チート能力者が戦国時代にタイムスリップしたようです (avis)
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第一話 依頼とタイムスリップと手紙

少し短いかもです
処女作なので誤字脱字などはお見逃しを




今日も一人、事務所で暇を弄んでいた俺はふととある噂を思い出した

 

その噂を聞いたのは一週間前

 

俺が住んでいる街には一度入ったら抜け出せないという森がある

 

通称『帰らずの森』

 

立ち入った者は皆行方不明になっていることから誰かがふざけて付けた名だ

 

だがその森から2年の月日を経て生還した者がいるらしい

 

ただ、その奇跡の生還者がおかしなことをぬかしたらしい

 

「間違いねぇ!俺はタイムスリップしたんだよ!戦国時代にさ!」

 

「俺はそこで死んだんだよ!そしたら森の入り口にいて・・・」

 

「女が武将やっててよぉ、ありゃ美人ばっかだったぜ!」

 

・・・だそうだ

 

俺も最初は2年の森の中サバイバルによって頭がおかしくなったんだろうと思っていたが

 

なぜか本気にするやつが増えたのだ

 

そのせいであの森に関するニュースとかが増えている

 

暇を持て余していると、事務所のチャイムが鳴った

 

どうやら仕事のようだ

 

というわけで

 

依頼主は金髪の外国人っぽい女性でなんか不思議な感じがする人

 

手にはシルバーのアタッシュケース

 

服装は白のワンピースにサングラスで見るからに美人だった

 

日本語はものすごくペラペラで外国人という予想はどうも外れたようだ

 

まぁ、それはともかく依頼内容はこうだ

 

 

 

・最近あの森に行方不明者が多発しているから調査してくれ

 

・もし噂通りタイムスリップとかできそうなら、そこに行って感想を聞かせてほしい

 

・もし生存者がいるならそいつらも一緒に救出してくれ

 

 

 

・・・なんというか、最初と最後はなんとかなるかもしれんが真ん中は正直嫌だ

 

帰れる確証はないし、そもそもタイムスリップするとは限らない

 

なによりこの女の人話していて思ったが胡散臭い

 

そう思いつつも、俺は依頼を受けてしまった

 

理由としては、ウチは後払い制なのにクライアントは

 

なんと2000万という大金を先払いだと渡してきたからだ

 

断ることもできたが目の前に大金を置かれちゃなんか申し訳ないので

 

「わかった、受けるよ。その依頼」というと

 

喜々とした表情で「ありがとう!」と言われた

 

そのあとなぜかクライアントは俺の手を両手で包み込み小声で何かつぶやいていたが

 

「仕事が成功するおまじないです」と言われたので気にしないでおくことにした

 

 

 

 

そして今俺は例の森の前にいる

 

行方不明者の捜索と救出なので大したものは持ってきていない

 

一応スマホ、太陽光発電システム搭載バッテリー、ナイフ、絆創膏、包帯、消毒液などの物は持ってきた

 

あと長引くかもしれないのでおにぎりを3個ほど持ってきた

 

「さて、なんか体も今までにないくらい軽くて動きやすいし、パパっと済ませますかねぇ~」

 

独り言を言いながら森の中に入った

 

奥まで行くとなんだか血なまぐさい匂いがしてたので気を引き締める

 

匂いのする方向まで行くと霧がでてきた

 

「チッ!ただでさえ視界が悪いのによぉ~・・・ついてねぇなぁ」

 

しばらく歩いていくと霧が晴れ、森から抜けた

 

「・・・おかしいなぁ。こんな短時間で抜けられるはずないのに」

 

時計を見ると俺が森に入ってから5分しかたっていなかった

 

「ま、引き返せばいい話か」

 

そう言い後ろに方向転換するとそこには・・・

 

「なんだ・・・こりゃ」

 

そこに森はなくずっと先まで平原だった

 

よく見ると遠くで旗をもった人や刀、槍を持った人が戦っている

 

どうやら俺は本当にタイムスリップしてしまったらしい

 

もし仮にここがタイムスリップした先だとして一番可能性が高いのは戦国時代

 

となれば旗を見ればどの軍が戦っているのかわかるのだが、目視でキロはあるであろうずっと先が正確に確認できるはずがない

 

「双眼鏡でもあればなぁ・・・」

 

そうつぶやくと俺の右手が光だし光が収まると双眼鏡と紙が握られていた

 

もう・・・なんでもありだな

 

紙の方を見ると何か書かれていた

 

 

 

どうも、クライアントよ

 

もしあなたがこの手紙を読んでいるなら無事タイムスリップができたようね

 

突然いろいろおこってビックリしているかもしれないけれどとりあえず落ち着いて頂戴

 

さっきあなたの身に起きたことだけど、それはあなたの力よ

 

正確にはさっき私が与えたものだけどね

 

力の使い方はさまざまだけど全部教えるとつまらないから一つだけ教えておくわ

 

その一つとは、あなたの思い浮かべたものを生み出す能力よ

 

人間とか神様とか動物とかは無理だけどあなたの把握している道具、武器、なんでも生み出せるわ

 

あなたにはあと二つ能力を与えてから頑張ってその二つに気づいてね

 

能力は応用できるからいろいろ試してね

 

さて、本題なのだけれど、私があなたをこの世界にタイムスリップさせた理由はこの世界を救ってほしいの

 

この世界はあなたの元いた世界とは全く関係ないわ

 

だから自由に動いてくれて構わないわ

 

この世界では織田は本能寺の変ではなく、今あなたの近くで起きている戦によって死ぬわ

 

豊臣秀吉こと、木下藤吉郎もね

 

そうなれば歴史はかわり、この先江戸は訪れずこの日本は破滅へとむかうだけ

 

あなたは木下藤吉郎の代わりとなって織田に仕官し、天下へと導いてほしいの

 

因みに織田は助けられるけど、木下藤吉郎はどうあがいても助けることは不可能よ

 

もちろん、やるかやらないかはあなた次第

 

もしあなたが織田を助けなければこのさき江戸は落とすれず、日本の行く先は破滅へと向かうわ

 

脅すみたいで悪いけれど、あなたはきっとやってくれると信じているわ

 

それじゃ、頑張ってね

 

 

PS:あなたにあげた2000万だけどその時代のお金にしてミニバッグっていう道具にいれておいたわ

  とりあえずはミニバッグを出現させるのがいいとおもうわよ?

  私の正体についてはまた会った時に教えてあげるわ

  それじゃ幸運を祈っているわ

 

 

 

ン~、こりゃ参ったなぁ

 

とりあえず手紙の信憑性を確かめるためにミニバッグ?を出現させてみるか

 

と思ったら例のごとく手が光り、ミニバッグ?があらわれた

 

重くないし入ってるわけないと思いながら

 

開けてみると、バッグの中はとても広い空間になっていてその中にちゃんとお金が入っていた

 

いわゆる四〇元ポケットだ

 

「・・・まじかよ」

 

ま、帰るにしても帰れないしやれるだけやってみるかな

 

双眼鏡で旗を確認すると木瓜の家紋・・・おそらく織田だろう

 

もう一方は円に二つの横線・・・記憶が正しければ今川だ

 

ということはこの手紙の信憑性が高くなってくる

 

ならば織田は直にこの戦で死ぬ

 

そうと決まれば

 

俺は戦地まで走り抜けた




アドバイス等お待ちしております


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第二話 誓い

あの足軽の口調が難しすぎる・・・


戦乱の地にたどり着くと足軽っぽい人に見つかった

 

・・・今川の

 

「貴様!見慣れん服だな、さては織田の放った乱波だな!」

 

今川の足軽はそういうと俺に槍や刀を振りかざしてきた

 

しかし普段から危ないことに首を突っ込んでいる俺にはこの程度朝飯前だ

 

振りかざされる槍や刀を軽くいなし、敵の顔面に思いっきりグーパンを叩き込む

 

あっけなく足軽三人組は気絶し、一息ついてしまった

 

「油断したな、織田の乱波!」

 

「しまった!!」

 

まだ一人いたらしい

 

「坊主、あぶないみゃあ!」

 

ふわっと体が浮く

 

「うおっ!」

 

気づくと俺の体は知らない足軽に抱えられていた

 

どうやら助けてくれたみたいだ

 

「ありがとな、足軽の人!」

 

そういうと、襲ってきた足軽が向かってきていた

 

「坊主、逃げるみゃあ!!」

 

助けてくれた足軽の人が叫ぶが

 

俺はその言葉を無視し、刀を持っている方の手に向かってタイミングよく回し蹴り

 

敵が刀を手放したのを見ると

 

首の後ろに腕を回しそのまま俺の膝と顔面を衝突させてやった

 

敵が気絶するのを見ると助けてくれた足軽がよってきた

 

「坊主、お前は織田の忍だみゃ?あの身のこなしはただ者ではないみゃあ!!」

 

「え?あ、いや違いますよ?今から織田信長に仕官するところではありますけど」

 

そう答えると

 

「信長とはだれじゃ?織田の殿様の名前は信奈だみゃ」

 

あるぇ?ン~・・・まぁ苗字織田だから同じだろ、多分

 

「ま、いいみゃ。わしは今川の殿様に仕えておったが、あのお方はブサイクな男が嫌いでみゃあ。出世できそうになかったぎゃ」

 

ま、確かにサルみたいな顔だけどもさ

 

「それで、織田方へ寝返ろうと考えておった。なぁ坊主、わしも一緒に行っていいか?」

 

まあ、味方が増えるのは心強い

 

「わかった。んじゃ行こうか」

 

おっさん曰く織田信奈は身分にこだわらず有能な家臣であれば

 

足軽だろうが農民だろうが抜擢してくれる先進的な大名らしい

 

きっと雇ってもらえるはずだ

 

だが、林を抜けて街道へ出た瞬間だった

 

「うぐっ?」

 

足軽のおっさんが、いきなり胸を押さえてうずくまった

 

