あなただけを (taitan)
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あなたの事を愛している

私はあなたの事を愛している。

この足も、腕も、生殖器だって、あなたの為なら、つぶしても、引き裂いても、喰いちぎられてもいい。

この命さえも、あなたのためならば、ただ歩道を歩くかのように、ふと空を見上げるように、そんな日常の動作を行うように、私は捨てることができる。

 

でも、私はあなたに愛してもらおうとは思わない。

だって、それは私があなたを縛る事だから。

私はあなたの自然な姿が好き。

だからあなたを束縛しない。

そして、あなたの欲しいものになる。

 

敵がほしいなら敵

仲間が欲しいなら仲間

ペットが欲しいならペットに、

恋人、友達、親友、彼女、彼氏、両親、先生、先輩、後輩、上司、嫁、夫、セフレ、子供、誰とも分からないモブキャラになってもいい。

 

なぜなら、それをあなたが望むから。

 

でも、私はあなたを苦痛から救わない。

死なない限りは、あなたがどんな姿になろうとも、私はそれに介入しない。

なぜなら、私はあなたが両手両足をなくそうとも、肉塊になろうとも、腐り果ててしまったとしても、私はあなたの事を、あなたの事だけを人生の全てを使って愛することができるから。

それでも、もし、もしも[私]だけを求めるなら、私はあなたを救済する。

私を忘れないように。

あなたの前に苦痛の原因を揃えて、油圧プレス機で一つ一つ頭を潰してあげる。

足から機械用のシュレッダーで徐々に徐々にミンチにして悲鳴を、命乞いを聞かせてあげる。

どんな殺し方を見たい??

生き埋め縊死餓死過労死感電焼死水死衰弱死窒息低体温症爆死ヒートショック現象捕食

色々あるから、選り取り見取り。

どんな事でも私はあなたのために用意しよう。

 

あなたに私を残すために。

 

 

 

 

でも、あなたは私の事を忘れてしまうかもしれない。

無かったことにするかもしれない。

それはとても怖いことだ。

無理矢理拘束してでも、あなたに私を繋ぎ止めよう。

あなたの四肢を断ち、首輪をつけて鎖に繋ぎ、ずっと監禁してあげようか。

その時は心配いらない。

世の中の、あなたに関するものを私は全て消し去ろう。

親族?恋人?そんなものは1つも残さないだって、それがあなたの心の支えになってしまうから。

あなたには私だけで良い。

他はいらない。

私がいないと生きていけない。

私がいないとまるで安心できない。

そんな風にあなたを変えてあげる。

安心して?

私はあなたを捨てたりしないから。

あなたが排泄物をどれだけぶち撒けようとも、私があなたを綺麗にしてあげる。

だって、私はあなたの事を愛しているから。

 

 

でも、私はそんな事をしない。

あなたが望む事を、私がするのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな事ばかりを思いながら、いつもあなたを見ています。

 

 

 

あなたの事だけを、ね?

 

 

 




なんだろね、これ?
あ、言っときますけど、これはほぼ完璧にオリジナルです。
あなたの望むどんな、は、デート・ア・ライブを取りましたね。

まあ、ヤンデレちゃんの脳内、みたいな?ものを、書いてみました。
特に考えないで書いたので、まとまりが欠片もない!
読んでくれたら嬉しいです!
ばいにゃら


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私だけを見て

優しさ、それは幸せへの道
依存、それは絶望のための希望



初めて人を好きになった。

彼女は、少しおっとりとした無口な娘だ。

とても可愛らしいと思う。

今までのどんなものよりも大きな感情が芽生えた。

自分だけの物にしたい、他の誰にも譲りたくない。そう思える程の激情だった。

 

俺はすぐに告白をした。

理由なんか、一目惚れとしか言いようがない。

その結果としては、俺の告白は失敗に終わってしまった。

だが、たかがそんな事では諦める理由にはなり得ない。

俺はその後も告白を辞める気はなかった。

 

3回目で、彼女は折れた。

俺の事を受け入れてくれたのだ。

嬉しかった。その時はただただ嬉しかった、のだ。

 

 

そんな出来事から2日後、初めてのデートに行くことに。

 

