リディー&スールのアトリエ~ある男の不思議な絵の物語 (テオにゃんX)
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第一話 始まり

???「はぁ…やべ…眠い…」

時間を見たらもう深夜の2時くらいで、また本を読んでいた。
いつもこんなことしてると体に悪い。
俺はベッドに行き、眠りについた。

………

???「ふぁぁ…もう朝か…」

なんか寝てる時の時間の経過って早い気がする…ってそんなことないか。

俺は時計の時間を見たら一瞬で目が覚めた。

???「ええ!?もう昼の12時じゃん!やべぇ!今日母さんの店の手伝いあるんだったぁ!」

俺は急いで準備をして1階に行った。

???「はぁ…コウちゃんったら…また寝坊してるんですか?」

???「そうなのよ…あいつったらまた寝坊して…もうお昼なのに、部屋の鍵まで閉めて、何やってんだが…」

コウキ「母さん!ごめん!寝坊した!部屋の鍵閉まってたでしょ!?ごめん!まじで!」

サリア「コウキ!あんたったら!また本読んで夜更かししてたでしょ!」

???「あはは…コウちゃんはあいかわらずだね…」

コウキ「お、リディーか、どったの?本買いにきた?って…いたっ!」

サリア「あんたったら!今日という今日は許さないわよ!」

コウキ「ごめん、母さん!許して!本読んでたらはまりすぎてずっと読んでたの!」

サリア「またそんな言い訳して!一週間ごはんぬきよ!しばらく反省しなさい!」

???「あ、一生じゃなくて、一週間なんだ…」

母さんは怒って部屋から出てしまった。

コウキ「うっそだろ!飯食べなきゃ俺死んじゃうよぉ!母さんは俺を殺す気だな!?」

リディー「あはは…コウちゃん、自業自得だよ、もう何回目なの?夜更かしして仕事サボったの。」

コウキ「多分、毎回だと思う…俺ってダメだな…」

リディー「どうしてそうなったの?前は仕事ちゃんとしてたじゃない…」

コウキ「いや、それは…」

言えなかった…どうしても…今から三年前にリディーとスーの母親、オネットさんが亡くなってから俺は変わった。
店番の仕事もサボって、部屋に引きこもってずっと本を読んでる毎日になった。
オネットさんからはいろんな事を教えてもらったし、俺の尊敬する人だったから…

リディー「もう、ちゃんとサリアさんの言うことを聞いてあげてね!サリアさん、コウちゃんの事ああ言ってるけど、ほんとは心配してるんだよ?コウちゃんの事を」

コウキ「ああ、そうだな…リディー、スーは?いつも二人で行動してるのに今日は一人なのか?」

リディー「スーちゃんは今アトリエにいるよ。私は本を買いに行こうと思って本屋にきたんだよ。」

コウキ「そうか。何買ってく?」

リディー「いや、本も買ったし、そろそろアトリエに戻るよ。スーちゃんも待ってるからね」

コウキ「お、そうか。気を付けてな」

リディー「うん!お仕事頑張ってね」

リディーは店を出ていった。さぁ今から仕事しないとな。

コウキ「てか午前は母さんが店の担当してたのか…ごめん、母さん…いつもこんな俺で…」

コウキ「てか飯どうしよう…仕方ない…俺が悪いし自分の金でご飯を買うか…今から一週間か…今月は何も物とか買えないな…」

主人公のコウキはこれからどんな運命になるのだろうか。

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第二話 採取に行く

オリキャラ紹介

コウキ・レオナー 17歳 身長156cm 職業 剣士
ソレイユ通りの中央部に建つ本屋の家に住む少年。
うっかりやでわすれがち。オネットには凄い尊敬をしており、オネットからはいろんな事を教えてもらっていたが、コウキが14歳の時、オネットが突然亡くなり、それから自分の部屋に引きこもるようになり、だらけた生活を送るようになってしまった。たまに剣の鍛練をしている。

サリア・レオナー 37歳 身長160cm 職業 本屋
コウキの母親。
ソレイユ通りの中央部に建つ本屋の店主。
オネットとは幼いころから一緒で親友関係。忙しい時は店番を息子のコウキに任せる時がある。本を読む事が好き。


母さんにご飯抜きと言われて一週間がたった、マジでご飯抜きだった、母さんパネェよ!今月の俺の金がなくなったため、また依頼とかでお金を稼ぐしかないか…

コウキ「よーし、仕事終わったー母さん、あとは頼んだよー」

サリア「はーいご苦労様。あとは私がやるから、また頼むわよー」

コウキ「ほーい」

俺は本屋を出た、まずお金がないので依頼でお金を稼ぐしかないか…俺はこうみえても剣を使っている。まぁまだ初心者なんだけど。俺は守るべき人を守る!ってよく恋愛漫画であるけどそんなん無理か。今の俺には守るべき人とかいないし…ってそんなこと言ってる場合か、はやく依頼見てこよっと。

俺は王城前広場の掲示板のとこにきた。

コウキ「さーて、何があるかな?」

依頼を見たら納品の依頼と近くの魔物退治と迷子のペットのプニ探しの依頼しかなかった。

コウキ「ペットのプニ探しは…報酬が少ないし…近くの魔物退治は一人だと危ないし…近くの森の納品でいいかな…」

俺は近くの森にある納品の依頼を受けて目的地に向かおうとしたその時、

???「あれ、コウキじゃん!何してんのー?」

後ろから声を掛けられた。その子は幼馴染であり、双子の妹スールだ。隣にはリディーがいた。

コウキ「お、スー達じゃん、お前らも依頼受けにきたの?」

スー「そうなんだよ、食費がないからねー」

リディー「うん、そうなの。コウちゃん、何か新しい依頼あった?」

コウキ「いやぁ、特になんも…俺は今から近くの納品の依頼受けるんだけど、お前らはどうすんの?」

スー「納品の依頼?じゃあアタシ達も手伝う?暇だしね、リディー」

リディー「うん、そうだね、一人で行かせるのは危ないし…」

コウキ「手伝ってくれんの!?ありがとう!助かるよー」

スー「あーでもその代わり、報酬は分けてね♪」

リディー「あはは…それでいいかな?コウちゃん」

コウキ「おう、わかった」

そして俺達は門の前に向かって、目的地に向かった。

………

コウキ「さて、目的地に着いたし、採取でもしますかね」

スー「あー見て見て!うさぎさんがいるー!」

リディー「ほんとだ。可愛いね…」

コウキ「あ、そういえば、うさぎの毛も必要なんだった。」

スー「あ、そういえば…そうだった」

リディー「そういえば、そうだったね…」

コウキ「よーし、俺がうさぎをとっちめてやる!」

スー「アタシも手伝うー」

リディー「二人共!待ってよー!」

俺とスーはうさぎの毛×5とリディーはぬめりキノコ×3個を採取し、目的の物を採取できたので、メルヴェイユに戻ることにした。

ガサガサ

コウキ「ん?」

リディー「どうしたの?コウちゃん?」

コウキ「いや、なんかさっき草むらから音がしたような…」

スー「気のせいじゃない?」

すると草むらから青プニ三体が現れた。

リディー「わー!?プニー!?」

スー「プニだ!」

コウキ「倒すぞ!二人共!」

二人「うん!」

俺は剣を抜いて先に先制攻撃をした。

コウキ「おらー!」

バン

コウキの攻撃はプニに命中し、一体目を倒した。
スーは二等拳銃を出し、もう一体のプニに攻撃をして命中し、もう二体を倒した。
すると残り一体になったプニが俺に向かって素早くたいあたりしてきて、俺はそれを剣でガードしようとしたが、タイミングが遅く、ガードできなくてそれをまともにくらってしまう。

コウキ「のわー!」

俺はあまりの攻撃に腰をついてしまう。

リディー「回復魔法ー!」

リディーは回復魔法で俺を癒し、さっきくらったはずの傷が治り、楽になり、俺は体勢を立て直す。

コウキ「すまん!助かった!」

リディー「うん!今がチャンスだよ!」

スー「蜂の巣にしてやる!」

コウキ「おらおらー!」

俺とスーの攻撃がプニに命中し、三体目を倒した。

コウキ「よし、倒したー」

スー「楽勝だったね!」

リディー「勝ててよかったぁ…」

俺達はメルヴェイユに向け帰る。

………

俺達は依頼された物を納品し、報酬を貰い、三人で分けた。

コウキ「二人共ー今日はありがとなー依頼手伝ってくれて。」

スー「別にいいよーアタシ達もお金欲しかったしね」

リディー「うん、一人より人数は多いほうがいいでしょ?」

コウキ「おう、またなんかあったら頼むわー」

スー「はいはーい。またねー!」

リディー「じゃあ、コウちゃん、またね、また明日ね。」

俺達は別れ、自分の家に帰っていく。

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第三話 師匠

俺は納品の依頼を終えてから家に帰った。

コウキ「ただいまー」

サリア「あら、コウキおかえり」

???「お邪魔してますよ、コウキ」

家に来てたのはアトリエ・ヴォルテールの主、幼馴染のルーシャだ。

コウキ「ルーシャじゃん、どうした?またからかいに来たのか?」

ルーシャ「いいえ!サリアおばさまとお話をしてただけです」

コウキ「アトリエのほうは大丈夫なのか?何か客がたくさん来てて評判とか聞いたけど」

サリア「ルーシャちゃんは今休憩中なのよ」

ルーシャ「そうです、たまにはここで休憩するのもどうかなと思いましてね」

ルーシャ「あ、サリアおばさま、これを買います」

サリア「錬金術の本…ルーシャちゃん、錬金術頑張ってね」

ルーシャ「はい!頑張りますね!サリアおばさま、では失礼しますね」

コウキ「おう、またな」

そしてルーシャは店を出ていった。

サリア「さぁ、もう閉店しようかな」

コウキ「母さん、今日のご飯は?」

サリア「見てからのお楽しみね。」

コウキ「ちぇー」

俺は母さんにご飯できたら呼んでといい、裏庭のほうで剣の練習をした。
俺は今日の戦いで傷を負ってしまった。
普段体を動かしてなかったから俺は剣の練習をするんだ。
いつか…大切な人を守れるような人になるために…

………

サリア「ご飯できたわよー」

コウキ「今行くー」

俺はご飯を食べ、風呂に入り、寝ることにした。

コウキ「明日から頑張らないとなぁ…おやすみぃ…」

俺は眠りについた。

………

『コウキくん!凄いじゃない!前よりも剣の使い方上手くなったんじゃない?』

『えへへ!ぼく将来は強い剣士になって、いろんな人を守っていくんだー!』

『うん、うん、コウキくんならきっとなれるわよー!いつか自分の大切な人を守れるように頑張りなさいよ?お姉さん応援するからなー?』

『うん!見ててね!オネットさん!ぼくはこれから強くなるぞー!』

………

コウキ「ん…あの夢は…」

俺は時計を見た。まだ朝の7時だった。まぁ今日は店番ないし、もうちょっと…寝ようかな…

『お姉さん応援するからなー』

あの時、俺が尊敬してた人に言われた言葉を思い出した。
そうだ…俺はあの時約束したんだ…あの人に…
俺はベッドから起きてすぐ支度して剣の練習をすることにした。

コウキ「オネットさん、俺、ちょっと頑張ってきます!」

俺は朝飯を食べ、外へと出掛けた。

コウキ「よし、今日からは剣の練習だ!」

俺はもう、部屋で引きこもる生活はやめる。
リディーも、スーも、ルーシャも錬金術頑張ってるし、俺も頑張らないと!

………

一方、リディーとスールは…

???「おおおおおおおお!?」

大きな爆発音がした。

スー「お父さん!なにしてるの!?」

ロジェ「あははー!失敗しちゃったぁ♪」

リディー「可愛く言っても許さないんだから!」

ロジェ「じゃあ、あとは任せた!片付けよろしくぅー」

そう言ってお父さんは家からで出ていったしまった。

スー「もう!あのバカ親父!仕事を押し付けんなぁ!」

リディー「もう…お父さんに何言っても無駄だよ…スーちゃん、片付けしようか…」

………

一方、コウキは…

コウキ「はぁ…疲れた…もうお昼だし昼飯食べて休憩するか…」

俺は朝の7時から12時まで剣の練習をしていた。

マジで汗ヤバい…シャワーでも浴びてこようかな…

???「なぁ、お前さん」

コウキ「ん?はい、なんでしょう?」

???「今のお前の剣の練習を見ていたんだが…俺から思う事を言っていいか?」

コウキ「別にいいですけど…」

???「お前には剣の才能がある。大昔、世界を我が物にしようとした悪の神を倒し、世界を救ったあの剣士みたいに」

コウキ「そうなんですか?俺が?」

???「そうだ、お前の持ってる剣…それは世界を救ったあの剣士が持っていた剣だ」

コウキ「んええ!?マジですか!?この剣が!?これは近くの森で拾ったやつですよ!?」

???「その剣についてる赤い宝石…それはあの剣士が持っていた剣だ。」

コウキ「そうなんですか!?えっと…あなたは一体…」

???「俺はガルド。傭兵だ」

コウキ「俺はコウキです。それよりガルドさん才能なんて有るのでしょうか…」

ガルド「いや…日々練習してれば才能が発揮するだろう」

コウキ「そうなんですか?ガルドさんは剣使ってるんですよね?」

ガルド「ああ、そうだが」

コウキ「………」

俺は考え始める。
強くなるために、この人の弟子になりたいと…

コウキ「ガルドさん」

ガルド「ん?」

コウキ「俺の師匠になってください!」

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第四話 不思議な絵の世界

オリキャラ紹介。

ガルド・マガレット 58歳 身長190cm 職業 傭兵
伝説に名を残した傭兵であり、現在は各地の町を旅しており、多数の魔物を葬りさってきた。大昔、世界を救った伝説の剣士について調べていることがあり、その剣士が使っていた剣がメルヴェイユの町のどこかに封印されているいう話を聞き、その剣士の血を引いてる男もアダレットに住んでるコウキ・レオナーだということも知っていた。その理由は不明。


コウキ「俺の師匠になってください!」

ガルド「…!」

………

『私…剣をもっと上手くなりたいんです。ガルドさん、私の師匠になってください…!』

………

ガルド「(この目は…昔のあいつを思い出す目だ…)」

ガルド「ふふ…師匠…か。いいだろう、俺がお前を一から…鍛えて直してやる」

コウキ「…!」

コウキ「よろしくお願いします!師匠!」

ガルド「と、その前に休憩するんだったんだろ?コウキ」

コウキ「あ、そういえば…えっとそうでしたね。」

ガルド「訓練は今度からだ。」

コウキ「わかりました、師匠、では」

俺は練習を後にし、家に帰るとした。

ガルド「………あの目、あいつにそっくりだ…コウキ、お前のあの目は、はたして本気なのか…そして、あの伝説の剣士の血を引いているということを…」

………

コウキ「ふぅーさっぱりしたぁー」

俺は今日からガルドさんの弟子だ。
やる前から無理って諦めない…そうですよね?オネットさん…。
俺は近くの喫茶店で休憩をすまして、リディー達のアトリエに向かうことにした。

コウキ「リディー、スー、いるかー?」

コンコン

リディー「はーい、開いてますよ」

コウキ「うーす、錬金術頑張ってるか?」

スー「そっちこそ、剣の練習は頑張ってるー?」

コウキ「ああ、俺は師匠ができたからな」

リディー「えー!?師匠!?」

スー「いや、そんなバカな!」

コウキ「マジだよ!俺は強くなりたいからさ」

スー「まぁ、前はずっと部屋に引きこもってたからねー引きこもるよりはましだね」

コウキ「なんか、耳が痛い言い方だな…」

リディー「うん、頑張ってね。コウちゃん」

スー「よーし、調合終わったよーリディー」

リディー「ご苦労様。材料なくなったから、採取でもいこうか」

コウキ「採取行くのか?俺も付き合うよ。」

スー「じゃあ、いきますかー」

リディー「ん?」

コウキ「どうした?」

リディー「なんか、地下室から声が…」

スー「ちょっと行ってみる?」

コウキ「いや、でもあそこには入るなってロジェさんが…」

スー「いや、いいでしょ。地下室気になるもん!」

コウキ「いやーいいのかな…」

俺達は地下室に入る。
するとそこには綺麗な絵が飾ってあった。

リディー「わぁ…綺麗な絵!」

スー「お父さんが描いたのかな?」

コウキ「ああ、ほんとに綺麗な絵だ」

俺達はその絵に近づくと、突然意識が遠く…

リディー「あれ、なんか眠く…」

スー「あれ…なんか意識が遠くに…」

コウキ「ん…なんか眠くなってきた…俺疲れてるのかな…」

俺達はその場で意識を失った。

………

コウキ「ん…?あれ…寝てた…のか?」

俺はあたりを見る。

そこは花畑のような楽園が広がっていた。

コウキ「二人共!起きろ!俺ら…どっかに飛ばされたぞ!?」

リディー「ん…あれ…私…どうなったんだっけ…」

スー「むにゃむにゃ…あれ…ここは…」

コウキ「どうやら寝てる間にどこかに飛ばされたらしいな」

リディー「あれ?ここ、あの絵に似てない?」

スー「あ!私達、絵の世界に入ったとか?」

コウキ「えええ!?そんなこともあるのか…」

リディー「ねぇ!ここちょっとだけ探索してみようよ!」

スー「面白そう!いいね!それ!」

コウキ「そうだな…ちょっと歩いてみるか」

俺達はあたりを歩いてみる。

スー「ねぇ、見て!見たことない素材があるよ!」

リディー「ほんとだ。確かに見たことない素材だね、錬金術に使えたりするかな?」

コウキ「そこらじゅうにいっぱい生えてるぞ」

スー「よーし、じゃんじゃん拾っちゃおう!」

………

スー「うん、これぐらいで充分かな」

リディー「これだけあれば錬金術で何か作れそう!」

コウキ「しかし、珍しい物ばっかだな。売ったら金になりそうだな」

俺は奥に人影らしきものが見えた。

コウキ「ん?なぁ、あそこ人いないか?」

リディー「ほんとだ。私達以外にもここに人がいるのかな?」

スー「あのー!すみません!」

スーが声を掛けたらしいが、どうやら聞こえていなく、その人はまっすぐに進んでいく。

リディー「このままだと見失うよ!?」

スー「なら、追いかけるまで!」

コウキ「(あの人…どこかで…)」

スー「コウキ!あの人を追いかけるよ!」

コウキ「おう…わかった…」

俺達はその人を追いかける、するとその近くに魔物がいた。黒いプニだ。

スー「黒プニ!?なんか他のプニより強そう!?」

リディー「わー!?絵の中に魔物がー!」

コウキ「片付けるぞ!」

………

コウキ「ふぅー」

スー「案外あっけなかったね!」

リディー「危なかったね…」

コウキ「で、あの人は!?」

俺は前を見る。しかしもう見失っていた。

スー「あー!完全に見失った!」

リディー「見失っちゃったね…」

コウキ「とりあいず、追いかけるぞ!」

俺達はあの人を追いかけた。

スー「見失った…あの人足速いよ…」

コウキ「(どこいったんだろう…やっぱり幻だったのか?)」

スー「ところでさ」

リディー「あ、スーちゃんもそう思う?私達どうやって帰ればいいんだろう…」

コウキ「と、とにありずどう帰れるか考えよう…」

………

リディー「えーと…」

コウキ「嫌な予感しかしない…」

スー「だってこれしかないでしょ!」

俺達が今しようとしてるのは大きな穴に飛び降りようとしていることだ。

コウキ「ま、これしか考えが思いつかないし…やるしかないか…」

リディー「そうだね…いちかばちかだよ!」

俺達は手を繋ぐ。

スー「じゃあ…いっせのーで…おりゃ!」

俺達は飛び降りた。
落ちていると突然意識が遠くなっていった。

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第五話 過去の出来事

ロジェ「何やってんだ、お前ら…」

リディー「うーん…おはよう、お父さん」

スー「ふわぁ…よく寝たぁ…じゃない!さっき拾ったあれは!?」

ロジェ「まったく、地下室には入るなってあれほど言っただろ?」

コウキ「ロジェさん、すいません…あれほど言われたのに入ってしまい…」

ロジェ「いや別にそうなに気にしちゃないから大丈夫だが…」

コウキ「すいません…ほんと気をつけます…」

リディー「あっ!えへへ、ちゃんとカゴの中に入ってるよ!スーちゃん!」

スー「本当!?じゃあ、あの世界は夢じゃなかったんだ…!」

ロジェ「聞いてるのか、二人ともー。地下室に入ったこと自体は別に気にしちゃいないが…」

リディー「うん!早速調合を試してみようよ!」

スー「そうしようそうしよう!お父さん、邪魔っ!」

二人は一階に上がっていく。

ロジェ「…邪魔って、邪魔って、なんだよ、お父さん泣いちゃうぞ…?」

コウキ「ロジェさんも大変ですね…あはは…」

ロジェ「ああ、そうだな…はぁ…子育てってのは難しいもんだな、オネット…」

コウキ「ロジェさん…」

俺はただそれを呆然と見ることしかできなかった…

………

コウキ「じゃ、俺はそろそろ帰るよ」

スー「はーい、また明日ねー!」

リディー「またね、コウちゃん、今日はありがとね」

ロジェ「気をつけて帰るんだぞ」

コウキ「はい、では」

俺はリディー達のアトリエをあとにした。

コウキ「そういえば明日から師匠と剣の稽古あるんだっけか。よし、頑張るぞ!しかし、あの絵の中世界は一体なんだったのだろう…絵の中で見かけたあの人…あの人は…オネットさんに似ていた。いや…気のせいか…」

………

ガルド「よし、ここでいいか」

コウキ「あれ、師匠?ここで何してるんですか?」

ガルド「コウキか、何してたって空き家を探してたんだ。俺は今日からここに住むからな」

コウキ「俺の家の近くじゃないですか!近いからよかったです!」

ガルド「そうなのか?お前の自宅はどこなんだ?」

コウキ「ここをまっすぐ行ったら本屋があるんですよ、そこが俺の家です!」

ガルド「本屋を開いてるのか?」

コウキ「えっと、俺の母が…たまーに店番を俺に任せることがありますけどね」

ガルド「明日はあるのか?」

コウキ「明日は…まだわかりません、母さんに聞かないとわからないので…」

ガルド「剣の稽古より、お前さんの御自宅の仕事が優先だからな、お前が非番の時に鍛練をしよう」

コウキ「はい、わかりました。非番の時に師匠のとこに行ってみますね!それで気になったことがあるんですけど、俺が伝説の剣士の血を引いてるって言ってましたけど、なんでそれが俺だと言えるんですか?」

ガルド「それはだな、お前の父親…ザラト・レオナーを知ってるか?」

コウキ「はい、母さんから聞きました…俺を生んであと、病気で亡くなったんだとか…」

ガルド「お前さんの親父も同じく伝説の剣士の血を引いてた人だからな。実はな昔、お前さんの親父と旅をしていたことがあったんだ」

コウキ「そうなんですか!?その話、詳しく聞かせてください!」

ガルド「おっと、その話はお前さんの御自宅でだ。お前さんのお袋さんとも久しぶりに話をしたいからな」

コウキ「わかりました、その時に!」

ガルド「今日はちょい忙しいからな。俺の家のこともあるし、明日お前さんの家に伺うから待ってな」

コウキ「わかりました!では師匠、また明日です!」

コウキ「(久しぶりに母さんと話を?師匠、母さんと知り合いなのかな?)」

…………

コウキ「ただいま」

サリア「おかえり、今日は何してたの?」

コウキ「リディー達のアトリエに行ってた」

サリア「明日はお店はないから、店番ないからね」

コウキ「りょーかい、あのさ母さん、お父さんのことなんだけど…」

サリア「それがどうかしたの?」

コウキ「お父さんって大昔、世界を救った伝説の剣士の血を引いてる人って聞いたんだけど…」

サリア「それ、誰から聞いたの?」

コウキ「傭兵のガルドさんっていう人から…」

サリア「ガルド…それってガルド・マガレットさんのこと!?」

コウキ「ん?知ってるの?」

サリア「ええ、知ってるもなにも私が昔一緒に旅してた人だからね」

コウキ「母さん旅してたの!?」

サリア「そうよ、私はね、こうみえても昔は剣士だったんだから!」

コウキ「ええー!?なんで本屋なんてやってるんだよ…」

サリア「いいでしょう?本を読むのが好きなんだから」

コウキ「まぁ、いいや…明日その師匠がここに来るって…」

サリア「師匠!?あんたガルドさんの弟子になったの!?」

コウキ「そうだけど?」

サリア「そうなんだ…あんた、師匠が欲しかったのね、まぁ、頑張ってね」

コウキ「お、おう…」

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第六話 俺にとって尊敬してた人

コウキ「おはよう」

サリア「おはよう、朝ご飯できてるから、食べなさい」

俺はテーブルに向かう。
するとそこには師匠があたりまえのように食事をしていた。

ガルド「よう、コウキ、邪魔してるぜ」

コウキ「ええ!?師匠!?もう来てたんですか?」

ガルド「久しぶりにサリアと話をしたくてな、今話の途中だった。お前さんも入るか?」

コウキ「もちろんです!」

サリア「で、話の続きなんだけど、コウキの持ってる剣って本当にあの伝説の剣士が使っていた剣らしいけど、本来の力を失っているわね」

コウキ「え、そうなの?」

ガルド「長い年月が経って力を失ったんだろう、だが力を取り戻す方法はあるさ」

コウキ「それは?」

サリア「伝説の剣士の血を引いてるあんたにしかできないことよ、剣を持ってる所有者の力を認める…つまりコウキが頑張らないとその剣は本来の力をだせないのよ」

ガルド「そうだ、お前さん次第なんだ、力を取り戻せるのは」

コウキ「ま、まじか…俺が…もっと強く…」

ガルド「まぁ、そんなに焦るな、お前さん、剣歴は何年だ?」

コウキ「えっと…8歳の時に剣を習いましたね」

ガルド「その剣を拾ったのは?」

コウキ「うーん…確か10歳の時、近くの森に遊びに行った時、その剣を拾いましたね」

サリア「てかなぜその剣が落ちていたのかしら?」

ガルド「それがどうも気になるんだ、誰かがメルヴェイユのどこかから持ち出したのかもしれん」

サリア「伝説の剣士が使っていた剣となるとやっぱり王城から誰かが持ち出したとしか考えられないかしらね?」

ガルド「そうかもしれんなぁ…王城に行ってみるとするかね…」

コウキ「俺もついていっていいですか?」

ガルド「お前さんもついてきな」

………

サリア「ガルドさん、今日は久しぶりに話ができて楽しかったわ」

ガルド「俺もだ、飯も食わせてくれて感謝する。サリア、お前、いつのまにか家事上手くなったな」

サリア「そりゃ、親ですもの。じゃあ今度、一杯いきましょうか」

ガルド「おう、わかった。楽しみにしてるぜ」

コウキ「じゃあ、師匠行きましょう!」

サリア「(ザラト…コウキはあなたの代わりに伝説の剣士の血を引く者として立派にあとを継ごうとしてるわ…だからどうか…コウキのこと天から見守ってね…」

………

ガルド「コウキ、王城に行く前にザラトの墓参りに行きたくてな」

コウキ「父さんの?」

ガルド「そうだ、久しぶりにあいつに顔を見せないといけないからな」

コウキ「そうですか…俺もガルドさんに紹介したい人がいるんです。俺の尊敬してた人の墓参りもしたいので…」

ガルド「…?ああ、わかった」

………

コウキ「師匠、ここがメルヴェイユでも有名な教会です」

ガルド「ほぉ、立派な教会だな」

???「あら?コウキではありませんか」

コウキ「あ、シスター」

彼女は教会でシスターを務めているグレースさんだ。

グレース「お隣にいる人は…」

ガルド「ガルドだ。あんたがこの教会のお偉いさんか?」

グレース「そうです。私がこの教会を務めている。シスターのグレースと申します」

ガルド「わかった。今日はお祈りではなく墓参りにきたんだが…よろしいか?」

グレース「墓参りですか?構いませんよ?」

ガルド「感謝する」

グレース「コウキ、あなたはこの方とお知り合いですか?」

コウキ「俺の師匠です!」

グレース「師匠ですか…コウキ、あなたもやっと…前に進む決心を決めたのですね」

コウキ「はい、強くなるために…前みたいにずっと部屋に引きこもるのはやめたんです!」

グレース「いいことです。きっと神もその事をお許しになることでしょう。頑張りなさい」

コウキ「はい!シスター!」

ガルド「お前さん、今まで部屋に引きこもっていたのか?」

コウキ「ギクッ!そうです…そうなんです…師匠…」

ガルド「まぁきっとお前さんもなんかあったんだろう。詮索はしないさ」

コウキ「はい…じゃあ気を取り直して墓場に行きましょうか…シスター、また」

グレース「はい、気をつけて」

………

ガルド「ここか」

俺と師匠は俺の父親である。
ザラト・レオナーの墓前にきた。

ガルド「ザラト…元気か?俺はあいかわらず元気でやっているぜ」

すると師匠がある物を取り出した。

コウキ「花ですか…綺麗な花ですね」

それは赤い花で、まるで彼岸花のような物だった。

ガルド「そうか、ありがとな。ザラトはな…花が好きな奴だったんだ」

コウキ「そうだったんですか…」

ガルド「一緒に旅をしてた時も手元離さず花を胸元に身に付けていてな…『花は僕の希望』…とか言ってたな」

コウキ「そうですか、父さんは花を心から愛していたんですね…」

師匠は花を墓の前においた。

ガルド「さて、次はお前さんのとこだな」

コウキ「はい、こちらです」

俺は父親の墓のとなりにある、墓前についた。

コウキ「これはオネット・マーレンという人の墓です」

ガルド「オネット…ああ、サリアの友達の…」

コウキ「知ってるんですか?」

ガルド「ああ、サリアから聞いただけで、どうゆう人だったかはわからん…」

コウキ「そうですか…オネットさんは俺が剣の練習をしてた時にいつもそばにいてくれた人なんです」

ガルド「ほう…お前さんの好きだった人なのか?」

コウキ「いや、オネットさんは既に結婚してる人だったし!恋愛的ではありませんよ!ただ、尊敬してる人であっただけです!」

ガルド「わかった、わかった。どうしてそのオネットさんはお亡くなりに?」

コウキ「それは…元々体が強くなく…今から三年前に…はやり病で…」

ガルド「そうか…それでお前さんは…」

コウキ「はい…あまりにショックで…部屋に引きこもりっぱなしになって…あの人がいない中、どうしたらいいのかわからなくなりました…」

ガルド「そうか、それでも足掻いてみせようとしたんだな。お前さんは」

コウキ「はい…オネットさんには、かっこ悪いとこは見せたくなかったので…あと約束もしたので…」

ガルド「約束…か。それをこれから破ったりするんじゃないぞ…」

コウキ「もちろんです!オネットさん…あなたは体が強くない人でも心だけは誰よりも強かった…俺にとって太陽な存在であり…尊敬する人でもあります…どうか…見守っててください…」

俺はピンク色の花をオネットさんの墓前においた。

ガルド「さて、王城に行くか」

コウキ「はい!」

俺と師匠は墓場をあとにし、王城へと向かいはじめた。

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第七話 王女と王子

俺と師匠は王城前広場についた。

コウキ「ん?あれは…」

目の前で何か急ぎ足で走っているルーシャがいた。

コウキ「おーい、ルーシャ、なにしてんだー?」

ルーシャ「はぁ…はぁ…コウキですか?それと横の人は?」

コウキ「俺の師匠だ」

ルーシャ「ええ!?師匠ですか!?」

ガルド「俺は傭兵をしているガルドだ」

ルーシャ「は、はぁ…コウキのことよろしくお願いしますね…」

ガルド「おう、任せときな、お嬢さんはコウキのボーイフレンドか何かか?」

ルーシャ「…!ち、違います!彼氏なんかじゃないです!私達はただの幼馴染であって…」

ガルド「なんだ、違うのか」

コウキ「そうですよ!師匠!俺達別にそんな仲じゃないし!幼馴染なだけです!」

ガルド「はいはい、わかったわかった」

ルーシャ「もう…ガルドさんは変なこと言わないでください…」

ガルド「すまなかったな、お嬢さん」

ルーシャ「それよりもコウキは師匠が欲しかっただなんて…」

コウキ「ん?そんなに珍しいことなのか?」

ルーシャ「いえ…コウキは、おばさまが亡くなってから、ずっと部屋に引きこもっていたのでその…心配…してたんですからね…!」

コウキ「おう…心配かけたな…ごめん」

ルーシャ「分かればいいんですよ!では私は用事があるので失礼します!」

コウキ「おう、転ぶんじゃないぞー」

ルーシャ「転びませんよ!」

ルーシャは自分のアトリエへと帰っていった。

ガルド「さて、王城に向かうとするか」

コウキ「はい!」

俺と師匠が王城に向かうと、王城の入り口から出てきたリディーとスーがいた。

リディー「あれ?コウちゃん?それに横の人はもしかして…」

スー「もしかして、コウキの師匠!?」

コウキ「以前話した俺の師匠のガルドさんだ。傭兵をしている人だ」

ガルド「よろしくな、お嬢ちゃん達」

スー「よろしくお願いしますー!」

リディー「えっと、よろしくお願いします!コウちゃんのことお願いします!」

ガルド「おう、任せときな、お嬢ちゃん二人は双子か?」

スー「そうですよー!あたしが妹で、リディーが姉です!」

ガルド「そうか、そうか、ところで双子さんは達はどうして王城に?」

コウキ「それ、俺も気になった、どうして?」

リディー「えっとね、私達、アトリエランク制度に参加しようと思って王城に来たの」

コウキ「アトリエランク制度?」

スー「うん!国一番のアトリエになれるチャンスなんだ!お母さんとの約束だからね!」

コウキ「国一番のアトリエか…リディー、スー、頑張れよ…」

リディー「えへへ…そっちも頑張ってね」

スー「じゃあアタシ達、試験課題があるから行くね!あ、ガルドさん、コウキのことよろしくお願いしますねー!」

二人は自分のアトリエへと帰っていった。

ガルド「あの二人と仲がいいんだな、お前さん」

コウキ「まぁ、幼馴染ですからね…」

ガルド「よし、王城へと向かうか」

コウキ「はい!」

俺と師匠は王城内のエントランスに入った。

ガルド「なかなか綺麗なお城だな」

コウキ「俺も初めて入りましたけど綺麗なお城ですね」

俺達はエントランス内の受付の人に話を聞いてみることにしてみた。

ガルド「すまない、聞きたいことがあるんだがいいか?」

???「はい、なんでしょう」

ガルド「あんたは大昔世界を救った伝説の剣士の神話を知ってるか?」

???「ええ、知っていますよ?」

ガルド「その伝説の剣士が使っていた剣がこのメルヴェイユの都にあると聞いたのだが、それは王城に保管していた物だったか?」

???「剣ですか、それは王城に保管していた物なんですが、今から7年前に何者から盗まれたんです」

ガルド「盗まれた?」

???「ええ、アダレットの騎士達が、そのあと剣の捜索を開始したのだけれど、結局見つからず、今はもう捜索はしておらず、そのまんまね」

ガルド「徹底的に捜索はしなかったのか?」

???「それはですね、その剣はもともともう古い剣で、本来の力を失っている剣だったの、力を失った剣は誰かに使われても力を悪用されないから、別にここにあっても意味がないという結論になり、盗まれても問題は起こらないだろうという事になったんです」

コウキ「本来の力とは?」

???「ごめんなさい、私もよくはわからないのよ」

コウキ「師匠はわかります?」

ガルド「俺もよくわからん、最強の剣としか聞いたことがないからな、それにその剣は伝説の剣士の血を引いてる者にしか本来の力は出せない、本で読んだ話だがな、それにその血を引いてる奴が今ここにいるぞ」