「どうしたん・・・おっさん!?その血どうしたんだよ!」

 

「……流れ弾に当たったみゃあ……運がなかったみゃあ」

 

「マジかよ・・・」

 

医療の心得を多少会得している俺からすればおっさんが助からないのは目に見えていた

 

たちまち、血が地面を紅く染め水溜りを作る

 

道の脇におっさんを寝かせた

 

「……坊主。わしはこれまでだみゃ。お主だけでも行けい」

 

「すまない・・・俺がもっと気を付けていれば・・・」

 

「戦に身を置いたものはいつ死ぬか分からぬ。これが戦国乱世の世の常よ……」

 

そう言い、力なくおっさんは笑う

 

「わしの夢である一国一城モテモテの夢・・・わしのかわりにお主が果たしてくれい」

 

「ハハッ・・・なんだよそれ。でも、わかったその夢必ず叶えるよ。死んでも、叶える。約束する」

 

「これで・・・わしも安心してあの世にいけるみゃあ」

 

「待ってくれ。おっさんの名前を教えてくれ。俺が出世したらでっかい墓たてるからさ」

 

「・・・わしの名は、木下・・・藤吉郎・・・」

 

「ッ!・・・そうか、おっさんが・・・」

 

助けられないなんて書いてあったが決してそんなことはなかった

 

俺がもっと気を配ればなんとかなったはずだったのだ

 

「・・・さらばじゃ、坊主・・・生きて・・・わしの夢を・・・」

 

木下藤吉郎はそう言いこの世を去った

 

わかっていたことだ。この時代に身をおけば周りの人間はいつ死んでもおかしくない

 

自分もその例外ではない

 

「木下藤吉郎・・・あんたの犠牲は絶対に無駄にしない」

 

おれはこの先、絶対にこのような犠牲をださないと心に誓い、この場を後にした

 




前回より短いなぁ
次回はオリキャラ設定です


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第三話 キャラ設定

オリキャラ設定です
まだ不明なことが多いですがのちのち分かりますのでご容赦を


志那無 祐麒

 

年齢:17歳

 

身長:163cm

 

体重:45kg

 

性格:仕事は丁寧だがそれ以外は基本雑

   中学では皆からぶっきらぼうだけど根は優しいと言われていた

   心に深い傷を負っているがよほどのことがない限り外には出さない

 

好きなもの:ゲーム、本、小説

 

嫌いなもの:仕事、嘘

 

容姿:黒髪で長め(肩に高さに届くくらい)で黒と白の服にジーパンを着用

   首には銀の水晶のついたネックレスをかけている

   体のいたるところに傷がある

 

17歳にして、便利屋の主人

普通なら高校2年生なのだがとある事件に巻き込まれてから高校を中退

以後、一人で便利屋を営んで生活している

家族はおらず学校にも行ってないので友人もいない

仕事は嫌いだが生きるためと割り切って丁寧にこなす

仕事が失敗した例は一度もない

依頼は基本どんなものであっても断らないが、危険性や報酬が割に合っているかを見て

受けているらしい

本人の周りに便利屋を営んでいるものがおらず意外と繁盛している

謎の女性によって3つの能力を授けられた

 

1、創造の能力

 

命あるものでなければ、何でも作れる

どのような原理かは不明だが使い手が知っているものなら仕組みを知らなくても

作り出すことが可能

正直これ一つでチートである

 

2、?

 

いまだ不明

 

3、?

 

いまだ不明

 

 

道具:ミニバッグ・・・謎の女性から与えられたもの

           中がとても広くて何でも収納できる

           ミニバッグ自体は小さく、腰巾着くらいの大きさ

           入れ口が恐ろしく広がり頑張れば人間や動物でも入りそう

           性能は完全に四〇元ポケットと同等かそれ以上

 

 

謎の女性(クライアント)

 

年齢:?(祐麒は20代前半に見えた)

 

身長:?(祐麒は170cmくらいに感じた)

 

体重:?(考えてはいけない気がする)

 

性格:自由気まま

 

好きなもの:おもしろいこと

 

嫌いなもの:つまらないこと

 

容姿:金髪、金眼、白のワンピース、黒のオシャレなサングラス

 

この作品のヒロインでは決してない

かといってラスボス的存在でもない

世界の平和を誰よりも望んでいる

そのために祐麒を破滅を迎えようとしている世界に招いた

直接世界に関われないらしく

祐麒に自らの力の一部を与え間接的にでも力になろうとしている

そのため直接登場するのではなく祐麒の手紙を与えたり祐麒の夢にでてきたりする

一目見ただけで恋に落ちるくらいの美女

しかしなぜか祐麒にはその魅力が通じなかった

この女性が何なのかは勘のいいひとならすぐ気づくんじゃないかな

登場するのは少し先になりそう

祐麒を遥か遠くの地からずっと監視している

 

 




オリキャラ設定って意外と難しい
あらかじめまとめといてよかったです
ほんとに・・・


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第四話 契約と覚悟

ついに原作で噛み噛みなあのキャラと
今作のヒロインが登場です
※この作品には相良良晴の位置に祐麒が入る感じです
 なので相良良晴はこの作品に登場しません



木下藤吉郎が旅立ってから本陣があるであろう場所に走る続けた

 

幸いなことに今川の足軽にも織田の足軽にも見つかることはなかった

 

数分程度、全力疾走したためか息が上がってしまっている

 

時間は惜しいが運よく見つけた隠れられそうなところで休憩することにした

 

「こんなことならもっと体力つけとくべきだったぜ・・・」

 

祐麒は運動もできるし、スポーツも基本不得意なものはなかったが

 

そのせいか長続きせず、体力があまりないのだ

 

涼しい風が吹き、黄緑色の雑草が生い茂っていて昼寝でもしたい気分だが

 

近くでは槍や刀がぶつかり合う甲高い音や、叫び声、断末魔などが聞こえていて

 

眠れるような状況ではなかった

 

「さてと、そろそろ出発しまっ!?・・・」

 

後ろに誰かいる

 

足音なんてなかったし今川の足軽が言ってた乱波か?

 

一か八か、後ろを振り向く

 

そこには目が赤い小さな忍者がいた

 

・・・完全に幼女だ

 

襲い掛かってこないところ味方なのか?

 

「えーっと・・・君は?」

 

「拙者の名は、蜂須賀五右衛門でござる。これより木下氏にかわり、ご主君におちゅかえ するといたちゅ」

 

噛んじゃったなぁ・・・触れないでおいてあげよう

 

「木下氏って藤吉郎さんのこと?」

 

「そうでごじゃる。足軽の木下氏が幹となり、忍びの拙者はその陰に控える宿り木となっ て力を合わちぇ、ともに出世をはたちょう、そういう約束でごじゃった」

 

「そっか・・・ごめんな。俺が気を配っておかなかったばかりに」

 

この子はいわゆる木下藤吉郎の相棒だったんだろう

 

謝ってどうにかなるわけじゃないが頭を下げる

 

「頭を上げてくだされ。木下氏にも後悔はなかったでござろう。

 それに約束したのでごじゃろう?かわりに夢をかなえると」

 

「見てたんだな。そう、そうだな。俺がしっかりしなきゃおっさんが報われないよな」

 

こんな幼女に諭されるなんて情けないなぁ

 

「それでご主君、名をなんと申す?」

 

「志那無祐麒だ」

 

「では拙者、ただいまより郎党『川並衆』を率いて比企谷氏にお仕えいたす」

 

「それはありがたいな。それじゃこれからよろしく頼むよ」

 

出発しようと目的の場所に歩き出そうとすると

 

「その前に志那無氏、髪の毛を一本いただく」

 

五右衛門は俺の頭から髪を一本引き抜くと、どこからか取り出した

 

藁人形の中にその髪を詰め込み始めた

 

「お?契約かなんかか?」

 

「そうでござる。志那無氏にはわが幹として是非とも出世していただく。

 木下氏とのやくちょくでありょう?」

 

「ああ、そうだな!それじゃ行こうか」

 

「志那無氏、合戦はまだ続いている。織田家の旗竿を持って槍働きをするがよい」

 

「そうか、そうすりゃ織田の足軽に敵に間違われることはねえな」

 

これまた運よく落ちていた旗竿を拾い

 

「こっからが正念場だ。行くぞ!五右衛門!」

 

そういうと五右衛門は軽くうなずき、九字を切ってどこかに消えた

 

恐らくどこからか見ているのだろう

 

旗竿を持っているせいかかなり目立っていて今川の足軽になんどか見つかったが

 

そのたびに爆弾?のようなものがどこからか飛んできて足軽たちを迎撃してくれた

 

五右衛門が有能すぎて俺のでる幕がねぇ・・・

 

本陣に到着したがほぼ同時に馬に乗った鎧武者が

 

おそらく織田の殿様であろう人物に向かって三人突っ込んできた

 

周りを見ればいるのはさっきの鎧武者と織田の殿様だけだった

 

「なんで本陣ががら空きなんだよ!?」

 

殿様も鎧武者たちも完全に臨戦態勢に入っているが三対一だ

 

どう考えたって勝てるわけがない

 

ただの足軽ならともかく相手は鎧武者、おそらく今川の武将か何かだろう

 

「ああ!クソッ!どうにでもなりやがれ」

 

そう叫び殿様と鎧武者たちの間に入り旗竿を振り回して鎧武者たちをけん制する

 

「放浪人、志那無祐麒。織田に仕官するために参った!」

 

「む、新手の織田兵か」

 

そういい警戒する鎧武者たち

 

俺は目標の人物であることを願いながら小声で声をかける

 

「合図したらここから逃げてください。あなたには生きてもらわないと困るんです」

 

「ちょ、何言ってるのよ!?そんなことしたらあんた死ぬわよ?」

 

「大丈夫ですよ。俺も時間を稼ぐだけ稼いだらとんずらするんで」

 

軽口をたたくが心臓は外に聞こえるんじゃないかというくらい音を立てている

 

落ち着け俺、どうにかこの状況を打開できる策は・・・

 

そうか!あの能力が!

