リディー&スールのアトリエ ~光の剣士の物語~ (テオにゃんX)
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序章 運命を越えて 第一話 始まり

※主は小説投稿初心者です


「はぁ…やべ…眠い…」

 

時間を見たらもう深夜の2時くらいで、また本を読んでいた。いつもこんなことしてると体に悪い、俺はベッドに行き、眠りについた。

 

『…く…ら…い、…く…ら…い…よ、…』

 

『…わ…た…、し、…じ…ゃ…、な…い、…な…に…か、が…』

 

『…わ…、た…し、…自…身、…が…望、…ん…で…も…な…い、…こ…と…を、…し…て…る…』

 

『…だ…れ…か…』

 

『…わ、た…、し…を、…た、…す…け、…て、…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう朝か…」

 

何か変な夢見てたけど、さっきまで何をみていたのか、思い出せない。ま、そんなことは置いといて…。なんか寝てる時の時間の経過って早い気がする…

 

時計の時間を見たら一瞬で目が覚めた。

 

「ええ!?もう昼の12時じゃん!やべぇ!今日母さんの店の手伝いあるんだったぁ!」

 

急いで準備をして階段を降り、1階に行った。

 

???「はぁ…コウちゃんったら…また寝坊してるんですか?」

 

???「そうなのよ…あいつったらまた寝坊して…もうお昼なのに、部屋の鍵まで閉めて、何やってんだが…」

 

???「部屋の鍵を?あはは…」

 

???「母さん!ごめん!寝坊した!部屋の鍵閉まってたでしょ!?ごめん!まじで!」

 

???「コウキ!あんたったら!また本読んで夜更かししてたでしょ!」

 

???「あはは…コウちゃんはあいかわらずだね…」

 

コウキ「お、リディーか、どうした?本買いにきt…あいたっ!」

 

母さんに頭を本で叩かれる。

 

???「あんたったら!今日という今日は許さないわよ!」

 

コウキ「ごめん、母さん!許して!本読んでたらハマりすぎてずっと読んでたの!」

 

???「またそんな言い訳して!一週間ごはんぬきよ!しばらく反省しなさい!」

 

リディー「あ、一生じゃなくて、一週間なんだ…」

 

母さんは怒って部屋から出てしまった。

 

コウキ「うっそだろ!飯食べなきゃ俺死んじゃうよぉ!母さんは俺を殺す気だな!?」

 

リディー「あはは…コウちゃん、自業自得だよ、もう何回目なの?夜更かしして仕事サボったの」

コウキ「多分、毎回だと思う…俺ってダメだな…」

 

リディー「どうしてそうなったの?前は仕事ちゃんとしてたじゃない…」

 

コウキ「いや、それは…」

 

言えなかった…どうしても…今から三年前にリディーとスーの母親、オネットさんが亡くなってから俺は変わった。

 

店番の仕事もサボって、部屋に引きこもってずっと本を読んでる毎日になった。

 

オネットさんからはいろんな事を教えてもらったし、俺の尊敬する人だったから…

 

リディー「もう!ちゃんとサリアさんの言うことを聞いてあげてね!サリアさん、コウちゃんの事ああ言ってるけど、ほんとは心配してるんだよ?」

 

サリアとは俺の母親のことだ。

 

コウキ「ああ、そうだな…。リディー、スーは?いつも二人で行動してるのに今日は一人なのか?」

 

リディー「スーちゃんは今アトリエにお留守番だよ。私は本を買いに行こうと思って本屋にきたんだよ。」

 

コウキ「そうか。何買ってく?」

 

リディー「いや、本も買ったし、そろそろアトリエに戻るよ。スーちゃんも待ってるからね」

 

コウキ「お、そうか。気を付けてな」

 

リディー「うん!お仕事頑張ってね」

 

リディーは店を出ていく。

 

コウキ「てか午前は母さんが店の担当してたのか…ごめん、母さん…いつもこんな俺で…」

 

コウキ「てか飯どうしよう…仕方ない…俺が悪いし自分の金でご飯を買うか…今から一週間か…今月は何も物とか買えないな…」

 

少年コウキはこれからどんな運命になっていくのだろうか。



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第二話 採取

オリキャラ紹介

コウキ・レオナー

17歳

身長156cm

職業 剣士

うっかりやでわすれがちな性格で、幼いころ、ある事がきっかけで人間不振になったことがあるが、オネットに助けられ人間関係を克服した。彼女には凄い尊敬をしていたがオネットが突然病死し、それからだらけた生活を送るようになってしまう。

サリア・レオナー

37歳

身長160cm

職業 本屋

コウキの母親。
本屋の店主。本を読むことが好きで、オネットとは幼いころから一緒で親友関係。穏やかな性格で、何事もなく静かなさま。安らかで平穏無事。だけど怒らせるとまずい人。忙しい時は店番を息子のコウキに任せる時がある。


母さんにご飯抜きと言われて一週間がたった。

 

マジでご飯抜きだった、母さんパネェよ!今月の俺の金がなくなったため、また依頼とかでお金を稼ぐことにした。

 

コウキ「よーし、仕事終わった。母さん、あとは頼んだよ」

 

サリア「はいご苦労様。あとは私がやるから、また頼むわよ」

 

コウキ「ほーい」

 

俺は本屋を出た。

 

まずお金がないので依頼でお金を稼ぐしかないか…俺はこうみえても剣を使っている。

 

まぁまだまだ初心者なんだけど、俺は守るべき人を守る!ってよく恋愛漫画であるけどそんなん無理か。

 

今の俺には守るべき人とかいないし…ってそんなこと言ってる場合か、はやく依頼見てこよっと。

 

俺は王城前広場の掲示板のとこにきた。

 

コウキ「さーて、何があるかな?」

 

依頼を見たら納品の依頼と近くの魔物退治と迷子のペットのプニ探しの依頼しかなかった。

 

コウキ「ペットのプニ探しは…報酬が少ないし…近くの魔物退治は一人だと危ないし…近くの森の納品でいいかな…」

 

俺は近くの森にある納品の依頼を受けて目的地に向かおうとしたその時…

 

???「あれ、コウキじゃん!何してんのー?」

 

後ろから声を掛けられた。その子は幼馴染であり、双子の妹スールだ。隣にはその姉、リディーがいた。

 

コウキ「お、スー達じゃん、お前らも依頼受けにきたの?」

 

スー「そうなんだよ、食費がないからね」

 

リディー「うん、そうなの。コウちゃん、何か新しい依頼あった?」

 

コウキ「いやぁ、特になんも…俺は今から近くの納品の依頼受けるんだけど、二人はどうすんの?」

 

スー「納品の依頼ね。じゃあアタシ達も手伝う?暇だしね、リディー」

 

リディー「うん、そうだね、一人で行かせるのは危ないし…」

 

コウキ「手伝ってくれんの?助かるよ」

 

スー「あー、でもその代わり報酬は分けてね♪」

 

リディー「あはは…それでいいかな?コウちゃん」

 

コウキ「おう、わかった」

 

そして俺達は門の前に向かって、目的地に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「さて、目的地に着いたし、採取でもしますかね」

 

スー「あー見て見て!うさぎさんがいるー!」

 

リディー「ほんとだ!可愛いね…」

 

コウキ「あ、そういえば、うさぎの毛も必要なんだった」

 

スー「あ、そういえば…そうだった」

 

リディー「そういえば、そうだったね…」

 

コウキ「よーし、俺がうさぎをとっちめてやる!」

 

スー「アタシも手伝うー」

 

リディー「二人共!待ってよー!」

 

俺とスーはうさぎの毛×5とリディーはぬめりキノコ×3個を採取し、目的の物を採取できたので、メルヴェイユに戻ることにした。

 

ガサガサ

 

コウキ「ん?」

 

リディー「どうしたの?コウちゃん?」

 

コウキ「いや、なんかさっき草むらから音がしたような…」

 

スー「気のせいじゃない?」

 

すると草むらから青プニ三体が現れた。

 

リディー「わー!?プニー!?」

 

スー「プニだ!」

 

コウキ「倒すぞ!二人共!」

 

二人「うん!」

 

俺は剣を抜いて先に先制攻撃をした。

 

コウキ「おらー!」

 

バン

 

コウキの攻撃はプニに命中し、一体目を倒した。

 

スーは二等拳銃を出し、もう一体のプニに攻撃をして命中し、もう一体を倒した。

 

すると残り一体になったプニが俺に向かって素早くたいあたりしてきて、俺はそれを剣でガードしようとしたが、タイミングが遅く、それをまともにくらってしまう。

 

コウキ「のわー!」

 

俺はあまりの攻撃に腰をついてしまう。

 

リディー「回復魔法ー!」

 

リディーは回復魔法で俺を癒し、さっきくらったはずの傷が治り、楽になり、俺は体勢を立て直す。

 

コウキ「すまん!助かった!」

 

リディー「うん!今がチャンスだよ!」

 

スー「蜂の巣にしてやる!」

 

コウキ「おらおらー!」

 

俺とスーの攻撃がプニに命中し、三体目を倒した。

 

コウキ「よし、倒したー」

 

スー「楽勝だったね!」

 

リディー「勝ててよかったよ」

 

コウキ「じゃ、戻ろうか」

 

俺達はメルヴェイユに向け帰る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達は依頼された物を納品し、報酬を貰い、三人で分けた。

 

コウキ「二人とも、今日はありがとな。依頼手伝ってくれて」

 

スー「別にいいよー。あたし達もお金欲しかったしね」

 

リディー「うん、一人より人数は多いほうがいいでしょ?」

 

コウキ「おう、またなんかあったら頼むわ」

 

スー「はいはーい。またねー!」

 

リディー「じゃあ、コウちゃん、また明日ね」

 

俺達は別れ、自分の家に帰っていく。



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第三話 師匠

俺は納品の依頼を終えてから家に帰った。

 

コウキ「ただいまー」

 

サリア「あら、コウキおかえり」

 

???「お邪魔してますよ、コウキ」

 

家に来てたのはアトリエ・ヴォルテールの主、幼馴染のルーシャだ。

 

コウキ「ルーシャじゃん、どうした?」

 

ルーシャ「サリアおばさまとお話をしてただけです」

 

コウキ「アトリエのほうは大丈夫なのか?何か客がたくさん来てて評判とか聞いたけど」

 

ルーシャ「おーっほっほっほ!アトリエ・ヴォルテールは今はメルヴェイユでも最高クラスのアトリエですからね!評判になるのも当たり前です!」

 

コウキ「あ、そっかーすごいなー(棒)」

 

ルーシャ「なんですか!その棒読みは!」

 

コウキ「別にー?」ヘッ

 

ルーシャ「ふん…あ、サリアおばさま、これを買います」

 

サリア「錬金術の本…ルーシャちゃん、錬金術頑張ってね」

 

ルーシャ「はい!頑張りますね!サリアおばさま、では失礼しますね」

 

コウキ「おう、またな」

 

そしてルーシャは店を出ていった。

 

サリア「さぁ、今日はもう閉店しようかな」

 

コウキ「母さん、今日のご飯は?」

 

サリア「見てからのお楽しみね。」

 

コウキ「ちぇー、じゃあ久しぶりに剣の練習でもしてこようかな」

 

サリア「…!?」

 

コウキ「え、なに…その驚いた表情は…」

 

サリア「コウキが剣の練習なんて!明日は雨が降るわね…!」

 

コウキ「なんだそれ!んじゃあ行ってくるわ…」

 

サリア「いってらっしゃい」

 

俺は母さんにご飯できたら呼んでとい、家の裏庭のほうで剣の練習をした。

 

俺は今日の戦いで傷を負ってしまった。

 

普段体を動かしてなかったから俺は剣の練習をするんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サリア「ご飯できたわよー」

 

コウキ「今行くー」

 

俺はご飯を食べ、風呂に入り、寝ることにした。

 

コウキ「明日からも頑張らないとなぁ…おやすみぃ…」

 

俺は眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『コウキくん!凄いじゃない!前よりも剣の使い方上手くなったんじゃない?』

 

『えへへ!ぼく将来は強い人になって、いろんな人を守っていくんだー!』

 

『うん、うん、コウキくんならきっとなれるわよー!いつか自分の大切な人を守れるように頑張りなさいよ?お姉さん応援するからなー?』

 

『うん!見ててね!オネットさん!ぼくはこれから強くなるぞー!』

 

コウキ「ん…あの夢は…」

 

俺は時計を見た。まだ朝の7時だった。まぁ今日は店番ないし、もうちょっと…寝ようかな…

 

『お姉さん応援するからなー』

 

あの時、俺が尊敬してた人に言われた言葉を思い出した。

 

そうだ…俺はあの時約束したんだ…あの人に…

俺はベッドから起きてすぐ支度して剣の練習をすることにした。

 

コウキ「オネットさん、俺、ちょっと頑張ってきます!」

 

俺は朝飯を食べ、外へと出掛けた。

 

コウキ「よし、今日からは剣の練習だ!」

 

俺はもう、部屋で引きこもる生活はやめる。

 

リディーも、スーも、ルーシャも錬金術頑張ってるし、俺も頑張らないと!

 

サリア「(コウキ…あの子ったら、ふふっ…これからもあのままでいてくれると嬉しいわね)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、リディーとスールは…

 

???「おおおおおおおお!?」

 

スー「お父さん!なにしてるの!?」

 

ロジェ「あははー!失敗しちゃったぁ♪」

 

リディー「可愛く言っても許さないんだから!」

 

ロジェ「じゃあ、あとは任せた!片付けよろしくぅー」

 

そう言ってお父さんは家からで出ていったしまった。

 

スー「もう!あのバカ親父!仕事を押し付けんなぁ!」

 

リディー「もう…お父さんに何言っても無駄だよ…スーちゃん、片付けしようか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「はぁ…疲れた…もうお昼だし昼飯食べて休憩するか…」

 

俺は朝の7時から昼の12時まで剣の練習をしていた。

 

疲れたし、シャワーでも浴びてこようかな。

 

???「なぁ、お前さん」

 

突然、声を掛けられる。

 

コウキ「ん?はい、なんでしょう?」

 

俺はその人のほうを振り返る。

 

???「今のお前の剣の練習を見ていたんだが…俺から思う事を言っていいか?」

 

コウキ「別にいいですけど…」

 

???「お前には剣の才能がある。大昔、世界を我が物にしようとした悪の神を倒し、世界を救ったあの剣士みたいに」

 

コウキ「そうなんですか?俺が?」

 

???「そうだ、お前の持ってる剣…それは世界を救ったあの剣士が持っていた剣だ」

 

コウキ「んええ!?マジですか!?この剣が!?これは近くの森で拾ったやつですよ!?」

 

???「その剣についてる赤い宝石…それはあの剣士が持っていた剣だ」

 

コウキ「そうなんですか!?えっと…あなたは一体…」

 

???「俺はガルド。傭兵だ」

 

コウキ「俺はコウキです。それよりガルドさん、才能なんてあるのでしょうか…」

 

ガルド「日々練習してれば才能が発揮するだろう」

 

コウキ「そうなんですか?ガルドさんは剣使ってるんですよね?」

 

ガルド「ああ、そうだが」

 

コウキ「………」

 

俺は考え始める。

 

強くなるために、この人の弟子になりたいと…

 

コウキ「ガルドさん」

 

ガルド「ん?」

 

コウキ「俺の師匠になってください!」



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第四話 楽園の世界

オリキャラ紹介。

ガルド・マガレット 58歳 身長190cm 職業 傭兵
伝説に名を残した傭兵であり、現在は各地の町を旅しており、多数の魔物を葬りさってきた。大昔、世界を救った伝説の剣士について調べていることがあり、その剣士が使っていた剣がメルヴェイユの町のどこかに封印されているいう話を聞き、その剣士の血を引いてる者もアダレットに住んでるコウキ・レオナーだということも知っていた。その理由は不明。


コウキ「俺の師匠になってください!」

 

ガルド「…!」

 

………

 

『私…剣をもっと上手くなりたいんです。ガルドさん、私の師匠になってください…!』

 

………

 

ガルド「(この目は…昔のあいつを思い出す目だ…)」

 

ガルド「ふふ…師匠…か。いいだろう、俺がお前を一から…鍛えて直してやる」

 

コウキ「…!」

 

コウキ「よろしくお願いします!師匠!」

 

ガルド「と、その前に休憩するんだったんだろ?コウキ」

 

コウキ「あ、そういえば…えっとそうでしたね。」

 

ガルド「訓練は今度からだ」

 

コウキ「わかりました、師匠、では」

 

俺は家に帰るとした。

 

ガルド「………あの目、あいつにそっくりだ…コウキ、お前のあの目は、はたして本気なのか…そして、あの伝説の剣士の血を引いているということを…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「ふぅーさっぱりしたぁー」

 

俺は今日からガルドさんの弟子だ。

 

やる前から無理って諦めない…そうですよね?オネットさん…

 

俺は近くの喫茶店で休憩をすまして、リディー達のアトリエに向かうことにした。

 

コウキ「リディー、スー、いるかー?」

 

コンコン

 

リディー「はーい、開いてますよ」

 

コウキ「うーす、錬金術頑張ってるか?」

 

スー「そっちこそ、剣の練習は頑張ってるー?」

 

コウキ「ああ、俺は師匠ができたからな」

 

リディー「えー!?師匠!?」

 

スー「いや、そんなバカな!」

 

コウキ「マジだよ!俺は強くなりたいからさ」

 

スー「まぁ、前はずっと部屋に引きこもってたからねー引きこもるよりはましだね」

 

コウキ「なんか、耳が痛い言い方だな…」

 

リディー「うん、頑張ってね。コウちゃん」

 

スー「よーし、調合終わったよーリディー」

 

リディー「ご苦労様。材料なくなったから、採取でもいこうか」

 

コウキ「採取行くのか?俺も付き合うよ」

 

スー「じゃあ、いきますかー」

 

リディー「ん?」

 

コウキ「どうした?」

 

リディー「なんか、地下室から声が…」

 

スー「ちょっと行ってみる?」

 

コウキ「いや、でもあそこには入るなってロジェさんが…」

 

スー「いや、いいでしょ。地下室気になるもん!」

 

コウキ「いやーいいのかな…」

 

俺達は地下室に入る。

するとそこには綺麗な絵が飾ってあった。

 

リディー「わぁ…綺麗な絵!」

 

スー「お父さんが描いたのかな?」

 

コウキ「ああ、ほんとに綺麗な絵だ」

 

俺達はその絵に近づくと、突然意識が遠く…

 

リディー「あれ、なんか眠く…」

 

スー「あれ…なんか意識が遠くに…」

 

コウキ「ん…なんか眠くなってきた…俺疲れてるのかな…」

 

俺達はその場で意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「ん…?あれ…寝てた…のか?」

 

俺はあたりを見る。

 

そこは花畑のような楽園が広がっていた。

 

コウキ「二人とも!起きろ!俺ら…どっかに飛ばされたぞ!?」

 

リディー「ん…あれ…私…どうなったんだっけ…」

 

スー「むにゃむにゃ…あれ…ここは…」

 

コウキ「どうやら寝てる間にどこかに飛ばされたらしいな」

 

リディー「あれ?ここ、あの絵に似てない?」

 

スー「あ!私達、絵の世界に入ったとか?」

 

コウキ「えええ!?そんなこともあるのか…」

 

リディー「ねぇ!ここちょっとだけ探索してみようよ!」

 

スー「面白そう!いいね!それ!」

 

コウキ「そうだな…ちょっと歩いてみるか」

 

俺達はあたりを歩いてみる。

 

スー「ねぇ、見て!見たことない素材があるよ!」

 

リディー「ほんとだ。確かに見たことない素材だね、錬金術に使えたりするかな?」

 

コウキ「そこらじゅうにいっぱい生えてるぞ」

 

スー「よーし、じゃんじゃん拾っちゃおう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スー「うん、これぐらいで充分かな」

 

リディー「これだけあれば錬金術で何か作れそう!」

 

コウキ「しかし、珍しい物ばっかだな。売ったら金になりそうだな」

 

すると前の方を見ると、奥に人影らしきものが見えた。

 

コウキ「ん?なぁ、あそこ人いないか?」

 

リディー「ほんとだ。私達以外にもここに人がいるのかな?」

 

スー「あのー!すみません!」

 

スーが声を掛けたらしいが、どうやら聞こえていなく、その人はまっすぐに進んでいく。

 

リディー「このままだと見失うよ!?」

 

スー「なら、追いかけるまで!」

 

コウキ「(あの人…どこかで…)」

 

スー「コウキ!あの人を追いかけるよ!」

 

コウキ「おう、わかった…」

 

俺達はその人を追いかける、するとその近くに魔物がいた。黒いプニだ。

 

スー「黒プニ!?なんか他のプニより強そう!?」

 

リディー「わー!?絵の中に魔物がー!」

 

コウキ「片付けるぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「ふぅー」

 

スー「案外あっけなかったね!」

 

リディー「危なかったね…」

 

コウキ「で、あの人は!?」

 

俺は前を見る。しかしもう見失っていた。

 

スー「あー!完全に見失った!」

 

リディー「見失っちゃったね…」

 

コウキ「とりあいず、追いかけるぞ!」

 

俺達はあの人を追いかけた。

 

スー「見失った…あの人足速いよ…」

 

コウキ「(どこいったんだろう…やっぱり幻だったのか?)」

 

スー「ところでさ」

 

リディー「あ、スーちゃんもそう思う?私達どうやって帰ればいいんだろう…」

 

コウキ「と、とにありずどう帰れるか考えよう…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リディー「えーと…」

 

コウキ「嫌な予感しかしない…」

 

スー「だってこれしかないでしょ!」

 

俺達が今しようとしてるのは大きな穴に飛び降りようとしていることだ。

 

コウキ「ま、これしか考えが思いつかないし…やるしかないか…」

 

リディー「そうだね…いちかばちかだよ!」

 

俺達は手を繋ぐ。

 

スー「じゃあ…いっせのーで…おりゃ!」

 

俺達は飛び降りた。

落ちていると突然意識が遠くなっていった。



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第五話 弟子のまた弟子

ロジェ「何やってんだ、お前ら…」

 

リディー「うーん…おはよう、お父さん」

 

スー「ふわぁ…よく寝たぁ…じゃない!さっき拾ったあれは!?」

 

ロジェ「まったく、地下室には入るなってあれほど言っただろ?」

 

コウキ「ロジェさん、すいません…あれほど言われたのに入ってしまい…」

 

ロジェ「いや別にそんなに気にしてないから大丈夫だが…」

 

コウキ「すいません…ほんと気をつけます…」

 

リディー「あっ!えへへ、ちゃんとカゴの中に入ってるよ!スーちゃん!」

 

スー「本当!?じゃあ、あの世界は夢じゃなかったんだ…!」

 

ロジェ「聞いてるのか、二人ともー。地下室に入ったこと自体は別に気にしちゃいないが…」

 

リディー「うん!早速調合を試してみようよ!」

 

スー「そうしようそうしよう!お父さん、邪魔っ!」

 

二人は一階に上がっていく。

 

ロジェ「…邪魔って、邪魔って、なんだよ、お父さん泣いちゃうぞ…?」

 

コウキ「ロジェさんも大変ですね…あはは…」

 

ロジェ「ああ、そうだな…はぁ…子育てってのは難しいもんだな、オネット…」

 

コウキ「ロジェさん…」

 

俺はただそれを呆然と見ることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「じゃ、俺はそろそろ帰るよ」

 

スー「はーい、また明日ねー!」

 

リディー「またね、コウちゃん、今日はありがとね」

 

ロジェ「気をつけて帰るんだぞ」

 

コウキ「はい、では」

 

俺はリディー達のアトリエをあとにした。

 

コウキ「そういえば明日から師匠と剣の稽古あるんだっけか。よし、頑張るぞ!しかし、あの絵の中の世界は一体なんだったのだろう…絵の中で見かけたあの人…あの人は…オネットさんに似ていた。いや…気のせいか…? 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガルド「よし、ここでいいか」

 

コウキ「あれ、師匠?ここで何してるんですか?」

 

ガルド「コウキか、何してたって空き家を探してたんだ。俺は今日からここに住むからな」

 

コウキ「俺の家の近くじゃないですか!近いからよかったです!」

 

ガルド「そうなのか?お前の自宅はどこなんだ?」

 

コウキ「ここをまっすぐ行ったら本屋があるんですよ、そこが俺の家です!」

 

ガルド「本屋を開いてるのか?」

 

コウキ「えっと、俺の母が…たまーに店番を俺に任せることがありますけどね」

 

ガルド「明日はあるのか?」

 

コウキ「明日は…まだわかりません、母さんに聞かないとわからないので…」

 

ガルド「剣の稽古より、お前さんの御自宅の仕事が優先だからな、お前が非番の時に稽古をしよう」

 

コウキ「はい、わかりました。非番の時に師匠のとこに行ってみますね!それで気になったことがあるんですけど、俺が伝説の剣士の血を引いてるって言ってましたけど、なんでそれが俺だと言えるんですか?」

 

ガルド「それはだな、お前の父親…ザラト・レオナーを知ってるか?」

 

コウキ「はい、母さんから聞きました…俺が生まれたあと、病気で亡くなったんだとか…」

 

ガルド「お前さんの親父も同じく伝説の剣士の血を引いてた人だからな。実はな昔、お前さんの親父と旅をしていたことがあったんだ」

 

コウキ「そうなんですか!?その話、詳しく聞かせてください!」

 

ガルド「おっと、その話はお前さんの御自宅でだ。お前さんのお袋さんとも久しぶりに話をしたいからな」

 

コウキ「わかりました、その時に!」

 

ガルド「今日は忙しいからな。俺の家のこともあるし、明日お前さんの家に伺うから待ってな」

 

コウキ「わかりました!では師匠、また明日です!」

 

コウキ「(久しぶりに母さんと話を?師匠、母さんと知り合いなのかな?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「ただいま」

 

サリア「おかえり、今日は何してたの?」

 

コウキ「リディー達のアトリエに行ってた」

 

サリア「明日はお店はないから、店番ないからね」

 

コウキ「りょーかい、あのさ母さん、お父さんのことなんだけど…」

 

サリア「…それがどうかしたの?」

 

コウキ「お父さんって大昔、世界を救った伝説の剣士の血を引いてる人って聞いたんだけど…」

 

サリア「…それ、誰から聞いたの?」

 

コウキ「傭兵のガルドさんっていう人から…」

 

サリア「ガルド…それってガルド・マガレットさんのこと!?」

 

コウキ「ん?知ってるの?」

 

サリア「ええ、知ってるもなにも私が昔一緒に旅してた人だからね」

 

コウキ「母さん旅してたの!?」

 

サリア「そうよ、私はね、こうみえても昔は剣を使ってたんだから」

 

コウキ「ええー!?なんで本屋なんてやってるんだよ…」

 

サリア「いいでしょう?本を読むのが好きなんだから」

 

コウキ「まぁ、いいや…明日その師匠がここに来るって…」

 

サリア「師匠!?あんたガルドさんの弟子になったの!?」

 

コウキ「そうだけど?」

 

サリア「そうなんだ…あんた、師匠が欲しかったのね、まぁ、頑張ってね」

 

コウキ「お、おう…」

 

サリア「(わたしも昔はあの人に弟子入りしたんだっけ…今度はコウキが…か)」



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第六話 太陽な存在

コウキ「おはよう」

 

サリア「おはよう、朝ご飯できてるから、食べなさい」

 

俺はテーブルに向かう。

するとそこには師匠があたりまえのように食事をしていた。

 

ガルド「よう、コウキ、邪魔してるぜ」

 

コウキ「ええ!?師匠!?もう来てたんですか?」

 

ガルド「久しぶりにサリアと話をしたくてな、今話の途中だった。お前さんも入るか?」

 

コウキ「もちろんです!」

 

サリア「で、話の続きなんだけど、コウキの持ってる剣って本当にあの伝説の剣士が使っていた剣らしいけど、本来の力を失っているわね」

 

コウキ「え、そうなの?」

 

ガルド「長い年月が経って力を失ったんだろう、だが力を取り戻す方法はあるさ」

 

コウキ「それは?」

 

サリア「伝説の剣士の血を引いてるあんたにしかできないことよ、剣を持ってる所有者の力を認める…つまりコウキが頑張らないとその剣は本来の力をだせないのよ」

 

ガルド「そうだ、お前さん次第なんだ、力を取り戻せるのは」

 

コウキ「ま、まじか…俺が…もっと強く…」

 

ガルド「まぁ、そんなに焦るな、お前さん、剣歴は何年だ?」

 

コウキ「えっと…8歳の時に剣を習いましたね」

 

ガルド「その剣を拾ったのは?」

 

コウキ「うーん…確か10歳の時、近くの森に遊びに行った時、その剣を拾いましたね」

 

サリア「てかなぜその剣が落ちていたのかしら?」

 

ガルド「それがどうも気になるんだ、誰かがメルヴェイユのどこからか持ち出したのかもしれん」

 

サリア「伝説の剣士が使っていた剣となるとやっぱり王城から誰かが持ち出したとしか考えられないかしらね?」

 

ガルド「そうかもしれんなぁ…王城に行ってみるとするかね…」

 

サリア「受付嬢のミレイユさんに聞けば何かわかるかもよ」

 

コウキ「え、母さん。王城に入ったことあるの?」

 

サリア「あるわよ?ミレイユさんとはよく世間話をする仲だし」

 

コウキ「そうなんだ。師匠、俺もついていっていいですか?」

 

ガルド「お前さんもついてきな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サリア「ガルドさん、今日は久しぶりに話ができて楽しかったわ」

 

ガルド「俺もだ、飯も食わせてくれて感謝する。サリア、お前、いつのまにか家事上手くなったな」

 

サリア「そりゃ、親ですもの。じゃあ今度、一杯いきましょうか」

 

ガルド「おう、わかった。楽しみにしてるぜ」

 

コウキ「じゃあ、師匠行きましょう!」

 

サリア「(ザラト…コウキはあなたの代わりに伝説の剣士の血を引く者として立派にあとを継ごうとしてるわ…だからどうか…コウキのこと天から見守ってね…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガルド「コウキ、王城に行く前にザラトの墓参りに行きたくてな」

 

コウキ「父さんの?」

 

ガルド「そうだ、久しぶりにあいつに顔を見せないといけないからな」

 

コウキ「そうですか…俺もガルドさんに紹介したい人がいるんです。俺の尊敬してた人の墓参りもしたいので…」

 

ガルド「…?ああ、わかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「師匠、ここがメルヴェイユでも有名な教会です」

 

ガルド「ほぉ、立派な教会だな」

 

???「あら?コウキではありませんか」

 

コウキ「あ、シスター」

 

この人はは教会でシスターを務めているグレースさんだ。

 

グレース「お隣にいる人は…」

 

ガルド「ガルドだ。あんたがこの教会のお偉いさんか?」

 

グレース「そうです。私がこの教会を務めている。シスターのグレースと申します」

 

ガルド「わかった。今日はお祈りではなく墓参りにきたんだが…よろしいか?」

 

グレース「墓参りですか?構いませんよ?」

 

ガルド「感謝する」

 

グレース「コウキ、あなたはこの方とお知り合いですか?」

 

コウキ「俺の師匠です!」

 

グレース「師匠ですか…コウキ、あなたもやっと…前に進む決心を決めたのですね」

 

コウキ「はい、強くなるために…前みたいにずっと部屋に引きこもるのはやめたんです!」

 

グレース「いいことです。きっと神もその事をお許しになることでしょう。頑張りなさい」

 

コウキ「はい!シスター!」

 

ガルド「お前さん、今まで部屋に引きこもっていたのか?」

 

コウキ「ギクッ!そうです…そうなんです…師匠…」

 

ガルド「まぁきっとお前さんもなんかあったんだろう。詮索はしないさ」

 

コウキ「はい…じゃあ気を取り直して墓場に行きましょうか…シスター、また」

 

グレース「はい、では」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガルド「ここか」

 

俺の父親である。

ザラト・レオナーの墓前にきた。

 

ガルド「ザラト…元気か?俺はあいかわらず元気でやっているぜ。運命は残酷だよな…あんな若さでよ…でもお前の分まで生きてみせるぜ」

 

すると師匠がある物を取り出した。

 

コウキ「花ですか…綺麗な花ですね」

 

それは赤い花で、まるで彼岸花のような物だった。

 

ガルド「そうか、ありがとな。ザラトはな…花が好きな奴だったんだ」

 

コウキ「そうだったんですか…」

 

ガルド「一緒に旅をしてた時も手元離さず花を胸元に身に付けていてな…『花は僕の希望』…とか言ってたな」

 

コウキ「そうですか、父さんは花を心から愛していたんですね…」

 

ガルド「妻を一人置いて、どこにいくんだよ、ザラト」

 

師匠は花を墓の前においた。

 

ガルド「さて、次はお前さんのとこだな」

 

コウキ「はい、こちらです」

 

俺は父親の墓のとなりにある、墓前についた。

 

コウキ「これはオネット・マーレンという人の墓です」

 

ガルド「オネット…ああ、サリアの友達の…」

 

コウキ「知ってるんですか?」

 

ガルド「ああ、サリアから聞いただけで、どうゆう人だったかはわからん…」

 

コウキ「そうですか…オネットさんは俺が剣の練習をしてた時にいつもそばにいてくれた人なんです」

 

ガルド「ほう…お前さんの好きだった人なのか?」

 

コウキ「いや、オネットさんは既に結婚してる人だったし!恋愛的ではありませんよ!ただ、尊敬してる人であっただけです!」

 

ガルド「わかった、わかった。どうしてそのオネットさんはお亡くなりに?」

 

コウキ「それは…元々体が強くなく…今から三年前に…はやり病で…」

 

ガルド「そうか…それでお前さんは…」

 

コウキ「はい…あまりにショックで…部屋に引きこもりっぱなしになって…あの人がいない中、どうしたらいいのかわからなくなりました…」

 

ガルド「そうか、それでも足掻いてみせようとしたんだな。お前さんは」

 

コウキ「はい…オネットさんには、かっこ悪いとこは見せたくなかったので…あと約束もしたので…」

 

ガルド「約束…か。それをこれから破ったりするんじゃないぞ…」

 

コウキ「もちろんです!オネットさん…あなたは体が強くない人でも心だけは誰よりも強かった…俺にとって太陽な存在であり…尊敬する人でもあります…どうか…見守っててください…」

 

俺はピンク色の花をオネットさんの墓前においた。

 

ガルド「さて、王城に行くか」

 

コウキ「はい!」

 

俺と師匠は墓場をあとにし、王城へと向かいはじめた。



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第七話 王女と王子

俺と師匠は王城前広場についた。

 

コウキ「ん?あれは…」

 

目の前で何か急ぎ足で走っているルーシャがいた。

 

コウキ「おーい、ルーシャ、なにしてんだー?」

 

ルーシャ「はぁ…はぁ…コウキですか?それと横の人は?」

 

コウキ「俺の師匠だ」

 

ルーシャ「ええ!?師匠ですか!?」

 

ガルド「俺は傭兵をしているガルドだ」

 

ルーシャ「は、はぁ…コウキのことよろしくお願いしますね…」

 

ガルド「おう、任せときな、お嬢さんはコウキのボーイフレンドか何かか?」

 

ルーシャ「…!ち、違います!彼氏なんかじゃないです!私達はただの幼馴染であって…」

 

ガルド「なんだ、違うのか」

 

コウキ「そうですよ!師匠!俺達別にそんな仲じゃないし!幼馴染なだけです!」

 

ガルド「はいはい、わかったわかった」

 

ルーシャ「もう…変なこと言わないでください…」

 

ガルド「すまなかったな、お嬢さん」

 

ルーシャ「それよりもコウキは師匠が欲しかっただなんて…」

 

コウキ「ん?そんなに珍しいことなのか?」

 

ルーシャ「いえ…コウキは、おばさまが亡くなってから、ずっと部屋に引きこもっていたのでその…心配…してたんですからね…!」

 

コウキ「おう…心配かけたな…ごめん」

 

ルーシャ「分かればいいんですよ!では私は用事があるので失礼します!」

 

コウキ「おう、転ぶんじゃないぞー」

 

ルーシャ「転びませんよ!」

 

ルーシャは自分のアトリエへと帰っていった。

 

ガルド「さて、王城に向かうとするか」

 

コウキ「はい!」

 

俺と師匠が王城に向かうと、王城の入り口から出てきたリディーとスーがいた。

 

リディー「あれ?コウちゃん?それに横の人はもしかして…」

 

スー「もしかして、コウキの師匠!?」

 

コウキ「以前話した俺の師匠のガルドさんだ。傭兵をしている人だ」

 

ガルド「よろしくな、お嬢ちゃん達」

 

スー「よろしくお願いしますー!」

 

リディー「えっと、よろしくお願いします!コウちゃんのことお願いします!」

 

ガルド「おう、任せときな、お嬢ちゃん二人は双子か?」

 

スー「そうですよー!あたしが妹で、リディーが姉です!」

 

ガルド「そうか、そうか、ところで双子さんは達はどうして王城に?」

 

コウキ「それ、俺も気になった、どうして?」

 

リディー「えっとね、私達、アトリエランク制度に参加しようと思って王城に来たの」

 

コウキ「アトリエランク制度?」

 

スー「うん!国一番のアトリエになれるチャンスなんだ!お母さんとの約束だからね!」

 

コウキ「国一番のアトリエか…リディー、スー、頑張れよ…」

 

リディー「えへへ…そっちも頑張ってね」

 

スー「じゃあアタシ達、試験課題があるから行くね!あ、ガルドさん、コウキのことよろしくお願いしますねー!」

 

二人は自分のアトリエへと帰っていった。

 

ガルド「あの二人と仲がいいんだな、お前さん」

 

コウキ「まぁ、幼馴染ですからね…」

 

ガルド「よし、王城へと向かうか」

 

コウキ「はい!」

 

俺と師匠は王城内のエントランスに入った。

 

ガルド「なかなか綺麗なお城だな」

 

コウキ「俺も初めて入りましたけど綺麗なお城ですね」

 

俺達はエントランス内の受付の人に話を聞いてみることにしてみた。

 

ガルド「すまない、聞きたいことがあるんだがいいか?」

 

???「はい、なんでしょう」

 

ガルド「あんたは大昔世界を救った伝説の剣士の神話を知ってるか?」

 

???「ええ、知っていますよ?あの逸話の話の…」

 

ガルド「その伝説の剣士が使っていた剣がこのメルヴェイユの都にあると聞いたのだが、それは王城に保管していた物だったか?」

 

???「剣ですか、それは王城に保管していた物なんですが、今から7年前に何者から盗まれたんです」

 

ガルド「盗まれた?」

 

???「ええ、アダレットの騎士達が、そのあと剣の捜索を開始したのだけれど、結局見つからず、今はもう捜索はしておらず、そのまんまね」

 

ガルド「徹底的に捜索はしなかったのか?」

 

???「それはですね、その剣はもともともう古い剣で、本来の力を失っている剣だったの、力を失った剣は誰かに使われても力を悪用されないから、別にここにあっても意味がないという結論になり、盗まれても問題は起こらないだろうという事になったんです」

 

コウキ「本来の力とは?」

 

???「ごめんなさい、私もよくはわからないのよ」

 

コウキ「師匠はわかります?」

 

ガルド「俺もよくわからん、最強の剣としか聞いたことがないからな、それにその剣は伝説の剣士の血を引いてる者にしか本来の力は出せない、本で読んだ話だがな、それにその血を引いてる奴が今ここにいるぞ」

 

???「え?」

 

コウキ「あの…その剣ってこれのことですか?」

 

俺は剣を見せた。

 

???「これは…!」

 

コウキ「これは近くの森で拾ったやつで!王城に侵入して盗んだりしてませんよ!今日初めて王城に入りましたし!」

 

???「それはわかったけど、近くの森ねぇ…そこも騎士達が捜索したはずなんだけど…その前に拾われたってことね」

 

コウキ「えっと…今お返ししましょうか…?」

 

???「いいえ、別に言いわよー?あなたなら別に力を悪用しない人だと思うから…」

 

コウキ「えっと、ありがとうございます…?」

 

???「ところであなた達の名前を聞いても?」

 

ガルド「そうだな、あらためて自己紹介でもするか、俺はガルドだ、傭兵をしている」

 

コウキ「俺はコウキです!」

 

???「私はミレイユ、国の事務全般を担当しているわ。で、さっきの話の続きなんだけど、コウキ君が伝説の剣士の血を引いてるってことは信じてあげるわ」

 

ガルド「そんな簡単に信じていいのか?」

 

ミレイユ「信じるもなにも、その剣は、この人が主って言ってるからね」

 

コウキ「言っている…?剣の声がわかるんですか?」

 

ミレイユ「なんとなくわかるのよ、私が幼い頃、弟がいつもその剣を見ていてね。その時からかしら、その剣の声が聞こえるようになったのよ」

 

ガルド「不思議なことだな…ちなみに俺の剣は今なんて言ってる?」

 

すると師匠が背中に背負ってた大きな大剣を取り出し、ミレイユさんに見せた。

 

ミレイユ「うーん…ごめんなさい、私、その剣の言ってることはわからないわ」

 

コウキ「やっぱり、この剣しか?」

 

ミレイユ「そうみたい…」

 

ガルド「なんだ、もうこの剣は何十年も使ってる剣なんだけどな、声を聞いてみたかったぜ」

 

ミレイユ「じゃあコウキ君、その剣のこと頼んだわよー?騎士達にバレると騒ぎになるかもしれないから、気をつけてね?」

 

コウキ「はい、わかりました」

 

すると王城の扉が突然開いた。

 

???「姉貴ー!ちょっといいかー?…って今取り込み中か」

 

ミレイユ「今は大丈夫だけど、どうかしたの?」

 

???「近くに魔物が出たらしいんだ」

 

ミレイユ「わかったわ、あんたはいつもの配置に戻りなさい」

 

???「わかった、ってうん?」

 

金髪の男性が俺の剣を見た。

 

コウキ「あ、やば…」

 

???「姉貴!この剣は!前に盗まれたやつの…って、いででっ!」

 

するとミレイユさんが金髪の男性の人の耳を引っ張りだす。

 

ミレイユ「さっき見たことは忘れましょうかー?」

 

???「わかった!忘れるから!てか耳取れるー!」

 

するとミレイユさんが耳を離した。

 

ミレイユ「ならばよし」バッ

 

???「死ぬかと思った…」

 

コウキ「あの、大丈夫ですか?」

 

???「ああ!大丈夫だ!なんてことはない!」

 

ガルド「そこの若いの、そこの姉ちゃんを姉貴と言ってたが、弟か?」

 

???「ん?そうだが?俺はマティアスだ、このアダレット王国の騎士だぜ」

 

ガルド「俺はガルド、傭兵をしている」

 

コウキ「俺はコウキです」

 

マティアス「で、さっきの剣なんだが…姉貴、これは一体?」

 

ミレイユ「どうやらこの剣の主はコウキ君だって、この剣が言ってるわよ?」

 

マティアス「姉貴…?剣は喋らな…」

 

ミレイユ「私には剣の言っている言葉がわかるのよ?まぁその剣だけなんだけど…」

 

マティアス「はいぃ…すみませんでしたぁ…」涙目

 

ミレイユ「恥ずかしいところを見せてしまったわね、お二とも」

 

コウキ「いえ…随分と仲がいい姉弟なんだなぁと…」

 

マティアス「これが仲良く見えるのか!?」

 

ガルド「喧嘩するほど仲がいいってことだろう」

 

ミレイユ「あら?そう言ってくれる?嬉しいわね、仲いいのよ?私達」

 

マティアス「はぁ…姉貴には敵わねぇぜ…」

 

ガルド「仲がいいのは良いことだ、じゃあ俺はそろそろ行くとするかね、話を聞かせてくれて感謝する。いくぞ、コウキ」

 

コウキ「はいわかりました!」

 

俺と師匠は王城を出る。

 

マティアス「あの剣の力を悪用されなければいいな」

 

ミレイユ「まぁ、あの子に任せとけばいいでしょう」

 

マティアス「じゃあ、姉貴、そろそろ配置に戻るわ」

 

ミレイユ「ええ」

 

マティアスは王城を出た。

 

ミレイユ「さて、今日から忙しくなるわよー?」



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第八話 修行

俺は今、メルヴェイユの近くの森で師匠との修行を始めようとしていた。

 

ガルド「よし、これから修行を始める」

 

コウキ「お願いします!」

 

ガルド「まず剣の基本的なことを教えよう、まず、剣とはなんだと思う?」

 

コウキ「剣は魔物を倒したりする物では?」

 

ガルド「まぁ、それもそうだが、昔は戦争とかがあっただろう?国と国のぶつかりあいとかあってな、剣などで人を当たり前のように殺していた」

 

コウキ「…!それって…」

 

ガルド「そうだ、剣とは魔物を切るだけの物じゃない、人だって簡単に傷つけてしまう武器なんだ、コウキがそういう立場になったら、お前さんは人を殺せるか?」

 

コウキ「いえ、俺は…守りたい、みんなを…その力はその時に使います…」

 

ガルド「お前さんは誰かを守りたい時にその剣を振るうんだな、よし、始めよう。覚悟はいいな?」

 

コウキ「はい!覚悟はできています!」

 

すると師匠が背中に背負ってる、重たそうな大剣を取り出し、片手でその剣を持つ。

 

ガルド「まず、俺に攻撃してみろ」

 

コウキ「え、それじゃ師匠が…」

 

ガルド「ふん、俺をなめてもらっちゃ困る、本気で切りつけるつもりで来い!」

 

コウキ「では、行きます!おりゃ!」

 

俺は真っ先に攻撃を仕掛ける。

 

ガルド「ふん、甘い!せいっ!」

 

師匠の剣と俺の剣が当たり、俺はその大きな反動で体勢を崩しそうになる。

 

コウキ「んぐぐ…!」

 

剣に力をいれているが、師匠を前に中々追い込めれない、俺はどんどん後ろへと押され、追い詰められる。

 

ガルド「そんなんじゃ、俺に攻撃の一本すら当てられんぞ」

 

コウキ「くっ!」

 

俺は今にも体勢を崩しそうで、このままでは負けると思い、つばぜりあい状態だった剣を離し、距離をとった。

 

ガルド「ふむ、次はどう責める…?」

 

俺は師匠の動きを見る。

 

コウキ「(動きをよく見るんだ…あんな大きな剣を持っているならいつか隙ができるはず!)」

 

ガルド「そっちからこないなら、俺から行かせてもらうぜ」

 

すると師匠がもの凄い速さで俺に剣を叩きつけようとする。

 

コウキ「なっ!?まずい!」

 

俺はあまりの速さに驚き、尻餅をついてしまう。すると師匠の動きが止まり、剣を地面に刺す。

 

ガルド「ま、こんなもんか、お前さんの戦い方はだいたい理解した」

 

師匠が俺に手を差し伸べる。

 

コウキ「あ、ありがとうございます…」

 

ガルド「敵をよく見る…それは戦いにとって、いい事だ。だが目の前から突然姿を消したりする敵だっている。その時は相手の気配を読み、そこを狙う!」

 

コウキ「相手の動きを読む…」

 

ガルド「とにかく敵を見るんだ、いいか?ただ見るだけじゃなく、良く見ることが大切だ」

 

コウキ「は、はぁ…」

 

ガルド「よし、次は魔物を倒してみよう」

 

ガルド「すこし歩くぞ」

 

コウキ「はい」

 

俺と師匠は近くの森の奥に向かった。

 

コウキ「もう暗くなってきましたね」

 

ガルド「ああ、そうだな、よし、魔物が来るのを待とう」

 

すると師匠は生肉を取り出し、地面に置いた。

 

ガルド「急いで草むらに隠れるぞ」

 

俺と師匠は草むらに隠れ、しばらくすると生肉の匂いに誘われて、こちらにやってきた魔物がきた。

 

コウキ「オオカミ!?」

 

ガルド「あれだ、あいつを一人で倒してみろ」

 

コウキ「わ、わかりました!」

 

オオカミは少し怖いけどやるしかない、強くならなければならないから。

俺は生肉に夢中なオオカミを物音をたてずに、背後を狙おうとする。

 

コウキ「おら!」

 

俺の攻撃はオオカミの背中部分に命中し、オオカミが倒れ、瀕死の状態になり、いたい、いたい、と言うように体をもがきはじめている。

 

ガルド「とどめをさせ」

 

俺はオオカミの腹を切った。もがいていた体は止まり、その場で息絶えた。

 

コウキ「ふぅ…こんなもんですか?」

 

ガルド「よし、よくやった。あとは任せろ」

 

コウキ「え?」

 

するとあたりにたくさんの光りのようなのがこっちを見つめていた。

 

コウキ「あれは…まさか…!」

 

その光は目だった。

群れを引いていたオオカミ達だったのだ。

オオカミ達は俺と師匠の存在に気づき、こちらに向かって走りはじめた。

 

コウキ「やばいですよ!こっちに来ます!」

 

師匠が大剣を取り出し、大剣が突然光り始める。

 

コウキ「え!?剣が光って…」

 

ガルド「せいっ!」

 

ズドーン!

 

師匠が光った大剣を振り始め、群れのオオカミ全体を吹き飛ばした。

 

コウキ「す、凄い…一気に群れを吹き飛ばした…」

 

ガルド「まぁこんなもんか」

 

師匠が大剣を背中に背負いはじめ、吹き飛ばしたオオカミ達を獲る。

 

ガルド「今夜は肉だな」

 

コウキ「肉って…オオカミを食うんですか!?」

 

ガルド「そうだ、サリアにでも料理させてご馳走させてもらおうとするかね」

 

コウキ「オオカミ食ったことないけど…まぁいいか…」

 

ガルド「よし、お前さん家に行くか」

 

コウキ「はい!って…!」

 

ガルド「うん?なんだ?」

 

コウキ「オオカミを肩に降ろしてる…!もし生きていて噛まれたらどうするんですか!?」

 

ガルド「ちゃんと絶命してるぜ。俺の攻撃は手加減を覚えないからな」

 

コウキ「あ、そうですか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「ただいま…」

 

サリア「おかえりなさい、手洗ってきなさい」

 

コウキ「うぃーす…」

 

俺は洗面所へと向かう。

 

ガルド「邪魔するぜ、サリア」

 

サリア「ガルドさん!?その手に持っているのは!?」

 

ガルド「ああ、今日獲った獲物だ」

 

サリア「オオカミ!?懐かしいわね…」

 

ガルド「そういえばそうだな、久しぶりに食ってみようぜ?」

 

サリア「はいはい、じゃあ料理してくるから…」

 

コウキ「なんか当たり前のように師匠いますけど…まぁいいか、楽しいし」

 

ガルド「サリアの作る料理はうまいからなぁ」

 

コウキ「それわかります!俺も母さんが作る料理好きですからね!」

 

サリア「ほら、あんた達!待ってないで、食事の準備を手伝いなさい!」

 

ガルド「了解だ」

 

コウキ「俺は皿を準備しよっと…」

 

俺は明日もこれからも、師匠との修行が始まる…強くなるために俺は明日も頑張っていく。



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第九話 守るための強さ

リディー「サリアさん…こんばんわ…」

 

サリア「あら?リディーちゃんに、スーちゃん?どうしたの?なんかこの世の終わりのような目をしているわよ!?」

 

スー「あの…実は私達…今、お金がなくて…まともに食べる物がないんですぅ…」

 

リディー「サリアさん…無理な話だとはわかっているんです!私達に何か食べれる物を…」

 

サリア「ロジェさんったら…まったく…任せなさい!私が今二人にご飯作ってくるから!まだお昼じゃないけど!」

 

スー「あ、ありがとうございます…サリアさん…ガクッ」

 

リディー「スーちゃん!まだ倒れないで!あともう少しでサリアさんがご飯を作ってくれるから!」

 

サリア「スーちゃん!待ってなさい!私が今、美味しい料理を作るからね!」

 

10分後…

 

リディー「はぁ…美味しかったです!サリアさん、本当にありがとうございます!」

 

スー「いざしぶりに、おいじいのたべだぁ!もう、じあわせぇ…!【久しぶりに、美味しいの食べたぁ!もう、幸せ…!】」

 

サリア「あはは…二人とも本当にお腹が空いてたのね…おかわりあるから食べなさい」

 

スー「わーい!ありがとうございます!あたし、とってきます!」

 

リディー「ちょっとスーちゃん!?私の分も残してよ!?」

 

サリア「二人とも、本当に仲良しさんね」

 

リディー「あはは…私の妹ですからね!」

 

サリア「ふふ…」

 

リディー「そういえば、サリアさん、コウちゃんは?」

 

サリア「あの子ったら、まだ起きてないのよ、昨日の修行で疲れてるんだろうけど…無理に起こすのも悪いかなって」

 

リディー「もう朝の10時ですよ!?」

 

サリア「そうね…そろそろ…」

 

リディー「私が起こしてきます!」

 

サリア「そう?じゃあ、お願いね」

 

リディー「はい!」

 

リディーはコウキが寝ている二階に行く。

 

スー「あれ?サリアさん、リディーは?」

 

サリア「コウキを起こしにいったわよ」

 

スー「そうですか。あたし、おかわりしてきたご飯食べますね!じゃあ、いただきます!」

 

サリア「もう、スーちゃんったら…リディーちゃんのも残しておくのよ?」

 

スー「はーい!わかってまーす!」

 

一方、リディーは…

 

コンコン

 

リディー「コウちゃん、リディーだけど、部屋入ってもいい?」

 

返事がない。

 

リディー「もう…コウちゃん、入るよ?」

 

部屋の扉を開ける。

 

すると、ベッドで幸せのように寝ているコウキがいた。

リディーはコウキの近くに近寄る。

 

リディー「もう…まだ寝て…って」

 

リディーはコウキの寝顔を見る。

 

リディー「えへへ…そういえばコウちゃんの寝顔見るの久しぶりだなぁ…」

 

リディーはじっとコウキの寝顔を見つめる。

 

リディー「コウちゃん、昨日ガルドさんと修行、頑張ってたんだね、偉いよ」

 

すると、リディーはコウキの頭を優しく撫でる。

それに気づいたのか、コウキが目を覚ます。

 

コウキ「ん…?」

 

リディー「わー!?コウちゃん!?」

 

リディーは撫でていたコウキの頭をそっと離す。

 

コウキ「リディー!?なんでここに!?」

 

リディー「コウちゃんを起こしにきたんだよ…もう朝の10時だよ」

 

コウキ「ごめん!昨日疲れちゃって!」

 

リディー「うんうん…頑張ったね、コウちゃん前はずっと部屋に引きこもってたけど、今は頑張ってる。コウちゃんらしくて、かっこいいよ」

 

リディーが笑顔で言う。

 

コウキ「………」

 

リディー「どうしたの?顔真っ赤だよ?」

 

コウキ「なんでもない…」

 

リディー「まさか!熱でもあるんじゃ!?」

 

するとリディーが俺のおでこに顔を近づける。

 

コウキ「ないない!大丈夫だから!(って顔ちかっ!)」

 

リディー「あ、ごめんね!本当に熱でもあると思ってつい…」

 

リディーがおでこから顔を離す。

 

コウキ「いやいや、大丈夫!こんなんで熱になんかならないさ!」

 

リディー「そうだね。ねぇ、覚えてる?私とコウちゃんが幼かったころ、一緒に本読んでた頃…」

 

コウキ「うん?覚えてるけど…それがどうかしたの?」

 

リディー「あの時、二人で本を読んで、気がついたら私達寝てて、私が先に起きたら、目の前にコウちゃんが寝ててね、今日コウちゃんの寝顔見たら懐かしいなぁと思っちゃったの」

 

コウキ「そ、そうか…」

 

リディー「じゃあ、一階に行こ?サリアさんが、ご飯作ってくれてるから、あ!ちゃんと顔洗って、手洗ってから食べるんだよ?」

 

コウキ「お、おう…」

 

俺とリディーは部屋を出て、一階に降りる。

 

するとリディーが階段に滑って落ちそうになる。

 

リディー「きゃあ!」

 

コウキ「危ない!」

 

ガシ

 

コウキはリディーの手を掴む。

 

コウキ「大丈夫か!?」

 

リディー「うん、ありがとう…」

 

コウキ「よし、気をつけて降りていこうな」

 

リディー「うん…」

 

コウキが先に階段を降りていく。

 

リディー「(なんだろう…この気持ち…胸がもやもやする…)」

 

リディー「(これって、恋愛話の本でよくあるやつだ…私は…コウちゃんのことを…って何考えてるんだろう…私…)」

 

リディーは階段を降りる。

 

サリア「あら、おはよう、ご飯できてるわよ」

 

コウキ「おう、顔洗ってくるわ」

 

洗面所に向かおうとするとテーブルでご飯を食べている、スーがいた。

 

スー「あ、コウキじゃん!おはよー!すごい寝癖だね」

 

コウキ「おはよう、ってなんでここに?」

 

スー「サリアさんからご飯をご馳走させてもらったの!あたし達、お金がなくて、昨日から何も食べてなくて…」

 

コウキ「そ、そうか…災難だったな…」

 

スー「全くだよ!あのバカ親父ったら、勝手にあたし達の食費のお金を使って!」

 

コウキ「ははは…(ロジェさん…またか…)」

 

俺は洗面所に向かう。

 

コウキ「(リディーに応援されたからには頑張るしかないよな)」

 

コウキ「(俺にとっては…皆を守るために強くなってみせることだ!)」

 

俺は顔を洗って朝飯を食べにいく。

 

リディー「スーちゃん!残してと言ったけどあと少ししかないじゃない…」

 

スー「えへへーごめんなさいっ!テヘ♪」

 

リディー「可愛く言ってもダメだからねー?』

 

サリア「まぁまぁ二人とも、また作ってあげるから、そこまで、ね?」

 

ふたり「はーい」

 

コウキ「ご飯があと少しだって?」

 

サリア「あら、ごめんなさいね、コウキ、今作るから」

 

コウキ「いや、いいよ、少しだけのやつ食べるよ、どうせあともう少しでお昼なるし」

 

サリア「あらそう?じゃあお昼、また作るわね」

 

コウキ「ほーい」

 

リディー「ごめんね?コウちゃん…。スーちゃんが…」

 

コウキ「いや、気にすんな、じゃあ食ってくるわ」

 

コウキはテーブルへと向かう。

 

サリア「そういえば、リディーちゃんの分もスーちゃんが食べたんだっけ?ごめんねリディーちゃん、お昼また作るからねー」

 

リディー「はい、お昼もご馳走になってすいません…」

 

サリア「いいのよー?私達のこと家族だと思って、いつでもご飯食べにきても」

 

リディー「はい!えへへ…その時はお願いしますね!」

 

サリア「ええ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スー「お昼もご馳走になってありがとうございました!」

 

リディー「ありがとうございます、サリアさん」

 

サリア「うん、また来てね、二人とも」

 

ふたり「はい!」

 

スー「そういえばあたし達、師匠ができたんですよー!」

 

サリア「あらま…!それはよかったわね、どんな人なの?」

 

リディー「優しくて、錬金術を教えてくれるのが上手な方で、名前はイルメリア・フォン・ラインウェバーという人です!」

 

コウキ「へーよかったじゃん。今度紹介してくれよ」

 

スー「わかった!」

 

リディー「じゃあ、私達は帰りますね」

 

コウキ「あ!リディー!」

 

リディー「ん?」

 

コウキ「今日はありがとな」

 

リディー「…うん!」

 

リディーとスーは帰っていった。

 

サリア「ふーん…」

 

母さんが俺を見てニヤニヤしている。

 

コウキ「な、なんだよ?」

 

サリア「いいえー?別にー?ほら、あんたは今日から修行でしょ?早く支度してガルドさんのとこに行きなさい」

 

コウキ「うん、じゃあ支度して行ってくるわ」

 

サリア「ええ」

 

俺は支度をした。伝説の剣を背中に背負って。

 

コウキ「じゃ、行ってくる」

 

サリア「いってらっしゃい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スー「リディー」

 

リディー「………」

 

スー「ねぇ、リディー!」

 

リディー「え?なに、スーちゃん」

 

スー「どうしたの?さっきからずっと何か考えてたけど…まさか!リディーの分のご飯を食べたから、そのあとのお仕置き考えてたり!?」

 

リディー「えー!?そんなことしないよ!」

 

スー「そう?じゃあ早く夢の絵筆を調合して、ミレイユさんに見せに行こ?」

 

リディー「うん!今の私達なら!」 




コウキの評価 (幼馴染編)

リディー「なんだかんだで優しいよね」

ルーシャ「そうですかね?私は冷たいと思うんですが…」

スー「コウキはルーシャと違って優しいもんねー」

ルーシャ「おっーほっほっほっ!私のほうが断然、コウキより優しい心を持ってまからね!」

スー「あーはいはい、ルーシャは優しいね(棒)」

ルーシャ「あ、今棒読みで言いましたね!?
…!もう帰ります!」

リディー「ルーちゃん…またねー」

スー「泣き虫ルーシャはあいかわらずか…」

終わり


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第十話 超一流の天才錬金術士?

サリアの評価

コウキ「見た目はいいけど、ほんっと怖いんだよなぁ…」

スー「そうなの?アタシはサリアさんが怒ってるとこ見たことないからねー」

コウキ「あれはもう…地獄のような日だった…」

リディー「あ、なんか語りだした…」

コウキ「俺のイタズラで母さんの本を隠した時、なんと母さんは匂いを嗅ぐように、一発でその本を見つけ、そのあと俺に近づいて蹴りを入れられた…もうまるで本を隠した犯人がわかったように…」

リディー「コウちゃん、それ絶対犯人すぐわかると思うよ、だってお客さんがどこかに本隠す訳ないもん」

ルーシャ「確かにそれは…本屋の以外のどこかに隠すとなると、それは万引きしてると同じことですからね」

コウキ「そうだった…」白目

スー「いや…それくらいわかろうよ…コウキが一番あたし達より年上なんだし…」

コウキ「そうだな…」泣目

ルーシャ「おっーほっほっほっ!コウキは泣き虫さんですね!」

スー「いやいや、あなたも十分言えませんよ?」

リディー「あはは…」

サリア「へっくしょん!」

ガルド「どうした?風邪でも引いたか?」

サリア「誰かに私のこと何か噂されてるような…」

ガルド「なんだそれは…(;・ω・)」

終わり


コウキ「師匠ー!」

 

ガルド「ん?コウキか、ちょうどよかった。今、お前さんの家に行こうと思ってな。今日は仕事が入ってて、お前さんもそれに含まれている」

 

コウキ「え?そうなんですか?じゃあ、行きましょう!」

 

ガルド「よし、行くか」

 

コウキ「はい!ところで何の仕事なんですか?」

 

ガルド「ああ、メルヴェイユの近くに魔物が出たんだ」

 

コウキ「魔物退治ですか?」

 

ガルド「ああ、今回は見張りだ」

 

コウキ「み、見張り…?あの、師匠?それって一体…」

 

ガルド「ミレイユの嬢さんに頼まれたんだ、ある二人の見張りを頼むって」

 

コウキ「ミレイユさんが?」

 

ガルド「ああ、それで俺とお前さんに仕事を頼まれたんだ。そういえばもう一人、今回の仕事の協力者がいるぞ」

 

コウキ「ほう、その人は?」

 

ガルド「なにも、錬金術士の女の人らしい、俺は見張りだけなら、一人でいいんじゃないか。とミレイユの嬢さんに聞いたら、可愛い少女一人が森に行くなんてあやしい人に捕まったどうするの?ってミレイユの嬢さんに言われてな…」

 

コウキ「それで師匠と俺が呼ばれたと…てかその子が師匠見たら怪しまれるのでは?俺も怪しまれるかわかんないけど…」

 

ガルド「そこなんだよ…はぁ、なんで俺達が呼ばれるんだが…見張りなら一人で十分だろ…」

 

コウキ「大丈夫です、師匠!俺がなんとかしますので」

 

ガルド「そうか?じゃあそこんとこ頼むぜ」

 

コウキ「まかせてください!」

 

俺と師匠は門に向かう、すると門の前には頭にリボンをつけている、金髪の女性が立っていた。

 

???「あら?あなたが今回の協力者?」

 

ガルド「ああ、そうだ、俺とあともう一人…」

 

コウキ「あ、よろしくです!」

 

???「よろしくね、名前を聞いてもいいかしら?」

 

ガルド「俺はガルドだ」

 

コウキ「俺はコウキです!」

 

???「アタシはイルメリアよ、今回はよろしくね」

 

イルメリア「じゃ、コウキ君とガルドさん、行きましょうか」

 

ガルド「ああ」

 

コウキ「(イルメリアさん?師匠の名前の人がイルメリアなんちゃらさんってリディー達が言ってたような…まぁ今は仕事だし、そんなこと気にしてる場合じゃないよな)」

 

俺と師匠とイルメリアさんは森の中央部に向かいはじめた。

 

ガルド「そういえば、お嬢さん、錬金術士だったか?」

 

イルメリア「はい、そうですけど」

 

ガルド「実際どれくらい錬金術ができるんだ?」

 

イルメリア「アタシは超一流の大天才錬金術士ですからね」

 

コウキ「(あ、自分で天才って言っちゃうんだ…)」

 

ガルド「ほう、なら今度依頼してもいいか?」

 

コウキ「(師匠…なにかツッコまないんですか…)」

 

イルメリア「任せてください。天才の力…みせてあげますから!」

 

ガルド「おうよ、期待してるぜ」

 

コウキ「イルメリアさん、俺と師匠がなんで今回の協力者だとわかったんですか?」

 

ガルド「もしかして、ミレイユの嬢さんから聞いてたか?」

 

イルメリア「そうですよ、大きな剣を背負った老人さんと…あと若い剣士さんとか、ミレイユさんが言ってましてね、アタシも見張りなら一人で大丈夫ですよって言ったら…女の子が一人で森歩いたら危ないと言われて…」

 

コウキ「ああ…そうだったんですか…」

 

イルメリア「そろそろ行きましょうか」

 

コウキ「はい!」

 

俺達は森の中央部についた。するとが巨大な鳥の魔物と二人が戦っていた。

 

コウキ「あれは…!(リディーとスー!?二人の見張りってあいつらのことだったのか!)」

 

俺は無意識に体が動いていた。

 

イルメリア「コウキ君、今回は見張りよ、アタシたちが邪魔しちゃダメよ」

 

イルメリアさんが俺の腕を掴む。

 

コウキ「邪魔って…でも助けないと!」

 

イルメリア「大丈夫よ、アタシ達の出番はあともう少しだから」

 

コウキ「え?」

 

リディー「ふぅ…倒した…」

 

スー「結構余裕だったね!」

 

コウキ「(あ、余裕だったんだ…)」

 

ガルド「よし、そろそろ行くぞ」

 

イルメリア「そうですね」

 

コウキ「?」

 

すると、リディー達の近くにまた三体のでっかい鳥の魔物が現れた。

 

スー「えっ!?あの…まさか…さっきの魔物の仲間の方…ですかね…?」

 

リディー「ど、どうしよう!スーちゃん!囲まれたよ!?」

 

魔物達がリディー達に襲いかかろうとする。

 

すると、イルメリアさんが爆弾?みたいなのを取り出し、それを投げだし、爆弾は三体の魔物に命中し、そのうちの二体は倒れ、残りの一体は師匠の攻撃で倒れた。

 

リディー「って、え?」

 

スー「助かった…?」

 

イルメリア「もう、二人とも、危なかったわね」

 

ガルド「大丈夫だったか?お嬢ちゃん達」

 

コウキ「(あれ?俺の出番なかった?)」

 

リディー「師匠!それにコウちゃん!?」

 

スー「あとガルドさんも!?」

 

イルメリア「ミレイユさんに頼まれたのよ、あなた達をこっそり見張りをしてほしいって」

 

スー「助かったぁ…」

 

リディー「ぐすっ…、師匠…師匠っー!怖かったですー!」

 

リディーが泣き出す。それを見ていたイルメリアさんが…

 

イルメリア「あーもう、泣くんじゃない!ひとつ…覚えておきなさい…」

 

するとリディー達の師匠である、イルメリアさんが二人に真剣な表情で言う。

 

イルメリア「錬金術士は戦士じゃない。だからこそ、戦いのときは相手をまっすぐ見据えなさい」

 

イルメリア「相手を見据えて、機会が来るのを待って弱点をつく。これが錬金術士の戦い方よ」

 

スー「はい…覚えておきます…」

 

イルメリア「よろしい、まぁ二人にしては頑張ったほうよ、そろそろ帰りましょ?ミレイユさんも二人のこと心配してるだろうし」

 

ガルド「そうだな、帰りは任せてくれ、俺とコウキがお嬢さん達を助けてやる」

 

コウキ「俺、出番でそう!?」

 

イルメリア「ふふ、お願いしますね」

 

俺達はメルヴェイユへと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガルド「んじゃ、俺は家に戻る、じゃあな」

 

リディー「今日はありがとうございました…」

 

スー「はい、本当に…」

 

ガルド「おう、そんじゃあな」

 

師匠は帰っていった。

 

イルメリア「じゃ、王城に行きましょうか」

 

俺達は王城へと向かった。

 

ミレイユ「お疲れ様、大丈夫…じゃなかったみたいね」

 

リディー「はい…師匠達に助けてもらわなかったら、私達今頃どうなっていたか…」

 

イルメリア「ミレイユさん、二人だけじゃやっぱり危ないと思うんです、最近魔物も多いじゃないですか、やっぱりここはアタシが…」

 

ミレイユ「でも…ほら、イルメリアさんには国からの依頼が山ほど…」

 

コウキ「(国からの依頼…?イルメリアさんやっぱり凄い人だったんだ…)」

 

イルメリア「う…それは…そうですけど…」

 

ミレイユ「ただ、二人を危ない目には遇わせられないわよね…わかった、護衛になりそうな人を私の方で探してみるわ、悪いんだけど、それまでは二人だけでお願い、あんまり危ない場所には行かないようにしてね?」

 

スー「わかりました…ごめんなさい、あたしたちが弱いばっかりに…」

 

ミレイユ「そうね、でも気にしないで、今回も頑張って

魔物を倒してくれたじゃない、魔物退治の件はちゃんと二人の評価に加えておくわ、本当にありがとね」

 

リディー「え、いいんですか?ほとんど師匠達に倒してもらっちゃったのに…」

 

イルメリア「いいの、アタシは残党を吹き飛ばしただけ、ね…?」

 

コウキ「だそうだ。二人とも、だから気にすんな」

 

ミレイユ「ランクをあげるためにも、まずはアトリエの評判をよくしていってね、まぁ、そこら辺のことはこの試験要項に書いてあるわ、後でよく読んでおいてちょうだい」

 

イルメリア「さてと…アタシはそろそろ帰るわね、二人とも、あんまり無理するんじゃないわよ、あ、コウキ君もね。バイバイ」

 

イルメリアさんは帰っていった。

 

スー「ありがとうございました、師匠ー!じゃあ、あたしたちも帰ろうか」

 

コウキ「そうだな」

 

リディー「それじゃあ、ミレイユさん、失礼します!」

 

俺達は王城を出た。

 

ミレイユ「さてと、護衛…か、まぁ、アイツと、コウキ君とガルドさんが適任かしらねぇ…」




ガルドの評価

コウキ「めっちゃ、強い人だった…」

スー「えーと、それをみるなら…ガルドさんにボコボコにされた?」

コウキ「あんな大剣を片手で持ってるのに動きが速いとは…」

リディー「ガルドさん、凄い人だね、あんな老体で…」

コウキ「いやーあれは心臓止まるかと思った…」

ガルド「へっぶし!」

サリア「どうしたの?」

ガルド「ああ…誰かに俺の何かを思われてるような…」

サリア「なによそれは…」( ̄▽ ̄;)

終わり


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第十一話 双子の護衛

俺は町を歩いていた。今日は雨だ。なんか最近雨が多い気がする…でも俺はこんな雨でも師匠の家に行く。

 

ガルド「ふぅ…」

 

師匠がなんと家の前で、雨が降ってる中、上半身裸でめいそう?をしていた。

 

コウキ「えっと…師匠?なにして…」

 

ガルド「みりゃわかるだろ、めいそうしてるんだ」

 

コウキ「いやいや、めいそうって…それは滝とかでやるもんじゃないんですか?」

 

ガルド「そんなん気にするな、用がないなら帰れ」

 

コウキ「えっと、今日も修行を…」

 

ガルド「また今度な」

 

コウキ「ええ…!?はぁ…わかりました…今度ですよ?」

 

ガルド「ああ、約束する」

 

コウキ「じゃあ、失礼しますね…」

 

俺は暇だったので自分の家に帰ることにした。

 

コウキ「今日は雨だし、家で本でも読むか…」

 

俺は家に着いた。そこには眼鏡をかけて本を読んでいる母さんがいる。

 

サリア「あら?修行は?」

 

コウキ「今日はないって」

 

サリア「まぁ、今日は雨だしね…」

 

コウキ「てか、お客さん少ないね」

 

サリア「そりゃ、こんな悪天候じゃねぇ…」

 

コウキ「じゃ、俺は部屋にいるね」

 

サリア「ええ」

 

俺は自分の部屋へと向かった。そして俺は机にある本を読みだした。

 

コウキ「よーし、久しぶりに読書でもするか…!前とか全然読んでなかったし!」

 

俺は本を読む。

 

コウキ「久しぶりのドラゴン○ールだ…さて読むか」

 

30分後…

 

コウキ「かめかめ波…俺も撃ちたいなぁ…さて、昼までまだ時間あるし、ちょっと寝よ…」

 

俺はベッドに向かい、眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『コウちゃん!みてみて!』

 

『ん?なんだ?』

 

『主人公が告白するシーンだよ!』

 

『ん?なになに、『俺と結婚してください』か』

 

『わたしもいつか素敵な男性とお付き合いしてみたいなぁ…』

 

『リディーは可愛いからすぐモテるさ』

 

『ふぇ!?そ、そんなことないよ!?』

 

『はは、頑張れよ』

 

『もう…コウちゃんのいじわるなんだから!』

 

コウキ「ん、夢か…?」

 

懐かしい夢を見ていた。

 

コウキ「素敵な男性と結婚か…」

 

コウキ「………」

 

何かを考えているともう雨がやんでいた。

 

コウキ「やんだか」

 

すると下から声が聞こえる。

 

サリア「コウキー?昼ご飯できたわよー?」

 

コウキ「今いくー」

 

俺は一階へといった。

 

コウキ「ごちそうさん」

 

サリア「ごちそうさま」

 

コウキ「ねぇ母さん」

 

サリア「ん?」

 

コウキ「母さんはどうして剣士だったのに本屋を開いてるんだ?」

 

コウキ「剣士だったのなら騎士とかも入れたのかもしれないのに、どうして?」

 

サリア「コウキ、人の趣味に口出ししちゃダメなのよ?私は将来、本屋を開くことが夢だったからね」

 

コウキ「そ、それはそうだけど…」

 

サリア「私ね、昔、ガルドさんの弟子だったのよ、あなたと同じくね」

 

コウキ「そうなの!?」

 

サリア「私はね、幼いころから体が弱くてね、みんなからは弱い者扱いをされたわ、でもオネットはそんな私をいつも助けてくれた…いじめっ子からも私をかばってくれたわ…それで私は考えたの、強くならなくちゃ、ってね」

 

コウキ「母さん…」

 

サリア「そしてついに私は信頼できる仲間達と共に旅に出ることにしたわ」

 

サリア「旅に出たあとも、オネットから手紙で私を応援してくれたりしてくれた…オネットは私の親友…私の生きるきっかけをくれた人よ」

 

サリア「そして旅が終わり…ザラトと結婚して…コウキが生まれ…夢だった本屋を建てたわ」

 

コウキ「自分の目標を終え…夢を叶えたんだな、母さんは…」

 

コウキ「母さん…俺も頑張るよ、伝説の剣士の血を引いてる者としてね!」

 

俺は家を出た。

 

サリア「………」

 

サリア「(オネット…私は強くなれたかしら…?旅を終え、自分の夢を叶え…あなたが死んでから私はあなたに何もしてあげられなかった…私って最低よね…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「さて、どこに行くか…」

 