???「え?」

コウキ「あの…その剣ってこれのことですか?」

俺は剣を見せた。

???「これは…!」

コウキ「これは近くの森で拾ったやつで!王城に侵入して盗んだりしてませんよ!今日初めて王城に入りましたし!」

???「それはわかったけど、近くの森ねぇ…そこも騎士達が捜索したはずなんだけど…その前に拾われたってことね」

コウキ「えっと…今お返ししましょうか…?」

???「いいえ、別に言いわよー?あなたなら別に力を悪用しない人だと思うから…」

コウキ「えっと、ありがとうございます…?」

???「ところであなた達の名前を聞いても?」

ガルド「そうだな、あらためて自己紹介でもするか、俺はガルドだ、傭兵をしている」

コウキ「俺はコウキです!」

???「私はミレイユ、国の事務全般を担当しているわ。で、さっきの話の続きなんだけど、コウキ君が伝説の剣士の血を引いてるってことは信じてあげるわ」

ガルド「そんな簡単に信じていいのか?」

ミレイユ「信じるもなにも、その剣は、この人が主って言ってるからね」

コウキ「言っている…?剣の声がわかるんですか?」

ミレイユ「なんとなくわかるのよ、私が幼い頃、弟がね、いつもその剣を見ていてね。その時からかしら、その剣の声が聞こえるようになったのよ」

ガルド「不思議なことだな…ちなみに俺の剣は今なんて言ってる?」

すると師匠が背中に背負ってた大きな大剣を取り出し、ミレイユさんに見せた。

ミレイユ「うーん…ごめんなさい、私、その剣の言ってることはわからないわ」

コウキ「やっぱり、この剣しか?」

ミレイユ「そうみたい…」

ガルド「なんだ、もうこの剣は何十年も使ってる剣なんだけどな、声を聞いてみたかったぜ」

ミレイユ「じゃあコウキ君、その剣のこと頼んだわよー?騎士達にバレると騒ぎになるかもしれないから、気をつけてね?」

コウキ「はい、わかりました」

すると王城の扉が突然開いた。

???「姉貴ー!ちょっといいかー?…って今取り込み中か」

ミレイユ「今は大丈夫だけど、どうかしたの?」

???「近くに魔物が出たらしいんだ」

ミレイユ「わかったわ、あんたはいつもの配置に戻りなさい」

???「わかった、ってうん?」

金髪の男性が俺の剣を見た。

コウキ「あ、やば…」

???「姉貴!この剣は!前に盗まれたやつの…って、いででっ!」

するとミレイユさんが金髪の男性の人の耳を引っ張りだす。

ミレイユ「さっき見たことは忘れましょうかー?」

???「わかった!忘れるから!てか耳取れるー!」

するとミレイユさんが耳を離した。

ミレイユ「ならばよし」

???「死ぬかと思った…」

コウキ「あの、大丈夫ですか?」

???「ああ!大丈夫だ!なんてことはない!」

ガルド「そこの若いの、そこの姉ちゃんを姉貴と言ってたが、弟か?」

???「ん?そうだが?俺はマティアスだ、このアダレット王国の騎士だぜ」

ガルド「俺はガルド、傭兵をしている」

コウキ「俺はコウキです」

マティアス「で、さっきの剣なんだが…姉貴、これは一体?」

ミレイユ「どうやらこの剣の主はコウキ君だって、この剣が言ってるわよ?」

マティアス「姉貴…?剣は喋らな…」

ミレイユ「私には剣の言っている言葉がわかるのよ?まぁその剣だけなんだけど…」ハイライトオフ

マティアス「はいぃ…すみませんでしたぁ…」涙目

ミレイユ「恥ずかしいところを見せてしまったわね、お二とも」

コウキ「いえ…随分と仲がいい姉弟なんだなぁと…」

マティアス「これが仲良く見えるのか!?」

ガルド「喧嘩するほど仲がいいってことだろう」

ミレイユ「あら?そう言ってくれる?嬉しいわね、仲いいのよ?私達」

マティアス「はぁ…姉貴には敵わねぇぜ…」

ガルド「仲がいいのは良いことだ、じゃあ俺はそろそろ行くとするかね、話を聞かせてくれて感謝する。いくぞ、コウキ」

コウキ「はいわかりました!」

俺と師匠は王城を出た。

マティアス「あの剣の力を悪用されなければいいな」

ミレイユ「まぁ、あの子に任せとけばいいでしょう」

マティアス「じゃあ、姉貴、そろそろ配置に戻るわ」

ミレイユ「ええ」

マティアスは王城を出た。

ミレイユ「さて、今日から忙しくなるわよー?」

私は今日も国のために仕事をする。

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第八話 修行

俺は今、メルヴェイユの近くの森で師匠との修行を始めようとしていた。

ガルド「よし、これから修行を始める」

コウキ「お願いします!」

ガルド「まず剣の基本的なことを教えよう、まず、剣とはなんだと思う?」

コウキ「剣は魔物を倒したりする物では?」

ガルド「まぁ、それもそうだが、昔は戦争とかがあっただろう?国と国のぶつかりあいがあってな、剣などで人を当たり前のように殺していた」

コウキ「…!それって…」

ガルド「そうだ、剣とは魔物を切るだけの物じゃない、人だって簡単に傷つけてしまえる武器なんだ、コウキがそういう立場になったら、お前さんは人を殺せるか?」

コウキ「いえ、俺は…守りたい、みんなを…その力はその時に使います…」

ガルド「お前さんは誰かを守りたい時にその剣を振るうんだな、よし、始めよう。覚悟はいいな?」

コウキ「はい!覚悟はできています!」

すると師匠が背中に背負ってる、重たそうな大剣を取り出し、片手でその剣を持つ。

ガルド「まず、俺に攻撃してみろ」

コウキ「え、それじゃ師匠が…」

ガルド「ふん、俺をなめてもらっちゃ困る、本気で切りつけるつもりで来い!」

コウキ「では、行きます!おりゃ!」

俺は真っ先に攻撃を仕掛ける。

ガルド「ふん、甘い!せいっ!」

師匠の剣と俺の剣が当たり、俺はその大きな反動で体勢を崩しそうになる。

コウキ「んぐぐ…!」

剣に力をいれているが、師匠を前に中々追い込めれない、俺はどんどん後ろへと押され、追い詰められる。

ガルド「そんなんじゃ、俺に攻撃の一本すら当てられんぞ」

コウキ「くっ!」

俺は今にも体勢を崩しそうで、このままでは負けると思い、つばぜりあい状態だった剣を離し、距離をとった。

ガルド「ふむ、次はどう責める…?」

俺は師匠の動きを見る。

コウキ「(動きをよく見るんだ…あんな大きな剣を持っているならいつか隙ができるはず!)」

ガルド「そっちからこないなら、俺から行かせてもらうぜ」

すると師匠がもの凄い速さで俺に剣を叩きつけようとする。

コウキ「なっ!?まずい!」

俺はあまりの速さに驚き、尻餅をついてしまう。すると師匠の動きが止まり、剣を地面に刺す。

ガルド「ま、こんなもんか、お前さんの戦い方はだいたい理解した」

師匠が俺に手を差し伸べる。

コウキ「あ、ありがとうございます…」

ガルド「敵をよく見る…それは戦いにとって、いい事だ。だが目の前から突然姿を消したりする敵だっている。その時は相手の気配を読み、そこを狙う!」

コウキ「相手の動きを読む…」

ガルド「とにかく敵を見るんだ、いいか?ただ見るだけじゃなく、良く見ることが大切だ」

コウキ「は、はぁ…」

ガルド「よし、次は魔物を倒してみよう」

ガルド「すこし歩くぞ」

コウキ「はい」

俺と師匠は近くの森の中央部に向かった。

コウキ「もう暗くなってきましたね」

ガルド「ああ、そうだな、よし、魔物が来るのを待とう」

すると師匠は生肉を取り出し、地面に置いた。

ガルド「急いで草むらに隠れるぞ」

俺と師匠は草むらに隠れ、しばらくすると生肉の匂いに誘われて、こちらにやってきた魔物がきた。

コウキ「オオカミ!?」

ガルド「あれだ、あいつを一人で倒してみろ」

コウキ「わ、わかりました!」

オオカミは少し怖いけどやるしかない、強くならなければならないから。
俺は生肉に夢中なオオカミを物音をたてずに、背後を狙おうとする。

コウキ「おら!」

俺の攻撃はオオカミの背中部分に命中し、オオカミが倒れ、瀕死の状態になり、いたい、いたい、と言うように体をもがきはじめている。

ガルド「とどめをさせ」

俺はオオカミの腹を切った。もがいていた体は止まり、その場で息絶えた。

コウキ「ふぅ…こんなもんですか?」

ガルド「よし、よくやった。あとは任せろ」

コウキ「え?」

するとあたりにたくさんの光りのようなのがこっちを見つめていた。

コウキ「あれは…まさか…!」

その光は目だった。
群れを引いていたオオカミ達だったのだ。
オオカミ達は俺と師匠の存在に気づき、こちらに向かって走りはじめた。

コウキ「やばいですよ!こっちに来ます!」

師匠が大剣を取り出し、大剣が突然光り始める。

コウキ「え!?剣が光って…」

ガルド「せいっ!」

師匠が光った大剣を振り始め、群れのオオカミ全体を吹き飛ばした。

コウキ「す、凄い…一気に群れを吹き飛ばした…」

ガルド「まぁこんなもんか」

師匠が大剣を背中に背負いはじめ、吹き飛ばしたオオカミ達を獲る。

ガルド「今夜は肉だな」

コウキ「肉って…オオカミを食うんですか!?」

ガルド「そうだ、サリアにでも料理させてご馳走させてもらおうとするかね」

コウキ「オオカミ食ったことないけど…まぁいいか…」

ガルド「よし、お前さん家に行くか」

コウキ「はい」
 
………
 
コウキ「ただいま…」

サリア「おかえりなさい、手洗ってきなさい」

コウキ「うぃーす…」

俺は洗面所へと向かう。

ガルド「邪魔するぜ、サリア」

サリア「ガルドさん!?その手に持っているのは!?」

ガルド「ああ、今日獲った獲物だ」

サリア「オオカミ!?懐かしいわね…」

ガルド「そういえばそうだな、久しぶりに食ってみようぜ?」

サリア「はいはい、じゃあ料理してくるから…」

コウキ「なんか当たり前のように師匠いますけど…まぁ、いいか、楽しいし」

ガルド「サリアの作る料理はうまいからなぁ」

コウキ「それわかります!俺も母さんが作る料理好きですからね!」

サリア「ほら、あんた達!待ってないで、食事の準備を手伝いなさい!」

ガルド「了解だ」

コウキ「俺は皿を準備するわ」

俺は明日もこれからも、師匠との修行が始まる…強くなるために俺は明日も頑張っていく。

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第九話 俺にとって、守りたい人

リディー「サリアさん…こんばんわ…」
 
サリア「あら?リディーちゃんに、スーちゃん?どうしたの?なんかこの世の終わりのような目をしているわよ!?」
 
スー「あの…実は私達…今、お金がなくて…まともに食べる物がないんですぅ…」
 
リディー「サリアさん…無理な話だとはわかっているんです!私達に何か食べれる物を…」
 
サリア「ロジェさんったら…まったく…任せなさい!私が今二人にご飯作ってくるから!まだお昼じゃないけど!」
 
スー「あ、ありがとうございます…サリアさん…ガクッ」
 
リディー「スーちゃん!まだ倒れないで!あともう少しでサリアさんがご飯を作ってくれるから!」
 
サリア「スーちゃん!待ってなさい!私が今、美味しい料理を作るからね!」
 
10分後…
 
リディー「はぁ…美味しかったです!サリアさん、本当にありがとうございます!」
 
スー「いざしぶりに、おいじいのたべだぁ!もう、じあわせぇ…!(久しぶりに、美味しいの食べたぁ!もう、幸せ…!)」
 
サリア「あはは…二人とも本当にお腹が空いてたのね…おかわりあるから食べなさい」
 
スー「わーい!ありがとうございます!あたし、とってきます!」
 
リディー「ちょっとスーちゃん!?私の分も残してよ!?」
 
サリア「二人とも、本当に仲良しさんね」
 
リディー「あはは…私の妹ですからね!」
 
サリア「ふふ…」
 
リディー「そういえば、サリアさん、コウちゃんは?」
 
サリア「あの子ったら、まだ起きてないのよ、昨日の修行で疲れてるんだろうけど…無理に起こすのも悪いかなって」
 
リディー「もう朝の10時ですよ!?」
 
サリア「そうね…そろそろ…」
 
リディー「私が起こしてきます!」
 
サリア「そう?じゃあ、お願いね」
 
リディー「はい!」
 
リディーはコウキが寝ている二階に行く。
 
スー「あれ?サリアさん、リディーは?」
 
サリア「コウキを起こしにいったわよ」
 
スー「アタシ、おかわりしてきたご飯食べますね!じゃあ、いただきます!」
 
サリア「もう、スーちゃんったら…リディーちゃんのも残しておくのよ?」
 
スー「はーい!わかってまーす!」

………
 
一方、リディーは…
 
コンコン
 
リディー「コウちゃん、リディーだけど、部屋入ってもいい?」
 
返事がない。
 
リディー「もう…コウちゃん、入るよ?」
 
部屋の扉を開ける。
 
すると、ベッドで幸せのように寝ているコウキがいた。
リディーはコウキの近くに近寄る。
 
リディー「もう…まだ寝て…って」
 
リディーはコウキの寝顔を見る。
 
リディー「えへへ…そういえばコウちゃんの寝顔見るの久しぶりだなぁ…」
 
リディーはじっとコウキの寝顔を見つめる。
 
リディー「コウちゃん、昨日ガルドさんと修行、頑張ってたんだね、偉いよ」
 
すると、リディーはコウキの頭を優しく撫でる。
それに気づいたのか、コウキが目を覚ます。
 
コウキ「ん…?」
 
リディー「わー!?コウちゃん!?」
 
リディーは撫でていたコウキの頭をそっと離す。
 
コウキ「リディー!?なんでここに!?」
 
リディー「コウちゃんを起こしにきたんだよ…もう10時だよ」
 
コウキ「ごめん!昨日疲れちゃって!」
 
リディー「うんうん…頑張ったね、コウちゃん、前はずっと部屋に引きこもってたけど、今は頑張ってる、コウちゃんらしくて、かっこいいよ」
 
リディーが笑顔で言う。
守りたくなるような笑顔だった。
 
コウキ「…!ありがと…」
 
リディー「どうしたの?顔真っ赤だよ?」
 
コウキ「なんでもない…」
 
リディー「まさか!熱でもあるんじゃ!?」
 
するとリディーが俺のおでこに顔を近づける。
 
コウキ「ないない!大丈夫だから!(って顔ちかっ!)」
 
リディー「あ、ごめんね!本当に熱でもあると思ってつい…」
 
リディーがおでこから顔を離す。
 
コウキ「いやいや、大丈夫!こんなんで熱になんかならないさ!」
 
リディー「そうだね…ねぇ、覚えてる?私とコウちゃんが幼かったころ、一緒に本読んでた頃…」
 
コウキ「うん?覚えてるけど…それがどうかしたの?」
 
リディー「あの時、二人で本を読んで、気がついたら私達寝てて、私が先に起きたら、目の前にコウちゃんが寝ててね、今日コウちゃんの寝顔見たら懐かしいなぁと思っちゃったの」
 
コウキ「そ、そうか…」
 
リディー「じゃあ、一階に行こ?サリアさんが、ご飯作ってくれてるから、あ!ちゃんと顔洗って、手洗ってから食べるんだよ?」
 
コウキ「お、おう…」
 
俺とリディーは部屋を出て、一階に降りる。
するとリディーが階段に滑って落ちそうになる。
 
リディー「きゃあ!」
 
コウキ「危ない!」
 
ガシ
 
コウキはリディーの手を掴む。
 
コウキ「大丈夫か!?」
 
リディー「うん、ありがとう…」
 
コウキ「よし、気をつけて降りていこうな」
 
リディー「うん…」
 
コウキが先に階段を降りていく。
 
リディー「(なんだろう…この気持ち…胸がもやもやする…)」
 
リディー「(これって、恋愛話の本でよくあるやつだ…私は…コウちゃんのことを…って何考えてるんだろう…私…)」
 
リディーは階段を降りる。
 
サリア「あら、おはよう、ご飯できてるわよ」
 
コウキ「おう、顔洗ってくるわ」
 
洗面所に向かおうとするとテーブルでご飯を食べている、スーがいた。
 
スー「あ、コウキじゃん!おはよー!」
 
コウキ「おはよう、ってなんでここに?」
 
スー「サリアさんからご飯作ってもらったの!私達、お金がなくて、昨日から何も食べてなくて…」
 
コウキ「そ、そうか…災難だったな…」
 
スー「全くだよ!あのバカ親父ったら、勝手に私達の食費のお金を使って!」
 
コウキ「ははは…(ロジェさん…またか…)」
 
俺は洗面所に向かう。
 
コウキ「(リディーのあの笑顔…俺はリディーのことが…)」
 
俺は顔を水で洗う。
 
コウキ「(俺にとって、守りたい人…それはリディーなんだ…よし、俺はリディーを…皆を守るために強くなってみせる!)」
 
俺は顔を洗って朝飯を食べにいく。
 
リディー「スーちゃん!残してと言ったけどあと少ししかないじゃない…」
 
スー「えへへーごめんなさいっ!テヘ♪」
 
リディー「可愛く言ってもダメだからねー?』
 
サリア「まぁまぁ二人とも、また作ってあげるから、そこまで、ね?」
 
二人「はーい」
 
コウキ「ご飯があと少しだって?」
 
サリア「あら、ごめんなさいね、コウキ、今作るから」
 
コウキ「いや、いいよ、少しだけのやつだ食べるよ、どうせあともう少しでお昼なるし」
 
サリア「あらそう?じゃあお昼、また作るわね」
 
コウキ「ほーい」
 
リディー「ごめんね?コウちゃん…。スーちゃんが…」
 
コウキ「いや、気にすんな、じゃあ食ってくるわ」
 
コウキはテーブルへと向かう。
 
サリア「そういえば、リディーちゃんの分もスーちゃんが食べたんだっけ?ごめんねリディーちゃん、お昼また作るからねー」
 
リディー「はい、お昼もご馳走になってすいません…」
 
サリア「いいのよー?私達のこと家族だと思って、いつでもご飯食べにきても」
 
リディー「はい!えへへ…その時はお願いしますね!」
 
サリア「ええ」
 
………
 
スー「お昼もご馳走になってありがとうございました!」
 
リディー「ありがとうございます、サリアさん」
 
サリア「うん、また来てね、二人とも」
 
二人「はい!」

スー「そういえば、私達、師匠ができたんですよー!」
 
サリア「あらま…!それはよかったわね、どんな人なの?」
 
リディー「優しくて、錬金術を教えてくれるのが上手な方で、名前はイルメリア・フォン・ラインウェバーという人です!」
 
コウキ「へーよかったじゃん。今度紹介してくれよ」
 
スー「わかった!」
 
リディー「じゃあ、私達は帰りますね」
 
コウキ「あ!リディー!」
 
リディー「ん?」
 
コウキ「今日はありがとう…」
 
リディー「…うん!」
 
リディーとスーは帰っていった。
 
サリア「ふーん…」
 
母さんが俺を見てニヤニヤしている。
 
コウキ「な、なんだよ?」
 
サリア「いいえー?別にー?ほら、あんたは今日から修行でしょ?早く支度してガルドさんのとこに行きなさい」
 
コウキ「うん、じゃあ支度して行ってくるわ」
 
サリア「ええ」
 
俺は支度をした。伝説の剣を背中に背負って。
 
コウキ「じゃ、行ってくる」
 
サリア「いってらっしゃい」
 
………
 
スー「リディー」
 
リディー「………」
 
スー「ねぇ、リディー!」
 
リディー「え?なに、スーちゃん」
 
スー「どうしたの?さっきからずっと何か考えてたけど…まさか!リディーの分のご飯を食べたから、そのあとのお仕置き考えてたり!?」
 
リディー「えー!?そんなことしないよ!」
 
スー「そう?じゃあ早く夢の絵筆を調合して、ミレイユさんに見せに行こ?」
 
リディー「うん!今の私達なら!」 



コウキの評価 (幼馴染編)

リディー「なんだかんだで優しいよね」

ルーシャ「そうですかね?私は冷たいと思うんですが…」

スー「コウキはルーシャと違って優しいもんねー」

ルーシャ「おっーほっほっほっ!私のほうが断然、コウキより優しい心を持ってまからね!」

スー「あーはいはい、ルーシャは優しいね(棒)」

ルーシャ「あ、今棒読みで言いましたね!?
…!もう帰ります!」

リディー「ルーちゃん…またねー」

スー「泣き虫ルーシャはあいかわらずか…」

終わり


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第十話 イルメリア師匠

サリアの評価

コウキ「見た目はいいけど、ほんっと怖いんだよなぁ…」

スー「そうなの?アタシはサリアさんが怒ってるとこ見たことないからねー」

コウキ「あれはもう…地獄のような日だった…」

リディー「あ、なんか語りだした…」

コウキ「俺のイタズラで母さんの本を隠した時、なんと母さんは匂いを嗅ぐように、一発でその本を見つけ、そのあと俺に近づいて蹴りを入れられた…もうまるで本を隠した犯人がわかったように…」

リディー「コウちゃん、それ絶対犯人すぐわかると思うよ、だってお客さんがどこかに本隠す訳ないもん」

ルーシャ「確かにそれは…本屋の以外のどこかに隠すとなると、それは万引きしてると同じことですからね」

コウキ「そうだった…」白目

スー「いや…それくらいわかろうよ…コウキが一番あたし達より年上なんだし…」

コウキ「そうだな…」泣目

ルーシャ「おっーほっほっほっ!コウキは泣き虫さんですね!」

スー「いやいや、あなたも十分言えませんよ?」

リディー「あはは…」

サリア「へっくしょん!」

ガルド「どうした?風邪でも引いたか?」

サリア「誰かに私のこと何か思われてるような…」

ガルド「なんだそれは…(;・ω・)」

終わり


コウキ「師匠ー!」

ガルド「ん?コウキか、ちょうどよかった、今、お前さんの家に行こうと思ってな、今日は仕事が入っててな、お前さんもそれに含まれている」

コウキ「え?そうなんですか?じゃあ、行きましょう!」

ガルド「よし、行くか」

コウキ「はい!ところで何の仕事なんですか?」

ガルド「ああ、メルヴェイユの近くに魔物が出たんだ」

コウキ「魔物退治ですか?」

ガルド「ああ、今回は見張りだ」

コウキ「み、見張り…?あの、師匠?それって一体…」

ガルド「ミレイユの嬢さんに頼まれたんだ、ある二人の見張りを頼むって」

コウキ「ミレイユさんが?」

ガルド「ああ、それで俺とお前さんに仕事を頼まれたんだ、そういえばもう一人、今回の仕事の協力者がいるぞ」

コウキ「ほう、その人は?」

ガルド「なにも、錬金術士の女の人らしい、俺は見張りだけなら、一人でいいんじゃないか。とミレイユの嬢さんに聞いたら、可愛い少女一人が森に行くなんてあやしい人に捕まったどうするの?ってミレイユの嬢さんに言われてな…」

コウキ「それで師匠と俺が呼ばれたと…てかその子が師匠見たら怪しまれるのでは?俺も怪しまれるかわかんないけど…」

ガルド「そこなんだよ…はぁ、なんで俺達が呼ばれるんだが…見張りなら一人で十分だろ…」

コウキ「大丈夫です、師匠!俺がなんとかしますので」

ガルド「そうか?じゃあそこんとこ頼むぜ」

コウキ「まかせてください!」

俺と師匠は門に向かう、すると門の前には頭にリボンをつけている、金髪の女性が立っていた。

???「あら?あなたが今回の協力者?」

ガルド「ああ、そうだ、俺とあともう一人…」

コウキ「あ、よろしくです!」

???「よろしくね、名前を聞いてもいいかしら?」

ガルド「俺はガルドだ」

コウキ「俺はコウキです!」

???「アタシはイルメリアよ、今回はよろしくね」

イルメリア「じゃ、コウキ君とガルドさん、行きましょうか」

ガルド「ああ」

コウキ「(イルメリアさん?師匠の名前の人がイルメリアなんちゃらさんってリディー達が言ってたような…まぁ今は仕事だし、そんなこと気にしてる場合じゃないよな)」

俺と師匠とイルメリアさんは森の中央部に向かいはじめた。

ガルド「そういえば、お嬢さん、錬金術士だったか?」

イルメリア「はい、そうですけど」

ガルド「実際どれくらい錬金術ができるんだ?」

イルメリア「アタシは超一流の大天才錬金術士ですからね」

コウキ「(あ、自分で天才って言っちゃうんだ…)」

ガルド「ほう、なら今度依頼してもいいか?」

イルメリア「はい、任せてください」

コウキ「イルメリアさん、俺と師匠がなんで今回の協力者だとわかったんですか?」

ガルド「もしかして、ミレイユの嬢さんから聞いてたか?」

イルメリア「そうですよ、大きな剣を背負った老人と…あと若い剣士さんとか、ミレイユさんが言ってましてね、アタシも見張りなら一人で大丈夫ですよって言ったら…女の子が一人で森歩いたら危ないと言われて…」

コウキ「ああ、そうだったんですか…」

イルメリア「そろそろ行きましょうか」

コウキ「はい!」

俺達は森の中央部についた。するとが巨大な鳥と二人が戦っていた。

コウキ「あれは…!(リディーとスー!?二人の見張りってあいつらのことだったのか!)」

俺は無意識に体が動いていた、なぜなら、守るべき人が魔物と戦っているから。

イルメリア「コウキ君、今回は見張りよ、あたし達が邪魔しちゃダメよ」

イルメリアさんが俺の腕を掴む。

コウキ「邪魔って…でも助けないと!」

イルメリア「大丈夫よ、私達の出番はあともう少しだから」

コウキ「え?」

リディー「ふぅ…倒した…」

スー「結構余裕だったね!」

コウキ「(あ、余裕だったんだ…)」

ガルド「よし、そろそろ行くぞ」

イルメリア「そうですね」

コウキ「?」

すると、リディー達の近くにまた三体のでっかい鳥の魔物が現れた。

スー「えっ!?あの…まさか…さっきの魔物の仲間の方…ですかね…?」

リディー「ど、どうしよう!スーちゃん!囲まれたよ!?」

魔物達がリディー達に襲いかかろうとする。

すると、イルメリアさんが爆弾?みたいなのを取り出し、それを投げだした、爆弾は三体の魔物に命中し、そのうちの二体は倒れ、残りの一体は師匠の攻撃で倒れた。

リディー「って、え?」

スー「助かった…?」

イルメリア「もう、二人とも、危なかったわね」

ガルド「大丈夫だったか?お嬢さん達」

コウキ「(あれ?俺の出番なかった?)」

リディー「師匠!それにコウちゃん!?」

スー「あとガルドさんも!?」

イルメリア「ミレイユさんに頼まれたのよ、あなた達をこっそり見張りをしてほしいって」

スー「助かったぁ…」

リディー「ぐすっ…、師匠…師匠っー!怖かったですー!」

リディーが泣き出す。それを見ていたイルメリアさんが…

イルメリア「あーもう、泣くんじゃない!ひとつ…覚えておきなさい…」

するとリディー達の師匠である、イルメリアさんが二人に真剣な表情で言う。

イルメリア「錬金術士は戦士じゃない。だからこそ、戦いのときは相手をまっすぐ見据えなさい」

イルメリア「相手を見据えて、機会が来るのを待って弱点をつく。これが錬金術士の戦い方よ」

スー「はい…覚えておきます…」

イルメリア「よろしい、まぁ二人にしては頑張ったほうよ、そろそろ帰りましょ?ミレイユさんも二人のこと心配してるだろうし」

ガルド「そうだな、帰りは任せてくれ、俺とコウキがお嬢さん達を助けてやる」

コウキ「俺、出番でそう!?」

イルメリア「ふふ、お願いしますね」

俺達はメルヴェイユへと戻った。

ガルド「んじゃ、俺は家に戻る、じゃあな」

リディー「今日はありがとうございました…」

スー「はい、本当に…」

ガルド「おう、そんじゃあな」

師匠は帰っていった。

イルメリア「じゃ、王城に行きましょうか」

俺達は王城へと向かった。

ミレイユ「お疲れ様、大丈夫…じゃなかったみたいね」

リディー「はい…師匠達に助けてもらわなかったら、私達今頃どうなっていたか…」

イルメリア「ミレイユさん、二人だけじゃやっぱり危ないと思うんです、最近魔物も多いじゃないですか、やっぱりここはアタシが…」

ミレイユ「でも…ほら、イルメリアさんには国からの依頼が山ほど…」

コウキ「(国からの依頼…?イルメリアさんやっぱり凄い人だったんだ…)」

イルメリア「う…それは…そうですけど…」

ミレイユ「ただ、二人を危ない目には遇わせられないわよね…わかった、護衛になりそうな人を私の方で探してみるわ、悪いんだけど、それまでは二人だけでお願い、あんまり危ない場所には行かないようにしてね?」

スー「わかりました…ごめんなさい、あたしたちが弱いばっかりに…」

ミレイユ「そうね、でも気にしないで、今回も頑張って
魔物を倒してくれたじゃない、魔物退治の件はちゃんと二人の評価に加えておくわ、本当にありがとね」

リディー「え、いいんですか?ほとんど師匠達に倒してもらっちゃったのに…」

イルメリア「いいの、アタシは残党を吹き飛ばしただけ、ね…?」

コウキ「そのとおりだ、二人とも、だから気にすんな」

ミレイユ「ランクをあげるためにも、まずはアトリエの評判をよくしていってね、まぁ、そこら辺のことはこの試験要項に書いてあるわ、後でよく読んでおいてちょうだい」

イルメリア「さてと…アタシはそろそろ帰るわね、二人とも、あんまり無理するんじゃないわよ、バイバイ」

イルメリアさんは帰っていった。

スー「ありがとうございました、師匠ー!じゃあ、あたしたちも帰ろうか」

コウキ「そうだな」

リディー「それじゃあ、ミレイユさん、失礼します!」

俺達は王城を出た。

ミレイユ「さてと、護衛…か、まぁ、アイツと、コウキ君とガルドさんが適任かしらねぇ…」



ガルドの評価

コウキ「めっちゃ、強い人だった…」

スー「えーと、それをみるなら…ガルドさんにボコボコにされた?」

コウキ「あんな大剣を片手で持ってるのに動きが速いとは…」

リディー「ガルドさん、凄い人だね、あんな老体で…」

コウキ「いやーあれは心臓止まるかと思った…」

ガルド「へっぶし!」

サリア「どうしたの?」

ガルド「ああ…誰かに俺の何かを思われてるような…」

サリア「なによそれは…」( ̄▽ ̄;)

終わり


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第十一話 双子を護衛する三人の戦士

俺は町を歩いていた。今日は雨だ。なんか最近雨が多い気がする…でも俺はこんな雨でも師匠の家に行く。

ガルド「ふぅ…」

師匠がなんと家の前で、雨が降ってる中、上半身裸でめいそう?をしていた。

コウキ「えっと…師匠?なにして…」

ガルド「みりゃわかるだろ、めいそうしてるんだ」

コウキ「いやいや、めいそうって…それは滝とかでやるもんじゃないんですか?」

ガルド「そんなん気にするな、用がないなら帰れ」

コウキ「えっと、今日も修行を…」

ガルド「また今度な」

コウキ「ええ…!?はぁ…わかりました…今度ですよ?」

ガルド「ああ、約束する」

コウキ「じゃあ、失礼しますね…」

俺は暇だったので自分の家に帰ることにした。

コウキ「今日は雨だし、家で本でも読むか…」

俺は家に着いた。そこには眼鏡をかけて本を読んでいる母さんがいる。

サリア「あら?修行は?」

コウキ「今日はないって」

サリア「まぁ、今日は雨だしね…」

コウキ「てか、お客さん少ないね」

サリア「そりゃ、こんな悪天候じゃねぇ…」

コウキ「じゃ、俺は部屋にいるね」

サリア「ええ」

俺は自分の部屋へと向かった。そして俺は机にある本を読みだした。

コウキ「よーし、久しぶりに読書でもするか…!前とか全然読んでなかったし!」

俺は本を読む。

コウキ「久しぶりのドラゴン○ールだ…さて読むか」

30分後…

コウキ「かめかめ波…俺も撃ちたいなぁ…さて、昼までまだ時間あるし、ちょっと寝よ…」

俺はベッドに向かい、眠りについた。

………

『コウちゃん!みてみて!』

『ん?なんだ?』

『主人公が告白するシーンだよ!』

『ん?なになに、『俺と結婚してください』か』

『わたしもいつか素敵な男性とお付き合いしてみたいなぁ…』

『リディーは可愛いからすぐモテるさ』

『ふぇ!?そ、そんなことないよ!?』

『はは、頑張れよ』

『もう…コウちゃんのいじわるなんだから!』

………

コウキ「ん、夢か…?」

懐かしい夢を見ていた。

コウキ「素敵な男性と結婚か…」

俺はなにかを考えていた。

コウキ「俺が将来結婚する人…それは…」

俺の心の中にはもうあの人しかいなかった。

俺はベッドから起き、窓を見た。すると、もう雨はやんでいた。

コウキ「やんだか」

すると下から声が聞こえる。

サリア「コウキー?昼ご飯できたわよー?」

コウキ「今いくー」

俺は一階へといった。

コウキ「ごちそうさん」

サリア「ごちそうさま」

コウキ「ねぇ母さん」

サリア「ん?」

コウキ「母さんはどうして剣士だったのに本屋を開いてるんだ?」

コウキ「剣士だったのなら騎士とかも入れたのかもしれないのに、どうして?」

サリア「コウキ、人の趣味に口出ししちゃダメなのよ?私は将来、本屋を開くことが夢だったからね」

コウキ「そ、それはそうだけど…」

サリア「私ね、昔、ガルドさんの弟子だったのよ、あなたと同じくね」

コウキ「そうなの!?」

サリア「私はね、幼いころから体が弱くてね、みんなからは弱い者扱いをされたわ、でもオネットはそんな私をいつも助けてくれた…いじめっ子からも私をかばってくれたわ…それで私は考えたの、強くならなくちゃ、ってね」

コウキ「母さん…」

サリア「そしてついに私は信頼できる仲間達と共に旅に出ることにしたわ」

サリア「旅に出たあとも、オネットから手紙で私を応援してくれたりしてくれた…オネットは私の親友…私の生きるきっかけをくれた人よ」

サリア「そして旅が終わり…ザラトと結婚して…コウキが生まれ…夢だった本屋を建てたわ」

コウキ「自分の目標を終え…夢を叶えたんだな、母さんは…」

コウキ「母さん…俺も頑張るよ、伝説の剣士の血を引いてる者としてね!」

俺は家を出た。

サリア「………」

サリア「(オネット…私は強くなれたかしら…?旅を終え、自分の夢を叶え…あなたが死んでから私はあなたに何もしてあげられなかった…私って最低よね…)」

………

コウキ「さて、どこに行くか…」

マティアス「ん?おーい、コウキ」

後ろから声をかけられた。

コウキ「あれ?マティアスさん?」

マティアス「よ、早速なんだけど、俺の姉貴がお前とガルドさんを呼んでるんだ、悪いけど今から王城に行ってほしいんだよ」

コウキ「ミレイユさんが?わかりました!早速師匠を行連れてきます!」

マティアス「俺もついていくよ」

コウキ「じゃあ行きますか」

俺とマティアスさんは師匠の家に行きはじめた。

コウキ「師匠ー!」

俺は師匠の家の扉をノックする。

返事がない。

コウキ「あれ?いないのかな?」

マティアス「ん?でも扉は開いてるぞ?」

コウキ「ほんとだ、入りますか」

マティアス「勝手に入っていいのかよ!?」

コウキ「んー?いいんじゃないんですかね」(適当)

マティアス「いいのかよ…」

コウキ「お邪魔します、師匠」

俺とマティアスさんは家の中に入った。すると…

マティアス「あれ?寝てるのか?」

師匠がぐっすりと机で寝ていた上半身裸で。

コウキ「師匠…風邪引きますよ…?」

俺は師匠を起こす。

ガルド「酒ぇ…まだまだ、たりんぞぉ…げへへ…」

師匠が寝言を言う。

マティアス「夢でも見てるのか?ガルドさん…」

コウキ「師匠!」

ガルド「ん、なんだ、コウキ…か?」

コウキ「あ、やっと起きた…」

マティアス「よ、ガルドさん」

ガルド「お前さんは…王城にいたときの…」

マティアス「俺はマティアスだ、ガルドさん、寝起き少々悪いんだが、俺の姉貴が俺達を呼んでいる」

コウキ「そうらしいです師匠、さぁ早く服を着てください…」

ガルド「おう、今準備してくる」

ガルドさんが部屋に入る。

マティアス「それにしても、ガルドさんなんで上半身裸なんだ…?」

コウキ「朝、雨が降ってる中、めいそう?してたんですよ…」

マティアス「ガルドさん変わった人なんだな…」

ガルド「よし、準備できたぞ」

マティアス「よし、王城に行きますか」

俺達は王城へと向かった。

ミレイユ「来たわね」

コウキ「ミレイユさん、俺達に何の用事でしょう?」

ミレイユ「三人には護衛を頼みたいのよ、双子ちゃんの」

ガルド「双子?あのお嬢さん達のことか?」

ミレイユ「ええ、そうよ、あなた達三人があの二人を守ってくれればまさに無敵ね」

マティアス「姉貴、その双子の名前は?」

ミレイユ「コウキ君から聞いていないかしら?名前はリディーちゃんとスーちゃんよ」

マティアス「わかった」

ガルド「それで、俺達はどうすればいい?」

ミレイユ「そうねぇ、門の前に待ってくれればいいと思うわ、双子ちゃん達にも話しておくから」

コウキ「わかりました、じゃあ師匠、マティアスさん、行きましょう!」

マティアス「なんであいつ嬉しそうなんだよ…」

ガルド「ははは、さぁな…」

俺達は門の前に向かうことにした。

ガルド「護衛か…傭兵としてこの仕事…頑張らないとな」

コウキ「そうですね!三人が一緒なら俺は何も怖くないです!」

マティアス「まぁ、俺は戦うの怖いけど伝説に名を残した傭兵さんと、伝説の剣士の血を引いてる人が一緒なら、なにも怖くないね」

コウキ「伝説に名を残した…?」

ガルド「伝説も何も…ただ町を救っただけさ…」

コウキ「(なんなんだろう師匠…なんか暗い顔してるけど…でもあまり詮索しないようにしとこう…)」

マティアス「ガルドさん、話してくれないか?俺達もう仲間だろ?」

ガルド「そうだなぁ…ある町が魔物に滅ぼされる寸前だったから俺がその魔物を全員、葬ったらいつのまにか、みんなから伝説に名を残した英雄だ!とか言われてな、ただそれだけの話さ」

