おかあさん元気ですか? 転生者達は元気にやってます (肉球)
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1話

息抜き


「 2017年7月7日の7時49(7×7)分に同時に7人死んだ!

7が7つでこりゃ珍しいという事でそんなラッキー7な

あなた達には記憶持ったまま特典付きで転生させちゃいまーす!」

 

 

49を無理矢理シチシチと呼ばせるのは無理があると思う。

真っ白い空間で真っ白い球体がフヨフヨと漂いながらそんなアホみたいな事を言った。

俺の周りは全身真っ白なのっぺらぼうが6人もいるというホラー空間である。(白スギィ!)

まあ死んだ云々はさっきトラックぶつかった瞬間スゲー痛かったので事実だと思う。

 

 

「君たちにあげるのは健康な肉体、アホみたいに多い金、素敵アイテム、色んなご都合主義、そして何でも今この場で願いを1つ叶えてあげまーす!」

 

周りがざわつく……と言っても7人しか居ないなので大したこと騒ぎでは無いが。みんながウンウンと唸りながら考えてると1人が手をあげる。

 

「すげー金運」

 

「はい、すげーアホっぽい発言ありがとう!

よっしゃ1番乗りで行ってこい!」

 

穴がクパァと開いて手を挙げたまま1人がボッシュートされる。

他の連中もそれを見て慄いてはいたが次々と願いを口にしていく。

 

「それで?最後に残った君はどうするんだい?」

 

俺は……

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー^

 

 

 

 

 

 

すげーアホな夢見た。

大学3年にもなってあんなアホな夢を見るなんて……

しっかりしろ田中健二!

 

自分に喝を入れ寝ぼけ眼を擦りながら布団をガバっと三つ折りにし押入れにしまう。

それから襖を勢い良く開け居間へと向かう。

 

「母さん、今日の朝飯何?」

 

だが返事は無く。

いつも誰かしらいる居間には誰も居なかった。

電気も付いてないしカーテンも閉まりきってる。

 

「たく、寝坊するとは駄目な奴らだな。

あーそれにしても目線がおかしい、昨日飲みすぎたかな?」

 

はっきりしない頭を覚醒させる為、顔を洗いに洗面台へと歩く。

蛇口をひねり水を出し手で掬う、7月だというのにやけに冷たく感じた。

勢い良く顔に水を叩きつけ備え付けのタオルで顔を吹き

どれだけ酷い二日酔いの顔なのか確かめる為鏡を覗く。

 

 

 

銀髪オッドアイの少年が写って居た

 

 

 

 

 

「え?」

 

 

 

思わず全力で右拳でほっぺたを殴る。

 

鏡には右の頬を真っ赤に腫らした半泣き……ガチ泣きに入りかけの銀髪オッドアイの少年が写って居た。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー^。

 

 

 

 

 

 

パン

 

「親父も!」

 

パン

 

「母さんも!」

 

パン

 

「姉貴も!」

 

勢い良く襖を開ける音が連続して響く

 

「誰もいねえじゃねえかチクショー!」

 

一通り全ての部屋を探し回った少年は居間のソファーで愚痴をこぼしていた。家族は誰一人として見つからず。

ブラウン管のテレビ、10年以上前を指す新聞(しかも3月)や雑誌、

明らかに彼が住んでいた時代とは違う事を示す物が変わりに複数見つかった。

 

「あれか?本当に転生しちまったんか?

確かに身体は5.6歳位の身長だけれどよぉ」

 

まさかの夢だけど夢じゃなかった(心は汚れているので恐らくト◯ロは見えない)展開である。普段の彼なら1人だやったーと言いながらパソコンでエロサイトを開いている頃だが今回ばかりは話が違った、何しろ彼は

 

「俺は飯が作れねぇ!」

 

そう炊事がダメダメだったのである。

トイレ掃除や皿洗いはバイトで風呂や洗濯関連は家の手伝いでマスターしていたが

料理の経験は母親の手伝いをたまにしたのと学校の授業位でほぼほぼさっぱりである。

 

取り敢えず冷蔵庫(古いタイプ何年前?)を開ける食料はぎっしり詰まっている。

恐らくこれもあの謎の白い物体が言ってたご都合主義なんだろうけど……活かせなきゃ全く意味ねえぞ

 

他にあの白い物体は何て言ってたっけ?

確か……便利アイテム!そう便利アイテムがあった筈だ!

某青ダヌキの4次元ポケットの様な物があるに違いない!

急いで家中を探し回ると、自室の机の中にスマホを見つけた。

 

この時代にスマホが有るなんて明らかにおかしいなと電源を着ける。

 

「インテリジェントデバイス、スマッホ07起動」

 

なんぞこれ?

 

「私を起動させた貴方をマスターとして登録します。

名前を入力してください。」

 

明らかにSi◯iの音声でそんな事を言われた。

取り敢えず言われた通りにタッチパネルで「田中 健二」と打ち込む。

 

「ご入力ありがとうございます。

私は神によって作られた完璧なデバイスです。

何のご用件でしょうか?」

 

あの真っ白い物体は神だったらしい

まあそんな事は置いておいて今日の食事をどうにかして欲しい。

 

「了解しました。料理の準備ですね?

私は完璧なデバイスです。最も適したアプリを検索致します……

発見しました、こちらが貴方に1番オススメ出来るものとなります。」

 

ゴットパットという物が画面に表示された。

名前の響きから嫌な物を感じながら中を見る。

そこには多種多様な料理のレシピが載っていた。

 

こいつは本当に素敵なアイテムなのだろうか?

 

「ほら、こう、無いの?こうグルメテーブルかけみたいなの?」

 

「夢見てんじゃねーぞハゲ、働かざるもの食うべからずだ」

 

このアイテムは床に叩きつけてもいいだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー^。^

 

 

 

 

ひとしきり怒鳴ってスッキリしてから、冷蔵庫の野菜室を開ける。

この世界だと今は確か3月で春だから……キャベツと人参と玉ねぎを取り出す。

恐らく春キャベツだから甘いに違いない。

肉は簡単な豚バラ肉を使おう、味付けは焼肉のタレでいいか

 

「えーっとゴットパットではまず野菜を適当に切る?」

 

ザックリし過ぎでは無いだろうか?

取り敢えずまな板にキャベツを乗せる。

左手を猫の手にしてキャベツを押さえ、右手で包丁を持ちズドンと下ろしていく。

若干粗めになってしまったがまあいいだろう、芯を退けて人参に取り掛かる。

 

ピーラーを使い人参の皮を縦に剥いていく、それが終わり次第頭を落とし短冊切りにする。

 

最後に鬼門の玉ねぎだ。

慣れた人は涙が出なくなると言うが俺は全く慣れてないのでこれを切るのが大っ嫌いである。

涙に悪戦苦闘しながらなんとか玉ねぎを切る事に成功する。

 

「次はフライパンに油をひき肉を炒めていく……か」

 

油ってどれくらいひけばいいの?

取り敢えず考えなしに気持ち多めにいれる。

 

ガスの元栓を開き、つまみを回しフライパンを温めていく。

豚肉をパックから出し豪快にフライパンへと突っ込む。

 

「あっちいいいいいいいいいいいい!

