チート能力者が戦国時代にタイムスリップしたようです (avis)
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第一話 依頼とタイムスリップと手紙

少し短いかもです
処女作なので誤字脱字などはお見逃しを




今日も一人、事務所で暇を弄んでいた俺はふととある噂を思い出した

その噂を聞いたのは一週間前

俺が住んでいる街には一度入ったら抜け出せないという森がある

通称『帰らずの森』

立ち入った者は皆行方不明になっていることから誰かがふざけて付けた名だ

だがその森から2年の月日を経て生還した者がいるらしい

ただ、その奇跡の生還者がおかしなことをぬかしたらしい

「間違いねぇ!俺はタイムスリップしたんだよ!戦国時代にさ!」

「俺はそこで死んだんだよ!そしたら森の入り口にいて・・・」

「女が武将やっててよぉ、ありゃ美人ばっかだったぜ!」

・・・だそうだ

俺も最初は2年の森の中サバイバルによって頭がおかしくなったんだろうと思っていたが

なぜか本気にするやつが増えたのだ

そのせいであの森に関するニュースとかが増えている

暇を持て余していると、事務所のチャイムが鳴った

どうやら仕事のようだ

というわけで

依頼主は金髪の外国人っぽい女性でなんか不思議な感じがする人

手にはシルバーのアタッシュケース

服装は白のワンピースにサングラスで見るからに美人だった

日本語はものすごくペラペラで外国人という予想はどうも外れたようだ

まぁ、それはともかく依頼内容はこうだ



・最近あの森に行方不明者が多発しているから調査してくれ

・もし噂通りタイムスリップとかできそうなら、そこに行って感想を聞かせてほしい

・もし生存者がいるならそいつらも一緒に救出してくれ



・・・なんというか、最初と最後はなんとかなるかもしれんが真ん中は正直嫌だ

帰れる確証はないし、そもそもタイムスリップするとは限らない

なによりこの女の人話していて思ったが胡散臭い

そう思いつつも、俺は依頼を受けてしまった

理由としては、ウチは後払い制なのにクライアントは

なんと2000万という大金を先払いだと渡してきたからだ

断ることもできたが目の前に大金を置かれちゃなんか申し訳ないので

「わかった、受けるよ。その依頼」というと

喜々とした表情で「ありがとう!」と言われた

そのあとなぜかクライアントは俺の手を両手で包み込み小声で何かつぶやいていたが

「仕事が成功するおまじないです」と言われたので気にしないでおくことにした




そして今俺は例の森の前にいる

行方不明者の捜索と救出なので大したものは持ってきていない

一応スマホ、太陽光発電システム搭載バッテリー、ナイフ、絆創膏、包帯、消毒液などの物は持ってきた

あと長引くかもしれないのでおにぎりを3個ほど持ってきた

「さて、なんか体も今までにないくらい軽くて動きやすいし、パパっと済ませますかねぇ~」

独り言を言いながら森の中に入った

奥まで行くとなんだか血なまぐさい匂いがしてたので気を引き締める

匂いのする方向まで行くと霧がでてきた

「チッ!ただでさえ視界が悪いのによぉ~・・・ついてねぇなぁ」

しばらく歩いていくと霧が晴れ、森から抜けた

「・・・おかしいなぁ。こんな短時間で抜けられるはずないのに」

時計を見ると俺が森に入ってから5分しかたっていなかった

「ま、引き返せばいい話か」

そう言い後ろに方向転換するとそこには・・・

「なんだ・・・こりゃ」

そこに森はなくずっと先まで平原だった

よく見ると遠くで旗をもった人や刀、槍を持った人が戦っている

どうやら俺は本当にタイムスリップしてしまったらしい

もし仮にここがタイムスリップした先だとして一番可能性が高いのは戦国時代

となれば旗を見ればどの軍が戦っているのかわかるのだが、目視でキロはあるであろうずっと先が正確に確認できるはずがない

「双眼鏡でもあればなぁ・・・」

そうつぶやくと俺の右手が光だし光が収まると双眼鏡と紙が握られていた

もう・・・なんでもありだな

紙の方を見ると何か書かれていた



どうも、クライアントよ

もしあなたがこの手紙を読んでいるなら無事タイムスリップができたようね

突然いろいろおこってビックリしているかもしれないけれどとりあえず落ち着いて頂戴

さっきあなたの身に起きたことだけど、それはあなたの力よ

正確にはさっき私が与えたものだけどね

力の使い方はさまざまだけど全部教えるとつまらないから一つだけ教えておくわ

その一つとは、あなたの思い浮かべたものを生み出す能力よ

人間とか神様とか動物とかは無理だけどあなたの把握している道具、武器、なんでも生み出せるわ

あなたにはあと二つ能力を与えてから頑張ってその二つに気づいてね

能力は応用できるからいろいろ試してね

さて、本題なのだけれど、私があなたをこの世界にタイムスリップさせた理由はこの世界を救ってほしいの

この世界はあなたの元いた世界とは全く関係ないわ

だから自由に動いてくれて構わないわ

この世界では織田は本能寺の変ではなく、今あなたの近くで起きている戦によって死ぬわ

豊臣秀吉こと、木下藤吉郎もね

そうなれば歴史はかわり、この先江戸は訪れずこの日本は破滅へとむかうだけ

あなたは木下藤吉郎の代わりとなって織田に仕官し、天下へと導いてほしいの

因みに織田は助けられるけど、木下藤吉郎はどうあがいても助けることは不可能よ

もちろん、やるかやらないかはあなた次第

もしあなたが織田を助けなければこのさき江戸は落とすれず、日本の行く先は破滅へと向かうわ

脅すみたいで悪いけれど、あなたはきっとやってくれると信じているわ

それじゃ、頑張ってね


PS:あなたにあげた2000万だけどその時代のお金にしてミニバッグっていう道具にいれておいたわ
  とりあえずはミニバッグを出現させるのがいいとおもうわよ?
  私の正体についてはまた会った時に教えてあげるわ
  それじゃ幸運を祈っているわ



