エルシーちゃんがエッチな目に逢う短編集 (瑞狐仙)
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プリンセス陥落

カラン

 

 闘技場に澄んだ金属音が鳴り響き、相手が崩れ落ちる。音の根源は相手が取り落とした得物からだ。

 こっちも疲労で今にも倒れそうな所を、なんとか気力で持ちこたえる。

 

「はぁ、はぁ、そんな・・・・・・」

 

 信じられないという驚愕と絶望に青ざめた()()がそう呟く。

 ここまで長かった。何度も何度もあの手この手で挑み続け、それでもダメだった。

 でもそれも今日まで。ついに、

 

「ついに、あの()()()()()を打ち負かしたぞぉ!!」

「「「「うおおおおおおおおおお!!」」」」

 

 観客席から爆発するような歓声が湧き上がり、俺も含めて周囲の興奮度合いが一気に高まる。

 

(どうだ!俺がやったんだぞ!)

 

 誇示するように周囲を見渡し、勝ち鬨を上げるが、

 

「エルシーちゃんがついに負けたぞぉ」

「いよいよ全勝不敗のプリンセスもここまでか」

「うぅ、僕のエルシーちゃんが・・・・・・」

「ひひっ早くプリンセスのアソコを拝みたいぜぇ」

 

 しかし彼らの興味は勝者の俺ではなく、全てが敗者の姫に向けられていた。

 

(ちっ、なんだよ! ・・・・・・だがまぁ、気持ちはわからんでもないな)

 

 なんてったって、相手は最近話題沸騰中のコロシアムのプリンセスだ。苦戦する事はいくつかあれど敗北を喫する事無く勝ち続けていた、その姫様がついに負けたとあれば、誰だってそっちに視線が行く。俺だって行く。

 誰もが魔法ビジョンやマライズ越しに見える下着やすべすべの素足で我慢するしかなかった、プリンセスの肢体。

 まぁ、あの南だかどこかの原人や医者を名乗る豚みたいな奴とのマライズには大分お世話になったが。あれで何度致したか。

 切り替えよう。

 

「さて、この時を俺や周りのクズみたいな奴らがどれだけ待ち望んでいたか。なぁ、プリンセス様?」

「ヒッ! 近寄らないで!」

 

 プリンセスは尻餅をつきながら後退さるが、力が入らないのか、その動きは弱々しいものだった。

 もちろん近寄らないわけが無い。彼女の脚を掴み、逃がさない。

 

「へっへっ、捕まえたぞぉ」

「イヤ! 離して!」

「おっと、動くなよ? 綺麗な肌に傷はつけたくないからな」

「な、なにをっ!?」

 

 剣を取り出し、先ずはバストを護っている胸甲冑を器用に取り外す。

 

「えっ」

 

 一瞬何が起きたのかわからない顔をしている。

 

「そら、次はその服だ!」

「待って、イヤァァァァ」

 

  ビリ、ビリリィ

 

「「「「おおおおおおお!!」」」」

「イヤァァァァ」

 

 プリンセスを纏う衣装の、胸の部分からへそ下辺りまで、ブラごと縦一直線に破る。全裸に剝くのもいいが、個人的にはこれがソソる。

 

(なんて薄く密着した服なんだ、結構ヒヤヒヤしたぜ)

 

 そして素肌には一切の傷が付いていない事を確認し、内心安堵する。

 こういうときのために密かに練習していたとはいえ、いざやるとなかなかにビビる。

 

「おお、地味にすげぇ」

「あんなにピッチリした服を綺麗に破るなんて」

「そんなことより、あともう少しで見えちゃいそうだぞ!」

 

 観客共の声に恐る恐る自身の体を見るなり、顔が赤くなっていっているのが解る。

 プリンセスのぷるぷると可愛らしく震えている身体に、ますます嗜虐心がそそられる。

 いきり立ち出す下半身の欲望を我慢しつつ。もう少し羞恥心を煽る。

 

「ふへへ、良い眺めだぜぇエルシーちゃん」

「やめてっ 見ないでぇぇぇ」

 

 そう悶える割に手で隠そうともせず、見せ付けるかのように身体をくねるように揺らす。

 へそ下からV字に切り裂かれた服は、プリンセスのささやかな胸の天辺がギリギリ見えるかどうかの所で止まっている。

 それにこいつは・・・・・・

 

「んー? 服が何かで引っかかっているこれは何かな?」

「こ、これはその・・・・・・」

 

 乳輪まで見えているその部分は紛れも無く、ピンと勃った乳首だ。

 そこを二本の指でクリクリと弄る。

 

「なんだろーなーこれは。ピンと硬くなってきているぞぅ」

「あぁっ、んぅ、弄らないでぇぇ」

「じゃあこれが何か教えてくれよ、エルシーちゃん」

「あぅあぅ、あんっ、これっこれはっ、だめっ弄るの、やめてぇ」

「教えてくれたらやめてあげる、ぜっ!」

「そんな、あぁん、んっ、あぁっ」

 

 ひたすらソレを弄り続ける。

 

「・・・・・・です」

「ん?」

「・・・・・・び・・・・・・です」

「なんだってぇ?」

 

 同時に乳首を強く抓り上げる。

 

「あぁっそこはぁ、あたしの、んっ、ち、乳首ぃ・・・・・・です、んゃあぁあああ!!」

 

 言い終わるや否や、全身に電流が流れたように嬌声をあげて絶頂するプリンセス。

 その動きは誘うかのように身体をしきりにくねらせ、見るものを喜ばせる。

 乳首はぷくっと勃起し、いやらしく震え、メスのフェロモンを周囲に撒き散らす。

 

「乳首いじられただけでこんなになるなんてぇ、とんだ淫乱だぜ」

「あたし、胸だけで……」

(なんてぇエロさだ、もう我慢できねえ)

 

 その姿に感応するかのように、俺のモノは今までに無いほどに勃起していた。

 そのまま絶頂の余韻に浸っている雌の身体に覆いかぶさる。

 そこでようやく次に何が行われるのか感づいたのか、青ざめた表情で必死に抵抗してくる。

 

「イヤッヤメテ! そんな汚いもの、擦りつけないでぇぇ」

「へへ、そうは言っても、エルシーちゃんのおまんこは欲しい欲しいってねだってるぜ?」

 

 言葉通り、抵抗する素振りは見かけだけで、下着越しに密着している男性器にすがり付くように腰を必死に動かしているのが解る。

 互いの性器が一直線に最奥まで完全に繋がることができる角度になると、グパァと入り口が口を開け、下着ごと亀頭を呑み込まんとしてくる。

 そして角度がずれていくと名残惜しそうに吸い付きながら口を閉じていく。

 

「そんなわけ! こ、これは……」

「発情したメスの顔して、まんこ吸い付かせてきていて、そんなわけあるだろ!」

 

 亀頭への過激な愛撫に息を飲みつつ、性交への期待が膨らむと同時に、挿入したらどうなるのか一種の不安すら思わせる。

 まさに名器に違いない。ショーツに手をかけ、一気に降ろす。

 

「イヤーーーー」

 

 魔法ヴィジョン一杯にプリンセスの最も大事な所が映し出される。

 白く健康的な肌色が光に反射してきらめく。ぴったりと閉じた筋からは愛液が洪水となって溢れていた。

 顔を紅潮させ愛液が更に分泌されてゆく。

 

「あれがプリンセスのマンコか・・・・・・!」

「もうずぶ濡れじゃないか」

「イヤイヤ言っているくせに、本当は犯されたかったんだろ」

「いやよいやよも、ってか? とんだ変態プリンセスだぜ」

 

「勝手なこといわないで! 」

 

 震えた声で反論し観客席を睨みつけるが、説得力は無く、野次は絶えない。

 少し弄ってみるか。

 

「うるさい! それ以上喋ったら、殺すわっああん」

「申し訳ございません、プリンセス、何かおっしゃいましたか?」 

 

 指でスリットを擦りながら、わざとらしく問いかけ、今度は少しだけ指先を中に入れて掻き回す。

 

「あんっ、指を抜きなさ、んっ、あああぁっ」

「んんっ、よく聞こえませんでしたぞ? プリンセス?」

「だからっ、ゆびを、ああっ、はやくっ!」

「んー? 指でヌけばよいのですかな?」

「そうっ、いって、いるでしょ、ああ、だめっ」

 

 俺と会話が若干食い違っている事にも気づく余裕がないのをいいことに、絶頂へと促す。

 膣内の浅いところ、下腹部の真裏あたりを重点的に擦りあげる。

 彼女の下の口からはじゅぷじゅぷと、上の口からはあんあんと、淫らな演奏を奏でる。

 

「だめぇっいやぁっイカされちゃうっイキたくないぃ、んゃああああぁ!!」

「おお、激しいイキっぷり」

 

「いいぞーえろいぞー」

「そのまま犯っちまえ!」

「ぼくのエルシーたんがあんな・・・・・・」

 

 呼吸も乱れに乱れ、二度目の絶頂を迎えさせられるプリンセス。

 観客も俺も我慢できなくなってきた事だし、そろそろおっぱじめるか。

 そう、未だ穢れを知らず保たれてきた純潔を今、俺が汚そうとしている。

 その興奮のままに、両膝を抱えて、上半身へと押し広げる。

 

「イヤッイヤッ! 離して!」

「ひひ、じゃあそろそろ俺と子作りしましょうね~」

 

 そういって女性器の割れ目に男性器をあてがい、じっくりと頭の部分だけ挿入()れる。

 ジュンと染み出してきた愛液があっという間にモノに絡み付いてきて、よりスムーズな挿入を促す。

 

「やだ、はいって、はいってきてる! 抜いてっ抜いてぇぇ!」

「このまま、処女膜までぶち破るぞぉぉ」

「イヤァァァァ」

 

 ズプンッ

 

 薄い膜を突き破る感触と共に肉棒の先端が最奥まで到達する。

 

「うお、お、おふぅ。す、すげぇ、なんだこれ」

「あが、ぐ・・・・・・ああ、そんな、ひどいわ・・・・・・」

 

 ついに泣き出してしまうプリンセス。 

 だがこちらは今までにない快楽を享受するのでいっぱいだった。

 

膣内(なか)がうねって、絡み付いて、キュっと締まる、最高のオマンコだぜ、エルシーちゃん」 

「お願い、これいじょうは、もう・・・・・・」

「あん?まだ始まったばかりだ、ろっ!」

 

 そのまま遠慮なく抽挿を始める。

 

「きゃふっあっ、ああん!」

「メスの鳴き声あげて、よがって! ほんとは犯されたかったんだろ!」

「そんなっあっ、ばかなことっあるわけっ、あっあっんっ、ああっ!」

 

 引き抜けば逃がさないとばかりに膣襞が吸い付き、ぬろぉっと白く濁った愛液が肉棒に絡みついているのが解る。

 そして突き刺せば、ずりゅんとあっさり迎え入れられ、無数のつぶつぶが竿全体を覆い、亀頭にコリコリした感触を与えてくる。

 