 

策を思いついた俺は真っ先に頭の中にとある物を思い浮かべる

 

「足軽一人増えただけよ!打ちとれい!!」

 

一人の鎧武者が叫び三人で突っ込んでくる

 

「今だ!行け!」

 

手に冷たいグリップの感触が伝わるのを確認し殿様に合図をだす

 

「っ!・・・必ず生き残るのよ!?」

 

そう言い残し殿様は馬に乗り遠く離れていく

 

「む!織田が逃げたぞ!追え!!」

 

「追わせねえよ!」

 

殿様を追おうとする鎧武者たちに向かってそう言い放ち

 

元居た世界で使ったことがあったピストルを敵の馬の脚に向かって撃った

 

咄嗟に狙ったがうまくいったらしく、馬がバランスを崩しその場に倒れ

 

鎧武者たちも転がり落ちる

 

「今のは南蛮の!?織田はそんなものを持っていたのか!」

 

いきなりの出来事に三人は動揺している

 

「さぁ、アンタらもそこで寝てる馬みたいになりたくなかったら

 さっさと降伏しやがれ」

 

銃を構えながら降伏を促すが・・・

 

「降伏などするものか!怯むな!相手は一人、三人ならどうにでもなる!」

 

それを言われちゃそうなんだがどうにか方法はないのか?

 

この場にこいつらをとどめていく方法は・・・

 

「かかれぇ!!」

 

三人が刀をもち突っ込んでくる

 

俺は容赦なく足に向かって銃撃つが銃弾ははじかれてしまった

 

ああクソッ!やっちまうしかないのかよ!?

 

敵の攻撃をよけながら考える

 

このまま避け続けてもいずれ体力切れで死ぬだけだ

 

狙えるのは顔だけ

 

そこに銃弾をぶち込めば確実にやれる

 

だけど・・・

 

「ちょこまかと!」

 

ついに敵の攻撃が頬にかする

 

「クッ!・・・すまない」

 

先に二人の顔に向かって撃つ

 

二人は先ほどまでの動きが嘘のようにその場で倒れこむ

 

引き続き三人目にも撃とうとするが弾が出ない

 

・・・どうやら弾が切れたらしい

 

「ふん!所詮南蛮のからくりよ!」

 

相手は相当の手慣れ

 

先ほど足軽に使った格闘術も躱されるだけだろう

 

とうとう体が動かなくなりその場にしゃがみ込む

 

鎧武者が何も言わずに斬りかかる

 

ふと足元を見ると俺が殺した二人の刀が落ちていた

 

それを咄嗟に拾い、最後の一人ののど元に突き刺す

 

血しぶきが体中にかかり、敵が倒れ掛かってくる

 

ああ、また殺してしまった

 

糸の切れた人形のように動かなくなってしまった三人の鎧を外し仰向けに寝かせ

 

人が一人はいるくらいの穴を三つ堀り、三人を埋めた

 

彼らの刀を三人を埋めたところにそれぞれ刺して静かに黙祷する

 

たとえ身を守るためとはいえ、人を殺めたことのない祐麒にはつらい経験だった

 

そこに馬の足音が二つ聞こえてきた新手かと思い、構えるが

 

さっき逃がした殿様と、その家臣っぽいひとだった

 

「アンタ・・・さっきの三人はどうしたの?」

 

殿様が問いかけてくる

 

「俺が葬りました。三人とも」

 

「よく無事だったわね・・・」

 

そう答えると、今度は家臣の方が

 

「貴様何者だ!服装は変だし足軽ではないな」

 

あ、やばい。一番答えづらい質問がきた

 

「あ、いや・・・えっとそれは・・・」

 

まさか未来から来たとかタイムスリップしてきたなんて答えるわけにはいかず

 

戸惑っていると

 

「怪しいやつめ。ご主君!このような者、手打ちにしてしまいましょう!」

 

家臣が抜刀した

 

構えれば織田と敵対することになる

 

それはなんとしても避けなければならない

 

もうこれはどうしようもないなと思い目を瞑ると

 

「やめなさい、六! そいつは一応わたしの命を救ったんだから、褒美をあげなきゃ」

 

「なんと、それはまことですか?」

 

「ええ。追い詰められたところを助けてもらったわ。わたしも見てはいなかったけど

 この状況からみて倒したのもそいつよ。自分でも言ってるしね」

 

助け船が入ったことで安堵する

 

「・・・そ、そうでしたか。ぎょ、御意」

 

話が終わったみたいだし、本来の目的を達成しなくちゃな

 

「信奈様、ぜひとも自分を足軽として雇っていただきたいのですが・・・」

 

「いいわよ。仮にも命の恩人だしね。あんた、名前は?」

 

「志那無祐麒です」

 

「なんか普通の名前ね、うーん・・・決めた。あんたの名前はサルよ!」

 

名前に一文字もかすってねえんだけど、まぁいいか

 

「でもこのわたしを救いに来るだなんて、見所のあるサルじゃない。

 ご褒美としてわたしの飼いザルにしてあげてもいいわよ?」

 

「申し訳ありませんが飼いザルはお断りしたいのですけど」

 

「姫さまに口ごたえするとは何たる無礼者! 斬りましょう」と馬から降りてきた

 

家臣が信奈に進言した

 

「六? 確かに斬るのは簡単だけど、天から降ってきた珍しいサルかもしれないわよ?  なにせ人語を喋るんだから。決めたわ、飼うわ」

 

「あの、ですからサルはちょっと・・・」

 

「それではこのサルを連れて、今すぐ出立よ、六」

 

「御意。この柴田勝家、引き続き姫さまをお守りいたします!」

 

スルーされ、言い返す気もなくなった俺は首に縄をかけられ

 

またもや走らなければならなくなった

 

縄が苦しく手で緩めようと試みる

 

その時見てしまった

 

手にこびりつく自分が殺した人間の血を

 

彼女たちとの会話で忘れかけていたが、思い出させられた

 

そう。俺は人を殺めてしまったのだと

 




初めて人を手にかけるときははこんな気分なのでしょうか
自分だったらもう意識保っていられなさそうです
運が良すぎると思われるかもしれませんが、そこは主人公補正ということで


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第五話 池の龍神とその正体

言い忘れていましたが
更新ペースは非常にゆっくりです
なので気長に待っていただけると幸いです


あれから馬に引きずられ数十分といったところか

 

俺は信奈たちに連れられ、山奥の池までやってきた

 

近くには村があったがその村はどうも様子がおかしかった

 

活気がないというか、何かに怯えているような人たちが多くいた

 

やはり時代が時代だから戦に巻き込まれるかもしれないという心配でもあるのだろう

 

「それじゃあサル。初仕事よ。この池の水を汲み取りなさい」

 

「どのくらいでしょうか」

 

「全部よ」

 

思わず絶句してしまった

 

今目の前にある池は小さいわけでなくそれなりに広いのだ

 

全部汲み取るとなると何人もの人がいて、それこそ可能だろうが

 

俺一人となるととてもじゃないが不可能だ

 

そう思っているのを察したのか信奈は俺に池の水を抜く理由を話し始めた

 

「この池には龍神が棲み着いてるという噂があるのよ。

 それでさっきの村の人たちが人柱として、乙女をこの池に沈めるってワケ」

 

なるほど。それでさっきの村には活気がなかったのか

 

「そんな迷信信じる人なんているんだな・・・」

 

「まったく、神だの仏だのなんているわけないのにね。

 そんなもの、人間の頭の中に棲み着いてるだけの気の迷い、要は幻じゃん」

 

「それで自分にこの池には何もいないということを証明しろ。そういうことですね?」

 

「そうよ。ほら、分かったらささっとやりなさい!」

 

ン~、理由がどうあれ、この量の水を抜くのは不可能だ

 

となるとできることは

 

「信奈様、村人をこちらに集めていただけないでしょうか。案があります」

 

「どするつもりよ?」

 

「いえ、要は龍神がいないことを証明すればよいのでしょう?

 それならわざわざ水を抜かずとも証明できますので」

 

信奈は俺の言葉を聞き少し考えてから

 

「いいわ。もし村人全員にそれを証明できたならアンタを足軽として雇ってあげる」

 

そういって信奈は家臣たちと一緒に村の人たちを集めに行った

 

 

 

数分後、俺の前には多くの村人たちが集まった

 

周りには信奈、それに家臣たちもいる

 

あまり人前で何かをするのは苦手だがこればっかりは仕方ないと割り切った

 

「えーっと、今日は忙しい中集まってくれてありがとう」

 

恒例のあいさつを言うと

 

皆、静かになり俺の方に視線を向けていた

 

「単刀直入に聞く。龍神の存在を信じている人は手を挙げてくれ」

 

俺のダイレクトな質問に戸惑う村人もいたがほぼすべての人間が手を挙げた

 

「ふーん。それじゃ龍神の姿を見たという人は手を挙げてくれ」

 

そう聞くと、さっきとは違い今度は誰一人手を挙げなかった

 

「へぇ・・・じゃあ今から俺があの池に潜ってアンタたちのいう

 龍神様を探してきてやるから少しばかり待ってろ」

 

そういうと村人は「馬鹿なことを」だの「罰があたる」だのぬかしている

 

頭の中に槍を思い浮かべると、例のごとく手に槍があらわれる

 

皆驚いていたがそんなことお構いなしに上に着ていた服を脱ぎ池に飛び込む

 

奥まで行くと何やら影が見えたので身構える

 

そして俺に向かって一直線に噛みつこうとしてきたので槍で一突きにする

 

池の龍神様の正体、それは池に棲むちょっと大きめの魚だった

 

池から勢いよく顔をだすと皆が慌てていた

 

恐らく魚から流れた血を俺のと勘違いしたってところだろうか

 

陸地に戻って魚を村人の前に見せる

 