マティアス「ん?おーい、コウキ」

 

後ろから声をかけられた。

 

コウキ「あれ?マティアスさん?」

 

マティアス「よ、早速なんだけど、姉貴がコウキとガルドさんを呼んでるんだ、悪いけど今から王城に行ってほしいんだよ」

 

コウキ「ミレイユさんが?わかりました!早速師匠を行連れてきます!」

 

マティアス「オレもついていくよ」

 

コウキ「じゃあ行きますか」

 

俺とマティアスさんは師匠の家に行きはじめた。

 

コウキ「師匠ー!」

 

俺は師匠の家の扉をノックする。

 

返事がない。

 

コウキ「あれ?いないのかな?」

 

マティアス「ん?でも扉は開いてるぞ?」

 

コウキ「ほんとだ、入りますか」

 

マティアス「勝手に入っていいのかよ!?」

 

コウキ「んー?いいんじゃないんですかね」(適当)

 

マティアス「いいのかよ…」

 

コウキ「お邪魔します、師匠」

 

俺とマティアスさんは家の中に入った。すると…

 

マティアス「あれ?寝てるのか?」

 

師匠がぐっすりと机で寝ていた上半身裸で。

 

コウキ「師匠…風邪引きますよ…?」

 

俺は師匠を起こす。

 

ガルド「酒ぇ…まだまだ、たりんぞぉ…げへへ…」

 

師匠が寝言を言う。

 

マティアス「夢でも見てるのか?ガルドさん…」

 

コウキ「師匠!」

 

ガルド「ん、なんだ、コウキ…か?」

 

コウキ「あ、やっと起きた…」

 

マティアス「よ、ガルドさん」

 

ガルド「お前さんは…王城にいたときの…」

 

マティアス「俺はマティアスだ、ガルドさん、寝起き少々悪いんだが、オレの姉貴が俺達を呼んでいる」

 

コウキ「そうらしいです師匠、さぁ早く服を着てください…」

 

ガルド「おう、今準備してくる」

 

ガルドさんが部屋に入る。

 

マティアス「それにしても、ガルドさんなんで上半身裸なんだ…?」

 

コウキ「朝、雨が降ってる中、めいそう?してたんですよ…」

 

マティアス「ガルドさん変わった人なんだな…」

 

ガルド「よし、準備できたぞ」

 

マティアス「よし、王城に行きますか」

 

俺達は王城へと向かった。

 

ミレイユ「来たわね」

 

コウキ「ミレイユさん、俺達に何の用事でしょう?」

 

ミレイユ「三人には護衛を頼みたいのよ、双子ちゃんの」

 

ガルド「双子?あのお嬢さん達のことか?」

 

ミレイユ「ええ、そうよ、あなた達三人があの二人を守ってくれればまさに無敵ね」

 

マティアス「姉貴、その双子の名前は?」

 

ミレイユ「コウキ君から聞いていないかしら?名前はリディーちゃんとスーちゃんよ」

 

マティアス「わかった」

 

ガルド「それで、俺達はどうすればいい?」

 

ミレイユ「そうねぇ、門の前に待ってくれればいいと思うわ、双子ちゃん達にも話しておくから」

 

コウキ「わかりました、じゃあ師匠、マティアスさん、行きましょう!」

 

マティアス「なんであいつ嬉しそうなんだよ…」

 

ガルド「ははは、さぁな…」

 

俺達は門の前に向かうことにした。

 

ガルド「護衛か…傭兵としてこの仕事…頑張らないとな」

 

コウキ「そうですね!三人が一緒なら俺は何も怖くないです!」

 

マティアス「まぁ、俺は戦うの怖いけど伝説に名を残した傭兵さんと、伝説の剣士の血を引いてる人が一緒なら、なにも怖くないぜ」

 

コウキ「伝説に名を残した…?」

 

ガルド「伝説も何も…ただ町を救っただけさ…」

 

コウキ「(なんなんだろう師匠…なんか暗い顔してるけど…でもあまり詮索しないようにしとこう…)」

 

マティアス「ガルドさん、話してくれないか?俺達もう仲間だろ?」

 

ガルド「そうだなぁ…ある町が魔物に滅ぼされる寸前だったから俺がその魔物を全員、葬ったらいつのまにか、みんなから伝説に名を残した英雄だ!とか言われてな、ただそれだけの話さ」

 

コウキ「なんか伝説の剣士の物語みたいですね」

 

マティアス「そうだなーって!そこの綺麗なお姉さん!」

 

マティアスさんが女の人のとこに行ってしまった。

 

コウキ「ええ…(困惑)」

 

ガルド「なんなんだ…あいつは…」

 

コウキ「俺たち…上手くやっていけるかな…?」

 

俺達は門の前に着いた。

 

ガルド「ここだな」

 

俺達はリディーとスーが来るのを待っていた。

 

リディー「あれ?コウちゃん?」

 

スー「と、ガルドさん!?」

 

リディー「コウちゃん達がミレイユさんの言ってた護衛の人だったんですね!」

 

スー「でもあと一人は?」

 

コウキ「あー…あと一人は…」

 

マティアス「おーい、コウキーガルドさんー!」

 

マティアスさんが遅れてやってきた。

 

スー「あっ、この間のナンパ男っ!ナンパしてる人生で楽しそうだね?」

 

マティアス「さんざんな言われようだな…君たちと上手くやっていけるか不安になってきたぞ…」

 

いやいや、あなたも充分に不安なんですけど…

 

ガルド「そろそろ行こうぜ?お嬢さん達はなんか依頼があるんだろう?ならさっさと済ませよう」

 

リディー「そうですね!行きましょうか!皆さん!」

 

コウキ「おう!」

 

スー「うん!」

 

ガルド「うむ!」

 

マティアス「あ、ちょ!?皆、待ってくれよー!」

 

俺達の不思議な冒険はまだ続く。



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第十二話 ざわめきの森 前編

俺達はリディー達の護衛を頼まれ、無事依頼を終わらせ、師匠と修行をしていた。

 

ガルド「今回は剣義を教えよう」

 

コウキ「はい!」

 

その様子をマティアスさんが見ていた。

 

マティアス「二人はいつも修行を?」

 

ガルド「そうだが?」

 

コウキ「そういえばマティアスさんは騎士団の人ですよね?日々剣の稽古とかしてるんですか?」

 

マティアス「ああ、勿論。団長と副団長から教わってるぞ」

 

コウキ「そうなんですね、お互い頑張りましょう!じゃあ師匠お願いします」

 

ガルド「いいだろう、まずはお前にふさわしい奥義、光の剣について教えよう」

 

コウキ「光の剣…?」

 

ガルド「そうだ、前、修行していた時、俺がやっていた技だ」

 

コウキ「あれですか…俺にもできますかね?」

 

ガルド「できるはずさ、まずは己の精神を落ち着かせ、剣に力を込めてみろ」

 

俺は目を閉じ、剣を強く握り、心を落ち着かせてみた。

 

ガルド「ほう、いいぞ、そしたら、光の剣を!と言ってみろ」

 

コウキ「光の剣を…!」

 

すると剣が光だした。

 

マティアス「おお!?本当に光ったぞ!?」

 

ガルド「そのまま、俺に攻撃してみろ、手加減は無用!俺を倒すつもりで来い!」

 

師匠は剣を構える。

 

コウキ「わかりました。行きます!」

 

俺は光った剣で師匠を攻撃する。

 

ガルド「ふん!」

 

俺の剣と師匠の剣がつばぜり合い状態になる。

 

コウキ「ぐぬぬ…!」

 

ガルド「いいんじゃないか?前よりも力が強くなっているぞ、そのままその剣をなぎはらってみろ」

 

俺は師匠との距離をとり、光った剣をなぎはらった。

 

コウキ「おりゃ!」

 

なぎはらった光の剣はあたりを照らすような、光の斬撃を放った。

 

ガルド「ほう…いいだろう…」

 

師匠はそれを剣でガードし、受け止めた。

 

ガルド「せいっ!」

 

師匠に放った、光の斬撃は消えてしまった。

 

マティアス「す、すげぇ…」

 

ガルド「初めてしたとはいえ、中々の威力だった、これからも練習していけば次第に威力は上がっていくだろう」

 

コウキ「わかりました!」

 

ガルド「ちなみに口に声を出さなくても、心の声でもいけるぞ」

 

コウキ「そうなんですか!?やってみま…あっ…」

 

俺は急に体がフラフラしはじめ、体勢を崩してしまう。

 

マティアス「大丈夫か!?」

 

マティアスさんが俺に近づき、手を差しのべてくれる。

 

コウキ「ありがとうございます…」

 

ガルド「疲れが回ってきたか、まぁ仕方ない、剣の奥義を自得するということは、それなりに体力を使ってしまうからな、休憩するか」

 

マティアス「そのようだ、どっかの店に行って休憩しようぜ?」

 

コウキ「はい…わかりました…」

 

ガルド「休憩が終わったら王城に行くぞ、ミレイユの嬢さんから呼ばれてるからな」

 

マティアス「おう、じゃあ向かうとするかね」

 

マティアス「歩けそうか?」

 

コウキ「歩けそうです」

 

マティアス「よし、行くか」

 

俺達は近くの喫茶店に向かいはじめた。

 

ルーシャ「あら、コウキではありませんか」

 

コウキ「ん…?ルーシャか…」

 

ガルド「この間のお嬢さんじゃねぇか」

 

ルーシャ「コウキの師匠の…」

 

ガルド「おう、以後よろしく頼むな」

 

ルーシャ「はい、それで…」

 

ルーシャ「コウキ、なんだかお疲れのようですね…どうしたんですか…?」

 

ルーシャが俺を心配そうに見つめる。

 

コウキ「ちょっとさっきまで修行をしててな…」

 

ルーシャ「あまり無理をしないでくださいね?じゃあ急いでいるので失礼しますね!」

 

コウキ「おう…わかった…」

 

ルーシャはそう言い残し、行ってしまった。

 

マティアス「あの子はコウキの友達かなんかか?」

 

コウキ「幼馴染ですよ」

 

マティアス「いいなぁ…お前は可愛い子達が回りにいて…」

 

コウキ「あはは…そうですね…」

 

ガルド「行くか」

 

コウキ「はい!」

 

俺達は喫茶店に着き、そこでしばらく休憩をし、王城に向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガルド「それでミレイユの嬢さん、その不思議な絵の中の調査を頼むと?」

 

ミレイユ「ええ、そうよ双子ちゃん達の護衛をお願い」

 

マティアス「それで姉貴、双子は今どこだ?」

 

ミレイユ「先に絵の中の調査を頼んでいるわ、三人とも、今から急いで画廊に行って、双子ちゃん達と合流してちょうだい、私が画廊まで案内するわ」

 

コウキ「わかりました!行きましょう皆さん!」

 

俺達は王城内の画廊に来た。

 

ミレイユ「これをご覧なさい」

 

コウキ「これが…」

 

ガルド「これが…不思議な絵か…」

 

ミレイユ「さぁ、もう双子ちゃん達はこの絵の中に入ってるから三人も急いで」

 

マティアス「どうやって絵の中に入ればいいんだ?」

 

ミレイユ「絵の中に入るには『この絵の世界に行ってみたい』って念じればいいらしいわ」

 

ミレイユ「逆に絵の外に出るためには『元の世界に帰りたい』って、強く思えばいいそうよ」

 

コウキ「わかりました!師匠、マティアスさん、行きましょう!」

 

マティアス「ああ」

 

ガルド「おう」

 

俺達は目を閉じ、意識が薄れ、絵の中へと入った。

 

ミレイユ「あ、ルーシャちゃんのこと、いい忘れてたけど…まぁいっか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「ん…?ここは…」

 

気づいたら俺は暗い森の中にいた。

 

ガルド「ここが絵の中の世界か…普通の森とは雰囲気が違うな」

 

マティアス「早く双子と合流しようぜ、ここには何があるかわからないし、急ごう」

 

コウキ「はい!」

 

ガルド「お嬢さん達のとこに急がないとな」

 

俺達は二人と合流するために森の中央部を急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スー「きゃあー!!」

 

マティアス「ん?」

 

ガルド「悲鳴だな」

 

コウキ「まさか魔物に襲われるんじゃ…!」

 

俺はとっさに師匠とマティアスさんを置いてさきに行ってしまう。

 

マティアス「コウキ!?まったく…俺達も急ごう」

 

ガルド「ああ」

 

二人もコウキが向かった方向に向かいはじめた。

 

スー「ひぃぃぃっ!?お化けぇ!!!やだ!やだ!こっち来ないでぇ!」

 

リディー「スーちゃん落ち着いて!」

 

すると向こうにはリディーとスーが魔物に襲われそうになっていた。

 

コウキ「大丈夫か二人とも!今助けてやるから!」

 

俺が二人の前に出る。

 

リディー「コウちゃん!?どうしてここに!?」

 

コウキ「話はあとだ!」

 

お化け「また呪われた子、みーっけ、呪われた子は僕が連れて帰っちゃうぞー!」

 

お化けが襲おうとする。

 

コウキ「(光の剣…!)」

 

すると剣が光り初め、それを魔物に放った。

攻撃は当たり、お化けはどこかへと消えてしまった。

 

コウキ「ふぅ~」

 

俺は剣を腰に戻す。

 

スー「ありがとう…コウキ助かったよ…」(泣目)

 

リディー「コウちゃん、助けてくれてありがとね!」

 

コウキ「それは気にすんな、てかスー…大丈夫か?」

 

スー「大丈夫だけど…私…呪われたんだよぉ…」

 

コウキ「呪われた…?」

 

マティアス「おーい!」

 

後ろからマティアスさんの声がした。

 

リディー「マティアスさん!?」

 

ガルド「待たせた」

 

スー「ガルドさんも!?」

 

マティアス「ほら、俺達さ護衛だろ?」

 

リディー「そういえば、そうでしたね…」

 

ガルド「それより、あの看板はなんだ?」

 

スー「これを読んだ人は呪われましたって書いてたんだよー…もうダメだ…一生呪われたままなんだ…!」

 

コウキ「うわぁ…」

 

リディー「ほら、元気だして、スーちゃん!看板に書いてあったでしょ!?」

 

リディー「『呪いを解きたければ、墓場まで来い』って、だから墓場を目指せばいいんだよ!うん!」

 

スー「そっか、そうに決まってる!じゃないと、わざわざ看板に書く意味ないもん!」

 

マティアス「ま…看板に本当のことを書かなゃいけないなんて決まりもないけどな」

 

スー「もうやだ…」

 

リディー「マティアスさーん!今は余計なこと、言わないでー!」

 

リディー「スーちゃん、大丈夫だから、ね?

とくかく、頑張って一緒に墓場に目指そう?」

 

スー「うん、頑張る…ぐすん…」

 

その姿はまさに、優しく、頼れる姉だった。

 

ガルド「さぁ、先に進もうか」

 

コウキ「はい!」

 

俺達は森のさらに奥を目指した。

 

ルーシャ「ぴぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

ルーシャの悲鳴が聞こえた。

 

コウキ「今の悲鳴…ルーシャか!?」

 

リディー「うん、あっちから聞こえてきたよね、皆さん行ってみましょう!」

 

コウキ「ルーシャもここに来てたのか!急ごう!」

 

俺達はルーシャの悲鳴が聞こえた場所に行った。

 

ルーシャ「わ、わた、わたしは食べても美味しくないですよ!引き締まってて食べるとこ、少ないですし!」

 

ルーシャが黒い魔物?に襲われそうになっていた。

 

リディー「ルーちゃん、大丈夫!?」

 

ルーシャ「え、リディーとスー…!?二人とも、どうしてここに!?」

 

スー「それはまぁ、なりゆきで…まぁ、それは置いといて、今助ける…よぉ!?」

 

スーは黒い魔物が攻撃しようとしたのをかわした。

コウキ「話はあとだ!ルーシャ、下がってろ!」

 

ルーシャ「コウキも!?わかりました!」

 

ガルド「ほら、お嬢さん、俺達の後ろに隠れててな」

 

ルーシャ「あなた達は…」

 

マティアス「行くぞ!」

 

ルーシャ「あ、気をつけてくださいね!この黒い魔物、めちゃくちゃ強いので!」

 

スー「それを早く言えー!」

 

魔物が爪で俺達を襲う。

 

ガルド「ふんっ!」

 

師匠がそれを受け止める。

 

ガルド「俺が動きを止める!お前達は攻撃しろ!」

 

リディー「援護です!」

 

リディーの魔法で力が強くなって気がした。

 

スー「くらえー!」

 

コウキ「おらー!」

 

マティアス「仕留める!」

 

黒い魔物を倒した。

 

ルーシャ「本当に死ぬかと思いました…」

 

リディー「うん、どこもケガはしてなさそうだね、よかった、よかった」

 

コウキ「それよりルーシャもここに来てたのか」

 

ルーシャ「ミレイユさんに頼まれたんですよ」

 

コウキ「そうだったのか」

 

マティアス「どうする?一旦オレが家まで送るか?」

 

ルーシャ「ぜひ…と言いたいところなんですけど…わたしには帰れない理由がありまして…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガルド「なるほど、さっきの看板をみて呪われたから帰れないと…」

 

スー「ルーシャもだったんだ…実はあたしもなんだ…」

 

ルーシャ「まぁ、スーもだったんですか!?わたし、呪われたままなのは絶対イヤなんです」

 

スー「あたしもそんなの絶対やだ。ねぇ、ここは協力して墓場を目指さない?」

 

ルーシャ「そうですね、それが最善の道かと、絶対、一緒に呪いを解きましょうね!」

 

ルーシャ「と言っても…わたしは戦うの、そんなに得意

じゃないですけど…」

 

コウキ「そこは俺達が守ってやるから!」

 

ルーシャ「そうですか…?では同行させていただきます。

よろしくお願いしますね、みなさん」

 

俺達は墓場を目指して、さらに奥を進んだ。



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第十三話 ざわめきの森 後編

俺達はルーシャを助けたあと、スー、ルーシャの呪いを解くために、墓場を目指そうとしていた。

 

コウキ「にしても不気味なところですね」

 

マティアス「それにしてもスーがお化けが苦手とは、以外だったぜ」

 

スー「しょうがないじゃん…苦手なものは苦手なんだし…」

 

ガルド「ん?おい、あそこ木の棘らしきもので道が塞がれてないか?」

 

コウキ「あ、ほんとだ…」

 

俺達は棘の前に来ると、どこからか誰かの声が聞こえた。

 

???「おうおう、ちょっと待ちな!」

 

コウキ「ん?なんだ?」

 

木賊B『ここは俺たち『木賊』のなわばりだ!通りたければ、俺たちにいい肥料をよこしな!』

 

マティアス「山賊ならぬ『木賊』ね…この絵を書いたヤツ、ろくでもないこと考えるな」

 

リディー「木が喋るなんて…!絵の中の世界って、やっぱり夢みたい…!」

 

するとスーが震えた声で言う。

 

スー「ぶるぶる…あり得ない、あり得ない…木が喋るなんてあり得ない、あたしは何も見てない…」

 

コウキ「落ち着け!スー!絵の中の世界だからもう何でもアリなんだよ!うん!」

 

マティアス「いや、コウキ…それフォローになってねぇから…」

 

ルーシャ「ふん、わたしたちが要求通りにするとお思いですか?あなたたち程度、爆弾を使えば…!」

 

すると、ルーシャが爆弾を取り出し、道を塞いでいた棘の木に投げ、道が開いた。

 

木賊A『おうおう、何てコトしてくれんだねぇちゃん!そんな悪い奴には…』

 

コウキ「(あ…これやばいパターンか…?)」

 

木賊B『イバラでお邪魔の刑だ!』

 

するとまた木の棘が現れ、完全に道を塞がれてしまった。

 

スー「ちょっと!ルーシャ何やってんの!?」

 

ルーシャ「う…うるさいです!わたしだって、たまには失敗することくらい…」

 

木賊A「だから言ってんだろ?ここを通りたければ肥料をよこせってよぉ!」

 

マティアス「仕方ねぇな、ここは要求を呑むしかなさそうだ…」

 

木賊B『へへへ、そういうこった。いい肥料、楽しみにしてるぜぇ?』

 

ガルド「肥料か…お嬢さん達、なにかないか?」

 

リディー「えーとカゴを調べてみます!」

 

リディーがカゴを調べてみると

 

スー「これならどうかな?」

 

スーが出したのはここに来る最中、採取していた『天然ひりょう』だ、それを木賊に渡してみた。

 

木賊A『おお、こいつは極上の肥料だな!これだけの品にはめったにありつけねぇ!』

 

木賊B『仕方ねぇ、ここは通してやるよ!へへ、せいぜい気をつけて進むんだな!』

 

すると道を塞いでいた、木の棘がなくなり、通れるようになった。

 

ルーシャ「ふぅ、何とかなりましたね、まったく、人騒がせな…」

 

スー「ルーシャもね、邪魔者を爆弾で吹き飛ばそうなんて、二度と考えないでよねー」

 

コウキ「そうだ、ここは絵の中なんだし、なにが起こるかわからないしな」

 

ルーシャ「…ふ、ふん!言われなくても、二度としませんよーだ」

 

ルーシャ「さ、先に進みましょう、早く呪いを解いてしまわないと…」

 

マティアス「そうだな、長居はしたくないし、行こうぜ」

 

ガルド「ここには骸骨の魔物とか出ないんかね」

 

コウキ「師匠…スーがめちゃくちゃ怖がりますって…」

 

ガルド「がはは、そうだな」

 

俺達は通れるようになった道を行き、墓場を目指した。

 

リディー「あ…!スーちゃん!ルーちゃん!墓場って、あれのことじゃない?」

 

奥のほうには墓場らしきものがあった。

 

ルーシャ「ええ、間違いありません!呪いを解きたければここへ、という話でしたけど…」

 

マティアス「お?また看板があるみたいだな」

 

スー「よし、ここは男達の誰かが読んでみよう!」

 

コウキ「ええ!?」

 

マティアス「なんだってー!?」

 

ガルド「まぁ、構わねぇが」

 

スー「よーし、じゃあジャンケンで決めてみよう!」

 

マティアス「仕方ない…やってやるよ…」

 

ガルド「ま、やるぞ」

 

コウキ「師匠、なんだか随分と落ち着いてますね…」

 

ガルド「俺に怖いという感情はない」

 

コウキ「ア、ハイ」

 

俺とマティアスさんと師匠はジャンケンをした。

 

コウキ「最初はグー、ジャンケン…ぽん!」

 

俺はチョキで、マティアスさんパー、師匠はチョキだった。

 

マティアス「うおー!?俺か…」

 

コウキ「マティアスさん、なんかすいません…あはは…」

 

ガルド「頑張れよ」

 

スー「マティアス、じゃあ読んできて」

 

リディー「お願いします、マティアスさん」

 

ルーシャ「せいぜい、頑張ってください!」

 

マティアス「はぁ…仕方ねぇ、行ってくる…」

 

マティアスさんは看板を読んでいった。

 

マティアス「なになに?『呪いを解きたければ、墓にひとつひとつ、井戸で汲める聖水をふりかけろ』だってさ」

 

ルーシャ「えぇ…いくら呪いを解くためとはいえ、いささか面倒臭すぎませんか…?」

 

リディー「ダメだよ、ルーちゃん!呪いを解くためなんだし、しっかりやらないと!」

 

スー「そうだよ!ほら、呪いを解くためだから!ルーシャも一生呪われたままなのはイヤでしょ!?」

 

コウキ「その通りだ、ルーシャ、ここはちゃんとやらないと…俺も手伝うからさ」

 

ルーシャ「わかりました、やりましょう!ええ、やってやりましょうとも!」

 

ルーシャ「おーっほっほっほ!このわたしがすべての墓を水浸しにしてあげます!覚悟することですね!」

 

マティアス「いやーそこまでやると…たぶん、もっと呪われちまうんじゃないかなぁ…」

 

ガルド「やると決めたなら、全力でやるぞ」

 

俺達は井戸にある聖水を汲み、墓ひとつひとつにふりかけはじめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルーシャ「うー…もう限界!もー!こんな単純作業、面倒すぎます!」

 

リディー「ちょっと、ダメだよルーちゃん!呪いが解けなくなっちゃうよ!?」

 

ルーシャ「ふふん、実はわたし、妙案を思いついたんです、聖水をお墓にひとつずつかけていくのは大変でしょう?」

 

ルーシャ「だから、聖水がお墓全体に届くよう、思いっきり振りまいてしまえばいいんです!」

 

ルーシャ「おーっほっほっほ!我ながらいい考えの極み!ふふふ…乗るなら今ですよ、スー?」

 

コウキ「そんなんでいいのか?なんか危ない気が…」

 

スー「えぇ、本当にいいのかなぁ…うーどうしよう…」

 

ルーシャ「どうです?わたしの素晴らしい考えに乗りますか?」

 

スーが考えはじめる。

 

スー「その考え…乗った!こんなの、もうやってられないもん!」

 

リディー「ちょっと、スーちゃん!?ダメだよ、こういうのは真面目にやらないと…」

 

ルーシャ「リディー、スーは選んだのです、わたしの崇高なる考えに乗ると、ね」

 

ガルド「いいのか?お嬢さん、ここはお化け達の巣窟…なにが起こるかわからんぞ」

 

ルーシャ「おーっほっほっほ!大丈夫です!」

 

ルーシャ「姉の選択を尊重するのも、姉として大事なこと、わたしはそう思いますけど?」

 

リディー「うぐっ…そう言われると何も言い返せない…」

 

ルーシャ「じゃあ…スー、ひと思いにやっちゃってくださいな」

 

スー「よしきたっ!ほら舞え、せいすーい!」

 

すると、スーが聖水をお墓全体に振りまいた。

 

マティアス「あーあ…どうなるんやら…」

 

コウキ「あはは…知らんぞ…俺は…」

 

お化け「ズルをしたな…!ズルをするヤツは…絶対に許さない…!」

 

お化けの魔物がどことなく現れた。

 

ガルド「やはりか…」

 

スー「え、えーっ!?ごごご、ごめんなさーい!?」

 

ルーシャ「ふふ、ふふふ…ズルをしたって、最後に勝ちさえすればいいのですよ!」

 

コウキ「うわぁ…呪われ率が悪化しそう…」

 

お化けB「ズルは許さない…!ズルは…許さないぃぃ!!」

 

スー、ルーシャ「ぎゃー!また出たー!?」

 

お化けC「ズルをする奴は…一生呪われたままでいろぉぉぉぉぉ!!」

 

マティアス「三体か…片付けるしかないか…」

 

ガルド「おう」

 

コウキ「知ってた…」

 

リディー「もう…仕方ないんだから…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達はお化けの魔物三体を倒した。

 

ルーシャ「いやぁぁぁぁ!ごめんなさぁぁい!」

 

スー「真面目にやりますから、許してくださぁぁぁぁい!!」

 

そして、墓ひとつひとつに聖水をかけ終わった。

 

スー「はぁはぁ…やっと全部終わった…」

 

リディー「まったくもー、ズルしようなんて考えるからでしょー」

 

マティアス「ああ、まったくだ、魔物に襲われたのだって自業自得だっつーの」

 

コウキ「そうだぞ、二人とも」

 

スー「すみません…深く反省しております…ん?」

 

ガルド「どうした?」

 

リディー「看板が…光った?ちょっと調べてみた方がいいかもね…」

 

マティアス「お、看板の内容が書き換わってるみたいだな、なになに…?」

 

マティアス「『聖水をかけてくれてありがとう。あなたたちの呪いはこれで解けました』」

 

マティアス「『私たちと一緒に遊んでくれたこと、とてと感謝しています』」

 

コウキ「(え、俺達、遊ばれてたの…?)」

 

マティアス「『あなたたちにお礼の品を用意したので、ぜひ受け取ってください』」

 

マティアス「『ざわめきの森に暮らすもの一同より』」

 

マティアス「『追伸。今回の件に懲りたら、もう手を抜こうとはしないこと』だってさ」

 

スー「うー、わざわざ書かなくてもわかってるよー!もうしないってばー!」

 

リディー「あはは…ところで、お礼の品ってこれかな、綺麗な石みたいだけど…」

 

ルーシャ「不思議な色ですね、こんなもの、今まで見たことありません」

 

コウキ「確かに…俺もこんなの見たことないなぁ」

 

ルーシャ「まぁ、お礼の品ということですし、二人がもらってしまっていいんじゃないですか?」

 

スー「あれ?ルーシャはいらないの?こんなに綺麗なのに…」

 

ルーシャ「ふふん、わたしは二人よりお姉さんですからね、そういったものにはがっつかないんです」

 

リディー「えへへ、そういうことなら…ありがたくもらっちゃいまーす♪」

 

マティアス「さて、そろそろ帰るとするか、双子もルーシャ嬢もコウキとガルドさんも疲れただろ?ちなみにオレは疲れた」

 

コウキ「そうですね…もう眠いです」

 

ガルド「帰ってゆっくりしていきたいもんだな」

 

ルーシャ「そうですね、ほら二人とも帰りますよ。ああ…帰ってゆっくりシャワーを浴びたいです…」

 

俺達は元の世界に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミレイユ「お帰りなさい、みんな、ふふ、絵の世界はどうだった?」

 

リディー「とっても楽しかったです!お化けとか、しゃべる木とかいろいろあって!」

 

スー「あたしは呪われたり、怖い思いしたりで、すっごく疲れたけどね…」

 

ミレイユ「の、呪い!?帰ってきて早々悪いんだけど、絵の中の世界について、詳しい話を聞かせてもらえる?」

 

コウキ「ええと、それはですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミレイユ「なるほどねぇ、ふふ、『ざわめきの森』についてはよくわかったわ」

 

ミレイユ「ねぇ、三人とも、お願いなんだけど…これからも絵の調査を続けてくれない?」

 

リディー「え…というと…?」

 

ミレイユ「絵の中はナニが起こるかわからない、きっと経験者が調べた方が安全なはず」

 

ミレイユ「だから、他の絵が手に入ったら、ぜひみんなに調査をお願いしたいってわけ、どう?」

 

スー「他にも『不思議な絵』ってあるんだ…!はい、ぜひやらせてください!」

 

ルーシャ「ではわたしも、二人に遅れを取るわけにはいきませんからね」

 

ミレイユ「ありがとう、助かるわ!じゃあ、頑張って新しい絵を確保しないと…!」

 

マティアス「…なぁ姉貴、絵を探してる間にアトリエランクを上げてもらうってのはどうだ?」

 

マティアス「ランクが上がるたび、新しい絵を紹介する、そうすれば、張り合いも生まれるんじゃないか?」

 

コウキ「あ!それいいと思います!」

 

ミレイユ「おっ、あんたにしてはいいアイデアじゃない!じゃあそれ、採用。三人とも、それでいい?」

 

ルーシャ「ええ、構いませんよ、二人もいいですね?」

 

リディー「うん!えへへ、頑張ってランクを上げないとね…!」

 

ミレイユ「じゃあ決まり。…さて、ずいぶんと長く引き留めちゃったわね」

 

ミレイユ「絵の中で拾ったものは報酬として持って帰っていいわ、煮るなり焼くなり、好きにして、それじゃあ、またね!」

 

ミレイユさんは画廊から出て行った。

 

マティアス「ベッドに入ってゆっくり休めよーじゃないと…怖ーいお化けが出るかもな」

 

マティアスさんがスーをからかう。

 

スー「ひいっ!か、からかうな、マティアスのバカー!」

 

マティアス「はははははは!」

 

コウキ「じゃあ、俺達も帰りましょうか」

 

ガルド「そうだな」

 

ルーシャ「………」

 

コウキ「(ん、どうしたんだ?ルーシャ…そんな暗い顔して…)

 

俺達も王城を出た。

 

リディー「じゃあ、私達はこっちですので」

 

スー「またねー!」

 

コウキ「また明日なー!」

 

ルーシャ「私も失礼しますね」

 

ガルド「またな、お嬢さん」

 

ルーシャも帰っていった。

 

ガルド「コウキ、俺達も帰るぞ」

 

コウキ「師匠、俺、ちょっと用事思い出したので、先に帰ってくれますか?」

 

ガルド「ああ、別にいいが」

 

コウキ「では」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルーシャ「…二人にランクを追いつかれ、あまつさえ、助けてもらうなんて…」

 

コンコン

 

コウキ「俺だけど、ルーシャいるか?」

 

ルーシャ「コウキですか?空いてますよ」

 

俺はルーシャのアトリエに入る。

 

ルーシャ「どうしたんですか?」

 

コウキ「いや、ルーシャの様子が変だったから心配したんだ」

 

ルーシャ「別にそんなこと…」

 

コウキ「二人にランクを追いつかれたあげく、助けられ、それで自分が情けないと思ったから、だろ?」

 

ルーシャ「…!コウキには敵わないですね…そうです、そのとおりですよ…」

 

コウキ「自分が情けないとか思うなよ、ルーシャって結構勉強できるし、俺はさ、錬金術したことないけど、剣術を頑張ってる、ルーシャは錬金術を頑張ってる…やってることは大体俺と同じなんだよ、ルーシャ」

 

コウキ「だからさ、お互い頑張ろうぜ、弱きになったら、きっとオネットさん悲しむからさ…」

 

ルーシャ「おばさまですか…そうですね…!」

 

ルーシャ「わたしはアトリエ・ヴォルテールの主で、そして…」

 

ルーシャ「二人には、負けられないんです…!」

 

コウキ「その意気だ、ルーシャ、頑張れよ、じゃあ俺はそろそろ帰るよ」

 

俺はルーシャのアトリエを出ようとする。

 

ギュ

 

すると、ルーシャが俺の服の裾を掴む。

 

コウキ「ん?」

 

ルーシャ「もう少し…そばにいてくれますか…?」

 

コウキ「お、おう…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルーシャ「コウキは幼いころから変わってませんね…困ってる人がいたら、その人を助けたり…私はそんなコウキをみて、私もこうなりたいと思ったんです」

 

コウキ「そ、そうか?俺そんなことしてたかな…?もう覚えてないよ…ルーシャはそのために錬金術を初めたんだな」

 

ルーシャ「そうです、覚えてなくても、私が覚えてるんです、コウキはずっとそのままでいててください、おばさまが亡くなったあとのコウキの姿を私はもう見たくないので…」

 

コウキ「ルーシャ…」

 

ルーシャ「さ、さぁ!私は疲れたので、シャワーを浴びたいので!コウキはもう帰ってください!」

 

コウキ「お、おう…また明日な、ルーシャ」

 

コウキがアトリエを出る。

 

ルーシャ「どうしてコウキを思うと、こんなにも胸がドキドキするのでしょう…」

 

ルーシャ「私は…コウキのことを…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「そのままでいててください、か…」

 

コウキ「当たり前だ…俺はもう逃げたりなんかはしない…前に突き進む…!」

 

コウキ「よーし!明日からも頑張っていくぞー!」

 

俺は明日も、これからも、頑張っていく。



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第十四話 三人の集結

俺は今日、母さんから買い出しを頼まれ、お店に行くことにした。

 

コウキ「えーと、玉ねぎ、じゃがいも、鶏肉か、今日はカレーかな?」

 

俺はお店に向かいはじめた。

 

コウキ「よし、あとは鶏肉かだけ…ってあれは…」

 

俺は前の方を見ると、金髪で頭にリボン着けている、女の人を見かけた。

 

コウキ「あれは…イルメリアさん?」

 

俺は声を掛けてみる。

 

コウキ「イルメリアさーん!」

 

イルメリア「ん?あなたは確か…」

 

コウキ「あの間はお世話になりました!」

 

イルメリア「コウキ君だったかしら?」

 

コウキ「そうです!あの、イルメリアさん、リディーとスーは頑張ってますか?」

 

イルメリア「ええ、勿論。でも、まだまだなところがあるわね」

 

コウキ「そうですか…これからも二人のことお願いします」

 

イルメリア「わかってるわよ。それより、コウキ君はどうしてここに?」

 

コウキ「母さんから買い出しを頼まれてですね…」

 

イルメリア「そうだったの、買い出しが終わったら一緒にお菓子食べない?」

 

コウキ「え…」

 

イルメリア「な、なによ…もしかして嫌…?」

 

コウキ「いえいえ!むしろ、嬉しいなぁ…って!」

 

イルメリア「あら、そう?じゃあ決定ね」

 

コウキ「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は買い出しする物を終え、俺の家の前に着いた。

 

イルメリア「ここがコウキ君の家ね」

 

コウキ「本屋なので、気軽に来てくれれば嬉しいです」

 

イルメリア「そうするわ」

 

俺とイルメリアさんは家に入る。

 

コウキ「母さん、買い出し終わったよー」

 

サリア「ご苦労様、あら?隣の子は?」

 

コウキ「ああ、俺の友達の…」

 

イルメリア「アタシはイルメリアです。ここ、素敵な本屋ですね」

 

サリア「そう言ってくれると嬉しいわ。私はサリアよ。イルメリアさんはコウキの彼女さんかしら?」

 

イルメリア「ええ!?ち、違いますよ!サリアさん、何言ってるんですか…」

 

コウキ「母さん!?ちょっと!?」

 

サリア「あら、ごめんなさい、凄い美人さんな人だったから、つい、ね」

 

イルメリア「あ、ありがとうございます…」

 

コウキ「じゃあ母さん、俺今から遊びに行くわ。イルメリアさん、行きましょう」

 

イルメリア「ええ、じゃあ失礼しますね」

 

サリア「いってらっしゃい」

 

俺とイルメリアさんは家を出た。

 

???「さっきの子、お人形さんみたいで可愛いかったわね…じゅるり…」

 

奥の方で本を読んでいた人が喋りだす。

 

サリア「こら、変なこと考えないの、メルサ…」

 

メルサ「考えてませんよーだ、じゃあこれ買うね」

 

サリア「魔法の参考書ね、はい、6600コールよ」

 

メルサ「あの、サリア様、もう少しお安くできないでしょうか」

 

サリア「何言ってんのよ…これが普通の値段よ」

 

メルサ「昔のサリアはさ、チョロかったのに…ちぇー」

 

サリア「チョロくないから!ほら、買うなら早く払いなさいな」

 

メルサはお金を払う。

 

サリア「はい、どうぞ」

 

メルサ「ありがとね」

 

メルサ「そういえば、ガルドもここの町に来てるんでしょ?」

 

サリア「そうだけど」

 

メルサ「今度三人で飲みに行かない?久しぶりに話したいからさ」

 

サリア「わかったわ」

 

メルサ「そうそう、そういえば、サリアの息子さんとも話がしたいんだー」

 

サリア「コウキのこと?あの子、いろんなとこをぶらぶらしてるから会えると思うわよ」

 

メルサ「そう?コウキ君ね…あの子はどんな感触なんだろう…えへへ…」

 

サリア「変なこと考えないでね…」

 

メルサ「はーい、じゃあ、あたしは帰るね」

 

サリア「また来てね」

 

メルサ「もっちろん!」

 

メルサは本屋を出る。

 

サリア「さて、仕事に戻りますか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「ここが、イルメリアさんのアトリエですか」

 

イルメリア「そうよ、さぁ入りなさい」

 

コウキ「…お、お邪魔します」

 

俺はイルメリアさんのアトリエに入る。

 

コウキ「わぁ、ぬいぐるみがいっぱい…!?」

 

イルメリア「可愛いからいいじゃない…」

 

イルメリアさんが恥ずかしそうに、モジモジする。

 

コウキ「(ほんと可愛い人だなぁ…)」

 

イルメリア「ほら、一緒にお菓子を食べて、お話しましょ?」

 

イルメリアさんがお菓子を用意する。

 

コウキ「これは高級の…!イルメリアさん流石、国から招致された人とはいえ…凄い人です!」

 

イルメリア「落ち着いて食べなさいよ」

 

コウキ「わっかりましたー!」

 

イルメリア「もう半分しかないじゃない…じゃあ、お話しましょうか」

 

コウキ「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イルメリア「へぇ…コウキ君はあの二人と幼馴染なのね」

 

コウキ「そうですよ、あと一人もですけど」

 

イルメリア「その人はどうゆう人なの?」

 

コウキ「ルーシャっていう人で、とにかく素直じゃない子ですね…」

 

イルメリア「幼馴染か…アタシもそうゆうのがほしかったわね」

 

コウキ「イルメリアさんは貴族の方ですよね?」

 

イルメリア「そうよ、ラインウェバー家の、一人娘よ」

 

コウキ「イルメリアさんは天才の錬金術士と聞きましたが…失礼ですが、年はいくつなんですか?」

 

イルメリア「今年で19よ」

 

コウキ「え、19…?」

 

イルメリア「な、なによ…」

 

コウキ「イルメリアさん、身長が低くみえるから…って、あ…」

 

イルメリア「う、うっさいわね!身長なんて関係ないでしょ!?」

 

コウキ「あ、すいません…」

 

イルメリア「別にいいわよ…よく言われるから…でも、もし次そんなこと言ったら…ふふ…わかってるわよねー?」

 

イルメリアさんはにっこりしながら言う。

 

コウキ「ひぃ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イルメリア「今日は楽しかったわ、ありがとね」

 

コウキ「いえいえ、俺も楽しかったです!」

 

イルメリア「ねぇ、コウキ君、あなたのこと、コウキって呼んでいいかしら?」

 

コウキ「別に構いませんが…」

 

イルメリア「あなたはアタシのこと、イルって呼んでくれるかしら…?」

 

コウキ「はい、わかりました、イルメリアさ…イルさん…」

 

イルメリア「ふふ、じゃあまた明日ね。バイバイ」

 

コウキ「はい!また明日です!」

 

俺はイルさんの家を出た。

 

コウキ「イルさん、優しい人だったなぁ…」

 

俺がそれを喋っていると、後ろから声を掛けられる。

 

???「ねぇねぇ、君がコウキ君かな?」

 

コウキ「ん?はい、俺がコウキですけど…あなたは?」

 

メルサ「あたしはメルサ」

 

コウキ「メルサさんですか」

 

メルサ「実はね、コウキ君と話をしたくてー」

 

コウキ「別にいいですけど…」

 

メルサ「ありがとー!君は剣士かな?」

 

コウキ「はい、まだまだ見習いですが…」

 

メルサ「その剣は、この都の王城に保管されてたやつだけど、どうして君が?」

 

コウキ「この剣は近くの森で拾ってきたやつなんですよ」

 

メルサ「近くの森で?おかしいなぁ…誰かが持ち込んだのかなぁ…」

 

コウキ「そのようですね…」

 

メルサ「ま、いいや、その剣、王城に返さないの?」

 

コウキ「前、王城に返そうとしたら、受付の人から持ってていいよ。と言われまして…」

 

メルサ「え、それでいいのかな…」

 

コウキ「あはは…」

 

メルサ「ま、とりあいず、頑張んなよー?伝説の勇者の血を引く者、さん?」

 

すると、メルサさんは箒で空を飛んだ。

 

コウキ「え!?メルサさん!?どうしてその事を!?」

 

メルサ「じゃあねー」

 

メルサさんは箒に乗ってどこかへと行ってしまった。

 

コウキ「あの人、どうして俺のことを…?しかも空飛んでたし、魔法使いかな?」

 

俺は不思議に思いながら、家に帰った。

 

コウキ「ただいまー」

 

ガルド「お、来たか」

 

メルサ「あ、さっきぶりだねー」

 

コウキ「え!?メルサさん!?さっき…」

 

メルサ「サリアの家に来たんだよー」

 

サリア「おかえり、コウキ。メルサは昔、私達と旅してた友達よ」

 

コウキ「そうだったんですか…だから俺のことを…」

 

メルサ「ザラトの息子さんだからねーそりゃわかるよー」

 

ガルド「しかし、メルサ、お前、どうしてここに来たんだ?」

 

メルサ「うん、あたしも伝説の剣士のことを調べててね、最近この辺で、大昔、伝説の剣士が倒した、悪の神の残党どもがここら辺にいるっていうことをネストから聞いて…」

 

サリア「!?」

 

ガルド「…!」

 

コウキ「(どうしたんだ?二人とも…)」

 

ガルド「奴の残党がいるという事は…!」

 

サリア「悪の神の復活…なんてね…」

 

メルサ「そうなんだよーきっとなんか悪い事企んでると思うんだよ…」

 

ガルド「奴ら野放しにはできんぞ」

 

コウキ「ちょっと!?なんか話が勝手に進んでるんだけど!?」

 

サリア「悪の神の残党…昔、私達が倒した奴よ」

 

メルサ「そうだよ。まさかまだ残党がいたなんてね」

 

ガルド「生き残りがいたか…ちっ」

 

コウキ「なんか悪の神の復活とか言ってたけど…」

 

ガルド「そうだ、昔、俺達が倒したその残党は悪の神の復活の儀式をしていた…つまり、今もその儀式をされているかもしれないんだ…」

 

メルサ「悪の神が復活したら大昔のように世界が大変なことになるかもしれないんだよ…」

 

コウキ「復活…」

 

サリア「一刻も早くその残党を倒すわよ。メルサ、ネストは今どこにいるかわかる?」

 

メルサ「ネスト?あの子もここに来てると思うよ?てか置いていっちゃった…てへへ♪」

 

ガルド「いや、なんで置いていったんだ…」

 

メルサ「だって、早くサリアとガルドと会いたかったんだもん!」

 

サリア「それはわかるけど、ネストを置いていかないでよ…」

 

メルサ「明日には来るんじゃないかな?」

 

ガルド「あいつの顔も久しぶりに見れるんだな…楽しみだ」

 

コウキ「母さん、俺も手伝う?」

 

サリア「いえ、あんたはリディーちゃん達の護衛の仕事があるでしょ?それならそれを優先しなさい」

 

コウキ「お、おう…わかった…」

 

ガルド「コウキ、しばらくお前さんと修行はできない、それでもいいか?」

 

コウキ「はい、わかりました!」

 

ガルド「すまない」

 

メルサ「ガルド、コウキ君の師匠だったの!?」

 

ガルド「そうさ、昔のサリアと同じくな」

 

メルサ「サリアも昔はガルドの弟子だったもんねー」

 

サリア「その話はいいから…ほら、二人とも!今から作戦会議を始めるわよ!」

 

ガルド「おう」

 

メルサ「はーい」

 

コウキ「母さん、俺もう寝るね、ご飯はイルさんのとこで食って来たから」

 

サリア「ええ、わかったわ、おやすみ」

 

コウキ「おやすみ…」

 

俺は自分の部屋に行くため、二階に上がった。

 

サリア「さぁ、明日から忙しくなるわね…」

 

ガルド「そうだな、久しぶりに腕がなるぜ…」

 

メルサ「そうだね。あたし達も久しぶりにまた一緒に戦えるなんてね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「はぁ…やっと着いた…メルサめ…置いていきやがって…着いたらお仕置きっスね…」



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第十五話 旅好き錬金術士

オリキャラ紹介

メルサ・モーレン

35歳

職業 魔法使い

身長 157cm

かつて、サリア達と旅をしていた仲間で、お調子者で心優しい性格。魔法使いでもあり魔女の血を引く者で、魔法の腕前は最高クラス。
故郷では魔女の血を引く者として、町の人達から恐れられ、人間関係が嫌になったが、サリアが彼女の心を開き、少しずつ希望を取り戻した。


コウキ「それで…ガルドさんはこれからやることがあるらしいので一緒に護衛できないんです」

 

ミレイユ「わかったわ、彼も何かあったんだろうし」

 

マティアス「しばらくはオレとコウキで護衛か」

 

コウキ「ですね…」

 

ミレイユ「ほら、二人とも、早く行きなさい、双子ちゃん達を待たせちゃダメよ」

 

マティアス「へーい」

 

コウキ「わかりました!」

 

俺とマティアスさんは王城を出る。

 

スー「あー!おっそーい!」

 

コウキ「ごめん、待たせた…」

 

リディー「あれ?ガルドさんは?」

 

マティアス「ガルドさん何かしばらく護衛できないって言ってたらしいから、今日からはオレとコウキだけだな」

 

スー「何かあったのかな?」

 

コウキ「………」

 

リディー「コウちゃん?どうしたの?」

 

コウキ「いや、何でもない、早く行こうぜ」

 

スー「そうだね!早くしないとルーシャにドラゴンを倒されるからね!」

 

俺達は森へと向かった。

 

リディー「ミレイユさんの話だとここら辺らしいけど…」

 

ルーシャ「来ましたね、二人とも!」

 

スー「あ!ルーシャ!」

 

ルーシャ「ですが、もう遅いです!なにせ、私がドラゴンを先に倒すんですから!」

 

リディー「スーちゃん!急ごう!」

 

スー「うん!」

 

マティアス「オレらも行くぞ。コウキ?」

 

コウキ「………」

 

マティアスさんが俺の肩を叩く。

 

マティアス「なぁ、お前さっきから様子が変だぞ?大丈夫か?」

 

コウキ「あ、いえ…なんでもないです!早く行きましょうか!」

 

マティアス「(ガルドさんと何かあったのか…?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルーシャ「さてと、ここですね…」

 

リディー「あれ?いない?」

 

スー「そうみたいだね…」

 

ルーシャ「まさか…ミレイユさん嘘の依頼を私達に…!?」

 

マティアス「ん?おい、あれ見ろよ」

 

コウキ「?」

 

マティアスさんが指を差した方向を見ると、茶髪で、ポニーテールの女の人が魔物を倒していた。

 

リディー「あのーすみませーん!」

 

???「はーい、どうしました?」

 

リディー「あ、えっと…その魔物って一体…」

 

???「ああ、わたしがやっつけたんだ。危ない魔物が出たって噂になってたから」

 

ルーシャ「やつけた…?わたしたちの課題が…」

 

???「え、課題?課題ってアトリエランク制度の…?」

 

スー「はい…あれ?お姉さん、ランク制度のことご存じなんですか?」

 

???「ああ、うん。わたしもランク制度に参加してるからね!」

 

???「わたしはフィリス・ミストルート。いろんなところを旅してまわってる錬金術士なんだ」

 

リディー「フィリスさん…ですか。私はリディー。で、こっちは妹のスーちゃん」

 

スール「あたしたち、双子の錬金術士なんです。で、これはおまけのルーシャ」

 

ルーシャ「おまけとは失礼な!おまけなのはあなたたちの方でしょう!」

 

フィリス「あはは…よろしくね、みんな。でも、本当にごめんね。課題、台無しにしちゃって…」

 

フィリス「…そうだ!後でわたしのアトリエに遊びに来てくれない?みんなにお詫びがしたいんだ」

 

リディー「フィリスさんのアトリエに?お邪魔しちゃってもいいんですか?」

 

フィリス「私のアトリエはね、珍しい形してるからすぐわかると思うんだ!アトリエは、メルク庭園に張ってあるから。みんなのこと、待ってるよ!」

 

フィリスさんは先に帰って行く。

 

コウキ「一旦、ミレイユさんのとこに帰るか」

 

リディー「そうだね、また試験課題を受けてもらうしかないね」

 

ルーシャ「そうですね、じゃあ行きましょうか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミレイユ「じゃあこれ、課題よ」

 

内容を見ると、また都の近くに現れた魔物退治だった。

 

スー「最近魔物って多い気がしますね…」

 

ミレイユ「そうなのよ…」

 

リディー「お腹を空かせてここに来たとか?」

 

ミレイユ「それはわからないけど、二人にお願いね、ルーシャちゃんとは別の課題にしたから」

 

リディー「はい!」

 

スー「じゃあ、いってきます!」

 

ミレイユ「ええ、気をつけてね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マティアス「お、来たか」

 

コウキ「次の試験課題はなんだった?」

 

リディー「都の近くに現れた魔物退治だって」

 

スー「よし、じゃあ行こう!」

 

俺達は目的地である、グルムディアス大沼林に来た。

 

マティアス「思ったより魔物が多いな…」

 

スー「うじゃうじゃいるね…」

 

リディー「そうみたいだね…」

 

マティアス「まぁ、気を引き閉めて行くぞ」

 

コウキ「わかりました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マティアス「ふぅ、だいぶ片付けたな。これくらい倒せばとりあいずは安心だろ」

 

コウキ「疲れましたね…」

 

マティアス「これくらい倒したら姉貴に報告に行ってもいいだろう」

 

スー「そうだね、じゃあ、王城に戻ろっか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミレイユ「はい、二人ともFランクに合格よ。ルーシャちゃんも合格ね」

 

コウキ「よかったな」

 

ミレイユ「じゃあ、約束通り、新しい不思議な絵を紹介するわ」

 

俺達は王城の画廊に行く。

 

ミレイユ「さて、これが今回調べてもらう不思議な絵よ」

 

その絵は水晶のようなものが描かれている絵だった。

 

ミレイユ「実はこの『水晶の輝窟』ってかなり古い物でね、『不思議な絵』としての力を失っちゃってるの、絵の中に入るには修復しなくちゃってわけ」

 

リディー「修復?」

 

ミレイユ「そのよ、その修復に必要なのが不思議な絵を書くのに必要な『ネージュの絵の具』よ」

 

スー「ネージュの絵の具?」

 

ミレイユ「それを今、イルメリアさんに修復を担当させているんだけど、難航してるのよ」

 

コウキ「イルさんが?」

 

リディー「それなら、私達も手伝います!」

 

ミレイユ「なら頼んでもいいかしら?」

 

スー「もちろんです!あ、ルーシャは安んでていいよ。師匠を助けるのは弟子の役目だから」

 

ルーシャ「あ、じゃあお願いします。修復とか面倒なので」

 

コウキ「お前…あっさりと…」

 

ルーシャ「そうゆうのはリディー達に任せます、では私はこれで…」

 

ルーシャが画廊を出ていく。

 

スー「じゃあ、師匠に聞き込みにいってみよう!」

 

リディー「うん!」

 

コウキ「じゃあ俺は帰るよ、頑張れよ、二人とも」

 

マティアス「またな、コウキ」

 

リディー「ありがとね、コウちゃん」

 

スー「またね!」

 

コウキ「おう」

 

俺は画廊を出た。

 

コウキ「さて、母さん達が心配だ…」

 

俺は急いで家に帰った。

 

???「おらー!メルサ、よくもオレを置いていきやがって…」

 

メルサ「いたい!いたい!許して!ネスト!」

 

???「ふんっ!ほらよ」バッ!

 

コウキ「あのーただいま…」

 

サリア「あら、おかえり」

 

???「サリア、その子が?」

 

サリア「ええ、私の息子のコウキよ」

 

???「へぇ…君が…オレはネスト、サリアの友達だよ」

 

コウキ「ああ、昨日メルサさんが言ってた…」

 

メルサ「そう!私が置いていった人(笑)だよー」

 

ネスト「あ!今笑ったな!?この野郎ー!」

 

サリア「もう、二人とも落ち着きなさい…」

 

コウキ「そういえば、師匠は?」

 

メルサ「ガルドは今、悪の神の残党の行方を追ってるよ、まぁ今のところは何も目撃例はないね」

 

ネスト「コウキ、君はガルドのおっさんの弟子なのかい?」

 

コウキ「そうですよ」

 

ネスト「へぇ…」

 

するとネストさんが母さんをジロッと見る。

 

サリア「な、なによ…」

 

ネスト「いいやー?別に?誰かに似てるなーと」

 

サリア「その話は置いといて、ガルドさん遅いわね…」

 

メルサ「憎いんだよ…残党達がね」

 

コウキ「憎い?」

 

ネスト「ああ、ガルドのおっさん、昔、悪の神の残党によって故郷を滅ぼされ…彼の家族もみんな殺されたからね…」

 

コウキ「そう…だったんですか…」

 

サリア「あの時のガルドさんは『復讐』のことしか考えてなかった。今も大体そんな感じね…」

 

メルサ「まだ残党がいたと聞いた時は怖い顔してたね……あれはまるでかつてのガルドだったね…」

 

ネスト「そうだな…」

 

コウキ「俺、師匠を探して来ます!」

 

俺は家を飛び出した。

 

サリア「コウキ…!」

 

メルサ「あはは…ほんとサリアに似てるなぁ…コウキ君は」

 

ネスト「そうだな…あの時はサリアがガルドのおっさんの心を開いて…」

 

サリア「そうね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フィリス「あれ?あなたは…」

 

コウキ「ん?フィリスさん?」

 

フィリス「私のこと覚えてたんだね!ねぇ、君はなんて名前なのかな?」

 

コウキ「俺はコウキです」

 

フィリス「コウキ君かーよろしくねー!」

 

コウキ「あのフィリスさん、今人探ししてるんですけど、背中にでかい剣背負って、顔に傷が付いてる人見ませんでした?」

 

フィリス「でかい剣を背負って、顔に傷?ごめん、見てないかも…」

 

コウキ「そうですか…じゃあ、フィリスさん、また!」

 

フィリス「うん!またね!」

 

フィリスがコウキに手を振る。

 

???「フィリスちゃん、さっきの子は?」

 

フィリス「あ、リア姉!さっきの子はついさっきお友達になった人だよ!」

 

リアーネ「そうなのね。もう暗くなったし、アトリエに戻りましょ?」

 

フィリス「うん!」



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第十六話 2つ目の不思議な絵へ

ガルド「手掛かり一つもないな…」

 

コウキ「師匠…やっと見つけた…」

 

ガルド「コウキ?」

 

コウキ「皆が待ってます。帰りましょう?」

 

ガルド「そうだな、長居しすぎたな…帰ろう」

 

コウキ「師匠、聞きましたよ、メルサさん達から」

 

ガルド「何をだ?」

 

コウキ「師匠が幼いころ、故郷を襲われ、家族をみんなを失ったって…」

 

ガルド「…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ガルド!お逃げ…』

 

ザクッ

 

『あ…』

 

パタ

 

『人間どもは皆殺しだ…』

 

『…!お袋…?おい…!』

 

『そいつはもう死んだ、お前もここで一人寂しく死ぬんだ』

 

『…!ぐっ!』

 

『ほう?その剣で私を倒してみるか?』

 

『…!』

 

『ふんっ!』

 

『ぐわー!』

 

『少しかすったか…』

 

『俺の左腕がぁぁぁぁぁぁぁ!?』

 

『お前はもう終わりだここで死んでいくがいい』

 

『ダメだ…もう体が…』

 

『へっ…お前がもう終わりだ…』

 

『ぐおっ!?貴様…まだ生きて…だがもうこの町は終わりだ…』

 

バタン

 

『セベル!?なんで…』

 

『なんとかな…ガルド早く逃げるぞ』

 

『ああ…でも体が動けないんだ…』

 

『ほら、あと少しだふんばれ』

 

『ああ、助かる…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『!?セベル!後ろから敵が来てる!』

 

『なんだと!?俺が囮になるからお前は行け!』

 

『ダメだ!俺も…』

 

『うるせー!ほら行け!』

 

『セベル…!絶対に助けを呼びにいくからな!』

 

『はは…それまでオレが生きてればの話だがな…』

 

『今まで楽しかったぜ…ガルド…』

 

ガルド「………」

 

コウキ「師匠…!師匠!」

 

ガルド「ん?なんだ…?」

 

コウキ「師匠…大丈夫ですか…?」

 

ガルド「ああ…ほら行くぞ」

 

コウキ「はい…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガルド「待たせた」

 

メルサ「遅いよ!ガルドったら!」

 

ネスト「ガルドのおっさん…久しぶりっス…」

 

ガルド「ネストか?お前…でっかくなったなぁ…」

 

ネスト「へへ、そうですか?」

 

コウキ「あれ?今日は食事会なの?母さん」

 

サリア「そうよ、久しぶりの皆の再会だもんね」

 

コウキ「そっか、俺も食っていいかな?」

 

サリア「勿論よ」

 

コウキ「そっかー!じゃあいただきまーす!」

 

ネスト「コウキ!?よーし、オレも負けてられないっスね!」

 

メルサ「あー!あたしも負けないんだからー!」

 

ガルド「なんか久しぶりに見たな…この光景…」

 

サリア「そうね…」

 

ガルド「んじゃあ、俺も食おうかね」

 

サリア「ええ、今日はゆっくりしていって頂戴」

 

ガルド「ああ」

 

それから時間は経ち…

 

ネスト「ぐがぁ…」

 

メルサ「うーん…もう食べられないよぉ…」

 

ガルド「ごぉ…ごぉ…」

 

サリア「もう…ここで寝ないでよ…三人とも…」

 

コウキ「あはは…はしゃぎすぎたからね…」

 

すると母さんが寝ている三人に毛布をかけてあげた。

 

コウキ「母さん…」

 

サリア「もう三人とも起きないだろうしね…」

 

サリア「明日はここで寝た罰としてお仕置きね~」

 

コウキ「おう…」

 

サリア「早くあんたも寝なさいよ、じゃあね」

 

母さんは部屋を出ていく。

 

コウキ「じゃあ、俺もそろそろ寝るか」

 

俺はベッドに行き、眠りについた。

 

ゴソゴソ

 

コウキ「ん…?」

 

メルサ「んへへ…コウキくーん…」

 

コウキ「メルサさん!?」

 

メルサ「ねぇ?あたしを抱いて…?」

 

メルサさんが俺のベッドに入った。

 

コウキ「んえ!?ちょ…おま…」

 

メルサ「もう…逃がさないから」

 

コウキ「うおー!?」

 

母さんが俺の部屋に入ってきた。

 

サリア「メルサ…あんたったら…」

 

メルサ「さ、サリア様ー!?これはその…」

 

サリア「メルサ、あなた今からお仕置きよ!覚悟することね…?」

 

メルサ「ひえー!?」

 

メルサさんが箒を取り出した。一体どこから取り出したのか。

 

サリア「あっ!待ちなさい!」

 

メルサ「へへーん、あたしは逃げるのだぁー」

 

するとメルサさんが窓を開け、その場から飛んで逃げ出した。

 

サリア「あの子ったら…もう」

 

コウキ「助かったよ…母さん」

 

サリア「気にしないで、じゃあ気をつけてね」

 

コウキ「おう…」

 

俺はふたたび眠りについた。

 

スー「コウキー!ねぇ、コウキってば!」

 

コウキ「むにゃ…むにゃ…よっこらっせと…」

 

寝ぼけている俺はスーをベッドに押し倒した。

 

スー「コウキ!?ちょっと…」

 

コウキ「スー…好きだ…愛してる…」

 

スー「え…コウキ…ダメだってば…」

 

コウキ「………」

 

コウキ「( ゚д゚)ハッ!?」

 

コウキ「スー!?なんでここに…」

 

スー「………!」

 

スーに蹴りを入れられた。

 

コウキ「ぐがっ!?」

 

スー「コウキのすけべ!」

 

顔を赤らめたスーが部屋を出ていっていく。

 

コウキ「なんで、スーがここに…」

 

メルサ「あれ…作戦失敗かな?」

 

メルサさんが窓から入ってきた。

 

コウキ「メルサさん!?」

 

メルサ「あっはっは!昨日の夜ね、コウキ君にフェロモンの魔法をかけたんだけど…あたしの思ってる通りにはいかなかったーいやー残念!」

 

コウキ「メルサさん…何してんですか…」

 

メルサ「ごめんね?コウキ君…」

 

コウキ「いや…別にいいですよ…もう…」

 

メルサ「コウキ君、チョロいな」

 

コウキ「何か言いました?」

 

メルサ「いいえー?別に?サリアがご飯の用意してるよ、早く行ったら?」

 

コウキ「そうなんですか?じゃあ行ってきますね」

 

俺は部屋を出た。

 

メルサ「さてと、あたしはザラトの墓参りに行こうかな」

 

メルサは箒で窓から部屋を出ていった。

 

サリア「コウキ、おはよう…ってさっきスーちゃんが怒って本屋から出ていったんだけど…何かあったの?」

 

コウキ「あー実は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サリア「あーメルサがね…」

 

コウキ「そうなんだよ…」

 

サリア「コウキも大変ねぇ…」

 

コウキ「てかなんでスーが俺の部屋に?」

 

サリア「スーちゃんはあんたを起こしにいったのよ」

 

コウキ「俺を起こしに?」

 

サリア「ええ、修復が終わったからコウキを起こしに、とか言ってたわね」

 

コウキ「あ、なるほどね…てか師匠とネストさんは?」

 

サリア「二人とも今日も残党の行方を追ってるわ」

 

コウキ「そっか、じゃあ母さん、出掛けてくるわ」

 

サリア「ええ、じゃあね」

 

俺は家を出る。

 

コウキ「王城に着いたらスーに謝んないと…」

 

俺は王城に向かいはじめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「すいませーん!遅れました!」

 

ミレイユ「あら、コウキ君?皆が画廊のとこであなたを待ってるわよ」

 

コウキ「わかりました!行ってきますね!」

 

俺は画廊に行く。

 

コウキ「皆ー!ごめん!遅れた…」

 

マティアス「おう、来たか、コウキ」

 

リディー「コウちゃん、遅かったね、あはは…」

 

ルーシャ「遅かったですね!コウキ!」

 

スー「ふんっ…」

 

コウキ「スーさっきはごめん…あれは事故で…」

 

スー「もういいよ…早く絵の調査に行こう…」

 

コウキ「お、おう…」

 

フィリス「コウキ君!」

 

コウキ「フィリスさん?」

 

フィリス「私もこれから絵の調査をするんだーイルちゃんから頼まれたからね!」

 

コウキ「イルさんから?」

 

フィリス「うん!今日からよろしくね!では、行ってみよう!」

 

俺達は絵の世界へと入った。



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第十七話 水晶の輝窟 前編

オリキャラ紹介

ネスト・サハライト

36歳

職業 鍛治師

身長 172cm

メルサ、ガルドと同じく、かつて、サリア達と旅をしていた仲間で、明るくて、人懐っこい性格の持ち主。実家が鍛冶屋で、いろんな武器に詳しく、その話になると長くなるほど。
姉が公認の錬金術士であり、自分もそれを目指していたが、結果、叶わず、その夢を諦め、実家の鍛冶屋を継ぐことにした。
サリアを気にかけていたが、彼女の本当の気持ちを聞き、それからはザラトとサリアを応援し、失恋していた。








ザラト・レオナー

??歳(故人)

職業 剣士

身長164cm(生きていた頃)

コウキの父親であり、伝説の剣士の血を引く者。
紳士のような性格で、ムードメーカー。無類の花好きで、将来は花屋を建てるのが夢だったが、自身が伝説の剣士の血を引く者としてわかった時はその夢を諦め、伝説の剣士としての使命を果たすことにした。
息子のコウキが生まれたあと、オネットと同じく、はやり病で、20歳という若さでこの世を去った。
コウキ、サリア、家族みんなの幸せを心から願っていた。


コウキ「うわぁ…寒いな」

 

マティアス「ああ、風邪引きそうだ…」

 

フィリス「すごーい!これが絵の中の世界なの!?夢みたーい!」

 

ルーシャ「なんか、とんでもなくはしゃいでますね…本当にわたしたちより年上なんでしょうか…」

 

マティアス「まぁ、いいんじゃねぇの?無邪気でかわいげがあるじゃねぇか」

 

リディー「わぁ…透き通って綺麗…!」

 

スー「ほんとだー!綺麗…って冷たっ!?これ水晶じゃなくて氷だよ!」

 

コウキ「この洞窟は全部氷でできている?」

 

ルーシャ「なるほど、それで『水晶の輝窟』ですか。くしゅん!寒いですね…」

 

ギャアアアアアアア!!!

 

魔物の鳴き声が聞こえた。

 

リディー「きゃっ!な、なに!?」

 

マティアス「魔物の鳴き声みたいだな。いつ出くわすかわからないし、慎重に進もうぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギャアアアアアアア!!!

 

またさっきの魔物の鳴き声が聞こえた。

 

コウキ「だんだん近くなってないか?」

 

ルーシャ「あら?怖いんですか?わたしはこれくらい、へっちゃらですよ?」

 

スー「う…リディーはともかく、あたしは別に怖がってなんか…」

 

ルーシャ「へぇ…?あ、わたしいいこと思いつきました。わたしたちのライバル対決、ここで決着をつけましょう」

 

ルーシャ「さっきからギャースカ鳴いてる魔物、先に倒したほうが上、ということにしませんか?」

 

リディー「ええ…でも危ないよ…やめておいた方がいいと思うけどなぁ…」

 

ルーシャ「おーっほっほっほ!ではわたしの不戦勝ですね、やはりわたしが上…」

 

スー「待った!その勝負乗った!不戦勝なんて絶対に認めないんだから!」

 

コウキ「(あ、なんかめんどくさいことになりそう…)」

 

ルーシャ「ふふん、それこそがわたしのライバル!では尋常に勝負です!」

 

リディー「大丈夫かな…イヤな予感しかしないんだけど…」

 

マティアス「なぁ、どうして双子にそんな突っかかるんだ?」

 

ルーシャ「それはその、誰にも言わないなら、教えてあげます」

 

マティアス「うん、言わない、言わない、だから聞きたいなぁー教えてくれないかなぁー」

 

コウキ「なにしてんだ?あの二人…」

 

フィリス「ふふーん!すごいねーここ!」

 

コウキ「フィリスさん、はしゃぎすぎですよ…」

 

ルーシャ「それはですね…」

 

ルーシャがマティアスに耳を貸す。

 

ルーシャ「こしょこしょこしょだからです」

 

マティアス「そんな理由で!?ははは…あははは!」

 

ルーシャ「なっ!?どうして笑うんですか!もう知りません!」

 

魔物「ギャアアアアアア!!!」

 

リディー「きゃああああ!?いきなり出たぁ!?」

 

コウキ「ドラゴンか!?」

 

魔物がルーシャのほうを見る。

 

ルーシャ「な、なんでしょう…なんだか見られてる気がするんですけど!?」

 

スー「とりあいずみんなで爆弾を…!」

 

リディーとスーとルーシャは爆弾を魔物に投げ出すが、魔物の動きが速すぎて爆弾が当たらない。

 

ルーシャ「ちょっと!どこ狙ってんですか!当たってませんよ!?」

 

スー「ルーシャこそ、一個も当たってないじゃない!ノーコンすぎるでしょ!?」

 

リディー「落ち着いて、二人とも…!あの魔物…速すぎて爆弾が当たらないよ…」

 

魔物「ギャオオオオオオオ!!!」

 

コウキ「とりあいず逃げるぞ!」

 

ルーシャ「いや、無理ですよ!逃げても追いかけてきますって!なんかそんな感じの顔してますし!」

 

すると魔物が魔法弾のようなものを仕掛ける。

 

スー「うわっ、ヤバい!絶対ヤバいの来るって、あれ!」

 

リディー「助けて、ルーシャちゃん!」

 

ルーシャ「ちょっと!?わたしを盾にするつもりですか!?」

 

すると魔物が魔法弾を放った。

 

ルーシャ「にゃぁぁぁぁぁぁ!?」

 

コウキ「ルーシャ!?」

 

スー「る、ルーシャが…かチコチに凍っちゃった…」

 

魔物がなぜか、去っていく。

 

マティアス「なんだ、あいつ…ルーシャ嬢を凍らせるなり帰って行ったぞ?」

 

リディー「もしかして、ルーちゃんのこと…じゃない!ルーちゃん!大丈夫!?」

 

スー「ありがとう、ルーシャ…あたし、ルーシャのことは忘れないよ…」

 

コウキ「オイオイ」

 

リディー「スーちゃん!ダメー!ルーちゃんのこと、見捨てちゃダメ!」

 

スー「さすがに冗談だって!でもどうしよう…爆弾で溶かしてみる…とか?」

 

フィリス「あっ、それはいいんだけど…気をつけてね?あんまり強いのを使うと、その…」

 

コウキ「あ、別にいいんだ…」

 

マティアス「ルーシャ嬢が粉々になっちまう、か…?ほどほどの爆弾なんてあるもんなのかねぇ…」

 

スー「ごくり…一か八か、この爆弾で!」

 

スーが凍ったルーシャのところに爆弾を置く。

 

ルーシャ「あうううう…こ、凍え死ぬかと思いました…へくちっ!」

 

フィリス「大変、すぐに体を暖めなくちゃ…!よし、ここは緊急事態だし、ここは錬金術で!」

 

フィリスさんが焚き火を出した。

 

ルーシャ「ふぅ…あったまります…まさか、いきなり凍らせられるとは…」

 

コウキ「大丈夫か?ルーシャ…あそこは俺が庇うべきだったのに…」

 

リディー「ごめんね、ルーシャちゃん、私、慌ててルーちゃんのこと、盾にして…」

 

スー「あたしもごめん…まさかあんなことになるなんて…」

 

ルーシャ「ふぅ…反省してるみたいなので許してあげます、ふふん、わたしは寛容ですからね」

 

ルーシャ「あとコウキ、庇うだなんて、そんなこと言わないでくださいよ」

 

コウキ「だって母さんから言われたからさ、リディーとスーとルーシャに何かあったら守れって…」

 

リディー「サリアさんから?」

 

コウキ「ああ、男だからとか…そんなこと言われたからなぁ」

 

マティアス「それはいいことだと思うぜ?女の子を危ない危機から助ける、かっこいいじゃねぇか」

 

コウキ「あはは…そうですね」

 

ルーシャ「ただ、はっきり言わせてもらいますけど、『不思議な絵』の探索…少々危険すぎませんか?」

 

ルーシャ「魔物も多いし、何が起こるかわからない、今回だってもし、リディーやスーに何かあったら…」

 

マティアス「まぁ、確かに…これからの調査は、もっと腕のある錬金術士に任せたほうが…」

 

コウキ「…!」

 

スー「ダメだよ、そんなの!他の人に任せるなんて!」

 

リディー「そうです、絶対にダメ…!私たち、これからも絵の世界の調査を続けたいんです…!」

 

コウキ「二人とも…」

 

マティアス「スーはともかく、リディーがそこまで言うなんて、何か理由があるのか?」

 

リディー「お母さんとの約束を守りたいからです、私たちが『国一番のアトリエ』になるために必要だから」

 

スー「正直、あたしたちはまだまだ未熟だよ、『国一番のアトリエ』なんて、夢のまた夢…」

 

スー「でも、そんなあたしたちでも作れたんだ、絵の中で拾った材料使ったら、すごい道具が…!」

 

リディー「アトリエランクを上げるためにも、私たちには絵の中で拾った材料が必要なんです」

 

リディー「だから、これからも…!私たちに絵の調査をさせてください!お願いします!」

 

フィリス「そっか…不思議な絵の調査は、二人の夢を叶えるのに必要なことなんだね…」

 

フィリス「あの、マティアスさん!わたしからもお願いします!これからはぜひ、二人に絵の調査を…!」

 

コウキ「マティアスさん、俺からもお願いします!」

 

マティアス「わかってるって、あんな話を聞いたら、オレだって悪いようにはしねぇよ」

 

ルーシャ「相変わらず二人は不器用ですね、…なら、絵の調査を続けるとしましょう」

 

ルーシャ「何かあったら、まずわたしを盾にすればいいです。あっ、コウキもですからね!?」

 

コウキ「も、もちろん!俺が三人より年上だし、兄だからな!」

 

ルーシャ「わたしもお姉さんですからね!」

 

リディー「頼りにしてますよーお兄さんとお姉さん」

  

ルーシャ「ふふ…こほん。まずはこの世界の調査を済まなければ、二人とも、ライバル対決は一旦棚上げです」

 

ルーシャ「安全にここを調査するために、協力してあの魔物を倒しましょう」

 

マティアス「でもよ、倒すって言ってもどうすりゃいいんだ?動きが速すぎて、オレとコウキの攻撃も当たるかどうか…」

 

フィリス「私の攻撃もね、動きが速すぎて…」

 

リディー「………」

 

フィリス「リディーちゃん、もしかして何か考えがあるの?」

 

リディー「えっ?あっ…はい…でも危ないからあんまりいい考えじゃ…」

 

コウキ「気にしないで言ってみろよ、それが最善かもしれないからさ」

 

リディー「うん…えっとね、まず翼に爆弾をぶつけるの、機動力を削いで、攻撃が当たるようにするために」

 

リディー「でも、一撃目を当てるには隙がいる…それで、その隙を作るためには…囮が…」

 

ルーシャ「ではその役目、わたしが引き受けます」

 

スー「え、いいの!?また凍らされちゃうかもしれないのに…」

 

コウキ「そうだよ、それなら俺が…」

 

ルーシャ「ふふ、どうやらあの魔物はわたしにご熱心のようですからね。それに凍らされる前に倒してしまえばいいだけ、ね?」

 

リディー「…うん!じゃあまずは、あの魔物を見つけないと…」

 

魔物「ギャアアアアアアアアア!!!」

 

コウキ「!?」

 

マティアス「今の…あっちの方から聞こえてきたな」

 

フィリス「…もしかしたら、あっちに魔物の巣があるのかも。みんな、様子を見に行ってみよう」

 

魔物を倒すためにさらに奥を進んでみる。



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第十八話 水晶の輝窟 後編

ルーシャ「…いました。では、早速作戦を決行しましょう」

 

リディー「…う、うん。ごくり…」

 

コウキ「(大丈夫そうか?リディー…)」

 

フィリス「リディーちゃん、大丈夫?だいぶ緊張してるみたいだけど…」

 

リディー「だ、大丈夫です…!絶対失敗しないように頑張るんだから…!」

 

マティアス「ルーシャ嬢も平気か?やっぱり、囮はオレかコウキがやった方がいいんじゃ…」

 

コウキ「そうだよルーシャ…大丈夫そうか?」

 

ルーシャ「お気遣いありがとうございます。でも、ここはわたしに任せてください」

 

マティアス「…わかった。無理はするんじゃねぇぞ」

 

スー「…じゃあリディー、ルーシャ、よろしくね」

 

ルーシャが魔物のところへ行く。

 

ルーシャ「おーっほっほっほ!…のろまな魔物さん!こっちをご覧なさい!」

 

魔物「ギャオオオオオオオ!!!」

 

魔物がルーシャのほうに攻撃を仕掛けようとする。

 

リディー「っ!?」

 

マティアス「かかった!リディー、今だ!」

 

リディー「あ、あう…身体がすくんじゃって…」

 

コウキ「このままだと、ルーシャが危ないぞ!」

 

スー「ちょっと、リディー!?このままじゃルーシャが…!」

 

魔物「ギャオオオオオオオ!!!」

 

するとルーシャがリディーに大声で言う。

 

ルーシャ「リディー!!しっかりしてください!!」

 

リディー「…!」

 

ルーシャ「あなたは…あなたたちはわたしを越えて、『国一番のアトリエ』になるんでしょう!」

 

ルーシャ「だったら…これくらいどうってことない!あなたには絶対、できるはずです!!」

 

コウキ「(ルーシャ…言うようになったじゃねぇか…!)