「おく、突かないでぇ、ああぁっ」

「ならこれはどうだ!」

「んゃあっコリコリするのもだめぇぇ」

 

 激しくよがりつつも、子宮口はまだ理性が残っているのか、口を閉ざしたままだ。

 孕ませたい。身籠らせたい。次第にそれだけに身体が支配されていく。

 

「ああっ最高の名器だ! 絶対に逃がさないぞ! この場で孕ませてやる!」

「ひっ!? や、やだ! お願い、それだけはヤメテ!!」

 

 その言葉を聞いて理性が戻ったのか、快楽から辛うじて目を覚まして拒否する。

 しかし対照に俺のモノへの刺激が更に過激になっていく。

 

「おおっ? なんだ、俺の子どもが欲しいのか? 子宮が降りてきているぞぉ、おおっふっ」

「うそ!? そんなことがっあっ、やあぁっ!」

「孕め! 孕め! 降りて来い! 濃厚ザーメン子宮にぶちまけてやるぞ!」

「だめっ降りてきちゃっだめ! このままじゃあたしっ、ゲスのあかちゃん孕まされちゃううううぅ」

 

 激しい抽挿に膣内が暴れだし、玉袋から子種がせりあがってくる。

 子宮は完全に降りてきて、その口でぱっくりをおれの亀頭を銜える。

 最高のタイミングで互いが絶頂できるように、ひたすら獣のように腰をふりたくる。

 メスもそれに合わせて、ストロークが最大限になるように巧みに腰をあわせてくる。

 

「もう射精()るぞ! 子宮(なか)に全部出すぞぉ!」

「いやっだめっださないでぇ!!」

 

 瞬時、メスの両脚が自分に絡みつき、引き寄せられ、奥の奥まで肉棒が導かれる。

 それは人生で到達したことのない、最高の快楽だった。

 

「うおおおおおああアア!!」

「イヤァァァァァァァァァ!!!」

 

 子宮全体に余すところ無く、精をありったけ吐き出す。

 子を孕ませた喜びに、子を孕まされてしまった喜びに、互いの身体がただただ震える。

 ゆっくりと肉棒を抜く。その時もビクビクとエルシーの身体は感じていた。

 やがて全て抜くと、赤と白が混ざり合った糸が自分の性器の先端とエルシーの女性器の間で橋を作っていた。

 同時にごぽん、と破瓜の血と精液が漏れ出してくる。

 

「はー、はー、うそ・・・・・・膣内(なか)に、あたし・・・・・・」

 

 希望を失った目で、茫然とする少女。その目から流れる涙につい惹かれる。

 さっきまでは少女らしい、未成熟でぴっちりと閉じていたスリットが、いまや俺の形にぽっかりと穴を開け、女になったことを示していた。

 その姿に再び男性器に血が集まる。ここでもう一戦しても良いが、流石に疲れがピークだ。

 

「はぁ、ふぅ。さぁて、続きは帰ってからだな? 俺のエルシー」

 

 呟き、少女を抱えて闘技場を後にする。

 

 闘技場の姫がこの一戦以降、陽の目を見ることは無かった。

 

 

 

 

 ある家屋に、肉と肉がぶつかりあう音と、女性のあえぎ声が響く。

 

「ああっ、そんなに、はげしくしないっでっああん!」

「おおそうだな、おなかの子に響いちゃあいけないもんな!」

「ちがっ、そんなわけじゃっいやっああぁぁ」

 

 そこにいたのはかつて闘技場で闘い、勝利した男と敗北した少女だった。

 しかし彼女のお腹は大きく膨らみ、またバストもかつて姫と呼ばれた時とは似ても似つかないほど、いやらしく成長していた。

 

「おっおおっそろそろ射精()そうだ、膣内(なか)で全部受け止めろぉ!」

「イヤァァァ もうゆるしてぇぇ!!」

 

 身籠った肉体に何度目かわからない吐精をされる。

 ひどく背徳的な性交はしかし、少女により多くの快楽を刻み込む。

 一つの敗北が希望を奪い、絶望に満ちた未来へと浚うのであった……

 

 

 



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狂気の魔女

「ここが今回の目的地ね」

 

 今、目の前には建築されてから大分年数を経たであろう屋敷が、ひっそりと佇んでいた。

あたしはGサービスの依頼を受けて、魔女退治をしにはるばる森の深くまで来たのだ。

 

(魔女リエッタ。聞いた話ではとても魔女とは思えないけど)

 

 というのも、今回の依頼の目標となるその女性は、その呼び名に反して温和な性格らしく、時々街に現れては複数の薬草を配合した良質な薬を、食料や日用品などと引き換えに提供してくれていたという。

 様々な薬草があると同時に、危険な魔物や野生動物がいる森に住んでいる事から、親しみを込めて魔女と呼ばれるようになったとか。

 物好きな人もいるのね。

 

(でも何故そんな人が急に人を襲うようになったのかしら?)

 

 問題は、そんな彼女が突然我々を襲うようになったので、可能であれば彼女を拘束、最悪殺害して欲しいとの事だった。

 あたし自身、出来れば理由も解らず命を奪う事は避けたいけど、既に被害者が数多く出ている中では、それもやむを得ないと考えていた。

 また彼女は強力な魅了魔術を扱えたらしく、既に多くの男達が挑み、一人を除いて誰も帰ってこなかったと聞く。

 そのため今回は女性かつ実力もある人物なら対抗できるのでは、ということで、あたしにこの話が回ってきたというわけ。

 

(魅了魔術ね……基本的に異性に特効する魔術だから、同性なら確かに効果は薄いはず)

 

 問題は相手の魔力ランク。もし彼女のランクがあたしより遥かに上回っていたら、魅了魔術に対抗できる自信は……ない。

 

(それにしてもこの森は……オ、オスがこんなにいないものなの?)

 

 この森に入ってからあたしは何度か野獣に襲われたり、野生動物を見かけたけど、一匹たりとて雄を象徴するアレが見受けられず、謎の傷跡があっただけだった。

 

(はっきり確認したわけじゃないけど……ってあたしは何を考えているの!)

(でも奴ら……あたしをみてひどく興奮していた……まるでオスみたいに……)

 

 そう思った瞬間、下腹部が疼いた。

 

(そんな……なんで!)

 

 この依頼を受けた時から嫌な予感はあったけど、この森の雰囲気を身に浴びて、それはますます胸の中で増大していった。

 

(気のせい……これは気のせいよ……)

(そうよ……だから、それよりも)

 

 しばらく立ち止まり、どうにか、下半身の感覚を抑えるために、他の事へ意識を逸らす。

 そう、気になる事といえば、襲われて攫われた人の殆どが男性で女性は僅か数人、というのも気がかりだった。

 偏見だけどこういうのは普通、女の子の方が攫われるものじゃないの? そしてオスの見当たらない森……

 でも今は考えていても仕方ないと、一抹の不安を抱えながらも一旦思考を中断して、屋敷内へと続く扉に手をかけた。

 下腹部の不穏な感覚は鎮まっていた。

 

「鍵がかかっていない……?」

 

 まるで誘い込むかのように、あっさりと入り口が開く。

 

(罠の可能性もあるわね……気をつけて進みましょ)

 

 あたしは中腰になって、慎重に扉を開けて内側を見回したけど、どこにも罠とおぼしき気配は無かった。

 それでも万が一、閉まると同時に自動で鍵がかかる罠があるかもしれないので、脱出口が塞がれないよう、後ろ手で扉の隙間に木片を挟み、扉が完全に閉まらないようにしておく。

 

「けっこう、広いのね」

 

 扉が閉まらないことを確認し、内部をみやると、思いの外広く、部屋の二ヶ所に一人は隠れることができる位の太い石の柱が建物の頑強さを主張し、中央にある階段が左右に分かれる、「いかにも」な館だった。

 しかし構造上の問題か、真昼だというのに館内な全体的に薄暗く、どんよりとした不気味な空気が漂っていた。

 柱や階段の影などに気を配りつつ、数歩進んだ所で突然、ありえない位置――あたしの真後ろ――から声がした。

 

「ああ……ついに来てくれたわね、私()()の天使」

 

 背中にゾッとするような気配が現れて、あたしは後ろを振り向きながら飛び退いた。

 いつからいたのか、流麗な女性が陶酔した表情で立っていた。

 

(いつの間に!? いったい何処から?)

 

 あたしが驚いているのをよそに、その人物は妖しく微笑みながら見つめていた。

 間違いない。この女性こそが件の人物だと、確信した。

 

「貴女がリエッタね……!」

「答えて! どうしてあなたの様な人が彼らの事を襲うの!?」

 

 問い掛けながらも、いつでも斬りこめる絶妙な距離を維持する事も忘れない。

 

(魔術師相手に距離を空けるのはご法度)

(……なのにどうしてこんなに嫌な予感がするの?)

 

 理想は詠唱させる間も無く攻め続ける事のはずなのに、しかし何故か、彼女相手にそれは危険だと、あたしの直感が囁く。 

 過去にもただの盗賊と見せかけて、魔術の心得も持っていた奴に一杯食わされた経験も、確かにあった。

 ここは直感を信じることにした。

 

「そうね、でも話すと長くなっちゃうし……」

 

 そこで一度言葉を切った口元をあたしは見逃さなかった。

 

「あなたを倒してから教えてあげるわ!」

 

 同時にあたしは横に跳ぶ。直後にやけどしそうな程の熱気が肌を撫でたのを感じた。

 これは魔術じゃない! これは……

 

「魔女とはよく言ったものね。まさか呪術まで扱えるなんて」

「うふふ……今のは私の中でも渾身の術だったのだけれど」

 

 内心では焦り、舌打ちしつつも、体勢を整えながら吐き捨てるように言う。

 

(今のはかなり危なかったわ……!)