コウキ「なんか伝説の剣士の物語みたいですね」

マティアス「そうだなーって!そこの綺麗なお姉さん!」

マティアスさんが女の人のとこに行ってしまった。

コウキ「ええ…(困惑)」

ガルド「なんなんだ…あいつは…」

コウキ「俺たち…上手くやっていけるかな…?」

俺達は門の前に着いた。

ガルド「ここだな」

俺達はリディーとスーが来るのを待っていた。

リディー「あれ?コウちゃん?」

スー「と、ガルドさん!?」

リディー「コウちゃん達がミレイユさんの言ってた護衛の人だったんですね!」

スー「でもあと一人は?」

コウキ「あー…あと一人は…」

マティアス「おーい、コウキーガルドさんー!」

マティアスさんが遅れてやってきた。

スー「あっ、この間のナンパ男っ!ナンパしてる人生で楽しそうだね?」

マティアス「さんざんな言われようだな…君たちと上手くやっていけるか不安になってきたぞ…」

いやいや、あなたも充分に不安なんですけど…

ガルド「そろそろ行こうぜ?お嬢さん達はなんか依頼があるんだろう?ならさっさと済ませよう」

リディー「そうですね!行きましょうか!皆さん!」

コウキ「おう!」

スー「うん!」

ガルド「うむ!」

マティアス「あ、ちょ!?皆、待ってくれよー!」

俺達の不思議な冒険はまだ続く。

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第十二話 ざわめきの森 前編

俺達はリディー達の護衛を頼まれ、無事依頼を終わらせ、師匠と修行をしていた。

ガルド「今回は剣義を教えよう」

コウキ「はい!」

その様子をマティアスさんが見ていた。

マティアス「二人はいつも修行を?」

ガルド「そうだが?」

コウキ「そういえばマティアスさんは騎士団の人ですよね?日々剣の稽古とかしてるんですか?」

マティアス「ああ、勿論。団長と副団長から教わってるぞ」

コウキ「そうなんですね、お互い頑張りましょう!じゃあ師匠お願いします」

ガルド「いいだろう、まずはお前にふさわしい奥義、光の剣について教えよう」

コウキ「光の剣…?」

ガルド「そうだ、前、修行していた時、俺がやっていた技だ」

コウキ「あれですか…俺にもできますかね?」

ガルド「できるはずさ、まずは己の精神を落ち着かせ、剣に力を込めてみろ」

俺は目を閉じ、剣を強く握り、心を落ち着かせてみた。

ガルド「ほう、いいぞ、そしたら、光の剣を!と言ってみろ」

コウキ「光の剣を…!」

すると剣が光だした。

マティアス「おお!?本当に光ったぞ!?」

ガルド「そのまま、俺に攻撃してみろ、手加減は無用!俺を倒すつもりで来い!」

師匠は剣を構える。

コウキ「わかりました。行きます!」

俺は光った剣で師匠を攻撃する。

ガルド「ふん!」

俺の剣と師匠の剣がつばぜり合い状態になる。

コウキ「ぐぬぬ…!」

ガルド「いいんじゃないか?前よりも力が強くなっているぞ、そのままその剣をなぎはらってみろ」

俺は師匠との距離をとり、光った剣をなぎはらった。

コウキ「おりゃ!」

なぎはらった光の剣はあたりを照らすような、光の斬撃を放った。

ガルド「ほう…いいだろう…」

師匠はそれを剣でガードし、受け止めた。

ガルド「せいっ!」

師匠に放った、光の斬撃は消えてしまった。

マティアス「す、すげぇ…」

ガルド「初めてしたとはいえ、中々の威力だった、これからも練習していけば次第に威力は上がっていくだろう」

コウキ「わかりました!」

ガルド「ちなみに口に声を出さなくても、心の声でもいけるぞ」

コウキ「そうなんですか!?やってみま…あっ…」

俺は急に体がフラフラしはじめ、体勢を崩してしまう。

マティアス「大丈夫か!?」

マティアスさんが俺に近づき、手を差しのべてくれる。

コウキ「ありがとうございます…」

ガルド「疲れが回ってきたか、まぁ仕方ない、剣の奥義を自得するということは、それなりに体力を使ってしまうからな、休憩するか」

マティアス「そのようだ、どっかの店に行って休憩しようぜ?」

コウキ「はい…わかりました…」

ガルド「休憩が終わったら王城に行くぞ、ミレイユの嬢さんから呼ばれてるからな」

マティアス「おう、じゃあ向かうとするかね」

マティアス「歩けそうか?」

コウキ「歩けそうです」

マティアス「よし、行くか」

俺達は近くの喫茶店に向かいはじめた。

ルーシャ「あら、コウキではありませんか」

コウキ「ん…?ルーシャか…」

ガルド「この間のお嬢さんじゃねぇか」

ルーシャ「あなたは…コウキの師匠の…」

ガルド「おう、以後よろしく頼むな」

ルーシャ「はい、それで…」

ルーシャ「コウキ、なんだかお疲れのようですね…どうしたんですか…?」

ルーシャが俺を心配そうに見つめる。

マティアス「ところでそこの赤い髪の綺麗なお嬢さん、どうだい?俺達とこれから美味しいお店に行かないか?」

マティアスさんがルーシャにナンパする。

ルーシャ「私はこれから用事がありますからね、ご一緒できません」

マティアス「そいつは残念…」

ルーシャ「あ、コウキ!いい忘れてましたが、あまり無理をしないでくださいね?じゃあ失礼しますね!」

コウキ「おう…わかった…」

ルーシャは少し顔を赤らめ、行ってしまった。

マティアス「あの子はコウキの友達かなんかか?」

コアキ「幼馴染ですよ」

マティアス「そうだったのか、いいなぁお前は…可愛い子達が回りにいて…」

コウキ「あはは…そうですね…」

ガルド「行くか」

コウキ「はい!」

俺達は喫茶店に着き、そこでしばらく休憩をし、王城に向かうことにした。

………

ガルド「それでミレイユの嬢さん、その不思議な絵の中の調査を頼むと?」

ミレイユ「ええ、そうよ双子ちゃん達の護衛をお願い」

マティアス「それで姉貴、双子は今どこだ?」

ミレイユ「先に絵の中の調査を頼んでいるわ、三人とも、今から急いで画廊に行って、双子ちゃん達と合流してちょうだい、私が画廊まで案内するわ」

コウキ「わかりました!行きましょう皆さん!」

俺達は王城内の画廊に来た。

ミレイユ「これをご覧なさい」

コウキ「これが…」

ガルド「これが…不思議な絵か…」

ミレイユ「さぁ、もう双子ちゃん達はこの絵の中に入ってるから三人も急いで」

マティアス「どうやって絵の中に入ればいいんだ?」

ミレイユ「絵の中に入るには『この絵の世界に行ってみたい』って念じればいいらしいわ」

ミレイユ「逆に絵の外に出るためには『元の世界に帰りたい』って、強く思えばいいそうよ」

コウキ「わかりました!師匠、マティアスさん、行きましょう!」

マティアス「ああ」

ガルド「おう」

俺達は目を閉じ、意識が薄れ、絵の中へと入った。

ミレイユ「あ、ルーシャちゃんのこと、いい忘れてたけど…まぁいっか…」

………

コウキ「ん…?ここは…」

気づいたら俺は暗い森の中にいた。

ガルド「ここが絵の中の世界か…普通の森とは雰囲気が違うな」

マティアス「早く双子と合流しようぜ、ここには何があるかわからないし、急ごう」

コウキ「はい!」

ガルド「お嬢さん達のとこに急がないとな」

俺達は二人と合流するために森の中央部を急いだ。

………

スー「きゃあー!!」

マティアス「ん?」

ガルド「悲鳴だな」

コウキ「まさか魔物に襲われるんじゃ…!」

俺はとっさに師匠とマティアスさんを置いてさきに行ってしまう。

マティアス「コウキ!?まったく…俺達も急ごう」

ガルド「ああ」

二人もコウキが向かった方向に向かいはじめた。

スー「ひぃぃぃっ!?お化けぇ!!!やだ!やだ!こっち来ないでぇ!」

リディー「スーちゃん落ち着いて!」

すると向こうにはリディーとスーが魔物に襲われそうになっていた。

コウキ「大丈夫か二人とも!今助けてやるから!」

俺が二人の前に出る。

リディー「コウちゃん!?どうしてここに!?」

コウキ「話はあとだ!」

お化け「また呪われた子、みーっけ、呪われた子は僕が連れて帰っちゃうぞー!」

お化けが襲おうとする。

コウキ「(光の剣…!)」

すると剣が光り初め、それを魔物に放った。
攻撃は当たり、お化けはどこかへと消えてしまった。

コウキ「ふぅ~」

俺は剣を腰に戻す。

スー「ありがとう…コウキ助かったよ…」(泣目)

リディー「コウちゃん、助けてくれてありがとね!」

コウキ「それは気にすんな、てかスー…大丈夫か?」

スー「大丈夫だけど…私…呪われたんだよぉ…」

コウキ「呪われた…?」

マティアス「おーい!」

後ろからマティアスさんの声がした。

リディー「マティアスさん!?」

ガルド「待たせた」

スー「ガルドさんも!?」

マティアス「ほら、俺達さ護衛だろ?」

リディー「そういえば、そうでしたね…」

ガルド「それより、あの看板なんだ?」

スー「これを読んだ人は呪われましたって書いてたんだよー…もうダメだ…一生呪われたままなんだ…!」

コウキ「うわぁ…」

リディー「ほら、元気だして、スーちゃん!看板に書いてあったでしょ!?」

リディー「『呪いを解きたければ、墓場まで来い』って、だから墓場を目指せばいいんだよ!うん!」

スー「そっか、そうに決まってる!じゃないと、わざわざ看板に書く意味ないもん!」

マティアス「ま…看板に本当のことを書かなゃいけないなんて決まりもないけどな」

スー「もうやだ…」

リディー「マティアスさーん!今は余計なこと、言わないでー!」

リディー「スーちゃん、大丈夫だから、ね?
とくかく、頑張って一緒に墓場に目指そう?」

スー「うん、頑張る…ぐすん…」

その姿はまさに、優しく、頼れる姉だった。

ガルド「さぁ、先に進もうか」

コウキ「はい!」

俺達は森のさらに奥を目指した。

ルーシャ「ぴぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!?」

ルーシャの悲鳴が聞こえた。

コウキ「今の悲鳴…ルーシャか!?」

リディー「うん、あっちから聞こえてきたよね、皆さん行ってみましょう!」

コウキ「ルーシャもここに来てたのか!急ごう!」

俺達はルーシャの悲鳴が聞こえた場所に行った。

ルーシャ「わ、わた、わたしは食べても美味しくないですよ!引き締まってて食べるとこ、少ないですし!」

ルーシャが黒い魔物に襲われそうになっていた。

リディー「ルーちゃん、大丈夫!?」

ルーシャ「え、リディーとスー…!?二人とも、どうしてここに!?」

スー「それはまぁ、なりゆきで…まぁ、それは置いといて、今助ける…よぉ!?」

スーは黒い魔物が攻撃しようとしたのをかわした。

コウキ「話はあとだ!ルーシャ、下がってろ!」

ルーシャ「コウキも!?わかりました!」

ガルド「ほら、お嬢さん、俺達の後ろ隠れててな」

ルーシャ「あなた達は…」

マティアス「行くぞ!」

ルーシャ「あ、気をつけてくださいね!この黒い魔物、めちゃくちゃ強いので!」

スー「それを早く言えー!」

魔物が爪で俺達を襲う。

ガルド「ふんっ!」

師匠がそれを受け止める。

ガルド「俺が動きを止める!お前達は攻撃しろ!」

リディー「援護です!」

リディーの魔法で力が強くなって気がした。

スー「喰らえー!」

コウキ「おらー!」

マティアス「仕留める!」

俺達は黒い魔物を倒した。

ルーシャ「本当に死ぬかと思いました…」

リディー「うん、どこもケガはしてなさそうだね、よかった、よかった」

コウキ「それよりルーシャもここに来てたのか」

ルーシャ「ミレイユさんに頼まれたんですよ」

コウキ「そうだったのか」

マティアス「どうする?一旦オレが家まで送るか?」

ルーシャ「ぜひ…と言いたいところなんですけど…わたしには帰れない理由がありまして…」

………

ガルド「なるほど、さっきの看板をみて呪われたから帰れないと…」

スー「ルーシャもだったんだ…実はあたしもなんだ…」

ルーシャ「まぁ、スーもだったんですか!?わたし、呪われたままなのは絶対イヤなんです」

スー「あたしもそんなの絶対やだ。
ねぇ、ここは協力して墓場を目指さない?」

ルーシャ「そうですね、それが最善の道かと、絶対、一緒に呪いを解きましょうね!」

ルーシャ「と言っても…わたしは戦うの、そんなに得意
じゃないですけど…」

コウキ「そこは俺達が守ってやるから!」

ルーシャ「そうですか…?では同行させていただきます。
よろしくお願いしますね、みなさん」

俺達は墓場を目指して、さらに奥を進んだ。

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第十三話 ざわめきの森 後編

俺達はルーシャを助けたあと、スー、ルーシャの呪いを解くために、墓場を目指そうとしていた。

コウキ「にしても不気味なところですね」

マティアス「それにしてもスーがお化けが苦手とは、以外だったぜ」

スー「しょうがないじゃん…苦手なものは苦手なんだし…」

ガルド「ん?おい、あそこ木の棘らしきもので道が塞がれてないか?」

コウキ「あ、ほんとだ…」

俺達は棘の前に来ると、どこからか誰かの声が聞こえた。

???「おうおう、ちょっと待ちな!」

コウキ「ん?なんだ?」

木賊B『ここは俺たち『木賊』のなわばりだ!通りたければ、俺たちにいい肥料をよこしな!』

マティアス「山賊ならぬ『木賊』ね…この絵を書いたヤツ、ろくでもないこと考えるな」

リディー「木が喋るなんて…!絵の中の世界って、やっぱり夢みたい…!」

するとスーが震えた声で言う。

スー「ぶるぶる…あり得ない、あり得ない…木が喋るなんてあり得ない、あたしは何も見てない…」

コウキ「落ち着け!スー!絵の中の世界だからもう何でもアリなんだよ!うん!」

マティアス「いや、コウキ…それフォローになってねぇから…」

ルーシャ「ふん、わたしたちが要求通りにするとお思いですか?あなたたち程度、爆弾を使えば…!」

すると、ルーシャが爆弾を取り出し、道を塞いでいた棘の木に投げ、道が開いた。

木賊A『おうおう、何てコトしてくれんだねぇちゃん!そんな悪い奴には…』

コウキ「(あ…これやばいパターンか…?)」

木賊B『イバラでお邪魔の刑だ!』

するとまた木の棘が現れ、完全に道を塞がれてしまった。

スー「ちょっと!ルーシャ何やってんの!?」

ルーシャ「う…うるさいです!わたしだって、たまには失敗することくらい…」

木賊A「だから言ってんだろ?ここを通りたければ肥料をよこせってよぉ!」

マティアス「仕方ねぇな、ここは要求を呑むしかなさそうだ…」

木賊B『へへへ、そういうこった。いい肥料、楽しみにしてるぜぇ?』

ガルド「肥料か…お嬢さん達、なにかないか?」

リディー「えーとカゴを調べてみます!」

リディーがカゴを調べてみると

スー「これならどうかな?」

スーが出したのはここに来る最中、採取していた『天然ひりょう』だ。
それを木賊に渡してみた。

木賊A『おお、こいつは極上の肥料だな!これだけの品にはめったにありつけねぇ!』

木賊B『仕方ねぇ、ここは通してやるよ!へへ、せいぜい気をつけて進むんだな!』

すると道を塞いでいた、木の棘がなくなり、通れるようになった。

ルーシャ「ふぅ、何とかなりましたね、まったく、人騒がせな…」

スー「ルーシャもね、邪魔者を爆弾で吹き飛ばそうなんて、二度と考えないでよねー」

コウキ「そうだ、ここは絵の中なんだし、なにが起こるかわからないしな」

ルーシャ「…ふ、ふん!言われなくても、二度としませんよーだ」

ルーシャ「さ、先に進みましょう、早く呪いを解いてしまわないと…」

マティアス「そうだな、長居はしたくないし、行こうぜ」

ガルド「ここには骸骨の魔物とか出ないんかね」

コウキ「師匠…スーがめちゃくちゃ怖がりますって…」

ガルド「がはは、そうだな」

俺達は通れるようになった道を行き、墓場を目指した。

リディー「あ…!スーちゃん!ルーちゃん!墓場って、あれのことじゃない?」

奥のほうには墓場らしきものがあった。

ルーシャ「ええ、間違いありません!呪いを解きたければここへ、という話でしたけど…」

マティアス「お?また看板があるみたいだな」

スー「よし、ここは男達の誰かが読んでみよう!」

コウキ「ええ!?」

マティアス「なんだってー!?」

ガルド「まぁ、構わねぇが」

スー「よーし、じゃあジャンケンで決めてみよう!」

マティアス「仕方ない…やってやるよ…」

ガルド「ま、やるぞ」

コウキ「師匠、なんだか随分と落ち着いてますね…」

ガルド「俺に怖いという感情はない」

コウキ「ア、ハイ」

俺とマティアスさんと師匠はジャンケンをした。

コウキ「最初はグー、ジャンケン…ぽん!」

俺はチョキで、マティアスさんパー、師匠はチョキだった。

マティアス「うおー!?俺か…」

コウキ「マティアスさん、なんかすいません…あはは…」

ガルド「頑張れよ」

スー「マティアス、じゃあ読んできて」

リディー「お願いします、マティアスさん」

ルーシャ「せいぜい、頑張ってください!」

マティアス「はぁ…仕方ねぇ、行ってくる…」

マティアスさんは看板を読んでいった。

マティアス「なになに?『呪いを解きたければ、墓にひとつひとつ、井戸で汲める聖水をふりかけろ』だってさ」

ルーシャ「えぇ…いくら呪いを解くためとはいえ、いささか面倒臭すぎませんか…?」

リディー「ダメだよ、ルーちゃん!呪いを解くためなんだし、しっかりやらないと!」

スー「そうだよ!ほら、呪いを解くためだから!ルーシャも一生呪われたままなのはイヤでしょ!?」

コウキ「その通りだ、ルーシャ、ここはちゃんとやらないと…俺も手伝うからさ」

ルーシャ「わかりました、やりましょう!ええ、やってやりましょうとも!」

ルーシャ「おーっほっほっほ!このわたしがすべての墓を水浸しにしてあげます!覚悟することですね!」

マティアス「いやーそこまでやると…たぶん、もっと呪われちまうんじゃないかなぁ…」

ガルド「やると決めたなら、全力でやるぞ」

俺達は井戸にある聖水を汲み、墓ひとつひとつにふりかけはじめた。

………

ルーシャ「うー…もう限界!もー!こんな単純作業、面倒すぎます!」

リディー「ちょっと、ダメだよルーちゃん!呪いが解けなくなっちゃうよ!?」

ルーシャ「ふふん、実はわたし、妙案を思いついたんです、聖水をお墓にひとつずつかけていくのは大変でしょう?」

ルーシャ「だから、聖水がお墓全体に届くよう、思いっきり振りまいてしまえばいいんです!」

ルーシャ「おーっほっほっほ!我ながらいい考えの極み!ふふふ…乗るなら今ですよ、スー?」

コウキ「そんなんでいいのか?なんか危ない気が…」

スー「えぇ、本当にいいのかなぁ…うーどうしよう…」

ルーシャ「どうです?わたしの素晴らしい考えに乗りますか?」

スーが考えはじめる。

スー「その考え…乗った!こんなの、もうやってられないもん!」

リディー「ちょっと、スーちゃん!?ダメだよ、こういうのは真面目にやらないと…」

ルーシャ「リディー、スーは選んだのです、わたしの崇高なる考えに乗ると、ね」

ガルド「いいのか?お嬢さん、ここはお化け達の巣窟…なにが起こるかわからんぞ」

ルーシャ「おーっほっほっほ!大丈夫です!」

ルーシャ「姉の選択を尊重するのも、姉として大事なこと、わたしはそう思いますけど?」

リディー「うぐっ…そう言われると何も言い返せない…」

ルーシャ「じゃあ…スー、ひと思いにやっちゃってくださいな」

スー「よしきたっ!ほら舞え、せいすーい!」

すると、スーが聖水をお墓全体に振りまいた。

マティアス「あーあ…どうなるんやら…」

コウキ「あはは…知らんぞ…俺は…」

お化け「ズルをしたな…!ズルをするヤツは…絶対に許さない…!」

お化けの魔物がどことなく現れた。

ガルド「やはりか…」

スー「え、えーっ!?ごごご、ごめんなさーい!?」

ルーシャ「ふふ、ふふふ…ズルをしたって、最後に勝ちさえすればいいのですよ!」

コウキ「ああ…」

お化けB「ズルは許さない…!ズルは…許さないぃぃ!!」

スー、ルーシャ「ぎゃー!また出たー!?」

お化けC「ズルをする奴は…一生呪われたままでいろぉぉぉぉぉ!!」

マティアス「三体か…片付けるしかないか…」

ガルド「おう」

コウキ「知ってた…」

リディー「もう…仕方ないんだから…」

………

俺達はお化けの魔物三体を倒した。

ルーシャ「いやぁぁぁぁ!ごめんなさぁぁい!」

スー「真面目にやりますから、許してくださぁぁぁぁい!!」

そして、墓ひとつひとつに聖水をかけ終わった。

スー「はぁはぁ…やっと全部終わった…」

リディー「まったくもー、ズルしようなんて考えるからでしょー」

マティアス「ああ、まったくだ、魔物に襲われたのだって自業自得だっつーの」

コウキ「そうだぞ、二人とも」

スー「すみません…深く反省しております…ん?」

ガルド「どうした?」

リディー「看板が…光った?ちょっと調べてみた方がいいかもね…」

マティアス「お、看板の内容が書き換わってるみたいだな、なになに…?」

マティアス「『聖水をかけてくれてありがとう。あなたたちの呪いはこれで解けました』」

マティアス「『私たちと一緒に遊んでくれたこと、とてと感謝しています』」

コウキ「(え、俺達、遊ばれてたの…?)」

マティアス「『あなたたちにお礼の品を用意したので、ぜひ受け取ってください』」

マティアス「『ざわめきの森に暮らすもの一同より』」

マティアス「『追伸。今回の件に懲りたら、もう手を抜こうとはしないこと』だってさ」

スー「うー、わざわざ書かなくてもわかってるよー!もうしないってばー!」

リディー「あはは…ところで、お礼の品ってこれかな、綺麗な石みたいだけど…」

ルーシャ「不思議な色ですね、こんなもの、今まで見たことありません」

コウキ「確かに…俺もこんなの見たことないなぁ」

ルーシャ「まぁ、お礼の品ということですし、二人がもらってしまっていいんじゃないですか?」

スー「あれ?ルーシャはいらないの?こんなに綺麗なのに…」

ルーシャ「ふふん、わたしは二人よりお姉さんですからね、そういったものにはがっつかないんです」

リディー「えへへ、そういうことなら…ありがたくもらっちゃいまーす♪」

マティアス「さて、そろそろ帰るとするか、双子もルーシャ嬢もコウキとガルドさんも疲れただろ?ちなみにオレは疲れた」

コウキ「そうですね…もう眠いです」

ガルド「帰ってゆっくりしていきたいもんだな」

ルーシャ「そうですね、ほら二人とも帰りますよ。ああ…帰ってゆっくりシャワーを浴びたいです…」

俺達は元の世界に帰った。

………

ミレイユ「お帰りなさい、みんな、ふふ、絵の世界はどうだった?」

リディー「とっても楽しかったです!お化けとか、しゃべる木とかいろいろあって!」

スー「あたしは呪われたり、怖い思いしたりで、すっごく疲れたけどね…」

ミレイユ「の、呪い!?帰ってきて早々悪いんだけど、絵の中の世界について、詳しい話を聞かせてもらえる?」

コウキ「ええと、それはですね」

………

ミレイユ「なるほどねぇ、ふふ、『ざわめきの森』についてはよくわかったわ」

ミレイユ「ねぇ、五人とも、お願いなんだけど…これからも絵の調査を続けてくれない?」

リディー「え…というと…?」

ミレイユ「絵の中はナニが起こるかわからない、きっと経験者が調べた方が安全なはず」

ミレイユ「だから、他の絵が手に入ったら、ぜひみんなに調査をお願いしたいってわけ、どう?」

スー「他にも『不思議な絵』ってあるんだ…!はい、ぜひやらせてください!」

ルーシャ「ではわたしも、二人に遅れを取るわけにはいきませんからね」

ミレイユ「ありがとう、助かるわ!じゃあ、頑張って新しい絵を確保しないと…!」

マティアス「…なぁ姉貴、絵を探してる間にアトリエランクを上げてもらうってのはどうだ?」

マティアス「ランクが上がるたび、新しい絵を紹介する、そうすれば、張り合いも生まれるんじゃないか?」

コウキ「あ!それいいと思います!」

ミレイユ「おっ、あんたにしてはいいアイデアじゃない!じゃあそれ、採用。三人とも、それでいい?」

ルーシャ「ええ、構いませんよ、二人もいいですね?」

リディー「うん!えへへ、頑張ってランクを上げないとね…!」

ミレイユ「じゃあ決まり。…さて、ずいぶんと長く引き留めちゃったわね」

ミレイユ「絵の中で拾ったものは報酬として持って帰っていいわ、煮るなり焼くなり、好きにして、それじゃあ、またね!」

ミレイユさんは画廊から出て行った。

マティアス「ベッドに入ってゆっくり休めよーじゃないと…怖ーいお化けが出るかもな」

マティアスさんがスーをからかう。

スー「ひいっ!か、からかうな、マティアスのバカー!」

マティアス「はははははは!」

コウキ「じゃあ、俺達も帰りましょうか」

ガルド「そうだな」

ルーシャ「………」

コウキ「(ん、どうしたんだ?ルーシャ…そんな暗い顔して…)

俺達も王城を出た。

リディー「じゃあ、私達はこっちですので」

スー「またねー!」

コウキ「また明日なー!」

ルーシャ「私も失礼しますね」

ガルド「またな、お嬢さん」

ルーシャも帰っていった。

ガルド「コウキ、俺達も帰るぞ」

コウキ「師匠、俺、ちょっと用事思い出したので、先に帰ってくれますか?」

ガルド「ああ、別にいいが」

コウキ「では!」

………

アトリエ・ヴォルテールにて

ルーシャ「…二人にランクを追いつかれ、あまつさえ、助けてもらうなんて…」

コンコン

コウキ「俺だけど、ルーシャいるか?」

ルーシャ「コウキですか?空いてますよ」

俺はルーシャのアトリエに入る。

ルーシャ「どうしたのですか?」

コウキ「いや、ルーシャの様子が変だったから心配したんだ」

ルーシャ「別にそんなこと…」

コウキ「二人にランクを追いつかれたあげく、助けられ、それで自分が情けないと思ったから、だろ?」

ルーシャ「…!コウキには敵わないですね…そうです、そのとおりですよ…」

コウキ「自分が情けないとか思うなよ、俺はさ、錬金術したことないけど、剣術を頑張ってる、ルーシャは錬金術を頑張ってる…やってることは大体俺と同じなんだよ、ルーシャ」

コウキ「だからさ、お互い頑張ろうぜ、弱きになったら、きっとオネットさん悲しむからさ…」

ルーシャ「おばさまですか…そうですね…!」

ルーシャ「わたしはアトリエ・ヴォルテールの主で、そして…」

ルーシャ「二人には、負けられないんです…!」

コウキ「その意気だ、ルーシャ、頑張れよ、じゃあ俺はそろそろ帰るよ」

俺はルーシャのアトリエを出ようとする。

ギュ

すると、ルーシャが俺の服の裾を掴む。

コウキ「ん?」

ルーシャ「もう少し…そばにいてくれますか…?」

コウキ「お、おう…」

………


ルーシャ「コウキは幼いころから変わってませんね…困ってる人がいたら、その人を助けたり…私はそんなコウキをみて、私もこうなりたいと思ったんです」

コウキ「そ、そうか?俺そんなことしてたかな…?もう覚えてないよ…ルーシャはそのために錬金術を初めたんだな」

ルーシャ「そうです、覚えてなくても、私が覚えてるんです、コウキはずっとそのままでいててください、おばさまが亡くなったあとのコウキの姿を私はもう見たくないので…」

コウキ「ルーシャ…」

ルーシャ「さ、さぁ!私は疲れたので、シャワーを浴びたいので!コウキはもう帰ってください!」

コウキ「お、おう…また明日な、ルーシャ」

コウキがアトリエを出る。

ルーシャ「どうしてコウキを思うと、こんなにも胸がドキドキするのでしょう…」

ルーシャ「私は…コウキのことを…」

………

コウキ「そのままでいててください、か…」

コウキ「当たり前だ…俺はもう逃げたりなんかはしない…前に突き進む…!」

コウキ「よーし!明日からも頑張っていくぞー!」

俺は明日も、これからも、頑張っていく。

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第十四話 久しぶりの三人の集結

俺は今日、母さんから買い出しを頼まれ、お店に行くことにした。

コウキ「えーと、玉ねぎ、じゃがいも、鶏肉か、今日はカレーかな?」

俺はお店に向かいはじめた。

コウキ「よし、あとは鶏肉かだけ…ってあれは…」

俺は前の方を見ると、金髪で頭にリボン着けている、女の人を見かけた。

コウキ「あれは…イルメリアさん?」

俺は声を掛けてみる。

コウキ「イルメリアさーん!」

イルメリア「ん?あなたは確か…」

コウキ「あの間はお世話になりました!」

イルメリア「コウキ君だったかしら?」

コウキ「あの、イルメリアさん、リディーとスーは頑張ってますか?」

イルメリア「ええ、勿論、でも、まだまだなところがあるわね」

コウキ「そうですか…これからも二人のことお願いします」

イルメリア「勿論よ、それより、コウキ君はどうしてここに?」

コウキ「母さんから買い出しを頼まれてですね…」

イルメリア「そうだったの、買い出しが終わったら一緒にお菓子食べない?」

コウキ「はい、わかりました!」

イルメリア「コウキ君、買い出しの物はもう揃った?」

コウキ「あと鶏肉だけです」

イルメリア「そう?早く買い出しを済ませましょうか」

俺は買い出しする物を終え、俺の家の前に着いた。

イルメリア「ここがコウキ君の家ね」

コウキ「本屋なので、気軽に来てくれれば嬉しいです」

イルメリア「そうするわ」

俺とイルメリアさんは家に入る。

コウキ「母さん、買い出し終わったよー」

サリア「ご苦労様、あら?隣の子は?」

コウキ「ああ、俺の友達の…」

イルメリア「アタシはイルメリアです。ここ、素敵な本屋ですね」

サリア「そう言ってくれると嬉しいわ。私はサリアよ。イルメリアさんはコウキの彼女さんかしら?」

イルメリア「ええ!?ち、違いますよ!サリアさん、何言ってるんですか…」

コウキ「母さん、いきなり何言ってんだよ…」

サリア「あら?ごめんなさい、凄い美人さんな人だったから、つい、ね」

イルメリア「ありがとうございます…」

コウキ「じゃあ母さん、俺今から遊びに行くわ。イルメリアさん、行きましょう」

イルメリア「ええ、じゃあ失礼しますね」

サリア「いってらっしゃい」

俺とイルメリアさんは家を出た。

???「さっきの子、お人形さんみたいで可愛いかったわね…じゅるり…」

奥の方で本を読んでいた人が喋りだす。

サリア「こら、変なこと考えないの、メルサ…」

メルサ「考えてませんよーだ、じゃあこれ買うわね」

サリア「魔法の参考書ね、はい、6600コールよ」

メルサ「あの、サリア様、もう少しお安くできないでしょうか」

サリア「何言ってんのよ…これが普通の値段よ」

メルサ「作戦失敗か…昔のサリアはさ、チョロかったのに…ちぇー」

サリア「それは昔の話よ。ほら、買うなら早く払いなさいな」

メルサはお金を払う。

サリア「はい、どうぞ」

メルサ「ありがとね」

メルサ「そういえば、ガルドもここの町に来てるんでしょ?」

サリア「そうだけど」

メルサ「今度三人で飲みに行かない?久しぶりに話したいからさ」

サリア「わかったわ」

メルサ「そうそう、そういえば、サリアの息子さんとも話がしたいんだー」

サリア「コウキのこと?あの子、いろんなとこをブラブラしてるから会えると思うわよ」

メルサ「そう?コウキ君ね…あの子はどんな感触なんだろう…えへへ…」

サリア「変なこと考えないでね…」

メルサ「はーい、じゃあ、あたしは帰るね」

サリア「また来てね」

メルサ「もっちろん!」

メルサは本屋を出る。

サリア「さて、仕事に戻りますか…」

………

コウキ「ここが、イルメリアさんのアトリエですか」

イルメリア「そうよ、さぁ入りなさい」

コウキ「お邪魔します」

俺はイルメリアさんのアトリエに入る。

コウキ「わぁ、ぬいぐるみがいっぱい…イルメリアさん可愛いとこあったんですね!」

イルメリア「可愛いからいいじゃない…」

イルメリアさんが恥ずかしそうに、モジモジする。

コウキ「(可愛い人だなぁ…)」

イルメリア「ほら、一緒にお菓子を食べて、お話しましょ?」

イルメリアさんがお菓子を用意する。

コウキ「これは高級の…!イルメリアさん流石、国から招待された人とはいえ…凄い人です!」

イルメリア「落ち着いて食べなさいよ」

コウキ「わっかりましたー!」

イルメリア「もう半分しかないじゃない…じゃあ、お話しましょうか」

コアキ「わかりました!」

………

イルメリア「へぇ…コウキ君はあの二人と幼馴染なのね」

コウキ「そうですよ、あと一人もですけど」

イルメリア「その人はどうゆう人とはなの?」

コウキ「ルーシャっていう人で、とにかく素直じゃない子ですね…」

イルメリア「幼馴染か…アタシもそうゆうのがほしかったわね」

コウキ「イルメリアさんは貴族の方なんでしょうか?」

イルメリア「そうよ、ラインウェバー家の、一人娘よ」

コウキ「イルメリアさんは天才の錬金術士と聞きましたが…失礼ですが、年はいくつなんですか?」

イルメリア「今年で19よ」

コウキ「え、19…?」

イルメリア「な、なによ…」

コウキ「イルメリアさん、身長が低くみえるから…って、あ…」

イルメリア「う、うっさいわね!身長なんて関係ないでしょ!?」

コウキ「あ、すいません…ほんと」

イルメリア「別にいいわよ…よく言われるから…」

コウキ「そうなんですか…」

………

イルメリア「今日は楽しかったわ、ありがとね」

コウキ「いえいえ!俺も楽しかったです!」

イルメリア「ねぇ、コウキ君、あなたのこと、コウキって呼んでいいかしら?」

コウキ「別に構いませんが…」

イルメリア「あなたはアタシのこと、イルって呼んでくれるかしら…?」

コウキ「はい、わかりました、イルメリアさ…イルさん…」

イルメリア「ふふ、じゃあまた明日ね。コウキ、バイバイ」

コウキ「はい!また明日です!」

俺はイルさんの家を出た。

コウキ「イルさん、優しい人だったなぁ…」

俺がそれを喋っていると、後ろから声を掛けられる。

メルサ「ねぇねぇ、君がコウキ君かな?」

コウキ「ん?はい、俺がコウキですけど…あなたは?」

メルサ「あたしはメルサよ」

メルサ「実はね、コウキ君と話をしたくてー」

コウキ「別にいいですけど…」

メルサ「ありがとー!君は剣士かな?」

コウキ「はい、まだまだ見習いですが…」

メルサ「その剣は、この町の王城に保管されてたやつだけど、どうして君が?」

コウキ「この剣は近くの森で拾ってきたやつなんですよ」

メルサ「近くの森で?おかしいなぁ…誰かが持ち込んだのかなぁ…」

コウキ「そのようですね…」

メルサ「ま、いいや、その剣、王城に返さないの?」

コウキ「前、王城に返そうとしたら、受付の人から持ってていいよ。と言われまして…」

メルサ「え、それでいいのかな…」

コウキ「あはは…」

メルサ「ま、とりあいず、頑張んなよー?伝説の勇者の血を引く者、さん?」

すると、メルサさんは箒で空を飛んだ。

コウキ「え!?メルサさん!?どうしてその事を!?」

メルサ「じゃあねー」

メルサさんは箒に乗ってどこかへと行ってしまった。

コウキ「あの人、どうして俺のことを…?しかも空飛んでたし、魔法使いかな?」

俺は不思議に思いながら、家に帰った。

コウキ「ただいまー」

ガルド「お、来たか」

メルサ「あ、さっきぶりだねー」

コウキ「え!?メルサさん!?さっき…」

メルサ「サリアの家に来たんだよー」

サリア「おかえり、コウキ。メルサは昔、私達と旅してた友達よ」

コウキ「そうだったんですか…だから俺のことを…」

メルサ「ザラトの息子さんだからねーそりゃわかるよー」

ガルド「しかし、メルサ、お前、どうしてここに来たんだ?」

メルサ「うん、あたしも伝説の剣士のことを調べててね、最近この辺で、大昔、伝説の剣士が倒した、悪の神の残党どもがここら辺にいるっていうことをネストから聞いて…」

サリア「!?」

ガルド「…!」

コウキ「(どうしたんだ?二人とも…)」

ガルド「奴の残党がいるという事は…!」

サリア「悪の神の復活…なんてね…」

メルサ「そうなんだよーきっとなんか悪い事企んでると思うんだよ…」

ガルド「奴を野放しにはできん!」

コウキ「ちょっと!?なんか話が勝手に進んでるんだけど!?」

サリア「悪の神の残党…昔、私達が倒した奴よ」

メルサ「そうだよーまさかまだ残党がいたなんてね」

ガルド「生き残りがいたか…ちっ…」

コウキ「なんか悪の神の復活とか言ってたけど…」

ガルド「そうだ、昔、俺達が倒したその残党は悪の神の復活の儀式をしていた…つまり、今もその儀式をされているかもしれないんだ…」

メルサ「悪の神が復活したら大昔のように世界が大変なことになるかもしれないんだよ…」

コウキ「復活…」

サリア「一刻も早くその残党を倒すわよ。メルサ、ネストは今どこにいるかわかる?」

メルサ「ネスト?あの子もここに来てると思うよ?てか置いていっちゃった…てへへ♪」

ガルド「いや…なんで置いていったんだ…」

サリア「ほんとなんで置いていったのよ…」

メルサ「だって、早くサリアとガルドと会いたかったんだもん!」

サリア「それはわかるけど、ネストを置いていかないでよ…」

メルサ「明日には来るんじゃないかな?」

ガルド「あいつの顔も久しぶりに見れるんだな…楽しみだ」

コウキ「母さん、俺も手伝うか?」

サリア「いえ、あんたはリディーちゃん達の護衛の仕事があるでしょ?それならそれを優先しなさい」

コウキ「お、おう…わかった…」

ガルド「コウキ、しばらくお前さんと修行はできない、それでもいいか?」

コウキ「はい、わかりました!」

ガルド「すまない」

メルサ「ガルド、コウキ君の師匠だったの!?」

ガルド「そうさ、昔のサリアと同じくな」

メルサ「サリアも昔はガルドの弟子だったもんねー」

サリア「その話はいいから…ほら、二人とも!今から作戦会議を始めるわよ!」

ガルド「おう」

メルサ「はーい」

コウキ「母さん、俺もう寝るね、ご飯はイルさんのとこで食って来たから」

サリア「ええ、わかったわ、おやすみ」

コウキ「おやすみ…」

俺は自分の部屋に行くため、二階に上がった。

サリア「さぁ、明日から忙しくなるわね…」

ガルド「そうだな、久しぶりに腕がなるぜ…」

メルサ「そうだねーあたし達も久しぶりにまた一緒に戦えるなんてねー」

………

???「はぁ…やっと着いた…メルサめ…置いていきやがって…着いたらお仕置きっスね…」

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第十五話 フィリス登場

オリキャラ紹介

メルサ・モーレン

35歳

職業 魔法使い

身長 157cm

かつて、サリア達と旅をしていた仲間。
魔法使いでもあり、魔女の血を引く者で、魔法の腕前は最高クラス。
故郷では魔女の血を引く者として、町の皆から恐れられ、人間関係が嫌になったが、サリアが彼女の心を開き、共に旅をすることにした。