ン~、こりゃ参ったなぁ

とりあえず手紙の信憑性を確かめるためにミニバッグ?を出現させてみるか

と思ったら例のごとく手が光り、ミニバッグ?があらわれた

重くないし入ってるわけないと思いながら

開けてみると、バッグの中はとても広い空間になっていてその中にちゃんとお金が入っていた

いわゆる四〇元ポケットだ

「・・・まじかよ」

ま、帰るにしても帰れないしやれるだけやってみるかな

双眼鏡で旗を確認すると木瓜の家紋・・・おそらく織田だろう

もう一方は円に二つの横線・・・記憶が正しければ今川だ

ということはこの手紙の信憑性が高くなってくる

ならば織田は直にこの戦で死ぬ

そうと決まれば

俺は戦地まで走り抜けた



アドバイス等お待ちしております


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第二話 誓い

あの足軽の口調が難しすぎる・・・


戦乱の地にたどり着くと足軽っぽい人に見つかった

・・・今川の

「貴様!見慣れん服だな、さては織田の放った乱波だな!」

今川の足軽はそういうと俺に槍や刀を振りかざしてきた

しかし普段から危ないことに首を突っ込んでいる俺にはこの程度朝飯前だ

振りかざされる槍や刀を軽くいなし、敵の顔面に思いっきりグーパンを叩き込む

あっけなく足軽三人組は気絶し、一息ついてしまった

「油断したな、織田の乱波!」

「しまった!!」

まだ一人いたらしい

「坊主、あぶないみゃあ!」

ふわっと体が浮く

「うおっ!」

気づくと俺の体は知らない足軽に抱えられていた

どうやら助けてくれたみたいだ

「ありがとな、足軽の人!」

そういうと、襲ってきた足軽が向かってきていた

「坊主、逃げるみゃあ!!」

助けてくれた足軽の人が叫ぶが

俺はその言葉を無視し、刀を持っている方の手に向かってタイミングよく回し蹴り

敵が刀を手放したのを見ると

首の後ろに腕を回しそのまま俺の膝と顔面を衝突させてやった

敵が気絶するのを見ると助けてくれた足軽がよってきた

「坊主、お前は織田の忍だみゃ?あの身のこなしはただ者ではないみゃあ!!」

「え?あ、いや違いますよ?今から織田信長に仕官するところではありますけど」

そう答えると

「信長とはだれじゃ?織田の殿様の名前は信奈だみゃ」

あるぇ?ン~・・・まぁ苗字織田だから同じだろ、多分

「ま、いいみゃ。わしは今川の殿様に仕えておったが、あのお方はブサイクな男が嫌いでみゃあ。出世できそうになかったぎゃ」

ま、確かにサルみたいな顔だけどもさ

「それで、織田方へ寝返ろうと考えておった。なぁ坊主、わしも一緒に行っていいか?」

まあ、味方が増えるのは心強い

「わかった。んじゃ行こうか」

おっさん曰く織田信奈は身分にこだわらず有能な家臣であれば

足軽だろうが農民だろうが抜擢してくれる先進的な大名らしい

きっと雇ってもらえるはずだ

だが、林を抜けて街道へ出た瞬間だった

「うぐっ?」

足軽のおっさんが、いきなり胸を押さえてうずくまった

「どうしたん・・・おっさん!?その血どうしたんだよ!」

