カルデアの人間不信さん (らいす)
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プロローグ 僕は誰も信じない

僕はもう誰も信用しない

きっと人は裏切るし、悪意が無くとも人を傷つける

 

僕はもう何も求めない

今日も、明日も、これからも、ここからも

 

僕はもう興味を持たない

だってそれは何も意味が無いことだから

 

僕は僕だけを信じて、自分の為だけに世界を救う

 

 

///////////////////////////////////////////

 

 

 

 

目の前で名前は聞いてなかったがここの所長だという少女が演説をしている

世界を救う云々なんたらかんたら

そして、僕の隣では立ちながら眠るという荒業をやってのける少年

どうでもいいけれど

 

 

あの後グダグダと話し続ける少女をシルクハットを被った男が連れていき、解散となった

 

これから僕は文明消失を防ぐためレイシフトとか言うのを使い時代の特異点へ行くらしい

そこで文明が消失する原因を探り、排除する

それが僕に課せられた命令だった

 

所長は僕の前に立ち、両肩に手を置く「貴方に期待しています。貴方ならできるはずです」的なことを言い、去っていった

 

確かに僕は魔術の才能があるかも知れない。サーヴァントのマスターになれるのかもしれない

だけどそれだけだ

むしろこんなものしかない

 

この才能のせいで僕は僕を見てもらえない

あの時も、あの時も、あの時も、あの時もあの時もあの時もあの時も!

 

僕と仲良くしてくれたやつはいる

だが僕の才能に気づくと手のひらを返して媚へつらう者、身勝手に僕にあたる者、僕を利用しようとする者etc…

 

みんな僕のことを見ず、僕の才能だけを見る

 

だから僕は誰かに何かを求めるのをやめた

僕はその何かはわからない。だけどとても大切なものだということは分かる

でも、もうどうでもいいや

 

何かを求めるのは疲れた

悲しむことも無意味だ

信用して傷つくくらいなら最初から信用しない

 

気がついたら僕は炎に包まれていた

体が何かに重たいものに…恐らく柱かなにかだろう…潰されていた

 

霞む視界の中、僕は見た

それは幻覚かもしれないけど、確かに見た

 

静かに泣く白い髪の少女の姿を

 

まぁ、どうせ死ぬんだからどうでもいい

 

誰かの足音が聞こえる

 

こんな場所に来るなんて…

 

よっぽどの…ばか…なんだろう…

 

 

 

『レイシフト開始まであと3…2…1』

 

 

 

なにか聞こえる。でもどうでもいい

 

 

 

私は彼の目を見て言う

 

「貴方ならきっとどんな困難も乗り越えるでしょう

貴方を見てきたから分かります

貴方はその才能のせいで困難な生活を強いられてきたのでしょう

それを分かった上で、失礼を承知の上でお願いします

 

 

────どうかその力をこの世界のためにお貸しください」

 

 

 

彼はきっと私と同類だろう

彼ほどではないが私にも魔術の才能があった

いくら凄いことをしてもみんな当然のことだと私をほめることはなかった

 

 

出来て当たり前

 

 

それが周りの大人達の私に対する評価だった

 

 

きっと私以上の才能を持つ彼は、私なんかよりも過酷な人生を送ってきたのだろう

 

だけど、私にはこの世界を…、そして何よりお父様の残したこの場所を捨てることなんてできない

いくら蔑まれてでもいい

私はこの場所を守る

そのために彼を使う

 

 

ごめんなさい…。貴方にこんな枷をはめることになってしまい、本当にごめんなさい

 

許してとは言いわない。だけど私は貴方の力を借りる…いえ、使う

 

 

私は全てを犠牲にしてでも守りたいものがあるから……



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第2話 目覚め。そして救済

動物は嫌いじゃない

言葉が通じないからだ。動物は陰口を言わない

いや、心の中ではどう思ってるかは知らないけど

でも人と集まって陰口を言うよりはマシだと思う

 

 

 

 

 

僕は熱となにかに舐められた感覚で目を覚ました

 

「フォーウフォーウ」

 

目の前には白い毛玉

 

「キャウ」

 

裾を噛んで僕を引っ張る。着いてこいというのか

何があるかわからないがとりあえず着いて行こうと思う

 

そう言えばこの毛玉よくカルデアで見たな

そんなことを思っていると前を行く毛玉が毛玉じゃないというかのように「キャウ!」と鳴いた

心が読めるのだろうか

 

しばらく歩くと建物の残骸に着いた

周りの景色と同じように建物も燃えていた

すると耳に誰かの泣く声が聞こえる。…否、泣き声と言うより悲痛の叫びのようだ。自分には何も出来ないとでも言うような

 