「これがアンタらの信じてた龍神の正体だ。すごい勢いで噛みついてきたしな」

 

魚を見た人は「そんな馬鹿な」などと呟いているが

 

「いいか。龍神が死んだ今、もうこの池に生贄を捧げる必要はない

 だからもう二度と命を粗末に扱うんじゃないぞ。わかったら解散」

 

そういうとしばらく村人は動かなくなったが直にこの場からいなくなった

 

「アンタ無茶するわね」

 

信奈が俺にむかっていう

 

「別にほんとはもっと小さな魚でもよかったんですよ」

 

そういうと信奈は「どういうこと?」と首をかしげる

 

「この村の人間は誰一人として龍神の姿を見たことがありません。

 だから例え小さな魚だったとしても信じるでしょう。

 なにせ、見たことがないんですから」

 

きっと今俺はものすごく悪人面だろう

 

「まあここまで誰の反論もなく穏便にいくとは思いませんでしたけど

 恐らく、根っこから信じている人なんていなかったんでしょう。

 それに、今まで生贄になった人たちも恐らくその大きな魚によって

 食べられてしまったのでしょう。完全に自分を食う気で突っ込んできましたからね

 こいつが龍神の正体といっても過言ではないでしょう」

 

それだけ言ってって服を着て槍をミニバッグにしまい信奈たちに向き直るが

 

なぜか全員唖然としている

 

その中信奈が

 

「アンタ、一体何者なの?」

 

と聞いてきた

 

「まぁそれは追々話していきますよ。それよりもこれで俺は足軽になった

 ということでいいんですかね?」

 

すると

 

「え、ええ。いいわ」

 

こうしてやっと俺は正式に足軽として雇ってもらえることになった

 

そのあともいろいろ問い詰められたりしたが

 

落ち着いたらすべて話すというとなにも言わず引き下がってくれた

 

「ってこんなことしてる場合じゃなかったわ!」

 

信奈はそう叫ぶと案の定また俺に縄をかけ馬に乗った

 

そしてまた俺は走らされることになるのであった

 




次回 蝮の登場です


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第六話 いざ、正徳寺へ

個人的に道三は結構好きなんですよね
のでもしかしたら原作よりとても長生きになるかも・・・?


あれから信奈の横を走っていると

 

縄を首にかけられ、苦しそうにしている俺を気遣ってか縄を外してくれた

 

まあ馬の歩くスピードにあわせて早歩きしなければいけないから

 

苦しいっちゃあ苦しいのだが首に負担がかからなくなったのは非常にうれしい

 

縄のあとが軽くついた首をさすりながら置いていかれないよう歩いていると

 

いつの間にか横には信奈ではなく胸がバカでかい、俺を何度も手打ちにしようと

 

信奈に進言していた家臣が横にいた

 

さすがに名前を知らないと話すこともできない

 

どうするべきか俺が思惑していると

 

それを知ってか知らずか家臣の方から話しかけてきた

 

「お前っていったい何者なんだ?」

 

答えに困る質問をされた

 

未来人だって答えても信じてもらえるわけがないし

 

第一この人が聞いているのはあの池でのことだろう

 

何も持っていなかったはずの手に一瞬にして槍が握られていたら

 

驚かないのも無理ないし何者か怪しむのは必然だ

 

答えなければ怪しまれるからとりあえず

 

「それは追々お話ししますよ

 少なくとも皆さんに危害を加える気はありませんし

 そもそもあなたに勝てる気が毛ほどもありませんからね。ははは」

 

なんて冗談をいうと意外に相手も

 

「それなら別にいいさ。お前は悪い奴じゃなさそうだしな」

 

という感じでかえされ少し驚いた

 

この人騙されやすいタイプの人じゃね?なんて思ったのは内緒

 

「そういえばお名前をお聞かせ願えますか?

 いろいろ話すにも名前を知らなければ話しにくいですし

 自分は志那無祐麒です。呼び方はサルでも祐麒でも志那無でも何でもいいですよ」

 

正直サルは勘弁願いたいけど

 

「私は柴田勝家だ。呼び方は呼び捨てにしなければ何でもいいぞ

 祐麒か・・・珍しい名前だな」

 

「そうなんですか

 勝家さんにお尋ねしたいんですが、美濃の蝮って斎藤道三のことですよね?」

 

「そうだ。信奈様は道三の娘を義理の妹としてもらい受け、縁戚関係を

 結ばれる予定なんだ」

 

「なるほど・・・さしずめ、同盟を結ぶということか」

 

斎藤道三と同盟を結べば日本の真ん中に位置する美濃を制することと対して変わりない

 

そうすれば東西両方に勢力を広げやすい

 

裏を返せば両勢力から挟み撃ちにされる可能性も拭えないわけだが

 

まあなんにせよ美濃を制せば天下に近づくのは確か

 

やはり史実の織田信長と同じように天下統一を目指しているようだ

 

そいえば道三は信長が会談場に向かっているところわどこかで見ていた気が・・・

 

あたりを見渡してみれば開けた場所が見え、何かが光ったのが確認できた

 

急いで信奈のもとに走りすばやく伝える

 

「信奈様。あっちの方の開けた場所から何者かがこちらを見ています

 恐らく斎藤道三とその小姓かと思います」

 

そういって道三たちがいるであろう場所を指さす

 

すると信奈は自らの兵に持っている種子島に火をつけ

 

俺が指さした方に向かって発砲させた

 

「蝮!そんなとこから覗いてないで早く正徳寺に向かいなさい!」

 

そう大声で叫び、再び目的地に向かって馬を歩かせ始めた

 

なかなかおもしろいことをするなぁ、なんて思いながらついていくと

 

ついに会談の地、正徳寺へとたどり着いた

 

「祐麒、お前は信奈さまのもとへ行け。片時も目を離すんじゃないぞ」

 

そういわれたので素直に信奈のもとへと向かった

 

 

 

この会談の結果次第で天下統一への道のりが険しくなるか否か

 

全てが決まるのだが我らが殿の信奈は

 

相変わらずのうつけ姿である

 

正直先行きが不安だがきっと信奈はちゃんとした正装も持ってきているのだろうと

 

考えることにした

 

「あれ、サルいたの?」

 

どうやら認知されていなかったようだ

 

「え、あ、はい。いましたよ」

 

自らの影の薄さに気づき落ち込んでいると

 

「・・・姫さま、道三どのはすでに本堂へと到着されているとの由」

 

小姓っぽい背の小さな女の子が信奈に報告しに来ていた

 

「デアルカ。わたしも着替えなくちゃね」

 

それを聞いて安堵する俺

 

「サル。あんたは足軽なんだから本堂に上がって来ちゃダメよ

 犬千代と一緒に庭で待ってなさい」

 

そう言われ俺と犬千代と呼ばれた女の子は庭で待機することになった

 

「サル!」

 

呼ばれたので振り向くとわらじが飛んできたので慌ててキャッチする

 

「それ、持っておきなさい!」

 

なんか足軽というより雑用係みたいになっているがこれも仕事のうちと

 

自分を納得させた

 

いよいよ織田家の運命を決めるといっても過言ではない出来事が始まる

 

もし失敗しそうになったらどうにか修正してみるとしよう

 

どうにかなるかはわからないがやるだけやってみよう

 

なにもしないよりはマシだしな

 

直に始まる会談に備え、俺は失敗したときの対抗策

 

または失敗を未然に防ぐため頭をフル回転させたのであった

 




原作1巻を見ずに書いてみたらこの始末
いけると思ったのだよ・・・


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第七話 信奈が見ているもの

主人公はまだ戦では万能じゃありませんが
それ以外はかなり有能です
・・・まあ現代兵器持ち出せる時点でチートではありますが
主人公がチートになり始めるのは信勝の謀反あたりからです
徐々にいろいろ出していくんでよろしくです



現在俺は正徳寺の本堂も庭にいる

 

なぜか虎の被り物を被った少女、犬千代と一緒に

 

朱槍を持っていることからして恐らくは槍使いだろう

 

小柄なのにこんな長くて重そうな武器を振り回すのかと思うと

 

正直俺の立場がなくなってくる

 

俺男だけど多分この子たちより断然弱い気がする

 

因みに犬千代とは軽く挨拶した程度でそれ以外は何も話していない

 

ここは対談の場だ。当事者である信奈と斎藤道三を除き

 

私語は無礼に値する

 

それに本堂にはすでに斎藤道三とその小姓が腰を下ろしている

 

とてもじゃないが呑気にしゃべれる雰囲気ではない

 

そもそも俺にはそんな度胸はない・・・はずだ

 

斎藤道三はやはり歴戦の戦国大名の風格を漂わせている

 

パッと見ればただの爺さんだが現代兵器を使わなければ簡単にこちらがやられるだろう

 

道三を観察していると、俺の視線に気づいたのか目が合った

 

俺の顔を見ると道三は目を見開き、こちらに向かってきた

 

もしかして何かまずったか・・・?なんて思っていると

 

道三は俺の目の前に来て、また俺のことをジロジロ見ている

 

「えっと・・・どうかしましたか?」

 

「いや、すまぬ。昔、若いころに命を助けられた者がおってな

 お主がその者によく似ていたので声をかけてみたくなったんじゃ」

 

「そうですか・・・。まあ世界に三人は同じ顔の人がいるといいます。

 おそらくその類じゃないでしょうか。」

 

似ている人・・・もしかしてご先祖様?可能性はあるかもなぁ

 

「うむ、そうだな。そもそも奴はとっくの昔に死んでおるしな」

 

「そうですか。ぜひ会ってみたかったですね」

 

なぜか暗い雰囲気になってしまった

 

「そうじゃ。お主、名をなんと申す?」

 

斎藤道三ともあろう戦国大名が、俺みたいな足軽の名前をなぜ聞こうとするのか

 

正直分からなかったがここで黙るのはよろしくないだろう

 

まあ聞かれて困ることはしてないしな

 

「志那無祐麒です」

 

