比企谷八幡バイト始めました (猫と果実)
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ボッチバイト始めました①

他の皆さんのssから興味がわき書きました!
アニメとssかじってるだけなので間違え多いと思います
なので温かい目で見てください!!


ボッチを貫く身としては耐え難い事実に直面している。

「ほんと助かっちゃうよ!ほんとに!」

「…う、うす」

バシバシと肩に響く衝撃と共に俺の平穏な放課後ライフは崩れ去ろうとしている。

「あ、あの……」

「うん?あっお給料ならしっかり払うしオマケもするから安心してね!!」

あれ?今俺質問してた?むしろ質問の内容の触りすら話してないですよ?

「い、いやお給料の事ではなく…」

「あっ!制服ね!大丈夫!!ちゃんとサイズ用意してるから!!」

えっ?質問の内容を通り越して服のサイズ知ってるとか

超能力者ですか?

「とりあえず着てみてよ!!そこのロッカー使っていいからね!」

バタンと扉を閉められる。

「………俺一言もバイトするとはいってないんですけど…」

やはり俺の受験シーズンは間違っている。

 

 

~~~~~~

「はっ?」

「だから俺の友人の所で店の手伝いをしてくれって話だ八幡」

なんだこの親父さんは?専業主夫志望の俺に働けっていったか?

「はっ?」

「だから俺の友人のとこr」

「無理」

「「………」」

 

「二人とも何にらみあってるの……小町的にポイント低いよ」

「「き、嫌いにならないでくれ小町!?」」

「はぁ~それでどうしたの?」

「なにこのバカ息子に社会勉強をさせようと思ってるんだ小町」

「なにふざけた事言ってんだよ…俺は社畜にはならん」

「お兄ちゃんにバイトさせようとしてたのお父さん?」

「正確には友人店の手伝いだな」

店の手伝い?何を言っているのだこの社畜お父さんは?二世代で社畜になってたまるか

「うーん……でもお兄ちゃん受験控えてるでしょ?」

おっ!いけマイシスター!お兄ちゃんを守ってくれ!

「勉強とバイトの掛け持ちなんてお兄ちゃんには無理だよお父さん!!だってあのぐーたらなお兄ちゃんだよ?」

あ、あれ?小町ちゃん?味方なのに攻撃がお兄ちゃんに当たってるぞ?心のHPが削られてるよ?

「それもわかっているが……どうしてもって頼まれちゃって」

「そっか……それじゃ仕方ないね!」

気づいたら小町に裏切られた……お兄ちゃん悲しい…

でもアイスを美味しそうに食べ始める小町可愛すぎる、お兄ちゃん裏切られても許しちゃう。

「ふざけんな俺はやらん」

「断るなら自分で直接言ってくれ」

「はぁ?どうゆうことだよ親父」

「そいつ人の話聞かないやつでな、明日とりあえず面接するからと電話切られたんだ」

「折り返し電話すりゃいいだろう」

「めんどくさい」

このくそ親父……小町にコンビニ行ってきてって言われたら全力で行ってくるくせに

まぁ小町に頼まれたら喜んで行くのは比企谷家では当たり前だからしゃあないか

「……明日どこに何時に行けばいいんだよ」

「えっ!?お兄ちゃんバイトするの!?」

「勘違いするな小町、断りに行くだけだ」

「なんだ~小町的には働くお兄ちゃんも見てみたかったかな~」

そんなあざとく小町に言われたらお兄ちゃん頑張りたくなっちゃうよ?

「そんな姿一生見せないから安心しろ小町」

「さりげなく一生ニート発言……小町的にポイント低いよお兄ちゃん」

「八幡的にはポイント高かったんだが」

八幡は専業主夫なりたいんだもんっ!!まぁまずは養ってくれる探さないと……もう平塚先生でいい気がしてきたよ

「とりあえず明日断りに行くから場所教えてくれ」

「ほれ、まぁ後は任せた」

一枚の地図を渡され店がある場所に〇が書かれており8時30分面接と記載されていた。

 

 

「なんで土曜日の朝にチャリをこがなきゃならん」

キーキーと音をたてチャリを漕ぐ。

「はぁーだるい」

そろそろ春の暖かさで厚着もいらなくなってきたな

しかし月曜には三年生になるってのに何故俺はこんな面倒なイベントが発生してるんだか……これなら材木座の依頼の方がマシである。

「ととっここか」

そんな事を考えていると店に到着する。

「なんだか落ち着きのあるカフェみたいだな」

見た目はシンプルなデザインのカフェ。

立て掛けた式の看板に『Repose』と書かれている。

確か英語で安らぎとかだったか?

ガラス越しに見える店内もいい感じなのが伝わってくる、のんびり本でも読みたくなる雰囲気だ。

ドアにはcloseと書かれている板がかかっている。

「……これは入っていいものなのか?」

ボッチにこれは難易度高すぎだろ?職員室でもビクビクしながら入る俺だよ?開店前の店に入るとか不可能

「……帰るか」

諦めてチャリに乗り漕ぎ出そうした瞬間、カランと音をたてドアが開いた。

「…もしかして比企谷八幡君?」

そして白いYシャツとタイトな黒いズボンをはいた長髪を後ろに一本結びした男性が出てきた。

一度チャリを降りてその人に向き合う。

「は、はい」

見た目は正直俺の親父より全然若い、でも年を重ねた大人の雰囲気が出ている人だ。

「待ってたよ!!ささ中に入って!!」

「えっ?えっ?」

その人に押されるまま店の中に入る。

中に入ると右側にレジがセットしてあり左側にはバーカウンター席とテーブル席があるスペースが続いていた。

「いやーごめんねうちそんな広くないお店なんだよ」

確かにお世辞にも大きい店とは言いがたいが、しっかり間隔が空いたカウンター席が8席に四人が座れるテーブル席が三席分。

テーブルはよくファミレスでみるソファ方と言えばいいのか?しかもしっかりとテーブル席とカウンター席の間の空間もしっかり空いていて丁度良い感じだ。

ガラス越しにも思ったが落ち着いた雰囲気のいい店だ。

「い、いえ…」

「そうえばまだ自己紹介してなかったね!!僕は店長の立川翔(たちかわかける)って言うんだよろしく!」

なぜだろう…少しだけ雰囲気が由比ヶ浜に似てる気がするぞ?

だってすげー人懐っこい感じするよこの人…

「ひ、比企谷八幡と言います。」

「いやーほんと急遽頼んでごめんねハチ君!!」

「ハ、ハチ君?」

なんだそのあだ名…俺はいつから犬みたいな名前になったんだ。

「八幡君だからハチ君」

あれ?なんだこのデジャブ感?このなんでもあだ名にしちゃうやつ……ガハマさんですね。

「えっと出来れば普通に呼んで頂けると……」

「普通に呼んでいるつもりなんだけどな……とりあえず面接しちゃおうか!!」

「あのその事についてお話が」

「うん?詳細はガヤさんから聞いてない感じかな?」

「ガ、ガヤさん?」

「あ、ごめんごめんハチ君のお父さんの事だよ」

親父はガヤさん、俺はハチ君……なんかこのあだ名からは逃れられない気がしたよ八幡。

「詳細とは?」

「うちで働いてもらう条件だよ!」

「聞いてないですね」

「ならそれも含めて説明と面接しちゃおうか!!」

しょうがない面接するときに断るとするか…

~~~~~~~~~~

 

「いやー似合ってるねハチ君!」

そう現在俺は店長と同じ服装に腰に黒のエプロンを巻き、だて眼鏡をした状態でバーカウンターに佇んでいる。

「……」

恐らく今の俺の目は通常より二割増で腐ってるに違いない。

眼鏡をも腐らせる自信がある。

「はぁ…」

なぜこうなったかと言うと簡単に言うと店の事情に巻き込まれたの一言に尽きる。

面接をするために別室で待機してた俺を出迎えたのは

制服とだて眼鏡を手にした爽やかに笑う店長さんだった。

その第一声が『ごめんハチ君!欠勤出ちゃったからさっそく手伝ってくれないかな!』

疑問系で聞かない辺り店長の中では俺はすでに従業員になっているのであろう

しかし俺は従業員ではない、断じて働きたくない。

だがこれを断れる程のコミュ力は比企谷八幡にあるわけもなく見事に制服に着替えたのである。

あんなの断れるの女王あーしさんぐらいだ。

あーしさんに弟子入りでもするか……いや5分も持つ気がしないやめよう。

「まぁまぁハチ君ちゃんと+でお給料だすから許して?」

いい大人が許してとか言うな、誰ださっき歳を重ねた雰囲気がある大人って言ったのは…

あっ俺か

「…とりあえず落ち着くまでは手伝います、バイトも初めてなのでミスすることもあると思いますので」

「大丈夫大丈夫!!ありがとハチ君!」

そういってスッと渡されたのが『ハチ』と書かれた制服につける名刺のようなものだ。

「あの…これつけなきゃだめなんですか?」

なにこれ牛角の店員さんみたいなコミカルな感じです対応しないといけないの?

「うちの従業員は皆つけてるからね、ハチ君もつけてね!」

そういうとバーカウンターからすぐ隣のキッチンに行ってしまった。

しかしバーカウンターとキッチンを遮るドアは両手が塞がってもあけられる両開閉式なので声をかければ聞こえるだろう。

「はぁ…なんでこんなことに」

慣れない眼鏡に少し戸惑いながら客を待つ。

てかなんで眼鏡渡してきたんだ?

もしかして腐ってる目隠してねって遠回しに伝えたかったのか?

確かにこの姿見て『うん!ガヤさんに言われた通りだて眼鏡用意しといて良かった!』

あれ全然遠回しでもなくね?既に連絡済みだったから気にされなかっただけかよ……

久しぶりに目で怯えられなかったからちょっと嬉しかったのに

この嬉しさ返せ!!…………はぁ暇だ。

店長には『お客様入ってきたらお冷とおしぼりだしてね!あと来られるお客様基本常連客だから!!対応よろしくね!』

いやいや常連客って言われてもわかんねぇ!!

新人どころか所属すらしてない人間にそんな難易度高いこと要求するなよ!

一通り説明受けたけどコーヒーぐらいしか入れられないぞこれ

そんな事を考えているとカランカランとドアが開かれた音が店内に響く。

杖をついたダンディな初老の男性が来店した。

「い、いらっしゃいませ」

やべぇ緊張して声裏返った、そんなことよりつ、次はどうすれば!!

内心慌ててカウンターで立っているとお客さんから声がかかった。

「君は新人さんかな?名前はハチ君か」

「は、はい新人のハチです」

ペコリと頭を下げる。

って何自然にハチとか名のちゃってるの俺!?

八幡一生の不覚!!

「ははっそんな緊張しなくていいよ、それじゃ年老いた爺にコーヒーとホットサンドを頂けるかな?」

ダンディさんは俺の目の前のカウンターに座り注文をする。

案内する前に自分で席に座り注文を済ませる。

新人の俺を気遣った行動だろう、大人の余裕を感じるな…

「コーヒーとホットサンドですね、畏まりました」

少し落ち着いた俺はお冷やとおしぼりをお渡しし、キッチンの店長に料理を頼む。

「店長お客様のご注文でホットサンドお願いします」

「わかったよー!!聞いてたから準備してるから待ってて!後コーヒー宜しくね!」

えっどんだけ耳良いんだよ、あの人の前では小言いうのやめておこう。

そう飲み物類は基本カウンターから直接出すシステムなのでコーヒーは俺が準備しないといけない。

慣れない手付きでコーヒーを準備しお客様の目の前に出す。

こんな姿雪ノ下にみられたら『コーヒーすらろくに入れられないのかしら接客々谷君?』そんな事を言われるであろう。

「お待たせ致しましたコーヒーでございます」

「ありがとう」

一応砂糖などガムシロなど準備したが、何も入れずブラックで頂くお客様。

コーヒーをブラックで飲むとはやはり大人だ。

さてさてバーカウンターに入ると必然とお客と対面する。

あれ?これ話しかけなきゃいけない感じ?

いやいやカフェは一人で静かな時間を楽しむために来るものだ。

俺はカフェすら来ないのであくまで予測だ…

「ハチ君は今日から働いているのかな?」

おっとまさかのそっちから話しかけてくるパターンか

「そうですね…」

無理!会話のキャッチボールとか無理!

ボッチは基本会話の壁当てしかしないからこんなの無理!

「この店を選ぶとはなかなかいい目をしてるね」

「あ、ありがとございます」

こ、この人俺の目を褒めただと!?でもこの店選んだと言うより強制エンカウントだったんですけど…

そんな風に会話しているとキッチンからホットサンドを皿にのせた店長が現れる。

治郎(じろう)さんお待たせしました!」

「いつもありがとうマスター」

この人マスターとか呼ばれてんのかよ

カッコいいなおい

「どうですうちの期待の新人ハチ君は!」

「て、店長」

評価するとか酷なことしないで!?お互い気づくなるからソースは俺。

昔隣の席の子と授業でお互いの良いところを言う謎の課題を出され苦笑いで「し、静かなところかな?」と無理矢理捻り出した感は今でも忘れない。

「好感を持てる新人君だね」

「でしょ?いやーさすが治郎さんわかってらっしゃる!」

えっなになに?なんで二人してそんな好評かなの?

俺明日死ぬの?

「…あのお言葉ですがそんな大それたやつじゃありません私は」

「そうかな?しっかり気が使える子だと私は思うんだがね…これでも人をみる目はあるんだよハチ君」

さりげなくハチ君呼びされてる八幡です。

なんなのこれコーヒー出したらこんな人間褒めてもらえるの?

雪ノ下とかほぼ毎日紅茶入れてるよ?そのパターンだと好感度カンストしちゃうよ?

「まぁまぁハチ君はこれからうちの期待の新人なんだから自信持って!!」

そんな元気よくサムズアップするなマスター。

 

そしてそんなこんなで13時辺りまでバイトをするはめになった。

「ありがとうございました」

カランカランと音を立てお客様を見送る。

「ふぅ……ここは変則的に混むな」

普通のお昼時の13時ではあるが主に軽食と飲み物楽しむカフェなので通常の飲食店とは時間帯が外れるらしい。

しかしなんだ女性客がちらちら俺を見てたけどなんでだ?

もしかして俺のウェイター姿に惚れてのか!?

…なんてことあるわけない、どうぜあの店員キモって思われたんだろうな

「助かったハチ君!!そろそろ午後シフトの子が来るから上がって大丈夫だよ!」

負の考察をしていると仕事終了のお達しがきた

「そうっすか、なら先に上がらせてもらいます」

「うちタイムカード式だから今後は来たときタイムカードきってね!」

「はい」

んっ?あれ?なんで俺今何気なくまた来ます的になってるんだ?

「あの店長さん」

「あーそうだよね!連絡先交換しないシフトわからないよね!」

「い、いやそこじゃなくて」

「えっとね…はいはいこれが連絡先ね!!後学校始まってからどんなシフト組むか相談したいから入学式終わったら少し顔だして!!」

「……」

「それじゃよろしくねハチ君!」

なにこれ強制イベントかよくそっ!!

 

 




では皆さんのコメントお待ちしてます


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ボッチバイト始めました②

いやいや思ってる以上に読んで頂けて光栄です-w


ピピピピ

「……」

ピピピピピピ

「………うるせっ」

携帯から鳴るアラーム音に起こされる。

そしてアラームをに切り

ガバッっと毛布をかけ直し

「おやすみzzzz」

もう一眠りこれこそ高校生に許される特権二度寝だ。

さぁ夢の世界へ……

「ごみぃちゃん!起きなさい!!二度寝なんて小町が許しません!」

ババァーンっと俺の部屋に登場した我が愛しき妹小町様。

今日はやけに登場が派手なご様子で…お兄ちゃん低血圧だから大声はやめて…

「…大丈夫だ小町お兄ちゃんは計算して二度寝してるから後5分寝れるから」

「数学が嫌いなお兄ちゃんの計算とか信じられません!」

ガバッっと布団を剥ぎ取られる。

あぁ…俺の毛布が…ってそんな剥ぎ取ったからって地面に叩きつけないで!?

「安らかに眠れ毛布、そしてお前の分まで俺は布団を守る」

「むぅ…そんな小町の入学式に遅刻したいなら別にいいですよぉ」

小町がムスッとほっぺをむくらませ機嫌を悪くする

今日は小町の入学式。

俺は先に高校に行き小町の入学式を見守り讃える役目を仰せつかっている。

いい加減起きないと小町のほっぺがリスみたいになるから起きるか

「小町の入学式に遅刻なんて例え隕石が落ちてきてもありえないことだ、なぜなら俺は小町のお兄ちゃんだからな」

そういってベッドから出て不機嫌な小町の頭をなでる。

「それでこそお兄ちゃん!!小町的にポイント高いよお兄ちゃん!!」

「それと小町」

「うん?」

「少し早いが…入学式おめでとう」

「へへへ///ありがとうお兄ちゃん!」

よしこれで今日も1日頑張れる。

 

 

「お兄ちゃんもう時間だよ~」

「おう~歯磨きしてもう出る~」

朝食を済ませ身支度をして後は家を出るだけ

そして歯磨きを済ませリビングに戻ると制服姿の小町が出迎えてくれた。

「じゃーん!!総武高校一年生比企谷小町です!」

ビシッと敬礼する小町、まさにあざと可愛い小町ちゃん

どこぞかの生徒会長に負けず劣らずのあざとさ我が妹ながら恐ろしい。

「おぉ~ってこの前も見たんだが?」

「もぉー!!お兄ちゃん小町的にポイント低いよ!!そこはまず似合ってるね小町☆って言うんだよ!」

「制服似合ってるぜ小町☆」

「やっぱりそれはキモいかもお兄ちゃん」

あれ?言わせておいてお返しが罵倒っておかしくない?

「やらせておいてそりゃねぇだろ…ってそろそろ出ないとやべぇ」

「ほんとだ!お兄ちゃん小町の晴れ姿しっかり見ててね!」

「おう、そんじゃ先行ってるわ」

「うん!行ってらっしゃいお兄ちゃん!」

「行ってきます小町」

いつもこのやりとりしてっけど夫婦みたいだなって思うのは千葉県の兄妹共通だよな?

けして俺がヤバい訳じゃないよな?

 

 

 

「はぁ~」

入学式に伴いもうひとつイベントがある、それはクラス替えだ。

ボッチの俺には関係ないイベントではあるんだが、今年は違う。

そうマイスウィートエンジェル戸塚と一緒に一年間過ごせるか過ごせないかが懸かっているのだ。

これは死活問題だ、ほんとに問題だ。

もし俺に国家権力があったなら全力で戸塚と同じクラスにするため全力で動く。

えっ?働きたくない俺が?何いってんだ小町と戸塚のためなら死ねる覚悟である。

「八幡!」

そう考えていると俺の後ろから声が聞こえた。

この声は!!

「戸塚!」

「おはよう八幡!」

「あぁおはよう戸塚」

やばいまじ天使、ここに天使がおります。

「?どうしたの八幡?」

「い、いや久しぶり戸塚に会ったなって思ってただけだ」

「そうだね!休みはあんまり会えなかったしね……でもこれからはいっぱい会えるね!」

もう戸塚俺の嫁で良くない?こんな可愛い天使に惚れるなとか無理ゲー。

「お、おう///」

「八幡一緒にクラス替えのやつ見に行こ!」

「そうだな、確認しないとクラス行けねぇし」

二人して並んで歩き下駄箱の壁に貼られているクラス替えの紙を見に行く。

「今年も八幡と一緒のクラスだといいなぁ」

「そうだな」

そう表面上ではケロッとしてる俺は内心は

戸塚と同じクラスに、戸塚と同じクラスに、戸塚と同じクラスにお願いしますお願いします神様お願いします。

普段祈らない神にもお願いして内心大慌てである。

「えっと……あっ僕F組だ!また同じだ!」

F組に戸塚!!お、俺はどこだ!?

「あっ」

F組比企谷八幡

よっしゃゃああ!!!キターーーーーー!!!

神様ありがとう!今日から神様信じちゃう!

そんな風にお祭り気分になってると戸塚も俺の名前をみつけ

「あっ!八幡も同じクラスだ!やった!!」

喜びそして抱きついてきた。

「と、戸塚!?///」

「あっご、ごめん八幡///つい嬉しくて///」

「だ、大丈夫だ///」

俺今日死ぬのかもしれないな……あぁ幸せな人生だった。

「ヒッキー顔が気持ち悪い顔になってる……」

幸せの余韻に浸っている俺を罵倒する声

「やっはろーさいちゃん!ヒッキー!」

「やっはろー由比ヶ浜さん!」

「誰が気持ち悪い顔だ由比ヶ浜」

同じ奉仕部の由比ヶ浜結衣さんのご登場だ。

相変わらずアホっぽい挨拶は変わらんな

戸塚はオッケー天使だからオッケー。

「だってヒッキーの顔スゴくデレ~っとしてたし」

「そ、それは気にするな」

嬉しさのあまり表情筋が仕事をしていなかった、危ない危ない。

「由比ヶ浜さんは何組になったの?」

「私も二人と同じF組だよ!」

「ほんとだ!!またよろしくね由比ヶ浜さん!」

「うん!よろしくねさいちゃん!」

「またか…」

「なんでため息つくのさヒッキー!」

「別に気にするな」

「気にする!!なんで!」

「特になんもねぇよなんとなくだ」

「うぅぅ……ヒッキーは私と同じクラスは嫌?」

その上目遣いやめて勘違いしちゃうから

由比ヶ浜普通に可愛いからそれ

「……そんなことねぇよ」

「!!」

そんな急ににこやかになるなってこっちが恥ずかしい

「やっぱりヒッキーは優しいなぁ」ボソッ

「なんか言ったか?」

「っ!!な、なんも言ってないよ!///ヒッキーはやっぱり捻デレだって思っただけ!」

「捻デレ言うな」

「ふふ」

微笑む戸塚も可愛いな……守りたいこの笑顔

「どうした戸塚?」

「ううん二人とも相変わらず仲良いなって思っただけだよ八幡」

「そ、そんな事ないよさいちゃん!!///」

「そうだぞ戸塚、こんなビチヶ浜さんとは仲良くないぞ」

「ビッチじゃないし!!ヒッキーキモい!!変態!!!」

「ほらやっぱり仲良しだ」

戸塚…罵倒されてる関係は決して仲良しとは言わないぞ……

 

 

「そうえば他の皆はクラスどうなったのかな?」

他のやつらね……正直小町と戸塚がいれば充分、いやむしろそれでいい

「実はね皆F組だよ!!!」

「わぁ凄いね!そんな事あるんだね!」

待て待て皆って誰だよ、なんで皆で通じちゃうの?八幡ボッチだからわからない…

「ほんと凄いよね!グループ皆が残るって!!」

あぁ葉山グループの事ね…興味ねぇ

「後サキサキもいるし」

はやくソウルドリンク飲みてぇ

「それにゆきのんもいるんだよ!!スゴいよね!!」

な、なに!?ゆ、雪ノ下が同じクラスだと!?

「お、おい由比ヶ浜、雪ノ下も同じクラスなのか?」

「そうだよ!これで奉仕部メンバー勢揃いだね!!」

なにオールキャスト揃えようとしてんの?ラスボス前みたいなパーティーメンバーみたいになってるよ?

奉仕部以外でも雪ノ下の罵声を浴びる事になるとは……

いや雪ノ下の事だ俺の平穏なボッチライフにわざわざ侵略しては来ないだろう…あっそうえば

「もしかして材木座もいたりすんのか?」

「あっ中二はいなかったかも」

材木座お前はモブキャラ決定だな

ノォォォォォ!?って声が聞こえた気したな…いや気のせいだ。

 

F組に付き由比ヶ浜はアホな挨拶をかましながら葉山グループへ

戸塚はまた後でと可愛い笑みを浮かべながら席に行った。

俺も指定された席へと座る。

戸塚も席に行ってしまった…あぁもう帰りたい…

HRが始まるまで寝てるか

イヤホンを耳に着け音楽をかけボッチスタイルへ。

小町の入学式で寝るわけには行かないしな!

おやすみ小町、戸塚!

 

 

ユサユサ

うぅん?

ユサユサ

地震か?なんか揺れてるような…

「うぁ?」

「朝から何を変な声を出してるの変声谷君」

「…」

あれ?雪ノ下さん?いやいや姉の方じゃなくてゆきのんの方だけどね?

いやいやそんなことじゃなくて何故俺を起こす?

「なんで起こすみたいな顔をしてるわね…もうすぐHRが始まるのだけれど、朝から怠けられたらこっちが困るわ」

「朝から怠け者扱いどうも…てかなんでここにいるんだよ」

「春休みをを挟んでも脳がまだ冬眠してるのかしら?とても不快だけれども私が隣の席よ」

えっ?まじ?うわっ…ボッチに隣とか気にする必要ねぇから見てなかったけど隣雪ノ下かよ!?

「そうか」

「ええそうよ」

にしてわざわざ俺を起こすのはめずらしいな……しかも気持ち口数多い?

「雪ノ下お前なんかテンション高くね?」

「なっ!?///な、何を口走っているのかしら妄想谷君は」

「だってよいつもより口数多いだろ」

「うっ///そ、そんな事ないわよ!寝言は寝て言いなさい寝ぼけ谷君」

いやいや何回俺改名されなきゃならんのよ…

あぁそうえば完璧過ぎてたまに忘れるがこいつもボッチだ

ったな

そうかそうか由比ヶ浜と同じクラスになれたのが嬉しかったのか、なんとも純情ゆきのんだこと。

こうゆうときの雪ノ下は少しちょろインに見えなくもない。

「なにかしら?」ギロッ

おふっ嘘です全然ちょろインじゃございません…

この眼光人殺せるよ…八幡辛い…

そんな死地に立たされているとドアがガラカラと開く。

「もうすぐチャイムなるぞ席につけー」

忠告を促しながら現れたのは我が顧問平塚先生だ。

確か平塚先生はクラスは受け持ってなかった気がしたんだが

「ん?なんだお前らきょとんとして、あぁなんで私が担任をしてるか気になるのか」

さすが平塚先生誰も質問をしていないのにクラスの雰囲気を察したようだ。

「実はな……ほんとはF組は田中先生が受け持つ予定だったんだか結婚されて寿退社されたんだ」

平塚先生の背景がどよーんとし始めた…誰かはやくもらってあげて!!もう八幡見てられない!

「くそっ…私だって結婚して寿退社とかしてみたいわ!」

ドンッと教卓を叩く、平塚先生…普通に怖いっす

「平塚先生もうチャイム鳴ってますのでHRを始めてください」

さすがスルーは冷たすぎるぞ雪ノ下!?ほら平塚先生の目が俺みたいになりかけてるぞ!?

「す、すまん雪ノ下…それじゃ今日は入学式が終わったら終了だ!これから入学式やるから体育館に向かうように!解散!」

すげー大雑把だ…なんか平塚先生自棄になってません?

平塚の指示を聞き皆体育館に移動を開始する。

「ゆきのーん!!一緒に行こ!」ダキッ

「ゆ、由比ヶ浜さん抱きつかないで頂戴///」

「へへへ!だってゆきのんと同じクラスが嬉しくて!!」

「それとこれは関係ないでしょ…」

「ゆきのんは同じくクラスで嬉しくないの…?」

「…そんなことないわ…嬉しいわ///」

「ゆきのーん!!」ダキッ

「ゆ、由比ヶ浜さんはやく体育館行くわよ///」

さっそく百合ユリさんだな…

相変わらずゆきのんはガハマさんに甘いことで

「八幡一緒に行こ!」

「おう!戸塚とならどこにだって行けるぜ!」

「もう行くのは体育館だよ八幡?」

クスクスと笑う戸塚を守れるならどこでも行くぜ☆

「ヒッキーキモい~」

「比企谷君体育館ではなく警察署がお勧めよ」

「おい三年そうそうキモい犯罪者扱いするな」

「みんな行かないと僕たちだけ遅れちゃうよ?」

「そうね」

「行こー!!」

HRからどれだけはやく罵倒出来るかタイムアタックでもしてんのか…

この短時間で相変わらずの対応で泣けてくる…

気を取り直して小町の入学式を見届けるか!

 

 

 

「あぁ…小町も大人になったぁ…」

「八幡大丈夫?」

「あぁ…なんか胸に込み上げてくるものがな…」

「ふふっほんと小町ちゃんのこと大好きだね」

「当たり前だ戸塚小町の事は愛してるまででもある」

小町の感動的な入学式を終えクラスに戻る最中思わず小町の入学式を思い出し想いにふける。

「相変わらずのシス谷君ね」

「ほんとシスコンだよねヒッキー」

「うるせぇ千葉の兄妹はこのぐらい普通なんだよ」

てか何故かこの四人組でクラスに戻っている。

奉仕部の延長線上のせいか違和感はあるがそこまで嫌ではない。

まぁ戸塚のおかげだな。

「ははは…でも仲良しに越したことはないからね!」

「確かにそうね」

「さいちゃんの言う通りだね!」

あれ?俺の意見全否定だったのに…まぁ戸塚ならしょうがないな!

「そうえばさいちゃんは今日から部活?」

「一応今日から始めるよ!体験入部の子も来るかもしれないし!」

「そっか!さいちゃん部長だもんね!頑張って!」

「ありがとう由比ヶ浜さん!」

「奉仕部も放課後少しだけ集まろうと思ってるからでよろしくね由比ヶ浜さん」

「うん!わかったゆきのん!」

「雪ノ下俺少し平塚先生に話があるから遅れていく」

「話?話ってなに?」

「お前には関係ない話」

「余計気になるし!」

「わかったわ出来るだけはやく終わらせて来て頂戴ね」

「あいよ」

 

帰りのHRが終わり皆動き出す。

よし俺も平塚先生に話に行くか、バイトやることになったって言わないと近い将来部活さぼりとかで鉄拳制裁食らいそうだし。

「平塚先生」

「うん?どうした比企谷?」

「少し話がありまして」

「そうか、なら生徒指導室で話すか」

そういうと教室から出て生徒指導室へと向かう。

平塚先生はこういう風にさりげなく気の使える大人な女性だ。

なのになんで誰ももらってあげないの…はやくもらってあげて!!

生徒指導室に入りソファに座る。

「君から話があるなんてめずらしいな比企谷」

「そうですね、まぁ部活についての話なんですけども」

「なんだまたトラブルか?」

カチッとライターの火をつけタバコをくわえる。

「いえ俺個人の話です」

「ほぉそれは興味深いな、それで話とは?」

「俺バイト始めるんでたまに部活休むことになります」

ガタッと音をたて平塚先生が立ち上がる。

えっなに?急に立ち上がるとか怖いんですけど…見えちゃいけないもん見えてんすか先生?

「ひ、比企谷がバイトだと!?」

えぇぇそんな驚くことかいな…

まぁ専業主夫志望の俺が言ってるからなんだろうけどな

「まぁ半ば強制的ですけどバイトですね」

「そ、そうか」

少し落ち着いたのかまた腰掛けジーっと俺も見る。

やっぱり見える人なの?俺の背後に何かいるの?ボッチの幽霊とか居ちゃう感じ?あっボッチは俺か☆

「受験は平気なのか?」

「…まだ希望の大学は決めてないですけど文系ならまずまずな所に行けると自負してます」

「確かに比企谷の頭なら文系なら余裕だろう」

視線は変えず俺を見る先生、そして少し嬉しそうな笑みを浮かべ

「よし!いい社会勉強にもなるだろうしバイトを許可する!」

「ありがとうございます」

ふぅーこれで鉄拳は逃れられた

「それじゃ話は以上なので部活に顔だしてきます」

「あまり学校に長いするなよ」

「はい、では失礼します」

「比企谷」

「はい?」

「比企谷の成長を見れて嬉しく思うぞ」

「…大袈裟ですよ先生、では失礼します」

ガラカラ、ピシャ

「ふふ相変わらず捻くれ者だな」

新しいタバコにくわえ火をつける

「そうか…比企谷がバイトをするまでになったか…なんか嬉しいな」

 

 

「……」

『比企谷の成長を見れて嬉しく思うぞ』

あんときの平塚先生めちゃ優しい笑顔してたな…

十年前に出会ってたらプロポーズして断られるまでである

って断るんかい

「さて……部活行くか」

少し照れ臭い気持ちを隠すように急ぎ足で部室に向かうボッチである。

 




いやーバイトしろって感じですよね-w

追記 原作ですとゆきのんはJ組に所属してるということなってますが
この世界では三年になって「国際教養科」は既に必修を終えたことにします!
すみません原作詳しくなく…もしなにかありましたらコメントください‼️
指摘してくださったかたありがとうございました!


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ボッチバイト始めました③

読者の方々やっはろーでございます!
ストーリーはそろそろバイトへ!


「うす」

「ヒッキー遅い!」

「遅かったわね比企谷君」

先生との話を終え部室に到着。

さっそく遅くなったことを咎められる。

「そうですよ先輩!女の子を待たせるとか最低ですよ!」

「…悪いな由比ヶ浜、雪ノ下少し話しが長引いてな」

「ヒッキーが素直に謝った!?」

「あら明日は雪かしら」

雪ノ下だけにかって言ったら睨まれそうだから言うのはやめよう

「ちょっと先輩!私の事忘れてます!私にも謝ってください!!」

はぁ…上手くスルーしようと思ったのにだめだったか

そのむすっとした上目遣いやめろあざと可愛いだろそれ

「なぜあたかも奉仕部の部員ですみたいにいるんだ一色、生徒会はどうした」

「入学式さえ終われば今日は一旦暇になるんですよーだから奉仕部に遊びに来ました!」

「そうかそうかじゃあ帰れ」

「先輩ひどい!?こんな可愛い後輩が遊びに来てるのに追い返すなんて……」

「いいじゃんヒッキー!許してあげなよ!」

あれ?なんで俺悪者扱いされてるの…女子の結託怖い……

「………別にどっちでも構わねえよ」

「ふふん!先輩は素直じゃないですね!しょうがないから先輩のためにいてあげます!!」

これ俺のためなの?俺帰れって言ったのに…まぁいいけど

俺は鞄を机に置きいつもの定位置へ座る。

「比企谷君も来たから今後の奉仕部の活動について話ましょうか」

「うん!」

「わかりました!」

俺はあえてツッコまないぞ…お前関係ないだろ一色と

「先輩を借りる時に必要な情報ですからね!」

俺の心読むな…しかも理由がコキ使うためかよ…

「それで今後の活動ってのは?」

「簡潔に言うと奉仕部は何事もなければ卒業までやることになったわ」

「おいおいまじかよ」

「ええ」

「それって今までと変わらないって事ゆきのん?」

「先輩達受験なのに平気なんですか?」

「そうね私達三年は受験を控えてる事も考慮して無理してまでは依頼は受けない事にするわ」

「一番に勉強をおいて余裕があるのであれば依頼を受ける、こういった形を取ろうと思うのだけれど良いかしら?」

「まぁ妥当だな」

「私もそれで良いよ!」

「それで決まりね、後で平塚先生にも言っておくわ」

てか俺いなくても出来たろこれ…来てすぐ議題終わっちゃったよ、、まぁいいか帰ろう

あっそうえば俺店寄らないと行けなかったんだ…めんどくせ

「方針も決まったことだし俺は帰る」

「えぇ~先輩もう帰っちゃうんですか?もう少し話していきましょうよ~」

なに俺をガールズトークってやつに参加させる気?八子にさせる気なの?乙女にされる気なの?

ボッチの思春期高校生には不可能だ。

「この後用事があんだよ」

「嘘ね」「嘘だね!」「嘘ですね!」

「おい」

三人同時に否定しなくていいでしょ…俺どんだけボッチとしての信頼高いの?ボッチ信頼度カンストしてるでしょこれ

「お前らな…俺だって予定ぐらいあんだよ」

「普段から真っ先に自宅に帰る貴方が?」

「そうだよ」

「ふーん…その用事ってなにヒッキー?」

「確かに気になりますね!先輩教えてくださいよ!」

なに俺にはプライバシーだからっていう暗黙のルールは適用されない感じ?

「あぁ?別に用事は用事だ、そんじゃ急いでるからまたな」

「先輩!」「ヒッキー!」ガラガラ ピシャ

一色と由比ヶ浜の声を無視し無理やり切り上げ部室を出る。

そうこれは逃げたのではない戦略的撤退だ!

 

「怪しいわね」「怪しい」「怪しいですね」

「「「……」」」

「どうします?先輩の事つけてみますか?」

「そ、それはさすがにだめじゃないかな?」

「そうね、さすがに隠し谷君でもつけ回すのは良くないわ」

「なら先輩から直接聞き出します?」

「いえそんなことしないわ」

「どうするのゆきのん?」

「小町さんに連絡しましょ、もしかしたらまだ学校に残っているかもしれないわ」

「なるほど!ゆきのん頭良い!」

「いや結衣先輩結構普通の事ですよ…」

 

 

ブルッ

「な、なんか急に寒気が…」

学校からチャリを漕ぎバイト先へ向かう。

「行くのダルいな」

そんなことを言いつつしっかりと足はカフェ『Repose』に着々と進む。

てか今更ながら予定を組むなら電話でも良くないか?

だってそれだけの話な筈…なんだろう嫌な予感がするな。

そんな不吉な空気を感じながらも店に到着。

従業員入り口と書かれたドアに手をかける。

「…とりあえず入るか」ガチャガチャ

「……」ガチャガチャ

そうだよね普通開かないよね皆不法侵入出来ちゃうもんね

表に周り店の入り口から入ると目立ちそうで嫌なんだよな…

カランカランと音をたて扉をあける。

「いらっしゃいませ!ってハチ君!学校お疲れ様!」

お客は…いないようだ。良かった……あの店長ならお客がいてもあんな感じだったろう。

「お疲れ様です店長」

「いやー予定より早く来てくれて助かるよ!!」

「うす」

「それじゃ今後のシフトについて話そうか!」

「店長まで裏に行ったらお客さんの対応どうするんですか?」

「大丈夫大丈夫!キッチンの子に頼むから!おーいナナちゃん!」

他のアルバイトの人か……もしかして今後店長以外と二人きりとか可能性あるのか?

………まじかよほんと帰りたい

「なんですか店長?」

キッチンからで出てきたのは少しだるそうに受け答えする目が眠たそうな茶髪ボブカットの女の人だ。

背丈は一色ぐらいか?なんか猫みたいな人だ。

そして制服は男女ほとんど違いがないんだな

「少しの間カウンター任せてもいいかな?ハチ君と話ししてくるから!」

「ハチ君?新人ですか…」ビクッ

……なんか警戒心がビンビン伝わりますハイ、眠たそうな目が少し見開いてフシャーって言われそう

ほんと俺の目って期待を裏切らないよね……さすがに毎回はへこんじゃう八幡です。

「……初めまして比企谷八幡です」

「…市川奈々美(いちかわななみ)よろしく」

「ナナちゃんハチ君は新人だから色々フォローよろしくね!」

「ハチ君!ナナちゃんは高校生の時から働いて貰ってるベテランさんだから色々教えてもらってね!大学一年生でお姉さんだからね!」

店長のマシンガン追記ってほんと本人達の意思無視過ぎだろ……

まぁ店長のおかげで少し警戒心が薄くなったように見えなくもない

「それじゃ休憩スペースで話そうか!」

「はい」

 

結局話の内容的には最初は慣れてもらうため学校終わりは入ってもらいたいらしい

まぁ受験が忙しくなる前に慣れさせるの納得だ、俺のためでもあり店のためでもある。

その店長の案を承諾した代わりに日曜日の朝は何があっても休みにしてもらう条件をのんでもらった

当然プリキュアのためである

プリキュアのない日曜日なんてありえないからな

「それじゃこれ従業員入り口の鍵ね!なくさないように気をつけてね!」

「わかりました」

鍵を受け取り鞄にしまう。

「そうそう!この前使ったロッカーそのままハチ君が使って良いからね!」

「ありがとうございます」

テーブルに出した紙をしまう店長

よし帰って録画したアニメ見るかなと家での予定を考えていると

「よしハチ君!良い機会だからナナちゃんに料理教えてもらいなよ!」

……えっ?あの猫先輩に料理を教われと?

いやいや俺この後忙しいから無理ッス、けして二人きりが耐えられないからとかじゃないからね?

「えっと…流石にそれは悪いので大丈夫です、市川さんの仕事の邪魔になってしまいますし」

秘技『相手に迷惑になるからお断り』これなら市川さんに対して『そうかナナちゃんも迷惑が…』と罪悪感を発生させて断る流れにする

そしてトドメに『俺も用事があるのでと』とお断りを入れる!残念ながら出来ませんという雰囲気にも受け取れるしこれなら店長に対してアフターケアも完璧だ。

さぁこい!!