「……流れ弾に当たったみゃあ……運がなかったみゃあ」

「マジかよ・・・」

医療の心得を多少会得している俺からすればおっさんが助からないのは目に見えていた

たちまち、血が地面を紅く染め水溜りを作る

道の脇におっさんを寝かせた

「……坊主。わしはこれまでだみゃ。お主だけでも行けい」

「すまない・・・俺がもっと気を付けていれば・・・」

「戦に身を置いたものはいつ死ぬか分からぬ。これが戦国乱世の世の常よ……」

そう言い、力なくおっさんは笑う

「わしの夢である一国一城モテモテの夢・・・わしのかわりにお主が果たしてくれい」

「ハハッ・・・なんだよそれ。でも、わかったその夢必ず叶えるよ。死んでも、叶える。約束する」

「これで・・・わしも安心してあの世にいけるみゃあ」

「待ってくれ。おっさんの名前を教えてくれ。俺が出世したらでっかい墓たてるからさ」

「・・・わしの名は、木下・・・藤吉郎・・・」

「ッ!・・・そうか、おっさんが・・・」

助けられないなんて書いてあったが決してそんなことはなかった

俺がもっと気を配ればなんとかなったはずだったのだ

「・・・さらばじゃ、坊主・・・生きて・・・わしの夢を・・・」

木下藤吉郎はそう言いこの世を去った

わかっていたことだ。この時代に身をおけば周りの人間はいつ死んでもおかしくない

自分もその例外ではない

「木下藤吉郎・・・あんたの犠牲は絶対に無駄にしない」

おれはこの先、絶対にこのような犠牲をださないと心に誓い、この場を後にした



前回より短いなぁ
次回はオリキャラ設定です


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第三話 キャラ設定

オリキャラ設定です
まだ不明なことが多いですがのちのち分かりますのでご容赦を


志那無 祐麒

年齢:17歳

身長:163cm

体重:45kg

性格:仕事は丁寧だがそれ以外は基本雑
   中学では皆からぶっきらぼうだけど根は優しいと言われていた
   心に深い傷を負っているがよほどのことがない限り外には出さない

好きなもの:ゲーム、本、小説

嫌いなもの:仕事、嘘

容姿:黒髪で長め(肩に高さに届くくらい)で黒と白の服にジーパンを着用
   首には銀の水晶のついたネックレスをかけている
   体のいたるところに傷がある

17歳にして、便利屋の主人
普通なら高校2年生なのだがとある事件に巻き込まれてから高校を中退
以後、一人で便利屋を営んで生活している
家族はおらず学校にも行ってないので友人もいない
仕事は嫌いだが生きるためと割り切って丁寧にこなす
仕事が失敗した例は一度もない
依頼は基本どんなものであっても断らないが、危険性や報酬が割に合っているかを見て
受けているらしい
本人の周りに便利屋を営んでいるものがおらず意外と繁盛している
謎の女性によって3つの能力を授けられた

1、創造の能力

命あるものでなければ、何でも作れる
どのような原理かは不明だが使い手が知っているものなら仕組みを知らなくても
作り出すことが可能
正直これ一つでチートである

2、?

いまだ不明

3、?

