言霊使いのヒーローアカデミア (敗北のエキストラ)
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プロローグ



初投稿なのでお手柔らかに小説書くのは苦手です。でも設定考えるのは好き。

誰かに取られるより先にこのアイデアを!

ということで出したのですけどなにぶんスマホからなので亀です。

ここはこうしたほうがいいとかあれば書いていただけると嬉しいです。


 

 

 

事の始まりは中国 軽慶市。 

 

 

 

“発光する赤児”が生まれたというニュースだった! 

 

 

 

以降、各地で「超常」は発見され原因も判然としないまま時は流れる。

 

 

 

いつしか、

 

「超常」は「日常」に…

 

「架空」は「現実」に!

 

 

 

世界総人口の約八割が何らかの“特異体質”である超人社会となった現在!

 

 

 

混乱渦巻く世の中で!

 

 

 

かつて誰もが空想し憧れた一つの職業を脚光を浴びていた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えーお前らも三年ということで!!」

 

「本格的に将来を考えていく時期だ!!」

 

 

 

先生がクラス中に聞こえるように大げさに身体を振り回しプリントを手に取る。

 

 

「今から進路希望のプリントを配るが、皆!!!」

 

「だいたいヒーロー科志望だよね」

 

「「「「「「「ハァーーイ」」」」」」」

 

 

先生の言葉にほとんどの皆は自らの個性を発動させる。私と彼と隣の彼は発動しなかったけどね。

 

 

「うんうん、皆良い個性だ!」

 

「でも校内では“個性”発動は原則禁止な!」

 

 

かくいう先生も投げ捨てたプリントを個性で操り配りやすいように5枚ずつにまとめている。

この先生は生徒にも人気があって良い先生なのだが生徒バカで少々ルールに甘いところもあるのだ。

 

 

「せんせぇーー“皆”とか一緒くたにすんなよ!」

 

「俺はこんな“没個性”共と仲良く底辺なんざ行かねーーよ」

 

彼は爆豪勝己。身体能力抜群、成績優秀で個性も“爆破”といわゆる強個性の私の幼なじみだ。プライドも高く周りを見下しがちだが、その実力は確かで小さなうちから自分なりの鍛錬もしている天才で努力家だ。

 

もちろん周りもそれを理解しているがクラスメートは爆豪にブーイングをかます。勝己がクラスメートのブーイングを一蹴する中、私は席の遠いもう一人の幼なじみの顔を伺う。

 

しかし彼、緑谷出久は居心地悪そうに伏せて顔をみることは出来なかった。

 

 

「あー確か、爆豪は“雄英高”志望だったな」

 

「え?!」

「マジで!国立の?!」

「今年偏差値79だぞ?」

 

 

勝己の言葉にクラスの皆はざわめく。そのざわめきと比例してか、出久は顔を上げるもすぐに不安を浮かべて顔を伏せた。

 

 

「そのざわざわがモブたる所以だ!模試じゃA判定!!俺はこの中学で男子唯一の雄英圏内!」

 

 

勝己はジャンプで机の上に乗ると宣言するかのように声を張り上げる。私は勝己なら無いだろうが万が一落ちたときのために勝己を注視する。

 

 

「あのオールマイトをも超えて俺はトップヒーローと成り!!」

 

 

「必ずや!高額納税者ランキングに名を刻むのだ!」

 

 

「お前もそう思うだろ!?言葉!」

 

 

あ、やべ聞いてなかった。勝己の動きしかみてなかった。聞いてなかったって言ったらうるさいし同意しとこ。

 

 

「うんそうだよ」

 

「あーそいうえば、五十もそうだったな。こないだの模試どうだった?」

 

「え、ここで聞きます?……Aでしたよ」

 

「おおおおお!女子、五十だけじゃね?Aの奴!」

 

「すごいわね!五十ちゃん!」

 

「あはははは。ありがとう皆」

 

「だろ!俺ら二人はこの中学で初の雄英入学になんだよ!」

 

 

 

「あ、緑谷も雄英志望だわ」

 

 

 

え?