現在、彼女を待ち合わせの喫茶店で待っている。

今日はどんなところに行って、どんな物を食べようか、

そんな事を考えていると彼女がやって来た。

「待たせちゃってごめんね?部屋の掃除し忘れてた」

彼女は黒の半袖の上に灰色の袖無しパーカーに黒の膝下まであるスカートに黒のリュックという全体的に落ち着いた印象の服だった。

彼女の雰囲気に合っていてとても綺麗だった。

「凄く、綺麗です」

「ありがとう」

互いに頬を赤くして恥ずかしがってはいたが、それでもとても心地が良かった。

 

今日のデートの行き先を相談しようとした時、彼女から

「今日、私の家に来ない?」

と、衝撃発言を頂いた。

 

え?初デートがお家デートってどうなの?え?この娘って結構積極的なタイプなの?

彼女の新たな一面に慌てる俺。

そして、その新たな一面にときめいてる俺がいた。

「喜んで行かせてもらいます」

世間話をしながら彼女の家へと向かった。

 

家に入ってすぐに、

「私、一人暮らしなんだよ」

いや、3日目でそれは早すぎる。

考えすぎか?長きに渡る間守ってきた息子を解放する可能性に期待値が爆上がりしているだけか?

そんな事を家に入ってから言うなんて、小悪魔タイプってやつか、可愛いな…。

だが、最初から体の関係なんてのはナンセンス過ぎる。

もっとデートとかの思い出を作ってからじゃないとすぐに別れるとかどっかの誰かが言ってた。

 

 

 

 

 

 

そんな風に、少し期待しながらも特にそうゆう雰囲気にはなったりしなかった。少し残念である。

 

「じゃあ、そろそろ帰るね?今日はありがとう、楽しかったよ」

「何で?」

 

え?

 

「私が好きで告白してきたんでしょ?私は君が幸せに過ごしている時の君が好きだから、私であなたを汚さないように断ったのに、それでもあなたは私に告白してきたんだよ?なら、そういうことだよね?

だから、さ?

もうずっと一緒でしょ?

もう私以外を見ないで。私以外に触れないで。

 

私以外を、感じないで?」

 

恐怖と歓喜が電流のように全身を駆け巡った。

相反する、初めての感情だった。

 

驚き慄いていると、彼女が近寄ってくる。

そして、俺の首にペット用の首輪をつけリードをベッドの足に固定してしまう。

 

「もう君はどこにも行かせないし、逃さないよ?

今から君のいるべき場所はここなんだから。」

 

そう言って、結束バンドで手足を縛られ俺はまともに動けなくなってしまった。

「ちょっと待っててね、準備があるんだ。」

そう言って、彼女は部屋を出て行ってしまった。

 

 

凄く慌てたし、動揺したが、顔から笑みが離れない。

なんか、凄い嬉しい。ヤンデレか…良いな。

そんなのんきな考えも、彼女が部屋に入ってきた瞬間にぶっ飛んだ。

だって、あからさまにヤバいガスボンベとノコギリ、あと色んな物が入ってそうなカバンを携えて近っいてきてるんだもん。どこ切られんの?どこ焼かれんの?俺のナニは大丈夫ですか?

えげつない程の恐怖が身を襲う。

さっきから色々感情豊かすぎるだろ俺。

とか考えながらも半泣きな自分。

 

「怯えてる君、とっても可愛いよ?

その涙で潤んでる瞳で、小動物のような態度で、

もっと私を見て」

と、彼女は満面の笑みで近づいてくる。

可愛い、あと怖い。めっちゃクソ怖い。

怖いと声が出ないって言うけど、あれって本当だったんだね。

「痛くないようにするから、ちょっとだけ寝ててね?」

カバンから取り出したスタンガンを俺の首に当てながら言う。

あ、終わった…

 

バチィッ! 

 

その音を聞きながら、俺の意識はどっかに飛んでった。

 

 

 

上腕二頭筋の辺りを縛り、できるだけ出血量を減らす。

先に鏝を熱くしておこうか。

バーナーで熱する。

熱い。そして暑い。汗が出てきた。

さあ、切ろうか。

 

グチュ

 

「あああああああああああああああっっ!!!!!いたい!

あああっ、やめっ!!いっ、あああああああっっ!!!!」

 

激痛で意識が戻る。

痛い、熱い、寒い!

