俺のもう一つの姿は間違っていない。 (ニコラス・シーバー)
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プロローグ前編

どうもはじめましてニコラス・シーバーです!
初めての作品投稿なのでとてもドキドキしています。
さて俺ガイルの設定なのですが時系列をずらして中学校にして修学旅行が終わった所からスタートです。
それではどうぞ!


貴方のやり方 嫌いだわ

 

人の気持ち考えてよ!

 

俺こと比企谷八幡は奉仕部2人に拒絶された。

修学旅行で告白を手伝って欲しいと俺達に依頼された。

だが告られる本人からは俺個人に阻止して欲しいと依頼された。

俺は彼女の依頼を最優先し実行した。

結果、俺が偽の告白をし告白を阻止した。

奉仕分の依頼をダメした俺は当然の如く2人に罵倒され来なくなった。

俺は自分を犠牲にして救う事しか出来ない。

悪い事だと思ってる。

だがそれしかないのだ。

誰も傷つかずいつも通りな生活するにはこれしかないんだ。

その後俺はこの件で妹の小町と喧嘩した。

小町は完全に俺が悪いと言った。

最初はいつものように受け流したが次第にエスカレートしついに俺のストレスが上を達し激怒した。

一番理解してくる筈だった者だと思ってた。

だがそれは間違ってたようだ。

その後小町とは一切喋らなくなった。

 

 

 

ある日、放課後ひとり奉仕部の教室で本を読んでいた。

普段なら俺合わせて3人で活動をしているがあの日以来俺ひとりでやっている。

結局この日は誰も来なかった。

教室の鍵を職員室に返し学校から出た俺はいつもの帰り道を歩く。

夕日は沈み空は暗く街灯が光る。

普段ならこの道は人が居るのに今日は珍しく人がいなかった。

そんな時だった。

 

「おい」

 

後ろから声を掛けられた。

男性の声だった。

振り向くと黒のフードを深く被ってポケットに手を入れている男。

声からして30前半の男性。

フードを深く被っているから表情がわからない。

 

八幡「えっ....と....どうかしましたか?」

 

「お前が比企谷八幡か?」

 

この男は俺の名前を口にした。

コイツは何者だ?

 

八幡「そうですが....てかなんで俺の名前を知っていますか?」

 

一応俺は答え質問を返す。

その時だった。

物凄い速さで男が俺の近くまで寄って来た。

男の顔が見えた。

人を殺す目、殺気をあらわにする。

同時にポケットに入れていた手が動いていた。

間違いない。

コイツは俺の

 

 

 

 

 

『もう一つの姿』を知っていた。

 

 

 

 

 

 

「死ね、トーマス・シュタイン」

 

 

 

 

 

 

こうして俺、比企谷八幡はこの世界から消えた。

 

 

男の遺体を残して

 

 

 

 

 

 

 

私とお兄ちゃんは以前大喧嘩しお互い何も話さなかった。

完全にお兄ちゃんが悪いと思った。

よく考えればお兄ちゃんのあり方を否定していた。

けどそれに気づいた頃には遅かった。

あの日、部活が休みで早く家に帰れた私はお兄ちゃんが帰って来るまでリビングにいた。

そろそろお兄ちゃんが帰ってくる時間、私は身構えていつでも自分の部屋に行けるようにした。

しかしお兄ちゃんは来なかった。

1時間経っても2時間経っても帰って来なかった。

心配になった私はお母さんに連絡した。

お母さん曰く「どうせ遅い時間に帰ってくるでしょ?」と呆れた声で言う。

次にお父さんにかけたけど電話に出てくれなかった。

お兄ちゃんは極稀に道草を食って遅れる時がある。

私はそれを信じて待つことにした。

しかし待ってもお兄ちゃんは帰って来ない。

帰ってくる気配がない。

数台のパトカーのサイレンが激しくなり私のお家を通り過ぎた。

パトカーのサイレンで私は去年の事を思い出した。

お兄ちゃんが中学1年生になったばかりの頃、お兄ちゃんは子犬を庇うような形で車に轢かれたのだ。

 

小町「そんな...筈.....ないよね?」

 

私は不安になりもう一度お母さんに電話を掛けた。

お母さんにお兄ちゃんがまだ帰ってきて居ない事を伝えた。

するとお母さんは溜息をついた。

 

小町「えっ......」

 

お母さんどうして溜息つくの?

するとお母さんはとんでもない事を口にした。

 

 

『小町が心配する事じゃないから安心してちょうだい』

 

理解出来ない。

お母さんが何を言っているのか分からなかった。

私はこの言葉を聞いて怒りをあらわにし怒った。

 

小町「安心してないから心配してるなじゃないッ!」

 

私の声は部屋中に響き渡る。

 

小町「もういい!お母さんなんて知らない!」

 

電話を切り私はお兄ちゃんの中学校 総武中に電話し、お兄ちゃんが帰って来ない事を話した。

次第にこの事は大きくなった。

翌日、私のお兄ちゃん比企谷 八幡は正式に行方不明となった。

私は泣いた。

悲しんだ。

そして

 

 

喧嘩して

 

お兄ちゃんを否定して

 

後悔した。

 

 

 

 

 

比企谷八幡が行方不明になったと知らされたのは彼が行方不明になって次の日だった。

担任の平塚 静が朝のホームルームで伝えたのだ。

クラスは騒然とした。

静からして一番印象に残ったのは、彼に関わって来たメンバーだった。

特に由比ヶ浜をはじめとする海老名、川崎だった。

絶望した表情だ。

海老名と川崎は八幡に恩がある。

放課後由比ヶ浜は急いで雪ノ下の教室へ向かった。

すると廊下に雪ノ下の姿が見えた。

 

結衣「ゆきのん!」

 

雪乃「由比ヶ浜さん...」

 

小さな声で雪ノ下は由比ヶ浜の名を口にする。

 

結衣「ヒッキーが.....ヒッキーが⁉︎」

 

雪乃「ええ、知ってるわ.....朝...先生が言ってた.....」

 

雪ノ下は冷静だった。

しかし内面はそうではなかった。

 

結衣「どう...しよう...私...どうしたら...」

 

雪乃「とりあえず、比企谷君のお家に行きましょ。」

 

2人は比企谷家へとむかった。

 

 

 

 

 

 

2人を出迎えてくれたのはワンピース姿の小町だった。

小町は由比ヶ浜と雪ノ下をリビングのソファーに招きお茶を出した。

 

雪乃「それで小町ちゃん...比企谷君が行方不明って本当なの?」

 

小町「.......」

 

小町は何も言わずコクッと頷いた。

いつも明るい彼女。

今はその真逆、表情は暗かった。

 

小町「今朝早くから警察の人が来ました。近くの所にナイフを持った男性が死んでいて、そのナイフに.....お兄ちゃんのッ.......血が.....付いてた...てッ.....!」

 

大粒の涙を流し下を向く小町。

 

結衣「ッ⁉︎」

 

雪乃「そんなッ⁉︎」

 

由比ヶ浜と雪ノ下は目を見開いた。

八幡が通る通学路に血のついたナイフを持った男性の遺体が見つかった。

ナイフについているその血は比企谷 八幡だと判明した。

 

小町「もしかして....お兄ちゃんは.....」

 

両手でスカートをギュッと握りしめ肩を震わせ苦しそうに声を出す。

小町の異変に気付いた雪ノ下はその場に立ち上がる。

 

雪乃「小町ちゃん落ち着いて!まだ比企谷君が死んだとは言い切れないわ!彼に限ってそんなことはッ」

 

小町「じゃあどうして帰って来ないんですか⁉︎」

 

雪乃「ッ⁉︎」

 

小町「お兄ちゃんの行方もわからない、ただ分かるのはその男が持っていたナイフにお兄ちゃんの血が付いてた。この状況でお兄ちゃんは生きている可能性なんてッ!」

 

パチッ

小町の頬に痛みが発した。

ビンタされた。

ビンタした本人は由比ヶ浜だった。

 

雪乃「由比ヶ浜さん...」

 

雪ノ下は由比ヶ浜がとった行動に驚いた。

小町は打たれた頬を両手で抑える。

 

結衣「何でヒッキーが死んだと決めつけるの!それでも小町ちゃんはヒッキーの妹なの⁉︎」

 

涙を堪え真剣な表情で小町を見つめる由比ヶ浜。

 

小町「じゃあどうすればいいんですか!もし死んでなかったとしでもどう接すればいいんですか!」

 

雪乃「.....」

 

結衣「......」

 

小町の言葉に2人は何も言えなかった。

 

小町「私はお兄ちゃんと喧嘩してまだ仲直り出来てない。雪乃さんも結衣さんもお兄ちゃんと仲直り出来ないんですよね?」

 

3人は八幡をやり方を罵倒し否定したのだ。

例え八幡が生きて帰って来たとしてもどう接すれば良いのかわからないのだ。

 

小町「私たちはお兄ちゃんの『居場所』を壊した。そんな私たちはどうすればいいんですか?」

 

涙ながら2人に訴える小町。

そんな中、雪乃は小町を抱きしめた。

 

雪乃「前に比企谷君は言ってたわ『絆は一度壊したら二度と戻せない。だがもう一度新しく作ることは出来る』って」

 

絆は一度壊れたら二度と戻せない。

しかし新しく作ることは出来る。

前に八幡が奉仕部の活動で雪ノ下と由比ヶ浜に言った言葉だ。

 

雪乃「確かに私たちは比企谷君の居場所を壊した。けど新しく居場所を作れる。勝手な事だけど彼が戻って来るまで私たちが彼の居場所を作ればいいのよ。

 

 

もし

 

彼が、比企谷君が戻ってきたら

 

謝って

 

仲直りすればいいのよ

 

例えばどんな結果になろうとも」

 

簡単な答えだった。

喧嘩した時は必ず「謝る」事が当たり前だった。

だが成長していくたびにそんな事はどこか忘れされてしまったのだ。

 

雪乃「だから小町ちゃん?」

 

雪ノ下は笑顔で小町に問いかける。

 

雪乃「諦めないで。今は彼が生きている事を祈りましょ?」

 

この言葉に小町はまた大粒の涙を出し雪乃の胸で泣き始めた。

由比ヶ浜も小町と同様に泣いた。

雪ノ下は自分の胸で泣いている小町を撫で始めた。

 

雪乃(全く...私たちを泣かせるなんて貴方って人はほんと罪な人ね。

 

 

 

 

だから

 

 

無事に

 

 

帰って来てちょうだい

 

 

 

比企谷君)

 

 

雪ノ下は目を閉じ笑顔のまま一粒の涙を流した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕日が落ちる前。

千葉のあるヘリポートに学生服の少年がいた。

濁った目、アホ毛がある少年だ。

しかし制服の上着の左肩に刃物で切りつけられた跡と血が付着していた。

ヘリが止まっているポートにひとりビジネススーツ姿のメガネの男性がいた。

男は少年を見つけニコっと笑い召使いの様にお辞儀をした。

少年はめんどくさそうに男の方へと向かった。

2人は知り合いで「上司(少年)と部下(その男)」の関係である。

 

???「おやおや、1年ぶりですねミスター」

 

楽しそうに男性少年に言う。

 

少年「ミスターはやめろセバスチャン。ってか何回目だよこれで....」

 

少年は頭をかきながら部下の名前「セバスチャン」の名前を言う。

 

セバスチャン「では『八幡』様とお呼びすればよろしいのですか?」

 

彼が口にした名前「八幡」

そう、この少年は行方不明になった「比企谷八幡」本人である。

 

八幡「いいや、『比企谷八幡』は昨日死んだ」

 

セバスチャン「急だったのでビックリしましたよ?まさかあの『トーマス・シュタイン』が身元がバレて暗殺されかけてたなんて前代未聞ですよ」

 

やれやれと両手でジェスチャーし呆れた表情と口調のセバスチャン。

 

セバスチャン「それで?本当によろしいでしょうか?

本当の名前『比企谷八幡』を消すという事は妹様『小町』様をひとりにさせる事になりますよ」

 

八幡「あいつにはお袋と親父がいる。それに俺が行方不明になった事で俺の分の学費やらなんや金銭面では大幅に節約出来るから小町との接せる機会が増えるだろう。

それに

 

 

 

身元がバレてしまった以上迷惑掛けるのも行けないからな」

 

 

 

 




さて、まぁ川崎さんの事なのですがどう言う設定すれば良いかまだ未定です。
オリジナル設定になりますがご了承下さい!
投稿日なのですが、暇つぶしに書いた作品なので次いつになるのかわかりません。
ですが次の話は書いている最中なので近日になります!
脱字、誤字、があれば報告して下さい!
評価、感想お待ちしております!


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プロローグ中編

数時間ぶりです!
本来ならこのお話でプロローグは終わり転入編にはる筈でしたが、訳あって中編にさせて頂きました。
短いお話ですがどうぞ!


2001年

人類は人口増加により食料とエネルギー問題に直面した。

この問題が発端となり5年間の第三次世界大戦が始まった。

昔の世界大戦と違い大勢の犠牲者が出た。

中国は日本の配下にするべく侵略作戦が開始されていた。

日本は自衛隊という「国を守る組織」はあるが戦争放棄を宣言している。

その為、武器と兵器の所有数は他の国と比べれば少ないのであった。

親国のアメリカに応援を要請しようと試みようとしたが、アメリカも同じくロシアと戦争をしている為難しかった。

そんな中、日本はある技術を生み出した。

それは

 

 

 

ナノマシンと粒子を使った「化学変化技術」

 

 

人間の体内に粒子を操れる電子機器ナノマシンを入れ空気中にある粒子を使い物質を構成し化学物質を生み出す事ができる。

だがこの化学変化技術には適合が発生した。

化学変化技術は適合する人間と適合しない人間が存在した。

日本は国内で適合する人間を集めるのに一苦労した。

だがこの技術のおかげで中国による侵略は阻止、

そして各国は「この技術は深刻な問題を解決できる可能性が大きい」と判断し戦争を終結させた。

 

 

 

 

 

また人々はこの化学変化技術を「魔法」と呼んだ。

 

 

 

そして現代2026年、魔法は身近な物となった。

 

 

 

 

 

ヘリポートでセバスチャンと合流した八幡ことトーマス・シュタインはセバスチャンと共にヘリに乗り東京の旧羽田空港滑走路へと向かっていた。

 

トーマス・シュタイン

魔法のデバイスや電子機器ナノマシン(魔法)を作る

ブランドメーカー、NM社(ナノマシンマジック)の天才プログラマー。

謎の天才プログラマーとしてエンジニアに所属しており

NM社を立ち上げたが社長の座には座らなかった。

この名前「トーマス・シュタイン」は仮の名前。

本当の名前は「比企谷八幡」中学2年生の少年である。

 

セバスチャン『トーマス様、今後の事についてどうなさいますか?』

 

操縦桿を握りヘリを操作するセバスチャンはヘッドホンを通し助手席に座っているトーマスに今後のことについて訪ねた。

 

トーマス『まずCIAと公安の協力のもと俺を暗殺しようとした奴らの正体を暴いて潰す。まぁ何処のどいつなのかは分かっているがそれまで隠密で比企谷家の安全を確保ってところだな』

 

トーマス・シュタインの正体を知っているのはアメリカCIAと日本の公安警察そしてNM社エンジニア達だけである。

両国のトップ組織とNM社は親密な関係である。

魔法(化学変化技術)を使った武器の開発、提供している。

なぜならNM社は他の魔法開発社と違って安全性や信頼度が高いからだ。

その為両国のトップ組織は莫大な金と投資を提供している。

トーマス・シュタインの身元がバレてしまった以上相手は比企谷家に手を出す可能はある。

トーマスはCIAと公安の力で比企谷家を安全を確保し暗殺実行した謎の勢力の正体を突き止めて貰おうと考えたのだ。

 

セバスチャン『その後は?』

 

トーマス『まだ分からん、とりあえず本社に行ってからだ』

 

 

 

 

東京旧羽田空港滑走路

現在の羽田は隣にあるがここの旧滑走路はプライベートに使われている滑走路だ。

ヘリから降りたトーマスとセバスチャンは外に待機させてあった黒のプライベート機に乗り離陸した。

機内はまるでホテルのように高級感溢れる物ばかり。

トーマスはシャワールームでシャワーを浴び新しい服に着替え席に座った。

すると後から飲み物を持ってきたセバスチャンがトーマスの反対側の席に座って飲み物を渡した。

トーマスは「ありがとう」と言い飲み物を飲んだ。

 

セバスチャン「トーマス様、本当にあのやり方で良かったのですか?」

 

トーマス「ん?.....どういう事?」

 

セバスチャン「本当の名前を消さなくて良かったのではないかと存じあげているのですよ。あと男の遺体だって回収班に任せればいいですし....シスコンの貴方ならやらないやり方です」

 

セバスチャンが放った最後の「シスコン」という単語にトーマスは「シスコン言うな」とツッコミを入れた。

飲み物をテーブルに置き「確かにそうだな」と呟いた。

 

セバスチャン「ならどうして?」

 

トーマスは訳を話した。

 

トーマス「前に小町や部活の奴らに俺のやり方を否定されてちまってなそれ以来あいつらから見放されちまったんだ。」

 

トーマスは修学旅行の時由比ヶ浜と雪ノ下に言われた時の事、小町と喧嘩した事をセバスチャンに話した。

 

トーマス「だからもう....居場所をなくしてしまって.....」

 

セバスチャン「丁度その時に暗殺者が来たと言う事ですね?」

 

トーマスは椅子の背にもたれ「ああ」と答える。

セバスチャンは視線をトーマスから窓に向けた。

 

セバスチャン「確かに、貴方のやり方は『自分を犠牲にする』やり方、あまり周りから好ましくないやり方です。」

 

セバスチャンの言っている事はトーマス自身分かっている。

しかし彼のやり方はこれしかないのだ。

 

セバスチャン「しかし貴方のその犠牲のおかげで今のナノマ社は成り立っている。あの日、貴方は

『一部の感情を失った』所為でそのやり方しか出来なくなった事だって知ってます。」

 

あの日、それは2年前の事だった。

トーマスはあるナノマシンの実験で自分を実験台にした。

結果は成功したが一部プログラムのミスである感情を失ってしまったのだ。

それ以来トーマスは今の捻くれた性格になってしまったのだ。

実験は成功で納めたが、トーマス本人が危険と計画を中止にした。

 

セバスチャン「私はこの件は何も言えませんが、貴方を尊敬しています」

 

セバスチャンは軽くお辞儀をした。

 

トーマス「....別に感謝される事はしてねぇよ」

 

トーマスはため息をつくしかなかった。

そしてセバスチャンに寝ると言い椅子をリクライニングにして目を閉じたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

俺が魔法(化学変化技術)に興味を持ったのは小学3年生の頃だった。

担任の先生が俺の目の前で魔法を見せてくれた。

先生は魔法関連の大学の卒業生だった。

俺は魔法の凄さに引かれ興味を持ち放課後、小学校卒業まで毎日先生へのところへ行き魔法を教えてもらった。

充実した3年間だった。

そんな中俺は新しい魔法をいくつか作った。

これに先生は驚いた。

まぁそりゃそうだろう、小学生が新たな魔法を生み出すなど前代未聞だ。

 

先生は「八幡は魔法を作る会社を立ち上げた方がいい」と言った。

将来の夢とか無かった俺はそういうのもありだと思った。

小5のある日先生はその言葉を現実にしてしまった。

大学時代の知り合いを紹介して来た。

その人は今のNM社の社長 ジョニー・ガルバスだった。

ジョニーは魔法技術師で先生の親友。

家系が伝統ある為莫大な財産を所持している。

ジョニーは運営に詳しく魔法開発会社を作ろうと考えていた。

しかしジョニーは魔法を開発する程の腕は自信がなかった。

そこで先生は俺をエンジニアとして雇って欲しいと頼んだ。

そう、ここからナノマシンマジック社「NM社」が誕生した。

 

 

 

 




感想であらすじが間違っていると書いてありました。
お恥ずかしながらどこが間違っているのかよくわかりません。
なので感想でも誤字報告でも良いので教えて下さい!
次回のお話も多分短いです。
高評価・感想・お気に入りお待ちしております!


