今日も俺は半殺しにされる (荒北龍)
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モンスター
モンスターハンター



いやぁ~、モンスターハンターでこんな話があったらいいなぁ、と思って書きました!
どうぞ見てください!!




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の名はモンスターハンター

 

その剣はモンスターの頭をカチ割り

 

その太刀はモンスターの体を引き裂く

 

その矢はモンスターの頭に百発百中一撃必殺

 

彼に狩れぬモンスターは無

 

彼は狩る者

 

彼こそはハンター

 

モンスターハンター

 

その冷徹な眼に見えるはモンスターの死

 

彼の後ろにはモンスターの死体

 

彼の手には武器とモンスターの頭

 

彼に愛は無

 

あるのはモンスターを殺すこと

 

彼こそはハンター

 

モンスターハンター

 

人を守る英雄ではない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼はモンスターハンターだ

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パチパチ!!

 

 

その歌を聞いた者は次々と金を投げ渡す。

その歌を歌っていた者は金を巾着袋に入れてその場を立ち去る。

歌っていた者は嬉しそうに金を拝借する。

 

 

「いやぁ~モンスターハンター、上位ハンターとは聞くが、俺にとってはG級ハンターだよ、今日もこんなに儲かった儲かった」

 

 

歌っていた者はそのまま上機嫌で歩いて行く。

すると歌っていた者は「そう言えば」と、空を見上げる。

 

 

「モンスターハンター、居たら是非とも会ってみたいものだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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~ギルド~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いって~、ウルクススの突進をまともに食らっちまったぜぇ~」

 

「大丈夫かよ、にしてもさすがに下位の防具で上位はきついなぁ」

 

 

彼等は調度氷海で上位のウルクススのクエストを受けてウルクススを討伐してギルドに帰ってきたところ。

上位のウルクススは下位とは比べ物にならないほどに強い。

そのため下位より報酬は高く、その素材で加工された武器と防具は下位とは比べ物にないほどに強く、固く、頑丈だ。

しかしその上をいくモンスター、それがG級。

G級モンスターを狩れるハンターは上位のハンターでは絶対に居ないだろう。

G級のモンスターを狩れるのはこの世でも指で数えるほどしかいない。

その数少ないハンター、それがG級ハンター。

その為にそのハンターは伝説のような存在、報酬も高く、その実力は確かなものだ。

とても人間とは思えない身体能力、下位や上位のモンスターなどは最早眼中にすらないだろう。

誰もが憧れるハンター。

G級ハンターは強さごとに順位がある。

全部で15位まであるが、その15位までがそれぞれに二つ名がある、そしてその15位の中で1位のハンター、それが世界最強のハンターだと言われている。

そしてその15位までのG級ハンターしかG級のクエストを受けるこができない。

そもそもG級に上がるためにはこれ等の条件が必要だ。

 

 

一つ、上位の歴戦古龍を討伐

 

二つ、ギルドが認めるハンターであること

 

三つ、これらを踏まえ、G級ハンター5人以上がG級に上がる許可を与える

 

 

これ等の条件があればG級になり、G級ハンターになることができる。

誰もがG級に上がりたがる。

 

 

 

 

 

 

一人を抜いて。

彼はG級ハンターになる事をこれ等の条件を無視してなれる許可をもらっている。

しかし彼はG級ハンターになることを拒み、上位にとどまった。

それがモンスターハンター。

彼は上位でありながら二つ名を持ち、G級モンスターを倒すことができるハンター。

しかし彼の考えていることは誰にもわからず、彼はいつもソロでモンスターを討伐する。

そのためギルドもこのハンターを問題視している。

そして一度狩に行くとなかなか帰還しない。

但し、帰還するといつも決まって【少なくとも】百体以上の下位と上位のモンスターを討伐する。

モンスターハンター、過去、年齢、性別と言った情報が全く無く、彼の狩りの仕方も殆ど何も分からないハンター。

しかし確実なのが

 

彼はモンスターを必ず殺すことだけが確かだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ハァ!ハァ!ハァ!」

 

 

───何で?何で?何で?何で?何で?何で?

 

───なんでなんでなんでなんでッ!?

 

このクエストは下位の村を襲うドスジャギィを討伐するだけだったのに。

初心者の、駆け出しハンターが受けるような簡単な、そんなクエストだったはずなのに!

何でこんなことに?

 

 

ドサッ

 

 

「ひっ」

 

 

 

 

グオオオオオォォォォォォ!!!!

 

 

 

 

その砲口は天地を裂き

 

その剥き出しになった牙で全てを食い尽くす

 

その息は全てを溶かし

 

その禍々しい眼は見たもの全てに恐怖をあたえる

 

 

 

恐暴竜イビルジョー

 

 

 

このモンスターはギルドが問題視しているモンスターの一匹。

よく上位のクエストに乱入してくるモンスターだ、しかし今だ下位のクエストに乱入してきたという情報はない。

しかも下位のドスジャギィのクエストとなると、まず助けは来ないだろう。

新人ハンターが上位のイビルジョーと遭遇した場合、それは絶望的な状況だ。

新人ハンターが、しかも上位のイビルジョーを倒せる訳がない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      兎が恐竜に勝てるか?

 

 

最早このハンターに勝てる見込みも、生きる見込みも、希望をもつ見込みもない。

イビルジョーと出会った時点でもうこのハンターには絶望という言葉で頭が一杯だっただろう。

目の前で仲間が喰われ、仲間の断末魔を聞きながら仲間の声が聞こえなくなるまで、肉塊になるまでを全てを見たこのハンターには最早希望などない。

ハンターになったからにはこんなこと、死ぬ覚悟などとおにしていた、しかし今思えばそんな薄っぺらい覚悟、死ぬ覚悟すら無い、自分はこれからこのモンスターの餌として喰われるのだ。

 

『ごめんなさいッ!ごめんなさいッ!助けてッ!お父さんッ!誰か───』

 

『誰かッ!誰かア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ーーーッ!』

 

『やだっ!やめてッ!食べないでえ゛ぇ゛ッ!』

 

彼女の脳裏にこびりついた、同じパーティーの仲間たちは、絶望し、蹲り、泣きながら言葉も通じないモンスターに許しをこいながら、尽く目の前で血飛沫を上げながら食い殺された。

 

 

 

 

 

 

死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           誰

           か

           助

           け

           て

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     今頃になってやっとわかった

 

 

 

   人は暗闇のなかに叩き落とされた時に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           後

           悔

           す

           る

           も

           の

           な

           ん

           だ

 

 

 

 

      あの時ああすれば良かった

 

 

      あの時こうすれば良かった

 

 

 

        もう遅いんだ

 

 

 

        私はここで死ぬ

 

 

 

ハンターは泣くことしかできなかった。

イビルジョーはそんな事に眼もくれず、その大きな口を開け、ハンターを頭から食い千切ろうとしたときだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「絶望するには早いんじゃねぇか?」

 

 

 

 

 

ザシュッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なにが起きた?俺は逃げ出した″餌″を食ったはずなのになんにも味がしない。いや、味はする。

血の味だ。

だがこれはさっきまで食べていた餌の味じゃない。

 

 

 

ん?誰だお前?こんな奴はさっきまで居なかった。なんだその眼は。

餌の分際で、なんだその眼はッ!

 

····················なんだ?この感じは?今まで感じたことのない感覚。

だが俺はこの感覚を知っている。

こいつは餌…………違う、こいつは餌とは違う。

 

【餌の眼】ではない、この眼は…………この眼は俺と同じ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

狩る者の眼──────────

 

 

イビルジョーがそれを認識する刹那、意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なにが起きたのかわからない。

急に目の前にハンターが現れて、私を喰おうとしたイビルジョーの顎を持っていた大剣で切り落としたと思えば、次はイビルジョーの頭をカチ割った。

イビルジョーは地面にめり込んで動かなくなった。

おそらく死んだんだろう。

すると謎のハンターは新人ハンターに近づいてくる。

 

 

「たくっ、ギルドの奴等は新人ハンターの面倒も見れねぇのかよ………ちっ」

「ご、ごめんなさい」

「なに謝ってんだ?てめぇ」

「ひっ、ごめんなさい」

「だーかーら、何を謝ってんだって聞いてんだ!」

「ごめんなさい」

「だーかーらー」

「ごめんなさい」

 

 

ブチッ

 

 

「いい加減にしろ!!」

「いた!?」

「いちいち謝ってんじゃねぇ!!」

「ごめんなさい」

 

 

謎のハンターは、駆け出しハンターが先程から下を俯き、謝罪ばかりを続け、流石に頭にきて新人ハンターの頭にチョップした。

しかし駆け出しハンターは泣きながらまた謝った。

それを見た謎のハンターは呆れてため息をついてしまった、すると謎のハンターは駆け出しハンターの身体を舐めまわすようにを見て、ニヤリと口角を上げた。

 

 

「お前なかなか可愛い顔といい体してんな」

「?」

「どうせ誰も来ないなら………」

「…………」

 

そうして駆け出しハンターの体に手を伸ばすと

 

ぬぎぬき

 

 

「ブッ、てめぇなにしてんだ!?」

「?何って………この流れだとエロ同人見たいにするんですよね?」

「いやそうだけど!いや違うよ!?」

「?」

「そこはさ!嫌がろうよ!!ね!」

 

 

駆け出しハンターは謎のハンターが触れるよりも先に、レザー装備を脱ぎ始めた。

それを見た謎のハンターは驚きながら後ずさる。

新人ハンターは確かに顔は可愛らしく、体も小柄で、とても白く綺麗な肌をしていた。

誰がどう見ても美少女だろう。

謎のハンターはツッコミを入れると、呆れ返り、駆け出しハンターの名前を聞いた。

 

 

「てめぇ、名前は?」

「?崋錬ちとせです」

「日ノ本のハンターか………………あいつ以来か……、まぁいい」

「?」

 

 

謎のハンターがなにかを呟いたようだが、ちとせには聞こえず、首を傾げた。

すると謎のハンターはある方向を指差した。

 

 

「あっちに行けばモガ村に行けるぜ、一応これ回復薬グレート」

「はい」

「それじゃぁな」

「…………」

「…………」

 

 

謎のハンターは立ち上がると、その場から立ち去ろうとして歩き出した。

ちとせも謎のハンターについていった。

 

 

スタスタ

 

スタスタ

 

タッタッタ

 

タッタッタ

 

ダッダッダ

 

ダッダッダ

 

 

ピタッ

 

ピタッ

 

 

「…………何でついてくんだよ」

「?駄目ですか?」

「いやそうじゃないけど…………」

「じゃぁ良いじゃないですか」

「…………」

「名前、何て言うんですか?」

「ここで聞くんだ」

「はい」

「………名前言ったら帰ってくれる?」

「…………」

「……………龍夜、それが俺の名前だ」

「りゅうや?」

「じゃあな!!」

 

 

 

ボンッ!!

 

 

「あ………」

 

 

龍夜と言う謎のハンターは煙玉を使ってちとせの前から姿を消した。

ちとせは一人ポツンとその場に取り残されたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続きます

 

 

 

 

 





どうでしたか!?
感想ください!!



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「»¼¶µ½¾%*¥$£#@!?」

続きです!これからも見てください!
どうぞ!!




 

 

 

 

 

 

 

 

チュンチュ

 

 

ドシュ

 

 

 

「あー、今日の朝飯はスズメの丸焼きか、これぞ朝チュンドシュ、さて焼くか」

 

 

龍夜はいつも通り、スズメを弓で殺してから串刺しにして焼き始める。(いつもはアプトノスを殺している)

そして焼けたところで、龍夜は一口でスズメを食べる。

(骨の処理もなにもしない、書いて字のごとく丸焼き)

 

 

ゴリ、メキ、バキ

 

 

「不味」

「じゃぁこのこんがり肉どうぞ」

「悪いな、ガブッ」

 

もぐもぐ

 

「やっぱり朝はこんがり肉だな」

「私はいつもガーグァの卵の玉子サンドウィッチですけど」

「それもうまいんだよなー」

「私と今度一緒に食べますか?」

「お、ありがとな」

「それでは約束です」

「あぁ、いいぜ」

「忘れないでくださいね」

「あたりめぇ………………」

「……………」

「……………」

「……………」

「……………」

「……………」

「……………」

「……………」

「……………」

 

 

 

 

 

 

「»¼¶µ½¾%*¥$£#@!?」←これがこの作品のサブタイトルにした理由

 

 

龍夜はちとせからもらったこんがり肉を食べながら後ろを見て初めてのちとせが居ることに気がついた。

体が小柄だとは言え、流石に気づくのが遅すぎる。

驚きの余り、龍夜は変な声をあげてしまった。

 

 

「どうしてここが?」

「我らの団団長さんが…………」

「あのクソエロジジイイィィィィィ!!!!」

「ど、どうかしまし………」

「ざっけんな!!アイツが大事に飼ってる鳥をシャガルマガラから助けてやったの俺だぞ!?しかもダレン・モーランがバルバレに突っ込んで来そうなときにダレン・モーランを討伐したのは俺だぞ!?どんだけ死に物狂いで討伐したか分かってんのか!?しかも二体ともG級だぞ!?ソロで討伐とかどんだけ疲れるか分かってんのか!?こっちはシャガルマガラ討伐した時点で半分死にかけてたんだぞ!?それではダレン・モーラン討伐とかどんな無茶苦茶押し付けてるか分かってんのか!?しかも古龍だぞ!?古龍!!生ける天災だぞ!?こっちは人間なんだよ!人間!!休みなしのロード生活させてんじゃねえよ!!ダレン・モーランが船に突っ込んで来たときマジて死ぬかと思ったわ!!そのあとクエストボードで確りクエストとして受けてなかったから1zも儲かってないんだよ!!完全にボランティア活動だよ!!古龍二頭も討伐するボランティア活動があってたまるか!?俺はまだ上位だぞ!?上位!!一回ギルド滅ぼしてやろうかと思ったが………そこはネコ嬢ちゃんが褒めてくれたから許す!ネコ嬢ちゃんとかマジエンジェル!!滅茶苦茶可愛いイィィィ!!なにあの可愛さ!!甘えてくるときとかメチャクチャにしてやろうかと思っちゃったよ!!だってあのネコ耳ピコピコ動いて可愛いすぎだろ!しかも俺がいつも長期間狩に出てなかなか帰ってこないからいつも行くときと帰ってくる時にギューしてくれる上にほっぺにキスしてくれるとか幸せすぎだわ~、俺を大事にしてくれる人とかあのネコ嬢だけだから!!ギルドや村の奴等とか完全に俺の事敵対してるからね!?G級ハンター15人全員が俺に向かって殺気バンバンぶつけてくるからね!?俺がなにしたってんだよ!!クソ!!ハアァァァァァァ!!ネコ嬢ちゃんに会いたい………」

「あの………」

「にしてもネコ嬢ちゃんの作ってくれた料理が恋しいなぁ」

「あの……」

「そう言えばネコ嬢ちゃん今なにやってんだろう………」

「あの」

「俺の誕生日祝ってくれたのネコ嬢だけだったな………ネコ嬢ちゃんマジでエンジェルだわ」

「あの!」

「なんだよさっきっから!?」

「後ろにイビル………」

 

 

バキッ!!

 

 

「グハッ!?」

「龍夜さん!!」

 

 

───グオオォォォォォ!!

 

 

 

龍夜は自分の怒りと、ネコ嬢の可愛さを語っていて、自分の回りが見えてなかった。

気づいた時には、自分が近くの大岩に投げ飛ばされて、叩き付けられた傷み。

すぐに理解した、そこには昨日倒したイビルジョーではなく、また別のイビルジョーであった。

 

 

 

 

そもそもイビルジョーとは獣竜種でありながら、その危険度は古龍にも匹敵するほど。

そしてイビルジョーの特徴的なものは、その類を見ない凶暴性と異常なまでの『食欲』。

その異常な体温の高さと、その巨体を保つために常に獲物を喰らい続ける必要がある。

しかし、その為に『共食い』をすることも少なくない。

他にも、辺り一帯の生態系を喰い付くして餓死してしまう事もある。

その為あまり長生きは出来ない、しかしイビルジョーは完全なる肉食性でその捕食対象は文字通り【ありとあらゆる生物】。

つまりイビルジョーの捕食対象は小型モンスターからその地に君臨する大型モンスター、そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【古龍種】

生ける天災おもイビルジョーにとっては捕食対象としてしか見ていない。

つまりイビルジョーの牙からはどんな生物も逃げる事は出来ない。

例えそれが、常に体表に電流が流れるキリンや、無数の爆鱗を持つバゼルギウスなど、近づくことすら難しいモンスターをも躊躇襲い掛かる。

そして一番厄介なのは、他の大型モンスターのテリトリーにも平然と侵入し、【テリトリーの主を含めた地域一帯のモンスターを喰らい尽くす事で生態系を崩壊させてしまう】。

イビルジョーはこれらの事から【健啖の悪魔】【貪食の凶王】と呼ばれていた。

ギルドはイビルジョーが発見される度に大騒ぎであった

 

 

 

 

 

昔は

今ではG級ハンター8位【狂騎士ジェイド】がイビルジョーを討伐している、彼はある意味イビルジョー中毒で、四六時中イビルジョーを討伐している。

さて、それではここから龍夜の思考になります。

 

 

痛い、背中が痛い、口の中にはなにか塩気がする。

血か?ヤバイ、吐きそうだ。

血なんて吐いたら逆にイビルジョーを興奮させて狩りが面倒になる、飲み込むか。

どうするか、まさかイビルジョーがこの地域には二体もいるとはなぁ。

クソッ、あのゴーヤ、完全に俺じゃなくてちとせの方を狙ってやがる。

どうする、この距離からはどうやっても追い付けぬぇ。

てかあばら骨が四本はイッたか?片腕の骨も折れてやがる。

…………はぁ、昨日は帰りにラージャンと出会して大変だったのに今度はこれかよ。

まぁいい………アイテムもほとんどBOXの中にしまいっぱなしだ………どうする?俺…………

 

 

龍夜は考えを止めなかった。

どうすればいいか、兎も角考えた、するとアイテムポーチをあさると何やら見つけたのか、ニヤリと笑う。

次の瞬間。

 

 

ゴクン

 

 

───!?

 

 

ドサッ!

 

 

「大当たり!!ドキドキノコが当たりで良かったぜ!!」

 

 

龍夜のポーチに入っていたのはドキドキノコ。

ヘタをすれば死ぬかもしれない、謎の多いいキノコだ。

龍夜はそれを思いっきりイビルジョーの口の中には投げ入れた、するとイビルジョーは急に倒れた。

 

 

「まさかイビルジョーをも眠らす睡眠の方でよかった~、全く………あー死ぬかと想ったわ」

「大丈夫ですか!!」

「おい!急いでこっから逃げんぞ!」

「そんなことより手当を……」

「手当なんぞ後でいい!あんなバカでけぇゴーヤいちいち相手してたらこっちの身が持たねぇ!!」

「そ、それなら一度ベルナ村に………」

「はぁ!?ベルナ村!?この時期はハンターがあそこに集まる時期だろ!?断る!」

「でも……」

「嫌だっていってんだろ!」

「ネコ嬢ちゃんの誕生日ですよ」

「おーし、とっとと村に戻るぞ!!」

「は、はい………」

 

 

龍夜はすぐにキャンプに戻ると、竜車でベルナ村に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────時は遡り、龍夜とちとせがベルナ村に戻る少し前

 

 

 

 

ガヤガヤ

 

 

いまベルナ村には下位のハンター、上位のハンター。

そしてG級のハンター達が一度にベルナ村の近くの集会場に集まる、ハンター達だけではない、キャラバンの集会場のギルドマスターとベルナ村のギルドマスターが肩を並べて座っている。

他にもベルナ村の村長と我らの団団長も座っている。

これは上位ハンターがG級に上がるかどうかのものである。

その為、集会場の真ん中には三人の上位の中でもトップのハンターがたっていた。

その者達はギルドからの信頼も暑く、上位の歴戦古龍を何体も討伐した実力者だ。

すると受付嬢が話始める。

 

 

「それでは貴殿方がG級に上がるかどうか………G級ハンターの皆様に決めてもらいます、それでは最初にレジンさん、どうぞ」

 

 

そしてトップの上位ハンターの一人、レジン=アインチャードがG級ハンターの前に歩み寄る。

今G級ハンターは6人居るが、あと9人は面倒だから来ないと言い来ていない。

ここにいるのは、

 

 

G級10位【美妖】ハスナ=フェルミーラ

 

G級15位【殺戮者】ラセツ=ハルバントン

 

G級7位【黒鬼】靱(じん)

 

G級9位【侍】無事藁 雪娜(ふじわら せつな)

 

G級3位【紅き破壊の流星】レオン=ニルナード

 

 

そして、G級1位【白き滅びの姫】ナシェエルカ=ファミエルナ

そしてこれから上位ハンターが

 

 

「龍夜は居ないんですか?」

「今年もいません」

「じゃあ帰る」

「え?あ、ちょ!」

 

 

そう言ってナシェエルカ集会場を立ち去った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 




中途半端でごめんなさい、次回もまた見てください!!
できれば感想も………




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神おも恐れぬハンター


続きです、どうぞ見てください!!





 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい…………ベルナ村はまだかよ」

「ここからどれだけ距離があるか分かってるんですか?あと二日はしますし、それに腕とあばら骨は大丈夫なんですか?」

「骨を無理矢理戻してすぐに秘薬を飲んで治した」

「………痛くないんですか?」

「血ヘド吐くし………まぁいてぇな」

 

 

今龍夜とちとせはベルナ村に竜車で向かっているが、ベルナ村までは結構な距離がある、そして何やら元気そうな龍夜に、ちとせは、折れたあばら骨と腕が大丈夫か聞くと、龍夜は笑いながらとても痛々しい話をする。

何せ折れていた腕の骨とあばら骨を無理矢理もとに戻すのは神経に直接攻撃するようなもの、とても人間がやるような治療法ではない。

そんなことを笑いながら言っている龍夜に一瞬恐怖を覚えるちとせであった。

 

 

「もうすぐユクモ村に着くので………」

「竜車を止めろ!!!!」

「?………ッ!?はい!」

 

 

ちとせは行きなり大声で竜車を止めろと言ってくる龍夜に疑問を抱いたが、龍夜のさっきまでとはまるで別人のような鋭く、殺気をはなつ龍夜の眼を見ると、すぐに竜車を止めた。

するとさっきまでとは打って変わり、周りは静けさに包まれた。

今は夕方、夜になれば大型モンスターに出会す可能性が高くなるため、できれば少しでも速くユクモ村に向かいたいが、もしかしたら今日ではユクモ村に着けず、ここで一晩過ごすことになるかもしれないと覚悟する。

そして風が吹き、周りの木々が揺れる。

 

龍夜は木々が揺れる音をかぎ分け。

 

風が吹く音をかぎ分ける。

 

そしてただただ静かに天を見つめていた。

 

すると

 

 

ヒュオォォォォォォォ

 

 

 

 

ポタッ

 

 

 

ポタポタ

 

 

 

 

 

 

ゴロゴロ

 

 

 

ザァァァァァァァ

 

 

急に雨が降り始めた。

 

夕焼けで紅くなっていた空は暗くなり

 

空は雨雲で大量に雨が降る

 

雷鳴が轟き

 

小型モンスターが目の前を横切る

 

それは大型モンスターも同じく

 

こっちには見向きもしない

 

その異状にちとせも驚く、慌てて龍夜を見るが

 

 

 

 

龍夜は何かを睨み付けていた。

それはまるで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   これ以上近づくなら殺すぞ!!!!

