転生したら魔王になってた(´・ω・`) (黒套院 時雨)
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第X話 設定資料もgdgdになってた(´・ω・`)

設定資料だよ!この先話の進み具合によって随時加えていくつもりだよ!
ネタバレ注意!気を付けてね!(忠告はしたからね?)
そんなgdgdファンタジー設定資料!
始まるよー!


設定資料〜魔王〜

魔王

…この世界に存在する魔族の中でも一際強い魔力の持ち主の総称。魔王は千を超えるほどいるが、まだ全容は明らかになっていない。

魔王にはランクが存在し、上から、

凶魔王 7人

超魔王 13人

上魔王 約300人

中魔王 約500人

下魔王 約700人

とランク付けされている

魔王には魔法に付随できる固有能力がある。(例えば究極化、遠隔化等)

 

ズェン・ルモアレイス

…この物語の主人公で魔王。はっきり言って厨二病。しかし、厨二病ならではの発想で魔王としてはなかなかセンスがいい。

ランクは測ったところ、

『unknown』

と、表示された。

中身は高校生で交通事故により魔王へと転生した。

付随できる固有能力は究極化。

本名は素園 冷夜(もとぞの れいや)

 

魔物・魔族

…一般的に魔王が使役している生物。

魔物と魔族の大きな違いはランクの高さである。

ランクはE〜SSまで存在し、

魔物と呼ばれるのはE〜B、

魔族と呼ばれるのはA〜SSである。

S以上の魔族はそれぞれが固有能力(チート級の力)を持っている。

ズェンの部下はB以上がほとんどを占めている。

 

夢魔(サキュバス)

…ズェンの給仕係。名前はサキラ・バントラフ

普段はアホみたいに露出の多い服を来ている。

種族はサーヴァントサキュバス。その名の通り、メイド夢魔。

代々魔王の世話、雑務を一手に引き受ける天才種族。

ランクはSSランク。

 

側近

…ズェンの側近。名前はハロル・バトラ。

この物語唯一のツッコミキャラ。

こいつがいないと作者の精神が死ぬ。

種族はヴァンプバトラー。その名の通り吸血鬼執事である。

根はかなり暗いらしい。ランクはSランク。

最近作者に忘れられている。作者曰く、「お前いなくても意外と精神保てるわ。戦闘の時に活躍させてやるからな(キラッ☆)」だそう。

 

将軍達

…魔王軍の将軍。全部で4人いる、そのうち1人は3人で1人の将軍を務めている。

ズェンとの契約で普段は力を封印されている。

将軍の中で大将軍的立ち位置にいるのは

狂断魔(ジャック)リッパー』。

1番隊から4番隊まであり、

1番隊隊長は『狂断魔(ジャック)リッパー』

2番隊隊長は『超生命体(レボレイト)スライマー』

3番隊隊長は『欠陥騎士(ディフェナイト)デュラード』

4番隊は【雅蜂姫(ワスプリンセス)『ハニー』『ラキ』『ビーラ』】

将軍達のランクは全員Sランク。

 

デイン・オ・タカム

…超魔王でナルシスト。自分が1番優れていると信じてやまない自己中で、ズェンとは旧知の仲。しかし、仲はとても悪く度々大規模戦闘を起こしている。

使用する魔道具はレイピアとマスケット銃になるディン・ド・マスケット。

付随できる固有能力は侵食化。

 

ヨウコ・タマモノ

…上魔王。見た目は幼女だが実年齢はズェンよりも上。中身は見た目相応程度にしか育っていないので多少傲慢。魔力制御を完璧にこなせていないためトラブルをよく起こす。

使用する魔道具は見るもの魅了する効果を高める口紅の妖狐奇怪・魅了口紅(アヤカシ・ルージュ)。これを使うととあることが起きる。

付随できる固有能力は誘惑化。

 

 

 

設定資料〜勇者〜

ユウ・カルミスタ

…ズェンの元を訪れた勇者。

幼い頃から勇者として活動しているチャラ男。

身体能力はもはや人外。

中身は高校生で崖からの転落死により勇者へ転生。

本名は弦城 勇斗(つるぎ ゆうと)

この世界は勇者にだけレベル概念が存在し、経験を積むことによって上がるのだが、転生時に何らかの力の影響を受けたことにより

最初からレベルが9999Lvとカンストしている。

(え?何らかの力ってなんだよって?…さぁ?)

 

 

 

 

 

設定資料〜王国〜

ユートジナ王国

…人間の国で1番栄えている王国。王都のある中心地に立っていた城は20年前の魔王軍の侵攻により倒壊。現在の女王が「こんなん立て直すなんて税金の無駄よ、無駄!」と言って立て直しは未だにされていない。逆に観光スポットとして人気になってきている。

 

ハールリア・ユニオリン

…ユートジナ王国の現女王。性格は大雑把で大胆、それでいて広い心の持ち主。得意魔法は拘束特化の土魔法応用植物魔法。民からの人気は凄まじく、演説では歓声が起こるほど。

 

ヒナツカ・ユニオリン

…ハールリアの妹で王立図書館館長及び哨戒部隊の司令官。性格は真面目で冷静。得意魔法は火力特化の光魔法応用天候魔法。ハールリアのスケジュールを管理するのも自分の仕事の内だと思っている

 

ロアーキ・ユニオリン

…ヒナツカの弟で王国軍総司令官及び魔族研究機関の所長。性格は行動的で慎重。得意魔法は補助特化の風魔法応用弱体魔法。時折見せる冷たい目は見たものを震えさせるという。

 

フューラ・ユニオリン

…ロアーキの妹で夜警隊隊長及び結界魔法維持装置の管理人。性格は朗らかで活発。得意魔法は一対多の殲滅特化の水魔法応用氷結魔法。観察力が鋭く、何でもソツなくこなす天才肌。

 

 

 

 

 

 

設定資料〜武器・魔法系統〜

聖剣デュランスレイヴ

…勇者の聖剣。

喋る、斬れる、変形する。

ただ、戦闘アドバイスが多すぎて五月蝿い。

 

魔天機グリム・ロッド

…ズェンの武器。

見た目は黒い魔杖だが、魔力を連携(リンク)させることによって様々な形に変形する。魔法エネルギーを二千倍以上まで高めることが可能。

欠点として、リンクするには使用者の魔力が膨大であることが条件となっている。

 

飛び交う楔(スカーレット・ウェッジ)

…ズェンの魔道具。楔形の小さな魔法射出装置で浮遊して自由自在に操れる。中心にはめ込む魔石に予め使いたい魔法を覚えさせておくことで起動時に選択して魔法を撃つことができる。ズェンは全部で20個持っている。使わない時は魔法鍛冶の専売特許である形態変化でマントに変えることができる。

 

究極防御魔法

…ズェンが使う魔法。

決して壊れないバリアを自由自在に展開出来る。

しかし、膨大な魔力反発を制御するのが難しいため、グリム・ロッドの補助無しで使うと1つしか展開出来ない。

 

魔素粒子

…この世界の空気中に含まれている魔力の素。

人間が多量に吸い込むと魔力過剰症を引き起こす。

魔王の周りは魔素が少しだけ多い。

 

鍛冶技術

…この世界の鍛冶技術は魔法を組み合わせて精錬するため形態変化、形状変化、魔法射出など普通の鍛冶では作ることが出来ないものも作る事ができるが、魔法鍛冶を完璧にこなせる人はとても少ない。

 

封印剣ブランシュ

古代の技術により造られた剣。

白く光る刀身、柄は虹色に輝く鉱石で造られている

柄の鉱石には様々な力が封印されており、使用者の体力を糧に封印を解放することでその力を刀身に伝えて刀身の色を変える。

白い刀身は実はオリハルコン製。

 

炎剣フラム・ロゼ

上記の力の1つ。炎を宿す。

湧き出る炎は空気をも焼き切り相手に襲い掛かる。

 

 

 

 

 

 

 

設定資料〜無所属〜

白の一族

…この世界の総人口の10%の種族。魔力を持っていないため魔法を使うことが出来ないが、身体能力が成人男性の3000倍ある。魔力過剰症になりやすい。特徴は男女ともに大柄で真っ白の髪の毛をしている。

 

神人

…この世界の総人口の3%の種族。魔力も身体能力も人間と変わらないが傷を負った際即座に再生する。また、周りの人や魔物などの感情を受信できる。特徴は頭に羊角が生えている。

 

神様

…素性から行動理念まで全てが謎の女神。

性格は自由奔放、享楽的で掴みどころがない。

まるで読者に話しかけるような口振りで話をする。

時には物語の筋書きをも曲げてしまう程の力をもっている。

 

神格魔法(ミラクル☆マジック)

…神様の使用する魔法。

内容は…わっ!ちょっと何すんのやめて!

あっ…(ゴキンッ!‥ドサッ)

━━よしよし、やっほー!

みんな大好き神様だよー☆

まだ私の魔法は知られたら困るんだよねー…

教えてあげたくないわけじゃないんだけどね!

これで資料はおしまいだよー☆

それじゃ!まったねー!

 

 

 




イタタタタ…アイツめ、思いっきり殴りやがって…
まだ頭がくらくらするわー…

まぁそんなことはおいといて、
設定資料、如何だったでしょうか!?
出てきてないものも多くて、ほぼネタバレですよね!
(じゃあやるなよ?ごもっともです。)
しかし、懸念しているのは武器とか出せるかどうかなんですよね。
作者としては全部出さないといけないなとは思ってますが。(使命感)
それでは今後ともよろしくお願いします!


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第1章 魔王の不思議な作戦(´・ω・`)
第1話 事故って魔王になってた(´・ω・`)


えーっと…ネタです()
作者がバカだから暖かい目で見てて欲しいな!





昔々のそのまた昔、1人の勇者と1人の魔王がいました。

勇者は打倒魔王を目標に鍛錬を積み、騎士となりました。

そして聖剣を手に入れ、魔王を倒しました。

…いえ、正確には倒したはずでした。

え?昔話は好きじゃない?そーですか!そーですか!

じゃあ簡潔にそれでいてしっかりとお教えしましょう!

(全く…ここからがいいところだったのに!)

魔王は最期に「必ず私の跡継ぎが誕生する」と言ったんです!

すこーしだけあのおとぼけ魔王君は設定ミスって魔王の量がおかしくなっちゃってますがね?

いえ、こっちの話です気にしないで?

え?なに?魔王ってなんなのかって?

あははは!そんなの私が知るわけn…

いや、知ってますよ?ええ、本当に。

何せ私は神様ですから!

「━━!!」

お、漸く喋れるようになってきましたか!

じゃあ私の役目はあと少しで終わりですね!

やったぁ!早く帰れるなぁ!

まぁ神に帰る家なんてないんですけどね?

さてと、ここからは貴方の話です。

次世代の魔王、ズェン・ルモアレイスさん?

発音しづらいしなにこの名前wウケるんだけどwww

…おっと話が逸れましたね、では貴方の先代から預かってたこれ!

渡しますね!中身はえっと…膨大な魔力…だったかな?

(魔王多すぎて渡し忘れてた魔王もいる気がするけど多分本命の魔王じゃないしいいよね!)

うん!無事身体に吸収出来たみたいだね!じゃあ私はこれで!

「━━!!」

えぇ?まだ魔王って何か聞いてないって?

 

…魔王に枠なんて無い、決めるのは君自身さ。

おっともう時間だ。さぁ目を覚ますといい。

君の、君だけの人生を私は見ているから…

なかなかサムいセリフ言っちゃったなぁ…

 

 

 

 

変な神様の話を聞き、生まれてから早くも30年の月日が経った。この世界で暮らしていて気づいたことは暮らしている種族の全てが成長が遅すぎることだろうか。何にせよ遅すぎる。まぁ詳しい設定なんて後で作者がまとめることだろう

僕はいたって平凡な魔族の子供。1つ違う点があるとするならばそうだな…僕が━━魔王の末裔だということ、だろうか。

家はとても大きなお城だし、家来は僕が生まれた時からそばにいる。

さてと、これは魔王の末裔としての僕の身の上話だ。

しかし、中身はそうじゃない。

実の事を言うと僕は転生したのだ。

と、言ったものの

…まぁタイトルでネタばらししてるしね(メタ発言)

僕はただの高校生だった。本当に平凡な。

そんな僕はある日の登校途中に交通事故で死んだ。

隋分あっさりとね。

そして気づいたら真っ白な空間に1人の少女が立っていて神だとかなんか理由の分からない事を散々と言ってきた。

そして今に至る、というか実際問題僕には未だに魔王が何なのかを知ることができていない。

つーか魔王ってなんだよやられ役じゃねえか…

 

「魔王様!」

「ん?どしたの?」

家来の1人が報告に来た。

家来A「魔王様!そんな悠長にかまえているばあいではございませんぞ!」

「えぇ?…敵でも来たの?」

A「流石魔王様でございますな!さぁ早速迎撃の準備を!」

面倒臭いけどやるかなぁ…前々から考えていたあの作戦を!

「全魔王軍に告ぐ!只今より

『勇者とどれだけ仲良くなれるか作戦』

を開始する!」

「「「「は?」」」」

「なんだよその反応は…別に戦う理由なんて無いだろ?」

「確かにその通りですがしかし…」

「じゃあさ…全世界の魔王の数は?」

「はっ!千を有に超えております!」

「…そのうち人間に危害を加えた者は?」

「はっ!僅か20でございます!」

そうなのだこの世界には魔王が沢山いる。

その中の危ない魔王なんて少数派だ、

なんて言ったって聖剣怖いし。

僕は元々戦うのが好きではないし…

だから僕は考えた。

『友好国になってやろう』と。

「皆の者よォく聞け!やることはただ一つだ!

━━━━勇者をもてなし、連れてくるのだ!」

 




あ、えっとですね、僕のリアルがなかなか忙しいので週一投稿になると思います!すらすらと物語は浮かんで来ないので浮かんだらメモって書いてく感じなんでヨロ(`・ω・´)スク!

あ、投稿後ですが見直して修正してくので見返すと新しい設定が明らかになっているかもしれません。もうちょい後に設定集書くつもりですが…
取り敢えず大元としての設定は
昔に原初の魔王を勇者が倒した時に死に際に魔王が予言魔法によってより強力な魔王を次世代に生み出そうとした時に間違えて大量の魔王を次世代に生み出す魔法に変わってしまい魔王だらけの世界になってしまった。そして主人公は普通の高校生だったが交通事故であっさり死亡、変な神様の話を聞いていたら勝手に魔王に転生させられた、
という設定になっております!



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第2話 もてなしたら友達になってた(´・ω・`)

あ、えっとですねちょっと前提設定が無かったため、第1話に修正が入ってまーす!そんなgdgdファンタジー第2話!はじまるよー!


「勇者をもてなせ」

そう命令した直後、

 

「ですが!もし勇者が攻撃してきたらっ!」

 

と、下級の魔物から不安の声が漏れた。

まぁそう思うのが普通だろうな。

だからこそ今回の作戦は僕自身が動く。

 

「心配いらない。お前達に任せるのは料理だ。」

「「「「「はい?」」」」」

 

なんだろうか、こいつらは僕を主だと思ってるのか時々不安になるな。まぁ気にしても仕方ないか。僕だって元は高校生だし?勇者くんとかバリバリ陽キャ確定じゃん?陽キャの友達とか欲しいじゃん?

…そんな気持ちが今回の作戦のきっかけなんだけどここは魔王っぽく振る舞おうか

 

「何を言っているんだ?勇者は人間だぞ?人間の食べ物を用意してやらねばおもてなしとは言えないだろ?」

 

おもてなしと言いながら人間だった時にテレビで見た某アナウンサー?のプレゼンのモーションをやる。誰だったか…滝川クリs…いや、やめておこう、なんかわかんないけど思い出しちゃいけない気がする。

さてと、無駄な思考はここまでにして元人間として魔物達に司令を出してやらないとな!

 

「さぁ!君達下級の魔物には先程言った通り!勇者をもてなすための料理を作って貰おう!」

「それはいいんですが魔王様…料理とは一体どのようなものをお作りすればよろしいので?」

 

僕には秘策がある。まぁ作るのは人間の時の僕の好物だったりするんだけど。

 

「あぁ、その事は厨房に行ったゴブリンに伝えてあるよ。」

「了解しました!それでは早速作って参ります!」

 

よしよし、これで大丈夫だな。後は勇者の状態を確認するだけだ!

そう心の中で考えつつ僕は魔方石(ビジョンルッカー)の方へ向かう

魔方石の事は…後で作者に言わせようかな?

いや、やはり説明するべきかな?側近にも教えて置いた方がいいしな。うん。

と、言うわけで…

 

「魔王の!魔道具説明コーナー!はじまるよ!」

 

そう叫ぶと側近たちが明らかに動揺する。

 

「さぁお前らに教えるんだこっちへ来い」

「「はっ!」」

 

よしよしいい返事だ。じゃあ始めよう!

 

「今回説明するのはこの魔道具!名前は魔方石(ビジョンルッカー)!これは僕が開発した魔道具で…なんと遠くの景色を見ることが出来るのです!その仕組みは(ここから3倍速で読み上げください)魔王城の至る所に設置してある魔鏡石(アンテビジョン)と共鳴し魔鏡石に映りこんだ景色を魔鏡石の中で処理して魔法エネルギーに変換することによって魔方石にその魔法エネルギーが送り込まれ魔法エネルギーを元の映像に復元、投影することによって遠くの景色を見ることができ…あれ?」

 

ここまで熱く語ったところで気づいたんだけどみんな寝てる?あれ?これみんな寝てる?え?そんな難しい話したかな?

 

「なんだよう…(´・ω・`)いや、それより勇者勇者…おお、来てるなおkおk準備を進めるぞ〜!さぁ!お前ら起きろ!飾りつけるよ!…ってもうみんな起きて飾り付けしてるし…」

「魔王様!言い出しっぺ貴方なんですからちゃんと働いてくださいね?」

「おぉ!メイド服を着るなんて!夢魔(サキュバス)さん気合入ってるねー!」

「普段この格好で給仕しないから恥ずかしいですけどね…」

「いや待て!いつもの服の方が恥ずかしいだろう!」

 

間髪入れず入る側近のツッコミ。今日もキレがいい!

 

「あ、これで料理は全部ですね。それにしてもゴブリンの料理長凄いですね!」

 

そして夢魔さんのスルースキル…

 

「出来たか…後は勇者を待つだけか…」

「いっそ出向いたらどうですか?」

「それもそうかな?」

「…貴方様には魔王としての自覚がおありでございますか?」

「だってさ夢魔さん?」

「当たり前ですけどね?」

 

 

そんな他愛もない話をしながら待っていると扉が開いた。

 

「「勇者様のご到着でございます!」」

「えぇ!?勇者1人!?なんで?パーティ組むものじゃないの!?」

「あれ?言わなかったっけ?勇者1人だって」

「聞いてませんけども!?」

「あはは!ゴメンゴメーンwwwあ、勇者よ、よく来たな。まぁ座り給え」

「え?待って待って入ってきたばっかでいまいち状況が読めないんだけどどういうことこれ?」

「あー…魔王っぽく振る舞うのも飽きたな…ゴメンな!じゃあ本題に入ろうか!」

「本題?攻めてきた俺をすんなりここまで通したことと関係あるのか?」

「あるさ!大いにあるさ!なんてったって僕は君と友達になりたいんだからね!」

「は?とも…だち…?」

「勇者である君も千を超える魔王と戦うのは骨が折れるだろう?戦う事に僕は興味が無いからね、君の手助けに回ろうかと思ってたんだよ♪」

「それはありがたい!是非とも友好的になろうじゃないか!」

「勇者流されやすすぎるだろ!」

 

ちょっと抜けてる2人の会話は側近のツッコミによってなんとなくマシになって進んで行く━━━━

 

 

 

 

おぉーあの子なかなかいい選択したんじゃない?

ん、なんか視線を感じる…

おっとぉ!久しぶり…でもないか、

やっほー!読者のみんな!

みんな大好き神様だよー☆

いやー、急展開だね!

と、まぁそれは置いといて…

気になる勇者の素性編を始めようかな!

むかーしむかし…え?昔話は嫌い?

もー!ちょっとぐらいは聞いてよね!

次回!「勇者、人間辞めるってよ」

お楽しみにー☆

 

 




はぁ!?なんか勝手に次回予告されてんだけど!?
もうちょっとしっかりあいつ管理しとかなきゃな…

あっ!申し訳ございません!本当は次から少し勇者の素性を書いていこうかと思ってます。えっとですね回想シーンなどはそれぞれに合ったキャラがナレーションとして担当させる予定です。本編はほぼ魔王君です。
ではでは!神様のナレーションでお送りする勇者の素性!
お楽しみにー♪

あっ!それとですね!水曜更新に決定致しました!水曜朝8時です!更新されなかったら「あぁ、あのアホ忙しいのかなぁ?」程度に思っていただきたいです!感想も受け付けてまーす!


次回はちょっと短いので早めに投稿します…さーせん…勇者とか興味なかったんです…ごめんなさい…でも勇者の事書かないって言ったら勇者の聖剣が首元まで飛んで来たんです…アッカクシカナイナってなったんです…というわけで次回も見てください!


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第3話 落ちたら勇者になってた(´・ω・`)

いやー!ネタと勢いで書いてるとアイデアが浮かばないですね!作者もグダグダ、話の進み方もグダグダだね!
そんなグダグダファンタジー第3話!
始まるよー!


やぁ!読者のみんな!

みんな大好き神様だよっ☆

え?そんなに好きじゃない?

またまたぁ、嘘はつかなくていいんだよ?

ん?何この紙…えーっと…さっさと本編始めろ?

作者風情がこの最かわっ☆女神様に指図するとは…しっかりとシメておかないとねっ☆

 

話がそれ過ぎちゃったなぁ…

さぁ!作者にも言われた事だし勇者の過去に迫っていくよ!

あ!ナレーションとか面倒臭いから勇者君の回想は勇者君に頼もう!

それじゃ、勇者君の脳内にダーイブッ!

 

 

 

 

━━━━俺は辺境の地シンカツ村に生まれたユウ・カルミスタ…生まれた時の体重h…え?生い立ちとか言えって言ってない?掻い摘んでわかりやすく?りょーかい、よーっし!早速Take2だ!

 

〜Take2〜

━━━━俺は勇者ユウ・カルミスタ。この世界に溢れた魔王を倒す為に生まれた勇者、として今まで育てられてきた。

つーか成り行きで勇者やってるけど俺よくわかんないだよね!

俺の親友が交通事故で死んだその翌年に俺崖から転落死したらしくて…気づいたら勇者として転生してたし…マジで意味がわかんねぇ…

それとさ!勇者として生きてきて29年?経ったけどこの世界で生きてきて分かったのが2年で1年分しか成長しねぇ!

29年でやっと死ぬ前と同じ大きさになったし!

生まれて10年経って、つまり5歳?の時に王都に呼ばれて?

王様っぽい人に魔王討伐頼まれて?

(つーかなんであんなに城ボッロボロだったんかな?まぁ気にしたら負けか。)

先ず聖剣手に入れろーとか言われて?

聖剣ってどこにあるんだよって話じゃん?

で、聖剣の場所探して見つけたら魔物うじゃうじゃいるし?

その辺の石投げて倒しながら聖剣手に入れたら入れたで聖剣急に喋り出すし…マジでイミフ!超イミフ!

つーかさ、聖剣手に入れました、魔王倒しましょう、しかし魔王が千体以上います、この時点で脳内パンクだよね、魔王の存在意義疑うよね!?

 

 

 

 

そんなこんなで王都からほど近い魔王城って呼ばれてる城に行ったら魔物達は襲ってこないし魔王は協力しようとか言ってくるし?

でもでも、せっかく魔王が協力的なら乗らない手はないなーって!

だからその話に乗ったんだけど…

あの魔王の喋り方…なーんかあいつに似てるんだよなぁ…

 

 

 

素性なんてこんなもんかな!何にせよ転生したからには新しい人生謳歌したいし…勇者の戦闘シーン期待しててくれよな!

 

 

 

 

 

 

 

はーい!読者のみんな!

みんな大好き神様だよー☆

うーん…だいぶキャラの濃い勇者だったねー!

さてと、勇者が最後の方変な事言ってたけど気にしない気にしない!

じゃあ作者に言われた勇者の素性説明も終わらせたし!

今から私!神様の解説を…え?いらない?ひゃー!悲しいこと言うね!

さてと、いらない話は置いといて!勇者と魔王君に話の主導権を戻そうか!

それじゃあねー☆

 




☆次回予告☆

やめて!ラーの翼神竜の特殊能力で、ギルフォード・ザ・ライトニングを焼き払われたら、闇のゲームでモンスターと繋がってる勇者の精神まで燃え尽きちゃう!
お願い、死なないで勇者!あんたが今ここで倒れたら、モブAやモブBとの約束はどうなっちゃうの? ライフはまだ残ってる。ここを耐えれば、魔王に勝てるんだから!
次回、「勇者死す」。デュエルスタンバイ!

