最強と言われた艦娘 (猫又提督)
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プロローグ

初投稿になります。


 「ねぇ…この戦いが終わったら私の存在をなかったことにしてくれる?」

 

 

 「え?何言ってるの?お姉ちゃん?」

 

 

 「私、あまり目立つのは好きじゃないの。命に変えてここを守った、なんて話とても目立つでしょ?」

 

 

 「まさか…!それだけはやめて!お姉ちゃん!」

 

 

 「頼んだわよ…響…」

 

 

 「お姉ちゃん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2xxx年 横須賀に襲撃した超弩級型深海棲艦を3人の艦娘が撃沈した。なお、この3人のほかに1人べつの艦娘がいたと言われているが、実態は謎である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん…ここはどこかしら?」

 

 暁「……どこかの島に流れ着いたみたいね。まさかあの力を使って沈まないなんて艦娘ってものはかなりじょうぶなのね。」

 

よいしょっと、といいながら暁は体を起こす。ざっとまわりを見渡しただけだとここに人が住んでるとは思えなかった。

 

 暁「見た感じ人はいなさそうね。さてこれからどうしようかしら。一応遭難したときの訓練は受けているからのたれ死ぬなんてことはないけど…まずは目の前の森に入ってみましょうか」

 

そういって暁は砂浜の目の前にある森に入っていった。

 

 暁「かなり鬱蒼としてるわねここ。もはやジャングルに思えるしここはかなり南の方なのね。」

 

ジャングルの中を歩いて行きながら順調に食料と水を確保していく。するとジャングルのおくであるものを見つけた。

 

 暁「あら?あれは…家ね。でももう空き家のようだしちょっとおじゃまさせてもらおうかしら。」

 

空き家の中に入るとそこはもはやゴミ捨て場のようになっており、動物をとるための罠らしき物や、壊れた釣り竿が乱雑になってそこにあった。そんな中暁は同じく乱雑に置いてあった新聞に目をやる。

 

 暁「昭和18年4月の新聞ね。日にちまではかすれて読めないか。でも、この新聞の日付が第二次大戦中ということは、昔のここは日本軍の占領地ということ。もしかしたらもっと探せば何かいいものがあるかもしれないわね。」

 

そうしてさらにまわりを探索してみると、旧日本軍の基地を見つけそこで釣り竿やスコップなどの道具や、ほとんど壊れていてなかなか使えるものがなかったが旧式の銃を手に入れることができた。

 

 暁「これで、なんとか生活はしていけるわね。でもどうしようかしら…響には存在をなかったことにしてくれって言っちゃったし救助されても居場所があるかしら? とはいっても、ずっとここにいるのも嫌だし…とりあえずは救助されるまでここにいましょうか。」

 

そういって少し満足気に砂浜に戻っていった暁であった。




初めまして。猫又提督と申します。
何分、初めて投稿したものですから文法表現がおかしい場合や誤字脱字があるかと思いますが、よろしくお願いします。


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1話「妖精さん」

もうどれだけこの島にいるのだろうか。少なくとも何年かは経っているだろう。暁はいつもの釣りに出かけていた。

 

 暁「もうどれだけ経ったのかしら。はぁ、毎日が平和でいいけど平和すぎるっていうのも暇ねぇ。」

 

そう愚痴をはきながらいつものように釣りをしていると暁の目の端で何かが光った。

 

 暁「ん?なにかしら?何か光ったように思えたんだけど。」

 

太陽の光が海面に反射したのではないかと思ったがそれとはまた違った。よく目を凝らして見るとそれは翼がおれた飛行機であった。

 

 暁「あら?あれは飛行機かしらそれにしてはなんか小さすぎるような気がするけど…こっちに流れ着きそうだし、待ってみましょうか。」

 

時間にして10分ほど待っているとその飛行機がこちらへ流れ着いて来た。そしてその飛行機の操縦席あたりを見てみるとそこには…

 

小人がいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

   「隊長!これ以上は危険です!母艦に戻りましょう!」

 

 「何言ってるんだ!俺たちが制空権を取り続けないと艦隊があいつを攻撃できないだろ!」

 

   「ですがっ!隊長の機体は弾切れの上にぼろぼろなんですよ!?」

   

   「燃料も漏れていていつ発火するかわからないんです!制空権なら私たちだけでもとれます!だからっ!」

 

 「お前らみたいなペーペーにとれるかっての!大丈夫だ!俺はまだ飛べるさ!それより

も俺の心配するんじゃなくて自分の心配しろっつうの!」

 

   「は、はぁ…」

 

 「あともうちょっとなんだっ!あともうちょっとであいつをっ!メーリィをっ!」

 

 

メーリィ それは1年前突如太平洋に現れた特殊型深海棲艦である。この深海棲艦はほかの深海棲艦と違う。それはどこか、剣、そう剣で戦うのであるそのせいかとにかく早いのである。そのせいで戦艦などの大型よる砲撃での撃破は困難。さらに装甲が戦艦クラスなので駆逐艦などの小型艦による撃破も困難を極めている。よって今現在では航空機による攻撃での撃破を目標としている。

 

                        メーリィ アタック

因みにこのメーリィという名は近接攻撃という意味のMelee attackからきている

 

 「キャハハ アハハ」ガツ

 

メーリィーが奇声をあげながら艦娘たちに襲い掛かる

 

 「きゃあ!誘爆を防いでっ!」

 

 「やだやだやだぁ!」

 

    「艦隊より通信!たった今メーリィの攻撃にて赤城と蒼龍が中破ぁ!着艦は可能

     ですが発艦不能だそうです!」

 

 「なんだと!残りの攻撃機は!?」

 

    「赤城より発艦した艦爆隊が2つ、雷撃隊が3つ、蒼龍より発艦した中隊がそれ

     ぞれ2つです!」

 

 「くそっ!ぎりぎりだが何とか撃破は可能だな。よしっ!ならばその中隊でメーリィに

  こうげk」ボツ

 

    「隊長!」

 

 「くそっ!こんな時に!2番機!」

 

  「はっ、はい!」

 

 「今からお前が隊長だ!」

 

  「なっ!隊長!?待ってください隊長それではまるで!?」

 

 「大丈夫だ!俺は生きて帰るからよぅ!」

 

  「た、隊長ー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザザー  ザザー

 「…んお、何だここは…ああそうかここが天国か。天国にも海ってあるんだな…」

 

俺はそうやって上を見上げると……

 

青紫色の髪をした嬢ちゃんがそこにはいた…

 

 「天国には可愛い嬢ちゃんもいるのか…」

 

 

 暁「何言ってるのかしら、この小人」

 




どうも猫又提督です!暁ちゃん可愛いよね うん もうただただかわいいウへへへへへ


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2話「帰る方法」

暁ちゃんの魅力を3行で?

子供っぽさ抜群!

声が可愛い!

れでぃー!


こいつ一体何なのかしら。起きたと思ったら「ここが天国か。」とか「可愛い嬢ちゃんもいるのか。」とか…というか2つめなんて完全におっさんじゃない!

ま、まあとりあえず会話してみましょう。えっとたしか響がいっていたわね。小さい生き物には視線を合わせる、だったかしら?よし、しゃがんで話してみましょう

 

 暁「ねえあなた?名前はなんて言うのかしら?」シャガミ

 

  「…!?」

 

こいつ何処見ているのかしら?

 

 暁「おーい、気づいてる?」

 

  「…ハッ!?お、おれの名前だと?うーん俺たちには名前がないからなぁ…まぁ妖精さんとでも呼んでくれ」

 

 暁「分かったわ。じゃあ早速だけど妖精さん?本土に帰れる方法はあるかしら?」

 

 妖精さん「ん?本土に帰れる方法だぁ?まああるにはあるけd」

 

 暁「あるの!?」グイツ

 

 妖精さん「うおっ!嬢ちゃん!落ち着け。教えるから、あとできれば嬢ちゃんの名前も教えてくれるかい?」

 

 暁「あ、そうね。悪かったわ。私は暁よ。そういえばここで話すのもなんね。あっちに

私が作った家があるの。あっちで話しましょう。さあ来てちょうだい。」

 

 妖精さん「わかった。……スパッツが邪魔だったが黒か…」

 

 暁「ん?なにか言った?」

 

 妖精さん「い、いやなんでもない。そうだ暁、おれは見てのとうり小っちゃいんだ。だからどうしても移動に時間がかかっちまう。だから頭の上かなんかにのっけてくれないか?」

 

 暁「ふぇ?ま、まあそんな小さかったら大変よね。いいわ頭の上にいていいわよ。」

 

 妖精さん「お、ありがとうな。あ、あとこの機体も取っといてくれないか。俺も本土へ戻ったら直してもらうからな。」

 

 暁「あら、まだ鎮守府ってあるのね。てことは、深海棲艦もまだいるのかしら。」ヨイショ

 

 妖精さん「おう。まだまだたくさんいるぜ。てか暁はどうしてこんなところにいるん だ?7年くらい前に海に出ることは禁止されてるはずなんだが。それに、艦娘でもあるまいし。」ノボリノボリ

 

 暁「ちょっと色々あっって漂流しちゃってね。…あ、あそこよ私の家。」

 

 妖精さん「お、そうかどれど…!?」

 

俺がそこを見るとそこには「家」があった。てかあれコテージっていうやつじゃねぇか?

ご丁寧に煙突までついてやがる。何年ここに漂流してたんだ?てか本当はここで生まれ育ったんじゃねえの。暁、恐ろしい子…っ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖精さん説明中…

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 暁「ふーんつまり鎮守府へ帰れるようにナビゲート的なものがついてるのね?えーとそ

のー、なんだっけ?」

 

 妖精さん「零式艦上戦闘機21型な。」

 

 暁「そうその零式なんちゃらってやつ。てかもうそれ長いから零戦って呼んでいい?」

 

 妖精さん「おう、てか普通はみんなそう呼んでんだがな。まあ零戦にかかわらずすべて

の航空機についてるぜ。」

 

 暁「あらそうなの。てかみんな呼んでるんなら先にそっちを教えなさいよ。さて、そうと決まればすぐに出発しなきゃ。」サアシュッコウジャンビダー!

 

 妖精さん「なんだ?そんなに早く本土へもどりたいのか?」

 

 暁「ええ、まあね。」ガサゴソ

 

もはやうれしいじゃすまされないわよ。まったく今まで苦労してきたわー。ここ、動物も何にもいないじゃない。鳥すらもめったにいないし。まったく罠を見つけたから動物たくさんいると思ってたのに。それに火災にもあったし5回ぐらい家燃えたわよ!?着替えもないし、まあ湖があっただけましね。昨日なんてノーパンよノーパン。スパッツも限界近いし。あー早く着替えたい。でもこれでここともおさらばよ。ウフフフフフフ…

 

 暁「」ブツブツブツ

 

 妖精さん「おーい?暁?大丈夫か?なんか、女の子がしちゃいけない笑顔が見えるんだが?」

 

 暁「うえ!?だ、大丈夫よ。さ、さあ妖精さんも準備して早く!さあ、早く!」

 

あれは、大丈夫とは言えないな。なんだろう暁はきっと苦労したんだろうな。というか、さっきから笑顔が怖いんですけど暁さん?ちょ、ま、怖い!怖いから!そんな顔でせかさないで!分かった、分かったから!準備するから!ぎゃああああああ!振り回さないで!嬉しさの極みなのはわかるけど振り回さないで!アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア…

 




どうも猫又提督です。初日から一気に3話分出してみました。
さて、次回海に出ますよー。暁ちゃんを無双させる気なので楽しみにしててくださいね!




妖精さん、ちょっとそこ変われ(無言の威圧)


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3話「暁という存在」

脱字が治らない(´;ω;`)

サブタイがうまく表示されない(´;ω;`)

というわけで今回もしサブタイがうまく表示できてなかったら次回からここにかかせていただきます

あと前回でた誰か早速やられますけどごめんよ、暁ちゃんが無双するために必要なんだ。


暁「さあ、出航よ!」

 

…暁って何者なんだ?出航するって言ったて、てっきりよくある木のいかだを想像してたんだが…これ、モーターボートじゃん!いやいやww暁は「これ流れ着いてたのよ。だから直したのよ。」ってめっちゃどや顔だったし!可愛かったけど!流れ着いたもの直せるってまじかよ!?どや顔可愛かったけど!

 

 暁「それで?どっちに行けばいいのかしら?」

 

 妖精さん「おう。ちょっと待ってろよ…ふむこのまま北に行くみたいだな!。」

 

 暁「そう。分かったわ。じゃあ北にむかってレッツゴー!行けー!暁号!」

 

えw!?名前ダサっ!自分の名前使うとか安直だろw。…そう考えると暁ってよく見りゃ子供だな。なら、なおさらここに漂流してたんだ?それに暁に初めて会ったときだれかに似ているような雰囲気がしたんだが…だれだったかな?…ま、いっか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 暁「ねぇ?まだなの?もうすぐお昼過ぎちゃうわよ?」

 

 妖精さん「まぁそんな慌てんなって。そうすぐ着くわきゃないだろ?」

 

 暁「そうかしら?…でも暇ぁ!」

 

 妖精さん「まぁまぁ。そうだ、どうせなら暁があそこに漂流してた理由とか、教えてくれよ。あと、暁の過去も。丁度いい暇つぶしになるだろ。」

 

 暁「そうかしら?まぁいいわ、そうねぇ…じゃあ早速だけど妖精さん?昔、横須賀に超弩級型深海棲艦が襲撃にきた事件は知っているかしら?」

 

 妖精さん「ああ。伝説だからな。たしか、駆逐艦響、駆逐艦雷、駆逐艦電の3隻で撃退したって奴だろ?でももう10年前の話だぜ?」

 

10年…てことは、私10年間もあの島で暮らしてたのね。

 

 暁「…ねぇ、その話続きかなんかある?」

 

 妖精さん「ま、まああるにはあるぞ。えーと確か実はこの3隻のほかにもう1隻いた。っていう奴だったな。…まさか。」

 

 暁「…ええそうね。そのもう1隻というのは、駆逐艦暁、私のことね。」

 

 妖精さん「は、はあ!?どういうことだよ!?今までずっと謎だったもう1隻が暁だぁ!?」

 

…多少驚くだろうなぁとは思っていたけどここまで驚かれるとは。…そんなに驚くことなのかしら

 

 暁「ねぇ、ちょっとひび…駆逐艦響のことについて説明してもらえる?」

 

 妖精さん「お、おう…響型駆逐艦1番艦響、同型艦に2番艦雷、3番艦電がいる。響達は今から8年前から今の鎮守府システムを開始した。提督という職業や俺たち妖精もそのシステムによって作りあげられた。そして立場は今じゃ大本営の一番上だ。海軍を楽々動かせるほどだぜ。」

 

 暁「あら、響ったらそんなに出世してるのね。その様子だと私の存在もうまく消せているみたい。うん!お姉ちゃん嬉しいわ~。やっぱり響は頼りになるわね~。」

 

 妖精さん「は?お姉ちゃん?お前が?え、でも艦娘なんだろ?響型駆逐艦ではないんだろ?」

 

 暁「ええそうよ、私は暁型駆逐艦だもの響はその2番艦よ。つまり私の妹ってわけ~。響型駆逐艦ってのは私の存在を消すために作ったものでしょうね。」

 

 妖精さん「な、何…だと…!?俺は今世紀の大発見を聞かされてる気分だぜ。でも何で、存在が消されてるんだ?」

 

 暁「私がそうお願いしたからよ。目立つのは嫌いだから戦いが終わったら私の存在を消してくれーって。」

 

 妖精さん「そ、そうなのか…。それじゃあ暁もやっぱりあれなのか?」

 

 暁「あれ?」

 

 妖精さん「あれっていうのはな、響型駆逐艦みたいな艦娘であって艦娘でないような戦い方のことだ。水上を移動するところは艦娘だがあの三人は武器が違うんだ。まるで砲を使わないんだ。それどころか、近接武器だけで戦いやがるんだ。暁もそういう戦い方をするのか?」

 

 暁「ああ、あれのことね。…ねぇ妖精さん?艦娘ってどうやって産まれるの?」

 

 妖精さん「え?そりゃ工廠にいって資材と開発資材を渡せば普通に出てくるが?」

 

 暁「…そう。私たち暁型は元は人間なの。」

 

 妖精さん「は?に、人間?」

 

 暁「そう、人間。だから私たちは、言ってしまえば改造人間なのよ。しかも人間に無理やり艦の記憶を詰め込むだけのいい加減な改造。だから、私たち…初代艦娘は暁型の4隻だけよ。あの方法はかなり人の体に負担をかけるの。だから大型艦では負担が多すぎただから一番負担が少ない駆逐艦が選ばれたの。その中でさえ改造に成功したのは暁型駆逐艦だけっだたの。それはそれはとても理想的な改造人間ができたわ。とても強かったわ。今の深海棲艦がどうか知らないけど当時の深海棲艦には、楽々勝てたわ。ただし…私は失敗だった。」

 

 妖精さん「失敗?」

 

 暁「ええ、それは私が駆逐艦暁に改造されてる途中だったの。まさかの深海棲艦が襲撃そして上陸したの。あいつらは改造中の私の目の前に来てたわ。とても怖かった。でも私を改造してた人たちはみんな殺されたり避難してたわ。そのときに何かされたみたいね。深海棲艦は改造中の私のデータを色々いじったみたいね。そして私はできた。」

 

 妖精さん「なら、あれか?暁はあんな戦いができないのか?。それか力が弱くなってしまったとか?」

 

 暁「いえ、力も使えるし普通に強いわ。…私はその逆、強すぎたのよ。」

 

 妖精さん「強すぎた?」

 

 暁「そう。実はね、私やろうと思えば自然にも干渉できるのよ?つまり自然を操れるの。」

 

 妖精さん「まじかよ…!?」

 

 暁「ええ。まあとても疲れるからめったにしないけどね。…私は強すぎた。自然に干渉できるということが分かったとたんみんなが私を、危険な存在と認識し始めたわ。…皮肉よね強い存在を人々は求めていたのに、自分たちの思い通りにならなかったらすぐに忌み嫌う。そのせいかしらね私には2つ名がついたわ。それは…」

 

俺は今すごいことを聞いてるんだな。暁の過去がめっちゃ重いんですが。てかさっきから暁がめっちゃ悲しそうな顔しながら話してるんだが…過去の話はタブーだったかな?

 

 「キャハハ アハハ」

 「アハハハハ キャハハハハハ!」

 

んな!?この声はまさか…!

 

 メーリィ「キャハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

 

 妖精さん「しまった!メーリィだ!暁っ!危ない!」

 

 

 

 

 

 

    

      召喚(サモン)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのとき俺が見たのは真っ二つになった、メーリィとその少し後ろで大量の返り血を浴びながら静かに水上に立っていた暁だった。

 

 暁「天使の皮をかぶった悪魔(アンゲルデビル)




ヒャッハーやっとかけた!

もしかしたらへんな所たくさんあるかもだけど許してヒヤシンス!


メーリィさんごめんよぉ、前回初めて登場させたのに今回でもう出番おしまいにしちゃって

メーリィ「(´・ω・`)」


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4話「深海棲艦は美味しいらしい」

どうも皆さん!今回サブタイがちょっとあれですがぜひ読んでくださいね。



暁ちゃんとケッコンカッコガチがしたいなぁ…


暁が持っていたものは「斧」だった。しかしその斧は暁の身長よりも長く刃は斧の3分の1を占めていた。それは、まさに狩猟用といった感じだった。

 

暁「…どう?これが私なの。これが《天使の革を被った悪魔》と言われた原因よ。…怖いかしら?そうよね、こn」 「…すげぇ」

 

暁「え?」

 

妖精さん「すごいじゃないか暁!連合艦隊すら倒し切れなかったメーリィをあんなに簡単に倒しちまうなんてよ!」

 

暁「…怖く…ないの…?」

 

妖精さん「怖いも何もあるか!俺は感動してるんだぜ!?まさかお前があんなにつよいとはな」

 

ふーん。この世界に私に感動する人がいるなんてね。…この世界もまだ捨てたもんじゃないわね。

 

妖精さん「まあ、流石に大量の返り血を浴びた状態でそんな静かに話されると怖いけどな。」

 

暁「ふぇ?…あらあらこれはまたもったいないことしちゃったわ。美味しいのに。」

 

妖精さん「は?う、美味い…?」

 

暁「ええ、そうよ。昔、知り合いからそう教えてもらったの。流石に当時は信じられなかったわよ。でも無人島にいたときに、何度か餓死しかけたことがあったの。たまに深海棲艦の死体が流れ着くのだけど思い切って食べてみたら、これまた美味しかったのよね~。丁度いいわ、食料も心もとないしこれ食べちゃいましょう。あ、でも半分は持って帰りましょうか。知り合いに売ったら高くつきそうだし。」

 

妖精さん「マジかぁ…。本当に喰うのかよ。てか持ち帰るとか言ってるがどうやって持ち帰るんだ?袋に入れるとしても袋がないし腐るだろ?」

 

暁「ふふふ、そこは心配無用よ。ちゃんと袋はここにあるわ!流れ着いた新品のゴミ袋、税込み580円の30枚入りがね!それに深海棲艦の死体は少なくとも1ヶ月は腐らないから大丈夫よぉ!。」

 

その、ゴミ袋はなんか誰かが意図的に流した感があるぞ。あ、暁が半分の死体を解体し始めた。え?さっきの斧使うの?武器じゃないのそれ?…何かと使えるんだなその斧。やっぱ、深海棲艦は食いたくねえな。敵だよ?人食だよ?カニバリズムだよ?

 

 

このあと、なんやかんや文句を言っておきながら最終的に暁におされて食べてみたところかなり美味しかったので結局深海棲艦が病みつきになってしまった妖精さんであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖精さん「お!見えてきたぞ!本土だ!」

 

暁「え!本当!?」

 

妖精さん「ああ、ほらあそこに陸地が見える。」

 

暁「やったわ!遂に本土に帰れてたわ!」

 

暁はとても嬉しそうだな。こうして見ると本当に子供だな。…あれからどれくらいたっただろうかもし3ヶ月たっていたら…そんときはそんときだな。それに3ヶ月たっているなら暁にはあのことを頼もう。…待ってろよみんな、もうすぐ助けてやる。暁ならきっとやってくれる。そうしたらお前たちをあの鎮守府から救ってやるからな!




ヲ級のさ艤装のあの触手の部分美味しそうだよね。って書きながら思ってました。
深海棲艦って何のあじがするんだろう?魚かな?





次回、ブラック鎮守府辺です!(予定)


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5話「暁と買い物。」

少し間が空いてしまいました。すいません。

べ、ベベべ、別にサボってたわけじゃねえし?


暁「…っと、やったわ、ついに、ついに本土へ帰れたわー!」

 

暁、すっげー喜んでんな。まあ10年間も無人島にいたとなると、まあそうなるな。(師匠感

 

妖精さん「盛り上がってるところ悪いが、今の日付を確認しに行くぞ。あと、暁の服装は何かと目立ちそうだから代わりの服も探すぞ。」

 

暁「あら、じゃあ私の知り合いのところに行きましょう。どうせ服を探すんなら新調したいわ。彼なら、これを高く買ってくれるはずよ。」

 

妖精さん「それ、うっちまうのか。もうちょっと食いたかったな。」

 

暁「また取りに行けばいいわよ。深海棲艦なんてそこら辺によくいるでしょう?」

 

妖精さん「ああ、そうだな。」

 

暁「妖精さん…ごめんけど今から言う住所まで案内してくれないかしら?10年もいなかったら多分かなり町も変わってるだろうし。幸いにもここから多分近いからそこで日付も聞いてみましょう。ただ今もあったらの話だけどね。」

 

妖精さん「ああ、分かった。」

 

 

 

 

 

 

 

妖精さん「…言われた通りの住所に行ったがここで合ってるのか?」

 

俺の前にあるのは、いかにも怪しそうな店だった。しかも路地裏だし。

 

暁「ええ、そうよ。良かったまだあったのね。さあ入りましょう。」カラーンカラーン

 

「らっしゃい!おや?もしかして暁か?」

 

暁「久しぶりね、杉田さん。」

 

杉田「おお、本当に久しぶりだなぁ!10年ぶりか?一体何してたんだ?」

 

暁「ちょっと、漂流してたのよ。あとこれ、高く買ってくれない?」ドサツ!

 

杉田「おお!これは深海棲艦か?いいぞ!丁度ほしいと思っていたところだ!そうだなーこれなら10万といったところだな!いやー、将来暁が深海棲艦を持ってくると思って5年前に新品のゴミ袋、税込み580円の30枚入りを海に投げておいて良かった!」

 

完全に俺置いてけぼりだな。てかっ深海棲艦結構高いな!しかもあのゴミ袋お前のかよ!なんだ!お前には未来予知かなんかあんのかよ!?それより…

 

妖精さん「暁と杉田さんはどういう関係だ?艦娘と人間が知り合いとかあんま聞かないぞ?」

 

杉田「僕のことは杉田でいいよ。」

 

暁「杉田さんは私を改造した研究員の最高責任者よ。私ができたあとしばらくして辞めて、私達姉妹の面倒を見てくれたの。」

 

妖精さん「ほお、そうなのか…。そうだ!杉田、今の日付を教えてくれないか?」

 

杉田「ん?今日は2XXX年の7月23日だけど?」

 

妖精さん「そうか。」

 

良かった俺が出撃したのが6月だからまた鎮守府に入れるな。しかし暁と別れることになるな。まあ少しの間だったが、楽しかったな。

 

妖精さん「暁、金が手に入ったから服を買いに行こうか。」

暁「そうね、じゃあ杉田さんちょっと行ってくるわね。」

 

杉田「ん。行ってらっしゃい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖精さん「ここだな。」暁の頭の上にライド中

 

暁「このビルが服屋?高いわねー。」

 

妖精さん「詳しく言うと、このビルの一部に服屋があるっていう感じだがな。」

 

暁「ふーん。ま、いいわ行きましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暁「かなりあるのね。あ、これ試着してみましょうか。」スタスタ

 

妖精さん「ちょ、ちょっと待て!そのまま試着室に入るつもりか!?」

 

暁「そうだけど?」

 

妖精さん「そうだけど?じゃねえよ!降りる、降りるから!」

 

暁「あら、まさか恥ずかしがってるの?大丈夫よ。私は恥ずかしくないわ。見られても何か減るものがあるわけでもないし。」

 

妖精さん「俺の理性が減る!SAN値も減る!だから、降ろしてー!」ギャアアアア

 

結局そのまま試着室入った。

 

暁「ふふーん♪」ヌギヌギ

 

妖精さん「オウフ」

 

 

 

暁「よし、どうかしら?」

 

妖精さん「」顔真っ赤+白目

 

暁「妖精さん?」

 

妖精さん「…ハッ!な、なんだ暁!?」

 

暁「これ、どうかしらって?」白ワンピース

 

妖精さん「ふむ、個人的にはかなり好みだがこれ外だと結構目立つな。暁は、もとがかなり可愛いからな。」

 

暁「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃないの。でも目立つのは、嫌だし…じゃあもっと地味なの探しましょうか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アリガトウゴザイヤシター」

 

暁「これなら目立たないわね。」E:紫色のパーカにジーパン

 

妖精さん「そうだな。」暁のパーカーの中

 

暁「じゃあ妖精さんの鎮守府に行ってみましょうか。」

 

妖精さん「あ、ああそうだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次はー○○鎮守府前ー、○○鎮守府前ー。」

 

妖精さん「ここだ。」

 

暁「わかったわ。」

 

 

 

暁「よいしょ、と。」

 

妖精さん「ここまで、ありがとうな?暁。」

 

暁「妖精さんこそ本土まで私を案内してくれて感謝するわ。」

 

妖精さん「ああ、それじゃまたな。」

 

暁「ええ、またいつかきっと会いましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

妖精さん「…暁はいったな。よし鎮守府へ入るか。おーい!職員さーん!」

 

職員「ん?な、あなたは、赤城航空部隊の戦闘機部隊の1番機の養成さんじゃないですか!?」

 

妖精さん「ああ、だから鎮守府に入れてくれないか?」

職員「すいませんが、それはできません。」

 

妖精さん「は?なんでだ?まだ1ヶ月しかたってないだろ?」

 

職員「実は、ですね…あなたが行方不明になってすぐに提督が改正して、戻れる期限が3週間になったんです。」

 

妖精さん「な、なに!?じゃあもう俺は…?」

 

職員「もうあなたはいなくなっていることになっています。つまり部外者、ということです。申し訳ありませんが、こうなった以上鎮守府は関係者以外立入禁止ですのでお引き取り下さい。」

 

妖精さん「そんな…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暁「…でね。妖精さんが…。」

 

杉田「ほう、あの妖精はとても面白かったね。」

 

暁「ええ、また妖精さんに会いたいわ。」カランカラーン

 

杉田「おや、こんな夜中にいらっしゃ…って君は。」

 

暁「妖精さん?一体どうしたの?鎮守府に帰れたんじゃないの?」

 

妖精さん「…すまねえ、暁。実は、頼みというか助けてほしいんだ。」




妖精さん、いまスグ変わりなさい。

次回からブラック鎮守府辺です。(多分


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2章 妖精さんとこのブラック鎮守府
6話「妖精さんの鎮守府事情」


米?梅干し?いやちょと何言ってるからわからないですね


暁「どうしたのこんな夜中に?助けてほしいって鎮守府に帰れたんじゃないの? 」

 

妖精さん「本来ならな。撃墜されても3ヶ月以内に戻って来た場合は鎮守府に戻れるはずなんだが、あのクソ提督が、俺が撃墜されてからすぐに変えやがった。」

 

暁「なんで3ヶ月なの?」

 

妖精さん「俺達妖精は艦娘のもとを離れて3ヶ月経つと消滅する。」

 

暁「え?それじゃあ私のそばにいても消滅しちゃうんじゃ?」

 

妖精さん「離れるったってよほど遠くじゃない限り大丈夫だ。それに暁はれっきとした艦娘だろ?」

 

暁「初代だけどね。それで?助けてほしいってのは?」

 

妖精さん「俺んとこの鎮守府はな、いわゆるブラック鎮守府と言われるところなんだ。出撃数は大本営からの制限を破っているし。補給も入渠もあまりない。あったとしても空母や戦艦みたいな主力艦だけだ。駆逐艦なんかは捨て艦として使われている。」

 

暁「えーと、悪いんだけど、ニュウキョとホキュウって何かしら?あと捨て艦も。」

 

妖精さん「え?知らないのか?捨て艦はともかく、入渠と補給を知らないとは…。補給ってのは出撃したあとで燃料や弾薬を艦に積むこと。入渠ってのは傷ついた体を治すことだ。…捨て艦っていうのは駆逐艦をおとりにして深海棲艦を倒すことだよ。つまり捨て駒だ。俺は、あいつらを鎮守府から救ってやりたい。」

 

暁「なるほど…妖精さんの頼みっていうんなら断るわけにはいかないわね。いいわよ、妖精さんの頼みごと頼まれてあげるわ!」

 

妖精さん「本当か!?ありがとう!」

 

暁「でも、どうやって救うの?それにどうやって潜入するかもわからないわよ?」

 

妖精さん「俺に考えがある。5日後に月に一度の鎮守府見学会があるんだ。」

 

暁「なるほど、それなら鎮守府に入れるわね。」

 

妖精さん「ああ、鎮守府見学会には何回も参加しているから案内とかは任せとけ!」

 

暁「ええ、任せたわよ。」

 

杉田「あのー、話盛り上がってるところ悪いけどここ店入ってすぐのところなんだよね?だからさ?できれば、店の奥で話してもらいたいんだけど。」

 

「「あ、はい。ごめんなさい」」

 

 

 

 

暁「あと5日…その鎮守府見学会は申込みかなんか必要なのかしら?」

 

妖精さん「いや。とくに必要はないぜ。当日に行って料金を払えば行けるぜ。」

 

暁「そういうところでも、しっかり金を取るのね。」

 

妖精さん「まあ今回はそれでなんとかなりそうで良かったってことで。」

 

暁「そうね。明日から、妖精さんとこの鎮守府について調べてみましょうか。」

 

杉田「暁ー!風呂入ったよー!入っておいでー!」

 

暁「はーい!」

 

妖精さん「ん、風呂か。入ってこいよ。」

 

暁「あら?どうせなら妖精さんも一緒に入る?」ニヤリ

 

妖精さん「!?ななな、何を言ってるんだ!?」

 

暁「いいじゃないの。別に減るものは何もないわよ。」

 

妖精さん「俺の理性が減る!SAN値も減る!てか前にもこんな会話あったよな!?」

 

暁「さあ行きましょうか。妖精さん♪」ニコツ

 

妖精さん「いやーーーーーーー!」

 

結局一緒に風呂に入った妖精さんだった。彼いわく、桃源郷はここにあったのか…だそうだ。




妖精さんは、俺!
妖精さんは、俺!
妖精さんは、俺!


はい、脳内妄想余裕でしたー!(´^ω^`)


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7話「鎮守府潜入」

通算UAが3200を超えとる…やったぜ!

まさか初投稿作品がこんなに読んでもらえるなんて…!

本当にありがとうございます!


 暁「着いたわね。ここが○○鎮守府…。戦績が非常に多く轟沈数も0であることからここの提督はまさに神である…と。5日かけてこれしかわからないなんて、怪しすぎないかしら?」

 

 妖精さん「ああ、まず轟沈数0っていうのが嘘っぱちだ。捨て艦に使っている駆逐艦は大本営に報告してない艦を使っているんだろう。」

 

 暁「まあ、そうでしょうね。」

 

 「次の方どうぞー。」

 

 暁「あ、はーい。」

 

 「何名様での見学でしょうか?」

 

 暁「私、一人です。」

 

 「それでは、こちらにお名前と年齢をお書きください。」

 

 妖精さん「おい、暁。偽名はちゃんと考えてきたのか?ばれたら、結構おおさわぎになるぞ

 

 暁「ええ大丈夫よ。ちゃんと考えてきたから

 

「はい、それでは月明 夏目(つきあか なつめ)様、15歳ですね?それでは、学生割引になりますので1500円となります。」

 

 暁「はい。」

 

 「丁度のお預かりとなります。それでは、鎮守府内をお楽しみくださいませ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 提督「本日、○○鎮守府を案内させていただく、提督です!本日はこの鎮守府見学会に参加していただき誠にありがとうございます!」

 

 暁「へえ、提督が直々に案内するのね。」

 

 妖精さん「少しでも良いイメージを持ってもらわないといけないからな。」

 

 提督「まずは、この鎮守府の設備をご紹介させていただきます。あの赤レンガの建物が等間隔で並んでいるあの建物が艦娘たちの寮舎となっております。あちらの建物が……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 提督「それでは、皆様今から艦娘たちによる演習を見学してもらいます。日々活躍している艦娘がどのような訓練を受けているのか…こちらの演習をみてご理解していただこうと思います。それでは、演習始め!」

 

 「艦載機のみんな!お仕事お仕事!」

 

 「第二次攻撃の要を認めます」

 

 「鎧袖一触よ」

 

 「艦隊この長門につづけ!」

 

-----------------------------------

 暁「」ジー

 

 妖精さん「?暁?やけに真剣に見てるな。とくに空母が艦載機を発艦させてるときや着艦させてるときなんかくそ真面目にみてんぞ?」

 

 暁「ふぇ?ええ、ああ、ちょっとね。試してみたいな、と。」

 

 妖精さん「試してみたい?…それよりも、もうすぐ自由行動だ時間は1時間程…なんとか証拠を見つけるぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 提督「それでは、皆様今から約1時間ほど自由時間といたします。それぞれ1人艦娘が付きますので質問がある場合は艦娘に質問してください。」

 

 暁「さて、だれが来るのかしら?」

 

 時雨「こんにちは。ぼくは時雨、いまからあなたと一緒に行動させてもらうね。よろしく。」

 

 暁「ええ、こちらこそよろしく。早速だけど私ちょっとお花を摘みたいのだけど…」

 

 時雨「分かった。案内するねついてきて。」

 

あの子…時雨っていう子かなり疲れているように感じたわね。はたから、みてると普通だけど声のトーンが少し重いように聞こえたわ。やっぱりここ何かあるわね。

 

 

 

 

 

 

 

 時雨「ここだよ。」

 

 暁「ありがとう。」

 

 時雨「ぼくは、ここで待ってるから。」

 

 暁「分かったわ。」

 

 

 

 

 

 暁「さて、とりあえず侵入できたわね。」

 

 妖精さん「ああ、そうだな。ここから提督室まではすこし長いが何とかなるだろう。ここからは俺が案内する。時雨にはわるいがすこしきz…」ガチャ

 

 時雨「君たち、やっぱりそういう目的だったんだね。」

 

 妖精さん「な、!?」

 

 時雨「なんでわかったんだ、って顔してるね。理由は月明さんだっけ?きみ、遠くから見てたけど提督の説明を聞かずにずっときょろきょろしてたよね。まるで、この鎮守府の構造を調べようとするみたいに。」

 

 暁「へえ?おみごと。あなたよく見てるわねえ。」

 

 時雨「…認めたね。君たちはった今から危険人物だ。おとなしく投降してもらうよ。下手に抵抗はしない方がいいよ。ぼくは今艤装をしている。たとえ、一般人でも危険人物相手なら容赦しないよ…!」ギャキツ!

 

 暁「…」

 




さあ!次回暁はどうするのか!暁たちの運命はいかに!なぜ、作者は暁のトイレシーンを書かなっかたのか?なぜ、中途半端なところで終わらせてしまったのか?