 

リディー「…うん、ありがとう、ルーちゃん!これでも…くらええええ!」

 

リディーが爆弾を魔物に投げ、翼に当たる。

 

魔物「グギャアア!?」

 

俺は剣を抜き、スーは二等拳銃を、マティアスさんは剣、フィリスさんは弓を出し、魔物に攻撃を仕掛けようとする。

 

マティアス「よし、当たった…!行くぞ!一気に畳みかける!」

 

コウキ「リディー!武器を出すんだ!」

 

爆弾を投げ終えたリディーも杖を出し、魔物へと攻撃を仕掛けようとする。

 

ルーシャ「頑張ってください…!みんな!」

 

コウキ「光の剣…!」

 

俺の剣は光だす。

 

コウキ「喰らえ…って、え?」

 

スー「コウキ!突進してきてるよ!」

 

コウキ「なっ!?」

 

俺は攻撃を避けるようとするが、間に合わず、近くの水晶にぶつかる。

 

コウキ「かはっ…!」

 

俺は倒れ、近づいた魔物が俺にとどめをさそうとしている。

 

コウキ「あ…」

 

フィリス「危ない!」

 

フィリスさんが射った矢で魔物の注意を引く。

 

マティアス「こっちだ!」

 

スー「援護するよ!」

 

スーが魔物に射撃する。

 

リディー「コウちゃん!」

 

コウキ「リディー…」

 

リディー「回復魔法をかけるから!待ってて!」

 

コウキ「ああ…」

 

スー「おののけ!おののけ!」

 

マティアス「受けてみろ!」

 

フィリス「痛かったら、ごめんね!」

 

コウキ「みんなが戦っている…俺も戦わないと…!」

 

リディー「回復魔法!」

 

するとさっきまで体が痛かったのに、すこし楽になった気がする。

 

コウキ「ありがとう、助かった!行くぞ、リディー!」

 

リディー「うん!」

 

俺とリディーも魔物に立ち向かう。

 

ルーシャ「あれは…!」

 

マティアス「みんな!危ない!下がってろ!」

 

魔物が巨大な球体状のようなものを空に放ち、そこから氷が降ってくる。

 

マティアス「守ってみせる!」

 

マティアスさんがみんなを守ろうとしている。

 

コウキ「俺だって…!」

 

俺もマティアスに続き、みんなを守る。

 

マティアス「くっ!」

 

コウキ「ぐっ!まだだ…」

 

攻撃が止んだ。

 

コウキ「みんな!今だ!」

 

スー「うん!おののけ!おののけ!」

 

スーが魔物に射撃する。

 

フィリス「いくよー!」

 

魔物「グギャアア!!」

 

魔物が弱り始める。

 

コウキ「マティアスさん!」

 

マティアス「ああ!」

 

俺の剣が白く光だし、マティアスさんの剣が黄色く光だす。

 

コウキ「俺の白い光と!」

 

マティアス「オレの黄色い光は!」

 

俺の剣とマティアスさんの剣をクロスさせるように合わせる。

 

コウキ、マティアス「斬れないものなどない!」

 

コウキ、マティアス「喰らえぇぇぇ!!!」

 

俺とマティアスさんの放った光の斬撃はXの文字のようなもので魔物の翼を貫いた。

 

魔物「グギャアアアアア!!!」

 

コウキ「ふぅ…」

 

マティアス「ちと、やり過ぎたか…」

 

魔物は倒れた。

 

リディー「マンガでありそうな技…!」

 

スー「なんとかなったぁ…!これもルーシャが囮になってくれたおかげだね」

 

ルーシャ「そんなことないですよ。全部、リディーの作戦のおかげです」

 

マティアス「おやぁ?ルーシャ嬢、ずいぶん素直じゃねぇか。やっぱり、双子に頼ってもらえたのが嬉しかったのか?」

 

ルーシャ「なっ!?ママママママティアスさん!?それは言わない約束って…!」

 

マティアス「ははは!…こうゆうのは正直に言った方がいいと思うぜ?」

 

コウキ「ほう?」

 

リディー「え…?どうゆうことですか、マティアスさん」

 

マティアス「ルーシャ嬢に、どうして二人に突っかかるのか聞いたんだよ。そしたらな…くくっ…」

 

マティアス「『自分の方がお姉さんなのに、双子が自分のことを頼ってくれないから』だって言われてな」

 

コウキ「へーやるじゃん、ルーシャ、ははは!」

 

フィリス「ぶふっ!?あは、あははは!ルーシャちゃん、そんなこと考えてたんだ!」

 

スー「あははははは!かわいー!ルーシャ、かわいー!!」

 

ルーシャ「う、ううううー!!!違います!誤解です!そんなこと思ってないですっ!!」

 

ルーシャ「さぁ、調査の続きをしますよ!魔物は倒したんですから!ほらっ!!」

 

リディー「まったく、ルーちゃんったら、私たち、こんなに頼りにしてるのに、ねー?」

 

コウキ「ははは…そうだな」

 

スー「ねー。ま、本人には言わないけど。…ふふっ」

 

俺達は魔物を倒して絵の調査を続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リディー「あ、スーちゃん!これ前に見つけたのと似てるよね」

 

コウキ「これは…ざわめきの森にいた時のと似てるな…」

 

スー「本当だ。ただ、前のとは色が違うみたい。これ、なんなんだろうねぇ…」

 

マティアス「まぁ、これで調査も一段落…ぶぇっくしゅん!そろそろ戻らねぇか?これ以上いたら風邪ひいちまうよ」

 

コウキ「そうですね、そろそろ戻ってミレイユさんに報告ですね」

 

フィリス「うん、そうだね。…個人的には、もうちょっと探索していきたいんだけど…」

 

マティアス「はは、好奇心旺盛なことで…」

 

ルーシャ「…リディー、スー、わたしたちのライバル関係はこれからも変わりません」

 

ルーシャ「ただ、幼なじみだし、わたしの方がお姉さんだし…えっと、つまり、そういうことです!」

 

コウキ「どうゆうことだよ…それ」

 

スー「うん?どういうこと?はっきり言ってくれないとわかんないなー」

 

ルーシャ「で、ですから!わたしをもっと頼れと言ってるんです!相談とか何とか…いろいろあるでしょう!」

 

リディー「あはは、もちろんだよ。これからもいーっぱい頼らせてもらうね、ルーちゃん♪」

 

ルーシャ「ええ、お姉さんに任せておきなさい!それでは、帰るとしましょう」

 

コウキ「じゃあ、帰るか、ぶふふ…」

 

ルーシャ「なっ!?なに笑ってるんですか!もー!」

 

コウキ「いや?なんでもないよ?くく…」

 

ルーシャ「こ、こらー!」

 

フィリス「仲良しさんで、楽しそうだね」

 

マティアス「そうだな、喧嘩するほど仲がいいんだよ、多分」

 

俺達は元の世界へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミレイユ「お疲れ様、みんな。新しい絵の世界はどうだった?」

 

ルーシャ「いろいろありましたよ?魔物に凍らされなり、囮になったり…ね」

 

ミレイユ「え、ええっ!?まぁ、詳しい報告はまた後で…あ、フィリスちゃん。これ、次の試験の要項よ」

 

フィリス「ありがとうございます、ミレイユさん。次の試験も頑張りますね!」

 

コウキ「そういえば、フィリスさんって今、何ランクでしたっけ?」

 

フィリス「あれ、前言ってなかったっけ。わたしは今、Bランクだよ?」

 

ミレイユ「彼女は公認の錬金術士だもの。実力があって当然でしょ?」

 

ルーシャ「こ、公認錬金術士ー!?」

 

フィリス「ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

古い遺跡にて

 

???「…さて、噂通りなら、ここにあるはずだが…」

 

???「くっくっ…これさえあれば…あの方をふたたびこの世に復活…」

 

???「ん?僕より先に先客がいたか」

 

???「誰だ!?」

 

???「それはこっちのセリフだね。君こそ誰だい?あの方を復活とか言っていたが」

 

???「聞かれたのなら仕方ない、貴様をここで殺す!」

 

人間の姿だったはずが骸骨の魔物に変わった。

 

???「へぇ…君は魔物だったのか。君のさっきの目は、かつての僕のような目だったな」

 

???「貴様は終わりだ!」

 

???「どうかな?どうやら僕の勝ちのようだ、上を見てみろ」

 

???「なんだと?」

 

魔物が上を向くと、無数の剣が既に魔物の体を貫いていた。

 

???「ぐはぁ!わ、私がやられるとは…すみませぬ…」

 

魔物は消えた。

 

???「さようなら、かつての僕に似た魔物さん」

 

メルサ「ここに!残党の気配が!ってあれ?」

 

ネスト「ん?どうしたんスか?」

 

メルサ「気配が消えた?」

 

ガルド「ん、ここに魔物を倒した痕跡がある…ん?」

 

???「おやおや、次から次へと…」

 

ガルド「あんたがこの魔物を?」

 

???「ああ、襲われそうになったからね」

 

ネスト「君は…?」

 

???「僕のことなんか関係ない。じゃあ失礼するよ」

 

見知らぬ人は大きな絵を持って、どこかへといってしまった。

 

メルサ「さっきの子は残党じゃないね」

 

ガルド「あの絵…もしかして…」

 

ネスト「おっさん、なんか知ってるんスか?」

 

ガルド「不思議な絵というやつだ」

 

メルサ「不思議な絵?」

 

ガルド「ああ、絵の中の世界に入れるとか、俺も実際に入ったことがある」

 

ネスト「絵の中に!?」

 

ガルド「さっきの若造が倒した、あの魔物…あれを狙ってた?」

 

メルサ「んーとりあいず、さっきの子に話を聞いてみることにしよっか」

 

ネスト「痕跡も拾っておこう…これは骨…?」

 

ガルド「奴らは骸骨の魔物だ。人間に化けてると思うがな」

 

メルサ「残党達はその不思議な絵を狙ってる?なにか、きっかけがあるのかも…」

 

ネスト「復活の儀式に必要とか…?」

 

ガルド「その可能性は十分にある。急ぐぞお前ら」

 

ネスト「はいよ!」

 

メルサ「………」

 

ネスト「ん?メルサ?どうしたんスか?」

 

メルサ「ん?なんでもないよ!さぁ、帰ろ帰ろ」



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第十九話 商人と狩人

俺は町を歩いていた。

 

コウキ「ふぅ…」

 

ゴロゴロ

 

コウキ「雷か?」

 

ザァァァァ

 

コウキ「げっ!?雨!?」

 

俺は近くのところで雨宿りした。

 

???「あのー」

 

コウキ「はい?」

 

???「そんなところにいないで、こっちにくるです。風邪を引きますよ」

 

コウキ「すみません、お邪魔します…」

 

???「最近、雷が多いですね」

 

コウキ「そうですね…」

 

???「雨が降ってしまうと、商売に影響が…はやく止んでほしいです…」

 

コウキ「俺のとこも雨が降ると全然お客さん来ないんですよね…」

 

???「そちらのお店は?」

 

コウキ「本屋ですよ。まぁ母さんが店主ですけど、たまに店番を任せられますけど… 」

 

???「本屋ですか…ふふっ、 私にとっては懐かしく思えます」

 

コウキ「そうなんですか?そういえば、えっと… 」

 

???「私はコルネリアです。ここで商会を開いています」

 

コウキ「俺はコウキです。てか商人!?でもまだちいさい子が店なんて…あ」

 

コルネリア「これでもしっかりと成人してるのですが…」

 

コウキ「あ、ごめんなさい!つい…」

 

コルネリア「よく間違われますので大丈夫です」

 

コウキ「そうなんですか…って、ん?」

 

雨がもう止んでいた。

 

コルネリア「止みましたね」

 

コウキ「そうみたいですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「あの、ありがとうございました」

 

コルネリア「コウキさん」

 

コウキ「なんでしょう?」

 

コルネリア「次はここで何か買っていってくださいね」

 

コウキ「はい!次はちゃんとお金持ってきてここに来ますね!では!」

 

コルネリア「さて…お仕事に戻りますか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城にて

 

ガルド「ってわけだ、ミレイユの嬢さん」

 

ミレイユ「話はわかりましたけど、その二人を?」

 

メルサ「えっと、ダメでしょうか?」

 

ネスト「お願いできますでしょうか…」

 

ミレイユ「ま、絵の調査をするなら、人は多いほうがいいからね…」

 

メルサ「ありがとうございます!」

 

ネスト「感謝します」

 

ガルド「よし、じゃあ行くぞお前ら」

 

ミレイユ「あ、帰ったらちゃんと報告してね?」

 

ガルド「ああ、わかってるぜ」

 

三人は画廊に行った。

 

マティアス「姉貴、いいのか?」

 

ミレイユ「まぁ、いいでしょう、ガルドさんがいるしね…」

 

マティアス「それだけの理由かよ!」

 

マティアス「しかし、さっきの黒い帽子被った子可愛かったなぁ…」

 

ミレイユ「早く配置に戻れ」

 

マティアス「うーす…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「ただいまー」

 

サリア「おかえりなさい」

 

コウキ「母さん、情報はつかんだの?」

 

サリア「今わかってるのは、昨日ガルドさん達がある遺跡に行ったところ、見知らぬ人と骨の痕跡…」

 

コウキ「見知らぬ人?」

 

サリア「ええ、なにも、遺跡にあった大きな絵を持っていったとか」

 

コウキ「大きな絵?」

 

サリア「そうよ、そして骨の痕跡…残党達は骸骨の魔物である可能性があるわね」

 

コウキ「が、骸骨!?」

 

サリア「そうよ。メルサの残党探し魔法?とかでわかるそうよ」

 

コウキ「そうなの!?メルサさんもう何でもできちゃうんじゃ…」

 

サリア「さぁね?」

 

サリア「骸骨の魔物はこの地方ではあまりいないほうだし、人間に化けてる可能性があるわね」

 

コウキ「奴らは化けることもできるの!?」

 

サリア「そうよ、だからあんたも気をつけなさいよ」

 

コウキ「お、おう…」

 

お客「これお願いします」

 

サリア「はーい、680コールになります」

 

コウキ「リディー達のところに行ってみるか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「入るぞー」

 

フィリス「あ、コウキ君!」

 

コウキ「フィリスさん?」

 

フィリス「今、雷にまつわる昔話をしてたんだよ」

 

コウキ「雷?あのファルギオルのことですか?」

 

スー「そうそう、それだよ」

 

フィリス「ふむふむ、じゃあ私はそろそろ帰ろうかな」

 

フィリスさんはリディー達のアトリエを出る。

 

コウキ「なんで、雷神のことを?」

 

リディー「うーん、わかんない」

 

スー「なんか最近、雷多いと思わない?」

 

コウキ「まぁ、そうだなぁ…雷神ねぇ…」

 

リディー「そういえば、コウちゃんなにしに来たの?」

 

スー「またあんなことするなら許さないよ?」

 

コウキ「いやいや!あれは俺自身がしたことじゃなく…」

 

スー「まぁどうだっていいけど、アタシ達、今から王城でミレイユさんから試験要項をね」

 

コウキ「じゃあ俺は門の前で待ってるから、なんかあったら呼んでくれよ」

 

リディー「うん!」

 

スー「じゃあ、行ってくるね」

 

コウキ「おう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は門の前に着いた。

 

コウキ「前から気になってたけど、あのお店は一体…」

 

俺は店の前に近づく。

 

コウキ「(ラブリーフィリス…?)」

 

???「いらっしゃい、見ていってね」

 

コウキ「あの、ラブリーフィリスって、フィリスさんのことですか?」

 

???「ん?フィリスちゃんのことを知ってるの?」

 

コウキ「あ、えーと、フィリスさんは俺の友達で…」

 

???「ふーん…」

 

コウキ「えーと…」

 

???「私はフィリスちゃんの姉のリアーネよ」

 

コウキ「フィリスさんの?」

 

リアーネ「ええ、狩人をしてるわ」

 

コウキ「狩人ですか…」

 

リアーネ「そういえば、あなたの名前聞いてなかったわね」

 

コウキ「俺はコウキです」

 

リアーネ「コウキ君ね。ここは私が獲った獲物などを販売してるわ」

 

コウキ「美味しそうなお肉ですね…」

 

リアーネ「どれも新鮮よ」

 

コウキ「じゃあこれ買います!」

 

リアーネ「安くしといてあげるわ」

 

コウキ「ありがとうございます!」

 

フィリス「あ、コウキ君だ!また会ったねー」

 

コウキ「フィリスさん?」

 

リアーネ「フィリスちゃん!コウキ君とはどんな関係なの!?」

 

フィリス「ええ!?どんな関係って…友達だけど?」

 

リアーネ「よかったわ…恋人同士だったら、どうしようかと…」

 

コウキ「え、リアーネさん…?」

 

フィリス「コウキ君、ごめんね?リア姉ったら変なこと言って…」

 

コウキ「あ、いえいえ…大丈夫です」

 

フィリス「ん?くんくん…コウキ君!その持ってるお肉は…!」

 

フィリスさんが俺の今手に持ってる物に近づき、鼻をかんできた。犬みたいに。

 

コウキ「え?これですか?」

 

フィリス「うんうん!それ美味しそうだなぁ…じゅるり…」

 

コウキ「あはは…食べます?」

 

フィリス「いいの!?じゃあ、私のアトリエに来てー!」

 

コウキ「はーい」

 

リアーネ「コウキくーん?」

 

コウキ「ん?なんでしょうか、リアーネさん」

 

リアーネ「私もご一緒にいいかしら…?」

 

コウキ「あ、はい…いいですけど…」

 

フィリス「コウキくーん?はやくー」

 

コウキ「はーい、リアーネさん、行きましょう」

 

リアーネ「ええ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「わぁ…ここがフィリスさんのアトリエ…」

 

フィリス「凄いでしょー?錬金術で空間をね!」

 

コウキ「空間を…!?錬金術って凄いなぁ… 」

 

リアーネ「むう…」

 

コウキ「えっと…リアーネさん?どうしてそんなに俺をそんなに見つめて…」

 

するとリアーネさんが俺に近づき、小声で言う。

 

リアーネ「私のフィリスちゃんは渡さないわよー?」

 

コウキ「いや…そんなことは…」

 

フィリス「ちょっと、二人ともー?何話してるのー?」

 

リアーネ「ふふ、何でもないわよー?」

 

コウキ「はぁ…」

 

フィリス「ねぇねぇ!リア姉!これ料理して!」

 

リアーネ「これコウキ君がさっき買ったやつだけど…いいの?」

 

コウキ「大丈夫ですよ!」

 

リアーネ「わかったわ。じゃあしばらく待ってね」

 

フィリス「はーい!」

 

コウキ「はい!」

 

コウキ「にしても、フィリスさんに姉がいたとは…」

 

フィリス「リア姉はいつも優しくて頼りになるんだけど…ちょっとね…」

 

コウキ「あーうん…そうですね…あはは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リアーネ「できたわよ」

 

フィリス「わぁ、美味しそう!いっただきまーす!」

 

コウキ「いただきます…」

 

リアーネ「いただきます」

 

リアーネ「そういえばコウキ君は旅の人かしら?」

 

コウキ「俺は剣士です」

 

リアーネ「そうなのね。フィリスちゃん、不思議な絵の世界ってどんなとこだったの?」

 

フィリス「あそこは凄かったよー?見たことない材料もあってねー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フィリス「美味しかった…」

 

コウキ「リアーネさんのお料理美味しかったです」

 

リアーネ「ありがとね。料理は得意なのよ」

 

ガチャ

 

スー「お邪魔しま…ってあー!三人だけで美味しいもの食べてたんですかー!?」

 

リディー「ちょっと、スーちゃん…」

 

リアーネ「あら、スーちゃんにリディーちゃんじゃない。ごめんね?今度また作ってあげるから…」

 

スー「わっかりましたー!楽しみにしてまーす!」

 

リディー「あはは…リアーネさん、ありがとうございます… 」

 

コウキ「てかどうしたの?」

 

スー「どうしたもなにも、コウキが門の前にいなかったもん」

 

コウキ「あ…」

 

リディー「ミレイユさんから試験課題を頼まれてね。それでコウちゃんが門の前にいなかったからね」

 

コウキ「あーごめんな…」

 

スー「じゃあ、マティアスも門の前に待ってるし、行ってみようー!」

 

フィリス「あ、待って!私もすぐ準備するから!」

 

リアーネ「フィリスちゃん、私も行っていいかしら?」

 

フィリス「うん!いざ、しゅっぱーつ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マティアス「お、来たな。って、ん!?そこの極上の美人さんは…!?」

 

リアーネ「ん?私?」

 

マティアス「そうそう!君、すっごい綺麗だね!長い髪がきらきら輝いて、まるで天の川みたいだ」

 

リアーネ「ふふっ、ありがとうございます、でも…ごめんなさい。私、もう心に決めた人が…」

 

フィリス「あ…」

 

マティアス「な、何だって!?くっ、これも運命のいたずらか…。オレたちがもう少し早く巡り会っていれば…」

 

マティアス「…ちなみに、心に決めた人ってどんなやt…」

 

スール「はいはい、ほら行くぞ。無職王」

 

スーがマティアスさんの耳を引っ張って門を出る。

 

マティアス「いでで!?って、無職王!?」

 

リアーネ「あら…行ってしまったわね」

 

コウキ「あはは…俺も行きますかね…」

 

リディー「スーちゃん!待ってよ!」

 

フィリス「わー危なかった…リア姉からわたしの恥ずかしいこと言われずにすんでよかった…」

 

リアーネ「フィリスちゃん?」

 

フィリス「ううん!何でもないよ!賑やかで楽しいなぁって…ねぇ、リア姉、昔を思い出さない?こうゆうの」

 

リアーネ「そうね、皆は元気にしてるのかしら…」

 

フィリス「きっと皆元気だよ。じゃあ私達も行こう!」

 

リアーネ「ええ、行きましょうか」



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第二十話 謎の人物

俺達は雷の測定器?を設置するため。

ある荒野、ブライズヴェストを歩いていた。

 

コウキ「ちょっと暑いな…」

 

リディー「あ、飲み物あるよ?」

 

コウキ「お、助かる」

 

俺は水を飲んだ。

 

コウキ「ぶはぁ…助かったわ」

 

リディー「目的地が暑いところだからね、念のため、お水を持ってきたんだよ」

 

コウキ「おう」

 

するとスーがリディーの耳元で何かを喋りだす。

 

スー「おや?リディーさん?飲みかけのそれは、どうするのですかぁ?」

 

リディー「え?なんもしないよ!?」

 

スー「ほら、まだ残ってるよ?コウキの飲みかけだよ?ほら、リディーがそれを飲んだら間接キス…」

 

リディー「ふぇ!?」

 

コウキ「二人とも、何ヒソヒソ話してるんだ?」

 

スー「なんでもないですよー!」

 

リディー「スーちゃんってば…もう…今日はもうご飯抜きね。ふん!」

 

スー「え!?ちょっとリディー!?待ってよ!」

 

マティアス「一体、何があったし…」

 

コウキ「そうですね…」

 

リアーネ「フィリスちゃんも、お水飲む?」

 

フィリス「あーほんと!?ちょうだーい!」

 

リアーネ「フィリスちゃんがお水を飲んでる姿も可愛いわね…うふふ…」

 

コウキ「(もうわかんねぇなこれ…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「なぁ、雷の測定器ってどこに置くんだ?」

 

リディー「この辺に装置を置けばいいんだけど…どこがいいんだろう…」

 

スー「そうだねぇ…装置を置く場所…装置を置く場所…」

 

???「どこでもいいんじゃないかな?それによって何かが変わるとは思えないし」

 

いきなり声を掛けられた。

 

リディー「えっ…えっと…どなたですか?」

 

???「僕が誰かなんてささいな問題だよ。…リュンヌ通りのリディーとスー」

 

スー「えっ…あたしたちのこと、知ってるの…?」

 

???「あれだけ噂になっていれば、そりゃあね。君たちとはぜひ一度会ってみたいと思ってたんだ」

 

???「…なるほど、いい目をしている。野心と希望に満ちた、素晴らしい目だ」

 

スー「は、はぁ…」

 

???「あ、最後にひとつだけ。未来には変えられるものと、そうでないものがある」

 

???「変えられない未来のためにあれこれもがくのはやめるんだね。それじゃあ」

 

リディー「行っちゃった…なんだったんだろ、あの人…」

 

スー「さぁ?未来がどーたら言ってたし、占い師じゃない?それより、早く装置を置いちゃおうよ」

 

リディー「あっ、そうだね。忘れちゃったら困るもんね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リディー「よし、設置完了!これで課題も無事終わり!」

 

コウキ「これだけでランクが上がるのか…」

 

マティアス「んじゃあ、姉貴のとこに帰るか」

 

スー「うん。ミレイユさんに報告に行こう。…また反応に困るダジャレ、言われないといいけど」

 

コウキ「ダジャレ?」

 

リディー「あ、コウちゃんは気にしなくていいよ…」

 

コウキ「へ?」

 

フィリス「うーん…」

 

リアーネ「どうしたの?フィリスちゃん」

 

フィリス「さっきの人、どこかで会ったことがあるような…気のせいかな…」

 

リアーネ「あら?フィリスちゃんもそう思う?実は私もなのよ…どこで会ったかしら…」

 

スー「おーい、早く戻りましょうー?」

 

フィリス「あ、はーい!」

 

リアーネ「ふふ、はーい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フィリス「またね!リディーちゃんにスーちゃん!」

 

リアーネ「ふふっ、またね」

 

フィリスさんとリアーネさんは帰っていった。

 

スー「はーい!じゃあリディー行こっか」

 

リディー「うん」

 

マティアス「じゃあ、姉貴のとこに行きますかね…」

 

コウキ「そういえば、マティアスさんって、スーに無職王って言われてましたが…王族か何かなんですか?」

 

スー「あーうん。マティアスってメルヴェイユの王子なんだって」

 

コウキ「ええ!?そうだったんですか!?マティアス様!」

 

マティアス「っておいおい、様なんていいぞ?コウキとはいい仲だろ?」

 

コウキ「そうですね…」

 

マティアス「だから様付けなんていいのさ。これまで通り、カッコいい、マティアスさんとでも呼んでくれよ」

 

スー「カッコいいは余計でしょ!」

 

コウキ「マティアスさんが王子なら、ミレイユさんは王女ですよね?」

 

マティアス「ああ、姉貴もだぜ」

 

コウキ「わーお…なんで俺、今さら知ったんだろ…」

 

リディー「あはは…じゃあ、ミレイユさんのとこに行こっか」

 

スー「そうだね、課題も終わらせたし、行こうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミレイユ「はい、双子ちゃんはEランクに昇級よ!おめでとう!」

 

リディー「ありがとうございます、ミレイユさん!…それでなんですけど!」

 

スー「今度の不思議な絵はどんなのなんですか!?あたし、すごくワクワクしちゃって!」

 

ミレイユ「あー、えっと、それなんだけどぉ…新しい絵、まだ手に入ってないのよねぇ…」

 

スー「えええええ!?そんなっ、約束したのにー!ダメなんですよ、約束破っちゃー!」

 

マティアス「あー、新しい絵には目星がついてるんだ。ただ、交渉がこじれててな…」

 

ミレイユ「というわけだから…ごめんね、双子ちゃん。もうちょっと待っててくれる?」

 

リディー「わかりました…わがまま言っちゃいけませんもんね、我慢します…」

 

ミレイユ「うっ、良心が痛む…」

 

コウキ「まぁ、今回は仕方ないですよね…」

 

マティアス「そうだ!リディー、スー。たまには自分たちで絵を探がしてみないか?」

 

スー「自分たちで…?マティアス、どういうこと?」

 

マティアス「ああ、噂で聞いたんだが…最近誰かが都に、大きな絵を持ち込んだらしいんだ」

 

マティアス「なんでも、その絵の中には世界が広がってるとか、…つまり、不思議な絵の可能性がある

 

リディー「なるほど…じゃあ。絵を持ってる人に直接交渉してみれば…」

 

ミレイユ「不思議な絵が手に入るかも、っていうわけ。どう?やってみない?」

 

スー「くふふ、その話乗りました!」

 

ミレイユ「わかったわ、それじゃあよろしくね。こっちの交渉も頑張るから。…マティアスが」

 

マティアス「ええっ、オレぇ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リディー「さてと、まずは絵を持ってる人を探さなきゃね」

 

コウキ「噂話に詳しい人って、いるかな…」

 

スー「まず、いろんな人に話を聞いてみようか」

 

コウキ「よし、じゃあここは手分けして話を聞いてみようぜ?」

 

リディー「うん、それいいかも!」

 

スー「わかったことがあったら、ここに集合することにしよ? 」

 

コウキ「おう、わかった!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガルド「戻ったぜ、ミレイユの嬢さん」

 

マティアス「お、ガルドさんじゃねーか」

 

ミレイユ「あら、ガルドさんじゃない。どうだった?」

 

ガルド「特になにもなかったな。絵の中に人がいたくらいだが…」

 

マティアス「人?」

 

ネスト「はい、その子は絵の中で暮らしてる。とか言ってましたが…」

 

メルサ「可愛い子だったよねー!」

 

ネスト「突っ込むとこそこかよ…」

 

ミレイユ「絵の中で暮らしてる?」

 

マティアス「絵の中で生きてる人ってことか?」

 

ガルド「そうゆうことだな」

 

ネスト「ミレイユさん、まだ他の絵はあったりします?」

 

ミレイユ「まだあるわよ?水晶の輝窟っていうやつだけど」

 

メルサ「えーと、今から行く感じ?」

 

ガルド「いや、明日行くぞ」

 

ネスト「ミレイユさん、すいません…オレ達が不思議な絵に行ったことは、秘密ってことにしときますので…では」

 

三人は王城を出た。

 

ミレイユ「一体なんの目的なんでしょうね…」

 

マティアス「姉貴、それ聞いてなかったのか?」

 

ミレイユ「ええ」

 

マティアス「それで行かせたのかよ…」

 

マティアス「それよりあの子とお話してみたいなぁ…」

 

ミレイユ「やめときなさい。どうせまたフラれるから」

 

マティアス「まだわからないんだぞー!?」



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第二十一話 暗い森に暮らす少女

これは二十話の、悪の神の残党達が不思議な絵を狙っているとされる、その手掛かりを探すため、不思議な絵、ざわめきの森にやってきた、ガルド、ネスト、メルサ達の話。

 

ガルド「メルサー!どんな感じだ?」

 

メルサ「ふーむ。空からどこをどう見ても…ずっと森だね」

 

ネスト「なんか不気味な笑い声が聞こえるんすけど…」

 

ガルド「そうだな。お化けがどこからか俺達を見てるんだと思うぜ」

 

メルサ「え?お化け!?早く会いたい!」

 

ガルド「会いたいのかよ…」

 

ネスト「お化けか…オレはちょっと怖いすっね…」

 

ガルド「(そういえば、あの看板…)」

 

ガルドは前ここに来た時を思い出した。

またお化け達に呪われて、墓に行って聖水をかけなくちゃいけないことを…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メルサ「ん?あの子は…」

 

前を見ると、黒いフードを着て、左目に黒い眼帯をつけている女の子がいた。

 

ガルド「ん?」

 

ネスト「オレたち意外にも、ここに来てる人がいたんすね」

 

???「あなたたちは…?」

 

ガルド「俺らはこの絵の中に入って調査をしてる者だ。お嬢さんもかい?」

 

???「絵の中…?私はここでずっと暮らしてる…」

 

ネスト「暮らしてる?」

 

ガルド「(ふむ…不思議な絵の世界で住む人ってわけか…)」

 

???「はい…お兄さん達は…?」

 

ガルド「俺はガルドだ」

 

ネスト「オレはネストっす」

 

メルサ「あたしはメルサだよ!君は?」

 

???「あ、申し遅れました…私はヒナです」

 

メルサ「ヒナちゃんかー!可愛い!」

 

メルサがヒナに抱きつく。

 

ヒナ「あう…メルサさん…!?」

 

ネスト「こら、メルサ…ヒナちゃん困ってるっすよ…」

 

メルサ「あ…ごめんね?ヒナちゃんがお人形さんみたいで可愛くて…」

 

ヒナ「えーと…ありがとうございます…?」

 

ガルド「それでヒナお嬢ちゃんはここで何を?」

 

ヒナ「お化けさんたちと話をしてました」

 

ネスト「え?お化けいないっすけど…?」

 

ヒナ「でておいでー」

 

するとお化けの魔物が姿を現す。

 

お化け「ヒナ様!この人たちは…」

 

ヒナ「ふふっ、大丈夫だよ。この人たちからは悪い感じはしないから」

 

お化け「だといいのですが…じゃあ僕は仲間達のところに戻ります!」

 

お化けが姿を消す。

 

メルサ「ヒナちゃん!お化けちゃんと普通に会話してたの?すごーい!」

 

ヒナ「あの子たちは私にとっては可愛い家族ですから」

 

ネスト「様って呼ばれてたけど、ヒナちゃんは一体…」

 

ヒナ「気づいたらお化けさんたちにそう呼ばれてました…」

 

ガルド「悪い感じはしなかったと言ってたが…わかるのか?」

 

ヒナ「はい。私はある力があって…心の中で思っていること、過去に何をしてきたのか、それをわかる能力があるんです」

 

メルサ「心を読めるってこと?」

 

ヒナ「そうゆうことですね…」

 

ネスト「え…じゃあ今オレ達が思ってることも!?」

 

ヒナ「はい…さっき会った時のことも…」

 

ネスト「んえぇ!?」

 

ヒナ「ごめんなさい…」

 

ネスト「いや!大丈夫っすよ!?そんなに悲しい顔しないで!」

 

メルサ「えっと、あたしたちを見た感じ、悪い人じゃないってことかな?」

 

ヒナ「はい…ガルドさん、ネストさん、メルサさんは悪い人じゃない…です」

 

ガルド「過去か…」

 

ネスト「おっさん…」

 

ガルド「………」

 

メルサ「話題を変えよう!ヒナちゃん。あたしたちがここに来た目的なんだけど…」

 

ヒナ「えーと、残党達が狙っている手掛かりを探してる…ですよね?」

 

メルサ「そうそう!ヒナちゃんはここのこと、なにかわかる?」

 

ヒナ「うーん…ここには何もないと思うのですが…」

 

ガルド「やはり、奴らを尋問してみるしか…」

 

ネスト「それ危なくないすか?」

 

ガルド「まぁ、そうだが…」

 

メルサ「ふーむ…どうして不思議な絵を狙ってるんだろ…」

 

ヒナ「皆さんにとっては、ここが不思議な絵の世界?なんですよね?」

 

ガルド「そうゆうことになるな。お嬢さんにとってはここが元の世界なんだよな?」

 

ヒナ「そうゆうことになります…」

 

メルサ「ねーね、ヒナちゃん」

 

ヒナ「この左目のこと…ですか…?」

 

メルサ「あーうん…」

 

ヒナ「これはですね…この目を見てしまった者は…死んでしまうんです…」

 

メルサ「それって…」

 

ヒナ「はい…私は簡単に殺せてしまうんです…なにもかも壊す…大量殺人鬼…」

 

ヒナ「あの…ごめんなさい…!」

 

ネスト「ヒナちゃん!そんな力があっても…オレたちは君のことをなんとも思わないさ…!本当っすよ?だって…」

 

ヒナ「え…?」

 

メルサ「もう友達でしょ?あたしたち!」

 

ヒナ「…!」

 

ガルド「ああ、そうだ。大量殺人鬼とかそんか悲しいこと言うな」

 

メルサ「うんうん。ヒナちゃんは偉いよ、その事…ほんとは言いたくなかったんでしょ?」

 

メルサがヒナを優しく抱き締める。

 

ヒナ「メルサさん…?」

 

メルサ「あたしもね…ヒナちゃんと似てるから…わかるんだ…そういうの…」

 

ヒナ「…!」

 

『魔女の子だ!あの赤い目を見たら呪われるぞ!』

 

『逃げろー!近づいたら死ぬぞー!』

 

『………』

 

『もうやだ…こんなの…どうして?魔女の血を引く者は…みんなから恐れられる運命なの…?』

 

『こんなことになるなら…生まれてこなきゃよかった…あたしなんて死んだほうがいい…』

 

『ごめんなさい…お母様…お父様…』

 

ヒナ「………!」

 

メルサ「もう大丈夫…ヒナちゃんを一人になんかさせないから…」

 

ヒナ「ひっく…ぐす…」

 

メルサ「うんうん…泣きたい時は…泣いてもいいからね…?」

 

ヒナ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

 

メルサ「(あたし、サリアにこんなことされたっけ…今度は…あたしがこの子に…)」

 

メルサ「よしよし…」

 

ネスト「二人きりにさせときますか。おっさん…」

 

ガルド「そうだな…」

 

二人はメルサとヒナを二人きりにし、その場を去る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メルサ「もう大丈夫?」

 

ヒナ「はい…」

 

メルサ「そう?よかったぁ!ヒナちゃーん。動かないでね?」

 

ヒナ「…?わかりました」

 

メルサはヒナの被っていたフードを外す。

 

メルサ「金髪だったのかー!ヒナちゃーん?」

 

ヒナ「ふぁ!?」

 

メルサ「髪の毛さらさらでいい匂いするー!ヒナちゃんほんと可愛いよ!あはは!」

 

ヒナ「もう…メルサさんってば…」

 

メルサ「ふふーん!ヒナちゃーん?あたしはまだ満足してないぞー?」

 

ヒナ「え?メルサさん!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メルサ「はい!ツインテールヒナちゃん!」

 

ネスト「メルサ!?なにしてんすか!?」

 

メルサ「だって、ヒナちゃんほんとうに可愛いんだもん!」

 

ヒナ「なんか…恥ずかしいです…」

 

ガルド「もう大丈夫そうだな。よかったぜ。…それでお嬢ちゃん。俺はな、前ここに仲間達と一緒に来たんだが…その事は知ってるか?」

 

ヒナ「知ってますよ?あの時は姿を隠して…ずっとあとをつけてました…」

 

ガルド「そうか…そんときはすまなかった。お化け達を倒してしまって…」

 

ヒナ「大丈夫ですよ。ちゃんと墓に聖水をかけてくれましたし、お化けさんたちはきっと喜んでます」

 

ガルド「あの看板はお嬢ちゃんが書いたのか?」

 

ヒナ「あれはお化けさんたちが書いたんですよ」

ガルド「そ、そうか…」

 

ネスト「さて、そろそろ帰ります?」

 

メルサ「あたし、ヒナちゃんと話してるから二人は帰ってていいよ?」

 

ガルド「メルサ、お前、目的のこと忘れてないよな?」

 

メルサ「あ…忘れてないよ?」

 

ネスト「(思いっきり忘れてたな…こいつ…)」

 

ヒナ「あはは…」

 

ガルド「(笑うようになったか…よかったぜ…)」

 

ヒナ「ふふ…メルサさん、今はそれが優先です。私のほうからもいろいろと調べておきますから」

 

メルサ「うん…!ヒナちゃん!またここに来るからね!」

 

ヒナ『はい、待ってますよ」

 

ガルド「そうだ、お嬢ちゃん、これを」

 

ガルドはお守りをヒナに渡した。

 

ヒナ「これは…」

 

ガルド「これはお守りだ。持っててくれるか?」

 

ヒナ「もちろんです…」

 

ガルド「おう!じゃあ戻るぞお前ら」

 

ネスト「了解っす!」

 

メルサ「じゃあね!ヒナちゃん!」

 

ガルド「またここに来るからな?待ってろよ?」

 

ヒナ「はい!待ってまーす…!」

 

3人は元の世界に帰った。

 

ヒナ「ふふ…あんなこと言われたの、あの人達が初めて…嬉しい…えへへ…!」

 

少女はその場から姿を消した。



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第二十二話 3つ目の不思議な絵へ

俺は不思議な絵を持ち込んだ人の噂話を聞くために、教会に来ていた。

 

コウキ「シスター!いますかー?」

 

コウキ「あれ、いない?」

 

???「グレースさんなら~今は留守よ?買い物に行ってるからね~」

 

コウキ「ぱ、パメラさん!?」

 

パメラ「あら~?コウキ君じゃないのぉ~!」

 

コウキ「なんでパメラさんがここに!?」

 

パメラ「えっとぉ…話すと長くなるんだけどぉ…いい?」

 

コウキ「は、はい…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パメラ「ってことなのよぉ…」

 

コウキ「え?乗る馬車を間違えた…?」

 

パメラ「そうなのよぉ~だからまたお金をね…」

 

コウキ「は、はぁ…」

 

パメラ「しかし、コウキ君大きくなったわねぇ~あの時のリディーちゃんとスーちゃんみたいに、こんくらい小さかったのに~」

 

コウキ「いや…そんな虫くらいに小さかったですっけ?俺…」

 

パメラ「それで~今日はどうしたのかしら?」

 

コウキ「えっと、それはですね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パメラ「大きな絵を持っていった人~?」

 

コウキ「はい、何か知ってますか?」

 

パメラ「う~ん…ごめんねぇ~わたしはわからないわ~」

 

コウキ「そうですか…じゃあそろそろ俺は帰りますね」

 

パメラ「じゃあねぇ~コウキ君」

 

コウキ「はいー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城前広場

 

コウキ「あれ?もういる!?」

 

リディー「あ、コウちゃん!」

 

スール「あたしたちも今着いたばっかだよー」

 

コウキ「すまん。こっちは情報得られなかったんだけど…」

 

スール「あたしはルーシャのとこ行ったけど、特になにもなかったよ」

 

リディー「私はリアーネさんのとこに話を聞いたら、その人はソレイユ通りにアトリエを構えてるって…ちなみに名前はアルトって言うらしいよ?」

 

コウキ「なんでリアーネさんそんなに詳しいんだろう…」

 

スール「じゃあ、ソレイユ通りでアルトのアトリエを探してみよう!」

 

リディー「うん!…そういえば、アルトってどこかで聞いたような…うーん、どこだっけ…」

 

コウキ「…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソレイユ通り

 

リディー「ん…?」

 

スール「リディー、どうかした?まさか…絵の声が聴こえたとか!?」

 

コウキ「地下室のときも聴こえてたよな?」

 

リディー「…あはは、そうみたい…えっと、こっちの方から聴こえたような…」

 

スール「ふむふむ、ここだね。絵の声が聴こえたってことは、ここに不思議な絵があるのは間違えない…!」

 

スール「よし。…たのもーっ!」

 

コウキ「大丈夫かな…」

 

リディー「あはは…」

 

ガチャ

 

???「…ん?なんだ、君たちか。いつも元気でうらやましいよ、ははは」

 

コウキ「あれ?あのときの!」

 

スール「まさか、あなたがアルト…さん?」

 

???「うん?どこで聞いてきたんだ?…まぁいいか。君の言うとおり、ぼくがアルトだ」

 

アルト「それで…ぼくに何か用かな?」

 

リディー「あ、えっと、アルトさんが大きな絵を見つけてきたって聞いて…」

 

アルト「ああ、これのことか。さすがに運ぶのが大変だったよ」

 

スール「ねぇねぇ、アルトさん。この絵、あたしたちに譲ってくれませんか?」

 

スール「実はこれ、呪われた絵でですね。持ってると崇られてしまうっていう恐ろしい…」

 

コウキ「(さすがスー、嘘つくの上手すぎだろ!)」

 

アルト「ああ、譲るよ」

 

コウキ「そうですか…譲ってくれるん…って、ええ!?」

 

スール「いいの!?本当に!?冗談じゃなくて!?」

 

リディー「どうしてスーちゃんとコウちゃんが驚いてるの…?」

 

スール「だ、だって普通、こんな簡単に譲らないでしょ!あたしなら譲らないもん!」

 

コウキ「俺もだよ?こんな高そうなやつ、売ったらいい金に…」

 

リディー「それはダメ」

 

コウキ「ア、ハイ」

 

スール「コウキってば…どうせお金が欲しいんでしょー?」

 

コウキ「スーには言われたくないんだけどぉ!?」

 

アルト「ふっ、正直だね。もちろん、ぼくもタダで譲ったりしないさ」

 

アルト「絵を譲る条件はひとつ。…ぼくを絵の調査に同行させてくれ」

 

スール「…絵の調査?さて、何のことですかねー…」

 

アルト「しらばっくれても無駄さ、不思議な絵のことも、君たちが絵の調査をしていることもぼくは知っている」

 

アルト「君たちが今度、ぼくを調査に連れて行ってくれるなら、この絵を譲ろうじゃないか。どうかな?」

 

スール「…わかりました。それでいいです。別に、不利なことはないと思うし」

 

アルト「ふふ、助かるよ。この絵を修復するのは面倒だし、いろんな絵の世界に行ってみたかったんだ」

 

アルト「では、この絵はぼくが王城に届けておこう。それじゃあ…」

 

バタン

 

リディー「あはは、よかったね。結構あっさり譲ってもらえて」

 

コウキ「それにあの人実力はありそうだし、一緒にいてくれたら絵の調査も楽になるんじゃないか?」

 

スール「そうだね。じゃあ、修復の準備を進めなきゃ!」

 

リディー「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

画廊

 

アルト「来たね。これがぼくが見つけた絵、『アルフェル大瀑布』だ」

 

ミレイユ「まさか絵を見つけたのがアルトくんだったなんて、早く言ってくれればよかったのに…」

 

アルト「はは、その義務はありませんから。さて、二人とも。早速絵の修復を進めてくれ」

 

アルト「ぼくは修復が終わるまで、ここで待たせてもらおう。ふふ、よろしく頼んだよ」

 

リディー「はい。わかりました!」

 

スール「じゃあリディー、急いで修復するよ!」

 

スール「あ、コウキはみんなを呼んどいて?」

 

コウキ「わかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城前広場

 

ガルド「お、コウキか。王城に用があったのか?」

 

コウキ「師匠!新しい不思議な絵が手に入ったんですけど、師匠も行きませんか?手掛かりがあるかもしれないので…」

 

ガルド「新しい絵?もしかして、誰かが持ち込んだやつか?」

 

コウキ「持ち込んだらしいですよ?名前はアルトさんっていう人です」

 

ガルド「やはりか。そいつとちょっと話がしたくてな、どこにいるかわかるか?」

 

コウキ「王城の画廊にいますよ?」

 

ガルド「おう。わかった」

 

コウキ「(話…?アルトさんのこと何か知ってるのかな…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城

 

ガルド「ミレイユの嬢さん」

 

ミレイユ「あら、ガルドさん?」

 

ガルド「いきなりで悪いんだが…新しい不思議な絵、手に入ったんだろ?行かせてくれてもいいか?」

 

ミレイユ「それは構いませんが…」

 

ガルド「修復は終わってるのか?」

 

ミレイユ「今双子ちゃん達が修復の準備をしてるわ」

 

ガルド「そうか。画廊に行って待ってるか…」

 

ミレイユ「ええ、わかったわ」

 

マティアス「そういえばガルドさん、あの可愛い子は?」

 

ガルド「可愛い子?」

 

マティアス「そうだよ。紫髪で黒い帽子を被った子だよ!」

 

ガルド「ああ…メルサのことか?なんだ?惚れたのか?」

 

マティアス「そうだ!綺麗で美人だったからな!」

 

ガルド「お前はあいつのことそう思ってくれるんだな。でもあいつは35歳だぞ?」

 

マティアス「35歳!?てっきり俺と同じくらいかと…」

 

ミレイユ「そう思ってくれるとはどうゆう…」

 

ガルド「いや、何でもないさ。じゃあな」

 

ガルドは画廊へと向かう。

 

マティアス「だが!35歳でも諦めないぞぉ!」

 

ミレイユ「はいはい。さっさと行け」

 

マティアス「おうよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

画廊

 

ガルド「お前さんがアルトか?」

 

アルト「ん?君は…」

 

ガルド「俺はガルドだ。お前さんの名前はコウキと言う奴から聞いた」

 

アルト「コウキね。ふむ…何か聞きたそうな顔をしているね」

ガルド「あの時のことだ。お前さんを襲おうとした骸骨の魔物は何か言っていなかったか?」

 

アルト「『これがあればあの方を復活』…とか言っていたね」

 

ガルド「…!」

 

アルト「それを聞いてしまってね。そしたら人間だった姿が魔物に変わり…ぼくを襲おうとした…これが君の知りたかった事実だ」

 

ガルド「そうか。感謝する」

 

アルト「君も絵の調査に?」

 

ガルド「ああ。俺は傭兵であって、あの双子の護衛の仕事を頼まれているからな」

 

アルト「そうか。これからは、ぼくも同行するよ。よろしく」

 

ガルド「ああ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スール「アルトさーん。修復の道具作り終わりま…って、ガルドさん!?」

 

ガルド「前回はすまんな。護衛についていけなくて」

 

リディー「大丈夫ですよ!コウちゃんとマティアスさんがいましたし」

 

ガルド「コウキ、やるじゃねぇか」

 

コウキ「あはは…でも師匠がいてくれたら俺も心強いです」

 

ガルド「ああ、任せときな」

 

ルーシャ「またいつものメンバーに戻ってよかったです」

 

マティアス「あれ?オレは褒められないのか?」

 

フィリス「あ、この間の!」

 

ガルド「ん?フィリスのお嬢さんじゃねぇか」

 

コウキ「え、フィリスさん、師匠のこと知ってるんですか?」

 

フィリス「うん!この前私に依頼してきた人だよ」

 

ガルド「あの時は助かった。ありがとな」

 

フィリス「はい!困ったことがあればまたいつでも!」

 

ガルド「ああ、頼りにしてるぜ」

 

アルト「さぁ、早く修復を済ませよう」

 

スール「わっかりましたー!」

 

フィリス「(うーん…やっぱりこの人…どこかで…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルト「へぇ、こんな風に修復するのか、実際に見るのは初めてだな…」

 

アルト「それは後で資料にまとめるとして…これで絵の中に入れるようになったんだろう?」

 

リディー「あ、はい!これでバッチリなはずです」

 

アルト「そうか。なら、一刻も早く絵の世界を見てみたいんだが…」

 

フィリス「むー…」

 

アルト「…ど、どうかしたのかい?そんなに見つめられても困るんだけど」

 

フィリス「うーん…わたしたち、絶対どこかで会ったことあるよね…?」

 

アルト「いや、気のせいじゃないかな…少なくとも、ぼくには覚えがない」

 

フィリス「本当にぃ…?むー…あやしい…」

 

マティアス「こらこら、フィリス嬢、アルトが困ってるだろ、そのへんにしといてやれ」

 

フィリス「はーい…まぁそのうち思い出すだろうし、いいや、ごめんね?そろそろ出発しよう」

 

スー「わっかりましたー!では絵の世界へっ!」



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第二十三話 アンフェル大瀑布 前編

俺達は三つ目の不思議な絵『アンフェル大瀑布』の世界に入った。

 

ルーシャ「あっつーーい!なんなんですか、ここ…いくらなんでも暑すぎますよ…」

 

アルト「まさか、本当に溶岩に満たされた世界だとは。さすがは絵の世界だね」

 

リディー「アルトさんは何だか涼しげですね…私なんて、もう今にも倒れそうですけど…」

 

アルト「ああ、こんなこともあろうかと暑さ対策は万全にしてきてるんだ」

 

マティアス「なっ!ずるいぞ!その厚さ対策、オレにもよこせ!」

 

アルト「お断りだね。渡したら、ぼくが暑くなるじゃないか」

 

ガルド「マティアス、お前も男ならこんな暑さぐらい気合いで耐えろ」

 

マティアス「男だからなのか!?」

 

コウキ「アルトさんも男だと思いますが…」

 

フィリス「あははは、ねぇ、そろそろ先に進まない…?」

 

リディー「そうですねぇ…このままじゃ、焼きリディーになっちゃいそう…」

 

スール「焼けるだけで済めばいいけどね…とにかく、早く調査を終わらせなくっちゃ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先を歩いていると、人らしき人物?がいた。

 

ガルド「あれは…」

 

マティアス「ん、なんだあれ。人…じゃないみたいだが」

 

アルト「妖精や精霊の類いか…?いや、絵の中だから作者の想像の産物…?」

 

スール「まぁ、とりあえず話しかけてみようよ。おーい、そこの君ー。何やってるのー?」

 

???「何やってるって、逃げようとしてるんですよ。…ってええっ、人間さん!?」

 

???「こんなところで何をやってるんです!?は、はやく逃げないと死んじゃいますよ!?」

 

コウキ「なんだって!?」

 

リディー「し、死んじゃう!?どういうこと!?」

 

???「知らないんですか!?奥地に住みついた火竜が暴れて、この辺りの火山が活発化しちゃってるんです!」

 

???「そのせいで、このままじゃ…!ここら一帯が溶岩に飲み込まれちゃうんですよ!」

 

ルーシャ「はあああああああ!?アリ!?そんなのアリなんですか!?」

 

???「知りませんよ!でも、一刻も早く逃げるんです。ここはボクの故郷だけど…逃げるしかないんです!」

 

リディー「どうしよう…!この子の言う通りだったら、この世界、滅びちゃうんじゃ…!」

 

コウキ「助けよう」

 

コウキ「故郷が滅ぶなんてそんなことさせないさ。だから俺達で何とかしよう」

 

スール「確かに故郷がなくなっちゃうなんてかわいそうだし、あたしたちで何とかしよう!」

 

リディー「あはは、コウちゃんとスーちゃんもそう言うと思ってた。…ねぇ、あなた」

 

???「ボクはあなたじゃないです、フーコです!変な呼び方しないでください、人間さん」

 

スール「むっ、じゃああたしたちのことも人間さんなんて呼ばないでよ。あたしはスー。で、こっちはリディ

ーとコウキ」

 

フーコ「スーにリディーにコウキ…ですね。それで、何ですか?ボクは逃げるのに必死なんですけど!」

 

リディー「フーコちゃん。ここがなくなっちゃうの、イヤでしょ?だから、わたしたちがなんとかしてあげる」

 

スール「あたしたちは錬金術士だからね。まぁ、任せといてよ!」

 

コウキ「まぁ俺は違うけど…」

 

フーコ「…れんきんじゅつし?何ですか、それ」

 

コウキ「え」

 

スール「あー、えっと…正義の味方みたいなもんだよ、うん」

 

マティアス「また適当なことを…」

 

フーコ「正義の味方…!コウキとリディーとスーは、正義の味方だったんですね!」

 

フーコ「わかりました!それならぜひお願いします!ただ、口だけなのは許しません。ボクもついて行きます」

 

フーコ「もしどうしようもないようなら…ふふ。一緒に溶岩の海に…ふふふふふ…」

 

コウキ「おっとそれは怖い…何とかしないとな」

 

リディー「うっ…わかったよ。絶対そんなことにはさせないから、安心して?」

 

スール「よし。まずは辺りを調べてみないとね…とりあえず先に進んでみよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フィリス「えへへ、フーコちゃーん♪」

 

フーコ「何ですか、フィリスー♪」

 

フィリスさんとフーコが当然のように仲良く話をしていた。

 

コウキ「フィリスさんいつの間に…」

 

リディー「そうだね…いつの間にかフーコちゃんと仲良くなってる…」

 

スール「うーん。ある意味才能だよね、アレ…で、こっちはこっちで…」

 

スーはアルトさんの方をジト目で見る。

 

アルト「絵の中に意志疎通が可能な存在がいるとはね。錬金生物の一種と言えるのか?ふむ、興味深い…」

 

スール「アルトさーん。フーコのこと、解剖しないでくださいよー…?」

 

アルト「え?あ、ああ、もちろんわかってるとも」

 

スール「ホントかなぁ。…あ、フーコ。お腹空いてない?お菓子食べる?」

 

フーコ「お菓子…?お菓子ってなんですか?」

 

コウキ「やっぱり絵の中の子は外の世界を知らないのか?」

 

リディー「そうだね、うーん…」

 

スール「お菓子っていうのは…いや、試した方が早いよね。はい、フーコ。食べてごらん」

 

スーがお菓子を渡す。

 

フーコ「すんすん…。これ、本当に食べるものなんですか…?いただきます…」

 

フーコがお菓子を食べだす。

 

フーコ「ん…んん!んんんんんん!!!おーいしーい!!」

 

フーコ「美味しい!お菓子、美味しいです!もっともっと!あるだけください!!」

 

すると、あまりの美味しさにフーコがスーの裾を引っ張りだす。

 

スール「うわっ、わぁっ!!あ、あげるから引っ張らないでっ!」

 

リディー「すっかり懐いちゃったみたい。ふふっ、喜んでくれてるみたいでよかった」

 

アルト「絵の中の存在が物を食べるとどうなるのだろう。そのまま栄養になるのか?それとも…うーむ」

 

マティアス「…研究熱心も大概にしとけよー?」

 

ガルド「ドラゴン退治なんていつぶりだろうな」

 

コウキ「師匠何か楽しそうですね…」

 

フィリス「あはは!ほんと賑やかで、昔を思い出しちゃうや、ふふっ、楽しいなぁ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガルド「なぁ、フーコのお嬢ちゃん」

 

フーコ「なんでしょう?おじいさん」

 

ガルド「お嬢ちゃんはここが故郷ってことはここで住んでるってことだろ?」

 

フーコ「はい、そうですよ?」

 

ガルド「ふむ…ヒナと同じか」

 

スール「え?ヒナって?」

 

ガルド「俺とある友人たちと不思議な絵のざわめきの森の調査に行ったら、ヒナという女の子と会ってな。その子も絵の中の世界で暮らしているって言っていてな」

 

リディー「その調査のために一旦私達から離れたんですか?」

 

ガルド「すまん…これからはきちんと仕事を果たすさ」

 

マティアス「ガルドさんのそれのことで気になっていたが…何でまた調査しに行ったんだ?あそこはもう調べただろ?」

 

ガルド「話すと長くなるが…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リディー「ええ!?あの神話で出てきた悪い神様がふたたび復活しようとしているんですか!?」

 

マティアス「その残党達がメルヴェイユの近くにいるだと!?」

 

アルト「残党達が狙っている不思議な絵には、なにか力があるのか…?ふむ…」

 

スール「え、え?どうゆうこと?」

 

リディー「スーちゃん。それはねコショコショコショ…だよ」

 

スール「なるほどねーってええー!?それほんとなの!?」

 

ガルド「まぁ、この話はあとにして…今はドラゴンだ。ドラゴン」

 

コウキ「ん?」

 

ルーシャ「どうしたんです?コウキ」

 

コウキ「今、溶岩の海になにかが…」

 

マティアス「ん?なにもいねぇぞ?」

 

俺は溶岩の海を泳いでるなにか?を見た。

 

フィリス「なにかいたの?」

 

コウキ「(なんだったんだあれ…巨大な魚か…?)」

 

コウキ「いや…気のせいでした」

 

フーコ「みなさん、火竜がいるところまでもう少しです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フーコ「…ごくり。いいですか、みんな。そろそろ火竜のすみかですよ!」

 

マティアス「なぁ、フーコ。その火竜ってのは、どんなヤツなんだ?」

 

コウキ「あ、それ俺も気になる」

 

フーコ「そうですね。まずすっごく大きいです!フーコなんて一呑みにされちゃいそうなくらい!」

 

フーコ「あと、とても凶暴ですぐに火を吐きます!火をまともに浴びたら髪の毛がちりちりになります!」

 

マティアス「…最後のせいで、イマイチすごさが伝わらないな」

 

コウキ「そうですね…あはは」

 

フーコ「…あいつが来るまで、みんな仲良く暮らしてたのに。あいつが暴れるせいで、火山が…ぐすっ…」

 

リディー「フーコちゃん…大丈夫だよ。私たちがこの世界を守るから!」

 

フーコ「…ありがとうございます!一から十まで、頼りにさせてもらいますね!」

 

コウキ「さて、火竜をどうしようか…」

 

リディー「とりあいず、火竜にここから出て行ってもらう?」

 

スール「それでもいいけど、単純に倒しちゃった方がいいかも」

 

ガルド「ドラゴンは簡単に出ていくかわからないぞ?」

 

フィリス「…そうですね…追い払うか、倒しちゃうか。今のところ、そのふたつしか思いつかないかな」

 

ルーシャ「まぁ、どうするかは任せます。好きな方法を取ってくださいな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴトン…

 

コウキ「え?」

 

ガルド「どうしたんだコウキ」

 

コウキ「今なにか地面から音しませんでした?」

 

スール「もうコウキったらさっきからどったの?おかしいよ?」

 

コウキ「ごめん。やっぱり気のせいだったかな…」

 

リディー「…?」

 

アルト「ふむ…」

 

マティアス「なんだよアルトなにかわかったような顔しやがって」

 

アルト「いや?この先よくないことが起きなければいいね」

 

マティアス「そうゆうこと言うなよ…怖くなるだろうが…」

 

ルーシャ「まぁとりあいず先へ急ぎましょうよ。フーコちゃんが…」

 

フーコ「むー…コウキ早くしてください!」

 

コウキ「あ…ごめんな!フーコ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネストの空き家

 

メルサ「ガルドったら明日また行こうとか言ったのに」

 

ネスト「仕方ないっすよ。おっさんは護衛の仕事を任されてるんだからな」

 

メルサ「まぁ、そうだね。じゃあ今からミレイユさんに頼んで不思議な絵、水晶のなんちゃらなんちゃらってとこに調査に行こう!」

 

ネスト「輝窟な」

 

メルサ「そうだったね。いやー二人きりだよ?ネ・ス・トくん?」

 

ネスト「だからなんだよ」

 

メルサ「あたしに、なにかあったら守ってくれますかね?」

 

ネスト「魔法使い(最強(笑))だから大丈夫だろ」

 

メルサ「あー!笑ったなー?もう許さないんだから!」

 

ネスト「へっ!ほら王城に急ぐっすよ」



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第二十四話 アンフェル大瀑布 中編

ヒナ

??歳

身長134cm

職業 ??

絵画の世界、ざわめきの森に暮らす少女。
冷静でおとなしい性格で、お化けたちの面倒を見ており、彼らからは様付けで呼ばれている。相手の心を読むことができ、その相手の過去も一瞬でわかる能力を持つ。左目に眼帯をつけている。その理由はその目を見てしまうと、どんな者だろうと心臓発作を起こし、死に至ってしまう。
過去にその力のせいでたくさんの人を殺めてしまった。


フーコ「…いました。火竜です!ここからならゆっくり観察できるはずですよ」

 

スール「うわぁ、思ってたより大きいや…あれを倒すのは苦労しそうだなぁ…」

 

ガルド「そうか?やってみないとわからな…」

 

マティアス「いやいや!危ないから!」

 

コウキ「そうですよ師匠…ここは絵画の世界ですし…あんな未知の生物を相手にするなんて、いくらなんでも危険ですよ」

 

ガルド「まぁ、そうだな…別の方法を考えるしかないな」

 

フーコ「かいが…?それってなんでしょう?」

 

コウキ「いや、何でもないよ!」

 

リディー「うーん。せめて、どうして暴れているのかわかればなぁ…」

 

スール「暴れてる理由、か。リディーはどんなときに暴れたくなる?」

 

コウキ「(ええ…それ聞いちゃうの!?)」

 

リディー「え、私…?そうだなぁ。…お父さんがお金を無駄使いしたときとか?」

 

コウキ「(ロジェさんのことか…)」

 

スール「それはあたしもだけどさ。他には…お腹が空いてるときとか、かな」

 

フィリス「あーわかるわかる!…もしかしたら、火竜もお腹が空いてるのかも!」

 

コウキ「ガタッ」

 

ルーシャ「コウキどうしたんです?そんな青ざめた顔してらしくないですよ?」

 

コウキ「いや!何でもないよー!(あのときの飯抜きはやばいよましで…俺の金があっという間にぶっ飛んだからな…)」

 

アルト「…フーコ。あの竜が普段、何を食べてるかわかるかい?」

 

フーコ「そうですね…そこら辺の石を食べてるのは見たことがありますが…」

 

ガルド「肉じゃないのか?」

 

フーコ「肉も食べると思いますが…石を食べてるとこしか…」

 

リディー「ふむふむ。火竜は石を食べるんだね。だったら、石をたくさんあげてお腹いっぱいにすれば…」

 

スール「うん!満足して、どこかに行ってくれるかも!」

 

フーコ「なるほど…では、ボクもちょっと頑張ります!石を集めたらボクに渡してください」

 

フーコ「ささっと石をアイツの前にばらまいてきますから!ボク、逃げ足にだけは自信があるんです!」

 

リディー「うん、ならお願いするね。私たちは石を集めてくるから、ちょっと待っててね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フィリス「ふっふっふ…」

 

ルーシャ「フィリスさん…?」

 

フィリス「あ、つい、よだれが…」

 

スール「フィリスさん…石を食べ物だと思ってたり!?」

 

フィリス「えー!?そ、そんなことないよー!」

 

ガルド「お嬢さんは面白いな!今度とびっきり美味しい肉を食わせてやるよ」

 

フィリス「ほんとうですかー!?やったー!」

 

ガサゴソガサゴソ…バァン!

 

マティアス「なんだこれ!爆発したぞ!」

 

アルト「それは触れると爆発する石か?さすがは絵の世界だね」

 

コウキ「小さい爆発でよかったですね」

 

マティアス「びっくりしたぞ…」

 

リディー「あはは…フーコちゃん。これでどう?」

 

フーコ「うわぁ、石がこんなにたくさん…!じゃあ、ひとっ走り行ってきますっ!」

 

フーコが火竜のすみかに入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フーコ「ふふふ、思いっきりばらまいて全力で逃げてきました!それで、火竜は…!?」

 

火竜「ギャオオオオオオン!!」

 

フィリス「あれ?元気いっぱい…?」

 

スール「それがですね…石を食べたら、逆に元気になっちゃったみたいで…」

 

コウキ「わーお…」

 

リディー「うう、ごめんねフーコちゃん。完全に作戦失敗だよ…」

 

フーコ「い、いえ、気にしないでください。失敗は誰にでもありますから!」

 

アルト「ああ、フーコの言う通りだ。錬金術でも何でも、失敗は成功の元。…そうだろ?」

 

リディー「…はいっ!じゃあ早速、次の作戦を」

 

ガルド「よし、倒すか?」

 

マティアス「どうしてそうなるんだ!?」

 

リディー「ダメです!ガルドさん!」

 

ガルド「どうしてだ?」

 

リディー「嫌がらせをしてみましょう!」

 

ルーシャ「嫌がらせとは具体的にどうゆう…」

 

リディー「火竜って言うくらいだし、火が好きなはず。だったら逆に、冷たいものをぶつけてみるんです!」

 

ガルド「まぁそうだな」

 

スール「ああ、なるほど。甘党の人に辛い物をあげる…みたいなものだね!」

 

リディー「んーまぁ、だいたいそんな感じで。とにかく嫌がらせをして、ここから出て行ってもらうんです」

 

コウキ「さすがリディー、冴えてるな」

 

ガルド「そうだな。その作戦でいこうとするかね…ほんとは戦ってみたかったがな」

 

フーコ「リディー、すごいです!こんなにぽんぽん作戦を思いつくなんて…」

 

フーコ「では、その役目はまたフーコにお任せください!絶対、執拗な嫌がらせをしてみせますのでっ!」

 

マティアス「スー、なにかありそうか?」

 

スール「冷たいもの…冷たいもの…これならどうかな?」

 

スーが取り出した物はレヘルンだった。

 

フーコ「おお、今度はひんやりしてます…!それでは…嫌がらせをしてきますねっ!」

 

ふたたびフーコが火竜のすみかに入る。

 

フーコ「喰らえ、火竜ー!フーコうるとらすーぱーひえひえアターック!」

 

コウキ「(ええ…なにその技…)」

 

火竜「ギャオオオオオオオオオン!」

 

フーコ「はぁはぁ…一目散に逃げて来ましたが…どうでした?」

 

フィリス「うーん。嫌がってはいたみたいだね。ただ…」

 

アルト「ああ、威力が足りてない。もっと強力な冷気をぶつければ、あるいは…」

 

スール「うーん、もっと強力な冷気かぁ。いい道具、考えてみないとねぇ…」

 

フーコ「…みんな。ボクはみんなのことを信じてます」

 

フーコ「もっと冷たい道具ができたら、またボクに渡してください。…お願いします!」

 

リディー「うん。フーコちゃんの故郷は絶対に守ってみせるよ。そのためにも…頑張ろうね、スーちゃん!」

 

スール「うん、じゃあ一旦アトリエに…」

 

コウキ「俺らはここで待ってるよ。なるべく急いでな?」

 

リディー「うん!皆さん、待っててください!」

 

マティアス「御安いご用だ。急げよ」

 

アルト「ぼくも待ってるよ。なるべく早く来るんだよ」

 

ガルド「気をつけろよ、お嬢さんたち」

 

ルーシャ「わたしも一旦戻りますね。さすがに二人だけじゃ危ないですからね」

 

フィリス「ルーシャちゃん。頼めるかな?」

 

ルーシャ「はい!任せてください」

 

コウキ「頼むぞ、ルーシャ」

 

ルーシャ「おっーほっほっほ!言われなくてもわかってます!ほら行きますよ二人とも!」

 

スール「あ、うん。じゃあ、みんなー!また来るから!」

 

リディーとスールとルーシャは来た道を戻っていく。

 

コウキ「フィリスさんは行かなくてよかったんですか?」

 

フィリス「あの三人なら…大丈夫だよ!」

 

コウキ「ははは、そうですね!」

 

マティアス「とりあいず火竜に見つからないよう物陰に隠れようぜ」

 

アルト「そうだね。フーコも隠れるんだ」

 

フーコ「はーい!」

 

ガルド「お前ら、水だ。たくさん飲めよ」

 

フィリス「はーい!いただきまーす!」

 

マティアス「すげー勢いで飲んでるな…さすがフィリス嬢…」

 

コウキ「汗びっしょりだ…はやく風呂入りたい…」

 

アルト「みんな、こんなこともあろうかと食べ物を持ってきた。食べようか?」

 

フィリス「はいはーい!食べまーす!」

 

マティアス「フィリス嬢、オレ達のも残してくれよ!?」

 

フィリス「ふふーん!わかってまーす!」

 

マティアス「わかってるか心配だぞ…」

 

ガルド「俺も持ってるぞ。さぁ腹いっぱい食え」

 

コウキ「師匠!いただきますね!ほらフーコも食えよ」

 

フーコ「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フィリス「ふぅ…ごちそうさまでしたー!」

 

コウキ「ほとんどフィリスさんが食べましたがね…」

 

ガルド「まだ残ってるから大丈夫だ」

 

フィリス「ほんとー!?いただいてもー!?」

 

ガルド「こらこら、フィリスのお嬢さん、まだ残しておこうぜ?なにかあった時のためにな?」

 

フィリス「あ、はーい!すみません…あはは」

 

アルト「さて、三人はまだかな」

 

マティアス「そうだな…早くこねぇかな…」

 

フーコ「フーコは信じてますからね!」

 

ゴゴゴゴゴゴゴ…

 

コウキ「ん!?」

 

アルト「…!」

 

フーコ「んん?」

 

マティアス「なんだ?地面の下からなにか音が…」

 

ガルド「………ん?」

 

ガルド「…っ!フィリス!危ない!」

 

ガルドはフィリスを軽く前に吹き飛ばす。

 

フィリス「きゃ…ガルドさん…!?」

 

ドォォォォォォン!

 

地面から出てきたのは巨大な魚。巨大な魚は口からマグマをガルド向け吐いた。

 

ズドォォォォォン!