「それなら大丈夫だよ!ナナちゃんには今日ハチ君の指導も含めて仕事お願いしてるから!従業員同士仲良くならないとね!」

おふっ完全に退路たたれてるやんこれ……選択ミスった…ロードしてやり直したい…

「大丈夫!ちゃんとお給料つけるしね!長くはやらないからさ!」

「…わかりました」

ささっとやって帰ろう…はぁ…仲良くとか拷問かよ……

 

制服に着替えて店長とカウンターへ

「ナナちゃんお待たせ!この後ハチ君にキッチンのノウハウを教えてあげて!」

「わかりました」

「よろしくお願いします」

「えっ?」

あれ?さっき挨拶したよね?なんで顔みて誰だよみたいになってるの?

俺の存在って記憶にも残らなくなってきてるのか…やばいいつか消えりするのか!?………っては冗談にして

まじでなんでこんな反応なんだ?少しプイッとされたけどなんで?

「あぁ!ハチ君ってメガネかけるだけでかなり印象変わっちゃうからね!最初は少し驚くよね!」

店長は一人で納得してウンウンと頷いている。

それ初耳なんですけど?店長初めて見たとき普通にしてましたよね?

「ごめん驚いただけ無視じゃないから」

そういうと平常運転になったのか一人でキッチンにいってしまう

「ほらほらハチ君もキッチン行かないと!ナナちゃん少しぶっきらぼうだけど仲良くなったら優しい子だから安心してね!」

なぜかサムズアップする店長。

それ仲良くなれなかったらずっとあのままって事?俺二人きりを乗り切れる自信がねぇ…

意を決してキッチンへ

「新人、改めてだけど私は市川奈々美大学1年生」

「比企谷八幡高校三年です」

「一応私は主にキッチン担当の人間だから今後よろしく」

「わかりました」

「……」

「……」

「……」

「……」

うぉぉぉこの空気耐えられねえ!!なに話題を振って空気を変えろ?ボッチにそんな事出来るかこのやろう!?

「新人は料理出来るの?」

そ、そうだキッチンのノウハウ?を教えてもらわねば

そしてはやく帰るんだ八幡!

「一応人並みには出来ると思いますが」

「ならフレンチトースト作って」

「えっ?」

「フレンチトースト作って」

「…えっとそれはなぜでしょうか市川さん」

「テスト」

「それはやらないとだめなんですか?」

「そう」

「……」

「……」

えっ?なにこれ料理漫画みたいな展開になってんの?

これから入学試験でもするの?市川さんはもしかして神の舌お持ちなの?

「わ、わかりました作るので少し待っててください」

とりあえず作ってしまうおう…って椅子に座りながらめちゃこっち見てるんですけど!?

猫が獲物狙ってるあの目だよ!?

 

 

とりあえずめちゃ見られながらも無事にフレンチトースト完成。

「…市川さんお待たせしましたフレンチトーストです」

「…」

って無言で食い始めたよ…これから何が起こるんだよ…

「…50点」

「へっ?」

「普通」

「は、はぁ…」

えっなにこれ?合格なのこれ?

「新人少し待ってて」

そういうと市川さんは調理を開始する。

「は、はい」

少し待つとフレンチトーストが置かれた。

「食べてみて」

「わかりました」

よくわからんが食べてみるか………

「……う、うまい、めちゃくちゃ旨い」

正直こんな旨いフレンチトースト初めてだ…

小町も雪ノ下も料理は旨いがもうワンランク上だこれ

少しふふんとどや顔してすぐに眠たそうな顔に戻る。

「私は普段はめんどくさい事やるの嫌いなんだけど料理に関しては手抜きたくないの」

「そ、そうなんですか」

何を言い出すかと思えば市川さんのポリシーの話か?

それとこれと俺の合格?に関係するんだ?

「だから私がキッチンのノウハウ教えるなら手は抜かない」

「えっ?」

「精々でも新人を95点ぐらいの料理作れるぐらいに育てる」

「……あ、あの、い、市川さん?」

「師匠」

「えっ?」

「師匠」

「……」

「……」

「師匠」

「し、師匠、こ、これは一体どうゆうことで?」

「新人は私の弟子、私は新人の師匠ってこと」

「……」

あれー?なんかこの人俺みたいにボッチ臭がしてた筈なのに全然キャラ違うぞ?むしろキャラ濃すぎてこっちがむせそうになるぐらいだぞ?

えっこれどうすりゃいいの…弟子入り決定なの?

そんな謎の空気が流れているとカウンターから店長が顔を出しにきた。

「あー遅かったか…ハチ君頑張って!」

「えっ?遅かったってどうゆう事ですか?」

「いやーナナちゃん料理の事になると少し熱血?っぽくなちゃうんだよ…僕も弟子入りした身だからね」

「店長はもう卒業した」

「そうゆうことだから弟子入り頑張ってね!!」

あっ逃げた!?くそ…店長しってたなら先に言ってくれよ!

俺はクッキングパパみたいなのほほんと料理したいわ!

「それじゃとりあえず修行始めようか」

キッチンでそんな台詞初めて聞いたわ…

「い、今からですか?」

「うん」

あぁ小町お兄ちゃんはバイト先で弟子入りしました。

今日何時に帰れるかわかりません……

「改めてよろしくねハチ」

「…よろしくっす」

表情に乏しそうな師匠が笑みを浮かべる姿はボッチには眩しすぎる程可愛く見えました。

このカフェ『Repose』にいる限り俺の安らぎはないらしい……




八幡の料理スキル爆上げですね-w

マックスコーヒーでも飲みながら皆様待っててください!!
また次回!


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ボッチバイト始めました④

やっはろーでございます!
八幡お疲れですね-w 


「たでいまー」

俺の声を聞きリビングから小町が出てきた。

「お兄ちゃんおかえり!お勤めご苦労様!」

「小町にそんなセリフで出迎えされるとは俺も社蓄ロードを歩み始めた証拠か」

去らば平穏ようこそキッチン修行…

「お兄ちゃん大袈裟!まだバイトやって2日目でしょ?」

「まぁな…2日なんだけど内容が濃くてな…」

「そかそかご飯の時に聞くからはやく着替えてきてお兄ちゃん!夜ご飯の準備しとくから!」

「ありがとう小町」

バタバタとリビングに戻る小町を見送り自室へ。

 

「ふぅ…疲れた」

部屋着に着替えバタンとベットに倒れこむ

「あそこの職場キャラ濃すぎないか?」

店長に始まり次に師匠といい、まだ二人しか顔合わせしてないのにこれかよ…

まだ他に従業員いんのかな…やべぇ会いたくないんだけど…

「俺のいつか毒されて濃いキャラになってしまうのか」

学校にも濃いやつはいるが関わる事がないから全然大丈夫なんだが

職場ともなると関わらないと仕事にならないから必然と対応しないといけない…

「ボッチスキルもろくに使えねぇよ」

お兄ちゃん~ご飯~

「おっ小町が呼んでるな…飯食って風呂入って寝てえ」

 

「いただきます!」

「いただきます」

やっぱり家が一番マイホーム最高、妹の手料理最高

「今日バイトって知ってたけどまさか18時過ぎに帰ってくるとは思わなかったよ小町」

「俺自身が一番驚いてる」

小町が心配するもの仕方ない、学校自体昼過ぎに終わってんだから…俺も心配になるよ今後が…

「今後バイト入るとき夜ご飯いるかいらないか連絡してねお兄ちゃん」

「おう、まぁ小町の手料理食べたいから用意しててもらうと助かる」

「今のお兄ちゃん小町的にポイント高い!でも連絡し忘れたら自分で用意してねお兄ちゃん」

なんかすれ違いの夫婦みたいだな…連絡忘れないようにしないと

「ねぇお兄ちゃん」

「なんだ?」

おっこのじゃがいも旨いな、やっぱり小町の作った肉じゃがは最高だ

「小町にバイト先教えてよ!」

「嫌だ」

「いいじゃんケチ!!お兄ちゃんが働いてる姿みたい!」

「こらわがまま言うんじゃありません小町、お兄ちゃんのメンタルがごっそり持っていかれるからやめなさい」

小町はバイトをしてることは把握しているが

バイト先までは実は知らない。

俺が働くと思っていなかったから住所の書いた紙も見ていないのだ。

「むむむ……なら小町はお父さんに聞くからいいよー」

「おいそれは反則だろ」

「いいんです比企谷家では小町のチートは反則にならないのですお兄ちゃん」

むむむなんと説得力のある理由だ…くそっ千葉の兄妹は妹の方が権力上なのは変えられない運命なのか…

「はぁ…親父に聞いても絶対他のやつに言うなよ」

「……お兄ちゃんがそうゆうなら」

なんだ今の間は……怪しいなマイシスター

「ほんと言うなよ?」

「小町を信用してお兄ちゃん!!」

「うーん…そこまで小町に言われたら信じるしかないか」

妹を信じられないなんてお兄ちゃんの名折れだからな

モグモグゴックン、よし考えるのも疲れた風呂入って寝よ

「ご馳走さまでした、悪い小町先に風呂入っていいか?もう疲れて寝そうだ」

「いいよ~また今度バイトの話聞かせてね!」

「おう」

よし疲れを洗い流すか

バタン

「……お兄ちゃんに注意される前に言ったのはセーフだよね?うんセーフって事にしとこ!」

少しイタズラな笑みを浮かべ肉じゃがを食べる小町ちゃんでした。

 

 

 

「それじゃレッツゴー!」

「はいはい」

今日から八幡は小町様専用の出勤タクシーになりました。

いや前からそうだったか

「いや~毎日小町は楽出来て小町的にポイント高いよお兄ちゃん」

「お兄ちゃん毎日は大変なんだけど?」

今日はそよ風程度に風が吹き、丁度いい感じの自転車通学日和。

「お兄ちゃん今日もバイト??」

「あぁ」

「なら後でまた連絡してね」

「おう」

「……」ギュッ

「どうした小町?」

なんだ急に?お兄ちゃんとしては妹に甘えられるのは嬉しくあるが…

「なんでもないよー」

「???」

よくわからんな……

 

「小町そろそろ学校着くからそろそろ降りろ」

「はーい!」

学校近くの公園で小町を降ろし別々に登校する。

俺が小町の近くにいると友達が出来なくなってしまうからな……くそっ小町と登校したかった!

「そんじゃまた後でな」

「うん!お兄ちゃんは学校とバイト頑張ってね!」

チャリに乗り先に学校へ向かう、後ろを見るとバイバイーっと手を振る小町が見えた。

いつもはあんなことしない筈だが……とりあえず行くか。

俺も軽く手を振り公園を後にした。

「バイバイー!……お兄ちゃん今日もバイトかぁ…」

足元にある小石を蹴る

「お兄ちゃんと家で過ごす時間減るのは小町的にすこーーしポイント低いかも」ボソッ

小町ちゃーん

むむむこの声は昨日友達になったさやかちゃんかな?

小町も切り替えて学校行かないと!

 

 

ガラガラ

うむ今日も誰にも気付かれず教室に入ったぞ

スネークさんも顔負けのステルス能力だ、自分のボッチスキルが怖くなるぜ。

さてさて席に座って寝るか。

「来てそうそう寝るなんていいゴミ分ね?比企谷君」

あれさっそく見つかったよ?八幡の頭の上に!?って出てるよ

「ご身分だよな?なんか少し違うように聞こえたのは気のせいか?」

挨拶代わりに罵倒の一言…俺この席に堪えられるのだろか…

「気のせいよ間違い谷君」

「そうかよ」

そこで会話は終わる

よしまた寝る体勢に…

「やっはろーゆきのん!」

「おはよう由比ヶ浜さん」

「ヒッキーもやっはろー!」

なに?二人して俺の眠りを妨げたいの??

「はぁ」

「なんでため息なの!?ヒッキーキモい!」

なんでため息でキモい認定されるんだよ…

「ため息で返事なんて社会じゃ通用しないわよバイト谷君」

「………」

えっ?今の気のせいか?俺の事バイト谷って…

「そうだよヒッキー!バイト先で怒られちゃうよ!」

「……」

あれ?空耳って二回連続で聞こえるもんなのか?

家帰ったら耳掃除しないとな…

「……なんのことだ?」

「あらとうとう目だけではなく耳まで腐ってしまったのかしら?」

「誤魔化してもだめだからねヒッキー!」

な、なぜ俺の情報が漏洩してるんだ!?

「そうよ情報は既に掴んでるわ」

なにこれ?俺犯罪者みたいな扱いされてるよ?

雪ノ下がカツ丼でも出してくれるのか?

「なんの冗談だ?俺がバイト?俺は専業主夫志望だぞ?」

とりあえず今を逃げ切れば後で言い訳なんて思い付くだろう!今をしのげ八幡!

「おはよー八幡!」

天使降臨!!マイエンジェル!サポートキャラ戸塚!助けてくれ戸塚!

「おはよう戸塚!」

「雪ノ下さん、由比ヶ浜さんもおはよー!」

「やっはろーさいちゃん!」

「おはよう戸塚君」

よしチャンスだ!この流れで話の話題を変えよう!

「皆で何話してたの??」

ナイスアシスト戸塚!俺らいいコンビになるぜ!

「実はだn」

「比企谷君がバイトを始めたって言う話を聞いたから問い詰めてるところよ」

「……」

なに俺の実はだなに繋げて話してるようにしてんだよ

てか俺が4文字しか言い終わってないのに早口言葉ばりに言い終わってるよ?

どこぞかの抜刀斎も驚きの抜刀速度だよ!?

「八幡バイト始めたの?」

「あぁ先週の土曜日にな」

「あっさり認めた!?」

「さっきまで頑なに認めなかったのに…」

はっ!?し、しまった!戸塚に聞かれたから自然と返してしまった!?

まさかのオウンゴール決めちゃったよ!

「なんのバイトしてるの??」

「カフェのウェイター兼キッチン担当だ」

「バイトの詳細まで!?」

「ほんと戸塚君と小町さんには甘いわね」

ま、またやってしまった!?くそっ戸塚の前だと八幡何もかも無力なってしまう!

「八幡のウェイター姿かぁ…いつか見に行っていい??」

とつかわい過ぎる…上目遣いの破壊力が天使レベル

「ぜ、全然構わないぞ」

「やった!ありがと八幡!!」

そんな可愛らしくガッツポーズしないで!八幡ガッツポーズどころか嬉しくて叫びたくなるから

「ヒッキーのウェイター姿…」ボソッ

「比企谷君の仕事姿…」ボソッ 

うん?なんか雪ノ下と由比ヶ浜がボソボソいってんな?なんだ?          

「私もいってもいいヒッキー?」

「嫌だ」

「即答!?」

「由比ヶ浜さん残念ね」

「おい私は平気ねみたいな顔しても無駄だ、雪ノ下お前もだめだ」

「何を言っているのかしら?別に私はカフェ谷君に会いに行くわけではなくお茶しに行くだけよ?えぇ誰も比企谷君のウェイター姿が見たいだなんて思ってないわ?比企谷君の勘違いなのだけれど?勘違いもそこまでいくと自惚れに聞こえてるわよ自惚れ谷君」

お、おぉすげー早口で返された…あまりの長文で半分以上なに言ってるかわからなかったぞ

「わ、私もカフェにお茶しに行くだけだし!」

「由比ヶ浜がお茶しに行くとか想像つかねぇわ」

「私だってお茶ぐらいするもん!ゆきのんとしてるもん!」

「お、おう」

なんか無駄に迫力が…てか近い!やめてボッチに至近距離で会話とかやめて!パーソナルスペース守って!

「ふ、ふたりとも落ち着いて」

ほら戸塚ですら若干引いてるぞ?

「落ち着いているわよ戸塚君」

「落ち着いてるよさいちゃん」

「ご、ごめんなさい」

迫力に負けて戸塚謝っちゃったよ!?戸塚の癒しパワーが一切聞いてないだと……

だ、誰か助けて!?

ガラガラ

「そろそろチャイムなるぞー席につけー」

女神キタァーーー平塚先生今度ラーメンおごります!!

「むぅ……ヒッキー!後でまた聞くからね!」

「また後でね八幡」

席に戻る二人

「……」

「……」

「小町から聞いたのか?」

「なんのことかしら?」

「バイトの事だよ」

「そうね、昨日の放課後比企谷君が帰ったあと小町さんと話をしたの」

なるほど……小町のやつ昨日ならセーフとか考えてそうだな

今度アイス奢るのなしだな。

「今日は部活に出るのかしら?」

「いや今日はバイトあるから部活は休む」

「わかったわ」

部活に出ないってなんか違和感あんな…まぁしゃあない

 

この後ちょくちょく由比ヶ浜に迫られたが無事に学校終了。

さてさてバイトに行きますか……

結衣~あーし達とカラオケいかない?

ごめん優美子!部活あるからごめんね!

あれだな由比ヶ浜は雪ノ下がいると基本ゆきのん状態になることが多いな

休み時間も葉山グループじゃなくて雪ノ下の所いるときあるしな

「ゆきのーん!!一緒に部活行こ!」

「行きましょ由比ヶ浜さん」

さてさて俺はひっそりといなくなりますかね

「ヒッキー!!…絶対バイト先教えてもらうからね!!」

「うるせぇ…」

今日で何回聞くんだよ…ひっそりと帰させてくれ…

雪ノ下は朝聞いた以来聞いてないぞ?雪ノ下を見習え由比ヶ浜

「大丈夫よ由比ヶ浜さん、比企谷君も諦めて自分の口から言うようになるわ」

えっ?自白するの待ってただけ?俺には味方はいなかった…

いやボッチだから元々いないけどね?

「はいはい」

「はいは一回で充分なのだけれど?」

「バイト遅れっから行くわ」

「ええ」

「じゃあね~!」

 

 

はぁ…あれ俺が言うまで続ける気か?

勘弁してくれ…バイト先でも疲れるのに学校でもこれじゃ死んでしまう…

「……ねぇ」

今日も師匠とキッチン修行か……普通の時は猫みたいな感じなのに料理の事になるとライオンみたいな目つきになるの怖くて仕方ないんだけど

「……ちょっと」

でも冷静に考えるとライオンも猫科になるのかならしょうがない……って冷静にそんな事考えてる俺はきっと疲れてる

「比企谷!!」

「うぉ」ビクッ

「いい加減気付け」

あれ?確か川……川……?

「なんだよ急に川…中さん?」

「わざと言ってんならぶっとばすよ」

「すみませんした川崎さん」

てかなんで川崎が俺に話しかけてきてんだ?はやく靴履き替えて行きたいんだけど、下駄箱とか目立つんですけど

「てかさっきから話かけてたんだけど」

「そうだったのかボッチの俺に話しかけるやつなんて小町と戸塚以外いないからわからんかったわ」

「いつまでそれで押し通すつもりなの……それよりも比企谷」

「なんだ?」

「あんたバイト始めたってほんと?」

なに?俺がバイトすんのってそんなにめずらしいの?普通の高校生ならバイトの一つや二つすんだろ

あっ俺普通じゃなかった八幡うっかり

「どっから聞いたんだよ…」

「教室で由比ヶ浜があれだけ言ってたら聞こえるって」

「ですよね」

まぁ聞こえてても他のやつらは俺に興味をわかないから問題ないと思ってたが

「……それでなにかあったの?」

「はぁ?」

「いやあの比企谷が自らバイトするなんて何かあったとしか」

確かにその仮説は合ってるよ?てかむしろ正解なんですけど、でも理由が理由なだけに正解なのに喜べません。

「別になんでもねぇよ」

「そっか……何かあったら相談のるから」

「……むしろなにかあったのか川崎」

「なんでそうなるの」

「いや……やけに俺の事心配してっから」

「なっ!?///し、心配なんてしてないから!!」

「お、おう」

「それじゃバイト頑張って///」

「は、はい」

そそくさに行ってしまう川崎。

めちゃ顔真っ赤に見えてんですけど…優しいやつだよなさすが生粋のお姉ちゃん体質。

そうお姉ちゃん体質だからだ、決して勘違いするな八幡また黒歴史を作る事になるぞ!!

てか俺ってそんな頼りなさそうに見えるのか?驚かれたり心配されたりと……

気にするな八幡フライパンを振って精神集中して忘れよう。

 

 

「ハチ今日はここまで」

「あ、ありがとうございました……」

う、腕がつりそうだ……パスタ作るってこんな過酷だったのか……

「ハチ夜ご飯食べてく?」

毎回思うんだがハチと呼ばれもの凄くペット感が…

「大丈夫っす家で妹がご飯作って待っててくれてるので」

「そっか」

時間は…今帰れば19時30分過ぎには帰れるな

「なら今度新作メニュー試食頼むから」

「なぜ今の流れでそうなるんですか師匠…」

「まかないとして出すから」

「そういう事っすか、なら平日じゃなくて土日のどっちかで良いですか?」

「いいよ」

「あざっす、それじゃお先失礼します」

それじゃ俺は上がりますか、キッチン修行が終わってカウンター覚えたら今より帰り遅くなるだろうし

帰れる時にはやく帰るそんでアニメ見ないとな

「気を付けて明日もきついから」

「…うす」

 

さっそく師匠に過酷の宣告くらった……ずっと師匠のターンだ……どこぞかの昆虫デッキ使いみたいにライフなくなってるのにひたすら攻撃されちゃうよ。

ほんと市川さん容赦ないからな……間違った時の目つきなんて雪ノ下が可愛く見えるもん

「ハチ君お疲れさま!さっそくしごかれてるね!」

「はい」

「僕も大変だったよあの時は…、まぁうちはメニューそんなに多くないからはやく終わるよ!」

メニューが少ない分一つ一つのこだわりがあって大変なんすけど……

「てか店長カウンターいないとマズくないですか?」

「大丈夫大丈夫すぐ戻るから!ハチ君はタイムカード切るの忘れないでね!」

「うす、それじゃお先失礼します」

「うん!!お疲れさま!」

ふう~疲れたなはやく帰って小町の手料理にありつかなければ!!

「よし家までもうひと踏ん張りしますか」

そう気合いを入れ八幡は自転車を漕ぎ出そした。

 

「あれって……比企谷??こんな所でなにしてんだろ??」

「かおり~おいていくよ~」

「今行く~」

もしかしてあそこでバイトしてんのかな?比企谷がバイトとかウケる!!

「なに笑ってんのかおり?」

「なんでもないよ千佳」

今度行ってみようかな??




いやーこのペースでいつまで更新出来るかなw
皆さんが楽しみにしていてくださったら幸いです。




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ボッチバイト始めました⑤

やっはろーでございます!!
疲れたw
ほんと誰ルートにしようか迷うw
もういっそのこと各ルートかこうかな………
出来たらだけどw



バイトを始めて数日が経った。

なんだかんだ数日やると慣れてくるもんだ。

学校終わりから入ってるので夕方辺りにくる常連客さん達に『あらハチ君!』『ハチさんオーダーお願いしていい?』などとハチハチ連呼されており、何回も呼ばれると違和感も薄まっていく、人間の慣れって怖い。

実はキッチンもやりながらカウンターの作業も平行して覚えてるため連日が溜まっている…もはやバイト帰りのマッ缶が楽しみとか社畜過ぎる…

とりあえずキッチンに関してはあらかた師匠にオッケーをもらいキッチン合格(仮)を頂いた。

なに(仮)って?免許取るときにの仮免許的ななにかなの?

『ハチは腕が良いからすぐに(仮)なくなるよ…多分』

いやいや謎な上に本合格は多分なの?不安で仕方ないわ…

そんなこんなで今日は朝から昼過ぎにかけてバイトが入っている。

「そんじゃバイト行ってくるわ小町」

「むぅ…お兄ちゃんまだ教えてくれないんだー小町的にポイント低いよ!!」

「俺にじゃなくて親父に聞けばいいだろ…」

「出張でいないのにどうやって聞くのさ!よりによって携帯も壊れてるらしいし…」

「あー仕事用だけ生き残ったんだっけ?さすがにそっち電話すんのはやめとけな」

うちの親父って割と不幸な体質なんだな…出張先でプライベート用の携帯を水没させ、なおかつ出張先でトラブルがあり帰り金曜日だった筈が日曜日変更になるとは…

どこぞかの幻想ブレイカーさんにも顔負けの不幸さだな

「お母さんはお母さんで知らないって言うし…」

小町さんむくれてほっぺパンパンよ?

「諦めろ小町、人生諦めは肝心だ」

「もぅ…そんなお兄ちゃんはバイト終わった後小町の買い物に付き合ってもらうからね!!」

「えぇ…俺疲れてんだけど…」

「…だめお兄ちゃん?」ショボン

「…別に良いけどそんな遠く行かねぇからな」

「ありがとうお兄ちゃん!!」

あんなしょぼんとされたら体に鞭打ってでも行かねぇとお兄ちゃんじゃないからな……あれ?なんか上手く扱われてる気がしないでもないぞ?

「それじゃバイト頑張ってねお兄ちゃん!」

「あいよ」

まぁ気にしたら負けか

 

 

ガチャガチャ キィ

従業員入り口から入りロッカーで着替えを済ませる。

「今日は…確か俺と店長だけか」

キッチン合格(仮)を頂いた俺は師匠とのツーマンセルは一旦解消となった。

まぁ平日の方が組みやすいってシフトの事情もあるんだがな。

シフトに関して思うことがある、シフト表をもらうと自然と他にも従業員いるってのがわかる。

基本店は店長と誰かで午前、午後で交代でやることになってるぽい

まぁ店長はほとんど店にいるからほんと凄い。

それでだ他の従業員と俺はほぼ顔合わせしないシフトになっている…なんでだろ?気にはなるがわざわざ店長に聞くことでもないからな…

まぁ濃いキャラは店長と師匠だけで充分だなうん。

「おはようございます店長」

カウンターで掃除をする店長に挨拶をする。

「おはようハチ君!朝はやくからありがとうね‼️それじゃ準備手伝って!」

「はい」

店長の指示をもらいオープンに向けて掃除を済ませる。

食材の確認など様々な事を済ませてcloseからopenの看板に切り替える。

「店長看板変えておきました」

「うんありがとう!今日ハチは基本的にキッチンにまわってもらうからよろしくね!」

「うす」

「キッチンデビューだね!」

「そうですね」

今日はいつもいる師匠もいないので八幡キッチン一人立ちだ。

「なにかあったらすぐ呼んでね!それじゃ今日も頑張ろう!」

「はい」

そんな感じでおぉーっと店長が言うとそれと同時にカランカランと扉の開く音がする。

「いらっしゃいませ」

「いらっしゃいませ!!お二人で宜しいですか?」

お客さんに店長が声をかけたので俺はキッチンへ。

表の接客は店長が行うので俺はよほどの事がない限りキッチン作業だ。

「ハチ君!パンケーキ味はジャムね!後フレンチトーストお願い!」

「うす」

さっそく注文だ。

うちのお店はメニューは、基本サンドイッチとか片手で食べたり朝食で出すような物が多い。

一応パスタとかオムライスなど洋食メインのがっつりしたものもあるが種類は少ない。

しかしそのメニューの少なさを補うのがパンケーキとフレンチトーストだ。

この店の看板メニューと言っていいだろう。

パンケーキは普通のパンケーキ言っていいだろう、ホイップたっぷりとかではなくシンプルに純粋なパンケーキ。

お好みで蜂蜜、ジャムが選べてトッピング追加でアイスも付けられる。

フレンチトーストも普通のフレンチトーストだ。

しかし材料の分量焼き加減などかなり繊細にやらなきゃならない。

派手な飾りではなく味で勝負。

この2つ関しては師匠に合格(仮)ではなく本合格を頂かないと店に出してはいけないと言われた程だ。

確かに師匠が作ってくれたフレンチトーストは本当に旨かった。

俺もこの数日パンケーキとフレンチトーストを何回も作りオッケーを貰ってる。

「パンケーキジャム、フレンチトースト上がりました」

「うんありがとう!」

お待たせしましたー‼️

このパンケーキとフレンチトーストは話に聞くところ

店長の奥さん?が作ったメニューらしい。

店長のプライベートは知らないのでよくわからんが

店長の口から奥さんの話は聞いたことない。

そして店でも見たことはない、だから俺はあえてそこには触れない。

人間誰しも踏み込まれたくない事があると思うしな。

この話は昔師匠がポロっと話したときに聞いたと言っていた。

「ハチ君!トーストセット二つ!」

「はい」

考え事しながらやってたらメニュー忘れちまいそうだ。

やるからにはしっかりこなすそれが八幡クオリティ

「気合い入れて料理しますか」

 

ありがとうございました!

店長がお客さんを見送る声が聞こえた。

恐らくピークの客のラストだろう。

「ふぅー」

とりあえず朝のラッシュを終え一息

「ハチ君お疲れ様!いやーもうキッチンは任せても平気だね!!」

「いや結構ギリギリでしたよ」

朝食系ばっかりだったから良かったがこれにパスタなど追加されたら無理だったろう。

「それでも一人立ち初日にしては良かったよハチ君!」

「ありがとうございます」

「とりあえずここから落ち着くだろうからゆっくりしてて‼️」

「はい」

キッチンにある椅子に座り少しぽけーっとする。

するとカウンターに戻った店長が戻ってきた。

「良かったらどうぞ!」

厨房の机スペースにコーヒーを置いてくれた、もちろん大量の砂糖も。

「ありがとうございます店長」

「いえいえ!それじゃ僕は戻るから‼️」

ありがたく店長のコーヒーを頂く。

「相変わらずうめぇな…」

そう店長の入れるコーヒーは旨いのだ。

この店の売りの一つだ。

うちはコーヒー類から紅茶類まで用意があり夜になれば少しながらお酒まで置いてある。

「俺には無理」

コーヒーをすすりながら難易度の高さに圧倒されそうになる。

「まだ料理も全然なのにこっちにも手つけたら宙ぶらりんになりそうだ」

いらっしゃいませ!

おっ?お客さんか?さてさていつオーダーが入っても言いように準備しとくか

「皿少し洗っておくか?」

そう考えていると店長とお客さんの会話が聞こえてきた。

 

『おっ!久しぶりだねしずちゃん!』

『そう呼ぶのはマスターぐらいですよ、お久しぶりです』

しずちゃん?また常連さんか?

『しずちゃんが顔出すってことは何かあったのかな?』

『ほんと店長相変わらず読みがいいですね』

『伊達に長い間マスターやってないからね!とりあえずコーヒーかな?』

『はい』

うーん俺は会ったことのない常連さんらしいな…

にしてはなんか聞いたことあるような声だ

『お待たせしました!それで何か良いことでもあったの?』

『そうなんですよ!!他の職場仲間に話したいんですけど自慢にしてるみたいで話ずらくて…』

『それで僕に?』

『いつもすみません…』

『良いんだよしずちゃん!ここはカフェなんだからゆっくり話してってよ』

へぇーわざわざ店長に話をするために来る人なんているのか

『それでどんな話なの?』

『実は教え子の話で』

教え子?何かを教えてるのか?

『ほぉ?』

『何て言うか一年前ほどから気にかけてる子がいるんですすよ』

『そいつがなんともひねくれ者で』

『今時の子にしてはめずらしいね?』

『そうなんですよ!やけに大人びてるというか…悪い子ではないんですけどね?ただ自分を犠牲にしがちな子で』

『なるほど…確かにそれは大人がする行動に似てるね』

『そうなんです、でもだからこそ純粋な心のやつなんだって思うところもいっぱいありまして』

どこの世界にも俺と似たようなやつがいるんもんだなびっくりだ。

なんか変な感じだな。

『しかしことあることに悪目立ちする方向にいってしまう子で…』

『それで私がなんとか更正してやろうと思って色々行動してたんですよ』

『うんうん』

『部活に参加させたりとかコミュニティの場を広げたりと』

『それは凄いね!その子もやる気だったの?』

『それが全然…むしろ一人で生きたいって子なので…後一年で卒業なのにこのままなのと思ってたんですが』

……なんか境遇やけに似てる気がすんな

もしかしてドッペルゲンガー?

『…でも変化があったってことなのかな?』

『そうなんです!全然社会性のなく将来専業主夫などになりたいと言うやつがバイトを始めたんですよ!!』

……んっ?

『聞いたとき私驚いちゃいましたよ‼️最初は冗談とか思ちゃいましたけどでも本当ってわかったら思わず嬉しくなってしまって年甲斐にもなく』

『それは嬉しくなって当たり前さしずちゃん!大事な教え子なんでしょ?』

『凄く大事な教え子ですね…今度ラーメンおごってやろうかな』

………えっと

『もしかして…しずちゃん好きなの??』

『なっ!?マ、マスターそれは…さすがに教師が生徒に手を出すなんて…い、いや別に嫌いとかじゃなくて‼️十年ぐらい早く出会ってたら…もしかしたらそうゆう感情もあったかもしれませんけど///』

『いやーしずちゃんほど可愛かったらその生徒さんも満更じゃないかもよ?』

…………まさか

『えっ!?いやいやこんな年増な女性なんて…』

『今の子は年上が好みが多いって聞くし!』

『…本当ですか?』

『そうだよ!しずちゃんはまだまだ若いんだから付き合えるよ!!』

『……そ、そんな結婚前提なんて///』

『あ、あれ?結婚前提とは言ってないんだけど…まぁいいか!』

 

 

 

 

良くねぇよぉぉぉぉぉ!!!????

この人完全に平塚先生だろ‼️しずちゃんって静の略か‼️

しかもそのひねくれ者って俺の事っぽい…

さすがにここまで聞いて俺じゃないと否定するほど鈍感主人公じゃねえ…

くそっまさか知り合いが店の常連客なんて想像もしなかったわ!!

てか今平塚先生に顔合わせたら恥ずかしくて死ぬ!!!

なんか褒められた挙げ句なぜか俺が平塚先生の事好きな流れになりつつあるし!?

店長てきとうな事いって平塚先生を混乱させないで!?

い、いや俺がカウンターに行かないでキッチンで仕事すりゃ良いだけの話。

そう俺はたまたま境遇の似た人の話を聞いただけだ

えっしずちゃん?それ誰?

よしいける

『よしそんなしずちゃんには今後頑張ってもらうためにフレンチトーストをプレゼントだ!』

『いいんですか?ならありがたく頂きます!』

よし俺はフレンチトーストを作るだけだ。

「ハチ君!フレンチトースト一つ!」

「はい」

『ハチ君?』

『新しい新人君だよ!優秀な子でね!しかもイケメンだよ!』

店長やめてくれ…話を盛らないで…そして話題に出さないで!?

『ほぉ…』

なに興味もってんだよ!誰かもらってあげて早く!!

くそっどうやったらこの場を切り抜けられる…

考えろ八幡!考えるんだ八幡!!

『そうだ!ちょっと待っててね!』

「ハチ君もうフレンチトースト出来たよね?」

な、なんだと…丁度盛り付けが終わったタイミングで声をかけてきただと!?

「それお客さんに出してもらえるかな?僕ちょっと探し物してくるからさ!!よろしく!!」

「……」

詰んだ、完全に王手

……こ、これは行くしかないのか?えっあの戦場に?

もうライフ0なんですけど?

…くそっ‼️どうにでもなれーーーーー‼️!

「お、お待たせしましたフレンチトーストでございます」

「いやー悪いね!新人君ありが…と…」

「……」

「……」

「…えっ?」

「……どうもハチです」

「ハ、ハチ?えっ?ひ、比企谷?えっ?な、なんで眼鏡かけた比企谷?」

先生落ち着いて…眼鏡かけてることそんな気にすることじゃないですよ

「いや俺ここで働いてるんで…」

「……」

「……」

「は、話は…」

「話?なんのことですか?」

「…聞いてない?」

「だからなんのことですか?」

「そ、そうか!いやなんでもないぞ!うんなんでもないぞ!!」

よし秘技『えっ?なんのことですか?』作戦成功!!

これなら…逃げきr

「なに言ってるのハチ君バッチリ聞いてたでしょ?うちのキッチンとカウンターのドア薄いからお客さんいないと普通に聞こえちゃんだよ!!」

「……」

「……」

「いやーうちのハチ君恥ずかり屋さんでね!多分しずちゃんの前で緊張してるんだよ!ねっ?こんな美人なかなかいないしね!」

「……」

「……」

「その話の子に負けないぐらいハチ君いい子だから今後仲良くしてあげてね!」

「……」

「……」

「うん?なんで黙ってうつむいちゃうの二人とも…あれそうえばハチ君も総武高校だったね‼️そっか二人とも知り合いだったのか‼️」

「いやー凄い偶然もあったもんだね!ハチ君!今の話は内緒にしてあげてね?」

「は、はい…」

この店長!!空気読めこの野郎!!どんどん状況悪化してるわ!?

「うぅぅ…」

先生泣きそうになってる……俺も泣きてぇよ…次二人きりで合うときどう反応すりゃいいんだよこれ…

「それで良かったらこれあげるよしずちゃん!」

「これは……ディスティニーランドのペアチケット?」

「ご近所さんに頂いたんだけど僕いかないからさ!」

「い、いやマスター私も行くような相手は…」

「そのチケットと有効期限一年だからその子が卒業したら誘ってみなよ!」

おぉぉぉおいなにトドメさしてるんですか店長!

「えっ……で、でもさすがに断られると」チラッチラッ

平塚先生チラッチラッ見ないで!そんな乙女みたいな可愛い顔しないでくれ!勘違いしちゃうから!

「あっハチ君がばらさないか心配なんだね!ハチ君!!今の話は他の人に絶対話しちゃだめだからね!」

「う、うす」

他の人に話す以前に既に本人に伝わってますけどね!!!

カランカラン

「いらっしゃいませ!」

「い、いらっしゃいませ」

「ハチ君新規の方来たからキッチン戻って準備してて!」

「うす」

「それじゃごゆっくりしずちゃん!!」

「…ごゆっくり」

「う、うむ」

助かったようで全然助かってないやつだこれ……

 

 

あれって本当に私の知っている目が腐っている比企谷八幡なのか…

眼鏡かけてウェイター姿になっただけでここまで変わるとは

「………眼鏡かけた比企谷ってあんなイケメンになるのか…全然悪くないいやむしろ格好いいしウェイター姿も良い……」ぽけー

「はっ!?わ、私は何を考えてるんだ!?生徒と教師だぞ…で、でも後一年で…」ブツブツ

「……はやく食べて帰ろう」

そんな静は悶々しながら店を後にした。




うん静さん可愛い
でも俺はサキサキ派ですw


ではまた!!


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ボッチバイト始めました⑥

やっはろーでございます!!
いやー皆さん多くのコメントありがとうございます!!
皆さんのコメントを見ると創作意欲が沸きますw
そして意外と思ったのが皆さんルミルミルート見たいって方が多かった事ですね!!
確かにルミルミのssって少ないかも…。

でもすみませんまだ主要キャラ全員出でないので気長に待ってて下さいw


「お兄ちゃんあそこのお店見に行こう!!」

「はいはい」

ってそこ女性もんの服しかねぇじゃん……俺居場所ないんですけど小町…

現在俺は小町とララポデート中だ。

俺的には買い物なんだが小町曰く『これはれっきとしたデート(仮)だよお兄ちゃん!!今後の予行練習だよ!!だからお兄ちゃんが奢ってね☆』と言われた……

なに?最近(仮)流行ってんの?ガールフレンド(仮)的な感じなの?

若干ではあるが小町さんが少し厳しい…あれか?バイト先を言わないお兄ちゃんへの報復かこれは…世の中男性が全部奢るとは限らないぞ小町!!

「このワンピース可愛い…」

……まぁ給料も入るし最近小町を家で一人にしちまってるから少しぐらいなら買ってあげてもいいか

別に千葉の兄妹じゃこのぐらいの寛容さは普通だからね?お兄ちゃんとして当然だからね?

「それが欲しいのか小町」

白いワンピースか……なんかメンマを思い出した……あれは感動したなボッチの俺ですら感動した。

帰りTSUTAYAで借りて帰ろうかな。今日は涙を流そう。

「うーんこれ小町に似合うかなお兄ちゃん?」

間違って丘の上で小町みーつけた!!!って叫んじゃうぐらいは似合ってるな。

だがここは無難に…

「小町ならなんd」

「なんでも似合うはなしだからねお兄ちゃん」

うぐっ…魔法の言葉が見事に発動前にかき消された…

「…まぁその服着てる小町は可愛いじゃないか?」

「ほんと素直に褒めてくれないよねお兄ちゃんは…小町ぐらいだよそんなセリフで許しちゃうのは」ニシシ

なんだかんだ小町が楽しそうにしてるからいっか、こんな寛容な妹を持ってお兄ちゃん幸せだなうん。

「そんなお兄ちゃんが褒めてくれてこのワンピースに決定!!」

ってあれ小町ちゃん?お兄ちゃんまだ値段見てないですけど?そんな意気揚々にレジに並ばないで?