 

 

クラスが静まり返る、出久は………終わったって顔してるよ。

 

 

「「「「「「ブゥゥゥーー!緑谷ぁ?!」」」」」」

 

 

 

「無理だろ!」

 

「勉強できるだけじゃ雄英は入れねぇんだぞ!」

 

 

出久が無個性だから、という理由を元に心無い罵倒がされる。悪い事に先生は気づいていない。

 

 

確かに、世の中の大半が個性を持つという超人社会でヒーロー科のそれも倍率3倍の雄英に入ろうとするのははっきり言って無謀だ。普通科ならまだしもヒーロー科は実技に重きを置いていて無個性の出久では厳しいだろう。

 

 

さらに一つ、彼の雄英合格が現実的ではないと私が断じる理由がある。

 

 

確かに彼は無個性で他の受験者より合格が難しいだろう。しかし世の中には無個性のヒーローというのも存在はしている。サポートアイテムで無個性でも常人以上の力を出せるようにして活躍しているヒーローもいる。

 

 

しかし、そのヒーローと出久の差は大きい。現在、出久は実技試験の対策をしていない。

 

 

酷な言い方になるが出久は努力をしていない。

 

 

実技試験を受けるならどんな内容か、物は持ち込んでもいいのか、といった事を調べる事も出来る。また、出久は個性なしで活躍することを考えなければならない。出久はすぐにでも生身一つでヒーローになる努力をしなければならないが、受験1年前でこの身体では厳しい以上に無理だ。

 

 

と、そんなことが私の意見なのであるが。

 

 

「なぁにがやってみないとわからないだぁ?!記念受験かぁ!?」

 

 

幼なじみの夢を応援したいところだがこのままではそう、とらえられても仕方がない。

 

 

そろそろ止めるか。

 

 

「てめぇが何を「そこまで、勝己」…なんだよ言葉?」

 

 

勝己が出久とけんかするのは見たくない。私は席から立ち上がり出久を囲むクラスメートを押しのけて勝己の隣に立つ。

 

 

「まだ授業中、勝己も皆も席に座ったら?だいたい合格か否かは別にして誰がどの進路に進むかは自由だよ」

 

「だけど言葉!」

 

「確かに私も今の状況じゃ出久に合格は絶望的、だけど何が起こるかわからない」

 

「話は終わり、ほら皆座って」

 

「チッ」

 

 

勝己含めクラスメートはしぶしぶながら座っていく。出久も座ろうと立ち上がり私の横を通る。私は出久の肩に手を置いて引き止めた。

 

 

「出久、雄英の校訓は“Plus Ultra(プルス ウルトラ)”今のままじゃ無理なら更に上へってね。身体とか鍛えてみたら?」

 

「…ありがとう。ことちゃん」

 

 

 

 

 

 







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第一話

お気に入り登録ありがとうございます!
説明回となっております。


放課後、家に帰り庭で私なりの受験対策をする。

私の個性は「言霊使い」。ひらがなや文字を創造する個性の母と声帯を強化する個性の父から生まれたありがたい私だけの個性だ。

 

 

私の個性の使い方は主に二つ。

 

 

自然現象、簡易な物を言霊として言葉にだして創造する。大きな規模であればそれだけ声を大きくしなくてはならないし、向きなんかは声を出した方向になる。例えばコレ。

 

 

「すぅぅーー、『桜吹雪』!」

 

 

桜の木など一本も無いのに桜吹雪が吹き荒れる。一面薄ピンクに染まり私の後ろから前に桜の花びらが飛んでいく。既に二週間ほど前に桜は全国から消え去っている。これが私の個性。「言葉を言霊とし具現化する個性」。

 

 

「よし次は範囲の調節だね」

 

 

私の声の大きさが個性の範囲に直結するが大きくするのは簡単でメガホンなりマイクなり使えば良い。逆に範囲を小さくするのは大変だ。どのくらいの声の大きさで小さくなるのかはつい最近やっと分かってきた。

 

 

「すぅ、『桜吹雪』」 

 

 

私の声の大きさと比例して桜吹雪も小さくなる。具体的には先ほどのように庭全体を埋め尽くしているのではなくて私の片手くらいの範囲で桜吹雪が舞っている。

 

 

「よし、成功だね。やっぱり桜吹雪は好きなだけあって長いことやってきただけあって得意だな」

 

 

桜吹雪は私の言霊で最も上手く扱えるものだ。個性の発現に気づいたのも幼稚園の校庭で見た桜吹雪だった。初めて発現したときは桜吹雪が綺麗すぎて何度も何度も桜吹雪を出したから幼稚園の敷地内すべてを桜吹雪で覆ったら近くのヒーローが何事かと、駆けつけてきたことは良い思い出だ。

