バカテス×バンドリ! (倶利伽羅峠3号)
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設定&登場人物紹介(随時更新予定)


さてさて、バンドリの5つのバンドが全て登場したので、設定集とバカテスメンバー(オリキャラを含む)を中心とした登場人物集を上げました!

是非とも眺めて見てください!


※注意!

1.ネタバレ必須なので全ての話を見ていない方はブラウザバックか、「次の話」の所をタップかクリックして全部の話を見てから見ることをオススメします。

2.バンドリキャラについても、随時更新していきますので、是非ともお待ちください!



 

~時系列~

 

バカテス:時系列は本編の1巻→3巻→4巻という形で来ており時系列的には4巻で美波が明久の好意を自覚した後、明久の喫茶店バイト騒動(4.5巻)後。

 バンドリ!:時系列はアプリ版のメインストーリーの最初の5話までは原作通りそこから先はオリジナル。

 

~各人物の詳細設定(随時更新予定)~

 

 

・吉井 明久 cv.下野 紘

 

 文月学園2年Fクラスの男子生徒。文月学園で生徒史上初の「観察処分者」でありバカの中のバカの男子生徒。しかし誰かのためなら行動できる性格でそのせいか彼の周りには多くのバカな仲間が多くいる。

 親に仕送りをもらいながら一人暮らしをしているがその仕送りをほとんど趣味のアニメやゲームに使ってしまっているため食事は砂糖や塩など超ジリ貧生活になっている。しかし、それが親にばれてしまい、仕送り停止の危機に遭ってしまったために何とかこの状況を脱却するために喫茶店でバイトを始めたが、その喫茶店が後述の美波の件で彼を目の敵にしている清水美春の家だったため大騒動に巻き込まる。結果、そこをクビにされ、仕方なく新たなバイトを探し始める。

 

バンドリメンバーとの関係

 

 『Poppin Party!』のボーカル、戸山 香澄と『ハロー!ハッピーワールド!』のベース、北沢 はぐみと幼馴染である。よく3人で子供の頃遊んでいたが、中学校進学後はそれぞれ疎遠になった。香澄にとっては昔内気だった自分を外の世界に連れ出し、香澄が今の明るい性格になった要因となった人物であるため明久には感謝しつつ少しばかり好意を抱いている。

 

・島田美波 cv.水橋 かおり

 

 文月学園2年Fクラスの女子生徒。ドイツ出身の帰国子女で男勝りな性格ではあるものの、明久に対しては乙女な姿を見せるいわゆるツンデレである。明久に好意を寄せているものの、素直になれない場合が多く、明久のデリカシーのない発言によってはプロレス技でシメルなど武力制裁もいとわなかったが後述の騒動後はその制裁量は減り、最近はハリセン突っ込みにかわっている。

 一時期、明久の接し方に腹をたて大喧嘩するが、その際に起こったDクラスとの試召戦争後にムッツリーニが録音した明久の美波に対する本当の気持ちを偶然聞いたことで本気で明久に惚れた。その後自らの行いを反省し、明久に振り向いてもらえるように本気で努力している。

 

バンドリメンバーとの関係

 

 『Pastel✱palettes』のキーボード若宮イヴとはドイツにいた時の友人でよく遊んでいた。しかしイヴが美波より先に日本に行ってしまったため中学生になった時には疎遠になっていた。

 また『After glow』のキーボード羽沢つぐみとは彼女の住む家の隣が「羽沢珈琲店」であり、1年の頃からそこでアルバイトを始めたことによって仲良くなっていた。なので、彼女とは年の差を感じさせないほどの親密さがある。また、仲良くなった明久と対等に日本語を喋れるように彼女から美波の得意な理数系教科を教えることを条件にして日本語も教わった。明久への好意を自覚後は主に恋愛相談もしている。

 

・坂本 雄二 cv.鈴木達央

 

 文月学園2年Fクラスのクラス代表である男子生徒。なぜか、昔から異名が多い人物で、小学校時代には「神童」、中学時代には「悪鬼羅刹(あっきらせつ)」と呼ばれていた。もともと興味がないものはとことん関わらない性質だが目標ができれば達成までとことんやるタイプでもあり、士気操作もうまい。明久とは親友且つ悪友であり時に騙しあい、時に協力したりしている。

 2年Aクラス代表の才女である霧島翔子とは幼馴染らしく翔子自身からは本人は認めていないが許婚関係だとされていて、雄二のために暴走する翔子に毎回彼は手を焼いている。

 

バンドリメンバーとの関係

 

 『Roselia』のボーカル、湊 友希那と同バンドのベース、今井 リサとも幼馴染でリサからは完全に翔子関連でいじられている。友希那からは『Roselia』結成後の騒動に関して、色々相談されており、幼なじみ兼彼女の良き理解者でもある。

 

・木下 秀吉 cv.加藤英美里

 

 文月学園2年Fクラスの男子生徒(なのだが、Fクラスのほとんどの生徒からは男子として見られていない)。演劇部に所属しており、その演技力の高さから「演劇界のホープ」とも言われるが部活ばかり力を入れていたため、学力は文字通りFクラスレベルである。しかし、比較的常識人であるため、Fクラスの暴走の緩衝材にも暴走を扇動する役割も自然ながら発揮している。

 

バンドリメンバーとの関係

 

 『Pastel✱palette』のドラム大和麻弥と『ハローハッピーワールド!』のギター瀬田薫とは春の2校の演劇部合同公演で共演しており、顔見知りの関係。また、麻弥がメガネをはずすと性別が違えど秀吉と顔がすごくそっくりになる。それ関連のトラブルが合同公演時にあり、それを乗り越えたことで秀吉と麻弥はお互いに連絡し合う仲となった。それを知らない明久と美波は『Pasttel*Palette』を勧誘に芸能事務所に行った際、初めて麻弥を見た時本気で秀吉と勘違いしていた。

 薫とはその合同公演での練習で彼女が演技を披露した際に彼の実力がまだまだ足りないことを痛感させられ、彼女に超えるべき壁ということでライバル関係を結んでいる。

 

・土屋 康太 cv.宮田幸季

 

 文月学園2年Fクラスの男子生徒。エロに興味があるが他人には隠しているいわゆるむっつりスケベである。しかしかなりのウブであるため、ラッキースケベ関連に巻き込まれると鼻血を盛大に吹き出してしまう(致死量ギリギリまで出すことも)なので輸血パックを日用必需品として携帯している。

 

バンドリメンバーとの関係

 

 『After glow』の後援スタッフとして活動を支援しており、主に衣装製作を担当している。彼自身むっつりスケベと認めてないため、明久達にムッツリーニと言わせないようにしていたが、おそらく彼女たちにもバレていると思われる。なお、なぜ彼女たちの後援スタッフになったのかは不明。

 

・須川 亮 cv.後藤啓介

 

 文月学園2年Fクラスの男子生徒で文月学園の嫉妬黒頭巾集団であるFFF団の元団長である。元々、告白玉砕回数学校No.1だったため、リア充を恨むようになり上述のFFF団を結成するが、2年生になった時に、ある出来事を経験したことで突然自ら団長を辞任した。その後は勉学の傍ら、アイドルバンド『Pasttel*Pasttel』のマネージャー業をアルバイトではあるものの、こなしている。ちなみに、なぜアルバイトであるが彼女たちのバンドのマネージャーになったのは不明。また、明久に関しては、1年の時に沢山粛清していたので罪悪感があるらしく、脱退後はあまり彼と喋れていない。

 

バンドリメンバーとの関係

 

 上述のとおり、『Pasttel*Palette』のマネージャーをアルバイトではあるが務めている。白鷺千聖に無自覚であるものの好意をよせているが、自分でもこれに気づいておらず、千聖自身もリアリストであるため鈍感であり、両者の関係性はなかなか進展しないのが現状である。

 

・久保 利光 cv.寺島拓篤

 

 文月学園2年Aクラスの男子生徒で学年次席の頭脳を持つ。Fクラスに勝るとも劣らない個性派集団のAクラスの中でも比較的常識人ではあるものの一部のメンバーを除いたFクラスのメンバーには冷たい。紳士的で温和な性格であるが自分自身はバイセクシャルであり、それを自覚した当初は悩んでいたが、ある事がきっかけでのちに当時好意を抱いていた明久に告白、断られるものの彼から励まされたことでそれをオープンに認めるようになる。

 

バンドリメンバーとの関係

 

 『ハロー、ハッピーワールド!』のスタッフとしてやっており暴走する3バカをDJの奥沢美咲とともに抑える役目も担う。

 

・西野 亮二  イメージcv.内山昂輝

 

 文月学園2年Aクラスの男子生徒、Fクラスと同じくらい個性が強いAクラスの男子側での常識人である。しかし、純粋で素直なので騙されやすく、彼の天然ボケに他のAクラスメンバーが振り回されることもしばしば。さらに、無自覚な天性のドSであるため、無自覚に、相手を攻め機能停止寸前まで追い込むことが多々ある。しかし、周りが困っていたら放っておけず、自分の身を犠牲にしてもその人を救い出すことが多いため、彼を信頼している人は多い。

 

バンドリメンバーとの関係

 

 アルバイトながら『Pasttel*Palette』の後援スタッフとして働いており、なにかと事務所の方針でトラブルに巻き込まれる彼女たちを須川と共に支えている。

 また『ハロー!ハッピーワールド!』のギター瀬田薫とも同じ中学出身であるのか友人であり、中学生時代の彼女を知っているからか、今の彼女のキャラの化けの皮をはがしたがり、彼女に関して無自覚でありながらSな態度を取りがちである。

 




この項目は随時更新予定です!是非ともお楽しみにしていて下さい!

それでは、また次回!!


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プロローグ
プロローグ-1「バカが始める新たなバイト!」


バンドリにハマって、書くことにしました!
完全に前作品は怠けてしまったので、今作品は連載を続けられるように頑張ります!
それではどうぞ!


other side

 

「はぁ…結局バイトクビになっちゃった...仕送り消えたら僕の今月の食費が…というか、来月以降の生活費が・・・」

 

初夏を迎えつつある五月中旬の夕刻頃

奥様方でごった返す花咲川商店街から外れた路地を一人の少年が疲れた様子で歩いていた

彼の名は吉井明久。この地域で教育界初の試験校として有名な私立高校『文月学園』に所属している男子生徒で、かの有名なバカの中のバカの称号である『観察処分者』という栄誉ある称号を貰っている。

 

「全然栄誉な称号じゃない!」

 

メタ発言やめなさい

 

「ってなにいってるんだろう、僕は…早く次のバイトを探さないと僕の生活費が…」

 

といった形で明久が花咲川の路地をとぼとぼと歩いているととある建物が発見した。

 

「ここって、ライブハウス?まあまあ新しめだな」

 

明久が見つけた『Circle』と書かれたライブハウスはここ最近出来たようで見た目からして落ち着いた雰囲気のあるスタジオであった

 

「へぇーこんな場所にライブハウス出来てたんだ。って、感心してる場合じゃない!早く新しいバイトを・・・」

 

と、明久が家へ帰宅しようとした時、ふとあるチラシが目に止まった

 

「ん?このチラシって・・・バイト募集?って!!これは・・・!」

 

明久はそれを見るやいなやすぐにそのライブハウスに突撃していった

 

「すいません!ここでバイトさせてください!!!」

 

 

 

 

 

明久side

 

「うん。そういうことだから、仕送りをまたお願い、母さん!」

 

『まあ、バイト決まった事だし、今回の仕送りを止めるのは無しにするわね』

 

「本当に!?ありがとう、母さん!」

 

『ただし、また同じ感じだったら、最終兵器を送るからね…』

 

「えっ!\(°Д° )//母さん、やめて!それだけは…」

 

あの人が家に来たら、僕のワクワク一人暮らし生活が終わってしまうううう!!!

 

『だったら、まともな生活して、勉強をしっかりやりなさい!いいわね!』

 

「YES!マム!」

 

 

といった感じで母さんとの電話を終えた僕は深いため息をついた

はぁ~やっぱり、やりまくったゲームは売るか…でも、バイト受かって良かった~

 

 

あの突撃は結果的にはオーナーに気に入られる形で成功し、僕はアルバイトスタッフとして、明日から『Circle』でバイトすることになった

ただ、その時、僕に対応したスタッフさんにアルバイトの採用段階を踏んでないとめちゃくちゃ怒られたけど(^_^;)

ちなみに明日は朝から1日の流れを説明するといった感じで研修を半日かけてやってくれるらしい

ということで、明日は早起きしないといけないので、早速寝ようとした時

 

 

pipipipipipipi・・・

 

 

何故かこの時間に電話がかかってきた

見た感じ、親の番号ではなかった

本当は止めたかったけど、ずっとなりっぱなしは絶対寝れないので仕方なく眠い目を擦って電話に出た

 

 

 

『よう、明久』

 

 

 

すぐに電話を切って布団に入った

本当に知らない人(常識のないバカ)だったから切るのは当然だった

全く、こんな時間になんでかけてくるんだよ、明日は早起きしなきゃいけないのに…

 

 

 

pipipipipipipi・・・

 

 

 

・・・あのバカ、どれだけ構ってちゃんなんだよ

明日は早いのに・・・

しかし、このままだと絶対寝れないと思ったので、仕方なく電話に出た

 

『てめぇ、明久・・・普通は電話に出てすぐ切るなんてことしねえもんだろうが!』

 

「僕は明日朝早いんだよ、くだらない内容ならすぐ切るよ」

 

『明日が朝早い?休日はゲームするかアニメを見るかのお前がか?』

 

「明日から新しくバイト始めるの!」

 

『バカなお前がバイトだと・・・!お前頭打ったのか?』

 

「今、お金が大ピンチなの!今後の生活を僕も考えてるよ!」

 

『ゲームを売っぱらえばいい話だろ?そしたら、何とかやってけるだろうが』

 

・・・ゲームは売るよ!・・・少しだけだけど…

でもやっぱり、こういうところで心配しないのが彼らしい...やっぱり彼は友人だけど友達ではない!

 

『まあ、いい。だったらバイト頑張れよ

いずれきてからかってやるから・・・って、翔子違うぞ、俺はただ明久と話しているだけであって、決して浮気じゃ...というか服を脱ぐな!』

 

といった感じで、今電話をかけてきた僕の悪友、坂本雄二の方では彼の幼馴染兼許嫁(雄二は認めてないけど)である才女、霧島翔子さんとの痴話喧嘩が始まっていた

 

なんだ霧島さんがいるじゃないか、さては雄二、霧島さんと、話すのが恥ずかしくて僕に逃げたな…全く、雄二も素直になれば良いのに・・・

 

「まあ、雄二も霧島さんとのお話楽しんでねじゃあね雄二、また学校で!」

 

『おい、待て明久、今すぐ俺ん家きて翔子を止めてくれ!いやだから翔子、明久とはそういう関係じゃn…』ブツッ、ツーツーツー

 

二人の痴話喧嘩に介入したくないので電話を切った

 

霧島さん雄二と幸せにね

さーて寝ようかなと思って寝ようとしたとき

 

pipipipipipipipi…

 

また電話…雄二どれだけ僕にかまってほしいんだよ…

 

といった感じであきれつつも僕は電話に出た

 

「もしもし…雄二どんだけかまってほしいのさ…」

 

『ウチ、坂本じゃないんだけど…

アキ…やっぱり坂本と…』

 

なんと、かけたきたのは雄二ではなく僕の友達の一人でもある島田美波だった…

って、美波!?やばいやばいすぐに誤解を解かないと週明けの学校でやばいことに…

 

「みみみ美波!!!!????ごめんごめんごめん!てっきり雄二かと思ってさ」

 

『やっぱり坂本と電話してたのね…やっぱりそういう関係だったのね…( ;o;)』

 

「いや、だから話聞いて美波!雄二と霧島さんの痴話喧嘩に巻き込まれただけだから僕は雄二とそんな関係じゃないから!!」

 

『本当に...?』

 

「本当だよ」

 

『そうだったの、ゴメンねアキ…( ´•ω•` )私ったらまた早とちりしちゃった…』

 

「大丈夫だよ、結果的にこれは素直にならない雄二のせいだから

で?どうしたの電話なんかしちゃってさ」

 

『うん、アキ…明日って暇?』

 

「明日か・・・明日はゴメン・・・予定があってさ・・・」

 

『予定?まさか…坂m「違う違う!決してそうじゃないから!!」冗談よ』

 

だったら僕の心臓を抉るような冗談をやめて欲しいんですが…(^_^;)

 

「明日はバイトの研修が午前中いっぱいあるんだよね多分最悪お昼過ぎまでには終わるからそれ以降なら暇になると思うんだ」

 

『バイトって…あんたバイトクビになったんじゃなかったの…』

 

「なったよ・・・誰かさんのせいでね・・・」

 

『・・・ゴメン。彼女にはウチからきつく言っておくわ

でも午後暇なら家に来てくれない?』

 

「いいけど・・・美波が珍しいね家に誘うなんて」

 

『べ、別に・・・///!明日は午後からバイトで忙しくて、葉月が心配だからアキに見てもらいたいって思っただけよ!』

 

「だったら、美波がバイト先に葉月ちゃんを連れていけば解決する話じゃない?」

 

僕の意見はもっともだ

だって普通に葉月ちゃんを美波のバイト先に連れていって、葉月ちゃんも手伝えるから最悪の場合でも大丈夫だと思うんだけど・・・

 

『い、いやぁそれだとねあの・・・葉月も迷惑かけるかな…って思って・・・』

 

珍しく美波の歯切りが悪い気がする

でも、これ以上いうと、怒らせる気もするし…

僕はため息をつきながらも、美波に懐柔案を提案することにした

 

other side

 

「じゃあ、改めて自己紹介ね!私は月島まりな、よろしくね吉井くん!」

 

「は、はい!よろしくお願いします!」

 

「いい返事ね!それじゃあ、1日の流れを説明するわね!」

 

翌日、何とか出勤時間前に『Circle』に到着した明久は明久の教育係兼上司になった月島まりなにいろいろ教わっていた

彼女曰く今日はお昼すぎまで研修があるらしくその事を突撃した日にオーナーから知らされていた明久は美波に昼から美波がバイトに行くまでに美波の家に行くこと、美波のバイト先に葉月と共に顔を出すことを条件に葉月と留守番をする約束を取り付けた

二つ目の条件は少し美波が渋ったが葉月と明久が一緒に行くことで渋々認めてくれた

 

「じゃあこれで、1日の流れを説明し終えたから、吉井くん、機材の説明をしたいからミキサー用の機械を倉庫から持ってきてくれないかしら?」

 

「はい!分かりました」

 

明久は真っ先に倉庫に向かって行ったが、数分後倉庫から声がした

 

「すいませ~~ん!まりなさ~~~ん!ミキサーってどこですか~~?」

 

「?倉庫に入ったらすぐに見つかるはずよ?見つからないの?とても大きいからわかりやすいと思うけど・・・?」

 

「そんなに大きいんですか~~!!??そんなにジュースとか早く無くなるんですか~?」

 

ここでまりなは違和感を覚えた

まりなが言った()()()()は音楽を出すための機械だ

まさかと思い、まりなはやはり見つからずまりなに頼ろうと戻ってきた明久に訪ねた

 

「吉井くん?あなたが探そうとしているのって、ジュースを作る方のミキサーのことかな?」

 

「えっ!?Σ(⊙ω⊙)ミキサーってジュース作るもの以外にあるんですか!?」

 

まりなは頭を抱えた、そして察した

これは1から叩き込まないとヤバいことになると・・・

 

こうして、明久の前途多難のバイトが幕を開けたのだった




はい、バンドリ要素がほぼ無いという・・・(^_^;)
でも次回からどんどん、バンドリキャラを出して行きたいと思います!

次回、プロローグ2「バカと私服とお留守番!!」

お楽しみにしててください!
書き上がり次第投稿します!!!


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プロローグ-2「バカと私服とお留守番!」


はいプロローグの第2話です!

今回なんですが、少し長めになってしまったので思いきって、二つに分けることにしました!
なので、前話の次回予告タイトルと、今回のお話のタイトルが全く違います!そして今回は少し短い上にまたバンドリキャラが出ません!!
これは本当にすいません!!
それでもいい方はどうぞ最後まで楽しんでってください!!



 

other side

 

 

「と、いうわけで今日はお疲れ様!どうだった?これからやっていけそうかな?」

 

 

「大丈夫です!機材の名前をまだ覚えきれてないですけど・・・何とかなりそうです!」

 

 

あのミキサー事件(?)の後、まりなのマンツーマンでなんとか研修を終えた明久は彼女の労いで飲み物を奢って貰っていた

 

 

「そう、良かった!でも、早く機材の名前とその性質は覚えてね!そうしないと、みんなに迷惑かかっちゃうから」

 

 

「分かりました!ありがとうございます!」

 

 

こうしてまりなとの会話を終えた明久は昼過ぎにバイトを上がり近くのコンビニでゲームを売ったことで手に入れたなけなしの金で昼飯を買い、美波の家に向かった

 

 

明久 side

 

 

僕はバイトを上がったあとその足で美波の家に行った

美波の家には初めて行くから、と昨日美波に話したら、電話後、PINEにあげてくれた地図が大いに役立ち、僕はスムーズに美波の家に行けた

 

 

「ここが美波の家・・・」

 

 

いかにも普通の家なのに、いざ立ってみると緊張する自分がいた

いやいやいや!なんで緊張してんの僕!?女の子の家だけども!美波の家だけども!!

こんなに女の子の家に行くことって緊張する事だったっけ?

といった感じで僕がどきまぎしていると

ガチャリとドアの開く音がした

 

 

「あっ、アキ来てたのね来てたならインターホン押してくれれば良かったのに・・・」

 

 

と言って出てきた美波を見た瞬間僕は目を見開いた

私服の美波を初めて見たのだがその服装はとても似合っておりなんて言えばいいのか分からず言葉に詰まってしまった

 

 

「い、いやぁ・・・本日もお日柄もよく・・・ええっと・・・その・・・」

 

 

「どうしたのアキ?ウチになんか付いてるの?じっと見て・・・」

 

 

「い、いやぁ・・・」

 

 

もうこれは、言うしかない!言え、言うんだ!男、吉井明久よ~~!!!