「なんと!?」

 

ただ名乗っただけなのに、なぜかものすごく驚かれてしまった

 

「志那無・・・お主も志那無と申すか。おもしろい偶然もあったもんじゃ」

 

「話が見えないです。道三殿」

 

いや見えてはいる。気づかないふりをしていたいだけだ

 

むしろここまで言われ気づかないのもどうかしている

 

「道三、織田信奈の準備ができただそうです」

 

おでこの広い道三の小姓が道三にそう告げる

 

「そうか。ふむ・・・小僧。いや、祐麒よ。お主も気づいているだろうが

 儂の命を救った者の姓もまた、志那無という。

 どういう偶然かは知らぬが、お主とはまた機会があれば話をしてみたい

 その時は断ってくれるでないぞ?」

 

知らぬ間にどこか難しい顔をしていた俺を気遣ってか

 

最後に軽く笑いながら後ろをむいて本堂へと戻ろうとしていた

 

「ええ・・・もちろんですよ」

 

そしてタイミングを見計らったのか否か、信奈・・・が襖を勢いよく開け

 

「待たせたわね!美濃の蝮!」

 

と言って入室してきたが、信奈は俺の知っているうつけ姿の信奈ではなく

 

素人が見ても高級な一品だと分かるような着物を着ていた

 

そこに立っているのは正真正銘尾張の大名、織田信奈だった

 

これには蝮も

 

「ぬおおおおおお!?・・・な、なんという・・・美少女!?」

 

と驚愕している

 

こっそり上から見ていた時の姿と違っているからかあの道三も度肝を抜かれている

 

でもさすがに本人の目の前で言っちゃあ駄目だろ・・・

 

「わたしが織田上総介信奈よ」

 

「う、うむ。ワシが斎藤道三じゃ・・・」

 

この対談、信奈ではなく道三の方が心配になってきた

 

「デアルカ」

 

「う、うむ」

 

これは信奈の作戦なのか。それとも・・・

 

なんて考えていると服の裾を引っ張られた

 

引っ張ったのは犬千代で何かを伝えようとしていたのでしゃがむと

 

「作戦とかじゃない。さっきのが普段着」

 

と小声で伝えてきた

 

まあ、期待はしてなかったよ。うん。

 

その中、対談は順調に進んでいるようだった

 

種子島っていう銃のことやなぜいつもうつけ姿なのかとか

 

道三が質問し信奈が答える。逆も然りといった感じで、このままいけば同盟は確実かなと思っていた

 

そして二人の質疑応答に終わりが見えたかと思えば、道三が口を開いた

 

「では最後に一つだけ尋ねたいのじゃがな」

 

道三が今まで以上に真剣な顔になる

 

「なに?」

 

信奈は余裕な態度を見せている

 

「なぜ、そなたの父君は・・・今は亡き織田信秀公は儂に敵わぬと知りながら幾度も

 美濃に攻め入ってきたのかの?」

 

信奈は胸を張って答えた

 

「父上の考えは知らないわよ。でも私がもし攻めるとしたら美濃をまず落とすわ」

 

「ほう。なぜかの?」

 

「それは蝮、あんたが最初に美濃を狙ったのと同じ理由だわ」

 

「なに?」

 

「蝮! 世間のバカな連中はあんたのことを『美濃を奪った蝮』と呼んでいるけれど

 あんたは本当は『天下』を盗りたかったんでしょ?」

 

ぴくりと道三の眉が動く

 

どうやら図星のようだ

 

「信奈どの。なぜ儂が天下取りを目論んでおったと言い切れるのじゃな?」

 

「美濃を制する者こそが、天下を制するからよ! 美濃こそが日本の中心だもの!

 西は京の都に連なり、東は肥沃な関東の平野へと繋がっている。

 この美濃に難攻不落の山城を築いて兵を養い天下を窺う。そしてときが来れば一気に戦乱の世を平定し

 日本を平和な国にする。商人が自由に商いに精をだせる、そんな豊かな国にする。

 それがあんたの野望だったんでしょう?」

 

道三は震えながらもうなずいていた

 

恐らく信奈にはすべてお見通し。いや、信奈も同じ野望を抱いているからこそ

 

あそこまで何のためらいもなく断言できるのだろう

 

史実でもそうだ。織田信長はのちに楽市楽座を開く

 

自由取引市場。商人が自由に商いに精を出すには十分な政策だ

 

やはりこの時代の織田信奈も史実の織田信長もその身に秘める野望は変わらないらしい

 

信奈の問いかけに対し、道三はしばらく沈黙していたが

 

軽く溜息を吐き、さっきまでの真剣な表情とは打って変わって陽気なものへと変わる

 

「参った・・・参ったわい、信奈どの! 誰にも話したことの無かった

 このジジイの戦略、すべてお見通しだったのじゃな? いや、参った!」

 

よし、この調子でいけばこの対談は成功しそうだな

 

この二人が変な意地を張らない、変な気を起こさないってのが前提なわけだけど

 

「蝮、わたしは美濃をいずれ併呑する。あんたの生涯の夢、天下統一の野望を、わたしが叶えてあげるわ!」

 

「商人が自由に商いに行える国を、そなたが?」

 

「商人だけじゃないわ。農民だって侍だって同じよ。

 日本をこんな風に乱れさせた古い制度なんか全部叩き壊して、南蛮にだって対抗できる

 新しい国に生まれ変わらせてみせるわ! わたしが見ているのは日本だけじゃない。『世界』よ!」

 

それを聞き、道三は豪快に笑う

 

「なるほど。そなたがうつけ者と呼ばれるわけがようやくわかったわ」

 

「蝮、今のはここだけの話よ。あんたとわたしにしか分かり得ない話だもの。

 余人に聞かせれば、うつけどころか気が触れていると言われるわよ?」

 

「いえ! ここに理解できる者が一人おりまする!」と道三の横から声を上げる道三の小姓

 

「おう十兵衛、そちも思わず熱くなったのじゃな。しかしまだ早い。今は、黙っておれ」

 

「・・・ぎょ、御意」

 

あらら、怒られちゃってるよ

 

まあかわいそうだが仕方ない。この対談は信奈と道三の物だからな

 

それでももしもの時は俺もでるけれど

 

「さて、天下盗りのために美濃が欲しいという話じゃったな、信奈どの」

 

「ええ、そうよ」

 

さていよいよか。頼むからうまくいってくれよ?

 

「ふ、ふ、ふ。老いたとはいえど、ワシは蝮と呼ばれた男。それは出来ぬ相談よ」

 

・・・こんの頑固ジジイ。想定内だけど正直こっちの首も飛びかねんしなぁ

 

本当に厄介ごとに首を突っ込むのが上手だなぁ俺

 

信奈も分かっていたかのように返答する

 

「でしょうね。そう言うと思っていたわ。わたしも、タダでくれとは言わないわ」

 

「ふん。そなたが一代の英傑であると分かってしまった以上、一度は戦場で相まみえて戦ってみたいのう・・・」

 

「・・・そうなの、そう来るの。あんたがそう言うなら、戦ってあげてもいいわよ」

 

「では、開戦と・・・」

 

しゃーなし。動くかな

 

「斎藤道三。意地の張り合いはそこまでにしてもらおうか」

 

「むっ?」

 

「サル?」

 

「俺にはアンタが今何を考えているのかおおよそ全てを把握している

 アンタほどの大名なら、美濃の先なんて簡単に見えているんだろう?

 それなのにつまらねえ意地張って、わざわざ散る必要のねえもん散らせるんじゃねえよ」

 

「無礼ね、黙ってないサル」と信奈が一喝するが

 

意外なことに道三が

 

「ほう。すべてを把握している、か。

 ますますお主があの男に見えてきたわい・・・」

 

「・・・祐麒よ。まことにお主、儂の考えていることが分かっているのかの?」

 

「ああ。俺は勝てる戦じゃないとでない性分だ。ま、時と場合によるけどな」

 

「ふむ、勝てる戦か。なるほどな。では祐麒よ、儂が何を考えているか言ってみよ

 じゃがデタラメをぬかせば、たとえお主であろうと我が小姓・十兵衛がそなたを斬るぞ」

 

首筋に刃があてられる

 

死の感覚が頭によぎるが目の前のことに集中する

 

「バカ! 蝮に詫びなさいよサル!」

 

信奈がまたしかりつけてくるが無視し

 

「上等だ。そもそもこっちはこの首をかけてこの場に立っている

 俺がデタラメを言ったと思うのなら切腹、斬首。なんでもしてやらあ」

 

それを聞き、信奈は黙ってしまう。

 

「道三、あんたはこの後、家臣にこう言うんじゃねえか?

 『ワシの子供たちは、尾張の大うつけの門前に馬をつなぐことになる』ってよお」

 

「あんた自身はよくわかっているはずだぜ?自分の息子では

 信奈に勝つことができないってこと。さらには信奈に敗れて美濃を奪われるということもな」

 

「ちょっ、サル! なんて失礼なことを言うのよッ? あんたわたしより口が悪いわよッ?」

 

この発言にはさすがの信奈も顔が真っ青だ

 

一方、道三は驚きを隠しきれておらず、やがて小姓の十兵衛とやらに

 

「十兵衛、刀を引け。そうじゃすべてお主の言う通りじゃよ」

 

それを聞き信奈は「ええっ!?」なんて素っ頓狂な声をあげている

 

「なぜ、我が心を読めた?いかなる術を使ったのだ?」

 

道三がそういうと皆俺に注目する

 

「別に心を読んだわけじゃねえさ。

 もし仮にこの対談が失敗すればまた多くの犠牲者が出るからな。それは避けたい

 そのために頭を目一杯働かせただけさ。まあ強いて言うなら、道三。

 あんたも顔で意地張ってるだけだってわかっちまった」

 

「儂の・・・顔じゃと?」

 

「ああ。気づいてねえかもしれねえけど、信奈と話している時のアンタの顔は

 まるで子と親、孫と祖父を思わせるような感じだった

 俺の爺さんもよくそんな顔して話聞かせてくれたしな」

 

どんなに感情を偽っても気持ちを偽っても、自分の意識外、つまり無意識だけは偽れない

 

「さあ、道三。ここからはあんたが決めることだ

 俺の言ったことはデタラメじゃなかった

 だがそれでも尚、戦をしたいというならもう俺にできることはない

 好きにすればいいさ」

 

そういうと道三は観念したというしぐさを見せた

 

「信奈どの。織田家に侍なしとは、謀られたのう。足軽風情の中にも、これほどの者がおるとは

 老いぼれた儂が勝てる相手ではないわい」

 

「えっ? 蝮?」

 

「そうか儂が父か」と道三が苦笑いをした

 

「小僧! 貴様のおかげで、この蝮、最後の最後に素直になることができたわ!