コウキ「それで…ガルドさんはこれからやることがあるらしいので一緒に護衛できないんです」

ミレイユ「わかったわ、彼も何かあったんだろうし」

マティアス「しばらくはオレとコウキで護衛か」

コウキ「ですね…」

ミレイユ「ほら、二人とも、早く行きなさい、双子ちゃん達を待たせちゃダメよ」

マティアス「へーい」

コウキ「わかりました!」

俺とマティアスさんは王城を出る。

スー「あー!おっそーい!」

コウキ「ごめん、待たせた…」

リディー「あれ?ガルドさんは?」

マティアス「ガルドさん何かしばらく護衛できないって言ってたらしいから、今日からはオレとコウキだけだな」

スー「何かあったのかな?」

コウキ「………」

リディー「コウちゃん?どうしたの?」

コウキ「いや、何でもない、早く行こうぜ」

スー「そうだね!早くしないとルーシャにドラゴンを倒されるからね!」

俺達は森へと向かった。

リディー「ミレイユさんの話だとここら辺らしいけど…」

ルーシャ「来ましたね、二人とも!」

スー「あ!ルーシャ!」

ルーシャ「ですが、もう遅いです!なにせ、私がドラゴンを先に倒すんですから!」

リディー「スーちゃん!急ごう!」

スー「うん!」

マティアス「オレらも行くぞ。コウキ?」

コウキ「………」

マティアスさんが俺の肩を叩く。

マティアス「なぁ、お前さっきから様子が変だぞ?大丈夫か?」

コウキ「あ、いえ…なんでもないです!早く行きましょうか!」

マティアス「(ガルドさんと何かあったのか…?)」

………

ルーシャ「さてと、ここですね…」

リディー「あれ?いない?」

スー「そうみたいだね…」

ルーシャ「まさか…ミレイユさん嘘の依頼を私達に…!?」

マティアス「ん?おい、あれ見ろよ」

コウキ「ん?」

俺はマティアスさんが指を差した方向を見ると、茶髪で、ポニーテールの女の人がドラゴンを既に倒していた。

リディー「あのーすみませーん!」

???「ん?なんでしょう?」

スー「その倒したドラゴンって…」

ルーシャ「私達の課題が…」

???「ええ!?これ、あなた達の試験課題だった!?ごめんなさい!倒しちゃって…」

マティアス「そこは置いておいて、君は弓を持ってるけど、狩人か?」

???「うんうん、私は錬金術士で、フィリスって言います!」

コウキ「錬金術士?ドラゴンを倒したってことは…フィリスさんもアトリエランク制度に参加してるんですか?」

フィリス「もちろん!私はBランクだよー!」

リディー「ええ!?Bランクですか!?」

スー「Bランクかーすごいなーって…ええ!?」

フィリス「それより魔物を倒しちゃってごめんね!お詫びと言ってはなんだけど、あとで私のアトリエに来てよー!」

スー「フィリスさんのアトリエですか?」

フィリス「私のアトリエはね、変な形してるからすぐわかると思うんだ!じゃあまた!」

フィリスさんは先に帰って行く。

コウキ「一旦、ミレイユさんのとこに帰るか」

リディー「そうだね、また試験課題を受けてもらうしかないね」

ルーシャ「そうですね、じゃあ行きましょうか…」

………

ミレイユ「じゃあこれ、今回の課題よ」

内容を見ると、都の近くに現れた魔物退治だった。

スー「最近魔物って多い気がしますね…」

ミレイユ「そうなのよ…」

リディー「お腹を空かせてここに来たとか?」

ミレイユ「それはわからないけど、二人にお願いね、ルーシャちゃんとは別の課題にしたから」

リディー「はい!」

スー「じゃあ、いってきます!」

ミレイユ「ええ、気をつけてね」

………

マティアス「お、来たか」

コウキ「次の試験課題はなんだった?」

リディー「都の近くに現れた魔物退治だって」

スー「よし、じゃあ行こう!」

俺達は目的地である、グルムディアス大沼林に来た。

マティアス「思ったより魔物が多いな…」

スー「うじゃうじゃいるね…」

リディー「そうみたいだね…」

マティアス「まぁ、気を引き閉めて行くぞ」

コウキ「わかりました!」

………

マティアス「ふぅ、だいぶ片付けたな。これくらい倒せばとりあいずは安心だろ」

コウキ「疲れましたね…」

マティアス「これくらい倒したら姉貴に報告に行ってもいいだろう」

スー「そうだね、じゃあ、王城に戻ろっか」

………

ミレイユ「はい、二人ともFランクに合格よ。ルーシャちゃんも合格ね」

コウキ「よかったな」

ミレイユ「じゃあ、約束通り、新しい不思議な絵を紹介するわ」

俺達は王城の画廊に行く。

ミレイユ「さて、これが今回調べてもらう不思議な絵よ」

その絵は水晶のようなものが描かれている絵だった。

ミレイユ「実はこの『水晶の輝窟』ってかなり古い物でね、『不思議な絵』としての力を失っちゃってるの、絵の中に入るには修復しなくちゃってわけ」

リディー「修復?」

ミレイユ「そのよ、その修復に必要なのが不思議な絵を書くのに必要な『ネージュの絵の具』よ」

スー「ネージュの絵の具?」

ミレイユ「それを今、イルメリアさんに修復を担当させているんだけど、難航してるのよ」

コウキ「イルさんが?」

リディー「それなら、私達も手伝います!」

ミレイユ「なら頼んでもいいかしら?」

スー「もちろんです!あ、ルーシャは安んでていいよ。師匠を助けるのは弟子の役目だから」

ルーシャ「あ、じゃあお願いします。修復とか面倒なので」

コウキ「お前…あっさりと…」

ルーシャ「そうゆうのはリディー達に任せます、では私はこれで…」

ルーシャが画廊を出ていく。

スー「じゃあ、師匠に聞き込みにいってみよう!」

リディー「うん!」

コウキ「じゃあ俺は帰るよ、頑張れよ、二人とも」

マティアス「またな、コウキ」

リディー「ありがとね、コウちゃん」

スー「またね!」

コウキ「おう」

俺は画廊を出た。

コウキ「さて、母さん達が心配だ…」

俺は急いで家に帰った。

???「おらー!メルサ、よくもオレを置いていきやがって…」

メルサ「いたい!いたい!許して!ネスト!」

???「ふんっ!ほらよ…」

コウキ「あのーただいま…」

サリア「あら、おかえり」

???「サリア、その子が?」

サリア「ええ、私の息子のコウキよ」

???「へぇ…君が…オレはネスト、サリアの友達だよ」

コウキ「ああ、昨日メルサさんが言ってた…」

メルサ「そう!私が置いていった人(笑)だよー」

ネスト「あ!今笑ったな!?この野郎ー!」

サリア「もう、二人とも落ち着きなさい…」

コウキ「そういえば、師匠は?」

メルサ「ガルドは今、悪の神の残党の行方を追ってるよ、まぁ今のところは何も目撃例はないね」

ネスト「コウキ、君はガルドのおっさんの弟子なのかい?」

コウキ「そうですよ」

ネスト「へぇ…」

するとネストさんが母さんをジロッと見る。

サリア「な、なによ…」

ネスト「いいやー?別に?誰かに似てるなーと」

サリア「その話は置いといて、ガルドさん遅いわね…」

メルサ「憎いんだよ…残党達がね」

コウキ「憎い?」

ネスト「ああ、ガルドのおっさん、昔、悪の神の残党によって故郷を滅ぼされ…彼の家族もみんな殺されたからね…」

コウキ「そう…だったんですか…」

サリア「あの時のガルドさんは復讐のことしか考えてなかった。今も大体そんな感じね…」

メルサ「まだ残党がいたと聞いた時は怖い顔してたね……あれはまるでかつてのガルドだったね…」

ネスト「そうだな…」

コウキ「俺、師匠を探して来ます!」

俺は家を飛び出した。

サリア「コウキ…!」

メルサ「あはは…ほんとサリアに似てるなぁ…コウキ君は」

ネスト「そうだな…あの時はサリアがガルドのおっさんの心を開いて…」

サリア「そうね…」

………

フィリス「あれ?あなたは…」

コウキ「ん?フィリスさん?」

フィリス「私のこと覚えてたんだね!ねぇ、君はなんて名前なのかな?」

コウキ「俺はコウキです」

フィリス「コウキ君かーよろしくねー!」

コウキ「あの、フィリスさん、今、俺、人探ししてるんですけど、背中にでかい剣背負って、顔に傷が付いてる人見ませんでした?」

フィリス「でかい剣を背負った?ごめん、見てないな…」

コウキ「そうですか…じゃあ、フィリスさん、また!」

フィリス「うん!またね!」

フィリスがコウキに手を振る。

???「フィリスちゃん、さっきの子は?」

フィリス「あ、リア姉!さっきの子はついさっきお友達になった人だよ!」

リアーネ「そうなのね、もう暗くなったし、アトリエに戻りましょ?」

フィリス「うん!」

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第十六話 2つ目の不思議な絵へ

ガルド「手掛かり一つもないな…」

コウキ「師匠…やっと見つけた…」

ガルド「コウキ?」

コウキ「皆が待ってます。帰りましょう?」

ガルド「そうだな、長居しすぎたな…帰ろう」

コウキ「師匠、聞きましたよ、メルサさん達から」

ガルド「何をだ?」

コウキ「師匠が幼いころ、故郷を襲われ、家族をみんなを失ったって…」

ガルド「…!」

………

『ガルド!お逃げ…』

ザクッ

『あ…』

パタ

『人間どもは皆殺しだ…』

『…!お袋…?おい…!』

『そいつはもう死んだ、お前もここで一人寂しく死ぬんだ』

『…!ぐっ!』

『ほう?その剣で私を倒してみるか?』

『…!』

『ふんっ!』

『ぐわー!』

『少しかすったか…』

『俺の左腕が…』

『お前はもう終わりだここで死んでいくがいい』

『ダメだ…もう体が…』

『へっ…お前がもう終わりだ…』

『ぐおっ!?貴様…まだ生きて…だがもうこの町は終わりだ…』

バタン

『セベル!?なんで…』

『なんとかな…ガルド早く逃げるぞ』

『ああ…でも体が動けないんだ…』

『ほら、あと少しだふんばれ』

『ああ、助かる…』

………

『!?セベル!後ろから敵が来てる!』

『なんだと!?俺が囮になるからお前は行け!』

『ダメだ!俺も…』

『うるせー!ほら行け!』

『セベル…!絶対に助けを呼びにいくからな!』

『はは…それまでオレが生きてればの話だがな…』

『今まで楽しかったぜ…ガルド…』

………

ガルド「………」

コウキ「師匠…!師匠!」

ガルド「ん?なんだ…?」

コウキ「師匠…大丈夫ですか…?」

ガルド「ああ…ほら行くぞ」

コウキ「はい…」

………

ガルド「待たせた」

メルサ「遅いよ!ガルドったら!」

ネスト「ガルドのおっさん…久しぶりっス…」

ガルド「ネストか?お前…でっかくなったなぁ…」

ネスト「へへ、そうですか?」

コウキ「あれ?今日は食事会なの?母さん」

サリア「そうよ、久しぶりの皆の再会だもんね」

コウキ「そっか、俺も食っていいかな?」

サリア「勿論よ」

コウキ「そっかー!じゃあいただきまーす!」

ネスト「コウキ!?よーし、オレも負けてられないっスね!」

メルサ「あー!あたしも負けないんだからー!」

ガルド「なんか久しぶりに見たな…この光景…」

サリア「そうね…」

ガルド「んじゃあ、俺も食おうかね」

サリア「ええ、今日はゆっくりしていって頂戴」

ガルド「ああ」

それから時間は経ち…

ネスト「ぐがぁ…」

メルサ「うーん…もう食べられないよぉ…」

ガルド「ごぉ…ごぉ…」

サリア「もう…ここで寝ないでよ…三人とも…」

コウキ「あはは…はしゃぎすぎたからね…」

すると母さんが寝ている三人に毛布をかけてあげた。

コウキ「母さん…」

サリア「もう三人とも起きないだろうしね…」

サリア「明日はここで寝た罰としてお仕置きね~」

コウキ「おう…」

サリア「早くあんたも寝なさいよ、じゃあね」

母さんは部屋を出ていく。

コウキ「じゃあ、俺もそろそろ寝るか」

俺はベッドに行き、眠りについた。

ゴソゴソ

コウキ「ん…?」

メルサ「んへへ…コウキくーん…」

コウキ「メルサさん!?」

メルサ「ねぇ?あたしを抱いて…?」

メルサさんが俺のベッドに入った。

コウキ「んえ!?ちょ…おま…」

メルサ「もう…逃がさないから」

コウキ「うおー!?」

母さんが俺の部屋に入ってきた。

サリア「メルサ…あんたったら…」

メルサ「さ、サリア様ー!?これはその…」

サリア「メルサ、あなた今からお仕置きよ!覚悟することね…?」

メルサ「ひえー!?」

メルサさんが箒を取り出した。一体どこから取り出したのか。

サリア「あっ!待ちなさい!」

メルサ「へへーん、あたしは逃げるのだぁー」

するとメルサさんが窓を開け、その場から飛んで逃げ出した。

サリア「あの子ったら…もう」

コウキ「助かったよ…母さん」

サリア「気にしないで、じゃあ気をつけてね」

コウキ「おう…」

俺はふたたび眠りについた。

スー「コウキー!ねぇ、コウキってば!」

コウキ「むにゃ…むにゃ…よっこらっせと…」

寝ぼけている俺はスーをベッドに押し倒した。

スー「コウキ!?ちょっと…」

コウキ「スー…好きだ…愛してる…」

スー「え…コウキ…ダメだっててば…」

コウキ「………」

コウキ「( ゚д゚)ハッ!?」

コウキ「スー!?なんでここに…」

スー「………!」

スーに蹴りを入れられた。

コウキ「ぐがっ!?」

スー「コウキのすけべ!」

顔を赤らめたスーが部屋を出ていっていく。

コウキ「なんで、スーがここに…」

メルサ「あれ…作戦失敗かな?」

メルサさんが窓から入ってきた。

コウキ「メルサさん!?」

メルサ「あっはっは!昨日の夜ね、コウキ君にフェロモンの魔法をかけたんだけど…あたしの思ってる通りにはいかなかったーいやー残念!」

コウキ「メルサさん…何してんですか…」

メルサ「ごめんね?コウキ君…」

コウキ「いや…別にいいですよ…もう…」

メルサ「コウキ君、チョロいな」

コウキ「何か言いました?」

メルサ「いいえー?別に?サリアがご飯の用意してるよ、早く行ったら?」

コウキ「そうなんですか?じゃあ行ってきますね」

俺は部屋を出た。

メルサ「さてと、あたしはザラトの墓参りに行こうかな」

メルサは箒で窓から部屋を出ていった。

サリア「コウキ、おはよう…ってさっきスーちゃんが怒って本屋から出ていったんだけど…何かあったの?」

コウキ「あー実は…」

………

サリア「あーメルサがね…」

コウキ「そうなんだよ…」

サリア「コウキも大変ねぇ…あはは…」

コウキ「てかなんでスーが俺の部屋に?」

サリア「スーちゃん、あんたを起こしにいったのよ」

コウキ「俺を起こしに?」

サリア「ええ、修復が終わったからコウキを起こしに、とか言ってたわね」

コウキ「あ、なるほどね…てか師匠とネストさんは?」

サリア「二人とも今日も残党の行方を追ってるわ」

コウキ「そっか、じゃあ母さん、出掛けてくるわ」

サリア「ええ、じゃあね」

俺は家を出た。

コウキ「王城に着いたらスーに謝んないと…」

俺は王城に向かいはじめた。

コウキ「すいませーん!遅れました!」

ミレイユ「あら、コウキ君?皆が画廊のとこであなたを待ってるわよ」

コウキ「わかりました!行ってきますね!」

俺は画廊に行く。

コウキ「皆ー!ごめん!遅れた…」

マティアス「おう、来たか、コウキ」

リディー「コウちゃん、遅かったね…あはは…」

ルーシャ「遅かったですね!コウキ!」

スー「ふんっ…」

コウキ「スーさっきはごめん…あれは事故で…」

スー「もういいよ…早く絵の調査に行こう…」

コウキ「お、おう…」

フィリス「コウキ君!」

コウキ「フィリスさん?」

フィリス「私もこれから絵の調査をするんだーイルちゃんから頼まれたからね!」

コウキ「イルさんから?」

フィリス「うん!今日からよろしくね!では、行ってみよう!」

俺達は絵の世界へと入った。

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第十七話 水晶の輝窟 前編

オリキャラ紹介

ネスト・サハライト

36歳

職業 鍛冶屋

身長 172cm

メルサ、ガルドと同じく、かつて、サリア達と旅をしていた仲間。
実家が鍛冶屋であり、いろんな武器に詳しく、その話になると長くなるほど。
姉が公認の錬金術士であり、自分もそれを目指していたが、結果、叶わず、その夢を諦め、実家の鍛冶屋を継ぐことにした。
サリアを気にかけていたが、彼女の本当の気持ちを聞き、それからはザラトとサリアを応援し、失恋していた。

ザラト・レオナー

??歳(故人)

職業 剣士

身長164cm(生きていた頃)

コウキの父親であり、伝説の剣士の血を引く者。
花が好きで、将来は花屋を建てるのが夢だったが、自分が伝説の剣士の血を引く者とわかった時はその夢を諦め、剣士として生きることにした。
息子のコウキが生まれたあと、オネットと同じく、はやり病で、この世を去った。
コウキ、サリア、家族みんなの幸せを願っていた。


コウキ「うわぁ…寒いな」
 
マティアス「ああ、風邪引きそうだ…」
 
フィリス「すごーい!これが絵の中の世界なの!?夢みたーい!」
 
ルーシャ「なんか、とんでもなくはしゃいでますね…本当にわたしたちより年上なんでしょうか…」
 
マティアス「まぁ、いいんじゃねぇの?無邪気でかわいげがあるじゃねぇか」
 
リディー「わぁ…透き通って綺麗…!」
 
スー「ほんとだー!綺麗…って冷たっ!?これ水晶じゃなくて氷だよ!」
 
コウキ「この洞窟は全部氷でできている?」
 
ルーシャ「なるほど、それで『水晶の輝窟』ですか。くしゅん!寒いですね…」
 
ギャアアアアアアア!!!
 
魔物の鳴き声が聞こえた。
 
リディー「きゃっ!な、なに!?」
 
マティアス「魔物の鳴き声みたいだな。いつ出くわすかわからないし、慎重に進もうぜ」
 
………
 
ギャアアアアアアア!!!
 
またさっきの魔物の鳴き声が聞こえた。
 
コウキ「だんだん近くなってないか?」
 
ルーシャ「あら?怖いんですか?わたしはこれくらい、へっちゃらですよ?」
 
スー「う…リディーはともかく、あたしは別に怖がってなんか…」
 
ルーシャ「へぇ…?あ、わたしいいこと思いつきました。わたしたちのライバル対決、ここで決着をつけましょう」
 
ルーシャ「さっきからギャースカ鳴いてる魔物、先に倒したほうが上、ということにしませんか?」
 
リディー「ええ…でも危ないよ…やめておいた方がいいと思うけどなぁ…」
 
ルーシャ「おーっほっほっほ!ではわたしの不戦勝ですね、やはりわたしが上…」
 
スー「待った!その勝負乗った!不戦勝なんて絶対に認めないんだから!」
 
コウキ「(あ、なんかめんどくさいことになりそう…)」
 
ルーシャ「ふふん、それこそがわたしのライバル!では尋常に勝負です!」
 
リディー「大丈夫かな…イヤな予感しかしないんだけど…」
 
マティアス「なぁ、どうして双子にそんな突っかかるんだ?」
 
ルーシャ「それはその、誰にも言わないなら、教えてあげます」
 
マティアス「うん、言わない、言わない、だから聞きたいなぁー教えてくれないかなぁー」
 
コウキ「なにしてんだ?あの二人…」
 
フィリス「ふふーん!すごいねーここ!」
 
コウキ「フィリスさん、はしゃぎすぎですよ…」
 
ルーシャ「それはですね…」
 
ルーシャがマティアスに耳を貸す。
 
ルーシャ「こしょこしょこしょだからです」
 
マティアス「そんな理由で!?ははは…あははは!」
 
ルーシャ「なっ!?どうして笑うんですか!もう知りません!」
 
魔物「ギャアアアアアア!!!」
 
リディー「きゃああああ!?いきなり出たぁ!?」
 
コウキ「ドラゴンか!?」
 
魔物がルーシャのほうを見る。
 
ルーシャ「な、なんでしょう…なんだか見られてる気がするんですけど!?」
 
スー「とりあいずみんなで爆弾を…!」
 
リディーとスーとルーシャは爆弾を魔物に投げ出すが、魔物の動きが速すぎて爆弾が当たらない。
 
ルーシャ「ちょっと!どこ狙ってんですか!当たってませんよ!?」
 
スー「ルーシャこそ、一個も当たってないじゃない!ノーコンすぎるでしょ!?」
 
リディー「落ち着いて、二人とも…!あの魔物…速すぎて爆弾が当たらないよ…」
 
魔物「ギャオオオオオオオ!!!」
 
コウキ「とりあいず逃げるぞ!」
 
ルーシャ「いや、無理ですよ!逃げても追いかけてきますって!なんかそんな感じの顔してますし!」
 
すると魔物が魔法弾のようなものを仕掛ける。
 
スー「うわっ、ヤバい!絶対ヤバいの来るって、あれ!」
 
リディー「助けて、ルーシャちゃん!」
 
ルーシャ「ちょっと!?わたしを盾にするつもりですか!?」
 
すると魔物が魔法弾を放った。
 
ルーシャ「にゃぁぁぁぁぁぁ!?」
 
コウキ「ルーシャ!?」
 
スー「る、ルーシャが…かチコチに凍っちゃった…」
 
魔物がなぜか、去っていく。
 
マティアス「なんだ、あいつ…ルーシャ嬢を凍らせるなり帰って行ったぞ?」
 
リディー「もしかして、ルーちゃんのこと…じゃない!ルーちゃん!大丈夫!?」
 
スー「ありがとう、ルーシャ…あたし、ルーシャのことは忘れないよ…」
 
コウキ「オイオイ」
 
リディー「スーちゃん!ダメー!ルーちゃんのこと、見捨てちゃダメ!」
 
スー「さすがに冗談だって!でもどうしよう…爆弾で溶かしてみる…とか?」
 
フィリス「あっ、それはいいんだけど…気をつけてね?あんまり強いのを使うと、その…」
 
コウキ『あ、別にいいんだ…」
 
マティアス「ルーシャ嬢が粉々になっちまう、か…?ほどほどの爆弾なんてあるもんなのかねぇ…」
 
スー「ごくり…一か八か、この爆弾で!」
 
スーが凍ったルーシャのところに爆弾を置く。
 
ルーシャ「あうううう…こ、凍え死ぬかと思いました…へくちっ!」
 
フィリス「大変、すぐに体を暖めなくちゃ…!よし、ここは緊急事態だし、ここは錬金術で!」
 
フィリスさんが焚き火を出した。
 
ルーシャ「ふぅ…あったまります…まさか、いきなり凍らせられるとは…」
 
コウキ「大丈夫か?ルーシャ…あそこは俺が庇うべきだったのに…」
 
リディー「ごめんね、ルーシャちゃん、私、慌ててルーちゃんのこと、盾にして…」
 
スー「あたしもごめん…まさかあんなことになるなんて…」
 
ルーシャ「ふぅ…反省してるみたいなので許してあげます、ふふん、わたしは寛容ですからね」
 
ルーシャ「あとコウキ、庇うだなんて、そんなこと言わないでくださいよ」
 
コウキ「だって母さんから言われたからさ、リディーとスーとルーシャに何かあったら守れって…」
 
リディー「サリアさんから?」
 
コウキ「ああ、男だからとか…そんなこと言われたからなぁ」
 
マティアス「それはいいことだと思うぜ?女の子を危ない危機から助ける、かっこいいじゃねぇか」
 
コウキ「あはは…そうですね」
 
ルーシャ「ただ、はっきり言わせてもらいますけど、『不思議な絵』の探索…少々危険すぎませんか?」
 
ルーシャ「魔物も多いし、何が起こるかわからない、今回だってもし、リディーやスーに何かあったら…」
 
マティアス「まぁ、確かに…これからの調査は、もっと腕のある錬金術士に任せたほうが…」
 
コウキ「…!」
 
スー「ダメだよ、そんなの!他の人に任せるなんて!」
 
リディー「そうです、絶対にダメ…!私たち、これからも絵の世界の調査を続けたいんです…!」
 
コウキ「二人とも…」
 
マティアス「スーはともかく、リディーがそこまで言うなんて、何か理由があるのか?」
 
リディー「お母さんとの約束を守りたいからです、私たちが『国一番のアトリエ』になるために必要だから」
 
スー「正直、あたしたちはまだまだ未熟だよ、『国一番のアトリエ』なんて、夢のまた夢…」
 
スー「でも、そんなあたしたちでも作れたんだ、絵の中で拾った材料使ったら、すごい道具が…!」
 
リディー「アトリエランクを上げるためにも、私たちには絵の中で拾った材料が必要なんです」
 
リディー「だから、これからも…!私たちに絵の調査をさせてください!お願いします!」
 
フィリス「そっか…不思議な絵の調査は、二人の夢を叶えるのに必要なことなんだね…」
 
フィリス「あの、マティアスさん!わたしからもお願いします!これからはぜひ、二人に絵の調査を…!」
 
コウキ「マティアスさん、俺からもお願いします!」
 
マティアス「わかってるって、あんな話を聞いたら、オレだって悪いようにはしねぇよ」
 
ルーシャ「相変わらず二人は不器用ですね、…なら、絵の調査を続けるとしましょう」
 
ルーシャ「何かあったら、まずわたしを盾にすればいいです。あっ、コウキもですからね!?」
 
コウキ「も、もちろん!俺が三人より年上だし、兄だからな!」
 
ルーシャ「わたしもお姉さんですからね!」
 
スー「あ…!」
 
ルーシャ「こほん。まずはこの世界の調査を済まなければ、二人とも、ライバル対決は一旦棚上げです」
 
ルーシャ「安全にここを調査するために、協力してあの魔物を倒しましょう」
 
マティアス「でもよ、倒すって言ってもどうすりゃいいんだ?動きが速すぎて、オレとコウキの攻撃も当たるかどうか…」
 
フィリス「私の攻撃もね、動きが速すぎて…」
 
リディー「………」
 
フィリス「リディーちゃん、もしかして何か考えがあるの?」
 
リディー「えっ?あっ…はい…でも危ないからあんまりいい考えじゃ…」
 
コウキ「気にしないで言ってみろよ、それが最善かもしれないからさ」
 
リディー「うん…えっとね、まず翼に爆弾をぶつけるの、機動力を削いで、攻撃が当たるようにするために」
 
リディー「でも、一撃目を当てるには隙がいる…それで、その隙を作るためには…囮が…」
 
ルーシャ「ではその役目、わたしが引き受けます」
 
スー「え、いいの!?また凍らされちゃうかもしれないのに…」
 
コウキ「そうだよ、それなら俺が…」
 
ルーシャ「ふふ、どうやらあの魔物はわたしにご熱心のようですからね。それに凍らされる前に倒してしまえばいいだけ、ね?」
 
リディー「…うん!じゃあまずは、あの魔物を見つけないと…」
 
魔物「ギャアアアアアアアアア!!!」
 
コウキ「!?」
 
マティアス「今の…あっちの方から聞こえてきたな」
 
フィリス『…もしかしたら、あっちに魔物の巣があるのかも。みんな、様子を見に行ってみよう」
 
俺達は魔物を倒すためにさらに奥を進んでみる。

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第十八話 水晶の輝窟 後編

ルーシャ「…いました。では、早速作戦を決行しましょう」

リディー「…う、うん。ごくり…」

コウキ「(大丈夫そうか?リディー…)」

フィリス「リディーちゃん、大丈夫?だいぶ緊張してるみたいだけど…」

リディー「だ、大丈夫です…!絶対失敗しないように頑張るんだから…!」

マティアス「ルーシャ嬢も平気か?やっぱり、囮はオレかコウキがやった方がいいんじゃ…」

コウキ「そうだよルーシャ…大丈夫そうか?」

ルーシャ「お気遣いありがとうございます。でも、ここはわたしに任せてください」

マティアス「…わかった。無理はするんじゃねぇぞ」

スー「…じゃあリディー、ルーシャ、よろしくね」

ルーシャが魔物のところに行く。

ルーシャ「おーっほっほっほ!…のろまな魔物さん!こっちをご覧なさい!」

魔物「ギャオオオオオオオ!!!」

魔物がルーシャのほうに攻撃を仕掛けようとする。

リディー「っ!?」

マティアス「かかった!リディー、今だ!」

リディー「あ、あう…身体がすくんじゃって…」

コウキ「このままだと、ルーシャが危ないぞ!」

スー「ちょっと、リディー!?このままじゃルーシャが…!」

魔物「ギャオオオオオオオ!!!」

するとルーシャがリディーに大声で言う。

ルーシャ「リディー!!しっかりしてください!!」

リディー「…!」

ルーシャ「あなたは…あなたたちはわたしを越えて、『国一番のアトリエ』になるんでしょう!」

ルーシャ「だったら…これくらいどうってことない!あなたには絶対、できるはずです!!」

コウキ「(ルーシャ…言うようになったじゃねぇか…!)