すいません…暇だったのと深夜テンションで書きました。だから結構誤字脱字が多いかも


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8話「ココロ壊し」

やばい、もともと数話でブラック鎮守府辺終わらせようとしてたけど応援コメもらっちゃった。
だから頑張って続けます



最初に謝って置きますね…時雨ファンの皆様ごめんなさいっ!m(_ _;)m


時雨「さあ床にてをつくんだ。」

 

暁「トイレの床に手をつかせるなんてレディーにやらせることじゃ無いわよ?」

 

時雨「あいにく、危険人物にはレディーなんていないと思っているんでね。」

 

暁「あらそう、ところであなたに聞きたいことがあるのだけど。」

 

時雨「ふん、危険人物なんかのことなんてk「あなたここにいて辛くないの?」」

 

時雨「…そりゃ辛いさ。1日に何回も出撃させられるし、そのくせ補給なんて滅多にない。僕はまだ使えるからだろうけど、他のみんなは…妹たちも…。」

 

暁「ふーん。じゃあ言えばいいじゃない私にはこんなこと出来ませんって、。」

 

時雨「できるもんかい…そんなこと…もしも逆らったら…。」

 

暁「へー。あなたそんなこともでk「お前に何がわかるんだよ!」…」

 

時雨「ぼくは、何日も我慢してきたんだ!無茶な指示をされても!仲間を見捨てろって言われても!それなのに…それなのに…なんなんだお前は!?ぼくのことを否定しているのか!?1回見ただけで、話してみただけで、ぼくのことg「分かったわよ。」!?」

 

暁「分かったわよ。…あなたが自分の身を守るために仲間を見捨てるクズってね。」ギロッ

 

時雨「んな!?」

 

なんだこれ!?体が…動かない!?それにその目はまるで深海棲艦じゃないか! !?やめっ!やめろ!なんだ!何かがぼくに入っていく!?やめろよ!何をするんだ!?ア…ア…アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

 

時雨「ア…アガ…ウガ…オ…エア…あっ」プツッ…ドサッ

 

暁「これでよしと…。」

 

妖精さん「なあ、暁?お前さっき何したんだ?お前が睨んですぐに時雨が倒れたんだが?」

 

暁「ちょっと心をね、ああいう奴の心はとても脆いのよ。だからちょっと突けばすぐに壊れるわ。だから、私はその心をちょっとつついただけよ。」

 

妖精さん「うはっまじかよ…めっちゃ怖いやん。」

 

暁「昔、妹と喧嘩してたときにこれ使って心壊したときは大変だったわ…。直るのに1週間かかったわ…。」

 

妖精さん「oh…。因みに時雨は直るのにどれぐらいかかるんだ?」

 

暁「そうね…ちょっと派手に壊しちゃったから早くて3ヶ月、長くて1年以上かしら?」

 

妖精さん「まじかよ…。俺心は強く持っとくわ。じゃないと暁に壊されそうだからな…。」

 

暁「心を壊すのは楽しいけど、流石に妖精さんにはしないわよ。」

 

妖精さん「えっ今なんて…?」

 

暁「さあ行きましょうか。妖精さん、案内お願いするわね?」

 

妖精さん「お、おう」

 

暁だけは絶対に敵に回したくないと思った妖精さんであった。




暁ちゃんの怖いところが見えましたね…

改めて、時雨ファンの皆様っ!本当に申し訳ありません!時雨をこんなにしてしまって申し訳ありません!これも暁ちゃんのためなんです!


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9話「証拠探し」

アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!

気づいたら2週間以上空いてたーー!

ごめんなさい!サボったました。完全にサボってました!







と思ったら、あんまり空いてなかった。


妖精さん「ここだ。」

 

暁「ここが提督室ね。確かに、ここだけ他の部屋よりもドアが豪華ね。」

 

妖精さん「そういや、時雨のことはさっさと気絶させればよかったんじゃないか?わざわざ言葉で脅すんじゃなくてよお。」

 

暁「ん?ああ、これのためよ。」ゴソ カチッ

 

『辛いさ。1日に何回も出撃させられるし、そのくせ補給なんて滅多にない。僕はまだ使えるからだろうけど、他のみんなは…妹たちも…。』

 

『ぼくは、何日も我慢してきたんだ!無茶な指示をされても!仲間を見捨てろって言われても!』

 

妖精さん「なるほど、ボイスレコーダーか。確かにこれなら決定的な証拠になるな。」

 

暁「ええ、これで1つ目の証拠は手に入れたわ。さて、それではお邪魔させてもらうわよ~。」ガチャリ

 

 

 

 

 

 

暁「いやー、それにしてもボロボロ出てくるわね。不祥事ばっかりじゃない。ええと?大本営からの支援金?妖精さん、これはどうなの?」

 

妖精さん「流石にいくら戦果が良くてもこんなには、貰われねよ…。多分大本営に仲間というかこの部署に知り合いか誰かいるんだろう。」

 

暁「ふーん、でもなんでこんなわかりやすくおいてるのかしら?偽造すればいいのに。」

 

妖精さん「秘書艦はいるが基本的に提督の近くまでは行けないんだ。提督の許可なしではな。」

 

暁「なにそれ。かなりおかしいルールがあるのね。」

 

妖精さん「そうだな。こういう不祥事を隠すためだ。まあ紙だからな捨てればいいだけだ。…よく見たらそれが届いたのは昨日らしいな。日付が書いてある。」

 

暁「あら。通りでここにまだあるわけね。よし、PCの方もあさりましょう。」

 

 

 

 

暁「え!いつの間にWindows10が来てるの!?私が使ってたときは1ケタだったのに!」

 

妖精さん「そうだぜ。でもそこそこ前だった気がするがな。因みにスクショがかなりしやすくなってるぜ。」

 

暁「うわ!すごい!あの連打時刻が嘘みたい!…おふざけはここまでにして探しましょうか。」

 

妖精さん「そうだな…。」

 

暁「流石に、PCの方は消してるみたいねえ。でも、暁様にかかればこんなもん3ヶ月ほど前ぐらいまでなら…はい来たー。めっちゃ出てきたわねー。出撃の結果に、ネットギャンブルの履歴、あらー、結構勝ってるのね、100万ぐらい儲かってるじゃない。」

 

妖精さん「出撃に関しては…んな!?毎回誰かが轟沈してやがるじゃねえか!?」

 

暁「そうね。見た感じ、この3ヶ月で150隻も沈んでるわね。」

 

妖精さん「クソッ!まさか毎日誰かが沈んでるなんてっ!」

 

暁「さらにその8割は駆逐ときたもんね。うわー結構ひどいわね。」

 

妖精さん「今からでもあのクソ提督を殺してやりたいぐらいだ!」

 

暁「こらこら、抑えて抑えて、今からこのデータを全部USBにうつすから。」

 

 

 

 

 

 

 

暁「よしっ。これでコピー完了ね。さてと今から戻りたいわけど。」

 

妖精さん「時雨がああなっちまったからな。早くこの鎮守府から脱出したほうがいいだろう。」

 

暁「できるの?見た感じここの鎮守府そこそこセキュリティ厳しかったわよ?」

 

妖精さん「フッ。俺を誰だと思ってんだ?もともとここの鎮守府に所属してた妖精さんだぞ?セキュリティがない場所を知らないわけがないじゃないか。」

 

暁「そうね。じゃあ妖精さん、案内お願いするわね。」

 

妖精さん「おう!任せときな!」




この章が終わったら番外編でも書こうかな


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10話「工廠」

サボってしまったので、お詫びとして早めに出しました。


暁「妖精さん、どこに行くの?。」

 

妖精さん「工廠だ。あそこにはカメラ類がないからな。提督のやろう、自分のことしか守る気ねえからな。工廠とかの施設には整備すらなしと来たもんだ。だが、今回はそこが裏目に出ることになる。」

 

暁「そうなの。」

 

妖精さん「ああ、工廠裏の金網の部分は錆びれまくって大人一人分楽に入れる穴が空いてるんだ。…しかしどうやって外に出ようか。ここから工廠に行くにはどうしても出入り口を通らなきゃ行けないし。裏はすぐそこが山だから道も狭いし工廠まで人目がつかないんだが…。」

 

暁「あら、それじゃあ最初っから裏に行けばいいじゃない。」

 

妖精さん「つったってここは3階だぞ?窓から飛び降りるわけにも行かねえし…まさか…。」

 

暁「ええ、そのまさかよ。窓から飛び降りるわよ。」

 

妖精さん「やっぱりそうかよ!おい!やめろ!死ぬ!死ぬから!」

 

暁「だーいじょうぶよ。死にはしないわよ。」

 

妖精さん「いや!俺が死ぬ!死ぬから!「行くわよー!それっ。」あああああああ!!!」

 

 

 

 

暁「っと。」ストン

 

妖精さん「はあ、はあ、死ぬかと、死ぬかと思った。」

 

暁「ね?大丈夫だったでしょ?」

 

妖精さん「ね?じゃねえよ。こちとら死ぬかと思ったわい。まあ、今考えればお前かんむすだったわ。」

 

暁「ええ、しかも初代だから頑丈さはピカイチよ。」

 

妖精さん「はあ。まあこれで工廠まで近道で行けるな。」

 

暁「ええ、行きましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

妖精さん「…ここが工廠だ。」

 

暁「ほえー。結構大きいのねぇ。」

 

妖精さん「まあ、艦娘を造ったり、艤装や、俺達が乗る艦載機なんかもここで作ってるからな。」

 

暁「なるほど。じゃあこの中に入るの?」

 

妖精さん「ああ、そうだな。工廠を抜けるのが一番はやいからな。」

 

 

 

 

ガシャーン! ガシャーン!

暁「…めっちゃうるさい。」

 

妖精さん「そりゃ工廠だからな。むしろ俺はこういう、うるささが好きだぞ。」

 

暁「ええ…。…?これは何?」

 

妖精さん「それは、飛行機の設計図だな。これは零戦の52型だな。」

 

暁「ねえ、妖精さん?これ全部持っていっちゃいましょうか?」

 

妖精さん「はあ!?おま、それは、だめだろう!?」

 

暁「いいじゃない、どうせ悪事バラしたらここの鎮守府は無くなるんだから。」

 

妖精さん「いや、そうだけどさ。流石に盗むのはなー「そこにいるのは誰ですか?」!?」

 

「あなたは…まさか…!?隊長!?」

 

妖精さん「お前!?2番機のやつか!?」

 

2番機の妖精さん「隊長!なんでここにいるんですか!?それにそちらの方は…?」

 

妖精さん「こいつは、暁だ!俺を助けてくれた命の恩人だ!」

 

暁「よろしく♪」

 

妖精さん「で、 なぜ俺がここにいるか…だが…、俺はお前たちを助けに来たんだ。」

 

2番機の妖精さん「助けに来た?」

 

妖精さん「ああ、暁に手伝ってもらってな、あとは、証拠を大本営に提出するだけだ。そのために工廠裏から抜け出す。」

 

2番機の妖精さん「隊長…!ほ、本当ですか!?やっと、やっと俺達は解放されるんですね!?」

 

妖精さん「ああ!」

 

暁「ねえ、2番機さん?ちょっと相談があるのだけど」

 

2番機の妖精さん「?なんですか?」

 

暁「ここにある飛行機の設計図を全部もらいたいんだけど?」

 

妖精さん「おい、暁。それは、無理だと言ったろ。」

 

2番機の妖精さん「別にいいですよ。」

 

妖精さん「は?なぜ?」

 

2番機の妖精さん「少し前から作り方が変わったんですよ。今までは、工作艦が設計図を使ってましたが最近その艤装に関する艦娘が作ってみたところ実際にその艤装が作れた、というき事例が報告されたんです。失敗することもありますが、こっちのほうが効率がいいので。そちらの設計図は近々、廃棄する予定だったんです。」

 

妖精さん「そ、そうなのか。まあだったらもらって行こうか。」

 

暁「やった♪」

 

2番機の妖精さん「それでは、隊長。あとは頼みますよ!」

 

妖精さん「ああ!任せとけ!」

 

2番機の妖精さん「ご武運を祈り

 




あと、もう少しでこの章終わるから、終わったら番外編をかく予定です


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11話「駆逐艦って何だっけ?」

空いた時間に書こうとしてるから今後は少し更新速度上がるかな?


ガサゴソ ガサゴソ

 

妖精さん「よし、鎮守府の外に出たぞ。」

 

暁 「…山ね。」

 

妖精さん「まあ、ここの鎮守府は山の一部を削って作ったからな。とりあえず、道に出るまで移動しよう。」

 

暁「分かったわ。」

 

 

 

 

 

 

 

妖精さん「ここならある程度鎮守府から遠ざかってるな。…さて、鎮守府から出られたもののどうやってこれらを大本営まで送ろうか?」

 

暁「それのことなんだけどね。妖精さん、ちょっと見てて。」

 

妖精さん「ん?なんだ?」

 

俺が暁の方を見ると、暁が両手をちょっとした空間を開けながら体の真ん中に持っていき何かを念じていた。

 

暁「………えい!」ボン!

 

暁の手から煙を出して出てきたのは…零戦五二型だった。…は?どっから出てきた?なんで、暁の手から出てきた?

 

妖精さん「…どうなってんだこれ?」

 

暁「どうって、錬金したのよ、錬金。」

 

妖精さん「は!?錬金!?どうやって!?」

 

暁「そりゃ、そこら辺の空気とかー土とかーを混ぜて。ちゃんと強度もあるわよ。今回は妖精さんが操縦できるようにしてたから、ちょっと時間がかかったけど、私が自分で操作するぶんなら…それっ」パチンッ!

 

暁が指を鳴らすと、そこから魔法陣みたいなのが出てきた。…ついでに滑走路的なのも生えてきたし…。するとすぐに、エンジン音が聞こえてきて、魔法陣から飛び出しちょっとだけ生えた滑走路から飛び出したのは、さっき暁が出した零戦五二型だった。…しかも1中隊ぶん…。あれ?駆逐艦って何だっけ?

 

暁「自分の意志で消すことも出来るわよー。」

 

もういちど、暁が指を鳴らすと1中隊分の零戦は煙を出して消えた。…あっれー?、俺が知ってる駆逐艦と違うぞー?駆逐艦は、飛行機なんか錬金できないし、飛行機も飛ばせないはずだぞー?もはや空母じゃん、駆逐艦じゃないよ。

 

妖精さん「お前が空母を見てたのはこれか…。お前って何でもありだな…。」

 

暁「ええそうよ。だって私は、初代艦娘暁型駆逐艦一番艦暁、ですもの。」

 

妖精さん「…デスヨネー。…まあこれで俺は大本営まで行けるがお前どうすんだ?こんな、俺が乗るようなちっちゃいものだったらUSBがやっとだぜ?」

 

暁「あら?誰が、妖精さんだけに運ばせるって言ったかしら?」

 

妖精さん「は?まさかお前も飛んでいくとか言うよn「飛ぶわよ」…は?」

 

暁「だから私も飛ぶわよ。だから書類は私が持っていくわよ。」

 

妖精さん「はあ、お前は何でもありだったな。もう俺は考えるのを止めるよ。」

 

暁「何かしらないけど、考えるのが辛いのなら確かにやめといたほうがいいわね。」

 

妖精さん「…誰のせいだと思ってんだ。

 

暁「ん?何か言ったかしら?」

 

妖精さん「…いや、何でもない。さっさと行こうぜ、てかお前どうやって飛ぶんだ?」

 

暁「フフフ、こうするのよ…。」




暁ちゃんは無双しちゃうからねしょうがないよね。

多分次回でブラ鎮辺終わります


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12話「幸せの裏の不吉な予感」

前書きと後書きにi書くネタがない!

サブタイがなかなか思いつかない!

やっぱり更新速度は遅いまま!


暁「それはね、こうするのよ…。」

 

暁が目を閉じた。しばらくすると背中が光り始めた。そして…翼が生えた。ほら、よく言う悪魔の翼が。…暁って小悪魔系なのか。…小悪魔系もありやな。って…

 

妖精さん「ちゃう!そこやない!なんや暁!?その羽は!?」

 

暁「え?いや飛ぶから出したに決まってるでしょ?」

 

妖精さん「いや、そうだけどさ!こう、なんか、艦娘として!」

 

暁「いつから私が妖精さんの思っている艦娘だと思っていた?」

 

妖精さん「なん…だと…!?」

 

暁「さて、茶番はこれくらいにして、さあいざ大空へー!」タタタッ

 

妖精さん「ちょ!待てって!」プルルルル!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…飛んでるんだが、暁がめっちゃ普通に飛んでんだが。てか速い、下手したら零戦より速い。

 

暁「これ、大本営に届けるんでしょ?」

 

妖精さん「…そうだが?」

 

暁「その大本営ってどこにあるのかしら?」

 

妖精さん「…案内してやるから、俺の後ろについとけ。」

 

暁「あら、ありがと♪」

 

めっちゃ疲れるわこれ。え?どうやって話てるのかだって?無線です。暁に無線持たせました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖精さん「暁、下を見てみろ。あれが、大本営だ。」

 

暁「あれが…。ふむふむ、なかなかに大きいわね。でも、私達がいた研究所よりは小さいわ。」

 

お前のところの、研究所はどんだけ大きかったとですか?

 

妖精さん「大本営から少し離れたところに降りよう。下手に近づくと撃墜される。」

 

暁「分かったわ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暁「よいしょっと」スタッ!

 

妖精さん「着陸完了っと」プルルルルル

 

 

 

 

妖精さん「よし、行こうか。」

 

暁「ねえ、妖精さん。ここはどこなの?」

 

妖精さん「横須賀だ。今じゃここは世界一の軍港になっている。」

 

暁「世界一…確かに上から見た感じたくさんのドッグがあったわね。」

 

妖精さん「地上だけじゃなく、地下には潜水艦専用のドッグもあるぞ。」

 

暁「ほへー。」

 

 

 

 

 

 

 

妖精さん「あそこが大本営の入り口だ。さて、どう渡せばいいものか。普通に渡せば怪しまれるぞ。」

 

暁「大丈夫よ。私にいい考えがあるわ。」

 

 

 

 

 

 

暁「ねえねえ、お兄さん!」

 

職員「ん?どうしたんだいお嬢ちゃん?」

 

暁「さっきねこんなの拾ったの。」

 

職員「これはなんだい?」

 

暁「あのね、鎮守府っていう文字があったからここの人の落とし物かなって。」

 

職員「そうかい。ありがとうお嬢ちゃん。」

 

暁「うん。じゃあね、ばいばい。」

 

 

 

 

 

 

 

暁「あれで、オッケーね。」

 

妖精さん「ああ、これで大丈夫なはずだ。やっと、やっとだ。」

 

暁「おめでとう。妖精さん。」

 

妖精さん「ああ、さあ帰ろうか。あとは、大本営の人がなんとかしてくれる。」

 

暁「ええからでもどうせなら少しここを観光してからでもいいんじゃないかしら?」

 

妖精さん「…それもそうか、よし観光しに行くか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次のニュースです。○○鎮守府の提督が賄賂など複数の容疑で逮捕されました。容疑者は大本営からの支援金の横領や、報告書の偽造などもしていたそうです。近くこの鎮守府には新しい提督を着任させるとのことです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「次のニュースです。最近の深海棲艦の活動が活発化しているとのことです。中には、深海棲艦が無人島に上陸していたとの目撃情報もあり、これに対し大本営からは『深海棲艦の活発化の原因についての調査、及び対策を考える』とのことです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヲ…ヲヲ…」




終わったー!ブラック鎮守府終わったー!

番外編書くぞー!

響だー!

雷電だー!

やっぱりキャラは違うぞー!


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番外編1

今回は番外編です。時系列としては3話から12話になります。
基本的に番外編はその章のまとめとして、響視点からとなります。
あと今回は、暁の秘密について軽く触れています。

注意!最初に響がメタ発言します。


響「ふう…やっと終わった。…もうお姉ちゃんがいなくなって何年立ったんだろう。」

 

やあ皆響だよ。え?なんかキャラが少し違うのかだって?そうだね、作者がそういう設定にしてるからね。え?メタイだって?いいじゃないか、どうせこれは、番外編なのだから。さて、ここまで見てくれている君なら、私の説明はいらないね。まあいるとしたら…。

 

電「10年ですよ、響。」

 

電、姉妹の中で末っ子だ。みんな、電のことをやら天使だやれ可愛いだ、優しいだ言っているがここのはかなり違うぞ。

 

響「電、何回も言っただろ。ドアは、ノックしてからはいってくれ。」

 

電「ですってよ、雷。」

 

雷「いや、貴女に言ってるのよ。」

 

雷、私の一個下の妹だ。こっちもやれ、バブみを感じるだ、ママだ面倒みがいいと言っているがやはり違うぞ。

 

響「で?成果は?」

 

電「全く持って、メーリィは見つかりません。痕跡もないですし全く困ったものですよ。」

 

雷「だからってイライラして敵艦隊3つ潰すのはどうかと思うわよ。」

 

響「…だからそんなにボロボロなのかい?」

 

電「いや、雷が全く支援してくれなかったからです。」

 

雷「イライラして敵陣に突っ込むバカの支援なんて見るわけ無いでしょ。そもそも私は、人の面倒なんて見ないわ。」

 

響「…書類整理の手d「さっき面倒見ないって言ったわよね。」…チッ。」

 

雷「はあ…昔から言ってるでしょうが。」

 

この通りだ。私の妹たちは血の気が多くて困る。雷も艦隊は5つなら楽々潰せるからね。…お姉ちゃんはよくこの暴れん坊を制御できるなあ。

 

響「まあいい、電は入渠して来い。雷も休んどいていいよ。」

 

雷電「「『分か』ったわ」りました」

 

 

 

 

 

ガチャ

 

大淀「響さんもうそろそろ…。」

 

響「分かった、今行く。」

 

今から会議がある。…とは言ってもただ私に文句を言いに来るだけなんだけどね。はあ、全く疲れるよ。

 

 

 

 

 

 

「駆逐艦暁の死体はまだ見つからないのか!」

 

響「はい。今も捜索中です。」

 

「もしアレの死体があの国に流れ着きそこで研究され量産されたとき、我が国の軍事的優位は簡単に崩れてしまうんだぞ!」

 

響「はい、それはもう十分に承知しております。」

 

「あの、突然異変種には様々な改造を施しているのだぞ!艤装展開無しでの水上歩行、駆逐艦以外の艦種の魂の合成、中でもあいつは戦艦大和の魂まで合成しているんだ!空母は合成したまま学習をさせてないからあいつが学習しない限り艦載機の運用ができないからまだよかったが…。」

 

「それに、暁には様々な鳥の遺伝子を組み込んだせいで羽が小さくともかなりの速さで飛ぶこともできるのじゃぞ!」

 

「言ってしまうと、暁はその存在が軍事機密なんだぞ!まあ、暁が消息不明になったあと存在を無くしたから、そう簡単にはバレないだろうが、それでもだ!早く駆逐艦暁の回収を急ぎたまえ!」

 

響「…はい、分かりました。」

 

 

 

 

 

 

 

響「…っはあ!疲れた…。」

 

電「お疲れ様ですよ、響。」

 

雷「まあ、あっちの言い分も分からないことはないけどね。」

 

響「ああ、暁には私たち以外にはほとんど知られていない改造がしているからね。」

 

電「あれですか、超やm「響さん!」…ん?」

 

響「どうしたんだい大淀?」

 

大淀「メーリィが…メーリィが出現しました!」

 

響「なっ!」

 

雷「響、急ぐわよ。」

 

響「あ、ああ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

大本営作戦指令室

 

響「現状は!」

 

大淀「メーリィによる反応が東京湾から太平洋に向かって約480km沖で探知!針路的にこっちにまっすぐ向かっています!」

 

響「近くにいる艦隊に至急打電!今すぐ向かわせるんだ!」

 

大淀「はい、今すぐn『ターゲット撃沈されました。』…!?」

 

響「な、なに!?」

 

大淀「メーリィの撃沈を…確認…。こちらに進んでいた途中で何者かによって撃沈させられたと思われます。」

 

響「1回も針路を変えてない…。まさか、あのメーリィをすれ違い様にでも倒したとでも言うのか!?」

 

大淀「その様なことができる者がいるなんてありえません…!」

 

電「雷…。」

 

雷「ええ…。ねえ、響もしかして…暁姉さんじゃないの?」

 

響「…!?そんな…まさか…!?」

 

雷「ええ、私もそう思いたいわ。でも、あんなことができるのは暁姉さんしか知らないわ。あくまで考察だけど。」

 

そんなまさか!?暁おねえが生きてたの!?いやでももしかしたら他のなにかが撃沈したのかもしれないし…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響「結局、あれから何も起こってない。しいて言うなら最近の深海棲艦の活発化だけ…もしかしたらあのメーリィは深海棲艦によるものかもな。」

 

職員「響殿!おられますか!?」バンッ!

 

響「…いるよ。てか、ちゃんとノックしてくれないかな。」

 

職員「あ、すいません。いや、それよりも!これを見てください!」

 

響「これは…○○鎮守府の書類?…!?こ、これは!?」

 

職員「こちらのUSBも!」

 

響「な!?これは、なんだ!?あの鎮守府あこんなことを…!?今すぐにあそこの提督をここに連れてくるんだ!」

 

職員「は、はい!」

 

 

 

 

 

 

 

提督「失礼します。」ガチャ

 

響「やあ、いらっしゃい。まあ、そこに座ってくれ。」

 

提督「はい。ところで、あのー私が呼ばれた理由は何でしょう?」

 

響「…単刀直入に言わせてもらうね。きみ、不正しているだろ。それもかなりの数を。」

 

提督「…ご冗談を。私は、そんなことしたことありませんし、しませんよ。」

 

響「ほー、しらをきるかい。じゃあこれを見ても冗談と言えるのかい?」パサッ

 

提督「な!これは!なぜ!?」

 

響「その反応…やっぱりやっていたんじゃないか。」

 

提督「あ、いや。そ、そうだこの書類が本物である証拠は!?これはあなた達が私をクビにさせるために偽造したものなのではないですか!?」

 

響「まあ、確かにそれだけでは、明確な証拠にはならないだろう。では、これはどうかな?」カチッ

 

『1日に何回も出撃させられるし、そのくせ補給なんて滅多にない。僕はまだ使えるからだろうけど、他のみんなは…妹たちも…』

 

『ぼくは、何日も我慢してきたんだ!無茶な指示をされても!仲間を見捨てろって言われても!』

 

提督「んな!?これは!そんな!?」

 

響「さて、どうだい。これでもう逃げられないよ。」

 

提督「クソッ!なぜバレた!こんなはずじゃ!こんなはずじゃなかったのに!」

 

響「…君が犯した罪はあまりにも多すぎる。本来なら、辞職程度では済まされないのだが…まあそこまで私も鬼じゃない。辞職で済ませよう。ただし…君の財産を全て没収した状態で、だ。」

 

提督「そんな…!?それは流石にあんまりじゃないか!頼むいくらでも金なら払う!だから没収はやめてくれ頼む…!」

 

響「連れて行け!」

 

ばん!

 

マッチョマンA「おい兄ちゃんちょっとこっち来いよ。」

 

マッチョマンB「お前、なかなかに鍛えてそうじゃねえか。ちょっと俺と遊んでくれよ?」

 

提督「やめてくれ!た、頼む!あああああああああああああああああああ!」バタン!

 

響「…すんだか。さて、私は深海棲艦の活発化について調べるか…お姉ちゃん…お姉ちゃんは生きてるの?それとも…。いや、今考えるのはよそう。はやく調べて解決しなくては。」




次回は次の章の題名とサブタイが思いつかないので遅くなると思います。お話はもう考えているので題名さえ、考えればいけます。


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3章 横奈町襲撃事件
13話「新たな仲間?」


オフッ気づいたら1週間以上経ってるじゃないですか…
待たせたぶんのクオリティが少し心配…


「アリガトウゴザイヤシタ−↑」

 

ミーンミンミンミーン!

ジージージー!

 

店員からそう声をかけられならスーパーから出ると蝉の鳴き声とともに、むわっとした熱気が体全体にかかる。…熱い。そう思いながら暁は買い物袋をもち陽炎が見えるほど暑いのだろうアスファルトを歩く。今は8月である。あの妖精さんのブラック鎮守府を助けてから3ヶ月がたち今ではあそこの鎮守府そこそこの戦果をあげているようだ。

 

暁「やっぱり、夏の昼は素麺に限るわね。」

 

そう言いながら暁が時計を見る…正午を少し過ぎたあたりだろうか。

 

妖精さん「俺は鰻でもいいと思うけどな。」

 

妖精さんがピョコッっと買い物袋から、顔を出す。

 

暁「流石の私でも、それは辛いわ。」

 

妖精さん「ほう?天下の暁様にも勝てないものがお有りのようで?」

 

暁「もう…そんなからかわないで。はあ、なんで横奈はこんなに熱いのよ…。」

 

暁と妖精さんが住んでいるといったら少しおかしいかもしれないが、重要なのはそこじゃない。暁と妖精さんは杉田という、小さめなアクセサリー店の店長のもとに住まわせてもらっている。

 

横奈町は横須賀からあまり遠くない…とはいっても100km程は離れているが…海が近く魚介類がよく取れていたため昔はそこそこな人口がいたらしいが、深海棲艦が現れてから魚介類が取れなくなり今では人口が3分の1に減りさらにその殆どがお年寄りなので、若者はあまりいない。

 

妖精さん「海が近いからな湿度も高いから余計に熱いだろうな。」

 

暁「はあ…。そうだ!たまには海岸を通って帰りましょう!」

 

妖精さん「そうだな。いい気分転換にはなるだろ。」

 

道から少しそれて、『この先海水浴場』と書かれた看板の方へ歩いていく。数分歩くと少し広めの砂浜が現れた。

 

暁「うーん!やっぱり海と潮風は気持ちいいわね!」背伸びー

 

妖精さん「ああ、海はいつ見てもきれいだぜ。」

 

砂浜には誰もいなかった。お年寄りはもともとここには来ないし少ししかいない若者も大部分は都心部へ働きに行っている。残りはどっかでアルバイトをしている。だから夏であろうとも海水浴場にはめったに人は来ないのだ。

 

砂浜は端から端まで500mほどあり幅も20~30mと無駄に広い。ザザーン、ザザーンと静かに音を立てて波が砂浜へと進み、その波に太陽の光が反射してキラキラしている。暁はその音を楽しみながらサクッ、サクッと砂を踏みながら歩いていく。200m程歩いたとき少し遠くに黒いシルエットが見えた。海の色と砂の色しか見えないここの風景にはあまりにも浮いている。

 

暁「?あれは何かしら?」

 

妖精さん「ん?何かあったのか?」

 

暁「ええ。ほらあそこの黒いやつよ。」

 

妖精さん「ん…ああ、あれか。」

 

暁「気になるから見に行きましょう。」

 

暁が小走りでそのシルエットに駆け寄る。すると、妖精さんが何かに気づいたような顔をし少し怪訝な顔になる。

 

ーあれは、まさか!?

 

そうして暁はシルエットの目の前に来た。しかし、そこにあったのは…

 

妖精さん「やっぱりヲ級か!?」

 

暁「ヲ級?」

 

妖精さん「ああ、艦種は空母でさらにそこ能力は正規空母なみで、中には普通できない夜間の航空攻撃をする個体もいるんだ。」

 

スタイリッシュな体に頭にある特徴的な艤装そして左手には杖が握られている。それはまさに正規空母ヲ級だった。しかし、そのヲ級は妖精さんが知っているヲ級とは少し違った。

 

妖精さん「?このヲ級、ヲ級にしては…というか、深海棲艦にしてはが人間っぽいな。」

 

そう、肌が白ではなく肌色なのだ。すると今までジッと見ていた暁がこのヲ級の正体に気づいたと同時にヲ級の方も目を覚ます。

 

ヲ級「ヲ…あ、暁ナのか?」

 

暁「泉じゃない!」

 

妖精さん「は?知り合い?」

 

暁「ええ。とりあえず家まで運ぶわよ!」

 

暁は泉と呼んだヲ級を背負い杉田のところまで運ぶ。普通こういうことをすればすぐに大騒ぎになるが、ここは横奈、あまり人がいないので見つからずに杉田のところまで運ぶことができた。

 

 

 

 

カランカラーン

 

杉田「お、おかえり。暁…ってその子は!」

 

暁「ええ、とりあえずベットまで運ぶわ!」

 

妖精さん「ぬ、ぬおお!?一体どうなってんだあ!?」

 

暁が背負ったヲ級に杉田もすぐに正体に気づいたようで、慌ただしく2階まで走っていく。ただ一人だけ分かってない妖精さんも暁にしがみつき一緒に2階へと走っていく。




もちろんですが横奈町はフィクションですので。



次回はいつになるだろう…


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14話「やっぱロリは最高だぜ」

あああああああああああああああああ
テストがー!
テストがー!

これが遅れた理由です。テストが終わるまで更新できません。すいません。


暁「ふう、これでとりあえず大丈夫ね。」

 

杉田「そうだね。…暁は風呂に入ってきなさい。スケスケだよ?それにベトベトしてるんじゃない?」

 

そういえば、と。今の暁は白ワンピース以外に何も着てない。それで海水に浸かっていた泉を運んで来たのだ。そのおかg…そのせいで濡れてスケスケになりその体の輪郭や胸などいろいろなところが見えそうでこうふn…とても危なっかしい。

 

暁「そうね。せっかく妖精さんが褒めてくれたこの服だもんね。あんまり汚したら失礼ね。じゃ、ちょっとお風呂に行ってくるわ。」ガチャッ

 

杉田「…危ない、息子が元気を通り越すところだった。」

 

 

 

 

 

暁「ふう、ただいま。」

 

そう言いながら入ってきた暁の格好は、黒の半袖Tシャツにジーパンという女性にしてはかなり地味な格好であり、どちらかというと男性がするような格好であった。

 

暁「泉は?」

 

杉田「まだ起きてない。」

 

暁「そう…。」

 

妖精さん「なあ、お二人さん?さっきから二人で話が通じてるようだがそろそろ俺にも話してほしいのだが?」

 

暁「あっそうね。どこから話しましょうか…。」

 

 

暁達が生まれたのは今から30年も前だそうだ。その頃から深海棲艦は出現していたらしい。ただ今と違うところがあるらしく昔のは今よりも強い…メーリィのようなやつしかいなかったらしい。さらにメーリィは暁が戦ってきたものの中でも最弱クラス。つまり、いま俺達が戦っている奴らは暁にとっては雑魚よりも雑魚ということだ。

 

妖精さん「暁が生まれたれた頃から深海棲艦が…。てかメーリィが最弱クラスかよ…。はあ、連合艦隊が全力を出しても倒せなかったやつを簡単に最弱とか言わないでほしいなあ。」

 

暁「だって、事実あいつめっちゃ弱かったもの。妖精さん達が戦っている深海棲艦はかなり弱いのでしょうね。見たことないけどあんな奴すら倒せないもの。妖精さん達が戦っているのがとても弱いことぐらい簡単に予想できるわ。」

 

妖精さん「解せぬ。」

 

暁「話を戻すわね。泉は私と同じ頃に生まれたわ。」

 

妖精さん「『生まれた』?」

暁「ええそう。泉も私と同じように生まれた(作られた)わ。」

 

妖精さん「まじかよ…!?」

 

暁「そうよ。」

 

「ここからは、我が話そう。」

 

暁「あら?泉気付いたの。」

 

泉「ああ、おかげでの。」

 

そこにいたのはヲ級の姿をしたロリだった。完全にロリだった。誰がなんと言おうとロ(ry

声もロリだった。話し方は少し古びた感じだが声がロリなのでめっちゃ可愛い。やばい。これはやばい破壊力がやば(ry

 

泉「我はもともと人間じゃ。確か13〜4のときにこの体になった。増えてくる深海棲艦に対して同じ体をもつものを作ればもっと簡単に撃破できるとでも思ったのだろう。」

 

暁「あー。なるほど。だから。」

 

妖精さん「いや、お前知らなかったのかよ。」

 

暁「ええ、だって私はそんなの気にしなかったもの。」

 

妖精さん「ああ、だろうな…。」

 

泉「お主は変わってないようじゃのう。ちなみに我の姿は見てわかるとおり空母型深海棲艦じゃ。いまではヲ級、と呼ばれておるようじゃが…。」

 

妖精さん「ってことは、艦載機が飛ばせるのか?」

 

泉「ああ、飛ばせるぞ。」

 

暁「ええ!飛ばせたの!?」

 

妖精さん「いや、見たことねえのかよ!てか、泉が飛ばしたところ見たことねえのかよ!?」

 

暁「あいつらが飛ばしたところは見たことないし、泉のやつも見たことないわよ。」

 

泉「まあ、我が飛ばしたのは暁がいないときだけじゃから。まず、暁お主が見たことないのは我が飛ばす前に敵艦隊を撃破したり、艦載機を飛ばす前に空母を叩き潰しておったからじゃ…。」

 

暁「あー、なるほど。そういえばあの二人は?」

 

泉「そういえばそうじゃな。ちょいと携帯をかしてくれんかの?」

 

暁「ええ。」

 

泉「うむ。さて、気づいてくれるといいのじゃが…。お、お主か?そうじゃわれわれ、今の…それで…………うむ…………じゃから………………。………明日にはこちらに来るそうじゃ。」

 

暁「速いわねー。」

 

泉「うむ。そうじゃ杉田よ。ここに地下室はあるかの?」

 

杉田「え、あるけど?」

 

泉「そうか、ならそこを借りるからの。」

 

杉田「分かったよ。…掃除大変だなあ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

 

 

 

「すいませーん!」

 

泉「お、来たようじゃの。」

 

泉が、店のドアを開けるとそこにいたのは…

Tシャツと短パン

2M近い身長のムキムキマッチョマン☆だった。




最後に出てきたマッチョマン、感のいい人なら、すぐにわかったと思います。てか、みんなわかるはず…


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15話「やだ、この子怖い」

作者「テストが大雨やなんやらで流れたし遊ぶか!」






さーせん、さぼってました…。いや別にそんなめっちゃサボタージュしてたんじゃなくてちゃんと設定とか設定とか設定とかを考えてたわけで(ry



 泉「おお、やっときよったか!」

 

 暁「久し振りね、有田さん、栗間さん。」

 

 有田「いやー、泉さんに、暁さんも本当にひさしぶりです。」

 

 栗間「特に暁さんはもうなんねんぶりっすね!」

 

 妖精さん「どっちが、どっちだ?」

 

 暁「ああ、えっと髪が黒い方が有田さんで、茶髪の方が栗間さんよ。」

 

 有田「あなたが、暁さんを助けてくれたのですね。ありがとうございます。気軽に有田、と呼んでください。」

 

 栗間「自分栗間って言います。俺のことも呼び捨てで構わないっす!」

 

 妖精さん「お、おう。有田に栗間だなよろしく。」

 

 泉「さあ、そこで突っ立ってないで我についてこい!仕事じゃ仕事。」

 

有田と栗間は泉についていき杉田が言っていた地下室へと降りて行った。

 

 妖精さん「地下室で何するつもりだ」

 

 暁「さあね。泉から『2~3日は危ないから地下室に来るでないぞ!』とは、言われたけど…。」

 

 杉田「僕、嫌な予感しかしないよ…。」遠い目

 

 暁「奇遇ね。私もよ…。」遠い目

 

 妖精さん「な、何だ?そんなにやばいのか?」

 

 杉田「まあ、ちょっとね…。」ニガワライ

 

 暁「あれらを、ちょっととは言えないけどね…。」溜息

 

 杉田「とりあえず、もうお昼だし昼ごはん食べよっか。」

 

 妖精さん「そ、そうだな。」

 

昼飯はざるそばでした。そばっておいしいよね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3日後

 

 泉「皆の者!ついにできたぞ!」

 

 暁「あら?できたの?」

 

 妖精さん「有田と栗間が死にかけてんだが…?」

 

 有田「」チーン

 

 栗間「」チーン

 

 杉田「おーい。大丈夫?」

 

 泉「そいつらは1,2時間もすれば起きるじゃろうて。まあよい、さあ我についてこい!」

 

皆が泉についていくともともと地下室へ行くための階段がエレベーターになっていた。

 

 杉田「なんか、この時点でおかしいんだけど。階段はどうしたの?」

 

 泉「階段にすると、かなり時間がかかるのでなエレベーターにさせてもらったぞ。」

 

 杉田「そ、そう。」

 

 暁「この時点で嫌な予感がするのは、私だけかしら?」ヒソヒソ

 

 杉田「大丈夫、僕もそんな予感がする。」ヒソヒソ

 

 泉「?そこで何をひそひそと話しておるのじゃ?早く降りるぞ!」

 

泉たちがエレベーターに乗り地下へと降りていくエレベーターは柱以外がガラス張りらしく降り始めてすぐに地下の様子がわかる。そこにはとても大きな『空間』があった。しかしその空間にはおおきなクレーンや何か筒のようなものもあれば大きな箱のようなものあった。極め付きには『水』の音がする。どうやらこの空間の先には水が入ってきているらしく床と水面の境目は何か所か窪んでいるところがあり飛び出したコンクリートの床は桟橋のようになっていた。そう、これは俗にいう『ドック』である。泉たちは地上から何十mも下の空間の底へと着いた。

 

 泉「どうだ!驚いたじゃろ!」

 

 暁「ええ。もはや驚きを超えてるわよ。」溜息

 

 妖精さん「すっげー…!これを3日で…。」

 

 杉田「泉!?元々地下室は倉庫だったし床から天井まで2mしかなかったんだよ!?それにこんな明るくないし!それにここまで海水を引っ張ってきて…!?」

 

 泉「大丈夫じゃ。話なら3日前に役場に話しとるわい。ちゃんと許可をもらったうえでの改装じゃ。」

 

 暁「どうりで2人が倒れるわけね…」

 

 妖精さん「泉!お前すごいな!」

 

 泉「そうじゃろう!そうじゃろう!」

 

 妖精さん「そういえば、ドックがやけに大きいなあ?」

 

泉「我の趣味用じゃ。」

 

暁「え。あれまた作るの?」

 

泉「勿論じゃ。あれを作ってここいおいてじっくり観察するのじゃ。そういえば。暁、ちょいとこれを試しに使ってもらいたいのじゃ。」

 

 暁「これは?」

 

 泉「ふっふーん!対深海棲艦銃じゃ!今のところAKとM416とリボルバーモデルがある。」

 

 暁「つまり、これを使ってデータをとってこいと?」

 

 泉「そうじゃ。なるはやで頼むぞ!」

 

 暁「そんな早くに機会なんてあるのかしら…」

 

この時暁はしらなかったその『機会』がすぐそこまで迫っているところに…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「司令部…ヨリ二ンムノ…受託…任務内容…敵…第一特別…歩兵隊…隊長…暁…ノゲキ…ハ…コレヨリ…任務…ヲ…開始…シ…マス…。」

 




因みに有田と栗間の身長は2m近くあるが普通のマッチョマンでありちゃんと上半身と下半身のバランスはとれています。ハ〇クのようなマッチョマンでは決してありませんので。てか、〇ルク見たいなのはあまり好きじゃないから、出したくない。


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16話「可愛い子には旅をさせよ?」

皆サンお待たせさせてスマセンデシタ…。

ネットに触れる時間がマジでないです。助けて(´;ω;`)ウッ…

今後もおそらく遅いですハイ…。

私がもう1つ息抜き用に書いた小説がありますのでどうかそちらも読んどいてください。お願いします

あと前回の内容を1部書き直させていただきましたのでもう一度前回の話を読んでから今話を読んだほうがいいと思います。


泉が地下を改造してから数日たった。相変わらず外は熱くあまり外を歩きたくないし、そもそも歩いたところで特に何かあるわけでもないのでいっそう外には出たくない。

 

暁「…暑い。」

 

外はだんだん空がオレンジ色になってきた。そろそろひぐらしがなく頃だろう。

ひぐらし…なく頃…うっ、頭が!