 

 

懐かしい思い出に浸るのは止めて次の訓練をする。

 

 

私の個性のもう一つの使い方。

一度覚えた(インストール)物を言霊を操って具現化(ショートカット)する。

 

 

私の頭の辞書に『辞書登録』(インストール)(現実にある物の構造を把握して、脳に記録する事だ。)して使いたい時に引っ張り出す(ショートカットする)。一つ目の具現化との違いは一つ目の使い方が自然現象と壁、水、といった特に統一性がなくてもいいものや不定形の物しか出せなかったりするのに対し複雑な物でも簡単に出せる

 

 

その点、ショートカットは良い。何せ早い。

 

 

例を出すとこんな感じだ。

一つ目の使い方で時計を出すとする。

 

 

そうなると私は一から時計を構成するものを作り出さなければならない。

 

 

「長針短針秒針ガラスプラスチックネジモーター鉄etc.etc.ブツブツブツブツ、『時計』!」

 

 

と、なる。構造が複雑なものはもっと時間がかかる。

それに比べてショートカットはどんなものでも一度覚えてしまえば、

 

 

「ショートカット『時計』!」

 

 

構造が複雑でもすぐに出せる。

個性の特性上、インストールしたものは私の記憶力に関わらず完璧に覚えているのだ。

 

 

他にも、インストールしたものを消す登録削除(デリート)やショートカットした物を直ぐに消す消去(イレイズ)、インストールした物を登録し直す語句編集(アレンジ)といった使い方や父の強化系個性の影響か常人の2倍くらいの身体能力を持つ。 

 

 

基本的に私の個性は自由度が高い個性だ。発現したら勝ち組と言われた創造系の個性でなおかつ強化系もちょっと入ってる。それにまだまだ応用はできそう。

 

 

創造系の個性っていうのはデメリットや条件が厳しい個性が多いと言われているけど、私の個性は使いすぎると喉が痛くなるという程度。

 

 

インストールすればするほど私の手数は増えていって、あと1年もない雄英の受験まで1日一つでも新たにインストールすればそれだけで300個も手数が増える。

私の受験勉強は日々の勉強と実際に物をインストールする事とその使い方を考えるだけでいいのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~翌日~~~

 

 

 

 

 

出久の様子がおかしい。教室に入ってくるなり私に、

 

 

「おはよう!ことちゃん!」

 

 

と、挨拶してきた。いや喜ばしいことなのだけども何故か顔に希望を浮かべている。いや、希望というか覚悟?出久自身に変化は見受けられないけど、昨日私の知らないところで出久自身になんかあったみたい?

 

 

反面、勝己のほうは確実にイラついてる。時折、出久をチラチラ見ながらそのたびに舌打ちをしているし。

二人の間でなんかあったのかな?

 

 

こんな時二人がいるところで出久に話を聞くのはアウトだ。出久に近寄った瞬間勝己のイライラが全部私に向く。逆に勝己に近寄った時は、というか、イライラしてる勝己から正確な情報を得ることは無理。だから私は勝己がいなくて出久だけの時に事情を聞いてみた。

 

 

「出久、昨日勝己と何かあったの?」

 

「え!?別に何も無いよ?」

 

 

怪しい。

 

 

「ほんとに?ふーんじゃあオールマイト関係?」

 

「っ!いや、違うよ!」

 

 

怪しい。

 

 

「そう、じゃあ昨日、なんか良いことあったの?」

 

「っ!?あ、うん。実はね、僕を鍛えてくれるって人がいたんだ」

 

「本当に?やったじゃん」

 

 

怪しいすぎる。絶対何か隠してるよ。

 

 

1日2日でそんな都合のよい人がいきなり現れる訳が無い。鍛えてくれる人っていうのが怪しい。

 

 

「ねえ、ほんとにその人大丈夫?お金とか請求されてないの?」

 

「してないよ!」

 

 

怪しい。出久がいうことをまとめると、無償でいきなり現れた人が出久を受験まで鍛えてくれるという。ぶっちゃけ怪しすぎる。

 

 

「そんなことオーっ!、あの人がするわけない!」

 

「?まぁ、よかったね。私もがんばるからさ。」

 

 

オー?その人の名前だろうか。オー、オー、オールマイトとか(笑)?そんなわけないよね。にしてもちょっと信頼しすぎでは?