「お兄ちゃんありがと♪」腕ダキッ

「はぁ…この一着だけだからな」

「やった!!」

こんなあざと可愛い妹に甘えられたら皆こうなるって……

 

「そろそろお昼の時間帯ピーク終わった頃だしご飯食べる??」

「そうするか」

「やっとお兄ちゃん調子戻ってきたね?」

「なにも言うな小町、お兄ちゃんはいつでもエコモード省エネなんだ、だから帰宅した時のテンションは忘れてくれ」

はぁ……今日のバイトの出来事はなかった事にしたい………

あの後店が混み始めたのでずっとキッチン作業をしていたためパッと席を見たときには先生は帰っていた。

店長から『しずちゃんがバイト頑張れって言ってたよ!!』と伝言を頂いた。

正直あんな話聞いた後に平塚先生と話すなんて無理!!もう最後の方なんて平塚先生ってより完全にしずちゃんって感じだったよ?教師の威厳なかったよ?いつもの格好いい先生カムバック!!!

…まぁ俺も恥ずかしいがその話をした平塚先生自身が一番恥ずかしいだろう……

よし先程の話は先生が触れてこない限り封印することしよう。

特にディスティニーランドについては二重で封印だ…

「お兄ちゃん!!」

「…どうした小町」

「さっきから呼んでるのに小町を無視なんて小町的にポイント低いよ!!」

「す、すまん少し考え事してて」

「しょうがないから許してあげる!!それでどこでご飯食べるお兄ちゃん?」

「サイゼ」

「ほんとサイゼ好きだよねお兄ちゃん」

「なにいってんだ小町千葉県に住む高校生は皆サイゼにお世話になる習わしだぞ?」

「そんなあたかも当たり前みたいな顔で説明しないでよお兄ちゃん!?……なんか小町が間違ってるみたいになるから…」

うーん小町もまだまだ千葉県の高校生になりきれてないな。

飲み物はマッ缶、おやつは落花生。まさに千葉を代表するコンビだなうん。

そうだ店でマックスコーヒー出すのありじゃないか?完全にありだな。

今度店長に頼んでみるか…決して店で休憩の時マックスコーヒー飲めるなぁとか考えてないから、お店の事第一で考えてるからね?

「とりあえずサイゼ行くか」

「うん!!」

小町の買った荷物を片手に持ち歩く。

今日は土曜日ともありなかなか人が多い…すげーだるい

なんか家に帰りたくなって来たかも……

「むぅ…お兄ちゃん今帰りたいって思ったでしょ?」

「……なに小町とうとう能力にでも目覚めたの?日常系異能能力者なの?」

「そんな中2設定小町にはないよ!!お兄ちゃんの顔に帰りたいって出てたのわかったの!」

なんだ…俺にも能力が目覚めるかと期待したのに…

って俺ってそんなわかりやすいか?

「そんな表情に出してたか?」

「うーんこれは長年お兄ちゃんの妹やってる小町だから出来る芸当だね!!」

そんな自慢げにしなくてよろしい…お兄ちゃんの感情だだ漏れな感じなの?やだ恥ずかしい

「それだと俺も小町の顔見ただけで分かったり出来るのか?長年小町のお兄ちゃんやってるから」

「さぁ?お兄ちゃんって自分の事鋭いって思ってるけど案外鈍感だからなぁ~」

えっ?俺鈍感なの?うーんそれは由々しき事態かもしれん…

どこぞかのラノベ主人公達と違って俺はボッチだからそうゆう恋愛的なチャンスが人生で後一回あるかないかのレベル…いや来ずに終わるかも

だからこそ鈍感で気付かず終わるとかモテない八幡からしたらぜひ避けなければ……

「小町」

「なにお兄ちゃん?」

「………」ジー

「えっ?ど、どうしたのお兄ちゃん?」

「……」ジー

「急に黙って小町の事見つめるとか怖いよお兄ちゃん……お兄ちゃん?」

うーん目を見れば人間感情が読めると聞いたがわからん……もっと真剣に見ないとだめなのか?

最愛の妹でわからないとなると死活問題だな。

「……小町」ジー…キリッ

「……はぅ///お、お兄ちゃん…///」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なにをしているのかしらシスコンたぶらかし谷君」

「ヒッキーなんで小町ちゃんを見つめてるの!!変態!!シスコン!!!」

 

 

「結衣さん、雪乃さん!?///」

「なんで会った瞬間変態扱いされなきゃいけないんだ……」

なに?今日は知り合いにエンカウントする日なの??普通ありえないよね?ケンタウロスとかラッキーとかでもなかなか会えなくて何時間もポケモンしたりすんのに…もうこれじゃニドランレベルよ…

「それは人前で実の妹を口説いてる犯罪者がいるからよ」

「誰のことだかさっぱりなんだが?」

「ヒッキーさっきまで小町ちゃんに迫ってたじゃん!!」

なに人前で迫ったとか言ってるの?ビッチなの?

「俺は別に迫った訳じゃない小町の感情を予想しようと…」

「警察の方ですか?えぇららぽーとに不審者が……」

「おい待て雪ノ下、いや待ってください」

おいなんでこんな事になってんだよ…

「お兄ちゃん小町の表情から予想しようとしたの?」

「そうだ、妹に出来てお兄ちゃんに出来ないことはない」

「もぅ…何かと思ったよゴミぃちゃん!!!」

「あれ?小町にも怒られるのお兄ちゃん?」

「知らない!!」

(うー///急にお兄ちゃんに真剣な感じで見つめられたら恥ずかしいよ///お兄ちゃんキリッとすれば目が腐ってても割とイケメンなんだから!!)

「もう大丈夫よ小町さん私達がついてるわ」

「小町ちゃん」ダキッ

「結衣さん」ダキッ

あれ?やっぱり俺悪党扱いされてる……八幡泣いていいかな……

「はぁ…それでお前らは買い物か?」

「えぇパンさんのららぽーと限定商品が今日販売だったの」

「そ、そうか」

は、迫力が凄い…

「それで買い物し終わって今からご飯なの!!」

「そうなんですか!なら一緒に食べませんか?」

「いいの?」

「小町は大歓迎です!!まぁ行くのはサイゼですけど!!」

「相変わらずね比企谷君」

「なに言ってんだよサイぜ以外考えられん」

「大丈夫だよ!私達もサイゼでご飯しようとしてたから!!」

「由比ヶ浜見直したぞこれからも率先してサイゼに行ってくれ」

「えっ?う、うん///」

(えへへヒッキーに褒められた!!///やった!!///)

「私も行くのだけれど……」ぼそっ

「うん?何か言ったか雪ノ下?」

「何でもないわサイゼ谷君」

(うんやっぱりお兄ちゃんは鈍感主人公だ…)

 

 

「ねぇヒッキーピザ一枚頂戴よ~」

「ピザではなくマルゲリータピザと言え由比ヶ浜、サイゼを愛すると決めたなら品名を完璧に覚えろ」

「ヒッキーのサイゼに対する愛が重すぎるよ!?」

「お兄ちゃん小町も!」

「はいよ」

結果由比ヶ浜と雪ノ下と共に飯を食うことになった。

…まさか二人の分まで奢るとかないよな?…えっないよね?

「比企谷君達は買い物だったのかしら?」

「まぁな小町の付き添いだ」

「お邪魔しちゃったかしら?」

「いや別に、俺もバイトで疲れてっからそんな長くいるつもりなかったしな」

「今日もバイトしていたのね…ほんと働き谷君になってきたわね」

「勝手に改名すんなって……まぁ一通り覚えたら入る日数も減るだろ」

さてさて俺もミラノ風ドリアが丁度いい温度になったとこで頂きますか!

熱いのはいいんだが如何せん猫舌な俺には熱すぎるからな。

「そうえばお二人とも聞いてくださいよ!!」

「どうしたの小町ちゃん?」

「どうしたのかしら?」

うん?なにかあったのか?てかお兄ちゃんもここにいるのに二人だけに聞くのね…

「お兄ちゃんったらまだ小町にもバイト先教えてくれないんですよ!」

「なぜか無性に炭酸が飲みたくなってきたなドリングバー行ってくる」スッ スタスタ

「あっヒッキー逃げた!!」

「お兄ちゃん!」 

「大丈夫よ小町さん由比ヶ浜さんどうせここに戻ってくるのだから」

「そうだったね!!」

「ふふふお兄ちゃん覚悟!」

 

やべぇ……まさかこのタイミングで聞いてくるとは!

小町の裏切りが発生するとは…ブルータスお前もか!?バリにピンチだ…

学校と違って時間制限で切り抜けられない、かといってここでとんずらするのは後が怖い…

聖地サイゼリヤがまさかの戦地になるとは…

八幡どうしたらいいの!?

「あれ??やっぱり比企谷じゃん!久しぶり!!」

うん?この声は…

「……折本か」

まさかのキャラ乱入……なにこれ味方なの敵なの?

俺今日の運勢悪いのかな…

「なんでそんなテンション低いの?ウケるw」

「いやウケねぇし…そんじゃ」

「ちょっと待ってよ比企谷!比企谷に聞きたいことあるんだけど?」

なんだろうめんどくさい事になる予感がする…

こっちもあっちもめんどくせぇぇぇぇ!!

「な、なんだよ」

「なにドモッてんの-wウケる比企谷-w」

どこが面白いの?この子のツボが一切わからないんだけど!?

「はぁ…それで要件はなんなんだよ折本?」

「比企谷ってバイトしてんの?」

えっ?なんで他校の折本が俺がバイト始めた情報お持ちなんですか?

なに俺監視されてるの?怖いんですけど…下手に一人で鼻唄とか歌えなくなるんですけど…

「…なんでそう思うんだよ」

「この前カフェの従業員入り口から出てくる比企谷見かけたからさ」

「そ、それは」

「ほんとですか!!」

「「えっ?」ビクッ

「…えっ誰?」

「こ、小町!?」

こ、小町!?な、なぜここに!?さっきまで席に居た筈なのに!?

「遅いから様子見に来たの」

さ、さっそく心読まれたよ…八幡バレバレ

「すみません話をしてる最中に割り込んでしまって!私は比企谷小町って言います!この愚兄の妹です!」

「おい小町さりげなく愚兄とか言うな」

「へぇー!!比企谷の妹さんなんだ!私は比企谷の友達?の折本かおり海浜総合高校の三年生よろしくね小町ちゃん!」

「よろしくお願いします折本さん!」

「かおりで良いよ!」

「わかりましたかおりさん!まさかお兄ちゃんに他校のこんな可愛い子が知り合いとは…」

「友達じゃねぇって…」

「ほんと比企谷ウケる-w」

「いやウケねぇって…」

「それでかおりさん!お兄ちゃんのバイト先知ってるんですか?」

……や、やっぱり聞かれてたぁぁぁぁぁ!?

なんかこのまま切り抜けられるかも?とか思った俺のバカ!!

「知ってるって言うか見たって感じだね」

「場所どこですか?」

「お、おい折本別に説明しなくていいはやく席戻れ」

「なんでそんな慌ててんの?てか小町ちゃん妹なんだから教えてあげなよ」

うぐっそれ言われると痛いところだが…うちの妹はすぐ他にばらしている前科があるんです!!

「そうですよね!ってことで折本さん教えてください!」

「いいよー」

「ま、待て折本!そんなことしたらバイト中の平穏が…」

「ここだよー」

既にGoogleマップらしきもので店の場所を見せていた。

「……」

「ふむふむ…思ってたより近くだねお兄ちゃん!ありがとうございますかおりさん!」

「全然いいよ!それと比企谷私も今度遊び行くからサービスしてね!それじゃ!」

「……」

「またお話しましょかおりさん!」

「そだね!バイバイ小町ちゃん!」

ドリンクを片手に颯爽と席に戻っていた折本

「………」

「お兄ちゃん席に戻ろっか!」

「こ、小町まさか言わないよな?」

「多分小町が言わなくてもさっきかおりさんと居るの結衣さんも雪乃さんも見てたから…絶対聞かれると思うよ?」

「……」

くそぉぉぉおおおおおおお!!

乱入した折本はとんだジョーカー的存在だったわ…荒らしてそのまま立ち去りやがったよ!!

折本さん伏兵過ぎんだろおぉぉぉぉ!?

あぁ席に戻るのが億劫だ……小町も今回お兄ちゃんの敵だもんね…詰んだよ…とほほ




いやー折本さんってウケるw

今後オリキャラを増やすか迷ってます……バイト仲間はやっぱりいないとかなってw
もし登場したら温かく見守ってくださいw

後地味に店長の人気があってびっくりですw
師匠もいますのでよろしくですw


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ボッチバイト始めました⑦

やっはろーでございます!!
まず最初に読者の方で感想を下さった方にお詫びさせてください……
5話の後書きにアンケートを取ってしまう内容が記載があったと運営から注意が入り
その回答に関しての読者の皆様の感想のいくつか消されてしまっています。
せっかく感想を下さったのにこんな結果になってすみませんでした。
私自身その行為が禁止とは知らず行ってしまいご迷惑をおかけしました…
感想が消されているのは読者の方々のせいではなく私のミスです……
回答して下さった方返事ありがとうございました、そしてすみませんでした。
もし呆れずまたこの作品を読んで頂けたら幸いでございます。

頭からこんなんでごめんなさい!!!
では切り替えて頂いてぜひお楽しみ下さい!!!



「お兄ちゃん!!ご飯出来たよー!!」

「はーい今行く……はぁ」

自然とため息が出てしまった…それもそうだ今日は不運の一言に尽きる。

朝はしずちゃん事件に始まり、昼は伏兵折本さん登場……そして尋問開始。

結局あの後『ヒッキーあの人海浜総合の人だよね??』『そうね確か折本さんだったかしら?』とがっつり折本と俺が会話してたのを二人はしっかり見ていたらしく……そして追い打ちをかけるように

うちの小町ちゃんが『お兄ちゃんのバイト先わかりました!!』と声高らかに爆弾発言

結果二人にもバイト先がバレました……一応二人には他に話すの勘弁してくれと頼んだ

特に葉山グループとかに知られたりしたらあーしさんに何言われるか……

なんかバイト先聞いたので満足したのか二人はほくほくして帰ってたよ…

なに?営業妨害でもしに来るきなの?とこぞかのヤーサンなの?

はぁ…せっかくのバイトの平穏が…まぁすぐ飽きるだろうし少しだけ我慢すりゃいいか…

とにかく八幡のライフは0を越えてマイナスでございます。

 

「いただきます!!」

「いただきます」

今日は小町特製ハンバーグだ、八幡の大好物の一つだ。

「うん旨い」

「ありがとうお兄ちゃん!」

小町も俺のバイト先を知れて少しテンション高いな

まぁ小町ぐらいならサービスしてやれるかな?家族割りみたいな感じで

携帯会社もやってるんだうちの店もありそうだ

「…ねぇお兄ちゃん?」

「どうした小町?ハンバーグはやらんぞ?」

「なんでそう思ったの!?お兄ちゃんの中で小町って食いしん坊キャラなの!?」

「小町特製ハンバーグは旨いからハンバーグの取り合いで兄妹喧嘩も起こる事も視野に入れなきゃいけないレベルだ」

「いつからうちはハンバーグ大好き兄妹になったの?小町知らなかったよ…」

朝起きたらハンバーグ!!って叫ぶぐらい好きだと思ってたが小町は違ったか……

まぁ冗談はこのぐらいにして…テンションが下がったけど何かあったか?

「それでどうした小町?」

「…えっと」

「??」

「…勝手にお兄ちゃんのバイト先を言っちゃってごめんなさい」ぺこり

「えっ?」

「えっと…ついお兄ちゃんのバイト先がわかって嬉しくなっちゃって…それでその…言いたくなっちゃって…」

あー確かに小町に他に言うなとは言ってたな

あん時も俺めんどくさいって感じ出してたしな

今回めずらしく小町にも隠していた分あんまり知られたくないって本気で思ってくれたんだろう。

こりゃ悪いことしたな

「別にいいぞ?」

「へっ?」

「まぁ言うなとは言ったがそんなこといつかバレる事だしな、しかもあの状況で俺が言わずとんずらしたら殺されるところだったわ」

席を立ち小町の横に立ち頭を撫でる。

「だから先に言ってくれてありがとな小町」

「…お兄ちゃん怒ってないの?」

「おう」

「えへへ良かった!」

「ほら飯食おうぜ小町」

「うん!」

やっぱり小町は可愛いな兄妹って最高だな 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ってさっき感動の兄妹だったよな小町?」

「はい…」

そう先程晩飯の時仲良しな兄妹愛が見えてた筈なんだか…

現在小町はソファーの上で正座、その前仁王立ちの俺。

何でかと言うと

「なんで一色が俺のバイト先知ってんのかな小町?」

「ははは…な、なんでかな?」

なぜかあの場に居なかった一色が俺バイト先を知ってる事についてだ。

先程一色からメールがあり

『先輩ー!!先輩の大好きな一色いろはが今度バイト先に遊びに行きますね!!☆サービスお願いします♥️』っとあざといメールが届いた。

最初は冗談かと思ったがしっかり店な名前まで把握してやがった…

もしバレるとしたら雪ノ下、由比ヶ浜、小町なんだが…

割りとあの二人は義理堅いやつだから初日に暴露することはないだろ。

そうなると残るは……

「小町俺の目を見ろ」ジー

「お、お兄ちゃんまた小町の感情を読み取ろうとしてるの?」

「小町」ジー

「うっ……」

「……」ジー

「……」

「……」ジー

「い、言いました…」

「はぁ…」

「だ、だっていろはさんにも分かったら連絡するって言っちゃったんだもん…」

だもん…じゃねぇよ小町…

多分俺がバイトしてるって話したときに取り付けた約束だな……

一色はあぁ見えて頭が回るから俺に聞けなかった保険として小町に約束したんだろ。

「それで小町」

「は、はい」

「一色にも(・・)って事は他にもいるのか?」

「い、いやー間違ってにもってつけただけだよお兄ちゃん!」

「お前だけ店来てもサービスしてやらねぇぞ」

「すみませんでした…沙希さんもです」

「川崎?なんで川崎のメルアド知ってるんだよ」

「大志くんから教えてもらったの」

「よしあいつのメルアドを寄越せ小町ゲイサイトに貼ってくる」

小町に近づく輩はお兄ちゃんが排除してやる

「大志くんの将来が危なくなっちゃうよ…」

「それでなんで川崎なんだ?」

「えっ?」

「いや一色は何となくわかるが川崎に関しちゃ意味がわからん」

一色は安くカフェを楽しむために俺を使おうってのはわかるんだが…‥

川崎?確かにスカラシップの件から予備校で会話したりはするが‥それでもわざわざ聞くことか?

「えっと……」

(沙希さん小町はピンチです!!これじゃ沙希さんがお兄ちゃんの事気になってるのがバレちゃう!)

(そんなことになったら絶対お兄ちゃん沙希さんの事避ける気がするよ…好きとか嫌いとかじゃなくて俺なんかってまた負のお兄ちゃんなっちゃう…そ、そうだ!!)

「そ、そう!大志君が高校入ったらバイト始めようかなって話してて知り合いがいる所が良いよねって沙希さん心配してたんだよ!それでお兄ちゃんのバイト先を知りたがってたんだよ!!」

「…なるほどブラコンの川崎ならあり得なくない話だな、しかもあいつもボッチだしなおさらか」

確かにそれだと俺に直接は聞きづらいもんか…

それにしてほんとブラコンだなあいつ

「だ、だから教えてあげてもいいかな?」

「まぁそうゆうことならしょうがないか」

まぁ川崎自身店に来ないだろうしな

「ありがとうお兄ちゃん!」             

(セーーーーフ!!小町やりました!我が兄ながらチョロ過ぎるよお兄ちゃん!小町心配だよ!)

「もう他のやつに言うよな小町?」

「わかりました!!」

ビシッと敬礼する小町、うむいい敬礼だ。

「よしそんな小町は明日のトイレ掃除に任命する」

「えっ!?明日はお兄ちゃんがやる日じゃん!」

「それで今回の件はチャラにしてやるからやりなさい」

「イエッサー!!お兄ちゃん隊長!!」

「うむよろしい!!では解散!!」

「イエッサー!!」

「「……」」

「なにしてんだろうな俺ら」

「千葉の兄妹なら普通じゃないのお兄ちゃん?」

「そうだった千葉の兄妹じゃ普通だな」

「えへへ」

そう言って小町の頭を撫でる

ニコッと笑う小町はやっぱり可愛いなうんお兄ちゃん満足

「そんじゃ風呂入ってくるわ」

「いってらっしゃーい!!」

今日も風呂入って寝よ、終わりよければ全てよし…だよな?

 

 

「ふぅ…やっぱりプリキュアは最高だな」

プリキュアのない日曜日なんて考えられないな

もし日曜日朝バイト入ることになるなら俺は店長と全面戦争する覚悟である。

「お兄ちゃん飲み物飲む??」

「頼む小町」

久しぶりにのんびり出来る1日だ…

最近バイト続きだったしな…見習い終わったら週3とかだよね?酷使されないよね?

「はいお兄ちゃん」

「あんがと」

さすが小町わかってるなプリキュアの後はマッ缶と決まってる。いやむしろ飲み物毎日マックスコーヒーで良くない?

えっ?糖尿病?なにそれ甘いの??

「お兄ちゃん今日の予定は?」

「一度バイト先に忘れ物取りに行ってくる」

「忘れ物??」

「読みかけの小説をロッカーの中に忘れちまって」

今日で読み終えるつもりで読んでたから気になってしゃあない…

平塚先生の事であん時いっぱいいっぱいだったから忘れたんだろうな……

「ふーんじゃあ帰りに牛乳買ってきてお兄ちゃん!!」

「あいよ、昼前には戻る」

「はーい」

 

休日にもバイト先に行くことになるとは……もはや第二の居場所になりかねないぞこれ…

自転車を置き従業員入り口へ

「あれ?鍵かかってねぇな…」

店長がゴミでも出しに行ったのか?まぁいいか、さっさと回収して帰ろう

ガチャ

「……えっ?」

「……うん?」

「……ひっ」ビクッ

えっ?誰?

休憩室で休んでいる?低身長のツインテール金髪少女と俺と同じぐらいの高身長の茶髪ロングヘアーの女性が俺を見て固まっている。

かく言う俺も二人を見て固まっている。あれ?なんかやばくない?

「不審者殺す!!」

「えっ!?ま、待て!?」

ツインテールがギロッと俺を睨みマジな不審者認定してきやがった!?しかも殺すとか物騒な!?

普段の雪ノ下の罵倒が優しく癒やしを感じるレベル

「誰が待つかこの野郎!!せりゃ!!」

ツインテールは武術か何かを嗜んでるのか右足でハイキックを繰り出してきた。

「ぬぁ!?あ、あぶねぇよこのツインテール!!」

「ツインテールをバカにすんな!!この不審者!!」

普通不審者がツインテールの話するかこのやろう!!少しは落ち着け!?

なまじ運動が出来る俺なのでギリギリ躱せているがもう限界が近い。

「…っ!?……ぅ…」ワタワタ

もう一人は何故かワタワタして何もしない…この状況どうしたら!?

「なにか騒がしいけどなにか…ってなにしてんの!?」

店長が慌てて俺とツインテールの間に割って入った。

「なんでこいつ庇うのマスター!!」

「少し落ち着いてリーちゃん…ハチ君は新人君だよ!!」

「えっ?新しいやつって男だったんですか?」

ふ、ふぅ…なんとか喰らわずに済んだ…

急にバトル展開なんて人生で一回あればすげぇ方だよ…

俺いつからバトル漫画の主人公になったんだ?

保険に雪ノ下辺りに頼んで合気道でも習おうかな…

「あれ?言ってなかった?」

「聞いてないですよ!うち店長以外男いないからびっくりしましたよ…」

「あぅ…」

「まぁまぁ落ち着いてリーちゃん」

なんか知らず知らず話が進んでいく…俺本取りに来ただけなのに

てかほんとここの店はキャラ濃い人間しか生息してないの?

秘境なの?そうゆう部族なの?

「いやーハチ君ごめんね!!リーちゃんは少し突っ走ちゃっう子でね!そうそう二人とは初めて顔合わせるよね?」

「はい」

「リーちゃん、茜ちゃん!この子は最近入った新人の比企谷八幡君!ハチ君だよ!新人さんだから優しくしてあげてね!」

「よろしくお願いします」

やっぱりハチ君紹介やるのね店長…

「それでさっきハチ君に攻撃してきた子が白井(しらい)リーシャちゃん!」

店長さりげなく攻撃って言ってるよ…カフェとは無縁説明の仕方だよね?

「見て分かるようにアメリカ人とのハーフなんだよリーちゃん!」

なるほどその金髪は地毛なのか、確かに少し顔立ちも外人っぽいかも?でも可愛らしい雰囲気が似合う子だ。

目とか大きいし、まぁ体型は…まぁ頑張れ

「後ナナちゃんと同い年でお姉さんだからね!」

どこぞかの女王とは違う天然物か…って俺より年上!?

「おい今失礼な事思わなかったか?」

ひぃ!?身長150ないぐらいなのに迫力が平塚先生張りなんですけど!

拳握りしめるのやめてください!!

「それで隣が白井茜(しらいあかね)ちゃん!苗字が同じなのはリーちゃんと茜ちゃんは姉妹だからだよ!」

こっちのオドオドしてる方はハーフではなくて純日本人っぽいな…なにか事情がありそうだな。まぁいいか

金髪は背が低いのに対してこっちは俺と同じぐらい背が高いな…スタイルはスレンダーとかぽっちゃりとかではなく普通な感じだ。

性格が出てるのか前髪で顔を少し顔隠してるんな

「リーちゃんがお姉さんで茜ちゃんが妹さん!茜ちゃんはハチ君の一個下になるね!」

えっ!?チビが姉なの?そっちのオドオドが妹?

いやいや凸凹コンビ過ぎだろう…インパクト強すぎて八幡の存在薄くなるいっぽう…

「てっきり勝手に入ってきたから不審者かと思った…」

「…お、お姉ちゃん…あ、謝らないと…」

おっ案外妹の方はまともな感じ?…でもめちゃ人見知りなのか?

「まぁ今回は私の早とちりだったし、ごめんな新人!!」

「す、すみませんでした…」

「いや俺も一言も言わず入ってきたんですみませんでした」

「だよね!お互い悪いってことで!」

なっ!?このツインチビ態度変わりすぎだろ!?

普通なら過失10,0なんだぞ?この子は少しアホな子として認定しとこう。

「これから従業員同士仲良くしよう!!」

おぉーっと一人だけ言ってる店長テンション高いっす…

そんな戦いの後は皆友達!みたいにはなれないっすよ

「それじゃ俺ロッカーの忘れ物とって帰ります」

「そうゆうことだったのね!仕事しに来たのかと思ったよハチ君!」

その手はもう食わんぞ、店長のペースに飲まれたら終わりだ。

「いえすぐに帰りますので」

そこの姉妹にも迷惑かかるしな

「……ひぃ」ビクッ

えっ?少し目があっただけだよ?確かに目腐ってるけどここまで引かれる泣けてくる…

「なに茜を怯えさせてんだ新人!!」

コォォォォォって言いながらこっち見ないで下さい!?

めちゃ怖いから!どこぞかの地下闘技場出身なの!?

「い、いや俺何もしてないですよ?」

「その怪しい目で睨んだだろ!」ギロッ

怯えたいのはこっちだっての!?理不尽だ!?た、助けて店長!?

「ほらハチ君!眼鏡!」

だ~て~め~が~ね~っておい!!

いやなんでここで眼鏡なんだよ!!おかしいだろ!

ドラえもんでもここで眼鏡チョイスしねぇよ!

「いやあっちどうにかして下さいよ!」

「大丈夫眼鏡さえかければハチ君の目怖くなくなるから!」

修正をかけてきたのは俺の目の方かよ!

よくわからんが眼鏡装着用!

「……へっ?」

「……えっ?」

なんなの?皆して毎回こんな反応すんのはなぜ?

俺の存在の主張は目だけじゃないんだけど…

「眼鏡かけてるから少し怖くなくなったでしょ茜ちゃん?」

「……」コクコク

「まぁそれならマシになるな新人」

ほんと扱いが変わりすぎて焦るんですけど…

「はぁ…それじゃお先失礼します…」

はやく本を回収しこの場から立ち去ろう…ここは危険だ…

「またな新人!」

「お、お疲れ様です…」

無事にブツを回収し外へ

ガチャバタン

 

ふぅー疲れた…帰ろう

働いてないのに疲れたよ…

「ハチ君ごめんね?」

「うぉ…び、びっくりさせないで下さいよ店長」

「ごめんごめん!二人について説明しときたい事があってね!」

気配なく後ろに立つのはやめてくれ…やっぱり合気道習おうかしら…

「話とは?」

「実は妹の茜ちゃんなんだけど昔色々あって男性が少し苦手な子なんだよ」

「それでやけにオドオドしたり怯えたりしてたんですか」

「そうそう!歳いってる僕とかは平気らしいんだけど…若い人はそうはいかないらしくてね?うち客層も若い人は女性が基本じゃない?しかも男性はお年寄りの方多いしさ」

「なるほど」

「男性従業員は今僕とハチ君しかいないから居やすいんだよ茜ちゃん」

いやいやいやなんで俺の事雇ったの?店長毎回説明が遅すぎるんですけど!!

「でもなんで俺雇ったんですか?」

「うーん…ハチ君は安心出来る子だからかな?茜ちゃんのそうゆう事情を笑ったり軽蔑したりしないでしょ?」

「…まぁ気にしないっす」

「やっぱりハチ君は優しいね!僕の眼は正しかったね!」

「それに茜ちゃんのリハビリにもなれば良いかなって思ってさ!決してそれだけのためにハチ君を選んだ訳じゃないからね?」

この店長いつも空気読めないけどやっぱり考えは大人だな。

「はい」

「後リーちゃんの事なんだけど……」

なにまだあるの?

「茜ちゃんを小さな頃から守ってたらしくてね?そのおかげで空手も強くなって性格も勝ち気な女の子になっちゃったらしくて、茜ちゃんの事になると見境なくなるから気をつけて!でもハチ君タフそうだからなんとかなるよね!」

なにこの人は評価を上げたり下げたりしないと気がすまないの??

しかも俺がなぜタフに見えたの?店長にはステータス表記が見えてるの?

「…とりあえず平和に過ごさせて下さい」

「うん任せて!!」

やべぇ全然信用出来ないんですけどこの店長…

「それじゃ僕仕事戻るから!じゃあねハチ君!」

「お疲れ様でした」ペコリ

ガチャバタン

「はぁ…帰るか」

こうしてバイトを始めて初の一週間が無事に?終わった。

ほんと色々な事がありすぎて体も心も疲れ八幡…

後はゆっくりと本読んで休もう

「たでいまー」

「おかえりお兄ちゃん!牛乳は~?」

「あっ」

「…お兄ちゃん」

「…行ってきます」

まだ終わってなかったです…牛乳買いに行ってきます…




いやーオリキャラですw
新しい従業員温かく見守ってくださいw


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ボッチバイト始めました⑧

やっはろーでございます!
私事ではありますが気付いたらUA3万越えておりました-w
まさかそんなに読んで頂けるとは思っても見ませんでした…
これからも趣味範囲になりますが頑張っていきます!


月曜日ってのは精神的にだるくなる。

もっと寝てたい、のんびりしたいと思ってしまう…ボッチな俺は人一倍にな……なんか解決策ないか?

…そうだ月曜日だけ登校時間昼過ぎにすりゃもしかしたらやる気出たりするかも、あれこれいい案じゃね?

さっそく生徒会に……いやその案をあの一色に頼む方が面倒だ…『じゃあ貸し一年ですね先輩☆』って卒業するまで奴隷契約されそうだ…

うん確実にそっちの方が

「だるい」

「お兄ちゃんまた言ってるよ…聞いてる小町もだるくなるから禁止!!」

おっと思わず口に出してしまったか

「事実だから仕方がない」

朝恒例の登校二人乗り、小町は相変わらずお兄ちゃんの後ろでのんびりしております。

そんな八幡ですが今日も放課後バイトでございます……

それも疲れる要因なんだが…今日はまた別の問題がある。

そう土曜日の平塚先生の件だ。

もし先生からリアクションが無ければそれで良いんだが…もしリアクションがあった場合八幡困っちゃう!!

ほんと何事もないことを祈るばかりだ……

「はぁ…」

「お兄ちゃんだるいの次はため息って……大丈夫?」

おっとマイシスターに心配をかけてしまったな、ここはお兄ちゃんとして頑張らないとな!

「心配するな小町お兄ちゃんは至って普通だ」

「お兄ちゃんの普通ってむしろダメな方だよね」

あれ?お兄ちゃん普段からそんなダメ扱いされてたの!?

「ほらお兄ちゃんそろそろ公園着くよ!!ほらラストスパートだよ!!」

「へいへい」

さてさて今日も一日乗り切りますか……

 

 

今日もいつも通りに席に着きイヤホンをつけ寝るか…

「八幡おはよう!!」

はい即刻却下!!!寝る?はっ!そんな事誰がするか!俺には戸塚のとの時間が一番さ!!

「おはようマイエンジェル」

「なに言ってるの八幡?僕は戸塚だよ?」

大丈夫です間違いではございません。

「戸塚だな」

「うん!!」

笑う戸塚まじ天使…とつかわいい…まじ癒やしの波動出てるでしょこれ?オートヒール的な何かでしょ?

「八幡今日はバイト?」

「あぁ」

「バイト頑張ってるんだね!さすが八幡!」

その一言で十倍頑張れます

「こき使われてるだけだ戸塚、俺自身そんな頑張ってないぞ?」

「そうなの?うーんなら今度八幡の働いてる姿見に行くよ!それなら僕の言ってること正しいって証明出来るもんね!!」

はい可愛い、もう癒やされすぎて浄化されそう。

「お、おういつでも良いぞ」

「ありがと八幡!!」

俺バイト始めて良かったって初めて思ったわ……

「朝からなぜ目頭を押さえてるのかしら?とうとう自分の目に嫌気が差したのかしら比企谷君?」

「俺だって普通に目頭を押さえる事あるっての……」

「雪ノ下さんおはよう!」

「おはよう戸塚君」

相変わらずの罵倒だな……もう挨拶代わりだなこれ…

そんで雪ノ下が席に着くとやってくれるのが

「ゆきのーんやっはろー!!」ダキッ

「ゆ、由比ヶ浜さん挨拶にハグはやめて頂戴///」

「えへへ~」

百合ユリさんこと由比ヶ浜の登場だ…

「やっはろーさいちゃん!!」

「やっはろー由比ヶ浜さん!」

相変わらずアホの挨拶だ。

何度も言うが戸塚は可愛いからオッケー

「ヒッキーもやっはろー!!」

「あいよ」

「ちゃんと挨拶返してよヒッキー!!」

いや挨拶したろ?なに由比ヶ浜家ではやっはろー以外の挨拶知らないの?…アホだ…

「ちゃんと返事したろ…」

「やっはろー!!」

「はぁ…はいはいおはよう」

「うんおはようヒッキー!!」

おい普通におはよう言えるじゃねぇかよ!!……てかそんな挨拶程度で喜ぶな恥ずかしい…

「比企谷君今日はバイトかしら?」

「あぁ、部活休むが平気か?」

「えぇ特に依頼もないから平気よ」

「あれ?ゆきのん中2からいつものメール来てなかった?」

「あれは今日カフェ谷君だから仕方ないわ」

なに俺が部活来たときにまとめて処理させようとしてんだよ……

てか俺がバイト行くときの略ってカフェ谷になるの?そうなると部活行く時の俺はなに谷になるの?…地味に気になるんだが…教えてユキえもん!!

「勝手に俺に仕事押しつけるなよ……はぁ水曜日に部活行くからそんときまで依頼すんなって返信しといてくれ」

「相変わらず素直じゃないのね」

「うるせぇ」

「ヒッキーは今日もバイトなんだねぇ」

「そうだ」

「えっ?八幡今日もってそんなにバイト入ってるの??」

「まぁ最初だから入ってる方かもな」

「そうだったんだ…無理は良くないからね八幡!気を付けてね?」

「あぁ無理はしないから大丈夫だ戸塚」

むしろ戸塚を出迎えるため毎日シフト入っていい勢いである。

「そろそろ席に着けー」ガラガラ

「それじゃ席戻るね!」

「おう」

「また来るからねゆきのん!!」

「わかったわ」

さてさて……先生はどうかな?

「じゃあHR始めるぞ」

「…………」

「平塚先生寝不足なのかしら?いつもはない隈が目立つわね」

「つ、疲れてるだけだろ…」

「??」

えっ?なにそのあからさまな寝不足の隈は?いや俺は関係ない筈だうん

まず聞かなきゃいい話だしな、そうここは平和にHRを終わらせて…

「先生隈めちゃスゴいっすじゃないすか!!マジお疲れッすか??なにかあったんすか??」

なにしてくれてんの戸部この野郎!!空気読め!!先生にだって色々あるの!!

「良くわかったな戸部…まぁ少し寝不足でな」

先生誰が見てもわかりますそれ……隠すつもりないでしょ…

「まぁ戸部、先生も疲れてるだろうから質問はそのぐらいにしよう」

「隼人君の言う通りだわ!先生すいませんした!!」

ナイスだ葉山!!いつものクラスの空気清浄助かるぜ……今日はお前に感謝する。

「実は休日に色々あって少し考え事をしていたら寝不足になってしまってな」

「ひ、平塚先生?」

「あれ?先生話始めちゃったよ隼人君?」

おい!?葉山清浄機全然効果発揮してねえじゃん!?

「ま、まぁ時間が解決してくれるだろう!」チラッ

「……」

先生然り気無く俺をチラ見せんといて!!

「……」ジー

ほらなんか雪ノ下が俺の事ジト目で見てるから!

「……」ジー

なんか勘の鋭い海老名さんまでこっち見てるし!?

「先生それは良いことだったんですか??」

なに聞いてるの海老名さん!!

くそっ…君のような勘のいい娘は嫌いだよ…

てか俺は悪いことしてねぇ…別にキメラとか作ってねぇし!普通にフレンチトースト作ってるだけだし!

「そ、そんなことはないぞ!うん至って普通の事だ!」

先生…慌てすぎ…はよ終わってくれ…

「そうなんですか」チラッ

ひぃ!?海老名ってスキル持ちなの?相手を見たら心読めちゃうチーターなの?てかなんで海老名さんが反応するのよ!!

「……」ジー

雪ノ下はなんでも良いから話してくれ!無言が怖い…

「は、話しはこれぐらいにして連絡事項を話すぞ!」

話を広げたの先生です……

 

 

「…で以上だ!それじゃ解散!」

なんとかその後は平和に終わりHRが終わる。

「ねぇ比企谷君」

「なんだ?」

「平塚先生となにかあったのかしら?」ギロッ

ひぃ!?やっぱり無言の方が良かった…てかなんでそんな怒ってんだよ…

「別になんもねぇよ…」

「そう…てっきり比企谷君が先生をたぶらかしたのかと」

おいさすが結婚願望強めの先生をタブらかすとかしないわ

したら責任取れとか言われそうだし…

「ゆきのーん!!なんか先生疲れてたね?」

由比ヶ浜がアホな子で良かった

「そうね…原因は不明だけれど今日は部活はやめとこうかしら」

「なんで??」

「私達が居たら平塚先生は学校に残ってなきゃいけなくるからよ由比ヶ浜さん」

「なるほど!なら先生に休んでもらうために部活を休むんだ!」

なにそれ?なんで俺が部活行くときに言わないのそれ?

去年そんなん一回も雪ノ下の口から聞いてないよ?ず、ずるい

「とゆうことで今日は休みにしましょ」

「うん!ならゆきのん放課後遊びに行こ!」

「えぇ」

相変わらず仲がよろしいことで…

「次移動教室だろ、はやくしねぇとチャイムなるぞ」

とりあえず授業をこすとしますか

「えぇそうね行きましょ由比ヶ浜さん」

「うん!」

俺は一人で行くかな

「八幡ー!一緒に行こ!」

「おう」

前言撤回さて天使とさっそく行くとするか!

「由比ヶ浜さん今日の放課後……」

「うん?あっなるほど……」

なんか不意に寒気がしたのは気のせいだろうか?