 

暁は2階の自室でテレビを見ていたエアコンがないので扇風機を回しているが暁に運ばれるのはぬるい風である。テレビでは、プール特集みたいなのをやっており大きなプールに親子やカップルが楽しいそうに泳いでいる。…リア充爆(ry。

 

プール特集が終わった。暁がなんとなくチャンネルを変えるとニュースが流れていた。

 

アナウンサー「次です。また、深海棲艦の上陸の目撃情報です。」

 

男「私が海へ出て釣りをしていたんですよ。深海棲艦もいない場所なので別に大丈夫だろうって思ってたんです。それでしばらく釣りをしてたんですけど気づいたら島の砂浜のところに黒いものが動いてるのが見えたんですよ。双眼鏡で、覗いたら砂浜の上に立っている深海棲艦でした。」

 

男が言ったあと、その男が撮影したという動画が流れた。一緒に見ていた妖精さんもこれは深海棲艦だなと言っていた。

 

アナウンサー「これに対し横須賀の大本営からは『深海棲艦が上陸する原因は今も調査中である。上陸するところを見た人はできるだけすぐに逃げてほしい』とのことです。」

 

妖精さん「最近ずっとこれ関連のニュースしかしてねえな…。にしても深海棲艦の上陸かあ…深海棲艦にも何かあったのか?」

 

暁「私が知ってるのはあんなのよ。」

 

暁が机に突っ伏しながらさらりと答えた。

 

妖精さん「…マジカヨ。」

 

暁「…今は海にしかいないのかしら。私が戦ってたときは陸であいつらと戦うのはよくあったことよ。てか、暑い。」

 

妖精さん「…そんな暑いなら扇風機を…ってつけてたな。生ぬるい風しか来んが。じゃあ、窓開けたら?」

 

暁「熱気が入る。…ここにも早くエアコンつかないかなー。…下はエアコンついてるのに。」

 

じゃあ下にいけということなのだが、あいにく今1階には泉が通販で大量に注文した荷物で埋まっている。すべて地下に持っていくらしいがあんな基地のようなところに必要そうなものが、通販で手に要られるものなのか…。暁もそう言ったが泉いわく「密林には何でもあるのじゃぞ!」らしい。

 

届いた荷物を杉田たちが運んでいるので今は下に降りられないのだ。…降りたくない

 

妖精さん「別に降りてもいいんだぜ?」ニタァ

 

暁「嫌よ。荷物運ぶの手伝いたくない。」

 

今降りたら、絶対に手伝えって言われる。それだけは絶対に阻止しなければならない。だからこうしてずっと2階にいるのだ。でもただいると退屈だからテレビをつけているのだ。てか、それ以外に暇を潰すものがない。

 

2階の自室は、簡単に言えば和室だ。10畳ほどの部屋にちゃぶ台とテレビとベッドしかない。他にも部屋が5室があり広さも同じほどだ。だから皆で1室ずつ使っている。

 

 

 

 

 

 

 

2,3時間たった。外も薄暗くなっている。暁が部屋の外に出てみると下からはものを運ぶ音はない。どうやら全て運び終わったらしい。暁が安心して下にいると、杉田たちがそこにいた。どうやら、何か悩んでいる様子だ。

 

泉「うーむ、どうしようかの。…!暁ではないか!ちょうどいいところに来たの!」

 

泉が暁に気づいたらそんなことを言ってきた。…嫌な予感がする…いや、嫌な予感しかない。

 

杉田「ああ!確かに暁ならちょうど手が空いているね。」

 

暁「な、何よ。」

 

泉「いや、実はのう荷物を運び終わったので早速1つ組み立ててみようと思ったのじゃがその機械を組み立てるためのスパナとドライバーがなかったのじゃ。」

 

暁「?あんたそれぐらいなら持ってるじゃない。」

 

泉「あるのはあるのじゃが、大きすぎるのじゃ。我が持っている1番小さいやつでもまだ大きいのじゃ。だから誰かに小さい奴を買ってきてもらいたかったのじゃが、我はまだ色々ようじがあるのじゃ。」

 

杉田「僕も店番しないといけないし。」

 

有田「私達は泉さんの手伝いをしなければなりません。」

 

栗間「そういうことで、暁さんよろしくお願いするっす。」

 

暁「え、横奈にホームセンターないんだけど。」

 

泉「うむ!じゃから…。」

 

そう横奈にホームセンターはない。無いよ?無いから買えないよ。…これはもしかしなくてもアレだろう…。

 

暁「隣町まで行ってこいと…?」

 

杉田「そういうこと。明日でいいから行ってきてね。」

 

最悪だよ。せっかく働かなくてもいいと思ったのにこれ1番辛いじゃん。

 

暁「まじかー。(´・ω・`)」

 

やっぱ、働かないといけないんやなって思った。




暁ちゃんの水着が見たい暁ちゃんの水着が見たい暁ちゃんの水着が見たい暁ちゃんの水着が見たい暁ちゃんの水着が見たい暁ちゃんの水着が見たい暁ちゃんの水着が見たい暁ちゃんの水着が見たい暁ちゃんの水着が見たい暁ちゃんの水着が見たい

運営さん…まだですか…。


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17話「ファッキンホットー」

…暑い

あつぅいー!

今年暑すぎません?作者死にそうです。

艦これ2期はよこないかなあ。海域マップが変わるってきいて画像見たけどなにあれ超かっこいいんだけど!?


ミーンミンミンミーン!ミーンミンミンミーン!

 

セミの声が至るところから聞こえてくる。

 

暁「やってきました。横須賀ー。」死んだ目

 

妖精さん「まさか、隣町のホームセンターにちっさいのがなくて横須賀まで来る羽目になるとは…。」

 

暁が死んだ目でそう言っている。ちなみに今の暁の服装は白いシャツに英語とツギハギのうさぎのぬいぐるみの絵が描いてあるものにショートパンツである。

 

暁「手短に言うわ。死ぬ。」死んだ目

 

妖精さん「死ぬな。」

 

いや、もう死にそうだ。横須賀まではバスできたのだがまさかの目の前でバスが出発してしまうという最悪なことが起こった。次のバスまで10分ほどしかなかったがこの暑さである。日陰に入っても暑く10分が30分のように思えた。バスの中は涼しかったが、降りると熱気が一気に襲ってくるバス停からホームセンターまで徒歩15分…死ぬ。帰りもこんな炎天下を15分も歩くと考えると…。

 

暁「…帰りは飛んで帰ってもいいわよね。」

 

妖精さん「いやだめだろ。騒ぎになるし、お前響たちには知られたくないんだろ?飛んだらバレるんじゃないか?」

 

暁「デスヨネー。」

 

 

 

 

ホームセンターの中はめっちゃ涼しかった。いやもうほんとに涼しかった。ずっといたいってぐらいに涼しかった。ほんとに天国かってぐらいに涼し(ry。

 

無事にホームセンターで目当てのものを見つけ、購入。さあ、帰るかとホームセンターを出た途端。暁は思い出した。今季節は夏、そして8月である。そうつまり…クソ暑い…ファッキンホットーだ。

 

暁「暑い…。」

 

もはや数分立っているだけで汗がダラダラと垂れてくれる。しかし、バス停まで歩かなければ帰れない。流石に辛いので自販機でお茶を買った。早速飲む、キンキンに冷えたお茶が喉を通る。うまい…うますぎる。

 

暁「さてと…歩きますか。」

 

妖精さん「頑張れよー。」

 

暁「疑問に思うんだけど、妖精さんって熱くないの?」

 

暁ができるだけ日陰を進んで行きながら言う。

 

そういえば昨日も暁が暑い暑いとうなだれていたが妖精さんは特に暑そうにしてなかったし今も見た感じでは、暑そうな顔はしていない。

 

妖精さん「一昨日にな、泉に頼んでもらって服に取り付けられる扇風機を作ってもらったんだよ。ミスト機能もあるから超涼しい。」

 

暁「え、なにそれほしい。」

 

暁は帰ったら泉に頼んで作ってもおうと心に決めるのであった。

 

 

 

 

ひたすらバス停まで歩いていると上から何か音が聞こえる。…これは飛行機のエンジン音だろうか。しかも、レシプロ機のエンジン音である。暁が上を見上げると、日光で見えにくいが何か大きな飛行機が何機か飛んでいる。

 

暁「?…あれは何かしら?」

 

妖精さん「ん?何だ?」

 

暁の言葉につられて、妖精さんも上を見上げる。

 

妖精さん「あー、ありゃ一式陸攻だな。百式重爆撃機こと呑龍(どんりゅう)に、ほう九七式飛行艇もいるのか。」

 

 暁「爆撃機の編隊飛行ということね。…爆撃機が上がるような滑走路があるのかしら。」

 

 妖精さん「大本営にならあるぞ。しっかし爆撃機が上がるなんてなにかあったのか?」

 

 暁「さあね、私たちにはそんなこと関係ないわ。私たちの任務は早く帰ることよ今日の暑さは異常よ。さっき買ったお茶がぬるくなり始めてるわ。」

 

 妖精さん「え、まじか。そりゃ、早く帰らないとな。」

 

爆撃機が通り過ぎると暁はまたバス停に向かって歩き府出す。

 

 

 

 

バス停が見えてきた。ほかに5人ほどバスを待っているようだ。

 

時刻表を見る。…ふむ、あと少しといったところだろう。

 

お茶を飲み切る。空になったペットボトルを捨てようとあたりを見回すがゴミ箱がない。仕方がない、持ち帰るとしよう。

 

 

バスが来るまであと少しだが、それでもこの暑さの中だと時間が長く感じる。汗が暁の頬を流れていく。…熱い、暑すぎる。

 

…バスが来た。バスの中には6,7人ほどが先に乗っていた。老人の方が多いだろうか?まあ、そんなことはどうでもいい。暑い日はどうでもいいことも考えてしまうことも多い。

 

バスの中は空調が効いていてとても涼しい、生き返ったような気分だ。座れる席を探し座る。あとは一時間近く待っていれば横奈駅に着くだろう。そのあとは、しばらく歩いていれば杉田のところまで戻れるだろう。今の時間は10時だから帰れば11時半だろうか?

 

 

 

 

しばらくたった。外は横須賀のようなビルや大きい建物はあまり見えず、中ぐらいの建物が増えてきた。あともう少しで横奈に入る、そんなときだ。バスの案内が聞こえる。

 

「間もなくー終点○○ー○○です。」

 

…どういうことだろうか。このバスの終点は横奈駅のはずだ。それよりも、ここは横奈に入る手前の場所だ。バスの中の乗客も何事かとあたりを見回す。

 

暁「…これは、一体どういうことかしら?」

 

妖精さん「さあな、横奈で何かあったりしてんじゃないか?」

 

暁「いやそんなことは…」

 

「乗客の皆様にお知らせいます。只今横奈町に深海棲艦が上陸したとの情報が入りました。乗客の皆様は直ちに…」

 

暁「…あったわね。」

 

妖精さん「突然すぎるな…。いやでも、深海棲艦が上陸…上陸!?」

 

いや、反応がおそすぎるでしょうと、暁が言う。しかし、その割には外が静かだと思うと、外を見ると…普通に皆パニクってた。

 

バスに乗ってた人たちもパニックになり、運転手がドアを開けると勢いよく逃げていく。

 

暁「ためしに降りてみましょうか…。」

 

折りたとたんに悲鳴が四方八方から聞こえてくる。…正直言ってうるさい。暁が戦っていたころはあいつらと陸で戦うことなどよくあった。…今は海にしかいないというのは本当らしい。

 

妖精さん「あの、爆撃機の編隊はこのためか…。」

 

なるほどそれなら納得がいく。現に爆撃機が1機補給のためだろうか、こちらに来ている。

 

深海棲艦が上陸したという報告は民間より軍のほうが早いようだ。すでに軍の人であろう人たちがどんどん規制線をはったり民間人の避難を始めている。

 

…爆発音がした。その場にいた全員がその方向を見る。そこには火だるまになって落ちていく爆撃機の姿があった。…これがいけなかった。この出来事に民間人が更にパニックになり手がつけられなくなってしまった。

 

暁はとりあえず、杉田に電話をかける。杉田はすぐに電話に出た。どうやら避難所に全員いるらしい、とりあえずはそこにむかうことにする。

 

「深海棲艦は海にしかいないんじゃいのか!」

 

「そうよ!いったい海軍はなにをしているの!?」

 

「艦娘はどうしたんだ!」

 

「やっぱり艦娘なんか頼りにならないじゃねか!」

 

怒号が聞こえる。…うるさい、戦いを知らない者が何を言える。どうせ、あいつらを目の前にしたらすぐに助けを求めるくせに…。

 

 

 

 

 

杉田が言っていた避難所についた。中に入ると避難してきた人がたくさんいる。中には負傷した人もいるようだ。

 

杉田を探す。…誰かがこっちに手を降っている。杉田のようだ暁は杉田の方へと進む。

 

杉田「やあ、暁。」

 

暁「よく無事だったわね。…有田さんと栗間さんは?」

 

泉「あやつらなら今避難の手伝いをしておる。」

 

泉が答えた。泉は珍しくヲ級のような格好ではなく白いワンピースを着ており、一般人から見れば十分もてるであろう。流石にあの格好では勘違いをするであろう。

 

暁「そういえば、あいつらぐらい泉で十分だったんじゃないの?」

 

泉「そうできればいいのじゃったが、なんせ人がいる町中で戦ったりしたらどうなるか分かるじゃろう。」

 

暁「ああ、なるほど。」

 

暁が納得していると有田と栗間がやってきた。避難は終わったらしい。

 

泉が不敵に笑う。

 

泉「…じゃが、今は横奈には人がいない…つまりどういうことか分かるじゃろう?」

 

暁「…いいわ。やってやろうじゃないの。」

 

泉「ちょうどいい。あれも試してもらおうかの。」

 

妖精さん「?一体何をするつもりだ?」

 

杉田「暁、暴れるのはいいけど僕の店壊さないでよね?」

 

暁「もちろんよ。壊しはしないわ。」

 

妖精さん「は?暴れる?何を言って…」

 

ただ一人なんのことか分かってない妖精さんに泉が声をかける。

 

泉「妖精、そなたもここで一度見たほうがいいぞ。『暁の戦い方』を。」

 

暁「…妖精さん。私は一様気にかけ行動するけど振り落とされないようにしっかり捕まっててね?」

 

暁がそんなことを言うもんだから、ちょっと怖くなった。

 

暁が泉と一緒に避難所を出ようよする。途中で有田と栗間とすれ違う。そして有田に聞く。

 

暁「敵は。」

 

有田「っ!…正確にはわかりませんが駆逐級が10人ほど、軽巡級、重巡級が20人ほどです。戦艦級の姿は私は見ていません。」

 

栗間「俺も見てないっす。」

 

泉「そうか…どうじゃ暁?」

 

暁「上等。」

 

暁がニヤける。しかし、その顔は妖精さんが見たことのない顔であった。…目が、違う。これは楽しんでる目だろうか。まあ、これが『駆逐艦暁』の顔と言うだろう。

 

避難所を出る。規制線のところでは軍人とともに艦娘が見張っている。…まずはここを抜けなければ。できればバレずに行きたいところだが…。

 

爆発音がまたした。どうやら爆撃機がまた落ちたらしい。もちろんパニックになった。艦娘や軍人が民間人を落ち着かせようとする。これはちょうどいい今回ばかりはこの状況に感謝だ。今なら自分たちに注意はしてないだろう。

 

タイミングを見計らい、暁と泉は規制線を飛び越えたくさんの黒煙が上がっている横奈町を走っていった。




やったねたえちゃん次回から暁ちゃんの無双回だよ!

…戦闘シーン…?

…が、頑張ります…


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18話「横奈町深海棲艦襲撃事件」前編

今回の物語は、前編、後篇に分けます。

やたー!お盆だ!艦これの2期も来るぞー!


煙が至るところから舞い上がっている横奈町を暁と泉の2人が走っていく。

 

と、泉が急に話しかけてくる。

 

泉「…のお、暁。」

 

暁「なに?」

 

暁が聞き返す。

 

泉「提案した我が言うのもなんじゃが、お主が暴れたら響たちにバレるのではないかの?」

 

暁「…あっ。」

 

妖精さん「いや、今更かよ!?俺もさっき気づいたけどよ!それでも今更かよ!?」

 

暁にくっついていた妖精さんが見事なツッコミをする。

 

…確かに、暁が暴れるとなると必ず目立つ。それに走っている途中に砲弾が色々飛んできたことからすでにどっかの鎮守府の艦娘も到着しているはずだ。暁のことをすぐに報告されてバレてしまうだろう。

 

暁「…その時はその時よ。」

 

泉「お主…諦めたの。まあ、どうせお主が響たちにバレたくない理由など簡単に思いつくわい。」

 

妖精さん「そういや、俺は理由知らないんだよ。その理由ってなんだ?」

 

泉「どうせ、死ぬつもりで敵陣に突っ込むときに響たちに遺言を残したのに、結局生き残ってしもうたからどんな顔して戻れば分からない、とかであろう?」

 

妖精さん「えっ。そ、そうなのか?」

 

暁「」コクン

 

妖精さん「しょうもなっ!」

 

暁「だ、だってどんな顔すればいいのよ!死んできますって言っときながら生き残っちゃったのよ!?ノコノコ帰ってくるわけにも行かないじゃない!」

 

妖精さん「ええ…。」

珍しく、あわてふためく暁であった。

 

 

 

 

 

 

黒煙が立ち上っている。周りには大きなコンクリート片、爆撃機の残骸そして…深海棲艦。

 

横奈に深海棲艦が上陸したとの連絡をうけ、最初に動いたのは元々妖精さんが所属していた〇〇鎮守府だ。前はブラック鎮守府として動いていたあ今は新しい提督が着任し、正常な鎮守府として動いている。

 

第7駆逐隊の4人は横奈の町の中で上陸してきた深海棲艦の迎撃をしていた

 

 漣「ほいっと、1隻撃破…。」

 

 曙「全く、何で遠征帰りの私たちをこんなところに出撃させるのよあのくそ提督は!」ドンッ!

 

 潮「あれでも、曙ちゃん提督に言われたときにうれしそうな顔してたよね?」

 

 曙「な、ば、ばか!あれはちがっ!」

 

 朧「曙、よそ見しない。」ドンッ!

 

朧が曙の後ろにいたイ級に撃つ。どうやら。後ろに回られていたようだ。

 

 曙「あ、ご、ごめん。」

 

 漣「全くぼのたんは…。」ヤレヤレ

 

 曙「ぼのたん言うな!」

 

ふざけながらではいるが上陸している深海棲艦を撃破していく。しかし…

 

 イ級「」

 

 リ級「」

 

 ロ級「」

 

どんどん深海棲艦は上陸してくる。これではジリ貧である。

 

 曙「あーもうっ!こいつらどんだけいるのよ。おまけに艤装は重いし!」

 

今の艦娘がつけている艤装は海で使うようだ。もちろん陸で使うようなものではない。だからと言って艤装を付けなければ彼女たちは普通の女の子といっしょである。重いとはいえ陸でも使うことができるだけまだマシだろう。

 

 曙「支援はいつになったら来るのよ!?」

 

 朧「あと1時間で鎮守府の主力艦隊が来る。3時間後には大本営から響型の3人がくるらしい。」

 

 漣「大本営から!?ktkr!」キタ――(゚∀゚)――!!

 

大本営からあの3人が来るとなればこの事態はすぐに片付くだろう。それに普段お目にかかれないあの3人に会えるのだ。長い期間自慢できる。

 

 潮「でも、3時間どころか1時間もたえれるかなあ。」

 

そう、この場には駆逐艦の4人しかいないのだ。それに対し子の深海棲艦の量である。今、主力艦隊が大急ぎで戻っているとはいえそこまでに耐えれるか、分からない。

 

 曙「!潮危ない!」

 

 潮「え?」

 

潮の後ろにイ級が2体襲い掛かってくる。その距離わずか2,3m至近距離からの発砲のようだ。

 

ほかの3人が砲を構え撃とうとするが間に合わない。イ級が口を開け撃とうとしたその時っ!

 

バババババババババ!

 

『銃声』が聞こえ2体のイ級から血が噴き出てその場に倒れる。

 

 「…弱いわね。…やっぱり体液も赤い。」

 

何が起こったのかわからず突っ立っている4人の前に現れたのは銃を片手に持った青紫色の髪の『少女』だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暁と泉が杉田の店にたどり着く。幸いにも店は壊れていないようだ。2人は店内に入り地下に降りる。

 

 泉「さーて、こいつを使ってもらおうかの。」

 

泉がニコニコしながら持ち出したのは対深海棲艦ライフルとハンドガンだ。ちなみにモデルはM4とリボルバー。

 

 妖精さん「やっぱり使うのか。コイツ。」

 

 泉「もちろんじゃ。何のために作ったと思っとるんじゃ。」

 

 暁「デスよね~。」

 

暁がM4をもつ。やはり、普通のM4よりは幾分か重い。しかし、久しぶりに使うとしても大丈夫だろう。M4はあの時散々使ったのだから。リボルバーも腰に差し。地下を出ようとする。泉はしばらく地下に残るようだ。

 

「ああ」と泉が呼び止める。

 

 泉「まだ、試作品じゃから予備の弾はないからの。使えるのは今入っているマガジン分だけじゃ。気を付けるのじゃぞ。」

 

今入っているマガジン分だけ…となるとM4は30発、リボルバーは6発…まあ十分だろう。M4に30発入っていれば少なくとも5,6人多くて10人はいけるだろう。

 

暁は口角を少し上げて歩いて妖精さんと地下をあとにする。

 

 

 

 

店の外に出る。外の空気はかなり埃が混じっている。空を見ると煙のせいか曇っているようだ。少し歩けばそこはまるで『戦場』だった。崩れた建物、落ちた爆撃機の残骸。そして奴らの死骸…。

 

一つの死骸に寄る。これは駆逐級だろう。

 

 妖精さん「死んでから少し時間がたっているな。血がまだアカの方が強い。」

 

血が赤い?暁にはそれが疑問に思えた。暁の記憶上体液は青だったはずだ。

 

 暁「…私が知っているのとはやっぱり違うわね。」

 

 妖精さん「そうかー。」

 

再び歩き出す。

 

今の横奈を歩いていると懐かしい気分になる。埃っぽい空気は昔何度も味わった。森の中や海岸で戦ったこともあった。

 

そしてもちろん市街地でも…。

 

違うところはこの静けさだろう。風の音だけが聞こえてくる。『戦場』での静けさというものはあまり落ち着かない、むしろ緊張する。どこで『狙われている』のかがわからないからだ。

 

まあ、今はもうそんな時代ではないだろう。

 

 

ドンっ!

 

 

 

 暁「発砲音みたいなのが聞こえたわね。」

 

 妖精さん「え、そうか?俺には何も聞こえなかったが?」

 

 暁「私の耳に狂いはないわ。発砲音が聞こえた方へいきましょう。」

 

 

 

 

 

しばらく歩いた。

 

イ級がナニかへ向けて襲い掛かっているのをを見つけた。

 

 暁「いた。」

 

暁はすぐさまM4を構え…撃つ。

 

バババババババババ!

 

 暁「駆逐級2人の沈黙を確認。」

 

すぐさまに残弾確認をする。

 

残り20発…2人相手に少し無駄玉を撃ってしまったか撃ってしまったか。少し鈍ってしまったか。まあ、さっきので勘は取り戻したはずだ。

 

それにしても…

 

 暁「弱いわね…。やっぱり体液も赤い。」

 

そして暁は気づく。駆逐級が襲っていたモノに。

 

そこいたのは鉄の塊をまとった4人の『少女』だった。




次回から暁ちゃんの無双が始まるといったな…あれは嘘だ。

次回はちゃんと無双させます。



さーて、後半の少し意味深のようなそうでないような文章についてですが…それは秘密ってやつだよお客さん。まあ、楽しみにしててくださいよ。(何を


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横奈町深海棲艦襲撃事件 「中編」

前編と後編に分かれると言ったな…あれは嘘だ。

ちょっと前に、暁にレディらしさが足りないと言われました。うーむ考えればあまりない。しかし、レディらしさを出そうといざ書こうと思うとこう思います。レディらしさってなんだ、と。

そこで暁に相変わらずのレディの空回り等の設定を追加した結果、過去編を書くことになりましたー。イェーイ。

過去編は前々から書こうと思っていましたが、何を書こうかなと考えていると、内容がめっちゃ出てきます。書ききれるといいな。

さて!艦これの、二期も始まりました。ipadでできると聞いたのでやってみたところ出来ました。やったね。まあ、始めて何分後かには猫様が降臨するんですけどね。



4人は目の前の少女から目が離せない。それどころか、その冷たい目で見られているとその威圧感のせいか体が全く言うことを効かない。なんだこの少女は。

 

曙「だ、誰、よ。あ、あんた。」

 

曙がなんとかそういった。

 

「うーん、そうねえ。私はただここを通りががったレディよ。」

 

少女が言った途端体が自由に動くようになった。それに、威圧感も無くなった。

 

曙「通りががったって、ここは立入禁止のはずよ!?なんで、ここに…。」

 

「誰もいなかったから入っただけよ。」

 

その少女の声は、曙の後ろから聞こえた。

 

朧「な、いつの間に。」

 

ついさっきまで潮の目の前にいたはずだ。誰も少女が移動したとこを見ていない。

 

「じゃあ、私は行くわ。レディは、レディらしく上品に去って行くものだからね。」

 

風が起こる。4人は一瞬だけ目を閉じる。次に見たときにはあの少女の姿はどこにもなかった。

 

 

 

 

 

 

暁「あれが、今の艦娘なのね。」

 

妖精さん「なあ暁。」

 

暁「なに妖精さん?」

 

妖精さん「なんかお前深海棲艦と戦うときってかなり雰囲気違うくねえか?こうなんというか、冷たいというか、感情がないというか。」

 

確かに、あの4人に合うまで暁はまるで別人だった。あんなに冷めた暁は見たことがない。

 

暁「…昔、色々あったのよ。いつか妖精さんにも話すわ。」

 

妖精さん「そうか。…あと、お前レディの意味あんまり知らないだろ。」

 

暁「」ギクッ

 

妖精さん「なんだよあれ、上品に去るとか言っときながらただ飛んだだけじゃねえか。何でもレディとか上品とか言っとけばいいというわけではないぞ…。」

 

暁「う…わかったわよ…。」

 

妖精さんに色々言われながら暁は海の方へと向かう。

 

ふと妖精さんが言う。

 

妖精さん「あんだけ倒すとなるとドロップも結構あるんだろうな。」

 

暁「ドロップ?」

 

妖精さん「深海棲艦を倒すとな一定の確率で艦娘が出てくるんだよ。まあ、でも艦娘が元深海棲艦説っていうのが今んとこ有力だが艦娘がドロップしたときに深海棲艦から出てきたっていうのが分かる証拠がないんだよ。だから今でもなんで艦娘が出てくるのかは謎だがな。」

 

暁は妖精さんの言葉を聞いて考える。暁が先程倒したときは体液は『赤』だった。さっき暁の前で尻もちをついていた艦娘はどこかで擦ったらしいキズがあった。そこから流れている血は『赤』だった。…試してみる必要がありそうだ。

 

暁「ふーん、それじゃ試してみる?」

ちょうどよく、重巡級がこちらに走って来ている。

 

妖精さん「は?試すってなんだよ、ってまさかあのリ級w!?」

 

妖精さんが言い終わる前に暁はリ級に向かって走り出す。

 

しかし、すでに体は動いている。手刀でリ級の腹に突っ込む。見事に手刀が腹に突き刺さり赤い体液がそこらじゅうに舞う。暁は大量の返り血を浴びる。すぐに服や顔が赤く塗られていく。

 

妖精さん「のわー!?ちょ、あ、暁!?」

 

数秒たち、血の勢いが落ち着きリ級もダランと暁に体を預けるように倒れていく

 

暁が何か掴みながら手を抜く。空っぽになったリ級はその場に音もなく倒れる。暁が持っているのは『女の子』だ。

 

暁「…妖精さんが知りたかったのはこれ?」

 

妖精さん「あ、ああ…いやー相変わらずお前は凄えなあ。今まで謎だったことをこんなにもすぐに解明するよなー。」

 

暁「もちろんよ。私はレディなのよ?そんな謎の一つや二つ簡単に解明するわ!」

 

暁が自信満々に答えている。まあ、レディと言えるのかはともかく。

 

妖精さん「…自分の体の半身を赤く染めているやつがレディだとは思えないけどな。」

 

暁「ふぇ!?」

 

暁の半身は見事に赤くなってる。誰もがこれを見たら気絶するだろう。

 

いやだって、銃を持ってる少女が半身血まみれで歩いてるんだよ?恐怖のなんでも無いよ。

 

妖精さん「レディなら、上品に倒してみろよ。ね、レ、デ 、ィ、?」

 

暁「」イラッ

 

暁が無言で斧を持ち出す。さっきまで女の子を掴んでいたはずだが。

 

妖精さんは今暁の頭に乗っている。暁が斧を頭の上を滑らせば…。

 

妖精さん「のわー!?す、スマン!ごめん!ごめんって!ごめんなさい!」

 

謝りに謝り倒してやっと、暁に許してもらった。今後、暁を下手に怒らすのはやめといたほうがいいだろう。

 

全く器が小さいレディである。

 

暁「何か言った?」

 

妖精さん「いいえ!何も言っておりません!」く(`・ω・´)

 

暁の気迫で無意識に敬礼してしまう。…暁、恐ろしい子っ…!