 

 

「・・・美波の私服初めて見たから・・・とても似合ってて・・・でも、なんて言おうかと思って・・・///」

 

 

「つっ・・・!!///あ、ありがとう・・・アキ・・・///」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・いつも、サバサバしてたから中々女の子っぽい私服も着るんだね!!びっくりしたよ!」

 

 

刹那、寒気が僕を襲った

あ、あれ~~?おかしいな~~?僕は本心を言っただけなんだけど、なんで美波の後ろからどす黒いオーラが出てるんだ~~?

 

 

「ア、アキのバカ~~~!!!///」バシン!!!

 

 

「ヘブゥ!!!!!」

 

 

僕は美波に顔面に巨大なハリセンを喰らい意識を手放した

 

 

 

せっかくアキが来るって言うからバイトだけどアキのためにとっておきの服着たのに・・・///

 

 

 

気を失う直前美波が何か言っていた気がしたが何を言っているのか分からなかった

 

 

―—―――

 

 

あれから数分後に目覚めた僕は美波に妹の葉月ちゃんを紹介された

その時、葉月ちゃんが僕のことを知っており「バカなお兄ちゃん」と呼ばれてることと、僕が観察処分者になった事件のきっかけとその真実を暴露され、美波と共に赤面する結果となったが、美波は葉月ちゃんを託しバイトへ向かった

 

 

「じゃあ、葉月ちゃん一緒に遊ぼうね

で、何して遊ぼうか?」

 

 

「はい!バカなお兄ちゃん!葉月はごっこ遊びがしたいです!」

 

 

「おっ、いいね!それ

じゃあ葉月ちゃんその遊びに必要なものを持ってきてくれない?」

 

 

「はーい!」

 

 

美波の家に入ると美波のバイト先へ行くまでの時間、葉月ちゃんと彼女が提案したごっこ遊びをやることにした

やっぱりちっちゃい子は本当に可愛いなぁー見ててほのぼのする・・・こういう癒しが常日頃欲しいよ・・・

そう、考えてると元気よく遊びに使うものを取りにいった葉月ちゃんが戻ってきた

 

 

「これから葉月とお医者さんごっこするです!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故かぶかぶかのナース服を着て・・・

 

 

「・・・葉月ちゃん、このごっこ遊びじゃなくて、別のやつをやろう」

 

 

「え~~!なんでですか?」

 

 

「この遊びはね葉月ちゃんがする遊びじゃないんだ」

 

 

「でも、お姉ちゃんはいつも夜寝る時はそれ着て抱き枕で寝てるです」

 

 

美波はなんてもの着て寝てるんだ~!!!

いや普通はパジャマでしょうが!!

 

 

「そういえば、抱き枕にバカなお兄ちゃんがいたです!お兄ちゃん一緒にいて苦しくないんですか?」

 

 

 

 

また物騒な言葉聞いたなぁ~

それって完全に僕がプリントされた抱き枕だよね

ムッツリーニまだそれ売ってたのか~!!

早く売るのを差し止めしてもらわないと!!

というか何で美波は僕の写真の抱き枕を抱えて寝てるんだ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・あっ、そうか・・・サンドバックか・・・最近はめっきり減ったけどやっぱり日々の鬱憤を毎晩晴らしてるのか

まぁ、しょうがないよね・・・僕が美波に対してやった失礼なことは沢山あるし・・・

 

 

「・・・?

バカなお兄ちゃん、どうしたですか?何かお顔暗いです・・・」

 

 

「・・・・・・大丈夫だよ、葉月ちゃん

ちょっと考え事してただけだから

じゃあ、お医者さんごっこ以外の遊びしようか!」

 

 

「ん~~・・・じゃあ葉月ぬいぐるみで遊びたいです!」

 

 

「分かった、じゃあぬいぐるみで遊ぼうか!」

 

 

「はーい!!」

 

 

やっぱり、美波には謝ろう

今までやってきたこと全て

それでも友達でいてくれるか分からないけど、これは僕のけじめだ

 

 

 

 

僕はそう心に言い聞かせながら美波のバイト先に行くまでに葉月ちゃんと遊んでいた

 

 




プロローグ第3話は今日中に投稿しますので、お楽しみに!

次回!プロローグ-3「バイト先に来ちゃった!!」


そしていよいよ、バンドリキャラが登場です!!

えっ、ヒント・・・?仕方ないなぁ~

ヒントは【ブシドーの子】と【頑張ってる子】

誰か予想して見ててください!


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プロローグ-3「バイト先に来ちゃった!!」

さて、プロローグ第3話です!!
今回ようやく、バンドリキャラ登場です!!
といっても登場するバンドリキャラは2人のですけどね・・・
バンドリキャラ達が明久達とどういう絡みをして、どのような科学反応を見せるか?
楽しみにご覧下さい!!


明久side

 

 

時刻は午後三時を回る頃、僕と葉月ちゃんは二人で美波のバイト先である喫茶店に来ていた

 

 

「ここか・・・美波がいる喫茶店って・・・」

 

「そうです!葉月もここで何回かお手伝いしたことあるです!」

 

 

その喫茶店はモダンチックな外見で昔ながらの喫茶店の雰囲気を醸し出している

そして屋根には『羽沢珈琲店』と書かれた看板が掲げら

れていた

 

 

「そうなんだ・・・ええっと・・・『はねさわ』・・・?」

 

「『はざわコーヒーてん』です!」

 

「あっ!そうそう!それそれ!一瞬ド忘れしちゃった!アハハ・・・」

 

 

葉月ちゃんに訂正されちゃったよ・・・恥ずかしいというより情けない・・・早く入ろう・・・

僕は葉月ちゃんを連れて喫茶店に入っていった

 

 

「ヘイラッシャイ!何名サマでしょうか!?」

 

 

すぐに入口の扉を閉めた

うんこれで確信したここは単なる喫茶店じゃない

 

 

「バカなお兄ちゃん、なんで入らないんですか?」

 

「葉月ちゃん、ここは喫茶店じゃないよ・・・どちらかというとお寿司屋さんじゃないかな?」

 

「え?でも、ここは喫茶店ですよ?」

 

「じゃああれだ、この時間帯だけお寿司屋さんになるんだよ!ここだけカウンター専用のお寿司屋さんになるんだ」

 

「へぇ~そうなんですか!?」

 

「んなわけないでしょ!!!!」バチン

 

「アベシ!!」

 

 

僕の葉月ちゃんへの解説に対して美波のハリセンツッコミが響く

い、痛い・・・

 

 

「美波・・・何で喫茶店に寿司屋があるのさ?」

 

「ウチが聞きたいわよ!そんなの!ここは正真正銘喫茶店なの!」

 

「じゃあ、何で『ヘイラッシャイ!』が聞こえるのさ・・・?」

 

「完全にイヴだわ・・・」

 

 

美波は頭を抱えた、葉月ちゃんはその『イヴ』って名前の人を知っているのか喜んでいる

というか『イヴ』ってどうやって漢字書くんだ?「・・・イヴはハーフの子よ」

しれっと僕の心を読まないでよ美波・・・

 

 

「どうしたんですかミナミちゃん?」

 

 

僕が心の中で美波にツッコミをしれっと入れた時僕らのところに一人の少女が駆け込んできた

その子は銀髪で水色の瞳をしていて、まるでお淑やかなお嬢様のような出で立ちであった

バカな僕でも1発でハーフの子だと分かる

なるほどこの子が美波が言ってた『イヴ』さんか・・・

 

 

「あっ、イヴ!また寿司屋の掛け声で『いらっしゃいませー』って言ったでしょ!?ここは喫茶店だから普通の挨拶でOKって何度も言ってるじゃない」

 

「あっ、そうでした反省デス・・・次からは気をつけマス・・・」

 

「まぁ・・・そこまで咎めてないけどね

ほら、笑顔でいきましょ!暗いとお客さんも暗くなっちゃうからね!」

 

 

ここまできっちり注意する美波を初めて見た気がする、しかもちゃんと励ましてるし・・・こういう他人の気持ちを思いやることにやっぱり美波は長けているんだなぁと思ってしまった

 

 

「はい!ガンバります!

・・・ん?ハヅキちゃんですか、お久しぶりデスね!」

 

 

ここで『イヴ』さんが僕らにに気づいた

 

 

「お久しぶりです!ブシドーのお姉ちゃん!今日もブシドー頑張ってますか?」

 

 

どうやら葉月ちゃんも彼女を知ってたらしくとても仲睦ましい姿を見せてくれた

というか『ブシドーのお姉ちゃん』か・・・

『ブシドー』ってあの『武士道』だよね?今の世の中で武士道の考えで生きてる人って少ないような・・・

 

 

「うん、頑張ってますよ!日々ブシドーです!

ところであなたは?」

 

 

といったところで『イヴ』さんが僕に気づいた

・・・?なんだろう・・・?恐らく普通のハーフの子なんだろうけど何でこんなにも彼女の存在感を大きく感じるのか不思議でしょうがなかった

って思ってる僕も結構緊張してるし・・・

 

 

「あっ、ど、どうも・・・島田・・・美波・・・さんのクラスメートのよ、吉井・・・明久です!」

 

「アキヒサさんですね!私は若宮イヴです!ミナミちゃんとはドイツにいた時に友達でした!よろしくお願いします」

 

 

・・・意外だったイヴさんが美波と幼なじみだったとは

でもやっぱり見たことあるんだよな・・・どこで見たっけ?

 

 

「・・・・・・よろしくねイヴさん!

でも、びっくりしたよ~美波と幼なじみだったなんてね」

 

「はい!ミナミちゃんとはドイツにいた頃から沢山遊んでました!」

 

 

イヴさんは本当に話しやすいと感じた

なんか友人間のトラブルでも頑張って解決している気がする

ただ・・・美波がなんかこっちを見ている気がするんだけど・・・気のせい?

 

 

「でも羨ましいです・・・」

 

「ん?何で羨ましいの?」

 

「だって、アキヒサさんはミナミちゃんのボーイフレンドなんですよね?」

 

 

すごい爆弾発言が降としてきた

ってボーイフレンド・・・『男友達』って意味で大丈夫だよね?

 

 

「な、なに言ってんのよイヴーーーーー!!!!!!//////////」

 

「?・・・私は『男友達』の意味でボーイフレンドといったのですが?」

 

「日本以外ならそういう意味が強いけど日本では全くもって別の意味になるのよ~!!!////」

 

 

あっ別の意味あったんだ知らなかった・・・

 

 

「別の意味でも、ミナミちゃんにとってはアキヒサさんはボーイフレンドですよね?」

 

「まだそんな関係じゃないわよ!///」

 

「え~でもお姉ちゃんいつもナース服着てバカなお兄ちゃんと一緒に寝てるですよ」

 

 

今度は葉月ちゃんが爆弾落とした

って、葉月ちゃんまだ僕の抱き枕を僕自身と勘違いしてるし・・・

 

 

「はわわわわ!!!/////ほ、本当ですか!?

ミナミちゃんアキヒサさんともうそこまで・・・」

 

「いや、いってないからね!葉月もなんてこと言ってんのよ!!!///」

 

 

葉月ちゃんの発言を真に受けて僕と美波を交互に見ながらオロオロしているイヴさんとその発言で顔を真っ赤に染めながら否定する美波、そしてこの二人を見て不思議そうに首を傾げる葉月ちゃん・・・

 

何この可愛い天使たちは・・・

 

 

「・・・でも、お姉ちゃん羨ましいです・・・葉月もバカなお兄ちゃんとお医者さんごっこしたかったです・・・」

 

 

刹那、美波の背後から数時間前に見たあのどす黒いオーラがまた現れた・・・って、葉月ちゃん結局あの遊びやりたかったの!?

って思ってたそばから美波が巨大ハリセン持って近づいてきた・・・!!!

 

 

「アキ・・・?一体、葉月に何の遊びをさせようとしたのかしら?」

 

「いや、あのね美波!?僕からやろうって言った訳じゃなくて葉月ちゃんが遊びたいって言っててね・・・!!」

 

「言い・訳・無・用!!!!」バチコ-ン!!!

 

「アベシ!!!!」

 

 

理不尽って言葉があるけど、久しぶりに僕はそういうシチュエーションになった気がする僕はそう思いながら本日2度目の意識を手放した

 

 

 

意識を手放す直前、スカートからチラリと現れた黄色の下着を見れただけでも神様に感謝しておこう・・・

 

 

ウチだけを見てなさいよね・・・////アキのバカ・・・/////

 

 

other side

 

 

少し時を遡り、明久が美波にぶっ飛ばされる前の『羽沢珈琲店』店内では・・・

 

「すみません、ブラックコーヒー1つ!」

 

「こっちにも!」

 

「こっちにもくれ!!」

 

「は~い!!しばらくお待ちください!!」

 

ただ1人、店内でブラックコーヒーの注文を受け続ける店の一人娘である羽沢つぐみの姿があった

 

「はぁ、はぁ、はぁ、もう美波さんもイヴちゃんも早く戻って来ないのかな?

父さんブラックコーヒー3つ追加で!」

 

「分かった!」

厨房ではつぐみの父と母がフルスロットルで厨房のバイトさんと共に働いていた

 

「でもお父さん、なんでこんなにもブラックコーヒーの注文が多いのかな?」

 

「・・・つぐみは気にしなくて良いよ、とりあえず早く2人を連れて戻ってきなさい」

 

「うん分かった、このコーヒー届けたら連れて戻ってくるね」

 

そう言ってつぐみは店内へ消えていった

 

コーヒーを配ったあとつぐみが二人を連れ戻そうと店の入り口へ行ってみるとイヴがハリセンで明久を気絶させた美波を正座させて叱っており、明久は気絶していて、それを起こしている葉月の姿があった

 

後につぐみは語る・・・

 

何このカオス・・・?





いかがでしたでしょうか?ちなみに美波が巨大ハリセンで明久に制裁を与えるシーンは、めちゃイケの某サイコロを使ったゲームが元ネタです
多分知ってる人は知ってるはず・・・

次回本編開始です!
書き終わり次第投稿するので気長にお待ちください!







パスパレライフが面白過ぎてますますパスパレが推しバンドになってもうみんな可愛過ぎてもう・・・


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バカと5組のガールズバンド!
第1話「再会しちゃった!!」


2週間ぶりの投稿です!

この2週間でまさかのUA1000越えを果たし、もう完全に前作品以上の評価を頂いたので頑張り過ぎました(^_^;)
まさかの7000字越えという本編1話で新連載の漫画の第1話ぐらいのボリュームになってしまいました
でも、バイトや課題が多く、その合間を縫って書いたので今回の力作是非ともご覧下さい!

なお今回はバンドリのあるバンドが出ます!まぁ、本編見れば分かるはずです!


other side

 

あれから3週間がたち明久は順調にバイトをこなしていた。

基本的に土日にバイトを入れているので週末にライブが多いライブハウスは大忙しになるのだが去年の暮れから観察処分者の特権である教師の雑用を多くこなしてきた明久にとっては初めは少し大変だったが慣れればそこまで苦痛ではなかったらしく楽しく仕事をしていた。

そして今日もまた、明久は『Circle』へとバイトでやってきた。

 

 

「まりなさん!お疲れ様です~!」

 

 

「あっ、お疲れ!吉井君、今日も出勤ご苦労さま!あれっ?その子は?」

 

 

バイトに来た明久に声をかけたまりなはすぐに違和感に気づいた。

そう明久が人を連れてきたのだ、しかも女子だった。

もうこの時点で察しがつく人はつくだろう。

 

 

「ああ!この子は僕のクラスメートです!」

 

 

「こ、こんにちは!アk・・・吉井明久君のクラスメートの島田美波と言います。

よろしくお願いします!」

 

 

そう、美波は明久のバイト先の上司であるまりなに自己紹介した。

いったいどうして美波が「Circle」にいるのか・・・

話は1日前に遡る・・・

 

 

______

 

 

明久side

 

 

一日前、というか昨日の事だった。

僕の通う高校、文月学園の2年Fクラスは今日も担任の鉄人の補修を受け・・・バシン!

 

 

「アベシ!!」

 

 

鉄人から教簿で叩かれた・・・痛い・・・

 

 

「西村先生と呼べバカ者」

 

 

「・・・僕一言も言ってませんが?」

 

 

「お前の顔はわかりやすいからな」

 

 

だったら僕の表情からモノローグの内容を読まないでください・・・

 

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

 

 

「よし、今日はここまでとする。みんな気をつけて帰るように!」

 

 

よ、ようやく終わった~

僕は鉄人の鬼の補修が終わりを告げたことに安堵し深いため息をはいた。

 

 

僕らFクラスの担任である鉄人こと西村先生。

 

彼は文武両道を具現化した存在と言われるほどの教師でそのバカでかい体格は大学時代からやっていて今も趣味としているトライアスロンの賜物だそうだ・・・でも僕らは何とか反抗する日々を送っている・・・そんなにたくさん勉強したくないからね・・・

 

 

「よう明久」

 

 

「あっ、雄二」

 

 

すると、僕の悪友でこのFクラスの代表、坂本雄二が話しかけてきた。

えっ、なぜまた彼を紹介したって?それは気にしない、気にしない・・・

 

 

「そういえば雄二、ここ最近やつらの襲撃が少なくなってない?」

 

 

そう、ここ最近になって、やつら、FFF団の襲撃がめっきりなくなってしまったのだ。

ちなみにFFF団は簡単に言ってしまうと非リア充の集まった団体だと思ってくれればいい。

 

 

「まあ、そうだろうな・・・あいつらのトップ2が最近動いてないしな・・・さらに言ってしまえば、彼ら以外のメンバー全員があるバンドに今ガチではまっているからな」

 

 

「?あるバンド?何それ?」

 

 

「明久知らないのか?パスパレだよ!Pasttel*palettesさ」

 

 

確か名前だけ聞いたことがある・・・最近出てきたアイドルバンドだっけ・・・でも普通のアイドルとは思えないほどの演奏をするバンドとも聞いている。

まさか、このクラスにもファンがいたとは・・・

 

 

「へぇーそうなんだね・・・でも、それでFFF団が動いてくれないだけでも助かるよ・・・安心して1日を過ごせるからね・・・」

 

 

「まぁ、俺にとっては試召戦争であいつらが足を引っ張ってくれなければそれでいい」

 

 

試召戦争、正式名称『試験召喚戦争』である、この戦いはこの文月学園で導入されている試験召喚獣システムを使って行うクラス対抗戦のことで、戦争に勝てば、恩恵を多く受けられるが負けるとまあまあな被害が被る戦いなのだ。

まあ、バカの巣窟と呼ばれるFクラスの代表の雄二からすれば、戦争を勝つ為にもモチベーションの低下を防ごうとはしてるようだけどね・・・

 

 

「ところで、話は変わるが、少しお願いをできないか?」

 

 

「ん?どうしたの、雄二?」

 

 

「・・・良ければの話なんだが、今日明久の家に泊めてくれるか?」

 

 

「・・・霧島さんから逃げるため?」

 

 

「なぜ分かった!!!???」

 

 

「いやそれ以外にある?普通・・・

いい加減雄二も素直になりなよ、早く叫んじゃえば?霧島さんへのモーレツな愛をさ」

 

 

「何で叫ぶ必要がある!?だいたい、俺は翔子の幼なじみなだけで別にそういう意識は全く無え!!」

 

 

もう・・・全く素直じゃないんだから・・・あの人が背後にいるのに全く気づかず建前を言えるなんてある意味すごいよ雄二は・・・

 

 

「へぇ・・・だそうだよ霧島さん!」

 

 

「・・・ありがとう吉井・・・」

 

 

「!!!しょ、翔子!!??いつからいた!?」

 

 

「雄二が吉井にお願いをするところから」

 

 

「ほぼ最初からじゃねーか!!」

 

 

といった感じで、雄二と彼の許嫁であり、この文月学園の2年生の中でも1番頭のいいAクラスの代表である霧島翔子さんの間でいつもどおりの痴話喧嘩が始まった。

全く早く雄二も早く素直になればいいのに・・・こんなに雄二に尽くしてくれる美少女なんてなかなかいないよ?

 

 

「・・・ということでいまから私の家に雄二も行く」

 

 

「いやまて翔子、いったい俺が翔子の部屋に行ったら俺はどうなる?」

 

 

「・・・そんなこと聞くなんて雄二・・・エッチ///」

 

 

「どうしたらそういう考えになる!?

というか俺はもう家に帰るからな!?」

 

 

「・・・逃がさない・・・!」

 

 

といった感じで痴話喧嘩の後は雄二と霧島さんの追いかけっこ(逃走中)始まるのであった。

その様子を見送ると僕は家に帰るために準備を始めたすると・・・

 

 

「ねぇアキ、明日ってバイトってあるの?」

 

 

美波が来て明日の予定を尋ねてきた。

 

 

「明日は普通にバイトあるけど・・・

どうしてそれを聞くのさ?」

 

 

「いや、アキが3週間前にウチがやってるバイト先に遊びに来たでしょ?

その日の夜も一緒に入れて楽しかったし・・・///だから明日は逆にウチがアキのバイト先に遊びに行こうかな?って思ってね」

 

 

確かに、3週間前は僕が美波の妹の葉月ちゃんと一緒に美波のバイト先である『羽沢珈琲店』に行ったし、そこで知り合った美波の幼馴染であるイヴさんと美波のバイトが終わった後に4人で美波の家に行って夕飯をご馳走になった。その時「今日のお礼をする」とは言ったけどまさかこんな形でお願いされるとは・・・

 

 

「いやでも良いの?明日のバイトはライブがないし、そういう日はやること自体少ないから美波はつまらなくならないかな?」

 

 

そうなぜか明日はたまたまいつもあるはずのバンドライブが1日中ないのである。

なので明日はやる仕事がまりなさんいわく平日の昼間の仕事風景と変わらないらしい。

つまり、まあまあ暇だということである。

 

 

「いいわよ、それでもアキのバイト風景を見たいのよ!」

 

 

「いやでも・・・」

 

 

僕は少しためらってしまった。

実をいうと、僕の上司であるまりなさんは恋愛沙汰には特にうるさく前にも僕のバイト仲間に恋のうわさが立った時にまりなさんが彼を質問攻めさせたらしいのを別の先輩から聞いていた。

だから美波連れてったら確実に質問攻めされてしまう~~!!!

 

 

「・・・・・・ダメ?///////」

 

 

「・・・・・・明日、13時ぐらいに出勤するからその30分前に集合で大丈夫?」

 

 

「うん!!ありがと!アキ!!////」

 

 

美波の上目使いの涙目に勝てなかった・・・

何でいつもハリセンツッコミしてくるのに何でこういう時に限って可愛いく見えてしまうのだろうか・・・?