 

フーコ「あれは…!」

 

フィリス「ガルドさん!!!」

 

ガルド「………っ」

 

フィリス「…!」

 

ガルド「くっ…」

 

魔物「ウオオオオオオオ!!!」

 

魔物はガルドに攻撃を仕掛けようとする。

 

マティアス「させないぞ!」

 

アルト「思い通りにはさせないよ、フーコ、隠れてろ」

 

フーコ「は、はい!」

 

コウキ「フィリスさん!師匠を安全なところに…!」

 

フィリス「うん…!わかった!」

 

ガルド「なに…してる…お嬢さんも…火傷するぞ…!」

 

フィリス「それでも…!わたしはあなたを助けます…!」

 

ガルド「………!」

 

魔物「グオオオオオ!!」

 

魔物が尻尾でなぎはらうとする。

 

コウキ「くっ!」

 

剣で尻尾攻撃を防ぐ。

 

コウキ「あつ…!」

 

アルト「裂けれ!」

 

アルトは魔法の無数の剣を出し、魔物に突き刺さる。

 

魔物「ギャオオオオオオオ!?」

 

マティアス「よし!今だ!おらぁ!」

 

魔物「グオオオオオ!?」

 

魔物は怯み、地面に潜りだした。

 

コウキ「潜った!?」

 

アルト「焦るな、あたりを警戒しろ」

 

マティアス「どこからでてくる…!?」

 

フィリス「くぅ…!」

 

ガルド「フィリス…」

 

フィリス「大丈夫です…!平気ですから!」

 

ゴゴゴゴゴゴゴ…

 

マティアス「まずい!フィリス嬢のとこにいってるぞ!」

 

アルト「…!」

 

コウキ「フィリスさん!」

 

フィリス「え…!?」

 

ガルド「くっ!」

 

ガルドはフィリスを離した。

 

ガルド「ふっ…」

 

フィリス「え…!?」

 

ドォォォォォン

 

ガルドの地面の下から魔物が飛び出す。

 

ガルド「ぐお…!」

 

フィリス「ガルドさぁぁぁぁぁんんん!!!」

 

ガルド「…くらえ」

 

ガルドは空中にふっ飛んだまま、大剣を出し、魔物の体に突き刺した。

 

魔物「ギャルルルルルルルル!?」

 

ガルド「散れ…!」

 

剣が光だす。

 

魔物「ギャアアアアアアアア!!」

 

魔物の体は光に包まれ、光のように消えていった。

 

マティアス「なっ!?消えた!?」

 

ドサッ

 

フィリス「ガルドさん!」

 

フィリスがガルドのに近づき、ガルドの頬に手を触れる。

 

フィリス「ごめんなさい…ガルドさん…」

 

フィリスの涙がガルドの頬に当たる。

 

ガルド「泣くな…フィリスらしくないぞ…」

 

ガルドはフィリスの涙を手で拭う。

 

フィリス「…!」

 

ガルド「傭兵は人を守るのが仕事だ…まだ俺は死なないさ…」

 

マティアス「一旦元の世界に戻ろう。ガルドさんを運ぶぞ!アルト、コウキ、お前らもだ!」

 

コウキ「あ、はい!」

 

アルト「わかったよ」

 

フィリス「わたしも…!」

 

マティアス「いや、フィリス嬢はここで待っててくれ。火竜のこともあるし、フーコのこともあるしな」

 

フィリス「はい…」

 

フーコ「フィリス…」

 

マティアスとアルトは負傷したガルドを運び、コウキはその護衛をする。

 

マティアス「じゃあ、行ってくる」

 

コウキ「フィリスさん!フーコ!リディー達が来るまで待っててください!」

 

フィリス「うん…」

 

フーコ「わかりました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フィリス「ねぇ…フーコちゃん…ガルドさん大丈夫かな…」

 

フーコ「フィリス…無事かどうかは信じるしかありません…」

 

フィリス「そうだね…わたしのせいで…」

 

フーコ「フィリス…」

 

フィリスは座りながら顔を隠し、落ち込む。

 

フィリス「ガルドさん…」

 

その後、リディー達がやってきて、さっき起きたことを話した。



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第二十五話 アンフェル大瀑布 後編

巨大が魚の攻撃からフィリスを庇い、負傷したガルドはマティアス達に運ばれ、一旦元の世界に戻ることにした。

 

リディー「そう…だったんですね…」

 

スール「あたしたちがいない間にそんなことが…」

 

ルーシャ「コウキが気にしてた音はやはり魔物でしたか…」

 

フィリス「うん…それで火竜を追い払う道具は…?」

 

スール「はい!あたしたちが考えた、火竜を追い払うための切り札です!ほらフーコ!」

 

リディー「それさえあれば、きっと火竜も…!フーコちゃん、お願い!」

 

フーコ「…わかりました。それでは、行ってきますっ!!」

 

ルーシャ「フーコ、頑張ってください!」

 

フーコがふたたび火竜のすみかに入る。

 

フーコ「か、かかかか、火竜!!ここはボクたちの故郷…。お前の好きにはさせません!」

 

フーコ「みんなの思いが詰まったこの道具で…!この場所から…出ていけぇぇぇ!!」

 

道具からとてつもない冷気が火竜に放たれる。

 

火竜「ギャオオオオオオオオオ…!!」

すると火竜はどこかへと飛びさっていった。

 

ルーシャ「おお?やりましたよ!?」

 

リディー「やったよ、フーコちゃん!火竜、どこかに行ってくれたよ!」

 

スール「うん!あたしたちの作った道具、役に立ってよかった。おめでとう、フーコ!!」

 

フーコ「うう…これで、ボクの故郷は守られました…!」

 

フーコ「ありがとうございます…!二人はボクの…ボクたちの故郷の救世主です!」

 

リディー「ちょっと…救世主だなんて大げさだよー…」

 

フィリス「フーコちゃんの故郷を守るんだって頑張ってた二人、かっこよかったよ。二人は間違いなく救世主だよ」

 

スール「そ、そうですか…?救世主かぁ…何だかくすぐったい…」

 

フーコ「ふふふ…救世主の二人にボクからの贈り物です!ボクの宝物…ぜひ持っていってください!」

 

リディー「あ、これ…!色は違うけど、あの石みたい」

 

スール「うん。これでみっつ目。…フーコ、素敵な贈り物、ありがとね」

 

ルーシャ「調査もこれくらい済ませれば十分でしょう。そろそろ戻りませんか?」

 

フィリス「そうだね。今度の世界も、とっても楽しか…あ…」

 

フィリス「(楽しくなんか…ないよね…だって…)」

 

フーコ「あ、みんないなくなっちゃうんですか…?…ボク、ちょっと寂しいです」

 

スール「あはは、大丈夫だよ、フーコ。あたしたちの、また絶対遊びに来るからさ!」

 

フーコ「本当ですか!?…絶対ですよ!お約束ですよ!?」

 

リディー「うん、約束。それじゃあ、フーコちゃん。またねっ!」

 

フーコ「フィリス」

 

フィリス「ん?」

 

フーコ「元気だしてください!そうでなくちゃおじいさんに申し訳ないですよ!」

 

フィリス「うん…ありがとねフーコちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マティアス「へぇーやるじゃねぇか。滅び行く世界を救ったんだな、フーコが言ってたように二人は間違いなく『救世主』だと思うぜ」

 

スール「だから救世主とかくすぐったいよー!」

 

フィリス「マティアスさん!アルトさん!ガルドさんは大丈夫なんですか!?」

 

マティアス「大丈夫だ。一応、一命をとりとめたぜ」

 

アルト「だけど、全身打撲、火傷をしてしまってね。回復はそんなに早くないと思う。今はコウキとミレイユさんが見舞いに行ってるよ」

 

フィリス「わかりました!マティアスさん、案内をお願いできますか…?」

 

マティアス「おう、こっちだ。てかフィリス嬢、手を見してみろ」

 

フィリス「ん…?」

 

マティアス「手、火傷してるじゃねぇか」

 

フィリス「これぐらい大丈夫です!」

 

マティアス「いや、包帯巻くから、待ってろよ」

 

フィリス「はい、すみません…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マティアス「これでよし。フィリス嬢、こっちだ」

 

フィリス「わかりました」

 

二人は医務室に行った。

 

アルト「………」

 

ルーシャ「ガルドさん大丈夫ですかね…ではわたしはこれで失礼します」

 

リディー「うん、またね!ルーちゃん」

 

ルーシャ「ええ、では…」

 

ルーシャは王城を出る。

 

スール「ガルドさん…大丈夫かな…」

 

リディー「そうだね…無事だといいけど…」

 

アルト「二人とも。絵の世界はとても面白かったよ。まぁ途中で帰ってしまったけど。でも君たちのことも、見ていて楽しかった」

 

スール「えっ?あたしたちを見てて楽しかった…?」

 

アルト「ああ、苦境に立たされても屈することなく前を向く姿。そして、他者を思いやる姿勢…」

 

アルト「まだまだ未熟ではあるけど…錬金術士として必要な物は備えているみたいだね」

 

リディー「はぁ…褒められてる…のかな」

 

アルト「ああ、ぼくが、ここまで人を褒めるのは珍しい。よければ、これからもよろしく頼むよ」

 

アルト「ぼくにできることなら、いつでも手を貸そう。もちろん、絵の調査以外でも、ね」

 

リディー「わぁ、いいんですか…!?えへへ、すっごいありがたいです!」

 

アルト「いや、構わないよ。常に同行していれば、君たちのことをたくさん観察できるしね」

 

スール「え…か、観察…?乙女を観察しようだなんて…アルトさんのすけべっ!」

 

アルト「なっ!べ、別にそういうわけじゃない!ただ、ぼくは…!」

 

リディー「はぁ、アルトさんもすけべだったなんて…男の人って、どうしてみんな…」

 

二人は立ち去る。

 

アルト「だから違っ…!おい、話を聞け!君たちっ!!おいっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城内医務室前

 

マティアス「ここだ」

 

フィリス「案内ありがとうございました。マティアスさん」

 

マティアス「フィリス嬢」

 

フィリス「ん?」

 

マティアス「あまり気にすんな。ガルドさんはごっついからな。あんな程度じゃ死なないさ。んじゃ」

 

フィリス「(マティアスさん…)」

 

ガチャ

 

フィリス「あのー…」

 

ミレイユ「あら、フィリスちゃん」

 

コウキ「フィリスさん!」

 

フィリス「ガルドさんは大丈夫そうですか?」

 

ミレイユ「ええ、大丈夫よ。一命はとりとめたけど、ここまでやられたら…回復は遅いでしょうね…」

 

フィリス「そうですか…」

 

ミレイユ「さて、コウキ君行くわよ」

 

コウキ「え?」

 

するとミレイユさんが俺の耳に小声で言う。

 

ミレイユ「フィリスちゃんとガルドさんの二人きりにさせてあげましょ?二人でなにかあったみたいだしね…」

 

コウキ「そうですね…フィリスさん、俺達はこれで…」

 

フィリス「あ、うん!またね…」

 

ミレイユ「フィリスちゃん、ごゆっくりねー」

 

バタン

 

コウキとミレイユは医務室を出る。

 

フィリス「………」

 

ガルドが寝ている近くの椅子に座る。

 

フィリス「…!?」

 

驚いたフィリスが見たのは左腕がないガルドの姿だった。

 

フィリス「あのとき…わたしを庇って左腕を…!?」

 

フィリス「(嫌だ…そんなの…わたしのせいで…!)」

 

ガルド「ん?これは昔、魔物に斬られたやつだ」

 

フィリス「ぴぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

ガルド「随分な叫びようだな。フィリス」

 

フィリス「びっくりしましたよー!もう…」

 

ガルド「ははは…義手をしてたんだが、火を浴びてしまったからな…それでめちゃくちゃな状態になってしまってな。今腕のいい職人さんに修理中ってわけだ」

 

フィリス「てっきりあの時、わたしを庇って失ったのかと思いましたよ…」

 

ガルド「しかし王城に医務室があるだなんてびっくりしたよな」

 

フィリス「そうですね、わたしもまさか王城にあるとは思いもしませんでした!」

 

ガルド「お、フィリス、戻ってきたか」

 

フィリス「え?」

 

ガルド「さっきまでは死んだ魚の目してたのによ。今のほうがお似合いだ」

 

フィリス「えぇ!?死んだ魚の目とかひどい!」

 

ガルド「冗談だ。まぁ、そのまま綺麗なフィリスでいてくれよ」

 

フィリス「はい…!」

 

ガルド「そうだ…今回の絵の調査は楽しかったか?」

 

フィリス「え…えーと…楽しかったのかな…?うーん…」

 

ガルド「初めてフィリスと会ったとき、旅がするのが好きとか言ってたよな。それはなんでだ?」

 

フィリス「外の世界を見たかったんです。わたしの故郷は外に出ることは許されず、限られた人にしか外に出ることはできなかったんです…それで錬金術に出会い、おかげで無事、公認試験にも受かって…外に出ることを許されたんです」

  

ガルド「そうか、ならばせめて、次はもっと楽しい旅をできるようにしようぜ」

 

フィリス「…?」

 

ガルド「あのときの不思議な絵の調査…冒険してほんとうに楽しかったか?だったら次は楽しい思いをして旅していこうぜ。な?」

 

フィリス「…はい!えへへ…!」

 

フィリス「………っ」

 

ガルド「ん…!?」

 

フィリス「じゃあガルドさん!今度は一緒に楽しい旅!しましょうね!約束ですよ!」

 

ガルド「ああ…もちろん」

 

フィリス「じゃあ、また明日見舞いにきますからね!」

 

バタン…

 

ガルド「なんだ、あいつは…ははは、そうゆうのは若い奴にしとけよ…」

 

ガルドは眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フィリス「~♪」

 

マティアス「フィリス嬢。元気そうだな」

 

フィリス「あ!マティアスさん!」

 

ミレイユ「ふふっフィリスちゃん。これ次の試験要項よ。確認していってね」

 

フィリス「はい!次も頑張りますね!では!」

 

フィリスは王城を出た。

 

ミレイユ「元気そうでよかったわ」

 

マティアス「そうだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リアーネ「フィリスちゃん」

 

フィリス「リア姉!ずっと待ってたの?」

 

リアーネ「ええ、はやく帰りましょ?」

 

フィリス「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マティアス「それで姉貴…」

 

ミレイユ「なにかしら?」

 

マティアス「装置の分析結果が出たみたいだぜ」

 

ミレイユ「ありがとう、見せてもらえる?…あちゃー、これは酷いわね」

 

マティアス「ああ、困ったな…これじゃあ、思ってたより早く…」

 

ミレイユ「ええ、何かしら対応を考えなくちゃね…。あー、頭いたーい…」

 

マティアス「ああ…。こっちの世界にも『救世主』ってのが現れないもんかねぇ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「ねぇ、今みんなはなにしてるんだろうね」

 

???「ふふっ…みんな元気にしてると思いますよ」

 

???「そうだね!じゃあ、ここからずっと北に出発だよ!」

 

???「ええ、行きましょうか」



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第二十六話 輝窟に目覚める魔物の王

これはコウキ達が不思議な絵、アンフェル大瀑布の調査に行ったあとの、ネストとメルサのお話。


ネスト「ミレイユさん」

 

ミレイユ「あら?ネストさんとメルサさん」

 

メルサ「絵の調査に行ってもよろしいでしょうか」

 

ミレイユ「調査に行くのは構わないわ。でもどうして?」

 

ネスト「信じてくれるかどうかはわかりませんが…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミレイユ「あの神話で出てきた神が…またこの世に?」

 

ネスト「はい。でもこれはあくまで予想っす。残党達がいるということはまた復活の儀式をしてる可能性が」

 

メルサ「どうして不思議な絵を狙っているんだろうね?」

 

ネスト「そこなんすよねー」

 

ミレイユ「まぁ、こちらも色々と対応しておくわ」

 

メルサ「え、そんな簡単に信じてもいいの?」

 

ミレイユ「この王国の危機なら、なおさらよ」

 

ネスト「わかりました、では…」

 

二人は画廊に向かう。

 

ミレイユ「ファルギオルのこともあるし…そしてあの神話の神もねぇ…はぁ…頭がいたくなってきたわね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メルサ「あらら、今度は寒いところだね」

 

ネスト「まぁ、先に進むすっよ」

 

しばらく歩いて10分後…

 

メルサ「ヒナちゃん不足になってきた」

 

ネスト「なんだそれは…」

 

ゴゴゴコゴゴゴゴゴゴ…

 

ネスト「ん?なんだ?」

 

地面が揺れている。

 

メルサ「地震かな?」

 

ドォォォォォォンンンン!

 

???「とうっ!」

 

ネスト「………」

 

メルサ「………」

 

???「ん?人間かね?」

 

地面から出てきたのは全身が氷でできた人間だった。

いやこれは人間と言えるのだろうか。

 

ネスト「魔物が現れた」

 

メルサ「よーし、灼熱魔法で倒しちゃおうかな」

 

???「待て待て!わたしは魔物ではない!」

 

???「わたしの名はアイスマン!この地に生きる者だ!」

 

ネスト「アイスマン?」

 

メルサ「あ、もしかしてヒナちゃんと同じく、絵画の世界の人じゃない?」

 

ネスト「あーなるほどね~」

 

アイスマン「それで人間のお二人はどうしてこんなところに?こんなところにいるとドラゴンに襲われるぞ?」

 

メルサ「ドラゴンいるのー!?早く会いたいー!」

 

ネスト「聞きたいことがあるっす」

 

アイスマン「うむ!言ってみるがいい!」

 

ネスト「あんたは何者っすか?」

 

メルサ「みた感じ氷人間だよね?」

 

アイスマン「そう、わたしの体は氷で出来ている!この輝きは素晴らしいだろう!?」

 

メルサ「まぁ、うん。輝いていて綺麗だね」

 

アイスマン「だろう!?」

 

ネスト「アイスマンはここの何かを知ってないかっすか?」

 

アイスマン「何かとは?」

 

メルサ「なんか凄い力を感じる物とか持ってるっすか」

 

アイスマン「凄い力…?すまない。ここには何もないと思うぞ」

 

メルサ「まぁ、だよねー」

 

ネスト「ふーむ…」

 

アイスマン「そういえば二人の名前を聞いていなかったな」

 

メルサ「あたしはメルサだよー。で、こっちはネスト」

 

ネスト「ああ、よろしく頼むっす」

 

ギャルルルルルルルルル…

 

魔物の咆哮?が聞こえた。

 

メルサ「ん?なになに、ドラゴンかー?」

 

アイスマン「む…!?奴が目覚めたのか…!?」

 

ネスト「おい、なんだあれ!」

 

指を座した方向を見ると、まわりが氷で出来ている巨大な機械のような魔物がこちらに向け、もの凄い速さで走行してきている。

 

メルサ「ちょっと!なにあれ!」

 

アイスマン「ここにいたら潰される!離れるぞ!」

 

するとアイスマンは空を飛ぶ。

 

メルサ「よいしょっと」

 

メルサも箒で空を飛ぶ。

 

アイスマン「ほう…メルサも空を飛べるのか」

 

メルサ「まぁ、魔法使いだからね」

 

アイスマン「まほうつかい…?よくわからないが…。いいだろう!わたしについてこい!」

 

メルサ「ほらネスト、乗りなよ」

 

ネスト「おう…」

 

メルサ「そういえばネストとこうやって二人乗りするのって久しぶりだね」

 

ネスト「そ、そうっすね…」

 

確かにメルサと二人乗りしたのは久しぶりだ。

でもなぜだろう、オレの心臓がドキドキしているのだ。

メルサの髪はふぁさっと舞い、そこから心地よい香りがする。

何かしらのシャンプーの香りだろうか。

 

メルサ「どうしたの?顔が赤いよ?」

 

ネスト「いいやー!?別にー!?」

 

アイスマン「ここまでくれば大丈夫だろう」

 

ギャルルルルルルルル!!!

 

走行してきた魔物はその場を通りすぎた。

 

アイスマン「いったな…ふぅ」

 

メルサ「ねぇ、あれはなんなの?」

 

ネスト「みるかぎり魔物だろ?あれ」

 

アイスマン「いや、あれは魔物の王である…『魔王』だ」

 

メルサ「ま、魔王!?」

 

ネスト「魔王って…オレたちが昔倒したやつっすよね!?」

 

メルサ「まさか絵の世界にもいるとはね…」

 

アイスマン「奴はここ数年は眠りについていたのだが…」

 

ネスト「復活したと…」

 

アイスマン「そうだ、我が友たちが自分の身を犠牲にしてまで奴を封印したのに…まさか封印がとけてしまうとは…」

 

メルサ「アイスマンの他にもここにも誰かいたんだね…」

 

アイスマン「ああ…大切な友さ…」

 

ネスト「………」

 

ネスト達は地上に降り立った。

 

アイスマン「どうしたものか…このままだとこの輝窟が…」

 

ネスト「アイスマン」

 

アイスマン「なんだ?」

 

ネスト「奴をどうにかする方法はあるっすか?」

 

アイスマン「あるぞ…それは封印だ…」

 

メルサ「でも封印するには…」

 

アイスマン「ああ、生贄が必要だ」

 

ネスト「…!」

 

アイスマン「今までは我が友たちが生贄としてきたが、そろそろわたしの番がきたようだな…」

 

メルサ「…たとえ封印したとしてもいつかは蘇るんでしょ?なら倒すまでだよ」

 

ネスト「ああ、オレ達がボッコボッコにしてやるっすよ!」

 

アイスマン「奴の力は強大なのだ!何人の我が友たちがそれで死んでいると思っている!?」

 

ネスト「魔王は強大っす。でもここにいる人はもうあんた一人…ならみんなの分まで生きろよ」

 

アイスマン「なっ…!」

 

メルサ「うん。あたしたちの力をなめてもらっちゃ困るよ!」

 

ネスト「よし、いくっすよ!」

 

メルサ「うん!さぁ乗って」

 

アイスマン「わたしも戦おう!じゃないと友たちにみせる顔がない…」

 

ネスト「よし、いくぞ!三人とも」

 

メルサ「うん!」

 

アイスマン「うむ…!」

 

オレ達は魔王の元に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイスマン「いたぞ…あれが『第二天魔王 氷山(ひょうざん)』…!」

 

ネスト「近くで見るとでかいっすね…」

 

メルサ「だねー。さてどうしようか…」

 

アイスマン「奴の弱点はコアだ!」

 

メルサ「コアってあの黄色いやつのこと?」

 

アイスマン「そうだ、あれをすべて破壊すれば奴は止まる…!」

 

アイスマン「わたしが奴の注意を引く!君たちはコアを…!」

 

メルサ「わかった!」

 

ネスト「メルサ、急ぐっすよ」

 

メルサ「わかった!」

 

すると箒のスピードが上がる。

 

メルサ「しっかり掴まってー!」

 

ネスト「おうよ!」

 

ネスト「やっぱりいい香りがするなぁ…」

 

メルサ「へ…!?」////

 

ネスト「しまった!つい声が!」

 

メルサ「あー…ネストはスケベさんだったね…。別にネストなら…あたしの髪の匂いなんていつでも嗅いでもいいけど…?」

 

ネスト「え、ほんとっすか!?って…別にいいから!」

 

メルサ「あら、そう?」

 

ネスト「今は戦いに集中だ…集中集中…」

 

氷山「ギュルン?」

 

魔王がオレ達の存在に気づく。

 

アイスマン「お前の相手はわたしだ!さぁ、くるがいい!」

 

氷山「ギャルルルルルルルルル!!!! 」

 

魔王がアイスマンに注意を引いた。

 

メルサ「降りるよ!」

 

ネスト「ああ」

 

オレとメルサは箒から降りる。

 

メルサ「ここだね」

 

ネスト「ん…?なんだあれ…」

 

メルサ「どうしたの?」

 

コアのまわりに生えている謎の機銃がメルサのほうに向けられていた。

 

バン!

 

ネスト「危ない!」

 

メルサ「え?」

 

ネストはメルサを抱き締めながら庇い、機銃から放たれた銃弾がネストに命中する。

 

ネスト「かはっ…!」

 

メルサ「ネスト!」

 

ネスト「大丈夫…だ。メルサに傷ひとつもつけさせないっすから…」

 

撃たれたネストの背中から大量の血が流れる。

 

メルサ「待って!今治癒魔法をかけるから!」

 

ネスト「治癒魔法は時間がかかる…オレはまだ動けるから…メルサは先に別のコアのところに行け…」

 

メルサ「嫌だ!あたしはもう誰も失いたくないの!」

 

メルサは涙を流していた。

 

ネスト「…!」

 

アイスマン「ぐおっ!?」

 

氷山「ギャルルルルルルルルル!!!」

 

注意を引き付けているアイスマンが魔王の攻撃を受けてしまっている。

 

ネスト「まずい…!このままじゃアイスマンがやられる…!」

 

ネスト「メルサ…」

 

ネストはメルサを抱き締める。

 

メルサ「…!」

 

ネスト「オレはこんなところで死なないさ…死ぬならお前と一緒に歳をとって死にたいよ…!」

 

メルサ「え…」

 

ネスト「ほら…行け!メルサ!」

 

メルサ「………わかった!」

 

メルサは箒に乗り別のコアがある場所に向かう。

 

ネスト「さて…オレも…!」

 

氷山「ギャルルルルルルルルル!」

 

魔王がアイスマンに無数のビームを放つ。

 

アイスマン「うぉぉぉぉ!!!」

 

アイスマンはビームをかわす。

 

アイスマン「お返しだ!」

 

アイスマンの手から氷の剣が生える。

 

アイスマン「喰らえ!」

 

氷の剣が魔王の頭部分に当たる。

 

氷山「ギャルルルルルルルル!?」

 

ネストは短剣を出す。

 

ネスト「2つの光…」

 

短剣が光だす。

 

ネスト「はぁ!」

 

バリン!

 

コアを1つ破壊した。

 

氷山「ギャルルルルルンンンンンン!?」

 

魔王が怯みだす。

 

ネスト「よし、効いてる…!」

 

機銃がネストのほうに向けられていた。

 

ネスト「…!二度も通じないぞ…!」

 

無数の銃撃を短剣で弾く。

 

メルサ「コアはこれだね!」

 

メルサ「光の精霊よ…今ここにある物を光に包み込め!」

 

魔方陣から精霊が出てくる。

 

メルサ「やっちゃってー!」

 

光の精霊が光の弾をコアに放つ。

 

バリン!

 

2つ目のコアを破壊した。

 

氷山「ギャルルルルルガァァァァァァ!!!」

 

走行していた魔王の動きが止まる。

 

アイスマン「今だ!一気にコアを叩け!」

 

ネスト「了解!」

 

メルサ「うん!」

 

ネスト「短剣手裏剣切り!」

 

2つ短剣が重なり、手裏剣のように回り、コアに命中し、コアが破壊する。

 

バリン!

 

3つ目のコアを破壊する。

 

氷山「………ギャルルルルルルルルル…」

 

ネスト「ぐっ!」

 

撃たれた背中に強い痛みを感じる。

 

ネスト「まだ倒れるな…オレ…!」

 

メルサ「光の精霊よ…今より、光の竜となり、すべてを光に包め!」

 

精霊が光の竜になり、竜が光のブレスを吐き、最後のコアに当たる。

 

バリーン!

 

すべてのコアを破壊した。

 

氷山「ギャルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル!?」

 

ネスト「やったか…!?」

 

魔王が光に包まれる。

 

アイスマン「くっ!眩しい!」

 

ネスト「足場がなくなっていく!」

 

魔王の体は崩れるように倒れていく。

 

メルサ「このままだとネストが落下しちゃう!」

 

メルサはネストのほうに向かう。

 

ネスト「この高さから落ちたら死ぬぞこれ!」

 

メルサ「ネスト!乗って!」

 

ネスト「メルサ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイスマン「やったぞ…!ついに!ここは救われたぞぉ!」

 

メルサ「はい、治療終わったよ。立てる?」

 

メルサが手を差し出す。

 

ネスト「おう…」

 

アイスマン「二人には感謝する!ここを救ってくれた救世主だ!」

 

ネスト「気にすんなよ、アイスマン」

 

メルサ「困っている人がいたら当然でしょ?」

 

アイスマン「お礼といってはなんだが…これを」

 

ネスト「これは?」

 

アイスマン「この輝窟の宝…水晶の宝玉だ!」

 

メルサ「わぁ…綺麗…」

 

ネスト「ああ、貰っとくぜ!」

 

アイスマン「ふふっ…大切にしてくれよ…二人とも!また会おう!」

 

アイスマンの体が透明になっていく。

 

メルサ「アイスマン!体が!」

 

アイスマン「ああ…ちと力を使いすぎただけさ。なに、消える訳ではない、少し眠りにつくだけだ」

 

ネスト「そっか…また会おうっすよ!アイスマン!」

 

アイスマン「ああ!さらばだ!」

 

アイスマンは成仏したかのように消えていった。

 

メルサ「帰ろっか」

 

ネスト「ああ」

 

ネストはメルサの手を握る。

 

メルサ「え!?ちょっと!///」

 

ネスト「あ!悪い…嫌だったか…?」

 

メルサ「うんうん、嫌じゃないよ…!逆に嬉しいかも…!///」

 

ネスト「お、おう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネスト「ミレイユさ…」

 

ネストが見た光景は負傷しているガルドの姿だった。

 

マティアス「姉貴、はやく医務室に急ぐぞ!」

 

ミレイユ「ええ!」

 

メルサ「ガルド!?」

 

ネスト「おっさん!?」

 

ミレイユ「あ、二人とも!戻ってきたのね!報告は今度でもいいかしら?」

 

ネスト「は、はい…」

 

ミレイユとマティアスは負傷したガルドを運び、医務室に向かう。

 

メルサ「何があったの…?ガルド…」

 

アルト「人を庇い、負傷したんだ」

 

ネスト「君は…!」

 

アルト「ん?ああ、ガルドの友人の方かな?」

 

メルサ「君も絵の調査に行ってたの?」

 

アルト「ああ、もちろん。途中で帰ってしまったけどね」

 

ネスト「おっさん大丈夫なんですよね!?」

 

アルト「意識はあるけど、回復はどうだろう…あんな怪我をしたら遅いのかもしれない」

 

メルサ「ガルド…」

 

アルト「んじゃぼくは失礼するよ」

 

ネスト「え!?ちょっと!」

 

アルトはその場を立ち去る。

 

メルサ「とりあいず、あたしたちも帰ろっか…」

 

ネスト「そうっすね…明日また王城に行きますか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メルサ「ねぇネスト…」

 

ネスト「なんだ?」

 

メルサ「あの時ごめんね?あたしがドジこいて、ネストが…」

 

ネスト「メルサが傷つくのをこれ以上みたくなかったんすよ…あれは」

 

メルサ「うん…」

 

ネスト「それでさ、えーと…」

 

メルサ「ん…?」

 

ネスト「オレたちのするべきことを終えたらさ…その…」

 

メルサ「…いいよ。ネストについていくよ。だってあんなこと言われたらね…今さら断れないよ」

 

ネスト「…!」

 

メルサ「でもあたしなんかでもいいの?あたしは人々を苦しめていった魔女の末裔の子なんだよ?」

 

ネスト「………」

 

ネスト「魔女の血なんか関係ない。オレはお前とずっと一緒にいたいんだ」

 

メルサ「………!」

 

ネスト「メルサ。ずっとオレのそばにいてくれないか…?」

 

メルサ「はい…こちらこそよろしくお願いします…」

 

ネスト「………!」

 

ネストはメルサの胸に飛び込んだ。

 

メルサ「わわ…もう…甘えん坊さんなんだから…///」

 

ネスト「だって、嬉しいんだもん!今ままでこんなことされたことないんだもん!」

 

メルサ「ああ、されたかったのね…」

 

メルサ「もう…///はやく帰ろ…?」

 

ネスト「ああ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「○○○○○○様、氷山が倒されました」

 

???「氷山がやられたか…だがまだ手はある」

 

???「ファルギオルのことでしょうか?」

 

???「そうだ。奴の封印はそろそろ解けるはずだ。奴が復活したあと、その絵は『黒の魔核』に喰わせてやれ。奴の充分なエサになり、新たな魔王が生みだせることができるはずだ」

 

???「了解いたしました」

 

???「ファルギオルは強大な雷神…奴は惜しい存在だが…そこは我に任せてくれ」

 

???「はっ!」

 

???「よし、お前はそろそろ計画に移れ。アトリエランク制度に参加し、不思議な絵の世界にある宝玉を持ってくるのだ」

 

???「御意…!」

 

???「任せたぞ…我の真の姿を取り戻すために」

 

???「はっ!では…!」

 

???「人間よ…まだ魂だけの存在の我は怖くなかろう…だが我が真の姿に戻ったとき…ふたたびこの世に大いなる絶望を喰らわしてやろう…」



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第二十七話 雷神の復活

アイスマン

??歳

身長 ??

職業 ??

ヒナ、フーコと同じく不思議な絵画の世界、水晶の輝窟に住む、体が氷でできた人間。何事も熱い性格の持ち主。
そこには彼と同じような人がたくさん住んでいたが、第二天魔王氷山の出現によって、それを討伐しようとした者たちがそれに叶わず、多くの犠牲者が出てしまった。
それから魔王を討伐する戦力がなく、このままでは輝窟は滅びの危機に迫ってしまう一方で、そして考えたのが魔王を封印することだった。
それには誰かが生贄として捧げなければならなく、それで最後まで生き残ったのはアイスマン、ただ一人だった。


不思議な絵画の世界、アンフェル大瀑布に行って三週間が経ったある日…

 

ソレイユ通り 本屋

 

コウキ「いらっしゃいませー」

 

???「ここがメルヴェイユで有名な本屋かな?」

 

コウキ「!?」

 

???「ん、どうしたの?」

 

コウキ「あ、あなたはあの脚本家のドロッセル先生!?」

 

ドロッセル「うん。あたしがそのドロッセルだけど?」

 

コウキ「先生がお書きになった、『つくられた瞳』なんですけど…サインいただけませんか?」

 

ドロッセル「うん、いいよ。えっと、こんな感じかな」

 

コウキ「(これは夢か?あのドロッセルさんからサインもらったぞ!よっしゃぁぁぁぁ!!!)」

 

コウキ「ドロッセル先生、ありがとうございます!」

 

チャリン

 

スール「たのもー!」

 

リディー「あれ?ドロッセルさん?」

 

ドロッセル「ん?リディーちゃんにスーちゃん?」

 

スール「なになに?コウキもドロッセルさんにサインもらってたの?」

 

コウキ「そうだけど?」

 

リディー「ルーちゃんもサインもらってたよね!」

 

コウキ「ルーシャも?」

 

ドロッセル「やっぱり先生って呼ばれるのは気恥ずかしいなぁ…」

 

コウキ「ドロッセルさん!今後も小説だすんですか!?」

 

ドロッセル「う、うん…だそっかなーと考えてるよ」

 

コウキ「俺、楽しみにしてますから!」

 

リディー「あ、コウちゃんの目が輝きすぎてるね…スーちゃん」

 

スール「そうだねぇ…これだから本の虫は…」

 

リディー「ん?」

 

スール「ごめんなさい、何でもないです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソレイユ通り 鍛治屋

 

コウキ「ハゲルさーん!」

 

???「お、コウキか、ちょうどいい。これを」

 

コウキ「師匠の義手…!もう修理が終わったんですね!」

 

ハゲル「ああ。前よりもさらにバージョンアップされてるぜ」

 

コウキ「え?それは一体…」

 

ハゲル「なんと!およそ30mあたりまで電流を流せるんだぜ」

 

コウキ「え!?そっかー!それはすご…じゃない!何やってんですか!ハゲルさん!」

 

ハゲル「だってよ、そのまま修理してもよ、つまらねぇだろ?そんならなにか新しい機能をつけようってな」

 

コウキ「はぁ…わかりました。これ俺の母さんからの報酬です」

 

ハゲル「おう、確かに受け取ったぜ」

 

コウキ「はい。では…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城内医務室

 

コウキ「師匠ー」

 

ガルド「ん?」

 

安静にしているはずのガルドはなんと片手で剣の練習をしていた。

 

コウキ「何やってんですか!?師匠!」

 

ガルド「見ればわかるだろ」

 

コウキ「傷口がひらきますよ!?」

 

ガルド「大丈夫だ。俺は不死身だからな」

 

コウキ「ええ…」(困惑)

 

コウキ「それで大丈夫そうですか?」

 

ガルド「前よりは楽かな」

 

コウキ「そうですか、で…あの時からフィリスさん心配してましたけど大丈夫そうですか?」

 

ガルド「フィリスか?あいつはいつも見舞いに来てるぞ?さっきも来てたしな」

 

コウキ「いつもですか!?」

 

ガルド「ああ、いつも差し入れを持ってきてくれるぜ?」

 

ガルド「あいつはいつものように笑うようになったぜ」

 

コウキ「そうですね。いつも明るいフィリスさんでよかったです」

 

コウキ「それで師匠、義手の修理が完了しましたよ」

 

ガルド「ほんとうか?」

 

コウキ「はい。鍛治師であるハゲルさんが興味津々で直してくれましたよ」

 

ガルド「そいつは嬉しいな。はやくそれをつけたいぜ」

 

コウキ「これです」

 

ガルド「色が変わってるな。前は赤だったのに今は黄色か」

 

コウキ「はい。およそ30mあたりまで電流を流せる機能をつけたとか…」

 

ガルド「ほぉ、それは凄いな」

 

コウキ「いいんですか?改造されたりして」

 

ガルド「さらに強化されたんだろ?いいじゃねぇか。そうゆうの」

 

コウキ「そ、そうですか…」

 

ガチャ

 

???「失礼する」

 

コウキ「えと、あなたは?」

 

???「わたしはフリッツ。ガルドの古い友人だ」

 

ガルド「フリッツか!?懐かしいな、あの時以来だな…」

 

フリッツ「そうだな…わたしたちがお互い若いころだったか…」

 

ガルド「そういえばフリッツ、どうしてここがわかったんだ?」

 

フリッツ「懐かしい友の名を聞いてな。それでここに来たという訳だ」

 

ガルド「そうか。フリッツ、出会ってそうそう悪いんだが頼みがある」

 

フリッツ「なんだ?」

 

ガルド「俺のかわりにコウキに剣の修行をしてやってくれないか?」

 

フリッツ「彼に?」

 

ガルド「ああ、頼めるか?」

 

フリッツ「友のためなら」

 

ガルド「感謝する。まだ体は動けても医者がうっさくてな。まだ安静にしてろとな」

 

フリッツ「わかった。それで…コウキ君だったかな?」

 

コウキ「は、はい!」

 

フリッツ「彼のかわりにわたしが剣の練習をしてやろう」

 

コウキ「わかりました!」

 

ガルド「フリッツは強いぞ?なにせ二刀流の剣術を使えるからな」

 

コウキ「二刀流!?」

 

フリッツ「ふふ…期待してくれ」

 

ガルド「フリッツ、俺が退院したら飲みにいこうぜ?お互いつもる話があるからよ」

 

フリッツ「わかった。楽しみにしてるぞ」

 

コウキ「じゃあ師匠!いってきますね!」

 

ガルド「おう」

 

ガルドは窓から雷雨が降っているのをみる。

 

ガルド「さて、そろそろいくか…」

 

ガルドは義手を左腕に取りつける。

 

ガルド「俺が『目覚めた』あの時を思い出すぜ…テルホン…そして…」

 

ガルドは目を閉じ、ある人の後ろ姿を思い出す。

 

ガルド「オーナス師匠…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城 エントランス

 

ミレイユ「ガルドさん?外出ですか?」

 

ガルド「ちょっと外の空気をな」

 

ミレイユ「外って…外は雨ですよ?」

 

ガルド「それでもいくさ。んじゃあな」

 

バタン…

 

???「今の人は?」

 

ミレイユ「今入院している患者よ」

 

???「そうですか。それで…」

 

ミレイユ「ええ、レーナスちゃんはこれでCランクに合格ね」

 

レーナス「ありがとうございます」

 

ミレイユ「しかし凄いわ…まさか三週間でGランクからCランクにあげるなんて…」

 

レーナス「はい。これからも頑張ってみます」

 

ミレイユ「ええ、これからも頑張ってちょうだい!」

 

レーナス「はい。では」

 

ガチャン…

 

レーナス「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城前広場

 

フリッツ「なるほど。君はガルドの師匠か…」

 

コウキ「はい。そうなんです」

 

フリッツ「才能があると言われたのか?」

 

コウキ「はい…でも俺に才能はあるんでしょうか…」

 

フリッツ「なにもかもあきらめてはダメだぞ?才能があると言われたからには努力してみることだ」

 

コウキ「はい!」

 

フリッツ「それでコウキ君、君はどうして剣術を?」

 

コウキ「そうですね…。強くなりたいから?ですかね」

 

フリッツ「そうか。何のために?」

 

コウキ「皆を守りたい…そしていつかは自分にとって守りたい人を…」

 

フリッツ「守りたい人…か」

 

コウキ「?」

 

フリッツ「いや、すまない。一旦私の家に来ないか?」

 

コウキ「わかりました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソレイユ通り ワイスベルク家

 

ドロッセル「あ、お父さんお帰りー!」

 

フリッツ「ただいま」

 

コウキ「ドロッセル先生!?」

 

ドロッセル「あ!コウキ君、また会ったね!先生呼ばわりは気恥ずかしいからやめてね?ね?」

 

コウキ「あ、すいません。ドロッセル先s…さん」

 

フリッツ「ん?なんだ?ドロッセル、コウキ君を知ってるのか?」

 

ドロッセル「うん、彼の本屋に行った時にね」

 

コウキ「俺は親に店番頼まれてただけですけどね…」

 

フリッツ「コウキ君、すこしお茶していかないか?」

 

コウキ「わかりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フリッツ「ふむ…あの双子の幼馴染で護衛をしているのか」

 

ドロッセル「へぇーかっこいいね!好きな子とかいるのー?」

 

コウキ「好きな人!?えーと…」

 

フリッツ「お、それは私も気になるな」

 

コウキ「いません」

 

ドロッセル「またまた恥ずかしがってぇーお姉さんに相談してみなさい?」

 

コウキ「いませんよ!?」

 

ドロッセル「そうなのー?コウキ君イケメンだし、モテそうなのに」

 

フリッツ「ドロッセル…お前もいい歳なんだからそろそろな…」

 

ドロッセル「お父さん!?それは禁句だよ!」

 

コウキ「(お父さん…か…)」

 

フリッツ「コウキ君、どうしたのかね?」

 

コウキ「あ、いえ!フリッツさん!修行したいです!」

 

フリッツ「わかった。ではどこか広いところに行こうか」

 

フリッツ「ドロッセル、いってくる」

 

ドロッセル「はいよ!気をつけてね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城 エントランス

 

フィリス「ミレイユさーん!」

 

ミレイユ「あら、今度はフィリスちゃんね。どうしたの?」

 

フィリス「今日もガルドさんのとこに行きたいのですけど、いいですか?」

 

ミレイユ「あー…今ガルドさん外出中なのよ…ちょっと外の空気をすってくるとか言ってたけど、さっきから帰ってこないのよ…」

 

フィリス「え…」

 

ミレイユ「もう安静にして三週間だけど…体の火傷のほうは大体治っていると思うけど…まだ全身打撲したところが治ってないと思うのよ…」

 

フィリス「…!」

 

フィリスはいきなりその場をあとにし、走り出す。

 

ミレイユ「フィリスちゃん!?ちょっと、どこ行くの!?」

 

ガチャ

 

マティアス「はぁ…今日も女の子に振られ…っておお!?」

 

フィリス「ごめんなさい、マティアスさん!またあとで!」

 

マティアス「え!?それどうゆう意味…」

 

バタン

 

マティアス「えっと…フィリス嬢どうしたんだ?」

 

ミレイユ「ガルドさんが外の空気をすってくると言ってたけど、さっきから帰ってこないの。それでフィリスちゃんが…」

 

マティアス「ええ!?ガルドさんまだ入院中だろ!?」

 

ミレイユ「そうなのよ。はやく帰ってくるのはいいんだけど、ここまで遅いのはね…」

 

マティアス「俺ちょっと探してくるわ!」

 

ミレイユ「頼むわ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メルク庭園 メルク門

 

リアーネ「あら、フィリスちゃん。お帰…」

 

フィリス「ごめん!リア姉!ちょっと出掛けてくる!」

 

リアーネ「ちょっとフィリスちゃん!?って行っちゃったわね…どうしたのかしら?あんなに急いで…」

 

フィリス「(ガルドさん…!もう無茶しないでよ!またあなたになにかあったらわたしは…!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブライズヴェスト(荒野)

 

フリッツ「雷雨が降っているが…ここだ」

 

コウキ「お願いします!」

 

フリッツ「さぁコウキ君、まずは君の力をみたい。かかってくるのだ!」

 

コウキ「はい!」

 

コウキは剣を抜く。

 

フリッツ「ふん!」

 

フリッツも二刀の剣を抜く。

 

フリッツ「先に来るがいい!」

 

コウキ「はぁっ!」

 

フリッツが双剣で攻撃を防ぐ。

 

フリッツ「ふむ。ではこれはどうかな?」

 

コウキ「なっ!」

 

フリッツの姿が6つに分身する。

 

コウキ「影分身!?」

 

フリッツ「そうだ。わたしの本体を見分け、攻撃してみろ」

 

コウキ「どれだ…?」

 

コウキは分身したフリッツを見回す。

 

フリッツ「後ろが隙だらけだぞ?」

 

1つの分身がコウキの背後に襲いかかる。

 

コウキ「くっ!」

 

コウキは攻撃を受け止める。

 

フリッツ「防いだか。だがもう1つの分身が君に襲いかかるぞ?」

 

コウキ「…!?まずい!」

 

コウキは剣の鞘で攻撃を防いだ。

 

フリッツ「…む!?」

 

コウキ「今だ!」

 

コウキは光の剣であたりを薙ぎ払い、フリッツの6体の分身に攻撃があたり、その内の5体の分身は消え、本体の1体が空中に吹っ飛ばされる。

 

コウキ「(やべ…やりすぎたか!?)」

 

フリッツ「ふふふ…」

 

コウキ「笑ってる!?」

 

その瞬間フリッツの姿が消える。

 

コウキ「消えた!?」

 

フリッツ「やるな!次は消えたわたしはどこにいるかな?もたもたしていると攻撃されてしまうぞ?」

 

コウキ「………」

 

コウキはある人の言葉を思い出す。

 

『目の前から突然姿を消したりする敵だっている。その時は相手の気配を読み、そこを狙う!』

 

コウキ「(師匠…今まさにその通りですね…)」

 

コウキ「(相手の気配か…後ろに人の気配がする…。そうか、フリッツさんは俺の背後をまた狙おうと?)」

 

するとコウキの光だした剣はさらにまぶしい光に包まれる。

 

フリッツ「(ん!?なんだ!?この光は!まぶしい!)」

 

コウキ「そこだぁ!」

 

フリッツ「…!?」

 

コウキの攻撃はフリッツの目の前で止まる。

 

コウキ「剣で防ぐ暇もなかったですね。フリッツさん」

 

目の前で止まった剣の前にフリッツの姿が現れる。

 

フリッツ「恐れ入ったな。まさか読まれてたとは…」

 

コウキ「フリッツさんが背後ばかりに攻撃を仕掛けて来るのが多かったので、もしかしたらと思いまして…」

 

フリッツ「なるほど。それがわたしの敗因か」

 

コウキ「てかフリッツさん、力を確かめるとは言ったとはいえ、あれキツくないですか!?なんですかあの分身!」

 

フリッツ「ふふふ…ちょっと久しぶりに暴れてみたいと思ってな」

 

コウキ「いやーあれは怖かったですね…6体一気に攻撃されたら終わりでしたよ俺…」

 

フリッツ「そうだな…いでっ!?」

 

コウキ「フリッツさん!?」

 

フリッツ「最近歳をとってるせいか、胃痛がしてな…いでで…」

 

コウキ「すいません!俺が吹き飛ばしたせいで!悪化してしまったり…!?」

 

フリッツ「いや、大丈夫だ。なかなかいい威力だったぞあれは…」

 

コウキ「えっと、フリッツさん。一旦修行をあとにして胃痛薬を…」

 

フリッツ「すまない…ガルドから頼まれたのにな…」

 

コウキ「いえ、フリッツさんが元気になったらまた修行すればいいので!」

 

フリッツ「そうだな。では都にもどろ…」

 

ドォォォォォォォォォン!

 

コウキ達の近くで雷が落ちた。

 

フリッツ「な、なにごとだ!?」

 

コウキ「あ、あれは!?」

 

コウキがみたのは雷が落ちたとこから出現した巨大な魔物だった。

 

???「我の復活はきた…今こそ憎き人間どもを滅する時…!」

 

コウキ「お、お前は…!?」

 

???「憎き人間に我の名など関係ない。ここで去ぬがいい」

 

謎の魔物は左腕に生えている雷剣のような物で襲いかかろうとする。

 

フリッツ「コウキ君!逃げるぞ!こいつはやばい!」

 

コウキ「わかりました!でもフリッツさん!走れるんですか!?」

 

フリッツ「大丈夫だ…!」

 

コウキとフリッツはその場から離れる。

 

???「逃がしはしない…人間はかならず滅する…!」

 

ドォォォォォォォォォン!

 

逃げるコウキ達のあたりから雷が降ってくる。

 

コウキ「うお!?あぶね!」

 

フリッツ「奴はなんだ!?新種の魔物か!?」

 

コウキ「わかりません!」

 

コウキ「(奴はなんだ!?雷を使う魔物…まさかあの伝承のファルギオル…!?いや、あれは言い伝えだし…)」

 

フリッツ「なっ!行き止まり!?」

 

コウキ「なんだってー!?」

 

???「脆弱な人間よ。貴様らはここまでだ」

 

フリッツ「なんと…!?もうここまで…!?」

 

謎の巨大な魔物はもう近くまで来ていた。

 

コウキ「…フリッツさん」

 

フリッツ「なんだ?」

 

コウキ「俺が囮になります!さぁ、あなたは早く!」

 

フリッツ「ダメだ!君のような若い人を見捨てたりはしないぞ!わたしが囮になろう!」

 

コウキ「ダメです!フリッツさんは大切な娘さんがいます!あなたがいなくなったらドロッセルさんはどうするんですか!?絶対!悲しみますよ!」

 

フリッツ「くっ…!」

 

コウキの目は真の覚悟を決めたような目をしていた。

 

フリッツ「…!」

 

フリッツ「わかった…すぐ助けを呼んでくる!コウキ君!ご武運を…!」

 

フリッツはその場から離れる。

 

コウキ「なにかっこいいこと言ってんだ俺は…きもちわりぃよ…俺にとって大切だった人を失うとこんな行動をしてしまうのか…」

 

そう、俺が尊敬していた人。

 

俺にとっては太陽な存在だった人。

 

その人が死んでから、俺は何もかも変わった。

 

それがあったせいか…もしフリッツさんが囮になって、俺のために死んだとする。

 

そしたらドロッセルさんはどうなる?絶対にあの人は悲しむ。

 

もう俺は誰かが絶望に悲しんでいく姿を見たくない。

 

だから俺がかわりに囮になって死ぬんだ。

 

リディー…お前は俺が死んだら悲しむか?お前はしっかりしているけど、すこし気が弱いところが心配だ…。

 

スー…お前も悲しむか?まぁお前は明るいし、皆を元気ずけることができるはずだよな?

 

ルーシャ…お前はオネットさんが亡くなってからも、俺とは違って前に進んで頑張ってたよな、ほんとお前はすげぇよ。

 

???「今度こそ去ね」

 

考え込んでいたら、巨大な魔物は俺のすぐ近くにいて、止めをさそうとしていた。

 

「俺のかわいい弟子になにしてやがる」

 

???「むっ!?」

 

巨大な魔物に強大な一撃が放たれる。

 

???「ぐおっ!?」

 

巨大な魔物は怯む。

 

コウキ「え…師…匠…?」

 

「よぉコウキ、かっこよかったぞ?さっきの言葉、すこし寝てな、もう疲れてるだろ」

 

コウキ「師匠…」ガクッ

 

???「貴様…この我にすこしだけ傷をつけただと…?」

 

「ああ、これからもっと痛くしてやるよ」

 

???「まぁいい…獲物が増えただけで我は嬉しいぞ?では、もう二度と貴様を動けなくしてやるわ、去ね」

 

「かかってこい!あの人の影武者(ファントム)の力…みせてやるぜ!」



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第二十八話 忘れられていた君は

ファルギオル「雷よ!」

 

ファルギオルが放った雷がガルドの周りに降ってくる。

 

ガルド「ふん!」

 

ガルドは剣を地面に突き立て、周りにバリアーのようなものを展開する。

 

ファルギオル「貴様…忌々しきネージュと共にいたあの男を思い出す…!」

 

ガルド「あ?誰だそりゃ…雷神様の力はこんなもんかね?」

 

ファルギオル「いいだろう…もうすぐ貴様を葬ってやるわ」

 

ファルギオルがなにか力を溜めはじめる。

 

ガルド「させねぇぜ」

 

ガルドは攻撃を開始する。

 

ガルド「ぐっ!」

 

全身打撲していたところが突然痛みだす。

 

ガルド「くそ…よりによってここでか…」

 

ファルギオル「うおおおおお………」

 

ファルギオルはさらに力を溜めている。

 

ガルド「あたりを吹き飛ばす気か?そうなるとコウキが吹っ飛ばされるな…」

 

そう、ガルドの近くには気絶しているコウキがいる。

 

ファルギオルのあんな攻撃を喰らったらコウキが死んでしまう。

 

ガルド「俺がかわりに吹っ飛ばされるしかないか…コウキは軽傷くらいだな」

 

ガルドはコウキの周りにバリアーを張る。

 

ガルド「これでいいか…」

 

ファルギオル「さぁ、今度こそ去ね」

 

ファルギオルの溜めた力が放出される。

 

???「やらせない!」

 

矢がファルギオルに当たる。

 

ファルギオル「む?」

 

だがファルギオルにはかすり傷のような攻撃だった。

 

ガルド「フィリス…!?」

 

ガルドの前にフィリスが立ちはだかる。

 

フィリス「ガルドさんにはケガ一つ負わせない!」

 

ファルギオル「さらに脆弱な人間が来たか…我を侮るとどうなるか…貴様も今すぐにあの世に葬ってやるわ」

 

ファルギオルは力を溜めた攻撃を仕掛けようとする。

 

ガルド「フィリス…!逃げろ!」

 

ガルドの言った言葉はフィリスには聞こえていなかった。

 

フィリス「これならどうだー!」

 

ガルド「フィリス!止せぇぇぇぇ!!!」

 

フィリスは跳躍し、紫の結晶のような矢がファルギオルに放たれ、ファルギオルの周りに紫の結晶が生え、結晶が一気に爆発する。

 

だがファルギオルにはまったく攻撃が通っていない。

 

フィリス「くっ…!」

 

ファルギオル「効かぬわ!」

 

ファルギオルは溜めていた力を放つ。

 

ファルギオル「うおおおおおおお!!!!!!」

 

フィリス「…っ!」

 

???「バーン!」

 

火のような魔法弾がファルギオルに当たる。

 

ファルギオル「むむっ!?」

 

戦闘班騎士隊長「第一班!足止め開始!」

 

戦闘班騎士団員「おおー!!!」

 

騎士団員達がファルギオルに向かって突撃を開始する。

 

ファルギオル「小賢しい…!小賢しいぞぉぉぉ!!!」

 

フィリス「イルちゃん!?」

 

イルメリア「フリッツさんがミレイユさんに伝えてくれたのよ。コウキをはやく」

 

フィリス「でも…!」

 

イルメリア「いいからはやく!あなたとコウキは第二班よ!ここは第一班のアタシたちに任せて先に行きなさい!」

 

フィリス「わかった…!頑張って!イルちゃん!」

 

イルメリア「言われなくても!騎士団の人!ガルドさんを!」

 

医療班騎士A「了解しました。我ら医療班!急いでこの方を運ぶぞ!」

 

医療班騎士B「了解いたしました!」

 

ガルド「すまねぇな…」

 

医療班騎士C「まったく、あなたは無茶をする…」

 

医療班の騎士達はガルドを運ぶ。

 

フィリス「コウキ君!大丈夫!?」

 

コウキ「ん…?フィリスさん!?」

 

フィリス「都に戻るよ!ほら立てる?」

 

コウキ「は、はい…でも師匠が…」

 

フィリス「ガルドさんは大丈夫だよ!さぁはやく!」

 

コウキ「わかりました!」

 

フィリスはコウキの肩を貸す。

 

医療班騎士D「護衛は任せてください」

 

フィリス「お願いします!」

 

???「我が娘!ルーシャよ!お父さん頑張るぞぉぉ!!」

 

イルメリア「マーガルットさん!危ない!」

 

マーガルット「ん!?」

 

ファルギオル「雷よ!」

 

マーガルット「おおおおおおっ!?」

 

マーガルットは雷に当たり、吹っ飛ばされる。

 

戦闘班騎士A「マーガルット殿ぉぉぉ!!!」

 

マーガルット「娘よ…すまぬ…」

 

イルメリア「マーガルットさんがやられたわ!騎士団員の方!」

 

戦闘班騎士B「了解!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城 エントランス

 

医療班騎士A「王女様、この方の捜索、完了いたしました。今すぐに病室で治療を開始します」

 

ミレイユ「わかったわ、お願いね」

 

医療班騎士A「はっ!急ぐぞ、お前達」

 

医療班騎士団員「了解しました!」

 

アルト「君はあいかわらずだね、ガルド」

 

ガルド「すまなかったな」

 

ガルドは病室に運ばれる。

 

フィリス「ついたよ、コウキ君」

 

コウキ「すいません…フィリスさん」

 

リディー「コウちゃん!」

 

スール「コウキ!」

 

ルーシャ「まったくあなたは…」

 

コウキ「ごめんな…」

 

アルト「君もだよ、フィリス」

 

フィリス「ごめんなさい、勝手に出ていっちゃって…」

 

フィリスがペコリと頭を下げる。

 

ミレイユ「無事でよかったわ。フィリスちゃん」

 

ミレイユ「さて、コウキ君が元気になったらあなたたちの出発よ!」

 

スール「わかりました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一時間後…

 

リディー「コウちゃん、もう大丈夫?」

 

コウキ「おうよ」

 

バタン!

 

マティアス「姉貴!第一班から報告!取り急ぎ、足止めに成功したってさ!」

 

ミレイユ「了解!それじゃあ第二班、出発っ!…みんな、よろしく頼んだわよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メルク庭園 メルク門

 

???「ふぅーついたね!」

 

???「ええ、つきましたね」

 

リアーネ「ソフィーさんとプラフタさん…ですか?」

 

ソフィー「リアーネさん!?お久しぶりですね!」

 

プラフタ「元気にしてましたか?」

 

リアーネ「はい!あの、フィリスちゃんが…」

 

プラフタ「…フィリスがどうかしました?」

 

リアーネ「あの子、仲間たちと門から出て、きっと雷神を倒しに…私それが心配で…」

 

ソフィー「プラフタ」

 

プラフタ「ええ、急ぎましょう」

 

二人は門から出る。

 

リアーネ「フィリスちゃん…大丈夫かしら…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブライズヴェスト(荒野)

 

ファルギオル「うおおおおおおおおっ!!!」

 

リディー「ひっ…!い、今の…ファルギオルの叫び声…?」

 

ルーシャ「ち、近くまで来ると…プレッシャーがすごい…うくっ…」

 

スール「こ、この程度…負けるわけにはいかないよ!奥まで急ごう、みんな!」

 

コウキ「………」

 

マティアス「大丈夫そうか?コウキ」

 

コウキ「大丈夫です!こんくらい!」

 

アルト「ふむ…」

 

マティアス「なんだよアルト」

 

アルト「いや、何でもない。ぼくたちも急ごう」

 

スール「ちょっとー!はやくしてよ!男子組!」

 

マティアス「はいはい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リディー「あれは…師匠!」

 

スール「リディー!」

 

リディー「うん!」

 

コウキ「イルさん…!?」

 

俺達が目の前でみたのは戦っている、騎士団員、そしてリディー達の師匠でもある、イルさんだ。

 

イルメリア「やっと来た…!遅かったじゃないの!」

 

リディー「すみません、師匠!あれがファルギオル…!」

 

ファルギオル「うおおおおおおおおおおおっ!!!人間どもめぇぇぇぇぇ!!!」

 

ルーシャ「…あの、イルメリアさん!お父様は!?」

 

そう、ルーシャの父親、マーガルット・ヴォルテールだ。

 

イルメリア「あいつの攻撃を食らってね。幸い、命に別状はなさそうだけど…っ」

 

一瞬、イルさんがふらついてしまう。

 

コウキ「…!」

 

スール「師匠、大丈夫ですか!?うわっ、傷だらけ…」

 

イルさんは錬金術士だが、でも女。

 

ファルギオルから受けた傷が多すぎるのだ。

 

イルメリア「平気って言いたいところだけど、そろそろ限界…足手まといになる前に交代するわ…」

 

イルメリア「できる限りなのことはやったつもりだから、…頑張りなさいよ、リディー、スー!」

 

スール「はい、任せといてください!絶対、あいつを倒してみせますから!」

 

リディー「うん!…行こう、スーちゃんっ!!」

 

イルメリア「コウキ…リディー、スー達のこと頼むわよ…」

 

イルメリアはコウキの肩を優しくつかむ。

 

コウキ「はい…任せてください、イルさん!」

 

イルメリア「もう、さん付けはいいから!イルって呼んでよ…」

 

コウキ「わかりました…!イル!」

 

イルメリア「よろしい…!」

 

戦闘班騎士隊長「イルメリア殿、交代です」

 

イルメリア「わかったわ。じゃあ、コウキ頑張って…」

 

イルさんと騎士団員の人達は撤退していく。

 

コウキ「………」

 

マティアス「コウキとイルメリア嬢はどんな関係なんだ…?」

 

アルト「そんなことはあとで考えろ、今は戦いに集中しろ」

 

マティアス「おう…目的を見失うとこだったわ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして俺達はファルギオルに武器を構え、第二班の攻撃が開始される。

 

ファルギオル「許さんぞ…許さんぞ…人間!」

 

アルト「裁きを!」

 

アルトの魔法で無数の錬金剣がファルギオルに突き刺さる。

 

ファルギオル「効かぬわ!」

 

アルトの攻撃は弾かれる。

 

アルト「なんだと!?」

 

ファルギオル「うおおおおお!!!!」

 

ファルギオルは左腕に生えている雷剣でアルトに反撃する。

 

マティアス「アルトー!あぶねー!」

 

コウキ「マティアスさん!?」

 

マティアスがその攻撃を受ける。

 

マティアス「だから嫌だったんだ…」ガクッ

 

マティアスは攻撃を喰らい、倒れる。

 

アルト「マティアス!」

 

コウキ「マティアスさん…!くそっ!くらえ!」

 

コウキは光の剣を発動し、ファルギオルに攻撃する。

 

ファルギオル「貴様はあの時の…わざわざ死ににきたか。さっさと去ね!」

リディー「コウちゃん!避けてぇ!」

 

コウキ「なっ!?」

 

ファルギオルが素早く雷剣をコウキに薙ぎ払ったのである。

 

コウキには何が起こったのかわからなかった。

 

なぜならコウキはもう気を失っていたから。

 

コウキ「そんな…まさか…」ガクッ

 

リディー「コウちゃん!」

 

ルーシャ「………!」

 

アルト「くっ…!」

 

フィリス「やっぱり…攻撃が効かない…!?」

 

スール「やったなぁ!?おののけ!」

 

スーは近距離から銃を放つ。

 

ファルギオル「我に攻撃は効かぬ」

 

スーの撃った弾丸はファルギオルに当たるがなんともない。

 

そしてスーにカウンターを仕掛ける。

 

アルト「リディー!?おい!」

 

ルーシャ「リディー!?」

 

リディーがスーの元に走り出す。

 

リディー「スーちゃん!危ない!」

 

今度はリディーがかわりにファルギオルの攻撃を受ける。

 

リディー「お母さん…お父さん…ごめんなさい…」ガクッ

 

スール「え、いやだぁぁぁぁ!!!リディー!!!」

 

スーが声にならない叫びをあげる。

 

フィリス「………っ!はぁぁぁぁ!!!」

 

フィリスが矢を放つ。

 

ルーシャ「やりましたね!?これを食らいなさい!」

 

ルーシャは傘?で魔法弾を放つ。

 

アルト「無駄だ!奴には攻撃が通じない!」

 

フィリス「………っ!」

 

ルーシャ「それでも…!」

 

ファルギオル「愚かな人間どもよ、我にはそんなものは効かぬ…」

 

スール「リディー!起きてよ!ファルギオルをボコボコにしようよ…!」

 

スーは倒れているリディーの近くで座り込んでいる。

 

あたりに雷が放たれた。

 

スール「え…」

 

アルト「バカな!」

 

ルーシャ「きゃあああああああ!?」

 

フィリス「こんなことって…」

 

四人は強大な雷に当たってしまう。

 

アルト「………」

 

スール「………」

 

ルーシャ「………」

 

フィリス「………」

 

全滅し、静かになる。

 

ファルギオル「脆弱な人間どもよ。我を侮ったこと…後悔するがいい」

 

フィリス「くぅ…!」

 

ボロボロになってもフィリスは立ち上がった。

 

ファルギオル「まだ起き上がるか…か弱き人間よ」

 

フィリス「わたしは…しつこいよ…!何度だって…!起き上がるから…!」

 

フィリスは弓を構え、矢を放つ。

 

ファルギオル「雑魚が…」

 

ファルギオルはフィリスの放った矢を弾く。

 

フィリスは力を振り絞って、力を使ってしまったのか、そこで体勢を崩してしまう。

 

フィリス「くっ…!」

 

ファルギオル「さて、目の前で倒れている人間…邪魔だな…」

 

ファルギオルの目の前で倒れているのがリディー、スーだった。

 

フィリス「あ、ダメ…!逃げて…!逃げて…!二人ともっ!!」

 

リディー「………」

 

スール「………」

 

二人にフィリスの声は聞こえていなかった。

 

ファルギオル「去ね」

 

フィリス「ダメェェェェェ!!」

 

フィリスは力を振り絞って体勢を直し、双子の二人の前に立ち、庇いにいく。

 

フィリス「(ごめん…イルちゃん…!リア姉…!プラフタさん…!そして…)」

 

フィリスが最期に思ったのは、自分に錬金術を教えてくれて、夢を見つけてくれた。

 

あの人の後ろ姿。

 

フィリス「(ソフィー先生…!)」

 

???「…させないよ」

 

すると突然、誰かがファルギオルに強力な一撃をくらわす。

 

ファルギオル「むっ!?」

 

???「これが雷神ファルギオル。…思っていたよりもしぶといようですね」

 

???「そうみたいだね。でも…これ以上、好き勝手はさせないから」

 

フィリス「あ…あ…!」

 

フィリス「ソフィー先生…!!プラフタさん…!!」

 

リディー「あれ…?私たち…生きてる…の…?」

 

スール「どうして…?ファルギオルにやられたはずじゃ…」

 

リディーとスールは気を取り戻したようだ。

 

???「ふふ、もう大丈夫だよ。プラフタ、この子たちをお願い」

 

プラフタ「わかりました。…二人とも、こちらへ。ソフィー、あなたは?」

 

ソフィー「あたしは…もう一発、ぶちかます!」

 

ソフィーという少女はもう一発強力な一撃をお見舞いする。

 

ファルギオル「ぐぅっ!…貴様、人間にしてはやるようだ。忌々しきネージュを思い出す…!」

 

ファルギオル「次にまみえた時は…必ず、滅ぼす!」

 

ファルギオルは姿を消す。

 

スー「うそ、消えちゃった…!?大変、逃がすわけには…いたたたた…」

 

プラフタ「いえ、深追いは危険です。ひとまずここは態勢を立て直すべきかと」

 

ソフィー「うん。とりあえず、応急処置だけしとこうか」

 

するとあたりから青い光が放ち、体の痛みがなくなっていく。

 

リディー「え…体中が痛かったのに、一瞬で治っちゃった…?」

 

スール「ゆ、夢みたい…あなたは…?もしかして、魔法使い…?」

 

ソフィー「ううん…ただの錬金術士だよ、ただの」

 

フィリス「先生、助けてくれてありがとうございました…けど、どうして…」

 

ソフィー「あはは、都に着いたらリアーネさんと出くわして、それで、すぐに駆けつけたってわけ」

 

ソフィー「それより、フィリスちゃん。お話ができそうな場所まで案内してくれる?」

 

ソフィー「ファルギオルを放っておくわけにはいかないからね。どうすればいいのか、みんなで考えないとね」

 

フィリス「はい!すぐに案内します!みんな、お城に戻ろう!」

 

マティアス「コウキ…おい、起きろ」

 

コウキ「ん…俺は生きて…」

 

マティアス「起きたか、ソフィー嬢という人がオレたちを助けてくれた」

 

コウキ「ソフィー…?」

 

ソフィー「ほら、君大丈夫?」

 

ソフィーという人が手を差しのべる。

 

コウキ「あ…はい…」

 

プラフタ「大丈夫ですか?」

 

アルト「ああ、大丈…!?」

 

プラフタ「どうしました…?」

 

アルト「あ…いや…なんでもない…助かったよ、ありがとう」

 

ルーシャ「あいたた…あれ?」

 

プラフタ「もう大丈夫です。さぁ行きましょう」

 

ルーシャ「は…はい…!」

 

アルト「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城内医務室

 

医療班騎士A「傷口は治りました。そこで安静にしていてくれ」

 

ガルド「おうよ」

 

医療班騎士A「よし、配置に戻るぞ」

 

医療班騎士団員「はっ!」

 

医療班の騎士団員達は医務室を出ていく。

 

ガルド「お前は戻らないのか?」

 

医務班騎士C「ええ、すこしあなたと話をしたくてですね」

 

ガルド「そうか」

 

医務班騎士C「すこし遅れる!」

 

医務班騎士B「了解…あまり長居するなよ?」

 

医務班騎士C「わかっているさ。それで…お久しぶりですね…ボス」

 

ガルド「ああ、久しぶりだな。元気だったか?」

 

医務班騎士C「ええ、相変わらず…毎日楽しい日々を送ってますよ。あなたには感謝しています」

 

ガルド「そうか、それはよかった」



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第二十九話 諦めない心

俺達はあの『雷神の伝承』で出てくるファルギオルと戦った。

 

だけどファルギオルに力は及ばず、返り討ちをくらってしまう。

 

俺達がやられそうになった時、錬金術士のソフィーさんとプラフタさんによって俺達は助けられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城 エントランス

 

ミレイユ「ファルギオル…思ってたより、はるかに強大だったわね…」

 

リディー「はい…全然歯が立ちませんでした…」

 

スール「反則だよ…勝てっこないよ、あんなの…」

 

コウキ「………」

 

ミレイユ「完全に折れちゃったみたい…自信があったならこそ逆に、か…」

 

ミレイユ「それで、えっと、あなた方は…?」

 

ソフィー「あ、申し遅れました。あたしはソフィー・ノイエンミュラーと申します」

 

プラフタ「そして、私はプラフタ。ソフィーとともに旅をしています」

 

フィリス「ソフィー先生もプラフタさんも、とっても優れた錬金術士なんです!」

 

フィリス「二人の力を借りられれば、ファルギオルも、もしかしたら…」

 

ミレイユ「…なるほど。ソフィーさん、プラフタさん。出会って早々、大変恐縮なのですが…」

 

ミレイユ「今はこの国の危機。ぜひお力を貸していただけませんか?」

 

ソフィー「はい、事情はフィリスちゃんから聞きました。プラフタともども、協力させていただきます」

 

コウキ「(どうしてだ?ソフィーさんはこことは無関係なのに協力してくれるのか…?)」

 

ミレイユ「ありがとうございます…!では早速、今度の対応について協議を…」

 

リディー「…なんだか。完全にかやの外にされちゃったね」

 

スール「…いいよ。どうせ会議なんかしたって、あんな化け物に勝てっこないもん」

 

スール「本気でやっても、全然ダメだった。もう…どうしようもないんだもん…」

 

リディー「スーちゃん…」

 

コウキ「………」

 

俺はもう下を向くことしか出来なかった。

 

ソフィー「………」

 

ソフィーはリディー達のほうを振り返る。

 

プラフタ「ソフィー?」

 

ソフィー「あ、ごめんね」

 

ソフィー「というわけで、問題はファルギオルの耐久力なんです。全力で攻撃はしてみたんですけど…」

 

プラフタ「致命傷にはほど遠い、どうにかして、ファルギオルを弱体化させることができれば…」

 

フィリス「弱体化、弱体化…ダメだぁ、何も思い浮かばない…」

 

ソフィー「そうだね…どの方法も、有効とまでは言えない気がして…」

 

ミレイユ「…少し休憩を挟みましょうか。戦いから間を開けずに会議していることだしね」

 

ミレイユ「幸い、ファルギオルはまだ姿を消したまま。一旦休んで、頭を整理した方がいいと思うわ」

 

プラフタ「そうですね。ソフィー、どうしますか?私は外に散歩に行こうと思うのですが」

 

ソフィー「…うん、ごめんね。あたしはもうちょっと、ここで考えてみる」

 

プラフタ「わかりました。あまり無理はしないように、フィリス、案内してくれますか?」

 

フィリス「あ、はい!プラフタさん、ちょっと待っててくれますか?」

 

プラフタ「わかりました。待ってますよ」

 

フィリスは王城内の病室に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城内医務室

 

フィリス「ガルドさん!」

 

ガルド「ふ、フィリスか?」

 

フィリス「ガルドさんどうして勝手に出たんですか?心配しましたよ…わたし…」

 

ガルド「すまん。あまりにも雷雨が多いからな、もしかしたらと思ってな…」

 

フィリス「ファルギオルが復活してたのを知っていたんですか?」

 

ガルド「ああ…そうだな。あの時を思いだしてな…」

 

フィリス「あの時?」

 

ガルド「いや、なんでもないぜ…」

 

フィリス「…?でもなんとか無事でよかったです!」

 

ガルド「お前もな。あの時はびっくりしたぞ…まさかお前が来るとはな…」

 

フィリス「わたしからは逃げられないんですよー?ガルドさーん?」

 

ガルド「おっと、顔が怖いな…フィリス」

 

フィリス「冗談です!じゃあわたしはこれで…」

 

フィリスがガルドの病室から出ようとする。

 

ガルド「フィリス」

 

フィリス「ん?」

 

ガルド「お前、あの時俺にケガ一つ負わせないと言ったな?」

 

フィリス「は、はい…」

 

ガルド「逆に俺はお前にケガ一つ、負わせたくねぇよ。絶対に、な」

 

フィリス「えへへ…そうですか?」

 

フィリスがガルドの傍に近づく。

 

フィリス「次どこか行くときは…わたしも呼んでよ…?」

 

ガルド「ああ…そうするぜ」

 

フィリス「………」

 

ガルド「ふぉ!?」

 

フィリス「えへへ…じゃあね!」

 

フィリスは病室を出る。

 

ガルド「ったく、だからそうゆうのは若い奴に…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城 エントランス

 

フィリス「プラフタさん!待たせました!それじゃあ行きましょう!」

 

プラフタ「はい」

 

フィリスとプラフタは王城を出る。

 

リディー「スーちゃん。私たちもアトリエに帰らない?」

 

スール「…その前に、あの人に聞きたいことがある」

 

スーが言うあの人とは俺達を助けてくれたソフィーさんのことだった

 

リディー「えっ…。スーちゃん…?」

 

コウキ「なにを聞くんだ…?」

 

スール「ちょっとね…」

 

スーは真剣な目をしていた。

 

俺達はソフィーさんの元に近づく。

 

ソフィー「だとすると…うーん、ダメか…じゃあ、こっちをこうすれば…」

 

ソフィーさんはなにやら物の整理をしているようだ。

 

スール「あの、ソフィーさん」

 

ソフィー「…うん?えっと…スーちゃん、だよね。どうかした?」

 

スール「単刀直入に聞きます。…どうしてそんなに頑張れるんですか?」

 

コウキ「(え…なにを言ってるんだスーは…)」

 

ソフィー「…?どういうこと?」

 

スール「ファルギオルはあんなに強いんですよ?ソフィーさんでも、まともに戦ったらどうなるか…」

 

スール「まして、ソフィーさんはメルヴェイユに来たばっかり。この場所には関係ないじゃないですか」

 

スール「なのに、そんなに頑張って力を貸してくれるなんて…あたしには、どうしてかわかりません」

 

リディー「…それ、私も聞きたいです。あのファルギオルを見て、どうしてまだ、戦おうって思えるのか…」

 

コウキ「ソフィーさん俺もそれ聞きたいです。どうしてこことは無関係の人がそこまで…」

 

ソフィー「…なるほどね。単純な話だよ。あたし、錬金術はみんなのためのものだと思ってるから」

 

スール「みんなの…ためのもの?」

 

ソフィー「うん。錬金術はみんなのためのもの。みんなのために使うもの」

 

ソフィー「だから、あんまり縁がなかったとしても…目の前で困ってる人がいたら、その人を助けたい」

 

ソフィー「それに、あたしは錬金術を信じてる。錬金術ならどんな困難だってきっと乗り越えられるって」

 

ソフィー「だから、ファルギオルがいくら強くても…あたしはみんなのために、最後まで絶対に諦めない」

 

ソフィー「ただ、それだけだよ」

 

ソフィーさんはそう言い、笑顔をみせる。

 

コウキ「………!」

 

俺はこの人のおかげで力をもらえた気がした。

 

スール「~~~っ!リディー…!」

 

リディー「うん、スーちゃん…!」

 

スール「なんかあたし…変に弱気になってた!あたしたちも、ファルギオルを倒す方法を考えよう!」

 

スール「錬金術はみんなのためのもの…!都のみんなを守るためにも、頑張らなくっちゃ…!」

 

リディー「うん!…私も錬金術を信じてみるよ。錬金術なら、ファルギオルだって絶対倒せるって!」

 

スール「ソフィーさん、ありがとうございました!その…すっごくためになりました!」

 

リディー「何て言うか…勇気をもらえた気がします!私たちも、精一杯考えてみますね!」

 

コウキ「…あなたのおかげで頑張れる気持ちになりました。ありがとうございます」

 