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プロローグ後編

お久しぶりです!
前回の後書きにお話が短いと書きましたが思った以上に長かったです。
本編どうぞ!


トーマスとセバスチャンを乗せたプライベート機は太平洋を横断しアメリカJFK空港(ジョン・F・ケネディ空港)に着陸した。

プライベート機が停止した先にリムジンが一台。

昔は12時間で着いたが今では技術が進歩し8時間で着く事が出来る。

しかし8時間も椅子に座るのは辛く外で10分ぐらい立っていたいが時間がなかった。

2人は機内から降りリムジンに乗った。

リムジンは動き出しJFK空港を抜け高速道路へと乗った。

日本と違い建物のスケールが違う。

タワーホテルや高層ビルが数え切れないほど立っている。

 

アメリカ合衆国

誰もが聞いたことある国で「自由の国」と象徴されている。

3番目に土地が広く第一世界大戦、第二次世界大戦、太平洋戦争などさまざまな歴史を持つ。

有名な企業の本社はこのアメリカに終結している。

最先端技術を生み出す先進国である。

第三次世界大戦では共産国のロシアと戦争をしていた。

両国共に被害は大きく兵士の死者10万人、民間人の死者負傷者は5万人だった。

今のアメリカは被害にあった街は修復され跡形もなくなっている。

2人を乗せたリムジンは高速道路を降り本社がある街へ向かった。

それは若者が多く集まる街、

 

NY ニューヨークシティー。

 

観光スポットでも有名であり有名企業の高層ビルが立ち並んでいる。

その中にトーマスのNM社も存在する。

リムジンは中心部に入りNM社本社ビルの前に止まった。

リムジンを運転した運転手は降りて2人がいる席のドアを開けた。

トーマスとセバスチャンはリムジンから降りた。

202m以上の高層ビル、水色の窓ガラスの所為なのか全体がまるで巨大な結晶に見える。

屋上の看板に大きく「Nanomachine Magic Company」とあった。

本社のロビーに入ったトーマスとセバスチャン。

エレベーターに乗り最上階の社長室に向かう。

トーマスはジョニーと直に会うのは1年ぶりである。

最上階に着き2人は廊下を歩く。

廊下を歩いている幹部社員たちがトーマスの事に気付き足を止めてしまう。

 

トーマス「........」

 

セバスチャン「どうなさいましたか?」

 

何やら嫌そうな顔をするトーマスにセバスチャンはどうしたのかと聞く。

 

トーマス「....いや、周りの視線がな...」

 

周り視線が気になるトーマス。

変な目で見られているのか不安で仕方がない。

彼の性格を知っているセバスチャンは「ああ」と答えた。

 

セバスチャン「今の貴方は『トーマス・シュタイン』です。もっと正々堂々としていいのですよ」

 

トーマス「......でも周りの視線が気のなる」

 

セバスチャン「慣れてください『トーマス様』」

 

トーマス「なんで名前だけ強く言うの?」

 

そう会話をしているとあっという間に社長室に着いた。

その前に小さな受付カウンターがある。

そこにジョニーの女性秘書モニカ・ブラウニーが椅子に座ってディスクワークをしていた。

2人の存在に気づいたモニカはその場に立って笑顔で出迎えた。

 

モニカ「こんにちはMr.トーマス、それにセバスチャンも」

 

明るい声で英語を口にする。

 

トーマス「どうもモニカさん」

 

トーマスは英語を発しモニカに挨拶をした。

英語成績は5段階の中で2だった。

しかし実際トーマスの英語力は物凄い。

英語の成績が低い理由はトーマス曰く「面倒くさいから」である。

トーマスは頭が良い。

テストは全科目満点である。

しかし授業ではボーっとしてたり居眠りをしてサボり課題を適当にやり提出する始末だ。

トーマスは「学校での勉強(授業)する」のが嫌いである。

セバスチャンはモニカの前に立った。

 

セバスチャン「やあ、モニカ。早速だけどジョニー社長に会いたいんだけど」

 

モニカ「話は社長から聞いているわ。ちょっと待って.....」

 

モニカは予めジョニーから内容を聞いていた。

彼女はテーブルに置いてある固定電話の受話器を取り社長室にいるジョニーに電話を掛けた。

 

モニカ「Mr.トーマスとセバスチャンが来られました......はい、わかりました」

 

受話器を元に戻し2人に「OKよ」と告げた。

2人はモニカに感謝し社長室の扉を開けた。

奥にL字のテーブルとその上にパソコンが置いてある。

そして更にテーブルの後ろに1人スーツ姿の男性が立っている。

スキンヘッドで白人、体型はスリムで少しあごひげがある。

彼がNM社の社長、ジョニー・ガルバスだ。

トーマスたちのところへ行き正面に立つ。

 

セバスチャン「失礼します社長、トーマス様を連れて来ました。」

 

ジョニーは報告したセバスチャンに「ご苦労」と言いトーマスの方へ視線を向け微笑んだ。

 

ジョニー「久しぶりだねエイト君、電話でよく話すけど実際に会ったのは1年ぶりかな?」

 

ジョニーはトーマスの事を「エイト」と呼んだ。

八幡の「八」を取り英語にして「エイト」という事だ。

初めてあった時トーマスの本名が言いにくかったのか勝手にあだ名を付けられた。

 

トーマス「はぁ.....ここの人達はなんで俺をあだ名呼びするのか......」

 

そうトーマスは独り言のように吐く。

 

ジョニー「まぁまぁ、そっちの方が呼びやすいじゃないか?それに君はもう『比企谷八幡』じゃないんでしょ?」

 

トーマス「....それなら『エイト』だってそこから取っているんで同じじゃないんですか」

 

ジョニーは「君の新しい名前さ」と訳がわからない言い分を放ちじゃれ合いを終わらした。

 

ジョニー「千葉からの長旅ご苦労様、って言いたいところだけど早速ニッポンの公安とCIAからテレビ電話が来ている」

 

そう言ってポケットから小型リモコンを取り出し左の壁に埋め込まれている巨大なモニターが起動し画面に金髪の白人中年男性と短髪の日本人男性の顔が映った。

CIA長官のマイケル・マッカーサーと公安警察所長の金剛風間、日米最高機関のトップの人物2人である。

エイトは2人の面識があり特に風間とはちょくちょくプライベートで会っている程だ。

飛行機で太平洋を飛行中セバスチャンが本社に連絡し手配して貰ったのだ。

 

マイケル『こんにちは、Mr.トーマス。無事で何よりです。』

 

風間『1週間ぶりだねハチ君。』

 

トーマス「お久しぶりです、マイケル長官 風間さん」

 

トーマスはモニターの目の前に立ち軽く礼をする。

 

風間『早速だけど確認したい事があるけれど...』

 

その時だった。

ジョニーのテーブルに置かれてある固定電話が鳴り出した。

ジョニー駆け足で受話器を取った。

すると同時に社長室の扉がバンッと激しい音を立てた。

トーマスとセバスチャンは敵襲かと思い身構えた。

だが敵襲ではなかった。

 

???・???「「エイトォォ⁉︎(ハチ兄ィィィ!)」」

 

身構えていたトーマスは目を丸くした。

 

トーマス「え?....お前らなんで....ちょっ!?グハッ!」

 

金髪の白人女子とショートボブの少女が勢いよくトーマスに抱きついた。

まるでアメフトやラグビーのタックルだ。

モニター越しのマイケルと風間は2人揃って「「やっぱりそこに居のたか」」と呆れた声で言った。

彼女らはこの2人の娘である。

金髪のロングヘアで青い瞳を持つのがマイケルの娘

エリナ・マッカーサー

トーマスの一つ歳上で彼の事をジョニー同様「エイト」と呼んでいる。

年に2回彼女はトーマスに会いに日本に来る。

ショートボブで黒く輝く瞳を持つ少女は風間の娘

金剛 風香

トーマスのひとつ下でいつも「ハチ兄」と呼んでいる。

トーマスがプライベートで風間と会いに行く時必ず風香がいる。

2人は魔法が扱える。

エリナはアメリカの魔法大学付属中校の生徒で序列1位であり風香は魔法メインの私立中学の生徒である。

トーマスはたまに風香のデバイスを調節している。

彼が襲われ行方不明になった事を知った彼女らは居ても立っても居られなかった。

行方が判明した事を聞いた風香はネットでアメリカ行き即チケットを購入し1時間後空へ、エリナは風香を迎えに行くため空港で待機していた。

尻をついたトーマスは身動きが取れず彼女たちの思う壺だった。

 

風香「ハチ兄ぃ、心配したんだよぉ」

 

涙目で訴えながら顔をトーマスの胸に埋める風香。

 

エリナ「私もよエイトぉ、でも無事で何よりだわぁ」

 

両腕をトーマスの首に巻いて頬と頬を擦り付け合うエリナ。

 

ジョニー「なんで2人が.....どうなってるの?....」

 

モニカが社長室にやって来て訳を話す。

 

モニカ「申し訳ございません社長、今は大事な会議中なので入れないと言っておいたのですが無理矢理入って来られて....oh...」

 

モニカはトーマスが女子2人に押し倒されているところを目撃してしまった。

 

トーマス「な、なんでエリナと風香が此処に居るんだ?ていうか離れろ!」

 

2人の胸が身体にあたり甘い香りが鼻を擽ぐらせる。

精神的に限界だったトーマスは無理やり離れようとするが風香は顔を埋めたまま強くトーマスの服にしがみ付き、エリナは強く抱きしめトーマスをホールドする。

完全に放してくれない。

 

トーマス「ちょっ、長官⁉︎風間さん⁉︎見てないでなんとかして下さいよ⁉︎娘さんですよね⁉︎娘がこんな事して良いわけないですよねぇ⁉︎」

 

マイケルと風間に強く問い掛け助けを求むトーマス。

しかし

 

風間「そう言われても...ですよねマイケル長官?....」

 

マイケル「エリナも嬉しそうだしいいだろう?Mr.も罪な男ですな」

 

ニヤニヤする風間、蔓延な笑みなマイケル、この2人は自分の娘がトーマスに好意を寄せている事は前から知っている。

だから何もしないのだ。

 

トーマス「それでも父親か!」

 

トーマスは大声を上げる。

となりにいるセバスチャンに助けを求めるが「両手に花は正にこの事ですね」と言い拒んだ。

誰も助けてくれない。

こうしてエリナと風香によるトーマスの精神的な地獄が始まった。

 

 

 

 

 

精神的地獄から10分が経った。

エリナは満足したがトーマスの腕にしがみついてた。

一方のトーマスの胸に顔を埋めていた風香は飛行機の疲れがあったのか胸の中で寝てしまった。

モニターの横にソファがあったのでトーマスはそこに風香を寝かせた。

ここからトーマスの表情が一変に変わった。

 

トーマス「再開しましょう、風間さん何か俺に言おうとしましたよね?」

 

風間「そうだね、まず比企谷家の近くの路上にハチ君の血が付いたナイフを持った男の遺体が発見された。コレはハチ君が殺ったのかい?」

 

トーマス「ええ、それに俺を襲った暗殺者もコイツです」

 

トーマスはあの時の記憶を思い出す。

 

 

 

 

 

 

「死ね、トーマス・シュタイン」

 

男は加速魔法で急に近づきポケットからナイフを取り出す。

そしてそのナイフで八幡に振る。

 

八幡「ッ⁉︎」

 

油断してしまった八幡はなんとか後ろへ飛び回避するも左肩にナイフが擦った。

制服の肩部が破れそこから赤い血が溢れる。

それを見た本人八幡は舌打ちをし男の方を睨んだ。

 

八幡「テメェ、俺を名前をしっているって事はただ者じゃねぇな」

 

ここで八幡の察しがこの男はただの通り魔ではない事を確実とした。

 

「...........」

 

男は黙ってナイフを構えた。

八幡は右手で人差し指と親指を立てて銃の形を作った。

それを男の方へと向けた。

 

八幡「まぁ......無理矢理聞かせてもらうがな」

 

八幡は指先に魔法を発動した。

 

「........」

 

男は阻止するべく加速魔法で八幡に近づきナイフを心臓に向け刺す。

だがナイフは1センチ手前で止まった。

突如男は止まった。

正確に言えば「動けなくなった」のだ。

 

「.......ッ⁉︎」

 

男の足元に四角形の魔方陣が展開されていた。

 

八幡「.....トラップ系魔法『キラーネット』」

 

キラーネット

トラップ系魔法で一度魔方陣に踏み込んだら身動きが出来ない魔法。

指先に発動した魔法はただの囮だった。

 

八幡「こんな単純な魔法に気付けないとはナメられたもんだな」

 

八幡は更に魔法を発動する。

尋問魔法だ。

右手で尋問魔法を発動し男に放った。

 

「.....グッ⁉︎」

 

魔法を受けた男は苦悶の顔を見せた。

 

八幡「さて、誰の差し金だ?」

 

「...言えないッ...だが世界の中心に君臨するとだけ言っておこう.....」

 

八幡は魔法を発動した右手を軽く握った。

 

「グウッ.....⁉︎」

 

男が急に苦痛の声を上げる。

全身に今まで感じたことがない痛みを味合わせたのだ。

汗が吹き出る。

 

八幡「...言え」

 

「....ちっ中国だッ!中国の....龍頭(ドラゴンヘッド)だ!」

 

龍頭 ドラゴンヘッド

中国の大きなマフィアで暗殺の依頼や秘密工作を行う組織。

裏では中国の政府と繋がりがある。

 

八幡「なぜ俺を狙う。目的はなんだ」

 

「し、知らない!俺は上の命令で動いているだけで理由はわからない!」

 

必死な声で訴える男。

さっきの強気はどこか消え今になってはただ命乞いをする敗者。

八幡は男の情報を元に簡単な2つの推測を立てた。

1つはドラゴンヘッドが個人目的で起こした事。

2つは中国政府がドラゴンヘッドに俺の暗殺を依頼した事。

最後に八幡は男になぜトーマス・シュタインだとわかったのか問い掛けた。

しかし男は上に命令され時に写真で見ただけだと言った。

つまりドラゴンヘッドの幹部らは八幡の正体がバレているという事になる。

 

「な..なぁ....命だけは助けてくれるよな?トーマス・シュタイン.....」

 

男は震えた声で八幡に問う。

八幡は「ああ」と言い尋問魔法を解いた。

 

八幡「だが....」

 

指を鳴らし再度魔法を発動し男の足元に魔法陣を展開した。

 

八幡「5分間これに耐えたらの話だがな」

 

八幡が発動した魔法は魔法陣の範囲内に存在する空気を消す魔法である。

 

「ッ⁉︎」

 

空気がなくなった男は息が出来なくなった

抗うとするがキラーネットで動けない。

八幡は男に背を向けその場を去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トーマス「ーーーーっという事です」

 

トーマスはマイケルと風間に襲われた時の事を話した

 

マイケル『ドラゴンヘッド.....これまた随分と大きな輩が動きましたな』

 

風間『それに厄介な事にハチ君の正体が幹部にバレているとは確実に裏で中国が糸を引いてますね』

 

両国の最高組織の責任者2人は難しい顔を見せた。

ドラゴンヘッドを相手となると厳しい。

何故ならドラゴンヘッドは魔法師、武器、兵力、あらゆる物を取り揃えている。

とてもマフィアとは思えない、まるで軍隊だ。

 

風間『一応此方は比企谷家の保護は可能だけど流石に巨大なマフィアを潰すのは無理がある』

 

流石の公安警察でも憲法を守らなければならない。

 

マイケル『ドラゴンヘッドを監視している担当がいるが、壊滅するとなると大統領に同意を得ないといけません。もし壊滅出来たとしても中国が黙っちゃいないでしょう』

 

CIAがドラゴンヘッドを叩いてもバックに中国がいる。

そのもし中国が宣戦布告をしたら第四次世界大戦が始まってしまう。

そしたらロシアも参加するだろう。

流石のマイケルもお手上げなのだ。

 

エリナ「お父さん、どうにかならないの?」

 

マイケル『すまないエリナ、この件は私1人ではどうする事も出来ん』

 

トーマスの隣にいるエリナは不安な表情だった。

 

トーマス(流石に思い通りに行かないか......)