 

 少しでも遅れていれば、まず間違いなく致命傷になるであろう術を初手から繰り出され、街の人たちが魔女の情報をほとんど把握していなかった事に、下唇を噛みそうになる。

 

 でもそれ以上に、下調べもそこそこに本拠地へと潜り込んでしまった、あたし自身の迂闊さに、怒りと後悔をこうして身にしみて感じている。

 

(呪術なんて聞いて無いわよ! あれは、魔法の中でも特に異端なのに……)

 

 だって、呪術が忌み嫌われるのは、あれが……血を触媒に発動すること……

 でもあれは血の質と量によって術への効率が大きく変わるはず。あれほどの術を発動させるには、

 

 その思考がとある結論にたどり着いた時、目の前にいるのは人ではないナニかであると認識した。

 

「あなた……街の人達を触媒にしたわね……!」

「あら、やっぱりわかっちゃうかしら?」

 

 彼女が腰布をめくるとそこには、今までは肉体を流れていたであろう、真っ赤な液体が入った瓶がいくつもぶら下がり、カチャカチャと音を鳴らしていた。

 

「んーそうねぇ、数え切れないほどこれ()、頂いたわね。でももう不要になった彼らを最後に有効活用(処理)するには、これが最適だったもの」

 

 一切の悪意を持たない、平然とした声音で続ける。

 

「でも、別にあの人たちを触媒にすることが目的だったわけじゃないのよ」

「他の事で使っていたんだけど、それも終わって要らなくなったから、最後に頂いた、だけ」

「そんな……」

 

 まるで家畜を処理したかのように、あっさりと言い放った彼女にあたしは、唖然とし、ふつふつと怒りが込みあがってきた。

 もはやこれ以上の理由は不要。あの女は倒すべき敵だと、あたしは判断した。

 正直な所、分はかなり悪い。かといって、勝機が全く無いわけではない。

 

 あたしは、

 

(確か呪術は、触媒たる血を多く必要とするはずだから、そう何度も使用する事は出来ないはず)

(粘り強く耐えれば相手の手札は多く失われる)

 

 互いにとって長くはならないであろう、持久戦に持ち込む事にした。

 

 魔法への造詣はそこまで深いわけではないけど、呪術が強力であると同時に、必要とする代償も相応に大きいということは知っていた。

 もし街の男性達の血を触媒にしているのであれば、勝機は幾分か上がる。

 その理由は、古くから魔法の領域において、女性のそれに比べると男の血は触媒に適さない、穢れた不純物とされているからだ。

 

(とはいっても、これで本当に良いのかしら)

 

 あたしにとって不利な要素は、呪術はその異質さから、どのような技があるのかは殆ど知られていないこと。

 さっきの術でさえ半ば直感で避けれたようなもの。他にどんな業があるのか、見極めねばいけない。

 一つでも読み違えれば、それはおそらく死に繋がるだろう。

 

・  ・  ・  ・

 

 リエッタの魔法は苛烈だった。一度頑丈な石の円柱に隠れて一息つく。

 もう、火の球を飛ばしてきたかと思えば、空間が突然爆発したり地面から火柱が上がったり!これが呪術だっていうの?

 それに回避に専念していたせいであたしは疲労が貯まっている。なのに相手は次々と魔法を行使してくる。

 相手の手の内は大分読めてきたけれど、未だに疲れや触媒切れを見せる気配が無いなんて……

 

 (まさか……あたしは、最初から読み違えていたの……?)

 

 一瞬頭をよぎった、その考えを呼んだかのように、彼女は追い討ちをかけてくる。

 避けようとしたとき、度重なる回避による身体を酷使したツケが回ったのか、タイミングが僅かにずれてしまった。

 

「ガフッ」

 

 二度三度、声にならない声を出して床に体を打ち付けられた。打ち所が悪かったせいか、すぐには立ち上がる事が出来ず、リエッタに近付かれてしまう。

 あたしが本能で恐れていた、彼女との接近。それにまだ見ぬ、魅了魔法……

 それは恐らく近距離で……

 

「これで、チェックメイトかしらね」

 

 瞼の上から淡い桃色の光を感じたのを最後に、あたしの視界は暗転した。

 

・ ・ ・ ・

 

「う……ん……」

「ようやく目が覚めたようね」

 

 目覚めるとあたしはベッドで寝かされていた。どうやら部屋の一室みたい。

 それにこの感触って……嘘、あたし脱がされちゃってる!

 

「あたしの服はどこにやったの!」

 

 ブラとショーツまでは脱がされていなかったものの、咄嗟に掛けられていた毛布で体を隠した。けれど、どうやら周囲には彼女以外誰もいないらしい。

 とはいえ、それでも恥ずかしいものは恥ずかしい。

 

「大丈夫、ちゃんと綺麗にしてあるわ。でも、今は必要ないかしらね」

「……それにあたしも脱ぐから安心していいわよ?」

「脱がなくていいわよ!安心できないわよ!それより、何をするつもりなの!」

「あら、ごめんなさい。倒してから私の目的を教えるのだったわね。」

 

 彼女の話によると、昔リエッタには一人の男がいたという。

 

「良い人だったわ。私の事を理解してくれたし、薬の研究も手伝ってくれて……」

 

でも、とそこで言葉を区切り、下腹部の辺りをさすりながら続ける。

 

「彼と何度も愛し合ったけど、私の体はすでに子を成す事が出来なかったの」

 

 子供。赤ちゃん。その言葉にあたしのおなかの奥がが熱くなりだした。

 男の精子と、女の大事な、愛する人とだけに許される卵子と交わる事でできる、愛の証。

 その事を考えただけで、あたしのショーツが濡れ出し始める。

 

「そして時は残酷にも私と彼を引き裂いてしまったわ」

「そう……残念ね……」

 

 切なくなっていく体をもてあましながらも、あたしは心の底から同情した。あたしには子どもを作る気なんてこれっぽっちも無いけど、同じ女としては、彼女の辛さも理解できないわけではなかった。

 でも続く言葉には理解できなかった。

 

「そうなの……だから、私の代わりに、彼の子を産んで欲しいの」

「な……なんですって!冗談じゃないわ!?」

 

 産む?あたしが?そんな知らない男の人の子どもを?まっぴらごめんだわそんなの!

 それに……

 

「それに、その人はもういないんでしょ!?どうするつもりなの!」

 

 ううん、そんな事を気にしている暇なんて無い!いますぐここから逃げなくちゃ!

 扉からはそう遠くないし、鍵も掛けられてはいなさそう。

 行くしかないわ!

 

「もう、ダメよ、逃げたりしちゃ。そこにいなさい」

 

 クンッ、と、あたしの体は途端に身動きが出来なくなった。

 

(なんで!?まさか、魔法!)

「ご名答。あなたが眠っている時に掛けさせてもらったわ、魅了魔法をね」

「くぅっ でも、こんなのすぐに!」

 

 確かに強力な術だけど、同性なら効力が落ちる、というのは本当らしい。同性愛者は別らしいけど。

 その気の無いあたしは、目を閉じて意識を集中させると、内側の気を放つように体全体に魔力を流した。

 

(これで……動けるはず!)

 

 体の自由を勝ち取った事を感じて、

 

「それならこれはどうかしら?」

 

 目を開けたあたしの目前には、

 

「イヤァァァ こ、これ、なんで、あなたにこんなモノが!?」

 

 女性にあるはずのない股間から、雄々しくそそり立った男の……ペニスがあった。

 でも、それには男の人の精子を作り、貯める二つの器官が見あたらない歪なモノだった。

 

 あたしの息がかかると、ソレはピクピク跳ねて、ますます嫌悪感が湧いてきた。

 嗅いだことのない臭いに顔を背けてしまう。

 

(イヤッ気持ち悪い!)

「彼は逝ってしまったわ。でもいつか最高の母となる人のために彼の体を保存していたの」

「でも当時の私では僅かな部分の保護が限界だったわ」

「だから、あの人のペニスだけ保存して……私の体に、移植、したの」

「そのためにたくさん研究したし、実験もしたわ」

(だから、森には性器のないオスばかりで、男性だけを攫って・・・・・・)

 

 信じられない・・・・・・こんなの狂っているわ!

 

「でも驚き。あの人のモノ、こんなに大きくなるなんて。初めてよこんなの、嫉妬しちゃうわ」

「ほら、逃げなくていいの?今ならチャンスよ?」

 

 幾度も情交を重ねた事を示す、浅黒く隆起したオスの象徴。

 目の前でオスのフェロモンを発し始めたペニスの前にあたしは、

 

 動くことも目を離すこともできなかった。

 

「んもう、折角チャンスを与えてあげたのに……まぁいいわ。それじゃあ始めるわよ」

「!! 待って!イヤ!」

 

 ハッと気づいた時にはもう遅かった。燃えるように熱くなった、あたしの体は、押し倒され、その肢体を曝け出されてしまった。

 

「ほんとう、美しい体……あら?あらあら?」

「ダメェ!見ないで!」

 

 ショーツはすでにビショビショで、下着としての役目を果たしていなかった。

 そしてあたしの、女の子の大切な入り口が下着越しに丸見えになっていた。

 

「いやぁ……だめぇ……」

「どうやら私の魔法、しっかり効いているみたいねぇ」

 

 魔法……そっか、これは異性(オス)の……だから……

 

「仕方がないことよ、これは。受け入れなさい。だって抗えるはず無いもの」

 

 これは……しようがないこと……?

 

「まだ触れてもいないのに、こんなに濡らしちゃって」

 

 足を閉じていても、彼女の細くすらりと伸びた指は隙間を簡単に通り抜けてくる。その指でスリットをなぞられるだけで、あたしのオマンコは痺れるように感じてしまう。

 

「ん、んっ、あ、そこ、あぁ・・・・・だめぇ……」

「すごぉい、どんどん溢れてくるわぁ」

「これはもう要らないわね」

 

 力が入らないあたしは、簡単にショーツをずり下げられ、ブラを外されてしまう。

 あたしの、女性の最も神聖で大切な部分が……

 

「あん、あなたのオマンコを直視しただけで彼ったら、更に大きくしちゃった」

「ひっ は、入るわけ無いじゃない! そんなの!」

「あら、やっぱり初めて?」

「!!」

 

 図星を突かれて、声が詰まってしまう。

 

「まぁ、最初に見たときからそうだと思ったけれど」

「それともう一つ、とても、とっても大事な事を確認しなくちゃね」

 

 そう呟いて、両手をあたしの下腹部にかざして呪文を詠唱し始めるリエッタ。

 大事な事……? まさか!?

 

(ダメ……今日はあたしの危ない日(排卵日)……! それを知られるわけには!!)

「イヤァァァァ ヤメテェェェ!」

 

 詠唱が終わると同時に、下腹部から熱が発して、ジュク、と子宮が熱い何かに包まれた感じがする。

 

(あ、熱い! お腹の奥が)

 

「これは……エルシー、私とても嬉しいわ」

「やめて……」

「でも折角だし、直接聞きたいわ。貴女の口から」

「教えて。貴女にとって今日は何の日?」

(だめ……答えるわけには……)

 

 今日は……

 

「今日は、あたしの……」

 

 だめ……言ってしまったら……

 でも、もう子宮の疼きに耐えられない!

 

「赤ちゃんが、赤ちゃんができちゃう日……です」

(あぁ……!)

 

 最初に見た時より一回り膨張したソレは、もう我慢できないとばかりに血管が鮮明に浮かび上がっていた。

 

「良かったわ。では、ココに誓いのキスを。あなたの子宮に、彼の子を孕む誓いを立ててちょうだい」

 

 そう言って、彼女の豊満な肉体にそぐわない股間のペニスがあたしに近づいてくる。

 

「イヤ!そんなもの近づけないで!」

 

 なんで!体が、目がオチンチンから離せないの?!