 

 

 

 

 

と言わんばかりに殺気を放っていた。

ちとせは思わず恐怖に震えた、そしてゆっくりと龍夜が睨み付けていた方向を見ると、そこには。

 

 

 

 

 

「──────」

 

 

 

 

 

それを見たちとせには、ちとせに聞こえる全ての音が無くなった。

 

雨の降る音も

 

雷鳴の音も

 

小型モンスターと大型モンスターが逃げる足音も

 

風の音も

 

 

全てが消えた

 

 

それは

 

 

人々からは【天の神】、あるいは【暴風と竜巻を従える龍】と言われ、人々からは

 

時には崇められ

 

時には恐れられ

 

時には戦う

 

この神こそは

 

 

古龍

 

 

嵐龍 アマツマガツチ

 

 

 

龍夜とアマツマガツチは一体何時間睨み続けていただろうか、ちとせにはとても長く感じた。

しかし、現実は本の少しだった、本の少し睨みあっただけだったが、アマツマガツチはすぐに理解した。

 

 

 

───"これ"と戦えば我もただではすまない

 

───だが

 

───たかが人間のような下等な生物に

 

───この神である我を睨み付けられるのは気分が悪い

 

 

 

アマツマガツチは攻撃を仕掛けようとした。

しかし、アマツマガツチは突撃の恐怖に心臓を握られるような悪寒を感じた。

それは、戦えば両方ヤバイのではない。

 

 

 

自分が確実に殺される、その確信があった。

アマツマガツチは恐怖に空へ立ち去った。

 

否、逃げたのだ

そして雷鳴は止み、雨は止み、そして雨雲は無くなり空は元の夕焼けではなく、暗い夜になっていた。

 

 

 

 

 

 

「──────!?」

「や~と現実に戻ってきたか」

「さっきのは…………」

「いやぁ、上位のアマツマガツチで助かった~、G級だったらやばかったわ………まぁなんとか逃げたか………」

「アマツマガツチ…………噂は本当だったんですね」

「?……噂?」

「ユクモ村にアマツマガツチが接近していると言う噂がこの頃流れていたんです、それで今はユクモ村は大騒ぎですよ」

「そんな大騒ぎの所に俺を連れていくのかよ」

「仕方ありませんよ、そこ以外に宿が無いんですし………」

「わりいがベルナ村は行くと言ったが、他の村には行く気はねぇ、この近くに安全な俺が作ったキャンプがある、そこに行くぞ」

「は、はい………」

 

 

ちとせは仕方なく龍夜に言われるがまま龍夜の作ったキャンプに向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが龍夜さんの作ったキャンプですか?」

「そうだが?」

「…………こんな所があったんですね」

 

 

龍夜に言われるがまま進むと、そこには回りに紅葉の葉が舞、近くに綺麗な湯煙のたつ温泉が沸き出ていて、夜空と月がとても綺麗な景色だ。

とても人の手でできたような場所ではない。

 

 

「それじゃぁ俺寝るわ」

「あ、はい」

 

 

そう言うと龍夜は少し離れたテントに入ってベッドで眠りについ。

ちとせは防具を外し、インナーを脱いだ。

そして体にタオルを巻いて、温泉に浸かりながら、夜空を見上げた。

 

 

「………龍夜さんて一体何者なんだろう………」

 

 

龍夜と言う人間は一体何者なのか。

上位の古龍を殺気だけで追い払い。

あのイビルジョーを二発で殺すほどのハンター。

村に行くことは極度に嫌がる。

一番最初に浮かんだのが上位ハンター【モンスターハンター】と言う二つ名をもった人物だった。

しかし、彼はG級ハンターになる一日前に、ある事件を境に彼は消えた。

それは

 

 

 

 

 

 

かつてのG級"1位"【武士】花恋=ファミエルナ【殺害】

花恋は人々から信頼され、ハンター達の憧れだった。

しかし、花恋は【モンスターハンター】に太刀で首を斬られ死んだ。

それだけではない、花恋はモンスターとの戦いで大怪我をしてるなか、【モンスターハンター】に腹を斬られ、苦しみながら殺されたのだ。

誰もが怒りと悲しみに【モンスターハンター】を許さなかった。

【モンスターハンター】はギルドにすぐに連れていかれた、しかしギルドは彼を許した。

人々は何かの間違いだと、ギルドに集まった。

しかしギルドは何も言わなかった。

【武士】花恋の実の妹。

そしてまた、現在のG級ハンター1位【白き滅びの姫】ナシェエルカ=ファミエルナも、彼を恨みはしなかった。

人々はこの怒りと悲しみを無理矢理押さえ、ただひたすら耐えることしかできないまま今も過ごしている。

 

 

「………長期期間の狩、それにG級ハンターと言っても過言ではないほどの実力、なのに上位ハンターに止まっている………でもこんな理由じゃまだ龍夜さんだって言う証拠もない、それに龍夜さんはそんな人じゃないし…………もう出よ」

 

 

ちとせは温泉から出ると、体を吹いて、インナーを着ると、龍夜が寝ているキャンプに入り、寝ている龍夜の横に一緒にベットに入り込んで、こう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方が何者かなんてどうでもいい、貴方は私の王子様なんだから」

 

 

そう言ってちとせは眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く!!

 

 

 

 

 

 




まだまだ続くので、見てください!!



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ユクモ村の温泉て気持ちいいよね

続きです!!
これからも頑張るので見てください!!




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ユクモ村~

 

 

 

ユクモ村、それはハンターの拠点となる村の一つ。

竜人族の女性が村長を務めている。

ユクモ村の温泉はハンター達の間では有名で、わざわざ遠くから足を運ぶ人は少なくはない。

他にも、温泉上がりのドリンクや、酒、魚料理、温泉から見える景色を楽しむ人もいる。

だが一番人気なのは、圧倒的人気の受付嬢だ。

彼女は男女問わず人気が高く、一ヶ月に一日だけここの受付嬢をやっている。

元はハンターで狩の最中ラージャンとイビルジョーの縄張り争いに巻き込まれ、左腕と右足を損傷、今は義手と義足をつけて、ハンターの見る素質があり、ドンドルマのギルドにスカウトされ、今では一番人気の受付嬢。

今では受付嬢、ライラにアプローチする為だけにハンターになるものも多い。

話は戻るが、ユクモ村はハンターに人気だ、しかしG級ハンターは余り人が多い所を好き好む者は少なく、余りユクモ村には来ることはない。

その為、こう言った客は珍しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カポーン

 

 

「ここの温泉は噂通りだな」

「それは何よりです」

 

 

いつもはたくさんの人がユクモ村の温泉に浸かっているが、今はたった一人がユクモ村の温泉に浸かっているのは【狂騎士】ジェイド=フランケスト、彼はG級の中でも特に人との関係を好かない男だ、ジェイドが来ることはユクモ村の皆が想像しなかった。

そしてその後ろに受付嬢、ライラ=カナリエルが立っていた。

 

 

「で?ライラ=カナリエル、何故お前はあのハンターをG級に上げない?」

「なんの事ですか?」

「そうか」

 

 

ジェイドは溜め息を吐くと、立ち上がり、ライラの前に立って大声でこう言った。

 

 

「あんまりなめてンじゃねぇぞ!!!!あれほどの腕をしてG級に上がらねぇ訳がねぇ!!どういうつもりだ!!!!G級に上がる実力者を決めるのはギルドじゃねぇ!!俺達G級でもねぇ!結局てめぇがG級に上がるかどうか決めるんだろうが!!!!」

「はい、だから私は龍夜さんがG級ハンターになるだけの実力がないと見なしました、それ以上でも、それ以下でもありません」

「本気で言ってるなら、てめぇもおちたもんだな?えぇ?ハンターを見る目がおちたか?」

「今も昔も視力は落ちてません」

「ぬかせ、このアバズレが!あの男に惚れたか」

「まさか、私を強姦するような男を好きになるほど私は尻軽女ではありません」

「ハッ!あまり調子に乗っていると今度は右腕と左足が無くなるぞ」

「なら私は貴方の両目をえぐり取って差し上げます」

 

 

大柄なG級ハンター、ジェイドはライラを見下しながらニヤリと笑い、そして小柄な受付嬢ジェイドを下から睨み付け、小さくニヤリと笑う。

二人の殺気はビリビリとぶつかり合う、二人は一瞬の隙も見せず、隙あらば殺してやろうかと言うほどだ。

しかし、受付嬢ライラは、何かを思い出したか、話し出す。

 

 

「忘れていました、丁度G級ハンターさん達に上位の古龍、アマツマガツチの討ば────」

 

 

バン!!

 

 

「た、大変です!!」

「どうしたんですか?」

「うるせぇ」

「すみません!!」

 

 

何やらユクモ村の村人が、温泉の入り口のドアを思いっきり開けて、大声で以上を伝えようもするも、相当走ったのか、息きを切らしながら、報告しようとする。

 

 

「一週間前に、ハァハァ、発見された、アマツマガツチが、居なくなりました!」

「?それは一体………」

「目撃者によると!、何物かと、アマツマガツチが!ハァハァ、睨み合った後、アマツマガツチが逃げていったそうです!!」

「!?」

「ほぉ、上位と言えど古龍、睨んだだけでアマツマガツチを追い払うような奴は早々いねぇ、そんなことが出来る奴はG級1位から3位のあの化け者どもか…………あの男だけだ」

「アマツマガツチはどこに向かったか覚えてますか?」

「は、はい!例の霊峰に向かいました!!」

「確かそこには怒り喰らうイビル………」

「イイイイイイイイイビビアアアアァァアァァアアァアァジヨオオオォォォォォオォオォオォオォオ!!!!」

「………うわっ」

 

 

ジェイド=フランケストの異名、【狂騎士】と言う異名は、書いて字のごとく、狂った騎士。

ジェイドは普段はこう言ったまともな人間だが、イビルジョーと言う単語を聞くと、こうなってしまう。

まるでさっきとは人格が変わったような奇妙な声をあげる。

それを見たライラはドン引きだ。

 

 

「アアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァガァガァガァ!!イッピラジャ!!ッてなんだ!!イビルジョーーーーーーァァァァァァァ!!!!イビイビイビイビイビイビイビイビイビイビイビイビジョアァァァァァァァホァ!!ホァ!!ホァ!!ホァ!!ホァ!!ホァ!!ホァ!!ホァ!!ホァ!!イビルジョーをいますぐ俺にやらせろ!!………うんそうだ、俺がいった方が良いに決まってる」

 

 

ライラが見た結果

 

キモい

 

 

「安心してください貴方にこのクエストを任せます、えぇっと?アマツマガツチと怒り喰らうイビルジョーの二頭狩り、で良いですね?」

「あぁ、それじゃぁ行ってくる」

「…………あの」

「んじゃぁな」

 

 

ジェイドはクエストをもらうと、サッとここから『飛び降りた』。

ここはユクモ村の人気のスポットの一つで、ジェイドとライラがいた場所は『山峰』の頂上だ。

遅れてからズウゥゥンとデカイ音が聞こえてきた。

もう一つ言うとジェイドは『タオル』しか着ていない。

つまりタオル一枚で…………イヤ途中でタオルが一枚飛んできた、つまり今ジェイドは『全裸』で狩に行ったのだ。

しかも上位の古龍アマツマガツチとG級相当の個体と思われる怒り喰らうイビルジョーにだ。

そんなジェイドを見送ったライラはそそくさと山峰を降りた。

すると村人は恐る恐るライラに聞いた。

 

 

「あ、あの、ライラさん………」

「何ですか?」

「だ、大丈夫何ですか?………あの人………」

「大丈夫ですよ、それとその防具はそこにおいといてください、それじゃぁ私達も戻りましょう」

「ぇ?あ、はい」

 

 

村人はライラに言われ、山峰を降りていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ベルナ村はまだかよ」

「まだです」

 

 

 

こっちはこっちでベルナ村に向かっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 

 




書けました!!感想ください!!




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カティ



今回は主人公がほとんど出ません。
どうぞ。




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここはベルナ村、そして今丁度G級ハンターを決める集まりが終わったところだ。

結局今年もG級ハンターに上がる上位のハンターは、居なかった。

しかしハンター達にはもう一つやることがある、それは………

 

 

「カティちゃん、誕生日おめでとう!これプレゼントだよ!」

「いやいや、こっちのプレゼントを先にどうぞ!」

「こっちは貴重な石、ダイアモンドって言う石を元に作った指輪だ、受け取ってくれ」

「こっちはノヴァクリスタルで作った首飾りだ、受け取ってくれ」

「俺のプレゼントはドレスだ」

「僕は」

「私は」

「いや、あの…………」

 

 

ネコ嬢、本名カティの誕生日には決まってたくさんのハンター達が高価なプレゼントを山程渡しに来る、それはハンターだけでなく村人達にももらう。

その理由は可愛いと言う理由もあるが、一番は

 

 

 

物凄く優しい。

いつもハンター達が狩から村に帰ると必ずネコ嬢が

 

 

「ハンターさん、お疲れ様です、お怪我はありませんか?」

「今日も大変でしたね、ゆっくり休んでください」

 

 

こんな感じの事を必ず言ってくれる、村人達が頑張っているときも、必ずネコ嬢も手伝ったりしている。(けど力がないからお茶を運んだりという事ばかりだが)

可愛くて、優しい少女。

ハンター達や村人達のなかには

 

 

「俺もうロリコンでいい!」

「私もうレズでいい!」

「俺もう浮気してもいい!」

 

 

とか言う馬鹿も出てきている。

とまぁカティはこんなに高価なプレゼントは余り欲しくはない、と言うかあっても意味がないし、置くところがないから邪魔なだけなのだ。

しかし、人からもらった物を捨てたりするのは失礼なので、仕方なくおいている。

この頃は本当に困っている。

 

 

「ハァ、こんなにもらっても………それに私が欲しいのはこんな物じゃないんだけどなぁ………」

「あの通りすがりのハンターさんが作ったお花の冠とかかしら?」

「はい、でもこの頃はなかなか来てくれなくて………ぇ?」

「驚かせちゃったかしら?」

 

 

ハンター達や村人達がカティにプレゼントを渡し終わり、カティがホッと一息つきながら山程のプレゼントをどうしようか考えていると、いつのまにか、後ろにはG級個体、【霞龍オオナズチ】の素材を元に作られたミズハ真シリーズを身に包んだ美女、それはG級10位【美妖】ハスナ=フェルミーラ。

スラリとした綺麗な大人の色気がある体と、長く、綺麗な髪を靡かせ、その紅葉のような瞳。

そしてカティの後ろでキセルを吸いながら、自分がカティを驚かしてしまった事に気づき、少し心配そうに言う。

 

 

 

「…………」(綺麗………)

 

 

カティはその美貌に見とれてしまい言葉がでなかった。

すると、ハスナはカティに

 

 

「あら?大丈夫、胸はこれから大きくなるものよ」

「ッ!?////////////」

「赤くなって、可愛い」

「ち、ちがいます!胸なんて……その……気にしてないこともありませんけど………」

「フフ、冗談よ」

「か、からかわないでください!」

 

 

ハスナはカティを面白半分でからかうと、顔を赤くしたカティを見てハスナは口を手で押さえながら小さく笑う。

そんなハスナを見てカティは顔を真っ赤にしたまま怒る。

するとハスナはカティにこんな質問をしてきた。

 

 

「カティちゃんは何でそんなにあのハンターさんの作ったお花の冠が好きなの?」

「お花とあの通りすがりのハンターさんが好きだからです」

「……………」

 

 

ハスナはさっきまで恥ずかしがっていたカティが、自分の出した質問に、少し小さな笑みを浮かべ、頬を少し紅くして、青と緑の混ざった綺麗な瞳を真っ直ぐにこっちに向けて、ハッキリそう答えた。

こんな凛々しい姿をしたカティを見るのはハスナが初めてだろう、ハスナ自身も予想外の展開に、驚きつつ、少しカティに惚れた。

しかしハスナはけして顔に出しはしなかった。

そして我に返ると

 

 

「案外ハッキリと答えるのね」

「この気持ちに嘘はありませんから」

「………どうしてそんなにあのハンターを好きになったの?」

「それは色々ありますけど、一番あのハンターさんが気になったのは初めて出会ったあの日ですかねぇ」

「聞かせてくれる?」

「はい!」

 

 

ハスナに言われ、カティはそのハンターとの出会いを話始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「こんなにもらっても…………どうしよう………」

「あ、あの………」

「ひゃい!?」

「あ、わりい」

 

 

カティは山程のプレゼントをどうしようか考えていると、後ろから肩をポンポンと叩かれて、驚いてしまう。

そこには、上位のリオレウスの個体を元にして作った装備、レウスSシリーズに身に包んだ大柄のハンターが立っていた。

顔はレウスSヘルムで見えない為大柄なのでなお怖い。

カティは何のようかと思いながら、恐怖で冷や汗を流す。

 

 

「きょ、今日はネコ嬢ちゃんの誕生日だって聞いて」

「そ、そうなんですか」

 

 

カティは苦笑いするしかなかった、これ以上プレゼントをもらっても困る。

かといって断るのも失礼い。

何より怖い。

カティは心の仲で溜め息を吐きながら

 

 

(私はお花が好きなんだけどなぁ………)

 

 

と思っていると。

 

 

「こ、これ………星見の花で作った花の冠だけど……べ、別に要らなかったら捨てても良いぜ」

「ぇ?これを私にくれるんですか?」

「あ、あぁ………やっぱ要らねぇか……」

「い、いえ!私お花が好きなのでとっても嬉しいです!大事にします!」

「だ、だが形はイビツだぞ?」

「それなら一緒に作り直せば良いじゃないですか」

 

 

星見の花は夜空を仰ぎ見るかのように咲く可憐な花。

美しい花弁は、染色の原料としても使われている花。

カティは初めて自分の好きな物をもらって嬉しかった、しかしレウスS装備のハンターの言った通り、確かに作り方が雑で、とてもイビツな形だった。

それでもカティは嬉しかった、するとレウスS装備のハンターを横に座らせて、イビツな形をした花の冠を、一度バラバラにして、また作り直した。

今度はカティが手伝った。

 

 

「こ、こうか?」

「違いますよ、ここはこうして」

「えぇっと、こうか!」

「はい、それを繰り返すんです」

 

 

 

 

 

 

~数分後~

 

 

 

 

 

 

 

「やっと出来ましたね」

「む、むずかしい………」

「でも楽しかったですよ」

「………そうだな、ホレ」

 

 

ハンターとカティは花の冠を作り終わり、ハンターが花の冠をカティの頭に被せる。

カティは花の冠をもらって嬉しそうにする。

すると座っていたハンターは立ち上がり、歩き出す。

 

 

「もう行くんですか?」

「あぁ」

「また一緒に花の冠作れますか?」

「さぁな、俺は長期期間狩に出るからなかなか村には帰って来れないんだ」

「じゃ、じゃぁ今度また来たときには一緒に花の冠作りましょうね」

「あぁ」

 

 

その日以来、一ヶ月に一回という感覚でカティの元に現れるようになった。

そして決まって花束を用意して、いろんな花の冠を作ったり、いろんな話をするようになった。

しかしハンターは何時も決まって濃い血の匂いがした、カティはモンスターの血かと思って、そこまで気には止めなかったが、ある日ハンターが今日も花束を持ってきた日、カティはある事に気づいた。

ハンターが身に纏っているレウスSシリーズの隙間からは血が垂れていた、カティは嫌な予感がした。

もしも今までの濃い血の匂いがこのハンターの血だったら。

そう思い急いでハンターさんに装備を脱ぐように言った。

 

 

「ハンターさん!装備を脱いでください!」

「ぇ?何で?」

「良いから!早く!」

 

 

カティは嫌がるハンターさんを無理矢理押し倒して、レウスSヘルム以外の装備を無理矢理脱がした。

するとそこには

 

 

「な、なんですか………これ…………」

 

 

そこからは、身体中には包帯が巻かれていて、その包帯からはそこら中から血が止めどなく滲み出る。

それはとても痛々しく、見ていられないほどにだ、何よりこの傷だらけの体で何時も来ていたと言うのに、自分は全く気づいていなかったのだ。

カティはいつの間にか泣いていて、それを見たハンターは慌てる。

カティはハンターがもしも狩で死んでしまったらと思うと、その考えられないほどの寂しさを想像して余計に涙が止まらなかった。

そしてその歪んだ視界からハンターが見えなくなるのが嫌で、何処かに行ってしまうんじゃないかと怖くて、ハンターの手を握った。

そして、その手はモンスターとハンター自信の血で真っ赤に染まっていたが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とても温かかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「その日からですよ、あのハンターさんとお話しできなくなったら、もしあのハンターさんが私の前から消えてしまったら、そう思うだけで私は怖くて、悲しくてたまらない、あのハンターさんの側にずっと居たい、そう思うようになったんです」

「フフ、そんなにそのハンターさんの事が好きなの?」

「はい、それにこの頃は会ったときに頬にキスしたりしてアプローチしたり…………」

「あらまぁ、本気なのねぇ」

「はい!」

「じゃぁもしもそのハンターさんが他の女に取られたら?」

「その女を殺してあのハンターさんを私無しじゃ生きられないように調教します」

「………………」

 

 

カティはニコニコしながらとてもえげつない事を言うので、ハスナはこれまた予想外の展開に本の三秒くらい固まってしまった。

これが一種のヤンデレと言うものか、こんな可愛い少女がとんでもない事を言ったので、どこで道を踏み外してしまったのか、それともこれが愛なのか少し考えた。

それはさて置いといて、そのハンターが何者か気になってきたハスナはカティにそのハンターの名前を聞く。

 

 

「そう言えばそのハンターの名前は知ってるの?」

「知りません」

「ぇ?」

「だってあのハンターさん名前がないって言ってましたし、顔は一度見たことはありますけど…………名前はどうしても嫌がるんですよ」

「じゃぁどんな顔だったの?」

「いえ、それが顔にも包帯が巻かれていて…………」

「…………そうなの」

「で、でも!とっても優しい人です!」

「誰も悪い人なんて言ってないわよ?でも、一体どんな人なのかしら………?」

 

 

ハスナはカティの惚れたハンターに少しだけ興味をもった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ベルナ村はまだかよ」

「あと少しなので我慢してください」

「チッ、んくんく」

「あ!そ、れは飲んじゃ駄目って言ったやつ………」

「うるせぇ、別にいいだろ」

「体に悪いですよ?」

 

 

今龍夜達はベルナ村に向かっているが、その途中で回復薬が無くなり、龍夜は拾った回復薬を飲んでいる。

ちとせはそれを注意するが、龍夜はそれを無視して回復薬を全部飲んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日も龍夜とちとせはベルナ村に進むのであった。

 

 

 

龍夜は腹を壊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 






感想ください!それとそろそろ次回あたり主人公を出したい!!!!。
それじゃぁ次回もまた見てください!!



