ゼルダの伝説『時のオカリナ』ナビィに転生したと思ったら、肉便器だった件 (はくびしん)
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プロローグな件

気分でやらかした。後悔はしてない。


僅かに日の光が差し込む薄暗い部屋の中で、規則的な音が響いていく。

 

ギシギシとベッドの軋む音が、ハァハァという荒い息遣いが、パンパンと肉がぶつかりあう音が、ヌチャヌチャと液体をかき混ぜる音が。

音の大半が私の下腹部付近から響いている事実に、私は目眩を覚えずにはいられない。

 

最早音楽といえるレベルで流れるそれ、自らの下腹部で奏でられているその音を聞きながら、どうしてこうなったのかと蕩けそうになる快感に耐えながら、ただひたすらに考えた。

 

「━━━っひゃ、きゃうんんん!!」

 

けれどちっとも思慮は纏まらない。

と言うのも、ある程度考え始めると、それを邪魔するように強く腰を打ち付けられるのだ。

 

私は自らの腰を離さない、小さな紳士への視線を向けた。

 

「ん、ん、り、リンク!ちょ、と、待っひゃ!ん、あん!」

 

声を掛けても微塵の揺らぎもなく腰を打ち付ける少年リンク。

私は駄目になりそうな頭で必死に考えながら言葉を口にしようとするが、口から溢れる言葉は嬌声ばかりで話にならない。

そんな私にリンクは覆い被さりながら耳元でそっと言葉を呟いた。

 

「だってさ、ナビィ。考え事ばっかりで、オレの事ちっとも見ないんだもん」

 

悩ましげに吐かれた言葉と吐息に、背筋にゾクゾクとした物が走る。

 

「ナビィ、凄く絞まってる。そんなに良かったオレの声。耳元で囁かれるの、ナビィ好きだもんね?」

「そんにゃ、そんにゃことにゃい━━━ひっうぅ!」

「駄目だよナビィ。嘘なんてついちゃ。きゅうきゅうって、ほら、ナビィの膣が物欲しそうに吸い付いてくるもの」

 

そういって私の中に深く突き刺したそれをグリグリと動かしてくる。リンクのそれが私の一番深い所を執拗に刺激してくる。

 

 

下腹部がきゅんきゅんと疼いて仕方がない。

物欲しそうに吸い付いてしまう子宮口に文句の一つも言ってやりたいが、今は理性を保つのがやっとてそれどころじゃない。

 

「き、きいてっ、ん!リンク!」

「聞かない。」

 

ズン、とリンクのそれが一番奥の部屋の入り口をこじ開けた。瞬間、私の中の最後の理性が吹き飛ぶ。

 

「ふぁぁぁん!!」

 

痺れるような多幸感。

脳髄を蕩かすような甘く熱いそれが、私の中の駆け巡る。

 

「ひぃん、く!ひゃひゃめへ!いっ、いっひぇる、いっひぇるきゃりぁ、ああん!!」

「うん、分かるよ。凄いよ、ナビィ。オレのチンコとれそうだよ。きゅうきゅうって、凄く、ん!」

 

少し苦しそうに呟いたリンクは尚も腰を打ち付けてくる。膣が熱くて、頭も沸騰しそうで、何を言うべきだったか忘れてしまう。

 

「うごきゃないて、まひゃ、いっひゃう!!ひゃぁん!!あふ、あ、あん、ああん!やめぇ!!」

「ああ、いいよ、ナビィ。もっといって。オレに見せて、ナビィがいく所。ナビィ、ナビィ、ナビィ」

 

耳元で囁かれる度、体が反応してしまう。

痙攣したように何度も、何度も、リンクのそれを私の膣は締め付けてしまう。その度、新しい刺激が私の脳を熱くさせる。

 

「ナビィ、オレいきそうだ。ねぇ、どこに欲しい?ナビィの何処に欲しい?」

 

グリグリと子宮口に押し付けられ、私は心のままにそれを口にする。

 

「お、おきゅぅ、あん!ひっ、ひちばん、おきゅうぅ」

「どこ?ちゃんと言ってくれないと分からないなぁ」

「いじわるしないひぇ!りんくのおちぽっ、あん、い、いちばんおきゅにほしいのぉ!なびぃの、あかちゃんつくるところに、りんくのあかちゃんのもと、びゅーってしへぇ!」

 

そう懇願するとリンクは嬉しそうに笑う。

そしてストロークの速度を緩めゆっくり抜き出し、一気に突き刺した。

 

子宮口が再びこじ開けられたのが分かり、次に来る物に備えて私は僅かに絶頂を耐える。

 

「いくよ、ナビィ!」

「んぁぁぁぁぁっ!!」

 

子宮の中へリンクの精液が噴き出した。

それと同時に私は何もかも手離し絶頂の快感に浸る。

もう身動き一つする気になれない。

 

リンクに注がれたそれが、私の中で熱を帯びたまま揺れる。どれだけ注がれたのか分からないけれど、その熱さでリンクがどれだけ私を孕ませる気なのかは嫌でも分かる。

妖精でなければとっくにボテ腹にされている事だろう。

 

リンクはそんな熱くて堪らない私のお腹を擦りながら、楽しそうに笑い私を抱き締めてくる。ぎゅっとされるのは好きだ。心がポアポアと暖かくなるから。

 

リンクの温もりを堪能していると私の中に突き刺したままのそれが大きくなっていくのを感じた。ぼんやりとしていた頭がだんだんと冴えてきて現状を理解する。さぁっと血の気が下がっていくまで、そう時間は掛からなかった。

 

「リンク、あのね、待って。今日はもうね」

「ナビィ。あと一回だけ、ね?」

「いやぁぁぁぁぁぁ!!!━━━━ひゃぁん!」

 

 

本当に思う。

どうしてこうなったのか、と。

 

 




こ、後悔はしてないったら。
それと、文句はあんまり受け付けないからな!!


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はぁい、私ナビィ。実は転生者なの!

はぁい。りっすん。るっく。

 

大体そんな言語しか話せない私ナビィは、実は転生者だ。

 

気づいたのはつい最近。

デクの木様が「ノーパンしゃぶしゃぶしたい」と呟いた事で一気に記憶が甦った。

 

全部が全部はっきりとは思い出せないが、私の前世は男の子でゲームと呼ばれる遊戯をこよなく愛する人だった。他にも漫画とかアニメとか、サブカルチャー的な物に興味を強くもっていたらしい。彼女は出来る気配すらなかったようで、絵やテレビゲームの中の女性を嫁と呼称していたりと、かなり寂しい人だったみたいで我ながらどうなのと思ってしまう。

 

あ、因みにアホな事を呟いたデクの木様も当然転生者だ。記憶の全ては思い出せないらしいが、世界を股にかけた大泥棒の三世で天空の城を探索したり巨大芋虫と戦ったり、七つ揃えると願いを叶える玉を集めて宇宙人と覇権を争ったらりしてたらしい。・・・恐らく私の同胞だろうと思う。

 

覚醒してからの私とデクの木様は情報を交換し、現状を正しく把握しあった。

 

それと言うのも、私とデクの木様の中でこの世界に関して類する考えがあったのだ。

それが、ゼルダの伝説時のオカリナというゲームである。

 

 

ゼルダの伝説時のオカリナは任天堂がゼルダシリーズとして販売しているゲームタイトルの一つだ。

ゲームハードは任天堂64。黒ハードは滑るという確言を無視して任天堂がスーパーファミコンの後釜を担う物として満を持して世に出したゲーム機だった。

全体的な売上げで見れば成功したとは言いがたいゲーム機だったが、いくつか伝説的なゲームソフトが生まれた事を考えれば十分だろうとは思う。

個人的にシリーズ最高と思うゼルダの伝説時のオカリナ、任天堂スマッシュブラザーズ、スーパーマリオ64、マリオカート、マリオパーティ2、カスタムロボ2、牧場物語2、ゴエモン2、風来のシレン2etc.etc.━━━━。

 

なんかこうして挙げてくと、マリオと2が多いな。

仕方ない気はするけど、なんだろ、微妙な気分。

 

 

話しは戻してゼルダの伝説の話だ。

二人で話し合った結果、今回の世界の舞台となっているのは時のオカリナだと思われた。と言うのも現在いる登場人物のそれが一致してしまっているのである。

デクの樹様しかり、ナビィしかり、コキリ族の皆しかり。どれもゲームのキャラと姿形、名前が完全一致している。まぁ、ポリゴンじゃなくてちゃんとした人だから、完全一致というと少し違うかも知れないけれどね。

 

時のオカリナの世界の可能性が出てきた事では私達は次にこの世界がどういうものなのか考えた。

この世界が完全にゲームと同じなのか、それともゲームに似た別世界なのか、という事だ。

 

森で悩むこと幾星霜。

三人よればなんとやらと言うが、基本知識がゲームしかない私達に答えをだせる訳もなく、無駄を暫く過ごしてしまう。何年やったかは不明だ。

 

結局動けないデクの樹様の代わりに、私が世界を見て何がどうなっているのか確認する事になった。

デクの樹様が「可愛い女の子拾ってきて、メイド」と馬鹿な事ぼやいていたが、それは無視した。そこら辺の花と盛ってれば良いと思うの。

 

 

そうして世界を渡り歩き、私はこの世界が時のオカリナと酷似している事を知った。ゲーム開始時の年代とズレがあったのか多少違う所もあったが、時がくればゲーム開始時の世界と同じようになる可能性も見た。

 

そうとなれば、次の私の行動は早かった。

 

私は各地にある大妖精の神殿を巡り、大妖精達から魔力を授かった。回転切りは覚えられなかったが、得た魔力で人の姿をとれるようになったり、回復妖精の力が使えるようになった。

他にもゲームでなければ取り行こうと思えない所のハートの欠片を取りにいったり、ルピーを集めたり、地形を覚えていったり、敵となりそうな物の情報を集めたり、考えられる限りに色々とした。

 

何故そんな事をしたかと言えば、その理由は他ならぬ私がナビィだからだ。

 

ゲーム通りになるなら私は主人公の相棒になる妖精だ。危険な旅に同行し、時には話し相手になったり、時にはヒントを教えたり、敵の位置を知らせたり、敵の情報を教えたり、そういう事をする存在だ。

 

けれど、この世界はゲームとはやはり少し違う。

もしかしたら主人公は思っているより弱い子かも知れない。思っているよりも馬鹿な子かも知れない。

そんな時、少しでも助けになれるように知識だけじゃなくて、私自身が物理的に助けられるようにしたかったのだ。

一人の子供に背負わせるには、世界の命運は重すぎるから。

 

 

 

 

 

 

それからどれくらいたったか分からない。

何年も、いや、何十年もたっていると思う。

 

ハートの欠片を手にいれた事で初期主人公より体力は上になり、大妖精の力で得た変身能力を自在に操り、人の姿で援護射撃の技術が身に付いた頃、私は帰ることにした。

 

漸く森に帰ってきた私が見たものは、コキリ族の一員になった主人公だった。

 

ゲームの時より小さい気がする。

恐らくゲーム開始時より前なのだろう。

 

取り合えずデクの樹様の元へ行き事情を聞くことにした。

デクの樹様は私を見つけると、「メイドはどうした」とさも当然のように聞いてきた。勿論無視した。

 

 

デクの樹様から聞いた話は概ね原作に沿う物で、取り合えず胸を撫で下ろした。各地で色々やっていたので、バタフライ効果が出て主人公がコキリ族の所へこなかったらどうしようかと思っていたのだ。

 

それからデクの樹様と話しあい、原作より早いが主人公であるリンクに私は相棒としてつく事になった。

デクの樹様曰く、原作を知ってる私がいれば余計な問題も起きないだろうとの事。

 

そもそもリンクに相棒をつけなかったのは、リンクの出自とかコキリ族の秘密とか、隠す事が多過ぎて下手に情報を与える存在をつけたくなかったからだという。

 

話が纏まった私達はデクの樹様の元を離れリンクの元へと向かった。相棒がいなくて拗ねているであろう、可愛い少年の元へと。

 

まずはどうやって出会おうか。

普通は詰まらないな。

寝込みを驚かそうか。

 

そんな事を考えれながら、私は飛んだ。

 

 

 

これから自分がどうなっていくか。

欠片も考える事なく。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

デクの樹様とナビィさん

 

 

 

デク「しっかし、お前、人になるとかマジかよ。おれも人にしてくれよぉ、メイドさんとイチャイチャしたい」

ナビィ「出来てたまるか。大妖精並みに力があるデクの樹様に干渉出来ると思うなよ━━━って、大妖精並みの力があるなら変身出来るんじゃないの?」

 

デク「まじか、やってみる」

ナビィ「そっこうかよ」

デク「駄目だな」

ナビィ「そっこうかよ」

 

デク「おれ守り神的な存在だから、仮に人になったとしたら、その瞬間守りの無くなった色々滅びるわ」

ナビィ「こわ」

デク「多分、コキリ族死滅するわ」

ナビィ「こわ」

 

 

デク「かわりに子供は産めるみたい。てか、よくよく考えたらコキリ族産んだのおれだわ」

ナビィ「ママだったのか」

デク「あなた」

ナビィ「おまえ」

 

 

 

 

 

壁|・ω・`)

 

サリア「━━━!?」

 

 

 



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はぁい、私ナビィ。主人公と一緒にいるの。

後悔するくらいなら、初めから書かない!!
おれは自分に正直な生きるぞジョジョーーー!!


主人公リンクの家にやってきた私は、ぐっすりと眠るリンクの上でどうやって起こすかを検討していた。

 

一、大声。

二、エレクリトリックサンダースピントルネード。

三、ボディプレス。

四、パチンコ連射。

五、無空波

 

うん、迷う。

 

個人的にはドラゴンインストールからのタイランレイブ、締めにナパームデスを打ち込みたいのだが、これをやったら確実に死ぬのでやれない。やるわけにはいかない。本編始まる前に主人公死ぬとか、駄目やん。

 

 

しかしどうするか。

大声というのは在り来たりだし、ボディプレスも普通。パチンコ連射もいまいち。

となるとエレクリトリックサンダースピントルネードか無空波になるのだが・・・無空波もなんやかんや必殺の奥義だからな。

 

 

エレクリトリックサンダースピントルネードにしとくか。

 

 

こうしてエレクリトリックサンダースピントルネードで最初の出会いを交わした私ナビィ。リンク君に暫く口も聞いてもらえなかったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

衝撃の出会いを果たしてから一年。

話してくれない事件をへて、私は今、主人公リンクといつも一緒にいる相棒になっていた。

寝るときも一緒、遊ぶときも一緒、トイレの時も一緒━━━

 

「ナビィ、しづらいよ」

「お構い無く」

「かまうんだよ、凄く」

 

トイレの時は一緒じゃない。

けど、チンコは見てやった。英雄だった。

 

しかしリンクは面白い。

何が面白いかというと、その類い稀な運動能力と奇想天外な発想力がだ。

 

まだまだ幼いというのに、リンクは大人より早く走る。自分より大きい岩も動かす。そして驚く程タフだ。この間崖から落としてみたが、たんこぶだけで済ませていた。流石ハイラルを救う英雄。つおい。

 

それに頭の回転も恐ろしく早い。

その上、子供特有の柔軟性を持ち合わせているお蔭か、迷路だの謎解きだのに滅法強く、試しにまよいの森に突っ込んでみたが半日もしないで戻ってきたりした。

人によっては一生出られないというのに、━━恐ろしい子っ!

 

そんなある日、ふと思った。

こんだけ頭良ければ、自分とコキリ族の違いに気づくんじゃないかな?と。

それとなしに聞いてみると、案の定リンクはサリア達と自分が違う存在であることを何となしに理解していた。

 

これを聞いて原作リンクがあまり葛藤もなく外へと行った理由が分かったような気がした。

原作リンクは口にしないまでも、自分がコキリ族とは違う事を理解していたのだろう。そしてその違い故に、ずっとここにいられない事も理解していたのだ。

 

どれだけの思いがあって、原作リンクは旅立ったのだろう。ゲームをやっているだけの私は知らなかった。気づこうとも思わなかった。

今更になってあの旅立ちがどれだけ特別な思いが乗ったものだったのか、それを思うだけで私の胸は、目頭は、どうしようもなく熱くなってしまう。

 

「ナビィ?」

 

心配そうに此方を覗き込んでくるリンクに、私は大丈夫だと強く羽ばたいて見せた。

この子に心配されるようでは私もまだまだだなと、自嘲気味な笑いが溢れてしまう。

 

私は考える。

どうしたら方が、リンクにとって一番良いのか。

嘘を教えて、今を誤魔化すのは簡単だ。

でもそれはきっと、リンクを馬鹿にする行為だ。

 

この子は知っている。

自分がこの場所に相応しくない事を。

いずれここを離れる日が来る事を。

 

それならば、私はこの子に道を与えよう。

知ってる限り、今伝えてよい限りのそれを教えて、彼に選ばせてあげよう。

それはきっと辛い事や苦しい事と向き合う事になる。子供の彼には重い真実になるかも知れないけれど、嘘を教えて嘘の未来を与えてしまうよりきっと良い筈だ。

 

彼が立ち止まってしまったら私が手を貸せばいい。

彼が泣いてしまったら私が慰めればいい。

 

その為に、私は強くなったのだから。

 

 

私はリンクに今教えてよい限りのそれを伝えた。

種族の違いやここにきた経緯、それ以外にも沢山。

 

全部を聞き終えたリンクは私に一つだけ聞いてきた。

 

「ナビィは、オレが森を離れたらどうなるの」

 

何を言われてるのか分からず首を捻ってしまう。

寂しそうなリンクを眺めていると━━━そういう事かとやっと気づいた。

リンクは私がコキリ族としか相棒にならないと思っているのだ。確かに種族の違いや文化の違いを考えれば、森という唯一の繋がりがなくなったコキリ族でないリンクに私がついてくるとは思わないだろう。部外者も部外者なのだから。

 

けれど、実際は違う。

私とコキリ族についている妖精とでは、役割も備えている能力も別なのだ。分かりやすく言えば、カレーライスとハヤシライスくらい違う。

 

まず挙げられるのが自由度。

彼等は一生をコキリ族の側か森で過ごす事しか出来ないのにも関わらず、私は一人でも世界を自由に飛べる。実際、リンクなしでも世界を巡っていた。

 

次点で挙げられるのは個としての自我。

コキリ族をサポートする妖精達は総じて自我が弱い。個というよりは、森の一部としての意識が強いのだ。その為彼等に個性という物はないし、言葉は話さず思念だけで他者とやり取りをする。しかもそのやり取りというのが、ぼんやりとしたイメージを送るだけの物だったりする。ぺらぺらと思い付きで喋る私とは大違いだ。

 

まぁ、そんな細かい事教えても理解は出来ないだろうから今は言わないでおく。なんのかんの言ってもリンクはまだ子供だ。難しい言葉より、分かりやすい言葉で伝えるとしよう。

 

私はリンク君の頬に体を擦り付けながら言ってあげる。

 

「大丈夫。私はいつも一緒にいるよ」

 

その言葉を聞いたリンクはとても嬉しそうに笑ってくれた。それで良い。子供は笑顔が一番だもの。

 

 

 

 

 

それからリンクはいつか来るであろう外に出る日に向けて準備を始めた。準備の殆どが私が教えた事ではあったけど、全部リンク自身が決めてやっていた。

体を鍛え、知識を学び、心を育てた。

 

私は彼の先生として人に変身して剣術の稽古をつけてあげたり、勉強を教えたり、文化を教えたり色々やった。覚えのいいリンクの先生はやっていて面白かった。

あ、初めて人の姿に変身した時は、リンクは死ぬほど驚いてたよ。

 

 

 

そんな風にリンクの先生として過ごしていたある日。

リンクがある事に興味を持った。

 

「ねぇ、ナビィ」

「ん?何?」

「コキリの皆はデクの樹様から産まれたんだよね?」

「そうだね。産んでる姿は流石に見た事ないけど」

「なら、オレはどうやって産まれてきたの?」

 

あ、ああ。うん。

まぁ、そうだよね。

疑問に思うよね、うん。

 

「ナビィ?」

 

可愛く首を傾げるリンク。

どうやって教えたものかと、とても悩む。

流石にそのまま、というのはあれか。

うむむ。

 

「えっと、そのいいよ。やっぱり。変な事聞いてごめん、ナビィ」

 

リンクが空気を読んで聞くのを止めてしまった。

大人の都合で子供の好奇心を殺してしまうのは忍びない。むむむ。

それなら仕方ないか。いずれ知ることになるだろうし、知らないで何処かでやらかすよりはマシ・・・という事にしとこう。

 

「わ、分かった。教えてあげるよ」

「本当に!」

「本当、本当。とは言え流石に外で話すのはアレかなぁ。皆に聞かせるような話でもないし・・・。取り合えず家に入ろうか。そこで教えるよ」

「うん!」

 

 

 

 

 

そうして良かれと思って始めた性教育。

それが肉便器への第一歩だと言うことを、その時の私は欠片も予想していなかった。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

デク「━━━━!!集落の方で、ただならぬエロの気配を感じる!!わしも混ぜてぇぇぇぇぇ!!」

 

 

 

 




次回予告

はじめの一発

デュエルスタンバイ!


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性について教えた件

お気に入りが百件越えてるとか、まじか。
おいおいおい、そんなに期待すんなよ。
死んじゃうよぉ?期待に押し潰されて、死んじゃうよぉ?ヾ(@゜▽゜@)ノ





「━━━━はい、という感じで子供が出来ます。以上」

 

リンク家に入ってから暫く。

出来るだけやんわりと子供の出来方について教えたのだが、リンクは難しい顔をしたまま首を捻った。

どうやらご納得頂けていない様子である。

 

「リンク、何か言いたい事でもあるの?」

 

そう尋ねるとこくりと頷いた。

素直か。

 

「えっと、チンコをマンコに突っ込む━━━」

「わぁぁぁぁ!?!?び、びっくりしたよ、私は!そんなにストレートに言わないでよ!」

「え、ええぇぇぇ?だってそう言う事じゃないの?」

「いや、そういう事なんだけどね?間違ってはないんだけどね?」

 

子供って怖い。

大分オブラートに話したというのに、確実に核心をついてこようとする。

今更ながら性教育は早かったような気がしてきた。

もう遅いけども。

 

「はぁ、リンクなんだっけ?」

「うん?えっとね、チンコをマンコに突っ込むんだよね?」

「えーうん、まぁ、うん、そだねー」

「チンコはオレもついてるから分かるけど、マンコって何?穴っていってたけど、お尻の穴と何が違うの?」

「おおぅ、ぐいぐいくるな。本当に」

 

口頭の説明では理解出来ない事は分かっていた。

なのであらかじめ用意しておいた教材を取り出す。

思春期の友、エロ本である。

 

男の子であれば誰でも思春期頃、河川敷とか林の中から顔を出した彼等に幾度となくお世話になったであろう。かくいう私の前世も、河川敷にて大量に捨てられていた彼等とエンカウントしたのが最初のそれである。

私の前世は、その時エロを知った(感慨)。━━よくよく考えたら最初に出会ったのがエロ漫画だったのが性癖の偏りが産まれた原因かもしれない。業が深いな。

 

まぁそういった点では、このエロ本は大丈夫だ。

冒険小説とかと比べると終わってるけど、エロ界の中では健全そのものだもの。『ロリっ子クラブver12先生とのイケナイH集』よりはずっと健全だもの。これはかつる。

 

エロ本を手渡すとリンクは適当にそれを開いた。

そして顔をしかめた。かなり強めにしかめた。

 

「ナビィ。あのさ、これ・・・」

「どうだい、参考になるだろ?」

「いや、ならないよ。オレゴロン族じゃないもん」

 

そう私が手渡したのはゴロン族のエロ本である。

この世界にきて知った事なのだが、ゴロン族は雌雄同体の存在だった。ゲームの世界とそれが同じなのかは不明だが、少なくともこの世界ではゴロンは雄であり雌なのだ。ダルニアが雌受けする想像をして軽く引いたのは内緒だ。

 

そんな不思議な生物ゴロンに興味を持った人がいて、研究し特殊な性癖に目覚めた人が書き記したのが、今リンクが手にしている『ゴロン情事四十八手の書』である。

実際の所、それなりに貴重な本なのだが、ハイラル人には早すぎた本だったらしくバザーで5ルピーで叩き売られていたのを発見して今に至る。正直、5ルピーでも高く感じた。

 

「ナビィー」

「挿し絵はあれだけど・・・ちゃんと生殖について仕組みが書いてあるし、生殖器の解説図だって載ってる凄い本なんだよ?我慢して」

「ええぇぇぇ」

 

ハイラル人向けのこう言った本は滅茶苦茶高いし、色々と規制が厳しくてお金があっても購入出来ない代物なのだ。世界を巡った私ですら噂しか聞けなかった。風俗は腐る程あるのにね。

医学的な教材として出ている本もあるけど、そう言うのは大分はしょった内容で役に立たないのだから是非もない。

 

その点、この本は素晴らしい。

挿し絵がゴロン族であることを差し引けば、教材であり立派なエロ本なのだ。一石二鳥なのだ。喜べリンク。

 

しかしリンクの顔は曇ったままだ。

 

「そんなに嫌か」

「なんて言ったら言いか分からないんだけど・・・その見てると『おえ』ってなるんだもん」

 

生理的に無理ときたか。

いや、まぁ、私もじっくり見るとそうなるけども。まさか何も知らない子供にすら思われるとは。

改めて思うけど、これ書いた人レベルが高過ぎるな。

 

「絵とか書けたら良かったんだけどなぁ。私はそういうのは出来ないから」

「ナビィの絵はただの線の集まりだもんね」

「うるさいんだよ」

 

少し考えて、ふと思いついた事を聞いてみた。

 

「リンク」

「なに?」

「リンクはさ、生殖の仕組みとかは理解してるんだよね?じゃぁ、さっき言った物の違いが分かればいいの?」

「うーん、他にも分からない所はあるけど、大人にならないと分からない所もあるんでしょ?それならマンコとお尻の穴の違いだけでいいよ」

「・・・私が頑張ってオブラートに包んでるんだから、リンクもふわっとした感じで言ってくれないかなぁ。まぁ、今更だけどもさ」

 

興味津々だと目を輝かせるリンクを見て、私は色々と諦めてあの手段をとる事にした。

 

「あんまりやりたく無いけど、仕方ないか」

 

私は人の姿に変身する。リンクは相変わらずこの体になれないのか、視線があっちこっちに揺れている。

 

今更かも知れないが、私の人形態はロングの薄紅髪で紫眼ロリっ子である。顔は可愛らしい感じではあるが、特別可愛いい訳でもない。普通より少し上くらいだろう。

 

顔の造形や姿形はある程度自由に変化させる事は出来るのだが、なんの意図もなく変身するとこれがデフォなので自分的にはすっかり馴染んだ体である。

その気になれば大人にもなれるが、魔力の消費が激しいので滅多にやらない。

 

「ナ、ナビィ?」

 

私は狼狽えてるリンクの前にあるテーブルに腰掛け、魔力で作ったワンピースをちょとずりあげる。

 

「ほい、リンク見ていいよ?」

「えっ!?」

 

前世が人であったとはいえ、それは随分と昔の事。

人としての羞恥心が薄れている今なら、少し我慢すれば尻の穴の一つや二つ見せる事はさして苦でもない。

まぁ、それでも多少は人の心も残っているのも事実で、恥ずかしいのは恥ずかしいのだけど。

 

スカートを持ち上げ待つが、中々リンクがこっちを見ようとしない。

どうしたのか。出来れば早く済ませて欲しいのだけど。

 

「リンク?あのね、ここまで放置されると、流石に私も恥ずかしいんだけど」

「うわっ、ご、ごめんナビィ!でも、オレ、その、ナビィが女の子だなんて知らなくて!変なお願いしてごめん!」

「ん?あー、そういう事」

 

これは私が悪い。

リンクがどういう子だったのか考えなかった事もそうだが、私がどういう存在なのか伝えてなかったのだから。

 

「あのね、リンク。気を使ってくれるのは嬉しいんだけどね、私は人じゃないし、それにこれは仮の姿だから、そんなに気にしなくて良いんだよ?」

「で、でも・・・お、女の子はそういう事しちゃダメなんでしょ?」

「まぁね。普通の女の子はね?でも私は妖精だし。それに確かに私の性別は女って事になってるけど、その気になったら男にもなれちゃんだよね」

「そうなの?」

 

これは本当の事だ。

妖精は結構あやふやな存在なのだ。

 

一部の例外的な妖精を除けば、環境とかに左右されて性別が決まるのは当たり前。兄弟とか親とか、自然から産まれてくる私達には有り得ない関係を築く個体もいたりする。実際に、『たるなんとか?』という地方に行った時、姉弟関係の妖精に会ってたりする。

 

そんな存在にこれだけ紳士な対応は相応しくはないだろう。大切にしてくれようとしてくれる、その気持ちは嬉しいんだけどね。

 

「だからさ、ほら、ここは一つ男の子同士見せ合いっこすると思ってさ」

「う、うん。分かった。ありがとうナビィ」

「いえいえ、どういたしまして」

 

リンクの顔が股のあいだに近づく。

興味深いのか手加減なくドンドン近づいてくる。

吐息が掛かってくすぐったい。

 

自分の股をまじまじと見つめるリンクの姿を見ながら、やっぱり早かったかなぁと心配が頭を過る。

リンクの旅立ちの日がはっきりしない今、色んな事を前倒し前倒しで教えているが、本当に良かったのかと思ってしまう。

 