ウオオオオオオオオオオオオ」

 

盛大に跳ねた油が俺の手を襲う。

慌てて火を止めるがまだパチパチと油は跳ねまくってる。

肉を一度パックに戻しフライパンの油をキッチンペーパーで拭いていく。

 

「チクショー油が多過ぎたか」

 

気を取り直して肉を炒めていく、色が変わってきたら野菜を投入。

強火で一気に炒める、塩胡椒を多めに振って(男の子だからね)

最後に主役の登場である。

 

「焼肉のタレってどれくらい?えっ!2周!?

大匙とかそーいうのじゃないの!?」

 

フライパンを2周させるように焼肉のタレをかけて行く。

茶色に染まっていく肉と野菜達……見た目に反して美味そうな匂いが広がっていく。

火を止めご飯を丼によそい、肉野菜炒めを豪快にのせる。

 

 

 

 

 

肉野菜炒め丼の完成である

 

 

 

 

テーブルに持って行き橋を取り出し恐る恐る茶色い肉野菜炒めに手を伸ばす。

 

「----美味しい」

 

何というか味はかなり濃いんだけど、それがまたご飯が進む燃料になる。

キャベツも玉ねぎも甘い人参の食感もたまらない。

箸が止まることは無くご飯を飲み込む音だけが辺りを支配する。

あっという間に丼は空になった。

 

 

「ごちそうさまでした。

これどっかで食べたことあるなぁ、どこだっけ?」

 

下手くそな鼻歌を歌いながら洗い物をしていく。

キュッと蛇口を閉めた時その懐かしさが分かった。

 

「これ母さんの味付けだ……」

 

誰もいない我が家が寂しく感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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2話

クロスは今のところ2つか3つを予定しています。
世界感を壊すような作品とはしないつもりです。


「朝だぞ起きろ!働け!」

 

最悪な目覚まし時計ではあるが1週間も経てば慣れる。

スマッホをぶん投げ顔を洗いにいく。

 

「で?今日の予定は?」

 

近所のスーパーで買ってきた6枚入りの食パンを2枚トースターに入れ、スマッホに問いかける。

 

「私立聖祥大附属小学校の入学式でございます」

 

この歳になってまた小学校に通わな行かんとか辛いなぁ

まあエスカレーター式だから楽だがな

 

小鍋に水を張りチキンコンソメを入れる。

乾燥わかめ、刻んだネギ、ゴマを振って簡単わかめスープ。

 

冷蔵庫からベーコンを取り出しフライパンに投入

ゴットパット曰く油は入れない方がいいらしい

 

焼き目がついたら平皿に菜箸で乗せる

 

昨日の夕飯のサラダの残りのキャベツをベーコンの油が出たフライパンにサッと入れる。

卵を一個持ってきて洗い場の角にこつん叩きキャベツの上に乗せる。水を少し入れて蓋をすればキャベツの巣ごもりの完成だ。

 

 

 

 

「いただきます」

 

パンにバターを塗って一口齧り付く。

うん美味しい、どちらかというとパンよりご飯派だけど

朝だけはパンでもいいかもしれない。

 

口の中が少しパサついたのでスープをすする。

ゴマの香りが香ばしい、ネギのピリリとした辛さも

具のワカメもバッチグーな美味しさ。

 

さて平皿に取り掛かろう。

まず卵の黄身を割る、半熟気味の卵がたらーっとキャベツに広がっていき食欲を倍増させる。

卵の黄身がかかった部分のキャベツをベーコンで巻き口に放り込む。

ベーコンのしょっぱさと卵の甘さが口いっぱいに広がって思わずウットリとしてしまう。

 

「パンに乗せても美味しいかもしれない」

 

バターを塗ってない方の食パンに残りの巣ごもりを乗せ

上からソースとマヨネーズをたっぷりかける。

若いからこそ出来る特権である。

 

「お好み焼きみたいで美味いなこれ」

 

ご馳走さまでしたと手を合わせ

口の中をスッキリさせるため急須にお湯を入れる。

日本人の朝はやっぱり緑茶だろう。

 

一息ついた所で例の制服を取り出す。

小学校の頃から制服とかお堅い校風ですこと

制服に取り敢えず手を通して見る。

 

「ところでさー入学式に親とか来ないのは不自然じゃねえの?」

 

「ご安心下さい。私は完璧なインテリジェンスデバイス

全ての状況に対応して見せましょう。」

 

ほんとかよこいつ……

この前のゴットパットの一件もあるしどーも信用出来ねえなぁ。

 

「魔法式起動 Doppelganger」

 

デバイスから出た光が俺の影を伸びていき壁に人型を作る。

其処からもう一人の自分が出てきた。

いやもう一人の自分とはちょっと違う身長が180を明らかに超えており顔つきなども大人のそれである。

 

「こいつは一体……」

 

「Doppelgangerは貴方の影から分身を作り出す魔法です。影の大きさによって身長年齢が変化します。

肉眼,センサーなどでは決して魔力で出来ていることは見抜けず、時間経過や出した術者の魔法解除、

若しくは分身体の気絶及び殺害でのみ消滅します。」

 

「へー凄いな、これ何人も作れんの?」

 

「いえ1人のみとなります。

またこの分身体は私が組んだプログラムに通りに行動します。」

 

「ふーん思ったより便利そう、

やるじゃんチートアイテム」

 

「当然でございます。私は完璧なインテリジェンスデバイスですから」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー・

 

 

 

 

 

 

「ブラボォォォォォ!!ブラボォォォォォ!!」

 

「申し訳ございません、他の御家族もいらっしゃいますので」

 

「sorry.

ンンンンンブラボォォォォォ!!」」

 

保護者席で銀髪オッドアイの男性が三脚レンズでビデオを取りながら拍手をしているのが後ろにいる。

もしかしなくても俺の分身だった。

 

あんのクソアイテム、どんなプログラム組みやがったぁ!

 

「何あれ?」

 

「頭逝っちゃってない?」

 

「彼処に似た髪の毛の子がいるわよ」

 

やめてくれえええ

入学式から恥をかくとかどんな罰ゲームやねん

しかもこれエスカレーター式の学校だぞ!

 

胃を痛くしながらも何とか入学式を終える。

 

 

1年の指定された教室へと向かう。

教室に入った時明らかに『うげっヤベーの来ちゃった』って感じの

目線が刺さる。既に心が折れそうです。

 

みんなが席に座って暫くした後担任の先生(若くて綺麗な女性だ)が入ってくる。

先生は生徒達を一通り眺めた後俺のとこで一瞬うげって感じで目元がヒクつく。

あのクソアイテムぜってえ許さねえからなぁ?

 

 

「はい!皆さん自己紹介しちゃいましょー!」

パンと手を叩き先生がそう告げる。

 

「ではまず出席番号1番の人から!」

 

「綾瀬 あさぎです。よろしくお願いします

趣味は……」

 

あーこんなイベントあったなぁ。

亜麻色の髪の毛の人の自己紹介が終わり、

次は金髪(ちょっと親近感)のアリサという人の自己紹介が始まる。

どーすっかなぁ 明らかに既にマイナスになってるしウケ狙いで行くか、それとも真面目に行くべきか?