 

 

 

 

 

 

しばらく深海棲艦をしばきながら歩いていると少し広いところに出た。さっきリ級から出てきた女の子はその場に寝かせておいた。誰かが救助に来るだろう。

 

ここはどうやら公園らしい。遊具やベンチが置いてある。そこの1つのベンチに泉が座っていた。

 

暁「あら、泉じゃない。なんでここにいるのよ。」

 

泉「地下の荷物の整理が終わったのでの、暁に話をしにきたのじゃよ。ところでM4とリボルバーの調子はどうじゃ。ちょうど弾切れになったところじゃろ?」

 

泉が話すと暁の後ろから3匹のイ級が飛びかかってくる。暁は後ろを振り返らずにリボルバーの弾を3発イ級にそれぞれ撃ち込む。3匹とも倒れすぐに動かなくなった。

 

暁「…ちょうど弾切れね。」

 

暁はM4とリボルバーを渡す。

 

泉「さて、話のことじゃがの。」

 

泉が銃を受け取りながら話し始める。

 

泉「実は、お主が行方不明になってしばらくしてからの、望月と会った。」

 

望月、という言葉を聞いた途端暁の雰囲気が変わる。冷たい感じがする。まるで生きた心地がしない。

 

泉「望月はの、こう話とった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

望月『やあ、泉?ちょっとしたプレゼントは気に入ったかい?』

 

泉『貴様ノコノコ帰ってきよってなんのつもりじゃ。』

 

望月『いやいや、ただたんにご挨拶に来ただけさ。その様子だと私からのプレゼントはあまり気に入らなかったようだねえ?まあ、まさか暁が行方不明になるとは思ってなかったけど。』

 

泉『どういうことじゃ。』

 

望月『君達がこの数年間戦ってきたのは私の失敗作ってことさ。ま、最後のやつはなかなかのことをしてくれたようだがね。おかげで予定が狂ってしまった。…今はそんなことはどうでもいい。最近やっと完成したんだ。もうすぐ量産体制に入る。暁に今すぐ見てもらえないのは残念だがね。…そうだ泉。もし暁に会ったらこう言っといてくれよ。_________________。それまで私は、更に実験をすることにしよう!では!またいつか会おう!』

 

泉『な、待て!望月!』

 

 

 

 

 

泉「そのまま、望月は消えてしもうた。それで、あやつからの伝言じゃがの…もし私が君を…」

 

『君を見つけたら君がいるところに私の研究体を送ろう。そして私から君への宣戦布告としよう。それは、のちに艦娘と深海棲艦と呼ばれるものの戦争ではない。私と暁、君との二人の戦争だ。』

 

妖精さん「な、なんだよそれ。それじゃ、これはその望月ってやつの宣戦布告でこれから戦争が始まるのか?じゃあ、今まで俺達がやってきたことは…!?」

 

妖精さんがそういうのも無理は無い。今やってることが戦争の始まりということになるのだ。今まで妖精さんたちがやっていたことは、望月の研究と実験の一端に過ぎない。ずっと、無駄なことをしてきたのだ。

 

暁「大丈夫よ妖精さん。」

 

暁の声が聞こえる。さっきの雰囲気とは違いとても柔らかい感じがする。

 

暁「確かに、今まで妖精さんたちがやってきたことは無駄かもしれない。でもこれからは無駄ではないのよ?大丈夫よ。」

 

暁は笑顔でそう言った。

 

暁の言葉ではっと気づく。そうだ。これからやることは無駄にはならない。暁との戦争に参加すればいい。そして暁を手伝ってやればいい。

 

今の暁はレディと言ってもいいだろう…そう思った瞬間である。一気にレディらしさが消え。またさっきみたいな雰囲気に戻る。

 

暁「ふふふ。望月との戦争にこれが宣戦布告…。」

 

妖精さん「あ、あれ?暁さん?」

 

急に変わった暁に戸惑い妖精さんは泉に助けてもらおうと思ったが泉も何か諦めているような顔をしている。

 

暁「面白い、面白い!ええいいわこの戦争に参加させてもらおうじゃないの!アハハハハッハ!いいわあ!いいわねえ!この戦争で望月を絶対にぶっ殺す!」

 

もう怖い。超怖い。暁はこんな娘ではないはずだ。こんなに狂気的な娘ではないはずだ。助けて、助けて泉さん。

 

暁「妖精さん!」

 

妖精さん「ひゃ、ひゃい!?」

 

暁「海の方を見てきてくれないかしら?」

 

妖精さん「わ、わかりました!」

 

暁が錬金した零戦で妖精さんは海の方へと飛んでいった。

 

暁「こんなに数がいるならば絶対に『母艦』がいるはず!そいつをぶっ殺してこの戦いに勝つ!」

 

泉「そうか。…そんなお主久しぶりに見たぞ。この本性化け物め。」

 

泉が皮肉たっぷりに言う。

 

暁「これが本来の私よ。菊月には悪いけど。今回は、暴れさせてもらうわ。」

 

泉「…お主の目的はやはり菊月の仇を返すことか。」

 

さっきまで熱くなっていた暁が急に静かになる。そして泉の方へ振り返り寂しそうに言う。

 

暁「…それが菊月、みゆにできる恩返しだと思うから。」

 

暁は、公園を出て景気づけにそこら辺にたロ級を真っ二つにして海の方へと歩いていった。




さーて、今回も意味深なことがバンバン出ましたねえ。今回出した伏線も過去編で回収できたらなと思います。このお話が終わったあと、番外編の前に1回キャラ紹介を入れたいと思います。

それと作者は来週からテストです。あとはお察しください。


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横奈町深海棲艦襲撃事件 中編2

いかん。また長くなってしまった。そして今回の文字数がなんと前回の約倍!
…次回、次回こそ終わらせます。


あと、余談ですが実は、もう1つ書いている小説がありましてあくまでもこれのネタがなくなったときにしか、書いていない小説があるのですがぜひそちらも読んでいただければと思っております。

https://syosetu.org/novel/163095/
↑こちらがURLとなっております


天龍「オラァ!」

 

砲撃を近距離でくらったロ級が倒れる。

 

漣「いやあ、天龍さんと龍田さんが来てくれて助かりました。」

 

ここは横奈。ここはいま深海棲艦の襲撃にあっている。天龍と龍田は第7駆とは別の所属で遠征の帰りに横奈の支援に当たれと言う司令を受けここに来た。

 

龍田「良かったわねー。4人で持ちこたえるのは大変だったでしょー?」

 

龍田がにこにこしながら槍を深海棲艦に突き刺している。…ちょっと怖い。

 

天龍「お前らのとこの支援が来るまであとどれくらいだ?」

 

潮「あと20分ほどです。」

 

天龍「分かった。とりあえずそれまでは俺達がついているから安心しろ!」

 

龍田「それにしても全く減らないわねー?」

 

天龍と龍田が来てから10分ほどたつが全く減る様子がない。今いる場所はだんだん深海棲艦が減ってきているが少し移動すればすぐに大群で見つかるだろう。

 

曙「えいっ!」

 

曙がイ級を倒す。おそらくこれで最後になるだろう。さっきまでの砲撃音が嘘のようにあたりは静かになる。

 

天龍「よし!終わったな。休憩だ、休憩〜!」

 

天龍が近くのコンクリート片に座り込む。かれこれ10分も戦っていたのだ。休息も必要だろう。天龍以外も皆座り休んでいると、空の方からエンジン音が聞こえてきた。

 

曙「て、敵襲!?空母もいたの!?」

 

曙のほか漣、潮、朧が急いで立ち上がり主砲を構える。

 

龍田「あら、大丈夫よ。これは零戦の音よ。」

 

龍田の言うとおりしばらくすると、零戦であろう緑色の機体が見えてきた。

 

天龍「?なんだありゃ、単機か?」

 

その零戦は単機で飛行していた。普通なら編隊を組んで飛ぶはずだが、何かあったのだろうか。零戦は下にいる天龍たちには見向きもせずにどこかへ飛んでいってしまった。

 

天龍「何だったんだありゃ?…まあいいか、よっしゃ!そろそろ行こうぜ!」

 

先程の零戦が気になるが今はこの横奈で深海棲艦の対処をしなければならない。天龍たちは海の方へと歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天龍たちは砂浜にでた。そこには大量の深海棲艦の死体があった。死体があるだけなら別にどうということはない。ただ1つ言うことがあれば。その深海棲艦の死体には何かで『斬られた』ようなキズがある。天龍も剣を持っているが、横奈からは別の場所から入った。つまり、ここには来ていない。

 

天龍が駆逐艦たちを残し砂浜を探索する。

 

あたりを探索すると中には真っ二つにされているものもあった。真っ二つの死体からは何かがたれており天龍は興味本位で確かめる。そのれは内臓であった。見た感じは人に似ている。…あんまりまじまじと見るようなものではない

 

天龍が皆のところに戻る。

 

龍田「どうだった〜?」

 

天龍「嫌なもん見ちまったぜ。ったくここにはもういねえな。次いくぞt…!?」

 

天龍が急に刀をとり、龍田も槍をもって周りを警戒し始める。急に刀をとり出した天龍に駆逐の4人は慌てる。

 

潮「何かあったんですか!?」

 

天龍「…殺気だ。」

 

曙「殺気!?」

 

朧「近くに敵艦は見えないけど。」

 

天龍は確かに殺気を感じている。しかし、今天龍が感じている殺気は今まで感じてきたようなものとは全く違う。この殺気はどちらかと言うと『見られている』感じがする。それも、全方向から。

 

龍田「複数人かしら?」

 

天龍「さあな。でも、この感じでは複数人だろうな。」

 

天龍と龍田はお互いに近寄り後ろに駆逐の4人を守るように近づいていく。

 

その時だった。何かが飛びかかってっきた。狙いは…天龍だ。

 

ガキンと金属音がなる。剣を前もって持っていたおかげでなんとか防げたが飛んできたと気づいてからこうして防ぐまでわずか2~3秒。剣を抜いていなければ今頃天龍は真っ二つだろう。

 

飛んできたのは『少女』だ。しかし、その少女はほぼ全身が染められているかのように赤い。少女はその身丈よりも明らかに大きい斧を持っていた。龍田がすぐに槍で突こうとするが、すぐにまた跳躍して避けてしまう。

 

少女は斧を片手で持って立ち止まる。髪はまだもとの髪色だろうか青紫が見える。服装はツギハギのぬいぐるみが描いてある服にショートパンツだ。服はほとんど赤くなっており、描いてある絵がより一層不気味である。

 

驚いた。少女が現れて全方向から感じていた殺気が無くなった。まさかこの少女が1人で出していたのだろうか。

 

そして、もう1つ…

 

龍田「天龍ちゃん、刀が…!?」

 

今までどんだけ敵や敵弾を切り捨てても刃こぼれさえしなかった刀が、斧を受け止めたところだけ刃の中間まで食い込んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分の奇襲が防がれるとは思わなかった。まあ、そうであろう。本気で振り下ろせばあんな刀など簡単に切り捨てれる。

 

あいつらが来たのかと思って刀を持った紫に奇襲をかけたが飛んだ瞬間にちょっと前に会った4人が見えた。

 

…仲間だったか。もう1人槍を持った紫が攻撃してきたが、すぐにかわし少し離れる。

 

しばし、沈黙が流れる。最初に沈黙を破ったのは刀の紫だ。

 

「お前は誰だ。」

 

暁「私?…通りすがりのレディよ?」

 

「ほう?…最近のレディは血を浴びるのが好きなのかい?」

 

…苛つく。切り捨てようかと思ったが、妖精さんから通信が入ったようだ。

 

妖精さん『暁っ!大変だ!ビックサイズ級がいる!』

 

暁「…ビックサイズ級?」

 

暁がそう呟いたとき前にいた6人が動揺を見せる。

 

妖精さん『簡単に言えばでっけえイ級だ。何故かあいつがいると周りに深海棲艦が出てくるんだよ。いつもは数隻の深海棲艦を出して逃げるし。いくら砲撃しても傷1つつかねえから無視しているんだが…。今回はいつもより何倍もの量の深海棲艦が出てきてるし、陸の方に移動してる!それにそいつが3隻だ!』

 

暁「ああ、『母艦』ね。分かったわ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビックサイズ級、確かにそう聞こえた。そいつが大量に深海棲艦を出しているとすれば、今までの異常な数も納得できる。

 

それにしても、恐ろしいやつである。天龍に襲いかかった途端一瞬だが後ろの駆逐を見た。そのせいか、殺気が幾分か無くなった。

 

曙「ビックサイズ級がいるの?」

 

漣「あれ?これ結構やばい?」

 

朧「深海棲艦が多いのがビックサイズ級ならね。」

 

潮「だ、大丈夫なのかな〜。」

 

後ろの駆逐たちが不安になっている。いくら艦娘とはいえ、中身はまだ少女である。

 

龍田「大丈夫よ〜。」

 

龍田がなだめてはいるが、どうしたものかと。とりあえずは支援が来るまで持ちこたえるしかないであろう。

 

…少女が、海の方へと足を進めている。何をするつもりなのか。

 

天龍「おい。何しようとしてる?」

 

「何って、母艦を沈めに行くだけよ。」

 

天龍「母艦?」

 

「ああ、えーと、あなた達はビックサイズ級と呼んでるんだったわね。」

 

天龍「な、何!?ビックサイズ級を沈めるだあ!?無理だ無理だ!あんなやつを沈めるなんて!」

 

「無理じゃない。」

 

そう、言い切った。あのビックサイズ級を沈めれると。

 

天龍が立ち尽くしているあいだに、少女は更に海の方へと歩く。そして…立った。海の上で立った。嘘だと思った。後ろの方で「嘘…。」と龍田が呟いたのが聞こえた。

 

少女はどんどん海を『歩いていく』。天龍はそれをただ見つめる。しばらくして天龍は言った。

 

天龍「俺、ちょっとあいつについていってくる。お前らはどうする、別に一緒に来ても来なくてもいいぜ?」

 

漣「私はついていきます。別にあの人を疑うというわけではないですが、もしビックサイズ級を沈めるんならそのときを見てみたいんで。」

 

曙「私もついていくわ。あんなやつ一人で撃破できるとは思えないわ。」

 

朧「私もついていきます。」

 

潮「えーと、み、みんなが行くんなら私も行きます!」

 

みんなついていくようだからな龍田は…聞かなくてもついてくるだろう。

 

天龍「…うっしゃあ!天龍第一水雷戦隊出撃だー!」

 

第七駆「「おー!」」

 

龍田「うふふ。天龍ちゃんったら張り切っちゃって可愛い〜。」

 

支援艦隊到着まであと10分

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これから母艦を沈めに行くのだが、後ろに何か荷物がいる。

 

暁「なんであんたたちがいるのよ。」

 

後ろになんかすごいいる。紫が2人とピンクと花と蟹と巨乳がいる。

 

「へっ!お前が倒すのを見物しにいくんだよ!ってかお前艦娘なのか?」

 

暁「そうよ?何か変かしら?」

 

「嫌だって、お前海を『歩いてる』じゃねえか。お前どこの艦娘だよ。」

 

「そうね〜私もあなたみたいな艦娘は見たことないわ〜。」

 

「龍田も知らないか。」

 

剣の紫と槍の紫が言ってる。

 

 

なるほど槍の紫は『龍田』というのか。しかし今後も槍の紫と呼ばせてもらおう。

 

さて、どうやって誤魔化すか。

暁「そうね私は…来た。」

 

いいタイミングで来てくれた。奴らだ。

 

「て、天龍さん!敵艦です!」

 

ほう剣の紫は『天龍』か。しかし剣の紫と呼ばせてもらおう。そんなことより巨乳も気づいたようだ。

 

上に零戦が見える。妖精さんだろう、手を降ったらこっちに降りてきた。

 

滑走路を出してくれると思ったのか速度を落とし足を出した。でも滑走路を出してる暇はないので零戦を『掴む』。

 

妖精さん「ぬおおおおおおおおおおおおおおおお!?な、なにすんだ暁!?」

 

暁「ごめんなさいね。でも今はそれどころじゃないのよ。」

 

暁は急いで妖精さんをピンクのとこに持っていった。

 

暁「あなた、しばらく妖精さんを見ててもらえないかしら?」

 

「ふえ!?わ、私ですか!?わ、分かりました。」

 

妖精さんをピンクの手の上に乗っける。ピンクが「うはっ妖精さんだ!kwii!」とか言ってた。

 

暁「さーて、お楽しみと行きましょうか。」

 

目の前には駆逐級やら軽巡級がたくさんいる。どうやら母艦はまだ見えないようだ。まあ、倒していればいつか見えるだろう。

 

「おいっ敵はたくさんだおr…」

 

剣の紫が何か行ったようだがそんなことはどうでもいい。暁は斧を持ち走る。

 

まず目の前にいた駆逐級、に斧を下ろす、簡単に脳天に刺さった。もう一匹の駆逐級が飛んできたので刺さったままの駆逐級ごと斧で叩きつける。飛んできたやつは刺さってたやつごと吹っ飛んでいった。

 

軽巡級が見えたのでそこまで一気に距離を突き進み斧の先端についた槍でつく。それを抜き振り回せば、周りにいた3体が切られ吹っ飛ぶ。

 

…砲弾が飛んでくる。暁は少し右に避け砲弾を避ける。水しぶきがまい暁に降り掛かってくる。少し先に戦艦級が5体見えた。これは、楽しい。暁は笑う。

 

暁は斧を思いっきり叩きつける。高い水しぶきが上がり近くにあった駆逐級の死体を放り込みすぐに水しぶきに向かって飛ぶ。飛んでいく駆逐級の死体に驚いているようだ。すぐに持っていた砲で死体を叩き捨て用とするがが一瞬でも驚き隙を作ってしまったしまったそちらの負けである。暁は死体ごと切る。死体は横に真っ二つ。戦艦級の一人が腹から内蔵を垂れ流し倒れる。

 

…まず1体。

 

すぐさま近くにいたやつに飛びかかり腹を殴る…はずが貫通してしまった。貫通した拳に少し風の感覚がする。流石に腹に穴1つ空いたぐらいでは沈まないようだ。砲で殴りかかろうとしてきたのですぐに後退。後ろからの砲撃をかわし再度突撃。貫通したやつは吐血をしながらも防御体制を取るために両手にある砲を寄せるが…遅い。今度は胸を突き刺し心臓をもぎ取る。…すぐに前に倒れた

 

…2体。

 

後ろを見ると今まさに砲撃をしようとしている2体がいる。

 

撃ってきた。弾幕を張ろうとしているのだろうが感覚が空きすぎだ。真ん中を突っ切る。すぐについた。走ってきた勢いでタックルをすると2体とも少し後ろに下がる。すぐに斧で海面を叩きつけ先程までではないが暁が隠れるぐらいの水しぶきを作る。

 

まずは右のやつ。

 

水しぶきが上がってすぐに飛び出した。相手の驚いた顔が見える。その顔が変わらないうちに一瞬しゃがみ足をすくう。完全に倒れる前に、首に向かって足を思いっきり蹴りあげ首を飛ばす。

 

次に左のやつ。

 

首を飛ばして後ろを見た瞬間撃ってきたのですぐに首のない死体を掴み投げつける。暁の目の前で爆散し、死体は四方八方に飛び散っていくがそんなものを見てる暇なく突っ込む。相手は防御体制で撃ってたようで体の前を砲でガッチリ固めている。なので、一瞬切りかかる振りをして、一層構えた瞬間に後ろに回り込む。振り返らないうちに無装備な背中を切り上げる。悲鳴のようなものが聞こえたがすぐにまた斬り今度は上半身と下半身を離す。

 

これで4体。

 

最後の1体だが戦闘が始まってから1回も撃ってない。見たら目から黄色いオーラのようなものが出ている。…突っ込む。相手が笑っているのが見えた。なるほど至近距離での砲撃か。多少は頭が回るようだ。…撃った。が、私には傷1つついてない。そりゃそうだ撃った瞬間に横にそれたのだから。相手がガッチリ前を固めているが再度突撃。1つ教えておこう。

 

暁「そんなもので私の斬撃は防げないわ?」

 

斧は砲を切りつけ食い込む。そしてそのまま肉も切り裂きさっきと同じように上半身が近くにベチャッと落ちてきた。

 

これで最後。

 

「なあ、お前本当に何者だ?」ゲシッ

 

暁「何者って私はt…」ドカッ

 

「『ただの艦娘』なんて言わせないわよ。」グサ

 

困った。こうも2人の紫から責められてはドーン、誤魔化しようがない。はてさて、グチャどうしようか。

 

「まず、俺は海面から足を離せる艦娘を見たことがねえ。」バキ

 

「それに、ル級5隻、うち1隻フラグシップ級相手に無傷で勝てる艦娘もね。あなた…身長的には駆逐艦でしょお?」グサア

 

…少し目立ちすぎてしまったか。バキャア

 

 

 

 

 

 

 

 

妖精さん「なあ、漣?」

 

漣「何ですか、妖精さん?てか私の名前知ってるんだね。」

 

妖精さん「まあ、俺は元々お前んとこの鎮守府にいたんだ。」

 

曙「あら?空母の妖精さんが1人行方不明ってチラッと聞いていたのだけどあなたのことかしら?」

 

朧「赤城さん、心配してたよ?」

 

妖精さん「ああ、赤城にはよろしく言っといてくれ。」

 

潮「分かりました。」

 

妖精さん「いや、そうじゃねえんだよ。あの3人なんか凄い話ししてるだろうがあれを見てると何かなあ。」

 

漣「妖精さんと一緒にいたあの人も凄かったけど、あの会話方法はちょっとねー。」

 

あの3人きっと重大な話をしているのだろう。天龍と龍田が暁に何か問い詰めて、暁が少し困ったような顔をしている。そこまではいいのだ。ただ…

 

曙「あの3人よく深海棲艦に襲われながら会話できるわね。」

 

あの3人さっきからずっとイ級やらホ級に襲われているのに剣で斬ったり、槍で突き刺したり、斧で真っ二つにしながら会話している。

 

1っ匹と4人がそんな少しシュールな会話を遠目で見ていると、

 

「―――――――――――――――ッ!!!」

 

妖精さん「ぬああああああ!?うっせえー!?」

 

耳を塞いでも突き抜けて来る音がした。

 

 

 

 

 

 

「な、なんだあ!?」

 

剣の紫が驚いている。槍の方もうるさそうに耳を塞いでいる。しかし、暁は何度も聞いた。逆にしばらく聞いていなかったせいで懐かしく思える。そして何より、

 

暁「ナイスタイミングね。」

 

前方500m先に黒い物体がいた。…母艦だ。他の2体もその近くから叫びながら浮かび上がってきた。




これを書いてて思った。暁が脳筋だ、と。…もちろん設定でございます。

艦これのローソンコラボが楽しみです。皆さんの戦果も期待しておりますぞ!


感想や質問をお待ちしております。些細なことでも、簡単なことでも構いません。感想を書けば作者が、おお喜びします!


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横奈町深海棲艦襲撃事件 後編

皆様!お待たせして本当に申し訳ありません!

文化祭などで多忙でしたがやっと書けました!


「「――――――――――っ!!!」」

 

残りの2体も同じように叫びながら浮かび上がってくる。

 

「っ!あああああ、うっせー!?なんだよ!ビックサイズ級が吠えるなんて聞いてねえぞ!?」

 

暁「私は何回もこの声を聞いてたわよ?」

 

「…できればこのままあなたに色々聞いていたかったけどそうは行かないようね。」

 

目を凝らしてみると母艦から何か黒い塊が大量に海に落ちていく。そして、少ししてこれまた大量の深海棲艦が浮かび上がってくる。

 

「おいおい、どうすんだ!?お前ビックサイズ級を沈めるんだろ!?俺が言っちゃなんだがその斧をぶん回して倒せるのはちょっと難しくねえか!?」

 

暁「そうね。この斧で倒すのには『時間がかかる』わね。」

 

「時間が、かかる…?」

 

暁「二人とも、30秒ほど時間を作ってくれない?今から私は無装備になってしまうわ。それに、私の勘ではあいつらはみんな私に向かってくる。」

 

「30秒で、いいのね?」

 

槍の紫が聞き返す。疑われると思ったが案外信じてもらえるようだ。まあ、仕方がないだろう。あっちが言ってるビックサイズ級とやらは今の艦娘には撃沈不可。さらに、活動が活発しているなか、嘘でも倒せると言った暁にかける他ない。

 

「お、おい龍田こいつを信じるのかよ!?」

 

「今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょう天龍ちゃん?たとえこの少女が言っていることが嘘だとしてもビックサイズ級を止めれるのはこの子しかいないのよ?それとも天龍ちゃんがあいつを沈める?」

 

「う…わ、分かった分かった!30秒だな!?」

 

暁「ええ。」

 

剣の紫は槍の紫と一緒に母艦のところへ突っ込んでいった。

 

剣の紫にも守ってもらえるなら、大丈夫だろう。されさて、こいつを起動するのはかなり、久しぶりだ。メンテナンスをしてないので動くかどうか少し怪しい。全く軍も困ったものをつけてくれたものだ。

 

暁はその場で足を少し開いて立つ。そして言った。

 

暁「艤装具現化!」

 

「コードを確認…確認完了。対象者を暁と確認…駆逐艦暁を実行します。」

 

どこからか機械音が聞こえた。暁は少し体を前に倒す。すると暁の背中から、金属のパイプのようなもの2本が『生えてきた』。

 

「具現率10%…20%…30%…。」

 

機械音とともに暁の背中から生えてきた2本のパイプのようなものが伸びていく。

 

「…100%…試作型対特別歩兵隊用12cm連装砲の具現化完了。」

 

暁の背中にはパイプに繋がった大きな砲があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

妖精さん「な、なんだありゃあ!?」

 

漣「うはー…デッケエ…。」

 

暁が何か叫んだらなんか、すっげえ大きい物が出てきた。見た感じ細いもので支えているようのだがあれで、支えきれるのだろうか。

 

曙「な、なにあれ。」

 

朧「12cm連装砲っぽいね。」

 

潮「で、でも大きすぎない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暁「本体と砲への神経接続を実行。」

 

「本体と砲への神経接続を実行します…接続完了オールグリーン。」

 

暁「2基ともに徹甲弾を装填。」

 

「2基に徹甲弾を装填…装填完了。」

 

さて、準備は整った。それにしても、重い重すぎる。立っていられるのがやっとだ。あとはあの二人が射線から避けてくれれば…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天龍「おいおい!?今度はなんだ!?」

 

ふと、後ろを見たらなんかすっごい物が少女から生えてた。以上。

 

龍田「天龍ちゃんもうすぐ30秒経つわ。」

 

龍田は冷静に天龍に言う。あれを見てもあんまり驚いている様子はない。

 

天龍「おいおい、お前はあれ見て驚いてねえのかよ!?」

 

龍田「驚いているわよ。だからこそあんなのに撃たれたら大丈夫じゃ済まないでしょ。すぐに離脱しないと。」

 

天龍「な、確かに。…分かったすぐに離脱しよう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人の紫が離れたようだ。これなら撃てる。

 

暁「一番砲塔用意!目標右前方特歩兵母艦一型!」

 

「了解。目標特歩兵母艦一型。」

 

暁の右の砲が少しずつ動いていく。母艦は暁へ向かうようにさっきよりもスピードを上げてどんどん近づいてくる。

 

「目標への照準完了。」

 

暁「一番!テェッ!」

 

ズドン!と大きな音がする。この音を聞くのはかなり久しぶりだが、やはり反動がすごい。2〜3mほど後ろに滑るし、いちいち耳が痛くなる。

 

撃った砲弾はまっすぐに母艦へと進み。…貫いた。母艦についた穴から海が見える。

 

「__________ッ!!!」

 

悲鳴のようなものを上げて母艦はゆっくりと沈み始めた。

 

暁「次!二番用意!目標左前方特歩兵母艦一型!」

 

「了解。目標特歩兵母艦一型。」

 

次は左の砲がゆっくりと動き出す。

 

「目標への照準完了。」

 

暁「二番!テェッ!」

 

こちらも、ズドン!と大きな音がし、少し後ろに飛ばされて、耳が痛い。今度は少しの時間音が聞こえなくなった。何回やってもこいつには全く慣れない。

 

砲弾はとんでいき先程と同様に穴を開ける。

 

暁「これで2体目…あとはあいつだけ。主砲の再装填開始!」

 

「…接続エラー。主砲再装填できません。接続エラー。主砲再装填できません。」

 

暁「な!?こ、こんな時に!?」

 

元々再装填時のエラーは多かったが…今まで10年以上メンテナンスをしないでここまで動いただけでも奇跡だろう。

 

暁「…艤装格納。」

 

こうなってしまってはこいつはただの重しだ。さっさと片付けてしまおう。しかし、あいつを斧で沈めるには少々時間がかかるし、なかなかに疲れるがしょうがない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…母艦が2隻やられたか…。流石にやばいかな。やっぱり、暁を倒すのに3隻じゃあ無理そうだなあ。今回は君の勝ちだよ暁。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暁「あれ?引き返してる?」

 

今から斧で潰しに行こうと思ってたのだが急に母艦と母艦が出した奴らが全員反転して遠ざかって言ってしまった。

 

暁「…もったいないわねえ。」

 

暁としては、全部叩き潰してしまいたかったが…おっと、それどころではなさそうだ。紫がこっちによってきた。

 

「さーて?今度こそ吐いて貰おうか。…お前は何者だ?あの運動神経にあの巨大な砲。そこら辺の艦娘のやることじゃねえし、ましてや大本営の響たちがやるようなことでもねえ。」

 

「それに、駆逐艦の見た目をしておきながら、戦艦5隻撃沈。ましてやあんな短時間でビックサイズ級を2隻も沈める…。もう言い逃れはできないわよ?」

 

暁「あ~、えーっとそれは〜。」

 

まずいまずい。この状況どうやって切り抜けようか…。妖精さんの方を見るとピンクがこっちをボーッと見てるせいで妖精さんは無装備状態だ。よし、そうだこれなら、これなら逃げ切れる。

 

暁「あっ、ビックサイズ級。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天龍「なに!?」

 

天龍と、龍田は後ろを振り返るがそこにビックサイズ級はいない。

 

天龍「おいおい。いないじゃないか…。」

 

と、戻るとそこにはあの少女がいない。

 

龍田「やられたわねえ。」

 

天龍「急いで追うぞ!」

 

 

 

 

 

 

よしよし、引っかかった引っかかった。このままダッシュでピンクのとこまで突っ走る。丁度いい妖精さんは、ピンクの手のひらの上に乗っている。

 

暁「ぬうううううううう!」

 

「うわあ!?」

 

妖精さん「!?!?」

暁が変な声を出しながらひったくるように妖精さんを奪い…

 

暁「さあ、妖精さん。こんなところさっさと逃げ出しましょう。」

 

走りながら宙に浮いて、少ししてから一気に上空へ走ってそのまま横奈まで飛び去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

天龍「クソッ!はめられた。」

 

龍田「対空砲も届かないわね…。上に報告しましょうか。」

 

天龍「そうするしかないようだな。…チビども!俺達は『大本営』に戻る!」

 

漣「は、はい!ありがとうございました!」

 

天龍「はあ…3隻のビックサイズ級に変に強いチビが出てきたりと今日はつかれたぜ…。」

 

天龍と龍田は針路を変え大本営の方へと戻っていった。

 




今回で2章の本編はお終いです
次回は前言ってった通りキャラクター紹介となります。


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キャラ紹介

今回は予告通りキャラ紹介であります。
紹介しているのはこのお話によく出る方たちなので、サブキャラは出ておりません。


キャラ紹介を初めて書いた感想ですが「案外辛い」でございます。いやね?書くことが思いつかないの。だから今回短いの。だって、キャラ設定考えてなかったやつおるし…(馬鹿


 

このお話の主人公。言っちまえば最強。初代艦娘であり、このお話に出てくる響たちの姉であるが、世間一般には存在は消されている。自慢の武器は斧。大きさは暁よりも大きい。色は金色っぽくて柄の部分に宝石みたいな装飾がついてる。昔からこの斧を使っていたので近接戦闘は大の得意。射撃もなかなかで教えてくれたのは「__」。

自分ではレディを気取っているようだがよく空回りしている。(作者が残した数少ないもとの暁の設定。

戦闘になると我を忘れたりする。知人がいなくなったり、嫌われたりすることをひどく嫌う。昔に何かあったようだが…?

 

 

妖精さん

 

元○○鎮守府に所属していた妖精。(○○の部分の名前をそろそろ考えてあげたい。…ここの鎮守府がまた出てくる予定は今のとこ未定。

前は空母赤城で分隊長していた実は割と地位の高い妖精。無人島に流れ着きそこで暁と出会った。戦闘機をよく乗りこなし、一番の愛機は零式艦戦二一型らしい。よく突っ込みの方に入る。今では暁に引っ付き行動している。暁も何気に嬉しそうなのでずっといる(くそ羨ましい。

 

 

杉田 祐作

 

フルネームでの紹介は今回が初めて。実は、作者も考えてなかったから今さっき考えた。暁とは長いようで、暁は「杉田さん」と呼んでいる。普段は骨董屋「杉田の骨董屋」の店長をしている。(これも今さっき考えた。…ネーミングセンス最悪。

深海棲艦が好物らしいが最近あまり食べれてないのでよく暁にねだっている。初老ぐらいのおじさん、独身。「死ぬまで童貞めざせ大賢者」を心で唱えて日々生きている。

 

 

有田 康介

 

今さっき考えた名前第二弾。見た目を簡単に言えば「筋肉モリモリマッチョマンの変態」。※変態ではありません。同じ見た目ののやつに栗田がいるが繋がりは不明。泉の部下。話し方はクール系。正直言ってあんまり出てこないからこれ以上話すことなし。26歳、男性、独身。

 

 

栗田 正助

 

今さっき考えた名前第三弾。見た目も上に同じ。※も上に同じ。話し方は有田とは反対でチャラっぽい。ついでに髪型も金髪でチャラっぽい。同じくあんまり出てこないからこれ以上話すことなし。26歳、男性、独身。

 

 

 

見た目がロリヲ級のやつ。杉田と同じく暁とは付き合いが長い。色んなものを作ったり改造するのが好きで、暁のあの斧を作ったのも泉。元々人間だったが昔に改造されて今の姿になった。元々孤児院の子だったので名前がなく「泉」という名前はその時につけられた。一応、航空戦をすることができるが、暁のせいで航空戦したことが殆ど無い。ハッキングも可能であり教えてくれたのは「__」。語尾が昔の言葉遣いで作者は結構気に入っている。

 

 

 

暁の妹で今はそのことは隠している。今の艦娘システムを作ったすごいやつ。暁と同じで初代艦娘であり昔の暁との約束で「暁」の存在を隠している。この子も作者はいじりその結果。表ではクールに振る舞っているが実は結構寂しがりやで暁の方向でかなりなシスコン。毎日、暁のことを思っている。刀扱うのが得意でよく刀で戦っている。因みに泉とは面識あり。

 

 

 

暁の妹。この子も作者はいじり、みんなが知っている雷ママではなくなってしまった。他人を手伝うなんてことはしないし、姉妹を助けることなどしない。艦娘の教育係でありその教育がかなりスパルタだとか…。自慢の武器は手甲。大きさが結構あり手から肘までを庇っている大きなグローブのような感じ。想像ができない人は、「討鬼伝 手甲」で調べてみよう。

 

 

 

暁の妹。もちろん、いじった。優しさなんて欠片も無くなり、腹いせに味方を殴ることなんてザラにある。同じく、艦娘の教育係だが雷のほうがまだマシと言われるほどヤバい奴。しかし、教育自体はかなり有効らしく電の教育を受けた艦娘は結構強く精神的にもタフになる。武器は雷同じく手甲だが雷のものより青みがかっている。整備をしているとある艦娘A氏によると

「洗っても、洗っても水が青くなる。たまに肉片がついているが落とすのが結構大変なのでできればやめてほしい。」

らしい。

 

 

 

………システムエラーシステムエラーデータを読み込めません。データが破損していますデータが破損しています。

 

……データの修復を開始します……

 

1%…2%…3%…




来週はテスト再来週は修学旅行…私に小説を書く時間を下さい。
というわけでまたしばらく消えます。
次回は番外編です。響きたちの視点になります、場面は襲撃事件が起こったあたりからになります。


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番外編2

な、なんとか書けました…。
今回は番外編となっております。





はあ、くっそ疲れた…。めんでぃー。…え?い、いやなんも言ってませんよお?


響「横奈に深海棲艦が上陸したあ!?」

 

「は、はい!横奈町の警察の方からそのような通報がこちらに…。」

 

なんてこった。近頃、上陸した深海棲艦を確認していたから警戒をしていたが、まさかこうなるとは…。とりあえず迎撃をしなければ。あそこにあった鎮守府は…。

 

響「横須賀支部鎮守府は!?」

 

「横須賀支部ですか!?あ、あそこは先日のブラック鎮守府騒動により提督が変わってから時間があまり経ってませんよ!?」

 

響「提督が新人であろうが、艦娘の練度はそこそこ高いはずだ!すぐに連絡を!」

 

「は、はい!」

 

クソっまだ、横奈にしか上陸しなかっただけマシか…。にしても、これは…流石に…。

 

電「響。」

 

がちゃっと先程の職員よりも大人しく開けられた扉からは電が出てきた。

 

響「電…。」

 

雷「私もいるわよ。」

 

電のあとから気だるげな顔をした雷も出てきた。

 

響「雷もいたか。」

 

電「響、今回はヤバイですよ…自分たちも出なければいけないかもしれないです。」

 

響「…やはりそうなるか。」

 

雷「私達が3人とも出るなんて前代未聞なことは分かるわ。でも、流石に今回ばかりは…。」

 

珍しく雷が慈悲をかけているように思える。それもそうだ、本来深海棲艦は海にしか出てこない存在。それにあわせて艦娘は海で動きやすいように作られている。もちろん、その反対は容易に思いつくだろう、つまりそういうことだ。

 

響「大丈夫だ。…雷と電は先に向かっていてくれ。」

 

雷「あんたは?」

 

響「天龍と龍田がもうそろそろ、遠征から帰るところだろう。持ってくる弾と燃料の使用を許可させて横奈に向かわせる。あと…ひっぱり出してくる。」

 

電「分かりました。では先に行っときますね。」

 

雷と電は部屋を出ていった。響はふうっと1つため息を付く。

 

響「…全く疲れるなあ。…ねえ、お姉ちゃん。お姉ちゃんは今どこにいるの?」

 

ガチャっと無線機を取り出す。

 

…何処かにいると信じて…天龍に指示を出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷「クソッ!多すぎよ!」

 

ロ級を殴る。勢い余りに貫通してしまった。返り血を大量に浴びる。

 

雷「あー!もう!クソクソクソクソクソ!!!」

 

電「雷、女の子が使う言葉ではありませんよ。」

 

雷「あんただけには言われたくないわよ!」

 

電も真っ青に染まっており、手甲にはかなりの肉片がついている。

 

電「まあ、雷のことも分からないことは無いというか、もはや同感ですけどねっ!」

 

飛んでくる砲弾を叩き割る。

 

10分前に横奈から2〜3kmのところに入ったが、急に深海棲艦が沸いてきた。潰せど潰せど全く数が減らない。それどころかだんだん増えているような気さえする。

 

雷「こいつらどんだけいるのよ!あ~もう!片っ端からぶっ潰してやる!」

 

電「おーおー。物騒ですねぇ。ですが私も同感なのでね…。雷!どっちがより多く潰せるか競いませんか!?」

 

雷「望むところよ!報酬は酒よ!」

 

電「いいでしょう!」

 

こうして二人の大量虐さt…ゲフンゲフン、戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間ぐらい立っただろうか。辺り一面に深海棲艦の死体や、もはや原型をとどめていない肉片が多く浮いている。いつの間にか、深海棲艦の群れはいなくなり、雷と電がただ立ち尽くしているだけだった。

 

雷「はあっ!はあっ!電…貴方は何体?」

 

電「ふう…345です。」

 

雷「私は334だから。」

 

電「な阪…?な阪…?」

 

雷「なんでや阪神関係ないやろ!…じゃなくて!はあ、負けたわ…。」

 

雷による、ノリツッコミが終わったところで丁度響も来たようだ。

 

響「おや?なんだいもう終わってしまったのかい?」

 

雷「あんたが来るのが遅すぎるだけよ。」

 

周りの残骸を見たところこの量を1時間では無理なはずだが…。

 

響「全く。また暴れ回ったのかい?」

 

雷「酒がかかってんのよ、酒が。」

 

電「お二人とも、お話はそこまでにしてください。」

 

突如、電がそういった。先程から殺気がどんどんこっちに近づいてきているのだ。

 

響「隠す気が無いような殺気だな。」

 

雷「私達相手にそんなことをするなんて、よっぽどの馬鹿か。」

 

響「もしくは、自分たちよりもよっぽど強いという自身があるやつか…。」

 

電「後者出ないことを願いたいですね。」

 

そんなことを言っている間にもどんどんと殺気は近づいてくる。

だんだんと姿が見えてきた。見た目は少女だがあれは…白衣を着ていて、髪はオレンジ色だろうか?赤色の眼鏡もかけているようだ。

 

そして…『海上を歩いて』そいつはやってきた。

 

電「何なんですか?あいつは。」

 

雷「海上を歩いている?どっかの艦娘かしら?」

 

響「いや、違うと思うけどね。少なくとも海上を『歩いく』艦娘は私は1人しか知らない。もちろんあんな奴ではないけどね。」

 

そいつは少し遠くから拍手をしながら大声で言った。

 

「いやはや!まことに見事だよ!まさか1時間であの量を殺るとはね!…流石暁の妹になっただけはあるね。

 

最後の方は上手く聞き取れなかったが…激励、されているのだろうか?