※この次回予告は本編に全く関係ございません。作者のおふざけの産物です。大変申し訳ございませんでした…


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第4話 急に襲撃中になってた(´・ω・`)

さぁ第4話です!ここから新たな展開が始まります!
魔王とは一体何なのか!あまり詳しく決めてません!
そんなgdgdファンタジー第4話!始まるよー!


勇者に協力するといった旨を伝え勇者とも分かり合えて楽しく談笑していたその時に突然連絡用魔道具に警報がなった。

 

「これは…!魔王様!どうやら敵襲のようです!」

「敵襲…?いや、勇者はここにいるのに一体誰が?」

「どうやら凶魔王軍の一団のようです!」

 

伝えてくれている夢魔さんの声に焦りが見える。

確かに今まで魔王に魔王が攻めてきたことなど1度もないのだ。

 

「━━っ!そんな!嘘よ!ありえない!」

「この私は展開が読めましたぞ、魔王様。」

「その展開よ!凶魔王そのものが来てる!」

「悠長に喋ってる場合これ?」

「すまないが勇者よ、力を貸してくれないか?」

「それは構わねぇけどよ、作戦とかあるのか?」

「こんな時はプランBで行こう!」

「…それってつまりノープラン?」

「「ん?」」

 

この会話…否が応でも親友を思い出す

そして必ず返されるそのセリフ、勇者が言った一言はまさに親友そのものの言葉だった。

 

「もしかして勇者お前…」

「もしかして魔王お前…」

「勇斗か!?」「冷夜か!?」

「「ウッソォォォォォォォ!!!!!????」」

 

2人が2人して同じ反応、同じ動作。

それを呆然と見つめる2人の魔族。

 

「━━つかぬ事をお伺い致しますがお二人は知り合いで?」

「そうなんだよ!俺がお前らに会うよりもっと前からの!」

「いやいや待って!私が知ってる限り魔王様生まれた時からここにいるよね?」

「あれ?俺元人間で転生したって言ってない?あ━━」

「「はぁぁぁぁぁぁ!?」」

 

やってしまったこれはミスった。

まさか過去の僕の話をしていないとは。

 

「って違います!こんな話してる場合じゃありません!」

「そうだったな…夢魔さん!軍の状況は?」

「一応我が軍が応戦していますが防戦一方です…」

「仕方ないな…僕は勇者と一緒に前線へ出る!それと将軍等に通信を繋げよ!」

「仰せのままに、魔王様!」

「ほー、お前意外としっかり魔王してるもんだからわかんなかったわー!」

「あー、俺もまさかお前が勇者やるとか思わなかったわー!」

「…ねぇ側近さん?」

「私の名前は一応ヴァンプバトラーなのですが、、」

「バトラーさん?」

「なんでしょう、大体予想できますが。」

「あの2人、とてつもなく抜けてる気がするのですが…」

「今更、ではありませんか?」

「それもそうですね…あっ連絡連絡…あっもしもし?リッパーさん?ほかの将軍達もいます?えっとですね━━」

 

 

 

 

 

━━時を同じくして凶魔王軍中央にて━━

 

「フッ…我の軍に恐れを成したか?誰も出て来ぬではないか。」

「「魔王ディルニール様、万歳!」」

「クハハハハハッ!ここまで来れば落城するのも時間の問題だな…」

「「魔王ディルニール様、万歳!」」

 

 

彼は七天と恐れられている凶魔王が1人、魔王ディルニール。

彼が攻めてきた理由はただ1つ、己が最強の魔王だと示すためだ。

 

「ふむぅ…なんの反応も無いとは…所詮は無名の魔王か。…が、しかし、張合いがないのぅ…」

「ディルニール様!報告でございます!魔王と見られるものが出てまいりました!」

「クハハハハ!やっと!やっとか!待ちわびたぞ!さぁ貴様の力を見せてみよ!」

 

━━彼の目には自信と野心の焔が灯っていた。

 

 

 

 

━━魔王勇者サイド━━

「魔王様!将軍達へ通信が繋がりました!」

「了解、聞こえてるか?我が将兵達よ。」

「無論。」「聞こえてるよー」「聞こえておるぞ我が主よ。」「「「はーい!聞こえてまーす!」」」

「よし、将兵に告ぐ!この戦いの終結まで力の封印を解除する!存分に暴れ、愉しむがいい(虐殺しろ)!」

「「「「オオオオオオオオオオオオオ!!!!!」」」」

「あっそうだ冷夜?」

「いや、こっちの名前にしようぜ、呼ぶならさ」

「それもそうか、んでズェンに話があんだけど…」

「どうしたユウ?」

「人間用に調整されてる武器ない?」

 

え?何言ってんのこいつ?勇者といえば聖剣だろ?

 

「…その聖剣使えよ」

「五月蝿いんだよねこいつ」

「え?」

 

聖剣が五月蝿い?ちょっと何言ってるか分からないです。はい。

 

「…夢魔さん?聞こえる?」

「なんでしょうか」

「人間用の武器って…「ありません。」

「え?1振りくらいあるんじゃな「ありません。」

「…無いってよ、諦めて聖剣使え?」

「マジかよwww仕方ねぇ…頼むから黙っててくれよお前〜?」

 

眼下では自軍と敵軍での戦闘が行われている。

が、しかし先程までとは違い今はこちらが優位に立っている。

それも将軍達は魔物にランクを付けるなら上位に当たるSランクに該当するからだ。

しかも今は勇者もいる。負けることはまず無いだろう。

そう思っていた矢先、

━━━━轟音と共に戦場が吹き飛んだ。

 

 




と、いうわけで次回はいきなり大ピンチからスタートですね!ズェンはどう動くのか!
あ、暇なんでちょっとの間週二投稿します!
ヨロ(`・ω・´)スク!


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第5話 魔王が激おこになってた(´・ω・`)

はいどーも!もうね、戦闘シーンとか凄くよくわかんない!
頭の中ではキャラ達が動き回ってるんだけど…
そんなgdgdファンタジー第5話!
始まるよー!




吹き飛んだ戦場を見て戦慄する。

我が軍が見えない。先程までそこにいたのに。

 

「リッパー!状況は!?」

「ザッザザ━━」通信器にノイズが混じる。

「こちらリッパー。主よすまない…」

「どうしたリッパー!?」

「1番隊リッパー部隊…我以外全滅した…」

「そんなバカな!」

「くっ、我が撤退の指示を出していたならば…こんなことには!」

「いいんだリッパー、お前だけでも助かって良かった…」

「ですが!我が兵が!良い奴らだったのに!」

あっちょっとユウやめろよおい━━リッパーっつったか?」

「む?何者だお主…」

「俺は勇者ユウ!お前の心、確かに伝わった!今から俺はズェンと打って出る!凶魔王(あのクソ野郎)に吠え面かかせてやろうぜ!」

「だ、そうだリッパー。気に病む事はない。」

「主よ…我が仲間の仇を頼む…」

「あぁ、俺だってキレている。任せておけ。」

 

俺だってただやられっぱなしは気に食わない。

先に手を出したのは向こう、これは立派な正当防衛だ。

 

「ユウ、プランCで行こう。」

「つまりそれは?」

「…血祭りだ。」

「待ってました!片っ端から潰してくぜ!」

 

魔王城からユウが飛び出す。敵軍を一太刀で薙ぎ倒していくその姿はさながら狂戦士(バーサーカー)のようだった。

 

「うわぁ敵に回さなくて良かったですね魔王様。」

「その通りだね夢魔さん。」

「あっこれ必要でしょう?お持ちいたしましたよ。」

「あっ忘れてたありがとう」

「そう言えば城門は誰が守ってるの?」

「バトラーさんが1人で。」

 

え、待って側近強すぎない?パワーバランスぶっ壊れなんですけど?

そんなことを思いつつ夢魔さんが持ってきてくれた武器を手に取る。

これは僕用に開発した魔道具で、仕組みは設定資料に載っている。

 

「汝、我が力の枷を解き放ち我に新たなる力を与え給え…」

「じゃあ私を戦ってきますねー」

「覚醒せよ、煌黒の天玄機(ダークテンペスタ)!グリム・ロッド!」

 

そう叫ぶと黒い杖が溶けだし腕に巻き付き姿を変えていく。

流動が止まり確定した姿は禍々しい黒い籠手だった。

 

究極防御魔法(絶対割れない壁)!さぁ、大逆転への1ページといこうか!」

「最っ高にダサい名前ですね魔王様?」

「ファッ!?Σ(゚д゚;)」

「ふふふっ」

「なんだよう…(´・ω・`)」

 

展開したバリアが気持ちと合わせて落ちていく。

そこに目を付けたのか大量の魔物が一斉に襲ってくる。

 

「グァルガラァァァァ!!!!」

「はぁ…全くもって品性が無いな」

 

そう零すと魔物の体が真っ二つに切り裂かれる。

後続の魔物は前の状況を見て立ち止まる。

この究極防御魔法、実は()()()()()()()()()()

それが例え体内だったとしても。

物体に重なると物体を切り裂いて展開するのだ。

 

「お?どうした?びびってんの?来ないなら、こっちからいくぜ?()()()()()()。」

「ガラルァ……グァルガラァァァァ!!!!」

「フン、馬鹿の一つ覚えかよ全く…面白くないな…多重展開!シールドカッター(防御(物理))!」

 

切り裂かれる敵の魔物に飛び散る返り血。

辺りに赫い雨が降り注ぐ。

その中でズェンは下卑た笑みを浮かべていた。

 

 

 




主人公強いんですよ?この話。
凶魔王の強さとは!それ以上に主人公の強さの程は!?
果たして作者の語彙が足りるのか!
次回もお楽しみにー!


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第6話 キチガイが多くなってた(´・ω・`)

今回も見ていただき大変光栄に思っております!
今回のタイトルですが…私、作者の主観でございます。
書いているうちに狂った強さのキャラが多くなっちゃったんですよね!
そんなこんなで今回はかなり真面目?な仕上がりとなっております!
そんなgdgdファンタジー第6話!
始まるよー!


「おいおいなんだよ!その程度か雑魚ども!」

「なんだあいつ!たった1人で先兵を全て蹴散らしやがった!」

「はっは〜ん、さてはお前らが雑魚どもに指示出してるな?」

「なっ!先程まであそこに…!」

「うるせぇな!ご都合主義ってやつだよ!」

「ぐわぁぁぁぁぁ!!」

 

ユウは勇者の力を存分に使って敵を殲滅していた。

ハッ弱いなぁ?とか張り合いねぇなぁ?とか煽りながら。

そんな調子のユウを横目にズェンは溜息をつく。

 

「はぁ…あっちはいいなぁ…全くいつになったら数減るの?そろそろ疲れてきたんだけどなぁ…」

「今だ!一気に攻めろ!」

「待ってたよ…その声を!」

「何…!?まさか司令塔を探すためにぃぁぁぁ!!!」

「ふぅ…これで1つ、終わったな!さっ次行こ次」

 

こっちもこっちでアホみたいに敵を殲滅していた。

そんなこんなで凶魔王の軍勢も段々と数が減っていったがまだその数はズェン達魔王軍の3倍は居た。

 

「くっ…流石に数が多い…!少しだけ使うか…?いや、だがしかし…」

「━━リッパー!」

「魔王様!」

「非常時だ!()()の使用を許可する!」

「有難い!それでは早速…!狂戦士の舞踏(バーサーズラッシュ)!」

「暴走には気をつけろよ〜…ってもう聞こえてないか」

 

リッパーの種族はクレイズスプラッター、要するに狂った殺人鬼だ。

その名の通りの狂化状態を自分にかけて、身体を極限まで強化する狂った能力(ちから)を持っている。しかし、暴走すると手をつけられなくなるので止めなければならない、そしてリッパーは案の定狂化に自我を呑まれていた。

 

「あ あ ア ア ぁ ァ!!!!!」

「リッパーさん?暴走しちゃダメじゃない〜」

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!」

「全く〜分裂魔法〜!流動する透明物質(ゲルボディ・ザ・マテリアル)〜!」

 

暴走したリッパーを止めるべく前に出たのは2番隊隊長の『超生命体(レボレイト)』スライマーだった。彼女(…といってもスライムの雌雄はとても分かりづらいが)は分裂しリッパーを包み込むことでリッパーの狂化状態を解除させた。

 

「ばっ…ごべばぶばばばっば(これはすまなかった)

「あっごめんね入れっぱなしだった〜」

「ぶはっ…いや、問題ない感謝する」

「それほどでも〜じゃ、私はバトラーさんとこ行くから〜」

「了解した、健闘を祈る。…っと、オラァ!」

 

気の抜けたスライマーの声で気の抜けてしまった敵を見逃さず両断する。

 

「ハハハハハハ!まだまだ俺は戦える!オラァァァァ!!」

 

誰もがこいつ元々狂ってんじゃね?と思うほど。

そんなリッパーの声が戦場に轟いていた。

 

 

 

 

 

 

━━凶魔王サイド━━

予想外の被害を浴びて凶魔王は焦っていた。

 

「何故だ!何故未だに落とせぬのだ!」

「思いの外敵軍が強く、未だ膠着状態が続いております!」

「ええい!もう良いわ!その敵軍はどこにおるのだ!?」

「はっ!敵魔王城より東におります!」

「ふはははは…黒き力を込め光を閉じ込め力を高め、我が爆炎の封印を解き放ち今ここで吹き飛ばさん…遠隔爆破魔法(ディン・ディラニート)!━━我が前にひれ伏せ愚民ども!」

 

 

そうしてリッパー部隊を全損させた数時間後…

 

「ディルニール様!敵の勢いが止まりません!」

「ええい!何故だ!何故なのだ!」

「それが…敵軍の魔王が勇者と思われし人物を連れていまして…」

「勇者だとぉ?それがどうした、数で押して蹴散らせばよかろう?」

「しかし…その勇者がとても強く…あっがぁあ!」

「そんな言い訳を聞きたい訳ではないぞ?分かっているな?」

「す…すみませ…んで…した…そ…早急にぃ…対処を…させ…させていた…だきま……す」

「フン…さぁさっさと行け!必ず成果を上げてこい!」

「はぁっ…はっあぁ…行ってまいります!」

「っ!伝令!敵軍魔王が進軍中!既に第4従魔隊を倒しこちらに向かって来ています!」

「ほう…1人で来るとは度胸があるな…手厚くもてなしてやれ(完膚なきまでに打ちのめせ)、分かったな?」

「はっ!全てはディルニール様の為に!」

 

魔王ディルニールは部下にそう指示を出すと高々と笑ったのだった…

 

 

 

 

 

━━ズェンサイド━━

どれだけ敵を倒しただろうか、どれだけ返り血を浴びただろうか、もうそれすら考える余裕はズェンには無かった。

 

「はぁ、はぁ、まだまだか…?」

「敵に疲れが見えてきたぞ!今が攻め時だ!やれ!」

「グァルガラァァァァ!!!!」「オオオオオオオ!!!!」

 

周りを埋め尽くす程の魔物。その数を見てズェンは焦りを感じる。

そして、1匹の下級魔物の攻撃を皮切りに一気に総攻撃が開始された。

 

「これはマズいな…だがやれるだけやるか…」

 

そう呟くとズェンは大量の魔物たちの中へ消えていった。

 

「最大数展開!全方位攻防御(ヴァリアブルアタガード)!」

「グァラルァァァ…!」

 

ズェンの魔法で半数の魔物が切断され、勢いを無くし落ちていく。

これで活路が見えたと思った時だった。

 

「あ…れ…?体が…動か…ねぇ…」

 

連続で究極防御魔法(唯一使える戦闘魔法)を使いすぎた結果、ズェンの体にはもう魔力が残っていなかった。

 

「ははっ…嘘だろ…?ありえねえ…よ…」

 

力なく崩れていく。もうダメかな、そうズェンが呟いた時だった。

 

「ズェン!大丈夫か!?」

「ユ…ウ…?」

「俺が来たからもう大丈夫だ、そこで休んでろ」

「ごめんな…こっちでも迷惑かけて…」

「気にすんなよ、親友だろ?」

 

そう言ったユウの背中はとても頼もしかった。

 




第6話、どうだったでしょうか!
まぁそんな事は置いておいて、(おい)
実は僕のリアルの友人もここで小説を書いてるんですよね〜(だからなんだよって話ですけども)
まぁ結構面白いといいますか、サクサクした展開で進んで行くのでおすすめですよ!題名は「とあるVRゲーム実況者達たちの日常!?」ですね!
オススメです!(宣伝しろって脅されたんです。嘘です。)
それでは次回もお楽しみに!


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第7話 やっぱり急展開になってた(´・ω・`)

戦闘描写が下手くそ過ぎてズルズルと戦闘が続いてしまっております…申し訳ございません。
まぁ気にしても仕方ないですね!
そんなgdgdファンタジー第7話!
始まるよー!


「なんだよ…遅いじゃんかよ…」

「はっはっは!ヒーローってのは遅れて来るもんだろ?」

「うるせぇ…てめぇなんか…ヒーローじゃねえよ…」

「おぉ?大口叩いてんじゃねぇかまだまだ動けそうだな?」

「…警告する、貴殿と会話中の魔導生物の魔力反応が衰弱している。」

「うっわ!びっくりした!急に喋んなよ!」

「謝罪する、だがこのまま放っておけば死ぬ。」

「…え?マジ?なんとかなんない?」

「提案する、貴殿の魔力の譲渡。」

「そんなことできるの?」

「肯定する。」

「じゃあ早速始めよう、手順は?」

「私を媒介に魔力の譲渡を始める。提案する、敵からの防衛。」

 

思いがけない聖剣からの提案。が、しかし問題が1つ。

 

「え?でも俺魔力渡してたら防衛できないじゃん?」

「…肯定する。が、これ以外の道はない。」

 

矢張り…か、こうなれば仕方がない。僕はユウの方を向き口を開いたその時だった。

 

「話は聞いていた、敵からお2人を防衛すればよろしいのだな?」

 

3番隊将軍のデュラードがしーっと口(頭無いけど)に手を当ててそう言った

デュラードには僕の思惑がバレてしまっていたらしい。

そう考えると恥ずかしい。

 

「誰だ?お前。」

「これは失礼いたしました、私、魔王軍3番隊将軍を務めさせていただいておりますデュラードと申します。」

「や、やけに丁寧だな…」

「相手は勇者様、との事なので。」

「あ、あぁ…で、防衛してくれるのか?」

「ええ、もちろんでございます。本来魔王様をお守りするのは私達の役目、それを果たさねばなりません。」

「そうか…なら頼む!」

「承知いたしました、必ずお守り致します…!」

 

この会話を2人は敵を迎撃しながらやっていたのだが、ユウが抜けてデュラード1人となったのを見計らったかのように敵は勢いを増してきた。

 

「ふむ…流石に数が多い、少々本気を出すと致しましょう。」

「たたみかけろ!勝てるぞ!」

「舐めてもらっては困りますね…先ずは貴方からです。」

「なっなんだと!いつの間にここへ!やめっ━━」

「呆気ない、では蹴散らします!魔王との契約に基づき我が真の力を解放せん、固有能力刹那の影踏み(ワンドロウスタブ)!」

 

刹那、デュラードの姿が消えた。そして姿を現した瞬間敵の大半の首が飛んだ。軽々しく、いとも簡単に。

 

「まだ残っているのですか?しぶといですね。ですが…楽しめそうです!」

 

優しいトーンで紡がれるデュラードの言葉。しかし『首無し武者(ディフェナイト)』である彼の表情は誰にも読むことはできなかった。

 

「報告する、魔導生物の魔力反応復活。これにて魔力譲渡を停止する。」

「お、終わったか。」

「警告する、魔力の急激な減少により運動能力に問題発生の可能性。」

「はっはー!お前俺の戦闘スタイル知ってんだろ?魔力なんて必要ねーよ!」

「肯定する、が、1つの可能性として考慮を推奨。」

「へいへい、わかりましたよーっと」

「助かったよユウ、今ならだいぶ体が動く」

「無理はすんなよ?また倒れても今度は助けてあげられねーぞ?」

「わかってる、だからさ…」

「魔王様!大丈夫でしたか!?こちら、お持ちしました!」

「夢魔さん、ありがとう。━━だからこれを用意したんだ。」

 

そう言って受け取ったのは小さなネックレス型の魔道具。

魔王城の地下で作成していた道具で大気中の魔素粒子を吸収、魔力を生成し装着者へ還元することができるものだが、たった今完成した報告があり、夢魔さんに取りに行ってもらっていたのだ。

 

「よし、魔力を吸収してるな…」

「何それ?」

「魔力回復装置だよ」

「そんなんあるなら最初から使えよなー!」

「今さっき完成したんだよ」

 

ふーんとか言いながら悪態をつくユウを尻目に敵の方へ向く。

未だに敵の量は多いが、それでもかなり減ってきた。

 

「そろそろ頃合かな?」

「どういう意味だよ、そりゃ」

「あー…4番隊の将軍…つか4番隊は3人しかいないんだけど、その3人に出した命令がそろそろ完了しててもいいんだよね」

「何命じたんだよ」

「え?それ聞いちゃう?欲張りさんだなぁもう!」

「「「しつれーながらそのかえしはいささかへんとーにこまるかとおもいます!」」」

「お、来たか。で、ちゃんとできたか?」

「バッチリなのです!」

「いつでもおーけーなのですよ!」

「きょーめーちもかくにんずみなのです!」

「よしよし、よく出来たな!」

 

彼女達は4番隊将軍のハニー、ラキ、ビーラの3人だ。

種族はプリンセスビー、蜂の姫だ。

彼女達の固有能力が今回の作戦の要となっているのだ。

彼女達の固有能力の名前は蜂姫の憂鬱(バシリスワスプパーティ)、内容は33人に分身する能力だ。それが3人分で99人になる。この作戦の概要は…っとユウに教えてやらないとな。

 

「ユウ!」

「どしたー?」

「作戦の内容説明するから聞いて」

「よし来た聞いてる」

「作戦はこうだ。先ずハニー達にとある魔道具を等間隔で99個置いてもらう。で、次に残り1つを魔王城にて起動する。そしたら特殊なフィールドが展開されて俺の魔力効率が上がるからそこで俺は敵を全て拘束する。拘束し終わったところからどんどん倒してくっていう作戦だ。」

「えっと…ズェンが捕まえるからそれを倒せばいいのか?」

「あぁ、多少姑息な手段だけどこれ以上被害を出さない為にはこれが最善だと思ったんだ。」

「了解した!俺に任せとけ!」

 

よし、これでユウに作戦が伝わったな!

これで心置き無くぶっ倒せるってもんだ!

昂る気持ちを抑えて、フィールド展開の指示を出す。

フィールド展開完了の連絡が入り確認を行う。

 

「よし、しっかり魔力効率上がってるな!」

「ズェン!もう始めるのか?」

「善は急げ、だからな。詠唱を開始する。」

「詠唱中の防衛は任せとけ!」

「闇より出でし魔族の王の名において、我が眷属並びに仲間へと危害を加え、仇なすものに未来永劫の呪いをかけよ、究極拘束魔法(ギュッと捕まえる光)!」

 

白い光がズェンを取り巻き地面へと突き刺さり敵の体を次々と縛り、動けなくしていく。そうして敵に張り付いた光は色を変え、紫色に光る鎖の痣となり敵にそれを刻んでいく。

 

「さぁ、形勢逆転、だな。」

 




なんというか…アイデアください(白目)
あ、もちろん冗談ですよ?
この後の展開はまぁ簡単に想像つきますよね!
さて、本当に想像通りに進むのか!?
次回もお楽しみに!


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第8話 凶魔王が窮地になってた(´・ω・`)

えっーと…すみません全然戦闘終わりません。
あと1話で終わらせます(多分)
そんなgdgdファンタジー第8話!
始まるよー!