 

 

 

あぁーやっと昼だ…ベストプレイスにさっさと行きますか

「比企谷少しいいか?」

「…なんすか?もしかして俺知らずにやらかしてた感じっすか平塚先生」

まさかの朝以外沈黙を守り続けてた平塚先生からな呼び出し…

「とりあえず生徒指導室行くぞ比企谷!」

「はい」

なにが起こるのやら…

ガラガラ ピシャ

「とりあえず座りたまえ比企谷」

「うす」

さっそく煙草を咥え火をつける先生

「それで話とはなんですか先生?」

「……ど、土曜日の事についてなんだが」

ですよねーそれしかありませんよねー

ここはもう素っ気なく済ませて出来るだけなかったことに

「はい」

「えっと…あ、あれはマスターがほのめかしたと言うか冗談で言ってた事だから気にするな比企谷!」

「わかりました、用件はそれだけですか?」

「あ、あれ?ず、随分あっさりしてるじゃないか比企谷?」

「そうですか?昼休み終わってしまうのでいいですか?」

「う、うむ……」

「それじゃ失礼します」

「あっ比企谷………やっぱりこんな婚期逃した女の言葉なんて…」ぼそっショボーン

「……」

なんなの?しずちゃんモードなの?先生モードなのどっちなの!?

……だぁぁぁぁあ

「…先生」

「な、なんだ?」

「……先生に褒められたこと俺自身嬉しく思ってます、そして先生は素敵な女性だと思うので相手とかすぐ見つかる筈です」

「えっ?」

「それじゃ失礼します」

「ま、待て!?も、もう一回言って!」

おい完全にしずちゃんモード入ってるよ…しず可愛くなってるよ…

「はて?なんのことです?」

「なっ!?しらばっくれる気か比企谷!」

「それよりも先生はしっかり休んで目の隈治してください皆心配してますよ」

「うぐっ…そ、そうだな心配かけないように今日はしっかり休むことにするよ比企谷」

「そうっすか、それは良かったですそれじゃ失礼します」

「時間を取らせて悪かったなそれじゃ」

 

ガラガラ ピシャ

 

ぐわぁぁぉぁぁぁぁぁ!!何言ってたんだよ俺!アホなの?

バカなの!?

恥ずかしくて死んでしまうわ!穴が入ったら入りたい…

……でもあんながっかりされたらしょうがないだろ

そうこれは致し方ない選択だったんだ…そう思おう。

「マッ缶買ってベストプレイス行こ……」

 

 

ガラガラピシャ

 

「……」

『先生は素敵な女性だと思うので…』

「えへへ素敵な女性…///」

はっ!い、いかん!自然と顔が緩んでしまった!

で、でもあの比企谷が素直に私を褒めてくれるとは…しかも先生としてではなく女性の部分を!

「…一年後誰も比企谷にアタックしてなかったらディスティニーランド誘ってみようかな」ぽけー

「はっ!わ、私はなにを…しっかりせねば!!」

パシパシと顔を叩き気合い入れる。

「…えへへ///」

今日は昼休みが終わるまではしずちゃんモードの平塚先生でした。

 

 

 




まだバイト始まって一週間です-w
そしてしず可愛い-w

感想お待ちしてます!


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ボッチバイト始めました⑨

皆様やっはろーでございます!
お待たせしてすみません!
仕事が忙しく更新遅くなりました!

ではお楽しみ下さい。




とりあえず無事にベストプレイスに到着…

最近何かと移動する度にイベント発生してるからビクビクだよ…

なにギャルゲーなのこれ?そういう日常イベントいらないから!安らかに流れる時間を下さい!!

「なんか菓子パンってのも味気なくなってきたな…」

最近仕事で料理をするせいか買った物だと物足りない感がある。

うーん朝弁当作ろうかな…料理の練習にもなるし。

「うーん…朝弁当作ってみようかな…」

「あー!ここにいたんですね先輩」

「げっ」

もうイベント発生かよ…早すぎ…

「可愛い後輩が来てげってなんですか!怒りますよ先輩!」

もう登場からあざといんだけど…今時あーとか言わねぇよ

「はいはい可愛いですね」

「先輩口説いてるんですか?すみません最近バイト始めて将来に安心感が出てきてますけどやっぱり先輩は先輩なので半年ぐらい仕事しっかりこなすようになって不安を払拭してから出直してきてください!」

いや早口でなにいってるかわかんねぇよ…とりあえずまたフラれた感じ?

「それでなんの用だよ一色」

「昨日お店の名前送った後メールシカトしてたじゃないですか!」

あっそうえばそうだったな…小町問い詰めてて忘れてた

「すまん忘れてた」

「ひどいです先輩!私傷つきました!なので今度買い出し手伝ってくださいね!」

なにこの展開?新手の詐欺かなにか?

「おい待てなんでそうなる」

「男手の必要な買い物なんです!」

「副会長か戸部でも連れてけそれで充分だろ」

我ながらナイスチョイス

「戸部先輩は部活ありますしー」

前に買い出しでコキ使ってたろ

「副会長は生徒会の仕事があるのでー」

一色お前はその生徒会のトップだろうに…

「待ておれはバイトがあるから無理」

おぉ…バイトを使えば逃げられるじゃん

「先輩がバイト休みの日で大丈夫ですよ!」

「日付指定おっけーなら余計に誰でもいいだろ…」

「先輩が一番つか…頼みやすいんですもん!」

「おい今使いやすいって言おうとしてなかったか?」

「気のせいですよ先輩?それじゃ今度お願いしますね!」

「はぁ…わかったよ」

…結局逃げられなかった…このバトルは逃げられませんのやつだった。

「まぁその話はついでなので」

俺ついでの話で荷物持ちにされるって…社会的地位低すぎだろ俺…

「ついでなのかよ…それで本題は?」

「いつお店に行っていいですか!本当はメールで聞こうと思ったのに先輩が無視するから聞けなかったんです!」

そんでわざわざ聞きに来たと…その行動力を生徒会に使いなさい

「あぁ……一年後とか?」

「それ絶対辞めてますよね!?先輩次いつバイト入ってるんですか!」

えぇ…言ったらくるじゃん…

「なんで言わなきゃいけねぇんだよ…」

「いいじゃないですかー!!」

「嫌だ、お前絶対サービス強要する気だろ…」

「先輩私に対する評価が酷いですよ!!知り合いのバイト先に行くなんて普通の事ですよ!!」

「俺はボッチだから普通を知らん」

「そんなドヤ顔で言わないで下さいよ………」

「ということで却下」

「全然却下の理由になってませんよ先輩!!」

そんなむむむってほっぺ膨らませてもダメです

あざと可愛いけどダメです。

「なら私がその一番になってあげますよ!知り合いとしてお店に遊びに行く第一号に!ボッチの先輩のために一肌脱いであげます!」

年頃ろの女の子が一肌脱ぐと言わないの…思春期の男子高校生は少しドキッてしちゃうから!

「いや別に良いから…」

「優しい後輩に感謝してくださいね先輩?」

断ることすら許されないとは…

「はいはい…」

「それでいつバイト入ってるんですか?」

「今日だよ」

「わかりました!ささっと仕事終わらせて行きますね!」

おっ?副会長に任せずちゃんとやるとは見直した

うん?いやそれ普通の事じゃね?もしかして俺一色に甘いのか…

「なんで難しい顔してるんですか先輩?」

まぁ少し妹みたいな感じだからだろう…

小町には敵わないがな!!

「なんで次はどや顔してるんですか…気持ち悪いですよ先輩…」

考え事してる間にキモい認定された…

「先に言っておくが来てもそんなサービスとか出来ないからな一色」

「わかってますよ!それじゃ先輩放課後また会いましょう!」

「…あいよ」

「バイト始めてから何にかと問題が起きるな…あっ時間」

そろそろチャイムなるじゃん…平塚先生との話もあって菓子パン眺めて一色に絡まれて終わるとは…

「バイト始まる前に食べるか」

さて放課後まで頑張りますか…

 

 

「お疲れ様です」

「ハチ君お疲れ様!待ってたよ!今日はキッチン担当でお願いね!」

「うす」

無事に学校も終わりバイトを始める。

しかし放課後帰るとき雪ノ下が『今日はバイトよね?』と少し迫力ありめに聞いてきたな…朝言ったよな?

由比ヶ浜も『ヒッキーほんとにバイトだよね?』など同じこと聞いてくるし

そんなに信用されてない感じ?俺サボりって思われてんのか?

それか…うーんでもわざわざあいつらが顔出しとは思えないしな…

てか一色来るんだったな…まぁ俺キッチンだしいいか

「てか師匠またゴミ捨てしてねぇよ…」

毎回午前に師匠がキッチン入るとゴミ捨てを俺にバトンタッチする傾向にある。

袋まではしっかり縛ってるのだが店の裏手のゴミ箱に捨てに行くのがめんどうなんだろうな

料理に関してはきっちりだがこういう面倒な所は押し付けるんだよな…

まぁたまにまかない作ってくれてるし良いけどな。

店長に一言声かけてゴミ捨て先に終わらすか

「店長、先にゴミ捨てしてきます」

「うん!わかったよ!」

さてさて結構な量だな…めんどうだ一回で行くぜ!

「おりゃ!」

片手ずつにパンパンのゴミ袋を持ち従業員出口からゴミ捨て場に向かう。

カランカランと俺が出ると同時に音が聞こえた。

「お客さん来たじゃん…タイミング悪いな…急ご」

急いでゴミを片付けキッチンに戻る。

すると店長が料理を始めようとしていた。

「店長俺がやります、オーダーは?」

「ありがとうハチ君!フレンチトースト四つお願いね!」

「うす」

客は四名かさっさと作るかな

でも客の声が聞こえないな?ってことはテーブル席か

うちのお店はカウンター席ではお客の声が聞こえるけど

テーブル席になると全然聞こえなくなる。

まぁキッチンからわざわざ声なんて確認する方がおかしいからな

「よし、店長フレンチトースト四つ上がりました」

はーい!と大きな声で返事が聞こえる。

「お待たせハチ君!今持っていくね!」

ふたつの皿を持ち二回にわけて運ぶ。

プルルルル、プルルルル

うん?電話?これは店の電話だな。

ガチャ

「お待たせしました、カフェ『Repose』です」

「あら?マスターじゃないのね?」

「は、はいすみません、店長お客様の対応中でして」

「なら折り返し電話してって伝えて頂戴!例の物が出来たわよって!」

「わ、わかりました」

「それじゃあよろしくね♥️」

ガチャ、プープープー

「……」

なんか野太い声で女っぽい喋り方する人なんですけど

よくわかんないけど最後鳥肌立ったんですけど八幡

「ハチ君大丈夫かい?」

また皿を取りに来た店長が固まっている俺を見て不思議そうにしてる

「…大丈夫です、店長先程電話がありまして」

「そなの?誰かな?」

あっ名前聞くの忘れてんじゃん俺

「す、すみません名前を聞き忘れて…ただ少しオネェっぽい人が例の物が出来たと伝えて折り返し電話をくれと」

「もう出来たのか!ごめんハチ君!残りのフレンチトースト持っててくれるかな?至急折り返しの電話しないといけないから!」

「は、はい」

なんでそんな意気揚々としてるんですか店長…

なに例の物とかドラマとかアニメの台詞だろ

「考える前に持っていくか」

さてさてお客は一番奥か…んっ?この声って

「…おいお前らなんでここいんだよ」

席に着くと雪ノ下、由比ヶ浜、一色、小町が席に座っている。

一色は予告通りだが他三人はなんでだよ……

まぁ一色の事だ誘って来たんだろうな

てか一色仕事……いや何も言うまい…副会長もし店に来たらサービスしてやろ

「お兄ちゃん!あそび…に?」

「先輩きました……よ?」

「……ヒ、ヒッキー?」

なに?眼鏡かけた人に対してやる儀式なの?流行ってんの?

「……」

雪ノ下関しちゃ無言で俺を見てるし…

固まるのはなぜ?俺メデューサになったの?

「この数時間で記憶なくしたのか由比ヶ浜?お前どうやって高校受かったんだよ…」

「ヒ、ヒッキーだ…」

「先輩ですね…」

「お兄ちゃんですね…」

「…ほんとに比企谷君ね」

えっ?俺そんなに眼鏡に存在感取られてるの?10対0で眼鏡WINなの?

言葉聞いて確認とれるとかどんだけ…

さすがにそれだけで忘れられるとか八幡辛い…

「はぁ…それよりフレンチトースト置きたいんだが」

「は、はい!」

「わ、わかりました!」

ん?なんで小町と一色は声うわずってんだ?しかも小町なぜ敬語?

そんなフレンチトーストって緊張する食べ物なの?

由比ヶ浜と雪ノ下の前には既に店長が持ってきたフレンチトーストが置いてある。

「お待たせしました、フレンチトーストでございます」

スッと一色と小町の前にフレンチトーストを置く。

一応客だから接客はしないとな…ってなんでフレンチトーストじゃなくて俺を見てるんだよ?

「「「「………」」」」

えっ怖いです無言の圧力が怖いです

「あの…はやく食べないと冷めるぞ?」

「…そんな事知ってるわ紅茶を冷ましていたのよ早とち谷君」

(比企谷君の眼鏡姿がこ、こんなにも格好いいなんて思ってもみなかったわ///お、思わず見つめてしまったわ…しかもウェイター姿と相まって凄く良い///)

「そ、そうか」

無駄に迫力あるなおい…

「ええそうよ」

「そ、そうだよヒッキー!少し冷めた方が美味しいんだよ!」

(キャーーーー///ヒッキーめちゃくちゃカッコいい!///眼鏡かけてないヒッキーも好きだけど眼鏡ヒッキーもスゴくカッコいいよぉ///お仕事の格好似合ってるなぁ…私も『お待たせしました』って言われたかった…はぁカッコいい///)

「……」ポケー

「なら俺じゃなくてフレンチトースト見ろよ…」

「ヒ、ヒッキーの事なんて見てないし!キモい!変態!」

(ば、バレてた!?///は、恥ずかしい///)

「えぇ…」

これ完全に冤罪だろ…って後輩二人組も手つけてねぇな?

てか一色はフレンチトースト凝視し過ぎだろ…

どんだけフレンチトーストってランク高い食べ物なの?

「一色お前わざわざ来といて食べないのか?」

「なに言ってるんですか先輩?私はただフレンチトースト美味しそうだなぁって見てただけですよ?これから食べるんです!」

(言えない…先輩が思ってる以上に格好いいのでそっち向くとギャップにやられちゃうなんて言えない!なんで眼鏡かけて仕事姿になっただけでそんな格好良くなるんですか!///)

「そうか美味しそうに見えてるなら良かった」

(ほぇ…先輩カッコいいなぁ///しかも少し照れてて可愛い!///)

「小町も温かいうちに食べとけその方が旨いから」

「わ、わかった!」

(えぇぇぇ!?小町はお兄ちゃんは目と数学以外高スペックって知ってたけど眼鏡かけてこんなに変わるなんて!小町不覚にもお兄ちゃんにときめいちゃったよ///小町的にポイント高すぎ!///)

「作った本人が言うんだ間違いないか安心しろ小町」

「うん!」

(しかもこれお兄ちゃんの手作り?苦手ではなかっただろうけどここまで上手くなってるなんて…お兄ちゃんポイントカンストする勢いだよ…)

「比企谷君が作ったの?」

「そうだ、味は店も保証してくれてるから大丈夫だろう」

「なら安心したわ」

こいつどんだけ俺の事信用してないんだよ…

「先輩って料理出来たんですね?」

「元々少し出来た方だからな」

恐ろしく厳しい修行だったがな…

「ヒッキーの裏切り者!!」

「誰が裏切り者だ……」

俺はいつからダークマター組に加入されてたんだよ…

「でもお兄ちゃんがここまでやれるとは驚き」

「まぁとりあえず食ってみろ、俺は店長がいないからカウンターにいるからと思ったけど丁度戻ってきたな」

「ハチ君!キッチンに戻ってもらっていいかな?」

ハチ君呼びはやめてくれ店長……

「ハチ君?それはペットの名前からしら?」

「誰がペットだ」

すぐさまペット扱いかよこのやろう…

「ヒッキーバイト先じゃハチって呼ばれてるんだ!」

「完全に犬じゃんお兄ちゃん…」

「それを言うな小町…」

「やっぱり皆はハチ君のお友達だったんだね!!」

店長気付いてたんか…なのになぜ俺に伝えなかったんっすか店長…

「いえ同級生と後輩と妹です」

「先輩そこは友達でもいいじゃないですか!」

「うるせぇ」

「ハチ君のお友達は美人さんが多くて羨ましいね!」

おい空気読めこのやろう!!そんな事言われたらなにか反応しなくちゃいけねぇだろ!

由比ヶ浜照れるな!反応するのはやめてくれ…

「店長そろそろ……」

「ということはやっぱり君はハチ君の妹さんだったのか!!」

俺の話シカトして小町の方を見てキラキラした目で見る。

人の妹をそんな眼差しで見ないで下さい…

「はい!比企谷小町です!兄がいつもお世話になってます!」

ペコリとお辞儀をする小町ちゃん

いつも妹として礼儀正しくて安心だよ兄は

「こちらこそ初めましてここの店長の立川翔です!」

「いやーさすが兄妹だね!雰囲気とか似てるもんね!特ににそのアホ毛とか!!いやぁーガヤさんはいい息子さんと娘さんを持ったよね!」

ねっ!って俺に聞かれても俺らの事なんではい!とは言いづらいですよ店長…

てか店長さりげなくアホ毛について話したよね?

初対面の妹にそんな事言うかね…店長は礼儀正しくお願いしますよ店長

「ガ、ガヤさん?」

俺と同じ反応してるよ…気持ちはわかるぞ小町

「君たちのお父さんの事だよ!ハチ君は八幡君だからハチね!」

いや俺の説明はいいからね?八幡説明はいらないよ?

「あれ?ハチ君よくみたら名札つけてないじゃないか!」

ちっバレた……一色が来るから外しておいたのに…

もう空気読んで店長!少し葉山を見習って!

「…今付けてきます」

「うん!そのままキッチンよろしくね!そろそろお客さんくる頃だからさ!それじゃ皆さんお邪魔してごめんね!小さい店だけどのんびりしてってね!」

颯爽とカウンターに戻っていくてか俺より早いよ

「そんじゃ俺も戻るわ」

「えぇわかったわハチ君」

「ハチヒッキー頑張って!」

「ハチ先輩頑張って下さい」

「頑張ってハチお兄ちゃん!」

ハチハチハチうるせぇ…由比ヶ浜関しちゃハチヒッキーってなんだよ語呂悪すぎ!

はぁ……ハチ扱いとか勘弁してくれ…

「…はぁ俺は八幡だっての、そんじゃごゆっくり」

知り合いがバイトに来るだけでこんなにも疲れるとは…

もう来ないで欲しいでござる……

 

 

「「「「……」」」」

「…食べましょうか」

「そ、そうだねゆきのん!」

「はい!」

「さてさて先輩が作ったのフレンチトーストはどうですかね?」

「「「「いただきます」」」」

パク、モグモグ

「「「「!?」」」」

「これってかなり美味しいよねゆきのん?」

「えぇ…料理してる身としてはこれはかなりの出来かと」

「先輩なんか凄すぎ……」

(お兄ちゃん…今日でお兄ちゃんの株が爆上げされてるよ!

小町すら驚く急成長だよ!バブルお兄ちゃんだよ!)

「あの姿のお兄ちゃんなら色んな人にモテちゃいそうですねー」

「「「……」」」

(これは良い機会!お嫁さん候補の人達にはいい刺激になると小町は推測したよ!名探偵コマチ!!)

「あっ!ちょっと小町お兄ちゃんに用があるので少し席外しますね!」

お兄ちゃん!ちょっと待って!!

どうした小町?

(比企谷君が)

(ヒッキーが)

(先輩が)

(((他の人に狙われる!?)))

ってなに写真撮ってんだよ小町…

えへへ!初仕事お兄ちゃん写真ゲットだぜ!

俺はポケモンか…

「…欲しい」「…いいな」「…ずるい」ボソッ

「「「……」」」ガタッ

「私も部長として比企谷君に用が」

「ヒッキーと少し話が」

「先輩に生徒会の話を」

「……皆さんどうしたんですか?」

(思っていた以上に効果テキメン…この後の展開は小町も予想がつかないよ!!)

 

 

 




八幡のモテ期到来の予感ですね!


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ボッチバイト始めました⑩

やっはろーでございます!
いやー多くの方に読んで頂いて光栄です!
今後の展開はどうなっていくのやら-w

それではお楽しみ下さい


「…はぁ」

「さーちゃんどうしたの?」

「な、なんでもないよけーちゃん」

最近比企谷がバイトを始めたらしい…

お店の場所はとか小町から連絡が来て教えてくれたんだけど

「…はぁ」

「さーちゃん?」

どうやってお店に行けばいいかわからない!

だって私比企谷と友達?とかじゃないし…わざわざ比企谷のバイト先を選んで行くってめちゃくちゃ恥ずかしいじゃん!

どうやって理由付けて行こう…小町の話だと大志を使って話進めたって言ってたけど…

そうなると比企谷の事だから私自身は来ないって思ってそうだし…

「さーちゃん!!」

「ど、どうしたのけーちゃん?」

「お鍋グツグツいってるよ!」

「あぁ!?」

セ、セーフ…焦げなくてすんだ

「ありがとうけーちゃん」

「えへへ!」

うんけーちゃんはいい子でお姉ちゃん誇らしいよ

「さーちゃんさっき電話来てからずっとうーんってなってるよ?」

「ごめんねけーちゃん心配かけちゃって」

実はさっき小町から電話があり

『沙希さん!絶対お兄ちゃんのバイト先に行ってみて下さい!!あれは絶対見といた方が良いです!』って言われた。

なにを?って返したら

『お兄ちゃんです!本当は写真お見せしたいんですけどあれは生で見た方が良いです!』って興奮気味で言われた…

そんなこと言われたら気になっちゃうじゃん…

私だってその…比企谷のバイト姿見てみたいし…///

「ねぇねぇさーちゃん!さっきの電話って誰からだったの?」

「えっとね…は、はーちゃんの妹からだよ」

「はーちゃん!!はーちゃんと電話したい!」

「えっと…」

そうなぜかけーちゃんは比企谷の事をえらく気に入ってる

前から『はーちゃんと遊ばないの?』って聞いてきたりもするんだよね

困ったな…さすがに比企谷に電話は迷惑かけちゃうし…

てか比企谷自身の連絡先は知らないんだよね…

「ひき…はーちゃんはお仕事してて電話出れないからまた今度にしようね?」

「はーちゃんお仕事してるの?」

「そうだよ」

「どんなお仕事してるのはーちゃん?」

どんな仕事…うーん確か小町の話によるとキッチンやってるって言ってたね

「はーちゃんはお客さんにお料理作ってるんだよ」

「はーちゃんスゴい!!なに作ってるのかな?」

えっと…確かフレンチトースト食べたって言ってたよね?

「フレンチトースト作れるんだって」

「ふれんちとーすと?」

そっかうちじゃ基本和食メインだからけーちゃんが知らなくても無理ないか

携帯で画像を探してけーちゃんにみしてあげよう

「これだよけーちゃん」

「わぁ!おいしそう!!さーちゃんさーちゃん!!けいかふれんちとーすと食べたい!」

困った…私そうゆうデザート系作るのそこまで得意じゃないんだよな…

「また今度でいいけーちゃん?」

「さーちゃんが作るの?はーちゃんじゃなくて?」

「えっ?」

「だってふれんちとーすとってはーちゃんが作るんでしょ?」

そっかけーちゃんからしたらフレンチトースト作れるのは比企谷って事になってるのか

「そうだねはーちゃんならフレンチトースト作れるね」

「じゃあはーちゃんにふれんちとーすと作っててお願いしよさーちゃん?」

えっ?それってお店行かないとできないよね?

あれ待って……これお店に行く理由になってるよね

「……けーちゃんははーちゃんのお店に行きたい?」

「うん!はーちゃんのふれんちとーすと食べたい!!」

スゴく喜んでるピョンピョン跳ねちゃってけーちゃん可愛い…

「なら明日行く?」

「いいの?はーちゃん忙しくない?」

行きたがってるのに比企谷の心配するなんて本当に良い子

「えっと…明日学校で聞いてくるから安心してけーちゃん」

「やった!!」

こ、これなら店に顔出しても変じゃないよね?

……けーちゃんごめんなさいなんか利用してるみたいでお姉ちゃん情けない…

でも私も行ってみたいから許してけーちゃん!

「はーちゃんのふれんちとーすと!!」

明日学校で話しかけられるかな…頑張れ私

 

 

 

「今日も学校疲れる」

一日の半分が終わり無事にベストプレイスにて昼飯

昨日は雪ノ下、由比ヶ浜、一色、小町が店に来て地味に疲れたんだよな…

なぜかバイト終わり家に帰ってきて小町に『お兄ちゃん!バブル崩壊しないようにね!…もし崩壊したら小町がいるから安心して!』と謎の発言をもらい

学校では雪ノ下に『…比企谷君学校では眼鏡は絶対かけない方がいいわ』とギロっと睨まれつつ注意され

由比ヶ浜には『ヒッキー!ヒッキーは学校ではそのままでね!』と意味のわからん事を言われ

一色に関しては『先輩~♪今度買い出しの時は眼鏡かけてきてくださいね?』とあざとく上目遣いで言われた。

なに?眼鏡かけてる俺って良いの?それとも駄目なの?どっちなんだよ!

全然わからねぇ…

「はぁ…とりあえず飯食うか」

今日は試しにオムライスを朝作って弁当にした。

簡単に作れるし具もあるもので詰められるしな

おっ案外冷えても旨いもんだな

「やっぱりここにいた」

んっ?誰だ俺の神域を脅かす輩は八幡神はお怒りだぞ

「ちょっといい比企谷?」ギロ

ひぃ!?川崎大明神様!?八幡神とか調子乗りましたすみません!

「お金は持ってないので許してください」

「はぁ?」

「カツアゲしに来たんじゃn」

「またふざけた事言うならぶっとばすよ」ギロ

「すみませんでした」

結局怖い…てかなんでここに川崎がいんだよ

しかもめちゃくちゃ目付き悪くなってるし…

「なんか用か川崎?」

「……」ギロ

なんで常時目付き悪い状態なの?俺がオムライス食ってたらアカンってことなの?和食派なの?

「……」ギロ

(な、なんか意識しちゃって上手く言葉が出ない///)

(頑張れ私…ただ単に店に行っていいか聞くだけ!)

「えっと…川崎さん?」

「なに?」

えぇぇこれ俺が聞かなきゃいけないやつ?

ずっと俺のターン?こんな強制的な俺のターンとか初めてなんだけど…

「もしかして奉仕部への依頼か?」

冷静に考えれば川崎が俺個人に話しかけるとなるとそれぐらいだな

まぁこの前の下駄箱の話はお姉ちゃんスキルの発動に伴った行動だろう

「えっ?」

「へっ?」

あれ違った?

「……」

「……」

なにこの沈黙は…く、空気が…

「…けーちゃんが」

けーちゃん?あぁ川崎の妹か

「フレンチトースト食べたいらしくて」

フ、フレンチトースト?えっ急に世間話?

「そ、そうか」

(これじゃ只の世間話じゃん!なにやってるの私…)

えっ?さっきまで睨んでたのに今度は落ち込んでる?

い、意味がわからん!

「えっと…」

あっ!そうえば川崎って子ども向けのデザートとか作るの苦手とか言ってた気がしたな…作るとしても里芋のにっころがしとか言ってたしな

とゆうことはあれか?作りたいけど作れないからけーちゃんのために俺のバイト先で食べさせいってこと?

…これすげーしっくりこね?あの川崎が落ち込むとか家族の事ぐらいだろうしな

やべぇ俺『超高校級の探偵』になれるんじゃないかこれ?

いっちょ弾丸論破(ダンガンロンパ)してみるか?

「もしかして俺のバイト先でけーちゃんにフレンチトースト食べさせたいのか?」

「な、なんでわかったの?」

なんか慌ててるサキサキ可愛いんですけど

「いや川崎この前バレンタインの時か?あんま菓子系作るの苦手とか言ってなかった?」

「よく覚えてたね」

「まぁなそんでけーちゃんに食べさせられないから俺のバイト先にフレンチトーストあるって知って聞いたんじゃねぇのか?」

「……あってるけどなんかそのドヤ顔腹立つ」

なんでフォローした俺が怒られてるんだよ…

「いつ来るんだ?」

「えっ?」

「妹にフレンチトースト食べさせたいんだろ?」

「い、いいの?」

「別に俺はそこの店長じゃないしな、それにけーちゃん楽しみにしてるんだろ?」

妹のために動く千葉の兄姉に悪いやつはいないからな

「…ありがと」

「別に」

「それじゃ今日お店にけーちゃんと行くから……それじゃ放課後」

「おう」

少し小走り気味に去って行く川崎

「……」

……最後はやけにしおらしいサキサキだったな

これがギャップ萌えというやつか

けーちゃんも来てくれるし今日は少し頑張るか

「………///」

(比企谷ってやっぱり優しい…放課後冷静に会えるか不安になってきたよけーちゃん……)

 

 

 

 

今日も平和でございます

いや今日も(・・・)は間違いか今日はだな…

なんだかんだ言ってなにかしら問題やら起きてるよね?

でもまぁ今日は川崎姉妹だし大丈夫だろう

「ハチ君今日はしっかり名札付けないとダメだからね!!」

「うす」

あの恥ずかしいやつは呪いの装備かよ…教会に行かせて下さい…

「今日はお友達来ないのハチ君?」

「あいつらは同級生と後輩であって友達ではないです」

「なに言ってるのハチ君!!あれは歴としたお友達だよ!!」

やめて!そんな力説しないで!聞いてるこっちが恥ずかしいから………

「勘弁してください…」

「せっかく高校生のリピーターさん出来るかなと思ったのにな~」

その歳でその発言は犯罪臭過ぎるぞ店長…

まぁ店長ってかなりイケメンだから許されるか……くそっ!イケメンずるい!

「今日は誰も来ないの??」

しつこいな店長…

「…今日は知り合いが2名程来ます」

「本当かい!?それはしっかりサービスしないとね!!」

お前は俺の親か?初めて家に彼女連れてきた時のオカンみたい反応になってるよ?

……彼女いないから妄想だけどな

「いつも通りでお願いします店長…」

「しょうがないなぁ」

あれ?この人の普通ってダメな気がするぞ?

「さておしゃべりはこれぐらいにして仕事に戻ろうか!」

「うす」

俺はキッチンに店長はレジの金銭の整理に

さてさてキッチン掃除でもするか

 

「さーちゃんここ?」

「そうだねここのお店だね」

「はやくはいろうさーちゃん!!」

「ちょ、ちょっと待ってけーちゃん」

「???」

(やっぱり目の前に来ると緊張してきた……正直けーちゃんが居なかったら絶対に来れる自信ない)

(今から比企谷の仕事姿……大丈夫そんな簡単にギャップとかにやられない、けーちゃんも居るんだからしっかりしないと!!)

「さーちゃんいこ!!」

「ふー……うん行こうかけーちゃん」

カランカラン

(へぇ…結構いい雰囲気のお店)

「いらっしゃいませ!!2名様で宜しいですか?」

「うん!!」

「け、けーちゃんすみません2名です」

「いえいえ!元気が良くて素敵なお嬢さんですね!!」

(うんこの人良い人)

「はーちゃんは?」

「はーちゃん?」

「こらけーちゃんダメでしょ?はーちゃんはお仕事してるんだから」

(けーちゃん!!そんなすぐ呼ばないで!)

「もしかして八幡君の事かい?」

「そうはーちゃん!!」

「ハチ君が言ってたお知り合いさんは君たちに事か!ちょっと待っててくれる??」

「ハチ君ーーーー!!!」

(ハ、ハチ君?)

「はーちゃんー!!」

 

なんだ?お客が来た途端店長がのび太君のドラえもんを呼ぶバリの声量でハチ君呼びしてるよ………正直うるせぇ

はーちゃんー!!

んっ?はーちゃん?もしかして

「なんですか店長?」

「ハチ君にお客さんだよ!」

「はーちゃんだ!!!」

パタパタと俺に近づき抱きついてきたけーちゃん

「けーちゃんこんにちは」

「こんにちははーちゃん!」

頭を撫でてあげるとえへへーって笑ってくれる、小さい頃の小町のみたいに天使だなこの子は…

「けいかね!はーちゃんのふれんちとーすと食べにきたの!!」

「そうか、わざわざ食べに来てくれてありがとうなけーちゃん」

けーちゃんだけだよ俺にこんな懐いてくれるのは……

「やっぱりハチ君は人気者だね!!」

店長にやにやするの止めてください

「ハチくんじゃなくてはーちゃんだよ?」

そうだねハチくんじゃなくてはーちゃんだね俺は

いや実はどっちも違うんだけどね

「そかそかはーちゃんだったね」

おい然り気無くはーちゃん呼びするな店長

「うんはーちゃんだよ!」

まぁいいかけーちゃんで和むし許す店長

「あっ!はーちゃんめがねしてる!!はーちゃんカッコイイ!!!」

初めてめがねについて純粋に褒めれてた……相手は幼女だけどな

「さーちゃん!はーちゃんめがねしてるよ!」

そうえば俺が来てからさーちゃんのリアクションがないな

「………」ぽけー

「さーちゃん?」

またかよ……俺ってそんなにおかしいのか?味方は幼女だけなの?

「川崎大丈夫か?」

「はーちゃん!さーちゃんだよ!!」

うぐっけーちゃんの前ではさーちゃん呼びしないといけないのか

「………」ぽけー

(えっ!?この人比企谷?ま、待ってこんなにも眼鏡が似合ってウェイター姿が格好いいなんて聞いてない!!……見れば見るほど似合ってて格好いい///)

「さ、さーちゃん大丈夫か?」

「は、はい!」

(い、いま私の事さ、さーちゃんって///やばい全然耐え切れてないじゃん私///)

いつもと様子が違くて対応に焦るんですけど………

「うんうん」

いや店長はなに満足げに頷いてるんですか

「とりあえず席に座って注文したらどうだ?けーちゃんも疲れてるだろうし」

「それじゃ僕が席にご案内しちゃうね!ハチ君はキッチンで準備してなよ!」

「うす、それじゃけーちゃん良い子にして待っててな」

「うん!さーちゃんと一緒にいい子で待ってる!!」

「よ、よろしく比企谷」

「さーちゃん!はーちゃんだよ!」

けーちゃんそこは強調しなくていいよ?

純粋な感情は俺達には眩しすぎる……

「…よろしくは、はーちゃん」

「…おう」

やっぱり純粋無垢には敵わないな……

 

よしそろそろ持って行くか

喜んでくれるかな??

おっ?けーちゃんはジュース飲んでのか?多分店長の事だサービスしてんだろうな…だってグラスのサイズでかいもんね………

川崎……なんでそわそわしてんの?カフェ初心者なの??

「お待たせしましたフレンチトーストでございます」

二人の前にフレンチトーストを丁寧に置く。

「わぁ!わぁ!ふれんちとーすとだ!!はーちゃんありがとう!!」

うん喜んでくれてるな作った俺としたは嬉しいことだ

「少し熱いからフーフーしてから食べるんだぞ?」ニコッ

「わかったはーちゃん!」

「……///」

(元々子どもに対してはすごく優しい笑顔向けるのは知ってたけど今やるのは反則だよ比企谷///)

(私に向けた笑顔じゃなくてもこれはさすがにドキドキするよ…///)

「さーちゃんもはーちゃんにありがとうしないとダメだよ!」

「えっ?そ、そうだねけーちゃん……は、はーちゃんありがとう///」

「お、おう」

なに?なんかサキサキがさっきから雰囲気が違うんですけど?ドッペルゲンガーなの?偽物なの?

「ふーふー」

「けーちゃんそろそろ平気だよ」

「うん!いただきます!」パク

どうかな?さすがに幼女に否定されたら生きてけないわ…

決してロリコンではないからな?

「おいしいーー!!はーちゃん!!すごくおいしい!」

おぉ…よ、良かった…何気なく一番緊張したわ…

「私もいただきます」パク

「!!」

(えっ!物凄く美味しい!ふわふわでしっかり甘みがダイレクトに伝わってくる……比企谷ってこんなに料理上手なの?)

「さーちゃんおいしいね!」

「う、うんスゴく美味しいねけーちゃん」

「そうかそれは良かった」

料理上手の川崎にもおっけー貰えてるなら安心だなうん

「ひき…は、はーちゃんがこんなに料理出来るとは思ってもなかったよ」

はーちゃん言うとき照れるのやめて?こっちが恥ずかしいから…

「まぁ一応練習したしな、それに専業主夫志望だからな」

最近料理スキルはいい調子だ、このまま主夫スキルあげようかな?

「そうだけーちゃん味に飽きたらアイス食べてお口冷やしてな」コトッ

「バニラアイス!」

うちのフレンチトーストは結構味が濃い仕様だ

そのため基本はさっぱりした飲み物と頂くのがセオリーなんだが

子どもが食べさせるとなると紅茶とかあんまり出せないから

アイスでお口直しが一番だと思う。

「えっ?アイスは頼んでないけど…」チラッ

こらこらサキサキそういったら賢いけーちゃんが気にしちゃうだろ?

しゃあない

「せっかくけーちゃん楽しみにしてきてくれたんだサービスぐらいさせてくれ」ボソッ

「ひゃい///」

えっ?俺の耳打ちそんなに嫌だったか?…結構辛い…

(ひ、比企谷が近い!///わわわっ///てかひゃいって私恥ずかしい///)

「はーちゃんありがとう!!」

けーちゃんは癒しだからサービス上等

はぁ…はやく戸塚も来てくれないかなー

てかかなりのペースで食べてるなけーちゃん

「なぁ川崎けーちゃんお昼ご飯抜いてきたのか?」

「いやそんなことないけど…凄い気に入ったんだろうねこれ」

「そうか川崎も冷める前に食べとけ俺は一旦戻るから」

「う、うん…ありがとう比企谷」

「おう」

なんだかんだ姉妹喜んでくれてるな何よりだな。

……俺仕事初めてから考え方少し変わった気がするな

まぁいいか

「それじゃけーちゃん俺仕事戻るからまた後でね」

「待ってはーちゃん!けいかとお写真とろ!」

うん?写真?

席から降り俺の横に立つけーちゃん

「けーちゃんはーちゃんはお仕事中なんだよ?」

「…だめ?」

「すぐ終わるしいいぞ」

「大丈夫?」

「おう」

「そ、それじゃ」

川崎が携帯を取り出し

「撮るよーハイチーズ」パシャ

「さーちゃんみしてみして!」

小町といい女子は何歳になっても写真撮りたいもんなんだな

「…やった」ボソッ

「どうしたのさーちゃん?」

「い、いやなんでもないよ!」

「そうかそれじゃ」

「じゃあねはーちゃん!!」

 

 

「……」

(終始比企谷が格好良かった……小町の言う通りこれは実際に見た方が衝撃が大きい)

(でも他のやつらも見てるって事だよね?比企谷は相変わらず自信ないから似合ってるって言っても信じないだろうし言われてもないだろうな…)

「さーちゃん」

(だって面と向かって褒められないよ///対面した人にしかわからない比企谷の良さが+されてなおかつイケメンになってるんだから!!)

「さーちゃん!!」

「ど、どうしたのけーちゃん?」

「せんぎょうしゅふってなにー?」

「……えっ?」

「はーちゃんさっき言ってた!」

(…確かに言ってたけど…なんて説明すれば)

「うーんと……はーちゃんは結婚したらお家で料理作ったりお洗濯したりして家族に一番にいってらっしゃいとただいまを言いたいんだよ」

(これならわかるかな?)

「ならけいかはーちゃんと結婚する!」

「えっ?」

「そしたらはーちゃんのふれんちとーすと食べられるもん!」

「そうかもしれないねけーちゃん」

(そ、そうゆうことか…なに焦ってるの私)

「でもまだけーちゃんは大人になってないから結婚出来ないからまだ我慢しないとね」

「えぇー…あっ!」

「うん?」

「さーちゃんとはーちゃんが結婚して!」

「……えぇぇぇぇ!?な、なに言ってるのけーちゃん!?」

「さーちゃんも結婚出来ないの…?」

「い、いやお姉ちゃんは結婚出来る歳だけど…け、結婚って言うのはね好きな人同士がするものなんだよ?」

「けいかさーちゃんもはーちゃんも大好きだよ?」

「えっとねお姉ちゃんとはーちゃんがお互いに好きじゃないとだめなんだよけーちゃん?」

「わかった!ならはーちゃんがさーちゃんと結婚出来るか聞いてくるね!」

「えっ」

「はーちゃんーー!!」

「ま、まってけーちゃんーー!?」

(写真の時はナイスアシストだけどこれはまずいよけーちゃん!!)