「先輩!目を開けてください!」

 

彼女は…確かカルデアで造られた少女…

彼女の見る先には腹部から大量に出血し、右腕のほとんどが火傷…いや、もはや炭化していると言ってもいいだろう。その指先は崩れている

その彼は、朝の集会時に隣で寝ていた青年だった

 

「フォーウ」

 

毛玉が僕のズボンを引っ張る。助けてくれとでも言わんばかりに

 

「助けて、欲しいのか?」

 

僕の問いに(毛玉)は頷く

…いいだろう。動物は嫌いじゃない

別にこんなの(人間)には興味はないが彼が頼むならそうしよう

僕は一歩少女達の方向へ歩む

そして少年を揺さぶり泣く少女を見てふと思う

 

僕にも自分のために泣いてくれる人はいるのかな…

 

いるわけないよな

 

いなくていい

 

別にいらない

 

どうせ裏切るから

 

 

 

 

 

私は先輩(藤丸立香)を揺らす

目を閉じて目を開けない彼を

なんで…なんで来ちゃったんですか、先輩

あの時、先輩が来なければ巻き込まれることなんてなかったのに!

 

その時、後ろでじゃり、と足音がした

後ろを向けばフォウさんを肩に乗せた男性

 

「あなた…は…?」

 

その人は私の問いに答えず、懐からなにか試験管のようなものを取り出す

 

「………。」

 

そしてなにか呟くとその試験管を地面に叩きつけた

パリン!と予想よりも大きな音がなり、割れた瞬間

当たりは群青に包まれた

 

割れた試験管から零れた透明の液体は、瞬く間に広がり瞬間、群青に染まる

そして群青は幾何学模様を作り出していく

出来たのは一陣の魔法陣。男性はそれに手を翳した

 

「収束せよ」

 

その一言とともに魔法陣は縮み、掌に乗るほどの大きさとなる。そして

 

「───。────。─────!!」

 

何か聞き取れない言葉を叫ぶとぱりんと魔法陣が割れ、光が溢れる

 

そして、その光は矢のように先輩へ走る

 

私が目を見開き男性見つめると、その人は無言でその場にあった瓦礫に座る

 

呆然とする私をフォウさんが引っ張る

引かれるままに先輩に近づく私

 

「…ぅぁ」

 

先輩の口から僅かだが声が漏れた

 

「…先輩!」

 

「フォウ!」

 

私とフォウさんが呼び掛けると先輩はゆっくりと目を開き…

 

「ここ…は?あれ、マシュ?」

 

起き上がった

 

「痛いところはありませんか!?」

 

「え、あぁ大丈夫だけど…」

 

先輩の全身を見回す

あれほど無残に焦げていた腕も、腹部から溢れていた血も見当たらず、それどころかボロボロだった服も新品同様に糊がきいていた

 

「よかった…。本当に…よかった…」

 

 

 

 

 

あのあと、少女と青年…いや、予想より若かったから少年でいいか…。少年に礼を言われた

別にどうだっていいのに

 

そして、そんな僕達の元に第三者の声が聞こえる

 

『やっと繋がった!』

 

この声は確か…覚えてないな

機会を通したような声でその第三者は…この場合第四者なのか?まぁいい。その男は今僕らが置かれてる状況を教えた

曰く、僕とあっちの少年以外のマスター候補は全員死亡したらしい

そして、所長オルガマリー・アニムスフィア、その補佐レフ・ライノールが行方不明だと言う

僕達と同じようにレイシフト…あぁ、これはある種の時空移動のようなものだ。それに巻き込まれた可能性もあるらしい

見つけたら合流してくれとのことだ

まぁ僕にとって必要な情報はその程度だった

あとはあの盾を持った少女…マシュと言うらしい。その少女がデミ・サーヴァントとなったことに対してだった

そして最後に、その声の主は僕に向かって「所長を責めないでやってほしい」と言われた

 

なんの事だか

 

その後僕達は移動することになった

「あの」

 

………

 

「あのー」

 

………

 

「す、すいませーん」

 

「うるさい」

 

「え、すいません」

 

やたらと藤丸立香が絡んでくる

 

「…ええと、お名前を教えて頂けたらなーなんて」

 

「名前を聞く時はそちらから言うのが普通では?」

 

「あ、ごめん。俺は藤丸立香。日本人だ」

 

「……レイズ…。レイズ・スリントだ」

 

「あぁ、よろしく、レイズ」

 

そう言い藤丸立香は手を差し出す

僕は無言で先を行くことにした

 

「えぇ…」

 

 

 

 

 

取っ付きにくい。それが立香の彼への印象だった

なぜ自分を助けたのかもよくわからない

 

マシュを先頭に道を歩いていると叫び声が聞こえた

 

「なんで私がこんな目に遭わないといけないよ!レフ!どこにいるの!」

 

あの声は…!