 

しばし沈黙が続いた。

するとトーマスはある案を提案した。

 

トーマス「俺が囮になります」

 

エリナ「それはどういう事なの?」

 

トーマスは次のように応えた。

中国に自分の情報を流しその証拠の為にトーマス本人が日本へ行く。

そして上手くドラゴンヘッドを日本へ誘導し騒ぎを起こす。

この時点で日本の公安警察が動くことが出来る。

更にバックアップでCIAも付く。

 

風間『確かにその手で行けばこっちも動ける事が出来るけどハチ君、君が危ないじゃないか』

 

マイケル『Mr.風間の言う通りですMr.トーマス』

 

トーマスの案を反対する風間とマイケル。

彼のやり方を知っている2人は見てられないのだ。

しかしトーマスは意外な答えを出した。

 

トーマス「別に自分を犠牲するつもりはありませんよ。それに今から実行する訳でもありませんし」

 

マイケル『それはどういう事ですか?』

 

トーマス「実行するのは2年後それまで此処で魔法、デバイスの開発、体を鍛え直します」

 

トーマスは2年間アメリカにいる事を決意した。

 

マイケル『.....わかりました。では詳細に関しては次の機会にお聞かせ下さい。戸籍に関しては此方が用意しておきます。』

 

風間『取り敢えず比企谷家は隠密保護で当たらせて貰うよ。それと風香の事よろしく頼むね』

 

トーマスの意外な答えで2人は同意した。

 

トーマス「感謝します」

 

頭を軽く下げた。

テレビ電話を終えた。

本社を後にしたトーマスは風香とエリナと共にタイムズスクエアホテルへ向かいスイートルームの部屋を借りた。

風香は帰りのチケットを買っておらずいつ帰るのかわからない。

エリナは今週学校はこれで終わり休日を迎えてる。

なので「トーマスを補充」する為2人の希望で一緒の部屋になった。

部屋のベッドはキングサイズのベッドで1つしかなかった。

これもまた2人の希望だろう。

何故ベッド1つだけなんだとツッコミを入れたいトーマスだが疲れが溜まっていた所為か考える暇もなかく靴を脱ぎベッドに身を預けた。

するとエリナと風香もトーマスを挟む形でベッドに入り足を絡ませ腕に抱きつく。

 

風香「エヘヘー、ハチ兄ィ〜♪////」

 

エリナ「うーんエイトォ///」

 

トーマス「.......」

 

動く気力がないトーマスは2人の思うがままだった。

 

エリナ「.........」

 

するとエリナが急に表情が一変した。

不安な表情を見せた。

 

エリナ「....本当に良かったの?エイト」

 

トーマス「....何が?」

 

エリナ「全部よ....名前を捨てたとか色々!」

 

エリナは心配した。

トーマスは全てを投げ出し今ここにいる。

平和な日常生活から一変し逃亡生活のような事をしているのだ。

 

トーマス「大丈夫だ、俺はもう『比企谷八幡』を捨てたんだ。」

 

トーマスはアメリカに行く前に覚悟を決めたのだ。

妹の小町とはもう無縁。

きっと心配していると思うが両親がフォローしてくれるだろう。

 

風香「でもそれじゃあ『ハチ兄』なんて呼べないじゃん」

 

トーマス「それはあだ名で名前じゃない。それに....」

 

トーマスは両手で左右にいるエリナと風香の頭を撫でた。

普段しない事した彼は2人を驚かせた。

 

トーマス「名前は捨てたがここにいる俺は風香の『ハチ兄』、エリナの『エイト』でありトーマス・シュタインだ」

 

エリナ「エイト...///」

 

風香「ハチ兄....///」

 

エリナと風香はトーマスの言葉を聞き頬を赤く染めた。

 

トーマス(アレ?...これってプロポーズみたいな言い方したような...まぁいっか)

 

自分が言った言葉に少し疑問を持ったがトーマスは気にせず言葉を続けた。

 

トーマス「だから心配するな2人とも」

 

こうしてトーマス・シュタインは2年間アメリカで過ごす事になった。




さぁ今回はオリキャラ沢山とハーレムを出しました。
次からは転入編です。
奉仕部2人が八幡と出会うのかまだわかりません。
とういう訳で脱字 誤字 がありましたらご報告お願いします!
それと高評価 感想お待ちしております!


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転入編
第1話 入学式


こんにちは1日ぶりですね。
UA10000突破ありがとうございます!
まさか始めてハールメンに来て初めて書いたSSがこんなにも好評があるとは思いませんでした。
本当にありがとうございます。
さあ転入編に入ります。
その前に、
奉仕部2人はアンチだと思いがちですが全く違いますからね⁉︎
ゆきのんと結衣は完全に和解し完全にハーレムの中に入りますのでご了承ください!
それでは転入編スタート!


第1魔法大学付属

総武高校

千葉にある高校で魔法の基礎、実技を学ぶ関東最大の魔法高校である。

総武中学校も総武高校の付属校である。

魔法科だけではなく普通科も存在している。

比企谷八幡が行方不明になって2年が過ぎた春。

総武高校は新たな新一年生を出迎える。

それと同時に魔法科に3年生徒、普通科に2年生が1人ずつ編入生がやって来る。

 

風香「ハチ兄ぃ!エリ姉!早く早く!」

 

駆け足で走るショートボブの少女

金剛風香

魔法科 新入生

風香は今年で16になり総武高校の新入生になる。

1年前トーマスが総武高校へ行く事を聞き自分も受ける事にし見事合格した。

 

 

エイト「おいそんなにはしゃぐと転ぶぞ風香」

 

 

呆れた口調で風香を止める男。

如月エイト(旧名 比企谷八幡)(トーマス・シュタイン)

2年生普通科

転入生で今年から総武高校へ転入する。

2年前マイケルが用意してくれた名前で戸籍には「アメリカ出身」「日系アメリカ人」と書かれている。

そしてエリナ、マッカーサー家の親戚(身内)になっている。

それにちなんで髪型を変え昔のアホ毛スタイルから整えた髪型にした。

他にも、目が腐っているように見える為メガネを掛けて

昔は猫背だった背中は体を鍛え直してから常に胸を張っている。

2年の間、エイトは魔法やデバイスの研究開発と魔法体術師と修業をしていた。

「編入」という形で総武高校へ来れたのは風間のおかげである。

 

エリナ「そうよ風香ちゃん。まだ時間あるんだから」

 

 

エリナ・マッカーサー

魔法科 3年生

エイト同じく転入生でアメリカ国際魔法科高校からやって来た。

向こうでは魔法を使った模擬戦では序列1位、国際大会で名を轟かせるほどの実力者、日本でも彼女を知っている者もいるだろう。

 

風香「だって今日から三人で学校行けるじゃん!」

 

3人で学校生活を共にする事にワクワクしている風香は興奮する。

桜が散り去った後の日本は今日、どの学校も入学式と始業式。

総武高校も今日から始まる。

今日から3人の学校生活が始まるのだ。

 

エイト「気持ちはわかるが落ち着け。別に逃げる訳でもないから」

 

エイトは風香の頭に軽くチョップした。

それを見たエリナは手を添えてクスクスと笑った。

 

風香「モーッ」

 

頬を膨らませあざとくエイトを睨む。

三人は一緒に並んで登校した。

高校が近くなるに連れて生徒達が歩いている姿が見受けられる。

総武高校の制服は魔法科と普通科では異なり紋章がある。

魔法科の制服はエメラルドグリーンのブレザー着で左肩の外側に桜の花びらの紋章

普通科は至って目立たない紺のブレザー着で紋章は四葉のクローバーである。

学校の正門に着いた。

正門は大きく立派な物だった。

門の横に黒字で「%#年度祝 入学式」と縦文字で書かれた白い看板が立っていた。

 

エリナ「ねぇ此処で写真撮りましょうよ」

 

エリナは写真を撮りたいと言いポケットからスマホを取り出した。

「賛成ッ!」風香は嬉しそうに言う。

 

エイト「だが、三人一緒に撮るって事は誰に撮って貰わないと」

 

三人一緒に撮るには写真を撮ってくれる人が必要。

エリナは困った顔し辺りを見回した。

重力魔法を使えば簡単に済ませれるが校内や街中で緊急時以外は使ってはいけないのだ。

すると目を付けたのかエリナは黒髪のロングセミの赤い瞳の魔法科の女生徒を呼んだ。

 

エリナ「すいません、写真撮ってくれませんか?」

 

そう尋ねられた女生徒は「いいですよ」とにこやかに返事をしてくれた。

どこか大人びている。

エリナはスマホのカメラを起動し渡してエイトと風香の元へ戻る。

看板の三人は前に立つ。

右から風香、エイト、エリナの順だった。

 

???「それでは行きますよ?3、2、1、」

 

パシャっとスマホから音が鳴り写真を撮れた事を告げる。

女生徒は撮った写真を見てブレてない事を確認してエリナに渡した。

 

エリナ「ありがとうございます」

 

???「いえいえ、 お安い御用ですよマッカーサーさん」

 

彼女はエリナの苗字を口にした。

彼女に自分の名前を教えていないエリナは何故知っているかと疑問に思った。

 

エイト「何故エリナの名前を?」

 

そこでエリナが思った事をエイトが代わりに言った。

 

???「そりゃ国際大の常連さんがこの学校に編入するなんて生徒会からすれば大事ですよ。如月エイト君」

 

そう言ってエイトのフルネームを口にする彼女。

彼女は自己紹介を始めた。

 

七海「はじめまして転入生の皆さん。私の名前は『西門字 七海』魔法科の生徒会会長をしております」

 

西門字 七海

魔法科3年で魔法科生徒会の会長。

生徒会だから転入生の事を知っているのだろう。

この高校は魔法科と普通科に別れている為生徒会が2つ存在している。

 

風香「西門字って.....えぇ⁉︎あの西門字ですか⁉︎」

 

風香は七海の苗字を聞いて驚きを隠せなかった。

 

七海「ええ、その西門字よ」

 

にこやかに笑いながら風香に告げる七海。

エイトは「西門字」という名前に覚えがあった。

西門字家は第三次世界大戦に中国軍の侵略を最前線で戦った「十人の魔法師」の1人で七海はその孫にあり西門字家の次期当主である。

 

エイト(西門字家の次期当主か....)

 

日本のどこでも「西門字」の名を知らない者はいない。

 

エリナ「ねぇエイト、サイモンジってそんなに有名なの?」

 

日本の魔法の歴史を知らないエリナにはチンプンカンプンだった。

そこでエイトは「日本の歴史人物だ」と簡単にまとめた。

その頃、風香が七海の所へ寄り目を輝かせていた。

 

風香「西門字先輩に会えるなんて光栄です!握手して下さい!」

 

七海に憧れを持つ風香は手を差し出す。

 

七海「え、ええいいわよ、これからもよろしく。それと苗字じゃなくて名前で呼んでくれると助かるわ」

 

風香「はい!七海先輩!」

 

戸惑いながらも風香を握り握手する七海。

 

エイトはある事を思い出し七海に質問した。

 

エイト「七海先輩、職員室は何処にあるのでしょうか?学校に着いたら職員室に寄るようにと教員に言われて」

 

入学式は会議ホールで行われる。

エイトとエリナは風香と違ってステージ側に立って挨拶をしなければならない。

その為、教員達と打ち合わせしなければならない。

 

七海「それなら大丈夫よ。私も職員室に寄るところだったし、それに先生からエイト君とエリナちゃんの案内を任せられているから」

 

いつのまにかエイトとエリナの事を「君」や「ちゃん」付けし最後にウィンクする七海にエイトは戸惑った。

 

エイト「で、ではよろしくお願いします」

 

エリナ(これは.....アタックしたわね.....)

 

風香(七海先輩.....ハチ兄は譲りませんよ....)

 

エイトのガールフレンド2人はジト目で七海を見た。

それに気づいた七海。

 

七海「2人ともどうしたの?」

 

エリナ・風香((無意識かッ!))

 

こうして七海を入れ4人は門を潜り校内へ足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 

カーテンの隙間から太陽の光が射す。

ベッドで寝ていた私はその日差しで起きた。

私の名前は雪ノ下 雪乃。

総武高校普通科、今年から2年生よ。

高校に入ってから私は一人暮らしを始めた。

私はベッドから起き上がりシャワーを浴びに向かい眠気を覚ました。

あれから2年が経った。

比企谷君は未だ見つかっていない。

行方不明以来、警察が動いてくれたけど私と由比ヶ浜さん、小町ちゃんと一緒に比企谷君の行方を探した。

時々、川崎さんと海老名さんも来てくれた。

最初、海老名さんが来た時修学旅行での出来事を話してくれた。

あの時、何故比企谷君があんな事をしたのかを。

当時、海老名さんは戸部君の告白を阻止して欲しいと比企谷君個人に依頼した。

比企谷君はその依頼を受け奉仕部の依頼を放棄した。

奉仕部の依頼、私と由比ヶ浜さん側の依頼内容は比企谷君の真逆「告白を成功させるべく周りを見張る」事だった。

結果、偽告白をし阻止した比企谷君が依頼を果たした。

そうとも知らず私と由比ヶ浜さんは比企谷君を非難した。

私たちはあの時、海老名さんの気持ちを知らず「告白を成功させる」事しか考えてないかった。

比企谷君はいち早くそれに気づいたのかも知れない。

だからあんな事をした。

海老名さんからそれを聞いた私と由比ヶ浜さん、そして小町ちゃんは罪悪感を感じた。

私達は正真正銘彼の「居場所」を壊してしまった。

だから彼は行方不明になったとしか思えない。

私達は償いきれない事をしてしまった。

だからこそ諦めず彼の行方を探し続けている。

シャワーを終えあらかじめ用意して置いた制服を着て朝食を取った。

高校に上がり私と由比ヶ浜さんは奉仕部を作った。

しかし依頼人の数は中学と同じ程、依頼人が来ない日は比企谷君の行方をしらみつぶしに探す。

その時は必ず小町ちゃんと平塚先生が来てくれる。

終わった後、毎日比企谷家に行く。

理由は彼が居なくなった今、家は小町ちゃん1人。

だから私と由比ヶ浜さんで小町ちゃんの面倒を見ている。

比企谷君と小町ちゃんの両親は共働きでいつも家を空けている。

両親は彼の事をどう思っているのか知らないけど小町ちゃん曰く最低な親だとの事。

小町ちゃんの言い方察すれば日常生活では両親は彼の事を見ておらず小町ちゃんしか見ていないと考えられる。

小町ちゃんあの日以来両親と決別しているとの事。

身支度をし終えた私は家を出た。

私が住んでいるところはタワーマンション。

高校から少し遠くいつも電車で登校している。

今日は入学式。

奉仕部は活動はない。

今日も彼の手掛かりを探しに行く。

私も由比ヶ浜さんも高校2年、そろそろ進路を考えなければならない。

学校へ着いた。

相変わらずこの学校は広く大きい。

何故なら魔法科と普通科に別れているのだから仕方がない。

この学校は魔法科が有名で関東一位を誇る。

普通科も東大へ行けるほどの実力はある。

私のクラスは2年E組。

昨日学校がありクラスが発表されたから分かる。

鞄を自分の机に起き席に座った。

すると馴染みのある声が私を呼んだ。

 

結衣「やっはろー、ゆきのん」

 

明るい声で挨拶してくれるのは私の「友達」由比ヶ浜さん。

由比ヶ浜さんも私と同じクラス。

他にも川崎さんや海老名さん、戸塚君もいて2年前から関わりを持っている人達が集まっている。

一方、葉山君や戸部君達(カースト集団)一部は魔法が使えるから魔法科を選び魔法の勉強をしている。

私は挨拶してくれた由比ヶ浜さんに明るい表情で返す。

 

雪乃「おはよう由比ヶ浜さん」

 

私が由比ヶ浜さんと友達になれたのは比企谷君のおかげ。

それは一緒に彼を探し続けて得たものだからある意味そうかもしれない。

 

結衣「あのさ!今日部活ないから小町ちゃんと一緒に行く?」

 

由比ヶ浜さんが口にした「行く」と意味はどこかではなく「比企谷君を探しに行く」という意味だった。

私は「勿論よ」と答えた。

それから待ち合わせ決めこの話は終了した。

すると今度は別の話を振ってきた。

 

結衣「そういえば今日だったよね!転入生!」

 

昨日先生達から転入生が来ると言っていた事を思い出す。

 

雪乃「え、ええ。そう言えばあったわね、確か....私達の学年と3年に1人ずつだったわよね?それに2人ともアメリカ人って言う話だし」

 

結衣「そうそう!しかもウチらの学年の編入生、普通科だって!ねぇ珍しくない⁉︎」

 

普通科に編入生は確かに珍しい。

魔法科の編入生は毎年あるそうだからそう珍しくない。

 

雪乃「普通科の転入生.....ね」

 

私は独り言の呟くように口にした。

それを聞いた由比ヶ浜さんは何か寂しげな感じで

 

結衣「.....ヒッキーだったら良いのにね..」

 

と口にした。

由比ヶ浜さんの言う通り、出来ればそうであって欲しかった。

初めて転入生が来ると知った時心のどこかで期待した。

けど現実はそう甘くなかった。

由比ヶ浜さんには悪いけど世の中はそんな思い通りにはならないわ。

そうしている内に教室に居た生徒達が教室を出始めた。

時計を見るとそろそろ会議ホールへ行く時間だった。

 

雪乃「私達もそろそろ行きましょ」

 

由比ヶ浜「うん」

 

しかし私のその理屈はその転入生により覆された。

 

会議ホール

生徒総会や学年集会、さまざまな所で此処は使われる。

同じ学校だけど中学より高校の方が金を沢山使っているのね。

正面にステージがあり、その前に固定された椅子が沢山並べられている。

後ろ側の方はステージが見えやすいように前側の席より高くなっている。

前の席が1年生、真ん中の席が2年生、そして最後の後ろ側の席が最上級生の3年生。

私は自分の席が何処なのか把握しているからスムーズにいけた。

辺りを見ると3年と2年は全員自分の席に座る頃だった、けど新入生達の方が少し手こずっている。

少し時間が経った。

全生徒は自分の席に座って待機していた。

予定時間通り入学式が始まった。

校長を始めとするお偉いさん方がステージに上がり用意された席に座る。

司会は普通科生徒会会長の廻先輩と魔法科生徒会会長西門字先輩。

式は順序良く進んでいる。

がしかし、退屈だった。

お偉いさん方の挨拶は特にそうだった。

生徒によく分からない言葉を使い長々と話す。

こんな事言っても生徒に伝わないわよ。

こんなのだったら小説持ってこれば良かったとつくづく思う。

いつからか彼、比企谷君と同じ考えを持ってしまったのだろうか。

私はそう思いながら式を見ていた。

 

式は終わりの手前までやって来た。

最後は転入生の紹介だった。

 

七海『それでは最後に転入生を2名紹介します』

 

司会の西門字先輩のセリフを合図に転入生2はステージに上がり真ん中に立った。

1人は金髪のアメリカ人女子。

彼女が魔法科3年生の転入生。

魔法競技の国際大会の常連選手だとか。

そしてもう1人のアメリカ人は......