リディー「…うん、ありがとう、ルーちゃん!これでも…くらええええ!」

リディーが爆弾を魔物に投げ、翼に当たる。

魔物「グギャアア!?」

俺は剣を抜き、スーは二等拳銃を、マティアスさんは剣、フィリスさんは弓を出し、魔物に攻撃を仕掛けようとする。

マティアス「よし、当たった…!行くぞ!一気に畳みかける!」

コウキ「リディー!武器を出すんだ!」

爆弾を投げ終えたリディーも杖を出し、魔物へと攻撃を仕掛けようとする。

ルーシャ「頑張ってください…!みんな!」

コウキ「光の剣…!」

俺の剣は光だす。

コウキ「喰らえ…って、え?」

スー「コウキ!突進してきてるよ!」

コウキ「なっ!?」

俺は攻撃を避けるようとするが、間に合わず、近くの水晶にぶつかる。

コウキ「かはっ…!」

俺は倒れ、近づいた魔物が俺にとどめをさそうとしている。

コウキ「あ…」

フィリス「危ない!」

フィリスさんが射った矢で魔物の注意を引く。

マティアス「こっちだ!」

スー「援護するよ!」

スーが魔物に射撃する。

リディー「コウちゃん!」

コウキ「リディー…」

リディー「回復魔法をかけるから!待ってて!」

コウキ「ああ…」

スー「おののけ!おののけ!」

マティアス「受けてみろ!」

フィリス「痛かったら、ごめんね!」

コウキ「みんなが戦っている…俺も戦わないと…!」

リディー「回復魔法!」

するとさっきまで体が痛かったのに、すこし楽になった気がする。

コウキ「ありがとう、助かった!行くぞ、リディー!」

リディー「うん!」

俺とリディーも魔物に立ち向かう。

ルーシャ「あれは…!」

マティアス「みんな!危ない!下がってろ!」

魔物が巨大な球体状のようなものを空に出し、そこから氷が降ってくる。

マティアス「守ってみせる!」

マティアスさんがみんなを守ろうとしている。

コウキ「俺だって…!」

俺もマティアスに続き、みんなを守る。

マティアス「くっ!」

コウキ「ぐっ!まだだ…」

攻撃が止んだ。

コウキ「みんな!今だ!」

スー「うん!おののけ!おののけ!」

スーが魔物に射撃する。

フィリス「いくよー!」

魔物「グギャアア!!」

魔物が弱り始める。

コウキ「マティアスさん!」

マティアス「ああ!」

俺の剣が白く光だし、マティアスさんの剣が黄色く光だす。

コウキ「俺の白い光と!」

マティアス「オレの黄色い光は!」

俺の剣とマティアスさんの剣をクロスさせるように合わせる。

コウキ、マティアス「斬れないものなどない!」

コウキ、マティアス「喰らえぇぇぇ!!!」

俺とマティアスさんの放った光の斬撃はXの文字のようなもので魔物の翼を貫いた。

魔物「グギャアアアアア!!!」

コウキ「ふぅ…」

マティアス「ちと、やり過ぎたか…」

魔物は倒れた。

スー「なんとかなったぁ…!これもルーシャが囮になってくれたおかげだね」

ルーシャ「そんなことないですよ。全部、リディーの作戦のおかげです」

マティアス「おやぁ?ルーシャ嬢、ずいぶん素直じゃねぇか。やっぱり、双子に頼ってもらえたのが嬉しかったのか?」

ルーシャ「なっ!?ママママママティアスさん!?それは言わない約束って…!」

マティアス「ははは!…こうゆうのは正直に言った方がいいと思うぜ?」

コウキ「ほう?」

リディー「え…?どうゆうことですか、マティアスさん」

マティアス「ルーシャ嬢に、どうして二人に突っかかるのか聞いたんだよ。そしたらな…くくっ…」

マティアス「『自分の方がお姉さんなのに、双子が自分のことを頼ってくれないから』だって言われてな」

コウキ「へーやるじゃん、ルーシャ、ははは!」

フィリス「ぶふっ!?あは、あははは!ルーシャちゃん、そんなこと考えてたんだ!」

スー「あははははは!かわいー!ルーシャ、かわいー!!」

ルーシャ「う、ううううー!!!違います!誤解です!そんなこと思ってないですっ!!」

ルーシャ「さぁ、調査の続きをしますよ!魔物は倒したんですから!ほらっ!!」

リディー「まったく、ルーちゃんったら、私たち、こんなに頼りにしてるのに、ねー?」

コウキ「ははは…そうだな」

スー「ねー。ま、本人には言わないけど。…ふふっ」

俺達は魔物を倒して絵の調査を続ける。

………

リディー「あ、スーちゃん!これ前に見つけたのと似てるよね」

コウキ「これは…ざわめきの森にいた時のと似てるな…」

スー「本当だ。ただ、前のとは色が違うみたい。これ、なんなんだろうねぇ…」

マティアス「まぁ、これで調査も一段落…ぶぇっくしゅん!そろそろ戻らねぇか?これ以上いたら風邪ひいちまうよ」

コウキ「そうですね、そろそろ戻ってミレイユさんに報告ですね」

フィリス「うん、そうだね。…個人的には、もうちょっと探索していきたいんだけど…」

マティアス「はは、好奇心旺盛なことで…」

ルーシャ「…リディー、スー、わたしたちのライバル関係はこれからも変わりません」

ルーシャ「ただ、幼なじみだし、わたしの方がお姉さんだし…えっと、つまり、そういうことです!」

コウキ「どうゆうことだよ…それ」

スー「うん?どういうこと?はっきり言ってくれないとわかんないなー」

ルーシャ「で、ですから!わたしをもっと頼れと言ってるんです!相談とか何とか…いろいろあるでしょう!」

リディー「あはは、もちろんだよ。これからもいーっぱい頼らせてもらうね、ルーちゃん♪」

ルーシャ「ええ、お姉さんに任せておきなさい!それでは、帰るとしましょう」

コウキ「じゃあ、帰るか、ぶふふ…」

ルーシャ「なっ!?なに笑ってるんですか!もー!」

コウキ「いや?なんでもないよ?くく…」

ルーシャ「こ、こらー!」

フィリス「仲良しさんで、楽しそうだね」

マティアス「そうだな、喧嘩するほど仲がいいんだよ、多分」

俺達は元の世界へと戻った。

………

ミレイユ「お疲れ様、みんな。新しい絵の世界はどうだった?」

ルーシャ「いろいろありましたよ?魔物に凍らされなり、囮になったり…ね」

ミレイユ「え、ええっ!?まぁ、詳しい報告はまた後で…あ、フィリスちゃん。これ、次の試験の要項よ」

フィリス「ありがとうございます、ミレイユさん。次の試験も頑張りますね!」

コウキ「そういえば、フィリスさんって今、何ランクでしたっけ?」

フィリス「あれ、前言ってなかったっけ。わたしは今、Bランクだよ?」

ミレイユ「彼女は公認の錬金術士だもの。実力があって当然でしょ?」

ルーシャ「こ、公認錬金術士ー!?」

フィリス「ん?」

………

古い遺跡にて

???「…さて、噂通りなら、ここにあるはずだが…」

???「くっくっ…これさえあれば…あの方をふたたびこの世に復活…」

???「ん?僕より先に先客がいたか」

???「誰だ!?」

???「それはこっちのセリフだね。君こそ誰だい?あの方を復活とか言っていたが」

???「聞かれたのなら仕方ない、貴様をここで殺す!」

人間の姿だったはずが骸骨の魔物に変わった。

???「へぇ…君は魔物だったのか。君のさっきの目は、かつての僕のような目だったな」

???「貴様は終わりだ!」

???「どうかな?どうやら僕の勝ちのようだ、上を見てみろ」

???「なんだと?」

魔物が上を向くと、無数の剣が既に魔物の体を貫いていた。

???「ぐはぁ!わ、私がやられるとは…すみませぬ…」

魔物は消えた。

???「さようなら、かつての僕に似た魔物さん」

メルサ「ここに!残党の気配が!ってあれ?」

ネスト「ん?どうしたんスか?」

メルサ「気配が消えた?」

ガルド「ん、ここに魔物を倒した痕跡がある…ん?」

???「おやおや、次から次へと…」

ガルド「お前がこの魔物を?」

???「ああ、襲われそうになったからね」

ネスト「君は…?」

???「僕のことなんか関係ない。じゃあ失礼するよ」

見知らぬ人は大きな絵を持って、どこかへといってしまった。

メルサ「さっきの子は残党じゃないね」

ガルド「あの絵…もしかして…」

ネスト「おっさん、なんか知ってるんスか?」

ガルド「不思議な絵というやつだ」

メルサ「不思議な絵?」

ガルド「ああ、絵の中の世界に入れるとか、俺も実際に入ったことがある」

ネスト「絵の中に!?」

ガルド「さっきの若造が倒した、あの魔物…あれを狙ってた?」

メルサ「んーとりあいず、さっきの子に話を聞いてみることにしよっか」

ネスト「痕跡も拾っておこう…これは骨…?」

ガルド「奴らは骸骨の魔物だ。人間に化けてると思うがな」

メルサ「残党達はその不思議な絵を狙ってる?なにか、きっかけがあるのかも…」

ネスト「復活の儀式に必要とか…?」

ガルド「その可能性は十分にある。急ぐぞお前ら」

ネスト「はいよ!」

メルサ「………」

ネスト「ん?メルサ?どうしたんスか?」

メルサ「ん?なんでもないよ!さぁ、帰ろ帰ろ」

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第十九話 商人コルネリアと狩人リアーネ

俺は町を歩いていた。

コウキ「ふぅ…」

ゴロゴロ

コウキ「雷か?」

ザァァァァ

コウキ「げっ!?雨!?」

俺は近くのところで雨宿りした。

???「あのー」

コウキ「はい?」

???「そんなところにいないで、こっちにくるです。風邪を引きますよ」

コウキ「すみません、お邪魔します…」

???「最近、雷が多いですね」

コウキ「そうですね…」

???「雨が降ってしまうと、商売に影響が…はやく止んでほしいです…」

コウキ「俺のとこも雨が降ると全然お客さん来ないんですよね…」

???「そちらのお店は?」

コウキ「本屋ですよ。まぁ母さんが店主ですけど、たまに店番を任せられますけど… 」

???「本屋ですか…ふふっ、 私にとっては懐かしく思えます」

コウキ「そうなんですか?そういえば、えっと… 」

???「私はコルネリアです。ここで商会を開いています」

コウキ「俺はコウキです。てか商人!?でもまだちいさい子が店なんて…あ」

コルネリア「これでもしっかりと成人してるのですが…」

コウキ「あ、ごめんなさい!つい…」

コルネリア「よく間違われますので大丈夫です」

コウキ「そうなんですか…って、ん?」

雨がもう止んでいた。

コルネリア「止みましたね」

コウキ「そうみたいですね」

………

コウキ「あの、ありがとうございました」

コルネリア「コウキさん」

コウキ「なんでしょう?」

コルネリア「次はここで何か買っていってくださいね?」

コウキ「はい!次はちゃんとお金持ってきてここに来ますね!では!」

コルネリア「さて…お仕事に戻りますか」

………

王城にて

ガルド「ってわけだ、ミレイユの嬢さん」

ミレイユ「話はわかりましたけど、その二人を?」

メルサ「えっと、ダメでしょうか?」

ネスト「お願いできますでしょうか…」

ミレイユ「ま、絵の調査をするなら、人は多いほうがいいからね…」

メルサ「ありがとうございます!」

ネスト「感謝します」

ガルド「よし、じゃあ行くぞお前ら」

ミレイユ「あ、帰ったらちゃんと報告してね?」

ガルド「ああ、わかってるぜ」

三人は画廊に行った。

マティアス「姉貴、いいのか?」

ミレイユ「まぁ、いいでしょう、ガルドさんがいるしね…」

マティアス「それだけの理由かよ!」

マティアス「しかし、さっきの黒い帽子被った子可愛かったなぁ…」

ミレイユ「早く配置に戻れ」

マティアス「うーす…」

………

コウキ「ただいまー」

サリア「おかえりなさい」

コウキ「母さん、情報はつかんだの?」

サリア「今わかってるのは、昨日ガルドさん達がある遺跡に行ったところ、見知らぬ人と骨の痕跡…」

コウキ「見知らぬ人?」

サリア「ええ、なにも、遺跡にあった大きな絵を持っていったとか」

コウキ「大きな絵?」

サリア「そうよ、そして骨の痕跡…残党達は骸骨の魔物である可能性があるわね」

コウキ「が、骸骨!?」

サリア「そうよ。メルサの残党探し魔法?とかでわかるそうよ」

コウキ「そうなの!?メルサさんもう何でもできちゃうんじゃ…」

サリア「さぁね?」

サリア「骸骨の魔物はこの地方ではあまりいないほうだし、人間に化けてる可能性があるわね」

コウキ「奴らは化けることもできるの!?」

サリア「そうよ、だからあんたも気をつけなさいよ」

コウキ「お、おう…」

お客「これお願いします」

サリア「はーい、680コールになります」

コウキ「リディー達のところに行ってみるか…」

………

コウキ「入るぞー」

フィリス「あ、コウキ君!」

コウキ「フィリスさん?」

フィリス「今、雷にまつわる昔話をしてたんだよ」

コウキ「雷?あのファルギオルのことですか?」

スー「そうそう、それだよ」

フィリス「ふむふむ、じゃあ私はそろそろ帰ろうかな」

フィリスさんはリディー達のアトリエを出る。

コウキ「なんで、雷神のことを?」

リディー「うーん、わかんない」

スー「なんか最近、雷多いと思わない?」

コウキ「まぁ、そうだなぁ…雷神ねぇ…」

リディー「そういえば、コウちゃんなにしに来たの?」

スー「またあんなことするなら許さないよ?」

コウキ「いやいや!あれは俺自身がしたことじゃなく…」

スー「まぁどうだっていいけど、アタシ達、今から王城でミレイユさんから試験要項をね」

コウキ「じゃあ俺は門の前で待ってるから、なんかあったら呼んでくれよ」

リディー「うん!」

スー「じゃあ、行ってくるね」

コウキ「おう」

………

俺は門の前に着いた。

コウキ「前から気になってたけど、あのお店は一体…」

俺は店の前に近づく。

コウキ「(ラブリーフィリス…?)」

???「いらっしゃい、見ていってね」

コウキ「あの、ラブリーフィリスって、フィリスさんのことですか?」

???「ん?フィリスちゃんのことを知ってるの?」

コウキ「あ、えーと、フィリスさんは俺の友達で…」

???「ふーん…」

コウキ「えーと…」

???「私はフィリスちゃんの姉のリアーネよ」

コウキ「フィリスさんの?」

リアーネ「ええ、狩人をしてるわ」

コウキ「狩人ですか…」

リアーネ「そういえば、あなたの名前聞いてなかったわね」

コウキ「俺はコウキです」

リアーネ「コウキ君ね。ここは私が獲った獲物などを販売してるわ」

コウキ「美味しそうなお肉ですね…」

リアーネ「どれも新鮮よ」

コウキ「じゃあこれ買います!」

リアーネ「安くしといてあげるわ」

コウキ「ありがとうございます!」

フィリス「あ、コウキ君だ!また会ったねー」

コウキ「フィリスさん?」

リアーネ「フィリスちゃん!コウキ君とはどんな関係なの!?」

フィリス「ええ!?どんな関係って…友達だけど?」

リアーネ「よかったわ…恋人同士だったら、どうしようかと…」

コウキ「え、リアーネさん…?」

フィリス「コウキ君、ごめんね?リア姉ったら変なこと言って…」

コウキ「あ、いえいえ…大丈夫です」

フィリス「ん?くんくん…コウキ君!その持ってるお肉は…!」

フィリスさんが俺の今手に持ってる物に近づき、鼻をかんできた。犬みたいに。

コウキ「え?これですか?」

フィリス「うんうん!それ美味しそうだなぁ…じゅるり…」

コウキ「あはは…食べます?」

フィリス「いいの!?じゃあ、私のアトリエに来てー!」

コウキ「はーい」

リアーネ「コウキくーん?」

コウキ「ん?なんでしょうか、リアーネさん」

リアーネ「私もご一緒にいいかしら…?」

コウキ「あ、はい…いいですけど…」

フィリス「コウキくーん?はやくー」

コウキ「はーい、リアーネさん、行きましょう」

リアーネ「ええ」

………

コウキ「わぁ…ここがフィリスさんのアトリエ…」

フィリス「凄いでしょー?錬金術で空間をね!」

コウキ「空間を…!?錬金術って凄いなぁ… 」

リアーネ「むう…」

コウキ「えっと…リアーネさん?どうしてそんなに俺をそんなに見つめて…」

するとリアーネさんが俺に近づき、小声で言う。

リアーネ「私のフィリスちゃんは渡さないわよー?」

コウキ「いや…そんなことは…」

フィリス「ちょっと、二人ともー?何話してるのー?」

リアーネ「ふふ、何でもないわよー?」

コウキ「はぁ…」

フィリス「ねぇねぇ!リア姉!これ料理して!」

リアーネ「これコウキ君がさっき買ったやつだけど…いいの?」

コウキ「大丈夫ですよ!」

リアーネ「わかったわ。じゃあしばらく待ってね」

フィリス「はーい!」

コウキ「はい!」

コウキ「にしても、フィリスさんに姉がいたとは…」

フィリス「リア姉はいつも優しくて頼りになるんだけど…ちょっとね…」

コウキ「あーうん…そうですね…あはは…」

………

リアーネ「できたわよ」

フィリス「わぁ、美味しそう!いっただきまーす!」

コウキ「いただきます…」

リアーネ「いただきます」

リアーネ「そういえばコウキ君は旅の人かしら?」

コウキ「俺は剣士です」

リアーネ「そうなのね。フィリスちゃん、不思議な絵の世界ってどんなとこだったの?」

フィリス「あそこは凄かったよー?見たことない材料もあってねー」

………

フィリス「美味しかった…」

コウキ「リアーネさんのお料理美味しかったです」

リアーネ「ありがとね。料理は得意なのよ」

ガチャ

スー「お邪魔しま…ってあー!三人だけで美味しいもの食べてたんですかー!?」

リディー「ちょっと、スーちゃん…」

リアーネ「あら、スーちゃんにリディーちゃんじゃない。ごめんね?今度また作ってあげるから…」

スー「わっかりましたー!楽しみにしてまーす!」

リディー「あはは…リアーネさん、ありがとうございます… 」

コウキ「てかどうしたの?」

スー「どうしたもなにも、コウキが門の前にいなかったもん」

コウキ「あ…」

リディー「ミレイユさんから試験課題を頼まれてね。それでコウちゃんが門の前にいなかったからね」

コウキ「あーごめんな…」

スー「じゃあ、マティアスも門の前に待ってるし、行ってみようー!」

フィリス「あ、待って!私もすぐ準備するから!」

リアーネ「フィリスちゃん、私も行っていいかしら?」

フィリス「うん!いざ、しゅっぱーつ!」

………

マティアス「お、来たな。って、ん!?」

リアーネ「ん?」

マティアス「そこの綺麗な人は…!」

リアーネ「ふふっ、ありがとうございます。でも、何もでませんよ?」

フィリス「あ、紹介しますね。私の姉のリア姉です」

マティアス「リアーネさんか!オレはマティアス。どうかな?この仕事が終わったら一緒に食事…」

スー「はいはい、ほら行くぞ。無職王」

スーがマティアスさんの耳を引っ張って門を出る。

マティアス「いでで!?って、無職王!?」

リアーネ「変わった人ね…」

コウキ「あはは…俺も行きますかね…」

リディー「スーちゃん!待ってよ!」

フィリス「賑やかで楽しいなぁ…ねぇ、リア姉」

リアーネ「なにかしら?フィリスちゃん」

フィリス「昔を思い出さない?こうゆうの」

リアーネ「そうね…皆は今なにをしてるのかしらね…」

フィリス「きっと皆元気だよ。じゃあ私達も行こう!」

リアーネ「ええ、行きましょうか」

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第二十話 謎の人物

俺達は雷の測定器?を設置するため。
ある荒野、ブライズヴェストを歩いていた。

コウキ「ちょっと暑いな…」

リディー「あ、飲み物あるよ?」

コウキ「お、助かる」

俺は水を飲んだ。

コウキ「ぶはぁ…助かったわ」

リディー「目的地が暑いところだからね、念のため、お水を持ってきたんだよ」

コウキ「おう」

するとスーがリディーの耳元で何かを喋りだす。

スー「おや?リディーさん?飲みかけのそれは、どうするのですかぁ?」

リディー「え?なんもしないよ!?」

スー「ほら、まだ残ってるよ?コウキの飲みかけだよ?ほら、リディーがそれを飲んだら間接キス…」

リディー「ふぇ!?」

コウキ「二人とも、何ヒソヒソ話してるんだ?」

スー「なんでもないですよー!」

リディー「スーちゃんってば…もう…今日はもうご飯抜きね。ふん!」

スー「え!?ちょっとリディー!?待ってよ!」

マティアス「一体、何があったし…」

コウキ「そうですね…」

リアーネ「フィリスちゃんも、お水飲む?」

フィリス「あーほんと!?ちょうだーい!」

リアーネ「フィリスちゃんがお水を飲んでる姿も可愛いわね…うふふ…」

コウキ「(もうわかんねぇなこれ…)」

………

コウキ「なぁ、雷の測定器ってどこに置くんだ?」

リディー「この辺に装置を置けばいいんだけど…どこがいいんだろう…」

スー「そうだねぇ…装置を置く場所…装置を置く場所…」

???「どこでもいいんじゃないかな?それによって何かが変わるとは思えないし」

いきなり声を掛けられた。

リディー「えっ…えっと…どなたですか?」

???「僕が誰かなんてささいな問題だよ。…リュンヌ通りのリディーとスー」

スー「えっ…あたしたちのこと、知ってるの…?」

???「あれだけ噂になっていれば、そりゃあね。君たちとはぜひ一度会ってみたいと思ってたんだ」

???「…なるほど、いい目をしている。野心と希望に満ちた、素晴らしい目だ」

スー「は、はぁ…」

???「あ、最後にひとつだけ。未来には変えられるものと、そうでないものがある」

???「変えられない未来のためにあれこれもがくのはやめるんだね。それじゃあ」

リディー「行っちゃった…なんだったんだろ、あの人…」

スー「さぁ?未来がどーたら言ってたし、占い師じゃない?それより、早く装置を置いちゃおうよ」

リディー「あっ、そうだね。忘れちゃったら困るもんね…」

………

リディー「よし、設置完了!これで課題も無事終わり!」

コウキ「これだけでランクが上がるのか…」

マティアス「んじゃあ、姉貴のとこに帰るか」

スー「うん。ミレイユさんに報告に行こう。…また反応に困るダジャレ、言われないといいけど」

コウキ「ダジャレ?」

リディー「あ、コウちゃんは気にしなくていいよ…」

コウキ「へ?」

フィリス「うーん…」

リアーネ「どうしたの?フィリスちゃん」

フィリス「さっきの人、どこかで会ったことがあるような…気のせいかな…」

リアーネ「あら?フィリスちゃんもそう思う?実は私もなのよ…どこで会ったかしら…」

スー「おーい、早く戻りましょうー?」

フィリス「あ、はーい!」

リアーネ「ふふ、はーい」

………

フィリス「またね!リディーちゃんにスーちゃん!」

リアーネ「ふふっ、またね」

フィリスさんとリアーネさんは帰っていった。

スー「はーい!じゃあリディー行こっか」

リディー「うん」

マティアス「じゃあ、姉貴のとこに行きますかね…」

コウキ「そういえば、マティアスさんって、スーに無職王って言われてましたが…王族か何かなんですか?」

スー「あーうん。マティアスってメルヴェイユの王子なんだって」

コウキ「ええ!?そうだったんですか!?マティアス様!」

マティアス「っておいおい、様なんていいぞ?コウキとはいい仲だろ?」

コウキ「そうですね…」

マティアス「だから様付けなんていいのさ。これまで通り、カッコいい、マティアスさんとでも呼んでくれよ」

スー「カッコいいは余計でしょ!」

コウキ「マティアスさんが王子なら、ミレイユさんは王女ですよね?」

マティアス「ああ、姉貴もだぜ」

コウキ「わーお…なんで俺、今さら知ったんだろ…」

リディー「あはは…じゃあ、ミレイユさんのとこに行こっか」

スー「そうだね、課題も終わらせたし、行こうか」

………

ミレイユ「はい、双子ちゃんはEランクに昇級よ!おめでとう!」

リディー「ありがとうございます、ミレイユさん!…それでなんですけど!」

スー「今度の不思議な絵はどんなのなんですか!?あたし、すごくワクワクしちゃって!」

ミレイユ「あー、えっと、それなんだけどぉ…新しい絵、まだ手に入ってないのよねぇ…」

スー「えええええ!?そんなっ、約束したのにー!ダメなんだすよ、約束破っちゃー!」

マティアス「あー、新しい絵には目星がついてるんだ。ただ、交渉がこじれててな…」

ミレイユ「というわけだから…ごめんね、双子ちゃん。もうちょっと待っててくれる?」

リディー「わかりました…わがまま言っちゃいけませんもんね、我慢します…」

ミレイユ「うっ、良心が痛む…」

コウキ「まぁ、今回は仕方ないですよね…」

マティアス「そうだ!リディー、スー。たまには自分たちで絵を探がしてみないか?」

スー「自分たちで…?マティアス、どういうこと?」

マティアス「ああ、噂で聞いたんだが…最近誰かが都に、大きな絵を持ち込んだらしいんだ」

マティアス「なんでも、その絵の中には世界が広がってるとか、…つまり、不思議な絵の可能性がある

リディー「なるほど…じゃあ。絵を持ってる人に直接交渉してみれば…」

ミレイユ「不思議な絵が手に入るかも、っていうわけ。どう?やってみない?」

スー「くふふ、その話乗りました!」

ミレイユ「わかったわ、それじゃあよろしくね。こっちの交渉も頑張るから。…マティアスが」

マティアス「ええっ、オレぇ!?」

………

リディー「さてと、まずは絵を持ってる人を探さなきゃね」

コウキ「噂話に詳しい人って、いるかな…」

スー「まず、いろんな人に話を聞いてみようか」

コウキ「よし、じゃあここは手分けして話を聞いてみようぜ?」

リディー「うん、それいいかも!」

スー「わかったことがあったら、ここに集合することにしよ? 」

コウキ「おう、わかった!」

………

ガルド「戻ったぜ、ミレイユの嬢さん」

マティアス「お、ガルドさんじゃねーか」

ミレイユ「あら、ガルドさんじゃない。どうだった?」

ガルド「特になにもなかったな。絵の中に人がいたくらいだが…」

マティアス「人?」

ネスト「はい、その子は絵の中で暮らしてる。とか言ってましたが…」

メルサ「可愛い子だったよねー!」

ネスト「突っ込むとこそこかよ…」

ミレイユ「絵の中で暮らしてる?」

マティアス「絵の中で生きてる人ってことか?」

ガルド「そうゆうことだな」

ネスト「ミレイユさん、まだ他の絵はあったりします?」

ミレイユ「まだあるわよ?水晶の輝窟っていうやつだけど」

メルサ「えーと、今から行く感じ?」

ガルド「いや、明日行くぞ」

ネスト「ミレイユさん、すいません…オレ達が不思議な絵に行ったことは、秘密ってことにしときますので…では」

三人は王城を出た。

ミレイユ「一体なんの目的なんでしょうね…」

マティアス「姉貴、それ聞いてなかったのか?」

ミレイユ「ええ」

マティアス「それで行かせたのかよ…」

マティアス「それよりあの子とお話してみたいなぁ…」

ミレイユ「やめときなさい。どうせまたフラれるから」

マティアス「まだわからないんだぞー!?」

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第二十一話 暗い森に暮らす少女

これは二十話の、悪の神の残党達が不思議な絵を狙っているとされる、その手掛かりを探すため、不思議な絵、ざわめきの森にやってきた、ガルド、ネスト、メルサ達の話。

ガルド「メルサー!どんな感じだ?」

メルサ「ふーむ。空からどこをどう見ても…ずっと森だね」

ネスト「なんか不気味な笑い声が聞こえるんすけど…」

ガルド「そうだな。お化けがどこからか俺達を見てるんだと思うぜ」

メルサ「え?お化け!?早く会いたい!」

ガルド「会いたいのかよ…」

ネスト「お化けか…オレはちょっと怖いすっね…」

ガルド「(そういえば、あの看板…)」

ガルドは前ここに来た時を思い出した。
またお化け達に呪われて、墓に行って聖水をかけなくちゃいけないことを…

………

メルサ「ん?あの子は…」

前を見ると、黒いフードを着て、左目に黒い眼帯をつけている女の子がいた。

ガルド「ん?」

ネスト「オレたち意外にも、ここに来てる人がいたんすね」

???「あなたたちは…?」

ガルド「俺らはこの絵の中に入って調査をしてる者だ。お嬢さんもかい?」

???「絵の中…?私はここでずっと暮らしてる…」

ネスト「暮らしてる?」

ガルド「(ふむ…不思議な絵の世界で住む人ってわけか…)」

???「はい…お兄さん達は…?」

ガルド「俺はガルドだ」

ネスト「オレはネストっす」

メルサ「あたしはメルサだよ!君は?」

???「あ、申し遅れました…私はヒナです」

メルサ「ヒナちゃんかー!可愛い!」

メルサがヒナに抱きつく。

ヒナ「あう…メルサさん…!?」

ネスト「こら、メルサ…ヒナちゃん困ってるっすよ…」

メルサ「あ…ごめんね?ヒナちゃんがお人形さんみたいで可愛くて…」

ヒナ「えーと…ありがとうございます…?」

ガルド「それでヒナお嬢ちゃんはここで何を?」

ヒナ「お化けさんたちと話をしてました」

ネスト「え?お化けいないっすけど…?」

ヒナ「でておいでー」

するとお化けの魔物が姿を現す。

お化け「ヒナ様!この人たちは…」

ヒナ「ふふっ、大丈夫だよ。この人たちからは悪い感じはしないから」

お化け「だといいのですが…じゃあ僕は仲間達のところに戻ります!」

お化けが姿を消す。

メルサ「ヒナちゃん!お化けちゃんと普通に会話してたの?すごーい!」

ヒナ「あの子たちは私にとっては可愛い家族ですから」

ネスト「様って呼ばれてたけど、ヒナちゃんは一体…」

ヒナ「気づいたらお化けさんたちにそう呼ばれてました…」

ガルド「悪い感じはしなかったと言ってたが…わかるのか?」

ヒナ「はい。私はある力があって…心の中で思っていること、過去に何をしてきたのか、それをわかる能力があるんです」

メルサ「心を読めるってこと?」

ヒナ「そうゆうことですね…」

ネスト「え…じゃあ今オレ達が思ってることも!?」

ヒナ「はい…さっき会った時のことも…」

ネスト「んえぇ!?」

ヒナ「ごめんなさい…」

ネスト「いや!大丈夫っすよ!?そんなに悲しい顔しないで!」

メルサ「えっと、あたしたちを見た感じ、悪い人じゃないってことかな?」

ヒナ「はい…ガルドさん、ネストさん、メルサさんは悪い人じゃない…です」

ガルド「過去か…」

ネスト「おっさん…」

ガルド「………」

メルサ「話題を変えよう!ヒナちゃん。あたしたちがここに来た目的なんだけど…」

ヒナ「えーと、残党達が狙っている手掛かりを探してる…ですよね?」

メルサ「そうそう!ヒナちゃんはここのこと、なにかわかる?」

ヒナ「うーん…ここには何もないと思うのですが…」

ガルド「やはり、奴らを尋問してみるしか…」

ネスト「それ危なくないすか?」

ガルド「まぁ、そうだが…」

メルサ「ふーむ…どうして不思議な絵を狙ってるんだろ…」

ヒナ「皆さんにとっては、ここが不思議な絵の世界?なんですよね?」

ガルド「そうゆうことになるな。お嬢さんにとってはここが元の世界なんだよな?」

ヒナ「そうゆうことになります…」

メルサ「ねーね、ヒナちゃん」

ヒナ「この左目のこと…ですか…?」

メルサ「あーうん…」

ヒナ「これはですね…この目を見てしまった者は…死んでしまうんです…」

メルサ「それって…」

ヒナ「はい…私は簡単に殺せてしまうんです…なにもかも壊す…大量殺人鬼…」

ヒナ「あの…ごめんなさい…!」

ネスト「ヒナちゃん!そんな力があっても…オレたちは君のことをなんとも思わないさ…!本当っすよ?だって…」

ヒナ「え…?」

メルサ「もう友達でしょ?あたしたち!」

ヒナ「…!」

ガルド「ああ、そうだ。大量殺人鬼とかそんか悲しいこと言うな」

メルサ「うんうん。ヒナちゃんは偉いよ、その事…ほんとは言いたくなかったんでしょ?」

メルサがヒナを優しく抱き締める。

ヒナ「メルサさん…?」

メルサ「あたしもね…ヒナちゃんと似てるから…わかるんだ…そういうの…」

ヒナ「…!」

………

『魔女の子だ!あの赤い目を見たら呪われるぞ!』

『逃げろー!近づいたら死ぬぞー!』

『………』

『もうやだ…こんなの…どうして?魔女の血を引く者は…みんなから恐れられる運命なの…?』

『こんなことになるなら…生まれてこなきゃよかった…あたしなんて死んだほうがいい…』

『ごめんなさい…お母様…お父様…』

………

ヒナ「………!」

メルサ「もう大丈夫…ヒナちゃんを一人になんかさせないから…」

ヒナ「ひっく…ぐす…」

メルサ「うんうん…泣きたい時は…泣いてもいいからね…?」

ヒナ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

メルサ「(あたし、サリアにこんなことされたっけ…今度は…あたしがこの子に…)」

メルサ「よしよし…」

ネスト「二人きりにさせときますか。おっさん…」

ガルド「そうだな…」

二人はメルサとヒナを二人きりにし、その場を去る。

………

メルサ「もう大丈夫?」

ヒナ「はい…」

メルサ「そう?よかったぁ!ヒナちゃーん。動かないでね?」

ヒナ「…?わかりました」

メルサはヒナの被っていたフードを外す。

メルサ「金髪だったのかー!ヒナちゃーん?」

ヒナ「ふぁ!?」

メルサ「髪の毛さらさらでいい匂いするー!ヒナちゃんほんと可愛いよ!あはは!」

ヒナ「もう…メルサさんってば…」

メルサ「ふふーん!ヒナちゃーん?あたしはまだ満足してないぞー?」

ヒナ「え?メルサさん!?」

………

メルサ「はい!ツインテールヒナちゃん!」

ネスト「メルサ!?なにしてんすか!?」

メルサ「だって、ヒナちゃんほんとうに可愛いんだもん!」

ヒナ「なんか…恥ずかしいです…」

ガルド「もう大丈夫そうだな。よかったぜ。…それでお嬢ちゃん。俺はな、前ここに仲間達と一緒に来たんだが…その事は知ってるか?」

ヒナ「知ってますよ?あの時は姿を隠して…ずっとあとをつけてました…」

ガルド「そうか…そんときはすまなかった。お化け達を倒してしまって…」

ヒナ「大丈夫ですよ。ちゃんと墓に聖水をかけてくれましたし、お化けさんたちはきっと喜んでます」

ガルド「あの看板はお嬢ちゃんが書いたのか?」

ヒナ「あれはお化けさんたちが書いたんですよ」

ガルド「そ、そうか…」

ネスト「さて、そろそろ帰ります?」

メルサ「あたし、ヒナちゃんと話してるから二人は帰ってていいよ?」

ガルド「メルサ、お前、目的のこと忘れてないよな?」

メルサ「あ…忘れてないよ?」

ネスト「(思いっきり忘れてたな…こいつ…)」

ヒナ「あはは…」

ガルド「(笑うようになったか…よかったぜ…)」

ヒナ「ふふ…メルサさん、今はそれが優先です。私のほうからもいろいろと調べておきますから」

メルサ「うん…!ヒナちゃん!またここに来るからね!」

ヒナ『はい、待ってますよ」

ガルド「そうだ、お嬢ちゃん、これを」

ガルドはお守りをヒナに渡した。

ヒナ「これは…」

ガルド「これはお守りだ。持っててくれるか?」

ヒナ「もちろんです…」

ガルド「おう!じゃあ戻るぞお前ら」

ネスト「了解っす!」

メルサ「じゃあね!ヒナちゃん!」

ガルド「またここに来るからな?待ってろよ?」

ヒナ「はい!待ってまーす…!」

3人は元の世界に帰った。

ヒナ「ふふ…あんなこと言われたの、あの人達が初めて…嬉しい…えへへ…!」

少女はその場から姿を消した。

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第二十二話 三つ目の不思議な絵へ

俺は不思議な絵を持ち込んだ人の噂話を聞くために、教会に来ていた。

コウキ「シスター!いますかー?」

コウキ「あれ、いない?」

???「グレースさんなら~今は留守よ?買い物に行ってるからね~」

コウキ「ぱ、パメラさん!?」

パメラ「あら~?コウキ君じゃないのぉ~!」

コウキ「なんでパメラさんがここに!?」

パメラ「えっとぉ…話すと長くなるんだけどぉ…いい?」

コウキ「は、はい…」

………

パメラ「ってことなのよぉ…」

コウキ「え?乗る馬車を間違えた…?」

パメラ「そうなのよぉ~だからまたお金をね…」

コウキ「は、はぁ…」

パメラ「しかし、コウキ君大きくなったわねぇ~あの時リディーちゃんとスーちゃんみたいに、こんくらい小さかったのに~」

コウキ「いや…そんな虫くらいに小さかったですっけ?俺…」
パメラ「それで~今日はどうしたのかしら?」

コウキ「えっと、それはですね…」

………

パメラ「大きな絵を持っていった人~?」

コウキ「はい、何か知ってますか?」

パメラ「う~ん…ごめんねぇ~わたしはわからないわ~」

コウキ「そうですか…じゃあそろそろ俺は帰りますね」

パメラ「じゃあねぇ~コウキ君」

コウキ「はいー」

………

王城前広場にて

コウキ「あれ?もういる!?」

リディー「あ、コウちゃん!」

スール「あたしたちも今着いたばっかだよー」

コウキ「すまん。こっちは情報得られなかったんだけど…」

スール「あたしはルーシャのとこ行ったけど、特になにもなかったよ」

リディー「私はリアーネさんのとこに話を聞いたら、その人はソレイユ通りにアトリエを構えてるって…ちなみに名前はアルトって言うらしいよ?」

コウキ「なんでリアーネさんそんなに詳しいんだろう…」

スール「じゃあ、ソレイユ通りでアルトのアトリエを探してみよう!」

リディー「うん!…そういえば、アルトってどこかで聞いたような…うーん、どこだっけ…」

コウキ「…?」

………

俺達はソレイユ通りを歩いていた。

リディー「ん…?」

スール「リディー、どうかした?まさか…絵の声が聴こえたとか!?」

コウキ「地下室のときも聴こえてたよな?」

リディー「…あはは、そうみたい…えっと、こっちの方から聴こえたような…」

スール「ふむふむ、ここだね。絵の声が聴こえたってことは、ここに不思議な絵があるのは間違えない…!」

スール「よし。…たのもーっ!」

コウキ「大丈夫かな…」

リディー「あはは…」

ガチャ

???「…ん?なんだ、君たちか。いつも元気でうらやましいよ、ははは」

コウキ「あれ?あのときの!」

スール「まさか、あなたがアルト…さん?」

???「うん?どこで聞いてきたんだ?…まぁいいか。君の言うとおり、ぼくがアルトだ」

アルト「それで…ぼくに何か用かな?」

リディー「あ、えっと、アルトさんが大きな絵を見つけてきたって聞いて…」