天性の小悪魔なのかな?

 

 

そして今日の美波の自己紹介に至るのであった。

 

___________

 

 

「・・・といった感じで彼女が見たい僕のバイト先を見たいっていって連れてきちゃいました」

 

 

「そうなの・・・」

 

 

僕の説明が終わるとまりなさんは思案顔になり、僕と美波を見渡したのちに口角を上に上げながら僕に近づいてきて・・・

 

 

「おうおうおう!吉井君やるじゃん!!まさか彼女を連れてくるなんて!!」

 

 

思いっきり僕の頭を髪がわしゃわしゃするほどかきむしりながら僕をからかってきた。

というか、彼女って・・・///僕と美波はそんな関係じゃないですって!!///

 

 

「・・・///」

 

 

美波は美波で今のまりなさんの発言で固まってしまって口をパクパクさせてるし・・・

 

 

「か、彼女って・・・ち、違いますよ!!!美波とはただの同級生ですってば!!」

 

 

「お~!!名前でしかも呼び捨てで呼んでるじゃん!!これはこれは・・・」

 

 

なんかまりなさん感心してるし・・・

 

 

「いや本当にただのクラスメイトなだけですって!!!」

 

 

「本当に?」

 

 

「本当です!!」

 

 

「そう、ならそうしておきましょう♪」

 

と言いながらスキップしてまりなさんは美波のもとへ向かって何か耳打ちしていた。

 

 

それを聞いた瞬間美波の顔がゆでダコのように真っ赤になっていた・・・。

なんか恥ずかしいことでも言われたのかな?

 

_________

 

 

other side

 

その後、美波に眺められながら明久は順調にバイトをこなしていき、今はまりなと共にカウンターで受付をしていた。

と言っても、人がいない閑散の時間帯のためなかなか暇であった。

 

 

「あっ、そう言えばまりなさん。()()()()って今どのくらい進んでるんですか?」

 

 

「?あの企画って何なのアキ?」

 

 

「実は、このライブハウスでガールズバンドだけのライブフェスをやろうと考えているんだけどねこれが中々ね・・・」

 

 

明久の話の内容に疑問を持った美波の質問をまりなが明久の代わりに説明した。

何とこのライブハウスは、知名度向上のためにまりな主導でガールズバンド限定のライブフェスを計画しておりちゃっかり明久もそのメンバーに入っているのだが、いかんせん知名度が低い故、中々参加バンドが見つけられていないのが現状であった。

 

 

「へぇーそうなんですね、なんか解決策はないんですか?」

 

 

「それがあったら苦労してないよ美波・・・」

 

 

「あっ、そうか・・・なんかすいませんまりなさん」

 

 

明久の指摘に美波はバツが悪そうな顔をしてまりなに謝罪した。

まりなの方はあまり気にしてなかったらしい

しかし、何か思いついたのか美波に話しかけた。

 

 

「そうだ!美波ちゃん、私たち3人で解決策を話し合わない?」

 

 

それはまりな、明久そして美波の三人で解決策を出すことであった。

 

 

「わ、私もですか!?」

 

 

「ま、まりなさん何言ってんですか!?

美波はこういうバンド系の知識は疎いと思うんですけど・・・?」

 

 

「それを言うなら吉井君もでしょ・・・まあ、完にこのライブハウスの関係者とは無縁の美波ちゃんからの意見は第三者からの意見になるから参考になると思うんだ!ほらよく言うじゃん『三人寄れば文殊の知恵』ってね!」

 

 

「・・・分かりました!私も解決策考えます!」

 

 

「ありがとう!じゃあ、解決策考えましょ!」

 

 

「はい!アキ!一緒に頑張ろう!」

 

 

「・・・分かった、美波がやるんならやろう!」

 

 

「決まりね、じゃあ誰か意見ないかしら?」

 

 

「って、意見を言いたいところなんですが、すいません・・・トイレ行ってきます!!」

 

 

「えっ、ちょっとアキ!!・・・もう!肝心な時に空気読めないんだから!!」

 

 

「まあまあ・・・、だったらふたりで話し合い始めちゃおうか!」

 

 

「・・・そうですね、ふたりで先にやっちゃいますか!」

 

 

明久の不安という名の反対もあったが、まりなの説得もあり結局美波も参加して解決策の話し合いが行われるはずだった。だが、明久がトイレに行ってしまったため、結局、美波とまりなのふたりで話し合いが行われようとしていた。

 

 

「こんにちは~~~~!!!」

 

 

いきなり、『Circle』の扉が開かれ、ある少女が入ってくるまでは。

 

 

_________

 

 

「えっ!?だ、誰!?」

 

 

「私、戸山香澄って言います!はじめまして!!」

 

 

自然にはできないであろう髪の毛の猫耳の生えた茶髪で紫色の瞳をした戸山香澄と名乗った少女は高らかにまりなと美波に挨拶をした。

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・やっと香澄に追いついた・・・全く本当に言うこと聞かねー奴だな

ちょっとは人の話を聞けっての!!」

 

 

呆気に取られている二人をよそに遅れて『Circle』に駆け込んで来た4人の少女の中で金髪でツインテールの少女が香澄に注意していた。恐らく、香澄という名の少女がこのライブハウスを見つけて一目散に駆け込んで来たのだろうとまりなは推測した。

 

 

「あっ・・・あはは・・・すいません・・・この子が急におじゃましちゃって・・・すぐに帰りますから」

 

 

「だ、大丈夫よ、気にしてないから」

 

 

そして、その子がまりなたちに気づくとすぐに口調を変えて二人に謝罪した。

世間体を気にする子なのかと感じた美波は自然と彼女を気遣っていた。

 

 

「香澄ちゃんだっけ?背中に背負っているのってもしかしてギター?」

 

 

「はい!私たちここにいる5人で『Poppin’Party』ってバンドを組んでいるんです!」

 

 

「へぇー、あなた達がそうなんだ!」

 

 

「練習の終わりにこのライブハウスを見つけたので突撃してみました!!キレイでカッコイイライブハウスですね!」

 

 

「ふふっ、ありがとうね!」

 

 

「・・・というか私たち、自己紹介した方がいいんじゃないかな?」

 

 

香澄とまりなの会話を止めるかのように、今度は薄ピンクの髪を後頭部の上部に纏めあげた青い瞳をした少女が改めて自己紹介を提案した。香澄は自己紹介をしたと主張したが、すぐに金髪のツインテール少女にツッコまれたため改めて香澄を含めた5人は自己紹介することになった。

 

 

「さっき香澄からもありましたが、私たち5人で『Poppin’Party』ってバンドをしてます。私はドラムの山吹沙綾です。よろしくお願いします」

 

 

「花園たえです。リードギター、してます」

 

 

「市ヶ谷有咲です。キーボードです」

 

 

「牛込りみです!えっと・・・ベース担当です!」

 

 

上から自己紹介を改めて提案したドラム担当の山吹沙綾、なんか不思議な雰囲気のあるリードギターの花園たえ、香澄にここまでもう2回もツッコミを入れ、美波に気遣われたキーボードの市ヶ谷有咲、そして引っ込み思案さを感じさせるベースの牛込りみの順番でそれぞれ自己紹介した。

 

 

「ほら、香澄もちゃんと自己紹介しろっ!」

 

 

「はーいっ!改めて、私は戸山香澄、ギターでボーカルですっ。キラキラ、ドキドキしたいって思った時に、このランダムスターに出会って・・・みんなでバンドを組むことにしました!バンドは毎日楽しいです!」

 

 

そして、有咲に急かされた香澄が最後に改めて自己紹介した。

 

 

「うんうん。やっぱり女子高生は元気があっていいね~!私は月島まりな。まりなとかまりなさんって呼んでくれると嬉しいな!ここのライブハウスのスタッフをしてるんだ。実は、もうひとりバイトなんだけどスタッフがいるんだけど」

 

 

「その人ってまりなさんの隣にいる人ですか?」

 

 

まりなも自己紹介し、軽くもうひとりのスタッフである明久の存在をほのめかすと沙綾がそのスタッフが美波と予想し、訪ねてきた。

 

 

「いやいやいや、ウチじゃないわよ。私は島田美波、ここでアルバイトしている人の友人よ。私もその人のバイトの様子を見たくて今日初めてここに来たから」

 

 

「えっ?・・・じゃあそのアルバイトの人って・・・?」

 

 

「すいません、まりなさん。ただいま戻りました!!」

 

 

美波が自己紹介を含めて沙綾の予想を否定したため、りみがそのスタッフはいったい誰なのかと疑問に思っていると、ナイスタイミングと言った感じでそのアルバイトスタッフである明久がトイレから戻ってきた。

 

 

「・・・!!!」

 

 

「あっ、吉井君ちょうどいい所に!」

 

 

「もしかして、その人がまりなさんの言う・・・?」

 

 

いきなりの新たな人物である明久の登場に沙綾はこの人が例のもうひとりのスタッフと予想し、質問した。

 

 

しかし、この時香澄がここにいた誰よりも彼の登場に驚いていたことに誰も気づいていなかった。

 

 

「そう、彼がこの『Circle』に最近入った、アルバイトスタッフの・・・「アキ兄!?」・・・!?」

 

 

よっていきなりの香澄の発言に誰もが驚くことになった。

 

 

「か、香澄・・・?」

 

 

「アキ兄!?アキ兄だよね!?ほら、私、覚えてる?」

 

 

いきなりの香澄の発言に対する有咲の指摘を無視し、香澄は明久に近づいていき質問していた。流石の明久も最初は呆気に取られていたが、ふと何かを察したのか口を開いた。

 

 

「もしかして、香澄ちゃん?」

 

 

「・・・!!うん・・・、そうだよ・・・香澄だよ・・・!」

 

 

「やっぱり!!久しぶりだね、香澄ちゃん!!」

 

 

「うん・・・、あ、き、に、ぃ・・・会いたかった・・・会いたかったよ~!!!!!」ガシッ

 

 

「ええっ!ちょ、ちょっと香澄ちゃん!!何してんの!?」

 

 

「アキ兄ーー!!アキ兄ーー!!」

 

 

「・・・もう・・・全く香澄ちゃんは・・・」

 

 

何かのタガが外れたのか、香澄はいきなり明久に抱きつき、大粒の涙を流しながら、顔を埋めて泣き出した。

 

 

「ちょっと、香澄!!何やってんだよ!!その人が困ってんだろ!!抱きついてないで、早く離れろ!!」

 

 

「そ、そうよ!アキに迷惑がかかるでしょ!離れなさい!」

 

 

「・・・大丈夫だよ、二人とも」

 

 

「「えっ?」」

 

 

突然の香澄の行動に、また変な風に暴走したと勘違いした有咲といきなり明久に抱きついてきて少し嫉妬した美波が香澄を引き剥がそうとするが明久が二人を止めた。

 

 

「久しぶりに再会して、多分感極まっただと思うから、スッキリするまでこのままにさせてあげようよ」

 

 

「・・・でも良いのアキ?アキ自身が迷惑じゃない?」

 

 

「迷惑だったらその子にちゃんと説明するさ。僕は大丈夫だから心配しなくていいよ美波」

 

 

「なら、いいけど・・・でもアキはどんな子にも優しすぎよ」

 

 

「・・・それは褒め言葉として受け取っていいのかな?」

 

 

「どっちでもいいわよアキのバカ!優しいのは私だけにしなさいよ・・・///

 

 

「あはは・・・酷いなぁ・・・でもなんか他に言わなかった?」

 

 

「・・・!!な、何でもないわよ!!///」

 

 

「??・・・ならいいけど・・・」

 

 

「なんかすいません。うちらの香澄が迷惑かけて・・・」

 

 

「大丈夫だよ、僕はこういうのは慣れてるからね」

 

 

そう言うと明久は香澄の頭を撫でながら彼女が泣き止むのを待ち、その様子を美波は小声で「アキのバカ・・・」と呟きながら、有咲は少しため息を吐きながら、残りの4人は微笑ましく暖かな感じで見守っていた。

 

 

 




本編1話でようやくポピパを出せました!
さて次回も楽しみにしててください!

また出来次第投稿します!!

そして最後に、☆10評価をして下さったSASAI様、お気に入り登録をして下さった皆様、高評価とお気に入り登録、誠に感謝致します!皆さんの応援が僕の執筆の意欲向上に繋がります!これからもよろしくお願いします!
なのでもっと高評価と、感想よろしくお願いします!(貪欲の塊)
それではまた次回!!


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第2話「バカと幼なじみとライバル宣言!」

さて、第2話でございます!最近になってどんどんUAとお気に入り登録数が増えていってマジで執筆意欲が爆上がり中です!とりあえず、自分でも楽しんでかけるようにこれから頑張っていきます!!

それではどうぞ!!







あっ、あと今回は少しシリアス描写があります。それから苦手な方はブラウザバック推奨でお願いします!!


明久side

 

「ライブフェス!?なになに!?出たい出たい!!」

 

10分後香澄ちゃんが泣きやみ、顔を赤くしながらも僕から離れてくれた。その間にこんな姿をまりなさんをはじめとした香澄ちゃんの友人や美波に見られ続ける羽目になった・・・本当に恥ずかしかった・・・特に美波からの視線が痛いのなんの・・・

そのあとまりなさんによる僕の自己紹介と彼女たちの自己紹介の後、まりなさんの提案で僕は香澄ちゃん達のバンドである『Poppin’Party』に今度開催されるバンドフェスの出演依頼をした。

 

「ちょっと待て香澄、早まり過ぎ。まだそんなに詳しいこと聞いてないからどういうライブフェスなのか分かんねーじゃねーか」

 

「というわけで、明久さん。もう少し詳しく教えてくれませんか?」

 

「分かった。まぁ、ライブフェスと謳ってはいるけど、そこまで規模は大きくなくてね・・・」

 

そこから僕は山吹さんにお願いされ今回行うライブフェスと称したライブイベントを詳しく説明した。

 

 

 

 

______

 

 

「っていう感じなんだけど・・・どうかな?」

 

「なるほどなるほど。つまり・・・・・・?」

 

「私たちにこのライブハウスで開催されるライブイベントに出演して欲しいってこと。

つか、香澄分かってなかっただろ絶対!!」

 

「あはは・・・」

 

ひと通りの説明をわかりやすく掻い摘んでしたのに香澄ちゃんにはあまり分かってなかったみたいだ。まぁ、僕の語彙力の無さも原因だけどね・・・バカだから・・・

一方、香澄ちゃんは市ヶ谷さんのツッコミ兼指摘でようやく内容を理解したようだ

 

「ライブイベントかぁ~!分かりました!私たち出ます!まだまだ初心者だけど頑張ります!」

 

「いやいや、受けるの速すぎだろ!!安請け合いしすぎだ!!」

 

「え~、だってなんか楽しそうだし!」

 

これは完全に今回のライブイベントにポピパは参加するようである。市ヶ谷さんはまだなんか言いたそうな雰囲気があるけど・・・

 

「・・・・・・ま、こうなっちゃったら香澄は聞かないからね~。出るしかない!」

 

「ありがとう!!助かるよ!ライブに向けての練習には、うちのライブハウスに併設されているスタジオを使ってくれていいからね!!」

 

山吹さんの一言で結局ポピパは『Circle』主催のライブイベントへの参加が決まったようだ。これにはまりなさんも大喜びのようで、さっそくここに併設されているスタジオの使用を認めてくれた。

 

「えっ!ここにスタジオもあるんですか?すごいですね!!」

 

「・・・なんだか、またギター弾きたくなってきた。せっかくだしまた練習していこうよ」

 

「さんせーい!まだ時間はあるし、練習やろう!!」

 

「いや、まて香澄。今から練習していたらいつもと同じ練習時間なら終わった時外真っ暗になるかもしれねーぞ!」

 

「そうなったら、アキ兄にみんな送ってもらえば良いよ!」

 

なんか自然の流れで僕が帰りにポピパメンバー全員を送ってくことになってるんだけど・・・。夜道は女の子たちだけでは危ないから送っていくのが普通だから、まあやるけど、今活動してないとはいえFFF団に見つからないようにしないと。

というかみんなからの期待の視線が・・・約1名からは久しぶりにどす黒いオーラが見えるよ・・・

 

「わかったよ、帰りは僕が送ってあげるから思う存分みんなが満足するまで練習してきなよ」

 

「わ~い!!ありがとう!アキ兄!じゃあ、まりなさん、早速スタジオ借りてもいいですか?」

 

「もちろん!はい!これがスタジオの鍵ね!終わったときに返してくれればいいからね!」

 

「わあっ、やったー!ありがとうございます!りみりん、さーや、有咲も!早速練習していこうよ~!レッツゴー!!」

 

勢いよくスタジオへと駆け出して行った香澄ちゃんと花園さんを追いかけるように牛込さんと山吹さんがスタジオに向かっていった。

 

「吉井さん、なんかすいません。うちの香澄が迷惑かけて」

 

「大丈夫だよ市ヶ谷さん。香澄ちゃんの甘えは慣れてるからね。ほらほら早く行きな!満足できる練習ができないよ。」

 

「・・・!!ありがとうございます!」

 

そう言って一人残っていた市ヶ谷さんもスタジオに向かっていった。

 

「いやぁ~!吉井君!君やるねぇ~!!よっ、優男!」

 

「優男って・・・、市ヶ谷さんにも言いましたけど、香澄ちゃんとは幼なじみなので、彼女のわがままには慣れてるだけですよ・・・」

 

「まぁ、でも、ちゃんと彼女たちを送り届けてね!よろしく~!」

 

そう言ってまりなさんは機材倉庫にむかった。そして残されたのは僕と・・・

 

「・・・・・・」

 

黙ったままでどす黒いオーラを出しながら僕を睨み続けている美波だけであった。

 

「み、美波さん・・・」

 

「・・・何?」

 

「い、いやあ・・・もう葉月ちゃんが心配しちゃうからおかえりになった方が・・・ヒイッ!?」

 

な、なんかオーラが増した~!!何!?僕なんか美波を余計怒らせること言った!?

 

「・・・アキ」

 

「は、はい・・・」

 

「私も送ってくれない?」

 

笑顔でそう頼んできた・・・でもなんでだろう・・・?目が笑ってないような・・・

 

「えっ、でも・・・、僕が上がれるのは多分ポピパの練習が終わった後だと思うけど・・・」

 

「だったらそれまで待つ!」

 

「ええっ!?美波のお父さんお母さん心配しない!?」

 

「大丈夫よ、もう連絡してあるし」

 

といって、美波は親とのPINEを見せた。っていうか確実に逃れなれなくなってるんだけど~!?

 

「い、いやぁ~あの・・・その・・・」

 

「・・・・・・ダメ///?」

 

「・・・喜んでお送り致します」

 

「やった♪ありがとねアキ!」

 

結局美波の上目遣いでのウルウルに勝てず美波もポピパと一緒に帰る時に送っていくことが決まったのであった・・・

 

 

______

 

 

香澄side

 

『Circle』からの帰り道。前を歩く私の幼なじみはさーやや有咲から質問攻めされていた。理由は簡単、今彼はこの地域で試験校として有名な私立高校、文月学園に通っているからだ。特に有咲は花咲川女学園と文月学園のどちらを受験するか、迷っていたらしく、文月学園について特にめちゃくちゃ聞いていた。正直こんなに熱い有咲は初めて見た気がする・・・。そしておたえとりみりんはそのやり取りを微笑ましく見守っていた。ん?私?私は・・・

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

彼、アキ兄の同級生で友人の美波先輩と一緒に並んで歩いていた。ただ何を話したらいいのか分からずお互いに黙ったままである。

だけど、私は心の中でとある確信を得ようとしていた。

 

まさか・・・美波先輩も・・・アキ兄のこと・・・

 

 

______

 

 

昔は引っ込み思案だった私を外の世界に引っ張りだしてくれたのはアキ兄だった。アキ兄と私そして、もうひとりの幼なじみと3人で色んなところに遊びに行ったり遊んだりした。

・・・でも、中学生になった時に何かが変わってしまった。もうひとりの幼なじみが部活に入って忙しくなったことも少しあるんだけど

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一番の変化はアキ兄と会えなくなったこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それを感じた時、私は自分の部屋で人知れず泣きじゃくった。もうアキ兄に会えない・・・その気持ちがこみ上げると同じくらいに涙もこみ上げてきていた。そして、この時私はアキ兄が好きだということに気づいた。

 

もう会えない・・・。

 

この言葉が当時中学生だった私にとっては辛すぎる現実だった。

 

その失意を隠しながらも私は元気に振る舞い今まで過ごしてきた。そうしなければ、またあの時の自分に戻ってしまう・・・そう考えてたから。

 

それからポピパのみんなと出会って、キラキラドキドキをバンドの中に見いだせて、たくさん練習していたから少しアキ兄のことは忘れることができてたけど

 

やっぱりアキ兄にまた会えたのはすごい嬉しくて久しぶりにたくさん泣いちゃったな・・・

 

そして、やっぱりアキ兄が好きだというのを、改めて思うことができた。それはポピパのみんなに対する大好きとは違って、一人の男の子としての好きだということだと

 

ただ、その時に見てしまった。

私以外にアキ兄ととても親しくしている人物を

そして察してしまった。その人・・・島田美波先輩もアキ兄のことが大好きだということを・・・

 

 

 

_______

 

 

「あっ、あのっ!!美波先輩!」

 

「?なに戸山さん?「香澄でいいです!」・・・香澄ちゃん、どうしたの?」

 

だから私は決めてた。

本当のことを聞こうって。

 

「一つ質問してもいいですか!?」

 

「??・・・いいけど、何かしら?」

「美波先輩は・・・好きな人っていますか?」

 

美波先輩はアキ兄のことが好きなのかって

 

 

 

 

 

 

 

「・・・い、いないわよ・・・「嘘ですよね!」・・・!!早くない!指摘するの!?」

 

美波先輩は完全に動揺している。でも私が知りたいのは本心・・・ただそれだけだから!