でも、動けない。ガッチガチに拘束されてるようだった。

戻った意識がまたすぐに飛びそうになる。

 

肉を切るというより、抉るって方が的確な気がする。

ちょっとだけ気持ち悪いかも。

いやいや、これは私達二人にとって必要な事だもんね!

「…………………」

あ、切りやすくなった。

やっと分かってくれたね!嬉しい!

あ、早く焼かないと死んじゃうか…

 

ジュッ

 

「っ!?あっつぁ!!!⁉

ああああああああああ!!!やめて!頼む!おねがっ!!」

「すごい!よく我慢したね。

いい子いい子してあげるね。」

 

頭を撫でられた。

壮絶な痛みの中、泣きながらもそこに深い優しさ、愛を感じた。

とても優しい手付きで、自然と甘えたくなるようで、とても安らかな気分になれた。

 

「血が戻るまで待って、それからは、

あと三本だね。頑張ろうか?」

 

え?あと、3回も…?

深い深い、底が見えないような恐怖と絶望が襲う。

でも、1つだけ、たった1つだけ希望があった。

それは絶対にすがってはいけない希望だったが、それ以外に俺に選択肢は1つたりとも残っていなかった。

彼女への依存。

それだけが自分のもつただ唯一の希望。

 

 

 

あれ?お漏らししてる?赤ちゃんみたいで可愛いかも。

それよりも、床にこんなに彼がある。早く集めて私だけの物にしないと!

この手はどうしようか?飾ろうか?食べようか!?それとも永久保存かな!!

ああ、幸せだな…

彼が私だけを見てくれるようになるんだから。

 

 

 

 

 

この時点で、もうまともな感性とは言えない。

たが、彼女の行動の原動力はただただ肥大した、

彼への《愛》ただそれだけ。




何書いてるんだろうなって。
まだまだガキなんで、リアリティなんて求めないでくださいごめんなさい。
あと、半分ぐらい厨二に憧れがあります。
とりあえず、切断はしてるけどそんなにリアルじゃないからR14ってことで許してつかぁさい。



ところで、傷湯さんっていうTwitterをやってる人知ってますか?
あの人の絵すごい良いですよね。
これ書いてる時のモチベとインスピレーションは八割方傷湯さんの絵ですね。あの人神絵師だわ。うん。

taitanでした!龍ヶ嬢七々々の埋蔵金知ってる人いたら自分が書いたの読んでみてね!


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ねえ?

ねえ、どういう事なの?
私に教えてよ
ねえ!
私の何が悪かったの?何が気にくわないの?
何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が!?





もう、いいよ


「ただいま。」

我が家に帰ると、いつも彼女がいる。

世の女性の中では、上の下辺りではないかという程のルックスの持ち主だ。

彼女に釣り合うのはアイドルぐらいでは?と思うこともしばしば

だが、結婚しているのは自分だから、そこは自慢していいと思う。

「お帰り、今日は遅かったね。」

とっても愛らしい笑顔をしているが、彼女の後ろから鬼の形相でオーラが睨んできているようにしか見えない。

素直に怖い。

「ちょっと上司が仕事増やしてきやがってさ、それを処理してたらかなり時間食っちゃったんだよね。」

焦り気味に説明をする。

「そう?なら良いんだけど。まあ、遅いと少しは心配するんだから、早めに帰ってきてね?」

こういうところがあるから凄く愛らしく思える。

マジで俺の嫁は可愛いからな、それもしょうがない事だ。

「ああ、ごめんな。どうにかして定時目指すよ」

「うん!」

凄く可愛い、尊い、死にそう。

そんな感じでとても幸せな時を2人で過ごしていた。

この頃から違和感はあったのだ。

だが、幸せオーラ全開のこの時には全くと言っていいほど気付かなかった。

どれ程の怪物に心奪われたのかも気づかずにいる自分はさぞかし滑稽に映ったことだろう。

 

2年、3年と時が経つにつれ、彼女への思いが薄れていった。

彼女への興味が、彼女の魅力が、物足りなくなってしまう。

出張と嘘をつき上司や同僚とキャバクラに行き、お持ち帰りした。

そして本番までした。

 

これは完全に彼女に対する裏切りだ。

彼女がいつまでも自分を慕ってくれている事、彼女は自分の言葉をいつも信じてくれる事。

それは絶対に当たり前じゃない。

俺と彼女とが歩んできた今までの時間があったからこその信頼関係だ。

それを俺は自分の手で壊した。

 

だがそれに気づかない。そんなことにも気付けない。

だからこの結末になったのだ。

 

 

「ねえ、ちゃんとこっち向いてよ」

ゴッ!