 

「貴女はそうかもしれないけど、どうやら体は違うようね」

「それに……私は少しも動いていないわよ?」

 

 そこで初めて、あたし自身が、自ら顔を近づけている事を自覚してしまった。

 

「そう……そのまま、そのままいらっしゃい」

(なんでぇ……どうして、止められないのぅ……)

 

 ゆっくりと、あたしの唇との距離が縮んでいく。あまりのグロテスクさに直視できずに目を瞑ってしまう。

 でもそれが逆に嗅覚を鋭敏にし、彼女()のペニスから滲む、大粒の先走った汁の強烈なオスの匂いが頭を突き抜けてくる。

 

(やだ、これぇ、臭い……のに……頭がくらくらしてくる……)

 

 独特な匂いに気持ち悪くなり、吐き気までしてくる。

 

(嫌なのにぃ……もう、だめぇ……)

 

 そして、ついに

 

チュッ

 

「あんっ、よく……出来ましたっ」

(そんな……あたしのファーストキスが……オチンチンとだなんて)

 

 直ぐに唇を離す、それでも口内に苦味が広がっていく。

 メスとオスの入り混じった匂いにえずきながらも、女の部分は歓喜して、よりいっそう愛液があふれだしてくる。

 

「もう我慢できないわ。エルシー」

「いやっ 来ないで」

 

 あたしの言葉に反して、体は思うように動かず、両足は殆ど抵抗せず受け入れるように広げられてしまう。だめなのに、こんなことをしてしまったら……

 このままだとあたし、顔も名も知れない男の性器に子宮を貫かれて、精液だされちゃう!そして・・・・・・

 その様を想像しただけで膣内が蠢きだし、女性が受け入れるべきモノを今か今かと求めてくる。

 

(うそ、欲しく・・・・・・なっているの?)

 

 身体中が熱を帯びて、自然と挿入しやすいように腰の角度が調整されていく。お尻も誘うように揺れる。

 体の奥底が渇きを覚え、足りないものを満たしたい欲求に駆られる。

 

(ああ、欲しい・・・・・・欲しくなっちゃう!)

 

 その間にも彼女は、男性器をあたしのスリットに擦り付けることで性感を高め、また高められていく。

 大切な部分が一擦りごとに少しずつ割り開かれていく。それなのに身体は渇きを満たしたいがために、彼女のモノに合わせて最も気持ちよくなるよう、動いてしまう。

 

「やめてっ これ以上、擦らないでぇ」

 

 愛液がとめどなく溢れるだけに留まらず、頂点近くまで高められた性感が白い愛液に、女性が真にその気になった証に、形を変えて溢れ出てくる。

 

「そうね、これだけ溢れているものね。それじゃ、そろそろ挿入()れるわ、よ」

「そうじゃなっ、イヤァァァァァァ」

 

 言葉に合わせてついに、性器の先端が聖域に侵入してくる。まだ純潔の証は破られていないけど、()()()の恐怖が甦る。

 生まれてから二度目の、穢される感覚に怯えながらもその刺激でからだが潤っていく。

 

「あっ、くっ、ああっ」

 

 それでもあたし(子宮)は足りない。まだソレを口に含んだだけ。もっと、

 

「・・・・・・く・・・・・・まで・・・・・・」

「?」

(うそっ 声に!)

「うっふふ、ではお望みのままに」

「違うの、今のは、あああっ」

「コレで祝福してあげるわ、貴女の記念すべき、処女喪失を!」

「イヤァァァァァァァァ!!」

 

グチュッ

 

 大事なものが破れた感触と共に、肉の楔があたしの純潔を易々と貫き根元まで突き刺さる。

 1○才の少女の女性器に対して、極太の男性器はあまりにも不適合だった。

 

 

「あぐっ、あがぁああああああ」

 

 経験した事の無い激痛に声をあげる。犯されてしまった事実に絶望し、涙が溢れてくる。

 今まで誰にも許した事のない大事なトコロ、これから先、もしかしたら運命の人と出会って、愛を深め合った末に捧げるかもしれなかったトコロ。そしていつかは愛する人の子を身篭るためのトコロ。

 それを代わりに産んで欲しい、なんて理由で見ず知らずの人におかされて・・・・・・そんな人の赤ちゃんを作っていい場所ではないのに・・・・・・

 そんなあたしの想いをよそに、肉棒は更に奥深く、子宮の入り口近くまで侵入してくる。

 

「い、いたああああい」

「すごいっ、締めつけてくるわ!」

「いたいっ痛いの!オチンチン抜いてぇ!」

 

 ジンジンと膣内に広がる破瓜の痛みを、十分に感じる間もなく抽送が始まる。

 ゆっくりと肉棒が引かれると、傷口が擦られて鈍い痛みが再度襲ってくる。

 

「ん、ふぅっ。これは一体なにかしらね?」

「え……?」

 

 笑みを含んだ声と共にさっきまであたしの膣内(なか)に入っていたモノが視界に入る。

 完全に女性器から開放されたソレは、血が付いていて痛ましかった。でも、それだけじゃなくて・・・・・・

 

(そんな・・・・・・こ、これって・・・・・・)

 

 それ以上にぬらぬらした液体が、肉棒全体に塗りたくられていて、淫靡な雰囲気を醸し出していた。

 てらりと光に反射するそれは、男性器が興奮して分泌する、所謂先走り汁にしてはあまりにも多過ぎていて・・・・・・

 つまりこれは・・・・・・女性(あたし)が発情して、期待して・・・・・・あふれてきた、愛液で・・・・・・

 

「イヤァァァ ちが、ちがうの、ああぁぁ」

 

 有無を言わさず、再び肉棒が挿入(はい)ってくる。

 パンッパンッとリズミカルに腰が打ち付けられる。あたしを苛んでいた痛みは、徐々に快楽に上書きされていく。

 痛みは既に無く、凶悪な肉楔で膣内が擦られる度に、甘い痺れが身体中を駆け巡る。

 思考は宙ぶらりんになって、現実感が薄れていく。ただただ犯されて、穢されている事実に心が押し潰されそうになる。

 

「オチンチン、すっかり馴染んできたわね、エルシーのオ・マ・ン・コに」

「いやぁ・・・・・・オチンチンもオマンコもいやぁ・・・・・・」

「そんな事いって、あたし()()のモノを離さないのは貴女のほうよ?」

「だってぇ、なんで、きもちいいの、とまらないのぅ」

「こんなに締め付けて、精液搾り取ろうとしている淫乱でドスケベな女の子には、こっちの方がいいかしら!」

「そんな、あたし、淫乱なんかじゃ、きゃっ」

 

 そういうと、彼女はあたしの腰を掴んで浮かせて、更に密着出来るように引き寄せる。

 より深く結合できるようになった体位は、あたしの膣内の上部、お腹側を擦りあげる。

 その瞬間、今まで感じたことのない快楽が襲い掛かる。

 

「んあぁっ! 今の、なに!?」

「ここね? エルシーの感じるところ、見つけちゃった」

(いや! こんなの知らない! 怖い!)

「あんっ、やぁっ、そこ、だめぇ! 擦っちゃだめぇ!」

「んっ、はぁ、次はこのまま、赤ちゃん部屋の入り口までいくわよ!」

「もうゆるしてぇぇ! おかしくなっちゃうぅぅぅああぁ!」

 

ドチュッ ドチュッ

 

 気持ち良いところを擦り上げながら、その勢いでオチンチンが子宮口を何度も突き上げてくる。

 一突きされる度に身体は多幸感で溢れ、子種を受け入れようと口を広げて亀頭に吸い付き始める。

 

「ふゅっくぅっんっ、ふっ、ふっ、やぁっ」 

「はぁっ、はぁっ、んっ、いいわっ、エルシー、エルシー!」

 

 互いに息も絶え絶えに、あたしの名前を呼びながら、彼女の動きも徐々に激しくなっていき、オチンチンが更に大きくなっていくのが感じられた。

 あたしのオマンコも何かを感じ取ったように、更に強く激しく、締め付けて、蠢きだしはじめる。

 

(まさか!?)

「っ、いいわ、そろそろ、射精()すわよ!あなたの、エルシーの子宮に!」

「ヒッ」

(いまオマンコに精子射精されたりなんかしたら、絶対にこの人の子種、受精しちゃう!)

 

 意志とは真逆に、あたしの両脚はオチンチンが確実に子宮で射精できるように彼女の腰にしがみつく。

 

「ダメッ! それだけは、子宮(なか)には出しちゃダメェェェ!!」

「ああっ、ああっ、射精()る、射精()るわ射精()すわエルシー!」

「イヤァァァァァァァァ!!!」

 

ドビュルルルルッビュルッビュルッ

 

 視界がチカチカすると同時に、呼吸もままならないほどに身体は絶頂し痙攣する。

 熱い精液が膣内を、子宮と駆け巡り征服していく。どれだけ溜め込んでいたのか、まだ吐精が続いている。

 それが終わっても、無意識にあたしの脚は未だに固定して、男性器で女性器に蓋をさせていた。

 

「はぁ、はぁ、さい・・・・・・こうの、名器だったわ・・・・・・エルシー」

(あたし・・・・・・なかにだされちゃったんだ・・・・・・ひどいわ・・・・・・)

「お腹の子は男の子かしら? それとも女の子かしら? ああ、楽しみだわ」

 

 あたしの想いはよそに、好き勝手に将来を妄想する女は、あたしを見ているようで見ていなかった。

 胸の中が絶望と失意で満たされ、涙があふれる。なのに、

 

「でも・・・・・・念には念を入れておこうかしら」

(えっ? そんな!)