━━凶魔王サイド━━

突如として部下達を拘束する光にディルニールは困惑していた。それは今まで感じたことの無いまでの焦りだった。

 

「なんだ!何が起こったのだ!」

「ディ…ル二ー…ル様…」

「生きておるか!?…動けぬのか?」

「すみませ…ん…うご…くこと…はできな…いです…」

「もう良い、無理して喋るでない。」

 

ディルニールが語りかけている一介の魔族。それはディルニールが唯一心を許していた側近だった。

 

「ディルニール様…だけでも…お…逃げく…ださい…」

「それはできぬ。お主にはいてもらわねば困るのだ。」

「はは…ありが…たいこと…ですが…」

「どうしたのだ?」

「この光…魔王…をとらえ…ることは…できず…とも…かな…り」

 

そこで言葉が途切れた。

ディルニールは最悪の自体を考えた。

そして焦燥。

 

「おい!どうしたのだ!」

「……Zz」

「…寝ておるわ、こやつめ」

 

安堵と共にディルニールは決意する。

我が友のため死ぬわけにはいかないと。

 

 

 

 

 

 

━━ズェンサイド━━

「てきまおーぐんのかんぜんふーいんが完了したのです!」

「ありがとうラキ。ハニーとビーラと合流して魔道具を破壊されないように気をつけてくれ。」

「りょーかいなのです!ズェンさま!」

 

先程放った究極拘束魔法(ギュッと捕まえる光)のおかげで残すは凶魔王だけとなったようだ。しかしこの魔法は本来()()()()()

グリム・ロッドと魔導フィールドの魔力効率上昇により究極防御魔法を超多重展開、更に究極防御魔法を魔物達の魔力浸透に直接作用することによって相手を極小のバリアが覆うことで相手の動きを完全に封じている訳だ。

つまり展開用魔道具が1つでも壊されてしまえば魔導フィールドは消滅する。そうするとこの究極拘束魔法は破綻してしまうのだ。

 

「一か八かだ!これで全て終わらせる!行くぞユウ!」

「あぁ!任せろ!俺に切れねぇモンはねぇ!」

「主よ、我も同行してよろしいか?」

「当たり前だろ、リッパー?」

「私はどう致しましょうか?」

「私と〜一緒に〜封印状態の〜警備に行きましょ〜」

「なるほど、確かに一理ありますな、ではスライマー行きましょうか」

「すみませんが防衛で私は力を使い切ってしまったようです…」

「あらあら、でしたら無理はしない方がいいですね」

「そうさせて頂くよ夢魔殿」

「むぅ…サキラって呼んで欲しいのに!もう!ズェン様について行こっ!」

「ははは。これはすまない、サキラ。」

 

と、いう会話の一連の流れによりズェン、ユウ、リッパー、そして夢魔ことサキラが凶魔王の元へ向かうこととなった

 

 

 

 

 

道中は封印のおかげで戦闘はゼロだった。そうして凶魔王の元にたどり着いた。その姿は禍々しく、まさに魔王、といった風貌だった。

 

「…なんかベネディ○ト法王みたいだ」

「あ、ズェンも思った?俺も俺も」

 

そんな罰当たりで怒られそうな会話をする。

 

「…フン、よくぞここまで来たな。」

「まぁ戦ってないけどな?」

「貴様が勇者か、なるほど忌々しい魔力の流れをしておるわ」

「残念だが凶魔王、お前には死んでもらう。」

 

最後まで言い終わらないうちにリッパーが前へと飛び出た

 

「貴様だけは我が命に変えても必ず…殺す!」

「ぬぅ!?」

「喰らえ…狂戦士の舞踏(バーサーズラッシュ)!」

 

目に見えないほどの連撃を叩き込む。が、それを全て直前で見切られ魔法で弾かれる

 

「生温いな…そんな剣技では痛くも痒くも無いわ!」

「それはどうかな…」

「なにぃ?」

「ハッ!今に分かるさ!刻み崩せ!古傷穿ち・輪舞曲(オルド・デス・ロンド)!」

「ぐっうおおぉ!!」

 

リッパーが剣を振ったところから凶魔王の腕に向かって黒い瘴気が飛び出し、その腕をズタズタに切り裂いていく。

 

「はははははは!どうだ!思い知ったか!」

「確かに口だけではないようだな…」

「まだまだ行くぞ!オラオラオラァ!!」

「くっ!面倒だな…遠隔獄炎魔法(ディル・ガウリテ)!」

「そうだよ!()()()()()()()()()()狂戦士の舞踏・極地(バーサークレイズクライシス)!」

「なっ!しまった!」

「終わりだァァ!!!!」

 

遠隔魔法を掻い潜り距離を詰めてリッパーが魔王に止めを刺そうとした瞬間。

ズェンは不思議な感覚を覚えた。

まるで、何かに、睨まれているような。

 

「リッパー!危ない!」

「何か…ぐぁぁぁぁぁ!!」

「はぁ…はぁ…やっとこの拘束の脆弱性を見つけました…」

「そんなっ!あの魔法の脆弱性を見つけた!?」

「ディルニール様だけに辛い思いはさせません!」

 

それはズェンの拘束魔法に捕えられていたはずの凶魔王の側近だった。

 

「おもしれぇ…ズェン!リッパーに付いてやれ!この側近ちゃんは俺が倒す!」

「…うーんやっぱあの側近Sランクだしやっちゃうか!」

「うぉぉぉぉ!!」

「勇者様!引いて下さい!固有能力!」

「なっ!このタイミングで!?」

「えぇ!くらいなさい!一夜の瞬間清掃(スイープステップ)!」

「なんだ!この力は!呑まれる…私の存在が消えていく…」

 

そう言うと凶魔王の側近は消えていった。

 

「ふぅ、お掃除完了!あ、序に周りのゴミ(魔物達)も片付けておいたの!綺麗でしょう?」

「あぁ、確かに綺麗…ってそうじゃねぇ!何したんだ今の!?」

「私の固有能力は自分より格下のものをゴミだと認定すると、なんとその相手を魔素に変換できちゃうの!素晴らしいでしょう?」

「凄いけど…チートかよ…」

 

そう笑うサキラとは裏腹にディルニールは失意と怒りに満ちていた。

 

 




なんか究極のかませ犬いたね、リッパーに傷だけ付けて退場とかw
いや、もう本当に申し訳ないです(キャラに)
次回VS凶魔王クライマックス!お楽しみに!


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第9話 呆気なく終結になってた(´・ω・`)

今回で戦闘がやっと終わります!
隠されたあの人の実力が分かるかも?
そんなgdgdファンタジー第9話!
始まるよー!


「貴様らぁぁ…貴様らだけは許さぬ!生きて帰れると思うなよ!?」

「ハッ!なーに言ってんだよ…それはこっちのセリフだ!」

「その通りだ!僕の部下達…いや!家族の!仇をここで!」

「私の部下を!仲間を!戦友を!手前が殺したんだ!」

 

凶魔王の発言に怒りを覚えた3人が口々に暴言を吐く。

多分皆さん思っているでしょう、あれ?ズェンの部下が凶魔王軍全滅させてますよね?と。

 

「うぉぉぉぉ!!遠隔獄炎魔法!」

「究極防御魔法!展開!」

「狂戦士の舞踏・極地!」

「吹っ飛ばせ!デュランスレイヴ!」

「…私も何か撃った方がいいのでしょうか…?」

 

熱くなっている男達を放って、1人サキラは魔法陣を書き出す。

特に戦闘には関係ないが。

 

「もう少しで終わりそうですし!魔王様のお身体を癒せる魔法陣を作成致しましょう!…あっ」

「ぐはぁ!あっ!サキラ!ごめん!って何してんの!?」

「いえ、何でも…あっ」

「ぬぅ…動きが増している、はっ!すまないサキラ殿!」

「う、うん大丈夫です…よ。あっ」

「くっ!究極防御魔法!夢魔さん!ごめんね!」

「大丈夫です!魔王様なら許せます!」

「「扱いが!」」

 

サキラが魔法陣を書こうとするたびに飛んでくる3人。

サキラの我慢も限界を迎えそうなその時だった。

 

「あっ」

「ぐぅ…ここまで苦戦するとは…」

「き…さ…」

「む?何か言ったか夢魔風情が。」

「きっ!!!様ァァァァァ!!!!!!」

「あっ死んだなあいつ」

「うむ、死ぬであろうな」

「え、そんな戦闘力高いの?サキラちゃんが?」

「オラオラオラァ!まだまだまだまだ!このくらいで死ねると思うなよ雑魚魔王がァァァ!!!」

「oh…」

 

間違ってもサキラには喧嘩売っちゃダメだな、と心の中で勇者は呟いた。

 

「まさか…これほどまでの力とは…!」

「ユウ!今だ!凶魔王をぶった斬れ!」

「え、今?んな無茶な!俺も一緒に蹴り殺されて終わりだろおい!」

「今しかタイミングねぇじゃん?」

「だーもう分かったよ!行くぞ!聖剣!」

「了解。が、しかし、推奨する、該当任務の後回し。」

「やっぱそう思うよね…だけどやるしかねぇ!」

「オラオラオラァ!死に晒せ屑がァァァ!!」

「マジで怖ぇ…」

 

ボコボコにされてる凶魔王を見て同情の気持ちがズェンに湧く。が、しかし悪いのは凶魔王、そう凶魔王なんだ、決して僕達が邪魔し続けたサキラのところに投げ入れたとかそんなのでは無い。僕は悪くないよーうん全然悪くない。そう言い聞かせてズェンはユウのアシストに入る。

 

「ユウ!受け取れ!究極攻上魔法!」

「うおっ!えぇ…まぁ行くか…」

「くっ!全く反撃ができん!隙が無さすぎる!なんなのだこの女子は!」

「サキラ!引け!喰らえ!秘剣!魔断斬・獄雷(ライジン・クラッシュ)!」

「えっ!ちょっと待ってくだ━━危なっ!」

「ぬぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

「終わりだ。ふぅ危なかった…」

「もう!何するんですか!危うく私までくらっちゃうとこだったじゃないですか!」

「すみませんでしたァァァァァ!!!!」

「えっそんなに地面に頭つけてまで謝らなくても…」

「ふは…はは…まさか我がこんな奴らに負けるとは…」

「僕のとこに攻めてきたのが間違いだったね。」

「確かに…その通りかもしれんな…大人しく…凶魔王の座に収まっておればこんなことには…」

「自業自得だろ、老いぼれ魔王。」

「くくく、老いぼれ、か…うっぐぁあぁぁぁ…」

 

そうして凶魔王は消えていった。ユウによると魔断斬は相手の魔力流動を阻害して回復させない剣技らしい。魔王は魔力流動が激しい、だから魔断斬が良く効くのだ。

 

「さてと!後片付け始めるぞ!」

「…仲間の遺品を探さねば」

「なぁそれって指揮は誰がy」

「夢魔さんだけど?」

「あっ!ちょっと俺魔王倒したこと王様に言わなきゃ!」

「逃げようとしてんじゃねぇよ…」

「…ですよねー」

 

そうしてこの後の延々と後片付けさせられたのだった。




次回はあれです次の展開に進むための後日談です。
取り敢えず第1章的なのは次回で終了して、
新しい展開が始まります!
お楽しみにー!
(まだ先だけど…)


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第10話 後片付けの描写がなくなってた(´・ω・`)

あ、どうもこんにちは!作者です!
今回で一旦区切れとなります!
ん、なんか後ろの方から音がするけどまぁいいか!
そんなgdgdファンタジー第10話!
始まるよー…って何してんのおm(ゴキン!ドサッ)


━━作者の部屋にて━━

━━よし!作者のペンの主導権ゲット!

やっほー☆みんな大好き神様だよー☆

え?毎回やってるけどその下りもう飽きたって?

酷いなぁ!そんなこと言ったって私はやめないからね?

さてさて!今回私が何で作者を殴り倒s…ゲフンゲフン!説得して主導権を手に入れたかというとね!

ズェン君に新しい魔法を覚えさせてあげようかなって思ってね!

え?もう充分強いだろ?うーん…見直して見ると分かるんだけどね、今回のズェン君まっ━━━━たく活躍してないんだよね!

さぁ!そんなわけでズェン君のとこに…って、

あぁ!もう起きちゃったの?

えぇ?そっから先は僕が書く?

ちょっと!そんなの私嫌なんだけど!

くそぅ!やっぱり不意打ちじゃないと勝てないやぁ…

あ、みんなまたねー☆

 

━━イタタタタ、やれやれ、またうしろから殴られるとは…

 

 

 

 

 

━━ズェンの魔王城周辺━━

魔王VS魔王の戦いは地形を変えるほど凄まじい被害を与えた。

魔王城ももれなく少しダメージを受けていて、若干外壁が崩れている箇所があった。

 

「夢魔さーん!これどこに置くのー?」

「さっき言いませんでしたか?あと、サキラと呼んで頂きたいです。」

「ん?あ!ここか!ありがとーサキラー!」

「サキラちゃん?壊れた武器の残骸はどうすんの?」

「壊れた武器は再利用溶解器(リサイク炉)にぶち込みますのでこちらへどうぞ!」

「了解!まかせろぉぉ!!」

 

こんな調子でグダグダ修理清掃作業が続いていた。

そして13時間後…

 

「終わった…あぁ、魂飛んでいきそう…」

「俺ももう無理…ズェン回復魔法とか無いの?」

「あるわけ無いだろバカじゃねぇの?」

「使えねぇ魔王だ…」

「お疲れ様です!おかげでいつもより早く終わりました!」

「あぁ、うん、おつかれぇ…」

「ズェン様、我も仲間の遺品を集め終わりました。」

「おう、そうか、大切にしてやれよ。」

「いえ、この遺品を再利用溶解器に入れて装飾品にしようかと思っているのです。」

「なるほど、確かにそっちの方がいいかもな」

 

リッパーは仲間の遺品を使って魔道具を作るとのことらしい。

いや、でも流石に一個小隊ほぼ全員の遺品を使うのは多くないか?と、考えたところでズェンは深く考えるのをやめた。

そして今後どうするかをユウに聞くことにした。

 

「なあユウ。」

「ん?どうした?」

「あのさ、これからお前どうすんだ?」

「あー、これからか…取り敢えずやることないから王都に一旦帰ろうかな…」

「なるほど、そうするといい。」

「つかそれよりさ、協力って具体的にどんな?」

「そういえば言ってなかったな…」

「うん聞いてない、具体的には4話ぐらいから放ったらかしてあったね」

「ちょっと何言ってるかわかんない。」

「で、内容は?」

 

具体的な協力の内容なんてそんなの答えは1つだろ?

ニヤリとしつつ高らかに宣言する。

 

「僕がユウについて行く!!!」

「「「は?(はい?)」」」

「いや、だからさ、協力するんだよ直接ね。」

「直接過ぎだろおい!」

「えぇ?いいじゃんか〜」

「では魔王様1人では不安なので私もついて行きますね!」

「む、我も同行したいが生憎我は擬態ができぬのでな、それに我はまだまだ弱い…修練の旅に出ようと思っているのだ」

「え、そうなのかリッパー、頑張れよ!」

「ねぇ、待って俺まだ理解出来てないんだけど?」

 

困惑気味のユウを余所にどんどん話は進んでいく。その様子を見てユウはこいつらにはもう何言っても無駄だな、と諦めていた。

 

「おや、魔王様はユウ殿について行かれるのですね。ならば私バトラも同行させて頂きましょう。」

「バトラさんも来るのかよ…」

 

ハニー達がズェンの元に飛んできて聞く。

 

「まおーさまどこいくのー?」

「ゆーしゃさまといくのー?」

「わたしたちもつれてってー!」

「ごめんな、ハニー達には魔王城の管理を頼みたいんだ。それと、若しかしたら人間が来るかもしれないからね、悪いヤツだと思ったら吹っ飛ばして、いい人、困ってる人は助けてあげるんだ。分かったかい?」

「「「わかったー!」」」

「まかせてー!」

「がんばっちゃうよー!」

「はやくかえってきてねー!」

「いや〜いい子達ですね〜あ、私は〜ついて行くつもりは無いんですが〜私のコアが〜魔王様になっているので〜瓶に詰まって魔王様の装備品に入り込んでおきますね〜」

「そうだな…って、付いてくるんかい!」

「? 何か問題でも〜?」

「いや、もういいよ好きにして…」

 

そうしてズェンはデュラードの方を見る。

 

「デュラードはどうするんだ?」

「そうですね…私は王都に会いたい人間がいますので王都までご一緒させて頂きましょう。」

「ん、OKそれでいこう。」

 

将軍達のこれからを聴き終わったところでズェンは他の魔物達の方へ向く。これからの決定を伝えるのだ。

 

「みんな聞いてくれ!急な話で申し訳ないが、今からこの城は開城する!だからこれからは、というかなんというか…まぁ!兎に角人間と仲良く助け合って暮らしてくれ!」

 

魔物達からはそう言うと思って準備してました!とか聞こえてきた。

え?何みんな準備早くない?優秀なんだけど…なぁ…

 

「ズェン!終わったか?そろそろ俺は出発したい。近いっつったって結構距離あるからな…」

「わかった!今いくよ!」

「魔王様ー!早く行きましょう!」

 

そうしてズェン達はユウと一緒に王都への道のりを歩き出した。

 

 

 

 

 

 

━━旅立つ少し前片付け中━━

ズェンは片付けをしつつ攻撃魔法を練習していた。

 

「うーん…なかなか上手く出せないなぁ…」

「魔王様〜?何をしているのですか〜?」

「うわぁ!びっくりした!なんだスライマーかよ驚かせるな…」

「魔法の練習ですか〜?攻撃魔法ないですもんね〜」

「随分とざっくり言うなぁ!傷つくよ!?」

「事実ですから〜と、そんなことは〜置いておいて〜」

「ん?どうかしたのか?」

「攻撃魔法を〜教えて上げますね〜」

「それはありがたい!で、何教えてくれるの!?」

「それはですね〜初級雷魔法と〜初級氷炎魔法です〜」

「2つも教えてくれるの!?」

「スーパースライムですから〜で、えっとですね〜具体的に言うと…」

 

━━約2時間後━━

「氷炎魔法!」

 

対象物を凍結、そして燃やす魔法だが初級の割には意外と強い。

そして、もうひとつ。

 

「雷魔法!」

 

初級なので見るからにしょぼいが、人間は感電死するレベルの電気量らしい…なかなかどうして怖いじゃないか。

 

「お〜できましたね〜」

「ありがとう!これで究極化をかければ完成だよ!」

「いえいえ〜魔王様の為ですから〜それでは私は持ち場に戻りますね〜」

 

雷魔法と氷炎魔法。2つ新しい魔法をズェンは覚えたがここでふと気づく。同じような魔法をどこかで見た記憶があると。

 

「これ、防御魔法が書いてあった本に載ってたやつだ…もっとしっかり覚えとかないとなぁ…」

 

うなだれながら呟いたズェンはユウについて行き強くなると決意した。

 




はい。申し訳ないですグダグダで、
ここまでが1章みたいな感じになります!
次回は幕間をやります!
今度登場する王都の話です!
ズェン達は出てきませんがどうぞよろしく!
それでは次回をお楽しみにー!


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幕間 ある日の王都、広場にて

幕間です!幕間なので普段とタイトルの書き方が違います!
ではでは!どうぞー!


王都の広場に子供が沢山集まっている。その中心には深くフードを被った若い女性が座っていた。

「さぁみんな!本を読んであげるよ!」

「やったー!」「何の本ー?」

「この国のちょっと前の話だよ。さぁ読むよ?」

「わーい!」

「昔々…と、言っても20年前の話だけどね…」

 

そう言うと女性は物語を読み始めた。

 

 

 

 

 

 

━━20年前━━

「あーあなんかいい事ないもんかねー。」

「ベッドの上でゴロゴロしてるだけじゃ永遠に来ませんよ、ハールリアお姉様。」

「確かにフューラの言う通りだわ、ハールリアお姉様、長女らしく振舞ってくれないかしら?」

「なによぉフューラもヒナツカもよって集って…わかったわよ…めんどくさいなぁ…」

「まぁまぁ、あまりぐぅたらしてもいけないってだけですし…それに普段通りの方が姉上らしいですよ。」

「そうよね!ロアーキの言う通りだわ!」

「…ロアーキお兄様?あまり甘やかしては行けませんよ?」

「ははは、申し訳ないな…フューラ。」

 

他愛も無い会話をしているのはユートジナ王国の王子王女達だ。

1番上の長女ハールリア・ユニオリン、

次女ヒナツカ・ユニオリン、

3番目だが唯一の男ロアーキ・ユニオリン、

そしてしっかり者の三女フューラ・ユニオリン。

4人はいつも通り王族としての勉強をした後、こうして他愛も無い会話をしていた。

そう、全てはいつも通りだった。

━━突然の轟音が王都を襲うまでは。

 

「っ!なんだ今の轟音は!」

「王都の端辺りからです!お姉様!」

「わかってるわよ!殲滅すればいいのでしょう!?」

「無茶しても助けて上げませんわよ?ハールリアお姉様。」

「ヒナツカなんかに助けられる羽目になるはずないじゃない!私を誰だと思っているの!?」

「はは、姉上達、力の主張もそれまでにして、まずは哨戒、そして速やかな外敵の排除が大切だよ。」

「そっ…そうよね!流石我が弟ロアーキだわ!」

「ありがとうございます、ロアーキお兄様。」

「気にしないでよ、フューラ。さぁ、僕達も行こうか。」

 

ハールリアとヒナツカが一緒に出ていった後にロアーキとフューラが城から飛び出す。目標は先程の轟音の元凶を発見、そして排除することだ。

 

「ヒナツカ!見つけた!?」

「はい。ここから前方に少し行ったところに魔物の生体反応がありますわ。」

「了解!飛ばすわよ!」

「全く…お姉様には品性が欠けてらっしゃるわ…まぁその辺りが民衆に人気なのですが…」

 

急ぎながらヒナツカはハールリアのことで頭を抱える。

そんなこんなでその魔物の場所までたどり着いた。

 

「なに…これ…」

「お姉様?何が…キャッ!」

 

そこに広がっていたのは大量の人の死体。その上に大柄なオーガが立っていた。

 

「む?なんだ…次はどんな奴が来たのかと楽しみにしていれば女ではないか。失せろ、人間よ。俺に女を殺す趣味は無い。」

「そんなこと言われたって引き下がるわけにはいかないわ!アンタが殺した人々は私たちの大切な領民なんだもの!」

「えぇ!お姉様の言う通りですわ!あなたにはここで死んで頂きますわ!」

「…フハハハハ!面白い!俺を殺すだと!?いいだろう!返り討ちにしてくれるわ!」

「生憎だけどあなたに割いてるほど、この話の尺は長くないの、消えて頂戴?」

「お姉様、何を仰って…ってそれを言ってはいけないのでは!?」

「気にしないの!ヒナツカいくわよ!乱れ咲きなさい!土魔法応用植物魔法(ハードガイア・ブロッサム)!」

「ぐっ!なんだこの茨は!絡みついて解けん!」

「一撃で仕留めますわ…光魔法応用天候魔法(ソル・イン・フェルノ)!」

「なん…だと…しかし、時間は稼いだぞ、クククハハハハ…」

「死んだわね…それにしても最後何を言っていたのかしら?」

「分かりませんが…あまりいい事ではなさそうですわ。」

 

オーガを一瞬で倒した2人は帰路につく。

一方で、ロアーキとフューラは魔物の大軍を2人で殲滅し終えていた。

 

「ははは、少々疲れたね。」

「ええ、そうですわね。」

「さてと戻ろうか…ん?なんだあれ?」

「城の近くに何か…ってなんですかあれ…って!」

「「…ドラゴン!?」」

「えぇ!?やばいよ!急いで戻らなきゃ!行くよフューラ!」

「…はっ!ちょっと呆然としてました!申し訳ありませんお兄様!」

 

突如として襲来したドラゴンに2人は動揺していた。それは勿論2人だけではなく、合流したハールリア達も同様の反応をしていた。

 

「あ!ロアーキ!あれは一体どうなっているの!?」

「分かりません!が、なんだかやばそうです!」

「そんなの誰だって分かるわよ!あいつを呼び出した術者は!?」

「お姉様、多分呼び出したドラゴンに乗っているわ。」

「ありがとうヒナツカ!早速行くわよ!」

 

飛び出して行ったハールリアを追いかけるようにヒナツカ達もついて行く。そして城に着いたが、そのドラゴンは予想以上に巨大だった。

 

「デッカイわねぇ…何を食べたらあんなふうになるのかしら?」

「えぇ…着目点そこですかぁ?」

「気にしたらダメよね!善は急げ、よ!土魔法応用植物魔法・対空(スカイ・フリゲート・ローゼン)!」

「えぇ!?大丈夫ですの?でも、気にしたら負け、ですわ…光魔法応用天候魔法・広範囲(サン・アシッド・レイン・フェルノ)!」

「ちょっと待ちなよ…って、聞いてないよね…全く、僕が活路、というか当たるようにしてあげなくちゃ…風魔法応用弱体魔法(カースト・フロウ・ヴェルタンス)!」

「何したらいいかな…あっ!動きを止めます!水魔法応用凍結魔法(ウィンター・ディレイ・チルド)!」

 

4人の魔法がドラゴンに降り注ぐ。

弱体魔法と凍結魔法により翼が砕け、落ちて来るドラゴンに焼ける酸性雨が降り注ぎ下から伸びる茨の先が突き刺さる。次に起こったことは…

 

「あ、バランス崩して私の薔薇が崩れるわ。」

「えぇ!?どうしましょう!」

「んー…もう無理だと思うな…」

「私もお兄様と同意見です。」

 

そのまま崩れて茨とドラゴンは城に激突。結局のところ城は崩れる事になってしまった。

 

「…あっはははは!!いやー面白い崩れ方だったね!いい崩れ加減してるし!」

「はぁ…そう笑っていられませんわ…」

「ははは、姉上らしいよ。」

「そうですね、お兄様。」

 

そんな笑っている4人を見てドラゴンを呼び出した術者は恐ろしくなって逃げ出したという。実はこの術者はとある凶魔王の手下だが、それはまた別の話。

この騒動から1週間、崩れた城の瓦礫を王国総出で片付けていた。

 

「さーてと、片付いたし、家でも建てようか!」

「うぅ…私はもう立てませんわ…」

「はは、無理は禁物だしね、ゆっくり休んでいてよ、ヒナツカ姉上。」

「あっお兄様!家の設計図できました!」

「ありがとうフューラ、ふむふむ、なるほど、これでいこう!」

 

この翌年にユウを王都に呼び出すのだが、まだこの王都の城は崩れたままだったという。

 

 

 

 

 

「━━はい!どうだった?面白かった?」

「「「面白かったよ!おねーさん!」」」

「そうか、そうか、それは良かった!」

「ところでおねーさんは何してる人なの?」

「ん?私?わたしはね…」

 

そう言うと女性は深く被っていたフードを外す。

 

「えっ!おねーさんハールリア女王様だったの!?」

「ふっふっふー!驚いた?」

「びっくりしたー!」

「うんうん!やっぱり子供たちは可愛いね!」

「女王様ー!また話をしに来てくれるー?」

「うん!また来るよ!楽しみにしててね!」

 

そう言うとハールリアは立ち上がり馬を呼んで帰っていった。その日から毎週広場でハールリアは子供たちに話を読み聞かせているという。

 

 

 

「━━さぁ今日の話は何だと思う!?」




幕間、如何だったでしょうか!次はいよいよ、っていうか幕間1話分だけだけだしいよいよ感ないですが、いよいよ本編2章が始まります!
新しいキャラが出てくるかも?お楽しみにー!