鈍い音が腕から鳴る。

痛みにより意識が覚醒すると、目の前には絶望が待ち構えていた。

まあ、彼女からしても今は絶望の瞬間だろう。

昨日まで信じていた相手が自分の事を裏切っていたのだから。当然だ。

そう、当然の報いなのだ。

「またあの女のことでも考えてた?私じゃなくて、あれを?」

彼女は向こうを振り返りながら言う。

そこには見るも無惨な姿をした、ミンチの中に沈む女性がいた。

髪を切られマダラ模様ができている。

しかし、そんな事は些細な、些細すぎる問題だった。

黒目をアイスピックに貫かれ、肺に包丁が刺さり、右腕は徐々に徐々に短くなっていく。

泣き叫び、のたうちまわり、失禁し、遂には動かなくなる。

俺はそれを見ていた。

 

恐怖が増幅していく。

最初はグロテスク過ぎて見たくなかった。だが、彼女の叫び声が耳にこびりついてくる。

次は自分だと、嫌でもその現実が迫ってくる。

抵抗しなければ、逃げなければと動物としての生存本能が爆発せんとするが、恐怖がその爆弾の火薬を湿らせていく。

膝が笑い、崩れ落ちていく自分。

 

だが、彼女は俺に刃物を突き立てたりはしなかった。

彼女はただただ笑顔で俺の方を見ていた。

安堵した。ひどく安堵した。

目の前で死にかけている人のようなナニカを見ながら、自分は生きていると、自分は助かったのだと頭の中で何度も何度も繰り返す。

「もう、私の事を裏切らないでね?」

彼女は笑いながら、泣きながら俺に語りかける。

彼女を痛めつける時の彼女の笑顔は喜色に彩られていたが、今はとても寂しそうな笑顔をしている。

「も、勿論だ。

もう君以外を見ないし、君以外に触れない。君以外を感じない。」

俺は誓った。

「嬉しい」

今の今まで人を痛めつけていたとは思えない程可憐で、とても綺麗だった。

その瞬間、自分の心がまた彼女へと向かい始めた。

彼女のことがひどく愛らしい。彼女こそが自分にとって至高なのだと気付かされた。

「私、少し疲れたの。ねえ、一緒に寝ませんか…?」

俺は無言で頷き、彼女と共に寝室へと向かう。

この後俺は、彼女の事を抱きしめながら、鉄臭い空気を吸い眠りに落ちた。

 

 

 

目を覚ますと、そこに彼女はいなかった。

強烈な不安が襲う。

しかし、それは全くの杞憂だった。

鉄臭い空気が充満する部屋で彼女は待っていたのだから。

「座って。

もう裏切られたくないの。

あなたを信じるためにあなたの気持ちを証明させて?」

彼女を安心させるためにすぐに椅子へと向かう。

そこには拘束具が満載だった。

それらをつけてもらい、席につく。

その瞬間、右手の甲に存在する骨が砕けた。

何度も、何度も、手に持つ金槌を入念に叩きつけてくる。

動けない。動かない。

これは痛みや拘束具によるものなどではない。

絶望だ。

深く、ドス黒い物が心に侵入してくる。

彼女の気持ちを味わった気がした。

希望から絶望へと落ちる瞬間だ。

 

泣き叫ぶ。

俺は命乞いをその始めた。

信じてくれ。もう二度と君を裏切らないと誓ったじゃないか。

そんな言葉をかけたところで彼女はもう止まらない。

青黒くなり、無惨な姿になった手に次の痛みを与えてくる。

次は指だ。

叩き、叩き、叩く。

爪を剥ぎ、指から徐々に徐々にと切り始める。

もう人としての言葉は発せなかった。

奇声をあげ、叫びながら許しをこう。

みじめに、無様に。

だが彼女の動きは止まらない。

昨日の彼女の姿がフラッシュバックする。

ああ、自分もああなるのだなと察した。

 