森の外に出るリンクに、こう言った知識が必要なのは間違いはない。まだ子供だが、そういう事に出くわさないとは限らないし、仮に出会ってしまった時にフォロー出来る私がいるとも限らないしのだから、知識として教えておいて自分で対処出来るようになっていた方が良いに決まってる。

 

何せ世界は悪意に満ちている。

少なくとも私が見てきた世界は、知識のない子供が生きていけるような場所では無かった。頭の悪い人は安い賃金でこき使われ、明日も知れない生活に嘆いている。力のない子供がお腹を空かせて死んでしまう姿を何度も見ている。

 

だからこそ、そうなって欲しくないからこそ、こうしてあれこれ教え込んでいる訳なのだけど━━━

 

 

 

「ひぃゃあ!?」

 

突然の刺激に、思慮が吹き飛んだ。

さっと視線を落とすとリンクが私の秘部を指で押し広げていた。

 

「さ、触るなとは言わないけど、少しは声を掛けてよ」

「あ、ごめん。でもよく見えなかったから・・・」

 

そう言うとリンクは先程よりさらに大きくそこを開き、顔をずいっと近づけた。そしてスンスンと臭いを嗅いできた。

 

「ふぁっ!ちょ、リンク!臭いは嗅がないで!そこは汚いから!」

「うん?そうなの?でも、仮の姿なら汚なくないと思うけど」

「そ、それは、そうだけどさ━━━き、気分の問題!」

「そうなの?でも変な臭いしないし、それになんか甘そう」

 

甘そう。

嫌なフレーズに体を硬直させていると、何か濡れた柔らかい物が股下を這いずった。

瞬間背筋になんともいえないゾクゾクとした感覚が走り、反射的に手が下腹部へと伸びた。これ以上、その刺激がやって来ないように、守るために。

 

「わっ、びっくりした。いきなり隠さないでよナビィ」

「隠すよ!!リンク、今なにしたの!?」

「えぇ?ちょっと舐めただけだよ」

「舐めっ━━━!?」

 

頭の中を駆け巡る『舐めた』の一言。

私の頭はそれをどう処理して良いか分からず、指一本すら動かせずにいた。

 

いや、だって聞いて欲しい。

前世で童貞、今世で妖精してる私には、幾らなんでも無理だろう。こんな事態、処理しきれる方がどうかしてる。私はヤリチンでもヤリマンでもないのだ。

 

「ナビィ」

 

甘えるような声にはっとなり、リンクへと顔を向ける。

何となくだが、好奇心に輝くリンクの目が、いつもと違って恐ろしく見えてしまう。

 

「ナビィ━━━」

 

何かを言おうとしてるリンクへ、私は両の手を付きだして拒否を示す。私の気持ちが伝わったのか、リンクが寂しそうな顔をしているがここで退くわけにはいかない。

何か大切な物を持ってかれる気がするから。

 

「駄目!もうお仕舞い!」

「でも、まだ見比べてもないし、違いが分からないままだよ?」

 

そう言われてしまえば、私に言える事はない。

確かに一度は認めているのだ。

 

リンクは優しい子だ。だから本気で嫌だと言えば無かった事にしてくれるだろう。けれどその行為は、これまで積み上げてきたリンクとの絆に傷を作る事になるかもしれなくて、怖くて選べない選択だった。

 

一緒にいた時間は短いけれど、リンクはもう私の大切な相棒なのだ。大好きで大切な存在なのだ。ゲームのシナリオなんて関係なくて、私個人が本心から一緒にいたいと思っているのだ。

 

だから、私は譲歩する事にした。

 

 

「分かった。でも、舐めるのは止めてね」

「触るのは?」

「それも駄目。代わりに私がリンクの言うとおり、その、やるから」

「うん、分かった。ありがとうナビィ」

 

 

それから私はリンクの言うとおり体を動かした。

広げてと言われれば広げて、見せてと言われれば見易いように足を広げたり、顔の近くへ突きだしたりした。

どれだけそうしてたのか分からないけれど、リンクが満足した頃には空高く昇っていた太陽は何処にもなく、代わりに銀の光を灯す月の姿だけがあった。

 

そしてどうしようもなく、私の体が火照っていた。

熱くて、熱くて、熱くて、頭がぼんやりする。

 

私は隣で眠るリンクを眺めながら、その熱さが抜けるのをただ待ち続けた。

 

 




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辱しめられた件

みんな、えっちなの好きね。
いや、まぁ、オレも大好きだけどさ(´・ω・`)


リンクに性教育を施してからと言うもの、私達に生活には新たな日課が増えていた。

 

その日課と言うのが━━━

 

「じゃぁ、ナビィ。足開こうか」

「えぇ、え、ええぇぇぇーー」

 

━━━私の股間鑑賞会と言う、私自身なに言ってんだろうと思う日課が増えていた。

 

 

 

 

 

あれからと言うもの、リンクはエロ本片手に私の股間を見るのが日課になっていた。

満足したのかとばかり思っていただけに、これは予想外だった。いくら人としての羞恥心が薄いとは言え、流石に連日やられると意識してしまう。

 

「ちょっと気になる事があってさ」

 

とか言って股を見せろと言外に言われた初日は本当に驚いた。思わず外に出てバグって世界が消滅してないか確認してしまったくらいだ。自称エロのトライフォースの所持者デクの樹様が『ねぇねぇ、なんかあったん?なんかエロい事あったん?』と執拗に念波を飛ばしてくるくらいで、特に可笑しくなっている物はなさそうだったが。

 

え、デクの樹様が可笑しいって?コキリ族が見張ってなけりゃ、あいつはいつもあんな感じだ。もうずっと壊れてる。

 

 

最初は断っていた。

約束は既に果たしているし、それにやはりこう言った事はリンクには早い気がしていたから。

けれど、好奇心に目を輝かせる笑顔のリンクが、私に断られ捨てられた子犬みたいな顔になるを見ると、あまり強く拒絶する事が出来ず、少しずつ譲歩していってしまい・・・・・最終的には見せる事が決定していた。一日の終わり、一回だけだが。

 

リンクに弱すぎる、私。

 

最近コキリ族と遊ぶ事が減ったリンクは一日の大半を修練や勉学にあてている。放って置くと一日中修練してしまうリンクにやり過ぎないように声を掛けるのは私の仕事だ。あの子、放って置くと平気で一日中筋トレしてるから恐ろしい。

 

リンクの成長は目を見張る物があった。

正直、勉強についてはあまり芳しくないが、それに反して身体能力の向上は凄まじかった。恐らくダルニアやダイゴロンといった規格外な存在を除けば、大半のゴロン族とガンチンコしても良い勝負するだろうと思う。

 

守りに定評のあるミドが、瞬殺される日がこようとは思わなかった。まぁ、それでも果敢にリンクに絡んでくるあたり良い友人関係を築けているのだろうと安心するけど。

 

 

 

 

「━━━━ィ、ナビィ?」

 

「ふぇ?」

 

頑張って現実逃避に勤しんでいた私の頭が、目の前で私の股間をまじまじと見つめるリンクの姿を捉えた。

途端頬が熱くなってしまう。

 

「また考え事してたでしょ。もう」

「ご、ごめん、リンク。ちょっとね」

「穴を見比べるから、両方開いて」

「うぇ・・・。わ、分かったよぉ」

 

言われた通り、お尻の穴とマンコに二本の指を入れ広げる。見辛かったのか、「腰をあげて」と言われ渋々とそうする。テーブルに仰向けに転がり開脚したまま腰をあげるこの間抜けなポーズがリンクは好きみたいなのだ。

 

リンクのお願いだから出来るだけ聞いてあげたいけど、体勢がキツイくてしょうがない。早く終わりにして欲しい。それに、幾らなんでもこの格好は恥ずかしすぎる。止めたい。テーブルの上ってこういう事する場所と違う。

 

「何回見てもナビィのここはピンクで綺麗だね。それにヒクヒクしてて、なんか可愛い」

「そん、そんな事ないよ!そこは汚い所だし━━」

「ナビィのはそんな事ないでしょ?だって使ってないもん」

 

そう言ってより近づいてくるリンクの吐息がぱっくりと開いたそこへと流れる。リンクの吐息の熱が私の中を撫でる度、リンクの言うとおりヒクヒクと動いてしまっている事が情けなくて仕方ないか。

 

「臭い嗅いでも良い?」

「ひゃぅっ!だ、だめぇ!」

「約束通り触ってないんだよ?少しくらい良いでしょ」

「だって、汚いし・・・」

「大丈夫だよ。汚なくないもん。何だったら舐められるよ?」

 

舐める。

また嫌なフレーズを聞いた。

あの時のゾクゾクとした感覚が蘇る。

 

「舐めるのはだめぇ!」

「じゃぁ、臭いくらい嗅いでも良いでしょ?」

「で、でもぉ・・・」

「オレも我慢するんだから、ナビィも、ね?」

 

ち、違う気がする。

絶対間違ってる気がする。

 

だってリンクは欠片も我慢なんてしてないもん。

今だって好き勝手に私を見てるし、変な格好させてくるし、こんなに自由に生きてる人のが珍しいよ。絶対。

 

でも、リンクの子犬みたいな目を見てしまうと、どうしても断れない自分がいる。情けない。

うう、絶対間違ってるよ。

 

「━━━い、いよ。でも、絶対触っちゃ駄目」

「うん、約束する」

 

臭いを嗅ぐ為にリンクが鼻を近づけてきた。

今までの比ではない程に顔が近い。

スンスンと嗅がれる音を聞きながら、熱い吐息が大事な部分を撫でていくのを感じる。

 

端的にいって、やばい。

恥ずかしさと吐息の刺激で頭が沸騰しそうだ。

一刻も早く終わりにして欲しいけれど、リンクの様子を見ればそれも淡い願望なのが分かってしまう。

 

「━━━ゃっ!」

 

不意に熱い吐息が刺激に弱い所を撫でた。

思わず変な声が出そうになり、とっさに口許を腕で押さえつける。ここまで見せてしまってなんだが、こういう声はリンクに聞かれたくない。子供だからという事もあるけど、それ以上に相棒としてそんな姿見せたくなかった。

 

口許を押さえた私にリンクは不思議そうな顔をしている。けれど、直ぐに興味を無くしたのか私の股の間へと顔を戻し、お尻の穴を開くように言ってきた。

理由を尋ねられなくて良かった。なんて返したら良いか分からないから。

それにしても、どれだけお尻の穴みたいんだ、この子は。

 

犬のように臭いを嗅ぐリンクから視線を外し、声が漏れないように服を噛み締め掛かる吐息の刺激に耐えた。反応しないように頑張ってみたが、体はリンクの吐息に反応してしまいビクビクと跳ねてしまう。必死に噛み締めているお陰で声こそ漏れてないが、知ってる人からすれば私がどういう状態なのかバレバレだと思う。

大人にならないと分からないとか適当ぶっこいて、リンクに女の子のそれを教えてなくて本当に良かった。

 

現実逃避しながら過去の私自身を持ち上げていると「ねぇ」と声が掛かった。

声の主であるリンクに視線を戻せば、何処か悪戯っ子のような雰囲気の目が私を見つめていた。

 

激しく、嫌な予感がする。

 

「ねぇ、ナビィ。口を押さえてどうしたの?」

 

聞かれたくなかった事、真っ直ぐぶち抜いてきた。

まじか。

答えられない私にリンクは尚も続ける。

 

「ねぇ、ナビィ。教えて?どうしたの?あそこも凄くヒクヒクしてるし、何かあるんでしょ?」

 

アホか私は。

そう言えばいくら声を押さえても、一番隠さなきゃいけない所が丸出しじゃ意味がないじゃないか。

でも、見せる約束だし、嗅ぐのだって許したし、それでどうやって隠せって言うんだ。なんて無理ゲー。

と、兎に角、なんとか誤魔化さねば。

 

「あ、の、ね。あの、これは━━」

「ねぇ、ナビィ。ナビィの大事な所さ、濡れてるんだけど━━━これが関係あるの?」

「ひぅ」

 

うわぁぁぁ!

 

 

 

うわぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

 

 

うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

 

 

「ナビィ?」

 

きょとんしながら此方を見つめてくるリンクに、私は初めて怒りが湧いた。理不尽な怒りだとは思うけど、これは幾らなんでもリンクが悪いに決まってる。いや、決まってて欲しい。そうだと言ってよバニー!

 

だって、あれだ。そこまでいったら、もう決まってるだろ。

え、何がって?ナニだよバカ野郎!ナニがナニなんだよ!くそったれ!うぅぅぅ。

 

「━━━もぅ、やだぁぁぁ」

 

自然と涙が溢れてきた。

こんな事を言うつもりもなかったのに、こんな情けない姿を見せるつもりなかったのに、色々な気持ちがごっちゃになって泣きわめいてしまう。

嫌われたくなくて頑張ってきたが、これ以上の辱しめは幾らなんでも耐えられそうもない。確かにね、言ったよ?気にしなくてもいいって。でも限度はあると思うんだよ。何言われても平気って訳でもないんだよ。デリカシー、大事。

 

メソメソ泣いていると暖かい物が頭に触れた。

涙を拭って目を開けるとリンクの顔が近くにあった。

いつも違って余裕のなさそうな顔で頭を撫でてくれている。

 

「ごめん、ナビィ。オレ、そんな顔させたかった訳じゃなかったんだ」

 

そうれだけ言うと、リンクは私の事をぎゅっと抱き締めてきた。ポカポカと暖かくて、抱き締める手が優しくて、それが嬉しくて私は目を瞑りリンクにそのまま体を預ける。

 

あそこを触られるのは怖かったけど、こういう触れあいは嫌じゃない。ずっとして欲しいくらいだ。

 

「リンクぅ」

「ん。なに、ナビィ?」

「もうちょっと、ぎゅってして・・・」

「うっ━━━━わ、分かった、よ。うん」

 

私のお願いを聞いてくれたリンクはちょっとだけ強く抱き締めてくれた。とても温い。うたた寝してしまいそう。

 

人の頃と違って妖精になってからの私は甘えん坊だと思う。特に人の温もりに飢えている節があって、こうして貰うのが大好きなのだ。

勿論誰とでもという訳ではない。そうでなければ、一人で旅なんてとても出来ないだろう。

私が欲しいのは、あくまでリンクの温もりなのだ。

 

「━━━聞いてた話しと違うよ」

 

そっとリンクが何かを呟いた。

何だろうと思って見上げると、リンクは困ったように笑ってなんでもないと言う。

気になる。

 

尋ねようと口を開こうとしたが、ぎゅっと強めに抱き締められてしまいお茶を濁されてしまう。

くぅ、ずるい。まぁ、気持ちいいから良いけどさ。

 

「ごめんね、ナビィ」

「う、ん。良いよ、もう」

「今度からあんまりああいう事は言わないようにするから」

 

や、止めてはくれないのか。

まぁ、最初に言い出したのは私だし、それは責任を持って相手はするけどもさ。

でも今日だけは━━━

 

「あのね、リンク。もう一つお願いしていい?」

「なに?」

「今夜はね、このままぎゅってしてて貰っていい?」

「おふっ!えっ、い、いいの?━━━じゃない、良いよ!」

「えへへ、ありがとうー」

 

妖精として産まれて、ずっと夢見てきた。

こうして人と触れあうのを、ずっと。

 

羽を撫でて貰って、ぎゅって抱き締めて貰って、嬉しそうにする仲間達を見て羨ましかった。

いつになっても私の相棒になってくれる人が現れなくて、ずっと寂しかった。

 

だから、前世の記憶を思い出して、私にも相棒が出来るんだって知ったとき嬉しかった。本当に嬉しかったんだ。

だから、相棒の為に沢山頑張った。

私が相棒で嫌だなんて、そう思って欲しくなかったから。好きになって欲しかったから。

 

リンクの暖かい掌が頭を撫でてくれる。

優しい手つきで抱き締めてくれる。

 

私は幸せ者だ。

こうして大好きな人に、大切にして貰える。

相棒がリンクで良かった。

 

 

 

その夜はいつもよりずっと早く眠ってしまった。

そしてとても幸せな夢を見た。ずっと続けば良いのにって、そう思える、幸せな夢を。

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

デク「━━ん、なんだ?あ、マセガキ━━じゃなかった、リンクか」

 

「━━━━」

 

デク「はぁ?しくった?まじか。念波でなんてもん送ってきてんの?聞きたかないんだよ、失敗談なんて。萎えるわ。エロい奴聞かせろよぉ、まったくぅ!!━━何言ってんの?いや、おれ━━ワシのせいじゃないからね。あれだよ、自己責任だからね、あれは」

 

「━━━━」

 

デク「え、寝れない?それこそ知らない、わし。食っちゃえばいいよ、そんなの。無理?それなら、好きにへたれてるといい。良い夜をマセガキ」

 

「━━━。」

 

デク「━━━若いって、良いなぁ」

 

 

 

壁|・ω・`)・ω・`)

 

 

 

ミド「デクの樹様、何言ってんだろ・・・」

サリア「━━━さぁ。なんだろね」

 

サリア(リンクって言ってたよね?明日聞いてみよ)

 

 




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相棒の幼馴染にレズられた件

女の子同士って、素敵やん?


相変わらずリンクとの間に可笑しな習慣を引きずったまま過ごしていたある日、リンクの家に久しぶりにサリアが訪れた。

 

最近修練ばかりしていたリンクとは疎遠になっていたような気がするが、遊びにくる程度には仲が良かったみたいで安心した。私が早めに相棒になったせいで二人の仲が悪くなるのではないかと、ずっと悩んでいたのだ。本当に良かった。

 

まぁ、折角来て貰っても、今リンクがいないんだけど。

 

「ごめんね、サリア。今リンクは出掛けてて」

「ううん、良いよ。気にしないで。・・・でも珍しいね。ナビィがリンクと一緒にいないなんて」

 

それは、そうかも知れない。

リンクの相棒になってから、離れて行動するのはトイレくらいしかなかったからね。

気分転換にたまには良いかも知れないけど、やっぱり少し寂しいな。

 

そう言えば、今ごろリンクは何してるんだろう。

デクの樹様が大事な話があるとか言ってたけど、まさかダンジョンの話とかじゃないよね?いや、もしそうだったら私も呼ぶか。ううん、なんだろ。二人きりで話さなければならない大事な話って。

 

「ナビィー」

「わっ、ごめんサリア」

「ううん、良いよ。それにしても相変わらずだね、ナビィは。考え事すると直ぐ回りが見えなくなる癖、どこかで治さないと大変な事になるかも知れないよ?」

「うーん、分かってはいるんだけどね。えへへ」

「まったくもう、フフフ」

 

ツンツンとつついてくるサリアの細い指が擽ったくて身を捩ってしまう。

 

「そうだ、ナビィ。久しぶりに遊ぼうよ」

「うん?別に私は良いけど━━サリアは忙しいんじゃないの?」

 

コキリ族の皆は暇そうに見えて色々な仕事をしている。

主には森の管理に関係する仕事で、当然サリアもそれは同じだ。原作のサリア達はこんな状態でよくリンクと上手くやってたな。

 

「大丈夫。わたし達の仕事って、ナビィが思ってる程忙しいものじゃないんだよ?」

「そうなの?」

「そう言えば、ナビィは一回も私達の仕事来たことなかったっけ。いつもデクの樹様とお話してたもんね?」

「ま、まぁね」

 

数十年単位で話してたけど、その内容は毒にも薬にもならないくっだらない事ばっかりだったけどね。

二次元嫁の話しとか、読めなかった漫画の最終回考察したりとか、意味もなくじゃれあったりとか・・・あれは、あれだ、中学生男子のノリだ。うん。中・・・学、生━━━?

 

━━━━うっ、頭がっ・・・!

 

いけない黒歴史を開きかけた私は、この話を断ち切りサリアと遊ぶ事を考える事にした。開いてはいけない扉は誰にでもある。いいね、君は何も見なかった。

 

「━━━と、えっと、サリア!何して遊ぼっか?」

「フフフ、いきなり元気だねナビィ。そうだなぁ、じゃぁ、最近リンクとナビィがしてる遊びをしよっか」

「私とリンクの?」

 

サリアの言葉の意味が分からない。

最近は修練か勉強ばかりで殆ど遊んでない。

夜のあの日課が増えて以来、ただでさえ少なかった自由時間もなくなり全然遊んでないのだ。

 

それなのにサリアは言う。遊んでいると。

私とリンクの遊び?しかしも最近?

んん?

 

首を捻って考えているとサリアが自分の股間を指差した。

 

「リンクと、してるでしょ?」

 

その言葉が何を差しているか悟り、冷や汗が出た。

ショックのあまり羽を上手く羽ばたけない。

 

「ね、ナビィ。あれをしよ?リンクと出来て、わたしと出来ない訳ないよね?」

「ひぃ」

 

こ、怖い。

笑顔なのに、魔獣ガノン並みに怖い。

笑顔で怒るってこうやるのか・・・って怒ってるの!?

 

「サリア、サリア。あのね、話し合いをしよう?ね。どうして人が言葉を交わせるか知ってる?それはね━━━」

「ナビィ。はい、分かりました、喜んで。その三つ以外聞く気はないわ。好きに選んで答えて、ね?」

 

イエス以外の選択肢がない、だと・・・。

 

「ナビィ?」

 

ずいっと迫った迫力ある笑顔に、私は小さな声で「はい」と答えた。

 

 

 

 

 

 

 

「ふんふんふん。成る程成る程」

 

そう言ってサリアは人に変身した私の体を、それこそ頭の天辺から爪先までジロジロと見てくる。あまり気持ちのいい視線ではないが、頑張って我慢する。

下手に断ったら、何されるか分からないから。

 

いや、でも恥ずかしいもんは恥ずかしい。

 

「サ、サリアぁ」

「ん、ああ、ごめん。ちょっと見すぎたわよね。でも凄いわね、ナビィ。人に変身出来るなんて。森を出る前はそんな事なかったでしょ?」

「うん。これは大妖精様に貰った魔力のお陰だから」

「大妖精様かぁー。会ったことないけど、きっと凄い人何だろうなー」

 

そう言って笑うサリアはとても可愛い。

さっきまでの怒気を幻視するような笑顔とは大違いだ。何だったんだろ、さっきのあれ。

 

「サリア、あの、もう怒ってない?」

「え?怒る?━━━━フフフ、ごめんね。さっきのはちょっとからかっただけで、本当は何とも思ってないんだよねぇ」

「えぇぇぇ!!な、ん、サリアーー!!」

「フフフ、ごめんってばー」

 

嘘で良かったと思う反面、なんでそんな事をしたのかとちょっと怒りが湧いてしまう。私の怯えはなんだったんだ。もう。

 

「私はてっきり・・・」

「リンクの事で怒ってるって、思ったの?」

「う、うん。まぁ、うん」

 

この世界のサリアがどうだかは知らないけれど、原作のサリアはリンクとそれなりにいい感じだった。種族の違いがあって結ばれる事はなかったけど、もしサリアがもっと自由であったら、エンディングでリンクの側にあったのはゼルダ姫じゃなくてサリアだったんじゃないかと、結構本気で思ってたりする。

 

だから、この世界のサリアもリンクに好意を持っていて、邪魔な私に怒ったんじゃないかなぁって、そう思ってしまったのだ。

 

「なんか変な事考えてるでしょ?あのねぇ、わたしはリンクがこーんな小さい頃から見てるのよ?どう頑張っても弟くらいにしか思えないわよ」

「あっ、そう言えば、そうだった」

 

私は大きくなってからのリンクしか知らないけど、サリアやミド達はずっと彼の成長を見守ってきている。だとすればサリアの言うとおり、リンクの事は本当に弟くらいにしか思えないのかも知れない。

 

となると、ゲームのサリアもそんなにだったのかも。

いい感じに見えていたのは幻想だったのか、そうなのか。━━━なんだ、ちょっとガッカリ。

 

「目に見えてガッカリしたわね。このこのー」

「むぅ」

 

顔に出ていた表情が気に入らなかったのか、サリアがほっぺたをつついてくる。何が楽しいのか知らないけど、中々止めてくれない。ほっぺたに穴が空いたらどうしてくれるのか。

ジト目で抗議をすれば楽しげな笑顔が返ってきた。

 

「フフフ。そんなに怖い顔しないでよ。大丈夫、ナビィの大好きなリンクを取ったりしないから」

「ふぇ!?なぁ、なにょを!」

「ナビィ可愛いー」

 

絶対からかわれてる。

私は妖精歴うん十年の全てをかけてそう断言した。

 

 

「・・・でもね、何も思わなかった訳じゃないんだよ?」

 

そっと呟かれた言葉に私はサリアを見た。

いつもと変わらない笑顔なのに、何処か寂しげに見える。

 

「サリア?」

「ナビィは凄いね。わたし達と同じように産まれてきたのに、ナビィは何処へでも行ける。━━━ねぇ、ナビィ外の世界はどんな所なの?」

 

どんな世界。

サリアのそれに私は答えられない。

 

憧れに瞳を輝かせていれば楽しい事や素敵な事だけを並べたかも知れない。でも、サリアの瞳に映るそれが、そうではない事を伝えていたから、何も言えなかった。

 

ここで嘘をつけたらどれだけ良いか。

宝石のように輝く青い海の煌めきを、燃えるような朱に染まる山脈の美しさを、何処までも広がる地平の広大さを。身ぶり手振りで手放しで、素敵なんだと言えたらどれだけ良いか。

ただ、そうするだけでサリアの笑顔を曇らせてなくて済むのに。

 

私は頭の中に浮かぶ言葉を選びながら、世界を口にした。私の知っている世界を。

 

 

 

話を聞き終えたサリアは「そっか」と一言だけいうと、そっと私を抱き締めてきた。リンクとは違うけれど、その優しい手つきは嫌じゃなかった。

 

「ありがとう、本当の事話してくれて。それとごめんね、言いたくない事言わせて」

「ううん。私こそもっと・・・」

「そんな事ないよ。そんなナビィだから、私は聞いたの。ナビィならきっとちゃんと教えてくれるって、そう思ったから」

 

サリアの手が私の頭を撫でてくる。

 

「わたしね、リンクもナビィも、ずっと一緒だと思ってた。皆で、コキリの皆とデクの樹様と、これからも暮らしていくんだって、思ってた。━━━でも違うんだよね。リンクにはリンクの使命があって、ナビィにはナビィの使命があって、それはわたし達が森を守るのと一緒で大切な事なんだよね」

「そ、それ誰に聞いたの?」

「ううん、誰にも聞いてないよ。デクの樹様にも、リンクにも聞いたけど、教えてくれなかった。別の事は教えて貰ったけど。━━まぁ、でもね、貴女達の姿を見てれば分かるよ。ここじゃない何処かに、いこうとしてる事くらい━━━」

 

私の体がふわっと浮いて、気がつけばベッドの上に寝かされていた。一瞬何が起きたか分からなかったが、目の前にある私の上に股がるサリアの姿を見て漸く理解した。

 

押し倒されてる、私。

 

「━━━ぁの、サリア?」

 

恐る恐る声を掛けて見るが、返ってきたのは魔王かくもやというサリアの笑顔。ひぃ。

 

「━━━だからね、寂しかったなぁ。どうして何も教えてくれなかったのかなぁって。わたし達ってそんなに仲良くなかったかなって、ね?」

「えっと、それはね・・・その」

「最初から教えてくれてれば、ちゃんと応援してあげたんだよ?でもナビィは教えてくれなかったから。━━━だから、ちょっとだけ意地悪させてね?」

「意地悪?━━ひゃっ!」

 

耳に柔らかくて湿った物が這った。

何が起きたか理解した私は直ぐ近くにあるサリアの顔を遠ざけようと手を伸ばしたが、サリアの手にがっちり捕られられ敢えなく失敗に終わる。

 

「だーめ。ナビィは動かないで」

「やだ、止めてサリア!こんなこっ、ゃぁ!」

 

視界の端に映るサリアの赤い舌が私の耳の方へと近づいていく。身じろぎしたくても、サリアにがっちり押さえられてそれも出来ない。

 

はぷ、と耳を食まれた。

ゾクゾクとした刺激が背筋を走る。

 

「ふぁっ、やめ、ひぇ」

「はむ、はむ。成る程ねぇ。これは━━面白いかも」

「ふにゃぁ」

 

サリアは何度も何度も耳を食んでくる。

歯をたてる事なく、唇で優しくて、何度も何度も執拗に。

少し湿った唇の柔らかさが心地よくて、どうしても変な声が漏れてしまう。

 

不意にレロっと舌が耳を撫でてきた。

それまで以上の刺激に、リンクにも聞かせた事のないような嬌声が口から溢れる。自分の耳に響いた甘ったるいその声に、自分自身信じられない気持ちになる。

 

それに気を良くしたのか、サリアが嬉しそうに笑った。

嫌な予感しかしない。

 

「ナビィも楽しそうで良かった。流石デクの樹様から貰った力は違うわね。・・・これならもうちょっと良いよね?」

「良くない!良くないからっ!だゃめっ、ん!」

 

先程よりも強く耳を責められた。

さっきまで優しくて唇で食むだけだったのに、歯で甘噛みしてきたり、舌で舐められたり、しゃぶられたりした。耳の穴に舌を入り込んできた時は、思わず悲鳴が出てしまった。恥ずかしい。

 

「ひゃめて、しゃりぁ。へ、へんになっちゃう、よぉ」

 

このままサリアに責められたら、耳がふやけて溶けてしまうんじゃないかと本気で心配になった。だからこそ止めて欲しいと声をあげたのだけど「じゃぁ、別の所なら良いよね?」と妖しい笑顔を返されてしまい、私は何かいけない扉に手をかけた事に気づいた。

 

蛇のように私の体の上を滑っていくサリアの手。

頬を伝い、首を伝い、胸を伝って下へ下へと向かっていく。

伝いに伝っていったそれはお腹を優しくて一撫でし、最後に私の大事な所へ辿り着くと、僅かに湿った割れ目にその身を潜らせた。

 

「っぁあん!」

 

白魚のようなサリアの指が、濡れたそこを探るようになぞる。言い知れない異物感に不快感を覚えながらも、時折指がなぞっていくそこに快感を覚えしまい、体が跳ねてしまう。

 

いつの間にか私の腕を押さえていたサリアの手も僅かな膨らみしかない胸にあり、乳首を転がすように撫でていた。

 

手が早いなんてもんじゃないんだけど!