 

 

「ありがとうことちゃん」

 

「それとね、私と出久、それから勝己。全員で『なる』よヒーロー」

 

「うん!」

 

 

まぁその人に関しては少しずつ調べて行きますけども。

 

 

 

 

 

 

 



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第二話

更新遅れてすいません。



雄英高校ヒーロー科!!

 

 

そこはプロに必須の資格取得を目的とする養成校!

 

 

全国同科中最も人気で最も難しくその倍率は例年300を超える!

 

 

 

国民栄誉賞に打診されるもこれを固辞!!

「オールマイト」!

 

事件解決数最多!燃焼系ヒーロー

「エンデヴァー」!!

 

ベストジーニスト8年連続受賞!!

「ベストジーニスト」!

 

 

偉大な(グレイトフル)ヒーローには雄英卒業が絶対条件なのだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2月26日 雄英高校ヒーロー科入試当日

 

 

日課となった発声練習を終えて雄英高校ヒーロー科の入試会場に向かう。まだ2月だからか息は白く手も冷たい。

 

 

あれから、出久を鍛えてくれるっていう人を探すと決めた私だったけど私の探し方が悪いのか見つけるどころか出久が鍛えているところすら見つからなかった。最初こそその鍛えてくれてる人の情報をポロポロ漏らしていた出久だったけど、1ヶ月もすれば情報は全く漏らさなくなっていた。

 

 

でも、出久を鍛えてくれる人というのは嘘ではなかったみたいでだんだん出久の身体は外から見てもわかるほどに筋肉質になっていくのがわかった。

 

 

受験まで後半年をきった後は私自身の勉強や個性の練習で出久に構っている時間はなかったので結局鍛えてくれてる人というのは誰だったのか分からずじまいだ。

 

 

電車を乗り継ぎ雄英高校ヒーロー科入試会場に到着する。早くつきすぎたせいでまだ入試会場の門は開いてないが既に何人かの生徒は到着しているようで門が開くのを待っているようだ。私は門の壁に背を傾け門が悪のを待つ。

 

 

「さて、なにしてようかな」

 

 

これから雄英の狭き門を争う受験者と交流を深めるというのもおかしいしこの迫力ある門の前で寝たり本を読むというのも憚れる。待っている生徒の中に知り合いの姿はみられないし仕方がないのでこれからの実技試験について考える。

 

 

事前情報では毎年少し変わるがロボットが相手らしく敵の総数も配置も知らされてない事から情報力・機動力・判断力・戦闘力をはかるのだろう。

 

 

機動力、戦闘力は問題ない。判断力はロボットにあわせて効率のいい物をショートカットしていけばいい。

不安があるとすれば情報力でこればかりは目立って引き寄せるしかない。インストールしてきた物で使える物があれば積極的に使って行きたい。

 

 

マイクは欠かせない。試験開始同時に作り出そう。持ち込みは自由だ。携帯用のボトルに入れたスポーツ飲料、身体の動きを邪魔しないように関節部に付けるプロテクター、喉飴をバックの中で確認する。

 

 

持ち物を確認してもう一度周囲を見渡す。

 

 

ここにいるのはいわばライバルでこの受験に必死で取り組む人ばかりだ。敵対する事はないかもしれないが誰がどんな個性か身体的特徴からある程度知れればこの受験を有利に進める事が出来る。

 

 

例えば私が寄りかかる門の反対側の壁に立つ受験者。

タコのような触腕を持った異形系の個性だ。体格は大きく機動性は低そうだがタコというのはハイスペックでサメに勝つこともある生き物だ。さらに異形系の個性は力の強い個性が多い。

 

 

ちょうどこちらに向かってきている眼鏡の生徒は見た目にあまり変化は無いので異形系ではない。だが、足の部分が少し大きい。おそらくだが足に関する個性なのだろう。大きな決意を秘めた目をしている。

 

 

眼鏡の生徒が門の前につくのと同時に門が開く。眼鏡の生徒から目を離し門に向かう。眼鏡の生徒だけでなく徐々に受験者が集まってきている。私は眼鏡の生徒から少し遅れて受験会場に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

指定された席に座り待っていると隣に勝己とその隣に出久が座ってきた。

 

 

「おはよう勝己、出久」

 

「あぁ」 

 

「お、おはようことちゃん」

 

 

あぁって勝己。おはようも言えないのか。勝己もやっぱり緊張しているのかな?

