を手にするに相応しいのだぁ!」

 

ギース「ふ……レイジングストーム!」

 

影武者「くえぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

壁を突き破り、高層ビルから転落する影武者。

 

「影武者のギースとは明らかに違う!これが本物のギースの力……」

 

暗黒の力を開放してナイトメア・ギース(足元から暗黒の気が渦巻いている)となる。

 

ギース「愚かな………貴様にこのギースの代役など務まる訳がないと言うのに…大人しく踊っていれば、生かして泳がせてやったものを、このギースの影に怯え、踊り疲れ、分不相応な野望を持ち……思えば可愛そうな男だった」

 

「自分が殺しておいて言うことばか!」

 

ギース「壊れた人形は、しっかりと始末するのがマナーと言うものだ。だが、壊れた人形は壊れていたなりに、この私の役に立ったようだ。シャドルーの総帥、ベガ。ルガール……そしてここまでに来る過程で、沢山の邪魔者をお前達は始末してくれたようだな。どうだ?その腕を見込んで私の部下になるつもりはないか?」

 

「ふざけるな!誰がお前の部下になるものか!」

 

ギース「ふん。やはり私の最大の邪魔者は、お前達のようだな。お前達を痛め付ければ理解するか?どちらにしてもお前達は私の部下になってもらう。自らの意思で私の部下になるか、それとも影が研究したネスツの技術によって記憶を消すか……どちらかになるが……」

 

「どちらでもない!お前を倒し、帰らせて貰う!」

 

ギース「ふ………せいぜい、私を楽しませてみせろ」

 

 

ナイトメア・ギース…リアルバウト餓狼伝説スペシャル、KOF MI、KOF2002UM

 

 




サンプルです。


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老師チーム

K´「またテメエにいっぱい食わされた…いつかはぶっ殺す」

 

どこで知ったのか、いつもK´は居所を鎮に掴まれ、そして良いように利用される。クーラにもいい加減に縁を切るように言っているのだが、改造された時の副作用で精神が幼いクーラはお菓子を餌にされるとホイホイ鎮の思惑に乗ってしまう。

そして根が善人なK´は、結局は鎮に踊らされるがままに彼が用意したチームメイトと共に大会へと向かって行った。

鎮「これで少しは保険ができたかのう?じゃが、相手はルガールだけじゃのうて、あのギースやベガも絡んでおる。保険は多かれば多い程良いに越したことはないが…やはり儂自身が出場するしかないのかのう」

鎮はきたるべき災厄に向け、万全な状態に備えるべく、なるべくアテナ達を大会に関わらせたくなかった。その為にアイドル活動に集中させる為に過密スケジュールをアテナのマネージャーに頼み、大会に遠ざけたというのに、なんとアテナは現地でチームメイトを見つけて大会にエントリーしてしまったということをマキシマによって知ってしまった。

そこで例の如くK´を唆したものの、やはり不安は拭えない。

「ワシが頼れるのは……やはり旧知の仲に頼るしかないかのう。奴が応じてくれるかは分からんが……」

しかし、頼んでみないことには何も始まらない。

早速鎮は行動に移ることにした。

 

タンの庵

 

タン「頭を上げて下され。鎮先生」

鎮が最初に頼ったのは、若い頃から互いに切磋琢磨して技を磨きあった比較的頼みやすい、八極聖拳のタン・フー・ルーであった。

タンの方も今回のきな臭さを感じとったのか、二人の弟子をどこか遠くの山に籠らせて修行させているとのこと。シュンエイも明天も何やら重い宿命を負っている。

そして、秦の秘伝書に関係している秦兄弟もギースに関わらせる訳にはいかないので、自身の弟子である秦祟雷をシュンエイ達に同行させ、キム・カッファンに連絡を取って祟秀を大会に関わらせないように打診した。

こんなところで消耗させる訳にはいかないのだと。

鎮「ではタン先生……」

タン「わかっておりますじゃ。ワシが生み出してしまった汚点であるギースを止めるは我が使命。喜んで協力させていただきますぞ?鎮先生」

ギース・ハワードは元々タンの弟子であった。しかし、ギースの野心を見抜いたタンはギースを破門にし、ジェフ・ボガードを後継者に選んだ。

しかし、それが悲劇の始まり。野心を露にしたギースはジェフを殺害し、ボガード兄弟の宿命を生み出してしまった負い目がある。

鎮の申し出はタンにとっては渡りに船であった。

タン「して、残るメンバーはどうなさるおつもりですかな?」

鎮「山田十兵衛殿やリー・パイロン殿も考えておりましたが………あやつに頼んでみようかと思いますじゃ」

タン「なんと………思いきった事を考えましたのう。奴が素直に応じるとは思えませんがのぅ……」

鎮「じゃが、奴は腕が立つ。もしかしたら、ワシらと真逆をゆくやつならば……あるいは……」

 

上海

 

サウスタウンを代表するように、華のある町だとてそこには闇がある。

花街を一歩路地裏に踏み込めば、そこは裏の住人達が牙を剥く…。鎮達が求める人物はそこを根城に日々、暗躍していた。

鎮「いるとすればここなのじゃがな……」

タン「いつ来ても落ち着かぬ場所ですじゃ。サウスタウンと良い勝負じゃのう」

彼らの足元には二人を獲物と見たならず者達が転がっている。

「うう………このジジイ達……つえぇ……」

鎮「さて、お前さん達に聞きたい事があるんじゃが…元殿はどこにおるかのう?」

「じ、じいさん達、元さんの客人か!」

タン「うむ。そうじゃ。知っておるなら居場所を教えて頂けると助かるのう」

「元じいさんなら奥の方で誰かと戦っていたぞ?ミイラみたいなじいさんだったけどな」

なんと、目的の人物である元は誰かと戦っているのだという。

鎮「これは急がねばなりませんかな?」

タン「そうですな。元どの事ですから、やっているのは試合ではなく、死合いでしょうからな」

元が戦うということは命のやり取りをしているということだ。無益な殺生は止めねばならない。二人の老師の様子からはとてもそんな感じはしないのだが、口調や態度とは裏腹にその動きは機敏だった。

そして、ならず者達から聞いた地点にたどり着くと、件の人物が戦っていた。

元と………そして。

元「相変わらず、とんでもない化け物だな。これほど血が沸き、肉が踊る戦いは凶眼の男のみと思っておったがな。仙人よ」

??「あ~う~。若いのに大したものじゃのう?それで、誰じゃっかのう?」

一人は白髪に見事な口髭を生やし、カンフー胴着を着た老人で、眼からは有り余る殺気を放つ鎮達が探す達人の暗殺者、元。

もう片方は………

鎮「これはこれは懐かしい。まだ生きておられたとは」

タン「鎮先生もお会いされたことかおありでしたか。まさかオロ殿とは……いやはや、我々が若い頃とあまり変わりませんな……本当のバケモノとはあの方を指すのかもしれませんな」

オロ。アマゾンの奥地に隠れすむ仙人ということ以外はすべてが謎に包まれている人物で、鎮もタンも若い頃に戦いを挑み、敗れている。

鎮「これはこれはオロ殿。久しいですな」

タン「元どの相手に片手で渡り合うとは……相変わらずの強さに感服致しますぞ」

鎮とタンがオロに声をかける。

オロ「お~……久しぶりじゃのう?それで、誰だったかのぅ?」

本当に自分達の事を覚えているのかどうか、いささか怪しいところだ。

元「鎮元斎にタン・フー・ルー……死合いの邪魔を」

元はタンと鎮を睨む。

タン「元殿。ここは矛を収めて、ワシらの話を聞いてはくれんかのう?こんなものが近々開催されるのじゃが」

タンはKOSFの招待状を元に見せる。

元「巷で噂の大会か。ふん、そんな大会など、児戯に等しいわ」

鎮「じゃが、お前さんの追い求めている豪鬼が目を付けておるリュウも出るかも知れん。さすれば、奴が現れるやも知れんぞ?」

鎮の言葉に元が反応する。自らが追い求める殺意の波動を操る豪鬼。その豪鬼が生涯の最大のライバルと見ている元が反応しないわけがない。

オロ「ほう……あのハチマキの若者か。ワシもあのハチマキの男を探しておってのう。あーうー……どれ、ワシも出てみるかのう?KOSFに」

元「………ふん、良いだろう。だが、凶眼の男が現れなかった場合は………賞金はワシが貰うぞ?」

タン「好きにせい。ワシはギースを止めるのが目的じゃ。それぞれの目的の為に、しばらくは仲ようしようではないか」

鎮はルガールの阻止。

タンはギースの阻止。

元は豪鬼との死合い。

オロはリュウに会うため。

それぞれの異なる目的を持った四人のチームが結成された。




タン・フー・ルー…八極聖拳
餓狼伝説シリーズ

鎮元斎…酔拳
KOFシリーズ

元…中国拳法
ストリートファイターシリーズ

オロ…仙術
ストリートファイター3


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アンチダークストーカーズ

夜の京都……現代の日本では時代錯誤の格好をした一人の外国人がランラン♪と能天気な鼻歌を歌いながら歩いていた。

しかし、そんな少女の内心はこうだ。

バレッタ(ち………日本の京都は魑魅魍魎がいると聞いて稼ぎに来たのに、全然いねぇじゃねぇか……)

この少女の見た目に騙されてはいけない。

一見可憐な少女であるが、その中身は可憐とはまったく正反対の存在である。

彼女はダークハンターとしての裏の顔を持ち、数々の暗殺術を駆使してモンスターや魑魅魍魎などの闇の住人を駆逐する仕事をしている。近年の魔界では連続殺人犯としてお茶の間を震わせていたりするなど、人は見た目ではないという悪い意味での典型だ。

そんな彼女の戦い方のスタイルはサブマシンガンを乱射したり、足に付けているロケットランチャーをぶっぱなしたり、手榴弾をつかったりなど、何かと金が掛かる。

時折こうして人間界に帰ってきてはダークハンターとしての仕事をこなし、武器の補充をしたりしているのだが、今回は完全にあてが外れた。

日本と言えばあのビシャモンを生み出し、魔界でも異端の地とされているアンブロジャの国や地獄門、神の世界ではアテナの転生がいたり、あのオロチとも縁の深い国である。さぞかし儲かるだろうと踏んでいたのだが、実際には魑魅魍魎はおろか、平和ボケをしている国であった。

最大の稼ぎ口であるオロチも三種の神器と呼ばれる存在により、再び封印されてしまっていると知ったときにはかなり落胆してしまったものである。

バレッタ(ちっ!どうするかな……あれ?)

あてが外れ、サイコパワーで世界を騒がせているシャドルーのベガでも狩ろうか……。そんな事を考えていたとき、バレッタは見知った顔を見付けた。

魔界とはまた別の異世界からやって来たというマッドな魔法使い、タバサである。

半ば同業ともいえるタバサであるが、バレッタとは知り合いではあるものの、敵でも味方でもない。

怪しげな研究をしているが、ダークストーカーでもダークハンターでもないのだから。

バレッタ「あれ?タバサさん?どうしたの?人間界にいるなんて?」

今は仕事では無いため、気軽にタバサに声をかけるバレッタ。

タバサ「あなたは……バレッタさん。いえ、この人間界も魔のエネルギーを持つものが何かをやる可能性があると聞きまして……その元を辿っていました……。あの地獄門も関わる可能性があると。それを是非とも研究したいと探っていたのです」

バレッタ「その話、詳しく聞かせてもらおうじゃねえか」

バレッタは猫を被るのも忘れ、タバサに詰め寄る。その瞳は完全に$と書かれている。

そもそもダークハンターをやっている目的はバレッタの場合は賞金目的だ。

タバサ「これが関わっていると聞いているのですが…」

タバサはKOSFのチラシを見せた。

バレッタ「格闘大会?四人一組で?それにこいつはベガも絡んでいる……」

バレッタの頭ではしっかり金儲けの算段が構築される。大会で優勝して賞金を稼ぎ、更にベガやギース、ルガールを捕まえて警察に差し出して更に賞金を貰う。ついでに言えばベガもギースもルガールも、ダークハンターの世界ではダークストーカー予備軍として何らかの魔の力に匹敵する闇の力を持つものとして賞金が掛けられている上に、こいつらなら地獄門の力を狙っていてもおかしくはない。タバサの話が本当だとすれば、それを阻止すれば更なる賞金が出るだろう。

バレッタ(一石二鳥どころじゃねぇ!確変級の儲け話じゃねえか!だが、大会は四人一組……誰と組む?)

ダークハンターは基本的に一匹狼であるし、その大半がダークストーカーやタバサのようにダークストーカー予備軍。最たる例はレイレイのようなキョンシーだったり……。基本的に敵、もしくは敵同然。バレッタのメンバーになりそうな存在はいない。

とらぬ狸の皮算用は、その第一歩目から頓挫してしまった。仮にタバサを唆したとしても、あと二人が難しい。レイレイやフェリシア、デミトリ、モリガンのようなダークストーカーそのものに頼むのもプライドが許さない。

それがかつては世界を救った森○のエージェントの協力者だったとしても……(NAM○OXCAPCOM)。

そんな時だ……二人の前に変な生き物が横切ったのは。

バレッタ(あれは噂の日本の妖怪!逃がさねぇ!)

こんなものでも退治すれば金になる。

その妖怪は何やら食べ物を持って走り去っていく。

タバサ「むっ!?これは日本の妖怪!?これは新しい研究材料です!」

バレッタとタバサはそれを追いかけた…。

 

影二(これは面妖な!)

如月流忍術の後継者、如月影二は驚いていた。

今度開催されるKOSFでは必ず極限流が出てくると目していた影二は、共にまりんや藤堂といった極限流に思うところがある者と共に出場しようとメンバーを探していたところなのだが、その最中に奇妙な物を見てしまったからだ。

かつてKOFでオロチや彼方より出ずる者といった人外の力と戦ってきた影二。

如月流はそういうのとは縁があるのか、魑魅魍魎の退治も生業の1つとして担っていた。

時にはかの武神流や不知火流とも協力して事に当たったこともある。時には信じられない事に時代を越えて現れた服部半蔵や風魔小太郎とも協力したことがある程だ。

しかし、今目の前にいる存在は……正真正銘の妖怪であった。

それもひとつ目小僧というこれまた分かりやすい妖怪。

こんなものが現れるなんて、影二は初めての体験で驚愕していた。

いや、流派の記録には残っている。幕末の時代、地獄門と呼ばれる凶事が発生した際、如月流の何代か前の伝承者もその事件には関わっていた。その記録には確かに魔の者と呼ばれる存在が出ていた。

自身もオロチなどのような者と関わった以上、その伝承が与太話とは思っていなかったが、それはオロチのような存在が大袈裟に語られた者だと思っていた。しかし、こんな分かりやすい存在が現れようとは…。

影二は興味半分、そして流派の掟に従い、1つ目小僧を追うことに決める。

??「金の元、まてー!」

??「待ちなさい!研究材料!」

自分と同じように時代錯誤の存在が1つ目小僧を狩ろうと躍起になっていたが、影二はスルーして妖怪を追う。

果たしてその先にいたのは……。

またしても時代錯誤の格好をした、年端のいかない少女と大男だった。

大男「お嬢、路銀がないからって百鬼夜行で小銭や食べ物を集めさせるって……旦那が知ったらまたどやされますぜ?」

少女「しゃあないやん。人間食わへんと動けんで?十三」

お嬢と言われた少女は、集まってくる妖怪から現金や食べ物を受け取り、妖怪を紙へと変えて回収する。

影二(あれは陰陽道!この時代にも使い手がいるとは!かつての伝承者、嶄鉄様は陰陽師と協力して地獄門を封じたと言われているが、まさかこの目でそれを見ることが出来るとは…)

影二と他の追跡者が呆然と見ていると、少女も彼らに気が付いたのか、祓い串と式神の護符を構えて臨戦体勢をとる。

少女「何やじぶんらは!十三!いてこましたり!」

十三「待ってくだせぇお嬢。相手は同じ妖怪祓いと……見たことある構えの忍者っぽいですぜ」

少女「そうなん?そういやぁこっちの忍者は斬鉄のおっちゃんにどことなく似てるやん。ここは未来やから、おっちゃんの子孫なん?」

敬愛する流派の先祖の名前が出てきて驚く影二。いましがたその名を思い出していたばかりだった故に驚きは倍増だ。

影二「せ、拙者は如月流忍術の継承者、如月影二でござる。斬鉄様は数代前の継承者であるが……そちらは?」

あかり「うち?うちは一条あかりや」

バレッタ「一条あかりだって!?」

タバサ「百年以上も昔、稀代の天才陰陽師としてダークハンターの間でも伝説になっている一条あかり…」

二人の外国人…どうやら悪魔祓いか何かであろう二人も驚いている。そして影二も驚いていた。

斬鉄と協力して地獄門の解決に力を貸していた陰陽師の名前も一条あかりだったからである。

一条あかり……四神と呼ばれる者達と共に地獄門の事件を斬鉄達と協力して解決し、後に安倍晴明の再来とも言われた稀代の天才陰陽師。その名前を目の前の少女が名乗ったからだ。そしてその従者は……。

影二「お主……名は?」

十三「ワシか?ワシは神崎十三。一条家の客分としてお嬢のお守り……いや、護衛をやってる」

影二(神崎十三!?まさか、こやつらは本人!?)

以前、バトルコロシアムでも一条あかりは現れたとリー・パイロンから聞いている。今、再び一条あかりが現れたとでも言うのだろうか?

それには見知らぬ外国人もまた、驚いていた。

一条あかりと神崎十三はダークハンターの間でも伝説の存在として語り継がれているからだ。

それは斬鉄も同じである。

バレッタ「これは行けるぜ……タバサ、一条あかり、斬鉄の流派を扱う如月影二……これならKOSFに参加できる!」

バレッタは興奮する。伝説のダークハンター、一条あかり。

その伝承の仲間である斬鉄の技を受け継ぐ者…そして過去のKOFの出場経験者から絶対に招待状を持っているであろう如月影二……。

そしてタバサ………。

バレッタ「ねぇ、あなた達、地獄門の事を追ってるんでしょ?元凶だと思われる人達が、こんなものを開こうとしてるんだけど、一緒に出ない?」

地獄門の事を解決し、更には楓を行方も追っている一条あかり。

如月流継承者の如月影二。

天才マッドウィザード、タバサ。

ダークハンター、バレッタ……。

 

呉越同舟の……それも影二を除いた異世界、タイムトリッパーが入り交じった歪なチームが出来上がった。

 

十三「あの…ワシは?」




バレッタ…流派不明
ヴァンパイアセイヴァー

タバサ…魔法
ウォーザード

一条あかり…陰陽術
月華の剣士

如月影二…如月流忍術
龍虎の拳2


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セレブチーム

長いこと放置していて申し訳ありませんでした。
今回はセレブで構成してみました。


タイ

ガルシア財団タイ支部

 

極限流の最強の虎ことロバート・ガルシア。

KOFを始めとして格闘技界で名を轟かせた彼も、今では家業であるガルシア財団の事業を継ぐべく格闘技の表舞台から離れて久しい。

現在では本格的な実績を積むために本社を離れ、海外の支社での陣頭指揮を取るように命を受けている。

ガルシア財団も発展が注目されているアジア進出に力を入れていた。ロバートはその足場作りを任されているのである。

何故タイなのか。紛争の火種が燻っている地域ではあるものの、それ故に復興と発展が期待されている事もあるが、実際はロバートの個人的な都合も兼ねている事はあまり知られていない。

若きガルシア財団の後継者として現在は家業に集中しているものの、ロバートはやはり格闘家だ。格闘に対する情熱は徐々に失われつつあるのものの、習慣付いた稽古を怠った事は無いし、日常的に強い相手とのスパーリングパートナーを欲している。

その中でも実力が近い最適な相手がタイに在住している故にロバートはタイに拠点を置いたのである。その相手がムエタイチャンピオン、ジョー・東である。

 

ロバート「いつも悪いな、ジョー。ほんまにええ組手が出来て助かっとるわ」

 

ジョー「構わねぇよ。俺もスパークリングパートナーとしてお前ほど最適な相手はいねぇからな」

 

ジョーはKOFでは常連として人気の高い「餓狼チーム」の選手だ。ロバートが籍を置く極限流チームのライバルチームとして、何度も対戦している実力者である。

ロバートとジョーは蹴り技主体のスタイルとして実力を認め合っており、親友とまではいかなくとも良い友人関係を築いていた。

 

ジョー「けどよ、お前も良くやるな。実業家の傍らでこうしてトレーニングは欠かしていねえんだからよ」

 

ロバート「わいかて空手家の端くれや。習慣付いた稽古をやらんと気持ち悪うてな。体もなまってしもうていかん」

 

実際として徐々にではあるが、キレが失われつつある。体も技も。仕事にも慣れ、面白くなってきた来たことに比例し、時間を取られるようになってきた。それに反比例するように修行に費やす時間が減り、情熱も無くしつつある。日々の稽古も半ば惰性でやっている感覚が出てきてしまった。

このままではライバルであるリョウとの差が開いてしまうだろう。いや、下手をしたら強くなり続けているユリにもいずれは抜かれてしまうかも知れない。

 

ジョー「畑違いではあるけどよ、俺もタイトル防衛戦がちけぇから助かってるぜ。けどロバート。二足のわらじでの無理が出てんじゃねぇか?段々前ほどの技の冴えもねぇし、何よりハートが感じねぇ」

 

ロバート「…………」

 

ジョーの指摘は尤もだった。ロバート自身もそれはよくわかっている。

そろそろ表舞台から身を引くのも考えた方が良いのかも知れない。

 

カーマン「ロバート。トレーニングの時間は終わりだ。神月のご令嬢との時間が迫っている。そろそろ準備に入った方が良いのではないか?」

 

ロバート「わかってる。サンキュー、ジョー」

 

ジョー「ああ。こっちも助かったぜ?また頼むな」

 

神月財閥とは現在共同で事業を行っている。

神月の総帥はロバートの事を気に入っているのか、こうして仕事とは別にプライベートの食事に誘われる事も多くなった。

ロバートは服を正装に着替えてバンコクにあるレストランに足を運ぶ。急がねばならない。

格は相手の方が上。かりんが到着する前に余裕を持って会場に入らなければ礼を失してしまう。

プライベートとは言え、その辺りのPTOを弁えねば大変な事になる。

 

カーマン「ロバート。神月様とご令嬢のかりん嬢が到着なされた」

 

ロバート「おおきに。出迎えるわ」

 

ロバートはもう一度髪型をチェックして神月夫妻と、その孫であるかりんを迎える。

 

ロバート「お待ちしておりました。神月様」

 

到着した神月かりんに丁寧に挨拶をするロバート。その後ろにはとても見慣れた男と、顔は知っているが直接は会ったことがない一人の男の姿もあった。

 

ロバート(紅丸と……確かトルコの油王、ハカン……と言ったか?妙な組み合わせやな)

 

かりん「ロバートさん。そう固くなさらずとも結構ですわ。この度はプライベートでこちらにお邪魔したのですから」

 

ロバート「そういうわけには……」

 

神月総帥はロバートをかりんの婿候補としているような節があり、かりんとはそれなりに顔を合わせている。尤も、数ある候補の一人……ではあるし、ロバートにもかりんにもその気は全くないのであるが。

地位も金も、更には容姿端麗であるロバート・ガルシア。望めば大抵の女性に困らないのであるのだが、彼は本気でリョウの妹、ユリ・サカザキにぞっこんだった。

なので、周りから他の女性を紹介されても困るのである。

かりんは魅力的な女性ではあるのだが、ユリとは明らかにタイプがちがうのである。

ちなみにではあるが、二階堂財閥の御曹司でもある紅丸もその一人であるらしい。

 

紅丸「かりんちゃんの言うとおりだぜ?ロバート。いつも通りの砕けた口調で頼む。お前が敬語とか、ギャグにしか聞こえないぜ?」

 

ロバート「やかましいで自分。なして紅丸がここにおるんや?二階堂財閥の御曹司としての自分を見るのは初めてや。あと、かりんちゃんて砕けすぎやないか?」

 

紅丸「そりゃ、その立場で俺様が動くことはないからな。言っただろ?プライベートだって。それに俺様は家業を継ぐ気はさらさらない」

 

髪をストレートに下ろした二階堂紅丸が今にも吹き出しそうな顔でロバートに言う。紅丸と言えば先ほどまで組手をしていたジョーや、某奇妙な冒険の第3部に登場したフランス人のように逆立てた髪型が有名であるが、それは格闘の試合の時のスイッチを入れる為の言わば戦化粧のような物で、普段の紅丸は長い金髪を女性のように背中まで下ろしている。

紅丸との付き合いも長い。ジョーと同じく格闘のライバルとして、KOFで切磋琢磨してきた仲だ。

互いに御曹司という立場で、長い付き合いでありながら、こうした家の付き合いで顔を合わせるのは初めてであるので妙な気分になってしまう。

 

ハカン「おお、そちらが有名な『最強の虎』、ロバート・ガルシアはんでっか?初めましてやな。ワイはハカンや」

 

ロバート「初めましてハカンさん。私は……」

 

ハカン「ガルシアはん。神月はんも紅丸はんも言うてはりましたが、敬語は必要ないでっせ?ああ、ワイはこの口調が素であるさかい、気にせんで下さい」

 

ロバート「は、はぁ……そうでっか?ほな、ワイも素で話させて頂きますわ。でですわ、今回のこないな集まりはなんでっしゃろ?神月はん?」

 

かりん「かりん……で、結構ですわよ?そして、今回の件はこちらの件ですわ」

 

かりんが一封の封筒を取り出す。それにはロバートにも見覚えがあった。

KOSF。

ロバートが何度も出場している曰く付きの格闘大会。表でも裏でも開催されれば何かとトラブルに見舞われる大会、KOFのルールを適用した大会である。

その招待状は世界中の格闘家に届いており、当然、ロバートの元にも届けられていた。

 

ロバート「その招待状なら、ワイの所にも届いとるで。せやけど、ワイは今回は見送るつもりや」

 

紅丸「正気か?俺様はてっきりお前も出場するものと思っていたぜ?」

 

以前なら、いの一番でリョウやタクマとコンタクトを取り、大会にも参加していただろう。だが、今のロバートは格闘家である以前に実業家である。

それに、今はアジア基盤の確保が重要である。

 

ロバート「今のワイはガルシア財団のロバート・ガルシアや。いつまでもヤンチャはしてられへんのや」

 

ロバート(親父との約束やからな。フレアとの件以降は、家業に専念するて。ヤンチャな事が許される時期は終わったんや)

 

ロバートはそう父親のアルバート・ガルシアに告げている。

 

かりん「シャドルーやハワードコネクション、更にはR&Bが我々の事業にも影響を及ぼしているのも事実。この大会は彼らが手を組み、何かを企んでいるという事もガルシア財団は掴んでいるはずですわ。ロバートさん。あなたはこれを見過ごすおつもりですの?」

 

ロバート「かりんちゃん。それはワイらでなくてもリョウやテリー、京らがやってくれるはずや。違うか?」

 

わざわざ自分達が出向く物でもない。ロバートはそう考えていた。

 

かりん「そうですか。時間を取らせて申し訳ありませんでしたわ。用件はこれで終わりです。紅丸さん。あなたが期待された極限流の最強の虎は既にお亡くなりになられたようですわね」

 

ロバート「なんやて?」

 

聞き捨てならなかった。

確かに今は実業家としての自分を優先している。しかし、最強の虎の名を捨てたつもりは全くなかった。

 

かりん「あら?違いますの?今のあなたを見て、無敵の龍はあなたをライバルと認めると思いですの?最強の虎も今は伝説の中での存在。今のあなたは虎にあらず。牙が折れ、爪の剥がれた猫ですわ」

 

ロバート「いくらかりんちゃんでも、その言葉はゆるせへんで?ワイは今でも最強の虎や」

 

ハカン「せやかて、昔テレビで見たロバートはんの人物像とは違いなはりますなぁ。ロバート・ガルシアいう人の目はもっとギラギラしておぅたさかい」

 

紅丸「先輩も丸くなって、牙を失ってしまったのかも知れないな。龍虎の拳も、今は伝説……と言うわけか」

 

好き放題言われるロバート。

こうまで言われて大人しくしていられるほど、ロバート・ガルシアという人物は大人になりきれてはいなかった。忘れていた熱い何かが、甦ってくる。

何より自分はともかく、リョウの事を言われれば……

 

ロバート「ええで……訂正したるわ……ワイは実業家である前に極限流の最強の虎や。極限流はサカザキだけや無いてことを、見せたるで。それに、ギースやルガールにはまだ借りを返してへんしなぁ」

 

カーマン「ロバート……ヤンチャはもう……」

 

ロバート「カーマン。ワイにはまだ、カラテマンの血が残っておったらしいで。それに、シャドルーやギースらを放置しとったら、またいつかネスツの時みたいになるやも知れん。これはガルシア財団の為や。違うか?」

 

カーマン「……もう知らん。自分の責任は、自分で拭け。私はもうお守りはせんぞ」

 

ロバート「助かるわ。カーマン」

 

ロバートはかりん達に向き直る。

 

ロバート「安い挑発やけど、乗ったるで。かりんちゃん、紅丸、ハカンはん。やるからには、目指すは優勝や。リョウにも、京にも、テリーにも、ケンはんにも負けるつもりはないで?」

 

神月「常勝神月家に敗北は許されませんわ。足を引っ張らないで下さいな?ロバートさん」

 

格闘家に戻ったロバート・ガルシア。その瞳にかりんは頼もしさを感じていた。

そして、一通りの食事を終え、四人は一時解散する。

 

ロバート(なまった体を戻さなあかんな)

 

最強の虎、復活!

神月の令嬢、参戦!

世界の電撃シューター、紅丸、参戦!

ヤール・ギュネシュの王者、油王・ハカン、参戦!

 

ロバートと別れた後の車内。

 

かりん「人を焚き付けるのは、お上手ですのね?紅丸さん」

 

紅丸「なあに。長年京や真吾のお守りをやってれば、このくらいは軽いもんさ。京に比べれば、単純だったくらいさ。それよりもかりんちゃん。どう?この俺様と一晩のアバンチュールでも……」

 

かりん「ええ。神楽さんにご報告してもよろしいのであれば」

 

紅丸「やれやれ」

 

そう言って紅丸はセーラムを取り出そうとして……止めた。

 

かりん「禁煙ですわよ?紅丸さん」

 

紅丸「吸わないさ。KOF期間中はいつも禁煙なのさ」




ロバート・ガルシア…極限流空手
龍虎の拳シリーズ

二階堂紅丸…シューティング
KOFシリーズ

神月かりん…観月流格闘術
ストリートファイターシリーズ

ハカン…ヤール・ギュネシュ
ストリートファイター4



皆さんお久しぶりです。
今回はセレブ達で構成してみました。

上のロバート、紅丸、かりんの3人は書き始め当初から考え付いていたのですが、最後の1人をプリム、イングリッド、ハカンの内誰にするかで迷っていました。
プリムはシャドルー関連の企業ですし、イングリッドは本当にセレブなのか迷うところがあり、最終的には間違いなく世界有数の油企業のハカンに決定する事にしましたがいかがでしたでしょうか?1人くらいは色物がいても良いのではないかというのも選択の理由です。

所で紅丸ってKOF94の頃から御曹司設定はありましたけれど、それが活かされてる場面って全く無いですよね?アドベンチャーゲームのKOF京でもその設定が出てきませんでしたし、紅丸が御曹司という設定があることを知らない方もいらっしゃるのでは無いでしょうか?

それでは次回もよろしくお願いいたします。


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息抜きのデモ(ライバル戦)~空手家チーム~

ライバル戦デモです。


リュウ

ライバルチーム戦

三種の武神チーム

ステージ…朱雀城

 

京「下馬評通り、アンタらが勝ち進んで来たか」

リョウ「そっちもな。お前が八神と組むなんて……最近じゃ珍しくないか……なんだかんだで実は言うほど仲が悪くないんだろ?」

庵「毎度仕方なく組んでいるだけだ。下らんことを言うなら、京よりも先に貴様を殺すぞ。リョウ・サカザキ」

リュウ「む……この感覚……もしや……」

ユリ「どうしたの?リュウさん?」

ケン「まさか……」

ローズ「そうよリュウ。彼は三種の神器であると同時に、オロチの力も宿している。あなたはここから先には行っては行けない……オロチの力、サイコパワー、暗黒の力……それらがあなたの殺意の波動を刺激したならば……」

ガイ「更に人の世が乱れる事になるでござる。後は我々に任せ、貴殿は手を引くで御座る」

リュウ「俺の身を案じてくれていることはわかる。それには感謝する。だが、真の格闘家たるもの、勝負から逃げ出す訳にはいかない」

ケン「ローズ。毎回言うけど、俺達格闘家が己の意地を通すとしたならば、やることは一つだろ?」

リョウ「答えは己の拳のみ!俺達格闘家は言葉ではなく、拳で語るものだ!」

ユリ「毎度暑苦しいけど、それが一番のシンプルなやり方だっち!」

ガイ「左様か……ならば、答えは1つで御座るな」

庵「下らん……さっさと退いていれば死なずに済んだものを……」

ローズ「それしか無いようね……草薙。あなたもそれで良いかしら?」

京「どうにも毎回何かの思惑とか面倒な事が起こる大会だぜ。純粋に腕試しとか出来ねぇのかね?けど、アンタとは一度やりあいたかったんだ。今は楽しもうぜ?孤高の格闘家、リュウ」

リュウ「良いだろう、草薙流伝承者、草薙京!俺の拳を試すか!?」

京「行くぜ……」

 

ケン

ライバルチーム戦

アメリカンヒーローチーム

ステージ…イザレラ号(ストzero2ケンステージ)

 

テリー「ヘイ!全米格闘王!それにリョウ!対戦で当たるのを楽しみにしてたぜ!?」

ケン「ヒュウ!サウスタウンのもう一人のヒーロー、テリー・ボガードにその秘蔵っ子のロック・ハワード、メトロシティーの英雄コーディーにハガー。すげえメンバーが揃ってるなぁ。やっぱりKOFはすげえ大会だぜ」

リュウ「機会があればもっと参加したい大会だな。これまでの試合も一筋縄では行かなかった」

ユリ「真の格闘家にまた一歩近付けるってやつですか?リュウさん!」

コーディー「めんどくせぇ…。まぁ、ケンカ相手には満足出来た大会だったけどな」

ハガー「あれだけ好きに暴れてりゃ、そりゃ満足だろうな?」

リョウ「互いのチームを離れてやりあうのは初めてだな!テリー!ロックとは初めてか?うちのマルコが世話になったそうじゃないか」

ロック「リョウ・サカザキ……お前を超えて、どこまでも高く羽ばたいてやる」

ケン「みんなハートが熱くなってきてるぜ?俺をガッカリさせるなよ?どちらが全米1か、ここで決めようじゃないか?ミスター・ボガード!」

テリー「OK!ヘイ!カモンカモン!」

 

リョウ・サカザキ

ライバルチーム…セレブチーム

ステージ…サカザキ道場(龍虎1竜白ステージ)

 

ロバート「勝ち進めばお前と当たると信じてたで?リョウ」

リョウ「流石だな、ロバート。決勝まで来れるとは、ブランクなんて心配無かったな」

ロバート「よう言うで?こないな所で躓いてたら、誰かさんらがうるさいやろが。ユリちゃん迎えに行かへんといかんしな」

ユリ「またまたぁ、ロバートさんってば。私の事なんてもうどうでも良いでしょ?」

ケン「大分拗れちまってるみてぇだぜ?もっとこまめに会わねぇと、後で大変だぜ?俺とイライザの事を参考にするか?ミスターロバート」

ハカン「流石は愛妻家のケン・マスターズはんや!家族円満は商売繁盛の基本や。せやろ?神月はん、紅丸はん」

リュウ「そうなのか……俺にはよくわからんが…」

かりん「さくらさんと家庭をもってみては?案外、満更でも無さそうですわよ?それよりも紅丸さん?ふらふらしていないで、神楽さんとはっきりなさってはいかがですの?」

紅丸「それでこっちに話を持ってくるな。大体、これから試合をするってときにする話じゃ無いだろ?」

リョウ「そうだな。俺にはまったく縁のない話だしな」

ロバート「お前……相変わらずやな。キングが不憫やわ。さぁ、お喋りはここまでや。決着を付けるで?リョウ。それに、やりあえるのを楽しみにしてたで。ケン・マスターズに噂のリュウ。最強の虎の復活、この決勝で見せたるわ」

リョウ「良いだろう!来い、ロバート!」

 

ユリ・サカザキ

ライバルチーム…ムエタイチーム

ステージ…ロンドン橋公園(KOF94女性格闘家チームステージ)

 

ユリ「あ、キングさーん!お久しぶりです」

キング「ユリにリョウじゃないか。本当に随分と長い留守だったじゃないか。アンタ達が留守の間に、結構な人が極限流道場に来たみたいだよ。この人もその内の一人さ」

リュウ「サガット……済まないな。随分と捜させてしまったようだ」

サガット「構わん。お陰でこの余興に参加する機会が出来た。決勝でお前と戦えるなら、これ余興の仕上げとしても悪くはない」

ケン「完璧に二人の世界に入っちまってるが、俺達を倒せるとでも思ってるのか?俺が全員を相手に勝ち抜くってのもありなんだぜ?」

アドン「全米格闘王だからって調子に乗るなよ?ケン・マスターズ。全米1だろうが何だろうが、ムエタイが世界最強だって事には変わらねえんだよ」

ジョー「その中でも俺達は歴代ムエタイファイターの中でも上位だ。特にリュウ・サカザキ!互いに今回はいつもとは違うメンバーだ。決着を付けるには良い機会じゃねぇか?」

リョウ「良いだろう!ジョー・東!龍虎と餓狼の看板を背負った番外戦、受けて立とう!」

キング「やれやれ……私は無視かい?リョウ」

ユリ「ごめんねぇ、いつも通りのお兄ちゃんで…」

キング「まぁ、リョウに感動の再会を求めるのは間違ってるってのはわかっていたんだけどねぇ……。それに、これは決勝だ。やるからには全力で行くよ。私も、極限流を含めた空手家には一言物申したかったしね。ムエタイファイターのプライドをかけて。覚悟は良い?ユリ。カモン、ベイビー」

ユリ「いつものKOFと一緒だよ?キングさん。格闘と友情、それに恋愛は別物!勝負っち!」




ライバル戦はこんな感じになります。
これだけキャラが多いと、1つだけに絞るのは困難だったのでこのような形でまとめてみました。
7チーム目を倒したキャラがストーリーのメインを決める形ですかね?
ネオポケのカプエスやマーブルVSカプコンなんかがこういう形式だったかと思います。

追記
各キャラの考察

リュウ
リュウと言えばカプコンの格ゲーキャラの代表とも言える主人公。ならばリュウのライバルにはSNK格ゲーの代名詞、KOFの初代主人公である草薙京の他に務まるキャラはいないでしょう。
そのリュウのステージと言えば朱雀城に他なりません。しかし、キャラ固有ステージのある作品でのリュウのステージは大体が朱雀城です。では、いつの朱雀城が良いのかと言われれば……無印スト2の夕焼けをバックにしたステージでは無いかと私は思っていますが、以下がでしょうか?

ケン
ケンのライバルはカプエスでも描かれている通り、テリー・ボガードがベストでは無いかと思っています。カプコンとSNKのクロスオーバーは4作品あるわけですが、その全てがリュウに京、ケンにテリーといった図式が出来ております。テンプルではありますが、メインのライバルにテリーを持ってきました。ですが、他のメンツも忘れてはいけません。
ケン対コーディーもアメリカンヒーロー同士という点では見逃せないカードでは無いかと思っております。カプエス2は何でファイナルファイトからマキを出したんでしょうね?せめてガイなら納得したんですが。
ケンのステージはリュウに合わせてスト2のヨットの停泊場も考えた訳ですが、その当時のケンにマスターズ財団の御曹司設定はありませんでした。目立ちたがりの性格もまだありません。ならば、そんなケンが確立されたステージの代表と言えばストZERO2の豪華客船での船上ステージと考えた次第です。

リュウ・サカザキ
リョウの場合は過去のカプコンサイドのライバルと言えば……初代はダン、カプエス1と2やSVCCHAOSではバイソン。
京やテリーと比べてもあまりではないですかね?リョウは龍虎シリーズの主人公ですよ?しかも、格ゲー界の裏ボスと言えば豪鬼と思われがちですが、初代裏ボスは実はリョウ(餓狼伝説SP)で、次に若ギース(龍虎2)、豪鬼は三人目だったりするわけですし、初めて超必殺技(覇王翔吼拳)や今で言うところのウルトラコンボ(龍虎乱舞)に該当する潜在能力必殺技を実装した作品の主人公だったんですよ?それがダンやバイソンって…。という事で、敢えて対カプコンに拘らずにロバートをライバルキャラで実装してみました。
ステージは龍虎1の藤堂竜白ステージ……となってますが、実はあそこは極限流道場。流れるBGMも「ようこそ極限流道場へ」。以降もKOF98の龍虎チーム紹介やカプエス1の極限流道場で流れる龍虎シリーズの代表的なテーマとして使われていたテーマです。なのでリョウステージとして割り当てました。

ユリ・サカザキ
ユリは悩みました。過去作品のユリのライバルはバレッタ(守銭奴繋がり)かさくら。となると、アンチダークストーカーチームか女子高生チームとなるわけですが、それよりはリュウとサガット、ケンとアドン、リョウとジョー、ユリとキングのマッチアップもできるのでは無いかと思い付き、このような形にしました。
アンチダークストーカーチームも悪くは無かったのですけどね?ケンが空気になること以外はマッチアップも可能と言えば可能でしたし。
ステージも悩みました。龍虎2のスポーツジムかKOF94の女性格闘家チームのステージか……。と考えた結果、後者を選びました。
ステージがイギリスなのでユリ個人には何の接点も無かったりするんですが、あのステージ=ユリというイメージだったので…。
はい、完全に個人の趣味です(^_^;)
ぶっちゃけ、公式で語られる当初のプロットではKOF94のイギリスチームは何故かビリー、ビッグベア、キングだったらしく、ステージはその名残だったそうです。ビリーはイギリス出身ですし、餓狼2のビリーステージがKOF94の背景にあるロンドン橋を背景にした時計塔だったでしょうか?ビリー人気は凄いですね。


平成最後の日、何か投稿しようと思ってこの話を入れました。
明日から令和ですね?


それでは次回はチーム紹介の方に戻ろうかと思います。


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ジャスティスブラザーズチーム

本当はテリーとアンディで組ませて見たかったチームでもあります。


中国香港

 

大衆料理屋の「昇龍軒」

街を守るユンとヤンの幼なじみ、ホイメイとシャオメイが父親の手伝いで働いている店である。

ユンとヤンの兄弟は特にやることが無いときはこの店を手伝い、その報酬でただ飯を食べさせてもらっている。

普段のユンは憎まれ口を店主に叩いているが、それは幼少期に両親を亡くしている彼にとっては父親のように甘えている態度の裏返しなのかも知れない。

店主も娘であるホイメイとシャオメイがそれぞれユンとヤンに対して想いを抱いていることを知っているので、ユンの態度に目くじらを立ててはいても、将来的には娘達と結婚して本当の息子になってくれれば良いな…とは思っている。

 

店主「ヤン、あそこの坊主どもにコレをサービスしてやりな」

 

ヤン「気前が良いですね」

 

店主「あの坊主も双子だろう。昔のお前達を見ているようでな。ついついサービスしてやりたくなっちゃうんだよ」

 

ヤン「わかりました」

 

ヤン(ん?あの双子……何故か見覚えが……)

 

ヤンにはこの双子に既視感を覚える。大分昔に無くなった九龍城…そこにいた誰かに関係があった……。そんな気がするのだが……。

 

ヤン「これをどうぞ」

 

双子兄「頼んでいない」

 

双子の兄であろう髪の毛を逆立てた子供が生意気な口で返してくる。

 

双子弟「兄さん!失礼だよ!兄がすいません……」

 

おかっぱ頭の弟の方がヤンに頭を下げてくる。

 

ヤン「これはうちの店主からのサービスだ。俺も双子でな、小さい頃から俺達を息子のように可愛がってくれていた店主が昔の俺達をお前達に重ねたようで、ついサービスしてやりたくなったそうだ」

 

祟宗「そうなんですか。あ、僕は秦祟宗、双子の兄が秦祟雷です。サービス、ありがとうございましたと店主にお伝えください」

 

祟宗は丁寧に頭を下げ、ヤンに礼を言う。

 

ヤン「所でお前達、どこかで見覚えがある気がするが、気のせいか?」

 

祟宗「ええっと………」

 

ヤンがそう尋ねると、祟宗は困ったような表情を見せる。

 

祟雷「俺達はよく覚えていないが、昔九龍城砦に拐われていたことがあるらしい」

 

ヤン(やはり九龍城……。あそこに拐われてよく無事だったものだな……)

 

香港の九龍城砦。そこは一般の者が入り込めば、たちまち拐われてしまうと言われた香港の黒歴史が詰まった黒街である。

今は取り壊されてしまったが、迷路のように入りくんだ地形は一度入ったら出られないと言われる程であり、その地形により黒社会の者達が根城にしていた場所である。

行政の目が行き届かず、買収、薬物売買、武器の違法取引、賭博等が横行されていた場所。それが九龍城砦である。

そこに拐われていたと言うならば、言い淀んでしまうのも無理は無いだろう。

 

ヤン「それは済まない事を聞いた。それでお前達は今、どうしている?」

 

祟宗「今は兄さんはタン老師の元で、僕はキム・カッファン先生の元で住み込みの弟子にして頂いております」

 

ヤン「タン老師とキム・カッファン…だって?!」

 

キム・カッファンはかのKOFで毎度上位トーナメントに常連出場をしている格闘家なら誰もが聞いたことのある人物。

そして、タン・フー・ルー…。鎮元斎と並ぶ拳法をやる者で彼を知らないものは潜りと呼ばれている拳法の仙人だ。

基本的に街を守るということ以外は格闘界に興味のないヤンですら名前を知っている二人の師匠達。

 

ヤン「では、キム・カッファンとタン・フー・ルーは今、香港にいるのか?」

 

祟宗「いえ、何でもご用があるようで、僕たちを知人に預けるつもりだったそうです。ホン・フーさんという方らしいのですが……」

 

ヤン「あの警察官か……頼りになるとは思えないけどな」

 

香港警察の問題児、ホン・フーの事はヤンも良く知っている。無能ではないが、型破りの捜査でいつも揉め事を起こしている事で有名だ。

ホン・フーがもっと頼りになれば、自分達がこの街で自警団みたいな真似事をすることもない。

 

ヤン(ん?ホン・フーに秦兄弟?もしかしてこの子供達は!)

 

そんな時だ。店が急に騒がしくなったのは。

 

山崎「見つけたぜ?秦兄弟」

 

祟雷「き、貴様は山崎竜二!」

 

ヤン「山崎だって!?」

 

思い出した。元々九龍城を根城にしていた一匹狼のチンピラが起こした1つの騒動の事を。確か秦の秘伝書を巡ったサウスタウンの事件に秦兄弟が……。

 

祟雷「くそ!キム兄弟が席を外している時に!逃げるぞ祟宗!」

 

祟宗「う、うん!もう秦の秘伝書の騒動なんて真っ平だよ!」

 

秦兄弟が裏口から逃げようとするが……

 

ヤン「待て!裏も危ない!」

 

???「そういう事だ。捕まえたよ、クソガキ共」

 

シャドルーのテコンドー使い、ジュリが秦兄弟を気絶させ、捕まえる。

 

ヤン「お前は……ハン・ジュリ!」

 

山崎「首尾通りだなぁ?ジュリ。やっぱり先祖の魂に乗っ取られていねぇと、コイツらは大した事がないか…」

 

ヤン「山崎竜二とハン・ジュリ……山崎、今回はシャドルーと手を組んだのか!」

 

山崎はヤンを確認すると、小バカにしたような笑いを浮かべる。

 

山崎「久しぶりだな。まぁ、今回の雇い主はシャドルーを含めた色んな所って事さ。俺も忙しいんでな、ここらでずらからせて貰うぜ?シャドルーに目を付けられちまったんじゃ、香港も終わりだな。まぁ、いずれこの俺がぶちのめしてやるよ。オメェの兄貴も含めてなぁ!」

 

ジュリ「とっととずらかるぜ?山崎。こっちも暇じゃねぇんだ」

 

ジュリが去ろうとすると、その行き先を止めようとする者が現れた。

 

???「そこまでです!テコンドー使いの面汚し!」

 

???「お前、山崎と組んで何を企んでるんだ?」

 

ジュリ「ちっ!もう来やがったか。キム兄弟」

 

キム・カッファンの二人の息子、ドンファンとジェイフンだ。

 

ジュリ「おい、木偶の坊。足止めすら満足に出来ねぇのかよ?」

 

バイソン「それはこっちに言えよ!」

 

牙刀「ふん……」

 

ユン「く……コイツら……強い!」

 

見れば買い物に出ていた兄のユンが複数の人間に襲われている。

 

ビリー「へっへっへっ」

 

バーディー「………」

 

ユーリ「………」

 

ユーニ「………」

 

草薙京1「………」

 

草薙京2「………」

 

とんでもない人数に周りを囲まれている。何故か二人もいる草薙京。ベガ親衛隊。他にもシャドルーやギースの腹心のビリー。まともに相手をしていたら負けるのはこっちだろう。

 

山崎「全員まとめてぶっ殺してやっても良いけどよ、生憎とこっちも忙しいんでな。大人しくしておけば、危害は加えねぇよ。退くぜてめぇら。おい、シャドルーの兵隊さんよ。足止めは頼んだぜ?アバヨ!」

 

そう言って山崎を含めた中核の人間達は、秦兄弟を拐って逃げ出した。残るは量産型草薙京のクローンの雑魚達だけである。

 

ユン「くそっ!このままじゃすまさねぇそ!シャドルー!ギース!ルガール!」

 

量産型草薙京を倒しながら、ユンが絶叫した。

 

 

 

ジェイフン「完全にやられましたね……父さん達に何て言えば良いんだ……」

 

ドンファン「ちょっとした用事だったはずなのにマジかよ……親父にどやされるだろ。下手したら鳳凰脚の餌食にされるぜ?」

 

キム兄弟の弟、ジェイフンは父親同様に悪を絶対に許さない正義感溢れるイケメンで、対する兄のドンファンはどちらかと言えば不真面目なタイプの人間だ。

その不真面目さはジョー・東の影響があるようなのだが。とはいえ、まったく正義感が無いかと言えば答えはノーだ。態度とは裏腹に結構正義感は強い方なのである。

 

ホンフー「かー!キムが絡むといつもそうばい!山崎だけやのうてシャドルーやギース、更にはルガールまで絡んでくるとか、どぎゃんすればよかと!?」

 

香港警察のホン・フーは頭を抱えて嘆いていた。ホン・フーはジェイフン達の父、カッファンの修行仲間で、何気にカッファン夫婦の仲を取り持った友人関係である。

秦兄弟とは知らない仲ではない事から、カッファンは旧知の仲であるホン・フーを頼り、秦兄弟を任せたのであるが、まさか秦兄弟が狙われているなどとは夢にも思っておらず、おめおめと秦兄弟を拐われてしまった。

 

ユン「なぁ、キム兄弟。このまま諦めるのか?」

 

ジェイフン「諦めきれませんよ!祟宗は僕の弟弟子なんです!可愛い弟弟子が悪人に拐われて黙ってるなんて出来るわけが無いじゃないですか!」

 

ドンファン「親父が怖いしな」

 

ジェイフン「兄さん!これだから兄さんは!」

 

ユン「俺達よ、結構似てるよな?」

 

ジェイフン「はい?なんですか?こんな時に」

 

ユン「俺もさ。素直な性格じゃねぇからわかるんだよ。キム・ドンファン、お前、結構悔しいんだろ?カワイイ弟分を拐われちまってよ」

 

ドンファン「!?」

 

ヤン「兄貴。冗談は止めてくれ。俺はキム・ジェイフンほど行儀良くない」

 

ユン「おいおい、今はそんなことはどうでも良いだろ?で、どうなんだ?キム・ドンファン」

 

ユンがドンファンを真っ直ぐ見据える。

 

ドンファン「ああ!悔しいしどうにか取り戻してぇよ!祟宗は数少ない年下の弟弟子なんだからよぉ!でもどうするって言うんだよ!わからねぇよ!」

 

ホンフー「そげんでよかと。わらの親父、キム・カッファンだったらわで何とかせんとするが、そげんことば本来は警察の仕事たい。わら子供の出る幕ばないっちゃ」

 

ホンフーは動くなと言ったつもりであったのだが、それが逆に地雷を踏んだことに気が付いていなかった。

キム兄弟はタイプこそ違えど、結局はキム・カッファンの息子なのだ。

ジェイフンはそのまま父親通りに、ドンファンはちゃらんぽらんながらもドンファンなりに父親の事を尊敬していた。

 

ドンファン「そうだぜ……親父ならこのまま泣き寝入りなんかしねぇよな……」

 

ジェイフン「そうだね兄さん。父さんなら地の果てでも山崎を……ベガやギースを追い詰めて秦兄弟を取り戻すはずだよ。僕達もやるんだ。キム・カッファンの息子として」

 

ホンフー「ま、待つっちゃ!そげなつもりで言うたんじゃなかと!」

 

シャオメイ「ねぇ、ヤン。ヤン達も彼らに協力出来ないの?あの秦兄弟……他人事とは思えないの」

 

ホイメイ「ユン。お父さんも気に止んでるわ?それに許せないの。この香港でこんな事件が起こるなんて……いつものあんた達なら、黙ってないでしょ?」

 

ユンとヤンの幼なじみである姉妹が兄弟を焚き付ける。

ユンもヤンも姉妹に言われるまでもなく動くつもりでいた。

 

ユン「言われるまでもねぇぜ?ホイメイ。奴等はこれで何か企んでるみてぇだしな。チュンリー姉さんも参加するようだけどよ。頼りきりになるのは俺達の流儀じゃねえ」

 

KOSFの招待状をユンは取り出す。

世界的には無名な二人であるが、伊達に香港に潜伏中の山崎を始めとしたならず者達からこの街を守っていない。

元々双子はハワードコネクションやシャドルーから目をつけられていたのである。

 

ヤン「チン・シンザンのおっさんやフェイロンのおっさんからチーム勧誘をされていたのだが、断っていた。俺達にはこの街を守る義務があるからな……だが、気が変わった。秦兄弟の事を放っておいたら香港の沽券に関わる。それに、俺達の気が収まらない」

 

ユン「乗るか?キム兄弟。俺達でチームを組んで、殴り込みをかけようぜ?」

 

ユンとヤンは招待状をテーブルに置き、手を重ねる。

 

ドンファン「良いねぇ良いねぇ。殴り込みにKOFを利用するのは親父やテリーさん達の常套手段だ。やるぜ?俺はよ」

 

ドンファンがユン、ヤン兄弟の手の上に自分の手を重ねる。

 

ジェイフン「父のようにやると言っても正直手詰まりでした。僕も乗ります。テコンドーと、父の名にかけて!」

 

最後にジェイフンも手を重ねる。

 

ユン「派手なケンカになりそうだ。ホイメイ、シャオメイ!世界に羽ばたく俺達の姿を、ちゃんと見ておけって親父さんに伝えておいてくれよ!」

 

ホイメイ「しっかりやんなさいよ?ユン」

 

ヤン「兄貴は俺が見ておく。心配はするな」

 

シャオメイ「頑張ってね!ヤン!応援してるから!」

 

ジェイフン「やるよ、兄貴!」

 

ドンファン「かる~くチャンプにでもなってやるさ。ケン・マスターズだろうとチュンリー刑事だろうと草薙京だろうとテリー・ボガードだろうとリョウ・サカザキだろうと……それにベガやギース、ルガールだろうと全部俺が倒してやるぜ!」

 

燃える四人。

その影ではホンフーが嘆いていた。

 

ホンフー「もう知らんっちゃ!キムに抗議するバイ!」




キム・ドンファン…テコンドー
餓狼MOW

キム・ジェイフン…テコンドー
餓狼MOW

ユン…中国拳法
ストリートファイター3シリーズ

ヤン…中国拳法
ストリートファイター3シリーズ


父親のキム・カッファンよりも先に息子達のストーリーが先に出来てしまった(^_^;)
当初は秦兄弟をメンバー入りさせようとしたのですが、秦兄弟の場合は祖先に体を乗っ取られなければ帝王拳を使う事は不可能なので、代わりにキム兄弟を加入させました。
秦兄弟もこの流れですとどこかのアウトロー関連チームに参加しそうですね。祖先の海龍と空龍がギース達の指示に素直に応じるかどうかは別として…。

それでは次回もよろしくお願いいたします。


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アウトローチーム1~5

ジャスティスブラザーズチームの裏面の話です


サウスタウンのギースタワー

 

ギース「首尾は上々のようだな?ビリー」

 

ビリー「ハッ!秦兄弟を確保に成功しました」

 

気絶した秦兄弟をホッパーに任せ、ビリーは片膝をついてギースに報告をする。

 

ギース「しかしベガよ。ルガールよ。秦の秘伝書などとはあんな無意味な物を何故欲しがる?」

 

ベガ「ふん。貴様には関係の無いことだ」

 

ベガは考えていた。

この肉体もいずれは朽ち果てる。

サイコドライブを使ってリュウの体を乗っ取るのも構わないが、秦の秘伝書にまつわる永遠の命……それさえ手に入れば毎回新たな肉体を探す煩わしさから解放される。

今の肉体程サイコパワーと相性の良い肉体はそうそう無いだろう。もっとも、ネスツの技術によって予備手段は別に用意してあるのだが。

 

ルガール「永遠の命等というまやかしなどには何の興味もない。だが、秦兄弟を乗っ取ったという祖先の魂。奴等が使う帝王拳なるものに興味があるだけだ」

 

ルガールの目的は飽くまでもそれである。

己の技のバリエーションが増えればそれで良い。

ギースの烈風拳やクラウザーのカイザーウェイブなど、数々の他者の技をさも自分の技のように使っているルガールらしい考えである。

 

バイソン「ベガにギースよぉ。それでしっかり金は貰えるんだろうな?別報酬でよぉ」

 

山崎「そこのバカはともかくよ、俺はテメェらの手先じゃねぇんだ。貰う物はもらっとかねぇとなぁ?」

 

ジュリ「俺もだぜ?タダって訳にはいかねぇよなぁ?」

 

ゴロツキ三人が裏社会のドン達に金をせびる。

 

バーディー「ああ……そうだな」(お嬢よぉ、いくら命令でもシャドルー潜伏はねぇぜ……手を切りてぇんだからよぉ)

 

一方でバーディーはゴロツキ3人に乗りつつも、実はかりんの命令でシャドルーの内部調査を行っていた。かつてはシャドルーに所属していたバーディーの経歴を見込んでのかりんの判断だ。

 

チョイ「何かあっしら……場違じゃないでヤンスか?チャンの旦那……」

 

チャン「キムの旦那から逃げる為とは言え、とんでもねぇところを頼っちまったぜ……素直にキムの旦那の所へ戻れば良かった……」

 

ザナドゥと袂を分けた後、キムから逃れる為とはいえ、チョイとチャンは更なるどつぼに嵌まる。ましてや弟弟子の秦祟宗を拐った組織に身を寄せたとバレたらキムに何をされるか……。それこそ本当に生涯更正の地獄の修行を課せられるに違いない。

 

セス(くっ!このまま再びベガに良いように使い走らされるのは屈辱だ……)

 

ヴァイパー(…生活が安定すればどこだって良いけれど。ここはSINよりも危なそうね……)

 

かつては主であるシャドルーに反旗を翻したSINのセスとクリムゾン・ヴァイパーもまた、ベガやギースにとっては獅子身中の虫である。

 

アベル(俺は………一体何者なんだ?)