僕実は今テスト週間中なんですよね…まぁもうすぐ終わるんですけど、その間書いてなかったから書きだめが底を突きそうで…ちょっと不安です。まぁ、しっかりと更新はしていきますので御安心を!


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第2章 喰って喰われて大惨事(´・ω・`)
第11話 グッダグダな展開になってた(´・ω・`)


えー、今回はかなりグダグダ展開なんでちょっと僕の疲れが見え隠れしてます。
さぁ!そんなことは置いておいて、今回の見どころは!なんと!ズェンがあんなことを!?ってここで言っちゃダメじゃん!
そんなgdgdファンタジー第11話!
始まるよー!


歩き続けて数日…漸く王都の近くまで来た。

 

「ユウ…これのどこが近いんだ…?」

「言ったろ?王都から1番近いってだけで決して遠くないわけじゃないって」

「これは老体に響きますな!はっはっは!」

「バトラさん元気じゃないですかぁー!」

「そう言うサキラさんも元気じゃん…」

「まぁもうすぐだと思うし!あと少し!頑張れ!」

「がんばろー…」

 

そんなこんなで王都に辿り着いた。何らおかしな箇所の無い普通の街だ。ただ1つ、崩れた城を除いては。

 

「なぁユウ、なんであの城崩れてんの?」

「俺に聞くなよ、俺はここの出身じゃねーし。」

「うーん…魔物の軍勢が攻めてきて、追い払う為に放った大魔法が城に当たっちゃったとかですかね?」

「「いやいや、まさかそれはねーだろw」」

まぁ、そのまさかだったりするのだが。

「やっぱり無いですよねー!流石に変な想像しすぎました!」

「ははは、サキラ殿の想像はやはり秀逸ですね。」

「うおっ!そう言えばいたなデュラード…」

「ははは、喋っていなかったですからね…」

正直作者も忘れてたとか言えない。

「で、魔王様どうします?行くんでしょう?」

「あぁ、行くとも!ただその前に…」

「?」

「僕達の格好からどうにかしない?」

「あ。」「確かにそうですね」

 

そう、今ズェン達は魔族の格好そのままなのだ。(とは言っても他の魔族よりは人間に近いが)

王都に入ろうにも魔族の姿じゃ恐れられてしまう。だからこそリッパーの言っていた"擬態"が必要になる。

 

「みんな擬態維持できる?」

「私はずっとできますよ!」

「私も吸血鬼部分を抑えれば擬態完了でございます。」

「首はないですが擬態すれば問題ないので、大丈夫です。」

「う、みんなできるのか…」

「え、まさかズェンお前…」

「実は僕擬態出来ない!」

「やっぱりか…」

 

ズェンは擬態ができない。今まで城から出ることの無かったズェンにとってはいらない魔法だったからだ。

 

「まぁ任せろ!今擬態魔法構築するから!」

「それ、維持はできるのか?」

「あー…究極化の付随付ければなんとか…?」

「それじゃあダメじゃね?」

「まぁなんとかなるっしょ!」

「はぁ…本当にお前頭良いのにそういうとこ変わんないな。」

「まぁまぁ!ユウだって昔と変わらず直情バカじゃん?本質はそう簡単に変わらないよ…っとよし、構築完了!じゃあいくよー!究極擬態魔法(僕の昔の姿へ戻れ)!」

「…ってえぇ!?まんま冷夜じゃん!」

「まぁその姿をイメージした魔法だしね。」

「ほぉー…便利なもんだなー魔法って。」

「だろ?ユウも使ってみろよ!?」

「いや、俺は魔法とか使わないし…」

「提案する、貴殿の魔法の習得。」

「うわぁっ!急に喋んじゃねぇよ!びっくりしたわ!」

「ほらほら聖剣だってこう言ってるし、どう?魔法。」

「…気が向いたらな。」

「言ったな?じゃあ今日からみっちり魔法について教えていくからな!?」

「あ、やっぱり魔法いらないです、はい。」

「逃げるなよ(ニコォ)」

「アッハイ」

「茶番終わりました?早く王都に入りましょうよ!」

「あ、ゴメンなサキラちゃん!今から入るから!」

 

そう言ってズェン達一行は王都の門を潜った。

 

「はー…デカイ街だねー」

「そうですね!今まで来たことないのでワクワクです!」

「ははは、では存分に楽しむといいでしょう。」

「サキラ、あまり遠くに行きすぎるなよ?」

「わかりました!気をつけますね!っと、キャアッ!」

「どうしたサキラ!」

「いたたたた…ぶつかってごめんなさい…」

「いえ、こちらの方こそぶつかって申し訳ありません…って後ろにいるのはユウ様!?」

「お、フューラ様か、久しぶりー。」

「ユウ様魔王討伐はどうされましたか?」

「あー…その事で話したいことがあってさ、今女王様何してます?」

「今の時間は…子どもたちと戯れてますね。案内しましょう」

「ありがとうフューラ、頼むよ。」

 

ズェンはフューラという女性が何者なのかを真剣に考えていた。

ユウと面識があり、女王とも面識がある、そんな立ち位置…

と考えた結果出した答えは…

 

「なぁユウ、あのフューラって呼んでた人ってもしかして王族?」

「お、よく分かったな王族のフューラ王女様だ」

「ふふふ、私の正体もわかったところで…」

ヒュッ

「うおっ!何するんだフューラ!」

「あなたがたの正体も教えていただきましょうか、魔族さん達?」

 

剣を抜いたフューラが発する殺気にズェン達はたじろぐ。

 

「まっ…待ってくれ!僕達は敵対しない!というか寧ろ協力したい!」

「そんな言葉…誰が信じるとでも?」

「じゃあ仕方ないな…あんまり使いたく無かったけど…」

「ズェン様?何をするつもりなんですか?」

「…すみませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

「「は?」」

「勇者と冒険するのが夢だったんです!その気持ちに嘘偽りはありません!どうか!どうか許してください!」

「…あー、フューラ?こいつさ、実を言うと魔王なんだよね。」

「まっ…!?魔王!?」

「そうそう、それでさ、凄い優しいやつなんだよ。だから許してやって、というか剣を仕舞ってくれ。」

「…ユウ様がそこまで言うのなら、この場は見過ごしましょう。ですが少しでも怪しい素振りを見せたら一刀のうちに両断しますから。」

「わかった、ありがとな!」

「では女王様の所へ行きましょうか。」

 

こうしてズェン達はフューラに誤解をされたがなんとか女王に会うために進む事ができた。

これはまだズェン達に降りかかる試練?の一端に過ぎないのかもしれない。




いやー、あとがきになんか書こうと思って書き始めましたが書くことないんですよねwなのでどうでもいいことを言います!まぁ僕の近況って感じなんですけど某ゲーム会社から出てるイカのゲームのオク○・エキスパンションをやってまして…まぁもうクリアしたんですけど意外と裏ボスが強くて…15分かかっちゃいました…

はい、以上です!ではまた次回お会いしましょー!


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第12話 遂に2章っぽくなってた(´・ω・`)

第2章がようやく動き始める!?
そんなgdgdファンタジー第12話!
始まるよー!


「お姉様、勇者様を連れて来ました。何でも話があるそうで。」

「そうか!ありがとうフューラ!…さてと、ごめんねみんな!今日のお話はここまでだ!また明日、続きを読んで読んであげるからな!」

「「はーい!」」

「ん!いい子達だ!じゃあまたね!」

 

そう子供たちに告げこちらへ向かって来る。どうやらこの人が女王のようだ。

 

「…で、ユウ君。話ってのはその後ろの人達のことだね?」

「う、流石女王様ッスね…その通りです。」

「いや、なに、大したことじゃないさ。こちらには情報源があるからね。」

「情報源ッスか?」

「あぁ、そうだよ。と言っても極秘だからね。特にそこの魔王君には。」

「なっ!僕の完璧な擬態が…!?」

「あっはっはっは!面白い反応だね!その反応の面白さに報酬のネタばらしだ!」

「「ネタばらし(ッスか?)…ですか?」」

「そうそう!もういいよー!ロアーキ!」

「そうですか、折角デュラード君とも仲良くなったのですが…仕方ありませんね、融合魔法解除!」

 

突如デュラードが光り出し、デュラードと、背の高い男に分離した。

 

「「えぇ!?は!?えぇぇぇぇぇ!?」」

「ははは、驚くのも無理はないよね、何せ魔王様にも内緒だったんだから。ねぇ、デュラード君?」

「申し訳ないです…ズェン様、どうか許しを。」

「いや、許すも何もこれって逆にチャンスじゃない!?」

「どういうことだよ。」

「だって王族の人が見てたんでしょ!?」

「えぇ、まぁ、そうなりますね。」

「ははは、その考えはいいセンスをしているね。どうだい?姉上。彼等を信じてあげられるかい?」

「…」

「うぅ…沈黙が怖い…」

「…あっはっはっは!信じるも何も私は最初っから疑ってないよ!何より、ユウが死んでないのがたった一つの証拠だろ?」

「あ、それもそうか。なんだよちょっと焦ったじゃんかよ〜」

「ふふ…はははははは!あはははは!」

 

ハールリアの思いがけないカミングアウトに度肝を抜かれたズェンは突然笑いだした。

 

「うわっ!急にどうしたんだよズェン…」

「いや、面白くてさ、まるで昔に戻ったみたいだよ。」

「ふっ…違いねぇな。」

「いやー、君達仲良いんだね!じゃあこの先も安心だ!んじゃ、私は一国の女王としてやる事があるんでね。宿屋に話は既につけといてあるから、ゆっくりと休みな!」

「何から何まで本当に申し訳ないっス女王様」

 

そう言うユウの声を聞いてか聞かずかハールリアは手を振りながら歩いていった。

 

「さーてと、じゃあ折角王都に来たんだ、ちょっと見て回るか?」

「ええ!行きましょう!いいですよね!ズェン様!」

「どうせ、いいって言うまで聞かないだろ?…まぁ僕も見たいものあるし、見て回るか。」

「やったぁ!ありがとうございます!ズェン様!」

「全く、ズェン様はサキラに甘いですな…」

 

こうしてサキラに振り回されながら様々な店を見て回り、サキラが満足した頃にはもう既に日は落ちるところだった。

 

「あー!楽しかった!これでもう満足です!最っ高でした!」

「あははは…それは何よりだよ…僕はもう疲れて…早く寝たい。」

「なんだよ貧弱だなー…まぁ俺も限界近いけど…」

「はっはっは、若者がだらしのない限りですな。」

「俺、バトラさんはもう年齢詐称だと思う。」

「あー…僕も思う…──ちょっと止まって。」

「ん?どした?ズェン?」

「出てこいよ、そこにいるんだろ?隠れても無駄だ。」

「おっとっと、見つかってしまいましたか。」

「端的に聞こうか、僕達の後をなぜつけていたんだ?」

「これはこれは、後をつけていた事すらバレていたとは、では僭越ながら自己紹介と参りましょう。私の名前はギャラブリー・カスケード、しがない上魔王でございます。私は普段ここから北の大地にあります私のギャン・トックバーと言うカジノを経営しているのですが、そこで借用金を全く返さない輩が居ましてね…」

「ちょっとストップ!ねぇ、それ絶対話長くなるやつだよね?」

「おぉ、これは失礼いたしました。常日頃から話が長いと部下達からも言われているのですが…いえ、自分ではそんなつもりはないんですがね、おっと、また話が長くなってしまう所でした。」

「はぁ…で、用件は何さ。」

「これは大変失礼いたしました。私としたことがついうっかりしておりました。えぇ、用件といいますのは私の経営するカジノでは借用金制度があるのですが、客の1人が借用金を返さないのです…」

「はぁ?お前も魔王だろ?自分でなんとかできないのか?」

「そうしたいのは山々なのですが、生憎その客も魔王で更には超魔王なのです。私のような上魔王には到底勝ち目がないのです。風の噂では皆様は凶魔王を倒したとか。その力量を見込んでのお願いでございます。」

「あー…要約すると、借金をさっさと返して欲しいからそいつを倒してくれと、そういうことか?」

「そういうことでございますね。」

 

何ともまぁ無茶な頼みだ。ズェンは溜息を吐きながら静かに口を開く。

 

「まぁ、やるだけやってみるか。で、そいつの居場所は?」

「おお!引き受けてくださいますか!ありがとうございます!居場所は…あまり自分の魔王城にいないお人なので…あぁ!確実に会えると踏めるのは魔王統治国ユウゼンでございます。」

「ユウゼン…だと…聞き間違いだよな?」

「いえ、確かにユウゼンと言いましたが?」

「え?ズェンはそこに行ったことでもあんのか?」

「違うんだ…あそこから来たやつがいるんだよ…」

「じゃあちょうどいいじゃん!行こうぜ!」

「はぁ!?ちょっ、お前…!」

「ありがとうございます!では私は借金徴収の準備がありますのでこれで。」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁもう嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「あー…なんかトラウマ抉ったっぽいな…ゴメン、ズェン。」

「ユウのバカ!もう知らない…」

 

泣き崩れるズェンを引き摺り宿へと向かった。寝るまでズェンは魂が抜けていた様子だったとか。




後書きに書くことが無くなったので!どうでもいいこと言います!



卵かけご飯にラー油かけて食べると美味しいですよ!


書くことないなら書くなよって話ですよね!
以上!作者の戯言でした!


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第13話 旅立ちとその裏側で(´・ω・`)

もうタイトル考えるのを『なってた(´・ω・`)』から『(´・ω・`)』だけを後ろに付ける形のタイトル構成に変えます!あ!すっごく楽チンだ!このタイトルの付け方!最初からこうしときゃよかった!
ではそんなgdgdファンタジー第13話!始まるよー!


──ズェンの心の声──

ユウゼン行きが決定した。本当に最悪だ。()()()にはもう何年も会っていないがきっと変わってないだろうな、()()()()()()()

ユウがあんな易々と了承するから…いや、待てよ?これをチャンスと捉える最高の手段を思いついたぞ!うへへへへ、今から鍛冶屋に行ってくるか!昨日頼んだ例のブツが出来てるといいなぁ…!

 

 

 

 

──宿屋──

ハールリアのところに旅の決定を伝えに行っていたユウが宿屋に戻ってきたが、ズェンの姿がない。

 

「あれ?ズェンは?」

「ズェン君は先程『鍛冶屋に行ってくるぜ!ヒャッハァ!』って言って出ていったよ。」

「うわぁっ!?急に出てくるなよロアーキさん!?」

「あははは、申し訳ない。それにしてもいつ見ても君の反応は面白いよ。」

「嬉しくねぇ…で、何でズェンは鍛冶屋に?」

「あぁ、ズェンは頼んでおいた兵器を取りに行くって言ってたよ。随分とテンションが上がってたから、きっととても楽しみだったんだろうね。」

「兵器、ねぇ…あいつ自身兵器みたいなもんなのにな。」

「誰が兵器だって?お前も真っ二つにしてやろうか?」

「ふぁagtk'(emjgtwj@k!!!????」

「え、ゴメン。そんなに驚くとは思ってなかった…」

「ははは、矢張りいい驚き方をするね、ねぇズェン君?」

「まぁ、弄り甲斐はありますね。」

「はぁ…ビビった…くそ、後で覚えておけよ?」

「OK、バリアで囲っとく。お前を。」

「手も足も出ねぇ!」

「では私はこれで。」

「あ、ロアーキさん!デュラードの事なんですけど…」

「その点は心配いらないよ。彼は優秀な騎士として王国騎士団に入ることが決定しているからね。」

「何から何までありがとうございます。」

「ははは、じゃあまた。ユウゼンから帰ったら話を聞かせて欲しいな。」

 

ユウとズェンの様子を確認しに来ていたロアーキは2人の会話を聞き笑いながら宿屋をあとにした。

 

「なぁ、ズェン!兵器ってどんなのだよ!?」

「絶対聴いてくると思ったよ…残念ながらここでは見せられませーん!」

「なんだよー!ケチだなー…」

 

BooBooとブーイングを飛ばすユウに対してズェンに少しからかってやろうという気持ちが湧いた。

 

「じゃあ見せてやるよ。ここじゃ狭いから宿の中庭に出よう。」

「お!よし来た!行こうぜ!」

 

そうして2人は中庭へと出た。(あ、因みに中庭には井戸が1つあるだけであとは何もないです。木すらないです。何なら下石畳なんで草すら生えてないです。)

 

「よーく見とけよ…?」

「ワクワクするなぁ!」

飛び交う楔(スカーレット・ウェッジ)装備!魔法錬成、雷撃魔法、魔石展開、起動モードに移行。行くぞ!」

「なんだあれ!なんか変なのがいっぱい飛んでる…」

「ロックオン完了!唸れ!全方位一斉掃射・雷(フルレンジ・ラインザー)!」

「は!?俺、ロックオンされてるし!やべぇ!聖剣!来い!」

「主人の声門を確認。デュランスレイヴ、参ります。」

「間に合え!デュランスレイヴ!シールディンモード!」

「防衛します。operation SHIELD(完全防御、実行。)

 

ユウに向かって放たれた雷魔法は辺りを巻き込み石畳から砂煙が起こるほどの威力を発揮した。が、その全てはユウには届いていなかった。

 

「あっぶねーな!聖剣いなかったら()()()()()()()()()よ!?」

「まぁダメージ食らう程度で済むしいいんじゃね?僕も死なない程度で撃ったし。」

「はぁ…ホントに変わらねぇよな、お前。」

「いやぁ、ホイホイ着いてくる君ほどじゃないけどね?」

「くっ…否定できん…」

「おや、ここにいましたか、ユウ様、ズェン様。」

「お、バトラさん。どしたの?」

「いえ、大したことではないのです。私は、ですが。」

「え?それってどういう…」

「ここにいたんですね!ズェン様ぁ!」

「( ゚∀゚):∵グハッ!!」

「うわっズェンの腰がありえない方向に!」

「あ…申し訳ございません、ズェン様。つい、嬉しくって。」

「え、なんかあったの?」

「あったも何もズェン様が私に!装備をくださったの!」

「あー…ゴメン装備バトラさんにもあげてるし、何ならデュラードにもあげてる…」

「知ってますよ?でも装備をくれたこの嬉しさは唯一無二のものでしょう?」

「サキラさん…腰痛い…ちょっと離れて…」

 

ズェンに抱きついたままサキラはそう言う。まるでその姿が当たり前かのように。

 

「さて、ズェン様。そろそろ出発した方がよろしいと思われますが、如何致しますか?」

「はぁ…あんま気乗りはしないけど行くか…どうせまた()()()がトラブル作ってるだけだとは思うけど…」

「ふふ!そうですね!あのこは昔からトラブルメーカーですもの!でも私はあのこのこと、嫌いじゃないですよ?」

「え、意外!サキラさん嫌いなタイプかと思ってた。」

「えぇ?私はあのこみたいに健気な子は可愛らしくって素敵だと思いますよ?」

「はぁ…健気ねぇ…多少は丸くなってる事を期待するか…」

 

ズェンはそう言うと辺りに浮かせていたウェッジを手元に手繰り寄せた。

 

外套形態(モード:マント)。これでよし、と。じゃあ行くか。みんな用意できた?」

「出来てます!」

「何時でも行けますぞ。」

「え!みんな早くね!?俺まだ準備終わってねぇ!」

「…報告。貴殿の荷物は私が空間魔法干渉によって片付けておいた。よって。貴殿の準備は完了している。」

「え、マジで?流石聖剣!…いや、ここまでくると逆に怖いわ。」

「じゃあ準備できたみたいだし行くか!ユウゼンに!」

 

そう言ってズェン達は宿をあとにして、ユウゼンへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

──同時刻ズェンの魔王城──

ズェンの魔王城の前に黒いローブでフードを深く被った男が立っていた。まるで何かを探しているかのように辺りを見渡す。その目に光は灯っていない。

 

「へーえ…ここが────か。この反応だとあいつはいなさそうだな…まぁいいか。取り敢えずここにいる高い魔力反応のやつをぶっ倒すとするか。」

「あなただれですかー?」

「わるいひとー?」「いいひとー?」

「うわっ!なんだこいつ等…ん?1番高い魔力反応がするのはもしかしてこいつ等?拍子抜けするわー…」

「いいひとならかんげいするのー!」

「わるいひとならおっぱらうのー!」

「あなたはわるいひとじゃなさそうにみえるの!」

「にんげんにゆーこーてきなまおうのおしろへようこそなの!」

「人間友好的ねぇ…面白い、面白いよズェン君。君ってやつは本当に…」

「どうしたの?だいじょーぶですかー?」

「あぁ、大丈夫だよ、蜂のお嬢さん達。」

「ならよかったの!さぁどうぞー!」

「…本当にズェン君は愚かだね。」

 

 

 

 

 

「────君は****だっていうのに、ね。」

 




あ、最後のは別に気にしなくっても大丈夫です。
()()ってやつですよw
では次回をお楽しみにー!


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第14話 悩めるアイツと巫山戯たアイツ(´・ω・`)

タイトルを考えるのが一番難しい気がするのは僕だけでしょうが、マジでなかなかしんどいです。
それはさておきそんなgdgdファンタジー第14話!
始まるよー!