初けーちゃん登場ですね!
純粋無垢ってのはなかなか恐ろしい-w


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ボッチバイト始めました⑪

やっはろーでございます!
ヒロイン出すのって大変-w

私事ではありますがお気に入り900越え
そして総合評価1000ポイント越え達成しました!
だからなんだよって話ですけどね-w
皆さん読んでいただきありがとうございます!


今日は水曜日

なんと店が定休日なので八幡お休みでございます!!

いやー休みって素晴らしい!まじフリーダム!

先週は修行もあって店に顔だして師匠とひたすら料理してたな…

しかし今週に関してはしっかり休みを頂けたぜ!!

ってことで家に帰ろうと思ったんだが……

「なんで今日は部活あんだよ…」

そう今日は部活をやるらしい…一昨日休みにしてたじゃん!

今日も休みにしようぜゆきのん!

って目で訴えかけたが『どうしたのかしら?腐った目がこっち向いてるのだけどやめてくれるかしら?』

いつもの~かしら?の罵倒を受けて終わりましたハイ…

とりあえず自販機でマッ缶買っていくか

そういえば昨日のことだがけーちゃんが言いかけてた内容ってなんだったんだろうな…

川崎が必死に『なんでもないから比企谷!けーちゃんもお仕事の邪魔しちゃだめだからね!!』ってめずらしくけーちゃんの口元を押さえるようにして止めてたよ

けーちゃんはけーちゃんで『聞いちゃダメなのさーちゃん??ふれんちとーすと食べれなくなちゃうよ?』

って食べ途中のフレンチトーストが食べれなくなるとか言ってたし…よくわからんな

ピッ ガコン ピピピ

777

んっ?おっ?もしかして当たるか?

こい!こい!こい!こい!

7777

キターー!!!

こい!!こい!!言ったおかげで全世界の人が力を貸してくれたに違いない。

あっおれボッチだった…電脳世界でも友達がいないまででもある。

「さてどうするか……」

せっかく当たったんだ…うーんやっぱりマッ缶か?

いやさすがにマッ缶連続はまずいか?なにがまずいかわからんけど

いや俺はマッ缶を愛しているんだ

よしマッ缶に君に決めた!!

「小町は午後ティーに決めた!」

ピッ ガコン

「……小町さんなぜ押したのですか?」

「お兄ちゃんが決めるの迷ってると思って小町が決めました」

最初のポケモンを勝手に決められた気分だ…なんか悔しい!

まぁ小町だから良いか

「しょうがない優しい兄は小町に午後ティーをあげよう」

「さすがお兄ちゃん!小町的にポイント高いよ!」

てかあげる以外の選択肢ないよねこれ

「それじゃお兄ちゃん一緒に部室行こ!」

「はいはい」

これ結局運を小町に取れた感じだな……なんか運が尽きた気がして嫌な感じがするな

そう不安を抱えつつ小町に引っ張られ一緒に部室へ向かう

 

 

 

相変わらず俺のポジションは変わらない。

「ねぇねぇゆきのん、小町ちゃん」

「どうしました結衣さん?」

「なにかしら由比ヶ浜さん?」

たとえ久しぶりの部活参加だとしても空気である。

本を読みマッ缶を楽しむ……俺やっぱりいらなくね?

「小町ちゃん猫飼ってるじゃん?」

「はい!比企谷家のアイドルカマクラですね!」

カマクラってアイドルになってたの?擬人化でもしたの?

「由比ヶ浜さん猫に興味があるの?」

雪ノ下さん反応し過ぎですよ?嬉しいのはわかるけども…

「うーん猫も好きだけど犬の方が好きかな!」

「そう…」

おいどんだけ悲しいんだよ…猫好きすぎだろゆきのん…

「結衣さんもペット飼ってましたよね?」

「うん!サブレだよ!」

一般の人にサブレだよ!とか言ってもビスケットのやつししか思い付かないからね由比ヶ浜

まぁあっちは鳩サブレーで語尾が伸びるんだけどね。

「サブレになにかあったんですか??」

「小町ちゃんは旅行から帰ってきたりしてもカマクラは覚えてくれてる?」

「そうですね…多分忘れられた事はないと思います!」

「やっぱりそうだよね~」

「由比ヶ浜さんのペットは飼い主の由比ヶ浜さんの事を忘れてしまうの?」

「そうなんだよゆきのん!ひどいよね!いつも散歩とかしてあげてるのに!」

あれだなペットは飼い主に似るって言うしな

サブレもアホな子なんだろうな

でも俺の事は覚えてるんだがなぜだ?

「お兄ちゃんはカマクラに忘れられた事あったっけ?」

「ねぇな、てか俺は長期で家を空けた事がねぇ」

「確かにお兄ちゃん旅行とかも全然行きたがらないしね」

ふっふっふっボッチマスターは基本インドアなのだ

別に寂しくないから家にはカマクラ居てくれるしな

まぁそんな構ってくれねぇけど

「相変わらず引きこもり谷君なのね」

「良いんだよ俺は家が大好きなのアイラブマイホームなんだよ」

これで家に戸塚でもいたら完璧なんだが…

戸塚とシェアハウスとか天国かよ

「でも最近ヒッキーバイト行ってるから引きこもりではなくなったね!」

八幡は引きこもりボッチから社畜ボッチにジョブチェンジした!!

全然嬉しくねぇ

「バイトしないで家にいた方が気楽だっての…辞めようかなバイト」

てかいつまでバイト続けるか決めてなかったしな

あの店長の流れに乗ったら一生あそこで働くことになりそうだ

「ダメだよお兄ちゃん」「それには反対ね」「絶対ヒッキー辞めちゃダメ!」

えっ?な、なにこの息の合った阻止は…

俺をそんなに働かせたいのかよ……勘弁してくれよ…

「なんでだよ…そこは俺の勝手だろ」

「せっかくお兄ちゃんが仕事始めて真人間に近づいてるのに辞めるなんてダメだよ!」

(仕事姿のお兄ちゃんを見たら皆お兄ちゃんを見る目が変わるチャンス!!これを小町は逃さないよお兄ちゃん!!自慢のお兄ちゃんとして頑張ってもらわないと!!)

「そうね社会不適合者な比企谷君がやっと社会に溶け込もうとしてるのに辞めてしまうなんてまた逆戻りよ?」

(あの姿を見ることが出来なくなるのは寂しいわ……正直通って見に行きたいぐらいなのに///)

「そうだよヒッキー!!ヒッキーはバイトして社会に貢献しないと!!」

(ヒッキーがモテるのは嫌なんだけど……でもお仕事ヒッキー見れなくなるのも嫌だもん///)

おふっバイトしてない俺ってどんだけ評価低いのよ…

てか由比ヶ浜の社会に貢献ってなんだよボランティアか俺は…

「はぁ……そんなすぐ辞めねぇよせっかく料理覚えたのにもったいねぇしな」

「絶対だよお兄ちゃん!!」

「約束だよヒッキー!!」

「わかったよ」

はぁ……これ勝手に辞めたらやばそうだな…とりあえずは続けよ

とりあえず重圧から逃げるためにマッ缶を………あれ?もうマッ缶飲み終わったのか俺

スッ コト

「どうぞ」

「…おう」

あれ?さっきまで話してたよね?どんだけ反応良いんだよゆきのんセンサー

そして席に戻る、メイド顔負けの奉仕力だな…さすが奉仕部部長

しかしまぁ店長に負けず劣らずの紅茶の腕前だな

「旨いな」ぼそっ

「貴方に褒められてもあまり嬉しくないのだけれど……でもしょうがないから素直に受け取っておくわ」

えっ?今の聞こえての?恥ずかし!いやてかどんだけ耳良いんだよ…

「………」ジー

由比ヶ浜さん?なんで紅茶を凝視してるんですか?そしてなぜ少しムッとなってるんですか?

「私も紅茶いれてみようかな?」

「それはやめとけ何が起こるかわからん」

「私のこと何だと思ってるのさヒッキー!!」

「お兄ちゃんさすがに紅茶で何か起こることはないよ…」

(結衣さんの嫉妬ってわかりやすい………小町も少し紅茶の勉強でもしてみようかな?)

「由比ヶ浜さんもし良かったら教えましょうか?」

「いいのゆきのん?」

「ええ」

「ありがとゆきのん!!」ダキッ

「由比ヶ浜さん抱きつくのは///」

「雪乃さん小町も教えてもらっても良いですか?」

「全然構わないわ」

「ありがとうございます雪乃さん!!」ダキッ

「こ、小町さんまで///」

うん平和、相変わらずの百合ユリさん

なんだかんだで平和に部活が終わりそうだな

いやー何が嫌な感じがするだよ、中二病こじらせすぎたな八幡

さてさて俺は仕切り直して本でも読むかな

 

………別にこれフラグじゃないよね?思った時にはもう既にとかじゃないよね?

やべぇなんか背筋が寒くなってきたんだけど…か、帰ろうかな?

そうと決まれば奥義『仮病』でここを去ろう

少しバイトの連続で疲れが溜まってだるくなったって事にしていこう

よし言い訳もバッチリだ!先生が来る前に退散だ!!

ガラガラ

ノックのなくドアが開いた……完全に平塚先生じゃん…逃げきれなかったかっ

なにか問題でも持ち込んで来たのか?

「ノックをしてから開けてください…って姉さん?」

えっ?姉さん?……まじ?

「ひゃはろー雪乃ちゃん!!皆もひゃはろー!!」

魔王降臨キマシターーーー完全に逃げ遅れた………もう後の祭り…アフターカーニバルなんですけど

「陽乃さんこんにちはです!」

「やっはろーです!!」

二人とも順応性高過ぎ

「なんでここにいるのかしら姉さん?」

「めぐりと出掛けてたんだけど私もめぐりも学校に用があるって事でここに来たの」

完全に嫌な予感当たってた…主人公みたいにフラグ回収しちゃったよ…。くそっ俺も頭にあるフラッグが見えれば回避出来たのに!!

「まぁ奉仕部に来たのはほんのついでなんだけどね……」チラッ

タゲられた気がします……に、逃げたい…

「…なんすか雪ノ下さん」

「うーん?比企谷君元気ないね?お姉さんに会えて嬉しくないのかな?」

はい胃がキリキリするので帰って下さい……

「特には」

「相変わらず冷たいね比企谷君は」

「すみません」

「そんな比企谷君に世間話でもしようかな」

「はい?世間話?」

「うーん実はさっきねデスティニーランドの本を貸しにいったんだよ私」

唐突になんだ?デスティニーランドの本?なぜ俺に?………ま、まさかね……

「そうですかそれがなにか?」

「「???」」

ほら小町と由比ヶ浜は何?みたいになってますよ?

はやくこの話題やめましょはるのん様…

「スゴくそわそわしながら『行く機会があるかもしれないしな!べ、別になんもないぞ?』って言ってたよ?」

八幡なんも知らない……

「誰かわからないですけどデスティニーランドに行きたいんでしょうね」

とりあえず反応してから話題を変えて逃げよう

「ほんとしず(・・)ちゃんにしてはめずらしいよね!」

この人俺の逃げ道を塞いで来やがった!?てか平塚先生なんで魔王に力借りちゃったんですか!魔王軍なんですか?

「平塚先生の話だったんですかいい相手でも見つかったんですかね?」

「そうかもしれないね~」

「??」

あれ?追求してこない?なんでだ?

「世間話終わり!それじゃ帰るね!!」

撤退が早いな?

「なにがしたいの姉さん?」

「うん?なんでもないよ雪乃ちゃん!!それじゃまたね~~」ニヤッ

……なんだ最後の笑みは……スゴく怖いのだけれど

「なにしに来たんですかね陽乃さん?」

「うーんなんだろうね?」

「比企谷君平塚先生と何かあったのかしら?」ギロッ

「なんでそうなるんだよ」

あの人はほんと爆弾置いて行くの好きね?ボンバーマンなの?

「あの姉さんがわざわざその話をするために来たのよ?」

「さすがに考え過ぎだ雪ノ下」

はぁめんどくせぇ……言い訳考えないと

「でも珍しいよね?」

「なにがですか結衣さん?」

「陽乃さんっていつもは先生の事静ちゃんって言うからめずらしいなぁって」

「確かにそうね」

「……」

あれ?なんかこれやらかした感じがするのはきのせい?

 

 

 

「比企谷君しずちゃんって聞いてもすぐに静ちゃんって理解してたね~」

ピッ ガコン

「比企谷君があそこでバイトしてるのは確実かな?しずちゃん呼びなんて滅多にいないしね!」

7777

「あっ!当たり!!めぐりにあげようかな」

ピッ ガコン

「雪乃ちゃんもいじわるだな~比企谷君がバイトなんて面白い話隠すなんて♪」

「今度遊びに行かないと!!!」

はるさん~探しましたよ~

(お姉さんにもサービスしてもらわないとね比企谷君♪)

 

 




魔王降臨


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ボッチバイト始めました⑫

やっはろーでございます!!
最近創作意欲を高めるために『春擬き』を聞きながら書いていますw

仕事もあるので投稿期間にムラがあることはお許し下さい!!

それではお楽しみください!!



今日は土曜日世間の人達は家族と過ごしたり各々好きな事に費やす休日。

まぁそうやって休日を楽しむ人もいれば逆も然り

その顧客を楽しませる為に働いてる人達もいる。

「……暇だ」

ハチ君こと比企谷八幡は今日は午後シフトて働いております。

顧客を楽しませる為に体に鞭を打ち仕事に励んでいます。

……俺やっぱり社畜向きなのかもしれない

そんなくだらない事を考えてしまう程、店は暇で穏やかだ。

うち『Repose』は土日は割りと暇な時間が多い

朝、昼、夜と明確にピークのある時間は良いが、夕方など中途半端な時間は一人で店を回せるぐらい暇だ。

やはり土日は大型ショッピングモールなどに足を運ぶ人が多いし、イベント事なども土日祝日にやるのが常だ。

船橋にはららぽーとあるしIKEAあるし勝ち目ゼロ………

そんなこんなでコップを拭いていたら17時過ぎ頃になっているよ八幡驚き

「いつになったら店長戻ってくんだよ………」

なぜこんな事を愚痴っているかとかと言うと

突然店長が『ハチ君!!僕は今から例の物を取りに行ってくるよ!!』と俺が制止をかける前に颯爽と店を出て行ってしまったのだ…だからなんだよ例のって!!気になってしょうがないわ!!

そうして店長の帰りを待ち二時間が過ぎた

「やることがなさ過ぎてコップピカピカだよ…」

二時間一人だがお客も来ず頭の中で自問自答を繰り返していた。

現在八幡ニュースでピックアップされているのが『襲来魔王はるのん』について

水曜日突如現れた雪ノ下さんは俺に対してなぜか平塚先生の話をして帰っていったのだ

気になるのは最後のニヤけ顔だ……あれは完全に獲物を見つけたはるのんだったよ…

だから今週は少し警戒をしていたが特に何も起きなかった

可能性として考えていたバイト先での遭遇もない平和そのものだ……嵐の前の静けさってやつなのか?

「はぁ……憂鬱だ」

嫌な可能性を考えていると自然とため息が出てしまうのは人間の性だろう

しかし暇な時間があると自然と浮かんできてしまいル-プしてしまう…だからと言って忙しいのも勘弁だ

そろそろコップ拭き以外で暇潰すかな

プルルル プルルル

「電話か……さすがに出ないとまずいか」

ガチャ

「お待たせしました『Repose』です」

『あっ!ハチ君!!僕だよ僕!!』

最近流行の僕僕詐欺かな?千葉県警に連絡しようかしら

まぁ俺の事ハチ君呼びするのは一人しかいないがな

「…店長どうしたんですか?」

『いやー店任せてごめんね!!実は雨が降ってきたからもう少し帰り遅くなるって言いたくてね!!』

雨?おっほんとだ降ってるじゃん全然気がつかんかった

「わかりました」

『ごめんね!!後傘立て外に出しておいてもらっても良いかな?』

「はい」

『さすがハチ君助かるよ!!!雨が止んだら帰るからそれまでよろしく!!』

「はい」

『それじゃ何かあったら携帯に電話してね!!それじゃ!!』

プー プー ガチャ

「面倒くさいが傘立て出すか」

雨止んだら帰るっていつだよ…それまで一人か

考え事して忘れてたが夕方頃雨降るって言ってたな…はやく止んでくれ

ザァーーー

って本格的に降ってきてるじゃんか急いで出さねぇと

傘立てもって扉開けてっと…

カランカラン ガタ

「きゃ」

「うぉ」

なんだ?女性の声?ドアの前に立っていたのか?開けるときにぶつかったのか…雨宿り?

いや考える前に謝らねぇとまずいな、客なら尚更だ。

落ち着け八幡、ここはしっかり丁寧に謝罪をすればオッケーだ

まず女性の顔を見て誠意を伝えなければ

「申し訳ございません、お怪我はありませんか……って三浦?」

「えっ?………その声ヒキオ??」

な、なんで女王あーしさんがこんなとこにいらっしゃるんですか!?いやいやさすがの八幡も驚きよ!!

最近知り合いとの遭遇率高くない?そういう年なの?

てかこいつ傘持ってなかったのか?かなり雨で濡れてるな

さすがに四月でも雨に濡れたままだと寒くて風邪引くぐらいには冷えてしまう。

「……あんたほんとにヒキオなの?」

なに?もう毎回聞かないと気が済まないの?もう打ち合わせしてるレベルだろこれ…

「もし俺にそっくりなやつが居るなら見てみたいなそして俺の代わりに働いて欲しいわ」

「そのひねくれた感じヒキオっぽい」

ぽいって言うか本物なんですけどね?なに俺のドッペルゲンガーそんなに存在してんの?

俺見たら確か死んじゃうじゃなかったか?こりゃ家から出ない方がいいなうん

てかなんでここに三浦が居るわけ?意味がわからん

ザァーーーーー

「くしゅん」

「………」

はぁ…            

カランカラン スッ

「そこ邪魔になるからとりあえず店の中入れ三浦」

「ヒキオのくせにあーしに命令すんなし…てかヒキオここで働いてんの?」

「そうだよ、傘立ても置きたいからどいてくれそして店に入れ」

「だから命令すんなし!」

相変わらず休日でも女王様だな……でも少し様子が変な気がする

カランカラン バタン

「とりあえずカウンター席に座ってくれ」

「………うん」

俺に対して強気な態度は相変わらずだかやけに素直だな

トップカーストの三浦らしくないな

まぁとりあえず店の前で放置するのは店の評判に関わる事だからしゃあない

消して捨てられた犬に見えたとかそんなんじゃありません

三浦はどちらかと言うとライオンだしな、道端にライオンいたら皆逃げるな普通。

「ほらタオル、好きに使ってくれて構わない、安心しろそれは店の備品だから俺のとかではない」

「別にヒキオが使ってても気にしないし…ありがとう」

なんか調子狂うな…ほんと今日はちょっと獰猛な小型犬って感じだな

「…」

とりあえずどうしようか……厄介事持ち込んだ気分だ

んっ?……こいつよく見たら目赤くないか?

雨で濡れたせいでわかりずらいけどもしかして泣いた後?

三浦が泣くとか何かあったか大体想像ついてしまうのが嫌だな

でもそうとは限らねぇしな……はぁ

コト スッ

「なに?」

「ホットミルクだ」

「いや見ればわかるし、あーし注文してないけど?」

「いいから飲め」

「はっ?」

「甘めに作ってあるから飲みやすい筈だ」

「ちょっとヒキオ」

「少し席を外す、雨用のマットを入り口に置きにいくから」

「あっ……」

雨に濡れて寒そうにしてて+どんよりした雰囲気で席に座られても他のお客さんが入ってきた時困る

『あの店員さん接客してないの?なんもしてないわよね?』とか言われたくないし

そう困るから少しサービスしただけ、クレーマーさんと会いたくないだけ

これは俺のためであり決して三浦のためではない

よし傘立てとマット設置完了 チラッ

「……これ美味しい」ボソッ

やっと飲んだか罪悪感なのか警戒心なのか

まぁ十中八九警戒心だろう…知り合いでも急に飲めとか普通怖いしな

昼ドラとかならこの毒が原因で……そんなバレバレな細工する犯人はいないか

まぁとりあえずカウンターに戻るかな

「どうだ味は」

「…まぁまぁ」

「さいですか」

とりあえず満足してくれたってことにしとくか

「…ねぇヒキオ」

「なんだ?」

「いつからここでバイトしてんの?」

「少し前から」

「ふぅん…」

「……」

「……」

またコップふきふきするかな

三浦は無言で飲み始めたしな 

「…ねぇ」

「なんでしょうか」

「なんで何も聞かないの?」

「特に聞くことないからな、三浦はたまたまうちの店の前で雨宿りしてただけだろ?」

「まぁそうだけど……おかしいと思わないの?」

「別に?店の前にお客さんが入るのは当たり前のことだろ」

「お客さん……」

「そうだ」

「……」

「……」

また無言か…まぁ雨が止んだら帰るだろう

それまでは店で休んでもらえばいい

一応今は同級生とかじゃなくてお客さんと店員だからな

「ヒキオ今暇?」

「お客は三浦しかいないしまぁ暇だな」

「…あーし今日さ」

んっ?暇だから話し相手しろってことか?

まぁ俺はふきふきしながら聞くだけだ

「実はさっきまで隼人と出掛けてた」

はぁ…やっぱり葉山関連かよ

「そうか」

「うん……それで告白してフラれた」

前ふりもなく初っぱな最終局面……あーしさん展開はやいよ…

「そうか」

「…驚かないの?」

「何に対してだ?」

「あーしが隼人に告白してフラれたこと」

「いや特には」

誰が見ても三浦が葉山の事好きなのは分かりきってたことだしな

まぁなんで今のタイミングなのかはわからないが

「それってフラれるってわかってたって言ってんの?」

「そこまで言ってねぇだろ……ただ」

「ただ?」

「葉山の事だ『今は誰とも付き合わない』って言いそうだなって思っただけだ」

「なにそれ隼人の真似?ヒキオキモい」

真似するんじゃなかった……

「でもちょっと違った」

「えっ?」

「あーしには『優美子とは付き合えない』って言われたし」

「似てねぇな」

「うるさい」

あえて名指しで断ったのか葉山は…

しかし裏を返せば三浦に対しては『皆の葉山隼人』ではなく『友人の葉山隼人』として答えを出したとも言える。

三浦が葉山に対して本気なのも分かっていたが

高校のうちは告白しないと思っていたが…

「ヒキオなんで今のタイミングでって思ってるでしょ」

「……なんでわかったんだよ」

「なんとなく」

お、女の勘恐るべし

「実は他校の女の子に告白されてるの見ちゃって」

さすがリア充の化身葉山さんだな

「その子がフラれたのは知ってたんだけど、もう高校3年だから隼人のファン?の皆が告白し始めて」

皆で渡れば怖くないってやつか?リア充の考えることはわからん

「なんかそれ見てて我慢出来なくなっちゃって」

そこは三浦らしいなズバッてしてるもんな切っ掛けさえあればいつでもって感じだったしな

「まぁ結果見事に玉砕したんだけどねあーし」

…別に他人がどうなろうと関係ない

今までそうだったしこれからもその筈だ

信頼するから後悔する

信じるから裏切られる

そんなの理解してるから他人に入り込む事はしない

それがボッチだろ?

三浦が葉山にフラれた事実は変わらない

三浦が自身の意思で本気で葉山に告白したのだ

今後諦めずそのまま好きでいるかいないかは三浦が決めることだ

俺に出来ることなんてなんもないし三浦に意見する気も毛頭ない

…ただうちの店でそんな無理やり笑う姿で居られるのが俺は嫌なだけだ

「ちょっと席外す、多分他のお客来ないからのんびりしててくれ」

「ヒキオ?」

そうただそれだけだ。

 

「またどっか行っちゃったし」

(はぁ…あーし隼人にフラれちゃったのか…辛いな)

(隼人から逃げるように移動して雨が降ってきて気付いたらここの店の前で雨宿りしてた)

(でもまさかここの店にヒキオがいるって思ってもみなかったし)

チラッ

(このホットミルクもヒキオが出してくれてタオルも貸してくれた……案外優しいやつなんだねヒキオって)

(なんか落ち着いてきた…冷静に考えたらヒキオに凄く迷惑かけてるし傘借りて帰ろうかな…)

(あっ戻ってきた、あれなにかいい匂い?)

「お待たせしましたフレンチトーストでございます」

「……えっ?」

(フレンチトースト?すごく美味しそう…これヒキオが?)

「実はキッチンも担当しててな、だがまだ新人だから味に不安がある」

「う、うん」

「だから金はいいから味見手伝ってくれ三浦」

「……いいの?」

「むしろ俺がお願いしてる立場だ気にするな」

(さすがのあーしでもこれは嘘だってわかる…)

(ヒキオはあーしを元気付けるために作ってくれた?)

「わかった、それじゃ頂きます」

パクっ モグモグ

(なにこれ…物凄く美味しい)

「……」チラッ

「どうだ?」

「…美味しい」

「そりゃどうも」

(これ味見なんて必要ない…やっぱりあーしに…)

「……」ジー

(ヒキオの事全然気にかけた事なかったけど、なんか結衣が好きになるのも少し分かった気がする)

「なんだ?やっぱり不味かったか?」

「な、なんでもないし!」

(しかも冷静にヒキオのこと見ると眼鏡かけたヒキオってかなりイケメンだよね…)

「……」ぽけー

なんだ?まぁ少し調子戻った感じか?よくわからん…

「冷めるぞ三浦」

「わ、わかってるし!///」

モグモグ モグモグ モグモグ

急に淡々と食べ始めたよあーしさん

フレンチトースト好きだったのか?

「ごちそうさまでした」

「おう」

「………」

「………」

「…三浦」

「なにヒキオ?」

「まぁそのなんだ…俺が言うのも変だが、葉山は三浦だったから他のやつらと違ってしっかり答えてくれたんだと思う」

「…他と違って?」

「他の関係ないやつなら当たり障りなく断るようなやつだからな」

「…………」

「だから………葉山にとって三浦は他と違って特別だったってことだ」

「なにあーしの事慰めてるつもり?」

「別にそんなんじゃねえよ」

「ふーん…特別か、でもあーしフラれたんだけどヒキオ?」

「俺に文句言うな特別ってわかっただけラッキーって思っておけ」

「ヒキオのくせに生意気」

「そら悪かったな」

「でも…」

「?」

「ヒキオのおかげで少し前に進めそう、ありがとヒキオ」ニコッ

「……」

普段怖いと思う人の笑顔がこんなにもギャップ萌えすると思ってもみなかった…俺じゃなきゃ惚れてたな

ふう危うく心持っていかれるところだったぜ……

「あーしそろそろ帰ろうかな」

「そうか」

「お会計は…」

「今回は味見に手伝ってもらったからいい」

「ならお言葉に甘えることにする」

「おう」

カランカラン スッ

「…雨止んでる」

「良かったな」

「うん」

「気を付けて帰れよ」

「子供じゃないんだから平気だし」

「さいですか」

「…………」

「…………」

「……ヒキオ色々ありがとね!!それじゃ!!」

タッタッタッ

「…おう」

カランカラン バタン

 

「ふう……柄にもないことするもんじゃねえな…めちゃくちゃ疲れた」

次三浦に会うときどんな顔して会えば良いかわからん………今更恥ずかしくなってきた

最近俺自滅してる事多い気がするな……とりあえず片付けして忘れよう

んっ?なんかキッチン辺りから視線を感じる………

「………」ニヤニヤ

「………」

「いやー青春だねハチ君!」

なんでお前がいるんだよこのアホ店長!!!!!

「て、店長いつからそこに」

「気にしなくて良いんだよハチ君!!さぁ仕事を再開しようか!!!」

「………」

うぉおおおおおおおめちゃくちゃ恥ずかしいんですけどおおおおおおおお

もういきてけねえぇぇぇぇぇぇ!!!!

 

 

「またフレンチトースト食べに行っても良いかな……」

なんか次ヒキオに会うの恥ずかしい……

「気にしたら負けだし!!明日からまた頑張れあーし!!」

 




いやーあーしさんっていいヒロインですよね!!
サキサキも好きですけどあーしさんも好きですw

徐々に出すキャラが増えていくと楽しいですっw


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ボッチバイト始めました⑬

やっはろーでございます!!

いやーお気に入り1000人越えました!!
まさかここまで来るとは思ってもみなかったです…
正直びびってます-w
これからもよろしくお願いいたします!


占い

それは結果的に信じるか信じないかは貴方次第ってやつだ。

いい結果が出れば信じればいい

悪い結果が出れば信じず過ごせばいい

簡単な事だ。

ラッキーポイントも同じだ

いい結果が出たときより良いことがあればそのおかげと占いの信憑性よりを感じ

悪い結果が出た時良いことがあればラッキーポイントのおかげ?と頭にちらつく。

見事に占いというシステムに人は踊らされる。

そうすると自然と朝毎日占いを見て1日の始まりを迎えて、占い信者の出来上がりだ。

俺は決してそんなシステムに惑わされたりしない

なぜなら俺はボッチだから他人の意見など気にしないからだ

 

 

「お兄ちゃん占いの結果が12位だったからってそんなムスッてしないの!運転が少し荒いよお兄ちゃん!」

「うるせぇてか占い関係ねぇし」

別に占いの結果が12位だったとか関係ない

お兄ちゃんはなんとなくムスッとしてるだけ

「小町は1位だったけどね!小町的にポイント高い!」

なんで獅子座のお兄ちゃんと魚座の小町ちゃんでこんなに差が……

ライオンと魚だよ?食物連鎖ならライオン勝っちゃうよ?

「獅子座だって良いことあんだよ」

「ふふん今日は魚座dayだよお兄ちゃん!」

なんだよ魚座dayって魚祭りみたいなもんか?

「でもお兄ちゃんの占いの内容結構ひどかったよね?」

「おい人が気にしてることズバッと言うな小町」

そうなぜか今日の占いは内容がひどかった。

 

『本日獅子座の方は12位!』

『残念ながら不運な1日になりそう……

特に身近な人とのトラブルに巻き込まれる可能性大!

その運命からは逃れられないよ!絶対!!逃げても無駄!!』

『そんな貴方のラッキーポイントは『タフな精神と諦めの精神』だよ!!』

いやいやいやツッコミ所多すぎて思わずテレビにおいって言っちゃったよ八幡。

まずトラブル巻き込まれる可能性大って言ってんのに

後半は確定事項みたいな扱いになってるよ?おかしくない?確定演出なの?

なんだよ逃げても無駄って…逃亡中の犯罪者か

それにラッキーポイントってもっと明るい感じのやつじゃないの?

『タフな精神と諦めの精神』っておかしいじゃん…

なに諭してんの?もう運命受け止めちゃいなよyouみたいな?

「大丈夫だよお兄ちゃん!1位の小町が少し運分けてあげる!あっこれ小町的にポイント高い!」ぎゅ

なに?物理的に受け渡し可能なの?

最近2人乗りの時抱きついてくるの多くなったな小町ちゃんや

やっぱり寂しいのか?…いやまさかね

「そりゃ小町に感謝しなきゃならんな、お礼に俺の不運をやろう」

「恩を仇で返すとかひどいよお兄ちゃん!!」

「ほらそろそろ着くぞ」

「はーい」

 

そんなやりとりをしつつ学校付近に着き、いつも通り小町と別れ登校。

小町の学校生活はどうなんだと心配になるが、小町はコミュ力高いのでクラスに馴染めてるらしい

俺と違ってハイブリッドな存在だから当たり前か

ぼやーっとそんなことを考えつつ席に着く。

「八幡おはよー!」

そして俺の人生の楽しみ戸塚タイムだ!

「おはよう戸塚」

相変わらず天使…もう戸塚と付き合うでハッピーエンドだろこれ

「八幡今日もバイト?」

「そうだ」

「僕は部活!お互い放課後忙しいね?」

「そうだな、部活はどうだ?」

「うん!皆元気に部活やってくれてるよ!僕も精一杯頑張ってる!」

なんでだろう

戸塚が拳を握っても可愛くしか見えないのは

なんでだろう

「そうかそれは何よりだ」

「えへへ」

褒められて喜ぶ戸塚まじ可愛い

こんな平和な時間がずっと続けばいいのに……

「ヒキオ」

「…なんだ三浦」

はいラブ&ピースタイム終了

てかなんで女王あーしさんがボッチの所へ?

スッ

「なんだこの紙袋?」

「タオル」

あっそうえばタオルそのまま持って帰ってたな

洗濯して持ってきたのか律儀なやつだな

いやでもわざわざ今渡さなくても……

げっ今来た雪ノ下と由比ヶ浜がめちゃこっち見てるんですけど…

とりあえずすぐ終わらせれば良いだけだ

「そうか」

「??」

戸塚からしてもこの図は謎の組み合わせだよね?

思わず首かしげちゃうよね

「…ヒキオ携帯貸して」

「はっ?」

「いいから」ギロ

「は、はい」スッ

な、なんだよ急に怖いわ!あれかやっぱりウザいから携帯壊すとかあれか?

「…はいそんじゃ」スッ

「お、おう」

えっ?なにしたの?ウイルスでもいれたの?

「なんか三浦さん様子変だったね?」

「そうか?いやまぁ行動は変だったかもな」

「三浦さんから何貰ったの八幡」

「貰ったんじゃなくて返してもらったんだ戸塚」

「うん?」

「店に三浦が来てなそんときに貸したもんだ」

「そうだったんだ!いいなぁ三浦さん八幡のバイト先に行ってるなんて…」

むすっとつか頂きました!このまま写メ録りたい…んっ?

「……なんで三浦の連絡先はいってんだ?」

「さっき三浦さんが登録したんじゃないの八幡?」

さっきのあれってそうゆうことなの?

リア充のする行動は良くわからん…

「あっ雪ノ下さんおはよう!」

「おはよう戸塚君」

「うす」

「あら学校に来てたの?」

「なに勝手に不登校扱いしてんだよ」

相変わらず挨拶が挨拶じゃねぇ

「めずらしく由比ヶ浜さんが来ないね?」

「確かに」

いつもならゆきのーん!!って追尾ロケットのように飛んでくるんだがな

 

『ね、ねぇ優美子ヒッキーに何渡してたの?』

『借り物だけど?』

『めずらしいね優美子がヒキタニくんと話すなんて!なになに何があったの??』

『な、なんもないし!姫菜うるさいし!』

『ごめんごめん!話変わるけど二人とも今日放課後予定空いてる??行きたい所があってね!!…腐腐腐腐』

『『…』』 

 

由比ヶ浜と三浦と海老名さんで話してますね

腐腐腐腐って聞こえたのは気のせいだねうん

「三浦さん達とお話してたんだね!」

「そうだな、由比ヶ浜が来ると騒がしくなるからありがたい」

「ボッチの比企谷君が周りを気にするなんてどういう心境かしら?」

「別に静かな学校生活を送りたいだけだ」

まぁ戸塚は騒がしくてもウェルカムだけどな

ガラガラ

「そろそろチャイムなるぞー」

「僕席に戻るね!それじゃまたあとで八幡!雪ノ下さんも!」

「おう」

「ええ」

さてさて今日も学生やりまs

「比企谷君」

あれ?ここ普通は流れが終わるところでしょ?違うの?

「なんだよ」

「さっき三浦さんから何を貰っていたのかしら?」

くそっ違った!?流れは切れてなかったやつ…

「別に貸した物を返してもらっただけだ」

「比企谷君が三浦さんに貸した物?」

そんな疑うような目で見ないで下さい

「なんだよ悪いか」

「とうとう三浦さんを脅すなんて貴方何をしたのかしら?」

「おいなんで俺が脅してる前提なんだよ…」

裁判長異議あり!って言いたいよ…

「あら違うの?」

「違うわ…偶然三浦がうちの店に来てそんときにタオル貸したんだよ」

「店に?」ピクッ

「そうだよ、当然客としてだ」

「……その時比企谷君は眼鏡かけてたのかしら?」

「はぁ?そら仕事中だからかけてたが…それがなんだ?」

最近何かと眼鏡について突っ込まれること多いな…めんどい

「いえ気にしないでちょうだい」

いや余計に気になるなフレーズなんですけどゆきのん…

「そうか」

まぁこれ以上聞くとロクな事にならなそうだし

「……」

(まさか三浦さん…いえさすがに葉山君の事を好んでる様だし…小町さんの言う通り比企谷君がモテる事に?)

それになんかすげー真剣に考えてるし…触らぬ神になんとやらだ。

さてさて改めて今日も学生やりますか。

 

 

「やっぱりパスタは時間経つとダメだな…」

今日の昼飯はたらこパスタなんだが…

まぁ案の定麺がパッサパサ……もういっそのこと調理実習室借りて飯作りたいレベル。

まぁ味は問題はないな、師匠仕込みだしなうん

しかし今日は朝の占いのせいで少し警戒心が高くなってるな俺…

身近な人物ね…ボッチの俺の身近って言ったら小町ぐらい?

確か小町の占い結果は…

『魚座の方は1位!』

『今日はいつにも増して素敵な事に巡り合える日!

特に貴方が気になる異性の普段見せない一面を見ることが出来るかも?』

『ラッキーポイントは携帯だよ!!』

だったな………………はっ!!

ま、まさか小町にか、彼氏とかか!?

気になるな異性ってそうゆうことだよな!?

それに俺は運命からは逃れられない…

タフな精神と諦めの精神を持って受け入れなきゃいけないってそうゆうこと?

ま、待て!?なんだこの具体的な占いは!!

う、嘘だろ……い、いや俺は占いなんて信じないぞ!!

「……か、彼氏連れてきたらどうしよう」

無理!冷静にとか絶対無理…

「ヒキタニくんとうとう彼氏作る気になったのね!!」

「うぉっ!?」

背後から腐女子こと海老名さんが現れた!

いやいや気配全然なかったんだけど、もはや幽霊よ?

まじでびっくりした……てか彼氏って言葉に反応し過ぎ…

「急に背後から現れるのやめてくれ……そして俺はノーマルだ」

「えぇ~ハヤ×ハチは?リアルハヤ×ハチは!!腐腐腐…」

「やめろ俺をザ・ワールドに連れ込むな…」

気付いたら腐男子になってたとか勘弁…

「残念だよ…」

「そんなことより何かあるんだろ海老名さん」

「よくわかったね!」

「そらボッチの俺にわざわざトップカーストの海老名さんが足を運んできてくれてるんだからな」

「相変わらず大袈裟だねヒキタニくん」

ほんと腐の部分がなきゃ素敵に笑みを向ける美少女なんだけどね

まぁそういった部分を隠さず出してるってのも海老名さんの良いところではあるんだが

「うるせぇ、それでなんの用だ?」

「ヒキタニくん今日放課後暇??」

「はっ?」

「あれ?もしかして難聴系主人公になっちゃった感じ??」

「違うわ……てかなんで俺?」

「それは……ひ・み・つ♪」

なんだろう…可愛いのにムカつく

「とりあえず放課後用事あるから無理だ」

「そうか~それは残念!!」

なんでだろう…心なしか嬉しそうに見えるのは?

いやさすがに気のせいだよね?

「全然残念そうに見えないのは気のせい?」

「腐腐腐~そんなことないよ~」

いや絶対嬉しそうにしてるよ腐腐腐言うてるし…

まじ何の確認だよこれ…

「用件はそれだけか?」

「うん!ありがとヒキタニくん!それじゃまた後で!」

「…おう」

……なんか嫌予感すっけど大丈夫かこれ?

 

 

なんだかんだで無事に学校は終了。

てっきり小町に彼氏を紹介されると思っていたが

そんな間違いも起きず平和?に終わった。

部活は俺と由比ヶ浜が出れないため今日は休み。

変わったことがあるとすればあーしさんの連絡先が登録(勝手に)されたことぐらいか?

まぁこれもよくよく考えれば大きな事件だな…

ボッチの俺がトップカーストのあーしさんの連絡先知ってんだよ?おかしいよね?

もしかしてこれが逃れられない運命ってやつか?

はぁ憂鬱は終わらんなぁ…

んっ?なんだ?

店の前に列が出来てる……トラブルでも発生したのか?

いやそれにしておかしい…うちってそんな並ぶ程人気だったか??

とりあえず入って聞くしかないか。

ガチャ バタン

「お疲れ様です」

「あぁぁぁ!?ハチ君待ってたよぉぉぉぉぉ!!!」

「えっ?」

なにこの松岡修造バリの熱い感じは?