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もうすぐベルナ村しかし現実は甘くない

続きです、どうぞ見てください




 

 

 

 

 

 

「おい、まだかよ」

「もうすぐだよ?」

「まったく、もう二日目だぞ?」

「仕方ないよ、結構な距離なんだし」

「…………チッ」

 

 

龍夜達はベルナ村に向かって二日目、やっとベルナ村の近くまでやって来た、今は雨がパラパラと降り始めている。

これなら雨がひどくなる前にベルナ村につけるだろう。

 

 

「……………」

「…………?」

 

 

すると思ったより早く雨が降り始め、土砂降りになる。

そしてさっきまで煩かった龍夜が黙り混んだ。

ちとせは急に黙り込んだ龍夜を見てはてなマークを浮かべる。

すると龍夜はちとせにこんなことを聞いてきた。

 

 

「今変な音しなかったか?」

「?いえ、アプトノスも特に変な動きもしてないし………」

「……ならここら辺は竜車………いや、ここには大きな竜車が“何個”も通るのか?」

「?いえ、通るといっても我らの団がここに来るときに…………」

「?確か我らの団は鯨みたいな気球を使っていたはずだが?」

「いえ、前に一度モンスターに襲われてしまい、今修理に出しているんですよ」

「……………この音………本当に我らの団の竜車だけなのか?」

「はい、我らの団しかこの時期は通りません、それが一体………?」

「……………」

 

 

龍夜は耳を研ぎ澄ませました

 

 

土砂降りに打ち付ける雨の音。

ジャージャーと流れる水音。

ゴロゴロと遠雷が鳴り響く雷音

林が揺れる木々の音。

雨と闇の世界。

 

 

柔らかい土には次々と雨が打ち付け、水溜まりができ、水溜まりや川には雨が突き刺さっては波紋を広げる。

 

 

 

そして雨や雷はよりいっそうひどくなる。

 

 

ビシャビシャビシャーーー

 

───雨の音

 

バチャバチャバチャーーー

 

───雨が水溜まりに当たる音。

 

ビシャビシャ、パチャン、ゴロゴローーー

 

───やはり竜車………でもこれじゃぁまるで………

 

 

 

バチャン。

 

 

───…………

 

 

バチャン!。

 

 

 

 

「ッ!!」

「?どうしました?ってえ!?」

 

 

龍夜は急に竜車を飛び降りて走り出した。

その行動にちとせは驚く。

すると龍夜は大声で

 

 

「おい!お前は先にベルナ村に向かえ!!」

「ぇ?でも………」

「いいから!!俺も後から向かう!」

「は、はい、分かりました」

 

 

そうしてちとせはベルナ村に向かった。

そして龍夜は音がした方に走った、雨が視界を潰さんとするが、龍夜はそんなことは無視して音がする方に走った。

そして兎も角思考を働かせた。

 

 

「冗談はよし姫様にしてくれ!!クソッ!モンスターが竜車襲ってるとか洒落になんねーンだよ!!確か我らの団には手練れのハンターが居るんじゃ無かったのか!?その上この時期はここら辺のモンスターは全部ハンターが殺したはずだろ!!」

 

 

ビチャビャと泥が飛び散る。

折れた腕とあばら骨を無理矢理直してまだ激痛が走る、しかし龍夜はそんなことは関係なしに全力で走った。

 

 

「クソッ!本当にあのクソシジイ!とうとうボケが回ったか!?手練れのハンターでも勝てねぇようなモンスターにでも手ぇだしたか!?」

 

 

今我らの団が逃げているとすれば、大型モンスターに出会し、ハンターが殺られ、必死に逃げているのだろう。

すると我らの団の竜車の音が聞こえて来る。

 

 

ガラガラガラーー

 

 

「おーし、まずモンスターぶっ殺した後あのクソシジイぶっ殺してやる、つかモンスターに何で出会すかなぁ、マジでざけんな、あー早くネコ嬢ちゃんに会いたいなぁ………つかなんか光って………」

 

 

龍夜は雨雲で暗くなった視界から光が見えた、それはまるで雷───

 

 

「うおおおぉぉ!!??」

 

 

龍夜は緊急回避した。

 

 

「………待て、待て待て待て待て待て待て待て待て………待ってくれ、雷?つか回りの木が根こそぎ無くなってね?まるで投げたみたいに、それにこれは足跡じゃなくてどちらかと言うと拳…………やべ、急ぐか」

 

 

龍夜は森の中に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガラガラガラーー

 

 

「おい!大丈夫か!?」

「だ、大丈夫………他の奴等は………?」

「お陰さまで無事だ、そんな事よりお前は大丈夫なのか!?」

「オッショさんも団長さん達も皆無事だよ!」

 

 

今我らの団の皆はモンスターにやられたハンター、レンジ=アインチャードの手当てをしているが、そのモンスターはすぐ目の前まで来ていた。

車輪が泥を弾く、オッショは後ろを見ずに兎に角手綱を握りしめてポポを走らせた。

すると

 

 

ドガアァァァァァン

 

 

木が丸ごと飛んできて竜車が一回転する。

そして中に居たレンジと加工屋の娘、イモウトが外に放り出される、そしてレンジがよろよろと立ち上がるとレンジはイモウトがどこにいるか回りを見渡すと

 

 

「ッ!?」

 

 

イモウトは木によって足が下敷きになっていた。

そして目が覚めると、自分が今危機的状況にいると気づき、急いでイモウトは足を引き抜こうとする、しかし引っ掛かってしまったのか、足が抜けなくなってしまった。

レンジは走ってイモウトを助けようとした、すると

 

 

ズシイイィィィン

 

 

「ぇ?…………ぁ………」

 

 

丁度その真後ろにモンスターが現れた、それを見たレンジは急いでイモウトを助けようとする。

イモウトはゆっくりと音がした方を見ると、余りの恐怖で固まってしまった。

イモウトは我に変えると、震えながらも木で下敷きになっている足を無理矢理引き抜こうとする。

しかしモンスターはわざわざイモウトが足が抜けるまで待っては暮れない、そしてモンスターはイモウトに近づく。

 

 

「やめろおおぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 

レンジは急いで武器を引き抜きモンスターに斬りかかるが、モンスターは攻撃を避けてレンジを“ぶん殴った”。

 

 

「がフッ」

 

 

そしてレンジ吹き飛ばされて木に叩き付けられ気絶する。

 

 

「レンジさん!?」

 

 

我らの団団長達も急いでレンジとイモウトを助けようとする、しかしモンスターはイモウトに近づき、その拳でイモウトを殴った。

はずだった

 

 

「うおおおぉぉ!!」

 

 

グシャ!

 

 

「カハッ!ッのクソゴリラ!!!!」

 

 

龍夜はゴリラ………いや

そもそもこのモンスターはハンターに“発見されていた”モンスターだ、しかしこのモンスターは【超攻撃的生物】な上に、このモンスターは非常に縄張り意識が高く、視界に入った者は全力で殺しにかかる、そしてそれがたとえ戦意を失っても攻撃の手を緩めずに殺害してしまうケースが多く、【そのモンスターと遭遇した者が生還する事自体が奇跡であり】、ギルドがこのモンスターの報告することができない。

その為にギルドもそのモンスターがその地域に居ることを知らずに新人ハンターが何人も殺される事がる。

このモンスターは

 

 

 

 

金獅子

 

 

 

ラージャン

 

 

龍夜はそのラージャンの拳を体で受け止める、しかしその威力に口から血を吐いて、拳で殴られた部分の防具の右半分は粉々になり、上半身半分が丸裸になる。

そこには体を包帯でぐるぐる巻きにして、その包帯を巻いた体からはイビルジョーにやられた傷口から血が出て、粉々になった防具が龍夜に刺さり、包帯が所々千切れる。

そしてレウスSヘルムの顔半分が粉々になっている、一番大事な上半身の防具が半分も粉々にされている、しかも相手は【古龍に匹敵するモンスター】。

状況は絶望的だ。

しかし龍夜はラージャンの拳を押さえながら、後ろにいるイモウトを見て、笑顔で

 

 

「もう大丈夫」

 

 

そう答えた。

そして龍夜はラージャンの拳をどかして背中に背負っている太刀を引き抜いてラージャンに向ける、しかしその時にはもうラージャンは丸裸になった龍夜の上半身半分を殴った、そして龍夜は吹き飛ばされる。

ラージャンはまたイモウトに近づく、イモウトはカタカタと震えが止まらない、しかし

 

 

「おい、てめェの相手は俺だろ」

 

 

ズシャァァ

 

 

ラージャンは拳以外の肉質は柔らかく、簡単に武器が入る、そのため切れ味の悪い武器でも十分に戦える、龍夜はラージャンの背中を太刀、飛竜刀【葵】で切りつけた、そして雌火竜リオレイアの素材を元にして作った太刀、飛竜刀【葵】はリオレイアの毒が塗られ、この太刀で何度も斬られればモンスターは毒常態になる。

そしてラージャンは振り返り、斬りつけてきた龍夜を睨み付けるとガパァと口を大きく開けた。

 

 

「ッ!」

 

 

ラージャンの口が開いたと思えば口から雷ブレスを龍夜に向かって撃つ。

龍夜は逸早くそれに気づき回避した、しかしそれにより龍夜に本の少しの隙ができた。

ラージャンはそれを見逃さず、その巨体ではあり得ないようなスピードであっという間に間合いを詰めた。

ラージャンはまた装備が粉々になった部分を殴り付けた。

龍夜は右手で何とかラージャンの拳を防ぐが、ラージャンの攻撃を二発も食らってしまった。

ラージャンは肉質こそは柔らかいが、その攻撃力は自分よりも大きな岩をも砕く。

龍夜の左腕はイビルジョーの攻撃で完全には直っていない、なのにラージャンの攻撃を二度も食らってしまえば。

 

 

「ハンターさん!」

「……………」

 

 

龍夜の頭からは血が地面に垂れ落ち、右腕は肉が裂け、血が溢れ出て見るも無惨な事になっている。

しかしそれでも龍夜はラージャンに向かっていく。

 

 

「おい!クソシジイ!」

「龍夜!?大丈夫なのか!?」

「後で殺す!!」

「元気そうだな!」

 

 

龍夜は近くまで来た我らの団団長を呼ぶ、そして団長も雨の音で聞こえなくならないように大きな声で答えた。

 

 

「こいつをそっちに渡すから、そしたらすぐにこの場から逃げろ!!」

「だがお前さんは」

「分かったな!?それじゃぁいくぞ!!」

 

 

そう言って龍夜はラージャンと一旦距離をおいて、木で下敷きになっていたイモウトを助けようとする、しかし丸腰で逃げる龍夜をラージャンが黙って見逃す訳もなく、ラージャンは前に居るイモウトごと雷ブレスを撃った。

 

 

「ッ!!」

 

 

龍夜は咄嗟にイモウトを抱き締めて、自分を盾にした。

ラージャンの雷ブレスはほぼ普通の雷と変わらない、つまり普通の人間なら丸焦げになって死んでいる。

 

 

普通の人間なら。

 

 

シュウウウゥゥゥゥ

 

 

「ぁ……ハンターさん?ハンターさん!!」

「………大丈夫……か……?」

「そんなことより何で!!」

「大丈夫、そうだな………よかった………」

 

 

龍夜の背中はラージャンの雷ブレスをもろに食らってしまい、背中の防具が焼け落ち、雷ブレスの熱で背中は赤くなり、大火傷している、とても考えられないような痛みが龍夜を襲うが、龍夜は嬉しそうに笑っていた。

イモウトは泣きながら自分をかばってくれたハンターの心配をする。

そして龍夜は下敷きになっているイモウトを引きずり出して、我らの団の団長にぶん投げた。

 

 

「わっ!?」

「おい!クソシジイ!ハンターは無事か!?」

「ああ!」

「なら早く行け!!」

「お前さんはどうするんだ!?」

「俺より先にそのハンターをベルナ村で手当てしてもらえ!!後で追い付く!!」

「分かった!」

 

 

すると我らの団の竜車が走り出す。

そして龍夜は後ろを降り無いて、ラージャンを見る。

少し二人は睨み合うと、ラージャンは仁王立ちして拳を上にあげながら咆哮する。

するとラージャンの全身には電気が帯びて逆立った黒い毛は金色になり、腕は紅くなる。

 

 

 

 

それは今まで殺したハンターの血のように

 

龍夜は一気に武器を抜いて飛竜刀【葵】をラージャンに向ける。

 

 

「………てめぇやっぱ」

 

 

───グオオオオオオオ!!!!

 

 

ラージャンはその大きな右の拳を振り上げて龍夜に突っ込み、龍夜の顔に拳を叩き付けようとしたが、龍夜はそれを見事に回避する。

そして龍夜はラージャンの腹を太刀を切り上げる。

するとラージャンは龍夜を掴もうとするが避けられ、龍夜はその後に腹、腕、後ろ足を太刀でラージャンの肉を引き裂く。

ラージャンはやがて毒になり、徐々に体力を奪われていった。

しかしラージャンもやられているばかりではない、ラージャンは物凄い脚力でジャンプすると、空中で物凄い速さで回転して龍夜に突っ込む。

龍夜は避ける事こそは出来たものの、ラージャンが落ちた衝撃で吹き飛ばされる。

龍夜が立ち上がる頃にはラージャンは地面に拳をめり込ませ、地面から岩を引き抜くと、龍夜に向かって思いっきり投げ飛ばした。

龍夜は岩をうまく避けるが、ラージャンが雷ブレスを撃つ。

龍夜は紙一重で避けるが、今度はラージャンが間合いを積めて龍夜を殴り飛ばした。

しかし龍夜は何とか持ちこたえる、そしてラージャンはまた龍夜に突っ込むが

 

 

 

 

 

 

ズボオォォォン!!!

 

 

───!?

 

 

ラージャンは一瞬何が起こったか理解できなかった。

龍夜との間合いを詰めたら一気に下に落ちた。

 

 

落とし穴だ

 

 

「さっきのハンターが仕掛けたんだろうが、助かった、怒り状態じゃねぇとこいつに罠の類いは効果ないからな。それじゃぁ苦しまずに、死ね」

 

 

龍夜はこのチャンスを逃すこと無く、ラージャンに斬りかかった。

顔の肉を引き裂き、角をへし折り、一撃一撃を殺すきでラージャンを斬り続けた。

ラージャンは怒りに狂ってか、または生きるためか、一刻も早く落とし穴から抜け出そうとする。

龍夜は攻撃の手を緩めない、するとさっきまで落とし穴から抜け出そうと足掻いていたラージャンがピタリと止まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

否、眠った。

 

 

「ッ!!」

 

 

龍夜は嫌な予感がした。

大型モンスターが、ただでさえ攻撃性の高いラージャンが敵の目の前で、さっきまで殺し合っていた奴の目の前で寝るか?

そんなことあるわけがない、あるとしたらこれは眠ったのではなく………………

 

 

 

 

 

───ブアッ

 

 

 

何やらさっきまで土砂降りと雷鳴の音でうるさかったが、その音が一瞬聞こえなくなり、暗かった景色は一瞬黒紫になったように見えた。

 

 

 

するとラージャンの回りには黒紫の菌が充満し始めた。

この個体は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「狂竜化」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続きます

 

 

 

 

 




今回も疲れたぁ
次回もまたみてください!!




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おうじさま

 

 

 

 

 

 

───ガラガラガラ

 

 

今我らの団は龍夜がラージャンの足止めしているお陰で逃げられている。

しかしレンジはラージャンの攻撃をもろに食らってしまい、気絶している。

加工屋の娘イモウトからはオッショさんと言われている竜人族の男と我らの団団長とイモウトは一番前の所にいた。

そしてイモウトは団長に自分を助けてくれたハンターの事は大丈夫なのかと聞いた。

 

 

「団長さん!あのハンターさんは!?」

「龍夜か!?龍夜なら大じょ………」

 

 

───バキ!バキ!バキ!

 

 

我らの団団長が龍夜なら大丈夫と言おうとした瞬間、後ろから木を貫いて何かが飛んでくる。

それは………

 

 

「がはッ!!」

「龍夜!?」

「ハンターさん!」

「龍夜!」

 

 

龍夜だった。

オッショさんと団長とイモウトは、その姿を見て驚きを隠せない。

龍夜は団長達が走る竜車を追い越して、地面に落ちる。

龍夜と団長達の目が合う。

 

 

「大丈夫か!?」

「とっとと逃げろ!!」

「そんなことよりお前さんが………」

「あのラージャンは狂竜化したラージャンだ!急げ!!」

「なに!?」

「チッ」

 

 

 

───グオオオオオオオオオ!!!!!!

 

 

今度はラージャンが回りの木々を押し倒し龍夜の目の前まで跳んでくる。

そして龍夜は太刀を横にしてラージャンを受け止める。

しかしラージャンに力で勝てるわけもなく、吹き飛ばされる。

龍夜は今だ逃げていない団長達を見て大声で逃げるようにいった。

 

 

「とっとと逃げろって言ってるだろ!!!!」

「それじゃぁハンターさんも死んじゃうよ!!!」

「そうだ!お前さんも………」

「逃げねぇと皆殺しになるぞ!!それにてめぇらが居ると邪魔なんだよ!!」

「…………分かった」

「え?」

 

 

すると団長がそう言って加工担当、オッショさんはポポを走らせた。

その行動にイモウトは呆気に取られた。

そして大声で龍夜を指さし

 

 

「団長さん!?ハンターさんは!?」

「…………」

「このままじゃぁハンターさんが死んじゃうよ!」

「…………」

「何で助けないの!?」

「……………」

「オッショさんも!ハンターさんがどうなってもいいの!?」

「…………」

 

 

イモウトの言葉にオッショと団長は何も答えず前だけ見た。

そんな団長達を見て、イモウトは何故あのハンターを助けないのか、幾度も聞いた。

しかし団長達は何も答えなかった。

 

 

「団長さんもオッショさんも何で何も言ってくれないの?これじゃぁまるで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見殺しにしてるようなもんだよ!!!!」

「…………」

「…………」

 

 

イモウトは何も言わない団長達に痺れを切らし、団長達の前に出た。

 

 

「!」

 

 

すると団長達の顔を見て固まった。

団長とオッショは両目から大量には涙を流しながら黙って前を見ていたのだ。

すると団長は口を開き

 

 

「俺も龍夜を助けたい、だがなぁ、俺らがあいつの何をできる?我らの団ハンターも手も足も出ずにヤられた。そんなモンスターに俺らが勝てるわけがない」

「ッ!」

「邪魔なんだよ、あいつにとって今の俺達は」

「…………」

「あいつは死にそうな時も必ず他人を先に助ける。そんな奴にとって俺達は邪魔にしかならないんだよ。我らの団ハンターも未だ意識が戻らん…………だがあいつはこんな所で死ぬようなやつじゃない」

「………はい」

 

 

我らの団団長、昔まだ龍夜がハンターになってすぐの頃、我らの団に入り、色んなところを一緒に旅をした仲間だ。

だからこそ分かる。

龍夜は何度も何度も他人のために傷付いてきた。

だからこそ団長は悔しい。

 

 

───龍夜の為に何かできたか?

 

 

───否

 

 

───龍夜を一度でも助けてやったか?

 

 

───否!

 

 

───龍夜を一度でも守ってやったか?

 

 

───否だ!!

 

 

 

自分の弱さと情けなさを団長は今も悔やんでいる。

何時も団長が龍夜の為に出来る事と言えば、生きて帰ってくることを願うしかない。

そしてイモウトも自分を助けてくれたハンターさんが生きて帰ってくることを祈った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっといったか……………なぁラージャン、苦しいだろ」

 

 

───グルルル

 

 

「なぁ、俺の話をきいてくんね?」

 

 

ラージャンに向かって話しかける龍夜は太刀をどういうわけか、地面に突き刺した。

しかし隙があるようで一瞬の隙もない。

 

 

「死ぬってなんだ?」

 

 

 

「心臓を貫けば死ぬのか?」

 

「頭を貫けば死ぬのか?」

 

「首を切れば死ぬのか?」

 

「血が全て無くなれば死ぬのか?」

 

「腹を切れば死ぬのか?」

 

「毒を飲めば死ぬのか?」

 

「息が出来ないと死ぬのか?」

 

「…………俺は違うと思うんだよ」

 

「死ぬってのは………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「生きることを諦めた時だ」

 

 

「さてと」

 

 

龍夜は地面に突き刺した太刀を引き抜き、ラージャンに向けて、ラージャンを見る。

ラージャンも龍夜を見る。

そして

 

 

「その苦しみを今終わらせてやるよ」

 

 

その一言で両者は動き出した。

先ずは龍夜がラージャンの拳を避けてラージャンの腹を貫く。

するとラージャンは龍夜の横腹を殴ろうとするが、直ぐ様龍夜は太刀をラージャンの腹から抜いて避けると、ラージャンの手首を切る。

しかしラージャンは龍夜の真正面に立ち、雷ブレスを0距離で撃つ、しかし龍夜は飛び上がり、ラージャンの眼に飛竜刀【葵】が突き刺さる。

 

 

───グオオオオオオオ!?

 

 

ラージャンは片眼に激痛が走り、あまりの痛みにもがきながら失った片眼を両手で押さえる。

そして生まれた一瞬の隙。

 

 

「あばよ」

 

 

龍夜はがら空きになったラージャンの首を一気に貫いた。

するとラージャンは急に声が出なくなり、そしてゆっくりと地面に倒れ、それはまるで眠るように眼を閉じた。

 

 

「…………大事なものは失って初めて気づく………か………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オエエェェェ………血へドかよ……」

 

 

龍夜は血へドを大量にはいた。

雨は止んだが、体の震えが止まらない。

左腕もまったく動かなくなってしまっている。

しかし龍夜はベルナ村に向かった、龍夜はいつ倒れても可笑しくない状況にある。

しかし龍夜はそれでもベルナ村に向かう。

そして龍夜は後悔していた、あの時後から俺も追いかけるなんて言わなければ俺はこんな苦労しなずにすんだのに、と心のなかで愚痴を吐くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「や、やっとベルナ村についた………誰か水…………」

 

 

龍夜はやっとベルナ村に付いた。

しかし龍夜はその光景を見てそこで立ち止まってしまった。

それは

 

 

「レンジさん、もう大丈夫何ですか?やはり安静に………」

「大丈夫です、お陰で助かりました」

「ガハハハハハ!それでこそ我らの団ハンター!」

「………助けてやれなくてすまない」

「オッショさん、そんな頭を下げないでください」

「レンジさん目覚めてよかったニャル」

「ワッハッハ、本当に無事で何よりじゃわい!」

「レンジ殿、無事で何よりです」

 

 

 

 

 

「…………これじゃぁ出るに出れねぇな………」

 

 

皆がレンジ=アインチャードの心配や手当てで手一杯だった。

龍夜はその光景を見て羨ましそうに笑うが、そのまま回れ右をしてどこかへ向かった。

 

 

 

 

 

龍夜が向かったのはボロボロのマイハウスだった。

布団の布はボロボロになり、壁は崩れ、蜘蛛の巣がたくさんあり、ホコリりだらけの部屋だ。

そんなマイハウスの固いベットに横になった。

 

 

「やっぱり汚い上にベットも固いねぇ………岩で寝てるみたい」

「ハンターさん?」

 

 

気づくと、マイハウスの扉から顔を少し出してイモウトが龍夜が居るかどうか確認すると、龍夜の元に駆け寄る。

 

 

「………加工屋の娘か………確かイモウトとか言われてる………」

「その怪我……大丈夫なの………?」

「ハッハッハ、片腕の骨がメチャクチャ粉々、あばらが5本折れて、足の骨が少しヒビが入ってる、そこら中内出血、背中が大火傷、あと気持ち悪い」

「………あの、…………さっきは助けてあげられなくてごめんなさい!!」

 

 

加工屋の娘、イモウトが龍夜の状態を聞くと、顔を真っ青にしながら謝った。

龍夜は少し溜め息を吐きながら、泣きながら謝っているイモウトを見ると

 

「そんなことかよ」

「うわーん!」

「何泣いてんだ?」

「泣いてない!」

「…………ハァー」

 

 

龍夜は固いベットから降りて、泣いているイモウトに近づくと、イモウトの頭を撫でた。

イモウトは何で龍夜が自分を撫でているのか疑問に思った。

 

 

「なぁ、泣きたきゃ泣けよ」

「泣いてない!」

「じゃぁてめぇの目から漏れてる水はなんだ?」

「こ、これは」

「…………」

「そのぉ~………」

「バカもん!」

「いた!?」

 

 

龍夜はイモウトにチョップした。

イモウトは涙を浮かべながらチョップされた頭を両手で押さえた。

 

 

「ガキが我慢すんじゃねぇ!!」

「だから泣いてない!!」

「泣いてんじゃねぇか!!」

「泣いてないってば!!」

「んだと~!?」

「ふん!」

「…………はぁ、そう言えば結局何しに来たんだよ」

「あ、…………その、さっきは……ごめんなさい……」

 

 

イモウトは何かを思い出したのか、また両目から大量に溢れる涙を両手で拭いながらヒクッヒクッ泣きながら謝りだした。

どうやらさっき龍夜をラージャンから助けられなかった事を気にしているのだろう。

しかしそんなイモウトを見て龍夜は溜め息を一つ吐きながら、また頭を撫で始めた。

 

 

「俺はさぁ、出来れば謝るより聞きたいことがあんだよねぇ」

「?」

「何かしてもらったときは、何だっけ?」

「!……その、助けてくれてあ……ありがとう」

「そう、俺はそれが聞きたかったんだよ」

 

 

イモウトは両目に浮かぶ涙を拭い、頭を下げて礼を言った。

そしてそんなイモウトの頭を龍夜はクシャクシャになるくらい乱暴に撫でてやった。

しかしイモウトは嫌がらず、逆に嬉しそうにしていた。

 

 

「えへへへえ、あ!そう言えば」

「あ?」

「ちとせちゃんがハンターさんのこと呼んでたよ!!」

「あ、忘れてた………後俺の名前は龍夜な」

「うん!」

「それじゃぁちとせのところオエエェェェェェ」

「ええええ!?」

 

 

龍夜はマイハウスから出ようとしたら思いっきり血が混ざったゲロを吐いて倒れてしまった。

いきなりの事でイモウトは驚き、泣き出してしまった。

 

 

「うわーん!!龍夜さんが死んじゃうよー!!」

「死なねぇよ、いにしえの秘薬飲まねぇと死ぬかも」

「うわーん!」

「………泣くなよ」

「泣いてない!!なに笑ってるの!」

 

 

龍夜は倒れながらイモウトを見て笑っている。

イモウトはからかわれた気がして怒った、しかしまだ龍夜は笑う。

 

 

「わりぃわりぃ、俺が死にそうになって悲しんでるお前が可笑しくってな」

「?」

「俺が傷付いたり、死にそうになると面白がる奴はたくさんいるからな、お前みたいな奴は久しぶりに見たわ」

「ぇ……」

「いやぁ、俺が苦しんでると皆笑うからよぉ、俺が苦しんでる時泣く奴なんてほとんど居ないからな」

「…………」

 

 

龍夜は笑いながらアイテムBOXからいにしえの秘薬を出して飲んで何とか傷を治す。

そしてまだ泣いているイモウトを慰めるように撫でた。

 

 

「もう泣くなって」

「…………龍夜さんは悲しくないの?」

「もうなれたしな」

「私は悲しいよ」

「お前は俺が苦しいとき悲しいんだな」

「うん、龍夜さんだけじゃないよ、おとうちゃんだって、オッショさんだって、我らの団の皆だって、ナグリ村の皆だって、皆大事な仲間だよ!」

「…………優しいなぁ、お前………」

 

 

龍夜はそう言いながらに頭を撫でで続けた。

自分を心配してくれる人がまだいるなんて、龍夜は嬉しかった。

するとイモウトは

 

 

「私、龍夜さんの王子様になる!!」

「ん?なに?王子様???」

 

 

なにいってるのこの子?25歳の大男の王子様になる?正気かこの子?やめて、そんな無邪気で可愛い笑顔を俺を向けないで!断れなくなるから!