 

 

「勝己、緊張してるの?」

 

「はぁ?!してるわけねぇだろ!」

 

「へー?出久は………」

 

「うううわぁたたたたくさんいいいるるるる」

 

「聞くまでもないか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

受験生があらかた集まってボイスヒーロー「プレゼント・マイク」による実技試験の説明が始まった。

 

 

「今日はオレのライヴにようこそー!エヴィバディセイヘイ!!」

 

シーーン

 

 

か、悲しい。この中にファンとかいるだろうに誰も言わなかった。ごめんなさいプレゼント・マイク、此処じゃなかったら「Yokoso-!」って言ってたよ。

 

 

「こいつはシヴィーー!!!受験生のリスナー!実技試験の概要をサクッと説明するぜ!アーユーレディ?!」

 

「YEAH!!!」シーーーン

 

 

めげない!重ねてごめんなさいプレゼントマイク!

 

 

「ボイスヒーロープレゼントボイスだ」ブツブツブツ

 

「うるせぇ」

 

 

プレゼントマイクの言った事は事前情報のかるい説明だった。持ち込みは自由。10分間の「模擬市街地演習」を行うこと。そして同じ地域出身間での協力を防ぐため連番でも試験会場は違うことなどだ。

 

 

「質問よろしいでしょうか?」

 

 

今質問したのは朝見た眼鏡の生徒だ。質問内容はプリントには四種のヴィランが掲載されてるのにプレゼントマイクの説明では三種と説明されたからだ。それを雄英側のミスだと断定した上で質問したのだ。

 

 

「ついでにそこの縮れ毛の君!」

 

「!?」

 

「先程からボソボソと…気が散る。物見遊山のつもりなら即刻、雄英(ココ)から去りたまえ!」

 

 

カチンときた。ボソボソ言っていたのは確かに出久が悪いかもしれないが、出久の事を知らない人に物見遊山などと馬鹿にされたくはない。

 

 

「そんなことあなたにいわれたく無い。物見遊山などと勝手に出久をバカにするのはやめて。だいたい雄英がそんなミスをすると思うの?最後まで説明聞きなよ。そんなふうにすぐさま断定するのはやめてほしいよ」

 

「なんだと!」

 

「まあまあ、受験番号7111くん、ナイスなお便りサンキューな」

 

 

プレゼントマイクが言うにはそれはお邪魔虫のようなもので受験生を邪魔する0ポイントのヴィランだそうだ。得点にも入らず率先して倒しても何も見返りはないと言っていた。

 

 

「俺からは以上だ。最後にリスナーへ我が校訓をプレゼントしよう。」

 

「『PLUS ULTRA』!それではみんな良い受難を!」

 

 

一悶着あったが説明は終わり、出久、勝己ともわかれてそれぞれの演習場へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

演習場へ着いたけど

 

 

「広っ!!!」

 

 

街じゃんこれ。いや、やりやすいけども。すごいな雄英、金かけてるなー。いつも始まるか分からないしスタートラインには立っとこう。

 

 

周りの人は自身ありげだ。だが、号令がかかると思っているのか楽にしている人が多い。私はそんな彼らから目を離しいつでもスタート出来るようにする。

 

 

「はいスタート」

 

 

気の抜けた声が響く。

同時に、私はヒーローになるための一歩を踏み出して走り出した。

 

 

 

 

 

 

 




飯田くんアンチ気味?飯田くんファンすいません




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第三話

遅くなりましてはすいません


「はいスタート」

 

 

気の抜けた声とともに走り出す。少し遅れて他の受験生たちもスタートをきった。私は微かな身体強化の恩恵も受けているから一気に演習場の中心部分まで進むことができた。

 

 

未だに標的のヴィランは見ていな「標的補足ブッ殺す!!」「噂をすればなんとやら、か」

 

 

「ショートカット!『大砲』!」ドン!