 

「美波先輩、本当のことを言ってください。私は美波先輩の本音を知りたいんです!!」

 

「うぅっ・・・分かったわよ・・・話すわ・・・////」

 

美波先輩は腹を括ったらしく私に本心を打ち明け始めた

 

「ウチは・・・アキのことが・・・好き///。友達としてじゃなく一人の男の子として・・・///」

 

「・・・やっぱりそうでしたか・・・

で、なんでアキ兄のことを好きになったんですか!?」

 

「ぐ、グイグイくるのね・・・」

 

「そりゃあやっぱり知りたいですから!」

 

「わかったわよ!!話すから!///」

 

そういって美波先輩はアキ兄を好きになった経緯を話し始めた。その経緯はアキ兄らしいいきさつで少し笑ってしまったけどやっぱり美波先輩はアキ兄のことが大好きなんだなーって思ってしまった。

 

「・・・っていうのがウチがアキを好きになった経緯よ・・・///」

 

「すごいアキ兄らしいですね・・・でも、美波先輩もアキ兄のことが大好きなんですね!!」

 

「うん・・・///だからやっぱり香澄ちゃんがアキに抱きついた時には少し嫉妬しちゃったわ・・・って思ったけど『()()()()()』って?」

 

「・・・あ、あはは・・・。やっぱ疑問に思っちゃいますよね・・・実は私も好きなんです、アキ兄のことが・・・・・・///」

 

でもやっぱりアキ兄の気持ちは譲れない!!!

 

「!!!・・・やっぱりそうだったのね。」

 

「知ってたんですか!!??」

 

「抱きついたときの涙を見ちゃったからね・・・すぐにわかったわ。その時にウチも香澄ちゃんに少し嫉妬しちゃったしね」

 

「そうでしたか・・・・・・実は私も見ちゃったんですよね、美波先輩とアキ兄が楽しそうに話をしているのを・・・・・・」

 

「・・・・・・!!そうだったの・・・」

 

やっぱり、見られてたことに対して動揺してる・・・でもここで私の本心を言わなきゃ、美波先輩に私の本気度を分かってもらえない!!

 

「やっぱり少しやきもち焼いちゃったんですよね。アキ兄が私以外の女子と楽しそうにお話してるの見て・・・・・・だから私決めました!!!!」

 

「??決めたって??何を?」

 

「私・・・美波先輩に恋のライバル宣言します!!!」

 

「ライバル宣言!?」

 

「はい!私と美波先輩でアキ兄の彼女にふさわしいか競い合うんです!!」

 

「・・・彼女って!!////」

 

「そうです!一緒にアキ兄にふさわしい女性になれるようにがんばりましょう!!」

 

「・・・で、でも・・・・・・////」

 

少し、美波先輩は躊躇っているようだ。でも、いい後輩として信頼されたいし、ここは美波先輩にも本気になってもらわなきゃ・・・!

 

「良いんですか?私が先にアキ兄を奪っても?」

 

「だ、ダメ!!!!!!!」

 

今までにないくらい美波先輩が大声をあげたため、前にいたみんなが振り返ってしまった。

 

「??どうしたの美波?そんなに大声あげて?」

 

「・・・・・・!!な、なんでもないわよ!!なんでも!!」

 

「本当に?香澄ちゃんとなんか話してたっぽいけど香澄ちゃん、まさか美波にちょっかいかけたわけじゃないよね?」

 

「・・・!!そ、そんなわけないじゃん!もう、アキ兄は心配性だなぁ~!あはは・・・」

 

やっぱり、こういう時のアキ兄は鋭い・・・私は私たちだけの話の内容がバレないように上手く誤魔化した。

 

「そう?ならいいけど・・・?」

 

そう言って、アキ兄はまたほかのみんなと話を再開した。

 

「もう!美波先輩突然大声あげないでください!!///」

 

「ご、ごめんごめん。でもアキが香澄ちゃんにとられて離れていっちゃうと思うと・・・///」

 

ああ、やっぱり、美波先輩はアキ兄に一途だなぁとそう思ってしまった。

 

「だから、ウチ決めた!香澄ちゃんの提案を呑むわ!香澄ちゃんとウチはこれからアキに関しての恋のライバルよ!お互いに切磋琢磨して、アキにふりむいて貰えるような女性になるわよ!」

 

「はい!頑張りましょー!美波先輩!」

 

こうして、私と美波先輩はアキ兄を巡っての恋のライバルになった。まだアキ兄が好きな人は分からないけど絶対に振り向かせて見せる!

 

 

 

 

「・・・それってライバルっていうのじゃない気がするんだけど・・・」

 

「あはは・・・でも、香澄ちゃんだからしょうがないと思うよ・・・」

 

なんか少し離れたところでさーやとりみりんがなんか言ってた気がするけど・・・気のせいだよね?

 

 

 

________

 

 

other side

 

美波と香澄が明久を巡る恋のライバル宣言をしてから2日後、まぁつまり週明けの月曜日の朝。明久達が通う文月学園の2年Fクラスでは・・・

 

「諸君、ここはどこだ?」

 

『最後の審判を下す法廷だ!!』

 

「異端者には?」

 

『死の鉄槌を!!』

 

「男とは?」

 

『愛を捨て、哀に生きる者!』

 

「よろしい・・・、これより2-Fクラスの異端審問会を始める」

 

「いや、僕は何もやってないから!」

 

「うるさい!この異端者め!!我々が活動を休止している間に異性とあれやこれやをしおって~!!」

 

「あれやこれやって何!?僕は何もやってないからね!?というか、活動休止と言うよりかは鉄人に怒られたことによる活動自粛でしょ!」

 

「問答無用!!福村よ罪状を読みあげよ。」

 

「はい!近藤会長!罪人吉井明久は我々が活動を休止している間に本クラスの島田美波や他校の女生徒と絡んでいる様子が・・・」

 

「長い!一言で片付けよ!」

 

「女子とイチャイチャしてて羨ましいんじゃコノヤロー!!!!!!」

 

「素直でよろしい」

 

「いや完全に個人的な私怨だよね!?」

 

「うるさい!!我々の規律に反する異端者め!!よし!判決が決定した!罪人吉井明久は屋上からの紐なしバンジーの刑に処す!」

 

「いや紐なしって!!完全なる理不尽だ~!!」

 

「問答無用だ!!同士諸君!処刑の準備を!!」

 

「処刑なんてされてたまるか~!!!!」ブチッ

 

「あっ、吉井が逃げたぞ!!」

 

「追え~~~!!!!」

 

といった感じで何故か活動を再開していたFFF団と明久の戦いが西村先生が来るまで行われていたそうな・・・

 




なんかバカテスらしくないなと思ったので最後に奴らを登場させました!
ん?何?「奴らの主要幹部が変わって無いか?」って?それは後のお楽しみということで!

最後に☆8評価をして下さった紅の人様、評価して下さって、誠にありがとうございます!皆さんの評価やお気に入り登録は私の執筆の意欲向上に繋がります!ですので是非ともご評価と感想、そしてお気に入り登録をよろしくお願いします!!(貪欲さ全開!!)

ではまた次回!!

あっ、次回から後書き欄で新コーナーやる予定です!!それもお楽しみに!


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第3話「俺と幼なじみとRoselia勧誘!!」

前書き新企画!!
~バカテスト!~

問題『高校入学時の抱負を答えなさい』

姫路瑞希の答え

『当時は体が弱かったので、健康第一に元気に学校生活を送ろうと考えていました。』

教師のコメント

「良い心がけですね。入学時から体調を崩しがちでしたが、最近はとても元気そうでなによりです。これからもたくさん友達を作って、良い高校生活を送ってください。」

市ヶ谷有咲の答え

『自分の中では一人でも頑張ってやっていけると考えていたので、高貴なお嬢様のように振舞おうと考えていました。すぐに隣にクラスの奴に打ち砕かれましたが・・・』

教師のコメント

「高校生活は友人がたくさんいることでより華やかになるものです。あなたの考えを打ち砕いた人物は本当のあなたと向き合いたかったかもしれませんね。そういう友人をこれからたくさん作れると良いですね。」

戸山香澄の答え

『キラキラドキドキを見つけられるように頑張ろうと思っていました。今ではそれを見つけて仲間たちと楽しい学校生活を送っています!!』

教師のコメント
「キラキラドキドキを見つけられたのは大変喜ばしいことですが、そのキラキラドキドキが何なのかもう少しわかりやすく教えてくれているともっと分かりやすかったと思います。」

花園たえの答え

『早く帰って「おっちゃん」にご飯をあげようと考えていました。』

教師のコメント

「私はこの答えを見た時、真実を知るまではあなたを本気で心配していました。」

吉井明久の答え

『自分は特別な人間でいつか才能が認められる事件が起こると信じていました。』

教師のコメント

「目を覚まして、現実を見ましょう」




???side

 

 

「んっ、んんん・・・うーん・・・うん?」

 

 

清々しい朝・・・俺はいつの間にかベッドに差し込んでいた太陽の光によって俺は目を覚ました。

 

 

「・・・おはよう、雄二・・・よく寝れた・・・?」

 

「というよりかは、よく寝れていたと思うわ・・・」

 

「まぁ、あんなにいい顔で寝てたらね~」

 

 

まず読者に問いたい。みんなが思う充実した寝起きとはなんだろうか?

自分が満足出来るまで寝てから起きること?

目覚まし時計がなったタイミングで起きれること?

いや、今言ったこと以外もあるかもしれない

 

 

「おはよう、翔子、友希那、リサ・・・すまんが、誰でもいいから俺の携帯を取ってくれ」

 

「・・・はい」

 

「ありがとな」

 

 

俺?俺は・・・

 

ピポパポピッ!プルルルルルル~

 

 

「すいません。警察ですか?不法侵入です」

 

 

この3人の幼なじみ(3馬鹿)に襲われずに起きれることだ

 

 

 

_________

 

 

「雄二・・・これは何?」

 

「・・・!な、なんでお前がそれを持ってる!!」

 

 

いきなり出てきた聖典(いかがわしい本)に俺は咄嗟に受話器を塞いで俺の幼なじみである翔子にツッコんだ

 

 

「雄二の机の一番下の引き出しの二重底の下に参考書のカバーに覆ってあった」

 

「いやぁ~あれだけ、厳重にしててなに守っているのかなと思ったらね~」

 

 

と茶髪をポニーテールでまとめており、服装はまるでギャル風な俺の幼なじみの一人である、今井リサが指を指した方向を見ると

 

 

「・・・////あれは本当にないと思うわ・・・///ハレンチよ・・・///」

 

 

紫の髪をストレートに伸ばしたロングヘアで一瞬クールな感じを漂わせる3人目の幼なじみである、湊友希那が顔を赤くしながらそう呟いていた

 

 

「お前ら友希那に見せたのか!!??あんなに音楽以外全くもって無関心なあいつに!?」

 

 

なんてものを見せてんだ!というかなんで翔子が居場所を知ってた!?

 

 

「・・・私たちは騙せても、やはり義母さん(おかあさん)は騙せない」

 

 

なんで俺の聖典の居場所をお袋は知ってんだ~~~!?!?

 

 

『あの、もしもし?大丈夫ですか?』

 

「ほらほら早く応対しないと~♪」

 

 

くっ・・・リサめ・・・完全に楽しんでやがる・・・!

俺はこのまま警察にいきさつを報告しようとしたが、聖典を人質にとられ、今確実にそれがゴミクズになろうとしていたため・・・

 

 

「・・・すいません・・・。勘違いでした・・・。」

 

 

俺は観念し、電話対応をしてくれた警察の人に詫びを入れて電話を切った

 

 

「じゃあ、これ(聖典)を燃やすなら許してあげる」

 

「おい、待て翔子、燃やさないという選択肢はないのか!?」

 

「・・・じゃあ、燃やしても許さない・・・!」

 

「お前は話を聞いてたのか!?」

 

 

やっぱり翔子は、俺関連になるとバカになってないか!?

 

 

「いやぁでも私たちを通報しようとしたからね~♪それ相応の罰は受けるべきだと思うけどな~ねえ、友希那?」

 

「ええ、せっかく私たちが雄二を起こしにきたというのにその仕打ちはさすがにどうかと思うわ」

 

「いやいや、不法侵入という立派な犯罪をもうお前らはやっているからな・・・」

 

「それは・・・合鍵があるから・・・」

 

「いや待て、翔子。俺はお前らに合鍵を渡した覚えは全くないが・・・」

 

「義母さんに作ってもらった。これで雄二の家にいつでも・・・////」

 

「お袋~~~~!!!!!!」

 

 

俺は今この部屋にいない母親に向かって怒りの雄叫びをあげた・・・ちなみに、それを合図に俺の聖典もチリと化した。

 

 

_____

 

 

 

「んで?なんでお前らが朝っぱらから俺の部屋にいるんだ?」

 

「いやぁ~いつもだったら翔子との絡みが面白いから便乗しちゃって来ているんだけど・・・」

 

「今日は私からお願いがあってきたの」

 

 

リサと友希那の説明によると、リサと友希那の所属しているガールズバンドであるRoseliaの練習に付き合ってほしいという

 

 

「お前らが来た理由は把握した。ただ翔子・・・なぜお前はここにいる?」

 

「・・・夫である雄二を起こしに行くのが妻の役目・・・///」

 

「照れながら嘘を言うな!?俺はお前とは幼なじみなだけでいいなずk・・・」グニッ

 

「あいだだだだだだだ!!!!!!!」

 

「雄二・・・浮気は許さない・・・雄二と結婚していいのは私だけ・・・」

 

「なんで、その思考になる!?早く放せ~!!!!イダダダダダ!!!」

 

 

俺のこめかみがもう死んでしまう~~!!!!!

 

 

「ほらほら翔子、話が進まなくなっちゃうから放してあげて?」

 

「・・・リサがそういうなら・・・」

 

 

リサのおかげで俺は翔子からのアイアンクローから解放された。

ああ・・・痛ぇ・・・

 

 

「合鍵があるんだから今夜でもイチャイチャできるからね~♪」

 

「・・・ありがとう、リサ・・・////」

 

「余計な事吹き込むんじゃねえ!!!!というか本題に戻すぞ!!!!」

 

 

俺は何とか話を元に戻し、翔子の勘違い発言とリサの追及から何とか逃れるために半ば強引に友希那の提案を受け入れて、その朝は何とか解散になった。とりあえずとても疲れた・・・

 

 

_________

 

 

練習を見る日当日、俺は今日の運勢を本気で呪いたくなった。

いつも通りに練習を見て俺から見た改善点をバンドメンバーにアドバイスしながら練習をこなした。そして昼休憩になり、俺となぜか付いてきた翔子、そして友希那たちRoseliaメンバーは昼飯を買いに外にでて買い物をしその帰り際、いきなり突撃してきた少女に俺たちは驚きその拍子で転びそうになった翔子と友希那を俺は庇うように倒れた。そう、倒れたまでは良かったが・・・

 

 

「ふぅ・・・大丈夫か?翔子、友希那」

 

「・・・//ええ、大丈夫よ・・・ただ・・・この体勢は・・・///」

 

「??どういう・・・なっ!!」

 

 

俺はなぜか翔子と友希那を押し倒しているような体勢になってしまった。

 

 

「す、すまん!!すぐにどくからな!」ガシッ

 

「おい、翔子何してる!?」

 

「・・・雄二・・・エッチ///」

 

「いや、そう思うなら早くどけ!!これをリサたち以外の誰かに見られたら・・・」

 

「雄二?なにしてんの?」

 

「まさか、翔子の他にもう一人女の子も襲おうとしているなんてね・・・サイテー」

 

 

しかも、最悪のことにそれを偶然明久と島田に見られてしまった・・・

 

 

「待て、明久、島田!!誤解だ!!完全なる誤解だ!元々俺は二人を助けただけであって、もう一人も幼なじみで・・・」

 

「もう~雄二ってば、そこは()()()って付けなきゃ!ねっ?」

「『ねっ?』じゃねぇ!!だから、3人とは普通の幼なじみだ!!そして、翔子には微塵も興味がねぇ!!」

 

「雄二・・・浮気は許さない・・・!友希那、急いで雄二を拘束するわよ!」

 

「え、ええ・・・これでいいのかしら?翔子?」

 

 

俺の発言に怒ったのか、翔子は体制を立て直し友希那を急かして俺を縄などで縛り始めた

 

 

「頼む友希那!やめろ~!!!おい、氷川!宇田川!白金!誰でもいいからこいつら止めてくれ~!!」

 

 

俺は暴走する友希那や翔子を止めるため、Roseliaの他のメンバーに助けを求めた

 

 

「さあさあ、みんなあっちでお茶会しようよ!!」

 

「今井さん、いいんですか!?放っておいて!?坂本さんのいろんなものが危なくなっている気がするのですが・・・」

 

「大丈夫、大丈夫!あれはいつも通りだから紗夜は気にしなくて良いよ。というよりかは可愛い後輩たちやあこたちにこの様子見せないのが先決でしょ~?」

 

「そうですね・・・。ではあそこのカフェスペースであなたの話の続きをしましょう」

 

「OK!じゃあ行こうか!とりあえずそこで話はするね!」

 

 

が、リサのいらない機転で俺の願いは辛くも打ち砕かれた

 

 

「明久!!島田!!早く俺を助けろ!!」

 

 

俺は最後に藁をもすがる思いで二人に助けを求めたが

 

 

「雄二・・・素直にならなかった罰だよ♪」

 

「ふざけんな~!!俺は事実をいっt」ブスッ

 

「あ”あ”あ”あああああああ!!!」

 

「・・・雄二は私だけを見ていれば良い」

 

 

俺の最後の希望は、翔子の目潰しと共に儚くも散った

 

_________

 

 

 

明久side

 

 

「・・・ライブイベント?」

 

 

あの後僕と美波そして香澄ちゃんと花園さんの4人はRoseliaのメンバー(湊さんは今井さんに雄二のとこから連れてこられて合流した)に今度『Circle』でやろうとしているライブイベントの勧誘を行った。

もちろん、適当に声をかけたわけじゃなくて、まりなさんが現在注目している4バンドの内の1つであるという保証つきだ。

 

 

「申し訳ないけど、お断りさせてもらうわ・・・私たちが目指しているのはそこよりも遥かに上の領域だから」

 

 

しかし、ボーカルの湊さんがこの誘いを断った。

やっぱりそうなるか~まぁまりなさん曰く、Roseliaはとてつもなくストイックで自分達と同じもしくはそれ以上のレベルのバンドじゃないとライブイベントさえ参加しないって言うほどだから身構えてたけどね・・・

 

 

「まあ、友希那の言い分も最もだけどね~でも、参加して見てもいいんじゃないかなぁ~」

 

 

すると、ベースのリサさんが参加意思を示してくれた。

 

 

「うん、あこもこのライブイベントに参加してみたい~!ねぇ、りんりん?」

 

「・・・へっ!?・・・うん・・・そうだね・・・」

 

 

ドラムの宇田川さんとキーボードの白金さんも参加したいようだ

 

 

「ですが、湊さんが言ってしまったからには、今更参加することは無理そうな気がしますが・・・」

 

 

まさかの賛成票が集まってしまいギターの氷川さんは困惑しているようだ

 

 

「だったら、私たちの演奏を1回でもいいので見てくれませんか?」

 

「なんですって!?」

 

「私たちはまだバンドを結成してまだ日が浅いです・・・それでも、私は・・・私たちはRoseliaの皆さんにこのイベントに参加しして欲しいんです!今すぐになんて言いません。でも1回でいいから私たちの演奏を聞いて、それで参加を判断してもらえませんか?」

 

「でも・・・」

 

 

まさかの香澄ちゃんからの提案に湊さんは思案顔になって考えこんでしまった

 

 

「良いんじゃねぇか?その条件で」

 

「・・・!雄二・・・」

 

 

すると雄二が霧島さんと共にやってきた

 

 

「友希那・・・お前が悩んでるのは、ライブイベントの寄り道をするほど、私たちは暇ではない・・・けど、戸山・・・だっけかそいつのまっすぐな瞳に少し動揺してるんだろ?」

 

「・・・!!・・・ええ・・・」

 

「そこまで彼女は参加して欲しいって思ってるんだよ。しかも、条件を出してるんだ、呑んで見るのも有りだと思うぜ。そして友希那、これだけは言っておくぞ。どんな寄り道も決して無駄にはならねえ、その経験はお前の・・・いや、Roselia全員の糧になるさ。俺はそう信じてる」

 

「いやぁ、雄二!流石だねぇ~良いこと言う~♪」

 

 

雄二の言葉にハッとしたのか、湊さんは1つの決断をして、僕らの前に向き直った

 

 

「分かったわ、戸山さん。あなたがそこまで言うなら提案を呑みましょう」

 

「本当ですか!?」

 

「でも、条件があるわ・・・あなた達のバンドにとって最上の演奏をしなさい。それを見て参加するかどうか判断するわね・・・中途半端な演奏は許さないわよ」

 

「は、はい!!頑張ります!!」

 

 

何とか話はまとまったようだ・・・一時はどうなるかと思ったけど、とりあえず良かった~雄二には感謝だね・・・()()()()を除けばの話だけど・・・

 

 

「いやぁ、ありがとう雄二!Roseliaって超ストイックなバンドって聞いていたから正直断られた時は、覚悟はしてたんだよね~」

 

「まぁ俺はあいつの幼なじみだからな・・・あいつの考えてることは普通に分かるんだよ。俺はただ、最適な言葉を友希那にかけただけだ」

 

「うん、多分そうなんだろうけど・・・

その格好じゃあ、全くもって説得力ないけどね・・・」

 

 

そうある一点とは雄二が湊さんにしゃべっていた最初から・・・パン1だったことであった。しかも手には木製の手錠があり首には首輪もあった。この外でこの格好だから、1歩間違えれば即警察に通報されているレベルである

 

 

僕と美波は何回か見ているし、湊さんとリサさんは霧島さんと同じ幼なじみだから大丈夫だけどそれ以外の人はもちろんそんな耐性はないから・・・

 

 

「「・・・・・・//////キュウウウウ」」バタン

 

 

宇田川さんと白金さんは顔を真っ赤にしながら気絶してしまった(ちなみに、香澄ちゃんと花園さんにはこの状況を見せないために、美波が目を隠している)

 

 

「ちょっ!!燐子!?あこ!?大丈夫!?!?」

 

「坂本さん!!///今すぐ、服を来てください!!なんでこの公の場でハレンチなことをしているんですか!?!?」

 

 

リサさんは気絶した二人にかけより、氷川さんは顔を真っ赤にしながら雄二に怒っていた

 

 

「それを言うなら翔子に言え!!俺は目潰しから回復したらいつの間にかこんな格好をさせられてたんだよ!!」

 

「・・・雄二は私の夫。雄二を私だけのものにするために頑張りすぎた・・・///」

 

「顔を赤らめながら、そんなこと言うんじゃねぇ!!」

 

「霧島さん、流石に、雄二には服を着させてあげよう・・・このままだと雄二は警察に保護されて、最悪の場合二度と雄二に会えなくなるよ?」

 

「吉井がそこまで言うなら・・・」

 

 

流石に、これは早くしないと雄二が本格的に警察に保護される可能性があるので霧島さんを説得し、雄二は服を着ることができた。

 

 

「はぁ・・・明久・・・助かった・・・」

 

「まあまあ、困った時はお互い様ってことで、それじゃあ雄二と楽しんでね!霧島さん!!」

 

「コクッ・・・ということでこれから一緒にデートに行く・・・」グイッ

 

「イダダダダダ!はなっ、放せ~翔子~!!」

 

「・・・恋人同士は腕を組む。これは常識」

 

「腕を組む時に関節技を決めるやつがあるか!!」

 

 

といった感じで雄二と霧島さんはデートに出かけた。そして僕らも連絡先を交換し解散となった。

 

 

後日談だがあの後夜に雄二は霧島さんの家へ連れ込まれ、一夜を過ごしたらしい・・・翌日の朝、二人にあった時に雄二は酷くやつれており一方霧島さんはお肌がピンピンしていた。

 

 

 




なんとかパスパレ第2章イベントの前に投稿出来ました!
いやぁ、雄二視点だと書きやすくってしょうがなかったですwww

さて、次回ですが、今回のイベントを走りながら執筆していきます!是非とも楽しみにしててください!!