ソフィー「ふふっ、それはよかった。…頼りにしてるよ、三人とも」

 

すると散歩に出てたプラフタとフィリスが王城に帰ってくる。

 

プラフタ「ただいま戻りました。さて、そろそろ会議を再開しましょうか」

 

ソフィー「あはは、その必要はないみたいだよ。…ねっ」

 

スール「はい!あたしたち、思いついたんです。ファルギオルを倒すきっかけになりそうなこと!」

 

ミレイユ「えっ、本当!?双子ちゃん、どんなことなの!?」

 

リディー「ファルギオルを倒すために、不思議な絵の力を使うんです!」

 

スール「伝承によると、ファルギオルは絵に閉じ込められた。なら、ファルギオルは絵に弱いんじゃないかなって」

 

ミレイユ「可能性はあるわ。不思議な絵を集めてたのは、それを見越してでもあるんだもの」

 

ミレイユ「でも、今まで調査した絵の中には、ファルギオル討伐に有効な手立ては…」

 

リディー「今までなかったならって、他の絵にないとは限らないじゃないですか!」

 

コウキ「そうです!やるからには諦めずにやっちゃうべきだと思います」

 

スール「そう。やる前から諦めちゃダメだと思うんです。新しい不思議な絵…もう手に入ってるんですよね?」

 

スール「ミレイユさん、お願いします!不思議な絵…紹介してください!」

 

フィリス「お、おお…三人とも、なんか元気になってる…。ソフィー先生、何かやったんですか?」

 

ソフィー「ふふっ、さぁね?」

 

ミレイユ「…わかったわ。確かに可能性が少しでもあるなら、諦めるのはまだ早いわね」

 

ミレイユ「みんな、画廊まで来てくれる?とっておきの一枚…お見せするわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城 戦闘班控え室

 

戦闘班騎士A「隊長、諜報班から入電。ファルギオルの現在場所を特定…奴はまたブラウズヴェストからメルヴェイユに近づいてきています!」

 

戦闘班騎士隊長「了解…ただちに現場に向かい、最大戦力で奴の足止めを開始する。準備をするぞ」

 

戦闘班騎士A「了解…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城内画廊

 

ソフィー「うわぁ、繊細に書き込まれてる…!これが『不思議な絵』なんですか?」

 

ミレイユ「ええ、この絵の題名は、『凍てし時の宮殿』。作者はネージュ・シャントルイユ…」

 

ミレイユ「不思議な絵を初めて描いた画家にして…他でもない、ファルギオルを封じた一人でもある、錬金術士よ」

 

ミレイユ「しかも、この絵は彼女の初めての不思議な絵。つまり、一番最初に作られた不思議な絵ってことね」

 

スール「うわ、とんでもなくとんでもない絵なんですね…!この絵なら、ファルギオルを倒す鍵もきっと…!」

 

ミレイユ「ええ、私たちの運命を託すのにはうってつけの一枚ね。じゃあ急いで修復を…」

 

すると誰かが画廊に入ってくる。

 

イルメリア「ミレイユさん!またファルギオルが出たらしいわ!」

 

ミレイユ「何ですって!?何て間の悪い…どうしたものかしら…」

 

ソフィー「…ファルギオルのことは、あたしとプラフタが食い止めます。だから、その間にみんなでファルギオルを倒す鍵を見つけて来てください」

 

スール「え…いいんですか?それ、すっごく危ないんじゃ…」

 

プラフタ「ふふ、時間を稼ぐだけなら問題はありません。さすがに真正面からは挑みませんので」

 

ソフィー「そういうこと。リディーちゃん、スーちゃん。…任せたよ!」

 

リディー、スール「はい!」

 

ソフィー「よし、プラフタ、行こう!イルちゃん、場所を教えてくれる?」

 

イルメリア「はい!あ、アタシも時間稼ぎ、手伝いますからね!あなたたち、しっかり頑張るのよ!」

 

ネスト「話は聞かせてもらったっすよ」

 

メルサ「ミレイユさん、あたしたちも足止め手伝いますよ」

 

コウキ「ネストさんとメルサさん!?」

 

ネスト「久しぶりっすね。コウキ」

 

メルサ「ミレイユさんにはお世話になってるからね。だから今度はあたしたちがミレイユさんに見返ししてやろうってね!」

 

ミレイユ「二人とも…そうね。二人にもお願いするわ!」

 

イルメリア「えっと、あなたたちは…?」

 

ネスト「話はあとでっすよ!」

 

メルサ「そうだよ!急ごう!」

 

イルメリア「わかりました!」

 

ソフィー「行くよ、プラフタ」

 

プラフタ「はい」

 

イルメリア「あ、コウキ」

 

コウキ「ん?」

 

イルメリア「あなたも無理はしないこと…約束よ」

 

コウキ「イルこそ!」

 

イルメリア「あら?アタシのこと心配してくれるの?ふふっ…じゃあバイバイ!」

 

コウキ「ああ!」

 

五人は画廊を出る。

 

スール「よし。あんまり待たせるわけにはいかないし…修復に必要な道具、大急ぎで調合しちゃおうっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城内 ガルドの病室

 

医療班騎士C「もう体のほうは大丈夫そうですね。ですがあまり無理はしないでください」

 

ガルド「わかった。あれをくれ」

 

医療班騎士Cはポケットから葉巻、ライターを取り出した。

 

ガルド「つけてくれないか?」

 

医療班騎士C「わかりました」

 

騎士は葉巻に火をつける。

 

ガルド「ふぅ…久しぶりの葉巻は美味い…」

 

医療班騎士C「体に悪いのであまり吸いすぎないようにしてくださいね」

 

ガルド「ああ」

 

ガルドは葉巻を口にくわえたまま、服を着替え、隣にある大剣を背中に背負う。

 

ガルド「また逢おう」

 

医療班騎士C「ええ、では」

 

騎士は部屋を出る。

 

ガルド「さて…」

  

するとガルドは首につけているお守りに手をかざす。

 

ガルド「ヒナ、聞こえるか?」

 

ヒナ「ふぁ!?お守りから声が!」

 

ガルド「元気そうだな」

 

ヒナ「まさかこのお守りは…」

 

ガルド「ああ、お前といつでもお話できる優れ物だ」

 

ヒナ「そうですか!嬉しい…です」

 

ガルド「それで何かわかったことはあるか?」

 

ヒナ「はい…!ガルドさん達に渡したい物があります」

 

ガルド「わかった。今度お前のとこに会いに行くから、待っててくれよ」

 

ヒナ「はい…♪待ってますよ!」

 

ガルドはお守りを手から離し、通信をきる。

 

ガルド「さて、いくか…」



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第三十話 4つ目の不思議な絵へ

リディー達のアトリエ

 

ロジェ「お前たち!よかった、無事だったか…!雷神は…?ファルギオルは倒したのか!?」

 

リディー「ううん、まだ。でも、私たちは諦めないよ」

 

スール「メルヴェイユのみんなのためにも…あたしたちが諦めるわけにはいかないからねっ!」

 

リディー「さぁ、スーちゃん!張り切って調合するよ!少しでも早く、絵の世界に行かないと!」

 

スール「おうよっ!敏腕スーちゃんに任せときなさいっ!」

 

ロジェ「お前たち…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城 エントランス

 

マティアス「ガルドさん!?ここは禁煙だぞ!」

 

ガルド「おっとすまねぇ、今やめるからよ。それでミレイユの嬢さ…」

 

ミレイユ「…なにかしら?」

 

マティアス「姉貴の顔が怖い!ひっ!」

 

ガルド「すまん、王城内で葉巻して悪かった。それでよ…」

 

ガルド「なにか手は見つかったか?奴はとんでもない耐久力だ。なにかしら弱体化しないと攻撃が通じないぞ」

 

ミレイユ「…ええ、今双子ちゃんたちに絵の修復をさせてもらってるわ」

 

ガルド「絵だと…?それで奴をどうするんだ?」

 

ミレイユ「その絵の世界でファルギオルを倒すための鍵を見つけるのよ」

 

マティアス「そしてその絵の作者はネージュ・シャントルイユ…それは知ってるか?ガルドさん」

 

ガルド「ネージュ?」

 

ガルドはファルギオルと戦っていたあの時を思い出す。

 

ファルギオル『貴様…忌々しきネージュと共にいたあの男を思い出す…!』

 

ガルド「………」

 

ガルド「ネージュはどうゆうやつだったんだ?」

 

ミレイユ「昔、ある英雄と共にファルギオルを絵の中に封印した人よ」

 

ガルド「なるほどな。じゃあ俺もまたその絵の調査に同行してもいいか?」

 

マティアス「ああ、仕事だしな。じゃあ双子たちの修復が終わるまでここで待ってようぜ?」

 

ガルド「そうしてもらう」

 

ミレイユ「その前にガルドさん…?ちょっとお話いいですか…?」

 

ガルド「お、おう…」

 

マティアス「姉貴のお説教タイムか!?説教が終わるまで外で待っとくか…」

 

ミレイユ「マティアス」

 

マティアス「な、なんでしょう!王女様!」

 

ミレイユ「団長と服団長から伝言よ」

 

マティアス「なんだ?」

 

ミレイユ「『頑張れマティアス』だそうよ」

 

マティアス「そうか。わかった」

 

マティアスは王城を出る。

 

ミレイユ「それで話を戻しますよ…ガルドさん…?」

 

ガルド「お、おう…」(´・ω・`)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソレイユ通り 本屋

 

サリア「コウキ」

 

コウキ「ん?」

 

サリア「これ持っていきなさい」

 

コウキ「これは…」

 

サリア「これはね、光の神様があなたのことを守ってくれる…お守りよ」

 

母さんから渡されたのは丸くて白く輝く光のようなお守りだった。

 

コウキ「ありがとう。じゃあ行ってくる」

 

コウキは本屋を出る。

 

サリア「コウキ…どうか無事で…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソレイユ通り 中央部

 

アルト「やぁコウキ今から王城に行くんだろ?」

 

コウキ「そうですけど?」

 

アルト「ぼくも今から行くところだ。よかったら一緒に行かないか?」

 

コウキ「はい!」

 

アルト「そのお守り…綺麗だね。大切にするんだよ」

 

コウキ「え…?はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メルク庭園 フィリスのアトリエ

 

フィリス「よいしょ…リア姉、行ってくるね!」

 

リアーネ「フィリスちゃん。あまり無理はしないでね?」

 

フィリス「わかってるよ!じゃあ!」

 

リアーネ「(フィリスちゃん…お姉ちゃんはいつもあなたのことを応援してるわよ…!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城前広場 アトリエ・ヴォルテール

 

スール「たのもー!」

 

ルーシャ「なんですかスー?てかなんだか元気そうですね…」

 

リディー「ルーちゃん、いっきますよ~♪」

 

リディーとスール達はルーシャを無理やり引っ張り出す。

 

ルーシャ「わわ!やめ…!ってスー!どこ触ってるんですか!」

 

スール「気にしない、気にしない。早く行きますよ~」

 

ルーシャ「わかりましたから!引っ張らないでください!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城 画廊

 

リディー「よし、修復終わり!さぁ、みなさん!急ぎましょう!」

 

スール「うん!ファルギオルを倒す鍵…絶対に見つけてこないと!」

 

ルーシャ「どうしてあんなに元気なんですか、二人とも…。わたしなんて、アトリエから引っ張り出されましたし…」

 

マティアス「はは、頼もしいじゃねぇか。これだけ絶望的な状況だ。明るいくらいでちょうどいいさ」

 

アルト「ああ、そうだね。…さて、この先に僕らの希望は…」

 

フィリス「ガルドさん?大丈夫ですか…?」

 

ガルド「ああ…大丈夫だ…」

 

コウキ「(師匠なんかミレイユさんに何か言われて凄い落ち込んでいるな…)」

 

スール「じゃあいっくよー!」

 

俺達はネージュ・シャントルイユが初めて描いた最初の不思議な絵の世界、『凍てし時の宮殿』の中に入った。



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第三十一話 凍てし時の宮殿 前編

第十八話であったやつ

コウキとマティアスのコンビネーションアーツ

『光と黄のXクロスXエックス』

敵全体に特大ダメージを与え、全ステータスを低下させる。


凍てし時の宮殿

 

???「………」

 

???「誰かがここに入ってきたわね」

 

???「だけどここには誰一人もいれさせないわ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

薄水のエントランス

 

ルーシャ「また寒いところですね…ぶえっくしょい!」

 

コウキ「お前はあいかわらずだな…」

 

リディー「ここが凍てし時の宮殿…。一番最初の不思議な絵…」

 

マティアス「凍てしって言うだけあって、いろいろ凍ってるな…。滑らないように気をつけて歩かねぇと…」

 

コウキ「(なんか寂しい感じがするな…ここ)」

 

???「その必要はないわ」

 

突然、謎の少女が現れる。

 

リディー「あれ、女の子…?」

 

スール「フーコみたいに話せる子がいてよかったー。ところで…必要がないってどうゆうこと?」

 

???「あなたたちは今すぐここから出て行くことになる。だから、一歩たりとも歩く必要はないってこと」

 

魔物「…!」

 

謎の少女の前に槍を持っている緑の妖精?三体が突如現れる。

 

リディー「うわぁっ、魔物!?ど、どうして…」

 

???「ここはわたしの宮殿。邪魔者は…出ていきなさい!」

 

魔物「くらえー!」

 

アルト「槍先についてるのは毒か?みんな気をつけろ!」

 

魔物がコウキに襲いかかってくる。

 

コウキ「!」

 

コウキは魔物が持っている槍を剣で弾き飛ばす。

 

魔物「!?」

 

ガルド「………」

 

フィリス「ガルドさん?なにして…」

 

ガルド「こうかな」

 

ガルドは義手を魔物に構え、すると義手から電流が放たれる。

 

魔物「!」

 

魔物三体に電流が当たる。

 

???「くっ…押されてるわね…」

 

マティアス「…!麻痺してるぞ!今が攻撃のチャンスだ!」

 

スール「いっくよー!」

 

スーがフラムを投げ出す。

 

フィリス「あつーい攻撃!」

 

そしてフィリスは火矢を魔物に放つ。

 

リディー「くらっちゃえー!」

 

リディーもフラムを投げ出す。

 

ルーシャ「くらいなさい!」

 

ルーシャもフラムを投げ出す。

 

アルト「眠れ!」

 

無数の錬金剣が魔物たちに突き刺さり、魔物達は力尽きる。

 

???「わたしの魔物たちが負けるなんて…。あなたたち、何者なの?」

 

スール「ふふん。あたしはスー。で、こっちはリディー。あたしたち、錬金術士なんだ」

 

スール「ここにはファルギオルを倒すための鍵を探しに来たの。だから…出ていくわけにはいかないよ」

 

???「…なるほど。アイツが目覚めたの。でも、そんなことわたしには関係ない」

 

コウキ「このままじゃ、俺達の都がファルギオルに焼き尽くされてしまうんだ…この際何だっていい、何か教えてくれないか?」

 

???「だから言ったでしょう?そんなことわたしには関係ないって」

 

???「わたしはただ、一人で静かに暮らしたいだけ。出て行かないなら…容赦しないから」

 

謎の少女は姿を消す。

 

コウキ「………」

 

リディー「…ねぇ、スーちゃん。今の子、ファルギオルのこと知ってるみたいだったよね」

 

スール「…うん。フーコは外の世界のこと、何も知らなかったのに」

 

リディー「やっぱりこの絵、いつもの絵とちょっと違うみたい…気をつけながら進んでみよう…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冷然たるホール

 

ホールのたくさんの本が並んでいる部屋に着いた。

 

コウキ「本がいっぱいあるな」

 

スール「何かないかなー?」

 

コウキ「え、ちょスー、なにしてるんだ?」

 

???「はぁ、まだ出ていかないの?また魔物をけしかけるわよ?」

 

ふたたび謎の少女が姿を現す。

 

スール「だから言ってるじゃん。ファルギオルを倒す鍵を探しに来たって」

 

スール「ねぇ、もし何か知ってるなら教えてよ。そしたら出て行くからさ」

 

???「ふん、誰が教えてやるもんですか。外の世界のことなんて、どうでもいいわ」

 

そう言って、また少女は姿を消してしまう。

 

ガルド「やはり無理やり捕まえて尋問…」

 

フィリス「尋問って…ダメですよ?あの子は女の子なんですから!」

 

ガルド「そ、そうだな」

 

フィリス「だけど、今の口ぶり…やっぱりあの子、何か知ってるみたい」

 

リディー「ですね…」

 

スール「ねぇねぇ、コウキこれなんだろ」

 

コウキ「ん?これは…誰かの日記だな」

 

スール「よーし、読んでみよう」

 

リディー「うーん。知ってるなら教えてくれれば…って、スーちゃん!?何読んでるの!?」

 

スール「んー?本棚にあった日記帳だよ。誰のかはわかんないけど…」

 

???「うわあああ!どうして何の脈絡もなく読んでるのよー!ダメ!それは読んじゃダメー!」

 

マティアス「あ、また出てきたな」

 

アルト「なるほど…絵の人物は自在に姿を消したり現したりできる力を持っているのか?ふむ…」

 

マティアス「だから研究熱心もほどほどに…」

 

スール「…はっはーん。これ、あなたのなんだー。えっと?あなたの名前は何て言うのかなー?」

 

???「あああ!ダメ!ダメだってばー!」

 

リディー「うわぁ…スーちゃん、容赦なーい…」

 

ルーシャ「さすがスー…鬼ですね」

 

コウキ「で、なに書いてるんだ?」(興味津々)

 

リディー「コウちゃん…目が輝きすぎてるよ…」

 

ルーシャ「コウキは本を読むのが好きですからね…」

 

スール「ふんふん…あれ、『ネージュ』…?これって、この絵を描いた錬金術士の名前…」

 

コウキ「ネージュだって!?もう故人じゃ…」

 

ネージュ「もう怒った…絶対に許さない!今すぐ出ていけ、バカー!」

 

すると次は腕に白い花がついていて、妖精のような魔物三体が現れる。

 

リディー「うわぁっ、また魔物っ!?」

 

魔物「…!」

 

魔物たちが魔法を唱え、地面から氷の結晶が生えてくる。

 

コウキ「うお!?」

 

アルト「助けてあげよう」

 

アルトが魔法でコウキを強化する。

 

コウキ「なんか強くなれた気が…いっくぞぉ!」

 

コウキが魔物に攻撃を仕掛ける。

 

ガルド「薙ぎはらってやる」

 

剣が燃えはじめる。

 

マティアス「おお…!」

 

ガルドは燃えた斬撃を魔物達に放ち。魔物達はまたも力尽いてしまう。

 

コウキ「師匠…すごいですけど危ないですよ!俺に当たるとこでしたよ!?」

 

ガルド「おっとすまねぇ、今度からきぃつける」

 

ネージュ「…っ!もう知らないっ!あんたたちなんて、酷い目に遭っちゃえ!」

 

少女はまた姿を消す。

 

スール「あ、いなくなっちゃった。さてさて、続き続きー」

 

するとまたスーが本を開き直し、読みはじめる。

 

マティアス「お前、本当にデリカシーねぇよな…」

 

スール「ふーんだ。デリカシーじゃお腹はふくれない…ん?ねぇみんな、日記の中身なんだけど…」

 

『今日もここにはわたしだけ。自らが描いたとはいえ、この世界には何もない」

 

『最初は孤独もいいものだと思った。だが、永久にも等しい時間は、一人ではあまりにも退屈だ』

 

『ただ、これはわたしが望んだこと。意識が途絶えるその時まで、わたしはきっと一人なのだろう』

 

日記はここまで書かれていた。

 

コウキ「………」

 

マティアス「あの子、ずっとここで独りぼっちなのか…そりゃキツいな…」

 

フィリス「それならどうして、わたしたちに出ていけって…」

 

ガルド「独り…か」

 

リディー「…えっと!提案なんですけどっ!みんなでネージュちゃんとお友達になりませんか?」

 

マティアス「友達…?」

 

リディー「ネージュちゃんは寂しがってるんだと思うんです。でもたぶん、それを口に出せなくて…」

 

リディー「だから、私たちからお友達になりに行きましょう?ずっと独りぼっちなんて…悲しすぎるから…」

 

ルーシャ「ふふっ、リディーらしさ満開の発言ですね。まぁ、わたしはいいと思いますよ?」

 

コウキ「俺もそう思うよ。孤独は寂しすぎるよ…それだったら俺達が友達になってあげなくちゃ…」

 

ルーシャ「少々打算的かもしれませんが、友達になれば、ファルギオルのことも教えてくれるかもしれませんしね」

 

コウキ「もう台無しだよ!」

 

スール「いやぁ、ルーシャは心が汚れてるねぇ…。友達くらい、純粋な関係でいようよ」

 

ルーシャ「あなたにだけは言われたくないんですけどっ!」

 

フィリス「あはは!…わたしも賛成だよ。友達は多いに越したことはないだろうし…ね?」

 

マティアス「リディーの意見には賛成だ。一人は悲しすぎるからな…」

 

アルト「ネージュから情報を聞き出すならいい考えかもしれないね」

 

ガルド「リディーのお嬢さんが言ったことだ。それならそれに従うだけだ」

 

リディー「みなさん…!」

 

フィリス「それじゃあ!ネージュちゃんとお友達になりに…いざ、しゅっぱーつ!!」

 

リディー、スール「はーい!」

 

コウキ「あ、おい!先に行くなよ!」

 

ルーシャ「まったく、あの二人は…」

 

ガルド「俺達も急ぐぞ」

 

マティアス「そうだな。アルト、いくぞ」

 

アルト「ああ、そうだね。さて…ここから彼女の心はどうなるのかな」

 

八人がその部屋を去る。

 

ネージュ「………」

 

ガルド「…?」

 

ネージュ「…!」

 

少女は消える。

 

ガルド「………」

 

アルト「ガルド?なにをしてるんだ?はやく行こう。おいていかれるぞ」

 

ガルド「ああ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リディー「ここ…おもちゃ部屋かな?あれ、何か落ちてる…」

 

落ちていたのはくまのぬいぐるみだった。

 

スール「うわぁ、かわいいぬいぐるみ…!でも、破れちゃってる…ね…?」

 

コウキ「なんか名前書いてるぞ?」

 

リディー「ねーじゅ・しゃんとるいゆ…」

 

………

 

『…大人はいや。人付き合いは嫌い。みんなわたしを利用しようと、顔色を伺っている』

 

『大人になんてならなきゃよかった。ずっと子供のままでいれば、こんな想いは…』

 

………

 

コウキ「…今のは一体…」

 

フィリス「もしかしてネージュちゃんの想い?でも『大人になんてならなきゃよかった』って…?」

 

マティアス「そもそも子供のネージュがいるのがおかしいんだよな。ネージュの最期は、しっかり記録に残ってる」

 

ガルド「俺もそう思うんだよな。なぜ故人が…」

 

マティアス「そして人付き合いに嫌気がさして、人里離れた小屋でひっそりと息を引き取ったって話だが…」

 

アルト「ということは…外の世界を知ってるとはいえ、絵の中のネージュと現実のネージュは、別人…?」

 

スール「うーん、ややこしい!今は考えるの、やめやめー!」

 

スール「それよりこのぬいぐるみ…錬金術で直してあげようよ。これ、きっとネージュのでしょ?」

 

リディー「うん、たぶん大切なものだと思うし…時間がないのはわかってるけど、えっと…」

 

アルト「いいんじゃないかな。ソフィーたちも、少しくらい遅れたところで文句は言わないだろう」

 

アルト「それに、大事なのはネージュから情報を聞き出すこと。物事は一端ではなく、大局を見ないとね」

 

マティアス「もっとわかりやすく言えよ…ぬいぐるみを直せば、ネージュも喜ぶって言いたいんだろ?」

 

アルト「ふん、回りくどいのは生まれつきの性分だ。気にしないでくれ」

 

リディー「あはは、ありがとうございます。じゃあ…このぬいぐるみ、大急ぎで直してきますね!」

 

コウキ「二人で大丈夫そうか?」

 

スール「大丈夫だよ!じゃあリディー、急ごう!」

 

リディー「うん!」

 

二人はアトリエに戻り、破れているくまのぬいぐるみを直しに行っていった。

 

ガルド「そこにいるのはわかってるぞ。出てこいよ」

 

ネージュ「………」

 

ガルド「ずっとみてたのか?」

 

ネージュ「ええ…ずっとみていたわ」

 

コウキ「今リディー達がくまのぬいぐるみを直しにいってもらってるよ」

 

ネージュ「どうしてそんなことをするの?」

 

コウキ「どうしてって…大切な物なんだろ?」

 

ネージュ「………」

 

コウキ「あのさ、俺達は君と話をしたくて友達になりたいんだ。ダメかな?」

 

ネージュ「友達…?友達ですって…?」

 

コウキ「…!」

 

彼女の綺麗な青い瞳は憎しみ、怒り、悲しみに道溢れ…光を失っているような目をしていた。

 

ネージュ「あのね…本当の友達ってなんだかわかってるの?」

 

ネージュ「一度信じたって、人はいつか裏切るのよ…!絶望もした…悲しかった…!」

 

コウキ「…裏切られたこともあるさ、俺も…」

 

ネージュ「え?」

  

そう、それは俺が五歳の時だったころの話…




マーガルット・ヴォルテール

37歳

身長183cm

ルーシャの父親でもあり、ロジェにとっては頼れる兄貴でもあって、ルーシャにアトリエ・ヴォルテールの主を任せている。
娘であるルーシャを可愛がらないと生きていけないらしい。

例えば、妹大好きリアーネのような感じでもある。


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第三十二話 凍てし時の宮殿 中編

『いた…』

 

鼻を蹴られ、鼻血が出る。

 

『やーい!どうした?いじめられっ子』

 

こいつは初めて俺に声をかけてくれた友達

 

『いじめられっ子!いじめられっ子!あはは』

 

こいつは声をかけてくれた友達と一緒にいた奴

 

『どうだー?最初は仲良くしていたのに最後はオレたちに裏切れていじめられるっていうのは!』

 

『ほんとおもしろいわね!あはは!』

 

なんて奴らなんだろう。

 

『どうした?やり返さないの?まぁ弱虫だからなー!』

 

『弱虫だから仕方ないのよ。あはは』

 

『………』

 

『はーいそのお二人さん』

 

するといじめっ子に声をかける、髪がピンク色で綺麗な洋服を着ている女の人だった。

 

『ちょっとあなたたちとお話がしたいの。いいかしら?』

 

『え?なんですか?もしかしてこいつの親ですか?』

 

『この子の親ではないけど…こんなこと見過ごせないからね』

 

『ねぇ、これやばくない?』

 

『そうだな、逃げるか…』

 

二人はその場を逃げようとするが、謎のお姉さんに服の袖を掴まれる。

 

『ひっ!』

 

『ちょ…!』

 

『あら?話の途中なのに逃げるなんて、悪い子ね。あなた達、これからお姉さんが言うことをしっかりと聞いてちょうだい?』

 

『は、はい…』

 

『はい…』

 

一時後…

 

『はい話はもう終わり。それじゃ気をつけてね』

 

『ごめんなさい…』

 

いじめっこ二人はその場を去っていく。

 

『大丈夫?コウキ君』

 

『え…ぼくのこと知ってるの…?』

 

『あなたのお母さんいるでしょう?わたしはその人と友達なの。ほら鼻血出てるわよ。ほら』

 

謎のお姉さんはハンカチで俺の血を拭いてくれた。

 

『目立ったケガはないようね。よかったわ』

 

『あの…』

 

『ん?』

 

『友達って、なんですか…?こんなことがあるならもう友達なんかいらないよ…』

 

『…そんなことはないわ』

 

謎のお姉さんは俺を優しく抱き締める。

 

『え…?』

 

『辛かったでしょ?もう大丈夫よ。あなたを一人になんかさせないから…友達はもういらないとか…悲しいこと言わないで?』

 

頭を優しく撫でてくれる。

 

『…!』

 

『わたしの宝物である娘達はね?とってもいい子なの!コウキ君、その子たちと友達になってくれるかしら?』

 

『ぼくでよければ…』

 

『よし!ほらもう泣かないで?』

 

謎のお姉さんは俺に手を差しのべてくれた。

 

まるで太陽のような人だった。

 

『あ!どこか美味しい食べ物があるとこにいってみない?』

 

『はい…!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「…わかるんだよ。俺も仲がよかった友達に最後は裏切れ…もう友達は作りたくないと思った時があるから…」

 

ネージュ「そうなの。でもあなたのことはどうだっていいわ…余計なこと言わないで、これはわたしの問題…」

 

ネージュ「わかったならここからはやく出ていきなさい」

 

すると彼女は消えてしまう。

 

コウキ「………」

 

ルーシャ「コウキ…」

 

フィリス「コウキ君…」

 

アルト「裏切られる…ね」

 

マティアス「なんだよ、アルト」

 

アルト「いや?別に」

 

ガルド「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リディー「みなさん!お待たせしました!」

 

スール「ぬいぐるみ直してきたよ!」

 

ルーシャ「あ、二人とも!待ってましたよ」

 

リディー「あはは…ごめんね!よいしょ。ネージュちゃん。ぬいぐるみ、直しておいたからね」

 

ネージュ「…どうして?別にそんなこと、頼んでもいないのに」

 

ふたたび彼女が現れる。

 

リディー「あはは、お節介だったかな。ネージュちゃんの大事な子だと思って…」

 

リディー「ねぇ、ネージュちゃん。お願いなんだけど、私たちとお友達になってくれないかな?」

 

スール「あたしたち、ネージュと話がしたいんだ。きっと一人でいるより、みんなでいた方が楽しいよ!」

 

ネージュ「友達…ね、いや。どうせまた、裏切られる。…わたしのことは、放っておいて」

 

彼女はまた消えてしまう。

 

リディー「あ、ネージュちゃん…」

 

アルト「なるほど…彼女はおそらく…ふむ」

 

スール「あ、アルトさんったら一人でわかったような顔してー!ずるーい!あたしにも教えてくださいよー」

 

アルト「君たちにもいずれわかるさ。いずれ…ね」

 

コウキ「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

孤独のダイニング

 

スール「今度はダイニング?誰もいないけど…っ!」

 

………

 

『一人の食事にはもう慣れた。だが…どうしてだろう。心のどこかに、穴が空いているような気分になるのは」

 

『心の底では、また友と一緒に食卓を囲みたいと…いや、一時の迷いに身を委ねるのはやめよう』

 

『二度と友は作らない。友を作っても裏切られるだけ。…これは、わたしが決めたことなのだから』

 

………

 

コウキ「(君は迷っているのか…?本当にこれが君の本心なのか…?)」

 

スール「またネージュの思いが…よく聞くと、さっきのネージュより大人っぽい声だよね」

 

ルーシャ「ええ…ただ、言ってることは同じみたいです」

 

ルーシャ「『裏切られるから、友達はいらない』少なくとも、これが彼女の本心ではあるようですね」

 

リディー「でも、ネージュちゃんも迷ってるみたいだったよ。やっぱり、友達が欲しいと思うんだ!だから…っ!」

 

ルーシャ「大丈夫ですよ、リディー。今更友達になるのはダメ、なんて言いませんって」

 

スール「うん…ただ…どうすればいいんだろうね。ネージュが心を開いてくれないと、どうにも…」

 

フィリス「ふっふっふ…」

 

ガルド「フィリス?」

 

フィリス「フィリスさん、閃いちゃいましたよ!みんなでご飯を食べるのはどうかな?」

 

フィリス「わたしなら、一緒にご飯を食べればもう友達だー!って思っちゃうんだけど…えへへ」

 

ガルド「はっはっは!フィリスらしいな!」

 

スール「ご飯か…いいかもしれませんね。大人っぽいネージュも、そんなこと言ってたし」

 

リディー「…うん!食べ物、食べ物…何かあったかな…」

 

フィリス「ガルドさん!あれを!」

 

目をキラキラさせながら問い掛けるフィリス。

 

ガルド「ん?ああ、わかった」

 

ガルドがご飯を取り出す。

 

コウキ「師匠!美味しそうですねそれ」

 

ガルド「ああ、無理やりフィリスに俺の有り金で買わされ…」

 

フィリス「ガルドさーん?」

 

コウキ「ん?」

 

ガルド「げふんげふん…これは美味しいぞ!」

 

フィリス「じゃあ、ご飯の準備をしよう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フィリス「準備かんりょー!さぁみんな!席について!」

 

マティアス「お、おう…」

 

アルト「ふふ…」

 

ルーシャ「楽しみですね」

 

コウキ「あはは…」

 

スール「ネージュー、出ておいでー!一緒にご飯、食べようよー」

 

ネージュ「…人をペットみたいに呼ばないで。それにご飯なんていらない」

 

スール「えーこんなに美味しそうなのにーほらほらー」

 

ネージュのお腹の音がなる。

 

ネージュ「うっ…」

 

リディー「ネージュちゃん、お腹空いてるんでしょ?みんなで食べたらきっと美味しいよ。…ね?」

 

ネージュ「…わかった。ちょっとだけだからね…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネージュ「…!美味しい…」

 

ネージュがすごい勢いでご飯を食べる。

 

リディー「そっか!じゃあ私も…」

 

スール「ふむふむ…美味しいね!これ」

 

リディー「スーちゃん!それ私のー!」

 

スール「あ、あまりの美味しさに…ごめんね?リディー」

 

コウキ「まぁまぁリディー、俺の食えよ」

 

リディー「ありがとね!コウちゃん!もう…スーちゃんったら…」

 

アルト「ほう?これは美味しいね」

 

マティアス「あ、ルーシャ嬢!オレの食ったなー?」

 

ルーシャ「おーっほっほっほ!気づくのが遅い!遅すぎますよ!マティアスさん!」

 

フィリス「むむ…美味しそうですね…じゅるり…」

 

ガルド「…ほらフィリス、やるよ」

 

フィリス「えへへ!ありがとうございます!」

 

ネージュ「(なんだろう…この嬉しい気持ちは…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネージュ「…ごちそうさま」

 

フィリス「あはは、よっぽどお腹空いてたんだね。すごい勢いで食べちゃった」

 

ネージュ「そ、そんなことはないわ。まぁ…思ってたより美味しかったけど」

 

リディー「あはは、お粗末さまでした。美味しかったならよかったよ」

 

スール「さて…一緒にご飯を食べたことだし…これであたしたち、もう友達だね!」

 

ネージュ「なっ…!どうしてそうなるの?いくらなんでも、ちょっと飛躍しすぎじゃない?」

 

リディー「そんな…ぐすっ…ネージュちゃん。そこまで私たちとお友達になるの、イヤ…?」

 

リディーがあまりの悲しさに泣きそうになってしまう。

 

コウキ「あ…!」

 

ルーシャ「あらま…これは困りましたね…」

 

スール「あー、リディーのこと泣かせたー!ネージュったら、ひどいんだー」

 

ネージュ「えっ、わたしが悪いの…!?何なの、もう!と、友達になんて…絶対なってあげないんだから!」

 

また彼女が消えてしまう。

 

リディー「うう…ネージュちゃん…」

 

スール「…くふふ、あともう一歩みたいだね」

 

コウキ「だといいんだけど…」

 

ルーシャ「あとひとつ、何かきっかけがあれば…ふふっ」

 

ガルド「また金稼がないといけないな…」

 

マティアス「くっそー!ルーシャ嬢め!」

 

ルーシャ「おーっほっほっほ!ごめんなさいね、マティアスさん♪」

 

アルト「はは…まぁ、たまにはこうゆうのも悪くないね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

静謐なライブラリー

 

フィリス「ルーシャちゃんなんか疲れぎみだね、大丈夫?」

 

ルーシャ「えぇ…ほんとにひろーい宮殿ですね…はぁ」

 

マティアス「ルーシャ嬢はもうバテたか?オレがおぶってあげてもいいんだぜ?」

 

ルーシャ「結・構です!」

 

スール「マティアスどうせ、ルーシャをおんぶして胸の感触をあじわいたかっただけでしょ?えっちだねぇー」

 

マティアス「………」

 

ルーシャ「え…マティアスさんそんなこと考えてたんですか…?」

 

当然のようにマティアスから距離を離れるルーシャ。

 

マティアス「ま、待って!オレそんなこと考えてないから!アルトもコウキも何か言ってくれ!」

 

コウキ「わーお…」

 

アルト「マティアスのことだ。まぁどうでもいいんじゃないかな」

 

マティアス「ぐすん!オレはただ心配してただけなのに!」

 

ガルド「何の話してんだ…お前ら…」

 

スール「ん…?なんだろうこれ、スケッチブック…?」

 

コウキ「これは…絵だな」

 

リディー「うん!綺麗な絵がたくさん…!これ、ネージュちゃんが描いたのかな…。…っ!」

 

………

 

『どんな環境でも、絵を描くことだけは嫌いにならなかった』

 

『願わくば…共に絵を描く友人がいれば、それ以上に幸せなことはないのだが』

 

………

 

コウキ「またネージュの思いが…」

 

スール「…ネージュって確か、画家でもあったんだよね。絵を描くのが本当に好きだったんだろうなぁ…」

 

リディー「いいこと思いついた!ネージュちゃんと一緒にお絵書きしてみない?」

 

スール「それいいかも!きっとそれなら…!」

 

コウキ「心を開いてくれるかもしれない?」

 

リディー「うん!ネージュちゃんのとこに急ごう!」



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第三十三話 凍てし時の宮殿 後編

いよいよ、第一章が終わりそうです。

ファルギオル 第一章

黒の魔核 第二章

??? 第三章

みたいにしていきます。

第三章はもうなにかわかってるか察してる人がいたら嬉しいです。


ネージュのアトリエ

 

コウキ「ここが最新部かな?くしゅん!」

 

ルーシャ「コウキ!くしゃみが当たったんですけど!ちゃんと手で抑えてくださいよ!」

 

コウキ「あーごめんごめん…」

 

リディー「あちゃちゃ…」

 

スール「みんな!あれみて!」

 

奥のほうにはネージュがいた。

 

こちらをじっと見ているようだ。

 

リディー「ネージュちゃんだ!近くまで急ごう!」

 

スール「うん!」

 

コウキ「ああ、今度こそ!」

 

マティアス「そういえば、ネージュって大人が嫌いなんだっけ…」

 

ガルド「俺みたいな老人が友達でいいのだろうか…」

 

フィリス「わたしもこないだ成人して大人になったけど、大丈夫かな…」

 

アルト「状況は一刻を争うからね。はやく情報を聞き出さないとね」

 

ガルド「今度こそ、この凍てついた時に終止符

を討つ時だな」

 

俺達はネージュの元へと向かう。

 

ネージュ「…よくもわたしの部屋まで来てくれたものね。あれだけ出ていけって言ったのに」

 

スール「ふふん、リディーは結構頑固なんだよ。決めたことには一達なの」

 

スール「そんなリディーが、ネージュと友達になりないって言ってるんだもん。…もう観念した方がいいよ?」

 

リディー「ネージュちゃん!」

 

コウキ「………」

 

ネージュ「はぁ…わかった。あなたたちと友達になってあげる。いつまでもつきまとわれるのも大変だしね」

 

スール「ほんとう!?やったー!」

 

ネージュ「ただし、条件があるわ。わたしがやりたいこと…当ててみなさい」

 

リディー「うん?やりたいことって…どういう意味?」

 

ネージュ「…あ、遊びたいことよ!友達がどんなことをして遊びたがってるかくらい、わかって当然でしょ?」

 

ネージュ「もし外したら…ふふ、覚悟しておくことね。じゃあ、心の準備ができたら話しかけて」

 

コウキ「リディー、スー!」

 

スール「おうよ!」

 

リディー「うん!ネージュちゃんがやりたいこと。それは『お絵描き』だよね!」

 

スール「不思議な絵を描いちゃうくらいだもん。絵を描くの、大好きなんでしょ?」

 

ネージュ「…ええ、正解。それも誰かと一緒にね。友達と一緒に、仲良く絵を描きたいと思ってたの」

 

リディー「ふふふー!あのね、ネージュちゃん。私たちのお父さん…画家なんだよ!」

 

スール「まぁ、だから絵が上手いってわけでもないんだけど。あたしたちでよければ、一緒にお絵描きしようよ」

 

ネージュ「…いいの?口だけじゃなくて…あなたたちは本当に、わたしの友達になってくれる?」

 

リディー「もちろん!口だけなんかじゃないよ。ネージュちゃんのこと、裏切りもしない」

 

リディー「私はネージュちゃんと仲良くしたいんだ。だから…私たちと、お友達になってください!」

 

ネージュは俺達を見る。

 

コウキ「…うん」

 

俺はうなずく。

 

スール「ネージュ!」

 

ネージュ「…!えっと、みんな。奥の部屋まで来てくれる?」

 

ネージュ「そこに絵を描く道具を揃えてあるから。その…一緒にお絵描き、しましょ?」

 

スール「おうよ!じゃあ、いこっか!」

 

リディー「うん!スーちゃん!」

 

ルーシャ「あの二人に任せれば大丈夫そうですね…」

 

影で双子を見守る、俺とルーシャ。

 

コウキ「なに言ってんだよルーシャ。俺らも行くぞ、ほら」

 

コウキはルーシャの手を掴んで、リディーとスールのあとを追う。

 

ルーシャ「え…!ちょっと!」///

 

ルーシャ「(コウキの手は本当にあったかくて落ちつきますね…って何を考えているのでしょう…わたしは…)」

 

ルーシャ「………」///

 

マティアス「オレらは出番なし…かな?」

 

フィリス「何言ってるんですか!わたしたちもいきますよ!ほら!マティアスさん!」

 

フィリスはマティアスの手を掴み、奥の部屋へと向かう。

 

マティアス「ちょっと、フィリス嬢ぉ!?」

 

アルト「ぼくらもいくか」

 

ガルド「そうだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネージュ「ようこそ。ここはわたしのアトリエよ。錬金術の…じゃなくて絵を描く方の、だけど」

 

リディー「あはは。じゃあ早速始めようか。みんなで一緒に、お絵描き大会っ!」

 

みんな「おー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルーシャ「どうでしょう?これ!」

 

スール「えぇ!?ルーシャのくせに意外と絵上手いとか!ありえないし!」

 

ルーシャ「なんですか!くせにとは!」

 

コウキ「ルーシャ、絵上手かったんだな」

 

リディー「私とは全然違うね…あはは」

 

ルーシャ「おーっほっほっほ!わたしは錬金術も美学も絶好調なのですよ!」

 

ネージュ「100点中、54点ってとこかしら?」

 

コウキ「俺のはどうだ?ネージュ」

 

ネージュ「あなたのは、30点ぐらいかしら」

 

コウキ「知ってた…」

 

スール「ネージュ!あたしのはー?」

 

ネージュ「スーのは…これ絵って言うのかしら?落書きなんじゃないの?」

 

スール「えー!?そんなぁー!」

 

ルーシャ「ぶふふ…まだまだですね。スーは」

 

スール「あー!笑ったなぁー!?このぉー!」

 

ルーシャ「スーが怒りましたー!逃げないと~♪」

 

コウキ「あ、お前ら!まったく…」

 

リディー「ネージュちゃん、ネージュちゃん!私は?」

 

ネージュ「リディーは34点ぐらいかしら…」

 

リディー「コウちゃんと同じくらいかな?」

 

マティアス「アルト、お前…なんだそれは…ははは!」

 

アルト「なっ!?マティアスも下手…じゃないだと?」

 

フィリス「マティアスさん上手ですねー!それに比べてわたしのは…うう…」

 

マティアス「子供のころよく姉貴とお絵描きしてたからな」

 

ガルド「まぁ落ち込むな。気軽にいこうぜ」

 

フィリス「むむ…!?ガルドさん絵、上手ですね!」

 

ガルド「これでも絵を描くのは得意なんでな」

 

マティアス「それはどうしてだ?」

 

ガルド「俺の大切な人から教わったさ…」

 

ガルドは暗い顔をしながら言う。

 

フィリス「ガルドさん…?」

 

ガルド「いや、なんでもねぇ…」

 

スール「えー?ガルドさーん教えてくださいよー!気になりますよー!」

 

リディー「ちょっとスーちゃん!?あまり詮索しちゃダメだよ!」

 

ルーシャ「そうですよ、スー。大人にはいろんな秘密があるんですからね。そうですよね?ガルドさん」

 

ガルド「まぁ、そうだな」

 

コウキ「師匠…?」

 

ネージュ「(…こんなに楽しいことがあの時にもあれば…いや、今はそんなこと考えてなくていいか…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネージュ「よし、できた」

 

リディー「うわぁ…ネージュちゃん、やっぱり絵が上手いんだねぇ…!」

 

スール「あたしたちとは別格って感じ…!一目見ただけで感動しちゃうよ…!」

 

ネージュ「ふふ、お褒めにあずかり光栄だわ。だてに300年描き続けてないからね」

 

コウキ「さ、300年!?」

 

スール「ど、どういうこと?」

 

ネージュ「ふふ…わたしは現実のネージュの残留思念。ネージュが死んでからずっと、ここで暮らしてきたの」

 

リディー「ざ、残留思念…?死んでからずっと…?うう、頭がこんがらがってきた…」

 

ネージュ「不思議な絵と一度でも関わると、何というか…魂の枷が外れるのよ」

 

ネージュ「絵の世界に入ったことがある人間は、死後、魂が絵の中に残ることがあるらしくてね」

 

ネージュ「それが残留思念。死んだときの記憶も持っている…いわば、幽霊みたいなものかしら」

 

コウキ「ゆ、幽霊…?」

 

コウキはお化け嫌いのスーのほうを振り返る。

 

スール「げっ、幽霊!?じゃあネージュって幽霊だったの!?」

 

ネージュ「例えれば、よ。本当に幽霊なわけじゃないわ。本人が死後、絵の中で生き続けるって言った方が近い」

 

ネージュ「まぁ、わたしはずっと子供のままでいたいって願っていたせいか、身体は子供になっちゃったけどね」

 

リディー「は、はぁ…不思議な絵って、本当に底が知れないんだねぇ…」

 

ネージュ「ふふ、まぁ、そういうわけで。あなたたちが求める情報も、わたしは知ってる」

 

スール「それって…!ファルギオルを倒すための鍵…!」

 

ネージュ「そうよ。アイツの弱点は、人の純粋な想いのかたまりである、『不思議な絵』そのもの」

 

コウキ「不思議な絵…」

 

ネージュ「絵の世界では、ファルギオルは力を発揮できない。…そこで、あなたたちにこれをあげる」

 

ネージュから渡されたのは『パレット』だった。

 

スール「パレット…?」

 

ネージュ「そう、これは『虹のパレット』。壊れちゃってるけど、現実世界で、不思議な絵の力を引き出すための道具」

 

ネージュ「そして絵の力を自由に使うには、パレットに加えてこの『色のかけら』が必要になるわ」

 

さらにネージュから渡されたのは各地の不思議な絵で手に入った、かけらだった。

 

リディー「あ、それって…今まで、いろんな世界で拾って来た…」

 

ネージュ「なんだ、他の世界にも行ったことがあるのね。この『色のかけら』は作者の想いが結晶化したもの」

 

ネージュ「『虹のパレット』と『色のかけら』を手に念じれば…現実世界に絵の世界が具現化される」

 

ネージュ「それでファルギオルも大きく弱体化するはずよ。この世界の色のかけらも、あなたたちに託すわね」

 

スール「…ありがとう、ネージュ。大事に使わせてもらうね」

 

ネージュ「ええ、わたしはアイツを封じるのが精一杯だったけど、あなたたちならきっと…」

 

ネージュ「…が、頑張りなさい!うるさいだけが取り柄の雷神に負けたら、承知しないわよ!」

 

リディー「うん!私たち、絶対にファルギオルを倒してくるよ!」

 

スール「それじゃあね、ネージュ!また遊びに来るから!」

 

ネージュ「あ、待って、これからも絵の世界を旅するつもりなら…『黒の絵の具』に気をつけて」

 

リディー「『黒の絵の具』…?それって、どういう…」

 

フィリス「リディーちゃん。今は元の世界に戻ろう?さすがに先生たちのこと、心配になってきちゃった」

 

リディー「あっ、はい。そうですよね…」

 

ネージュ「コウキ、これを」

 

コウキ「ん?」

 

俺に渡されたのは水色のように輝く丸い玉のような物だった。

 

コウキ「これは?」

 

ネージュ「これはわたしがあなたにひどいこと言ったしまったお詫びよ。この事はまた会う時に話すわ。えっと…また会いに来てくれるわよね…?」

 

コウキ「もちろん、君を一人になんかさせないから」

 

ネージュ「………っ!」

 

………

 

『君を一人になんかさせないから』

 

『うん…!約束だからね?』

 

『ああ、約束…な』

 

………

 

ネージュ「………」

 

コウキ「ネージュ?」

 

ネージュ「うわぁぁ!?顔近い!あっち行け!」

 

コウキ「え!?すまん…」

 

ネージュ「はやく行きなさい!」

 

コウキ「お、おう…」

 

ルーシャ「コウキー!はやくしてくださいー!」

 

コウキ「今いくよー!」

 

俺はその場を去る。

 

ネージュ「…彼は一体?なんで『アイツ』のあの言葉を今思い出すのよ…約束までして、わたしを裏切ったくせに…!」

 

ネージュ「…今さらそんなこと気にしてる場合じゃないか…今はあの子たちを信じること…頑張りなさいよ。リディー、スー!」



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第三十四話 諦めない強さ

ネージュが初めて書いた不思議な絵、『凍てし時の宮殿』で残留思念のネージュからファルギオルを倒すための鍵を知った。

俺達の『運命を越える』戦いが始まろうとしていた。



………

 

『あの人が突然いなくなった』

 

『どうして?約束したのに…』

 

『一人にしないで…一人はいやなの…』

 

『またあいつらに『利用』されたくないの…』

 

『助けて…助けてよ…』

 

………

 

王城 画廊

 

コウキ「…!」

 

今のはなんだ…?ネージュの思いか?

 

ガルド「おい、コウキ、コウキ」

 

コウキ「ん…?」

 

ガルド「いつまで気を失ってるんだよ。みんな行ったぞ?」

 

コウキ「あ…すいません…今行きます」

 

俺は画廊を出る。

 

ガルド「…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城 エントランス

 

コウキ「ルーシャ、どこにいくんだ?」

 

ルーシャ「王城の医務室です。お父様の面倒をみないといけないんですよ」

 

コウキ「あ、そっか…ファルギオルの雷にうたれて…」

 

ルーシャ「そうですよ。ほんとに無茶する人です」

 

ルーシャ「コウキ、わたしはファルギオルのとこには行けません」

 

コウキ「…わかったよ。今は大切なお父さんの面倒を見とけよ。じゃあ」

 

ルーシャ「はい。リディーとスーのこと、お願いします」

 

コウキ「もちろん」

 

ルーシャは医務室へと向かったようだ。

 

アルト「ふむ…」

 

エントランスにはみんながいた。

 

コウキ「アルトさん、考え事ですか?」

 

アルト「ああ、現実世界で絵の世界を再現するのが気になってね。はやくそれをみたいものだ」

 

マティアス「そうだなーオレもみてみたいもんだ」

 

マティアスさんが話に入ってくる。

 

コウキ「ですね…それよりリディーとスーは?」

 

ミレイユ「今はファルギオルの鍵の修理をお願いしているわ」

 

コウキ「あのパレッドみたいなのですよね?」

 

ミレイユ「そうよ。わたしたちの運命は双子ちゃんとあなたたちに懸かっているわ。お願いね」

 

コウキ「はい!」

 

フィリス「今度こそ、負けません!」

 

ガルド「雷神様に仕返ししないといけないからな。絶対に負けられんさ」

 

マティアス「頑張ろうぜ。アルト」

 

アルト「もちろん。ぼくも最善を尽くすよ」

 

俺達にはもう切り札はある。

 

今度こそ、絶対に勝ってみせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくすると、ソフィーさんが王城に来たようだ。

 

何かあったのだろうか。

 

フィリス「先生!」

 

ソフィー「ファルギオルの鍵は見つかったかな?」

 

フィリス「はい!今はリディーちゃんとスーちゃんがその準備をしています!」

 

ソフィー「そっか、わかった」

 

ミレイユ「ソフィーさん、どうしました?」

 

ソフィー「道具が尽きてしまって戻ってきたんです。今はプラフタたちと騎士団員の皆さんが抑えてくれてます」

 

ソフィー「だけど、もう限界かもしれません。決着をつけるなら早い方がいいかもしれません」

 

ミレイユ「わかったわ。双子ちゃんまだかしら…」

 

コウキ「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソフィー「よいしょ、よいしょ…よし!補充はこれで完了…」

 

コウキ「ソフィーさん」

 

ソフィー「ん?えっと、コウキ君だよね?」

 

コウキ「そうです」

 

ソフィー「どうしたの?」

 

コウキ「俺、頑張りますから!ソフィーさんのあの言葉で俺達に力を与えてくれたんです!俺を助けてくれたことも…感謝しています」

 

ソフィー「当然のことをしたまでだよ。困ってる人がいたら助ける…絶対に、ね」

 

コウキ「こんな俺ですけど…次はソフィーさんに何かあったら俺が助けます!いや…守ってみせます!」

 

ソフィー「ふふっ…頼りにしているよ。みんなのために最後まで絶対に諦めない…ってことを忘れないでいて?それはみんなを笑顔にできることだから」

 

コウキ「はい!」

 

俺はこの人のまっすぐな目が好きだ。

 

みんなのために最後まで絶対に諦めない彼女の心はみんなに力を与えてくれる、本当に強いものなんだと実感した。

 

俺もこんな人になりたいとあらためて思った。

 

スール「皆さん!お待たせしました!」

 

リディー達が戻ってきたようだ。

 

ソフィー「あ、二人とも!ファルギオルを倒す鍵…見つかったんだって?」

 

リディー「あれ、ソフィーさん!?ファルギオルは…!?」

 

ソフィー「あはは、道具が尽きちゃって戻って来たの。今はプラフタ達が抑えてくれてるよ。ただ…もう時間がないかもしれない。決着をつけるなら今かな」

 

スール「ふふふ…なら、今から行っちゃいましょうか。必要なものはもう、バッチリ整理してきましたから!」

 

ソフィー「それならあたしも一緒に行くよ。道具の補充も済ませたし」

 

リディー「やったー!ソフィーさんがいてくれるなら、すごく頼もしいです!」

 

ソフィーさんが一緒に来てくれるのは心強い。

 

スール「うん!…覚悟してろよ、ファルギオル…!じゃあ…行こう、みんなっ!!」

 

リディー「うん!スーちゃん!」

 

アルト「ああ」

 

マティアス「おう!」

 

フィリス「うん!」

 

ソフィー「頑張ろう!」

 

ガルド「おうよ!」

 

コウキ「…ああ!」

 

そして俺達は決戦の舞台、ブライズヴェストに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブライズヴェスト 焦雷風穴

 

戦闘班騎士A「隊長あれを」

 

戦闘班騎士隊長「ん?あれは…ソフィー殿たちだな。よし交代だ!全軍、撤退!」

 

騎士団員達が撤退していくようだ。

 

プラフタ「…攻撃がきます!」

 

メルサ「はいよー!まっかせてー!」

 

ファルギオル「逃がさんぞ…!」

 

ファルギオルが撤退する騎士団員に雷を放とうとする。

 

メルサ「やらせないよ!」

 

魔方陣からビームを発射する。

 

ファルギオル「ぐぅっ!」

 

ネスト「よし、今のうちにオレ達も撤退するっすよ!」

 

イルメリア「はい!あたしたちも交代ですね」

 

リディー「師匠ー!」

 

イルメリア「待ってたわよ!アイツを倒す準備はできてるんでしょうね?」

 

スール「…はい!今度こそ、絶対に負けません!」

 

プラフタ「ふふ、自信たっぷりのようですね。これなら期待できそうです」

 

ソフィー「うん。メルサさんとネストさんとプラフタとイルちゃんは下がってて。後はあたしたちが何とかするから!」

 

メルサ「了解ー!ソフィーちゃん。頑張って!」

 

ネスト「あとは任せるっすよ!」

 

イルメリア「わかりました。…二人とも、今度こそ頼んだわよ!」

 

リディー、スール「はい!」

 

イルメリア「コウキも頑張りなさい!負けたら、灰にするんだから!」

 

コウキ「それは怖い…わかってるよ!イル!」

 

イルメリア「ふふっ…じゃあ、頑張って!」

 

イル達も撤退する。

 

ファルギオル「…また貴様らか。何度来ても同じこと…すぐにあの世に送ってやるわ」

 

ソフィー「そんなことはさせないよ。あなたのことは、あたしたちが倒してみせる!」

 

フィリス「いよいよだね。二人とも、緊張してない?」

 

スール「大丈夫ですよ!だって…!」

 

リディー「みんなが一緒だから!」

 

そう、俺達には頼れる仲間がいる。

 

変えられない未来があるとしても、絶対に諦めない強さが今の俺達にあるから。

 

未来の運命を越える戦いが今、始まる。




前衛 リディー 後衛 スール

前衛 ソフィー 後衛 フィリス

前衛 マティアス 後衛 アルト

前衛 コウキ 後衛 ガルド

並列考えてみた(笑)

本編では6人まででしたが、今回は8人です。


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第三十五話 伝承よ、過去へ

第一章 最終回


ファルギオル「愚かな人間どもよ。今度こそ、消し炭にしてくれる…」

 

リディー「そうはいかないよ!」

 

スール「あたしたちにはとっておきがあるんだから!」

 

リディーとスーたちが虹のパレッドに色のかけらを加えて、現実世界が不思議な絵の世界、凍てし時の宮殿の世界に具現化した。

 

ファルギオル「なにっ!?貴様ら…なぜそれを…!?」

 

ファルギオル「小賢しい…小賢しいぞぉぉぉぉぉ!!」

 

スール「ズルいのはそっちのほうだよ!あんな耐久力、反則なんだから!」

 

リディー「どうやら弱体化したようだね。ここからだよ!」

 

コウキ「今度こそ終わりだ。ファルギオル…!」

 

ファルギオル「貴様…!」

 

ガルド「この前のリベンジだ!覚悟しやがれ!」

 

先に師匠がファルギオルに向かって攻撃していく。

 

ファルギオルも左手の雷剣のようなもので反撃し、師匠の剣とファルギオルの雷剣がぶつかりあう。

 

以前のあのような力はなく、本来の力を発揮できていないようだ。

 

ネージュが言っていたことは本当だったようだ。

 

ガルド「前より弱くなったな。なぁ、雷神様?」

 

ファルギオル「おのれ…!」

 

ガルド「こいつは俺が抑える!今のうちに攻撃しまくるんだ!」

 

フィリス「え、大丈夫なんですか!?」

 

ガルド「心配は無用だ!一気に叩け!」

 

アルト「だそうだ、ここはお言葉に甘えていこう」

 

マティアス「ああ、あんな奴を抑えるなんてほんとやべーぜ、ガルドさんは」

 

スール「ガルドさんらしいよ、ほんと!」

 

ソフィー「そうだね。いこう!」

 

コウキ「師匠…!」

 

リディー「力を!」

 

リディーの援護魔法がガルドに唱えられる。

 

ガルド「…もう止まれねぇなぁ!」

 

雷剣と大きな剣がぶつかりあってるなか、師匠の剣がどんどん、ファルギオルを押していく。

 

ファルギオル「ぬぅ…!」

 

スール「よし!射程距離に入った!蜂の巣にしてやる!」

 

スーが何発も弾丸をファルギオルに撃ちはじめる。

 

コウキ「いくぞ…!光の剣!」

 

マティアス「お前を倒して…アダレットを守る…!この命に変えてでも!」

 

俺とマティアスさんは師匠がファルギオルの動きを止めてる内に攻撃を仕掛ける。

 

ファルギオル「雷よ!」

 

ファルギオルは左手の雷剣で師匠の攻撃を抑えているのに、右手で雷を辺りに降らせる魔法を唱えようとしている。

 

リディー「…きます!」

 

アルト「やらせないよ」

 

アルトは魔法書で空中に浮かぶ魔法剣を唱え、ファルギオルの右手部分に魔法剣が突き刺さり、ファルギオルの攻撃が止む。

 

ファルギオル「くっ!」

 

フィリス「よく狙って…いっけぇぇぇぇ!!!!!!」

 

ソフィー「くらいなさーい!」

 

フィリスさんは矢を放ち、ソフィーさんは道具を使って攻撃し、ファルギオルは少しだけ体勢を崩す。

 

ファルギオル「ぐはぁ…!」

 

マティアス「ファルギオルを一斉に攻撃するぞ!」

 

コウキ「了解ー!」

 

スール「はいよー!くらえー!」

 

リディー「いっくぞぉ!」

 

ソフィー「覚悟してね!」

 

フィリス「はぁぁぁぁ!!!」

 

アルト「いけっ!」

 

ファルギオル「ぐおおおおおおおお!!!!????」

 

みんながファルギオルに攻撃し、ファルギオルはふっ飛び、柱にぶつかる。

 

ファルギオル「こんなもの…痛くも痒くもない…我は破壊する…!すべてを…破壊する…!」

 

吹っ飛ばされても起き上がり、さらに怒り狂ったのか、ファルギオルの目の部分?が赤く光り、体から赤いオーラがでて、雷を体に纏い、近づいただけでも感電してしまいそうだ。

 

スール「おっと…ついに本気モード入っちゃったかな…でも、諦めないよ!あたしたちは!」

 

リディー「うん!絶対に…!」

 

コウキ「倒してみせる…!」

 

ファルギオル「うおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

ファルギオルがなにか強大な力を解き放とうとしている。

 

ガルド「させねぇぞ!」

 

フィリス「やらせない!」

 

マティアス「させるかよ!」

 

アルト「させないよ」

 

ソフィー「さぁ、くらいなさい!」

 

みんながファルギオルを一斉に攻撃する。

 

ファルギオル「ぐぅ…!?うおおおおおおおおおお!!!!!」

 

しかし、ファルギオルはそれを耐え、溜めた強大な力を解き放つ。

 

コウキ「…させるかぁぁぁぁ!!!!」

 

俺はその瞬間にファルギオルの背中に乗る。

 

ファルギオル「…なにっ!?」

 

リディー「コウちゃん!?」

 

スール「コウキ!?」

 

コウキ「(全身が麻痺して今でも気を失いそうだ…でも…こんなとこでやられてたまるか…!)」

 

俺は剣を取り出し、ファルギオルの背中に剣を何度も突き刺す。

 

ファルギオル「この、愚かな人間どもがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

ファルギオルが暴れ始める。

 

コウキ「…くっ!」

 

俺は振り落とされないように必死に耐える。

 

ソフィー「…コウキ君を援護するよ!みんな!」

 

みんなは隙ができたファルギオルを攻撃する。

 

ファルギオル「うおおおおおおお…ぐはぁ…はぁ…はぁ…」

 

ファルギオルは大量のダメージを受け、弱って膝がついてしまう。

 

俺は弱ったファルギオルから飛び降り、剣を構え、ファルギオルの真正面に向かってゆっくりと近づく。

 

コウキ「…終わりだ、ファルギオル。絶対にメルヴェイユを焼き尽くしたりはさせない…今度こそ、お前を討つ!」

 

ファルギオル「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 

コウキ「くっ…!?」

 

するとファルギオルは大きな咆哮し、あまりの咆哮にみんなが耳を塞ぐほど、怯んでしまう。

 

ファルギオル「去ねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

ファルギオルはその隙にすぐに起き上がり、雷剣を俺に振りかざす。

 

リディー「コウちゃん!」

 

スール「コウキ!」

 

コウキ「…!」

 

ファルギオルの攻撃が当たるが、なんともない。

 

ファルギオル「そ、それは…!忌々しき『ロミエル』が持っていた光のお守り!?貴様なぜそれを…!?」

 

コウキ「これは…!」

 

あの時、母さんから貰ったお守りが光だし、バリアーのようなものでファルギオルからの攻撃を守られていた。

 

コウキ「…今がチャンスだ!」

 

俺の剣は辺りが眩しくなるほど光だす。

 

ファルギオル「…なんだ!?この光は!?」

 

コウキ「俺達は『運命を越えて』ここまできた…!覚悟しろ、ファルギオル…!」

 

剣の切っ先から光の波動がファルギオルに放たれる。

 

ファルギオル「ま…まさか…この我が…やられるとは…」

 

ファルギオルは光に浄化されたように消えていく。

 

すると辺りが現実世界に戻り、雷雨だったはずが一気に雲が晴れ、綺麗な太陽が出る。

 

コウキ「…ついに終わったんだな。いてて…」

 

スール「やった…倒した…!ファルギオルを倒せたんだよ、あたしたち!」

 

リディー「うん!やったー!あれだけ強かったのに…!やったよ、スーちゃーん!!」

 

リディーとスーは抱き締めあう。

 

マティアス「コウキー!おい、大丈夫か?」

 

マティアスさんが俺に手を差しのべてくれる。

 

コウキ「体が痛いです…」

 

アルト「そりゃあね、あんな無茶したらそうなるよ」

 

すると師匠がマティアスさんとアルトさんと俺に肩を組んでくる。

 

アルト「おっと…」

 

マティアス「おう!?」

 

コウキ「師匠!?」

 

ガルド「やったな!お前ら!はーっはっはっは!」

 

マティアス「はは…まさか本当に倒せちまうとは、いやー…清々しい気分だ…」

 

アルト「あれだけの敵を倒したんだから当然だろう。…ぼくもこれだけ動いたのは久しぶりだよ」

 

コウキ「光の神様が俺達に味方してくれたんだよな…ありがとう母さん…」

 

フィリス「えへへ…なんとかなりましたね、先生!」

 

ソフィー「うん。さすがに強かったぁ…あの二人とコウキ君がいなかったらどうなってたか…」

 

ソフィー「錬金術にまっすぐで、短時間ですっごい成長をしているリディーちゃんとスーちゃん…なんだか、昔のフィリスちゃんを見てるみたい」

 

フィリス「えー、そんなことないですよ!わたしなんかより、二人の方が立派です!」

 

ソフィー「そうかな?フィリスちゃんと二人もほんと立派だよ」

 

フィリス「ふふ、コウキ君の眼差しも前よりも変わって、かっこよくなったと思います。ほんと強くなったんだなぁ…って」

 

ソフィー「ん?気になってるの?フィリスちゃん」

 

フィリス「いえ!?別に!?」///

 

ソフィー「…ふふっ」

 

フィリス「もう先生ったらー!」

 

コウキ「ん?剣が…!」

 

剣が光だし、剣の鍔の色が黄金の色に変わり、赤い宝石がさらに輝くようになり、剣先が大きくなる。

 

コウキ「剣が変わった!?」

 

ガルド「…どうやらその剣はお前を本物の主と認めたようだな」

 

リディー「え、主?」

 

スール「本物の主って?」

 

コウキ「あ、えーと…メルヴェイユに帰ろうぜ?」

 

リディー「そうだね!スーちゃん、そろそろ…!」

 

スール「そうだね、リディー!帰ろう!」

 

「…わたしたちの、メルヴェイユへっ!」

 

「…あたしたちの、メルヴェイユへっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メルク庭園 門の前

 

ネスト「おっさん」

 

メルサ「まーた歴史に名を残しちゃったね。ガルド」

 

ガルド「ははは…そうだな。でも今回はあの双子のお嬢ちゃんたちと、コウキだと思うぜ」

 

メルサ「あはは、そうだね」

 

ネスト「今から飲みにいくけど、おっさんもくるか?」

 

ガルド「いや、俺はあいつらと行ってるぜ。お前らは二人でイチャイチャして飲んでな。そんじゃあな」

 

ガルドは手を振っていく。

 

メルサ「ありがとうございますー!じゃあ行こっか、ネストくんよ」

 

ネスト「おっさん!?…って引っ張るなぁぁぁぁ!?」

 

マティアス「花火あがってんなー」

 

アルト「あの雷神を倒したからね、みんな、めでたいんだよ。きっと」

 

ガルド「よし、俺ら男組、四人で飲みにいこうぜ?」

 

コウキ「うお!?師匠ぉ!?てか俺まだ未成ね…ぐおっ!?」

 

ガルド「細かいことはいいーんだよ。行くぞ」

 

マティアス「あ、待てよ!オレもいくからー!」

 

アルト「やれやれ…」

 

スール「わぁ…!綺麗な花火…!」

 

リディー「ふふっ、そうだね!綺麗だね…」

 

ミレイユ「双子ちゃん!」

 

リディー「ミレイユさんに、師匠!」

 

スール「ハゲルさんとシスター!」

 

ハゲル「よくやった!お嬢ちゃんたち!みんなが

この都の英雄だー!とか言ってたぜ!」

 

グレース「ええ、この都を救っていただき、本当に感謝しています」

 

イルメリア「さすが、アタシの自慢の弟子だわ」

 

ミレイユ「この国の王女として、双子ちゃんには感謝しているわ、ありがとう」

 

リディー「えへへ…!私達だけじゃないですよ」

 

スール「みんが一緒に戦ってくれたおかげです!」

 

イルメリア「ちょっとー?アタシもあなたたちを褒めてるのよー?返事しなさいよー!」

 

スール「あははー!ごめんなさい師匠♪」

 

イルメリア「もう…まったく、ほんと頑張ったわ、二人とも。お疲れ様」

 

リディー「はい!師匠!」

 

スール「はい!にひひ…!では、師匠また!」

 

ミレイユ「…ふふ」

 

イルメリア「ええ、またあとでね」

 

リアーネ「フィリスちゃゃゃゃゃゃゃんんんんん!!!」

 

フィリス「リア姉ぇ…苦しいよぉ…」

 

リアーネ「さすが私の世界一の自慢のかわいい妹だわ!よしよし!」

  

フィリス「もう…!リア姉ったら~!リディーちゃんにスーちゃん!あとで、美味しいお店いこうね!」

 

スール「わっかりました!じゃあまた!フィリスさん!」

 

プラフタ「ソフィー」

 

ソフィー「ただいま、プラフタ」

 

リディー「ソフィーさん!プラフタさん!」

 

ソフィー「あ、二人とも、ご苦労様だったね」

 

プラフタ「ええ、よく頑張りましたね」

 

スール「いえいえ、ソフィーさん、プラフタさんのおかげですよ!」

 

リディー「うん、そうだね!本当にありがとうございました!」

 

ソフィー「お互い様だよ。じゃああたしたちは行くね」

 

プラフタ「またあとで会いましょう」

 

リディー「はい!わかりました!」

 

スール「ねぇ、リディー」

 

リディー「なーに?スーちゃん」

 

スール「ちょっと近くのベンチに座ろ?」

 

リディー「うん!行こうか」

 

二人はベンチに座る。

 

スール「なんか眠くなってきちゃった」

 

リディー「そう?実は私もなんだーすこし、休憩しない?」

 

スール「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソレイユ通り 本屋

 

コウキ「ただいまー!」

 

サリア「…コウキ!」

 

コウキ「母さん…?」

 

サリア「はぁ…よかったわ、無事で…」

 

母さんは目を閉じながら俺を抱き締める。

 

コウキ「(なんか、母さんって暖かいな…落ち着くまでこのままでいよう…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「どうした?」

 

???「雷神ファルギオルが倒されました」

 

???「そうか…あとは我に任せてくれ」

 

???「何をするおつもりなのでしょう?」

 

???「奴は倒されたといってもそれは肉体だけ、今は我と同じ、魂だけの存在だろう。奴はあれでも『神様』だからな」

 

???「なるほど、それでどうするのでしょう…?」

 

???「宝玉の力で我が蘇ったあと、我の不死の力で奴を復活させる…すべてはお前に掛かっている。任せたぞ、『レーナス』…』

 

レーナス「…はっ!」

 

???「うむ…頼りにしているぞ」

 

レーナス「それと、申し訳ありません。まだ報告があります」

 

???「申してみよ」

 

レーナス「まず、この者をみてください」

 

???「この老人の人間…前に町を襲った時の生き残りか?」

 

レーナス「そのようです。あとこれを…」

 

???「この剣…!」

 

レーナス「はい。今から7年前に私達の部下がアダレットの城に潜入したあと、この剣を盗んだのですが、盗みに失敗し、そのまま放棄された剣です」

 

???「それで、この人間に拾われたと?」

 

レーナス「そうです。あとこれを」

 

???「剣が進化している…」

 

レーナス「はい。本来の剣、『滅魔の剣』…通称『光剣』です」

 

???「この人間…かつて我を倒した者の血統か…」

 

レーナス「はい、間違いありません。あなた様を倒した者の末裔です。どうしましょう?この者の暗殺任務ならお任せを…」

 

???「いや、仇は我が討とう。あの因縁だけは我が確実に終わらせなくてはならない、お前は引き続き、やるべきことを成し遂げよ」

 

レーナス「…御意!では…」

 

???「さて、『黒の魔核』に絵は喰わせた…1つの絵の世界は暗黒に染まり、滅び…これで新たな魔王が誕生する。人間よ…絶望を我にみしてみよ…」




ついに第一章が終わり、第二章が始まります。


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次章予告

今回はタイトルの通り、第二章の次回予告編です。

第二章の始まりの前にこれを投稿するべきでした(´・ω・`)

理由

アイデアが思いつかなかった。


まだ不思議な不思議な絵の物語は終わらない

 

「こんな人を殺せる力があっても、みんなは私を大切な『友』としてくれる…」

 

「…それが本当にかけがえのないほどに嬉しいんです…!」

 

「この、アイスマンは!この地を壊そうとする、あらゆる悪の者から絶対に守ってみせる!」

 

「一人になろうとも、散っていった友たちの分までこれからを生きようぞ!」

 

「リディーとスーたちはボクたちにとっての救世主なんです!」

 

「フーコはいつだって信じてます!あの二人は口だけの人なんかじゃなくて、絶対に約束を守ってくれる人なんだって!」

 

「あの魔物が『黒の絵の具』。またの名を…『レンプライア』…」

 

「やる前から無理って諦めない…か。ふふ、ずいぶんと強い子たちだこと…きっとあの二人なら、運命だって跳ね返してくれる。…信じてるわよ、リディー、スー」

 

「十の海をかっきわっけてー!邪魔ーなもっのはー、やっきつっくすー!」

 

「それーがおっれさっま…キャプテーン…バッケン!!!」

 

「其乃方達は、ある人の過去を見たいのか?」

 

「余はそれを見届けようぞ。失われた過去を取り戻せ、双乃朋よ!」

 

「やはりあの双子は仲が悪くなろうと、二人の絆は偽りではなかった」

 

「どうかあの双子たちに星の輝きがありますように…二人の心の奥に眠る絆は決してなにがあろうと消えはしないということを…!」

 

さらに出会う絵画の世界の人達

 

「コウキ、覚悟はいいか?」

 

「はい!師匠!」

 

「いくぞ…!」

 

「俺達の覚悟の力…みしてやる!」

 

コウキとガルドの絆の力

 

「いた…!これがレンプライアの核…!」

 

「みたいだね。こいつを倒せば、絵の侵食も止まるはず」

 

「うん!お母さんのために、こいつは絶対に倒さなきゃ!」

 

「そうそう、それに…お父さんの絵も、これ以上汚されなくないしね!」

 

絵の世界をすべて黒く染め、食らい尽くす怪物

 

「…リディー!」

 

「うん、スーちゃん!」

 

「…行こう!」

 

お母さんを助けるために…

 

「スーちゃん!お母さんのために!」

 

「うん…!本気でいくよ!これがあたしたちの…」

  

「全力だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

 

お母さんとの約束を果たしたあとの…

 

「…お母さん。私たち、新しい夢ができたんだ」

 

二人が決めた新しい夢…それは

 

「…二人とも、素敵な夢を見つけたのね。とっても立派だと思うわ」

 

「もし、消えてしまっても…二人とまた会えなくなってしまっても…」

 

「わたしは絶対、二人のことを見守ってる。二人が夢を果たせるよう、応援してる」

 

「リディー、スール」

 

「…約束よ」

 

to be continued…




アニメとかの紹介映像みたいにしてみました


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第二章 黒の絵の具 第三十六話 宝玉の秘めたる力

第二章second seasonの始まりです。


俺達は雷神ファルギオルを倒して、メルヴェイユの危機を救った。

 