私の視界は彼女の隣の男子編入生へとやった。

その時だった。

私は目を疑ってしまった。

メガネを掛けた編入生はアメリカ人ではなく日本人。

髪型は前とは違っているけど私の目は誤魔化せなかった。

何故なら彼は

 

 

 

比企谷君だと。

 

 

七海『2年生普通科『如月エイト』君と魔法科3年生『エリナ・マッカーサー』さんです。まず先に如月エイト君からご挨拶です』

 

 

彼が二歩前に歩きスタンドマイクを近づかせる。

そして正々堂々と立ち一礼し口を開けた。

 

エイト『アメリカから来ました2年普通科の如月エイトです』

 

 

 

 

 

 

 

 

雪乃「........ッ!?」

 

 

「雪ノ下さん大丈夫?」

 

驚きのあまり声を出してしまい隣の席のクラスメイトに心配させてしまった。

私は慌てて彼女の方へ振り向き大丈夫だと言った。

すると彼女の横に座っている川崎さんが見えた。

 

川崎「........」

 

川崎は彼を見て驚きの表情を見せ口が開いたままだった。

川崎さんも彼の事に気づいたのであろう。

私はもう一度視界を元に戻す。

 

エイト『名前は日本人ですが私はアメリカ出身の日系アメリカ人です。今皆様方と日本語で話せれるのは日本人である祖母のおかげです。この学校へ来た理由は祖母と祖父が昔ここ千葉に暮らしており興味があるからです。2年間よろしくお願いします。』

 

そう自己紹介し彼は一礼して元の場所へと戻った。

全生徒は拍手をした。

彼 如月エイトは比企谷君と同じ声をし顔も似ている。

髪型を変えとメガネを外せば比企谷君と瓜二つ。

本当に彼 比企谷君かも知れない。

しかし彼には捻くれた所がな寧ろ堂々としている。

本当に彼は比企谷君なのか。

拍手が止まない中、私は唖然し頭の中を混沌とさせた。

 

そして胸の内が

 

急に痛くなり

 

辛くなった。

 

雪乃(.......比企谷君ッ!)

 

その痛みを抑えるべく私は右手で胸を押さえた。




今更なのですが小町含め3人をどう和解させれば良いのか全く想像つきません(申し訳ないです)
次回作はいつ投稿するかわかりません!
出来上がり次第なるべく早く投稿したいと思います。
脱字・誤字があれば報告よろしくお願いします。
それと高評価・感想もお待ちしております!


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第2話 再開と波乱

どうも、ニコラスです。
前回のお話で沢山の感想とご指摘ありがとうございます!
今回はタイトル通り奉仕部2人が生まれ変わった八幡と再会します。
それとあのカースト野郎も出ます。
それではどうぞ!


 

総武高校の教室は他の学校と違い黒板がデジタルモニターである。

生徒の机にもモニターが埋め込まれてあり木製から鉄製に変わっている。

床も樹脂製で教室は近未来だ。

「2年A組」と表札に書かれている教室にトーマス・シュタインこと如月エイトが男性担任に連れられ教壇に立たされていた。

自分の席に座っている生徒達はエイトを注目する。

 

「今日からこのA組のみんなと一緒に過ごす『如月エイト』君です。」

 

40後半の担任がエイトの隣で軽く紹介する。

デジタル黒板に縦文字で『如月エイト』と表示された。

 

エイト「如月エイトです。日本へ来る前に皆さんと一緒に新しい高校生活を送れる事を楽しみにしておりました。1年間よろしくお願いします」

 

軽く自己紹介したエイトは表情1つも変えず軽く頭を下げた。

 

エイト(昔の俺だったら絶対こんな事言わなかったな)

 

人の視線が自分に向けられるのが嫌いだった昔のエイトは今では普通に気にしなくなった。

心の中でそう呟いたエイトは頭を上げ後ろから1番左の3番目の空いている席を見た。

 

エイト(そこが俺の席か)

 

空いている席は自分の席だと悟った。

 

「えー彼の質問等は授業後の放課で。じゃあ如月君、あそこに空いている席が君の席だよ」

 

エイト「わかりました」

 

エイトは教壇から降り自分の席に座った。

普通科と魔法科のクラス名はそれぞれ違う。

普通科はアルファベットで魔法科は数字で別々に分けられている。

この学校は制服の色も紋章も全て「別々に分けられてる」所為で4割の生徒が差別すると言う情報がある。

特に魔法科生徒(サクラ)が普通科生徒(クローバー)を差別する事が多い。

その所為で逆に普通科生徒が魔法科生徒を憎む者も生まれる。

配布物と連絡事項授業が終わり放課になった。

するとエイトの周りに大勢の生徒が集まった。

 

「ねぇねぇ私ーーーって言うのよろしくね!」

 

「俺はーーーーって言うんだ!」

 

「アメリカのどこに住んでたの⁉︎」

 

「いい体付きだな、もしかしてスポーツとかやってたのか?」

 

我が先と言わんばかりに様々な質問が飛び交う。

驚いたエイトは一瞬目を丸くしたが落ち着いた態度で質問を返した。

エイトを一目見たいと廊下からギャラリーが集まっていた。

 

エイト(こりゃ......休憩出来ないな)

 

 

 

 

一方その頃、

魔法科3年B組の教室でも同じ目にあっている者がいた。

 

 

 

 

「エリナさん!エリナさんはどのくらい魔法をお持ちなのですか!」

 

「どうやってエリナさんみたいに強い魔法を放てるんですか?」

 

「エリナさんはなんで此処に来たんですか?」

 

エリナ「そんなに一気に喋らなくても....」

 

エリナもエイト同じく教室で質問責めに会っていた。

彼女は毎年魔法の国際大会に出ている選手だった為ギャラリーが多い。

その中で特に男子が多く頬を赤くして質問する男子もいた。

お姫様感があるのか、生徒達は彼女の事を「エリナさん」と呼ぶ。

最初は上手く対処出来たが質問が飛び交う量が多く今では対処出来ない状態になった。

 

エリナ(助けてぇエイト〜)

 

笑顔で笑っているが心の中ではエイトにSOSを求めている。

するとそこにクラスメイトで現魔法科生徒会会長の西門字 七海が割って入って来た。

 

七海「みんな、エリナちゃんが困ってるでしょ?そろそろそこら辺にしてちょうだい」

 

笑顔で周囲を呼びかける七海は黒いオーラが放たれていた。

威圧感を覚えたギャラリー達は大人しく去って行った。

 

エリナ「ありがとう七海。お陰で助かったわ」

 

七海「いいのいいの、これも生徒会の仕事だからそれにーーー」

 

七海は前に転入生が来た時同じように質問責めに会って大変な事になったと事をエリナに話した。

それを聞いてエリナは苦笑いした。

 

七海「まっ、今週1週間はさっきみたいな事があるから帰りはエイト君と風香ちゃんと一緒に帰った方がいいわ」

 

エリナ「最初からそのつもりよ?

 

 

 

 

だってーーー

 

 

 

 

 

 

 

私とエイトと風香ちゃん

 

 

 

 

同じ家に住んでるから」

 

 

七海「えぇ⁉︎」

 

 

同棲していると普通に口にしたエリナに対し七海は驚いた。

 

七海「ど、どうゆう事なの⁉︎」

 

エリナ「私とエイトは親戚、従姉弟で風香ちゃんは昔からの幼馴染で日本語で言う『妹分』だから」

 

エリナはそう口にしているが実際それはシナリオで嘘である。

本当の事はエリナと風香は「トーマス・シュタインをサポートする」為だ。

それの嘘を信じた七海は「そ、そうなんだ」と不思議そうに言ったのだった。

 

 

 

 

学校は午前で終わり。

授業を終えたエイトは鞄を手にしてみんなに挨拶してから教室を出た。

廊下は下校する生徒や友達を待つ生徒でいっぱいだった。

そんな中エイトはひとり廊下を歩いた。

階段を降りようとしたその時だった。

 

 

 

 

比企谷君ッ!

 

ヒッキーッ!

 

 

後ろから懐かしい声が2つ耳に入った。

ピタッと動きを止めたエイトは後ろを振り返った。

 

雪ノ下 雪乃

 

由比ヶ浜 結衣

 

 

2年前エイトが八幡だった時、奉仕部で共に活動し自分のやり方を非難した2人がいた。

2人は涙を溜めている。

 

 

エイト「.........」

 

 

こうなると予測したのかエイトは驚きもせずただ哀しげに此方を見る2人を顔色変えなかった。

 

結衣「やっぱり...やっぱりヒッキーだよねぇ⁉︎」

 

由比ヶ浜が大声で口にした所為で廊下にいた生徒達の視線が集まった。

 

エイト(まずいな...)

 

周りにギャラリーが出来てしまった事に困ったエイトはある2人に提案をした。

 

 

エイト「場所を変えよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

屋上

空は青く雲1つもなく冷たい風が吹く。

誰もいないこの屋上に編入生の如月エイトと普通科の雪ノ下 雪乃と由比ヶ浜 結衣が居た。

エイトは雪ノ下と由比ヶ浜に対立する形で距離を置いていた。

最初に第一声を放ったのはエイトだった。

 

エイト「なんで俺だと分かった」

 

エイトは何故正体が分かったのか2人に問う。

 

雪乃「髪を整えてメガネを掛けただけでバレないとでも思うのッ!」

 

大声で口にする雪ノ下。

胸が張り裂けそうな痛み何かが溢れ出るこの感覚。

雪ノ下は抑えきれなかった。

 

雪乃「今まで何処に行ってたの!心配したわよ!2年間皆んなであなたを探したけど見つからないからッ!私はッ!」

 

雪ノ下の次に由比ヶ浜も続く。

 

結衣「小町ちゃんも私も心配したよヒッキー!急に居なくなるんだか....私...」

 

 

突然由比ヶ浜は駆け出しエイトに抱き付いた。

そして後に雪ノ下も抱き付いた。

2人は何もかも我慢出来なかった。

この行動にエイトは目を丸め驚いた。

 

雪乃「海老名さんが話してくれた。修学旅行の時あなたが海老名さんに嘘の告白をしたのは海老名さんの為だって。

私はあなたにとんでもない事をしてしまった!

許して欲しいとか言わない!....けど...ごめんなさい.....本当にごめんなさい!.....」

 

結衣「私も何も知らないであんな事を....言ってごめんなさい!憎んだって構わない!でも.....私たちの前から消えないで.....」

 

涙を流しながら2年前の修学旅行の事を謝る雪ノ下と由比ヶ浜。

エイトは少し笑った表情で口を開いた。

 

エイト「心配かけて済まないな、ありがとう。」

 

次は真剣な表情へと変える。

 

エイト「けど俺は『比企谷八幡』じゃない『如月エイト』だ。』

 

エイトは自分は『比企谷八幡』ではなく『如月エイト』だと断言した。

 

エイト「事情は言えないが『如月エイト』だからこそお前達を許せれるかもしれん。俺は『如月エイト』お前達が生まれ変わった俺を認めてくれなければ俺はお前らの前から居なくなる」

 

如月エイトだから2人を許せる。

それが新しく生まれ変わった彼の「優しさ」

 

結衣「うん...うん!だからもう行かないで.....」

 

雪乃「今ならあなたを受け入れられる....私もあなたと一緒に居たい....もう何処にも行かないでッ!」

 

震える声で2人はエイトを認めてくれた。

それを聞いたエイトは真剣な眼差しを解きまた優しい笑みになり優しく2人をそっと撫でた。

エイトに撫でられた雪ノ下と由比ヶ浜は感情が抑えきれなくなり大粒の涙を流しもう二度と彼を離さないように強く抱きしめた。

 

 

 

 

こうしてすれ違った者同士が始めて1つの線へと繋がった。

 

 

 

 

 

 

後は小町だった。

雪ノ下と由比ヶ浜はエイトの元に行く時、小町には連絡しなかった。

エイトが本当に八幡なのか分からないからだった。

だが結果本人だったと分かり由比ヶ浜は小町へ連絡しようとした。

しかしエイトは由比ヶ浜を止めた。

理由はショックが大きすぎるからだ。

目の前に現れてもう兄ではないと本人に告げれば唖然とした絶望するのが目に見える。

雪ノ下も賛成だった。

エイトは「俺がいる事をまだ黙っていて欲しい」と2人に言った。

そうでなければ小町は何も知らずエイトの所へ行ってしまうからだ。

ここはまだ話さず時間をかけて小町とどう向き合うのか考えるのが先決だとエイトは思った。

2人はエイトに同意した。

しかし時間をかけると言っても1週間や2週間である。

1ヶ月や2ヶ月、そんな長々とやる必要はない。

そんな時エイトのズボンのポケットにあるスマホが鳴る。

スマホを取り出すと風香から一件のメールが来た。

メールの内容を見た。

 

[SOS!正門前でエリ姉が大変な事になってる!早く来て!]

 

風香のメッセージに驚いたエイトは急ぎ屋上を後にしよとしたが雪ノ下に止められた。

 

雪乃「ひきっ、如月君どうしたの?」

 

エイト「連れが何か巻き込まれたらしい助けに行ってくる」

 

結衣「ちょっと待って!」

 

そう言ってエイトはドアを開けこの場を去るが雪ノ下と由比ヶ浜も続いた。

 

 

 

 

校舎を出たエイトは正門前に走ってた。

すると正門の左端に何やら人溜まりが出来ていた。

その中心に困っているエリナと生徒と口論している風香がいた。

よく見ると風香が口論している相手は魔法科生徒の男子達だった。

 

風香「私とエリ姉はある人と待ち合わせをしているんです!だからもう関わらないで下さい!」

 

エリナの前に立ち盾になる風香は目の前にいる黒髪の短髪男子に苛立ちを立てながら言う。

 

森「だからエリナさんもそいつも含めて一緒に帰ろうって言っただろ!しつこいぞ!」

 

その短髪の生徒も風香に対し反発する。

生徒の名は森 綾。

3年生。

彼の父親は量産型デバイスを作る大企業「モリツール」の社長で有名である。

エイトは見た限り「エリナ目的で一緒に帰ろうと誘った生徒が風香と口論になった」と察する。

他にもその生徒を味方をする者もいた。

その中にエイトは見覚えがある者もいた。

 

戸部「そー言ったてまだエリナ先輩の意見きーてないしそこんとこどーなの?」

 

エリナ「私は嫌に決まってます!」

 

葉山「まぁまぁ落ち着いて下さいエリナ先輩。先輩が嫌でももう1人の人がいいなら別にいいじゃないですか?」

 

戸部と葉山だった。

まるでナンパだ。

エイトはこの2人を見て無用に腹が立った。

 

エイト「エリナ、風香!」

 

エイトは中に割ってエリナと風香の元へ来た。

 

エリナ「エイト!」

 

風香「ハチ兄!」

 

エリナと風香はエイトの名を呼んだ。

戸部と葉山はエイトの顔を見て驚きを隠せなかった。

 

葉山「もしかして...ヒキタニ君か⁉︎」

 

エイト「風香、状況は後ろからわかったが説明してくれ」

 

エイトは葉山を無視して風香に説明を要求した。

 

風香「私とエリ姉はハチ兄のーーーーーーー」

 

風香が事情を話している間、雪ノ下と由比ヶ浜がやって来た。

 

風香「ーーーーーーって事なの」

 

エイト「そうゆう事か....」

 

風香から大体の事情を知ったエイトは冷徹な無表情で綾を見る。

 

エイト「すみませんが先輩、エリナが嫌がっているのでこれ以上関わらないで下さい」

 

森「なんだとッ⁉︎」

 

葉山「ヒキタニ君ッ⁉︎」

 

エイトはさらに追い討ちをかけた。

 

エイト「身内が嫌がっている所をみすみす見逃すわけには行きません。お引き取り願います。それとそこのお前。」

 

今度は葉山に目を合わせた。

葉山は少し驚いた表情だった。

 