イベントを走るバンドリーマーさんは一緒に頑張りましょう!!

それではまた次回!!


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第4話「バカと美波と赤い夕焼け!」

前書き企画!
~バカテスト!~

問題『幼い頃親しくしていた友人を一般的になんというか答えなさい』

市ヶ谷有咲の答え

『幼なじみ』

教師のコメント

「正解です。流石ですね。市ヶ谷さんには幼なじみといえる友人はいますか?若い頃に仲良くなった友人は一生仲良しでいられる人々が沢山います。大人になるとなかなか得にくいものなのです。今のうちに沢山友人を作っておくのも遅くはありませんよ」

若宮イヴの答え

『好敵手 例)宮本武蔵×佐々木小次郎』

教師のコメント

「残念ながら不正解です。好敵手は今風にいうとライバルのようなことをいいますので覚えておきましょう。あといい加減に時代劇や日本史の話から離れましょう」

吉井明久の答え

「坂本雄二と霧島翔子」

教師のコメント

「名前だけ出されても困ります・・・」

坂本雄二の答え

「幼なじ・・・うががががが・・・(以降用紙が赤く染まっており確認出来ず)許嫁♪」

教師のコメント

「何が起こったかはあえてもとめません・・・」


明久side

 

 

「う~んやっぱり、Roseliaは保留か・・・」

 

「でも前向きに検討するってことだったんで、恐らく大丈夫だと思うんですけどね・・・」

 

 

Roseliaの勧誘から数日後、僕ともう僕のバイト先に来ることが当たり前になってしまった美波は『Circle』でまりなさんに現状報告をしていた

 

 

「でも、びっくりしたよ~まさか君の友達がRoseliaメンバーの関係者だったなんてね~」

 

「まぁ、坂本くんはこういうことに関しては秘密主義なんですよ・・・」

 

「まぁ、雄二だからね~うちのクラス的にもバレるとヤバいし・・・」

 

「ああ・・・まぁ、そうね・・・」

 

「??どういうことなの、吉井くん?」

 

「まぁこっちにはこっちの事情があるんでまりなさんは気にしないでください・・・」

 

「??そう・・・」

 

 

美波の苦笑い姿に僕らのクラス事情をまりなさんは気にしていたようだけど、他人の恋愛撲滅集団であるFFF団の存在は流石に言うわけにはいかないのでなんとかはぐらかした。・・・僕も寿命は大事にしたいからね・・・

 

 

「お疲れ様で~す!」

 

「あっ、お疲れ香澄ちゃん!沙綾ちゃんも!二人は、どうしてここに?」

 

「練習終わりに、まりなさんから呼ばれたんです。『また勧誘を手伝って欲しい!』って」

 

 

そういって、沙綾ちゃんは僕にPINEを見せてきた。そこにはいつの間にかアドレスを交換していたまりなさんとの会話の様子があった

また、まりなさんは僕が分からないところで勝手に話を進めるんだから・・・

 

ん?なんで、香澄ちゃん以外のポピパメンバーも名前で読んでるって?実は、Roseliaを勧誘に行った時の自己紹介でリサさんが私のことは名前で呼んでほしいというフレンドリーなお願いを聞いてしまったから、花園さ・・・ゴホンたえちゃんを中心にしてポピパ内でそういう気運が高まっちゃったみたいで・・・

 

香澄ちゃん達にお願いされた時は僕は仕方なく受け入れたけど、その時美波はすごく僕を睨んでいた気がした。けど・・・なんでそんなに睨んでいたんだろう・・・?

 

 

「おお!!よく来たね~二人とも~

実は今日は二人に吉井くんと美波ちゃんのバンドの勧誘をお手伝いしてほしくてね~」

 

「はい!!頑張ります!!ところで今日はどのバンドを勧誘するんですか?」

 

「ん~と、今日はAfter glowを勧誘してきてほしいんだよね~それで二人に来てもらったの!この近くのスタジオで練習してるみたいだから行ってきてくれないかな?」

 

「わっかりました~!!行ってまいります!!さーや、アキ兄、美波先輩いきましょー!!」

 

「あっ、ちょっと待ちなさい、香澄ちゃん!そのスタジオの場所を聞いてないってば~!!」

 

 

善は急げと言うべきか、香澄ちゃんはスタジオの場所も聞かずにすぐに駆け出していき彼女を止めるために美波が追いかけて行った。

 

その様子に僕と沙綾ちゃんはお互いに苦笑いを浮かべながら、まりなさんにスタジオの場所を聞いて、二人を追いかけていった。

 

_______

 

 

~スタジオ~

 

 

『Circle』から歩いて20分くらいだろうか。まりなさんが教えてくれたスタジオを見つけた僕らは早速スタジオの受付でAfter glowが練習していることを聞き、僕らは待つ事にした・・・

けど、結局香澄ちゃんと沙綾ちゃんが探しに行っちゃったようだ。

 

 

「全くもう・・・香澄ちゃんは相変わらず元気だよ本当に・・・」

 

「アハハ・・・でも、アキはそんな香澄ちゃんに幼い頃から振りまわされてるんでしょ?」

 

「まあ、振りまわされてたが正しいけどね・・・」

 

「そっか・・・久しぶりの再会だって、香澄ちゃん言ってたもんね・・・」

 

「うん・・・でも、今を楽しまなきゃ、僕もまた会えて嬉しかったし!」

 

「そうね・・・やっぱり、幼なじみと一緒にいれば楽しいわよね・・・」

 

 

そう話した時の美波の目はなぜか寂しい目をしていた。そして、僕はあの出来事を思い出した。

それは僕がバイトを始める前・・・美波と大喧嘩したことだ。原因は他クラスの動きを抑えるためという雄二の策略だったけど、それのために美波を利用してしまった。

 

すべてが終わり僕は謝った時、美波はなぜか気にしてなかったみたいだけど僕には深い罪悪感が生まれた。作戦とはいえ島田美波という一人の女の子を作戦の駒として利用してしまったこと、そして・・・彼女の気持ちを僕が弄んでしまったことだ。

 

 

 

 

 

 

 

「僕にとって美波は・・・ありのままの自分で話せて、一緒にいるととても楽しくて、たまに見せるちょっとした仕草がとても可愛いとても・・・とても魅力的な女の子だよ」

 

 

 

 

 

 

あの時言ったあの言葉は・・・僕の美波に対する本心だ。でも、美波は僕に対してどう思っているか正直分からない。だからこそ、僕は心の底から本気で謝りたい。今までのこと、そして・・・あの時のこと。

 

 

ガシッ・・・

 

 

「ちょ、ちょっとアキ!?なにしてんのよ!!」

 

「ご、ごめん!美波がなんだか寂しそうだったから・・・心配をかけたくなくて・・・」

 

「・・・!!な、なんかごめんね・・・アキに心配をかけたみたいで・・・」

 

 

寂しそうな美波を放っておけなくて僕はいつの間にか美波を抱きしめていたらしい。顔がお互い赤いことに気づいた僕はすぐに抱きしめるのをやめた

 

 

「み、美波・・・」

 

「?なに、アキ?」

 

 

お互いまだ顔が赤い・・・。

でも、美波に本気で謝れるのはここしかないと思った。

 

 

「あ、あのさ・・・『アキ兄~!美波先輩~!Afterglow見つけました~!早く来てください~!』!!」

 

 

さぁ、言おう、としたところで香澄ちゃんの声が響いた。

ちょっと・・・悪意はないとはいえ、流石に空気を読まなすぎだよ・・・

 

 

「美波、行こうか。香澄ちゃんたち待たせちゃ悪いし!」

 

「えっ、でもアキ、ウチに何か言おうとしてなかった?」

 

「えっ!・・・ああ!あれね!いやぁ・・・美波は笑顔が似合うんだから寂しい顔しちゃダメだよって言おうと思ってね・・・」

 

「・・・!!ありがとう・・・アキ・・・」

 

 

そういって、顔を赤くした美波を尻目に僕らは香澄ちゃんとところへ向かった。

 

また別の機会がある・・・。その時には絶対・・・

 

だけど僕はこの時、香澄ちゃんに呼ばれたとしても美波に本気で謝っておけば良かったと本当に後悔することになる・・・という話はまた別の機会に語ることにしよう。

 

 

_______

 

 

 

「あっ、美波さんと吉井先輩!?って、香澄ちゃんたちが言ってたスタッフの人ってお2人だったんですか!?」

 

 

僕らが香澄ちゃんたちのところへ着くと、目の前にいた、おそらく『Afterglow』であろうバンドの中から聞き覚えがある声を聞いた。僕らが改めて彼女たちを見てみると、そこに美波がバイトでお世話になっている『羽沢珈琲店』の一人娘がいた。確か名前は・・・つぐみちゃん・・・だっけ?

 

 

「つぐみ!?なんでここに?」

 

「なんでって・・・私を含む5人でバンドを組んでるんですよ」

 

「まさか、そのバンドの名前が・・・」

 

「おそらく『Afterglow』・・・だよね?つぐみちゃん」

 

「その通りです!吉井先輩!」

 

 

良かった~この子たちが『Afterglow』か・・・とりあえずつぐみちゃんという知り合いがいて安心したよ・・・

 

 

「つぐみ、二人とは知り合いなの?」

 

 

僕が安堵していると、僕らの関係を気になったのか黒いショートカットで赤のメッシュがかかっているいかにもクールそうな女の子がつぐみちゃんに尋ねてきた。

 

 

「うん、みんなにも紹介するね二人は・・・」

 

 

といった感じで、僕らとAfterglowのメンバーはそれぞれ自己紹介したそしてそれを終えた上で僕は改めて彼女たちにイベントの説明をした。

 

 

「・・・参加してもいいけど、その前に私たちの実力を見てもらいたいとも思ってる。だから私たちの演奏を聞いて欲しい。みんなはどう?」

 

 

そうボーカルの美竹蘭ちゃんが提案し他のメンバーにも尋ねた

 

 

「モカちゃんは~それでも大丈夫だよ~♪」

 

銀髪のショートカットでいかにもマイペースそうな女の子でギター担当の青葉モカちゃんは賛成してくれたようだ

 

 

「面白そうだな!私たちの実力も明久先輩達に見せたいし、なっ!ひまりもいいだろ!?」

 

「うんやろうやろう!早速準備しなくちゃね!」

 

 

赤髪のロングでボーイッシュさがあるドラム担当の宇田川巴ちゃんとピンク髪のボブカットをしているこのバンドリーダーでベース担当の上原ひまりちゃんも乗り気だった。

 

ということで僕らは早速スタジオへ入り、Afterglowの演奏を聞きに行くことになった。

 

_______

 

 

「・・・フゥ、どうでした私たちの演奏は?」

 

「スゴいスゴいスゴい~!!こんなに上手かったなんて!!私たちも負けてられない~!終わったらみんな誘って練習しに行こうよさーや?」

 

「まぁ、ここまで触発されちゃったらね・・・また練習したくなっちゃうよね~まあ、みんなに相談してからだね」

 

「やった~ありがとう!さーや!」

 

 

そういって彼女たちの演奏に大興奮した香澄ちゃんたちは終わったあとにまた練習してくるようだ・・・

 

 

「明久先輩達はどうでした?」

 

「うーん、ごめん。僕って語彙力があまりなくてさ・・・こんな表現でいいのか分からないけど、最高だったよ!こんなにメンバー全員の一体感が感じられる演奏初めて聞いた!」

 

「ええ、ウチもつぐみからバンドやってるって聞いてて、どんな演奏するのかなって思っていたけど、本当にスゴいわね!感動した!」

 

「あっ、ありがとうございます・・・」

 

「蘭が照れてる~」

 

「・・・!!てっ、照れてないから!!」

 

 

蘭ちゃんはモカちゃんにからかわれて顔を真っ赤にしてる・・・美波に似たタイプの娘なのかもしれない・・・彼女もあまり怒らせないようにしよう・・・

 

 

「じゃあ~ライブイベントにみんな出てくれる?」

 

「うん、もちろん。私たちもそこに出てみたいから」

 

「分かった。ありがとうね!」

 

 

こうして、Afterglowのライブイベントの参加が決定したのであった。

 

_________

 

 

香澄side

 

 

ガチャッ

 

 

Afterglowのみんながイベントに参加することを決めた直後スタジオのドアがいきなり開いた。

 

 

「・・・飲み物を調達してきた。」

 

「あっ、康太先輩、ありがとうございま~す!いつも頼んじゃってすいませ~ん」

 

「・・・紳士の嗜み。こんなことを行うのは当たり前」

 

 

突然康太先輩と呼ばれた男子が入って来てAfterglowのみんなに飲み物を配っていった。って、アキ兄と美波先輩が固まってるけど・・・どうしたのかな?

 

 

「「えっ!?」」

 

「・・・?・・・!!」

 

「「ム、ムッツリーニーーーーー!!!!!!?????」」

 

「明久、島田・・・!なぜここにいる!?」

 

「いや、それはこっちのセリフだよ!!」

 

「なんで土屋がここにいるのよ!?」

 

「・・・このバンドを手伝っているだけだ・・・。それよりも・・・」ガシッ

 

「へっ?」

 

「・・・とりあえずこっち来い!」

 

「ええっ!?ちょっ、ちょっと待ってよムッt・・・」バタン

 

 

なんかわかんないけど、アキ兄が康太先輩に連れてかれた。やっぱり知り合いなのかな?

 

 

「美波先輩、土屋先輩とは知り合いなんですか?」

 

「ええ、土屋とは同じクラスよ。でもまさか、つぐみたちのバンドの手伝いをしてるとはね・・・」

 

 

つぐみちゃんの質問で康太先輩は、やっぱり知り合いだった。本当にアキ兄って顔が広いんだなぁと思ってしまった。

というか、二人はスタジオの外でなに話してるのかな?

 

 

______

 

 

 

その頃スタジオの外では・・・

 

 

「ど、どうしたのさムッツリーニ!?」

 

「・・・俺は、あいつらにはそういうキャラを隠している。だから、それで呼ばないでほしいんだが・・・」

 

「いやいや、あんだけの女の子に囲まれちゃったら流石に耐えられないでしょ・・・」

 

「・・・出かけたこともあった。しかし、俺の速さでなんとかなった」グッ

 

「いやなんで、そんなに誇らしげにグッジョブポーズしてるの!?なんもかっこよくないからね!」

 

 

といった会話が行われていたそうな・・・

 

 

 

 

_______

 

 

数分後康太先輩とアキ兄が戻ってきて私たちは自己紹介をした。康太先輩はスゴいもの静かな人かなと最初は思っていた。でもそれはすぐに崩れさることになる。

 

きっかけは本当に突然の出来事だった

 

 

「きゃっ!!」バシャァ!

 

ひまりちゃんが飲み物のフタを開けた状態ですってんころりんと転んでしまったのだ。康太先輩はすぐに気づいて、タオルを渡しにいったのだがその時に事件は起こった。

 

 

「大丈夫か・・・タオルだ・・・っ!!」

 

「うぅ・・・冷たいよ~ありがとうございます。康太先輩!って、どうしたんですか?顔を赤くして?」

 

「・・・なんでもない!今は近づくな!」

 

 

その時、康太先輩は顔を赤くというかある一部分に赤みが集まっていて、ひまりちゃんは上半身が水に濡れて、下着が透けていた。

 

 

「え~なんでですか?」

 

 

いや、ひまりちゃん自覚無さすぎ!!康太先輩なんかヤバいことになってるよ!?

 

 

「ムッツリーニ!大丈夫!?」

 

「ひまり!はなれてやれ!康太先輩がなんかヤバいことになってるから」

 

「ええっ、そうだったんですか!?なんかすいません・・・」

 

 

そういって、ひまりちゃんははなれてくれたけど・・・もう康太先輩、鼻血が出てきちゃってる!?

 

 

「明久・・・俺が倒れたら・・・後処理と蘇生を・・・頼む・・・」ポタポタ

 

「わ、分かった・・・」

 

「グハッ!!」

 

 

プシャァァァー!!(鼻血です)

 

 

「ム、ムッツリーニーーーー!!!!!!!」

 

 

康太先輩は鼻血を吹き出しながら倒れた・・・

って、えええええええええ!!!!あんなに鼻血って出るもんなの!?出すぎじゃないかな!?

 

 

「美波!カウンターに行って雑巾貰ってきて!!あと一応AEDもお願い!!」

 

「わ、分かったわ!」

 

「巴ちゃんはムッツリーニのバックから輸血パックを出して欲しい!」

 

「わ、分かった!」

 

 

アキ兄はテキパキ指示を出して康太先輩の蘇生に取り掛かっている。とりあえず、素早い手つきで進めてる。スゴいくらいに手馴れてるよ・・・もしかしてこれって日常茶飯事じゃないよね?

 

 

「アキ先輩~モカちゃんはどうすればいいですか~?」

 

「ん~と、そうだ!モカちゃんはひまりちゃんの着替えを手伝ってあげて」

 

「分かりました~。ひーちゃん~一緒に着替えにいこ~」

 

「えっ?う、うん分かった!」

 

「明久先輩!私も手伝います!何すればいいですか?」

 

「OK助かるよ。じゃあ・・・これ手伝ってくれない?」

 

「はい!わかりました!」

 

 

モカちゃんはひまりちゃんを着替えに連れて行って、つぐみちゃんはアキ兄の手伝いを始めた。

 

 

「ほらっ、手が空いてる人は血を拭き取るの手伝って!!」

 

「は、はい!!わっかりました~!」

 

 

残された私たちはいつの間にか雑巾を持って戻ってきていた美波先輩に呼ばれ康太先輩の鼻血を拭く手伝いに回った。

 

 

「早く拭いちゃってね、血って固まっちゃうとなかなか取れないし、鉄臭くなって大変なことになるからね・・・」

 

「は~い!」

 

「やけに美波先輩手際が良いですね、吉井先輩もこなれてますし・・・」

 

 

やっぱりさーやも気になってたのか美波先輩に理由を尋ねていた

 

 

「まあ、簡単に言うなら・・・これがアキとウチがいるクラスの日常ってことかな」

 

「なかなかにカオスですね・・・」

 

「本当だよ・・・でも、アキ兄はそんな日常でキラキラドキドキしてるんだろうな~」

 

「香澄ちゃんのいうキラキラドキドキってのはあまりわかんないけど・・・まぁウチもアキも学校生活を楽しんでるわ!」

 

 

美波先輩は私にそういって満面の笑顔を見せてくれた。それはとてもキラキラしていて同じ人を好きな恋のライバルである私が羨ましく思えるほど輝いていた。

 

でも、私も負けてられない!絶対にアキ兄を振り向かせる!そう決意しながら私は康太先輩の鼻血を拭き取っていくのであった・・・

 

ちなみに、私たちが血をちゃんと拭き取った後に康太先輩は目を覚ましアキ兄と一緒にこのスタジオのスタッフさんに土下座して謝罪しスタッフさんたちが困惑していたのはまた別の話・・・

 

 

 




祝!UA3000&お気に入り登録30件突破!!

とりあえず本当にありがとうございます!!

これからも全力疾走で頑張っていきます!!