 

「しゃりあ!!やめへぇ!ん、んぁ!」

「んー?そう言っても、ナビィは良さそうだし、ね?」

「よくにゃい!じぇんぜんよくない!だかりゃぁ、っあああ!!」

 

耳を甘噛みされ、乳首をつねられ、指に秘部を擦られ、全身に痺れるような刺激が走った。

瞬間、頭が真っ白にになり、腰が大きく跳ね上がる。

 

意図しない自分の体の動きに混乱しながらも、何が起きたのか必死に考え、サリアにイカされた事実に気づく。

前世に引き続き今世に至るまで浮いた話なんてなかったけど、まさか妖精の体になって女の子に性の刺激を覚えさせられるとは思わなかった。

なんだろ、ショックが凄い。

 

「あ、もしかしてやり過ぎたかな。ナビィ大丈夫?」

「━━━う?りゃ、りゃひぃひょーぶ」

「あー、えー、ごめんね」

 

色々ショックでどうしたら良いか分からないけど、心配そうに覗き込んでくるサリアの顔を見ていると、なんだか笑えてきてしまう。

別に自棄になった訳じゃない。でもなんか可笑しくてしょうがないのだ。

 

クスクス笑う私にサリアが申し訳なさそうな顔で近づいてくる。

 

「ナビィ、あのね━━」

「ごめんね、サリア。心配かけて。何も教えなくて」

「━━━あ、うん。良いよもう、そんな事。私こそ意地悪して・・・ごめんね」

 

私はサリアの目を見る。

いつもリンクや私達を見守ってきた優しい瞳を。

 

「私、ね。いつになるか、まだ分からないけど、外にいくよ。リンクと」

「・・・うん」

「どれくらい大変な旅になるか分からない。どこまでいくのか分からない。でもね、いつになるか分からないけど、きっと会いに来るから」

「・・・うん」

「だから、ね、サリア。ずっと友達でいてくれる?」

 

そう言うと、サリアは目に涙を浮かべて笑ってくれた。

嬉しそうに、本当に嬉しそうに。

 

「当たり前でしょ。いつでも帰って来て。ちゃんと、リンクと一緒に」

「うん」

「いつまでも、待ってるから。ここで、待ってるから」

「うん」

「だから、頑張ってね。ずっと応援してるから」

 

私は大切な友達と抱き合って、その暖かさを体に刻んだ。見守っていてくれた友達の優しさと強さを、絶対に忘れてしまわないように。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

ミド「サリアー、サリアー」

 

サリア「━━━はっ?え、ああ、どうしたのミド」

 

 

ミド「いや、なんか掌見てぼーとしてるから、どうしたのかなぁって。リンクのせいか?」

 

サリア「なんでリンクなのよ。これはデクの━━━じゃなかった、貰った力を、ってこれも話しちゃ駄目だったわね。━━えっと違うわよ?その、ただね」

 

ミド「ただ?」

 

 

 

サリア「今度はチンコ貰いにいかないとなぁ、て」

 

ミド「何があっただんだサリア!?何処に何をしにいくつもりだ、サリアぁぁぁぁ!!」

 

サリア「どこって、デ━━━っと危ない危ない。ナ・イ・ショよ!またねーミドー!」

 

ミド「まてまてまて!早まるな!早まるなサリア!!よく分かんないけど、そっちにいったら駄目だ!駄目な人間になるから!━━━━━まってっつってんだろ、ごらぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デク「へっぷしょい。・・・あ?」

 

デク「え、なになに?エロ?エロの案件?おうし、ばっちこいやー。おじちゃん、頑張って応援しちゃうぞー」

 

 

リンク「一人で何言ってるの、デクの樹様」

 

デク「黙れ小僧!!(狼)」

 

 

 




次回予告

リンクさんのあれ、おっきする


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ちゅっちゅっしちゃう件と

サブタイトルに作者の頭の悪さが出とりますばい( ノД`)…


突然だが、皆はキスと言うものを知っているだろうか。

愛情表現の一種で、頬やおでこなどといった体の一部に唇を触れさせる行為の事である。

 

広義的にはそんな感じだが、きっと大半の人が唇と唇を合わせる行為を差す言葉であると思っている事だろう。

私もそう思っている一人だ。

 

ん?なぜそんな話をしたかって?

それはね━━━━

 

 

「ナビィ・・・」

 

 

MLK5。

 

 

マジで(M)、リンクに(L)、キスされる(K)、五秒前(5)だからだよ。

 

誰か教えて。

どうしてこうなった。

 

 

 

 

 

 

 

サリアとの一件があって以来、何処と無く体が火照ってるような気がする今日この頃。

 

人姿で寛いでいると、修練に励んでいた筈のリンクがエロ本片手にやってきた。

何か分からない事があったのかと思って尋ねると、ゴロン族が濃厚な接吻をかます挿し絵を見せられた。

一瞬高度な嫌がらせかと思ったが、リンクの真剣な顔つきでそうでない事を悟る。

 

「えっと、どうしたのリンク?」

「ナビィ、キスのやり方を教えて!」

 

おおう。

どストレートにきおったわ。こやつ。

さしもの私も狼狽えるしかない。

 

「あ、あのね、リンク。その、これからも分からない事があったら教えるよ?私が知ってる限り、ちゃんと。でもこれは別に━━━」

「生殖行動にはっ!キスも有効だって、書いてあるっ!円滑に進める為にも、無いよりはあった方が良いって!ここに!だから練習しないと!!」

「か、書いてはあるけど、でもね、そう言うのは初めは好きな人とかで━━━」

「大丈夫!オレ、ナビィのこと好きだから!!」

「そ、そういう事じゃないんだけどぉ・・・」

 

頑なにキスの教示を願ってくるリンク。

教えてあげたいのは山々なんだけど、そもそも私はキスとか知らないので教えられないのだ。

 

前世は女の子の手も握った事のない生粋の童貞。当然キスなんて夢のまた夢。都市伝説だと思ってたくらいだ。

今世も今世で、キスなんて縁も所縁もない妖精。妖精はキスしない。そんな文化ないのだ。

 

力にはなってあげたいけど、どうしたものか。

 

私はリンクからエロ本を預かり目を通してみる。

ふむふむ。ん、んんー。やっぱり実践練習が一番良いのかぁ。でもなぁ、経験なんてないし・・・。

あ、これ、かな。

 

「リンク、あのね。キスは教えられないけど、上手くなる練習には付き合うよ」

「え、・・・それってどういう事?」

「これっ」

 

突きだした私の指をリンクの目が見つめる。

あんまり見つめられると、指でも照れるんだけど。

 

「えーと、ね。この本によるとね、長いものを舐めると、その、舌使いが上手くなるんだって」

「舌使い?」

「き、キスするとき、その、なんていうかな。舌と舌を舐め・・・あったり、絡めたりするんだけど、それがね、舌使いが上手だと良いらしいんだって書いてあるの。だから、ね?」

 

そっとリンクの口許へ指を近づける。

 

「私の指を貸してあげるから、練習しよ?」

 

リンクは目をキラキラさせて凄い勢いで頷いた。

食いつき過ぎて、ちょっと怖い。

もしかして、早まった?

 

 

 

 

リンクのキス練習に付き合い始めて暫く。

時計という物がないから正確な時間は分からないけど、多分かれこれ1時間くらい。

リンクはまだ私の手を舐めていた。━━いや、それは正確じゃないな。途中から舐めるだけじゃなくて、しゃぶられたり甘噛みされたり、すっかり弄ばれている。

 

一生懸命指を食むリンクの姿に、あの日のサリアの意地悪が重なり火照ってしまう。

 

「ナビィ、どう?」

「え?」

「上手になったかな?」

 

正直言えば分からない。

擽ったいとは感じるけど、それが良いのか判断出来ないから。誉めた方が良いって事は間違いないけど・・・。

 

「━━━やっぱり駄目か」

 

掛ける言葉に悩んでいるとリンクは残念そうに座り込んだ。

 

「そんな事ないよ?結構上手になったと思うよ・・・」

「良いよ、無理して褒めてくれなくて。褒めて貰いたいからやってる訳じゃないし」

「あぅぅ。ごめんね、本当は分からなくて」

 

最初はからちゃんと説明しておけば良かった。

私に経験がない事とか、この練習がどれだけ効果があるか分からない事とか。そうしたらもう少しマシな結果になったかも知れないのに。

 

それにしてもこれの上達具合ってどうやって計れば良いんだろう・・・。こんなの、上手になった事なんてどうやっても調べられないんじゃ━━━━あ、そうだ。

 

それなら比べて見れば良いんだ。

 

「リンク、リンク」

「ん?なに、ナビィ」

「あのね、手を貸してくれる?」

「手?良いけど・・・」

 

すっと差し出された手はすっかり男の子の手だった。

木剣を振っていたせいで出来た剣タコや皮の厚い掌、修練でついた小さい擦り傷。

将来、この手がハイラルを救うんだと思うと胸が熱くなる。

 

━━━と、いけない、いけない。

話が脱線しちゃう所だった。

 

私は気持ちを切り替え、リンクの指を口に含んだ。

 

「ナビィ!?」

 

とっさに引き抜こうとするリンクの手を掴まえる。

今は引かれたら比べられない。

私はリンクの手を掴まえながら、リンクと同じように舌を這わせた。指を一本だけしゃぶったり、指と指の隙間を舐めたり、指と舌を絡ませたりした。

そうしてる内に段々と気持ちが昂ってきているのを感じる。これはリンクのじゃない。私の気持ちだ。

 

そっと顔をあげれば、頬を赤くさせたリンクの顔があった。恥ずかしいのかな?それは少し分かるよ。私もそう思ってたから。

 

リンクの手を頑張って舐めていると、今度は私の手がリンクに掴まった。何をするのかと視線を送ると、私と同じようにリンクが指を舐めてくる。ただ舐められている時とは違って、今度のそれは凄く刺激的だった。

頬が熱くなって、胸が熱くなって、お腹がジンジンと何かを求めている。なんだろう、でも、嫌じゃないかも。

 

「ひぃん、くぅ」

「━━っ、な、に、ナビィ?」

「ひゅび、やじゃない?」

「全然!凄く、良いよ!オレなんかより、ずっと!」

 

リンクは優しい。

そんなこと在るわけないのに、こうして褒めてくれようとする。

こうしてやってみて分かったんだけど、舐めるって一言でいってもとても難しい。私の舌が短いせいもあるかも知れないけど、全然リンクみたいに器用に舐められないのだ。それに一時間も舐めてた体力も凄い。私はきっと10分も持たないと思う。

 

でも、どうしてだろう。

リンクが嫌な気持ちになるかも知れないのに、全然上手く出来ないのに、直ぐにへばっちゃいそうなのに。

どうしてだろう。

 

ずっと、こうしていたいって思うのは。

 

「ナ、ナビィ?もう、良いよ分かったから。ありがとう」

 

 

違う、違うよリンク。

 

 

「ナビィ?」

 

 

 

私━━━

 

 

 

「━━しゅきぃ」

 

 

 

 

 

 

 

「━━━っ!」

 

 

 

 

 

 

ポフっと、私の体は柔らかい温もりに包まれた。

ポワポワとした頭で周囲へ目をやれば、見慣れた天井とリンクの顔が見える。

天井はいつもと同じように高いのに、どうしてだかリンクの顔が近い。リンクの吐息が顔に掛かる。汗の臭いとリンクの臭いが鼻を擽る。

 

「ぅ?」

 

近い、リンクの顔がずっと近い。

青い瞳に私の顔が映ってる。

なんだか不思議だ。

 

「ナビィ」

 

優しい声がする。

リンクの、私の大好きな声。

今度は耳が擽ったい。

 

「なぁに、りんく?」

 

そう返事を返せば、リンクは真剣な顔つきで口を開いた。

 

「オレも、ナビィが好き」

 

そっ、か。そうなのか。

ふふふ、やったぁ。

良かった、私もリンクの事が好きだから。

 

「だから、さ、ナビィ」

「ぅん?なぁに?」

 

リンクの掌が私の前髪を払った。

壊れ物を扱うように、そっと。

 

「キス、するよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?」

 

 

靄が掛かっていたような頭が急速に回転し始めた。

本能が何かを察知したのかも知れない。

草食動物が地平の彼方の肉食獣を見つけるように、一流の戦士が死角に迫る敵を察知したように。

 

本能が叫んでいるのだ。

禁断の導火線に火をつける寸前ではないかと。

 

少しずつ迫るリンクの顔。

キスするなんて言われてついつい唇を見てしまうが、それどころでは絶対ないので尚も考える。

 

MLK5、MLK5!!

 

どうしたら良い。何をしたら良い。

何をするのが正解で、何をするのが間違いなのか。

断ってもいいのか、駄目なのか。

そもそもキスして良いのか、リンクはきっとファーストキスな筈なのに。

 

ぐるぐると頭の中に考えが交差していく。

けれど、何を考えなくちゃいけないのかすら分からず、何も出来ないまま時間だけが過ぎていく。キスの広義とか考えてる時間ないのに。

 

落ち着け、私。

あれだ、言っても所詮キスだ。やって死ぬ訳ない。

愛情表現の一種だ、友達とか親にだってやる。可笑しくない。私にリンクがしたって━━━━

 

 

「ナビィ」

 

 

━━━可笑しくない。

 

 

「━━━ん」

「ん」

 

柔らかくて暖かい物が、唇に触れた。

リンク瞳が私を映す。きっと、私の瞳にも彼がいる。

ゆっくりと、リンクの顔がおりてきた。

 

「ん」

 

また触れた。

 

「ん」

 

━━また。

 

「ん」

 

━━━━━また。

 

「ん」

 

━━━━━━━また。

 

 

 

何度も何度も、リンクの啄むような優しいキスが続く。

ぎこちないリンクのキス。

さっきまで上手だったのが嘘みたいだ。

 

きっと、私と同じで緊張しているんだと思う。

だって、私の頬に添えられた手が、震えていたから。

 

もう、誤魔化せない。

胸の内に湧いた、この気持ちは。

 

子供だから。

相棒だから。

友達だから。

未来の勇者だから。

 

そう思おうと思ってたのに。

一緒にいるって決めてから、ずっとそうしようと思ってたのに。

ずるい。リンクはずるい。

 

 

リンクはこれから大人になる。

そうしたら、きっと今まで見えなかった事が見えてくる。楽しい事、好きなの事、なりたいもの、やりたい事。生まれたその気持ちは、きっとリンクを変えていく。今までのリンクじゃなくなる。

それは素敵な事。大事な事。リンクに私が望むこと。

 

でもね、それと同時に嫌な事でもある。

だってね、そうなったとき、私は側にいられないだろうから。

 

無理なんだよ。

きっと、出来ない。

 

私は妖精。

リンクと同じ時は生きられない。

 

原作のナビィがリンクから離れた気持ちが少しだけ分かった気がした。きっと、あのナビィもリンクが大好きだったんだ。

だから、一緒にいられなかったんだ。

 

百年を当たり前に生きる私と、百年をやっと生きるリンク。時間の感じ方の違う私達じゃ、リンクの沢山の幸せに足並みを揃えられない。リンクは優しいから、私に合わせようとしてくれる。でもそれは、普通を捨ててしまう事なんだ。

そんなの、きっと駄目だ。

 

好きな人を作って欲しい。

大切な家族を作って欲しい。

共に歩ける大切な人達を、沢山作って欲しい。

 

リンクがずっとリンクでいられる、そんな場所でずっと幸せにしてて欲しい。

 

 

 

 

「ナビィ」

 

いつまでも、続く訳じゃない。

期待なんてしちゃ駄目だ。

でも、その時が来るまで、この幸せを噛み締めさせて欲しい。

 

「ん」

 

リンクのキスは不器用で、でも優しくて。

される度、どんどん好きになってしまう。

変な薬でも使ってるのかもね、なんて。

 

 

「ナビィ、触ってもいい?」

 

 

何を、なんて聞かない。

リンクの言いたい事なんてずっと気づいてた。

でもその一線を越えてしまうと私は嘘がつけなくなるからって、ずっと止めて貰っていた。

でも、もう、それも止め。それでも良いんだ。

今だけは、私のリンクでいてくれるなら。もう、何も怖くない。何もいらない。

 

 

「いいよ、リンクの好きにして?」

 

 

いつか、約束を破ってしまう私を、許してリンク。

 




次回予告

ロリ子とショタ、やる

デュエルスタンバイ!


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初めてを経験する件

ちっちゃい子同士って、素敵やん?(紳士)


触ると言ったリンクだったけど、その手は中々動かなかった。私の頬を撫でる手はそのままで、空いた右手がフラフラと宙をさ迷っている。

 

どうも触る事じゃなくて、どこを触るか迷ってるみたいだった。好きにしてって言ったのに、リンクは私が嫌じゃない所を頑張って考えてくれてるみたい。いちいちこんな小さい事で、好きにさせないで欲しい。もう。

 

「リンク、大丈夫だよ。私、リンクならどこを触られても平気だから」

「う、うん。それじゃ、と、胸を触っていい?」

 

いちいち聞かなくても良いのに。

 

「良いけど・・・面白くないと思うよ?」

 

ほんの少しは膨らみはあるけど、胸と言えるような立派なものじゃない。え、あるの?なくね?いや、あるか・・・?とかいうレベルだ。これで良いのかなぁ。

 

「大人になった方がいい?」

「そ!そのまま!そのままが良い!」

「え、う、うん。分かった」

 

リンクが良いなら、それで良いけどさ。

リンクが触りやすいように服をまくりあげる。

視線が胸に集中してるのが分かって、凄く恥ずかしい。可笑しい、妖精なのに。これは仮の姿なのに。

 

リンクの手が胸に触れる。

そんなに慎重にって思うほど優しくゆっくり。

揉むのかなぁと思ってたけど、リンクは撫でるように触るだけ。それも何故か乳首だけは避けてるみたいだった。

 

「ん、んん」

 

乳首には触れないように、その回りをリンクの手がなぞってく。触られてる所が熱い。

 

「ひゃぅっ」

 

不意にリンクの指が乳首に触れた。

ほんの少し引っ掛かっただけなのに、触られた何処よりも熱く感じる。意識が、そこへと集中してしまう。

 

それを切っ掛けにリンクの指が少しずつ乳首に触れるようになっていった。最初はたまに擦るよう程度だったけど、次第に乳輪をなぞるようになって・・・。

 

「きゃぅ!んっ」

 

突起を摘ままれた瞬間、ゾクゾクするような快感と共に嬌声が漏れてしまう。焦らされていたせいか余計に感じてしまう。

 

それに気を良くしたのか、リンクの両手が手が胸に添えられた。それまで手付かずだった胸も同じように撫でられていく。

 

最初は少し擽ったかったけれど、今はその刺激は快感として私の肩を揺らしている。リンクに嬌声を聞かせるのが恥ずかしくて口許も押さえているけど、もしこの手をとったらどれだけ妄りな声をあげている事か。想像すると恥ずかしくて、それと同時にリンクがどんな顔をするか気になった。

 

「ナビィ、吸っても、いい?」

「ん、良いよ。きて、リンク」

 

口許を押さえていた手をはずし、リンクの顔を抱え込むようにそっと胸に抱き寄せる。

数瞬、リンクは迷ったようだったが、直ぐに私の小さな突起に口にくわえた。

 

「━━━っん、ふぁ、ん」

 

啄まれるように乳首が吸われる。

ゾクゾクとする刺激が胸に走るけど、快楽に身を任せる気にならなかった。一生懸命に胸に吸い付くリンクの姿が、いとおしくて堪らなくて暖かい気持ちになったから。

私がお母さんになる事はないけれど、もし子供が出来たらこんな気持ちになるんだろうか。知りたいなぁ、その気持ち。私にはきっと一生分からないから。

 

「ふへへ、りんくぅ」

 

そう言って撫でると、不服そうなリンクの目がこちらを見てきた。

 

なんだろうと思っていると、痛いくらい強く吸われた。

お世辞にも気持ちが良いとは言えないけど、リンクにそれだけ求められていると思うとそれも嬉しくなってしまう。でもいきなりなんでだろう?怒ったのかな?

 

そんな事を考えているとリンクの顔がまた寄ってきた。

 

「ん?なぁに?」

「少しは怒ってよ。なんか一人で馬鹿みたい」

「ん?んん?」

 

よく分からないけど、リンクは怒って欲しいみたい。

でもリンクを怒るのなんて、私に出来るかなぁ。

今までだって喧嘩もしたことないもんね。

 

「えっと、こらぁー」

「ああ!もう!ナビィの馬鹿!」

 

頑張って怒ってみたけど、お気に召さなかったみたい。

苦しいくらい抱き締められてしまう。

ポカポカする。気持ちいい。

 

暖かさに身を委ねていると、リンクにキスされた。

今度は唇じゃなくて頬っぺただ。

これも好きだ。

 

「えへへ」

 

思わず頬がにやけてしまう。

そんな私にリンクはキスの雨を降らせてくる。

頬っぺただけじゃなくておでこや鼻先、瞼とか目ともとか。もうするところがなくなったのか、今度は顔じゃない所にもキスされた。耳や首筋、胸元・・・なんか放って置くと全身やられそうだ。流石にそれはあれかなぁ。

 

「ねぇ、ナビィ」

「なぁに?」

「その・・・」

 

いい淀むリンクの視線の先を追うと、スボンの膨らみに目がいった。私で興奮したのかな。それは、なんていうか嬉しいんだけど・・・・・・その、早くないかい?

 

いや、こんな雰囲気になって、もう胸が一杯になるくらいイチャイチャしてる自覚はあるけどさ、でもさ、リンクはまだ子供なんだよ?そういう知識は教えたけど、体がついてこないと思うんだよね。そうだねよ?私、可笑しくないよね?あれぇ?

 

「えーと、その、するの?」

「ナビィが嫌なら、しない」

 

むぅ、そう言う言い方はずるい。

だってこれで私がOKしたら、私がエッチしたいみたいになる。リンクがしたいくせに。

それは、まぁ、確かに?嫌じゃないけどさ。でも、ね、こう言うのは男の子がリードするべきだと思うんだよね。ちょっと意地悪しちゃおう。

 

「今日は、しない」

 

そう言うとリンクが見るからにショックを受けた。

紅潮していた頬から赤みが抜けて、しょんぼりと項垂れてしまう。なんか垂れ下がった尻尾と犬耳が見える気がする。いや、幻覚だけど。

というか、どれだけしたかったの。

 

うう、どうしよう。普通に嬉しい。

こんなあからさまな態度で、なんでこんなんなんだろ。私は。色ボケ過ぎる。こんなに頭花畑だったのか、私。

 

しょんぼりしてるリンクの頭を撫でてあげる。

項垂れていた顔が少しあがり、リンクの上目使いの瞳が私を見つめる。

 

「うそ。いいよ、リンク」

「い、いいの?」

「いいよ。でも私初めてだから、上手く相手してあげられないかも知れないよ?」

「いいよ!それでいい!」

 

良かった。やっぱり面倒臭いって言われて断られたら、泣いちゃう自信があったからね。

 

あ、でも、今更だけど、こう言う時って女の子ってどうすれば良いんだろう・・・。服は自分で脱いだ方が良いのかな?でも前世の私は脱がせだがってたし。うーん。それに、い、いれやすいように、足も開いておいた方が良い・・・のかな?分からない。

 

「リンク」

「え、なにナビィ?」

「服は自分で脱いだ方が良い・・・よね?」

「おふっ」

 

鼻を押さえてリンクが天井を見上げた。

なんかプルプルしてる。

よく分かんないけど、大丈夫かな?

 

「調子悪い?今日は止めて━━━」

「大丈夫!!全然、いけるから!ちょっとだけ待ってて!!」

「う、うん」

 

リンクが深呼吸する事十回。

ようやく落ち着いたのか、リンクは私に向き直って服を触った。あ、やっぱり脱がしてみたかったんだ。

 

成されるがままリンクに脱がされ、産まれたままの姿になる。私の場合これは仮初めの体だから、産まれたままっていうのはなんか変だけど。

 

リンクは黙って私の体を見つめてくる。

舐めるようにって言葉を初めて体験した。

確かにこれは恥ずかしいかも。リンクだから嫌な気持ちにならないけど、知らない人だったら良い気はしないだろうなと思う。

 

「濡れてる・・・」

 

そっと呟かれた言葉の意味が分からなくて、思わず首を傾げてしまう。するとそんな私にリンクが手を伸ばしてきた。

 

「━━っひゃん」

 

リンクの指が股の隙間に潜り込んだ。

サリアの時より、ずっと気持ちのいい刺激に見悶える。

ゆっくりとなぞる指が、大事な隙間に潜る指が、言葉に出来ない程の快感を与えてくれるから。

 

快楽に身を委ねていると、不意にくちゅくちゅという、卑猥な音が鳴っている事に気づいた。視線を向ければ、そこにはリンクの掌とぐちゃぐちゃに濡れた割れ目が見えた。

 

リンクが何を指してさっきの言葉を言ったのか気づいた私は、血が沸騰するかのような羞恥に襲われた。

 

「━━っやぁ!りんくぅ!んぁ!」

 

リンクの手を止めようとしたが、鍛えられたリンクの力には歯がたたず、あっという間に両腕を頭の上で固定された。押さえる腕の力が強くて、少しだけ痛い。

 

リンクは私の手を捕まえながら、尚も股の割れ目を弄ってくる。耳に厭らしい音が聞こえてきて、恥ずかしくて仕方がない。でも、それと比例するようにお腹が熱くなって、そしてどんどん切なくなっていく。

 

「可愛い。ナビィ、凄く可愛いよ」

 

そう耳元で囁かれれば、電流が走ったように体がびくりと揺れてしまう。リンクの声は刺激が強すぎる。いつもはそんな事ないのに、こういう時のリンクの声は艶みたいなのがあって、腰が自然と跳ねてしまう。

 

「もしかして、ナビィ。こうされるの、好き?」

 

再び囁かれ、私の体はまた勝手に揺れてしまう。

リンクの楽しそうな顔が見える。

駄目だ、これは、意地悪される奴だ。

 

「ナビィ、ナビィ」

「っあ!ぃやっ、あ、ひゃめぇ!あああああ!!」

 

耳元で囁かれ指で弄られ、頭が真っ白になった。

沢山の気持ちがあって、でもそれは嫌な物じゃなくて、私はただ混乱し、どうにかして欲しくてリンクにすがるしかなかった。

 

「りんくぅ、もう、ひゃめぇひゃめにゃのぉ」

「凄いよ、ナビィ。あそこビチャビチャで、こんなにだらしない顔を見せてくれて、オレ我慢出来ないよ」

「ぅ?がまん?ひんく、がまんしてゆの?」

 

よく分からない。頭の中ぐちゃぐちゃで。リンクが何を言ってるのか分からない。

でも、どうにかしてあげたい。どうしたら良いんだろう。がまんってなんだろう。

私でリンクを助けてあげられないのかな。

 

「りんくぅ、どぅしたらいいの?わたひ、どうしてあげたらいい?」

「じゃぁお願い。オレの、受け止めて」

「うん、わかっら。きへ、りんく。なびぃ、うけとめゆかや」

「ありがとう、大事にするから。オレ、ナビィの事、大事にするから」

 

つぷっ。

 

股の隙間をぬって、何が私の中に入ってきた。

それは私の中にただ入ってきただけじゃなくて、沢山の刺激を連れてやってきた。

 

「ああぁぁぁぁ!!ぁぁ、あん、あ、ん!」

 

突き刺されたそれが穴の壁を擦る度、体中に快楽の電撃が走る。止めようのない快感。頭の中は更にぐちゃぐちゃになってしまう。

 

股間にある異物感。

私の体を貫くそれは、私の中の一番奥を何度もノックする。苦しいけど、嫌じゃない。そこをぐりぐりされる度、体が嬉しいって悲鳴をあげるから。

 

「ふぁ、ふぁぁん!あん、ああん、んあ!」

「凄い、ナビィの中、凄く気持ちいい。ナビィも気持ちいい?」

「あぅ!ぅ、うやぁ、ん!わかん、にゃい!こんにゃの、しやない!しやないもん!」

 

何が焼ききれてしまいそう。

体が熱くて、頭が熱くて、お腹熱くて。

どこもかしこも熱くて堪らない。

 

でも、一番熱いのはきっと・・・。

 

「ナビィ!ナビィ!オレ、いくよ!ナビィも、一緒に!」

「ひぃんく!ひぃんく!ひぃんく!」

 

打ち付けられる力が強くなる。

異物感が私の奥を叩く感覚が短くなっていく。

何かくる、そんな予感が頭を過る。

 

不意に、私の中にあったそれが大きくなったのが分かった。

 

パン、と今まで一番強く突きさされた異物感が私の奥を貫き、私の頭は真っ白になった。

 

 

 

 

 

 