 

見ればオルガマリー所長が骸骨達に囲まれてる

あの骸骨たちはここへ来るまでに何度か遭遇した。その度マシュかレイズが倒していた

所長は魔法?を使ってはいるものの多勢に無勢と少しづつ押されてる

 

「マシュ!助けよう!」

 

「分かりました!」

 

マシュは盾を使い骸骨に向けてタックルをする

そして、弾き飛ばされた骸骨を盾で叩き割る

 

「レイズ…!手を貸して!」

 

「…まぁいいか」

 

何がいいのかわからないがレイズは銀色の液体が入った小瓶を取り出し蓋を開ける

それをもう片方の手で取り出した紙に垂らすと銀色の液体は小さな陣を作った

そして手を翳すと一つにまとまり弓になる

そして弓から影が溢れそれが人形に変わる。そしてその影は弓を掴むと弦を引き絞り、狙う

ひゅんと音を立てて射出された矢が空中で別れ、雨のように骸骨達に降る

矢は骸骨に刺さるとどろりと溶け、直後固まった

そして、固まった矢で身動きの取れない骸骨達にマシュがトドメをさし、戦闘は終了した



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第3話 戦闘 レイズ・スリント視点

書くの辛い……めんどくさァァ
いやどうせ書いても読んでくれる人なんていないし書かなくてもね?いいよね
それにしても昏睡って打とうとすると昏睡レイプが予測変換に出てくるのはなんなんでしょうねぇ……Simejiも確実に淫夢に染められてますよね……
今回もいつも通りシリアスないです
独自解釈いっぱい


実戦はチェスの様に次の一手を考える時間はくれない

だから瞬間的に次の一手を考え、相手の隙を見つけるしかないのだ

 

 

 

 

 

 

 

僕達はとりあえず所長と合流することが出来た

所長は錯乱してるため、やむなく魔術により昏睡させた

それを見届けた藤丸は口を開く

 

「これからどうしようかマシュ、レイズ」

 

なんで僕に聞く。そもそもファーストネームで呼んでいいなんて言っていない

そうは思うが、別に口にはしない。こういう一言でその場が台無しになることは今まで見てきた

 

「とりあえず落ち着ける場所を探したらいいかと」

 

……たしかに一理はあるが、そうもいかないみたいだね

 

『みんな!気をつけてくれ、今までの敵とは比べ物にならないくらいの魔力量……これは、サーヴァントだ!』

 

ちらりと魔力の揺らぎが激しい場所を見る

 

魔力とは簡単に言ってしまえば空気と同じだ

本来空気中を漂っているが、強い魔力が発生すると、空気で例えたように言うなら突風が吹く

 

空気と違うのは、この現象は魔力が感じられないものにはいっさい影響はない。さらに、ある程度魔力を操れるような……まぁ魔術師の見習い当たりだろうか……その辺から上も影響を受けることは無い

なら無害じゃないか。否だ。この揺らぎは魔力の扱いに慣れない初心者にはかなりきつい

さっき空気と同じと言ったが、この現象は全く持って似つかない

この揺らぎを魔力を操れない者が受けると、強制的に魔力が体内に侵入する

確かに魔力が体を満ちるのはいい事だが度を過ぎるとまずい

最悪死ぬ。そして、だ。いるわけなんだ、この場に……つい最近令呪を宿した魔力を万全に操れない者が

 

「ぐぅ……」

 

「!?大丈夫ですか先輩!」

 

藤丸はそれはもう息絶えだえといった様子だ

四肢の先は震え、息は上がり脂汗を滝のように流している

 

疑問には思わないだろうか。「魔術の初心者が皆これなら魔術師になれないんじゃないか」

 

単純明快な事だ

 

指先をくるりと回す

 

こんなゆらぎ程度、普通の魔術師なら打ち消すことが出来る

魔術の師となる者が、己の魔力を放出し揺らぎで発生した魔力を打ち消しているのだ

 

「……あれ、楽になった?」

 

……ちなみにだが、魔術を志す者の諦める原因の3分の1程度はこれが原因だったりする

 

「……?」

 

「先輩!考えるの後です。交戦します!」

 

「あ、あぁ、わかった!」

 

マシュが盾を構え、藤丸はその後に立つ

 

あれはどうやらアサシンみたいだな。サーヴァントの中では比較的弱い部類に入るクラスだ

 