 

 再び抽挿が始まる。

 

「たくさん、子どもを作りましょっ!」

「そんな、もうイヤァァァァ!!」

 

 彼女との性交は一晩中、終わる事は無かった・・・・・・

 

・ ・ ・

 

 数ヶ月後、あたしのお腹はすっかり膨らみ、またバストも年不相応に膨らみ、いつでも母乳を与える準備ができていた。

 

「楽しみねっ、楽しみだわ! あっ今蹴ったわ!」

「・・・・・・・・・・・・」

 

 彼女の嬉しそうな声が聞こえる。あたしは虚ろな目で彼女と自らのお腹を眺めているだけだった。

 

「それじゃ、今夜もシましょうか、エルシー」

「たくさん子どもを産んで、その子どもたちの、子どもも私たちで作らなきゃ、ね?」

「もう・・・・・・ゆるして・・・・・・あぁんっ」

 

 間髪いれず、今日も彼女との子作りが始まる。あたしたちはマタニティセックスの喜びを覚え、毎日のように繋がられていた。

 

「女の子が生まれたら私が、男の子が生まれたらあなたが、彼らと子作りするのよ。 これってとっても素晴らしいことじゃない?」

(何を言っているの・・・・・・彼女は・・・・・・)

 

 もはやあたしの未来には希望は無く。ただ子孫繁栄のための母体となるしかなかった・・・・・・




ちなみに勝ち筋としては、事前の下調べを入念に行うか、戦闘の時点で攻勢にまわり、魅了魔術がぎりぎり届かない位置で魔女がぶら下げている、血入り瓶を割るなり切り落とすなりする必要があります。


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取引搾精 -1-

時代的にはアージェンス寄り。


「今すぐ! これら全て処分しなさい!!」

 

 あちこちに、一目見れば判る高価な調度品が飾られた、豪華な――悪く言えば成金らしい、悪趣味な――部屋に澄み渡るような、しかし激情を伴った怒声が響きわたる。

 声の主であるあたしは顔を怒りと羞恥で紅く染め、綿糸のように艶のあるツインテールを揺らしながら、肩をぷるぷると震わせていた。

 そして机を挟んだあたしの目の前で、ふんぞり返りながら偉そうに座っている、小太りの男を睨みつける。

 

「いやいやエルシーさん、こちらはこれが最大の稼ぎ頭でしてぇ。これら全て破棄となるとぉ、その損なわれる利益やらなにやらがー」

 

 手のひらサイズの骨董品を指で弄りながら、男は大して動じた様子も無く、半ば適当に話を流そうとしている。

 

「勝手に撮ったもので! 当人の承諾なしに!! なにいっているのよ!!!」

 

 思わず両手で力強く机を叩きつけ、それに驚いた男が、手の中のよくわからない骨董品を取り落とす。

 

「!」

 

 突然鳴った音に、あたしの後ろで監視するように突っ立っていた、二人組の男の護衛(でくのぼう)がチンタラと剣に手をかける。普通の人から見ればそこそこ早いのかもしれないけど。

 その動きに座っている男があわてて手で制すると、荒事は嫌いなのか、話を続けた。

 

「まぁまぁ、確かに貴女の言うとおり、本人の承諾を得ていないものもありますねぇ」

「なら話は早いわ、その当人であるあたしが言っているのだから」

 

 しかしですがねぇ、と男に遮られる。

 

「そもそもなのですがぁ、貴女は本当にぃ、()()エルシー・イステアリ嬢なのですかなぁ?」

「な、なにを・・・・・・っ、当たり前じゃない、そんなの!」

 

 あの、という含みが何を意味しているのか、即座に理解してしまった自分に、嫌悪と恥ずかしさが同時に込みあげてくる。

 そう、今のあたしの目的は、この大陸に少なからず出回っている、多数のマライズを全て回収し、破棄する事だった。

 なぜなら今現在も出回っているそれらは・・・・・・あたしの、本来ならあってはならなかったはずの、絶対に人に見られてはいけない映像(痴態)がたくさん詰まっていて・・・・・・

 

「んーしかしそんな言葉だけでわぁ、いまいち信憑性にかけますなぁ。 今までもそういったニセモノのマライズだってぇ、たくさんあるんですよぉ?」

「この中に映っているヒトがぁ、貴女だという保証はないですよねぇ?」

「そんな、ふざけた事を」

 

 あからさまな言いがかりに歯軋りする。加えて男の喋り方も癪に障り、冷静さが奪われる。

 しかし、男の言葉は半分事実でもあり、数週間かけてようやく出所を突き止めてみれば、似ても似つかない女性が、それっぽい服と鬘を被っただけのフェイクマライズだったなんて事もあった。無論潰したわ。

 

「・・・・・・ならどうやって証明しろというの」

 

 兎にも角にも、これらのマライズは全て処分せねばならない。

 だがこの手のクズ共は、力づくで処分させたところで、必ずといっていいほど何かしらの方法で、密かに他の人の手に渡ってしまう事を経験していた。

 だから完全に処分させるため、強力で正当な契約を結ばなければならず、そしてそのために交渉をしなければならなかった。

 

(まさかあの老人との問答がヒントになったなんて、ホント、皮肉なものね)

 

 闘技場で迂闊にも好好爺の誘いに乗って、挑んでしまった事を思い出す。

 そのせいであたしは、辱しめられただけに留まらず、女性として知られてはいけない秘密までもが、白日の下に曝されてしまったのだ。

 一瞬でも思い出してしまった事に後悔して、頭を振る。

 しかし交渉するという事は、あたし自身も譲歩しなければいけなくて・・・・・・

 

(今回が初めての試みなのだから、慎重にいきなさい、エルシー)

 

 一旦冷静さを取り戻そうと、意識を落ち着かせようと深く息を吸い込むが、続く男の言葉に息が止まってしまうこととなる。

 

「どうにもぉ、貴女のような美しく可憐な女性がぁ、こんないやらしい表情(カオ)でぇ」

 

 話しながら男の左手側にあったマライズ再生機器が、男の手によって突如再生され、映像が映し出される。

 あっけからんとした物言いの男とは対照に、あたしはその映像に驚愕し顔が熱くなる。

 

「なっ!」

「たくさんのぉ、チンポを頬張るようなヒトにわぁ、見えないんですがねぇ」

「!!!」

 

 映像の中に映っている少女は、裸でひざ立ちになり、何人もの男たちに囲まれていた。

 両手に醜悪な男性器を握らされ、小さな口で口腔奉仕を強要される、少女。

 

 二つに結ばれた綿()()()()()()()()()()髪が激しく揺れ、勝ち気で人を寄せ付けない、力強い眼差しは涙に溺れ、苦しさと嫌悪でゆがんでいた。

 それにもかかわらず、その技巧はとてつもないものなのか、左右の手がそれぞれ独立しているかのように巧みに肉棒を扱き、男共を悦ばせていた。

 

『んっ、ぶっんむぅっ、ぐっんんっんぶっ』

『むほっ、すげえ吸い付きで、おほぉっ、しぼりとられるぅ』

『激しい手コキで、へへっそんなにザーメンぶっかけられたいのか、この淫乱め!』

『ああ、いいよっきもちいいよ、――ちゃん裏筋もっと擦って』

 

「ヒッ」

 

 思考が真っ白になる。

 その間にも、映像の中の少女は、その口に対して余りにもサイズ差のある男性器を、口に含んだと思えば、あっという間に根本まで銜え、傍から見ても解るほどに舌を蠢かせ、顎を、首を激しく動かし、興奮するオスを容易く絶頂に導いていた。

 そうでもしないと、その悪夢を一刻も早く終わらせることができないと知っていたから。

 

 どれだけ嫌がっても、出された精液をその少女が全て飲むまで口が開放される事は無く、しかし無理やり飲み干したところで、再び別の肉棒が突きこまれていた。

 

「そんな、イヤ・・・・・・これは」

 

 その少女が誰なのかは最初から理解していた。

 でも認めたくは無かった。

 

 もうゆるして、と泣き叫ぶ女性(メス)の懇願もむなしく、時には二本同時に口に突きこまれ、腋や膝裏で肉棒を扱かされ、顔や髪に大量の精をぶっかけられたりもしていた。

 その身体は既にオスの尽きる事のない欲望にまみれ、股の間からはどろりとした濃厚な精液がゆっくりと垂れていた。

 

 過去にかつて経験したそれを、映像を通して五感に蘇らせる。

 顔や胸に精液がべっとりとこびりついて、いつまでも垂れ落ちる事なく肌の内側へと吸収されていくような錯覚が、また胃の中も精液だけが注がれ続け、吸っても吐いても鼻をつく、えぐい臭いが嗅覚と味覚の、その根元にまで浸み込み、決して拭い去る事のできない染みとなって、今もなおあたしを苛み続ける、呪いが。

 眩暈と吐き気に襲われ、立つことすら辛くなる。

 そんな時、

 

「もう一度お聞きしますよぉ?」

 

 男の言葉にハッとする。気づけば体中が汗で濡れていた。

 

「このたくさんのオス達に囲まれてぇ、チンポしゃぶってぇ、あまつさえザーメンを飲み干しているぅ、淫らで浅ましいメスがぁ、貴女なんですよねぇ??」

「う、あ、あ・・・・・・」

 

 この以上ないほどの品を損なったその言葉に、しかしあたしの身体が燃え上がるように疼きだしていくのを感じずにはいられなかった。

 

(あたしの身体、またこんなことで・・・・・・)

 

 度重なる陵辱に唇も胸もお尻も、そしてもっとも大切な聖域たる子宮までをも犯され続け、あたし自身が女性である前に、一匹の雌であることを刻み込まれた身体。

 それは、あたしの理性がどれだけ拒否していても、あたしの身体(メスの部分)は反応し、発情し、屈服してしまう事を、その身に教え込まれていた。

 

「・・・・・・そうよ、そこにいるのは・・・・・・あたしよ」

「ほうほう、ほほぅ」

 

 しきりにうなずいて、こちらを見て下卑た笑顔を見せる。

 後ろにいるゲス共からも同様の気配が漂ってきていた。

 次に紡がれる言葉は半ば想像がついた。

 

「であればぁ、事実確認のためにぃ、今ココで、その口と手で()()()をしてもらいましょうかねぇ」

「!! いやっ、この、離しなさいよ!」

 

 二人の男に後ろから両肩を掴まれ、片方には胸を、もう一人には尻を揉みしだかれる。

 この二年で信じられないほどのボリュームを得たあたしの胸は、自身のスレンダーなウエストと相まって、暴力的なまでに男を誘き寄せてしまうほどになっていた。

 それに以前から、コンプレックスを感じていたヒップも更にサイズを増し、上下共に特注品の服を何度も買いなおすはめにもなっていた。

 

「んっ、ヤメテッ! あっ、あんっはぁん」

(わかってはいたけど、このっ、いやぁ、こんなので感じたくないのにぃ!)