 

「じゃあ次、田中君。」

 

えっこいつ銀髪オッドアイで田中かよって顔を周りがしている。

チクショー好きで銀髪オッドアイやってる訳じゃねーぞ!

 

「田中 健二です。

算数とか得意です、1年間よろしくお願いします。」

 

パチパチとまばらに拍手が聞こえる。

取り敢えず無難に行くことにした。

趣味とか聞かれても最近家事してテレビ見て寝るだけの生活だったからなぁ。

 

やがて自己紹介も終わり明日から授業ですよーと教師が言った後

解散となった。

 

はぁーと溜息を吐き出しつつ帰り支度を整えているとトントンと肩を叩かれた。

なんぞっと顔を向けると丸顔のボウズが突っ立っていた。

 

「お前転生者だろ」

 

なんですと!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー------------・。

 

 

 

 

 

 

 

「いやーびっくりしたよなぁいきなり転生だなんて」

 

学校から近くの公園に移動してブランコを漕いでいる。

なんだこの状況。

 

「しかも魔法少女リリカルなのはの世界だぜ?」

 

「魔法少女?」

 

いきなりファンシーな物が出てきた。

いや確かにスマッホはドッペルゲンガー出す時に魔法がどうこう言ってたけど。

 

「あれ?知らない?ホラ、うちのクラスの高町なのはが魔法少女になって地球救ったりする話なんだけど」

 

「ピーリカピリララ ポポリナペーペルトなら知ってる

というか地球やべーの!?」

 

夕食の献立とか考えてる暇じゃ無かった。

命に関わる大事件である。

高町なのは?誰だよ。

 

「おジャ魔女どれみか古くね?

俺はおんぷちゃんよりももこちゃんの方が好きだったわ。

ダイジョーブダイジョーブ、原作通り行けば割とハッピーエンドだから」

 

ほーんならいっか?

 

「でさーお前神さまに何願ったんだ?」

 

何を願った?

あーあの夢の話か……でも俺は

 

「覚えてないんだ。お前は?」

 

「俺?俺は金運さ!」

 

こいつ1番最初に願ったやつか

 

「なんで金運なんか?金なら普通に一生暮らしてけるだけ有るだろうに」

 

「俺さー前世で中学の途中から引きこもってたニートだったんだ。」

 

「裕福だったの?」

 

「まあ多少は、といっても社長とかじゃねえからさ

親が死んだ後どーすっかなぁってな。

俺一応お情けで中卒扱いだけど実際小卒みたいなもんだろ?

親が死んだ後金もねえ、職もねえ、学もねえだからさ

すげー不安だったんだよね、だから何かあった時用の金運!」

 

考えなしに言った訳では無かったんだな。これだけコミュ力あってなんで引きこもったかは聞かない事にした。

それにしても俺は何を願ったんだろうか?

 

時間を忘れて2人でおジャ魔女どれみなどの昔のアニメの話で盛り上がっていたが、あたりは段々と暗くなり始め自然と家に帰ろうかという雰囲気になった。

 

「俺、佐藤 丸男。

丸男って呼んでくれ!」

 

ボウズ頭を手でこすりながらちょっと恥ずかそうに

笑顔で彼は言った。

 

 

 

お母さん、この世界で初めての友達が出来ました。

 

 

 

 




田中「なんでボウズなん?」

丸男「髪の色が赤だったから桜木花道っぽいだろ?」

田中「」

丸男君はボウズも似合うイケメンです。
というか転生者は特典で全員美形になった設定です


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3話

ちょっと長め


私立聖祥大学付属小学校はお弁当制である。

 

正直小学校の給食は好きだったので楽しみだった分結構ショックがデカい。

あぁ愛しの揚げパン……

 

溜息を吐きながらお弁当の準備をする。

見た目に気を使うなら、赤、黄、緑を入れるべきだろうか

 

小鍋に水を入れ沸騰させる。

塩を摘んだ入れ冷凍ブロッコリーを30秒ほど茹でる。

シリコンカップにマヨネーズを入れその上から取り出したブロッコリーを2個ほど入れる。

残りは朝ごはんに回そう。

 

さて黄色に取り掛かろう。

弁当の定番中の定番卵焼きである。

ネギを小口切りで刻み卵を2つ程冷蔵庫から取り出し茶碗に全部投入。

軽く箸で混ぜつつ砂糖を2つまみの後醤油を垂らす。

 

小さなフライパンに油を含ませたキッチンペーパーで塗っていく。

火をつけフライパンを温めた後、半分程卵を流し込む。

まず両箸から菜箸で畳みその後手前に畳む油をまた塗り、

焼いた卵を手前から奥に持って行った後残りの卵を流し込む。

さっきと同じようにすればネギ入り卵焼きの完成だ。

 

……かなり不恰好になってしまったが何事も経験だ。

重ねるうちに上手く作れるようになるだろう。

 

さて次は主食となるものだが……正直魚はまだ扱った事が無く怖い。

という事で肉にしよう!

 

弁当に入れやすいものは〜

おっアスパラとベーコンの残りがあるじゃん!

焼いて巻くか、アスパラを二本取り出す。

 

アスパラの下から1cmの所を切りピーラーで下の固い皮をむく。

その後三等分に切り、2個掴みベーコンを巻いていく。

ベーコンからも油が出る為少しだけフライパンに油をひき

肉を巻いた方を下にして置く。

弱火でじっくり焼いていき焼き色が付いたらひっくり返す。

味付けは醤油、少し入れて味を調える。

 

「あー肉の焼ける音って幸せ〜」

 

 

 

今からお昼が楽しみです。

 

 

 

 

あっミニトマトもいれちゃえ!

 

 

 

 

----------------・

 

 

 

 

 

「また丸男がゴールを決めたぞ!あいつこれで何点目だ!?」

 

2クラス合同の体育で今はバスケをやっている。

 

ゴール下で無双をしている丸男を冷めた目で見ながら

俺はコートの端に立っていた。

 

「ねぇ、あんた?」

 

「なにさねん、えーと確か」

 

「綾瀬 あさぎ。あさぎでいいわ

それにしてもあんた思ったより普通ね。」

 

あんま知らんクラスメイトの女の子にいきなり普通と呼ばれた。

これは褒められてるのだろうか?それとも貶されているのだろうか?