 

草薙京1(…………)

 

草薙京2(…………)

 

ディカープリ(…………)

 

ユーニ(…………)

 

ユーリ(…………)

 

シャドルーとネスツの技術を使い、元々サンプルであった草薙京のクローン2体とキャミィのクローンであるディカープリ、元々作られた存在であるアベルのクローン、洗脳されて戦闘マシーンのようになってしまっているユーリとユーニ。

 

混沌となっている環境。それに心酔するのはサガットが抜けて新たに四天王になったファン。

ギースの忠犬ビリー。

目的があってこの合同組織に身を置くは孤高の中国拳法使いの牙刀とそして暗殺から身を引いたはずのオズワルドだ。

 

牙刀(俺は父親さえ殺せれば何だっていい。悪魔にだって魂を売ってやる……)

 

オズワルド(私の探している薬はリー・パイロンが持つ白龍丸である可能性が高い。それさえ入手できればギースとだって手を組もう)

 

それぞれの思惑が渦巻くなか、シャドルーのサイコドライブの技術によって秦祟雷の中に秦海龍が、秦祟宗の中に秦空龍が降臨する。

 

祟雷「ゲセン ナ クウキ ダ」

 

力はあるが、基本的に脳筋な秦海龍は英語が苦手だ。そんな兄に溜め息を吐く空龍。仮に英語が話せたとしても海龍ではただトラブルを生むだけだろう。空龍は自分が話をすることにする。

 

祟宗「海龍兄さんは黙っていて下さい。話は私が致しましょう。それで……私達を利用して何を企んでいるのですか?ギース・ハワード」

 

ギース「お前達に用があるのは私ではない」

 

ベガ「秘伝書の力について色々と聞きたい事があったのでな」

 

祟宗「秘伝書はあなた達が持っていても意味がありませんよ?それは私達が使ってこそ意味のあるものです。ギース・ハワード。あなたが揃えた秘伝書を返して頂きましょうか?」

 

ベガ「ふはははは!私を忘れたか。秦空龍」

 

祟宗「………その力………まさか世を乱す魔人とこうして話すことがあるとは思いませんでした。なるほど、あなたなら秘伝書の価値を知っていても不思議ではありませんね」

 

ギース「そうだな……私達の邪魔者を排除し、役に立つことが出来たのならば、秘伝書を渡してやることも考えてやらなくはない」

 

祟宗「まるで自分が王のような振る舞いですね。自分達のやっていることが破滅の一途を辿っているとも知らずに……魔神、オロチ、魔界、地獄門、殺意の波動……ククククク……良いでしょう。この座興に付き合ってあげましょう。全てが終わったとき、あなたは私達に泣いて救ってくれと言いながら、秘伝書を差し出す事になるのですから。そうでしょう?魔神、ベガ」

 

ベガ「フハハハハハハハハ!どうだろうな?秦の末裔よ」

 

黒い思惑が渦巻くギースタワー……。

彼らは何個かのチームに分けて大会に参加する者達を捕らえようとするべく大会で暴れることとなる。

世界は彼らが思うようになってしまうのか?

それとも………




アウトローチーム1
山崎竜二…我流喧嘩空手+オロチの力
餓狼伝説3・リアルバウト餓狼伝説シリーズ

ビリー・カーン…棒術
餓狼伝説シリーズ

マイク・バイソン…ボクシング
ストリートファイターシリーズ

バーディー…??
ストリートファイターシリーズ


アウトローチーム2
チャン・コーハン…怪力+テコンドー
KOFシリーズ

チョイ・ボンゲ…スピード攻撃+テコンドー
KOFシリーズ

ハン・ジュリ…テコンドー
ストリートファイター4

セス…人知を超えた超絶格闘技
ストリートファイター4

アウトローチーム3
秦祟雷…帝王拳
餓狼伝説3・リアルバウト餓狼伝説シリーズ

秦祟宗…帝王拳
餓狼伝説3・リアルバウト餓狼伝説シリーズ

クリムゾン・ヴァイパー…秘密スパイ道具格闘
ストリートファイター4

アベル(クローン)…柔道を基本とした総合格闘
ストリートファイター4

アウトローチーム4
草薙京1…草薙流古武術
KOF99

草薙京2…草薙流古武術
KOF99

ディカープリ…シャドルー格闘術
ウルトラストリートファイター4

ファン…???
ストリートファイター5

アウトローチーム5
牙刀…中国拳法
餓狼MOW

オズワルド…カーネフェル
KOF11

ユーリ…シャドルー格闘術
ストリートファイターZERO3

ユーニ…シャドルー格闘術
ストリートファイターZERO3


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キムチーム

香港

 

ヤン達が出発した翌日の昇龍軒。

そこでは香港警察のホンフーが笑顔で席に座っている地獄からの使者……もとい、正義の体現者であるかつての修行仲間の前で正座をし、ガタガタと震えていた。

その正義の体現者の名前はキム・カッファン。

韓国の至宝とも言われるテコンドーの達人である。

ニコニコと爽やかな笑みをたたえているが、彼を良く知るものはその笑顔がとてつもない修羅が誕生する前兆であることを知っている。

 

キム「ホンフーさん。私はあなたを信頼して秦兄弟を預かって頂くように頼んだのですが?」

 

ホンフー「そ、それはありがたくおもっとるっちゃ」

 

キム「それをシャドルーやギースの手先……それもあなたが長年逮捕をしようとしている山崎に連れ去られてしまうとは……非常に残念でなりませんね」

 

ホンフー「し、仕方なかばい!秦兄弟を拐う為にとんでもない数の兵隊がここに押し寄せたんだぎゃ。俺だって急いでここに向かってきよったっちゃ!ばってん、ありゃどげんとも出来んとよ!」

 

キム「…………ホンフーさん。まぁ、そこまでは仕方無かったのはわかりますが………。問題はその後です。ドンファンやジェイフンを何故止めなかったんです?ユン君とヤン君ですか?彼らとチームを組むのは私達でも良かったのでは?来てますよね?あなたにもコレが」

 

キムはKOSFの招待状を取りだし、ホンフーに見せる。

 

ホンフー「と、当然っちゃ。俺の所にも届いてるっちゃね。シャドルーやギースも俺の実力を認めてるっちゃねー」

 

キム「単に何度も彼らを邪魔しているから目を付けられているだけでは無いですか?私が把握している大会出場者はそんな人間ばかりと聞いていますよ?」

 

情報源はガルシア財団やマリーである。煙たがられてはいるものの、キムもKOFで何度も顔を合わせ、協力している関係で必要な情報を回してもらっていた。

何よりも、キム自身が厄介事を抱えてしまっている状態である。出来ればこれ以上の厄介事を増やさないでもらいたかった。それ故にタンから預かった弟子や秦兄弟を同門の仲間であるジョンやホンフーに頼ったのであるが。シュンエイと明天はジョンに、しっかり者の秦兄弟はホンフーに……。

しかし、その期待は見事に裏切られた。

キムは正座するホンフーの両肩に手を置く。

 

キム「ホンフーさん。あなたには妻のミョンサクを紹介して頂いたり、格闘家として切磋琢磨をしてきた仲ですから、このような事は言いたくないのですが……」

 

ホンフー(ガタガタガタガタ……)

 

キム「あなた、最近たるみすぎではないですか?」

 

ギリギリギリギリ……

徐々に強まるキムの握力。食い込んでくる爪。

 

キム「何年経っても捕まらない山崎竜二。彼がギースと手を組んで何度も私達KOF出場者に迷惑をかけている事をご存知無いわけが無いですよね?それなのにこの体たらくはなんですか?そんなことですからここの住人から信頼を得られず、若いユン君達の方が頼られてしまっている現状が出来てるのでは無いですか?」

 

ホンフー「そ、そげんことなかばい!」

 

ギリギリギリギリ!

 

キム「前々からあなたは更正させるべきだとミョンサクとも話していました。良い機会です。私と一緒に大会に出ましょう。丁度私の不肖の弟子二人もシャドルーにたぶらかされていますから、連れ帰る為に大会に出場しようと考えていたところです。秦兄弟を取り返し、ドンファン達とも話さなければならないでしょう。その大会の間に、あなたのその弛みきった精神を叩き直して差し上げましょう」

 

そう、キムの抱えている厄介事とは脱獄したチャンとチョイがこともあろうにシャドルーやギースの元に転がり込んだことである。

しかしあの二人は小悪党ではあるものの、シャドルーと手を組むほど大それた悪事ができるほどには堕ちていない。このままでは二人は良いように利用され、捨てられるのがオチである。そうなる前にキムは二人を救い出したかった。きっと二人も自分を待っているに違いないと思い込んでいるのである。

確かにあのデコボココンビはそこまで悪に染まっているわけでも無く、時にはちょっとだけ……本当にちょっとだけ正義に芽生える事があるくらいは堕ちきっておらず、そんな度胸もない。少しずつキムの教育が浸透してきていることも確かだ。よって、シャドルーやハワードコネクションとは水が合わない事は確かなのであるが、かといってキムの事を疎ましく思っていることも間違いないので、これは完全にキムの自意識過剰である。

だが、キム自身はそこに気が付いていない。

ホンフーもドンファンからその実情は知っているし、キムの更正の厳しさは長い付き合いでわかっている。どうにか逃げられないかと考えているが、あのテリーやライデンですらキムの更正の魔の手から逃れられなかった。

キムは一度決めたら絶対に譲らないのである。

更正云々はもう諦める他無いだろう。

 

ホンフー「ばってん、他のメンバーはどげんすると?」

 

キム「弟子のメイ・リーや春麗さんからメンバーの紹介を受けています。そろそろ到着する頃だと思いますが……」

 

???「メイ・リーや春麗さんから紹介された!正義の使者がいるのはここかぁ!」

 

大声で入ってきたのは………。ドクロの絵が書かれた全身黒タイツに赤いマフラー、メイ・リーが付けるような何かのコスプレをしている男だった。

 

キム&ホンフー「…………」

 

どうみても不審者。よく町中で捕まらなかったものである。

 

???「私は正義の味方、スカロマニアである!困っているのはあなた達か!?」

 

キム「え、ええ……あなたがメイ・リーから紹介を受けた方ですか?」

 

KOFに出場して以来、こういった手合いとのそれなりには付き合いのあるキムも、流石に引いていた。

 

スカロマニア「おお!あなたが高名な正義の味方、キム・カッファン殿か!あなたの正義への志、このスカロマニアはいたく感銘を受けている!是非とも私もその偉業を手伝わせて欲しい!」

 

ホンフー(やめてくれっちゃーーー!そげんなこと言った日にはこん男は………)

 

キム「おお!そうですか!格好はともかく、私の理念をご理解して頂けますか!良き同士に巡り会えた事に感謝します!メイ・リーも素晴らしき同士を持っていたのだな!私の教育は間違っていなかった!」

 

案の定、キムは細かいことを頭の隅に追いやり、スカロマニアを受け入れてしまう。正義心に付け込まれ、おだてられるとその気になり、なんでも受け入れてしまうのだ。それこそ何度もチャン達に騙されかける程に。

ホンフーはスカロマニアがおだてていると思っているようであるが、彼はキムをおだてようとしている気持ちはまったくない。メイ・リーとは同士であり、その師匠であるキムの事を本気でリスペクトしているのである。

 

ホンフー(メイ・リーも春麗刑事もなんばしよっとかー!もっとましな人間ば寄越せんかったと?)

 

ここで一応春麗の方もフォローしておく。

春麗はスカロマニアの趣味にはついていけないものの、その実力に関しては認めており、さらにスカロマニアと同じ趣味を持つメイ・リーの師匠であるキムならば、この特殊な男も受け入れるだろうと踏んでの紹介だった。

春麗も決してふざけてスカロマニアを紹介したのではなく、キム・カッファンという人物との相性を考慮しての紹介だった。

なお、この抜擢に関してはジョン・ブーンと麻宮アテナも噛んでいることを追記しておく。ジョンに関しては完全に嫌がらせ。アテナの場合は春麗と同じ理由だ。

 

???「ニーハオ!ここにキム・カッファンって人はいるアルか?」

 

次に現れたのはやたら袖が大きいチャイナ服を着た女性である。少女といっても違和感が無いほどだ。

 

キム「私がキム・カッファンですが、あなたは?」

 

???「あなたがキムさんアルか。私、レイレイ言うアル。春麗やフェリシア、麻宮アテナちゃんから紹介を受けたアル。暗器ありの格闘大会に協力してと言われたアルが、間違いないアルか?」

 

キム「ええ。それは間違いありませんが……失礼ですが大丈夫ですか?顔色もあまり良くないようですし、何より危険な大会ですよ?」

 

キムが言うように、レイレイは顔色は良いとは言えず、更には格闘が出来るようにはとても思えない程の可憐な少女だ。もっとも、彼女が口にしている麻宮アテナもあの細腕でありながら実力でKOF常連を勝ち取ってきた猛者であるので見た目だけで判断するのは間違っているとすぐに思い直したのだが……。

 

レイレイ「大丈夫アル!こう見えても私、もう死んでるから!」

 

一同「はい?」

 

突拍子も無いことを言われ、目が点になるキム達。

 

レイレイ「一般社会に溶け込むように化けてるけど、私はキョンシーアル。ほら、コレが本当の姿アルよ?」

 

レイレイは変身を解いて本当の姿になる。

 

キム「よ、妖怪!?君は悪なのか!?」

 

さしものキムもこれは流石に取り乱す。

いくらなんでも妖怪は無いだろうと。言われたレイレイはムッとする。

 

レイレイ「ちょっとちょっとぉ!春麗から聞いてるアルが、キムさんはオロチとかそういうのと関わりがあって慣れてるって言うから紹介したって言ってたアル。私は確かに妖怪アルけど、悪じゃないアル!」

 

言われてみれば春麗やアテナが悪人を紹介するはずがない。妖怪と言うだけで偏見の目を向けてしまった事をキムは深く恥じた。

 

キム「申し訳ないレイレイ殿!どうか許して欲しい!しかしレイレイ殿……あなたのような可憐な方が危険な大会に参加されても大丈夫なのですか?」

 

レイレイ「それも大丈夫アル!私、これでもダークハンターの真似事はしてきてるし、春麗や神羅のエージェントと一緒に世界を救ったことも2回ほどやって来たアル。バリバリの正義あるよー?」

 

ホンフー(春麗刑事……確か三回ほど行方をくらました事があったっちゃけど、そげんことしてたっちゃか!と言うか、春麗刑事のイメージがドンドン崩れてきたっちゃばい!)

 

まともな感覚なら妖怪と手を組むとかあり得ないだろう。しかし、キムの感覚は既にまともではない。そもそも普通ならばチャンやチョイのような犯罪者を引き取り、テコンドーの修行をさせて更正させるなんて事はまず考えないだろう。

そんなキムなら………

 

キム「そうですか!さすがは春麗刑事!世界を救われたお方を紹介して頂けるとは!先程は大変失礼致しました!是非とも世界に正義を示して頂きたく、ご協力願います!それにしてもフェリシア殿やアテナさんとも既知とは…」

 

案の定食い付いた。

 

レイレイ「ああ、フェリシアは私と同じで猫又の妖怪アル。でもフェリシアも私と一緒に旅をしたアル。で、アテナはフェリシアと共演して以来、種族を超えた仲として友達アル。私達はフェリシア通じて友達になったアルよ」

 

一応ここでフォローする。

春麗もアテナも冗談でレイレイをキムに紹介したわけではない。春麗は共に二度も世界を救った仲間としてレイレイを信頼し、アテナは強い友人として自信を持って正義仲間であるキムに紹介したのである。

ちなみにジョン・フーンも1枚噛んでおり、流石に妖怪は無いだろうと思っていたのだが、アテナが太鼓判を押したのなら熱狂的なアテナファンであるジョンが逆らえる訳もなく……。

 

ホンフー(アテナさーん!どうせなら自分の兄弟弟子の椎拳祟や包君、桃子ちゃんを紹介して欲しかったっちゃー!)

 

ホンフーの嘆きは至極まともだと誰もが思うだろう。だが、残念ながらキムを止められる人間は誰一人としてここにはいない。いや、世界中を探しても見つからないだろう。簡単に止められるようならばそもそもキム・カッファンという人物はこうはなっていない。

人格者として格闘家達の相談役であるパオパオカフェのリチャード・マイヤーですら彼の事を諦める程だ。

 

キム「スカロマニアさん、レイレイさん。実は今回の件なのですが……」

 

キムは彼らに事情を説明する。

 

スカロマニア「了解だ!是非とも協力しよう!」

 

レイレイ「任されたアル!」

 

キム「それと……ここにいる私の友人のホンフーなのですが………最近ちょっと弛んでいるようなので、この際大会を通じて更正させようと思いまして……」

 

スカロマニア「それはいけない!大会が終わる頃には彼も立派なヒーローにして見せましょう!」

 

レイレイ「任せるアル!神羅の堕フォックスでそういう手合いは慣れてるアルよ!」

 

3人のジャスティス(?)達の目が怪しく光る。

 

ホンフー(だ、誰か助けて欲しいっちゃーー!こげんな連中に混ざるだけでも勘弁して欲しいのに、こんな見たら職質かけたく連中に更正させられるば、俺はどげんなってしまうとかねー!?)

 

ホンフーの受難は始まったばかりだ。




キム・カッファン…テコンドー
餓狼伝説シリーズ

ホンフー…カンフー
餓狼伝説3、リアルバウト餓狼伝説シリーズ

スカロマニア…なりきりヒーロー格闘術
ストリートファイターEXシリーズ

レイレイ…暗器術
ヴァンパイアシリーズ


さて、キムチームです。
キム・カッファンとレイレイは格闘ゲームファンならば説明不要でしょう。
対してスカロマニアとホンフーはマイナー過ぎて皆さんは誰!?と思うかも知れません。

まずはホンフー。
餓狼伝説3においてキムに代わって登場したキャラ。英語の訛りが酷いという設定のもと、喋り方が博多弁の香港警察の刑事。当時の餓狼伝説スタッフのインタビューでは、イメージはジャッキー・チェンと武田鉄矢を掛け合わせたようなキャラだとか……。
性能はリストラしたキムにそっくりで、超必殺技のカデンツァの嵐はまんま鳳凰脚。
しかし、キムに丸かぶりな上にちゃらんぽらんな性格やらが災いしたのか、キム程の人気は出ず、更に続編のリアルバウト餓狼伝説では当のキムが登場した為に完全に影が無くなってしまった可哀想なキャラ。
久々に登場したのがカプエスの時。春麗と山崎の掛け合いに登場し、山崎の蛇使いでKOされるという役柄だったというなんとも締まらない役柄である。
宿敵の山崎はあんなに人気が出たのに……

次にスカロマニア。
ほくとでも紹介しましたが、ストリートファイターEXシリーズの色物キャラ。人気はそこそこあったキャラなのですが、いかんせんEXシリーズそのものがほぼ同時に出ていたストリートファイター3に負けており、ほとんど人気が出ないまま終わってしまった不遇な作品。カプエスほおろか、カプコン格闘ゲームキャラのオールスターゲームと言える『カプコンfighting jam』やナムコとのクロスである『namco X CAPCOM』にも一切のキャラが出ていないという不遇ぶり……。もしそれらに出ていたらスカロマニアも人気が出ていたと思えるだけに残念です。

そしてフェリシアの発言ですが、上記にも出ているnamcoとのクロスオーバーである『namco X CAPCOM』とその3作後の続編『project X zone』の事を指しています。フェリシアと共演したワンダーモモのポジションをアテナに代用してストーリーに組み込んで見ました。

それでは次回もまた、よろしくお願いいたします。


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貴族チーム

ドイツ

シュトロハイム城

 

城の主、ヴォルフガング・クラウザー・シュトロハイムの前に二人の人物が膝まずいていた。

一人はエリザベート・ブラントルジュ。フランス名門の貴族令嬢。

一人はシャドルー四天王の一人、バルログ。スペイン貴族の一人である。

それぞれが名門の貴族であるが、貴族の中の貴族であり、ヨーロッパ裏社会をも統べるクラウザーに呼び出されては逆らうこともできない。

 

エリザベート(く……貴族の上下関係に関してはさしもの私も逆らえない……口惜しい……)

 

クラウザーの力は絶大だ。貴族としての権力も、闇の世界を牛耳る力も、そして何よりシュトロハイム家に伝わる格闘家としての力も………。

昨今では謎の力やシャドルーが台頭してきているものの、シュトロハイム家の一門は世界最強と言われてきた一族である。

何せ世界チャンプと名高かったマイケル・マックスやホア・ジャイを苦もなく降し、ギースですら恐れた実力者の中の実力者であるタン・フー・ルーすらも簡単に倒してしまった者なのだ。

一方で……

 

バルログ(気紛れに呼び出しに応じたが……なるほど、ヨーロッパの貴族社会を統べる御仁なだけある。少なくとも美しさはベガ以上ですね)

 

バルログはシャドルーの一員ではあるが、それは忠誠からベガの下にいるわけではない。バルログの行動理念はあくまでも美の追求。

それが得られるからこそベガの下にいるわけであるが、最近はギースと手を組んだりと次いていけない部分がちらほらと見え始めていた。

そこに来てのクラウザーからの召集。バルログは乗り気では無かったが、クラウザーという人物と会ってみて良かったと思えた。

 

バルログ(器が違う。この御仁に成り代わろうなどと…ローレンスもバカな事を考える……)

 

同じ国の出身者でクラウザーの部下であるローレンス・ブラッドに想いを馳せるバルログ。ローレンスはクラウザーに成り代わり、シュトロハイム家の力を我が物にしようと考えているようであるが、ローレンスにはその器はない。シャドルーで言うところのセスやバイソンのような分不相応な野望である。

面白い所はクラウザーもそれが分かっていながらローレンスを下に置いているところだろう。いつ裏切るかわからないローレンスを重用するなど、並みの器では考えられない所業である。中国の三國志で言えば曹操のような器である。

聞けばギースのスパイであったビリー・カーンすらもスパイであると分かっていながら部下にしていたのだ。

 

クラウザー「諸君。楽にして良い」

 

エリザベート&バルログ「はっ!」

 

クラウザー「君達の元にもコレが届いているだろう。バルログ君には愚問だったかな?君はシャドルーの幹部なのだからね」

 

クラウザーはKOSFの招待状を手に取り、二人に見せる。

 

バルログ「私の素性を知っておきながら、私をあなたのチームに入れと?面白い事を言われますね。失礼ですが、私もこのブラントルジュご令嬢も、あなたに使われる程安くはありませんよ?むしろ、我ら三人は互いが互いに敵対関係とも言える間柄。違いますか?」

 

エリザベート「その通りです。ヴォルフガング様。そちらのバルログ殿はシャドルー幹部。そして我がブラントルジュ家は人を導くことを誇りとした光の一族。このシュトロハイム家とは水と油の関係……何故我らを召集なされたのか、ヴォルフガング様のお考えを計りかねます」

 

エリザベートも政治的な理由でここに来ただけに過ぎず、本来シュトロハイム家とブラントルジュ家は敵対関係にある間柄である。

 

クラウザー「私とて同じだ。だが、そうも言ってはいられぬ事情も出てきたのだよ。かの三國志の三國とて、必要な時には手を結んで事に当たっていた」

 

バルログ「それが今だと?」

 

エリザベート「ますます真意がわかりません」

 

クラウザー「少々、とあるツテがあってな。彼からの情報だよ。入って来てくれたまえ」

 

クラウザーは一人の男を呼び寄せる。そこに現れたのは独特のヘアースタイルをし、ピチピチのスーツを着込み、何やらよくわからないオーラを発した男が入ってきた。

 

エリザベート(こ、これは……人間ではない!)

 

バルログ(シャドルー親衛隊の記録にある!この男は魔界の三大貴族の一人!)

 

???「デミトリ・マキシモフだ。シャドルーの人間であるならば、私の事は知っているな?」

 

バルログ「魔界の三大貴族、マキシモフ家の当主…」

 

デミトリ「左様。このままベガやギースを放置しておくと、この人間界は大変な事になるのでな。それでは我がマキシモフ家にも、宿敵であるアーンスランド家にも非常に困ったことになる」

 

バルログ「困ったこと?」

 

クラウザー「魔界の三大貴族の1つのドーマ家と、魔界の離れ国のアンブロジャ、それに地獄門が手を組んだ。その中にはかのオロチや遥か地より出ずる者も含まれている」

 

バルログ「なるほど、美しくない魑魅魍魎が私達の世界に溢れ、死者達が跋扈する……それは確かに美しくない」

 

美しさを第一に考えるバルログには、美しくない妖怪や魔物が世に溢れるなどおぞましさを感じる以外の何物でもなかった。

 

エリザベート「嫌よ……せっかくアッシュが見つかったのに……彼らが現れてはまた繰り返す……こんなのはイヤよ!」

 

エリザベートとしても『遥けし彼方より出ずる者たち』が再びこの世界に現れるのは勘弁願うところだ。KOF14でバースの力で奇跡的に再生したアッシュ・クリムゾン。

アッシュはエリザベートの大切な幼なじみだったが、『遥けし彼方より出ずる者たち』との戦いの果てに、タイムパラドックスによって消えてしまった。

実に個人的な理由ではあるが、そんな事には耐えられない。何より、オロチは全人類の殲滅を考えている地球意思の1つだ。民を守る使命が強いブラントルジュ家のエリザベートとしても絶対に阻止しなくてはならない。

 

クラウザー「理解して貰えたかね?」

 

エリザベート「はい。しかし、シュトロハイム家が正義の側に回るなど……」

 

クラウザー「正義?違うな。悪と言えども、矜持というものがある。矜持に反すれば、それを潰すのは当たり前の事だ。ベガも、ルガールも、そして我が兄ギースもいずれは私が表舞台に立つには邪魔な存在。潰す時が来ただけだ。そこに利害が一致する物を利用するだけに過ぎない。貴族の矜持や理念とはそういうものではないかね?」

 

デミトリ「私としても大層な理由があるわけではない。少々、宿敵と興じにきただけのこと。ドーマ家やアンブロジャ等を潰すのはそのついでに過ぎない。逢魔や魔界村との戦いでは手を組んだが、アーンスランド家とは宿敵同士だからな」

 

エリザベート「まるで草薙と八神のようですね。ですがわかりました。我がブラントルジュ家の正義の為にも、小さな悪と手を結ぶ屈辱は目を瞑りましょう。ただし、あなた方が民の為に害を成すために我々を利用したと判断したならば、その時はお覚悟を……」

 

バルログ「私も同じですね。ヴォルフガング殿、マキシモフ殿、ブラントルジュご令嬢。私はあくまでの美の下僕。あなた方に美を感じ無くなれば、背後からでも我が爪があなた方を血に染めると宣言致しましょう」

 

どうやら二人はこの呉越同舟のチームを受け入れる気にはなったようである。

 

デミトリ「良いだろう。それもまた……余興よ」

 

クラウザー「ご苦労だった。集合は追って報せる」

 

悪の帝王ヴォルフガング・クラウザー・シュトロハイム

美と鮮血の貴公子バルログ

光の導き手エリザベート・ブラントルジュ

魔界の三大貴族の吸血鬼デミトリ・マキシモフ

 

本来であれば敵同士である四人が互いに手を結んだ。

悪の貴族であるクラウザー、バルログ、デミトリ。

彼らが世界を救う戦いに身を投じるのは、退屈な日々の中に華を添える座興なのか…それとも別の野望の為の下準備なのか……。

それはまだ、誰にもわからない。




ヴォルフガング・クラウザー・シュトロハイム…総合格闘技
餓狼伝説シリーズ

エリザベート・ブラントルジュ…ブラン流格闘術+光拳術
KOF11、KOF13

バルログ…スペイン流忍術
ストリートファイターシリーズ

デミトリ・マキシモフ…???
バンパイアシリーズ

はい、今回は貴族チームです。
バルログが少し無理があったような気がしますが、彼がギースやルガールと共にシャドルー関係の中に混じるのも何か違う気がしたのでクラウザー勢力に入れました。
バルログはシャドルーに拘るタイプでも無さそうでしたので。
一方でデミトリです。彼の存在が貴族の最後のピースにはまりました。CAPCOMsideは貴族が少ないですからね。ウォーザードのレオを持ってくるのも考えましたが、しっくり来ませんでした。どちらも主人公で貴族なんですけどね。
エリザベートは最初から決めてました。アッシュでも良かったのですが、アッシュがクラウザーの呼び出しに素直に応じるとは思えませんし。
そしてクラウザー。ギースらと手を組むのはKOF96でのみでしょうし、ましてやベガやルガールと手を結ぶとも思えませんので……。アーデルハイド・バーンシュタインでも良かったのですが、どこかでクラウザーを使いたかったので。クラウザーを起点にしてこのチームを編成しました。

それでは次回もよろしくお願いいたします。


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アッシュチーム

アメリカ

ニューヨーク

 

そこにフランス出身の謎の男と、中国上海の喧嘩師が街を闊歩していた。

 

シェン「良いのかよ?お嬢様がクラウザーに呼び出されてる間に抜け出して来ちまってよ」

 

一人はシェン・ウー。生粋の喧嘩バカで、三度の飯よりも喧嘩が好きだという男である。

三度のKOF出場が名を高め、最近では上海の拳鬼、元と戦えばどちらが勝つか、裏ではオッズが交わされている程だ。

 

アッシュ「良いんだよ。僕がいつまでも大人しくしているなんて、べティだって思ってないさ」

 

もう一人はアッシュ・クリムゾン。

遥けし彼方より出ずる者たちとの戦いで先祖を消してしまい、タイムパラドックスによって一度は存在が無かったことにされたが、KOF14大会で現れた化け物、バースの力によって奇跡の復活を果たし、エリザベートの献身的なリハビリの元、昔の力を取り戻していた。

先祖である斎祀を消す目的を果たした事により、アッシュが大人しくしているものだと思っていたシェン。だが、一週間前にヒョコッとシェンの元に現れたアッシュはこれまでの事がまるで無かったかのように「ねぇシェン、カニ食べに行こうよ」と言ってきた。

本当にマイペースな男である。

KOF11大会でオズワルドの報酬として売られた形になったことはまだ怒っていたシェンだが、元々細かいことは気にしない脳筋な性格と、(シェン的にはであるが)どこか憎めないアッシュの性格も相まって上海の街に繰り出す事になった。

それがいつの間にか口八丁手八丁でニューヨークまで連れて来られたのである。目的も何も話さないまま。

 

シェン「で?お前はわざわざニューヨークまで俺を連れ出して何をするつもりなんだよ?相変わらず目的を言わねぇ男だな」

 

アッシュ「まぁまぁ。僕とシェンの付き合いじゃん?お散歩に付き合ってよ」

 

シェン「上海からニューヨークまで、飛行機を使った旅行をお散歩とは言わねーよ!いい加減話せ!」

 

アッシュ「アハハハ!まだヒ・ミ・ツ。だって今言っちゃうとシェンは絶対に怒って帰っちゃうでしょ?」

 

シェン「今から帰っても良いんだぞ?」

 

アッシュ「お金も無いのに?」

 

シェン「サウスタウンに行って適当にストリートファイトでもしてればそのくらいは稼げるってんだ。このシェン・ウー様のステゴロにかかればな」

 

サウスタウンはストリートファイトの聖地だ。腕に自信があれば金の稼ぎなどファイトマネーでどうにでもなってしまう。

幼き日のリョウ・サカザキやテリー・ボガードなどはそうして生きてきたのだ。シェン程の強さがあれば上海までの旅費を稼ぐことなど造作もないことだった。

 

アッシュ「そんな所よりももっと面白い喧嘩が楽しめるよ?どうせならシェンもそっちの方が良いでしょ?」

 

シェン「確かにそうだけどよ…そうやってお前の口車に乗せられて大変な目に毎度遭ってるだろうが。どうにも信用出来ねーんだよな。オメエはよ」

 

アッシュ「大丈夫だって♪少なくとも全部を言わないだけであってさ、嘘だけはついたことないでしょ?」

 

だからこそ余計に始末が悪いのだが、アッシュはそう言ってのらりくらりとかわしては、シェンを上手く転がす。

 

アッシュ「いたいた♪彼だよ?彼。最近出てきたストリートファイターさ」

 

シェン「あんなのと?まぁ良いけどよ」

 

 

久々の休日、アレックスは家族でもある父の親友のトムと、その娘のパトリシアと共にドライブにでも出掛けようとし、その準備の為に愛車を整備していた。

そんな時である。背後から妙な気配を感じたアレックス。

 

アレックス「ん?何だ!」

 

シェン「オォォォォォォラァァァァァァァ!」

 

突然アジア系のチンピラがアレックスの背後から躍り出て、殴りかかってきた。

 

アレックス「何だお前は!」

 

半ば不意討ち気味で拳を打ち込んできたそのチンピラ。

だが、ストリートファイターとして実力を付けてきたアレックスにとって、そんな力任せの攻撃を素直に食らう程間抜けではない。

サイドステップでチンピラの攻撃を回避する。

直感でわかった。こいつの拳をまともに受けてはいかないと。

その直感は正解で、アレックスが整備していた車のエンジンにチンピラのパンチが直撃。

ドコォォォォォォォン!

車のエンジンルームが一気にへこんでしまう。

 

アレックス「あーあ………お前、どうしてくれる?これじゃ今日のドライブは中止じゃねぇか。パットが楽しみにしていたってのによ」

 

ストリートファイターとして強い者と闘うのはアレックスにとっても大歓迎な事ではあるが、かといって楽しみにしていたドライブを強制的に中止にされては面白くない。アレックスは青筋を浮かべてチンピラを睨む。

なによりいきなり車を壊される程の事は身に覚えがない。

 

シェン「オメエ、強そうじゃねぇか。ストリートファイトに洒落込もうぜ?」

 

ただストリートファイトを挑むためにこんな無茶をしてきたチンピラに更に怒りを覚えるアレックス。だが、アレックスも一流の格闘家。チンピラが見た目通りのただのチンピラでは無いことを一目で見破った。

 

アレックス「誰だ?お前……ただのチンピラじゃあ無さそうだが?」

 

どこかで見たことがある……そんな気がしていた。

 

シェン「俺はシェン・ウー。上海の喧嘩師だ」

 

アレックス「シェン・ウー?ああ、聞いたことがある。あのKOFに連続で上位トーナメントに出場していたシェン・ウーか………」

 

格闘技の祭典であるKOF。当然その存在はアレックスも良くしっていた。見たことがあるのも当然である。

KOFは元々ストリートファイトを大会化したものだ。アレックスもいつかは出場したいとは考えていただけに、その出場者であるシェンと戦えるのは願ったり叶ったりではあった。

こんな迷惑な現れ方さえしてこなければ。

アレックスは迷惑な奴が嫌いである。どれだけ嫌いかと言えば、履歴書などの書くほどだ。

 

アレックス「何でわざわざ俺の所に来たかは知らんが、ただで済むと思うなよ?シェン・ウー」

 

シェン「良いねぇ。やる気になったって言うなら、何だって良いさ」

 

エンジンがかかってきたシェンと、とにかくシェンをぶちのめしたいアレックス。これからぶつかり合う……そう思われたとき、割って入るものがいた。

アッシュである。

 

アッシュ「はーい、ストップ。ダメだよシェン。目を離すとすぐこれだから。Désolé(ごめんね)、ムッシュアレックス」

 

シェン「ちょっ!テメェ、アッシュ!これはお前が……モゴモゴ!」

 

お前がけしかけておいて何を言ってやがる!と良いかけたところでアッシュに口を塞がれるシェン。本当にアッシュは何をしたいのかよくわからない。

 

アッシュ「良いから良いから。こっからが面白いんだからさ」

 

アレックス「お前はアッシュ・クリムゾン……だったか?」

 

アッシュ「へぇ?僕の事も知ってなんて。ボンジュール、ムッシュアレックス。ごめんね?うちのシェンが車を壊しちゃってさ。シェンってば強い人を見付けるとすぐに喧嘩始めちゃうんだ。困っちゃうよね?」

 

アレックス「まったくだ。噂通りの狂犬だな。どう責任を取ってくれるんだ?シェン・ウー。アッシュ・クリムゾン」

 

アッシュ「御詫びと言っては何だけどさ。僕の方で弁償させてよ。ね?シェン?適当に話を合わせてよ?君に演技力はあまり期待していないけど♪

 

シェン「あ、ああ。つい嬉しくなっちまってな。わ、悪かったな?」

 

アレックス「弁償してくれるならまぁ許してやるぜ」

 

アッシュ「じゃあさ、サウスタウンまで行こうよ。今、安売りをやってるからさ。君の家族も一緒にどうだい?」

 

シェン(結局サウスタウンまでいくのかよ……こいつの事だからまた何か企んでるんじゃないのか?)

 

アレックス「わざわざサウスタウンまでか?そんな話は聞いたこともないが……まぁ良い。ピクニックの代わりにサウスタウンに繰り出すのも悪くないだろう」

 

アッシュに何らかの作為を感じつつもアレックスは家族を呼びに行く。

 

シェン「テメェ……これで面白くなかったら後でどうなるか分かってんだろうな?」

 

一方で嵌められた形となったシェンが不愉快そうに言う。嵌められた上にせっかくアレックスがやる気になり、面白くなったところを中断されたのだから当然だろう。

 

アッシュ「大丈夫♪もっと面白い事になるからさ。君だったらきっと気に入るはずだよ」

 

その辺のチンピラ程度なら裸足で逃げ出すシェンの睨みも、いつものヘラヘラとした笑いで涼しく流すアッシュだった。

 

 

サウスタウン

実質的にギース・ハワードが治めるKOFを産み出したストリートファイター達の聖地である。

ニューヨークと同程度に発展したこの街は、やはり同程度に暴力と欲望が渦巻く街でもある。

ニューヨーク、メトロシティ、サウスタウンの3つはアメリカ三大犯罪都市としても有名だ。

サウスタウンの場合はその首領が犯罪者なのだから当然とも言える。

 

パトリシア「何でピクニックがサウスタウンへのお出掛けになっちゃうの!?信じられない!それも変な二人も加わってるし!」

 

トム「まあまあ……サウスタウンも悪くは無いだろうが。新しい車も弁償してくれるって言うし」

 

パトリシア「弁償は当然でしょ!?最悪なのは何でネイルアートが趣味の気持ち悪い男とチンピラ男と一緒にドライブしなくちゃならないのかって事!」

 

シェン「……チンピラって……確かにそうだけどよ…キモ男と言われてるぞ?アッシュ」

 

レンタカーを運転しているシェンがイラただしげに言う。一方の助手席のアッシュはガタゴト揺れる車内で器用にネイルアートをしていた。

 

アッシュ「アハハハハ!いつもの事だよ?君もどうだい?爪のお手入れは美容に良いからね。女性のたしなみだよ?」

 

アッシュはパトリシアの手を取る。

 

パトリシア「触らないで!爪のお手入れくらい自分でやってるから結構です!」

 

アレックス「パットに触るな、アッシュ・クリムゾン」

 

大好きなアレックスとのお出掛けを楽しみにしていたパトリシアの機嫌は最悪だ。

そして、アレックスもパトリシアの事は妹のように大事にしており、アッシュのような得体の知れない男に触れられるのは我慢ならない。

 

トム「それにしてもシェン・ウーにアッシュ・クリムゾンか。KOF出場者に挑まれるなんてアレクも大分名が売れてきたじゃないか?」

 

アレックス「……作為的な物を感じるがな。いい加減に話せ。アッシュ・クリムゾン。何を企んでいる?」

 

アッシュ「企むなんて人聞きが悪い。スカウトに来たのさ♪ねぇねぇ君達さ。今日、ここで何が行われるか知っているかい?」

 

アレックス「いや………」

 

アッシュ「あれさ」

 

アッシュが指を指したのは『全世界プロレス世界一決定トーナメント大会』と書かれた看板だった。

噂ではザンギエフやグリフォンマスクなどの豪華な選手が出ているという。アレックスもプロレスを続けていたならば出ていたに違いない大会だった。

 

アレックス「あれに出場しろとでも言うつもりか?」

 

アッシュ「冗談でしょ?あれにはちょっと特殊な事情を抱えた人が出場する予定なんだよね~♪その彼を待ってるのさ」

 

シェン「特殊な事情?」

 

アッシュ「そうそう。シェンも見かけたら喧嘩を売りたくなる程強い人だよ♪だけど、僕たちみたいな人は彼も嫌いそうなんだよね。どうしようか♪」

 

アレックス「俺もお前らとは初対面な上に、どちらかと言えば第一印象は最悪だけどな」

 

あんな出会いで好かれる人間はまずいないだろう。

 

アッシュ「あ、来たよ♪彼だ」

 

トム「あれは……ラモンと同じくらい実力を持つサンダーホーク!何故彼が!?」

 

アッシュ「彼が出るからじゃない?」

 

アッシュはビッグベアの写真を取り出す。

 

アレックス「……誰だ?こいつは」

 

シェン「あれ?こいつ……KOF13にキム・カッファンと出ていた……」

 

アレックス「そうだよ?彼の名前はビッグベア。だけど知っている人は知っている彼の裏の名前はライデン。そっちの名前は知っているんじゃないかな?」

 

当然、アレックスも元々はレスラーだったために暴走超特急ライデンの名前は知っている。近年ではKOFに返り咲いた事も。そして、ビリーに並ぶギースの片腕だったことも。

 

アレックス「ライデンとサンダーホーク……それが何の繋がりが……まさか………」

 

アッシュ「そうさ。そしてこれは君の希望も叶えるチャンスじゃないのかな?」

 

アレックス(こいつ……どこまで知っている?薄気味悪いのは見た目だけじゃないな……)

 

アッシュ「トムさんとパットちゃんだったっけ?僕のカードを渡すからさ、君達だけで車を買ってきなよ♪どんな車でも好きな物を選んで良いからさ♪」

 

トム「あ、ああ……」

 

パトリシア「アレク……気を付けてね……」

 

二人はレンタカーから降り、アレックスを心配しながらもカーショップへ入って行った。一方でアッシュ達はサンダーホークに話しかける。

 

アッシュ「ボンジュール。ムッシュ・サンダーホーク」

 

サンダーホーク「貴様はアッシュ・クリムゾンとシェン・ウー。それにアレックス……何の用だ?」

 

アッシュ「僕は君をお手伝いに来たのさ。この大会に出るのもライデンが目的でしょ?ギース・ハワード…いや、シャドルーの情報を入手する為に」

 

サンダーホーク「貴様……何を知っている?」

 

サンダーホークの睨みを先程と同じように人を小バカにしたニヤニヤ顔を浮かべて流すアッシュ。

 

アッシュ「残念だけど、ライデンは何も知らないよ。彼はもう完全にギースと縁が切れてるからね。それに、君が接触する前にレッドサイクロンや最強の人類の邪魔が入るさ。彼らは国家クラスの支援を受けてるからね。それだったら、僕の提案にのった方が利口だと思うな♪」

 

毎度思うことだが、どこからそういう情報を持ってくるのか……シェンは思う。

アッシュはヘラヘラとした軽い態度とは裏腹に、必要な情報を集め、必ず目的を果たす。

 

アッシュ「KOSFさ。君は再びシャドルーに拐われ、行方不明になった彼女を探す情報が得られるし、上手くいけば奴等の懐に入れる。アレックス君は孤高の格闘家、リュウとの再戦を果たせるチャンスが出来る。ケン・マスターズが動いているからね。必ず出てくるはずさ。シェンは強いやつと戦える。僕は僕で目的がある。どうかな?僕たちで出てみない?」

 

シェン「この野郎……ここまでの茶番はこの為かよ」

 

アレックス「なるほど……断る理由はないな。俺もいつかはKOFに出てみたいとは思っていた。いい機会だ。やり口は気に入らないがな」

 

サンダーホーク「ジュリアを取り戻せるんだな?」

 

アッシュ「確証は出来ないよ?でも、ベガは確実に出てくるはずさ。KOFで何も起きなかった事なんて、今の今まで1度も無かったからね」

 

サンダーホーク「良いだろう……。ジュリアを取り戻せるならば、やり方は問わん。貴様の提案を飲もう」

 

シェン「で、お前の目的は何なんだ?アッシュ。また消えるような事になったら、今度こそ許さねぇからな」

 

アッシュ「単に三種の神器の人達に謝りたいだけさ。彼らもどうせ出てくるだろうからね♪」

 

はぐらかすアッシュ。

だが、アッシュの目的はサンダーホークと変わらないかも知れない。

 

アッシュ(僕の事を心配してくれる友達らしい友達なんて、べティ、シェン、デュオロンくらいだ。いつも付き合ってくれるシェンには本当に感謝だよ)

 

奴等が関わって来るかも知れない……。デミトリ・マキシモフからもたらされた情報を素直に話せばシェンは殴ってでもアッシュを止めるだろう。

 

アッシュ(遥けし彼方の地より出る者たち……ご先祖様達は出現させないよ?シャドルーやギース……君達の野望はとんでもないものを呼び寄せようとしているのに気付いていないんだ)




アッシュ・クリムゾン…我流
KOFシリーズ(アッシュ編)

シェン・ウー…我流
KOFシリーズ(アッシュ編)

アレックス…プロレス、レスリング
ストリートファイター3シリーズ、5

サンダーホーク…プロレス?(ルチャ・リプレ?)
ストリートファイターシリーズ



はい、今回はKOFアッシュ編の主人公、アッシュ・クリムゾンとストリートファイター3の主人公、アレックスのチームです。
二人に共通するのは……どちらも主人公(笑)であることですね。特にアッシュはアッシュ編のラストたる13では主人公でありながらエディット専用で、しかも最後の最後はラスボス化……。

一方でアレックス。これは彼は何も悪くない。

というか、2代目3代目の主人公って、初代がインパクト強すぎて大抵霞みますよね?
リュウ、草薙京、テリー・ボガード、リョウ・サカザキ、覇王丸、モリガン……。奴等の存在が大きすぎるのです。あれ?何か一人変なのが混じりましたか?

それでは次回もよろしくお願いいたします。


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エンターテイナーチーム

ジョジョと同時投稿です。


香港

劇場

 

香港カンフー映画の花形スター、フェイロンは困り果てていた。以前、カンフー映画で共演した猫又妖怪フェリシア。その彼女が連日のように彼の事務所を訪ねて来る。

 

フェリシア「ねぇねぇ、フェイロンさん。このお話って絶対に売れると思うんだけど、一緒にやらない?」

 

フェイロン「荒唐無稽過ぎる。なんだこの魔界とか幻想界とか冥界とか宇宙とか……そう言うのはハリウッドに持ち込め。あちらの方が専門だろう。第一だ、今回はnamc○は絡んでいない。やりたくても出来ないだろう。とにかく帰ってくれ。私はカンフーアクションが専門だ。ハリウッド映画はお断りだ」

 

そう。フェリシアは自身も体験したかの大冒険を映画化させようとフェイロンに持ちかけているだ。

その出演者として前に共演したフェイロンに目をかけているのだが、中々首を縦に振って貰えない。

専門のカンフー映画以外には出演しないし、ハリウッドからのオファーも全て断っている。

いつだったかムエタイチャンピオンのジョー・東の自伝を映画化させた『ジョー伝説』なる映画のライバル役としてオファーが来たときも、自身が敵役ということもあってか断っていた。

 

フェリシア「えーーー!フェイロンさんのケチ!」

 

フェイロン「ケチで結構だ。今は自分の映画の題材に困っていてそれどころではない」

 

フェリシア「え?ネタ切れなの?」

 

フェイロン「うむ……。それで題材探しに旅に出ようと思っていてな」

 

丁度四川省の方でいい役者がいると聞いたことがある。「川劇」のミアン。

川劇の踊りの腕前もさることながら、その可憐な容姿にファンも少なくない。

フェイロンの目的はそれだけではない。何でも四川武真流を修得し、四川地下格闘技界で噂になっていると聞く。最近ではあのKOFの主催者からオフィシャル招待を受け、出場したのだとか。

彼女をスカウトし、自身の映画に華を添える事が出来ればより自分の演技の幅が広がるであろう。

なによりも、一人の格闘家として純粋に興味があった。

 

フェリシア「ふぅん……ねぇねぇ、その旅に付いていって良いかな?」

 

フェイロン「自分の仕事はどうした?」

 

フェリシア「最近つまんないんだもん。おんなじような仕事ばっかりでさ」

 

フェイロン「少しはミュージカルスターの自覚を持ったらどうなのだ?」

 

フェリシア「そんなの知らなーい!付いていくったら付いていく!」

 

流石は猫又。気まぐれな猫らしく、興味あることがあるとそれにまっしぐらな性格だ。義務感などどこふく風で、プロとしての自覚など欠片もない。フェリシアはある日突然フラりと姿を消し、数日後には何事も無かったかのように帰ってくる。

それでも人気が落ちないのだから大したものだ。

 

フェイロン「好きにするが良い。責任は持たんからな」

 

あのケン・マスターズすらも力ずくで説得し、フェイロンとの映画共演を果たしてしまう強情な猫又だ。本人は恋愛映画に出たかったそうだが……。そんなフェリシアを説得したところで恐らくは無駄だろう。

フェイロンは諦めの境地で四川省までの飛行機のチケットを取った。

 

 

四川省

地下闘技場

 

地下闘技場。それはどこの地域にも存在するルール無用の闇の賭博場である。

KOFはこういうものから発展したものと考えて良い。

巷で噂になっているKOSFが開催されようとしている今、世の中は空前の格闘ブームとなっていた。

出場者の中にはこの地下格闘場でスパーリング代わりに最後の調整をするものも少なくなかった。

下位予選が免除される招待状が届かない無名の格闘家はそう言った格闘家から招待状を奪おうと考える者も少なくない。それ故にどこの地下格闘場は大いに賑わっている。

従来のKOFと同様、招待状は受け取った本人で無くても効力は発揮される。最終的にエントリーをされたとき、メンバーの誰か一人でも招待状を持ってさえいれば有効なのだ。

過去の例を持ち出せばキム・カッファンのチーム。

今でこそチョイやチャンも黙っていれば招待状が届く選手であるが、KOF94の頃は間違っても招待状が届く訳がない。キムが持っていたから出場できたのだ。

次の例を挙げればKOF97のニューフェイスチーム(オロチチーム)だ。そもそも格闘家でなかった七枷社は招待状など届いておらず、ラッキー・グローバーを闇討ちして招待状を強奪して出場した。

そういう事情から、本来ならば賑わっている筈の地下格闘場。だが、フェイロンがこの日訪れた四川省のこの闇格闘場は異様な雰囲気に呑まれていた。

試合が行われていないのだ。

だが、休みであるわけでもなく、格闘家がいないわけでもない。今日も招待状狙いの無名の格闘家がひしめきあっている。にも関わらず、何故試合が行われていないのか?

その答えはリングにあった。

二人のダンサーが試合そっちのけで踊っていたのである。

一人はフェイロンが目的としていた人物、ミアンが伝統芸能である川劇を踊り、面をコロコロと変えていた。踊りながら一瞬で面を変える。それが川劇なのだから。

もう一人は…………

 

フェイロン「驚いた。サウスタウンのダンサーがこんなところで何をしてるんだか………」

 

サウスタウンのダンスクラブ、クラブMの顔とも言える人気ブレイクダンサー、ダック・キングである。

ダック・キングはミアンの川劇の曲に合わせて流れるようにブレイクダンスを踊っていた。

状況がまるでわからない。フェイロンは近くにいる地下格闘場の関係者に聞く。

 

フェイロン「ここは地下格闘場だろう?それとも私は間違ってダンスホールにでも来てしまったのか?」

 

関係者「いや……それが……最初こそミアンさんとダック・キングさんは真面目に戦っていたんですが、ミアンさんの躍りにつられてダックさんが踊り始めてしまいまして……ミアンさんも本業魂に火が付いたのか、格闘の試合がいつの間にかダンス勝負に……」

 

フェイロン「下らん………」

 

フェリシア「えー?何か面白ーい!私も混ざろうっと!」

 

フェリシアまでもがミュージカルスター魂に火が付いてしまい、歌いながらダンスに混ざる。

 

実況『おおっと!ダック・キングに引き続き、意外な人物が混ざったぁ!なんと世界に輝くミュージカルスター、フェリシアさんの乱入だぁ!』

 

ダック「ヘーイ!嬉しい乱入だぜぃ!ミアンだけじゃ無くてフェリシアともセッショーン!こりゃますます盛り上がるぜぇ!レッツ、ダンシング!」

 

ミアン「む………ブレイクダンスに加えてミュージカルスターまで乱入だと?四川の伝統芸が西洋の雑技に負けてたまるものか!」

 

「いいぞー!もっと盛り上げろー!」

 

血気盛んのストリートファイター達も、豪華ダンサー達の華麗なパフォーマンスに試合などそっちのけでノリノリである。

 

フェイロン「なんて事だ……フェリシアを連れてくるべきでは無かった……」

 

呆れ、そして諦めてホテルに帰ろうとするフェイロンに背に、お気楽娘の声がかかる。

 

フェリシア「フェイロンさんも混ざろうよ!カンフーの演舞でもやれば盛り上がるよ!私達も合わせるからさー!」

 

フェイロン(冗談ではない!)

 

フェイロンのクンフーは確かに映画として芸に使ってしまっている。しかし間違ってもダンスの見せ物としてやっているわけではない。

逃げようと急ぐフェイロン。だが、お気楽格闘家のダックがそれを許さず、無理矢理フェイロンをリング(という名のもはやダンスステージ)に連れ込むと…。

 

ダック「ブレイクスパイラル!ダンスバージョン!」

 

何を考えたのか超必殺技であるブレイクスパイラルを雑技用にゆっくりとアレンジした技をフェイロンに放つ。

フェイロンも格闘家。雑技用のブレイクスパイラルなんてまともに食らう訳がなく、ダックの足の上で華麗に捌いてダメージをゼロにする。

しかし、それが奇しくもダックの足の上で踊っているように見えてしまい……。

 

「うおおおおお!流石はあのフェイロンだ!ダンスも一流だったんだな!」

 

フェイロン(ち、違う!そんなつもりじゃ!)

 

「すかしたカンフー映画だけかと思っていたけど見直したぜ!」

 

フェイロン(何だと!?今の発言は誰だ!)

 

「次の技も期待してるぜ!フェイロン!俺、あんたのファンになっちまったよ!」

 

フェイロン(ぬう!ますます逃げられなくなってしまった!こうなればヤケクソだ!)