 

 

そんな事を心の中で叫んでいる龍夜の事も知らず、イモウトはさらにこう続ける。

 

 

「前に絵本で読んだけど、王子様はお姫様を必ず守ってくれる、それにお姫様を必ず助けるんだよ!だから私も龍夜さんを必ず守って、必ず助ける!」

 

 

なにこの子!メッチャ可愛い!てか天使!!って違う違う

 

 

「そこはお姫様じゃないの?」

「龍夜さんは私の事を命がけで助けてくれた、だから今度は私が龍夜さんを守るんだ!」

 

 

あ、やっべ、嬉しくて涙出てきた

 

 

「おりがとなぁ、お兄さん嬉しい」

「うん!よかった!」

 

 

龍夜はあまりの嬉しさにイモウトをギューッと抱き締めた。

そんな嬉しそうな龍夜を見てイモウトも嬉しそうに笑いながら一緒に抱き締めた。

すると

 

 

「龍夜さん!やっと見つけました!心配しましたよ!!龍夜さんの武器だけが村の入り口にあって。近くに血が残っていて心配で……………何やってるんですかぁ~???龍夜さん」

「ん?あ、ネコ嬢ちゃん…………」

 

 

マイハウスの扉を思いっきり開けて入ってきたのはカティだった。

どうやら龍夜の武器だけがベルナ村の前にあり、近くには血が垂れていたので心配で探し回ったのだろう、そして何とか龍夜の血をたどってここまで来たのだろう。

そしてマイハウスの扉を開けると、そこでカティが見たのはイモウトと龍夜が二人で抱き締めあってる光景だ。

カティの目から光が消えて首を傾げながら笑顔を浮かべる。

何時もなら物凄く可愛いのだが今はガチで怖い。

さぁどうなる龍夜!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回につづく

 

 

 




書けました!!次回も見てください!
それとカティが何故龍夜の名前を知っているかは次回見れば分かります。



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貴方は私の物です

これはカティが龍夜のマイハウスに行く少し前のお話です。
見てください。




 

 

 

 

 

 

~カティが龍夜のマイハウスに行く少し前~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カティは村長さん達の方が少し騒がしかったので、カティは村長さん達の所に向かっている途中で血だらけに担った武器があった、それはよくカティに花の冠を作って持ってきてくれるあのハンターさんの太刀だった。

カティは急いで太刀を拾って、村長さん達の所に行った。

 

 

「村長さん!あ、我らの団団長さん!」

「ん?お前さんはたしか………」

「どうかしたのか?」

「あ、あのハンターさんの太刀が……」

「?あのハンター?」

「ん?お前さんの持ってる太刀は龍夜の………」

「龍夜?」

「だ、団長さん!龍夜さんの名前はカティちゃんには言わないようにと………」

「あ………」

「龍夜ってあの龍夜なんですか?」

「い、いや違うわよカティちゃん、ただ名前が同じ」

「そうだよ、それは龍夜さんの太刀だよ?」

「ちとせちゃん!?」

「でも龍夜さんまだ帰ってこない、一体何処に……心配…」

「確かに遅い……しかし武器がここにあると言うことはこの村のどこかに居るはずなのだが………」

 

 

団長が龍夜の名前を言うと、ソフィアが団長を黙らせて、話をそらそうとする。

しかしちとせがはっきりと言ってしまった。

それにソフィアは慌てる。

そして帰りの遅い龍夜を皆は心配する。

 

 

「すまない、隠すつもりは無かったのだが………」

「それがどうしたんですか?」

「ん?」

「あのハンターさんが【あの龍夜】だとしてもそれ以上でもそれ以下でもありません、私はただこれがあのハンターさんのか確認したかっただけです。それでは」

 

 

そう言ってカティは何処かに行ってしまった。

我らの団団長やソフィア、ベルナ村の村長はポカンとしてしまった、そしてマイハウスで寝ていたレンジと、その看病をしていたオッショさん達が出てくる。

 

 

「どうしたんですか?団長」

「いやぁ、龍夜もやるなぁ」

「まさかあの子があんな事を言うとは思わなかった」

「は、はい」

「?本当に何があった?」

 

 

レンジは皆の反応に何をいっているかさっぱりだった。

そしてカティはと言うと、地面についている龍夜の血を辿って太刀を持ちながら走る。

 

 

「ハンターさん、やっと会える、名前………龍夜って言うんだ。私は別に貴方が【あの龍夜】でも嫌いにならないのに。楽しみだなぁ、早く龍夜さんに会いたいなぁ」

 

 

そうしてカティは血を辿って龍夜のマイハウスについた。

 

 

「ここが龍夜さんのマイハウスかぁ、凄くボロボロ。今度綺麗にしてあげなきゃ、綺麗にしてあげたら龍夜さん喜ぶかなぁ。でもその前に龍夜さんに説教しなきゃ!こんなに私を心配させて、絶対許しません」

 

 

そうしてカティはマイハウスの扉を思いっきりあけた。

 

 

「龍夜さん!やっと見つけました!心配しましたよ!!龍夜さんの武器だけが村の入り口にあって。近くに血が残っていて心配で……………何やってるんですかぁ~???龍夜さん」

「ん?あ、ネコ嬢ちゃん…………」

 

 

 

 

 

何で?何で龍夜さんが知らない女の子と抱き合ってるんですか???それに何ですかその大怪我?また貴方は他人の為に傷付いてしまったんですか???と言うか何で私とは向かい合って抱き付いてくれないくせに何でその女の子はいいんですか?私よりその女の子を選ぶんですか?私は貴方の事がこんなに好きなのに、何故伝わらないんですか???何でその子を選ぶんですか?私よりその女の子の方が可愛いんですか?その女の子の方が好きなんですか?私をさんざん心配させておきながら他の女の子と一緒にいるなんて、絶対

 

 

 

 

 

 

 

許さない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~カティが龍夜のマイハウスに行く少し前~終わり

 

 

 

 

 

 

 

続きます




次回も書くので見てください!



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お姫様って男だっけ?

 

 

 

「ねぇネコ嬢ちゃん?」

「何ですか?」

「何でネコ嬢ちゃんも抱き付いてんの?」

「…………」

 

 

ぷいっ

 

 

かわええええええぇぇぇぇぇぇ!!!!

ぷいって!!ぷいって!!可愛いいいぃぃぃぃぃ!!顔反らしてるけど耳が赤くなってる!て言うか確り俺の腕に抱き付いて離れようとしてないところも可愛いぃぃぃぃぃ!!なにこの子!?さっきっから少し尖った耳がピコピコしてる!触りたい触りたい触りたい触りたい触りたい触りたい!て言うかナデナデしてあげたい!!

そう言えばイモウトも俺の腕に抱きついてるな。しかも何故か頬を膨らませてる。どうしたんだ?この子もこの子で可愛いなぁ。

ん?どうしたんだ?二人とも睨み合って?

 

 

「あ、そう言えば何で龍夜さんとイモウトさんが抱き合ってたんですか?」

「別にいいじゃん、それに抱き付いてきたのは龍夜さんからだよ」

「…………へぇ……」

 

 

ん?何か一瞬ネコ嬢ちゃんの目から光が………

気のせいだよね?何かネコ嬢ちゃんがこっち見てきた、物凄く恥ずかしいからやめて!

 

 

「…………」

 

 

ジーーー

 

 

「あの、ネコ嬢ちゃん?俺の顔に何か付いてる?」

 

 

身体中に包帯巻いといてよかったぁ、多分今俺の顔赤いわ、いや絶対赤い。

だってこんな可愛いネコ嬢ちゃんに見つめられるとかめっちゃ恥ずかしい………

?今度はイモウトがもっと強く抱きついてきたな、どうした?

 

 

「龍夜さんは私の事、好きですか?」

「そりゃもう」

「…………そうですか………」

 

 

何か今度はネコ嬢ちゃんが物凄く顔赤くなったた、トマトみたい、そしてかわええええええぇぇぇぇぇぇ!!!!やっぱりネコ嬢ちゃん可愛いよ!!可愛すぎる!!

あぁマイエンジェル、ネコ嬢ちゃん、可愛いよ………

 

 

「龍夜さん、龍夜さん!」

「あ?」

「龍夜さんは私の事好き?」

「当たり前だろ」

「えへへへぇ」

 

 

俺はそんな事を聞いてきたイモウトの頭をくしゃくしゃと撫でてやった。

イモウトは嬉しそうに笑いながら喜んでいた。

妹が出来たみたい。

可愛い………

この子の笑顔見てると守ってあげたくなる

 

 

「そう言えば龍夜さん!また約束破ったんですか!?」

「へ?」

「へ?じゃありません!!約束しましたよね!?」

「な、なんの事?」

「………へぇ、とぼける気ですか?」

「イエ、ワタシニハナンノコトヤラ………」

 

 

龍夜は物凄い片言でしらばっくれる。

カティが龍夜の目を真っ直ぐ見るなか、龍夜は顔をそらす。

カティは笑ってこそはいるが、目が笑っていない。

物凄く怒っている事がわかる。

龍夜は苦笑いして冷や汗を流しながらカティと目を合わせないようにする。

多分目を合わせたら怖くて本当の事を言ってしまいそうだったから。

と言うか龍夜はそれ以上にカティの目から光が消えた目が冗談抜きで怖い

それと青と緑が混じったカティの目の色が一瞬紅く見えた。

 

 

 

「?龍夜さんはカティちゃんとどんな約束したの?」

「いや、あのぉ………」

「ほ、本当に忘れちゃったんですか…………?」

「忘れるわけないじゃないか!!!!」

 

 

カティは本当に龍夜が約束を忘れてしまったと思い、目には涙を浮かべる。

龍夜はカティの泣きそうな顔を見てすぐに約束を忘れてない事を認めた。

イモウトは結局なんの約束なのかを聞く。

 

 

「結局龍夜さんとどんな約束をしたの?」

「前に龍夜さんが大怪我したときに、もう二度と大怪我するような無茶はしない。そう約束したのに、龍夜さんはまた無茶をしてこんな大怪我までして…………私怒ってるんですよ!?」

「ごめんなさい」

「絶対許さないんですからね」

「ハイ」

「罰として今日は私と一緒に寝てください」

「え?それは逆にご褒美………」

「分かりましたか!」

「ハイ!」

「じゃぁ私も一緒に寝る!」

「別に良いぜ」

「やったー!」

「だが我らの団の方は大丈夫なのか?」

「うん、あと4日くらいしたら我らの団の飛行船がこっちに来るんだって!」

「…………ん?ひとつ聞いていいか?」

「?」

「誰があのクジラのような飛行船を誰が持ってくるんだ?」

「それは分かんない」

 

 

俺は疑問に思った、我らの団は全員ここにいる。

ならばその我らの団の飛行船を誰が持ってくるのか。

ギルドの連中にあのよく分からないクジラ?の飛行船を飛ばすのは無理だろう、何故ならただでさえ見た目がアレなのに、中身なんぞもっと訳が分からない作りになっている。

そして何より、あれは書いて字のごとく飛行船なのだ。

アレはただ船に気球をつけただけの作りなのにどうして飛ぶのか本当に訳が分からない何てもんじゃない。

つか普通飛行船に【対古龍用兵器】、【撃龍槍】なんてついてねぇから。

あのクソジジイ何て

 

 

『ガハハハハハハ!カッコいいだろ?』

 

 

なにもカッコよくねぇよ!!

 

 

「我らの団の飛行船見たことあるの?カッコいいでしょ!!」

「あぁ!物凄くカッコよかったぜ!!」

「でしょでしょ!!」

 

 

イモウトの笑顔をみて一瞬で堕ちた龍夜であった

 

 

「そう言えば今日はもう遅いので寝ましょう………ね?」

 

 

そんな上目遣いで俺を見るな!!理性が!俺の息子がいろんな意味で元気になるからやめて!!

そんな顔を赤らめて俺を見ないでくれえぇぇぇぇ!!

そう言えばネコ嬢ちゃんて今日はなんか積極的じゃね?

まぁいいや

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回は龍夜とカティとイモウトが一緒に寝ます。

見てください!!

 

 

 




龍夜の見た目



レウスSシリーズの左半分が粉々になって、顔の半分が見えています。
目の色は血が混じったようなダークレッド
顔はほとんど包帯が巻かれていてよく見えない、はっきりいって怖い。
歯並びも悪くて歯が全部獣のような牙になっている。
髪型も肩まで長くボサボサ、寝癖が酷いせいである
包帯をしているのは、身体中に歴戦の傷があり見られるのが嫌だから(ほとんどはカティに怖がられるのが嫌だから)
細マッチョ
ただ右目は縦一文字の切り傷がある、右目は見える
昔、何かをやらかしてしまい、その名前は広まる。
カティちゃんに嫌われるのが嫌でカティには名前を言わないように土下座してベルナ村や我らの団の皆に頼んだとか頼まなかったとか…………


カティちゃんにガチのゾッコンラブ


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女と寝るときは少女だけにしよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……スー……スー……」

「……スー……スー……」

「………………」

 

 

今の状況を説明すると、身体中傷だらけで包帯で身体中ぐるぐる巻きにした25歳のヤバイ男の右手と左手に、ナグリ村の村長の娘のイモウトと、竜人族の娘のカティちゃんが俺の腕を抱き締めて寝ている

俺は何を期待していたんだろう?。

なんか…………こう、もっとドキドキハラハラするような状況を想像した俺をぶん殴りたい。

全力で。

あーー、くっそ、駄目だ、引き剥がせない。

てかなんか柔らかいな?何か当たってんのか?

どちらにせよ、確かライラさんがこの村に来るって風の噂で聞いたが…………まぁハンターがこの村に集合するのはライラさんのファンか、もしくはカティちゃんへの誕生日プレゼントくらいか………………そう言や、あいつの命日もそろそろかぁ。

墓参りくらいには行ってやるか。

 

 

「ん……龍夜さん…………行かない…………で…………」

 

 

そう寝言でカティが俺の腕に巻き付いている腕の力を強めた。

………………ん?んん?んんんんん?

そう言や慌ててて気づかなかったが、カティちゃん?何で俺の名前知ってるんだ?

………………まさか…………村の奴らが?土下座して頼んだのに?…………この頃俺がおとなしくなったからって調子のってんのかあいつら?………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

村の奴ら皆殺しにして死体をモンスターの餌にしてやろうか???

 

 

「ん?……ん、むにゃぁ、ふあぁぁ……」

「……んあぁぁ………?」

「ん?起こしちまったか?」

 

 

おっと、つい殺気が出ちまった。

二人は龍夜の殺気に気づき、あくびをしながら起きてしまう。

しかし龍夜は二人をもう一度寝かしつけた。

………………さて、二人も寝たことだし…………

龍夜はイモウトとカティに抱きつかれながらも、何とかしてベッドから抜け出した。

そして下半身部分だけに防具を身につけ、マイハウスの外に出た、すると龍夜が一番最初にとった行動が

 

 

「おい、ちとせ」

「…………ん、……」

「はぁ、完全に寝てやがる…………」

 

 

何故か自分のマイハウスの入り口で、体育座りをして壁に寄りかかり、小さな音だが、吐息が聞こえる。

それは龍夜のマイハウスの外で寝ているちとせだった。

その無防備な、ちとせを見て龍夜はツバを飲んだ。

 

 

「(…………てかこいつ、意外とデカイ……)」

 

 

龍夜が言っているデカイとは、女の…………口では言いにくいですが、胸です。

ちとせは、少し防具を緩めていて、防具の隙間から見えるちとせの胸を見ながら息を飲んだ。

仕方ないだろ!男なんだから!!男なら当たり前だろ!?

これまで見てきた龍夜の反応だと、龍夜はロリコンだと思われてる方々、龍夜は巨乳好きです。

とんでもねぇ事暴露してんじゃねぇ!作者!!

 

 

「…………ん、………りゅうや……さん……?」

 

 

龍夜に気づいたのか、ちとせの目が半開きの状態で龍夜の名前を呼ぶ。

まだ少しはだけた寝ぼけているためか、声は途切れ途切れ、しかも今にも消えてしまいそうな程に小さな声だった。

 

 

「りゅうや……さん…………りゅ……うや、さん」

 

 

そんな声で何度も龍夜の名前を呼んで、腕を龍夜の背中にまわし抱きつきながら、まるで猫が甘えるかのように顔を龍夜の腹に擦り付けて甘えてくる。

それが逆に龍夜の理性を刺激する。

 

 

「(俺のエンジェルはカティちゃん俺のエンジェルはカティちゃん俺のエンジェルはカティちゃん俺のエンジェルはカティちゃん俺のエンジェルはカティちゃん俺のエンジェルはカティちゃん俺のエンジェルはカティちゃん俺のエンジェルはカティちゃん俺のエンジェルはカティちゃん俺のエンジェルはカティちゃん俺のエンジェルはカティちゃん俺のエンジェルはカティちゃん俺のエンジェルはカティちゃん俺のエンジェルはカティちゃん俺のエンジェルはカティちゃん俺のエンジェルはカティちゃん俺のエンジェルはカティちゃん!!!!ホワアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!)」

 

 

 

「ん、……えへへへ…………りゅうや、さんのからだ…………ひんやりしてて…………きもちいぃ…………」

 

 

ちとせは幸せそうに笑いながら、さっきより強く龍夜を抱き締めた。

龍夜はと言うと

 

 

「■▼▼▽▽▽∋∋∋∋§℃¥*&⊃〒*&⊃↑↑↑↑↑」

 

 

壊れた。

ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!!

何がヤバイかって!?俺の男なら誰でも持ってるエクスカリバーが鞘から抜けそうなんだよ!!抜けて元気もりもりアンパン○ンになっちゃうんだよ!!

我慢しろってか!?仕方ないだろ!!ちとせのたわわな柔らかい胸押し付けられたらエクスカリバー元気になっちゃうよ!!

襲えってか!?誘ってんのか!?今すぐにブチ犯してやろうか!?

……………………そんな度胸も根性も俺には無いんだった………………はぁ

男として恥ずかしい。

つか良い匂いだな…………この匂い、俺の好きな─────の匂いだ…………………

そう心で呟きながら、龍夜の腹に抱きついているちとせの頭に軽く顔をグリグリと押し当てて、匂いを嗅ぐ。

ちとせの白い肌が少し紅くなっているのは気のせいだろう。

………………もっと嗅いでいたい…………つか寝みぃ、このまま寝ても良いよな?

………………まぁいっか。

龍夜はちとせを抱いて、そのまま眠りに付いた。

 

 

「………………えっと…………」

 

 

ちとせは途中で起きてました。

 

 

「(少し龍夜さんに甘えてみたくて抱きついたけど…………)」

 

 

ちとせはちょっとした出来心で龍夜に抱きついた結果、まさか抱き返してくるとは思わず、龍夜に抱きつかれたまま固まってしまった。

しかも自分の髪の匂いを嗅いでくるとは思わず、あまりの恥ずかしさに顔を紅くした。

 

 

「…………龍夜さんて…………ひんやりしててきもちいぃなぁ…………」

 

 

ドクン…………ドクン…………

 

 

「(龍夜さんの心臓の音………………)」

 

 

ちとせは寝ている龍夜の胸に耳を当てる。

すると胸からは龍夜の心臓の動く音がゆっくりと、ドクン、ドクン、と聞こえる。

そして今度はちとせが龍夜の首に腕を回し、自分の胸に龍夜の顔を押し付けた。

 

 

ドクン、ドクン、ドクン、ドクン

 

 

「聞こえますか?龍夜さん、私今、物凄くドキドキしてるんです。貴方のせいなんですよ?」

 

 

しかしちとせは小柄で、龍夜の体は大きく、そのためちとせでは抱えきれず、ゆっくりと後ろへ倒れ込んでしまった。

それはちとせが龍夜を押し倒すような状態になってしまった。

そのまま龍夜の寝相でちとせは龍夜の抱き枕にされた。

龍夜はさっきより強くちとせを抱き締めた。

 

 

「(やっぱり男の人の力って強いんだ…………この時間がずっと続けば良いのに………………)」

 

 

そう心で呟きながら眠りに付いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝になって龍夜とちとせがカティちゃんとイモウトに怒られたのはまた別のお話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続きます。

 

 

 

 

 







次回はライラさんの過去です!!
実は龍夜とライラさんは過去に会っていた!
そして過去に何があったのか!?
昔の龍夜も出てきます。
次回も見てください!!



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過去の俺と私
嘘しか付けない嘘つきな私の信じる人


過去編です





 

 

私の名前は無い、家族も居ない。

だからどんな職についても心配する人も、止める人も居ない。

私はハンターになりたかった。

誰もに信頼される、正義のハンター。

でも私は嘘つきだ。

嘘をついて生きてきた。

家族は山賊に自分以外は殺されたと嘘をつき、自分の名前はライラ=カナリエルと嘘をつき、嘘をついて生きてきた。

いや、誰も信用できなかった。

私はハンターを始めた二年がたって、上位ハンターのランキング?でよく2位や1位をとっていた。

幸いにも、私はハンターの素質があったらしい。

そしてモンスターを倒せば誰もが喜んでくれた。

私はそれがとても嬉しかった。

ある日の事だった。

丁度私が居た集会場に貴族が来た、それは貴族のなかでも王族に匹敵するほどの地位を持つ貴族だった。

どうやら何か依頼を頼みに来たのだろう。

その貴族は私を見て急に

 

 

「惚れた!私と結婚しろ!!」

 

 

聞いた?結婚しろ?嫌に決まっている。

しかも命令してきている、私はすぐに断ってクエストカウンターにいってクエストを受けて狩りに出た。

そしていつも通りモンスターを殺す毎日。

そんなある日の事だった。

 

 

「お前いつもソロで狩りに行ってるけど………………大丈夫なのか?」

「あんたに関係あんの?」

「…………すみません」

「あんただっていつもソロで狩りにいってんじゃん」

「いや、その…………」

 

 

なんか変なのに絡まれた。

正直ウザい、声も小さいし、なんだかハッキリしない奴だ。

しかも女だから、と言う理由で心配してるなら余計なお世話だ。

てか本当にウザい。

なにこいつ?本当になんなの?

またプロポーズだったりアプローチだったりナンパだったら無視しよ。

 

 

「なんか苦しそうだったから心配したんだが………………」

 

 

……………………「は?」

なに言ってるの?こいつ。

本当に訳の分からない奴に絡まれたなぁ。

 

 

「意味わかんない」

「………………」

「………………」

 

 

どうしよう、喋ることが無くなった。

………………まぁいっか。

 

 

「一緒に狩り行く?」

 

 

ってなに言ってんの私!?

自分でもわけの分からないこと言ってる。

これじゃぁまるで本当に一人で狩りするのが苦しいみたいじゃん。

 

 

「!!行く!」

 

 

………………なんだろう、後ろに犬の尻尾が見える。

犬の尻尾をブンブン振っているように見える。

………………はぁ、本当に何で一緒に狩り行こうなんて言ったんだろ………………

……………………はぁ、とっとと狩り終わらせてこの人と縁を切ろう。

うん、それがいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜこうなった?

私はブラキディオスをあの男と狩りに来た、なかなかブラキディオスが見つからないから二てに別れて探すことにした。

そして見つかったのは

 

 

 

 

 

 

 

顔がない体だけのブラキディオス。

よく見ると喰われたあとにも見える。

そんなことできるモンスターは居ない。

イビルジョーでもそんなことは無理だ、そんなことすればイビルジョーの腹が爆発性の粘液でぶっ飛び、近くにイビルジョーの死体があるはず。

ならば一体どんな………………いや、イビルジョーならばできる個体が居た。

これは上位の個体のブラキディオス。

ならば、私の勘が正しければ………………ヤバイ!あの男が──────

 

 

「ガッ!?」

 

 

腹を何か固いもので殴られ、私は空中を飛ぶ。

そして地面に叩きつけられた。

この攻撃はモンスターの攻撃ではない、ならば答えはひとつ。

 

 

「まったく、愚かな女だ」

 

 

ハンター!しかもあの時の貴族まで!?