意識が戻った時、息の荒いリンクに覆い被さられていた。まだリンクに突きさされたままで、股の間の異物感が凄い。

そして、私の奥、子宮だと思われる場所にある、火傷しそうな熱も凄い。

 

「りんく、でたの?」

「うん、ごめん」

 

精通までしてるなんて思わなかった。

相手が私だから良かったものの、他の人だったら下手したら妊娠してしまう。これは叱らないとだ。

 

まぁ、それもこれも、もう少し後にしようと思う。

今はこの暖かな余韻にひたっていたいから。

 

私はリンクの温もりを感じながら目を閉じた。

これが夢でないように、そう願って。

 

 

 

 




次回予告

リンクさん独白


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はぁい、オレリンク。相棒が出来るって聞いてたんだけど・・・。

読まなくても死なない回


リンク。

 

それはただ一人、コキリ族で妖精のいない子供の名前で、ボクの名前だった。

 

いつの頃だったかは覚えてないけど、ボクは自分の事を異物だと思った。

それは些細な事の積み重ねの末に気づいた事で、何よりも自信を持って言える事だった。

 

ボクの成長を喜ぶいつまでも変わらないサリアを見て、どうしてボクだけなんだって思っていた。

ボクは色んな種類の食べ物を食べなくちゃいけないのに、果物と水だけで平気に過ごすミドが不思議だった。

 

小さな積み重ねはいつしか大きくなっていって、気がつけばデクの樹様の所へやってきていた。

 

デクの樹様はボクが抱いていた疑問に一つ一つ答えてくれた。

 

デクの樹様がボクの本当の産みの親でないこと。

ボクの親はずっと前に怪我で死んでしまっていたこと。

ボクはコキリ族じゃなくて、ハイリア人という種族であること。

自由に森を歩けないのは、森にかかる呪いのせいであること。

いつの日か森を出なくてはいけないこと。

 

思い付く限り尋ねた。

些細な事と言われるような事も、沢山。

 

全部を聞き終った後、呆然とするボクにデクの樹様が聞いてきた。

 

「辛いか?」

 

たった一言だけ。

でも、それがあまりに優しくて、オレは涙が止まらなくなってしまった。泣いた。初めて泣いた。

どうしてって、思った。どうしてオレは皆と同じように生きられないんだって、そう思った。

悲しくて、辛くて、でも恨むなんて出来なくて。

ただただ、泣くしか出来なかった。

 

そんなボクにデクの樹様は言ってくれた。

 

「メソメソと煩いぞ、馬鹿息子。男なら泣くな」

 

今度は全然優しくない罵倒だった。

というか口調も大分若くなっていて、違和感が凄かった。でも、言われた言葉を頭の中で反芻し、息子と言ってくれた事に気づいた。

 

「ボク、ここの人間じゃないのに?」

「はぁん?ここの人間だろうが。お前、ここに住んでるだろ。肥料というなの住民税払っとるじゃろがい。なんだ、お前、せっかくくれてやった家に住んでねぇのか?まさか売ったとか?賃貸だよ、あれ。おいおいおい、お前な、人の親切をなんだと思ってんだよぉー。もう死ねよなぁー。もうあれだから、もう作ってやんねぇー。可愛いメイドさん連れてきて『デクにゃん、お願いにゃん』って言ってくんないと作ってやらねぇー」

「え?あの?え?」

「というかな、そもそもお前はオレの息子だ。血が繋がってなかろうが、もうそうなんだよ。勝手に止められると思うなよ?止めたかったら、今までの養育費全額払ってから弁護士たてて文句言いやがれ。つか養え、ボケ。分かったら、うぜぇからメソメソすんな男だろ」

 

ああ、駄目だ。きっとデクの樹様はボクの言葉を受け入れてくれない。余所者だっていう、ボクの言葉を。

また涙が溢れてきた。渇れていたと思ったのに、次から次へと、止まらない。

 

「うぇ、うぇぇぇ」

「けっ、また始めやがったか。泣き虫やめねぇーとモテねぇんだぞ。はぁ、たく、面倒臭ぇ」

 

 

 

 

それからオレは毎日デクの樹様の所へ通った。

ミドもついてきたがったけど、デクの樹様がリンク限定とお触れを出したからいつも一人で向かった。

 

あの日以来、デクの樹様はいつか旅立つオレの為に沢山の事を教えてくれた。戦い方、魔法力の使い方、旅の中で必要になる知識を。いや、まぁ、関係ない知識も貰ったけど。

 

時折、「はい、抜き打ちテストの時間ですよー」とか言ってデクの樹様の体の中にあるダンジョンに入れられモンスターと戦わされた。何度も死にかけたけど、本当のピンチになるとデクの樹様の不思議パワーで外に投げ飛ばされるので一応大丈夫だった。

 

 

 

そんなある日。

いつものようにデクの樹様の元へ訪れると、いつもより二割増しでイケメンなデクの樹様がそこにいた。

 

なんだろうと思って話し掛けると、「うむ」とか威厳のある言葉を使っていつもの二倍偉そうにしていた。

 

「えーと。どうしたの父さん?」

「黙れ小僧(狼)!ワシの事は畏怖を込めてデクの樹様と呼べぃ!!」

 

こうなるとデクの樹様はテコでも動かない。

下らない事この上ないけど、付き合わないと終わらないから「なに、デクの樹様」と言っておく。すると気を良くして「うむ」とかいって話をしだした。

 

 

 

 

「相棒?」

「そ、相棒。もうすぐ帰って来るんだよ、オレのダチの妖精が。それ、お前につけるから」

 

妖精をつけてくれるっていうのは嬉しいけど、いきなり過ぎて返す言葉が見つからない。

 

「あん?いらねぇのか?」

「いらない事ないよ。でもいいの?オレいつか外に行くのに」

「良いんだよ。それがあいつの役割なんだからよ。それにな、返品不可だぜあいつは」

「返品不可?」

「そっ。かれこれ十年くらいか?いや、もっとか?お前の相棒になるって、外で死ぬほど鍛えてるらしいからよ。最近、妖精なのにゲルド族と一戦交えたらしい。んで、引き分けたとか」

 

どうしよう。父さんがいつにもまして訳の分からない事言ってる。そもそも、オレが来る前から、オレの為に鍛えるとか意味が分からない。それに妖精なのにゲルド族に引き分けるって分からない。ゲルド族って確か腹筋バキバキのゴリラ女の集団なんだよね?それに引き分けるとか、え、怖い。

 

「父さん、色々訳分からないんだけど、一つだけ良い?」

「あ?あんだよ」

「その妖精、大丈夫?」

 

心配でそう尋ねると、父さんは馬鹿にするように笑って言った。

 

「たりめぇーだろ。オレのダチだぞ」

 

その顔は自信に満ちていて━━━

 

 

 

 

「たまに、うわぁって思う事するけど」

 

「大丈夫なんだよね!?」

 

━━━凄く心配だ。

 

 

 

 

 

それから暫くして、久しぶりにサリア達と遊び疲れて寝ていると「エレクトリックサンダースピントルネード」という必殺技で叩き起こされた。敵襲かと飛び起きれば、そこにいたのはフヨフヨと浮かぶ羽の生えた光の塊。

 

「初めまして、リンク。私ナビィ。これからよろしくね?」

 

ずっと欲しかった相棒、妖精がそこにいた。

 

「えへへ、びっくりした?びっくりしたよね?いえーい、ドッキリ大成功ー!やってみるもんだね!」

 

そう言って楽しげに飛び交うナビィ。

オレはその姿にちょっとした悪戯心が湧き、ほんの少しの間怒るふりをする事にした。

 

怒るふりといっても口を聞かないだけ。

撫でて欲しそうに近寄ってきたら撫でてあげたし、出来るだけ無視しないように構ってもあげた。

 

でも口を聞かないという一点で、ナビィは酷く狼狽えていた。口を閉ざしたオレにどうしらいいか分からないようで、「あぅぅ」とか「ふぇぇ」とか悲しげな声を漏らしながらオレの回りを飛び回り、それでも何かと世話をやこうと頑張っていた。

 

その姿があまりにも健気で可愛くて、もう少し意地悪してようかなと思ったけど、デクの樹様からの苦情の念話が届いて止める事にした。なんでも毎日のようにナビィから泣き言を聞かされたらしい。念話なのに寝不足気味なその声が可笑しくて思わず笑うと、それを見ていたナビィが「リンクが笑ったー」と大喜びで擦りついてきて、もう意地悪はしないであげようって、そう思った。

 

それからの日々はナビィがいつも一緒にいた。

沢山話して、一緒に遊んで、どこへ行くのも一緒で、同じ家で眠った。

世話好きのナビィはいつも何かしら世話を焼きたがったけど、オレは大抵の事は出来てしまうからあんまり頼る事はしなかった。そのせいでトイレに乗り込んできたときは、なにかやらせてあげようって本気で思った。

 

全部が思っていた通りではなかったけど、その日々はオレがずっと欲しかった家族のいる生活そのものだった。

 

デクの樹様━━━父さんはいたけど、父さんは木だし、それに父さんには森を守る大事な仕事があるからいつも一緒にはいられない。だから、距離の近いナビィは何にも代えがたい大切な家族になっていった。

 

 

 

楽しく過ごしていたある日、ナビィに突然コキリ族との事を尋ねられた。最初は分からなかったけど、それがオレを心配してかけられた物だって気づいて嬉しくなった。でもそれと同時に、森から離れるオレにナビィが付いてきてくれるのか心配になった。

父さんは大丈夫だって言ってくれたけど、本人の口から聞いた訳じゃない。だから恐る恐るそれを尋ねてみた。

 

「大丈夫。私はいつも一緒にいるよ」

 

それが返ってきたナビィの答えだった。

オレはそれが嬉しくて嬉しくて・・・・・寝る前に父さんへ感動の限りを伝える為に念じたら、『うぜぇ』と一言で一蹴された。

 

 

家族のいる日々は楽しい。

家族のいる日々は幸せだ。

 

 

オレは幸せの絶頂にいた。

 

 

 

 

と、思っていた。

 

 

 

「え、と、えっ?」

 

 

オレの前に突然現れた女の子。

ナビィがいたばしょに入れ替わるように現れた、その女の子はオレに笑いかけて言ってきた。

 

「ナビィだよ!えへへ。びっくりした?」

 

びっくりした。

だって、こんな事あるなんて思わなかったから。

だって、こんな━━━━

 

「ん?どうしたの、リンク?」

 

━━━可愛い子が相棒だったなんて。

 

 

 

 

どうしよう、父さん。

大切な家族が出来たと思ったら、その人を異性として好きになってしまったんだけども!!

 




次回予告

デクの樹様、メイドにかしずかれる。

byデクの樹様


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はぁい、オレデクの樹様。偉大なるゴッドファーザーなの!

ナビィが主人公だと、いつから錯覚していた!
byデクの樹様

読まなくても死なない回2


『父さん!!父さん!!助けて!!』

 

日向を浴びながらうたた寝しようとしてたら、馬鹿息子の声が聞こえてきた。

正直面倒臭いから無視しようかなぁと、思ったがあまりにも必死に呼び掛けてくるから思わず「あんだよ」と返事してしまい本当の面倒がやってきた。

 

『ナビィが、ナビィが可愛いんだけど!!!!』

 

殺してやろうかな?

本気で殺意が湧いた。

 

オレは聖人君子ではない。そりゃ、無闇矢鱈に毒を撒き散らすつもりもないけど、だからと言って救いの神になるなんて真っ平だ。そういうのは前世だけで十分。何回世界救ったと思ってんだ、かったりぃ。

 

「うるっせぇんだよ、クソガキ。ペット自慢か、こら。のろけんなら他所でやれ」

『で、でも!オレ知らなくって!』

「あぁん!?何がどう知れねぇんだよ、面倒臭ぇ!用件を言え用件を!オレのお昼寝タイムを邪魔した罪は重いぞこら。くっだんねぇ話だったら、削いでやっからな!!」

『ナビィが人になれるなんて知らなくて!オレ、ナビィの事、好きになっちゃったんだけど!!どうしたらいいの!?』

 

OH・・・。

おいおいおい。ダチ公、何してんのお前。

子供に何をしたの?え、えろ?エロしたの?

ずるい。オレも混ぜて欲しかった。

 

━━━いや、やっぱいいや。よくよく考えたら今は兎も角、前世男やんあいつ。オレは精神的ホモも許さない、真のフェミニトだから無理だわ。ホモは消毒だヒャッハーーー!!男の娘~~?それも消毒だぁーー!

 

まぁ、それよりも問題はリンクか。

好いた惚れたに関わると碌な事にならねぇから、上手い具合にすかして聞かねぇと。なんか飛んでくる念話がピンク色でヤバイからな。なんだこれ。こんなん出来んだ、念話って。

 

「さきに一つだけ確認しとくぞ」

『う、うん!父さん!』

「人の時だけ?お前の好きなの」

『え、えと、ね。最初はそうだったんだけど、でもその、妖精の姿の時も可愛くて見えてきたっていうか、いや、元から可愛いとは思ってたけど、その・・・』

 

どうしよう、ほんまもんやないですか。

オレはなんて業の深いもん作っちまったんだ・・・。

やっぱり年端もいかねぇ子供にセックスのやり方ぶちこんだり、女のこましかた教えたり、性癖の数々を語って聞かせたりすんのは早かったか。どうしよ。話し相手が欲しかっただけで、そんなつもりは無かったのに。え?本当だよ?リンクのおこぼれを貰おうとか、そんな気なかったよ?樹だけに。

 

いや、でも、まぁ、良いか。

性癖ってひとそれぞれだし。

それに相手はあのダチ公だし。

なんか上手くやってくれんだろ。

 

「健闘を祈る!」

『父さん!そんな事言わないで協力してよ!!じゃないと、オレに変な事教えたのナビィに言うからね!!』

「父さんに任せんしゃい!!街に繰り出したら二百人くらい落とせる、立派なジゴロに育ててやるぜぇ!!」

『父さんのそういう所、オレ好きだよ』

 

すまんダチ公。

逝ってくれ。

 

 

 

 

 

 

それから暫く寝る前にリンクにエロ講座を開く事になった。と言っても実践経験のないオレにまともな事を教えられる訳もなく、ほとんどエロ本からの流用だったりする。

教えながらこれはあかんと思ってたけど、他に出来る事もないから仕方ない。

 

そんな風に半分諦めて過ごしていると、不意に集落の方ならただならぬエロの波動を感じた。あまりに強大なエロの波動に、あるはずのない息子がおっきする感覚にとらわれ叫んでしまう。

 

「━━━━!!集落の方で、ただならぬエロの気配を感じる!!わしも混ぜてぇぇぇぇぇ!!」

 

だが、その叫びは虚しく空に吸い込まれる。

なにもエロれない。悲しい、凹む。 

 

少し落ち込んでから、あのエロの波動がなんだったのか考えた。最初に思い付いたのはサリア達女の子ズの事だったが、すぐにないなと思いその考えを捨てる。

だってあいつら、性欲どころか恋愛感情とかないんだぜ。おまんこも存在しないし。そもそも生殖器がないんだよなぁ。

一度エロエロな娘にしてやろうかと教育しようとした事があったんだが、あえなく失敗に終った。だって責める為の物が無いんだもん。乳首もないんだよ、あいつら。あるのは尻の穴だけ。無理だよ、オレアナル趣味はないもん。

 

男達も同様、性欲なんて欠片もない。

 

なら誰か。

 

 

 

 

ナビィぇ。

 

 

「やっちまったなぁ」

 

 

ダチ公のあられもない姿を想像し、罪悪感に襲われた。

そして少しだけ興奮した。えっちぃ、良いよね。

そして後でからかおうと思った。

 

 

 

 

少ししたら興奮した様子のリンクから『やったよ父さん』と感謝の言葉を頂いた。以前適当に教えた『女子大生家庭教師をショタ子が貪るたった一つの冴えた方法』略して『ショタ冴え』というふざけたエロ漫画で、初めてショタ子と女子大生家庭教師がエロな雰囲気になった「おまんことお尻の穴って何が違うんですか、教えて先生!」をそのままやったらしい。

 

ナビィの馬鹿。そんな、見え透いた罠に掛からないでよ。罪悪感が凄いじゃないか。

あと、このたったオチンチンどうしてくれるよ!!貴女が抜いてよね!もう!

 

上手くいって味をしめたのか、リンクは『ショタ冴え』の続きを聞いてきた。あくまでフィクションのお話なので、このまま実行していって成功するかは怪しい。いくらナビィが流されやすいアホ子だったとしても、元はまともな思考を持った人間。羞恥とかは人並みにあると思うから、それを刺激し過ぎるのは逆効果な場合もある。人にもよるけど。

 

けれどまぁ、リンクがその話ばかり聞いてくるから仕方ない。

 

 

 

それから暫くして、オレの懸念は見事に当たった。

 

やり過ぎてナビィに泣かれたらしい。

ザマァ。

 

オレを差し置いて一人でエロを嗜もうとするからそうなるのだ。若さゆえの暴走だろうが、オレを差し置いた奴の責任だ。エロの報告を出来ないリンクに用はない。

その日は恨み言をいうリンクの念話を完全遮断して寝た。エロの夢を見た。

 

 

 

 

「デクの樹様。以前教えてくれた事、復習したいから付き合って下さい。付き合ってくれなかったら、ナビィに話します」

 

そうサリアに脅された。

ナビィに話すとか、止めて。あの子絶対怒るもん。枝葉が削がれちゃう、大事な枝葉が削がれちゃうから。

でもな、ここで教えたらオレの罪、もっと凄い事になるし・・・。

 

「リンクに変な事教えたの、デクの樹様ですよね」

「フォーフォフォフォ。サリアよ、勿論喜んで教え直すとしよう。一刻の間、人を発情させる魔法も授けようぞ」

「ありがとう、デクの樹様」

 

すまん、ナビィ。

オレは無力だ。

 

 

 

・・・・いやぁ、女の子同士とか、たまらんな。

 

 

 

 

 

 

それからリンクを呼び出してダンジョンに挑ませたり、愚痴を聞いてやったり、四十八手を伝授したり、リンクの留守を狙ったサリアとナビィのエロ波動を感じ取ったり、サリアにチンコつけろって言われたり色々あった。

 

リンクは嫌がられたのが尾を引いたのか中々奥手になってしまっていて進展は中々無かった。端からみると完全に両思いなんだから、多少強引でも一発やれば墜ちるだろうと思って心配はなかったけど。

 

ナビィはナビィで、使命だとか種族だとか気にして素直になれないようだった。どうせリンクが本気を出せば受け身になるだろうから、無駄な抵抗でしかないけど。

まったく基本アホ子なのに、こういう時ばかり臆病で残念なダチ公だ。

 

 

 

けど、そんな馬鹿達を心配すんのも今日で終わりだ。

 

空に立ち上った強大なエロ波動。

きっとリンクとナビィがイタしたんだろう。

ちゃんと出来たか分からないが、熱いパトスが心配ないと教えてくれる。

 

「はぁ、世話のかかる奴等だぜ」

 

前世の記憶を思い出してから今日まで、オレは全力で生きた。木だから出来る事は限られていたけど、やりたい事はやり尽くしてきた。

 

後悔の無いように。

 

オレは体内に感じる奴の気配に集中する。

もうじきオレの力では抑えられないようになるだろう。体力が残ってる内に、次を準備する必要がある。

 

「はぁ、ガラじゃねえんだよなぁ」

 

前世のオレはもっと自分中心的な奴だった。

自分がよければ他なんてどうでも良い。

そういう奴だった。

親に当たり散らしたり、画面の向こう側にいる見たこともない奴を罵倒したり、ほんと録でもない奴だった。

 

だから、いつも一人ぼっちだった。別にそれを寂しいと思った事はなかったけど、でも、死ぬその時くらい誰かに看取られたいと思ってもしまった。

我が儘だなぁと我ながら思うが、そう思ってしまったのだから仕方ない。

 

だから今世で記憶が甦った時、やり直そうと思った。

せめて看取ってくれる人が出来るようにと。

 

でもすぐに疲れた。

だって話し方重いんだもん。

ないわ。世間話すらまともに出来ない、ジジイの話方って辛いわ。

 

そして不意に漏らした愚痴。

でもそれがオレの始まりだった。

 

「何言ってんだよ、あんた。情けないわ」

 

ノーパンしゃぶしゃぶに言葉が返ってきた。

 

視線を向ければ一匹の妖精がいた。

いまだ相棒が決まらない、妖精ナビィが。

 

「おまっ、え、まさか前世の記憶とかねぇ?」

 

言葉が崩れてるのも気にしないで話し掛けた。

何故だか心が踊るような気持ちになった。

 

「え?記憶・・・あ、まって、何か思い出せそう。なんだってけ、あれ?リア充・・・爆発・・・ざまぁ・・・めしうま」

「なんて単語思い出してんだよ、流石に草生えるわ」

 

口にされた単語で、何となくオレと同じ臭いを感じ、サブカル好きなら知ってそうな言葉を探して口にする。

 

「こほん・・・対化物戦闘用13mm拳銃『ジャッカル』。今までの454カスール改造弾使用ではなく、初の専用弾使用銃です。全長39cm、重量16kg、装弾数6発、もはや人類では扱えない代物です。専用弾、13mm炸裂徹鋼弾」

 

枝葉の一つを銃に見立てナビィの前につきだす。

するとじっとナビィの目がオレを見つめてきた。

そして、口にした。

 

「弾殻は?」

 

オレは思い出しながら続きを口にする。

 

「純銀製、マケドニウム加工弾殻」

「装薬は?」

「マーベルス化学薬筒、NNA9」

「弾頭は?炸薬式か?水銀か?」

「法儀式済み、水銀弾頭でございます」

 

「パーフェクトだ、ウォルター」

「感謝の極み」

 

どちらともなく笑った。

 

「マニアック過ぎるわっ!!よく言えたな!?」

「うるっせぇよ!でもお前だって答えきったじゃねぇーか!おたくぅ!おっ、たっ、くぅ!!」

「うぜぇぇぇーーー!!デクの樹様ってこんな奴だったのかよ!初めてあんた見た時の感動返せ!!」

「感動したっ!(迫真)」

「ふるっ!いつの物真似だよ!!てか、お前が感動してどうすんだよ!?」

 

やっぱりこいつはオレと同じだ。

前世の話をして、趣味の話をして、この世界の話をして、オレたちは沢山の時を過ごした。

そしていつしか、オレはナビィを友達だと思うようになっていた。

 

ナビィと友達になってから、オレの回りは少しずつ人が増えていった。サリア達はよく様子を見にきてくれるようになったし、ミドは供え物を持ってきてくれた。他のコキリ族も何かとオレの元にきて、色々な話をしてくれた。

 

それは少し鬱陶しくあったが、楽しくもあった。

 

そして思った。

前世のオレは、ずっと寂しかったんだって。

気づかないようにしてたんだ。頑張れなかったから。

分からないふりをしていたんだ。耐えられないから。

オレは生まれ変わって、沢山の人に囲まれて、大切な家族が出来て、大事な友達が出来て、今更オレの事を知った。あの狭い部屋の中で、オレが何が欲しくて、どうなりたかったのか。

 

 

沢山、この世界にきてから大切が増えた。

前は何とも思わなかったのに、今は死ぬのが怖くてしょうがない。

でも、決めた事だ。オレが。

 

逃げる気になれば、逃げられた。

何もかも失う覚悟があれば、いつでも。

そうしなかったのは、オレがオレの命より、あいつらを大事だと思ったからだ。

森なんてどうでも良いけど、そこに暮らすオレのガキ共が必要とするなら幾らでも頑張ってやれる。

大事な馬鹿息子と、オレに世界をくれた友達の明るい未来を作る為なら幾らでも頑張ってやれる。

 

 

「さぁてと、あと一晩だけだ。頑張れよ、オレの体。今夜だけは、あのバカップルの為に時間をくれてやらねぇとな。はぁ、たくよ、はぜろ」

 

来世にワンちゃんダイブする為。

善行をつんでハーレムチャンスを掴めむ為。

 

オレは最後の夜に挑んだ。

 




次回予告

ゴーマ、リンクさんに絡まれる


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はぁい、私ナビィ。旅立ちの日がきたの!

えろが、ない。えろが・・・がはっ


リンクと熱い夜を過ごした翌日。

デクの樹様に呼び出されて彼の元にいくと、今にも死にそうなデクの樹様がそこにいた。

 

最初は何をふざけているのかと思ったけど、原作を思い出してまさかと思った。

 

そう、デクの樹様は原作で亡くなっているのだ。

悪しき者からの呪いを受けて。

 

「どうして!?」

 

デクの樹様の力は凄い。

馬鹿みたいな言い方かも知れないけど、これほど的確に彼の凄さを示す言葉もない。何せコキリ族という命を産み出す事も出来れば、森全体を結界を張りながら恵みを与える程の力を持っているのだ。本気になればガノンドロフだって退けられるかも知れない。

 

そんな彼が、未来を知っていた彼が、何もせずにこんな事になるなんて考えられなかった。

対策を立てない訳がないのに。

 

呆然としているとリンクが前に歩み出た。

 

「おう、クソガキ。随分とおっとこ前になりやがったな。なんだ脱童貞すると、そんなんなんのか?」

「そんな事ないと思うけど・・・どうだろ、よく分かんないな」

「なんだ、この、リアルな感じ・・・敗北感がすげぇ。きぃー悔しくないんだからぁー!」

 

「えぇ!?」

 

なに、このやり取り?!

前世全開の私とデクの樹様みたいな感じなんだけど!?

もっとしんみりとした感じで話してたんじゃないの!?この二人って!

 

「あ、ナビィが驚いてる」

「マジだ。つか、今更だお」

 

「ちょっ!!」

 

私は割りと本気でデクの樹様の顔面に突撃した。

 

「ちょっ、どういう事?!なんでこんな感じになってるの!?」

「えぇぇぇ、そんなこつ言われても、おいどん分からんたい」

「エセ博多弁つかうな、うっと惜しい!!」

「へい、へい。スマソ。お前が帰る前からこんなんだよ。残念だったな、お前のリンクは既にオレ色に染まっている。フハハハ」

「デクの樹様!」

 

なんて事してくれるんだ、この男!!

リンクが真っ直ぐ育たなかったら、どうしてくれるんだ!デクの樹様がどれだけリンクの人格に影響与えるか、分からない筈もないのに━━━!!