 

結局、このランチキ騒ぎは夜を徹して行われ事になってしまった。

 

 

 

フェイロン(なんて事だ………)

 

翌日の近くの喫茶店でフェイロンは頭を抱えていた。

同じようにミアンも乗せられて踊ってしまった事を今になって後悔しており、頭を抱えている。

 

フェリシア「良かったね?フェイロンさん!ダックさん!ミアンさん!あのダンス、映像に収められれててそれぞれの事務所に送られるって!」

 

ダック「おー!ベリーグッド!いやぁ、夕べはブラボーだったぜ!楽しかったな!みんな」

 

フェイロン&ミアン「良くない!」

 

なんとしても事務所に届く前に処理しなければ…。

フェイロンはともかく、伝統芸能を大衆演劇みたいにやってしまったミアンにとっては死活問題である。

 

ミアン「なんて事だ。貴重な1日を無駄にしてしまった……大会までもう日が無いのに……」

 

フェイロン「大会?」

 

ダック「KOSFだよ。ああいった場所はな、出場者がスパーリングするだけが目的じゃなくてな、まだメンバーが決まっていない招待選手が目ぼしい無名の格闘家をメンバーにスカウトする場でもあったんだぜ?ほら、KOF2000で舞ちゃんとかが四条雛子をオーディションでスカウトしたようにさ」

 

フェイロン「なるほど……そういう使われ方もあったのか……」

 

ダック「俺もメンバーが決まってなくてよ。メンバーを探してたんだよ」

 

ミアン「私もだ。今回はオフィシャル選手じゃ無いからな。招待状は届いているんだが……」

 

そこでピョコンとフェリシアの耳が動く。

 

フェリシア「そうだ!KOSFだよフェイロンさん!」

 

フェイロン「何!?」

 

フェリシア「新しい映画のアイデア!この四人で出場してさ、それを題材にした映画を撮れば良いじゃん!そうすれば夕べの映像もそのまま使えるしさ!あたしって頭いー!」

 

ダック「オウ!イッツ ナイス アイディア!俺達は大会に出場できるし、エンターテイメント性もこのメンバーならバッチリだ!」

 

ミアン「確かに……このまま当てもなく有象無象の中から納得のゆく選手を見つけようとするよりかは現実的だな」

 

フェイロン(なるほど。言われてみればミアン殿もダックもKOFの出場経験者であるし、フェリシアもケン・マスターズに認められる程の実力がある。映画の題材としても悪くないし、何より私向きだ。それに、私の舞台を麻薬取引の現場にしていたベガに対しても借りを返さねばならないしな。アホ娘の提案にしては悪くない)

 

フェイロン「良いだろう。ただし、どうせやるなら目指すは優勝だ。良いな!」

 

エンターテイナーであり、一流の格闘家の四人がここでチームを結成した。




フェイロン…カンフー
ストリートファイターシリーズ

フェリシア…???
バンパイアシリーズ

ミアン…四川武真流
KOF14

ダック・キング…マーシャルアーツ+ダンス
餓狼伝説シリーズ

はい、エンターテイナーチームでした。
このシリーズを考えた初期から(具体的には女子高生チーム)考えていたチームなのですが、なかなかストーリーが決まらずお蔵入りしていました。

なお、KOFの招待状に関わる事柄ですが、これは今は廃刊になっている雑誌ゲーメストがSNKに直接聞いて出版された「KOF94の謎」という本に書かれていた内容で、公式設定です。
それを裏付ける内容として、1998年にPSで発売されたゲーム、「KOF京」にて招待状の内容で書かれています。

それでは次回もよろしくお願いいたします。


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聖職者チーム

アテナ姫「うう……神様ぁ、もう許して天界に帰らせて下さいよぉ……」

 

麻宮アテナの先祖、ヴィクトリー王国のアテナ姫。

彼女は幻想界における事件の過去の功績を称えられ、天界の門番の役割を任されていたのだが、先の天界に人間が紛れ込む事件(SVCCHAOS)の責任を取らされ、現在は時代を問わず人間界の異変を解決する役目を神より仰せつかっているのだが、その戦果は芳しくない。

バトルコロシアム等でコツコツとポイントは稼いではいるものの、天界としてはあまり良い評価を貰えていなかった。

せっかくのチャンスであった逢魔に関わる事件も同僚であるワ○キューレに奪われてしまっている始末である。

アテナ姫は知らないことだが、最近では子孫である麻宮アテナの方が天界での評価が高く、アテナ姫を元の時代に戻して麻宮アテナを天界に招くべきでは?という声も挙がっている程だ。

 

神『アテナよ……』

 

アテナ姫「こ、この声は神様!お願いです、私を天界に戻して下さい!」

 

神『それはまだ叶わぬ。じゃが、新たなチャンスを与えてやろう』

 

アテナ姫「本当ですか!?いつの時代のどこに行けば良いのですか!?」

 

神『バトルコロシアムの時代の日本じゃ。そこにおる神々の信徒と協力し、地獄門や魔界の侵攻から人間界を守るのじゃ!』

 

アテナ姫「バ、バトルコロシアムの時代ですか…あの時代の人々には良い思い出がないのですが……でも、挫けない!」

 

基本的にアテナ姫はお転婆だ。元々天界に呼ばれる事件を解決するきっかけも退屈しのぎに幻想界の扉を開けてしまったことが原因だったのだから。

早速アテナ姫は時代を跳ぶ術を唱えて現代日本へと降り立った。

 

 

パシフィックハイスクール屋上

 

アメリカの裕福層を中心とした留学生が通う日本のアメリカンハイスクール。

アテナ姫が降り立った所はそんな場所だった。

パシフィックハイスクールが建てられている場所は少々特殊な学校が集まる地域だ。太陽学園、五輪高校、外道高校、ジャスティス学園等の校風と言うには過激な思想を持つ学校が地域に根付いている。

パシフィックハイスクールもその1つだ。そして、そのパシフィックハイスクールの中でも少々特殊な人物がいる。

ボーマン・デガルト。

信仰深く、日本に来た目的も信仰心が低い日本人に信仰の素晴らしさを伝えるべく日々邁進する宣教師高校生。

かのジャスティス学園が起こした二度にわたる事件の解決にも関わった、地域でも英雄扱いの人物の一人である。

 

ボーマン「むむっ!この神々しい力は……神の使徒が御降臨なされたのか!」

 

アテナ姫のような天界の神々しい力を纏った人物が降臨すれば、信仰心の強いボーマンが反応しない訳がない。

ボーマンはすぐさま屋上へと走り、神の使徒であるアテナ姫の姿を認める。

 

ボーマン「あ、あれはアイドルの麻宮アテナ…違う!麻宮アテナはあんな神々しい力を発していない!彼女は間違いなく神の使徒!おお、神よ!私にもかの乙女の騎士のような御方の御力になれと仰せですか!身に余る光栄!」

 

共にジャスティス学園の事件を解決した春日野さくらや島津英雄が関わった逢魔事件。ボーマンはそれに関われなかった事を深く悔やんでいた。

女神イ○ターの忠実なる神の騎士、ワル○ューレの力になれなかったからだ。

今度こそ女神の力になれると奮起したボーマンはすぐさまアテナ姫の身許まで駆け寄り、跪いて祈りのポーズを取る。

 

アテナ姫「え?え?あなたは……」

 

一方のアテナ姫が困惑するのも無理はない。熊みたいな巨体の男にいきなり跪かれれば誰もが混乱するだろう。

 

ボーマン「父なる神のお教えを世に伝える事を使命としたあわれな羊、ボーマンで御座います。女神様」

 

アテナ姫「ひ、羊?どう見ても熊……」

 

アテナ姫には人間を動物に変える力がある。このボーマンを動物にしたところで羊には決してならないだろう。

 

ボーマン「何か?」

 

アテナ姫「い、いえ。ごめんなさい。えっと……ボーマンさん……で良いのかな?」

 

ボーマン「女神様にさん付けなど勿体ない事であります。ボーマン……と呼び捨てて下さいませ。女神様」

 

アテナ姫「女神様と言われるとちょっと……私はただの天界の門番ですから、私の事はアテナと呼んで下さい」

 

ボーマン「おおっ!女神アテナ様!はっ!そのお姿に御名前…もしや麻宮アテナとは仮のお姿で、そのお姿こそ本当のお姿だったのですか!?おおっ!女神よ!たかがアイドルと見くびっていた私を御許し下さい!」

 

アテナ姫「ええっと……よくわからないけど多分別の人だと思いますよ?ここは私が天界に呼ばれた時代からは随分先の未来のようですから……麻宮アテナさんって人が子孫である可能性はありますけど……」

 

可能性ではなくまんま子孫である。アテナ姫は知らないことであるが、更に自分のいたビクトリー王国にも子孫はいて、そちらにも初代(はつしろ)アテナという麻宮アテナ以上にアテナ姫にそっくりな人間がいるのだが、ここでは関係ないので伏しておく。

 

ボーマン「なんと……麻宮アテナさんは女神の子孫……今後は是非ともCDを買わねば……」

 

 

太陽学園

 

アテナ「ぞく……何だろう……妙な悪寒が走ったんだけど……」

 

太陽学園文化祭でライブをしていた麻宮アテナは謎の悪寒に襲われていた。まさか自分の知らないところで先祖が勝手に自分のファンを作っていたなど夢にも思うまい。

 

場所はパシフィックハイスクールに戻る。

 

ボーマン「して女神アテナ様。下界にはどのような御用向きで?この信徒ボーマン、微力ながらお力添えをしたく……」

 

アテナ姫「ええっと……『キング・オブ・ストリート・ファイターズ』という大会を知っていますか?その大会で悪しき者達が闇の力を使って何かを企み、それが原因で魔界や亡者を呼び起こす地獄門を開けるきっかけになると言うことで、神より阻止せよと命を受けたのですが……」

 

ボーマン「何と!世を騒がすかの大会にはそんな裏があったとは!それを阻止するが女神アテナ様に託された主の御神託……わかりました。このボーマン、格闘技には少々覚えが御座います。是非ともアテナ様の御供をさせて頂きたい」

 

アテナ姫「ええっと……協力して頂けるのは嬉しいんですけど、あなたの力を借りては……」

 

ボーマン「しかし女神アテナ様。大会には四人一組でないと出場出来ません。女神アテナ様がいかに強くとも、御一人では神命を果たすことは無理なので御座います」

 

アテナ姫「え!そうなんですか!?どうしよう……」

 

アテナ姫は困惑する。一人ではどんなに頑張っても神命を果たすことは出来ない。かといってこの世界には知り合いが少ない。

 

ボーマン「我が友人の力を借りることも可能ですが、彼らも祖国で今後の世を支えるべく邁進する者…。かのような大会で怪我をさせる訳にはいきませんが、幸いにも私の知人に女神の御供に相応しき者がおります。異教徒ではありますが、かの者も神より託された力を持つ者。きっとアテナ様の御力になるやと……」

 

ロイとティファニーを頼る訳にもいかない。今の二人は世界の中心たるアメリカの為に政治を勉強中なのだ。

それに、女神の御供に相応しきは神の信徒である方が望ましい。

それに、ボーマンの知っている人物はある問題を抱えていた。素晴らしい力を持っているのに、過去の失敗から先に進めなくなってしまっている。

確かな実力者にも関わらず、誰に誘われてもチームを組んでいないのだ。同じ使命を持つ者にすら、別の人物を紹介して自分は身を引いてしまっている。それがボーマンには歯痒くて仕方がなかった。

そんな人物も、神であるアテナ姫に頼まれたのならばもしかしたなら…。

 

アテナ姫「え?いるのですか?そんな人が…」

 

ボーマン「はい。伝説の力を持つ人物が……」

 

その人物の名前は……

 

 

日本…神楽神社

 

そこでは神社の主である神楽ちづるが巫女服で境内を掃除していた。

KOFを開催したり等、金持ちのイメージがあるかも知れないちづるであるが、実際は歴史と伝統ある故に経済界にコネがあるだけのしがない神社の主。KOF開催も経済界の有志に出資してもらって出来ただけに過ぎない。

その有志にしたって善意からではなく、ギース時代から続くKOFの経済効果を期待した上での思惑から出資していただけの事だ。

オロチが封じられ、ネスツが滅び、彼方より出ずる者達との戦いが終わりを告げた以上、ちづるがKOFを開催する理由はもうない。

何より、三種の神器の力を敵に利用され、奪われて以来、格闘家として表舞台に立ち上がるつもりはもうなくなっていた。

そうでなければ京や庵を武神流に任せたり、すがり付く真吾を追い返したりはしていない。最近良い雰囲気である紅丸からもチームに誘われたのだが、丁重に断ったりもしていた。

裏社会の野望が渦巻く格闘家の祭典で世が騒がしくなっている昨今ではあるが、そんな世の中から目を逸らすかのようにちづるは日常を送っている。

 

???「汝、迷いがあるのではないか?」

 

そんな時だ。見るからに怪しげな存在がちづるに声を掛けてきた。ボロボロの衣装を着け、首からは子供のサイズの髑髏で出来た首飾りをしている東洋人。

こんな怪しげな風貌でよくこれまで通報されなかったものである人物だが、ちづるはその人物を知っていた。

 

ちづる「あらダルシムさん。珍しいですね?」

 

男の名前はダルシム。

インドの修行僧として一切俗世に流されず、人々を導いて来た人物であるが、格闘家としても名が知られている。

信仰の元に荒行を繰り返せばたどり着ける境地とでも言うのだろうか?手足を伸ばしたり、口から火を吹いたり、宙に浮いたり、瞬間移動をしたりなど、人体の限界を遥かに超越した神秘とまで言われている存在だ。

格闘家と聖職者を両立するものにとって、ダルシムは非常に有名な人物であった。

 

ダルシム「ちづる殿………そなたは迷われておられるのではないのでは?オロチを封ずる八咫鏡の使命を持つ者として、このままで良いのか……と」

 

ちづる「…………」

 

確かにダルシムが言うようにちづるは迷っている。ルガールが大会の主催者の一人である以上、オロチが絡んで来ないわけがない。

しかし、自分には三種の神器としての使命を二度も破ってしまった過去がある。エリザベートからは『三種の神器には何も期待できない』とまで言われる程に。ちづるは既に使命を守る自信が無くなっていた。

 

ちづる「ダルシムさん。あなたも私にKOSFに出場せよと仰るのですか?ですが、私にはもう……」

 

アッシュに奪われた力は既に戻っている。神楽の力を使おうと思えば出来るのだが、その気力は既にちづるにはない。

 

ダルシム「……ふむ。傷は相当深いようであるな。しかし、迷ってばかりでは前に進めぬ。人を迷いから救うべき立場である我々神の信徒が迷い、先に進めぬようでは人を導けぬのでは?かのままではチャクラは回せず、豊穣の祝詞も退魔を祓う祝詞も、ただの音で終わってしまうであろう。一度自らを見直すと宜しかろう。丁度、神々からの試練があるようなのでな……」

 

ちづる「神々の試練?そう言えばダルシムさんの要件とは一体……」

 

ダルシム「火神アグニからの神託が降りたのだ。神々の使徒と手を取り、人の世の災いを取り除け…と」

 

ちづる「人の世の災い?」

 

ダルシム「不思議に思わないかな?完全に滅んだはずのルガール・バーンシュタインが、何故この世に舞い戻っておるのか……」

 

ちづる「まさか………地獄門!ルガールは地獄門が蘇らせた常世の尖兵!」

 

ダルシム「左様……今、魔界と常世は手を組み、かのオロチも手を組んでいる。かの八傑衆も…若しくは」

 

ちづる「八傑衆……ゲーニッツ……」

 

忘れていた憎しみが甦る。『吹き荒ぶ風のゲーニッツ』。ちづるの姉を殺し、オロチ封印を解いたオロチ四天王の男。

 

ダルシム「ヨガ……憎しみに囚われることなかれ」

 

ちづる「ごめんなさい…。ダルシムさんの仰るとおりですわ。そして、止めなければなりませんね。オロチ、魔界、地獄門、アンブロジャ……ルガールやゲーニッツ達の野望を止めるには、草薙や八神、武神流だけでは荷が重いでしょう」

 

ちづるは祓い串を振るい、戦装束にはや着替えをする。これからボーマンに連れられ、この場にやってくるアテナ姫の子孫、麻宮アテナも真っ青のはや着替えだ。

 

ちづる「オロチ封印の守護を二度も失敗した未熟者の力がどこまで通ずるかはわかりませんが、力を貸しましょう……。鏡の守護者、護る者、三種の神器が一人、神楽ちづるが……神の使徒と共に」

 

ちづるは捨てようと思って捨てられなかった招待状を懐から取り出し、決意をする。

その後、合流したボーマンとアテナ姫と共にチーム結成をした。

なお、余談ではあるが……。アテナ姫が麻宮アテナと間違われて二重エントリーを疑われたのは、麻宮アテナにとっていいとばっちりだったことも追記しておく。




神楽ちづる…神楽流古武術
KOF96~KOF98、KOF2003

アテナ姫(初代アテナ)…サイコパワー?
アテナ、SVCCHAOS、ネオジオバトルコロシアム

ダルシム…ヨガ
ストリートファイターシリーズ

ポーマン・デガルト…ボクシング
私立!ジャスティス学園



はい、聖職者チームです。
ちづるとダルシムは誰かと組ませようと思って考えを巡らせても中々メンバーが出てきませんでしたが、やっと出すことが出来ました。
特にダルシム!
繋げてくれたのは初代アテナでした。他にもマッドマン、タムタム、チャムチャム、レラ、善の天草という手もありましが(笑)

それでは次回もよろしくお願いします。


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ライバル戦…三種の武神チーム

草薙京…空手家チーム

ステージ…KOF96日本チームステージ

 

リュウ「下馬評通り、お前達が決勝に進んできたな。会えて嬉しいぞ。草薙流継承者、草薙京」

 

京「親父から聞いているぜ?代々草薙流の継承者とは切磋琢磨してきた空手をベースにした暗殺拳の流派の事はよ」

 

庵「ふん、その流派の事は聞いている。オロチの血の暴走のような物を持っているようだな」

 

ケン「耳が痛いぜ。豪鬼みたいな奴がいたりするからなぁ。けど、俺やリュウはそういうものはないぜ?」

 

ローズ「いえ、そうではないでしょ?リュウには殺意の波動の才能がありすぎる。ベガに狙われるくらいには…もしかしたら極限流も……」

 

リョウ「おいおい。疑うのは構わねぇけどな、少なくとも極限流の歴史はまだ浅いぜ?」

 

ユリ「サカザキの血筋と流派の強さは、リュウさんの流派に引けを取らないけどね♪特に忍者とかの相手はお手のものだっち!」

 

ガイ「それは聞き捨てならないでござる。如月流とて我が武神流と同様に人の世が乱れる時に動く草の者達。数度如月影二殿を下した位で忍者の全てを知ったつもりならば、痛い目を見る事になるでござろう。それを拙者が教えるでござる」

 

京「下らねぇご託は良い。要はどっちが強いか…格闘家に言葉は要らねぇ……。違うか?」

 

リュウ「その通りだ!その拳を俺にぶつけてこい!」

京「熱い野郎だぜ。近頃は因縁だなんだとつまらねぇ勝負ばかりだったからな。本気で行くぜ!」

 

 

八神庵…軍人チーム

ステージ…98八神チームステージ

 

ガイル「おやおや。復讐ごっこに酔っているお坊っちゃんの登場か?」

 

庵「復讐ごっこだと?ふん、貴様ら権力者の犬たる軍人に何がわかる」

 

ガイル「わかるさ。数百年前の血の因縁で復讐だのなんだのと……実に下らない。戦場に出ればそんなものはごまんと転がっているさ」

 

京「俺と八神の因縁ってのは草薙家と八神家の因縁なんかは既に越えてるんだ。知ったような事を言ってると、火傷じゃ済まなくなるぜ?」

 

ナッシュ「どう済まなくなるのか、是非とも見せてもらいたい物だな。ナパームよりも熱いとはとても思えんが」

 

ローズ「退くべきはあなた達よ。特にそこの……戻れなくなるわ」

 

レオナ「オロチの力はもう制御できる。むしろ八神が退くべき……」

 

ガイ「思い上がりはやめるでござる。オロチの力は簡単に制御できるものではござらん。最悪は奴等の思うつぼになるでござる。ここは我ら武神流や三種の神器に任せるでござる」

 

ハイデルン「まるで自分達が世界を守っているかのような物言いだが、KOFに潜む闇を払ってきたのは武神流でも三種の神器でもない。影で我々が動いていたからこそ世界の平穏は保たれていた」

 

庵「下らん。どっちが世界の為に動いていたかなど、そんなものはどうでもいい。早いところこの茶番を終わらせて京とけりをつける…俺にはそれしか興味がない」

 

ガイル「やれやれ。子供はこれだから始末に負えない。良いだろう。少し躾をしてやろう」

 

庵「ふん、逆にしつけ返されなければいいな?」

 

ガイル「問題ない。イージーオペレーション」

 

 

ガイ…アンチダークストーカーチーム

ステージ…ストリートファイターZEROガイステージ

 

ガイ「これはこれは如月影二殿…久し振りでござるな」

 

影二「ガイ殿か。武神流が動くほどの事がこの大会には潜んでいる……やはり地獄門や魔界が絡んでいるというのは本当のようだな。しかし、武神流の高い志も約一名そぐわぬ者がいる模様。同士は選ぶべきだと思うぞ」

 

庵「ふん。油断して地面に這いつくばっていた貴様が忍者として未熟だっただけだろう。殺されなかっただけありがたいと感謝するべきじゃないのか?それに、同士を選ぶべきは貴様の方じゃ無いのか?何だそのお遊戯軍団は」

 

あかり「何やて!?相変わらず守矢の兄ちゃん以上にムカつく赤毛やな!なぁなぁ武神流のおっちゃん。この時代の武神流は草薙流や八神流と同じでこんなにれべるっちゅうのが低いんか?ホンマにオロチを封じたんか疑問やなぁ」

 

バレッタ「何だと!?人の獲物であるオロチをやりやがったのはテメェらか!よくも人の稼ぎの邪魔をしてくれたな!っていうか、こんなガキどもが本当にオロチをやったのか?今一つ信じられねぇぜ」

 

京「へ!伝説の天才陰陽師、一条あかりっつってもこの頃はまだただのガキだろ?俺達が本当にオロチを封じたかどうか、もう一度燃やされねぇとわからねぇみてぇだな」

 

タバサ「ほうほう。不思議な炎を使う草薙流古武術に八神流古武術、それに人の世が乱れる時に現れる武神流にソウルパワー……良い研究材料が沢山揃っているようですね。これは魔法研究家として興味深い……」

 

ローズ「人を見た目で判断してはいけない典型的な存在ばかりね。タバサ、一条の天才陰陽師、武神流と通ずる物がある如月流、無情のダークハンターバレッタ…なんというそうそうたるメンバー…流石は如月流と言いますか」

 

ガイ「……お互い、同士には恵まれておらぬようだな。だが、オロチやサイッコパワー、殺意の波動に対抗するには必要な存在ゆえに…。如月殿、ここは我らに任せてはもらえぬでござろうか?」

 

影二「我らが同士、武神流の頼みといえどもここは退けぬ。我らとて魔界の侵攻や地獄門の復活のきっかけとなろう者達を放っておけば代々流派の先人達に顔向け出来ぬのでな。ましてや八神等に任せてはおけぬ。ガイ殿には申し訳ないが、この先に進むのは我らよ」

 

ガイ「そうでござるか。同士と言えども他流派。互いの意地がぶつかれば時として敵味方となって争うが忍の定め。悪く思われるな」

 

影二「いざ尋常に……勝負!」

 

 

ローズ…聖職者チーム

ステージ…ストリートファイターZERO2ローズステージ

 

ローズ「……三種の神器、最後の一人、神楽ちづる。まさかここで三種の神器同士がぶつかることになるとは皮肉としか言いようがないわね」

 

ちづる「一度は断った手前、あなた達の前に姿を出すのは躊躇われましたが」

 

ガイ「三種の神器が全て揃い踏みしたでござるか……オロチへの対策はこれで目処が立ったでござるな」

 

アテナ姫「ほへぇ……見たことある人もいるけど、この時代の戦士もすごいんだねー」

 

庵「あの時の変な女……天界とかの門番とやらが下界に何の用だ?貴様ら天界が今さら現れたところで何が変わる。下らん」

 

ボーマン「神の使徒に対して何たる暴言……三種の神器がこれでは日本の信仰などたかが知れると言うものだ」

 

庵「ふん。坊主は偉そうに中身のない説法でも垂れていればいい。俺の邪魔をするならば、楽には死ねんぞ」

 

ダルシム「汝、悔い改めよ。素晴らしき三種の神器の力もオロチにつけこまれれば利用され、そして引き返せぬ」

 

京「三種の神器とかオロチとか、もうお腹一杯なんだよ。下らねぇ」

 

ちづる「草薙、八神。宿命からは逃れられない。ここから先は私達が進む。特に八神。あなたと殺意の波動は引き合わせてはいけない」

 

ローズ「退けない宿命を背負っているのはあなただけではないわ。神楽ちづる」

 

ちづる「ソウルパワーのローズ。あなたと私はどこか似ている……それ故にわかるはず。互いに退けないならばどうするべきか……」

 

ローズ「いいでしょう。あなたは完全に復活したようね。私の力が伝説の力に劣らないことをここで示してあげるわ」




ライバル戦その2です。

京対リュウのライバル戦を今度は京側の視点で書いてみました。このシナリオでは京対リュウは外せません。
ステージは京のテーマ=ESAKA?が確立された96の日本チームステージ。13でも使われたステージですね。

庵の場合はカプエスでも復讐者繋がりでライバル関係であったガイルです。同じオロチの血を引くレオナもいますし、ガイルと双璧を為すハイデルンもいる軍人チームがライバルチームとして選びました。
ステージは96八神チームステージ。98のステージでも良かったのですが…。

ガイは月華の設定を引っ張ってきた如月流をベースにしたストーリーとした如月影二をライバルとしてみました。月華における如月流は武神流と繋がるものがあると考えています。影二と因縁がある庵もいますし。
ステージはZERO2のガイステージのメトロシティーとも考えたのですが、そちらはどちらかと言えばハガーの方が似合う気がしたのでZEROのガイステージにしました。リュウと共用ステージでしたが…。BGMはハガーと共有になりそうですね。

ローズの場合は同じちづるがライバルとして適任ではないかと思いました。バックに持っている悲壮感といい、宿命に縛られているところといい、持っている雰囲気といい、ローズとちづるは似通っている気がします。まぁ、ちづるの方が恵まれている気もしますが…。
ステージはZERO2のローズステージ。それ以外思い出せないのも理由の一つですが…。

それでは次回もよろしくお願いします。


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改造人間チーム

ブラジルの閑静な住宅街。

K´は地図を頼りにそこを歩いていた。

K´「何でわざわざ俺達がこんなことをしなくちゃならねぇんだ……ガキ」

クーラ「だって鎮のおじいちゃんと約束しちゃったんだもん。アイスの贈り物のお礼に」

だるそうに歩くK´の隣をクーラ・ダイヤモンドは美味しそうにキャンディーをペロペロ舐めながらスキップ気味で歩く。

K´「だからいつも言ってるだろ。あのジジイとは手を切れって」

言っても無駄だとわかっていても、言わなければ気がすまない。いつも鎮元斎には良いように利用されてしまうのだ。

クーラ「でもK´の好物のビーフジャーキーもたくさん貰ってるよ?マキシマおじさんの甘いものも」

K´「それ以上に俺はKOFが嫌いなんだよ。なのに何で毎度毎度大会に引っ張り込まれなきゃならねぇんだ…うざってぇ……」

K´はKOFが嫌いだ。

その理由は人と馴れ合うのが嫌いであるという事。協調性のないK´らしいといえる理由である。何で戦うときにまで人と馴れ合わなければならないのかというのが本人の言であるが、自分の運命をネスツによって色々変えられたのもKOFがきっかけだからかも知れない。

クーラ「それでK´。クーラ達はどこにむかってるの?」

K´「知らないで受けたのかよ……毎度毎度考えなしに引き受けやがって……。あのクソジジイ。今度こそぶっ殺す……」

K´はぶつぶつ言いながら、鎮に言われた住宅のチャイムを鳴らす。住宅は屋敷とまではいかないまでもそれなりの裕福な家庭のようだ。こんな家にすむ人間が自分達に何の用なのだろうか?

女性「はーい♪あら、見ない人ね?あなたが鎮元斎さんが言っていた新しいお友達?」

K´「………」

中から出てきたのは人がよさそうな中年の女性だ。本当に自分とは縁の無さそうな感じで、場所もあってか鎮に縁があるようには思えない。更に自分は一方的に利用されるだけであり、間違っても鎮とは友達とは言えない。もっと言えばK´には友達と呼べるような存在はいなかったりする。

共に生活するマキシマやセーラ(ウィップ)達にしたって成り行きで一緒にいるだけであり、間違っても友達とかそういうのではない。

K´は女性の質問に答えず沈黙する。ここには誰がいて、誰とチームを組んで良いのか鎮からは何も説明を受けていない。

女性「あ、あの………」

クーラ「うん♪鎮のおじいちゃんとは友達だよ♪ここにはクーラの新しい友達が困ってるって言うから来たんだ♪」

実際は全く違うのだが、適当に話を合わせておくという点ではクーラの返答は合格点だろう。もっとも、精神年齢が幼いクーラにそんな気はまったく無いのだが、結果としては上々だった。

女性「やっぱり!今呼んでくるから待ってて頂戴?」

女性はパタパタと小走りで家の奧へと入っていく。

待つことしばし。現れたのはK´もビックリする存在が現れた。

???「待ってた。俺、ジミー。よろしくな」

K´「テメェ……ネスツの改造人間か?」

???「違う。俺、改造人間違う」

女性「あら、ジミーちゃんはネスツ……とかというのとは関係無いわ。歴とした私の息子よ?前まではブランカって名乗ってたわね」

ブランカ「俺、アマゾンのジャングルで育った。生きていく為に頑張ってたら体がこうなっていた」

ブランカの母「ジミーちゃんは小さいときに乗っていた旅客機が墜落してずっとアマゾンで生きていたの。今のジミーちゃんはジャングルの王者よ?」

人間に限らず、生き物は生きていく環境に応じて体を適応させる能力が有るというが、ここまで完全に獣そのものという例は聞いたことがない。ネスツの改造人間と言われた方がまだ信頼性がある。

もっとも……

K´(草薙京とかそういう存在もいるんだからこのジミーという野郎みたいな存在がいても不思議じゃないか)

自身に注入された力の元となった草薙京の事を思い出しながら、これ以上野暮な事を考えるのをK´は止める。

それに、セーラに至っては自分の姉のクローンだ。

ブランカ「お前達が元斎が言っていた助っ人か?」

K´「助っ人になったつもりはないが、あのジジイに嵌められてここに来たのはそうだ。K´という」

クーラ「クーラだよ?ジミー、面白いね?」

ブランカ「K´、クーラ。俺、覚えた。俺、お前達に頼みある。家、入れ」

ジミーの母「あら、あの子の所に行くのね?うん、K´ちゃんにクーラちゃん。あの子達のお願いを聞いてくれると助かるわ」

あと一人、誰かいるらしい。鎮が自分達を寄越すくらいだから確実に厄介事だとは思うが……

通された部屋にいたのは……。

K´「今度こそ改造人間……だよな?」

マキシマ以上にどこからどうみても改造人間とわかる存在がそこにいた。一人は男、一人は女の改造人間だ。

ネクロ「よう、おめえがネスツの改造人間という奴か?俺はイリア。ネクロというコードネームもあるが、イリアが本名だ。こっちは俺の彼女のエフィーだ」

K´「テメェもネスツの?」

だが、こんなタイプの改造人間がいるとは聞いたことがない。

アンヘルやK9999、ネームレスとも違う。何よりネスツは改造人間と言ってもここまであからさまな一目でわかる改造はしない。

ネクロ「俺達はネスツで作られた改造人間じゃねぇ。ある秘密結社で作られた改造人間だ…ま、逃げ出したんだがよ。で、その結社は今はもう無くなったんだけどよ、シャドルーがしつこくてよぉ……」

K´「シャドルーか……奴等は確かにしつこいな」

K´とネクロは境遇が似ているかも知れない。自分達を作った組織を抜け、反抗して組織を潰して自由を得たと思っていても、自らを作ったテクノロジーを手に入れようとシャドルーやWARZのような組織がいくらでも現れる。

ネクロ「俺、もう少しでつかまっちまうって時にジミーが助けてくれてよぉ、こうして匿ってくれてるんだけど、このままじゃジミーに迷惑をかけちまうだろ?」

ジミー「だから鎮にお願いした。何とかならないかって」

K´「そこで俺か……確かにイリアの境遇は俺と同じかも知れねぇな……ところでジミー。テメェはどうしてイリアを助ける?関係ねぇだろ?」

ブランカ「俺、もうイリアと友達。友達助けるのは当たり前。ダンからそう教わった。だから俺、イリアを見捨てない」

K´「野獣特有の仲間意識か……」

育った環境が人間の汚ならしい世界とは無縁だったジミーは本気でイリアを助けようとしているのだろう。

クーラ「ねえK´。ジミーやイリア、エフィーを助けてあげようよ。出来るでしょ?K´なら」

だが、悲しいかな。個人で出来ることは少ない。

しかし、クーラが言うようにK´には幸いにもこうした経験は何度もある。

ネスツにしても、WARZにしても、K´はいつだってこうしてきた。

K´「あのジジイにしては珍しく俺にもメリットがある利用の仕方じゃねぇかよ」

ジミー達と手を組むメリットはK´にもある。シャドルーやギースはイリアと同様に自分達にも手を出して来ているのだ。

K´「こういう手合いは逃げ続けたってどこまでも追ってくる。俺がそうだったようにな。やることは1つだ」

K´は懐から鎮に渡されたKOSFの招待状を取り出す。ちなみに宛先は椎拳祟と書かれていた。

K´「乗り込んで潰す。やることはいつもの通りだ」

いつだってこうしてきた。かつてはネスツやWARZ。今度はシャドルーとハワードコネクション。

K´「テメェらは付いてくるだけで良い。俺一人で充分だ」

若干一名違うが、改造人間チームがこうして結成された。

しかし、このチームを見たとき、誰もがこう思うだろう。

 

 

 

『ブランカが一番改造人間っぽくね?』




K´…暴力
KOFシリーズ

クーラ・ダイヤモンド…アンチK´アーツ
KOFシリーズ

ブランカ…野生への適応進化が生んだ格闘術
ストリートファイターシリーズ

ネクロ…人体改造によるゴムのような体と放電能力
ストリートファイター3シリーズ

はい、改造人間チームです。ブランカもある意味では自然に改造された改造人間ですね。ついでに言うと、完全にifの話ではありますが、アメリカで作られた映画、ストリートファイタームービー(日本ゲーム版ではリアルオンフィルム)ではブランカはK´同様にシャドルーに改造された科学者という設定が存在します。
しかし、ネクロとK´、クーラは境遇が似てますよね。恐ろしいくらいに。
これでKOF主人公(アルバとシュンエイは省くとして)は全員出揃いました。
次は何チームを作りますか…。

それでは次回もよろしくお願いいたします。


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ザ・キング・オブ・マシーンズチーム

今回はかなり異色のチームです。


中国

 

鎮の庵を出た後に遡る。

 

マキシマ「やれやれだ。また厄介事に巻き込まれたな。相棒」

 

K´「……」

 

K´はいつになく不機嫌だ。KOFを基本的に嫌うK´だが、今回は特に苛立っている。

 

マキシマ「まぁ、あの爺さんが無茶を言うのはいつもの事だから仕方がねぇ。お嬢ちゃんが受けちまった以上はやるしかないだろ?機嫌を治せよ」

 

K´「そうじゃねぇよ……今回はこのガキと俺だけで何とかする。テメェは帰ってろ」

 

マキシマ「相棒?」

 

こいつは何を言っているんだろうとマキシマはいぶかしむ。K´はそんなマキシマをジロリと睨む。

 

K´「足手まといなんだよ。ポンコツ」

 

マキシマ「おいおい。ポンコツとは酷いな」

 

K´「実際にポンコツだろうが。テメェ、システムの不調が出てきてるだろ」

 

マキシマ「!!!」

 

K´が指摘する通り、長いこと本格的なメンテナンスをしていないマキシマのボディは結構なガタが来ていた。マキシマをサイボーグにした工房もネスツが崩壊すると同時に閉鎖され、開発者である『巻島博士』の行方も未だに知れない。

アデス……という得体の知れない組織が噛んでいるという話をサウスタウンのルイーゼ・マイリンクから聞いたことがあるが、結局何もわからないままだった。

それ以来、だましだましでセルフメンテナンスをしてきたが、そろそろオーバーホールをしなければそのうち動けなくなるかも知れない。

それはマキシマの生命活動を維持している部分も…。

素直ではないうえに口は悪いものの、K´はマキシマを心配して言っているのだろう。

 

クーラ「マキシマのおじちゃん。クーラ達の事は良いからさ、巻島博士を探した方が良いよ?それにクーラ達だけでも大丈夫だって」

 

K´「けっ!」

 

ぶっきらぼうだったり子供っぽかったりするが、二人とも本気でマキシマの事を心配して言っているのだろう。

 

マキシマ「優しさが目に染みるぜ」

 

K´「オイルの間違いだろ?」

 

マキシマ「おいおい。俺はサイボーグであってアンドロイドじゃねぇ。元は人間だって知ってるだろ?」

 

クーラ「そうなの?キャンディーと同じかと思ってた」

 

マキシマ「お嬢ちゃんは本気でそう思ってたのかよ。勘弁してくれよ…」

 

ちなみにキャンディーとはネスツがクーラのサポート用に作った完全なアンドロイドである。

一度は完全に壊れたが元ネスツの幹部、ダイアナのコネで完全に修理された。ちなみにダイアナ曰く、キャンディーは直せてもマキシマは修理が出来ないらしい。アンドロイドとサイボーグではどうやら色々と違うようだ。

 

K´「関係あるかどうかは知らねーが、ここへ行け。もしかしたら巻島博士と関係あるかも知れねぇ」

 

マキシマ「大阪?」

 

そう言えばK´は以前、バトルコロシアムで……

 

日本大阪下町

 

マキシマ「こんなところに巻島博士がいるとは思えんが……K´は間違った情報を教えて来たんじゃないだろうな……」

 

K´がマキシマに行くように指示した場所。そこにはいかにも下町の工場とも言うべき寂れた工事だった。

 

マキシマ「マジかよ……どう考えたって下請け工事とかが関の山って感じのボロ工場じゃねぇか。俺のオーバーホールはおろか簡単なメンテナンスも怪しいぜ…」

 

マキシマのデータベースにも引っ掛からないはずだ。こんな寂れた工事ではナビでも登録されるはずがない。良くて町の交番とかのご近所マップに出てくるくらいだろう。

 

マキシマ「無駄足だったみたいだな。K´め……なけなしの資金がただの無駄遣いになってしまっただろうが。移動費だってただでは無いんだぞ……こんなところにWARZが目を付ける技術があるとかガセを掴まされやがって……」

 

マキシマがため息を吐いて帰ろうとしたとき…。

 

少女「こらオッチャン。私の工場を今、バカにしたでしょ」

 

マキシマの足元に小学生くらいの少女が腰に手をやり、頬を膨らまさせて睨み付けていた。

 

マキシマ「お、オッチャン……こう見えてもまだ二十代なんだがな……。まぁ、お嬢ちゃんにしてみたら確かに俺はオッチャンだろうな」

 

歳の割には老け顔で、物腰が落ち着いているマキシマはよくおじさん呼ばわりされることが多い。クーラなどは常におじさん呼ばわりされているし、その都度マキシマは内心では傷ついている訳だが、今回の場合は本当に一回りは年が離れている少女が相手なのでオッチャン呼びされても仕方がないと思い、自分を宥める事にした。

 

??「そんなのはどうでも良いの!それよりうちの工場をバカにしたでしょって聞いてるの!」

 

マキシマ「お嬢ちゃんの家の工場だったのかい?それは失礼な事を言っちまったな。悪かった」

 

??「確かにうちは小さな工場だけど、技術はそんじょそこらの工場とは違うんだ!」

 

マキシマ「そうなのかい?確かに工場自体は小さいが、古いながらも手入れは行き届いているし、その辺の工場よりは働いている人間に信頼持てるみたいだな」

マキシマ(だが、そんな店は探せば街に1つは必ずあるってものだ。俺が求めてるのは巻島博士の居所か、ネスツと同じくらいの技術を持った裏世界の工場だ。ただちょっとばかり腕が良いくらいの工場に用は無いんでな)

 

子供相手に言いくるめても仕方がないのでマキシマは適当にあしらうことにした。

しかし、少女は更に頬を膨らまさせてマキシマを睨み付ける。

 

??「オッチャン。調子悪いんでしょ?その機械の体を直すんなら、うちの工場以外は見つからないと思うよ」

 

マキシマ「何だと?何故俺がサイボーグだとわかった?」

 

マキシマの格好は普段と違い、色々着こんでパッと見では格闘家のような筋肉質な大男という風体にしてある。なのにこの少女は一目でマキシマをサイボーグと見破った。

 

??「うちも似たような物がいくつか転がっているんだよ。だからすぐに分かったんだ」

 

マキシマ「似たような物……だって?」

 

とても信じられない話である。だが、適当な事を言っている訳でも無さそうだ。少女の目付きはネスツのメカニックがするようなプロ意識の高い目に見える。

 

マキシマ(こんな子供がこの目をするなんてな……このお嬢ちゃんはただ者じゃない……)

マキシマ「そうだな……。修理を頼むか頼まないかは別として、この工場の中を見せてもらうとするか。案内を頼めるかい?お嬢ちゃん」

 

少女が言う『似たような物』というのにも興味が惹かれたマキシマは、見学くらいは……程度の気持ちで少女に案内を頼む。

 

少女「お嬢ちゃんやない。うちはゆずや。巻島ゆずって名前があるから」

 

マキシマ「巻島だって!?」

 

ゆず「知ってるの?」

 

マキシマ「あ、ああ。俺もマキシマって言うんだ。本名じゃないがな……俺を作った人間も巻島博士って言うんだ。俺はその巻島博士に作られたサイボーグという事で型式番号を付与され、そのまま名前にした」

 

ゆず「オッチャンも巻島?凄い偶然だね」

 

もしかしたら当たりかも知れない。

少しばかりの期待をもってマキシマはゆずの後を追って工場に……巻島重工の工場に入った。

 

マキシマ「こ、これは……」

 

中に入ったマキシマ驚きを隠せなかった。

巻島重工の工場の中には2体のロボットと1体のアンドロイドが安置されていた。

マキシマはそれらをスキャンアイで確かめて見る。

 

マキシマ(この青いヘルメットを被っているアンドロイド……これも現在ある地球の技術で作られた物ではないな……だが、あと2つ……こいつは……地球の技術で作られた物……ネスツ以外でこんなものを作れる奴がいたのか!K´はガセを掴まされた訳じゃなかった!バトルコロシアムでK´が見たのはこいつだったのか!)

 

ゆず「マキシマのオッチャン。サイバー・ウーとプロトキカイオーを見て驚いてるでしょ?この2つに目を付けるなんてお目が高いなぁ?」

 

マキシマ「こいつは驚いた……なるほど、K´が見たって言うロボットはこいつの内のどっちかだったのか……どこでこんなものを手に入れた?オッチャンはそいつの開発者に会いたいんでな」

 

ゆず「サイバー・ウーを設計したのも作ったのもうちの工場だよ?プロトキカイオーは別の研究所から預かった物だけど」

 

マキシマ「何だと!?まさか本当に巻島博士はここにいるのか!?」

 

????「違うよ。巻島違いだ」

 

背後から老人の声が響く。

 

はっさく「ワシは巻島はっさく。サイバー・ウーはワシが開発したものだ。ネスツにいる巻島博士とやらは完全に赤の他人だよ」

 

マキシマ「じいさん。俺を知ってるのかい?」

 

はっさく「あんたこそ自分が有名人である事を自覚したらどうかね?技術者、科学者からしてみたらネスツのサイボーグの最高傑作、マキシマは有名だ。逃亡者の癖にKOFに出場しているしの。ホントに身を隠す気があるんだか……」

 

マキシマ「参ったね……確かに目立ちすぎたな……」

 

ゆず「ネスツ?K´?あっ、バトルコロシアムでウーと戦った!」

 

はっさく「やれやれ。どうしてマキシマ君がここに来たかと思えばお前が口を滑らせたのか……」

 

マキシマ「色々と失礼だったな……俺の修理、ここなら頼めそうだ。このサイバー・ウーとやらを作ったここならば……」

 

はっさく「サイボーグは専門外だが……まぁ、観てやろうではないか」

 

マキシマは巻島工場長に自分の修理を頼むことに決めた。

 

ー数日後ー

 

はっさく「どうかね?調子は」

 

マキシマ「驚いた……ネスツ以外に俺を直せる人物がいたとは……本当に巻島博士とは無縁なのかい?」

 

はっさく「犯罪結社に身を寄せるような身内はうちにはおらんわ。まったく迷惑な話だ」

 

マキシマ「で、後の2体はなんなんだい?」

 

はっさく「キカイオーは巽研究所という所から預かっておる物だ。パイロットに訓練を施す為にウーの操縦技術で訓練させたいらしい。ワシとても完成型のウーを作る研究になるから願ったりかなったりなんじゃ」

 

マキシマ「完成型?両方ともプロトタイプなのかい?」

 

はっさく「聞いて驚け。ウーもキカイオーも完成型はアニメに出てくるような巨大ロボットなんだ。その起動テストと操縦の為に人間サイズで作ったのがウー。巽研究所はそれを聞き、キカイオーを同じサイズで作ってワシの所に送って来たってわけだ」

 

マキシマ「やれやれ……何と戦う気なんだかねぇ…」

 

ジュンペイ「お?おっさん。直ったのか?」

 

今度は高校生くらいの少年がマキシマに声をかける。草薙京とは違い、一昔前のロボットアニメの主人公のような熱血高校生という風貌だ。まるでマジン○ーの主人公みたいである。

 

マキシマ「君は?」

 

ジュンペイ「轟ジュンペイ。キカイオーのパイロットだ。じいちゃんに頼まれてやってるんだぜ」

 

マキシマ(孫にパイロットをやらせる?本当に何と戦うつもりなんだ?)

 

こんな物を作れる人間がいるとネスツが知っていたならば、巻島重工も巽研究所もただでは済まなかっただろう。

 

はっさく「ところでマキシマ君、君に見てもらいたい物があるんだ」

 

マキシマ「あそこにいる青いロボットかい?見たところアンドロイドのようだが?それに…こいつに関しても記録はあるな。確かロックマン…と言ったか?」

 

シンプルな造りではあるが、その高度な技術はキャンディーにも負けていないアンドロイドが転がっていた。

ロックマン。

遥か未来より現れたイレギュラーハンターである。逢魔という組織が現れた時など何度かロックマンタイプと呼ばれた機体が現れたはずだ。

 

ロックマン「僕を知っている……確かXやダッシュ、ゼロが何度も異変に巻き込まれたと言っていたけど……」

 

マキシマ「別のタイプという奴かい?色んなのがここに集まっているじゃないか」

 

はっさく「お陰で今やここもシャドルーとかに目を付けられていての、君を直したのも善意から……という訳じゃないんじゃ。ロックマン君を拾って直した時に色々と厄介事が起き始めての」

 

マキシマ「………俺にここを守れ……と言いたいのかい?」

 

はっさく「いいや。君ならばもっと良い手が思い浮かぶだろう?例えば……これだ」

 

巻島工場長は例の招待状を工場のデスクから取り出す。

 

マキシマ「ネスツの時のように潰せ……と言うことかい?」

 

はっさく「そうだ。修理代代わりの報酬としては充分だとは思わないか?君も狙われているのだろうし、悪い話ではあるまい」

 

確かにシャドルーのちょっかいは日増しに激しくなっている。それに、ロックマンがこの時代に現れたのは鎮が懸念している何かにも関わっている可能性がある。

 

マキシマ「良いぜ。うちも懐具合が良くねぇし、何より鎮のじいさんからもその大会に出場してほしいと頼まれてるんでな。元々そのつもりでいたし、少々予定が変わった所で問題ない。よろしく頼むぜ?巻島の嬢ちゃん、轟の坊っちゃん、ロックマン」




マキシマ…M式格闘術
KOFシリーズ

サイバー・ウー&巻島ゆず…???
ザ・キング・オブ・モンスターズ、ネオジオバトルコロシアム

キカイオー&轟ジュンペイ…???
超鋼戦記キカイオー

ロックマン…???
ロックマンシリーズ、マーブルVSCAPCOM

少々強引なストーリーですが、サイボーグ&アンドロイド&ロボットのチームで編成しました。
マキシマとサイバー・ウーは当初の構成通りでしたが、ロックマンとキカイオーは当初は違いました。
ヴァンパイアのフォボスとビクトルだったのです。
ですが、本来ならスーパーロボットだったサイバー・ウーがバトルコロシアムに出ていたのなら、キカイオーのキャラも同じ技術で出せるんじゃないか?と考えたので出してみました。サイバーボッツでも良かったのですが、キカイオーのキカイオー編の方が時代的には合っていたのでこちらにしました。

一方でロックマンですが、ロックマンはゼロがSVCchaosに登場していたことを思い出し、本家ロックマンを出すことにしました。ナムカプ等でもロックマンシリーズのキャラが出ていますし。

さて、マキシマとロックマンはご存知かと思いますし、サイバー・ウーはネオジオバトルコロシアムで登場していたのでご存知かと思います。
残るキカイオーはご存知無い方が多いのでは無いでしょうか?
超鋼戦記キカイオーはCAPCOM作のロボット格闘ゲームです。扱うロボット、キャラによってストーリーが全く違うという異色のストーリー展開。
キカイオー編はマ○ンガーZをオマージュにしたストーリーで時代考証もほぼ同じ。
他のストーリーはガン○ムのような王道リアル路線、トップ○狙え、テッカ○ン・ブレード、08○隊、ポケットの中の○争等々……。
ストーリーだけを見れば非常に面白い作品でした。
私自身はキカイオーをやったことが無いのでゲームとしてはどうだったのかはわからないのですが……。
キカイオーの背後にジュンペイがゆずのように後ろにくっついてキカイオーを操作する。想像すると中々シュールな光景ですね(^_^;)


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魔界チーム1,2

魔界

ドーマ家領

 

そこでは人間界の騒動により復活しつつある地獄門の影響が大きく出ていた。

 

ジェダ「彼等の魂はどうかね?」

 

「間もなくです。順調に魂が回復してきているもよう。肉体の方も間もなく修復が完了致します」

 

ジェダ「結構。人間達の魂を救済する……彼らは私に共鳴するはずだ……」

 

ジェダはおかしくなった冥界から逃げて来たその存在達が再生されるのを今か今かと待ちわびていた。

その存在の名前はオロチ八傑集の中でもとりわけ力を持ち、主の忠実なる僕達……オロチ四天王。彼等の復活がもう間もなく完了しようとしていた。

 

 

社(ここはどこだ………)

 

クリス(僕達は三種の神器に敗れてそれから……)

 

ゲーニッツ(確か私は自ら命を………)

 

シェルミー(私達は地獄門に呑まれて………)

 

冥界に呑まれ、亡者としてさ迷っていたオロチ四天王の四人。朧気に覚えているのは地獄門から抜け出て魔界と呼ばれる地に逃げ込んだところまでだ。その後にどうなったかは分からない。

 

ジェダ「気分はどうかね?オロチ四天王の諸君」

 

社「お前は誰だ?ここはどこだ……」

 

ジェダ「ここは魔界の一角、ドーマ家の領土だ」

 

シェルミー「私達を復活させたのは貴方?私達を復活させてどうするつもり?」

 

ジェダ「私の目的は人間、魔界すべてに集う者達の魂の救済。人間を嫌うあなた方オロチを代表する地球意思とは利害が一致すると思うが?」

 

ゲーニッツ「魂の救済…ですか。まるで聖職者のような物言いですね」

 

クリス「確かに僕達は人間が嫌いだね。でも、君達ダークストーカーだって人間と大して変わらないんじゃないの?」

 

クリスが言うとおり、活動する世界が違うというだけで人間とダークストーカーは大して違わない。

 

ジェダ「確かにそうだ。我々ダークストーカーとて人間と変わらない。しかし、私の魂の救済が成されれば物質界から人間は駆逐され、君達オロチの目的は果たされる。魂の救済によって魔界の住人も地獄門の者達も物質界に行くことは無くなり、自然界の楽園は完成される。我々の利害は一致すると思うがね?」

 

確かにジェダが言うとおり、事が成されればオロチ一族の悲願は達成され、地球意思であるオロチの望む自然界の楽園は取り戻せるはずであろう。

オロチ一族に損はない……。

更に言うなら、とある一族のせいでただでさえ千年単位の眠りについたオロチが無理矢理起こされ吸収されるという事件により、次にオロチ復活が復活するのはいつになるかわからなくなってしまった。

その間に地球はより破壊され、人間を滅ぼしても地球が再生不可能になってしまう恐れがある。

 

ゲーニッツ(魔族が何を考えているのかはわかりませんが、オロチの為にはここで乗っておくのが吉でしょう)

 

社「良いぜ。テメェらの目的が何であれ、まずは人間、そして魔族が駆逐されればこっちとしては何の問題もない」

 

オロチ一族の代表であるゲーニッツと社がジェダに協力することを誓う。オロチ一族が了承すると、ジェダは満足そうに頷く。そして、自身の部下を呼ぶ。

 

ジェダ「紹介しよう。私の部下のキュービーだ」

 

ジェダは女王蜂と言うべき存在を呼ぶ。実際女王蜂のようで、彼女には知性という物をほとんど感じない。

 

ジェダ「他にも私の協力者、ザベル・ザロックとケルガー君だ」

 

更に人間の幽霊と……

 

ゲーニッツ「グール……ですか」

 

社「待てよ。ザベル・ザロックっつったら…」

 

シェルミー「人気ギタリストの…」

 

クリス「堕ちれば堕ちるものだね。典型的なグールじゃん?」

 

ザベル・ザロックと言ったら社達のようにバンドをやっていた者にとっては知らぬものはいない程の有名な人物である。それが死してゾンビとなっていたなんて誰が信じるであろうか……。

 

ジェダ「ザベルについては良くご存知のようだ。もう一人のケルガー君はメトロシティという都市で犯罪組織マッドギアを率いていたが、武神流とその協力者に潰された無念でゾンビ化したものだ」

 

そちらも社達は聞いたことがある。マッドギアのこともさることながら、武神流は三種の神器と等しい存在であり、オロチ一族にとっては邪魔な存在であるとも言える。

 

ゲーニッツ「お話はわかりました。そして、我々は何をすればよろしいのですか?」

 

ジェダ「この大会に出場し、愚かな人間達の力を奪い、開こうとしている地獄門を完全にこちらの物にしてもらいたい。三種の神器や武神流、アーンスランド、マキシモフ、天界、その他の勢力や時代を超えて邪魔をしようとしているものが多いようでね」

 

社「良いだろう。こちらとしても好都合だ。オロチ復活には集中力を集める必要があるからな。並々ならぬ集中力が持った格闘家が集うKOFの流れを汲む大会が開催されるならばこっちとしてもやりやすい」

 

ジェダ「交渉成立だな。招待状は君達宛に届けられたものをこちらで回収してある。互いの為に良い協力関係を……」

 

ゲーニッツ「ところであなた方、その格好で物質界に行かれるのですか?」

 

ザベル「人間に化ける術くらいは使えるってんだよ」

 

クリス「そう。期待してるよ?ドーマさん」

 

ゲーニッツ(何を企んでいるかは分かりませんが、オロチを甘くみないことですね……)




魔界チーム1

ジェダ・ドーマ…???
ヴァンパイア・セイバー

キュービー…???(本能?)
ヴァンパイア・セイバー

ゲーニッツ…オロチの力
KOF2002UM、KOFネオウェイブ
(吹き荒ぶ風のゲーニッツ)…オロチの力
KOF96、KOF98UM

七枷社…主に打撃系の技
KOFシリーズ
(乾いた大地の社)…オロチの力
KOFシリーズ


魔界チーム2

ザベル・ロック…???
ヴァンパイアシリーズ

ゾンビケルガー…???
ファイナルファイト・リベンジ

シェルミー…主に投げ系の技
KOFシリーズ
(荒れ狂う稲光のシェルミー)…オロチの力
KOFシリーズ

クリス…主にスピード系の技
KOFシリーズ
(炎の掟めのクリス)…オロチの力
KOFシリーズ


今回はオロチ一族を中心にしたチームです。
是非とも使いたかったんです!オロチ四天王の四人を!
それに、魔界関連のキャラも作りたかったので。
それにしてもこういう系統のキャラはサムスピや月華等も含めてSNKには多数いれどCAPCOMの方はヴァンパイアとウォーザードしか無いので少ないんですよね。いたとしても魔界をどうこうとかの奴はジェダくらいしかいませんし、パイロンは宇宙人ですし。
サムスピのアンブロジャを中心としたチームも作りたいのにCAPCOM側が……
誰か良いキャラはいないですかね?
牙神幻十郎、天草、色、羅刹、死鏡とか出したいのは一杯いるのに…。

それでは次回もよろしくお願いいたします。


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各キャラステージ1

息抜きで考えてみました。


草薙京

KOF96日本チームステージ(江坂歩道橋上)

 

KOF13でも使われているステージ。テーマは京のシンボルとも言える96のテーマですね。サイコソルジャーチームもこのステージでした。

 

八神庵

KOF95ライバルチームステージ(廃工場をバックにしたステージ)

こちらも13で使われたステージです。テーマは嵐のサキソフォン系のテーマでもよし、99のサディスティック・アイでもよし。庵と言えばこのステージというイメージですね。

 

ガイ

ストZEROガイステージ(ソンソンというローソンのオマージュがあるステージ)

何故かこのステージが……リュウと共用したステージですね。

 

ローズ

ストZERO2ローズステージ(場所は忘れました。川を背景にしたステージです)

ローズらしいステージだと思いますがいかがでしょうか?

 

テリー

餓狼伝説2テリーステージ(アメリカ横断鉄道列車の上)

テリーと言えばこのステージとBGMクリキントンですね。

 

ロック

餓狼MOWロックステージ

このステージしかロックは無いといいますか……

 

ハガー

ストZERO2ガイステージ(メトロシティ)

ガイよりもハガーの方がこのステージに合っているような気がします。

 

コーディー

ストZERO3コーディーステージ(メトロシティ刑務所)

ロックと同様にこのステージしかありませんね……

 

ガイル

スト2ガイルステージ(空軍滑走路)

ガイルと言えばこのステージ!

 

ナッシュ

ストZERO2ナッシュ対ベガステージ(滝の上)

ショッキングなエンディングのあのステージです。

 

ハイデルン

KOF95怒チームステージ(吊り橋の上)

あの橋の上で闇払いとか使ったら崩落するような気がするのは私だけでしょうか?

 

レオナ

KOF96怒チームステージ

川の上で軍用の橋を架けてあるステージですね。

 

ラルフ

KOF94怒チームステージ(ジャングル)

墜落したヘリの前で戦うステージです。ランボーみたいなラルフと言えばジャングルというイメージからですね。

 

クラーク

KOF99空港滑走路

もう怒チームの専用ステージがなかったので。テーマはWW3(99怒チームテーマ)

 

キャミィ

スーパーストリートファイター2キャミィステージ(イギリス)

オーロラがかかっている古城のステージです。

 

ロレント

ストZERO2ロレントステージ

ファイナルファイトのロレントステージに似せた大型のビル外作業用エレベーターステージです。

 

春麗

スト2春麗ステージ

春麗ステージと言えばこのステージと思うのは私だけでしょうか?

 

いぶき

スト3いぶきステージ

いずれにしても森の中のイメージですが

 

餓狼2舞ステージ

川下りのいかだの上で戦うステージですね。

 

マリー

餓狼3マリーステージ

良いところの屋敷のホールみたいなステージです。テーマ曲はブルー・マリー・ブルースというイメージですが。

 

アテナ

KOF94サイコソルジャーチームステージ(古寺)

個人的には2003の女子高生チームステージでも良いのですが、アテナと言えばサイコソルジャーのテーマがかかったステージのような気がして…。ネオジオCDでは歌ってましたしね。

 

雛子

KOF2002UM美少女格闘家チームステージ

遊園地のステージです。背景にビッグ・ベアがいますね。風雲黙示録のハヤテやキャロルがジェットコースターのレールを降りたり登ったりしていたことも印象的でした。

 

さくら

ストZERO2さくらステージ(さくらの自宅の庭)

あそこをバトルステージにするさくらのセンスもどうかと思いますが……

 

あきら

ジャスティス学園外道高校ステージ

ジャス学のステージの少なさの関係上ここしかありませんでした(-_-;)

 

サガット

スト2サガットステージ

寝大仏の前のステージです。サガットと言えばこのステージでしょう。

 

アドン

ストZERO2アドンステージ

アドンと言えばこのステージですね。

 

ジョー

餓狼伝説2ジョーステージ

若干アドンと被っている気がしないでもない湖畔ステージです。

 

キング

KOF95女性格闘家チームステージ(バーイリュージョン?)

キングの店はあのステージでは無いかと思います。ヘヴィD、藤堂竜白、ダックキングが背景にいました。

 

大門

KOF94日本チームステージ(工事現場前)

日本チームでありながら日本らしさが無いステージでしたね。

 

香澄

KOF96女性格闘家チームステージ(高層ビル屋上レストランステージ)

キングのステージのような気もしますが……

 

本田

スト2本田ステージ(戦闘の中)

あのステージ、滑らないんですかね?しかも銭湯の中に土俵を作るわ、何より不思議なのが勝負が付いたときに動くあの浮世絵です。どうやってるんですかね?

 

ほくと

イメージつかず……餓狼3のアンディステージ(日本風の寺ステージ)かリアルバウトSPの日本ステージ(舞、双角、アンディの和風の城ステージ)、又は餓狼WABの坂田冬二の冬山ステージ

 

ザンギエフ

スト2ザンギエフステージ(工場の中)

ザンギエフステージって全部ああいうステージのような気がします。

 

Rミカ

ストZERO3ミカステージ(砂浜町内プロレス大会リング)

 

ライデン

餓狼伝説2ビッグ・ベアステージ(エアーズロック)

ソドムと被っているような気もしますが。

 

ラモン

KOF2002UM夜の路上ステージ

女性格闘家チームと共有しているステージですね。スポーツチームの面々が背景にいました。

 

暴走庵、暴走レオナ、殺意リュウ、洗脳ケン

KOF99クリザリッドステージ(ネスツ基地)

研究室っぽい場所でというイメージが……中ボス戦ですしね。

 

ベガ、ベガ2

ストZERO3シャドルーステージ(シャドルー基地をバックにしたファイナルベガのステージ)

何故かこのステージというイメージが強かったです。

曲のテーマはノーマルベガがストZERO3、ベガ2がスト2のベガステージのイメージですが。

 

豪鬼、真豪鬼

ストZERO2豪鬼ステージ(獄炎島洞窟内)

豪鬼と言えば獄炎島。カプエス2の燃える大阪というのも良かったかも知れませんが。

曲のテーマがクローン豪鬼がストZERO3、真豪鬼がストZERO2の豪鬼ステージのテーマです。

 

ギース、ナイトメアギース

餓狼伝説及びリアルバウト餓狼伝説ギースステージ(ギースタワー最上階)

ギースと言えばこのステージでしょう。最後に屋上から落とされるのが様式美です。

曲のテーマがノーマルギースが餓狼SPのギースにしょうゆ、ナイトメアギースが初代餓狼のギースにキッス。

 

ルガール、オメガルガール

KOF94ルガールステージ(空母ブラックノア)

ギースが屋上からの転落ならルガールは船ごと自爆が様式美ですよね?