いまだ不明


道具:ミニバッグ・・・謎の女性から与えられたもの
           中がとても広くて何でも収納できる
           ミニバッグ自体は小さく、腰巾着くらいの大きさ
           入れ口が恐ろしく広がり頑張れば人間や動物でも入りそう
           性能は完全に四〇元ポケットと同等かそれ以上


謎の女性(クライアント)

年齢:?(祐麒は20代前半に見えた)

身長:?(祐麒は170cmくらいに感じた)

体重:?(考えてはいけない気がする)

性格:自由気まま

好きなもの:おもしろいこと

嫌いなもの:つまらないこと

容姿:金髪、金眼、白のワンピース、黒のオシャレなサングラス

この作品のヒロインでは決してない
かといってラスボス的存在でもない
世界の平和を誰よりも望んでいる
そのために祐麒を破滅を迎えようとしている世界に招いた
直接世界に関われないらしく
祐麒に自らの力の一部を与え間接的にでも力になろうとしている
そのため直接登場するのではなく祐麒の手紙を与えたり祐麒の夢にでてきたりする
一目見ただけで恋に落ちるくらいの美女
しかしなぜか祐麒にはその魅力が通じなかった
この女性が何なのかは勘のいいひとならすぐ気づくんじゃないかな
登場するのは少し先になりそう
祐麒を遥か遠くの地からずっと監視している




オリキャラ設定って意外と難しい
あらかじめまとめといてよかったです
ほんとに・・・


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第四話 契約と覚悟

ついに原作で噛み噛みなあのキャラと
今作のヒロインが登場です
※この作品には相良良晴の位置に祐麒が入る感じです
 なので相良良晴はこの作品に登場しません



木下藤吉郎が旅立ってから本陣があるであろう場所に走る続けた

幸いなことに今川の足軽にも織田の足軽にも見つかることはなかった

数分程度、全力疾走したためか息が上がってしまっている

時間は惜しいが運よく見つけた隠れられそうなところで休憩することにした

「こんなことならもっと体力つけとくべきだったぜ・・・」

祐麒は運動もできるし、スポーツも基本不得意なものはなかったが

そのせいか長続きせず、体力があまりないのだ

涼しい風が吹き、黄緑色の雑草が生い茂っていて昼寝でもしたい気分だが

近くでは槍や刀がぶつかり合う甲高い音や、叫び声、断末魔などが聞こえていて

眠れるような状況ではなかった

「さてと、そろそろ出発しまっ!?・・・」

後ろに誰かいる

足音なんてなかったし今川の足軽が言ってた乱波か?

一か八か、後ろを振り向く

そこには目が赤い小さな忍者がいた

・・・完全に幼女だ

襲い掛かってこないところ味方なのか?