 

響「貴方は誰だ?」

 

「私かい?私はねえ、まあ名乗る程のものでもないさ…ただ一つ言えるとすれば、私は君たちの敵だ。」

 

その言葉は先程までの陽気な言い方とは違いあまりにも冷たくさらりと言った。その言葉に3人は背筋がゾクリとした。この感じどこかで…。

 

電「そうですか。なら話は早い…敵なら即刻潰します。」

 

電は勢いをつけ突進する。その速さはまるで目が追いつかない。反応もしきれないはず…であったが…。

 

電「なっ!?」

 

「おおー。いきなり突っ込んでくるとは怖い怖い。」

 

そいつは、確かに電の拳を『片手』で掴んで受け止めた。

 

雷「電の攻撃を受け止めた…っ!?くっ…!」

 

続いて雷も突撃する。が、謎の少女はすぐに電を放棄、雷の腹に的確に蹴りを入れた。

 

電「グッ!」

 

雷「ガハッ!?」

 

響「雷!電!」

 

まさかこの二人が簡単にやられるとは…。

 

「あんまり手応えがないねー。どうだい?君も突っ込んでくるか?いっそ3vs1っていうのも面白そうじゃないか?」

 

明らかに笑っている。これは覚悟をしたほうが良さそうだ。目を見ただけでも足がすくみそうになる。

 

「さーって?はじm」

 

「________________ッ!」

 

その時、おぞましい鳴き声が遠くから聞こえてきた。

 

数秒後また同じように、

 

「________________ッ!」

 

 

響「なんだ?この鳴き声は?」

 

「…母艦が2隻やられたか…。流石にやばいかな。やっぱり、暁を倒すのに3隻じゃあ無理そうだなあ。今回は君の勝ちだよ暁。」

 

少女は言った。確かに『暁』と。

 

響「今、暁と言ったか!?生きているのか!?」

 

「なんだ?暁はお前達に会ってないのか。…はあっ。全くあいつは変わってない。そうだ生きてるよ。横奈を探せば見つかると思うよ。」

 

少女はいかにも昔から暁のことを知っているかのように答えた。

 

「じゃあ、私は帰る。…次にまた会ったらよろしくね。響ちゃん?」

 

響「!?なぜ私の名前を!」

 

そう言ったときにはもう姿は無かった。あれは何だったのか…いや今はそれよりも雷と電を助けに行かねば。

 

響「二人とも!大丈夫か!?」

 

電「私は、大丈夫ですよ。」

 

雷「ゲホッゲホッ!的確に入れていきやがったわね…!次会ったら絶対潰す…!」

 

なんとか無事そうだ。

 

響「とりあえず帰投しよう。おそらく今回の元凶はあいつだ。」

 

電「でしょうね。深海棲艦の気配も消えましたし。」

 

雷「あいつの言っていたことが正しいなら…。」

 

響「…お姉ちゃんに会える。…雷電!早く戻ろう!お姉ちゃん早く会いたい!そろそろアカツキニウムがほしい!早くしないと死んでしまう!」

 

電「落ち着いてください。あとその訳し方もやめてください。私達はどっかのスパイじゃないんですよ。」

 

興奮する響を抑えながら足早々と帰投する三人であった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




来週は修学旅行なんで投稿できません。

さあ!次は3章ですよお!簡単に3章の内容を説明しますと…暁…提督になるってよ…。

ではまた!次回でお会いしましょう!


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4章 暁、提督になるってよ
19話


ただいま。修学旅行から帰ってきました。修学旅行2日目に私の班が崩壊しかけました。

タイトルを考える気力がなくなったのでたまにしかつきませんというか、つけれません。

あ、あと今年の秋刀魚漁は不参加なんで。


先の襲撃事件から3,4週間が経った。外では未だに工事の音がする。海に近い方はもはや更地と言ってもいいほどになっていたので復興にはかなりの時間が必要となるだろう。

 

もう9月なのねー、と買い物に来ていた暁はポツリとつぶやいた。

 

杉田の骨董屋は海からそこそこ離れていたので幸いにも特に損傷は無かった。今暁がいるスーパーにも同じことが言え、無事だったこのスーパーには普段よりも客が多めにおり、レジの人も忙しそうだ。

 

暁「ええと…?醤油にマヨネーズ…七味、と。」

 

買い出し係になっている暁はこの日も買い出しに来ていた。

 

妖精さん「あとはなんかあったか?」

 

…と、付いてきた妖精さん。最近は四六時中暁と一緒におり逆に妖精さんを乗っけてないほうが珍しくなってきた。

 

暁「まだまだあるわよ…。」

 

暁はトホホ…とした顔をしながら鮮魚売り場へと足を進めていった。

 

 

 

 

暁「や、やっと終わった…。」

 

暁のかごいっぱいに食料品や調味料が乗っている。今までは週2ほどでよかったのだが、何分泉と有田と栗田がよく食うのだ。そのせいで今では週4になっている。最初、夕飯を食べている泉を見て妖精さんが

 

妖精さん「どっかの空母みたいだ…。」

 

と、言っていたのだが「泉は空母よ」、と暁がいったが

 

妖精さん「いや、俺がいたところにバケモンみたいに食うやつがいてだな…いや泉は艦娘じゃないからあんなに食うのも普通なのか…?」

 

なんか考え込んでいたので暁は「泉はいつもあんな感じよ?」とだけ言っておいた。

 

暁はレジへと向かう。そこそこの時間をおいたので客は少なくなっていた。いつものレジへと入る。

 

「どーも、暁さん今日も大変ですねえ。工事も全然進んでないようだし…ま、うちのとこの売上がよくなるんでいいですけどねー。」

 

暁「全くねえ。いつになったら戻るのやら…。」

 

この人はいつも買い物に行ったときに入るレジの人でよく話す。そして、この町ではちょっと有名な情報屋さんだったりする。

 

「そーいや、暁さん知ってます?ここ最近この町に変な人たちがうろついてるっていう噂。」

 

暁「いや?聞いたことないわね?」

 

「ここんところ、黒いスーツ姿にサングラスをかけた三人組がうろついているらしいんですよ。」

 

暁「へえ。」

 

「何でも、それが大本営から送られたんじゃないかって。」

 

暁「大本営から?」

 

「ええ。まあ多分被害状況の視察だとは思うんですけどねー。」

 

暁「うーん…まあそうでしょうねえ…。」

 

「ええと…お会計合計で13,833円です。」

 

暁「あ、はい。」

 

「ご利用ありがとうございましたー。」

 

荷物を詰めてスーパーを出る。まだまだ残暑はあるが朝は涼しくなったと思う。最近は風が強い、暁はロングで髪を結んでないのでよく風になびいてたまに妖精さんが落っこちて、髪の先端にくっついていることもある。

 

さて、さっきレジの人が言っていた噂の件だが実は心当たりがめちゃくちゃある。というのも3日前から、噂の通りスーツにサングラスをかけている三人組が後ろをついてきているのだ。現に今もつけられている。もし大本営からなら響にバレたのか…。今のところ特に何かしてくるということはないので放っているが…。

 

骨董屋に戻ってきた。

 

暁「ふー。ただまー。重~。」

 

カランカランと軽快な音を立ててドアが開く。

 

杉田「やあ、おかえり暁。」

 

杉田はレジに置いてある椅子に座って本を読んでいたようだ。暁は杉田に荷物を預けそのまま妖精さんを引き連れて、地下に行くエレベーターに向かった。

 

暁が正面のドアから死角になったとき、もう一度ドアが鳴った。

 

あの、男たちが来たのかと思いチラッと覗いてみたがただの客のようだ。杉田が「いらっしゃいませー。」と言いながら慌てて荷物をどかしていた。

 

暁は、再度エレベーターに向かい地下へと下る。地下に降りると泉が大きな鉄の塊の前で腕を組んで立っている。見た感じ悪戦苦闘しているようだが。

 

暁「泉、どう?直りそう?」

 

泉「ん?おお、暁か。うーむ直すのはちと難しいかのお…。流石に10年もメンテナンスをせずに使えただけでも奇跡じゃったからのお…。」

 

泉の前に置かれている鉄の塊は、前の襲撃事件のときに暁が使っていた試作型対特別歩兵隊用12cm連装砲である。

 

泉「ただえさえこいつはメンテナンスがしにくいし故障下したとなると資材と時間が吹っ飛ぶのじゃ。なんとか直せないかと思ったがもう廃棄したほうがいいかもしれんのお。」

 

暁「そう…。じゃあ名残惜しいけど廃棄するしかないわね。」

 

少し悲しそうな顔をした。なんやかんや長く使っていたので少し寂しい。

 

泉「代わりを作ってもしょうがないしの~。うーむ…新しいものは考えておくとしよう。おーい!有田!栗田!こいつを持ってってくれ!」

 

泉が叫ぶとどこからともなく二人が沸いてきた。そしてヨイショッ!という掛け声とともに砲を持って屋内プール方へと引っ込んで行った。

 

妖精さん「あんな重そうなのよくも二人で持てるなあ。」

 

泉「まあ、実際普通の人間で持とうとしても無理じゃがの。二人がいないときはクレーンで運んどったわい。」

 

妖精さん「oh…。あ、でも暁は普通に背負ってた?よな。」

 

暁「いやいや、あんなん無理よ。立ってるだけでやっとよ。」

 

泉「だから、あれは『試作型』じゃ。」

 

暁「そういえば、今の艦娘が持ってるやつはかなり軽そうだったわね。」

 

泉「まあ、あれが完成形とも言っていいじゃろうの。試作型は本当に酷かったのお。大和型よりも重いと思うわい。」

 

妖精さん「大和型よりも…。」

 

暁「その大和型の砲がどれだけ重いのかわからないけど、私のはそれほどだったのね…。」

 

3人でシミジミとしているとエレベーターが、急に上へと上がっていく。

 

泉「ぬ?誰かがエレベーターを呼んだようじゃの。」

 

暁「杉田さんじゃない?」

 

暁の読み通りしばらくして杉田がエレベーターから降りてきた。

 

杉田「あ、おーい暁。君にお客さんだよ。」

 

暁「え、私に?」

 

自分にお客さんとは珍しい。杉田と入れ違いのようにしてエレベーターに乗り上へと上がる。

 

お客は杉田が応接室にとうしたらしい。コンコンとドアを開けるとそこにはあのスーツ姿の3人が座っていた。

 

「…貴方が暁さんですね?。」

 

暁「え、ええ。そうよ。」

 

とうとう来たか。何をされるのかはわからないけどもしものときは…。

 

「私達こういうものでしてね。」

 

スーツの一人が名刺を差し出してきた。恐る恐る名刺を受け取る。一番最初に入ってきたのは…

 

『大本営』

 

…今なんか変なものが見えた気がする。いや、幻覚だろう。最近疲れているんだ。ちょっと前にも買い出しを終えたばかりだし…。うん、もう一度見よう。きっと別の言葉g…

 

『大本営』

 

いやいやいやいや待て考えるんだ。大本営と書いているだけではないか。それだけで最悪のことを考えるのは良くない。きっと何か別の件d…

 

「響司令長官の御命令で暁殿を保護するようにと言われ…。」

 

スーツの言っていることがだんだん分からなくなってくる。あ、これもう終わったわ。

 

…響にバレた…。




作中に泉が言っていた暁の艦砲の代わりですが、募集したいと思います。私が書いた「最強と言われた艦娘」の暁の新装備という活動報告に返信する形で書いていただければいいです。
締切は10月31日までとします。条件としては、魔法系とかはやめてください。いや、別に無理やり科学的っぽくできないこともないですけど、面倒いんでやめてください。もし締切までに何も来なかったら私が一人寂しく頑張って考えます。

実はツイッターというのをやってまして下のURLからどうぞ。
https://mobile.twitter.com/Nekomata_TTK
いやまあ、別に更新を知らせてるというわけでもありませんし、かと言って他に何か上げているということもありませんし、なんで別にわざわざフォローしなくていいですよ。そもそもツイッターのURLはここしか貼る気がないので、ハイ。


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20話 「姉妹の感動(?)の再会」

すいません、先に上げたほうがかなり中途半端なところで切れていたため再投稿させていただきました。

どうも皆さん、昨日壁から何百匹ものGが湧いてくる悪夢を見ました


それと、おかげさまでUA数が2万を突破いたしました!この小説を見てくださっている皆様本当にありがとう御座います!そしてこれからも、よろしくお願いします!


「もうすぐ、大本営につきます。」

 

暁「あ、はい。」

 

気づけば私は車に乗って大本営に向かっていたわ。隣には、泉もいる。え?なんで見た目深海棲艦の泉が一緒に乗ってるのかって?スーツ曰く『響司令長官から、小さいヲ級のような深海棲艦も連れてきてくれないか。と言われまして。』だ、そうよ。

 

泉「ほうほう、横須賀はやっぱり都会じゃのお。」

 

身を少し乗り出して窓から外の景色を見ている泉の目はキラキラしていた。……当然、暁はそんなに気楽でいられるわけがなく。

 

暁「大丈夫、大丈夫よ。落ち着くのよ暁。大丈夫、出会い頭にアイアンクローが来ることはきっとないはずよ。あでも電ならありえるかもしれない。でも、障壁をって私障壁出せないじゃない。やばい死んだ……。」

 

さっきからずっとこんな感じである。

 

泉「暁、そんなに心配することはないじゃろうて……。」

 

泉が励ますがもはや聞いてないようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「大本営につきました。」

 

そうこうしているうちにどうやらついたようだ。

 

暁「ひゃ、ひゃい!?」

 

思わず暁の口から変な声が出る。

 

泉「大丈夫かの~。」

 

大本営に来るのは2回目だ。前にも妖精さんとこの鎮守府を助けるためにここに来たが、その時よりも段違いにその建物は大きく暁には見えていた。

 

暁「や、やばいわ。つ、ついてしまった。」

 

暁はすでに白目を向いているようだ。

 

泉「ほいほい、あの職員が案内するようでの。ついていくぞ。」

 

そんな暁を引っ張って二人は大本営へと入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは、大本営だ。なのになぜだろう……。暁にはまるで昔、敵の基地に潜入したときのような…否、それ以上か、とにかくかつてないほどの緊張感があった。

 

「つきました。この扉の先に響司令長官がいらっしゃいます。」

 

職員がそういった途端一気に暁の心拍数は跳ね上がる。暁は、意を気してドアノブへと手を伸ばしガチャリと扉を開ける。

 

中には、響、雷、電が立っていた。実際の距離はそれほど離れていないと思うのだが、暁にはまるで3人が長い廊下の先にいるように思えた。3人は無表情だ。その冷たい瞳を暁に向けていた。

 

「それでは、私はこれで失礼いたします。」

 

職員がそう言って場を離れた瞬間強い衝撃が暁を襲う。あまりに急だったので暁は耐えきれず、後ろの扉にぶつかってしまった。

 

暁「ウッ!?」

 

何がぶつかったのかと確認すると胸の部分に水色の髪が見える。先を見ると、さっきまで机にいたはずの響がいない。……ということは。

 

響「お姉ちゃーん!」

 

やっぱり響だ。

 

暁「おーおー。ひ、響久しぶりだねー。」

 

響の頭をなでていると、暁の胸が何かに叩かれた。

 

暁「ん?……あ!ご、ごめん響ちょっとどいてくれるかしら?」

 

響「うん!」

 

響が暁からどくとすぐに暁の服から妖精さんが出てきた。

 

妖精さん「ハアハア、寝てたら急に何かに圧迫されて死ぬところだったんだけど……。」

 

そういえば、妖精さんも一緒にいたのだった。大本営につくまでずっと寝るつもりだったらしい。

 

響「あ、なにその妖精。お姉ちゃんの服から出てきた!まさか、ずっとお姉ちゃんの服の中にいたの!?え、なにそれ羨ましい!」

 

暁「あ、アハハ……。……!?」

 

響の反応に苦笑していると。突如とてつもない殺気を感じ、頭を少し下げると大きな何かが扉を『突き破った』。

 

電「おや?ギリギリまで殺気は隠してたんですけどね。やはり、一瞬でも殺気を出すと姉さんにはバレバレみたいですね。あ、あとお久しぶりです姉さん。」

 

扉を突き破ったのは、電の手甲だった。てかさっき堂々と殺気と……。

 

暁「ふお!?」

 

もう1つさっきが来て同じく扉を突き破った。もう少し遅かったら腹に穴ができていただろう。

 

今度は雷の手甲らしい。

 

雷「暁姉さん。お久しぶりね~?」

 

暁「は、はいそうですね。ところでお二人さん?なぜ私を狙って襲ってくるんですか?」

 

電「それにしても……。」

 

雷「なんで早く生きてることを言わなかったのか……。」

 

二人は暁の発言を無視し手甲を抜きながらこう訪ねた。

 

雷電「「理由をご聞かせ願いたい。」」

 

酷く冷たい声でそう言った。

 

暁「ヒッ!?」

 

泉「おろ。我は無視かのお?」

 

響「あ、泉さんお久しぶり。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷「まあ……なんて言うか。」

 

電「姉さんぽい理由ですね。」

 

暁から理由を聞いた二人は呆れていた。

 

暁「はい、すいませんでした……。」

 

妖精さん「だ、大丈夫か?暁?」

 

暁はその二人の威圧から完全に縮こまり、正座をして話していた。

 

響「もお。全くだよ!恥ずかしがらずにちゃんと報告してよ!心配したでしょ!」

 

泉「そういえば、なぜ我まで呼ばれておる?別に姉妹の感動の再開なら別に我はいらんじゃろう?」

 

電「ああ、そのことに関してなのですが。最初は、姉さんだけ呼び出してしばきゲフンゲフン、話を聞くだけだったのですが。」

 

何か不穏な言葉が聞こえた気がするが、気のせいにしておこう。

 

雷「暁姉さんを探してる途中で、泉さん呼ばないといけない理由もできちゃって、見つからなかったらどうしようかと思ったけど、暁姉さんと一緒のところにいてよかったわ。それで、その理由なんだけど……ほら、響いつまでもそんなテンションにならないで。」

 

響「え?ああ、と。実は来月から鎮守府に新しい提督が着任する予定だったんだけど実はとある事情で、着任が1ヶ月ほど遅れてしまうんだ。それでね?しばらくの間代わりの提督がいるんだけど、実は代わりに着任出来る提督がいなくてね……。」

 

暁「つまり、私達がそこに着任しろと?」

 

響「そういうこと。」

 

暁「まあ、別にいいわよどうせちk「呉だよ。」え…。」

 

響「呉だよ。」

 

暁「はあああああ!?呉!?いやいや、ここ横浜よ?なんで、呉まで……そ、そんなんならまだ行くまでじk「2週間後だよ。」えええええ……。」

 

電「そうなのです。あと2週間しかないのです。それに、提督になるに当たって姉さんには色々と教える必要があるのです。」

 

雷「本来なら、もうちょっと余裕をもって教えたほうがいいのだけど、仕方ないから1週間で教えるわ。」

 

響「そのせいでかなり厳しくなると思うけど許してね?最悪お姉ちゃんが壊れるかもしれないけど……。」

 

暁「え!?待って!ねえ待って!さっき壊れるかもって言った!?」

 

響「さあさあ!まずは、お姉ちゃんの制服を用意しないといけないからねー。あ、あとそこにいる妖精は降りててね。」

 

妖精さん「お、おう……。」

 

響は暁の疑問を一切無視して試着室へ押し込もうとする。妖精さんは暁の頭の上から泉の頭へと乗り移った。

 

泉「どうじゃ?妖精。たまには我の頭もいいもんじゃろ?」

 

妖精さん「うーん。あんま変わんねえなあ。」

 

泉「そ、そうか……。」

 

妖精さんの感想に苦笑いするなか、心の中ではちょっと残念な気分の泉であった。

 

泉「はあ、それにしてもまた面倒事になりそうじゃのお。」

 

泉はなんとなくそんなことをつぶやいたが、このときは誰もが思ってなかった。実は、今現在呉鎮が割とまじでかなり面倒なことが起こっているということを……。

 



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21話

今日カラオケから帰るのに道に迷いました。まさか、地元で迷うとは……まともに外に遊びに行くの2ヶ月ぶりだもんねしょうがないね。

あと一人カラオケ楽しかったです




暁『ちょ!?ひ、響どこ触ってんの!?』

 

響『いいじゃんいいじゃん!減るもんじゃないんだから!』

 

暁『い、いやでも、ひゃん!?』

 

響『えへへ〜お姉ちゃん可愛い〜!』

 

妖精さん「おーおー、なんかお盛んですなあ。」

 

暁と響が試着室に入ってからずっと変な声がしている。その、声は妖精さん以外は特に気にしていないようだ。

 

妖精さん「あれ?皆意外と反応薄いな?」

 

泉「そりゃあ、あの二人のレズっぷりはいつものことじゃし。」

 

雷「今更というか、もはや久しぶりよ……。」

 

電「なのです……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

時間にして約30分程、やっと二人が出てきた。響がやけに肌がツヤツヤしているのに対し、暁の顔が微妙に赤くなっていて少し息切れしているのには目を瞑っておこう。

 

暁は提督用の制服を着ていた。……ふむ、これはこれでなかなか似合う。

 

妖精さん「おお、結構似合ってるじゃねえか!」

 

暁「え?あ、ああそう……。ありがとう……。」ハアハア

 

響「えへへー。似合ってるでしょ?お姉ちゃんは何着ても似合うからねー。」ツヤツヤ

 

電「えーと、姉さん。疲れているところ申し訳ないのですが、今から提督の心得的なものを教えるのでついてきてください。」

 

暁「えー……。」

 

雷「大丈夫よ。今日はすぐ終わるし。」

 

雷に支えられながら暁はよたよたと部屋を後にし、電についていった。

 

響「と、言うわけで泉さんも状況は理解した?」

 

泉「まあ、そうじゃのう。ところで、我特に何もしなくてええのかえ?」

 

響「泉さんは何もしなくてもその場で判断できるし、今までも似たようなことしてきたでしょ?それに、お姉ちゃんはちょっと……ね?」

 

泉「ああ、そういえばそうじゃったのう……。」

 

二人ともどこか上の空で話しているが一人なんのことか分かっていない妖精さんが尋ねる。

 

妖精さん「なんだ?暁がどうかしたのか?」

 

泉「いやの?妖精よ。暁はーこう言ってはなんじゃがはっきり言って協調性がないのと提督になるにあたっての言動がの?」

 

響「お姉ちゃん、リーダーとかになると熱くなっちゃって皆を置いてけぼりにすることがあってね。あとは、新人提督という設定上イメージ的にね……?」

 

妖精さん「ああ、なるほど……。」

 

泉「昔はそうでもなかったんじゃがの〜。」

 

泉が何か懐かしそうに言った。

 

響「え?なにお姉ちゃんがリーダーしてたことあったの?」

 

その言葉に咄嗟に食いかかる響。

 

泉「ん?あ、ああ何昔のことじゃ。そうじゃのう〜まあ、いつか暁と話すことにするかの。……暁がちゃんと話してくれるといいんじゃが……。」

 

響「ふーん?……取り敢えず泉さんにも来てもらったのは、こういうことだから家まで送ってあげるね。」

 

泉「ほう?我が来たのは知らせるためだけか?……そういえば気になっておったのじゃが我がその鎮守府に行っても大丈夫なのか?」

 

響「あ、そこは事前に連絡行ってるから安心して!」

 

泉「そ、そうか。それでは帰らせてもらうとするかの。帰って早く製造しなければ……。」

 

妖精さん「なんだ?なんか作るのか?」

 

泉「あれじゃ、暁の新しい兵装じゃ。」

 

妖精さん「ああ、なんか作るとか言ってたな。」

 

響「あーえと、もう迎えを寄こしてもいい?」

 

泉「おお、スマンスマン。よろしく頼む。」

 

響が受話器を手に取り何か話す。しばらくすると、職員らしき男が部屋に入ってきた。

 

「それでは私がお送りいたします。」

 

響「うん。よろしく頼む。」

 

泉はその職員について言った。部屋には、響一人となる。

 

響「さーて、一番の不安要素はなくなったけど……あとは二人をどうやって呉まで送るか……。」

 

響にはもう一つ不安なところがあった。それがどうやって呉まで送るかである。普通、提督は公共交通機関を使うが泉がいる以上それは使えない。となると、一気に術がなくなってしまう。大本営にある爆撃機等で送ってもらうにもあれは妖精さんサイズだ。まず入れないだろう。

 

響「あ、そういえば……いやでも……。」

 

響は暁が飛べることを思い出したが、同時に暁が言っていたことも思い出しすぐさまその案を破棄した。

 

暁『え?ま、まあ飛べるけどあくまでも移動用にであって、輸送用ではないから人を運ぶのは無理よ?』

 

響「うーん、どうしたものか……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響はしばらく考えていたが結局何も思いつかず時間にして約1時間が経った。

 

急にドアが開き3人入ってきた。

 

暁「ゼーハー…ゼーハー。」

 

暁が何故かやけに疲れているように見える。確か今日のはただの講義だから特に疲れるようなことではないはずだが……。

 

すると暁に続いて、ボロボロの雷と電が入ってきた。

 

響「……何したの?」

 

電「いや、ただちょっと演習しただけです。」

 

響「なんで!?」

 

雷「いや、暁姉さんに会うのは久しぶりだったからちょっと試したかったのと今なら疲れているから勝てるかなと……。」

 

響「……で、結果は?」

 

電「見ての通り惨敗しました。」

 

雷「疲労してるときなら勝てると思ったのに……。」

 

暁「ハア……ハア……い、いくらわた、私が疲れているからって…ゲホッ、か、勝てると、お、おも、思わないことねゼーハーゼーハー!」

 

響「お姉ちゃん…大丈夫?」

 

暁「な、なんとか……。」

 

どう見てもめっちゃバテてる。多分大丈夫とかじゃない、50mを本気で走ったあとの作者並である。かんたんに言うとそこそこ死にかけているぐらいである。

 

響「と、とりあえず今日はもうおしまいだから…家まで送ってあげるね?」

 

暁「あ、ありがとう……。」

 

響は泉のときと同じように職員を呼び暁を送らせた。

 

響「はあ、全く……二人は懲りないねえ。」

 

雷「そりゃそうよ。だってまだ暁姉さんに勝ったことないもん……。」

 

電「姉さんには不意討ちも効きませんしね。私達の反応速度よりも早いですしむしろこちら側が不意討ちされますよ。」

 

響「あっそ。……そんなことよりまだお姉ちゃんと泉さんの輸送方法が決まってないの。一緒に考えてくれない?てか考えろ。」

 

雷「……人使いが荒い……。」

 

響「あんたたちの酒代誰が払ってると思ってるの?」

 

雷電「「すいませんでした。」」




私の体力の無さを舐めてはいけない
腹筋と腕立て伏せができません。たしゅけて(´・ω・`)


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22話

あ、どうも皆さんお久しぶりです。
いやーもう1つ作品と並行してやろうとすると結構大変ですね。



暁の提督指導が始まって今日が最終日となった。

 

響「えっと、今日までお疲れ様。今から簡単な試験をするね……と言っても挨拶をしてもらうだけだから。幸いにも提督をするにあたっての指導の仕方は特に問題はなかったからね。」

 

暁「はいはい。じゃあ始めるわね?……今日から、この鎮守府に短期研修という形で着任させていただいた、暁と申します。約1ヶ月間よろしくお願いします。」

 

響「よし!OKだよ。あ、あと普段の会話も敬語だってこと忘れないでね?」

 

暁「はいはい。忘れてないわよ。」

 

妖精さん「おっ?終わったのか暁。」

 

妖精さんが急に暁の被っている帽子から出て来た。

 

暁「え!?よ、妖精さん!?いつからそこにいたの!?」

 

妖精さん「朝、暁が寝ぼけながら大本営に向かったときだ。帽子の中で二度寝してたら巻き込まれちまってな……。」

 

響「ほえー。私はともかくお姉ちゃんが気づかないなんて珍しいね。」

 

妖精さん「そうか?」

 

響「だってお姉ちゃんいくら不意打ちしても気付かれるし逆にこっちがくらうし……。」

 

妖精さん「ほーん。」

 

響「ま、まあ取り敢えずこれでおしまいだから次会うのは出発予定日の3日前だから。」

 

暁「分かったわ。じゃあ妖精さん今日は、スーパーに寄って何か買いましょうか?」

 

妖精さん「やったぜ!」

 

暁と妖精さんは、談笑をしながら部屋をあとにして去っていった。

 

響「さて、未だに輸送方法が定まらない。……これは泉さんに相談してみようかなあ。というかそうした方が早いんじゃないかと今更ながら思った。」

 

響は早速受話器をとり泉に相談を持ちかけるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

暁は大本営の廊下を歩いていた。そしてとある角を曲がった瞬間。

 

暁「何故貴様がいる?」

 

妖精さん「!?な、なんだ暁!?」

 

斧を取り出し曲がった瞬間の所にいた人物に突きつける。

 

「……おやおや、歓迎もクソもないようだねえ?昔はもっと可愛いかったのにねえ?」

 

暁「当たり前よ。……『望月』どうやってここまで来た。」

 

暁にそう呼ばれた白衣を着た人物…望月は嬉しそうに言葉を返す。

 

望月「…フフ……アッハハハハ!懐かしい!懐かしいよ暁!君にそう呼ばれたのは!なーに、ここのセキュリティをくぐり抜けるなんて簡単なことさ!そうだねえ?ついでに理由も話そう。何故なら話すことが目的だったんだ!」

 

暁「……相変わらず狂ってるわね。」

 

妖精さん「な、なんだこいつ話が噛み合ってなくないか……?」

 

望月「おやおや?そちらは見たところ妖精ではないかい?珍しいねえ?暁が新しいモノに懐くなんて?」

 

暁「……妖精さんをモノ呼ばわりするな。このマッドサイエンティストが。」

 

望月「おっとこれは失礼失礼……。それでは、以後君のことは妖精と呼ばせてもらおう!……おっとそうだった!本来の目的を忘れるところだった!まず!初戦の勝利おめでとう。今回は君の勝ちだよ。して、本題だけど暁、君が着任しようとしている呉鎮守府だがね今は……かんたんに言うと内戦状態だ。」

 

暁「……内戦?」

 

望月「まあもっとわかりやすく言うと仲間割れだ。戻すのはなかなか難しいと思うがまあ頑張れ。そして!これは君にとっては朗報であろう!……今回に関しては私は直接は関わらない。」

 

暁「……そう。確かにそれは朗報ね。……ところで何故私が呉に行くと知っている。」

 

望月「そりゃあねえ?私の監視システムを舐めないでいただきたいねえ?昔も私によく頼っていたじゃあないか。あ、あと君の提督服着た姿可愛いかったよお?」

 

望月にそう言われた暁の顔が一気に赤くなる。

 

暁「!?こ、この!一番知られたくなかった相手に!殺す!」

 

妖精さん「ぬおおお!?お、おい落ち着け暁!やばい!やばいから!俺が危ないからあああああ!!」

 

暁は望月相手にブンブンと斧を振り回す。そのせいで落ちそうになっている妖精さんが青い顔をしながら魂の叫びをするが暁には全く届いてないようだ。

 

望月「おっと……こらこら暁、こんなところで回しちゃいけないでしょ?」

 

一瞬、一瞬だけだったが望月の雰囲気が和らいだ感じがした。

 

望月は斧を華麗に避け窓の縁に飛び移った。

 

望月「……暁。あの戦争は何年続いた。」

 

暁の興奮はもう収まったようで静かに答えた。

 

暁「……5年よ。」

 

望月「そうか。この戦争は私が始めて10年も続いている。それでも、本当の戦争はこれからだ。私は、暁と戦争がしたい。」

 

暁「……そう。なら長くは続かないわよ?」

 

暁は少し自身があるように答える。

 

望月「……そうだねえ。恐らくあと1年も続かないんじゃあないかなあ。……否、あと1年もしないうちに決着をつけてやろう!そうしようそうしよう!では、私はこれでおさばら!」

 

望月は窓をバッとあけ飛び降りる。暁がすぐに追いかけるがすでに窓の下には望月はいなかった。

 

暁「……。」

 

妖精さん「なあ、暁。お前はあいつとどんな関係なんだ?あいつがこの戦争を始めたのか?」

 

妖精さんが聞いてくる。

 

暁「……ええそうね。あいつが今の戦争を始めた。望月は私の仲間だったやつよ。大丈夫、妖精さんに心配はかけさせないわ。さあ帰りましょうか?」

 

妖精さん「……あ、ああそうだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大本営を出れば夕焼けが水平線の向こうに見えてくる。季節も秋となり段々と肌寒くなっていっている。暁と妖精さんは今日の夕飯の話をしながらゆっくりと帰っていった




次回少し番外編を混ぜます。とは言ってもそこそこ本編に関わりますけどね。


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番外編

テストが終わりました。ヒャッホイ。
前回言いましたが、これは番外編です。特に本編とは関係ありません。




ここは、深い深いどこかの海の底。

 

望月「……。」

 

そこには不思議と水は無い。ちゃんとした部屋が作られている。ちゃんと椅子も机もある。望月は、ただ1人木製の机に突っ伏していた。

 

望月「……疲れた。」

 

近くにはカプセルが立っており、中には深海棲艦が液体の中でゆらゆらと浮いている。

 

望月「暁の様子は、至って健康。戦闘にも異常はなし……取り敢えず安心。」

 

望月は机に突っ伏したままつぶやく。

 

望月「いつまであの口調やればいいかな。私だって、親友が死んだら流石に落ち込む。……暁の自我が定着してたのはそのせいかな。……レイ、君が死んでしまってからかなりの時間が、経った。安心してくれ暁はちゃんと私が見ているから。」

 

望月が一枚の写真に目を向ける。そこには、無邪気に笑っている暁と胡散臭そうな笑顔の望月。そしてもう一人比較的大人しめの雰囲気をしている少女が写っていた。

 

望月「暁は変わったよ。ちゃんと姉として振る舞えているし、妖精とは、仲がいいみたいだし。ちょっと嫉妬しちゃうね。……暁の中で私は裏切り者扱いらしい。ちょうどいいよ。私も罪滅ぼしがしやすいからね。……近いうちに私も君のところに行けるはずだ。」

 

望月は立ち上がろうとするが、少しぎこちない動きをする。

 

望月「この体もかなりガタが来た。……まあメンテナンスもしなかったらこうなるか。今のところは特に支障はないけど……早く終わらせないと……。」

 

望月は違う部屋に行きそこに備え付けてある冷蔵庫を開き頭を突っ込む。

 

望月「食料品も結構なくなってきた……。近いうちに釣りか買い物しなきゃ。」

 

そう思って財布を開けてみるが残金は510円ほどであった。

 

望月「そうだった……。もうお金無いんだった。はあ、深海棲艦を喰うしかないか。」

 

先程とは別の冷蔵庫を開ける。すると中には皿の上に黒い塊がラップに包まれているものが5個程ある。

 

望月「はあ、これで1週間……もうそろそろ普通の食事がしたいなあ。」

 

黒い塊をラップから外し、持っていたメスで1つ突く。するとすぐにギギィ!という甲高い鳴き声が響く。望月は、「はあ、うるさい。」と言いながら更に頭?に5本のメスを一気に突き刺す。すぐに鳴き声は止んだ。

望月はそれにかぶりつく。噛み切ろうとすると、ブチブチ、グチグチグチという音とともにドス黒い体液や千切れた臓物が皿に落ちていく。同時に口の周りも黒く汚れるが、そんなことお構いなしにただただかぶりつく。

 

望月「……。」

 

 

 

 

 

 

 

望月「ごちそうさん。」

 

食い終わった皿の上は真っ黒に汚れておりちょこちょこ臓物のカスがついている。望月はその皿を近くにあった水溜めにヒョイッと投げ込む。皿はその水溜めに入ると、しばらくして横にあった取り出し口のようなところから綺麗になった皿が出てきた。

 

望月「ああ、もうこれぐらいしか楽しみ無くなっちゃったなー。」

 

『やあレイ。ちょうど良かった!ちょっと被験体を頼まれてくれないかなあ?』

 

『断る。貴様に関わると大体良くないことが起こる。』

 

『あ!優香とレイだ!何してるの?』

 

『ん?いや、何にもしてないよ。ただお話してるだけよ。』

 

『そうだぞ?……いや、妖花を使っても……?』

 

『おい。』

 

『嘘だよ、嘘だって、疑わないでくれ!』

 

望月「はあ、あの頃が懐かしい。……変わったなあ私も。」

 

その時だった。何処かからかガシャーン!と、大きな音が聞こえてきた。

 

望月「な、何!?」

 

急いで音の場所に行ってみると、そこは深海棲艦の保存庫。そこにある沢山のカプセルのうち5個が割れていて、近くには外に繋がっている穴が見えた。

望月「クソッ。逃げたか。ここは……汎用型が逃げたな。はあ、あのオリジナルは作るの大変だったのに……まあ、あと25体いるからいいけど……回収しなきゃ。」

 

急いで別の部屋に行く。そこにはたくさんの計器や機械が置いてあった。

 

望月「まだ遠くには行ってないはず……。よし!転送!」

 

スイッチを入れる。望月は光に飲まれ、次に現れたのは海面の上だった。

 

望月「システム。逃げ出した汎用型のオリジナルの位置をさぐれ。」

 

しかし、特に何も怒らない。

 

望月「ああもう!動け!動けつってんだよこのポンコツがぁ!」

 

望月は掛けてあった眼鏡をバシバシと叩く、すると。

 

『了解。対象の位置を検索。』

 

望月「今も昔も叩けば直るのは一緒か……。」

 

望月は海の上を走り出した。

 




最近寒いですね。私は暖房つけて寝てますが、朝に絶対喉が痛くなります。これがまた辛い……。


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23話

皆さん明けましたおめでとうございました

まあ、今回全く新年に関係ありませんが……


再度響と出会う日の4日前。

 

泉「暁を改造するぞ。」

 

暁「あ、そう。」

 

泉「あ、そうって……もうちょっと喜んでくれても良いのではないかのぉ〜?」

 

暁「改装ぐらいでもう喜ばないわよ。」

 

妖精さん「そうか?俺は機種が変わるときとかちょっとした改造なんかはすっげーワクワクしたぞ?」

 

暁「そのワクワクがなくなるほど改装を受けた身なのよ。」

 

泉「さあさあ、さっさとシステムを切るのじゃ。」

 

暁「はいはい。」

 

『メインシステムを切断。これよりスリープモードに移行します。』

 

暁はその場で項垂れるような格好で動かなくなった。

 

泉「おーい!有田!栗田!暁を運んでくれ!」

 

有田「了解です!」

 

栗田「了解っす!」

 

二人は暁を持ち上げ何やらやたら大きい機械の中にセットしていく。

 

妖精さん「でっけーな……。艦娘を改装するやつより「大きいじゃろ?」」

 

泉「暁はー、アレじゃ。言わば旧式の艦娘。艦娘の先祖と言ってもええのお。」

 

妖精さん「艦娘の先祖?」

 

泉「暁がお主にどう説明したか知らんが、あやつは艦娘ではないぞ。」

 

妖精さん「艦娘じゃないんなら暁は何だよ。」

 

泉「うーん。それはまだ言えんのお。勝手に言うと怒られてしまうからの。」

 

妖精さん「そうかい……。で、どうやって改装するんだ?」

 

泉「見ておれ見ておれ。」

 

泉が機械のそばにあるコントロールパネルのようなものに手をかける。すると機械の方からでかい駆動音が聞こえてきた。

 

泉「まずは兵装を全部引っこ抜くかの。」

 

泉が何やら操作すると横のトレイにチップが置かれていく。

 

妖精さん「チップ?それが兵装か?」

 

泉「そうじゃ。暁の兵装はすべてチップで管理している。あの、馬鹿でかい艦砲は別のものだけじゃがの。」

 

続いて、泉はポケットからいくつかチップを取り出す。

 

泉「これが、新しい兵装じゃ。主にミサイル系じゃの。」

 

妖精さん「へー、噴進砲か。俺はあんまり詳しくはないが一部の艦娘にはついてるって聞いたことあるな。」

 

泉「ふふふ。暁につけるミサイルはそんなもんじゃないぞ。当時は開発が遅れて結局間に合わなかった代物じゃ。言わば新兵器といったところかの。あとで、確認用に演習場で試し撃ちするでの。そのときに実際に見てみると良い。」

 

妖精さん「ほー、それは楽しみだ。」

 

泉「次は対空砲じゃ。これは凄いぞ。毎分3,500〜4,500、毎秒50〜75発じゃ。」

 

妖精さん「うおぉぉぉすっげー!25mm機銃の3倍じゃねえか!」

 

泉「因みに前は大量の機銃を出すやつだったんじゃが、何分新兵装のやつは数に物を言わすのが少し難しいのでの、こやつにはまだ頑張ってもらうかの。次は艦砲じゃが正直言ってあんまり使うことはないかの。あやつはさっさと潰してしまうからのお。」

 

妖精さん「……そうだろうなあ。」

 

泉「さあ!次はとうとう切り札とも言える奴じゃ!その名もベクターキャノン!」

 

妖精さん「ベ、ベクターキャノン?」

 

泉「これも演習で試し撃ちするでの。そこで確認するといいわい。」

 

妖精さん「ん?この、マザーシステムってなんだ。1〜3がロックになってるが。」

 

妖精さんが指したところは確かに液晶にMOTHERSYSTEMという項目とその1〜3にLOCKという文字がある。

 

泉「……今は教えられん。」

 

妖精さん「またか。」

 

泉「暁も昔色々あったんじゃ。」

 

泉はその後も色々な物を交換しているように見えたが妖精さんには全く分からず、気づけば机の上で寝ていた。

 

 

 

 

 

 

 

妖精さん「んお……。」

 

暁「……。あっ、妖精さん起きたのね。」

 

泉「おや、起きたのかい。我の頭の上の寝心地は良かったかえ?」

 

妖精さん「あ、寝てたのかすまんすまん。暁の改装は終わったのか。」

 

暁「ついさっき終わったところよ。これから試し撃ちするところ。」

 

妖精さん「そうか。」

 

妖精さんはいつもの場所、暁の頭の上にライドした。

 

泉「演習場はこっちじゃ。」

 

暁「演習場なんていつ作ったのよ。あとあれ何。」

 

暁の言ってる場所にはドッグがありそこには舟、潜水艦があった。

 

泉「あれか、あれで呉まで行くんじゃ。」

 

暁「……は?」

 

泉「さあ、演習場まで行くぞ、いやー楽しみじゃのお。」

 

暁「ちょ、ちょっと!あれで呉まで行くってどういうことよー!泉ー!」




今年も何卒よろしくお願いしましゅ。

何ヶ月か前に応募したものを今回やっと反映できました。おまたせしてすいませんでした


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24話

ミナサンオヒサシブリデスネ
お待たせしてすいませんでした。(待ってた人っているのかな?)