バンドリーマーさんは今回のバスパレイベントお疲れ様でした!!自分は70000位代だったんですけど大満足でした!!次はどこでガチ周回しようかな・・・

そしてねらっていた☆4彩ちゃん出ず・・・ポピパとあこちゃんに囲まれた人生でした・・・(ヽ´ω`)トホホ・・


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第5話「バカとアイドルとそっくりさん!」


前書き企画!
~バカテスト!~

問題『双子の大きな概念での種類をすべて答えなさい』

土屋康太の答え

『一卵性双生児、二卵性双生児』

教師のコメント

「正解です。流石ですね。土屋くんはこの情熱を他の教科にも注げるようにしましょうね。ちなみに一卵性双生児はひとつの受精卵が2つに別れた時にできる双子のことで二卵性双生児は受精卵が初めから2つある時にできる双子のことを言います。この違いも覚えておきましょう」

氷川紗夜の答え

『破廉恥すぎて、答えがかけませんでした。』

教師のコメント

「かけないことを謝罪してくれるという所は流石風紀委員といったところでしょうか、しかし、あなたは純情過ぎますね」

青葉モカの答え

「マナカナ、ザ・たっち」


教師のコメント

「それは双子の別称です。」

吉井明久の答え

「ヤン坊マー坊天気予報♪」

教師のコメント

「『8時だよッ!』とでも言わせたいんですか?」




 

 

明久side

 

「うそっ!?もう『Afterglow』をスカウト出来たの!?」

 

「へっへ~ん!スゴいですよねーもっと褒めてください!!」

 

「沙綾と美波先輩のおかげだろーが!!なんでお前の手柄みたいになってんだよ!?」

 

『Afterglow』を勧誘してから数日後、僕らはまたまたまりなさんに報告会をしていた。そしてこの日は、香澄ちゃんと有咲ちゃんが来ていた。

 

「で、今日はどこのバンドを、勧誘にいけばいいですか?まりなさん?」

 

「うん!今日は『Pasttel*Palette』を勧誘してきてくれないかな?彼女たちは芸能事務所に所属しているバンドだからどうなるかは分からないけど、とりあえず彼女たちの所属している芸能事務所に行けば大丈夫じゃないかな?」

 

「わっかりました~!それじゃぁ、アキ兄、有咲、美波先輩!行きましょー!!」

 

「ちょっ!!ちょっと!!私はまだ行くとは言ってな・・・あ~もうっ!!」

 

 

有咲ちゃんは完全に巻き込まれる形となったが、それでもまんざらでもない感じで香澄ちゃんを追いかけていった。僕らは香澄ちゃんたちに早く追いつけるように事務所の場所を聞いてから、二人のあとを追いかけた。

 

 

 

__________

 

 

other side

 

 

『Circle』からバスで15分程度、明久達はアイドルバンド『Pasttel*Palette』の所属する芸能事務所に到着した。

 

 

「おお~!ここがげーのーじむしょ!」

 

「とりあえず、目的は『Pasttel*Palette』の勧誘だから早く見つけよーぜ~それが終われば帰れるんだからな~ということで、吉井先輩行ってきてください~」

 

「いやなんで僕!?美波でも良くない!?」

 

「こういうのは男が先人切って行くものですよ~!ほらほら早く!」

 

「分かった、分かったから!とりあえずみんなもついてきてね!」

 

 

そういって、明久たちは芸能事務所のなかに入りに行った。そして、この様子を、少し離れたところからとある男が見つめていた・・・

 

 

「な、なんで・・・なんであいつらがいるんだ~~~!!!!」

 

 

その男の名は須川亮、文月学園の2年Fクラスの男子生徒・・・もうお分かりだろうが、明久と美波の同級生である。彼はとある事情があって『Pasttel*Palette』の事務所に来ているのだが、いざ入ろうとした時に、明久たちがやってきたので彼はとっさに木陰に隠れてしまったのだ。

 

 

「あいつらなんでうちの事務所に来てるんだ・・・?しかも知らない女の子が二人も・・・昔の俺だったら普通にあいつに飛び蹴りをかましているところだが・・・って、何を考えているんだ俺は!?とりあえず・・・裏口から入るか・・・って、裏口はどこだ?」

 

 

自分自身は焦ってはいるものの亮は明久たちに見つからないように裏口に向おうとしていた。

 

 

「何あなたはそんなにオロオロ慌てているのかしら・・・?亮くん?」

 

「・・・二人きりの時以外はその呼び名はやめろって言っただろうが白鷺」

 

 

亮がそう言いながら振り返るとそこには今ちょうど明久達が探しているアイドルバンド『Pasttel*Palette』で金に近い黄色の髪をしたベース担当の白鷺千聖がいた。

 

 

「あら、二人きりの時だからこそ名前で呼び合うって約束したじゃない」

 

「はぁ・・・分かったよ・・・千聖」

 

「うん、それでいいのよ。それで、なんで亮くんはここであたふたしていたのかしら?」

 

「俺の黒歴史に関係してる奴がここに来たんだよ・・・何故かは知らんけど・・・」

 

「そう・・・確か吉井くんとかいったかしら?」

 

「そうだよ・・・だから千聖・・・一緒にあいつに見つからないように、裏口から入ってレッスン部屋まで付き合ってくれないか?」

 

「つ、つっ!?あなた何言っているのよ!?」

 

「おいおい、千聖・・・何顔を真っ赤にしてるんだよ・・・たかがレッスン部屋まで一緒に行くだけだろ?」

 

「えっ?・・・あっ、そうよねそうなるわよね!(私ったら何を勘違いしてるのよ~!!彼はただのマネージャーであって、全く関係は無いのよ・・・落ち着いて・・・)」

 

「千聖・・・何そんなに焦ってるんだ?」

 

「・・・!り、亮には関係ないことよ!それよりは、早く裏口行きましょう!吉井くんに見つかりたくないんでしょ?」

 

「分かった、分かったから!ご案内を頼むよ千聖さん」

 

 

そして、2人は明久たちにおそらく見つからないであろう裏口に回るのであった。

 

 

________

 

 

人には必ず運がすごく良い時と、とてつもなく悪い時があると言われている。風水で良い運を呼び込むということをするぐらい、日本には占いの考え方が浸透している。須川亮という人物にとっては今日は運が悪い日だと後に彼は語っている。なぜそうなったのか・・・

 

 

「いやだから、有咲ちゃん、押さないで・・・ってうわっ!!」

 

 

それは、裏口から事務所に入った2人の前にいきなり、吉井明久という人物が他のひとに押されるという形で現れたからだ

 

 

(いや、なんでお前が現れた~~!?!?!?!?!?)

 

「あの・・・・・・うちの事務所になにか御用でしょうか?事前のアポがないのでしたらお引き取りを・・・」

 

「あっ、あはは・・・すいません。いきなりお邪魔して・・・アボとかは・・・えっと・・・」

 

(吉井動揺しすぎだろ・・・どんだけ緊張してんだ・・・)

 

「あ~!白鷺千聖ちゃんだー!私テレビで見たことがあるよ」

 

「バッ・・・香澄!声がでけえよ!」

 

「えっと・・・ファンの方かしら?」

 

(よし、千聖いいぞ、このまま早くあいつらをここから追い出してくれ!)

 

 

なんとか、役者モードで明久や香澄たちに対応している千聖を見て、亮はこのまま明久を帰させられると思っていた。(ちなみに、亮は千聖の真後ろに明久たちに見つからないように上手く隠れている)

 

 

「チサトさん、もうすぐリハが・・・あれっ?カスミさん!アキヒサさんにミナミちゃんも!」

 

 

リハーサルが始まることを伝えに来た『Pasttel*Palette』で銀髪のキーボード担当若宮イヴが千聖達の前に現れるまでは・・・

 

 

(若宮ーーー!?!?!?よりによってなぜお前だーーー!?!?!?)

 

「やっほーイヴちゃん、学校ぶりだね!」

 

「はい、そうですね!あっ、イチガヤさんもいたんですね!」

 

「えっ、ま、まあ・・・はい。それよりも若宮さんはなぜ吉井先輩たちを知ってるんですか?」

 

「ウチと、イヴが当時同じ外国で暮らしていた時があってね、その時からの幼なじみなのよ。」

 

「アキヒサさんは私とミナミちゃんがアルバイトしている場所で知り合ったんです。」

 

(吉井・・・お前ココ最近で交友関係広げすぎじゃね?)

 

 

まさかの自分がマネージャーを務めているバンドから明久の知り合いがいることを知った亮は驚きを隠せなかった。

 

 

「ところで、みなさんはなぜここに?もしかして、アイドルになりに来たんですか?」

 

「ううん。そうじゃなくてね・・・」

 

「あれ?君たちってもしかして『Poppin’Party』?」

 

「わあっ!もしかして私たちのことを知ってるんですか?」

 

「知ってるもなにも、みんな花女でしょ?学校じゃみんな有名だよ!」

 

(今度は丸山か・・・なんかどんどん増えてきてるな・・・というか、俺本当にバレてないよな?)

 

 

今度は『Pasttel*Palette』でピンクの髪をしたボーカル担当の丸山彩が登場し、どんどん人が増えていく状況に本当にバレていないのかと亮は不安になっていた。そんな彼の考えはつゆ知らず、話はどんどん進んでいく

 

 

「まさか、本当に花女にこの2人がいるなんてな・・・驚きだよ・・・」

 

「ところで、今日は何をしにここへきたの?」

 

「えーっとですね・・・明久先輩説明を!」

 

 

といった感じで有咲の催促で明久がここに来た目的を説明しようとした。

 

 

「ちょっと待って、有咲ちゃん少し良い?」

 

「??どうしてですか?美波先輩?」

 

「ちょっと気になったことがあってね・・・

()()・・・なんであんたがここにいるのよ・・・?」

 

「・・・!!!(いやなんで島田!?なぜお前!?)」

 

「あれ!?本当だ!須川くんじゃん!?なんでここに?」

 

「リョウさん!忍者のシュギョウをしてたのですか?ミナミちゃんが気づくまで全く分かりませんでした!」

 

「あ、ああ・・・実はな・・・ええっと・・・」

 

 

しかし、それを止めてまでいきなり、美波は須川がいることを見抜きそれを言ったことで、他のみんなにも隠れていることがバレた亮はどう説明しようか完全に頭が混乱状態になっていた。

 

 

「須川くんは、私たちのバンドのマネージャーをアルバイト的立場だけど、やってもらってるのよ。今日はたまたま、裏口から入った時にあなた達が来たからびっくりしたみたいで隠れちゃったみたい。」

 

(いや、待て千聖、流石にバカな吉井でも、これは流石に強引すぎやしないか?)

 

「へぇーそうなんだ~!でも、須川くんの新たな一面を見た気がするよ~」

 

「なんかごめんね須川、色々迷惑かけたみたいで・・・」

 

「あっ、ああ・・・気にしてねーよ」

 

(バレてねぇ!?!?!?!?いや、流石にこれは俺でも嘘って分かるぞ!?二人ともどんだけ、バカなんだよ!?というか、そもそも俺はビビりではねーよ!?)

 

「まぁ、そういうことだ・・・おっと、自己紹介がまだだったな・・・俺は白鷺達のバンドのマネージャーをしてる須川亮だ。アルバイトではあるけどな。」

 

「よろしくお願いします~須川先輩!私は戸山香澄!アキ兄とは幼なじみで、バンドやってます!あっ、ちなみに隣は、市ヶ谷有咲です!」

 

「おう、よろしくな戸山、市ヶ谷。とりあえず、吉井、今日なんでここに来たのか話してくれ。俺もいた方が、話は進みやすいと思うからな」

 

 

明久の言動に、心の中でツッコミを入れながらも、亮は落ち着きを取り戻して、明久たちに今日来た目的を尋ね、それに応じた明久もライブイベントの話を始めた。

 

________

 

 

「ライブイベント・・・!いいですね!私出てみたいです!」

 

「本当に~!ありがとう!」

 

「よっしゃ、これならなんとかなりそうだな」

 

「いや待って有咲ちゃん、流石に、他のバンドメンバーからの承諾も得ないと・・・」

 

 

なぜか話を一気に進めようとする有咲に明久がバンドメンバー全員の許可を得るために少し待ったをかけた。

 

 

「なになに~どうしたの~♪」

 

 

するとそこに『Pasttel*Palette』の残りの二人のメンバーである、水色の髪をしたギター担当の氷川日菜と茶髪でドラム担当の大和麻弥が来た。

 

 

「・・・!!ネェ、ミナミ。アレッテ・・・」

 

「エッ!!マサカ・・・カクニンシマショ!」

 

「おっ、氷川に大和じゃねーか?どうした?」

 

「もうリハの時間が過ぎているのにみなさんが来なかったので心配していたんです。いったいどうしたんですか?」

 

「この人達にライブイベントに参加して欲しいってお願いされてね、あっそうだ、紹介しておくね彼女たちは・・・」

 

「あの~少しいいですか?」

 

 

彩が麻弥と、日菜の2人を明久達に紹介しようとしたが、それを明久が待ったをかけ、美波と共に麻弥に近づいていった。

 

 

(あっ、やべー!!!!!()()()()言うの忘れてた~~~~~!!!!!早く止めねーと!!)

 

 

その時、亮はある事実に気づいて、止めに向かうが、もう

こいつら(バカ2人)には意味が無く、もう遅かった。

 

 

「・・・?どうしたんですか?」

 

「『どうしたんですか』じゃないよ、なんでここにいるの・・・()()!!」

 

「「「「「「「「えっ?」」」」」」」」

 

「いやぁ~何を言ってるんですか?自分は秀吉ではありませんよ・・・」

 

「とぼけないで、木下!!芸能人としてやってるなら、その名前も芸名でしょ?」

 

「いや、なんでそうなるんですか!?この名前は本名ですってば!」

 

 

完全に麻弥を『木下秀吉』という人物と勘違いしている明久と美波の様子に麻弥以外のメンバーや香澄と有咲もボーゼンとするなか、亮はなんとか誤解を解くためにある人物に電話した後、明久と美波を止めにかかった。

 

 

「いや吉井と島田、本当にこいつは秀吉じゃないからな、俺も最初は勘違いしてたけど」

 

「じゃあ証拠を見せてよ!この子が秀吉じゃない証拠を!」

 

「まず、目もとが違うじゃねーか!秀吉はメガネかけてねーだろ!」

 

「伊達メガネの可能性もあるじゃん!」

 

「秀吉は今ショートヘアじゃねーか!しかも男らしいベリーショート」

 

「カツラを付けてる可能性もあるじゃん!」

 

「・・・自分の髪は完全に地毛なんですけどね・・・」

 

 

その後も明久と亮による麻弥は秀吉だ!いやそうじゃない!論争が続き、麻弥を初めとするメンバーは困惑するばかりであった。(唯一日菜だけは面白がっていたが)

 

 

「よし、こうなったら強硬手段だ!美波、お願い!」

 

「わかったわ!さ~て秀吉、化粧を落として本当の自分を見せましょうね~」

 

 

亮との言い争いが決着がつかないと判断した明久は美波に頼み、化粧落としを持って麻弥に迫って来た

 

 

「えっ!?やめてください!自分は化粧をしてませんって~」

 

「えっ、ちょっと本当に止めないとまずいんじゃないかな・・・」

 

「そうね、早く止めないと行けないわ!みんな、止めるわよ!」

 

「いやぁ大丈夫じゃないかな~止めなくても」

 

 

流石にヤバいと思ったのか彩と千聖の提案で、パスパレのメンバーは、美波を止めようと動こうとしたが、何故か日菜が他の3人を止めた。

 

 

「どうしてですか?ヒナさん!マヤさんが危ないです!」

 

「多分大丈夫だよ~私の勘だとこの後すぐに解決すると思うから~」

 

「えっ!?それってどういう・・・」

 

 

何故か止めた日菜の理由説明に彩を中心に戸惑っていると

 

 

『こらっ!!!!吉井と島田!!ここで何をしている!!』

 

 

突然、男の怒声が響いた。

 

 

「に、西村先生!?」

 

「嘘っ、て、鉄人がここに・・・?」

 

 

いきなりの怒声に明久と美波は自分たちの担任である鉄人こと西村宗一が来たのかと思い動揺しながらも恐る恐る振り返った。

 

 

「全く・・・お主ら、何をしておるのじゃ・・・」

 

 

しかし、そこに西村先生の姿はなく、そこには麻弥に見た目がまるで瓜二つな人物がいた

 

 

「あっ、秀吉さ~ん!助けてくださ~い!」

 

「おおっと、大丈夫かの麻弥よ・・・とりあえず事態は把握はできたのじゃが・・・これはどういう状況じゃ?」

 

 

麻弥はその人物、木下秀吉を見つけると、泣きそうになりながらも、秀吉にかけよった。秀吉は明久たちにため息をつきながらもなぜこうなったのかを尋ねた。

 

 

「「「「「「・・・・・・」」」」」」

 

「ど、どうしたのじゃ?お主ら・・・?」

 

「「「「「「麻弥ちゃん(さん)(秀吉)が2人!?」」」」」」

 

「お主ら今更かの!?」

 

 

しかし、明久たちは今更ながら、かなり麻弥と秀吉がそっくりなことに気づき、それに対して秀吉はつっこむのであった。

 

 

_________

 

 

亮side

 

 

「はぁ~今日はすごく疲れた・・・」

 

 

あれだけギラギラ照りつけていた太陽が西に傾いたころ、俺はパスパレのメンバーと共に家路に着いていた。・・・何故か秀吉もいるが

 

 

「なんかすいません・・・とんだご迷惑をおかけしたみたいで・・・」

 

「いやいや、迷惑をかけたのは吉井の方だから気にしなくていい。俺からも後日きつく言っておくから安心しておけ」

 

「ならいいんですが・・・」

 

「いやすまぬのう・・・わしらのクラスメイトが・・・」

 

「いや本当に気にしないでください!秀吉さんもありがとうございます!」

 

 

あのあと、秀吉の必死の説得によって誤解が解けた明久は大和に盛大に土下座し、許しを得た。しかし、そのおかげで、パスパレのライブイベント参加は芸能事務所の許可が降りしだいという条件付きになってしまった。まぁ、でも俺の交渉術とメンバーの参加意欲の高さなら多分大丈夫だとは思うんだがな・・・

 

 

「いや、いいのじゃ。でも、麻弥がアイドルバンドをやってるとはのうーびっくりしたのじゃ」

 

「いやでも、自分はまだまだですから・・・まだアイドルになれた実感もないですし・・・」

 

「じゃが、それでも麻弥は彼女たちの支えになっておる。それは自信を持ってよい。それだけでもお主はアイドルになれているからのう」

 

「本当ですか!!フヘッ、フヘヘヘヘッ・・・ありがとうございます!」

 

「お主のその笑い方は相変わらずじゃの・・・」

 

「あはは・・・でも、麻弥ちゃんのこの笑い方にファンも沢山いるからね・・・なかなか直せないもんね・・・」

 

「ええ・・・もう私でもお手上げだわ・・・」

 

 

秀吉は大和のアイドルらしくない笑い方にため息をついた。でも、彩の言う通り、その笑い声を欲するファンもいるらしいのだ・・・本当にファンの心は分からないものだ。

 

 

「でも本当にヒデヨシさんはマヤさんの分身だと思ってました!実際はどうなんですか?」

 

「いや、若宮よ・・・流石に性別も違うじゃからいくら分身でも無理があるぞい」

 

「え~でも、ある忍者マンガでは普通に分身の術やった後にお色k・・・」

 

「お前はアホか!?女の子がそんなはしたないこと言っちゃいけません!!というか、話の線をずらすな!!」

 

 

俺は氷川が拡大させようとした話の展開をなんとか軌道修正した。というか、いきなり変な話をぶち込むなよな氷川のヤロー

 

 

「おっと、わしはここまでじゃな」

 

 

と、俺が心の中で氷川にダメ出ししていると、秀吉の自宅付近に来たようであったつまりここで秀吉とはお別れである。

 

 

「秀吉さん今日はありがとうございました!一緒に帰れて良かったです!」

「うむ、わしも楽しかったぞ、またな麻弥よ」

 

そういって、秀吉は家に向かって行こうとした

 

「・・・待ってください秀吉さん!」

 

「・・・??何じゃ?」

 

 

しかし、大和が彼を止めた。俺たちは不思議に思いながら見守っていると・・・

 

 

「今日、助けてくれた時の秀吉さん・・・とってもかっこよかったです!」

 

「・・・!!そ、そうかの・・・」

 

 

突然の大和のかっこいい発言に顔を真っ赤にする秀吉

・・・は、は~ん。これはこれは・・・

 

 

「し、失礼するぞ!!では、須川よ!また学校でのう!」

 

「お、おう・・・」

 

 

その後、秀吉は恥ずかしかったのかそそくさと家に帰ってしまった。

 

 

「・・・??なんで秀吉さんはあんなに顔を・・・体調が悪いのでしょうか?」

 

 

いやいや、あなた・・・これは前途多難だな・・・頑張れよ秀吉・・・

俺はもう家に帰ってるであろう秀吉に合掌するのであった。

 

 

「あなたにだけは言われたくないわね・・・」

 

「俺の心を読むなよ白鷺・・・というかどういうことだよ?」

 

「さぁ?自分の心の中に問いてみなさい」

 

 

全く・・・白鷺の言うことはさっぱり分からんな・・・←こちらも鈍感

 

 





UA4000とお気に入り登録数が40件を突破しました~!!

いやぁーこんな不定期更新な小説に沢山の閲覧と応援本当に感謝します!これからも誠心誠意がんばって行きます!

そして、誠に申し訳ありませんが次回投稿は私のリアルがテスト等ですごく忙しくなるので、もっと遅くなるかもしれません!本当にすみません!なるべく早く投稿するので、気長にお待ちください!!

ではまた、次回!!

ガルパ・ピコ面白すぎる・・・早くこっちでも書きたい・・・


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第6話「バカとえがおとドSな男!」

リアルがテスト期間中なのに投稿する私です!

前書き企画!
~バカテスト!~


問題『「物事は繰り返されるものである」という意味のことわざを答えなさい』

市ヶ谷有咲の答え

『2度あることは3度ある』

教師のコメント

「正解です。さすがですね。
これと同意義のことわざとしては他に
『ある事3度』『一災起こればニ災』といわれるものもあります。どれも悪いことが続く時に用いられることわざですので覚えておくとともに、同じ過ちを繰り返さないために1度目の失敗で得た教訓を大事にしていきましょう」

吉井明久の答え

『七転び八起き』

教師のコメント

「珍しく、まともでよくある間違いをして先生は驚いてます。七転び八起きというのは『何回失敗してもそれに臆することなく立ち向かう』という意味ですので覚えておきましょう」


木下秀吉の答え

「輪廻転生」


教師のコメント

「来世もFクラスですか?」




 

 

明久side

 

 

「そっか・・・パスパレは保留なんだね」

 

「うん、でも絶対参加してもらえるよ!」

 

「多分交渉が上手い須川じゃから問題はないじゃろう・・・じゃが、こんなことになったのは()()()の責任じゃからのう」

 

『・・・面目ないです・・・』

 

 

今日僕らは、残ったあとひとつのバンド『ハロー!ハッピーワールド!』の勧誘をしに街へ繰り出していた。メンバーは僕と美波、香澄ちゃんとりみちゃん、そして、パスパレ勧誘の時に僕がやらかしたことによって須川くん経由で僕らの暴走ストッパーとして駆り出された秀吉の5人である。

 

 

「いや~でも、麻弥先輩を助けるために秀吉先輩が出したあの声は本当にすごかったです!本当に演劇部だからこそ出せる声ですよね~!」

 

「いやぁー恥ずかしいのじゃ・・・でも、演劇の経験がこんなところで活きるとはのう・・・」

 

 

香澄ちゃんに素直に喜ばれたのか、秀吉は顔を赤くして喜んでいた。これで、秀吉が女の子だったらどんなに良かったか・・・

 

 

「まあ、秀吉の演技はすごいからね!うちの学校では『演劇部のホープ』っていわれてるしさ!」

 

「いやぁ、わしもまだまだじゃ。わしももっと頑張らねばならんからの。あの時明久たちに話したじゃろう、わしにも超えるべき壁ができたと」

 

「そういえば、そんなこと話してたわね・・・もしかしてそれって、麻弥ちゃんのこと?」

 

「いやいや、麻弥ではない。別の人物じゃ、そやつはすごくてのう・・・皆を引きつける演技力、抜群のカリスマ性、それらはわしが嫉妬するほどじゃった。」

 

「あの秀吉が嫉妬するほどって・・・よっぽど凄かったんだね、その演技。でも、秀吉もびっくりしたでしょ?()()()が演技するの・・・」

 

 

なぜか周りがシーンとなった。えっ!?僕なんか変なこと言った?