永遠とも思えるほどの時間は、これまでの人生で最も濃厚だった時間はいつのまにか終わっていた。

辺りがひどく静かで、真っ暗。

脳が死んだと錯覚しようとするが、全身の痛みがそれを許さない。

そして気付く。

自分の目は潰され、鼓膜は破られ、四肢は無いことに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これからは、ずっといっしょだよ?もう、離さないから。」




読破お疲れ様でした。

どうも、taitanです。
今回のお話はどうでしたでしょうか?
楽しんでいただけたなら幸いです。
今回のお話のテーマは、ズバリ!「絶望と希望」です。
青髭の真似事ですねw

今回は前回よりも心理的な描写に重点を置いてみたのですが、どうだったでしょうか?
ぜひぜひご意見のほどよろしくお願いします。
今回が初見の方で暇だと思っているそこのあなた!
他にも書いてるいるので、どうぞ見ていってください!


そろそろ終わりましょうか。
読んでいただき、ありがとうございました!(`・∀・´)


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成長する愛

この物語は、ある一夏の物語小さな愛の物語


とある年の夏休み、父方の実家に俺達家族は帰省していた。

「こっちにくるのも久しぶりだなぁ。」

本当に久しぶりに来た祖父母の家。

俺は高校生活を大学入試のための勉強に全てを捧げたのでこの家にはしばらく来れておらず、受験の鬱憤を晴らすべく大学始めの一年間を遊びまくった事により去年も来れていなかった。

そうだったのだが、合格の報せを本人からも聴きたいというおばあちゃんパワーにより、バイトを休んでそこそこど田舎なここまで来たのである。

 

「ただいまー!」

親父のバカでかい声が家中に響く。すると、廊下の奥の方にある部屋から同じようにバカでかい返事が返って来た。

「毎年毎年うるせーぞ!もっと静かにしやがれこの馬鹿息子が!」

ああ、そういえばこんな感じだったなぁ…

数年前まで毎年の出来事だったのを思い出す。てゆーか、マジで毎年やってるのか…学習しないなうちの親父は。

そんなバカ親父のことは置いといて家に足を踏み入れる。

「お邪魔しまーす。」

「おお、久しぶりだな。元気にしてたか?」

「元気過ぎるぐらいに元気だよ。彼女もいないくせに。」

孫には優しいお祖父ちゃん。元気そうでなによりです。

余計な事を言うバカ親父。テメェはちょっと黙ってろ。

「まあ、元気にやってるよ。ところで、ばあちゃんってどこにいんの?」

当初の目的であったおばあちゃんへの合格の報告。

さっさと済ませていつもでは味わえない安らかなひと時を堪能したい。

「ばあちゃんなら台所で昼作ってるぞ。」

「りょーかい。伝える事伝えてくるね。」

そう言って靴を脱いでいると背中からかなり強めの衝撃が襲ってきた。具体的に言うと小学生の頃に喧嘩でよく受けていた飛び蹴り程度の威力。

突然の衝撃により一瞬息を吸えなかったせいか、ついえずいてしまった。

うぉえぇ、キッツいなオイ…

後ろを向いてみるとその衝撃の正体が分かった。

「おにーちゃんだ!遊んで!」

元気いっぱいに尋ねてきたこの幼女はいったい誰だ?全く知らない娘が急に突っ込んでくるってどうなの?

世間知らずで猪突猛進なところがどことなくどうにも我が父親に似ている気がしてならないんだが…

「おお、カナコか久しぶりだな。こいつが前に言ってた俊太だ。

仲良くしてやってくれよー。」

「親父、この子誰だ?隠し子?」

「ふざけた事を言うんじゃない。分かってんのか?もし母さんにそんな事聞かれてみろ、自宅がスプラッター映画の舞台になるぞ?」

そう。俺の母親は少々愛が重いのだ。

まあ、浮気してた場合親父が全責任を負い親父が死ぬだけだし。

特に問題はないかな。

「はあ…この娘はじいちゃんの兄の娘さんだ。

夏場は忙しいらしくてな、兄と兄嫁が死んじまって、小学生になったって事で夏場はここにいるんだと。

泣かすなよ?泣かしたら俺が働けない状態になるからな?」

どうやら親父の従兄弟は相当の親バカらしい。

それにしても親父の立場弱すぎないか?家では母さんに尻に敷かれ、実家では兄弟に口が出せず…

親父の遺伝子を継いでいる事にここまでの危機感を覚えたのは初めてかもしれない。

「お兄ちゃん!かなと遊んで!」

すると、後ろからまた元気な声が飛んできた。

(遊ばないとなの?)