 

 

即座に出した大砲で1ポイントヴィランの脆い装甲を破壊する。

 

今の音で何体か近寄ってきたようだ。数は7体。他の受験生に倒される前に倒す!私はわざとヴィランに囲まれるように進み

 

 

「ショートカット『鉄骨』『鉄骨』『鉄骨』『鉄骨』『鉄骨』『鉄骨』『鉄骨』『鉄骨』『鉄骨』『鉄骨』!!!」

 

 

一気にヴィラン六体を生み出した鉄骨の下敷きにする形で具現化する。いまので7ポイント、合計8ポイントゲットだ。

 

 

残した3ポイントのヴィランは後ろに回り込んで息をおもっいきり吸い込んで

 

 

「すぅぅぅー『かみなり』!」ズシャァァァ!

 

 

ピンポイントで雷を3ポイントヴィランに当て、周りに集まってきていた各ヴィランもろともショートさせる。

 

 

ここまでは周りに他の受験生がいないから気をつけなくともいい攻撃。ここからは周りの受験生に気をつけつつポイントを稼がなくてはならない。追いついてきた受験生を横目で見て、次の手を準備する。

 

 

用意するのは2つ。考えていたヴィラン発見用の機械と混戦でも周りに被害を余り出さず、的確に確実にヴィランを倒せる武器。

 

 

「ショートカット!『サーモグラフィ付きゴーグル(ゴーグル)』!『ボルトアクション式散弾銃(ショットガン)』!」

 

 

ゴーグルは望遠、暗視、サーモグラフィのついた優れ物をインストールしてある。ショットガンは命中精度も高く携行に優れたボルトアクション式を選んだ。多少の反動は持ち前の身体能力でカバー出来るので確実に倒せる、誤射を防ぐ物をインストールした。

 

 

生成したゴーグルをすぐさま顔に付けショットガンを手に持った。ジャンプして建物の上に登る。サーモグラフィを起動して周りを見た。下に動く赤い人型と壊されて熱が冷めてきたオレンジのロボットがいる。

 

 

「周囲に敵影なし。望遠同時起動」

 

 

離れた敵を見つけるため望遠システムを起動する。

 

 

「敵機複数発見。移動を開始」 

 

 

見つけた敵を倒すため目標に向かって移動を始める。身体能力を生かして屋根の上を走っていく。

 

 

「これより敵機を殲滅する」

 

 

他の受験生がいない事を確認しなるべく弾が飛び散らないように真上から撃ち抜く。空中で撃つため反動がすごいが無理やり押さえ込む。

 

 

空中で真上から撃つ理由はショットガンの誤射を防ぐためだ。射程が短いとはいえ高威力のためヴィランに当たらず他の受験生に当たればただではすまない。そのために真上から周囲を確認しつつ、狙うのだ。

 

 

ショットガンで確実にヴィラン達を排除し次の場所を探し屋根の上に乗る。

 

 

「ふぅ、次はどこだろ?」

 

 

私は一息ついて周囲のヴィランを探し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは、試験官である雄英の教師たちが実技試験をみているモニタールーム。

 

 

「今年はなかなか豊作じゃないか?」

 

「そうねぇ、あの『言霊使い』の女の子なんてどうかしら?創造系の個性ではあるけども作り出すのも早いし戦闘力も高そうだわ」

 

「それより『爆破』の個性の子はどうよ?今のところ一番ヴィラン倒してるよ」

 

「いやーまだ分からんよ。真価が問われるのは……」 

 

「これからさ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が50ポイントくらいを稼いだ時だった。

 

 

「……でっか!!」

 

 

えぇ~でかすぎでしょ。雄英側は私たちを殺しにきてんのかな…。

 

 

そこには圧倒的脅威がいた。ビルを押しのけてこちらに姿を表したのは所狭しと大暴れしていると説明された0ポイントヴィランだった。

 

 

「やべっえ!」

 

「逃げろ逃げろ!」

 

 

まあ、逃げるよね……。こんなの見たら逃げたくもなるよ…。私もぶっちゃけ逃げたいよ。

 

 

「おい!そこの女子!逃げんぞ!」

 

 

でも、私はヒーローに『なる』ためにここに来たんだ。

 

 

「逃げないよ」

 

「はあ?!あんなの勝てる訳無いって危ないって!」

 

「私はね!此処にヒーローになるためにやってきたんだ!こんなデカいだけのギミックに負けてなんかいられないの!逃げたきゃ逃げてろ私はヒーローに『なる』!」

 