ノーマルルガールがKOF98のノーマルルガールのテーマ、オメガルガールがKOF98オメガルガールのオメガルガールのテーマです。

 

 

 




今後使いたいキャラリスト

スト2
DeeJ

ストEX
カイリ

スト3
エレナ、ユリアン、ダッドリー

バンパイア
ドノヴァン、ザベル、フォボス、パイロン

ジャス学
バツ、ひなた、将馬、流、英雄、響子

スターグリエイター
ハヤト、サタン、ビルシュタイン

その他
ストライダー飛竜、ジン早乙女、憲磨呂

餓狼伝説
リチャード・マイヤー、アンディ・ボガード、チン・シンザン、ボブ・ウィルソン

餓狼MOW
双葉ほたる、B・ジェニー、(マルコ・ロドリゲス)

龍虎
リー・パイロン、Mr.BIG

KOF
ヘヴィ・D!、ラッキー・グローバー、アンヘル

サムスピ
牙神幻十郎、柳生十兵衛、千両狂四朗、黒子、天草四朗時貞、壬生斬紅朗、いろは、レラ

月華
躯、鷲塚、刹那

ワールドヒーローズ
マッドマン、ラスプーチン


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キックファイターズチーム

アメリカ

サウスタウン

 

パオパオカフェは今日も賑わっていた。

今や格闘技のメッカとも言える街。表、裏を問わず連日のように何かしらの格闘大会が開催されているサウスタウン。

この力が全ての街において、ある種のランク付けが存在していたりする。それはある意味で公式であったり、勝手に街の者達が決めた暗黙のルールだったりしている。

例えば裏格闘技場のランク。

例えばKOFの招待状が届く者。

例えばギースからスカウトが来る者。

例えば極限流道場に道場破りをした際、誰が立ち会うかまですらも。

 

最後の2つは命懸けだが、そう言った者が一種のステータスとなっているのがサウスタウンの街である。

中でも顕著なのがこのパオパオカフェだ。

カフェと言いつつも、この店は実際は酒場なのだが、ただの酒場が世界中の格闘家に知られる店であるわけがない。

パオパオカフェには舞台が設けられており、その舞台にはショータイムとして格闘家による試合が行われているのである。

しかし、誰もがその舞台に立てる訳ではない。

オーナーであるリチャード・マイヤー、店長であるボブ・ウィルソンのお眼鏡に叶った者だけがその舞台に立つことが出きる。

前座ですら一流……良くて二流クラス。

メインイベントで一流上位。

リチャードやボブがステージに立った時は超一流と認められた者の称号だ。

パオパオカフェの舞台に立つことが出来るというのはそれだけでも一種のステータスなのである。

近年では迷惑な女性格闘家達が酔って暴れて店を破壊することも少なく無いのだが、とにかくパオパオカフェは格闘家達の聖地の1つなのである。

オーナーであり、1号店の店長のリチャード・マイヤーはそういった噂を否定しているものの、リチャードが舞台に立つに相応しいかを見ていることは確かである。

リチャードも超一流のカポエラ使い。自身が格闘家であるゆえに自分の店で試合をするものの質は選ぶし、判断基準も必然的に厳しくなると言うものだ。

 

リチャード「失礼、お嬢さん。ステージに立って貰えるかな?」

 

ざわ………。

パオパオカフェの店内は騒がしくなる。

リチャードが舞台に立って欲しいと依頼する……これは中々無いことだ。

いつもなら放っておいてもステージに立ちたいという者が後を立たないからだ。

それは判定眼が厳しいリチャードのお眼鏡に叶った超一流の人物であると言うことだ。

 

???「え?私ですか?」

 

その声をかけられたのはショートの銀髪が美しい、首長族の娘である。名はエレナ。世界中を留学して渡り歩いている少女である。

客達の目は見開かれる。何でこんな少女が?と言った感じだ。今回ばかりはリチャードの目も狂ったのでは無いかと誰もが疑った。

 

エレナ「えっと……私で良ければ」

 

リチャード「良かった。君みたいな子を探していたんだ」

 

周囲がざわつく。リチャードはロリコンだったのではないかと。

もちろん、リチャードにそんな趣味は更々ない。エレナの仕草や姿勢、歩き方等から一流の格闘家であることを見抜いた上での誘いだ。

スーツを脱ぎ、バトルコスチュームで向かい合うリチャードとエレナ。

 

リチャード「これは嬉しい。同じカポエラ使いだとは。将来、パオパオカフェの店長として働く気はないかね?」

 

エレナ「えっと……魅力的なお誘いだけど、私はまだまだ世界中を回ってお友達を作りたいから…」

 

リチャード「それは残念だ……ならば今を精一杯楽しもう」

 

リチャードとエレナにとって、至福の時間が始まった。

 

 

 

 

リチャード「いやぁ、実に素晴らしい戦いだった。世界を見終わったなら、パオパオカフェに来てみてはどうかね?その素晴らしい才能、諦めるには惜しすぎる」

 

試合後、リチャードとエレナ、付き添いのディー・ジェイと、子供にしか見えないエレナの友人、桃子は閉店後のパオパオカフェで盛り上がっていた。

 

ディー・ジェイ「良かったな?エレナ。パオパオカフェのリチャードからスカウトを受けるなんて、中々無いことだぜ?」

 

リチャード「正直迷ったがね。ディー・ジェイさん。もしくは桃子さん、誰と戦おうか」

 

ディー・ジェイ「俺と?俺の事を知っているのか?」

 

桃子「桃子の事を知ってるの?」

 

リチャード「サバットの達人、ディー・ジェイさんの事を知らない私ではないよ。パオパオカフェで店長をやるということは格闘家の情報を漏らさない事も必須な事だからな。それに桃子さん。あなたはKOFでサイコソルジャーチームのメンバーとして出場している。KOFの情報を私が知らないわけが無いだろう?私はKOFの古参出場者だ。ましてや君は女性格闘家チームの面々とこの店でトラブルを起こしている。知らないわけが無いだろう?」

 

パオパオカフェには多種多様の格闘家が集まる。リチャードはそういう情報を常に集めていた。

また、桃子は一度、この店でトラブルを起こした事がある。あの時は片付けが大変だった。

 

ディー・ジェイ「嬉しいことを言ってくれるぜ!今日はジャンジャン頼むぜ!エレナもドンドン頼め!」

 

エレナ「ワァオ!嬉しいです!頑張った甲斐がありました!」

 

盛り上がる3人。しかし、ここで嫌なニュースが飛び込む。

 

常連「大変だ!リチャードさん!2号店が……ボブさんの店が!」

 

リチャード「何っ!ボブの店が!?」

 

リチャードは慌てて店を店員に任せ、2号店へと急いだ。

 

 

 

2号店

 

リチャード「ボブ!どうした!何があった!」

 

2号店は荒れており、その中でリチャードの秘蔵っ子である店長、ボブ・ウィルソンが倒れていた。

 

ボブ「すみません………リチャード……不覚を取りました……ビリーが………私にこれを置いて……」

 

それはKOSFの招待状だった。

 

リチャード「ギースめ………前々から店に嫌がらせをしてきていたが、とうとう直接やってくるようになったか……」

 

前々からパオパオカフェはハワードコネクションの嫌がらせを受けていた。

リチャードの勧誘も兼ねて。

 

ディー・ジェイ「ついでに客寄せパンダとしても利用する気満々だぜ?パオパオカフェのリチャードと言えば、知る人ぞ知るカポエラ使いだからな」

 

最近巷を騒がせている大会。それに参加しろということなのだろう。出なければ逃げ出したと判断され、嫌がらせはなお酷くなる。

 

リチャード「ギースめ……」

 

エレナ「リチャードさん!私も手伝います!」

 

桃子「同じカポエラ使いとしては見逃せないよね!」

 

ディー・ジェイ「HEY!こんなのはスマートじゃねぇぜ!カポエラ使いじゃないが、俺も行くぜ!」

 

リチャード「皆さん……今日会ったばかりなのに…」

 

エレナ「一回試合をすれば私にとってはみんな友達でーす!だから、私とリチャードさんはもう友達!リチャードさんが困っているならば、助けるのが友達というヤツではないですか?それに、大会に出れば友達がもっと増えまーす!楽しみでーす!」

 

リチャード「ふ………まるでテリーのような理屈だな。だが、有難い……頼むぞ?君達……」

 

エレナ「決まりでーす!やっほー!」

 

リチャードは最近顔を見せなくなった友人の姿をエレナから感じとる。

 

リチャード(そうだな……私も丸くなりすぎてしまったようだ…。テリーなら、逆に乗り込んでギースを黙らせるだろう。たまにはヤンチャに戻るのも悪くない。こんな少女に教えられるとは…私もまだまだだな)

 

リチャードの目に、若き日の闘志が蘇った瞬間だった。




リチャード・マイヤー…カポエラ
餓狼伝説、KOFMI2

桃子…超能力&カポエラ
KOF11

ディー・ジェイ…サバット
ストリートファイターシリーズ

エレナ…カポエラ
ストリートファイター3シリーズ


CAPCOMsideからもう一人カポエラ使いが欲しかった所ですが、いないものは仕方がありません。
しかしながらそこでディージェイを投入することでスパ2を含めたスト2はコンプリートとなりました。

さて……皆さん薄々は感じておられたかと思いますが、そろそろチーム編成の組み合わせが限界です。
できてもあと二、三チームです。
今まで無理矢理組ませて来ましたが、さすがにそろそろネタが尽きました。出したいキャラは沢山いるのですが、ストーリーが思い付かない状態です。残るはエディット専用等で考えるしかありません。
申し訳ありませんが、そこらでそろそろチーム紹介については打ち切ろうかと思います。

それではあと二、三チーム。お付き合い下さい。


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日米スポーツチーム

日本

パシフィックハイスクール

 

日本有数のアメリカンハイスクールであるパシフィックハイスクール。

未来の大統領とも言われるロイも一時期は身を寄せていた学校である。そこに二人のストリートファイターがやって来ていた。

一人は見事なモヒカン頭にサングラスをかけ、鷲の革ジャンをおしゃれに着こなしている男。ヘヴィ・D!

世界チャンピオンを狙える実力がありながらも、対戦相手を試合で死なせてしまった事からボクシング界から干されたしまい、ボクシング界から干されてしまい、ストリートファイターに身を落とした男。

もう一人は紫色の帽子を被った長身の男。ラッキー・グローバー。

NBAのトップ選手でありながら、バスケットボールに興味を失い、刺激を求めて空手の世界へ身を投じるも、そこでも満足な刺激を得られず、友人のヘヴィ・D!に誘われ更なる刺激を求め、ストリートファイトの世界へと身を投じた異質な経歴を持った男だ。

 

ラッキー「しかし、ワケのわからねぇ依頼だよなぁ?日本のハイスクールで指導をしろなんてよ」

 

ヘヴィ「お前はプロとして名を残しているから、たまにこういう仕事が舞い込んでくるのはまだ分かるが、俺なんて余計にワケがわからねぇよ」

 

ニューヨークを拠点に置く二人が何故日本にいるのか。

それはラッキーに時折舞い込むスポーツ指導の仕事の為である。

それぞれの世界では実力者だった二人ではあるが、ルール無用のストリートファイトの世界ではそれだけで食っていけるほど甘くない。

近年ではKOFの予選で敗れる事も少なくなかった。酷いときには招待状を奪われてしまった時もある。

なので時折入ってくるジムのインストラクターやスポーツ指導の仕事等で生計の足しにしているときもある。なのでそれ自体は珍しい事ではない。

妙なのは今回の依頼人だ。

 

ラッキー「まさかあのロイから依頼とはな。それも指導先は日本とかよ」

 

ヘヴィ「しかもわざわざ俺達みたいなストリートファイターなんてヤクザな商売をやっている奴にだぜ?」

 

未来の大統領とも言われるロイならば、それこそ一流の指導者を雇うことだって可能である。にも関わらず二人を雇った理由がわからなかった。

 

ヘヴィ「まぁよ、理由は何であれ結構な依頼料なんだし、日本の滞在費とかもクライアントもちだから旅行だと思えば儲けだけどよ」

 

どうにもワケのわからない事だらけではあるが、金が儲けられ、なおかつ日本旅行ができるのだから多少の不審な点があったところでマイナスにはならないだろう。

良いところの箱入り達が入る学校だ。精々怪我だけはさせないように気を使えば問題はない。それがスラム育ちの二人にとっては面倒な事ではあるが、チョロイ仕事だ…、

 

そうヘビィ・D!とラッキーは軽い気持ちでパシフィックハイスクールの門を潜る。

しかし、パシフィックハイスクールはただの御曹司やお嬢様が集まる学校ではなかった。それどころか最近ではスラムでも見られないようなハングリーさを持ち合わせているものまでいる。

本来ならバスケのコーチをしに来たはずのラッキーに対して空手の指導までお願いしにくる程だ。

一通りの指導をおえ、少し疲労を感じた二人に話しかけて来るものがいた。

ボクシングの指導でヘビィ・D!が才能を見込んだ男、ボーマンである。

 

ボーマン「流石はKOFに出場されただけはありますね」

 

ヘビィ「それはありがとよ。しかしこの学校はなんなんだ?何でお前のようなスラム育ちも顔負けのレベルの奴がゴロゴロいやがる?ただのお坊っちゃま学校って訳でも無さそうだな?」

 

ボーマン「ハハハハ。この地区は少し特殊なんですよ」

 

ラッキー「特殊?」

 

ボーマン「この地区にある学校は弱肉強食の学校でして、何かにつけて他校と競うことが多いのです。それが悪い方向に動いてしまった事件も二度ほどありましたが……ただのお坊っちゃま、お嬢様ではこのパシフィックハイスクールではやっていられないのです」

 

パシフィックハイスクールを始め、熱血と自由な校風の太陽学園、全国的にも有名な不良が集まる外道高校、文武両道を旨とするジャスティス学園、スポーツが五輪高校は良くも悪くも交流が盛んであるとの事。

特に最近ではジャスティス学園の忌野雹による他校を支配し、文武両道による全国制覇を企んだ事件により、この5校は自衛意識が非常に高くなったのだとか。

 

ラッキー「つまりはあれか?スポーツ指導というのは名前だけであって、むしろ格闘技の指導の方がメインってことか?」

 

ボーマン「むしろそちらがメインだと私はロイから聞いておりますが?」

 

ヘビィ「へッ!俺達が呼ばれるなんて、何かあると思っていたが、やっぱりそういう裏があったってわけか」

 

パシフィックハイスクールが望んでいたのはバスケットボール選手やスポーツボクシングやスポーツ空手のインストラクターではなく、二人の本来の顔……ストリートファイターとしての実戦向けの護身術のインストラクターだったのだ。

だが、対外的にストリートファイターを雇う訳にもいかない。なのでスポーツインストラクターの名目を隠れ蓑にできる二人をロイは目を付けたのだろう。

ストリートファイトルールを適用する大会の中では最高峰の大会であるKOF。その出場経験を持つ二人は正にうってつけだった。

少々落ち目であるとはいえ、実力は三流のプロの格闘家よりも上なのだから。

 

ボーマン「はい。ですのでそのストリートファイトで培った技術を我々にご指導頂ければと……。最近、世間はきな臭い動きもありますし、何より……」

 

ヘビィ「例の大会か?」

 

ボーマン「はい……」

 

KOSF。

あのKOFの流れを汲むと言われている大会の招待状は当然、二人の元に届いていた。

もっとも、二人は出場したくてもブライアンは本業のアメフトのシーズン中でチームを組めないし、そもそも肝心の四人目がいない。

ブライアンと同じくアメフト界で英雄と言われているマックスも今はシーズン中。ヘビィ・D!達は出場を見合わせるつもりだった。故に暇だったのだが。

 

ラッキー「まぁ良いぜ。丁度暇だった事だし、インストラクターでも街のお守りでもなんでもよ」

 

ボーマン「そう言って頂けると助かります」

 

契約期間は二週間。ヘビィ・D!達のインストラクターの生活が始まった。

その内に噂を聞き付けたのか、例の他校の生徒たちも加わるようになり、二人も教えながら自身の訓練にもなり、充実した日々となっていた。

途中、太陽学園の学園祭でシャドルーの襲撃があったり、ボーマンや一文字伐、風間あきらがKOSFのチームを組んで姿を消したことは気になったが、仕事そのものは順調だった。

 

契約期間もあと2日……別れが惜しくなるには5校の生徒達に愛着を持ち始めた頃の夜……。

日本の「イザカヤ」なるものを楽しみ、滞在先のホテルへと向かう途中で事件が起きていた。

 

ラッキー「あと2日……いや、1日かよ。寂しくなっちまうなぁ………」

 

ヘビィ「ああ……案外悪かなかったぜ……ん?あっちの方が何か騒がしくないか?」

 

ラッキー「んあ?何だ?ストリートファイトでもやってるのか?」

 

ヘビィ「サウスタウンでもあるまいし……ちょっと行ってくるか」

 

 

 

 

エッジ「ちく……しょ……う」

 

外道高校の山田英二ことエッジは相棒の石動岩と共に謎の集団に襲われ、倒れていた。

次期外道高校の番長コンビと言われた二人だけではない。五輪高校のロベルト三浦と軽井沢もも、聖純女学院の姫崎咲と霧島ゆりかもやられていた。

残っているのは五輪高校の沢村将馬と鮎川夏の二人だけである。

 

夏「くそっ!なんなんだテメーら!答えろ!」

 

対峙しているのは真ん中分けにしたヘアスタイルに学ラン姿をした男………草薙京だった。

 

京?「へッ!口ほどにもねぇ奴らだ……。東京も大したことねぇな」

 

将馬「この野郎………お前は確か……草薙京。KOFの常連選手が何でこんなことをしているんだよ!」

 

京?「KOSFに出てくる奴等を大会前に潰しておこうと思ってな。この街の高校生は腕が立つ奴ばかりがいるって聞いて来てみたけどよ」

 

将馬「ふざけんな……そんな事の為に……」

 

京?「もうおめぇらには用はねえぜ……食らえ!」

 

ラッキー「デスバウンド!」

 

京が闇払いで将馬達に止めを刺そうとしていたとき、ラッキーのヘルバウンドが間に入ってそれを止める。

 

京?「テメェは……」

 

ヘビィ「こんなところで何をしている?草薙京。闇討ちなんてお前らしくもない」

 

京?「誰だ?」

 

ラッキー「あ?俺達の事を忘れたのか?確かに最近じゃお前達と対戦することは無かったけどよ。それはねぇだろ?」

 

ヘビィ(違う……こいつは草薙京じゃない!)

 

聞いたことがある。

秘密結社に拐われた草薙京が、その遺伝子を使われクローンを大量に作られたと言うことを。

 

ヘビィ(だとしたらこの草薙京はそのクローンの一人)

 

誰が何の目的で京のクローンを使ってこんなことをしているのかはわからない。

しかし、ここにいる学生たちの負傷。この二週間、愛着がわくくらいには熱心に指導していたヘビィ・D!にとって、腸が煮えかえるには充分すぎる理由だった。

 

京?「へっ。まぁ誰でも良いか。興が削がれちまったからよ、今日はこのくらいで勘弁してやるぜ。怪我したくなかったら、大会には出るんじゃねぇぜ。あばよ」

 

そう言って背中を向けて逃げていく草薙京。

ズボンの後ろポケットに入れていた招待状を落としながら。

 

ヘビィ「明らかに罠だな……大会に出させようと……」

 

ヘビィ(確か大会の主催者はギースやシャドルー…そして死んだと言われていたルガール……奴等の仕業か)

 

ギースは過去にKOFで使えそうな選手をスカウトした経緯もあるし、ルガールはKOF優勝者を拉致して洗脳し、兵器として利用しようとしたこともある。そしてもっとも危険なのはシャドルーだ。

ルガールがやろうとした事を、実際に彼らのような若者を拉致して兵器にした事が既にある。もしヘビィ・D!達が現れなければ将馬達は拉致されていたかも知れない。

 

ヘビィ「ラッキー。大会には出ないつもりでいたが、こんな事をされたらよ、俺は黙ってられねぇな」

 

ラッキー「ああ。その辺のストリートファイターでもスカウトして出るか?それかアクセル・ホークとかマイケル・マックスでも誘ってよ」

 

丁度明日で契約は終わりだ。ニューヨークに帰ったらメンバー集めをしなければならない。

 

将馬「待ってくれよ……」

 

ラッキー「おっと、先に救急車を呼ばねぇとな?確か991だったか?」

 

ヘビィ「それは警察だ。しかもステイツの」

 

将馬「待てよ!コーチ達は出るんだろ!?KOSFに!」

 

夏「私達もチームに入れて下さい!」

 

二人はさすがに驚いた。まさかこんな子供達がKOSFに参加すると言い出すとは思わなかったからだ。

 

ヘビィ「おいおい。ジョークにしてもつまらねえぜ?KOFは子供のケンカとは違うんだ。子供は帰ってミルクでも飲んでな」

 

将馬「イヤだ………。ロベルトや桃をこんな目に遭わせやがった草薙京も出るんだろ!?仇を……取らせてくれよ!足手まといにはならねーからさ!」

 

夏「お願いします!桃は可愛くないし、ゲド高や聖純には迷惑をかけられた事もあったけど……でも、こんなことをされるような奴らじゃない!あたしは許せない!あたしたちだって街を守って来た!あたし達も戦える!お願いします!」

 

ヘビィ(やれやれ……青いねぇ。かつての自分を見ているようだ。いっぱしのファイターの目をしてやがる。テリー・ボガードやリョウ・サカザキのように……それに、やっぱり情が移っちまったようだな。俺もまだまだ青いってわけか)

 

ヘビィ「坊主達。確か五輪高校の生徒だったよな?名前はショーマとナツ……だったか?ベースボールとバレーボールか。スポーツチームのメンバーとしての条件は揃っているみたいだな」

 

ラッキー「おいおい。正気か?」

 

ヘビィ「わずか二週間とはいえ、日本風に言えばこいつらは俺達の弟子だ。弟子のお守りをするのが事情通ってものだろ?」

 

ラッキー「やれやれ。知らねぇぜ?俺はよ」

 

日米スポーツチームの誕生の瞬間だった。

 

 

 

ホテルの電話でヘビィ・D!はロイと電話で連絡を取っていた。

 

ヘビィ「という訳でよ。悪いが契約は1日前倒しで終わりにしたいんだが」

 

ロイ「仕方がないですね。それでは新しく契約を結ぼうと思いますが……」

 

ヘビィ「何?」

 

ロイ「将馬と夏は私の数少ない日本の友人ですので。KOSF期間中における彼らのガードを依頼できますか?」

 

ヘビィ・D!は薄く笑う。

 

ヘビィ「ビジネスじゃねぇ。俺はあの二人のハートで決めたんだ。言われなくてもガードをするさ。カワイイ未来のアスリートを俺なんかのようにしないためにな」




ヘヴィ・D!…ボクシング
KOF94、KOF98

ラッキー・グローバー…バスケットボール&空手
KOF94、KOF98

沢村将馬…野球
私立!ジャスティス学園

夏…バレーボール
私立!ジャスティス学園

はい、スポーツチームです。
スポーツチームと五輪高校でチームを組みたいとは前々から思っていましたが、中々ストーリーが決まらず難航していました。
無理矢理作って出来たストーリーもこのクオリティの低さに自己嫌悪をする次第です、
また、五輪高校のメンバーも将馬と流以外は個性が薄いというのも……(^_^;)
主人公も個性が薄いですしね。
それでは次回もよろしくお願いいたします。



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ヤンキーズチーム

日本大阪

 

一文字伐は先日、母校である太陽学園で起きたシャドルーの襲撃事件での自分の不甲斐なさを痛感していた。

バツは確かにあの事件でシャドルーの構成員を倒し、母校を守り抜いた自負はある。

しかし、それは麻宮アテナや四条雛子、風間あきら、春日野さくらの外部の人間の力を借りた上での勝利だった。

それだけではない。被害は最小限に留められたと世間では言われているが、それでも学園祭のお客さんや生徒達関係者に怪我人を出してしまったことは事実だ。

これは死人こそ出さなかったこと自体、大したものだと誇って良いものであり、一介の高校生が自分の力だけで全てを守りきろうなどというのは無理な話なのであるが、正義感の強い熱血漢のバツにはそれが許せなかった。

 

バツ「何がバーニングバツだ……肝心な時に学校を守れないで……親父に鍛えられて強くなったつもりでいて…それでもこれか!くそっ!」

 

暗黒生徒会が起こした事件で自分の不甲斐なさを痛感したバツは、父親の忌野雷蔵に頼み、厳しい修行の果てに格段に強くなった。

その時に雷蔵からバーニングバツという名前を名乗り、暗黒生徒会の事件を解決した。

しかし……

 

バツ「まだだ……まだ俺は弱い!」

 

今回の事でアテナやさくらの実力を見せつけられたバツは、まだまだ世界レベルでは無いことを痛感した。

再度父親を頼り、修行を付けてもらおうとしたバツであったが……。

 

雷蔵「バツ。ワシが教えられる事は殆ど残っておらん。お前が世界レベルに達しておらんと思うのは、お前自身の地の力不足と言うことだ」

 

と、稽古を就けてくれることはなかった。

雷蔵が考えていることは草薙柴舟と同じであった。バツもまた、一人立ちの時期であると。

 

雷蔵「ワシを頼らず、自力で修行をしてみよ」

 

父親から告げられたその言葉を聞き、幾ばくかの旅費をもらってバツは旅に出た。

山籠りでもするか?いや………

 

バツ「恭介がいなくなる前に言ってたな。大阪の方にKOF常連の日本チームの奴らが住んでいるって……」

 

草薙京、二階堂紅丸、大門五郎。

日本人の格闘家でこの三人の名前を知らないものはいない。

 

バツ「伝説の日本チームに戦いを挑んでみるのも面白いかも知れないな」

 

彼ら日本チームなら間違いなく世界でもトップレベルの格闘家だ。自分の今の実力を知ることが出来るし、修行にもなる。

もしダメなら草薙京の弟子と言われている矢吹真吾と切磋琢磨してみるのも良いかも知れない。

バツは夜行バスに乗り込み、大阪の江坂へと向かった。

 

……………しかし。

 

バツ「ついてないってのはこう言うことだな……」

 

江坂に到着し、人づてに草薙流道場までたどり着いたは良いものの、草薙京は不在だった。それどころかその師匠である草薙柴舟も、矢吹真吾すらもいなかった。

いたのは草薙京の母、草薙静だけだった。

なんでも京は諸国漫遊の旅に出たまま滅多に日本には帰って来ないようで、高校卒業はおろかそろそろ退学の危機にあるのではないかと心配されるほどのようだ。

そして草薙柴舟。

彼はどうやら知己の空手かであるタクマ・サカザキと共に何処かへと出掛けたようだ。

極限流空手の事ならバツも聞いたことがある。

ジャスティス学園の教諭、島津英雄も若い頃にタクマ・サカザキに挑み、敗れたことがあるのだとか。

 

バツ「タクマ・サカザキ……極限流か。いつかはその極限流に挑んでみたいな……」

 

この段階でのバツは知らないことだったのだが、バツと入れ違いに柴舟とタクマは東京へと向かっており、ジャスティス学園の校長である父、忌野雷蔵をスカウトしに行っていたのである。

雷蔵は忌野流忍術の継承者。当然、世界を渡り歩いて武者修行をしていた柴舟とタクマとは知己であり、互いに腕を磨いていたライバル同士である。

 

更に間の悪いことに矢吹真吾も入れ違いに東京の神楽ちづるを訪ねており、不在だった。

二階堂紅丸も草薙京と同様に行方がわからず、大門五郎も休暇で不在。バツが望む対戦相手は誰もいなかった。草薙京と双璧をなすあの八神庵さえも。

 

バツ「とんだ無駄足だったな……」

 

バツは溜め息をついて大阪の華街、道頓堀を歩く。すると、何やら騒がしい声が聞こえてくる。

気紛れに声の方へと歩いて見ると、人垣ができていた。何やらケンカのようである。

 

??「だから!ワイは草薙条なんて知らんちゅうてるやろ!」

 

上半身裸の学生ズボンをはいた、長いハチマキをつけた一昔前の不良にいそうな大男が喚く。

 

バツ(誰かに似ているな……)

 

??「嘘だよ!草薙条の事を知らないわけ無いじゃん!」

 

一方で大男に詰め寄っているのはいかにもギャルという感じの女子高生だった。

この女もどこかで見たことがあるような気がしてならない。

 

バツ(草薙条………ねぇ)

 

関東の暴走族をしめる草薙条。

近年では外道高校ともトラブルを起こしかけているというチームのボスである。

 

??「この僕を甘く見てると怪我するよ?オジサン。高校生みたいな格好をしてさ!」

 

??「高校生て……ワイはまだ高校生や!確かにもうじき三十路になるけどな!」

 

バツ(もうじき三十路だって!?何年留年してるんだよ)

 

ここに雷蔵がいたら間違いなく説教ものだ。

 

??「良いから条の事を教えろって言ってんの!」

 

女子高生はイライラしたのか鋭いローキックを大男に放つ。丸太のような男の足からは女子高生の蹴りから出たとは思えない程の音が響く。

 

バツ(つええ!ただの女じゃねぇ!こいつは……たしか草薙条の彼女って言うキサラ!何だってこんな奴が大阪にいるんだ!)

 

??「ええ蹴りやないか?気に入ったで。ワイは溝口誠っちゅうんじゃ。ワイはプロの喧嘩屋や。喧嘩百段、なめとったらあかんでぇ?」

 

大男……溝口誠が指をボキボキとならし、キサラに殴りかかる。

バツには関係ない事であったが、これは放っておくわけにはいかず、割って入ろうと人垣を割って躍り出る。

しかし、バツよりも早く溝口誠の拳を止めた者がいた。

溝口と同じくらいの大男。バツにはその顔に見覚えがあった。

 

??「大の男が女相手にみっともない」

 

キサラ「君は……」

 

バツ「風間醍醐!」

 

行方不明だった外道高校番長で風間あきらの兄、風間醍醐だった。

その圧倒的な強さとカリスマで群雄割拠の外道高校をまとめ上げ、草薙条のチームとの抗争間近だったものを話し合いでおさめた人物である。

暗黒生徒会の事件の後に人知れず姿を消し、行方がわからなくなっていた醍醐だったが、こんなところで会えるとは思ってもみなかった。

 

溝口「ええガタイしてるやないけ。誰やお前」

 

醍醐「風間醍醐。関東の高校、外道高校の番長だ。女に拳を上げようとしているのを黙っていられなくてな。喧嘩百段は良いことだが、筋は通すものだ。それが男というものだろ?」

 

溝口「喧嘩に男も女もない。ましてやその女はただの女やない。強い奴がおる。それだけでワイら格闘家は喧嘩する理由になるやろ?せやけど、気ぃ変わったで。もっとええ気合いの入ったヤンキーがおるんやったら、より楽しめそうな方がええ」

 

醍醐「良いだろう。男の喧嘩と言うものをお前に教えてやる」

 

溝口「上等やないけぇ!後悔しくさるなや!」

 

醍醐と溝口の喧嘩が始まった。

いや、もはやケンカもいうレベルにはおさまるものではなかった。

プロの格闘家同士のレベルを思わせる力の技。

もはやこれはストリートファイター達の戦いだった。

 

バツ(すげぇ……醍醐も相当腕を上げている。こんなバトルを見れるなんてな……。でも、ついていけないレベルじゃない……俺も戦いてぇ!)

 

血が沸き、肉が踊る。

知らず知らずの内にバツの顔に笑みが浮かんでいた。

 

溝口「混ざりたいんやったら、混ざってもええでぇ!そこの兄ちゃん!まとめて相手してしたるわ!」

 

バツ「ありがてぇ!後悔するなよ!溝口誠ぉ!俺は太陽高校一文字伐!行くぜ!」

 

バツは嬉々としてそのケンカの中に混ざっていった。

 

「良えで!やらんかい!」

「溝口ぃ!東京のヤンキーどもに負けよったら承知せぇへんからなぁ!」

「いてこましたれぇ!東京モン!溝口をやったりー!」

 

キサラ「もう!僕をほったらかしにして盛り上がらないでよ!」

 

一人、置いてきぼりのキサラだった。

 

 

 

 

 

溝口「いやぁ!ええ喧嘩やったでぇ!風間ぁ!バツ!こないな満足のいく喧嘩は久々や!気に入ったで!」

 

醍醐「根からの喧嘩好きだな」

 

バツ「けど、燃えたぜ。こんなに熱くなったバトルは将馬やロイ以来だ」

 

顔を痣だらけにしながら互いの健闘を讃え合う三人。

 

キサラ「もう!僕の事を無視しないでよ!何で風間醍醐が大阪にいるんだよ!それに、太陽高校の生徒まで!」

 

バツ「親父に言われてな。武者修行の旅に出てるんだ。草薙京達日本チームと戦えば修行になるだろ?」

 

醍醐「親父?確かジャスティス学園の学長、忌野雷蔵だったな。忌野流忍術の……」

 

キサラ「げっ!ジャスティス学園ってあの!?それに忌野流忍術って……また忍者!僕って変な忍者に縁があるのかなぁ……」

 

キサラの言う変な忍者とは「フウマ」の事である。

因みにそのフウマのライバルである「ハンゾウ」と、覇王丸達の知り合いである「服部半蔵」との関係は不明。

 

バツ「俺は忍者じゃねぇよ。親父は物心ついた時には家にいなかったからな。最近になってやっと知ったくらいだ」

 

バツは忍者の息子ではあるが、忍者ではない。せいぜい暗黒生徒会の事件の時の修行で忌野流百舌落としを修得したこと以外は忍者らしい技はない。

 

バツ「それよりも醍醐。お前は何で大阪に?あきらが心配していたぞ?」

 

醍醐「俺も似たようなものだ。二度も洗脳され、騒ぎを起こしたからな。それは俺の心と体にまだ甘さがあったからだ。だから心身共に鍛える為に旅に出た」

 

醍醐は二度にわたり、ジャスティス学園の雹や暗黒生徒会の手駒にされ、事件を起こした。

バツや子分達に助けられた醍醐であったが、そんな自分を醍醐は許せなかった。

 

醍醐「それよりもキサラ…と言ったか?お前は何故こんなところで溝口と喧嘩していた?」

 

一番わからないのがキサラだった。

 

キサラ「僕の大事な条がまた行方不明になっちゃったんだよ。前にもこんなことが度々あって、とりあえずその時にトラブルがあったここに来てみたんだ。醍醐、バツ。条の事は何か知らない?そこのおっさんは何も知らないって言ってるし」

 

醍醐「いや……悪いが俺は長いこと旅をしていたからな。バツは何か知っているか?」

 

バツ「いや………でもこんなことがあったんだ……」

 

バツは自分が旅に出るきっかけになった太陽高校文化祭でのシャドルーの襲撃の事を話す。

 

醍醐「……それにあきらも関わったのか……」

 

溝口「シャドルー?なんやようわからんけど、この大会にもそのシャドルーっちゅうけったいな奴らが絡んどるっちゅう噂やな。なんでもギース・ハワードっつうメリケンのおっさんと共同で開催するゆうてたで?」

 

溝口はKOSFの招待状を取り出した。

溝口もまた、ギースに目を付けられている一人だ。

 

キサラ「ギース・ハワード!?超危険人物じゃん!僕も一回だけ戦ったことあるし!」

 

キサラは一度、ネオジオバトルコロシアムでギースと相対している。ギースのヤバさを直接感じたキサラは大声をあげる。

 

キサラ「そうだ!シャドルーやギースだよ!きっと条は何かされたんだ!」

 

ネオジオバトルコロシアムでもそんな勘違いが発端でキサラは殴り込みをしている。今回も同じ勘違いをしているようだ。

 

キサラ「オジサン!その招待状、僕に頂戴!KOSFに殴り込みをかけてやるんだから!」

 

溝口「けったいなこと言うんやないで!ワイだって出たいんや!招待状を渡せるわけないやろ!」

 

バツ「KOFか……確かに俺の実力を試すんなら、KOFの舞台が一番なのかもな……出たいぜ。KOFに」

 

実力を試すと同時に、世界で揉まれることで修行にもなるし、シャドルーに借りを返せるかもしれない。そう考えると、バツも大会に出たくなってきた。

 

溝口「あん?やらへんで?この招待状はワイの招待状や。お前らは自分で招待状探すか何かせぇ」

 

キサラ「ケチ!良いじゃん!頂戴よ!」

 

招待状を巡ってまたもや一触即発になりかける二人。

 

醍醐「確かその大会は四人一組だったな……キサラは言っても無駄だろう。ならばこの四人でチームを組むのはどうだ?俺も妹を危険に晒したシャドルーの事は許せん。放っておけばゲド高も襲われるだろう」

 

醍醐が提案すると、溝口はポンっと手を叩く。

 

溝口「おっ!その手があったんかいな!お前らの実力ならワイの足を引っ張らんやろ。頭ええな?風間」

 

キサラ「単におっさんが頭悪いだけじゃん。だからいまだに高校生やってんじゃないの?」

 

溝口「なんやとこのアマァ!」

 

醍醐「止めろ。キサラも煽るな」

 

煽るキサラ、暴れ始める溝口、それをいさめる醍醐。そんな彼らの姿を、しかしバツは見えていなかった。既にまだ見ぬ強敵と戦う自分を想像していた。

 

バツ(俺は……もっと強くなる!)




一文字伐…不明
ジャスティス学園

風間醍醐…不明
ジャスティス学園

溝口誠…喧嘩空手
ファイターズヒステリー、KOFMIA

キサラ・ウェストフィールド…不明
痛快GANGAN行進曲、ネオジオバトルコロシアム


やっと出せました、ジャス学主人公のバツ!
誰かを忘れていたと思っていたらバツを忘れてました!
バツファンの皆様、申し訳ありませんでした!

さて、ジャス学のバツと風間醍醐はご存知でしょう。
ではSNKは?
マニアックな2名を選出しました。

特に溝口誠!

キサラは正確にはSNKのキャラではなく、ネオジオ参入メーカーのADK(代表作は「ワールドヒーローズ」)のキャラですが、バトルコロシアムにもワールドヒーローズのハンゾウやフウマ、マッドマン、NEO・DIOと共に登場していたのでSNKにカウントしました。
NEO・DIO……今考えるとよく訴えられなかったですよね?

それでは次回もよろしくお願いいたします


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ライバル戦…アメリカンヒーローズチーム

テリー・ボガード…空手家チーム

ステージ…アメリカ横断鉄道列車上(餓狼伝説2テリーステージ)

 

ケン「よぉ、サウスタウンヒーロー。この大会に出れば、会えると思っていたぜ?お前はリュウと同じで1つの所に留まらない男だからな」

 

テリー「そいつは悪かった。まさか全米格闘王が俺を探しているなんて思わなかったからな」

 

ケン「ギース・ハワードを皮切りに、クラウザー、ルガール、ネスツを倒し、伝説を作り上げている男、テリー・ボガード。格闘家なら一度はやりあいたい相手だろ?」

 

テリー「よく言うぜ。それに、何か不満そうじゃないか?」

 

ケン「ああ、不満だね。俺を抜きにしてアメリカンヒーローズを名乗るなんて大層な名前を付けられちゃな」

 

リョウ「まったくだぞテリー!何故この俺を誘わない!サウスタウンヒーローはお前だけじゃないんだぜ!史上最強の極限流空手の無敵の龍を忘れたとは言わせん!」

 

コーディー「史上最強……ねぇ。下らねぇ……」

 

ユリ「なぁに?メトロシティーヒーローさん。私のような可憐な女の子でも清く正しく、最強とヒーローを目指せる!それが極限流空手だっち!」

 

ハガー「成る程!これは是非とも試してみなければな!もしそれが本当ならば、是非ともメトロシティーにも招いて支部を作ってもらうとしよう!清く正しい者達が極限流を学べば、マッドギアのような脅威も減るかも知れないからな!」

 

ロック「マルコのような暑苦しい人間のポリス集団の完成か?悪夢だな。それと……孤高の格闘家、リュウ。何故俺を見る?」

 

リュウ「ギースの息子、ロック……。君もその身に闇を宿すか……」

 

ロック「わかったような口を利かれるのは好きじゃない。ギースは関係ない。俺は俺だ…。そして俺の翼でどこまでも羽ばたいてやる」

 

テリー「いい感じに場が盛り上がってきたじゃないか。最高のバトルを楽しもうぜ!」

 

ケン「どっちが全米格闘王か、決着をつけようぜ!テリー・ボガード!」

 

テリー「OK!ヘイ、カモンカモン!」

 

 

ロック・ハワード…アウトローチーム1

ステージ…セカンドサウス、クラブ前(餓狼MOWロックステージ)

 

ビリー「やっと会えたな、ロック・ハワード」

 

ロック「ビリー……性懲りもなくまた俺をギースの元に連れて行こうとしているのか……」

 

ビリー「当たり前だ。あのお方の血を継ぎながら、テリーのような風来坊と一緒にフラフラしやがって!」

 

ロック「何度来ても答えは同じだ。俺とあの男は関係ない。ギースだってそう思っているだろう」

 

ビリー「俺はなぁ、少しギース様が少し留守にしていただけで、どっかの馬の骨がキングだなんだと言っているのが我慢ならねぇんだ!」

 

山崎「ヒャヒャヒャ!そりゃあ良い!サウスタウンってのは強けりゃキングになれるってか?好きなだけ暴れられて金も街も自由ってのは最高じゃねぇか……」

 

バイソン「そりゃなんとも俺向きだぜ。いつまでもベガの下でチマチマやっている俺じゃねぇ!俺がキングになるのも悪くねぇな!好きなだけ殴れて王様になれるんだからよ!」

 

テリー「俺の故郷、サウスタウンをギースにも、山崎にも好きにはさせない!」

 

コーディー「キングとかには興味ねぇ。好きなときにケンカして、好きなときに寝れればなんだってな。とくにそこの頭の悪そうなボクサー崩れ。お前は特に良い。どんだけ殴っても良心が痛まなさそうだ」

 

ハガー「おや?そこの君は………一度だけリングで見たことがある。君は確か………」

 

バーディー「………俺にも事情ってのがあるんでな。だが、こんな茶番にも出た甲斐があったぜ。マイク・マッチョ・ハガー。リングの時の借りを返すぜ」

 

ビリー「けっ!テリー!ロック!オメェらのせいでこんなバカどもが後をたたねぇ!責任は取ってもらうぜ!」

 

ロック「口で言ってわからないのなら、腕づくで分からせてやる。そして、どこまでも羽ばたいてやる!」

 

 

コーディー…三種の武神チーム

ステージ…メトロシティ、刑務所内(ストリートファイターZERO3コーディーステージ)

 

コーディー「……チッ!面倒な奴が決勝に残ったか…メトロシティー以来か?俺達三人が揃うのもよ。久し振りだな、ガイ」

 

ガイ「変わらぬままでござるか…コーディー殿。以前にも申した通り、何があったかは問わぬ。あるがままに生き、進めばよろしかろう。ただ、此度はそれが敵味方に別れたのみのこと……」

 

コーディー「そうかよ。お前にしては、随分と物分かりが良くなったじゃないか」

 

ガイ「ただ、これより先は世界の命運を賭けた我が武神流の宿命。コーディー殿、ここは拳を収め、以前のように共に戦うことは出来ぬであろうか」

 

コーディー「取り消すぜ、ガイ。お前はやっぱり何もわかっちゃいない……もう俺は昔の俺じゃない。俺はただケンカをしに来ているだけだ」

 

庵「ふん。同じ雑魚でも、貴様よりはこっちの自堕落な囚人の方が物分かりが良いようだな。大勢で馴れ合うなど、反吐が出る。俺は京を殺せればそれでいい」

 

ロック「こいつの言うことに同意するのは気が進まないが、俺も同じだ。ギースとは………俺が決着を付ける」

 

ローズ「あなたたち……わかっているの?これ以上、オロチの力や暗黒の力、殺意の波動が集まれば…世界は」

 

京「血の宿命なんて知ったことじゃない。俺達は格闘家だ。格闘家が強い奴を目の前にして大人しくしてられるかよ」

 

テリー「お前がそんな熱いことを言うなんてな!京!」

 

ハガー「そういうことだ、ガイ。せっかくの誘いだが、今回は敵味方に別れるらしい」

 

ガイ「残念でござる。無用な争いは避けたいところでござるが、こうなっては仕方あるまい」

 

コーディー「そう言いながらも、楽しそうにしているように見えるのは気のせいか?結局はお前も、俺達と同じでバトルバカなんだろ?理由なんていくらでも作ってやる。ホラ、来いよ」

 

ガイ「いざっ!」

 

 

 

マイク・ハガー…プロレスチーム

ステージ…メトロシティ(ストリートファイターZERO2)

 

ライデン「久し振りだな。マイク・マッチョ・ハガー。マッスルボマーでは世話になったな」

 

ハガー「おお、ライデン君とは久し振りだ。確かリングの上ではビッグ・ベアだったかね?」

 

ライデン「公式のプロレスではそうだが、リングの外では未だにライデンだぜ?それともビッグ・ベアとしての俺をご希望かい?」

 

ハガー「どちらでも構わん。強ければね。私個人としてはこの大会ではビッグ・ベアよりもライデンの方が相応しい姿だと思うがね」

 

ザンギエフ「ほほう。さすがはマッスル・ボマーのマイク・マッチョ・ハガー。わかっている」

 

ロック「グリフォンみたいなのがうちのチーム以外にもいたのか……」

 

ザンギェフ「んん?そこの坊主、そんな細い体では一当てで吹き飛んでしまうぞ?ウォッカを飲め!ピロシキを食え!」

 

ロック「前言撤回……グリフォンよりも暑苦しいし脳筋だ」

 

ミカ「おまえー!ザンギエフ様に対してなんて口を!」

 

テリー「つぐみに勝ったのはお前かい?女子プロレスラーとは久々に戦うな」

 

ミカ「お前がテリー・ボガードかぁ!負けた弟子の代わりに師匠が出てくるとは!卑怯な!」

 

テリー「俺はつぐみの師匠じゃない。勝手に目標にされているだけさ」

 

ラモン「噂の堕ちた英雄ってのはお前か?」

 

コーディー「最強の人類、ラモンか……大切な何かを守れなかったとき、お前はそれでも英雄でいられるか?」

 

ラモン「さぁな。ジェシカと違ってヴァネッサは覚悟してこの仕事をやっているからねぇ」

 

ハガー「ジェシカは私の娘なんだがね。さて、お互いのマッチアップは終わったようだ。……久々にやるかね?ライデン君」

 

ライデン「地獄のスリーカウントを聞くのは俺か、それともミスター・マッスルボマーか……決めようぜ」

 

ハガー「良いだろう。ではゴングだ!」



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アメリカンヒーローズチームライバル戦捕捉

いつもなら後書きに書いてある内容です。

 

 

テリー……空手家チーム(ケン)

 

やはりテリーのライバルはケンしか考えられませんでした。

他に候補を挙げるなら……

リュウ(格ゲー最古参主人公対決。どっちにしろケンとの掛け合いが多くなるのでボツ)

リョウ(サウスタウンヒーロー対決。上記に同じな上、餓狼やKOFでやり尽くされている)

ベガ(ギースとの掛け合いが多くなるのでボツな上、ボス戦でどのみちかぶる)

……等々、ケンほど適切な相手が見当たりませんでした。

その上でロックはリュウとの対決において闇の気と殺意の波動がマッチアップ。

ハガーはメトロシティに極限流誘致を考える。

コーディーは特になし。ハガーに乗る形でユリとマッチアップという形にしました。

 

 

ロック……アウトローチーム1(ビリー)

ロックはMI2のストーリーを踏まえてのマッチアップです。ギース亡き後の混沌としたサウスタウンに我慢出来なくなったビリーはロックを無理矢理ギースの後釜に据えようとしていました。また、カインの役目をビリーが代行した形ともなっています。

他のマッチアップはテリーと山崎の因縁、元プロレスラーであるバーディーとは面識がある設定でハガー、堕ちた者同士でありつつも英雄であり続けるコーディーととことんまで堕ちているパンチ技を主体としたコーディーとバイソンのマッチアップで他のメンバーを補完。

ロックのライバルは他にもアッシュを起点にコーディー対シェン、ハガー対アレックス、テリー対サンダーホークも悪く無かった所です。

他には双葉ほたる、K´、ロバート、アレックス、楓と色々とありましたが、結果的にこれで落ち着きました。

 

 

コーディー…三種の武神チーム(ガイ)

ファイルファイト組の勢揃いをハガーとどちらでやるかを考えました。ハガーを三種の武神チームに当てる方がマッチアップとしては堕ちた英雄対決として庵とぶつける形でも良かったかな?とも思いましたが……。

他のマッチアップはテリー対京のSNK主人公対決、ロック対ローズのリュウ対ローズの再現、ハガーと庵は特になし。

やはりライバルは庵が良かったかも?

 

 

ハガー……プロレスチーム(ライデン)

プロレスチームのストーリーが関わる形にしました。

プロレス大会においてライデンがスト3のヒューゴを破っている形にしてある為、ハガー対ライデンの対決を思い浮かべました。ヒューゴはファイナルファイトのアンドレの弟という形であるためもいうところも踏まえてあります。

その場合、ミカとテリーのマッチアップも同時に思い付きました。餓狼WABでの千堂つぐみのラスボスはテリーだからです。

ラモンとコーディーは想い人対決ですかね。でもラモンの想い人って人妻なんですがね?

ロックとザンギエフはかなり無理矢理です。テリー対ザンギエフ、ロック対ミカでもよかったのですが。

 

以上がアメリカンヒーローズのライバル対決設定の考察です。



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バーンシュタインチーム

ジョジョと同時投稿です!


イギリス某所

 

人里離れた孤島……。そこに一隻の潜水艦が停泊していた。近頃ヨーロッパを賑わせている海賊団、リーリンナイツの潜水艇である。

そのボス、Bジェニー……本名ジェニー・バーンは望遠鏡を使い、孤島の端にある邸宅をブリッジから見ていた。

 

手下「艦長。こんなところにかの御仁がいるんですかい?こんなご時世にこんな孤島のはしっこで世捨て人をしているなんて思えないんですが」

 

ジェニー「いるわ。バーン家の情報網を甘く見ちゃだめよん?」

 

手下「そりゃあ、バーン家の情報網が凄いことは知っていますが……」

 

ジェニー「まぁ、今回はこの人の情報もあっての事なのよねん」

 

ジェニーは同じくブリッジで優雅にお茶をしている人物に目を向ける。

どこかミステリアスな女性、イングリッド。出身、経歴、年齢までもが全てが謎に包まれている人物だ。伝説の仙人、オロと同じかそれ以上に……。

何故彼女がジェニーに接触してきたのかすらわからない。

 

ジェニー(まぁ、楽しめれば何だって良いけどね?)

 

Bジェニーの行動理念は楽しむことが何よりも最優先される。海賊稼業もそうだ。家が裕福なBジェニーは食うことに困ったり、稼ぐ為に海賊をやっているわけではない。

より刺激的に……よりスリリングな生活を求めての行動に過ぎない。

そういった性格はかの魔界の貴族に通ずるものがあるかも知れない。

 

ジェニー(でも……それだけじゃ無いのよねー……彼らの場合は危うくて見てられないわ………彼に似ているもの……)

 

ジェニーはセカンドサウスの彼の事を思い出す。カイン・ラインハイン。

ギースの妻、メアリーの弟であり、ロックの叔父であるマフィアのボス……。

ジェニーは彼の事を忘れる事が出来なかった。彼にどこか似ている二人の男は……ジェニーは見捨てる事ができない。

 

ジェニー(彼らも……あのカインみたいなようにしてはいけない……。依頼をしてきた彼女の為にも……)

 

イングリッド「気負うでないぞ?バーン家の娘。世はなるようにしかならんでな」

 

見た目に反して古風なしゃべり方をするイングリッド。

彼女もジェニーにとっては興味が尽きない存在だった。そして確実に戦力になる。

イングリッドはこれから向かう彼の妹が紹介してきた。

彼女と彼女の兄………。かの元凶の傀儡にされた彼女は、その呪縛から解き放れた現在、どうしても兄に謝りたい。そして、彼女の兄ならば、再び表舞台に現れた彼女の父の事を知れば、必ず動くだろう。その為に数少ない友人の自分と旧知の仲であるイングリッドを頼ったのだ。

 

ジェニー「ま、考えたって仕方がないわよねん♪オッケー♪何よりも楽しまなくっちゃ♪じゃあ、あの邸宅に通じる唯一の接岸に向けて、レッツゴー!」

 

 

バーンシュタインの隠れ別荘

 

KOF12以降、妹のローズに実権を奪われ、半ば幽閉されるような形でこの別荘に押し込められたアーデルハイド・バーンシュタイン。

そこには1人の客分を匿い、穏やかな生活を送っていた。

 

アーデルハイド「今日もそこで、故郷への想いに耽っているのかな?」

 

「……………」

 

アーデルハイドは海の見えるテラスで自慢の紅茶を客人

に出し、語りかける。

彼は……脱け殻だった。まるで少し前の自分を見ているような気分になる。

白い学ランにインテリな眼鏡……。

彼の名は鏡恭介。二度目のジャスティス学園の騒動で父の霊に体を支配され、炎の中に消えていった兄、雹。

雹が消息不明になって以来、恭介の姿も太陽学園から消えていた。

恭介は行方不明になった兄を探す旅に出ていたのだが、依然として消息は掴めていない。

あてもなくさ迷っていた恭介はアーデルハイドに保護され、この別荘に客人として招かれている。

それ以来、毎日恭介はこのテラスで一日中故郷を想ってボーッとしていた。

それは未だに消息が掴めない兄を想ってなのか……それともわずかな間とはいえ、楽しい日々を送ってきた友人、バツやひなたを想ってなのか……。それは恭介以外に知ることは出来ない。

 

恭介「すみません。アーデルハイドさんにはお世話になりっぱなしで……」

 

アーデルハイド「構わない。こうすることで私も気が紛れているのだ。私と妹は何を間違えてこうなってはしまったのかと………1人でいるときはそればかりを考えてしまっていてね」

 

恭介「僕もですよ。兄さんと僕……どうしてこうなってしまったんだろうって……アーデルハイドさんは不思議な方ですね。まるで兄さんといるようで……落ち着きます」

 

アーデルハイド「私もですよ。君と一緒にいると、まるで小さな頃に妹と仲良くしていた時の事を思い出す。君と一緒にいることで、私の寂しさは癒されているのかも知れない」

 

恭介「アーデルハイドさんは……妹さんとは和解されないのですか?」

 

アーデルハイドは首を振る。

 

アーデルハイド「妹は私に対して何度も謝罪の使者を寄越し、戻ってきて欲しいと言っている。でも、私は戻るつもりはない」

 

恭介「それは何故ですか?妹さんを許せない……という訳では無いですよね?」

 

アーデルハイドは言っていた。寂しい……と。

 

アーデルハイド「私も妹の事を……ローズの事を愛している。だが、私が側にいてはダメなのだ」

 

こうして暇を持て余し、落ち着いて振り返った末での結論だった。

 

アーデルハイド「私は商才に関しては暗愚でね。ルガールの……父の遺した財産を食い潰し、とうとう宝物であった飛空挺、スカイノアまで売り払う始末だ。それに対してローズが開催したKOF……あれは大成功を収め、私が食い潰してしまった資産をあっという間に取り戻してしまった。妹には私よりも遥かに優れた商才がある。私が近くにいては、彼女の足を引っ張る結果になるだろう。野望を持つ我が家の部下は、私を祭り上げ、妹を苦しめる事にも繋がるかも知れない。ここで幽閉されているという形にしているのが一番なのだろうな」

 

互いを想いながらもすれ違う兄と妹。それはまるで自分と雹を見ているようだと恭介は思った。

 

アーデルハイド「それに……私は未だにこの血を恐れている。ルガール・バーンシュタインの血を…いつかは父のように野望に溺れ、力を求め……」

 

恭介「僕の兄も…忌野の血に振り回され、野望に身を染め、最後には父の霊に取りつかれて……」

 

アーデルハイド「君の兄と私は……形は違えどもやはり似ているのだな……だから君と私は惹かれ合うのだろう」

 

それが傷の舐めあいだとはわかっている。アーデルハイドはいつかは妹と向き合う必要があるし、恭介は恭介で無事に兄を見つけたとしても、アーデルハイドと同じように互いを見つめ直す必要がある。

 

アーデルハイド「ボガード兄妹やユン、ヤン君兄弟のようにいつまでも仲良く出来るのが理想なのだろうが…」

 

そんな時、扉からノックの音が聞こえた。

 

アーデルハイド「入れ」

 

アーデルハイドが入室を許可すると、執事が静かに入室

をし、恭しく腰を折る。

 

執事「アーデルハイド様。お客様でございます」

 

アーデルハイド「今日は来客の予定など無かったはずだが?」

 

今日に限らず、幽閉された(正確には自ら幽閉されている)身となった自分に来客など普通はない。あるとすれば自分を祭り上げようとしている者か、もしくは……

 

アーデルハイド「ローズの手の者なら丁重に引き取って貰え。私は表舞台に戻る気はない………と」

 

アーデルハイドが命令するが、執事はハンカチを取り出して額の汗を拭う。

 

執事「それが……ローズ様のお使いの方ではなく……バーン家のご令嬢でして……」

 

アーデルハイド「バーン家の?ジェニー・バーン嬢殿が?」

 

アーデルハイドとジェニーは古くからの仲だ。そしてジェニーはアーデルハイドが開催し、失脚する原因となったKOFの出場選手でもある。

尋常ではない雰囲気の男、牙刀とその真逆とも言える正義のプロレスラー、グリフォンマスクと共に出場したアンバランスなチームのリーダーとして。

 

アーデルハイド「済まないがお引き取りを願ってくれ。私は……」

 

執事「そ、それが……更にイングリッド様もご一緒で」

 

アーデルハイド「何っ!?あのイングリッド殿も!?」

 

アーデルハイドは戦慄する。バーン家の令嬢であるジェニーだけなのならば…ローズの友人であるジェニーだけならば、後でバーン家に対しての謝罪は必要であるものの、追い返すだけで良い。

しかし………

 

アーデルハイド(イングリッド殿までご一緒とは……一体何が!?)