 

 形が変わるほどに胸を揉まれ、その頂点が徐々に硬く勃っていく。

 おしりの全体を撫でられたかと思うと、突如谷間に指を挟みこみ、円を描くようにアヌスを弄繰り回される。

 そうして触れられた部分から不穏な熱が帯びだし、幾度もの精を受けた子宮へと媚熱を流し込んでくる。

 

 

「んー? そんなこといっていいのですかなぁ? 証明出来ないのであればぁ、あのマライズは通常通り流通させますよぉ?」

「くっ・・・・・・」

 

 しかしあのマライズを止めるためには、またあの屈辱を受け入れなければならないのだ。

 選択の余地は無いのだろう。

 

「なら・・・あっ・・・契約を結ばせてもらう、んっ、わよ」

「よろしいでしょう!」

 

 小太り男はあっさりと、あたしが何度も何度も隙の無いようにしたためた、強力な魔法契約に同意した。

 

(口と手だけならまだ・・・・・・それでも・・・・・・)

 

 膣を犯されるよりは幾分かマシだと、そう思い込む。

 それでも自らの、女性という大切なものを利用しているかのような行為に、激しい自己嫌悪と喪失感に陥る。

 

(なのに、どうしてあたしの身体、疼いちゃうのぉ)

 

 雄の精を受ける事が出来る気配に膣が悦び、とめどなく愛液が分泌される。

 羞恥と愛撫によって身体全体が紅潮しはじめ、無意識的にメスのフェロモンを部屋中に撒き散らす。

 それに誘惑されたオスが三匹、興奮によって股間を盛り上がらせる。

 

「さぁ、こちらにきてぇ、ご奉仕してもらいましょぉかぁ! ほらほらあなた方も」

「いいんですかい? へへ・・・・・・」

「うひょお! こいつは役得だぜ!」

「っ・・・・・・」

 

 あたしは無言で小太り男の下へ進み、ゆっくりと跪いた。




つづきます。


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酒場の噂 -1-

えっちなお話もあれば、なんでもない雑談まで、様々な話題がここには溢れかえっている。

不定期に挟み込む小話。


 酒場。

 そこは割と重要だったりする情報から、時には下らないなんてことのない雑談まで、多種多様な話題で溢れかえる盛り場。

 

 そのカオスな空間に足を踏み入れる。

 

 

   ⇒お酒を注文する

    立ち去る

 

 

 適当に飲み物を頼んで、小さな丸テーブルの席に座る。

 

 「・・・・・・なんだか、白く濁っているわね」

 

 自分で選んだものにケチをつけながら、軽く口をつける。

 独特な匂いが口一杯に広がり、少しとろみがあるような、いやに口に残る舌触りに、思わずべぇと舌を出す。

 ちびちびと一緒に頼んでおいた水を挟みつつ飲んでいると、話し声が聞こえてくる。

 

「なあお前、チマンラコダケっていうキノコを知っているか?」

「チマ・・・・・・なんだって? とにかく知らないな、そんなへんてこな名前のキノコは」

 

 へんてこな名前ね。

 

「そいつには色んな特徴があるんだが、なによりも見た目がすごいんだ」

「ほーん。というと?」

「それがな、それはそれはとっても立派なチ○コの形をしているんだよ」

 

(な!?)

 

 唐突に出てきた言葉に驚く。

 

「なにぃ!? とっても立派なチ○コの形だって?!」

 

(なに同じ事言っているのよ!)

 

「最初はまるで皮被りのようで頼りないんだが、二週間もすると一気にでっかくなるんだ」

「ほえー、おれのチ○コもそんくらい立派に成長してほしいもんだ」

「まったくだぜ。でまぁ、なんとなく想像も付くだろうが、こいつの胞子がまた独特でな、中に液体が詰まっているんだよ」

 

 そこでぐびっと一口、男が酒をあおる。

 

(液体って、まさか白い・・・・・・)

 

「つーことは、やっぱり白いのか? ザーメンみたいに?」

「んっぷはぁ、ああ、白く濁っていて、まるで精液みたいなんだ」

 

(こいつら、ここは飲食する場なのよ! 変態!)

 

 いくら混沌とした酒場とはいえ、流石に品がなさすぎる男性のシモの話題に憤りと恥ずかしさを覚える。

 しかしそんな事を気にするでもなく、品の無い男たちの、品の無い会話は続いていく。

 

(最悪、座る席を間違えたわね・・・・・・)

 

 ふと、語っている男の目線がちらちらとこちらに向いている事に気づく。

 

「そうそうそれでその胞液なんだがな、かなり栄養価が高いんだ」

 

 男は続ける。

 

「キノコ自体も女性や一部の男性に人気らしい。俺は遠慮したが」

「俺もさすがにそれはごめんだなぁ」

 

 いや、見ているのはあたしだけじゃなく、あたしの手元……? 

 

(あれ、なんだか身体が)

 

 ようやく注文した飲み物が半分近くまで減って来たとき、アルコールが回ってきたのか、ポカポカと熱が生まれ、それがお腹全体を覆いこむ。 

 

(ううん、酔いとは違う、なにかしらこれ?)

 

「でもそいつを食べるとだな、男はチ○コビンビン精力増強の効果があるんだと。でも味は覚悟した方がいいとさ」

「うえー」

 

 ぷちゅり

 

 正確にはおなかのより深い所、女性の大切な場所にその熱が流れ込み、そこにある子宮が活動し始め、牝のフェロモンを纏った液体が分泌される。

 

「!!」

 

 しかし不思議なことに、そこに官能は生まれずただただ女性器が活性化している感覚だけが残り、むしろ力が湧いてくるような気さえしていた。

 

(なんなのこれは!?)

 

 経験したことの無い経験に不安を感じる。

 

「――で女性にはな、――やすくなる、――促進、子――卵の効能があるんだ」

「ほほ――! そ――は興味深―な」

 

 男たちの話し声は聴こえるけど、いまはそれどころじゃない!

 いまもなお分泌され続ける愛液が瞬く間に極薄生地のショーツを濡らし、その内に秘めた恥丘が透けて見えそうになる。

 

(ああっ! これじゃまるであたし、お漏らししているみたいじゃない!!)

 

 今はまだ誰も気付かれていないけど、いつ感付かれるか。

 一刻も早くここから離れたかった。

 

(でも、これは飲まないと……)

 

 ここのマスターはひどく気難しい人で、注文したものは全部腹の中に入れろ、入らないなら二度とここに入るな。という程で、この街でもっとも情報が飛び交う場所に入れなくなることは避けたかった。

 

(これを、全部……)

 

 目の前には白く透明感の無い液体がグラスに半分も残っていた。

 飲んだ感じ、アルコール度数はかなり低いようで、一気にいけないことはなさそうだった。

 

 ならば、と覚悟を決める。

 

 両手でグラスを持ち、ゆっくりと傾ける。

 どんなもので配合したのだろうか、こってりとした感触が唇に触れ、口の中に注がれ、喉を通っていく。

 

(うええ、喉にひっかかってるぅ)

(それにこの匂い、気持ち悪くなりそうなのに、嫌いになりきれない……)

 

 ごきゅ、ごきゅ、と、音が鳴るほど必死に飲み込む。

 それでも口内のあちこちにへばりついて、中々飲みきれない。

 その間も股間からは蜜が染みだしている。

 それは女性用下着が吸収できる水分量をオーバーし、ついに椅子に小さな染みを作ってしまう。

 

(いや! は、はやくっ)

 

 そんな中、一人の男と目があってしまう。

 

(まさか、気づかれた!?)

 

 自身の恥ずかしい姿を見られたことで、今までなかった官能が膣を緩やかに巡りだす。

 かゆみ程度のそれを抑えるように、太股同士をもじもじと擦り合わせてしまう。

 

(こんなことで、どうしてあたし、感じちゃうのぅ)

 

 もうなりふり構っていられなかった。

 やっとの思いで残りを口に含んで、水で流し込む。

 

「なんだ、用事でも思い出したかい、お嬢ちゃん?」

 

 答える余裕なんてなかった

 なんとか嚥下しきると、素早く立ち上がり、叩きつけるように支払いをすませ、急いで立ち去る。

 

 あたしが座っていた椅子には、濃厚な交尾を望む牝の気配が残っていた。

 

 

 

「んでこのチマンラコダケは中々市場には出ないんだが、ここだとたまにその胞液を混ぜたものが飲めるんだが」

 

 酒場の主人に問いかける

 

「おういマスター、今日はあの酒は無いのかい?」

「今日はついさっきなくなっちまったよ」

「つーことは、もしかしてあそこにいためっちゃかわいい子にか?」

 

 いやらしい笑みを浮かべて主人は返す。

 

「あんな白く濁った酒、他にはおいてないぜぇ」

「じゃああの子、今ごろは……へへへ」

 

 後に起こるであろう少女の痴態を妄想し、それを肴にして男たちは酒を飲み続けた。

 

 




もし需要があったら派生した物語が……?


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特Ⅰ級指定亜人討伐任務

 亜人。魔生物や魔獣と起源を同じと言われるが、ヒトに近い存在として主にエルフやゴブリン、オークなどと呼称されている、彼らの起源は定かではないが、一説には、かつての巨人戦争時代やその後の環境の崩壊による生態系の変化が原因と考えられている。

 しかし研究材料が乏しく、彼らを研究する者もごくわずかなため、彼らについては依然として不可解なままである。

 

「南方地域に特Ⅰ級オーガ、ね」

 

 先日受諾した依頼内容を反芻する。

 そのような生い立ちを持っている種が危険性を持っていないということはなく――エルフなどは平和的であるが――、人類と交わらず、魔物たちと同様に危害を加えるモノたちも多く存在する。

 それらに関して、危険と感じ結成された危険亜人物管理機関によって指定された亜人種を討伐する依頼が時折出されることがある。

 

 その中であたしが受けたものは、以前にも戦ったことのあるオーガの、その変異種だった。

 主にオークの類に位置する種だが、その危険性は大きく跳ね上がり、単独で挑むには大きな危険を伴う。

 しかし既に討伐経験のあるあたしには、細心の注意さえきちんと払っていれば倒せるはず。

 

「何も問題ないわね」

 

 倒せるはずだった。

 

 

 

 

「ガフッ」

 

 宙を舞い地に伏していたのは自分自身だった。ひとつまみの不運と僅かな隙を突かれ、その身にあまる打撃をくらってしまったのだ。ティラスは既に砕け、戦う力も残されてはいなかった。オーガは勝利を喜ぶように唸り、戦利品(あたし)を片腕で抱え上げる。

 

(だめぇ、身体が、動かない)

 

 そして巨大な体躯を誇る、オーガの不細工な顔が目の前に現れる。そのギラギラとした視線に背筋が凍る。左目は瞼の瘤でほとんど埋もれ、豚のような鼻はしかし時計回りに捩じれており、一層嫌悪感を湧き上がらせる。もはや変異種というよりは奇形種と呼ぶべき醜悪さだった。

 

 そいつは、そのままあたしの身体を舐めるように眺める。カチカチと歯を鳴らす様は、まるで笑っているようで不気味だった。尽きた力を振り絞って、抜け出そうと試みるけれど、種族的な筋力の差の前になす術はなかった。

 

「こんな所で、死ぬの……」

 

 そう絶望し項垂れた所で、思ってもなかったものが視界に飛び込んできた。俯いた先には丁度オーガの股間部分があり、粗末な股布で覆われたソレは少しずつ隆起し始めているのだった。

 

(イヤッ! これって、まさか……!)

 

 まさかこいつ、あたしに興奮して、発情しているの?!

 そう理解した瞬間、あたしの女性の部分が疼き始める。心臓の鼓動に合わせて鎌首をもたげさせていく、雄の生殖器から視線が吸い込まれていく。

 

「気持ち悪い! そんなもの見せないでよ!」

 

(でも、あんなに大きいのなんて……)

 

 見たくもないのに、どうしてか目が離せなくなり、身体が不穏な熱を帯び始める。興奮のあまり、オーガの股布の頂上部分は先走りが滲み始めていた。そこから発せられる匂いはきつく、とても嗅いでいられなかった。

 

(く、臭い!) 