こんな出迎え初なんだけど

「お疲れ様ハチ」

「新人遅いぞ!」

「師匠、白井さん?」

あれ?なんで二人が店に?

普通はツーマンセル式なのに…

「って今誰がカウンターやってるんですか?」

「大丈夫!今はまだ店開けてないから!」

はっ?開けてない?

「今日はスペシャルデー」

「新人そんなことも知らないのか?」

スペシャルデーってなんぞや?

待て待て初耳

「どういうことですか店長?」

「あれ?言ってなかったっけハチ君?」

言ってねぇよ……あれ?なんか嫌な予感がする

俺の本能が逃げろと叫んでるぞ…

「うちは年に何回かスペシャルデーと称してイベント事やってるんだよ!」

そんな元気よくサムズアップせんでええわ!!

しかも全然説明になってねぇし…

「そういうときは午後だけやるの」

「それで開店前ってことなんですね」

なるほど…いやいや内容は?

「新人は接客担当だからな!」

「カウンターですか?」

「バカなの新人?今日はspecialdayだぞ?」

英語の発音良いな!?あっハーフだからか?

ってそこじゃなくて…

「スペシャルだからってなにかやるんですか白井さん」

「リーシャでいい!!白井呼びはあんま好きくない!!」

「す、すみません」

なんで俺謝ってるの…

「どーどーリーシャ」

「こらツインテールで遊ぶなナナ!!」

おいっ話途中で遊びだすなそこ二人

和気あいあい過ぎてこっちが和むわ!!

「ハチ君は僕と一緒に接客担当だからね!」

だから接客担当って??

「あの店長俺は何をすれば…」

「ハチ君はこれ!!」

店長が横に置いてある紙袋から何かを取り出しバッっと広げた。

「………店長それは」

「これはね」

「はい」

 

 

 

 

 

 

「執事服だよ!!」

「……」

 

 

「……それを何に使うんですか?」

「ハチ君服は着るためにあるものでしょ!当然着るんだよ!」

 

 

 

「……それを誰が着るんですか?」

「ハチ君」

 

 

 

「……店長」

「うん?」

 

 

 

「帰りますっ」ダッ

「あっ!ハチ君が逃げた!リーちゃん!」

「こら待て新人!!」

誰が執事のコスプレなんぞするかぁぁぁ!?

なぜ執事なの?イエスマイロードしないといけないの!?

てか聞いてないし!!なんでこんな準備いいんだよ!!

確信犯だろこれ!!!ってチビッ子またバトルモードかよ!?

くそっ!こんなところ逃げてやる!!

「やめろツインテール!俺は恥をかいてまで仕事なんぞしたくない!」

「ツインテール呼びするな!ほら捕まえた!」

背中に飛び付かれそのまま前のめりで倒れ込む

「うぉ!?」

かろうじて地面にぶつかる前に手を滑り込ませ事なきを得る。

あぶねぇ…このチビッ子ほんと容赦ねぇ

「逃げたら許さないぞ新人!」

前方に店長…後方にツインテール…逃げ場がねぇ

ポン

はっ!この優しく肩を叩く御方は…師匠!!

「諦めも肝心」

なんで師匠ご自身猫耳つけんだよ!?やる気満々やん師匠…

「大丈夫だよハチ君!楽しい思い出になるからね!!」

「や、やめてぇーーーー!!」

『残念ながら不運な1日になりそう……

特に身近な人とのトラブルに巻き込まれる可能性大!

その運命からは逃れられないよ!絶対!!逃げても無駄!!』

あっ絶対これのことだ……

「さぁ着替えよう!お客さんが待ってるよ!!」

くそぉぉぉぉぉぉ!?!?




めずらしく次回に続きます-w


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ボッチバイト始めました⑭

やっはろーでございます!!

先に皆さんによく聞かれる!件についてお話します!!
多分今回よくある赤時のエクスクラメーションになってないと思います!
もしなっていたすみません………また対策考えます!!


ではではお楽しみください!!!



「姫菜どこ行くぐらい教えてくれてもいいじゃん」

「それは着いてからのお楽しみだよ!!」

「結構近いの?」

「うん!もうそろそろ着くから安心して!!」

ハイテンションな姫菜に連れられ結衣、優美子で三人で道を歩く。

(ここの道って確かヒキオの…)

(あれ?この道ってヒッキーの…)

「あっ!もう列出来る!あそこだよ二人とも!!」

((やっぱり『Repose』!!))

「姫菜ってここ来たことあるの?」

「いや一回もないよ」

「じゃあなんで姫菜そんなテンション高いんだし」

「腐腐腐~」

姫菜は携帯を取り出し一枚の写真見せる。

「これって店長さん??」

「そう!!この爽やかダンディな男性!!この英国紳士風のコスプレ良いよね!!」

「それでこの人がなんなんだし姫菜?」

「実は知り合いがあそこの常連さんでこの写真くれたんだよね」

店長がコスプレをしてお客さんと並んでピースしている写真。

「じゃあ姫菜は店長さんに会いに??」

「それもそうなんだけど…このコスプレしてる日ってなかなかないらしくてね?でも今日がそのコスプレイベントする日なの!」

「えっ!?ヒッキーそんなこと一言も言ってなかったよ?」

「やっぱり結衣はヒキタニくんが働いてるの知ってるんだね、実は今回はその店長さんとヒキタニくんのカップリングを見るのが目的だよ!!」

腐腐腐~っと楽しそうに笑みを浮かべる姫菜

「姫菜ってヒキオがバイトしてるの知ってたの?」

「知ってるって言うよりヒキタニくんが店を出入りしたとこ見かけたぐらいだけどね、でも結衣からヒキタニ君が最近部活行ってないって聞いてもしかしてって感じかな」

「なるほどね」

「えっと…優美子も知ってたの?」

「この前たまたま入った店がここだった」

「そ、そっか!!」

(なんかやましい事ないのに結衣に話しずらいし……)

(ど、どうゆうこと!?ゆ、優美子までヒッキーに!?)

「とりあえず二人とも並ぼ!!」

(結衣はなんか別の事で心配になってヒキタニくんがコスプレしてる可能性が頭に入ってなさそうだな~)

(優美子は優美子で葉山君と何かあったんだろうと思ったら思ってるより元気…それに今日ヒキタニくんと話してたし……ヒキタニくんハーレム狙いなのかな??)

 

 

 

 

こんにちは皆さん比企谷八幡です。

現在ロッカールームにある鏡と向き合い絶望中です……あぁなんでこんな事に……

いつもの様に放課後バイト先に行ったのは良かったが、なぜか強制的にコスプレをするハメになった。

いやおかしいよね?一切のリアクションもなく突然今日はコスプレね!ってありえねぇよ!?

「うんうん!!いやーーハチ君やっぱり似合ってるよ!!!」

「………はぁ」

黒執事に出てくるセバスチャンに似た執事服を身にまとい、髪はオールバックでまとめてある。

そして最後に伊達眼鏡……もはや別人である。

「ハチ君の準備も終わったし僕も着替えようかな!!ごめんハチ君は準備に入ってもらっていい?」

「…わかりました」

店の前にお客さんもいるし今更断れねえよ……

ガチャ バタン

「お疲れさまハチ」

「おぉ~新人似合ってるじゃんか!」

やめて!もうなに言われても恥ずかしいだけなの八幡!

ってなんだこの二人………なぜメイド服に猫耳と犬耳?

「二人のコンセプトはメイドで良いんですか?」

「猫」

「よく見ろ新人!耳と尻尾があるだろ!!」

結局コンセプトは猫と犬で良いの?てか俺の服もそうだけどハイクオリティーだなおい……

「猫」

わかったから近くに来ないで……普通に可愛くて純情な男子高校生には反応に困るから!

「私は犬!!」

だから見ればわかるから…そんな尻尾振らなくてもわかるから!

………えっ!?なんで尻尾動いてんの!?

「それどうなってんですか?」

「機械で動く」

「うーんよくわかんない」

この二人ってほんと年上?語彙力が皆無なんですけど…

とりあえず俺は執事でお二人は獣人メイドってやつか?そこは普通のメイドで良いだろ……

リゼロとデスマを混ぜたみたいになってんぞ

てかそうなると店長は何やるんだ?ここは合わせて俺らの主君的なパリッとした格好で来んのか?

ガチャ

「お待たせー!!」

扉を開けて現れた店長が着ていたのは………

「なんで和服なんですか店長…」

「いやー僕実は和服似合うんだよ!!」

いや店長のファッションショーじゃないよねこのイベント?

店長が着ているのは紺色の着物に紺色の羽織を着ている。

大人の雰囲気にピッタリはまっている気がする。

「店長髪下ろさないの?」

「今からやるよ!」

店長はいつも前髪もまとめる様にして後ろで一本結びにしている。

髪の長さは男性にしては長く、結んだ状態で首を優に超えているのだ。

その髪を下ろして横結びで一本にまとめ、前髪を作り完成。

「よしおっけー!!」

元々店長は美形であり歳を重ねた雰囲気もある、元々ある素材に髪型と浴衣が相まってものスゴくイケメンだ………

これなら店長のコスプレ目当てで並ぶ人が居るのも納得だ。

「これで準備オッケー!!いやーハチ君の衣装間に合って良かったよ!!(ごう)さんに感謝だね!」

「剛さん?」

「あれ?ハチ君電話で話したことなかったっけ?」

電話……もしかしてあの野太い声の………

「えっ?もしかして例の物ってこの執事服の事ですか!?」

「そうだよ!!」

ぐぁぁぁぁ!!もっと早い段階で気付けたら阻止出来たかもしれないのに!?八幡のバカ!

いや冷静に考えても野太い声のオカマみたいな人が、俺の執事服作ってる可能性があるとかそんな考えに行きつける訳ねえよ……

「もう嫌だ…」

「ハチ頑張れ」

「しゃきっとしろ新人!執事はもっとピッと立ってるぞ!」う

いやなんだよピッとって…とりあえず背筋伸ばしてやれってことね、まぁ仕事の時は大体そうしてるしな。

「さて皆衣装を着た事だし……設定を決めようか!!」

はっ?設定?

「店長設定とは?」

「そりゃせっかく着替えたのに普通に対応はつまらないじゃん!!」

なに言ってんのこの人?もうついて行けないんですけど……

いや最初から置いてかれてましたねハイ

「うーん……そうだ!!僕はハチ君が仕える家の主人ってことしよう!!それでハチ君はそこの執事!!」

この人絶対適当に衣装選んだな…

「それで…ナナちゃんとリーちゃんはその家のペットってことにしようか!」

「わかった」

「はーい!」

えっ!?そんなあっさり承諾するもんなの?てか店長から見てもコンセプトは動物主張なのね…

「二人は猫らしさと犬らしさよろしく!!」

「わかったニャ」

「了解だわん!!」

待て待ておかしい、えっ?おかしいよね?おかしくないの?俺がおかしいのか…ヤ、ヤバイ毒されてる気がする

「ハチ君は僕の事は旦那様と呼んでね!!」

「えっ…店長それは」

「旦那様」

「………やめまs」

「旦那様だよハチ君!!」

「……かしこまりました旦那様」

「うん完璧!!さすがハチ君!!」

もうどうにでもなれこのやろう!!!!

「お客さんの事はご主人様とお嬢様呼びでお願いね!」

すみません撤回します、どうにでもなれとか無理ッす

「そ、それはさすがに…」

「大丈夫だよハチ君!!為せば成る!!」

いやその言葉こんな事で使う様なちゃっちいセリフじゃないっす……

「さぁ!!開店するよ!!!」

「お~ニャ」

「やるぞーだわん!!」

そこの二人語尾に付ければ良いってもんじゃないでしょうに………

「ハチ君も!!」

「お、おー…………はぁ」

こんなの理不尽だ…

 

今回のスペシャルデーは店員のコスプレ。

主にお客の対応は俺と店長もとい旦那様がする事になっている。

料理は年上二人組が担当、四人でやれば全然余裕で回るのしむしろ余裕が出てしまうと思っていたのだが………

「お待たせしました!スペシャルセットです!」

「あ、あのお写真いいですか!!」

「良いですよ!撮りましょう!!」ニコッ

「はい///」

この過剰と呼べるサービスにより一回一回の対応が長いのだ…

主にお客さんの目的は店長と写真を撮ったりすることらしい

常連客もいれば新規のお客さんもいる。

こうゆうイベントを交えて新規のお客さんを取り入れ、常連客方々にはより好感を持ってもらうためにやっているのがわかる。

この店がリピーターが多い理由の一つなんだろう。

「お待たせしましたスペシャルセットでございます」

「あら~~ハチ君はいつにもまして格好いいわね!!」

「お褒めに預かり光栄でございますお嬢様方々」

やだっ!お嬢様ですって!!

こんな若いイケメンにご奉仕なんて最高ねえ~

 

そんなこんなで俺も見事ターゲットにされております………

常連の方にハチハチ言われ写真を撮られております。

もう無心ですはい…もう役になりきって乗り切ります……

「ハチスペシャルあがったニャ」

「はい」

「新人!3番カウンター注文だわん!!」

「了解です」

人間の慣れって怖い…二人の語尾に全然違和感を感じなくなってるんだもん俺…

「お待たせしましたお嬢様ご注文をどうぞ」

「は、はい///」

この格好だと結構な頻度でお客さんの反応が変なのはなぜだ……まぁこの格好自体変だからしょうがないか

「スペシャルセットで…あ、あと一緒に写真撮って下さい!」

「スペシャルセットとお写真ですねかしこまりました」ニコッ

この流れもなんか慣れたもんだ…

てん…旦那様のパクリでニコッってするとなんとなく反応が良いからしておく。

多分普段の俺じゃ考えられない行動ばかりしているだろう

しかしお客さんは普段を知らないし知られることがないからなんとかなる

そう思うと少し気を楽にして仕事が出来る。

パシャ

「あ、ありがとうございました///」

「いえ、ではこれで失礼します」

今撮った人も多分俺より年上だろうな、なんで敬語なんだろうな?もしかして老けてみえたりすんのか?

「ハチ君!!」

んっ?なんだ?

「なんでしょうか旦那様」

きゃー!旦那様だって!

二人とも絵になるね!!

「僕たち二人を写真撮りたいんだって!ほら横に来て!」

「かしこまりました」

この店長とのツーショットもかなりの頻度でお客さんに頼まれる………あぁなんか羞恥心ってものがなくなっていくよ………

小町、お兄ちゃんは無事に通常の状態で家に帰って来れるか心配だよ

「ありがとうございました!!」

「いえいえ!!」

「それでは失礼します」

カランカラン

「新規のお客さん3名ニャ」

おっと新規のお客か、店長は対応中か…俺が行かないと

「お待たせし……ま…した」

「「「………」」」

 

 

 

 

 

 

………えっ?うん?あれ?この三人見覚えが……って言うより

…………

………………

………………………

…………………………い、いやあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!完全に由比ヶ浜、三浦、海老名さんじゃないですか!!!!

な、なんでこんな時に限って知り合いが来店すんだよ!?!?!

ほら見て?三人とも固まってるよ!?そらそうだボッチの俺がコスプレしてんだよ?それ固まるわ!!

ど、どうしたらいい……あっもしかして俺に気付かないパターンとかあったりするか?

そんな可能性があったりするか?いや日頃の行いが良い俺なら可能性が

「あれ?この前のハチ君のお友達じゃないか!!」

へい!!このエアークラッシャー旦那様くそやろう!!!!

なにナチュラルに俺の可能性壊してんだよ!?クーリングオフきかないやつ!!!

「は、はいこんにちはです」

ほら由比ヶ浜さんテンパってやっはろー使ってないよ?これってやばいよね?

「ほらハチ君!!ご案内してあげて!!」

「か、かしこまりました、それではお客さんこちらへ」

このままリアクションを起こさず席へ………

「ヒ、ヒッキーだよね!?」

「な、なんのことでしょうか?私はハチでございます」

「それってヒッキーの事でしょ!!」

いや俺は比企谷八幡ではない、ハチ君です。

「ヒ、ヒキタニくんがイケメン執事に生まれ変わってる!?」

や、やめてえぇぇ!起きてる現状を言葉にしないで!恥ずかしくて死ぬ!!

パシャ

「ってなに撮ってんだよ三浦…」

なに?俺の写真を撮って脅す気?毎回昼は自販機へゴー?

「な、なんとなくだし!」

「とりあえずここは邪魔になるから席に来てくれ…」

もう憂鬱が止まらない(泣)

「「「………」」」

(ヒッキーの執事姿格好いい///ヒッキーまでコスプレしてくれてるなんて……///わ、私も写真撮りたい!!///)

(思わず写真撮っちゃった……落ち着けあーし…あ、あれはボッチのヒキオ!!そうボッチのヒキオ!!)

(なにあれ?ほんとにヒキタニくんなの?イケメン執事とか予想外……あれは確かにハーレム狙えるよ///)

「お席はこちらになります、ご注文がお決まりになりましたらお呼びください」ニコッ

「「「…はい」」」

(((格好いい///)))

はぁはぁ………逃げるように対応してしまった…無駄にニコッとかしちゃったし!?

絶対キモがられてるよ……皆『ヒッキーキモいー』とか『まじヒキオキモすぎてありえないし』だったり『ヒキタニくんさすがの私もそれは…』とか思われてるに違いない……あぁ注文取りにいきたくないよぉぉ!!

「ハチ君のお友達が来てくれて良かったね!」

なにこの人…傷に塩塗り込みに来たの?泣かせにきたの?

「全然嬉しくないですよ………」

「でもあの金髪の子ってこの前の子だよね?」

げっ!?そうえば店長に三浦の事見られてたんだ……

もう八幡ライフは零地点突破だよ?思わず触れたもの凍らせちゃうよ?いっその事死ぬ気弾撃ってくれ………

「仲良しさんだったんだね!!」

「違いますから勘違いしないでください……」

もう何も起きないでください…

 

「えっと…な、なに頼む?」

「あ、あーしはフレンチトーストとホットミルク」

「私はスペシャルセットにしようかな!」

「じゃああたしもスペシャルセットにする!」

「「「………」」」

「いやーまさかヒキタニくんの眼鏡執事姿があんなに凄いとは思ってもみなかったよ~」

「そ、そうだよね!!ほんとびっくりだよね!!」

「ヒキオにしてはまぁマシな方だね」

「「「………」」」

「い、一緒に写真撮れたりするのかな?」

「結衣ヒキオと写真撮りたいの?」

「べ、別にあのヒッキーとのツーショット写真が欲しいとかじゃなくて!」

((バレバレ…))

「なら注文するとき頼んでみよ!」

「ダメでもあーしが話つけてあげる」

「う、うん!!注文お願いします!!」

 

 

「ほらお友達達が注文してるよ!!」

げっ!!なんで少し注文とか落ち着いてる時にすんだよ…

「…はい」

はぁ…行くしかないか

「お待たせしました、ご注文をどうぞ」

「えっとスペシャルセット二つにフレンチトーストとホットミルクで」

うん?一人だけメニュー別なのか……しかもこれって

「……」プイッ

やはりあーしさんですか、てかなんでそっぽ向くんだよ…

「後ヒキタニくん写真撮ってもいい?」

うっ………他のお客さんにやっている手前断る理由が見当たらねぇ!?

「………かしこまりました」

「うんありがとヒキタニくん♪」

この人絶対楽しんでるよ………

「ほら結衣!横に並んで!」

「う、うん!///」

えっ?由比ヶ浜とツーショット?

知人になると途端ツーショットがこんなにも恥ずかしものだとは…

「し、失礼します///」

「お、おう」

なに?なんでこんなにもしおらしいの?失礼しますとか柄じゃないでしょうに!

「はい撮るよ~ハイチーズ!」パシャ

「姫菜みして!!」

「いいよ~」

ふう……これは心臓に悪い

「……ヒキオこっち向いて」

「ん?」パシャ

えっ?また撮られた?自撮りで撮ったのか…

「あーしとヒキオがツーショットとかウケるんだけど」

「なら撮らないで下さいよ三浦さん……」

てかこの流れだと…

「なら私とも撮ろっかヒキタニくん!!」

ほら腐女子の方も参戦したよ……

「結衣撮ってくれる?」

「いいよ!!」

「ほらヒキタニくんこっち来て!」

「お、おう」

なんか近くない?気のせい?俺が慣れてないだけ?

「撮るよー!ハイチーズ!!」パシャ

「ありがと結衣!ヒキタニくんもありがとう!」

「…あいよ、それじゃ注文通してくるから」

はぁ…もう疲れたよ

「また待ってるよ~」

「はやく持ってくるし」

「またねヒッキー!」

もうゆっくりさせてくれ……

「ハチ?あれ友達?」

「いやただの同級生です」

「そっか」

んっ?なんの確認?てか語尾戻ってますよ師匠…とりあえず注文通さないとな

「とりあえず注文分お願いします」

「うん」

さてさて俺も少しカウンターの作業やるか…今のお客は皆注文終わってるしな

店長は…うん普通にお客さんと話してるよ、まぁいいか関わると厄介だ…

 

さてさてそろそろかな?

「新人あがったわん!」

うんこっちは真面目に続けてるよ偉い

「はい」

さすがに二回に分けないとだな

「ハチ君僕も手伝うよ!!」

……背に腹はかえられないか

「お願いします」

「うん!!」

店長頼むから何も問題起こさないでね?

「お待たせしました!スペシャルセットの方は?」

「お待たせしましたフレンチトーストとホットミルクです」

俺が先に三浦のところに品を置くと、店長は海老名さんと由比ヶ浜の方にスペシャルセットを置く。

「ありがとヒキオ」

「わぁ美味しそう!店長さんありがとうございます!」

「いえいえ!このケーキは本日限定になってます!」

「店長さんお名前は!!」

えっ?飛び付くとこそこですか海老名さんや

「んっ?僕は立川翔って言います!ここの店長やってます!」

「タチ×ハチ!!」

おいっそこのカップルリング完成させるな

なんだタチ×ハチってもはや魚みてぇな名前だよおい

「タチハチ?」

ほら店長もなに?ってなってるから落ち着こうね

「姫菜自重」ベシッ

「あぅ」

ナイスあーしさん!

「えっと…店長さんとヒッキーが仲良いなぁってことを言いたかったんです!」

こら由比ヶ浜!こうゆうときはお前の得意の空気読みで渇いた笑いぐらいで充分なんだよ!

そんなこと言ったらこの人は

「ほんとうかい!!それは嬉しいな!!!」

ほら反応しちゃったよ…仲良しとか大好物だよこの人!

「嬉しい!?あ、あの二人のツーショット撮らせて下さい!!」

海老名さんがガチだ…怖いよぉ…

「着物のタチさんに執事のハチ君…ハァハァ禁断の主人と執事の愛!!!」

「???」

店長さすがに気づいて!!この人腐の付く女子だから!!

「楽しそうで何よりだねハチ君!」

全然気付いてねぇよ!耳打ちしてくる辺りガチで気付いてねぇよ!

「腐腐腐腐」

ヤバいヤバい早く撮って終わらせよう

「はやく撮らないと他のお客さんの対応出来なくなってしまうので撮りましょう」

「そうだね!えっと…ハチ君のお友達さん要望はある??」

地雷踏んだよこの人!もう両足でジャンプして踏むぐらい踏んだよ!?

「じゃ、じゃあ熱い」

「自重」ベシッ

「あぅ」

えっ熱いなに?こわっ!!何させるきだったの!?

「な、ならタチさんはヒキタニくんの後ろからハグしてください!!」

おいなに注文しとんねんこの眼鏡っ子!俺も眼鏡だけど!

「いいよ!ほらハチ君!」ダキッ

「て、店長!」

店長は俺より背が高いからひょこっと俺の方辺りから顔を出す。

中年のイケメンとボッチ執事の抱擁ツーショットとか誰得?

「タチ×ハチキタァァァァァァァァーーー!!!!」

居ましたここに

パシャパシャパシャパシャパシャパシャ

いやどんだけ撮るんだよ!?パパラッチかお前は!?

「が、眼福っ!!」ブシャッ

「姫菜!?」

「また鼻血出してるし!!てかいつもより多いし!?」

「なっ!?ハチ君!!急いで彼女を裏に連れて濡れたタオルなどで冷やしてあげなさい!!」

「は、はい」

店長が声を張り上げ俺に指示を出す。

こんな店長初めてだ…少し大袈裟な気もするが

いや慣れてない人からしたら異様な光景か……

「海老名さん一旦こっちに」

「ご、ごめん」

とりあえず従業員休憩室のソファへ

ガチャ バタン

 

「そこのソファで待っててもらえるか?」

「うん」

とりあえずタオルを濡らしてと…一応乾いたタオルも持って行こう。

戻るとテッシュで鼻を押さえてソファで横になっている海老名さん

「だ、大丈夫か!?」

「大丈夫~ちょっと新しいカップリングに興奮しただけだから」

片手をひらひらさせ落ち着いた様子を見せる。

さすがに一瞬焦ったぞ…

「はぁ………ほらタオルだ、冷たいから気をつけろ」

「ありがとヒキタニくん」

鼻血が止まったのかテッシュを捨て、鼻と目を覆うようにタオルを顔に置く。

「ふぁつめたいねぇ~」

「とりあえず落ち着きまで横になってろ」

とりあえず俺はどうするか……

ガチャ 

「様子はどうだい?」

「店長、とりあえず鼻血は止まりました」

「店長さん」

店長の声に反応し体を起こそうとする。

「海老名さんだったかな?まだ横になってなさい、とりあえず落ち着くまでね?」

「すみません店長さん」

タオルを元に戻し横になる海老名さん。

「後ハチ君はこのまま海老名さんについててあげてね?わかった?」

「はい」

「それじゃ僕は戻るから安静にね!!」

ガチャ バタン

「いい人だね店長さん」

「少し空気読むの下手だが根はいい人だ」

なんか海老名さん雰囲気がいつもの感じじゃないな……さすがに申し訳なくなってしまうよな

「…いやーヒキタニくんには迷惑掛けちゃったね、ごめんね?」

「別に鼻血ぐらい海老名さんにとって普通の事だろ気にすんな」

「ヒキタニくんは相変わらず優しいね」

「別にそんなんじゃねえよ」

海老名さんはこう人の裏を読む人だから俺が気使ってんのもバレバレだな

「なんかヒキタニくんと二人になるのめずらしいね」

「まぁそうだな」

「ねぇヒキタニくん」

「なんだ?」

「ごめんね」

「別にもう良いって」

「鼻血の事じゃなくてさ」

……修学旅行の事か

確かに奉仕部がいざこざした原因の一つかもしんねぇけど、もう終わった事で俺は気にしてねぇ

「それも別にいい、もう終わった事だろうに」

「それでも私の起こした行動であーなっちゃった事は事実だし」

この人はこの人でなかなか頑固なんだよな……

はぁほんと柄じゃないはずなんだがな……

「……わかった許す」

「えっ?」

「俺はもう許した…だからそのもう気にすんな海老名お嬢様」

「……ほんと比企谷君くんは優しくて面白いんだから」

海老名さんはタオルを取りソファに座り直し、クスクスと楽しそうに笑っている。

俺は椅子でソファの近くに座っているから海老名さんの横顔見る形だ。

普段あまり見ることのない眼鏡を外した彼女に、少しドキッとしてしまう。

「あーあ勿体ない事したかな~」

「何がだよ?」

「修学旅行での愛の告白」

「なっ!?」

急になんだよ!?てか眼鏡外した状態でこっち見て微笑むのやめて!

「な、なに言ってんだあれは冗談で」

「でも受けとる側は本気にとらえちゃうかもよ?」ズイッ

な、なんで距離を詰めるんですか!?

「あ、あの時誰とも付き合わないって断ったろ!?」

「……あの時の私と今の私じゃもしかしたら変わってるかもよ?」

え、海老名さん何がしたいんだ!?

だ、誰か!?

コンコン

「入ってもいいかい?」

「て、店長ですか?ど、どうぞ!」

「残念~」スッ

ガチャ

た、助かった…ボッチの俺にハードルが高すぎる

「注文した品持って来たけど食べるかい?」

「すみません店長さん、調子戻ったので皆と食べます!!」

「そうか!それは良かった!!うん皆で食べる方が美味しいからね!!それじゃ先に戻しておくね!」

店長…今日はとってもナイスです!!

「それじゃ席に戻るねヒキタニくん!看病してくれてありがと!またね!!」

「お、おう」

ガチャ バタン

「………」

えっ?今のあれはなんだったんだよ!?ボッチにはわかんねぇよ!?

 

 

 

「姫菜おかえり!もう大丈夫なの?」

「もう大丈夫!ごめんね心配かけて」

「次は自重しろし」ナデナデ

「えへへごめんね」

(自重ね……)

『……あの時の私と今の私じゃもしかしたら変わってるかもよ?』

(ほんとに自重しなさいよ私!!///もう……あれは比企谷君が悪い!!)

(あんな感じで優しく許してもらったらドキッってするじゃん!!)

(………はぁ比企谷君はハーレムでも作りたいのかな??もう天然ジゴロだよ………)

 




いやー姫菜も可愛い…
てかヒロインの皆可愛いw

ほんとは9日に投稿したかったんですけど過ぎちゃいましたww

それでは!!


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ボッチバイト始めました⑮

やっはろーでございます!!

書きたい出来事が多すぎて全然進まないw
皆さんに飽きられないように気をつけますw


「疲れた…」

夜風に吹かれながら自転車を漕ぎ、メンタルボロボロの状態で自宅へと帰宅する。

本日行われたスペシャルデーは無事に大盛況に終わった。

俺の心は無事じゃないけどね?パワプロ君なら『ガラスのハート』とか強制取得しちゃうイベントだったよ………

お客さんの対応も大変だったが特に面倒だったのが三人だ。

知り合いにあの姿を見られるとか…思い出しただけで恥ずか死しちゃう!!

だってさ…なぜか全員とツーショット撮ることになるし、その写真はもう脅しの道具になりかねないし…

………それにあの時の海老名さんは特にやばかった。

正直言います、眼鏡外した彼女は可愛かったですはい。

仕方ないだろう!?あんな事言われてドキドキしない男子高校生いるの!?ボッチの俺が耐えれる訳あるか!!

「はぁ…」

そんな事があったのだが……最後に会計の対応したときには平然としてたんだよな海老名さん。

八幡ここはあれだ!いつもの心頭滅却だ!勘違いして黒歴史に名をまた刻む事になるところだったぜ…

てかむしろ挙動不審だったのは由比ヶ浜の方だったな

『ま、また来るから!!』ってめちゃデカい声で言ってたよ?皆こっち見て微笑むレベルよ?

しかもその影響でお帰りの他のお客さんが『また来ます!!』『また食べに来ます!!』とか一言俺に声かけて帰るという謎の現象が起きた。

反応するこっちの身にもなって下さいよ!そのせいで終わりまで辛かったよ八幡。

まぁ店長も俺の様子を見かねたのか『ハチ君は片付けは良いから上がっていいよ!!ケーキも一緒にあげるからね!!持って帰って!!』と言われて割と大きめな紙袋を渡されてバイト先を後にした。

紙袋の中身は確認していないが結構重いからおまけしてくれたんだろうなうん。

まぁこれぐらい貰わないと割に合わん……始まりから詐欺まがいだったし……はぁ今日は占い通り災難だ…

そんな事を愚痴りながら比企谷家に到着。

「たでいま~」

あぁ~家が一番落ち着く、マイホーム最高

「お兄ちゃん!!!!」

んっ?小町のお出迎えがいつもより騒がしいな……でもお兄ちゃんもう疲れたよ

「おう小町、ほらお土産」スッ

「えっ?あ、ありがと?」

「中にケーキ入ってるから冷蔵庫に入れといてくれ、お兄ちゃんもう疲れたから飯の前に風呂入る」

ケーキは小町に任せて俺は風呂だ、小町もケーキ見て満足そうにしてるな…ちょっと???って顔になってるけどいいか

「……聞きたい事あったけど解決したから大丈夫!!」

「そうか?よくわかんねぇけど了解」

さて今日の傷を癒やすか…

 

 

 

イベントから一夜明け今日は火曜日

いつもは放課後にバイトがあると嘆きながら始まる曜日だが、イベントの翌日は必ず休みにするらしく休日だ。

今日、明日と続いて連休が続くので久しぶりに好きなことが出来そうだ。

何をするかな……そうだ部活帰りに買い損ねてる小説の新刊を買いに行こうか、うんそうしよう

「なんかやる気が出てきたな」

「えっ!?お、お兄ちゃん大丈夫?」

思わず自身の趣味に時間を使えるとわかったら喜びが口から出ていたらしい。

それに対してガチ目に心配する小町ちゃんってどうよ…

お兄ちゃん最近普通に働いてますよ??

ボッチには変わりないが、進化してメタルシャチクモンとかになってるからね?完全体だからね?

あっでもパートナーいねぇから不完全でスカルシャチクモンとかになりそう。

うんやっぱりデジモンは初期が好きだ。

「大丈夫だ小町、お兄ちゃん今進化途中なんだ究極体は目前だ」

「お兄ちゃんの進化先が不安でならないよ小町は…」

進化しても心配されるお兄ちゃんって…

「てか小町その袋はなんだ??」

「これ?」

肩にかけて持つ白い紙袋、昨日のお土産に貰った袋のサイズと同じぐらいだ。

「今日使うかもしれないから持ってきたの!!」

授業とかにか?なんか布生地ぽいっのあるから家庭科とかか

「そうか」

まぁそこまで気にしてなかったから良いんだがな。

 

 

そんなこんなでいつも通り登校し、平凡な日常を送る。

あぁ平凡…なんていい響き…

最近色々あって疲れたからさ、平穏とか平凡とか平和とか?

平を求めてるよね八幡、もういっそのこと平幡に改名しちゃう?

さてその平穏のためにいつも通り教室に入りますかね

「あっヒキタニくんはろはろ~」

「おはようヒキオ」

……あれ?俺の後ろにヒキタニくんとヒキオくんがいるのかな?

俺は確か比企谷だし…違うよね?

「なに振り返ってるんだしヒキオ」

えっ?なに?なんで二人から挨拶されんの?

「お、おう…おはよう」

「うん!」

「挨拶はしっかりしろし」

相変わらずオカンでございますねあーしさん

「うーん」ジー

「な、なんすか」

海老名さんめちゃ見てくるんだけど…昨日のこともあり少し気まずい…

「…姫菜近くない?」

「ん?おっと!ついつい」

た、助かった…ありがとうあーしさん!!

だからもう解放して!!

「いやー昨日とは別人の様だけど、やっぱりこっちのヒキタニくんの方が落ち着くね」

「あー確かにあーしもそう思う」

これ褒められてるの?それとも貴様にはボッチがお似合いさ!とかの遠回しに言われてる?

てか三浦さんなんで携帯と俺を見比べて…げっ!?

「その画像は即刻削除しろ三浦」

「なんであーしがヒキオに命令されなきゃいけないし」

こら少しニヤニヤしながら言わないの

「まぁあーしが消しても姫菜とか結衣が持ってるし」

うぐっ!?それを言われるともう泣きたくなるんだけど…

「大丈夫だよヒキタニくん、私も優美子も拡散したりしないからさ」

俺の心中を察してかフォローをいれてくれる海老名さん

あぁなんか君が女神見えたよ…

「タチ×ハチも絶対消さないし拡散しないから安心してねヒキタニくん!!!」

あれ?女神が急に腐ってきたよ?不安しかなくなってきたよ?

「はぁ……頼むから平穏に過ごさせてくれ」

「別に脅すつもりないし」

少しムスッとしてるあーしさんの心境がイマイチわからん…

てか席着かせて?

「そんじゃ」

「はいはい~また後でね~」

 

 

とりあえず海老名さんと三浦に別れを告げ席に座る。

なにこれ…なんで俺朝からあの二人と話してんの?

俺のボッチライフが崩れている音が聞こえる……

「あら朝から人気者ね比企谷くん?」

「ボッチに対する皮肉ですか?俺は平穏を望んでんだよ…」

こいつ俺がああいうの苦手なの知ってるくせに…

てか普通の挨拶しろよ……

「それにしてめずらしいわねあの二人話すなんて」

んっ?なんかやけに首突っ込んでくるな?

「俺自身も驚いてんだよ、むしろ解説して欲しいレベル」

「そう」

…なんだ?今日の雪ノ下はなんか変だな

少し機嫌が悪いと言うか??掴みづらいというか…

「今日は部活にでっから」

「バイトは休みなのかしら?」

「あぁ」

「由比ヶ浜さんは体調を崩して学校を休むそうよ」

「そうなのか?」

昨日カフェでは元気そうだったのにな?

いや無駄にハイテンションだった気もするな…

「えぇ昨日連絡が来たわ」

「…そうか」

昨日連絡が来たか……まさかコスプレの話してないよね?

でもしていたら真っ先に『あら?おはよう執事谷君』とか言われてるだろうし

うん大丈夫だろう。

「なにかしら?」

「い、いやなんもないぞ」

ガラガラ

「席につけー」

ありがとう平塚先生!!!あのまま勘づかれる前に終われて良かった!!

そんじゃボッチライフ満喫するかね

 

 

とりあえず放課後になったが特に何も問題なく過ごせたな…

昼休みの時に誰かに遭遇するかな?とか思ったけど何もなかった。

流石に毎回毎回警戒し過ぎか?いや最近の事考えると警戒してしまうのは致し方ないだろう。

まぁ終わった事だし考えてもしょうがねえか

ガラガラ 

「うす」

「あら………」

「おい俺は奉仕部部員だぞ?」

「覚えているわ確か………や…」

「比企谷だ」

「そうだったわね」

相変わらずだなおい……ほんとこうゆう時の雪ノ下は生き生きしてらっしゃる

「てかはやいな雪ノ下」

「比企谷君が遅いだけよ」

なんで雪ノ下の方が早く来るんだよ…タイミング的には俺がちょっと遅くでたぐらいなのに…

まさか雪ノ下さん急いで来たのかしら?今日依頼者の予定でもあったのか?

「紅茶は?」

「頼む」

なんかこうして雪ノ下と二人っきりってもの久しぶりだな

大抵は由比ヶ浜がいるし、一色もいる。

だから入部当初みたいな状況はなんだかむずがゆい感じがする。

まぁ入部当初から雪ノ下の俺に対する態度は変わってないし、関係も特に変化はない。

「どうぞ」

まぁ専用のコップぐらいはある様になったか。

「おう」

うん相変わらず旨いな

さてさて本でも読もうかな…

「比企谷君ちょっといいかしら?」

「んっ?なんだ?」

めずらしいな、とりあえず本は後にするか。

「比企谷君そっちに座って頂戴」

「はっ?」

「いいから座りなさい」ギロッ

ひぃ!?完全に圧力行為だ…最近権力に泣かされている気がする…

てかなんだよ?なんで俺が由比ヶ浜の席に?

「座ったぞ」

うん?なんで今度は雪ノ下が席を立つんだ?しかもそっちは依頼者の席だが………

「比企谷君」

「………おう」

あそこに奉仕部の部員が座わる時は至って普通の事ではないはず

いやでも緊張感が高まってしまう………俺がいない間にまた何かあったのか?

しかも雪ノ下が俺に………

「比企谷君に依頼があります」

やっぱりか………依頼内容に関しては予測がつかん。

しかし由比ヶ浜がいないこのタイミングを狙ったって事は由比ヶ浜関係か?

いや家の関係もあり得る、ははのんがまた暴走した可能性も…

しかし雪ノ下家関係だとしたら嫌でも雪ノ下さんが先に介入してきそうだ。

俺一人で解決出来る案件なのか?いや考える事も大事だがまずは依頼内容を聞くか……

「そうか、それで依頼内容?」

そう聞くと雪ノ下が席を立ち、俺から見えない位置に置いてあった紙袋を持って来た。

「これよ」スッ

そして机の上に置く。

「これは……」

よく見るとなぜか見覚えある紙袋だ。

んっ?これって確か…

「小町が持って来た紙袋か?」

「ご名答よ」

な、なんで笑ってんだ?てか依頼内容がこれってどうゆうことだ??

「袋の中身が依頼内容って事でいいのか雪ノ下?」

「ええ」

全然予想がつかんな……特に雪ノ下から重い雰囲気は感じられないしな

「とりあえず中身をみせてもらうぞ」

鬼が出るか蛇が出るか…八幡いきます!!!

ガバッ

「……………へっ?」

うーーーーーーーーーーーーん??????????????

あ、あれ??俺の目がおかしくなったのかな???これって確か……えっ………な、なんで!??!