「……あーもう!女の子が頑張ってんのに男が逃げる訳には行かねぇよ!協力してやる!」

 

 

協力者が出来た。これは嬉しい。一人だけだと出来ないことも有るからね。

 

 

「!へぇ、なかなか男らしいところあるんだ。いいよ、一緒にやろう!作戦は私が考える!私、五十 言葉!私の個性は創造系の言霊使い!」

 

「ありがとよ!俺の名前は上鳴 電気。個性は帯電!作戦頼んだ!」

 

「帯電?!どんなの?」

 

「電気を体に纏える!全方位に放つこともできるけど巻き込んじまう!」

 

「オッケーありがとう。よし、作戦を考えるからコイツを足止めするね!」

 

「キミの個性は?」

 

「見たら分かるよ!とりあえず走りながら移動しよ!

 

じゃあいくよ?すぅぅぅぅぅ、ショートカットォォォ!『鉄筋コンクリートの壁(でっかい壁)』!

 

ハァ、ハァ、こういう、個性だよ。私が覚えている物を何個でも作り出せる個性だよ。」

 

 

私は0ポイントヴィランを囲むようにぶ厚い鉄筋コンクリートの壁を何枚も何重にも設置していく。勿論既にそこには人が居ないことはゴーグルで確認しておいた。

 

 

「……すっげぇ。創造系ってこんなにすごいのか?」

 

「人にもよると思う。デメリットだってあるし。私だって使いすぎると喉が痛くなるよ。大きな物はその分、疲労も大きいしね」

 

 

私は持ち込み品のスポーツ飲料を飲み干し一時期な回復をする。

 

 

「こんなの俺にできることなんてあんのか…?」

 

「あるよ!あるある。私がアイツを仕留めるまで注意を引きつけていてほしいの。」  

 

 

私が考えた作戦はこうだ。

 

私が作り出した物は壊され、原型を留めなくなると何かの粉になって風で消えていく。

 

0ポイントヴィランは壁を壊そうとするだろう。今も何枚も破られている。

 

だから上鳴くんの個性で0全方位に電気を放ち0ポイントヴィランを引きつけてなるべく進ませないように壁に沿うようにして誘導する。

 

私はそのうちに個性で壁を補強しつつこの暴れんぼうを止めるための兵器を壁の下に設置していく。そして、一周したら一斉に撃ち0ポイントヴィランを止めるというものだ。 

 

上鳴くんは電気を全方位に放ち続け0ポイントヴィランを引きつける。

 

私は生み出した絶縁シートをかぶりながら壁を補強、上鳴くんを守りながら壁の下に兵器を設置していく。ちょっとやることが多いかもしれないけど上鳴くんの役に比べたらまだいい。

 

作戦を上鳴くんに伝えてみたがちょっと不安だ。だってこれは今出会ったばかりの上鳴くんを囮にする作戦だ。

 

もちろん私は個性を使って上鳴くんを守るつもりだ。万一壁から落ちてしまったら0ポイントヴィランを放っておいて上鳴くんを助けると伝える。

 

 

「ごめんね、こんな作戦しか思いつかなくて。もし嫌だったらやらなくてもいいんだよ?まだ時間もあるし他のヴィランを倒しても……」

 

「いいんだよ!俺が最後までやるって言ったんだやるよ!」

 

「そう、えへへ、ありがとう!上鳴くん!」

 

 

本当にありがとう、上鳴くん。上鳴くんのためにも絶対に成功させるからね。

 

 

「だけど、先に言っておく。俺は個性を使いすぎると使えなくなる。そしたら守ってくれ」

 

「うんわかった」

 

「じゃあ」

 

「作戦開始だね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

巨大な0ポイントヴィランはプログラムのままに目の前に突然現れた壁を破壊しようとしていた。

 

0ポイントヴィランのプログラムは至って単純で近くのものを破壊するようにプログラムされていた。一度壊したところは破壊せず壊していないところを破壊するようにプログラムしてあったり近くをなにかが動いたらそれを狙うようにもプログラムしてあった。

 

 

そして、状況が動いた。

 

 

「おい!デカブツ!こっちだよ!」

 

 

0ポイントヴィランのプログラムはなにかが壁の上をかけていく存在に声を掛けられ、なおかつ電気の個性がつかわれたのをセンサーで感じた。

 