まあ恐らく入学式の件やら見た目の事やらでマイナスの筈だから

プラスにいったのだろう。

 

「まあねー」

 

「あんたのお父さんみたいにもっと陽気な感じかと思った。」

 

「いやー俺はそんな陽気な奴じゃないよ

ほらあそこでバカ騒ぎしてるバカどもとは違うし」

 

視線を丸男達に向ける。

 

「誰かアイツを止める事が出来る奴はいねえのか!」

 

「なら俺が行こう」

 

「おっお前は保坂!きもちわるい事に定評のある保坂!」

 

「いいのか?」

 

「何がだ?」

 

「むかってくるなら 手加減はできねえ男だ 俺は」

 

お前桜木花道じゃなかったの?丸ゴリになってるじゃねえか

 

ゴール下での激しいポジションの取り合いが始まる。

リバウンドの末弾かれたボールが俺の所に転がってきた。

 

しょうがねえな、俺はバスケットボールを拾うと

シュートの体制を取る。

 

「あそこから?嘘だろ?入るわけがない!」

 

現在俺がいる位置はコートの真ん中。

だがそんな事は関係無い。

 

「もうオレにはリングしか見えねえ────」

 

その手から放たれたボールは綺麗な放物線を描きリングを通過した。

 

「みっちゃん……」

 

丸男に渾身のガッツポーズとドヤ顔を送る。

さあ試合はここからだぜ。

 

 

 

「うーんやっぱ普通じゃ無くて馬鹿だったかも」

 

 

 

 

 

 

 

-------------------・ω

 

 

 

 

 

白熱した試合が終わり、待ちに待ったお昼の時間が来た。

 

うっきうきで弁当箱の蓋をあける。

ちなみにお弁当箱は細長の2段弁当である。

1段目が白米とスーパーで買った沢庵

2段目がアスパラのベーコン巻きが2個、ネギ入り卵焼きが2個、

ブロッコリーが2つ(大きいのが1つ小さいのが1つ)、ミニトマトが1である。

 

まずはブロッコリーから

芯が若干固いがまあこんなもんだろう。

マヨネーズの濃厚さとほんのりした塩味のしょっぱさが美味しい。

次もお弁当に入れよう。

 

次はネギ入り卵焼き。

うちの卵焼きは甘い派では無くしょっぱい派である。

大胆に1個丸々を口に突っ込む、若干薄めな味が安心する。

 

「あー大根おろしが欲しい」

 

「おっ美味そうじゃん!

何お前の親父さんが作ったのか?」

 

丸男が俺の前の席を逆にして向かい合う形にする。

 

「いや自分で作った奴」

 

「おぉ!すげーなうちはセブンで買ったもんを適当に詰めただけだわ」

 

確かにちょっと色が薄く見える。

だからと言って弁当はやらんが

男の子だもの食い意地がはってたって良いじゃない。

では本日のメイン、アスパラのベーコン巻きの登場だ。

醤油の香ばしい匂いにたまらずかぶりつく

 

アスパラは贅沢にも穂先2個入りだ、1番柔らかくて大好きな部分である。

アスパラの甘みと味の濃いベーコンのダブルパンチに米が進む進む。

 

ん?少し口の中が脂っこいなぁ

ミニトマトでサッパリさせよう。

ヘタを取って蓋に置き、口に放り込む。

果汁たっぷりのミニトマトが口の中で弾ける。

このちょっと酸っぱい感じがほんと好き。

もう1個入れてくるんだったな。

 

羨ましそうにこっちを少し見てくる丸男をガン無視しながら

次々と口に運んで行き、お弁当を空にする。

 

「ご馳走様でした」

 

スーパーの沢庵は中々美味かったな。

漬物もなんか作ってみようかな?

 

「ケチ……」

 

 

 

 

 

------------------・ω・

 

 

 

 

 

 

「はえーあのお父さんお前の魔法やったんか」

 

「そーうちのスマッホの魔法」

 

「あーあのチートアイテムねー、うちろくに使って無いや」

 

と言いながら赤色のスマッホを出してくる。

地味にカッコイイな、赤は汚れが目立つけどかっこいいや

 

「いいなー赤、うち紫だよ」

 

「そーだろそーだろ、実は結構お気に入り。

ん?てー事はお前の家もやっぱり家族いない感じか」

 

どうやら他の転生者も家族はやっぱり居ないらしい。

 

「飯もさー作った事ねーからレトルトと冷食と缶詰なんだよね

やっぱさー数日で飽きるしお前ん家でご馳走になってもいい?

俺の買ったGCとかのゲーム持ってくからさぁ」

 

えぇ?めんどくせえな

でもゲームキューブか、懐かしいなぁ

 

大乱闘DX、ゼルダの伝説風のタクト、カービィのエアライド

スーパーマリオサンシャイン、ピクミン1.2、クリスタルクロニクル

 

まだまだ名作ソフトが一杯ある。

PS2とGCの時代は神がかった面白さのゲームが多くて1番熱中したかも知れない。

 

あぁ家事やってテレビ見て寝るだけの生活に彩りを与えたいな。

 

「しょうがねえなぁ」

 

「やったぜ」

 

カバンを机にかけ、制服を脱ぎシワにならないようにクローゼットにかける。

軽い服装に着替えてポテチやカルピスなどの準備をしていると

ピンポーンとチャイムがなる。

 

「早えな」

 

「全力疾走した」

 

汗を垂らしながらお邪魔しますと入ってくる。

早速ブラウン管テレビに3色コードを繋ぎコンセントを刺す。

 

懐かしい起動音、あぁこれだよこれ。

 

ソフトは大乱闘DXだった。

スマブラではいろんなキャラを使うがお気に入りはキャプテンファルコンだ。

ロマンのあるファルコンパンチ、超強力な膝などを武器に持つ

スピードタイプのキャラである。

 

そしてこの俺がファルコンを使うという事は勝利を意味する。

この勝負もろたで工藤!

 

 

 

丸男くんには勝てなかったよ

Dr.マリオの高学歴パンチにより画面外へと勢い良く吹き飛んでいくファルコン。

任天堂の看板は譲らねえと言わんばかりの圧倒的な強さに堪らず膝をつく事になった。

 

「ふふ……お前の敗因はただ一つ俺の前世を忘れた事だ」

 

「自慢出来ることでもねえだろ」

 

スマブラは相手が強すぎるのでマリオパーティに変更。

ここで奴の特典が爆発した。

例えゲーム内通貨だろうが金が絡む運ゲーで負け無しなのである。

コインを根こそぎ集めスターを捥ぎ取り、決闘マスに止まったCP達からスターを巻き上げてく

凄まじいパワープレイに大差で負けた。

 

運が絡むゲームでもアクションでも負けるやんけ……

 

頭をウンウン唸らせて考えた結果ピクミン2の対戦モードなら

奴はあまり経験した事の無いはず!との考えで勝負を挑む。

結果として勝利した。

奴の余裕満々の表情が俺の地獄のチェリールーレットで

壊滅的な被害を受け真っ青に変わっていくのを見ると

非常に心が踊りました。(クズ発言)

 

丸男の乗るマシンを片っ端からハイドラで轢き壊していく。

「テメー次がVSデデデだって事分かってんのか!?」

楽しい(小並感)

 

ゲームに夢中になっていたが尿意を催し離席。

ふと外が暗くなっている事に気づく時計を確認すると8時を回っていた。

 

「ヤベー飯の支度しなきゃ!」

 

「おっどうした?どうした?」

 

丸男が顔を覗かしたがスルーだ。

時間が掛からずに腹に溜まるものなんだ!?

台所で冷蔵庫や戸棚を覗く。

カレーのレトルト、ルー。シチュー、ハヤシライス。

おっ袋ラーメンあるじゃん!