エイト「さっきから何回も『ヒキタニ』と呼んでいるが俺の名は『如月』だ。誰と影を合わせているか知らないが俺は『ヒキタニ』じゃない」

 

エイトはヒキタニじゃないと葉山に言う。

何か物言いたげな葉山はエイトを睨む。

 

エイト「さっ、帰ろうか2人共」

 

エイトは森達に背を向けエリナと風香の方を向いた。

そのときだった。

普通科生徒に屈辱を受けた魔法科生徒 森 綾は両手を強く握りしめ肩を震わせ下を向いていたこう言った。

 

森「.......クローバー(普通科)の分際でッ」

 

差別用語だった。

それの事を聞いたエイトは一瞬動きを止め眉を寄せた。

 

森「たかが口数で勝ったからっていい気なるなよ....」

 

堪忍袋の尾が切れている綾はブレザーのポケットからスマートフォン式魔法デバイスを取り出した。

魔法を使用する。

周りの葉山と戸部以外のギャラリーは綾が魔法を使用する事に気付き綾から離れた。

デバイスを持っていない右手を背を向けているエイトに向け睨む。

 

森「魔法科に逆らった事を思い知れ!」

 

デバイスのボタンを押し魔法が起動し右手から魔法が放たれた。

放った魔法は振動。

威力は当たれば骨折する程だった。

雪ノ下と由比ヶ浜は驚愕した。

綾は「勝った」と言わんばかりの満足気な笑みを浮かべた。

 

 

しかし

 

 

 

放った振動魔法は「見えない壁」によって防がれた。

 

森「なっ⁉︎」

 

葉山・戸部「「ッ⁉︎(っべー⁉︎)」」

 

綾や葉山、戸部、そして雪ノ下や由比ヶ浜、周りのギャラリーは驚いた。

一瞬何が起きたかわからなかった。

しばらくしてエイトが魔法を発動した事が分かった。

周りがざわめき始めた。

 

「見ろよ、普通科生が魔法を放ったぞ」

 

「普通科生に魔法が使える人がいるなんて」

 

エイトが放った魔法は防御系魔法。

空気を極限までに圧縮し強い壁を作ったのだ。

 

森「お、お前、魔法が使えたのかよ...」

 

エイト「総武高校魔法科規則第1条『授業以外での魔法の使用は禁止』」

 

魔法科の規則を言いながらエイトはメガネを外しエリナに預け再び綾の方へと振り向く。

 

エイト「『しかし自己防衛若しくは正当防衛であれば使用は許される』」

 

綾を睨んだ。

エイトが放つ殺気溢れたオーラは綾を恐怖へと変えた。

 

エイト「俺の後ろにはエリナと風香が居た。それでもお前は魔法を放ったんだ.......覚悟はいいな?」

 

さっきまで1つ年上の先輩の事を敬語で話していたが完全に憤怒しているエイトはタメ口になった。

 

森「ヒッ!?」

 

再度エイトに睨まれた綾は完全に恐怖心に満ちた。

そして魔法を放とうとした。

しかしさっきまでそこに居たエイトは居なかった。

その前にエイトが足の裏に加速魔法を発動し綾の懐にいるからだ。

腰を落とし低い姿勢で右手で拳を作り右膝に加速魔法を再度発動しありえない速さで綾の腹を殴った。

エイトの拳が綾の腹にめり込む。

そして左手で綾の右手首を掴み、右足で綾の右足を引っ掛け地面に綾を落とした。

綾は気を失った。

 

葉山「よくもっ!」

 

今度は葉山が相手だった。

葉山の魔法デバイスはモリツール製の拳銃型デバイスだった。

引き金を引き拳銃型デバイスから魔法が放たれた。

しかしその魔法も防がれる。

防御系魔法ではなく今度は分解魔法「パージョン」を使った。

葉山が放った魔法はパージョンによって分解され煙となった。

そして物を解体する事が出来る解体魔法「リバッグ」を発動し葉山が手にしている拳銃型デバイスを解体した。

 

葉山「なっ!?どうして⁉︎」

 

さらにキラーネットを展開し葉山の動きを止めた。

エイトは葉山に近づき肩を掴み振動魔法を流し気絶させた。

残るは戸部だった。

 

戸部「ヒッ!ヒィィィ!」

 

腰を抜かし尻餅ついている戸部はエイトが怖すぎて戦う意思がなかった。

 

 

七海「そこまでよエイトくん!」

 

誰かが強く言葉を放った。

エイトは声がする方へ振り向いた。

振り向いた先には魔法科生徒会長の七海ともう1人の女子がいた。

その女子は魔法いつでも発動出来るよう右手をエイトに向けられている。

 

恵「風紀委員の鈴木 恵だ。事情を聞きます、関係者は魔法科生徒会室にご同行してください」

 

こうしてこの出来事は風紀委員会と生徒会の登場で幕が閉じた。




感想の中で特に雪乃と結衣の和解方法を教えて貰いましたが
今回は2人をこの話で和解させました。
ですが小町の和解話は大事にする予定です。
脱字・誤字等がありましたら報告して下さい。
また高評価・感想お待ちしております!


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第3話 対面そしてちょっとした奪い合い?

お久しぶり振りです!
前回沢山のコメントありがとうございます 
これからも頑張って行くのでよろしくお願いします!
今回のお話ついてなのですが言葉でどう表現すれば良いか分からなくてセリフだけの所もあります。
ご了承ください。


 

 

 

 

下校時間から30分後。

魔法科生徒会室から解放されたエイトとエリナと風香は校舎を出て正門前へ向かって歩いていた。

風香はげっそりした顔で「やっと終わったぁ〜」と脱力していた。

 

エイト「それにしても災難だったなエリナ。国際大の常連選手がそんなに有名だとは思わなかったよ」

 

エリナ「ううん、そんな事をないわよ」

 

エリナ(もしエイトの本性が公の場に知られることよりまだマシよ)

 

エリナは心の中でそっと呟いた。

正門に2人の人影を見つけた。

 

 

エイト「雪ノ下、由比ヶ浜」

 

 

その人影は雪ノ下と由比ヶ浜だった。

ゴタゴタの後2人はエイトを待っていたのだ。

 

雪乃「如月君...」

 

結衣「大丈夫だった?」

 

2人はエイトを心配していた。

エイトは「大丈夫だ」と言うが生徒会室で沢山質問責めにあった。

エイトの言葉を聞いた2人は表情1つも変えない。

きっと雪ノ下と由比ヶ浜はエイトが魔法を使えるのか知りたいのだろう。

 

エリナ「エイトこの人達は?」

 

雪ノ下と由比ヶ浜の事を指すエリナはエイトに一体どういった関係なのか知りたかった。

風香もエリナと同じだった。

そこでエイトはある事を提案する。

 

 

エイト「ここじゃあ立ち話もなんだからどこか座れるところへ行こう」

 

エイトは少女4人を連れてある場所へ向かった。

 

 

 

エイト達が向かった先は学校から歩いて5分、大通りにある小さな喫茶店「黒猫チャーリー」

白い煉瓦造りで入り口の木扉には彫刻で猫が描かれあり、店の主人は猫好きだと思われる。

店の周りには鮮やかな花が咲いている。

店の中へ入ると木製で作られたカウンターや椅子やテーブル、他にも床や天井、全て木製で出来ている。

コーヒーの香りを充満させる喫茶店は外と違って落ち着いた雰囲気を感じる。

店内に入ったエイト達を迎えたのは店の主人でも店員でもなかった。

 

「ニャー」

 

テトテトと足取りよくエイト達の方へ歩く青い目をした黒猫だった。

猫好きの雪ノ下は黒猫を見て頬を少し赤くし目を丸くした。

 

風香「猫さんだ!」

 

猫はエイトの前に座りエイトを見上げた。

エイトは黒猫に笑みを見せた。

 

エイト「また来たぞ」

 

「ニャァ〜」

 

黒猫は喜んで尻尾を振ふった。

するとカウンターの奥から声が聞こえた。

 

???「チャーリー、お客さんかい?」

 

低い声で黒猫の事を「チャーリー」と呼ぶ50近い歳の男性はこの店の主人 阿佐ヶ谷 秀雄である。

ハゲ頭で丸いメガネを掛け耳元まである白い髭が印象だ。

秀雄は猫好きでその理由で店の名前を飼い猫と同じ名前「チャーリー」にしたのだ。

エイトと後ろにいる女子4人の存在に気づいた秀雄はにこやかな笑みを見せ

 

秀雄「いらっしゃい、今回は随分と大勢だなエイト」

 

と少し茶化しながら言う。

エイトはこの喫茶店の常連客で休日1人で来ている。

チャーリーに目を向けていたエイトは秀雄方を向いた。

 

エイト「その方が賑やかになるでしょ?」

 

少し両手を広げ冗談半分で放った言葉は秀雄を「はははっ」と笑わせた。

6人用のテーブルに案内されたエイト達は前の席にエリナ、エイト、風香、反対の席に雪ノ下と由比ヶ浜が座った。

秀雄が注文を伺うとエイトはコーヒーを5つ注文した。

秀雄が作るコーヒーは他の店とは違い古いコーヒーミルを使ってコーヒーを作る。

他の店はミルを使ったコーヒーは見当たらず、元からコーヒー豆を粉状にしたものを業者から取り寄せるのだ。

 

秀雄「エイト、魔法使っただろ?」

 

秀雄が喫茶店を開く前は魔法医をやっていた。

魔法医とは魔法を使える医者の事で患者を精密機器に通さず一目で病気を見抜くことが出来る。

しかし魔法医の資格は難易度が高く現役の魔法医は400も達していない。

一目で見抜かれたエイトは

 

エイト「流石は元魔法医、引退しても診察力は衰えてない」

 

と褒め言葉を言う。

 

秀雄「当たり前だ、ナノマシン少し活発してる。『誰かと戦闘した』ってところだな」

 

秀雄のナノマシンは医療用ナノマシンで相手のナノマシンの状態を見る事が出来る。

秀雄は「ちょっと待ってろ」と言いカウンターの奥である飲み物を作った。

それをお盆に乗せエイトの所へ持って来た。

クリームメロンソーダだ。

 

エリナ「クリームソーダ?どうして?」

 

エリナの質問に秀雄は答え説明する。

 

秀雄「炭酸は体内を循環しているナノマシンと非常に合う。魔法を使った戦闘をした後のナノマシンは一時的に体と適合しない。だが炭酸飲料水を摂取すれば強制的にナノマシンを適合する事が出来るんだ」

 

秀雄の説明を聞いた風香はある事に気付き自然と口にした。

 

風香「それじゃあ魔法が使えない人、つまりナノマシンが適合しない人がコーラとかサイダーを飲めば魔法が使えますよね?」

 

そこで今度はエイトが答えた。

 

エイト「確かにナノマシンを適合する事は出来るが、ナノマシンが暴走して血管や臓器を破壊してしまうんだ」

 

何処かの魔法開発企業が過去にそれに似た研究があり失敗したという形跡がある。

秀雄は「まっ、そうゆう事だ」と言ってまたカウンターの奥へ行と戻りコーヒーを作り始めた。

しばらくして本題に入った。

 

風香「それでハチ兄」

 

エリナ「この人達は?」

 

風香とエリナがエイトに反対側の席に座ってる雪ノ下と由比ヶ浜が一体誰なのかと問う。

 

エイト「中学の時の部活のメンバーだ。黒髪の人が『雪ノ下雪乃』明るい茶髪の人が『由比ヶ浜結衣』だ」

 

風香とエリナに雪ノ下と由比ヶ浜を紹介したエイトは今度は逆に雪ノ下と由比ヶ浜に風香とエリナを紹介した。

 

エイト「俺の右隣に居るのが『エリナ・マッカーサー』反対に居るのが『金剛風香』中学に上がる前からの長い付き合いだ」

 

一通りお互いの紹介と軽い説明を終えたエイト。

少女4人らはお互い挨拶した。

4人は意気投合する。

それを見てエイト少し安心しストロー通してクリームメロンソーダを一口飲んだ。

するとエリナが雪ノ下と由比ヶ浜にある事を質問した。

 

エリナ「2人って

 

 

 

 

 

 

 

エイトの事好きでしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

結衣・雪乃「「エェェ!?」」

 

 

エイト「うッ!?........ゲホッゲホッ!」

 

風香「ハチ兄⁉だ、︎大丈夫!?」

 

目を大きく顔真っ赤に染まる由比ヶ浜と雪ノ下。

むせて咳き込むエイト。

心配しエイトの背中をさする風香。

この光景を見てエリナは思わず笑ってしまった。

 

エイト「....おいエリナ、何で急に変な事を.....」

 

エリナ「だって貴方の知り合い女ばっかじゃない」

 

風香「あ、確かに」

 

風香がジト目でエイトを見る。

エイトはこの2人が自分に好意を持っている事は絶対ありえないと思っている。

 

エリナ「それで?実際のとこどうなのよ?」

 

再度あたふたしている由比ヶ浜と雪ノ下に問いかける。

 

雪乃「わ、わ、私は別にそんな事は無いわよ⁉︎奉仕部で少しお世話になっただけでそんな好意心は......////」

 

だんだん声が小さくなる雪ノ下。

 

結衣「ヒ、ヒッキーとはただの元クラスメイトで色々助けて貰っただけであって好きとかは.....////」

 

混乱したか口をパクパクする由比ヶ浜。

するとエリナは今度隣にいるエイトに大胆に抱きつく。

 

風香「エリ姉ずるい!」

 

嫉妬した風香も参戦しエイトの腕に抱く。

2人それぞれが持っている大きくて豊富な2つの果実がエイトの体に当たる。

わざと当てているのだろう。

 

エイト「エリナ!?風香!?」

 

驚きのあまり顔を赤くし左右にいる風香とエリナを見るエイト。

 

エリナ「じゃあエイトは私達が貰っても問題はー」

 

結衣・雪乃「「ダメ‼︎」」

 

由比ヶ浜と雪ノ下は立ち上がり反対した。

2人の言葉を聞いてエリナは「ほら、やっぱり好きじゃない」と言い抱くのをやめた。

カマをかけたのだ。

エリナにカマをかけられた由比ヶ浜と雪ノ下は正気に戻りさっきよりも顔を赤くし椅子に座り視界を下に落とした。

湯気が出てしまいそうだ。

これで由比ヶ浜と雪ノ下がエイトに好意を抱いている事がわかった。

本人のエイトはエリナにカマをかけられた2人が可哀想に思い「まぁ、どんまい」と声をかけた。

すると由比ヶ浜がある事を言った。

 

結衣「ヒッキーは..どうなの?私たちの....こと」

 

上目遣いでエイトに聞く由比ヶ浜はエイトにどう想っているのか知りたかった。

雪ノ下も同じだった。

 

雪乃「そ、そうよ。如月君も答える権利はあるわ....」

 

2人が自分に好意を寄るなんてありえない。

そう思っていたエイトは今の2人を聞いてはどうすればいいかわからなかった。

だが正直な気持ちを口にしする。

 

エイト「今まで俺の事嫌いだと思ってた。どう言えばいいかわからないが、2人の思いを知って......その

 

 

 

嬉しかった....」

 

 

正気な気持ち。

それを聞いた雪ノ下と由比ヶ浜は嬉し気持ちと恥ずかしい気持ちだった。

 

秀雄「...この状況は一体どうなっているんだ?」

 

ちょうどそこにコーヒー5つお盆に乗せて持って来た秀雄がこの光景を目の当たりにした。

1人の少女はエイトの腕に抱きつき、隣の少女は少し笑っており、反対側の少女2人は顔を真っ赤にしながら嬉しそうな表情をしている。

 

エイト「気にしないでください」

 

苦笑いで秀雄に気にするなと言うエイト。

 

秀雄「は、はぁ」

 

秀雄はコーヒーを置いて元に戻った。

自分達の元に置いてあるコーヒー。

湯気を通して香りが伝わってくる。

 

エイト「とりあえず飲もう。ここコーヒーは作りたてだからな」

 

エイトはそう言ってコーヒーカップを手に取り一口飲んだ。

それに続きエリナ達もミルクや砂糖で苦味を調節して飲んだ。

するとさっきまで色々と騒いでた4人は落ち着いた。

人を落ち着かせてくれる、これぞコーヒーの力。

雪ノ下はコーヒーカップを受け皿に置きエイトに魔法科生徒会室で何があったのか聞いた。

 

エイト「そうだな........」

 

エイトは魔法科生徒会室での記憶を思い出す。

 

 

 

 

 

 

魔法科生徒会室

 

壁にテレビモニターが埋め込まれており、

会議用に真ん中に円を描くように机と椅子が置かれてある。

そしてその奥に生徒会長の席があった。

この部屋にいるのはエイト、風香、エリナと魔法科生徒会長の西門字 七海と風紀委員会委員長の鈴木 恵だけ。

生徒会と風紀委員は他の仕事があり出払っていた。

 

恵「それで?なぜあんな事をした?」

 

「あんな事」恵が指しているのは森 綾と葉山を気絶させた事だろう。

 

エイト「エリナと風香を守る為です」

 

エイトは恵の目を見て事実を言った。

 

エイト「エリナと風香が俺を待っている間、あの2人がしつこく絡んで来たそうでなので、それに困った風香が俺に連絡して来たので駆け付けて来たのです。」

 

さらにエイトの発言が続く。

 

エイト「俺は嫌がっているから止めろと言ったのですが頭に来たのか森先輩が魔法を発動して来たので鎮圧したまでもう1人の奴も先に魔法を放って来たので気絶させました」

 

一通り事実を喋ったエイトは一呼吸した。

正当防衛で魔法を使用したと述べるエイトに対し恵は証拠がないためエイトが本当の事を言っているのか信用出来ない。

困った恵は顎に手を添えて考えた。

 

七海「エイト君が言っている事は事実よ恵」

 