──ユウゼン魔王城──

「あーあ、なんか楽しことはないのかえ?妾は退屈なのじゃ!」

「そう言われましても…この街の娯楽施設はヨウコ様が怒って破壊してしまったではありませんか。」

「(。・ˇ_ˇ・。)ムゥ…そうじゃったか?」

 

ほっぺを膨らませながら周りの部下達を困らせているのはユウゼンを統治している上魔王ヨウコ・タマモノだ。

彼女の見た目は言うなればそう…転生モノによくいる美少女…いや、美幼女な感じだろうか。

彼女は一般人より寿命が長く、更に成長も遅い。もう歳は50を超えるらしいが見た目も中身も天真爛漫な7歳程度にしか見えないし思えない。

 

「それよりも私の予言、聞きませんか?ヨウコ様。」

「暇じゃし聴いてやろうぞ、ほれ、言うてみい。」

「ムムム…出ました!今日の予言は…アッコレイワナイホウガイイナ…」

「どうしたのじゃ!そんなにタメると余計気になるじゃろ!」

「えー…えっとですね…もうじきまたあの方が来る、と出ました…」

「なんじゃと?前盛大にフッてやったのにまだ諦めておらんかったのか!」

「うーん…あっ!もう一個出ました!おぉっこれは嬉しいですよ!」

「おぉ!早う言うが良い!」

「長い事お会いになられていらっしゃらないズェン様がユウゼンへと向かっているそうですよ!」

「それは楽しみじゃのう!前回妾が出向いたきり会いに行けておらんからのう…盛大に祝って良いむーどになったられっつぷろぽーずじゃ!」

「今度は成功すると良いですね!」

「うむ!早速支度をするのじゃ!!」

 

 

 

 

 

 

 

──とある超魔王の城──

「ハッハッハ!コレできっとヨウコちゃんもこの俺様、デイン・オ・タカムの魅力にメロメロになるだろう!なぁ、そう思うだろう?」

 

そう言っているのはカジノに入り浸り女の尻を追っかけ挙句の果てに部下達に見捨てられたクソ魔王でナルシストのデインである。

何を隠そうギャラブリーに借金迫られてるのはコイツで、前にヨウコが盛大にフッたのもコイツである。

 

「はぁ…話かけても返事がないって究極的に虚無感に襲われるな!まあそれはどうでもいい些細な事だ!さてと、ユウゼンに行くとするか、ハハッハハッハハッハハッハハッハハッノ ヽノ ヽッノ ヽ/ \ッ/ \/ \ッ!」

 

顔だけはいいのだが他の部分がクソすぎるデインはそう言うと自分の魔王城をあとにした。なんでこんなクソ野郎が超魔王なのかとかそう言う質問はご法度なのだ。こっちの都合だから。

 

 

 

 

 

 

 

──ユウゼン郊外──

「なぁ、ズェン。もしかしてあそこに見えんのがそのユウゼンって国?」

「あーそうそう、大正解だよーユウ君。」

「近づけば近づくほど扱い雑になるな!酷いぞ!?」

「そうだねーでも誰かなー?ユウゼン行き勝手に決定したやつは。(╬ º言º)」

「その節は大変申し訳ございませんでしたぁぁぁぁぁ一!!!!!」

「もう…タチが悪いですよ?ズェン様、本当はさほど怒ってないくせに。」

「そうですぞ、ズェン様。もうそろそろ許してあげては如何でしょう。」

「ったく、わかったよ…」

「ありがとうズェン!…って、なんだ?あれ。なんか飛んで来たみたいだけど…」

ズドーン!!!

「けほっ、けほっ…なんだ、急に…何か人影が…はっ!?逃げよう!あれは捕まったらダメだ!」

 

(っ*´꒳`)っ がしっ

 

「あっ…」

「どこに行こうとしていたのじゃ?ズェンよ。」

「いやー…ちょっと寒気がしたから自分の魔王城に帰ろうかな〜と」

「寒気がするじゃと?それならば是が非でも妾の下で休んで行くが良かろう!寧ろそうするべきじゃ!」

「ズェン…?もしかしてその娘がズェンの知り合いの?」

「その通りじゃ!妾はズェンのふぃあんせのヨウコ・タマモノじゃ!」

「フィアンセ…はは、良かったな、ズェン。」

「いや、良くねぇし。」

「なんじゃ、妾では不満か?一通り女子としての家事などは1人で全て出来るぞ?」

「へぇ、そりゃすげぇ…ってそうじゃなくて、もうこの際だから言うけど僕達はユウゼンによく来るっていう超魔王を倒しに来たんだ。だからお前に会うつもりはこれっぽっちも無いんだよ。」

「なんじゃと!?あいつを倒してくれるのか!?それはありがたい限りじゃ!矢張り妾のひーろーはズェンじゃの!」

「え、もしかして逆効果だったパターン…?」

「お疲れ様ですwww残念だったなズェンwww」

「そうと決まれば早速宴じゃ!さ、妾の城に行くぞ!ズェン一行よ!」

「はぁ…どうしてこうなるかな…悪い予感しかしねぇよ…」

 

この出会いは吉と出るか凶と出るか、そんな危惧をズェンは頭に浮かべる。然し無駄な思考だと考えるのをやめたズェンはヨウコに引っ張られながら深い溜息をついたのだった。




ヨウコちゃんの設定とデインの設定を設定資料に追加しておきますね!では次回もお楽しみにー!


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第15話 スルースキルって大事(´・ω・`)

ちょっとヨウコちゃん気に入ってるんですよ!
まぁあんまり活躍させる予定ないですけどね!
(注 今回かなりのメタ発言があります)
そんなgdgdファンタジー第15話!始まるよー!


「着いたぞ、ここが妾の城じゃ!美しいじゃろ?」

「なんつーか…似たような城を見たことがあるような…」

「この既視感はあれだな、転生前だな、ユウ。」

「あ、あの城だ、えーっと…姫路城?」

「確かにこの全体的に白が多い感じはそっくりだな。」

「2人で何を話しておるのじゃ?妾も混ぜてたも?」

「いや、何でもないよヨウコ。城が綺麗だなって話してただけさ。」

「そうじゃろ!?ふふん!妾の城は最高に雅なのじゃ!」

「それはそーとなんか不思議な国だなここ。至る所に火が浮いてるし…」

「あれは妾の最高傑作の…(まぁ設計しかしておらぬのじゃが)、狐火じゃ!」

「へぇ、どういう原理なんだ?教えてくれよ、ヨウコ。」

「あれはじゃな、空気中の魔素を吸収して光に変える魔道具を浮かべているのじゃ。かっこいいじゃろ?」

「見たまんまの名前だったな、まぁかっこいいから許せる!」

「なぜ上から目線なのじゃ!全く…早う中に入るぞ!」

「へいへい、わがままだな、相変わらず。」

 

そう言って中に入ったズェンの目に映ったのは中心にある奇妙な箱だった。

 

「ん?なんだあの中心の変なのは…」

「全自動昇降機じゃ!搭乗者の魔力によって動くのじゃが、ちと使う魔力が多すぎてのぅ、妾以外は使わないのじゃ。」

 

その中心の機械は完全にエレベーターだった。ただ、違うところと言えばワイヤーなどが無いただの箱なところだけだろう。

 

「さぁ乗って行くぞえ?準備はよろしいか?」

「搭乗者の魔力か…面白い機構だな…あっ僕は大丈夫だよ、ヨウコ。」

「ちょっと楽しみな俺がいるのが凄く悔しい…」

「ふむ…これをうちにも取り付けては如何ですかな、ズェン様。」

「ダメよぉそんなことしたら!うちの城には階段があるじゃない!」

「いや、そういう話では無いのですが…愚問か。」

 

そうして5人はエレベーターに乗り込み上へと向かった。

 

「よっと、到着じゃ!さ、奥に行くが良い!」

「え、ヨウコは行かないのか?」

「案ずるなズェンよ、行けば分かる。」

 

言われるがままに進むとそこにはヨウコが座っていた。

 

「よう来たの、歓迎するぞ!」

「あれ!?なんで?さっきまであっちにいたのに!」

「なんだ、驚いておるのか?このくらい大差ないぞ?なに、ただの分身魔法じゃ。あとで教えてやろうか?」

「え、マジで!?ありがとうヨウコ!」

「お、おぅ…ズェンにしては珍しく良く食いつくの、まぁ悪い気はせんが…」

 

滅多に自分に関心を持ってくれないズェンが急に態度を変えたのでヨウコはびっくりして顔を赤くした。

 

「…む!こうしておる場合じゃないの!さぁ、早速宴の準備をするぞ!」

「はいはい、ただいま準備を完了したところでございます。」

「うむ!いい仕事ぶりじゃ!褒めてつかわすぞ!」

「…!ヨウコ!危ない!」

ヒュッドスッ

「ひゃぁあ!なんじゃ!早う離れろ!いや、このままでも正直構わんが!」

「あ、ごめん…っとこれは矢文?」

「まーた随分と古典的だなー…で、ズェン、中にはなんてかいてあるんだ?」

「どれどれ…『明日の夜に貴女の心を奪いに参上します』?なにこれサムいセリフだなー!!」

「差出人は?なんて名前だ?」

「あー…デイン・オ・タカム?って書いてある」

「明日の夜じゃと!?これはマズイのぅ…時間があまりにも少ない…」

「こいつなのか、俺達が倒してくれって言われたのは。」

「そうだろうね、だってヨウコの顔が青くなってるから。(…にしてもこいつかぁ…)」

「んなっ!女子の顔をとやかく言うでないわ!」

「安心しろ、ヨウコちゃんには触れさせねぇからさ!」

「ユウと言ったか?」

「そうだけど、なに?」

「お主勇者みたいじゃの!」

「俺勇者なんですけど!?」

「む、矢張りそうじゃったか。すまぬな!許せ。」

「どうでもいいことは置いといて、対策考えるかな…」

 

2人のどうでもいい会話を聞き流しながらズェンは考える。

 

「どうでもいいとは失礼だぞ!ズェン!」

「そうじゃそうじゃ!大事な事じゃぞ!」

「あー、はいはい、そうだねーユウがヨウコを守るのは大事な事だねー」

「(。・ˇ_ˇ・。)ムゥ…馬鹿にされてるような感じがしてむず痒いのぅ…」

「お、よく気づいたな、2人まとめて馬鹿にしてんだよ。」

「え?俺まで?なんで?」

「うーん…広くないとあれ使えないし…」

「聞いてねぇ!?」

「ユウよ、お主も大変じゃな。まぁ妾は超絶可愛いのじゃから?無視なぞされんのじゃ!のうズェン!」

「むむむ…どうすれば撃退できる火力が出る?一体どうすれば…」

「え?妾のことも無視?嘘じゃろ?返事をせい!ズェーン!」

 

横でキツネがコンコン吠えてるけどそんなことに時間を割いてる暇はない。ズェンはからかい半分で2人を無視しつつ超魔王を撃退する方法を考えていた。

 

「なぁ、ズェン。考えたんだけどよ、俺が短期決戦でケリつけんのはどうだ?」

「ぐぬ、それだと僕の主人公感が薄れるだろ!」

「えーいいじゃん!これを機にタイトルも変えようぜ!?ほら『転生したら勇者になってた(`・ω・´)』みたいな!?」

「タイトルとかメタ発言やめろって!この小説読む人減るだろ!」

「はぁ!?知らねーよ!メタいこと先に言ったのお前だろ!?」

「だからってメタ発言していいわけじゃねぇだろ!」

「ええいやめんか!メタいだのメタくないだのくだらん事で争いよって!」

「「はい…すみません…」」

「分かればいいのじゃ!分かればの!ではまだ宴は終わっとらんからの!続きをやるぞ!」

「だから!そんな時間ないって!」

「む?そうなのか?」

「えぇ、ズェン様の言う通りですよ、ヨウコ様。」

「(。・ˇ_ˇ・。)ムゥ…仕方ないのぅ!宴は終わりじゃ!始まってもおらんがの!」

 

そう言ってヨウコは着物をヒラヒラさせながら何か小さなものを取り出した。

 

「ん?なんだ?それ。」

「これかの?これはのぅ!妾の魔道具の妖狐奇怪・魅了口紅(アヤカシ・ルージュ)じゃ!」

 

ヒラヒラと小さな口紅を振る、何故かその様子に目がいってしまう。そこでズェンはヨウコの口紅の能力に気づく。それは魅了。見たものを強制的に惹き付ける、それが口紅の力。

 

「これなら超魔王を対処できそうだな…」

「ん?何か言ったかの?」

 

ニヤリと笑うズェンと何も理解出来ていないヨウコ。その後ろでユウはガッツリ寝ていた。




どうでもいいこと言うのコーナー!

卵かけご飯とか醤油入れますよね!?
醤油じゃなくて麺つゆ入れると美味しいですよ!

以上どうでもいいこと言うのコーナーでした!


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第16話 代替案とかないですか(´・ω・`)

タイトルに意味はないです。それっぽいでしょ?
そんなgdgdファンタジー第16話!始まるよー!


「皆の者!よく聞くのじゃ!妾の大っ嫌いなあやつがまたここユウゼンへと来るらしいのじゃ!臨戦態勢を整え妾と共に迎え討とうぞ!」

「オオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」

「各自で頑張るのじゃぞ!ではの!」

「オオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」

 

ヨウコの激励はユウゼンの兵士に効果的面らしい…現に鼓膜が痺れるほどの雄叫びが上がっている。

 

「暑苦しいな…」

「そうか?ハールリアの演説の時もこんな感じだったぞ?」

「この世界の女王の信頼高すぎか?」

「カリスマ性があるんだろ、お前だってそうだったじゃねぇか。」

「言われてみればそうだな、普通な感じなんだろうな。」

「激励したぞ?これで良いのか?」

「あぁ、上出来だ。偉いぞーヨウコー。」

「なっ!気軽に触るでない!あぁいや、触って欲しくないわけではないのじゃが…できればその、撫でて欲しいぞ…?」

「さっ!僕達も準備しないとね!ユウ、というより聖剣は準備できてる?」

「肯定する。私は勿論主も準備を完了している。」

「流石だな、よしじゃああとは僕が色々仕掛けを施して…と、よし!準備完了!」

「お、んじゃ夜を待つだけだな。」

「その必要はないようじゃ。ほれ、あれを見るがよい。」

「ん?なんだあれ…こっちに向かって来るけど…」

 

それは大きな翼を広げた何かだった。その翼は遠くからでもよく見えるほど赤黒く光っており、禍々しさはこの上なかった。

 

「趣味悪い翼してんなぁ…もしかしてあれがその魔王か?」

「うむ、その通りじゃ。してユウよ、忠告しておくがあやつは超魔王にしては力が強すぎるゆえ油断は禁物じゃぞ?」

「分かってるって、それに俺は勇者だし、ズェンもいるし!油断なんてしてねぇよ!」

「その発言は油断してるように聞こえるけどな。」

「やっぱそうか?──おっと、どうやら来たみたいだぜ?」

 

そう言うユウの目線の先には先程から見えていた翼の本体がはっきりと見えるほどまで近づいていた。

 

「おやおや、これは!なんということだ!まさか俺様のプロポーズの日にこんなにもギャラリーがいるとは!それに見たことある面もいるなぁ…ズェン、なんでここにいる?俺はお前が嫌いなんだよ。」

「僕もあんたは嫌いだね。部下も大事にできないのにプロポーズだと?ふざけるのも大概にしとけよデイン。」

「あの能無し共に俺様の崇高な考えは理解できないんだよ…それはお前も一緒だ、ズェン。俺はヨウコちゃんに会いに来たんだ。そこをどけよ──()()()()()。」

「──!お前がヨウコに会える時は来ないぞ…お前は僕がこの手で殺す!」

「ハハッハハッハハッハハッハハッハハッノ ヽノ ヽッノ ヽ/ \ッ/ \/ \ッ!!!お前が!?俺様を殺すだと?いいねぇ!いいよその感情!最っ高の気分だ!さぁ決戦と行こうか、その貧相な翼を広げたらどうだ?」

「言われずともそうするさ。魔導紋章・緋天(プロミネンスウィング)、開紋!飛び交う楔、起動。グリム・ロッド、禍篭手(まがごて)!いくぞ、デイン!」

 

魔王にはその印として背中に紋章が描かれている。それは翼だったり尻尾だったり様々な種類がある。ズェンにもその紋章はあるのだがズェンはそれを開くことはあまりなかった。翼の紋章は開くと強大な力を発揮できるが乱暴な性格になってしまう。だからこそズェンは魔王同士の戦いでも使うことはなかったのだが、デインは唯一ズェンが翼を開き戦ったことのある強力な敵だった。

デインには倫理観というものが欠如しており、その力を抑制しようとしない。つまるところ非常識(ただのキチガイ)なのだ。

 

「改めて見ると凄いね、ズェン。ただ、お前じゃ俺様には勝てない。それはお前でもわかってるだろ?」

「あの頃とは違う。僕は仲間を守る力をつけたんだ…!あんたなんかに負けるものか!」

「ふーん…あくまで退くつもりはねえのか…面白い、最高だ!俺様も全力を出すとしよう。魔道具召喚、ディン・ド・マスケット!」

 

デインの手に現れたそれはまるで燃え盛る焔の様な造形のマスケット銃だった。

 

「まだその趣味悪い銃使ってんのか、デイン。」

「これの良さが分からないとは!まぁいい、そのグリム・ロッドはお前には荷が重いだろう、お前を殺して俺様が貰ってやるよ!」

「デイン、死ぬのはお前だ!ロックオン完了!追従する雷撃・極(ホーミング・アルラインザー)!」

「お、それ魔法鍛冶の武器か、ふっ!それくらいの攻撃なら楽勝だな、ガードナー・ミドルレンジ。」

 

ズェンの楔から放たれた雷撃は真っ直ぐデインへと飛んでいき、当たる寸前にデインの銃から出た銃弾によって防がれた、と()()()()

 

「がはっ…なんでだ…?確かに完璧に撃ち落としたはずだ…」

「お前が撃ち落とすのは折り込み済みだ、だから2段撃ちにしたんだよ。面白いくらい引っかかったな、(σ゚д゚)σバーカ!!!」

「…っクソがぁ!消し飛べ!ディンCAN・NON(キャノン)!」

「チッ…ウザいビームだな、加速!」

 

ズェンは翼に魔力を流し速度を上げデインの懐に入るために近づいた。

しかしそれに気づいたデインも速度を上げ牽制してくる。互いに睨み合い張り詰める空気。

 

「グリム・ロッド、禍剣(かけん)。」

「ディン・ド・マスケット、ビームレイピア。」

「「ウオオオオオオオオオオオオォォォォォ!!!」」

 

ぶつかり合う互いの剣。それは音を立て火花を散らし鍔を競る。ぶつかり離れ、またぶつかり合う。高速で動きながら上空で戦闘を続ける2人。この攻防が繰り返されるかと思われたところでデインが不敵に笑う。

 

「頃合か、隠蔽侵食崩壊魔法(インビジブレイク)起動。」

「何…?がぁぁ…!腕が崩れる…?」

「ハハッハハッハハッハハッハハッハハッノ ヽノ ヽッノ ヽ/ \ッ/ \/ \ッ!!!残念だったな!俺様の勝ちだ、ズェン!」

 

崩れ落ちていくズェンの腕は肘から先が崩壊し、血が壊れた蛇口の如く噴き出している。フラフラとしながらズェンはデインの前へと立ち塞がる。

 

「まだだ、まだ終わってない…!条件指定究極回復魔法(プログラリペア)!」

「ハッ!何を戯れ言を…──なんだ…?崩壊したはずの腕が再生していく?」

 

ズェンが予めしていた準備は条件指定で全快する魔法。奇跡の如くの再生能力を持っている魔法はたちまちズェンの腕を再生させた。

 

「さぁ…バトル再開だ!究極防御魔法展開!グリム・ロッド、禍狙撃銃(まがそげきじゅう)!」

「何をするかと思えば…そんな武器で俺様を倒すとでも?」

「あぁ、その通りだ。覚悟はいいか?魔撃究極雷霆弾(アルテンパクト・ライジン)!」

 

青白い閃光と共に放たれた銃弾は展開した究極防御魔法に反射し、デインの両腕、両脚、そして胴体の半分を消し飛ばした。

苦痛に歪むデインの顔をズェンは冷ややかに見つめていた。




デイン殺られんの早っ!雑魚じゃんこいつ!
おっと、ここあとがきだったそうだった。感想書くところじゃなかったね!
このズェンの強さならユウゼン編意外と早く終わりそうですね!
この終わり方はあれですね!ユウが下で『やったか…?』って呟いてるやつですね!
読み返して見ると漢字に対してルビ迷子過ぎますね…
では次回もお楽しみにー!


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第17話 でッど・オあ・あライぶ(´・ω・`)

デインなかなかクズっすよね!
さてさて…前回のあらすじは…デインが死にかけに…?
なんだ!もう終わんじゃん!
そんなgdgdファンタジー第17話!始まるよー!


「ぐぅ…なかなかやるじゃねえか…」

「終わりだ、デイン。残念だったな。」

「ふ…ふふ…ふはははは…」

「…?何がおかしい!?」

「いやなに、何でもないさ…お前は俺様に殺される、とだけ言っておこうか?」

「まだ減らず口を言えるか!そんな身体じゃもう何も出来ないくせに!」

「確かに…()()()()じゃ無理だろうな。」

 

デインは僅かに口を開く。何を言ったかは聞き取れなかったが、次の瞬間デインは下へと落ちて行った。ユウに向かって真っ直ぐに。

 

「ユウ!逃げろ!そいつは危険だ!何かを企んでる!」

「もう遅い!ディン・ド・マスケット!アビリティ発動!完全なる我が生命(フュージョニアス・パッフェルス)!」

「んなっ!?俺の体がっ!すっ…吸い込まれる…!?」

 

デインが繰り出したアビリティは自分より魔力量が少ない相手を取り込み吸収することができる。それを利用し1番魔力量が少ないユウに取り憑いたのだった。(取り込むと言いましたがそれは完全な状態の時での場合で今回は満身創痍なので取り憑くだけで終わっております。)

 

「ユウ…?どうしたのじゃ?大丈夫か?」

「ククク…いい体だなぁ…こいつは…!」

「なっ!?…お主まさか!」

「御明答〜!そうさ、俺様、デイン様だよ。ヨウコ。」

「くっ…さっさとその体から出ぬか!卑怯者!」

「卑怯とは失礼な、立派な戦術だ。」

「あくまで出る気はないという事じゃな…」

「だったらどうするんだ?何も出来ないくせに?大人しくしてれば何もしないよ?」

「大人しくしろと言われてしている国主がどこにいるというのじゃ!妖狐奇怪・魅了口紅(アヤカシ・ルージュ)、妾に力を与え給え!」

 

ヨウコが突然光に包まれ辺りを照らしより強い閃光と共に光が散った。ヨウコの姿は大きな変化を起こしていた。

 

「くっ…?なんだ?今の光は…」

「妾とは戦えぬと申したか、じゃが妾は退かぬぞ。」

「!?お前は…ヨウコなのか?」

「久しぶりにこの姿になった故お主は知らんじゃろうな。」

「ヨウコ!大丈夫か!?今凄い光が…って成長してる!?」

 

ヨウコの姿は幼女の姿から艶やかな大人へと変わっていた。

 

「ズェンよ、下がっておれ。あやつは妾が相手する。」

「舐められたもんだな、たかが上魔王が超魔王である俺様に勝てるわけねぇだろ?」

「やってみんとわからんじゃろう!妾の力をとくと見よっ!」

「ふっ…侵食獄炎魔法…って出ない?」

「当たり前じゃ!お主が取り憑いた相手は魔法が使えぬ脳筋なのじゃからな!」

 

ヨウコは魔法で刀を作り出し斬りつけていく。が、しかしユウの身体能力を持っているデインに当てることは出来ていない。

 

「ふははは!いいぞこの体!今までで1番よく動ける!」

「おのれぇ!ちょこまかとしおって!」

「ハハッハハッハハッハハッハハッハハッノ ヽノ ヽッノ ヽ/ \ッ/ \/ \ッ!!戦法だよ、戦法!卑怯だろうが勝てりゃいいんだよ!」

 

デインは飛び回りながら背中の聖剣の存在に気づく。

 

「お、いい剣あんじゃんか!使おっと」

「お主に聖剣が扱えるわけないじゃろ!」

「それを可能にしちゃうのが取り憑きなんだよ!」

 

そう叫んだデインはいとも簡単に聖剣を抜いた。

 

「そぅら!喰らいやがれ!」

「んっ!ひゃ…!」

 

刀で聖剣を受け止めたヨウコだったがユウの力に勝てるはずもなくそのまま壁までふっ飛ばされてしまった。

 

「くぅ…矢張り妾では勝てぬのか…?」

「なにしてるんですかー!諦めちゃ勝てませんよ!ヨウコ様!」

「お主はズェンのところの…」

「私も微力ながら力をお貸ししよう。さて、固有能力発動ですぞ!未来の隙間(フュードリーム)!」

「なぜお主らはそこまでして…」

「助けたいと思う気持ちに良いも悪いも無いもの!だってそうでしょ?」

「ふふ、そうじゃな、妾もこの国の民を救いたい!その気持ちに偽りはない!」

「所詮雑魚が3人集まったところで俺様には勝てない、この事実は変わらない!」

「そんなのやって見なくちゃ分からないじゃない!だから友達いないのよ!」

「減らず口を…まぁいい、先ずはお前から始末してやる!」

「ズェン様がくれた装備を使う時が来たんだもの!楽しまなきゃ損でしょう?」

「フン、楽しむ間もなく殺してやる。」

「ピン・ボンヒール装備っ!吹き飛びなさい!爆発キーック!」

「なっ!ぐぅっ…」

 

サキラの蹴りに吹き飛ばされ壁に激突するデイン。その隙に次はバトラが距離を詰める。

 

「次は私がお相手しましょう。ヴァンプナック装備!手刀状態!」

「俺様と肉弾戦だと?いい度胸だなぁ…お望み通りぶっ殺してやるよ!」

「そう簡単にいくと良いですな。私に()()()()()()()()が。」

 

バトラはデインの攻撃を全てすんでのところで受け止めいなす。そう、まるで未来が見えているかのように。

 

「ふむ、訂正をしましょう。私の能力は未来予知。未来が見えているのですよ。」

 

え、ちょっとなんでこれ聞こえてるの!?怖いんだけど!?