 

なら海苔、ネギ、野菜炒め、ハムを入れて

具沢山ラーメンだな。

 

半分の玉ねぎをみじん切りにする。

キャベツは多め、人参は甘くなるから少なめ

 

キャベツはザク切り、人参は短冊切り、ハムも細かく切り

ネギは斜め切りで、ついでにもやしも入れちゃえーきゃー

フライパンに油をひき玉ねぎを入れ色が変わるまで炒める。

ネギ以外投入し軽く炒めて塩胡椒鶏ガラスープで味を調える。

 

小鍋で麺を茹でてその間にポットでお湯を沸かす。

丼にスープを先に空けておいてポットのお湯を投入

麺をザルで湯切りしてからいれ最後に野菜炒めを乗っける。

ネギと海苔を乗っけて塩ラーメンの完成

 

「おらー出来たぞー」

 

「飯なにー?」

 

「具沢山ラーメン」

 

「おー」

 

橋とレンゲを食器棚から取り出す。

テーブルの席について食事の開始だ

 

「「いただきます」」

 

まずはスープを一口

うんあっさりだけどしょっからい(意味不明)

海苔をスープに潜らせて口に運ぶ

うん普通に美味しい、ラーメンのトッピングと言ったら海苔!

 

麺がなー店のもんと比べると残念だなー

 

「塩ラーメンうめえなぁ!俺醤油派だけど塩に移るかも!」

 

「俺は味噌派ーバター溶かしちゃう」

 

シャキシャキの野菜やハムを口に運びながら他愛の無い話をする。

なんか誰かと話しながら家で食べる飯って美味いな

前まで当たり前の事だったけど1人になってみて改めて思うわ。

 

男子たる者スープは全部飲み干す。

 

「かぁー美味かった!俺もうここに住むわ」

 

「いや流石にそれはどうよ?」

 

洗濯物も料理の量も2倍になるのは正直大変だ。

 

「頼むよー家事手伝うからさー」

 

「何出来るの?」

 

「何も出来ねぇ!」

 

「却下だわ」

 

「そんな事いうなよー」

 

 

 

 

 

 

 

 

お母さんうちに変なのが住み着きました。

 

 

 

 




お弁当制だっけ?
なのはもう見たのがだいぶ前また見直さないとなー
ゲオ行くか


よつば出してーなー
大学生までキンクリしちゃおうかなー


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4話

箸休め
なんちゃってシリアス?



「おーし、じゃあまず風呂掃除から教えっぞ」

 

「うーす」

壁に掛かっているスポンジと手に取りボディーソープを付ける。

 

「はい、質問です!」

 

「なんでしょう?」

 

「お風呂用洗剤じゃなくていいの?」

 

「お風呂用洗剤が最高なんだろうけど、ぶっちゃけると

ボディーソープとか食器用洗剤でも落ちる。

垢とか体から出たもんが浴槽にこびりつくんだから

ボディーソープで落ちないわけがない……多分」

 

そうワザワザ洗剤を買わずともボディーソープでも落ちるのだ。

というかスポンジで思いっきりゴシゴシ擦れば大体落ちる。

 

「で擦ったあとシャワーで流すだけ

追い炊きの時暑いのが出てくるところの周りは

よく磨いとけよ、擦り忘れが結構あるから。」

 

「りょうかーい!」

 

腕まくりをして浴槽の中に入って風呂掃除をする丸男を見送る。

 

今日の夜飯どうすっかなー面倒臭いから焼きそばにしちゃおっかな。

割と早く出来上がるし汁物作らなくて良いし、野菜をたっぷり入れればサラダも要らない。良い事尽くめだ。

 

ただ1つ難点があるとすれば……味である。

焼きそばで1番美味しいのはカップ焼きそばでは無いかと睨んでいる。

あの脂っこくて凄まじく塩分の濃い味、体に悪そうな感じしかしないが、一度食べると完食するまで箸が止まらない美味しさである。

アレを1回食べてしまうと家の焼きそばの味が物足りなくなってしまう。

 

辛子マヨネーズでカロリー激上げ旨さ爆発させっかな。

 

冷蔵庫の中身と睨めっこをしていたら風呂を洗い終えた丸男がやってくる。

 

「終わったよ、おっもう3時じゃん今日のおやつは何?」

 

「無い」

 

「えぇー」

 

マジで無い。

というのもこいつが家に来てから加速度的にお菓子の消費量が上がった為、もうウチにはカリントウと麩菓子しかないのである。

 

「じゃあなんかお菓子とかデザート買いに行かね?」

 

「この辺の和菓子屋とかケーキ屋とか知らんぞ

お菓子が安い店なら駅前にあるが」

 

あそこのお菓子はいい、因みに飲み物はドラッグストアが最強である。

 

「海鳴にせっかく転生したなら翠屋が定番っしょ!」

 

「いや知らんし」

 

「喫茶店、ほらこの前言った魔法少女のご両親が営業する……

ああああああぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「なんだようっせえな」

 

「忘れてた!そっかおもちゃ箱の可能性もあるのか!」

 

「なんだよおもちゃ箱って?」

 

「魔法少女リリカルなのはの元ネタ!

アニメよりヤベーのが来るはず?」

 

「なんで疑問系なんだよ……

それで見分ける方法は?」

 

「その主人公のなのはちゃんのお父さんが生きてるか否か」

 

「じゃあ行ってみっかその翠屋に」

 

 

 

 

 

 

 

------------------(゚

 

 

 

カランカランとドアを開ける。

喫茶店のドアを開けるのってなんか緊張するよね?

 

「いらっしゃいませ、お好きな席へどうぞ」

 

取り敢えず1番ドアから近い4人席に座る。

 

「で、その死ぬお父さんとやらはどの人だ?

お前の話だと高校生の息子がいる人なんだろ?」

 

「いやさっきいらっしゃいませって言ってたじゃん」

 

嘘だろ?どう見ても20代後半って感じだろあの人

どうなってんだ?アニメの世界だからなんでもありなのか?

 

「ふーんじゃあそのなんとかおもちゃ箱の可能性は消えた訳か」

 

「そーなるね、じゃあメニュー見てなんか頼んじゃうか」

 

メニューはっと……ふーんやっぱりコーヒーばっかりか

大学生の頃にカッコつけて喫茶店によく行ってたけど正直味なんかよく分からない。

それにどっちかと言うと日本茶とか玄米茶とかの方が好きなんだよね。紅茶は香りがいいのに味が渋いから嫌い。

 

だから俺の本命は洋菓子である。

丸男曰くここは女子校生達にも人気らしく大変美味しいらしい。

どれも非常に美味しそうだ、迷ってしまうな。

 

「なあ?まだか5分以上かかってんだが」

 

「あと少し、お前は何にした?」

 

「フルーツタルト」

 

フルーツタルト!そういうのもあるのか

イチゴのミルフィーユとモンブランの2択の中にフルーツタルトも参戦した。

よりじっくり考えようとも思ったがあんまり丸男を待たせるのも良くないだろう。

 

「すいませーん」

 

「はい!」

 