そんなある日…

 

コウキ「ふむふむ…」

 

俺は漫画本を読んでいる。

 

コウキ「うわっ!?いいところで終わったか…気軽に続編を待ちましょうかね…」

 

俺は本を閉じ、部屋を出る。

 

コウキ「母さ…って留守か、買い出しかな」

 

コウキ「そういえば、今日は店休みなんだっけか…ちょっとミレイユさんのとこに行ってみようかな。今の剣の声を聞いてみたいし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソレイユ通り 中央部

 

フリッツ「コウキ君」

 

コウキ「フリッツさん?」

 

フリッツ「聞いたぞ、あの雷神を倒したんだとな」

 

コウキ「俺だけの力じゃありませんよ、みんながいてくれたからこその勝利だと思います」

 

フリッツ「ふふ…しかしあの時はコウキ君が心配だったぞ…助けを呼ぶ前にもうやられていたと思っていたが、無事でよかった」

 

コウキ「やられそうになった時、師匠が助けてくれたんですよ」

 

フリッツ「…そうか。奴はあんな負傷をしていたのに、まったく無茶をする男だ…」

 

ドロッセル「お父さーん!」

 

フリッツ「ん?どうした?」

 

ドロッセル「これから人形劇の脚本考えるんでしょ!はやくー!」

 

フリッツ「そうだったな。ではまた会おう、コウキ君」

 

ドロッセル「コウキ君!会って早々悪いんだけど、またねー!」

 

コウキ「はい!」

 

二人は俺達と別れる。

 

コウキ「(あの二人はやっぱりこうじゃないとな…」

 

俺はあの時の行動は正しかったと自ら思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城 エントランス

 

コウキ「ミレイユさん」

 

ミレイユ「あら、コウキ君?今日はどうしたの?」

 

コウキ「ミレイユさんってこの剣の声が聞こえるんでしたよね?」

 

俺は剣を受付のテーブルに置く。

 

ミレイユ「そうね。なんとなくだけど」

 

コウキ「じゃあ、なんて言ってます?」

 

ミレイユ「………」

 

ミレイユ「『この者は、我の偉大なる主と認めた…我の力を振ることを許そう』って言ってるわ」

 

コウキ「主…」

 

ミレイユ「ええ、コウキ君は正真正銘、勇者様になったってわけね」

 

コウキ「はは…ありがとうございます…ちょっと画廊に行って、絵の世界に行ってきていいですか?」

 

ミレイユ「それは構わないんだけど、前にメルサさんとネストさんが水晶の輝窟の世界に行ったらとんでもない魔物がいたとか言っていたのよ」

 

コウキ「とんでもない魔物?」

 

ミレイユ「ええ、魔物の『魔王』だそうよ」

 

コウキ「魔王…?」

 

ミレイユ「二人が言う話では魔王は普通の魔物とは桁違いの魔物らしいの、でもそれを倒したのよ…あの二人は」

 

コウキ「それは凄い…」

 

ミレイユ「ファルギオルを倒してから、他の錬金術士にも絵の調査を頼もうとしてるんだけど、そんな魔物に遭遇したら大変よね…」

 

コウキ「ですね…俺も気をつけてみます、じゃあ画廊に行ってきますね」

 

ミレイユ「ええ、気をつけていってらっしゃい」

 

ガチャ

 

誰かが王城に入ってくる。

 

???「…!」

 

見知らぬ人と目が合って、なぜか睨まれたような気がした。

 

コウキ「あの、なにか?」

 

???「いえ…別に」

 

見知らぬ女の人はミレイユさんの方に行ってしまう。

 

コウキ「…錬金術士の人かな?」

 

俺は不思議に思いながら、画廊に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城 画廊

 

コウキ「ネージュにこの事、聞かないとな」

 

そう、あの時ネージュから渡されたこの宝玉みたいな物のことだ。

 

この事はあとで話すとか確かネージュは言っていたような…結構わすれがちな俺でもこの事は覚えていたようだ。

 

俺は不思議な絵、凍てし時の宮殿の世界に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凍てし時の宮殿 ネージュのアトリエ

 

コウキ「ネージュ、いるかー?」

 

俺は声を掛けるが、返事がない。

 

コウキ「あ、いたいた。ネージュー!」

 

ネージュは奥で絵を描いており、描くのに集中しているようだ。

 

大声で叫んでるのに聞こえないのだろうか。

 

コウキ「ここは驚かしてみよっかな♪」

 

俺はネージュにこっそりと近づく。

 

ネージュ「ん?誰…ってうわぁぁぁぁぁぁ!?」

 

コウキ「おっと…驚かし失敗か」

 

ネージュ「…なに?脅かそうとしてたの?」

 

コウキ「おっと、顔が怖い…だって声を掛けても返事しないんだもん」

 

ネージュ「それはね、これを書いていたのよ。今描き終わったところ」

 

ネージュが見してくれたのは、リディーとスーの似顔絵だった。

 

コウキ「…あいつらに見せたらきっと喜ぶぞこれ」

 

ネージュ「…そうね、是非見せてみたいわ。今日は一人なの?」

 

コウキ「そうだけど、他の人も来てほしかった?」

 

ネージュ「別にいいわ、コウキなら…別に…落ち着くし…」

 

小声で何かを言うネージュ。

 

コウキ「ん?」

 

ネージュ「ううん、なんでもない!」

 

ネージュは首を左右に振る。

 

すると彼女がつけていた髪留めがとれる。

 

ネージュ「あ…!」

 

コウキ「ん?落ちたぞ?」

 

俺はそれを拾おうとすると、ネージュは慌てたように俺よりそれを素早く拾う。

 

ネージュ「………」

 

大事な物を手に組むようにそれを持っている。

 

コウキ「ネージュ…?」

 

ネージュ「気にしないで…で、その様子じゃ雷神は倒したってことよね?」

 

ネージュは髪留めを付けながら言う。

 

コウキ「ああ、うん。皆のおかげで、ね」

 

ネージュ「そう…」

 

コウキ「それでさ、これについてなんだけど…」

 

俺はネージュから貰った宝玉を取り出す。

 

ネージュ「そういえばこの事を話すんだったわね」

 

コウキ「これはなんなんだ?」

 

ネージュ「これは、『色のかけら』が長い年月を経ってさらに進化した物なの、そしてこの宝玉にはある力がある」

 

コウキ「力?」

 

ネージュ「…願いを叶えられるそうよ」

 

コウキ「願いだって!?」

 

ネージュ「でもこれ一つだけで叶えられるってわけじゃないわよ?各地の不思議な絵の世界にもこれと同じような宝玉があると思う」

 

コウキ「他の世界にも?」

 

ネージュ「そう、それをすべて集めないと願いは叶えられない…コウキ、あなたがもし願うなら、何を願うの?」

 

コウキ「俺?うーん…そうだなぁ…」

 

俺は悩みだす。

 

ネージュ「…わたしは、出来ることなら『あの時』に戻ってすべてをやり直したいと思っているわ…」

 

ネージュは遠い目をしながら語りだす。

 

コウキ「やっぱりこれはネージュが持っていたほうがいいよ」

 

ネージュ「え?」

 

コウキ「ネージュさ、あの時に戻りたいんだろ?俺が代わりに宝玉をすべて集めてその願い、叶えさせてやるからさ」

 

ネージュ「別にいいわ、さっきのは冗談半分で言ったことだもの」

 

コウキ「んぇ?」

 

ネージュ「…気持ちだけで充分よ」

 

コウキ「お、おう…?」

 

ネージュ「わたし、またお絵描きするんだけど…あなたは帰る?」

 

コウキ「俺もお絵描きするよ。だって友達とお絵描き、したいんだろ?」

 

ネージュ「そ、そうね」

 

コウキ「じゃあ、お絵描きするか」

 

ネージュ「…うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「どうだ?」

 

ネージュ「前よりはいいんじゃない?」

 

コウキ「よっしゃ!俺も将来は画家を目指してみようかなー?」

 

ネージュ「今はなにしてるの?」

 

コウキ「今か?依頼とかこなしてるかな」

 

ネージュ「え…職業はなにをしてるの?」

 

コウキ「職業?うーん…剣士なのか、無職なのかわからない…」

 

ネージュ「無職って、あなたねぇ…」

 

コウキ「いやいや…依頼こなしてるから!都の皆の悩み事とか聞いて解決してあげてるから!」

 

ネージュ「ふーん…まぁいいわ。よし、できた」

 

ネージュの絵を見てみる。

 

コウキ「何回も言うけど、上手すぎだろ(笑)」

 

ネージュ「(笑)ってなに!まぁ、こんなもんよ」

 

コウキ「それよりさ、ネージュの背中に付けてるその本って?」

 

ネージュ「ん、これ?」

 

本を見してくれたようだ。

 

コウキ「これ、錬金術の図鑑…?」

 

ネージュ「そうよ、いろんな物が書いてあるわよ」

 

コウキ「錬金術ねぇ…ネージュさ、錬金術できるんだよね?」

 

ネージュ「一応できるけど…それが?」

 

コウキ「ちょっとこれを直せるかな」

 

渡したのは母さんから貰ったあのお守りだ。

 

ネージュ「…!」

 

コウキ「え、どうした?」

 

ネージュ「いや…なんでもないわ…」

 

コウキ「…?ここに少し傷ができちゃってさ、ここを直してほしいんだ」

 

ネージュ「こんな傷程度で直すの?」

 

コウキ「母さんから貰った大事な物だから…さ」

 

ネージュ「…わかったわ。多分、すぐ終わるわ」

 

するとネージュは錬金釜のほうにいく。

 

コウキ「…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネージュ「終わったわ」

 

コウキ「おお…!」

 

お守りの小さい傷は無くなって、さっきよりもさらに綺麗に輝いていた。

 

ネージュ「…この石、わたし見覚えがあるの」

 

コウキ「え?」

 

ネージュ「これは時間を操る力を持つ、時の英雄『ロミエル』が持っていた光のお守りなの」

 

コウキ「それって…ネージュと共にファルギオルを絵に封印したっていう…」

 

ネージュ「そうよ、わたしのかつての友だった人だわ」

 

コウキ「………」

 

ネージュ「で、なんでそれをあなたのお母様が?」

 

コウキ「俺もそれはわからない…」

 

ネージュ「コウキ、あなたはもしかして初代伝説の剣士、『キリクスト・レオナー』の血統の人かしら?」

 

コウキ「どうしてそれを!?」

 

ネージュ「もちろん、ロミエルもその血統の人だったもの」

 

コウキ「じゃあ俺はその人の子孫…ってこと?」

 

ネージュ「そうよ。そしてこの光のお守りは伝説の剣士の血を引く者しか持つことが許されない物でね」

 

コウキ「じゃあ母さんはどうしてそれを持っていたんだ…?」

 

ネージュ「あなたのお母様か、お父様が血を引いてる人だったからじゃないの?」

 

コウキ「…父さんが」

 

ネージュ「なるほど、あなたのお父様が血統の人だったってわけね」

 

コウキ「なんかごめん…」

 

ネージュ「ちょっと!?なんで謝るのよ」

 

コウキ「だってさ、ネージュを裏切ったその人の子孫なんだろ?俺は…なんだかそれが悔しくて…」

 

ネージュ「………」

 

ネージュ「ううん…あなたはあなた自身…わたしはもう過去の事なんてもう気にしてないわ…それを言ってくれただけで嬉しいわ。…ありがとう」

 

コウキ「ネージュ…」

 

ネージュ「わたしとしたことが…なんだか湿っぽい話になっちゃったわね」

 

コウキ「そうだな…」

 

ネージュ「今日は会いにきてくれてあ、ありがと…やっぱり口だけじゃなかったのね、あなたは」

 

コウキ「リディー達も言ってたけど、裏切りもしないよ俺は絶対に、な」

 

ネージュ「ええ、今度はリディー達と一緒に来てくれると嬉しいわ」

 

コウキ「おう、じゃあまたな。ネージュ」

 

その場を去る。

 

ネージュ「目がほんとあいつにそっくりね…でもまさか彼が伝説の剣士の子孫だなんて思いもしなかった。なんか変な気持ちね…」




第二章からはなにかオリキャラを増やしていきたいと思っています。


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第三十七話 悲劇

大変お待たせしました。


『おかあさま…おとうさま…どこ?』

 

タッタッタ…

 

『だ、だれ?』

 

『キミ、どうしたの?』

 

『おかあさまとおとうさまと迷子になったの…ぐすっ…』

 

『そっか…それならぼくが一緒に探してあげる!ほら!【諦めないで努力】すれば絶対に会えるから!』

 

『…!』

 

『よーし!がんばってさがそー!』

 

『…うん!』

 

………

 

「ん、今のは…」

 

「はぁ…懐かしい夢だったわね…」チラッ

 

時計を見る。

 

「ってもうこんな時間!?寝坊したじゃないのアタシ!はやく着替えて朝ごはん食べて準備して仕事、仕事!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソレイユ通り 本屋 裏庭

 

コウキ「うりゃ!」

 

ガルド「…ほう?」

 

師匠を攻撃して少し前に押していく。

 

ガルド「やるじゃねぇか。だがな、まだたりない…油断してるとな…?」

 

コウキ「あっ、しま…」

 

ガルド「…せいっ!」

 

ドンッ!

 

コウキ「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

俺は宙に吹っ飛ぶ。

 

ガルド「やべ、ちと飛ばしすぎたか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソレイユ通り 中央部

 

ミレイユ「はい、買い出し終わり。帰りましょうか」

 

マティアス「全部オレが持つんだよな…うん知ってた」

 

ドゴーン!

 

マティアス「なんだ!?」

 

コウキ「いてて…」

 

ミレイユ「コウキ君!?」

 

マティアス「お前、空から降ってきたぞ!?」

 

コウキ「あ、ミレイユさん、マティアスさん…こんにちは…」

 

ミレイユ「はい、こんにちは…じゃないわよ!大丈夫なの!?」

 

マティアス「何があったんだ?」

 

コウキ「大丈夫ですよ、いつものことなので…」

 

マティアス「いつものことって…もしかしてガルドさんに吹っ飛されたとか?」

 

コウキ「そうゆうことになりますね」

 

ミレイユ「…大丈夫そうね」

 

コウキ「よっと…」

 

俺はふらふらしながら立つ。

 

マティアス「オレなんて団長と副団長との修行のあと、肺が痛くなるし、しばらく動けなくなるのに…」

 

ミレイユ「あんたがポンコツすぎるのよ、それは」

 

マティアス「ちっ、悪かったな…」

 

コウキ「二人は買い出しですか?」

 

ミレイユ「そうよ、今終わって帰るところよ」

 

コウキ「そうですか、俺はそろそろ戻りますね」

 

マティアス「ずいぶんと頑張るんだな」

 

コウキ「そりゃ、もちろん…師匠との修行は楽しいですからね!それじゃ」

 

俺は二人に手を振って戻る。

 

マティアス「あいつ変わったよな」

 

ミレイユ「ええ、前より真っ直ぐになったわよね。あんたも見習ってほしいわ」

 

マティアス「ああ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「師匠ー!戻りましたー」

 

ガルド「お、探しにいこうとしてたが…大丈夫だったか?」

 

コウキ「大丈夫ですよ!師匠の攻撃なんて何回もくらってるし、もう慣れましたよ」

 

ガルド「そうか、これからどんどん痛くなっていくぜ?」

 

コウキ「すいません、今の冗談…」

 

ガルド「来な、さっきの恨みを晴らす勢いで来い!」

 

師匠が剣を構えて俺に向かって攻撃してくる。

 

コウキ「で、ですよねー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リュンヌ通り 中央部

 

コウキ「いってぇ…いつか俺は師匠を超えられるのかな…はぁ…」

 

俺はため息をついて通りを歩いている。

 

???「ため息なんてあなたらしくないわね、どうしたのよ?」

 

俺は声を掛けられた方に振り返る。

 

コウキ「イル?」

 

イルメリア「…!ちょっとアタシのアトリエに来なさい」

 

イルに手を掴まれる。

 

コウキ「え、ちょっと!?」

 

イルメリア「いいから!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リュンヌ通り イルメリアのアトリエ

 

コウキ「うおおおおお!?」

 

イルメリア「ちょっと!?暴れないで!」

 

イルは俺の頬っぺたにある傷を絆創膏で貼ろうとしている。

 

コウキ「(顔近い近い!しかしこんな近くで見るイルは可愛いなぁ…って何考えてんのぉ!?俺!)」

 

イルメリア「…仕方ないわね」パチン

 

コウキ「なんだ!?動けなく…」

 

イルの魔法?で俺は体が動かなくなる。

 

イルメリア「アタシを誰だと思ってるのかしら?これであなたは動けないわよ、おとなしくしてなさい」

 

コウキ「お、おう…」

 

イルメリア「何を恥ずかしがる必要があるのよ…はい、貼ったわよ」

 

コウキ「ありがとな…」

 

イルメリア「せっかくの顔が台無しよ」

 

イルは俺のおでこに優しくデコピンをしてくる。

 

コウキ「おっふ!?」

 

すると動きが封じられた体が動けるようになる。

 

コウキ「(動けるようになった…?)」

 

イルメリア「で、どうしたのよ。それは修行で負った傷かしら?」

 

コウキ「うん、師匠に技をお見舞いされてご覧の通り…」

 

イルメリア「それはご愁傷様ね…」

 

コウキ「ああ…しかしこんなことで時間取らせてごめんな、ただでさえイルは忙しいのに…」

 

イルメリア「最近仕事は落ち着いてきてるからあんまり忙しくないわよ?」

 

コウキ「え、そうなの?」

 

イルメリア「ほら、今ってランク制度が休止してるじゃない?だから仕事が落ち着いてきてるの」

 

コウキ「あーなるほど。じゃあさ、これから…」

 

イルメリア「これから?」

 

俺は一緒に都を回らないかとイルに言おうとするが、それを言うのが恥ずかしくなってしまい、言うのをやめてしまう。

 

コウキ「あー…なんでもない…」

 

イルメリア「…?そうだ、この際だから不思議な絵の調査に行きたいのよ」

 

コウキ「へ?」

 

イルメリア「アタシも錬金術士として興味があるからね。あ、もちろん、あなたにも付き合ってもらうわよ?さっきの恩は返さないと、ね」

 

コウキ「わかった!俺も行くよ!」

 

イルメリア「なんか嬉しそうね」

 

コウキ「そりゃこんな可愛い人と一緒に…はっ!?」

 

イルメリア「えっ」

 

コウキ「(あ、しまった…つい思ってしまったことが口に!)」

 

イルメリア「ふ、ふーん…まぁアタシは…アタシは…くぅ…!」

 

突然イルは後ろを向いてしまう。

 

コウキ「あ、あれ?」

 

イルメリア「コウキ、あなた変なこと考えてないでしょうね?ま、まさか…」

 

変態とでも言われそうなジト目で言われる。

 

コウキ「ちょっと待って!そう意味で言ったわけじゃないから!」

 

イルメリア「男の人から言われるのは、なんか意識しちゃうのよね…特にあなたにはねぇ…?」

 

コウキ「俺が言ったらそうゆうことになるのかよ!」

 

イルメリア「まぁ、あなたみたいな年頃の人は今はそうゆう時期なのかしらね?」

 

コウキ「そうなのかなぁ…?まぁ確かに俺は恋愛は興味あるよ。イルはどうなのよ?」

 

イルメリア「アタシ?そうねぇ…今は仕事やら何やら忙しいからね。あんまり考えたことはないわ」

 

コウキ「まぁ、そうだよね。仕事が優先だし…」

 

イルメリア「ん?ちょっと待って」

 

コウキ「?」

 

イルメリア「恋愛って…アタシとあ、あなたが…?」

 

コウキ「あれ?俺なんで恋愛のことを…」

 

イルメリア「あなたから聞いてきたんでしょうが…もう」

 

コウキ「いや!聞いてみたかっただけ!イルって恋愛に興味あるのかなーって!」

 

イルメリア「そう?ごめんなさい。アタシったら変な勘違いしちゃって」

 

コウキ「いや…俺も勘違いしちゃいそうなこと言ってごめん」

 

イルメリア「でもね」

 

コウキ「?」

 

イルメリア「アタシが幼かったころはね、『ある男の子』に恋したことがあったわ」

 

コウキ「へぇーその人って?」

 

イルメリア「その人はね、両親と迷子になったアタシに優しく手を差しのべてくれてね…一緒に探すのを手伝ってくれたの、それで両親とも会えたし」

 

コウキ「それからその人とはもう会えてないの?」

 

イルメリア「さぁ?どうかしら?ふふ…そろそろ行きましょ?」

 

コウキ「お、おう?」

 

俺は先にアトリエを出る。

 

イルメリア「(もう会えてるわよ?あなたに、ね…?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イルメリア「そういえば、アタシたちだけでいいの?フィリスたちも…」

 

コウキ「え…」

 

なぜか拒んでしまいたい気持ちになる俺。

 

イルメリア「…なんか嫌そうな顔ね」

 

コウキ「あーいや…二人だけじゃ絵の世界に行くのは危ないし…フィリスさんたちも呼ぶか」

 

イルメリア「言いたいことがあるならはっきり言いなさいよ」

 

コウキ「あーいや…その…」

 

イルメリア「アタシは許さないわよ?言いたいことは、

はっきり言わないと!」

 

これは素直に言わないとイルに怒られそうだから俺は本音を言うことにした。

 

コウキ「イ、イルと二人きりで行きたいなぁ…なんちゃって…」

 

イルメリア「………」

 

コウキ「(しまった…完全に俺のこと変だと思われたか…?)」

 

イルメリア「わかったわ。アタシもそこらの魔物よりも遅れをとらせるわけにはいかないしね、ほら行くわよ」

 

コウキ「えー!?」

 

イルメリア「ほら、もたもたしてないで早く」

 

コウキ「お、おう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城 エントランス

 

マティアス「姉貴、交渉した不思議な絵が今週に来る予定らしいぞ」

 

ミレイユ「やっときたわね。双子ちゃんたちもこれで喜んでくれると嬉しいわね」

 

マティアス「確かにあいつら、制度が休止してから元気なかったからな」

 

ミレイユ「そうね…会議でそこは何とかしてみるわ。それよりさっきね、諜報班から連絡があって、近くに魔物が出たのよ。それであんたを向かわせたいんだけど」

 

マティアス「え、オレが?」

 

ミレイユ「当たり前じゃないの」

 

マティアス「嫌だ!」ダッ!

 

ミレイユ「ちょっと!?待ちなさい!」ダッ!

 

ガチャン

 

コウキ「あ、マティアスさ…」

 

マティアス「くっ!」

 

ダッシュで俺達を素通りしていくマティアスさん。

 

コウキ「え、ちょっと!?」

 

ミレイユ「待ちなさーい!」

 

あとから来たミレイユさんも素通りしていく。

 

イルメリア「姉弟喧嘩かしら…?」

 

コウキ「う、うん…?そうなのかな…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城 画廊

 

イルメリア「これね」

 

コウキ「これは『水晶の輝窟』だな」

 

イルメリア「確か、この世界に入りたいって念じるのよね?」

 

コウキ「そうだよ。じゃあ行くか」

 

イルメリア「ええ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水晶の輝窟 氷河迷宮

 

イルメリア「ここが絵の世界なのね!」

 

コウキ「なんかここにくるもの久しぶ…!?」

 

イルメリア「?」

 

コウキ「(前来たときと道が崩壊している…?なにか大きな物が通ったような跡が…まさかこれがミレイユさんが言ってた『魔王』の仕業なのか?)」

 

イルメリア「コウキ、コウキ」

 

コウキ「あっ」

 

イルメリア「さっきから立ち止まってどうしたのよ。先に進みたいのだけど?」

 

コウキ「あ、うん…先に進んでみようか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水晶の輝窟 氷棘空洞

 

コウキ「さっき魔物と戦ったけど、イルって強いんだな。俺の予想と遥かに超えてた」

 

イルメリア「当たり前じゃないの。こんなの準備運動にもならないわ」

 

コウキ「(イルのこの強さでも、あの弱体化前のファルギオルを足止めできるくらいなんだよな。俺なんて一撃でやられたのに…この先そんな魔物と遭遇したくないな…でもイルに何かあったら絶対に守ってみせる)」

 

イルメリア「この材料、品質が良さそうね」

 

コウキ「そういえば水晶って売ったらどんくらい儲かる?」

 

イルメリア「はぁ?あなたねぇ、未知の物を売っぱらうなんて許さないわよ?世の中なにが起こるかわからないんだから!」

 

コウキ「じょ、冗談だって!杖をこっちに構えないで!」

 

イルメリア「ふーん…ならばよし」

 

コウキ「しかし魔法はすごいな。魔道書から教わるんだよな?」

 

イルメリア「そうよ。魔法を教わるっていうのは、ほんとに難しいのよ?並の人じゃ何十年はかかるわよ」

 

コウキ「そ、そうなんだ…」

 

イルメリア「あなたって錬金術はやらないの?」

 

コウキ「へ?」

 

イルメリア「ほら、リディー、スー、あとルーシャだったかしら?あの子たちとは幼馴染でしょ?あの子たちは錬金術士なのに、どうしてあなただけ…」

 

コウキ「あ、それ聞いちゃう?それは俺が初めて調合をした時だった…」

 

イルメリア「なんか改まって語りだしたわね…」

 

コウキ「材料を入れて、お水を入れて、かき混ぜて…そして結果、何度も爆発して失敗し…俺は錬金術には向いてないと思って諦めた…」

 

イルメリア「まぁ、何回も挑戦して失敗したのは頑張ったと思うわ。でも最初からやらないで諦めるのはどうかと思う。あなたはもう錬金術をやりたいとは思わない?」

 

コウキ「そうだなぁ…今は考えたことない、かな」

 

イルメリア「そう。でもこれだけは覚えてて?何事も『諦めないで努力』することよ」

 

コウキ「それって…イルが初恋した人の言葉…」

 

イルメリア「そうよ。その人の言葉でアタシは何もかも努力していこうと思ったの」

 

コウキ「なんかロマンチックな話だな!」

 

イルメリア「まぁ、話はここまでにして。お出ましよ」チラッ

 

コウキ「え?」

 

???「む、人間!?」

 

目の前にいたのは体が水晶でできた人間だった。

いや、これはなんだ?人間か?

 

コウキ「人型の魔物かな…?」

 

普通に魔物が現れたので剣を構える。

 

イルメリア「焼きつくしてやるわ」

 

???「ま、まてーい!わたしは魔物でもないし、敵でもない!この輝窟の地に住む人だ!」

 

コウキ「あ、まさか。絵の世界の人…」ヒソヒソ

 

イルメリア「あーリディーとスーがなんかそんなこと言ってたわね…」ヒソヒソ

 

???「頼むから物騒な物をおろしてくれないか?わたしは君たちになにも危害は加えない。約束しよう」

 

コウキ「わかりました。えっとあなたは一体…」

 

アイスマン「わたしはアイスマンだ。君たちは?」

 

コウキ「俺はコウキです」

 

イルメリア「アタシはイルメリアよ」

 

アイスマン「『コウキ』と『イルメリア』…そうか。それでここに何の用かな?」

 

コウキ「ここを調査してるだけですよ」

 

アイスマン「ふむ、そうか。ところで聞きたいことがあるのだがいいかな?」

 

イルメリア「ん?なにかしら?」

 

アイスマン「ここで『青い色をした歯車』のような物を見なかったか?」

 

イルメリア「歯車?」

 

アイスマン「そう、第二天魔王 氷山(ひょうざん)の魂だ」

 

コウキ「今『魔王』って言いました!?」

 

アイスマン「そうだが…知ってるのか?」

 

コウキ「知り合いから聞いたことがありまして…強大な魔物がいたというのを聞きました」

 

アイスマン「知り合い?もしかしてメルサとネストのことかな?」

 

コウキ「そうですけど、あなたも知ってるんですか?」

 

アイスマン「もちもん、共に戦った戦友だ」

 

イルメリア「それでその魂とは?」

 

アイスマン「魂があるということはまた奴が復活してしまうからだ。その前にそれを見つけて破壊するしかない」

 

コウキ「復活!?なら探すしか!」

 

イルメリア「なんか困ってるみたいだし、ここは大天才錬金術士になりかけて、アタシも手伝うわ」

 

アイスマン「感謝する!わたしはこの先の奥を探してくる!君たちのは向こうを頼む!」

 

コウキ「わかりました!」

 

するとアイスマンさんは宙に浮かび、ものすごい速さで奥に進んでいく。

 

コウキ「と、飛んだ…」

 

イルメリア「驚いたわね…それより、アタシたちも急ぎましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水晶の輝窟 氷竜凍窟

 

コウキ「ないな…そっちは?」

 

イルメリア「こっちも見つからないわ」

 

???「ギャオオオオオンンンン!!!」

 

イルメリア「あら?」

 

空から姿をみせたのは前ここに来たときに戦ったドラゴンだった、別の個体のやつなのだろうか。

 

コウキ「…これは倒すしかないな」

 

イルメリア「ええ、もちろん。骨も残さず消し炭にしてやるわ」

 

コウキ「そうだな。行くぞ!(言ってることがこえぇ…)」

 

魔物もこちらに向けて攻撃態勢になる。

 

イルメリア「コウキ、アタシたちの『絆』みせようじゃないの」

 

コウキ「わかった。俺たちの『絆』の力、みせてやる!」

 

イルメリア「派手にいきなさい!」

 

イルは炎の魔法をを俺の剣に宿し、剣が燃え、そして俺は跳躍してドラゴンに攻撃を仕掛ける。

 

魔物は反撃するように氷の弾丸のような魔法を俺に放ってくる。

 

イルメリア「すごく熱いのいくわよ!」

 

イルが放った無数の炎の魔法弾は氷の弾丸を溶かし、それを貫通してドラゴンに攻撃が当たる。

 

魔物「…!?」

 

イルメリア「今よ!」

 

コウキ「任せろ!」

 

そして燃える剣を怯んだ魔物に切り刻み、魔物は地面に落下する。

 

コウキ「これでとどめだ!」

 

落下した魔物に向かって、剣を突き刺しにいく。

 

魔物「グギャアアアアァァァァァ!!!」

 

魔物は浄化していった。

 

コウキ「ふぅ…」

 

イルメリア「やるじゃないの」

 

コウキ「イルのおかげだよ。はは」

 

イルメリア「ふふ…そうね」

 

すると魔物を倒したその場になにか落ちている物があった。

 

コウキ「これって歯車?」

 

それを拾ってみる。

 

イルメリア「あら?これって…アイスマンが探してるやつ?」

 

アイスマン「君たちー!」

 

コウキ「あ、アイスマンさん」

 

アイスマン「ドラゴンの鳴き声が聞こえたと来てみれば…ん?倒したのかな?」

 

イルメリア「倒したわ。それでこれって」

 

俺は拾った歯車をアイスマンさんに見せる。

 

アイスマン「おお…それだ!今からそれを破壊するぞ!」

 

コウキ「わかりまし…っ!?」

 

突然、意識が遠くなる。

 

バタン

 

イルメリア「コウキ!?コウキ!」

 

アイスマン「なっ!?まさか…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気がつくと、暗い場所に俺はいた。

 

そこから誰かの声が聞こえてくる。

 

「我が宿敵よ、それを触れたことで、おまえは魔王を復活させた」

 

コウキ「だ、誰だ?」

 

「いずれわかる。その時はおまえを殺る…」

 

コウキ「なんだって…!?」

 

すると俺の場に暗い穴が開き、穴の底に落ちる。

 

コウキ「うああああああああ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「コウキは!?大丈夫なんですか!?」

 

「お、落ち着いて…イルメリアさん。コウキ君がどうして意識を失っているかわからないの…」

 

「…ずっとこのままなんですか?」

 

「わからないわ…息はしてるのだけど…いつ意識を取り戻すかもわからない状態なのよ…」

 

「そんな…」

 

「マティアス、医療班の総勢をここに集結させて、なんとしてでも、コウキ君を助けるわよ」

 

「わかった。いってくる!」

 

バタン

 

「コウキ…いやよ…起きてよ…」ギュ

 

「イルメリアさん…」




コウキとイルメリアのコンビネーションアーツ

「紅蓮葬牙(ぐれんそうが)」

敵単体に炎属性特大ダメージを与え、大火傷の状態異常にさせて、自身のフォロースキルのダメージが上昇する。


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第三十八話 予言

ここはどこだ…俺は確か…誰かの声を聞いて深い穴の中に落ちて…あれ?それからどうなったんだ?俺は死んだのか…?

 

気づいたら椅子に座っており、俺の前にも同じ椅子が置いてあった。

 

???「死んではおらぬぞ」

 

誰かの声が聞こえる。

 

コウキ「誰だ!?どこにいるんだ!?」

 

返事をしてみる。

 

???「余か?余はここにいるぞ」

 

すると目の前に、赤い瞳に、白い修道服?を着た髪の長い銀髪の女の人が現れ、突然の登場によって、びっくりしてしまい、椅子を後ろに倒してしまい、落下する。

 

コウキ「いでっ!?」

 

???「痛みがあるだろう?なら其乃方はまだ生きている」

 

謎の女性は椅子に腰を下ろす。

 

コウキ「あなたは一体…」

 

倒れた椅子をあげ、ふたたび座る。

 

???「余は『メルナス・レオナー』…其乃方のご先祖、『キリクスト・レオナー』の姉だ」

 

コウキ「え…!?じゃあ、あなたは…俺のご先祖様ぁ!?」

 

メルナス「うむ」

 

コウキ「待って、じゃあなんで生きてるんだ!?大昔の人でしょ!?」

 

メルナス「なぜ生きていると思う?」

 

コウキ「えーと…人間をやめて不死身の人間になったとか?」

 

メルナス「む…不死身と言うか。余は神様ぞ?」

 

コウキ「は、はい?」

 

メルナス「神と言ったろう」

 

コウキ「え、神様…?」

 

メルナス「生まれつき、余は神様だったのだ」

 

コウキ「生まれた時から…?」

 

メルナス「余も最初はわからなかった。どうして自分は神様なんだろうと」

 

コウキ「えっと…メルナス様が神様なら…キリクスト様も神様…?」

 

メルナス「弟は普通の人間だぞ?あと、様などいい、メルナスと呼べ、余の可愛い子孫なのだから」

 

コウキ「あ、はい。メルナスさん…」

 

メルナス「うむ。それでいいぞ」

 

コウキ「えーと…」

 

メルナス「ここはどこか。という質問かな?」

 

コウキ「心を読んだ!?」

 

メルナス「神なのだから、そんなの容易いぞ?」

 

コウキ「あ、神様は何でもできるんだった…」

 

メルナス「何でもとまではいかないが、試しに其乃方をプニにしてやるか?」

 

コウキ「そ、それだけは勘弁を…」

 

メルナス「まぁまぁ。一度だけ」

 

コウキ「え、ちょ…おま…」

 

ボン!

 

コウキ「プ、プニ…?(あ、あれ…?)」

 

メルナス「ははっ!どうだ?」

 

コウキ「プニー!プニプニー!(戻して!今すぐ戻してー!)」

 

メルナス「仕方ないな」

 

ボン!

 

コウキ「も、戻った…?」

 

メルナス「其乃方らしい『白いプニ』だったとは」

 

コウキ「本当に神様だったんですね」

 

メルナス「そうだ、そして質問の途中だったな。ここは

現世と常世の世界、あの世の狭間だ」

 

コウキ「じゃあ今俺は…」

 

メルナス「今、其乃方の魂は抜けてしまっている」

 

コウキ「俺の魂が?」

 

メルナス「ああ。肉体は無事で息はしているが、意識がない」

 

コウキ「は、はぁ…」

 

メルナス「まず、問おう。其乃方は青い歯車に触れたあと気を失い、どこか暗い場所にいたはずだろ?」

 

コウキ「そうです!誰かの声が聞こえて…そして暗い穴に落ちて…気づいたらここに…」

 

メルナス「あの青い歯車に触れた者は魔王の怨念に飲み込まれ、深い絶望を味わされ、そして絶望を味わったあとは、闇に陥って、未来への希望が消失してしまう人。通称、『絶望に陥った哀れな人間』ということだ」

 

コウキ「え!?じゃあ、俺は…」

 

メルナス「大丈夫だ。そうなる前に余が其乃方を助け、魂をここに持ってきた」

 

コウキ「魂をここに持ってきた?」

 

メルナス「あの暗黒空間の中で其乃方の魂をここに持ってくるしかなかったのだ」

 

コウキ「そうですか…」

 

メルナス「しかし危なかった。その時の余は仮眠中でな。もしあのまま眠っていたら、第二天魔王が復活を果たし、其乃方が大変な目にあうところだった」

 

コウキ「てゆうか神様も寝るんだ…」

 

メルナス「神様は疲れやすいんだ」

 

コウキ「そうなんですね。で、俺はどうやって魂を肉体に戻せば…」

 

メルナス「ここに来れば、其乃方は無事に魂を肉体に戻せる。まだ魂を戻さない理由は其乃方に予言したいことがあるからだ」

 

コウキ「予言?」

 

メルナス「余はこれから起こる『運命』がわかる」

 

コウキ「運命…?」

 

メルナス「まず、あの暗黒空間で其乃方に語った、あの声の者…」

 

コウキ「………」ゴクッ

 

メルナス「あの者は『暗黒神 ゼメルギアス』…世界を闇の世界にしようとした者だ」

 

コウキ「それって神話に出てくる、悪の神と呼ばれた…」

 

メルナス「そう、今から2000年前…突如、ゼメルギアスは世界を脅かし、人間達の村、町、王国などを滅ぼしていき…余の弟、キリクストがゼメルギアスを魂ごと葬ったはずだが…その後、奴の手先達が何らかの復活の儀式を初め、奴は再び魂だけをこの世に甦らせた。そして今どこかに身を潜めていると余は思うのだ」

 

コウキ「復活の儀式はもう終えている!?」

 

メルナス「そう、そしてこれから起こる予言だ。『8つの宝玉』が集まる時…暗黒神は真の姿を現し、世界を再び破滅に導くだろう」

 

コウキ「なっ!?」

 

メルナス「そして其乃方と暗黒神はいつか戦う運命になる…これからの運命にどう抗っていくか…」

 

すると辺りが眩しい光に包まれていく。

 

コウキ「ま、眩しい…!?」

 

メルナス「其乃方はこの世界にどんな息吹を吹かせてくれるのか余は楽しみにしているぞ」

 

メルナスさんはそれを言ったあと、辺りは眩しい光に包まれ、俺の意識はその場でなくなる。

 

「また会おう。『光乃朋』よ…」



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第三十九話 なりたかったこと

イルちゃん可愛いですよね。


コウキ「ここは…」

 

気づけばベッドに仰向けになっていて、目を覚まし天井を見上げる。天井の模様に気づくと、ここがどこかわかった。ここは王城にある、医務室だと。

 

コウキ「戻ってきた…のか?」

 

辺りを見回してみる。

 

コウキ「………ん?」

 

ベッドの横にある椅子でイルがすぅすぅと寝息を立てながら寝ていた。もしかして看病してくれたのか?

 

イルメリア「…ん」

 

目を開け、起きるイル。

 

コウキ「うおっ!?」

 

急に起きたので、おもわず声をあげる。

 

イルメリア「あ…!コウキ!」

 

コウキ「よ、よぉ…」

 

イルメリア「体はもう大丈夫なの!?ねぇ!」

 

心配そうに肩に手を置いてくる。

 

コウキ「おっと…もう大丈夫だよ。もしかして俺を看病してくれてた?」

 

イルメリア「ええ、もちろ…って!ううん、してない!してないから!」

 

コウキ「え、そうなの?てっきりしてるのかと…(イルの顔が赤くなってるのはなぜだろう…)」

 

イルメリア「そうよ!アタシは何もしてないから!」

 

コウキ「わかった!わかった!あのあと、どうなったんだ?」

 

これ以上なにかツッコんだらやばいと思い質問を変える。

 

イルメリア「むぅ…あなたが倒れたあと、ここまで運んで医者の人達が身元を調べたのだけど、結局何もわからずじまいで、いつ目を覚ますのかわからない状態になったのよ」

 

コウキ「そ、そうか…」

 

イルメリア「あのあと都中が大騒ぎになったのよ?」

 

コウキ「えー!?」

 

イルメリア「何の症状かもわからなくて目を覚まさないし、皆が心配してたわよ」

 

コウキ「それは心配かけちゃったな…」

 

俺は起き上がり、ベッドに足を降ろす。

 

イルメリア「しかしあの歯車は一体なんだったのかしらね…」

 

コウキ「そのことで思い出した!アイスマンさんは?」

 

イルメリア「『コウキ君を頼む』とか言っててね。彼もあなたを心配してたし…今度会いにいったら?」

 

コウキ「ああ…」

 

イルメリア「しかしあの歯車、あれは『呪い』なんじゃないの?『魔王の魂』なんだし…」

 

コウキ「…俺さ、あの世に行ってた」

 

イルメリア「はぁ?」

 

コウキ「魂だけだけどね」

 

イルメリア「ちょっと待って、話が追い付かないわよ」

 

コウキ「信じてくれるかどうかわからないけど、聞いてくれるかな…?」

 

イルメリア「聞いてあげるわよ。アタシは友達の話を聞かないなんて、そんなひどいことは絶対しないわよ」

 

コウキ「いいの?イルにとっては関係ない話なのに」

 

イルメリア「関係ないって…そんなことないじゃない。あなたの心配をしてるのよ?ほら、早く言ってみなさい」

 

コウキ「わ、わかった!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イルメリア「へぇ、『絶望の呪い』と『神話の神様』、『8つの宝玉』ねぇ…」

 

コウキ「イルは知ってるの?その神話の神様ってやつ」

 

イルメリア「本で読んだことがあるわ」

 

コウキ「有名なの?それって」

 

イルメリア「有名かどうかわからないけど、あれは逸話だし、いろいろ興味がある話よね。アレ」

 

コウキ「てゆうか宝玉、持ってるんだよね」

 

イルメリア「あらそうなの?一体どこで手にいれたのよ」

 

コウキ「絵の世界で」

 

イルメリア「絵の世界ね…」

 

コウキ「これが8つ揃ったら、暗黒神が復活…っ」

 

イルメリア「その暗黒神とやらとあなたと戦う運命…なによ、不満なの?」

 

コウキ「殺す宣言されたらこうなるよ…」

 

イルメリア「あなたが出会ったその神様が言った予言は嘘か本当かはわからないけど…弱気になるのはやめなさい。アタシが知っているあなたはこんなんじゃない。わかった?」

 

コウキ「あ、うん…(アタシが知ってる俺?どうゆうことだ?)」

 

イルメリア「あと気になったのだけど、絶望の呪いって…」

 

コウキ「詳しくはわからないけど、絶望に陥る前に俺は助けられたらしい…」

 

イルメリア「陥った者は未来の希望がなくなる、ね。完全にダメ人間じゃないのそれ…ゾッとするわね」

 

コウキ「でもイルが危険な目に会わなくてよかったよ」

 

イルメリア「え?」

 

コウキ「俺が代わりに触れて、イルは安全だったから本当によかったよ」

 

イルメリア「…そんなこと言わないでよ」

 

コウキ「え?」

 

イルメリア「…あなたが倒れたあと、すっごく心配したのよ?このままずっと起きなかったらどうしようかと思って凄く怖かった…」

 

コウキ「………」

 

イルメリア「…自分を犠牲にするみたいことはもうしないで…」

 

するとイルが抱きついてきた。

 

もう一度言おう、イルメリア・フォン・ラインウェバーさんが抱きついてきたのだ。

 

コウキ「あ、あの…イル?」

 

さらさらな金の髪は心地よい香りで、俺の鼻を刺激する。高級な何かしらのシャンプーの香りだろうか。こんな歳で、今時女の子に抱きつかれたことが無い俺の心臓は、緊張で鼓動が早まる。

幼いころは女の子に抱きつかれたことは、まぁ…あるけど…(小声)誰とは言わないけど。

 

イルメリア「…何も言わないで」

 

コウキ「お、おう…」

 

彼女は俺のことを本当に心配してくれている。でもどうしてここまで…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イルメリア「…ごめんなさい」

 

顔を真っ赤にして俺から離れる。

 

イルメリア「このことは誰にも言わないでよ…?」

 

コウキ「わ、わかってるよ!」

 

イルメリア「約束だからね…?」

 

可愛げに首を傾げるイルが可愛く思ってしまった。

 

コウキ「………!」

 

イルメリア「ど、どうしたの?」

 

コウキ「あ、いや、何でもないよ!約束する!」

 

イルメリア「そう…。あと、あなたのお母様にこれ以上心配かけさせないでよ?」

 

コウキ「え、それはどうゆう…」

 

イルメリア「あなたが倒れたあと、サリアさんと二人でいろいろ世間話してね。コウキのこととか、ね」

 

コウキ「ちょっと待って、俺の恥ずかしいことを母さんに聞いてないよな!?」

 

イルメリア「さぁ?どうかしら?ふふ…」

 

コウキ「あー!くっそぉ!」

 

イルメリア「ほんと退屈しないわね。あなたといると」

 

コウキ「そうかな?あのさ、イル」

 

イルメリア「?」

 

コウキ「いろいろありがとな…この借りは返すよ」

 

イルメリア「借りなんていいのよ。じゃあ帰りましょ?立てる?」

 

コウキ「全然大丈夫だよ」

 

イルメリア「荷物と服はアタシのアトリエにあるわ」

 

コウキ「え、なんでイルのところに?」

 

イルメリア「…いろいろあったのよ」

 

コウキ「へ?」

 

イルメリア「いいから、早く行くわよ!(サリアさんからお願いされたなんて言えない…!)」

 

ガシッ

 

コウキ「ええ!?ちょっとー!?」

 

手を引かれてイルのアトリエに向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミレイユ「あら?コウキ君!?目覚めたのね!?」

 

コウキ「あ、どうも…」

 

手を引かれながら挨拶をする。

 

イルメリア「ミレイユさん、コウキはもう大丈夫だそうです」

 

ミレイユ「あーう、うん…わかったわ」

 

イルメリア「じゃあ、失礼しますね。ふふ…」

 

コウキ「服を引っ張らないでぇー!これ病服だけど!」

 

バタン

 

ミレイユ「二人とも楽しそうね。これが青春ってやつかしら?」

 

???「いや、違うでしょ。あれは恋愛よ」

 

ミレイユ「れ、恋愛…コウキ君もそうゆう時期なのね…」

 

???「あら?あれって…ラインウェバー家の一人娘さんの…」

 

ミレイユ「そう。錬金術名家の娘、イルメリアさんよ」

 

???「国から招致された人ってあの子だったのね」

 

ミレイユ「ファルギオル討伐作戦の時に、第一班の先陣を切ったのがイルメリアさんよ」

 

???「そうなんだ。私その時さ、足を負傷してて、作戦に参加できなかったの」

 

ミレイユ「今は大丈夫なの!?」

 

???「今はご覧の通り、もう治ったわ」

 

ミレイユ「心配したわ…もう」

 

???「ちょっと無茶しすぎたかもね」

 

ミレイユ「はぁ…以後、気をつけてね?」

 

???「はいはい、わかってますよ。てかミレイユさ、そろそろいい歳なんだし…結婚とかしないの?」

 

ミレイユ「あらー?あなたにそれは言われたくないわね!」

 

???「まぁそうだけどさ…何か理由があるの?」

 

ミレイユ「マティアスが立派な王になるまでは、ね…」

 

???「マティアス君ね。まだ王になる気はないと?」

 

ミレイユ「まだ迷ってるのよあの子…姉としては期待、してるんだけどな…」

 

???「国を背負っていくっていうのはそれなりの勇気と覚悟がいるからね…」

 

ミレイユ「あなたはどう思う?あの子がもし王になってこの国を立派な国にできるか…」

 

???「ミレイユと同じ考えに決まってるじゃない。マティアス君ならきっとあらゆる民が暮らしやすくする国を作ってくれる。アダレットの民みんなが期待する、いい王になれる」

 

ミレイユ「シャリス…」

 

シャリス「私はいつだって信じてるわ。だってあなたの親友だもの。考えは一緒よ」

 

ミレイユ「ありがとね。もう少し頑張ってみるわ」

 

シャリス「じゃあそろそろ休憩時間も終わるし、警備に戻るわね」

 

ミレイユ「またあとでね」

 

シャリス「ええ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イルのアトリエに俺の服と荷物があるのだが、一つ問題がある。

 

コウキ「服を着替えたいんだけど…」

 

イルメリア「大丈夫よ。見ないから」

 

コウキ「いやそうゆう問題じゃないんだけど…」

 

イルメリア「アタシは信じてるから、コウキは変なことしてこないって」

 

コウキ「ちょっと待って!?どうゆう意味だそれ!」

 

イルメリア「いいからぱぱっと着替えなさい」

 

コウキ「もう覚悟を決めるしかないのか…?」

 

イルメリア「じゃあアタシ、その間に調合でもしてるわ」

 

コウキ「え?」

 

イルメリア「え?」

 

ふたり「………」

 

イルメリア「…変態」

 

コウキ「どうしてこうなるのぉぉぉぉ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局その後、イルのアトリエで服を着替えた。

 

イルメリア「あなた剣変えたの?」

 

コウキ「ん?ああ、進化?したのかな」

 

イルメリア「はぁ?何言ってんのよ」

 

素直に剣を変えたって言えばよかったと後悔する。自分で話題を作ってしまったので、俺の本当のことを伝えた。

 

コウキ「あのさ、実は俺…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イルメリア「へぇ」

 

あれ?反応が薄い…

 

コウキ「驚かないの?」

 

イルメリア「あなたは逸話の剣士の子孫なだけであって、別に何も驚く要素なんてないわよ。なんで隠し事みたいになってるのよ」

 

コウキ「確かに…なんでだろう。うーん…」

 

イルメリア「なんで考え込んでるのよ…」

 

コウキ「皆に伝えたほうがいいのかな?」

 

イルメリア「そんなの知らないわよ。でも一緒に冒険している仲間がいるなら、お互いのことを知るのは大切ね」

 

コウキ「イルは冒険したことあるの?」

 

イルメリア「勿論あるわよ。フィリス達とね」

 

コウキ「そういえば、イルは公認の錬金術士…」

 

イルメリア「そうね。推薦状を集めるために旅に出たってとこかしら?」

 

コウキ「俺もいつか世界を旅してみたいなぁ」

 

イルメリア「あら、いいんじゃない?自分の夢ができたかしら?」

 

コウキ「夢か…そういえば今まであまり考えたことなかったな」

 

イルメリア「サリアさん言ってたわよ?コウキはいつになったら自分の夢を見つけてくれるのかなって」

 

コウキ「ま、まじで?」

 

イルメリア「ええ。それでいつになったら旅に出るのよ」

 

コウキ「あー…それはまだ考え中…」

 

イルメリア「あらら…まだまだってところかしらね」

 

コウキ「早く決めないとな。ん?」

 

服に違和感を感じた。

 

コウキ「あれ?服が縫ってある?」

 

イルメリア「破けてたところがあったから、ぬ、縫っておいたの…」

 

コウキ「イルが?」

 

イルメリア「わ、悪い?」

 

コウキ「いやいや、別に悪くないよ!縫うの上手いな」

 

イルメリア「まぁ伊達に縫ってないからね」

 

コウキ「しかし…はは」

 

イルメリア「ど、どうしたのよ?」

 

コウキ「…この服さ、俺の父さんが着てた服なんだ」

 

イルメリア「………」

 

コウキ「アルバムに父さんがこれを着ている写真があってさ、それで俺もこの人みたいになりたいって思ってこれを着たんだ」

 

イルメリア「…そ、そうなのね」

 

コウキ「…父さんに、会いたいな」

 

イルメリア「コウキ…」

 

コウキ「んじゃ俺はそろそろ帰るよ。皆心配してるだろうし。心配…してくれてるのかな!?」

 

イルメリア「…してるに決まってるじゃない。じゃあ、バイバイ」

 

コウキ「おうよ」

 

バタン

 

イルメリア「(父親のようになりたい、か…)」




メインヒロインはイルちゃんでいいでしょ(適当)



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第四十話 伝える

シャリティーヌ・レイス・ラスフェル

年齢25

職業 騎士

身長177cm

良家の娘であることに窮屈さを感じ、家を出て騎士団の道に進み、まっすぐで曲がったことが嫌いな性格の持ち主。ミレイユが成人して大人になり初めて城の外を出たときに知り合い、今まで城の中で暮らしていた世間知らずなミレイユに世間のことを教えて、友達になった。愛称はシャリス。当時は騎士団の見習いだったが、今は戦闘班の遊撃部隊の一員でもあり、マティアスと同じ所属。








メルナス・レオナー

年齢??

職業??

身長170cm

伝説の剣士キリクスト・レオナーの姉であり、『運命神』の生まれ変わりで、それを受け継ぎ、『運命神メルナス』として、再び世界に神の名を刻み始めた。彼女もそれを望み、幼いながらも自ら地上界から離れ、神として世界の運命を保つ責務を果たし始めた。


コウキ「そうだ。母さんをびっくりさせてやろう…!」

 

前まで昏睡状態だった人が突然現れ、母さんを驚かす作戦だ。母さんをからかうのは意外と面白いし、無反応なところが多い母さんはさすがに今回はびっくりするだろう。てか眠ってて何日たったんだろう?イルから聞いとけばよかった…。しばらく歩くと、家の前に着き、家に入る。

 

ソレイユ通り 本屋

 

コウキ「母さん、この俺…コウキは地獄から舞い戻ってきたゾ…!ってあれ?」

 

ネスト「コウキ!?」

 

メルサ「むむっ!?」

 

家に帰ると、いつも母さんが座って読んでいる椅子にネストさんが座っていて、本がたくさん並べられている本棚の前で立ち読みをしているメルサさんがいた。店内は立ち読み禁止なのだが…

 

コウキ「ネストさんとメルサさん!遊びにきたんですか?」

 

メルサ「まぁ、そんなとこかな。てか気を失ったって聞いたけど、大丈夫だったの!?」

 

メルサさんは読んでいた本を閉じ、本棚にしまう。

 

コウキ「その件は全然大丈夫です。それで母さんは…」

 

ネスト「サリアはザラトの墓参りにいってるっすよ」

 

コウキ「父さんの?」

 

メルサ「うん。でも最近、よく行ってるよね?」

 

ネスト「朝早くからいつも墓掃除してるとか言ってたけど最近は夜も行ってるっすよね…」

 

コウキ「え、夜も?」

 

メルサ「そうなんだよねぇ…なんでだろう?」

 

ネスト「まぁオレは夜のお墓は怖くてムリっすね」

 

メルサ「えーよっわ…あたしは余裕だけど?ヒナちゃんも余裕なのに…」

 

ネスト「そりゃ怖いわ!てか弱いってなんだよ!?てかヒナはお化けたちのリーダーみたいなもんだから怖くないだろ!」

 

コウキ「(朝いつも行ってるのは知ってるけど、夜もだって?)ん?ヒナ?」

 

メルサ「コウキ君知ってるの?」

 

コウキ「師匠がその人の話をしてくれたんです。実際に会ったことはありませんけど…」

 

メルサ「そっかー!ああみえてガルドはね。ヒナちゃんが大好きなんだよ♪」

 

ネスト「つまり、おっさんはロリコ…うぐっ!?」

 

え、今なんか凄い言葉を聞いたような…

 

メルサ「はい。コウキ君の前でそんなこと言わなーい」

 

メルサさんはネストさんの口を塞ぐように手を当てる。

 

コウキ「え、えーと…それで師匠は…」

 

メルサ「大好きっていうか、その子をほっとけない?かな」

 

コウキ「すごく師匠らしいです!皆を優先に守ってくれるのが!」

 

メルサ「ま、正論だよね。昔からああゆう人だもん、自分なんか気にもしないで、ね…」

 

何やら暗そうにそのことを話してくれる。そのことで思うことがあるのかな…?

 

ネスト「………」

 

メルサ「話を戻すけど、ヒナちゃんはね…とにかく可愛い!可愛すぎるんだよ!あれは未来に存在を残すほどだよ!ああ…!今もヒナちゃんに会いたい…!なでなでしてあげたい!ほら見て見て、ざわめきの森で撮ったヒナちゃんの写真だよ」

 

あ、あれー?こんなふうに同じことを言う人が他にもいたような…誰だったかなー(棒)

 

ネスト「お前もロリコ…うえっ!?」

 

今度はネストさんの耳を強く引っ張るメルサさん、これは痛そうだなぁ…

 

メルサ「ネストくーん。君の家の机の引き出しに隠してある物を燃やされたい?あたし知ってるんだよー?」

 

ネスト「や、やめるんだ!あれだけはー!あれはオレのひ、秘宝ー!」

 

メルサ「あ、秘宝なんだ…」ヒクッ

 

すると引っ張っていた耳を離すメルサさん、この二人は仲が良さそう?に見える…のかな?てか隠してあるのってすごい物なんだろうなぁ。何かとは言わないけど…

 

ネスト「なんか引かれた気がするんすけど!」

 

メルサ「いやいや、当然でしょ…」

 

二人は同棲してるのかな?それでメルサさんから渡された写真を見ると、左目のほうに黒い眼帯をつけ、黒いフードを着てて、足のほうは黒タイツを履いていて、髪の長い金髪の小さな女の子だった。身長はネージュとフーコと同じくらいかな?

 

メルサ「ね、可愛いでしょー?コウキ君もヒナちゃんにイチコロかな?」

 

コウキ「イチコロじゃないですけど…なんかその…不思議な子に見えますね」

 

メルサ「…眼帯を外せばもっと素敵な女の子で可愛いんだろうな…今もすごーく可愛いけど!あはは」

 

コウキ「…?」

 

一瞬、メルサさんが悲しげに言ったようにみえたけど…気のせいかな?

 

メルサ「コウキ君、ヒナちゃんに会ったらさ…何も変に思わないで仲良くしてほしいんだー!あたしからのお願いね!あの子の太陽のような笑顔をいつまでもみたいからさ!」

 

コウキ「お願いされたなら、仲良くしますよ!絶対に!」

 

メルサ「そっか…なら安心だね」

 

その子は左目をケガでもしたのだろうか…?疑問に思いながらその写真をメルサさんに返す。

 

ネスト「こほん、それでイルメリアさんから聞いたんすけど、コウキは青い歯車を触れて倒れたと…」

 

メルサ「うーん…魔王の魂ってことは何か引っ掛かることがあるんだよねー。コウキ君はこの通り傷もないし、身体になにも害もない…無事だから何かわかったことがあるはずなんだ」

 

コウキ「…えーとですね」

 

魔王の魂に触れたあと、何が起こって、何があったのか、そのことを話す。

 

メルサ「メルナスちゃんに会ったの!?」

 

コウキ「ち、ちゃん…?メルサさん、知りあい?なんですか?」

 

メルサ「うん。あたしがコウキ君と大体同じ歳ぐらいの時かな?そのときね、箒に乗って空を飛んでたんだけど、不慮の事故で落下しちゃってね、気を失って、あの世にいって、メルナスちゃんに会ったのー!」

 

コウキ「え、ええええええええ!?」

 

メルサさんは平然とあの世に行ったと言う。なんだか、自分は死にました。とか言ってるふうなので怖く思ってしまう。

 

ネスト「あー…メルサが落下して、目覚めた時には『あの世に行ってたー!』とか訳わからんこと言ってた時のことっすね」

 

まぁ、誰だって訳がわからないだろうなぁ…俺だって冗談に思うから。

 

メルサ「訳わからんはひどいよね。まぁなんとか生きてたんだけど…」

 

ネスト「よくあんな高さで落っこちたのに…幸いだったっすね」

 

コウキ「すごい高さだったんだ…」

 

メルサ「そうだよー!しかし懐かしいなぁ。みんなで競争して、最後の人は罰ゲームとして食事代を奢るっていうね!」

 

………

 

~回想~

 

メルサ『ザラトー!目的地はー?』バッ!

 

ザラト『メルサ、抱きつかないでください。ここをまっすぐ行けば着きますよ』

 

サリア『むぅ…』

 

メルサ『そっかー!ならあそこまで競争だー!』

 

ネスト『はぁー?』

 

メルサ『誰が一位か競うの!あ、最後の人は今日のご飯代を奢るっていうね!』

 

ガルド『よし、なら俺が一番だ。おじさんのほうが強いってところを見してやる』ダッ

 

メルサ『あー!ちょっと!まだ話の途中ー!てかそれまだ根に持ってたのー!?』ダッ

 

ネスト『オレは飯奢るなんて嫌っすよ!嫌嫌!』ダッ

 

サリア『師匠!?なんでノリノリなのー!?』ダッ

 

ザラト『やれやれ』ダッ

 

………

 

ネスト「あの時は途中、空飛んでいくとか卑怯!ズルっすよー!ズル!落ちたのも罰が当たったんすよ!」

 

メルサ「仕方ないじゃん。あの時はあたし、運動音痴だったもん!しかしあたしも悪運だなぁ…落ちるだなんて」

 

コウキ「気の毒そうで…その時の母さんはどんな感じだったんですか?」

 

ネスト「サリアは途中で疲れておっさんにおんぶされてたっすよ」

 

コウキ「おんぶ!?」

 

メルサ「競争してるのに、他人を救う…見た目は怖そうだけど、でも本性は優しい人なんだよね」

 

ネスト「俺が一番とか言ってたのにな。そこがおっさんの良いところっすよね」

 

メルサ「…底が知れない人だよ、ほんと」

 

コウキ「…??まぁ、でも楽しそうだったんですね!」

 

メルサ「うん。わいわい騒いだりして楽しかったなぁ」

 

コウキ「旅してた話、もっと聞きたいです!」

 

メルサ「それはあとでたっぷり教えてあげるよ!それで話を戻すんだけど…」

 

ネスト「メルサがあの世で出会った神様のことっすよね?」

 

メルサ「うん。気づいたら椅子に座ってて…目の前にメルナスちゃんがいたの!」

 

ネスト「ほう?それで?」

 

メルサ「色々話をして、『まだ死んではいけない運命』とか言われたかな…そしたら突然、辺りが眩しくなって…」

 

ネスト「てかお前、記憶力やばすぎだろ。そんな昔の話なんか覚えてるなんて…さすが魔法使いって感じっすね」

 

メルサ「魔法使いは関係なくない?」

 

コウキ「(俺の時と大体同じか…)」

 

ネスト「ま、そのあとはズルしたから飯代を奢ったのはメルサだったっすけどね」

 

メルサ「最悪の目覚めだったなーあはは…」

 

コウキ「あはは…そこは俺も何も言えないです」

 

メルサ「ぐぬぬ…しかし、メルナスちゃんって何者なんだろう…あの世の番人か何かなのかな」

 

ネスト「しかし、儀式を終えて魂だけの存在…8つの宝玉…」スッ

 

コウキ「!?」

 

するとネストさんは青色のような輝く玉を取り出す。

 

メルサ「アイスマンからもらったやつだね」

 

コウキ「アイスマンさんから?俺はネージュの…」スッ

 

俺もネストさんと似た玉を取り出して、見せる。

 

ネスト「コウキ!君も!?」

 

コウキ「俺も持ってたりして…あはは…」

 

ネスト「てかアイスマン知ってたんっすね」

 

コウキ「そうですよ。見た目からして不思議な人ですよね」

 

メルサ「だって氷人間だもん!それよりさ、ネージュって?」

 

コウキ「アイスマンさんと同じ絵の世界の人ですよ。いや…絵の世界の人っていうか、絵の世界で生きはじめた人って感じですかね…」

 

メルサ「…?そうなんだー。その子は男なの?女かな?」

 

コウキ「女の子ですね」

 

メルサ「そっかー!それは是非会ってみたいなぁ。一体どんな感…ごほんごほん…」

 

か、感?メルサさんは何を言おうとしたんだろうか…

 

ネスト「ちょっと、アウト!アウトっすよー!」

 

コウキ「ネージュは大人を嫌っているんですよね…過去にいろいろあったようで…でも今は大丈夫なのかな?」

 

メルサ「何かあるんだね。よし、ここはお姉さんに相談を…」

 

ネスト「メルサ、そろそろ本題に…」

 

メルサ「ちぇー、わかってますよ。コウキ君、話はまたあとで教えてね」

 

コウキ「は、はい!」

 

メルサ「それで、この宝玉が8つ揃ったらメルナスちゃんが言ってた予言の始まりなんだよね」

 

ネスト「とりあいず、このことをサリアとおっさんに言わないとな」

 

メルサ「そうだねー」

 

コウキ「じゃあ、俺が母さんを探してきますよ!」

 

メルサ「助かるよー!多分、今も教会のとこの墓場にいると思うよ」

 

コウキ「わかりました!では」

 

俺は家(本屋)を出て、母さんを探しにいく。

 

ネスト「おっさん、この事を聞いてどうなるんだろうな」

 

メルサ「また『あの時』みたいに…」

 

ネスト「そう、ならなきゃいいんだがな…」

 

メルサ「あんなガルドみたくないよ…」

 

ネスト「それだけ奴らが憎いんだろうな…故郷を襲われて生き残ったのがおっさんだけって信じられないっすよね…」

 

メルサ「うん。一人だけだなんて…なにかの冗談だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソレイユ通り 中央部

 

コルネリア「コウキさん大丈夫でしょうか…」

 

ソフィー「そうだね…無事でいてくれるといいんだけど…」

 

コルネリア「ソフィーさん、その…もうずいぶん前の話になりますが…」

 

ソフィー「ん?」

 

コルネリア「ユズルさんのこと…」

 

ソフィー「………」

 

コルネリア「行方不明になってもう7年ですね…」

 

ソフィー「そう…だね。今どこで一体なにしてるんだろう!あはは…」

 

コルネリア「ごめんなさい。嫌なこと思いだしましたよね…」

 

ソフィー「ううん、そんなことないよ。コルちゃん」

 

教会に向かっていると、コルネリアさんの商会の店にソフィーさんがいた。買い物をしてるのだろうか?とにかく声をかけてみることにした。

 

コウキ「ソフィーさーん!」

 

ソフィー「コウキ君!?」

 

コルネリア「コウキさん!?」

 

コウキ「どうも…えーと俺はこの通り無事で…」

 

ソフィー「無事でよかったよ!皆心配してたんだよ?」

 

コルネリア「お元気そうでなによりです」

 

コウキ「心配かけてしまってすいません…じゃあ俺は急いでるので、また!」ダッ

 

その場をあとにし、リュンヌ通りに続いている橋を渡っていく。

 

???「あれは…」

 

ソフィー「アルト君?」

 

アルト「やぁ、コウキは無事だったんだね」

 

ソフィー「いつも通り元気そうでよかったよ!ふふ」

 

アルト「そうか、じゃあ僕は失礼するよ」

 

ソフィー「あたしもそろそろ帰るね。コルちゃん、今夜…いいよね?」

 

コルネリア「わかりました。私、お酒にはお強いですよ?」

 

ソフィー「あたしだってお酒には強いよぉー?ふふ…それじゃあね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リョンヌ通り 中央部

 

コウキ「そういえば、リディーとスーいるかな」

 

リディー達のアトリエのドアをノックする。

 

コウキ「リディー!スー!いるか?」

 

返事がない。ドアは鍵が掛かっているようで、どうやら留守にしているようだ。

 

コウキ「いないか。とりあいず母さんを…」

 

リディー達のアトリエをあとにして、高台のほうを目指しにいくことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海の見える高台 教会前

 

やっと教会前に着いた。母さんが墓場のほうにいるかもしれないので向かうことにした。

 

サリア「………」

 

父さんの墓の前に母さんがいた。目を閉じて何をしているのだろうか…

 

コウキ「(よーし、驚かしてやろっかな)」

 

コソコソと母さんのほうに近づく。

 

サリア「…後ろに何かいるわね。この気配は…うちのバカ息子かしら?」

 

突然何かを言う母さん、まるでセンサーに反応あり!みたいな事を言って俺は驚く。

 

コウキ「(な、なにぃぃぃ!?そのバカ息子はまさに俺のことだ!しかし、なぜわかるんだぁ!?)」

 

すると母さんは腰に吊るしていた長い刀を素早く横に振りかざす。母さんがそんな物騒な物を持ってることに頭がいっぱいで避ける余裕がなかった。

 

コウキ「ひえっ!?」

 

サリア「やっぱりか…なんとか無事だったようね」

 

振りかざした長い刀は首の前で止まる。もう少しで切られて死ぬところだった。

 

コウキ「殺す気かぁ!?」

 

サリア「殺すつもりじゃないわよ?あなた用の挨拶よ」

 

コウキ「俺用の挨拶…なんだそれ!」

 

長い刃を鞘に納める母さん。その様子は神秘的で、目を奪われる。

 

コウキ「なんか、綺麗だな」

 

サリア「納めただけじゃないの」

 

コウキ「まぁ、そんなことはいいや!母さんが前、剣を使っていた話してたけど、実際に見るのは初めてだな…」

 

サリア「そういえば、あなたは今まで見たことがなかったわね」

 

これは太刀かな?それにしても凄そうな剣だ…

 

コウキ「今度勝負してよ、さっきので火がついたからさ俺!」

 

サリア「あんたからそんなこと言ってくるなんて思いもしなかったわ、成長したわね。いいわよ?とことん相手してあげる」

 

あれ?自ら地雷を踏んでしまったような気がしたような…気のせいかな?

 

コウキ「それで、ここでなにしてたのさ」

 

サリア「ザラトが私に何か伝えているような…そんな気がして、だからこうやってよく墓に来てるのよ」

 

コウキ「父さんの…?」

 

サリア「ま、霊からのメッセージってやつね」

 

コウキ「なんか怖いんだけど!」

 

サリア「男の子でしょうが、あんたは」

 

コウキ「まぁそうだけださ!怖くない?そうゆうの…」

 

サリア「最初は私も怖かったけど、だんだん怖くなくなってきたわ。私ね、何か大切なことを忘れていると思うの。それを思いだそうすると頭が痛くなって…なんなんだろう…」

 

コウキ「…?」

 

頭に手を当てる母さん、今でも頭が痛そうな感じで…ちょっと心配に思った。

 

サリア「…あなたは何を伝えようとしてるの?」

 

父さんの墓の前で目を閉じながら語る母さん。

 

コウキ「母さん、大丈夫なの?」

 

サリア「別に大丈夫よ。さて…」

 

すると母さんはオネットさんの墓の方へと行く。

 

サリア「そろそろいくわね。またくるから」

 

と、オネットさんの墓の前で言い残し、俺の方へと振り返る。

 

サリア「そろそろ家に戻るわよ」

 

コウキ「うん。それなんだけどさ、家でメルサさんとネストさんが呼んでるよ」

 

サリア「あの二人が?面倒事じゃないわよね?」

 

コウキ「面倒事じゃないかな…今回は…」

 

俺と母さんは家に向かって帰り始めた。




図鑑

■葬の大剣

分類 武器

カテゴリ 大剣

ガルド「俺が長年愛用している武器だ。俺はこいつを葬(ほうむ)の剣と名付けている」

リディー「重そうですね…どうやったらこんなの持てるようになるんだろう…」

スール「(リディーが持てるようになるのはもっと先になりそう…)」


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第四十一話 5つ目の不思議な絵へ

王城 画廊

 

~マティアス~

 

マティアス「よし、飾ったぞ」

 

この絵の持ち主と交渉して手に入れた絵を王城にある画廊に飾っていた。なんでオレがやらなくちゃいけないんだ…まぁ交渉したのはオレだし仕方ないか。

 

ミレイユ「海が描かれた絵…これはバカンスの予感がするわね!」

 

マティアス「はぁ?」

 

今度は何を考えてんだか…

 

ミレイユ「よーし!双子ちゃんを呼んでこよっと!」ダッ

 

そう言って姉貴は楽しそうに画廊を出ていき、オレ一人残される。

 

マティアス「いっちまった…バカンスって絵の中でかよ」

 

確かに海が描かれている絵だが、これ大丈夫かな?真ん中のほうに船?いや海賊船らしき物が描かれている。バカンスとは言わないんじゃ…

 

???「ミレイユったら張り切ってたわね」

 

聞き覚えのある声…後ろを振り向く。

 

マティアス「シャリス先輩!?怪我して休暇してたって聞いたけど大丈夫なのか?」

 

この人はオレと同じく遊撃部隊の一員で、良き先輩でもある。ところが前、強力な魔物の討伐依頼で騎士の見習いの子がやられそうになったところを庇って足を負傷してしまい、しばらく休暇していたのだ。

 

シャリス「今はもう大丈夫よ」

 

確かに以前負傷した足はもうなんともないようだ。だけど心配することがある。

 

マティアス「先輩はさ…もっと身体を大切にしろよ。これでも女の子なんだし」

 

そう、女がそんな姿はしていけないんだ。女はいつも綺麗なままの姿でいないと…

 

シャリス「騎士は人々を守るのが使命よ。腕や足なんてそれを守れるくらいならくれてやる覚悟よ」

 

すごい決心だ。これが本当の騎士道というやつなのだろうか。

 

マティアス「それは凄いことで…オレも見習わないとな…」

 

シャリス「そうだ。マティアス君はあの双子の護衛をしてるのよね。しっかりやってる?」

 

マティアス「もちろんやってるぜ。あいつらが夢に向かって頑張る姿をみると、何がなんでも守ってやりたくなるんだよ」

 

そう、リディーとスーは亡くなった母との約束を果たすために日々頑張っている。そんな夢に向かって努力するアイツらの力になりたいんだ。

 

シャリス「『あの時』のあなたとは大違いね」

 

マティアス「あの時はまぁ、先輩がいてくれたから今のオレがいる…先輩には感謝してるぜ」

 

あの時はきっとオレが初めて騎士団に入団する時のことだろう。

 

シャリス「…そう。でも臆病なのは今も変わってないらしいけど?」

 

さすが先輩、そこまで見抜くとは…わかってらっしゃる。

 

マティアス「あーそれは…その」

 

シャリス「どうせなら魔物なんか戦いたくないわよね。気持ちはよーくわかるわ」

 

おや?先輩もこの気持ちがわかるようだ。

 

マティアス「先輩もそう思うよな!な?」

 

シャリス「でも、任せられた任務を投げ出すなんてことはしないようにしなさい。なんで次期国王になる人に説教しないといけないのかしら」

 

なんで次期国王って言うんだ…?まだ決めてもないのに。不安も…勇気も…能力も姉貴より低いオレにそんなのが本当に務まるのか。オレ自身まだ迷っているのだ。

 

マティアス「いや、オレは…」

 

シャリス「ミレイユも言ってたけどあなたが王になること、私も期待してるから…いえ、信じてるわ。じゃあね。お仕事頑張るのよ」

 

マティアス「お、おう…」

 

先輩はそう言い残して画廊を出ていく。

 

マティアス「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソレイユ通り 中央部

 

コウキ「師匠…」

 

メルサさんたちがあのことを伝えたのだ。師匠が憎むとされる悪の神がもう復活していることを…でもまだ真の姿?ではないらしいが…

 

ガルド「なんだ?そんな暗い顔しやがって」

 

師匠は何事もなかったかのように誤魔化しているのだろうか…?

 

コウキ「いえ…気にしてるのかと」

 

ガルド「俺はいつだって冷静さ。いい魔物退治の依頼がないか見てくるぞ」

 

コウキ「は、はい!」

 

嘘だよ師匠。絶対気にしてるよ…だってあの時の表情は一度見たら忘れられないから…

 

???「やぁ、二人とも」

 

突然背後から声を掛けられ、振り返る。

 

ガルド「アルトじゃねぇか」

 

アルト「なにやら重い話でもしてたのかい?」

 

鋭いアルトさん、なんでそこまでお見通しなのだろうか。とりあいず暗い雰囲気にはしたくないので話題を変えてみる。

 

コウキ「いえ、別に…アルトさんはどうしたんですか?」

 

アルト「王城に向かっていたんだ。新しい不思議な絵がきたらしくてね」

 

コウキ「え、そうなんですか?」

 

アルト「リディー達から聞いてないのかい?」

 

そういえば採取の時とか誘ってくるけど、今回は誘ってきてない…なんでだ?