 

 

「・・・明久よ・・・この時の超えるべき壁というものは、目標とか人物のことなのじゃが・・・」

 

「ええ~!そうなんですか!?アキ兄みたいな感じに考えてたんですけど違ったんですね!勉強になります!」

 

「お主もかの!?」

 

 

秀吉は深くため息をつきながら僕らを哀れみな目で見つめていた。

やめて~!秀吉!僕のメンタルが傷つく・・・!

 

 

「・・・香澄ちゃんが勉強が苦手な理由が少しわかった気がする・・・」

 

「りみりん!?そんな目で見つめながらそんなこと言わないで!?恥ずかしいよ・・・」

 

 

りみちゃんのふとしたそして、今の僕のメンタルにどストライクでぶち当たる発言と共に僕らを暖かい目で見つめる様子に香澄ちゃんが驚き、恥ずかしがっていた。そして、僕は心の中で泣いていた・・・

やめて!そんな目で見ないで二人とも!僕のメンタルはもう崩壊寸前だよ!

 

 

「まあまあ・・・それよりも木下でさえそこまで言わしめるそのライバルってどんな人なの?」

 

 

美波が僕らを気遣ったのか、話題を変え秀吉にその人のことを聞き出そうとしていた。

 

 

「そうじゃの~簡単に言えば、王子様じゃのう・・・」

 

『王子様?』

 

 

王子様って・・・その人って男なのかな?

 

 

「言っておくが明久よ、そやつは女子じゃから男ではないぞ」

 

 

何?僕の心の声って読まれやすいの!?

秀吉の突然の指摘に僕は苦笑いを浮かべるしかなかった

 

 

__________

 

 

 

「あれっ、あの人だかり・・・なんだろう?」

 

 

それから数分後、駅前広場にやってきた僕らは、りみちゃんの言葉によってある人だかりを発見した。

 

 

「世界を笑顔に!ほらほら!私も笑顔になるから、あなたも笑顔!」

 

「君の笑顔・・・儚く美しいね・・・眩しいくらいだ」

 

『キャー!!薫さま~!!』

 

 

そこには、金髪の少女が周りの人に笑顔を振りまき、紫髪の人にはたくさんの女性ファンが集まっていた。その人はまるで、今さっき秀吉が言っていた王子様のような人であった。

 

 

「あれって、同じ学校の弦巻こころちゃんだよね?なんか楽しそうなことしてる!ねぇ、行ってみよう!」

 

「えっ、ちょっと、香澄ちゃん~」

 

 

またまた、様子が気になった香澄ちゃんが走り出しりみちゃんは慌てて追いかけていった。

 

 

「あちゃー、香澄ちゃんは相変わらずだよ・・・」

 

「明久よ、お主も大変じゃのう・・・」

 

「とりあえず、行きましょう!あれがガールズバンドだったら勧誘できるかもしれないし!」

 

 

美波の提案で僕ら3人も2人を追いかけていった。

 

 

________

 

 

 

香澄side

 

 

「あれ?かーくん?」

 

 

私がいの一番で人混みに来た時、聞き覚えのある声がしたのでその方向へ振り返ると、そこには懐かしい人がいた。

 

 

「やっほー、はぐだ!ハグハグ!こんなところでなにしてんの?」

 

 

オレンジ色のショートヘアをした私のもう1人の幼なじみ、はぐこと北沢はぐみちゃん。アキ兄と一緒に小学生まで遊んでて、それ以降は会えなくなってたけど、高校進学後にたまたま、同じクラスになって、再会した活発な女の子!

 

 

「ライブだよ、今終わったところなんだ~

はぐみたちはね、世界を笑顔にするためにバンドをやってるんだ~」

 

「へぇー、はぐたちもバンドやってるんだ~知らなかったよ」

 

「ふぅ・・・追いついた・・・相変わらず香澄ちゃんの行動は・・・って、クマ!?しかもピンク!?」

 

 

私がはぐの近況に感心してるとアキ兄が遅れてやってきた。そして、いきなり私たちの視線に入ったピンクのクマの着ぐるみ・・・でいいんだよね?とりあえずそれに驚いていた。

 

 

「クマだけどクマって名前じゃないよ~!って、あーくん!?」

 

「その声って、はぐみちゃん!?久しぶりだね!」

 

「やっぱりあーくんだ!久しぶり~!小学校以来だ~!まさか今年に入ってかーくんだけじゃなくて、あーくんにも再会できるなんて、はぐ嬉しいよ~!」

 

 

はぐは遅れてきたアキ兄に気づいたらしくとても驚きながらも喜んでいた。アキ兄もアキ兄で嬉しそうであった。そんなこんなで再会を喜んでいると、遅れて美波先輩と秀吉先輩がやってきたそしてアキ兄と同じように『く、クマっ!?』って驚いていた。

 

 

「ところで、はぐ?そのクマの着ぐるみもバンドメンバーなの?」

 

「キグルミじゃなくて、ミッシェルだよ!ミッシェルはDJをしてもらってるんだ!」

 

「な、なかなかカオスなバンドじゃのう・・・」

 

 

呆気に取られる私たちの声を代弁するかのように秀吉先輩はバンドのことについて言っていた。秀吉先輩の意見もそうだけどとても楽しそうなバンドだと私は思った。

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・香澄ちゃん、足速すぎるよ・・・」

 

 

すると遅れてりみりんもやってきた。かなり必死に走ってきたのかなかなかに息を切らしている。すると近くでファンの対応をしていた紫髪の人がこちらに気づいてやってきた。

 

 

「そんなに、息を切らせて駆けてくるなんて、なんて愛らしいんだ。君も私に会いに来てくれたのかな?」

 

「・・・・・・っ!!!」

 

「ええっ!?りみりん顔を真っ赤だよ!大丈夫?」

 

「えっ、本当!?あれっ、なんでだろう?」

 

「もしかして、熱があるんじゃ・・・」

 

 

いきなりの顔の紅潮にりみりんが戸惑っていると近くにいた水色の髪をした女の子がりみりんを心配してくれていた。

 

 

「りみりん、熱があるの?大丈夫!?」

 

「なんと可哀想に・・・君のような可憐な女性が・・・・・・もしかして、恋の病ってやつかな?」

 

「~~~~~~~~~~~~っ!!」

 

「もっと、顔が赤くなった!?りみちゃん大丈夫!?」

 

 

紫髪の人の言葉によってさらに顔を赤くするりみりん・・・って本当に大丈夫!?

アキ兄が心配して顔が真っ赤になっちゃったりみりんを落ち着かせていると・・・

 

 

「瀬田よ・・・お主は相変わらずじゃのう・・・」

 

「やあ、秀吉じゃないか。合同公演以来だね・・・君も男装という仮の仮面を私によって解き放たれにきたのかな?」

 

「何度も言っておるがわしは男じゃ・・・男装女子ではない・・・」

 

 

秀吉先輩がその人に話しかけていたということは・・・

 

 

「木下、まさかこの人が、あんたの超えるべき壁の?」

 

「その通りじゃ、彼女は瀬田薫という。わしらと同い年の一応王子様じゃ」

 

 

美波先輩の疑問は正しく彼女、瀬田薫先輩が秀吉先輩のライバルだったみたいだった。

 

 

「えっ、薫くん、知り合いがいたの?はぐみ、知らなかったよ~!」

 

「ああ、秀吉は私が認める演劇でのライバルだ。彼女には私にない演劇のスキルを持っている。切磋琢磨するためにはよい相手だよ」

 

「褒めてくれるのは嬉しいのじゃが、わしは男じゃと・・・」

 

 

秀吉先輩、薫先輩だっけ?その人に色々苦労かけさせられているんだなぁ・・・

あっ、そういえばりみりんは大丈夫かな?

 

 

「・・・・・・っ!」

 

「はわわ!!どうしよう・・・とりあえず、救急車を・・・!」

 

「落ち着いて、落ち着いて!大丈夫だから!とりあえず深呼吸しよう、深呼吸!」

 

 

・・・全然大丈夫じゃなかった!水色の髪の人はすごい慌ててるしアキ兄が落ち着かせようとしてるけど、あんまり上手く行ってないみたいだし、なんとかしないと!

 

 

「あーあーあー!花音さん落ち着いて!大丈夫だから!」

 

「松原さん、大丈夫だよ、君が慌ててしまったらなんの元も子もないからね」

 

 

私がアキ兄の手伝いをしようとした時、突然メガネをかけた男の人と黒髪ロングヘアの少女が2人でピンクのクマの着ぐるみを抱えながら『花音さん』と呼ばれた水色の髪の人を落ち着かせていた。あれっ、この子ってたしか・・・

 

 

「あれっ、たしかA組の戸山さんと牛込さん・・・?」

 

「吉井君に島田さん、木下君!君たちもいたのか」

 

「あっ、美咲ちゃん!やっぱり、ミッシェルって美咲ちゃんがやってたんだね♪そういえば、美咲ちゃんの隣にいるメガネの人って・・・」

 

「あらっ?あなたたちどこかで見たことあるわね・・・」

 

 

といった感じでメガネの男の人のことを聞こうとしたその時ファンとの交流が終わった弦巻こころちゃんが話しかけてきた。

 

 

「あっ、そうだわ学校よ、学校で見たことあるんだわ!」

 

「いや、同じ学校だし、同じ学園でしょうが。・・・・・・てか、あんたが話すと余計話がややこしくなるから少し黙ってようか」

 

 

そういって、こころちゃんを止める美咲ちゃん。話をスムーズに進めるとはいえ、結構辛辣だね・・・やっぱり『()()()()()()()』と呼ばれるこころちゃんのことだからここまでしないとダメなのかな?

 

 

「それで、なんでここに来たんですか?」

 

「ええっと・・・。吉井先輩お願いします!」

 

「結局僕になるんだね・・・でも、お互い面識ない人もいるだろうから自己紹介がてら説明するね」

 

 

そんなこんなで、アキ兄の提案で私たちはお互いに自己紹介してから勧誘を始めていった。

 

 

_________

 

 

 

明久side

 

 

「いいわね!楽しそう!ぜひ参加するわ!!」

 

 

自己紹介が終わり、僕がライブイベントの説明をしている最中に、それを遮ってまで『ハロー、ハッピーワールド!』のボーカルで金髪の少女、弦巻こころちゃんがイベントの参加を勝手に表明した。

 

 

「いやいや、早くない!決めるの!?もうちょい、出てるバンドとか把握しないと・・・」

 

 

流石に、全てを聞いてから判断しようとしていたのか『ハロー、ハッピーワールド!』のスタッフで黒髪セミロングの少女、奥沢美咲ちゃんはいきなり参加を決めようとするこころちゃんを静止しようとした。

ん?クマのDJミッシェルの中の人が美咲ちゃんじゃないのかって?ミッシェルはミッシェルでしょ?おそらく・・・

 

 

「誰が出るかなんて関係あるの?私たちは世界を笑顔にするために活動してるのよ、だったら、こんな楽しそうなイベント参加する他ないわ!」

 

「かのシェイクスピアもこう言っている『行動は雄弁である』・・・つまり、そういうことさ」

 

「薫さん・・・素敵・・・・・・」

 

「あ~!はいはいわかりましたよ。そうですね、そういうことですね!まあ、スタッフである吉井先輩は悪い人じゃなさそうですし、戸山さんと牛込さんもいるから大丈夫なのかな・・・?」

 

 

こころちゃんの妙に説得力のある発言と『ハロー、ハッピーワールド!』のギターで紫色の髪で長身な女性瀬田薫さんの説得によって、美咲ちゃんはしふしぶ納得してくれたようだ。

 

 

「やった~!ありがとう!」

 

「いろんなバンドと一緒に演奏できるんだね~対バンだ!対バン!」

 

「たくさんのバンドがいるからいつもより、もっと緊張しちゃうかもしれないけど・・・私も頑張ります!」

 

「まぁ、弦巻さんがやるって言ったらもう変えられないからね。僕も全力でお手伝いさせていただくよ。」

 

 

ベースをやってるはぐみちゃんはやる気満々だし、『ハロー、ハッピーワールド!』のドラム担当で水色の髪をした松原花音さんも頑張ろうとしているし、スタッフとして手伝っている久保くんも同意を示してくれた。

 

 

「・・・・・・というわけなんで、よろしくお願いしますね吉井先輩。」

 

「OK!()()に乗ったつもりで任せといてよ!」

 

『・・・』

 

 

あれっ!?僕なんかおかしなこと言った!?

 

 

「明久よ・・・それを言うなら大船じゃ・・・」

 

「泥船ならすぐに沈みますよ・・・」

 

「そ、そうだった、そうだったね・・・アハハハハ・・・」

 

「え~でもはぐみもそうだと思ってた!初めて知ったよ、ありがとう!みーくん、秀くん(ひでくん)先輩!」

 

 

はぐみちゃん・・・僕のメンタルをこれ以上壊さないでおくれ・・・

 

 

_________

 

 

 

「ん?久保じゃねーか!どうしたんだよこんなところでさ!」

 

 

僕がメンタルを軽くブレイクされている時、銀髪のストレートヘアーで顔がまるでニ〇コイの主人公みたいな顔つきをした人が、久保くんに話しかけていた。え~っとたしか名前は・・・西野亮二くんだっけ?

 

 

「やぁ、西野くんじゃないか!どうしたんだい?こんな所で?」

 

「いやぁ~俺がスタッフとして働いているバンドの所へ行った帰りさ、ん?・・・あーーーっ!!吉井ーーー!!」

 

 

西野くんは僕を見つけるなりすぐに駆け寄ってきた。えっ、何!?僕なんかした!?

 

 

「に、西野くん!?ど、どうしたのさ?」

 

「おめー、うちの麻弥をなんで秀吉と間違えてるんだよ!!」

 

 

西野くんは僕がパスパレ勧誘時に起こした事件で怒っているようだ。というかなんでその事知ってるんだろう・・・

というか、()()()()()って・・・まさか付き合ってるの!?

 

 

「ご、ごめん!本当にごめん!大切な彼女である麻弥さんにすごい迷惑をかけちゃったみたいで・・・」

 

「全くだぜ・・・どれだけ迷惑をかけたんだと思ってるんだ・・・って、()()()()()ってどういうことだよ吉井?」

 

「えっ?麻弥さんと付き合ってるんじゃないの?」

 

「いや、付き合ってねーけど・・・というかそれだったら俺に示しがつかねーだろ!こっちは彼女いるってのに、他のメンバーに手を出したら終わりだろうが!」

 

「じ、じゃあ、なんで・・・うちのって・・・」

 

「うちのバンドって意味で言ったんだが・・・?」

 

 

ああ、神様・・・僕はとんでもない勘違いをしていたようです・・・僕に慈悲の恵みを・・・

 

 

「って、どうした?なんであいつの周りが神々しくなってるんだ?」

 

「アキは完全にメンタルが撃ち抜かれた時あんなことになっちゃうのよ・・・」

 

「うおっ、島田いたのか・・・すまんな気づかなくて・・・」

 

「良いのよ。というか西野、あんたがなんで麻弥ちゃんのことを知ってて、あの事件も知ってるのよ?特にあの事件を知ってるのウチ以外に知ってるのアキと木下くらいよ」

 

「ああ、それは俺が『Pasttel*Palette』の後援スタッフをアルバイトではあるがやっているからだよ。」

 

 

まさかのカミングアウトに神様に祈っていた僕も一瞬で現実に引き戻された・・・

って、後援スタッフ!?須川くんも西野くんもなんだかスゴすぎるよ・・・

 

 

「そうだったの!?全然知らなかったわよ・・・」

 

「まあ、あいつら(FFF団)にバレたらヤバいことになるからな、知ってるのはお前ら以外なら亮だけだ。というか、なんであの事件の時お前らはパスパレの事務所にいたんだ?」

 

「それは・・・近々ライブイベントが実はあってね、僕は開催場所のライブハウスでアルバイトしてるんだよ。だから、その勧誘活動のひとつとしてパスパレの勧誘のために事務所にいたんだ。」

 

「ふ~ん、そうなのか、まぁあいつらなら絶対参加するさ・・・俺が保証するよ!」

 

「うんありがとう!」

 

「良いってことよ!ん?・・・あいつは・・・」

 

 

僕が西野くんへあの事件の誤解が解けて安心していると、突然西野くんの目線がハロハピのメンバーへと向かった。

って、あれ?瀬田さんはどこ行ったんだろう・・・?

 

 

__________

 

 

 

香澄side

 

 

「利光さん、あの人って誰なんですか?」

 

「そうよ、利光!私にも教えて欲しいわ!」

 

「うんうん!教えて利くん先輩!」

 

 

アキ兄が西野先輩と呼ばれた男の人となにか話し合っている時、私たちは彼の素性を聞き出すために彼やアキ兄たちの知り合いである、久保利光先輩に話しかけていた。

 

 

「ああ、彼は西野亮二くん。僕や吉井くんや島田さん達が通っている文月学園の生徒で僕と同じAクラスの生徒だよ」

 

 

Aクラス・・・たしか有咲がある練習の日に言ってたっけ・・・

 

 

「文月学園ってなぁ完全実力主義の高校でクラスもクラス替え前に行われる学力試験の結果で振り分けられるんだ!しかもAクラスは成績優秀者ばかりが集まるクラスらしい・・・くぅ~私も1度でいいから行ってみたかったぜ~!」

 

 

あの時の有咲はおたえの天然発言もスルーするくらい熱弁してたな・・・

 

そういえば、Roseliaを勧誘しにいった時にに坂本先輩と一緒にいた霧島先輩もAクラスだったっけ・・・そんなクラスにいるなんて、やっぱり凄いんだなぁ~

あっ、もちろんアキ兄もすごいけどね!

 

 

「そんなすごい人と知り合いだったなんて・・・久保先輩も凄いですね!」

 

「あはは、ありがとう、戸山さん。」

 

「ふ~ん。私には少し分からないけど利光がそういうなら亮二もすごい人なのね!

ねぇ、薫はどう思う?」

 

 

そういって、こころちゃんが薫先輩に意見を求めようとして隣を見るとそこに、薫先輩はいなかった。

 

 

「あれっ!?薫くんがいないよ?」

 

「本当だ・・・薫さん・・・どこ行っちゃったのかな・・・?」

 

 

はぐやりみりんも彼女がいないことに気づいて、突然の状況に困惑する私たち。

 

 

「ん?・・・あいつは・・・」

 

「西野くん?どうしたんだい?」

 

 

すると、アキ兄と話してた西野先輩が突然私たちの方向を向きそそくさと歩いてきた。そして私たちを・・・通り過ぎその奥にあったゴミ箱に近づいていった。私たちは「なんでゴミ箱に?」という疑問が浮かんだけど、その疑問はすぐに解決されることになった。

 

 

「よう!薫っち!久しぶりだなぁ!」

 

 

なぜか、薫先輩はゴミ箱の後ろに縮こまって隠れていたのだ。

 

 

「や、やあ・・・亮二じゃないか。ひ、久しぶりだな・・・」

 

「おう、久しぶり!!いやぁ、やっぱりお前も変わらないな~」

 

「そうか・・・やっぱり君も変わっていないようだね・・・久々の再開は天が与えた産物かもしれないな・・・ああ・・・儚い・・・」

 

「ところで、お前ってそんなこと言うキャラだったっけ?『天が与えた産物』とか、『儚い』とか・・・恥ずかしがりやの印象しかお前になかったんだけど・・・」

 

「私は生まれ変わったのだよ・・・今までの私から・・・いわゆる輪廻転生と言うやつさ・・・」

 

「いや、輪廻転生だったら1回死んでるからな、薫っち普通に生きてるだろ」

 

「・・・ああ、そうだったな・・・だったら・・・あれだ・・・シェイクスピアもこう言っている・・・『天は人の上に人を作らず人の下に人を作らない』・・・つまり、そういうことさ・・・」

 

「いや、どういうことかさっぱり分からん。というか今言った言葉シェイクスピアじゃなくて福沢諭吉だからな」

 

 

なぜか西野先輩に攻められている薫先輩・・・初めて見た時に感じたキラキラ感はもう薫先輩からは消えていた。そしてこんな西野先輩の変わりように、こころちゃんとはぐは「新たな薫(くん)の一面が見れた!!」と目を輝かせているし、美咲ちゃんと花音先輩はどちらかというとあんなに薫先輩が押されていることに驚きを隠せていないようで、久保先輩はため息をつかながら呆れていた。

 

 

「あ、あんなに動揺している薫さんはじめてみた・・・」

 

「ふええ・・・ど、どうしよう・・・薫さんが助けを求めてる目をしてこっち向いてるよ・・・」

 

「はぁ・・・またやっちゃったね西野くん・・・仕方ない・・・」

 

 

そう呟くとため息を吐きながら、久保先輩は西野先輩をを止めに向かった。

 

 

「西野くん、流石にやりすぎ、瀬田さん見てみなよ・・・」

 

「はっ?久保、それってどういう・・・えっ・・・!!」

 

「・・・プスプス」チーン

 

 

西野先輩が不思議に思って見てみると、そこには自慢の髪が垂れ下がりもはや目も焦点が合ってないほど機能停止寸前になっている薫先輩がいた・・・

 

 

「あっ・・・すすすすすすまん!!!!!まさかお前をここまで攻めていたなんて、誠に申し訳ない!!」

 

「あっ、いや、大丈夫だ・・・ただ少し焦っただけだ・・・私としたことが・・・もっと鍛錬が必要なようだ・・・」

 

 

そういって深々と頭を下げる西野先輩・・・でも、薫先輩は気にしてないようだった。まだ完全に本調子っぽくない感じだけど・・・

 

 

「ねえねえ久保くん・・・僕あんな姿の、西野くん初めて見たんだけど・・・あれってまさか・・・」

 

「ああ・・・彼はね・・・天性のドSなんだ、しかも・・・無自覚のね・・・」

 

「やっぱり、そうだったんだ・・・」

 

「・・・て、天性で無自覚って・・・」

 

 

西野先輩をなんとか抑えて戻ってきた久保先輩にアキ兄が不思議に思って質問してみると、案の定の答えが久保先輩から帰ってきたのでアキ兄は絶句し、美波先輩は苦笑いを浮かべていた・・・

 

その後、本調子に戻りつつあった薫先輩に西野先輩が必死になって謝っている姿を私たちはただ単に見つめることだけしかできなかった・・・

 

む、無自覚ってコワイね・・・アハハ・・・

 

 

「あんなに謝っているのに紳士的な対応する薫先輩・・・やっぱり素敵・・・」

 

 

りみりんは結局、あの余裕のない薫先輩を見ていたけど、顔を赤くして羨望の眼差しで薫先輩を見つめていた。本当にある意味凄いよりみりん・・・

 





新しくできたゲーセンに行ったらバンドリコラボがスタート時から決まってるSEGAの新しい音ゲーが設置されてて、興奮が隠せません!!しかも、SRに各バンドのボーカルの初期星3の特訓後イラストなので、もう欲しくて仕方ないです!!とりあえず初日稼働が明後日かららしいので頑張ってGETしてきます!!