そして、その存在へ拳を振るう。しかし、

 

 

「大丈夫?!」

 

もう一人別の誰かに助けられる。

 

意識や感情などないプログラムであるためもう一度同じ存在へ拳を振るう。しかし、

  

 

ドガーーーーーーーーン

 

「うわっ危なっ!」

 

「大丈夫か!?五十?」

 

「大丈夫!すぅぅショートカット『○○○』!」

 

「それか?兵器ってのは?!」

 

 

またしてもよけられる。0ポイントヴィランのプログラムはまた別の壁を攻撃対象にかえて壁を破壊し始めようとした。

 

 

「どこにいくんだよ!デカブツ!」バリリッ

 

 

もしも0ポイントヴィランに意識があれば自身に影響を与えない電気などきにしないだろう。しかしこれは単なるプログラム。すぐさま上鳴を狙ってもう一度拳を振るう。

 

避けられる。

 

振るう。

 

避けられる。

 

振るう。

 

避けられる。

 

振るう。

 

避けられる。

 

 

気づけば一回転していた。

 

その間に上鳴は個性を使いすぎてアホになっていた。

 

 

「ウェェ~~イ」

 

「使えなくなるってこういうことか……ちょっと面白い(笑)」

 

「ウェイッ」グッ

 

 

上鳴くんは個性の使いすぎでアホになっていた。

 

 

「君の犠牲は忘れない。ありがとう上鳴くん」

 

「おかげで準備は整った」

 

 

一回転したことで全ての壁下に兵器は配置出来て、既に動いている。後は撃つだけ。

 

 

「行くよ上鳴くん」

 

「ウェェェェイ」グッ

 

 

「私は言霊使い。私が当たると言ったら『当たる』!」

 

「放て!カール自走臼砲(カール)!!」

 

 

 

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

 

 

一斉に撃ち尽くすカール自走臼砲(カール)。ナチスドイツによって作られた史上最大の自走砲といわれている兵器。自走砲でありながら最高速度は時速10kmでというロマン砲のひとつだ。

 

 

一発撃つのに10分かかるというがそこは言霊使いの力でカバー、私の言葉に合わせて撃っている。

 

ちなみにカールとはこの砲の開発に携わったカールベッカー将軍にちなんでいて、車両ごとにそれぞれ固有の名前がつけられている。

 

なお、下にいるカールは全て同じ個体をインストールしたもので一号車アダムの物である。

たくさんいるからアダムズだけどね。

 

個性が出来た事で兵器やスポーツといった物は人気がなくなっていた。そして、その影響であらゆる兵器系博物館は閉館、展示品は処分する事になっていた。私は家族に頼んでそういった博物館を巡り、個性を説明しインストールさせてくださいとお願いしたのを覚えている。

 

アダムのあったクビンカ戦車博物館もそういう個性ならと、快くインストールさせてくれた。

 

閑話休題。

 

 

0ポイントヴィランは完全に沈黙。ついでに上鳴くんもアホさがちょっと消えてきていた。残念。

 

「すげぇな、あれ」

 

「お、分かる?個性発見期以前の大戦の兵器さ」

 

「あー、すごかった。なんかすごかった」

 

「語彙力(笑)。まあ、でも分かるよ。ロマン砲だから

 

 

………さて、後はこの壁を消さないとね。町にこんなの合ったら生活出来ないもん」

 

「え、消せるのか?これ」

 

「もちろんだよ!じゃあちょっと失礼して」

 

「え、ちょっとなにすんの?」

 

 

私はアホさが完全に抜けた上鳴くんを抱っこ、俗に言うお姫様抱っこをして個性の発動を準備する。

 

 

 

「はぁ?!お姫様抱っこ?ちょ、下ろし」

 

「暴れないでね」

 

消去(イレイズ)

 

 

私は舌に『消』の文字を作り、空気をなめるように振る。それだけで壁、カールは消え去った。

 

もちろん今まで立っていた壁が消えたので上鳴くんをお姫様抱っこしながら急降下する。

 

落とすような真似はしない。上手く足場を作り出し安全に降りていく。

 

 

「これにて、一件落着!」

 

 

 

 

 

「終了~~~~~~~~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




書きたいことが多すぎて大変だった……自分、こんなふうに遅いんでまじ申し訳ないです


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