━━━って、え、まって、え、もしかして・・・。

 

じっとデクの樹様の目を見つめる。

デクの樹様はそんな私に舌をだしてウインクしてきた。

 

「女の子の神秘は、ぼくが教えました。てへぺろ」

 

私は人の姿になり━━━━ドラゴンインストールした。

 

「うぉぉぉぉ!?どうどう!まてまて!本当にま て!!死んじゃうから!そんなの喰らったら死んじゃうから!!てか、本当に使えたのかよ!?」

「いざとなったら、リンクの代わりに倒そうと思ってたから。アレを持ってる以上、これくらいないと、いけないと思って・・・」

「過剰過ぎるわ!!何殺しにいくの!?てか、どうやって身に付けたの!?」

「五年くらい頑張ったら出来た」

「出来てたまるか!!」

 

喚くデクの樹様に止めを刺そうと拳を振り上げたけど、リンクに止められてしまう。

目線でこいつを消すって伝えたけど、首を横に振られてしまった。むぅ。リンクがそう言うなら・・・。

 

そんな私をデクの樹様がニヤニヤしながら見ていた。

滅茶苦茶むかつく。なんだあれ、本当むかつく。

 

「さてと、あんま時間もねぇ。リンク、お前に頼みたい事がある。いいな?」

 

飄々とした話し方は変わらないのに、先程までの楽しげな雰囲気が無くなった。

 

「うん、父さん」

「リンク、行くなって教えた部屋があったろ。覚えてるな?」

「うん、覚えてる」

「そこにな、家賃も払わねぇでいついてる大ボケ野郎がいる。卒業試験だ、ぶち回してこい」

 

リンクはデクの樹様の言葉に頷くと、当然のようにダンジョンの入り口へと向かった。

私は急な展開に混乱しながらもリンクの相棒としてついていこうとしたが、伸びてきた枝葉に止められた。

 

「えっ、デクの樹様?いけないんだけど」

「お前はいくな」

「はっ!?なんでっ!私は━━━」

「これは、あいつの戦いだ。邪魔すんな」

「邪魔なんてっ━━━!!」

 

そう思ったけど、私にも心当たりがあった。

リンク為に身に付けたの技術の数々。果たして私はこれを使わないでいられるだろうか?ううん、きっと出来ない。些細な危機でも、きっと私は身に付けたそれを使ってしまう。

私はリンクを素直に見守れる自信がない。

 

デクの樹様に言われた言葉に反論出来ないでいると、リンクが振り返りにっと笑って見せてきた。

 

「大丈夫!少し待ってて、ナビィ」

 

自信に満ちたその顔に僅かに安心感を覚えたけど、やっぱり素直に頷けない。そんな私に見かねてデクの樹様が私のデコにデクの実をぶつけてきた。

結構な勢いがあって、めちゃ痛い。

 

「惚れた男だろ。ちったぁ信じてやれ」

「デクの樹様ってそういうキャラじゃないでしょ」

「うっせぇ。人間死ぬ前とオナニーした後は、賢者になるもんなんだよ。オレが育てて、お前が鍛えた。それは信用にたるもんじゃねぇのか?」

 

ううん、間違ってない。間違ってるのは私の方だ。

これから一緒に旅にでるのに、その相棒の力を信じないなんて間違ってるよね。大丈夫。だってずっと見てきたから。あの子が頑張る姿を。

 

「リンク・・・うん、わかった。待ってる」

「うん、行ってくる!」

 

コキリの剣を片手にデクの盾を身に付けたリンクはデクの樹様のダンジョンへと消えていった。

 

リンクがいなくなって、私はデクの樹様の顔面にパンチしておいた。リンクに余計な事を教えた罰と、こんな結末を選んだ事への報復だ。

デクの樹様は「いってぇな」と文句は言ったが、私の攻撃を抵抗もなく受ける所を見ると、それがふざけてやった結果でない事だけは分かった。

 

どうして、と聞きたかった。

選べた筈だから。

こんな事にならないで、上手く出来る方法を。

 

でも言えなかった。

命を懸けて、友達が選んだのが、この結果なのだから。

 

「文句、言っても良いぞ」

「言わないよ。デクの樹様はエロで馬鹿だけど、アホじゃない。ちゃんと選んだんでしょ?」

「まぁな」

 

はぁ、と大きく溜息をついたデクの樹様は続ける。

 

「仕方無かったんだよ。下手に抵抗しねぇ方が時間稼げたんだからよ。呪いに抵抗する事は出来たけどよ、そうしたらあいつが本気で攻めてくる。結界があるとは言え、本気で攻められたら一たまりもねぇからな。あのボケカス、力のトライフォース選ばれるだけあって馬鹿みてぇにつえーんだ。ガチンコじゃまず勝てねぇよ、なにあれ」

「それじゃぁ」

「ああ。トライフォースの資格者な奴ぶっとばせるのは、同じようにトライフォースに選ばれる勇者だけだ。今その可能性があんのはリンクと」

「ゼルダ姫」

 

原作でもデクの樹様は『神に選ばれし姫』つまりゼルダ姫を探せと言っている。どうして森に留まり続けるデクの樹様が彼女の存在に気づいたか分からないが、デクの樹様が気づいた程の何かが彼女にあるという事だ。

 

「ま、そういうこった。ここまで分かってんなら、あいつが覚醒出来るように、ちゃんと支えんだぞ」

「言われなくても、そうするよ。私はその為に強くなったんだから」

 

私の言葉にデクの樹様が笑い声をあげた。

 

「にしても草過ぎるわ!本当に、どんだけ強くなってんだよ!人間は勿論、妖精だからってドラゴンインストール覚えていい道理はねぇぞ?」

「うるっさいなぁ!良いでしょ!別に!それに、他のと比べたらまだマシだし」

「他って・・・まさかお前、怒りで金髪になったりしねぇよな?」

「し、しないよ、それは」

「似たような事は出来んだな、ひくわ」

 

伝説のあれにはなれないけど、じゅうべぇだぁーくらいは出来てしまう。というか、ドラゴンインストールが正にそれだしね。

 

「まぁ、なんでも良いわ。あ、ナビィ」

「ん?なに」

「好きに生きろよ」

 

デクの樹様らしくない、澄んだ言葉。

偽りのない、心からの言葉。

私は思わず唇を噛み締めた。

 

「お前は色々とゴチャゴチャ考え過ぎだ。もっと素直になれ」

「・・・わかってる」

「分かってねぇよ。全然な。オレは好きに生きたぞ。この世界はゲームみたいだけど、ゲームじゃねぇ。皆生きてる。なら、原作通りやったって絶対はねぇ。━━━だから、オレはオレの守りたいもんの為にやれる事はやりつくしたぞ。後は撒いた種が芽吹くのを待つだけだ。もっとも、それを見ることは叶いそうもねぇけどな」

 

そうカラカラと笑うデクの樹様はいつも通りなのに、酷く寂しそうに見えた。辛いのだと思う。怖いのだと思う。でも彼は泣き言一つ言わず、これからも生きる仲間を思って笑う。

 

どれだけの決意で、彼は死ぬことを選んだんだろうか。

凄いなって、そう思う。

私にはきっと、マネ出来ないから。

 

「━━━と、しんみりしちまったな。わりぃ、わりぃ」

「ううん、いいよ」

「話長くなっちまったけどよ。ようはさ、幸せになって貰いてーんだよ、お前には」

「私に?」

「そうだよ、私様。・・・ガラじゃねぇけどさ、友達には幸せになって貰いてーんだよ」

「━━━ふふ、そっかぁ。私も、デクの樹様には幸せになって欲しかったかなぁ」

「おう?可愛い事言うようになったなぁ。すっかり雌堕ちかよ。だが、残念だったな━━━」

 

 

地面が大きく揺れた。

デクの樹様の沢山の枝葉がその身を震わせ、葉の擦れ会う大合唱が鳴り響く。

 

そして光の柱が落ちてきた。

神々しいまでの光の中心には、私の大好きな人の姿があった。

 

「ナビィ!」

 

満面の笑みを浮かべ手を振る彼に私は手を振り返す。

 

そしてデクの樹様は光に包まれる彼を見て笑う。

 

 

「━━━━オレはもうずっと、幸せだからよ」

 

 

そう幸せそうに笑う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小鳥の囀りを聞きながらバッグの中身を確認していると、リンクが徐に私に抱きついてきた。

 

「もぅ、準備の邪魔しないで」

「ごめん、後ろ姿が可愛いくてつい」

「むぅ、また、そんな事言って・・・誤魔化されないからね」

 

リンクの手を払いたくはない。

出来ればずっとこうしていたい。

でも、そういう訳にはいかない。

 

森の精霊石をリンクが持っている以上、それを狙っているガノンドロフがいつ来ても可笑しくない。

デクの樹様という強大な守りがなくなった以上、ここに止まるのは愚策でしかない。

 

精霊石を守る為にも、コキリ族や森を守る為にも、私達自身を守る為にも、ここを離れた方が良いのだ。

 

私はリンクの手を握り締めてから、そっと離させた。

 

「リンク、頑張ろう」

「うん、任せて。」

 

荷物を担いだ私は住み慣れた家を出た。

リンクと一緒に。

 

 

 

 

 

 

森の出口へと繋がる橋の所にやってくると、原作通りサリアが待っていた。

サリアは私達に笑いかけ、手を振った。

 

「色々言いたい事はあるけど、もう沢山話したしね」

 

サリアは私を見つめる。

 

「ナビィ。辛くなったらいつでも帰って来て良いからね。ここは貴女の故郷なんだから。誰が何を言ったって、ナビィはわたしの友達で、いつでも一番の味方なんだから、ね」

「うん、ありがとう、サリア」

 

うんうんと頷いたサリアはリンクを見る。

 

「ナビィの事よろしくね。泣かせたら、わたしが貰っちゃうんだから」

「絶対に渡さない」

「泣かせないとは言わないのね。まったくもう。意地悪し過ぎないのよ?」

「うん」

 

原作感ゼロかよ。

うわぁぁぁぁ、これは、うわぁぁぁぁ。

デクの樹様のせいだ、絶対そうだ。リンクに変な事教えるからこんな・・・何が好きに生きたぞ、だよ!その結果がこの混沌を産み出しているんだよ?!私の話しかしないとか、絶対に可笑しいよぉぉ!

 

あの男、死ぬ前に殴っておけば良かった・・・。

 

「またナビィが自分の世界にいってるわね」

「そういう所も可愛いんだけどね」

「のろけないでよ」

 

それからリンクはサリアからオカリナを貰い、私はサリアから髪飾りを貰った。オカリナは原作通り。髪飾りの方は特別な力で作った物らしく、妖精に戻っても外れたりしない凄い物だった。

 

最初に聞いた時、小さな妖精状態の私の体にデカデカと張り付く髪飾りを想像して、本気でいらないと思ったのは内緒だ。

実際は光の粒子になって体の周囲をキラキラしてるだけだった。

 

「それじゃ、リンク、ナビィ!!元気でね!!」

 

サリアに見送られて私達は森の外へと向かった。

私は数年ぶり。リンクは初めての森の外だ。

 

リンクは私の手を握りながらこちらを見てきた。

何を言うのか待っていると、不意に口を開いた。

 

「離さないからね」

 

私は繋がった手を見つめ、頷いた。

一緒にいる、そう約束したから。

いつか別れの日が来るまで、絶対に離したりはしない。

 

「行ってきます。デクの樹様」

 

沢山の思い出が残る森を背に、私達は長い冒険の第一歩を踏み出した。

ハイラルを救う長い冒険の第一歩を。

 

 

 

 

 

そして、間違いなくその一歩は、私の肉便器への道を加速させる一歩だったりしたのだが・・・あの時の私は何も知らなかった。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

ボス部屋

 

 

ゴーマ「~~~♪」

 

 

扉どーん。

 

 

ゴーマ「━━━!」

 

 

リンクさん「━━━あ、いた」ゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

ゴーマ「・・・!・・・━━━━・・・・!?!?」

 

 

リンクさん「父さんから頼まれてるんだ。さぁ、やろっか。折角だから父さんの枝で、ね」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

 

 

 

ゴーマ「・・・・オワタ」

 

 

 

 

ボス討伐タイム5秒。

 

使用武器、デクの棒、パチンコ

使用必殺技、ジャンプ斬りというなの一の太刀

 




次回予告

おそとで


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野外でしちゃう件

エロが━━っ、エロが書きたい━━っです!!


旅に出てから一日目の夜。

私達はハイラル平原で野宿していた。

 

夜の平原はモンスターが出る為、夜営は勧められたものではない。出来る事なら人里まで頑張った方が良いのだけれど、原作と違って平原は馬鹿みたいに広い。一晩歩き通したってロンロン牧場にすら辿りつけない距離があるのだから、下手に歩くより適当な場所を見つけて野宿するほうがよっぽど安全なのだ。

 

そんな訳でモンスターよけの香木を入れた焚き火を囲い、リンクと初めての野宿である。

 

焚き火に水をいれた鍋をかけながら、私は持ってきた荷物の中から干し肉と芋、少しばかりの根菜を取り出す。見張りしてくれているリンクの代わりにご飯を作るのである。

 

私はご飯を食べないでも平気だが、リンクはそうもいかない。強くなったとはいえリンクはまだ子供。成長期にご飯をちゃんと食べないのは駄目だし、十全な戦いをする為にもエネルギー源となる食事は欠かせない。

 

魔法力で水をつくり芋や根菜を軽く洗う。安全の為にもしっかり洗いたい所だが、魔法力も水も無駄使いするべきでないから仕方ない。

水気を軽くきった後は芋の芽を取りながら、根菜はそのまま皮を剥く。うん、綺麗に出来た。

リンクはゴロゴロしたままのお芋さんが好きだけど、いつ何時モンスターが現れるかもしれない平原なのを考えると時間の掛かる丸煮はやるべきではない。なので根菜と同様に一口サイズで切って鍋に入れる。まぁ、お芋さんは出来るだけ大きくはしたけど。

十分に煮えてきたら干し肉を適当に削ぎ入れ、干し肉が少しふやけるまで灰汁抜きして待つ。

最後に岩塩と香草を添えて一煮立ちしたら出来上がりだ。

 

本当はもっとバランスのとれた栄養のある物を食べさせたいけど、旅という過酷な環境でそれは贅沢というもの。我慢だ。本当はちゃんと下処理して、灰汁ももっとちゃんと、味付けだって・・・いやいや、食べれるだけありがたいと思って貰わなければ。

 

・・・町についたら、ちゃんとしたのを、うんと御馳走しよっと。

 

暫く火の番をしながら待っていると、良い匂いが鍋から漂い始めてきた。

味見してみれば絶品とは言えないまでも美味しいといえる物が出来ていた。流石、私。

 

「リンクー!」

「はーい」

「━━ん?」

 

見張りをしているリンクに声を掛けたのだが、その声が何処か遠い。不思議に思って振り返って見ると、結構離れた所で手を振っていた。

 

何かあったのかと思いリンクの元へ向かおうとしたが、私の様子を見たリンクが身ぶり手振りでこちらに来なくて良いと言うので座って待つ事にした。

 

1分と待たずに戻ってきたリンクは鍋の中身を覗いて「おぉー」と感嘆の声をあげてくれた。素直に嬉しく思う。けれど、あんな遠くで何をしてたのか気になった。

 

「何かあったの?」

「ううん、何も。ちょっとモンスターを見掛けたから、狩っただけだよ」

「え、モンスターがいたの?教えてよ。私も手伝ったのに」

「ごめんね。ナビィが楽しそうだったからさ、邪魔しちゃ悪かなって」

 

楽しそうに・・・は、確かにしてたけどさ。

でもそれとこれとは別だと思うんだよね。

 

「ありがとう。でもね、二人で旅をしてるんだから、一言くらい言ってくれても良いでしょ?」

「ははは、ごめんって。次からは気をつけるよ」

 

軽く流されてしまった。

反省はしてるみたいだけど・・・うぅ、なんか納得いかない。見た目だけでもシュンとしてくれれば、許し易いんだけどなぁ。

まぁ、許すけどさ。

 

「━━━はぁ。気をつけてくれるなら良いよ。この話はお仕舞い。またモンスターが来ない内にご飯にしよ」

「うん━━━」

 

嬉しそうに頷くリンクの為にお椀を用意する。

ついでに私の分も。

 

元々食べないつもりだったけど、一人で食べる事が味気ない事は知ってるから少しだけ付き合おうと思うのだ。あんなに嬉しそうにされたらね、えへへ。

 

「━━━急がなくても、大丈夫だけどね」

「ん?なにか言った?」

 

不意にリンクの声が背中越しに掛けられた。

リンクのご飯を用意する事に気を取られて、よく聞いてなかった。何だろ?

 

「ナビィのご飯楽しみだなぁって、それだけ」

「そう?えへへ、もうリンクったらぁ」

「本当、おいしそうだなぁって思うよ」

 

そ、そんなに褒めたって、何も出ないんだからね。

・・・と、とっておきのチーズでも、入れてあげよっかなぁ。

 

 

 

 

楽しいご飯の時間も終わり、一人食器を片付けているとリンクが抱きつくように背中へもたれ掛かってきた。全然重くはないけど、重いって言いたくなるシチュエーションだ。

 

「ナビィ~」

「もう、なぁにリンク?━━━ぅ?」

 

背中に、何か硬いものが押し付けられた。

極めて冷静に状況を分析し、背中に押し付けられた物の正体を察した私は静かに冷や汗を流した。

 

「リンク?」

 

振り向くのは怖いが、放って置く方がずっと怖いので頑張って振り向きリンクを見た。

そこにあったのは、ヤル気満々の笑顔を浮かべるリンクの顔があった。あかん。

 

「だっ、駄目!!こんな場所でなんて!!」

「どうして?」

「どうしてって、モンスターがいつ現れるかも分からないし━━━」

「モンスターは現れないよ。焚き火から周囲一キロにいたモンスターは皆始末しておいたし、結界もはっておいたから」

「うぇぇぇ?!」

 

見張りしてると思ってたら、そんな事してたの?!

道理で遠くにいた訳だよ!!

 

というか、結界って!?

 

「あー。そう言えば、ナビィには教えて無かったっけ。オレ、父さんから結界を作る魔法を教えて貰ってるんだよね。父さん程強くはないけど、この辺りのモンスターなら問題なく消滅━━━━止められるよ」

「なんか怖いフレーズが聞こえたんだけど!?消滅するの!?結界に入ると!?」

「やだなぁ。ただの言い間違いだよ、ナビィ」

「嘘だぁ!!今だって━━━っにゃぁ!?」

 

言い募る私の言葉を遮るように、リンクの手が服の中に滑り込んできた。そして正確に乳首を摘まんでくる。

 

「やぁっ!ん、リンク!駄目ぇ!」

「なんで?モンスターがいなければ良いんでしょ?」

 

そうは言ったけど、勿論それだけが理由じゃない。

 

「だ、だって、外でなんて・・・」

「大丈夫。結界には外から見えないように細工してあるから」

「そ、そいう問題じゃ、ん、ゃあん!」

 

きゅっとつねられた乳首から甘く痺れるような感覚が走った。思わず足から力が抜けてしまう。

リンクが支えてくれたお陰で倒れなくて済んだが、そもそもがリンクのせいなのでお礼は絶対言わない。

 

代わりに文句の一つも言ってやろうと振り返ったが、振り向き様に唇を奪われた。啄むような軽いキスではなく、貪るようなディープキスだ。

リンクの舌が私の口内を執拗に蹂躙していく。リンクの舌が口内の何処かを触れる度、胸の鼓動が大きくなり、熱にのぼせたように頭がボウとしてしまう。

 

どれぐらいそうしていたか分からない。

けれど気がついた時には『ニチャァ』という厭らしい音と共に、糸を引きながら離れるリンクの唇が見えた。

 

「蕩けちゃいそうだね、ナビィ。そんなに気持ち良かった?」

「ふにゃぁ?」

 

猫みたいな意味のない言葉が漏れてしまう。

頭がポワポワしていて、何を言えば良いのか分からない。でも、何となく寂しく思ってリンクの頬に手を伸ばした。

 

触れたリンクの頬は熱が籠っていた。

それは私と同じように━━━もしかしたら私より熱くなっている気がする。

それが何故か嬉しくて頬が緩んでしまう。

 

「━━っ!な、ナビィっ、良いよね?オレ、もう」

「んー?う、あう?ん、い、いよ?」

 

リンクの辛そうな顔を見て思わず頷いてしまう。

するとリンクは私を四つん這いになるように地面に置いた。そしてズボンから固く反り返ったモノを取り出し、私の股の間にそれを宛がった。

グリグリと秘部に押し付けられるリンクのそれに、私の女の子の所がキュンキュン反応する。

 

欲しい。

 

リンクのそれが。

 

「あ、うぅ。りんくぅ」

 

懇願するようにリンクを見ると、ニイッと艶めかしい笑顔が返ってきた。

 

「りん、く━━━あんっ!」

 

リンクのそれが私の中に突き刺さる。

一番疼いていた奥の奥まで。全部。

 

「りっ、んくぅ!!ひぃ、ひゃう、あん、ああっ!」

「ナビィ、凄いよ。トロトロっだよ。その上、きゅうきゅう締め付けてきて、気持ち良いよ。ナビィ」

 

突かれる度にアソコが熱くなって、粘着な水音が大きくなっていく。膣だけが別の生物のように蠢き、リンクのそれを勝手に締め付けてしまう。

そしてその度、私の体には何とも言えない快感が走り回っていく。息をするのも忘れてしまう快楽に、私は身を任せる以外どうする事も出来なかった。

 

「外って、こと、ナビィはもうどうでも良いの?」

 

そのリンクの言葉は、私が何処にいて何をしているのかを急速に思い出させた。

思い出したら熱に浮かされていた頭が冷えていくのは早かった。どこに目があるかも分からない野外で、どんなあられもない格好をしているのか。

先程の幸福感が嘘のように血の気が引いていく。

 

「ふやぁぁ!?や、だっ!やぁだぁ!!りんくぅ、やめへ!やめ、っん、やぁぁ!」

「何言ってるか、分からないよ。もっとちゃんと、言ってくれなきゃ!!」

「あふぁっ、にゃ、あぅ!やめてっ、やめっへ!」

 

恥ずかしい気持ちとは裏腹に、体はリンクのソレに勝手に反応してしまう。断続的にくる快感のせいで言葉は喘ぎ声に変わり、リンクは分からないと言って腰を打ち付けるのを止めてくれない。

 

まるで犬の交尾のようなそれで高まっていく羞恥と快感に、私は歯を食い縛って耐える。火が出そうな程恥ずかしくて、焼けるように子宮が熱くなっていく。

心が限界まで達しようとしたその時、リンクが耳元に顔を寄せてきた。

 

「一番奥に出すよ、いって」

「あぅっ、あぁ━━━━━んぁぁぁああ!!!」

 

強く突き刺された衝撃に体が震え、抉じ開けられた先に流し込まれる灼熱に張り裂けんばかりの声が出た。

快感といって良いかも分からない衝撃に、意識が遠くに飛び掛ける。

 

「あ、あぅ、うあ」

 

けれど、それでも尚私の意識は健在だった。

 

理由は分からない。

一度目を経験していたお陰かも知れないし、今回の刺激が前回より足りなかったのかも知れない。

兎に角ギリギリの所で意識を止められた私は振り返り、満足そうな顔で額の汗をふくリンクを見た。

 

私の視線に何か感じたのか、リンクは恐る恐る突き刺さっていたソレを引き抜いた。

 

 

 

嬉しいのは嬉しい。

今だけかも知れないけど、ちゃんと私を一人の女の子として見てくれて、こうして求めてくれるその気持ちは嬉しい。それがたとえ、思春期特有のただエッチがしたいだけの、エロ猿みたいな下心からきている物だとしても嬉しいのは嬉しい。

 

でも、物事にはなんにでも限度があるのだ。

 

 

 

 

 

「だいっきらい!!」

 

 

私は最低でも三日は口を聞かない事を決めた。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

デク「青姦は燃える、青姦は最高、皆喜ぶ」

 

リンク「成る程」

 

 

 

壁|・ω・)

 

ミド(言葉の意味は分からないけど、絶対間違ってる)




次回予告

くわえる


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初めてくわえた件

エロがないと生きていけない。
そんな悲しい生き物が、わいやで(*´ω`*)




旅を初めてから三日が経った。

私はあの日の決意を守ってリンクと口を━━━

 

「ナビィ、ねぇナビィ。ごめんってば。」

「・・・・・・」

 

 

 

「・・・えーと、ハイラル城ってあとどれくらいなの?」

「・・・半日」

 

━━━━あまり利かないようにしている。

 

いや、仕方なかったんだよ。だって最低限口を聞かないと旅なんて出来ないから。お互い意思疏通してないと、いざというとき動けないし。大抵の事は口に出さなくても分かるけど、いつもそうしてられる訳じゃないし。うん、だから、そう、仕方ないの。

 

はぁ・・・。

 

駄目だな、私は。

こんな事でリンクの相棒が勤まるのかなぁ。

 

 

 

 

モヤモヤとした気持ちを抱えながら歩く事半日。

長かったハイラル平原ももう終わり。

私達はハイラル城の城下町へと辿り着いた。

 

日が暮れると町への門が閉じてしまうので、その前についたのは良かったと思う。

 

リンクと二人、城下町への門を潜ろうとすると兵士が静止を呼び掛けてきた。

 

「待ちたまえ、君達。子供二人なんて珍しい。ご両親はどうしたのかな、どこから来たんだい?」

 

そう心配そうに尋ねてくる兵士さんに私は笑顔を返す。

兵士さんが心から心配して聞いてきている事が分かるから。世界は大概な所だけど、まだこういう本当の優しさを持ってる人がいる。それが嬉しかったのだ。

 

「私達は━━━」

「オレ達は父さんのお使いで来ました」

 

私の言葉を遮ってリンクが前に出た。

はっきりした物言いに兵士さんが「へぇ」と感嘆の声をあげる。

 

「お使いか、偉いな。しかし、この辺では見ない子だな。何処から?」

「東の方です」

「・・・ははは。随分と警戒されてしまったな。心配しなくて良い。別にどうするつもりもないよ。━━━ふむ、東の方となると・・・カカリコ村かな?それでも結構な距離があるな。徒歩で?」

「はい。良い経験になるからと」

「それは中々厳しいご両親だ。まぁ、人には人の事情がある物だから、これ以上余計な事を言うのは止めておこう。何か困った事があったら言いなさい。出来るだけ力になろう」

 

そう言って手を差し伸べた兵士さんに、リンクは渋々と握手した。いい人そうに見えるのだけど、リンクは何か気に入らない様子だった。

こんなに心配して貰ってるのにこの態度は駄目だ。ここは大人として注意せねば。

 

「リンク、そんな態度とっちゃ━━」

「いこう、ナビィ」

「━━━んにゃ!?ちょっと!リンク?!」

 

叱ろうとした私の手をとって、リンクは歩き出してしまった。何処か怒ってるような気がするが、理由が分からない。

 

困っている私に兵士さんが笑いかけてきた。

 

「気にしなくていいよ。お兄さん・・・じゃなさそうだな。彼と仲良くね」

「は、はい!」

 

いい人そうな兵士に手を振って、私達は城下町へと足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

リンクと共にやってきた城下町は原作と同じく人々で賑わった場所だった。

全部が全部同じではないけれど、原作で見たような人達を沢山見掛けた。特に用事が無かったので話し掛けなかったが、どんな話をしてくれるのか興味が湧く。お面やさんにも行ってみたい。

 

まぁ、今はそれよりもリンクだ。

 

私の手をつかんでヅケヅケと歩くリンクは機嫌がすこぶる悪い。なんでこんなに悪いのか分からないけど、町に入ると前はこんなんじゃ無かったのは間違いない。

なんだろ?

 

「リンク━━━」

「いつまでそうするつもりなの?」

 

私の声をリンクが遮る。

 

「確かに、オレが悪かったよ。ナビィが嫌だって言ったのに止めなかったし。怒るのも分かるよ。でも、だからってこんな事しなくてもいいじゃないか」

「え、なんの話?もしかして、この間の事?」

 

確かにあの時は怒っていた。

でも今はどうかと聞かれれば、そんなでもない。

今私がリンクと口を聞かないようにしてるのは、リンクに甘過ぎる自分自身へのケジメの意味合いが強い。

 

でもリンクはそう捉えてないみたいだ。

 

「リンク、大丈夫だよ?もう私怒ってないから」

「・・・・・・」

「ねぇ、リンクったら!」

 

呼び掛けてもリンクはちっともこっちを見てくれない。

どころか進む足が早くなっていく。

転びそうになりながら着いていくと、薄暗がりな路地裏に連れ込まれた。犯罪する場所としても人気のある、デッドスポットである。良い子は一人で来てはいけない。

 

リンクは一旦手を離すと、私の方へと向き直った。

目がギラギラしてる、嫌な予感しかしない。

 

「あのね、リンク・・・」

「ちょっと黙ってて」

 

私の言葉を遮ったリンクは徐にキスをしてきた。

荒々しい貪るようなキス。この間よりもっと乱暴で、優しさなんて少しもない、気持ちを押し付けられるような一方的なキス。

 

「━━━ぶっ、あ、やっ、んん」

 

体を離そうとしても、リンクが押さえつけて離れられない。息苦しくて辛い、嫌なだけのキスが続く。

 

でも何より嫌だったのは、リンクの目だった。

まるで疑うような、憎しみすら籠った、ギラついた目が。

 

嫌だ。

そう思った。

 

そんな目で見られたくない。

優しくて暖かい目で、好きだって言って欲しい。

乱暴で痛いだけの包容じゃなくて、優しくぎゅってして欲しい。

 

思わず本気でリンクを突き飛ばしてしまう。

いつもなら流されてたかも知れないけど、それほどまでに今のリンクは嫌だった。

 

突き放した私を見て、リンクが表情を凍りつかせた。

 

「━━━あ、ごめっ、オレ」

 

そっとリンクの手が頬に触れる。

いつもと同じ優しい手に、私はほっとする。

どうやらいつの間にか泣いていたようで、リンクの手は拭き取った私の涙で濡れていた。

 

リンクは私のおでこに軽いキスをして頭をぎゅっと抱き締めてくる。さっきの手つきと全然違う、思いやりに満ちた手に私は体を預ける。

 

「━━━ごめん。だって、ナビィがあんな顔で、知らない人に笑うから。オレとは目も合わせてくれないし、あんまり話してくれないのに・・・・・このままいなくなっちゃう気がして、それで」

 

不安にさせてしまったみたいだ。

すっかり忘れていたけど、リンクはまだまだ子供で、甘えたい盛りなのだ。それなのに頼れる筈のは私がリンクを無視してしまった。

どれだけ不安にさせたか考えて、反省しなければと思った。

 

私はリンクを抱き締め返してあの時のように言ってあげる。

 

「大丈夫。私はいつも一緒にいるよ。だから、大丈夫」

 

ぎゅっと抱き締めると、リンクも同じようにぎっとしてくれる。いつしても、このぎゅっとするのは良い。心がポカポカになる。

 

「仲直り、ね。えへへ」

「うん、ナビィ」

 

 

 

 

 

暫くそうして抱きついていると、お腹の所に硬い物が押し付けられた。

もう言われなくても分かる。もう、覚えた。

嫌な予感に頭を悩ませながら、リンクの顔を見た。

リンクは照れくさそうに笑う。

 

「ご、ごめん。その、ナビィがあんまり可愛いから、つい」

「それは嬉しいけど・・・」

「それにこう抱き締めてると良い匂いがするし、触ってる所とか柔らかくてスベスベで、興奮するって言うか」

「わ、分かったから!言わなくて良いよ!もう!」

 

前世が男の子だった事もあって、そういう事はちゃんと考えれば分からなくはない。最近男の子としての前世を忘れかけていて、気づくのに遅れるけど理解自体は出来るのだ。

 

だから、男の子のこれは仕方ないとは思ってる。

思ってるけどさ・・・どうしよぅ。

 

「えーと、そのままって訳にはいかない?」

「ナビィさ。いくらオレが子供だって言ったってさ、このままは色んな意味で辛いよ」

「そうだよねぇ」

 

恥ずかしいだろうし、突っ張って痛いだろうし。

 

「ナビィ、一回だけ━━━」

「やっ!」

「━━━そうだよねぇ、凄く嫌がってたもんね」

 

もうお外でやるのは勘弁して貰いたい。

これは確定事項なのだ。

 

でも、このまま放って置くのは流石に可哀想だから、別の方法なら手伝ってあげても良いかも知れない。

 

「リンク、出して」

「えっ!?良いの?」

「本番はしないよ。でも、一回抜いたら楽になるでしょ?」

 

手で今からやろうとしてる事をジェスチャーすると、リンクは目を輝かせてコクコクと頷いてきた。

エッチな事ならなんでも良いんだね。ナビィ少し悲しい。

 

ボロンと零れたリンクのソレは相変わらず立派に反り返っていた。でかい。こうしてマジマジ見るのは初めてだけど、改めて見ると怖いサイズのちんちんだ。

これが自分の股間に入ってるのが信じられない。

 

「ナビィ」

「わ、わかってるよ。それじゃ、その、触るよ?」

 

私の手が触れた瞬間、リンクのソレがピクリと反応する。ピクピクと陸にあげられた魚のように動くソレを両手で優しく握り、ゆっくり前後させる。

 

けれど、あまり気持ちよさそうではない。

どうしてだろ。

 

「リンク、どう?気持ちよくない?」

「えっーと、ごめん。ちょっと、痛いかな?」

「痛いんだ」

 

私は前世で見たエロ本を思い出す。

こういうシチュエーションは幾らでも見てきた、解決策は必ずある筈だ。

 

「あ、そうだ」

 

一つの解決策を思い出し、さっそく試してみることにした。

 

「嫌だったら言ってね?」

「え、何を?」

 

困惑するリンクの前で、私は口の中に唾液を溜めた。

ある程度溜まった所でリンクのソレへと垂らす。

私の唾液が掛かり、ビクンとソレが更に大きくなった。

 

そっと視線をあげてリンクを見れば、嫌そうな顔はしてなかった。安心した私はそのままリンクのソレを手で擦る。

 

私の唾液が上手く潤滑油の役割を果たしてくれたお陰で、擦られるソレは痛くはなさそう。

時折気持ち良さそうにビクンと動いてる。

 

「気持ち良い?」

「うん、良いよ。でも、少し刺激が足りないかも」

「ええぇ?そうなの?早くする?」

「んーー、多分それでも無理かな」

 

おかずがないとって事かな?