僕も自衛程度には準備をしておこう

 

……それにしても

 

魔術を展開しつつ眠る所長を見る

 

彼女の状態がイマイチ分からない

なんというか、掴みにくいというか……どこかで感じたことがある感じなんだが……

 

とりあえず考えを中断し、交戦している3人を見る

あれなら放っておいても構わないか

 

9時方向 状態 高速移動 距離500 形状 人間

 

どうやら客のようだ

 

右手に剣の柄を召喚、それを地面に刺し引き抜く

出来たのは即席の土製サーベル

 

それを使いこちらに向かう乱入者に向け切りつける

ガギンと弾かれる

 

刃がややこぼれた。……ランサーか

 

即座にサーベルを捨て今度はさっきより大きな柄を召喚、さっきと同じように地面に刺し……

 

「させん!」

 

「ゴフッ」

 

槍が脇腹に食い込んだ。恐らく肋を持っていかれているだろう

即座に試験管を取り出し略称回復をする

これは魔法陣を書いたり呪文を唱えないで使うことが出来る魔法だが、やや効果が下がる

 

だが骨は治ったみたいだ。痛みは引かないが仕方ない

辺りを見回す。ランサーが見つからない

どこへ……。後ろか

 

くるりと振り返れば今にも僕を貫かんと槍を構えるランサー

それを背後に飛び後転の要領で避ける

 

どうする……。相手は戦いのプロ。いくら僕に才能があろうと壁は高い

 

 

 

そんなことを考えている暇は本来なかったのだ

だが、僕は今まで模擬戦はやってきたが実際に命を懸けた戦いはしてこなかった

だからだろう。本当の戦いは、一瞬の隙すら許されないことを知らなかった

 

「ガァッ……!」

 

槍の石突が鳩尾に刺さった

肺の空気が抜ける

 

勢いのまま後方に飛ぶ

 

「ハッ……ハッ……」

 

負けるのか……。クソ……最初にサーベルじゃなくグレートソードを使っていれば……

 

黒い何かを放出しながら目の前に立つランサー

その目にはその闇に覆われた体に似合わず勝ちを確信した光があった

 

確かに実戦はチェスとは違うかもしれない

 

だが……

 

「いいことを……教えて……やるよ……」

 

僕の言葉にランサーは片眉を釣り上げる

この負け犬は何を言っているのかとでも言うような嘲りに満ちた目

「チェスはな……追い詰められてから……が、本番だ……自分が強いと思ってる奴ほど……勝ちが見えれば油断する…………チェスはチェックされた時ほど粘りが必要なんだ……よッ!!」

 

ランサーから見えない位置で精製したナイフをランサーに向け投げる

 

このナイフは、今までとは違い、土を使わず全て魔力でできている

その切れ味は骨を容易く貫く

 

ナイフは刃が見えなくなるほどにランサーの額に刺さった

 

これで、時間は稼げる

サーヴァントはサーヴァントでなければ倒せない

 

だからこれでいい

 

 

後ろから迫る少女が盾を振りぬき、ランサーが光の粒子となり消えたところを見ると、僕は意識を失った




うわぁ、深夜テンションのせいで戦闘になっちゃった

著者の中では、主人公は魔術師の中では天才だし、運動神経も抜群だけど最強ではないです
つまらないし、着地点を見つけられないので
なんだかんだで1時間かかった……


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第4話 崩壊

タイトルに意味はありません
あとシリアス今回もお留守番でいないです
ちなみに今回も半分くらい謎の自己解釈を垂れ流してます


心というのはとても不安定な土台に乗っている

ふとした表紙に崩れてしまう

だがそれは自分一人じゃない

あなた以外だって不安定だ

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めた。どうやらここは民家か何かのようだ

体に解析をかけてみる。この解析は特に特殊な工程をふむことなく出来る上、なかなか使い勝手がいいのでよく使っている

 

 

 

…………。

 

 

 

…………。

 

 

 

どうやら肉体的損傷は無い。魔術回路にも特に異常は無し

魔術による肉体の修復形跡……これは多分所長がやったんだろうな

 

若干傷のあった部分のひきつりが気になるがいいだろう

 

次に簡易レーダーだ

これは、魔力の動きを使い半径500メートルの様子を見ることが出来る

例えるならコウモリの超音波だろうか

いや、あれは跳ね返った音波を拾うからな……

簡単に説明すれば……言葉にするのは難しいが、自然の魔力を感じ、その中の形を持った……例えば物体だとか人間だとかそういったものを感知できる

 

……ただ、限りなく少なく、少なくとも僕も1度しか見たことがないが希に魔力をいっさい持たない物体もある

 