眼鏡のお姉さんがペンをカチっと出しながらやって来る。

 

「俺はこのオリジナルブレンドとモンブラン」

 

「俺はフルーツタルトとブルーマウンテン」

 

分かりましたーとお姉さんは席を離れていく。

 

「昔さ、コーヒーについて書かれた本にコーヒーの酸味って酸っぱいって意味では無いって事が書いてあったのよね。」

 

「えっじゃあ、なんなの?」

 

「フルーティーとなんとか、果物を食べた後に感じる酸味らしい。

新鮮な証拠なんだって。」

 

ほー中々興味深い事を聞いた。

俺はてっきり飲んだ後に感じるあの胸焼けするのような独特な味の事を酸味酸味言ってありがたがってるのかと思ってたわ。

 

視線を店主の方に向ける、どうやらサイフォンでコーヒーを温めているようだ。

昔通っていた喫茶店と同じやり方に少し懐かしさを感じる。

ここ偶に通っても良いかもな、人が少ない時間帯を見計らってまた来よう。

 

「こちらがモンブランとオリジナルブレンド

そしてこっちがフルーツタルトとブルーマウンテンで御座います。

ごゆっくりどうぞ。」

 

おっきたきた。

まずはコーヒーを一口、うん熱い。

 

このコーヒー思ったより苦くないな。

これなら砂糖やミルクを入れる必要は無さそうだ。

 

さて本命のモンブランちゃん。

今は初夏の為、栗の季節から思いっきり外れてるがそこはご愛嬌。

フォークで山を削り取り一口大にしてパクリ。

ん?思ったより甘さ控えめだ、栗のほのかな甘味が伝わってくる。

コーヒーにもバッチリ合う。俺このモンブラン好きかも。

 

丸男の方をちらっと見る。うっとりとしたような顔をしていた。

ちょっとキモイ、俺もはたから見るとあんな顔してたのか……。

とゆーかこいつ食うの早えな、もう半分以上ねえじゃねえか。

 

喫茶店でまったりやってるとドアが勢いよく開かれる。

 

「お父さん!今日友達家に上げても良い?」

 

「呼んでもいいじゃなくて入れてもいいなんだね……」

 

「うん!もうアリサちゃんとすずかちゃん家の前にいる!」

 

中々微笑ましい光景である。お父さんの方は若干困り顔だけど。

ぼけーって見てるとこっちに気がついたようだ。

 

「あっクラスの確か田中君と佐藤君」

 

「知り合い?」

 

「いや喋った事ないの、あさぎちゃんとは結構喋ってるみたい。」

 

向こうがこちらに首を向けてきたので「どうも」と頭を下げる。

さてあんまり長居すんのもどうかと思うしそろそろ帰ろうか。

 

「なのはー、まだー!」

 

大きな声を出しながら金髪の少女が入ってきた、後から入って来た少女はそれを見てちょっと引いている。

それにしてもこの声どっかで聞いた事あるような……?前世かな?

 

「あー!あんた達この前の抜き打ちテストで満点だった奴らじゃない!なんでいきなり出されてあんなに点数高いのよ!」

 

うおっこっちの方に大音声が。

この前のテストか……小学1年生に対する問題としては難しいのだろうけど前世がある人間が間違えたらそれはそれで問題だろう。

でもこの娘かっかしてるし無難に答えとくか。

 

「たまたま勉強してたとこ「ふっふっふ!それはこの俺様が天才だからだ!」えぇ……」

 

「なっ何おー坊主の癖に!」

 

「お前はこの子坊主に負けたのだよ!ガッハッハ」

 

「きぃぃぃームカつく!見てなさい!次は私があんたの点数超えて見せるわ!」

 

「ふっふっふ」

 

取り敢えず笑い方はふっふっふなのかガッハッハなのか統一しろ。

それにしてもなんで挑発なんかしたんだか。

 

「丸男帰るよ、この後スーパー寄ってかないと行けないし。」

 

「ではさらばだ!金髪の少女よ!」

 

「アリサよ!」

 

「俺に勝ったら名前を覚えてやる」

 

ムキーって言ってるアリサさんを置いて翠屋を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

----------------------(゚∀゚)

 

 

 

 

 

 

 

「で?どうしたんだ?」

 

「ん?」

 

「さっきのだよ」

 

「あー挑発した件か。」

 

「そうそれ」

 

「俺なーこの世界来て友達も出来たし、学校も楽しんでるけど

何か足りないと思ってたんだよ。」

 

「それで?」

 

「あの少女見てピンと来たんだ!

ライバルだ!俺にはライバルがいねえと!」

 

思った以上にアホっぽい理由だった。

ライバルって何だよライバルって……

 

「ゲームじゃねえんだし」

 

丸男は俺のこの発言の後黙り込んで下を向いた。

それから何かを決意してかのように真面目な顔をして口を開いた。

 

「俺さ前世で引きこもりだったって言ったじゃん?

別に重い過去とかないんだよね。

ただどうしても入りたかった中学があって、そこがクッソ偏差値高い私立中学でそこ落ちたら地元の公立中学行ってくれって親に言われてたのよ。」

 

「それから?」

 

「落ちた。

死ぬ気で勉強して模試でも合格射程圏内まで捉えてたんだけどな。

で公立中学入ったんだけど、なんか燃え尽きちゃっててさ。

なら高校受験で挽回しろよ!とか思うかも知れないけど

競争するのがやになっちゃったんだよね」

 

「……」

 

「段々学校に通うのもやんなって引きこもり。

他の奴らからしたら何甘えた事抜かしてんだって感じだろうけど」

 

「お前の競争はいやだという気持ちとライバルは真逆の関係だよ?」

 

「うん分かってる。でもさ逃げるのはもう前世でしつくしたんだ。

だからもう俺は逃げない。

真面目に生きる事から逃げないって決めたんだ。」

 

全力で人生に取り組んで行くってことか、それで

ライバルを求めたのは前世の自分との最後の決別のため──か

 

「じゃあ頑張れ」

 

「おう!」

 

返事をした丸男だが直後ギャルルルとお腹を鳴らした。

こいつイマイチしまんねえ奴だな。

 

「腹減ったな〜今日の夕飯は何?」

 

「野菜たっぷり焼きそば。

だからスーパーで麺買ってくぞ、お前持てよな」

 

「焼きそばかー楽しみだなー」

 

 

 

 

 

 

 

 

後ろを向いて座っていた友達は前を向いて歩く事を決めてました。

お母さん、俺は前を向いてますか?




原作主人公出たしこれでもう胸張ってなのはの小説だって名乗れるね!

えっダメ?