ゴロン族しか乗ってないあのエロ本を見せながらやっても意味無いだろうし・・・どうしよ。

 

「嫌じゃなければ、だよ?嫌じゃなければ、その、ナビィが目の前でオナニーして━━━」

「いやっ」

「うん、そうだよね。冗談だよ、ははは」

 

目が笑ってないぞ、リンク。

まったく油断も隙もあったものじゃないな。

 

でもこのまま擦ってもリンクはすっきりしなさそう。

どうにかしてあげないと可哀想だし・・・あんまりやりたく無いけど、仕方ないか。

 

「リンク、今見えなくなる結界ってはれる?」

「え、もうはってるけど・・・はっ、しまった」

 

い、いつの間に。

 

「いつから?」

「な、ナビィが手を振ってたあの兵士と別れて直ぐ」

「そんな前から・・・」

 

どうりで誰も私の事を見てないような気がしてた訳だ。てっきり気のせいだと思ってたけど。

 

「まぁ、いいや。掛かってるならそのままでお願いね。これを見られるは恥ずかしいから。それじゃ、じっとしてて」

 

困惑するリンクに一言いってから、硬く反り返ったソレを口にくわえた。大きくてちょっと顎がきつい。

 

「ナビィっ!?それって、あふぅ、あ、良いかも」

 

歯を立てないように頭を前後させる。

私は苦しいだけだけど、下から覗いたリンクの顔が気持ち良さそうにしていたから責めて出すまでは頑張ろうと思う。

 

じゅっぽ、じゅっぽとエロ本に乗っていそうな音が聞こえてくる。聞いてるだけて、体が火照ってきた。はしたないなぁ、私の体。

 

リンクは気持ち良さそうにしてくれるが、中々出してくれない。やり方が悪いかも知れないので、色々と試してみる事にした。

 

舌を絡めて前後させたり、裏筋を舐めたり、先っちょをくわえて尿道を吸ってみたりする。

どれも気持ち良さそうにしてくれるけど、射精まで至らないのかソレがビクビクするだけで終わってしまう。

 

どうしようかと悩んでいると、リンクに頭を掴まれた。

何をするんだろうと視線だけあげて見ると、視界がぶれた。

 

ドッ、と喉に硬い物があたる。

苦しくて、思わず吐きそうになる。

 

直ぐにでも口からリンクのソレを抜きたかったが、リンクの手が私の頭を押さえていて離れられない。

リンクの手が私の頭を無理矢理前後させる。喉に当たっていたリンクのソレは、更に深く喉の奥に突き刺さる。

苦しくて仕方ない。

 

「いい、良いよ、ナビィ。これ、凄く━━━ああー出る出る。ナビィ、飲んで」

 

一番奥まで突き刺さったソレが大きく膨らみ、ドバッという勢いで灼熱の液体を噴出した。喉の奥に注ぎ込まれた灼熱のそれは喉元を容易く通過し、胃へと落ちていく。

 

喉へと吐き出されたそれの匂いが鼻からついて離れない。

胃を熱くさせるそれに反応して女の子の部分が疼き始めてしまう。

 

ずりっとリンクのソレを、抜き取られた私の口から白濁の液体が垂れる。全部は飲みきれなかった。それほど量があって濃厚過ぎたのだ。

 

息も絶え絶えにリンクを見ると、何か悟ったようなリンクの顔があった。

 

「ま、満足、した?」

 

そう聞くとキリリとした顔がこちらを向いた。

 

「悪しき者とか言う奴、ちょっとぶっ殺してくる」

「落ち着いて、リンク!まだ早いから!!」

 

それから数時間。何故か逆に興奮してしまったリンクを宥め、私達は安宿にて一泊した。

 

明日はゼルダ姫の元に向かわなければいけないので早く寝たかったけど、三日我慢したリンクは性欲を抑えきれなくて━━━━結局朝まで犯された。

 

もう少しお仕置きしとけば良かったと思った。

ぐぅ・・・ZZZ。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

森を出た直後

 

 

ナビィ「~~~♪」ポワポワ

リンクさん「~~~」ゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

ケポラ・ゲボラ「ひぃっ!どうしよっ、なにあれ、怖いホー!」ホホー

 

 

 

城下町の宿近く

 

ナビィ「~~~!!」あんあん

リンクさん「~~~!」ゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

ケポラ・ゲボラ「うわぁ。・・・うわぁ。うわぁぁー」ホー

 

 

 

 

ケポラ・ゲボラ「・・・話しかけたくないな」ホホーホ

 

 




次回予告

ひとりでする


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オナニーする件

エロって、ええやん、素敵やん(*´ω`*)


「・・・はふっ、ふぅ、ふううう━━━んしょっとぉ。か、体が痛い」

 

リンクに犯し尽くされた私が目を覚ましたのは、太陽がさんさんと輝くお昼も過ぎた頃だった。幸いな事にリンクは側におらず、私は重い体を引きずって宿の店員さんを呼び大きめのタライを用意して貰った。

店主の娘さんである店員さんに白い目で見られた。

 

魔法でタライに水を入れて、その水を魔法で暖める。

人肌よりちょっと熱いくらいになったら、ちょっと底は浅いがお風呂の完成だ。

 

精液まみれでカピカピになった体を濡らしたタオルで拭く。頭から順に洗ってくタイプな私だが、今日のところは取り合えず手足から先に洗っていく。

と言うのも店員さんを呼びに行くときにドアまで歩いたのだが、乾いたアレが床に落ちてどんどん汚していってしまうのだ。

その姿の私を見て、店員さんが嫌な顔をしたのは言うまでもない。

 

手足を綺麗にした後は頭から順番に洗っていく。

髪が長いから少し面倒だ。あっ、リンクめ、髪にも絡めたな。ああーもう。

 

そうして身体中洗い終わり湯槽につかる頃になって、私は漸く気づいた。

 

妖精に戻れば、洗う必要無かったんじゃないかなっと。

 

「・・・・・あ、うん、でもまぁ、気分がね。うん」

 

多分妖精に戻れば、仮の姿についた殆どの精液は落ちると思う。少しは残るかも知れないけど、それも妖精の姿で洗えば直ぐに終わる。きっと5分くらいで終わる。

 

・・・はぁ。

 

最近人の姿でいる事が多くなってたせいか、こう言う事が増えてきた。妖精なんだって事を忘れて、人みたいに振る舞ってる自分がいる。

 

妖精なんだよ、私は。それが何?青姦したくらいで取り乱したり━━━━いや、あれはないな。やっぱりない。妖精だからとか、人だからとか、そういう問題じゃないよ。

あんな破廉恥行為、私は認めない。

 

「なんて、一人言いってる時点で駄目なんだよね。はぁ、私どんどん駄目になってる気がする・・・」

 

一人で旅をしてた頃はこうじゃなかった。

もっとしっかりしてて、冷静に物事を判断してスマートにこなしてた。だと言うのに、今はこの様。

リンクとは直ぐエッチな感じになっちゃうし、気がついたら怒ったり泣いたりと情緒が不安定だし、それに本気で━━━━止めよ。この事を考えるのは。

 

どんどんと沈んでいく気持ちに一区切りをつけて、私は湯槽から出る。用意しておいた新しいタオルで体を拭き、替えの服へと着替える。

 

昨日着てた奴は━━━これは洗っても駄目な奴だな。

いや、でも勿体ないし、お気に入りだし・・・あ、洗うか。

 

一時間の格闘の末、昨日の服はよれよれになった物の綺麗になった。臭いは━━━落ちなかったよ。ぐすん。

 

そして追い討ちの様に、窓から干していたら隣の部屋で敷き布団を干していた店員さんが鼻を摘まんだ。そ、そんなに臭くないもん!リンクのは普通だもん!

 

雑事を終えた私の元に店員さんが現れた。

店員さんから「ゲットアウト」と言われてしまう。やっぱり、やり過ぎたか・・・。

 

一人寂しく追い出される準備をしていると、一枚の書き置きと共にリンクからの伝言を貰った。なんでもリンクが頼んで、私が起きて来るまで部屋の掃除をする時間を遅らせていてくれたらしい。後追い出すのは掃除の時間だけだと。良かった。

 

部屋の事を頼んでくれたのは嬉しい。

こうして、書き置きを残してくれた事も。

でもね、リンク。人づての伝言で『やり過ぎ、ごめん。今夜は手加減する』はないよ。店員さんがどんな顔で言うか、ちょっと考えようよ。言葉で言い表せられないくらい複雑な顔してたよ。馬鹿。

後、今夜はやらない。

 

掃除の邪魔にしかならない私は部屋を出て、宿の広間へとやってきた。広間は宿に泊まるお客さんの憩いの場で、食事をしたり吟遊詩人の歌を聞いたり出来る場所だ。大体何処の宿屋にもある。

 

もっとも、私の目の前に広がる光景は、昼間だからかガランとしている。

旅人ならとっくに旅立ってる時間だし、吟遊詩人は寝てる時間だから仕方ない。ついでに宿屋の人も次の宿泊客の為に大忙しの時間だもんね。

 

適当な所に座り、リンクの書き置きに目を通した。

ふむ、ふむふむ。ふむむ。ふむ。

 

簡単に漸くすると、リンク、ハイラル城突撃す。

 

「ええぇぇぇ!?一人で行っちゃったの?!」

 

ゼルダ姫の所に行くときは絶対一緒だと思ってたのに、普通にリンクにおいてかれた。どうしてっ、と言いたい所だけど、おいてかれた理由に心当たりがあるからどうしようもない。

 

私の体を心配しておいてってくれたのは分かるけど、それはないよリンク。だって私も会いたかったんだもん、ゼルダ姫。

 

トライフォースの資格者だからという事もあるけど、どちらかと言えばリンクが好意を抱きそうな子だからという理由がある。ゼルダ姫と結ばれる可能性は殆どないけど、それでもゼロじゃない。ならば、リンクの相棒として、リンクを預けられる人物かどうか見極めたいのだ。

まぁ、ゼルダ姫なら大丈夫だと思うけど。

 

そして見極めたい人物がもう一人。

このゼルダ姫との遭遇イベントで現れる筈のあの子。

牧場のアイドル、マロンちゃんだ。

子供の頃は不思議ちゃんのイメージが強いが、大人になるとナイスバデーで気立ての良い美人さんになる将来有望な女の子。ゼルダ姫と違って身分も釣り合うし、なにより駄目なお父さんを支える良い子なので私の押しウーメンである。子宝に恵まれそうなのも良い。

 

ああいう、美人だけどちょっと田舎者な感じの子がリンクとは合ってると思うの。ゼルダ姫も良いけど、身分がやっぱりね。価値観も違うだろうし、結婚してから苦労するのが目に見えるのは、ちょっとね。

 

ヒロイン候補と言えば、まだいたなぁ。

あっちも、身分が・・・というか種族そのものが違い過ぎるからなぁ。悪い子じゃ無いんだけど・・・。

 

やっぱり、マロンちゃんかな。

しっくるくる感じだもん。うん。

 

「━━━ふぅ。お嫁さんかぁ」

 

リンクと並ぶお嫁さんの姿を思うと、ちょっと辛い。

想像すると精神的ショックが大きくて、思わずテーブルに体を突っ伏してしまう。

 

リンクと誰か知らない綺麗な女の人が幸せそうに笑い合っていて、側には元気な子供達の姿。大きな犬を飼ってるかも知れない。あ、エポナもいるよね、きっと。

 

でも、そんな想像の中に私の姿はない。

 

「私が人間だったら・・・なぁ」

 

お嫁さんは無理でも、側にいられたかも知れない。

その関係が友達なのかなんなのかは分からないけど、きっと今よりはずっと近くにいられると思う。

 

きゅぅ、と。

女の子の所が切なくなった。

 

「リンク・・・」

 

彼の名前を呼びながら、私は自らの秘部へと指を沈める。そこは既に濡れていて、すんなりと指が潜り込んでいく。

 

リンクのソレと比べると指は細かったけど、私の指はずっと的確に動く。リンクに擦られて気持ち良かった所を擦ったりすれば、背筋がゾクゾクするような快感が全身を走っていく。

その気持ちよさに目を瞑り、私は意識を熱くなっていくアソコに集中する。

 

「ん、あぅ、んん、ふぅ、ん」

 

息が乱れ、嬌声がもれる。

気持ち良くてどんどん指を強く擦りつけてしまう。

リンクのソレを想像しながらやるのは凄く興奮する。

 

「りんくぅ、りんくぅ」

 

彼の名前を呼びながら擦る。

側にいない事が切ない。

 

きっと彼なら、私のこの声を聞いて強く抱き締めてくれるから。力強く、私の大事な所を突いてくれるから。

切ない気持ちなんて忘れるくらい、熱くさせてくれるから。

 

指で擦り続けていると、私の中がきゅうきゅうと指を締め付け始めた。

あの感じがもうすぐ来るのだ。分かる。

 

頭が真っ白になる、あの感覚が━━━━

 

 

 

 

 

 

「━━━━あの」

 

 

冷や水を浴びせられたように、私の背筋が伸びた。

股間にある熱さは変わらないけど、血の気は引いてる。

頭、正常、OK。

 

落ち着いてから振り返る。

そこにあったのは宿の店員のお姉さん。

見事な顰めっ面である。

 

「あ、と、その、こんちには」

「はい、どうもこんちには。それでですね、お部屋の仕度終わりましたよ。シーツも洗い立ての奴を敷き直してありますから」

「あり、がとう御座います」

 

店員さんの目が死んでる。

気まずいなんてもんじゃない。

 

「ご夕飯の用意がもうすぐ終わると思いますが・・・お席はどちらになさいますか?」

「えっ?こ、ここでは駄目なんですか?」

「駄目と言うわけではありませんけど━━━ではそちらの席をとっておきます」

 

そう指を差されたのは私の隣にあった空き椅子。

意味が分からず首を傾げると、私の下半身を見て店員さんが嫌そうに呟いた。

 

「掃除しないと使い物いならないでしょうし、それ」

 

何をしてたのかバレていた。自分の顔が真っ赤になるのが分かる。死ぬほど恥ずかしい。

確かに私の座る椅子は、ビチャビチャである。何がとは言わないけど。水の入ったバケツをひっくり返したようにビチャビチャである。何がとは言わないけど。

 

「まぁ、メスの匂いを撒き散らしながら、そのままでも平気だというならそれでも構━━━」

「かっ、換えます!こっちに座ります!」

「そうですか。では取り合えずコレを。お水をご洋服に溢してしまったようなので、お拭き下さい」

「あ、ありがとうございます」

 

店員さんが渡してくれたタオルで濡れた椅子と洋服を拭く。拭いてる間、店員さんが死んだ魚の目でずっと見てくる。恥ずかしい。

 

「お部屋にタライを持って置きますね」

「あっ、は、はい。ありがとうございます」

「新しいタオルもお貸し致します」

「ありがとうございます」

 

店員の目がどんどん冷たくなっていく。

妖精になってから、こんな惨めな思いをしたのは初めてだ。涙でそう。

 

羞恥と惨めさから目をうるうるさせていると、店員さんが凍りつくような目で見つめたまま肩を叩いてきた。

一瞬慰めてくれるのかと思ったけど、その目は狩人その物。怒られる未来しか、想像出来ない。

 

「・・・お客様」

「は、はいっ!」

「どうかお気になさらず。男女が同じ部屋に止まればどうなるか、それはごく自然な事なのです。子供だからと、そんな事関係ないと思います。寧ろ良いです」

「━━えぇ!?」

 

突然の慰め?の言葉に私は訳が分からなくなる。

怒ってるように見えるのに、その口調は正反対なまでに優しいのだ。

 

「それと勘違いされてると思うのですけど━━━私、別に怒ったりませんからね。よく怒ってるの?とか言われますけど、別にそんな事無いんです。私、何故か笑うと目が鋭くなったり死んだ魚の目になるようで・・・」

「笑ってたんだ・・・あ、あの鼻押さえてたのは?」

「お二人のアレを想像して、鼻血が出そうになりまして。昨日のアレは凄かったです」

「あわわ」

 

聞かれてた事実に顔が真っ赤になる。

いや、それは気づいていたよ?あれだけ大きな喘ぎ声あげてれば回りに聞かれてしまうのは。でも、リンクが結界をはるからって言うから━━━━っは、まさか、途中で解いたのかも。

 

やってた最中、リンクが「集中出来ない!」と叫んだ直後動きが激しくなったような気がしていた。あの時は気にしなかったけど、まさかあれは、結界にはる集中力を私との行為に傾けた瞬間だったのでは。

 

恐ろしい予想が頭を過り、私は周囲を見渡した。

 

僅かにいる店員さんから、生暖かい視線が向けられている事に今更気がついた。

呆然とする私の肩に店員さんが手をおいた。やっぱりそこには負の感情しか乗ってない陰鬱な目があった。

直感が告げる、これでも笑ってると。

 

 

 

 

 

「今夜は、どんなプレイをするのか楽しみにしてますね」

「あ、はい。ぜひ楽しみに━━━━━っし、しないで下さい!もうしませんからぁぁぁ!!」

 

 

怒られる所か、楽しみにされてた。

余計に恥ずかしいんですけど!!

 

 

私は部屋に駆け込んでリンクの帰りを待った。

帰って来たリンクに渾身のぼでーぶろーを放つ為に力を溜めながら。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

ハイラル城前にて

 

 

リンクさん「~~~♪」ゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

ケポラ・ゲボラ(大丈夫、大丈夫。ああ見えても勇者、勇者になる子だから!)

 

 

リンクさん「~~~♪」ゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

ケポラ・ゲボラ(いやぁぁぁぁ、贔屓目に見ても魔王にしか見えないぃぃぃぃ。見えないよぉぉぉ、怖いよぉぉぉ━━━だ、駄目だ!駄目だ駄目だ駄目だ!!ワシがやらないとっ!ワシの使命だからっ!頑張れワシ!!)

 

 

 

 

ケポラ・ゲボラ「━━━━━━こほんっ、ホホ━━」

 

 

マロン「ねぇ!そこの緑の帽子くん!お城にいくの?」

 

リンクさん「━━?」ゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

マロン「あのねーそれでねー」

 

リンクさん「━━━━━」フムフム

 

 

マロン「とーさんによろしくねー」フリフリ

 

リンクさん「━━━━」アイヨー

 

 

 

 

ケポラ・ゲボラ「・・・・・・」

 

 

ケポラ・ゲボラ「こ、今度こそは」ホホー

 

 




次回予告

なんや、えろないやん



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はぁい、わたしゼルダ。ハイラルのお姫様なの。

エロのない回なんて、エロのない回なんて・・・不毛だ


夢を見る。

 

わたしは夢を見る。

 

大きくて柔らかいベッドの中で、私はいつも夢を見る。

 

 

少し前まで、わたしの夢は素敵だった。

森の動物やお花と話したり、鳥になって空を飛んだり、冒険家になって海を渡ったり、勇者になって火を吹くドラゴンを倒したり━━━。

 

現実では絶対起きないような何かが毎日のようにやってきて、お城の中では出来ない全部が出来るそれが楽しくて楽しくて、私は一日の終わりが来るのをずっと楽しみにしていた。

 

けれど、そんな日はある時突然終わってしまった。

 

苦しくて辛い夢を見た。

耳に響く沢山の悲しい声、むせ変えるような鉄の臭い、目に映る黒い雲に覆われる一面の大地と赤く燃え上がるハイラルの城下町。

そして、その悪夢のような世界に佇む黒衣を纏う赤い髪の大男。

 

大男は振り返りわたしに笑いかける。

とても、とても、恐ろしい笑顔で。

 

 

 

そして、いつもそこで目が覚める。

 

身体中汗でぐっしょりで、ベッドも色が変わってる。

鏡で顔を見ればびっくりするほど顔色が悪い。

一番最初にこの夢を見た時は悲鳴をあげて泣いてしまって、おとうさまやおかあさま、乳母のインパ、他にも沢山の人達を心配させてしまった。今はそんな事ないけど、やっぱり気持ちの良い寝起きにはならない。

 

 

 

「ゼルダ様」

 

 

不意に掛けられた声に顔をあげるとインパの顔があった。心配そうにわたしを見つめる目が嬉しい。

 

「また、あの夢の事を考えていたのですか?」

「うん。すこしね、思うところがあって」

「そうですか。ですが、あまり一人でお抱え為さらぬように。このインパ、いつでもゼルダ様のお力になります故」

「ありがとう」

 

わたしはインパを伴って中庭にいく。

こじんまりとしたその中庭には窓があり、そこから謁見の間が見えるようになっている。わたしはそれを見に行ったのだ。

 

何故なら今日はまたあの男が、おとうさまに謁見する日なのだから。

 

 

 

そっと窓を覗けば方膝をついておとうさまにかしづく大男の姿がある。最近おとうさまに忠誠を誓うといって近づいてきた、ゲルドの王ガノンドロフの姿が。

 

「ガノンドロフ・・・」

 

そっとその名を呟けば、聞こえてない筈のガノンドロフの目がわたしを捉える。恐ろしいけれど、逃げる訳にはいかない。おとうさまやおかあさまは気づいてないけれど、あの男は嫌な気配がするのだ。見張っていなければ何をするのか分からない。勿論わたしみたいな子供が見張っているからと言って意味があるとは思えないけど、それでもこうして何かしていないと落ち着かないのだ。

 

「あなたなんか━━━」

 

わたしは夢で見たあの光景を思い出す。

ずっと暗くて嫌なだけの夢だったのに、少し前から少しだけ変わったのだ。

 

恐ろしいガノンドロフの笑顔の後、どんどんと暗くなっていくハイラルに突然光が現れる。

森の方からやってきたその光は雲を切り裂いて大地を照らしていく。そして決まってガノンドロフを殴り付けていくのだ。何かを叫びながら。『なびい』がどうとか言って。

 

わたしはその光に目を凝らして見る。

するとその光は一匹の妖精を連れていて、緑の石を掲げた人だったのが分かるのだ。

 

わたしはいつもその人にお礼を言おうとするのだけど、その人決まって首を横に振る。どうしてと訪ねると、それも決まってこう言うのだ。

 

『邪魔だったから殴っただけ』

 

よく分からない。

けれど、その人がハイラルを救ってくれる勇者様なんだって事は何となくわかった。

 

だからわたしは待ってる。

いつかわたしの元に現れる、光の勇者様を。

 

 

 

 

 

 

 

「っ!!貴様っ、何者だっ━━ぐはっ!?」

 

突然背後からインパの断末魔が聞こえてきた。

驚いて振り向くと、地面に倒れ付したインパの姿と、緑の服を着た私と変わらないくらいの男の子の姿があった。

 

男の子は倒れても尚、武器を手に立ち上がろうとするインパを踏みつけ、光を纏う木の棒を突きつけている。

 

「動くな、死にたいなら別だけど」

「貴様っ・・・」

 

剣呑な雰囲気に嫌な予感を覚えたわたしは声をあげる。

 

「や、やめてください!インパに乱暴しないで!!」

 

わたしの声に男の子がこちらを向く。

 

「ん?誰?子供?」

「こ、子供はあなたもでしょう!なんなのですか、ここは知らない人が来ていい場所ではないのですよ!それに危ない物を持って!」

「━━それもそっか。でもこっちも事情があってさ・・・あ、そうだ。ねぇ君、ゼルダ姫って知らない?」

 

わたしは男の子口から出た言葉にぞっとする。

直ぐ様分かったからだ。

彼がわたしを殺す為に送り込んできた、ガノンドロフの刺客だって事が。

 

見逃されてると思ってた。

子供だからと、油断していてくれてると。

けれど違っていた。

 

ガノンドロフはこの時を待っていたのだ。

わたしを殺せる絶好の機会。インパ以外の護衛を外す、この時を。

 

謁見の間は直ぐ側だけど、助けを呼べるとは思えない。

だってその謁見の間にはガノンドロフがいる。何か手を打っている事は明白だ。

頼みの綱のインパは既に倒れていて、その様子から男の子と再び戦う事も出来ないだろう。

 

インパとわたしが助かる方法を必死に考える。

けれども、そんな方法ちっとも思い付かない。

 

わたしは決断しなければいけない事を知った。

インパを見捨てて逃走を試みるのか。

それとも━━━

 

 

考えた時間は永遠のようで一瞬だった。

 

(ごめんなさい、おとうさま、おかあさま)

 

 

「━━━ゼルダはわたしです」

「なっ、お止め下さい!」

 

インパはわたしの考えが直ぐに分かったのか、必死の形相でこちらを見てくる。分かっている。ハイラル城から殆ど出たことのない私の顔を知るものは限られている。目の前の男の子も、分からないから尋ねたのだ。ならばここでわたしがとるに足らないただの娘を演じれば助かる可能性は高い。口封じに殺される可能性もあるけど、ゼルダとバレるよりはまだ生き残れる可能性があるのは確かなのだ。

 

でも、それは出来ない。

王族として産まれてきて、その自覚もちゃんとある。わたしが生きなければ困る人が一杯いるのは分かってる。

・・・でも、おかあさまよりおとうさまより、ずっと一緒に過ごしてきたインパを見捨てて逃げる事なんて、そんな事出来ないのだ。

 

わたしは男の子に近づき、胸をはって応えた。

 

「あなたが探しているのは、このわたしです。身分を証明するものは持ち合わせておりませんが、わたしに何かあればそれから起こる全てが証拠になるでしょう」

 

インパの悲痛な顔がちらつく。

止めてあげたいけれど、もうこうするしかない。

 

「わたしの事は好きになさい。殺したければ殺せば良い。ですが、あなたが踏みつけているその人だけは助けてあげて下さい。わたしのもう一人のおかあさんなんです。とても、大切な人なんです。だから━━━」

「ちょっといい?」

 

覚悟を持って言ったその言葉は、急に遮られた。

これから死にゆく者の最後の言葉も聞いてくれないのかと怒りを込めて睨んで見れば、男の子は首を傾げて不思議そうにしている。

 

なんだろう、凄く違和感がある。

 

「━━えっと、君は何しにきたの?」

 

不思議に思ってそう尋ねると、男の子は少し考えてから口を開いた。

 

「父さんに頼まれて来たんだ。神に選ばれし姫って人がいるからって。で、その人に会えばオレの使命が分かるとかなんとか。まぁ、ナビィが知ってるみたいだから、姫さんが知らなかったら教えて貰うつもりだけど。━━なんかさ、ナビィが姫さんに聞くのに拘ってるから付き合ってるけど、ナビィが教えてくれた方が早いと思うんだよね。個人的には。まぁ、そんな事ナビィには言わないけどさ」

「父さん?ナビィ?」

 

どうしよう、男の子の言ってる言葉の意味が分からない。会話出来てるよね?