 

 

 

 

 

 

「どうしたのかしら執事谷(・・・)君?」

昨日着たコスプレの執事の衣装が入ってんだよ!!!!!!!!!!!!!

ま、待て!!なんで??意味がわからん!?

てかなんでこの事を雪ノ下は知っているんだ!?

「な、なんの事だ雪ノ下?」

「証拠もあるわ」スッ

そうゆうと携帯の画面を見せてきた、そこに映っていたのは……

「な、なぜだ」

俺と由比ヶ浜がツーショットで撮った時の写真が映し出されていた。

「昨日由比ヶ浜さんから送られてきたのよ」

うおぁ!?まじかよ!!てか今朝反応をしなかったのはこの時の為か!?

ま、待て…依頼内容はなんだ?見れば分かると言ったが……まさか

「改めて依頼するわ、比企谷君その執事姿になって頂戴」

………………はっ?

「ま、待て雪ノ下!意味がわからん、理由はなんだ??」

「貴方が入部してから平塚先生に依頼されてる私の仕事を忘れたのかしら?」

「俺を更生させるって話か?」

「そうよ」

「待てそれとこれは関係ないのでは?」

そうだよね?だってコスプレだよ?

「関係あるわ」

「はっ?」

「依頼されたからにはしっかり比企谷君が変化しているかを確認しなきゃいけない義務があるの」

今までそんな事してこなかったろ……

「そのため比企谷君の成長の過程を見るのも当然なの、今回はその過程がバイト先での仕事内容の確認よ」

おいおいそれは無茶苦茶だろ…

てか一回バイト先来てるだろうに……

「納得してもらえたかしら?」

いやいやこれで納得されちゃう人間いたらアホよ??由比ヶ浜さんみたいなポジションの人になるよ??

「仮にそうだとしても今コスプレする意味は…」

「あるわ」

「いやそれは」

「あるの」

なんでだろう…小さな頃の小町がワガママを押し通したい時の妹特有の雰囲気を感じるのは

そうえばこの子も妹属性ありましたね…

いや妹属性があるからと言ってもここは譲れない!!!

「…やっぱりだめかしら」シュン

なんでここでシュンってするの?いつも通りにギロッとゆきのんになってくれて方が楽なのに!?

く、くそっ!なんで最近こんな事ばっかりなんだよ………はぁ…俺アイデンティティークライシスし過ぎじゃないか最近?

クライシスし過ぎて本来の形忘れてない???

………はぁ

「………少しだけだ」

「えっ?」

「少ししたらすぐ着替えるからな」

「え、ええわかったわ」

別にゆきのんの妹オーラにやられたとかそんなんじゃないんだからね!!!

「とりあえず着替えるから一度席外してくれ」

「わかったわ、それじゃ終わったら呼んで頂戴」

「はいよ」

ガラガラ ピシャ

「………やったわ///」ぼそっ

(半ば諦めていたけどまさか比企谷君の執事姿を見れるなんて………)

「……怒ってないかしら」

(素直に頼むなんて私には無理だもの…あんな言い方して嫌がってるわよね…しかも今回は私の欲で比企谷君に迷惑をかけてしまうわ…)

「………」

(お詫びに何か作って渡そうかしら……ご機嫌取りみたいで少し気が引けるけど…)

(今は比企谷君に嫌われる方がもっと嫌だわ……って一体なにを考えているのかしら私は///)

 

ガラガラ ピシャ

「はぁ…」

あっさり根負けしてしまった……俺はどうゆう訳か妹キャラに弱い傾向にあるらしい。

まぁ小町の影響なのは確かだな……

「てかなんでここに執事服あんだよ…うわ……髪のセット用のワックスと眼鏡もある…」

ワックスと眼鏡は小町が準備したのか?いや全部店長か?

てかまず執事服があるかについてだが……まぁ昨日渡された紙袋に入ってんたんだろうな

俺は疲れてて中身確認してないしな、昨日小町が袋の中身をみて一瞬固まった理由がわかったわ……

しかも聞きたい事が解決って事は、小町も俺がコスプレした事を把握してたってことだ。

そうなると原因は由比ヶ浜さんですねはい……

「置き鏡まで入ってるし…ワックスと眼鏡は小町か」

くそっ!今朝の時もっと小町に質問していたら……後悔先に立たずだなこりゃ

「とりあえずさっさと終わらせるか」

一回着てしまうと案外違和感がなくなってしまうのが怖い所だな

髪型もオールバックにして…後は伊達眼鏡と

一応鏡で確認して

「おしこれでいいだろ」

うんうん我ながらいいオールバックだ。

「……」

待て待てなんで鏡で最終確認とかしちゃってんの八幡おい

しゅ、習慣ってやばいな…バイト先で衣服の乱れはアウトってよく店長に言われるから確認癖がついてしまった。

とりあえずやる気がある訳じゃない!!!

はぁ……はやく終わらせよう…

「雪ノ下入っていいぞ」

さてさて俺はなにをすりゃいいのか

『わ、わかったわ……』

 

 

 

 

 

いやはやく入ってこいよ……

なにしてんだよ雪ノ下のやつ?このままの格好で待たされる身になってくれ………

「おい雪ノ下なにしてんだよ?」ガラガラ

「えっ?」

いやなんでそっちが驚いてんだよ……

「ほらはやく入れ、他のやつに見られたら面倒だ」

「は、はい///」

えっ!?雪ノ下が敬語!?だ、大丈夫か?

ガラガラ ピシャ

「…………」

「…………」ぽけー

えっと…この後どうすんだ?

「……雪ノ下とりあえず座ったらどうだ?」

「えっ?そ、そうね!」

なんか無駄にテンパってないか?俺なんか変か?いや変か…

(ど、どうしたらいいかわからないわ……写真で見たから平気だと思ったのに)

(まさか実物で見るとこんなにも良いなんて……うちの執事として欲しいわ///)

「………」

「………」ぽけー

座ったら座ったでまたぽけーっとしてるよ……なにすりゃいいのかわからん

「雪ノ下俺はなにすりゃ良いんだ?」

「そ、そうね……なら私の紅茶を淹れてもらっていいかしら?」

「バイト先の客みたいに対応するって事か」

「せ、正解よ」

いつからクイズ形式になったんだよ………

(言えないわ…ただ単に執事っぽい事させてみたいって思っただけなんて///)

「なら道具借りるぞ」

「ええ」

さて紅茶は仕事で淹れてるからなんとかなるだろ。

そうえば雪ノ下の道具自体に触るの初めてだな……紅茶の種類も何種類か揃えてあるな

ここは無難にダージリンのストレートティーにするか

ダージリンは『紅茶のシャンパン』とも呼ばれる紅茶だ。

ストレートティーにすると特に香りも楽しめるからな、少しテンパっている雪ノ下も香りと味で少し落ち着けるだろう。

「お待たせ致しました、ダージリンのストレートティーでございます」スッ

雪ノ下の前に丁寧に置く、今はお客さん扱いだからな。

ダメ出しでもくらって時間が延びるとか勘弁だしな………

「……ありがとう比企谷君」

「いえいえ、どうぞ香りもご一緒にお楽しみ下さい」

「そうするわ」

………なんか認めたくないが雪ノ下って執事とか従える姿が似合ってるな

とりあえず雪ノ下も少し落ち着いたしそろそろ終わりかな

「紅茶淹れるの上手いのね」

「別に雪ノ下と店長に比べたらまだまだだろうよ」

「ふふっ」

「なんだよ」

「いえ専業主夫希望の貴方が熱心に仕事をしてるのがわかったらおかしくて」

「うるせぇ」

なんだろうな…少し雪ノ下の態度が柔らかくなった感じがする

気のせいかもしんねぇけど………少しは本物ってやつに近づいてるのかn

ガラガラ バン

「雪ノ下、比企谷い…る……か?」

「………」

「………」

「し、失礼しました…」ガラガラ ピシャ

 

 

 

 

 

「ちょっと待って下さい先生!!!」ガラガラ バン

おぉぉぉぉぉぉぉおおいいいいいいい!!!

なんなの最近!?タイミング悪すぎないか!?どんだけ不幸なの!?

そうゆう呪いでも発動しちゃってんの???俺は別に禁書目録さんと同棲してませんよ!?!?

「えっ!?比企谷!?」

「そうです俺です!だから待って下さい!」

これ以上広まるのはまずい!もしバレたりしたらほんとに不登校になりかねない!!

とりあえず先生を部室に!

「そ、そうか」

ガラガラ ピシャ

「とりあえず先生も座って下さい」

「は、はい」

「………」

「………」

「………」

受験生が部室で執事ごっこなんてやってたら焦りますよね??

なんか気まずくなりますよね?

いやー奇遇だな平塚先生!!八幡もです☆

この状況どうしたら良いんだよ……泣きたい(泣)

「えっと…まずその服はなんだ比企谷」

「…仕事先で使用した服です」

「バイト先で?…あぁマスターの時々やるコスプレのやつか」

おっ?さすが先生!この状況でも冷静に判断してくれてるぞ!

「それはわかった…しかしなぜ部室でその格好に?」

そこは冷静に分析しなくてもいいっすよ!?

雪ノ下!どうにかしてくれ!!

「……」

(平塚先生が来る可能性を見落としていたわ…目先の欲に負けたせいだわ……)

おいっ!?なんで無言なの?やましいことみたいに見えちゃうよ?

「そ、そうゆうプレ」

「先生違います、それは断じて違います」

「そ、そうか」

いつもならこの台詞はゆきのんでしょうに…お仕事して!

「平塚先生」

「なんだ雪ノ下?」

おっ?復活したか?

「紅茶飲みますか?」

「えっ?あ、あぁ頂けるならいただこうかな」

「比企谷君お願い」

まさかのこのまま実行!?何事もなかったようにするのは無理あるよ!?

「……かしこまりました」

もうここは従うしかないか……

「平塚先生これは依頼なんです」

「はっ?」

うん、はっ?ってなるよね

「先生は比企谷君を更生して欲しいと依頼しましたよね?」

「そうだな」

「その依頼の一環です」

「……なるほど」

えっ!?納得できちゃうの?

「先生も当事者側になるので理解していただければ」

「…私も当事者」ぼそっ

なに?なんか解決の方向に向かってんの?なんか嫌な予感しかしないんだけど……

「なら仕方ない私が頼んだことだしな、今回のことは他言無用するよ」

おっ?おぉぉ!!なんかわかんねぇけど雪ノ下の説得が功を奏した感じだ!!

「ありがとうございます平塚先生」

「お待たせしました」スッ

いやーーなんとかなったな!!ここは紅茶で満足してもらおう

「あ、ありがとう比企谷」チラッ

んっ?なんか様子が?

「そ、そのなんだ!!私も当事者として今回の件手伝わせてもらうぞ!!」

なっ!?なんでそんな事になるんだよ!?

「わかりました」

えっ!?なんでそんなあっさり………まさか今回のこの状況に先生を巻き込んでしまうつもりだったのか!?

(比企谷君ごめんなさい…私にはどうしてもしたいことが後一つあるの…)

「確かマスターの店ではコスプレの時は写真撮影可だったな?」

ここに来て店を詳しく知っている事が仇に………

しかも由比ヶ浜とのツーショット写真もあるし言い訳のしようがない……

「なら私達とも写真を撮るまでが仕事内容なのね比企谷君?」

「……そうだな」

「貴方とツーショットなんてあり得ない事だけれども、今回は依頼ということで我慢するわ」

まさかの展開に八幡驚きです…

「雪ノ下が無理なら私が…」

「いえ大丈夫です」

「はい」シュン

ゆきのんの迫力が凄いっす…

「比企谷君横に来てもらえるかしら?」

「……わかったよ」

はやく終わらせよう、そして忘れよう。

「平塚先生撮ってもらえますか?」

「は、はい」

先生萎縮してますやん

「撮るぞハイチーズ」パシャ

「ありがとうございます」

(………比企谷君とツーショット///由比ヶ浜さんだけはずるいもの…)

「次は平塚先生の番ですね」

「えっ?いいの?」

おい勝手に決めんなよ……

「比企谷ほら撮るぞ!」

そんな元気に来られたら断れないっすよ

「はいはい」

「撮りますハイチーズ」パシャ

「うむしっかり撮れてるな」

はぁ疲れた…もう着替えたい…

パシャ

「んっ?」

あれ?今誰かに写真をとられた気が?

先生も雪ノ下も携帯見てるし…気のせいか?

「それでは私はこれで失礼するよ!」

「うす」

「私も一旦席を外すから着替えてしまっていいわよ比企谷君」

「おう」

お、終わった………やっと解放だ…

ガラガラ ピシャ

「はぁ…もうこんな事やりたくねぇ…平穏よカムバック!」

 

 

「先輩なんでコスプレしてたのかな?」

八幡の執事姿の写真を見てニコニコするいろは。

「とりあえず明日先輩にはデートに付き合ってもらお♪」




久しぶりにゆきのん!!!
そしてしずちゃん!!
帰って写真みてニヤニヤする二人組ですねw

いろは企んでる時が生き生きしてますねw
特に八幡絡みだとw

今週仕事が忙しいので更新が遅くなるかもしれません!!

ではまた次回!!!


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ボッチバイト始めました⑯

やっはろーでございます!!
皆様お久しぶりでございます!!!
およそ1カ月ぶりの投稿になります……遅くなってすみませんでした。
色々ありまして全然稼働出来てませんでした。
でもまた投稿再開していきますので、改めて宜しくお願いします!!!

それではお楽しみ下さい!!!



「はぁ…最近ついていない」

自転車を漕ぎ、夕暮れの道を愚痴りながら進んでいく。

最近の自分を振り返るとロクな事がない。

振り返れば振り返ると程、枕に顔を押し付けてたくなる多くの黒歴史。

あれ…目の前が霞んできたよ…

な、泣いてなんかいないんだからね!!

……そろそろ良いことあってもいいだろうに

「なんか疲れたな……マッ缶でも飲むか」

丁度小町を下ろす公園に着いたので一服(マッ缶)する。

さてさてお金を入れてと…

チャリン ピッ ガコン

「いつ見ても素晴らしいデザインだな」

MAXコーヒーを作った人は天才だな。

生まれながらして最高で最強のコーヒーだ、マッ缶と小町と戸塚のためなら死ねるな。

うん間違いない。

ベンチに座り、癒やしの一時を楽しむ。

「ふぅ……最近どこに行っても問題に巻き込まれるな」

しみじみと最近の出来事を思い出しながらため息をつく。

今日も雪ノ下の策略?により、二日連続でコスプレするはめ…

なぜボッチの俺がリア充みたいな、アホみたいな事しなきゃならんのだ…

まぁその後の部活は特に依頼もなく平和に過ごせた。

いや材木座の依頼の処理してたわ、なんで残業処理リーマンみたいな事を若くしてしてんだよ……

しかし今回は処理のおかげで無心になれたのは確かだ。

あの後の空気で二人きりとか地獄だからね?無心じゃなきゃやってられません。

雪ノ下は雪ノ下で地味にソワソワしてたし困ったわ……どこが氷の女王だよ…

でも冷静に考えたら俺って脅されたりするよねこれ?

『この写真拡散されたくなかったら、限定パンさん買ってきなさい』的な感じになるのか?

もしかして命令しようか迷ってソワソワしてた?これやばくない?

もう部長には逆らえません………いや元々逆らわないけどね?

てか俺の今後の学園生活ビクビクしながら生活しないといけないのか?八幡不登校になっちゃうよ?

「はぁ……」

もう自然とため息でちゃいます。

「あれ?八幡?」

えっ?この声って

「戸塚?」

あれ?癒やしが欲し過ぎてとうとう幻覚が?俺の妄想は具現化という新たなステージに昇華したのか?

「やっぱり八幡だ!」

いやマジもんの戸塚だ!!イメージ戸塚ではなく、リアル戸塚やん!!!

神様ありがと……正直最近のイベントは神様のせいとか思ってましたすみませんでした!!!

「部活は終わったのか?」

「うん!八幡も今帰り?」

「おう」

「八幡のとなり座っていい?」

「良いぞ」

むしろこのベンチ全部使って良いぞ戸塚。八幡許しちゃう。

「えへへ」

守りたいこの笑顔、天使がいつも以上ににこやかで輝いてます。

「なにか良いことでもあったのか?」

「久しぶりに八幡と二人きりで話せてるから嬉しくて!」ニコッ

「…おう」

あ、あぶねぇ………危うくまじで惚れるところだった

直視出来ない程の可愛さなんですけど?サングラスとか無意味な輝きなんですけど?

「なんでそっち向くの八幡?」

「気にするな戸塚、精神統一だ」

「変な八幡」クスクス

そんな笑う戸塚を見てときめく俺はやっぱりおかしいのか?

いやこの戸塚を見てときめかない奴の方がおかしいな、うんそうに決まってる。

「なにか飲みか戸塚?」

「良いの八幡?」

「戸塚にはいつも世話になってるしな」

「僕そんなに八幡の役に立ってないよ?」

なにを言ってるんだ!この世にいてくれるだけで戸塚には感謝仕切れないのに!!

むしろ朝、昼、晩にお祈りしないといけないレベルよ?尊さ神様レベルよ?

「小町が受験の時とか手伝ってくれたろ?戸塚が思っている以上に俺は感謝してるぞ」

「……八幡ありがとう///」

一緒に自動販売機に並び、小銭を入れる。

「ならアクエリアスにしようかな!」

ピッ ガコン

アクエリアスを自販から取り出し戸塚に渡す。

「ほい」

「ありがとう八幡!」ニコッニコッ

「…おう」

もう彼女でいいだろ戸塚

このニコニコには勝てない……戸塚はアイドルとかやったら売れる気がする。

ニコッニコッ二ーとか言いながら可愛らしさ爆発させて欲しい。

えっ?誰がプロデュースするかって?もちろん俺がプロデューサー。

『あっ!カップルがイチャイチャしてる!!』

『こら翔ちゃん!指差さないの!』

「「………///」」

あれ?なんで俺照れてんの?相手は戸塚だぞ?

普通は男女でなる現象でしょこれ?

まぁ戸塚は見れば見るほど女子に…見えて……いや今そう見えちゃまずい気がするぞ八幡。

何かの扉開いちゃいそうだよ?一部の人が喜ぶパートになるよ?

お、落ち着け八幡、とりあえず戸塚のフォローだ。

「き、気にするな戸塚」

あっボッチの俺に気の利いたフォローとか無理でした。

「……端から見たら僕達、カップルに見えちゃうんだね八幡?」チラッ

んっ?えっ?これはどう反応したらいいの?俺の反応伺ってるんですか戸塚さん??

あ、あれ?と、戸塚は男だよな?だよね?もう八幡わかんない!?

「そ、そうらしいな」

こんな状況を打開するすべなんて俺にはないぞ!?ボッチなめんな!!

「ふふっ」

えっ?

「八幡困ってるっ」クスクス

「と、戸塚?」

「ごめん!八幡がどんな反応するか試しちゃった!」

か、からかったのか!?と、戸塚が天使から小悪魔にクラスチェンジした!?

「な、なにかと思ったぞ戸塚……」

「えへへつい楽しくなっちゃって!ごめんね八幡?」

「ま、まぁいいけどな」

いや心臓ドキドキだからもうやめてね??

でも天使戸塚も良いけど、小悪魔戸塚も良いな……

二人とも小さくなって両肩に乗ってもらいたい。

「やっぱりもっと筋トレしないと、男らしく見えないのかな」

力こぶを作る真似をしているが、全然わからないのが戸塚クオリティー。

「大丈夫だ戸塚、テニスをしてる戸塚は格好いいぞ」

「ほんと??」

「おう」

格好いいプラスに愛らしいがセットになるがな、それも戸塚クオリティー。

「八幡も運動してるとき凄く格好いいよ!!」

「そ、そうか?」

「うん!八幡は運動部入ってたらレギュラーになれると思うよ!テニス部部長が保証するよ!」

今からバイトと奉仕部やめてテニス部はいろうかしら??

「さすがにそれは言い過ぎだ、良くて補欠レベルだよ」

「そうかな??僕八幡とダブルス組めるなら負ける気しないよ!」

海老名さんなら『ヒキタニくんと戸塚くんの愛のダブルス!?!?腐腐腐腐!!』とか反応しそうだ。

「ねぇ八幡!今度時間あったらまたテニスの練習付き合ってもらいたいんだけど…」

「バイトない時ならいつでもいいぞ」

「良いの?」

「おう」

「やった!ありがとう八幡!話してたら八幡とテニスしたくなちゃって!」

ギャルゲーでもこんな健気なキャラいないぞ??

全国の戸塚ファンを代表して言わせていただきます。

なんで戸塚は女性じゃないんだぁぁぁぁ!!!

「バイト以外暇だから、いつでも言ってくれ戸塚」

「うん!!でも八幡無理しなくて良いからね?」

「おう」

戸塚のためなら、サイヤ人が襲来しても会いに行ける自信がある。

自分で言っててなんだが、この例え方わかりずれえってなったわ……他人に使うにはやめておこう。

まあボッチの俺に小粋なトークを披露する場面なんてないがな。

「そういえば八幡、最近皆ともっと仲良くなってきたね?何かあったの??」

んっ????ボッチの俺が仲良く???誰と???えっ????

「なんの事だがさっぱりなんだが???」

「えっ?雪ノ下さんとか由比ヶ浜さんとか海老名さんとか三浦さんとか川崎さんとか!!」

「いやいやいや仲良くないからな??」

「でもバイト先に遊びに来たって言ってなかった?」

「い、いやまぁそうだけど…でも勘違いするな戸塚!俺はボッチだ!!」

「そんな自信満々に言わなくても……でも八幡」

「んっ?」

なんか戸塚の雰囲気がいつもと違う?真剣って感じがするんだが…

「僕は八幡の友達だから、八幡はボッチじゃないから」

「だから僕の前でボッチとか言うのはダメだからね!!また言ったら僕でも怒るからね!!」

怒る戸塚見てみたい……じゃなくて……

戸塚にここまで真っ直ぐに気持ちを伝えられたのは初めてかもしれない。

正直、ここまで戸塚が俺の事を見ていてくれてるとは思っていなかった。

いや……俺が戸塚の事を見ていなかっただけか。

改めて振り返ると戸塚は俺という人間を正面から見ていてくれていた。

小町以外でここまで俺に信頼を寄せてくれていて、俺の事を見てくれていた人はいたか?

壁を作って逃げる俺をなぜと思う気持ちはずっと残っている。

だが今の戸塚をみて、そんな事を口に出したらそれこそ怒られるだろう。

最近の俺は少し変わった気がする。その変化のおかげでなのかわからないが、戸塚の想いがすんなり伝わって気がする。

こう考えてる時点で変わってきているんだろうな…

「………ありがとう」

「えへへ」

もっと感謝の言葉を述べるべきなのだろけど、今の俺にはこれが精一杯だ。

フレンチトースト奢るので許してもらおう。

「夕日綺麗だね」

「そうだな」

いつもほんわかしていて女の子にしか見えない戸塚だけど、先程の戸塚は素直に男らしかった気がする。

でも少し恥ずかしかったのか、ほんのり顔が赤い気がする。

言ってる俺も顔が赤いかもしれんがな…

まぁ二人とも夕日のせいかもしれないってことにしとくか。

 

 

そんな事を話つつ、その後も一時間程公園で話してしまった。

「戸塚チャリ乗っていくか?」

「ううん!大丈夫だよ八幡ありがとう!!」

「そうか、気を付けて帰れよ」

「八幡も気を付けてね!!バイバイ八幡!!」

「おう」

戸塚に手を振り公園を後にする。

ピロン

「んっ?しまった…」

『愛しいのお兄ちゃんへ♥️

このまま連絡なかったら、お兄ちゃんだけ小町の手料理抜きだからね』

最初は♥️とかついてんのに、最後は絵文字なし…

そう言えば連絡すんの忘れてたわ

本屋は明日にして、ご機嫌取りのためにアイスでも買って帰るか。

 

 

 

「……八幡と僕がカップルかぁ…他の人に言ったら嫉妬されちゃうね」

「久しぶりに八幡といっぱい話せて楽しかったなぁ」

(最近の八幡は小町ちゃん以外にも壁が薄くなってきる気がする)

(八幡はあまりわかってないだろうな…八幡に好意を寄せている人が多くいるって事)

(その中の誰かと、いつかカップルになるのかな?…他の皆はどうなっていくのかな?)

「僕に出来る事は、見守ることと八幡の味方でいることかな?頑張ってね八幡」

 

 

「たでいまー」

「お兄ちゃんおかえり~ご飯出来てるよ!」

最愛の妹にお出迎えを受ける、兄として最高の喜びだろう。

「おう……あっ」

「急にどうしたのお兄ちゃん?」

すっかり忘れてた…小町を見て思い出すとか、どんだけ抜け落ちてんだよ。

「あっ!ご飯にする?お風呂にする?それとも小町にする?」

いや違うからね?お兄ちゃんそれを待ってた訳じゃないからね?

「小町」

「えっ!?こ、小町にするの!?」

「違うわ」

「び、びっくりさせないでよお兄ちゃん!先にご飯準備しとくからね~」

「こら逃げるな」ガシッ

「あぅ」

本日のコスプレ事件、元凶はこの子でしたね。

危ない危ない、そのまま飯食って忘れるところだった。

てかむしろアイスとか買ってきちゃったし…これは俺の分にするか。

「飯の前に聞きたいことがあるんだが小町ちゃんや」

「な、なんのことでしょうかお兄ちゃん?」

「なぜ雪ノ下に執事服渡したんだ?」

「そ、それは…」

「それは?」

「雪ノ下さんと小町だけ、お兄ちゃんの面白い姿を見れないのは不公平かなぁ~なんて」

いや不公平ってなんだよ?俺の執事服は面白いに分類されるの?まぁキモいよりかはマシだが…

「俺は見世物じゃねぇっての」ワシャワシャ

「お、お兄ちゃん!?髪くしゃくしゃになるよぉ!」

古来より兄妹のお仕置きは髪の毛ワシャワシャの刑と決まっているのだ。

肉体的苦痛、精神的苦痛を兼ね備えたハイブリッド拷問と言っても過言ではない。

「もぉ~お兄ちゃん」

ほら小町も嫌で嫌でしょうがない……顔はしてないな?むしろ少し喜んでいませんか?

なるほど、千葉の兄妹には拷問ではなくご褒美に近くなるんだったか。

「反省したか小町」

「反省したからご飯食べよ!」

「おう」

まぁ今日はそこまで追求する気分ではなかったし、これで許してやるか。

だがアイスはやらんぞ。

 

 

ふぅ、風呂も入ったしアイスでも食べるか。

「……小町のやつバニラ食べたな」

冷凍庫に入れておいたアイスが一つなくなっていた。

そして小町は既に部屋の中……逃げたな?

「まぁいいか」

俺はストロベリー味食べたかったしな、恐らく小町も理解してバニラを選んだんだろう。

「さすが妹だな」

ピロン、ピロン

「うん?」

誰だ?スパムメールか?

ピッ

『一色いろは』

「げっ」

嫌な予感しかしない……

この微妙な時間帯では『あっ!ごめん~寝てたテヘペロ!』とか使えないじゃん……

とりあえず確認するか…

『先輩こんばんわ~!

明日の放課後暇ですよね!なので私と放課後に買い出しに行ってもらいます!!』

「予想通り面倒事だな」

てか俺が暇なことを前提として、話が進んでるのがおかしい。

明日は本屋に寄りたいし部活もある、うん断ろう。

「とりあえず断りのメールを…んっ?」

もう一通メールがある?

『先輩♥️いいお返事待ってますよ!!

添付ファイル』

添付ファイル?画像か?

「……」

『行かせていただきます』

ピロン

『さすが先輩!!では放課後お願いしますね♪』

『はいよ』

ピッ

「……俺は二度とコスプレなんぞせんぞ!!!」

「お兄ちゃんどしたの?」

「気にするな小町、お兄ちゃんは今人生において大事な決意をしたまでだ」

「思ってたより壮大な案件だった!」

ソファーに座るお兄ちゃんの横にくる妹。

「さてさてお兄ちゃん!アイスも食べたことだし!今度は小町の執事になる番だよ!!」

「はっ?」

「はっ?じゃないよお兄ちゃん!妹である小町にご奉仕しないなんて、小町的にポイント低いよ!!」

つい数秒前に決意固めたばかりなんですけど?

「なるほど……だが断る!!」

「だかそれを断る!!」

な、なにっ!?まさかすぐさまリターンが来るとは!

やるな小町…だかしかし!!

「それも断るよお兄ちゃん!!」

「おい小町、まだなんも言ってねぇよ」

「お兄ちゃんの事なんてお見通しだよ!」

出た小町の固有スキル的なやつ。

『お兄ちゃんの心なんてお見通し!』

俺絶対隠し事できないじゃん……

「…お兄ちゃんだめ?」

「……」

誰だよこの世界に上目遣い最高とか広めたやつ。

広めたせいで女子はこうゆうときに、あざとく使うんだ。

そして男はあっさりと

「…やったらすぐに終わりにするからな」

堕ちてしまうんですよ……

あれ?これ本日二回目の上目遣い堕ち?

俺チョロくね?

「やった!!」

はぁすぐに終わらせればいいか……

「はいはい」

そして結局二時間程『イエスマイシスター』状態が続き、お兄ちゃんから執事お兄ちゃんにジョブチェンジしました。




いやー戸塚って一番ヒロイン向けなのかもしれないと、書いてて思いましたww

投稿間隔についてなんですが、以前よりペースが遅くなる可能性がございます。
楽しみに待って下さってる読者様、大変ご迷惑をおかけします。

出来れば一週間に一話は出したいと思ってます!!
調子が良いときは、前みたいに出せたらと思います!!

それではまた次回!!!


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ボッチバイト始めました⑰

やっはろーでございます!!
またもお久しぶりですww

さっそく一週間が一ヶ月以上に延びてすみません…

呆れてる方も多くいらっしゃる方思いますが、それでも読んでいただけたら幸いです!!

それではどうぞ!!!


「先輩…ドキドキしませんか?」

夕日に照らされるあざと可愛い後輩。

「……少しだけだ」

先輩である俺に、いつも面倒事を押し付けてくる厄介な生徒会長。

「先輩の強がり」

「言ってるお前も強がってんだろ…」

だからたまにはビシッと言い返してやらないといけないと俺は思う。

年上としてやられてばかりの八幡じゃございません。

「きゃっ!せ、先輩っ」

「……なんだよ一色」

「……先輩」

そうこの状況が俺らの精神を駄目にしているに違いない。

だからリア充の考える事はわからん…

「あの……せーので言いませんか?」

「今思ってることをか?」

「はい!いきますよーせーの!」

 

 

 

 

 

 

「観覧車って思ってるより怖い」

「観覧車って思ってるより怖いです」

えっ?誰が後輩とラブコメみたいな展開になってるって言いました?

このドキドキは恐怖のドキドキです。

「だったら揺らすのやめてくださいよ先輩!!怖いんですから!!」

「お前から始めた事だろ一色」

うん、観覧車って揺れると怖いよね?

てか景色を楽しむ以前に恐怖が勝るってしまうのはまずくない?

「むぅ…ならもう揺らすの無しです!!」

「はいはい」

「揺らしたら飲み物奢ってくださいね?」

「…当然お前もだろ?」

「なんのことですか??」

「はぁ…わかったよ」

なぜ生徒会長と現在進行形で観覧車に乗っているのか、俺的にも謎である。

どこのギャルゲーだよ……はぁなんでこうなってんだか。

とりあえず何が悪かったか思い返してみるか…

 

~~~~~~~

 

 

「先輩~!おはようございます~!」

「げっ」

「可愛い後輩が挨拶してるのに、げっはひどいですよ先輩!!」

今日もだるさMAXで登校してきた八幡です。

そんな八幡ですが学校について早々に一色にに捕まってしまいました……

戸塚なら大歓迎だったのに……てか今日は出来るだけ一色から逃げようと思ってたのに、あっさりと下駄箱で遭遇しちゃったよ。

「はいはい…そんでなんか用か?」

「放課後の買い出し、逃げないでくださいね?」

あっこれ俺が逃げる前に言質を取りに来やがったな……なんて恐ろしい子!!

「……ああ」

「オッケー貰いましたからね!!」

わざわざ朝一で待ち伏せはアホだろ一色さんや…

その行動力を生徒会に向けてくれ。

「てか俺そこまで一色の頼み事をばっくたれことないだろ?」

「なんですか先輩?俺は一色の頼み事なら必ず守るとか言いたいんですか?まさか告白ですか?

ごめんなさい先輩、確かになんだかんだ手伝ってくれる面倒見の良い先輩ですが、後少しで頼りになる良い先輩になるので、もう少し頑張ってお手伝いしてからお願いします」

出たよ……気付いたら俺が振られてるやつ……

これ毎回半分も聞き取れないぞ?一色も雪ノ下も早口多いんだよな…やめて欲しいわ。

「なに言ってるかわかんねぇけど、とりあえず今日の放課後は買い出し手伝うから安心しろ」

「逃げたら生徒会長権限で色々しますから!!」

怖いわ!?後一年で卒業なのにまた干されたら死んじゃう……てかどんだけ重要なんだよ買い出し

「はいはい」

てか写真がある時点で逆らえないっての……

「ありがとうございます先輩♪」

 

 

実は昨日の放課後、俺がコスプレをしている所を一色に見られていたらしい……

その証拠に、俺が執事姿の写真が送られてきた。

正直、一色が意図的に俺の写真を拡散するとは思っていない。

しかしあくまで俺個人の予想に過ぎない、人生は大抵予想通りにいかないからな。

もしかしたら何かの拍子に拡散しちゃったって事もなりかねない。

今日は情報漏洩のために買い出しの時にでも交渉するつもりだ。

とりあえず拡散はやめてくださいお願いいたしますってな!…………決してお願いではなく交渉だ、ここ重要。

まぁなんとかなるだろ……多分。

「おはよー八幡!」

そう考え事をしながら席に座っていると、天使の囁きが聞こえたので後ろを振り返る。

「おはようマイエンジェル!」

「もう僕は戸塚だよ八幡!」

「そうだな戸塚」

つい天使過ぎて今日もマイエンジェルと言ってしまったぜ!!

「八幡は今日もバイト休みなの?」

「今日は定休日だがら休みだ、戸塚は部活か?」

「うん!また昨日みたいに放課後会えるかもね?」ニコッ

戸塚のニコ顔は人殺せるよ?乱発すると人類滅びるぞ?

俺に関しては、軽く20回は死んでるよ?

「お、おう」

なにその首かしげ+微笑みは…今ので5回戸塚死したぜ

てか急に放課後が楽しみになって来た。

しかし今日は既に囚われの身なんだよな…くそっ!誰か俺を助けてくれ!!

あっボッチの俺に助けとか皆無なの忘れてたテヘペロ☆

「あーでも今日はその時間には家にいるから会えないな」

「そうなんだ…それじゃ会えなそうだね…」

うん買い出しをやめて公園とか行こう、そうしよう。

むしろどんな用事があっても、全て投げ出して戸塚に会いに行きます!!

いや…それだと一色がうるさいか、なら戸塚と会ってから買い出しに行けばいいんじゃね?やばい俺天才か?

「すまん」

「ううん大丈夫だよ八幡!別に公園じゃなくても八幡とはお話出来るし!いっそのこと出掛けたりしようよ!」

おぉ!?こ、これは放課後デートのお誘いってやつか!?

早く帰ってデートスポットを調べなければ、そしてシミュレーションを重ねて、最高の放課後デートにしなければ。

もう必殺『すみません今日体調が…』で早退してしまうか……

「そ、そうだな、休みの日でも出掛けるか」

「うん!」

あれ?これ戸塚ルート入ってね?フラグたってね?

もうこれで良くね?このフラグ折りたくないんですけど!

「朝からだらしない顔してるわね、ほうけ谷君」

「…朝は眠いから仕方ねぇんだろ」

「おはよう雪ノ下さん!」

「えぇおはよう戸塚君」

さっそく二人の時間が終わってしまった…

相変わらず一言余計なゆきのんだことで。

てかいつも通りだな……昨日の事は気にしてないのか?

あの時の雪ノ下は、俺からみても暴走気味なのは理解していた。

俺なら家に帰って即枕とお友達になっているレベルだ。

「なにかしら比企谷君?」

むしろ俺が聞きたいわ、なぜ平然としていられるのかと

「…いやなんでもない」

「そう」

ここまで普通にされると、昨日の出来事が俺の妄想だったなんじゃないかと不安になってくるんだが……

わざわざ雪ノ下に確認取るなんて自爆技は使う訳にはいかない。

なんか怖くなってきたよ八幡……

「そうえば由比ヶ浜さんはどうしたのかな?」

「由比ヶ浜さんはインフルエンザで病欠よ」

「あいつインフルかよ」

俺が学校で苦しんでる頃、由比ヶ浜はインフルで苦しんでいたか

くそっ!むしろ変わって欲しかったわ!!

まぁ…インフルってしんどいらしいから、後でメールでもいれとくか

べ、別に心配なんてしてないんだからね!

「比企谷君、その気持ち悪い表情どうにかしてくれるかしら?」

「ありのままの俺を全否定だな」

「はは……」

ガラガラ

「そろそろチャイムなるぞー皆席に着け」

「席に戻るね八幡!また後で八幡、雪ノ下さん!」

「ええ」

「おう」

さて今日も疲れる一日の始まりだな。

「……」じー

「……なんだ雪ノ下」

「……いえなんでもないわ」

ゆきのんが何考えてるかわからないわ八幡…

(き、昨日の私の事どう思ってるのかしら……気になるけどそんな事聞けないわ…なぜ普通なのかしら比企谷君は…)

「……はぁ」

「……はぁ」

 

 

そんなこんなで放課後。

雪ノ下に部活に参加出来ない有無を伝えて校門へ。

しかし一色の買い出しの手伝いをすると言った途端「……わかったわ」ギロッっと睨まれたのは何故なんだろうか

一応これも部活の一環なんだけどな……てか正直行くの面倒なんだが、変わってもらえるなら変って欲しい。

今なら『ごめん校門でまっていたんだが、大量の荷物を持ったお年寄りが目の前を通ったから、荷物を持つ手伝いするために一緒に帰った』を使えるんじゃないか??

『八幡逃げ百手』の一つを披露するときが来たか。

よし思い立ったが吉日と言うし、さっそくメールを送って帰るとするか。

「……先輩~?」

「……」

ふっ……試合終了か

「先輩~今帰ろうとしてませんでしたか~?」ガシッ

「ち、違うぞ一色、俺はお年寄りをたすk」

「言い訳はいいのでいきますよ?」ニコッ

ひぃー?!ニコッ顔の破壊力が通常と違うベクトルに働いてるよう!?

「……はい」

 

 

「もう先輩!!可愛い後輩を置いて帰ろうとするなんてひどいですよ~!!」

そんなほっぺた膨らませるな、可愛いだろうが。

「はいはいあざとい」

「むぅ…そんな先輩がそんな態度取ってたら~私~誤送信しちゃうかもしれないですよ~」

「本当にすみませんでした」

「折れるのはや過ぎですよ先輩」

一色に見事に捕まり、目的地に向けて移動中。

目的地は聞かされてないが、買い出しがをしにいくので恐らくららぽーと辺りに行くんだろう。

「当たり前だろ、あんな写真流失なんかされたら人生終わるからな」

「まぁ流失しても、そんな皆さん気にしないですよ」

「そんなことない、戸塚と小町が失望してしまう」

「二人だけですか……」

さっそく脅しのネタとして使われたが、今の感じを見たところ冗談まじりだとわかる。

この調子なら、普通ににお願いすればなんとかなりそうだな。

まぁその事も気にはなるんだが……

「一色」

「なんですか先輩?」

「南船橋で降りないのか?」

「降りないですよ?」

おかしい……ららぽーとに行くには南船橋で降りないといけないのだが。

もしかしたら一色は新たなルートを開拓しようとしているのだろうか?

だとしたらアホである。ここは先輩として間違いを指摘してやらなければ。

「しかし南船橋で降りないとららぽーと行けないぞ」

「そんな事わかってますよ!バカにしてるんですか先輩!」

おっと、承知の上でか……道なき道を進むつもりか一色。

いつからそんなチャレンジャーになったんだ?なんか少しカッコイイじゃないか。

「先輩もしかしてららぽーと行くと思ってます??」

「えっ?違うの?」

「違いますよ?」

「ならどこに行くんだよ」

なんやら携帯をいじりだし、バッと携帯の画面を指さした。

「えっ?」

 

 

 

買い出しを終えてすぐに帰れるとか最初は考えてました。

そんな甘い過去の自分を叱ってやりたい………現実はマッ缶の様には甘くないと。

「やっと着きましたね先輩♪」

「……」

「一色さんや」

「なんですか先輩?」

「なぜ水族館にいるんですか?」

「今日の目的地がここだからです!!」

当事者の俺知らずここに来たんですけど……

そんなこんなで、何故か葛西にある水族館に来ております。

てかなんでここなんだよ……日本に多くある水族館からなんでここチョイスすんだよ……

由比ヶ浜、雪ノ下と行った所じゃなくてもいいじゃないの、八幡なんか嫌な予感しちゃうよ?

「なら水族館で何を買い出しするんだよ、あれか築地と間違えたか?」

もし間違えたなら、あざと可愛い後輩からあざと頭弱い後輩に設定を更新しなければ。

「なんで生徒会に魚が必要になるんですか、アホなんですか先輩?」

おふっ、なんでか俺がアホ扱いされた…

アホキャラは由比ヶ浜だけで充分間に合ってる。

「買い出しは?」

「しませんよ?」

「……今日の予定は買い出しでは?」

「予定は未定ですよ先輩♪……だめですか?」

小町もよく『お兄ちゃん~服みたいからあのお店行こ?だめ?』って予定してないイベントを発生させる……

年下特有の『だめ?』とか、世の中お兄ちゃんは断る術がないんですけど?

アオ甲羅を投げられた一位の末路みたいに、運命は決まっちゃうレベルよ?

「…はぁ、そんな遅くまでいるつもりねぇからな」

「わかってますよ!それじゃ行きましょ先輩♪」

二人きりで水族館とか、どう楽しめばいいかわかんねぇよ…

「あっ眼鏡は絶対かけて下さいね?他の人に先輩と水族館にいること見られた恥ずかしいので」

「解せぬ」

 

 

後輩の要望に従い変装をする、眼鏡をかけていつもより背筋を伸ばす、バイトの時にやっている状態だ。

どんだけ俺と一緒に歩くの嫌なんだよ……知ってたけどね?別にショック受けてないからね?

な、泣いてなんかないんだからね!

「先輩どうですか?」

「…相変わらず泳いでんな」

「何いってるんですか先輩、魚なんだから当たり前じゃないですか」

「働き者だな」

「なんでそうなるんですか…もっと普通の感想言ってくださいよ!」

だってこいつら皆働いてんだぞ?

ある一定の自由しか許されない場所に閉じ込められて、閉館時間になるまでずっと人目にさらされる。

そんな魚達を見て『綺麗ー!』『可愛い!』とかより

お疲れ様ですと言った方が魚達も嬉しい筈だ。

「あっこの熱帯魚先輩に似てません?」

「どこ辺りがだよ」

「一匹だけ端でうろちょろしてる感じが」

悪かったな端でうろちょろしてて…

大丈夫だ、お前の頑張りしっかり見てるからなハチ魚

よ。

「ならあれは一色に似てるな」

「どれですか先輩??」

「あれだ」

うん、似てるな。

あの大量に魚を引き連れてる感じ、恐らく周りの魚はオスだな。

「あの引き連れてる魚ですか?」

「おう」

「もしかして先輩、私が男子にモテる可愛い後輩って言いたいんですか?」

えっ?なんでそんな解釈になったんですか?

俺はあの引き連れてる感が、あざとさを全面に出している一色に似てると言いたかったんだか

「ちが」

「もぉ~先輩はやっぱり捻デレですね~」

ニコニコし始めたよこの子…これほんとの事言ったら痛い目に合いそう。

てか一色テンション高いな…いつと通りなら俺の思考を読んだり済んだけどな。

そんなに水族館楽しいか?リア充の考えることはようわからん

「すみません先輩、少しお手洗いに行ってきます」

「あいよ」

「勝手にいなくならないで下さいね!!」

「はいはい」

ここまで来て逃げられないっての……

でも一人は暇だな~少し周りをみているか。

うん?なんだこいつ…チン…アナゴ?

砂からチョロ顔出したりしてるけど、なんだろう…これっていいのか?

『チンアナゴ可愛い!!』とか言ってる女性いるけど、なにかアカン気がするのは俺が汚れているからなのか?

んっ?なんかすげー視線を感じる気がする……気のせいか?も、もしかしていつもの不審者扱いか!?

それはまずい……は、早く戻って俺の誤解を解いてくれ一色!!

 

 

(先輩と水族館デート…しかも眼鏡姿の先輩!!)

(今は軽口たたいて平常心でいるけど、正直心臓バクバク…)

(雪ノ下先輩と由比ヶ浜先輩と行ったって聞いたし…私も負けてられない!!!)

『ねぇさっきの眼鏡かけてた高校生格好良ったね!』

『モデルとかやってる子なのかな?一人だったし声掛ければ良かった~』

『さすがに高校生に手出したらやばいよ~』

『そうだね~』

「……はやく先輩のところに戻らないと」

先程のトイレに入ってきた、大学生風の女性達の会話を聞いて急いでトイレを出る一色。

(うっ……先輩の周りを通っていく女性が振り向いていってる…どこぞの美少女なんですか貴方は!!)

「……!」

(あっ…先輩が私を見つけて助けを求めてる……なんか嬉しい)

「先輩~!」

「……おう」

「なに見てたんですか?」

「気にするな、とりあえず早く移動するぞ」

「あっ先輩待って下さいよ~」

(……今の先輩の隣歩ける私は恐らく羨望の眼差し受けてるんだろうな……先輩カッコイイなぁ)

 

 

ふぅ…一色が戻ってくれて助かった…そんなにチンアナゴを見る男子高校生が珍しいの?

俺よりもチンアナゴ見ろよ!?隣に人が来る度チラ見される身にもなってくれ……

どうしようツイッターとかに『一人でチンアナゴ見てるキショい男子高校生w』とか晒されたら……

「先輩聞いてますか?」

「んっ?なんだ?」

「もうっ!このキーホルダーどうですかって聞いたんですよ!」

社会的危機について思わず考えに耽ってしまっていた。

「あー良いんじゃねえか」

「絶対てきとうに言ってますよね先輩っ」

「何言ってんだ、適当に決まってんだろ」

「意味が真逆の事言ってますよね」

「おっこのイルカ良いんじゃないか」

「あっ逃げた!」

さて現在売店にいるが……小町に土産を買っていったら今日の事がバレてしまうからなしだな。

そうなるとやることがないな、いや戸塚なら良いんじゃないか?

よし戸塚にお土産を買っていこう!!

「このペンギンの刺繍が入ったタオル可愛いです!!」

「おお確かに良いかもな」

戸塚が部活の時に使うのにも良いかもしれないな。

「はい先輩♪」

「なぜ俺に渡すんだ一色」

「買ってくれないんですか?」

「おい、なにあたかも当然ですよね?って感じにしてんの?」

だから男が買う風習なくして下さい……てか

「俺が一色に買う理由ないだろ」

「あれです!デートの練習なのでこうゆう所もリアルさを求めないとダメなんですよ先輩!!」

俺聞いてないんですけど…

「……やっぱりだめですか?」シュン

「……だめだ」

「ちぇ~先輩のケチ!」

「うるせい、もう諭吉さん達と離れたくないんだよ」

その手には乗らないからな!八幡は成長する男のなのだ。

「むぅ~」

「てかそろそろいい時間だし帰るぞ一色」

「は~い、あっその前にお手洗いに」

「またか」

「女性はお化粧直しとかあるんです!」

「はいはい」

(実はさっきすぐ出てきちゃったからなんだけど)

「待ってて下さいね!」

「はいよ」

 