バトラの言う通りバトラの能力は未来予知だ。右目で未来を、左目で今を見ている。

 

「誰と話してんだてめぇ!クソっ!全然当たりゃしねぇ!」

「誰と申されましても…誰でしょうか。私にもわかりません。」

 

相殺、相殺、相殺。デインの出す剣技を全て直前で相殺する。

その間サキラは魔力を溜め続けていた。

 

「バトラさーん!行くよ!ピン・ブラスター!」

「ふむ、予定通りですな、牽制、逃亡阻止、拘束。」

 

サキラの一撃が綺麗にヒットする。城下町まで吹き飛ぶデイン。

デインは焦りを感じた。

 

「クソっクソっクソっ!うぜぇ!うぜェんだよてめぇらァ!」

「苛立ちは良くないよ?シワが増えちゃう!」

「うルせェぇぇェぇ!!!!ぶった切ってやらァァァァ!!」

「なっ…これは未来が…変わった…!?」

 

少しずつ狂い始めたデインはバトラを振り切りサキラへ向かって一気にデインが詰める。

 

「ひっ…きゃぁぁぁぁぁ!!」

 

聖剣がサキラを切り裂く、そう思われた瞬間。振り下ろされた聖剣は弾き飛ばされていた。

 

「あァ?邪魔シやがってェ…」

「女に手を上げるなんて感心しないな!デイン!」

「フン!何もでキねぇ雑魚魔王が今更何が出来るっテ言ウんだァ?」

 

デインはズェンを鼻で笑うとその距離を詰めズェンに重い一撃をくらわした。吹っ飛ぶズェンは城下町の家に激突した。

 

「ぐっ…うぅ…」

「ハッ…ザまぁネェなァ!ひゃハははハはは!」

 

デインは聖剣を拾い上げ、高々と笑う。

最早デインに正気は欠片も残っていなかった。




え?デインが全然死なないって?当たり前じゃないですか!ユウの体は歩く災害級ですよ!なんてったってレベルカンストですからね!
では次回こそデインが死ぬよう願って待っててください!
では、お楽しみにー!


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第18話 大事な事は迅速なトドメ(´・ω・`)

寝ても覚めても眠いです!どうでもいいね!そんなこと!
そんなgdgdファンタジー第18話!始まるよー!


城の方から1人、歩く人影がある。酷く落胆した様子のその人影は歩く先にいるデインを全く恐れていないようだった。

 

「はぁ…君達がこんな奴に苦戦するなんて考えてもなかったよ…」

「ダれダ?キサまは。」

「ん?あぁ、正気じゃない君はお呼びじゃないさ。」

「お主は妾の側近の…?」

「んー…残念!今はちょっと違うなぁ〜♪」

 

そう言うとその人はすぅっと大きく息を吸い込んだ。

 

「やっほー!みんな大好き神様だよー!?ねぇねぇズェン君!元気してた?え?今そんなこと答える余裕ないって?そうだよねー!」

「というか…お前誰だよ…」

「何だよーもー!さっき言ったじゃないか!私は神様だよ!?正真正銘本物の!会ったことあるじゃんかー!産まれる前に!え?え?覚えてないパターン?まぁ覚えてないと思ってたけど!あはははは!」

 

戦闘中ということを完全に忘れてしまうほどのハイテンションで話す神様。それもとっても笑顔で。ズェンは呆れながらこれが弾けるばかりの笑顔か、と考えていた。

 

「ダレだカ知らネェが死ネェ!」

「はぁ…うるさいなぁ!お呼びじゃないって言ったじゃないか!怒っちゃうぞ!?」

 

プンプンと怒り調子の神様はデインが振り下ろした聖剣をいとも容易く片手で止めた。

 

「なンダトォ!?」

「勝てない相手には挑まないのが鉄則だよ♪」

「グァぁァ!クソ!うぜェ!ウゼぇ!うぜぇ!ウゼェ!」

 

くるりとズェン達の方に神様は振り向く。

 

「苦戦するなんて思ってなかったけどまさか苦戦するとはねー!と、いうことで…ちょっとだけ、手助けしてあげようかな〜って思ったってわけさ!」

「手助け…?」

「そう!手助け!…って今話してんじゃん、邪魔しないで〜!」

「指デとめヤガっただとォ!?」

「じゃ、そういうことだから!いくよぉ…神格魔法(ミラクル☆マジック)!」

 

神様は高らかに指を鳴らす。どうやら魔法はもう終わったらしい…見た目的には何も起こっていないように見えるが確かに変化は起きていた。

自信げに鼻を鳴らす神様は確認するかのように聖剣をじっと見つめていた。

 

「主とは違う魔法形質を確認。デュランスレイヴ、自律稼働開始。」

「──っよし!これでオッケー♪じゃあまったねー!」

「ちょっ…ちょっと待ってくれ──消えた…!?」

「聖剣がぁ!?急になんなんだ!?」

 

悲鳴の先を見るとデインが正気を取り戻していた。正気でもキチガイには変わりないが。

 

「ズェン殿を判別。スタンを最大出力にしてからの脱出を図ります。3…2…1…発動。」

「アァァアァァァァア!あばばばばば!!!」

「成功。自律稼働、モード機械人形(ヒュプノス)。」

 

そう言った聖剣はたちまちのうちに女性の姿へと変化した。

その鋭い目は見るものを震え上がらせる気迫があった。

 

「くぅ…痺れたぜぇ…やってくれんじゃねぇか聖剣よぉ…」

「敵として識別。攻撃を開始します。魔断システム起動。」

「オイオイ本気かよ!俺は今お前の主の体にいるんだぜ?」

 

聖剣の目には迷いが微塵もない。覚悟の上での決定だった。

聖剣はデインの質問には答えず飛び出した。

 

「チィッ!クソめんどくせぇ!こうなったらぶっ倒してもう一度俺様の支配下に置いてやる!ディン・ド・マスケット!」

「目標、敵武具の破壊。」

 

そう呟いた聖剣はデインの魔道具を思い切り蹴り上げた。そうしてデインの武器は粉々に砕け散った。

 

「なっ!?俺様の武器が!クソ!こうなったら逃げの一択だ!」

「ズェン殿、魔力の補充を希望。」

「え!?あ、あぁ。受け取れ!魔結晶だ!」

「魔結晶を確認。融合炉へと転送。魔力補給、完了。」

 

聖剣の魔力補給が終わったちょうどその時だった。

走って逃げていたデインの動きが止まった。

 

「な…んだ……これ…体を……動かせ…ねぇ……!」

(お前に俺の体を好き勝手使われるのはもう嫌なんでな!聖剣に送り続けてた魔力を拘束に使わせて貰ったぜ!これでお前は魔力反発で動けないだろう!?)

「クソ…がぁ…!」

「目標を確認。対象の魔力反応だけを切除します。」

 

聖剣の脚が変化していく。その脚はまるで鋭い刃のような形へと変わった。

 

「ユウ様、今助けます…!魔抗結界斬(アイデンティルシャッジ)!」

「ぐぁぁぁ!!なんだよ…これ…!俺様の魂だけが消える、消えていく…俺様はまだこんな所で──」

「終わった…のか?」

「任務完了。モード機械人形(ヒュプノス)、戦闘プログラム終了。」

 

ガクンと聖剣の体に衝撃が走る。しかし次の瞬間、思いがけない行動を聖剣は取った。

 

「ユウ様!ユウ様!大丈夫ですか!?死んでないですよね!?貴方がいなくなったら私はまた…たった1人で長い時間を過ごさなきゃいけないんですよ!?お願いですから目を覚まして…!」

「──ったく、うるさいよ。俺は無事だし、全然平気さ、デュランスレイヴ。」

「ユウ様ぁ…!よ゛か゛っ゛た゛て゛す゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!」

「だからうるさいって!頭に響くわ!」

「こ゛め゛ん゛な゛さ゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ!!!!」

 

先程までの凛々しい姿は何処に行ったのやら、ユウの横にはだらしなく大声を上げて泣く1人の魔導生物がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

──ヨウコの城・天守──

魂が消えたと思われたデインは元の体へと戻っていた。もうその体もボロボロだが、まだデインは生きるのを諦めていなかった。

 

「クソ…俺様は…こんな所で…やられるワケねーんだ…こうなったら形振り構ってらんねぇ!ありったけをこの城に…!」

 

ズルズルと肘までしかない腕で体をよじるデイン。そして残りの魔力を全て使い魔法を唱える。

 

「体が…だが…これで終わりだ、俺もお前も…侵食融合魔法(フュージ・ブラッド)…」

 

デインの体は城の中へと染み渡るように吸い込まれていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

──ユウゼン城下町──

ヨウコは1人自分の城に違和感を感じていた。何か邪なものが入ったような、得体の知れない何かを。

 

「ズェン。」

「どうした?ヨウコ。」

「もしかしたらまだデインは死んでおらぬかもしれん。」

「──それホント?」

「妾の城から違和感を感じるのじゃ…底知れぬ悪寒と共に。」

「聖剣に聞いたら分かるかも知れない。聞いてみようか?」

「そうか、よろしく頼むぞ。」

 

ヨウコの言う通り言われてみれば確かに城がどこかおかしい。どこが、と聞かれると答えにくいものだが。

 

「聖剣!デインの反応がわかるか?」

 

鼻をすすりながら聖剣はズェンの方を向く。

 

「デインの反応ですか?そうですね…ちょっと待ってください──ありました!あの城全体から反応があります!」

「やっぱりか…めんどくさいなぁ…」

 

ズェンは戦いが終わっていない事に落胆した。しかしこの戦いの先にある笑顔を守るためにズェンは城を見据えた。




デイン君…まだ生きてるんですね…生命力気持ち悪いんだけど…
まぁ、自分で考えたキャラって意外と敵でも愛着湧いちゃうもんですよね!容赦なく殺しますけども!(おい)
では次回もお楽しみにー!


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第19話 困ったらやっぱ爆破っしょ(´・ω・`)

うぅ…展開が思いつかなくて書けないままストックが切れました…あ、でも週2更新は続けたいので頑張ります!
そんなgdgdファンタジー第19話!始まるよー!


「ハハッハハッハハッハハッハハッハハッノ ヽノ ヽッノ ヽ/ \ッ/ \/ \ッ!!!」

 

突如として響き渡る声。その声は紛れもなくデインの声だった。

 

「クソッ!まさか城と融合したのか!?サキラさん!バトラさん!」

「はい!なんでしょうか!ズェン様!」

「何なりとお申し付けくださいませ。」

「2人は城下町の人達を助けてくれ!僕はデインを片付けに行く!」

「了解しました!」「お任せ下さいませ。」

「ユウ!動けるか!?」

「おうともよ!って言いたいところだけど体が痛い…」

「なんじゃ、だらしないのう!ちと見せたもれ。」

「え、あ、はい。」

「ふむ、これなら妾の魔法で直せそうじゃな!妖術:復狐快活!」

 

ユウを翠の光が包む。するとみるみるうちに傷が治っていった。

 

「おぉ!すげぇ!ありがとな、ヨウコ!」

「うむ!妾に感謝するが良いわ!」

「凄いなヨウコ、終わったら教えて欲しいな…」

「ズェンになら…教えて上げても…別に変な魔法でもないわけじゃし…」

「マジで!?ありがとう!」

 

顔を赤らめながら話すヨウコの手を取りブンブンと握手する。

 

「ひゃぁ!?ほ、ほれ!こんなことしとる場合じゃないじゃろ!?さっさと行くのじゃ!」

「あ…ごめん!そうだったな…デインを早くぶっ倒して魔法の練習だ!」

「目的変わってる気がすっけど…気にしても無駄か。」

 

3人は城へと走り出す。

 

「はハはははハハ!!まダ俺様に牙ヲ向けるカ!?俺様はこの城ノ魔力を全テ吸収し、最高ノ力を手にイレた!ソノ俺様に楯突くとハいい度胸ダな!」

「っぐぅぅ!なんて魔力の奔流だ…前に進めない…!」

「魔力?別に俺はなんも感じねぇけど…」

「押し返される…魔力が…ないの…が原因か…の」

「ったく、不甲斐ねーなー魔王ってのに2人とも!」

「言っとくけどこれは魔王だからこうなってんだからな?」

「あーはいはい言っとけ言っとけ」

 

ユウは2人をひょいと持ち上げた。

 

「んなっ!離せ!降ろせぇ!無礼だぞ!」

「いや、ヨウコ。これなら多分進めるかもしれない。」

「んー…やっぱ若干重たく感じるな…ま、進めるから関係ねぇか。」

「…はっ!まさかこのまま運ぶのかの?」

「まぁそれ以外方法が浮かばなかったからな、ここで止まってても埒が明かねぇだろ?…んじゃ、行くぞ…!」

 

ユウは2人を小脇に抱えて走り出した。

 

「真正面から行ってもやられるぞ!?なんで真っ直ぐ歩いてんだ!」

「はぁ?奇襲とか俺の趣味じゃねぇんだよ!全力でぶつかるから意味があんだろ!?」

「しっ…しかし妾達にそんな度胸求められても困るんじゃが…」

「あーもう!分かったよ!そのまま跳んで!足場は僕が作る!」

 

ズェンが魔道具を飛ばして究極防御魔法を撃ち出し足場を作る。その足場にユウが飛び乗り進んでいく。そしてヨウコは…

 

「ユウ…もう少し揺れを…どうにかならぬか…?妾慣れておらぬから…うっ…気持ち悪くなりそうじゃ…」

「文句言うな!これだって精一杯抑えてるんだよ!」

「そうじゃの…我儘を言ってすまぬ…だけど…妾…もう限界…うっ…おえぇぇ…」

 

揺れに慣れてない、というかそもそも乗り物に乗らないヨウコは揺れに耐えきれず思い切りリバース。それはもう盛大に。

 

「ヨウコ!大丈夫かそれは!一国の女王としてどうかと思うんだけど!」

「五月蝿い…分かっておるわ…ただ…」

「どうしたんだよヨウコ?」

「ちょっと傷口に塩塗っていくのやめて貰えんかのぅ!ただでさえショック受けてるのじゃから!」

「小脇に抱えたやつが吐くとかある?え?俺1番被害受けてね?」

 

突然のハプニングが起きたが、ユウは迷わず進む。いや、正直に言うと今すぐにでも手を離したいけど離せないから進んでいるだけだった。

 

「クソガ!まダ進ンでクるか!イイだろウ!俺様ノ力を思い知らセてやル!」

 

デインの声が聞こえた次の瞬間、城の形が変化し、巨大なゴーレムのような形になっていた。

 

「嘘じゃろ…?妾の城が…──許さぬ…消し炭にしてくれようぞ!」

「にしてもでっけぇなぁー…つーかなんかゲームに出てくるゴーレムみてーだな…」

「ゴーレムだよな…やっぱそうだよな…」

 

あまりの大きさにユウが足を止める。

 

「ズェン、どうやって倒すんだ?」

「そうだな…融合といえど必ずコアがどこかにあるはずだから…」

「コアを探すにはまずあやつを少しばかり破壊せねばならんのぅ」

「爆破しちゃえばいいじゃん!ズェンならできるだろ?」

「あのなぁ…爆破って簡単に言うけどな…いや、普通にできるわ。」

「だろ?トドメは俺が刺してやるからコアを炙り出してくれ!」

 

ユウは爽やかにサムズアップをする。

 

「いや、グッ!じゃないんだよ全く…ヨウコ!自分たちの足場の形成できるか?」

「ふっふっふ…一通りの魔法は使えるからの、強度はないが固定魔法で足場を固定出来るのじゃ!」

「じゃあ大丈夫そうだな!…さてと、いっちょやりますか!」

 

ズェンはそう言うと翼を開き飛び立った。魔力の流れは既に止まっていて、ゴーレムの魔力量がその魔力を全て使った事を伺わせる。

魔力の回復まで時間がかかりそうだ。

 

「どう攻めるか…いや、取り敢えずはゴーレムの周りの空気を冷やすことからだな。究極氷炎魔法・凍結(フラーマティクス・フリッジ)!」

 

ゴーレムの動きを牽制する意味も込めてゴーレムを凍結させたがあまり牽制にはなっていないようだった。

 

「…部位ごとに5回爆破するか。先ずは右腕からだ。いっそのこと凍結魔法を構築するか。」

 

魔法陣を構築し始めから数十秒。

 

「よし、構築完了っと…早速使おう究極凍結魔法(マティクス・フリッジ)!」

 

先程とは比べ物にならない速度で凍結していく。

 

「おお!いい凍結速度だな!範囲狭いけど…で、さっき構築した時に一緒に作っといたこっちを使うから…よし、いくぞ!究極炎熱魔法(フラーマ・バーラスト)!」

 

局所的に冷やされた空気が超高温の熱で一気に温められることで空気が膨張し、ゴーレムの右腕を爆発と共に吹き飛ばした。

 

「あァ?俺様ノ右腕ガとバされタだト?何を使いヤがッた!?」

「教える訳ないだろ。さぁ、さっさとあと4つ、爆破していこう!」

 

あと爆破する部位は左腕、右足、左足、首と胴体の境目だ。

狐火に照らされキラキラと光る凍った水蒸気の中でズェンはこれまでにない程の笑顔で爆破作業をしていた。




次回は爆破の様子をダイジェスト形式でお伝えしようかと思っております。(変わり映えしないので…)というわけで全く展開かんがえていませんが次回もお楽しみにー!


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第20話 狐と紳士と壊れたお城(´・ω・`)

展開をなんとか捻り出しました…意外と真面目にできました!
そんなgdgdファンタジー第20話!始まるよー!


──爆破解体ダイジェスト──

 

前話で取った方法と一緒の方法で左腕、両脚を吹き飛ばしたところ、右腕を復活させてきたので再度凍結、魔道具を使って一気に全部位をもう一度爆破。残すは首と胴体の境界辺りだけとなった。

 

──ダイジェスト終了──

 

 

 

「あとは首近くだけか…コアがあるとしたらこの辺だろうけど…」

 

魔法を使うため近づこうとするも弾かれる。

 

「む、やっぱ障壁張るかー…面倒臭いな…よし、吹っ飛ばすか。」

「ソう簡単にやラれてたマるか!くラエ!」

 

デインは最後の力っぽく触手のように形成した城の外壁を飛ばしてきた。

 

「計画通り、なんつって…ありがとよ、自分で障壁に物ぶっ刺す手間が省けたよ。」

「なニィ?やれルもんナらやッてみヤがレ!」

「やれるから言うんだろ?ほら、連鎖爆発させてやるから。究極凍結魔法!」

 

飛んで来た外壁は回収の為かデインの体にくっついている。それを通じてデインの体は凍結魔法によって完全に凍結した。

 

「ほらよ、これで終わりだ。究極炎熱魔法!」

 

内側から膨張しドンドンと小さな音からだんだんと大きな音へと変わっていき、膨張した内側が外側を弾き飛ばしながら爆発、崩れていった。

 

「ガぁァぁぁ…俺様は…俺様ハ…!まだ!マだ!まダ…!」

「まだ醜く生きようとするのか?だけどなデイン。お前に響くのは死を届ける鎮魂歌(レクイエム)だ。」

 

ズェンが作った足場をユウが駆け上がって上へと飛ぶ。コア、つまりデインの本体が剥き出しとなった今、デインを守るものは無かった。

 

「デュランスレイヴ!大剣モード!これで終わりだ!魔断斬・緋閃天(バルゲイズ・スラッシュ)!」

「グアアアアァァァッ…マダ…マダオレサマハ…オレサマハタタカエル…タタカエルハズナンダ…ナンデ…?ナンデオレサマノカラダガ…キエダシテイルンダ…?ユルサナイ…ユルサナイ…ユルサナイ?…イッタイダレヲ…?」

「全く呆れるな、最後まで狂化したままだとは。」

「ソウダ…オレサマ…俺サマは…俺様は…クク…ははははは…俺はなんて馬鹿だったんだろうな…俺がイレギュラーなんだと錯覚して…結局俺は✕✕✕✕✕に…」

 

そこまで言うとデインは小さな光となって消えていった。

 

「あいつ、最後になんて言ってたんだ?」

「さぁ?わかんないよ、小さな声で呟いてたし。」

「まぁどうでもいい事なんだろ。」

 

今度はズェンがユウを抱えて下へと降りた。そこでは既に下に降りていたヨウコが走り寄って来た。魔道具をしまったらしく、姿は幼女に戻っていた。

 

「おぉ…今度はズェンがユウを担いだのじゃな…ってそんな事ではなくてだな、この通り妾の城はボロボロに崩れてしまったし、ひと月も経たんうちに狐火に送っている魔力も尽きてしまうじゃろう。そこで、じゃ。」

 

そう言うとヨウコはずずいと上目使いでユウとズェンに詰め寄る。

 

「お願いがあるんじゃが…聞いてくれるかの…?」

「ん?どうしたんだ?」

「近いぞ、ヨウコ。」

「なんで妾の魅了がお主らには効かんのじゃ!全く腹立つのう魔王と勇者というものは!」

 

3人が話しているところにバトラとサキラが戻って来た。

 

「ズェン様!無事でしたか!?あの魔王を倒せたんですね!流石です!」

「心配など無用でしたな。」

「2人とも避難はどこへ?」

「あっ!その事でお話がありまして!うーんと…詳しくはあの人に聞くといいかも知れません!」

 

サキラに言われて後ろを向くとそこにはギャラブリーが立っていた。

 

「どうも、ご機嫌は如何でしょうか。いえ、何も茶化している訳ではございません。おっと、本題に入りましょう。ヨウコ殿、ユウゼンの住民は全てこの私ギャラブリーが保護いたしましょう。」

「なに!?本当かの!?」

「えぇ、この私嘘はつきません。それにヨウコ殿も私の恩人でございます。」

「どういう事じゃ?」

「ヨウコ殿がズェン殿、ユウ殿と一緒にデインを倒して下さったとお聴きしました。おかげで私はデインの城より借金を返済して有り余る程の物を担保として徴収することに成功致しました。ですので恩人のヨウコ殿の民草が苦しんでおられるのなら手を差し出すのが紳士というもの、よって保護させていただきたいのですがよろしいでしょうか。」

 

長文のマシンガントークに圧倒されているヨウコ、だがしかし話している意味を理解した時点で困惑気味の顔は一転、笑顔となっていた。

 

「優しいんじゃのう!ギャラブリーとやらは!保護してくれるのはとてもありがたい!こちらからもお願いしたいくらいじゃ。」

「良かったなヨウコ。で、これからヨウコはどうするんだ?」

「考えてなかったのぅ…おぉ、そうじゃの、妾はユートジナのハールリアとやらに会ってみたいのう!敏腕女王なのじゃろう?」

 

敏腕…?とズェンとユウの頭にハテナが浮かぶ。まぁ傍から見たら敏腕なのだろう。

 

「じゃあ俺らと一緒に王都まで来るか?」

「いいのか!?是非とも連れて行って欲しいのじゃ!」

「はぁ…どうせ連れていくまでまで行きたいって駄々こねるんだろ?」

「む、ズェンにはバレておったか。別にいいじゃろ?」

「僕も構いはしないよ。騒ぎを起こさなきゃね。」

 

ここまで話していてズェンはあることを思い出した。

 

「そうだヨウコ、魔法を教えて欲しいんだけど…」

「そうじゃったな、ちょっと待っておれ。場所を移動するからの。」

 

移動した先は崩れた城の上。その中でも最早更地になっている所だった。

 

「さぁズェンよ、しっかりと覚える為に努力するのじゃぞ?」

「言われなくてもそうさせて貰うよ、ヨウコ。」

 

「ねぇバトラさん、あの2人って中々お似合いですよね!」

「まぁ否定は致しませぬが、確かにお2人共に楽しそうですな。」

「私達も修行します?」

「構いませぬが私にサキラ殿の相手が務まるでしょうか。」

「大丈夫ですよ、ほら早く!」

 

バトラとサキラもズェン達にあてられて鍛錬を始めたのだった。

 

 

 

 

──5時間後、ズェンのステータス──

 

ズェンは魔法熟練度が上がった!

 

ズェンは新しく回復魔法を覚えた!

 

ズェンは新しく妨害魔法を覚えた!

 

ズェンは新しく分身魔法を覚えた!

 

究極防御魔法の硬度が上がった!

 

グリム・ロッドの形態の上位レベルがアンロックした!

 

ズェンの魔素吸収効率が上がった!

 




えっとこれにてユウゼン編終了です!デイン君…あのキチガイキャラ好きだったんですよね…さて、デイン君の正義は自分の純粋な欲望だったわけですが幕間を挟んだあとの次の物語はどうなるのでしょうか!
では次回もお楽しみにー!