「えーっと・・・君は?」

「拙者の名は、蜂須賀五右衛門でござる。これより木下氏にかわり、ご主君におちゅかえ するといたちゅ」

噛んじゃったなぁ・・・触れないでおいてあげよう

「木下氏って藤吉郎さんのこと?」

「そうでごじゃる。足軽の木下氏が幹となり、忍びの拙者はその陰に控える宿り木となっ て力を合わちぇ、ともに出世をはたちょう、そういう約束でごじゃった」

「そっか・・・ごめんな。俺が気を配っておかなかったばかりに」

この子はいわゆる木下藤吉郎の相棒だったんだろう

謝ってどうにかなるわけじゃないが頭を下げる

「頭を上げてくだされ。木下氏にも後悔はなかったでござろう。
 それに約束したのでごじゃろう?かわりに夢をかなえると」

「見てたんだな。そう、そうだな。俺がしっかりしなきゃおっさんが報われないよな」

こんな幼女に諭されるなんて情けないなぁ

「それでご主君、名をなんと申す?」

「志那無祐麒だ」

「では拙者、ただいまより郎党『川並衆』を率いて比企谷氏にお仕えいたす」

「それはありがたいな。それじゃこれからよろしく頼むよ」

出発しようと目的の場所に歩き出そうとすると

「その前に志那無氏、髪の毛を一本いただく」

五右衛門は俺の頭から髪を一本引き抜くと、どこからか取り出した

藁人形の中にその髪を詰め込み始めた

「お?契約かなんかか?」

「そうでござる。志那無氏にはわが幹として是非とも出世していただく。
 木下氏とのやくちょくでありょう?」

「ああ、そうだな!それじゃ行こうか」

「志那無氏、合戦はまだ続いている。織田家の旗竿を持って槍働きをするがよい」

「そうか、そうすりゃ織田の足軽に敵に間違われることはねえな」

これまた運よく落ちていた旗竿を拾い

「こっからが正念場だ。行くぞ!五右衛門!」

そういうと五右衛門は軽くうなずき、九字を切ってどこかに消えた

恐らくどこからか見ているのだろう

旗竿を持っているせいかかなり目立っていて今川の足軽になんどか見つかったが

そのたびに爆弾?のようなものがどこからか飛んできて足軽たちを迎撃してくれた

五右衛門が有能すぎて俺のでる幕がねぇ・・・

本陣に到着したがほぼ同時に馬に乗った鎧武者が

おそらく織田の殿様であろう人物に向かって三人突っ込んできた

周りを見ればいるのはさっきの鎧武者と織田の殿様だけだった

「なんで本陣ががら空きなんだよ!?」

殿様も鎧武者たちも完全に臨戦態勢に入っているが三対一だ

どう考えたって勝てるわけがない

ただの足軽ならともかく相手は鎧武者、おそらく今川の武将か何かだろう

「ああ!クソッ!どうにでもなりやがれ」

そう叫び殿様と鎧武者たちの間に入り旗竿を振り回して鎧武者たちをけん制する

「放浪人、志那無祐麒。織田に仕官するために参った!」

「む、新手の織田兵か」

そういい警戒する鎧武者たち

俺は目標の人物であることを願いながら小声で声をかける

「合図したらここから逃げてください。あなたには生きてもらわないと困るんです」

「ちょ、何言ってるのよ!?そんなことしたらあんた死ぬわよ?」

「大丈夫ですよ。俺も時間を稼ぐだけ稼いだらとんずらするんで」

軽口をたたくが心臓は外に聞こえるんじゃないかというくらい音を立てている

落ち着け俺、どうにかこの状況を打開できる策は・・・

そうか!あの能力が!

策を思いついた俺は真っ先に頭の中にとある物を思い浮かべる

「足軽一人増えただけよ!打ちとれい!!」

一人の鎧武者が叫び三人で突っ込んでくる

「今だ!行け!」

手に冷たいグリップの感触が伝わるのを確認し殿様に合図をだす

「っ!・・・必ず生き残るのよ!?」

そう言い残し殿様は馬に乗り遠く離れていく

「む!織田が逃げたぞ!追え!!」

「追わせねえよ!」

殿様を追おうとする鎧武者たちに向かってそう言い放ち

元居た世界で使ったことがあったピストルを敵の馬の脚に向かって撃った

咄嗟に狙ったがうまくいったらしく、馬がバランスを崩しその場に倒れ

鎧武者たちも転がり落ちる

「今のは南蛮の!?織田はそんなものを持っていたのか!」

いきなりの出来事に三人は動揺している

「さぁ、アンタらもそこで寝てる馬みたいになりたくなかったら
 さっさと降伏しやがれ」

銃を構えながら降伏を促すが・・・

「降伏などするものか!怯むな!相手は一人、三人ならどうにでもなる!」

それを言われちゃそうなんだがどうにか方法はないのか?

この場にこいつらをとどめていく方法は・・・

「かかれぇ!!」

三人が刀をもち突っ込んでくる

俺は容赦なく足に向かって銃撃つが銃弾ははじかれてしまった

ああクソッ!やっちまうしかないのかよ!?