 儂の夢を信奈どのに・・・いや、我が義娘に受け継いでもらうことにするわい」

 

「そっか。助かるよ道三」

 

「信奈ちゃんのためじゃ。この場で『譲り状』をしたためよう。

 儂はそなたに・・・我が義娘に美濃一国を譲って、隠居するぞい」

 

さっきまで俺と道三のやり取りを見ていることしかできず不満げにしていた信奈がだったが

 

道三のその一言を聞くと「蝮!?」とまたもや素っ頓狂な声を挙げていた

 

信奈は嬉しいのだろうがここまで好意を寄せられると思っていなかったようで

 

複雑な心境のようだ

 

「これより信奈ちゃんは、我が娘じゃ。娘に国を譲るのは、父として当然のこと」

 

「本当に、いいの?」

 

「うむ。信奈ちゃんになら儂の夢を託してもいいと思ったんじゃ

 それにあの者ついておるしのう」

 

道三の指さす先には庭で犬千代に怒られている祐麒の姿があった

 

信奈は最初、祐麒を命を救ってくれた足軽程度にしか見ていなかった

 

だが、この出来事により信奈のお気に入りとして正式に認めたのだ

 

「あの者、祐麒は不思議な者じゃ。かつて儂の命を救った者と同じ姓を持ち

 似たようなことを言う。もしやあの者は儂が道を違えた時に現れるものかもしれんな」

 

「蝮?言っておくけどサルは私の所有物よ?」

 

「は、は。そうじゃったな」

 

「でも、そうね。私もあいつに命を助けられて今回のことも間違えずに済んだ。

 神様なんて信じてないけど、もしかしたら私が道を間違えないように遣わしたのかもしれないわね」

 

信奈と道三は二人、本物の親子のように話をし続けた

 

一方、祐麒は

 

「やっと説教が終わった・・・」

 

もう二度とでしゃばりたくねえ。あの犬千代って子見た目以上に力強いし

 

でもこのくらいなら安いもんかと思うことにした

 

打ち首よりはマシだろう

 

庭でぼーっと空を眺めていると

 

「何を気怠そうにしてるのよ、バカザル。ほら、帰るわよ。わたしのわらじを返しなさい」

 

いつの間に着替えたのだろう。またいつものうつけ姿になった信奈が靴を出せとお呼びだ

 

「ただいま~」

 

そう言い信奈の前にわらじをだす

 

それを履くと信奈は

 

「サル。今回は助かったわ。何か褒美をあげなくちゃね・・・なにがいいかしら」

 

むしろ罰をもらいそうだと思っていたがそんなことはないようだ

 

「それではため口の許可をいただきたいのですが」

 

「はあ?」

 

「いえ、先ほどは感情が高ぶり道三殿とため口で話していたのですが

 実をいうとあまり敬語は好きではないんです」

 

「ふーん。そう。まあサルだから敬語が使えなくても仕方ないわね

 いいわ、ため口で話すのを許可するわ」

 

「やっと解放された気分だあぁー・・・では主君殿、何卒宜しくお願い致しますっと」

 

「デアルカ!」

 

こうして俺はなんとか正徳寺の対談を成功へ導くことができた

 

そして恒例のごとく、また首に縄をかけられ清州までのランニングがはじまったのであった

 

 




頑張ってオリジナル部分を増やしました
原作一巻を見ながら書いているのですが
口調がやっぱり難しいです


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第八話 祐麒の意外な特技

最近忙しくて全然投稿できない・・・
もし待ってくれてる人がいたら本当にすいません!
これからも地道に投稿していきますゆえ、どうかお付き合いください!

それと、今回からできるだけオリジナル要素を増やしていきますのでよろしくお願いします



信奈が無事に正徳寺での対談を成功させ地獄のランニングをなんとか終えた俺は

 

信奈の本拠地である清州城にたどり着いた

 

ようやく一息できるかと思いきや、例の村の件の説明を求められ

 

今俺は清州城内で信奈、犬千代、勝家囲まれている

 

面々は俺が話始めるのを待っている

 

信奈はとっとと言えと言わんばかりにこっちを睨んできているけれど・・・

 

「それじゃあ俺も改めて、俺は志那無祐麒。ため口なのは一応信奈から

 許可をもらってるからそこんとこよろしく。

 ここにいる理由はだいたい察しがついてるけれど、村の時のことだよね?」

 

「ええ、そうよ。サル、あんたは一体何者?

 言っておくけど嘘なんてついたら問答無用で打ち首だから」

 

嘘かどうかの判断なんてつかんだろうに・・・

 

「まあ、現状俺がわかってることは包み隠さず話すよ

 だけど確証のないことは伏せさせてもらうよ。変な誤解とか生みたくないしね」

 

この条件に信奈は俺を除く全員に確認をとる

 

「それでいいわ」

 

許しを貰えたので、「それでは」と俺は話し始めた

 

依頼のこと、自らの出身、目的、そして能力について

 

能力に関しては3種類あるだけと言っておいた

 

すべて話し終えると、勝家は理解しているようには見えないし

 

犬千代はほら吹き?などとつぶやいている

 

信奈に関しては何やら考えているが俺の言ったことはおそらく鵜呑みにはしないだろう

 

「サル、あんたの能力で分かっているのっていうのは?」

 

「人や生物。おそらく生命のある物以外を生み出せる能力ってとこかな

 試しになんかだそうか?例えば・・・犬千代の朱槍とか」

 

「いいわ。やってみて」

 

「かしこまり~」

 

以前見た犬千代の槍を頭の中にイメージする

 

するとやはり俺の手が光り、光が消えるとイメージした槍が握られていた

 

「ほい、こんな感じ。試しに持ってみる?」

 

といって犬千代に渡す

 

犬千代は槍を持つと握ったり軽く振ったりして感触を確かめている

 

「ふーん。信じたくないけど目の前でやられちゃったら何も言えないわね」

 

信奈は怪しんではいるが納得をしたような感じだ

 

一方勝家は目を輝かせてこちらを見ているが面倒になりそうなので無視しておく

 

「わかったわ。他に何かわかったら教えて

 それであんたの寝床なんだけど・・・」

 

「あー、それに関しては場所さえくれれば自分で作るよ?

 未来人だし、世話かけたくないし、家くらいなら自分で建てれるし」

 

「はぁ?せっかくこの私が場所を用意してあげたのにことわるってわけ?」

 

「そういうわけじゃないけど」

 

能力とか確かめたいしあまりプライベートは知られたくないしなぁ

 

仕方ないから俺の何でも屋時代の特技、言いくるめを使うかな

 

「未来人でよそ者で足軽の俺がいきなり主からサルというあだ名をもらい

 さらには家まで用意してもらったら他の足軽がかわいそうですし

 まさか世界を見据えている信奈様ともあろう御方が一つの物に贔屓など

 するわけがないですし。そもそも身元不明ですし、俺。

 ですから信奈様の信頼を失くさないためにもここはどうか場所だけ!

 お与えになってくれないでしょうか・・・?」

 

途中に何言ってるかわからなくなったが最後自称APP17の上目遣い

昔、学校に通ってた時に男友達にふざけてやったらなぜか殴られたけれど

 

信奈を見つめていたらそのまま信奈は動かなくなり

 

それでも我慢強く見つめていると顔がタコも裸足で逃げるくらい真っ赤になり

 

奥の信奈の私室であろう場所に駆け込んでいった

 

失敗したか?なにかあったのかと困惑して犬千代を見るが

 

そっぽを向かれた。表情はいつもどうり無表情だがほんのり頬が赤い

 

勝家に関しては完全に後ろを向いている

 

「なにこれどういう状況?」

 

だれも何も説明してくれないこの状況に耐え、信奈が戻ってくるのを待っていると

 

勢いよく襖が開き、信奈が戻ってきた

 

「こほん、わかったわ。場所は犬千代に案内させるわ

 そ・れ・と!さっきのやつ。あれ禁止!ていうかあんた本当に男よね!?」

 

「え、あ、はい」

 

「まったく・・・(なによあの思わず抱きしめたくなるような可愛さわ!?)