泉「ほい。ここが演習場じゃ。」

 

暁 「え、広。」

 

妖精さん「広いなー。」

 

泉によると、演習場は全長300m、幅100m、高さ30mほどの直方体の形をしているらしい。

 

暁「いつの間にこんなところを……あっあれかな?。」

 

妖精さん「何だ?なんか知ってんのか?」

 

 

 

 

 

ある日のこと……。

 

暁は泉に用があり、丁度と地下へのエレベーターを降りているところだった。

 

暁「……」

 

ガシャーン!!

 

暁「」ビクゥッ⁉

 

いきなりの音にビビりその方向を向くと。

 

栗田「はぁはぁはぁ・・・。なんだよ、結構広いじゃねぇか。ふっ・・・。」

 

有田「く・・・栗田・・・。あっ・・・あぁ・・・。」

 

栗田「なんて声出してやがる・・・有田。」

 

有田「だって・・・だって・・・。「俺は泉さんの部下、栗田正助だぞ。こんくれぇなんてこたぁねぇ。」

 

有田「そんな・・・私なんかのために・・・。」

 

栗田「工事を進めるのは俺の仕事だ。」

 

有田「しかし!」

 

栗田「いいから続けるぞ。泉さんが待ってんだ。それに・・・。」

 

栗田はその場で倒れ込み……。

 

栗田「俺は止まんねぇからよ、有田が止まんねぇかぎり、その先に俺はいるぞ!だからよ、(工事)止まるんじゃねぇぞ・・・。」

 

有田「栗田ァー!!」

 

キボウノハナーツナイダーキズーナヲー

 

そんな会話を見ながら降りてきた暁は、無論無視して泉のところへ向かった。

 

 

 

 

 

 

暁「い、いや何もないわ……ただの記憶違いよ。」

 

妖精さん「そうか……。」

 

泉「さあ!試し撃ちをしてもらうぞ。一応このあともう一回調整のために改装をやるでの。」

 

暁「はいはい……えーと?まずは、これ?」

 

暁は対潜ミサイルを出す。

 

暁「うわ、なにこれデカイ。」

 

泉「対戦ミサイルじゃ。すごいじゃろ。片方20本、両方で40本撃てるぞ。」

 

暁「でも、これじゃあ動ける範囲限られるじゃない。」

 

泉「そんなこと言わずに、まあ撃ってみるんじゃ。火力は凄いぞ?」

 

暁「撃つってどこに?」

 

泉「あそこじゃ、あそこ。」

 

泉が指す方向を見ると遠くの方に何か立っている。……あれは、ル級に見える。

 

妖精さん「ありゃ、人形か?」

 

泉「そうじゃ!似てるじゃろ?装甲は本来のものと一緒じゃ。心置きなく撃て。」

 

暁「はいはい。」

 

すぐに暁の前に標準機らしきものが浮かび上がってくる。数秒してバシュンバシュンと5発飛んでいった。

 

そしてしばらくの沈黙があり、派手な爆発音と共にル級の人形はなくなった。

 

暁「……確かに火力はあるわね。」

 

泉「そうじゃろう、そうじゃろう?」

 

妖精さん「……それ、対潜ミサイルか?対艦ミサイルの間違いじゃないか?」

 

泉「細かいことを気にしたら負けじゃ。」

 

妖精さん「ええ〜……。」

 

泉「さあさあ次じゃ。早く次を出しておくれ。」

 

暁「分かった、分かったから……えーっと、これかしら?」

 

今度は何やらでかいものが暁の隣の地面から出てきた。

 

暁「えっ、でかくない?」

 

泉「これがCIWSこと名は『ファランクス』じゃ。」

 

暁「ねえ、これちょっとでかくない?」

 

泉「そりゃそうじゃ。当時の実寸台じゃからの。」

 

妖精さん「実寸台にする意味とは……?」

 

泉「ロマンじゃロマン。あとは、敵に利用されないためじゃ。」

 

妖精さん「利用されないため?」

 

泉「見ての通りこれはでかいじゃろ?当然艦娘サイズではない。まあ、言ってしまうとでかすぎて負荷がやばいんじゃ。暁でも5台が限度じゃの……。」

 

暁「これ1台で私の容量の10分の一ぐらい使ってるんだけど……。」

 

泉「そういうことじゃ。じゃが、これもでかい分火力は凄まじいぞ。待っておれ……今我の艦載機を……あっ、妖精はこれをつけてこっちにきておれ。」

 

妖精さん「ん?分かった。で、これは、耳栓か?」

 

泉「そうじゃ。まあ、実サイズじゃからの、音がかなりうるさいのでの。我と暁は大丈夫じゃがお主はそうもいかんじゃろう。」

 

妖精さん「そ、そうなのか……じゃあ……これでいいか?」

 

泉「うむ。それで良いぞ。」

 

妖精さん「耳栓とは言えども少しは聞こえるか……。」

 

泉「よし。じゃあ我の艦載機を出すでの……いやあ、久しぶりじゃのう。さあ、我の艦載機に追いつけるかの?」

 

暁「大丈夫よ。安心しなさい、貴方の艦載機ごときにやられることはないから。」

 

泉「む……本当のことじゃがもうちょっと隠してほしかったの。」

 

泉は何かを念じる。すると、前に暁が見せたように空間から滑走路が5本延びる。そこから勢いよく飛び出して行くとしばらく真っ直ぐ行ってからこちらに旋回してきた。

 

妖精さん「……!?ありゃあ何だ!?」

 

妖精さんにとっては信じられないものであっただろう。色は黒、見知った丸く長いものとは違いどちらかというと横に薄く長いように見えるだろう。そして何よりも、プロペラが見えない。

 

泉「F-14『トムキャット』じゃ。お主は見るのは初めてかい?」

 

暁「私は見飽きたけど、ね!」

 

暁がファランクスを起動させる。

 

ブアァァァァァァァァァァァァ!!!

 

とてつもない音ともにあたりに大量の空薬莢が飛び散る。

 

妖精さん「ぬおっ!?すげえ!これ本当に対空砲か!?」

 

泉「本当に対空砲じゃぞ?……暁、最大まで出してくれんかの?実験じゃ。限界のときの暁の状態によってはかなり調節せねばならないからの。」

 

暁「オッケー!」

 

暁はそれに答え、もう4基計5基だし。F-16にむけて撃とうとするが、そのとき。

 

暁「うっ!?」

 

一瞬苦悶の表情を見せたかと思うとファランクス5基ともバラバラになり音もなく消えてしまった。

 

妖精さん「だ、大丈夫か!?」

 

泉「ありゃ?やはり厳しかったかの?」

 

暁「大丈夫もなにも、やっぱり、こんなんじゃあ演算が間に合わないわ。5基出したとしても同じ方向に撃つだけでもギリギリだっていうのに……。」

 

泉「そうか……暁単体での演算では限界か……なら、AI化させるかの?」

 

暁「そのほうがいいかしらね。」

 

妖精さん「え、えーあいか?」

 

泉「さっきのファランクスをCP(コンピュータ)で動かすんじゃ。召喚するときだけ暁に任せてあとはAIに動かせばよい。なんなら暁が一時的な操作権を奪えるようにしても良い。」

 

妖精さん「ううん?分かるような分からないような。」

 

泉「まあ、分からなくてもよいよい……。それよりも、さあ!最終兵器の演習と行こうではないか!我の一番の楽しみじゃ!」

 

暁「はいはい。で、どうやってするの?」

 

泉「それはのお……「すいませーん!」。」

 

有田「泉さん!大本営の方からお電話です!」

 

泉「チッ。全く……今からじゃったのに……。」

 

泉は有田から携帯を受け取り演習場から出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暁「長いわね〜。」

 

妖精さん「そうだな。」

 

泉が電話で演習場から出てから10分くらい経っただろうか。流石に、と2人が様子を見に行こうとすると……。

 

だっだっだっだ……。

 

暁「ん?」

 

泉「暁!今すぐ呉に行くぞ!」

 

暁「は、はあ!?呉に行くってまだ4日ぐらい日にちあるじゃない!」

 

泉「予定変更じゃ!今すぐ潜水艦に乗れい!」

 

暁「う、うええ!?」

 

泉の強引さにあっさりと演習場の前にあった潜水艦に押し込まれた。

 

暁「ちょ、ちょちょ!呉に行くって響は!?一緒に行く予定でしょ!?」

 

泉「途中で拾うわい。有田!栗田!1ヶ月留守を頼んだぞ!」

 

有田「は、はい!」

 

栗田「り、了解っす!」

 

妖精さん「へえー。これが潜水艦ってやつかあ。」

 

皆が慌ててる中、ゆっくりと潜水艦を楽しんでる妖精さんをよそに暁、妖精さん、泉を乗せた潜水艦はゆっくりと出港したのであった……。




次回は早く投稿できるといいなあ(遠い目)


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25話

……ウィッス。
スンマセン。ほんまスンマセン

気づいたらもうすぐ1年経つんすね……

いや、あのちょっと学校がね…色々と忙しくてですね…ハイ。

実はですね…わたくし去年高校生になったばかりなんすよ…。つまり、この小説書き始めたのは中学生ってことですね。

ホンマにスンマセン!!こんなませたクソガキが書いたようなってか、書いた小説で!ましてや、1年以上待たせるとは…。
いやもしかしたもう待ってる人いないかもしれませんけど…。

もう、設定とか忘れかけなんで矛盾やばいかもしれませんが…スンマセン。

あと新年明けてまだ早いですが、お正月要素ゼロです……。




暁「ねえ、泉。何かあったの?」

 

泉「さっき連絡が入ってのぉ。呉鎮で暴動が起こったらしいのじゃ。」

 

暁「暴動ぅ?」

 

妖精さん「あの呉鎮でか?」

 

泉「あの呉鎮じゃ。予定より早く行って鎮静化してほしいのじゃと。」

 

暁「響は?どこで拾うの?」

 

泉「さっきポイントを指定しておいたからそこで拾う。」

 

妖精さん「潜水艦で急いで行けるのか?せめて水上艦で行ったほうが良かったんじゃ。」

 

泉「そのほうがよかったんじゃが、何分こいつしか作って居らんかったからのう。まあ水中で20ノット以上は出るから安心せい。」

 

妖精さん「20ノット以上出るのか!?」

 

泉「泉印の潜水艦じゃ。潜水艦でもそれぐらいは出せる。水中性能に全振りしたから水上速度が落ちとるがの…。それでも耐久性は抜群!オート操縦つきじゃ!」

 

妖精さん「オート操縦まで!?はぁ〜、潜水艦も進化したもんだ。」

 

泉「妖精。知っとるか。これ過去の技術じゃぞ。」

 

妖精さん「なん…だと…!?」

 

暁「潜水艦…襲撃任務…うっ、頭がっ。」

 

妖精さん「ど、どうした暁?頭痛か?」

 

泉「ネタじゃ。まじレスしてやんな。まあ、あれは最悪じゃったじゃろうのお。」

 

暁「いつ駆逐艦にバレるかわからないし、バレたら一環の終わり。攻撃されて浸水でもしたら何もできずに何十人の仲間たちと一緒に魚の餌行き…ああ、今思い出しても震えが……。」

 

妖精さん「何か…大変だったんだな……。」

 

泉「大丈夫じゃ。この潜水艦は深海棲艦に見つかって攻撃されても沈みはせん。…多分…。」

 

暁「ねえ、さっき多分って言った!?多分って!」

 

泉「さあ、そろそろ響との合流地点じゃぞ。浮上するときに傾くでの、滑ってこけんように気をつけるんじゃぞ。」

 

暁「ちょっとぉ!?無視しないで!?私嫌よ!輸送機も駆逐艦も経験したけど、潜水艦だけはもう嫌なのぉ!」

 

妖精さん「お前、一体何があったんだ…。」

 

泉「いずれ話すわい。」

 

妖精さん「そ、そうか…。」

 

暁が泣きべそになりながら泉にしがみついて訴えているが、泉は知らんぷりに取り付けられているマイクに指示を送っている。

 

ゴォーッっという音がして床が少し傾いた。

 

響「泉さん!お姉ちゃん!来たよ!…あれお姉ちゃん?」

 

潜水艦に入ってきた響きがはじめに見た光景は笑顔で迎えてくれた泉。…そして泉に抱きついてブルブル震えている姉であった。

 

泉「いやぁーの?チィーっと古傷を引っ掻いたつもりが思いっきり抉ってしまったようでの……。どうじゃ、暁。外に居るか?別に水上にすこしぐらいだそうがそこまで速度は下がらん。」

 

暁「うう……。そうさせてもらうわ。」

 

暁は、青い顔をして響と入れ替わるようにして潜水艦の外に出ていった。

 

響「…お姉ちゃんが潜水艦苦手なんて初めて知った。」

 

泉「あやつ自身何も言っとらんしの。暁のことをそんなに知っとるやつは……まあ、我と…我ぐらいしかおらんかの。」

 

 

 

 

 

 

 

暁「っはーッ!生きた!」

 

暁が出てきたのは潜水艦の潜舵の上。海上から少しだけ覗いている。

 

暁「あー、死ぬかと思ったー。」

 

妖精さん「どうしたどうした?お前があんなに取り乱すなんて珍しい。」

 

暁の帽子の中から妖精さんが出てきた。

 

暁「あ、妖精さん……。」

 

妖精さん「陸も空も海上も制する天下の暁さんも海中だけは無理なのかい?」

 

暁「やめてよ…からかわないで……ん?空?アーッ!」

 

妖精さん「!!?ど、どうした、そんな大声出して。」

 

暁「ちょ、ちょっと泉に行ってくる。私わざわざ潜水艦乗らなくてもいいじゃない…こんな非常事態なら…。」

 

妖精さん「うえっ!?ちょっま。急に動くな!お、落ちるっ。」

 

 

 

 

暁「泉っ!」

 

バタンと大きな音が響く。

 

泉「ぬおっ!あ、暁。ドアはもうちょっと優しくじゃな…。」

 

暁「そんなことはどうでもいいわ!私、わざわざ潜水艦に乗らなくてもいいじゃない!」

 

泉「は?」

 

暁「だから!こんな非常事態なら『暴動を鎮静するために先に配属された』なんて言って私だけ先に飛んでいけばいいじゃない!」

 

泉「……あー、それもそうじゃのう……。」

 

暁「よしじゃあ、私は先に行くわね。そうと決まればさっさと出発よ。潜水艦なんて本当にごめんよ。」

 

暁はそう言ってさっさと部屋を出ていってしまった。

 

泉「別に構わんがの……飛行スピードを大きく上げたから妖精が耐えれるか心配じゃの…。」

 

 

 

 

暁「妖精さん、飛ぶわよ!」

 

妖精さん「えっ。」

 

暁「何よ。話聞いてたでしょ。ほら危ないから胸ポケットに入って。」

 

妖精さん「いやまあ、聞いてたけど、お前が飛ぶスピードめっちゃ早いから……。」

 

提督服に着替えた暁は再度潜舵の上にいた。そして…

 

ドォーン!と大きな音とともに空へと舞い上がって行った。




次回もちゃんと出せるかわかりません。
なにせ積極的に大学進学させる学校なんで……。

次出すのは何ヶ月後か、何年後か…。次出す前に艦これが終わってるかも……。

どうか、待っていただけたらなと思います。


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26話

日本のどこかの空の上。

 

妖精さん「は、早い!前より早くない!?」

 

暁「そりゃ、改装したし……。」

 

妖精さん「あとお前、前飛んだとき背中から翼生やしてなかった?今はないみたいだけど。」

 

暁「あれはー、昔泉がロマンだ、とか言ってつけたものよ。」

 

妖精さん「え、じゃあ今どうやって?」

 

暁「靴にちっちゃいジェットエンジンつけてるの。……妖精さん。今の速度って普通の人なら耐えれないぐらいのスピードなのよ。いや、妖精さんたちがどれぐらい耐えれるか知らないけど…。」

 

妖精さん「え、あ、そうなのか。た、確かに怖いが別に耐えられないってほどでは……。」

 

暁「じゃあ、もっとスピード上げても問題ないわね。」

 

妖精さん「あ、いや!耐えれるからってスピードをあげていいわけでぇえぇぇぇぇぇ!?」

 

暁が速度を上げ更に高速になる。因みにこのせいで強いソニックブームが起こり近くにいた旅客機の窓にヒビが入るという事件が起こったのだが、暁が知り得ることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

暁「もうそろそろかしら?」

 

妖精さん「えーっと多分あれだな。」

 

妖精さんが指差したところにうっすらとレンガ造りの建物が見えてきた。あれが、呉鎮守府だろう。

 

暁は今、海方面から鎮守府へと向かっているため。敵機に間違えられぬように迂回して行くことにした。着いたがまだ明るいため周辺の住民に気づかれぬように降りるのが難しい。

 

暁「さて、どこに降りればいいかしら?」

 

妖精さん「鎮守府の周りは規制のおかげで民家がないとはいえ平地だからな。降りてくるところ自体は遠くからでも見えるな。」

 

暁「人が見てなきゃいいんだから……。」

 

頑張って遠くから民家の方を見るが流石に双眼鏡がないと見えない距離である。

 

妖精さん「あ、あそこはどうだ?」

 

妖精さんが指差したのは港であった。しかし、その港の周りは何か柵のようなもので覆われている。

 

暁「いいわね。見たところ人もいないし、視界も周りからは通ってなそうね。」

 

 

 

 

暁「今は、もう使われてない感じね。」

 

暁が降りた港はそこそこの広さだったが、その周りを全て高い柵が覆っている。柵がところどころ錆びているところから規制されてまあまあ時間が経っているのだろう。

 

暁「多分そこまで鎮守府とは離れていないはずだけど、急ぎましょうか。」

 

妖精さん「予定を繰り上げるほどには緊急らしいしな。」

 

暁は柵を飛び越え広い道に出た。上から見るとそんなに起伏はないように思えたが実際見てみるとかなりの起伏があるのか暁がいるところから鎮守府は見えない。

 

暁「結構坂あるのね。」

 

暁は広くきれいな、しかし人ひとりいない道路を走る。

 

暁「静かね。」

 

妖精さん「そうだな。俺がいたところは街からは離れたところだったから感じないが町中にある鎮守府ってこんな感じになるんだな。」

 

暁「寂しいわね。ゴーストタウンみたい。」

 

少しずつ鎮守府が見えてきた。そしてさっきまで聞こえてなかった音まで聞こえてきた。おそらく鎮守府からであるのであろうがそれは鎮守府で聞こえるはずのない音であった。

 

ドーンっ!

 

暁「!?砲撃音!?」

 

以前横奈に深海棲艦が上陸したときに艦娘の砲撃音を耳にしたが、明らかにあの時よりも音が重い。

 

妖精さん「うぉ…。でかいな。ありゃあ戦艦のやつじゃないか?」

 

暁「鎮守府で砲撃って…。」

 

妖精さん「なるほど。確かにこれは緊急事態だな。」

 

暁「これ、暴動ってレベルなのかしら。」

 

妖精さん「…テロ?」

 

暁「とかだったらもっと急いだほうが良さそうね。…妖精さん、最近落ち着いたわよね。」

 

妖精さん「そうか?」

 

暁「前なら、こういうときはー、えーっと、うわー、あれはなんだー、いそげー、って叫んでそうじゃない。」

 

妖精さん「恐ろしい棒読みだな。まあ、あれだ。慣れってやつだ。最近大きな出来事ばっかだったからな。それに、こういうときこそ、落ち着いたほうが良いって学んだんだよ。」

 

暁「急がば回れってやつ?」

 

妖精さん「そうそう、そんな感じ。」

 

暁「ふーん、ま、急いだほうがいいってのには変わりないわ。ホバー移動しましょう。」

 

妖精さん「おう。そっちのほうが早いな。」

 

先程、飛んだときに使ったジェットエンジンを使い地面から少し浮いた状態で動く。さっきとは段違いのスピードである。これならば、すぐにでも鎮守府まで行けるだろう。

 

カーブを曲がる。その時に鎮守府の様子が少しだけ見えた。そこで見えたのは、なんと艦娘同士が争っているところであった。しかし、すぐに見えなくなってしまったため誰が戦っているのかはわからなかった。

 

暁「…あれが演習ってやつかしら?」

 

妖精さん「暴動が起きてる鎮守府で演習なんかしないだろ。それに演習は提督の許可がいる。…もしかしたら、呉では許可はいらないのかもな。」

 

暁「演習は楽しいわよね。昔さんざんやったわ。連戦連勝してたわ。あ〜、あとであそこの艦娘と一線交えてみたいわ。」

 

妖精さん「おう。やめて差し上げろ。」

 

 

 

やっと、鎮守府の門の前まで来ることができた。砲撃音だけでなく、何やら言い争っている声まで聞こえてくる。

 

『ええい!出撃だ!出撃をさせろ!』

 

『だめです!代わりの提督が着任するまでは出撃は認められません!』

 

『あぁ?もしかしてビビってんのか?深海棲艦と戦うのが怖いんだろ!』

 

『あぁ?今何つった!?どうやら死にたいようだな?』

 

『ヘイ霧島!落ち着くネ!貴方はキレちゃ駄目ネ!』

 

『マイクチェックの時間だオラァ!』

 

ズダァーン!

 

暁「おお、腹に響くわね。」

 

妖精さん「おお、おおやってるやってる。あいつらの周りにめっちゃ集まってんな。。」

 

『な、こ、こいつやりやがったな!?クッソが!』

 

『ま、摩耶も落ち着いてください!』

 

ダンッッ!

 

『フン!どこを狙っているのかしら?』

 

『あー!そこに人!避けるネ!』

 

喧嘩をなだめていたのであろう艦娘がこちらに気づいたらしい。もちろんそこにいる人というのは暁である。どうやら摩耶と呼ばれた艦娘の砲撃した弾がこっちに来ているらしい。

 

暁「え?」

 

つさっきまで「警備してた人たちはどこに行ったのかしら?」と考えていた暁が急な呼び声に答えきれるはずもなく。

 

ズァァァン!!

 

言葉では説明しきれないような轟音があたりに響く。今まで喧嘩をしていた艦娘やその観客たちが静まり返り、こちらを凝視した。




砲撃を受けた暁は、無事なのか(多分無事
ぶっちゃけ暁よりも妖精さんのほうが心配になる!

運命やいかに!?

次回へつづく


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27話

まわりがスロー再生のように遅くなる。

何かが飛んでくる。

 

そう、認識したと同時に思い出すいつの日の記憶。

 

じぶんは、手を伸ばしている誰かに向けてだ。自分を守るように立ち、こちらを向いて微笑んでいる。

その顔はすすけていて、立っているのもやっとと思えるぐらいの傷を負っているのだとわかるぐらいに全身が血にまみえている。

 

あぁ、置いていかないで、一人にしないで、そう叫んだような気もするが全く思い出せない。

 

ただ覚えているのは、後悔したこと。あの場で守り切れなかったこと。

 

瞬間現実に引き戻される。いまだに、スロー再生のような感じだが回想していた分の時間は進んでいる。

飛んでくる何かが近くなってきている。何とか腕を動かし妖精さんが入っている胸ポケットをかばう。

 

そして、時間の進みが早くなっていく…。

 

 

 

 

大きな着弾音。

 

何分か前にも同じような距離で地面を撃ったが、相も変わらずとてもうるさい。

 

そのまま目の前の戦艦と戦闘を続行と行きたいところだが、そうもいかない。先ほど自分が外した砲弾があろうことが、外部の人の場所に飛んで行って

そして、着弾。今目の前には煙がもうもうと立っている。

 

いくら、小さくなっているとはいえ軍艦の砲だ。そんじょそこらの銃とは威力がまるで違う。あんなに近くで食らったら、生身の人間なら人体欠損なんかで済むはずがないだろう。

もしかしたらもはやその肉体は消し飛んでしまっているかもしれないし、中途半端に残っていてとてもグロテスクな状態になっているかもしれない。

 

誰に掃除させようかなと思っていると、急に何かが飛んできた。ソレはまっすぐこちらに飛んできて自分が認識する時間すら与えなかった。

瞬間鼻に強い衝撃を受け視界にきれいな青い空が入ってくる。そのままコンクリートに頭を打ち付けるかと思ったがなんとさらに蹴られた。

 

かなり強い衝撃が後頭部を襲う。

 

 「っハ…!」

 

手で後頭部をかばおうとするもむなしく誰かが胸に乗って胸倉をつかんで強く引っ張る。

 

「どういうつもりなのかしら?」

 

妙に高い声。艦娘である自分を飛ばすようなものとしては不釣り合いな声だ。

痛みで目が開けられないがやっとの思いで目を開けるとそこに映っているのは少女のシルエット。しかし顔は逆光でよく見えない。

 

こんな小さなガキに飛ばされたのか?この私が?

 

そう思ったとたん急に腹が立つ。まだかなり後頭部が痛いがそんなことはどうでもいい。今はとりあえず目の間のガキに一発入れたい気分だ。

 

「こんのクソガキがっ!」

 

つかまれた腕を強引に振りほどき今度は逆にこっちが胸倉をつかんでやる。身長は自分のほうが上で結果その少女は宙に浮く。

 

「てんめぇ。なに急に蹴ってきやがってんだ?あぁ?」

 

「そう。話す気はないのね。じゃあ、少し痛い目見てもらうわ。」

 

何を言っているのか?痛い目を見てもらう?

 

すると少女の背後からなにか打ちあがる。そしてそれを目で追って…

突如近くから異常な殺気を感じる。目の間の少女からだ。急いで手を放し後ろに飛ぶ。

 

刹那自分の鼻っ先を何かかすめ、地面に突き刺さる。

 

斧だ。なんともでかい斧だ。明らかに本来の使い方をしなさそうなサイズで、これまた少女が使うには大きすぎる。

 

目の前の少女は先ほどと明らかに気配が違う。殺気があふれ出ている。

 

瞬間悟った。これはやばいと。これは死んでもおかしくはないと…。



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28話

設定を思い出すために過去のを読んでましたが色々書いてましたね。過去編を書くとか。長らく休止している中でいい感じのエンディングが思い浮かんだので路線を変えようと思いましたが昔のものを読むと苦難の道が続きそうです。一番以外だったのは昔書いたものが案外面白かったことですね。むしろ今のやつはそこまで面白くないんじゃないかと思ってしまうほどに。

前のものとできるだけ合わせようと思いますが、もしずれているところがあったらご指摘のほどよろしくお願いします。




「もういい。分かんないようなら叩き潰す。貴様のようなやつなどこれで十分だ。」

 

暁は戦斧を引き抜きながら近づく。相手は腰が抜けたのか全く動かない。周りで見ているやつも誰一人助けようとはしない。悲しいやつだ。

 

「…。」

 

振り下ろさんとしたがその柄は別のやつのせいで止められてしまった。

 

「なぜ、お前が止める。貴様こそこいつを殺したいのではないのか。」

 

暁を止めていたのは先程こいつと喧嘩していたやつだった。さっきまで殺し合いのような喧嘩をしていたのに。なぜそいつを助けようとするのか。

 

「確かに、そうではありますが、見ず知らずのようなやつに殺されるのでは話が違う。」

 

暁は少し考え、斧をひっこめた少し考えると、このまま殺すと面倒になるはずだ。恐らく、いや、きっとこいつらが自分の部下となるのだろう。その部下を殺してしまっては、響に悪いことをしてしまう。

 

「…はぁ、分かったわ許すわよ。」

「あなたは誰ですか。いきなり鎮守府に入ってきてあろうことかそんな物騒なものまで…。」

「私は暁。あなたたちの上司になるのよ。一か月間。」

「……は?」

「ほら、そんななりしてない?」

「い、いや。確かに正装ではあるけど…。」

 

あ、ためぐちになった。さては見た目で子供のお遊びだと思ったな。仕方ない。こういう時にはやっぱり紙に残ってるものが一番強い。

 

「ほら、これでいい?」

「こ、これは…大本営からの命令書!?偽物では…ない。響司令長官の名もある…。こ、これは失礼しました。」

「ん。わかったんならよろしい。ほら、案内。あなた達もそこでぼーっとしてないで片付けぐらいしなさい。もう無法地帯じゃないのよ。」

 

暁の発破で慌ただしく動き始めた。さっきまでスラム街の喧嘩を眺めていたような治安の悪さなど微塵も感じさせないほどにてきぱきと掃除を始めた。上の者の有無でこれほど変わるものか。

 

 

 

「…来た。」

「ああ。同志。接触を図ろう。慎重にな。」

「もちろんだよ。同志。」

 

 

 

 

「あ、あとで潜水艦来るけど気にしないで頂戴ね。」

「え、せ、潜水艦!?」

「そう。響もそれに乗ってくるから。そういえばあなたの名前は?」

「私は金剛型戦艦の4番艦、霧島と申します。」

「霧島ね。分かったわ。」

「こちらが執務室です。」

 

執務室までの廊下もそうだが本当に荒れているなこの鎮守府は。一応日本の中でも5本指に入る鎮守府のうちの一つのはずなんだが…。これは数日は掃除でつぶれそうだ。にしても私が艦隊の指揮を…ね。大隊長にはなったことはあるけれども、さすがにここまで大規模なことはしたことはないのだけど大丈夫だろうか。

執務室はさすがに綺麗なままだ。綺麗と言っても相対的なのであって、恐らくこの中で暴れることはせずずっと放置されていたのだろう。埃がすごい。

 

「霧島…。」

「なんでしょうか?」

「掃除。とりあえずここ優先。私もするから何人か呼んできて。」

「分かりました。」

 

霧島が部屋を出て行った。と、帽子の中でごそごそと何か動く。緊急避難させた妖精さんだ。目を回して居たっぽいが目覚めたらしい。

 

「ん、んんん…?…あ、ここはどこだ。」

「あ、起きた?」

「お、暁…あ!大丈夫かお前!砲撃がっ…て、なんだ室内?」

「いろいろあったのよ。」

「そ、そうか…そうなのか…埃っぽいなここ。」

「ええ、全く。今何人か呼んできてもらってるわ。まずは掃除ね。」

「失礼します。提督、呼んでまいりました。」

 

霧島が戻ってきた。連れてきたのは同じような服装をした3人。姉妹艦だろう。

 

「金剛型戦艦1番艦、帰国子女の金剛デース!提督、よっろしくお願いしマース!」

「同じく2番艦の比叡です!」

「3番艦の榛名です。どうぞよろしくお願いします。」

「うん、よろしく。それじゃ、さっそくで悪いけど掃除を手伝ってもらえるかしら。」

「はい。」

 

掃除は数時間で終わった。金剛たちには別のところの掃除に行ってもらって、今は提督が残していったらしいマニュアルと人員名簿を眺めている。流石トップクラスの鎮守府。艦娘の数が多い。果たして覚えきれるだろうか。マニュアルと名簿をうなりながら眺めていると扉がノックされた。眺めたまま答えると誰か入ってきた。ちらっと眼を外すと経っていたのは先ほど暁が真っ二つにしようとしていた奴だった。

 

「…なに。」

「あ、あの、その、先ほどはすみませんでした!提督だったとはつゆ知らず…。」

「ああ、それはもういいわよ。あれは私もやり過ぎたわ。要はそれだけ?」

「あ、はい。」

「じゃあ、下がっていいわよ。誰あの掃除でも手伝ってきなさい。…あ、あなた名前教えなさい。」

「高雄型重巡洋艦3番艦の摩耶です。」

「摩耶、摩耶…ん、了解。下がっていいわよ。あ、あともう一つ。そんな堅苦しく話さなくてもいいわよ。あなたの口調で大丈夫よ。無理に敬語で話されてもかえって違和感あるわ。」

「あ、はい…じゃなくって、うっす。じゃあ、私はこれで失礼するぜ!」

「はーい。」

 

うんうん、とうなりながら眺めること数時間。やっと半分ほど読み切った。マニュアルと言ってもそんな難しいことはしなくてもよさそうだ。だが、よく読みこんだ結果そう結論づけれたのであって、結局隅々まで読まなくてはならない。

 

「あー、なんでこんなやること多いのよ。」

「さあな。提督ってのはそんなもんなんじゃないのか?」

「やること多いわぁ…響も似たことよくできるわね。」

「そういえば二人は何時つくんだろうな。」

「ん…あー…たぶんそろそろ。」

 

そういえば泉のこと話すのを忘れてたな、と思っていたころまたノックだ。霧島らしい。声が少し上ずってるか?