 

「あ、ごめん。いきなりこんな捲し立てるように。えーとね、これ見てくれる?父さんが姫さん相手ならこれ見せれば一発だからって言ってたんだよね」

 

そう言って男の子はポケットから飴玉を出す気軽さで緑の宝石を取りだし見せてきた。

わたしはそれが夢の中で出てきたそれだと直ぐに気づいた━━━━気づいたのだけど、どうしても信じたく無かった。

 

勇者だと思ってたのに、目の前の男の子はどちらかと言えば盗賊みたいだったから。

 

「あっ」

 

ふと気づいた。

夢の中で勇者が言っていたあの台詞を。

 

「ナビィ!!」

「ん?なに、知ってるの?」

 

男の子の目がキラキラと輝き出した。

よく分からないけど、何か嬉しそう。

 

「は、はい。あの、でも夢で━━━」

「そっかぁ!ナビィの知り合いだったのか!なぁんだ、ナビィも教えてくれればいのに!!」

 

男の子が馴れ馴れしく背中を叩いてくる。

ちょっと痛い。

 

「あ、オレ?オレはね、ナビィの相棒で彼氏でいつか旦那になるリンク!宜しくね!」

「あ、はい。宜しくお願いします・・・」

「結婚式は呼ぶから!やっぱりあれかな、ハイリア式でやった方が喜ぶかな?オレとしてはコキリの皆にも祝って貰いたいから森でやるのも良いかなぁって思うんだけど━━━」

 

わたしは夢の勇者様と、目の前にいる男の子を頭の中で被せて見た。

 

そして納得した。

あ、この人だって。

 

『邪魔だったから殴っただけ』

 

あの台詞の意味を何となく理解した。

きっと夢の勇者様は、ハイラルを救いにきた訳じゃないのだ。だから、わたしの言葉に首を振ったのだ。

本当にある理由だけで、ガノンドロフをぶん殴ったのだから。

 

わたしは無邪気にナビィさんとの未来の話をする勇者リンクから目を逸らし、見たこともないナビィさんに向けてお祈りを捧げておいた。

 

この先どうなろうと、きっと逃げられないだろうナビィさんの幸せを願いながら。

 

 




次回予告

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すまたをしちゃう件

エロに迷った

byはくびしん


ガタン、ガタンと揺れる小さい空間で、私とリンクは奇妙な体勢になっていた。いや、奇妙という訳でもないのだけど、状況も合間って妙だったのだ。

 

「リンク、あの、凄く当たってるんだけど・・・」

 

リンクの膝の上に座る形になっている私のお尻に、下から突き上げる何か硬い物の感触がある。生温かい。

 

「ごめん。でもっ、その、どけないからさ!」

 

そう言って辺りを見渡すリンク。

私も見渡してみるけど、確かにそんなスペースは見つからない。

 

「おおぅ、すまねぇな坊ちゃん嬢ちゃん!俺の荷馬車がせめぇばっかりによ!ガハハ!ま、ちっと我慢してくれよ。もう半日もすりゃ、カカリコ村が見えて来るからよぉ!!」

 

不意に前方から声が聞こえた。

どうやら御者をしてるおじさんに聞こえてしまったようだ。

 

「いえっ!その、大丈夫で━━ふにゃ!」

 

ガタンと揺れたせいでリンクのアレがお尻の穴に当たって変な声が出てしまった。恥ずかしくて顔が熱くなってしまう。

 

「おおぅ?大丈夫か嬢ちゃん?変な声出してよ。怪我してねぇか?」

「ひゃい!だ、だいじょうぶです!」

 

あと半日続くこの旅路。

何事もなく辿り着けますようにと、風に祈った。

 

 

 

 

 

 

 

リンクが私をおいてゼルダ姫に会いにいったあの日、帰ってきたリンクにボデーブローを喰らわせたまでは良かったのだけど、そのお返しで朝までヒィヒィ言わされてたお間抜けな私は、また懲りずにお昼に目を覚ます事になった。

 

 

 

今度は目が覚めたらリンクの顔があって、ちょっとだけぞくってした。私の反応にリンクがショボンとしたけど、仕方ないじゃない。だってやられると思ったんだから。い、嫌じゃないよ?嫌じゃないけど、明るい内からって言うのは、ね。

 

 

 

流石にリンクも昼から私といたすつもりはなかったようで、城下町に行こうと誘ってきた。

 

次の旅に向けて色々買うものがあるからって名目のお出掛けだけど、私はデートだって思って喜んでたりしてた。勿論、リンクには内緒だ。

 

 

 

的当て屋を冷やかしにいったり、露店に並ぶ果物や焼き串を食べてみたり、武器屋にいったり色々見て回った。

 

お目当てだったお面やさんにも行ったのだけど、原作と違って全部のお面が最初から並んでた。お店の変なシステムは変わらないみたいで、リンクがまことのお面を持って「これ下さい!」と叫んだら「レンタル限定ですよ、坊っちゃん。あと、それは小僧には早い」と断られていた。

 

今のリンクを小僧呼ばわりとか。流石、次回作でムジュラの仮面を持ち歩いてただけの事はある。得体が知れない人だ。━━━あ、同一人物じゃない説もあったっんだっけ。でもな、あの雰囲気ならありえるんじゃ・・・むむむ。

 

 

 

楽しいお出掛けも終わり宿に帰ると次の旅の行き先を決める話し合いになった。仕切りにリンクが窓から見える夜空を見ながら「良い夜だなぁ」「アレ日和だなぁ」と何かに誘おうとしていたがバッサリ切って旅の行き先について話し合った。しないったらしない。

 

 

 

そうして話し合い、私達の旅の行き先が決まった。

 

次の精霊石のあるゴロンシティである。

デスマウテンにあるゴロンシティへ直接いくルートはない為、一旦カカリコ村に行きそこからデスマウテンに向かう事になった。

迷いの森からも行けるけど、かなり遠回りになってしまうし、それにあのイベントに繋がるから今回はなしだ。

 

 

初めて何事もなく宿で一夜を過ごした翌日、荷物を買い揃えて門の所にいくと兵士さんに呼び止められた。

不機嫌なリンクに睨んでは駄目だと言い聞かせ、兵士さんの元へといく。

 

「やぁ、元気そうで良かった」

「はい、その節はお世話になりました」

「いや、なに。わたしは何もしてないよ。それより良いところに来た。君たち確かカカリコ村から来たって言ってたね?」

 

カカリコ村から?

何の事か分からなくて首を傾げそうになったけど、不意にあの時のリンク達の会話を思い出して私は頷いた。

 

「━━━え?あ、は、はい!」

「これからカカリコ村に向かう荷馬車があるんだ。もしこれから帰るようだったら乗せて貰えるようにお願いしてみようと思うのだが、どうかな?」

 

兵士さんの提案にリンクを見た。

リンクは嫌そうな顔をしてる。

もう、何が気に入らないんだろ。まぁ、リンクが嫌ならそうするけどさ。

 

「あ、ごめんなさい、私達は━━」

「君達にも事情があるのは分かる。━━━けれどね、やはり大人として子供が平原を旅するのは見過ごせないんだよ。せめて帰りくらいは、安全に帰ってくれないかな?」

 

兵士さんの目は優しい。

ここまで邪な気配がない人は逆に珍しい。

人の感情に敏感な私だからこそ、本当に親切からこう言ってくれてるのが分かってしまう。

 

少しでも邪な気持ちがあってくれれば色々と断りの言葉も出てくるのだけど・・・。

 

「リンク・・・どうしよっか」

 

困った私はリンクに委ねた。

すると私の顔を見てリンクが渋々といった様子で「取り合えず話してみてください」と小さい声で兵士さんの提案に前向きな姿勢を示してくれた。

 

多分私の気持ちを汲んでくれたのだろうと思う。

嬉しく思って耳元で「ありがとう」と言っておく。

 

すると頬っぺたにキスされた。

 

「ひゃぅ!?な、なにす━━いにゃ!」

 

距離を取ろうとした私の肩をリンクが掴む。

慌てているとそのままリンクの唇が近づいてきて、ちゅ、ちゅ、ちゅと、頬っぺたにキスを乱れうちされてしまう。

リンクの唇が触れた部分が熱くなっていく。

 

兵士さんの「最近の子は進んでるなぁ」とかぼやきが聞こえてくる。凄く恥ずかしい。

いや、まぁ、嫌じゃないよ?嫌じゃないけどさ、時と場合を考えてよぉ!

 

 

 

私の顔の火照りが冷めた頃、兵士さんに連れられていくと一台の荷馬車と恰幅のよいおじさんがいた。

 

恰幅のよいおじさんは兵士さんから話を聞くと二つ返事でOKを出してくれた。子供だけの旅は大変だろうからな、と豪快に笑っていた。

リンクはおじさんに悪い物を感じなかったのか「この人なら、まぁ良いよ」と言ってくれたので、カカリコ村まで乗せて貰う事になった。

 

 

 

━━━なった、のだけれど。

 

「り、リンクぅ、った。・・・あう」

「っつ!ごめ、ごめん」

 

馬車の荷台は思った以上に狭かった。

 

私とリンクが座れるスペースがギリギリ出来るくらいしかなくて、私達は肩を押し付けあいながらギュウギュウ詰め。揺れる度に頭やらなにやらぶつかって痛くて苦しい。

 

乗ると言った以上狭いから降りますとは言えず、私とリンクは頭を悩ます。

あーでもない、こーでもないと話し合い一つの結論が出た。

 

それが二人分のスペースがないなら、一人で使えば良いじゃない作戦だ。

 

まず私が立つ。

そしてリンクが私が使っていた場所も使って座り、私がその上に腰掛ける。縦へのスペースはあるからこれで広々!━━━━って、何を言ってるんだろう、私。

 

リンクの膝の上に腰掛けておいて言うのも何だけど、これはアホ過ぎると思う。完全にお馬鹿さんの発想だ。一周回って天才、なんて事はない。

 

暑苦しいのは変わらないし、何よりリンクが辛いに決まってる。ぶっちゃけ私も辛い。人の膝の上に座るって、結構辛いのだと、今日初めて知った。

 

「リンク、大丈夫?辛くない?」

「え?だ、大丈夫大丈夫!!え、寧ろ何が辛いのって話だよ!」

「そ、そうなの?」

 

辛くないんだ?私は結構辛いんだけど。あ、もしかして私に気を使ってる?

気になって下敷きになってるリンクを顔色を見てみた。

けれど、顔色は悪くない。寧ろなんだろ、嬉しそう。

 

もっと楽な方法は無いかと考えていると、ずっと忘れていた冴えた解決手段を思い出した。

 

妖精になれば良いじゃん、私。

 

あ、アホ過ぎる。

なんでこんな簡単な事が・・・うぅ、妖精に産まれてきてこれ程恥ずかしかった事はないよ。━━━いや、そんな事もないかもだけど。

 

今更言い出すのも恥ずかしかったけど、リンクが辛い思いをするよりずっとマシだと思い、私は思い付いたそれをリンクにそっと教えた。おじさんに聞かれると大変だから、勿論ないしょ話だ。

 

するとリンクは真面目な顔で言った。

「断る」って。

 

「え、いや、意味分かんないよ。楽になるよ?」

「オレの方こそ訳分かんないよ。こんなご褒━━━げふんげふん。こんな絶好の鍛練チャンス逃す方が可笑しいよ」

「これって鍛練だったの?暑苦しいだけじゃない?」

「暑苦しいなんてとんでもない。こうして近いとナビィの良い匂━━━━」

 

リンクが言葉を止めた。

どうしたのかと思って少し振り返って見る。

そうしたらリンクがキリリとしていた。

 

「━━━デスマウテンって火山のある場所に行くんだろ?だったらこの程度の暑さでへばってられないよ。」

「さっき暑苦しくないって・・・」

「言ってない、言ってないよ。凄く暑苦しい」

「ご、ごめん」

「あー!そうじゃない!そうじゃないんだ!!くそっ!オレって奴は!!くぅぅぅぅ!!」

 

なんか苦悩してる・・・大丈夫かな。

でもまぁ、よく分からないけど膝の上に私が座ってる方がリンクには都合が良いみたい。

 

私は出来るだけリンクに負担を掛けないように座りに直す事にした。

 

「ん、ん、んーあれ?」

 

なんか座りが悪い。

さっきまでは丁度良かったのに。

むむむ。

 

そうして座りの悪さを直していると、お尻に何かあった。

何だろうと思って手で探ってみる。

 

「あっ」

 

直ぐに分かってしまった。

この所よく見るアレだ。

なんて声を掛けようとかと悩んでいると、不意に馬車が揺れてリンクの膝の上に腰を落としてしまった。

 

リンクのソレがお尻の隙間に嵌まる。

一瞬入ったのかと思ってドキっとしてしまった。

良かった入ってなくて。本当に入らなくて良かった。

 

私は深呼吸し乱れた息を整えてからリンクに言った。

 

「リンク、あの、凄く当たってるんだけど・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

リンクとのもどかしい時間が始まってから暫く。

馬車の振動のせいでどんどん位置がずれていったリンクのソレは、ついに股の隙間に挟まるようになった。

あそこに入らなかっただけマシだけど・・・これはちょっと。

 

恥ずかしい気持ちはあるけど、変な気持ちがムクムクと鎌首をもたげてくるのは止められなかった。

こんな所でしたくなんてないけど、ドキドキと心臓が高鳴ってしまう。

 

ガタン、ガタンと馬車が揺れる度、リンクの硬いソレが私の大事な所を擦り付けてくる。

それが気持ち良くて、心地よくて、私は少しだけリンクのそれがあそこに当たるように体を傾ける。いけない事だって分かってるのだけど、止めたくなかった。

 

「ナビィ、服、まくるよ」

 

リンクはそう言うと私のスカートを捲りあげた。

恥ずかしさはあったけど、それ以上にリンクのソレが生で触れるのだと思うと興奮が勝ってしまって何も考えられない。

 

捲りあげられた私のあそこは愛液でベチャベチャで、見ていられない程厭らしくなっていた。

そして私の股の間から顔を覗かせたリンクのソレも我慢汁で濡れていて、厭らしく艶めいていた。

 

「りんくぅ、あの、ね、しずかに、ね?」

「分かってるよ」

 

リンクのソレが私の秘部を擦る。

入れるつもりはないのか、私の股を性器のように扱ってくる。ぬちゃぬちゃと股の隙間から二人の体液が混ざりあったそれが溢れてきて、凄くエッチな感じがする。

 

「ナビィの足、スベスベでしっとりしてて、気持ち良い」

「ん、んあ、そうにゃの?」

「うん。ナビィの中も凄く気持ち良いけど、これはこれで、凄く良い。たまにちんこの先に当たるナビィのクリトリスも良い刺激になっててさ」

 

そういうとリンクは私のクリトリスをソレで押し潰してきた。宿屋で出していたような声が出そうになり、咄嗟に口元を押さえ込む。

それでもくぐもった声が押さえていた手から漏れてしまい、御者のおじさんが「ん?」と反応してしまう。

 

「なんか言ったかい嬢ちゃん?」

 

おじさんの声に言葉を返したかったけど、手を放したら最後嬌声が辺りに響いてしまう。どうにかして欲しくてリンクへ視線を送る。

 

私の視線の意味が分かったのかリンクは頷いた。

あそこにソレを強く押し付けて。

 

「ひぅ━━━━!!」

「あ、大丈夫です。揺れで少し驚いただけで」

 

リンクは何気ない顔でおじさんに返事をしながらソレを擦り付けてくる。話始めてからリンクが執拗にクリトリスばかりを刺激してきて、私は喘ぎ声が抑えられない。

 

「━━━━━ぅぅん、ん、っん━━━!」

「おじさん、後どれくらいで着くんですか?」

 

「んあ?そうさなぁ、もうじきだな。この分だと日暮前には着きそうだ。もうちっとの辛抱だ、我慢してくれよー!」

 

日暮前。

その言葉を聞いて私は荷馬車の後部を見た。

閉めきられた幌の隙間から、僅かに青空と草原が見える。太陽の正確な高さはまでは分からなかったが、草影の長さから正午を過ぎて暫くたった頃だという事が分かった。

 

旅の中で培った経験を元に計算し、カカリコ村までのざっとの時間を出した。

おおよそで、一時間と少し。

 

後、一時間と少し?そんなに━━━?!

 

 

 

 

 

グリッ、とリンクのソレが割れ目とクリトリスを抉るように抜けた。

背筋に電撃のような痺れが走る。

それはあまりにも甘い痺れで、気持ち良すぎて蕩けてしまいそうになる。

 

抑えていた手が思わず放れてしまい、声が━━━

 

「ああぁ━━━━━━んんんん!」

 

漏れでた嬌声がリンクの口で強引に抑えられた。

おじさんに聞かれたのかどうか気になった筈なのに、口の中に潜り込んでくるリンクの舌があまりに刺激的で、他の事なんてどんどんどうでも良くなってくる。

 

舌を絡めるのが気持ち良い。

口の中を舐められるのが気持ち良い。

舌や口の中の唾液を吸い出されるのが気持ち良い。

 

夢中でリンクとキスをしてると意識の遠くから「嬢ちゃん、坊ちゃん!カカリコ村が見えてきたぜぇ!!」という声が聞こえてきた。

 

それで漸く私がどうしてここにいるのか思い出した。

でも、ソレを擦り付けられるのが気持ち良くて、私はもっと気持ち良くなりたくて、気持ち良くなれる所にソレを押し付けた。何もかも考えないで。

 

リンクは私の気持ちを分かってくれたのか、力強く擦り付けてきてくれる。エッチな音が聞こえる。ヌチャヌチャという厭らしくて、興奮する気持ち良い音が。

 

「りんくぅ、りんくぅ!もっと、してぇ。きもひぃのもっとぉ」

「もう、ナビィ声大き過ぎるよ。結界を張るのが遅れてたら、聞こえちゃう所だったよ?」

「そんにゃこと、いっひゃって!ひぃんくの、おちんちんが、こしゅこしゅひて、きもひぃのぉ!」

 

リンクの熱いソレと、グジュグジュに濡れた私の熱い割れ目が擦りあう。本当に火傷しそうなほど熱く激しく。

女の子の所がきゅんきゅんして止まらない。

リンクから貰える熱いあれが欲しくてたまらない。

 

「ひぃんくぅ!いっちゃう!わらひっ、ひぃくぅん!ちょうらい、ひぃんくのあちゅいの、なびぃにびゅっびゅしへぇ!!」

「うん、いくよナビィ!」

 

びゅっ、とリンクのソレから真っ白な液体が撒き散らされる。勢いよく弾けたそれは私の顔や服について、ゆっくりと地面に落ちていく。

 

私は絶頂の快感に酔いしれながら、それをただ眺めた。

撒き散らされたそれが、私の中に注ぎ込まれなかった事を、少しだけ残念に思いながら。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

おじさん「・・・・」

 

 

どったんばったん

 

 

ん━━━んんん━━━あん

 

 

おじさん「・・・・わけぇってのは、良いねぇ」

 

 

 

 

おじさん「いやでもな、荷物臭くなるから勘弁して貰いてぇな」

 




次回予告

なめる


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ぺろぺろされちゃう件

エロって、一種の哲学ちゃうん?

byはくびしん・しこるすきー


カカリコ村についた私とリンクは、なんやかんやと荷馬車のおじさん家に泊まる事になった。

やんわりと荷馬車内で行ってた事を注意された私としては一刻も早くおじさんの視界から逃れたかったのだが、カカリコ村に宿がない事を理由に私が断るのを断ってきた。解せぬ。

 

リンクも最初は嫌そうにしていたが、おじさんが耳元で少しゴニョゴニョすると男前な顔で「泊まるよ」と頷いてしまった。

ろくな理由じゃないのは直感的に分かった。

 

それにしてもさリンク。

おじさんの「坊ちゃんもよ、若ぇのは分かるけどよ、時と場所を選ばねぇといけねぇよ。可愛い嫁さんのエッチな声なんて他人に聞かせたくねぇだろ?」っていう糞恥ずかしい言葉にさ、返す言葉に悩まないでよ!!そこはすぱっと「そうですね、気を付けます」くらい言ってよ!何、ちょっと満更でもない顔してるの!?

━━━もぅ!バカぁ!

 

 

そうしておじさんに案内されてきたのは、なんとコッコネエサンの所だった。おじさんに聞いてみるとコッコネエサンは娘さんなんだとか。

原作にはいなかったけど本当はこんな人がいたんだ、と普通に感動してしまった。

 

でもまぁ、冷静に考えてみれば鳥アレルギーの人が鳥を世話出来る訳がないから、誰かと生活してるのは当たり前なんだよね。ちょっとの間のお世話くらいなら触れなくても大丈夫だろうけど、鳥を管理するって触らなくて済むような事じゃないからね。

 

「帰ったぞー!」

 

おじさんさんの声が鼓膜に響く。

大きい声にびっくりしたのか裏庭のコッコ達が大騒ぎしてる。ちょっと可哀想。

 

「おかえりー!━━って、声でかすぎよ!お父さん!コッコ達びっくりしてるじゃない!ちょっとは気を使って━━━━━ってええ?」

 

家の奥から出てきたコッコ姉さんは原作同様、赤髪の綺麗なお姉さんだった。

コッコ姉さんは私達を見て怪訝そうな顔をする。

 

「えっ、と、父さんの隠し子?」

「ちげぇな」

「まさか拐って来たんじゃ!?」

「おめぇが、父親をどう思ってるのか、よく分かった。このあほ娘が」

 

おじさんの拳骨がコッコ姉さんの頭に落ちた。

コッコ姉さんは涙目で踞る。

 

「ちょっと酷い!可愛い娘の頭を普通叩く?!」

「うるせぇやぃ。こんくらいが丁度良いだろ、お前にはよ。それよか飯だ。坊ちゃんと嬢ちゃんにも用意してくれ」

「ちょっとは事情を話してくれても良いじゃない・・・。はぁ、もう。あっ、あなた達、何か嫌いな物はある?」

 

コッコ姉さんに視線を送られた私は首を横に振る。

嫌いな物なんてない。

というか、食べなくても基本平気だ。

だって妖精だもの、byなびぃ。

 

そんな私を見てコッコ姉さんは「そう、良かったわ」と眩しい笑顔を見せてくれる。綺麗過ぎるその笑顔にちょっと照れてしまう。

次にリンクを見て同じように聞いてくれるが、リンクは欠片も照れず「特にありません」と素っ気ない返事を返してしまう。

 

こんな美人の飛びきりスマイルだってのに、なんであんな素っ気ないんだろう。

私なんかにはあんなに凄くなるのに・・・リンクの好みってよく分からない。

 

その夜コッコ姉さんに御馳走して貰ったそれは、地獄の釜の底で煮たったような何かだった。コッコ姉さんの父親であるおじさんは「今日もまずいな、ガハハ!」と笑って食べていたが、そういう次元の物じゃなかった。

私とリンクは一日でも早くこの家を出ようと固く誓った。

 

因みに、その夜は何もなかった。

だって私はコッコ姉さんの抱き枕になってたからね。

 

それにしてもおじさんと真剣に話し合ってるリンクの姿は見たけど・・・何話してたんだろ。

なんか怪しいなぁ。

 

 

 

 

 

 

翌朝、私達の眠りはコッコ姉さんの叫び声によって覚まされた。何事かと起き出してみれば、コッコ姉さんが裏庭を見てワナワナしている。

 

どうしたのかと尋ねれば洗濯しようと裏庭に出たらコッコが逃げ出してしまっていたのだという。最後に残ったコッコが飛んで逃げてく様を見て、思わず悲鳴をあげてしまったらしい。

 

そういう事ならと、私とリンクは一泊一飯の恩だと思ってコッコ集めを手伝う事にした。コッコ姉さんは例のアレがあるので手伝えない為、実質私達だけでだ。

因みにおじさんは夜明け前には行商に出掛けていったそうだ。こんな時に・・・。

 

1コッコ、2コッコと集めていく。

逃げ出した割りにはみんな大人しくて良い子ばかりだ。

自分からヒョコヒョコやってくるので、私はそれを持ち上げるだけ。実に簡単なお仕事である。

 

リンクはどうかなぁと視線を移すと、死闘を演じていた。あれ、ラスボス戦だったっけ?と思う程の必死の激闘がそこあった。

 

リンクの剣を紙一重でかわすコッコ。

どこから途もなく現れた増援コッコ達は、攻撃に転じた際のリンクの隙を狙って突撃していく。

勿論リンクもその攻撃をかわし、華麗に反撃していく。

 

剣と嘴が交差する戦いは、ギリギリの所でリンクに軍配があがった。気絶するコッコの群の中で、それらを縛り上げたリンクが私にガッツポーズしてる。

原作だとコッコの襲撃は死ぬかフィールドを抜けないと回避出来ない仕様の恐怖のイベントだというのに、リンクはこれを剣で切り抜けてしまったようだ。しかも不殺。

ある意味ガノンドロフより厄介なコッコに勝てるとか、リンク強くしすぎたかなぁ・・・。いやでも、安全に勝てた方が良いし、良いよね?

 

逃げ出す前より多くなったコッコ達を見てコッコ姉さんが困るかと思ったけど、普通に喜んでくれた。鳥肌はたっちゃうけど、コッコ大好きなコッコ姉さんには嬉しい誤算だったみたい。

お礼ご飯を御馳走すると言ってきたが、勿論断った。代わりに原作同様ビンを貰う。仕切りに「これで良いの?」「御馳走しちゃうよ?」と言われたけど断固として断った。

 

いらな、いらないったら!

 

それから墓地にいってハイラルの盾を拾ったり、太陽の歌を覚えたり済ませる事を済ませてたら、あっという間に夕方になってしまった。

急ぎ門番さんにゼルダの手紙を見せに行ったが門は開けて貰えなかった。夜の登山は危ないからと言われて通してくれなかったのだ。常識的な理由にぐうの音も出ない。

まぁ、明日の朝にくれば普通に通してくれるみたいなので何も問題はないけどね。

 

 

 

その晩、なんのかんのと言ってコッコ姉さんの所にお邪魔する事になった。野宿でも良かったんだけど、外で野営の準備をしてたらコッコ姉さんに捕まってしまい、無理矢理事情を説明させられ、それならもう一晩と押し切られてしまったのだ。

 

ただ、私も地獄の釜の蓋が開かれるのを指をくわえてみているだけじゃない。きちんと手を打った。

一晩の宿のお礼として、ごく自然にお夕御飯を作る役目をもぎ取ったのである。コッコ姉さんは仕切りに「私がやるよ?」「休んでていいよ?」と料理作りたいアピールをしてきたが、そこは頑として断っておく。

 

コッコ姉さんこそ休んでて?

ナビィからの本気のオ・ネ・ガ・イ♪

 

そうして作ったのは、有り合わせの材料を使った庶民料理。

流石に夜営ご飯よりは美味しく出来たと思ったけど・・・やっぱり自分だと判断しにくい。いっても自分好みのご飯作ってるだけだもん。

 

 

少し緊張しながらも料理を並べお夕飯。

正直コッコ姉さんからは酷評されるかなぁーと思ってたけど、意外にも美味しいとの評価をもらえた。ただ、もう少し味にインパクトがあった方が良いと、余計な味付けは教えてきたけど。ソデスネーと流したのは言うまでもない。

 

リンクはいつも通り美味しいと言って食べてくれた。昼間の激闘のせいもあってか何度もお代わりをしてくれる。作り手冥利に尽きるというもの。嬉しくて沢山よそってあげた。一杯食べて大きくなるんだよー。

 

 

賑やかな夕飯も終わり夜。

今日もコッコ姉さんの抱き枕かと思ったら、今日はリンクに抱き枕にされるらしい。食器を洗い終えて帰ってきたらそうなってた。二人の話し合いがどんなものだったかは知らないけど、コッコ姉さんが悔しそうにしてたから、ゲームか何かで決まったんだろうなとは思った。

 

 

 

「抱き枕になる事について、リンクに一つ約束して貰う事があります」

 

借りたベッドに横になるやいなや、私の隣に滑り込み体をまさぐってきたリンクへ、ちょっとキツメに声をあげる。

するとリンクは手を止めて、顔に脂汗を滲ませた。

 

「・・・いやだ、と言ったら?」

 

まだ何も言ってないのに、リンクは迷う素振りもなくそう聞いてきた。うん、リンク、あのね、そこで勘づくくらいなら、何もしないって選択は最初から選べないかな?初めて会った時の可愛いリンクはどこに行っちゃったのかな?・・・いや、まぁ、今も可愛いし、格好いいけどね。

 

「今日、リンクとは寝ません」

「・・・・・」

 

私の返した言葉にリンクは心底落胆するような表情をうかべた。それこそ、世界が今終わったみたいな。

 

「そ、そんなに大袈裟な事は言ってないでしょ!」

「だってナビィが、そんな、断ってくるなんて・・・夜営中じゃないのに」

 

夜営中じゃなければ、何時でもOKとも言ってないけど!?最近リンク馬鹿になってないかな!?大丈夫かな!?

 

見るからにしょんぼりしてしまったリンク。

少し可哀想な気がしたけど、まさぐるのを再開したので同情はしない。それはね、男の子の、そういう事を我慢する辛さは分かるけどさ・・・。

 

どう言いくるめようか考えていると、リンクの手が秘部を撫で回してきた。

 

「だめ?」

「だ、だめ!んっ、もう、っ」

 

この頃リンクの触り方がどんどんエッチになってきてる気がする。前は痛い時も合ったのに、今はそんなこと殆どない。直ぐ気持ちの良い所ばっかり触ってくる。勉強はあんまり得意じゃなかった筈なのに、こういう所ばっかり覚えてくるなんてずるい。

 

リンクの指がパンツ越しに割れ目をなぞる。

触れるか触れないか、そんなギリギリの所で焦らすように。それが余計に私の興奮を誘い、触れられた割れ目からは直ぐに熱い物が零れ始めてしまう。

 

「ねぇ、ナビィ。ほらここも、ね?もうグチャグチャだよ?」

 

耳元に掛けられる熱い吐息と甘い声に少しクラっとしてしまう。少しだけ良いかなという思いが過るけど、自分が何処にいるのか思い出して、何とかエッチな気持ちを押し止めた。

 

リンクの手を掴み悪戯出来ないように抱える。

内側に向けると胸を触られるから、ちゃんと外側に向けておく。

 

「ナビィ?」

「・・・だめっ、て、言ったで、しょ」

「えぇー」

 

えぇーじゃないの!もう!