~~~~~~~

 

って水族館を出て後は帰るのみだった筈なんだが…

「なんで観覧車乗ってだよな」

「なんですか先輩?そんなに高い所苦手なんですか?」

「何言ってんだ一色、怖いに決まってんだろ」

「あっさり白状してるじゃないですか……」

「すぐバレるから良いんだよ」

葛西の水族館の近くには、なぜか観覧車がある。

一色曰く『ここのデートの締めは観覧車なんですよ!!』って力説するんですもん。

そら飲みの後の締めは絶対ラーメン!!って平塚先生言ってたが、それとこれは似てるようで全然似てない。

そんなこんなで観覧車に乗ったんだが……

「あっ…夕日綺麗」

「……そうだな」

こんな空間、彼女いない歴=のボッチには未開拓領域過ぎてどうしたらいいかわからないんですけど!!

さっきまで少しおふざけなムードだったのに、ラブコメ否定してたのに、頂上に向かうに連れて無言になって変な空気になってしまうのはなんでだ!?

「……」

「……」

最近変化が多い気がしてならない。

バイトを始めてからというもの、今まで関係をもっていたやつらとの距離。

そうでなかったやつとの距離。

そして俺自身の変化……

今もこうして夕日に照らされる一色の顔を見るとドキッっとしてしまう自分がいる。

いつもはあざとい可愛さを振りまく一色いろは。

しかしこいつの良さは、そんな中に見え隠れする素直で少女の様な純粋な所だと思う。

葉山に振られた後に見せた素直な気持ち、本物を求める純粋さ……

夕日を見つめる今の一色を見たら、より男達がほっとかないだろな。

そんな一色となんで観覧車乗ってんだよ俺…いつからリア充の仲間入りしたんだよ。

こんな事考えている俺もまずいなオイ…完全に雰囲気に当てられてんな……

しっかりしろ比企谷八幡!理性の化け物と称された俺の力を見せるときだ。

「…先輩」

「ひゃい!」

さ、さっそく自滅しました…

やべぇいつも以上に何考えてるかわかんないんですけど、誰かテレフォン使わせてくれ!!!

あっ電話する友達いなかったテヘ

(一色いろは!先輩とこんな状況になる事なんてもしかしたらもうないかもしれないんだから!)

(い、今なら先輩に告白出来るチャンス……頑張れ私!!あの人達を出し抜くにはアタックしかない!!)

「だ、大丈夫か一色?途端うつむいて、もしかして体調悪くなったのか?」

「だ、大丈夫です///」

(……い、今の先輩が格好良すぎて直視出来ない///全然大丈夫じゃない私…絶対顔真っ赤///)

大丈夫かこいつ?うつむいたと思ったら、顔真っ赤にして…

一色も高い所苦手なのかやっぱり?

そんな事考えているうちにそろそろ終わりが見えてきたな。

「せ、先輩!!」

「は、はい」

な、なんだ?大声出したと思ったら、小刻みに震えてないか??

「私っ!!」

「って一色そんな勢いよく立つと危ないぞ!?」

「きゃっ!?」

「ちょっ!?」

一色が立つと同時に風が強く吹き観覧車が揺れた、その衝撃で立とうした一色はバランスを崩した。

その結果、つまずいた一色は俺の胸に飛び込む形となり、その衝撃を和らげようとした俺は咄嗟に一色を抱える様に受け止めた。

そう…周りから見たら抱き合ってるように見える体勢になってしまった。

えっ?まずくない?

「……せ、先輩ありがとございます///」

「お、おう///」

こ、この状況は非常にまずい……その上目遣いやめてくれ?!ボッチの俺には耐えられないぞ!?

一色さんめっちゃいい匂いするんですけど、めちゃ華奢なのに柔らかいっすけど。

お、落ち着け八幡!!感想がただの変態に違いないぞ!!とりあえず一色から離れないと!

「と、とりあえず席に戻れ一色」

「……」ギュ

「い、一色?」

(先輩めちゃいい匂い……しかもひょろひょろしてるイメージ強いのに思ってる以上にがっしりしてる…やばい…先輩から離れたくない…このままじゃ私…)

まずい…本当に…なのに一色の顔から視線が外せない。

なにやってんだよ俺…考えるのをやめるなって

「先輩……」

「い、一色……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あのすみません……」ガチャ

「……」

「……」

「えっと……お、お時間です」

もう下に着いてたぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!????

(もう下に着いてるぅぅぅぅぅぅ!!!!!????)

 

 

「……」

「……」

き、気まずい…従業員の人も顔真っ赤にしてたし、俺らの方が恥ずかしい思いしてるんですけどね!?

もう八幡の歴史上で上位に食い込む恥ずかし出来事でしたよ!!!

「せ、先輩!!」

「ひゃい!!」

「さ、さっきのは事故です!!た、たまたま転んでああなっただけです!!」

「そ、そうだな!事故だな!ああなっただけだな!」

テンパり過ぎてお互いに説明になってないのは、今は気にしたら負けだ。

「それでも私が揺らした事になるので飲み物買ってきます!」

「お、おう」

「バック持ってて下さい!行ってきます!」タタタッ

「……ふぅ」

この顔の熱は一色が戻ってくる前になんとかしないと……

 

 

 

 

「それじゃ俺この駅だから」

「はい、今日はありがとうございました!」

「気を付けて帰れよ」

「お疲れさまでした!」

プシューバタン

……先輩とのデート終わっちゃった。

先輩あんな事あったのに、飲み物買いに戻ったらいつも通りに戻ってた……

その先輩みたら私も表に出しちゃいけないと思って普通にしたけど、内心はずっと心臓が壊れちゃうんじゃないかってぐらい鼓動が早くなっていた。

「…///」

今でも顔が真っ赤になってるんじゃないかって心配になる。

あの先輩が私を見つめてた……も、もう少しで………ってだめ!思い出したら死んじゃう!!

でもこれで鈍感な先輩も、私の事を意識してくれるかな?生意気な後輩から可愛い後輩に……

「飲み物しまわないと……あれ?」

んっ?なにこの袋?こんなの入ってなかったよね?

…中に入ってたんだから、私が見ても怒られないよね?またしまえば良いし!

「……これって」

『…だめだ』ってあの時言ってた癖に………もうっ!こんなことされたら嬉しいに決まってるじゃないですか!!

「先輩こそあざと過ぎです///」

タオルに顔をうずめる一色いろはの耳は嬉しさを表すように真っ赤になっていた。

 




いや~いろはすは照れてこそのいろはすですね!!

今度は誰を視点にあてよかなw

それではまた次回!!!


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ボッチバイト始めました⑱

かなりお久しぶりです皆様!
やっはろーでございます!

本当に更新せずにすみませんでした。
嫌だと思わず読んでいただけたら幸いです。



人間は欲求というものがあり、食欲、性欲、睡眠欲と呼ばれる三大欲求がある。

人は面倒くさいもので、欲求が満たされてないと考えなしに行動してしまう、大人でも子供でもだ。

いつもは冷静な判断が下せる筈なのに、脳が働かない事態に陥ってしまう。

だから欲を満たすのは大切な事だ、そうして人は人でいられる。

冷静な俺が一日を平和に過ごすために必要な事。故に俺は本能に従っているのだ。

「……小町後五分」

「もう起きないと遅刻しちゃうよ!!ほら起きる!!」

「……わかったよ」

「高校生3年生になっても妹に起こしてもらわないといけないなんて……ほんとごみぃちゃん♪」

なぜ嬉しそうにしているの小町ちゃん?お兄ちゃん不安になるよ……

「千葉の兄妹だから良いんだよ」

「はいはいそうだね、朝ご飯出来てるからね急いでね~」ガチャバタン

「……はぁ起きるか」

 

 

今日も妹に起こされ一日が始まった。

妹に起こしてもらうのは、千葉の兄妹として嬉しいことなのだが……今日はきつい。

なぜなら俺は寝不足だからだ……えっ?なぜって?

……昨日の出来事が頭から抜けず、気付いたら朝になってました。

またも黒歴史が増えていく……もし一色に『セクハラ先輩』など言われたら社会的に死ぬ。

もう嫌だ!!なんでこんな不運な事ばかりが続くんだ!?

元祖不運主人公はなんたらブレイカーがあるのに……俺にも特殊能力をくれ!!

「お兄ちゃんいつも以上に目が濁ってるね?」

自転車から降りた小町が、俺の顔を見て変化に気付く。

でも小町ちゃんや、もう少しオブラートに言ってくれるとお兄ちゃんのメンタルも削られなくて嬉しいんですけど……

「少し寝不足でな」

「眠いからって授業中寝ちゃダメだからね!先生達からの印象がより悪くなちゃうから!」

「はいはい」

受験生だから心配してくれるのはわかるが、より悪くなるって…もう印象悪いって言ってるようなもんですよ小町??

「寝てたら雪乃さん達に報告してもらうからね!」

「えっ」

「それじゃまたねお兄ちゃん~」

俺に安息の地はない……昼休みに寝るしかない……はぁ行くか……

 

 

「や、やっと昼休みだ」

小町の言いつけを守り、授業中は寝ずに前半を終えた。

正直いつ落ちてもおかしくなかったぜ……だが隣の雪ノ下が目を光らせていたので、寝たくても寝れなかったです。

まさか監視の目が厳しいとは思っていなかった…そんな事でやる気出すなよ雪ノ下先輩…

「ふぅ…腹減ってないし昼寝しよう」

今は食事より睡眠を優先してベストプレイスでの昼寝をする。

教室で寝るのもありだが雪ノ下の目線が辛いので今日はベストプレイスだ。

寝るために事前に用意したタオルを頭の下に敷き目を瞑る。

「やべぇ…これ…す…ぐ…寝…zzzz」

春の陽気と、蓄積された眠気によってすぐさま眠りに落ちた俺。

端から見たら『こいつ一人でなにやっての』状態になっているだろう。

いつもならその事態にらならいよう昼寝などはしないのだが、今日の俺は眠気に負けた。

「zzzz」

俺は深く深く眠りに入ってしまった。よっぽどの事がない限り人が来ないベストプレイス。

だからこそ安心して夢の中に簡単に入ってしまった。

しかし人間不思議な事に、普段しない事をすると神の悪戯の如く何かが起こる。

本人が気付くか気付かないは別にして。

 

 

「居た…」スタスタ

「…zzzz」

「…寝てるしこいつ」

「zzzz」

「……こいつの顔しっかり見るの初めて…目閉じてると結構格好いいかも…」じー

「うーん…」

「っ!!」

「…ぐーzzzz」

「……ウチなにしてるんだろ、とりあえずこれ置いておこうかな」スッ コト

「うぅん」

「やばっ!」タタタッ

 

 

「………んぁ?」

今誰か居たような?気のせいか?

「うーーん、めちゃ寝た感じするな」

やっぱり睡眠って大事だな、しかし寝るところは選ばないとダメだな…体痛てぇ……

「んっ?」

体をほぐすために座りながら腰を回していると、なぜか俺の視界にマッ缶さんが現れた。

「…えっ?なんでマッ缶置いてあんの??」

総武高校ってMAX缶コーヒーの妖精でもいるのか?なにそれ会ってみたい。

「…やっぱり誰か来たのか?しかし知り合いなら起こしそうだし…でも俺がマッ缶を愛してるのを把握してるやつなんて限られる……」

名探偵八幡の推理の始まりだ。

「……由比ヶ浜は休みだし、雪ノ下は性格的にありえない、川崎もこんな遠回しな事するとは思えん、一色は…ありそうでないな…でも昨日の事を考えると……」

色々と考えたが正直に言おう、全然分かりません……

俺の知り合いでこんな慈悲深いやつ居ないんですけど……

「うーん」

普通に考えたら、こんな怪しい状況でこれを手にする事はない。

いつもなら気にせずに教室に戻る所なんだが……今の俺はマッ缶を求めている!!!

何故なら現在俺は寝起きな上に昼飯を抜いている、しかも昨日の一色とのデー……で、出掛けたせいで財布が寂しいことになっている。

心身ともに俺はこのMAX缶コーヒーを欲してしまっているのだ。

「……」キョロキョロ

少し周りを警戒し、誰も居ないことを確認してマッ缶を手に取る。

「誰か知らんがここに置いていったのが悪い…ってことにしておこう」

キーンコーンカーン

MAX缶コーヒーを飲もうとプルタブに指をかけたが、至福の時間を遮る様に昼休みの終わりを知らせるチャイムが鳴る。

「えっ!?もうそんな時間だったのか!?」

次の授業は確か……平塚先生じゃん…

「はぁ…説教でバイト遅れないようにしないと…」タタタッ

 

一応急ぎ足で授業に向かったが、まぁ普通に考えて間に合う筈もなく…

「私の授業と知りながら遅れてくるとは良い度胸だな比企谷…」

「せ、先生これにはとても深い訳がありまして」

「ほう…何をしていたんだ?」

「……寝てました」

「衝撃のファーストブリットォォォォ!!!」

「ぎゃぁぁぁぁぁ!?!?」

結果、廊下で俺を待ち構えていた平塚先生に鉄拳制裁を喰らうハメになった。

俺はラストブリットまで生き残れるのだろうか……

 

 

「やっと放課後か……」

昼寝と平塚先生の一撃により睡魔は完全になくなり、後半も寝ることなく授業を受けられた。

まぁマッ缶の件に関しては考えるのを諦めた、正直考えても答えは見つからないとだろうと思ったからだ。

とりあえず無事に放課後を迎えることが出来たんだが……

俺は重大なミスをしてしまっていた事に気付いてしまったのだ……それは…

「一色のやつ他に言いふらしてないよね?」

我が高の生徒会長様の件でございます…

睡魔に負けてしまい全然対策を考えていなかった…何してんだよ俺…

しかし蓋を開けてみれば、いろはすからのアクションはなく放課後になり駐輪場まで来てしまった。

別に何も無ければそれで良いんだよ?だ、だがもし昨日の出来事を知り合いに話してたりでもしていたら……

「……はぁ」

今日は寝不足のせいでそこまで頭が回らなかった、今更気にしてもしょうがないのはわかっているんだけどな。

「やぁ」

そんな事を考えていると後ろから声がした。

いつもなら振り返りもしないのだが、周りに俺以外の人はおらず、尚且つその声の相手が知り合いだったからだ。

面倒だなと思いながら振り返りそいつを見た。

「……葉山か」

「少しいいかい比企谷?」

葉山隼人、総武高のアイドル的存在。

容姿端麗であり、勉学もスポーツとこなすイケメン高校生だ。

俺とは正反対なリア充代表と言える。

そんなリア充王の葉山さんが、ボッチ王な俺になんの様かな?

俺は鎖国していたんだから話しかけるなよ…

「忙しいから無理だ」

「この後バイトがあるからかい?」

なんで俺がバイトしてんの知ってるんだよ…

由比ヶ浜辺りから聞いたのか?個人情報流失し過ぎだろ…

「バイトしているっていう話を聞いたのは優美子からだ、結衣からは何も聞いていないよ」

俺の心の内を察してか、質問をする前に答えを言ってきた。

なに?最近は心を読むとかポピュラーな能力なの??

…てか三浦から聞いたのか

「…平気なのか」

なぜこの様な質問を葉山に投げ掛けているのかというと、最近三浦は葉山に告白して振られている。

その事実を知っている俺としては、葉山と三浦が普通に話していることに少し驚いている。

俺の予想だと二人はギクシャクして疎遠になっていると思っていたんだが…

「そうだね…まだ少しぎこちない感じではあるけど、前より信頼をおける仲になれると思うよ」

「…そうか」

前よりか……完全な友達としてって言いたい感じなのか?……まぁどう転んでも俺には関係ないな。

「だけど優美子がこんなにも早く立ち直ってくれると思ってなかった……優美子曰く誰かさん(・・・・)のおかげで吹っ切れたと言っていたよ」

含みのある言い方をする葉山、あたかも誰かさんの正体をわかっている様に言う。

誰かさんね……誰のことやら

「…それで用件はそれだけか」

これ以上こいつと居ると海老名さん辺りに良からぬ噂をたてられそうだ…八幡怖いっ!

「比企谷」

葉山は俺を呼ぶとスッと頭を俺に下げてきた。

「はっ?な、何してんだお前?」

「ありがとう」

俺は葉山の行動にも驚いたが、その体勢から発せられた感謝の言葉を聞いてより驚いた。

正直なところ俺は葉山が嫌いだ。

そして恐らく葉山も俺の事が嫌いだ。

俺らはリア充とボッチ…対極な存在に近い、立場だけではなく考え方も真逆だ。

水と油の様な関係だからこそ、この葉山が素直に感謝を示す事に驚きを隠せなかった。

「俺が比企谷にお礼を言うのは意外かい?」

葉山は顔をあげて少し笑みを浮かべながら俺を見る。

「まず俺に礼を言う意味がわからん」

「君は何を言ってもそう答えそうだね」

俺は別になんもしていないから当然だ。

てか分かってんなら言うなよ…

「あっそ」

「ああ」

無駄にいい笑顔でこっち見るのやめてくれます?

あれか?そのイケメンスマイルで洗剤のCMとか狙ってんのか?

「話は変わるが今度バイト先に遊びに行っていいかい?」

「何言ってんだ嫌に決まってんだろ」

「それは残念だ」

なにさりげなく許可得ようとしてんだよ…

てか絶対残念だと思ってねえだろこいつ。

「用件が済んだなら俺は行くぞ」

「後一ついいか?」

またかよっ!めんどくせぇなこいつ…

「…なんだよ」

「今日いろはが機嫌が良かったんだが何か知っているかい?」

「なんで俺が知ってると思ったんだよ…知るわけないだろ」

「そうか…ペンギンの刺繍が入ったタオルを褒めると凄く喜んでいたから、機嫌が良いと思ったんだが気のせいかな?」

「…そ、そうか」

こ、こいつわざとか?俺の事をからかってんのか!?絶対分かって言ってんだろ!!

「戸部がタオルを触ろうとした時のいろはの顔……なかなかの迫力だったよ…」

戸部……なんかあいつ無駄に可哀想だな

「…もう満足したか」

「ああ満足したよ」

はぁ…こいつの考える事は分かる様で分からねぇ。

俺にどんなリアクションを求めてんだか

「そんじゃ」

「時間を取らせて悪かったね、それじゃまた」

葉山は俺に声を掛けグランドに駆け足で向かっていった。

俺も急いで行かないとバイト遅れちまうな。

「…行くか」

チャリに跨がりバイト先に向かうため少し強めにペダルを漕ぎ校門を出た。

 

「……君は色んな人を変えてしまうんだな」

俺には出来ない方法で皆を幸せにしていく不思議なやつ。

決して褒めらたやり方ではないが、俺自身も救われた事もあった。

今回は優美子の立ち直りにも関わっていたし、いろはが以前より素直になってきたのも彼のおかげだろう。

自己犠牲か……彼の行動は本当に捻くれた愛情表現だと俺は思う。

……だがそんな彼だからこそ

「…雪乃ちゃんは彼に惹かれるのか」ぼそっ

らしくない事を考えてしまった……切り替えないとな、こんな俺は皆の知っている葉山隼人じゃない

「やっとみつけたべー!!」

俺を探しに来た戸部が手を振りながらこっちに向かってくる。

気付いたらそろそろ部活が始まる時間になっていた、部長が遅れるのはさすがにまずいな。

「さて部活するか」

遅れを取り戻す様にグランドへと走りだした。

 

 

「ふぅ間に合った」

自転車をチャリ置き場に置いて、鞄から従業員用の鍵を出す。

「やべぇ疲れた…少しペース上げただけでこれかよ」

息切れが半端ねぇ…こりゃ少し運動しないとやばいな…

いや八幡考えるんだ…これを口実に戸塚とテニスすればよくね?

自然な流れで戸塚成分を補給出来るぜ!!

「…さすがにこれはキモいな」ガチャ

そう戸塚の事を考えながらドアを開ける。

「お疲れ様です…んっ?」

最近見慣れてきた従業員休憩室なんだか…

なぜか机の上には見慣れない物が置いてある。

「…数学?これは中学生の教材か?」

教材なんて見るのは学校だけで充分だってのに…

しかも数学…これは排除すべきか

教材を持ちこいつ(数学の教材)の今後考えていると

「誰?」

「んっ?」

後ろから俺の名前を呼ぶ声、そして聞いたことある声だ。

振り替えるとそこには

「…鶴見留美か?」

「八幡??」

中学生の制服を身にまとった鶴見留美が居た。

鶴見留美ことルミルミ。

俺が二年の時に奉仕部関連で知り合った小学生の女の子だ。

まぁ今は中学生一年になったのか

ってそんなことよりなんでここに留美が??

「えっと…ルミルミでいいんだよな?」

「うん、てかルミルミって言うな」

このセリフ本物のルミルミだ

「なんで留美がここにいるんだ?」

「それはこっちのセリフなんだけど」

全然状況が掴めないんだが…ここ関係者以外立ち入り禁止だしな

「おーい留美ちゃーん!」

そう疑問に思っていると裏に店長が留美コールをしながら出てきた。

「あっ!ハチくん!来てたんだ!」

「お疲れ様です店長」

「どうしたの?」

「留美ちゃんもハチくんもお疲れ様!」

相変わらずテンション高いな…てかまずはこの状況を説明してくれ店長さんや

「今日ハチくんが来るよって留美ちゃんに説明するの忘れてたの思い出してね!」

相変わらずの伝え忘れ…もう会ってますよ

「てか店長は留美と知り合いだったんすね」

「うん!ということはハチくんも留美ちゃんと知り合いなの?」

「はい」

「なんだぁ!留美ちゃんも言ってくれればいいのに!」

「私八幡来るの知らなかったんだけど…」

「まぁまぁ!二人が仲良しなら安心したよ!!」

この人の脳は知り合い=仲良しの方程式が出来上がってるよ…

「べ、別に仲良しって訳じゃ///」

中学生にも否定されちゃう俺……べ、別に悲しくないもん!!

「知り合いなのは分かったんですが、なぜここに留美が?」

「説明は留美ちゃんから聞いてくれるかな!僕お客さん対応してるからさ!」

「は、はい」

あの人ほんと何しに来たのよ…てかお客さんをほったらかしにするなよ!?

「はぁ…それで何故ここに?」

「私の親がおじさんと昔からの知り合いなの」

店長コミュニティーの幅が広すぎて怖い……変な事噂されたらあっという間に地域に殺される…

「それで私の親が出張で家に居ないから、子ども一人じゃ危ないからおじさんの家に泊まる事になったの」

「なるほどな」

確かに女子中学生が一人で生活するのは危ないから納得だ。

「それで勉強してたのか」

「やることないしね」

「とりあえず俺は仕事あるから」

そろそろ着替え始めないとまずいからな

お客さんも居ることだし急ぐか

「頑張って八幡」

そう言うとルミルミは勉強を再開する。

「ルミルミもな」

「ルミルミ言うな」

さて俺も着替えて真摯に勤めますか。

 

 

(…びっくりした)カキカキカキ

(だっておじさんの店で八幡がいるんだもん!)カキカキ

(他の人達と違って私は八幡に気軽に会えないし…だから嬉しいな)カキ

「…///」

おっ?真剣に勉強して…る?

なんかにやけてるように見えるんたが…そんなに勉強好きだったのか?

「はかどってるか?」

「ひゃ!?」

「うぉ!?」

そんな驚くとは…こっちがびっくりしたわ

「大丈夫か留美?」

「……」

「お、おい大丈夫か?」

「……」 ぽけー

反応がないただの屍のようだ。

いやそれはまずいって、驚いてショック死とかコミカル過ぎたろ!?

「ルミルミ?」

「は、はい!」

珍しく『ルミルミって言うな』が無かったな

あれだな言われないと少し寂しいやつだ。

どこぞかのアラャラャギさん的なあれだ。

「…は、八幡…さん?」

「…数学のし過ぎておかしくなったか?」

「…やっぱり八幡だ」

なんなの?眼鏡初見はこれがテンプレなの?

絶句とかやめてくれない?唯一けーちゃんだけだよ褒めてくれたの…

「そんな仕事姿が意外か?」

「う、うん」

「そうか」

まぁ専業主夫志望の俺がこの姿は確かに驚く。

数ヶ月前の俺に会ったら『そろそろ死ぬのか?』とか言われそうだ。

ハチくーん!!!!!

「んっ?店長が呼んでんな、そんじゃ無理しない程度にやれよ」

「…うん」

何があったらあんな大声で呼ぶんだよ…

とりあえず行くか。

 

 

ガチャバタン

「………八幡格好いい///」

「はっ!だ、誰もいないよね!?」キョロキョロ

凄い勢いで周りを見渡す鶴見留実。

(よ、良かった誰もいなかった…)

「でも本当にかっこ良かったなぁ…」

ぽけーとしながら遠目で扉を見る留美はまさに恋する中学生だ。

「そ、そうえば私驚いて変な態度取っちゃった…」ズーン

(素直に格好いいって言えば良かった…で、でもあれは反則だと思う!)

(普通の時でも八幡は格好いいお兄さんって思ってたのに、急に眼鏡かけてウェイターの格好されたら……)

「…もっと格好いいお兄さんになっちゃうよ///」

「留美ちゃーん!勉強中ごめんね!ちょっといいかな?」ガチャ

「ひゃあ!?」

「うん?大丈夫??なんでそんな驚いて…ちょっと留美ちゃん顔がこ、怖いよ??」

「おじさん…ちゃんとドア開けるときはノックして」

「は、はい…って頼み事があるんだけどいいかな?」

「なに?」

「お手伝い頼めるかな??」

 

 

ハチちゃーん!注文お願い!

ハチ君コーヒーのおかわり頂けるかな?

すみません!子供用の小皿もらっていですか??

「今参りますので少々お待ち下さい!」

店長に呼ばれて来てみれば、ご覧の通りの忙しさでございます。

待て待てどこが安らぎだ…店の名前変えないと…

現在なんのピークか分からないが、満席になりしかも待ちのお客さんもいる状態。

正直な話二人ではカバー仕切れない。

「ご注文お伺いします」

お冷やとおしぼりをお持ちして注文を聞く、慣れてきた動きではあるのだが

今日は限って新規のお客さんも居てメニューの説明をしなきゃいけないので思ってるより時間を喰う。

「ハチ君!一旦厨房手伝って!」

バタバタと仕事をこなしていると、厨房から顔を出した店長が俺にヘルプを寄越している。

いやいや表に店員いなくなるのは今の状況はきついだろ!?

「いやさすがにそれは」

「貸して」

「はっ?」

店長に意見を述べようとした瞬間後ろから声をかけられた、そして手に持っていた道具を取られてしまう。

「ちょっとなら私も手伝えるから」

そして後ろを向くとルミルミ(仕事着)が現れた。

少し見ない間に伸びた髪をポニーテールにして颯爽と注文を取りに行く。

その姿はなぜか様になっており、滞りなく仕事をこなす。

いやいやなんで普通に出来るんだよ…

「中学生に仕事手伝わせてるんですか…」

「忙しいからしょうがないよハチ君!留実ちゃんには前にも手伝ってもらったことあるから!」

「はぁ」

「ほらハチ君行くよ!」

「ちょ!?襟をつかまないでください!」

気付いたら横に来た店長は言い訳を述べ、俺を厨房に引きずり込んでいった。

 

 

「ありがとうございました」

最後のお客さんを見送る。

「終わったね」

「おう」

ルミルミの手助けによりなんとかピークを乗り切った。

「二人とも忙しい中お疲れ様!!留実ちゃんは急遽頼んじゃってごめんね!」

「ううん、泊まらせてもらうから手伝うのは当たり前」

こいつしっかりしてんな…一年前までボッチの部類だったんだか

「ありがとうね!とりあえず留実ちゃんそのまま着替えて休んでていいからね!ハチ君は片付けしちゃおうか!」

「はい」

「私も手伝う?」

なぜ店長ではなく俺に聞くんだよ…

まぁこのぐらいの歳は何かと役割をこなしたがるからな

「ルミルミは休んどけ、俺も後で休憩入るから机の上片しておいてくれ」

「わかった、後ルミルミって言うな」

いつのもやりとりをして留実は休憩室に入っていった。

うん、そのセリフあってこその鶴見留実だな。

こうやって頼み事を+して言うとすんなり言うことを聞いてくれたりする。

これは小町が小さい頃に説得するときよく使った手だ。

『小町もお手伝いする!!』

『小町がやるとお菓子バラバラにしちゃうだろ』

『むぅ~!!』

『だから小町にはテーブルを拭いてもらう大事な仕事をしてもらう!』

『大事な仕事!!』

ふっ懐かしいぜ…あの頃は素直で天使だった

『そこでグータラしてるごみぃちゃんゴミ出してきて、出してこないとご飯抜き』

『…はい』

今は毒舌な天使になっちまったぜ…

えっ?堕天使の間違い?なに言ってたんだ小町は悪態ついたとしても天使だ

でもお兄ちゃん少し辛い…

「さてと片付けするか」

手馴れたように片付けからセッティングまでこなしていく

ふっまだまだ中学生には負けないぜ!

「…バイト先に中学生いるって現状がまずおかしいな」

忙しさにかまけて手助けとして受け入れていたが

まぁ普通に考えたらあり得ないじょうきょうだな

どこぞかのラノベ設定じゃあるまいし…

事実ラノベなら好かれる所をルミルミはあまり俺の事好いてないしな

まぁ毛嫌いされてないってのはさすがにわかるけどな

「ハチ君!今のうちまとめて食器洗っちゃおうか!!」

「はい」

キッチンからお声がかかってしまった…

正直手が荒れるから洗いは嫌いだ。

「ハチ君のためにいいゴム手袋新調したよ!」

「…ありがとうございます」

これで手が荒れるから皿洗いはちょっと…という逃げ道は使えなくなりました…

 

 

「ふぅ…やっと休憩だ」

片付けを終えて休憩に入る。

基本的にうちの店はツーマンセルで働いている事が多いので、休憩室を一人で使うことが出来る

まぁ今日はルミルミが休憩室の主になっているがな

「お疲れ……寝てるのか?」ガチャ

休憩室に入ると椅子に座ってテーブルに腕枕をして寝ている留実が居た。

まぁ普通は疲れるよな、大人に混じって仕事してんだもん。

俺だったら即帰ってるわ…

起こすのも悪いしソファの方で本でも読むかな。

「…は…ま」

「んっ?寝言か?」

何を言っているのか気にはなるが、こうゆうことは聞かない方が身のためだ。

もし女子中学生の寝言に聞き耳たてていたのがバレたりしたら完全なロリコン扱いされてしまう!

「とりあえず本読むか」

テーブルの上に読もうと思い置いておいた本を取る。

「はち…まん」

「…えっ?」

テーブルに近づいた拍子に寝言を聞いてしまった。

これは完全な不可抗力だ!俺はわ、悪くないぞ!?

ってそれよりも…こいつ俺の名前呼んだよな?

いやもしかしたら俺と同じ名前のやつか?

それとも八万円とか言おうとしたのか?

くっ!中途半端が一番気になるわ!

いやこれは聞き間違い…そうゆうことにしておこう。

「はちまん…おにい…ちゃん」

「なっ!?」

ルミルミの『会心の一撃』

ハチマンは352のダメージを受けた。

な、なんという破壊力だ…HPごっそり持ってかれたわ…

今度の寝言はしっかりと俺の名前を言っていた、しかもお兄ちゃん付きだ。

生粋のお兄ちゃんとしては妹は何人いても最高!!と全国のお兄ちゃんズも納得の共通認識がある。

「……」ジー

あまり留実の事をしっかり見たことなかったが

顔立ちも整っておりわりと頭もいい、将来は雪ノ下バリのハイスペック美女になりそうだ。

だが間違えないで欲しい俺はロリコンではない!

妹としてカテゴリーでルミルミを見るなら最強の部類に入るであろうと考察はしている。

比企谷家のアイドル小町と戸塚に迫る勢いもあるだろう。

「…はっ!」

お兄ちゃん発言に釣られてルミルミをガン見してしまった…

そろそろ自重しないと…さて起きないうちにソファに移動を…

「あっ」ガタン

動いた拍子にテーブルの角にぶつけてしまった!

なんというテンプレ行動をしてるんだ俺!?

「…ふにゅzzz」

「…ほっ」

よ、良かった…わりと近くにいたから起きてたらアウトだったわ…

バン!

「えっ?」

下を見ると読もうと置いておいた本が見事に地面とご対面。

そして俺は

「…んっ…おにい…ちゃん?」ぽけー

寝ぼけたルミルミとご対面…

「……お、おはよう」

「……ふぇ?」ぽけー

「……」

「……は」

あっめちゃ顔真っ赤になって来てるんですけど

ヤバイ気がするんだか…

「ま、待て!落ち着けルミルミ!」

「八幡の変態!!!」

ばっちーん!!!

「ぐわっぁぁ!?」

見事なビンタを喰らう俺は二度と安易に女性の寝顔を見ないように誓ったのだ。




久しぶりに書いたので不明な点が多そう…

最後まで読んで頂きありがとうございます!
少し人生において色々ありまして
更新は前のようにはいかなくなります。
それでも楽しみにしてくださってる方ありがとうございます。
気長に待って頂けたら嬉しいです!
またまたよろしくお願いいたします!
ではご機嫌よう!!


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