アルト「ああ、これのことか。さすがに運ぶのが大変だったよ」

スール「ねぇねぇ、アルトさん。この絵、あたしたちに譲ってくれませんか?」

スール「実はこれ、呪われた絵でですね。持ってると崇られてしまうっていう恐ろしい…」

コウキ「(さすがスー、嘘つくの上手すぎだろ!)」

アルト「ああ、譲るよ」

コウキ「そうですか…譲ってくれるんだ…って、ええ!?」

スール「いいの!?本当に!?冗談じゃなくて!?」

リディー「どうしてスーちゃんとコウちゃんが驚いてるの…?」

スール「だ、だって普通、こんな簡単に譲らないでしょ!あたしなら譲らないもん!」

コウキ「俺もだよ?こんな高そうなやつ、売ったらいい金に…」

リディー「それはダメ」

コウキ「ア、ハイ」

スール「コウキってば…どうせお金が欲しいんでしょー?」

コウキ「スーには言われたくないんだけどぉ!?」

アルト「ふっ、正直だね。もちろん、ぼくもタダで譲ったりしないさ」

アルト「絵を譲る条件はひとつ。…ぼくを絵の調査に同行させてくれ」

スール「…絵の調査?さて、何のことですかねー…」

アルト「しらばっくれても無駄さ、不思議な絵のことも、君たちが絵の調査をしていることもぼくは知っている」

アルト「君たちが今度、ぼくを調査に連れて行ってくれるなら、この絵を譲ろうじゃないか。どうかな?」

スール「…わかりました。それでいいです。別に、不利なことはないと思うし」

アルト「ふふ、助かるよ。この絵を修復するのは面倒だし、いろんな絵の世界に行ってみたかったんだ」

アルト「では、この絵はぼくが王城に届けておこう。それじゃあ…」

バタン

リディー「あはは、よかったね。結構あっさり譲ってもらえて」

コウキ「それにあの人実力はありそうだし、一緒にいてくれたら絵の調査も楽になるんじゃないか?」

スール「そうだね。じゃあ、修復の準備を進めなきゃ!」

リディー「うん!」

………

王城の画廊にて

アルト「来たね。これがぼくが見つけた絵、『アルフェル大瀑布』だ」

ミレイユ「まさか絵を見つけたのがアルトくんだったなんて、早く言ってくれればよかったのに…」

アルト「はは、その義務はありませんから。さて、二人とも。早速絵の修復を進めてくれ」

アルト「ぼくは修復が終わるまで、ここで待たせてもらおう。ふふ、よろしく頼んだよ」

リディー「はい。わかりました!」

スール「じゃあリディー、急いで修復するよ!」

スール「あ、コウキはみんなを呼んどいて?」

コウキ「わかった」

………

ガルド「お、コウキか。王城に用があったのか?」

コウキ「師匠!新しい不思議な絵が手に入ったんですけど、師匠も行きませんか?手掛かりがあるかもしれないので…」

ガルド「新しい絵?もしかして、誰かが持ち込んだやつか?」

コウキ「持ち込んだらしいですよ?名前はアルトさんっていう人です」

ガルド「やはりか。そいつとちょっと話がしたくてな、どこにいるかわかるか?」

コウキ「王城の画廊にいますよ?」

ガルド「おう。わかった」

コウキ「(話…?アルトさんのこと何か知ってるのかな…)」

………

ガルド「ミレイユの嬢さん」

ミレイユ「あら、ガルドさん?」

ガルド「いきなりで悪いんだが…新しい不思議な絵、手に入ったんだろ?行かせてくれてもいいか?」

ミレイユ「それは構いませんが…」

ガルド「修復は終わってるのか?」

ミレイユ「今双子ちゃん達が修復の準備をしてるわ」

ガルド「そうか。画廊に行って待ってるか…」

ミレイユ「ええ、わかったわ」

マティアス「そういえばガルドさん、あの可愛い子は?」

ガルド「可愛い子?」

マティアス「そうだよ。紫髪で黒い帽子を被った子だよ!」

ガルド「ああ…メルサのことか?なんだ?惚れたのか?」

マティアス「そうだ!綺麗で美人だったからな!」

ガルド「お前はあいつのことそう思ってくれるんだな。でもあいつは35歳だぞ?」

マティアス「35歳!?てっきり俺と同じくらいかと…」

ミレイユ「そう思ってくれるとはどうゆう…」

ガルド「いや、何でもないさ。じゃあな」

ガルドは画廊へと向かう。

ミレイユ「…?」

マティアス「だが!35歳でも諦めないぞぉ!」

ミレイユ「はいはい。さっさと行け」

マティアス「おうよ!」

………

ガルド「お前さんがアルトか?」

アルト「ん?君は…」

ガルド「俺はガルドだ。お前さんの名前はコウキと言う奴から聞いた」

アルト「コウキね。ふむ…何か聞きたそうな顔をしているね」

ガルド「あの時のことだ。お前さんを襲おうとした骸骨の魔物は何か言っていなかったか?」

アルト「『これがあればあの方を復活』…とか言っていたね」

ガルド「…!」

アルト「それを聞いてしまってね。そしたら人間だった姿が魔物に変わり…ぼくを襲おうとした…これが君の知りたかった事実だ」

ガルド「そうか。感謝する」

アルト「君も絵の調査に?」

ガルド「ああ。俺は傭兵であって、あの双子の護衛の仕事を頼まれているからな」

アルト「これからはぼくも同行するよ。よろしく」

ガルド「ああ」

………

スール「アルトさーん。修復の道具作り終わりま…って、ガルドさん!?」

ガルド「前回はすまんな。護衛についていけなくて」

リディー「大丈夫ですよ!コウちゃんとマティアスさんがいましたし」

ガルド「コウキ、やるじゃねぇか」

コウキ「あはは…でも師匠がいてくれたら俺も心強いです」

ガルド「ああ、任せときな」

ルーシャ「またいつものメンバーに戻ってよかったです」

マティアス「あれ?オレは褒められないのか?」

フィリス「あ、この間の!」

ガルド「ん?フィリスのお嬢さんじゃねぇか」

コウキ「え、フィリスさん、師匠のこと知ってるんですか?」

フィリス「うん!この前私に依頼してきた人だよ」

ガルド「あの時は助かった。ありがとな」

フィリス「はい!困ったことがあればまたいつでも!」

ガルド「ああ、頼りにしてるぜ」

アルト「さぁ、早く修復を済ませよう」

スール「わっかりましたー!」

フィリス「(あの人…気になる…うーん…)」

………

アルト「へぇ、こんな風に修復するのか、実際に見るのは初めてだな…」

アルト「それは後で資料にまとめるとして…これで絵の中に入れるようになったんだろう?」

リディー「あ、はい!これでバッチリなはずです」

アルト「そうか。なら、一刻も早く絵の世界を見てみたいんだが…」

フィリス「むー…」

アルト「…ど、どうかしたのかい?そんなに見つめられても困るんだけど」

フィリス「うーん…わたしたち、絶対どこかで会ったことあるよね…?」

アルト「いや、気のせいじゃないかな…少なくとも、ぼくには覚えがない」

フィリス「本当にぃ…?むー…あやしい…」

マティアス『こらこら、フィリス嬢、アルトが困ってるだろ、そのへんにしといてやれ」

フィリス「はーい…まぁそのうち思い出すだろうし、いいや、ごめんね?そろそろ出発しよう」

スー「わっかりましたー!では絵の世界へっ!」

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第二十三話 アンフェル大瀑布 前編

俺達は三つ目の不思議な絵『アンフェル大瀑布』の世界に入った。

ルーシャ「あっつーーい!なんなんですか、ここ…いくらなんでも暑すぎますよ…」

アルト「まさか、本当に溶岩に満たされた世界だとは。さすがは絵の世界だね」

リディー「アルトさんは何だか涼しげですね…私なんて、もう今にも倒れそうですけど…」

アルト「ああ、こんなこともあろうかと暑さ対策は万全にしてきてるんだ」

マティアス「なっ!ずるいぞ!その厚さ対策、オレにもよこせ!」

アルト「お断りだね。渡したら、ぼくが暑くなるじゃないか」

ガルド「マティアス、お前も男ならこんな暑さぐらい気合いで耐えろ」

マティアス「男だからなのか!?」

コウキ「アルトさんも男だと思いますが…」

フィリス「あははは、ねぇ、そろそろ先に進まない…?」

リディー「そうですねぇ…このままじゃ、焼きリディーになっちゃいそう…」

スール「焼けるだけで済めばいいけどね…とにかく、早く調査を終わらせなくっちゃ…」

………

先を歩いていると、人らしき人物?がいた。

ガルド「あれは…」

マティアス「ん、なんだあれ…人…じゃないみたいだが


アルト「妖精や精霊の類いか…?いや、絵の中だから作者の想像の産物…?」

スール「まぁ、とりあえず話しかけてみようよ。おーい、そこの君ー。何やってるのー?」

???「何やってるって、逃げようとしてるんですよ。…ってええっ、人間さん!?」

???「こんなところで何をやってるんです!?は、はやく逃げないと死んじゃいますよ!?」

コウキ「なんだって!?」

リディー「し、死んじゃう!?どういうこと!?」

???「知らないんですか!?奥地に住みついた火竜が暴れて、この辺りの火山が活発化しちゃってるんです!」

???「そのせいで、このままじゃ…!ここら一帯が溶岩に飲み込まれちゃうんですよ!」

ルーシャ「はあああああああ!?アリ!?そんなのアリなんですか!?」

???「知りませんよ!でも、一刻も早く逃げるんです。ここはボクの故郷だけど…逃げるしかないんです!」

リディー「どうしよう…!この子の言う通りだったら、この世界、滅びちゃうんじゃ…!」

コウキ「助けよう」

コウキ「故郷が滅ぶなんてそんなことさせないさ。だから俺達で何とかしよう」

スール「確かに故郷がなくなっちゃうなんてかわいそうだし、あたしたちで何とかしよう!」

リディー「あはは、コウちゃんとスーちゃんもそう言うと思ってた。…ねぇ、あなた」

???「ボクはあなたじゃないです、フーコです!変な呼び方しないでください、人間さん」

スール「むっ、じゃああたしたちのことも人間さんなんて呼ばないでよ。あたしはスー。で、こっちはリディ
ーとコウキ」

フーコ「スーにリディーにコウキ…ですね。それで、何ですか?ボクは逃げるのに必死なんですけど!」

リディー「フーコちゃん。ここがなくなっちゃうの、イヤでしょ?だから、わたしたちがなんとかしてあげる」

スール「あたしたちは錬金術士だからね。まぁ、任せといてよ!」

コウキ「まぁ俺は違うけど…」

フーコ「…れんきんじゅつし?何ですか、それ」

コウキ「え」

スール「あー、えっと…正義の味方みたいなもんだよ、うん」

マティアス「また適当なことを…」

フーコ「正義の味方…!リディーとスーは、正義の味方だったんですね!」

フーコ「わかりました!それならぜひお願いします!ただ、口だけなのは許しません。ボクもついて行きます」

フーコ「もしどうしようもないようなら…ふふ。一緒に溶岩の海に…ふふふふふ…」

コウキ「おっとそれは怖い…何とかしないとな」

リディー「うっ…わかったよ。絶対そんなことにはさせないから、安心して?」

スール「よし。まずは辺りを調べてみないとね…とりあえず先に進んでみよう」

………

フィリス「えへへ、フーコちゃーん♪」

フーコ「何ですか、フィリスー♪」

フィリスさんとフーコが当然のように仲良く話をしていた。

コウキ「フィリスさんいつの間に…」

リディー「そうだね…いつの間にかフーコちゃんと仲良くなってる…」

スール「うーん。ある意味才能だよね、アレ…で、こっちはこっちで…」

スーはアルトさんの方をジト目で見る。

アルト「絵の中に意志疎通が可能な存在がいるとはね。錬金生物の一種と言えるのか?ふむ、興味深い…」

スール「アルトさーん。フーコのこと、解剖しないでくださいよー…?」

アルト「え?あ、ああ、もちろんわかってるとも」

スール「ホントかなぁ。…あ、フーコ。お腹空いてない?お菓子食べる?」

フーコ「お菓子…?お菓子ってなんですか?」

コウキ「やっぱり絵の中の子は外の世界を知らないのか?」

リディー「そうだね、うーん…」

スール「お菓子っていうのは…いや、試した方が早いよね。はい、フーコ。食べてごらん」

スーがお菓子を渡す。

フーコ「すんすん…。これ、本当に食べるものなんですか…?いただきます…」

フーコがお菓子を食べだす。

フーコ「ん…んん!んんんんんん!!!おーいしーい!!」

フーコ「美味しい!お菓子、美味しいです!もっともっと!あるだけください!!」

すると、あまりの美味しさにフーコがスーの裾を引っ張りだす。

スール「うわっ、わぁっ!!あ、あげるから引っ張らないでっ!」

リディー「すっかり懐いちゃったみたい。ふふっ、喜んでくれてるみたいでよかった」

アルト「絵の中の存在が物を食べるとどうなるのだろう。そのまま栄養になるのか?それとも…うーむ」

マティアス「…研究熱心も大概にしとけよー?」

ガルド「ドラゴン退治なんていつぶりだろうな」

コウキ「師匠何か楽しそうですね…」

フィリス「あはは!ほんと賑やかで、昔を思い出しちゃうや、ふふっ、楽しいなぁ…!」

………

ガルド「なぁ、フーコのお嬢ちゃん」

フーコ「なんでしょう?おじいさん」

ガルド「お嬢ちゃんはここが故郷ってことはここで住んでるってことだろ?」

フーコ「はい、そうですよ?」

ガルド「ふむ…ヒナと同じか」

スール「え?ヒナって?」

ガルド「俺とある友人たちと不思議な絵のざわめきの森の調査に行ったら、ヒナという女の子と会ってな。その子も絵の中の世界で暮らしているって言っていてな」

リディー「その調査のために一旦私達から離れたんですか?」

ガルド「すまん…これからはきちんと仕事を果たすさ」

マティアス「ガルドさんのそれのことで気になっていたが…何でまた調査しに行ったんだ?あそこはもう調べただろ?」

ガルド「話すと長くなるが…」

………

リディー「ええ!?あの神話で出てきた悪い神様がふたたび復活しようとしているんですか!?」

マティアス「その残党達がメルヴェイユの近くにいるだと!?」

アルト「残党達が狙っている不思議な絵には、なにか力があるのか…?ふむ…」

スール「え、え?どうゆうこと?」

リディー「スーちゃん。それはねコショコショコショ…だよ」

スール「なるほどねーってええー!?それほんとなの!?」

ガルド「まぁ、この話はあとにして…今はドラゴンだ。ドラゴン」

コウキ「ん?」

ルーシャ「どうしたんです?コウキ」

コウキ「今、溶岩の海になにかが…」

マティアス「ん?なにもいねぇぞ?」

俺は溶岩の海を泳いでるなにか?を見た。

フィリス「なにかいたの?」

コウキ「(なんだったんだあれ…巨大な魚か…?)」

コウキ「いや…気のせいでした」

フーコ「みなさん、火竜がいるところまでもう少しです!」

………

フーコ「…ごくり。いいですか、みんな。そろそろ火竜のすみかですよ!」

マティアス「なぁ、フーコ。その火竜ってのは、どんなヤツなんだ?」

コウキ「あ、それ俺も気になる」

フーコ「そうですね。まずすっごく大きいです!フーコなんて一呑みにされちゃいそうなくらい!」

フーコ「あと、とても凶暴ですぐに火を吐きます!火をまともに浴びたら髪の毛がちりちりになります!」

マティアス「…最後のせいで、イマイチすごさが伝わらないな」

コウキ「はいそうですね…あはは」

フーコ「…あいつが来るまで、みんな仲良く暮らしてたのに。あいつが暴れるせいで、火山が…ぐすっ…」

リディー「フーコちゃん…大丈夫だよ。私たちがこの世界を守るから!」

フーコ「…ありがとうございます!一から十まで、頼りにさせてもらいますね!」

コウキ「さて、火竜をどうしようか…」

リディー「とりあいず、火竜にここから出て行ってもらう?」

スール「それでもいいけど、単純に倒しちゃった方がいいかも」

ガルド「ドラゴンは簡単に出ていくかわからないぞ?」

フィリス「…そうですね…追い払うか、倒しちゃうか。今のところ、そのふたつしか思いつかないかな」

ルーシャ「まぁ、どうするかは任せます。好きな方法を取ってくださいな」

………

ゴトン…

コウキ「え?」

ガルド「どうしたんだコウキ」

コウキ「今なにか地面から音しませんでした?」

スール「もうコウキったらさっきからどったの?おかしいよ?」

コウキ「ごめん。やっぱり気のせいだったかな…」

リディー「…?」

アルト「ふむ…」

マティアス「なんだよアルトなにかわかったような顔しやがって」

アルト「いや?この先よくないことが起きなければいいね」

マティアス「そうゆうこと言うなよ…怖くなるだろうが…」

ルーシャ「まぁとりあいず先へ急ぎましょうよ。フーコちゃんが…」

フーコ「むー…コウキ早くしてください!」

コウキ「あ…ごめんな!フーコ」

………

ネストの空き家

メルサ「ガルドったら明日また行こうとか言ったのに」

ネスト「仕方ないっすよ。おっさんは護衛の仕事を任されてるんだからな」

メルサ「まぁ、そうだね。じゃあ今からミレイユさんに頼んで不思議な絵、水晶のなんちゃらなんちゃらってとこに調査に行こう!」

ネスト「輝窟な」

メルサ「そうだったね。いやー二人きりだよ?ネ・ス・トくん?」

ネスト「だからなんだよ」

メルサ「あたしに、なにかあったら守ってくれますかね?」

ネスト「魔法使い(最強(笑))だから大丈夫だろ」

メルサ「あー!笑ったなー?もう許さないんだから!」

ネスト「へっ!ほら王城に急ぐっすよ」

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第二十四話 アンフェル大瀑布 中編

ヒナ

??歳

身長134cm

職業 ??

絵画の世界、ざわめきの森に暮らす少女。
お化けたちの面倒を見ており、彼らからは様付けで呼ばれている。
相手の心を読むことができ、その相手の過去もわかる能力を持つ。
左目に眼帯をつけている。
その理由はその目を見てしまうと、どんな者だろうと心臓発作を起こし、死に至ってしまう。
過去にその力のせいでたくさんの人を殺めてしまった。


フーコ「…いました。火竜です!ここからならゆっくり観察できるはずですよ」
 
スール「うわぁ、思ってたより大きいや…あれを倒すのは苦労しそうだなぁ…」
 
ガルド「そうか?やってみないとわからな…」
 
マティアス「いやいや!危ないから!」
 
コウキ「そうですよ師匠…ここは絵画の世界ですし…あんな未知の生物を相手にするなんて、いくらなんでも危険ですよ」
 
ガルド「まぁ、そうだな…別の方法を考えるしかないな」
 
フーコ「かいが…?それってなんでしょう?」
 
コウキ「いや、何でもないよ!」
 
リディー「うーん。せめて、どうして暴れているのかわかればなぁ…」
 
スール「暴れてる理由、か。リディーはどんなときに暴れたくなる?」
 
コウキ「(ええ…それ聞いちゃうの!?)」
 
リディー「え、私…?そうだなぁ。…お父さんがお金を無駄使いしたときとか?」
 
コウキ「(ロジェさんのことか…)」
 
スール「それはあたしもだけどさ。他には…お腹が空いてるときとか、かな」
 
フィリス「あーわかるわかる!…もしかしたら、火竜もお腹が空いてるのかも!」
 
コウキ「ガタッ」
 
ルーシャ「コウキどうしたんです?そんな青ざめた顔してらしくないですよ?」
 
コウキ「いや!何でもないよー!(あのときの飯抜きはやばいよましで…俺の金があっという間にぶっ飛んだからな…)」
 
アルト「…フーコ。あの竜が普段、何を食べてるかわかるかい?」
 
フーコ「そうですね…そこら辺の石を食べてるのは見たことがありますが…」
 
ガルド「肉じゃないのか?」
 
フーコ「肉も食べると思いますが…石を食べてるとこしか…」
 
リディー「ふむふむ。火竜は石を食べるんだね。だったら、石をたくさんあげてお腹いっぱいにすれば…」
 
スール「うん!満足して、どこかに行ってくれるかも!」
 
フーコ「なるほど…では、ボクもちょっと頑張ります!石を集めたらボクに渡してください」
 
フーコ「ささっと石をアイツの前にばらまいてきますから!ボク、逃げ足にだけは自信があるんです!」
 
リディー「うん、ならお願いするね。私たちは石を集めてくるから、ちょっと待っててね」
 
………
 
フィリス「ふっふっふ…」
 
ルーシャ「フィリスさん…?」
 
フィリス「あ、つい、よだれが…」
 
スール「フィリスさん…石を食べ物だと思ってたり!?」
 
フィリス「えー!?そ、そんなことないよー!」
 
ガルド「お嬢さんは面白いな!今度とびっきり美味しい肉を食わせてやるよ」
 
フィリス「ほんとうですかー!?やったー!」
 
ガサゴソガサゴソ…バァン!
 
マティアス「なんだこれ!爆発したぞ!」
 
アルト「それは触れると爆発する石か?さすがは絵の世界だね」
 
コウキ「小さい爆発でよかったですね」
 
マティアス「びっくりしたぞ…」
 
リディー「あはは…フーコちゃん。これでどう?」
 
フーコ「うわぁ、石がこんなにたくさん…!じゃあ、ひとっ走り行ってきますっ!」
 
フーコが火竜のすみかに入っていった。
 
………
 
フーコ「ふふふ、思いっきりばらまいて全力で逃げてきました!それで、火竜は…!?」
 
火竜「ギャオオオオオオン!!」
 
フィリス「あれ?元気いっぱい…?」
 
スール「それがですね…石を食べたら、逆に元気になっちゃったみたいで…」
 
コウキ「わーお…」
 
リディー「うう、ごめんねフーコちゃん。完全に作戦失敗だよ…」
 
フーコ「い、いえ、気にしないでください。失敗は誰にでもありますから!」
 
アルト「ああ、フーコの言う通りだ。錬金術でも何でも、失敗は成功の元。…そうだろ?」
 
リディー「…はいっ!じゃあ早速、次の作戦を」
 
ガルド「よし、倒すか?」
 
マティアス「どうしてそうなるんだ!?」
 
リディー「ダメです!ガルドさん!」
 
ガルド「どうしてだ?」
 
リディー「嫌がらせをしてみましょう!」
 
ルーシャ「嫌がらせとは具体的にどうゆう…」
 
リディー「火竜って言うくらいだし、火が好きなはず。だったら逆に、冷たいものをぶつけてみるんです!」
 
ガルド「まぁそうだな」
 
スール「ああ、なるほど。甘党の人に辛い物をあげる…みたいなものだね!」
 
リディー「んーまぁ、だいたいそんな感じで。とにかく嫌がらせをして、ここから出て行ってもらうんです」
 
コウキ「さすがリディー、冴えてるな」
 
ガルド「そうだな。その作戦でいこうとするかね…ほんとは戦ってみたかったがな」
 
フーコ「リディー、すごいです!こんなにぽんぽん作戦を思いつくなんて…」
 
フーコ「では、その役目はまたフーコにお任せください!絶対、執拗な嫌がらせをしてみせますのでっ!」
 
マティアス「スー、なにかありそうか?」
 
スール「冷たいもの…冷たいもの…これならどうかな?」
 
スーが取り出した物はレヘルンだった。
 
フーコ「おお、今度はひんやりしてます…!それでは…嫌がらせをしてきますねっ!」
 
ふたたびフーコが火竜のすみかに入る。
 
フーコ「喰らえ、火竜ー!フーコうるとらすーぱーひえひえアターック!」
 
コウキ「(ええ…なにその技…)」
 
火竜「ギャオオオオオオオオオン!」
 
フーコ「はぁはぁ…一目散に逃げて来ましたが…どうでした?」
 
フィリス「うーん。嫌がってはいたみたいだね。ただ…」
 
アルト「ああ、威力が足りてない。もっと強力な冷気をぶつければ、あるいは…」
 
スール「うーん、もっと強力な冷気かぁ。いい道具、考えてみないとねぇ…」
 
フーコ「…みんな。ボクはみんなのことを信じてます」
 
フーコ「もっと冷たい道具ができたら、またボクに渡してください。…お願いします!」
 
リディー「うん。フーコちゃんの故郷は絶対に守ってみせるよ。そのためにも…頑張ろうね、スーちゃん!」
 
スール「うん、じゃあ一旦アトリエに…」
 
コウキ「俺らはここで待ってるよ。なるべく急いでな?」
 
リディー「うん!皆さん、待っててください!」
 
マティアス「御安いご用だ。急げよ」
 
アルト「ぼくも待ってるよ。なるべく早く来るんだよ」
 
ガルド「気をつけろよ、お嬢さんたち」
 
ルーシャ「わたしも一旦戻りますね。さすがに二人だけじゃ危ないですからね」
 
フィリス「ルーシャちゃん。頼めるかな?」
 
ルーシャ「はい!任せてください」
 
コウキ「頼むぞ、ルーシャ」
 
ルーシャ「おっーほっほっほ!言われなくてもわかってます!ほら行きますよ二人とも!」
 
スール「あ、うん。じゃあ、みんなー!また来るから!」
 
リディーとスールとルーシャは来た道を戻っていく。
 
コウキ「フィリスさんは行かなくてよかったんですか?」
 
フィリス「あの三人なら…大丈夫だよ!」
 
コウキ「ははは、そうですね!」
 
マティアス「とりあいず火竜に見つからないよう物陰に隠れようぜ」
 
アルト「そうだね。フーコも隠れるんだ」
 
フーコ「はーい!」
 
ガルド「お前ら、水だ。たくさん飲めよ」
 
フィリス「はーい!いただきまーす!」
 
マティアス「すげー勢いで飲んでるな…さすがフィリス嬢…」
 
コウキ「汗びっしょりだ…はやく風呂入りたい…」
 
アルト「みんな、こんなこともあろうかと食べ物を持ってきた。食べようか?」
 
フィリス「はいはーい!食べまーす!」
 
マティアス「フィリス嬢、オレ達のも残してくれよ!?」
 
フィリス「ふふーん!わかってまーす!」
 
マティアス「わかってるか心配だぞ…」
 
ガルド「俺も持ってるぞ。さぁ腹いっぱい食え」
 
コウキ「師匠!いただきますね!ほらフーコも食えよ」
 
フーコ「はい!」
 
………
 
フィリス「ふぅ…ごちそうさまでしたー!」
 
コウキ「ほとんどフィリスさんが食べましたがね…」
 
ガルド「まだ残ってるから大丈夫だ」
 
フィリス「ほんとー!?いただいてもー!?」
 
ガルド「こらこら、フィリス嬢、まだ残しておこうぜ?なにかあった時のためにな?」
 
フィリス「あ、はーい!すみません…あはは」
 
アルト「さて、三人はまだかな」
 
マティアス「そうだな…早くこねぇかな…」
 
フーコ「フーコは信じてますからね!」
 
ゴゴゴゴゴゴゴ…
 
コウキ「ん!?」
 
アルト「…!」
 
フーコ「んん?」
 
マティアス「なんだ?地面の下からなにか音が…」
 
ガルド「………ん?」
 
ガルド「…っ!フィリス!危ない!」
 
ガルドはフィリスを軽く前に吹き飛ばす。
 
フィリス「きゃ…ガルドさん…!?」
 
ドォォォォォォン!
 
地面から出てきたのは巨大な魚。巨大な魚は口からマグマをガルド向け吐いた。
 
ズドォォォォォン!
 
フーコ「あれは…!」
 
フィリス「ガルドさーん!!」
 
ガルド「………」
 
フィリス「…!」
 
ガルド「くっ…」
 
魔物「ウオオオオオオオ!!!」
 
魔物がガルドに攻撃を仕掛けようとする。
 
マティアス「させないぞ!」
 
アルト「思い通りにはさせないさ!フーコ!隠れてろ!」
 
フーコ「は、はい!」
 
コウキ「フィリスさん!師匠を安全なところに…!」
 
フィリス「うん…!わかった!」
 
ガルド「なに…してる…お嬢さんも…火傷するぞ…!」
 
フィリス「それでも…!わたしはあなたを助けます…!」
 
ガルド「………!」
 
魔物「グオオオオオ!!」
 
魔物が尻尾でなぎはらうとする。
 
コウキ「くっ!」
 
コウキは剣で攻撃を防ぐ。
 
コウキ「あつ…!」
 
アルト「裂けれ!」
 
アルトは魔法の無数の剣を出し、魔物に突き刺さる。
 
魔物「ギャオオオオオオオ!?」
 
マティアス「よし!今だ!おらぁ!」
 
魔物「グオオオオオ!?」
 
魔物は怯み、地面に潜りだした。
 
コウキ「潜った!?」
 
アルト「焦るな!あたりを警戒しろ!」
 
マティアス「どこからでてくる…!?」
 
フィリス「くぅ…!」
 
ガルド「フィリス…」
 
フィリス「大丈夫です…!平気ですから!」
 
ゴゴゴゴゴゴゴ…
 
マティアス「まずい!フィリス嬢のとこにいってるぞ!」
 
アルト「…!」
 
コウキ「フィリスさん!」
 
フィリス「え…!?」
 
ガルド「くっ!」
 
ガルドはフィリスを離した。
 
ガルド「ふっ…」
 
フィリス「え…!?」
 
ドォォォォォン
 
ガルドの地面の下から魔物が飛び出す。
 
ガルド「ぐお…!」
 
フィリス「ガルドさぁぁぁぁぁんんん!!!」
 
ガルド「…くらえ」
 
ガルドは空中にふっ飛んだまま、大剣を出し、魔物の体に突き刺した。
 
魔物「ギャルルルルルルルル!?」
 
ガルド「散れ…!」
 
剣が光だす。
 
魔物「ギャアアアアアアアア!!」
 
魔物の体は光に包まれ、光のように消えていった。
 
マティアス「なっ!?消えた!?」
 
ドサッ
 
フィリス「ガルドさん!」
 
フィリスがガルドのに近づき、ガルドの頬に手を触れる。
 
フィリス「ごめんなさい…ガルドさん…」
 
フィリスの涙がガルドの頬に当たる。
 
ガルド「泣くな…フィリスらしくないぞ…」
 
ガルドはフィリスの涙を手で拭う。
 
フィリス「…!」
 
ガルド「傭兵は人を守るのが仕事だ…まだ俺は死なないさ…」
 
マティアス「一旦元の世界に戻ろう。ガルドさんを運ぶぞ!アルト、コウキ、お前らもだ!」
 
コウキ「あ、はい!」
 
アルト「わかったよ」
 
フィリス「わたしも…!」
 
マティアス「いや、フィリス嬢はここで待っててくれ。火竜のこともあるし、フーコのこともあるしな」
 
フィリス「はい…」
 
フーコ「フィリス…」
 
マティアスとアルトは負傷したガルドを運び、コウキはその護衛をする。
 
マティアス「じゃあ、行ってくる」
 
コウキ「フィリスさん!フーコ!リディー達が来るまで待っててください!」
 
フィリス「うん…」
 
フーコ「わかりました!」
 
………
 
フィリス「ねぇ…フーコちゃん…ガルドさん大丈夫かな…」
 
フーコ「フィリス…無事かどうかは信じるしかありません…」
 
フィリス「そうだね…わたしのせいで…」
 
フーコ「フィリス…」
 
フィリスは座りながら顔を隠し、落ち込む。
 
フィリス「ガルドさん…」
 
その後、リディー達がやってきて、さっき起きたことを話した。

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第二十五話 アンフェル大瀑布 後編

巨大が魚の攻撃からフィリスを庇い、負傷したガルドはマティアス達に運ばれ、一旦元の世界に戻ることにした。
 
リディー「そう…だったんですね…」
 
スール「あたしたちがいない間にそんなことが…」
 
ルーシャ「コウキが気にしてた音はやはり魔物でしたか…」
 
フィリス「うん…それで火竜を追い払う道具は…?」
 
スール「はい!あたしたちが考えた、火竜を追い払うための切り札です!ほらフーコ!」
 
リディー「それさえあれば、きっと火竜も…!フーコちゃん、お願い!」
 
フーコ「…わかりました。それでは、行ってきますっ!!」
 
ルーシャ「フーコ、頑張ってください!」
 
フーコがふたたび火竜のすみかに入る。
 
フーコ「か、かかかか、火竜!!ここはボクたちの故郷…。お前の好きにはさせません!」
 
フーコ「みんなの思いが詰まったこの道具で…!この場所から…出ていけぇぇぇ!!」
 
道具からとてつもない冷気が火竜に放たれる。
 
火竜「ギャオオオオオオオオオ…!!」
すると火竜はどこかへと飛びさっていった。
 
ルーシャ「おお?やりましたよ!?」
 
リディー「やったよ、フーコちゃん!火竜、どこかに行ってくれたよ!」
 
スール「うん!あたしたちの作った道具、役に立ってよかった。おめでとう、フーコ!!」
 
フーコ「うう…これで、ボクの故郷は守られました…!」
 
フーコ「ありがとうございます…!二人はボクの…ボクたちの故郷の救世主です!」
 
リディー「ちょっと…救世主だなんて大げさだよー…」
 
フィリス「フーコちゃんの故郷を守るんだって頑張ってた二人、かっこよかったよ。二人は間違いなく救世主だよ」
 
スール「そ、そうですか…?救世主かぁ…何だかくすぐったい…」
 
フーコ「ふふふ…救世主の二人にボクからの贈り物です!ボクの宝物…ぜひ持っていってください!」
 
リディー「あ、これ…!色は違うけど、あの石みたい」
 
スール「うん。これでみっつ目。…フーコ、素敵な贈り物、ありがとね」
 
ルーシャ「調査もこれくらい済ませれば十分でしょう。そろそろ戻りませんか?」
 
フィリス「そうだね。今度の世界も、とっても楽しか…あ…」
 
フィリス「(楽しくなんか…ないよね…だって…)」
 
フーコ「あ、みんないなくなっちゃうんですか…?…ボク、ちょっと寂しいです」
 
スール「あはは、大丈夫だよ、フーコ。あたしたちの、また絶対遊びに来るからさ!」
 
フーコ「本当ですか!?…絶対ですよ!お約束ですよ!?」
 
リディー「うん、約束。それじゃあ、フーコちゃん。またねっ!」
 
フーコ「フィリス」
 
フィリス「ん?」
 
フーコ「元気だしてください!そうでなくちゃおじいさんに申し訳ないですよ!」
 
フィリス「うん…ありがとねフーコちゃん」
 
………
 
マティアス「へぇーやるじゃねぇか。滅び行く世界を救ったんだな、フーコが言ってたように二人は間違いなく『救世主』だと思うぜ」
 
スール「だから救世主とかくすぐったいよー!」
 
フィリス「マティアスさん!アルトさん!ガルドさんは大丈夫なんですか!?」
 
マティアス「大丈夫だ。一応、一命をとりとめたぜ」
 
アルト「だけど、全身打撲、火傷をしてしまってね。回復はそんなに早くないと思う。今はコウキとミレイユさんが見舞いに行ってるよ」
 
フィリス「わかりました!マティアスさん、案内をお願いできますか…?」
 
マティアス「おう、こっちだ。てかフィリス嬢、手を見してみろ」
 
フィリス「ん…?」
 
マティアス「手、火傷してるじゃねぇか」
 
フィリス「これぐらい大丈夫です!」
 
マティアス「いや、包帯巻くから、待ってろよ」
 
フィリス「はい、すみません…」
 
………
 
マティアス「これでよし。フィリス嬢、こっちだ」
 
フィリス「わかりました」
 
二人は医務室に行った。
 
アルト「………」
 
ルーシャ「ガルドさん大丈夫ですかね…ではわたしはこれで失礼します」
 
リディー「うん、またね!ルーちゃん」
 
ルーシャ「ええ、では…」
 
ルーシャは王城を出る。
 
スール「ガルドさん…大丈夫かな…」
 
リディー「そうだね…無事だといいけど…」
 
アルト「二人とも。絵の世界はとても面白かったよ。まぁ途中で帰ってしまったけど。でも君たちのことも、見ていて楽しかった」
 
スール「えっ?あたしたちを見てて楽しかった…?」
 
アルト「ああ、苦境に立たされても屈することなく前を向く姿。そして、他者を思いやる姿勢…」
 
アルト「まだまだ未熟ではあるけど…錬金術士として必要な物は備えているみたいだね」
 
リディー「はぁ…褒められてる…のかな」
 
アルト「ああ、ぼくが、ここまで人を褒めるのは珍しい。よければ、これからもよろしく頼むよ」
 
アルト「ぼくにできることなら、いつでも手を貸そう。もちろん、絵の調査以外でも、ね」
 
リディー「わぁ、いいんですか…!?えへへ、すっごいありがたいです!」
 
アルト「いや、構わないよ。常に同行していれば、君たちのことをたくさん観察できるしね」
 
スール「え…か、観察…?乙女を観察しようだなんて…アルトさんのすけべっ!」
 
アルト「なっ!べ、別にそういうわけじゃない!ただ、ぼくは…!」
 
リディー「はぁ、アルトさんもすけべだったなんて…男の人って、どうしてみんな…」
 
二人は立ち去る。
 
アルト「だから違っ…!おい、話を聞け!君たちっ!!おいっ!!!」
 
………
 
王城内医務室前
 
マティアス「ここだ」
 
フィリス「案内ありがとうございました。マティアスさん」
 
マティアス「フィリス嬢」
 
フィリス「ん?」
 
マティアス「あまり気にすんな。ガルドさんはごっついからな。あんな程度じゃ死なないさ。んじゃ」
 
フィリス「(マティアスさん…)」
 
ガチャ
 
フィリス「あのー…」
 
ミレイユ「あら、フィリスちゃん」
 
コウキ「フィリスさん!」
 
フィリス「ガルドさんは大丈夫そうですか?」
 
ミレイユ「ええ、大丈夫よ。一命はとりとめたけど、ここまでやられたら…回復は遅いでしょうね…」
 
フィリス「そうですか…」
 
ミレイユ「さて、コウキ君行くわよ」
 
コウキ「え?」
 
するとミレイユさんが俺の耳に小声で言う。
 
ミレイユ「フィリスちゃんとガルドさんの二人きりにさせてあげましょ?二人でなにかあったみたいだしね…」
 
コウキ「そうですね…フィリスさん、俺達はこれで…」
 
フィリス「あ、うん!またね…」
 
ミレイユ「フィリスちゃん、ごゆっくりねー」
 
バタン
 
コウキとミレイユは医務室を出る。
 
フィリス「………」
 
ガルドが寝ている近くの椅子に座る。
 
フィリス「…!?」
 
驚いたフィリスが見たのは左腕がないガルドの姿だった。
 
フィリス「あのとき…わたしを庇って左腕を…!?」
 
フィリス「(嫌だ…そんなの…わたしのせいで…!)」
 
ガルド「ん?これは昔、魔物に斬られたやつだ」
 
フィリス「ぴぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
 
ガルド「随分な叫びようだな。フィリス」
 
フィリス「びっくりしましたよー!もう…」
 
ガルド「ははは…義手をしてたんだが、火を浴びてしまったからな…それでめちゃくちゃな状態になってしまってな。今腕のいい職人さんに修理中ってわけだ」
 
フィリス「てっきりあの時、わたしを庇って失ったのかと思いましたよ…」
 
ガルド「しかし王城に医務室があるだなんてびっくりしたよな」
 
フィリス「そうですね、わたしもまさか王城にあるとは思いもしませんでした!」
 
ガルド「お、フィリス、戻ってきたか」
 
フィリス「え?」
 
ガルド「さっきまでは死んだ魚の目してたのによ。今のほうがお似合いだ」
 
フィリス「えぇ!?死んだ魚の目とかひどい!」
 
ガルド「冗談だ。まぁ、そのまま綺麗なフィリスでいてくれよ」
 
フィリス「はい…!」
 
ガルド「そうだ…今回の絵の調査は楽しかったか?」
 
フィリス「え…えーと…楽しかったのかな…?うーん…」
 
ガルド「初めてフィリスと会ったとき、旅がするのが好きとか言ってたよな。それはなんでだ?」
 
フィリス「外の世界を見たかったんです。わたしの故郷は外に出ることは許されず、限られた人しか外に出ることはできなかったんです…それで錬金術に出会い、おかげで無事、公認試験にも受かって…外に出ることを許されたんです」
 