 

 だというのに、そんな自分の思いとは裏腹に、下半身の疼きは更に増していく。その匂いに呼応するかのように女性器からは愛液が溢れ出し、ぷちゅり、くちゅりと淫らな音を垂れ流していってしまう!

 

「なんで、こんなのイヤなのに!」

 

 性交の準備を始めた、あたしの女性域が極薄のショーツにピッタリと張り付き、メスのスリットが露わになる。一枚の布で堰き止められた淫液を、雌のフェロモンと共に振りまくように腰を揺らしだす。

  

グフォ グフォ

 

 オーガはそれをあざ笑うかのように息を吐き、味見といわんばかりに、長い舌でメスのオ股間を舐めあげる! 

 その瞬間、身体中を快楽の電流が駆け巡る。オスとメスの液が混ざり合い融合し、媚薬を生み出しているようだった。

 

「ああっん、あっああっ」

 

 味が気に入ったのか、そいつは何度も何度も舌で責め、あたしのオマンコはそれに呼応するかのように恥ずかしい汁を提供し続ける。

 

「ダメェ、あたしの身体、舐めないでぇ」

(こんな飴玉みたいに嬲られているのにあたし……イヤァ)

 

 一本筋だったスリットは一舐めされる度に歓喜に震え、その口をパク、パクとだらしなく開いていき、大切な、愛する人にすら見られることを憚られる、女の子の内側をさらけだしてしまう。

 

「やぁんっオマンコの中、みられてっ、ああんっやっああ」

 

 膣襞が収縮を繰り返し、あたしの聖宮からは白い、本当の本当に卑猥な液体を分泌してしまい、ケダモノの舌へと流れ込んでいってしまう。ゴクゴクとそれを味わい、ついに欲望の器官がショーツの裏側に入り、あたしの内側へと潜り込んでしまう!

 

ヌプンッ

 

(!!)

 

 最初の門を割り開き侵入した舌はしかし処女膜の手前でとまる。しかしあたしの屈服の味を占めようと、侵入者は蠢き始める!

 

「舐めないで、オマンコ汁飲まないでぇぇ」

 

 理性では吐き気がするほど気持ち悪いのに、本能はオスの陵辱を受けた悦びに歓喜の涙を止めどなく流してしまう。

 

「気持ちいいの、とまらないの オマンコからいやらしい汁がとまらないのぅ」

 

 あたしの、女性の大切なところが無遠慮にかき回され、そこを起点に身体は絶頂へ導かれる。イカされ続けたあたしの身体は愛液だけでなく、潮までをも吹き上げてしまう。

 

「きもちいのぅ、オーガの舌チンチンにオマンコかき回されるのいいのぅ」

 

 あたしの秘部は、捕食者の唾液と非捕食者の淫液とでグチャグチャに混ざり合わさってしまう。どこまでが自分のだったのか、どこからがオーガのものだったのか、もはやその境界線がわからなくなる。ようやく満足したのか、オーガの舌はあたしの股間から離れた

 

ヌプンッ!

 

「やっあんっ」

 

 ひとしきり堪能した舌は、しかし貪欲だった。その狙いを上半身のある場所へと狙いを変える。ヌロリと舌先が、包皮から顔を出した陰核を、へそをなぞり、名状しがたい臭いと痺れるような快感を残していく。

 

(アソコも、お豆もジンジンして、もっと弄って……)

 

 それは皮膚から染み込み、理性を削り取る媚薬となって身体中を循環していくようで、あたしの身体を屈服せんと駆け巡る。同時に陵辱者は、目標地点である、尖り始めた桜色の乳首へと到達しようとしている!

 

(まって、いまそこは敏感なの!)

(そんなところ弄られたら……)

 

 挑戦的に上を向く2つの頂点は、次なる快感に打ち震えるように、まるでここが弱点だとでも言うように激しく勃起し、服の上からでも判別出来るほどにそのシルエットを浮き上がらせる。異性の、それどころか種族さえ異なる生物から受ける姦虐は、あたしの、子を成す箇所だけでなく、生まれた子を育む器官にも及んでいく。

 

「あああっああんっ」

 

 想像していたものより何倍も上回る快楽の電流が、激しく主張をしている桜色の突起から流れ込む。尖端を触れるかどうかの所でチロチロと舐められ、むしゃぶりつくように激しく吸い上げられる。その度にどうしようもなくあたしの中の女が目覚めていってしまう。

 

「おっぱい吸わないでぇ、あたし、まだママじゃないの、ミルクなんてでないのぅ」

 

 至福の愛情が身体の内側から湧き上がり、目の前の醜悪なケダモノが、あたしをママにしてくれる夫なのだと錯覚し始めてしまう。同時にそれに気付いた理性が浮上する。

 

(イヤ、イヤ! こんなのがパパになるなんてイヤ!)

 

 力を取り戻した理性が身体の主導権を取り戻すと、一斉に体を暴れさせる。膝や爪先でがむしゃらに肩や顔を蹴り、未だに胸を舐めあげている舌を乱暴に引っ掻く。

 

「このっ離しなさいよ! 気持ち悪い!」

 

(そうよ、こんな所で負けていられない!)

 

 今まで従順で支配していたメスの突然の抵抗に、オーガが戸惑い怯む。何が不満なのか、困惑する様子が見られた。支配者が動かないことを良いことに、より一層力を込めて脚を蹴り出す。

 

 早く、早くあたしを……

 それが雄を無意識に誘う卑猥なダンスになっていることを知らずに。

 

「あたしが、あんたと繋がるなんてありえないんだから!」

 

 繋がる、という言葉に、あたしはオーガと一つになっている様が脳裏に浮かんできてしてしまう。あたしの腕以上に太く、長い肉棒。それに貫かれ、激しく喘ぐあたし。その様子にあたしの膣は激しく収縮し、意識の外に放っておいた媚熱が再び身体を燃え上がらせる。

 

(やんっそんな想像だけで……)

 

 キュンキュンと疼く下腹部はいよいよ、最もいやらしい白く濁った涎をたれながし、腿へと伝わり落ちていく。その艶めかしく誘うような行動に、ようやく雄は合点がつく。この雌は早く子供を作りたいのだと。犯して孕まして欲しいのだと。その誘いに呼応すべく、オーガは脂だらけの汚らしい手があたしの服に掛けられる。

 

(イヤ! ダメェ!)

 

 両手で止めようするけれど、抵抗も虚しく、無残にも引き裂かれてしまう! 

 

ビリ、ビリリィッ

 

「イヤァァァ!!」

 

 その瞬間、素肌が外気に触れ、理性が急激に冷やされる。恐怖が背筋を凍らせる。自分が今、どれだけおぞましい事をされ、それにどう反応していたのか、客観的に思い起こされる。だというのに胸や下腹部は、燃え上がるような、羞恥に焼かれるように火照っていく。理性と本能との間で強烈なギャップが引き起こされ、思考の処理に齟齬が発生する。

 

 オーガの股布もまた、更に猛る肉棒によって隠しきれなくなり、いよいよもってその意味を失う。そこから姿を表した生殖器にあたしは言葉を失う。

 

「ひっ」

(気持ち悪い!)

 

 知りたい、知りたくないに関わらず男性器がどういうものか学ばなければならなかったから、ソレについて知識がないわけではなかった。でもケダモノの股の間で脈打っている逸物は異常だった。通常二つあるはずの陰嚢は一つしかなく、そしてそれも月が欠けたように歪な形をしているのがわかった。

 

(奇形、種……)

 

 どのような環境に曝されていたのか、それは変異というよりも異常に歪んでしまった《奇形種》と呼ぶべき個体だろう。ただの変異体とは言えないあの異常な戦闘力もここから起因しているのだろうか。

 

 

《奇形種》

 奇形種とは、巨人戦争の影響とされている、一部の異常な環境の下で生物が成長した結果、本来の種とは大きく変異した個体のことを言います。一部が泥のように融解していたり、体の部位が異常変形していたり、その姿は様々です。その代わり、各種の能力が跳ね上がり、融解した腕を自在に操ったり、また本来持ちえないはずの高い知性を得る場合があります。今回のケースは外見に大きな変異は見られませんが、内蔵や一部の器官―特に性器―に異常や欠損をきたしており、高い能力と引き換えに寿命は永くはない個体です。

 彼らが持つ遺伝子が正常であるはずがなく、着床の可能性はないと言われていますが……

 

 

 限りなく0に近い着床率を少しでも上げるためなのか、肉棒は太く長く、そして腫れ物のようなイボを無数に浮かべている。根本にはもう一つ返しのようなカリが存在していた。それはまさしくメスを気持ちよくさせるために、コイツなりに変異した形なのだろうか。

 

「こんなのを、挿れられたりしたら……」

(あんなに脈打って、おっきくして……)

 

 その形をずっと見つめ観察していたあたしは、その視界の下部にオスの性器を受け入れる、小さな処女穴が映るまで、何も行動できなかった。いや、しなかった。

 

「い……イヤァ! こんなのだめぇ! このままじゃ壊されちゃう! だ、誰か、だれか助けて!」

 

 オーガの奇形性器が少女の孔にあてがわれてようやく、理性が最後の抵抗を示す。嫌悪と恐怖で一杯なのに、一方で下半身は、陰唇を僅かに開き、亀頭に密着させ、上下に激しく擦り合わせていた。その様はまるで愛し合う男女のような、卑猥なディープキスだった。

 ぢゅぱり、ぢゅぱりと、浅ましい音を立てて性器同士の体液が何度も交わされる。

 

「あぁあ……」

 

 涙が流れる。こんなので気持ち良くなってしまう身体を呪う。それでも現実は変わらず、心は更に絶望に襲われる。

 仕上げの前戯も終え、遂にオーガは、あたしの聖宮に向けて腰を突き出す。

 

「痛いぃ! ぬいて、抜いてぇぇぇ!」

 

 最初で最後の、一度きりの経験が記憶に、身体に刻まれる。いとも容易くあたしの処女膜を突き破り、膣を割り開いていく。痛みに悶える。接合部から鮮血が流れ落ちていくのが見える。

 女性器へと挿入されたソレは、膣口を今にも裂きそうなほどギチギチに嵌まっていた。

 

「んぎゔっん、お゛っ、んっぐぅ……んぃ、う、うぅ……」

 

 破瓜の痛みと性器のサイズ差による圧迫感に苦しめられる。暗い絶望感が意識を闇に染めていく。

 挿入の余韻を味わったオーガは、そんなあたしの心情なんて知らずに、女性器を凌辱し始める。

 

ミヂュッニヂュッズチュッ 

 

 大量に分泌された愛液のおかげか、その抽挿は予想に反して滑らかに行われた。隙間無く満たされた女性器は、大きく開いたカリによって膣襞をゾリゾリと削り、そこからあたしのいやらしい液を分泌させる事に成功していた。

 荒い息に合わせて襲い来る衝撃は激しく、快楽を感じる神経を焼き切りかねないほどあった。 それであってさえ、昂ぶりきった身体は声にならない声を上げ、限界以上に陵辱者を受けとめ、絞り上げる。

 

 貪欲に快楽を求めて抽挿のペースが速まっていく。荒い息が耳元で聞こえる。ばちゅっ、ばちゅっ、と一突きされる毎にオマンコはうねり、この後訪れるであろう結末を今か今かと待ち望んでいる。

 

「このままじゃ射精されちゃう!」

(なのにどうして、オマンコ突いてほしくて仕方がなくなっちゃうのぅ!)