この作品のもう一つのテーマは転生した事で前世からどう変わって行くかです。


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5話

沢山の評価、お気に入り登録ありがとうございます。
正直受けると思ってなかったのでかなりびっくりしています。

今回の話は長めになってしまいほんとうに申し訳無いです。



「あれ?健二まだ起きてんの?」

 

「おー明日の運動会の弁当のおかずよ。スマッホのストップウォッチで時間測りながら味付け検索してる。」

 

「何の料理?」

 

「ゆで卵」

 

「塩かなんか振って食うんか?」

 

「いや味噌で漬けてみようと思う。」

 

「そっかー楽しみ」

 

ゆで卵の茹で時間は硬めだと強火で10分その後流水で3分

アド街の久里浜編でやっていたものを何か覚えていた。

その方法は皮が非常に剥きやすいらしい。

味付けは電子レンジで煮切りみりんを作りたっぷりの味噌と共に

ジップロックに入れて一晩冷蔵庫で寝かすだけ。

 

醤油酒みりんでも麺つゆでも美味しいのが作れる。

その辺は完全に好みの問題だ。俺は味噌が好き。

 

「それにしてもお前随分運動会で張り切ってるな」

 

「俺は学校の行事は全力で楽しむタイプだ

合唱祭も楽しみだな。」

 

こいつ曲決めでも色んなの提案しまくるんだろうなぁ。

運動会の種目の選手決めの事を思い出す。

 

 

 

 

----------------^

 

 

 

「では運動会の選手決めをしましょう

希望のある方はいませんか?」

 

先生がそう発言し生徒達を見渡す。

 

いの一番に手が上がった、坊主頭である。

 

「はい先生!」

 

「では佐藤君」

 

「全部!」

 

大きな声で俺が全部出る宣言をする。ウケ狙いは外したな……

思わずため息を一つ吐き丸男の方を見る、大真面目な顔だった。

こいつ本気で全部出る気か……!?

 

「ごめんね佐藤君、全員が一回何かしらの種目に参加する事になってるから余った奴でいい?」

 

「そっかーなら仕方ないな」

 

でしょうね。

 

その後先生が一つずつ種目を述べていきそれに生徒達が希望する種目に手を挙げる挙手制になった。

一つまた一つと生徒達の名前が埋まっていく。

さて俺は何に出ようか?

リレーは責任重大だから嫌だし、玉入れはなんか味気ない。

となると残っているのは二人三脚のみとなる。

 

「丸男二人三脚行くぞ」

 

「おう!」

 

「では二人三脚に出たい方ー?」

 

はいっと4つの手が上がる。

 

4つ?

 

丸男と俺以外の手が上がってる方に顔を向ける。

この前の喫茶店にいたあの元気一杯金髪ガールとその相方が同じようにこっちを見ていた。

 

「出たわねー丸坊主!

ちょうど良いわ此処で会ったが100年目!勝負よ!」

 

「ふっふっふこの丸男、二人三脚で一度も負けた事がない男

この勝負既に決まったも同然」

 

「なにおーこっちにはすずかが居るんだからね!」

 

「あっアリサちゃん……」

 

お前それ絶対二人三脚に出た事が無いから負けた事無いってオチだろ。

因みに高町なのはさんは走るのが嫌だった為玉入れに

リレーは誰もやりたがらなかった事から自動的に丸男となった。

 

 

 

 

 

 

 

------------------^ω

 

 

 

 

 

 

 

「朝だぞ起きろ!働け!」

 

スマッホの目覚ましで目が醒める。

もうこれも慣れた、スマッホをブン投げる事もない。

つーかこの家で誰より働いてる。

 

顔を洗い冷蔵庫を開ける。

うん卵の色が変わっている、本当はもうちょっと寝かした方が味が染みてて美味しいけどそれはまあしょうがないだろう。

冷凍庫から冷凍唐揚げを出す。本当は手作りの物が良いが油物は火事になりそうで怖い。

油の処理もめんど臭いしまた今度だな。

 

ほうれん草はおひたしにするべきかそれともバターとベーコンで炒めるべきか?

あっさりのおひたしで行こうか此処は。

鍋にお水を多めに入れ塩を少し加える。

ほうれん草をそのまま茹で色が変わるまで少し待つ。

色が変わったら取り出しザルで流水に当て冷めたら包丁で食べやすい大きさに切る。

しゅうゆ洗いをして味を整えたらお弁当箱に詰め鰹節を乗せる。

 

味噌味のゆで卵、ほうれん草のおひたし、唐揚げか。

炭水化物はおにぎりで取るとしてもう少し肉と野菜が欲しいな。

サラダはスーパーで買ったお惣菜のポテトサラダを使おう。

レタスを洗ってちぎり皿とするその上にポテトサラダを乗せ、

ミニトマト、茹でたブロッコリーを添える。

 

うん見栄えも悪くない。

 

肉はソーセージでも入れようか。

フライパンに油を軽くひきソーセージを弱火でじっくり焼いて行く。

茹でても美味しいけど個人的に焼く派である。

色が変わったら取り出しケチャップとマスタードを添える。

 

さて次は炭水化物だ!

おにぎりの具材は焼き明太子、おかか、しそ昆布で行こう。

おかかは鰹節を醤油で和えるだけ、しそ昆布は市販の。

明太子は一個まるまるフライパンで焼く。

これがまた美味いんだよな、辛子明太子でもイケる。

 

出来たのを全部大きなお弁当箱に詰めて完成だ。

正直手抜き感が凄いが、小学一年生2人分だ。

多分これでも十分だろう。

 

さてまだ爆睡してるだろう丸男を起こすとしますか。

 

 

 

 

 

 

 

----------------^ω^

 

 

 

 

 

 

「今日天気は大丈夫なん?」

 

「1日晴れの夏日だってさ、水分補給はしっかりな」

 

「おう!」

 

クソ暑い日差しの中各色の応援団長の選手宣誓が行われた。

組は赤、青、黄で分かれていて俺たちのクラスは赤色に属して居る。

今日のプログラムの中で俺と丸男の出番があるのは

午前中の二人三脚

昼飯を食べて1発目のクラス対抗大縄跳び

最後のトリを飾る カラー対抗リレーの3つだ。

 

教室から運び出した椅子に腰掛け競技をボケーって見ながら出番を待つ。

中でも笑えたのは障害物競走をぶっちぎりの速さで隣のクラスの保坂くんが走っていたのにやけに優雅に吊り下げられたパンを食べてる事によりビリになった所だろうか。

 

目を閉じグルメリポートをしながら少しずつあんぱんを齧るその姿は大変面白うございました。

 

後は喫茶店の看板娘の高町さんをキャラ崩壊を起こしかけてる位熱心に大声で応援してる高町パパとかは見てて暇を潰せたと思う。

あの人あんなに熱血だったんだな、後その横で固く拳を握りながら同じように応援してるのは息子さんだろうか?遺伝って凄い。

カゴに向かって球を投げていた高町なのはさんは恥ずかしそうに頬っぺたを赤く染めてたのが可愛かった(文字通りの小並感)

 

『プログラム番号6番二人三脚です。選手の皆さんは入場口にお集まり下さい。』

 

おっ来たみたいだ。放送を聞くなり椅子から飛び出して行った丸男を追いかける。

入場口から行進してスタートラインのある所まで並ぶ。

丸男はウキウキしながら笑顔を見せてるが反対に俺は緊張で腹を抑えている。

 

「大丈夫!大丈夫!あんなに練習したんだから」

 

「お前が無理矢理特訓と称して夕方までグラウンドで走り続けただけだろうが! お陰様で夕飯が出来合いの物が増えたんだからな!」

 

「そーだな!でも練習は自信に変わるんだろ?