 

「て、提督。えっと、お客様がいらっしゃってます。」

「客…?誰かしら。通して。」

「失礼します。」

「おお、おお。やっとるのぉ。」

「やっと着いたよお姉ちゃん。」

 

ああ、なるほど。ついたのか。しまったな。響はともかく泉のことは説明するのをすっかり忘れていた。パニックになっていなければいいが。

 

「やっと着いたのね。」

 

霧島が執務室についている確認してない部屋に入っていった。あそこに何かあるのだろうか。

 

「…泉のこと話すのすっかり忘れてたわ。」

「おかげでかなり騒がれたわい。響がおらねば今頃海のそこじゃ。」

「どう?問題はなさそう?ないなら私の役目はもうおしまいだからぱーっと見まわって帰るけど。」

「大丈夫よ、特にあなたに言うような問題点はないわ。」

「そう?じゃあ、私は見まわって帰るから!じゃあね、お姉ちゃん、泉さん!」

「は?泉は。」

「何を言って居る。ワシもここに残るんじゃよ。」

「え、そうなの。」

「潜水艦に荷物全部のせて持ってきたわい。」

「空母のくせに準備いいわね。」

「空母は中が広いからの。整備ぐらいどうってことはないわ。」

「あれ、響さんは…?」

 

霧島が戻ってきた。盆を持っている。あそこは給湯室だったか。盆の上には3人分の湯呑みと茶菓子が乗っていた。

 

「響なら見回ってから帰るって言ってたわ。…ちょうどいいし、あなたも休憩しなさい。響は終わったらもう直接帰るはずよ。」

「そうですか。では…。」

 

暁はファイルを机に置き、椅子から降りる。そのまま妖精さんを乗せソファまで移動した。霧島が、テーブルに湯呑みと茶菓子を置いてくれた。よく見れば妖精さん用にも用意してあった。

 

「…そのサイズあるのね。」

「はい。ごく一部ですが人と同じように行動する妖精もいますので。提督が連れていらっしゃる妖精みたいな感じですね。」

「ふーん。」

当の妖精さんは呑気に、ウメェとどら焼きの欠片を食している。妖精って何だろうか、とふと思ってしまった。

 

 

 

休憩を終え、そこからさらに数時間後。やっとのことで確認作業を終え、机に体を預けてうだうだしていた。すでに日は傾き始めている。掃除に数日はかかるだろうと思っていたのだが、さすがは呉鎮守府。人手の量は勿論、効率的にうごいてくれたおかげで掃除は1日で終わった。明日から運営が可能だろう。響いわく、前任が戻ってくるまで取り敢えず稼働させておけばいいとのこと。遠征を行い前線海域の保守をすればいいらしい。

…ノック。

 

「ん。どーぞ。」

 

一応姿勢を正して訪問者を迎える。入ってきたのは二人の艦娘。

 

「失礼します。」

「ん、えーとあなた達は…?」

 

誰だったかな。はて?この二人は名簿に乗っていただろうか。

 

「初めまして、同志暁…いえ『初めまして、同志レシーヌシティ。』」

『…貴様、何者だ。』

 

こいつら、名簿には載っていなかったぞ。ここの艦娘じゃない。それに、なぜこいつらがその名前を知っているんだ。その名を知っているのは極々少数であり、なおかつ彼女が甚大な信頼をおいている者のみに教えた名前だ。だってそれは

 

『なぜ、貴様が私の本名を知っている…!』

『落ち着いてください、同志。我々はあなたの味方です…ほら。』

 

奴らが見せたのはある国を模したバッジ。かつての祖国だ。

 

『…なるほど、それで?』

『改めて。初めまして。私はタシュケント。駆逐艦です。こっちが…』

『初めまして同志。オクチャブリスカヤ・レヴォリューツィヤと申します。長いので、ガングートとお呼びください。』

『ええ、そうさせてもらうわ。それで?なんで、あなた達がここにいるのかしら。私はあなた達の製造計画は知らないのだけど?』

『はい。私達はあなたが行方不明になったあと、その捜索及び発見時の保護、祖国への帰国の嚮導のために計画製造されました。』

『なるほど。私がよくここにいると分かったわね。』

『我々はコピーです。同じく全国に我々と同じコピーが潜り込んでいます。前もって連絡はもらっていましたが我々が貴方に接触できたのは幸運と言えるでしょう。』

『連絡?誰から。』

『響さんからです。』

『…私は聞いてないのだけど。』

『響さん曰く、サプライズ、だと。』

『いらないサプライズねぇ。』

『…実は、わが祖国ではまたかの国と戦う準備をしております。それで、情報規制を再開したのです。きっと、あなたはそのことを知らないだろうから下手に知らせなかった、というのが本当のところです。』

『…なるほど。それは申し訳なかったわ。大丈夫かしら、私戦争終わったと思って割と話しちゃってるけど。特にこの妖精に。場合によってはこいつの処分も…』

『貴方の本来の装備を見られていないのであれば大丈夫です。妖精の処分も必要ありません。一通りのことは聞いていますが、見たところその妖精の主はあなたに映った様子。ひとまずはこのぐらいで。まだ話しておきたいことはありますが、それはまた後日。そちらの連れがそろそろ倒れそうなので。』

「…?あ、ごめんね。妖精さん。」

「お?…おお。もういいのか?ちょっと何言ってるか全然わからなかったが話は終わったのか?」

「ええ、とりあえず終わったわ。」

「それでは、私たちはこれで失礼します。」

「ええ。」

 

二人が部屋を出た。その直後暁は真っ先に受話器を手に取り、あるところに電話をかけよう…とするが、その手を降ろす。…情報規制の再開。まずもって響たちがトップにいることや、祖国の艦娘を秘密裏に潜らせられているところから、電話の盗聴はないだろうが、あのように聞くと無駄に警戒してしまう。いや、切羽詰まった状況でない限りこういう場合は無駄に警戒しておいたほうがいい。今すぐにいろいろ聞き出したいが、ここは我慢しておこう。明日またあの二人に話を聞けばいい。なんなら、泉に聞けば知っているかもしれない。

 

「提督。霧島です。」

「どうぞ。」

「失礼します。提督、歓迎会の準備ができましたのでお迎えに上がりました。」

「歓迎会?誰の?」

「提督のです。せっかくですので、ついでに交流もしてもらおうかと。」

「なるほど。嬉しいことしてくれるじゃない。分かったわすぐ行く。」

 

確かに写真を見るだけよりかは、実際に会って一言二言だけでも話しておいたほうが覚えやすいだろう。これと言ってなにかしなきゃいけないことはなかったので、すぐに立ち、霧島に案内される。

案内されたのは食堂の前。少し待っていてください、と言われたのでおとなしく待つ。

 

「…緊張するわね。」

「お前、こういうの緊張するのか?」

「人並みには緊張するわよ。やっぱり。」

「よくいうぜ。前は堂々侵入してたくせに。」

「ああ言うのは慣れてるから大丈夫だったの。」

「慣れてんのかよ…。」

「提督、どうぞ。」

 

霧島に言われ、着いていく。入ると、そこまで整然とはしてないが、簡単に整列して暁を注視していた。まさかこうなるとは、てっきりもっと和気あいあいとした中を回って話をすると思っていたが、セレモニーでもしなきゃいけないのか。ああ、そうっぽいな。霧島が案内する先に台がある。

案の定台の上でマイクを渡された暁は内心軽くパニックになりながらも表面ではその様子を見せずに何とか言葉を紡ぎだす。

 

「あー、皆今日はお疲れ様。疲れているだろうから、手短に済ますわね。」

 

よし、これで早めに切り上げられる。あとは定型文的に言えば何とかなるだろう。

 

「一部の艦娘には紹介したけど、私が臨時の司令官となった暁よ。んで、ここには…いないようだけどもう一人整備士として来てるわ。見た目がちょっとあれ…深海棲艦っぽいけど気にしないでほしいわ。一か月間だけだけど、どうかよろしく頼むわ。」

 

泉のことをついでに話したのですこし騒然となったが、盛大な拍手の元壇上から降りる。ほどなくして霧島の音頭で乾杯し歓迎会が始まった。それにしても霧島は有能だ。自分の補佐だけでなく様々なことを仕切っている。提督は秘書艦をつけるらしいが彼女にお願いすればいいか。今は、一つ一つテーブルを回り個々の艦娘と話してみよう。こうしてみると改めて個々の人員の多さが分かる。食堂がほぼ埋まるぐらいの人数だ。もしかしたらそこまで話はできないかもしれないがせめて顔を合わせてはおきたい。

 

 

あれから数時間。歓迎会も佳境に入ったころ恐らく全艦娘と最悪顔は合わせれたはず。

 

「多すぎでしょここ…。」

「そりゃ、ここは呉だからな。おれもこんなに艦娘がいる鎮守府は初めてだぜ。」

「あなたは楽しそうでいいわね。」

 

妖精さんはいつの間にかもらっていた妖精サイズのグラスを手に、恐らく酒を飲んでいた。まったくこっちは挨拶巡りで大変だったというのに。…ああ、昔のことを思い出す。昔も上司が新しくなったときはこういう歓迎会を開くことはあったが自分は姉以外に全くなつかなかったので、全く話さなかった。今だからわかる。あの時の上司には申し訳ないことをしたな、と。

 

片付けを手伝おうとしたら間宮という艦娘に断られてしまったので、仕方なく外に出てきた。夜風が心地よく感じる。妖精さんは酔ったのか寝ている。

 

「あなたも出てくればよかったのに。せっかく紹介してあげたんだから。」

「騒ぎにならないように考えた結果じゃ。」

 

暁が海に向かいつぶやくと、泉が横から返事をした。暗いせいか泉の輪郭はよくわからない。

「ねえ、あなたも知ってたんでしょ。」

「はて、なんのことやら。」

「とぼけないで。私だけ知らされてなくて寂しい思いしたのよ?」

「…はぁ。」

「そのため息は肯定として捉えても?」

「好きにせい……。」

「じゃあ、なんで私にだけ知らせてくれなかったの?」

「…お主が好き勝手に色々喋っとるからじゃ。」

「は?私が?これでも一応、秘匿部隊の元隊長よ?」

「守秘義務くらいちゃんと守ってるわ。」

「守れておらんじゃろうて。」

 

そう言って、泉は暁を指差す。特に妖精さんのあたりを。

 

「…いやだって、もう戦争終わったしいいっかなぁって。」

「良くないわい。計画はまだ完全に失敗しておらん。お主さえいれば、いくらでも立ち直せる。お主はそれぐらいの存在なのじゃよ。それぐらい理解してほしいの。」

「はいはい。分かったわよ。今後は気をつけるわよ。…で?私を帰らせて何をしたいの?」

「お主のメインシステムの解凍じゃ。」

「…コードは。あれは彼の国に厳重に保管されてるはずでしょ。」

「詳しいことは儂にもわからん。ただコードの準備ができたと。」

「祖国を疑うわけじゃないけどよくそんなことできたわね。」

「同感じゃ。上はこの一ヶ月以内に完了させたがっとる。」

「幸か不幸かその一ヶ月間私は提督なのだけど。」

「…この際だから言っておくがの、今回の協力者はようけおるぞ。特にここ10年近くは、深海棲艦のせいで彼の国からの干渉が極端に弱まっとる。認めたくはないが、アヤツのおかげとしか言えんの。まあ、ともかくお主がそうしたくない理由は知っておるが場合によっては…」

「わかってる。流石に私もそこまで馬鹿じゃないわ。私情で国を振り回す気はない。…まだ1日目でしょ。少しぐらい考える時間があったていいはずよ。」

 

暁は海に優しく笑いかける。ぼんやりとした街頭一つでは海に反射する顔は見えない。

 

『約束。暁をこれ以上危険に晒さないための。どうかこれ以上そも力を使わないで。どうか逃げ延びてほしい。どうしても使いたいと言うならその時は……。』

 

約束。姉代わりだった菊月、みゆとの約束。その数日後祖国は戦争に負けた。みゆは死んだ。やつは鹵獲品を持ち出して逃げた。裏切りだった。結局彼女は逃げることができず、監視のもとシステムの凍結が行われた。今暁が使っているのはすべて彼の国の許可をもらった上であと付けされたものだ。

 

「…戻るわ。明日からここの運営をしなきゃいけないもの。」

 

暁は手をヒラヒラと振ってその場を後にする。残された泉は薄明かりの中暁の背中を見つめていた。

 




思ったよりも愛されていました、この作品。なんとか完結まで持っていきたいですね。いま一番怖いのは完結まで持っていけるか。それと、私の思い浮かべるエンディングが読者の皆さんに受け入れられるかです。

誤字脱字等ありましたら遠慮なくどうぞ


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29話

クリスマス仕様になった今日この頃、皆様はどのようにお思いでしょうか。わたくしは六駆の中でなぜ暁ちゃんだけ特別グラがないのだろうと日々悶々としています。暁ちゃんのサンタ姿はいつみられるのでしょうか…その謎を解明するため我々はジャングルへ(ry


鎮守府の仕事というのはてっきり激務なもんだと思っていたが、実際はそうでもなく現状維持という名目上やることは大してなかった。秘書艦の霧島に書類を提出してもらいに行ってる中、暁は一人鏡の前に立っていた。

 

「こう?…いや、こうかしら。」

「…何してるんだお前。」

「見てわからない?レディーっぽいポーズを探してんの。」

「ほーん。」

 

妖精さんは思う。お前は今レディーとは程遠い格好をしているぞと。暁の取っているポーズは威圧感のそれであり『ドドドドドドドドド』という文字が見えそうな勢いである。暁にそんなこと言ったら確実にしばかれるため必死に飲み込む。

 

「…!これ。これどう!?レディーっぽくない!?」

「んー…いやぁ。」

「何よぉ、微妙な反応ねぇ。」

 

暁よ。お前は美的センスが壊滅的だぞ。なぜそんな覚悟を決めたようなポーズをしてレディーと思うんだい。あと胸元を広げようとするのはやめなさい。あなた女の子でしょうに。

 

「んー、やっぱこれを持ったほうが…。」

「おい、それなんだ。」

「これ?トカレフ。故郷では人気だったのよ?私の居た施設では定番のアイテムだったわ。」

 

暁が自信満々で取り出したのはトカレフとかいう拳銃。彼女いわく定番アイテムだったらしいが、世界のどこを探したら拳銃がマストアイテムになるところがあるんだろうか。

妖精さんは急に哀れに思い始め暁に優しく国語辞典を差し出した。

 

「ちょ、なんで辞書差し出すのよ…え、妖精さん辞書もてるの。」

「辞書ぐらい妖精だって持てるさ。俺は、飛行機乗りだが、砲弾持つ妖精だっているんだからな。」

「へ、へぇ。」

「失礼します。書類の提出が終わ……」

 

熱中していたせいかノックに気づかなかった。拳銃を持って謎のポージを取っている上司と哀れみを含んだ表情をしながら辞書を持っている妖精を見た彼女は静かにドアを閉めた。ガチャンという音が虚しく響いた。

 

「え、なんで閉めたの。」

「いや、お取り込み中のようでしたから。」

「べ、別に何も取り込んでないしそもそも始まったとか…あーうん。ごめん。もういいわよ。」

「終わりました?」

「うん。終わったわよ。」

 

この状況に、いい感じの終着点を見いだせなかった暁は、諦めた。

 

 

 

現在1500。すでにやることがない彼女は霧島が入れてくれたお茶を飲みながら現在進行系でまったりしていた。

 

「…暇。」

「そうだな。」

「ヒマ。」

「カタカナになっても変わんねえぞ。」

「ひま。」

「ひらがなでもだ。」

Свободное время()。」

「…は?なんて?」

「なんでもない。ねえ、何かやることないの?」

 

ひらがなとかカタカナとか何言ってるんだろう、と思っていた霧島は突然のフリに少し表をつかれたが落ち着いて答える。

 

「、特にやることはもうありません。」

 

それを聞くと、暁は席を立ちドアノブに手をかけた。霧島がどこへ、と聞くと

 

「散歩してくる。何か連絡あったら…通信機持ってるから言ってね。」

「は、はあ…あら?」

 

霧島はそれとなく妖精と目を合わせようとしたが、さっきいたはずの場所に妖精はいなかった。

 

 

 

暁は今、工廠の前を歩いていた。散歩してくると言ってとりあえずここに来た。機会が動く音は絶え間なく聞こえてくるものの思ったよりも静かで、艦娘は誰一人としてみない。

 

「案外出会わないものね。」

「寮で待機とかしてるんだろ。俺も少し意外だったけどな。」

「にしても目立つわねえ。」

「ああ、あれな。」

 

彼女たちの目線にあるのは工廠の向かい側の海で繋留している潜水艦。彼女たちが乗ってきた伊400だ。その潜水艦の前で誰か話している。片方は泉。もう片方は、ピンク髪の…確か明石。

 

「…ん、おお。お主ここで何しとるんじゃ。」

「え、あ、提督?どうしましたか、こんなところに。」

「暇になったから散歩してるのよ。あなた達は何してるの。」

「儂らはちょっとした会話じゃ。エンジニア同士のな。」

「はい!いやぁ惚れ惚れしますよ。まさかこの目であの伊400を見れるとは。」

「はは。そう言ってもらえると嬉しいのお。」

「完全に再現されてるんですか?主機とか、電探とか。」

「残念ながらこいつはコレクション品じゃなくて実用品じゃからの、申し訳ないが現代でも使えるような仕様になっておる。」

「そうなんですか?」

「うむ。例えば主機は………。」

 

何やら専門的な話が始まってしまった。暁たちには一切理解できない。ここにいても何もなさそうなので、楽しんで、とだけ声をかけてその場を去った。

 

「仲間内の会話ってすごいよな。」

「そうね。専門用語のオンパレードね。一般人には理解できない世界があるのよ。」

 

泉も楽しそうだった。久々に話がわかるやつがいたから興奮しているのかもしれない。当時、あそこまで泉と熱中して話せたのは……やめろやめろ。あいつのことなんか考えるな。

やつのことを振り払おうと頭を降った。

 

「ぬおおおおぉぉぉぉお!?何だ何だどうしたどうした。」

「あ、あああごめんなさい。頭に載せてるの忘れたわ。」

「お、おう頼むぜ。心臓に悪いぞ。」

 

危うく妖精さんを振り飛ばすところだった。さて、次はどこに行ったものか。

 

 

「ここはいるのね。」

「あまり出撃させてないからな。まあ、こんな感じになるだろうよ。」

 

結局来たのは艦娘の寮。こちらは人通りが多く、度々挨拶される。

 

「む。提督か。どうしたんだこんなところで。」

 

角を曲がったあたりで高身長の艦娘と出会った。不思議と貫禄的なものを感じる。確かこの艦娘は…長門といった。

 

「やることなくなって暇になったから散歩してるのよ。」

「…ああ、そうか。現状維持だと処理する書類も少なそうだからな。」

「あら。察しがいいのね。」

「一時期秘書艦をしていたことがあったからな。」

「…秘書艦て変えるものなの?」

「いや、別にそういったルールがあるわけではない。ここはまあ、秘書艦一定期間でローテーションさせていたが、他の鎮守府では同じ艦娘が秘書艦をしているというのも聞いたことがある。」

 

そうか。紹介された時に霧島が案内してくれたのでそのまま秘書艦に任命していたが、ローテーションか。1ヶ月だと大して回せないかもしれないがやって見る価値があるかもしれない。特にこの長門という艦娘には有能な匂いがプンプンする。

 

「…なあ、ここ駆逐艦寮だよな。なんでここにいるんだ?」

 

妖精さんのその言葉で空気がピシッと張り詰めた、気がした。暁は特に気になってないようだが、長門の顔に少し冷や汗が垂れる。

 

「そういえばそうね…でも別におかしなことではないと思うけど?」

「そ、そうだぞ。べ、別に視かうぉっほん、見廻りに来ていただけだ。」

「だって。」

「そうか?そうなら…すまんな。変なこと聞いて。」

「い、いや、大丈夫だ。駆逐艦寮に戦艦がいれば疑問に思うのも無理はないからな。は、はは…。」

 

乾いた笑いに妖精さんは少し疑問を感じたが、相手が長門ということでただの杞憂であると処理した。

 

「提督?」

 

どこからか声が聞こえた。霧島だ。どこから、と、無線機を持っていたんだった。緊急事態だろうか。

 

「はいはい。どうかしたかしら?」

「艦隊の皆さんが帰投しました。報告書の提出がありますので戻ってきていただけますか。」

「了解。すぐに戻るわ。…そっか、そんな時間だったわね。」

 

時計を見ると、確かに帰投予定時刻を数分過ぎている。

 

「それじゃ、私は行かないとだから。秘書艦の話ありがとう。少し考えてみるわ。」

「そうか、役に立ったのなら光栄だ。もし今後相談事があったらぜひ頼ってくれ。」

「そうさせてもらうわ。」

 

艦隊をまたすわけには行かないので、少し小走りで向かう。妖精さんには頭が揺れて危ないので胸ポケットに移動してもらった。

 

 

ノックして入る。

 

「失礼。少し遅れたわ。」

「大丈夫です。こちら、報告書です。」

「ん、了解。聞きたいことあったらあとでまた呼ぶからとりあえず交代してきてちょうだい。」

「了解しました。」

 

前線には交代で1日2艦隊が哨戒に向かっている。今は南西の方にあるようだ。現在、この鎮守府は提督が代理である暁なので前線でもあまり敵が多くないところを任されている。報告書には艦隊の動き遭遇した敵艦隊の構成などが詳しく書かれている。これだけ見ても昨日着任したばかりの暁には何もわからないので予め机に出しておいた過去の報告書をまとめたファイルを開く。最後の日付は約一週間前…一週間も喧嘩してたのかこいつら。そう思って霧島を見ると、同じことを考えたのかはたまた伝わってしまったのか申し訳なさそうに少し顔をそらす。

パラパラと報告書を見る。数字だけを見る限りでは回数を重ねるごとにビックサイズ級、母艦の数が減っているようだ。こっちの報告書では…あ、待てよ。そうか、哨戒の場所が変わっているのか。それじゃあ、これらはちょっと役には立たないな。

これは、むしろ別に集めたほうがいいかもしれない。霧島に新しいファイルを取ってもらう。『前線哨戒報告書(代理)』と表に書き、馳せておく。比べるのは1週間ほど時間を開けるのがいいだろう。また暇になってしまった。かと言ってもう散歩をする気にもならない。あと数時間なんとか耐える必要がある。今日は折角報告書のまとめを出しているわけだし、これで暇をつぶそう。

最後のページからめくりめくり見る。めくるごとに発見した深海棲艦の数と種類が増えていく。つまりここ最近深海棲艦の発生事態が少なくなっている。理由は想像できる。おそらくはビックサイズ級、母艦のせいだろう。昔、鹵獲したものを研究した結果かなりの資材がつぎ込まれていることがわかった。駆逐級や軽巡級程度しか載せられないものの、防御面ではかなりのものがあるし盾としての役割もあったのだろう。数が減ったとなれば母艦を作るほど余裕がなくなったのか、もしくは少し飛躍した考えだが母艦を作る資材で他のものを作っているかだ。それが別の艦にシワ寄せが来るほどなのかはわからないが。

これで潰せた時間はたったの15分。雀の涙程度だ。

 

「…暇ぁ!」

「うぉあ!?び、びっくりさせるなよ…。」

「だってぇ、暇なんだもの…。」

「暇だからって叫ぶなよ。」

「じゃあ、妖精さんなんか面白い話してよ。45分。」

「なんでそんな中途半端に長い時間はなさなくちゃいけないんだ。」

 

それは勿論18時が一応の定時だからだ。ここは普段定時などあってないようなものなのだろうが彼女がいる間はその存在は一番強調されるものだ。やることがないのだから。

 

「えー、じゃあ霧島ぁ。」

「え、わ、私ですか?」

「暇なの。」

「そうは言われましても…。」

 

結局18時なるまで、ずっとこの押し問答が続いた。18時になった途端暁は霧島を返し、制服を脱いでその下の私服を晒しソファにもたれ掛かった。

 

「うえぇえ、これがあと30日…。」

「おいおい、脱ぎ捨てるなよ2100にまた来るんだから。」

 

そう、いま哨戒に行っている艦隊が21時に戻ってくるのだ。その報告を聞かなきゃいけない。因みに夜間は別の鎮守府が持ってくれる。

 

「あああああ、提督ってもうちょっと楽しいかと思ってたのにせめて忙しくありなさいよ…。」

「忙しくてもお前は愚痴こぼすだろうに。」

 

その時、ノックが聞こえた。誰だ、定時はすでに迎えたぞ。

 

「んー、どうぞー。」

 

答えた瞬間気づいた。多分あいつらだ。

 

『失礼します同志。』

 

もはや最初から祖国の言葉で話しかけてくる。やはりあの二人だ。

 

『あー、うん。続きよね。そこ座って話しちゃって。』

『…分かりました。』

「うお…またその言葉かよ。」

 

二人は昨日と違う暁の雰囲気に少し戸惑ったがソファに座った。

 

『同志。単刀直入に言います。あなたを本当のあなたを取り戻したい。』

『うん、泉から全部聞いたわ。』

『それでは…!』

『申し訳ないけど、今は決められない。』

『なぜ、ですか。』

『約束よ、約束。特別なこと以外には使わないって。』

『それでは、その特別なこととは?』

『それを忘れちゃったから…あと3週間。下旬に入るまでに思い出せなかったらもうあきらめて一度帰るわ。』

『結局帰るのでは今からでも変わりはないのでは。』

『馬鹿言いなさんな。約束って言うのは可能な限り守るものよ。ましてそれが近親者ならもっとね。』

『…紛い物でもですか。』

『ええ…ねぇ、これ妖精さんに話しちゃダメ?そろそろかわいそうなんだけど。』

『かわいそうって、昨日は処分しようって…。』

『昨日のは無し。妖精さんは私の仲間だもの。』

『は、はぁ…その妖精が仲間になると約束してくれるならば、話しても大丈夫かと…。』

『そう、分かったわ。さあ、今日はおしまい。私は今から暇つぶしで寝ることを思いついたわ。』

『…そう、ですか。では明日もまた来ます。その約束とやら思い出すまで聞きますからね。』

『ちっ、しつこいわね。』

「お、終わったのか?」

「ええ、ごめんね妖精さん。今度色々話すわ。とりあえず今は暇つぶしに寝ることを思いついたから今から寝るわ。」

「唐突だなお前。」

「21時になっても起きなかったら起こしてー。」

「おいこのまま寝るのかって、もう寝たのかよ早いな。はぁ仕方がない…。」

 

時計の針の音が淡々と流れ続ける。暁の寝息もまた静かに響いていた。

 

 

 




しっかりした暁ちゃんもかっこよくて好きですが、ダルダルになった暁ちゃんもかわいくて好きです。結婚させてください。


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30話

「…い。お…い。おーい、おい。起きろー。」

「んんー、んにゅ?」

「もうすぐ21時だぞ。」

 

時計を見ると5分前だ。

 

「ほら、着替えろ着替えろ。」

「んー、急かさないでよお。」

 

何か夢を見た気がするが全て忘れた。あまり時間も見なかった気がする。急かさないでほしいが、艦隊がもうすぐ帰ってくるのは確かなので急ぎはする。着替えて椅子に座り一息ついた頃、ノックが聞こえた。

 

「艦隊、帰投しました。」

「ん、入ってどうぞ。」

「失礼します。」

 

入ってきたのは短めのツインテの赤い服の艦娘。身長的に巡洋艦。川内とか言ったか。しかし暁は川内の姿を見た瞬間立ち上がり川内の前に立った。そして手を合わせオジギ。

 

「…ドーモ、ハジメマシテ、 暁です。」

 

突然の行動部屋にいた誰もがその行動を理解し得なかった。しかし、川内は違う。暁と同じように手を合わせオジギする。

 

「ドーモ、ハジメマシテ 、暁=サン。 川内です。」

「何やってるんだお前ら。」

「ちょ、妖精さん。妖精さんもアイサツしなさい。ニンジャにはアイサツしなきゃだめなのよ。コジキ?にもそう書かれてるって昔言われたわ。」

「いや、川内は軽巡洋艦で忍者ではないぞ。」

「でもアイサツしたわ。ニンジャよ。」

「もう大丈夫ですよ、暁=サン。私は川内、あなたは提督。これで終いにしましょう。」

「…わかったわ。」

「…はい!提督、報告書。」

「はいはい、えーっとぉ?」

「変わり身が早いぞ。」

 

この一連の行動についていけたのは起こした張本人のみ、他の者は何がなんだかわからず終始唖然としていた。

 

「…特に気になるようなことはなしね。あなたから言っておきたいことはある。」

「なにも。特に変わった様子はないよ。哨戒は__鎮守府に引き継いでもらったから。じゃあ、私はこれで「夜戦はだめよ、寝なさい。」えぇ。」

「書き置きに残されてたのよ、川内に夜戦に行かせるなって。」

「えぇー、なんでー。」

「危ないからでしょ。深海棲艦は最近減ってるんでしょ。好きで夜戦に行く理由はないわよ。」

「ちぇー。」

 

川内はふくれっ面で出ていった。それに少し遅れて他のものも外に出る。再び部屋に静寂が訪れた。

 

「さっきのなんだ。」

「さっきのって、アイサツ?」

「あれは挨拶…いや、名乗ったから挨拶?」

「あれは、まあ、一般的な挨拶ではないわね。」

「自覚してんのかよ。」

「あれはアイサツであって挨拶ではないんだもの。アイサツは誰にでもやっていいわけではないわ。ニンジャにだけやらないとだめなの。昔そう言われたわ。」

「…わからん。じゃあ、お前って忍者なのか。」

「私はニンジャではないわ。でも、心はニンジャなのよ。じゃなきゃアイサツなんて出来ないわ。」

「あーうん、わかった。俺が理解しようとしたのがいけないんだ。うん、そうだなお前はニンジャだ。アイサツは大事だな。古事記にもそう書かれているんだもんな。」

 

改めて報告書を見る。昼間と同じように特別な行動はしていない。戦闘もなし。川内の偵察機で遠くに艦隊を見つけたのが数度程度だ。昼間よりかは夕方のほうが出没は多いみたいだ。これが多いのか少ないのかはもう数日かかる。報告書を挟んで背伸びをする。体が伸びていくのがわかる。時刻を見ると先程の出来事が10分にも満たないことであるのがわかる。消灯時間まで2時間近くあるがどうしようか。先に寝てしまうのはそれとなく駄目な気がする。しかしかと言ってやる事も…そう言えば今自分は一人だ。じゃあ、あれでもして遊ぶか。

暁は机の上で手をかざす。飛行機が出てきた。いつしか作ってみせた零戦の52型。

 

「お、懐かしいな。どうした急にそんなもの作って。」

「ただのの暇つぶしよ。やることないんだもの。」

「そう言うなら先に寝ちゃえばいいだろう。」

「えー、何か駄目な気がする。」

「お前は、破天荒なのかきっちりしてるのかよくわからないな。」

「悪かったわね。」

 

ウキウキと暁がつくった零戦に乗り込む妖精さんにムスッと顔を向ける。

 

「そういや、前に泉がお前のシステムがどうたらこうたら言っていたがどうなんだ。」

「…どうってのは。」

「いや、あいつがシステムを開放できたらーとか言ってて、お前が乗り気じゃないって聞いたからよ、開放する気はねえのか?」

「藪から棒にどうしたのよ。」

「別に、お前が飛行機作るところ見てちょっと思い出しただけだ。」

「…他に何か詳しく聞いた?」

「お前がロックしてるシステムが4つって言うことぐらいだな。」

 

なんだ、あいつ結構話しているんじゃないか。泉に一応許可をもらってから話そうかと思っていたが別にもう話してしまってもいいんじゃないか。

 

「…厳密に言えば私のメインのシステムは一つよ。その4つは…なんて言ったらいいかしら。設計図、かしらね。」

「設計図?」

「ええ、メインは工場みたいなもの。その4つには設計図やら、それを使うためのものが収められてて資材が尽きるまで私はその兵器を作り出せたわ。」

「ほぉ、それまた便利な。なんでメインはロックしてないんだ。」

「ロックしてないというか凍結できないのよ。するには大きすぎたの。だからそれ以外を凍結した。設計図がなければ工場なんかあっても意味はないでしょ?」

「まあ、そうだな。じゃあなんで解除しねえんだ。できるんじゃないのか。」

「凍結されたデータが遠くにあったってのが理由だったんだけど、最近なんか手に入ったみたいなのよね。」

「じゃあ、やればいいじゃないか。」

「そうも行かないわ。約束したんだもの。特別なとき以外は使わないって。」

「ほーん。その特別な時ってのは?」

「忘れちゃったのよねぇ。どっちみち今月中には解凍するんだけど、ちゃんと約束は守りたいのよね。」

「うーん、まあそうだな。約束は守りたいよな。思い出せるといいな…いや、お前それ思いっきり使ってないか。零戦作ってるしなんか甲板も出してたよな」

「…作るだけならセーフよセーフ。あの甲板は元々私にはなかったものだし。」

「…作る能力はあるんだよな。」

「ええそうよ。設計図か、もしくはそのデータがあれば作れるわよ。」

「じゃあ、明日色々作ってくれよ。ここなら飛行機の設計図とかもたくさんあるし、俺乗ってみたかった機体がたくさんあるからよ。あ、無理なら無理でもいいんだがよ。」

「いいわよ別に、作るぐらいならね。私に内蔵されてる資源は有限だから作ったら還元させてほしいけどね。」

「やったぜ。今暁が作れる機体ってなんなんだ?」

「ん、そうね…零戦に…あ、いや零戦だけだわ。」

「あれ?前になんか飛ばしてたよなすっごい早いやつ。」

「あれは、機体自体があるのよ。作ってはないわ。」

 

暁は、先程零戦を作り出したときとは違って、一度手を握り、開くとそこに手乗りになった戦闘機が現れる。確か…トムキャットとかいうやつ。

 

「おお、これだ。これ。乗っては見たいんだが何分操作がかなり難しそうなんだよな。」

「乗るだけなら誰でもできるわよ。」

「そうか、そうだな……うっひょー、零戦より操縦席が広いな。それに、なんか知らない機器とか変なボタンばっかりだな。これ全部使うのか?」

「さあ、私はその機体にはあまり詳しくないからよく知らないけどそうなんじゃない。」

「自分のものなのに知らないのか?」

「これはもともと泉のものよ。この機体を飛ばすためのカタパルトも後付されたものだし。本当はちゃんとした自分の愛機もあったのよ。…その愛機は作れないけど。」

「なーるほどなー。」

 

その後は、消灯時間まで謎に零戦を量産し編隊を机の上で作り遊んでいた。妖精さんはその光景を楽しんでいた。

 

 

 

一週間過ぎた。秘書艦は一週間ごとに変えることにした。週末は演習を行った。そのころをめどに変えてもらうことにした。今週は長門だ。

 

「よろしく頼むぞ。」

「ええ、こちらもよろしく頼むわ。」

「…アレはなんだ?」

「あー、やっぱり気になるかしら?」

 

長門の視線の先はタンス。その上には零戦をはじめとして隼、流星、彗星など様々な機体が載っておりその先頭にある零戦の中で妖精さんが満足げに座っている。

 

「あとで片付けとくわ。」

「あ、いや。気にしないでくれ。ちょっと気になっただけだ。」

「妖精さんが気に入っちゃったのよねぇ…。」

 

あの日の翌日、さっそく暇を作った暁はこっそりと工廠に忍び込み設計図を探った。自分の力を見られるわけにはいかなかったので隠れて行ったが、泉にばれてしまいなんやかんやあって泉に設計図を取ってきてもらった。

そこからは、ファッションショーならぬ航空機ショーが始まり、妖精さんが納得いくまで航空機の製造を続けた。結果があれだ。まぁ、ここのでの仕事が終わるまでは放置でいいか。帰るときに全部戻せばいい。

ちなみに、何故か妖精さんにシステムの話をしていたことを泉に怒られたので、以前泉が話したというと、一瞬真顔に戻り頭を抱えた。…うっかりだったのか。

 

そして今。例のごとくやることがなくなり暇だ。一週間たってもこの暇な時間をつぶす方法が見つからない。読書を進められたがここにあるのはどこも堅苦しい指南書ばかりだ。漫画の一冊もおいてない。

 

「暇ねぇ…。」

「…提督は武術が達者だと聞いたが本当か?」

「武術?うーん、どうかしらあまり人と比べたことないからわからないわ。ていうかそれどこ情報?」

「摩耶がいろんな人に話しかけているのを聞いてな、大きな斧を用いるそうじゃないか。天龍や木曾が目を光らせていた。かくいう私も気になっているだがな。」

 

あー、なるほど。摩耶か。あの時は怒りで我を忘れていたが今思うとちょっとまずかったかもしれない。後付け品とはいえ自分の装備の一つをさらしてしまった。そこまで神経質になっていろいろ隠す必要もないかもしれないが、念には念をということだ。しかし、見せてしまったのならもう遅い。幸い、後付け品なので別にばれても問題はない。心配なのはこれで私の反応速度等のスペックが知られるくらいだが…鎮守府内の怪しい奴は全部あいつら二人が調べているらしいからひとまず鎮守府内でその危険性はなかろう。

 

「…あれは、まあ。あまり振り回すものではないのよ。危ないから。何でも切れちゃうわ。」

「あまり覇気がないな。触れてほしくなかったか?」

「いや、そういう訳ではないけど、そうねあまり触れないでもらえると助かるわ。」

 

全く、長門は優秀だな。非の打ち所がない。別に見せてしまってもいいんだが、まあその木曽と天龍というやつに付きまとわれても面倒だし後で摩耶にあまり話さないように言っておこうか…いや、あの時すでに結構な数の艦娘に視られたから摩耶に言っても無駄か。何か問題が起こったらそのときに考えればいいか。

その後、哨戒隊が帰ってくるまで長門と世間話をした。長門は案外外のことも知っているようだ。霧島はあまり知らないようだったからあまり外聞が広くないと思ったが長門は毎日新聞を読んでるそうだ。一部の艦娘しか読んでいないようだが、そのおかげで外の出来事もよく知っていていい話し相手になってもらった。相談事も上手く、特に今日の遠征にどの艦を使おうかと悩んでいると、熱く駆逐艦を推し、その何がいいのかまで詳しく教えてもらった。途中からただただ長門の駆逐艦に対する愛を語られたがそれだけ彼女は駆逐艦に関心を持っているのだろう、うん。ちょっと怖かったが。

 

 

 

「ちぃーっす。鈴谷、帰ってきました。はいこれ報告書。」

「ノックはしてね…はい、じゃあ交代してきて、ゆっくり休んでね。」

「ほーい、じゃあしっつれいしまーす。」

 

旗艦だった鈴谷が報告書を出してすぐに出ていった。元気なのはいいがもう少し礼儀正しくしてもらうと助かるが、素のままでいいといったのは自分なのでこう、強く言えるわけでもないが。しかし、長門は呆れているようだった。

 

「はあ、全く。済まないな提督。あいつは昔からああでな。後で言っておくからあまり悪く思わないでくれ。あれでも結構ムードメーカーなんだ。提督の前ぐらいはもう少し弁えてくれるといいんだがな。」

「いいのよ、気にしなくて。楽にしてって言ったのは自分だから。」

 

それでも長門はまだ少し申し訳ない顔をしていた。

報告書を見ると、前回からほんの少しだが深海棲艦の数が増えていた。誤差の範囲内だが、今まで減少し続けていたぶん少し気になった。だが、本当に誤差の範囲内だし、他におかしなところもなかったので放置しておいた。その後、遠征に出す艦娘を呼び遠征に行ってもらった。明日の朝帰ってくるよていだ。長門が変にウズウズしていたのでついでに見送りを頼んだら喜んでついていった。駆逐艦たちも喜んでいたし、相当人望があるのだろう。流石に駆逐艦と一緒に遠征に行こうとしたのは引いたが。




川内を出すのならやはりニンジャは出したいですよね。長年の夢がかなってよかった。初期設定だと、いまの長門ポジは川内だったらしいんですけど一体何があったのか…まあ、アニメのせいでしょうけど。


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31話

戦闘表現頑張った……


今週は何も起こらなかった。いつも通り少ない書類をさばき、長門と会話して夜は奴らの誘いを断る。そういえばあの時杞憂だと思っていた深海棲艦の数だが、懸念までになってきた。明らかにまた増えてきた。もはや母艦は一切見なくなったものの、駆逐級が数を増やしてきた。そして潜水艦も増えたそうだ。潜水艦は見たことがなかった。それ以外は依然として見ないのであっちの狙いが全くわからない。現状、あちらが手を出してこない以上代理である彼女に作戦の発動権はない。だからほっといてはいるのだが。

 

「…気になるわねえ。」

「深海棲艦の発見数の増加か。」

「そう。私は何もできないから一層ね。」

 

今日は日曜日、演習をする日で長門の秘書艦期限だ。今、彼女は演習場で哨戒の報告書を読みながら提督の待機場にいた。

 

「他の鎮守府が何も言ってこないなら、まだ大丈夫だと思うが。」

「私もそう思うけど、何もできないと少しの不安が増強されるのよ。」

 

2週間のうちに、かなりこの鎮守府に情が湧いてしまった。上としての自覚が出たということだろうか。それとも、久々にまとめる立場に立ったが故か。ともかく、そのおかげで少しの懸念がかなり気になるようになってしまった。あまり危険なことにはしたくない。

 

「そのことはまた後で考えよう。演習が始まるぞ。」

「ええ、そうね。」

 

ファイルから目を挙げ目の前のモニターを見る。間も無くブザーが鳴り、演習の開始を告げる。今日の演習の編成は『赤城 加賀 榛名 鳥海 吹雪 深雪』と『翔鶴 瑞鶴 霧島 摩耶 球磨 雪風』。両者の旗艦は共に空母。強力な戦力となるが、防御力は脆弱で夜戦には投入できない。今回は演習なので夜戦はできないが空母をどう扱うのかが鍵となるだろう。交戦距離は鎮守府を基準に10km、お互い20km離れている。