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幕間 運命の狂い出す歯車

ズェンとユウの話です!ホラー要素も若干あるのでお気を付けを!
そんなgdgdファンタジー幕間!始まるよー!


夕陽が差し込む教室。教室の隅の机で寝ている青年の隣に不機嫌そうな顔をした青年が歩み寄って来た。

 

「おい冷夜!もうみんな帰っちまったぞ?早く起きろよ。」

「ん〜…あと5分だけ〜…」

「いい加減にしろよ!さっきもそれ言ってたぞ!?いつまで寝るつもりだよ!」

「むぐ、反論の余地がないな…ところで今何時?」

「もう6時だぞ。お前見たいアニメあるとか言ってなかったか?」

「おぉぉぉ!?そうだった!急いで帰るぞ勇斗!」

「ったく…起こすのにも一苦労だ…」

 

急いで支度をしてダッシュで帰るよ!とか言っているのは素園冷夜。

呆れながら冷夜について行っているのが弦城勇斗だ。

これは2人が転生する前の話──

 

 

 

 

 

──冷夜視点──

 

僕はどこにでもいるような高校2年生。

人と違うところを上げろと言われたら…そうだな、僕には親がいないことだろうか。

 

「ただいまー…って誰もいないんだったな。」

 

僕の親は4年前に飛行機事故で死んだ。僕はあまり驚かなかったし泣きもしなかった。ただ、それからずっと心のどこか深いところが欠けてしまったような、そんな気分だった。

 

「今日の晩御飯は何にしようか、ねぇ父さん、母さん。」

 

そんな言葉を仏壇に向かってかける。そこに父さんも母さんもいないって知っているのに。殆ど習慣になってしまった。

 

「さてと、今日の晩御飯は中華だな。」

 

僕はキッチンへと向かう。エプロンをして冷蔵庫を開ける。

と、その時に呼び鈴が鳴った。

 

「ん?なんだ?こんな時間に…」

 

エプロンを外し外へと出る。

 

「宅配便です…ここにサインを…」

「あ、はい…書きました。」

「こちらです。では…」

 

随分と無気力な配達員だな。そんな事を考えつつ僕は受け取った荷物を見る。小さな箱だけどこれは一体誰が…?

 

「ご飯食べてから開けてみるか。」

 

箱を居間に置き、料理を作る。今日のご飯は天津飯だ。

 

「かんせーい!…食べるか。」

 

1人で作った天津飯を平らげる。食器を洗ったあと僕は届いた箱を手に取る。

 

「一体全体中に何が…これは…ゲーム?」

 

箱の中にはRebirthCycleと書かれたゲームのパッケージが入っていた。どうやらファンタジーRPGのようだ。差出人は不明だが僕宛てに届いたんだ、やったって構わないだろう。

 

「意外と面白そうだけどな…でも今日は眠いや、明日は土曜日だし、明日やるか。」

 

僕はお風呂に入り眠りについた。その時机の上でゲームのパッケージが怪しく光っていたのに僕は気が付かなかった。

 

「ん、洗濯も終わったしゲームをしてみるか。」

 

ゲームをやって大体の設定は掴めた。このゲームの主人公は魔王で、

勇者と協力して大勢いる魔王を倒す、といったものらしい。

 

「うーん…疲れたしちょっと寝るか。」

 

そのまま寝てしまった。起きて時計を見たらもう6時。

 

「うわっ!寝すぎた!バイト遅れる!」

 

急いで支度をして家を出なくちゃ遅れてしまう。焦りながら僕は駅へと向かう。急いだ甲斐もあり電車に間に合いそうだ。

 

「ん?なんだこれ誰かから着信…?」

 

僕はその着信を開いた。そこには赤い文字でこう書かれていた。

 

キミノウンメイハスデニココデツキル

 

「うわっ!なんだよこれ!君の運命は既にここで尽きる…?どういうことだ?」

 

不意に後ろから肩を叩かれる感触がした。

 

僕が後ろに振り向くと

 

そこには誰もいなかった。

 

電車が通過するアナウンスが流れる。

 

その時確かに僕は

 

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目覚めると何も無い白い世界だった。

 

(ここは…どこだ…?)

 

声は出なかった。出そうとしてもどれだけ声を絞ろうとしても。

白い世界の真ん中に白い服を着た女の人が立っていた。

 

(誰だ?あれは。)

 

警戒をしながら近づく。ある程度近づいたところで気付いたように喋り始めた。

 

「やだなぁそんなに警戒しないでよ〜!私は神様だよ!君の生きる運命は消えちゃったみたいだね…でもでも安心して?私が君の為に新しい人生を用意したよ!きっと楽しい君だけの生活ができるさ!」

 

そうして僕は──魔王になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──勇斗視点──

 

冷夜が死んでから1年が経った。あいつは電車に轢かれたらしい。不自然な程自然な事故だった。

 

「なんでお前が死ななきゃいけなかったんだよ…!俺は…俺は…!お前の為になにかしてやれねぇのがこんなにも悔しいなんて…!」

 

冷夜の墓に花を供えて墓地をでる。今度の休みに山でも上りに行くか。受験勉強も何もかもやる気が起きない。外はうるさいほどにセミが鳴いている。

 

「ただいまー…」

「おかえりなさい、どこへ行っていたの?」

「あー…冷夜の墓だよ、母さん。」

「もういい加減に割り切ったらどうなの?あ、それとあなた宛に荷物が届いたから部屋に置いといたわよ。」

「ん…ありがと…」

 

一体誰が俺に物を送ってくるというのだろうか。部屋に入ると小さな箱が机の上へと置いてあった。そう言えば冷夜が死ぬ前に小さな箱が届いたとか言っていたっけ。

 

「この箱が冷夜の死の真相を知っているとか…なんて、ありえないよな。」

 

箱を開けて中身を手に取る。それは1本のゲームだった。

タイトルはRebirthEndless。勇者が1人の魔王と協力して他の敵対する魔王を倒す、というゲームのようだ。

 

「こんな時にゲームかよ…いや、こんな時だからこそゲームをやるべきか?」

 

正常な思考を妨げられているかのように俺はそのゲームを始めた。

 

「へぇ、結構作り込まれてんな…」

 

少し進めた時点で飽きてしまった。明日は土曜日だ。山に登って全てを忘れようと思う。冷夜の事も、事故の事も。

 

 

 

 

 

「んー…!山の空気は気持ちいいなぁ〜っと…」

 

山の崖近くの展望台で伸びをする。背後に気配を感じた。先程までは感じなかった俺に対する視線と共に。

 

「誰ですか?俺になんか用ですか?生憎俺はあなたのことを知りませんが…」

「詳しくは言えないが私に力を貸してくれないか?ある1人…いや、1体の化け物の暴走を止めなければならないんだ。」

 

何言ってんだこいつ。胡散臭いにも程があるだろ。

 

「いや、胡散臭いにも程があるだろ。…あっ」

 

つい癖で声に出してしまった。

 

「胡散臭いのは重々承知だ。君に運命を狂わせるメールが来る前に!」

「いや、言ってる意味がわかんないんすよ。どういうことっすか?」

「吾輩はオーダー。秩序を守る者だ。君の友達は化け物に運命を狂わされたんだ。君にゲームが届いただろう?あれは君の運命を守るためだったんだが…やってないね?」

「やりましたけどつまんなかったんで…」

「やはりか…だがしかし少しは干渉できているはずだ。君には明日が必要か?」

「え?まぁ明日がないと何もできないんで、必要っすね。」

 

会話の途中で突然俺の携帯が鳴った。圏外の筈なのに。

 

「しまった、届いてしまったか。君に秩序平定の加護を授ける。この力は君に呼応し強くなる。どうか…どうかこの負の連鎖を止めてくれ──」

「っ!消えた!?おい!どこに行ったんだよ!」

 

崖の下を覗いて探すが見つからない。消えてしまったのか──

 

そう思い後ろを向いた時

 

俺は確かに見たんだ。

 

何も無い空間から

 

白い腕が伸びて

 

()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

目が覚めると近くにオーダーがいた。

 

(あんたどこに行ったんだよ!俺は!俺はどうなったんだよ!)

 

叫ぼうとするも声が出ない。

 

(うぜぇ!なんなんだよ!俺は!どうすりゃいいんだよ!)

 

オーダーは涙を流しながらユウに喋りかける。

 

「済まない…君を守ることができなくて…しかし化け物の空間からは切り離すことができた。君の友達と会い、化け物を倒す為に君に新しい人生を贈らせてもらおう。」

 

こうして俺は──勇者になった。

 




化け物とは一体誰だろうか…っていうかユウ君は別の人に世界の説明されてたんですねー
これはヤベーイな展開になっていきそうですが化け物とかはまだまだ先ですねー…では次回から第3章的なものが始まります!
章ごとに新しくキャラ考えてますので次回もよろしくお願いしまーす!


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第3章 欲とはつまり…なんだっけ(´・ω・`)
第21話 白の男と神の少女(´・ω・`)


第3章スタートです…タイトルは読めば分かる。
そんなgdgdファンタジー第21話!始まるよー!


──作者の部屋──

 

ズェン達はユウゼンを離れ、王都へと歩みを進めていた──…後ろに気配を感じる…ペン置いて逃げよっと。

 

 

 

 

 

 

「あれ?ペンだけ置いてある。ま、いっか☆借りちゃおっと!」

 

テステース…お、ちゃんと書けてるね!

やっほー!みんな大好き神様だよー!?今回の話はズェン君達に新しく降りかかる災難…ではなくとある2人の話だよっ☆

あ、ズェン君達が出ないわけじゃないからね?

それはそうと作者どこ行っちゃったんだろう…?折角レンガ持ってきたのにな〜

お、こんなところに作者の大事にしてるゲーム機が…この上にレンガ落としとこっと…あ、なんか凄い割れた音したけど気にしない気にしない!

じゃ、まったねー☆

 

 

 

──行ったか…?って、うわぁぁぁ!僕のゲームが!バキバキに…酷い…

…気を取り直して21話の続きをどうぞ…

 

 

 

 

 

──ユウゼン郊外──

 

「なぁズェン、このまま王都に帰ればいいんだよな?」

「そうなるね。」

 

ズェン達は王都へと歩いていた。主な目的は今回ユウゼンで起きたことの報告だ。ヨウコはあわよくばユートジナ王国と交友関係を築きたいそうだ。

 

「い、意外と遠いんじゃな…妾はもう疲れてきたのじゃ…」

「そんなんじゃハールリア女王と会えないぞ?あの人の体力やっばいし…」

「交友関係を築こうとするなら頑張れよ。」

「2人揃って同じことを言うではない…それにそのくらいわかっておるわ…」

 

ユウとズェンは巧みにヨウコを口車にのせて足を止めさせないでいた。

 

「ほら、見えてきたぞ。あとちょっとだ。」

「がんばろーおー」

「やる気のない掛け声じゃのう…」

 

 

 

 

 

 

 

 

──王都近辺の森──

 

森の中で魔物に襲われている2人組がいた。1人は大柄な大人、1人は小さな子供だった。

 

「どうなってんだこれは…王都の近くだってのに魔物の量が尋常じゃねぇぞ?俺のそばを離れるなよ、リュン。」

「わかった。はなれないよ、ぱぱ」

「…いや、くっつき過ぎだし、パパじゃないし。」

「ぱぱはリュンのぱぱみたいなもの。」

「…はぁ」

 

ぱぱと呼ばれている大柄な大人はこの世界にいる変種種族の1つである『白の一族』のウィーテ・ジロクという男だ。

リュンと呼ばれている小さな子供は白の一族よりも絶対数の少ない変種種族の『神人』のテリュン・アリエスという少女だ。

不思議な組み合わせの2人は今魔物に囲まれるという窮地に陥っていた。

 

「ぱぱ?この囲まれる感じ、前にもあったね。」

「お前を助けた時か?あれもなかなかの窮地だったよな…」

「今回は勝てそう?」

「俺に任せろリュン、絶対お前を死なせやしねえ。」

 

そう言うとウィーテは剣を構え直す。それは大きな剣だった。

ひと振りで襲いかかる魔物を次々と斬り裂いていく。

 

「きゃっ!」

「リュン!オラァ!…大丈夫か?」

「うん、大丈夫。ぱぱありがと。」

 

テリュンに襲いかかった魔物を瞬時に切り裂く。

守り抜く意志は固いものだった。

 

「あ、ぱぱ。向こうから大きな感情を感じる。」

「便利なもんだな感情共有ってのは。」

「そこまで便利じゃないよ。使うと疲れちゃうし。」

「んじゃまぁ、サクッと倒すとするか。」

 

ガサガサと草の向こうから巨大なイノシシ型の魔物が飛び出してきた。その大きさは今までの魔物の比ではなかった。

 

「…ちょっとデカすぎないか?」

「すごく大きいね、勝てそう?」

「…逃げるぞ、リュン。」

「ぱぱでも勝てないんだ。あの魔物凄いね。」

「あぁ、1人じゃ無理だな。早く逃げなきゃ死ぬぞリュン。」

 

ウィーテはテリュンを抱き上げ走り出す。目的地に着くまでの休憩が逃亡に変わるとは…とウィーテはため息をつくのだった。

 

 

 

 

 

 

──王都──

 

「ほら着いたぞ、ここが王都だ。」

「凄い大きな街なんだね。…怖いくらい。」

「さーてと、宿にでも行くか。」

「ぱぱお金あるの?」

「一応はあるな、でも長居はできねえからな?」

「わかった。」

 

ウィーテとテリュンはそんな平和な会話をする。その様子を影から見ている人影に2人は気づいていない。

 

「あいつはウィーテ…隣にいる子供はなんだ?白の一族ではなさそうだし…探ってみるか。」

 

「ねぇぱぱ、あれはなぁに?」

「ん、あれか?あれはな、銃だ。持って引き金ってやつを引くと込めてある弾丸を撃ち出して攻撃する武器だな。」

「凄いね、そんなこと出来るんだ。」

「危ないからお前には買わないぞ?」

「いらないよ、私ぱぱみたいに剣が使いたいから。」

「剣…ってお前なかなか物好きだな──」

「ウィト!?ウィトじゃないか!?」

 

そういってウィーテと同じ髪色の男が近づいてきた。

 

「なっ…なんでゲトラお前が…?」

「いやぁ、たまたま王都に来ていてね。それでウィト、君は?」

「当てのない旅を続けてるだけだ。」

 

ゲトラと呼ばれた男はウィーテの幼馴染で、名前をゲトラ・アサシネという。

 

「そちらのお嬢さんは?」

「あぁ、リュンは…ってリュン?なんで俺の後ろに隠れてんだ?」

「うぅ…怖くない人?」

「あはは、可愛い娘だね。お嬢さん、名前を聞いてもいいかな?」

「テリュン・アリエスです…おじさんは?」

「おじ…まぁいいか、おじさんはゲトラだよ。」

 

ゲトラはおじさんと呼ばれたことに少しだけ苦悶の表情を見せたがすぐに笑顔へと戻った。

 

「そうだ、ウィト!一緒にご飯を食べに行かないかい?勿論僕の奢りでね!」

「久しぶりだしな、それもいいかもしれないな。リュン、お前も来るだろ?」

「ぱぱが行くなら行く。」

「お前…ぱぱって呼ばせてるのか?」

「違ぇよ!哀れみの目を向けるな!」

 

 

 

 

 

──王都・宿屋──

 

ズェン達は王都の宿屋へとたどり着いていた。

 

「はー…やっと着いたー!これでゆっくりできるな…」

「まさかハールリアが出かけてるとは…」

「妾も会えなくて残念じゃ…」

「んー…でもなんかまた何かに巻き込まれそうな予感がする…」

「そういうフラグを立てるからだろ?」

 

ズェンはそうかもな、と呟きベッドへと寝転がった。




疲労がMAXでやっべぇ…疲れが…取れない…夏バテ…死にそう…ってなってるんで更新できなかったらごめんなさーい!


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第22話 亜人…亜人ってなんだ?(´・ω・`)

ふふふふふ…僕は疲労の限界を突破したぞ…!

gdgdファンタジー第22話!始まるよー!


──王都・レストラン──

 

ウィーテはゲトラの誘いを受け一緒にレストランへと来ていた。

 

「ほら、なんでも頼みなよ!遠慮しなくていいんだよ?」

「む、そうか…じゃあ俺はこれで、リュン、お前は?」

「ぱぱと同じのがいい。」

「そう言うと思ったよ…」

「あはは、本当に親子みたいだね。羨ましいよ。」

 

ゲトラは笑いながら自分の注文をする。しかしその笑みはどこか物憂げだった。

 

「どうした?元気なさそうだな。…はっ!高いのを頼んでしまったか?」

「…あぁ、いや、気にしないでくれ。なんでもないさ。」

「悲しい?寂しい?この感情…よくわからない?」

「おい、人前でそれ使うなって言ったろ!」(超小声)

「ごめんなさい…反省してる。」

 

ゲトラはテリュンに驚きの目を向けると共に更に悲しそうな表情を少しだけ見せた。

 

「ウィト、もしかしてその娘は…?」

「すまない、ゲトラ。何も聞かなかったことにしてくれないか?」

「…すまないウィト。今回の仕事は…」

 

ゲトラは静かに銃をウィーテに向ける。

 

「…その娘の捕縛なんだ。」

 

ゲトラは銃の引き金を引く。撃ち出されたのは麻酔弾だった。

 

「ウィト、君を殺したくない。だから麻酔にしたんだ。それに捕縛にも便利だしね。」

「なんで…ゲトラ…」

「ぱぱっ!起きて!目を覚ましてよ!」

「さぁテリュンちゃん。こっちへおいで?早く来ないとパパを殺しちゃうよ?」

「ぱぱを助けて!?…私はどうなってもいいから…!」

「あはは!健気ないい子だね。いい子には麻酔弾のプレゼントだ。」

「ぅ…」

 

そしてウィーテに近づき囁く。

 

「ウィト、まだ聞こえてるだろ?──────────」

 

寝ているテリュンを抱えてゲトラは店をあとにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

──王都・宿屋──

 

ズェン達はまだ宿屋でゴロゴロしていた。

 

「ロアーキさんが女王が帰ってきたら教えてやるって言ってたけど遅せぇなぁ…」

「おや、私の話ですか?いやぁ、恐縮ですね。」

「うわぁぁ!!ロアーキさん!?いつの間に…?」

「つい先程ですが…?あぁ、姉上が帰ってきましたよ。ユウゼンであったことを聞きながら向かいたいのですが話して頂けますか?」

「うむ、妾は構わぬぞ?」

 

いつの間にかヨウコがロアーキの前に立っていた。

 

「わぁ、可愛らしい!お名前は?」

「妾を子供扱いするでない!妾はユウゼン女王のヨウコ・タマモノじゃ!」

「おっと、これは失礼致しました。ヨウコ様でしたか、前回お見受けした時と雰囲気がその…違ってらっしゃったので。」

 

話が長引きそうだと察したズェンはロアーキに切り出す。

 

「ハールリアさん帰って来たんでしょ?会いに行きたいんだけど…?」

「ははは、これは失礼を。では行きましょうか、と、今誰かが謁見中だったような…?話がある!とか言って兵を押しのけて入ってきたのですが…」

「へぇ、豪快なやつもいるんだな。」

 

ロアーキはヨウコを見てからズェンの方へと向く。

 

「ズェン様、少しよろしいでしょうか?」

「いや、呼ぶ時ズェンでいいよ王族の方が偉いんだから…」

 

ロアーキとズェンは廊下に出る。

 

「大丈夫だとは思っておりますがヨウコ様から目をお離しになられませんよう気をつけて頂きたい。」

「なんか事件でもあったのか?」

「いえ、その…ここ最近王都で亜人種の行方不明が多数発生していまして…一応は対策を考えてあるのですが…」

 

いつになく暗い表情を見せるロアーキにズェンは心を押される。

 

「なるほど、亜人種に見えるヨウコを守っておけと。」

「さようでございます。では皆を呼んで城へ向かうとしますか。」

 

謁見をするために宿屋を出ようとしたその時。

 

「よっ!君たち気分はどうだい?私は最悪だけどね…」

「どうしたのですか姉上。」

「あぁ、そうそう。おーい!入ってきなぁ!」

 

ハールリアに呼ばれ宿屋の中に入ってきたのは白い髪に大柄な男、ウィーテ・ジロクだった。

 

「あれ?ジロクじゃん!ひっさしぶりー♪」

「カルミスタ!?何故ここに!?」

「なぜって…一応は俺勇者だしな。」

 

なんとウィーテとユウは知り合いだった。なんでも昔ユウが剣の練習をしていた時にふらりと来たウィーテに挑んだらしい。意外にも互角だった為ウィーテもユウも互いを認めて強くなると誓ったそうだ。

 

「へぇ、2人にそんな過去が…」

「懐かしいねーそんなこともあったな〜」

「ってそんなことを話してる場合じゃねえんだ!リュンが…!」

「まぁ落ち着け、白の者。私が言っただろう?懇切丁寧に勇者と魔王に頼め、と」

「う、そうだったな…なんて言えばいいんだ…?」

 

ウィーテがそこまで言ったところでヨウコが前に出る。

 

「何となくわかったのじゃ!」

「おぉ、流石ヨウコだな…っていつの間に?」

「後ろを歩いていたのじゃが…そんなことよりだいぶまずいのじゃろ?白き強者よ。」

「それぞれ呼び方違うのがなんかむず痒いが…ちっこいのの言う通りだ!俺の連れ…っていうかなんというか…家族だな、うん。が、連れ去られたんだ!」

「誰がちっこいのじゃ!だ!れ!が!」

 

ハールリアが続ける。

 

「連れ去られたのは神人らしい。」

「…神人?神人っていうとあのー死なない種族?」

「死なないっていうのは語弊があるな、正確にいうと傷を受けても即再生する種族だ。ただ…子供だと少し再生が遅いとか。」

「そうなんだよ!リュンはまだ子供なんだ…!俺が…俺がもっとしっかりしていれば…!」

 

ウィーテは俯き拳を握る。それを見てズェンが方法を思いついた。

 

「あ、そうじゃんちょっと提案があるんだけど…」

「どうした?ズェン。」

「魔王君の意見か、興味深いな!」

 

そうしてズェンは自分の考えた方法を語り出した──

 

 




では次回もお楽しみにー!おやすみなさぁい!




え?次の話書いてから寝ろ?えぇー?

あっちょっと待って!何その物騒なもの!レンガ?そんなことは聞いてないよ!取り敢えずしまおう、ほら!集中しないと書けないし!ね?理解してくれた?じゃ、僕寝るから…アッスミマセンカイテカラネマス…


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第23話 追跡というより最早探知(´・ω・`)

特に書くことないです!じゃあ書くなって?
それは…ちょっと…ね?

そんなgdgdファンタジー第23話!始まるよー!