あと、次の話から各イベントストーリーを織り交ぜたオリジナル展開に突入します!ぜひとも楽しみにしててください!!

それでは次回!!


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参上!怪盗ハロハッピー&パレット男爵!!
第7話「バカと取材とナイトクルーズ!!」


え~皆さん2ヶ月半ぶりです・・・

まずは一言・・・

全く更新していなくて本当にすいませんでした!!m(_ _)mm(_ _)m


この2ヶ月半一時期特にパスパレ2章のイベントの後、完全にバンドリに一時期マジで離れてました。その後アフグロの2章でなんとかバンドリのモチベーションは戻したのですが、その後もバイトやゼミの課題など忙しく中々執筆出来ませんでした。そして最近になってようやく執筆する時間を取れたことによって、ようやく執筆出来ました。

しかし、こんな飽き性な僕の作品、この2ヶ月半の間に
評価が1つ増え(謝辞は後書きで行います)UA6000とお気に入りが50件をどっちも突破してました!!
本当にありがとうございます!
そしていままでお待たせして本当に申し訳ありませんでした!
これからも不定期ではありますが精力的に更新していこうと思います。
読者の皆様楽しみにしていてください。

それでは新展開に突入よ!の第7話マジで楽しんでください!!





亮二 side

 

「新しい仕事がパスパレに入ったのか!?」

 

「ああ、今回は今話題の豪華客船!!かの有名な弦巻財閥が所有している船さ!!それがもうすぐ一般に公開されるからそれの事前取材をパスパレに頼まれたんだ」

 

「弦巻財閥って国内有数の財閥じゃねーか、そこの取材にパスパレが抜擢ってどういう風の吹き回しだよ・・・」

 

「お前が先週に偶然出会った『ハロー、ハッピーワールド!』ってバンドに弦巻こころってやつがいるだろ?そいつが弦巻財閥のご令嬢らしいぜ」

 

「すげぇな・・・さすが財閥のご令嬢は違うねぇ~」

 

俺、西野亮二は『Pasttel*Palettes』のマネージャー(アルバイトだけど)をやってる友人の須川亮とともにパスパレの芸能事務所へと学校帰りに向かっていた。目的はもちろん今の会話で出てきたパスパレに入った新しい仕事『弦巻財閥の豪華客船の取材』のことをメンバーに伝えるためだ。

 

「そういや、その仕事の参加メンバーってどうなってるんだ?」

 

「えーっと、たしか・・・おっ、全員だ!」

 

「全員か!あのサバイバルロケ以来だな・・・」

 

「ああ・・・あれはあれで大変だったよな・・・」

 

頭の中に浮かぶ1ヶ月前のパスパレサバイバルロケ・・・

そのロケは監督の気まぐれで撮影が進んでいったためパスパレもさることながら、隠れて撮影していた俺らスタッフも大いに振り回された撮影だった。その分その放送の反響はすこぶる良かったらしいが・・・

 

「そういやそのロケの日程はどうなってんだ?」

 

「確か・・・来週の土曜日だ!しかもその日は全員仕事が入ってなかったはず・・・」

 

「後は彩とイヴのバイトだな・・・あいつらがバイトを入れてなきゃいいんだが・・・」

 

「おいおい、大和と氷川の部活の予定も確認しないとだめだろ・・・」

 

「確かに麻弥はそうだが、日菜の部活は基本彼女の気まぐれで動いてるから問題ないだろ・・・」

 

「亮二・・・お前そういうところは適当なんだな・・・」

 

「日菜に関してはいちいち対応してると頭がパンクするからこういう風にしておけば大丈夫なんだよ。あいつは自他ともに認める天才なんだし」

 

日菜の扱いに対して苦笑する亮に俺はふんと鼻を鳴らした。まぁ、天才だからこそ、仕事は優先してくれるだろうと勝手に思っているゆえんである。

 

さっき会話にもあった通り、パスパレは基本学業と芸能の仕事の2足の草鞋を履いているので忙しいのだが特に彩とイヴはこのふたつの他にバイトもしていて日菜と麻弥は部活もしているので結果的に3足の草鞋を履いていることになり、イヴに至ってはそれらに加えて部活を3つも兼部しているので一体いくつの草鞋を履いているのか疑問に思うほど忙しいのである。それでもちゃんとレッスンには前回に出された課題をクリアしてくるから一時期スタッフの間で『彼女は本当に休んでいるのだろうか?』と話題に上がったほどである。

 

「なら善は急げだな!ほら、事務所まで競争だ!!負けた方が飲み物奢りな!」

 

「はぁ!?亮てめぇふざけんなよ!抜け駆けはずりぃぞ!」

 

「ホホゥ・・・ということは平等にスタートしないと俺に勝てないと・・・俺の黒歴史であるあのチームで培った俺の走力に・・・」

 

突然の亮の提案と駆け出しに俺は戸惑う。

でも、亮のあからさまな挑発が自他ともに認める俺の純粋な心に火をつけた。

 

「・・・良いぜ・・・やってやらァ~!!勝負だ、亮!ぜってえ勝つ!!」

 

こうして、俺と亮との事務所までの競争が始まったのだった。

ただ、この時、俺らが撮影に同行する弦巻家の豪華客船で巻き起こる大騒動を俺らはまだ知らなかった・・・

 

ちなみに、競争は俺が負け、亮に缶コーヒーを奢るハメになった・・・

チクショウ・・・

 

 

__________

 

 

明久side

 

「ん~と、結局何作ろうかな・・・3人だし、手軽に作れるのがいいよね・・・」

 

「ごめんねアキ・・・急にうちの家に来てもらうことになっちゃって・・・」

 

「良いよ良いよ、僕も久しぶりに葉月ちゃんに会いたかったし」

 

夕陽が差し込む花咲川の商店街、いつものようにバイトをこなした僕はいつもどうりにバイト先に来ていた美波と共にここへ買い物へ来ていた。いつもだったら、自分の夕飯分しか買わないけど、今日は親が仕事で明日の朝まで帰ってこれない美波のお願いで美波の家で夕飯を作り食べていくことになったのである。

 

「そういや、ライブイベントの進み具合はどうなのよ?勧誘についていった以降何も話を聞いていなかったけど・・・」

 

「うん、一応イベントの責任者はまりなさんだから僕は補佐的立場なんだけどね、順調には進んではいるよ」

 

あの勧誘以降、5バンドが集合した機会もあり最初の対バンライブも上手く乗り越えていった。その後、バンド間での方向性によるいざこざがあったみたいだけど、ポピパが中心になって、来るイベント本番に向けて動いているのである。それでも、その中でスタッフとしてまりなさんが中心となって動いていて僕はその補佐として動いていた。

ただ、美波の疑問は最もでお互いバイトで忙しくなったのもあるが、『Circle』内の方針で最初にイベントへ向けてのアイデアを出してくれた美波でさえもイベントの詳細は公言することは禁句になったのだ。

 

「そうなんだ、でもなんでそれを教えてくれなかったのよ?」

 

「いやぁ、一緒にアイデア出してくれたのは嬉しいんだけど・・・ここから先はアルバイトでも無いから、さすがに内容は本番まで秘密にしておきたいっていう方針らしいんだ。本当にごめんね・・・」

 

「そう・・・ならしょうがないわね、本番を楽しみにしておくわ」

 

「うん!楽しみにしててよ!」

 

美波は僕の説明に納得してくれたらしくそんな彼女の様子にホッとしつつ僕は買い物カゴを揺らしながら、各店の食材を見ておバカな頭をフル回転させ今日の献立を考えていた。今日は八百屋の野菜が安いらしく、野菜のメニューを考えていると、隣の免税店でパスタソースが安く売っているのが目に入った。頭の中で、主食を決めた僕がソースを手に取った時、見守っていた美波が話しかけてきた。

 

「どう、アキ?今日の夕飯は決まった?」

 

「うん、野菜を使ったパスタにしようと思ってね。でもパスタだけじゃ足りないから何か他のものを買おうと思ってるんだけど・・・」

 

「じゃあ、パンにしない?ウチ、ここの商店街で良いパン屋さん知ってるわよ」

 

「そうなんだ!じゃあそこで買おうよ!案内をお願い出来る?」

 

「もちろんよ、行きましょ!」

 

美波の提案に乗った僕は、免税店でパスタソースを買い、美波に連れられおすすめのパン屋さんに向かった。

 

 

_______

 

 

 

美波に連れられること数分、彼女がおすすめする商店街によくありそうなパン屋に入ると、そこには見知った顔がいた。

 

「いらっしゃいませー。あっ、美波さんと明久さんじゃないですか!」

 

「あっ、沙綾ちゃん、さっきぶりだね!まさかここでアルバイトしてるの?」

 

「いや・・・ここが私の家でお手伝いしてるんです。」

 

「えっ、そうなの?」

 

「アキ、入り口の看板見なかったの?ここは『やまぶきベーカリー』で沙綾ちゃんの家よ。」

 

そうなんだ・・・完全に看板を見落としてたよ・・・

 

僕は美波の指摘に苦笑いを浮かべながらもここでパンを買っていくことにした。

 

 

 

「ありがとうございました~!」

 

買物を終えた僕らは、沙綾ちゃんの営業ボイスに見送られながら僕らは商店街を再び歩きはじめた。

 

「いやぁ、あんなにパンの種類があるなんて思わなかったよ・・・ほとんど数なかったけど・・・」

 

「そうね・・・買えたのも一種類だけだしね、次来た時に沙綾ちゃんにおすすめを聞いておくわね」

 

「うん、ありがとう!安かったから、節約生活にもってこいなんだよね・・・とりあえず、常連になろう!」

 

「・・・あんた、お母さんに言われて、ゲームとか売って節約生活辞めたんじゃないの?」

 

「さすがに、塩や砂糖を舐める生活はやめたよ!でも、朝・昼・晩は1つの食べ物を噛み続けて満腹にさせることで食費を削ってるんだ!」

 

「あんた、それでよく、1日を乗り越えていけるわね・・・」

 

「噛み続ければなんとかなるんだよ!そういえば、美波知ってる?()()()()()()がテレビで言ってたんだけど、味が無くなってもそのまま噛み続ければ、一瞬だけどその食べ物の味が復活するらしいんだ!」

 

「知らないわよ、そんな知識・・・」

 

僕の食生活の熱弁になぜか美波は呆れてしまった。その行動に僕がクエスチョンマークを浮かべていると、どこからか威勢の良い声が聞こえてきた。

 

「福引き、福引きをやってるよー!福引券を持ってるならぜひ引いてってくれよな!まだ出てない1等は豪華客船で行くナイトクルーズペア招待チケットだよ~」

 

「アキ、福引きだって!確か、沙綾ちゃんの店で福引券貰ってなかったっけ?」

 

「あ、うん。確か・・・あった、あった。これだね、でも1枚しかないから1回しか出来ないかな・・・」

 

僕が取り出した福引券は山吹ベーカリーでパンを買った時に沙綾ちゃんから貰ったものであった。それを握りしめ、僕らはさすがに1枚じゃあ当たらないだろうと思いながらも福引会場に足を運んだ。

 

 

_________

 

 

 

「はい、いらっしゃい!!福引券持ってるなら見せてくれよな!」

 

僕らが福引会場に来ると威勢の良いおじさんが元気のいい声で福引券を要求してきた。僕は親父さんの気迫に押されながらも、福引券を見せた。

 

「んんっ??これは・・・」

 

「??どうしました?」

 

「い、いやぁ、なんでもねえよ・・・少し待っててくれよな!」

 

そう言うと屋台のおじさんは少し僕らから離れて頭にあった通信機みたいなのを使って何処かと話し始めた

 

『チームA聞こえるか、こちらチームBの006・・・ああ・・・ターゲットを確認した。高校生2人組おそらくカップルだと思われる・・・ああ、全ては我が財閥の船の言い伝えを作り上げるため、船内での・・・了解した・・・任務を遂行する・・・』

 

なんか凄いこと聞いちゃったけど!?なに言い伝えを作り上げるって!?というか船内で僕ら何されるの!?そういうのは、自分の気持ちに全く素直にならない雄二(バカ)に頼んでよ!

 

「どうしたのアキ?鳩が()()()を食らったような顔をして」

 

「いや、水鉄砲食らっても鳩は余り驚かないよ・・・ってそんな事じゃなくて、今のおじさんの声聞いた?なんかとても物騒なことを言ってた気がしたんだけど」

 

「へっ・・・?なんかあのおじさん喋ってた?喋ってたのならウチは聞こえなかったけど・・・」

 

えっ・・・聞こえてたのって僕だけ!?なぜか話が耳に入ってなかった美波に首を若干傾げていると話を終えたおじさんがいつの間にか戻ってきていた。

 

「おう、すまねえな!福引券1枚だから1回だけだな!ささっ、引いてみてくれや!1等は豪華客船で行くナイトクルーズペア招待チケットだ!まだ出てないからぜひとも当ててみてくれよな!」

 

「ねぇねぇ、1等がナイトクルーズだって!心地よい潮風にあたりながら、海を眺めるなんてなんてロマンチックなのかしら・・・アキ、絶対1等を当てなさいよね!!」

 

「ええ!?そう言われても・・・というかもし当たったとしたら誰と行くのさ?ペアだから2人までしか行けないよ」

 

突然の美波の要求(というか命令?)に僕は戸惑ったが不意に思い浮かんだ単純な疑問を思い浮かび、質問すると美波はなぜか顔を赤くしてしまった

 

「そっ、それはその時に考えるわよ!・・・本当はアキと・・・って、話を逸らさないで!とりあえず、早く引きなさいってば!」

 

「わかった、わかったよ・・・引くからさ・・・」

 

美波に急かされた僕は渋々福引のガラガラをレバーを持って回し始めた。

 

「でも、さすがに1枚だけだからそれだけで1等が当たるはずは・・・」

 

さすがにないだろうと口ずさもうとしたときだった

 

ガラガラガラ…カッカカン

 

「おおっ!!大当たり~大当たり~!1等が当たったよ~!」

 

「・・・えっ!?」

 

おじさんの言葉に素っ頓狂なリアクションをしてしまった僕は出てきた球と表を見比べた。

1等の球の色は金色・・・

出てきた球も金色・・・

 

うん、当たっちゃった・・・1等。

 

「すごいすごい!すごいわアキ!まさか本当に当てるなんて!」

 

美波はまだ信じられないようだけど当たったことにとても嬉しい表情で喜んでいる。

 

「おめでとうございます!こちら1等のペアチケットです!」

 

「あ、ありがとうございます。」

 

唖然としながらも僕はおじさんからチケットを受け取ると2枚とも当選したことに喜んでいる美波に渡した。

 

「えっ、アキどうして2枚とも渡すのよ?」

 

「いやぁ・・・美波が行きたがってたように思ったからさ、僕はいいかなって。葉月ちゃんと行ってきなよ!」

 

「いや、でも・・・いいの?アキは行きたくないの?」

 

「いやぁ・・・行きたいは行きたいんだけどさ・・・」

 

さっきのおじさんの謎の会話のせいで行きたい意欲が失せちゃったんだよ!

・・・って、言えるはずもなく、僕が言い訳を考えているとおじさんが突然僕に歩み寄ってき

た。

 

「いやぁ・・・坊主、本当に申し訳ねえんだが・・・ナイトクルーズの日は来週の土曜日って決まってるんだわ・・・しかもその引換チケットを使えるのはこのチケットを初めて手にした人・・・つまりお前らだけってことになるんだ。」

 

「それって、他の人に渡すことができないってことですか・・・?」

 

「そういうことだ。すまねえな、ナイトクルーズは2人で楽しんでくれや!」

 

おじさんは僕らにエールを送ると福引の屋台に戻っていった。

 

日程が決まっていて他の人に譲るのがダメって・・・完全に外堀埋められてるじゃん!

これはもう仕方ない!美波を説得して、おじさんにチケットを返さないと・・・

 

そう心の中で美波を説得させることを決めた僕は美波の方へ振り返る。

 

「ねぇアキ!今度のナイトクルーズ楽しみね!!」

 

「うん、じゃあさ・・・そのハリセン・・・下ろそうか・・・というか、なんでそれ持ってるのさ?」

 

僕の抗議になぜかハリセンを持った美波は首をかしげる

 

「えっ・・・?・・・ああ、これね。これは最終手段だから大丈夫よ♪」

 

「最終手段でも怖いよ!!大丈夫だから、そこまでやらなくても行くからさ!心配しなくてもいいから」

 

「そう、なら良かったわ。一緒に楽しもうねアキ!」

 

もう、後に引けないと観念したぼくは参加するということも込めてハリセンを引っ込めるように説得し、ハリセンを下ろさせた。

 

あの会話を聞いちゃったからめちゃくちゃ怪しいけどもうこれは乗ってやるしかない・・・美波のあの楽しそうな笑顔を失わせちゃだめだしね。

 

こうして、僕らはこの当選したチケットによって来週の土曜日にナイトクルーズに行くことになったのである。

 

「あっ!美波、思い出したんだけど・・・」

 

 

「どうしたの、アキ?ウチとアキで行くんでしょ?」

 

「いや、そうなんだけど・・・葉月ちゃんどうするの?」

 

「・・・あっ。」

 

やることはまだまだありそうだけど・・・

 

 

_________

 

other side

 

 

ある週の土曜日、花咲川の街と羽丘の街の境目にある小高い丘。

そこにある豪勢なお屋敷の待合室に、6人の少年少女たちが話し合っていた。

 

「はいは~い。ミッシェル代理こと奥沢美咲だよー。次のスタジオ練習の日程だけどこの日なんかどう?」

 

「その日は演劇部の公演があってね・・・主演の私が出ない訳には行かないからね・・・すまないね子猫ちゃん。」

 

 

「はぐみもソフトボールの試合があるんだ・・・ごめんねみーくん」

 

「わたしもその日はバイトがあるからダメかも・・・」

 

「やっぱり、全員の都合のいい日を作るのは難しいか・・・」

 

メンバーの意見に美咲はため息をついた。

もうお分かりの読者もいるだろうが、彼女たちは『ハロー!ハッピーワールド』というバンドで活動している。そして、今日(というか、いつもの事だが)の話し合いの場所はボーカルの弦巻こころの家でおこなっているのだ。

 

「ただ、そろそろスタジオを借りて練習しないとね。『Circle』でのイベントも近づいているし、他のバンドに遅れをとるわけにはいかない。」

 

そう言って、ハロハピのスタッフである眼鏡をかけた青年、久保利光は思案顔になった。

 

「そういえば、前にスタジオに入った時からしばらく全員で練習できてないよね」

 

「これも運命・・・・・・

私たちは今交わらない糸のうえを歩いているのかもしれない・・・

あぁ・・・儚い・・・。」

 

ベースの北沢はぐみの言葉にギターの瀬田薫が同意を示す。そう、バンド内ではメンバーの忙しさもありスタジオに入っての練習が中々出来ていない状況に置かれているのだ。

 

「う~ん、やっぱり、全員の都合の合う日が欲しいね・・・でも次みんなが集まれるのは最低でも2週間後か・・・」

 

「やっぱり、個々で練習するか数人で集まって練習するしかないですね・・・」

 

「だったら、僕が数人で集まって練習する日に連絡をくれれば、手伝える分は手伝おう。そうすれば全員集まってのスタジオ練習で、どこまでやったか進捗が掴めて練習がスムーズに進むからね」

 

「ぜひお願いします。利光先輩」

 

「うん。任せておいて。」

 

利光の提案に美咲は安心したようにホッとため息をついた。

 

利光のスタッフの加入前はミッシェルとしてのDJの演奏と美咲としての作業があり彼女自身が心身共に参っていたのだ。しかし、利光の加入後は彼女の補佐的立場として、彼が動いてくれるようになったので精神的に余裕を持って作業ができるようになったので、美咲は彼に感謝しきれない恩を受けているのだ。

 

「じゃあこれから2週間は個々の練習と数人集まっての合わせ練習、合わせ練習の際は僕も付き添って練習をサポートするということになったけどこころちゃんはどうかな?」

 

「・・・・・・」

 

意見を求めようと利光がこころの方を振り返ると当の本人は上を見上げて何か考えている様子であった。

それに気づいたのかドラマーの松原花音もこころに声をかける。

 

「こころちゃん・・・・・・?」

 

「きめたわ~~~!!!」

 

「ふっ、ふぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

突然何かを決意したようなこころの声に花音は驚き、他のメンバーはこころのほうを見た。

 

「どうしたんだい、こころちゃん。なにを決めたんだい?

今後の方針はもうほとんど決めたはずだよ。」

 

「そっちじゃないわよ。船よ、船!船に乗りましょう!!」

 

突然の提案に驚くメンバーたち。しかし、こころがナイトクルーズに行かないかと提案したところみんな(特に薫とはぐみ)が乗り、残りのメンバーも巻き込む形でナイトクルーズが決定したのであった。

 

こうして、土曜日であるこの日・・・全ての手はずが整いナイトクルーズを通して起こる不思議な出来事、その歯車は静かに音を立てて回り始めたのである。

 

 

 





謝辞のコーナー!!

この未更新期間の間に評価をして下さった
☆10 如月零名 様
評価ありがとうございます!

それとUA6000件お気に入り50件突破!本当にありがとうございます!

それでは次回!!ぜひともお楽しみにしていてください!

あっ、バカテストコーナーは次回から再開致します!


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