 

神出鬼没で経歴不詳の謎の女性、イングリッド。

彼女まで一緒となると、ただのローズの使いだけと言うことは考えにくい。

 

ジェニー「考えても仕方ないわよん?アーデルハイド」

 

執事「ジェ、ジェニー様!困ります!」

 

イングリッド「相変わらずめんどくさい性格じゃのう?アーデルハイド」

 

執事の制止など気にする性格のジェニーな訳がなく、ズカズカと入り込むジェニーとイングリッド。

そういえばこんな性格だったな……と苦笑いを浮かべ、ため息と共に諦めたアーデルハイドは笑顔でそれを取り繕う。

 

アーデルハイド「ようこそ、イングリッド殿、ジェニー・バーン嬢。本日はどのような御用向きではるばるこんな離島まで?」

 

ジェニー「これを届けによん♪あと、恭介にもね♪」

 

恭介「僕にも?」

 

ジェニーは四枚の封筒を取り出し、それを二枚ずつアーデルハイドと恭介に渡す。

 

アーデルハイド(これはバーンシュタイン家の封印…やはりローズの……)

 

片方は予想通り、二人宛のローズからの手紙。それだけだったのならばアーデルハイドは受け取らずに二人を追い返していただろう。

しかし、もう一枚がそれを踏みとどまらさせた。

 

アーデルハイド「これは……KOFの招待状?いや、ただのKOFではない!」

 

アーデルハイドと恭介は招待状の封を開ける。

 

アーデルハイド「なっ!『R』だと!バカなっ!父は…ルガールは確かに死んだとハイデルン殿から聞いている!これは一体…」

 

一方では………。

 

恭介「なっ!太陽学園がシャドルーに襲われた!?バツが行方不明だと!?招待状の『V』はベガ……一度に情報が来すぎて理解が追い付かない……」

 

アーデルハイド「見せてくれ……恭介君」

 

恭介に宛てられたローズの手紙を読むアーデルハイド。そこには………

恭介が探している忌野雹が大会にエントリーをしているとの内容が記されていた。更に……

 

アーデルハイド「覇王丸……かのナコルルの同士として知られている剣豪に、四神の楓……マッドギアのソドムらと組んで……」

 

更には当のナコルル、ヨーロッパ闇の貴族のクラウザー、アッシュ、三種の神器、武神流、元ネスツ…。

 

アーデルハイド(これはいつものローズの手紙とは違う!)

 

アーデルハイドは自分宛の手紙の封をペーパーナイフで切り、内容を確かめる。

『親愛なるお兄様へ』から始まる手紙の文面は、最初こそ回りくどくもアーデルハイドが予想した通り、ローズの謝罪文から始まった彼女の手紙。しかし、途中からその内容に変化が現れた。

 

ローズ『今更この不肖のわたくしめがお兄様を頼るのはむしが良すぎることは重々承知しております。しかしながら、亡くなったはずのお父様が現れ、魔界や伝説の一族達が動き始めた今、わたくしに頼れるのはお兄様のほかありません。身勝手なお願いだとは承知しておりますが、どうぞこの不肖な妹めにお力をお貸しいただけないでしょうか』

 

と続いていた。

ルガール、ギース、ベガ……地獄門、魔界……。

なるほど。イングリッド程の者が動くはずである。

それに、これは恭介の問題にも深く関わりそうだ。自分の問題、恭介の問題、イングリッドの問題…もしかしたらジェニーにも何か関わりがあるかも知れない。

クラウザー程の大物まで現れたのだから。

 

アーデルハイド「ローズ……私は不出来な兄であろう。お前にとっては私はただの負担でしかないのかも知れない。だが、不肖な私でも何かお前の役に立てることがあるということか……」

 

アーデルハイドはローズの手紙を丁寧に畳んで封へと戻し、執事に渡す。

 

アーデルハイド「恭介君。君の問題も含めて私は立ち上がろうと思う。付き合ってくれないか?」

 

恭介「ありがとうございます。アーデルハイドさん。僕もこのままではいけないと思っていました。是非ともこの大会に出場し、兄と腹を割って話したいと思います」

 

アーデルハイド「ありがとう……」

 

イングリッド「決まりじゃな。此度の戦いは楽ではないぞ?」

 

ジェニー「目指すは優勝!そしてギースやルガール、ベガの野望を阻止してお宝をゲットするわよん♪」

 

ジェニー(そして私も……前に進まなきゃ……)

 

アーデルハイド・バーンシュタイン!復活!




Bジェニー…LKアーツ
餓狼MOW

アーデルハイド・バーンシュタイン…総合格闘術
KOF2003、KOF11

鏡恭介…忌野流?
私立!ジャスティス学園シリーズ

イングリッド…不明
CAPCOM fighting jam


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ほたる&七瀬チーム

もうこの当たりが限界です!
多分、これが最後のチームになるでしょう。
それではどうぞ!


日本…某高校

 

学校の教室で、双葉ほたるは格闘技の雑誌を開いて一人、黄昏れていた。

 

ほたる(これ……お兄ちゃん……だよね?)

 

今やKOSFは誰もが知る一大イベント。

一般の雑誌やテレビ番組などでも取り上げられており、誰がエントリーしたなどの特集が組まれている。

当然、格闘技を取り扱う雑誌もKOSFが目玉特集となっており、専門雑誌の意地なのか、普通の雑誌よりもエントリーチームの事は細かく載せられている。

ほたるも拳法家の端くれ。元々争い事等を嫌うほたるは出場するつもりは無かったのだが、情報だけは集めていた。

ほたるの兄がもしかしたら出場するかも知れない…と。

ほたるの半ば願望ともいえる予想は的中し、出場選手の中に兄と思われる男を見つけた。

 

牙刀……。

闇の世界で活動する中国拳法家であり、その筋の者達の間では有名らしい。

 

ほたる(昔はあんなに優しかったお兄ちゃんだったのに…どうして?)

 

ほたるは知りたかった。母が死に、父と兄が揃って失踪したその真相を……。兄が暗殺者とならなければならなかった理由を……。

 

ほたる(きっといつかは話してくれる……そう思ってお父さんとお兄ちゃんを待っていたけど……待っているだけじゃダメなんだよね?)

 

セカンドサウスと呼ばれた街で開催された大会、マキシマム・キング・オブ・ファイターズでは兄に会えたものの、ついにその真相を語られる事はなかった。

 

ほたる(私はもう一度、お兄ちゃんに会いたい……また一緒に暮らしたい……。それが許されない事なの?お兄ちゃん……そんなの……絶対にイヤ!)

 

あの時のように、自分から動かなければダメだ。

兄は変わってしまった。今のまま待っているだけでは自分の望む未来は訪れないだろう。

そして今回の大会。兄と思われる男、牙刀は大会オフィシャルチームの1つにエントリーされていた。

どう見ても普通とは言えない人達と組んでいる。

そもそも、大会そのものだって運営自体が裏では良くない噂が囁かれている程だ。

そんな大会のオフィシャルチーム……放っておける訳がない。

 

ほたる(だったら……)

 

ほたるはKOSFに参加するつもりは無かった。

しかし、このチャンスを逃したら、いつ次の機会が訪れるかわからない。

ほたるは動き出すことを決意する。

決意はするものの………

 

ほたる(どうしよう……チームを組んでくれる人がいないよ……)

 

セカンドサウスで本選に進んだ功績が認められたのか、幸いにもほたるの元に招待状は届いてはいた。

届いてはいたのだが、KOSFはチーム戦だ。

チームが組めなければそもそも出場する事だって叶わない。

しかし、ほたるの実績はただ二回だけ。マキシマムKOFとバトルコロシアムの二つだけだ。

 

ほたる(あの二回の大会で出場した選手はみんなチームを組んじゃってる……どうしよう……。あっ!)

 

ここでほたるは気が付いた。

その2回にも顔を合わせ、好感を持った少年、ロック・ハワードの事を。そしてロック・ハワードの育ての親とも言える存在、テリー・ボガードの事を。

 

ほたる(確かテリーさんには……)

 

いてもたってもいられなくなったほたるは、学校を無断早退し、富士へと向かった……。

 

 

河口湖湖畔……不知火道場

 

ほたる(確か………ここだよね?)

 

北斗丸「あれ?確か……ほたる姉ちゃん?」

 

ほたる「北斗丸君?」

 

北斗丸「やっぱりほたる姉ちゃんだ!久し振り!」

 

ほたる「嬉しい。覚えてくれてたんだね?」

 

北斗丸。

セカンドサウスのKOFで出会った大会最小年の選手だ。

偶然大会で出会ったほたると北斗丸。ほたるは北斗丸になつかれ、一緒に大会を回った縁がある。

 

ほたる「北斗丸君、久し振りだね?」

 

北斗丸「うん!久し振りだね!ほたる姉ちゃん!」

 

北斗丸はその身軽な身のこなしで駆け寄り、ほたるに抱きついてくる。子供ならではの特権である。

 

ほたる「北斗丸君はどうしてここに?」

 

北斗丸「それはおいらのセリフだよ。ここはおいらの師さんがやっている道場で、おいらはここに住んでるんだもん。ちぇっ!てっきりおいらに会いに来てくれたのかと思っていたのに……だったらほたる姉ちゃんこそ、何でここに?」

 

ほたる「え?じゃあ北斗丸君のお師匠様って……」

 

北斗丸「お師さん?アンディ・ボガードだよ?」

 

ほたる(言われてみれば空破弾って技にどこか聞き覚えがあったけど……まさか北斗丸君のお師匠様がアンディ・ボガードさんだったなんて……)

 

そう、ほたるはテリーとの縁を頼りにアンディに会いに来ていたのである。

ほたるはテリーがKOFに出場する際、そのほとんどをジョー東と弟のアンディ・ボガードと組んで出場していることを覚えていた。そしてKOSFにはまだ、アンディがエントリーしていないことも……。

 

北斗丸「ほたる姉ちゃん、もしかしてお師さんに会いに来たの?丁度今なら道場の指導も終わって後片付けをしているけど……もしかしてKOSFに?」

 

ほたる「うん……テリーさん達の縁を頼って来てみたんだけど、もしかしてもう組んじゃってるの?」

 

北斗丸「うーん……どうだろう。まだチームは組んでいないんだけど………とにかくおいらが紹介するから会ってみたら?」

 

どうにも北斗丸の反応は良くない。

果たしてアンディは組んでくれるのだろうか……。

北斗丸が話を通してくれ、アンディ・ボガードはすぐにほたるに会ってくれることになった。

 

アンディ「兄さんや北斗丸、ロックから話は聞いているよ。双葉ほたるさん……だったね?ようこそ、不知火道場へ」

 

ほたる「は、初めまして!アンディ・ボガードさん」

 

世界に知られる骨法の達人を前に緊張するほたる。そんなほたるに対して柔和な微笑みを絶やさず応対するアンディ。同じ兄弟でもテリーとは大分違う印象だ。

 

アンディ「それで……KOSFの事だったね?」

 

ほたる「は、はい……。出来れば一緒に出場出来ればと思いまして……」

 

アンディ「……残念だけど、僕は今回は出場を見合わせようと思っているんだ。北斗丸の面倒もあるし、道場の事もあるからね。本来ならば舞も出場しない方針だったけど……」

 

ほたる(そうだよね……出るつもりがあったなら、不知火舞さんと組んでるのが普通だよね……)

 

アンディ程の選手なら、引く手あまただったはずだ。なのに舞を始めとして、未だにチームを組んでいないのは出る意志がないから。

 

ほたる(本当にどうしよう……)

 

手詰まりになり、一瞬だけ困った表情を浮かべるほたる。アンディはそんなほたるの表情を見逃さなかった。

 

アンディ「北斗丸……。しばらく外で遊んでいなさい」

 

北斗丸「え?何で?せっかくほたる姉ちゃんと会えたのに……」

 

アンディ「良いから」

 

北斗丸「ちぇっ!つまんないの!」

 

アンディは北斗丸を下がらせる。

 

アンディ「何か事情があるようだね。良ければ話してみてくれないかい?」

 

ほたる「はい……実は……」

 

アンディはほたるはアンディに事情を話す。

 

アンディ「そうか……ギースの所に君のお兄さんが…それは放ってはおけないな」

 

渋面を作るアンディ。そして今度は自分達ボガード兄弟とギースの因縁についてほたるに聞かせる。

 

ほたる「そんな事が……」

 

アンディ「そう。だから君の事情は僕達兄弟にも関係があるんだ」

 

そう言ってアンディは立ち上がり、奥から習字道具を持って戻ってきた。

 

アンディ「残念ながら、僕自身は出場出来ないけど、僕の知り合いならば協力してくれるかも知れない。人間性は自信を持って紹介できる人では無いけれど、強さだけは保証するよ。丁度よかったしね。彼女も同行させてくれないか?入って来てくれ」

 

アンディが呼ぶと、奥からほたると大して変わらない年代の少女が入ってきた。

 

アンディ「紹介しよう。彼女は水神七瀬。彼女はとある古武術の家の出身でね。事情は君と似ているかも知れない。彼女も僕を頼って訪ねてきてくれたんだ」

 

七瀬「えっと……水神七瀬です。私もあなたと同じ理由があって……」

 

七瀬が身の上を語る。

水神流は草薙流とは違い、暗殺を家業とした闇の古武術を操る一族だ。

七瀬には兄と姉がいるのだが、一族に背いた兄のカイリを暗殺するべく、一族は姉のほくとの血の封印を解き、暗殺させようとしているのだとか。

このままではどちらかが死ぬしかない。七瀬はそれを止めるために行動しているのだとか。

 

ほたる「え?水神ほくとさんって言えば……」

 

ほたるは例の雑誌を取り出す。

 

日本武術チーム

エドモンド本田、大門五郎、藤堂香澄、水神ほくと

 

七瀬「そう!この人が私の姉さんだよ!兄さんと出会ってしまう前に姉さんだけでも止めないと!だから大門五郎さんや藤堂香澄さんと面識があるアンディさんを頼ったんだ!」

 

確かにほたると七瀬は似ている……いや、事情は七瀬の方がよほど深刻だった。

兄妹同士で殺し合うなんて……。そんな事は止めなければならない。

 

アンディ「そして……何かしらの事情を抱えた人が僕の紹介する人の所で修行を受けている。これはある意味で運命かも知れないな……」

 

ほたる「えっと……その人の名前は……」

 

アンディから出てきた名は……

 

 

とある日本邸宅

 

ほたる「こんな形でこの人に会うなんて……」

 

家の表札にはこう書かれていた。

「山田」……と。

佐藤や鈴木、渡辺など、日本全国のどこにでも必ず一人はいる名字……山田。

大仰な姓が多い格闘家の中ではあまり強そうな名字ではない山田という姓。

しかし、往年の格闘ファンならば知っている。

「鬼の山田」の異名をとる男の事を。

 

??「甘いぞい!」

 

ドダーン!

今も邸宅にある道場の中で、稽古中なのかかけ声とともに激しい音が響いている。

 

ほたる「大丈夫なのかな………」

 

七瀬「鬼の山田……ストリートファイトの意味合いが強かった初期のKOFに出場した柔道の達人…だよね?」

 

二人はドアホンを押そうかどうか迷っている。

初期のKOFであのテリー達と戦ったこともある鬼の山田。彼は不知火流とは昔馴染みらしく、アンディとも旧知の仲だという。

そんな存在と会うにあたり、二人は中から聞こえる激しい音もあって、すっかり萎縮してしまっていた。

 

「ん?ちょっと休憩じゃ。どうやら客のようじゃの?」

 

ほたる(鬼の山田が来る……怖い人だったらどうしよう)

 

ぎぃぃぃぃ!

重そうな門が開かれ、中から柔道着の上から赤いちゃんちゃんこを着込み、オールバックにした総白髪の長髪のおじいさんが出てきた。

その鋭い眼光に射抜かれるほたると七瀬。彼が鬼の山田の異名を持つ柔道の達人、山田十兵衛に間違いないだろう。

ただ、「鬼」と呼ばれているにしては背は低く、高下駄を履いていてもなお、ほたるや七瀬よりも背が低かった。

 

十兵衛「誰じゃ!ワシの道場を覗き見する輩は!覗きで許されるのはワシが女風呂を覗くときくらいじゃわい!」

 

ほたる&七瀬「は?」

 

聞いてはいけない言葉を聞いた気がして二人は固まる。

一方で十兵衛は二人を見つけると、鋭かった眼光、厳しく引き締まった口許が一気にだらしなく垂れ下がり、鼻の下も伸びきっている。

 

十兵衛「おーおー!メンコイ女の子が二人もおるわい。ちいとばかり幼いし、発展途上ではあるが、やっぱり女の子はええのぉ?ささ、上がりなさい!」

 

そう言えばアンディが言っていた。少し人格に問題があると。

 

ほたる(そう言えば鬼の山田にはもうひとつ、不名誉な異名があったとか……もしかしてこのスケベ根性?)

 

実はこの山田十兵衛。実力も充分。指導者としての力量も充分。人間としても充分なのだが1つだけ、大きな欠点があった。

とても女好きでスケベなのである。

大門五郎と二階堂紅丸を足して2で割れば十兵衛になるかもしれない。

 

ほたる(は、早まったかも……)

 

十兵衛も老人なので、身の危険はないと思いたいほたるであるが……。

十兵衛に連れられて通された道場。

そこにはとても道場とは思えないほどの広さと中庭があり、中庭は見事な日本庭園として拝観料を取っても良いくらいである。

そこには独特の民族衣装を纏った小年のような少女が荒い息をしながら寝そべっていた。

 

十兵衛「して、用向きは何じゃ?」

 

ほたる「えっと……アンディさんからの紹介で参ったのですが……あ、これは紹介状です」

 

ほたるはアンディの毛筆で書かれた前時代的な手紙(もはや書状と言える)を十兵衛に手渡す。

 

十兵衛「このアイティー社会の時代に毛筆の書状とはのう。あやつは生まれる時代と国を間違えたとしか言えんわい。どれどれ……」

 

十兵衛はアンディの招待状に目を通す。

 

十兵衛「ほうほう。この現役を退いたじじいに重大でデリケートな問題を抱えた客人を寄越すとはのう。先日のアリスちゃんといい、そこにおるタオといい……今回の大会はいつも以上に何かが渦巻いておるようじゃのう」

 

十兵衛は口髭を撫でながら、難しい表情で言う。

 

十兵衛「そこにへばっているタオという娘もそうじゃ。信じられん事に異世界の武術家なのじゃとか。故郷の村を焼き払った『影』とやらを追う旅の最中に迷い込んで来たそうじゃ。たまたまワシが保護しての、ついでに武芸の世話もしておった訳じゃ。柔よく剛を制する。というのには疎いようじゃったからのぅ」

 

ほたる(異世界かぁ……最近はそういうの、多いなぁ)

 

バトルコロシアムでもほたるはナコルルとか色とかといった者達と会っているので驚かない。感覚が麻痺しているのだろう。

 

十兵衛「それにしてもKOSFか……こんな若いおなごに誘われるなど、そうそう無いから手を貸してやりたいところじゃが……生憎とこの娘の世話も………」

 

タオ「あーーーーーー!この人!この肖像画の人ぉ!」

 

タオが言う肖像画とは雑誌の写真の事である。タオの世界ではカメラなどがまだ発明されていないのかも知れない。

そのタオが指している雑誌のチームは……。

 

ほたる「一条あかりさん?更に如月影二さん……」

 

ほたるは一条あかりとは面識がある。バトルコロシアムの時だ。影二とは面識こそ無いものの、KOFでは有名な選手なので知っている。セカンドサウスで出会ったマルコをはじめとした極限流を憎む忍者としても有名だ。

 

タオ「違うよ!その隣の人!こいつ、タバサだ!僕の世界の人だよ!」

 

十兵衛「なんと……知り合いがおったのか。じゃとすればこれは運命かも知れんのう……偶然出会った者達のそれぞれがKOSFに知り合いが参加している……よし、そうであるならば今一度現役に戻るのも良いかも知れん。一度、大門五郎とは手合わせしたかったところじゃしな」

 

ほたる「ホントですか?山田十兵衛さん!」

 

偶然出会った者達が、それぞれに知人や家族がいるという、まるで絡み合った運命に導かれた。得てして、山田十兵衛と少女達のチームが結成されたのである。

 

ほたる(お兄ちゃん……今度こそ……)




双葉ほたる…中国拳法
餓狼MOW

山田十兵衛…柔道
餓狼伝説2

水神七瀬…水神流古武術
ストリートファイターEX2

タオ…???
ウォーザード

ティーンエイジャー少女三人に山田十兵衛ハーレムチーム。
でも唯一のストライクゾーンはほたるのみという複雑な環境です。

あとひとつくらいはチームを考えたいところですが、何かネタは無いでしょうか?

ドラゴンチーム
拳嵩、チン・シンザン、ストライダー飛竜、??(カプコン)

ボクシングチーム
ダッドリー、??(カプコン)、フランコ・バッシュ、ヴァネッサ

等々……

もう無理かも?


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ライバル戦…軍人チーム

ガイル…新怒チーム(ラルフ)

ステージ…スト2ガイルステージ

 

ガイル「お互いに決勝まで来られましたな。さすがは歴戦のジョーンズ大佐です」

 

ラルフ「上官扱いは勘弁してくれよ。お互い、連隊や大隊長クラスの階級が身の丈に合わない同士だろ?俺もお前と同じ現場向きの人間なんだよ。ガイル中佐」

 

ガイル「ふ……そうですな。お互い、現場が性に合っているとつくづく思います。それで、大会で優勝し、敵の懐に潜り込む…という作戦の第1段階は我々2つのチームが決勝に残ったという事で達成されました。……後はどちらが優勝し、作戦を遂行するかですが……」

 

ラルフ「俺はここで現場から降りるつもりはないぜ?格闘ごっこも悪くは無かったけどよ、遊ぶだけ遊んで後は後方支援……つーのも性に合わねぇからな」

 

レオナ「大佐もそろそろ現場から退いて裏方に回るべきよ」

 

キャミィ「それをそっち側が言えるとは思えないわね。傭兵部隊の司令官がいつまでも現場に立っているのだから。ラルフ大佐とクラーク中尉はそれを憂いている」

 

ロレント「現場に拘るならば我輩の作る国家に来るが良い!いくらでも貴様らが望む戦場を用意してやろう!」

 

クラーク「そっちの軍事国家建国マニアはともかくだ。教官やレオナ、おたくらよりも今回の任務は俺達向きなのさ」

 

ハイデルン「ほう?大きく出たな?ラルフ、クラーク。私よりもお前達がこの任務に適任とはどう言うことだ?言ったからには何か理由があるのだろう?」

 

ラルフ「ありますよ?教官。教官はルガール、ガイル中佐とナッシュ中尉はベガ……あんたらは私怨で動いている。だから本来ならば隊全体の指揮に徹しているあんた達が現場に出てきてるんだろ?純粋な任務としてじゃなくてな」

 

ガイル「なるほど……軍人は私怨ではなく、組織の一員たれ……と言うことか。まさかラルフ大佐にそれを指摘されるとはな……」

 

クラーク「大佐はただの脳筋じゃ無いんですよ。ガイル中佐。大佐は熱血漢でありながらも案外、冷静に全般を見ている。逆に教官やおたくらは冷静ぶってはいるが、中身は大佐以上に熱い」

 

ガイル「ふ……よく司令からも指導されているが、ひとかどの人物に言われると堪えるものだ。あなた達の主張は理解した。だが、実際に任務となれば思想よりも実力がものを言う。結局のところ、どちらが任務を遂行するに相応しいか……決めるのは実力以外にない」

 

ラルフ「そうかい。なら、格闘ごっこでそれを決めようぜ!ガイル!」

 

ガイル「了解だ。イージー、オペレーション」

 

 

ナッシュ…サムライチーム(覇王丸)

ストゼロ2ナッシュステージ

 

ナッシュ「決勝か……俺にとってはここは終着点ではない。ベガへと到達するための通過点だ」

 

覇王丸「だが、あんたをそこへ行かせる訳にはいかねぇな。おっさん」

 

ナッシュ「何だ貴様は。時代錯誤の男が三人に元マッドギアのソドム……」

 

覇王丸「お前さん、死に人だろ。何人も見てきたからな。常世の人間が現世に現れるなんてのはよ。首切りバサラや天草、斬紅朗とかな。誰の手で蘇った?アンブロジャか?アスラか?」

 

ナッシュ「……まさか俺を死人と一目で見破るとはな。だが、タダで終わる気はない。俺はベガを倒さなくてはならない」

 

楓「これが地獄門の影響なのか……だが、俺は何度でも止めて見せる。お師さんや姉さんの為にも!」

 

ガイル「やれやれ。WARZに現れた二つの青龍、覇王丸と楓……伝説の剣豪が決勝の相手とはな。KOFは武器有りの大会とは聞くが、真剣が相手とは命懸けだ。簡単にはいかなくなったな」

 

雹「む………そこのお前。貴様も私と同じように暗黒の力を……」

 

レオナ「私とあなたは違う。私は力を制御できている」

 

ハイデルン「ヤレヤレ。忌野雹にマッドギアのソドム。ナコルルが頼りにしているという伝説の剣豪が何故当局がマークしている犯罪者と行動を共にしているのかはわからんが。お陰で仕事が一つ、片付くな。武器を捨て、大人しく投降してもらおうか」

 

ソドム「Oh!タワーケ!タダノアーミー 二 マケルワレーラ デハ ナーイ!」

 

ナッシュ「お互いに追い、追われの不思議な間柄だな。伝説の剣豪とやら。だが、大人しく捕まる我々ではない。悪いがここは押しとおる」

 

覇王丸「こちとら最初からそのつもりよ!久々の鬼退治だぁ!腕が鳴るねぇ!」

 

ナッシュ「このピリピリくる感覚……この覇気……さぞかし強い生命力を持っているに違いない。俺の活動時間を稼ぐ為にも……その生命力を頂く!」

 

 

ハイデルン…アウトローチーム2(セス)

KOF95怒チームステージ

 

セス「これはこれはハイデルン司令官。傭兵部隊の首領がこんな大会に出ているとは思わなかった」

 

ハイデルン「貴様は確かSINのセス。貴様がいるということはやはりシャドルーやギース、ルガールがこの大会に関わっていると見て良いのかね?」

 

セス「ハッハッハッハッ!やはり貴様らの目的はそれか!」

 

ハイデルン「もちろん、君達大会オフィシャルチームも捕獲対象とマークはしているがね。是非とも奴らの事は喋って貰う。君達はジュネーブ規定の対象者ではないから、人道的な方法を期待しないで貰いたいがね。更に言えば、知人の関係者もいるようだ。保護させて頂こう」

 

チャン「そうなんだよ!コイツらの所なんかよりはキムの旦那の所の方がまだましだぜ!」

 

チョイ「ダメでヤンスよチャンの旦那!それで結局はキムの旦那やジョンの旦那の元で嫌気が差すんでヤンス!決勝で優勝して本当の自由になるでヤンスよ!」

 

ガイル「ヤレヤレ。何年もかのキム・カッファンから更正の師事を受けているというのに、懲りない連中だ」

 

ナッシュ「ここは一つ、軍で更正をさせるのがベストかも知れんな」

 

ジュリ「ああん?御免だねぇ。キムの所に行くのも、韓国軍の徴兵を受けるのも、あんたらの所に行くのもよぉ!あたいはあたいのやりてぇようにやるんだ……特にそこのお前。面白ぇじゃねぇか?楽しもうぜ?」

 

レオナ「不相応な力に呑まれれば、自身が破滅する。それがわかってないあなたでは……私には勝てない」

 

セス「これは面白い事になりそうだ!是非とも我が力の礎になって貰おう!」

 

ハイデルン「レオナの言うとおりだな。分不相応な野望をSINは持っているようだ。貴様もルガールやネスツのように破滅しなければ良いがな?」

 

セス「逆に貴様の怒部隊を我が兵として有効に使ってやろう」

 

ハイデルン「ふ………ラルフやクラークを貴様ごときが扱えるとは思えんがね。あと、君に一言言いたい。他人の技のコピーは面白いかね?私には貴様はルガールの劣化品のようにしか感じないのだよ」

 

セス「言わせておけば……私をルガールの劣化品と言った事を後悔させてやる!」

 

 

レオナ…アウトローチーム5(ユーニ)

KOF96怒チームステージ

 

ユーニ「ターゲット発見。捕獲する」

 

オズワルド「あれがギースやルガールが狙っているオロチの力を持つ女ですか」

 

牙刀「ふん………気に入らん」

 

レオナ「……そう。ルガールだけでなく、ギースやベガもオロチの力を狙っているのね」

 

ユーニ「オロチの女、レオナ。捕獲する」

 

レオナ「元シャドルー親衛隊、コードネーム『ユーニ』。本名ジュリア。デルタレッド所属のキャミィ少尉が探していた者達ね……再びシャドルーに捕まったと言うのは事実だったのね」

 

牙刀「…………」

 

ガイル「目的の為とはいえ、胸糞の悪い事をする事には我慢がならないか?例えばそのベガ親衛隊の二人に大切な家族を重ねているとか……」

 

オズワルド「仕方がないでしょう。暗殺者として彼はまだ若いですからね」

 

ナッシュ「そっちは完全に戻れない位置にいるようだな」

 

ユーニ「……………」

 

ハイデルン「ラルフ達に預けているキャミィが探していたのは彼女かね?これは酷い。ルガールに洗脳された草薙柴舟殿よりも」

 

ユーリ「対象、オロチ八傑集の娘、レオナ・ハイデルンのデータと95%一致。最優先捕獲対象と認識し、捕獲する」

 

レオナ「そう……またオロチとしての私が目的なのね。だけど、ただで捕まる気はない。そして、あなた達を無力化した後はあなた達を変える場所へと連れ帰る。ジュリアの恋人も……キャミィもまだ諦めてはいない。運命なんて……くそっくらえ………よ」

 

ユーリ「対象の交戦意思を確認。直ちに無力化する」

 

レオナ「任務……遂行します」

 

 

 




まずは対戦の根拠を。

ガイルはアメリカで作られたストリートファイタームービーにおいての主人公、一方でラルフはTANKや怒シリーズの主人公。軍人の主人公対決となります。
シャドルーも捨てがたかったところですが、この対決も面白いかと思い、このような形にしました。どちらかと言えばラルフ、クラーク、ハイデルンの掛け合いのような気もしなくは無いですが……この対戦に純・怒チームの二人は思うところがたくさんあるようで……

続いてナッシュは既に死人である事をチョイスして覇王丸や楓と絡ませました。一方で雹やソドムもテロリストとしてハイデルン達にマークされていた……という形ですね。

ハイデルンとレオナは任務の排除対象であるアウトローからとりました。その中でもルガールのように他者の技を無節操に使うセスをハイデルンに、敵の思惑に利用されるユーリ、ユーニをレオナに当ててみました。

それでは次回もよろしくお願い致します。


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あり得たかも知れないこんなチーム

既存のチームでお遊びです


スーパーヒーローズ

リュウ 京 テリー リョウ

 

天駆ける龍の閃き

リュウ リョウ 楓 フェイロン

 

タイガース

サガット ロバート ジョー ラモン

 

忍者チーム

ガイ いぶき 舞 バルログ

 

兄を求めて……

あきら 恭介 ほたる クラウザー

 

嵐でgo!

覇王丸 ジョー ゲーニッツ コーディー

 

天才ファイターズ

さくら 真吾 アリス ユリ

 

マッスルパワーズ

ハガー ザンギェフ 大門 サンダーホーク

 

女子高生チームC

さくら あきら いぶき 夏

 

女子高生チームS

アテナ 雛子 ほたる ゆず

 

2代目ヒーローズ

アレックス ロック K´ ロバート

 

バンダナチーム

アレックス ラルフ ビリー 真吾

 

ダンクでゴー!

テリー ロック ラッキー ショーン

 

オロチチーム

社 シェルミー クリス ゲーニッツ

 

シャドルー四天王

ベガ サガット バルログ バイソン

 

三種の奥義チーム

リュウ ケン 豪鬼 剛拳

 

次世代達

さくら 真吾 ショーン ロック

 

魔法使いチーム

タバサ あかり 初代アテナ ハイデルン

 

テコンドーチーム

キム ドンファン ジェイフン ジュリ

 

ストリートファイターボスチーム

ベガ 殺意リュウ 豪鬼 剛拳

 

KOFボスチーム

ルガール ゲーニッツ アーデルハイド アッシュ

 

アクションゲームファイターズ

コーディー ロックマン ラルフ アテナ

 

キム被害者の会

テリー ダック ライデン ホンフー

 

餓狼ボスチーム

ギース クラウザー 祟宗 祟雷

 

隠しボスチーム

リョウ ギース 豪鬼 雹

 

爪攻撃チーム

バルログ チョイ 庵 雷蔵

 

スパイラルドリル

ダルシム 紅丸 キャミィ 山崎

 

真似っこファイターズ

ダン ユリ ルガール セス

 

飛び道具返却チーム

ルガール 山崎 アテナ ローズ

 

餓狼伝説チーム

テリー ジョー 舞 マリー

 

初代餓狼チーム

タン ダック ライデン リチャード

 

ヴァンパイア

デミトリ モルガン レイレイ フェリシア

 

ファイルファイト

ガイ ハガー コーディー ソドムorロレント

 

ダークヒーローズ

K´ アッシュ コーディー デミトリ

 

瞬獄殺チーム

豪鬼 殺意リュウ オメガルガール さくら

 

龍虎チーム

リョウ ロバート タクマ ユリ

 

生駒チーム

キング マリー ナコルル ユリ

 

モンスター前塚チーム

ラルフ 紅丸 チョイ ケン

 

ギターアーティスト

ザベル ビリー 社 庵

 

アンチ極限流チーム

影二 香澄 ダン バレッタ

 

お嬢様チーム

かりん モリガン 雛子 ジェニー

 

ロリコンチーム

バレッタ リリス 桃子 リムルル

 

帝王チーム

サガット 祟雷 クラウザー ルガール

 

シャドルードール

キャミィ ユーリ ユーニ ディカープリ

 

ギャグエンドの宿命者

キム タクマ ダン ショーン

 

クローンチーム

京1 京2 アベル ディカープリ

 

正義の味方

キム ジェイフン 春麗 ロックマン

 

モヒカンファイターズ

ザベル バーディー ダック ヘビィD!

 

国技チーム

エドモンド ハカン キム ダルシム

 

アンチ庵チーム

京 ビリー 影二 ラモン

 

チンピラチーム

コーディー バーディー 山嵜 シェン

 

日本チーム

京 紅丸 大門 真吾

 

K´チーム

K´ マキシマ クーラ ラモン

 

アッシュチーム

アッシュ シェン オズワルド エリザベート

 

 

 

何か違う………

 

サムライスピリッツ

覇王丸 ナコルル チョイ(不知火幻庵) チャン(アースクエイク)

 

大蛇薙チーム

京 柴舟 クリス 京1

 

魔法使いチーム

タバサ 初代アテナ ダン(こいつ絶対童○) ハイデルン(体力吸うからある意味で)

 

ギースボスチーム

ギース ビリー ライデン アドン(ホワジャイ)

 

三闘士&クラウザー

クラウザー バルログ(ローレンス) バイソン(アクセル) ビリー

 

大自然のお仕置きチーム

ナコルル クリス エレナ ブランカ

 

キングオブモンスターズ

あかり ゆず レイレイ ザベル

 

死ぬ死ぬ詐欺チーム

ギース ナコルル 剛拳 元

 

導きし者達

クーラ エリザベート ちづる ローズ

 

卒業出来ない者達

京 アテナ 溝口 いぶき(忍者を)

 

性別を偽った者達

あきら キング 庵 テリー

 

フードファイターズ

十兵衛(煎餅) 鎮(酒) 覇王丸(酒) デミトリ(血)

 

三種の神器チーム

京 庵 ちづる 柴舟

 

 




他にも色々ありますが、とりあえずは以上です。

このネタあのネタそんなネタ、あればどんどん募集します。


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ライバル戦…新怒チーム

このチームは難しそうですが、やってみます!


ラルフ…軍人チーム(ガイル)

KOF94怒チームステージ

 

ラルフ「よぉ。米軍の若き中佐さん。無事に決勝まで進めたみてぇだな」

 

ガイル「お疲れ様です。ラルフ大佐。ここまでのご活躍は聞いております。既に大会中の間にシャドルーやハワードコネクションの構成員などを捕獲するとは……」

 

ラルフ「KOFで慣れてるからな。格闘ごっこの傍らでこの程度の事をこなすのはよ」

 

ガイル「感服です。私などでは足元に及ばぬ手並み。ですがここから先に行くのは私達です。ラルフ大佐」

 

ラルフ「止めときな。冷静そうでいてカッカしやすいお前らじゃ、後方支援で頭を冷やしているのが利口だぜ?」

 

ハイデルン「ほう………それはどういう意味だ?」

 

ロレント「私怨で動いている内はいくら強くても頼りにならないと言いたいのであるな!?」

 

レオナ「大佐達は勘違いしている。私は冷静さを欠いてなどいない。力も制御できている。それにそこのあなた。あなたも自分の因縁に囚われている」

 

キャミィ「自覚はある。少なくとも自分が見えている。そんな私を大佐達は上手くフォローしてくれていた。敵の本拠地には私達に任せるべきだ」

 

ナッシュ「我々よりもお前達の方が適しているのは認めよう。だが、それでも引けぬ理由はある」

 

クラーク「だったらいつも通り、実力で押し通るまでさ。俺達に負ける事で、頭を冷やせば良い」

 

ラルフ「良い機会だぜ?ガイル中佐、教官。もうあんた達は現場を後任に任せてコマンダーに徹してくれよ。今日が現場を引退するときだ」

 

ガイル「オフィス仕事や指揮所仕事が性に合わないのはおたくらと同じでね。それに年齢的にも階級的にも現場を引退するのは大佐達の方だ」

 

ラルフ「こりゃ一本取られたぜ。それじゃ、どっちが現役か、格闘ごっこで決めようぜ?現場一筋でここまできた俺の実力が、年齢だけではかれねぇってところを見せてやるからよ!」

 

 

クラーク…プロレスチーム(ザンギェフ)

KOF99…空港ステージ(BGM…WW3)

 

クラーク「これはこれは。こいつはある意味では我々の同業者であり、ドリームチームじゃないか」

 

ザンギェフ「おおっ!ラモン君から聞いている!プロレスでKOFを勝ち抜いている百戦錬磨の軍人がいるとな!君がクラーク君か!」

 

クラーク「ロシアの赤いサイクロン、ザンギェフ。どうだい?怒部隊に入る気はないかい?」

 

ザンギェフ「おお!それは魅力的な誘いだが、俺はロシアという国に全てを捧げているからな!それよりもお前ら、筋肉を付けているか?戦が細いぞ?ウォッカを飲め!ボルシチを食え!シベリアの地で熊と戦え!」

 

ラルフ「ジャングルで銃を持った兵隊相手なら、これがベストなんだよ。状況に合った筋肉ってヤツだ」

 

Rミカ「ザンギェフ様の言うことに間違いはない!取り消せ!軍人!」

 

ロレント「ふん!貴様らなど戦場では良い的よ!特に貴様ぁ!入隊には今の半分はウェイトを絞れ!でなければ到底我が国では役に立たぬ!」

 

ライデン「………俺は軍人になるつもりはねえよ。俺のレスラーとしての体型はこれでベストなんだぜ」

 

ラモン「まぁ、俺はレスラーであると同時にエージェントだからこの体型だがな。そちらのお嬢さんは理想的な軍人って感じだな。レスラーになるきはないかい?格好と言い、実力と言い、結構行けるぜ?」

 

キャミィ「断る。私はデルタレッドを捨てる気はない」

 

クラーク「まぁ、目的は一緒だ。後はどちらが先に進むかを決めれば良い。こっちはプロだ。後方支援もお手の物だからな」

 

ザンギェフ「それはいかぁん!同じプロでもこっちはリングのプロ!ここで負けるわけにはいかん!勝利のコサックを踊るのはこの俺だぁ!」

 

クラーク「良いカードだ。プロレス好きの格闘ごっこの締めとしてはまたとないな。ヘイ!カモン!」

 

 

キャミィ…女性格闘家チーム(マリー)

スーパーストリートファイター2…キャミィステージ

 

キャミィ「意外だ。こんな大会でここまで来るなんてな。思えばお前とは神羅の時以来の付き合いだったな」

 

マリー「あら?春麗、デルタレッドのお嬢さんとお知り合いだったのね?あなたの顔の広さには驚くばかりだわ」

 

キャミィ「お前の事は知っている。サウスタウンのフリーエージェント、ブルーマリー。敏腕のエージェントであり、KOFの常連選手」

 

マリー「あら、私の事まで知っているなんて驚きだわ。流石は精鋭のデルタレッドの隊員ね」

 

ラルフ「そりゃぁ出ればKOFの本戦に必ず出てくるからな。注目されねぇ方がおかしいぜ」

 

春麗「だそうよ。有名人は大変ね?マリー」

 

クラーク「そういうお嬢さんも人の事は言えないがな。どんな事件もゴメンね?の一言で片付けるICPOの春麗刑事は有名だぜ」

 

いぶき「うう……私もそのうちこんな風になって有名になっちゃうのかなぁ……普通の女の子がまた遠ざかって行っちゃう………」

 

ロレント「普通の女の子だと!たわけ!貴様ら忍者の貴重な技能を無駄にするなど愚かな事をするでない!貴様も同じだ不知火舞!その技能とKOF上位常連選手、加えてその容姿は諜報と広報で貴重なものだ!是非とも我が国家に加える!」

 

舞「お断りよ!そういう政治の世界からは一歩引くのが不知火流なの!ましてや個人的にもお断りだわ!私を自由にできるのはアンディだけなのよ!」

 

キャミィ「随分と個性的なメンバーだな?春麗、ブルーマリー」

 

マリー「いつもの事よ。山崎やビリーと組んだときに比べたら……ね。そっちこそ、ラルフ大佐やクラーク中尉はともかく、そこの国際テロリストをチームに加えるなんて……人の事は言えないわ」

 

キャミィ「これも仕事だ。この先に行くのもな」

 

マリー「こっちも仕事だから、ここで終わっちゃギャラが貰えないの。アーユーレディ?」

 

 

 

ロレント…アメリカンヒーローズ(ハガー)

ストゼロ2…ロレントステージ

 

ロレント「むっ!貴様らが決勝の相手か!メトロシティでの借りを返すのに絶好のチャンス!」

 

ハガー「確かお前はマッドギアの……捕まったと聞いていたんだがな」

 

ロレント「ふん!理想の国家を造るまでは我輩は止まりもしなければ死にもせぬ!」

 

ハガー「軍人による軍人の国家か……そんな独善的な事に付き合わされる国民は不幸だと思うがね?ラルフ大佐、クラーク中尉。この男を飼い慣らせると思うのかね?」

 

ラルフ「ま、改心なんて期待してねぇし、終わったら終わったで当局行きだ。それまではこいつは押さえてやるさ」

 

コーディー「軍なんて信用できねぇな。ここらで格闘ごっこを終わらせて、こいつをブタ箱に押し込めろよ。黒幕のギースはぶっ飛ばしてやるからよ」

 

クラーク「そうしたいところだが、こっちは任務なんでね。はいそうですかといかないのが軍人の辛いところだ」

 

テリー「いっそ、軍なんてやめてお前達も気ままなストリートファイターになるってのはどうだ?毎回決勝トーナメントに残るお前らなら、良いところまでいけるぜ?」

 

キャミィ「お前達は知らないからそんな事が言える。大佐や中尉の本当のご活躍を。お二人は我ら軍人からしてみれば憧れの存在だ」

 

ロック「だったら何故ギースやルガール、ベガのような奴がまだはびこっている?だから軍人は信用出来ないんだ……」

 

ラルフ「耳が痛いぜ……」

 

ロレント「笑止!だから我輩によって奴らのような奴を出さぬような理想の軍人国家を造るのだ!それが完全なる平和を造る国家!誰もが自分で自分の身を守れる完全なる自衛!国民一人一人が志を高く持たねばならん!時代がそれを求めているのだ!」

 

ハガー「そんなものを押し付けられる国民はたまったものではないな。少なくともメトロシティの市民にはそんな事を強要するつもりはない。君のやろうとしている完全なる平和を造る理想は、結局は最初に躓く。なぜならそれは国を造る段階で多くの血が流れる。我がメトロシティの市民もな。私は市長として、それを許すわけにはいかん。君もギースもシャドルーも……ここで止める」




はい、ここまでです。

ロレントが難産でした………。

それでは次回もよろしくお願い致します。


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ライバル戦…プロレスチーム

ザンギエフ…日本武道チーム(大門五郎)

ロシア工場(ストリートファイター2ザンギエフステージ)

 

ザンギエフ「ぬぬっ!大門五郎!いつか戦ってみたいと思っていたぞ!」

 

大門「ロシアの赤い旋風、ザンギエフ殿か。こちらもザンギエフ殿と戦いたいと思っていた」

 

ザンギエフ「格闘界で囁かれている投げ最強は俺とお前のどちらか……念願の勝負がやっとできると言うことだな。もちろん、勝つのは俺だがな」

 

ライデン「おいおい。勝手に盛り上がるなよ。なにより何を勝手にプロレス最強をお前が名乗っているんだ?」

 

本田「あんさん、プロレスというよりはどちらかと言えば相撲向きの体をしている気がするがのう。いっそ、今からでも角界に入ってはどうじゃ?」

 

香澄「プロレスなんて、体が硬い人間がやる武術とも言えない児戯に過ぎないぞ。藤堂流の敵ではない」

 

ミカ「貴様!プロレスとザンギエフ様をバカにするなぁ!」

 

ほくと「事実だろう?戦場で洗練された我らの流派とあくまでもスポーツの領域を出ないレスリング。どちらが上なのかは明白だ」

 

ラモン「言うねぇ。だが、俺も赤い旋風もエージェントととして活躍しているんだぜ?同格なら兎も角、格下扱いされれば黙ってられないな」

 

大門「うむ。これはもはや決勝戦であると同時にプロレスと日本武道の代表戦となったな。だが、それだけの価値がこの戦いにはある!行くぞ!赤き旋風!」

 

ザンギエフ「来い!大門五郎!アイアム・レッドサイクロン!」

 

 

Rミカ…改造人間チーム(クーラ)

ストリートファイターZERO3ミカステージ

 

ミカ「ぬぬっ!出たな!悪の組織、ネスツの改造人間!このレインボーミカが倒してやる!」

 

クーラ「なに?クーラは悪い子なんかじゃないもん。ね?キャンディー?」

 

ミカ「騙されないぞ!ネスツとシャドルーは同じだ!あのユーリやユーニと同じように!」

 

K´「おい………こいつはテメェのチームのメンバーだろ。何とかしろよ」

 

ラモン「そいつは悪いねぇ。同じチームだった時のよしみで許してくれよ?うふ♪」

 

ネクロ「おいおいおい。俺はネスツとは関係ないんだけどよぉ」

 

ザンギエフ「おおっ!そいつは済まんな。ミカにはきつく言っておこう」

 

ブランカ「お前、名前の割には技は普通。ライデンの名前は変えるべき」

 

ライデン「済まんな。長年使っていた名前なんでな。今更変えるつもりはないぜ」

 

クーラ「………もう、あなたたち嫌い!みんなカチカチにしてあげるんだから!」

 

ミカ「こっちもっすよ!勝負っす!」

 

 

ライデン…ムエタイチーム(アドン)

オーストラリア・エアーズロック(ターくんと北ピー(餓狼伝説2ビックベアーのテーマ))

 

アドン「おっ?お前はギースの所の飼い犬だったライデンじゃないか。お前には一言言いたかったんだよ」

 

ライデン「お前は……ホワ・ジャイの前のムエタイチャンピオン、アドンだったな?俺に何の用だ?」

 

アドン「テメェ、ギースの所ではホワ・ジャイより上だったとかでムエタイを甘く見ているようじゃねぇか。あいつ程度でムエタイが下に見られるのは我慢ならねぇ」

 

ライデン「やれやれ。そんなつもりは全くなかったんだけどな。そっちにいる同じムエタイ使いのジョー東には俺も何度か苦汁を舐めさせられている。ムエタイそのものを侮った事はねぇ」

 

ジョー「お前に誉められるなんて思わなかったぜ。どんな風の吹き回しだ?」

 

ザンギエフ「純粋にお前の強さを認めているんだろう。俺もお前とは一度、戦って見たかったぞ。現ムエタイチャンピオン、ジョー東」

 

サガット「フッ……最強の人類のラモンか……。自らを虎と称しているようだが、果たして本物の虎なのか、それとも虎のハリボテを被った猫か……」

 

ラモン「虎が三匹にジャガーが一匹、熊が一匹。おいおい、ここはビックリ動物の集まりかぁ?」

 

キング「そんな中で場違いなのがいるみたいだけどねぇ」

 

ミカ「何をぉー!プロレスは決してムエタイには屈しないっすよぉ!」

 

ライデン「やれやれ。騒がしい事だぜ。俺達格闘家は口よりも先に力が全てだってのによ。違うかい?アドン」

 

アドン「その通りだ。そしてムエタイが勝つ!」

 

ライデン「それはどうかな……。カモーン!」

 

 

ラモン…アッシュチーム(アレックス)

KOF2002UM市街地(エージェントチームステージ&テーマ)

 

ラモン「おや?あのプロレス大会にエントリーしておきながら、出場しなかった二人がこんなところにいたとはねぇ。若いプロレスのホープを勝手に引き抜かれたら困るんだが?ミスタークリムゾン」

 

アレックス「最強の人類、ラモン……若いプロレスのホープと言うのは俺とサンダーホークの事か?」

 

ラモン「ご名答。特にお前には興味がある。かの組織がお前に目をつけたということはお前には何かがあるってことだろ?」

 

アレックス「さあな。興味がない。それよりもプロレス界に名が知れたザンギエフやビック・ベア。いつか戦ってみたいと思っていた相手とこんなところで戦えるとはな」

 

ライデン「俺もだ。俺はサンダーホークに興味がある。どちらが雷の名前を持つのに相応しいプロレスラーか、決めようぜ」

 

サンダーホーク「お前は表ではビックベアだろ。熊が鷹に勝てるとでもおもっているのか?」

 

ザンギエフ「アッシュ・クリムゾン。お前も我が偉大なる指導者には目を付けている。大人しくしていてもらうぞ」

 

アッシュ「ごめんね。君には特に興味が無いんだよね。あーあ、殺意の波動とかサイコパワーとか、不思議なパワーを持つ人間が決勝に上がってくると思ってたのになぁ」

 

ミカ「なんっすか!?この男!男のクセにネイルアートとかキモいっす!」

 

シェン「あはは。キモいとか言われてるぜアッシュ。しかしこの相手は殴り甲斐がありそうだ。退屈させるんじゃねぇぞ」

 

ラモン「期待の新人二人に当局もマークしているアッシュとシェン。それにこの先には……趣味と実益、それに仕事にと色々と有益な試合になりそうだ」

 

アレックス「果たしてそう上手く行くかな?おれはこの戦いに勝ち、そしてあのハチマキの男と再び立ち会う」

 

ラモン「そういきるなよ。というのも無理か…まぁ、かるーく行きますか」



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ライバル戦…日本武道チーム

大門五郎…セレブチーム(紅丸)

ステージ…KOF94日本チームステージ

 

大門「紅丸ではないか。このような大会でも決勝に上がってくるとは流石だな」

 

紅丸「そういうゴローちゃんこそ、俺様や京がいないのにここまで上がってくるとは思わなかったぜ?」

 

大門「甘く見るでないぞ紅丸。ワシはKOF94以前に行われた全日本異種格闘技選手権で京に敗れ、3位に甘んじて以来、日本チームのナンバー3と言われ続けていた。お主こそ、同じように日本チームのナンバー2の名に不満を持っておったようだが、それ以上にワシも不満を持っておった。今度の大会はその汚名を返上するのには良い機会だ。お主とは一度、白黒付けてみたいと思っておった。順位ではなく、力比べでどちらが上なのかを」

 

紅丸「そう言えばゴローちゃんとは一度もこういう機会でやりあう事は無かったな。良いぜ、前にも思っていたが、俺様達はライバル同士だ。いつまでも仲良しこよしって訳にはいかないよな?」

 

本田「ガッハッハッハ!これは面白いのぅ!日本チームの番付を決する勝負とは、これもまた乙ってものじゃワイ!日本チームに世界一の格闘技、相撲力士抜きなのがちとふまんだがのう!」

 

ハカン「ちいと待ってくれへんか?本田さん?あんさん、まだそないな事をおっしゃってるんでっか?世界最強はワイのヤーヌ・ギヌシュやと言ったやないか」

 

香澄「ぬっ!見つけたぞ!極限流最強の虎、ロバート・カルシア!打倒極限流の第一歩、ここで果たして見せる!覚悟、よろしいな?」

 

ロバート「前にも言うたがワイはカルシアやのうて、ガルシアや。それに、ワイかて伊達に最強の虎と呼ばれてるわけや無いで?こないなところで負けるつもりはあらへんのや」

 

かりん「オーホッホッホッホッ!その通りですわ。例えそれが古き時代より歴史の闇で暗躍していた水神流がお相手でも……ですわ」

 

ほくと「下らない……。日本チーム、世界最強、打倒極限流……どれも興味はない。だが、我が流派に挑むと言うのであれば、命の保証はしません。神月かりん」

 

紅丸「良い感じに場が盛り上がって来たじゃないか。これからがメインイベントさ!行くぜ、ゴローちゃん!」

 

大門「紅丸よ!お主を倒し、そして今再び京に挑む!それがワシの答えだ!」

 

 

藤堂香澄…空手家チーム(リョウ・サカザキ)

KOF96女性格闘家チームステージ

 

香澄「むむっ!リョウ・サカザキ!久し振りだな!あの時の決着を付けるぞ!」

 

リョウ「君は藤堂香澄。あの時とはいつの事だ?君とはサウスタウン以来、何度かKOFで手合わせした。あの時と言われても見当が付かないぞ」

 

香澄「ふざけるな!お前、KOFではいつも他の極限流と組んでいるではないか!今日こそサウスタウンでの戦いの再戦を果たし、私の鉢巻を返して貰うときだ!極限流、覚悟して貰います!」

 

ユリ「あ、あの……香澄さん?私もいるんだけどなぁ」

 

ほくと「貴方は極限流とは認められていないのだろう。しかし、よくもここまで似たような技の使い手達で集まったものです。対カイリとの戦いの前哨戦と思えば、このような茶番でも少しは出場した価値があると言うもの」

 

リュウ「水神流………その力は俺達の殺意の波動と似たような物を感じる……その力に飲まれてはいけない」

 

大門「なんと!それは八神のオロチの血のようなものか。真の格闘家を目指すお主にも、八神みたいな力があるとは……。よかろう、そういうのには慣れている。おもいっきり来るがよい」

 

ケン「殺意だとか血の封印とかオロチだとか、そういうのはもういいんだよ。要はどちらが強いか……だろ?」

 

本田「その通りじゃ。全米格闘王は話が早いのう!」

 

リョウ「そう言うことだ。この戦いに御託はいらない。俺はこの戦いを制し、更なる極限を目指す!」

 

香澄「ならば私はお前を倒し、藤堂流の名を知らしめる!今度こそ本気でかかってこい!リョウ・サカザキ!」

 

 

エドモンド本田…侍チーム(ソドム)

ストリートファイター2エドモンド本田ステージの銭湯

 

ソドム「オーウ!スモウレスラー!」

 

本田「おお!あんさんは千秋楽に乱入してきた変わり者の外国人じゃないか!元気していたか?」

 

ソドム「アイム、ファーイン!ワレ シュギョウ カサネータ!アノ時ヨリモ ワレ ツヨイ!」

 

本田「相変わらず面白い御仁じゃのう!どれ、1つまた、立ち合いでもしようかい!」

 

覇王丸「この時代にも力士ってのはいるんだねぇ。血が沸くってものだぜ」

 

大門「むむ………その剣気。歴史の裏でいくつもの凶事を解決した伝説の剣豪……覇王丸。このような場所で相見える事になるとは……」

 

香澄「お、お前はジャスティス学園の忌野雹!あの時、もう少し早く東京に到着していたら、私がお前を倒していたのに!」

 

雹「春日野さくらと同様、外部からあの事件に関わろうとしていた者がいたとはな」

 

楓「君のその力……力や血に踊らされてはいけない。そうなっては大切な者が傷つく。俺と兄さんの時のように……」

 

ほくと「青龍の楓。余計なお世話というものです。私は私の意思でカイリを……兄を殺す……。ただそれだけだ」

 

本田「あんさんら、難しく考えすぎじゃい。この大一番の千秋楽、気持ちよく終わらせ、ちゃんこを食べれば小さな事なんて全部忘れるんじゃい!」

 

ソドム「オウ!ジャパニーズ、チャンコ!ユータチトファイトシテ ヨコヅナ アンド 真ノサムラーイ ゴッツァンデス スルネ!」

 

本田「いくらでも食わせちゃるわい!ハッケヨイ、のっこた!」

 

 

水神ほくと…ほたる&七瀬チーム(七瀬)

ストリートファイターEXほくとステージ(あったっけ?)