ズェンが話した方法とは

 

ズェンの飛び交う楔に魔鏡石をくっつけて魔方石にその映像を映す。それをウィーテが確認してどこにいるかを突き止める。

 

というものだった。

 

「なぁ…それ成功すんのか?」

「え?知らないけどやってみなくちゃわかんないよねー」

「ははは、ズェン君らしいね」

「魔王君の魔道具…魔法鍛冶か?」

 

意外とズェンの作戦はテキトーだった。

 

「それで本当にテリュンは見つかるのか!?」

「うーん…そう言われるとなぁ…魔法反応拾えたら手っ取り早いんだけど…」

「…それだよ魔王君!魔法反応拾えばいいんだよ!」

「いや、それができたら苦労しないって…?」

「ふふふふふ…再生時の魔力反応は少しだけ大きいんだ。」

「なるほど!神人かどうか確かめる為に少しだけ傷を付けるはずだ!」

「いや、ダメだろ。道徳的に。」

「驚いた、まさかユウ君からそんな意見が出るとは。」

 

ユウは意外と真面目なのだ。そう、意外と。

 

「うん…なんとなく分かってたよ…みんなにそう思われてるってのは…」

「さ、お巫山戯もここまでにしてさっさとやっちゃいますか!」

「で、結局どうすんだ?」

「え、虱潰しに探すけど。」

 

ウィーテが胸をなで下ろす。

 

「リュンを探してくれるんだな?」

「当たり前だよ!困ってたら助けるのが思いやりってもんだ!」

「無駄に優しいよな、お前。」

「それがズェンの良いとこじゃろう?」

「言えてるな。」

 

着々と準備を進めていくズェンは魔鏡石の取り付け作業に入っていた。

 

「あと一個くっつけたら終わりだな。…よし、つけ終わった!さて次は〜」

 

ガラス板のような物を取り出す。ズェンが飛び交う楔を起動すると20個に分割された画面にそれぞれ違う景色を投影する、言わば手持ち型モニターのようなものだった。

 

「凄いな…なんで映ってるんだ?」

「あー…ちょっと長くなるから説明はまた今度ね。」

「ズェン、用意できたのか?ならさっさとやろう、ウィーテの為だ。」

「ホントにユウは真面目だよな。さ、飛ばしましょうか!グリム・ロッド装備っと、魔力領域拡大、…よし、飛び交う楔散開!」

 

ズェンの周りに浮いていた楔が一斉に散り散りに飛んだ。20個の魔道具を広範囲で操るにはグリム・ロッドが必要だったのだが…意外と無くてもよかったな、とズェンは思っていた。

 

「路地を散開中…流石に怪しまれるな…究極透明魔法(インビステルス)…透明化並びに透過加工完了。建物内部の魔力を計測…」

「カルミスタ、あいつ何やってんだ?」

「俺に聞くなよ分かるわけないだろ?」

「あれはじゃな、おそらくじゃが楔にステルス効果を付けて、更に楔近くの魔力量を測っているのじゃろうな。」

「何言ってんのかわかったか?カルミスタ。」

「わかんねぇけどスゲーことやってるってのはわかったぜ?」

 

ズェンは集中して楔に意識を飛ばす。これではまるでどこかの宗教のようだが、体が浮くのも魔法、精神分離も魔法だから仕方ないね(笑)

 

「見つけた…白の一族…!」

「白の一族を探していたのか!なるほど頭がいいなぁ!魔王君!」

「なるほど、確かにそれなら簡単ですね!」

 

ここでズェンはウィーテにそこの映像を見せる。

 

「ジロクさん?お前が探してるのはこの女の子か?」

 

それにはテリュンが足枷を付けられた状態で縛られていた。

 

「リュン!そうだ!この子だ!今すぐ助けにいく!」

「いや、心配するな、あの白の一族は──」

「そんなの聞いてる暇なんかねぇ!リュン!待ってろ!」

 

そう言うとウィーテは宿屋を飛び出して行ってしまった。

 

「っおい!ジロク待てよ!」

「はぁ…後先考えないタイプか…」

「いや、普段はあぁじゃないはずなんだけど…テリュンって子と会ってから変わったのか?」

 

なんにせよウィーテを追いかけないといけない事実は変わらない。

ズェン達はウィーテのあとを追いかけた。

 

「はぁ…はぁ…ここか?──リュン待ってろ、今助けてやるからな…」

「ジロク!置いてくなよ〜…で、ここか。」

「な…なんでお前達はここまでしてくれるんだ?」

「僕は困ってる人は助ける質だから。」

「俺は困ってる人に手を差し伸べる職業だから。」

「…カルミスタ、現実的だな。」

「気にしたら負けだぞ?さっさと行こうか!」

 

建物の中に入る。が、しかしそこにテリュンの姿はなかった。そこにあったのは外された足枷と床に横たわるゲトラの姿だった。

 

「なっ!ゲトラ!何があったんだ!」

「うぅ…ウィト…?すまない…君の…家族を…」

「はぁ…僕がいて良かったな、究極回復魔法!」

 

みるみるとゲトラの傷が塞がっていく。数秒後にはゲトラの体にあった傷は完全に消えていた。

 

「魔王って凄いな…」

「いや、これくらいなら人間でもできるぞ?まぁ消費魔力は違うけど」( ・´ー・`)ドヤァ

 

魔力消費の少ない初級魔法で上級魔法の威力を出せるのはズェンだけなのだが…それは些細な問題だ。

 

「う…傷が治ってる?ってそうじゃなくてウィト!大変だ!テリュンちゃんが!」

「…なんでお前倒れてたんだ?」

「それが…僕より隠密技術が高いやつに後ろからズタズタにやられてさ…面目ない…」

 

ゲトラも相当の手練なのだが…そのゲトラを倒せる程の実力差があるというのだろうか。

 

「リュンは!?リュンの居場所は知らないか!?」

「咄嗟だったけどペイント弾をくっつけたよ…しかも魔力追跡型の最新弾さ!」

「そうか、ペイント弾…魔力波長を教えてくれ!」

「えっと…わかんないなこれ…この装置に書いてあるんだけど…」

「ペイント弾の規格は同じだろ?ペイント弾を見せてくれよ。」

「あ、そっか!はいコレだよ。」

「ありがとう…うん、これなら追いかけられそうだ!」

 

ズェンはそう言うと飛ばしていた楔を集めて次は一つだけ飛ばしていた。追跡するために数歩先の場所を見ることが大事らしい。

 

「んじゃ、サクッと行くぞ!」

 

 

 

 

 

「次のターゲット…くひゃひゃひゃひゃ…」

 

──ヨウコに向けられている視線に気づく人は誰もいなかった。

 




終わりが見えない…いつまで書き続けようかな…



うん、ネタが尽きるまでにこの小説は終わらせようそうしよう

では次回もお楽しみにー!


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第24話 実にMADでCRAZY(´・ω・`)

マッドとかクレイジーとか言われても…殺人鬼(スプラッター)っていかにもって感じですよね!まぁ僕にとっての殺人鬼は迫り来る更新日ですけど!
そんなgdgdファンタジー第24話!始まるよー!


「クソッ!見つからないな…!別れて探すぞ!」

「ズェンは1人か?」

「いや、僕はヨウコと一緒に探す」

「じゃあ俺は1人で探すわ」

 

ユウの身体能力は白の一族と同等レベルなので1人の方が探しやすいのだ。

 

「俺とゲトラは2人で探す。」

「ロアーキ!私達も探すよ!」

 

こうしてバラバラになって探すことになったのだった。

 

 

 

 

 

──ズェンサイド──

 

「どこにいるんだ?魔力反応を覚えたから探知してるんだけど…」

「見つからんの──」

「そうだな、ヨウコ──ヨウコ?どこに行ったんだ?」

 

一瞬のうちにヨウコの姿が消えた。何が起きたのかズェンは理解が出来なかった。

 

「嘘だろ!?ヨウコまで攫われた!?」

 

ズェンは辺りを魔力探知するが、ヨウコの魔力は見つからない…まるで存在が消えたかのような。

 

 

 

 

 

──ヨウコサイド──

 

「──う、どうする…ここはどこじゃ?」

 

見慣れない空間、嗅ぎなれない匂い、小さな檻の中、そして知るはずのない人影。

人影がゆっくりとヨウコの方を向き、ニタァ、と笑う。

 

「キヒャヒャ、ターゲット捕獲完了…キヒャ!気分はどう?教えてよぉ、狐の亜人さん。」

「貴様、何者じゃ?」

「キヒャヒャ、自分の立場解ってるう?」

 

人影は手に持っているリモコンのようなもののボタンを押した。すると突然ヨウコの体に激痛が走る。

 

「いぎっ!?」

「キヒャ!いい声だ!これでわかった?ここじゃ魔法を使えないしぃ、魔道具も意味を成さないんだよぉ?」

 

ニタニタ笑う口だけ見えている人影はヨウコを舐めるように煽る。

 

「う…お主…妾を誰か知らないのじゃな…」

「キヒャヒャ!面白いねぇ!」

 

ヨウコは魔王の力を解放しようとした瞬間、檻から魔法陣が放たれた。

 

「あぎぃっ!うぁぁ…」

「キヒャヒャ!だぁかぁらぁ!無駄だってぇ!無駄ムダむだ!キヒャヒャヒャヒャヒャ!」

「…うぅ…ズェン…助け…て…」

「ズェン?誰それぇ?」

 

ヨウコは檻の中で意識が遠のいていった。

 

 

 

 

 

──ユウサイド──

 

「つーかさ、俺じゃ探せなくね?」

「肯定。1人では不可能でしょう。」

「やっぱそうだよなー…」

「…私は探知できますけど。」

「え、聖剣凄いな、オイ」

 

聖剣は探すためにヒュプノスへと変身した。

 

「あ、それとですね、この姿の場合はスレイと呼んでくださいね?」

「聖剣じゃあやっぱダメか。」

「怪しまれるので…」

 

ヨウコが攫われた事を知らない2人は凄くほのぼのとした会話をしていた。

 

「んじゃ、スレイ!サクッと見つけちゃいますか!」

「了解ですマスター、万事私におまかせを!」

 

 

 

 

 

 

──ウィーテ・ゲトラサイド──

 

「ゲトラ!そいつの特徴は!?」

「黒いローブを深く被ってニヤニヤした口だけ見えていた!あとは分からない!」

「なんだよ使えねぇなぁ!」

「う…面目ない…が、血の匂いがこびりついていた。」

 

血の匂いが分かるのはゲトラが元暗殺者だから…というより白の一族だから、というのがでかいのだが。

 

「血の匂い…か、セーブしてる体の機能を使うか。」

「ウィト、セーブできるのか?」

「そうだな、普通の人間程度の身体能力までに抑えれるな。」

 

こちらもヨウコの事など知らないのでウィーテの能力抑制についての話に花を咲かせていた。

 

「よし、機能を解放した…ってうわぁ…」

「どうしたんだ?」

「…この街さ、路地裏血の匂い凄くない?」

「──気にしたら負け、かな?」

 

 

 

 

 

 

──ハールリア・ロアーキサイド──

 

「姉上…ヨウコ君の反応が消えました…」

「攫われてしまったか…一緒にいた魔王君は?」

「ズェン君は消えていません…矢張り亜人を狙っているのか…?」

 

ロアーキは案じていた事が起こってしまったことに対して焦りを感じていた。

だが、ヨウコが攫われたことでロアーキは確信した事が1つあった。

 

「姉上、敵は超高度の空間魔法の使い手かと思います。」

「ワープ、アポート、テレポート、その他諸々か…厄介だな。」

 

ハールリア達は今回の事件で今までの失踪事件を解決しようという目論見なのだ。

しかし、予想外な空間魔法の使い手という情報によってハールリア達は頭を抱える。

 

「姉上、どうしますか?」

「フューラに連絡を取って()()を動かそう。」

 

ギラリと光るハールリアの目には断罪の焔が宿っていた。

 

 

 

 

 

 

──???サイド──

 

薄暗い部屋の中、仄かに光る試験管。

 

「キヒャヒャ!遂に完成したぞぉ!これで亜人は全てあたしの物ぉ!」

 

そう笑いながら証明のスイッチをつける。

照らされた部屋の中で笑うそいつは小さな檻が積み重なっている部屋へと入る。

 

「キヒ!気分はどぉうぅ?神人のお嬢ちゃぁん、妖狐のお嬢ちゃぁん?」

「あなたは誰?ここはどこ?あなたは…感情に見えない壁がある?」

「妾をどうするつもりじゃ!他にも亜人の子供がいるのじゃろう!?」

 

ニタァと下卑た笑みを浮かべるそいつはヨウコとテリュンに向かってただただにやけ顔をしている。

 

「キヒャヒャ!あたしのぉ!目標はぁ!あたしだけのぉ!楽園を作ることなのぉ…お前らガキはあたしの計画の生贄なんだよぉ!」

 

 

 

 

 

 

 

「──あたしはタユレア・マリッヒ。あたしはこの世界を否定する!この世界を最後の時(ラグナロック)へと進める者!あたしはぁ!新世界をぉ!創造する存在だぁ!」

 

 




実はこの章の悪役の立ち位置は最初ゲトラだったんです。ゲトラが悪役で進めるはず、だったんですがねぇ…書いてる内に気に入っちゃって…急遽悪役を新しく建てました。
タユレア・マリッヒさん、狂った科学者で感情が崩壊している、といった設定でございます。
では次回もお楽しみにー!


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第25話 ところで今日は如何様で?(´・ω・`)

魔法が使えたら何します?
僕は特に使いたい魔法ないですけども。
そんなgdgdファンタジー第25話!始まるよー!


──テリュンサイド──

 

テリュンは目を覚ますと先程とは違う場所にいることに気がついた。

周りにウィーテの感情もゲトラの感情も感じない。

感じるのは狂気、憎悪、嫉妬…負の感情だった。

 

「何…これ…あたま…中に…あぅっ!?」

「はぁ…これだから神人は数が減ってくのよぉ…馬鹿なんじゃないのぉ?人の感情を受け取るってぇ…まぁ私の感情はぁとぉっくの昔に崩れて意味を成してないけどねぇ!?キヒャヒャヒャヒャヒャ!」

「あぅぅ…違う…崩れて…ない…自分の感情を押し殺されてるだけ…」

「五月蝿いわねぇ…あんたに何が分かるのよぉ!?」

 

テリュンは微かに感じるタユレアの深層心理を読み取ろうとしていた。きっとこの人は、この人は──

 

テリュンの意識はそこで途切れた。

 

 

 

 

 

──ユウサイド──

 

「スレイ!見つかったか!?」

「…ここで反応が途切れてます…」

 

スレイが指したのは路地裏の道の途中、周りには扉などは一切ない。

 

「…!ここ、空間魔法の使用形跡があります!これを辿れば或いは…」

 

その時上から2人を取り囲むように路地裏の前と後ろから大柄な人が2人ずつ入ってきた。

 

「なぁスレイ…知り合いか?」

「冗談言ってる場合では無いと思うのですが…」

 

大柄な4人は一斉にユウ達2人に襲いかかる。

 

「危なっ!」

「っ!計測…マスター!あの方々は魅了(チャーム)混乱(フューズ)の複合異常です!操られていると考えられますが…」

「解除は!?」

「受け付けてくれません!ですので倒しちゃってください!」

「クソッ!気絶無刀剣!天羽々斬(スタンス・タッブ)!」

 

ユウ側の2人が吹っ飛ぶ。

 

「風圧で気絶に持ってくって化け物ですか?」

 

しかし、相手はダメージがないかのように起き上がり攻め込んでくる。

 

「いや、相手はどうやら白の一族だ…気絶してねぇ」

「厄介ですね…拘束します空間掌握(ペンデュラム)!」

 

聖剣側2人の動きが空中で止まる。

 

童子切安綱(レッショータイム)!」

 

路地の壁を使い飛び回り連撃を入れていく。斬り終わり、聖剣が腕の剣を仕舞った時に一気に切り口から血が噴き出した。

 

「こちらは終わりました!マスター!そっちは…」

「ん?あぁ、終わったよ。いやー、やってて良かった!ボクシング!」

「ぼくしん…?いえ、無事で何よりです!」

 

ユウの横には顔を腫らして倒れている白の一族が2人…大方常人離れの腕力でボコボコにしたのだろう。

 

「スレイ、魅了と混乱消えてる?」

「えっと…あっはい、消えてます。」

「おけ、んじゃまぁ…」

「起きろ!」

「うわぁぁぁ!!!え!?何!?って顔が痛え!何これえぇぇぇ!?」

 

ユウの大声によって半ば強引に気絶から覚まされた2人の片割れ…いや、逆にもう片方死にかけなんじゃないだろうか?

 

「えっと…どちら様?」

「まぁそこは置いといて、お前ら誰に操られてたんだ?」

「え?操られ…?僕がですか?まさかそんなこと…ってそれ、顔が痛いのと関係あります?」

「大いにあるよ、襲われたからボコボコにしたもん。」

 

モブっぽい白の一族は自分とユウを見比べる…あの人怪我、してなくね?

 

「かっ…過剰防衛…」

「あ?(威圧)」

「許してください何でもしますから!」

「え?今何でもするって…?」

「(言って)ないです。」

 

操られた事を聞いても特に何も知らなかったそうだ。

更にバトルの影響で空間魔法の使用形跡が消えてしまったらしい。

 

「また振り出しかよ…めんどくせぇ」

「意外とそうでもありませんよ?」

 

聖剣はふふっと笑ってユウに次の探知を告げる──

 

 

 

 

 

──ズェンサイド──

 

「ハァ…ハァ…ヨウコの微かな魔力を探知してここまで来たは良いものの…」

「む、魔王の方が先にいらっしゃるとは…」

「ん?あぁ、ジロクさんか、なんでここに?」

「血の匂いを追って来た、後は微かな魔素のピリピリする感じだな。」

(いや、なんで逆にそれで辿りつけるんだよ。)

「む、どうかしたか?」

「いやぁ、きっとウィトの探し方でなんで辿り着けたんだよって思ってるだけでしょ。」

(あなたはエスパーか何かでしょうか、怖いんですけど。)

 

言いたいツッコミを抑えつつズェンは辿り着いた倉庫のような建物の扉を開けた。

 

「ごふっ!」

「ここは通さぬぅ!」

「通さぬぞ!誰一人なぁ!」

 

開けた扉から勢い良く飛び出しズェンを吹き飛ばしたのは総人口の0.1にも満たない種族の巨神族2人だった。

 

「ここに来て錯乱した巨神族!?」

「あーらら…めんどくさいのが来たね…」

 

巨神族はウィーテ達の方を向く。そしてじりじりと詰められていく間合い。お互いの力量を知ってか知らずか睨み合いが続く。

 

「──僕は出オチキャラじゃなァァァァァい!!!!!」

「ぐおぉ!?」

「ここは僕に任せて2人は助けてこい!」

「ぐ…死ぬなよ、魔王!」

 

ウィーテ達が建物の中に入っていったのを確認してから巨神族の方へ向き直る。

 

「ったく…白の一族でもデカいと思ったのにもっとデカい種族がいるなんて、若干キツいかなぁ〜…」

「我が力に平伏せ!」

「誰も通さぬ!たとえ死んでも!」

「ふぅ、さっさとやっちゃいますか!先ずは状態を確認!うん!予想通りだね!かかっているのは洗脳と隷属、完全に奴隷(サーヴァント)だね!」

「うおぉ!!」

「魔王だろうと我らは止めれぬ!」

 

ズェンは魔法の起動に入る。

 

「我が魔なる力の奔流に呑まれよ、そして貴殿らに振りかからん呪毒即ち隷属の本能を断ち切らんとす…」

「「喰らえ!」」

「ダブル!」

「ラリアット!」

「解き放て、封殺天抗魔奔閃(ピリッとどーん)!」

 

ズェンを中心に光が周囲に迸る。その光に巨神族2人は呑み込まれ、動きが止まった。

 

「はい、久しぶりの魔法名が決まってない魔法だよっと。」

 

ズェンは服を払いながら建物の中へと足を踏み入れて行った。




最後の魔法はズェン君オリジナルの魔法で、元になる魔法構築がないため魔法名が無いんです。
ちなみに前の章で使った凍結魔法ですけどあれは元となる魔法があるため魔法名があります。
究極防御魔法はズェンのオリジナルです。


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第26話 古代って付くとなんか強そうだよね(´・ω・`)

えー…展開が降りないまま、そして更新しないままこのように新年を迎えてしまい申し訳ございませんでした。
深く反省致します。
しかしながら僕は学生なのでここから次の話までも間が空くかと思われます。

ほんとグダグダですみません…
本編もグダグダですみません…
ではどうぞ…


「うーん…アイツらはそこにある階段から下に行ったっぽいな」

 

「さて…と、僕も下に…ってこの袋の中身なんだ?」

 

高く積まれている袋の中身を調べるべく1番上の袋を下ろして中身を確かめる。

白い粉か…

 

「ん?あ、これ小麦粉だわ。」

 

「まぁ1袋確保しとくか。相手が小麦粉アレルギーかもしれないし。」

「あれ?ズェン!お前どーしてここに?」

「あ、ユウ!いや、ヨウコが連れ去られたんだけどヨウコの魔力反応追ってたら着いた。」

 

さらっと小麦粉の袋を空間魔法で収納しつつ自分の収納空間の汚さに嗤う。

 

「うっわぁ…汚ねぇ…あ、さっさと行こうか!」

「うん…チラッと見えたけど…汚ぇなお前の収納空間…」

「逸らしたんだから触れるなよ…!」

「そんなのだからデリカシー無いって言われるんですよ?」

 

落ち込むなよ…お前勇者だろうが…

 

「ほら、ユウ!行くよ!」

「うん…行くか…」

「いつまで引きずってるんですか!?」

 

 

 

 

 

 

 

──数分前──

 

「なんだ…これ…?大量の檻か…?」

 

俺とゲトラは先に下へと降りてリュンを捜していた。

しかしそこで見つけたのは小さな机を取り囲むように置かれた檻だった。

 

「ウィト…気をつけろ…!殺意を感じる…」

「分かってる…!」

 

「ヴルルルルル…」

「こんなとこにSランク魔族のウェアウルフ!?」

「しかもご丁寧に狂化してるときた。」

 

面倒な相手だな…ウェアウルフは一気に詰め寄るウルフダッジとか言う固有技が何とも厄介だ…

 

「ウィト、腕試しと行こうか!」

「はぁ…危なくなったら助ける、好きに殺れ。」

「そう来なくっちゃ!ブラッディ・メアリィ!」

 

ゲトラの手から投げられたナイフはウェアウルフに命中。

 

「ヴルルルルルァァァ!!!」

「動いたら…死ぬよ?」

 

直後ウェアウルフから血が大量に吹き出しウェアウルフは息絶え魔石だけが残った。

 

「俺の助けはいらなかったな。」

「いやぁ、どうかな。まだ殺気は消えてない。」

「分かってるさ、どうせもう罠仕掛け終わってんだろ?」

 

殺気の方を見ればウェアウルフが大量に俺達を取り巻いている。

 

「白の一族最高と謳われた暗殺技術、ご覧あれ!」

「ヴルルルルルァァァァァ!!」

「アイアン・メイデン!」

 

ゲトラに飛びつこうとしたウェアウルフは次々と切り裂かれ魔石だけが転がる。

 

「やるな、ゲトラ。」

「やっぱ働けよ、ウィトもさ。」

「仕方ないな…チェンジハザード。」

 

ウィーテの髪が一瞬逆立ち、目が赫く光り、えも言われぬオーラを放つ。

 

「封印剣ブランシュ、封印を1つ解除。」

 

白き剣は赤く染まり焔を纏う。

 

「解封完了、封印剣ブランシュ・ロージュ。」

「ガァァァルルラァァァァ!!!」

「殲滅、焼き切れ、フラムロゼ!」

 

ウィーテの剣から放たれた爀い閃光はウェアウルフを包み込み、その全てを灰へと変えた。

 

「どこで手に入れたのその剣…強過ぎない…?」

「負担も大きいぞ、何せ古代の装備だからな。」

「古代の装備をなんで持ってるのさ…」

 

突如奥からコツコツと足音が響き、声が聞こえた。

 

「これはぁ、予想外よぉ…」

「誰だ!?」

「まさかウェアウルフちゃん達が倒されちゃうなんてぇ…気に入ったわぁ…二人とも。」

「なっ!?お前はテリュンちゃんを攫っ──」

強制隷属の香(オー・デ・コロン)

 

 

「ふふっ…楽しみねぇ…二人はどれだけ強いのかしらぁ…!」

 

 

 

 

 

 

 

──ズェンサイド──

 

ところで、と僕はユウに話しかける。

 

「うん?どうした、ズェン。」

「あぁ、いや。聖剣は今日ずっと人型でいるなぁ、って思っただけだよ。」

「まぁ確かになんでだって話になるよな。まぁそれは本人に聞けばいいんじゃないか?」

「それもそうか。なぁ聖剣、なんでずっと人型でいるんだ?」

 

聖剣は少しだけムッとした顔をしてから淡々と答え始めた。

 

「なんでってそれは…こっちの方が可愛いでしょう?」

「えっ……あぁ、まぁ…」

「そ、れ、に!テリュンちゃんもいないしヨウコ様もいないからヒロイン枠が必要かな、と思いまして!」

 

あとですね!と聖剣は続ける。

 

「私が人型でいる時は聖剣ではなく、スレイと呼んで欲しいのです!」

「あ、うん、分かった……ごめんな、スレイ。」

 

3人がそんな話をしているとスレイが急に立ち止まった。

 

「どうした、スレイ?何か異常でもあったか?」

「伏せてください、殺気です!」

「唸れ…封印剣ブランシュ…!」

 

白い剣閃と共に近くにあった柱が砕ける。

この威力は…!

 

「なんでジロク…お前が…?」

「待ってください!解析しています!」

「いや、スレイ僕に任せてくれ。」

 

2人の前に立ち魔法を構築する。

 

「さっきの魔法だと少し魔力消費が多いから…」

 

解呪の魔法に少し手を加えて、それから…?

 

「あぁ、回生の魔法も組み込むか。」

「もう何を言ってるのかわからん…」

 

自力で魔法を組み立てる方が案外楽なんだよ、とユウに向かって言い放ち僕はジロク達の方へ向き直る。

 

「ククク…隷属させんのが好きな奴なんだな、此処の主は…」

「封印剣ブランシュ…解封…ロージュ。」

「うわ、早めに決めないとヤバい感じ…?」

「フラムロゼ…!!」

 

燃え盛る炎の剣は地を灼き空気をも焦がすほどと思えた。

その剣から放たれた一撃は想像を絶するものだった。

 

(あー…今違う魔法展開中だからちょっと間に合わないかな…死んだな、これ。)

 

目前に迫る爆炎を前に僕は呑気にそんなことを考えていたのだった。



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