すると横で七海がテレビモニターで正門の監視カメラの映像を映していた。

見る限り正当防衛だった。

 

恵「そのようだな、証拠として残してくれ七海」

 

七海「ええ」

 

証拠が見つかった恵は再びエイトの方へ向いた。

 

恵「事情はわかった。取り調べはこれで終わりだが君にもう一つ質問したい事がある」

 

すると七海が真剣な表情でエイトの方へ体を向けた。

そして恵が言ったもう一つの質問を言った。

 

七海「エイト君、なぜ貴方は魔法が使えるのに魔法科を選ばなかったの?」

 

なぜ魔法科へ行かなかったのか。

魔法を使える生徒が普通科に居るなど過去の事例に聞いたことがない。

表情一つも変えないエイトはすぐに答えた。

 

エイト「つまらないからです」

 

簡単な答え出したエイト。

その答えに七海と恵は驚愕した。

 

恵「つまらない、だと...」

 

エイト「ええ、俺の魔法の技術力と実技、知識レベルは魔法師と一緒です」

 

エイトは魔法科の知識と実力はほぼ魔法師と同じと言うがそれ以上である。

そうでなければトーマス・シュタインという人物は誕生しない。

確かに綾と葉山を倒した時のエイトの魔法は高度な技術が必要な魔法だった。

 

七海「どこで魔法を学んだの?」

 

それを見込んで七海はどこで学んだか聞く。

 

エイト「CIAです」

 

アメリカ最高機関CIA

 

七海「CIAですって⁉︎」

 

恵「なんだと⁉︎」

 

それを聞いた七海と恵は驚く。

 

エイト「エリナの父がCIAの長官で子供の頃からいつもお世話になってます」

 

もちろんCIAで魔法を学んだなどと嘘に決まっている。

独学と知り合いの魔法師に教えて貰ったのだ。

完全に信じてしまった2人は何も言えなくなってしまった。

 

エイト「ですから習った魔法をまた習うなんて俺には時間の無駄なので疎かにしている学問の方を選んだのです」

 

エイトはハッキリとそう言った。

 

恵「し、しかし魔法が使えるのに魔法科へ行かない生徒なんて聞いたことがないぞ」

 

エイト「この学校の規律上、魔法が使える生徒は必ず魔法科へ行く様にとは書いてません。他に質問がないのであればこれで帰らせていただきます」

 

エイトは頭を軽く下げエリナと風香と共に生徒会室を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エイト「ーーーという訳だ」

 

一通り雪ノ下と由比ヶ浜に事情を説明したエイト。

 

由比ヶ浜「なんか....色々災難だったね」

 

雪ノ下「本当よね...」

 

エイト「別に気にすることでもないさ」

 

気遣ってくれた2人にそう言いエイトはコーヒーを飲み干した。

由比ヶ浜はある事に悩んでた。

 

結衣「ヒッキーはもうヒッキーじゃないからこれからなんて呼べばいいの?」

 

何を悩んでいたかと思ったらエイトの呼び名つまりあだ名だった。

雪ノ下は「比企谷君」から「如月君」と変えていた。

 

エイト「普通に名前で呼べばいいだろ」

 

聞いて呆れるエイトに対し由比ヶ浜が反発する。

 

結衣「良くないし!風香ちゃんだけあだ名なんてズルイし!」

 

するとそこで風香が入って来た。

 

風香「だったらさ由比ヶ浜先輩、ハッチーなんてどう?」

 

結衣「エイトだから八....ハチ...ハッチー!いいね!風香ちゃん!」

 

風香「エヘヘ、どういたしまして」

 

エイト(お前ら調子に乗る所一緒だな)

 

エイトは風香と由比ヶ浜を比べていた。

明るい性格も調子に乗る所も似ている。

 

結衣「これかもらもよろしくね!ハッチー!」

 

エイト「俺は犬か。まぁ別にいいが」

 

「やったぁ!」と言い小さくガッツポーズする由比ヶ浜。

なぜそこまで喜ぶのかわからないが本人が嬉しいのであればそれでいいかとエイトは思った。

 

風香「ハチ兄今日の夕飯どうする?冷蔵庫空っぽだよ?」

 

風香は家の冷蔵庫の中身が無い事にふと気付きエイトに伝えた。

 

雪乃「如月君....」

 

当然のごとく耳と洞察力がお高い雪ノ下は鋭い目でエイトに質問する。

 

雪乃「金剛さんの言葉から察すると一緒に住んでいるのかしら?」

 

それを聞いた由比ヶ浜は「は!?ハッチーどう言う事」と言われ睨まれる。

2人に鋭い目を向けられたエイトは何故2人が怒っているのかわからなかった。

そこでエリナがフォローに入った。

 

エリナ「あら私たち一緒に住んでるのよ」

 

結衣「い、一緒にって....」

 

雪乃「それってつまり」

 

 

雪乃・結衣「「同棲⁉︎」」

 

 

また騒がしくなり始めた。

これではフォローではなく爆弾を落としたに過ぎなかった。

 

雪乃「詳しく聞かせてもらおうかしら?き、さ、ら、ぎ、君」

 

最後エイトの名前を強い口調で言う雪乃。

エイトは大きくため息を吐いた。

そして秀雄に

 

エイト「コーヒーおかわり」

 

ともう一杯コーヒーを頼んだ。

 

秀雄「あいよ、お前も大変だな」

 

エイトのコーヒーカップを取りに来た秀雄はエイトに同情する。

 

エイト「もう何も言えませんよ.....」

 

この後雪ノ下と由比ヶ浜に詳しく質問責めされた。




今思うと本当に自分国語力と語彙力が無いとおもいます。
それでも読んで下さる方ありがとうございます。
次回は八幡、生徒会に呼び出されます。
脱字、誤字等がありましたらご報告ください。
感想と評価もお待ちしております。


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第4話 勧誘

お久しぶりです
文字が多すぎて時間が掛かりました
今回はハンゾーくん擬きが登場しますよ


入学式から1日が経った。

時刻は12時を回り学校は昼放課を迎えていた。

放課なので廊下は生徒らが話し合ったり歩いたりしている。

そんな中弁当を片手に持ちコツコツと廊下を歩くエイトがいた。

周りの生徒がエイトの存在に気付き彼の方を見るや友達同士で小さく耳打ちする。

昨日の出来事が原因だった。

普通科のエイトは魔法を使い魔法科の上級生と同学年の魔法科生徒を気絶させた。

目の前にした周りにいたギャラリーが情報を広め、この状況に当たっている。

エイトのクラスでも話しかけてくれる生徒がいなかった。

その為昼食を教室で食べるのも気が引けるので、どこか人気がない場所を探している最中なのだ。

 

エイト(まさか編入初日に騒動を起こすとは....)

 

昨日の騒動を起こしてしまい少しため息を吐くエイト。

そんな彼に後ろから声をかけられた。

 

結衣「ハッチー」

 

由比ヶ浜の声だった。

後ろを振り向くと由比ヶ浜だけではなく雪ノ下もいた。

 

エイト「どうした2人とも」

 

雪乃「貴方を探してたのよ、一緒にお昼食べようと思って」

 

2人はエイトを誘いに来たのだ。

誘ってくれるのはエイトに取って有難いのだが昨日の騒動であまり公の場で飯を食べたくない。

 

エイト「人気のない所がいんだが...」

 

結衣「場所は大丈夫だよ!それにハッチーに会いたい人達が居るから」

 

まるで見据えてるかのように言う由比ヶ浜。

エイトに取って有り難かった。

 

エイト「俺に会いたい人達?」

 

だがふと由比ヶ浜が言った最後の言葉が気になった。

しかし「それは会ってからのお楽しみに!」と由比ヶ浜ははぐらかしエイトの手を掴んで雪ノ下と共にその場所へ向かった。

 

 

 

 

 

向かった先は別棟の校舎。

表礼のない教室だった。

この学校は魔法科の校舎と普通科の校舎そして教員がいる職員室や特別室がある校舎が存在する。

由比ヶ浜に手を引っ張られたエイト。

その後ろにいる雪ノ下は由比ヶ浜がエイトの手を掴んでいることに少し嫉妬していた。

表礼のない教室の扉の前に立つと由比ヶ浜はエイトの手を放し扉を開けた。

 

結衣「みんな!ハッチー連れて来たよ!」

 

教室の中にいる人達に元気よく伝え彼女は中へ入る。

彼女に続きエイトと雪ノ下は中に入った。

すると

 

戸塚「八幡ッ!」

 

川崎「比企谷!」

 

海老名「比企谷君!」

 

エイト「お前ら....」

 

エイトの目の前に見覚えのある人物等が並んでいた。

戸塚彩加、川崎沙希、海老名姫菜。

八幡と関わりのあった旧2年F組の3人だ。

 

戸塚「はちまーん」

 

涙を流し震えた声でエイトに駆け寄る。

エイトの手を取る戸塚はやっとエイトに会えて嬉しかった。

 

エイト「戸塚久しぶりだな」

 

少し笑顔を見せ久しぶりと声をかけたエイト。

エイトは昔、戸塚の事を「天使」と心の中で思っており彼が女の子だったら彼女にしたいなどと言っていた。

だが今はそうは思っていない。

 

戸塚「うう、心配したんだよ今までどこ行ってたのさぁ」

 

涙目でエイトを見る戸塚の姿は一般生徒から見れば「かわいい女の子が泣いている」様にしか見えない。

昔のエイトなら可愛すぎて即死だろう。

 

川崎「比企谷....」

 

海老名「比企谷君...」

 

川崎も海老名もエイトの所へ寄る。

戸塚から2人の方へ顔を向ける。

 

エイト「色々とすまないな」

 

エイトは川崎と海老名に心配させた事を謝る。

しかし川崎と海老名はそれを否定した。

 

海老名「比企谷君は何も悪くない。悪いのは私なの」

 

川崎「私もアンタが辛い思いをしているのに何も出来なかった」

 

海老名は全て自分の所為だと強く強調し川崎もそれに似て、何もしてやれなかったと後悔している。

 

海老名「本当にごめんなさい!」

 

川崎「すまないッ!」

 

2人はエイトに頭を下げた。

頭を下げる2人に対しエイトは少し動揺した。

すぐさまエイトは2人に言葉を発した。

 

エイト「海老名さんは俺が依頼を受けたのは自分の意思で何も悪くない」

 

海老名の依頼は受けるか受けないかはエイトにあった。

実際エイトは自分の意思で海老名の依頼を受けたのだ。

 

エイト「川崎だって悪くないんだ」

 

川崎「けど、私はアンタに助けられた!なのに、何もしてやれなかった....なのに.....」

 

悔しくて拳を握りしめ視線を下に落とす川崎。

中学2年の始めエイトが奉仕部に入って間もない頃、川崎は就職を希望していた。

高校へ進学したかったが家庭の金銭面の事情で仕方がなく就職の道を選んだのだ。

その事を知った川崎の弟が小町を通して奉仕部へ「姉の就職の考えをなんとかしてほしい」と依頼した。

そこでエイトが川崎に直接会い高校へ進学出来るある方法を教え就職の考えをやめさせた。

川崎にとってエイトは恩人とも言える存在。

恩返しも出来ず彼の苦しみを知らず消えてしまった彼を川崎は悔やんだ。

肩が震えている川崎を見たエイトは戸塚から手を離してもらい、その手を川崎の頭に置き撫でた。

 

エイト「そんな自分を責めるな川崎」

 

その行動に驚いた川崎は震えが止まりエイトを見た。

 

エイト「お前は俺の事を想ってくれたんだ。俺はそれだけで感謝している」

 

彼の手の温もりが優しさを感じる。

その優しさが心を包み込みそして抑えきれない感情が涙へと変わった。

 

川崎「.....バカ....そんなの...卑怯だよぉ...」

 

涙で声が震える川崎は手で溢れ出る涙を拭う。

しかし何度も拭っても涙は止まらない。

エイトは川崎の涙が枯れるまで撫で続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺こと如月エイトは川崎が泣き止んだ後、みんなと飯を食べていた。

真ん中に折りたたみの長机を2つ置きそこで食べている。

弁当は手作り。

昨日エリナの提案でこれから週5回入れ替わりで弁当を作り事になった。

今回の弁当は風香が作ってくれた。

二段弁当箱で米を入れる一段目の箱の中はラップで包まれている二つのおにぎりだった。

普段洋食だったエリナの為だろう。

箸で米を取るのではなくハンバーガーの様に手に取れる方が食べやすい。

二段目の中身はおかず、だし巻き卵、ハンバーグ、ミニトマト、椎茸と蓮根と人参と里芋が入った煮付け、があった。

まさにJapanesefoodだ。

風香の料理はお手の物でいつも上手い。

特に今日の煮付けは里芋がダシがしみて美味しい。

俺は風香に感謝しながら食べた。

 

それはそうと俺は2年間いない間何があったのか知りたかった。

特に昨日の一件、主犯の1人だった葉山とその周りの人間だ。

俺は海老名さんに聞いた。

海老名さん曰く、「如月君が行方不明になってから私はあのグループに関わってない。心配した三浦さんが私のところへ来たの。私は修学旅行の告白の真実を教えたの。そのあと三浦さんが言ったのか分からないけど戸部君以外の人達はみんな葉山君から離れたの」と。

俺が消えた事で葉山グループは崩壊し海老名さんは雪ノ下や由比ヶ浜がいる所へ来た。

葉山は俺を恨んでいると察する。

そうでなければ昨日の一件、アイツは俺を睨んだり殺傷能力がある魔法を撃つ訳がない。

 

 

大体話を理解した俺は箸を動かした。

今度は逆に戸塚、海老名さん、川崎に何故名前を偽っているのかと聞かれた。

名前を偽っていないと口にしたいがみんなに模索されるのが目に見えている。

俺は「事情は言えないが訳あって如月エイトと名乗っている」と答えた。

そして後に「だが俺は『如月エイト』だ。今は『比企谷八幡』ではない。そこの所はよろしく頼む」と後付けた。

戸塚達は首を縦に振った。

 

今更なのだがここの教室を使って本当に良かったのかと思う。

表礼もないし見た限り空きの教室だと思う。

多分無許可で使用していないと思うが一応俺は雪ノ下に聞く事にした。

 

エイト「雪ノ下、この教室使っても良かったのか?」

 

サンドイッチを口にしようとした雪ノ下。

彼女の手が止まり俺の方を向いた。

 

雪乃「ここは私たち奉仕部の教室よ」

 

奉仕部と聞いて俺は驚いた。

つまりここは奉仕部の部室。

 

雪乃「1年の始めに私たちが作ったのよ」

 

あの部活は中等部(総武中)だけの部活だ。

驚いたのはそれだけでは無い雪ノ下は「私たち」と言ったのだ。

 

エイト「もしかしてここに居る全員部員なのか?」

 

雪乃「ええ、そうよ。」

 

由比ヶ浜以外ここに居る戸塚、海老名さん、川崎、が奉仕部の部員だと雪ノ下が言った。

川崎と海老名さんは兎も角、戸塚が部員だとは思わなかった。

何故なら戸塚は中等部ではテニス部で高校でもテニスを続けると思ったからだ。

戸塚本人に入った理由を聞くと、最初はテニス部へ入る予定だったが勧誘会の時に部員全員に追いかけ回されて入部を諦めたそうだ。

だがテニスは諦めてはおらずクラブチームに通っていると言う。

まぁ美少女似の戸塚だから仕方がないと言うべきか分からないが俺は「災難だったな」と戸塚に声を掛けた。

 

結衣「あのさ....ハッチー」

 

歯切れのない口調で俺を呼ぶ由比ヶ浜はどこかそわそわしていた。

 

エイト「どうした?」

 

結衣「もし良ければ...さ、また一緒にやらない?奉仕部」

 

由比ヶ浜が俺を奉仕部の入部を勧誘してきた。

彼女の言葉が周りを静めた。

みんな俺の方を見ている。

2年前俺が奉仕部に入った理由はなく、平塚先生によるほぼ強制入部だった。

だが居心地は良かった。

今回は俺に選択権がある。

俺は「やるべき事」があって戻って来たのだ。

残念ながら俺はその「やるべき事」を第一優先しているから部活をやる暇がない。

だから俺は由比ヶ浜に、みんなに言った。

 

エイト「すまないが遠慮する。部活をする余裕がないんだ」

 

由比ヶ浜は俺の言葉を聞いて「そう..なんだ..」と寂しげな声と表情を見せた。

 

結衣「そうだよね!....仕方がないよね!」

 

そして無理に笑顔を作り見せる。

すまないな由比ヶ浜。

 

雪乃「あら?昔のアナタなら暇なんて沢山あったのに」

 

雪ノ下は奉仕部に戻って来て欲しいと言う意味で言ったのか俺の事をディスる。

そこで俺は「もう俺は如月エイトだ『比企谷八幡』じゃない」と言い返した。

雪ノ下は少し落ち込み「言い過ぎたわ。ごめんなさい」と言って下に視線を落とした。

他のみんなも落ち込んでいる。

別に怒ったわけでもないが俺はやり過ぎたと感じた。

時間があったら遊びに来る、と言いみんなの機嫌を直しながら弁当を食べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼放課終了10分前

弁当を食べ終えたエイト達は部室を出て普通科の校舎の廊下を歩いていた。

廊下はいつも通り人が多い。

エイトをチラチラと見て来る生徒たちが見えるが由比ヶ浜達と話している本人は全く気にしていなかった。

そんな彼に後ろから声をかける。

エリナだった。

エイトに要件があって来たのだ。

 

エイト「どうしたエリナ?」

 

エリナ「伝えに来たの、七海が授業後魔法科の生徒会室に来るようにって」

 