 

七瀬「お姉ちゃん!見つけた!先に出会って良かった!」

 

ほくと「………七瀬………。お前は私を邪魔しに来たのか?」

 

七瀬「お姉ちゃん、正気に戻って。兄妹で殺し会うなんて………そんなの、絶対にダメ!お姉ちゃんは水神流に良いように操られてるんだよ!」

 

ほくと「カイリを殺すのが我が使命。邪魔をするならば妹と言えども殺す」

 

ほたる「兄を殺すために兄を探しているなんて……。そんなの間違っています!絶対に!」

 

香澄「私も父を探しているが、そのような殺伐としたものではないぞ!」

 

本田「難しい事なぞ考えず、こういう時はドーンとやるのが一番じゃ!」

 

タオ「そうだよ!何も考えないで強くなる!それが武闘家ってやつじゃないの?」

 

大門「お主らは何も考えなさすぎだ。お久しぶりです、山田十兵衛殿。中々十兵衛殿のように日本柔道界を強く出来ず、合わせる顔がございません」

 

十兵衛「いやいや。大門君はよくやっておるよ。どうじゃ?久々に柔道家同士、手合わせをせんか?」

 

ほくと「お互い能天気な者達が周りに揃ったもの。が、私のやることに変わりはない」

 

七瀬「どうしてもと言うなら………ここで私がお姉ちゃんを止める!」

 

ほくと「ならば、あなたを殺してでも私は先へ行く。眠りなさい、七瀬」




はい、チームを組んでいながら意外と空気ブレイカーばかりが集まっているチームでした。
大門の苦労が伺えます。

対戦カードとしては日本チームとして長い付き合いでありながら、日本チーム以外で戦ったことのない大門。
大門が日本チームから解き放たれた時、京や紅丸との戦いを切望するのではないか……。
そう考え、セレブチームをチョイスしました。三種の武神チームの京でも良かったのですが、本田とハカンのスト4からの因縁、香澄とロバートのアンチ極限流対決等も考えればこちらが自然かと思いました。三種の武神チームだと庵もローズもガイもほくとの血の封印の事ばかりに目が行きそうですからね。

香澄の場合は「アートオブファイティング龍虎の拳外伝」の香澄エンディングからネタを持ってきました。
龍虎外伝では最後までリョウは本気を出さずに敗けを演じ、それに納得しなかった香澄はリョウに鉢巻を渡していつか再戦するという約束をしました。KOFではそれを出すことは無いままに終わっております。その他はちょっと無理矢理でしたが……

エドモンド本田……驚くほどライバルを組むのが難しかったです!なのでストリートファイターゼロ2のソドムのエンディングから持ってきました。
………が、目の行くのは他のキャラクターとの関係ばかりが目立ちました。大門と覇王丸の中の人繋がりやら学生同士の香澄と雹やら、血や宿命に踊らされるほくとと楓やら……。
いや、雛子というのもありましたが、そっちはどちらかと言えば女子高生チームに取っておきたかったのもありまして……(^_^;)

ほくと……どうあがいても七瀬以外にはありませんでした。逆を言えば七瀬もほくと以外にあり得ないわけでして。大門と十兵衛くらいしか他のライバルが無かったような………。ほたると香澄は意気投合しそうですし。

それでは次回もよろしくお願いいたします。


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ライバル戦…ヒロインチーム

意外と難産でしたが、完成しました。


ライバル戦…ヒロインチーム

 

春麗…キムチーム(キム)

 

ストリートファイター2春麗ステージ

 

キム「これはこれは春麗刑事。この度は色々とお世話になりました」 

 

春麗「そ、そのチームで決勝まで勝ち上がってきたの?相当の腕前だとは聞いていたけど、ここまでとはね」

 

キム「はっはッはッ!正義の心があれば何だって出来るんですよ。春麗刑事もいかがですか?テコンドーを通じて正義の道を極めてみるのは?」

 

春麗「え、遠慮しとくわ。何事も過ぎれば毒よ。あなたの正義はやりすぎだと思うわ」

 

ホンフー「春麗刑事!言ってやって下さいっちゃ!キムの正義はやり過ぎばい!」

 

舞「あーあ。キムに捕まったのは今回、あなただったのね?テリーにダック、ビッグベアにホワ・ジャイと際限ないわね。ここまでくると1つのカルト集団だわ」

 

スカロマニア「むむっ!正義の在り方をバカにするのか!」

 

いぶき「これは既に正義とかそういうのじゃないような気がするんだけど……」

 

レイレイ「まあまあ。難しいことは後にしてさ、とにかく決勝を終わらせちゃおうよ」

 

マリー「そうね。こっちは仕事だし、どちらが正しいかなんてのは強い方が決めること」

 

春麗「マリーの言うとおりだわ。どんな立派なご高説も、力がなければそれはただの理想論。私は進まなければならないの。正義でも悪でもない、ただ私の為に」

 

キム「力なき正義は悪……ですか。良いでしょう。私の正義に力がないかどうか、試してみていただきましょうか。テコンドーの真髄、見せましょう」

 

春麗「そもそもあなたには犯罪者隠匿の罪もあったわね。観念しなさい!」

 

 

不知火舞…貴族チーム(バルログ)

 

富士急流下り(餓狼伝説2舞ステージ)…炎龍陣(餓狼2舞のテーマ)

 

バルログ「くっくっくっくっ……やっとお会いすることができましたよ?日本の忍者の最高峰。不知火舞」

 

舞「あら。光栄だわ?シャドルー四天王と言われているスペイン貴族のバルログさんが私をご存知だったなんて」

 

バルログ「美の虜である私があなたを知らないなんて、そんな罪な事があるわけがありませんよ。その玉のような肢体を切り刻む日を何度夢見たことか……」

 

舞「噂に違わない変質者ぶりね。残念だけど、私はアンディ以外の人に体をどうこうされるつもりはないの。お引き取りねがえるかしら?」

 

デミトリ「くっくっくっく……そうはいかない。これほどの美しい御嬢様方を相手に手を出さぬ方が失礼であると言うものだ……」

 

春麗「デミトリ。久し振りに会ったかと思えば、バルログ並に変態ぶりね?」

 

いぶき「こ、この人は裏世界のドンのシュトロハイム家当主、ヴォルフガング殿!この人の首を取れば卒業出来るかも!」

 

クラウザー「ふん。この私も舐められたものだな。中々取れぬ首だからこその私だとわからないのかね?」

 

マリー「シュトロハイム家当主、魔界の貴族、シャドルーの四天王の中に混じってあなたがいるなんてね」

 

エリザベート「これも貴族のしがらみだ。自由なお前たちが羨ましい」

 

舞「闇に生きる忍もめんどくさいけど、貴族もめんどくさいものね?あなたみたいに歪むのもわかる気がするわ」

 

バルログ「闇に咲く花を切り刻むのもまた、美……」

 

舞「訂正するわ。やっぱりただの変態よ。歪んだ貴族を誅するのも忍の役目よね?不知火舞!参ります!」

 

バルログ「ヨーレイヒー!」

 

 

いぶき…三種の武神チーム(ガイ)

 

ストリートファイター3いぶきステージ

 

いぶき「むむ!武神流のガイ先生!こんなところでお会いするとは!」

 

ガイ「いぶき殿ではござらぬか。それに不知火舞殿にマリー殿、春麗殿まで……この度はいかようでこの様な危険な大会へ?」

 

いぶき「それが……その………学校の期末課題でKOSFで優勝せよという任務を受けまして……」

 

ガイ「むむ?そう言えば貴殿の学校から期末の課題についての協力要請が出ていたでござる。まさかそのような課題が出ておったとは………」

 

いぶき「はい。出来ればガイ先生にもご協力して頂きたく……」

 

京「残念だが、それは出来ねぇ相談だぜ?無理難題だったら留年しちまえば良いんだよ。案外、留年も悪くねぇぜ?」

 

舞「いぶきちゃんは真面目な生徒なの。あんたみたいに成人を迎えてもなお、何年も高校生でいられる神経が理解できないわ。いい加減に卒業したら?草薙流の名折れよ」

 

庵「ふん。言われているぞ、京。貴様と一緒にいると俺まで馬鹿と思われて迷惑だ。そのまま俺に殺されろ」

 

マリー「相変わらず、あなた達は仲が悪いわね。チームを組んだときぐらい、仲良く出来ないの?仲間割れをしてくれた方がこっちとしては都合が良いけど」

 

ローズ「八神。草薙。遊び感覚は止めなさい。オロチやネスツ、それにルガールの事はあなた達も無関係ではないはずよ」

 

春麗「よく言うわねローズ。あなたの目的もベガでしょう?」

 

ガイ「そう言うことでござる。草薙殿の言われる通り、己の力量に合わぬ任務から退き、機会を伺うことも忍びとして生きる道でござる。学校の方には拙者から口添えをしておくが故、ここは退かれる方が身のためでござろう」

 

いぶき「絶対に嫌です!ガイ殿のお口添えがあったとしても留年しないとは限らないじゃないですか!草薙京さんのように留年癖が付いたらどうするんです?!私だって普通の大学に行って普通の恋をしてみせるんですから!」

 

ガイ「やれやれ。マキ殿と言い、舞殿と言い、近頃のくノ一は勝ち気な者が多いでござるな。仕方がないでござる。言ってもわからぬようならば、実力で押しとおるまででござる。こんな形で不知火流と決着を付けることとなるとは………いざ、参る!」

 

いぶき「いざ尋常に!」

 

 

マリー…アウトローチーム3(クリムゾン・ヴァイパー)

 

ステージ…餓狼伝説3ブルーマリーステージ(テーマ、ブルーマリーブルース)

 

マリー「ここまで来てやっと貴方達の尻尾を掴んだわ。ハーイ、S.I.Nのエージェント、クリムゾン・ヴァイパー。初めまして」

 

ヴァイパー「自己紹介の必要はなさそうね。あなたに知られているなんて光栄だわ。ブルー・マリー。いえ、マリー・ライアンと言った方が良いかしら?」

 

マリー「驚いたわ。私の本名まで知っているなんて、あなた中々優秀よ?ヴァネッサを思い出すわね?子持ちで赤髪で……フリーのエージェントになるつもりはない?貴方なら私のパートナーにうってつけだわ。今日でシャドルーもS.I.Nもハワードコネクションも無くなるから、次の就職先を探す必要があるでしょ?セス達にも口添えしてあげるし、悪くない条件じゃない?」

 

ヴァイパー「ヴァネッサ?ああ、エージェントの癖にボクシングで戦う年増でしょ?冗談じゃないわね。それに、本気で勧誘なんかしていないくせに心にも無いことを言わないで。お仲間に『セス』という名前の男がいるのも悪い冗談だわ。あの男はアデスのデュークとも因縁があったわね。リアン・ネヴィルのような戦い方をする私が無事に済むとは思えないわね」

 

マリー「あら、アデスやリアンの事まで知ってるって本当に優秀なのね?ますますまっとうなエージェントとして鍛え直したくなっちゃうわ」

 

祟雷「フン、相変わらず生意気な女だ……。それにそこの女。嫌な目を向けてくる。気に入らないな」

 

祟宗「我々秦の末裔なら、大人しく従うのが道理ではありませんか?」

 

春麗「秦の始皇帝の末裔、秦兄弟!いえ、その兄弟に取り憑いた先祖の霊、秦空龍と秦海龍。ここであなた達を取り押さえてその魂を祓ってあげるわ。知り合いにそう言うのが得意なのはいっぱいいるのよ?」

 

いぶき「神楽ちづるさんとか、ダルシムさんとか、一条あかりさんとか、ダークハンターの人とか、そう言うのが得意な人がいっぱいいるよね?それに、秦の秘伝書を持ち帰ったら、主席卒業させてくれるかも?」

 

アベル「うう………俺の記憶を取り戻す為にも……ここで敗れたら………」

 

舞「相変わらずルガールやギースのやり口は胸くそ悪いわね。安心しなさい。人格者の柔道家ならば、紹介してあげるから。ちょぉぉぉぉっと女の人にはだらしないけどね。秦の秘伝書を奪うのに協力してくれたらならば、オリンピック金メダリストも紹介してあげる」

 

ヴァイパー「結局は秦の秘伝書が目的なのね?ダメよ、あれは色々と有用なの。組織にとっても、そして私に取ってもね」

 

マリー「秦兄弟を拐った目的はやっぱり秦の秘伝書関連だったのね。あれをベガやルガール、ギースの手に渡すわけにはいかないから。覚悟は良い?アーユーレディ?」 




はい。大変お待たせしました。
ヒロインチームの完成です。

では各チームの説明を。

春麗……春麗のSNKのライバルと言えば舞ですが、舞が同一チームのため、代わりになる人物と言えばキムでした。
他にもアテナやナコルルとかでも良かったのですが、歳の事を言い合って泥沼にするのも………。という事で、職務上での正義と過剰なる正義のぶつかり合いにしてみました。顔が広すぎますね、春麗。
チャンやチョイを監禁していることでキムは春麗に目を付けられていそうですし、ホンフーは春麗に助けを求めそうですが。

舞……忍者対決&美の対決という事でバルログにしてみました。春麗はデミトリと(敵としても味方としてもモリガン共々)何度も顔を合わせていますし、クラウザーは世界レベルの賞金首であるため、いぶきのターゲットにもなるでしょう。マリーとエリザベートはアッシュ編で面識がありますし。

いぶき…正直悩みました。オロ関連で攻めるか忍者関連で攻めるか……。京の留年ネタを持ってくる為に忍者方面で攻めてみましたが。
ポケットファイターでも少し絡みがありましたので、それも考慮の一部ですね。

マリー…ヴァネッサネタや(両方の)セス、それにリアンネタでクリムゾン・ヴァイパーにしました。誰をライバルにするかが本当に悩みました。選択肢が多い割にはカプコン絡みのアウトローが中々決まらなかったのです。
舞がいることによりアベルや秦兄弟との絡みを何とか無理やり持ってくることが出来ました。

それでは次回もよろしくお願いいたします。


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ライバル戦…女子高生チーム

麻宮アテナ…魔界1チーム(ジェダ)

中国古寺院(KOF94サイコソルジャーチーム)

 

ジェダ「ああ……なんと清き魂……アースランド家やアンブロジャが好みそうな魂よ。しかしながら、人間界とはかくも罪深き事か……。かのヴィクトリア王国のアテナ姫の末裔も、人間の罪の中ではかくも穢れてしまうのか………」

 

アテナ「な、なに?この人達は人間じゃない……。それにオロチ八傑集!この人達は三種の神器が倒した筈なのに!」

 

ジェダ「お前達人間の常識で物を語らないでもらおうか。魂の救済の前に、このような事は造作でもない」

 

アテナ「そんな……ルガールやベガは、こんな人達も呼び寄せてしまうなんて………」

 

キュービィ「オイシソウ……コレ、タベテモイイ?」

 

さくら「この女王蜂みたいなの……見たことがある!あの魔界村での戦いの時に乱入してきた子達だよ!リュウさん達が倒したはずなのに!」

 

ゲーニッツ「救いがたいものです。目の前の現実を受け入れられないとは……。人間は自然を破壊し、文明を手に入れた事により退化してしまったようですね。ああ、やはり人間は滅ぼすべき存在のようです」

 

あきら「英雄先生が言っていた「魔界」とかいうやつらみたいね。聞いていた通り、気持ち悪い奴等だよ」

 

雛子「あのぅ………皆さんがおっしゃられる事のほとんどがわからないのですけど………そんなにつんけんしていないで、お相撲を取ればよろしいのでは無いですか?特に白い頭のあなた、非常にお相撲向きですよ?」

 

社「良いぜ………いくらでも投げてやるよ。そのまま死んじまっても知らねぇけどなぁ!」

 

アテナ「もしかして、来るべき災厄と言うのは魔界や常世の侵略?私達の力はこういう時の為に………」

 

ジェダ「さぁ、時が満ちたようだ。今こそ魂の救済を始めるとしよう」

 

アテナ「私のサイコパワーは、あなた達のような人からみんなを守るためにあるの!私達は決して負けないわ!麻宮アテナ、いっきまーす!」

 

 

四条雛子…日本武術チーム(エドモンド本田)

遊園地ステージ(KOF2002UM美少女格闘家チームステージ)

 

雛子「あ、あ、あなたは!」

 

本田「ほう、いつかは会ってみたいと思っていたぞ。おなごでありながら相撲を格闘スタイルにする女子高生がKOFで戦っておるなんて、世界は広いのぅとな!」

 

雛子「はい!大ファンです!エドモンド本田さん!ストリートファイターとしての活躍もお聞きしておりましたわ!いつか一緒に取り組みが出来る日が来ると夢見ていました!」

 

本田「おおっ!ワシもそう考えていたんじゃ!角界も伝統や格式ばかりを気にせんで、おなごを参加させるべきじゃのう!あんさん見とったら、益々そう思うて来たわ!その為にももっと相撲の素晴らしさを世に広める為に、ストリートファイトの世界巡業は必要じゃのう!」

 

あきら「まぁ、岩の奴も相撲をスタイルにしてるし、良いんじゃない?大門五郎もそうして日本チームの顔になっているわけだし」

 

大門「うむ!やや賛成だ!」

 

さくら「やっぱりストリートファイトって気持ちいいよね?ほくとさん?」

 

ほくと「どちらでも良い」

 

香澄「むむむ……私だって女子高生なのに何故このチームに呼ばれない!それに麻宮アテナ!お前はいつまで女子高生なんだ!草薙京よりも女子高生歴が長いんじゃないのか?」

 

アテナ「そ、そんなことありません!だって私、永遠の女子高生なんですから!もぅ、怒りますよ!?ねぇ?さくらさん?」

 

さくら「あれ?そう言えばあたし、時々大学生だったり体育教師だったりすることがあるような………」

 

雛子「そうですね。長い人は40年、短い人でも20年は高校生をしていると思いますよ?」

 

アテナ「ストーップ!KOFの世界は20年以上時間が止まってるから良いんだよ?雛子ちゃん!」

 

本田「う、うむ………これ以上は触れてはならん会話になりそうだから、とっとと始めるぞ?四条のお嬢さん」

 

雛子「はい♪憧れのエドモンド本田さんとの大一番、胸をお借りしますね?よー!ドスコーイ!」

 

 

春日野さくら…弟子チーム(矢吹真吾)

東京杉並区公園(ストリートファイターゼロ3 さくらステージ(BGMはストゼロ2))

 

さくら「えっと……草薙京さんの弟子の矢吹真吾さん…ですよね?KOFでの活躍はいつも見ていますよ?」

 

真吾「こ、光栄ッス!俺も春日野さんの事は草薙さんから聞いているッスよ?年下で草薙さんと戦える人は中々いないって喜んで語ってました!」

 

さくら「そうなんですか?草薙さんはとても強かったです!私の心の師匠のリュウさんの動きを真似しただけなんですけどね?そう言えば真吾さんも草薙さんと動きが似てますよね?そういう点では私と真吾さんは似てると思いませんか?」

 

真吾「俺もそう思っていたところッス!まるで鏡の中の自分を見ているようッスよ!草薙さんと俺、リュウさんと春日野さんの師弟コンビチームとか組みたかったッスね!」

 

ダン「待て待て待てオラァ!さくらの師匠は俺だコラァ!なんなら真吾とショーン!オメェもサイキョー流の門下生として迎えてやっても良いんだぜ!?」

 

あきら「止めておきなよ。さくらが辟易しているのがわからないの?あんたはむしろ極限流あたりの弟子になるべきじゃないか?」

 

ダン「んだとコラァ!ショーンからも言ってやれ!」

 

ショーン「えっと………俺はむしろサイコソルジャーチームのアテナさんに興味があると言いますか……」

 

アテナ「私に……ですか?」

 

ショーン「はい。カポエラ使いの桃子ちゃんはサイコソルジャーチームのメンバーでしたよね?俺、カポエラ使いの家に産まれたんで、彼女のチームメイトのアテナさんにすごく興味があるんですよ!歌手としても有名ですし!」

 

アテナ「そうなんですか?じゃあファンの為にも失望させないように頑張らないといけませんね!」

 

アリス「じゃあ私は雛子さんですね!キングさん、舞さん、香澄さん、香排さんと一緒に女性格闘家チームを組んでいた雛子さんは私の先輩です!是非とも胸をお借りしたいでーす!」

 

雛子「あらまぁ。私が女性格闘家チームの先輩だなんて光栄ですぅ。頑張りませんといけませんねぇ」

 

真吾「良い感じで盛り上がってますね!そう言えば俺にはライバルがまだいなかったッス!春日野さん、俺のライバルになってくれないですか?一流の格闘家にはライバルが必要ですし!本当は八神さんの弟子が良いッスけど、あの人は弟子とか取りそうにないですし……」

 

さくら「ライバルかぁ……うん!真吾さんなら神月さんのように良いライバルになれそうだよ!じゃあ早速、ライバル同士で優勝を決めよっか!」

 

真吾「わかりました!クールに行こうぜ……真吾」

 

さくら「行くよ真吾さん!負けないからね!真の格闘家を、私も目指してるんだから!」

 

 

風間あきら…ヤンキーズチーム(風間醍醐)

 

あきら「兄さん……やっと見つけた……」

 

醍醐「あきらか……今更合わせる顔が無かったのだがな……」

 

あきら「兄さん……何で何も言わず、姿を消してしまったの?外道高校のみんなは兄さんの帰りを待っているのよ?」

 

醍醐「外道高校にはエッジや岩がいる。それにお前はもはや俺よりも立派だ。外道高校にとっても、お前にもとっても俺はもう不要だろう」

 

雛子「ダメですよ?ご学友や家族という物は、とても大切なものなんです。そうですよね?あきらさん」

 

バツ「良いことを言うぜ?四条雛子。俺も親父や学校の友達との間には色々とあったけど、大切な人であることには変わりがないからな。一度は向き合った方が良いぜ?」

 

アテナ「そうですよ。ほら、学校も卒業しなくちゃいけませんし。私の知り合いの草薙京さんのように何年も卒業しないというのはダメですよ?」

 

溝口「せやな!ワシももう十年以上卒業してへんわ!流石は40年以上も高校生をやってる麻宮アテナや!言葉の重みが違うで!」

 

アテナ「何を言ってるんですか!私は一度も留年なんてしてません!私は永遠の女子高生なんです!」

 

キサラ「あれ?そう言えば私も何年女子高生をやってるんだろ?まぁいっか。働くとかダルいし。あたしは条さえいれば文句ないからね」

 

さくら「ジョーさんってムエタイ使いのバツさんやデミトリさんや天童剴さんに声が似た人ですか?意外!」

 

キサラ「ジョー東の事じゃないから!流石はリュウやケンとかいう半蔵や風魔に似た変な奴に憧れてる枯れた女だよね?あんた」

 

さくら「むっ!リュウさんは変な人じゃありません!」

 

キサラ「どっちでも良いよ。ほら、家族の事とか、留年がどうとかはもう後にしてさ。どっちのチームが世界最強の高校生か決めようじゃん?元々そういう大会だし」

 

醍醐「そうだな。偶然にもここには高校生しかいない。一人、高校生と言うには無理がある奴がいるが、世界の最強の高校生を決めるのも悪くはないだろう」

 

あきら「ふふふ。世界の番長を決める戦いね?だったらここで兄さん達に勝って、世界一のスケバンとして兄さんに命令するわ。家や学校に帰ってきてって……だから、しっかりしなくちゃ………行くよ!」




はい、今回はここまでです。

それでは説明を。

アテナ
長いこと語られている割には来るべき災厄の事に触れられていないアテナや拳崇のサイコパワー。
なので明らかな災厄である魔界の住人やオロチ復活の原因となっているジェダをライバルに持ってきました。姫のアテナでも良かったのですが、丁度さくら(とかりん)がNAMCOXCAPCOMでキュービィと戦っている事や、同時にジャスティス学園の英雄&響子、バツも同シリーズで魔界に関わっていたことからあきらも魔界の存在を知っているという事にしています。更に突っ込めば恭介もモリガンやらデミトリと関わっていますし。
雛子は(乾いた大地の)社と投げキャラ同士の共通点から無理矢理ですね(^_^;)

雛子
日本武術チームでも触れましたが、相撲対決という事でエドモンド本田との対戦となります。関係的にはストゼロ3におけるザンギエフとレインボー・ミカのような関係となるでしょうか?
もし香澄と雛子を入れ換えていたならば、レインボー・ミカがライバルとなっていたかも知れません。エドモンド本田対ザンギエフ(師匠対決)、雛子とレインボー・ミカ、大門五郎とライデン(SNK投げキャラ対決)、ほくととラモン(暗殺者対エージェント)。あれ?そっちの方がむしろ自然のような?
代わりに女子高生チームに香澄だったとしたならば香澄対リョウ(アンチ極限流)、アテナ対リュウ(アンチサイコパワー)、さくら対ユリ(フラワー対決)、あきら対ケン(無理矢理ひなたつながり?)。
うん、チーム編成を間違えましたかね?(今更)
途中のメタなやり取りについてはKOFMI2における京とアテナのやり取りのオマージュです。

さくら
リュウと京がカプエスの主人公同士ならば、その弟子とも言えるのはさくらと真吾という事で、この組み合わせになりました。雛子とアリスは舞を通じて女性格闘家チームの先輩と後輩の間柄。一方でダンはさくらからあきらの事は聞いているでしょうし、ショーンはアテナ(と桃子)の事は知っているでしょうから一方的にライバル視されていそうです。さくらとダンが中心になっていそうなチームですね。

あきら
ある意味では風間兄弟を間に挟んだ高校生チーム対決とも言えます。同時に雛子戦でもあったメタなネタをぶちこむ内容となりましたが。
あきらは風間兄弟と、アテナは溝口とのメタネタを、雛子はバツとの岩を通じたネタを、さくらはキサラとの熱血対ギャル対決を……といったかんじでしょうか?

それでは次回もよろしくお願いいたします。


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チーム毎の勝利後メッセージ…空手家チーム

息抜きで書いてみました。


対空手家チーム

 

リュウ「技を模倣することと猿真似をすることは違う!もっと自分の力で技を磨かなければ、真の格闘家とは言えないぞ!」

 

ケン「格好は真似できても、強さまでは真似る事が出来なかったみたいだな」

 

リョウ「またお前達か!本当に龍の逆鱗に触れなければわからないみたいだな!」

 

ユリ「リュウさん達の技も、極限流の技も、簡単には真似できないよ?やっぱりちゃんと極限流に入門しなきゃ!」

 

 

対三種の武神チーム

 

リュウ「流石はKOFの決勝トーナメントの常連、草薙流と八神流だ。お陰で真の格闘家にまた一歩、近付く事ができた。またやろう!」

 

ケン「お前ら、個人個人は強かったけど、チームワークが全然なってないぜ?よく今までKOFで勝ち抜けたものだぜ?」

 

リョウ「何だかんだで何度も同じチームを組んでるよな?実はお前ら、仲が良いだろ」

 

ユリ「神楽さんや如月さんみたいな人達と組んでるよね?二人とも変な人達と良くチームを組んでるっち!」

 

 

対アメリカンヒーローズ

 

リュウ「サウスタウンヒーローにメトロシティヒーロー。ギースやマッドギアを倒した実力は伊達じゃない!」

 

ケン「この全米格闘王、ケン・マスターズを差し置いてアメリカンヒーローズを名乗るんじゃねえぜ」

 

リョウ「メトロシティにも極限流道場の支部を作るべきだ!街の治安はこれで安泰になるぞ!」

 

ユリ「悪くは無いけど極限流空手がある限り、アメリカ最強は揺るがないですよ?」

 

 

対軍人チーム

 

リュウ「アメリカ空軍と怒部隊の強さ、身をもって理解した。やはり軍人の強さは侮れないな」

 

ケン「ガイル義兄さんよ、妙にしゃがむ奴等で集まったもんだな。迂闊に飛び込めなくて骨が折れたぜ」

 

リョウ「リュウに死ぬほど食わされて納豆が嫌いになっただって?だったららっきょうならどうだ?」

 

ユリ「うわっ!今回は本当に肩が凝るメンバーですね?いつもの二人は一緒じゃないんですか?」

 

 

対新・怒チーム

 

リュウ「たった二人で数々の戦いを潜り抜けた歴戦の戦士の強さには感服した!だが、格闘は決してごっこ遊びじゃない!」

 

ケン「まるでランボーの世界に迷い込んだかと思ったぜ。軍人は戦場で戦ってろよ」

 

リョウ「前々から思ってたんだが、軍人も極限流を取り入れるべきだ。世界最強の軍隊になるぞ?」

 

ユリ「キャミィさんにロレントさん?あれ?二人とも怒部隊の人達だったっけ?ハイデルンさん厳しいから、大変でしょ?」

 

 

対ヒロインチーム

 

リュウ「美しいだけじゃなく、強いとは……。女性も強くなった時代だと実感できる」

 

ケン「俺にとって、一番美人で強い女はイライザ以外にいないってことだな」

 

リョウ「中々いいチームだ。だが、キングやユリが一緒じゃ無かったのが仇になったな」

 

ユリ「新しい女性格闘家チームが出来てたんだね?舞さんもあたしを誘ってくれれば良いのに……」

 

 

対女子高生チーム

 

リュウ「さくらだけじゃなく、最近の女子高生はすごい子が多いんだな。俺も若い娘に追い付かれないよう、精進しなくては……」

 

ケン「やれやれ。気まぐれで出したマスターズ流格闘術の本のお陰で、最近はやたらに女子高生の人気が高くて仕方がないぜ」

 

リョウ「やれやれ。何人もユリを相手にしている気分になったぜ。最近の女子高生はパワフルだな」

 

ユリ「ねぇねぇ今度はあたしもそのチームに入れてよ。え?年齢オーバー?何よケチ!」

 

 

対ムエタイチーム

 

リュウ「サガットだけではなく、ジョー東にキング。やはりムエタイは侮れないな」

 

ケン「竜巻を飛ばしたり足から気弾を撃ったり、ムエタイというのは色々と技のバリエーションが多いんだな」

 

リョウ「流石はキングと同じ流派のムエタイだ。だが、虎退治は得意なんでな。残念だったな、帝王サガットにジョー東。最強の虎はやはりロバートだ!」

 

ユリ「で、結局ムエタイのチャンピオンはアドンさん?サガットさん?ジョーさん?こうして比べてみるとキングさんが一番だとおもうんだけど?」

 

 

対日本武術チーム

 

リュウ「知っていたつもりだったがここまで苦戦するとは。やはり日本武術というものは侮れないな」

 

ケン「なんか日本古武術って殺意だのオロチだのってのが多いよな?まったくいい加減にしろってんだ」

 

リョウ「伊達にギースや草薙京とかの古武術相手を何度もしてないんでな。対策は既に出来ている!」

 

ユリ「ほくとさんもリラックスリラックス。そんなんじゃ八神庵さんみたいになっちゃうよ?」

 

 

対プロレスチーム

 

リュウ「こんなところで伝説のヒールレスラー、ライデンや最強の人類、ラモンと出会えるとはな。この大会に出た甲斐があった」

 

ケン「自慢の投げ技で持ち上げる前に、先に俺の昇龍拳で天に昇っちまったようだな」

 

リョウ「ロシアの赤きサイクロンに伝説のヒールレスラー、ライデン……どういうチームなんだ?」

 

ユリ「自慢の投げも、ユリちゃんの身のこなしを捕まえることは出来なかったみたいッチね?」

 

 

対サムライチーム

 

リュウ「一瞬の隙が命取りになる鋭い剣閃……とても緊張感に溢れる良い試合だった!」

 

ケン「おいおい、この大会の規定はどうなってるんだ?みんな刀を振り回してるじゃねえかよ」

 

リョウ「武器を持った奴が相手なら、覇王翔吼拳を使わざるを得ない!」

 

ユリ「大会の運営係さーん!刀は流石に反則だと思いまーす!」

 

 

対異世界姉妹チーム

 

リュウ「久しぶりだな、モリガンとリリス。ナコルルの姉妹と組むとは今回は珍しいチームで来たものだが……二人には刺激が強すぎないか?」

 

ケン「魔族に昔のサムライ……ちょっと節操無さすぎるのにも程があるんじゃないのか?モリガン」

 

リョウ「お前ら、普通に魔界や過去から何度も来ているけど、どうやって来てるんだ?」

 

ユリ「へぇ、こういう女性格闘家チームもあるんだ!今度は一緒にチームを組もうね!」

 

 

対弟子チーム

 

リュウ「(ダンから目をそらしつつ)君達はまだ若い。この敗北をバネに、もっと強くなるんだ!俺はいつでも待っている!」

 

ケン「おいおいショーン。こういう大会に出たいなら、まずは全米選手権の1回戦を突破してからにしろよ。あと、そのチームはねえだろ?」

 

リョウ「おい!極限流の技を使うなら、せめて門下生になってからにしろよ!真吾やアリスに極限流を誤解されるだろ!」

 

ユリ「真吾くん、実力は付いてきてるんだから、後はもう少しましな仲間を選んだ方が良いよ?なんだったらいい人を紹介しようか?」

 

 

対新親父チーム

 

リュウ「流石は師匠がチームを組むだけの玄人揃いのチームです。洗練された技の数々、とても勉強になりました」

 

ケン「師匠にバツの親父にマスターサカザキに草薙柴舟……マスターファイターの見本市かよ……」

 

リョウ「おい親父。また草薙柴舟殿と組んで好き勝手やってるのかよ。少しは道場の方を何とかしろよな!」

 

ユリ「お父さん!達人ばかり集めてチームを組んで何してるの!?留守の間に何度も道場破りが来て大変だったんだから!」

 

 

対老師チーム

 

リュウ「仙人オロ、鎮老師、タン老師。助言をありがとう。だが俺は俺のやり方で殺意の波動を克服していくよ」

 

ケン「このチームだけでこの大会の参加者平均年齢をどれだけ引き上げてるんだ?おまけに棺桶に足を突っ込んでいるとは思えないほど強いってなんだよ」

 

リョウ「おぉす!世界に名を馳せる爺さん達に勝ったぜ!これで更なる極限に達することが出来た!」

 

ユリ「いやー!タコはイヤー!タンさんとオロさんには失礼だけど、タコだけはダメなの!」

 

 

対アンチダークストーカーチーム

 

リュウ「如月影二!武神流と双璧をなす流派でありながら、私怨にとらわれるとは!ガイが泣いているぞ!」

 

ケン「タバサに陰陽師に忍者に赤ずきん……どういうチーム編成だよ。節操が無さすぎるにも程があるだろ」

 

リョウ「いつでも来い!如月影二!例え魔法使いや妖怪変化を連れてこようとも、お前に負ける極限流じゃあない!」

 

ユリ「えっと……如月影二さんはいつもの事として、その陰陽師の人や赤ずきんの人、どこかで会ったことがある気がするんだけど、気のせいだよね?」

※影二以外は全員SNKVSCAPCOM系のゲームに登場しています

 

 

対セレブチーム

 

リュウ「ロバート・ガルシア……リョウにとってのケンのような存在。その強さは流石だな!」

 

ケン「セレブっつったら、マスターズ財団も負けちゃいねぇぜ?チーム選択を間違えたな、かりんお嬢ちゃん」

 

リョウ「まだまだだなロバートに紅丸!そんなんじゃその内KOFでも若い奴等に追い抜かれるぞ!」

 

ユリ「ロバートさん?ちょっと見ない内に腑抜けちゃってない?またお父さんに鍛え直してもらったら?紅丸さんもそんなんじゃちづるさんに愛想尽かされるよ?」

 

 

対ジャスティスブラザーズ

 

リュウ「その程度で天狗鼻になるには早すぎる!井の中の蛙では、守りたいものを守ることなんて出来ない!」

 

ケン「立派なのはその生意気な態度だけか?先輩からの餞別だ。キツイお灸を据えてやったぜ」

 

リョウ「キム兄弟。マルコには通用したかも知れないが、この俺にはまだまだ通用しない!もう一度キムに鍛えて貰うんだな!」

 

ユリ「そんなんじゃ、通用するのはマルコさんくらいまでッチ!立派なのは口先だけッチね?」

 

 

対アウトローチーム1

 

リュウ「お前達の拳は濁っている!本当の強さを手に入れたければ、まずはその性根から叩き直して来い!」

 

ケン「おいおいバーディー。お前、改心して神月のお嬢さんのところで世話になってるんじゃ無かったのか?なんだってまたシャドルーに関わってるんだよ」

 

リョウ「ギースの忠犬にオロチの狂犬、シャドルーの狂牛とモヒカン豚!躾の悪い動物には俺の正拳で退治してやる!一撃ひっさぁぁぁぁつ!」

 

ユリ「サウスタウンには私達極限流がいるッチ!悪いことばかりしている人達には虎煌拳……じゃなくて覇王翔吼拳!」

 

 

対アウトローチーム2

 

リュウ「セス!お前の昇龍拳は偽物だ!借り物の力では真の強さに到達出来ない!」

 

ケン「S.I.Nもそこのデコボココンビもいい加減に諦めてまっとうに生きろよ。悪いことは言わないからさ」

 

リュウ「同じテコンドーでもキムのテコンドーとは雲泥の差だな!チャンもチョイも、変なテコンドーに染まっているとキムの更正から逃げられないぜ?」

 

ユリ「あーあ………また更生終了から遠ざかっちゃったね?ギースやベガの所に身を寄せたんじゃ、二人とも一生刑務所かキムさんの所だよ?」

 

 

対アウトローチーム3

 

リュウ「秦兄弟!心を強く持て!秘伝書の力や先祖の力に負けるな!」

 

ケン「秦の秘伝書?S.I.Nはそんな物にまで手を出したのかよ。悪いがその秘伝書は破かせて貰うぜ」

 

リョウ「そうか……お前は草薙京のクローンのように…安心しろ、秦兄弟共々お前の面倒は極限流が見てやる。ちょっと空腹に耐える必要があるけどな……」

 

ユリ「お腹のボールがグルグル回ってるハゲが迫ってくるー!イヤー!」

 

 

対アウトローチーム4

 

リュウ「サガットの後釜と言うが……お前はサガットの足下にも及ばない!サガットは決して格闘家を貶める真似はしない!」

 

ケン「おいおいおい。気を付けないと、その内リュウや俺のクローンまで作り出すんじゃないのか?」

 

リョウ「本物の強さには遠く及ばない!京と何度も拳を交えた俺にはわかる!」

 

ユリ「その内、Mr.Bigのクローンとか出てきたと想像したら……いやー!ネスツのクローン技術こわーい!」

 

 

対アウトローチーム5

 

リュウ「故郷に帰れ。お前達にも待っている人がいるだろう?」

 

ケン「暗殺者オズワルド?元の爺さんのような奴が他にもいるなんてな。牙刀、お前の行く先はこの爺さんだぜ?戻れなくなる前に引き返しておけよ」

 

リョウ「ユリみたいな歳の子達が洗脳されている姿は見ていて気分の良いものじゃないな。よし、これからは極限流が面倒を見てやるよ」

 

ユリ「拐われて、洗脳されて、無理矢理戦わされるなんて……許せないッチ!」

 

 

対キムチーム

 

リュウ「その正義を愛する心、しっかりと拳を通じて伝わった。厳しい道だとは思うが、応援しているよ」

 

ケン「正義も良いけどな?もうちょっとやり方ってものがあるんじゃないのか?」

 

リョウ「暗記でもキョンシーでも仮装でもなんでも来い!俺の拳で全部跳ね返してやる!」

 

ユリ「あれ?スカロマニアさんって女の子じゃなかったっけ?違う?おかしいなぁ……でもあの時は京さんもテリーさんも女の子になってたし……あれぇ?」

 

 

対貴族チーム

 

リュウ「強さを決めるのは血筋ではない!信念ある拳こそが真の強さだ!」

 

ケン「まさかデミトリとバルログがねぇ……貴族も色々と大変なんだな」

 

リョウ「貧乏も色々と大変だが、貴族は貴族で大変なんだな。俺にはわからない苦労だぜ」

 

ユリ「いやー!オールバックの吸血鬼が血を吸おうと迫ってくるー!エリザベートさん、何でこんな人とチームを組んでるの!?」

 

 

対アッシュチーム

 

リュウ「拳から伝わるお前の想い。アッシュ・クリムゾン。お前には俺と同じように、逃げられない重い宿命があるんだな」

 

ケン「その緑色の炎、俺の真っ赤な昇龍が吹き飛ばしてやったぜ!」

 

リョウ「サンダーホーク、アレックス!サウスタウンでストリートファイトをやるにはまだまだ修行が足りないな。もっと腕を磨いて出直してこい!」

 

ユリ「アレックスさん。リュウさんに勝ちたいなら極限流が一番だよ?さぁ、この入門届けにサインして、極限流の門を叩くッチ!」

 

 

対エンターテイナーチーム

 

リュウ「お前達を誤解していた。一流の技は武芸にも通ずるんだと、拳から伝わってきた。勉強になったよ」

 

ケン「強さはともかく、ダンスは良かったぜ?良ければ俺がプロデュースしてやろうか?」

 

リョウ「見せかけだけの技だと思っていたが、面白い戦いだったぜ。どうだ?もういっちょやらないか?」

 

ユリ「強いし、すごい楽しいダンスだったね?思わず私も踊っちゃったッチ!」

 

 

対聖職者チーム

 

リュウ「何回見ても不思議な技の数々だった。お前達とはまた、戦いたいな」

 

ケン「ワープしたり分身作ったり人を動物に変えたり、聖職者よりも手品師や大道芸をやった方がお前らは成功するぜ?絶対」

 

リョウ「お前らの技は信仰心とかそういうのとは絶対に違うだろ」

 

ユリ「あれ?アテナちゃん、それ新しい宣伝か何か?え?別人?それにしては似すぎてない?」

 

 

対改造人間チーム

 

リュウ「狂わされた人生に絶望せず、己の力で運命を切り開くか……。お前達は強いんだな」

 

ケン「良いねぇ。お前らのその反骨精神。柄にもなく応援したくなるぜ」

 

リョウ「俺も自分の力で逆境と戦ってきた。自由を掴むために戦うお前達の姿勢、俺は嫌いじゃないぜ」

 

ユリ「すごーい!ジミーさんもイリアさんもどうやって体から電気を出してるの?紅丸さんとはやり方が違うよね?」

 

 

対キング・オブ・マシーンズチーム

 

リュウ「体が鋼鉄であろうとも、俺の拳はそれ以上の固さで砕くのみだ!」

 

ケン「おいおい!だからこの大会の出場規定はどうなってるんだ?ロボットまで出てくるとか反則以前の問題だろ!」

 

リョウ「相手が全身機械ならば、覇王翔吼拳を使わざるを得ない!」

 

ユリ「そのサイバー・ウーやキカイオーを売れば少しは道場の経営も………ううん?なんでも無いよ?」

 

 

対魔界チーム1

 

リュウ「例え魔物やオロチが相手でも、俺は一歩も退かない!」

 

ケン「だからこの大会の……もう突っ込む気力も失せちまったぜ………」

 

リョウ「またオロチや魔界からの侵略か!何度来ようとも、この俺がいる限り、お前らの好きにはさせないぜ!」

 

ユリ「しつこいなぁ………もういい加減、迷わず成仏してよ!」

 

 

対魔界チーム2

 

リュウ「冥界から迷って出てきたか。ならば何度でも閻魔大王やおばばの元に送り返してやる!」

※NAMCOXCAPCOMでのエピソードで面識がある

 

ケン「まったく……いい加減に普通の格闘家らしい相手は出てこねぇのか?何で毎回ゾンビやら悪魔やらミュータントやらが出てくるんだよ」

 

リョウ「この大会はいつからホラー映画の世界になったんだ?ゾンビやオロチまでが参加してるなんてな」

 

ユリ「イヤー!何でザベル・ロックとかメトロシティで死んだ人達とかオロチ一族が出てくるの!?何かこの大会、いつものKOFよりもおかしいよ!?」

 

 

対キックファイターチーム

 

リュウ「パオパオカフェか……格闘家なら一度はそのステージに立ちたいと思っていた。今度、一度俺を招待してくれないか?」

 

ケン「カポエラという格闘技は防御がなっていない。攻撃は中々だったが、それだけだぜ」

 

リョウ「リチャード。お前の飲食店のコンサルタントは中々だったが、親父にそれを教えないで欲しかったぜ」

 

ユリ「あ、リチャードさん。前は店を壊しちゃってごめんね?今度タダでステージに立つからさ。それで許してよ」

※KOF13、女性格闘家チームのエンディングより

 

 

対日米スポーツチーム

 

リュウ「空手にバスケットボールを取り入れる発想は悪くないが、肝心のお前自身の修行が足りない。KOFで良く予選落ちするのはそこが原因だ」

 

ケン「スポーツと格闘技の融合?全く理解出来ないぜ。どっちも中途半端なんだよ」

 

リョウ「ラッキー・グローバー!強くなる為に空手を選んだのは良いチョイスだが、学ぶ流派を間違えたな。最強の空手は極限流だ!極限流を学びたいならいつでも来い!俺は待っているぜ!」

 

ユリ「ええーと……ええーと……ごめんなさい。モヒカンの人とバスケットの人、名前何でしたっけ?」

 

 

対ヤンキーズチーム

 

リュウ「さくらくん達と言い、最近の高校生の実力は中々のものだ。俺もうかうかしていられないな」

 

ケン「ま、ショーンの相手には丁度いいってとこだな。はねっ返るにはもうちょっと実力を付けなきゃな」

 

リョウ「もっと実力を付けて出直してこい!サウスタウンじゃいい餌食だぞ!」

 

ユリ「えっと………一人だけすごく場違いな高校生がいない?」

 

 

対バーンシュタインチーム

 

リュウ「後悔、それからくる不安なら、俺にだってある。だが、それに囚われて進むことを止めてはいけない」

 

ケン「バーン家のお嬢さんにバーンシュタインの御曹司にイングリッドに恭介……どういう組み合わせなんだ?」

 

リョウ「迷いは拳を鈍らせる。それを見破れない俺だとでも思ったのか?」

 

ユリ「笑顔は運を呼び寄せるんだよ?悲しいことがあってもスマイルスマイル!」

 

 

対ほたる&七瀬チーム

 

リュウ「牙刀やほくとの事は知っている。全てが上手くいくといいな」

 

ケン「鬼の山田十兵衛と聞いてどんな奴かと思っていたが……ただの女好きの爺さんだったみたいだな」

 

リョウ「兄弟同士で血を血で洗う戦いか……他人事じゃないから、放っておけないな。よし、俺も力を貸すぜ」

 

ユリ「女の子のみんな、変なことをされなかった?そこのおじいちゃん、すごくスケベだから気を付けないとダメだよ?」

 

 

対暴走チーム

 

リュウ「これが殺意の波動に飲み込まれた俺の姿…。俺はその力には絶対に負けない!」

 

ケン「殺意とかオロチとか、いい加減にしろ!そんな力に俺が飲まれる訳が無いだろ!」

 

リョウ「八神ならともかく、本物のリュウやケンがそんな力に飲まれる訳がない!所詮は偽物のまやかしの力だ!」

 

ユリ「ま、まさか極限流にもそんな力があるわけないよね?」

 

 

対ボスチーム

 

リュウ「サイコパワー、オロチの力、暗黒の力、そして殺意の波動……俺はその全てに打ち勝って見せる!」

 

ケン「何度も何度も懲りない連中だぜ!何度来たって俺の昇龍拳で迎え打ってやるぜ!」

 

リョウ「ギース・ハワード、ベガ、ルガール!お前達はこれで終わりだ!与太者同士、仲良く裁きを受けるんだな!」

 

ユリ「悪の栄えた試しなし…だよ!まっとうに生きなきゃ、その内こわーい人達が来ちゃうんだから!」




それぞれの特徴が出てくれていれば良いのですが。
それでは次回もよろしくお願いいたします!


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ライバル戦…ムエタイチーム

サガット…貴族チーム(クラウザー)

タイ・ストリートファイター2サガットステージ

 

クラウザー「君がサガット君かね?」

 

サガット「貴様は……ドイツのシュトロハイム家の当主、ヴォルフガング・クラウザー……この俺に何の用だ?」

 

クラウザー「君は以前から格闘の帝王とかと呼ばれていたのだとか?この私を差し置いて世界最強や帝王を名乗られるのは非常に不愉快なのだよ」

 

サガット「ふん。もはやこの俺には帝王の名も世界最強の名もどうでも良い。ただ強い奴と戦いたい。より強さを求めたい。ただそれだけだ」

 

デミトリ「ふん。これはミッドナイト・プリスを使っても旨い血にありつけそうも無さそうだ……」

 

ジョー「オメェの声、何か気に入らねぇな」

 

キング「あんたに声が似ているからじゃないのかい?気品さでは全然敵いそうも無いけどねぇ。それにしてもエリザベート。あんたがクラウザーに力を貸すなんて見損なったよ」

 

エリザベート「言うな。貴族社会は色々としがらみがあるのだ。それにアッシュの行方も探さねばならないからな」

 

アドン「おいクラウザー。俺を無視してるんじゃねえぞ。テメェはダチのホワ・ジャイをやりやがった落とし前を付けてもらわなきゃならねぇんだからな」

 

バルログ「美しくない。サガットと言い、ジョー東といい、アドンと言い、ムエタイファイターと言うのはどうしてこうも美しくないのだ……」

 

サガット「お喋りはここまでだ。バルログ、そしてクラウザー……。貴様が真に強い帝王ならば、この俺を倒して帝王の証を立ててみろ。強いものならば、俺は誰との挑戦も受ける」

 

クラウザー「ふん。かつては帝王を名乗っていた元シャドルー四天王をひれ伏させ、ローレンスやアクセル、ビリーに代わる新たな三闘士を作るのも悪くない」※1

 

サガット「誰かの下に付くのはもう、たくさんだ。帝王は並び立たぬ………」

 

 

アドン…キムチーム(キム・カッファン)

タイ、ストゼロ2アドンステージ

 

キム「ムム!ホワ・ジャイ!貴様はまた、悪の道に進んでいるのか!」

 

アドン「ああ?テメェはテコンドーのキム・カッファンだろ?テメェの目は節穴か?どうやったらあのホワ・ジャイと俺を見間違えるんだよ」

 

キム「白々しいぞ!八神庵のような頭をして!歳を考えろ!歳を!」

 

アドン「テメェ!このイカした俺の頭が八神庵だと!?おいジョー、こいつはテメェのダチだろ!何とかしろ!」

 

ジョー「いや、キムの奴は一度思い込むと中々止まらないんだ……テリーもホワ・ジャイの奴もライデンもかなり手を焼いたみたいだからな……それにお前の技とホワ・ジャイの技は結構似ているからなぁ」

 

ホンフー「そうだっちゃ!おかげで大会中は大変な思いをしたか!ジョー!キムを何とかしてくれっちゃ!」

 

ジョー「お前はチンと良くつるんでる香港警察のホンフーじゃねぇか?今度はお前がキムの被害者か………」

 

レイレイ「チンってあの悪徳商売人のチン・シンザン?あんなのとつるんでいるんじゃ、ホンフーさんはやっぱりキムに矯正されるべきアルよ?」

 

ホンフー「余計な事を言うなっちゃー!」

 

サガット「騒がしい男だ。こんな男とつるんでいるようでは、闘神三兄弟と言われたチン・シンザンも期待できそうにはないな……せめてジェフ・ボガードや先代の最強の虎、リー・ガクスウが生きていたならば……」※2

 

レイレイ「その二人ならば冥界にいるかもあるな。会える状況になったら最悪あるが」

 

キング「リー・ガクスウ……リー・パイロンの師匠でタクマのライバルだった男だね。会ってみたかったよ」※3

 

スカロマニア「そんな事になったのならば世界はこの世の地獄である!」

 

キング「言ってみただけさ。世界を混乱させてまで会おうとは考えてないよ」

 

キム「むむっ!地獄門とやらを開けようとするとは私の更正は完全では無かったようだな!もう一度更正させてやる!ついでにジョー東!ドンファンをたぶらかした礼もここでつける!悪は許さん!」※4

 

アドン「都合の良い部分だけしか聞こえてねぇようだな!キム・カッファン!めんどくせぇ!返り討ちにしてやるぜ!ヒャアアア!」

 

 

ジョー・東…アウトローチーム1(ビリー)

タイ・餓狼伝説2ジョーステージ

 

ジョー「ようビリー。リリーちゃんは元気か?」

 

ビリー「テメェ、ジョー東……何でテメェなんかにリリーの事を教えなくちゃならねぇんだ!ギース様の敵であるテリーのダチによ!それに、まだ懲りずにリリーに付きまとっているのか?」

 

ジョー「そりゃあ、テメェみてえな粗暴な兄貴にリリーちゃんを任せる訳にはいかねぇからよぉ。彼女の事は俺に任せて、テメェはそろそろ妹離れをしやがれ!」

 

キング「やれやれ………確かにビリーは粗暴で良い兄貴とは言えないけどねぇ………あんたに任せるのはビリーじゃ無くても不安だよ」

 

バーディー「俺でもそう思うぜ……(こいつが近寄っているのがお嬢だったとしたならば、俺でも許さねぇ)」

 

サガット「ふ……尊敬されぬチャンピオンとはムエタイ界もここまで衰退したか………貴様はそこのバイソンと同じくらいの格しかないな………なんて決勝だ。リュウどころかこんな下卑た者達と戦わねばならんとは…」

 

バイソン「けぇっ!そういうテメェだって、帝王だぁ何だって言われていながらリュウに負けてシャドルーに身を落とした野郎じゃねぇか!丁度良いぜ!前から格がどうとか色々ケチを付けやがったりしてテメェの事は気に入らなかったんだよ!シャドルーを裏切った今のテメェだったらボコボコにしてもベガは文句言わねぇよなぁ!」

 

山崎「ヒャーハッハッハッ!こいつぁ面白れぇじゃねぇか。世界最強の帝王とその下僕どもを二度と立ち上がれねぇくれぇにボコボコにするのも悪くねぇ。俺にケンカを売るなんてのは100年早いんだよぉ!このアマチュアがぁ!」

 

アドン「ああ?高々小汚いチンピラ風情にムエタイの何がわかるって言うんだ?バカは死ななきゃ治らないようだな?山崎竜二!」

 

ジョー「こんなバカ共とつるんでいる兄貴の所にいたんじゃ、リリーちゃんが可哀想ってもんだ。オラ来いよ。目を覚まさせてやるぜ?」

 

ビリー「ケッ!前から思ってたけどよ。テメェとは一度、どっちが上なのかをハッキリさせねぇとなぁ!ケンカでよぉ!」

 

ジョー「へっ!上等だぜ!俺はムエタイの世界チャンプだけじゃなくて、ケンカでも世界チャンプって言われているのをよ!黄金の蹴り、拝ませてやるぜ!」

 

 

キング…エンターテイナーチーム(フェリシア)

バーイリュージョン(KOF95、女性格闘家チームステージ)

 

フェリシア「あれ?何だぁ……キングさんって、女性格闘家チームのキングさんだったんだぁ………」

 

キング「あたし以外にキングなんて名前の格闘家がいるのかい?」

 

フェリシア「うん…プロレスラーのキングさん…知らない?久々に会えると思って楽しみにしていたのに……」

 

キング「プロレスラーのキング?ああ、あのプロレス団体の2代目キングの事ね。残念だったね。あの2代目キングじゃなくて。あたしは面識が無いけど、知り合いなのかい?」

 

フェリシア「前に一緒に戦った事があるよ?逢魔が起こした事件の時に!」

 

サガット「あのリュウやケンが関わった事件の事か。お前みたいなのがリュウやあの一族の仲間とはな……」

 

ミアン「こんなところでムエタイの帝王と闘うことが出来るとは………成り行きで組んだチームだったが、結果としては上々だった」

 

アドン「あ?サガットを倒すのはこの俺だ。お遊戯軍団の出てくる幕じゃない」

 

ダック「おう!ムエタイ使いだって独特のダンスを躍るじゃないか。似たようなものだぜ?」

 

アドン「ワイクルーとその辺のダンスを一緒にするんじゃねぇ!テメェ、ぶっ殺す!」

 

ジョー「フェイロン!今度こそ、ジョー伝説の映画協力に付き合ってもらうぜ?」

 

フェイロン「まだ諦めていなかったのか。何度誘われてもお断りだ。お前に主役の器はない」

 

キング「なんか周りの方が盛り上がってきてるね」

 

フェリシア「何だって良いよ!それよりもさ、キングさんってキレイだし、技もカッコいいし、舞台栄えすると思うんだ。今度、ミュージカルに出てみない?すごく楽しい舞台になりそう!」

 

キング「え?あたしにかい?残念だけど、そういうのは苦手でね。舞とかの方が良くないかい?」

 

フェリシア「そんな事ないよ!うーん……諦めきれないなぁ………じゃあさ、あたしが勝ったらミュージカルに出てみるってのはどう?」

 

キング「力ずくで来るなら力ずくで返すさ。龍も虎も躾るのは得意なもんでね。猫の一匹を躾るのもついでだよ。カモン・ベイビー。相手になるわ」




※1
三闘士
餓狼伝説2に登場したクラウザーの部下達。ビリー・カーン、アクセル・ホーク、ローレンス・ブラッドで構成されている。彼らを倒した後でラスボスであるクラウザーと戦うことになる。
彼らと戦う前にタン、ダック、リチャード、マイケル・マックス、ホワ・ジャイら餓狼1に登場し、2に登場しなかったキャラがクラウザーにボコられているというカットが入った時、衝撃を受けた前作のプレイヤーは多数いたと思われる。

※2
闘神三兄弟
タン・フー・ルーの愛弟子の三人。ボガードの養父であるジェフ・ボガード、チン・シンザン、そしてギース・ハワードの3人がタンの弟子時代に呼ばれていたトリオ名である。
しかし、チンは八百長試合で負けた事がタンにバレて破門され、ギースはその悪の内面と野望をタンに見抜かれて破門。残ったジェフはギースを止めようとしていたところを邪魔者としてみなされ殺害されるというタンにとっては最悪の形でその栄華の時が終わる。

※3
初代最強の虎
現在の時間軸ではロバートの事を指すが、本文でキングが語っていた通り先代の最強の虎は龍虎の拳のキャラであるリー・パイロンの師匠、リー・ガクスウの事であり、無敵の龍はタクマ・サカザキの事を指していた。
故人。タクマのライバルであり、サウスタウン最強の座を競いあっていた関係である。
書いていて思い付いたチームは裏ボスチームとしてジェフ・ボガード、リー・ガクスウ、豪轍(剛拳と豪鬼の師匠)、火引強(ダンの父)というチームもアリだったかも知れないですね。
他にも無かった事にされた者達チーム(K9999、花楓院ガイラ(旧ガイラ)、典麿呂、キャプテンサワダ)
チートボスチーム(イグニス、黒子、神豪鬼、ギル)
まぁ、今さらですが(^_^;)

※4
ジョーがドンファンをたぶらかした
ファミ通ノベルで発売された「KOF2000」のギャグ小説(サブタイトルは忘れた。「MOWへの布石」)にて、餓狼キャラがパオパオカフェにて宴会をしている際、たまたま預けられていたキム兄弟と出会い、餓狼キャラ達が面倒を見るという話が展開。
ジョーが子供時代のキム・ドンファンの面倒を見るのだが(ジェイフンはアンディが面倒を見て、そのストイックな考えを語った)、キム・カッファンをディスりながらちゃらんぽらんの人生観を語る。ドンファンはジョーの話を真に受けてしまい、MOWではキムの息子らしかぬいい加減でお調子者のキャラとなってしまったという(ギャグの)エピソードがある。
もちろん、ジョーはその後、キムに見付かりぼろ雑巾にされたのだが………(鳳凰脚でも受けたのだろうか?)。
ギャグの為に正史では無いと思えるが、あり得る話でもあるので本城は爆笑した。
ちなみにだが、その話を書いた作者は後々KOF12と13のシナリオライターを担当している。この作者は小説版KOF98の人間関係が公式に影響を与えているのだが……その詳細についてはセレブチームでもネタにしていますが、気付いた方はいらっしゃいますか?