それにほらお腹痛く無くなっただろ?」

 

こいつは俺に緊張ほぐしの為に声かけたのか、全く逆効果になったらどうするんだ……ありがとな。

俺たちの前にいた組がパンと言う音と共に駆け出す。

それに伴い立ち上がった。相変わらず緊張はしている、でも……

 

大丈夫、練習は嘘をつかない。

 

「位置についてよーい」

 

パン!

 

まずは縄で縛った左足!次は右足!

下は一切確認しない、足を踏み出すタイミングは既に学習済みだ。

自由になっている腕をこれでもかと振り全力疾走する。

 

ゴールテープは俺たちが切った。

 

丸男は足の縄を外すとゴロンと横になる。

俺は息を荒くして膝に手を当てながら後ろを振り返る。

まだ誰もゴールしていなかった。

丸男もそれを見たのだろう俺たちは同時に笑顔になり、

思いっきり片手でタッチを交わした。

 

係に案内されながら1位のポールに集まる。

係の人達は涙目で片手に息をフーフー当てている俺たちを見て不思議そうな顔をしていた。

 

 

 

「不味いわよすずか、あいつら1位取っちゃったじゃない!

私達も1位取らなきゃ負けちゃうわ!」

 

「でも私達と一緒に走る人達は足が速い人が多いよ?」

 

「そうなのよ!だけど学年で一番早い貴方が本気を出せば多分1位を取れるわ」

 

「でもアリサちゃんに合わせなくて大丈夫なの?」

 

「そこは気合で何とかするわ」

 

 

 

 

 

「さてお手並み拝見とこうか」

 

取り敢えず1位を取ったことにより負ける事が無くなった丸男が

不敵に笑いながら立ち上がった彼女達を見つめる。

明らかに調子に乗ってんなこいつ

 

パン

 

各組が一斉にスタートダッシュをする。

うぉっ中々早えな。さて丸男君のライバルはっと

 

「ストップストップよすずか!」

 

「まだ!まだ行ける!もうちょっとで何か掴めるかも」

 

「今壁を越える必要は無いのよ!?」

 

紫色の髪の毛を風に任せ全力疾走する少女に引き摺られる様にして

堂々の1位をもぎ取っていた。

 

「見なさい!私達も1位よ」

 

「大丈夫?」

 

丸男は思わず素に戻って心配していた。

中々に衝撃映像だったと思う。

 

 

 

 

 

 

 

ω^----------------ーー

 

 

 

 

 

 

さて待ちに待ったお昼だ。

 

人の合間を縫って木陰に座り弁当を広げる。

 

「おっ唐揚げじゃん、俺大好き」

 

「冷凍で悪いな」

 

「構わねえよ!まあ昔の冷食だから味は落ちるが」

 

うん丸男の言う通り前世の最新の冷凍食品と比べると味が少し悪いかな?

でもそれは恐らく冷食の味が進化しまくってた所為だと思うが。

 

ほうれん草のおひたしを箸でつまむ。

あっさりした醤油味、鰹節の旨味、ほうれん草の甘み

心が安心する味。

ホッと一息ついてすぐさま

 

ゆで卵にかぶりつく、たまんねえなぁ!?

ほんと好き大好きこの味!

味噌の風味と卵の濃厚な味が抜群に合う。

米だ!米を寄越せ!と脳みそが警報を鳴らす。

 

おにぎりの上の白米の所を貪る様にして食べる。

卵!味噌!米!

口の中で三種の神器が一堂に揃った。

 

「あぁ〜美味え」

 

「いいなそれ!俺も食う!」

 

丸男もガツガツと卵とおにぎりを食べている。

 

「明太子美味えな!」

 

「だろ?明太子は焼いても美味えんだ!」

 

おにぎりでパサパサになった口の中の水筒で潤していると

 

「あら?今日はあのお父さん居ないの?」

 

あさぎが話しかけてきた。

 

「元々海外で働いてる人だからな」

 

咄嗟に嘘をつく。

本当は絶対ブラボーブラボー五月蝿えから出さなかっただけだ。

 

「ふーん誰も居ないんだ?じゃあ私のとこ来る?」

 

丸男と顔を見合わせる、折角だから提案に乗ることにした。

ついていく為お弁当に蓋をする。丸男がか細い悲鳴を上げたが無視。

あさぎの後を追う。

 

「ここよー」

 

「あらあさぎのお友達?あさぎの母です、よろしく」

 

そこにはあさぎの父、母、小さな妹さんが居た。

 

俺と丸男もよろしくお願いしますと頭を下げる。

そしてブルーシートの上に靴を脱いで上がらせて貰った。

 

ふと気になって綾瀬のお弁当を観察。

 

向こうの方がお弁当が豪華だ……

こっちのお弁当を出すのが恥ずかしくなったが、

意を決して出して蓋を開ける。

 

「美味しそうなお弁当ね、お母さんが作ったの?」

 

「いえ自分が作りました。」

 

向こうのお母さんが驚いた顔をする。

 

「その年でそれだけ作れるなんて凄いわね〜

うちのあさぎはお手伝いしなくってー」

 

「ちょっとお母さん!」

 

褒められてちょっとニヤケてしまう。

こっちに来てから大人に褒められたなって初めてかも。

 

あったかい気持ちになりながら食事を再開しようと

先程褒められた弁当箱を見るとあさぎの妹であろう2歳くらい女の子が

手づかみでソーセージを食べて居た。

 

「こら!風香勝手に食べたらダメじゃ無い!」

 

「いえ良いですよ小さい子がした事ですから」

 

あさぎさんのお母さんが風香と呼ばれた子を叱る。

風香ちゃんは両手にソーセージを握ってご満悦の表情を浮かべて居た。

 

 

 

 

 

 

^-------------------

 

 

 

 

 

 

「あさぎの友達なら大歓迎よ!いつでも遊びに来てちょうだい」

 

こっち来てから他人の家なんか行った事が無かったので

このお誘いは非常に嬉しかった。今度お菓子持って遊びに行こう。

 

午後1発目は大縄とびだった。

これがなかなか苦戦した。

みんな腹一杯食べた後にジャンプしたからである。

全員腹痛と戦いながら縄を飛んで居た。

 

腹が一杯なのと疲れによる眠気と戦いながらうつらうつらしていたら

どうやら最後のトリのカラーリレーへとなっていたみたいだ。

向こうで丸男が手を振っている。頑張れと手を振り返した。

 

 

 

さて結果から言おう、第1走者の丸男は1位でバトンを渡して

そのまま赤組が1位をキープしたままゴールした。

 

閉会式と順位発表の時間だ。

赤組は優勝、割れんばかりの歓声が上がった。

被った赤白帽を宙に投げたの大はしゃぎだ。

 

「来年も勝とうな!」

丸男のそのセリフに応!と返す。

学校のイベントもそう捨てたもんじゃ無いなと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

お母さん、勝ちました。




高町家を筆頭とする原作キャラがキャラ崩壊起こしてますが許して

後半駆け足になってしまったので多分後で手直しします。


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