そんな魔力を一切持たないものは感知できない

 

魔力は空気を漂っている。あらゆる物体には、必ず魔力が宿る

確かに新しいものはさして集めないが、古い物になるにつれ魔力を集めやすくなり、溜まった魔力が濃くなっていく

それがいわゆるパワースポットなんかにある岩なんかだ

 

例えば、地球のへそなどとも呼ばれるエアーズロック

あれにはとてつもない量の魔力が溜まっている

長い間少しずつ魔力を溜めていた。僕の全身ほどの岩ですら魔力を溜めることでかなりの力を宿すのだ

ならばエアーズロック程になるとそれはもう言葉に出来ないほどになる。もはや度を超えて、並の魔術師では認知出来ない

 

……話がそれたな

 

まぁとりあえず、この魔術はかなり万能だということだ

 

ちなみにだが、あの謎が多いことで有名なストーンヘンジ。あれを実際に見たことがあるのだが、あれはいっさい魔力を持たなかった

 

あれほど恐ろしかったものは無い

試しに魔力を流し込もうとしたのだが、全く流れない。それどころか、押し返されて危うく自分の魔力で死ぬところだった

 

これは仮説でしかないが、あのストーンヘンジは魔術だとか科学だとかそういったものを超越した文明の遺産なんじゃないかと思う

 

恐らく、いや、必ずあの装置を作動させるからくりがあるはずだ……

そしてそれを作動させた場合、あのサークルの中はいっさいの魔力が消え去るだろうな

 

あくまで仮説だが

 

 

 

 

 

……どうやら藤丸達は隣の部屋にいるようだな

 

 

部屋の前まで来ると、なにか言い争う声が聞こえてきた

 

 

『ダメだ所長!彼には今は少しでも休んでもらわないと!』

 

「そうですよ!僕達が行くのが遅かったせいであんな大怪我しちゃったんですよ!?」

 

「それは私が治したって言っているでしょ!

今は一刻の猶予もないのよ!?なんでわからないですか!」

 

『だから少しだけって言ってるじゃないですか!あなたは彼を殺す気ですか!?』

 

「なんでそうなるんです!彼なら出来るはずです!」

 

「所長……!!」

 

『いくら魔術による治癒を行ったとしても、彼の体は万全じゃないんだ!なんでそれが分からない!』

 

顔が歪んでいるのが分かる

オルガマリー所長の言っていることも分からなくもない

貴重な人材をいつまでも使わずに置くのは愚策だろう

 

あぁ、頭では分かってる。だがどうしようもなく腹が立つな

 

気がつけば目の前の扉を叩き開けて怒鳴っていた

 

 

「お前にッ!!お前に何がわかるッ!!何が彼なら出来るだ!」

 

部屋の中の全員が目を見開きこちらを見る

画面の向こうでロマニが息を呑むのがわかった

 

「勝手に期待されて……褒められたくて頑張ったのにそれが当たり前だと褒められもせず……ッ!!挙句彼なら出来る。あの子は優秀だから……それだけで済まされるんだッ!!誰も僕を見てくれないッ!!みんなッ……みんな……ッ!!」

 

「ち……ちがう!そんなつもりじゃ……」

 

「何が違うんだ!!お前だってどうせ僕の力を……僕の才能だけを見てるんだッ」

 

 

 

ぶつり

 

 

 

そんな音が聞こえた気がした

 

 

「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいッ!!

なんなのよさっきから聞いてればッ!!

そんなのあんただけじゃない……ッ!!私だって、私だって褒められてないッ!!

私だって褒めらたい!認められたいの!」

 

『2人とも……落ち着くんだ……!!』

 

「落ち着いてください所長!!」

 

「落ち着けレイズ!」

 

もはや場が混沌にまみれようとしていたその時、ロマニが大声をあげる

 

 

『気をつけろッ!!魔力反応だ……サーヴァント……サーヴァントがそこに向かってる……!!しかも……なんだこれは……』

 

そこで通信は切れ、それと同時に壁と天井がえぐれた

 

「え?」

 

 

 

そこには、巨大な大剣を持ち、岩のような筋肉を持った大男がいた

 

 

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ッッッ!!!!!!!!」

 

 

その咆哮が、2度目の戦いの幕を叩き落とした




なんかヘラクレスって鉄拳の豪鬼に似てません?

エアーズロック、ストーンヘンジ云々は完全に妄想です
信じるんじゃないゾ。ホモは嘘つきだからな
(まぁ作者はホモじゃ)ないです

……なんか忘れてるなぁと思ったら戦闘藤丸立香視点を書いてなかったです

次回書く


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