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チーム毎の勝利後メッセージ…三種の武神チーム

対空手家チーム

 

京「極限流にあの暗殺拳のチームか。確かにそれなりには強かったが、似たような技だから対策を立てるのは簡単だったぜ」

 

庵「何年も重ねてきた研鑽の果てがそのザマか。下らんな」

 

ガイ「流石は極限流でござる。噂に違わぬ実力でござった。かの如月影二殿がこだわるのも頷けるでござる」

 

ローズ「今はこのまま引きなさい、リュウ。この先には私や武神流、そして三種の神器が進むわ」

 

 

対三種の武神チーム

 

京「化けるならもっと上手く化けろよ。これならネスツが作ったコピーの方がまだ強かったぜ」

 

庵「この程度で俺や京を名乗っていたのか。その代償は高くついたな。死ね!」

 

ガイ「武神流の真髄は一朝一夕で真似できるものではござらん」

 

ローズ「あなたが私だと言うのなら、そのソウルパワーは誰から教わったのかしら?」

 

 

対アメリカンヒーローズ

 

京「最近、伝説の配管工とかとも戦ったらしいが、KOF代表として行くべきだったのは俺だったようだな」

※テリーのスマブラ参戦の事を言っています

 

庵「ギースやマッドギアというのほカスばかりの集団だったようだな。この程度の奴等にやられる程度ではな」

 

ガイ「コーディー殿。あるがままに生きるが良かろう。いずれはまた、道が交わる時も来るでござる」

 

ローズ「狼は眠らない……と言うのがサウスタウンヒーローの触れ込みだったけど……まるで犬のように大人しくなってしまったわね」

 

 

対軍人チーム

 

京「この俺が出たからにはギースもルガールも、ベガもオロチも地獄門も片付けてやるぜ。あんたらはいつも通りにバックアップでもしてるんだな」

 

庵「力は制御できるが、それに頼るつもりはない…だと?制御してない方がまだ手応えがあったようだがな」

 

ガイ「此度の戦は我が武神流がお引き受けいたす。悪く思うな」

 

ローズ「ナッシュ……地獄門は私が閉じるわ。そして私もいずれ………」

 

 

対新・怒チーム

 

京「闘いを専門にやっていてその様か?だから軍人ってのは信用できねぇんだよ」

 

庵「完全平和を掲げた軍人による国家?下らん。自分の身すらも満足に守れんようだがな」

 

ガイ「怒ちぃむの各々方よ。そのロレントは貴殿達の手に負える者ではござらん。早々に手を切られるのが良かろう」

 

ローズ「ベガの私兵となる前に引きなさい。あなた達がシャドルーに洗脳されたら、誰が世界の平和と秩序を守るの?」

 

 

対ヒロインチーム

 

京「毎度毎度、メンバーを変えて出てくるよな?女性格闘家チームはよ。けど、肝心の中身がスカスカだぜ?」

 

庵「世界のインターポールもこの体たらくか」

 

ガイ「いぶき殿。学校の方には拙者の方から一言口添えをしておくゆえ、気を落とされるな」

 

ローズ「不知火舞、ブルー・マリー。百戦錬磨のあなた達でも、今回の事はあなた達の手に余るわ。大人しく手を引きなさい」

 

 

対女子高生チーム

 

京「何かこのさくらという奴、真吾に似たような雰囲気を感じるぜ」

 

庵「ふん。貴様らのような仲良しこよしのお遊戯軍団でこの俺を止められるとでも思ったか?月を見るたび俺の恐怖を思い出せ」

 

ガイ「アテナ殿のように、さいこっぱわーを世の為に使われる者もおられるのだな。さいこっぱわーを見直したでござる」

 

ローズ「引きなさい、麻宮アテナ。あなた程度のサイコパワーでは、ベガに利用されて終わるだけよ」

 

 

対ムエタイチーム

 

京「かつては世界最強だった?いるんだよ。小さな世界だけで最強とか帝王とか抜かす野郎がな。もっと広く世界を見るべきだったんじゃないか?」

 

庵「貴様……その頭は俺の真似か?中途半端な猿真似が一番腹が立つ。死ね!」

 

ガイ「ほう、その竜巻を飛ばす技、今度是非ともコーディー殿に教えて頂きたいでござる」

 

ローズ「足から気弾を飛ばす発想は無かったわね。中々面白い戦いだったわ」

 

 

対日本武術チーム

 

京「悪いな大門。今回は事情があって一緒に組めなかったが、また今度一緒にチームを組んで出場しようぜ」

 

庵「ふん。その程度の力に振り回されるのが水神流古武術か?良くも今まで生き延びてこれた物だな」

 

ガイ「今回は別件で動いていたであったが、ほくと殿の血の封印は一時的に施しておいたでござる。兄弟で争うような事はあってはならぬゆえ……」

 

ローズ「相撲に柔道に古武術……日本にはたくさんの伝統武術があるのね」

 

 

対プロレスチーム

 

京「投げ技は大門相手で慣れてるんでな。力任せの投げ技なんて通用しねぇんだよ」

 

庵「所詮、プロレスなんてものはエンターテイメント性を重視した大道芸に過ぎん事が、これでハッキリしたな」

 

ガイ「むむ?もっと風神の術や雷迅の術ような技、虎使いの技が来るかと思っていたが……思い違いのようでござったな」

 

ローズ「投げ技メインと言うよりは、投げ技一辺倒だったようね?見せ物としては面白いとは思うけど……」

 

 

対サムライチーム

 

京「悪いな。草薙流古武術は1800年、武士の時代の中でも生き残って来たんだ。刀相手はお手のものなんだよ」

 

庵「四神の力や半陽の力、忌野の力……どれもこの俺相手には力不足だったようだな」

 

ガイ「まさかソドム殿が四神と手を組むとは……改心されたようで何よりでござる」

 

ローズ「伝説の覇王丸に四神の青龍、それに忌野の力…ベガはこれらの力を手に入れるために時獄門や魔界を…急がなくてはいけないわ」

 

 

対異世界姉妹チーム

 

京「自分達の時代、自分達の世界は自分達で何とかするぜ。過去の人間や魔界の人間はお呼びじゃ無いんだよ」

 

庵「大自然の癒しも、甘美な婬夢も俺には何の癒しにもならん。俺を癒せるのは京の断末魔の声と真っ赤に染まった灰だけだ!」

 

ガイ「久しぶりで御座るな。モリガン殿、リリス殿。よもや魔界の者にまで心配されるほど、この事態が酷いことになっているとは思わなかったで御座る」

 

ローズ「何を驚いているの?モリガンにリリス。私がここにいるのは……ええ、そう言うことよ」

 

 

対弟子チーム

 

京「ただの便利なパシリ程度と思ってたのによ。いつの間にかこんなに強くなって、仲間まで作るなんてな。成長したな、真吾」

 

庵「好奇心に負けて身の程知らずの行動が招いた結果だ。高い授業料になったな」

 

ガイ「ふむ……貴殿達を見ていると、拙者もそろそろ弟子を育てたくなったでござる」

 

ローズ「若いというのは良いわね。どこまでも可能性が広がっていて羨ましいわ。そんな若い力を、私は守らなければ……」

 

 

対真オヤジチーム

 

京「おいクソオヤジ。結局自分も大会に出ているんならよ、俺がわざわざ八神と組む必要が無かったよな?オロチの時といい、どういうつもりだ?答えやがれ!」

 

庵「ふん。既に次世代に看板を譲った貴様らごときに何が出来る?潔く現役から退けるように、この俺が楽にしてやろうか?」

 

ガイ「先人達の技の数々、とても良い修行になり申したでござる」

 

ローズ「これが一線を退いた人達の力?いえ、彼らはまだ現役なのね……」

 

 

対老師チーム

 

京「じいさん達は縁側に座って猫を膝に抱えて茶でも啜っているのがお似合いだぜ」

 

庵「次に偉そうな説教をしたら、三途の川を渡ることになるぞ?残り短い人生をわざわざ縮めたいのなら話は別だがな」

 

ガイ「仙人達の数々の老練な技、感服したでござる」

 

ローズ「流石は仙人と名高い方々……次にどんな技が来るのか、全く予想が出来ないわ……」

 

 

対アンチダークストーカーズチーム

 

京「安心しな。オロチも殺意の波動も時獄門も、この俺が全部払ってやるからよ。あんたらは自分の居場所に戻っていな」

 

庵「何度這いつくばれば気が済む?如月影二。最後通牒だ。次に現れた時は殺す」

 

ガイ「一度道を違えれば、同士と言えども容赦せぬのが忍の定め。悪く思われるな、影二殿」

 

ローズ「もうあなた達が手に負える次元じゃないの。諦めて帰りなさい」

 

 

対セレブチーム

 

京「また俺の勝ちだったな紅丸。次の勝負、楽しみにしているぜ?」

 

庵「神月かりん。高笑いのやり方が間違っているぞ。フフフフ……フハハハハ……オーホッホッホッホ!が正しい高笑いだ!」

 

ガイ「お久しぶりでござるな、かりん殿。二階堂紅丸殿に極限流最強の虎、それにやーるーぎゃにゅっしゅーのちゃんぴっおん殿との勝負は大変興味がそそられるものであったでござる」

 

ローズ「家に帰りなさい。荒事に首を突っ込むよりも、あなた達には経済を回すという大事な使命があるでしょう?」

 

 

対ジャスティスブラザーズチーム

 

京「怖いねぇ。怖いもの知らずの世間知らずってヤツはよ。キムにどやされない内に、とっとと家に帰りな」

 

庵「憎しみを知らないガキ共にかける情けはない。恨むのなら俺の前に立った自分の不運を恨むんだな」

 

ガイ「正義を愛する心は立派でござった。後は相応の実力を身につけることでござる」

 

ローズ「どこに行ってもあなた達のような跳ね返りはいるものね?あなた達はまだ、キムや春麗の元で実力を付けるべきよ」

 

 

対アウトローチーム1

 

京「三流のチンピラ共が雁首並べて出て来やがって。とっとと消えな。火加減が狂って丸焦げにされたくなければな!」

 

庵「またお前らか。くたばり損ないとオロチの力に振り回されている狂犬に付ける薬はない。目障りだ消えろ!」

 

ガイ「お主らの力の使い方は間違っているでござる。今一度、自らの行いを省みるがよかろう」

 

ローズ「あなた達にかける言葉はないわ。私が常世へ送ってあげる。安心しなさい。閻魔様にも慈悲はあるわ」

 

 

対アウトローチーム2

 

京「S.I.NもネスツやWARZのような組織なんだろ?だったらキッチリ潰しておかねぇとなぁ!」

 

庵「貴様らのようなカスが行き着くにはお似合いの場所だ。そのまま死ね」

 

ガイ「貴殿達にしゃどーるは似合わぬ。フサワシキ場所で更正されるがよかろう」

 

ローズ「セス、ジュリ!ベガはどこにいるの?さっさと居場所を吐きなさい!」

 

 

対アウトローチーム3

 

京「子孫達の体を奪ってまでやった行動の結果がその体たらくか?とっとと成仏しちまいな!」

 

庵「消えろ!俺はエージェントというのを見ると虫酸が走る!」

 

ガイ「今回の任務の1つ、秦の秘伝書の回収が完了でござる。これは拙者が責任を持って処分するでござる」

 

ローズ「危ないところだったわ。秦の秘伝書がベガの手に渡っていたならば、世界はとんでも無いことに……」

 

 

対アウトローチーム4

 

京「俺のコピーはどれだけ作られたんだ?いい加減、全部処分して欲しいものだぜ」

 

庵「紛い物をいくら処理しても俺の苛立ちが止まる事はない。俺を不愉快にさせた報いだ。まとめて死ね」

 

ガイ「京殿、キャミィ殿の複製でござるか……本物にとっても、お主達にとってもクーローンという不幸な結果しか生み出さぬ物で御座るな」

 

ローズ「ベガ……そしてファン……どこまで命を弄べば気が済むというの?」

 

 

対アウトローチーム5

 

京「洗脳?俺の親父もルガールにやられたな。ちょっと頭を殴れば元に戻るか?任せろ、一度経験済みだからな」

 

庵「貴様は牙刀とか言ったな。復讐がなんたるかを理解できん癖に、軽々しく復讐などわめき散らかすな。目障りだ」

 

ガイ「奇跡の薬を追い求める前に、自らの業を鑑みることがよろしかろう」

 

ローズ「あなた達はまたベガに利用されたようね?私のソウルパワーで元に戻してあげるわ」

 

 

対キムチーム

 

京「卒業しないことが悪?今度は俺を更正されるつもりか?勘弁してくれよ」

 

庵「ん?そこのドクロの貴様……確か貴様は女では無かったのか?いや、違う!ミスXは俺じゃない!盗賊アーサー等俺は知らん!」

 

ガイ「レイレイ殿。そちらの御仁らは?正義の味方の体現者?そうで御座るか……いや、何でもござらん……」

 

ローズ「正義こそ力……ね。力なき正義は悪だと言うことを知りなさい。そう………私のように……」

 

 

対貴族チーム

 

京「前に三種の神器には何も期待しないとか言っていたか?貴族のしがらみや権力に屈している今のお前はどうなんだ?エリザベートさんよ」

 

庵「ふん。俺の三種の神器やオロチの血を飲ませるよりも、貴族の青い血とやらをそこの蚊かしらみの親戚にでも飲ませてやったらどうだ?貴様らにはお似合いだ」

 

ガイ「今回は敵味方になったで御座るな?デミトリ殿。貴殿が人の世を乱すのであれば、拙者はいくらでも立ちはだかるでござる」

 

ローズ「よくわからないわね?デミトリ。享楽の為ならば、かつての敵や背反する力の家をも味方にするなんて私には理解できないわ」

 

 

対アッシュチーム

 

京「テメェはアッシュ……今度は何を企んでやがるのか知らねぇが、前の借りはしっかりと返してやるぜ?」

 

庵「また俺の力を狙っていたのか?アッシュ・クリムゾン。おめおめと俺の前に現れたのが貴様の運の尽きだ。恨むなら貴様の愚かさを恨め!」

 

ガイ「貴殿の力も世を乱す源でござる。今は悪事を企んでいるようではござらぬようで御座るが、信はおけぬでござる故、捕縛するでござる。悪く思うな」

 

ローズ「アッシュ・クリムゾン……遥か地より出ずる者達の子孫……あなたも決して先には進ませない」

 

 

対エンターテイナーチーム

 

京「おいお前ら、出る大会を間違えてないか?ここはダンス大会の会場じゃないぜ?」

 

庵「あのククリとか言う奴はいないのか?何だその目は!俺はミスXではない!ミスXは俺の生き別れの妹だ!フフフ…ウフフフフ…オーホッホッホッホなどと言わん!」

 

ガイ「フェリシア殿。今回は何故にこの大会に?映画やみゅーじっかるの題材探しで御座るか。相変わらず、貴殿は自由なので御座るな。少し、羨ましいでござる」

 

ローズ「非常に楽しい躍りと戦いだったわ。でも、あなた達は先に進むべきではないわ。あなたならばわかるでしょう?フェリシア」

 

 

対聖職者チーム

 

京「あ?お前はアテナの先祖……だったよな?まだ下界にいるのかよ。え?俺達のせい?そうか……それは悪かったな……」

 

庵「貴様のせいでまた下らんチームを組まされる羽目になったぞ神楽。京の前に先に姉の後を追いたくなければ、いい加減に俺達を巻き込むんじゃない」

 

ガイ「神楽殿もこの大会に出ておられたで御座るか。心配召されるな。オロチや地獄門の封印は拙者らが必ず」

 

ローズ「ちづるさん。まきさんにはよろしく言っておくわ。妹は幸せに暮らしていると……だから、安心して後の事は任せておきなさい」

 

 

対改造人間チーム

 

京「今回はあのロボットのおっさんがいないのかい?まとめる奴がいない上に、そこのゴム人間やら野獣の世話がお前に出来るとは思えねぇけどな」

 

庵「でき損ないの草薙の力に氷のガキに失敗作、加えてけだものか……どこまでも俺を苛つかせるチームだ」

 

ガイ「これが本来ならば生まれぬ筈だった人の造りし草薙の力で御座るか……いや、これは失言だったで御座るな」

 

ローズ「彼らも私のように運命を歪められた存在なのね。こんなことは繰り返させない」

 

 

対キング・オブ・マシーンズチーム

 

京「マキシマのおっさんだけならともかくよ……何でサイバー・ウーとかロックマン・ゼロとかなんなんだよ!この大会は本当にどうなってやがるんだ!?」

※SVCカオスにてロックマン・ゼロと戦った

 

庵「高い金を出して造ったオモチャも、俺には通用しない。また1から造り直すんだな」

 

ガイ「ろっくまん殿。久し振りでござるな。ろーる殿やとろん殿は元気に………ん?失礼。別人で御座ったか……」

※ナムカプで登場したロックマン・ダッシュと勘違いした発言

 

ローズ「そこまでよ。その高水準の技術をベガやルガールの手に渡ってしまったら、取り返しの付かない事になるわ」

 

 

対魔界チーム1

 

京「迷って出てきやがったかオロチ共。もう2度と復活できねぇように、纏めて消し炭に変えてやるぜ!」

 

庵「魂の救済?下らん。他人の魂を救済する前に、自分自身の命すらも救済できない者が何をほざいている」

 

ガイ「人の世を乱すオロチや魔界の侵略者を誅するのが我が武神流の使命!いざっ!」

 

ローズ「いけない………もうここまで魔界や冥界の存在が……」

 

 

対魔界チーム2

 

京「オロチに加えてこんな分かりやすいゾンビ共まで現れるなんてな。本当にこの大会はどうなってやがる」

 

庵「ザベル・ロックだと?汚い音を鳴らす男がやっと消えたかと思ったら、オロチと共に迷って出てくるとはな。纏めて燃やしてやる。既に死んでいる貴様ら相手なら、誰も文句は言わんだろう?」

 

ガイ「2度も迷って出てくるとは!ケルガー!貴殿のゾンビ因子を世に出すわけにはいかぬ!いざっ、滅せよ!」

 

ローズ「あなた達は何度閻魔様を困らせれば気が済むのかしら?大人しく冥界に帰りなさい」

 

 

対キックファイターズ

 

京「どいつもこいつもなってないぜ?キックなら、紅丸やロバートにコーチでも頼めば良いんじゃないか?」

 

庵「世界中に友達を作るだと?ふん、良いだろう。俺が友達になってやろう。燃やされて息絶えても知らんがな」

 

ガイ「かっぽえーいらの実力、実に見事でござった。特に貴殿は幼いながらも……む?高校生とな……これは失礼」

 

ローズ「微力ながらもサイコパワーを感じるわ。麻宮アテナさんの同門?そう………そのサイコパワーを正しい事に使ってね?」

 

 

対日米スポーツチーム

 

京「お前らは………ええっと………誰だっけ?わりぃ、こうして対戦するのは久々過ぎて忘れちまったぜ。いつも背景で応援してくれているのは見てるんだけどよ」

 

庵「野球やバレーボールで格闘だと?馬鹿と言うものは伝染するのか?そこの馬鹿共と同じ発想のようだがな」

 

ガイ「拳闘はともかく、籠球、野球、拝球は人を傷付ける物では御座らん。五輪高校は正しくすぽおつを教えるべきでござる!」

 

ローズ「スポーツを格闘技に応用……ね。発想は良いけれど、少なくともこの大会には場違いではないかしら?」

 

 

対ヤンキーズチーム

 

京「何だろうな?お前たちからは俺と同じような臭いを感じるぜ?…何だよその目は!まだ俺は2回しか留年(ダブ)ってねぇよ!そこのおっさん二人と一緒にするんじゃねぇ!」

 

庵「30にもなって高校すら卒業していない馬鹿がいるとはな。良かったな京。上には上がいるぞ」

 

ガイ「学童は学童らしく、勉学に励むべきでござろう」

 

ローズ「人の人生をとやかく言うつもりは無いけど…30を過ぎても高校生と言うのはどうなのかしら?」

 

 

対バーンシュタインチーム

 

京「安心しな。ルガールの奴は俺がキッチリと地獄に送り返してやるからよ」

 

庵「大人しく引きこもっていれば良かったものを、わざわざ俺に殺されに来たか」

 

ガイ「いんぐりっど殿、貴殿は本当に神出鬼没でござるな?貴殿は未来の武神流のムクロ殿と知り合いと言われても不思議では御座らぬよ」

 

ローズ「イングリッド……あなたは本当に何者なのかしら?閻魔様でもあなたは掴めないようだけれど……」

 

 

対ほたる&七瀬チーム

 

京「水神カイリが俺で、水神ほくとが八神だとすれば、水神七瀬は神楽みたいなものか?」

 

庵「兄妹同士で殺し合いだと?好きにすればいい。俺や京のようにな」

 

ガイ「貴殿が鬼の山田殿でござるか!不知火半蔵殿とは良き友人関係だったと聞き及んでいるでござる。少々、ふしだらとも…」

 

ローズ「牙刀はともかく、ほくととカイリは何とかなると良いわね。無事に再会できることを願っているわ」

 

 

対暴走チーム

 

京「俺のコピーの次は八神やレオナの血の暴走か?こいつはいよいよまずいかもな……」

 

庵「俺が今更血の暴走程度で惑わされると思ったか!目障りな奴等だ!」

 

ガイ「毎度の事で御座るが、殺意の波動もオロチの血の暴走も正に人の世を乱す要因!ここで仕留めさせて貰った!成仏召されよ」

 

ローズ「リュウ、八神、レオナだけでなく、ケンまでもがオロチの力を注入されて血の暴走を……ベガ……やはり貴女だけは必ず倒さなければ……」

 

 

対ボスチーム

 

京「ベガ、ルガール、ギース!テメェらの野望はここで終わりだぜ?へへ………燃えたろ?」

 

庵「与太者三人、今度こそあの世で仲良くするんだな」

 

ガイ「人の世を乱す者に武神の影あり……これが武神流なり!」

 

ローズ「ベガ……今度こそ………これで私も………」



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空手家チーム…ボス戦

小ボス戦

 

「優勝おめでとうございます。優勝された皆様の為に、盛大なセレモニーを執り行いたいと思いますので、こちらへどうぞ」

 

リュウ「優勝……か。終わってしまうと、すこし寂しい物があるな………まだ見ぬ強者達と、もっと戦っていたかった……」

 

ケン「相変わらずお前は」

 

リョウ「それは俺も興味あるが、今は優勝セレモニー、優勝パーティー、そして賞金だ!何よりKOSF優勝の名は大きい!すぐに門下生が集まるぞ!」

 

ユリ「どうせまた、無理な稽古をさせて門下生が逃げ出すから、1割残れば良い方だと思うけどね?その点、あたしが優勝したのは大きいよ?今や極限流は、女子部でもっているようなものだもんね!」

 

ケン「…………今度、俺が経営コンサルタントしてやろうか?それよりも、今は優勝セレモニーだ。早く行こうぜ?」

 

 

………飛行機に運ばれ、アメリカへ。そして乗せられた車はトンネルに入ったかとおもえば、どんどんと地下へ運ばれ、その内、車ごとエレベーターに乗せられ、何処かへと運ばれる。

 

リュウ「俺達はどこに運ばれたんだ?」

 

ケン「待て!どこかに着いたぞ!?」

 

リョウ「ここは……見覚えがある構造だ……ネスツ基地の跡地か?」

 

扉が開き、どこか広い場所に出る。

 

ギース「優勝おめでとう、諸君。素晴らしい試合の数々には我々もいたく感動した」

 

ケン「ギース!それにベガ、ルガール!くそっ!考えてみればお前達が素直に優勝セレモニーなんてやってくれるワケがねぇよな!」

 

ベガ「早速だが、君達には素晴らしい歴史的な実験に付き合って貰うことになる」

 

ルガール「ネスツやWARZが残した技術を我々が利用して作り出した実験体だ」

 

ユリ「実験体?なによそれ!」

 

カプセルが開く

 

リュウ「これは……豪鬼!ばかな!何故豪鬼が!」

 

ギース「ネスツが生み出したクローン技術。草薙京のクローンを大量に生み出した技術を、我々が使った」

 

ケン「おいおい。豪鬼を量産なんて正気じゃない真似を。そう言えば、全員が全員、まともな奴等じゃなかったっけな」

 

ベガ「それを我がシャドルーが持つ豪鬼のデータを反映させ、より本物の豪鬼に近付けてある」

 

リョウ「親父から殺意の波動の事は聞いたことがある。なんてことを………そんな事は絶対にさせない!」 

 

ルガール「出来るかな?君達に。手始めに別の個体を相手にしてもらおう」

 

リョウ「これは……俺?」

 

ケン「それに……おいおい。何の冗談だ?俺のクローンまでいるじゃないか!」 

 

ユリ「それだけじゃないよ!八神庵やレオナちゃんまでいる!これって………もしかして………」

 

ギース「いずれも殺意の波動やオロチの力を注入し、本物よりもより強力にしてある」

 

ユリ「ひぃぃぃぃ!やっぱり血の暴走!」 

 

ケン「殺意の波動にオロチの力だと!?」

 

ベガ「これらに屈するようでは豪鬼の実験に耐えられんだろう」

 

ルガール「せいぜい頑張ってみたまえ」

 

リュウ「お前らの好きにさせない!俺やケンの拳は…俺達だけのものだ!」

 

 

 

中ボス戦前デモ

 

リョウ「どうだ!こんなもので俺達を倒せるとでも思っていたのか!」

 

リュウ「真の強さというのは力だけでも、技だけでもない!そこに込められている信念が伴わなければ、真に拳を極めたとは言えない!」

 

ギース「中々やるではないか。だが、これでより豪鬼は完璧になった」

 

ユリ「悪人に言われても嬉しくないッチ!」

 

ベガ「ムハハハハハ!だが、これからが本番だ!」

 

ケン「今度はお前達が相手か?」

 

ユリ「また極限流の拳を味わいたいみたいだね?」

 

ルガール「是非ともフルコースで頼もうではないか」

 

リョウ「来い!まとめてこらしめてやる!」

 

リュウ「そして、殺意の波動を止めて見せる!」

 

豪鬼「……」

 

ギース「さぁ、殺意の波動の力と我々の暗黒の力をとくと味わうが良い」

 

 

ラスボス戦デモ…リュウ編

真ボス(真・豪鬼)

 

リュウ「そこまでだな、ベガ、ギース、ルガール!それに豪鬼の偽物!」

 

立ち上がる豪鬼

 

豪鬼「ふ…笑止!我は……」

 

画面暗転

 

突然現れ、豪鬼を瞬獄殺で始末する真・豪鬼(本物の豪鬼)

 

リュウ「やはり来たか……本物の豪鬼!殺意の波動があるところに、お前が現れないはずがないと思っていた」

 

真・豪鬼「我は拳を極めし者なり。殺意の波動は、作られし力では極めること不可能なり」

 

リョウ「これが本物の殺意の波動だと……!」

 

ユリ「さっきまでの偽物の豪鬼なんかとは格が違うッチ!」

 

ケン「相変わらずどこにでも神出鬼没だぜ……このおっさんはよ。出来れば会いたくなかったんだけどな」

 

真・豪鬼「オロチ、地獄門、魔界、サイコパワー……如何なる力も極めし真の力に比ぶれば、児戯にも劣る」

 

リュウ「お前とは……いつか決着を付けなければならないと思っていた……それに、殺意の波動に引き寄せられて悪鬼の魂が引き寄せられている……ここで止めるぞ、豪鬼!」

 

真・豪鬼「笑止!未だに殺意の波動の境地にたどり着けぬかリュウ!」

 

リュウ「黙れ!俺は絶対に殺意の波動に屈しない……殺意の波動を必ず克服し、まやかしの力ではなく、自らの力でお前を倒す!そして……必ず真の格闘家になる!」

 

リョウ「待てよリュウ。事はお前個人の事だけじゃないんだ。力を合わせて行くぞ」

 

ケン「一人で背負い込もうとするお前の悪い癖だな。リュウ」

 

ユリ「みんなで鬼退治するッチ!」

 

真・豪鬼「我は拳を極めし者なり。強者と名乗るであれば、我を超え、そして真なる拳を極めて見せよ!」

 

 

ラスボス…ケン・マスターズ編

真ボス オメガ・ルガール

 

ケン「どうだ!これが全米格闘王の実力だぜ!」

 

リュウ「すぐに調子に乗るのは悪い癖だな、ケン」

 

ルガール「ハッハッハッハッハッハッ!ご苦労だったな!諸君!」

 

立ち上がるルガール

 

画面暗転

 

ギース、ベガ、豪鬼の体から力を吸収し、髪の毛が銀髪になり、オメガ・ルガールになる。

 

リョウ「何て奴だ!全員の力を吸収してしまった!」

 

オメガ・ルガール「諸君!君達には感謝するぞ!豪鬼の殺意の波動!ベガのサイコパワー!ギースの暗黒の力!更にはオロチや三種の神器、ネスツが持っていた力も我が物にすることが出来た!」

 

ユリ「最悪の事態ッチ!全ての力がルガールに渡っちゃったよ!」

 

オメガ・ルガール「これは素晴らしい!オロチの力など比にもならない全能感!世界の覇権はこのルガールが手に入れた!この私がネスツやシャドルーに代わって新たなる神として降臨しよう!」

 

リュウ「誰がお前なんかにひれ伏す物か!その力は真の拳ではない!まやかしだ!」

 

オメガ・ルガール「どうやら理解できないようだ!この私の新たなる力を!良いだろう!この新たなる神、ルガールを称える神話の最初の1ページは、君達の無惨な死から始めるのが相応しかろう!」

 

リョウ「そんなことはさせない!ルガール!ここでお前を倒す!」

 

オメガ・ルガール「せいぜい足掻いて見せるが良い!私の強さを引き立たせる為に!そして君達の体は、それを後世に伝える銅像になってもらおうではないか!」

 

ケン「やれやれ。この俺を銅像にするなんて、世界の損失だぜ?それに、俺にはショーンの面倒がある。なによりあんな美人で器量良しのイライザを、若いうちから未亡人にさせる訳にはいかないからな!銅像じゃイライザを抱けないしな!ルガール!テメェを倒して、帰らせてもらうぜ!」

 

 

ラスボス戦デモ…リョウ・サカザキ編

真ボス戦(ナイトメア・ギース)

 

ユリ「どうだ!極限流の勝利ッチ!」

 

リョウ「……………こんなものだったか?ギース、お前の実力はもっと…………」

 

ギース「ぬぬぬぬ!許るさーん!よくもこの私を……」

 

画面暗転

 

???「はしゃぎすぎたようだな……影よ……」

 

ギース?「ギ……ギ……ギースゥゥゥ……」

 

ケン「ギースが二人!?」

 

リョウ「やっぱりか………ギースと拳を交えた事がある俺にはわかる!この迫力……こいつが本物のギース!」

 

影武者「い、生きていたのか!ギース!」

 

ギース「クラウザーが用意した影武者よ……勘違いをしていたようだな?」

 

影武者「ギースゥ!私が……私こそが世界を!世界を手にするに相応しいのだぁ!」

 

ギース「ふ……レイジングストーム!」

 

影武者「くえぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

壁を突き破り、高層ビルから転落する影武者。

 

リュウ「影武者のギースとは明らかに違う!これが本物のギースの力……」

 

暗黒の力を開放してナイトメア・ギース(足元から暗黒の気が渦巻いている)となる。

 

リョウ「相変わらずの力だな……だが、殺す必要まではなかったんじゃないか?」

 

ギース「愚かな………貴様にこのギースの代役など務まる訳がないと言うのに…大人しく踊っていれば、生かして泳がせてやったものを、このギースの影に怯え、踊り疲れ、分不相応な野望を持ち……思えば可愛そうな男だった」

 

ユリ「自分が殺しておいて言う言葉?」

 

ギース「壊れた人形は、しっかりと始末するのがマナーと言うものだ。だが、壊れた人形は壊れていたなりに、この私の役に立ったようだ。シャドルーの総帥、ベガ。ルガール……そしてここまでに来る過程で、沢山の邪魔者をお前達は始末してくれたようだな。どうだ?その腕を見込んで私の部下になるつもりはないか?」

 

リュウ「ふざけるな!誰がお前の部下になるものか!」

 

リョウ「それに、お前に親を殺されたのはテリーだけじゃない。俺の母親、ロネットを殺したのもお前の仕業だ!俺達の家族をメチャクチャにした、お前だけは絶対に許さん!」

 

ギース「ふん。タクマ同様、貴様も私に逆らうか。やはり私の最大の邪魔者は、お前達のようだな。お前達を痛め付ければ理解するか?どちらにしてもお前達は私の部下になってもらう。自らの意思で私の部下になるか、それとも影が研究したネスツの技術によって記憶を消すか……どちらかになるが……」

 

リョウ「どちらでもない!お前を倒し、帰らせて貰う!」

 

ギース「ふ………せいぜい、私を楽しませてみせろ」

 

 

ラスボス戦…ユリ・サカザキ編

真ボス(ベガ2)

 

ユリ「どうだ!ユリッチのぉ~ブイ!」

 

画面暗転

 

ユリ「な、何!?」

 

ベガ2「ムッハー!私を含めた我々を倒したのは称賛に値する。お陰で邪魔物の始末も楽に済んだわ」

 

リョウ「べ、ベガ!?なぜベガが!では俺達が倒したベガは何だ!」

 

ベガ2「ネスツの技術を使って生み出したクローンの体に我がサイコドライブを使って代替えしたのがこの新たな私だ。そこにいるのは私が捨てた古い体……いわば脱け殻に過ぎぬわ!」

 

リュウ「さ、サイコドライブだと!?まだそんなものが存在していたのか!」

 

ベガ2「フッフッフッ……ギースは私を始末した後に、このクローンを影武者にしてシャドルーを牛耳る傀儡にするつもりでいたようだが……それが逆に私に力を与える事になるとは思わなかっただろう」

 

ケン「ギースめ……余計な事をしてくれた!」

 

ベガ2「フッフッフッ……朽ち果てかけていた我が体だったが、ネスツの技術によってリュウの体やローズのように代替えの体を奪わずとも私は新たなる体を…全盛期の力を手に入れる事が出来た。もう殺意の波動など、おそるるに足りぬわ!」

 

ユリ「お前なんかに負けるか!」

 

ベガ2「ふん!手始めにお前達でこの新たなる体の力を試してやろう」

 

リョウ「お前なんかの好きにさせるか!倒れるのはベガ!お前の方だ!」

 

ベガ2「ふ……ぬるいわ!なに、殺しはしない。私の前に倒れ伏した後は、我がサイコパワーとネスツの技術でお前達を我がシャドルーの新たなる兵として使ってやるわ!特にそこの女……ユリ・サカザキとか言ったか?」

 

ユリ「え?え?私?」

 

ベガ2「空手を始めてわずか2年。それでいながら極限流空手奥義、龍虎乱舞を会得する驚異的な才能。これはキャミィを越える逸材よ……。最高の親衛隊か出来上がるであろう………」

 

ユリ「シャドルー親衛隊………」

 

ユリの脳裏に浮かぶユーリやユーニの親衛隊姿。

 

ユリ「イヤイヤイヤイヤ!無理だから!あんな格好させられるくらいなら、いっそ殺してぇぇぇぇ!許せない!乙女にあんな格好を無理矢理させるなんて!ユリちゃんの正義の拳が唸るッチよぉぉぉ!」



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エンディング…リュウ編

ピクリとも動かなくなる豪鬼。

 

リュウ「………」

 

ケン「やったな、リュウ!殺意の波動を使わなくてもお前自身の力で豪鬼を倒したんだ!」

 

リュウ「………………」

 

ケン「リュウ?おいリュウ!」

 

ユリ「な、何だか様子が変だよ!?まるで血の暴走を起こす直前の八神庵みたい!」

 

ケン「何だって………おいリュウ!まさかお前……」

 

リュウ「ぐおおおおおおおおおお!」

 

殺意の波動がリュウから吹き出る。

 

リュウ「豪鬼…………豪鬼ぃぃぃぃぃぃ!」

 

ベガ「くくく………チャンスだというのに体が動かん。ここは逃げるのが吉だろう」

 

ギース(本物・スピーカー)『ふ………逃げるかベガ』

 

ベガ「ふ……ギースよ。いずれは貴様とも決着を付ける。それまで首を洗って待っているのだな……」

 

ベガ逃亡

 

ケン「畜生………自分が逃げるだけの余力を残していたのかよ!」

 

ユリ「そんなことよりも今はリュウさんだよ!リュウさん!正気に戻って!」

 

リュウ(これは………あの時の……サイコドライブの時と同じ………やはり殺意の波動は………)

 

リュウ「豪鬼………豪鬼を殺せば………俺は真の格闘家に………」

 

倒れている真・豪鬼に向けて歩き出すリュウ。

 

ケン「やめろリュウ!豪鬼を殺せばお前は殺意の波動に完全に取り込まれる!二度と戻れなくなるぞ!」

 

リュウ「豪鬼ぃぃぃぃぃ!」

 

真・豪鬼との間にリョウが割り込む。

 

リョウ「この拳で目を覚ませリュウ!一撃ひっさぁぁぁぁつ!」

 

天地覇王拳をリュウにお見舞いするリョウ。

 

リュウ「この………拳は………」

 

リョウ「リュウ!お前の目指す真の格闘家の拳というのは、こういう拳じゃないのか!」

 

リュウ「魂を込めた正拳……」

 

ケン「あいつ……正拳突きで殺意の波動に取り込まれかけていたリュウを止めやがった………」

 

ユリ「あれは、ただの正拳突きじゃないッチ!お兄ちゃんのこれまでの全てを……力、技術、そして魂を乗せたお兄ちゃんの奥義中の奥義、天地覇王拳だよ!」

 

リュウ「空手家が一番最初に習う技、正拳突き。この正拳突きは誰もが最初に習う基本中の基本。その正拳突きに己の持つ力……技……魂の全てを使い、奥義まで昇華させたのがその拳か………奥義は基本にあり………天地覇王拳……見事な技だな」

 

リョウ「まだまだだ。天地覇王拳は……俺の正拳突きはまだまだ未熟。極限の正拳には至っていない」

 

リュウ「魂を込めた真なる正拳……それに至った時、もしかしたら真の格闘家になれるのかもな……お互い、更なる拳を極めなければな………」

 

ケン「お、おい!浸るのは良いけどよ!何かヤバイぜ!」

 

真・豪鬼に悪鬼の魂が集う。

 

殺意の波動『歩みを止めることは許さぬ……ただ前に、強さを求めよ………』

 

殺意の波動『休むことは許さぬ……ただひたすらに拳を極めよ………』

 

ケン「ヤバい!逃げるぞ!」

 

殺意の波動が螺旋を描き、エネルギーが暴発する。

逃げ遅れたルガール、偽ギース、クローン豪鬼が巻き込まれ、死亡。

ドオォォォォォォォン!

瓦礫となった旧ネスツの施設。

殺意の波動の螺旋の中に、ただ立つ豪鬼の影。

 

真・豪鬼「我は拳を極めし者なり………我を超える者はいずこ………」

 

影が揺らめき、消える。同時に殺意の波動の螺旋も徐々に収まり………しかし、豪鬼の姿はそこにはなかった。

 

時を同じくして、禍々しく空に浮かんでいた地獄門に光の矢が飛んでいく。

三種の神器を中心に、あらゆる力が纏められ、楓に送られていく。矢は地獄門を封印する「封印の儀式」で生み出された地獄門を封じる物だった。

ルガールを始めとした現世(うつしよ)に溢れていた死者達は……浄化された。

 

 

廃ビルの瓦礫後

 

リョウ「死ぬことも許されない……それが殺意の波動に取り込まれた者の末路なのか………」

 

リュウ「ありがとう、リョウ。お前が止めてくれなければ、あの豪鬼のように俺はなっていたかも知れない。お前の正拳は効いた。体よりも、空手家としての俺の魂に響いた………いつかはあの正拳を超える拳を極め、今よりもずっと強くなってみせる。その時は……また戦ってくれるか?」

 

リョウ「いつでも来い!俺が極限の拳か、それとも真の格闘家となったお前の拳か、どちらが強いか勝負しようぜ!」

 

リュウ「ああ!」

 

互いに拳をぶつけ合い、ずだ袋を担いで正反対の方向へと歩き出すリュウとリョウ。

 

ケン「おいおい………骨折り損のくたびれ儲けだったってのに、あいつらはそれで満足みたいだぜ。似た者同士って訳だな。リュウもリョウも。ったく、時々付いていけねぇぜ。あんな兄貴を持って、ユリちゃんは大変だな?」

 

ユリ「最近、お父さんよりも拳を極めるのに一途なんだよね。近々、家を出るような事もいっているし………お兄ちゃん、本気かなぁ……出ていってもらいたくないなぁ……」

 

大会後………

リュウは元の当てのない流浪の旅に出る。

 

覇王丸「やっぱりあんた……俺と同じ種類の人間さ。強い奴と仕合うのが三度の飯より好きなバカ野郎なのさ」

 

京「で?真の格闘家ってのにはたどり着けたのかい?」

 

まだ見ぬ強敵との戦いに胸を踊らせ拳を交え

 

サガット「さすがだな……リュウ。それでこそ、この俺が全てを捨ててでも超えたいと認める男だ!」

 

春麗「あなたって、ホントにいつまでも変わらないのね」

 

さくら「次にあった時は……もっと強く!ですよね?」

 

ケン「まだだ!もう一本、やろうぜ!」

 

ある時は旧友達と腕比べをするべく拳を交え

 

テリー「お前もまた、呼ばれたのか……」

 

風○仁「異世界に行くと必ず会うな……あんた」

 

ハー○ン「オーケー、サスライファイター。同窓会と洒落込もうじゃないか」

 

ある時は異世界の事情に巻き込まれ、事件解決に拳を交え

 

豪鬼「リュウよ。今こそうぬの拳を我に見せい!」

 

時には己に眠る力と過去の因縁に決着を付けるべく拳を交える。

 

そんな毎日を送り、KOSFは徐々に……思い出の中に埋もれていき………

時は……流れる。

 

数年後……

セカンドサウス…山奥の修業場

 

リュウ(………………)

 

ジリジリ…………

波動拳を構えるリュウ。

 

リュウ「電刃………波動拳!」

 

長年、彼を蝕んできた殺意の波動。

リュウはその殺意の波動を克服しつつあった。

その成果が電刃波動拳。

この技には殺意の波動がわずかに込められている。

しかし、リュウは殺意の波動に惑わされてはいない。

 

リュウ「殺意の波動は……ほぼ完全に抑える事が出来ている………俺は………真の格闘家になれたのか……いや、本当に殺意の波動を克服出来ているのか。レオナのように、コントロール出来ていると思い込んでいるだけなのじゃないか………」

 

体内に波動を巡らせながら、思考を巡らせるリュウ

 

リュウ「真の格闘家とは何なのか………殺意の波動を完全に克服すれば、真の格闘家になれるのか………闘うということは……その意味は何なのか………若いときはそんな事ばかり考えていた………」

 

目を瞑るリュウの顔のすぐそばを、枯れ葉が一枚、舞う。

 

リュウ「!!!」

 

目を閉じた状態で、枯れ葉を掴もうとするリュウ。

しかし、その手には何もなく………

 

リュウ「まだまだだな。俺はまだ、落ち葉の流れ行く先でさえまだ知らない。真の格闘家への道はまだ遠いな」

 

??「極限の道もまた………な」

 

背後に現れる天狗の面を被った黒い胴着を着た男が立つ。

 

リュウ「来たか………リョウ・サカザキ……。いや、今はMr.KARATEだったか?」

 

Mr.KARATE「人の山籠り先に現れておいて来たかは無いだろう?久しぶりだな?リュウ。お互い、目指している頂きにはまだまだ遠いようだな」

 

リュウ「互いに歳だけは一丁前になったがな。何年ぶりか?」

 

Mr.KARATE「もう十年以上は経つな。ギースは倒され、門下生達も今やKOFに出場するほどにまで力を付けてきた」

 

リュウ「格闘技界が惜しんでいるぞ。目ぼしい大会にも最近は出ていないそうだな」

 

Mr.KARATE「そういうのは若い者達が経験を積む場所だ。俺みたいなロートルがでしゃばる場所じゃない」

 

リュウ「それもそうだな」

 

Mr.KARATE「…………」

 

リュウ「…………」

 

Mr.KARATE「懐かしい話をしに来たわけじゃ無いだろ?」

 

リュウ「ああ。Mr.KARATE。天地覇王拳は極めたのか?」

 

Mr.KARATE「いや。まだだな。だが、あの時の天地覇王拳とは同じに思わない方が良い。生半可な者が受けたならば、体に風穴が開く。あれはもう、大会とかでは使える技じゃない。だが………お前になら使えそうだ」

 

リュウ「それでこそだ。俺もあの時の俺じゃない。今こそ、あの時の続きをやる時に相応しい。そうは思わないか?」

 

Mr.KARATE「……………やるか」

 

リュウ「来い!Mr.KARATE!」

 

ぶつかり合う二人の拳。

至福の時が今、始まった………。

 

FIN




リュウ編のエンディングです。

ストリートファイター3のエンディングが少し入っています。
そして、Mr.KARATEとなったリョウと決着を付ける…。
それがリュウのエンディングに相応しいと思い、こういう形にいたしました。

それでは次回もよろしくお願いいたします。


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エンディング…ケン編

オメガ・ルガール

 

「やったか!?」

 

全員が膝を付き、荒い息を吐いている。

 

オメガ・ルガール「バカな………この私が……」

 

光り始めるオメガ・ルガール。

 

オメガ・ルガール「!?」

 

オメガ・ルガールを中心に黒く、禍々しい気が発生する。

それはかつてのKOF95の時にオロチの力が暴走し、ルガールが消滅した時と同じ現象だった。

 

オメガ・ルガール「バ、バカな………!これはあの時と同じ!これだけの力を吸収したというのに、何故オロチの力に負ける!?殺意の波動、サイコパワー、暗黒の力!そして常世の力があるというのに!」

 

ケン「どうやら体の許容量が限界を超えたようだな、ルガール。おまえにそれだけの力を扱うだけの器じゃなかったのさ。殺意の波動だけでも相当な力だってのに、その上でオロチの力やサイコパワー、ギースの暗黒のパワーを吸収したんじゃ、パンク状態になって当たり前だろ?」

 

オメガ・ルガール「ほざけ!私はただの人間じゃない!私は死を超越し、現世に蘇った究極の生物!これしきの力を制御出来ない私ではない!」

 

リュウ「そうか、お前はやはり死んでいたんだな。お前は以前のオロチの力が暴走したときに……。今のお前は地獄の使者ってわけか?いや、閻魔大王がそんな事を企むわけがない。では、お前はジェダやアンブロジャの尖兵というわけか」

 

オメガ・ルガール「くくくく……今頃気がついたか!」

 

リョウ「だが、その様子ではもう何も出来ないだろう!年貢の納め時だな!」

 

オメガ・ルガールから様々な力が漏れ出す。

 

殺意の波動「足りぬ………」

 

オメガ・ルガール「な、何!」

 

殺意の波動「その器では足りぬ!」

 

ベガの魂「ヌハハハハ!貴様程度に我がサイコパワーを操りきれるとおもったか!」

 

ギース(本物)(放送)「ルガールよ。影を組み、この私を利用したつもりでいたようだが、逆に自分が利用されていたことに気が付かなかったようだな」

 

オメガ・ルガール「く………ベガ!ギース!貴様らはこの私を利用したというのか!この私が…貴様ら程度に!」

 

ギース「ベガよ………いずれは決着を付ける。それまで首を洗って待っているが良い」

 

ベガ「ふん……。いずれは貴様もそこの常世の傀儡のように、このベガに泳がされているだけだと知るがよいわ!ヌハハハハ!ヌハハハハハハハハハ!」

 

ギース「そこのお前達よ。目障りな影や邪魔物を消してくれたことに感謝しよう。だが、そこまでだ。お前達は所詮、この世界の人間ではない。私が寛容であるうちに、さっさと自分の世界に帰ることだ……帰れればだがな……それではさらばだ……」

 

ベガの魂は地獄門に吸収されることなく、いずこかに消え、そして本物のギースも通信を切ったのか、スピーカーが沈黙する。

 

オメガ・ルガール「おのれ……ベガめ!ギースめ!そして異世界からの異物め!せめてお前達だけでも地獄へ戻る道連れにしてやろう………地獄への案内は、この私直々にしてやる………」

 

謎のスイッチを取りだすオメガ・ルガール。

 

ユリ「ま、まさかあれって……!」

 

リュウ「いつもの自爆か!?」

 

リョウ「巻き込まれるぞ!」

 

ケン「まったく。そう言えばルガールと言えば自爆だったよな!逃げろ!」

 

オメガ・ルガール「ハッハッハッハッハッ!」

 

ポチッ……

ドオオオオオオン!

 

楓「今度こそさようなら……姉さん」

 

楓によって地獄門は封じられ、禍々しかった空は嘘のように雲1つない青空が広がっていた。

 

ケン「おーい………生きてるかー?」

 

リュウ「ああ………なんとかな……」

 

リョウ「い、いつもの事だ。すっかり慣れている俺達も大概だけどな………」

 

ユリ「KOFの醍醐味だよね………いつか死ぬかも?」

 

 

イライザ「ケーン!」

 

ケン「イライザ!」

 

闘いを終えたケンの元に、息子メルを抱いたイライザが駆け寄ってくる。

 

ガバッ!

 

イライザ「バカバカッ!心配したのよ!?決勝戦の後から行方がわからなくなったって!」

 

ケン「済まない……イライザ……」

 

イライザ「あなたが無事ならば良いわ」

 

二人の世界を作り出すケンとイライザ。

遠巻きで見ているリュウ、リョウ、ユリ。

 

リュウ「ハハハ。相変わらずだな。ケンと言えばイライザだ。あの二人はああじゃないと却って落ち着かない」

 

ユリ「あーあ。素敵だなぁ……ね?お兄ちゃん?」

 

リョウを見るユリ。

 

リョウ「そうなのか?うーん……よくわからん」

 

腕を組み、首を傾げてハテナマークを浮かべるリョウ。

ため息を漏らすユリ。

 

ユリ「はぁ……朴念仁もここまで来ると、もう病気か何かだよ。キングさんも素直じゃないし、周りが苦労するなぁ……」

 

リュウ「ハハハハ。それは苦労しそうだ」

 

笑うリュウ。

ユリがジト目でリュウを睨む。

 

ユリ「リュウさんもお兄ちゃんと変わらないと思いますけどね。一体、何人の女の子を無自覚に泣かせたんだか………似た者同士だよねぇ、リュウさんとお兄ちゃんって」

 

ケン「イライザ………」

 

イライザ「ケン…………」

 

リュウ「ああなったらしばらくは二人の世界から戻ってこない。俺はもう行こう」

 

リョウ「俺もだ。付き合ってられん」

 

ユリ「いつまでもお幸せに!」

 

こうしてケン達のKOSFは幕を閉じた。

子供が産まれ、家庭を持ったケンは家族を第一として生活をしていき、家庭円満、幸せな毎日を送る。

数年後………。

 

メル「パパァ!」

 

ケン「そうだ!良いぞメル!そのパンチだ!流石は俺の息子!良いセンスだ!この調子だと、俺もすぐに抜かれちまうかな?」

 

メル「パパ!明日からの試合、頑張ってね!」

 

パンチミットで息子の拳を受けているケン。

 

ケン「ああ!全米異種格闘技選手権!連覇記録を更新してやるぜ!」

 

………………

 

決勝戦………

リングの上で相手を待つケン。

そこに現れたのは、ケンと同じくらい金髪を肩まで揃え、革じゃんにジーンズパンツの男……。

トレードマークだった帽子は今は付けていないが、この男の事を知らないのは格闘家として潜りだ。

 

ケン「まさかあんたが出てくるとはな」

 

ワイルドウルフ「セカンドサウスで決着を付けたい相手がいるんでな。そいつとの戦いの為に、最後の調整ってヤツをお前にお願いしたいのさ」

 

ケン「冗談にしては笑えないな。テリー・ボガード。この俺が連覇を狙う……それも全米の一の格闘家を決める大会が肩慣らしだと?」

 

ワイルドウルフ「あんたなら、この大会に出てくるってわかっていたからな」

 

ケン「へぇ?こりゃまた随分と舐めてくれるじゃないか。で、俺をスパーリングパートナーにする相手だ。お前が決着を付けたい相手ってのは誰だい?」

 

ワイルドウルフ「二代目Mr.KARATE…いや、リョウ・サカザキだ。アイツとは、昔からKOFで顔を合わせてはよく勝負したものだが、今となってはお互いに大会に出ることが少なくなったからな。そろそろ決着を付けたいって思ってたのさ」

 

ケン「それは残念だったな。俺との勝負をスパーリング程度に考えていたことが……お前の失敗だぜ!テリー・ボガード!」

 

テリー(餓狼MOWバージョン)と殴り合いを開始するケン。

 

ケン(そうか、リョウも……Mr.KARATEもそろそろ円熟期か。人の事はいえねぇな。うちの師匠やオロの爺さんのようにいつまでも体力を維持できるとは限らねぇ。俺だっていつかタクマ・サカザキのように体が満足に動かなくなるかわかったものじゃない……全盛期を維持できるのは、今が最後かも知れない。衰えを感じる前に……)

 

大会後………。

 

ケン「イライザ。最後のワガママを聞いてくれ」

 

イライザ「なぁに?ケン」

 

ケン「俺は………………」

 

…………。

 

イライザ「はぁ、仕方がないわね……わかったわ」

 

ケン「済まない、イライザ。今を逃したら、きっと俺は後悔する」

 

イライザ「大丈夫よ。だって、そんなケンだからこそ、私はあなたを好きになったんですもの。先に進もうとしないケンなんて、ケンじゃないわ。行ってらっしゃいケン。きっと、みんながあなたを待っているわ。でも、必ず帰ってくるのよ」

 

ケン「ありがとう……イライザ」

 

ケン(今が………決着を付ける時なんだ……。ありがとうよ、テリー・ボガード。気付かせてくれて……)

 

サウスタウン

極限焼肉本店兼極限流空手道場本部

 

ユリ「お兄ちゃんの居場所?うーん……お兄ちゃんがサウスタウンを出ていってから大分経つからなぁ。多分、セカンドサウス……ううん、今は山籠りかも?」

 

ケン「そうか!だったら教えてくれ!リョウ・サカザキの……Mr.KARATEの居場所を!」

 

ユリ「構わないけど……でも、条件がありますよ?ケンさん」

 

ユリから闘気が巻き起こる。

 

ケン「おいおい。本気か?ユリちゃん」

 

ユリ「極限流はMr.KARATEや最強の虎だけじゃ無いの。この極限流空手本部に来ておいて、本部じゃなくて支部のセカンドサウスに用があるっていうの、失礼じゃない?一人の格闘家として、ケンさんに勝負を挑みます!」

 

ケン「ったく………どうしてこう、静かに世代交代をする格闘家が少ないかね?良いぜ、ユリちゃん。どちらがMr.KARATEに……そしてアイツに挑む事が出来る権利を持つか、勝負だ!」

 

ケンの昇龍拳とユリの空牙(ちょうアッパー)がぶつかり合う。

 

 

セカンドサウス

夜・極限流の山籠り修業場

 

修業場のキャンプ。

そこでMr.KARATEが正座をしている。

 

Mr.KARATE「驚いた。まさかお前がここに現れるとはな」

 

ケン「悪かったな。リュウじゃなくて俺で。あいつとの真剣勝負を誰かに譲るのは我慢がならなくてな」

 

Mr.KARATE「ユリを負かしたようだな」

 

ケン「流石は初代Mr.KARATEの娘だ。経験を積んだあの天才を負かすのは、少々骨が折れたぜ?」

 

Mr.KARATE「そうか……実質、極限流本部道場の看板を取られたようなものだな。取り返さなくちゃな」

 

ケン「いいや、ここでセカンドサウス支部の看板を取らせて貰うぜ?そしてそれを土産にアイツとの真剣勝負を挑むのさ………組手じゃなくて、本当の真剣真剣をな」

 

Mr.KARATEが立ち上がり、構えを取る。

あの頃よりも更に練られた気は、師の剛拳に匹敵する程に鋭く、そして濃密であった。

 

ケン「タクマ・サカザキからMr.KARATEの名を受け継いだだけはあるぜ。リョウ」

 

Mr.KARATE「リュウは真の格闘家を、そして俺は極限の拳を手に入れる為に技を磨いてきた。お前はどうなんだ?ケン・マスターズ」

 

ケン「考えた事も無いな。だが、俺はいつまでもアイツのライバルでいたい。いつまでもアイツと腕を競いあっていたい。多分、形は違えども………」

 

ケンも構えを取り、Mr.KARATEと向き合う。

 

ケン「俺も真の格闘家ってのを目指しているのかもな?アイツの隣に立とうとしている限りはな。結局、俺もお前達と変わらない、格闘バカなんだろうぜ」

 

Mr.KARATE「ふ………ならば、格闘バカが二人揃えば、やることは1つだな」

 

気を滾らせるMr.KARATE。

 

Mr.KARATE「思えば、出会ってから長い月日が立つのに、お前とはやったことが無かったな。来い!ケン・マスターズ!」

 

ケン「ああっ!行くぜ!無敵の龍……Mr.KARATE…リョウ・サカザキ!」

 

ぶつかり合うケンとリョウ。

果たして、この勝負の行方の果てに、どちらが孤高の格闘家・リュウと決着を付ける切符を手に入れたのかは記録に残っていない。

格闘界でも屈指の名勝負を見守るのは……

二人を照らしている夜空の月だけだった。




ケン編のエンディングです。

形は違えど、ケンも真の格闘家を目指しているのではないか?
そしてリュウ編のエンディングでもある通り、ストリートファイター3時代の彼等が全盛期を維持できる円熟期。格闘家としての節目を見た彼等がライバルたちとの決着を望む時期なのではないかと考え、ケンのエンディングは多少リュウと被りつつも、内面を描きながらこういうエンディングとなりました。
イライザとラブラブするいつも通りを踏まえつつ……。

それでは次回はリョウ編のエンディングを書きたいと思います。もっとも、リュウやケンとさほど変わらないかとは思いますが。


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エンディング…リョウ・サカザキ編

片膝を突いているギース。

しかし、その表情には笑みが………。

 

ギース「なるほど……ここまでやるとはな。影はともかく、ベガやルガール、そしてクローンとは言え、豪鬼すら退けただけはある。ここは素直に負けを認めるとしよう」

 

リョウ「やけに今回は素直に敗けを認めるじゃないか」

 

ギース「事実だ。負け惜しみを言ったところで結果が変わるわけではない」

 

ユリ「素直に負けを認めたんなら、観念して捕まって、罪を償うッチ!」

 

ギース「ふ……勘違いするな。負けを認めたからと言って、私はお前達に従うとは一言も言っていない」

 

リョウ「なにっ!覇王っ!」

 

室内の照明が消され、暗転。

 

リョウ「なっ!

バリィィィィン!バルバルバルバル!

音のした方に目を向けると………

ビルから転落していく男の姿が。しかし、それはルガールの姿………。

 

ルガール「くぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

ギースはヘリの縄梯子に掴まり、既に逃げ支度は万全に整えられていた。

 

ケン「おいおい。ルガールを落として自分は逃げるか?落ちるのはお前のお家芸だろ?」

 

ギース「ワハハハハハ!貴様らに落とされる程、私の命は安くはない!」

 

ベガ「逃げるか………ギース」

 

ギース「フンッ!ベガよ………影を唆して好き放題してくれたな………この借りは必ず返すぞ………必ずだ」

 

ベガ「良いだろう………いずれはその首、かっきる…」

 

消えるベガ。

 

リュウ「く………豪鬼のクローンとルガールは倒したけが、ベガとギースが!」

 

ギース「さらばだ………。極限流よ、リュウよ、ケンよ!縁があれば、再び会うこともあるだろう。その時はハッキリと決着を付けようではないか。フフフフフ……ハハハハハ………ハッハッハッハッハッ!」

 

ユリ「ギースが逃げちゃうよ!」

 

ケン「ダメだ………もう追跡不可能だ」

 

リョウ「ギース………」

リョウ(ギースが退いたのは、まだ時じゃないからか、それとも、アイツが真に決着を付けたいのは……)

 

地獄門に放たれる光の矢が……

 

楓「今度こそ…本当にさようなら。義姉さん…」

 

 

サウスタウン…メインストリート

 

リュウ「終わったな」

 

ケン「すっきりしない最後だったがな」

 

ユリ「一応は、ギースも主催者の義務だけは果たしたみたいだね。優勝賞金の小切手を四人分、部下に渡して来たんだから」

 

ケン「初代主催者の矜持って奴だろう。悪人なりのな」

 

ユリ「よし!今日は極限焼肉でお祝いだッチ!ほらほら、リュウさんも!」

 

リュウ「あ、ああ……」

 

リョウ「……………」

 

リュウ(リョウ?)