 

 何度も、どれだけそう思っても、腰は跳ね上がりオスが抽迭しやすいように角度を調整してしまう。爆発的な程の衝撃が子宮口に叩きつけられる。

 

 もう一度身体を持ち上げられ、片手で胴を掴まれる。そしてそのまま前後に揺さぶられて、まるで男性用の自慰玩具(オナホール)のごとく、あたしのオマンコを好き勝手に犯している。

 そんな道具のような扱いをされてもなお、いや、むしろそれが官能のスパイスとなって彩りを加える。

 

「あぎゅ、くる、しいのに、あっこんな、んぎゅ」

 

 呼吸さえままならない。このままお腹が握りつぶされてしまうのではという恐怖と、握られる事によってオマンコがオチンチンを締めつける事になり、一寸の隙間もない密着感が今まで以上の刺激を互いに与え合う。

 

(イヤ、イヤ!! イヤァァァァ!!!)

 

びゅっびゅー! ぶびゅるるどぴゅっ!

 

 子宮口が鈴口にキスをし、絶頂が訪れる。熱く滾った男精が、びしゃびしゃと叩きつけるように子宮に流れ込んでくる。

 卵子という、女性の、最後の聖域が犯され、絶望に心が暗く沈んでいく。

 

「あぁ……ママに……ママになんてなりたくないの……」

 

 今もなおドクドクと脈動を続けるオチンチンが愛おしくて堪らなくなってしまう。全ての精を吐き切り膣から抜け出し、残された未熟な少女の花蕾は、無残にもぽっかりと口を開き、純潔の赤と不潔な白濁が混ざり合って流れ出ていた。

 意識ではあり得ないと思いながらも、天使に恵まれた母胎は本能的に感じ取っていた。

 

(受精……しちゃってる……)

 

 意識を手放しそうな中、視界に巨体が倒れこむ。先ほどまでアタシを犯していたオーガだった。奇形種として生まれた彼にとって、生命全てを賭けた、最初で最後の繁殖活動だったのだろう。仰向けに寝転がる。ジクジク熱を持った下腹部を無意識にさする。

 

「あたし、これからどうしたら……」

 

 うずくまって、これから訪れる最悪の未来にただ涙を流すことしかできなかった。



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マライズトロイメン

エロは無く、導入のみです。


 何度も聞きなれた鐘の音と共に、今日の授業が終わる。本格的な冬の寒さは過ぎ去っているが、辺りは暁に焼かれ始め、夕暮れ時は未だ早いと感じられる。

 あたしは手早く帰り支度を済ませ、学園棟の出入り口に向かう。早い方だとは思っていたが、玄関口はそんな心持ちの生徒達で混雑し始めていた。

 我先にと帰路へ向かう人、家には帰らずにそのまま図書館へと向かう人、友人たちと街へ向かうグループ、それを遠慮がちに断る人、様々な思いが混雑する放課後は彼らの青春を彩る稀有な瞬間だ。

 

「あー、今日は予定があって……」

「んーそっか、それじゃしょうがないね」

「ごめんね、また今度誘って! じゃまたね!」

 

 あれは……セレスね。彼女は一つ下の学年で、あたしを慕ってくれている可愛い後輩だ。学力・運動神経共に優秀な彼女は、特に補助魔法の扱いに長けているわ。その種類と質は周囲より一歩抜きんでているとあたしは思っている。明るく元気な彼女は、クラスや学年の枠を越えてたくさんの友人を持っている。

 そんな彼女があたしを見つけると、一直線に肩ほどまで伸びたダークブラウンの髪をせわしなく振りながらやってくる。その様はまるで小動物のようで愛らしいわね。

 明るい口調で話していたセレスは、どうやら友人の誘いを断ったところらしい。そのまま急ぎ足でパタパタと帰ってしまった。

 

 さてと、今日は予定がないし、南地区で最近発見したカフェで古代文明の知見を深めようかしら。お店の雰囲気も静かで、店員も客も節度ある人ばかりで、とても心地良いのよね。うん、悪くないわね。古代語で書かれた書物でも良いのだけれど、できればまとまった時間で一気に読みたいからまた今度にしましょう。

 ざっくりとこれからの予定を決め、実行するべく歩を進めた矢先、女の子の声に呼び止められる。

 

「エルシーさーんちょっとちょっとー」

(あら?)

 

 歩いてきた廊下の方を振り返ってみると、その声の主がスカートをはためかせながら近づいてくる。ミヅキさんね。それにその後ろからもう一人、のんびり歩いている人影が見えるわ。

 とうちゃーく。そう言いながらあたしの前まで到着したミヅキさんはふぅと息を整えている。

 

「ミヅキさん、そんなに急いでどうしたの?」

 

 ミヅキさんは地方からこの学園に転入してきたばかりのクラスメイトだ。端正な顔立ちにうなじほどで切り揃えた、この街では珍しい艶のある黒い髪と同じく黒い瞳が周囲の目を惹く子だ。それらが醸し出す雰囲気に皆最初はどんな人物なのか謎の緊張感があったけれど、それを裏切るように人当たりの良い、衒いのない性格が彼女を数日のうちにクラスに溶け込ませていた。

 

「ふぅ、だってエルシーさんったら直ぐに帰っちゃうもの。追いつこうと急いじゃうよ」

 無駄にダラダラするのが好きじゃないから、簡単な支度とかはすぐに済ませているけど、そんなに早かったかしら?

「それで私たち、マライズ店に行こうと思っているんですけど、エルシーさんはこの後暇?」

 バッグから水筒を取り出して蓋を開けるまでにミヅキはあたしにそう聞くと、ひと口ふた口、水分を補給した。

「そうね、まぁ……これといって用事はないわね。でもマライズ店に行くの?」

 

 予定は立てたけれど、急ぎの用事は無かった。マライズ店には行ったことはある。基本的にそれぞれ個室で専用の機械を用いてマライズを再生するのだが、一部屋数人で楽しむこともできる。あたしはどちらかというと一人で楽しむ場所だと思っているのだけれど。その返事は後から追いついたもう一人の女生徒が代わりに答えた。

 

「ええ、ただ今回はイマジンマライズを体験しようかと」

 

 そう誘いの言葉を続けたのはリーナだ。去年から一緒のクラスの友人で、特に語学能力に優れている。それに古代語もある程度嗜んでいて、あたしと古代文明の話が出来る貴重な友人の一人だ。ゆったりとした話し方や所作は相手を不思議と落ち着かせる、一緒にいて安心するわね。ただ彼女がイマジンマライズに興味を持っていることが意外だわ。

 人の心を読めるということがどうしても気になってしまったので。と少し恥ずかしながらリーナが微笑む。

 

「本当は三人で予約していたんだけど、肝心の言い出しっぺが補講で捕まっちゃってさ」

 

 元も子もないよねぇ。とミヅキが補足する。そういうわけであたしを誘い、これから話題になっているイマジンマライズを体験しに行くつもりらしい。

 

 イマジンマライズ。

 突然発表された新型のマライズで、既存のマライズとは機能が大きく違っている事と、その驚くべき機能に注目が集められている。

 マライズとは本来、それの目前の光景を撮影し保存・再生する機能を持っており、例えばチケットが高額でとても観に行くことのできない舞踏会や、大人気でそもそも席を確保することすら難しい大型闘技場での試合など、様々な理由で本来、観られなかったものを近くの店で低価格で手軽に、目前で観る事ができる市民の一般的な娯楽の一つだ。この街には無いが、規模が大きいものでは数百人が同時に映像作品を楽しめるマライズもあるという。

 しかしイマジンマライズはヘルメット型であり、その注目される機能は誰もが己の理想の姿を追体験出来るという代物。それは思い描いた将来の姿を夢見る、思春期の若者にとっても、日々の退屈な仕事に追われる大人達にとっても、現実から目を背けられる娯楽として人気だった。

 使い方はイマジンマライズを被って眠るだけ。そうする事で、自分の本心が望んでいる自らの姿を夢見る事が出来るのだという。どういった理屈なのかあたしが思うに、おそらく何らかの魔法の術式――読心魔法の一種だろうか――がヘルメットに刻まれていて、それによって装着者の心を読み取り映像イメージに変換、夢の中へ出力しているのだろう。ヒトが通常眠っている時、対策を行っていない限り魔法に対して無防備になってしまうから、軽度なものでも効果は覿面なのだろう。

 

(若者はともかく、いい年した大人達が現実を見もせず夢に逃げるなんて情けないと思うわね)

 

 胸の内ではそう考えていても、周囲の人々は違うらしい。思春期の学生らしく、溌剌とした口調であたしに迫るミヅキ。折角決めたささやかな予定を変更する程イマジンマライズには興味が惹かれないし、誘ってくれた事には嬉しいけれど、断ろうかしら。

 

「誘ってくれたのは嬉しいけれど、ごめんなさい。正直な所、興味がないわね」

「えーっ、どうして!」

 

 驚くミヅキをみやりながら予想通りねと呟くリーナ。あたしの答えは解っていたらしい、リーナが続ける。

 

「でも、アレ自体の仕組みは気になりませんか? 人の心を読み取るなんて、難しいはずですよ」

「……それは、確かに思ったけれど」

 

 リーナの言う通り、イマジンマライズの機構自体は興味がないわけではなく、むしろ疑問を抱いていた。読心魔法が使われているとしても、それを使用するには多量の魔力を必要とする上に扱いが難しく、その結果得られる情報というのは、はいかいいえか、右か左か、といった程度でしかなく、それ以上に詳細な情報を得るにはより多くの魔力と時間が要されてしまう。つまりは費用対効果がとても悪いのだ。今では軍や警察機関などが尋問するとき程度にしか使われていない。

 そうね、聴いた話だけで決めつけるのも良くはないわね。それに学友の誘いを無下にするのも申し訳ないわよね。

 あたしは……

 

 

 

「わかったわ、付き合ってあげるわ」

 

 行ってみましょう。おかしなことにならなければいいけれど。

 

「やったー! じゃじゃじゃ、早速行きましょう!」

「まぁまぁ、まだ予約した時間までは余裕がありますし、どこかでお茶でもしていきましょう」

 

 折角だし、楽しみましょう。



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