敵の攻撃をよけながら考える

このまま避け続けてもいずれ体力切れで死ぬだけだ

狙えるのは顔だけ

そこに銃弾をぶち込めば確実にやれる

だけど・・・

「ちょこまかと!」

ついに敵の攻撃が頬にかする

「クッ!・・・すまない」

先に二人の顔に向かって撃つ

二人は先ほどまでの動きが嘘のようにその場で倒れこむ

引き続き三人目にも撃とうとするが弾が出ない

・・・どうやら弾が切れたらしい

「ふん!所詮南蛮のからくりよ!」

相手は相当の手慣れ

先ほど足軽に使った格闘術も躱されるだけだろう

とうとう体が動かなくなりその場にしゃがみ込む

鎧武者が何も言わずに斬りかかる

ふと足元を見ると俺が殺した二人の刀が落ちていた

それを咄嗟に拾い、最後の一人ののど元に突き刺す

血しぶきが体中にかかり、敵が倒れ掛かってくる

ああ、また殺してしまった

糸の切れた人形のように動かなくなってしまった三人の鎧を外し仰向けに寝かせ

人が一人はいるくらいの穴を三つ堀り、三人を埋めた

彼らの刀を三人を埋めたところにそれぞれ刺して静かに黙祷する

たとえ身を守るためとはいえ、人を殺めたことのない祐麒にはつらい経験だった

そこに馬の足音が二つ聞こえてきた新手かと思い、構えるが

さっき逃がした殿様と、その家臣っぽいひとだった

「アンタ・・・さっきの三人はどうしたの?」

殿様が問いかけてくる

「俺が葬りました。三人とも」

「よく無事だったわね・・・」

そう答えると、今度は家臣の方が

「貴様何者だ!服装は変だし足軽ではないな」

あ、やばい。一番答えづらい質問がきた

「あ、いや・・・えっとそれは・・・」

まさか未来から来たとかタイムスリップしてきたなんて答えるわけにはいかず

戸惑っていると

「怪しいやつめ。ご主君!このような者、手打ちにしてしまいましょう!」

家臣が抜刀した

構えれば織田と敵対することになる

それはなんとしても避けなければならない

もうこれはどうしようもないなと思い目を瞑ると

「やめなさい、六! そいつは一応わたしの命を救ったんだから、褒美をあげなきゃ」

「なんと、それはまことですか?」

「ええ。追い詰められたところを助けてもらったわ。わたしも見てはいなかったけど
 この状況からみて倒したのもそいつよ。自分でも言ってるしね」

助け船が入ったことで安堵する

「・・・そ、そうでしたか。ぎょ、御意」

話が終わったみたいだし、本来の目的を達成しなくちゃな

「信奈様、ぜひとも自分を足軽として雇っていただきたいのですが・・・」

「いいわよ。仮にも命の恩人だしね。あんた、名前は?」

「志那無祐麒です」

「なんか普通の名前ね、うーん・・・決めた。あんたの名前はサルよ!」

名前に一文字もかすってねえんだけど、まぁいいか

「でもこのわたしを救いに来るだなんて、見所のあるサルじゃない。
 ご褒美としてわたしの飼いザルにしてあげてもいいわよ?」

「申し訳ありませんが飼いザルはお断りしたいのですけど」

「姫さまに口ごたえするとは何たる無礼者! 斬りましょう」と馬から降りてきた

家臣が信奈に進言した

「六? 確かに斬るのは簡単だけど、天から降ってきた珍しいサルかもしれないわよ?  なにせ人語を喋るんだから。決めたわ、飼うわ」

「あの、ですからサルはちょっと・・・」

「それではこのサルを連れて、今すぐ出立よ、六」

「御意。この柴田勝家、引き続き姫さまをお守りいたします!」

スルーされ、言い返す気もなくなった俺は首に縄をかけられ

またもや走らなければならなくなった

縄が苦しく手で緩めようと試みる

その時見てしまった

手にこびりつく自分が殺した人間の血を

彼女たちとの会話で忘れかけていたが、思い出させられた

そう。俺は人を殺めてしまったのだと



初めて人を手にかけるときははこんな気分なのでしょうか
自分だったらもう意識保っていられなさそうです
運が良すぎると思われるかもしれませんが、そこは主人公補正ということで