 

 

 

翌朝………。

極限流道場。

 

タクマ「本気なのか?リョウ」

 

リョウ「ああ………今日、俺はこの街を出ていく」

 

ユリ「そんな!前にもそんな事を言っていたけど、どうしてまた!商売に走っちゃったから!?嫌だよ!お兄ちゃんが出ていくなんて!」

 

リョウ「………今回の大会でわかった。今までのやり方じゃダメなんだ。本当に拳を極める為には……俺なりの極限を極める為には、今までのやり方では……」

 

ロバート「………旅に出るって事かいな?リョウ」

 

リョウ「ああ………リュウのように、世界を旅して、そしていつか、俺なりの極限を極めていく」

 

タクマ「…………良いだろう、リョウ。行け。しかし、その拳を極めるまでは、二度とこの道場に帰ってくる事は許さん」

 

リョウ「覚悟の上だ」

 

ユリ「お父さん!」

 

タクマ「いつかはこんな日が来るとは思っていた。ワシの元でぬくぬくしているようなお前では無いとな。ワシが若い頃、単身でこの街に来た頃を思い出す……持っていけ、リョウ。いつか来る、今日の為に、これまで貯めていた資金だ。ワシからの生前贈与だと思っておけば良い」

 

リョウ「ありがとう………親父」

 

そう言って立ち上がり、戸を開けるリョウ。

 

マルコ「お供致します。リョウ師範!」

 

そのリョウに付いていくマルコ・ロドリゲス。

 

リョウ「ああ、親父。1つだけ、ここに戻ってくるかも知れないな」

 

タクマ「何だ?」

 

リョウ「いつか、親父の名前をもらい受けに来る。Mr.KARATEの名前を」

 

タクマ「………Mr.KARATEの名は安くはない。その時は命を失うつもりで来るが良い」

 

ユリ「うう………お兄ちゃん」

 

ロバート「リョウ。お前がいない内に、ユリちゃんを貰うかも知れへんで?」

 

リョウ「好きにしろよ。後はお前とユリの問題だ」

 

去っていくリョウとマルコ。

 

タクマ「………いつの間にか、子供ではなくなっていたんだな………」

 

ロバート「あのアホが。先生、ワイもうかうかしてられへんで。次にアイツが帰って来たとき、ここに残らへんかった事を後悔するくらい、腕をあげたるんや!Mr.KARATEの名を継ぐんは、ワイや!」

 

その日、無敵の龍、リョウ・サカザキの姿がサウスタウンから消えた。

そしてリョウは、世界各地を回り、その極限の拳を高めていく。

 

そんな折………風の噂でギース・ハワードが己の居城であるギースタワーより転落し、死亡の報せが入る。

 

リョウ「ギースが死んだか………。やはりあの男が最後に決着を望んでいたのは………」

 

自分では無かった。

ギースはテリー・ボガードとの決着を望んでいたのだろう。

 

宿敵とも言えるギースの死。

リョウは一抹の虚しさを感じるものの、自分のやることは変わらない。

ただ、極限の拳を極めていくのみ。

己の拳を高めていくリョウを慕い、いつしかリョウの周りには、沢山の弟子が集まるようになっていった。

 

リョウ(そろそろ腰を落ち着けないとな)

 

セカンドサウス………

第2のサウスタウンと呼ばれる程に急成長を遂げていくこの街を、リョウは己の城を築く事に決めた。

ギース亡きサウスタウンよりも勢いが増してきたセカンドサウスと呼応するように、極限流空手サカザキ道場セカンドサウス支部は、今やタクマやロバートが盛り立てる本部道場と同じくらい規模を大きくしていた。

しかし、リョウはそれに奢ることは決してない。リョウが目指す頂きは、まだまだ遠い。

 

数年後………

リョウの一番弟子、マルコ・ロドリゲスが数あるKOFで優勝を果たしたその日に、リョウはマルコを呼び出す。

 

リョウ「マルコ」

 

マルコ「はい、リョウ師範………」

 

リョウ「今日からお前が極限流の無敵の龍だ」

 

マルコ「し、師範!ま、まさか………」

 

リョウ「名を……受け継いで来る。二度と戻らないかも知れない。その時は………すべてをお前に託す」

 

マルコ「ご武運を………」

 

サウスタウン

極限流空手サカザキ道場本部

深夜

 

ロバート「待っておったでリョウ」

 

リョウ「ロバート………」

 

ロバート「多分、今日辺り来るんやないかと思っとったわ。どっちが先生に挑めるか……Mr.KARATEに挑戦出来るかをかけて、決着を付けようやないか」

 

待っていたロバートとの決着を着け………そして、後に控える天狗の面を被った父、タクマ………。

 

タクマ「リョウ………今、この時は貴様とワシは親でも子でもない。ただ一人の格闘家として、命を賭けよ!」

 

普段の試合では決して見せることのない、本気の本気を出したMr.KARATEとの死闘………。

そして………。

 

タクマ「今からお前が………Mr.KARATEだ……」

 

己の敗北を認め、その証である天狗の面をリョウに渡すタクマ。

 

リョウ改めMr.KARATE「…………」

 

長年、求めていた最強の証。Mr.KARATEの称号。

かつて無敵の龍の称号を得た時の達成感と高揚感は、その時のMr.KARATEには無かった。

 

ロバート「なんや自分………もっと嬉しそうにせんかい」

 

Mr.KARATE「まだだ、ロバート。Mr.KARATEの名を継ぐのがゴールだったんじゃない。これは通過点に過ぎない。極限の拳は………まだ先にある」

 

ロバート「変わらへんな……自分。けど、忘れるんや無いで?リョウ。今はその名を自分に預けるだけや!いつか腕を上げて、その名を貰うさかい!」

 

Mr.KARATE「わかっているよ。ロバート……。俺は逃げも隠れもしない」

 

二代目Mr.KARATE誕生。

その称号は、瞬く間に格闘界に轟く。

Mr.KARATEの名は軽くは無かった。

第2のサウスタウンとなりつつあるセカンドサウス。

サウスタウン同様に格闘家達の集う街。

その街でMr.KARATEを名乗ると言うことは、日々闘いを挑まれると言うこと。

ストリートファイトや道場破りは日常茶飯事。

どんな手段でも彼を倒し、最強の名を奪おうとする跳ね返りも日常の一部。

時には父、タクマがそうであったように、裏社会の陰謀に巻き込まれかけた事も一度や二度ではない。

日常の中でも気が休まる事のないMr.KARATE。そんな生活は、より彼の拳を高めるには充分な日々だった。むしろ彼自身が望んでいた事だったのかも知れない。

今の彼の姿は、ありし日の先代、タクマ・サカザキの姿そのものだった。

 

そして更に数年後………

 

一日も休むことなく己を磨き続けてきた彼。

今ではMr.KARATEが当たり前に呼ばれ、本名であるリョウ・サカザキと呼ばれなくなって久しい。

だが、そんな彼も分かっていた。

格闘家が全盛期を……そして現役を続けることは難しい。まだまだ現役を退くつもりは無いが、自分も…そして周囲も理解していた。

今が二代目Mr.KARATEの円熟期だと……。

 

Mr.KARATE(そろそろか………)

 

そうなれば、あの頃に………KOFに出場していた頃、互いに切磋琢磨してきた者達も、自分と同じように衰えを感じる前に、これまで先伸ばしにしていた決着を…格闘家としてのけじめを付けようと考える頃である。

 

Mr.KARATE「マルコ」

 

マルコ「押忍!」

 

Mr.KARATE「明日から一足先に山籠りに入る。留守を頼んだぞ」

 

マルコ「押忍!」

 

Mr.KARATE「いつぞやみたいに留守中を襲われて看板が奪われる事が無いようにな」

 

マルコ「お、押忍……」

 

準備を整え、彼はあの山奥へと向かう。

彼と初めて出会い、数日間研鑽したあの修業場に……。

必ず現れる。

あれから出会う事の無かった彼等が………。

テリー・ボガード…草薙京…サガット…キング。

そして………。

 

???「待たせたか?」

 

あの頃と変わらない、ボロボロの白い胴着に赤い鉢巻。

 

Mr.KARATE「いや。定刻通りだ。考えている事は同じだったようだな。リュウ。真の格闘家に、辿り着く事は出来たか?」

 

リュウ「恥ずかしながらまだまだだ。そっちこそ、お前の噂を聞かない日はない。立派になったものだな。リョウ・サカザキ……いや、二代目Mr.KARATE」

 

Mr.KARATE「大層な名前が付けられても、結局俺もまだまだ極限の片鱗すらも掴めてはいない。情けない限りさ。世間で騒がれているほど、俺は大した事はない。もしかしたならば、極限も真の格闘家も、永遠に辿り着ける物では無いのかも知れないな」

 

リュウ「だが、それでも追い求めずにはいられない。辿り着く事が出来たと思ったならば……それは格闘家を止める時なのかも知れないな」

 

Mr.KARATE「………それでも、俺は拳を極める事をやめはしない。いつか、倒れるその日まで……俺は追い求める」

 

リュウ「そうだな………さて………」

 

Mr.KARATE「ああ。俺達は果てのない道を目指す格闘家だ。口で語るよりも、もっと確実に相手と分かり合う方法は1つ」

 

リュウ「ああ………あれからどう成長したか、俺とお前のこれまでを語るのは………互いの拳をぶつけ合うのみ!」

 

Mr.KARATE「存分に語ろうか。邪魔をする者は今日はいない。さあ!やろうか!今日の俺はMr.KARATEじゃない!ただの空手家、リョウ・サカザキだ!」

 

天狗の面を脱ぎ捨てるリョウ。

 

リュウ「いくぞ!リョウ・サカザキ!互いの拳を試すぞ!」

 

待ち望んでいた闘い。

邪魔をするものは一人としていない。

己の人生でもっとも心・技・体が最高潮となった二人のぶつかり合いが………始まった。

 

FIN




はい、リョウ・サカザキのエンディングです。

リョウがサウスタウンを出るという話は、KOF14のエンディングで語られていたところを流用しました。
あのエンディングでは空手そっちのけで焼肉屋の発展ばかりを考え、愛想を尽かしたリョウがぶちギレ顔の勢いで言っていたギャグエンディングでしたが……。
ただ、餓狼WABやKOFMI2、ネオジオバトルコロシアムに登場したMr.KARATEとしてのリョウ。
渋みを増したリョウが、その名を継承するにあたってあったであろうエピソードを想像し、それをリョウのエンディングとして持ってきましたが、如何だったでしょうか?
それでは次回もよろしくお願いいたします。


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エンディング…ユリ編

空手家チーム編ラストです


ベガ2「フッフッフ……よく頑張ったが、ここまでのようだな!」

 

ユリ「ハァ……ハァ……」

 

ベガ2「まだしぶとく意識を保っているか。だがそこまでよ!今度こそとどめだ!そして我がサイコパワーの洗礼を受け、我が軍門に下るがいい!サイコクラッシャー!」

 

(サイコクラッシャーで突進してくるベガ2)

 

ユリ「いや………洗脳されて親父の趣味全開のハイレグ変態戦闘服はイヤー!」

 

(根元で芯・ちょうアッパー(滅鬼斬空牙)炸裂!)

 

ベガ2「な、何ぃぃぃぃぃ!」

 

ユリ「極限流奥義!龍虎乱舞!」

 

浮き上がったベガに対し、これまでの龍虎乱舞とは比べ物にならない速度で突進するユリ。

 

リョウ「ま、まさかユリがあの龍虎乱舞を使うとは!いや、使えるとは!」

 

ユリ「オラオラオラオラオラオラオラオラァ!」

 

リュウ「確かに手数とかは多い。だが、龍虎乱舞は今までもユリは使っていただろう?」

 

リョウ「今までの龍虎乱舞は言わば形だけを真似ていただけの未完成の龍虎乱舞!今のユリは体力と気力が限界に達し、自我を忘れた状態!あれこそ真の龍虎乱舞!とうとうそこまで至ったか………ユリ」

 

ユリ「いやー!あの親衛隊の制服はいやぁぁ!」

 

ヒップアタック(燕翼)→百烈ビンタ

 

ケン「よっぽどあのハイレグが嫌だったんだな……」

 

再び乱舞

 

ユリ「オラオラオラオラオラオラオラオラ!えい!や!チェストォォォォォ!」

 

止めに飛燕烈吼→芯・ちょうアッパー!

吹き飛び、壁を突き破ってギースのように落下するベガ。

 

ベガ2「バカな!その程度の攻撃で……この私が、この私がぁぁぁぁ!」

 

落下しながら、サイコパワーが暴走し、体が崩壊するベガ。

 

ベガ2「ヌハハハハ!今回は私の負けだ!しかし、私は死なぁぁぁぬ!悪の心が人の中にある限り……私は何度でも……復活………ぐはぁぁぁぁ!」

 

ストリートファイターゼロ3のようにベガ、爆発。

 

時を同じくして地獄門に光の矢が吸い込まれ、地獄門がきえる。封印の儀式だ。

 

楓「これで本当にさようならだ……。義姉さん……」

 

ルガールを始めとした死者達が浄化され、禍々しく荒れていた空が嘘のように雲1つなく、青空が澄み渡っていた。

 

へたり込むユリ。

 

ユリ(なに?今の龍虎乱舞は………あれが本当の龍虎乱舞?じゃあ、今までの私は………)

 

色々と愚痴りながらも立ち上がるリョウ。

それを助け起こすリュウとケン。

 

ユリ(私は一丁前のつもりでいたけど、今までは然り気無くお兄ちゃんやリュウさん達が私を守っていてくれていたんだ……。ううん、今までのKOFだって……お父さん、ロバートさん、キングさん、舞さんが……)

 

脳裏に浮かぶタクマ達の姿。

 

リョウ「大丈夫か、ユリ?無我夢中で放った龍虎乱舞は疲れただろ?帰るぞ、ユリ」

 

手を貸すだけのリョウ。普段なら背中を貸し、ふらつくユリをおぶってくれていたリョウ。

 

ユリ(今まではそれが当たり前だったけど、きっとお兄ちゃんは私の事を………)

 

リョウの手を取り、立ち上がるユリ。

 

ユリ(もう、私は………。恥ずかしかったけど、今……あの広い背中におぶさるの、好きだったんだなってわかっちゃった……少し寂しい………かな)

 

ユリ「大丈夫。1人で歩けるよ……もう、子供(・・)じゃ無いんだから……」

 

リョウ「そうだな。もうお前は、1人で歩けるな……」

 

 

極限焼肉・本店

 

祝勝会が催される極限焼肉。

席にはチームメンバーと、特別招待されたイライザ、店主のタクマと兄弟子のロバート、リョウが目をかけているマルコが焼肉をつついている。

 

ロバート「先生。今回の優勝でまた、お客さんがぎょうさん押し寄せると思いまっせ?」

 

タクマ「うむ!家に入れてくれた優勝賞金で更に店を改装して………」

 

相変わらず商売の話しかしないロバートとタクマ。

 

リョウ「…………」ゴゴゴゴゴ………

マルコ「…………」ガタガタガタ……

ケン「ハハ……ハハハハ……」

 

前回のKOFの時と同様、怒りの形相のリョウと、隣で汗をダラダラとかいているマルコ。

ケンもリョウの様子に苦笑いを浮かべるしかない。

いつもだったらユリもタクマやロバートと一緒に商売話で盛り上がっていただろう。

だが、今は…………

黙って俯きながら肉を食べるユリ。

 

リュウ「おめでとう、ユリ」

 

そんなユリにリュウが声をかける。

 

ユリ「リュウさん………」

 

リュウ「これで君はもう、一人前だな」

 

ユリ「………」

 

リュウ「最後に放ったあの龍虎乱舞。初めて真空波動拳を撃った時を思い出す。あれを見て、あの頃の気持ちを思い出したよ。真の昇龍拳………今なら出来そうだ。思い出させてくれてありがとう」

 

ユリ(そうだね。あの龍虎乱舞が出来るようになってからが入り口なんだ。今の私じゃ、本当の龍虎乱舞に振り回されてる……あれをもっとお兄ちゃん達のように自在に使えるようになって、やっと龍虎乱舞を会得したことになるんだ………そして、お兄ちゃんの天地覇王拳のような私だけの本当の奥義を………)

 

リョウ「………」

 

いつの間にか、リョウは怒りの形相を消し、ユリに笑顔を向けていた。

 

ユリ(いつもなら口煩くあれがダメだった……とか言ってくるお兄ちゃんが、何も言ってこない……もう、これからは自分で考えろって事なんだね。そしてお兄ちゃんは………もぅ………)

 

翌朝

極限流空手サカザキ道場本部

 

タクマ「…………本気なのだな?リョウ」

 

リョウ「ああ………俺は今日、この街を出る」

 

ユリ(やっぱり…………)

 

リョウの表情にゆらぎはない。

 

ロバート「ユリちゃんも止めな!何を考えてるんや?」

 

ユリ「…………止めないよ、お兄ちゃん。お兄ちゃんはお兄ちゃんの目指す『極限の拳』を求めて」

 

ロバート「ユリちゃんまで!」

 

ユリの目に、少し涙が溜まる。

 

ユリ「今までありがとう。お兄ちゃん。もう、私は1人で歩けるよ……」

ユリ(そう、1人で歩ける。お兄ちゃんやロバートさんに守られていた私は、もういない………)

 

ユリ「1人で、私なりの極限の拳を追い求めて見せる。そして、いつかお兄ちゃんを超えてやるんだから」

 

リョウ「ああ。お前はもう一人前だ。俺が教える事は、もうない。今後はお前を妹としてじゃなく、1人の格闘家として……そして、ライバルとして見よう」

 

リョウがユリを優しく見る。

 

ユリ「いつまでもモタモタしてたら、私が先にMs.KARATEになっちゃうんだからね?何たって私は天才なんだから」

 

タクマ「………後継者が増えたな。子供というものはいつの間にか大きくなるものだ。良いだろう、リョウ。行け。そして極限の拳を極めて来い」

 

ロバート「………ハァ、極限親子は相変わらずやわ」

 

ユリ(行ってらっしゃい。お兄ちゃん……。今まで本当に守ってくれてありがとう)

 

無敵の龍、リョウ・サカザキ。

サウスタウンより姿を消す。

 

タクマ「ユリ!一人前となったからには、ワシももう娘としてではなく、師匠として本格的にお前を鍛える!これまでのように甘えられると思うな!」

 

ユリ「押忍!師匠!」

 

ユリ・サカザキ。

これまで以上に本腰を入れ、空手に取り組んで行くことになる。

いつしか、人は彼女の事を『三代目・無敵の龍』と称するようになった。

 

一年後

 

全米異種格闘技大会決勝

向き合うケンとユリ。

 

ケン「まさか、ユリちゃんがこの俺と全米格闘王の座をかけて争う事になるなんてな。大分、腕を上げたじゃないか」

 

ユリ「いつまでも極限流を差し置いて全米一を名乗らせませんよ。今日がケンさんの全米格闘王としての最後の日です!」

 

ケン「言うねぇ。確かにユリちゃんは一人前となって腕を上げた。顔付きもいっぱしの格闘家になったのは認めるぜ?けど、この俺と全米格闘王を争おうっていうのは流石に気が早いと思うぜ?『桂馬の高上がり』って言う言葉は、確か日本の諺で合っていたよな?将棋は良く知らねぇけど」

 

ユリ「全米格闘王を目指すのが私にとって前に出すぎた桂馬か、それとも龍王になりつつある飛車か、全米格闘王の座を賭けて戦えばわかると思いますよ?」

 

ケン「プロポーションしてクイーンになるポーンってわけかい?知ってるか?縦横無尽に動きすぎるクイーンってのは、あっさりやられちまうもんなんだぜ?今のユリちゃんはまさにそれさ。まだクイーンには、十年早いって」

 

ユリ「天才ですから。私は」

 

ケン「知らなかったか?俺も格闘技の天才なんだよ。一人前になったばかりの天才が、先に一人前になっていた天才に勝てると思っているのが、まだまだ達人には遠いって事を、わからせてやるぜ?」

 

ケンの顔から笑みが消え、構える。

 

ユリ「手始めに、全米格闘王を頂きます!そして…Ms.KARATEに、私はなる!」

 

今のユリに、去年までの甘えた顔はない。その名が示すような可憐で、少し幼さを残していた彼女の顔は、街中で誰もが振り返る程の凛とした美女にまで成長させていた。

ユリ・サカザキが全米格闘王、そしてMs.KARATEになれたかどうかはまた、別の話だ。

しかし、彼女なら、いつしかその顔に天狗か般若の仮面を被る事が出来るだろう。(般若の仮面を被ったユリの姿が。隣には天狗の仮面を付けたリョウ。背後に頭を抱えて泣いているロバートとマルコ)

その仮面が果たして似合うのか、そしてその整った顔が隠れてしまうのは人類の損失とも思わなくも無いが。

彼女の修羅道はまだ、始まったばかりだ。

 

FIN




はい、ユリ編のエンディングです。

若干、ギャグが混じりつつありましたが、本格的なギャグはタクマとロバート、キムに任せましょう。

タクマ&ロバート&キム「!?」

それではいつになるかわかりませんが、次回は三種の武神チームのデモを書きたいと思います。
それでは次回もよろしくお願いいたします。


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ボス戦…三種の武神チーム

小ボス戦

 

「優勝おめでとうございます。優勝セレモニーを執り行いますので、皆様、私に付いてきていただけませんか?」

 

庵「優勝セレモニーだと?くだらん……」

 

京「待てよ八神。これからが本番だろ?何のためにいけ好かねぇテメェとチーム組んでここまで来たかわかんねぇだろ」

 

庵「ちっ!」

 

アメリカ・サウスタウン

乗った車はトンネル、そしてエレベーターへ、

 

ガイ「どこまで運ばれるのでござろうか……」

 

京「どうせいつもと同じで、録でも無いところだろ?」

 

ローズ「1つだけわかっていることは、彼らの所であることは間違いないわね」

 

京「どこかに着いたかと思えば、ひどく懐かしい雰囲気が漂ってる場所じゃねぇか?」

 

扉が開き、どこか広い場所に出る。

 

ギース「優勝おめでとう、諸君。素晴らしい試合の数々には我々もいたく感動した」

 

庵「ギース、ベガ、ルガールか……よくも下らん与太者達が集まった物だ。わざわざ呼びつけたんだ。気の利いた余興を用意しているんだろうな?」

 

ベガ「フッフッフッ。八神庵よ。君が気に入るかどうかは分からんが………。すこし面白い演出を用意してある。歴史的な実験という名の演出をな」

 

ルガール「ネスツやWARZが残した技術を我々が利用して作り出した実験体だ」

 

ガイ「実験体?なんでごさるか?」

 

カプセルが開く

 

ローズ「これは……豪鬼!ばかな!何故豪鬼が!」

 

ギース「ネスツが生み出したクローン技術。草薙京のクローンを大量に生み出した技術を、我々が使った」

 

京「ただでさえ嫌な思い出があるクローンの話が出てきただけでも胸糞悪いってのに、それがあの豪鬼のクローンだと?最悪の演出だな、ええ?」

 

ベガ「それを我がシャドルーが持つ豪鬼のデータを反映させ、より本物の豪鬼に近付けてある」

 

ガイ「あの豪鬼が何人も……それ自体が既に人の世を乱す諸行!ベガ!地獄門といい、どれだけの災厄を引き起こすつもりでござるか!今代の武神流として、必ず止めてみるでござる!」

 

ルガール「出来るかな?君達に。手始めに別の個体を相手にしてもらおう」

 

庵「これは……俺?」

 

京「ざまぁねぇな、八神。結局はテメェもコピーを作られてるじゃねぇか」

 

庵「京……与太者達の前にまず、貴様から片付けてやってもいいんだぞ?」

 

ローズ「仲間割れはそこまでにしておきなさい。世界の危機に面しているというのに、何て緊張感のない」

 

京「別にこいつの事を仲間と思ったことなんて、ただの一度も無いけどな」

 

庵「そこだけは気が合うな」

 

ガイ「いい加減にするでござる!よく見るでござるよ!他の『かっぷーせる』にも、なにかいるでござる!」

 

ローズ「これは………リュウにケン!」

 

京「それにレオナ?」

 

ギース「いずれも殺意の波動やオロチの力を注入し、本物よりもより強力にしてある」

 

庵「オロチの力だと!?………ぐっ!ゴフッ!」

 

血を吐く庵。

 

京「またオロチが1枚噛んでやがるのか……何度も何度も現れやがって………おい八神!面倒事を更に増やされるのは御免だからな!ここでテメェまで暴走するんじゃねぇぞ!」

 

庵「誰に言っている!貴様!」

 

ベガ「これらに屈するようでは豪鬼の実験に耐えられんだろう」

 

ルガール「せいぜい頑張ってみたまえ」

 

庵「下らんコピーを作りおって!この下らん余興に付き合わせたツケは貴様ら自身の命で払ってもらう!楽に死ねると思わんことだ!」

 

小ボス(暴走キャラチーム)

 

殺意の波動リュウ(ストリートファイターZERO2α)

 

洗脳ケン(SNK VS CAPCOM SVC CHAOS)

 

ツキノヨル オロチノチニ クルフ イオリ(KOF97)

 

ヤミノナカ オロチノチニ メザメタ レオナ(KOF97)

 

 

中ボス戦前デモ

 

庵「ふん!たとえ血の暴走であろうと、貴様らごときで俺の力をコピー出来るとでもおもっていたのか!」

 

ギース「中々やるではないか。だが、これでより豪鬼は完璧になった」

 

ガイ「このような外道の諸行!許してはおけぬ!」

 

ベガ「ムハハハハハ!だが、これからが本番だ!」

 

京「今度はお前達が相手か?勿体ぶって無いで早く来いよ。まとめてキレイに消し炭にしてやるぜ」

 

ルガール「フッフッフッ……是非とも焼き残しの無いように頼もうではないか。出来るものならばな」

 

ローズ「決着を付けてあげるわ。ベガ!」

 

ガイ「醜き悪鬼羅刹共よ!観念するで御座る!」

 

豪鬼「……」

 

ギース「さぁ、殺意の波動の力と我々の暗黒の力をとくと味わうが良い」

 

ボスチーム戦

 

 

ラスボスデモ…草薙京編

真ボス戦(オメガ・ルガール)

 

京「年貢の納め時だな………約束通り、きっちり消し炭に変えてやるぜ!」

 

ルガール「ハッハッハッハッハッハッ!ご苦労だったな!諸君!」

 

立ち上がるルガール

 

画面暗転

 

ギース、ベガ、豪鬼の体から力を吸収し、髪の毛が銀髪になり、オメガ・ルガールになる。

 

ローズ「何てこと!全員の力を吸収してしまった!」

 

オメガ・ルガール「諸君!君達には感謝するぞ!豪鬼の殺意の波動!ベガのサイコパワー!ギースの暗黒の力!更にはオロチや三種の神器、ネスツが持っていた力も我が物にすることが出来た!」

 

庵「ふん!またあの時のようになりたいのか?影も形も残さず、無様に消えていったあの時のように」

 

オメガ・ルガール「これは素晴らしい!オロチの力など比にもならない全能感!世界の覇権はこのルガールが手に入れた!この私がネスツやシャドルーに代わって新たなる神として降臨しよう!」

 

ガイ「誰がお前なんかにひれ伏す物か!人の世を乱す貴様が神などと、驕り極まりない!」

 

オメガ・ルガール「どうやら理解できないようだ!この私の新たなる力を!良いだろう!この新たなる神、ルガールを称える神話の最初の1ページは、君達の無惨な死から始めるのが相応しかろう!」

 

ローズ「そんなことはさせないわ!ルガール!ここであなたを倒す!私と同じあなたを!」

 

オメガ・ルガール「せいぜい足掻いて見せるが良い!私の強さを引き立たせる為に!そして君達の体は、それを後世に伝える銅像になってもらおうではないか!」

 

京「オロチだの、ネスツだの、因縁はもうたくさんなんだよ……俺達の銅像の代わりに、テメェの墓を建ててやるぜ!」

 

オメガ・ルガール…KOF95,KOF98,KOF2002

 

ラスボスデモ…八神庵編

真ボス(真・豪鬼)

 

庵「ふん。言わんことがない。俺のコビーなどと下らん真似をしてくれたツケを払って貰おうか」

 

立ち上がる豪鬼

 

豪鬼「ふ…笑止!我は……」

 

画面暗転

 

突然現れ、豪鬼を瞬獄殺で始末する真・豪鬼(本物の豪鬼)

 

ローズ「あなたは……本物の豪鬼!」

 

真・豪鬼「我は拳を極めし者なり。殺意の波動は、作られし力では極めること不可能なり」

 

京「これが本物の殺意の波動だと……!さっきまでの偽物の豪鬼なんかとはまるで違う!」

 

真・豪鬼「オロチ、地獄門、魔界、サイコパワー……如何なる力も極めし真の力に比ぶれば、児戯にも劣る」

 

ガイ「真なる殺意の波動………これがあるからこそ、凶事は終わらない!豪鬼!貴殿を倒す!」

 

真・豪鬼「笑止!真の拳、受けてみるか?そしてそこのうぬ………貴様も鬼を飼うか……」

 

庵「貴様……俺の中のオロチの力の事を言っているのか?」

 

真・豪鬼「その力を開放し、うぬの真なる力を見せてみよ!」

 

ローズ「八神の力を開放させる訳にはいかない!」

 

京「八神。テメェのせいで終わるものも終わらなくなっちまったろうがよ。どう落とし前を付ける気だ?」

 

八神「それは悪かったな。では詫びとしてこの男を殺したあとに、貴様を灰に変えてやる。貴様の血で真っ赤に染まった灰にな!」

 

ローズ「この状況でよくそんな下らないケンカが出来るものね」

 

ガイ「普段通りと言うことは、却って頼もしいと考えるべきだと前向きに捉えるべきでござろう。いざっ!」

 

真・豪鬼「我は拳を極めし者なり。強者と名乗るであれば、我を超え、そして真なる拳を極めて見せよ!」

 

 

真・豪鬼…ストリートファイターZERO2他

 

 

 

ラスボスデモ…ガイ編

真ボス戦(ナイトメア・ギース)

 

ガイ「どうだ!これぞ、武神流!」

 

ギース「ぬぬぬぬ!許るさーん!よくもこの私を……」

 

画面暗転

 

???「はしゃぎすぎたようだな……影よ……」

 

ギース?「ギ……ギ……ギースゥゥゥ……」

 

京「ギースが二人?いや!後から来たギースが本物のギースってわけか。いつぞやの焼き増しみたいだな?」

 

ギース「ふ………草薙京か。そんなこともあったな…」

 

影武者「い、生きていたのか!ギース!」

 

ギース「クラウザーが用意した影武者よ……勘違いをしていたようだな?」

 

影武者「ギースゥ!私が……私こそが世界を!世界を手にするに相応しいのだぁ!」

 

ギース「ふ……レイジングストーム!」

 

影武者「くえぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

壁を突き破り、高層ビルから転落する影武者。

 

ローズ「影武者のギースとは明らかに違う!これが本物のギースの力……」

 

暗黒の力を開放してナイトメア・ギース(足元から暗黒の気が渦巻いている)となる。

 

ギース「愚かな………貴様にこのギースの代役など務まる訳がないと言うのに…大人しく踊っていれば、生かして泳がせてやったものを、このギースの影に怯え、踊り疲れ、分不相応な野望を持ち……思えば可愛そうな男だった」

 

庵「自分が殺しておいてよく言う」

 

ギース「壊れた人形は、しっかりと始末するのがマナーと言うものだ。だが、壊れた人形は壊れていたなりに、この私の役に立ったようだ。シャドルーの総帥、ベガ。ルガール……そしてここまでに来る過程で、沢山の邪魔者をお前達は始末してくれたようだな。どうだ?その腕を見込んで私の部下になるつもりはないか?」

 

京「ふざけるな。誰がテメェの部下なんかになるかよ。テメェの影武者がたんまり作った俺のコビーで満足してな。もっとも、いずれは全部燃やしてやるけどよ」

 

ギース「ふん。やはり私の最大の邪魔者は、お前達のようだな。お前達を痛め付ければ理解するか?どちらにしてもお前達は私の部下になってもらう。自らの意思で私の部下になるか、それとも影が研究したネスツの技術によって記憶を消すか……どちらかになるが……」

 

ガイ「どちらでもない!貴殿を倒し、帰らせて貰う!裏でこそこそと動く悪人ギース・ハワード!貴殿こそ人の世を乱す災厄!武神流の名において、貴殿を討ち取らせて貰う!」

 

ギース「ふ………武神流か。貴様の事は知っている。人の世が乱れる時、武神の影ありとか言ったな……。私が人の世を乱す者だと?それは、貴様の方なのではないのか?武神流よ」

 

ガイ「拙者が人の世を乱す者だと!?」

 

ギース「強き者が生き、弱き者は死ぬ。私はただ、正しき自然の摂理に従って生きている。自然の摂理に逆らい、人の世を乱しているのは武神流だ」

 

ガイ「まるで古き時代の考え方で御座るな。しかし、その為に手段を選ばぬ貴殿は、やはり人の世を乱す存在でござる。覚悟めされよ」

 

ギース「ふ……結局はそうなるか。良いだろう、もはや言葉は不要。せいぜい、私を楽しませてみせろ」

 

 

 

ラスボス…ローズ編

真ボスデモ(ベガ2戦)

 

ローズ「どう……これならベガと言えど……」

 

画面暗転

 

ローズ「な、何!?」

 

ベガ2「ムッハー!私を含めた我々を倒したのは称賛に値する。お陰で邪魔物の始末も楽に済んだわ!ローズよ、貴様は私を倒すためにここに来たようだが、結果は逆になったようだな」

 

ローズ「べ、ベガ!?なぜベガが!では俺達が倒したベガは何者?!」

 

ベガ2「ネスツの技術を使って生み出したクローンの体に我がサイコドライブを使って代替えしたのがこの新たな私だ。そこにいるのは私が捨てた古い体……いわば脱け殻に過ぎぬわ!」

 

ガイ「さ、サイコドライブ!?まだそんなものが存在していたでござるか!」

 

ベガ2「フッフッフッ……ギースは私を始末した後に、このクローンを影武者にしてシャドルーを牛耳る傀儡にするつもりでいたようだが……それが逆に私に力を与える事になるとは思わなかっただろう」

 

京「ギースめ……余計な事をしてくれたぜ!」

 

庵「どうせくたばるなら共倒れすれば良いものを…」

 

ベガ2「フッフッフッ……朽ち果てかけていた我が体だったが、ネスツの技術によってリュウの体やローズのように代替えの体を奪わずとも私は新たなる体を…全盛期の力を手に入れる事が出来た。もう殺意の波動など、おそるるに足りぬわ!」

 

ローズ「くっ!」

 

ベガ2「ローズよ!わざわざ現世に蘇ってまで私を止めに来たようだが、所詮は貴様など、この私に利用されるだけの存在よ……」

 

ローズ「こんなことになるなんてな……」

 

ベガ2「師としての最後の手向けだ。この新たなる体の力を試すついでに、貴様らを私自らで葬ってやろう」

 

ローズ「この私はどうなってもかまわない!あなただけは、絶対にこの手で止めてみせるわ!」

 

ベガ2「ふ……ぬるいわ!なに、殺しはしない。私の前に倒れ伏した後は、我がサイコパワーとネスツの技術でお前達を我がシャドルーの新たなる兵として使ってやるわ!」




三種の武神チームのボス戦デモです。

次回は京編のエンディングをお送り出来ればと思います。


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エンディング…草薙京編

オメガ・ルガール

 

京「ルガール。いい加減に学習しろよ。何度挑んで来たって、テメェじゃ俺には勝てねぇんだよ!」

 

全員が膝を付き、荒い息を吐いている。

 

オメガ・ルガール「バカな………この私が……」

 

光り始めるオメガ・ルガール。

 

オメガ・ルガール「!?」

 

オメガ・ルガールを中心に黒く、禍々しい気が発生する。

それはかつてのKOF95の時にオロチの力が暴走し、ルガールが消滅した時と同じ現象だった。

 

オメガ・ルガール「バ、バカな………!これはあの時と同じ!これだけの力を吸収したというのに、何故オロチの力に負ける!?殺意の波動、サイコパワー、暗黒の力!そして常世の力があるというのに!」

 

京「どうやら体の許容量が限界を超えたようだな。ルガール、おまえはそれだけの力を扱うだけの器じゃなかったのさ」

 

オメガ・ルガール「ほざけ!私はただの人間じゃない!私は死を超越し、現世に蘇った究極の生物!これしきの力を制御出来ない私ではない!そこの女とは違う!」

 

京「そうか、お前はやはり死んでいたんだな。お前は以前のオロチの力が暴走したときに……。今のお前はあの世の死者ってわけか。そしてローズ……お前も……」

 

ローズ「………」

 

オメガ・ルガール「くくくく……今頃気がついたか!」

 

庵「だが、その様子ではもう何も出来ないだろう。死人は死人らしく、地獄に戻って釜茹でにでもなっていろ」

 

オメガ・ルガールから様々な力が漏れ出す。

 

殺意の波動「足りぬ………」

 

オメガ・ルガール「な、何!」

 

殺意の波動「その器では足りぬ!」

 

ベガの魂「ヌハハハハ!貴様程度に我がサイコパワーを操りきれるとおもったか!」

 

ギース(本物)(放送)「ルガールよ。影を組み、この私を利用したつもりでいたようだが、逆に自分が利用されていたことに気が付かなかったようだな」

 

オメガ・ルガール「く………ベガ!ギース!貴様らはこの私を利用したというのか!この私が…貴様ら程度に!」

 

ギース「ベガよ………いずれは決着を付ける。それまで首を洗って待っているが良い」

 

ベガ「ふん……。いずれは貴様もそこの常世の傀儡のように、このベガに泳がされているだけだと知るがよいわ!ヌハハハハ!ヌハハハハハハハハハ!」

 

ギース「そこのお前達よ。目障りな影や邪魔物を消してくれたことに感謝しよう。だが、そこまでだ。機会があればいつかはまた会うことがあるだろう。そこから生きて帰る事が出来たならばだがな」

 

ベガの魂は地獄門に吸収されることなく、いずこかに消え、そして本物のギースも通信を切ったのか、スピーカーが沈黙する。

 

オメガ・ルガール「おのれ……ベガめ!ギースめ!そして異世界からの異物め!せめてお前達だけでも地獄へ戻る道連れにしてやろう………地獄への案内は、この私直々にしてやる………」

 

謎のスイッチを取りだすオメガ・ルガール。

 

京「おいおい…マジかよ」

 

ガイ「自爆スイッチーでござるか!?」

 

庵「ちぃっ!」

 

ローズ「逃げるのよ!」

 

オメガ・ルガール「ハッハッハッハッハッ!」

 

ポチッ……

ドオオオオオオン!

 

京「…………生きてるか?」

 

庵「…………くたばり損ねたか………」

 

京「テメェの都合で生きちゃいねぇよ。それよりも…」

 

ガイ「………元凶を潰しても、あれは元には戻らぬようでござるな…………」

 

空を見上げる四人。

地獄門の穴が空を覆っている。

 

ローズ「私がこうしてここにいるのが何よりの証拠ね」

 

庵「地獄門の影響で余計なものまで蘇りつつあるぞ」

 

オロチ「我は………オロチ………ガイアの意思を……」

 

庵「楽には死ねんぞ!」

 

庵の八酒盃がオロチの動きを封じる。

 

京「二度と迷って来るな!オロチ!これが………草薙の拳だ!」

 

無式でオロチを消滅させる京。

周囲から八傑集、イグニス、ゼロ、クリザリッド、サイキ、マガキ、無界等が次々と顕現しはじめる。

 

京「おい!あれを何とかする方法はねぇのか!俺達の力じゃ、出てきた奴等を何とかするので精一杯だぜ!」

 

庵「泣き言を言う暇があったら少しでも手と頭を動かせ。貴様が卒業できないのは出席日数が足りないのではなく、単にバカなだけじゃないのか?」

 

琴月・陰でクローン・ゼロを燃やす庵。

 

京「この野郎……猫の手も借りたいくらいのこんな状況じゃ無ければどさくさに紛れてぶちのめしたい気分だぜ……ぶっ潰す…ぶっ飛ばす…ぶっ飛ばしてやる!」

 

轢鉄(ひきがね)でイグニスをぶっ飛ばす京。

 

ガイ「もうじきで御座る!もう少しでナコルル殿が楓殿を連れてきてもらえる手筈になっているでござる!神楽殿も間もなく……」

 

覇王丸「待たせたな!」

 

ちづる「力を貸すわ!草薙!八神!」

 

楓「封印の儀をやります!義姉さん!」

 

雪「わかっているわ……楓。私の力を……」

 

雪がその身を弓矢に変え、楓に託す。

 

楓「く…………力が………足りない!」

 

庵「ちぃっ!」

 

庵の炎が青から赤に代わり、楓に飛んでいく。

 

京「八神の炎が………赤い!?」

 

ちづる「草薙!説明は後よ!彼に力を!」

 

ちづるの鏡の力が楓に

覇王丸、ナコルルも楓に力を集める。

 

京「そうか。三種の神器の力は何もオロチだけに通用する専門の力って訳じゃねぇって事か」

 

庵「京!何をもたもたとしている!」

 

京「そうだな。テメェが他人に力を貸すなんて天変地異を起こしかねない真似をしたんだ。俺がモタモタしている訳にはいかねぇよな………。楓!俺の残った力、草薙の炎を……テメェに託す!受け取れ!」

 

京の炎が楓に渡る。

 

楓「今度こそ、本当にさようならだ……義姉さん……」

 

楓から矢が放たれる。

矢は地獄門の中心へと吸い込まれていき……そらが輝く。

光が収まると、禍々しかった空が嘘のように……くも1つない青空が広がっていた。

 

京「終わったな………悪人は何人か取り逃がしたみたいだけどよ」

 

庵「ふん。誰がどうなろうと、俺は貴様さえ殺せれば良い」

 

京「ああそうかよ。テメェはそういう奴だぜ。まぁ、ベガの事は残念だったな。機会があればいつかは奴を倒せる時が………」

 

京がローズのいた方向に目を向ける……。しかし、そこにローズの姿はない。

 

京「ローズ?」

 

ガイ「地獄門が閉ざされた今、ローズ殿はもう……」

 

ちづる「………草薙………彼女もまた、地獄門の力で蘇っていた死人の一人よ………」

 

ガイ「わかっていたことでござる……彼女は『ゆらぎ』の事件の時、閻魔殿の力で蘇っていた………」

 

京「…………そうかよ。別れも言わずに消えなくても良いじゃねぇかよ………。八神、何だか白けちまった。テメェとの決着はまた次の機会にするぜ」

 

庵「………ふん。貴様と意見が合うのは珍しいな。こちらも興が削がれた。せいぜい、その首を洗って待っているんだな……」

 

去っていく京と庵。

 

ガイ「草薙と八神の因縁……この程度の事では終わらぬか……業深き事でござる」

 

ちづる「草薙家と八神家の因縁以上の個人的な何かがあの二人にはあるのよ………」

 

後味の良くないものを残しながら、草薙京のKOSFは幕を閉じた。

しかし、すぐに気持ちを切り替える。

KOFという大会では毎度の事だ。

京は元の諸国漫遊の旅へと戻る。

 

タイ…空港

 

携帯を片手に歩く京。

 

京「終わったぜ、親父。ちゃっかり自分も出場してやがって……俺じゃ無くてテメェでも良かったじゃねぇかよ。しばらくは俺の好きにさせてもらうぜ」

 

柴舟『何を言っておる!今までだって散々お前の好き勝手にしておったろうが!報告くらい、自分でせぬか!』

 

京「ちょっと野暮用が出来たんだよ。それが終わったら帰るわ。寄り道をしてからかも知れねぇから、いつになるかわからねぇけどな」

 

柴舟『ふざけるな!学校はどうするんじゃ!そろそろ三留になるぞ!学費を払う身にもなれ!』

 

京「俺の学費を払ってるのは親父じゃなくてお袋だろ?」

 

柴舟『ユキちゃんはどうするんじゃ?このままじゃ、大分待たせておるじゃろう?先にユキちゃんが卒業することになるぞ?』

 

京「うっ!」

 

柴舟『あの子はしっかりした子じゃ。ネスツの時は逃亡生活で仕方なかったとして、今のお前は学校にも行かずに世界中をフラフラと……。このままじゃ、ユキちゃんに捨てられるのも時間の問題じゃな』

 

京「わかったよ……用が済んだらまっすぐに帰るよ。じゃあな!」

 

柴舟『おい京!待たんか!まだ話は………』

 

ピッ!

 

京「ったく、あのクソ親父め………自分だって最初のオロチとの戦いの時にはフラフラしてやがったクセしやがって。一体どの口が言うんだ………」

 

愚痴りながら携帯をポケットに仕舞う京。

 

京「さて………行くか」

 

空港を後にする京。

 

 

元シャドルー基地跡(ストゼロ3最終ステージ)

 

サイコドライブの事件で破壊され、打ち捨てられたシャドルーの基地。

その近くで、いくつかの石が積み上げられたものがあった。

京は火が付いたタバコを一本置き、自分も一本、口に咥えてジッポライターで火を付け、吸っていた。

 

京「…………」

 

庵「線香代わりのつもりか?」

 

京「前までは逆だったな」

 

庵「ここがローズの墓か?ガイにはもっとましな墓を作るセンスがなかったようだな」

 

京「知ってて来たんじゃねぇのかよ?」

 

庵「知るか。俺は貴様を追ってここまで来ただけだ。たまたま一度チームを組んだ程度の亡霊の事など興味ない」

 

京「わざわざ花まで持ってきてか?何だお前。まさか俺にプロポーズでもするつもりかよ。行き先を知らせてもいねぇってのに、毎度毎度どこにでも現れやがって。お前、マジでホントのストーカーじゃねぇだろうな?」

 

庵「バカか貴様……。俺が貴様に用があるとすればたった1つだけだ。貴様を殺す……行く先々で出会うのは、貴様が俺に殺されろという運命だからだろう?」

 

京「へっ!人間の神にもオロチにも逆らっているテメェにどの神が導いてるって言うんだよ」

 

庵「ふん………」

 

庵は持っていた薔薇の花を供える。

 

京「献花のつもりか?もっと別の花を供えてやれよ」

 

庵「タバコを線香代わりにしている貴様に言われたくない。ローズに供える花だ。薔薇で良いだろう?」

 

京「やっぱり素直じゃねぇな。お前は」

 

吸い終わり、新たにタバコを咥える京。

庵がジッポに火を付け、差し出す。京はそれを無視し、自前のジッポで火を付ける。

 

庵「貴様に必要なのか?それ」

 

京「ユキからのプレゼントだよ」

 

庵「…………」

 

京「…………やらねぇのか?いつもなら未来ある子供がお友達と遊ぶために作られた公園でも殺気だって襲ってくるクセによ」

 

庵「今日はたまたま野暮用で来ただけだ。貴様に用があって来たわけじゃない。それに、あの時の話をするな。またロバート・ガルシアとアンディ・ボガード、橘右京が現れたらどうする。美形会議はもう御免だ」

 

京「そうだな………。赤かったな。あの時のお前の炎は」

 

庵「神楽が言っていただろう?人としての本能が強く出たとき、本来の『ヤサカニ』の炎が出るとな」

 

京「だったら、そのまま赤い炎でいろよ。テメェの相手を毎回するのも疲れるからよ」

 

庵「わかっているんだろう?俺が貴様を殺すのは草薙と八神の因縁でも無ければ、オロチと人の因縁でもない。貴様と俺の問題だ」

 

京「そうだったな………」

 

庵「今日、ここでやらんのも、貴様と俺の……そしてローズの因縁だ。あの女に感謝するんだな」

 

京「そうさせてもらうぜ。じゃあな」

 

庵「ふん………」

 

京はタバコを消し、歩き出す。

 

ローズ『くす………』

 

背後から、ローズが笑ったような気がしたが、京が振り向くことはなかった………。

 

FIN




ナムカプのストーリーが前提でやっている以上、ローズは既に死んでいた扱いにするしかありませんでした。


次回は庵編のエンディングです。


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エンディング…八神庵編

ピクリとも動かなくなる真・豪鬼

 

庵「ふん。殺意の波動……この程度か」

 

ベガ「………ヌハハハ。まさか本物の豪鬼まですら退けるとは。計画は失敗したと見るべきか………」

 

ギース(放送)『逃げるか………ベガ。影と共にこのギースを利用しようとした借りは、いつか反す。首を洗って待っているんだな』

 

ベガ「ふん。貴様ごときがこのベガを出し抜けると思うな……。いつかはその首、かっきる……」

 

ギース『ふ………』

 

庵「逃げるか?ここまでふざけた真似をして逃げられるとでも思っているのか」

 

ギース『人の事よりも自分の心配をするべきではないか?そこには自爆の名手がいるのと思うのだがね……』

 

ルガール「くっくっくっ………このままでは終わらぬよ…」

 

倒れながらも、謎のスイッチを震える手で握るルガール。

 

京「自爆スイッチを押しやがった!」

 

ガイ「まずい!逃げるでござる!」

 

ローズ「くっ!ベガ!」

 

チームメンバーが全員逃げ出す

爆発する最終ステージ

瓦礫に埋もれる最終ステージの中で倒れる真・豪鬼(隣でクローン豪鬼が死亡している)

その命が終わろうとしているが………

 

殺意の波動『許さぬ………』

 

禍々しい気が……亡霊達の魂が集まる

真・豪鬼命の鼓動が更に弱まる

 

殺意の波動『歩みを止める事は許さぬ………ただひたすらに拳を極めよ……』

 

更に集まる亡霊達の魂

止まる真・豪鬼の命の鼓動……

 

殺意の波動『休む事は許さぬ………ただまっすぐに闘いを求めよ……』

 

ドオオオオオン!

 

脱出が完了し、一息つくチームメンバー。

禍々しい気の柱が立ち上ぼる。

 

ガイ「何だ!この力は!」

 

気の柱の中心に立つ真・豪鬼の影。

止まっていた鼓動が動き出す。

 

殺意の波動『死して逃れることは許さぬ………ただひたすらに拳を………』

 

ゆらゆらと影がゆらめき、そして……消える。

 

京「退かれた……のか?」

 

ローズ「………単純に私達に興味を失っただけなのかもしれないわね………」

 

 

庵「ガフッ!」

 

京「八神!まさか暴走か!?」

 

吐血する庵。

 

庵「ふざけるな………楽には死ねんぞ!」

 

京の方向へ向け、八酒盃を放つ庵。

京が避けたその先にはオロチが復活しかけていた。

 

京「またテメェかよ……もう顔は見飽きたんだよ!見せてやる!草薙の拳を!」

 

無式でオロチを消滅させる京。

 

ローズ「オーラソウルスパーク!」

 

ローズがオーラソウルスパークで社やクリスを消滅させる。

 

ローズ「ガイ!手筈はどうなってるの!」

 

ガイ「ハガー殿には連絡を入れてあるでござる!もうじきナコルル殿、楓殿や神楽殿が駆け付けてくれるで御座る!」

 

京「くそっ!きりがねぇ!まだかよ!」

 

庵「弱音を吐くくらいならとっとと消えろ。それともこの場で殺してやろうか?京」

 

京「へっ!テメェこそさっきの吐血で体力を消耗しているクセしやがって減らず口を叩いてるんじゃねぇぜ。血の暴走をされちゃ迷惑なんでな!とっとと尻尾巻いて逃げろよ」

 

ちづる「この状況で互いに悪態をつけるなんて、あなた達の仲は相変わらずね。一周まわって仲が良いんじゃないのかしら?その力!封じます!」

 

まき「初めて会うけれど…今代の草薙と八神は素直じゃないようね」

 

ちづるがイグニスを背後から急襲。

現世に蘇ったまきと共にイグニスを葬る。

 

庵「死に損ないとその姉の亡霊か……滅多な口を利くと姉妹揃ってあの世に還すぞ」

 

京「こんな奴と仲が良い?冗談も休み休み言ってくれ。火加減を間違えてそっちに飛び火しても知らないぜ?」

 

三種の神器が真の意味で集結する。

 

楓「活心流………伏龍!遅くなりました!」

 

リュウ「真空………波動拳!」

 

デミトリ「デモンクレイドル!」

 

覇王丸「天覇封陣斬!」

 

ハガー、ナコルルを先頭に色々な人達が集結。

楓と三種の神器を中心に陣形を組む。

 

ナコルル「楓さん!」

 

楓「わかっている。義姉さん………」

 

雪「ええ。やりましょう……封印の儀を」

 

雪がその身を光の弓矢に変え、楓が受けとる。楓はそれを地獄門に向け、放つ。

矢は地獄門を貫き、激しい輝きが。

輝きが収まると、禍々しかった空が嘘のように雲1つない青空が広がっていた。

 

楓「今度こそ、本当にさようならだ……義姉さん」

 

地獄門が閉ざされた今、全ての死人が浄化された。

ローズも……神楽まきも。

 

庵「…………」

 

京「別れの言葉もなく、消えちまったな……神楽の姉も、ローズも………」

 

庵「ふん。神楽だけでも煩わしい。同じのが3人もいたら鬱陶しいことこの上ない」

 

京「だそうだぜ?」

 

ちづる「気にしないわ。今回がたまたま八神だっただけで、どうせ草薙だって同じ事を考えていたでしょう?あなた達の言動をいちいち気にしていたら、身が持たないことは以前から学習しているもの」

 

ガイ「毎日八神殿とケンカをする、減らず口は叩く、もう拙者は草薙殿と八神殿のお守りは御免でござるよ」

 

庵「だったら二度と付きまとうな。目障りだ失せろ。次にまた俺を利用しようなどと考えれば、殺すぞ。焼くぞ。煮るぞ」

 

京「違いねぇ。もう八神と組むのは俺も御免だ」

 

立ち去ろうとする京。

 

庵「待て京。貴様、俺との決着を付けずにどこへ行く」

 

京「そうだな。帰って勉強するわ。そろそろ帰らねぇとマジで三回目の留年になっちまう。真吾と同級生になるつもりはねぇよ。あれ、俺、何年前から二十歳だったっけ?」

 

庵「貴様が勉強だと?ふん、嘘をつけ。どうせまた世界中をフラフラとするだけだろう?仮に家に帰ったとしても、だらだらと寝るだけだと言うのはわかっているぞ」

 

京「………何で俺の行動パターンがわかってるんだよ、気持ち悪いな。とにかく、疲れてるんだ。テメェとの決着はまた今度にしておいてやるよ。神楽とガイがいたんじゃ、どのみち止められるだろうしな」

 

庵「ふん。逃げ口上だけは立派な奴だ。興が削がれた。今はその命を預けておいてやる。次は無いぞ、京」

 

京「へいへい、楽しみに待っておいてやるぜ。八神」

 

覇王丸「はっはっはっ!まるで俺と幻十郎のような関係だな!あんた達」

 

八神「下らん」

 

減らず口を叩き合いながら、別々の方向へと歩き出す京と庵。

こうして、彼らのKING OF STREET FIGHTERSは終わりを告げた。

優勝した後に何かが起こるのはKING OF FIGHTERSの定番である。

この程度の事は……どうということはない。

 

それからしばらくして………。

KING OF FIGHTERS決勝戦。

 

カードは八神庵、マチュア、バイスの八神チームと草薙京、二階堂紅丸、大門五郎の日本チーム。

これまで何度も行われてきた対戦カード。

しかし、本人達も観客達も飽きた様子はない。

これが例え何度同じ対戦が繰り広げられたとしても、本人達は血が滾り、肉が踊り、観客達は手に汗を握る。

既に互いのチームの先鋒は破れ去り、八神チームは中堅のマチュアがKO。日本チームの紅丸も既に体力が限界に達していた。

 

庵「遊びは終わりだ!泣け!叫べ!そして死ねぇ!」

 

禁千弐百拾壱式・八稚女が決まり、青い炎が紅丸を包む。

 

紅丸「うわぁぁぁぁぁぁ!」

 

アナウンス『KO!winner is IORI!』

 

庵「月を見るたび思い出せ!」

 

アナウンスが響き、庵の勝ちが確定する。

残るは大将戦。殆どダメージを受けていなかった庵が紅丸を下す。

体力は充分。待ちに待った瞬間が訪れる。

 

ガイ「とうとう、この時で御座るな……」

 

ちづる「ええ。まぁ、いつもの事だけどね」

 

観客席ではガイとちづるが成り行きを見守る。気のせいか、ローズとまきの幻影も……。

 

庵「やっとこの時が来たな。待ちわびたぞ、京。別れの挨拶は済ませて来たか?」

 

京「何との別れだよ」

 

庵「決まっている。家族、友人、何よりも……この世との別れだ。貴様は今、この時をもって灰になる。貴様の血で染まった真っ赤な灰にな!」

 

京「毎度毎度物騒な言葉を並べやがって……よく飽きねぇな、テメェはよ」

 

アナウンス『IORI VS KYO!』

 

京「ふと思ったんだがよ、八神」

 

庵「何だ。命乞いなら聞かんぞ」

 

京「仮にだ………それこそ万が一にもあり得ねぇほど仮の話なんだけどよ……もし、お前がめでたく俺を殺すことができたとして、その後にお前はどうするつもりなんだ?」

 

考えたことが無かった。

それこそ、庵自身でも反吐が出ることだが、常に京の事だけを考えていた。

京が憎い。京を殺したい……。

どうやって京を殺そうか。

どうやって京を血の海に沈めてやろうか……。

京の断末魔の声はどうなのだろうか。

京の命乞いの声はどうなのだろうか。

そしてその京を見下す時の自分は………

冷たく無慈悲に青い炎で一思いに燃やし尽くすか……。

それとも高らかに笑いながらじわじわとなぶり殺すか。

その瞬間だけを、いつも考えていた。

その先の事なんて、全く………。

ふと、庵も思う。

誰よりも草薙京という男を知っているのはこの自分、八神庵だけなのではないか?

恋人のユキでも、親の草薙柴舟や草薙静でも、長いことチームを組んでいた二階堂紅丸や大門五郎でも、京が師事していた矢吹真吾でもない………この八神庵が誰よりも京の事を知っているのではないか?

草薙京という男を満たすことができるのは、自分だけなのではないか………そんな事を考えてしまう。

 

庵「さぁな。俺の生き甲斐は京、貴様を殺すことだけだ。その後の事など、考えた事もない」

 

複雑な意味を込めた嘘偽りない本心を吐く庵。

 

京「つまらねぇ生き甲斐だな。だったら、まだ殺されてやるわけにはいかねぇよな。たった1つのテメェの生き甲斐を奪っちゃ、可哀想だ」

 

京は笑みを消し、構えを取る。

 

京「炎が……お前を呼んでいるぜ!」

 

庵「なら燃え尽きろ……潔くな」

 

アナウンス『ROUND 5!READY!GO!』

 

京「食らえぇぇぇぇ!」

 

庵「どうしたぁ!」

 

二人の闇払いが……青と赤の炎が地を疾る。

待ち望んだ憎しみと、怒りと、殺意が渦巻きつつも、ほんの微かにある八神庵の至福の時が始まる。

 

FIN




はい、八神庵のエンディングです。
こちらは京と庵のエンディングあるあるですね。

それでは次回はガイのエンディングです。


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