どうしてこいつらがここに……………………まさかとは思うが…………

 

 

「いやぁ、お前と一緒のパーティーの男が教えてくれたお陰で、お前をすぐに見つけて殺すことができる」

「………………」

 

 

分かっていたよ、でなきゃこんな二手に別れてすぐに襲ってくるはず無い。

しかもこの火山のフィールドは他と比べて比較的に広い。

そう簡単に人を一人見つけるなんて不可能に等しい。

まぁ裏切られるくらい分かってたし、集会場のハンターは私の事を嫌ってるみたいだしね。

貴族の方はどうせハンター達や護衛の目の前でフラれたのが気にくわなかったんでしょ。

 

 

「まったく、貴族の私の誘いを断らなければこんなことにならなかったのに」

 

 

理不尽ねぇ、たかがそのくらいでキレるとかガキか、あんたは。

 

 

「お前のような愚か者は体に教えるのが早い」

 

 

そういってハンター達が私の防具を無理矢理はがし、私はインナーだけになった。

正直悔しい。

たかがこんなやつらに私が思うがままにされるなんて。

そもそもあの男と一緒に狩りなんて行かなければ、少しでもこいつなら信じられると信じた私が馬鹿みたい。

まったく、馬鹿みたいじゃない、私は本当に馬鹿な奴だ。

そしてハンター達が私のインナーをハンターナイフで引き裂こうとしたときだった。

 

 

 

 

ハンターの一人が消えた。

否、空中に“殴り飛ばされた”のだ。

そして殴り飛ばされたハンターが落下して地面にハンターの死体が叩きつけられると、それは手足がネジ切れ、上半身の防具の真ん中に大きな拳の跡と、その跡の回りからヒビがはいっている。

最早これは人と言うより肉塊と言った方がいいだろう。

それを見た貴族と貴族に雇われただろうハンター達が混乱する。

しかしハンター達はすぐに武器を構える。

しかし気づけば貴族が居なくなっていた。

するとハンターの一人に貴族の“首だけが”飛んできて、ハンターの一人が避けきれず、顔に貴族の首がぶち当たり、首がもげる。

 

 

 

作者の豆知識、大人の首から上の顔の部分はボウリングの玉と同じ重さだ。

つまり首がもげたハンターにはボウリングの玉が当たったと同然なのだ。

本編に戻ります。

 

 

全員は首が飛んできた方を見るが、なにもいない。

しかし、気づけば何か、何かが後ろに居る。

ハンター達はゆっくりと後ろを見た、それは

 

 

激昂したラージャン

確かこの激昂したラージャンはこの辺りを縄張りにして居ると噂で聞いた程度、まさか本当に縄張りにして居たとは思わなかった。

本当に今日は最悪の日だ、ハンター達は武器を持つのも忘れて一目散に逃げてるよ。

はぁ、そっちに行ったら

 

 

 

 

 

 

グオオオオオォォォォォォォォ!!!!

 

 

 

耳痛ッ、あれは怒り喰らうイビルジョーかぁ、多分二頭ともG級個体だね。

これは詰まれたな。

防具なし、武器なし、お守りなし。

…………パーティーなしのソロ。

あぁあぁ、全員食べられちゃったね。

ん?

あ、

 

 

ブチッベキバキ

 

 

 

「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!」

 

 

足を一本引き千切られた。

あまりの激痛に、喉が潰れるくらい大きな声で叫んだ。

両目からは涙が溢れる。

そして今度はイビルジョーがラージャンに攻撃してきた際に腕が喰われた。

そのまま私は吹き飛ばされた。

もう痛みすら感じない、絶望のドン底に叩き落とされた気分だ。

血も止まらない。

目の前ではG級固体のモンスター二頭の縄張り争い。

どちらが勝とうと私は餌になるのが目に見えている。

死ぬのか、随分呆気ない。

………………本当に嫌になる。

こんな嘘だらけの私が

 

 

 

泣きながら助けを求めるなんて。

私はいつの間にか恐怖と絶望で、身体中震えている。

歯がガチガチとぶつかり合う。

涙が止まらない。

体も動かない。

怖い、痛い、誰か、誰でもいい、助けてくれ、嫌だ死にたくない。

誰か、誰でもいい、頼む、何でもするだから、誰か…………私を、助けてくれ。

私は心の中で一瞬、私を襲ってきたハンターでもいいから助けてくれと、願ってしまった。

情けない、自分を襲ったハンターにさえ助けを求めるなんて、情けない。

でも、情けなくてもいい、誰か、助けてくれ。

来るはずもない、助けなんて、それでも助け求めた。

するとイビルジョーが龍ブレスを拭いた。

怒り喰らうイビルジョーは普通のイビルジョーに比べて龍ブレスの範囲が広がる。

つまりこのままでは私に当たる。

今この状況で龍ブレスなんて当たったら即死だ、いや、骨すら残らないだろう。

私は必死で抵抗した。

しかし体は動かない。

抵抗してもまったく意味がない。

あぁ死んだ。

そして物凄い速さで近づく龍ブレスは何故か私にはゆっくりに見えた。

だけどそれがかえって恐怖に変わった。

私はあまりの恐怖に目を瞑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ?

痛くない、死んだから?

違う、腕と足が痛い、生きてる。

?じゃぁなんで?

 

 

「ゲボァ………」

「ぇ…………」

 

 

ビチャヂチャと紅い液体が大量に溢れている。

口からも、目からも、顔からも、腕からも目で見える限り全ての部分から紅い液体が溢れている。

防具の上半身が完全に無くなり、紅黒い眼が禍々しく光っている。

それはまるで鬼の眼。

それが一緒に狩りに来たあのハンターだと気づいたのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あのハンターが、G級個体のイビルジョーとラージャンを殺した後だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 

 

 




まだまだ過去編続きますよ!




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初めてのバカ

 

 

 

、 

  私

  は

    死

    に

    た

    か

    っ

    た

    の

    だ

    ろ

    う

    か

    ?

      そ

      の

      答

      え

      が

        返

        っ

        て

        く

        る

        こ

        と

        は

          

 

 

 

 

 

 

 

 

          な

          か

          っ

          た

 

 

 

 

 

 

 

 

§

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ここは…………竜車……?……ッ、痛い……」

 

私は気がつけば竜車の中にいた。

前には私と一緒に狩りに来たハンター。

私はこいつに………………ん?私の服装が変わって…………

 

「お、目覚めたか、インナーはビリビリだったから…………ん?太刀なんて構えてどうし…………」

 

私はそのままハンターを太刀に鞘をつけたまま何度も何度も何度も殴った。

 

「えっ?ちょっま」

 

私はそんな言葉を無視して殴った

 

「待て!落ち着け」

 

知ったことか、私の生まれたときの姿を全てこのクソ野郎(命の恩人)に見られた。

最悪だ。

 

「待ってください、本当に死んでしまいます」

「知ったことか」

「あ、これ完全に殺さ」

 

私はこのハンターが言い終わる前に太刀を降り下ろしてぶん殴る。

鞘にはハンターの血がベットリとついた。

汚い、帰ったら洗おう。

さて、このクズの死体をどこに埋めるか。

 

「死んでねぇ!!」

「思考読むな、死ね」

「あ、ごめんな」

 

私はまたこのハンターが言い終わる前に太刀でぶん殴る。

こういう奴は絶対反省しないタイプだ。

 

 

このハンターの思考

 

 

ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい

 

 

ひたすら謝っていた。

 

 

マジでごめんなさい、もう言い訳とかなんにも言わないんでマジでごめんなさい、何に怒ってるのか知らないけどごめんなさい、もう本当に勘弁してください、土下座して頭地面に擦り付けてデコから血が出るまで擦り付けるんで、本当にごめんなさいマジでもう勘弁してください、お願いします、三途の川わたっちゃいます、本当に死んでしまいます。

あ、なんかお花畑の先にある川でお婆ちゃんが手を振ってるのが見える。

 

「このっ…………あれっ?」

 

ライラは急に体制を崩し、床に倒れ、糸の切れた人形のように動かなくなった。

 

「?大丈夫か?おい?おい、おい!」

 

いくら呼び掛けても返事をしない。

ハンターは急いで村に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

△▼△▼○△▼△▼

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ここは……?」

「ここはユクモ村です」

「貴女は」

 

気づけばそこは知らないベットに知らない部屋、そしてその横ではユクモ村の村長が座っていた。

 

「驚いたわ、まさかあの【孤独の龍夜 無門】さんが誰かと狩りに行くなんて。しかも誰かを救うなんてねぇ」

「…………」

 

私はユクモ村の村長の口を疑った。

【孤独の龍夜 無門】

自分の兄を殺し、自分をハンターにしてくれた、言わば師匠とも言える存在、かつてのG級一位の隙を見て殺し、他にも大勢のハンターを殺し、そのすべてをモンスターとの狩りでの最中に、モンスターに殺された、と嘘をつくような外道。

それから皆から避けられ、嫌われ、どんな上位の高難度のクエストも独りで受け、独りで生き、それからも独りで強くなった男。

皆は口々に

 

クエストで死ねば良い

 

何で生きているんだ

 

化物

 

人間とハンターの恥さらし

 

キチガイ

 

人間の愚図

 

ハンターの面汚し

 

愚痴ばかり、どれだけ頑張ろうとも誰も褒めてはくれない。

どれだけ悲しんでも誰も助けてくれない。

どれだけ苦しんでも、怪我をしても直してくれる人も見てくれる人もいない。

腹が減っても、誰も飯を作ってくれない。

例え死んでも、誰も心配してくれない。

まるで私のように…………

しかし、それも仕方ないと思う、これだけの人を殺し、親族を悲しませたのだ。

しかし、そんな外道が普通、G級個体相当のイビルジョーやラージャンから私を助けるか?

少し疑問に思ったが、本人に聞けば早い。

ユクモ村の村長に龍夜がどこに居るか聞くことにした。

 

「さぁ?でも、貴女も知ってるのね。あの人は本当は優しいのに」

「…………村長も助けられたことが?」

「えぇ…………私が近くの村の交流に行ったときに見たこともないモンスターに襲われていた私を庇って龍夜さんは顔に大きな傷をおってしまった」

「………………」

「龍夜さんは本当に自分の兄や師匠を殺すような人じゃないと思います」

「………………一つ良いですか?」

「なんですか?」

「龍夜さん…………名前だと思っていましたが、それが彼の姓なら…………龍夜さんの兄って……………」

「えぇ、貴女が想像してるとおり、龍夜さんの兄こそ伝説の名高い英雄にして、G級一位と互角と言われた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【モンスターハンター】龍夜 時衛門

 

 

 

 

 

 



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会議


遅れて申し訳ない!!!!
それではどうぞ!


 

 

俺は昔、悪から皆を護る

 

 

 

正義のヒーローになりたかった。

 

 

 

でも、正義のヒーローになるってことは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悪を護る事ができないって

 

 

 

 

ことになる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待ってくれよ師匠!」

 

男はただ走った。その先には何十にも腕を鎖で縛られた少年の師匠と思わしき女性が立っていた。

女性は男に気づいたのか、後ろを振り向くと、笑っていた。

しかしその前では異常なまでの兵士が弓、バリスタ、ボウガン、銃、ランス、それは夥しい程の武器が【たった一人の女性】に向けられていた。

「龍夜」

男の名前を言ったその刹那、遠距離の武器の夥しい程の槍、バリスタ、ボウガン、矢、が女性に向けて発射された。

女性は死と言う恐怖が無いのか、顔色一つ変えずに龍夜と言われる男を見て笑っていた。

 

「やめろおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

男が叫んでも発射された武器が止まることはない。

そして夥しい量の武器が女性に突き刺さる。

男が女性の元に来るときにはもう女性は…………

百人は下らない兵士たちは喝采を上げ、笑い、喜び、嬉しそうにする。

そう、それは

 

 

 

悪を討ち取ったかのように。

 

 

 

「あ……あぁ……師匠、師匠!……何で……何で俺を残して………俺……まだあんたに伝えてねぇのに……ありがとうって………今まで………あんたの事が

 

 

 

 

 

 

 

 

好きだって………言えてねぇのに………ッ!」

 

そして男は叫んだ。

その叫び声は天地を揺るがせた。

そしてその叫び声は兵士を恐怖させた。

 

 

 

 

もし、この人が

 

 

師匠が悪党だと言うなら

 

 

師匠を殺したお前らが正義なら

 

 

もし、こいつらが正義のヒーローと言うなら

 

 

俺は

 

 

 

 

 

 

 

悪だ

 

 

 

 

「テメェラ全員ユルザネエ"エ"エ"エ"エ"エ"エ"エ"エ"エ"エ"エ"エ"!!!!!!!!!!!!!!!」

 

男は眼から血を流し、その殺意は百人は下らない大勢の兵士を恐怖させた。

そして男は大剣を兵士に向けて…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▶▷▶▷▶▷

 

 

 

 

 

「なぁ」

「なぁに?」

「なにやってるの?」

「G級会議」

「じゃぁその手に持ってる

 

 

 

メスとチェーンソーはなにかなアアアアアアアア!?!?」

 

俺はなぜかG級会議に無理矢理連れてこられ、あげく酒場のマスター、また元G級ハンター。

その酒場のマスター(と言うなの解体狂)が、俺を縛り上げて腹にメスとチェーンソーを当てている。

この酒場のマスターはハンターやってたときもモンスターを好んで解体してたらしく、と言うか解体するためにハンターやっていたらしい、兎も角解体大好きの解体狂なのだ。

G級ハンター時代二つ名が【解体狂】とか言われてたらしく兎も角未知のモンスターを見ると解体しなきゃ落ち着かない性格。

ハンター時代は一日【少なくとも】十体のモンスターを捕獲して解体してたとかなんとか。

もうある意味病気だ。

なぜか俺を解体したいらしく、メッチャ嬉しそうな顔で俺を解体しようとしている。

回りのG級ハンター(殆ど来てないけど)は見て見ぬふりだ。

 

「お願い誰か助けてえええええええええ!!!!」

「じゃぁ俺と一緒にセ○クスしてくれるか?」

「死んでもごめんだクソッタレエエエエエエエ!!!!」

「俺はいつでも待ってるぜ!!!!」

「キモいわガチホモガチムチ野郎がアアアアアア!!!!」

 

そこには屈強な鍛え上げられた筋肉(要するに細マッチョ)な2メートルはあろうかと言う背丈のイケメンハンター(ホモマッチョ野郎)。

古龍、G級個体のダレン・モーランの防具、残陽・真防具を(なぜか下半身だけ)身に付けた、こいつこそが【半裸】でラオシャンロン亜種を討伐し、【半裸】でナナテスカトリを討伐した

半裸の英雄(ホモ)】だ。

 

「おい助けろ大長老ううううううう!!」

「グー、グー」

「寝てんじゃねぇぞ老いぼれジジイイイイイイイイイ!!!!」

 

龍夜は大きく長いテーブルの奥に大長老が座って寝ていた。

一応大長老は元G級ハンター。

 

「ナグリ村の武器は世界一イイイイイイイイイイ!!!!!!」

「うるせぇ!シュト○ハ○ムもどき!!!!!!」

「俺の筋肉も世界一イイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!!!」

「だからうるせぇ!!」

「龍夜の五月蝿さ宇宙一イイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「表でろやナルシスト」

 

この【全裸で天井に立っている】男は、G級5位、アーム、姓は無いらしい。

何故に天井に立っているかと言うと、足の指の力と、踵を大理石で出来た石にめり込ませているため立っている。(今は踊っている)

こいつは主な武器は鉄で出来た短刀か拳。こいつはモンスターの素材で出来た武器を使えばG級3位にまで上がれると噂されるが、自分は拳王になりたいらしい。

しかし、音もたてず、気配を完全に消し、影から潜み、短刀でモンスターの頚を切断する姿はまるで忍だ。

全裸なのは、…………自分の立派な男になら誰にでもあるエクスカリバーを皆に見てもらいたいと言っているとんでもない露出狂。

二つ名は【忍】

しかも狩りをするとき以外は基本うるさい

 

「…………うるさい……」

 

『ピタッ』

 

ほんの小さな、本当に小さな声。

蚊の鳴くような本当に小さな声だった。しかしその小さな声でその場にいた(説明してないG級ハンターも合わせ)(ナシュエルカ以外)ハンターが全員動きが止まり、さっきまで五月蝿かった会議の場が見る影もなく静かになった。大長老は寝ていたが、すぐさま起きてイスから降り、正座して顔を青ざめている。

 

(大長老の正座初めて見た)

「なにか……あった…………の……?」

 

それは天使ごほんごほん!それはサラサラの綺麗な銀髪の髪を腰まで伸ばし、その銀色の透き通った綺麗な瞳。

年は十代に見えるほど、背が小さく、幼い。そして可愛らしい顔に小さい唇。

少女はたった一人にしてダレン・モーランとジエン・モーランのG級個体を同時に討伐した少女。

二つ名を【銀終(ぎんつい)

名前は昔一緒にナシェエルカと狩りに行ったときつけてもらったらしく、ヒト(←名前)らしい。

 

「何でもないよぉ。飴食べる?」

「わぁ、…………ありが……とう……」

 

近くにいた【千世】のシライ=ルドラインが、ヒトに飴をあげると、ヒトは嬉しそうに飴を食べた。

ヒトはG級でありながら、普通にモテる。

言っちゃ可笑しいが、G級は普通の人間が人間じゃない。と言うか変わり者ばかり。

ましな人間と言えば【番犬】ジェラル=チャルネルドと【雷神王】くらいだ。

唯一人間とまともに話をできる人間だ。

そもそもこの時期はどうもG級が【多い】。今までの歴史上でも最高が三人。なのにこの時期に限って十五人【も】G級ハンターが出るのは世界がひっくり返るほどの事なのだ。しかしその分問題も多い。

そもそもG級ハンターとは、その神に近い力を手に入れる引き換えに人間性を失った者ばかり。

精神が可笑しかったり。多重人格だったり。オカマやホモだったり。

しかしこれら全てはその己の人知を越えた力を制御するためにしているため、G級ハンターの【本当の性格】はG級ハンター以外誰も知らない。

特にナシェエルカ。

彼女は中でもずば抜けて【不思議】だ。

またそれと同時にずば抜けて

 

 

 

 

 

 

最強だ。

 

G級二位【雷神王】も、ナシェエルカの領域の【階段】すら踏み入れることが出来ていない。

圧倒的力、故に最強、故に

 

 

 

 

G級一位なのだ。

 

「Zzzz…………」

 

そして、ヒトの隣でいつもG級会議の時は寝ている。

まぁG級ハンター同士の喧嘩=国家の戦争と言っても過言ではない。

しかし、ナシェエルカを不用意に起こせば死ぬのは確実である。故にG級ハンター同士の喧嘩は未だない。

 

「で?俺を呼んだ理由は?俺まだ上位ハンターなんだけど」

 

 




まだまだ続くので見てください!!!!


感想も待ってます!

小説家になろうで【LIFE◆guard】書いたので、そちらも見てください。


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さぁ!オストガロア狩りに行こーよ!

 

 

 

 

 

キシャアアァァァァアアアアア!!!!

 

 

 

「………………」

 

龍夜、おうち帰る。

 

龍夜の前に居るのは、その金色に輝き、また悪寒が走るように恐ろしく、目玉をギョロギョロと動かし、その尖った禍々しい嘴、その嘴の奥には無数の牙がある。

 

それは無数の竜の骸が堆く積みあがった「竜ノ墓場」に潜む異形の超巨大古龍。

死骸の山の中で蠢く姿から「骸龍」と称され、『怨嗟の慟哭』、『奈落の妖星』等の異名を持つ。

ココット山の麓や古代林周辺に伝わる伝承では「双頭の骸骨龍」と呼ばれ、

山の如き胴体から骸のような頭蓋を備える一対の長大な頚を生やした怪物とされる。

この外観がとある地方の伝承に登場する特異な龍を彷彿させるものであったことから

一時期はハンターズギルドから『双頭の骸』とも呼ばれていた。

しかし、伝えられていたその姿と特徴があまりに現実的には考えにくいものであったために

以前はその出現が噂として流れても、与太話としてまるで取り合わないハンターや研究者も少なくなかった。

貪欲なまでの捕食欲求を持ち、出現地域一帯のモンスターの悉くを貪り尽くすことで

現れた地の生態系に壊滅的なダメージを与える。

正体こそ判明していなかったものの、目撃情報自体はかねてよりあらゆる地域で存在しており、

粘液らしきものを用いてモンスターを絡め取る生態が確認されていた。

捕食領域は極めて広く、探査船や飛行船、果ては沿岸部の村々にさえも被害報告が存在しており、

『一夜にして幼子を含めたほぼ全ての村人が貪り尽くされた』という凄惨な記録も残されている。

いや、現実に今俺の目の前には、つい先程まで(・・・・・・)あった、大きな村の瓦礫が散乱している。

………………次いでに大勢の人間の、体の一部(・・・・)も散乱している。

他にもまた、捕らえた獲物やその一部を自らの巣に持ち帰る性質が確認されており、

骸龍の棲家となる洞窟には捕食された数多の生物の骨や死骸が散乱している。

潜伏が確認された地下洞窟に『竜ノ墓場』の名が与えられたのは、この光景が由来である。

その正体は、古龍種の中でも群を抜いて異様と言うほかない。

その散乱している死骸の中にはハンターや、人間の死体もふくまれている。

外見的な特徴としては、海生軟体動物を思わせる超巨大な頭部、そして一対の「触腕」が挙げられる。

天に立ち昇る柱の如きスケールの触腕はそれそのものが恐るべき凶器であり、

振り下ろせば大地を揺るがす衝撃と共に獲物を叩き潰し、地中から突き上げれば地面ごと獲物を吹き飛ばす。

時には直接獲物を絡め取るようにして捕獲してしまうこともある

厄介なのは、その捕食した生物(モンスター)の能力を使うことができる。

例えば【爆鎚竜】ウラガンキンの顎固い骨塊から繰り出される凄まじい破壊力。

そして【斬竜】ディノバルドから繰り出される大規模な爆炎を巻き起こす骨塊。

【爆砕】 ブラキディオスから造られる爆発性の粘液纏った骨塊。

【海竜】ラギアクルスから発生させる激しい電撃の骨塊まで。

しかも、今の龍夜の前に居るのは、捕食形態と呼ばれ、本格的に獲物を殲滅しにかかる極めて危険な状態である。

捕食形態に移行したオストガロアは本体に宿した超膨大な龍属性エネルギーを解放し始め、

全身から赤黒い稲光が迸り、周囲一帯に粒子を発生させるほどの龍属性エネルギーが発露するようになる。

しかも触腕が多大なダメージを負わせないで最初から捕食形態と言うことは、おそらくG級のオストガロア。

何より触腕先端から放出する物体は粘液から龍属性エネルギーに転じ、

溢れ出るエネルギーを光線の如く連続で照射し、前方一帯を巻き込む大規模攻撃を繰り出す。

そしてこの捕食形態における最大最強の攻撃が、『瘴龍ブレス』と呼ばれる離れ業である。

口内に集約したエネルギーを超極太の龍属性ビームとして開放するこのブレスは

広大な洞窟の天井全体を超巨大骨の残骸ごと跡形もなく吹き飛ばすほどの驚異的な破壊力を誇り、

そのまま周囲を薙ぎ払うことで並み居る障害物や外敵を悉く滅却してしまう。

あまりの威力からオストガロアの巨体をもってしても後退を余儀なくされるため、

発射直前に触腕を地面に食い込ませて本体を固定させることで反動を軽減する。

上記の通りかねてより神出鬼没に出現し、粘性を持つ体液で獲物を捕獲する姿が目撃されていたが、

此度は古代林深奥に出没したことが確認され、多様な生物を内包する古代林の生態系が崩壊する恐れがあった。

更に古代林近辺の飛空艇消失の原因は飛行艇を餌と認識したオストガロアの捕食行動と判明、

緊急事態と見た龍歴院とハンターズギルドは、この種の撃退・討伐を最優先事項と決定した。

 

 

 

………………だがよ

 

「そんな重大中の重大問題を全部俺に押し付ける、しかも相手はG級のオストガロア。しかもあの【崩竜】ウカムルバスと【覇竜】アカムトルムも捕食対象にするとんでもない化物中の化物。………………もうやだ、龍夜、おうち、帰りたい…………てかオストガロア討伐すんのこれで二回目なんだけど、しかもこいつは今討伐しねぇと生態系ぶっ壊れるし、しかもこの先の村には恩がある…………仇で返すわけにはいかねぇし…………てかあいつの近くに転がってる死骸ってヤマズカミじゃね?うわー天然記念物喰ってるよあいつ」

 

龍夜はそんな弱音?を吐きながら、バルク装備(下半身だけ)に、上半身は包帯グルグル巻きのミイラ。

武器の太刀はG級個体バルファルクの素材をもとに造った太刀。

全てあのホモ(半裸の英雄)がレンタルしてくれた。

 

(伝説の古龍の装備のレンタルとか聞いたことねぇよ!しかも装備は下半身だけ!!つかレンタル料が体とか、………………はぁ、帰っても俺死ぬのか…………いっそオストガロアに喰われようかなぁ、かといって死にたくねぇし、レンタルしてもらえなきゃ俺が持ってるのは上位の素材で造られた装備と武器しかねぇし、こいつの前じゃ無意味なんだよなぁ、上位の武器も装備も…………はぁ…………………)

 

「銀終ちゃんの寝顔かわいかったなぁ」

 

キシャアアァァァァアアアアア!!!!