(どうだ?可愛い娘だろ?)

すぐさま親父とアイコンタクトで相談をし、小遣いをもらえる事に。ならば断る必要はない。元々断る気は無かったが、試してみて良かった。本当におじさんが怖いんだなぁ…

実は全く通じていないアイコンタクトを済ませ、カナコちゃんに問いかける。

「じゃあ、遊ぼうか。何して遊びたい?」

「公園で友達と遊ぶの!一緒に行こ!」

カナコちゃんのリクエストにより公園に決定。

「カナコちゃんは今何歳なの?」

公園へと向かう途中の短い道を歩きながらふと思いつき質問してみる

「3年生なの!」

3年生、つまりは9歳か…ロリだな。

「9歳なのに1人でお泊まりなんてすごいね。」

「おじいちゃんとおばあちゃんがいるから全然寂しくなかったもん!」

偉いなこの娘。俺がこの娘ぐらいの時は夏休み中ずっと家にいたし、友達の家でゲームしまくってたなぁ。

そんな事を考えたり話したりしながら歩いていると、公園の入り口でカナコちゃんと同じ程度の年頃の女の子たちがこちらを向いて笑顔で

手を振っている。

こんなに暑いのにみんな元気そうで、俺もこの子達ぐらいの元気が欲しいわ…

「はいタッチ!逃げろー!」

突然に始まった鬼ごっこ。

大学に入ってからめっきり運動をしなくなった俺では惜しいところまでいってもすぐに逃げられてしまう。

「お兄ちゃん遅いよー!」

上の方から声が聞こえて振り返ると、ジャングルジムに登っている友達ちゃんが笑顔で手を振っている姿が見えた。

そのまま頭から落ちていく姿も目に入った。

ついでにパンツも見えた。ピンクか、なるほど。

真上だったのが幸いしてパンツを見る程度の余裕を持って友達ちゃんをお姫様抱っこ。キャッチした瞬間冷や汗がドバッと流れた。

なんでパンツ見てんだよもっと先にするべきことがあるだろぉ!?

「お兄ちゃんありがと!あたしがお嫁さんになってあげる!」

突然の告白。まあ、ロリからの告白なんて本気にしちゃいけないしする気もない。だが、大切な想いを壊すのはやめてあげよう。

「君がもっと大人になったらね。」

「うん!」

こんなに笑顔でも、新学期に入りクラスの男の子を見れば俺のことなんか即座に忘れてしまうのだろう。ああ、悲しいねぇ…。

「お兄ちゃんのお嫁さんは私なの!」

突然怒り出すカナコちゃん。

って、この娘もか…

この娘、割とマジで怒ってるんだけど…母さんと同じ雰囲気を感じる…

「お兄ちゃんのお嫁さんは私なの!」

突然の絶叫。

ヒステリックと見紛う程険しい顔で怒鳴る姿に友達ちゃん達が普通に怖がってる。

「わ、私達帰るね?またね?」

強張った笑顔で帰っていく友達ちゃんたち。

「なんか、ごめんな?俺たちも帰ろうか?あと、後でしっかりと謝っとくんだぞ?大切な友達なんだから。」

「うん!」

さっきまでの険しさは何処へやら、天使と見紛うが如くの満面の笑み。もうこの娘怖いよ。

「お兄ちゃん、いつか私とけっこんして!」

とりあえずはぐらかしておけば忘れてくれるはず。ていうか、忘れてくれないと将来俺は親父と同じ境遇になってしまうかもしれない。

それはマジで嫌だ!親父は刺される心配がない程女性と縁がないから生きているのであって、俺はまだマシな方なんだぞ!