 それじゃ犬千代は頼んだわよ」

 

「・・・姫様、逃げた」

 

犬千代がそういうとまた信奈は私室に走っていった

 

「えーっと、それじゃよろしく。犬千代」

 

「あ・・・う」

 

それから案内してもらったのだが道中犬千代は話しかけても頷くか無視

 

嫌われちゃったのかな?やっぱり能力とか化け物扱いされたのかなぁ

 

俺が一人落ち込んでいると

 

「・・・ついた」

 

どうやら俺の家が建つ場所についたようだ

 

犬千代に連れてこられたのは開けてはいるものの、雑草が生い茂っていて

 

手入れがされていない場所だった

 

「・・・犬千代の家はあそこ。祐麒の家になるはずだったのがそこ」

 

どうやら場所的には犬千代の家の裏のあたり

 

少し離れてはいるがご近所さんということだろう

 

「・・・困ったことがあったら、犬千代に聞く」

 

「ああ、うん。ありがとう犬千代!」

 

心強いご近所さんが出来たのが俺はうれしくて思いっきりスマイルしてしまった

 

それを見た犬千代は回れ右をしてどこかへ行ってしまった

 

・・・やっぱ自称APP17違うなぁ(泣)

 

落ち込んでいても仕方ないので

 

「五右衛門!いるかー?」

 

久しぶりに呼ぶと目の前に現れる俺の相棒こと五右衛門

 

やはり彼女も頬が軽く赤いがやっぱり自称以下略

 

「今から家作るんだけど、この付近からの人払いお願いできる?」

 

「何をしようとしているかは聞かぬでごじゃるが、わかったでごじゃりゅ」

 

安定の噛み噛みでまたスパッと消えてしまった

 

人の気配がなくなったのを確認してから

 

地面に座って、頭の中で家をイメージする

 

一見、この時代の家と同じような外見だが中身は完全に現代の物

 

お風呂にキッチン、トイレにリビングに広めの和室、縁側は欲しいなぁ

 

あと自室を一部屋に能力の練習用に地下室、そして各々の部屋に必要な機器を設置

 

家具と俺が持っていた服も用意する

 

冷蔵庫の中の食材も完備しておいてっと

 

これでよし・・・

 

そして目を開けると目の前には想像した通りの家があった

 

大きさは大きすぎず小さすぎない程度

 

中に入ってみると想像した通りのものとなっていた

 

「想像以上だよ・・・」

 

感動していると犬千代がやってきた

 

「祐麒・・・いつの間に建てた?」

 

「んー。さっき能力でちゃちゃっとねー。中にはまだ入れないよ?

 信奈と勝家も呼んで、パーティーといこうじゃないか!拾ってもらった恩もかねてさ」

 

「・・・ぱあてぃー?」

 

「ああ、南蛮語で宴って意味さ」

 

「・・・姫様、呼んでくる」

 

「え、今日するの!?」

 

「・・・だめ?」

 

犬千代に上目遣いをされた

 

効果はイマイチだが・・・仕方ない。戦乱の世だしな

 

できることは今やっといたほうがいいか

 

「おーけー。俺は中で準備してるから、みんな連れてきたらこのボタンを押すんだ」

 

玄関につけたまったく家にあってないインターホンを指さす

 

「わかった。行ってくる」

 

そう言って、ものすごい速さで走って行ってしまった

 

「・・・さて、準備しますかね」

 

今日はどうやら休むことはできなさそうだ・・・




マイホームって憧れます
祐麒の家もチート仕様なので電気も水もガスも全部ついてます
ある種の主人公補正です
もうなんでもありです
次はパーティー会と信澄登場です!お楽しみに!


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第九話 宴会

今回は完全にオリジナル会です
といっても原作に大きく関わることじゃあないので
飛ばしたい方は飛ばしても大丈夫な会です

因みに宴会というタイトルなのですが祐麒はお酒が飲めません
チート能力者だからその辺なんとかなるだろ?って思われるかもですが
少し前まで現代人17歳だったのでお酒に抵抗があるんです!

さて、長々と前書きを書いてしまいましたが
ここまで呼んでくれた方、お待たせしました!
ようやく本編スタートです!



犬千代が信奈を呼びに行ったのを確認した俺は

 

すぐさま食事の用意に取り掛かった

 

本当はこんなことに使うための能力ではないのだろうが

 

すばやく使えるようになる練習ってことで飲み物から食材、現代調味料まで

 

すべて能力でだすことにした

 

余ったら冷蔵庫にぶち込んでおけばいいしね

 

どこかのダンジョンのある世界ではこういう魔法みたいなものを使いすぎると

 

気絶するなり体調が悪くなるだったりと、それなりの代償があるはずなのだが

 

今のところ気分は優れているしめまいもしない

 

「どう考えたってチートだよねぇ・・・

 まあいいや、ささっといろいろ作ってしまおう」

 

恐らく信奈も犬千代も食べたことのない現代の料理をたくさん作ることにした

 

この時代の人たちは現代に比べ寿命が半分くらいだったと聞いたことがある

 

なのでいろいろな食事をふんだんに使うことにした

 

いずれ統一するこの日本の行く末をできるだけ長く見ていてほしいし

 

とりあえず、揚げ物は唐揚げとかつ、エビフライ

 

なんとなくローストビーフも作ってみた

 

「五右衛門!いたらちょっときてー」

 

すると玄関が開くのが聞こえる

 

むろん天井裏とかは作ってないので五右衛門の潜むスペースはほぼゼロなのだ

 

「無事人除けは完了したでごじゃる」

 

「おう、ありがと。礼といってはなんだけど

 作った料理ちょっと食べてみて。味は保証するからさ」

 

「い、いや拙者は忍び故、そのようなごうかにゃもにょは・・・」

 

相変わらず噛み噛みだ

 

「はいはい、そーゆーのいいからさ。貰えるもんは貰っといたほうがいいぜ?

 それに五右衛門は俺の相棒だし。いざという時に腹ペコで動かけなかったら

 それは忍びとしてダメなんじゃないかい?」

 

俺の反論に対し、ムムム・・・と五右衛門は悩んでいる

 

なんかもうめんどくさくなってきたので一本エビフライを箸でつかみ

 

お手製のタルタルソースに少しつけて五右衛門の目線に合わせ

 

「ほら五右衛門。口開けて。あーん」

 

相手は同い年でもなければ年の近い女の子でもない。幼女だ

 

だからこんなことまったく恥ずかしくない

 

「し、しなないうぢ!?」

 

「グズグズしてる五右衛門が悪いんだぜ?ほら早くしないと冷めちまう」

 

ようやく五右衛門は観念し口を隠していたマスクを下げ口を開けた

 

頬が赤く染まっている。怒らせてしまったか?しかしそんなことは関係ない

 

エビフライの感想はたった一言「美味でござる!」だそうだ

 

ま、美味しかったならなんでもいい

 

調理を再開しようとすると

 

「・・・恥ずかしながらしなない氏。拙者おなかがすいているでごじゃる」

 

五右衛門はそう言いながら顔は出来上がった料理を見ている

 

「仕方ないなぁ」といって小皿に各料理を少しよそって箸と一緒に渡す

 

「あっちのテーブルでゆっくり食べてな」

 

そういうと五右衛門は俺の用意した大きなテーブルの目に正座して料理をほおばり始めた

 

料理を再開した俺は鯛の姿づくりやお刺身などの魚系料理

 

野菜炒めや野菜スープなどの野菜系

 

ピザやナゲットなどの宴会定番?の物を次々と用意していた

 

時計を見ると時間は午後六時

 

暖かいものは保温庫という青い猫が出しいそうなものにいれてあるので暖かいままだ

 

え?そんなものいつだしたかって?細かいことは気にしないの

 

そろそろ来る頃かなと思っているとインターホンの音が鳴る

 

噂をすればなんとやらかな

 

「はーい」と言って玄関を開けるとそこには犬千代、信奈、勝家、ともう一人

 

穏やかそうなお姉さんっぽい人がいた

 

「サル!宴をやるんだっていうから来てあげたわよ」

 

「お、おう。わざわざ来てくれてありがとな。案内するからついてきてくれ」

 

五右衛門を紹介しみんなに座布団の上に座ってもらう

 

「しかしサルのやついつのまにこんな家を・・・」

 

「見慣れないものが多いですがきれいな家です。82点」

 

「まったく。サルだけで城一つ建てれるんじゃないかしら」

 

「人のいないところで何言ってくれちゃってんの?

 えーっと、はじめましてだよね?そちらの人は」

 

穏やかお姉さんのほうを見る

 

「丹羽長秀と申します。志那無殿、お招きいただき感謝いたします」

 

「万千代!堅苦しいのは無しよ。それよりサル、もう食べてもいいかしら」

 

「姫、はしたないですよ12点」

 

その点をつけるのは一体何なんだろう・・・

 

「別にいいよ?これでみんな揃っているんだろうし」

 

俺の言葉を合図にみんな一斉に食べ始めた

 

皆育ち盛りだからだろうか、それはもうよく食べる

 

おかげで料理が足らなくなりそうで肝が冷えた

 

因みにみんなが食べている間、俺はおかわりだとか食べ終わった食器などを片付ける

 

いわば雑用のようなことをしていた

 

別に命令されたわけじゃなくなんとなく今の自分の立ち位置はここかなと思ったからだ

 

「祐麒の料理、うこぎ汁よりおいしい・・・」

 

犬千代は自らの家の生垣に生えている葉っぱをゆでて食べていたらしい

 

だからこんなに背が小さいのか・・・

 

「まあ、食いたきゃいつでもご馳走してやるよ。気軽に言ってくれ」

 

そういうと満足したような顔をしてまた食事に戻っていった

 

「志那無殿、料理は普段からされるのですか?どの料理もちょうどいい味付けです。92点」

 

「趣味程度にするだけだよ。まあなんでも作ってみたくなる性分だからさ

それにここに来る前は家事全般俺がやってたしね」

 

「なるほど。家事ができるのはよいことです。満点!」

 

「お、おう」

 

高得点なのはうれしいがそれよりも、さっきからおよそ1名の視線が痛い

 

ゆーっくり振り返るとこちらを見ている信奈と目が合った

 

「あー、えっと、どうかしたのか?」

 

「・・・サル、あんた万千代とやけに仲がいいわね」

 

「いや、んなことないと思うけど・・・」

 

「どうかしらねぇ?」

 

どうやら姫様の機嫌を損ねてしまったようだ

 

どうしたものか・・・

 

「それよりサル、宴会なのにお酒が見当たらないじゃない!

 まさか出し渋ってんじゃないでしょうね?」

 

「いやいや俺17歳だからお酒なんて飲まんぜ?」

 

「は!?あんた私より年上だったの?」

 

「年下だったのかよ・・・。なら余計に酒はダメだ!あるにはあるがな」

 

「あるならだしなさい!命令よ」

 

「そんなこと命令すんなよ。・・・おーけー分かった。条件付きでならいいぞ」

 

「桶?何言ってんの?まあいいわ。それよりも条件って何よ」

 

「二人で飲もうぜ。とっておきの場所で。話したいこともあるしよ」

 

「・・・は?(どうしよう。まさか二人きりなんて言うと思わなかった・・・。な、なに考えてんのよ私?