 

「うっせぇ!タコかイカかかも分からない中途半端なタコイカが!!!その内ヤマズカミ擬きっつうぞゴラ!!こっちは銀終ちゃんの可愛い寝顔想像してんだよ!!」

 

あぁー、クッソ、銀終ちゃんと良く良くは友達になって狩りにいきてぇ。そもそもどうやってモンスター殺してんだ?あんな細い体に細い腕。

とてもモンスターを殺すのに…………なんかオストガロアの口の中、

 

 

 

 

紅く光ってね?

 

「やっば、あのビーム当たると俺でもヤバイんだよなぁ。そう言えばここら辺は国王の一人娘…………あのワガママお嬢様無事に帰れたかなぁ」

 

確か聞いた話だとここら辺のルートはあのワガママお嬢様が帰るときのルートだと聞いたが…………。

ワガママお嬢様と言うのは書いて字のごとくワガママ。

例えばセルレギオスをペットにしたいだの、G級ハンターをペットにしたいだの、どこでペットプレイなんてヤバイの覚えやがったあのガキ。

とまぁ他にも国王の顔面にパイぶん投げたり護衛をモンスターと戦わせたりと、迷惑極まりない。

俺も国王に呼ばれて一度見に行ったことがあるが、うざいと言われて俺の立派なエクスカリバー蹴られた。

あークッソ、思い出したらイライラしてきた。

まぁあのワガママお嬢様は嫌いじゃねぇ。

だってあのガキは誰よりも…………

 

「っとヤバイ、そろそろあいつの後ろ側に行っといた方が良さそうだな」

 

あのビームは、もといい瘴龍ブレスは威力、破壊力、当たれば本当に俺でもヤバイ。

しかし、そう永く撃てるわけではない。

後ろに回り込めばまず瘴龍ブレスが当たることはない。

っと解説してねぇでとっとと後ろに………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガラッ

 

「───────ッ!!」

 

ありゃぁ…………まさか!!

 

龍夜より少し斜め後ろで瓦礫が少し崩れる音がした、龍夜は眼を見張る。

誰か居る。

それは上品な紅いドレスに身に纏ったまだ小さな少女。

忘れるはずはない。彼女は時期女王候補の国王の一人娘、ワガママお嬢様、ミカエル=ナシュミート。

だがよ

 

 

「何で護衛が居ねぇ!?!?」

 

クソッ!!

何であの姫様の近くに必ず居るはずの護衛が居ねぇんだよ!?

いや、今はそんなことどうでも良いんだよ、あのワガママお嬢様をどうにかして、だが間に合わねぇ。あのガキ助けてたら巻き添えを…………

 

 

 

 

 

 

 

 

『貴方の夢はなに?』

『俺か?…………俺の夢かぁ、強いて言うなら、正義のヒーローになることだ、どうだ?俺の夢を聞いてお前も笑うか?、ナシュミート』

『…………私は────────』

 

「──────あぁー、クソッタレが」

 

 

 

 

§

 

 

 

 

…………私、死ぬのかなぁ。

 

『おい!ナシュミート様はどうする!?』

『ほっとけ!!あんなワガママなガキ、死んで清々する!』

『それもそうだな、やべ、オストガロアが獲物喰ってるうちにとっとと逃げるぞ!!』

『ああ!!』

 

ほんと、護衛なんて使えない。

何で私って一人だとこんなに無力なの?

このままあのタコの餌になるのかなぁ? 

お父様は私の為にパーティーを開くと言っていたけど…………きっと中止ね。

眠い、眠いわ。

でも、眠る前に、またあの正義のヒーロー(・・・・・・・)に合いたかった。

とても…………面白い人、だった…………

 

「死ぬには早いぜ、ワガママお嬢様よぉ」

「…………!」

 

ナシュミートが今にも生きる希望を無くし、眼を閉じようとした時、誰かが自分の体を挟んでいる瓦礫を一瞬で振り払った。

そこには、なぜか上半身だけ裸の龍夜がいた。

そしてそれは、ナシュミートにとって唯一の『生きる希望』だった。

それを思った直後

 

 

 

全てが赤色に染まった。

 

 





次回も見てください。
それとハーメルンで新しく『Angel Beats! returnlife』だしたんで見てください。
感想待ってます

次回も見てね


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ライラ=カナリエルとモミジ=シャラウス

ナシュミートの視界は紅色に染まっていた。

その恐怖と絶望に、ナシュミートは目をつぶることしかできなかった。

その刹那だった。

誰かが自分に覆い被さったような気がした。

 

 

 

 

しばらくして視界が晴れた。

自分が生きていると言う驚きや、

 

「ってぇ」

「………………ぇ……?」

 

ナシュミートは無傷。

どこにも怪我はない。さっきの瓦礫に埋もれていた時についた傷を覗けば完全な無傷である。

ただし、龍夜は

 

「何で…………」

「あ?」

「何で私なんかを庇ったのよ!?」

 

ナシュミートを覆い被さるように抱き締めてナシュミートを庇っていた。

今にも腕はちぎれ落ちそうになり、背中からは血が吹き出し、腹からは大腸が少し飛び出ている。

完全な致命傷だ。

今こうしてナシュミートと喋っていること事態が異常その物。

そのまま龍夜は背中に背負った太刀に手を伸ばす。

それを見たナシュミートは一気に血の気が引いたら。戦意がまだ無くなっていない。戦う気なのだ、この傷で、この激痛の中、いつ死んでもおかしくないと言うのに。

龍夜が立ち上がろうとすると、ナシュミートは龍夜の無事である腕を掴んだ。

 

「あ、あんた、死ぬ………わよ?」

「で?」

「で?じゃないわよ!早く逃げなさいよ!!今ならまだ逃げ切れるかもしれなのよ!?そんな状態で勝てるわけないじゃない!!」

「で?」

「だからで?じゃないのよ!早く逃げなさいよ!!この馬鹿!!」

 

ナシュミートは大声で何度も何度も止めようとする、説得しようとする、なのに龍夜から返ってくる言葉は「で?」「だから?」だけで一行に逃げようとしない。

ナシュミートは言い終わったのか、ゼェゼェと息を荒げる。

すると、

 

「昔いったよな…………」

「え?」

「…………まぁ良いか、そんなことより」

 

血で紅く染まった顔をナシュミートに近づけて質問する龍夜。

 

「お前は逃げれるのかよ?」

「ッ!そんなことより貴方の方が!!」

「うるせぇぞクソガキ…………ゴボァ」

「龍夜!?」

 

今度は口から大量の血が勢いよく流れ出て、ビチャビチャと骨でできた地面に落ちて行く。

明らかにヤバイ。戦えば死んでしまうに違いない。

 

「俺は逃げねぇ」

「何で………早く逃げてよ!!このままじゃ龍夜が死んじゃうよ!!」

「ヒャハッ、これがあのワガママ女王とは信じがたいぜ」

「馬鹿言ってる場合じゃ無いだろ!!」

 

とうとうナシュミートは泣き出してしまった。

両目からはビー玉のように大きく円い雫がポロポロポロポロと、両手でそれを拭っても拭っても、その雫が止まることはない。

 

「泣くんじゃねぇよ、ワガママ女王」

「ヴグッ、だっで、だってぇぇぇ、…………うぅぅ、何で……ゆうごどぎいでくれないのよぉ、にげてよぉ…………」

 

 

ガジャッ

 

その骨と骨がぶつかり合ってなる不気味な音が龍夜とナシュミートの頭の真上でなっていた。

その不気味なオストガロアの触手は躊躇い無くナシュミートと龍夜を潰そうとした。

そして、

 

「うぜぇんだよ、クソダコ」

 

次の瞬間だった、骨の断たれる音、その中に隠されるようにある柔らかい触手、そしてその全てを断ち斬ると、その太刀についた青い液体が飛び散る。

 

 

ギシャアアァァァァァァ!?!?!?

 

「だから、うるせぇぞ」

 

その次は、持っていた太刀をそのまま直線に投げて、オストガロアの右目に命中し、オストガロアはそのまま倒れてもがき苦しむ。

 

「おい!クソガキ!」

「ウグッ、何よぉ…………」

「いつまでも泣いてんじゃねぇ!!」

「誰のせいだと…………!」

「うるせぇんだよ!!普段ワガママなくせして!俺だけ逃げろだぁ?そんなに震えてるガキが強がってんじゃねぇよ!!」

「うるさい!うるさい!うるさいわよ!」

「何時もみたいに無理難題押し付けてみろよ!わがままいってみろよ!!」

「じゃぁ助けてよ!!あのタコみたいなモンスターを倒してよ!!足がいたい!身体中がいたいから城までつれててってよ!!

 

 

 

生きて貴方と一緒に帰りたい!!!!」

 

ナシュミートは言い終わったかのように、ゼェセェと肩で息をする。

すると、龍夜はナシュミートを見て、

 

 

 

「まかせろ」

 

そういってオストガロアに突っ込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

§一旦現在

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は本当に嘘ばかり。

親の名前も嘘、出身地も嘘、趣味も好きなものも嘘、歳も嘘、口から出る言葉も嘘ばかり、名前だって嘘。

本物の私なんて何一つ無い。

誰も本当の私を知らないはずだ、私の本性はドス黒い。

私を探っていた変なストーカーみたいな男が居たけど、邪魔だから殺した。

殺したことすら嘘をついた。

本物の私なんて誰も見てくれない。

嘘をつくなんて当たり前、何の罪悪感もない、後悔すらなかった。

だからあの時も嘘を付いてしまったんだ。

 

『んっ………ぁ、やめて…気持ち悪い……無門さん……痛い……!』

 

あの時も、

無門さんに抱かれた時もそうだった。

もっとシて欲しかった。

もっと無門さんと触れ合って居たかった。

もっと一緒に居たかった。

もっと抱き締めて欲しかった。

初めて人の温もりだった。

すごく気持ち良かった。

もっと無門さんが欲しかった。

物凄く嬉しかった。

この瞳も、傷だらけの体も、髪の毛も、肌も、顔も、全部全部、好きだと言ってくれた。

 

 

 

 

ドス黒い私を綺麗だと言ってくれた。

初めて、心のそこから嬉しかった。

 

でも嘘をついてしまった。

あの時初めて後悔した、罪悪感を感じた。

それに、無門さんが好きなのは私じゃない。

無門さんが好きなのは──────。

 

 

だったら私の物にすれば良い。

 

「あら、無門さん、来てたんですね」

 

嘘を吐く。

………………で

 

「誰ですか?その子?」

「………………」(  Д ) ゚ ゚

 

嘘ぉ!?何で!何で!?

 

「何でモミ「その先を言ったら怒ります」はい」

 

俺は急いでイモウトとカティちゃんに別れを告げてモミジさんが来る前に狩りに出ようとしたが、その前にモミジさんが来ていた。

何故だろう、モミジさんに見つめられるとそれだけで胃に穴が空きそうにな。と言うか変な性癖に目覚めそう。

違う違う。

と言うかなぜかモミジさんはモミジという名前が嫌いなのか、ライラと言わないと怒るのだ

 

「あ、安心してくださいライラさん、俺これから狩りに」

「えっ?」

「えっ?」

「あなたはこれから3ヶ月、新人ハンターさんの先生になるんですよ?」

「ん?」( -_・)?

「もしかして龍夜さん、なにかご予定でも?」

「あ、これからこのハンターと一緒に狩りに…………」

「安心してください」

 

どこをどお安心しろと?

二十四時間三百六十日ボッチソロハンターがこれから初めてパーティーで狩りするんだぞ?⬅十五年ソロで狩りしてきた。

そんな俺に先生?

 

「貴方に拒否権はありません」

「…………」(あ、そっちの安心)

「…………狩り、無理なんですか?」

「あ、そちらもよく見たら新人ハンターの人でしたか。なら一緒に龍夜さんに狩りを教わっては?」

「え?俺の意見は?」

「これは私からのお願いです。もし断るなら…………秘密、バラしますよ」

 

その笑顔は天使のようにかわいい笑顔だった。

だが、それは悪魔の笑みだった。

この時龍夜は、これから3ヶ月ゴーヤ(イビルジョー)を殺して食ってる方が千倍ましだと考え、もしも死んでしまった兄と、俺を10歳の時に捨てた親と、家出した妹が、俺が酒によってギルド一のアイドルに性犯罪(強姦)をしたってばれたらどんな反応するか。

兄は生き返って俺を殺しに来るな、親は顔も名前も覚えてないから知らん。

妹にばれたらダイミョウサザミの殻に入りたい。

そしてラージャンに一発殴ってほしい。

つまりどっちにしろ地獄………………詰んだな。

もう嫌だ、【銀終】ちゃんにあいたいよぉ。

…………てかG級ハンターのみんな俺の事嫌いらしいからなぁ…………あのホモも俺が生きて帰ってきたとき舌打ちしてたし、みんな殺気バンバン飛ばしてきやがった。

銀終ちゃんに殺気飛ばされたときはいっそ死にたくなった。

俺嫌われることしたっけ?

 

「で?その新人ハンターとは?」

 

 

 

 





新しく出した小説です、良ければこちらも見てください


https://ncode.syosetu.com/n0991fg/


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初めての恋とかいて初恋

 

 

僕には兄がいた

 

なぜか世間は兄の事を弟と言う

 

兄は何時も一人だった

 

兄は父と母から捨てられた

 

僕は兄を探した

 

兄はハンターになっていた

 

兄の両手には何時も武器とモンスターの亡骸を掴んで離さない。

 

僕がハンターになって強くなっても兄は僕を見てくれない。

 

兄の視線は何時も次のモンスターしか見ていない。

 

僕が【モンスターハンター】と呼ばれるようになっても兄は僕に興味を持ってくれない。

 

僕がどれだけ手を伸ばしても、兄だけを見ても、貴方は何時も僕を見てくれない。

 

貴方が見るのはモンスターか、“あの女”ばかり。

 

 

 

 

 

§

 

 

 

 

 

 

簡単なことだった!!

 

貴方は僕だけを見ている!!

 

貴方は僕だけを掴んでいる!!

 

貴方を振り向かせるなんて簡単だった!!

 

貴方が僕を掴んでくれないなら!!

 

貴方が僕を見てくれないなら!!

 

 

 

 

 

 

 

僕が貴方のハンター(モンスター)になればいい!!

 

 

 

 

 

 

 

§

 

 

 

 

 

 

 

 

「アアアァァアァァアアア!?!?」

 

ここはベルナ村の少し離れたボロボロのマイハウス。

そこでは、昨日狩に出ようとした龍夜を引き止め、ライラは龍夜に新人ハンターの面倒を見ることを依頼した。

その新人ハンターが来るまで、龍夜は自分のマイハウスで待機するよう命令され、龍夜は新人ハンターが来るまでマイハウスで待っていたが、いつまでたっても新人ハンターが来ることはなかった。

仕方なく、夜になったので、龍夜は一度眠りについた。

そして普通なら見ないはずの、夢を、しかも最悪かつ悪趣味な悪夢を見た龍夜は、全力疾走しかのように、体全体からは汗が流れ、息も荒くなっている。

その悪夢は、まるで自分の犯した罪を決して忘れるな、っと言わんばかりに悪夢として見せてきたのだ。

 

「ハァハァ…………クソッ!」

 

龍夜は歯を食い縛り、自分の膝を殴った。

龍夜は心の中で渦巻くドス黒い感情、それは自分の弱さと馬鹿さ、そして何より悔しさの怒りだった。

 

「…………久しぶりに近くの川で水浴びするか」

 

俺は体中が汗でベトベトで気持ち悪かったので、近くの川で水浴びをしに向かったを。

 

 

 

 

 

§

 

 

 

 

 

「久しぶりだなぁ水浴びなんて」

 

昔はよく水浴びをしていた、モンスターの血で防具が錆はいようにするためと体についた自分の大量の血をとるために。

今は滅多に来ない為、あまり来なかったが、こんな汗でベトベトな状態で新人ハンターに会うのは少し失礼?だと思うから、少しだけ浴びることにした。

あと少し臭いし。

 

 

「さてと、インナーも脱いだし、包帯も取って新しいのを用意したことだし、入りますか」

 

すると、俺は草むらに血で汚れた包帯と、汗で汚い服を置いて水浴び場にいった。

そして、包帯を取り、俺の体の、夥しい程の傷が露になり、髪は寝癖であちこちはねていてボサボサで滅多に切らないから、腰のところまで伸びていた。

 

(今度切るか)

 

そう思いながら水浴び場についた。

しかし、そこには先客がいた。

 

「ん?…………ッ!?お前は……いや、貴女は……【銀終】!?!?」

 

「…………?」

 

それは、G級4位、ヒト、その銀色に輝く瞳と長いロングの銀髪が特徴的な女性ハンター。しかし、身長はネコ嬢より少し高いレベルだというのにもかかわらず、最大級の超大型モンスター、ダレン・モーランG級と、ジエン・モーランG級を同時に討伐する程の腕お持ち、モンスター最長とまで言われる、ダマ・アマデュラ亜種G級を一人で討伐。

彼女と戦えばどんなに大きくとも、長くとも、強くとも、理不尽的モンスターだろうとも、必ず終わりと言う名の死が訪れる、そして、ギルドはこのヒトさんに、二つ名を【銀終(ぎんつい)】となずけた。

しかし、育ち、年齢、体重、全てがなぞだらけの女の子でもある。

そして、龍夜が知ってる限りでは、ヒトは自分のことがとてもとてもとても嫌いだと認識している。

と言うか今も自分に殺気をぶつけている。

 

「申し訳ございません!!!」

 

「…………っ……て」

 

「?」

 

小さな声で何を言ってるか分からない、と思い、龍夜は耳を済ます。

 

「ボクの前から消えてくれ…………!」

 

「………………」⬅この世の終わりを告げたような顔

 

龍夜は、また会えたらあわよくば仲良くなろうと(下心なし)思っていたが、この言葉でそんな希望は打ち砕かれた。

ヒトは涙目になりながら自分を今も睨んでいる。

このさいヒトが何でここにいるかとか、なぜここで水浴びをしているかなんてどうでもいい。ただでさえG級ハンターから嫌われていると言うのに、G級ハンターの妹的存在を泣かせた、必ずや自分を殺しに来るだろうと、恐怖と絶望でいっぱいになりながら急いでマイハウスに帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

§

 

 

 

 

 

 

「………………見られた……」

 

龍夜が帰ったあと、水浴びをやめて体を拭き、プライベートなのか、防具ではなく、カティがよく着ている青いドレス?似にたような服を着て、その場で体育座りして顔を自分の太ももにうずくめた。

 

(龍夜に、よりにもよって龍夜…………)

 

ヒトは物凄く不機嫌になっている。しかし、ヒトが忌々しく思い、不機嫌になっている理由は龍夜ではない。

それに、龍夜に会えたこと自体は物凄く嬉しい。なぜなら、いつも会議では恥ずかしくて照れ隠しに殺気を飛ばしてしまい、龍夜自身は自分に嫌われているのだと思い込んでしまっている。

だから今回この村に来たのは、龍夜が居ると聞いて、はるばる休暇を取り、龍夜と話したくて来たのだが、まさか、左目を見られるとは思って居なかった。

よりにもよって、龍夜に…………見られたくなかった。

龍夜にだけは。

ヒトの左目には、なにかで斬られたような傷跡が、モンスターにやられたのか、大きいとまでは言わないが、残っていた。

いつもは眼帯と髪の毛で隠していたが…………ヒトはもしかしたら気持ち悪いと思われたのではないか?と不安で不安で仕方がなかった。

そして、とうとうビー玉サイズの涙をボロボロと流し始めた。

 

「うわあああぁぁぁ!」

 

初めての恋、ヒトは昔から自分を助けてくれる、言わば【王子様】のような存在に恋いこがれていた。

しかし、自分は強く、誰かに守られるどころか、守っていた。

自分は強いから守らなきゃ、自分は強いから助けなきゃ。

そんな風に自分に言い聞かせていた。

本当は自分は守ってもらいたかった、助けてほしかった。

ヒトは小さき頃に親を殺され、家族も知人も居ないなか、一人で生きてきた。泣いている自分を慰めてくれる人すら居なかった。

守ってくれる人も、助けてくれる人も、自分に語りかけてくれる人も居ない。

皆は自分を愛している(・・・・・)と言う。

しかし、それは好きとは違う。それは自分が愛するものの為に戦った勇者か王子様(・・・・・・・・・・・・・・・・・)になりたいから言っているだけの【自己満足】に過ぎない。

そんな中、初めてだった。

…………たしかG級のネルギカンテ?の歴戦が新大陸ではなく、この地域に現れた一大事の時だったか?ネルギカンテと戦ってる途中、上位のハンターが裏切って、貴族にボクを売ろうとしたときだったか、初めてだった。

龍夜が自分を助けてくれたんだ。

麻痺弾で動けなくなった体をお姫様だっこで、モンスターを倒すことより、ボクを助ける事(・・・・・・・)を優先してくれた。

ボクの身を案じて、先にボクの治療を優先してくれたのだ。

とても嬉しかった。

その後にあのハンター達はネルギカンテに惨たらしく喰い殺された。

ボク達は一度村に帰った。村に帰る途中、ボクは龍夜に「ボクのこと、君はどう思う?」ッと、小さな声で聞いてみた。

彼は

 

大好き(・・・)

 

即答した。

あぁ、ボクの一番欲しかった言葉だ。

自然とボクは泣き出してしまった。親が殺された悲しい気持ちとか、今までモンスターの攻撃を我慢してきた痛みとか、初めて「大好き」と言われた嬉しい気持ちとか、もう訳がわからなくなるくらいいろんな我慢してきた感情が涙になって出てきて、泣きじゃくって、兎も角嬉しくって嬉しくって、泣いて泣いて、そんなボクを見て、龍夜は最初は慌ててたけど、きっとボクを気遣ってくれたのか、上半身の防具だけ脱いで、ボクを抱き締めてくれた。

その時の龍夜は我らの団に入っていたらしく、クエストで飛竜の卵の支給の途中だったらしい。

その後龍夜は我らの団のと一緒にどこかへ行ってしまった。

ボクは、まだ体が本調子で、安静にしてるように言われて、龍夜のもとへ行けなかった。

少し悲しいけど、きっとどこかで会えると、そんな気がした。

だけど、その後出会った龍夜はまるで別人だった。

ギルドに連れてこられた龍夜は手足に枷をはめられ、身体中を鎖で縛られていた。

何より驚いたのが、その目はまるで、この世のすべてを恨むような、憎悪とドス黒いなにかが混じっていた。

聞いた話では、龍夜の家族、いや、それ以上の存在であるG級1位の師匠が先代国王に殺されたと聞いた。

初めてだった、胸の中からグツグツと沸騰しそうな程の熱いなにかが、込み上げてくる。

それはG級ハンター全員がおんなじだった。

それだけじゃない、他にも現国王の一人娘、その子を守るために龍夜は瀕死の重症で帰ってきた。

あのG級13位【半裸の英雄】が、素でキレていた。

いや、ボクも殺気を隠せなかった、彼は後どれだけ、どれだけ

 

 

 

 

傷つけば幸せになれるんだ?