「大きくなって、思わずOKしちゃうぐらいの美人さんになってたらね。」

「絶対、だからね?」

満面の笑みのはずなのに目が全く笑ってない不思議。

これは、墓穴を掘ったという事で間違いない感じかな?

じいちゃんの家へと向かいながら頭を悩ませる俺。

満面の笑みで手を握ってくるカナコちゃん。

 

 

 

俺とカナコちゃんが結婚し、幸せと恐怖がないまぜになった日常を過ごすのはまた別のお話




どうもみなさん、taitanです。
今回のお話はグロなしだとどんなもんなのかな?と思って書いてみた感じです。
物足りない、なんかつまんなくね?と思ったそこのあなた!
ご安心を!
次回は高校生の考えられる範囲で最高にグロくする予定です!
その後はPV数を鑑みてグロを大量にぶち込むかこのまま平和な感じにするかを決めます!
変な感じな終わり方になりますが、どうぞよろしくお願いします!
ではまたバイにゃら!


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黄色と筆

記憶は曖昧なうえ、山の天気より変わりやすい。




8日前、最愛の妻が亡くなった。

死因はプリンのプッチンがとんでもない勢いで射出されたことによって後頭部を強打したからだ。

どう考えても意味不明な死因なのだが、爆発四散したプリンと後頭部が陥没している妻が横たわっていたこと、DNA鑑定でも凶器の痕跡は何も無く、異例中の異例として死因は確定された。

意味が分からない。

だがこれは事実だ。

警察の方がこれまた特例中の特例で捜査資料を見せてくれたが、文句のつけようもない程完璧にプリンが原因で死亡していた。

その話はもう良いのだ。いや、よくないのだが。とりあえず!!!

俺の妻は死んだのだ。

その妻なのだが、写真を心の底から嫌いな女性だった。

いざ撮ろうとカメラを構えると必ず何かしらで顔を隠してしまう。

それでも無理強いしてしまうと大惨事になってしまうのだ。

過去2回、それをしてしまったことがある。

その結果、一回目はカメラを奪おうと駆け寄ってきた勢いで僕の手から滑り落ちたカメラはレンズが破損したことによりおじゃんになってしまった。

あの時の僕らの慌てふためき具合は客観的に見ればかなり笑えたことだろう。

そして二回目には飛び蹴りが飛んできた。

とても綺麗な姿勢で飛んでくるので呆然としながらそれを受け、水場に落として中の機構が壊れていた。

そんな出来事があったことは記憶にある。

まあ、そんな理由もあって僕は最近彼女の絵を描いている。

思い出が風化してしまわないように。彼女を忘れてしまわないように。

 

 

 

 

 

そんな理由だったはずなのに、今はどうして描いているか分からない。

ずっと一緒だったのに、ずっと彼女だけを見ていたのに。

彼女を描けば描くほど、思い出そうとすればするほど。

彼女の面影が変わっていく。

最初に描いた彼女はあまりに下手くそで見れたもんじゃない。

じゃあ、今描いてる彼女はどうだ?

彼女の垂れ目がちな眼はこんなに垂れていただろうか?

彼女の鼻はもう少し高くなかっただろうか?

一枚描けば一つ違和感を覚える。もう一枚描くとまた別の部分が気に入らない。

一度考えだしてしまったらもう疑問は止まらない。止まってはくれない。

今一度彼女との思い出を思い出そうとしても、今までに描いてきた絵が邪魔をする。

記憶は薄れていくものだ。ゆっくりと、ゆっくりとだが確実に消えていく。

僕はそれを消えないように、最後に玄関で見たあの笑顔を消えさせはしないように描いていた。

だが、それはきっと間違いだったのだろう。

僕の記憶に完全な彼女はもういない。

そんなことにも気づかないまま僕は彼女を描き続ける。

心を満たしていた愛情は徐々に苛立ちに塗り替わり、やがて憎悪へと形を変えていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう、僕の描く君は、君じゃない。

 

 

 

 

 

 

 




設定は友人の「好きで描いてるのに難しくなったら嫌いになるのエモいよね」という意味不明な一言から。
殺害方法も友人の脳死発言から構想を得てます。
ジブンワルクナイデス

まだ次の話は何も考えてないです。
前回言ってたやつはデータが宇宙の彼方にさあ行くぞしましたごめんなさい。


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