 別にサルのことなんかなんとも思ってないし?ていうかなんでこんなにドキドキしてんのよ!?)」

 

「いやなら別にいいけど・・・」

 

「嫌なんて言ってないでしょ!?いいわよ!アンタの言うそのとっておきの場所まで案内しなさい!」

 

「了解。んじゃ行こうか。しばらく戻ってこないかもだから

 長秀さんも犬千代もゆっくりくつろいでいてくれ」

 

冷蔵庫からとっておきの『お酒』を取り出し信奈を連れて二階に上がる

 

「とっておきの場所というのはこの窓の先にある。そんじゃ行くぞ」

 

窓をあけると風が入ってくる

 

気持ちのいい、少し冷たい夜風

 

窓の奥にあるのはベランダ

 

そこにはテーブルと椅子が二つ置いてあり、外の景色も見える

 

まさに俺の誇れるとっておきの場所だ

 

織田信奈は性格云々を除けば、あの斎藤道三も認めるほどの美少女だ

 

この景色には俺みたいな不細工ではなく信奈みたいなののほうがよく映える

 

持ってきた瓶の先についているコルクをとりながら素直にそう感じた

 

「知ってるか?この酒はワインっていうんだ。まだこの国には広まっていない酒だろう?」

 

「ええ、そうね。私もそんなお酒知らないし」

 

用意していた二つのグラスにワインを注ぐ

 

椅子に座りグラスを互いにあてる

 

信奈はいつもお酒を飲むときのようにグビッと一口で飲んでしまうが

 

俺は映画やドラマで見たのを真似してじっくりと味わいながら飲んでいる

 

「それで?話したいことって何よ」

 

「前に話しただろ?なぜこの世界に来たのか。そのことについて、な」

 

「・・・やっぱり元いた時代に戻りたい?」

 

「さてな。だけど依頼は依頼だ。引き受けた以上、投げ出すことはない」

 

信奈はホッとした顔を見せる

 

「なんだ?そんなに帰ってほしくなかったのか?」

 

「そ、そんなわけないでしょ!?」

 

「ハハッ。冗談だよ」

 

信奈は祐麒の発言に対し顔を真っ赤にして否定したが実際はその通りであった

 

「ま、裏を返せば、依頼を達成したら元の時代に帰るってことだな

 なんとなーくだけど帰り方の見当もついてるしさ」

 

「・・・そうなのね」

 

「なーにしょんぼりしてんの。俺はお前の部下でお前は俺の主だろ

 それ以上でもそれ以下でもない。別に部下が一人いなくなろうと問題ないだろ

 死ぬわけじゃないんだしさ」

 

酒が入ったせいかいつもよりも口が動くな

 

「・・・」

 

その発言に信奈は何も言い返さない

 

しかし俺の発言が気に障ったのか鬼の形相で睨んでくる

 

俺が言った言葉を取り消せと言わんばかりに、ただ何も言わず睨む

 

「悪い。どうも酔ったみたいだ」

 

「・・・ねぇ、この世界がどんな形をしているかアンタ知ってる?」

 

「いきなりなんだよ」

 

「いいから答えなさいよ」

 

「丸、いや球体だな」

 

「そうよ。昔、私に地球儀っていうものをくれた宣教師がいて、私もそれで知った」

 

信奈は月を見ながら話し出す

 

「その人からはたくさんのことを教わったわ

 そうしているうちに、この日本を統一して世界に飛び出したいって思ったの」

 

信奈はこういうことに関しては嬉々として話すと思ったのだが

 

いまだにその瞳は悲しげなままだ

 

「私はその広い世界を自分の目で見てみたいのよ

 日本人が誰も見たことのない、『世界』をね

 それが私の夢の原点。すべては海の向こうから来たあの宣教師から始まったわ」

 

そこまで言い、今まで目を背けるように月を見ていた信奈が

 

まっすぐこちらを見る

 

必然的に目が合う状態となる

 

「でも、その宣教師はもう死んじゃったわ」

 

俺には関係のないことのはずなのに深くその言葉が刺さる

 

「父上もそう。蝮だって私なんかに美濃を譲るなんて言うからもしかしたら死んじゃうかもね」

 

ただ依頼を受けてこの世界に来て依頼を達成するまでの、たったそれだけの関係

 

そう思っていたはずなのに、信奈の言葉が深く刺さる

 

「どういうわけか、私が好きになったり頼りにした人って皆すぐに死んじゃうのよ」

 

今まで仕事に関係する人に同情や哀れみを向けることはあっても

 

それ以外の感情を抱いたことはなかった

 

それなのに、黙っているのは聞き続けることはできなかった

 

「俺は死なねえよ。たとえお前が頼りにしようが好きになろうが、絶対にな」

 

何か、俺の心から外れた気がした

 

「それに誰も死なせない。お前の大切なもの、全部守ってやる」

 

こんな言葉はただの偽り、偽善だと理解しているのに

 

この場で最も相応しいだろうと思ったから発しただけのまやかしの言葉、まやかしの希望だとわかっているのに

 

本当に、そうしたいと思った

 

「勝家も犬千代も長秀。そして信奈。全員守り抜いて見せるさ」

 

本当に守りたいと思った

 

「そ、そう。ならその言葉を偽りにしないためにも儀式をしましょう」

 

そういって頬を紅潮させながら白い手を俺の前に突き出す

 

「志那無祐麒、わたしを主と仰ぎ、忠誠を誓いなさい」

 

突然のことだったが特に戸惑うこともなく、ごく自然に

 

「ああ」

 

突き出された手の甲にそっと口づけをする

 

「信奈が夢をかなえるまで、俺はお前の横でお前を助けよう」

 

信奈は満足そうな顔をする

 

「それじゃあサル、今度はあんたの番よ」

 

「は?」

 

「奉公には御恩で返さなきゃね」

 

そう言われたってなぁ。しかし願いと事いっても大したことは・・・

 

「・・・んじゃ、3つほど」

 

「アンタって意外と欲張るわね」

 

「なに、そこまで大きな願いじゃないからね」

 

「ふーん。それじゃ言ってみなさい」

 

「一つ目は藤吉郎のおっさんの墓を建てることだ」

 

「誰よそれ」

 

「俺を生かすために死んだ一人の英雄さ。本来この場にいたはずの人だ」

 

「そう・・・なのね。だったら大きな墓を作ってあげなきゃね」

 

「感謝する。二つ目は、たまにでいいから大名の織田信奈ではなく

 ただの女の子、織田信奈になってほしい」

 

「ど、どういうことよ!?」

 

「いや、特に深い意味はないけど。まあ、あれだ。ずっと家臣のこととか戦のこととか

 考えてたらそのうち苦しくなるだろ?だからちゃんと息抜きしろってこと」

 

「あ、あー。なるほどね」

 

「コホン。では三つ目。必ず天下を取れ。上杉謙信?武田信玄?そんなもの知ったこっちゃない

 天下に、頂上に上るのはお前だけだと俺は信じる。だからさ、信奈」

 

「・・・ええ、分かったわ。必ず取って見せるわ」

 

こんなに素直に本心を喋れたのはいつぶりだろうか

 

通っていた学校ではずっとみんなに合わせるだけの生活をしていた

 

その方が余計な気遣いもいらないし何より楽だったから

 

そんな俺でも、まだこんな風に思えるんだな

 

「よし!ちょっとばかし嫌な感じになっちまったが飲みなおすぞ」

 

「そうね!サル、早くお酒をよこしなさい?」

 

そういってグラスを俺に突き出す

 

「はいよ、お姫様」

 

軽く冗談を言いながらワインを注ぐ

 

こうして、俺の家で行われた人数の少ない宴会は幕を閉じた

 

因みに、このあと信奈が酔いつぶれたので

 

和室にお客様用の布団を四つ敷き、信奈とついでになぜか爆睡している勝家を寝かせた

 

五右衛門に関しては天井に張り付いて寝ているので見て見ぬふりをしておいた

 

犬千代と長秀さんも今日はもう遅いからと言って泊って行ってもらった

 

俺はというと宴会の後片づけなどをしていた、はずなのだが

 

「・・・なんか眠いな・・・。おかしいな、目がかすれる・・・」

 

急な眠気に襲われリビングに俺は倒れてしまった

 




時間がかかってすいません!
オリジナル展開を増やそうとするとやっぱり時間がかかっちゃいますね
早く慣れねば・・・
それはそうとここから下は若干のネタバレ注意なので
ネタバレ無理!!って方はここから下を読まず次回にどうぞご期待ください!



________________________________________

さてさてこの作品のタグにはいろんな要素(fate、東方project、FF)がありますが
次回でようやく、二つの要素を出せそうです

出し方なんですが主人公の夢の中に出てくるといった感じになります

例:犬千代が夢に現れた
     ↓
  なんやかんやする
     ↓
  犬千代の『槍さばき』を手に入れた

てな感じですね

それで出すキャラなのですが、なにかしらそのキャラが関わるような
きっかけがあれば出すという形になります
今回は例外で先にキャラをここに一人書きます

まやかしの希望→ FFX →ユウナ

こんな感じで、文章中に言葉が隠してありますのでぜひ探してみてください
上記に感じては恐らく難しいというか
こじつけだと思ったのでここに書いたというのが本心ですが

詳しい人はすぐわかるかもしれませんが
この第九話のどこかにもう一つキーワードを隠しておきました
個人的にはかなりわかりにくいので決してネタバレにはならないと思いますが・・・

長文になってしまいましたがここまで付き合ってくれた皆さん
本当に有難うございます!
それでは次回をお楽しみに!!



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