 

誰か、教えてくれ…………!

 

 

 

 

G級ハンターの全員がそう心の中で叫んでいた。

 

 

 





G級15位【殺戮者】ラセツ=ハルバントン

G級14位【???】???=???

G級13位【半裸の英雄】???=???

G級12位【???】???=???

G級11位【番犬】ジェラル=チャルネ

G級10位【美妖】ハスナ=フェルミーラ

G級9位【侍】無事藁 雪娜

G級8位【千世】のシライ=ルドライン

G級7位【黒鬼】靱

G級6位【狂騎士】ジェイド=フランケスト

G級5位【忍】アーム

G級4位【銀終】ヒト
 
G級3位【紅き破壊の流星】レオン=ニルナード

G級2位【雷神王】???=???

G級1位【白き滅びの姫】ナシェエルカ=ファミエルナ




こっちの作品も見てくれ!!
オリジナル何で、

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特別バレンタイン編【崋錬ちとせ】

 

2月14日、それはバレンタインとか言う風習。

好きな相手にチョコレイトと言う甘い砂糖菓子を渡す行事、俺も昔師匠にチョコレイト渡したっけ?…………食べてくれなかったけど。

今じゃ知らない奴は絶対に居ないと言うくらい有名になり、村の奴らもチョコレイトを作ったり、他にもハンター同士でチョコレイトを渡すこともある。

それにより産まれるカップル。いわゆるリア充、あーこの時期はウジ虫が増えて害虫駆除が大変なんだよ。

いゃ~害虫(リア充)駆除するのが大変だな~。

 

「リア充はどこじゃ~!?!?チョコレイトを渡しているリア充はどこじゃ~!?!?」

「あの、ここには誰もいませんよ?」

 

今、俺とちとせは買い出しに行っていた、と言うのも、回復薬が無いので、仕方なく、少し遠いギルドに向かっていた。

村の回復薬が無くなると言うことはよくあることだ。

しかし、ギルドの近くにも関わらず、誰もいないと言うのは少し可笑しくないか?今日はバレンタインだぞ?害虫(リア充)が無駄に増える時期だぞ?

 

「どうにも、カティさんがチョコを配ると聞いて皆それを狙って…………」

「あぁだから…………」

 

カティちゃんは本当に優しいから、チョコレイトをなん十個、なん百個と、たくさん作ってハンターたちに配る、そのため、カティの手作りチョコを求めて、遠くからはるばる来るハンターも居る。

他にもライラさんのチョコ狙いで来る人も居るらしい。

風の噂では、ライラさんもチョコレイトを作っていたらしく、それがもしかしたら自分かも知れないと思った馬鹿どもがそれを狙って来たのだ。

しかし、噂では、日頃頑張っているハンターへのご褒美らしい。それはそれでも物凄く嬉しいらしい。

俺も少しだけ、『ぁ、もしかして俺への日頃のご褒美?』と思ってねだったら

 

『は?んなわけないじゃないですか、馬鹿なんですか?死ぬんですか?てかキモいですよ?いや、本当に。なに自惚れてるんですか?何で私が強姦した相手にチョコ何て渡さなきゃならないんですか?頭可笑しいんじゃないですか?て言うか私の視界から消えてください』ハイライトオフ

 

その時、隣にハンターの行列あり、そのハンターたちにはチョコを普通に渡していました。

しかも他人なのに、他人なのに⬅二度言う。

つまり、俺は他人以下。

マジ泣きした、行列作ってたハンター何て俺を見てニヤニヤしてやがった。

一応カティちゃんにねだったら、物凄い速さで逃げられた。そんときも回りの奴らに笑われた。

俺ってやっぱ嫌われてるなぁ、ライラさんの言う通り俺ってこの頃調子のってんのかなぁ、…………て言うか、さっきッから何か大怪我した人がたくさんギルドに運ばれてくんだけど、なにこれ?

 

「クソ、俺は、俺は、まだ死ねない…………!カティちゃんのチョコをもらうまで!」

「チョコもらうために死にかけてんなら相当イカれてんな、主に頭が」

「あれ?知らないんですか?バレンタインは毎年大勢のハンターがやめてしまうんですよ」

 

………………。

龍夜はなぜなのか、少しだけ分かるような…………いや、物凄く分かるような…………。

そして、ちとせはたんたんと理由を答えた。

 

「バレンタインはカティちゃんのチョコを食べて他界する人や、食べられなくて自殺する人が多いんですよ」

「それでハンター不足になくなってんなら本当に馬鹿としか言えねぇな!?!?それならバレンタイン何てやめちまえ!悪いこと言わねぇからやめちまえ!!!」

「…………龍夜さんはチョコ嫌いなんですか?」

「いや、嫌いと言う訳じゃねぇんだ、むしろ好きな方だ」

「そ、そうですか…………あの!」

「あん?」

 

すると、ちとせはほんのり頬を赤らめて居る。

龍夜は、急に大声をだすちとせの方を向く。

 

「えっと…………私、用事思い出したので!!」

 

そう言って走り去ってしまった。

 

「…………ぇ~……」

 

龍夜は、結局一人で回復薬の買い出しにいくことになった。

 

 

 

 

 

 

 

※このあと一人寂しく大量のチョコを買ってリア充に笑われながらもチョコを泣きながら食べ続けた。

 

 

 

※その時の甘いはずのチョコの味は、コーヒーよりとてもとても苦かった。

 

 

 

 

 

 

 

§

 

 

 

 

 

 

「あぁ、いろんな奴らが俺を見て笑いやがる」

 

そう、ライラさんやカティちゃんにチョコをねだってもらえなかったのは俺だけ、他の奴らは皆もらってる。しかも、物凄く美味しかったらしく、とても人気だった。

俺の目の前で、見せつけるようにチョコを食べている奴らを見ると、目から血流しそうなほどの怒りを覚えた。

そう、だから嫌なんだ、バレンタインは…………そう言えばけっきょくちとせからもチョコをもらえなかった。少し期待していた俺って馬鹿みたい。

イモウトォ、お前は俺にチョコ…………いや、たぶんくれないだろうなぁ。

そうして俺は、回復薬を依頼した奴に、渡し、報酬をもらって、ボロボロのマイハウスに戻った。

 

「ただいまぁー」

 

誰も居ない部屋、誰も居ない、そう、一人の部屋。もちろん返事も帰ってくるはずが「お、おかえりなさい…………」ん?

 

「なんだ、ちとせ来てたぁーーーーん"ん"ん"ん"???」

「ば、バレンタインのちょ、チョコは、私、です」

 

それは、チョコを体にかけて、裸でベットに寝転がるちとせ。

細く、綺麗かつ、柔らかい裸が、熱いチョコがトロリと滴り、その豊胸にもチョコがかかっており、谷間には溶けたチョコが溜まっている。そして整った顔にもその凛々しくも、可愛らしさが残る、いや、可愛らしい顔にかかったチョコがここまで性欲をそそるものとは、そして、その柔らかそうな太股も露になっている。

龍夜は、一瞬、吹き飛びかけた理性を保つために、人指し指を一本へし折った。

 

「オイ、ソノカッコウハ…………ドウイウツモリダ」

 

一瞬言語すら忘れかけていた。

その殺気にすら等しい恐ろしさに、ちとせは小さくだが震えている。

 

「りゅ、龍夜さんの本に………こ、こう言うのがのってたので……好きなのかと思って…………」

 

ん?俺の本にそんな本あったか?そもそも俺本なんて…………………………………………。

 

「その本て全体的にピンクの表紙だった?」

「?はい」

「その本に裸の男女がいなかった?」

「?はい」

 

あぁ、終わった。

俺のコレクションを、よりにもよって、こんな純粋無知な娘に…………ん?待てよ。

 

「お前はその本に描かれてた男女がヤってた意味わかるか?」

「?いいえ」

 

やっぱり純粋だった。

 

「どういう意味なんですか?」

「知らんでいい。いや、知らないで」

「?はい」

 

ちとせは、首をかしげながら、はいと返事をした。

そして、龍夜は、すぐに近くに、自作で創った風呂に湯を沸かして、ちとせをお姫様だっこで風呂に放り投げた。

 

「きゃ!」

 

ちとせは小さく悲鳴をあげるが、そのまま、放り投げた勢いで、顔までお湯に浸かり、声はそこでかき消された。

そして、ブクブクと音をたてた後に、ちとせが、ぷはぁ、ちとせが顔を出した。

 

「いいか、しっかりと体を洗ってから出てこいよ。チョコが防具につくと、そっから錆びるからな?そじゃ俺は用事があるから」

 

そう言ってスタスタとはや歩きで立ち去ってしまった。

ぽんつんと一人残されたちとせは、口をお湯に浸けて、体育座りになり、ブクブクと空気の泡をたてる。

 

「…………意味なんてわかるに決まってるじゃないですか。……………………龍夜さんのヘタレ、バカ、アホ」

 

その時のちとせの顔をは、お湯が熱かったからか、耳まで顔が赤くて染まっていた。

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃

 

 

 

 

「…………」

 

龍夜はとぼとぼと、物凄いネガティブオーラを出しながら歩いていた。

なぜかと言うと、ギルドに居るからだ。ギルドでは、ハンターたちが、ライラや、カティからチョコをもらい、幸せそうに食べていたからだ。

それを見るなり影でコソコソコソコソと言っている。次いでに俺を見るなりニヤニヤしてるやつも居る。

その時の怒りを押さえながら、俺は回復薬を買って、折った人差し指を直した。

次いでに、チョコを再び買った。

買ったとき「あっれぇ~?龍夜さんチョコ誰かに渡すんですかぁ~?」とか「あ~、誰からももらえなくて一人寂しく食べるんですねぇ~?」とか言ってくる奴が居るが、無視だ無視。気にしたら負け。

………………帰ってもう一度一人寂しく食べるか。

そうして歩き出そうとすると、

 

 

 

 

 

 

 

「龍夜さん」

 

 

 




ここでアンケート。

この次のチョコを龍夜に渡す相手、誰が良いですか?

▷ライラ=カナリエル

▷ネコ嬢

▷ヒト

▷イモウト

アンケート待ってます


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次いでにこっちでもバレンタイン編をやろうと思ってます。


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生意気な弟子

「どうも、ジザクと言います。ある人の意志をついでハンターになりました。これからお世話になります··········で、なんで自分の師匠になる人が隅っこで泣いているんですか?」

 

相変わらずボロボロのマイハウスには、3人の男と女がいた。

1人はユクモ装備を見にまとった少し小柄な女性ハンターと、その正面には、鬼の面を付けた、初期装備も付けず、赤い着物と和傘を腰に指し、髪を顔まで長く伸ばした少年が座っていた

よく見ると、耳の先が少しとがっているところや、目が少し竜のように鋭い瞳を見る限り、竜人族なのだろう

そして、マイハウスの隅っこで丸くなっている全身包帯に包まれた大男がいた。その男こそがこのマイハウスの所有者であり、この少年の師匠になる男、龍夜その人だ

 

「りゅ、龍夜さん、、弟子の人が来てますので·····」

 

「俺なんてノミ以下のゴミ野郎で性犯罪者の社会のゴミ、いやクズか?それともチリか?」

 

「あの···············」

 

ちとせは一度龍夜を励まそうとするも、龍夜が完全にネガティブ状態のため、自分の声は聞こえていない、そもそも聞こえないと悟った。

 

「··········チッ、ガッカリだ」

 

すると、少年は苛立ちを見せながら立ち上がると、龍夜の前までヅカヅカと歩き、何かを急かしているようにも見える。

そして少年は龍夜の前で止まり、腕を組んで仁王立ちした。

 

「ん?··········お前どっかで会ったことある?」

 

「さぁな、それよりてめぇ俺の師匠やる気あんのか?いや、俺はお前を師匠とは認めねぇ。こんなネガティブ菌」

 

「ネガティブ菌!?」

 

これから弟子になるはずの少年からの生意気かつ、龍夜のここをを抉る言葉の暴力に、龍夜の心の半分が砕け散った。

 

「ふ、2人とも落ち着いてください··········」

 

「シクシクシクシク」

 

「··········ふんっ」

 

 

 

 

§

 

 

 

 

 

「改めて、俺の名前は龍夜。今日からお前の師匠だ。よろしく」

 

そうして龍夜はジザクに手を差し出すと、ジザクは見るからに不機嫌そうな顔で、龍夜を睨みつけた。

それは殺気がこもり、まるで親の仇を見るような目だった。

 

「ペッ」

 

「··········」

 

「!?」

 

そしてジザクは龍夜の手に唾を履いた

 

「師匠ってんなら本名名乗れや(・・・・・・)。なんだ?ここ(・・)では龍夜って名乗ってんのか?この【祟神】さんよぉ」

 

「···············」

 

「こら!龍夜さんに謝りなさい!」

 

すると、ちとせはジザクの行動に、怒りを露わにしてジザクの目の前で仁王立ちしながら怒鳴る。

それを見るなり、ジザクはからかうように小さく笑った。

 

「知らないってのは可哀想だな。こんな『ケガレ』と一緒にいられるなんてな」

 

「───!」

 

ジザクはちとせを睨み返すと、ちとせに悪寒が走り、あまりの恐怖に尻もちをつく

しかし、それでもちとせは睨みつけることをやめることは無かった

 

「と、取り消してください」

 

「嫌だね。俺の師匠より強いハンターが師匠になると聞いて見てみれば、寄りにもよってこんな··········こんな···············!!!」

 

ジザクはあまりの怒りに拳を震わせながら、腰のハンターナイフを手に持つ。

 

「こんな『人殺し』の弟子になんてこっちから願い下げだ!!!」

 

そう言ってハンターナイフを龍夜に向けて襲いかかる。

そして鋭利なハンターナイフの刃は龍夜の首に吸い込まれるように近ずいて行く。

それを見ていたちとせは咄嗟に止めに入ろうとした死の次の瞬間

 

「いい加減にしろクソガキが」

 

すると、ジザクの横に、師匠になるよう話を持ち出し、龍夜を師匠にした張本人であり、またギルド一番の人気者である看板嬢

そして手足左右の義足と義手と歴戦の傷とは裏腹に、とても華奢な体の美少女、ライラ=カナリエルその人がジザクの首に手刀を打ち込み、ジザクは気絶した。

 

「さて、龍夜さん、そこに正座」

 

「え゙?」

 

その時のライラさんの顔はいつものような美しい笑顔だったが、その雰囲気は、激昴したラージャン顔負けだったそうだ。

 

 

 

続!

 

 






遅れてまじすんません!┏○┓(土下座)
ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙この頃シカテマにハマって小説読んでたり、ぐだくだファイナルとか進めてたり、この前1万ぶっ込んだら爆死したし!
pixivの方の荒北龍(自分)さん全然人気でないし
もうやらア゙ア゙ア゙ア゙ア゙
感想待っでるよぉぉおおおお!!

続き書くからねええええええ!!


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一番の宝物

「ユルザネェ、ミナゴロシ、ミナゴロシダァ」

 

男の体には、自分の体や装備や顔が見えなくなるほど血が身体中にべっとりと染み付き、唯一見えるのは、男の紅黒く光る鬼の瞳。

そして男の体には、バリスタ、単発式拘束弾、大砲の玉の破片、矢、貫通弾、槍、太刀、様々な武器が体を貫いている。

それでも男が足を止める様子はなく、また一人、また一人兵が殺されていく。

 

「奴は不死身か·········!?」

 

「まるで不死身の化け物だ!」

 

「バケモノ··········?」

 

男は化け物と言う言葉を耳にすると、一度ピタリと体を止め、顔が歪むくらい口を釣り上げて、ニタリァ〜ッと、悪魔のような笑みを浮かべた。

 

「バケモノダト?チガウ、チガウチガウチガウチガウチガウ。オレハバケモノジャナイ」

 

あぁ、あいつは苦しまず殺してやろう。

何せ、いい思い出を思い出させてくれたからな。ご褒美だ♡

 

「オレノナハ、"バケモノ"デモ、"ケガレ"デモ、"龍夜 無門"デモナイ。オレノナマエハ、キョウカ、"狂花"ダ」

 

そう、師匠のくれた名前。

俺のいちばんのタカラモノ。

オレデアルアカシ。

くく、クヒヒ、ヒャハ、ヒャハハハハハハハハハハハ!

他人の言う化け物デモ、人間の言う汚れデモ、"弟"が付けてくれた、"祟羅"でもない。

俺の名前は狂花だ!

いつか師匠のようにと願い、師匠の名前をトッテ、"花"

"狂"は、俺の異名の"狂"。G級に上がった時についた異名(・・・・・・・・・・・・・・)

 

 

 

G級16位(・・・・)狂気の祟羅(・・・・・)】。

師匠が付けてくれた異名

 

オレノイチバンノタカラモノ♡

 

「アレ?師匠?シショウハドコ?オレノダイジナ大事なダチジナ、アイスルヒト··········ァ、しんじゃったんだ。ナンデ?ナンデ?··········アァ、コイツラガコロシタンダ··········」

 

師匠···············

 

『私たちハンターは人を守る正義のヒーローだ。だからお前もいつか、壊すことばかりしてないで、人を守る正義のヒーローになれ。私とお前の、二人だけの約束だ。分かったらはい指切りだ!指切りげんまー、嘘ついたら針千本のーます、指切った!な、なにを笑ってる!G級に上がったからと言って調子に─────』

 

「···············アァ、俺、やくそく、ヤブッチャッタナァ。ゴメンナサイ、ししょー····················」

 

一人男は、そう呟きなが、目に映る人間の首を跳ねた。

しかし、その姿は、どこか幼く見えた。

だが、その一秒にも満たない次の瞬間に、男の紅い瞳は再び狂気と殺意の混沌の瞳に包まれた。

 

 

 

 

 

§

 

 

 

 

 

「それで?龍夜さん。新人ハンターにあそこまで罵倒された感想はどうですか?」

 

「何かに目覚めた気がしました!」

 

「そうですか、なら目覚めないようね眠らせてあげます。永遠に」

 

「すみません」

 

俺は今新人ハンターと隣り合わせで、看板嬢であるライラさんの説教中です。正直今のライラさんの顔はイビルジョーが尻尾食わえて逃げちゃいそうなほど怖い。

俺も今すぐ逃げなければ!だ、ダメだ!足が恐怖で動かない。

 

「今逃げようと思いましたね?」

 

「ま、まっさかぁ〜」

 

「確か銀嶺ガムートの依頼が来てるので、ちょっと裸で氷海行ってガムート倒してもらいましょうかなぁ?」

 

「思いました。すみません」

 

この頃ライラさんが俺の心を読み取ってくる気がする。てか氷海の平均温度知ってる?-50℃だよ?死んじゃうよ?裸で行ったら即低体温症で死んじゃうよ?「裸でも氷海なんぞ気合でどうにかなる!」とか言って即堕ち2コマシリーズみたいに「やっぱり寒さには勝てなかった··········」みたいなことになっちゃうからね?

 

「どちらにしろ行ってもらいますから」

 

「嫌だあああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

「チッ」

 

「ん?なにか不安ですか?」

 

ライラは可愛らしく小首を傾げて、ジザクの方を見た。

ジザクはどう見ても不安げで、完全に苛立ちの表情を見せているが、ライラはそんなことはお構い無しだった

 

「こんな"人殺し"、人の屍を踏み台にして強くなった野郎だぞ!?そんな奴の弟子なんて··········」

 

その時、その場の空気がピシリと音を立てて凍りついた。

空気が重い、息がしずらく、背中には悪寒が走り、鳥肌がたち、恐怖で体の震えが止まらない。

ジザクはそこで初めて

 

"前回ハンターランキング上位ハンター一位"【冷酷のライラ】を相手をしていると自覚する。

上位1位が意味することは、G級に一番近いハンターと言うこと。例えそれが、怪我をしてハンターを退職したとしても、上位のリオレウス亜種当たりなら軽くピクニック気分で殺せるだろう。

そしてもうひとつ、ハンターは大きく二つに分かれる。

モンスターを殺すハンターと、人間同士の戦争にも参加するハンター。

ライラはその二つを両方経験している

つまり、ライラは殺すと決めたら、人を殺すのに躊躇しない人間だ。

 

何よりライラの顔は、まるで人を見下すような、心底絶望したような、ともかく言葉に出来ないようなある意味恐ろしい顔をしていた。

 

「龍夜さんを人殺しと言うなら、貴方はハンターは向いていません。今すぐやめてください」

 

「はぁ!?ふざけんな!なんで俺が「当たり前です」

 

激昴したジザクに、ライラは顔色ひとつ変えず、怒鳴るジザクに向かって淡々と言い放つ。

 

「私たちの職はほぼ自殺と同じ様なもの。しかも下位のハンターなんて稼げる金もたかが知れてる。目の前で仲間がモンスターに殺されて心を病む人も、自殺する人もいる。何より、狩りは誰も助けてくれない、自分を守るのが精一杯なんですよ。それなのに世間は、龍夜さんと組んだパーティーが龍夜さん以外全員死んだくらいで"同胞殺し"だとか、"人殺し"だとか、そんなこと言っている時点でおかしいんですよ」

 

全くもって正論。ハンターなんて死んでなんぼの職業。

生きて帰ってくる保証なんてこれっぽっちだってない。それどこかパーティーが全滅や、誰か一人だけ生き残るなど良くあること。

パーティー全員が無事に帰ってくる方が稀だ。

しかし、ジザクは反論した。

 

「じゃぁ、なんであいつはいつも一人だけ"無傷"で帰ってくるんだよ!!モンスターもしっかり殺して帰ってきて、報酬を独り占めしたいからじゃねぇのか!?おかしな話じゃねぇか!一人だけ無傷で、他の全員は「強いからですよ」ッ··········」

 

「ただ純粋に龍夜さんが強いから無事帰ってきて、パーティーの皆さんが弱いから死ぬんですよ」

 

それだけだ。言ってしまえば本当にそれだけなのだ。その一点に尽きる。

どれだけ反論しても、どれだけ抗ってもそれは自然界の掟であり、ハンターとして当たり前の“日常”にすら等しい。

弱いものは殺され、強いものが生き残る。今ジザクが踏み入れようとしているのはそういう世界なのだ。

 

「おい、その辺で··········「あなたもです!!」Hey!?!?」

 

龍夜がその辺でと、ライラを止めようとすると、今度は怒りの矛先は龍夜にロックオンされた。

 

「なにが無傷ですか!あなたはいつも仲間を助けようとして、腸ぶちまけても!体を抉られても!引き裂かれても!潰されても!裏切られても!あなたはいつもいつも!!目の前の人を助ける!」

 

「····················」

 

「あなたは正義のヒーローにでもなったおつもりですか!?ふざけるな!!」

 

「あなたは私たちを「ライラさん」··········ッ」

 

「ライラさん、こいつらが見てる。それにこんなに激情するなんてライラさんらしくもない」

 

「···············はぁ、そうですね。それでは龍夜さん··········いえ、祟羅さん」

 

ライラは一呼吸置くと、いつも通りの天使のような美しいく、可愛らしい顔に戻る。

さっきまで一点の光もない冷徹な眼ではなく、自分が嫌でも耳に入る美しいギルドの看板嬢であり、ギルドの責任者でもあるライラさんに戻っていた。

すると、今度は龍夜がなにかぎこちない笑みで困っている。

 

「あの、その名前は··········」

 

「別にいいじゃないですか。ユクモ村の村長はまた“別の名前”で呼ばれてる訳ですし」

 

「いや、でも··········」

 

どこか龍夜は祟羅と呼ばれるのを嫌っているようで、どこかやめてほしそうにしているが、ライラはそんな龍夜の姿を見てどこか満足そうにしている。

 

「それともユクモ村の村長は良いんですか?」

 

「ぐ、そ、それは··········」

 

そうそう、貴方は一生私の手のひらで踊っていればいいんですよ。

ライラはそう思いながら、龍夜さんの困っている顔はいつ見ても背筋がゾクゾクして、とても気分が良くなります。と思いながら、狂気に満ちた笑みをライラは必死にこらえるのである。

 

「それでは二人を立派なハンターにしてくださいよ、た、た、ら、さん♡」

 

「ぐ、··········はい」

 

そうしてライラはマイハウスを出ていった。

 

「で、俺が師匠で異論のあるやつは?」

 

「「いません」」

 

そうして新しく龍夜の弟子となった二人と、二人の師匠になった龍夜の生活が始まる

 

 

 

 

 

 

過去のG級ハンター逹

 

 

G級16位【狂気の祟羅】祟羅のち、自ら名前を改名 狂花と名乗る。そしてその後、上位ハンターに堕落。

現在では上位ハンター 1位【ハンター殺しの龍夜】と呼ばれている。

 

G級15位【???】???=???