 

コウキ「ん、来てませんでしたよ。師匠は?」

 

ガルド「俺のとこも来てないな」

 

コウキ「あれー?俺達のこと忘れられたりして…」

 

俺はともかく、師匠もなんで誘われてないのだろう。

 

アルト「そんなことはないと思うが…そういえばガルド、前言っていた刃こぼれを治す道具だ。あとで使っておくといい」スッ

 

ガルド「おお…感謝するぜ」

 

コウキ「どこか欠けたんですか?」

 

ガルド「長い間使っているせいか刃が欠けてきたんだ。もうこの剣も年かな」

 

コウキ「ほぉ、剣に年ってあるんですね。ちなみに何年使ってるんですか?」

 

ガルド「もう40年ぐらいだな」

 

コウキ「そんなに!?どうしてそこまで…」

 

ガルド「俺にとってはこの剣は宝のようなもので、片身のようなものなんだ」

 

アルト「昔まで使っていた物を今もなお、大切にする。素晴らしいじゃないか」

 

コウキ「はは、そうですね!さすが師匠です!」

 

???「おーい!」

 

通りの奥からこっちに大声が聞こえてくる。

 

スール「コウキとガルドさん、家にいないと思ったらこんなところにいたんだ」

 

コウキ「それはごめん、二人は俺が退院したこと知ってたの?」

 

リディー「イル師匠から聞いたんだよ。元気そうでよかった…」

 

スール「うん。本当によかった…心配したから」

 

コウキ「ああ…ごめん」

 

そんな光景を二人は見守る。

 

アルト「いつも通りな日常に戻ってよかったよ」

 

ガルド「そうだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スール「それでさ、今回の絵はバカンスが舞台らしいんだよ。楽しみで仕方ないよ!」

 

コウキ「ば、バカンス?」

 

アルト「水浴びか。それも絵の世界で?」

 

リディー「そうです!思ってたのとちょっと違ってたけど…」

 

ガルド「絵の世界でバカンスか。途中魔物に襲われなきゃいいんだがな」

 

リディー「その時はボカーンとお願いします!」

 

ガルド「了解だ」

 

師匠即答ですか!?でもあくまでも護衛だからなぁ…

 

スール「しかし、くふふ…」

 

急にスーは俺を見て笑いだしてきたのだ。いたずら好きなこいつにとっては普段何してくるのかわからないのである。

 

コウキ「なんだよスー、その怪しい笑いは」

 

スール「いつの間にイル師匠とあんな関係になったのよー?ほらほら」

 

からかうように俺の背中を肘でつんつんしてくるスー。

 

リディー「付き合ってからどんな感じなの?甘酸っぱい恋…!しちゃったり!?」

 

続いて目を輝きさせながら聞いてくるリディー。

 

コウキ「ちょ、甘酸っぱいって…てか付き合ってないけど!?」

 

スール「えー?よく二人でお茶してるじゃん」

 

リディー「通りでお買い物もしてたよね?」

 

この二人、尾行してたのか!?そんなこと良い子はしちゃダメなんだぞー!

 

コウキ「それはイルが誘ってくれたから…断る訳には絶対いかな…はっ!?」

 

まずい、なにか地雷を踏んでしまったような発言をした気がした。

 

スール「絶対、に!?」

 

リディー「向こうから誘ってくれたの!?ふふ…イル師匠ったら、責めるなぁ♪」

 

スール「くふふ…♪それで二人はなんでお互いタメ口なの?急接近?」

 

コウキ「そ、それは…いろいろあってだな!あはは…」

 

とりあいず、何かやばい気がするのでその場から離れて、王城に向かう。

 

スール「あ、逃げた」

 

リディー「照れ隠しってやつかな?うふふ…」

 

ガルド「そうなのか?」

 

アルト「いや、僕に聞かれても…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城前広場

 

ルーシャ「よかったです。コウキはご無事そうで…はぁ」

 

マティアス「お?なんか嬉しそうだな。気になってるのか?」

 

ルーシャ「はぁ!?ただ安心しただけですけど!」

 

マティアス「顔が真っ赤だが?」

 

ルーシャ「うるさいです!真っ赤なのは熱いからです!」

 

マティアス「ま、今日は気温高いし、熱いよな」

 

ルーシャ「ふ、ふん!そうです」

 

広場まで来ると、ヴォルテールの前でマティアスさんとルーシャが何か話している姿がある。珍しい組み合わせ?なのだろうか。マティアスさんがこっちに気がついて振り返ってくる。

 

マティアス「ん?コウキじゃないか。話は姉貴から聞いてるぜ。無事なようでよかったよ」

 

ルーシャ「なんともないようでよかったですよ。コウキ」

 

反応したのか、ルーシャもこちらに振り返ってくる。

 

コウキ「ご心配かけたようで…あはは」

 

スール「あ、ルーシャにマティアスじゃん。新しい絵がきたらしいけど、ルーシャは来れる?マティアスは面白いから強制だけど」

 

マティアス「オレ面白いから強制なの!?」

 

ルーシャ「その件ですか。ミレイユさんから聞いてわたしも今向かっていたところです。フィリスさんとソフィーさんは?」

 

リディー「二人は先に王城に向かっていると思うよ」

 

ルーシャ「そうですか」

 

コウキ「そういえば修復は終わってるの?」

 

マティアス「修復は大丈夫だぜ。今回は必要ない」

 

リディー「そ・れ・で!コウちゃ~ん?」

 

なっ…急に話題が変わる瞬間。

 

スール「さてさっきの話を色々聞かせてもらおうではないか。お兄ちゃん♪」

 

なぜ普段はそんなこと言わないのに、今言うのだろうか。

 

コウキ「こうゆう時だけお兄ちゃんとか言うなし!」

 

ルーシャ「なっ!お姉さんはわたしですよ!コウキ!」

 

今度はなんだ!

 

スール「教えてよー。何で隠す必要があるのさ」

 

ルーシャ「なにかあったんですか?」

 

リディー「ルーちゃん。それはね、コショコショで…」

 

ルーシャは耳をリディーに貸す。まためんどくさいことに…

 

ルーシャ「え…えぇぇぇぇぇぇ!?」

 

そんな驚くのか?こんなことで…

 

コウキ「だから別に何の関係じゃないよ!?(…本人は俺のことどう思ってるかわからないけど…!)」

 

リディー「イル師匠、ずっとコウちゃんの側で看病してたんだよ?」

 

コウキ「え」

 

マティアス「確かにイルメリア嬢、仕事も忙しいのに、そっちに優先して看病してたからな」

 

俺なんかのために、ここまでしてくれたのか?イルは…あの時、抱きついてきてくれたのは何か感情があったのだろうか…?イルは俺のことをどう思っているんだろう。

 

???「みんなー!」

 

集団で集まっていると、フィリスさんの声が聞こえてきた。横にはソフィーさんがいる。

 

ガルド「フィリスじゃないか。それと、ソフィーの嬢さん」

 

フィリス「こんにちはー!あ、コウキくーん!元気そうでよかった!」

 

コウキ「あ、フィリスさんこんにちはです。ソフィーさんも」

 

ソフィー「ふふ、なにか楽しいことでも話してたの?」

 

楽しくないよ!?ソフィーさん!逆に困っているんです!

 

アルト「コウキとイルメリアがどうやら親密な関係らしくてね。そのことで話していたんだよ」

 

ソフィー「へぇ、親密…恋するイルちゃんとコウキ君ってこと?」

 

ちょっとアルトさん!?何言ってるのぉ!?あとソフィーさん、あなたまで何を!?

 

フィリス「あー、イルちゃんったらコウキ君のことばっか考えてたからねぇ」

 

俺のことを考えてた…?だと!?

 

リディー「やっぱり二人は特別な関係…!」

 

スール「片思いってやつ?コウキだけなんか否定してるし。イル師匠はまだわからないけど」

 

コウキ「俺、はやく絵の世界にいきたいなー(棒)はやくいきましょー」

 

俺の必殺、逃げるんだよぉぉぉぉ!!!!

 

フィリス「あ、ちょっと!コウキくーん!」

 

心配そうにコウキを追っていくフィリス。

 

マティアス「おい、フィリス嬢!?」

 

スール「また逃げた。恥ずかしがりなんだからー」

 

リディー「隠す必要なんてないのに。私達はただ応援してるだけなのにね」

 

ソフィー「あはは…コウキ君大変そう…」

 

ガルド「あいつ、転ぶんじゃねぇのか?ほら」

 

ガルドがコウキが走っていく方向に指を指すと…

 

コウキ「いてっ!」

 

見事、転ける。

 

スール「あ、転けた」

 

リディー「ルーちゃんじゃないんだから…」

 

ルーシャ「なんでわたしなんですか!?」

 

アルト「本当に転けたね。予測でもできるのかい?」

 

ガルド「なんとなく、思っただけだ」

 

マティアス「なんとなく!?」

 

フィリス「あちゃちゃ…大丈夫?」

 

フィリスさんは手を差しのべてくれる。

 

コウキ「なんでこうなるのぉぉぉぉ!?」

 

フィリス「あはは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城 画廊

ミレイユ「来たわね、みんな。この絵がバカンスの舞台、『海底宝物庫』よ!」

 

コウキ「へぇ、これがバカンス…」

 

飾られた絵を見ると、洞窟に海賊船?と海が描かれていた。

 

リディー「わぁ、本当に海の絵だぁ…!中の世界も、澄んだ海が広がっているのかな…!」

 

だといいんだが…特にあの海賊船らしき物が気になる。

 

ソフィー「バカンスなんていつぶりだろう…。あはは、楽しみになってきちゃった」

 

フィリス「ですね、先生!思いっきり楽しんじゃいましょうっ!」

 

ルーシャ「ふふふ…!水着も持って来たことですし、準備万端です!」

 

持ってきた、んですか。

 

ミレイユ「それじゃみんな、行ってらっしゃい!バカンス、楽しんで来てね!」

 

俺達は絵の世界に入った。はずだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気がついたら、海の中…だった。

 

コウキ「ぐぶぶ!?がぼぼぼぼぼぼぼ!!」(え…!?俺カナヅチだから溺れる!!)

 

リディー「がぼぼぼぼぼぼ!?」(お、溺れる!!)

 

スール「がばばばばば!がぼぼ…がばばー!!」(溺れる溺れる!撤収…てっしゅーう!!)

 

フィリス「がぶぶ…!?がぼ!おぼぼぼぼ!!…!?」(海の中!?そうだ!エアドロップ!あ…!)

 

皆、元の世界に戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミレイユ「あら…ずいぶんお早いお帰りね。バカンスは楽しめた?」

 

スール「それ以前の問題ですよっ!げほっ、げほっ…溺れ死ぬかと思った…」

 

コウキ「げほっ…げほっ…またあの世に逝くところだった…」

 

さすがに今回は死ぬかと思った。割とマジで、しかもびしょぬれになってしまう。

 

リディー「まさか、絵に入ったら海の中だなんて。うう…海水飲んじゃった…」

 

ソフィー「服がびしょびしょに…」

 

ルーシャ「あーもう!こんなの聞いてませんよぉ!げほっ!げほっ!」

 

アルト「(最近は風呂に入ってなかったし、まだマシか…)」

 

マティアス「オレの髪が…しゅーん…」

 

ガルド「食料を防水の入れ物にいれてて正解だったぜ…やれやれ」

 

ミレイユ「ご、ごめんね。まさかそんな絵があるなんて…海の中の世界じゃバカンスはおろか、調査さえ…」

 

フィリス「ふっふっふー。それが、なんとかなるんですよ!」

 

何かアイデアがあるらしい。

 

フィリス「じゃーん、エアドロップー!!これを口に含めば、お水の中でも、息ができるようになるんです!」

 

見せてくれたのは青色の飴のような物で、水中で息ができる優れものらしい…世の中にそんなものがあるなんて錬金術って凄いんだなと思った。

 

マティアス「水の中でも息が…!?本当、錬金術って常識を軽々と踏み越えていくな…」

 

確かに常識を越えている物としか思えない。てゆうかそれがあるならなんで使わなかったのだろうか…。

 

スール「あれ…?でも、そんなのがあるんだったら、さっき使えばよかったんじゃ…」

 

スーが俺と同じことを思ってることをツッコんだ。

 

フィリス「…そこに気づくとは、さすがスーちゃん。実は、悲しい事情があってだね…?」

 

なにやら深い事情?があるそうだ。

 

フィリス「このエアドロップ、最後のひとつなんだ。最近、全然作ってなくて…あはは…」

 

リディー「ああ、なるほど…。じゃあ、私たちが作ってきますよ。それも、みんなで使えるように、たーくさん!」

 

フィリス「ふふっ、それなら二人に任せようかな。じゃあこれ、最後のエアドロップと、作り方のレシピ」

 

それ2つをリディーに渡したようだ。レシピのほうは濡れてないのかな?まぁ細かいことは気にしないでおこう。

 

ルーシャ「…よろしくお願いしますよ、二人とも。わたしのバカンス熱が冷めてしまわないように、ね!」

 

リディー「任せて!行くよスーちゃん」

 

スール「はーい…」

 

二人は画廊を出ていく。

 

ミレイユ「えっと…皆、タオル持ってくるわね」

 

コウキ「すいません…お願いします」

 

ミレイユさんもタオルを取りに画廊を出ていく。

 

ガルド「大丈夫か?お前ら。水だ、飲め」

 

ソフィー「あ、すいません。いただきますね」

 

海水を飲んでしまって喉が変な感じがするのでいただくことにする。

 

フィリス「ありがとうございます!ごく…!ごく…!」

 

コウキ「…!?」

 

お水を飲んでいるフィリスさんが華麗だったのでつい目を奪われる。

 

フィリス「ん?コウキ君、わたしの顔に何かついてる?」

 

コウキ「いえ、別にー!?」

 

フィリス「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スール「では改めて…バカンスへ、れっつごー!」

 

エアドロップを口に含んで今度こそ、不思議な絵、海底宝物庫へと入る。エアドロップをなぜ口に含むか?理由はこれにある…

 

………

 

~回想~

 

コウキ『なんかサイダーみたいな味ですね!』

 

フィリス『あ、おいしいだろうけど、絶対飲み込んだらダメ』

 

コウキ『それはどうして?』

 

フィリス『それはね…口では言えないよ…あはは…』

 

コウキ『そ、そうですか…』

 

………

 

飲み込んだら口では言えない、大変なことになるんだなと思った。



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第四十二話 海底宝物庫 前編

第二天魔王 氷山

黒の魔核レンプライアの力により生み出された魔物で、別名『第二天魔王 氷山』アイスマン、メルサ、ネストによって倒された。
巨大な雪山のような形をした魔物で体が機械でできている。
脚の部分に無数の歯車があり、そこから謎のエネルギーによって走行でき、背中部分にはコア(心臓)があり、そこを全部叩けば完全に仕留めることができる。
またコアの周りにはそれを防衛するための機銃があり、狙った標的を蜂の巣にしてしまう。
長年封印されていたせいか、本来の力を失っていた。


リディー「(おお…!本当に海の中で息ができてる…!水の中って、こんな風になってたんだ…!)」

 

スール「(楽しいバカンスと、たくさんのお宝が、きっとあたしを待ってる!くふ…くふふふふ…!)」

 

コウキ「(すげぇ!海の中で息ができる!念のため夢か

どうか確認…)」

 

頬をつねると、どうやら夢じゃなく、現実だった。泡のようなものが体全体を守っている感じで、呼吸しようとすると息ができるのだ。

 

フィリス「(夢じゃないでしょ?ふふ)」

 

コウキ「(あはは、そうですね…何してんだろう俺)」

 

フィリス「(じゃあ、先に進んでみよう!)」

 

夢にもない海の中を探検してみる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リディー「ふぅ、陸地に着いたみたいだね。…ん?」

 

奥を見ると、人?がいた。

 

???「十の海をかっきわっけてー!邪魔ーなもっのはー、やっきつっくすー!」

 

???「それーがおっれさっま…。キャプテーン…バッケン!!!」

 

なにやら歌っているようだ。

 

リディー「えっと…。あ、あなたは…?」

 

リディーがその人に声を掛けてみる。

 

???「キャプテーン…バッケン!!!」

 

謎の人がこちらに振り返ると、その人は紛れもない、骸骨だった。それはさっきも聞きましたよ。

 

ガルド「…!」

 

ルーシャ「いや、それはわかりましたから。えっと…あなたのご職業は?」

 

ご職業って…絵の世界の人にそんなことを聞くだろうか普通。

 

バッケン「なに?もしや貴様たち、俺様のことを知らないのか?仕方ない、特別に説明してやろう!」

 

バッケン「俺様はキャプテン・バッケン!!十の海を股にかけた、海賊の中の海賊!!」

 

バッケン「人呼んで…火あぶりバッケン!!覚えておくんだな!カッーカカカカカ!!」

 

まぁ服装を見れば海賊だろうな…

 

リディー「か…海賊…!!すごいすごい!本物の海賊って初めて見た!!」

 

スール「うん!!思ってたよりかっこいいっ!ねぇねぇ、キャプテンって呼んでもいい!?キャプテンって!」

 

バッケン「カカカカカ!いいだろう!ついでに俺様の子分にしてやろうではないか!」

 

出会って早々、子分にしてくれる。

 

スール「え、いいの!?やったね!ふふふ…。これであたしも麗しき女海賊の仲間入り…」

 

麗しきは余計な気が…

 

リディー「私も私もー!帽子かぶって、眼帯つけて…リディー海賊団だーってやってみたーい!」

 

マンガに影響されてるなぁ。リディーは

 

ルーシャ「な、なんでそんなにはしゃいでるんですか、二人とも…」

 

コウキ「ずいぶんと楽しそうで…」

 

アルト「仕方ないさ。海賊といえばロマンの塊。正直、ぼくも興奮を隠せないよ…!」

 

そうだった…アルトさんもマンガ読んでたっけ…よく店に来てるし、一緒に本を読んだりしてるからなぁ。最初はイメージと違いすぎて驚いたけど…

 

マティアス「ああ、生きてるうちに海賊に会えるなんてな…!!ぐぅーっ!絵の交渉、頑張ってよかったーっ!!」

 

ああ…マティアスさんも流されてる…今回も交渉、ご苦労様です…

 

ルーシャ「わ、わたしは流されませんよ!!…それでっ!バッケンさんはどうしてここに?」

 

バッケン「どうしても何も、ここは俺様の宝物庫!!身が朽ちた今も、一人で宝を守っているのだ!!」

 

この地の守護者だろうか。

 

スール「はいっ!キャプテン、質問です!お宝って、どんなものがあるんですか!」

 

リディー「はいっ!私も気になります!教えください、キャプテン!」

 

バッケン「うむ、答えてやろう、子分C、子分D!」

 

AとBはどこだよ。

 

ルーシャ「子分Aと子分Bはどこにいるんですか!ああ、もうツッコミが追い付かないぃっ!」

 

バッケン「英雄の写し絵に、靴ほどの巨大な黄金。そして万人の心を打つ詩編集…」

 

バッケン「ここにある宝は、いずれも価値を付けることができないほどの品々だ!カカカカカ!!!」

 

キャプテンが言うようにその3つの宝はすごい物らしい

。写し絵と詩編集はともかく…黄金の靴が気になる。

 

マティアス「うおおおおおおお!!す、すっげぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

バッケン「ただ…うむ。俺様も死んでからずいぶん経つ。そろそろ一人で宝を守るのにも疲れてしまった」

 

バッケン「もし望むのなら、俺様の宝物の数々…貴様たちに譲ろうではないか。どうだ子分たちよ」

 

ルーシャ「はいっ、キャプテン!!ぜひっ!ぜひ欲しいですぅっ!」

 

コウキ「さっきまでのツッコミ満載のお前はどこいった…」

 

スール「変わり身早っ!ったく、ルーシャは現金なんだから…」

 

バッケン「うむ、よかろう!宝はみっつある宝物庫に収めてある。好きに持って行くがいいぞ!カカカカカ!!」

 

スール「アイアイサー!なんかバカンスとは違う気もするけど…まぁいいよね!くふふっ…♪」

 

あ、これバカンスなんだっけか。素で忘れかけてた。

 

ガルド「(この人からは悪質な予感を感じない…違うか)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それぞれの宝物庫に向かっていると、魚型の大きな魔物いたのだ。

 

「シャギァアアアアアアアア!!!」

 

マティアス「でけぇな…あれ」

 

リディー「うわぁ、大きな魔物…。さすがにあんなのとは戦えないよねぇ…」

 

ソフィー「あの、キャプテン。宝物庫ってこの辺りにあるんですか?」

 

バッケン「うむ!まさに、あの魔物がいる場所…。あそここそが、第二宝物庫だ!」

 

確か、宝物庫は3つあって、ここはその内の2つ目の場所らしい。

 

スール「えええええ!?なんで宝物庫に魔物がいるんですか!?」

 

バッケン「知らん!おそらく勝手に住みついたのだろう。まったく、迷惑なヤツだな!カカカカカ!」

 

宝の番人かと思ったが違うようだ。

 

スール「うう、どうしよう…!魔物とは戦いたくないけど、お宝も諦めたくない…!」

 

素直なことで…もちろん俺も戦いたくないです。

 

フィリス「財宝がわたしたちを待ってるのにぃ!ぐぬぬぬ…!」

 

ガルド「俺がいくか?多分圧勝すると思うぜ」

 

戦い好きな師匠、自信満々だ。

 

コウキ「いや、師匠…あれは危険だと…」

 

ガルド「諦めたらそこで試合終…」

 

コウキ「一旦、様子をみてから考えましょう!ハイ!」

 

ガルド「…?了解だ」

 

ソフィー「あはは…あの魔物と戦わずに、お宝が手に入る方法があれば…」

 

コウキ「どこか迂回したりできないかな?」

 

アルト「いや、どうやら他の道がないようだ」

 

コウキ「そうですよね…うーむ」

 

ルーシャ「うーん…戦わないとなれば…は、は…」

 

コウキ「ってルーシャ!?まさか!」

 

ルーシャ「はっくしょん!」

 

くしゃみが見事、ルーシャの近くにいたスーに直撃する。

 

スール「うわっ、ばっちいなー。こっちに飛ばさないでよ、ルーシャー」

 

ルーシャ「す、すみません。ついうっかり…」

 

ソフィー「今、あの魔物…音に反応してたみたい。もしかして、もっと大きい音を立てれば…」

 

リディー「あの魔物を追い払える…かも?…よし、試してみようか」

 

アルト「リディー、発爆用の爆弾があったはずだ。それを使ってみたらどうだ?」

 

リディー「わかりました!」

 

言われた通りにカゴをガサゴソし始める。

 

リディー「これかな?スーちゃん、お願い」

 

スール「はいよー!よし。みんな、耳を塞ぐの忘れないでね。それじゃあ…てーいっ!」

 

全員、衝撃に備えて耳を塞ぎ、大きな爆発音が鳴り響く。

 

「シャギァアアアアア!?」

 

すると魔物は水しぶきをあげながら海へと去っていった。

 

リディー「やったぁ!作戦通りっ!上手くいきましたね、ソフィーさん!」

 

ソフィー「うん!やったね、リディーちゃん!さてさて…。宝箱の中には、何が入ってるのかな?」

 

宝箱があるとこに向かう。

 

バッケン「その中にあるのは…靴ほどの巨大な黄金!開けるときは心するんだな!」

 

うわうわ、いきなり黄金かよ!ルーシャがはしゃぎまくるぞ。これ…

 

ルーシャ「黄金!みなさん、黄金ですよ!これがあれば大金持ちです!うへっ…。うへへっ…」

 

リディー「よし。じゃあ開けるよ…!」

 

その宝箱を開けてみると…

 

ソフィー「うっ!こ、これは…っ!」

 

宝箱に入っていた黄金の靴は鼻をつまむほどのとんでもない激臭がしたのだ。

 

スール「く…くっさーい!ちょっと、何これー!!」

 

バッケン「俺様愛用、黄金の長靴だ!長年使っていたから、臭いが染みついているようだな!カカカカカ!」

 

ソフィー「ううっ…。いくら黄金でも…この臭いは、キツイ…」

 

コウキ「で、ですね…げぼげほ…うぅ…」

 

リディー「けほっ、けほっ…。欲しがってたみたいだし、これ、ルーちゃんにあげるね…」

 

ルーシャ「い・り・ま・せ・んっ!!こんな激臭兵器、売れるわけないでしょう!」

 

コウキ「洗えば、売れるんじゃないの?」

 

ルーシャ「こんな物、まず洗う前から問題があると思いますけど!?まず、触れたくないです!」

 

コウキ「あー、そうですか…」

 

ルーシャ「とにかく!これは責任を持ってあなたたちが持っていてください!命令ですっ!」

 

スール「うう、わかったよぉ…」

 

無理やり現金少女ルーシャにその靴を押しつけられるリディー達。あんなに欲しがっていた奴はどこにいったのやら…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのあとも別の宝物庫に向かっていると、大きなカメ?が目の前に姿を現す。

 

「カメェェェェ!!」

 

バッケン「む、ペットのカメ吉くんではないか!久しぶりに見たが、あれほど大きくなっているとはな!」

 

スール「ぺ、ペット…?かわいいけど無視しよ、無視…」

 

まあそれが安定だろうな。

 

バッケン「ところが、第一宝物庫はカメ吉くんがいる先にある。ヤツを倒さねば、宝は手に入らないぞ」

 

ここの宝物庫は3つの内、1つ目のとこらしい。

 

フィリス「…二人とも、やるしかないよ!何て言ったって、お宝のためだもん!!」

 

コウキ「フィリスさん、急にどうしたんですか!?めっちゃノリノリ…」

 

リディー「え、えーっと…フィリス…さん?」

 

フィリス「目指せ、金銀財宝ざっくざくっ!!わたしたちの野望のために…覚悟して、カメ吉っ!!」

 

フィリスさんがよくわからない状態になったけど、武器を構える。

 

「カメェェ!!」

 

カメ吉くんがこちらに向けて何か魔法を唱えて、上に魔法陣が開き、そこから氷柱が降ってくる。

 

スール「まかせて!」

 

スーがそれを全部撃ち落として、被害を減らす。何て銃裁きだ。

 

マティアス「その隙に…そりゃ!」

 

コウキ「カメ吉、可哀想だろうけど…覚悟!」

 

今度はこちらから攻撃を仕掛けるが、カメ吉は体を甲羅にこもって攻撃を防御し、攻撃が弾かれてしまう。

 

「カメ!」

 

引っ込めた体を出し、噛みつきの体勢に入る。

 

ガルド「隙は与えないぜ、カメ吉」

 

師匠がカメ吉の前に立ち、大剣でその反撃を防ぐ。

 

ガルド「すいぶんと顎の力が元気な亀だな!」

 

師匠の大剣に噛みついて動きが止まってる今がチャンスだ。

 

アルト「ふむ…これならどうだ?」

 

本の魔法で浮遊する錬金剣が現れ、無数の剣がカメ吉を狙うが、攻撃の危機を感じたのか、カメ吉は噛みついた剣から口を離し、また甲羅にこもって攻撃を防御される。

 

アルト「…これは驚いた」

 

バッケン「カメ吉くんの甲羅はどんな破壊力があろうともびくともしないのだ!カカカカカ!」

 

コウキ「キャプテン!どっちの味方なの!?」

 

リディー「それって無敵じゃありません!?」

 

ガルド「硬いやつだな。なにか裏の弱点があればいいんだが」

 

ソフィー「うーん…。そうだ、フィリスちゃんの属性矢の電撃矢は錬金魔法だったはず!それを射ってみて!」

 

フィリス「わかりました!財宝のため、カメ吉覚悟っ!」

 

電撃矢を放ち、カメ吉に当たる。

 

「カメェェェェェェェ!?」

 

見事ヒットし、カメ吉は感電する。ダメージが通っているようだ。

 

バッケン「むむ…!?」

 

リディー「効いてる!」

 

コウキ「ルーシャ」

 

ルーシャ「なんですか?」

 

コウキ「今さらだけどさ、その傘って何ができるの?」

 

ルーシャ「そうですね…援護や魔法攻撃ができますよ」

 

コウキ「魔法…魔法なら攻撃が通るかもしれない!」

 

フィリスさんの錬金魔法のように魔法が通じるかもしれない。

 

ルーシャ「…?わかりました。じゃあいきますよ!」

 

一回転して傘を宙に上げ、カメ吉の真上から無数の光線が放たれる。

 

「カメェェェェェェ!!!」

 

カメ吉は大きなダメージを喰らい、どこかへと去ってしまう。

 

リディー「やった!追い払ったよ!」

 

スール「ルーシャのくせにやるじゃん」

 

ルーシャ「くせにとはなんですか…これ一度使うと疲れが回るんですよね…わたしもまだまだ修行が必要ですね…」

 

コウキ「よくやったよ。ルーシャ、今度なんか奢ってやるよ」

 

ルーシャ「あー…ありがとうございます?」

 

フィリス「ふっ…カメ吉、強敵だった…。でも…わたしたちの勝利だーっ!!」

 

リディー「いえーい!それじゃ、早速お宝を…!」

 

バッケン「よくぞカメ吉くんを倒したな!…ここにあるのは英雄の写し絵!さぁ、震えるがいい!」

 

ルーシャ「ふふふ、それはさぞかし高く売れることでしょう…!それでは、開けますよ…!」

 

コウキ「だといいんだがな…」

 

スーがその宝物を開ける。

 

コウキ「(嫌な予感がするのは俺だけだろうか…)」

 

スール「こ、これはっ…!!」

 

フィリス「これって…キャプテンの写し絵?まさか、『英雄』って…!」

 

その写し絵はキャプテンの素顔だった。

 

バッケン「いかにも!英雄とは俺様のこと!火あぶり大好き、キャプテーン…バッケン!!」

 

コウキ「うわぁ…」

 

ルーシャ「う、うう、そんなぁ…。こんなもの、二束三文にもなりませんよ…」

 

ルーシャ「しかも、よく見たら同じような写し絵、辺りにいっぱい散らばってるじゃないですか…」

 

バッケン「うむ、世界中にばらまこうとたくさん描かせたからな。カカカ!好きなだけ持って行くがいいぞ!」

 

スール「わーい、お土産にたくさん持って帰ろーっと!ルーシャもコウキも拾って行くでしょ?」

 

コウキ「いらん」

 

ルーシャ「いりませんよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後である、3つ目の宝物庫に向かっていると、先頭で歩いているキャプテンが急に立ち止まる。

 

マティアス「どうしたんだ、キャプテン。急に立ち止まったりして」

 

バッケン「…着いたぞ。ここが第三宝物庫だ」

 

アルト「へぇ、面白いね。無骨で、殺風景で…海賊という雰囲気にぴったりだ」

 

ガルド「それは、ほめてるのかよ…」

 

アルト「それで、キャプテン、ここにあるのは、どんな宝なんだい?」

 

バッケン「うむ!ここにあるのは万人の心を打つ詩編集。ひとたび読めば、涙を流すことは必定!!」

 

マティアス「海賊の中の海賊ともなると、そういった情緒的なもんも集めてるのか…。さすがキャプテンだ!」

 

バッケン「カカカカカ!その通りだ、子分Fよ!貴様もなかなかわかっておるではないか!」

 

マティアスさんが子分Fらしい、Eは誰なのだろうか。

 

バッケン「だが、ここばかりは無条件で通すわけには行かんな。俺様にも…ごほん。とにかくだ!」

 

バッケン「ここを通りたくば、木材を持って来い!それが条件だ!」

 

スール「うー、わかりました…。けど、木材なんて何に使うんですか?」

 

バッケン「我が愛船を直すためだ。もう航海に出ることはないが、愛船の朽ちた姿を見るのは忍びなくてな…」

 

コウキ「…そ、そうですか。そういうことなら腕を振りますよ!」

 

マティアス「…キャプテン!あんたやっぱり漢だぜ!死してなお、自分の船を直そうとするなんて…」

 

アルト「ああ、感動したよ…!キャプテン。木材の調達、ぼくたちが必ず果たしてみせよう」

 

ガルド「そうゆう理由なら、何も文句は言わない。ちゃんと持ってくるぜ、キャプテン」

 

バッケン「カカカ…!集めた木材はここへ置いてくれ。よろしく頼むぞ、貴様たち!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頼まれた木材を集め、持ってきた。

 

リディー「よいしょ…っと。キャプテン!頼まれた木材、集めてきました!」

 

バッケン「ご苦労!これなら我が愛船を修理してやれるだろう」

 

ガルド「何か不備があったら言ってくれ。すぐいい木材を持ってくるぜ」

 

マティアス「キャプテン!あんたの想いがこもった船…バッチリ直してやってくれよ!」

 

アルト「もし他に足りない物があったら言ってくれ。ぼくたちでよければ、いつでも力を貸そう」

 

バッケン「恩に着るぞ。…では、この先に進むことを許可する。詩編集をその手に取り、感涙にむせぶがいい!」

 

コウキ「(どうか良いものでありますように…)」

 

宝箱の場所に向かってみる。

 

スール「ごくり…。一体、どれだけ感動するんだろう…。それでは、宝箱、ご開帳ーっ!」

 

スーがその宝物を開けてみると…

 

マティアス「…っ!こ、こいつは…!」

 

アルト「『バッケンのメラメラポエムノート』…!?心を打つ詩編集とは、まさか…!」

 

バッケン「うむ、まさしく俺様のポエム帳だ!俺様も覚悟を決めた!さぁ、読んでみるがいい!」

 

アルト「…そうだね。ではルーシャ。君に託そう」

 

なぜかそのポエム帳を読まされるルーシャ。

 

ルーシャ「なんでわたしなんですか!仕方ないですね…。えーと、なになに…」

 

ルーシャ「『敵と戯れる俺様はいつもバーニング♪メラメラ燃えるラヴァーズのように、相手を』…」

 

喋り方を変えて読むルーシャ。

 

ルーシャ「ごめんなさい。無理です」

 

突然、読むのをやめて、リディーにそれを渡した。

 

リディー「って言いながら私に渡さないでよぉ!うう…。どうしよう、これ…」

 

バッケン「カカカカカカ!!大事にするがいい、子分Cよ!もし捨てたりしたら…火あぶりの刑だぞ!」

 

容赦がないキャプテン。

 

リディー「ええっ!?はい、わかりましたぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リディー「宝物庫は全部でみっつって言ってましたよね…。だったら、お宝はこれで全部ですか?」

 

ルーシャ「もしそうだとしたら、ロクなお宝はひとつもなかったですけどね…」

 

コウキ「まぁ、そんな言うなって」

 

アルト「何てことを言うんだ、ルーシャ!あんなに素晴らしい宝の数々に…!」

 

素晴らしかった、んですか

 

フィリス「そうだよ、ルーシャちゃん!キャプテンに失礼だよ!」

 

ルーシャ「もう、何なんですか…!はいはい、すみませんでしたー!」

 

バッケン「カカカ…別に構わん。確かに貴様の言う通り、ここにはもう…」

 

キャプテンは悲しげに落ち込んでいるように語る。

 

スール「キャプテン…?」

 

バッケン「いや、気にするな!それより、よくぞみっつの宝物を手に入れたな」

 

バッケン「…貴様たちには、我が最後にして最高の秘宝を手にする資格があるやもしれん」

 

コウキ「我が最後…?」

 

リディー「最後にして…最高の秘宝…っ!!」

 

ルーシャ「きゃー!キャプテン最高っ!!でっ!でっ!それってどんなお宝なんですか!?」

 

バッケン「そう急くな。秘宝は最深部の宝物に収めてある。行くぞ、貴様たち!我が秘宝…目に焼き付けるがよい!」

 

そして俺達は最後の宝物がある場所に向かった。




図鑑

■本屋

コウキ「俺ん家、以上!」

リディー「はい、それだけではありません。このメルヴェイユでも有名な本屋で、本屋の裏には広い庭があって、昔ここでよく遊んでいました。私もこの店でよく本を買っています。店主であるサリアさんは私達に特別サービスで本を割引してくれるんです」


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第四十三話 海底宝物庫 後編

図鑑

???の剣

分類 武器

カテゴリ 剣

リディー「前はこの剣小さかったよね?」

スール「突然変わったよね?どうして?」

コウキ「進化…したんだ」

リディー、スール「は?」

コウキ「(´・ω・`)」


バッケン「着いたぞ。あの中に我が秘宝が眠っている。さぁ、開けてみるがよい」

 

リディー「はい!じゃあスーちゃん、一緒に…せーのっ!」

 

二人がその宝箱を開けるが…

 

スール「うぎぎぎぎぎ!」

 

リディー「ふぬぬぬぬぅ…。あ、開かないぃ…!!」

 

スール「ぜぇぜぇ…。キャプテン…この宝箱、カギかかってんじゃ…」

 

バッケン「カカカ、そういえばそうだったな!だが、心配するな。カギならここに…あ」

 

キャプテンがその宝箱の鍵を取り出したが…

 

リディー「ああああ!!カギ、壊れちゃってるじゃないですかぁ!」

 

鍵が壊れて、いました。

 

バッケン「カカカカギが、カカカギが!どうしよう!」

 

ルーシャ「どうしよう、じゃないですよ!宝箱…思いっきりぶっ壊してみますか?」

 

コウキ「それはダメな予感が…宝物が殺られる!」

 

ソフィー「あはは…。個人的にはそれでいいんだけど、中身が無事じゃ済まないような…」

 

フィリス「ねぇねぇ。カギが壊れちゃってるなら、直せばいいだけじゃないの?」

 

意外なことを言う。

 

スール「えぇ…?私たち、錬金術士であって鍛冶師じゃないんですよ…?」

 

フィリス「いやいや、錬金術で直すんだよ。大丈夫大丈夫。昔、わたしもやったことあるし」

 

スール「…わかりました。お母さんとの約束その5!『悩むより前に行動すべし!』…だよね!」

 

リディー「うん!キャプテン。私たちを信じて、カギを預けてもらえませんか?」

 

バッケン「頼もしい子分たちよ!昔を思い出す…。よかろう。貴様たちにこのカギを委ねようではないか」

 

昔もこのような事があったのだろうか?

 

バッケン「この宝箱の中身は俺様にとっても大切なもの…。頼んだぞ、貴様たち」

 

フィリス「ふふーん…じゃじゃーん!携帯錬金釜!これは持ち運びができる優れもの!いつでもどこでも調合ができるんだよ!」

 

バッケン「さっきも言っていたが、れんきん?なんだそれは」

 

コウキ「錬金術っていろいろ凄いんですよー。俺もよくわからないですけど…あはは」

 

リディー「それはすごいです!スーちゃん!急ごう!」

 

スール「おうよ!宝は我が手のうちにーっ!!」

 

フィリス「わたしも手伝うよ。先生もルーシャちゃんもアルト君もお願い!」

 

ソフィー「うん、そうだね!お宝のために!」

 

ルーシャ「はい、任せください!お宝がわたしを待っていますので!」

 

アルト「キャプテンの素晴らしい宝物のために頑張ろうじゃないか」

 

ガルド「んじゃあ、俺達は調合してる最中のお前たちを魔物に襲われんように守ってやる」

 

マティアス「だな。しっかりと守ってやるよ」

 

コウキ「そうですね。それが本業なので」

 

バッケン「カカカカカカギ…カカカカカギが…無事だといいのだが…」

 

相当ショックを受けてるキャプテン。本当に大事な物なんだろうなぁ。

 

コウキ「キャプテン、大丈夫です。絶体に直りますよ。信じましょう」

 

バッケン「うむ、そうだな。子分たちに任せておけば平気だろう」

 

あれ?さっきの落ち込みはどこいったのだろうか…

 

コウキ「あんまりショックじゃなさそう…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スール「よし!元通りになったけど…」

 

リディー「『ヒ・ミ・ツのカギ☆』って書いてあるね…」

 

スール「ま、気にしないでおこう。ね?」

 

バッケン「カカカカギ…カカ…カギは直ったのか…!?」

 

直した鍵をキャプテンに見せる。

 

バッケン「おお、見事な…!さぁ、子分たちよ!早速この鍵で、宝箱を開けてみるがいい!」

 

リディー「はい!じゃあ、今度こそ…!」

 

宝箱の場所に向かい、鍵を使ってみる。

 

スール「よし、バッチリ開いたみたい。さてさて、キャプテンの秘宝って、一体…!?」

 

その秘宝が入っている宝箱を開けてみると…

 

リディー「これは…ピストル?ずいぶんと古いみたいだけど…」

 

入っていたのは、ピストルだったのだ。

 

バッケン「ああ、俺様が初めて船出した時に使っていたものだ。カカカ、いつ見ても懐かしい…」

 

コウキ「………」

 

ルーシャ「…これが、あなたにとっての最高の宝物なんですか?」

 

バッケン「…いかにも、十の海のさまざまな冒険を、このピストルとともに乗り越えてきたのだからな」

 

バッケン「これまで、価値のある宝はいくつも手に入れてきた。だが、その裏には必ず血まなぐさい戦いがあった」

 

バッケン「そのような宝は手に入れても新たな争いを生み…結局、ご覧の有様だ。手元には何も残っていない」

 

コウキ「(宝の欲のために、争いを繰り返してしまう…か)」

 

スール「キャプテン…」

 

おそらくキャプテンは戦いを繰り返している内に、敵に殺され、宝を奪われてしまったという事だ。

 

バッケン「多くの仲間たちと歌い。語らい、海を征く。そんな楽しい日々には、いつもこのピストルがあった」

 

………

 

『兄貴ー!』

 

『キャプテンー!』

 

『バッケンー!』

 

『はっはっはっは!』

 

………

 

バッケン「だから…これが俺様にとって最も大切な宝なのだ。貴様たちにとってはガラクタであっても、な」

 

ルーシャ「…いいえ、そんなことはありませんよ。値段に関わらず、宝物は宝物。そうでしょ、二人とも?」

 

コウキ「ルーシャ…」

 

リディー「…うん!キャプテン!すごい宝物を見せてくれて、ありがとうございます!」

 

スール「初めてのピストルを大事にしてるなんて…、さすがキャプテン!痺れちゃいます…!」

 

バッケン「カカカ…カカカカカ!貴様たちになら、俺様の秘宝を委ねられるだろう」

 

バッケン「受け取るがいい、我が親愛なる子分たちよ!そのピストルを手に、世界を制するのだ!」

 

二人はそのピストルを受け取る。

 

マティアス「うおおおお…!漢だ…!あんた、漢だぜ、キャプテン…!!」

 

ソフィー「うん…。あたしも昔のもの、大事にしないとなぁ…」

 

ガルド「お前をこれからも大事にするぜ…相棒」

 

師匠は自身の大剣を撫でる。

 

バッケン「カカカカカ!貴様たちに会うことができて、俺様は幸せだったぞ!」

 

するとキャプテンの体がだんだんと、透明になっていく。

 

コウキ「キャプテン…!?」

 

リディー「え…身体が…!」

 

バッケン「カカカ、海賊はいつも陽気でいるものだ。別れを悲しんでいては、立派な海賊にはなれん!」

 

バッケン「海賊として生きるためには、初心とロマンを忘れるな!…貴様たちに大海の祝福があらんことを!」

 

マティアス「…ギァブデェェェン!逝かないでぐれぇぇぇぇ!」

 

感動して泣いてしまうマティアスさん。

 

ルーシャ「…楽しかったですよ。キャプテン。ありがとうございました」

 

コウキ「俺からもありがとうございました。本当に…」

 

バッケン「カカカカカカ!…さらばだ、貴様たち!」

 

奥に向かい、そして左腕をかっこよく上げて、空へと消えていくキャプテン。

 

最期のポーズはbだった。

 

スール「キャプテーン…!さようならぁぁぁ!」

 

二人はキャプテンが消えてしまったところに向かう。

 

リディー「ぐす…ひっく…あ…キャプテンが消えたところに、色のかけらが…」

 

それはまるで金貨のような、かけらだった。それを手に取り、大切に握る。

 

ソフィー「…ふふっ。キャプテンからのお礼かもね。一緒にいてくれてありがとう、って」

 

『一緒にいてくれて』の言葉で泣きそうになる。

 

スール「そう…なのかな。キャプテン、ありがとうね。キャプテンに教わったこと、絶体に忘れないからね…!」

 

コウキ「そうだな…っ」

 

ルーシャ「なに泣いてるんですか。コウキ…」

 

コウキ「そうゆう、お前こそ…」

 

ルーシャ「…!目にゴミが入っただけですっ…」

 

「カメェ…」

 

フィリス「カ、カメ吉?」

 

アルト「なぜ、ここにいるんだ…?」

 

カメ吉がこちらにゆっくりと向かってくる。

 

ルーシャ「わたしのところに向かってきてるんですが…!?」

 

コウキ「待て!何か咥えてる?」

 

カメ吉は玉のような物を咥えて、ルーシャに近づく。なぜか攻撃的な感じがしないのだ。

 

ガルド「下がってろ」

 

剣を構えて、師匠がカメ吉の前に立つ。

 

コウキ「師匠!待ってください!カメ吉、きっと何か渡したいんだと思うんです!だから…!」

 

ガルド「…?わかったぜ」

 

師匠は剣を下ろし、カメ吉から離れ、カメ吉はルーシャの元に向かう。

 

「カメ!」

 

口に咥えている物をルーシャに見せる。

 

ルーシャ「こ、これをわたしに…?」

 

これを受け取ってくれ。と言うように…

 

「カメ!カメ!」

 

ルーシャはそれを受け取る。するとカメ吉は用が済んだのか、その場から去っていく。

 

ルーシャ「これは…」

 

スール「それって、コウキがネージュから貰ったのと同じやつ…?」

 

コウキ「うん。でもカメ吉、どうしてこんな物を…」

 

その玉は碧色のような宝玉だった。

 

リディー「キャプテン。お宝…見つけました…。ぐす…」

 

コウキ「…そうだな。ルーシャ、それ大事にしとけよ」

 

ルーシャ「はい。そうですね…一生の宝物として、大切にしたいと思います…」

 

そんな様子を見ている、ガルドは…

 

ガルド「………」スッ

 

紫のような宝玉を取り出す。

 

ガルド「(あと4つか…)」

 

そして、元の世界へと帰る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城 エントランス

 

ミレイユ「あ、お帰りなさい!みんな、バカンスは楽しめた?」

 

リディー「あ、そういえばこれ、バカンスだったんだっけ。バカンスっぽくなくて、すっかり忘れてた…」

 

ミレイユ「あ、そうなの…?なんかその…いろいろとごめんなさいね…?」

 

スール「いえいえ、とっても楽しかったので!バカンスのお誘い、ありがとうございました!」

 

ミレイユ「そう…?ふふ、喜んでくれたならよかったわ。あと、みんなに朗報があるの」

 

ミレイユ「なんと、アドレスランク制度の存続が正式に決まりましたー!はい、拍手っ!」

 

スール「ほ、本当ですか!?やったーっ!!これでまた『国一番のアトリエ』を目指せるね!」

 

ルーシャ「ふふっ、でも、どうして?制度の目的はもう達したという話では?」

 

ミレイユ「それはそうなんだけど…。錬金術は発展は国益につながるって説得してみたの」

 

ミレイユ「これまでのアダレットは錬金術を疎かにしてたから、錬金術があれば、もっと国が発展するはずだってね」

 

素晴らしい考えだ。

 

ソフィー「ああ、なるほど…。ふふっ、考えましたね」

 

ミレイユ「でしょ?不思議な絵も順次、他の錬金術士たにに開放していくつもり」

 

ミレイユ「みんな。より豊かな国を作るために…これからもよろしくね!」

 

リディー「はい、もちろんです!…あ、そうだ。このこと、お父さんにも伝えてあげないと!」

 

スール「そうだね。それじゃあ…またっ!!」

 

二人は嬉しそうに王城を出ていく。

 

マティアス「…姉貴、もうひとつの理由は言わなくてよかったのか?会議であれだけ言ってたじゃねぇか」

 

マティアス「ランクを夢の糧として頑張ってる双子がいる。子供たちの夢を大人が摘むのは断じて許せない…ってな」

 

ミレイユ「だって、夢って生きていくのに絶対必要なものだもの。夢に向かって進んでる時が、人が一番成長をする時よ」

 

ソフィー「あはは、さすがミレイユさん。とっても素敵だと思います」

 

ミレイユ「…このこと、双子ちゃんには内緒だからね。知られたら仕事がやりづらくなっちゃう」

 

ルーシャ「はいはい、わかってますって、…愛されてますねぇ、あの二人」

 

コウキ「はは…そうだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城前広場

 

ソフィー「じゃあ、また!」

 

フィリス「うん!帰ったらちゃんとお風呂に入るんだよー!特にガルドさん!」

 

ガルド「お、俺か!?」

 

フィリス「雨で身体を洗ってるなんて風邪引くからダメですからね!」

 

ガルド「んなっ!?」

 

ソフィー「あはは…じゃあ皆、また明日ね!」

 

二人は帰っていく。

 

ルーシャ「えっと、本当ですか?ガルドさん…」

 

ガルド「いや、知らん…!じゃあなお前ら。ちゃんと飯食って寝ろよ」

 

そう言い残し、師匠も帰っていく。

 

アルト「僕も帰るよ。じゃあ」

 

アルトさんも帰っていき、ルーシャと俺が残される。

 

コウキ「じゃあ、ルーシャ。また明日な」

 

ルーシャ「待ってください」

 

コウキ「ん、なんだ?」

 

ルーシャ「い、一緒に食事の約束…絶対ですからね!」

 

なぜか顔真っ赤なルーシャ。

 

コウキ「あ、うん…わかってるよ?」

 

ルーシャ「ふふん…ならいいです。では、ご機嫌よう…」

 

近くにある、ヴォルテールに帰っていく。

 

コウキ「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回予告

「あらー?どなた?この絵の調査?」

「その子になにを…!?」

「この子はね…この地の宝玉の在処を知ってるはずなのよー。それを教えてくれなくてね…お姉さん困ってるのぉー」

「なにっ!?」

「そこの御方!すぐに逃げてください!この人から危険な感じがします…お願い…逃げて!あなたを巻き込みたくないです…!」

「いや、逃げないよ。君を危険な身になんかさせない!」

「…!」

「あらー?かっこいい男の子だとこと…いいわ。すこーしお相手してあげてもよろしくてよ…?」

「望むところだ!その子は絶対助ける…!」

to be continued…


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第四十四話 過去の報い

本屋

 

コウキ「母さん」

 

母さんはカウンターにある椅子で眼鏡をしながら本を読んでいる。

 

サリア「なによ」

 

コウキ「勝負して」

 

サリア「…なにで?」

 

コウキ「ほら、勝負だよ。あの時の」

 

父さんの墓参りの時のことだ。

 

サリア「そういえばそうだったわね。はぁ…」

 

ため息をつけながら読んでいた本を閉じる。

 

コウキ「え、ちょ…やる気なさそう?」

 

サリア「いや、何でもないわ。先に裏庭に行ってなさい」

 

コウキ「おうよ!」

 

裏庭へと向かう。

 

サリア「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本屋 裏庭

 

サリア「待たせたわね」

 

母さんは腰に太刀を佩いている。

 

コウキ「えーと…」

 

サリア「手加減なしで、思い存分切りつけていいわよ」

 

コウキ「そうですか。んじゃあ…いくよ!」

 

剣を抜き、いざ突撃する。

 

サリア「来なさい」

 

母さんも太刀を抜き、構える。

 

サリア「桜の剣…力を貸して。桜の如く、花びらのように散れ…!」

 

太刀が桜のような光で辺りが光る。あまりの眩しさに視界を奪われる。

 

コウキ「…!?」

 

目を開けた瞬間、あまりの光景に立ち止まる。なぜなら辺りがピンクの空間に変わっていて、桜が咲いてもいないのに、桜が空から落ちているのだ。

 

サリア「ここは私の『世界』…。あなたは、はたして滅びずにいられるのかしら?コウキ…」

 

母さんは太刀を構えて素早く接近してくる。

 

コウキ「やばい!くる…!」

 

ガキン!

 

剣と太刀がぶつかり合う。あと少し遅れていたら切られていた。

 

コウキ「ちょっと、なんなの!?これ!」

 

謎の空間にいて驚く。

 

サリア「………」

 

無言だった。

 

コウキ「(押されてる…!このままじゃ本当に負ける!)」

 

さっきから剣に力を込めているのに、それを拒むように剣に力が入らないのだ。この空間にいるせいなのだろうか?

 

サリア「…終わりね」

 

コウキ「!?」

 

母さんの姿が突然消え、いつのまにか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は身体を切られていた。

 

「ごふ…!」

 

大量の血が流れだし、倒れて意識がなくなる。

 

俺…死んだのか…母さんに…殺され…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「ん…?」

 

目覚めると、自分のベッドに寝ていたのだ。

 

サリア「あら、起きたわね」

 

声が聞こえたほうには、ベッドの横にある椅子に座って眼鏡をしながら本を読んでいる母さんがいた。

 

コウキ「あれ!?」

 

俺は生きていたのだ。お腹を切られたはずなのに、身体はなんともなかったのだ。

 

コウキ「母さん!俺になにしたの!?」

 

サリア「なにもしてないけど?」

 

コウキ「嘘嘘!切られたはずの傷がどこにもないんだもん!」

 

サリア「あの空間内で実際に起こったことは夢のまた夢…」

 

サリア「あなたはまだ私に挑むのは早すぎる…もっと強くなってから、このサリア・レオナーに挑みなさい」

 

コウキ「なにその漫画にありそうなセリフ…!何言ってるのかさっぱりだけど!でもわかったよ。その時になったら…またお願いしようかな」

 

サリア「その意気よ。でもまずはガルドさんを越えることね」

 

コウキ「で、ですよねー!てかさ、あの力はなんなのよ」

 

そう、あの謎の空間のことだ。

 

サリア「私のちょっとした手品よ。弱者が強者に立ち向かうような『気高き覚悟と勇気』を持った…ね」

 

母さんはそれを言いながら、本を閉じる。

 

コウキ「…??」

 

サリア「さて、私は仕事に戻るわ。じゃあね」

 

母さんは部屋を出て一階に降りていく。

 

コウキ「よくわからない人だ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王城前広場

 

俺は今、広場の掲示板のとこにいる。

 

コウキ「いい依頼ないかなー?」

 

掲示板を見てみると…

『ざわめきの森にある、カボチャがほしい!』

という依頼があったのだ。

 

コウキ「あ、絵の世界の依頼だ。なになに…」

 

依頼の内容を見ると…

 

コウキ「かぼちゃの納品5コに…報酬3500コールだと!?」

 

そう。今の俺の所持金は500コール…今月で使うお金があんまりないのだ。これはチャンスなのだ。

 

コウキ「これ受けます。お願いします」

 

依頼の受付の人にそれを受けさせてもらう。

 

コウキ「よし、かぼちゃ…採ってきてやる!」

 

ルーシャ「コウキー!」

 

こちらに声が聞こえてくる。

 

コウキ「ん、ルーシャ?」

 

何やら急いでいるようだ。

 

ルーシャ「あの!ロジェおじさまのことなんですが…」

 

コウキ「あ、そういえば…」

 

………

 

~回想~

 

リディー『コウちゃん!いる!?』

 

サリア『あら、リディーちゃんにスーちゃん。どうしたの?そんなに焦って…』

 

スール『あの、お父さんを探してて!なにか知ってませんか!?』

 

サリア『うーん?何かあったの?』

 

リディー『急にいなくなったんです!家に書き置きをおいて…そのままどこかに…!』

 

サリア『…!?』

 

ガチャ

 

コウキ『母さん、風呂空いたよー。ってリディーにスー?どうしたんだ?こんな時間に…』

 

スール『ねぇ、コウキ!お父さん!お父さん見てない!?何でもいいの!どこかで見かけた!?』

 

コウキ『え、ロジェさん?最近見てないなぁ…なにかあったの?』

 

サリア『ロジェさん、今家にいないんですって…』

 

コウキ『なんだって!?』

 

リディー『そうなの…それで探してて…』

 

サリア『リディーちゃん、スーちゃん。ごめんなさい、私達も詳しいことはわからない…でも何かわかったら必ず伝えるから…』

 

リディー『はい、その時はお願いします!』

 

二人は本屋を出ていく。

 

コウキ『ロジェさんがいなくなった…?』

 

サリア『…リディーちゃん達を置いてまで、なにかしたいことがあるのかしら?それとも…』

 

………

 

ルーシャ「リディー達からその事を聞きました?ロジェおじさまがいなくなったこと…」

 

コウキ「聞いたよ。でもなんにもわかってないな…」

 

ルーシャ「そうですか…」

 

何やら落ち込んでいるようだ。

 

コウキ「お前のとこはどうだ?」

 

ルーシャ「こちらも今のとこはなにも…」

 

コウキ「そっか…。てかさ、ルーシャ。お前ちゃんと寝てるか?」

 

ルーシャ「え?」

 

コウキ「目にクマができてるぞ。最近働きづめなんじゃないのか?」

 

ルーシャ「いえいえ、わたしは仕事が大好きなので。このくらい大丈夫です。ではお客様が混雑してて忙しいので戻りますね」

 

と言い残して、ルーシャはヴォルテールに戻っていく。

 

コウキ「大丈夫かな?あいつ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ざわめきの森』

 

コウキ「かぼちゃ…かぼちゃ…」

 

ざわめきの森に採取していると、あの時の読んだら呪われる看板があったところに人影が見える。

 

???「ねぇ、どうして教えてくれないの?可愛いお嬢ちゃん♪」

 

???「教えません!だってあなたは…!」

 

大きな鎌を持った女の人が小さな女の子を襲い掛かろうとしていたのだ。

 

コウキ「あの女の子…たしかメルサさんの写真に写ってた…!」

 

すぐその場所に向かう。

 

???「あらー?どなた?この絵の調査?」

 

大きな鎌を持った怪しい女の人がこちらに振り返り、反応する。

 

コウキ「その子になにを…!?」

 

???「この子はね…この地の宝玉の在処を知ってるはずなのよー。それを教えてくれなくてね…お姉さん困ってるのぉー」

 

この女の人は今、『宝玉』と言ったのだ。

 

コウキ「なにっ!?」

 

???「そこの御方!すぐに逃げてください!この人から危険な感じがします…お願い…逃げて!あなたを巻き込みたくないです…!」

 

襲われそうになっている女の子が俺に問いかける。

 

コウキ「いや、逃げないよ。君を危険な身になんかさせない!」

 

???「…!」

 

???「あらー?かっこいい男の子だとこと…いいわ。すこーしお相手してあげてもよろしくてよ…?」

 

怪しい女は鎌をこちらに構えてくる。

 

コウキ「望むところだ!その子は絶対助ける…!」

 

こちらも剣を構える。

 

???「肉を引き裂いて…食べて…持ち帰って唐揚げにでもしようかしら…?じゅるり…」

 

コウキ「…!?」

 

なんて女だ。この人、やばい。

 

???「お願い…逃げて…」

 

少女の声は彼には聞こえていなかった。

 

???「それじゃ…ヒヒ…!」

 

怪しい女は黒い霧に突然包まれ、姿を変える。

 

コウキ「!?」

 

その姿は全身が真っ黒で、角が生え、赤黒い翼が生えて、そして長い爪、目が真っ赤になり、まるで悪魔のような化け物の姿になってこちらに襲い掛かってくる。

 

ガキン!

 

剣と鎌がぶつかり合う。

 

コウキ「何者だ…!まさか暗黒神の手先か!?」

 

???「あらー?あのお方をご存知…?どこで知ったのかしら?」

 

コウキ「やっぱりか。ここに来たのは宝玉を狙いにきた、ということか…」

 

???「まぁ、そうね。宝玉のことや、あのお方を知ってるなら…もう見過ごせないわ」

 

すると化け物は距離を取り、鎌を振り回し、黒い玉のような攻撃を何個も放ってくる。

 

コウキ「(この攻撃…いけるかもしれない)」

 

それを回避して、化け物にどんどん接近していく。

 

???「この攻撃を避けていくなんて…でも無駄なんだからぁ」

 

黒い玉は赤黒い玉に変わって速さが上がる。

 

コウキ「(よし、ここの距離なら…)」

 

その場で立ち止まり、目を閉じながら語る。

 

コウキ「おいおい、俺が何回、剣の修行してると思ってんだよ。遠距離からの攻撃なんて、師匠から何度も喰らってきた」

 

そうだ。思い出すんだ…あの時の修行を…

 

コウキ「そんなの経験済みなんだよ!この…小さな子を襲い掛かろうとする…この変態化け物女め!」

 

指を差しながらかっこよく決めゼリフを言う。

 

???「…えぇ?変態?あなたは終わりよ…はやく滅しなさいな♪」

 

赤黒い玉が近づく。

 

???「(あ…!)」

 

コウキ「師匠奥義…『真 跳ね返しの術』…!」

 

剣を野球のバットのように振り回して、その攻撃玉を打って、目にも見えない物凄い速さで跳ね返していく。

 

???「なにっ!?ぐふぅ!!!!」

 

跳ね返した攻撃が見事当たり、化け物はふっ飛ぶ。

 

バタン

 

コウキ「出直してこい」

 

???「ぐぅ…まさか…跳ね返すとは…」

 

化け物は黒い雷のようなものでビリビリと感電している。

 

コウキ「よし、えっと…ヒナだよね?」

 

今の内に女の子の方に向かう。

 

ヒナ「え?どうして私の名前…」

 

コウキ「話はあとでな。今は俺の後ろに下がってて!」

 

ヒナ「は、はい…」

 

急いで俺の後ろに下がっていく。

 

???「ちっ…そろそろ時間ね。あなた…今度会った時は殺すわ。かならず…」

 

感電が治り、体勢を立て直して、どことなく消えていく化け物。

 

コウキ「ふぅ…」

 

ヒナ「す、すみません…助かりました」

 

コウキ「それよりケガはない?」

 

剣を鞘に収めて、彼女の元に向かう。

 

ヒナ「ケガはないです。危ないところをどうも…」

 

コウキ「しかし何があったの?」

 

ヒナ「突然あの人がここに現れて、宝玉の在処を教えてほしいとか…」

 

コウキ「………」

 

宝玉…それは絵の世界にある物だ。色のかけらが長い年月を経ってできる物で、8こ揃うと、どんな願いも叶えることができるらしい。

 

ヒナ「…?宝玉のことを知ってるんですか?」

 

コウキ「へ?ああ、うん。これ…」

 

ネージュから貰った宝玉を見せる。

 

ヒナ「…!ガルドさんに渡したのと似てる…」

 

コウキ「渡した?」

 

ヒナ「はい。これと似た物です」

 

コウキ「師匠もこれと同じ物を…?」

 

ヒナ「もしかしてあなたがガルドさんのお弟子さん…」

 

コウキ「あー、うん。師匠がお世話になってるね」

 

ヒナ「はい。それで…えっと…」

 

コウキ「あ、遅れたね。俺はコウキ!どこにでもいる風来坊!いや、嘘です。ただの暇人です」

 

ヒナ「ほ、ほう…?」

 

コウキ「それで、ここに来た理由はね…かぼちゃだよ。かぼちゃ」

 

ヒナ「かぼちゃ…?ハロウィンのことですか?」

 

コウキ「ハロウィンはよくわからないけど…多分それだよ!案内できる?」

 

ヒナ「わ、私でよければ…」

 

コウキ「よし!出発!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒナにかぼちゃがたくさんあるところに案内してもらい、その場所に着く。

 

ヒナ「ここです」

 

コウキ「これ顔がついててなんか可愛くない?」

 

ヒナ「そ、そうですね…」

 

コウキ「よし、出荷よ!出荷!大金は目の前!」

 

木に登り、かぼちゃを地面に次々と落としていくが、体勢を崩して木から落ちる。

 

ヒナ「…あ」

 

ドン!

 

コウキ「いてて…」

 

ヒナ「あ、あの…!」

 

心配そうにコウキの元に向かう。

 

コウキ「ん?大丈夫さ!よし、5コ。ゲットだぜぇ!ちょっと休憩していかない?」

 

ヒナ「わかりました…」

 

近くの川が流れている橋の方に向かう。

 

コウキ「師匠とはどんな関係なの?」

 

ヒナ「そうですね。偽りもない…私の大切な友達…です」

 

コウキ「そっか。師匠ってさ、顔怖いけど以外と優しいってね」

 

ヒナ「それはよくわかります!」

 

コウキ「あ、ヒナ笑った。可愛い」

 

ヒナ「ふぇ!?」

 

コウキ「あ…」

 

ヒナ「思ってることが、つい口に出てしまう…ですか?」

 

コウキ「そうなんだよー。俺って昔から…って、なんでわかったの!?」

 

ヒナ「私、相手の心が読めるんです…」

 

コウキ「す、すげぇ!」

 

ヒナ「…??」

 

コウキ「心を読めるなんてすげぇじゃん!動きとか、そうゆうのも読めるんでしょ?」

 

ヒナ「まぁ、一応…」

 

コウキ「いいなぁ。なんかそうゆう力、俺もほしくなっちゃうな」

 

ヒナ「コウキさん」

 

コウキ「ん?」

 

ヒナ「こんな能力を持つことで相手から嫌われたり、恐れられたり…するんです。そして、この目は…」

 

左目に手を当てながら言う。

 

コウキ「…それはケガでもしたの?」

 

ヒナ「いいえ…この目を見た者は、気づけば倒れてて…何も返事をしなくなるんです…何度も声を掛けても、その人達は一生、目を覚ましませんでした」

 

ヒナ「そして私の周りには誰もいなくなって…いつのまにか一人になってました」

 

この時、察した。彼女はどうして左目に眼帯をつけているのか。

 

ヒナ「だから、そんな力がほしいとか…。そんなのダメです。コウキさんは正しい人であり続けないと…」

 

ヒナ「人を殺してしまう目なんて、怖いし…恐ろしいと思いませんか…?」

 

コウキ「それは俺の心を読んでみればわかるんじゃない?」

 

ヒナ「………」

 

彼を見つめる。

 

ヒナ「『そんなの関係ない。俺達は友達』…?」

 

コウキ「そう。確かに恐ろしい能力かもしれないけど、でもメルサさん、ネストさん、師匠…」

 

目を閉じながら語っていく。

 

コウキ「三人はそれでもヒナの友達なんだろ?なら俺ももう友達でしょ?こんなにお話してるんだしさ!」

 

笑顔を彼女に見せる。

 

ヒナ「…!」

 

するとヒナは顔を隠しながら泣いてしまう。

 

コウキ「ええ!?ちょ!どうして泣いて…」

 

ヒナ「こんな人を殺せる力があっても、みんなは私を大切な『友』としてくれる…」

 

ヒナ「…それが本当にかけがえのないほどに嬉しいんです…!」

 

コウキ「(確かに、太陽のような笑顔だな…)」

 

彼女は泣きながら俺に笑顔を見してくれる。何があっても、守りたくなるような笑顔だったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

休憩を終えて、森を歩いていると…

 

コウキ「(しかし、ヒナって可愛いな。スタイルもいいし…)」

 

そう。金髪の髪で長いロングヘア…。着てる服も可愛いのだ。

 

ヒナ「………」///

 

コウキ「どうしたの?なんか顔が真っ赤だけど…まさか!熱でもあるんじゃ…!」

 

彼女の額に手を当てる。

 

コウキ「やっぱり熱い…」

 

ヒナ「い、いえ!ちょっと心の奥を読んでしまいまして…」

 

コウキ「そうなの?何て言ってた?」

 

額から手を離す。

 

ヒナ「い、言いたくないです…」

 

そっぽを向かれる。

 

コウキ「ええ!?俺、まさか変なこと考えてたー!?」

 

お化け「ヒナ様。ただいまお戻りを…ってその人間は!?」

 

突然、空からお化けが降りてきたのだ。

 

ヒナ「この御方は大丈夫です。私の友達…ですから」

 

お化け「そ、そうですか?」

 

ヒナ「先に教会のほうに戻っててくれませんか?私もあとで向かいますので」

 

お化け「わかりました。ヒナ様」

 

するとお化けは消えていく。

 

コウキ「お化けとお喋りできるの!?」

 

ヒナ「あの子たちは…私の家族ですから」

 

コウキ「か、家族…」

 

ヒナ「コウキさん、墓場のとこまで来てくれますか?」

 

コウキ「ん?いいけど…」

 

ヒナ「友達なら…お互いのことを知るのも大切だって、ガルドさんが言ってて…その…」

 

コウキ「わかった。それは定番だしな!よし、行くぞ!」

 

ヒナ「は、はい…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく歩いて、墓場の方に着いた。

 

コウキ「なんか此処に来るのも久しぶりだな」

 

ヒナ「ああ…前ここに来てましたよね」

 

コウキ「ん、知ってたの?」

 

ヒナ「姿を消して、ずっとあとを追っていました…」

 

コウキ「あ!あの看板を書いたのって…」

 

ヒナ「あれは私ではなく、イタズラ好きなお化けさんたちが書いたんですよ」

 

コウキ「そ、そうなんだ…。聖水の件は、ほんとにごめん…」

 

ヒナ「いいのですよ。結局、聖水は一つ一つ振りかけたわけですし…」

 

コウキ「あはは…。で、墓場にきたけど何かあるの?」

 

ヒナ「…この墓場達は誰が眠っていると思いますか?」

 

コウキ「…!」

 

ヒナ「…そう。私が殺した人達なんです」

 

心を読まれたようだ。

 

コウキ「それをここに埋めた…のか?」

 

ヒナ「はい。『あの時』の私は…この能力を使ってしまい、無自覚に人を殺して…殺戮を楽しんでいました」

  

ヒナ「人を殺し、墓を掘って埋めていく毎日…。その結果がこれなんです…」

 

暗い顔をしてその事を語っていく。

 

コウキ「なるほど…。ここにはヒナ以外にも人が…」

 

ヒナ「唯一の友達…がいました」

 

コウキ「その子もこの墓に?」

 

ヒナ「…はい」

 

コウキ「んじゃあ、墓参りしようかな。場所を教えてくれる?」

 

ヒナ「墓参り…?わ、わかりました…」

 

その墓の場所に向かい、手を合わして目を瞑る。

 

コウキ「………」

 

しばらくお参りを続ける。

 

コウキ「よし、終わった」

 

ヒナ「………」

 

コウキ「あ、心読んじゃった?」

 

ヒナ「はい。読みたくないと思っても、自然に読んでしまうんです…」

 

コウキ「ま、過去の過ちは水に流してさ。その時は仕方なかったんだ。その能力を制御できていなかったから…さ」

 

ヒナ「そうですね…。最初は目を潰そうとしました。でも…」

 

コウキ「でも?」

 

ヒナ「…唯一の友達が、この目を綺麗って言ってくれたんです。そのせいか…潰すのを拒んでしまって…」

 

コウキ「それはわかるぞ。だってヒナの右目は紫で輝いていて、神秘的な感じがするもん。あ、俺のはどうかな?」チラチラ

 

ヒナ「水色のような目で、その…かっこいい…ですね」

 

コウキ「かっこいい!?ま、いいや!多分これは母さんの目が遺伝したんだろうなぁ…父さんはどんな目の色だったんだろうなぁ」

 

ヒナ「…コウキさんが生まれたあと、亡くなられた?」

 

コウキ「え?俺、今は心でそんなこと思ってないような…」

 

ヒナ「あまり言いたくなかったのですが、私は相手の過去もわかる力を持ってて…」

 

コウキ「えー!俺の恥ずかしいこととか!?」

 

ヒナ「い、いや…まぁそうなのですが…今、コウキさんの過去を嫌と思っても記憶しちゃいました…」

 

コウキ「わーお…もうお嫁にいけないぃ…」

 

ヒナ「ご、ごめんなさい!でも辛いことも、たくさんあったようですね…」

 

コウキ「辛いこと…か。俺、子供のころ仲良くしてた友達がいたんだけどさ…」

 

ヒナ「裏切られた…?」

 

コウキ「そう。それでもう友達は一生作りたくないと思ったんだ。どうせまた裏切られる…から、さ」

 

コウキ「でも、ある人が俺を変えてくれた。生きるきっかけをくれたんだ。そのお陰で、今の俺がいる…」

 

ヒナ「オネット・マーレン…」

 

コウキ「…そう。父さんと同じで、はやり病で今から三年前に亡くなったんだ。すごく悲しかった…。これは現実なのか?って…頭が壊れるくらいに思った…」

 

ヒナ「コウキさん…」

 

コウキ「それからさ、毎日を無駄に過ごしてきたんだ。人の約に立つこともしなくなり…泥のように眠る毎日だった」

 

コウキ「オネットさんが俺を変えてくれたのにさ…。そんな誇りを捨てたんだよ。ほんと最低だよな…俺って…」

 

ヒナ「でも今は…」

 

コウキ「うん。…ある日、オネットさんとの約束を思い出したんだ」

 

ヒナ「約束…?」

 

コウキ「将来、俺が強い人間になるっていう約束だよ。応援もしてくれた…そんな期待を裏切るわけにはいかないから、やろうって思った」

 

コウキ「今思えば、あの日の毎日はしょうもないことで、後悔もしてる。これはあの時の報いだよ…。あの無駄に過ごした分、これからを正しく生きる…そう決めたんだ」

 

ヒナ「………」

 

コウキ「あの人は天国で俺を見て怒ってるかな?今さらこんなことをしてさ…」

 

ヒナ「…そんなことないと思いますよ。その人はきっと今のコウキさんを見て喜んでくれてると思います」

 

コウキ「そうかな?だと、いいな…」

 

そんな様子を木の影で見守る…二人の人影。

 

ガルド「………」

 

メルサ「ガルド、なにか考え事?」

 

ガルド「…まぁな」

 

メルサ「しかし、一件落着だね。さすがコウキ君、女の子をイチコロに墜としていくなんて…かっこいいじゃないか♪顔もイケメンだし…(小声)」

 

ガルド「ヒナに預けているお守りが危機的状況を伝えてくれてここに向かって来たら、コウキが彼女を助けていたなんてな」

 

メルサ「うん。さすがコウキ君だよ。女の子が気になる男ランキング一位だよ。きっと」

 

ガルド「それはわからんが…メルサ。また奴らが現れたら、頼むぞ」

 

メルサ「了解…。あたしのヒナちゃんには何も手出しはさせないんだから…」

 

ガルド「今度奴らに会ったら、絶対に逃げては帰さん、その場で殺る。何があろうとも…」

 

メルサ「そうだね…。あの悪魔の正体を魔法で見破ってみたけど…あれは暗黒神とやらの配下らしいね…。目的は絵の世界にある宝玉…」

 

ガルド「そうか。だが思い通りにいくと思うなよ…世界に仇なす不届き者が…」

 

メルサ「ねぇ、ガルド…『あの時』みたいに無茶はしないでよ…?ガルドに何かあったら悲しむ人がいるってことを忘れないでよ…?」

 

ガルド「ああ…わかってる」



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第四十五話 友情の証

俺は今、ハゲルさんの鍛冶屋で仕事を手伝っている。

 

コウキ「こうですかね?ハゲルさん!」

 

刃こぼれを砥石で研いでいく。

 

ハゲル「いいぞ!そのまま力を込めて、込めて、込めまくるんだ!」

 

コウキ「…!」

 

どうやら上手くできたようだ…。切れ味も良くなったと思う。(確信)

 

ハゲル「お、いいぞー!昔は下手だったのに、今は上手くなったんじゃねぇか?」

 

コウキ「あの時は力がなくて何もできなかったっていう。あはは…」

 

ハゲル「しかし、今日はありがとな。仕事を手伝ってくれてよ」

 

コウキ「いえいえ、お金が貰えるなら…俺はやりますよ!」

 

ハゲル「はっはっは!まったく現金な奴だぜ!ほらよ、頑張った報酬だ」

 

報酬を受け取る。

 

コウキ「ありがとうございますー!よーし、これで今月の命(お金)は大丈夫そうだ…」

 

俺はお金を命と呼ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソレイユ通り 中央部

 

コウキ「~♪」

 

口笛を吹きながら通りを歩いていると、酒場に師匠、フリッツさんがいた。ここは気になるので、物陰に隠れながら話を聞いてみる。

 

ガルド「それで、『アングリフ』は今何をしてんだ?」

 

フリッツ「奴は今、フルスハイムに学校を建て、校長をしてるらしいぞ?」

 

ガルド「フルスハイム…海岸の街だな。確か前に竜巻の事件があったんだよな」

 

フリッツ「ああ、ある錬金術士がその原因を突き止め、竜巻を消したんだとか」

 

ガルド「ほぉ、そうなのか。誰なんだろうな?」

 

フリッツ「わたしも詳しくはわからん…」

 

ガルド「しかし、学校か…。あの時の金稼ぎはこのためだったんだな。あいつも夢を見つけて前に進んだか」

 

フリッツ「そうだな。お互い若い頃のわたしたちは『勇士の三戦士』とか呼ばれていた時代が懐かしい…」

 

ガルド「…今思えば、もう昔のことなんだよな」

 

フリッツ「ふふ…。また三人揃って酒を交わしいものだな」

 

ガルド「はっはっは…そうだな」

 

何やら昔話?をしているようだ。

 

フリッツ「それで…君の師は壮健なのか?」

 

ガルド「オーナス師匠のことか…。あの人も、もう体調が優れない歳になってしまった。もうそんなに永くはないだろう…」

 

フリッツ「そうか…」

 

ガルド「…俺はあの人の影武者(ファントム)として、世界を守り続ける使命があり、あの人の夢みた安心できる世界にするために…な」

 

何か悲壮的な話をしているようだ。これ以上の盗み聞きは何だか悪いと思ったので、その場を立ち去る。

 

???「コウキ君、怪しそうに何見てるの?」

 

俺はこの声を知っている。恐る恐る振り返ると…

 

コウキ「フィリスさん!?」

 

フィリス「わー!そんなに驚かなくても…」

 

しょんぼりさせてしまった。

 

コウキ「すいません…ちょっとびっくりしただけです」

 

フィリス「あはは…そうなんだ。それで何してたの?」

 

コウキ「盗み聞きしてたりして…はは」

 

フィリス「へぇ。どれどれ…」

 

同じように物陰に隠れながら俺が覗いていたところを見る。

 

コウキ「フィリスさん!?同じことしなくても!」

 

フィリス「ガルドさんに、フリッツさんだね。ふむふむ…これは珍しい組み合わせだね。二人は友人関係なのかな?」

 

こちらに振り向いて問いかけてくる。

 

コウキ「俺もよくわかりませんが、昔からの友人らしいですよ?」

 

フィリス「むむむ…ガルドさんって何者だと思う?」

 

コウキ「え、傭兵で旅人?なんじゃないんですか?」

 

フィリス「そうだけど、ここに滞在している理由だよ」

 

コウキ「えーと…俺が師匠に弟子入りしたから?」

 

フィリス「それもそうだけど、アンフェル大瀑布の調査の時、神話に出てくる悪い神様が復活!の話してたよね?」

 

コウキ「あー…その悪い神様の残党がこの地方にいるらしくて、それを倒すために師匠はメルヴェイユに滞在してるんだと思いますよ」

 

フィリス「そうなの!?それでガルドさんはここに…」

 

コウキ「もしかして師匠、嫌いなんですか?」

 

フィリス「ううん、違うよ。ここにいる理由そういえば聞いてなかったなって」

 

ガルド「何してんだ?お前ら」

 

いつの間に、背後に回られていた。しかし、さっきまで食事をしていたはず!