ガルド「そうか」
 
ガルド「ならばせめて、次はもっと楽しい旅をできるようにしようぜ」
 
フィリス「…?」
 
ガルド「あのときの不思議な絵の調査…冒険してほんとうに楽しかったか?だったら次は楽しい思いをして旅していこうぜ。な?」
 
フィリス「…はい!えへへ…!」
 
フィリス「………っ」
 
ガルド「ん…!?」
 
フィリス「じゃあガルドさん!今度は一緒に楽しい旅!しましょうね!約束ですよ!」
 
ガルド「ああ…もちろん」
 
フィリス「じゃあ、また明日見舞いにきますからね!」
 
バタン…
 
ガルド「なんだ、あいつは…ははは、そうゆうのは若い奴にしとけよ…」
 
ガルドは眠りについた。
 
………
 
フィリス「~♪」
 
マティアス「フィリス嬢。元気そうだな」
 
フィリス「あ!マティアスさん!」
 
ミレイユ「ふふっフィリスちゃん。これ次の試験要項よ。確認していってね」
 
フィリス「はい!次も頑張りますね!では!」
 
フィリスは王城を出た。
 
ミレイユ「元気そうでよかったわ」
 
マティアス「そうだな」
 
………
 
リアーネ「フィリスちゃん」
 
フィリス「リア姉!ずっと待ってたの?」
 
リアーネ「ええ、はやく帰りましょ?」
 
フィリス「うん!」
 
………
 
マティアス「それで姉貴…」
 
ミレイユ「なにかしら?」
 
マティアス「装置の分析結果が出たみたいだぜ」
 
ミレイユ「ありがとう、見せてもらえる?…あちゃー、これは酷いわね」
 
マティアス「ああ、困ったな…これじゃあ、思ってたより早く…」
 
ミレイユ「ええ、何かしら対応を考えなくちゃね…。あー、頭いたーい…」
 
マティアス「ああ…。こっちの世界にも『救世主』ってのが現れないもんかねぇ…」
 
………
 
???「ねぇ、今みんなはなにしてるんだろうね」
 
???「ふふっ…みんな元気にしてると思いますよ」
 
???「そうだね!じゃあ、ここからずっと北に出発だよ!」
 
???「ええ、行きましょうか」

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第二十六話 輝窟に目覚める魔物の王

これはコウキ達が不思議な絵、アンフェル大瀑布の調査に行ったあとの、ネストとメルサのお話。


王城

ネスト「ミレイユさん」

ミレイユ「あら?ネストさんとメルサさん」

メルサ「絵の調査に行ってもよろしいでしょうか」

ミレイユ「調査に行くのは構わないわ。でもどうして?」

ネスト「信じてくれるかどうかはわかりませんが…」

………

ミレイユ「あの神話で出てきた神が…またこの世に?」

ネスト「はい。でもこれはあくまで予想っす。残党達がいるということはまた復活の儀式をしてる可能性が」

メルサ「どうして不思議な絵を狙っているんだろうね?」

ネスト「そこなんすよねー」

ミレイユ「まぁ、こちらも色々と対応しておくわ」

メルサ「え、そんな簡単に信じてもいいの?」

ミレイユ「この王国の危機なら、なおさらよ」

ネスト「わかりました、では…」

二人は画廊に向かう。

ミレイユ「ファルギオルのこともあるし…そしてあの神話の神もねぇ…はぁ…頭がいたくなってきたわね…」

………

水晶の輝窟

メルサ「あらら、今度は寒いところだね」

ネスト「まぁ、先に進むすっよ」

しばらく歩いて10分後…

メルサ「ヒナちゃん不足になってきた」

ネスト「なんだそれは…」

ゴゴゴコゴゴゴゴゴゴ…

ネスト「ん?なんだ?」

地面が揺れている。

メルサ「地震かな?」

ドォォォォォォンンンン!

???「とうっ!」

ネスト「………」

メルサ「………」

???「ん?人間かね?」

地面から出てきたのは全身が氷でできた人間だった。
いやこれは人間と言えるのだろうか。

ネスト「魔物が現れた」

メルサ「よーし、灼熱魔法で倒しちゃおうかな」

???「待て待て!わたしは魔物ではない!」

???「わたしの名はアイスマン!この地に生きる者だ!」

ネスト「アイスマン?」

メルサ「あ、もしかしてヒナちゃんと同じく、絵画の世界の人じゃない?」

ネスト「あーなるほどね~」

アイスマン「それで人間のお二人はどうしてこんなところに?こんなところにいるとドラゴンに襲われるぞ?」

メルサ「ドラゴンいるのー!?早く会いたいー!」

ネスト「聞きたいことがあるっす」

アイスマン「うむ!言ってみるがいい!」

ネスト「あんたは何者っすか?」

メルサ「みた感じ氷人間だよね?」

アイスマン「そう、わたしの体は氷で出来ている!この輝きは素晴らしいだろう!?」

メルサ「まぁ、うん。輝いていて綺麗だね」

アイスマン「だろう!?」

ネスト「アイスマンはここの何かを知ってないかっすか?」

アイスマン「何かとは?」

メルサ「なんか凄い力を感じる物とか持ってるっすか」

アイスマン「凄い力…?すまない。ここには何もないと思うぞ」

メルサ「まぁ、だよねー」

ネスト「ふーむ…」

アイスマン「そういえば二人の名前を聞いていなかったな」

メルサ「あたしはメルサだよー。で、こっちはネスト」

ネスト「ああ、よろしく頼むっす」

ギャルルルルルルルルル…

魔物の咆哮?が聞こえた。

メルサ「ん?なになに、ドラゴンかー?」

アイスマン「む…!?奴が目覚めたのか…!?」

ネスト「おい、なんだあれ!」

指を座した方向を見ると、まわりが氷で出来ている巨大な機械のような魔物がこちらに向け、もの凄い速さで走行してきている。

メルサ「ちょっと!なにあれ!」

アイスマン「ここにいたら潰される!離れるぞ!」

するとアイスマンは空を飛ぶ。

メルサ「よいしょっと」

メルサも箒で空を飛ぶ。

アイスマン「ほう…メルサも空を飛べるのか」

メルサ「まぁ、魔法使いだからね」

アイスマン「まほうつかい…?よくわからないが…。いいだろう!わたしについてこい!」

メルサ「ほらネスト、乗りなよ」

ネスト「おう…」

メルサ「そういえばネストとこうやって二人乗りするのって久しぶりだね」

ネスト「そ、そうっすね…」

確かにメルサと二人乗りしたのは久しぶりだ。
でもなぜだろう、オレの心臓がドキドキしているのだ。
メルサの髪はふぁさっと舞い、そこから心地よい香りがする。
何かしらのシャンプーの香りだろうか。

メルサ「どうしたの?顔が赤いよ?」

ネスト「いいやー!?別にー!?」

アイスマン「ここまでくれば大丈夫だろう」

ギャルルルルルルルル!!!

走行してきた魔物はその場を通りすぎた。

アイスマン「いったな…ふぅ」

メルサ「ねぇ、あれはなんなの?」

ネスト「みるかぎり魔物だろ?あれ」

アイスマン「いや、あれは魔物の王である…魔王だ」

メルサ「ま、魔王!?」

ネスト「魔王って…オレたちが昔倒したやつっすよね!?」

メルサ「まさか絵の世界にもいるとはね…」

アイスマン「奴はここ数年は眠りについていたのだが…」

ネスト「復活したと…」

アイスマン「そうだ、我が友たちが自分の身を犠牲にしてまで奴を封印したのに…まさか封印がとけてしまうとは…」

メルサ「アイスマンの他にもここにも誰かいたんだね…」

アイスマン「ああ…大切な友さ…」

ネスト「………」

ネスト達は地上に降り立った。

アイスマン「どうしたものか…このままだとこの輝窟が…」

ネスト「アイスマン」

アイスマン「なんだ?」

ネスト「奴をどうにかする方法はあるっすか?」

アイスマン「あるぞ…それは封印だ…」

メルサ「でも封印するには…」

アイスマン「ああ、生贄が必要だ」

ネスト「…!」

アイスマン「今までは我が友たちが生贄としていってきたが、そろそろわたしの番がきたようだな…」

メルサ「たとえ封印したとしてもいつかは甦るんでしょ?なら倒すまでだよ」

ネスト「ああ、オレ達がボッコボッコにしてやるっすよ!」

アイスマン「奴の力は強大なのだ!何人の我が友たちがそれで死んでいると思っている!?」

ネスト「魔王は強大っす。でもここにいる人はもうあんた一人…ならみんなの分まで生きろよ」

アイスマン「なっ…!」

メルサ「うん。あたしたちの力をなめてもらっちゃ困るよ!」

ネスト「よし、いくっすよ!」

メルサ「うん!さぁ乗って」

アイスマン「わたしも戦おう!じゃないと友たちにみせる顔がない…」

ネスト「よし、いくぞ!三人とも」

メルサ「うん!」

アイスマン「うむ…!」

オレ達は魔王の元に向かう。

………

アイスマン「いたぞ…あれが第二天魔王 氷山…!」

ネスト「近くで見るとでかいっすね…」

メルサ「だねー。さてどうしようか…」

アイスマン「奴の弱点はコアだ!」

メルサ「コアってあの黄色いやつのこと?」

アイスマン「そうだ、あれをすべて破壊すれば奴は止まる…!」

アイスマン「わたしが奴の注意を引く!君たちはコアを…!」

メルサ「わかった!」

ネスト「メルサ、急ぐっすよ」

メルサ「わかった!」

すると箒のスピードが上がる。

メルサ「しっかり掴まってー!」

ネスト「おうよ!」

ネスト「やっぱりいい香りがするなぁ…」

メルサ「へ…!?」////

ネスト「しまった!つい声が!」

メルサ「あー…ネストはスケベさんだったね…。別にネストなら…あたしの髪の匂いなんていつでも嗅いでもいいけど…?」

ネスト「え、ほんとっすか!?って…別にいいから!」

メルサ「あら、そう?」

ネスト「今は戦いに集中だ…集中集中…」

魔王「ギュルン?」

魔王がオレ達の存在に気づく。

アイスマン「お前の相手はわたしだ!さぁ、くるがいい!」

魔王「ギャルルルルルルルルル!!!! 」

魔王がアイスマンに注意を引いた。

メルサ「降りるよ!」

ネスト「ああ」

オレとメルサは箒から降りる。

メルサ「ここだね」

ネスト「ん…?なんだあれ…」

メルサ「どうしたの?」

コアのまわりに生えている謎の機銃がメルサのほうに向けられていた。

バン!

ネスト「危ない!」

メルサ「え?」

ネストはメルサを抱き締めながら庇い、機銃から放たれた銃弾がネストに命中する。

ネスト「かはっ…!」

メルサ「ネスト!」

ネスト「大丈夫…だ。メルサに傷ひとつもつけさせないっすから…」

撃たれたネストの背中から大量の血が流れる。

メルサ「待って!今治癒魔法をかけるから!」

ネスト「治癒魔法は時間がかかる…オレはまだ動けるから…メルサは先に別のコアのところに行け…」

メルサ「嫌だ!あたしはもう誰も失いたくないの!」

メルサは涙を流していた。

ネスト「…!」

アイスマン「ぐおっ!?」

魔王「ギャルルルルルルルルル!!!」

注意を引き付けているアイスマンが魔王の攻撃を受けてしまっている。

ネスト「まずい…!このままじゃアイスマンがやられる…!」

ネスト「メルサ…」

ネストはメルサを抱き締める。

メルサ「…!」

ネスト「オレはこんなところで死なないさ…死ぬならお前と一緒に歳をとって死にたいよ…!」

メルサ「え…」

ネスト「ほら…行け!メルサ!」

メルサ「………わかった!」

メルサは箒に乗り別のコアがある場所に向かう。

ネスト「さて…オレも…!」

魔王「ギャルルルルルルルルル!」

魔王がアイスマンに無数のビームを放つ。

アイスマン「うぉぉぉぉ!!!」

アイスマンはビームをかわす。

アイスマン「お返しだ!」

アイスマンの手から氷の剣が生える。

アイスマン「喰らえ!」

氷の剣が魔王の頭部分に当たる。

魔王「ギャルルルルルルルル!?」

ネストは短剣を出す。

ネスト「2つの光…」

短剣が光だす。

ネスト「はぁ!」

バリン!

コアを1つ破壊した。

魔王「ギャルルルルルンンンンンン!?」

魔王が怯みだす。

ネスト「よし、効いてる…!」

機銃がネストのほうに向けられていた。

ネスト「…!二度も通じないぞ…!」

無数の銃撃を短剣で弾く。

メルサ「コアはこれだね!」

メルサ「光の精霊よ…今ここにある物を光に包み込め!」

魔方陣から精霊が出てくる。

メルサ「やっちゃってー!」

光の精霊が光の弾をコアに放つ。

バリン!

2つ目のコアを破壊した。

魔王「ギャルルルルルガァァァァァァ!!!」

走行していた魔王の動きが止まる。

アイスマン「今だ!一気にコアを叩け!」

ネスト「了解!」

メルサ「うん!」

ネスト「短剣手裏剣切り!」

2つ短剣が重なり、手裏剣のように回り、コアに命中し、コアが破壊する。

バリン!

3つ目のコアを破壊する。

魔王「………ギャルルルルルルルルル…」

ネスト「ぐっ!」

撃たれた背中に強い痛みを感じる。

ネスト「まだ倒れるな…オレ…!」

メルサ「光の精霊よ…今より、光の竜となり、すべてを光に包め!」

精霊が光の竜になり、竜が光のブレスを吐き、最後のコアに当たる。

バリーン!

すべてのコアを破壊した。

魔王「ギャルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル!?」

ネスト「やったか…!?」

魔王が光に包まれる。

アイスマン「くっ!眩しい!」

ネスト「足場がなくなっていく!」

魔王の体は崩れるように倒れていく。

メルサ「このままだとネストが落下しちゃう!」

メルサはネストのほうに向かう。

ネスト「この高さから落ちたら死ぬぞこれ!」

メルサ「ネスト!乗って!」

ネスト「メルサ!」

………

アイスマン「やったぞ…!ついに!ここは救われたぞぉ!」

メルサ「はい、治療終わったよ。立てる?」

メルサが手を差し出す。

ネスト「おう…」

アイスマン「二人には感謝する!ここを救ってくれた救世主だ!」

ネスト「気にすんなよ、アイスマン」

メルサ「困っている人がいたら当然でしょ?」

アイスマン「お礼といってはなんだが…これを」

ネスト「これは?」

アイスマン「この輝窟の宝…水晶の宝玉だ!」

メルサ「わぁ…綺麗…」

ネスト「ああ、貰っとくぜ!」

アイスマン「ふふっ…大切にしてくれよ…二人とも!また会おう!」

アイスマンの体が透明になっていく。

メルサ「アイスマン!体が!」

アイスマン「ああ…ちと力を使いすぎただけさ。なに、消える訳ではない、少し眠りにつくだけだ」

ネスト「そっか…また会おうっすよ!アイスマン!」

アイスマン「ああ!さらばだ!」

アイスマンは成仏したかのように消えていった。

メルサ「帰ろっか」

ネスト「ああ」

ネストはメルサの手を握る。

メルサ「え!?ちょっと!///」

ネスト「あ!悪い…嫌だったか…?」

メルサ「うんうん、嫌じゃないよ…!逆に嬉しいかも…!///」

ネスト「お、おう!」

………

王城

ネスト「ミレイユさ…」

ネストが見た光景は負傷しているガルドの姿だった。

マティアス「姉貴、はやく医務室に急ぐぞ!」

ミレイユ「ええ!」

メルサ「ガルド!?」

ネスト「おっさん!?」

ミレイユ「あ、二人とも!戻ってきたのね!報告は今度でもいいかしら?」

ネスト「は、はい…」

ミレイユとマティアスは負傷したガルドを運び、医務室に向かう。

メルサ「何があったの…?ガルド…」

アルト「人を庇い、負傷したんだ」

ネスト「君は…!」

アルト「ん?ああ、ガルドの友人の方かな?」

メルサ「君も絵の調査に行ってたの?」

アルト「ああ、もちろん。途中で帰ってしまったけどね」

ネスト「おっさん大丈夫なんですよね!?」

アルト「意識はあるけど、回復はどうだろう…あんな怪我をしたら遅いのかもしれない」

メルサ「ガルド…」

アルト「んじゃぼくは失礼するよ」

ネスト「え!?ちょっと!」

アルトはその場を立ち去る。

メルサ「とりあいず、あたしたちも帰ろっか…」

ネスト「そうっすね…明日また王城に行きますか…」

………

メルサ「ねぇネスト…」

ネスト「なんだ?」

メルサ「あの時ごめんね?あたしがドジこいて、ネストが…」

ネスト「メルサが傷つくのをこれ以上みたくなかったんすよ…あれは」

メルサ「うん…」

ネスト「それでさ、えーと…」

メルサ「ん…?」

ネスト「オレたちのするべきことを終えたらさ…その…」

メルサ「…いいよ。ネストについていくよ。だってあんなこと言われたらね…今さら断れないよ」

ネスト「…!」

メルサ「でもあたしなんかでもいいの?あたしは人々を苦しめていった魔女の末裔の子なんだよ?」

ネスト「………」

ネスト「魔女の血なんか関係ない。オレはお前とずっと一緒にいたいんだ」

メルサ「………!」

ネスト「メルサ。ずっとオレのそばにいてくれないか…?」

メルサ「はい…こちらこそよろしくお願いします…」

ネスト「………!」

ネストはメルサの胸に飛び込んだ。

メルサ「わわ…もう…甘えん坊さんなんだから…///」

ネスト「だって、嬉しいんだもん!今ままでこんなことされたことないんだもん!」

メルサ「ああ、されたかったのね…」

メルサ「もう…///はやく帰ろ…?」

ネスト「ああ…!」

………



???「○○○○○○様、氷山が倒されました」

???「氷山がやられたか…だがまだ手はある」

???「ファルギオルのことでしょうか?」

???「そうだ。奴の封印はそろそろ解けるはずだ。奴が復活したあと、その絵は『黒の魔核』に喰わせてやれ。奴の充分なエサになり、新たな魔王が生みだせることができるはずだ」

???「了解いたしました」

???「ファルギオルは強大な雷神…奴は惜しい存在だが…そこは我に任せてくれ」

???「はっ!」

???「よし、お前はそろそろ計画に移れ。アトリエランク制度に参加し、不思議な絵の世界にある宝玉を持ってくるのだ」

???「御意…!」

???「任せたぞ…我の真の姿を取り戻すために」

???「はっ!では…!」

???「人間よ…まだ魂だけの存在の我は怖くなかろう…だが我が真の姿に戻ったとき…ふたたびこの世に大いなる絶望を喰らわしてやろう…」

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第二十七話 雷神の復活

アイスマン

??歳

身長 ??

職業 ??

ヒナ、フーコと同じく不思議な絵画の世界、水晶の輝窟に住む、体が氷でできた人間。
そこには彼と同じような人がたくさん住んでいたが、第二天魔王氷山の出現によって、それを討伐しようとした者たちがそれに叶わず、多くの犠牲者が出てしまった。
それから魔王を討伐する戦力がなく、このままでは輝窟は滅びの危機に迫ってしまう一方で、そして考えたのが魔王を封印することだった。
それには誰かが生贄として捧げなければならなく、それで最後まで生き残ったのはアイスマン、ただ一人だった。


不思議な絵画の世界、アンフェル大瀑布に行って三週間が経ったある日…
 
ソレイユ通り 本屋
 
コウキ「いらっしゃいませー」
 
???「ここがメルヴェイユで有名な本屋かな?」
 
コウキ「!?」
 
???「ん、どうしたの?」
 
コウキ「あ、あなたはあの脚本家のドロッセル先生!?」
 
ドロッセル「うん。あたしがそのドロッセルだけど?」
 
コウキ「先生がお書きになった、『つくられた瞳』なんですけど…サインいただけませんか?」
 
ドロッセル「うん、いいよ。えっと、こんな感じかな」
 
コウキ「(これは夢か?あのドロッセルさんからサインもらったぞ!よっしゃぁぁぁぁ!!!)」
 
コウキ「ドロッセル先生、ありがとうございます!」
 
チャリン
 
スール「たのもー!」
 
リディー「あれ?ドロッセルさん?」
 
ドロッセル「ん?リディーちゃんにスーちゃん?」
 
スール「なになに?コウキもドロッセルさんにサインもらってたの?」
 
コウキ「そうだけど?」
 
リディー「ルーちゃんもサインもらってたよね!」
 
コウキ「ルーシャも?」
 
ドロッセル「やっぱり先生って呼ばれるのは気恥ずかしいなぁ…」
 
コウキ「ドロッセルさん!今後も小説だすんですか!?」
 
ドロッセル「う、うん…だそっかなーと考えてるよ」
 
コウキ「俺、楽しみにしてますから!」
 
リディー「あ、コウちゃんの目が輝きすぎてるね…スーちゃん」
 
スール「そうだねぇ…これだから本の虫は…」
 
リディー「ん?」
 
スール「ごめんなさい、何でもないです」
 
………
 
ソレイユ通り 鍛治屋
 
コウキ「ハゲルさーん!」
 
???「お、コウキか、ちょうどいい。これを」
 
コウキ「師匠の義手…!もう修理が終わったんですね!」
 
ハゲル「ああ。前よりもさらにバージョンアップされてるぜ」
 
コウキ「え?それは一体…」
 
ハゲル「なんと!およそ30mあたりまで電流を流せるんだぜ」
 
コウキ「え!?そっかー!それはすご…じゃない!何やってんですか!ハゲルさん!」
 
ハゲル「だってよ、そのまま修理してもよ、つまらねぇだろ?そんならなにか新しい機能をつけようってな」
 
コウキ「はぁ…わかりました。これ俺の母さんからの報酬です」
 
ハゲル「おう、確かに受け取ったぜ」
 
コウキ「はい。では…」
 
………
 
王城内医務室
 
コウキ「師匠ー」
 
ガルド「ん?」
 
安静にしているはずのガルドはなんと片手で剣の練習をしていた。
 
コウキ「何やってんですか!?師匠!」
 
ガルド「見ればわかるだろ」
 
コウキ「傷口がひらきますよ!?」
 
ガルド「大丈夫だ。俺は不死身だからな」
 
コウキ「ええ…」(困惑)
 
コウキ「それで大丈夫そうですか?」
 
ガルド「前よりは楽かな」
 
コウキ「そうですか、で…あの時からフィリスさん心配してましたけど大丈夫そうですか?」
 
ガルド「フィリスか?あいつはいつも見舞いに来てるぞ?さっきも来てたしな」
 
コウキ「いつもですか!?」
 
ガルド「ああ、いつも差し入れを持ってきてくれるぜ?」
 
ガルド「あいつはいつものように笑うようになったぜ」
 
コウキ「そうですね。いつも明るいフィリスさんでよかったです」
 
コウキ「それで師匠、義手の修理が完了しましたよ」
 
ガルド「ほんとうか?」
 
コウキ「はい。鍛治師であるハゲルさんが興味津々で直してくれましたよ」
 
ガルド「そいつは嬉しいな。はやくそれをつけたいぜ」
 
コウキ「これです」
 
ガルド「色が変わってるな。前は赤だったのに今は黄色か」
 
コウキ「はい。およそ30mあたりまで電流を流せる機能をつけたとか…」
 
ガルド「ほぉ、それは凄いな」
 
コウキ「いいんですか?改造されたりして」
 
ガルド「さらに強化されたんだろ?いいじゃねぇか。そうゆうの」
 
コウキ「そ、そうですか…」
 
ガチャ
 
???「失礼する」
 
コウキ「えと、あなたは?」
 
???「わたしはフリッツ。ガルドの古い友人だ」
 
ガルド「フリッツか!?懐かしいな、あの時以来だな…」
 
フリッツ「そうだな…わたしたちがお互い若いころだったか…」
 
ガルド「そういえばフリッツ、どうしてここがわかったんだ?」
 
フリッツ「懐かしい友の名を聞いてな。それでここに来たという訳だ」
 
ガルド「そうか。フリッツ出会ってそうそう悪いんだが頼みがある」
 
フリッツ「なんだ?」
 
ガルド「俺のかわりにコウキに剣の修行をしてやってくれないか?」
 
フリッツ「彼に?」
 
ガルド「ああ、頼めるか?」
 
フリッツ「友のためなら」
 
ガルド「感謝する。まだ体は動けても医者がうっさくてな。まだ安静にしてろとな」
 
フリッツ「わかった。それで…コウキ君だったかな?」
 
コウキ「は、はい!」
 
フリッツ「彼のかわりに今日からわたしが剣の練習をしてやろう」
 
コウキ「わかりました!」
 
ガルド「フリッツは強いぞ?なにせ二刀流の剣術を使えるからな」
 
コウキ「二刀流!?」
 
フリッツ「ふふ…期待してくれ」
 
ガルド「フリッツ、俺が退院したら飲みにいこうぜ?お互いつもる話があるからよ」
 
フリッツ「わかった。楽しみにしてるぞ」
 
コウキ「じゃあ師匠!いってきますね!」
 
ガルド「おう」
 
ガルドは窓から雷雨が降っているのをみる。
 
ガルド「さて、そろそろいくか…」
 
………
 
王城 エントランス
 
ミレイユ「ガルドさん?外出ですか?」
 
ガルド「ちょっと外の空気をな」
 
ミレイユ「外って…外は雨ですよ?」
 
ガルド「それでもいくさ。んじゃあな」
 
バタン…
 
???「今の人は?」
 
ミレイユ「今入院している患者よ」
 
???「そうですか。それで…」
 
ミレイユ「ええ、レーナスちゃんはこれでCランクに合格ね」
 
レーナス「ありがとうございます」
 
ミレイユ「しかし凄いわ…まさか三週間でGランクからCランクにあげるなんて…」
 
レーナス「はい。これからも頑張ってみます」
 
ミレイユ「ええ、これ試験要項よ。確認していってね」
 
レーナス「はい。では」
 
ガチャン…
 
レーナス「………」
 
………
 
王城前広場
 
フリッツ「なるほど。君はガルドの師匠か…」
 
コウキ「はい。そうなんです」
 
フリッツ「才能があると言われたのか?」
 
コウキ「はい…でも俺に才能はあるんでしょうか…」
 
フリッツ「なにもかもあきらめてはダメだぞ?才能があると言われたからには努力してみることだ」
 
コウキ「はい!」
 
フリッツ「それでコウキ君、君はどうして剣術を?」
 
コウキ「そうですね…。強くなりたいから?ですかね」
 
フリッツ「そうか。何のために?」
 
コウキ「皆を守りたい…そしていつかは自分にとって守りたい人を…」
 
フリッツ「守りたい人…か」
 
コウキ「?」
 
フリッツ「いや、すまない。一旦私の家に来ないか?」
 
コウキ「わかりました!」
 
………
 
ソレイユ通り ワイスベルク家
 
ドロッセル「あ、お父さんお帰りー!」
 
フリッツ「ただいま」
 
コウキ「ドロッセル先生!?」
 
ドロッセル「あ!コウキ君、また会ったね!先生呼ばわりは気恥ずかしいからやめてね?ね?」
 
コウキ「あ、すいません。ドロッセル先s…さん」
 
フリッツ「ん?なんだ?ドロッセル、コウキ君を知ってるのか?」
 
ドロッセル「うん、彼の本屋に行った時にね」
 
コウキ「俺は親に店番頼まれてただけですけどね…」
 
フリッツ「コウキ君、すこしお茶していかないか?」
 
コウキ「わかりました」
 
………
 
フリッツ「ふむ…あの双子の幼馴染で護衛をしているのか」
 
ドロッセル「へぇーかっこいいね!好きな子とかいるのー?」
 
コウキ「好きな人!?えーと…」
 
フリッツ「お、それは私も気になるな」
 
コウキ「いません」
 
ドロッセル「またまた恥ずかしがってぇーお姉さんに相談してみなさい?」
 
コウキ「いませんよ!?」
 
ドロッセル「そうなのー?コウキ君イケメンだし、モテそうなのに」
 
フリッツ「ドロッセル…お前もいい歳なんだからそろそろな…」
 
ドロッセル「お父さん!?それは禁句だよ!」
 
コウキ「(お父さん…か…)」
 
フリッツ「コウキ君、どうしたのかね?」
 
コウキ「あ、いえ!フリッツさん!修行したいです!」
 
フリッツ「わかった。ではどこか広いところに行こうか」
 
フリッツ「ドロッセル、いってくる」
 
ドロッセル「はいよ!気をつけてね!」
 
………
 
王城 エントランス
 
フィリス「ミレイユさーん!次の試験課題を!」
 
ミレイユ「あら、今度はフィリスちゃんね。はい、これよ」
 
フィリス「ありがとうございます!あの、ガルドさんのとこに行ってきていいですか?」
 
ミレイユ「あー…今ガルドさん外出中なのよ…ちょっと外の空気をすってくるとか言ってたけど、さっきから帰ってこないのよ…」
 
フィリス「え…」
 
ミレイユ「もう三週間だけど…体の火傷のほうは大体治っていると思うけど…まだ全身打撲したところが治ってないと思うのよ…」
 
フィリス「…!」
 
ミレイユ「フィリスちゃん!?ちょっと、どこ行くの!?」
 
ガチャ
 
マティアス「はぁ…今日も女の子に振られ…っておお!?」
 
フィリス「ごめんなさい、マティアスさん!またあとで!」
 
マティアス「え!?それどうゆう意味…」
 
バタン
 
マティアス「えっと…フィリス嬢どうしたんだ?」
 
ミレイユ「ガルドさんが外の空気をすってくると言ってたけど、さっきから帰ってこないの。それでフィリスちゃんが…」
 
マティアス「ええ!?ガルドさんまだ入院中だろ!?」
 
ミレイユ「そうなのよ。はやく帰ってくるのはいいんだけど、ここまで遅いのはね…」
 
マティアス「俺ちょっと探してくるわ!」
 
ミレイユ「頼むわ…」
 
………
 
フィリス「(ガルドさん…!もう無茶しないでよ!またあなたになにかあったらわたしは…!)」
 
………
 
ブライズヴェスト(荒野)
 
フリッツ「雷雨が降っているが…ここだ」
 
コウキ「お願いします!」
 
フリッツ「さぁコウキ君、まずは君の力をみたい。かかってくるのだ!」
 
コウキ「はい!」
 
コウキは剣を抜く。
 
フリッツ「ふん!」
 
フリッツも二刀の剣を抜く。
 
フリッツ「先に来るがいい!」
 
コウキ「はぁっ!」
 
フリッツが双剣で攻撃を防ぐ。
 
フリッツ「ふむ。ではこれはどうかな?」
 
コウキ「なっ!」
 
フリッツの姿が6つに分身する。
 
コウキ「影分身!?」
 
フリッツ「そうだ。わたしの本体を見分け、攻撃してみろ」
 
コウキ「どれだ…?」
 
コウキは分身したフリッツを見回す。
 
フリッツ「後ろが隙だらけだぞ?」
 
1つの分身がコウキの背後に襲いかかる。
 
コウキ「くっ!」
 
コウキは攻撃を受け止める。
 
フリッツ「防いだか。だがもう1つの分身が君に襲いかかるぞ?」
 
コウキ「…!?まずい!」
 
コウキは剣の鞘で攻撃を防いだ。
 
フリッツ「…む!?」
 
コウキ「今だ!」
 
コウキは光の剣であたりを薙ぎ払い、フリッツの6体の分身に攻撃があたり、その内の5体の分身は消え、本体の1体が空中に吹っ飛ばされる。
 
コウキ「(やべ…やりすぎたか!?)」
 
フリッツ「ふふふ…」
 
コウキ「笑ってる!?」
 
その瞬間フリッツの姿が消える。
 
コウキ「消えた!?」
 
フリッツ「やるな!次は消えたわたしはどこにいるかな?もたもたしていると攻撃されてしまうぞ?」
 
コウキ「………」
 
コウキはある人の言葉を思い出す。
 
『目の前から突然姿を消したりする敵だっている。その時は相手の気配を読み、そこを狙う!』
 
コウキ「(師匠…今まさにその通りですね…)」
 
コウキ「(相手の気配か…後ろに人の気配がする…。そうか、フリッツさんは俺の背後をまた狙おうと?)」
 
するとコウキの光だした剣はさらにまぶしい光に包まれる。
 
フリッツ「(ん!?なんだ!?この光は!まぶしい!)」
 
コウキ「そこだぁ!」
 
フリッツ「…!?」
 
コウキの攻撃はフリッツの目の前で止まる。
 
コウキ「剣で防ぐ暇もなかったですね。フリッツさん」
 
目の前で止まった剣の前にフリッツの姿が現れる。
 
フリッツ「恐れ入ったな。まさか読まれてたとは…」
 
コウキ「フリッツさんが背後ばかりに攻撃を仕掛けて来るのが多かったので、もしかしたらと思いまして…」
 
フリッツ「なるほど。それがわたしの敗因か」
 
コウキ「てかフリッツさん、力を確かめるとは言ったとはいえ、あれキツくないですか!?なんですかあの分身!」
 
フリッツ「ふふふ…ちょっと久しぶりに暴れてみたいと思ってな」
 
コウキ「いやーあれは怖かったですね…6体一気に攻撃されたら終わりでしたよ俺…」
 
フリッツ「そうだな…いでっ!?」
 
コウキ「フリッツさん!?」
 
フリッツ「最近歳をとってるせいか、胃痛がしてな…いでで…」
 
コウキ「すいません!俺が吹き飛ばしたせいで!悪化してしまったり…!?」
 
フリッツ「いや、大丈夫だ。なかなかいい威力だったぞあれは…」
 
コウキ「えっと、フリッツさん。一旦修行をあとにして胃痛薬を…」
 
フリッツ「すまない…ガルドから頼まれたのにな…」
 
コウキ「いえ、フリッツさんが元気になったらまた修行すればいいので!」
 
フリッツ「そうだな。では町にもどろ…」
 
ドォォォォォォォォォン!
 