七海の伝言で授業後に生徒会室に来るようにと言われる。

また取り調べかと思い呆れ少し脱力するエイト。

わかった、と言い首を縦に振った。

話はそれで終わった。

エリナはふとエイトの周りにいる人に目を向けた。

雪ノ下、由比ヶ浜、そして知らない美少女が3人いる。

眉根を寄せ嫉妬するエリナは「なんでまた女の子が増えてるの」と発しようとする。

 

エイト「....?」

 

がしかし、普通科の校舎に魔法科生が来るのは珍しいのか周りの目線がこちらに集まっている。

迷惑掛けていると感じたエリナはエイトを見て少し頬を膨らませ低い声でぶっきらぼうに「じゃ、また後で」と言ってこの場を去った。

 

エイト「なんだ?エリナのやつ.....」

 

何故睨まれ不機嫌になったのか全く理解出来ないエイトは思わず口にした。

その後、エイトは由比ヶ浜達と別れ自分のクラスへと行き授業の準備を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校のチャイムが鳴り校内中に響き渡る。

全ての授業が終わり生徒たちは帰る時間である。

続々と生徒たちは教室から出て行く。

その中、鞄を手にし歩いているエイトは魔法科の校舎へ向かっている。

連絡通路を渡って魔法科の校舎に入り階段を三階まで上る。

そして少し廊下を歩くとそこに魔法科の生徒会室があった。

魔法科生徒会室と記された表記が扉の上に、そして扉は自動で開くスライド型ドアだ。

その横にスマートフォンの同じサイズのモニターが壁に埋め込まれている。

エイトはモニターを入電させドアを開ける。

プシュッと言う音ともに鉄のドアが右へスライドした。

中に入ると昨日とは違い大勢の魔法科生がいた。

その中にエリナと風香そして風紀委員長の恵もいた。

会長席に七海、その手前にある会議テーブルに各学年の生徒会委員がいた。

その中で人目が立つ人物がいた。

それは会長席に座っている七海の隣に立っている3年の魔法科生の男子。

180以上もある身長、いかにも武道という渋い顔付き。制服の上からでもわかる大きな筋肉、正しく大男。

この男の名は「南 龍牙」

十人の魔法師の1人で南家の次期当主。

十家の中のリーダー格で龍牙自身、自衛隊幹部と関わりがあり訓練など参加している。

その為、格闘技術、エイトと同じく強い魔法を使える。

そして生徒会の中で最も権力がある人間である。

 

七海「待ってたわ、エイト君」

 

座ったまま七海はエイトに発する。

 

エイト「また事情聴取ですか?」

 

七海は首を横に振った。

 

七海「いいえ、別件よ。でもその前に森君達の処遇が決まったわ」

 

七海は昨日の騒ぎを起こした綾と葉山と戸部の処罰が決まった事をエイトに報告した。

まず森 綾は魔法の無断使用で1ヶ月の自宅謹慎、葉山も同じく1ヶ月の自宅謹慎、戸部は魔法を使用していないが2人の側についていた為1週間のトイレ掃除と補修となった。

口数が負けただけで魔法を使う輩には当然の罰だな、とエイトは思った。

輩の話が終わり本題に入った。

 

七海「今回エイト君、エリナちゃん、風香ちゃんを呼んだ理由は

 

 

 

 

 

貴方達を生徒会へスカウトしに呼んだの」

 

 

七海から放った言葉はエイトを魔法科生徒会への勧誘だった。

魔法科の生徒会は一般の生徒会とは違う。

まず生徒会に入る事は出来ない。

生徒会が魔法科生の成績と態度を見て審査し勧誘するのだ。

何故なら生徒会は風紀委員会と同じく学校の秩序を守る組織。

魔法を素早く使える。

周囲の状況を素早く読み取る。

素早く動ける。

どんな脅威でも屈さない心。

これを条件とし生徒会は優れた人材を集める。

 

エイト「....俺たちをスカウトする理由は?」

 

七海「本当はエリナちゃんと風香ちゃんを勧誘するつもりだったの、入学式の前から」

 

エリナと風香は元々生徒会に勧誘するつもりだった。

それは風香とエリナが魔法の実技テストで高得点を取った時からだ。

 

七海「けど普通科の貴方が魔法を使った。」

 

少し間を置いてまた喋り始める。

 

七海「それが原因で教員達が貴方を魔法科へ転属させようと考えているの」

 

彼女が言うように昨日の一件で学校の教員達はエイトを普通科から魔法科へ転属させようと考えている。

 

七海「そこで私達は貴方を魔法科へ行かせないために生徒会へ入ってもらいたいの」

 

魔法科の生徒会は何処にも干渉されない、言わば「国家」みたいなもの。

そして七海と龍牙、つまり西門寺家と南家が後ろ盾がいる。

エイトが生徒会に入れば教員達に仕入れられる事はない。

エイトは疑問を抱いた。

 

エイト「何故そこまで俺を庇いたいのですか?」

 

七海「だからエイト君、魔法が使えるかrー」

 

エイト「たかが普通科が魔法を使っただけで貴方達が動くはずがない。もっと他にあるはずです」

 

七海の話を聞くとおかしな点が見つかる。

普通科生が魔法を使っただけで生徒会へ勧誘する。

簡単にまとめればそうなる。

教員達がエイトを魔法科に入れさせようが生徒会は関係ない話だ。

そんな事で生徒会がそんな簡単に勧誘するはずがないとエイトは思った。

悟れた七海は何も言えなかった。

するとそこで龍牙が口を開く。

 

龍牙「西門寺、あとは俺がやる」

 

そう七海に言い龍牙はエイトの方へ向く。

 

龍牙「如月、さっきの教員達の話は事実だ。だがそれは建前だ」

 

龍牙は教員達がエイトを魔法科へ転属させる話は真実であり建前だと言った。

他に別の理由がある。

少し睨みがちでエイトを見る。

 

龍牙「昨日の一件、お前が魔法を使った所を防犯カメラで見さしてもらった。

 

 

2年の魔法科生の動きを止めたあの魔法は発動難易度が高いトラップ系魔法『キラーネット』プロの魔法師が使う魔法だ」

 

龍牙は防犯カメラの映像でエイトが発動した魔法を一目でわかった。

 

龍牙「魔法を使ったお前は今、お前を倒そうとする輩が校内いる。そして1番恐れているのが外部からの攻撃だ」

 

エイトが上級魔法を使ったおかげで魔法科の生徒一部が「魔法が使える生意気なクローバー(普通科生)をボコボコにしよう」と目論んでいる。

そして生徒会が恐れられているのは外部からの攻撃だ。

魔法を嫌っている者は沢山いる。

魔法の差別問題は社会まで広がっている。

その為、非魔法反対組織が日本でも存在している。

非魔法反対組織とは魔法による差別撤廃を目的とした組織。

だが目的が曖昧な組織も存在しており中に「魔法撲滅」と言う形でテロを起こす組織も存在している。

過去に学校行事で非魔法反対組織が乗り込んできたと言う事例がある。

もしなんらかの形で外に広まり非魔法反対組織に伝わったら何が起きるかわからない。

 

龍牙「そこでお前を勧誘する事にしたのだ」

 

生徒会は対処出来るように上級魔法が使えるエイトを勧誘したのだ。

 

エイト「......」

 

エイトは目を閉じ顎に手を当て考え込むフリをしてエリナと風香にナノマシンによる体内通信を開いた。

 

エイト(エリナ..風香...)

 

2人の名を呼ぶと2人はエイトの名を呼んで応答した。

 

エイト(どう思う...)

 

魔法科の生徒会からの勧誘にエイトは2人の意見を伺った。

 

エリナ(私はいいと思うわよ。昨日の事でドラゴンヘッドの傘下の組織が動くかもしれないし)

 

エリナの言うように非魔法反対組織にはドラゴンヘッドの傘下に入っている組織がいくつかある。

傘下に入っている組織に接触できれば事が進められる。

好都合な話だ。

 

風香(生徒会に入れば多少ハチ兄も動けるし、七海先輩や南先輩の情報網があるからいいと思うよ)

 

西門寺家と南家の情報網は国家並みで反対組織の情報や動きが直ぐに入れる。

2人はエイトが生徒会に入る事に賛成する。

2人の意見を聞いたエイトは体内通信を切って生徒会の勧誘を受ける事にした。

 

エイト「わかりました、勧誘を受けます」

 

それに続きエリナと風香も言った。

 

龍牙「感謝する」

 

龍牙は首を縦に振り頷いた。

黙っていた七海はどこか安心したのか肩を落とし脱力する。

その時だった。

 

???「納得いきません!」

 

会議テーブルに座っていた1人の男子がバンッとテーブルを叩き立ち上がり怒鳴る。

魔法科生徒会副会長の2年、渡部 銀次だった。

 

銀次「金剛とエリナさんはいいとして普通科である以上コイツを魔法科の生徒会に入れるなど馬鹿げてます!自分は反対です!」

 

中にエイトが生徒会へ入るのを反対する者もいる。

それが銀次だ。

普段は落ち着いている頑張り者だが今回のエイトの勧誘を強く反対している。

エイトを小馬鹿にした銀次に腹が立った風香は反論した。

 

風香「普通科だからダメなんですか?差別ですよね?」

 

銀次「差別じゃない『区別』だ。普通科なら普通科の生徒会がある」

 

普通科生には普通科の生徒会がある。

銀次の言っていることは正しい。

 

七海「生徒会が2つに分けた理由は魔法が使えるか使えないかなの。エイト君は魔法を使えるのよ?」

 

だがエイトは魔法が使える。

七海が言うように生徒会が普通科と魔法科に分けられた理由は魔法が使えるか使えないかであり大まかな事はない。

魔法が使えるエイトは生徒会へ入れる資格はある。

 

銀次「確かにそうです。ですが会長は魔法が使えるのに魔法科へ行かなかった捻くれ者を何故魔法科生徒会にー」

 

おい渡部言い過ぎだぞ!と恵の声が飛ぶ。

この発言にエリナは腹を立てた。

 

エリナ「それ立派な差別発言よね?本人が好きで選んだ科目だから別にいいでしょ?おかしいわよ貴方」

 

銀次「人生は一度限り、魔法が使えるのに別の道に進むなんて損をしている。お言葉ですけど、アイツに肩入れするエリナさんと金剛の方がおかしいじゃないのですか?」

 

エリナ「あなたねえッ!」

 

口論がしだいにエスカレートする。

すると釘を刺すかのようにエイト本人が止めた。

 

エイト「これ以上言い合っても無意味だエリナ。」

 

エリナの肩に手を乗せ落ち着かせる。

そして銀次の方へ顔を向けた。

 

エイト「俺が普通科へ行こうが行かないかは俺が決める。それに魔法の実技と学科はお前より上だ」

 

エイトが放った言葉は挑発だった。

銀次は鼻で笑い言い返す。

 

銀次「魔法試験を受けていないヤツが言えるのか?」

 

言える。

何故なら如月エイトはトーマス・シュタインなのだから。

エリナや風香から見れば銀次が行なっている行為は無防備な事。

 

エイト「ああ、なら今から模擬戦してもいいぞ?」

 

表情1つも変えないでごく自然と振る舞うエイト。

それに対し銀次は余裕な笑みから怒りと苛立ちに変わり拳を強く握る。

 

銀次「いいだろう、やってやろうじゃないか」

 

エイトの挑発に乗った。

直ぐに捻り潰す、銀次は心の中で呟いた。

表情1つも変えないエイト。

裏では怒りに満ちていた。

理由はエリナと風香を馬鹿にした事。

家族思いのエイトは2人を馬鹿にした銀次を許せなかった。

だから銀次を挑発させ模擬戦を誘ったのだ。

 

エイト(2人を馬鹿にしたんだ、そのプライドを粉々にしてやる)

 

この後エイトを怒らせた銀次は自分が描いていた結末にならなかった。




川崎と八幡の間設定はオリジナルにしました。
中2で年齢偽ってバイトなんか絶対無理に決まってますw
次回は模擬戦とイチャラブのお話です!
お楽しみに!


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模擬戦とそのご褒美?

1週間ぶりです
前回のお話で「魔法科高校の劣等生と一緒じゃないか」と沢山のご指摘を受けました。
それを見て振り返って読んでみたら全く一緒な展開でした。
なので今回は銀次と八幡が模擬戦するのですが同じにならないよう、
オリジナルのバトルシーンを入れました。



 

模擬戦はグランドで行われることになった。

他の生徒達は下校し誰もいない。

その分、グランドは広く使える。

エイトと銀次は端っこのベンチで準備をしていた。

上着を脱ぎカッターシャツになる。

エイトはカッターシャツの上にショルダーホルスターを装着している。

左脇にハンドガン型デバイス「サイエンスベース」実物のハンドガンより少し細くバレルが長い。

反対側の右脇にコンバットナイフ「ブラックジャガー」が収納されている。

周りにいたエリナ、風香、そして龍牙以外、生徒会全員は驚いていた。

だがエイトはショルダーホルスターを外しベンチに置いた。

 

恵「おい、デバイスを使わないのか⁉︎」

 

この行為に驚く恵はこの模擬戦の審判である。

デバイスは魔法を強化・補助する道具である。

エイトが所持している銃系型デバイスで例えると魔法をデバイスにロードし実銃と同じ速さで放ち遠くのターゲットを破壊する事が出来る。

 

 

エイト「ええ、俺が使うデバイスは殺傷能力を高く設定してますので模擬戦となるとプログラムを再構築しなければならないので」

 

横で聞いて気に食わなかった銀次は「舐めた事を」と呟く。

両者準備が整いグランドの中へ行き対立する。

その間に恵が入る。

デバイスを持っていないエイトに対し銀次はスマートフォン型デバイスを持っている。

このデバイスは銃系型と違って操作するだけで魔法を簡単に発動できる。

誰から見てもデバイスを持っている銀次の方が有利である。

模擬戦のルールはこうだ。

両者一方どちらかが降参するか気絶するまで。

後遺症が残る魔法は禁止。

近接格闘は骨を折る程度。

シンプルなルールである。

恵からルールを確立した2人は距離を置いていって始まりの合図を待った。

その頃、端っこのベンチにいるエリナと風香そして生徒会メンバーは勝負の行方を見守っていた。

 

七海「デバイスを持たないエイト君に対して銀次君の方が有利。この状況でエイト君はどうやって銀次君に勝つつもりかしら?」

 

龍牙「分からん、だが何か対策はありそうだ」

 

生徒会トップの2人はエイトの行動を読み取れなかった。

だが龍牙は何かあると確信している。

エリナと風香は何も言わずエイトを見ていた。

 

銀次「言っておくが、 もしこの勝負で俺が勝ったら生徒会は諦めて貰う」

 

エイト「わかった。だがお前が負けたら風香とエリナに対しての言動を謝罪して貰う」

 

銀次「いいだろう」

 

会話を終え2人は構える。

 

恵「準備はできたな」

 

2人の様子を確認した恵は3メートル後ろへ下り左腕を上に上げる。

大声で「この腕が降りたら試合開始だ」と両者に告げる。

両者、無言で返事を返す。

周りに静寂が訪れた。

1つの雲が風に流され太陽を隠し大きな影を作る。

周りから聞こえるのは風の音と鳥の鳴き声だけ。

銀次は獲物を仕留めるチーターの様にエイトを睨む。

対してエイトは顎を引き目を細くする。

行方を見守る七海達は緊張が高まる。

太陽を隠した雲はさらに流され太陽を見せる。

同時に陰で覆い被さったグランドは太陽の光を受け明るくなる。

それが合図となり恵の腕が降ろされた。

 

恵「始めッ!」

 

模擬戦が始まった。

最初に動いたのは銀次。

手慣れた手つきでデバイスを操作し魔法を放つ。

放った魔法は氷魔法、拳サイズの氷が無数にエイトに放たれる。

それに対してエイトは氷を右手で払う仕草をする。

すると突然エイトの前に猛烈な突風が巻き起こった。

砂が巻き上がり物が飛ぶほどの突風だった。

無数の氷は突風により吹き飛ばされた。

そして突風も消える。

 

銀次「っ!?」

 

 

驚愕する銀次。

だが瞬時に次の攻撃をする。

ボールサイズの氷を放つ。

今度の氷魔法は先程の攻撃よりスピードが速く先端が尖っている。

エイトはその氷を左に避けた。

だが氷はエイトを追いかける。

氷魔法を発動するとき同時に追尾魔法をかけたのだ。

氷を避けてばかりの繰り返し。

エイトは避けても無意味だと考えた。

するとエイトは避けるのをやめ動きを止めた。

 

七海「止まった?」

 

ボソッと口にした七海。

エイトが動きを止めた事に驚いたのだ。

 

龍牙「恐らく避けても無駄だと判断したのだろう。渡部の追尾魔法はそう簡単に振り切れない」

 

エイトの動きを予測する龍牙は七海に説明する。

 

龍牙「マッカーサー、次に如月がどんな行動を取ると思う?」

 

今度はエリナに口を開き問いかけた。

彼女は少し考え答えた。

 

 

エリナ「.....『殴って氷を壊す』かもね」

 

 

彼女の答えに七海が「そんな馬鹿な」と少し笑い冗談と受け止めた。

 

エリナ「...時期にわかるわ」

 

 

 

 

 

銀次(諦めたな..所詮ただの口だけの男だ)

 

勝負あったと確信した銀次は氷をエイトの正面に移動させ確実にヒットさせる位置に付いた。

エイトのところまで飛ぶ。

その時だった。

エイトの右腕が黒くなり光沢を見せた。

腕が「鉄」と化したのだ。

そして鉄と化した腕で目の前に飛んでくる氷を殴った。

氷に亀裂が入る。

亀裂の中に魔法で酸素と水素を注入し火を入れる。

すると氷が爆発を起こし粉砕した。

銀次は予想していたビジョンと全く違う光景に目を見開き唖然する。

 

七海「......そんな⁉︎」

 

エリナ「ほら、言ったでしょ?」

 

冗談だと思っていた事が現実になり七海は驚愕する。

それだけでは無い。

エイトの腕が鉄化している。

他の生徒会メンバーも驚き声を上げている。

 

龍牙「........」

 

龍牙が何も言葉を発さなかった。

ただ目を細くし見極める様にジッと2人の模擬戦の行方を見守る。

エリナの隣にいる風香はエイトを見ている。

何故か隙だらけの銀次に対してエイトは何も攻撃せず防御している。

普段なら昨日の様に素早く終わらせるのに何も反撃しない。

風香は何か探っていると考えるがある事に気付いた。

 

風香「そうゆう事ね.....あの副会長負けたね」

 

そしてにこやかな笑みで呟いた。

 

 

 

銀次「な..なんだ....今のは......」

 

目の前の風景に言葉が詰まる銀次は絶句する。

氷を殴った?頭の中が混乱しする。

煙幕と砂埃が徐々に薄れ晴れゆく。

その中に人影が見え姿を現わす。

平然と立っているエイトだ。

銀次は黒くなっている彼の右腕を見た。

外見で黒い鉄だと理解する。

だが「自分の腕を鉄にする魔法」はこの世に存在しない。

 

銀次「...どうやって....」

 

身構えるのを忘れてしまう。

 

エイト「言っただろ『実技と学科はお前より上だ』と」

 

いやそれ以上だ。

デバイスを使っていない時点でエイトと格差がある。

そしてエイトの腕が鉄と化している。

コイツは会長や南先輩並の化け物だ。

そう銀次は心の中で悟った。

何が起きるかわからない。

銀次は攻撃させないよう慌てながらデバイスを操作し魔法を発動させる。

だが魔法は発動しなかった。

操作ミスなのかもう一度正しく入力する。

それでも起動しなかった。

 

銀次「どうして...どうしてッ!」

 

何度も何度も繰り返す。

結果は同じだった。

魔法が発動できない。

焦りとパニックに見舞われる。

前方から足音が聞こえた。

銀次はハッとなりエイトを見た。

エイトは銀次にゆっくりと近づいていた。

 

エイト「攻撃してる間にお前のナノマシンを停止させてもらった」

 

何を言っているんだコイツは?