 

フィリス、コウキ「うわぁぁぁぁぁ!?」

 

ガルド「なんだ?まさか、盗み聞きか?」

 

コウキ「なんのことでしょうか師匠。~♪」

 

口笛を吹いて誤魔化す。

 

フィリス「ただ話をしてただけですよ!」

 

ガルド「こんな物陰でか?二人で変なことしてたと思ったぜ」

 

コウキ「え…ちょ!何言ってるんですか!」

 

フィリス「そ、そんなことしてるわけないじゃないですか!」///

 

ガルド「そうか?お前らは何かお似合いだよな。はは」

 

そう言って師匠は後ろに振り返って歩きだす。

 

コウキ「ちょ、師匠ー!?」

 

フィリス「ガルドさん!?」

 

すると師匠は立ち止まり、俺に語る。

 

ガルド「コウキ、『ヒナ』のこと助けてくれて感謝している。じゃあな」

 

そう言って今度こそ、その場を去っていく。

 

フィリス「ヒナって、前ガルドさんが話してた…」

 

コウキ「はい。ちょっと危ないところを俺が助けて…。って師匠、なんで知ってるんだろう?あ、本人から聞いたのかな」

 

フィリス「危ないって…どんなことがあったの!?」

 

その事を話す。

 

コウキ「だから、フィリスさんも気をつけてください。あんなのと遭遇したら…ちょっと不気味すぎて怖い思いするかもしれません…皆にも伝えてくれませんか?」

 

フィリス「うん。わかった!」

 

コウキ「じゃあ、俺はそろそろ家に帰ろうかな」

 

フィリス「あ、コウキ君の家って本屋なんでしょ?行ったことないからわたしも行っていい?」

 

コウキ「構いませんよ。じゃあ行きますか」

 

二人で家(本屋)に向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今、話をしながら目的地に向かっている。

 

フィリス「コウキ君、聞いてよ。さっきね、マティアスさんがわたしのアトリエに来たんだけど…」

 

コウキ「マティアスさんが?何か珍しいですね」

 

フィリス「そう、来た理由はソフィー先生と一緒に食事に誘うためだったんだよ!」

 

コウキ「ほ、ほう?マティアスさんやりますね…。あのソフィーさんを…」

 

フィリス「でも、止めたよ」

 

コウキ「え?」

 

フィリス「ソフィー先生と食事なんて、許せないもん!」

 

コウキ「ええ…?止めたん、ですか…?」

 

フィリス「わたしとならお食事はいいですよ。ってマティアスさんに言ったら…」

 

なぜソフィーさんから、フィリスさんになるのだろうか…。

 

フィリス「『オレ、大人っぽい人がいいなー』って言われたんだよ!?わたしだってもう大人なのに!」

 

声をマティアスさんみたいに真似して発言する。

 

コウキ「あはは…。それは気の毒で…」

 

フィリス「ソフィー先生って、よく男の人に口説かれるんだ…」

 

コウキ「そうなんですね。ソフィーさんって周りから見れば美人さんですし…」

 

ここは正直に言おう。だって本当のことだもん!採取の休憩の時、うっかりお弁当を忘れたら、半分分けてくれたもん!あの優しさは絶対に期待を裏切らない。もう天使かと思った。(確信)

 

フィリス「うん。それが…う、羨ましくて…」

 

最後に小声で何かを言う。

 

コウキ「へ?うらやま…?」

 

フィリス「ううん、何でもないから!」

 

首を左右に振る。

 

コウキ「…??」

 

フィリス「でもソフィー先生、昔は恋人がいたらしいんだ」

 

コウキ「え、そうなんですか!?でも昔ってことは今は…」

 

フィリス「うん。あんまり詳しいことは教えてくれなかったけど、『大切な人だった』ってことだけは教えてくれたよ」

 

コウキ「………」

 

ソフィーさんと、その人に何かあったのだろうか…。

 

???「とう!」

 

空から地上に着地する音と声が聞こえる。

 

コウキ「ん、この声は…」

 

でも姿が見えない。

 

メルサ「あ、コウキくーん。こんなとこで奇遇だね」

 

何もないところから突然姿を現すメルサさん。透明人間にでもなれる魔法なのだろうか。

 

フィリス「あれ?前イルちゃんのアトリエにいた…」

 

驚かない、んですか。

 

メルサ「ん?君は確か…フィリスちゃんだよね?」

 

フィリス「そうです。ファルギオルの時はお世話になりました!」

 

コウキ「お知り合いだったんですか?」

 

メルサ「うん。イルメリアちゃんに依頼を頼んでた時ね、知り合って」

 

フィリス「それで、メルサさんは何を?」

 

メルサ「ちょっと、サリアと話をしにきただけだよ。あ、サリアっていうのは、コウキ君のお母さんのことだよ」

 

フィリス「そうなんですね。じゃあ、行きましょう!」

 

メルサ「はいよー!」

 

二人は俺を置いて、本屋へと向かってしまう。

 

コウキ「ええ…( ̄▽ ̄;)」

 

俺も向かうとする。

 

コウキ「母さん。戻ったよ」

 

サリア「コウキ、頼んでた物買ってきた?」

 

コウキ「…あ」

 

今、思い出した。俺はハゲルさんの店に向かう途中、ついでに買い物を頼まれていたのだ。

 

サリア「忘れてたわね…?」

 

ここで選ぶ選択肢は3つある。それは…

 

①『突然、反撃のアイデアを思いつく』

 

②『話を逸らす』

 

③『正直に忘れたと答える。現実は非常である』

 

まず③だが、俺はそう簡単には諦めない。

 

そして①だが、そんなアイデアを今考える時間があるのか?いや、あるわけがない。考えてる最中に殺られてしまう。

 

そして最後の②だが、これはイケる…かもしれない。今、言うことを考えてみた!ここは②で言ってみよう。

 

コウキ「母さん、せっかくの美人な顔が勿体ないよ。あまり怒るとシワが…」

 

言ってることはちょっとひどいかもしれないけど、どうだ?母さんはこれでも結構、化粧はしてるし…

 

サリア「………」

 

頭をぐりぐりされる。答えは③!現実は非常でした。てか、①と②ってほぼ一緒じゃね?さて、殺られたわけだが、俺にとっては母親愛ってヤツ…げふん、げふん!違います。最近母さんに殺され(お仕置き)まくってるからこんなことが普通だと思っているのだ。(笑)

 

サリア「あれほど言ったのに、ど・う・し・て忘れるのかしらー?このバカ息子は…」

 

フィリス「あちゃちゃ…」

 

やめて!哀れな人を見るような目で見ないで!

 

メルサ「相変わらずの馬鹿力…」ボソッ

 

サリア「…何か言った?」

 

メルサ「~♪」ヒューヒュー

 

首を横に向いて口笛を吹く。

 

コウキ「わかった!わかった!今行きます!行きますから!お母様!」

 

サリア「ふん…」バッ

 

解放してもらいました。

 

コウキ「ちくしょー!!!」

 

買い物袋を持ち、大声を出して家を出る。

 

メルサ「容赦ないっすね。サリア様…」

 

フィリス「コウキ君、ファイトだよ…」

 

サリア「さて…。お客さん、先ほどはとんだご無礼を…」

 

フィリス「あ、いえいえ。でもコウキ君、なんだか楽しそうでしたね」

 

メルサ「サリアにお仕置きされて何か嬉しそうだったような…」

 

サリア「え、ちょっと待って。それは…」

 

メルサ「そうゆうことだよ」

 

サリア「………」

 

実の息子にドン引きする。

 

フィリス「えーと…わたし、本見てきますね!」

 

そう言って本棚の方へと向かう。

 

サリア「で、メルサ。あなたはどうしたのよ」

 

メルサ「あ、もういいんですか?えーとね…残党のことなんだけど」

 

サリア「あー、それはコウキから聞いたわよ。何も暗黒神の手先で、宝玉を狙いに絵の世界に来てたとか」

 

メルサ「うん。それでわかったことがあるんだけどさ、その残党は…絵の世界を自在に移動できるんじゃないかって」

 

サリア「移動…そういえば、絵の世界から現実世界に戻る時、王城の画廊にいるのよね?」

 

メルサ「うん。そうだよ?」

 

サリア「私、ミレイユさんと知り合いなんだけど、そんな怪しい人は王城で見てない。ですって」

 

メルサ「確実に何かの力で絵の世界に行けるってわけね…」

 

サリア「ええ、ネストとガルドさんも今、絵の世界に調査に行ってる最中よ。あなたは?」

 

メルサ「もちろん、あたしも行くよ。でもさ、絵の世界の調査は錬金術士じゃないと行けないんだよ」

 

サリア「いるじゃない。錬金術士」

 

メルサ「へ?」

 

サリア「ネストよ。あの子も昔は公認錬金術士になるために、日々頑張ってたでしょ?」

 

メルサ「あー、懐かしいね…。何度も試験を受けに行ってたって聞いたことあるよ」

 

サリア「ま、ネストと一緒に調査に行けばいいのよ。それならミレイユさんも許してくれるでしょ」

 

メルサ「何か適当だね…。よし、あたしも行ってくるよ」

 

箒を取り出し、本屋を出る。

 

フィリス「あの…」

 

サリア「あら、ごめんなさい。お会計ですか?」

 

フィリス「いえ、さっきの話を聞いちゃってて…」

 

サリア「あら、そうですか。あまり心配しなくても大丈夫ですよ」

 

フィリス「わたし、錬金術士で、絵の世界の調査してるんですよ。あはは…」

 

サリア「そうなんですか!?ならさっきの話の通り、あなたもお気をつけてください。えーと…」

 

フィリス「わたしはフィリスです。コウキ君とはいろいろお世話になってます!採取の時も、絵の世界の調査でも」

 

頭を下げて、お辞儀する。

 

サリア「私はサリアです。コウキがご迷惑をおかけしてます」

 

フィリス「迷惑だなんてそんな、逆に助けられてますよ」

 

サリア「そうですか。これからも、こき使ってもいいですからね」

 

フィリス「あ、はい。そうさせてもらいまーす!」

 

サリア「あの、フィリスさん。今のコウキは楽しくやってますか?」

 

フィリス「え?それはどうゆう…」

 

サリア「あの子、今はそうゆう人なんだけど、前はひどかったんです。家の手伝いや、都の人達の手伝いもしないし…早起きもしない…言うことも聞かない…家にずっと引きこもってて…お恥ずかしい話ですが」

 

フィリス「そうなんですか…。コウキ君…子供のころ、仲良くしてたお友達に裏切られて…悲しい思いをしたって…聞いたことがあります」

 

サリア「…そう。でもある三人の幼馴染である親友は、今でもコウキと仲良くしてもらってて…その子たちには、ほんとに感謝してるんです」

 

フィリス「それってもしかして、リディーちゃん、スーちゃんにルーシャちゃんのことですか?」

 

サリア「よくわかりましたね。正解です」

 

フィリス「三人とは、コウキ君と同じく一緒に絵の世界を調査してる人達ですから!」

 

サリア「ふふ、そうですか。楽しそうでなによりです」

 

フィリス「もちろんコウキ君も友達…いえ、かけがえのない親友です!」

 

サリア「ありがとうございます。あんな子ですが、これからも仲良くしてくれると嬉しいです」

 

フィリス「もっちろんです!いっぱい遊んで、楽しい思い出作りたいと思います!」

 

サリア「ふふ…。フィリスさんなら誰かを大切に思う『意思』と人を笑顔にできる『力』がありますから」

 

フィリス「えへへ、そうですか?あの、サリアさん!コウキ君のこと、もっと知りたいです!」

 

サリア「いいですよ。さて、何から話しますか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リュンヌ通り 中央部

 

コウキ「くしゅん!」

 

イルメリア「ちょっと、どうしたのよ。いきなりくしゃみなんかして…」

 

コウキ「いや、誰かに俺のことを思われてる気がして…」

 

イルメリア「へぇ。誰なのかしら。その人って」

 

コウキ「あれ?なんか機嫌悪そう?」

 

イルメリア「べ、別に…」

 

そっぽを向いてしまう。

 

コウキ「…??」

 

「おい、大変だー!」

 

突然、町人の大声が聞こえる。

 

コウキ「なんだ?」

 

イルメリア「何かあったのかしら?」

 

コウキ「向こうで何かあったみたいだ。行ってみよう!」

 

その場所に向かうと、人でこみ合っていたのだ。その様子を見ているリディーとスーがいた。

 

コウキ「何かあったの?」

 

リディー「あ、コウちゃんにイル師匠!大変なんです!今…」

 

スール「町人たちが何か問題があったみたいで、殴りあって喧嘩してるんです!」

 

コウキ「…!?」

 

イルメリア「なんですって!?」

 

その様子を見ると…

 

「おい、どうした!来いよ!」

 

「…ちっ」

 

挑発してきた人にさらにイラだったのか、襲い掛かって、足で腹を何度も蹴って、蹴り飛ばす。すると突然、大雨が降り初めて地面にどんどん水溜まりができていく。

 

「…死ね」

 

倒れて怯んでる隙にナイフを取り出し、その人に刺そうとする。その瞬間を見ている、俺達は青ざめる。

 

バチャン!

 

水溜まりにナイフを持った人が誰かに投げられる音。

 

コウキ「え!?」

 

その人はコウキの剣の師匠である、ガルドだったのだ。

 

「この野郎!」

 

腹をおもいっきり蹴られた人はナイフを持って、水溜まりに倒れこんでる人に目掛けて、ナイフで突き刺そうとする。

 

ガルド「人にナイフを向けるな」

 

師匠は突き刺そうとするその人のナイフを両手で止める。

 

「は、離せ!」

 

抵抗しているようだ。

 

ガルド「いいか?人を殺すっていうのはな、こうゆうことなんだぜ」

 

ザクッ

 

そのナイフがガルドの右胸に突き刺さる。

 

コウキ「…!?」

 

イルメリア「えっ!?」

 

リディー「あっ…!?」

 

スール「!?」

 

「あ、ああ…」

 

倒れこんでいる人を突き刺そうとした人が、あまりの光景に尻餅をつく。

 

「いたぞ。取り押さえろ」

 

騎士団員の人達がその場に駆けつけたのだ。殴りあった人達は手錠をかけられ、連れていかれる。

 

???「ボス…」

 

ガルド「ああ。大丈夫だ、こんくらい…」

 

???「いえ、自分がやります」

 

ガルド「そっと頼むぞ」

 

刺された右胸のナイフを抜き取る。

 

ガルド「…!」

 

???「あまり無茶をしないでください」

 

騎士は抜き取ったナイフを手に取り、袋にそれを入れる。

 

ガルド「いや、これでよかったんだ。あいつもこれでわかったさ。殺傷とはどんなものかを…な」

 

???「それはわかりました。でも心臓を刺されなくてよかったです。今、手当てするので安静にしててください」

 

ガルド「痛くないよな?バルカン」

 

バルカン「多分、痛いですよ」

 

ガルド「だ、だよな…」

 

コウキ「…師匠!」

 

心配だったので、そこに向かう。

 

???「ごめんなさい。今は下がってて」

 

ベージュ色の髪の長い綺麗な女の騎士に止められる。

 

コウキ「…はい!」

 

なんか綺麗な人に話しかけられると嬉しいよね。げふん、げふん…

 

イルメリア「むむ…」

 

???「シャリス先輩、到着したぜ!」

 

シャリス「マティアス君、30秒の遅刻よ。以後、気をつけなさい」

 

マティアス「お、おう…」

 

スール「あ、マティアスったら注意されてるー!」

 

リディー「しっかりしてくださいよ。マティアスさん」

 

なぜかジト目なリディー。

 

マティアス「うわ!?お前らなんでここに…」

 

スール「ここはあたしたちの家の近くだっての。いるのも当然だよ」

 

コウキ「マティアスさん。師匠のこと、お願いします…」

 

マティアス「…わかってるぜ」

 

イルメリア「とりあいず、リディー達のアトリエに行ってもいいかしら?風邪引いちゃうから…」

 

リディー「そうですね…。くしゅん!はうぅ…早く中に入りましょう!」

 

スール「あ、マティアスも風邪引いちゃダメだよー!じゃあねー!」

 

リディー達の家に向かう。

 

シャリス「上手くやってるじゃない。ちょっと安心したわ」

 

マティアス「へへっ、先輩に褒められたぜ…やった!」

 

ガルド「もっと優しく!優しくしてくれよ!バルカンんんんん!!」

 

バルカン「暴れないでください。強固な傭兵なんですから」

 

ガルド「いってぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

マティアス「さすが医療班の天才、バルカンの治療は迫力があるな…」

 

シャリス「そ、そうね…。私も足を負傷して彼に手当てされた時はすごい痛い思いしたわね…」

 

マティアス「ま、マジですか…。それはちょっとオレでも嫌だな…」

 

シャリス「ええ、本当に。一度味わって経験したほうがいいわよ?マティアス君」

 

マティアス「絶対嫌だ!」

 

バルカン「二人とも、ちゃんと安全確認してます?」

 

手当てしながら、二人に声を掛ける。

 

シャリス「あー、ごめんね。もう、勝手な事を喋るマティアス君のせいなんだから…」

 

マティアス「オレが原因なの!?」

 

ガルド「今のお前に友情があって安心したぜ…。いでっ!」

 

バルカン「そうですね。自分を変えてくれた、ボスのおかげですよ」

 

ガルド「とびっきりの笑顔で、治療すんなぁぁぁぁ!!!怖いわ!」

 

シャリス「楽しそうね、二人とも。ってちゃんと仕事しなくちゃ…」

 

マティアス「はやく帰りたい」



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第四十六話 俺の…あたしの…

バンカン・ボールブルックス

年齢 23歳

職業 医療騎士

身長 180cm

良い実績と医学に詳しくないと入ることが許されない騎士団の医療班に所属する騎士で、マティアスとミレイユ、シャリスとは友人関係。今は人に思いやりがあり、誰にでも優しい性格だったが、騎士団になる前は性格が悪い暴漢だった。人を殴り、悪いことばっかりしてきたが、各地を旅してたガルドと対面し、見事敗北。その負けから医療関係に詳しかったガルドに人を助けることをばっちりと教えられ、将来は人を助ける医者になることを決めた。彼のことは『ボス』と呼んでいる。










『リュンヌ通り リディー&スールのアトリエ』

 

コウキ「いきなり土砂降りするなんて聞いてないぞコレ」

 

タオルで濡れたところを拭きながら大雨が降っている外の様子を窓で眺める。

 

スール「そうだね。しかし、ガルドさん…」

 

コウキ「………」

 

そう。一度とはいえ、二度も師匠は負傷しているのだ。

 

リディー「お茶淹れてきましたよ」

 

運ばれたお茶がテーブルに置かれる。

 

イルメリア「ありがとね。いただくわ」

 

既に椅子に座っていたイルはそれを手に取り、いただく。

 

コウキ「おう、いただきまーす」

 

俺はイルの隣の席に座って置かれたお茶を手に取ってそれを飲む。

 

イルメリア「………」///

 

コウキ「イル!?まさか…!」

 

横の席に座っているイルの顔がなぜか真っ赤だったので、熱でもあるのかと思い、額に手を当てる。

 

イルメリア「きゃ…!な、なに!?」

 

コウキ「結構熱いな。これ熱あるんじゃ…」

 

イルメリア「…あるわけないでしょうがぁ!」

 

手を無理やり離され、拒絶される。コンナハズジャナイノニィ!

 

リディー「うわぁ…」

 

スール「あちゃー」

 

やめて!哀れな人を見るような目で見ないで!(二回目)

 

コウキ「ご、ごめん、うっかり…」

 

イルメリア「アタシもごめん…」

 

お互いそっぽを向いてしまう。

 

スール「ちょっとリディー!この展開をどうにかしてしてよ!」

 

リディー「ええ!?どうするもなにも…」

 

コウキ「あ、お菓子ある。食おうっと」

 

リディー、スール「(切り替えはやっ!)」

 

イルメリア「そういえばリディー、スー、この際だし前回の宿題の内容をちゃんと暗記してるかテストするわよ」

 

双子「(師匠も切り替えはやくないですか!?)」

  

コウキ「スーは追試確定?」

 

スール「確定とか言うなー!はぁ…もうやるだけやるしかないか…」

 

リディー「あはは…。スーちゃん、とにかくここは粘って頑張るしかないよ…」

 

コウキ「イル、ちなみにどんなやつか見して」

 

イルメリア「これよ」

 

見せてくれたのは何冊もある本だった。

 

コウキ「え、これをすべて暗記なの!?」

 

イルメリア「そうよ。アタシは何日もかけてすべて暗記したけど」

 

コウキ「そ、そうか…」

 

これはヤバいというレベルを越えてる気がする。スーの気持ちがよくわかるぞ…これ

 

イルメリア「じゃあ、始めるわよ。できなかったら…居残り補習があるから覚悟することね」

 

双子「いやぁぁぁぁぁ!!!!」

 

そしてリディーとスーの地獄のテストが始まる。二人がテストをしてる間にアトリエ内を見学してみることにする。

 

コウキ「………」

 

机に飾ってあるオネットさんの写真を見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………

 

~回想~

 

『コウキ君、もしわたしがいなくなったら…リディー、スールのこと…頼めるかしら?』

 

『え、それはどうゆう…』

 

『最近体の調子が悪くて…お医者さんのところによく行くの』

 

『…どうだったんですか?』

 

『ちょっと重い病気でね。これから治していきたいところなんだけど…難しくて』

 

その瞬間、俺は嫌な空気に包まれる。

 

『そんな…オネットさんがいなくなったら俺…』

 

『でもまだ諦めてるわけじゃないのよ?人ってね、生きてる限り何もかもすぐ諦めちゃダメなのよ。あなたもそれを胸に刻んでほしいの…』

 

『最後まで諦めない…ですか』

 

するとはオネットさんは小指を出してくる。

 

『?』

 

『コウキ君、あなたは幼いころから誰よりも強い人間になるんだったわね。その決心…これからも自分の目指す糧として頑張るのよ』

 

『はい』

 

『…約束よ、コウキ君』

  

お互いの指を引っ掛け合い、指切りをする。

 

『わたしはこの病気に必ず勝ってみせる。また元気になってコウキ君といっぱい遊ぶんだから!』

 

この時のオネットさんは笑っていたけど、何か悲しい顔をしてるようにも見えた。

 

そして後日…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オネットさんが亡くなった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お葬式が終わってから、家に帰った時の母さんの姿はよく覚えている。いや、忘れたくもなかった。

手を強く握りしめ、苦しそうな声、大粒の涙を流して立ち尽くしていたこと…母さんにとっては結婚して間もない父さんを若くして亡くし、親友だったオネットさんも亡くして、どれだけ悲しい思いをしたのだろうか。

その日から母さんはあまり笑わなくなってしまった。

それから俺は『人』を…『誰か』を失うのが怖くなった。

 

………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「コウキ、コウキ」

 

写真を見つめて、ぼーっとしていると誰かに声を掛けられる。

 

コウキ「…んぇ?」

 

イルメリア「どうしたのよ。さっきからずっと立ち止まって…」

 

コウキ「ああ、別になにも…」

 

後ろを振り向いて窓の方を見ると、雨が止んでいた。

 

コウキ「俺、そろそろ帰るわ」

 

アトリエを出ていく。

 

スール「もうらめぇ…」

 

リディー「もう無理…」

 

双子はソファーに倒れ、満身創痍。

 

イルメリア「…どうしたのかしら?」

 

コウキが見ていた写真を見る。

 

イルメリア「リディー達のお母様…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソレイユ通りに続く橋を渡っていると、橋に寄りかかって川を眺めている、大きな剣を背負った人がいたのだ。

 

ガルド「よぉ、コウキ」

 

コウキ「師匠なんでここに!?胸を刺されて、医務室に運ばれたんじゃ…」

 

ガルド「あれは別に深い傷じゃねぇぞ。治療されて包帯を巻かれただけだぞ?」

 

コウキ「てっきりヤバいのかと…。てかマティアスさんは?」

 

ガルド「あいつなら、べっぴんの騎士の女と城に戻ったんじゃないか?」

 

べっぴんの騎士とはきっとあの人のことだろう。

 

コウキ「べっぴんって…師匠もそうゆう感情があったんですね」

 

ガルド「当たり前だろ。美人な女を見かけたら声を掛けない男なんていねぇぞ」

 

コウキ「あはは。何となくその気持ちわかりますよ…」

 

ガルド「てか買い物袋持ってどうしたんだよ。サリアの手伝いか?」

 

コウキ「そうですよ。これから家に帰るとこです」

 

ガルド「俺も行ってもいいか?ちょっとあいつに用事があってな」

 

コウキ「わかりました。行きましょう!」

 

二人で家に向かうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『本屋』

 

コウキ「母さん、戻ったよー」

 

サリア「あら、今度はガルドさんね」

 

ガルド「よっ」

 

コウキ「無視ですか。んじゃあ保管してくるわ」

 

サリア「お願い」

 

その部屋を出てリビングに向かう。

 

サリア「リュンヌ通りの辺りが騒がしかったらしいけど…何かあった?」

 

ガルド「ちょっと野蛮な奴がいたから俺が成敗してやったぜ」

 

サリア「はい?」

 

ガルド「『人間の正しい生き方』っていうのを教えてやったのさ」

 

サリア「えーと…あなた、指名手配とかされてませんよね?」

 

ガルド「されてねぇよ。ちょっと今日はお前と夜のパーティーに付き合ってほしくてな」

 

サリア「私、既婚者なんですけど」

 

ガルド「いや、そうゆう意味じゃないからな?とって喰おうとかしてたわけじゃないが…まぁ、確かにお前はその歳になっても美人…」

 

サリア「はいはい、ありがとうございます。しかし今日はあんまり酒を嗜みたくないのよね…」

 

ガルド「まぁまぁ、仲良く話でもしようぜ」

 

サリア「はぁ…」

 

嫌そうにため息をつく。

 

ガルド「夜になってこっそり家を出て、ザラトの墓参りに行ってるんだろ?昨日、通りでお前を見たぜ」

 

サリア「そうゆうあなたはそんな時間まで何を?」

 

ガルド「お前こそ、そんな時間に都をふらついてれば怪しい男達の餌食になるぞ」

 

サリア「この私がそこらの男に喰われるとでも?あの能力の桜のように舞う『真実』に到達しない限り…誰も私を止めることはできないわよ」

 

ガルド「あの力には骨が折れるぜ…。お前の大切な『親友』と何か関係があるのか?」

 

サリア「それは…別になにも」

 

ガチャ

 

コウキ「母さーん。保管終わったよ(笑)」

 

サリア「コウキ、ちょっとこっちに来なさい」

 

コウキ「…??」

 

言われたとおりに母さんの近くに向かう。

 

サリア「………」

 

頭をぐりぐりされる。(二回目)

 

コウキ「くぁwせdrftgyふじこlp」

 

サリア「今度からは、気・を・つ・け・る。ようにねぇ~」

 

コウキ「ひんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

ガルド「…コウキの奴が嬉しそうなのは気のせいだろうか」

 

小声で何か言う。

 

サリア「(この可愛いバカ息子が…。いつになったらあなたは一人前になるのよ…お母さん、心配だぞ)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は就寝するとき剣の修行ちょっとしてから寝るので、自分の部屋の二階の窓からロープを使って外へ降りる。本当は扉から外に出ていきたいけど、母さんにバレるかもしれないので、この手を使うしかないのだ。

 

コウキ「よし、剣の修行をしないとな。師匠宣伝奥義『鬼神斬』をコンプリートしないと…」

 

説明しよう。『鬼神斬』とは!

暗やみの高野に!

進むべき道を切り開く事だッ!

 

ごめんなさい嘘です。

 

この奥義はなんせ、師匠(ガルド)が師匠(ガルドの師?)から教わったものらしくて、超人的な能力をもつ存在『神』『霊魂』『鬼』『化け物』を確実に斬ることができるらしくて、例えその相手がどんな能力を持とうと、それを無視して攻撃できる。

師匠(ガルド)が言うには己自身の『覚悟』を決めた時にしかできない剣義らしい?

 

コウキ「覚悟ってなに…(´・ω・`)」

 

そんなことを思いながら家の裏に回って裏庭に行こうとすると、深夜の都の通りに人影が歩いているのが見える。

 

コウキ「あれは…ソフィーさん?」

 

そう、あのソフィーさんだ。

リュンヌ通りに続く橋を歩いている様子が見れる。

こんな時間にどこに向かうのか気になるので、物陰に隠れながら跡を追うことにする。

 

※完全にストーカー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『リュンヌ通り 海辺』

 

ソフィー「………」

 

海辺に座って月の光によって輝いている夜の海を眺めているようだ。

 

コウキ「声を掛けてみるか…」

 

砂浜にズサズサと足音を立てて彼女に近づく。

 

ソフィー「?」

 

音が聞こえてこちらに振り返って反応する。

 

コウキ「こんにちは…」

 

ソフィー「コウキ君?」

 

コウキ「こんなとこでどうしたんですか?」

 

ソフィー「えーと、ちょっと眠れなくて外の空気をね。コウキ君は?」

 

コウキ「夜中に剣の練習をしようと家を出たら、ソフィーさんが通りを歩いてるのを見て…それで」

 

ソフィー「ついてきちゃったってわけだね」

 

コウキ「これ完全にストーカーですよね…すいません」

 

ソフィー「ふふ、別にいいんだよ。隣…座って?」

 

コウキ「あ、失礼します…」

 

言われた通りにソフィーさんの隣に座る。

 

ソフィー「コウキ君は偉いね。こんな時間でも剣の稽古をしてるなんて」

 

コウキ「そうですか?俺、これが普通だと思ってるんですよ。強くなるためには努力が必要なんだって」

 

ソフィー「そっか。どうしてそこまで強くなりたいの?」

 

コウキ「…約束したんです」

 

ソフィー「約束?」

 

コウキ「俺は強い人間になることを今は亡き人と約束したんです」

 

ソフィー「ごめん…嫌なこと聞いたかな」

 

コウキ「そんなことないですよ。むしろこんなダサそうな誓いを真剣に聞いてくれるソフィーさんは優しいです」

 

ソフィー「そんな、ダサそうだなんて…そんなことないよ。すごい約束だと思う。男の子ってそうゆうことがお似合いだと思うし、カッコいいよ」

 

コウキ「あはは…。そうですか?」

 

ソフィー「うん!男の子の定番って感じかな」

 

コウキ「はい!」

 

ほんとにこの人は…

 

ソフィー「約束は約束。自分が目指す夢のようなものだもん、あたしも心から応援するよ。コウキ君と…その大切な人との約束」

 

コウキ「はい。ご期待に添えるよう…俺、頑張ってみますよ!」

 

ソフィー「その約束…破っちゃダメだよ。死んでいったその人に申し訳ないから…」

 

コウキ「…ですね。失望させたくないですから」

 

ソフィー「ふふ、その意気だよ」

 

ほんとに彼女と話をしてると落ち着く。

こっちからも何か質問してみることにしてみる。

 

コウキ「ソフィーさんは誰かと大切な約束とかしたことはありますか?」

 

ソフィー「…そうだね。最も大切で決して破れない約束をしたことあるよ」

 

するとソフィーさんは暗い顔をしてしまう。

 

コウキ「…嫌なら、教えてくれなくてもいいですよ」

 

ソフィー「ううん…コウキ君の大切な約束を教えてくれたし、あたしのも教えてあげるよ」

 

改めて聞いてみる。

 

ソフィー「彼、『ユズル』っていう子なんだけど…」

 

コウキ「…!」

 

フィリスさんが言っていたことを思い出す。

ソフィーさんには昔、恋人がいたことを…

 

ソフィー「ユズルはね、こことは違う異世界からやってきた人なんだ」

 

コウキ「い、異世界!?」

 

意外な発言を言ったので、驚いてしまう。

 

ソフィー「うん。冗談かもしれないけど、ここの世界にはない物とか…未知の力と…変な服装してたし…いかにも変人って感じかな」

 

コウキ「ほ、ほぉ…?」

 

ソフィー「最初は変な人かと思ったけど、だんだん彼といる内にわかったことがあるの」

 

ソフィー「…彼ね、ここの世界に来る前では、親から虐待を受けてて…友達もいなくてすごい寂しい思いをしてたから…そんな彼のためにあたしが傍にいてあげようと思ったの」

 

さすが、ソフィーさん。昔から天使でした。

 

コウキ「そして、それから二人は恋に落ちて…!」

 

ソフィー「…うん。あたしはいつの間にかユズルのことを好きになってた」

 

ソフィー「でもこの気持ちは恥ずかしくて言えなかったんだけど…ユズルがあたしに『好きだ』って告白してくれて、その時は嬉しかったなぁ。えへへ…」

 

コウキ「へぇ…片思いから両思いに!」

 

ソフィー「うん。それでね…二人で約束をしたの…」

 

すると海辺に腰掛けているソフィーさんが立ち上がったので、俺も立ち上がり、海を眺めながら語る、彼女の横顔を見る。

 

ソフィー「あたしの夢『錬金術で人を幸せにすること』…ユズルの夢『人の幸せな理想を求めること』…それを二人で実現させることだよ」

 

なんて素晴らしい夢なのだろう。

 

ソフィー「でもそれからユズルは突然『神隠し』にあって行方がわからなくなって、もう長いこと会えてないんだ…」

 

そして彼女は俺に顔を向けながら笑って目を閉じながら語る。

 

ソフィー「ユズルに…会いたいな…」

 

コウキ「ソフィーさん…」

 

いつものソフィーさんは明るくてかっこいいのに、今の彼女は悲しみに満ちているというか…寂しさを感じるのだ。泣くのを堪えているように見えた。

 

ソフィー「さて…そろそろ戻ろうか」

 

コウキ「あ、送りますよ」

 

ソフィー「え、別に大丈夫だよ?」

 

コウキ「ソフィーさんには一度命を救われた身…なにか恩返しをしたいので!お願いします!」

 

ソフィー「そこまで言うなら頼もうかな」

 

彼女は今、フィリスさんのアトリエで暮らしているらしいのでそこまで送る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『メルク庭園』

 

フィリスさんのアトリエまで向かっていると、アトリエの入り口前に人が立っているのが見える。

 

コウキ「あれは、プラフタさん…?」

 

ソフィー「あちゃー…見つかってたかぁ…」

 

その場に向かう。

 

プラフタ「…ソフィー、どこに行ってたんですか。心配しましたよ」

 

ソフィー「あはは…。ごめんごめん、そろそろ寝るよ」

 

するとプラフタさんが俺に顔を向ける。

 

プラフタ「コウキ、ありがとうございます。うちのソフィーがご迷惑を…」

 

コウキ「あ、大丈夫ですよ。ソフィーさん、ただ海辺で黄昏ていただけですので」

 

ソフィー「う…別に衰えてなんかないもん…」

 

コウキ「わー!すいません!」

 

プラフタ「いいえ、ソフィーは最近、調合ばっかして体を休めていません。このままでは体が衰えてしまいます!」

 

ソフィー「うう…今度から気をつけるから…」

 

プラフタ「またそう言って…わたしは心配してるんですよ?次回からそこを直すように…」

 

ソフィー「わかった!わかったよぉ…じゃあ、そろそろ寝るよ。コウキ君、おやすみ…」

 

コウキ「あはは…おやすみです…」

 

ソフィーさんは落ち込みながらテントに入っていく。

 

プラフタ「はぁ…全く、ソフィーは…。コウキはこんな時間まで何を?」

 

コウキ「剣の修行ですよ。師匠にこの間ぶっ飛ばされ…じゃない!お返ししたいのでこうやって夜中も修行を…」

 

プラフタ「体を動かすならちゃんと寝て休むことも大切ですよ。日々の生活のリズムを乱してはいませんか?」

 

あれ?俺、説教されてません?

 

コウキ「やっぱり体に悪影響を出してしまいますかね?」

 

プラフタ「はい、その通りです。きちんとした生活をしないと、体に害を及ぼしてしまいます。決してソフィーのようにはなってはいけませんよ」

 

コウキ「あはは…そうですね。 わかりました!じゃあ、俺そろそろ帰って寝ることします」

 

プラフタ「ええ、そうしてください。では、おやすみなさい」

 

コウキ「はい。では」

 

家に帰ることにする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ソレイユ通り 家の前』

 

コウキ「よし、ここからが勝負だ…」

 

そう、ロープで部屋まで登れるかの勝負だ。

降りときは楽勝なのだが、登るときはあやうく落ちたらきっと重傷…いや、死に至るかもしれない…

油断しないで慎重に登っていく。

 

1分後…

 

コウキ「ふぅ、何とか登れ…!?」

 

部屋に入った瞬間、青ざめた。

 

???「あら、コウキさーん?こんな時間まで何を?」

 

部屋に母さんがいました。

 

コウキ「いや、あの…これは…その…」

 

サリア「こんな小細工で、バレないとでも思った?」

 

コウキ「あわわ…」

 

サリア「説教の時間よ。剣の修行をしてただろうけど、それを言ってくれればこんな時間だろうが別によかったのに」

 

コウキ「なんでわかるのぉ!?」

 

サリア「あんたの考えくらいお見通しよ。伊達に母親をしてないもの。それじゃあ、始めましょうか」

 

コウキ「いっやぁぁぁぁぁぁぁんんんんんんん!!!」

 

お説教は朝まで続きました…



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第四十七話 記憶の片隅に残されていたもの

誤字多くて大変申し訳ございません。(ToT)










「起…て……ださい…ウキ………キ…………ウ」

 

誰かが俺を呼んでいる。しかし起きはしないぞ。なんていったて、眠すぎるから。

 

「コウ…………コウキ」

 

あーもう!騒がしいなぁ!俺の睡眠を邪魔する奴は一体…

 

コウキ「うおおおおおおお!!!誰だぁぁぁぁぁぁ!!!???」

 

叫びをあげて起きる。

 

「あら、やっと起きましたか」

 

コウキ「へ?」

 

目覚めた先に見たその姿は…

 

コウキ「…ルーシャ?」

 

ルーシャ「ご機嫌よう。相変わらず、すごい寝癖ですね」

 

コウキ「いやいや、待て。お前…なんでここに」

 

ルーシャ「サリアおばさまの代わりにわたしがコウキを叩き起こしにきたんですよ」

 

なんで母さんが起こしにこないんだよ。てか絶対楽しんでるでしょ、あの人。

 

コウキ「そうか。一ついいか?」

 

ルーシャ「はい、なんですか?」

 

コウキ「なんで俺の部屋に平然と入ってんだよ!」

 

そう、ルーシャはもう16の少女…そんな人が17のいい歳した男の部屋に入ってはいろいろとマズイのだ。

 

ルーシャ「別にいいではありませんか。だらしないコウキの世話をするのは楽しいですから」

 

コウキ「いや、意味わからんから!」

 

ルーシャ「ほら、顔を洗ってしっかりと朝ごはんを食べるんですよ。コウキ」

 

コウキ「ルーシャ、俺すっごく眠い。ダルくて歩けない」

 

昨日の説教でまともに寝れていないのだ。

 

ルーシャ「もう子供じゃないんですから…どうしてそんなにお疲れなのですか」

 

コウキ「母さんに朝まで説教を受けて…もう眠くて仕方ないんだ…」

 

ルーシャ「一体何をやらかしたんですか…。手を貸してあげますから。ほら、行きますよ」

 

手を伸ばしてベッドから引っ張ってもらう。

 

コウキ「眠気がやばいぃ…」

 

ルーシャに肩を貸してもらって一階のリビングへと行く。

しかし、ルーシャの髪はいい匂いがするなぁ…って何をしてるんだ、俺は…ああ、わかったよ。朝だから頭が吹っ飛んでいるのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は今、朝飯を食べている。

が、どうしても気になることがあるのだ。

 

サリア「ありがとね。ルーシャちゃん、家事を手伝ってくれて」

 

ルーシャ「いえいえ、サリアおばさまには日頃からお世話になってますから」

 

いつも忙しそうなルーシャがこんな朝から家事を手伝っていることだ。

仕事の方は大丈夫なのだろうか?

 

サリア「ルーシャちゃんは将来いいお嫁さんになりそうね」

 

ルーシャ「ええ!?そ、そんなことは…」

 

サリア「ふふ、顔真っ赤になって可愛い」

 

ルーシャ「もーう!サリアおばさまー!」

 

サリア「あらあら、怒ってる姿も可愛いわよ」

 

そんな二人の様子を眺める。

 

コウキ「…なにやってんの。あの二人」

 

いろいろ支度をするために、二階に上がっていく。

母さんは俺とルーシャが一緒に部屋に入るところをニヤニヤ見ていたが、あれはなんだったのだろうか。

別に女の子を部屋に連れ込んで疚しいことをしようとかしてたわけじゃないからね!(ツンデレ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「で、ルーシャ。なにしに来たのよ。俺を起こしてまで」

 

ルーシャ「決まってるではありませんか。わたしとの約束の件ですよ」

 

コウキ「は?約束?」

 

ルーシャ「やっぱり…ですか。忘れてましたね?」

 

コウキ「え、なんだっけ」

 

ルーシャ「お食事ですよ。コウキと…ご、ご一緒に」

 

コウキ「あー、そのことか。すっかり忘れてたわ」

 

海底宝物扉の調査の時のことだ。

あの時、ルーシャに『飯を奢ってやるよ』と言ってたのを思い出す。

 

ルーシャ「一度交わした約束は決して破ってはいけませんので」

 

コウキ「そうだけどさ、ルーシャも俺と交わした約束を破ったことあるじゃん」

 

ルーシャ「え、ありましたっけ?」

 

コウキ「ほら、あったじゃん。あの時」

 

それは今から一年前の話で、母さんから『勉強をしなさい!』とガツンと言われたので、勉強が得意なルーシャに教えてもらう約束をしたのだが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………

 

~回想~

 

【アトリエ・ヴォルテール】

 

ガチャ

 

『おい、ルーシャー!』

 

『あ、コウキですか?』

 

『早速勉強をな…』

 

『ごめんなさい。来て早々悪いのですが…忙しくて予定が変わってしまいまして…』

 

『え!?』

 

『コウキ、本当にごめんなさい。今度予定が空いたらでいいですか?』

 

『ああ、わかった』

 

ヴォルテールを出ていく。

 

後日…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【アトリエ・ヴォルテール】

 

ガチャ

 

『ルーシャ』

 

『あ、コウキ…!大変言いにくいのですが…』

 

『まさか』

 

『はい…。また予定が急に変わって…』

 

『もういいよ。こんな俺に勉強を教えてあげようと思っただけで充分だから。一人で頑張ってみるよ、じゃあな』

 

『あ…!コウキ…!』

 

ガチャン

 

ルーシャに勉強を教えてもらう約束をしたが、結局は叶わなかった。

不快な思いはしたけど、普段何もしてない自分が、やることをやって前に進んでいる人に対して嫌な思いをしたって無駄だと思った。

それがたとえ、大事な約束だとしても…

その時の俺は現実から逃げてる者だったから。

 

………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「ってことがあったじゃん」

 

ルーシャ「あの時は…その…アトリエの仕事が…」

 

コウキ「わかってるよ。あれは俺のわがままで、ルーシャを巻き込んだみたいなもんだよ」

 

ルーシャ「………」

 

コウキ「ま、別にあの日のことは特に何とも思ってないよ。ルーシャは正しい人だったからさ。あの時の俺はただのダメ人間…家に引きこもってたクソ人間みたいなもんだからさ」

 

ルーシャ「そんなことないと思いますよ」

 

コウキ「?」

 

ルーシャ「だって、今のコウキは…」

 

するとルーシャは立ち止まっている俺の前を歩いて、後ろに手を組んでこちらに振り返り、赤い綺麗な髪が窓から入ってくる風に揺れ、羽織っている赤い外套も揺れる。

 

ルーシャ「前に進んで頑張ってるではありませんか」

 

コウキ「!」

 

そうだ…今の俺は…

 

ルーシャ「すごく嬉しかったですよ。こんなコウキを見るのは、まるで人助けばっかりしていた『あの時』のコウキに戻ったみたいに…」

 

変わったんだ…

もうあの薄汚い泥に汚れた俺はいない。

 

ルーシャ「だから、前のことは記憶の奥にしまって、水に流していいんですよ。コウキ」

 

するとルーシャは俺に近づいて、頭を撫でながら、抱きついてくる。

 

コウキ「!?」

 

その時、幼いころのあの時を思い出す。

初めて俺に『親友』というものが出来たあの時を。

 

………

 

『大丈夫…大丈夫…一人じゃないですから』

 

『よしよし…わたしがいますから!一人になんかさせませんから!』

 

………

 

抱きついて頭を撫でながら言ってくれたあの言葉。

 

ルーシャ「…今までつらかったですよね。おばさまと大切な約束をしたのに、あの人はこの世を去ってしまった」

 

ルーシャ「それがコウキの心に深い傷を負ってしまって、コウキを悪い方に変えてしまった…。でも今は違います。今は正しい人間の…『コウキ・レオナー』ではありませんか」

 

コウキ「…!!」

 

ルーシャ「お勉強の時の約束は確かに破ってしまいましたけど…。わたしはいつまでもコウキの友達…いえ、親友ですから!」

 

この瞬間、忘れられていた大切な記憶を思い出す。

心の奥に眠っていた、たった一人の恋した人…

その名は、『ルーシャ』…友に裏切られ、闇に落ちていた俺を光輝く道に導いてくれた人。

それから好きになったこいつを…ある日、泥に汚れて堕ちてしまったあの日に…その恋心を己自身の記憶の片隅に閉ざしてしまったことを。

 

コウキ「ルーシャ…」

 

泣いてしまう。

 

ルーシャ「わわ!?なんで泣いてるんですか!」

 

コウキ「俺は…いい友達をもったんだなぁって…」

 

ルーシャ「はい。わたしはコウキを置いて、いなくなったりしませんから…」

 

しばらくの間、幸せの時間が続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウキ「…すまん」

 

お互い離れる。

 

ルーシャ「いえ、こちらも…幼いころのコウキにしてたことをしたくなって…」

 

コウキ「そうだな…俺の三番目の…いや、最初に出来た友達だったな。ルーシャは」

 

ルーシャ「三番目…ああ、そうゆうことですか」

 

出来事を察したように語る。

 

ルーシャ「(おそらくそれは、凍てし時の宮殿の調査の時に言っていた事…本当につらかったんですね…幼いころのあの時を…)」

 

コウキ「どうしたの?」

 

ルーシャ「いえ…何でもないですよ」

 

コウキ「なぁ、ルーシャ」

 

彼女にゆっくりと近づく。

 

ルーシャ「?」

 

彼女の赤い瞳と俺の青い瞳が合う。

 

コウキ「ルーシャ、俺…お前のこと好きだわ」

 

記憶の片隅に遺されていた、この気持ちをどうしてもこいつに伝えたかった。

 

ルーシャ「え…ええ!?」

 

コウキ「幼いころからずっとお前のことが好きだった」

 

そうだ。俺にとっての、こいつは…

 

コウキ「…でも今の俺にはやるべきことがあるんだ。ルーシャもあるだろ?やるべきことが」

 

ルーシャ「そ、そうですね。わたしにはヴォルテールの主を任され、アトリエを大きくして、リディーとスー達に負けないように頑張ることで…」

 

コウキ「ああ、お互いのやるべきことが終わったら…本格的に、その…」

 

ルーシャ「わたしはまだ返事をしてませんけど?」

 

コウキ「えー?俺ではダメでしょうか?」

 

ルーシャ「…なんで質問するみたいに聞いてくるんですか。わたしは家族のことを大切にして…ちゃんと思ってくれる男を求めていますが?」

 

コウキ「俺は将来、もし結婚したら家族のことは絶対に守るって決めてるもん!じゃないと母さんにぶっ殺される!」

 

ルーシャ「ですね。サリアおばさまは真面目でしっかりしていますから。しかし、わたしなんかでいいんですか?コウキにはイルメリアさんという素敵な方がいるではありませんか」

 

コウキ「いや、あのさぁ…俺とイルは別に付き合ってもないし、親密な関係でもないから!」

 

ルーシャ「…本当の本当ですか?」

 

疑うような目で俺を見つめてくる。

 

コウキ「本当です。信じてください」

 

顔を真剣にして、ルーシャを見つめる。

 

ルーシャ「…なら、わたしからの返事はすべきことを終えてからしますよ。コウキも自分のすべきことを終わらせてくださいね。ふふ」

 

顔を真っ赤にして笑顔で微笑むルーシャ、やっぱり俺はこいつのことが本当に好きなんだと思った。

 

コウキ「ああ、終わらせるさ。…絶対に」

 

ルーシャ「頑張ってくださいね。きっと、今のコウキなら何事も真っ直ぐ突き進むと思いますので…」

 

コウキ「ああ、俺はもう…逃げたりはしない。じゃあ約束だ。ルーシャ」

 

ルーシャ「…この約束は決して破れませんね」

 

お互い、指を引っ掛け合う。

 

コウキ「できればその時までお前とイチャイチャできればいいんだけど…」

 

ルーシャ「なっ…コウキ、変なこと考えてませんよね?」

 

コウキ「変なこと?えっちなこととか?」

 

ルーシャ「変態でケダモノのコウキなんか嫌いです。ふん…」

 

そっぽを向かれる。

 

コウキ「え、ちょっと待って!勘違い、勘違いだから!」

 

俺にもついに将来を誓いあった彼女ができたぞー!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サリア「あら、二人で出掛けるの?」

 

一階に降りると、店の開店準備を進めている母さんの様子が見られる。

 

コウキ「うん。行ってくるわ」

 

ルーシャ「サリアおばさま、お邪魔しました」

 

サリア「ええ、また来てね。ルーシャちゃん」

 

ルーシャ「はい。お言葉に甘えて!」

 

家を出る。

 

サリア「…すべきことか。途中で投げ出したりしたら承知しないわよ、コウキ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『リュンヌ通り 海辺』

 

今、海辺の近くにある喫茶店で話をしていた。

仕事のことは大丈夫なのかと聞いたら、今日は休日らしくて、てゆうか朝(5時くらい?)まで母さんに説教された疲れで今日の曜日をド忘れしていたことは黙っておこう。

 

ルーシャ「で、どうしてイルメリアさんと二人で?」

 

コウキ「いやー、男にはあるんだよなー。女の子と二人きりでいたいという男心が…」

 

ルーシャ「変な心ですね」

 

コウキ「なんだよ、嫉妬でもしてたのかよ。可愛いじゃん」

 

ルーシャ「平気で可愛いとか言わないでください!」

 

コウキ「だって本当のことを言ったまでだもん。嫉妬する女の子って可愛いから」

 

ルーシャ「…コウキのばか」

 

出た。このめっちゃ見たかったシーン!

 

コウキ「さすがは俺の彼女だ。これからもこうやってイチャイチャしたいんだが、よろしいかな?」

 

ルーシャ「いーやです」

 

コウキ「まぁまぁ、そう言わずに」

 

ルーシャ「ところで…コウキのやりたいことを聞いていませんでした」

 

あ、スルーされた。

 

コウキ「そういえばそうだったな」

 

その事を話す。

 

ルーシャ「強い人間になること…ですか。おばさまと約束したことですね」

 

コウキ「ああ、破るわけにはいかないからな」

 

ルーシャ「強い人間とは具体的にどうゆう…」

 

コウキ「んー、そうだなぁ…。『正しいと信じる…強さ?』かな」

 

この俺には『夢』があるんだ。

 

ルーシャ「はい?」

 

コウキ「ま、要するにアレだ。俺に与えられた『運命』を覆さないといけないんだ」

 

ルーシャ「さっきから話が追いつきませんが」

 

コウキ「ま、それを終わらせないと気が済まないんだ。でも多分、すぐ終わらせるよ。早くお前の返事を聞きたいしな」

 

ルーシャ「ほ、ほう…?そういえば、ガルドさんの修行はどんな感じなのですか?」

 

コウキ「厳しいぞ?師匠に技を放たれて…宙に吹っ飛ばされて…」

 

ルーシャ「それ修行ではなく、ただの争いでは…」

 

コウキ「そうかもな。でも師匠と修行できるのは楽しいよ。剣の奥義を教えてくれたり…な」

 

ルーシャ「あまり無理をしないでくださいね」

 

コウキ「お前こそ、休日以外はずっと仕事で忙しいんだろ?」

 

ルーシャ「そりゃお客様も多いですし…でも慣れてるので大丈夫ですよ」

 

コウキ「(大丈夫かな…)」

 

ルーシャ「あ、いい忘れてました。お客様からおじさまの目撃情報を聞いたんですよ」

 

コウキ「え、どうなの!?」

 

ルーシャ「とりあいず無事なんですが、都の外にいるらしくて…」

 

コウキ「なにやってんだよ…ロジェさん」

 

ルーシャ「ええ、本当に。先が読めないお方です。あの人は」

 

コウキ「その事はリディー、スー達に伝えたか?」

 

ルーシャ「もちろんですよ。あれでも二人の大切な父親でもあるんですから、おじさまは」

 

コウキ「さすが『お姉ちゃん』だな」

 

ルーシャ「おーっほっほっほ!わたしは二人の誇り高き姉ですから、コウキとは違ってちゃんとお姉ちゃんをしてますから」

 

コウキ「はいはい、すごいすごい(棒)」

 

ルーシャ「ほんと三人はわたしの扱いが雑すぎます!」

 

コウキ「まぁ、それは置いといて…ルーシャに飯を奢るとなると…どうせ高級料理なんでしょ?」

 

ルーシャ「当たり前ではないですか。わたしと食事できること自体、珍しいんですから」

 

コウキ「美しいから?」

 

ルーシャ「そうです。いつも華麗で美しいのが、このわたし…!」

 

コウキ「へいへい、そうだな…っ(まぁこう見えて腹黒だけどね)」

 

ルーシャ「コウキ?」

 

コウキ「zzzz…」

 

テーブルにうつ伏せて寝てしまう。

 

ルーシャ「ちょっと、コウキ!?こんなとこで寝てはダメですよ」

 

コウキ「…ルーシャの膝枕で寝かせてくれるなら」

 

ルーシャ「は、はぁ!?そ、そんなこと…ダメにき、決まってるじゃないですか!」

 

コウキ「ちぇー、恋人同士ならやるものだと思ってた」

 

ルーシャ「~~!!わかりました!じゃあ…わ、わたしの家で…」

 

瞬間、顔を上げて起きる。

 

コウキ「マジで!?じゃあ、いこういこう!」

 

席を立ち、お会計のとこにいく。

 

ルーシャ「コウキ!あなた本当に眠いんですか!?さっきからめちゃくちゃ元気なんですけど!?」

 

コウキ「~♪」

 

口笛を吹く。

 

ルーシャ「もー!全くこの人はー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『アトリエ・ヴォルテール』

 

ルーシャ「お父様、ただいま戻りました」

 

???「ん?どうした、我が娘よ」

 

コウキ「あ、お邪魔します。じっちゃん」

 

この人はルーシャの父親、マーガルット・ヴォルテール

だ。陽気な性格で面白い人でもあって、俺は親しみを込めて、じっちゃんと呼んでいる。

 

マーガレット「な、コウキ…まさか娘とほっつき歩いていたのか!?」

 

コウキ「そうですよ?だって俺ら」

 

肩を持つ。

 

ルーシャ「わ!?」

 

コウキ「将来を誓いあった仲ですので」

 

ルーシャ「ちょっと、コウキ!」///

 

マーガレット「なぁにぃぃぃぃ!?コウキに娘を取られたぁぁぁぁぁぁ!!!!!?????」

 

あまりのショックでその場に倒れる。

 

ルーシャ「お父様!?」

 

コウキ「おっと、じっちゃん大丈夫ですか?いい加減、子供離れしなくちゃ…」

 

倒れた先に向かう。

 

ルーシャ「そんなことより、はやくお父様を運んでください!」

 

コウキ「ア、ハイ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

じっちゃんを部屋に運んで寝込ませて、用事を済ませたあと、ルーシャの部屋に入る。

昔は普通に入って遊んでたりしてたのに今になると、なーんか…緊急する。

 

コウキ「じっちゃん大丈夫かな?」

 

ルーシャ「ああ…いつものことなので、大丈夫ですよ」

 

コウキ「そ、そうなんだ…」

 

ルーシャ「………」

 

コウキ「さっきからどうしたのよ、顔が赤いけど…」

 

ルーシャ「コウキが部屋にいると、なんか…その…」

 

コウキ「あー、それは俺も同じだから大丈夫だって」

 

しかし…ルーシャの部屋、いい匂いがする!

 

コウキ「そういえば、ネナさんは?」

 

ルーシャ「お母様は今、フルスハイムという街で出張で、帰ってくるのは2ヶ月くらいですかね?」

 

『ネナ・ヴォルテール』…ルーシャの母親だ。

教師をしている人で、よく別の街に出張することが多く、あまり家にいることがない。

 

コウキ「大変なんだなぁ、あの人も。なぁ、寂しくないか?親と会えないなんて」

 

ルーシャ「寂しくなんかないですよ。お父様がいますので」

 

コウキ「まぁ、あんな人でもすごい人だからなぁ…」

 

じっちゃんの父親は錬金術に関しては厳しい人だったらしく、今から5年前に心臓病でこの世を去り…それからはじっちゃんがこのアトリエの主を継いで、今はルーシャがそれを任されてる。

ロジェさんもそれを継ごうと努力していたと聞いたが…?

 

コウキ「じゃあ、昼までルーシャの膝枕で寝よっかな」

 

ルーシャ「もうやるんですか…?」

 

コウキ「いいじゃーん。俺、今すごーく眠いし…」

 

ルーシャ「わかりましたよ。ほら…」

 

正座するように膝を折る。

 

コウキ「んじゃあ、おやすみ」

 

黒タイツを履いてる綺麗なルーシャの膝に頭を乗せて仰向けにして寝る。

 

ルーシャ「もう寝てますね…本当にこの人はもう…」

 

寝ているコウキの顔を見る。

 

ルーシャ「絶対の絶対の約束ですからね?コウキ…」

 

幸せそうに目を閉じながら、コウキの頭を優しく撫でる。












主はイルメリア好きと言ったな。※言ってません
あれは嘘だ。


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第四十八話 6つ目の不思議な絵へ

今回は別の人視点があります。

【別の人視点 一覧】

コウキ『俺』

ガルド『俺』←コウキと被ってるんだよなぁ…(汗)

マティアス『オレ』

リディー『私』

スール『あたし』

フィリス『わたし』

アルト『僕』【俺?】

ソフィー『あたし』←スールと被ってるけど…何とかなるでしょ!(適当)








『キャラクター紹介』

ネナ・ヴォルテール

年齢 38歳

職業 教師

身長 161cm

マーガレットの妻にして、ルーシャの母親。
サリアの一つ上の姉であり、穏やかなサリアとは違い、根はいたってお人好しで、剽軽なところがある性格の持ち主。メルヴェイユの学校の教師をしており、生徒からは優しくて面白い先生と思われており、よくいじられている。
別の学校の臨時職員としてよく出張に出ているため、家にあまりいることはない。










『ソレイユ通り 本屋』

 

今日は店番を任されているが、カウンターで本を読んでいても暇なので、本棚のところにいく。

お会計?お客さんは今いないからいいんだよ。

ま、一人いるけどね…

 

コウキ「アルトさん、何を読んでるんですか?」

 

本がたくさん並べられてる本棚で、立ち読みしているアルトさんがいた。

店内は立ち読み禁止だけど…別にいいか(笑)

 

アルト「ん、これかい?」

 

読んでいた本を見せてくれる。

 

コウキ「これは…」

 

アルト「『光の剣士』の逸話が書かれている本だよ」

 

いかにも古そうな書物だった。

よく店内の本を母さんに許可をもらって読んでいるけど、こんな本があるとは知らなかった。

 

コウキ「光の剣士って?」

 

アルト「大昔、世界を闇にしようとした邪神を倒し、世界を光に導いた伝説の剣士だよ」

 

本を閉じて、本棚にしまう。

 

コウキ「…!」

 

アルト「しかし、あの時の魔物…」

 

何か考え事をしているようだ。

 

コウキ「あの時の魔物?」

 

アルト「僕がアンフェル大瀑布の絵を探していたとき、人間に化けていた魔物がその絵を持ち出そうとしていたんだよ」

 

コウキ「あー、なんかそんな話を聞いたような…」

 

アルト「ガルドから聞いたんだろ?彼にそのことで思うことを言ったのだが…。あの魔物は邪神の仲間なのではないかと僕は思う」

 

コウキ「その魔物はあの方を復活とか言ってたんですよね?」

 

アルト「ああ、独り言のようにね」

 

コウキ「その…もう復活しちゃってるらしいんですよ」

 

アルト「なんでそう断言できるんだい?まるで復活しているのが分かっているような感じで言ったが…」

 

コウキ「俺が一度倒れた時…あの世の世界?みたいな場所にいたんですよ。それから…」

 

その事を話す。

 

アルト「『8つの宝玉』と『暗黒神ゼメルギアス』ね…」

 

コウキ「本当かどうかはわかんないですけど…」

 

アルト「宝玉って今、何個集まってるんだい?」

 

コウキ「えーと…俺、ルーシャ、メルサさん、師匠、ですね」

 

アルト「あと四個で、コウキが出会った神の予言の始まりってわけか」

 

コウキ「ほんとに予言通りに世界が破滅しちゃうんですかね…?」

 

アルト「それは君に与えられた『運命』とやらを変えればいいじゃないか」

 

コウキ「?」

 

アルト「大切なのは『運命に立ち向かおうとする意思』だと思っている。向かおうとする意思さえあればいつかはたどり着くだろう?」

 

コウキ「運命に立ち向かう意思…」

 

アルト「…僕の知人の一人はそういう人だったからね」

 

コウキ「アルトさんの知人!?」

 

アルト「なんでそんなに驚くんだい?」

 

コウキ「いやー、アルトさんって最初は怪しい人だと思ってたりして…でも今は『希望に満ちた理想の人』に見えます!」

 

アルト「希望に満ちた理想の人…か。はは…ははははは!」

 

突然、笑いだす。

 

コウキ「アルトさん!?」

 

アルト「いや、自分でも望もうと思わなかったことを言われてびっくりしただけだよ」

 

コウキ「えと…どうゆうことですか?」

 

アルト「何でもないさ。それで、これを買いたいのだが」

 

本棚からそれを出して、見せてくれる。

 

コウキ「『週刊フラム』ですか。いつもお世話になってますし、安くしときますよ」

 

アルト「それはありがたいね。頼むよ」

 

お会計を終えて、アルトさんは店を出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ソレイユ通り 中央部』

 

買った本を手に持ちながら自分のアトリエに向かって歩く。

 

アルト「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あんたの今してる行動はこれからの未来を…希望を…壊してしまう。だから俺は全力で止めるよ』

 

『メクレット…アトミナ…いや、【ルアード】か?』

 

『おまえの行動は正しい【理想】なのか…それとも、うわっ面だけの邪悪な【理想】か…』

 

『それは今からわかる』

 

『あんたを、たくさんの希望に道溢れた…【理想】の人間にしてみせる!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルト「希望に満ちた理想の人…」

 

あの時、世界を滅ぼそうとした寸前だった俺が今…未来に希望を繋ごうとする理想の人間になった…のか?

自覚があんまりないけど、これだけは思う。

 

アルト「でも、その『理想』を今から実現させる…そうだろ?」

 

そう、間違ったことをしてた俺を救ってくれた…あいつ

 

アルト「ユズル…」

 

自分が二人の体を持つ、人工生命体だった時…『アトミナ』という女の子の体だった俺はあいつに恋心を抱いていた。

人工生命体が人間に恋するとか、絶対おかしい話だけど…

まぁ、今は男だから恋心ではなく…尊敬する人物かな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『本屋』

 

コウキ「ルーシャに飯を奢っただけで、貯めた金が一気にぶっ飛ぶとは…」

 

前、ルーシャと二人で高級料理店に行ったのだ。

向かう途中、都の男の人達は、『ルーシャさんとられたぁぁぁ!!』と騒いでいて心の中で、やったぜ。と思った。

ルーシャは俺の未来の妻になるからな。

まだ返事はもらってないけど…(小声)

てか母さんはやく帰ってこないかな?はやく外に出掛けてルーシャに会いたい。

そんなことを思っていると、カウンターから席を外して、本棚の方に向かう。

 

コウキ「あった、あった」

 

見つけて取り出したのは、『女の子をドキドキさせるテクニック』という本で、早速それをカウンターに持ち込み、読んでルーシャを攻略してやる。

 

コウキ「さてさて、恋の世界へと飛び立つか」

 

本を読み始める。

 

チャリン

 

店の入り口に飾ってある風鈴が鳴って、扉が開く。

 

コウキ「あ、いらっしゃいま…って母さんか」

 

どうやら帰ってきたようだ。

 

サリア「ただいま。店番ありがとね」

 

コウキ「うぃーす。んじゃあ、行ってくるわ」

 

サリア「暗くなる前には帰ってくるのよ」

 

コウキ「はいはーい。わかってまーす」

 

サリア「剣は持ったの?」

 

コウキ「いつも腰に吊るしてるから大丈夫」

 

そう言って家を出る。

 

サリア「あら…これは」

 

コウキがカウンターで読んでいた本を手に持つ。

 

サリア「コウキ…ルーシャちゃんを悲しませたり、泣かしたりさせたら絶対に許さないわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『王城 画廊』

 

リディー達のランクが上がり、新たな不思議な絵『エテル=ネピカ』の調査をするのだが…

 

コウキ「いーやだぁぁぁぁぁぁ!!」

 

全力でその場から逃げようとするが、ルーシャに腕を捕まれてしまい、止められる。

 

ルーシャ「誰だって自分の過去は見られたくありませんよ!そうでしょ!?皆さん!」

 

今回の不思議な絵はなんと…

自分の過去の姿が見えてしまうらしい。

 

リディー「う、うん…。私だって恥ずかしい過去は見られたくないよ」

 

スール「コウキ、大丈夫だって。多分何とかなるよ」

 

適当すぎんだろ!

 

コウキ「そう思ってると…嫌な過去が簡単に見られるんだよー!」

 

そう、俺は過去の恥を見たくないのだ。

あんな…薄汚れたダメ人間だった自分を…

 

マティアス「ちなみにどんな過去を見られたくないんだ?」

 

やめて!聞こうとしないで!

 

フィリス「マティアスさん、コウキ君はきっと…つらいことが多すぎたんですよ!」

 

ギクッ!(;゜0゜)

 

マティアス「そ、そうなのか?すまねぇ…」

 

やめて!可哀想な人を見るような目で見ないで!

 

アルト「過去の恥というものはここまで追い詰めるのか…」

 

過去コワイ…お化けよりもコワイ…

 

ソフィー「そ、そうだね…。コウキ君!別に過去を見られたとしても、あたしは変に思ったりしないからー!」

 

そうゆうことじゃないぃぃぃぃ!!!!

 

ガルド「(わけがわからん…コウキの奴がここまで嫌がるのが…)」

 

師匠、俺を『何してんだコイツ…馬鹿か』みたいな目で見てるぅー!(被害妄想)

 

ルーシャ「………」

 

するとルーシャが俺の耳に小声で喋る。

 

ルーシャ「…コウキが大好物なチョコクッキーを作ってあげますから」

 

瞬間、闘志が湧いてくる。

 

皆「…??」

 

コウキ「よし、わかった。行こう!」

 

ルーシャ「(もー!全く…ホントにこの人は!)」

 

スール「…ん?それじゃあ…いざ、時の旅へー!」

 

過去が見えてしまうという…絵の世界に入った。(入ってしまいました)







『コウキの現在の剣義一覧』

【光の剣】
光属性の攻撃で『屍生人』『吸血鬼』『悪魔』を浄化させることができ、『生命エネルギーが限界に達する』と、威力が格段と上がり、それ以外も浄化させることができる。

【光の波動】
光属性。三十五話でファルギオルを浄化した技で『光のお守り』の力により眩い光に包まれて剣の先端からビームを発射し、これを喰らえば相手を完全に浄化させることができる。
※コウキはまだこの剣義を使いこなせていない。

【真 跳ね返しの術】
跳ね返しの術の強化版で、どんな遠距離からの攻撃でも剣で振り回して跳ね返すことができるが、連続で撃ってくる遠距離攻撃はコウキの腕力次第で変わる。

【鬼神斬】
無属性の攻撃で、ラッシュのように相手を切り刻んでいき、『神』『霊魂』『鬼』『化け物』を確実に切ることができる。
相手がどんな能力を持とうと、それを無視して攻撃することができるが、自身の『覚悟』決めた時にしかそれはできない。
※現在、修行中。

【光と黄のXクロスXエックス】
コウキとマティアスのコンビネーションアーツで、光の剣と黄の剣をXのように組み合わせて一気に解き放つ、必殺技。

【紅蓮葬牙】
コウキとイルメリアのコンビネーションアーツで、剣に炎の魔法を宿して、イルメリアが援護をし、その隙に燃えた剣を相手に切り刻んでいく、必殺技。


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第四十九話 エテル=ネピカ 前編

『エテル=ネピカ』【イエル=オルダ】

 

目を開けると、絵の世界に来て(ました)いた。

 

リディー「うわぁ…!今まで見てきた中でも、一番不思議かも…!」

 

スール「ここが『エテル=ネピカ』…でも、過去の姿はぜんぜん見えないね?」

 

空には青くて丸い球のような物が浮かんでおり、周囲のさまざまな場所に辺りを見回すと…

 

フィリス「…あ!見て、あそこ!」

 

地面に埋まっている石盤のようなものに黄色い光の玉が浮かんでいて、それが辺りを照らすように光始める。

 

………

 

『辺りを照らした光は、石盤に映像のようなものを映し出して、四人の姿が映る。

リディーとスーが通り?を走っていて、ルーシャが転んで泣いている姿と、そんなルーシャを慰めようとする俺の姿が映っている』

 

………

 

ルーシャ「あれは…子供のころのわたしたち…?」

 

コウキ「なんかリアルに再現されてるような…」

 

リディー「うわぁ、懐かしい…!過去の姿って、あんな風に見えるんだ…!」

 

スール「あはは。ルーシャったら転んで泣いちゃってるー。泣き虫なところ、ほーんと変わってないよねー」

 

ルーシャ「ふーんだ。あなただって昔はリディーの後ろにずっと引っ付いてたじゃありませんか」

 

それは俺でもはっきりと覚えている。

忘れらない光景だったから(笑)

 

ルーシャ「リディーおねえちゃーん、待ってー…って。忘れたとは言わせませんよ」

 

コウキ「いつも二人一緒だったよね」

 

リディー「うん…あの頃のスーちゃん、ほんっとうに可愛かったなぁ…」

 

スール「む、昔のことをほじくり出すなぁ!くうっ…。ルーシャのくせにぃっ…!」

 

フィリス「あはは!みんな、昔からとっても仲良しだったんだね」

 

すると石盤に映った、映像らしき光?は消えてしまう。

 

マティアス「…あれ、消えちまったな。しっかし…くくく」

 

この人、さっきからめちゃくちゃ笑ってましたね。

ま、俺もだけど…

 

マティアス「おてんばスー嬢にもあんな昔があったとはな。いやー、意外なもんが見られてよかったぜ」

 

アルト「人は誰しも意外な過去があるものだけど…、まさか、スーがあそこまで内気だったとは」

 

コウキ「そんなスーは今は変わってしまって、なんか遠くに行ってしまったような気分だ…はは」

 

スール「う…うるさい!忘れろー!あーもう、頭に来た!」

 

からかいすぎたようだ。

 

スール「先に進んで、コウキのもっと恥ずかしい過去とマティアスとか、アルトさんとかの恥ずかしい過去もバッチリ見てやるんだから!」

 

コウキ「え、ちょ…」

 

スール「後で吠え面かいて『忘れてくださーい!』って言っても、遅いんだからね!」

 

拗ねてしまい、走って奥に行ってしまう。

 

ガルド「スーのお嬢ちゃん!単独行動はあぶねぇぞ」

 

師匠もスーのあとを追う。

 

ルーシャ「やれやれ、子供なんですから。さて、わたしたちも進みましょうか」

 

マティアス「…なぁ、アルト。急に心配になってきたんだけどさ。大丈夫かな?オレの恥ずかしい過去…バレないかな?」

 

コウキ「あ、あのー…俺も大丈夫ですかね?」

 

アルト「知らないよ…心配になるくらいなら最初から煽らなければいいのに…」

 

何がいけなかったのだろうか。

決してバカにするような事を言ってないはずなのに…

 

アルト「…過去、か。僕もあまり、長居しない方がいいかもしれないな」

 

フィリス「…??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スール「さてさて、次の過去は誰のかなー。マティアスの面白い過去とコウキの恥ずかしい過去、出てらっしゃーい」

 

あと一人足りなくないですか?アルトさんは?

 

ソフィー「…あ、あれ!また誰かの過去じゃない?」

 

さっきと同じように石盤