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第五話 池の龍神とその正体

言い忘れていましたが
更新ペースは非常にゆっくりです
なので気長に待っていただけると幸いです


あれから馬に引きずられ数十分といったところか

俺は信奈たちに連れられ、山奥の池までやってきた

近くには村があったがその村はどうも様子がおかしかった

活気がないというか、何かに怯えているような人たちが多くいた

やはり時代が時代だから戦に巻き込まれるかもしれないという心配でもあるのだろう

「それじゃあサル。初仕事よ。この池の水を汲み取りなさい」

「どのくらいでしょうか」

「全部よ」

思わず絶句してしまった

今目の前にある池は小さいわけでなくそれなりに広いのだ

全部汲み取るとなると何人もの人がいて、それこそ可能だろうが

俺一人となるととてもじゃないが不可能だ

そう思っているのを察したのか信奈は俺に池の水を抜く理由を話し始めた

「この池には龍神が棲み着いてるという噂があるのよ。
 それでさっきの村の人たちが人柱として、乙女をこの池に沈めるってワケ」

なるほど。それでさっきの村には活気がなかったのか

「そんな迷信信じる人なんているんだな・・・」

「まったく、神だの仏だのなんているわけないのにね。
 そんなもの、人間の頭の中に棲み着いてるだけの気の迷い、要は幻じゃん」

「それで自分にこの池には何もいないということを証明しろ。そういうことですね?」

「そうよ。ほら、分かったらささっとやりなさい!」

ン~、理由がどうあれ、この量の水を抜くのは不可能だ

となるとできることは

「信奈様、村人をこちらに集めていただけないでしょうか。案があります」

「どするつもりよ?」

「いえ、要は龍神がいないことを証明すればよいのでしょう?
 それならわざわざ水を抜かずとも証明できますので」

信奈は俺の言葉を聞き少し考えてから

「いいわ。もし村人全員にそれを証明できたならアンタを足軽として雇ってあげる」

そういって信奈は家臣たちと一緒に村の人たちを集めに行った



数分後、俺の前には多くの村人たちが集まった

周りには信奈、それに家臣たちもいる

あまり人前で何かをするのは苦手だがこればっかりは仕方ないと割り切った

「えーっと、今日は忙しい中集まってくれてありがとう」

恒例のあいさつを言うと

皆、静かになり俺の方に視線を向けていた

「単刀直入に聞く。龍神の存在を信じている人は手を挙げてくれ」

俺のダイレクトな質問に戸惑う村人もいたがほぼすべての人間が手を挙げた

「ふーん。それじゃ龍神の姿を見たという人は手を挙げてくれ」

そう聞くと、さっきとは違い今度は誰一人手を挙げなかった

「へぇ・・・じゃあ今から俺があの池に潜ってアンタたちのいう
 龍神様を探してきてやるから少しばかり待ってろ」

そういうと村人は「馬鹿なことを」だの「罰があたる」だのぬかしている

頭の中に槍を思い浮かべると、例のごとく手に槍があらわれる

皆驚いていたがそんなことお構いなしに上に着ていた服を脱ぎ池に飛び込む

奥まで行くと何やら影が見えたので身構える

そして俺に向かって一直線に噛みつこうとしてきたので槍で一突きにする

池の龍神様の正体、それは池に棲むちょっと大きめの魚だった

池から勢いよく顔をだすと皆が慌てていた

恐らく魚から流れた血を俺のと勘違いしたってところだろうか

陸地に戻って魚を村人の前に見せる

「これがアンタらの信じてた龍神の正体だ。すごい勢いで噛みついてきたしな」

魚を見た人は「そんな馬鹿な」などと呟いているが

「いいか。龍神が死んだ今、もうこの池に生贄を捧げる必要はない
 だからもう二度と命を粗末に扱うんじゃないぞ。わかったら解散」

そういうとしばらく村人は動かなくなったが直にこの場からいなくなった

「アンタ無茶するわね」

信奈が俺にむかっていう

「別にほんとはもっと小さな魚でもよかったんですよ」

そういうと信奈は「どういうこと?」と首をかしげる

「この村の人間は誰一人として龍神の姿を見たことがありません。
 だから例え小さな魚だったとしても信じるでしょう。
 なにせ、見たことがないんですから」

きっと今俺はものすごく悪人面だろう

「まあここまで誰の反論もなく穏便にいくとは思いませんでしたけど
 恐らく、根っこから信じている人なんていなかったんでしょう。
 それに、今まで生贄になった人たちも恐らくその大きな魚によって
 食べられてしまったのでしょう。完全に自分を食う気で突っ込んできましたからね
 こいつが龍神の正体といっても過言ではないでしょう」

それだけ言ってって服を着て槍をミニバッグにしまい信奈たちに向き直るが

なぜか全員唖然としている

その中信奈が

「アンタ、一体何者なの?」

と聞いてきた

「まぁそれは追々話していきますよ。それよりもこれで俺は足軽になった
 ということでいいんですかね?」

すると

「え、ええ。いいわ」

こうしてやっと俺は正式に足軽として雇ってもらえることになった

そのあともいろいろ問い詰められたりしたが

落ち着いたらすべて話すというとなにも言わず引き下がってくれた

「ってこんなことしてる場合じゃなかったわ!」

信奈はそう叫ぶと案の定また俺に縄をかけ馬に乗った

そしてまた俺は走らされることになるのであった



次回 蝮の登場です


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