まず互いに航空機を出す。赤城と加賀はまず戦闘機から発艦させている。空母はまず戦闘機から発艦させるのがセオリーだと聞いた。一方翔鶴と瑞鶴の方は、翔鶴が出しているのは戦闘機、瑞鶴は攻撃機を出している。こっちは少し変わった出し方だ。一方が攻撃機を集中的に出し、もう一方が戦闘機を出すらしい。翔鶴の艦隊は空母はそのまま他の艦が動き出す。

彼女の前に広がる海で飛行機が交差、戦闘が始まった。それぞれの飛行機には認識しやすいそうに赤城と加賀の飛行機には尾翼に赤と青のラインを、翔鶴と瑞鶴には白いラインを入れている。航空戦は赤城たちの方が優勢か。しかし、翔鶴が先に攻撃機を出したので、戦闘機の網を抜けた攻撃機が赤城たちに向かう。翔鶴の艦隊は空母を置いて残りの艦が進んだが、赤城の艦隊はその場で輪形陣をとっていた。防空特化の陣形に翔鶴の飛行機はどんどん落とされる。しかし、翔鶴たちの機体は流星。速度が速い。やはり何機か対空砲火を抜けて魚雷を落とす。ただ魚雷を投下した機体が少ないので艦隊は難なく魚雷を躱す。それ以降も数機ずつ変に時間をかけながらしていると突如赤城と加賀の周りに水柱が立つ。どうやら艦攻に気を反らせてそのうちに艦爆を気付かれずに艦隊の上まで持ってきたらしい。翔鶴の装備を確認すると見事に全ての機体が流星だった。流星は魚雷の他に爆弾も持てる。それには流星はエンジンのパワーもあるので他の艦爆機よりも早く登る。まさに流星だからできる芸当だろう。

 

「…洒落たことするわねー。」

「いやー、すごいな。あれはなかなか難しいぞ。」

 

妖精さんが興奮気味に言う。

「やっぱりそうなの。」

「ああ、俺は艦攻に乗ったことはないがそれでも怖さは分かるぜ。戦闘機と一緒に前はって飛ぶなんてほぼ自殺行為だぜ。でも、初っ端に攻撃機が来ると結構焦ると思うぜ。どんなに数が少なくてもな。」

「本当に賭けだがな。制空権が取れてないうちに攻撃機を出してもすぐに落とされる。それでも、これを決行しようとしたのは流石姉妹。それ相応の信用がある。」

「…実は前々からこの戦術を試していたのは知っていたんだ。」

「ほう、それはなんで?」

「前に、一航戦に負けた時にな…あー、その、加賀が酷く瑞鶴を煽ってな。それで瑞鶴がまあキレて。なんとか出し抜こうとこの作戦を思いついたんだ。」

「へえ…え、加賀って煽るの?」

 

会った時にただひたすらに冷静に対応していたから、そんな煽るなんてことするはずがないと思っていたんだが。

 

「いや、そんな悪いやつじゃないんだ。ちょっと感情表現が下手でな。煽ってるって言っても瑞鶴のことを思ってなんだ。あいつにとって瑞鶴は大切な後輩だからな。ただ、ちょっと変なプライドが邪魔してるだけなんだ。」

「へえー大変なのねえ。」

「おぉーこっちの赤城もすっげえなぁ艦隊への指示が速いぞ。」

 

ん?あ、そうか。そういえば妖精さんって元々赤城のところにいたのか。…別個体っていうことなのか、つまり。ねえ…と聞こうとしたが長門が聞くと不審がるかもしれない。代理といえども提督をしているものが艦娘における常識を知らないのはおかしい。後で泉か響にでも聞いてみよう。

さて、その赤城はというと攻撃を受けてからすぐに対空砲火を上に向けた。思いがけない方向から受けたにもかかわらずパニックにならずにすぐに指示を出せるのは難しいものだ。彼女もその昔、隊長をしていた時に奇襲を受けたことがあるが暗闇だった上、隊長として日が浅かったのでかなり取り乱した。あれはかなり旗艦として経験を積んだのだろう。しかし、運悪く一発の爆弾が加賀に被弾。当たりどころが悪く中破してしまった。

 

「これは痛いな。空母が一隻抑えられるだけで戦力は半減したと言ってもいいな。」

「いつの時代も戦闘は空を制したものなのね。」

「瑞鶴が随分とはしゃいでいるが…まあ仕方がないか。」

「煽られた相手にいっぱい食わせれたら、まあね。」

 

しかし赤城の艦隊にはさらに追撃が来る。今度はまた大きな柱が生える。爆弾ではない。砲撃だ。開幕翔鶴の艦隊は空母を残して他の随伴艦は前に出たがそれが到着したのだ。霧島が砲撃をし、さらにその前を走る摩耶が砲撃、さらに進んで球磨が砲撃をする。雪風はそこから少し離れて艦隊の側面に回ろうとしている。駆逐艦には一撃必殺の魚雷がある。駆逐艦をどう扱うかで勝敗が決まると言ってもいいだろう。して、その駆逐艦である雪風は単艦で側面に回ったがいくら他が注意を向けようとしても、目論見がわかりやすい分相手は多少リスキーでも駆逐艦を止めようとする。雪風以外の攻撃に対して榛名だけ対応し、他は雪風に全砲門を向ける。

 

「あれは終わったわね。作戦はいいと思うけど無茶しすぎたわね。」

「いや、案外そうでもないぞ。この戦いは翔鶴の勝ちだろう。」

「なんで?」

「運だよ。」

「運?」

「見てればわかる。」

 

雪風に向かう無数の砲弾。避けようともせずまっすぐ進む。やがて再装填の間が空くが、雪風のスピードは変わらず、その姿から被弾しなかったことがわかる。

 

「は?嘘でしょ。あれ全部避けたの?」

「違う。運が良かったんだ。運良く全ての砲弾が雪風に当たらなかったんだ。」

「うおー、すげぇ。あれが噂の幸運の女神か。」

「有名なの?」

「ああ、佐世保の時雨と一緒に呉の雪風って言われてる。他の雪風も運がいいんだが、呉の雪風は特に運がいいんだ。」

「出鱈目な運してるわねえ。」

「結構新聞に出てると思うが知らなかったか?」

「…さあ?新聞に出てたかしら。最近提督になったばかりだから。」

「はは、そんなに怖い顔しないでくれ。確認してみたかっただけだ。そうだ。新聞には出ていない。軍の情報はそうそう外には流れん。流れるとしたら鎮守府内で全員が知っていることかつ、少し古い情報だからな。漏れてないか確認してみたかった。流石に横奈のことはマスコミに散々報道されてしまったがな。」

 

危ない危ない。後で一通り教えてもらわないと。

 

「でも長門は毎日新聞読んでるじゃない。」

「大規模作戦のときは数日開けることもあるからな。」

「あなたが見張ってどうするのよ。そういうのは上の仕事でしょ。」

「む…そうだな。私が見逃しても上が見逃すわけがないか。はは!一番しょうもないことに気づかないとは、灯台もと暗しだな。」

 

さて、話を戻そう。

きっと、実力もあるのだろう。運良く弾が当たらないのだとしたら相手が発砲した時点でそれが決まっているはず。発砲されたからといって無駄に避ければかえって被弾する可能性が高い。自分には当たらないという自信が幸運を助長させているのだろう。…適当に動いてアレなら本当に幸運だが。

十分に接近した雪風は魚雷を発射。すぐには進路を変えずもう少し進んでから横に避けた。進路を変えれば魚雷を撃ったとわかるから、タイミングをずらした。魚雷を発射するところをおそらく見られはしただろうが誤認と判断するかもしれない。その実、陣形の都合上一番雪風に近かった吹雪は雪風が横に逸れたのを見てから赤城に魚雷が発射された旨を伝えた。幸運にも丁度雪風が魚雷を撃つ直前に挟射のために吹雪だけしか見えなかったのも功をそうし、見事魚雷は命中。赤城、加賀を除いて榛名以下全員が中破ないし大破した。魚雷を警戒して雪風とは反対に移動していた赤城と加賀は直撃を免れたが、まもなく摩耶と霧島の砲撃により大破。翔鶴たちの勝利となった。

ブザーを鳴らし演習を終了する。

「早く終わったわね。先週は1時間かかったのに。」

「そうだな、特に今回はかなり早い。まだ30分しか経ってないぞ。」

「それほど新しい戦術が聞いたということね。空母の護衛を捨てて火力に全振りしたのは斬新だし、結果的にいいけど実戦には向かないわね。まあ、よく避けてたとは思うけどね。あの二人空母にしては機動力がいいのね。」

「そうだ。あの二人は高速空母だ。艦隊行動についていけるからな。本気を出せば駆逐艦にも追いつけるんだぞ?」

「え、はや。」

「おい、そろそろ行かねえと。みんな集まってるぜ。」

「あら、いけない。」

 

話しているうちにみんな戻っていたようだ。港に向かい評価をしたあとに解散させる。

 

「うーん、はぁ。疲れたー。」

「お前座ってただけだろうが。」

「えー。最後に何言うのか考えるの結構難しいのよ。今日はすぐに思いついたけど先週なんか大変だったんだから。みんな完璧で素晴らしかったとしか出なかったのよ。」

「はは!褒められると嬉しいな。」

「さ、早く戻りましょ。戻ったら少ない書類を裁かないと。」

 

 

 

今日の報告書を見る限り、また増えた。駆逐艦と潜水艦。戦闘はなし。新しく輸送艦も見えたらしい。なんだ、輸送?巡洋艦以上をすべて駆逐艦や潜水艦、輸送艦にかえて輸送しているのか?…嫌な予感がするな。私の知る限りこの兵器に意思はない。誰かが命令しない限り動かないはずだ。物資の輸送なんて以ての外だ。あいつ、またなんかおっぱじめる気か。取り敢えず、この物資の輸送先が気になる。少しでも情報がほしい。他の鎮守府は嫌がらせのつもりなのか全く教えてくれないし、仕方なく響から教えてもらっているのだがやはり同様の報告が上がっているようだ。どこに向かっているのかはまだどこもわかっていない。途中で潜ってしまうために捜索できないようだ。前線を進むため水上艦が向かうわけにはいかない。だから飛行機で偵察するのが限界だが潜ってしまっては見えなくなる。そこで泉と明石に頼んで特別な索敵機を作ってもらった。とは言っても彩雲に改造を施しただけだが、水中を視認できるようにした。高度によって視認できる深度は違うが海面近くを飛べば30mまで視認できるカメラを搭載した。

この彩雲を護衛付きで飛ばしてもらう。だからもしもの時のことも考えて翔鶴に出てもらうことにした。

 

「さて、これで何か進展があればいいんだけど。えーと午後の演習は…。」

「これだな。」

「あら、ありがとう。…川内=サンがいるのね。」

「(川内さん?)あぁ、相手は災難だな。川内は夜戦になると強いぞ。伊達に夜戦夜戦騒いでないからな。」

「あまりにうるさいからこれで落ち着いてくれるといいんだけど。出撃できないし。あとはどうかしら、一緒に夕立と綾波も入れてみたんだけど。」

「……一方的になるだろうな。大丈夫なのか、それ。」

「大丈夫よ。3人とも一人に時は強いんでしょ?一緒に行動させれば少しはおとなしく戦うんじゃない。」

「どうだろう、どうだろうなぁ。」

 

 

 

 

 

日の入りを迎えてから始める午後の演習。結果は20分も持たず相手が全員大破。川内たちが圧勝した。暁はこの日から川内をこう呼ぶことにした。ヤセンニンジャ=サンと。




受験が近くなったので再開してすぐにまたこんなことになるのは申し訳ありませんがまたしばらくお休みします。執筆は続けるのでできれば投稿はしたいですがないものと思ってください
それではまた2月の中旬に!


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32話

お久しぶりです
再開します


3週間目。そろそろあいつらとの約束も期限が迫っている。

ノックがした。今週の秘書艦が来たらしい。

 

「どうぞ。」

『失礼します。』

 

どこか聞き覚えのあるような声。

 

『ガングートです。一週間どうぞよろしくお願いします、同志。』

「同志は止めなさい。私は提督。あと日本語で。」

「…わかりました、提督。」

 

今週の秘書艦はガングート。あの二人の内タシュケントじゃない方。いつもタシュケントばかり喋ってこいつは何も話さないからこいつがどういうやつなのか少し気になった。

 

「お、いつも何言ってんのか分からないやつ。」

「じゃない方よ、妖精さん。」

「あり?そうだったかな。」

「ほら、あなた全く話さいないから覚えてもらってないじゃない。」

「…すみません。」

 

内気だなぁこいつ。戦艦だろう?榛名でももう少し元気だぞ。

 

「その、私…オリジナルはあまり今回の計画についてはよく思ってないんです。」

「は?ちょ、ちょ、それ今ここで言っていいの?」

「心配しないでください。今はかなり祖国も優しくなりましたよ。」

「いやでも、流石に。あなた聞かれてるでしょう?」

「まあ、そうですね。でもせいぜい少し苦言を言われるだけですよ。」

「…かなり優しくなったのね。」

「何から何まで変わりましたからね。今もあまりこんなことを言うのは好ましくないでが、少なくともこれだけで消されることはありません。」

「計画ってなんだ?」

「同志…まだ言ってなかったのですか?」

「だから同志は止めてって…ああ、いい忘れてたわ。いいわ、今ここで言う。」

 

 

 

 

 

 

「はぁ、そんなことを。その、そんな国と戦えるのか?」

「正直言ってよくわからないわ。一度負けてるから。でも、今あの国が当時とどう程度の力を持っているかはわからない。深海棲艦にも襲われてるらしいしね。私の力を取り戻せば勝機は十分あるってことよ」

「でも、ガングートはあまり賛同してなさそうだが?」

「…現在、組織内でも大きく2つに分かれているのです。結局はあなたの力を戻すのに帰結するのですが、無理にでも早く取り戻させる派と、本人の意志で戻す派です。」

「じゃあ、あなたは後者な訳ね。」

「どちらかというとそうなりますが、オリジナルはどちらでもありません。オリジナルは、貴方に力を取り戻してほしくはない。」

「なんで。」

「…オリジナルの出身はあなたと一緒の孤児院なのです。」

「あらそう。それは奇遇ね。で、それがどう関係するの。」

「私を育ててくれた人たちはあなたと同世代です。なので、よくあなたの話を聞くことがありました。そのうちに、その、失礼ですが同情してしまいまして。」

「ほー、じゃあ暁は今……すまん、すいません。だからどうかその銃口をよそに向けてください。」

「…まあ別に気にしないけど…そう。そうね。私もできれば姉との約束を守りたいわ。でも、最終的には私はこの力を再び行使することを決めたわ。今週末よね。」

「はい。今週末出張と銘打って祖国へ行き数日でまたこちらに戻ります。」

「急ね。普通一週間かそれ以上調整とか色々するんじゃないの。」

「あまりここを離れるわけにも行かないのです。また暴れてもらっては困りますから。」

「…そうね。それは困るわ……話はおしまい?じゃあ、仕事をしましょう。あ、あと、次そのオリジナルの話をするときは『私』って言いなさい。そっちのほうが自然よ。」

「しかし…」

「自分はただのコピーとかって気にしないの。ここにガングートはあなたしかいないんだから。」

「……わかりました。」

「はい。じゃあ仕事仕事。もうすぐ遠征隊きちゃうから早くこっち来なさい。」

 

 

 

 

 

暁は報告書を眺めていた。昨日例の索敵で調べてもらった報告書だがここには南東方向に一直線に進んでいったと書いてある。深度は、ずっと30m未満。途中襲われることもなく夜間になるまで索敵は続行したと。そして新しい発見。途中別艦隊が合流したそうだ。同じく深度30m未満を保って合流した後一緒の方向を目指したと。

 

「輸送に注力しすぎね。護衛もつけないなんて。」

「でも深海棲艦は潜れるだろ。潜水艦とか駆逐艦に見つからないなら理にかなってるだろ。」

「それはそうだけど、なら輸送艦の数が少ないのがわからないわ。」

「……新造してないのでは。」

「どういうこと?」

「この鎮守府、もとい全国の鎮守府では輸送艦は空母に次ぐ重要目標でした。目についた輸送艦のほぼすべてを沈めています。逆に駆逐艦はそこまで重要視するものでもありません。今は以前よりかはレーダー技術が発達したので夜間もそこまで危険ではなくなりました。なので最近はよっぽどなことがなければ無視しています。」

「つまり新造する資材まで惜しんで尚且つ確実に資源を貯蓄してるってこと?」

「そういうことになるかと。」

「効率より確実性を取るとは相当慎重なことの進め方だな。」

「ええ、いかにもあいつが取りそうな方法ね。問題はここまでしといて何をしようとしてるのかってこと。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ちっ。どこもかしこも上は腐ってるわね。」

「おう。また断られたか。」

「即切りよ、即切り。何なのよ、呉の名前出しても適当にあしらわれるし。ここの提督なんかしたの。」

「彼は協力者でしたのでいやでも黒い噂が流れてしまったんですよ。」

「え、それだけ。」

「はい。この国は表向きは彼の国と仲がいいので、仲が悪いのは互いに裏の存在だけですね。」

「えぇー。なんかみみっちいわね。」

「安心してください。祖国ではいつでも決起する準備が整っています。開戦すれば即刻政府が立ちます。前みたいにコソコソした戦争じゃないですよ。」

「へぇ~…やる気出たわ。」

「お前のやる気は忙しいなぁ。」

「それはともかく、今はその話をしている場合じゃないの。どこの鎮守府も協力してくれないんじゃ出処が分からないわ。」

 

現在確認できているのは暁が調べた1本だけ。地図に示し、直線上に伸ばした先にあるのは太平洋のど真ん中。なんの島もない。これでは深海棲艦がどこに向かっているのかわからないので他の鎮守府に協力してもらおうとしたのだが結果は先述のとおりだ。

 

「はぁ、響に頼むしかないかしらねぇ。」

「でもそっからだと時間かかるぜ。」

「うーん、そうよねぇ。」

 

響は最高司令官の立場にあるがそれは艦娘にとってであって、提督とは違うのだ。響には大本営に指示をさせる権利を持っている。大本営を挟むので時間がかかるのだ。

 

「でも急いでるわけじゃないし…。あーでもそうしたらどれぐらいかかるかしら。」

 

響から大本営に伝わったとしてそれを実行するかどうかに……

 

「私いないわね。」

「だろうな。ま、本来の提督に続けてもらえばいいんじゃねえの。」

「でも結果気になるじゃない。ここまで嗅ぎつけたの私だし。」

「聞けばいいじゃねえか、呉の提督はお前の仲間なんだろ?」

「…あ、そっかぁ。」

「上に言ってみましょうか。私の上司ならもっと早くに指示を出せるでしょう。」

「え、じゃあそれならそうしてほしいわ。」

「失礼します!」

 

ノックのあと入ってきたのは駆逐艦朝潮だった。正義感がとても強い娘で駒にしやすい。そういえばもう遠征から帰ってくる時間か。しかし、朝潮の姿はところどころ制服が破けている。

 

「お帰り…あら、どうしたのそれ。戦闘でもあったの?」

「はっ。帰還の途中敵水雷戦隊と遭遇し、戦闘となりました。被害は軽傷、私が小破したのみです。資材にも損失はありません。戦果は駆逐艦一隻を撃沈2隻を中破ないし大破させました。」

「…もう少し詳しくお願いできるかしら。」

「はっ。時刻は定かではありませんが遠征から帰還中敵水雷戦隊と遭遇。構成はイロハ級がそれぞれ2隻ずつ、単縦陣でした。私達は物資に被害を出さないようにするため離れようとしましたが相手が砲撃を開始したためこちらも応戦。約10分ほど経過した頃、敵の砲撃が私に当たり小破。その直後大潮の砲撃が敵ハ級に直撃し大破。それにより敵が離脱を始めたため最後に魚雷を斉射し私達も距離を離しました。遠くから確認をし、1隻を撃沈更にもう一隻が中破したのが確認できました。」

「…ふむふむ。因みにその水雷戦隊は資源を輸送していたと思う?」

「は、はぁ…資源を輸送していたかどうかはわかりませんが、動きは鈍いように感じました。それに離脱を始めるタイミングも早すぎるように思いました。」

「どこで会ったか覚えてる?」

 

暁は地図を何枚か取り出した。朝潮が遠征に行っていた海域の地図は恐らくこれだったはず。朝潮は少し戸惑いながらもおおよその場所をさした。

 

「周りに目印がなかったので憶測になりますがだいたいこの辺かと、敵艦隊はこの方向に逃げていきました。」

「ありがとう。」

「延長線上には例の艦隊の進路が通ってます。」

「合流するにしてもやっぱり何もない場所になるわね。朝潮ありがとう、下がっていいわ。」

「はっ。」

「…朝潮が本来遭遇した場所とずれていると思います。」

「確かに何もない場所で合流するのもおかしいけど、深海棲艦だからこの地点の海底に何かあるのかもしれないし、途中で進路を変えたかもしれない。先入観は捨てるべきよ。でもどっちみちこれだけじゃどうとも言えないわ。お願いできるかしら。」

「了解しました。」

 

 

 

翌日、暁はガングートを待っていた。

 

「…どうだった?」

「それが…少し厄介なことに。」

「厄介って?」

「提案自体は乗ってくれました。しかし、あまり大掛かりなことはできないと。この国と祖国の関係は表面上ではあまり良くありません。特に政府同士が。当然鎮守府なんかとは、現状海軍はこの国にまさる国家はありません。下手に敵対すれば今後の行動が難しくなります。」

「…この国ってそんなに厄介なのね。響がもみ消したりできないの?」

「この国の海軍はかなりの権力を持っていますがシビリアンコントロールは保たれているようですね。流石に政府に見つかれば何もできません。彼の国の鉄砲玉みたいな立ち位置でしたが、今では鉄砲そのものですからね。それともう一つ懸念が。」

「なに?」

「先日スパイからの情報で、彼の国で艦娘の生産が始まっていると。」

「…は?」

「オリジナルの数はこの国ほどではないものの祖国の数を裕に越しています。いずれは総生産数でこの国すら越すでしょう。」

「ちっ、さすがは深海棲艦なんて量産兵器を軽々生み出すような国よね。」

「俺は通信すら自国内でしか使えない状況で他国から情報を飛ばせる技術がある祖国とやらのほうが怖いがな。」

「祖国にも艦娘はいますからね。北の方を通ればすぐにつきますよ。」

「…ふーん。ゴリ押しだなぁ。」

「これであいつの居所を抑える必要性が増したわね。」

「はい。上も尽力を尽して可及的速やかに成果を出すと。」

「そうね、これは秘密裏にやりましょう。他の鎮守府が見つけて殲滅でもされたら困るわ。」

 

その日の夕方、暁に一本の電話が届いた。

 

「はい呉鎮守府。」

「あ、もしもしお姉ちゃん?」

「響?どうしたの何かあった?」

 

かけてきたのは響だった。響が電話をかけてくるのは無礼にも他の鎮守府がここに知らせなかった情報を伝えるときだが。

 

「うん。今日佐世保の方から報告があったんだけどね、変なレ級を見たって。」

「レ級?」

「あ、レ級ってのはね戦艦の主砲を持ってて、魚雷も航空機も出せる何でもありな深海棲艦。」

 

なんだろう、何か聞き覚えのあるような構成なのだがいまいち思い出せない。

 

「…で?変ってのは。」

「レ級っていつもは艦娘を見るとすぐに襲い掛かってくるような、すっごい好戦的なのね。でも今日見たやつは動かないでただ艦娘の攻撃をずっと受けてたって。それで一番変なのがやけに耐久力があったってこと。」

「ふーん。それは変ね。でそれどこで出たの。」

「そうでしょ。出たのは太平洋上の大体真ん中らへんどこの諸島からも等しく離れてる感じってところ。だから今大本営で会議してるんだよね。その反応だと聞かされてなかったぽいね。まあ、特に今のところそれ以外に変わったことはないから一応気をつけてはいてね。」

「…分かったわ警戒はしておく。」

「何でしたか。」

「いや、なんか変なレ級ってのが出たらしいんだけど。」

「あ、それあれですよ。決戦兵器。」

「え、あれなの?」

「はい。」

「ええぇ…決戦兵器蔓延ってるの?しかも倒されてるじゃない。」

「ええ、私もあれが敵に回ってしまったときはこの星は終わったかもしれないと思いましたが、戦力をつぎ込めば案外やれてしまうものでして…艦娘というのは恐ろしいものです。」

「艦娘にやられるんなら意味ないじゃないの……。」

「お前んとこの決戦兵器ってレ級だったのかよ。通りでクソ強え訳だ。」

「あ、ところでその変なレ級というのは?」

「ただ突っ立ってやられるまで攻撃を受け続けたレ級がいたらしいの。」

「…威力偵察、ですかね。」

「かもね。このことはあっちがどうにかするっぽいし任せましょう。一応警戒はさせるけど、こっちはこっちの仕事。」

「そうですね。」



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33話

暗い海の底。ある海底洞窟の中。淡い緑色の光だけがこの洞窟を照らしている。その最奥に彼女はいた。彼女はひたすら目の前の機械にかじりついている。機械のもう一つ奥には円柱状のカプセルがあり、その中にはそれが丸まっていた。それを彼女は試作型147号とよんでいた。1つ前の146号は満足な結果を得た。しかし、その代わりに従順性を欠いてしまった。前回それで勝手にカプセルを壊されて逃げられてしまったが、なんとか補足される前に全て始末することができた。

彼女は平和を望んでいた。だからこいつを盗んできた。負けたとはいえやっと戦争が終わった。のに、祖国はこの決戦兵器を使って形勢逆転を狙い始めた。この兵器にはそれだけの力があったが、また戦争を起こせばどれだけの不幸が訪れるだろうか。あの日、彼女は約束した。妹を残し、二人で行った戦場。戦友と最後に交した会話。必ず平和にすると約束した。妹を平和な世界で生活させると。

彼女は戦闘兵器だ。戦うこと以外をあまり知らない。彼女が考えられる平和はこの現状のみだった。新たな敵を作り出し、国と国を遮断させるそうすれば戦争なんかしない。実際彼女の目論見は成功した。だが、あの国と彼の国は対抗手段を作り出した。しかも近頃、祖国が新たに戦争の準備をしているらしい。許されないそんなことは到底許されない。彼女は決断した。この現状と、妹に出会ったことが彼女に決断させた。対抗手段を全て潰してやる。自分は頂点となれば誰も争わない。そのはずだ。絶対そうだ。あの国の艦娘という兵器は決戦兵器すら下してしまう。当時資源の関係上決戦兵器に乗せられた航空機はレシプロ機が限界だった。今は、不明の敵っぽく甲虫だったり丸かったりしているがあれを見てもらえばわかるようにジェット機はすでに載せられる。本気を出す。147号にはSu-27とSu-34を搭載する。戦艦並みの主砲にあの国が作った酸素魚雷、そしてあの戦艦大和よりも強靭な装甲。更には軽巡洋艦並みの速度。昨日の耐久テストも十分。あの国の海軍力ですらあれほどの戦力を投入させた。無敵だ。ネックなのはそれだけの性能ゆえの膨大な資源量だ。コツコツと資源を集めたり無駄に資源だけ食う母艦級を廃止したりしたが、やっと10体分が完成した。今日こいつを10体全て放出する。唯一懸念は万が一ではあるがこの147号を上回る艦娘をあの国が所有しているということだが…いやそんなはずはない。いたとしても1隻、上回る性能なんてたかが1種類だ。一応足止めも含めて3隻回そう。

 

「あっはぁ…!待っててね暁…そうだ!もう本名で呼んでもいいよね。…レシーヌシティ…レシーヌシティ!いや長いな…レシーヌ…うんレシーヌだ。レシーヌ!レシーヌ!あっはっ!私のこともまゆって呼んでおくれよレシーヌ!!」

 

これで全ての軍港を潰してやる。そうしたら妹とここで一緒に住むんだ。みゆのお墓も地上に作ってある。高度差はあるけどまた3人で住める。念願の夢がもうすぐ叶うと思うといても立ってもいられない。彼女はなんの躊躇いもなく放出ボタンを押した。彼女の後ろにあった10個のカプセルにいた147号全てが中身の液体ごと吸い上げられた。彼女は狂気と愉悦の笑みを浮かべ、おやつに取っておいた深海棲艦に齧り付いた。

 

 

 

 

 

向こうが偵察してくれると言うならそっちに任せたほうがいいだろう。こっちはいつもどおりに過ごせばいい。哨戒部隊には例のレ級に気をつけるように言った。

 

「あークソっ。珍しく連絡してきたかと思えば増援!?」

 

昨日、珍しく他鎮守府から電話がかかってきた。出れば何か訳のわからない御託をごちゃごちゃ並べていたが要はレ級討伐に出るからそっちから出す哨戒部隊を増やせだそうだ。今まで散々お願いしようとして電話にすら出なかったくせに。

 

「でも、ちゃんと受けたんだよな。」

「ええ、私は優しいの。そして聡明なの。いくら相手が気に入らないやつでもその要請は正しいから、受けてあげたわ。私怨でこの国を危険に晒してはいけないもの。」

「…お前、それ本当に思ってるのか?」

「もちろんよ?」

「失礼します客人を連れてきました。」

 

ノックが聞こえた。先程鎮守府に客人が来たという連絡が来た。それでガングートに迎えをよこしたのだ。

 

「失礼します。」

「やっほー、お姉ちゃん元気?」

「…は?なんでいるの。」

「えへへ、来ちゃった。」

「来ちゃった、じゃないわよ。なんでここに来たのよ、仕事は。」

「雷達に任せてきた。えへへ、あれだよ。抜き打ち検査ってやつ。お姉ちゃんがちゃんと提督出来てるがテストしに来たんだよ。」

「…そう。まあ、来ちゃったんならいいわ。もう、すぐに回るの?」

「うん。ついでにガングートに色々聞いちゃおうかな。」

「好きに聞くといいわ。行ってらっしゃい。」

「はーい、行ってきまーす。」

「失礼します。」

「自由だな、お前の妹。」

「……そうね。」

 

暁は少ない書類を裁いていた。その様子はたいへん落ち着いているように見える、しかし内心は昨日のレ級のことでいっぱいだった。レ級を見たことはないがあの決戦兵器らしい。艦娘でも撃破できると聞いたので残念半分安心している。が、昨日報告されたという謎の行動が違和感として残っていた。「威力偵察」という結論が出たが、それを前提として考えると近日中に行動に出るはずだ。どう行動に出るのかはわからないが予測では全力攻撃。問題はその攻撃を点で行うか、面で行うか。

点で行う場合、目的は海軍の壊滅。この国の海軍を壊滅させてしまえば脅威はない。彼の国も恐らくまだこの国ほどの力は持っていないはずだ。

面で行う場合、目的は戦力の分散だろう。現状レ級に対抗できるのはこの国のみ。であればカバーできる戦力は広くない。西の方までいけばこの国の防御は薄くなるだろう。デメリットは戦力を分散させる前に補足され各個撃破されてしまう可能性があること。点の場合は集結させてもその全てが撃沈されてしまうこと。

これはあまり確信できない予想だが、奴の拠点は南西側、太平洋の真ん中。もちろんあの進路が欺瞞の可能性もあるがひとまずそれを前提とすると基地が南西の場合だと攻撃は面で行うはずだ。ここから離れているし南側を通れば彼の国に補足される可能性も低いだろう。となれば攻撃は面の可能性が大?……最終的な判断は上とやらの報告を待つべきか。祖国には東側に大きな軍港が1つある。死守しなければ……。

 

「お、美味そうだな。それ食っていいか?」

「…へ?」

 

暁の前にはいつの間にか机にティータイムセットが並んでていた。何故かちょっと高級そうに見える。

 

「あれ、私こんなの準備したかしら。え、誰か準備してくれた?」

「お前がずっと難しい顔しながら準備してたが?なんだ、無意識か?」

「そうっぽいわね…うわ、美味しい。」

 

いつも自分で入れるときより何故か美味しい。なぜ意識下でこれを発揮できない自分。

 

「提督!応答願います!」

 

おや哨戒部隊から連絡だ。しかも緊急事態のようだ。

 

「はいはい。どうしたのかしら。」

「大変です。恐らくですが例のレ級が索敵機から確認されました。私たちから約30km離れています」

「は…それ本当?」

「提督!大変だよ!レ級だ!」

「ああもう。こっちも!?」

 

哨戒部隊はそれぞれ距離が離れている。つまりこの時点でレ級が2体いるということ。なんてことだ、まさか翌日に行動を起こすなんて。ええい、討伐隊は何をしているんだ!貴様らが別の仕事をするっていうからこっちが貴様らの仕事分も引き受けたというのに。

 

「空襲!」

「え、そんな。もう!?っ、対空戦闘用意。」

 

無線機からは混乱している様子がよくわかる。

 

「うっ、は、早すぎる!な、なにあれ…」

「落ち着いて、どうしたの。」

「て、敵航空機が見たことがない形状で、尋常じゃない速度なんです!」

「何か飛んでくるぞ!」

「え…きゃあ!」

「どうしたの。鳥海?鳥海!?」

「提督、鳥海が大破した。代わりに私が連絡を取るぜ。」

「摩耶ね。どう、状況を説明できる?」

「航空機が一機だけとんでもない速度で近づいてきた。対空戦闘を始めようと思ったら射程外から何か打ち込んできたらしいんだ。それが鳥海に直撃した。一瞬しか見えなかったがよ、あの航空機どっかで見覚えがあるぜ。確かじぇ、じぇ…」

「……ジェット機。」

「そうそれだ。昔演習で見たことあるぜ、その時見たやつよりも早かったが。」

「退避!今すぐ退避して!できるだけ距離を取って!」

「お、おう。了解した。おい!退避!逃げるぞ!鳥海、動けるか…?」

 

なんていうことだ。決戦兵器はレシプロ機しか乗せれないはずではなかったのか。ああでもあれから時間もたっている。奴なら改修ぐらいする。

今は後悔している場合ではない。すぐにもう一つの部隊にも退避させなければ。間違いない、相手が撃ってきたのは対艦ミサイルだ。鳥海が重巡であったのが幸いだったが、軽巡以下では1発でも当たれば撃沈してしまう可能性が大いにある。

 

「センダイ=サン!退避!今すぐ退避して!そいつはとても危険よ。」

「了解。提督がそんなに慌てるっていうなら相当だね。」

「っ、そうだ。連絡、連絡しないと。」

 

暁はすぐさま哨戒を頼んできた鎮守府に電話をかけた。しかし、ワンコールでその電話は切られてしまった。この期に及んで…

 

「このっ役立たずがぁ!!!」

 

暁は苛立ちのあまり電話を放り投げた。電話は強く壁に打ち付けられ少し中の部品が散らばってしまった。

 

「おい!落ち着け!お前が慌ててどうする!」

「はぁ…はぁ…ありがとう妖精さん。ちょっとカッとなり過ぎた。…摩耶、センダイ=サン。何か飛んでくるのが見えたらとりあえず動き続けて急制動を繰り返すの。それで何とかこっちまで戻ってきて。」

「了解。」

「了解。援軍は早めに頼むよ。」

「ええ、何とかするわ。」

 

これは大本営に連絡を入れたほうが早そうだ。そんなことを思っていたらバタバタと響とガングートが部屋に入ってきた。

 

「お姉ちゃん!」

「響!ちょうどよかった、たぶん例のレ級が。」

「連合艦隊が敗走した!」

「…ど、どういうこと?」

「さっき連絡が来て大本営と他の鎮守府で組んだ討伐隊の連合艦隊が例のレ級と接敵してすぐに負けたの!連合艦隊が一隻で蹂躙された!」

「は、う、うそでしょ。」

 

連合艦隊が敗走しただと。一隻で蹂躙された?やばい、やばいやばいやばい!それはつまりこの国では手に負えないということだ。同時に我々にはそいつを止める手段がないということになる。

 

「…艦隊が命がけで集めた情報によると、相手は戦艦並みの射程を持っていて速度は大体軽巡ぐらい。ジェット機を飛ばしてきて、追尾式の噴進弾つまりミサイルを所有している。威力からしてたぶん対艦ミサイル。そしてこれは憶測らしいけど主砲と装甲は恐らく戦艦大和並みかそれ以上。」

「は、や、大和を超えるだぁ!?」

「これは絶望的ですね…。」

「ええ、ついでに悪いニュースよ。さっきうちの哨戒部隊二つがそいつと接敵した。少なくとも奴は3体いる。」

「そんな…」

「残念ながら事実よ。」

 

どうする、どうやってあの娘たちを逃がす。逃げ切るにしてもここまで距離がある。それに逃げ切れたとしても航空機でここを攻撃する可能性もある。あるにはある、対抗手段が。しかしそれはつまり姉との約束を破ることになる。

 

「暁。」

「泉…どうしてここに。」

「響がわしと話しているときに急に走り出すもんじゃから追いかけてきたのじゃ。話は全て聞いたぞ……」

「…そうだ…泉、あなた飛ばせるでしょ?」

「…ああ、飛ばせるぞ。じゃがなそれはお主も一緒じゃ。覚えておるじゃろ?」

「…でもそれじゃ約束を破ってしまうわ。」

「お主、国のためには私情は挟まんのじゃろ?今、ここで証明してみせよ。」

「は?今?分かってんの、状況。そんなこと言ってる場合じゃないのよ?」

「暁、わしは心配じゃ。今のお主では最後の決断ができないように見える。その約束は確かにお主には大切なことじゃろう。じゃがの、正直に言うぞ。儂らにとってその約束は邪魔じゃ。お主を手に入れるを邪魔する障害物じゃ。今すぐそれを捨てんかい。」

「……」

「儂は優しいからの。強制はせんが好きに言わせてもらうぞ。お主、いつまで死人の言葉に憑かれとるんじゃ。いい加減やめんか。その言葉は未来永劫をとうしたもんじゃがの今はそれが邪魔じゃ。」

「別に大した不都合なんて

「起こっとるじゃろうが!今!ここで!お主がさっさと捨てんから、先手を取られた!部下を危険な目に合わせた!助けもできんじゃろうが!」

「…ちっ、うっさいわね!この魚類が!」

「好きに言え。じゃが、部下が死ぬ気で来もせん援軍を今か今かと待っておる間、お主が儂に意味もなく安全に暴言を吐いていることを忘れるな。さあ、いえ、言え!部下を見殺しにしながら儂を貶せ!」



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