???

 

G級14位 【???】???=???

???

 

G級13位【半裸の英雄】???=???、龍夜とは深い中だと言われているが、真実は定かではない。

現在と変わらず、G級13位の席は変わらない。

 

G級12位【狂犬】ランスロット、国を滅ぼそうとした国家反逆罪として、無門を殺しに行くも、返り討ちにあい、利き手と左眼、そして臓器を複数負傷し、無門を後から応援で来た【半裸の英雄】と何とか捕獲。

しかし、無門の兄であり、弟である【モンスターハンター】龍夜 時衛門は無門との戦闘があったらしく、既に意識不明の重体。

 

傷が深く、治療するも、死亡。

ランスロットも傷が酷く、後にハンターを退職。退職後は一時期無門の師匠として、自分の剣技を教え、後に行方不明

 

G級11位【???】???=???

???

 

G級10位【美妖】ハスナ=フェルミーラ

24歳という若さでG級10位になるも、あまり姿を見せない。

無門と良く接触していたという目撃情報が相次ぐが、これもまた真相は定かではない。

 

G級9位【侍】無事藁 雪娜

無門をライバル視しながらも、影では尊敬している。未だなぜ国に逆らったのかはわかっていないが、それでもきっとなにか理由があると信じている。それ以外は全てが謎。

 

G級8位【???】???=???

???

 

G級7位【黒鬼】靱

無事藳とは師弟関係。こちらもそれ以外は謎に包まれている。礼儀正しい穏やかな男

 

G級6位【狂騎士】ジェイド=フランケスト

こちらもまた、無門と同じ一夜を過ごしたと一時期噂になったが、真相は定かではない。

 

G級5位【???】???=???

???

 

G級4位【銀終】ヒト

未だ行動がわからず、制御がきかない。

無門にどこか興味を抱いている。

 

G級3位【紅き破壊の流星】レオン=ニルナード

無門に溺愛している。それ以外は不明。

 

G級2位【雷神王】???=???

こちらもまた無門に溺愛している

 

G級1位【白き滅びの姫】ナシェエルカ=ファミエルナ

姉のG級一位空席により、代わりとはいえ、その実力は姉より格段に強くなっている。

しかし、姉である花恋の実力はそこがしれず、本当に上かどうかは分からず、それは妹も同じであり、欠点といえば、妹のナシェエルカは制御が効かず、一時期は無門を姉の仇として殺すと思われていたが、逆に無門に興味を持っている。

ナシェエルカはこの頃も今も“人間嫌い”で有名




感想待ってる

https://syosetu.org/novel/202021/1.htmlこっちも見て



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最っ高にハイってやつだ!!

過去編となります


「ハッ、ハッ、すぅ、はぁーーー!」

 

男は身体にこもった熱を息とともに外に出して、身体の体温を下げて、興奮している自分の身体を落ち着かせる。しかし、それでも興奮は治まらず、男は大声で雄叫びをあげた。

 

「うおおおおおおおおおおおお!!!!!俺が最強だあああああああああああぁぁぁ!!!」

 

ここは数多のモンスターの残骸が散らばりできた竜ノ墓場。その真ん中にはもう二度と動くことは無い骸に包まれたモンスター、骸龍オストガロア。

その上に立はハンター。

両腕の骨は折れ、手首の筋は切れ、右足の肉は裂け、腹部からは血がとめどなく溢れ、顔は頭から流れる血で染まり、顎からは血が滴っている。体の中は内蔵の位置がズレていたり、避けていたり、血液は体内にあるだけでは足りなくなっている。

そんな生死の狭間で彼が口にした言葉は

 

「···············どちゃクソ腹減った」

「なら早く城に帰って食事にしましょう」

 

ナシュミートはいつの間にか龍夜の傍にたち、龍夜の手を取りオストガロアの上から駆け下りる。

龍夜は重傷ということもあり、千鳥足ではあるが、何とかナシュミートについて行く。

 

「···············"わがまま小娘"、無事で何より·····で、す」

「···········そんなことより早く城に帰るぞ。近くにまだ竜車が残ってる、それで行けば何とか·········」

「··················なぁ、何を焦ってんだよ」

「····················」

 

龍夜の言葉にナシュミートの肩がぴくりと動くが、足を止めることは無い。それどころか足を早めるばかりで、龍夜は今にもコケてしまいそうになる。

 

「···············」

「なぁ、なんか言えよ」

「それ以上喋るな、医学は城で少し齧っているが、どう見てもそれは刻一刻を争う重傷だろ」

「それで焦ってんのかよ。こんな傷大丈夫「喋るな!!」··········」

 

龍夜の言葉を塞き止めるかのように、ナシュミートは龍夜の方を向いてそう叫んだ。

その時のナシュミートの顔は、不安と恐怖が入り交じった、絶望にも近い顔をしていた。それを見た龍夜は何がそんなに恐ろしいのか疑問に思った。

 

「お前はいつもなんで分からないんだ!お前の命はお前だけのものでは無いんだぞ!それが、大切な人が死ぬ辛さを知っているお前が、なんでその辛さを分からない!!!!」

 

次第に瞳から見える雫は、水を貯めて、大きくなり、零れだし、そして止まらなくなる。

透き通るような瞳から、"蒼い涙"が止めどなく溢れ出る。そんなナシュミートをしばらくの間見つめると、龍夜はナシュミートから零れる蒼い涙を血のように紅く、生暖かい舌で舐めとる

 

「なに、やってんのよ、このド変態」

「甘い」

「味覚おっかしいんじゃないの?あ、舐めるな!」

「喉が渇いたんだ、飲ませてくれ」

「··········へんたい」

「男の九割は変態だ、頭に入れておけ」

「ふっ、何それ」

 

龍夜は血が大量に流れ続けたせいか、思考が少しおかしくなっている。

しかし、それでも、今龍夜がこうして生きているという状況が嬉しくて、幸せでたまらない。

そうしてナシュミートに連れられ、ようやく竜車の目の前まで着くと、先にナシュミートが中に入れると、龍夜は竜車に乗る一歩手前で、まるでテレビにストップボタンをかけたかのようにピタリと止まった。

その反応に、ナシュミートは首を傾げ、「早く乗って」と言うが、龍夜から返事がない。

 

「じゃぁな」

「え?」

 

ナシュミートは龍夜の言っている言葉が理解出来ずに呆然としていると、その言葉の意味を理解する前に、龍夜がアプトノスを思いっきり平手打ちして無理矢理走らせる。ナシュミート「何を··········!?」と驚居ている中、龍夜はそれはそれはイタズラの成功した悪童のように笑っていた。

そんな龍夜の顔が憎たらしくて、ウザったらしくて、それがどうしても許せなくて、ナシュミートはやけくそ半分で竜ノ墓場全体に響き渡るような大声で文句を言う。

 

「龍夜!約束は、約束したじゃんか!?一緒に城に帰ろうって!」

「バーか!誰がお前みたいなワガママ"女王"の言うこと聞いてやるかよ!!俺はゆっくり帰らせてもらうよ!あーばよ!」

「ッ··········嘘つき!!龍夜の嘘つき!大嘘つき!!なんで!!約束したじゃんか!!龍夜なんで、龍夜なんで!!··········ッ、ばかやろう·····!」

 

そうしてナシュミートが竜車に乗って見えなくなった頃、龍夜はもう見えもき声も聞こえないであろえナシュミートに向けて叫ぶ。

 

「···············わがまま········いや、あんたはわがまま姫じゃねぇ、あんたは立派なこの国の第四女王、ミカエル姫、また会おう!今度はこんなうすぎたねぇ死骸の山ではなく!どこか広く神秘的な宮殿で!俺が"凄腕ハンター"として、あなたは"女王"として!美しき傲慢な女王よ!あなたの無理難題な依頼を!俺は楽しみに待つとしよう!!それでは!先に城で俺が帰ってくるのを楽しみに待ってな!!愛しの麗しきミカエル=ナシュミート女王!!」

 

そして言い終わった後、龍夜は肩で息をしなが、悪童のような笑みを浮かべる。

 

「だからよォ、邪魔すんじゃねぇ。脇役風情が!!」

「··········」

「··········」

 

後ろには、人を確実に殺すためだけに特化した短剣や、東洋特有の手裏剣と呼ばれる投げナイフを携え、黒い布を全身にまとい、こちらを睨みつける。

どう見てもハンターや、ギルドナイトなど、そう言った類の人間ではない。

この人間は自分と同じ、こちら側の人間(・・・・・・・)の目だ。

 

「知ってるぜ。なんせ俺の故郷の国の奴らだからな!まさか王族がこんなヤツらを呼ぶとはなぁ、"伊賀"の忍ども!!」

 

龍夜は笑ってはいるが、既に背中に五本の短剣が深く突き刺さっていた。

これは先程、ナシュミートと共に竜車に乗る一歩手前で受けたものだ。

故郷のものだからこそ分かる。今の状況でこの者達と戦い勝てる自信はなく、勝てる確率だって皆無に等しい。

しかし、もしもここで逃げ出せば、助かるかもしれない。

何せこいつらの狙いはナシュミートの身柄、もしくは暗殺だろう。

証拠に、先程からナシュミートに一秒でも早く追いつきたいのか、俺の隙を狙って、俺を放置してナシュミートを追いかけようとしている。

しかし、それが無理だとすぐにわかったこの忍びたちは、俺を殲滅することを選んだ。

 

「こい、てめぇらまとめてなで斬りにしてくれるわ」

 

そういった直後、数十という忍びが、同時に龍夜に襲いかかった。

 

「元G級ハンター、狂気の祟羅の実力、とくとご覧あれ!!!」

 

 




どーもあけおめ!!
大変遅れて申し訳ございません!
今回の過去編はナシュミートと龍夜でした。
多分次回もこれの続き、もしくは過去編ではなく、現在編の弟子編になると思いますが、楽しみにしていてください。
後最近オレカバトルにハマりまして、私今めっちゃハマってるんですよ、後最近腐って来てしまったのか、蘭マサにドハマリしてもうどっぷりですわ!
次回も書くので、「とくとご覧あれ!!!」
感想待ってマース


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俺の俺は俺でした

「頭、あの小娘はどうしますか?」

「すぐに追いかける」

「このゴミはどうしやしょう」

「金目のもんだけ剥いで捨てろ」

 

そう言って東洋の暗殺者達は、地面に転がり、ピクリとも動かなくり、周りに龍夜のちと思わしき血痕や、東洋の暗殺者達の仲間と思われる死体がいくつも散乱している中、東洋の暗殺者達に踏まれながらも、ハンターナイフや、金袋などなどを剥ぎ取られていく龍夜。

そして東洋の暗殺者の一人が、龍夜の付けている首飾りに気づく。

 

「珍しい首飾りだ。··········紅い石か?」

 

そう言って首飾りを剥ぎ取郎とした直後、突然東洋の暗殺者の腕を、龍夜の手が強く掴んだ。

 

「!?まだ生きていたのか!」

 

その言葉を聞いた東洋の暗殺者達は、全員が龍夜の周りから一定の距離をとる。

そしてその場は沈黙と殺気で静まり返り、数秒、東洋の暗殺者達の頭が何かを悟ったのか、龍夜の傍にた歩み寄る。

 

「頭!?危ねぇぞ!」

「···············いや、死んでる。こいつは確実に死んでるな。脈が動いてねぇ」

「だ、だけど俺、確実にうで、腕を思いっきり掴まれたんだ!」

「それは儂も見た!··········こやつ、話には聞いていたが、ここまで化物だとはな。やはり今ここでこやつをバラバラにして海に沈めろ。もしかしたらこやつ、まだ動けるかもしれぬからな」

 

そう言って東洋の暗殺者達は、腰に携えた短刀を抜き、ゆっくりと龍夜に近づき始める。

 

(···············狂気、確かにあやつの力は"凶器"だ。あやつはまるで人を殺すことだけに特化した人間。··········やつもこちら側の人間だったということか·············)

 

東洋の暗殺者達の頭はそんなことを頭に思いながら、ふと、記憶の引き出しから急に出てきた名前を思い出す。

 

「龍夜?はて、どこかで···············まぁ良い」

 

しかし、それを思い出すのはあと____

 

 

 

§

 

 

 

「罪を犯したものは無知と怒りゆえ」

 

そうしてハゲは俺の頭にゲンコツした。

 

「憎しみに飲まれるのは未熟ゆえ」

 

そうして再びハゲは俺にゲンコツした。

 

「この行いを元に学び、悔やみ、そして改めるが良い。これからの自分を過去と見つめ直し、そして助け導くのじゃ。それが強者の役目」

 

そう言ってハゲは俺の頭を優しく撫でた。

 

「僧とは神を信じるもの。仏とは人のみでありながら悟り、神の地位を手に入れたもの。神とは己の信じ、憧れ、生きがいであり、そして自分の全てである」

 

頭には痛みはない。その代わり、頭には細くて、シワシワで、冷たい手が俺の頭を優しく撫でていた。

俺の目からは、胸の当たりが冷たくて、風穴が空いたみたいに空っぽで、その空っぽの胸の中に、嬉しさと悲しさで一杯で、それが苦しくて苦しくて、涙が止まらなかった。

 

「次はお前が誰かの神になる番だ、『▂▂』よ」

 

俺は気がつけば僧に抱きしめられられていた。

俺の空っぽの胸に、嬉しさと悲しさ、それと溢れて破裂しちまいそうなくらいの優しく暖かい"何か"が注がれ続けた。

それが何なのかは今の俺には分からない。だけど、その何かこそが、俺が生きていた中で、一番欲したものだったことに気がつくまであと━━━━━

 

 

 

 

§

 

 

 

 

「弱い、とろい、カスい、雑魚、使えねぇ。ほんとにお前って俺なわけ?」

「あ"ぁ"?」

 

そこには、ボロボロの装備に、体にバリスタ弾や矢や剣が体に突き刺さり、体からは血がしたたり、手足には枷や鎖が着けられており、肩には大剣を担いだ"俺"が立っていた。

 

「なぁ、もう何もかも忘れちまえよ。師匠を殺した人間や王族が憎いだろ?あの小娘だって王族で、しかも師匠を殺した国王の孫娘だぜ?そんな奴の娘を命はって守ってるお前の気が知れねぇ」

「黙れや、"狂花"」

 

龍夜は声を太くして、今目の前にいる自分と瓜二つの、狂花と呼ばれる男に敵意と殺意をぶつけると、狂花もまた笑いながらではあるが、龍夜に敵意と殺意を向けた。

すると、奥の方から誰かが歩いてくる。

それは、背中に立ちを背負ったまた龍夜そっくりな男だった。しかし、その顔は無表情で、どこか悲しげだった。

 

「··········なんでてめぇが出てくんだァ?祟羅ぁぁぁぁ?」

「·········俺がいたらまずいのか?」

「てめぇなんぞいても意味ねぇだろうがよおぉ。とっとと消えやがれ。師匠を見殺しにしたゴミが」

「師匠を見殺しにしたのはお前も同じだろ」

「あ"?」

「はは、言えてる」

「お前もだろ、龍夜」

「あ"?」

 

龍夜、祟羅、狂花、三人全員が同じ顔なのに、よく見れば三人とも風貌が異なる。

 

一人は、好戦的で、血を好み、殺しを好み、己の弱さを憎み、人を憎み、王族を憎み、憎しみに呑まれ、神をなくし、もう存在しない者を求め続け、己さえも見失って、命の尊ささえも忘れ鬼へと変わった者。

 

「てめぇら偽物の分際で図が高ぇ、俺は師匠を殺した人間を皆殺しにすんだよ、邪魔すんじゃねぇ」

 

一人は、自分を救った者に憧れ、溺れ、それに執着し、ただそれだけを求め続け、手を伸ばし、しかし永遠に手に届くことはなく、"それ"が手に入るならば己の命も惜しまない、愚かなる者。

 

「邪魔なのはお前らだ。俺はあの人の為に、もっと力が必要なんだ。お前らに構ってる暇わない」

 

一人は、己の過ちに気づき、"それ"が自分の求めたものでは無いと気づき、大事なものに気づき、今度は間違えないよう、今度は守れるよう、今度こそ、今度こそ、"あの人"に胸を張って会えるよう、その為に、己を取り戻そうとする者。

 

「どいつもこいつも、好きかって言ってんじゃねぇ。俺は早くあの忍をぶっ押してあのわがまま姫との約束を守らにゃならねぇんだよ!」

 

三人の意思は異なり、そして、三人全員が己が正しいと確信し、その他の二人が間違っていると確信する。だからこそ、邪魔な者を排除する。残りの二人は不純物だと確信し、そして三人が全員、己の信じ、愛した者を信じる為に、その為なら、邪魔者は誰だろうと排除する。

 

 

 

 

 

 

たとえ自分自身が立ちはだかろうとも、邪魔ならば

 

 

 

 

「「「邪魔すんならぶっ殺す!」」」

 

 






ちょっとややこしいので作者から龍夜、祟羅、狂花のまとめ

龍夜

師匠である花恋に憧れてハンターとなり、花恋正式な弟子になり、下位ハンターから五ヶ月で上位ハンターに進級。後、三年で上位ハンター一位となり、G級ハンター試験を受け、見事に進級する。
G級ハンターに進級してからも、目覚しい成果を上げ、次々とクエストを達成していく中、あるクエストを受け、"クエスト達成"して以来、名前を改名し、"祟羅"と名乗る。

祟羅

とあるクエストを受けて以来、師匠である花恋とは別行動をとることが増え、連続でクエストを受ることが増え、人と暮らすよりも、モンスターを狩猟する時間の方が圧倒的に多く、一時期G級ハンターで最も多くのモンスターを殺し続けているハンターとして有名になる。
ある日、師匠である花恋が"黒龍"討伐のクエストを受けたと聞き、単独ですぐに助太刀に向かうが···············

狂花

師匠を殺され、怒り狂い、師匠を殺した国王軍、及び国王、実弟である上位ハンター一位【モンスターハンター】を惨殺し、G級ハンター二人に拘束され、連行。
後に、G級ハンター会議により、G級ハンターから上位ハンターへと下がり、一年の【終焉監獄】に収監され、一年後上位ハンターとして復帰すると━━━━━━━

???

とある増と出会う



こちらもよろしく
https://syosetu.org/novel/211697/


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人の為と書いて偽

 

 

 

「いいか、武器や防具を造りたいならばできる限りモンスターの部位の全てを破壊することが先決だが、それだと自分が負傷するリスクも増える。そのためモンスターの部位を全て破壊するのはそのモンスターとの戦いになれるか、単純に強くなるか、他にも弱点である頭部を狙えばできる限り早く討伐できるし、あまり負傷することも無く討伐できる可能性も上がる。しかし、それだと報酬が少なくなったり、中には頭部が異常なほど硬いモンスターが居る。その場合はまずは兎も角モンスターの腹部や、後ろ足など、兎も角柔らかい部位を攻撃して地道に体力を削り、捕獲という手もある。また、グラビモスやバサルモスなど、全ての部位が硬いモンスターもおり、その場合は背中や腹に乗ってハンターナイフで甲殻の隙間にナイフをさして甲殻を剥がすという手もあり、結構武器の刃がもろくても倒すてはある。また、ヘビュウボウガンやライトボウガン、弓での場合は貫通弾を主に使う方が良いと言える。貫通弾は名前の通り貫通に特化した弾であり、部位の破壊も簡単と言えるだろう。しかし、ボウガンや弓の遠距離武器での防具は、動くことに特化しているため、どうしても防具は軽くて動きやすさを重視している分、モンスターの攻撃を喰らえば一撃で詰みだ。そのためリスクもでかい。なので遠距離武器を使う場合は兎も角体力をつけるか、強走薬グレートを大量に持っていく必要がある。また「あの、質問です」なんだちとせ」

「今なんの勉強ですか?」

「勿論狩りに向けての勉強だ。ちなみに黄金魚は生で食うと結構うまい。ちなみにこれテストで出すからなら。これ覚えてれば九十五点は確実」

「あ、はい」

 

ここはオンボロマイハウス。そこでは龍夜が何やら分厚い本を読みながら次々と狩の仕方、調合、防具の作る手順などを教えているが、その速さに二人は全く追いつけておらず、初めて五分で2人の理解できる範疇をとうに越していた。

 

「最後にもう1つ、狩りにおいて最も大事なことがある」

「「··········」」

「目の前で"仲間が殺されても"、逃げれる時は逃げろ」

 

その言葉に、2人は唖然とした。

その言動は何を意味するか、それが分からないほど自分たちも馬鹿ではない。

仲間が目の前で殺され、逃げろ?それはあまりにも

 

「ざっけんな!!!」

 

ジザクは声を荒らげ、立ち上がった。

 

「仲間が目の前で殺されて、逃げろ?そんなこと出来るわけ「できるかできないかを聞いてるんじゃない、そうしろと言ってるんだ」お前は、お前は仲間が殺されても黙って逃げられんのかよ!!」

「逃げるさ」

 

龍夜は恥じることなく、戸惑うことも無く、迷うことすらなく即答した。逃げて何が悪いと、まるで当たり前のように、はっきりとジザクに言い放った。

 

「····················ッ、やってられっか!!!!」

 

ジザクはあまりの怒りに耐えきれず、テーブルを蹴飛ばして龍夜のマイハウスを出ていった。

ちとせはジザクを追いかけるわけでもなく、龍夜になにか聞くわけでもなく、ただただ黙って座っているばかりであった。

 

「········なんで、そんなことを言うんですか?」

「····················」

 

静けさに耐えられなくなったのか、それとも好奇心に負けたのか、聞いては行けないと、ちとせの中で分かってはいても、自分の意思とは別に、その問いを投げかけてしまった。

 

けれど、帰ってくるのは沈黙ばかり、もしかすると怒らせてしまったのではないかと、不安になり、急いで「すみせん、忘れてください」と謝ろうとした時だった。

 

「難しいな、生きる術を教えんのわ」

「····················ぇ」

 

どこか悲しそうに、龍夜は呟いた

 

「なぁちとせ、お前はなんでハンターになりたい?」

「え?」

 

 

 

 

 

 

§

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、」

 

『目の前で仲間が殺されても、逃げれる時は逃げろ』

 

『お前は、お前は仲間が殺されても黙って逃げられんのかよ!!』

『逃げるさ』

 

「··········はぁ、はぁ···············クソっ!!!」

 

強くて、

 

憧れで、

 

目標で、

 

夢で、

 

希望で、

 

自分の全てだった男は、

 

名前も知らない『誰か』に殺されて、

 

悲しくて、辛くて、悔しくて、憎くて、恐ろしくて、怖くて、殺したくて

そいつがのうのうと生きてるのが許せなくて、悔しくて、なのにそいつが一番苦しそうで、泣きそうなほど生きるのが辛くて、1番苦しんでて、それが許せなくて

俺は、俺は、俺は、俺は、

 

「─────ッ!クソっクソっクソっクソっ!!!!クソガァ!!!!」

 

俺は叫びまくった。

それでも帰ってくる言葉は

 

「おい、てめぇか。龍夜の弟子ってのは」

「あ?なんだてめぇ────が!·····ぁ···············」

 

するとそこには、数十名のハンターがいた。

ジザクがそのハンターたちを見ると、突然後ろから、なにか鈍器で殴られたような激痛が走り、視界がブラックアウトした。

 

「お前には恨みはねぇが、てめぇの師匠ににゃぁ恨みがあんだ」

「家族や友の憎しみの····················な」

 

そうしてジザクはどこかに連れていかれた。

 

 

 

 

 

§

 

 

 

 

 

「····················ジザク」

 

ジザクが拐われたのを知ったのは、その数時間後、龍夜宛の一通の手紙がオンボロマイハウスに届いてからだった。

 

『オマエノデシヲアズカッタ ハカニコイ デナケレバ デシガハカニハイルコトニナルゾ』

(·························怒ってる)

 

横で龍夜を見ていたちとせは、あからさまに負のオーラを垂れ流し、完全に殺気を押えられていない姿に、少しだけ焦る。

 

「殺す」

 

そう言って龍夜は家を飛び出した。

 

「あ、待ってください!」

 

ちとせはすかさず龍夜を止めようとするも、既に龍夜はどこかに消えてしまった。

 

「あぁ、どうしよう。兎も角ギルドハンターに連絡をしなきゃ」

 

そう言ってちとせはモミジの所に向かった。



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