エイトが言っていることが理解できない銀次は震えて後ずさりする。

理解できない銀次にもう一度わかりやすく言う。

 

エイト「じゃあ簡単に言ってやろう」

 

 

お前はもう魔法が使えない。

 

 

心臓が握られる感覚が走った。

その一言で銀次の脳が危機を鳴らす。

コイツはヤバイと。

絶望と恐怖と化す銀次。

今の彼はこの学校の普通科(クローバー)同様魔法が使えない。

何も抵抗できない以上、ただエイトに呑み込まれるしかない。

心臓が物凄い速さで動き息が荒れる。

そんなのは嫌だ。

強く思ったその恐怖は自分の体を動かした。

逃げる。

ただそれしかなかった。

模擬戦のルール上、降参するか事が出来るのだが銀次はそれを忘れている。

よほどエイトに詰められているという証拠である。

背を向けて逃げる銀次をエイトは逃さない。

加速魔法を発動し地面を蹴るように飛び距離を縮める。

背後からエイトの威圧を感じた銀次は全力で振り切ろうとする。

だが遅かった。

後ろを振り返った時、エイトの鉄の拳が目の前にあった。

心臓が止まる感覚が銀次を襲い思考回路が止まる。

そして脳が恐怖に耐えきれなくなり強制的に意識を手放し気絶した。

両膝をつき倒れた銀次を見るエイトは拳を戻し鉄と化した腕を元に戻した。

勝負あった。

審判の恵の方へ体を向け終了の合図を待つ。

口を少し開け呆然と立っていた恵はエイトが合図を待っているエイトに気付いた。

 

恵「しっ、試合終了!勝者、如月エイト!」

 

終わりを告げる。

模擬戦はエイトが勝利を収めた。

端で勝利を見守っていた生徒会メンバーは彼の勝利に呆然、驚愕する。

 

七海「........な...」

 

七海は目の前の光景に言う言葉がないはずなのに言葉が詰まる。

表情が硬い龍牙も目を見開き少し口を開く。

一方のエリナと風香はエイトの勝利を喜んだ。

 

 

 

 

 

 

 

模擬戦を終えたエイトは再び生徒会室にいる。

ショルダーホルスターを再び装着し適当に会議用の席の背もたれに上着を掛けて座っている。

他にエリナ、風香、七海、龍牙、恵もいる。

エリナと風香はエイトの隣に座り、七海は自分の席に座っている。

龍牙と恵はエイト達の反対側の席にいる。

七海と龍牙以外の生徒会メンバーは気絶した銀次を保健室に運んで看病をしていた。

 

七海「..さてとッ......」

 

椅子に背をもたれていた七海は体を起こしエイトの方へ顔を向けた。

 

七海「エイト君、質問に答えて」

 

真剣な眼差しのように、敵対するような眼差しをエイトに向ける。

 

七海「貴方の腕は鉄になった。あれは一体なんなの?」

 

エイトは答えた。

 

エイト「魔法です。魔法は『粒子』と『化学変化技術』から出来た物です。俺はナノマシンはプログラム次第でありとあらゆる事が出来ます」

 

そう言ってエイトは左腕を前に出し左腕を鉄へ変化させ正真正銘、魔法だと見せる。

七海、龍牙、恵は鉄と化したエイトの左腕を目の当たりにする。

七海と恵は少し驚き目を見張る。

龍牙は表情1つも変えずエイトの左腕をじっくりと見る。

魔法は粒子を元にしている。

特定の粒子を集め、液体化、気体化、固体化させる化学変化

粒子と化学変化をコントロールする技術を「化学変化技術」と呼び「魔法」と呼ぶ。

電子ナノマシンに化学変化技術を取り付け人間の体内に入れ始めて魔法が使える。

上級生の3人は魔法の基礎知識は知っている。

しかし「ナノマシンをプログラミングする」に関しては知らない。

何故なら魔法科にその分野がないからだ。

ナノマシンは元々プログラムされている。

エイトはプログラムを書き換えたり、新しく書き加え得たりしているのだ。

トーマス・シュタインであるエイトにとってプログラミングは朝飯前だ。

 

エイト「もしこの魔法科の教科にナノマシンのプログラミングがあれば魔法科に入っていたかもしれません」

 

更に色々とプログラムに関して説明しようとするがエリナと風香に止められた。

余計3人に怪しまれるからだ。

それでトーマス・シュタインだとバレたら元も子もない。

デバイスや魔法のプログラムの話になるとエイトは学者のように長く語り始める癖がある。

エリナと風香から見れば良いところで悪いところである。

次の質問に入った。

今度は龍牙と恵からだった。

 

龍牙「最後森は魔法を発動した。だが発動しなかった」

 

恵「そして君は森にこう言った

 

『お前はもう魔法が使えない』と」

 

模擬戦の終盤に魔法が発動出来なくなった銀次に放ったエイトの言葉だ。

どう言うことか説明して欲しい、と恵は言った。

エイトは口を開く。

 

エイト「相手のナノマシンと接続したんですよ」

 

龍牙「接続だと?」

 

一体どうやってしたのか?

龍牙は思わず声を出した。

どうやって銀次のナノマシンと接続したのかエイトは説明する。

 

エイト「ナノマシンは機械、厳密に言えばコンピュータ機器です。機械にはプログラムが付きもの、俺は自分のナノマシンを副会長のナノマシンに接続し偽のプログラムを入れ狂わせたのです。 」

 

ナノマシンはコンピュータ。

命令すれば命令通り動き、発動したい魔法をナノマシンに命令すれば発動したい魔法が発動出来る。

命令するにはプログラムが必要である。

エイトは自分のナノマシンを銀次のナノマシンに接続、ハックした。

プログラムは1つミスをすればエラーが起き動かない。

ナノマシンもプログラムを1つミスがあればエラーが起き発動できない。

あの時、エイトは銀次のナノマシンに偽のプログラムを入れエラーを起こさせた。

だがどうやってプログラムを書き込んだんだ?と恵から声が上がる。

エイトは右手の人差し指を自分の頭にとんとん、と突いた。

 

エイト「脳です」

 

ハッキング中エイトの視界には様々なプログラムが表示される。

そして脳でキーボードのように入力しプログラムを作る。

だがそれなり入力する処理速度が必要。

エイトは処理を補佐するナノマシンを体内に入れてある。

他にも彼の体を循環しているナノマシンの種類は沢山ある。

結果デバイス無しでも余裕で戦えるのだ。

エイトは3人にこう言った。

 

エイト「コレは『魔法』と言うよりも『ハッキング』です」

 

エイトの言う通りこれは魔法ではなくハッキングだ。

先の模擬戦は「情報」で勝ったのだ。

七海、恵は冷や汗をかく。

龍牙はいつも通り表情を変えない。

だが心の中では落ち着いていなかった。

無理もない。

十人の魔法師でも見たことが無い離れ技を2つエイトは披露したからだ。

 

龍牙(.....あの時...)

 

 

龍牙は心の中で呟き始める。

あの時。

それは模擬戦を指している。

 

龍牙(この男は、魔法だけなく体術と情報で勝った)

 

模擬戦を思い出す。

彼は魔法と体術そして情報、バランスが取れた戦い方をした。

 

龍牙(明らかに戦いに慣れている。そしてこの男の魔法

は底が知れない)

 

ここで一区切りし最後龍牙はこう言った。

 

 

 

もしかしたら十人の魔法師族よりも強いかも知れない、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒会から解放された後、俺とエリナと風香は家に帰った。

家は一軒家で二階建て。

おまけに地下に俺用の研究ルームがある。

一般家庭とは違って間取りはアメリカの家並みに広い。

俺は1階の自分の部屋で居る。

制服から私服へ着替えベッドで仰向けになってスマホを操作していた。

俺の部屋にある机はコンピュータが搭載されている。

タッチパネル式のキーボードが机の上に埋め込まれ前にはモニターがある。

簡単に言えば机とディスクトップが同化したものだ。

これは自分のデバイスやエリナ達のデバイスを調節するためにある。

部屋にある俺の私物はエリナ達からもらった物や本ばかり。

本棚には小説やデバイスのプログラムミングや魔法関係の本がずらりと並んでいる。

俺はスマホで中国のデバイス産業を見ていた。

2年前俺が行方不明になった後、中国はデバイス産業に莫大な資金源を投資し力を入れている。

この2年でいろいろわかった。

まず俺の暗殺をドラゴンヘッドに依頼したクライアントは中国である。

なぜならさっき言った通りデバイス産業に力を入れたからだ。

第三次大戦後、中国は今まで良好だった経済が崩れ落ちていた。

それから少しずつ立て直すが中国は次第に「欲」を出した。

そう「トーマス・シュタイン」と言う俺だ。

NM社は魔法デバイス産業の中でトップ1の会社。

生産率が上がらない中国はNM社を潰せば自国の魔法関連の社に力を入れ世界の頂点に立つ目論見だった。

その為に2年前、ドラゴンヘッドを通じて俺を狙ったってわけだ。

俺が行方不明になった事により中国は目論見通り金を投資し始める。

だが俺は行方不明になっただけでまだ死んではいない。

2年間アメリカにいた俺は様々なデバイスやデバイスシステムを作っていた。

最初は上手く行っていた中国は経済崩壊寸前まで行かなかったがいくつか中国のデバイス産業は潰れた。

だがまだ中国は諦めてないだろう。

この状況下で俺が死んでいない事は明らかで中国も知っているはずだ。

さて、これからどう出るか....

俺がそう考えていた時、ドアからノックする音が聞こえた。

 

エリナ「エイト?入っていい?」

 

ドアの向こうにエリナがいる。

俺は「ああ」と言ってスマホをいじるのをやめ体を起こしベッドに座る。

ガチャッとドアを開ける音と共にドアが開く。

そしてエリナが現れた。

エリナは何やら不機嫌な顔で俺の隣に座り、

 

エリナ「ねぇ、今日の昼雪乃と結衣の他に沢山の女の子と居たわよね?あれも昔、部活で知り合った女の子たちなの?」

 

と言う。

俺は察した。

エリナは嫉妬している、と。

だがエリナは誤解している所が1つあった。

 

エイト「あの中に男1人いるぞ。男子制服着てた銀髪の子」

 

そう戸塚だ。

戸塚は女の子にしか見えないが正真正銘男だ。

初めて会う奴は絶対女の子と見間違う。

エリナは思い出したのか「あっ」と声を漏らす。

 

エイト「だろ?戸塚は女の子に見えるけど性は男だ」

 

俺はエリナに知り合いが女子だけではない事を言った。

だがエリナは、

 

エリナ「それでもよっ!」

 

両腕を俺の首の後ろに巻き自分ごと後ろへ押し倒す。

彼女の胸が体に当たる。

エリナに抱きしめられそのままベッドに倒された俺は身動きが取れない。

 

エリナ「男友達が居ても1人だけじゃん。それに可愛いし!」

 

そこに嫉妬するのかエリナ。

俺はここの中でツッコミを入れた。

 

エリナ「昔は友達に女の子はいないって言ってたくせに....」

 

中学生の頃、電話でエリナに友達はいるのか、ガールフレンドはいるのか、と聞かれた。

当然俺は「居ない」と答えた。

雪ノ下と由比ヶ浜はただの部活の部員関係だった。

川崎も海老名さんも部活の関係で知り合っただけだ。

だから「友達」でもない。

 

エイト「だから友達じゃないから。ただの『知り合い』だって」

 

エリナ「友達も知り合いも一緒よ!」

 

俺の理屈を無理やりでも否定する。

どんだけ嫉妬深いんだよエリナは。

 

エリナ「罰としてー」

 

一拍おいたエリナは仰向け状態の俺の上に重なる。

そして俺の耳元に口を近づけて、

 

エリナ「....少しだけこうさせて」

 

と囁いた。

彼女の息が耳にかかり全身が少し震えた。

その震えがエリナにも伝わり彼女は耳元で笑う。

 

エリナ「ウブね」

 

そう言って自分の脚と俺の脚を絡め更に密着する。

俺の息が少し荒くなる。

息がエリナの耳にかかるとエリナは小さく「うっ」と喘ぐぎ頬を赤らめる。

 

エリナ「エイトぉ////」

 

子供のように甘えた声で俺の名前を呼ぶエリナ。

彼女の呼吸、熱、感触、全てが俺の体と共有する。

このままでは俺の理性が吹っ飛ぶ。

そんな時だった。

 

風香「ジーッ」

 

横でジト目でこちらを見る風香がいた。

それに気が付いたエリナは驚き慌てて俺から離れた。

 

エリナ「ふ、風香ちゃん⁉︎」

 

風香「ハチ兄が弁当箱出しに来ないから部屋まで来たらまさかエリ姉とハチ兄が...」

 

肩を震わせ顔を下に落とす風香。

俺は弁当箱を洗い場に出すのを忘れていた事を思い出す。

この状況で寂しがり屋の風香が取る行動は1つしかない。

それは、

 

風香「私だけ仲間はずれはずるいー!」

 

と顔を上げ涙目で訴える。

そして「私もイチャイチャするー!」といい俺にダイブして来た。

風香の体重が俺の体に伝わる。

そして肺の中の空気が外に出され俺は「うっ」と声を上げた。

そのまま風香はさっきのエリナのように密着する。

 

風香「ハチ兄ィ♡」

 

気持ち良さそうな顔で俺の名前を呼ぶ。

胸が俺の胴体に当たっている。

マズイ。

理性が飛んでしまう。

 

エイト「ちょっと待て風香」

 

俺は何とか抜け出そうと試みる。

だが。

 

エリナ「ちょっと風香ちゃん!エイトは今私のものなのよ!」

 

隣にいたエリナは風香に反発し俺をオモチャのように風香から引っ張る。

俺がエリナに引っ張られ風香はエリナの真反対の方へと転がった。

エリナは俺の顔を胸を当て抱きしめる。

エリナの香水が俺の鼻をくすぐる。

視界が暗くて見えない。

 

風香「いいじゃん!ちょっとぐらい!」

 

今度は逆に風香が怒る。

そしてエリナと同様、俺を引っ張り胸を当てる。

暗闇から光が射したかと思ったらまた視界が暗くなる。

徐々に2人は言い合いがエスカレートした。

更に2人の柔らかい豊かな胸が俺の顔を締め付ける。

左には風香の胸右にはエリナの胸。

まさにハーレム状態である。

しかし、

 

エイト「い、息が.....」

 

息が苦しくなってきた俺は息が荒れ始める。

吐息がエリナと風香の胸を刺激させたのか2人は

「あッ////」と声を上げた。

 

エリナ「エ、エイトッ!」

 

風香「くすぐったいよハチ兄////」

 

そう言いながら彼女らは俺を抱きしめ更に更に胸を締め付けた。

そのあと口論しなくなったが俺を離してくれなかった。

いやむしろ、離さなかったと言ったほうがいいだろう。

彼女らは俺が息を吐くと小さく喘ぎ始めた。

 

エイト(マズイ、このままじゃあ.....)

 

思考が止まった。

理性が限界まで達したのだ。

俺は徐々に意識が遠のいた。

 

エイト(もう...いいや...)

 

遠のく意識を保とうした俺はもう無理だと判断し、俺は彼女達の胸に溺れて意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




初めてイチャイチャシーンを書きましたが前々回と同じく、どう表現すればいいのか全くわかりませんでした。
なのでもう少し語彙力や国語力を勉強して行きたいと思います。
さて自分は八幡と同じ学生なので、これからテスト週間に入ります。
なので1週間休みます。
なので次の投稿は2週間後の日曜の予定になります。
ご了承ください。
脱字、誤字等がありました報告お願いします。
毎度毎度脱字誤字の報告ありがとうございます。
そして感想と高評価もお待ちしております。
では2週間後にお会いしましょう!


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