コウキ達の近くで雷が落ちた。
 
フリッツ「な、なにごとだ!?」
 
コウキ「あ、あれは!?」
 
コウキがみたのは雷が落ちたとこから出現した巨大な魔物だった。
 
???「我の復活はきた…今こそ憎き人間どもを滅する時…!」
 
コウキ「お、お前は…!?」
 
???「憎き人間に我の名など関係ない。ここで去ぬがいい」
 
謎の魔物は左腕に生えている雷剣のような物で襲いかかろうとする。
 
フリッツ「コウキ君!逃げるぞ!こいつはやばい!」
 
コウキ「わかりました!でもフリッツさん!走れるんですか!?」
 
フリッツ「大丈夫だ…!」
 
コウキとフリッツはその場から離れる。
 
???「逃がしはしない…人間は滅する…!」
 
ドォォォォォォォォォン!
 
逃げるコウキ達のあたりから雷が降ってくる。
 
コウキ「うお!?あぶね!」
 
フリッツ「奴はなんだ!?新種の魔物か!?」
 
コウキ「わかりません!」
 
コウキ「(奴はなんだ!?雷を使う魔物…まさかあの伝承のファルギオル…!?いや、あれは言い伝えだし…)」
 
フリッツ「なっ!行き止まり!?」
 
コウキ「なんだってー!?」
 
???「脆弱な人間よ。貴様らはここまでだ」
 
フリッツ「なんと…!?もうここまで…!?」
 
謎の巨大な魔物はもう近くまで来ていた。
 
コウキ「…フリッツさん」
 
フリッツ「なんだ?」
 
コウキ「俺が囮になります!さぁ、あなたは早く!」
 
フリッツ「ダメだ!君のような若い人を見捨てたりはしないぞ!わたしが囮になろう!」
 
コウキ「ダメです!フリッツさんは大切な娘さんがいます!あなたがいなくなったらドロッセルさんはどうするんですか!?絶対!悲しみますよ!」
 
フリッツ「くっ…!」
 
コウキの目は真の覚悟を決めたような目をしていた。
 
フリッツ「…!」
 
フリッツ「わかった…すぐ助けを呼んでくる!コウキ君!ご武運を…!」
 
フリッツはその場から離れる。
 
コウキ「なにかっこいいこと言ってんだ俺は…きもちわりぃよ…俺にとって大切だった人を失うとこんな行動をしてしまうのか…」
 
そう、俺が尊敬していた人。
 
俺にとっては太陽な存在だった人。
 
その人が死んでから、俺は何もかも変わった。
 
それがあったせいか…もしフリッツさんが囮になって、俺のために死んだとする。
 
そしたらドロッセルさんはどうなる?絶対にあの人は悲しむ。
 
もう俺は誰かが絶望に悲しんでいく姿を見たくない。
 
だから俺がかわりに囮になって死ぬんだ。
 
リディー…お前は俺が死んだら悲しむか?お前はしっかりしているけど、すこし気が弱いところが心配だ…。
 
スー…お前も悲しむか?まぁお前は明るいし、皆を元気ずけることができるはずだよな?
 
ルーシャ…お前はオネットさんが亡くなってからも、俺とは違って前に進んで頑張ってたよな、ほんとお前はすげぇよ。
 
???「今度こそ去ね」
 
考え込んでいたら、巨大な魔物は俺のすぐ近くにいて、止めをさそうとしていた。
 
「俺のかわいい弟子になにしてやがる」
 
???「むっ!?」
 
巨大な魔物に強大な一撃が放たれる。
 
???「ぐおっ!?」
 
巨大な魔物は怯む。
 
コウキ「え…師…匠…?」
 
「よぉコウキ、かっこよかったぞ?さっきの言葉、すこし寝てな、もう疲れてるだろ」
 
コウキ「師匠…」ガクッ
 
???「貴様…この我にすこしだけ傷をつけただと…?」
 
「ああ、これからもっと痛くしてやるよ」
 
???「まぁいい…獲物が増えただけで我は嬉しいぞ?では、もう二度と貴様を動けなくしてやろう、去ね」
 
「かかってこい!あの人の影武者(ファントム)の力…みせてやるぜ!」

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第二十八話 錬金術士ソフィー&プラフタ

ファルギオル「雷よ!」

ファルギオルが放った雷がガルドの周りに降ってくる。

ガルド「ふん!」

ガルドは剣を地面に突き立て、周りにバリアーのようなものを展開する。

ファルギオル「貴様…忌々しきネージュと共にいたあの男を思い出す…!」

ガルド「あ?誰だそりゃ…雷神様の力はこんなもんかね?」

ファルギオル「いいだろう…もうすぐ貴様を葬ってやるわ」

ファルギオルがなにか力を溜めはじめる。

ガルド「させねぇぜ」

ガルドは攻撃を開始する。

ガルド「ぐっ!」

全身打撲していたところが突然痛みだす。

ガルド「くそ…よりによってここでか…」

ファルギオル「うおおおおお………」

ファルギオルはさらに力を溜めている。

ガルド「あたりを吹き飛ばす気か?そうなるとコウキが吹っ飛ばされるな…」

そう、ガルドの近くには気絶しているコウキがいる。

ファルギオルのあんな攻撃を喰らったらコウキが死んでしまう。

ガルド「俺がかわりに吹っ飛ばされるしかないか…コウキは軽傷くらいだな」

ガルドはコウキの周りにバリアーを張る。

ガルド「これでいいか…」

ファルギオル「さぁ、今度こそ去ね」

ファルギオルの溜めた力が放出される。

???「やらせない!」

矢がファルギオルに当たる。

ファルギオル「む?」

だがファルギオルにはかすり傷のような攻撃だった。

ガルド「フィリス…!?」

ガルドの前にフィリスが立ちはだかる。

フィリス「ガルドさんにはケガ一つつけさせない!」

ファルギオル「さらに脆弱な人間が来たか…我を侮るとどうなるか…貴様も今すぐにあの世に葬ってやるわ」

ファルギオルは力を溜めた攻撃を仕掛けようとする。

ガルド「フィリス…!逃げろ!」

ガルドの言った言葉はフィリスには聞こえていなかった。

フィリス「これならどうだー!」

フィリスは跳躍し、鉱石のような矢がファルギオルに放たれ、ファルギオルの周りに鉱石が生え、鉱石が一気に爆発する。

だがファルギオルにはまったく攻撃が通っていない。

フィリス「くっ…!」

ファルギオル「小賢しい…」

ファルギオルは溜めていた力を放つ。

ファルギオル「うおおおおおおお!!!!!!」

ガルド「フィリス!止せぇぇぇぇ!!!」

フィリス「………っ!」

???「バーン!」

火のような魔法弾がファルギオルに当たる。

ファルギオル「むむっ!?」

騎士A「第一班!足止め開始!」

騎士団員「おおー!!!」

騎士団員達がファルギオルに向かって突撃を開始する。

ファルギオル「小賢しい…!小賢しいぞぉぉぉ!!!」

フィリス「イルちゃん!?」

イルメリア「フリッツさんがミレイユさんに伝えてくれたのよ。フィリス、コウキをはやく」

フィリス「でも…!」

イルメリア「いいからはやく!あなたとコウキは第二班よ!ここは第一班のアタシたちに任せて先に行きなさい!」

フィリス「わかった…!頑張って!イルちゃん!」

イルメリア「言われなくても!騎士団の人!ガルドさんを!」

医療班騎士A「了解しました。我ら医療班!急いでこの方を運ぶぞ!」

医療班騎士B「了解いたしました!」

ガルド「すまねぇな…」

医療班騎士C「まったく、あなたは無茶をする…」

医療班の騎士達はガルドを運ぶ。

フィリス「コウキ君!大丈夫!?」

コウキ「ん…?フィリスさん!?」

フィリス「都に戻るよ!ほら立てる?」

コウキ「は、はい…でも師匠が…」

フィリス「ガルドさんは大丈夫だよ!さぁはやく!」

コウキ「わかりました!」

フィリスはコウキの肩を貸す。

医療班騎士D「護衛は任せてください」

フィリス「お願いします!」

???「我が娘!ルーシャよ!お父さん頑張るぞぉぉ!!」

イルメリア「マーガルットさん!危ない!」

マーガルット「ん!?」

ファルギオル「雷よ!」

マーガルット「おおおおおおっ!?」

マーガルットは雷に当たり、吹っ飛ばされる。

騎士B「マーガルット殿ぉぉぉ!!!」

マーガルット「娘よ…すまぬ…」

イルメリア「マーガルットさんがやられたわ!騎士団員の方!」

騎士C「了解!」

………

王城 エントランス

医療班騎士A「王女様、この方の捜索、完了いたしました。今すぐに病室で治療を開始します」

ミレイユ「わかったわ、お願いね」

医療班騎士A「はっ!急ぐぞ、お前達」

医療班騎士団員「了解しました!」

アルト「君はあいかわらずだね、ガルド」

ガルド「すまなかったな」

ガルドは病室に運ばれる。

フィリス「ついたよ、コウキ君」

コウキ「すいません…フィリスさん」

リディー「コウちゃん!」

スール「コウキ!」

ルーシャ「まったくあなたは…」

コウキ「ごめんな…」

アルト「君もだよ、フィリス」

フィリス「ごめんなさい、勝手に出ていっちゃって…」

フィリスがペコリと頭を下げる。

ミレイユ「無事でよかったわ。フィリスちゃん」

ミレイユ「さて、コウキ君が元気になったらあなたたちの出発よ!」

スール「わかりました!」

………

一時間後…

リディー「コウちゃん、もう大丈夫?」

コウキ「おうよ」

バタン!

マティアス「姉貴!第一班から報告!取り急ぎ、足止めに成功したってさ!」

ミレイユ「了解!それじゃあ第二班、出発っ!…みんな、よろしく頼んだわよ!」

………

メルヴェイユ メルク庭園 メルク門

???「ふぅー着いたね!」

???「ええ、着きましたね」

リアーネ「ソフィーさん!?」

ソフィー「リアーネさん!?お久しぶりですね!」

リアーネ「そうですね…!あの、フィリスちゃんが…」

???「…?フィリスがどうかしました?」

リアーネ「あの子、突然門から出て仲間たちとどこかへ行ってしまったんです。私それが心配で…」

ソフィー「プラフタ」

プラフタ「ええ、急ぎましょう」

二人は門から出る。

リアーネ「フィリスちゃん…大丈夫かしら…」

………

ブライズヴェスト(荒野)

ファルギオル「うおおおおおおおおっ!!!」

リディー「ひっ…!い、今の…ファルギオルの叫び声…?」

ルーシャ「ち、近くまで来ると…プレッシャーがすごい…うくっ…」

スール「こ、この程度…負けるわけにはいかないよ!奥まで急ごう、みんな!」

コウキ「………」

マティアス「大丈夫そうか?コウキ」

コウキ「大丈夫です!こんくらい!」

アルト「ふむ…」

マティアス「なんだよアルト」

アルト「いや、何でもない。ぼくたちも急ごう」

スール「ちょっとー!はやくしてよ!男子組!」

マティアス「はいはい!」

………

リディー「あれは…師匠!」

スール「リディー!」

リディー「うん!」

コウキ「イルさん…!?」

俺達が目の前でみたのは戦っている、騎士団員、そしてリディー達の師匠でもある、イルさんだ。

イルメリア「やっと来た…!遅かったじゃないの!」

リディー「すみません、師匠!あれがファルギオル…!」

ファルギオル「うおおおおおおおおおおおっ!!!人間どもめぇぇぇぇぇ!!!」

ルーシャ「…あの、イルメリアさん!お父様は!?」

そう、ルーシャの父親、マーガルット・ヴォルテールだ。

イルメリア「あいつの攻撃を食らってね。幸い、命に別状はなさそうだけど…っ」

スール「師匠、大丈夫ですか!?うわっ、傷だらけ…」

イルさんは錬金術士だが、でも女。

ファルギオルから受けた傷が多すぎるのだ。

イルメリア「平気って言いたいところだけど、そろそろ限界…足手まといになる前に交代するわ…」

イルメリア「できる限りなのことはやったつもりだから、…頑張りなさいよ、リディー、スー!」

スール「はい、任せといてください!絶対、あいつを倒してみせますから!」

リディー「うん!…行こう、スーちゃんっ!!」

イルメリア「コウキ…リディー、スー達のこと頼むわよ…」

イルメリアはコウキの肩を優しくつかむ。

コウキ「はい…!任せてください!イルメリアさ…イルさん!」

イルメリア「もう、さん付けはいいから!イルって呼んでよ…」

コウキ「わかりました…!イル!」

イルメリア「よろしい…!」

騎士A「イルメリア殿、交代です」

イルメリア「わかったわ。じゃあ、コウキ頑張って…」

イルさんと騎士団員の人達は撤退していく。

コウキ「………」

マティアス「コウキとイルメリア嬢はどんな関係なんだ…?」

アルト「そんなことはあとで考えろ、今は戦いに集中しろ」

マティアス「おう…目的を見失うとこだったわ…」

………

そして俺達はファルギオルに武器を構え、第二班の攻撃が開始される。

ファルギオル「許さんぞ…許さんぞ…人間!」

アルト「裁きを!」

アルトの魔法で無数の錬金剣がファルギオルに突き刺さる。

ファルギオル「効かぬわ!」

アルトの攻撃は弾かれる。

アルト「なんだと!?」

ファルギオル「うおおおおお!!!!」

ファルギオルは左腕に生えている雷剣でアルトに反撃する。

マティアス「アルトー!あぶねー!」

コウキ「マティアスさん!?」

マティアスがその攻撃を受ける。

マティアス「だから嫌だったんだ…」ガクッ

マティアスは攻撃を喰らい、気絶する。

アルト「マティアス!」

コウキ「マティアスさん…!くそっ!喰らえ!」

コウキは光の剣を発動し、ファルギオルに攻撃する。

ファルギオル「貴様はあの時の…さっさと去ね」

リディー「コウちゃん!避けてー!」

コウキ「なっ!?」

ファルギオルが素早く雷剣をコウキに薙ぎ払ったのである。

コウキには何が起こったのかわからなかった。

なぜならコウキはもう気を失っていたから。

コウキ「みんな…ごめん…」ガクッ

リディー「コウちゃん!」

ルーシャ「………!」

アルト「くっ…!」

フィリス「やっぱり…攻撃が効かない…!?」

スール「やったなぁ!?おののけ!」

スーは近距離から銃を放つ。

ファルギオル「我に攻撃は効かぬ」

スーの撃った弾丸はファルギオルに当たるがなんともない。

そしてスーにカウンターを仕掛ける。

アルト「リディー!?おい!」

ルーシャ「リディー!?」

リディーがスーの元に走り出す。

リディー「スーちゃん!危ない!」

今度はリディーがかわりにファルギオルの攻撃を受ける。

リディー「お母さん…お父さん…ごめんなさい…」ガクッ

スール「え、いやだぁぁぁぁ!!!リディー!!!」

スーが声にならない叫びをあげる。

フィリス「………っ!はぁぁぁぁ!!!」

フィリスが矢を放つ。

ルーシャ「やりましたね!?これを食らいなさい!」

ルーシャは傘?で魔法弾を放つ。

アルト「無駄だ!奴には攻撃が通じない!」

フィリス「………っ!」

ルーシャ「それでも…!」

ファルギオル「愚かな人間どもよ、我にはそんなものは効かぬ…」

スール「リディー!起きてよ!ファルギオルをボコボコにしようよ…!」

スーは倒れているリディーの近くで座り込んでいる。

あたりに雷が放たれた。

スール「え…」

アルト「バカな!」

ルーシャ「きゃあああああああ!?」

フィリス「こんなことって…こんなことって…」

四人は強大な雷に当たってしまう。

アルト「………」

スール「………」

ルーシャ「………」

フィリス「………」

全滅し、静かになる。

ファルギオル「脆弱な人間どもよ。我を侮ったこと…後悔するがいい」

フィリス「くぅ…!」

ファルギオル「まだ起き上がるか…か弱き人間よ」

フィリス「わたしは…しつこいよ…!何度だって…!起き上がるから…!」

フィリスは弓を構え、矢を放つ。

ファルギオル「雑魚が…」

ファルギオルはフィリスの放った矢を弾く。

フィリスは力を振り絞って、力を使ってしまったのか、そこで体勢を崩してしまう。

フィリス「くっ…!」

ファルギオル「さて、目の前で倒れている人間…小賢しい…」

ファルギオルの目の前で倒れているのがリディー、スーだった。

フィリス「あ、ダメ…!逃げて…!逃げて…!二人ともっ!!」

リディー「………」

スール「………」

二人に声は聞こえていなかった。

ファルギオル「去ね」

フィリス「ダメェェェェェ!!」

フィリスは力を振り絞って体勢を直し、双子の二人の前に立ち、庇いにいく。

フィリス「(ごめん…イルちゃん…!リア姉…!プラフタさん…!そして…ソフィー先生…!)」

???「させないよ」

すると突然、誰かがファルギオルに強力な一撃をくらわす。

ファルギオル「むっ!?」

???「これが雷神ファルギオル。…思っていたよりもしぶといようですね」

???「そうみたいだね。でも…これ以上、好き勝手はさせないから」

フィリス「あ…あ…!」

フィリス「ソフィー先生…!!プラフタさん…!!」

リディー「あれ…?私たち…生きてる…の…?」

スール「どうして…?ファルギオルにやられたはずじゃ…」

???「ふふ、もう大丈夫だよ。プラフタ、この子たちをお願い」

プラフタ「わかりました。…二人とも、こちらへ。ソフィー、あなたは?」

ソフィー「あたしは…もう一発、ぶちかます!」

ソフィーという少女はもう一発強力な一撃をお見舞いする。

ファルギオル「ぐぅっ!…貴様、人間にしてはやるようだ。忌々しきネージュを思い出す…!」

ファルギオル「次にまみえた時は…必ず、滅ぼす!」

ファルギオルは姿を消す。

スー「うそ、消えちゃった…!?大変、逃がすわけには…いたたたた…」

プラフタ「いえ、深追いは危険です。ひとまずここは態勢を立て直すべきかと」

ソフィー「うん。とりあえず、応急処置だけしとこうか」

するとあたりから青い光が放ち、体の痛みがなくなっていく。

リディー「え…体中が痛かったのに、一瞬で治っちゃった…?」

スール「ゆ、夢みたい…あなたは…?もしかして、魔法使い…?」

ソフィー「ううん…ただの錬金術士だよ、ただの」

フィリス「先生、助けてくれてありがとうございました…けど、どうして…」

ソフィー「あはは、都に着いたらリアーネさんと出くわして、それで、すぐに駆けつけたってわけ」

ソフィー「それより、フィリスちゃん。お話ができそうな場所まで案内してくれる?」

ソフィー「ファルギオルを放っておくわけにはいかないからね。どうすればいいのか、みんなで考えないとね」

フィリス「はい!すぐに案内します!みんな、お城に戻ろう!」

マティアス「コウキ…おい、起きろ」

コウキ「ん…俺は生きて…」

マティアス「起きたか、ソフィー嬢という人がオレたちを助けてくれた」

コウキ「ソフィー…?」

ソフィー「ほら、君、大丈夫?」

ソフィーという人が手を差しのべる。

コウキ「あ…はい…」

プラフタ「大丈夫ですか?」

アルト「ああ、大丈…!?」

プラフタ「どうしました…?」

アルト「あ…いや…なんでもない…助かったよ、ありがとう」

ルーシャ「いたた…あれ?」

プラフタ「もう大丈夫です。さぁ行きましょう」

ルーシャ「は…はい…!」

アルト「………」

………

王城内医務室

医療班騎士A「傷口は治りました。そこで安静にしていてくれ」

ガルド「おうよ」

医療班騎士A「よし、配置に戻るぞ」

医療班騎士団員「はっ!」

医療班の騎士団員達は医務室を出ていく。

ガルド「お前は戻らないのか?」

医務班騎士C「ええ、すこしあなたと話をしたくてですね」

ガルド「そうか」

医務班騎士C「すこし遅れる!」

医務班騎士B「了解…あまり長居するなよ?」

医務班騎士C「わかっているさ。それで…お久しぶりですね…ボス」

ガルド「ああ、久しぶりだな。元気だったか?」

医務班騎士C「ええ、相変わらず…毎日楽しい日々を送ってますよ。あなたには感謝しています」

ガルド「そうか、それはよかった」

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第二十九話 諦めない心

俺達はあの『雷神の伝承』で出てくるファルギオルと戦った。
 
だけどファルギオルに力は及ばず、返り討ちをくらってしまう。
 
俺達がやられそうになった時、錬金術士のソフィーさんとプラフタさんによって俺達は助けられた。
 
………
 
王城 エントランス
 
ミレイユ「ファルギオル…思ってたより、はるかに強大だったわね…」
 
リディー「はい…全然歯が立ちませんでした…」
 
スール「反則だよ…勝てっこないよ、あんなの…」
 
コウキ「………」
 
ミレイユ「完全に折れちゃったみたい…自信があったならこそ逆に、か…」
 
ミレイユ「それで、えっと、あなた方は…?」
 
ソフィー「あ、申し遅れました。あたしはソフィー・ノイエンミュラーと申します」
 
プラフタ「そして、私はプラフタ。ソフィーとともに旅をしています」
 
フィリス「ソフィー先生もプラフタさんも、とっても優れた錬金術士なんです!」
 
フィリス「二人の力を借りられれば、ファルギオルも、もしかしたら…」
 
ミレイユ「…なるほど。ソフィーさん、プラフタさん。出会って早々、大変恐縮なのですが…」
 
ミレイユ「今はこの国の危機。ぜひお力を貸していただけませんか?」
 
ソフィー「はい、事情はフィリスちゃんから聞きました。プラフタともども、協力させていただきます」
 
コウキ「(どうしてだ?ソフィーさんはこことは無関係なのに協力してくれるのか…?)」
 
ミレイユ「ありがとうございます…!では早速、今度の対応について協議を…」
 
リディー「…なんだか。完全にかやの外にされちゃったね」
 
スール「…いいよ。どうせ会議なんかしたって、あんな化け物に勝てっこないもん」
 
スール「本気でやっても、全然ダメだった。もう…どうしようもないんだもん…」
 
リディー「スーちゃん…」
 
コウキ「………」
 
俺はもう下を向くことしか出来なかった。
 
ソフィー「………」
 
ソフィーはリディー達のほうを振り返る。
 
プラフタ「ソフィー?」
 
ソフィー「あ、ごめんね」
 
ソフィー「というわけで、問題はファルギオルの耐久力なんです。全力で攻撃はしてみたんですけど…」
 
プラフタ「致命傷にはほど遠い、どうにかして、ファルギオルを弱体化させることができれば…」
 
フィリス「弱体化、弱体化…ダメだぁ、何も思い浮かばない…」
 
ソフィー「そうだね…どの方法も、有効とまでは言えない気がして…」
 
ミレイユ「…少し休憩は挟みましょうか。戦いから間を開けずに会議していることだしね」
 
ミレイユ「幸い、ファルギオルはまだ姿を消したまま。一旦休んで、頭を整理した方がいいと思うわ」
 
プラフタ「そうですね。ソフィー、どうしますか?私は外に散歩に行こうと思うのですが」
 
ソフィー「…うん、ごめんね。あたしはもうちょっと、ここで考えてみる」
 
プラフタ「わかりました。あまり無理はしないように、フィリス、案内してくれますか?」
 
フィリス「あ、はい!プラフタさん、ちょっと待っててくれますか?」
 
プラフタ「わかりました。待ってますよ」
 
フィリスは王城内の病室に向かう。
 
………
 
王城内医務室
 
フィリス「ガルドさん!」
 
ガルド「ふ、フィリスか?」
 
フィリス「ガルドさんどうして勝手に出たんですか?心配しましたよ…わたし…」
 
ガルド「すまん。あまりにも雷雨が多いからな、もしかしたらと思ってな…」
 
フィリス「ファルギオルが復活してたのを知っていたんですか?」
 
ガルド「ああ…そうだな。あの時を思いだしてな…」
 
フィリス「あの時?」
 
ガルド「いや、なんでもないぜ…」
 
フィリス「…?でもなんとか無事でよかったです!」
 
ガルド「お前もな。あの時はびっくりしたぞ…まさかお前が来るとはな…」
 
フィリス「わたしからは逃げられないんですよー?ガルドさーん?」
 
ガルド「おっと、顔が怖いな…フィリス」
 
フィリス「冗談です!じゃあわたしはこれで…」
 
フィリスがガルドの病室から出ようとする。
 
ガルド「フィリス」
 
フィリス「ん?」
 
ガルド「お前、あの時俺にケガ一つつけさせないと言ったな?」
 
フィリス「は、はい…」
 
ガルド「逆に俺はお前にケガ一つ、つけさせたくねぇよ。絶対に」
 
フィリス「えへへ…そうですか?」
 
フィリスがガルドの傍に近づく。
 
フィリス「次どこか行くときは…わたしも呼んでよ…?」
 
ガルド「ああ…そうするぜ」
 
フィリス「………」
 
ガルド「ふぉ!?」
 
フィリス「えへへ…じゃあね!」
 
フィリスは病室を出る。
 
ガルド「ったく、だからそうゆうのは若い奴に…」
 
………
 
王城 エントランス
 
フィリス「プラフタさん!待たせました!それじゃあ行きましょう!」
 
プラフタ「はい」
 
フィリスとプラフタは王城を出る。
 
リディー「スーちゃん。私たちもアトリエに帰らない?」
 
スール「…その前に、あの人に聞きたいことがある」
 
スーが言うあの人とは俺達を助けてくれたソフィーさんのことだった
 
リディー「えっ…。スーちゃん…?」
 
コウキ「なにを聞くんだ…?」
 
スール「ちょっとね…」
 
スーは真剣な目をしていた。
 
俺達はソフィーさんの元に近づく。
 
ソフィー「だとすると…うーん、ダメか…じゃあ、こっちをこうすれば…」
 
ソフィーさんはなにやら物の整理をしているようだ。
 
スール「あの、ソフィーさん」
 
ソフィー「…うん?えっと…スーちゃん、だよね。どうかした?」
 
スール「単刀直入に聞きます。…どうしてそんなに頑張れるんですか?」
 
コウキ「(え…なにを言ってるんだスーは…)」
 
ソフィー「…?どういうこと?」
 
スール「ファルギオルはあんなに強いんですよ?ソフィーさんでも、まともに戦ったらどうなるか…」
 
スール「まして、ソフィーさんはメルヴェイユに来たばっかり。この場所には関係ないじゃないですか」
 
スール「なのに、そんなに頑張って力を貸してくれるなんて…あたしには、どうしてかわかりません」
 
リディー「…それ、私も聞きたいです。あのファルギオルを見て、どうしてまだ、戦おうって思えるのか…」
 
コウキ「ソフィーさん俺もそれ聞きたいです。どうしてこことは無関係の人がそこまで…」
 
ソフィー「…なるほどね。単純な話だよ。あたし、錬金術はみんなのためのものだと思ってるから」
 
スール「みんなの…ためのもの?」
 
ソフィー「うん。錬金術はみんなのためのもの。みんなのために使うもの」
 
ソフィー「だから、あんまり縁がなかったとしても…目の前で困ってる人がいたら、その人を助けたい」
 
ソフィー「それに、あたしは錬金術を信じてる。錬金術ならどんな困難だってきっと乗り越えられるって」
 
ソフィー「だから、ファルギオルがいくら強くても…あたしはみんなのために、最後まで絶対に諦めない」
 
ソフィー「ただ、それだけだよ」
 
ソフィーさんはそう言い、笑顔をみせる。
 
コウキ「………!」
 
俺はこの人のおかげで力をもらえた気がした。
 
スール「~~~っ!リディー…!」
 
リディー「うん、スーちゃん…!」
 
スール「なんかあたし…変に弱気になってた!あたしたちも、ファルギオルを倒す方法を考えよう!」
 
スール「錬金術はみんなのためのもの…!都のみんなを守るためにも、頑張らなくっちゃ…!」
 
リディー「うん!…私も錬金術を信じてみるよ。錬金術なら、ファルギオルだって絶対倒せるって!」
 
スール「ソフィーさん、ありがとうございました!その…すっごくためになりました!」
 
リディー「何て言うか…勇気をもらえた気がします!私たちも、精一杯考えてみますね!」
 
コウキ「なんていうか…あなたのおかげで頑張れる気持ちになりました。ありがとうございます」
 
ソフィー「ふふっ、それはよかった。…頼りにしてるよ、三人とも」
 
すると散歩に出てたプラフタとフィリスが王城に帰ってくる。
 
プラフタ「ただいま戻りました。さて、そろそろ会議を再開しましょうか」
 
ソフィー「あはは、その必要はないみたいだよ。…ねっ」
 
スール「はい!あたしたち、思いついたんです。ファルギオルを倒すきっかけになりそうなこと!」
 
ミレイユ「えっ、本当!?双子ちゃん、どんなことなの!?」
 
リディー「ファルギオルを倒すために、不思議な絵の力を使うんです!」
 
スール「伝承によると、ファルギオルは絵に閉じ込められた。なら、ファルギオルは絵に弱いんじゃないかなって」
 
ミレイユ「可能性はあるわ。不思議な絵を集めてたのは、それを見越してでもあるんだもの」
 
ミレイユ「でも、今まで調査した絵の中には、ファルギオル討伐に有効な手立ては…」
 
リディー「今までなかったならって、他の絵にないとは限らないじゃないですか!」
 
コウキ「そうです!やるからには諦めずにやっちゃうべきだと思います!」
 
スール「そう。やる前から諦めちゃダメだと思うんです。新しい不思議な絵…もう手に入ってるんですよね?」
 
スール「ミレイユさん、お願いします!不思議な絵…紹介してください!」
 
フィリス「お、おお…三人とも、なんか元気になってる…。ソフィー先生、何かやったんですか?」
 
ソフィー「ふふっ、さぁね?」
 
ミレイユ「…わかったわ。確かに可能性が少しでもあるなら、諦めるのはまだ早いわね」
 
ミレイユ「みんな、画廊まで来てくれる?とっておきの一枚…お見せするわ」
 
………
 
王城 戦闘班控え室
 
騎士B「隊長、諜報班から入電。ファルギオルの現在場所を特定…奴はまたブラウズヴェストからメルヴェイユに近づいてきています!」
 
騎士A「了解…ただちに現場に向かい、最大戦力で奴の足止めを開始する。行く準備をするぞ」
 
騎士B「了解…!」
 
………
 
王城内画廊
 
ソフィー「うわぁ、繊細に書き込まれてる…!これが『不思議な絵』なんですか?」
 
ミレイユ「ええ、この絵の題名は、『凍てし時の宮殿』。作者はネージュ・シャントルイユ…」
 
ミレイユ「不思議な絵を初めて描いた画家にして…他でもない、ファルギオルを封じた一人でもある、錬金術士よ」
 
ミレイユ「しかも、この絵は彼女の初めての不思議な絵。つまり、一番最初に作られた不思議な絵ってことね」
 
スール「うわ、とんでもなくとんでもない絵なんですね…!この絵なら、ファルギオルを倒す限らもきっと…!」
 
ミレイユ「ええ、私たちの運命を託すのにはうってつけの一枚ね。じゃあ急いで修復を…」
 
すると誰かが画廊に入ってくる。
 
イルメリア「ミレイユさん!またファルギオルが出たらしいわ!」
 
ミレイユ「何ですって!?何て間の悪い…どうしたものかしら…」
 
ソフィー「…ファルギオルのことは、あたしとプラフタが食い止めます。だから、その間にみんなでファルギオルを倒す鍵を見つけて来てください」
 
ソフィー「え…いいんですか?それ、すっごく危ないんじゃ…」
 
プラフタ「ふふ、時間を稼ぐだけなら問題はありません。さすがに真正面からは挑みませんので」
 
ソフィー「そういうこと。リディーちゃん、スーちゃん。…任せたよ!」
 
双子「はい!」
 
プラフタ「コウキも頑張ってください」
 
コウキ「はい!」
 
ソフィー「よし、プラフタ、行こう!イルちゃん、場所を教えてくれる?」
 
イルメリア「はい!あ、アタシも時間稼ぎ、手伝いますからね!あなたたち、しっかり頑張るのよ!じゃあ、バイバイ!」
 
ネスト「話は聞かせてもらったっすよ」
 
メルサ「ミレイユさん、あたしたちも足止め手伝いますよ」
 
コウキ「ネストさんとメルサさん!?」
 
ネスト「久しぶりっすね。コウキ」
 
メルサ「ミレイユさんにはお世話になってるからね。だから今度はあたしたちがミレイユさんに見返ししてやろうってね!」
 
ミレイユ「二人とも…そうね。二人にもお願いするわ!」
 
イルメリア「えっと、あなたたちは…?」
 
ネスト「話はあとでっすよ!」
 
メルサ「そうだよ!急ごう!」
 
イルメリア「わかりました!」
 
ソフィー「行くよ、プラフタ」
 
プラフタ「はい」
 
五人は画廊を出る。
 
スール「よし。あんまり待たせるわけにはいかないし…修復に必要な道具、大急ぎで調合しちゃおうっ!」
 
………
 
王城内ガルドの病室
 
医療班騎士C「もう体のほうは大丈夫そうですね」
 
ガルド「わかった。あれをくれ」
 
医療班騎士Cはポケットから葉巻、ライターを取り出した。
 
ガルド「つけてくれないか?」
 
医療班騎士C「わかりました」
 
騎士は葉巻に火をつける。
 
ガルド「ふぅ…久しぶりの葉巻は美味い…」
 
医療班騎士C「体に悪いのであまり吸いすぎないようにしてくださいね」
 
ガルド「ああ」
 
ガルドは葉巻を口にくわえたまま、服を着替え、隣にある大剣を背中に背負う。
 
ガルド「また逢おう」
 
医療班騎士C「ええ、では」
 
騎士は部屋を出る。
 
ガルド「さて…」
  
するとガルドは首につけているお守りに手をかざす。
 
ガルド「ヒナ、聞こえるか?」
 
ヒナ「ふぁ!?お守りから声が!」
 
ガルド「元気そうだな」
 
ヒナ「まさかこのお守りは…」
 
ガルド「ああ、お前といつでもお話できる優れ物だ」
 
ヒナ「そうですか!嬉しい…です」
 
ガルド「それで何かわかったことはあるか?」
 
ヒナ「はい…!ガルドさん達に渡したい物があります」
 
ガルド「わかった。今度お前のとこに会いに行くから、待っててくれよ」
 
ヒナ「はい…♪待ってますよ!」
 
ガルドはお守りを手から離し、通信をきる。
 
ガルド「さて、いくか…」

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