人のお家だっていうのにそんな事する方がおかしいし、それに直ぐ隣の部屋にコッコ姉さんがいると思うと気が引ける。音も聞こえちゃうし、臭いだって・・・まぁ、リンクが結界をはれば音は大丈夫かも知れないけど・・・。

 

ワキワキと動く手を押さえる事数分。

やっと手を動かすのを止めたと思ったら、今度は耳の裏に何か生暖かい物が這っていった。虫か何かかと思って少しびっくりしたけど、そのぬるっとした感触には覚えがあったので直ぐに何か理解した。

 

「リンク、舐めないで。くすぐったい」

「だってナビィが手を捕まえるからさぁ・・・あむ」

「だからって舐めなくてもっ、ひっうぅ!にゃ」

 

油断してたら今度は耳をしゃぶられた。

舌が這いずる事に擽ったさも感じたけど、それより時折かかる吐息や唾液が鳴らす音に体がゾクゾクしてしまう。お腹が少しずつ暖かくなってくのを感じる。

 

「リンクっ、やめへっ、ん!もうぅ」

 

リンクの舌は耳から離れ首筋を這っていく。

ピチャピチャという厭らしい音も一緒に。

 

厭らしく這う舌が素肌を隠す襟首の所に辿りついた。

止めてくれるのかと思ったけど、リンクは口を器用に使って服をずり下げてきた。私の寝巻きは全体的にゆったりしたワンピースタイプの物で、首回りもかなり緩いつくりになってる。だから、少し下げられただけで簡単に肩が出てしまった。

 

荒いリンクの鼻息が肩に掛かる。

背筋にゾクリとした刺激が走ってく。

 

不意にレロっと肩に生暖かい物が這っていった。

思わず声が出そうになったけど、何とか飲み込む。

そうこうしてる内にリンクの舌は肩を伝い、脇を舐め始めた。

 

「っやぁ!りんくっ、そこはっ━━ひゃぅ!?」

 

僅かに開いた腕の隙間にぬるりとした感触が入り込んでくる。ぞくぞくした何かが背筋に走る。

 

「や、やぁらぁの!そこはっ、きたなぃからぁ!らぁめ、りんくっ!んにゃぁ!?」

 

制止の声を掛けてもリンクは止めてくれない。

ピチャピチャと厭らしい音が鳴らしながら、執拗にそこを舐めてくる。何かを貪るみたいに。

そこには何もないのに。

 

妖精である私は汗をかかない。

人とは構造が違うからそこが蒸れたり、臭いがこもったりする事なんてない。基本的に清潔なままだ。

だからそんな所舐められたって、実際は何にもならない。恥ずかしいだけ━━━━━なのに、私はどこか興奮してしまっていた。

 

心臓がバクバク鳴って凄く煩い。

舌が這う度、リンクの鼻が息を吸い込む度。

火が出そうな程に頬が熱くなっていく。

お腹がきゅうきゅうしてるのが分かる。

 

「顔真っ赤だよ、ナビィ可愛い」

 

頬っぺたに柔らかい物が触れた。

視線を横にずらすと、リンクが私の顔を見ていた。

きっと馬鹿みたいに赤くなった私の顔を。

 

「みっ、みないれぇ。りんくのばかぁぁ」

 

近くあった枕を掴み顔を埋めた。

とてもじゃないけどこんな顔見られたくない。

脇を舐められてエッチな気分になってるなんて、変態みたいな所、知られたくなかったから。

 

隠す事に必死になっていると、ふいに股の所へ固い物が添えられた。すっかりグチャグチャになった入り口にチュポチュポとキスしてくる。

下から這い上がってくる甘い刺激に頭がパンクしそう。もう何も考えられない。

 

「いれるよ、良いよね?」

 

甘えるようなリンクの声に。

もう答えなんて決まっていた。

 

「・・・・・ぅん」

 

私の了承の言葉を聞いたリンクは、深くそれを突きいれてきた。

 

また長い夜が始まる。

リンクのそれを受け止め、ただそう思った。

与えられる熱に、刺激に、快楽に溺れながら。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

???「あいつら、全然こないゴロ」(約九ヶ月待ち)

 

 

ケポラ・ゲボラ「ホホホ。ほんと、それな」(約八ヶ月待ち)

 

 

???「お前誰ゴロ」(約九ヶ月待ち)

 

 

???「余よりマシでしょ!!いつまで胃袋の中にいれば良いのよ!!」(約九ヶ月待ち)



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はぁい、私ナビィ。名前がヤバい噂の火山にやってきたの。

エロやないやんか。
そう思うだろう。
おれもおもった。


ココリコ村を立ってから半日程。

モンスターを始末しつつデスマウンテンの険しい山道を進んでいた私達は、無事目的地であるゴロンシティに辿り着いていた。

 

ゴロンシティはデスマウンテンと呼ばれる活火山の山間にある街で、岩を主食とするゴロン族達の棲みかである。

 

因みに、街周辺は生息するモンスターと岩の崩落、転がってくるゴロンに気をつけていればそれなりに安全なのだが、それより昇るとハイラル地方屈指の危険地帯である。ほぼ毎日火山弾が雨と降る場所と言えば分かるだろうか。

 

気温も高いし、流石のリンクもどうなる事か。

いずれ行くとこになるだろうけど・・・今から少し心配だ。

 

「どうしたの?ナビィ?」

 

思わず溢した溜息にリンクが不思議そうに振り向いた。

心配してくれるのは嬉しいけど、昨夜・・・というか今朝まで私の体を貪っていたのが嘘みたいに疲れがなく、逆に艶々してるその顔に、ちょっといらっとする。

私は疲れてるのにぃ・・・。

 

ちょっと癪だったので顔を背けてやる。

すると何故かクスクス笑われた。

ムッと思って睨めばリンクは目を逸らした。

 

「━━━━━━あぁっと、ナビィ。ゴロンシティでもやること色々あるんでしょ?行こう、ね?」

「そうだけど・・・・むぅ・・・・・リンクの今晩のお夕飯は干し肉なしだからね」

「えぇ、そんな!?ご飯を抜いたりとかは駄目だって、ナビィが言ったんだよ!?ほら、栄養が偏るとか!」

「お肉食べなくてもお豆食べれば良いよ。それは準備してあげる」

「またあの味気ない豆かぁ・・・・」

 

ブツブツ呟くリンクを連れてゴロンシティの入り口である洞穴を進むと、妙に明るくて広く拓かれた空間に着いた。すり鉢状に段々になっている地形。一番深い所にある謎のツボ。ロープで空中につられた如何にも精霊石が埋め込まれてましたって感じの台座。

ゲームで見たままのゴロンシティがそこに合った。

 

「ふあぁー」

「おおー」

 

思わずリンクと一緒に感嘆の声をあげてしまった。

だってゲームの世界だった物がリアルに存在しているのだ。それもちゃんと生きてる風景。

何十年、下手したら何百年と生きてたから、頭ではこの世界が生きてる事は理解してる。だけどやっぱり、目でみたり体験してみないと実感出来ない所はあるのだ。

こういう時、旅に出て良かったと本当に思う。

 

いつまでもそうしてる訳にもいかないので、早速リンクと一緒に台座へと向かう。足場の不安定さなんて私もリンクもなんのそのだ。

 

そこにいたゴロンから話を聞くとやっぱりゴロンのルビーと呼ばれる精霊石は族長のダルニアが持っていったらしい。ゲーム同様、教えてくれたゴロンは「舐めたかったゴロ」と呟いてしょんぼりしてた。

リンクは呆れた顔で見てたけど、リアルで聞くとゾクッとする物がある。ゴロン族って岩食べるから、宝石とかは勿論、下手したら精霊石すら食べれちゃう可能性あるんだよね。精霊石が無事で良かった。

 

台座にいたゴロンと別れて、すり鉢状の段々を降りていく。皆の様子を窺っているとやっぱり元気がない。ゲームではキングドドンゴと呼ばれる恐竜みたいなのが暴れているせいで、ゴロン族の主食である岩を取れずに困っていた━━━って設定だったけど・・・・そこは変わらないみたい。

 

妖精仲間に聞いた話、キングドドンゴは元々守護獣みたいな役割のあるモンスターだったらしいから、問題がなければ倒したくなかったんだけどなぁ。

うむむむ。

 

 

そうして降りていって最下層にある族長の部屋の前に着いた。ゲーム同様、部屋は岩で固く閉ざされてるみたい。ちょっと触れて確かめ分かったけど、物理的というよりは魔法的な守りみたい。

 

よしよし、ナビィの出番だよね!

ヒント出さなきゃ。

 

「あのね、リンク━━━━」

「っふぅん!!」

 

私の言葉を聞いて無かったリンクは岩にタックルを決めた。大きな音が響き地面が揺れる。入り口が無理に押されたせいかヒビが入り、数センチ岩が押し込まれた。

魔法で塞いでるから、動く筈ないのに。

 

「よしっ、もう二三回やれば━━━」

「駄目だからね!?リンク!これは魔法で塞いでる岩なの!結界と一緒!無理矢理なんて開けたら中の術者が大変な事になるんだから!!」

「━━━え?あ、そうなの。早く言ってよ。もう、ナビィのおっちょこちょい」

 

つんっとオデコを押された。

 

「ご、ごめん。次からは・・・・ごめんじゃないよ!リンクがせっかちだからでしょ!?人のせいにしないの!」

「ごめんってば。じゃぁ、どうしたら良いの?」

「もう・・・・」

 

それからゼルダ姫に教わった筈の時の歌を吹かせれば、岩は簡単にどいて道を作ってくれた。尤も、動いてく岩の動きは壊れた機械みたいに鈍かったけど。

次、使えるかなぁ・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダルニアに会いにいってから、おおよそ一時間後。

予定ではサリアの歌を覚えに森に戻っている筈の私達は、未だにゴロンシティにいた。

 

そして何故か、ゴロン族の祭りに使う御輿の上に乗せられ運ばれていた。

 

「我等の救世主!!リンクとナビィのお通りだぁ!讃えやがれぇ!!ゴロォォォォォ!!」

 

誰よりも大きな声をあげてゴロン族の皆を煽るのは、英雄であり現族長ダルニアさん。ゴロン族の皆はよくわからなそうな顔しながらも族長の言葉に従い黄色い声をあげる。

 

「ナビィ?」

 

不意なリンクの声に振り返ると、心配そうなリンクの顔がある。

 

「大丈夫?もしかして酔った?」

「よってはいないけど・・・ちょっと頭痛はするかなぁ・・・ははは」

 

そう伝えるとリンクは自分達を担ぐダルニアさんに視線を落とした。嫌な予感は感じるけど、今はそれを防ぐ元気がないから放っておく。

 

「ねぇ、ダルニア。揺れが強いよ。ナビィが気持ち悪くなっちゃったってさ」

「おっ、おうさぁ!!!!魔王様!!」

「魔王だなんてやだなぁ、あはは。リンクでしょ?」

「っめ、面目ねぇ!?今度から気をつけるぜぇ、リンクの旦那ァ!!」

 

デクの樹様、どうしよう。

リンクが魔王様呼びされてるんだけど。

 

答えが欲しくて心の底から天井の向こうにある空に祈ると『ヤクザと警察が大して変わらないように、勇者も魔王も似たようなもんだから。オケオケ』と見も蓋もない声が聞こえた気がする。死んでからもデクの樹様はデクの樹様だったらしい。幻聴なのは間違いないけど、果てしなく腹立つ。会える機会はないだろうけど、もし会えたらぶん殴ってやろう。

 

頭に走る痛みに耐えながら視線を落とすと、必死な形相で私達の御輿を担ぐダルニアさんの後ろ姿が見える。

そこにゲームで感じた族長感と兄貴感はない。

 

リンクが抉じ開けようとした影響か、ダルニアさんは最初から若干ビビっていた。それはそうだろう。英雄と謳われた自分でさえ動かせない岩の扉を動かしたやつが来たのだ。ビビりもする。

しかもその後何か口を滑らせたらしく、リンクを酷く怒らせ服従まで誓わされてしまったのだ。

 

因みに何を言ったのか私は知らない。

リンクが自分で話をつけるというので私は離れていたから。・・・・一体何を言ったんだか。

 

「━━━おおぅ!?ど、どしたいナビィの姐さん!?まだ駄目そうかゴロ!?」

「えっ?・・・いや、大丈夫です。なんでもないです。それより姐さんって・・・?」

「ありゃ、不味かったですかナビィの姐さん?リンクの旦那のよ━━━━ったぁ!!?」

 

何か言いかけたダルニアさんの横っ面に、突然デクの枝が突きつけられた。隣を見ればデクの枝を持ったまま良い笑顔をしたリンクがいる。

 

「こらっ!リンク!いきなり何するの!!危ないでしょ、めっ!!」

「ごめんごめん、だって虫がいたから。空気の読めない虫がね。ねっ、ダルニア」

 

「・・・・そうだなゴロ。リンクの旦那」

 

 

 

 

 

 

 

 

それから御輿に揺られて暫く。

もうすぐ夕暮れ時という時間にキングドドンゴがいる洞窟に着いた。ゲームだと大岩が塞いでたけど、何故かない。近くに腹を膨らませたゴロンがいるけど、食べたのか?まさか。

 

まぁ、何がともあれ、夜はモンスターが活発になって危ない。だからリンクにはダンジョンへ挑むのは明日にでもと言ったんだけど、困ってるゴロン族を早く助けてあげたいと言われてしまって、どうしても止められなかった。

 

そんなリンクにダルニアさんはゲームでも授けていた爆弾花を引き抜けるようになる腕輪を━━━━━王様でも相手してるかの如く、膝をついて献上した。

 

おかしぃなぁ。

 

いや、ここにダルニアさんがいるのもおかしいけども。子分のゴロンがいるのもおかしいけども。

それを差し引いてもおかしぃなぁ。

 

「ゴロン族の運命、リンクの旦那に託すぜぇ!!頼むゴロ!!」

「「「「ゴローーー!」」」」

 

ダルニアさんと子分ゴロン達が盛大に頭を下げた。

そんなゴロン族達にリンクは腕輪を嵌め、笑顔を浮かべて拳をあげた。肘から先を上にあげる、軽いガッツポーズだ。

 

もうやだ。この緊張感のなさ。

デクの樹様、私頭が痛いんだけど。

助けて。

 

そっと助けを求めると『がんばっがんばっダヨ!』と腹の立つ猫なで声が聞こえた気がした。この世界に天国とかがあって、もしそこでデクの樹様に会えたなら、私は全力で殴ると心に決める。

 

気持ちに区切りがついた所で一旦デクの樹様への憎しみを胸の内にしまう。よく考えなくても、現実逃避をしてる場合じゃないからね。・・・・あの事もあるし。

 

「ねぇ、リンク。本当に行くの?」

 

準備をしてるリンクに聞くと「そのつもりだけど」とキョトンとした。これから行く場所がどんな所か分かってるのだろうか。心配だ。出来るだけリンクの意見は尊重しようと思うけど・・・ううん。

 

でも、やっぱり一人でなんて。

 

デクの樹様ダンジョンで見守るしかさせて貰えなかったから、今度こそしっかりサポートするつもりだったのに、リンクはここにきて一人で行くと言い出したのだ。

これは俺がやらなきゃいけない試練だからとかなんとか。あと岩が主食のゴロン族に期待出来ないから、美味しいお夕飯作って待ってて欲しいとかも。

 

確かにこれはある種リンクの試練ではある。

リンクがどうにかしないといけない定めだ。

 

でもゲームでは私も一緒に試練していたのだ。

案内という形で、ちゃんと。

まぁ、今のリンクにゲームみたいな案内がいるかと聞かれれば、些か疑問ではあるんだけど。

 

少し悩んだ後、結局リンクの意思を尊重して一人で行かせる事にした。子供にも関わらずハイラルの盾を自由自在に操る、その力に期待しようと思う。

 

「それじゃ、ナビィ行ってきまーす!夕飯が出来る頃には帰るから!━━━━あ、ダルニア!あれ用意しておいてねー!」

「任せとけぇリンクの旦那ぁ!!」

 

あれ?あれってなんだろう?

疑問に思ってダルニアさんを見たけど、思い切り目を逸らされた。どうやら答えてはくれなさそう。

 

・・・変な事じゃなければ良いけど。

 

 

 

 

 

それから暫く、月が爛々と輝く頃。

夕飯の完成間近にリンクは帰ってきた。

眩しい笑顔と共に。

 

無事なのは嬉しいけど、リアルでタイムアタックしないで欲しいなぁ。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

ボス部屋

 

 

 

 

リンク「おらぁ」デクの樹ーブンッ

 

 

キングドドンゴ「ッグギァ!?」メメタァ

 

 

 

 

遭遇から討伐までの時間

1分40秒

 

使用武器、デクの棒、バクダン

 

使用必殺技、特になし

 

遅かった理由、転がったから




次回予告。

おふろ


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温泉でどろどろになっちゃう件

久々に血迷ってみた(*´ω`*)


リンクとお夕飯を食べた後、ダルニアに案内されて険しい山道を歩くこと少し。

私達はそこへと辿り着いた。

 

立ち上る湯気、鼻につく硫黄の臭い、波打つ水面。

岩山の中腹付近、崖をくり貫いて作られた、滑らかな岩肌に覆われた飾り気のない無骨な造りのそこ━━━日本人なら誰しもが知っている"温泉"と呼ばれるその場所に。

 

「温泉だぁ、ふぁぁぁーー!」

 

思わず溢れた言葉にダルニアさんがニッと笑う。

 

「知ってやがんのか。妖精っつーのは案外俗物なんだなぁ!がははは!まっ、キングドドンゴの野郎ぶちのめしてくれた礼だ。好きなだけ浸かってくれゴロ」

「これはダルニアさんが?」

「いんや、ちげぇな。最近使ってなかったから、ちと片付けはしたがな。・・・元は自然に出来たお湯溜まりだったらしいんだが、オレの親父の代よりずっと前。爺さんの爺さんが、大の温泉好きでな。テメエ一人ですっかしり拵えちまった場所らしい」

 

温泉好き・・・ダルニアさんの話を聞いてると温泉に入るっていう文化は、それまで無かった文化なのかも知れない。もしかすると私みたいに転生者だったのかも。

随分昔の事みたいだから、確認する事は出来ないけど。

 

「なんでも破天荒な爺さんだったらしくてな、若い頃なんざふらっと旅に出ちまうような人だったんだとよ。帰ってくる度に妙なもん持ってきたり作ったりよ。まだダイゴロンとは会ってねぇか?あいつの使ってる工房も、元はといやぁ、その爺さんが作ったもんらしい」

 

随分とアクティブな感じだな。

なんか凄そう。

 

「そういやぁ、今は洞窟が崩れて入れねんだが・・・爺さんが使ってた部屋があってよぉ。一面壁絵に覆われた部屋で、昔ハイラル人が来た時はやたらと騒がしかったなぁ。ゴロンの神秘?がどうのってよ」

「ごほっ!?」

 

それって、絶対あの本書いた人じゃんか。

学者にそこまで言わせる物を残すとか、これもう確定で良いんじゃないかな。何残したか分からないけど、絶対碌なもんじゃないんだろうな。

 

デクの樹様といい転生者は碌な事しないなぁ。

まったく、もう。

 

・・・・わ、私は大丈夫だよね?だって、ね。弁えて、るし・・・うん。

 

「また考え事始めちゃったか・・・・ダルニア、もう帰って良いよ」

「あいよ、リンクの旦那。・・・オレがいうこっちゃねぇんだがよ、程ほどにな━━━━無言のまま笑顔で答えんなよ。全然信用出来ねぇゴロ」

 

 

 

 

 

 

いつの間にかダルニアさんがいなくなってから少し。

リンクと私はダルニアさんのお言葉に甘え、疲れをとる為にも湯船にその身を浸していた。

 

「ほぅ・・・・・」

 

溢れた溜息には熱が籠ってる。

どうやら大分温まってきたみたいだ。

気持ちいい。

 

その気になればずっと入っていられる妖精ボディなんだけど・・・人間の時の記憶のせいか少し涼みたくなる気持ちが首をもたげる。不思議だ。必要なんてないのに。

お湯を取り囲む石の囲いに背中を預け、何とはなしに囲いの外へ視線を向けた。

 

山の中腹だけあってハイラルの大地が一望出来る。草原や海、コキリの森にハイラル城。流石にゾーラの里は見えなかったけど、麓のココット村の灯りはぼんやり見える。少し視線を上にあげれば、雲が殆んど浮いてないそこには沢山の星が輝いてた。今日は月がない分、星空が本当によく見える。

 

一人旅していた頃、よく夜間にも移動していたけど・・・あの頃は夜景なんて少しも気にしなかったからなぁ。北極星と同じような星で方角を調べたり、人里を見つけるのが楽だった記憶はあるけど、それくらいだ。懐かしい。

 

「ナビィ」

 

ぼやっとしてるとリンクの声が聞こえてきた。

そっとそっちを見れば、浴槽を分けている仕切りの岩の所からリンクの顔がちょこっと覗いてる。

 

「どうしたの?」

「あっ、いや・・・温泉、気に入ってくれたかなぁって?ほ、ほら!よく前に話してくれてたでしょ?!お風呂のこととかさ!!オレは水浴びとかが精々だし、だから温泉とか詳しいナビィからしたら、どうかなぁって・・・それだけ。それだけなんだけど・・・」

「えっと、まぁ、気持ちいいかな?景色も良いし、私は気に入ったけど」

「そっ、そっか。それなら良かった」

 

話終えたら戻ると思ったけど、リンクはまだこっちを覗いてる。どうしたのかと首を傾げると真剣な顔で「仕切りいる?」と聞いてきた。全てを察したのでお断りしとく。NO、と。そういう気分じゃない。

 

「そっ、そんな・・・・頑張ったのに」

「がっ、頑張ったのはゴロン族の皆の為でしょ!」

「そ、それもあるけど・・・」

「それしかないの!」

 

そうやって突っぱねると、リンクは悲しげな表情を浮かべて仕切りの影に潜っていった。去り際の横顔にちょっと胸が傷んだけど、最近は甘やかし過ぎてる自覚あるし簡単に頷く訳にはいかない。駄目だ。うん。何より、教育に悪い・・・今更だけど。

 

でも、今からでも努力する必要はあると思うのだ。いずれリンクは人々を救う勇者様になるわけで、公の場に出ることもきっとあるだろう。そういう時に笑われないよう、常識や品性は身に付けておいた方が絶対良い。今みたいに自堕落にエッチばかりしてたら本当に馬鹿になっちゃう。好きな人が出来た時、後悔するような選択はして欲しくないのだ。

 

体に巻いてるタオルをもう一度きつく閉め直し、私は決意を新たに気合いを入れ直す。一応、育ての親であるデクの樹様はもういない。リンクを導いてあげられるのは私だけなんだから。頑張れ、私。うん。

明日からどうやってリンク教育しようか?そんな事を考え始めた頃、隣からリンクのか細い声が聞こえてきた。

 

「・・・・ねぇ、ナビィ」

「話ならこの状態でも出来るでしょ。だめ」

「そ、そうだけどさ・・・」

 

少し落ち込んだ声に胸の所がチクりとする。

でもこんなんで負けてたらキリがない。

駄目なものは駄目なのだ。

 

「少しだけでも?」

「だめ」

「どうしても?」

「だめ」

「なんで?」

「だ・・・・む、むぅ?」

 

突然言われた言葉に、頭が一瞬真っ白になる。

 

「なんで、って、だって、リンクは男の子で・・・あのね、前にも教えたけれど、温泉っていうかお風呂は基本的に男女別な━━━」

「でもナビィって妖精で、本来はどっちでもないんだよね?」

「えっ、あ、うん。まぁ、そうだけど・・・でも今は女の子の体な訳で」

「そうかも知れないけど、ナビィのいう男女って体の問題だけなの?昔教えてくれたでしょ?世の中には心が男の子の女の子もいれば、心が女の子な男の子もいるって。そういう人達のことも、体が理由でそうやって分けるべきだと思う?オレは乱暴だと思うな、その考えは」

 

こ、小話程度そんな話はしたけど・・・・そんなに深く考えた事ないかなぁ。でも、確かにそう言われると乱暴な考えだったかも知れない。性別が曖昧な私ですら初めてリンクに裸を見せる時は恥ずかしかったし・・・いや、今でも恥ずかしいかなぁ。

ひょこっと仕切りの上から顔を覗かせたリンクは真剣な顔で続ける。

 

「確かに体のつくりが違う事に配慮しないといけないとは思うよ。でも心を蔑ろにしちゃ駄目だと思うんだ。その点ナビィはどちらにでもなれて、どちらでもない事を理解してるから人間的な性別感にあまり関心はないでしょ?オレがトイレいく時とか水浴びする時とか平気でついてきたもんね。妖精の姿だったけどさ」

「あ、あれは、その、舞い上がってたのもあるし、配慮が足らなかったのは反省も・・・」

「謝らなくていいよ、気にしてないからね。でも、ナビィ自身がそういった物が気にならなかったっては本当でしょ?」

 

言われた言葉に反省の意味も含めて頷く。

舞い上がってたのもあるし、妖精になってから男女のそれが気にならなかったのもある。何より前世の記憶があって、そういう事気にならなかったんだよね。言い訳にもならないけど。

 

するとそんな私を見て、リンクは凄く良い笑顔を浮かべた。

 

「でもそれは仕方ない事なんだよ。ナビィは妖精で、そもそもの価値観が違う訳だし。だからナビィはそんな事気にしなくていいんだよ。男の子がとか、女の子がとか・・・・そうじゃないじゃないか。ナビィはナビィなんだ。オレのおよ・・・の相棒でしょ?ナビィが嫌じゃなければ、一緒にお風呂だって入って良いんだよ。勿論、オレは嫌じゃないよ!」

「私も嫌って訳じゃ・・・あのね、リンクそういう事じゃなくて━━━」

「そっかぁ、どうしても嫌なのかぁ・・・ナビィに嫌われちゃったのかぁ・・・」

「━━━そんなっ、違う!リンクのことは好きだよ!嫌いな訳ないじゃない!」

「じゃぁ、大丈夫だね。良かったぁ」

 

キラキラした目でそう言われ、私は思わず頷いてしまった。嫌いでないのも好きなのも本心だから、それ自体に後悔はないんだけど・・・なんだろ。なにか違うような?うん?

 

一緒の湯船に入る許可を出すとリンクは直ぐ私の側にきた。ちょっと近い気がしないでもないし恥ずかしいけど、嫌かどうかと聞かれると嫌でもないし、さっきの事もあるから拒絶の言葉は出てこなかった。胸が馬鹿みたいにドキドキして煩いのだけは困り物だが。

 

ふと隣に腰かけたリンクに視線を向けると、何処か幸せように顔を緩めてるのが見える。ぼやっとそれを見てると、肌についたかすり傷が目についた。

 

「・・・ねぇ、リンク。今更かも知れないけど大丈夫だった?何処か怪我とかしてない?」

「大丈夫だよ。全然。なんなら見てみる?」

「じゃぁ、少しだけ良い?」

 

私の言葉を聞いてリンクが手や足を湯船からあげて見せてくる。かすり傷はあるけど大きな傷は見当たらない。表を確認し終えると何も言わずぐるっと回って背中を見せてくる。そこにも傷らしき傷はなかった。傷は、なかったんだけど、それが目についた。

 

「なんか、背中大きくなった?」

「そう?どうだろ、自分だと分からないけど」

 

そっと触れてみると硬い感触が指に伝わる。

子供の背中というか、何だか男の子の背中って感じだ。

少年でこれなら大人になったらどうなるんだろ。ゲームの大人リンクを思うと期待は出来る。顔はカッコ良くて、モンスターも簡単に凪ぎ払う豪傑・・・さぞモテるようになるんだろうなぁ。元男としては羨ましい限りだ。

 

何となくその背中を撫で撫でしてると、不意にリンクの顔が振り返ってくる。その目は何処か優しげで熱っぽくて・・・何だかいたたまれなくなって手を離したんだけども、その手をリンクに掴まれた。その年齢には不釣り合いな剣ダコのある掌。掴まれた手首に込められた力強さに、ただでさえドキドキしていた鼓動が大きく速くなる。

 

「リっ、リンク・・・あの、何?」

 

そうやって何とか声をあげると強く引き寄せられた。

バランスを崩してリンクの体に倒れ込むと、そのまま抱き締められた。恥ずかしくて離れようとしたら『ぎゅっ』てされて頬が熱くなって、力が思うように出てこなくて離れられない。

 

温泉の沸き上がる音。

リンクと私の息をする音。

風の通り抜ける音。

 

そんな音を耳にしながら何も出来ずにいると、不意に顔をあげさせられて━━━━唇が重なる。唇に触れる柔らかな感触。触れたそこは酷く熱くなって、それに当てられるみたいに頭までぼぅてしてくる。

 

でも、ふと少し前に決意した事を思い出して、頑張って唇を離した。

 

「だっ、だめ。りんく、こういうことはね、すきな━━━っん」

 

再び重ねられた唇に声が遮られる。

甘い痺れに体から力が抜けて、重なったそれが離せない。耐えられなくなって口を開いてしまうと、リンクの熱くて柔らかいそれが私の口の中に入ってくる。口の中のあっちこっちに熱い感触が這いずり回って、えっちな音が私の口から溢れていく。

 

不意に少し肌寒さを感じて視線を下げると、体に巻いていたタオルがいつの間にか無くなってる。視線を動かして探せば湯船に揺れるタオルが見えた。

 

「ナビィ、こっち見て」

「ふぇ?んっ、ぁう・・・ん」

 

よそ見をしていたらリンクの指に頬を撫でられた。

視線をリンクへと戻すとさっきより強くキスを求められる。応えるように舌を絡ませれば、キスはもっと激しくなった。絡み合う舌から走る甘い刺激に頭の中が蕩けていって、ただただリンクとキスを重ねた。

ぼんやりしながらキスしてるうちに、いつの間にかリンクの手が私の胸に触れる。指は僅かな膨らみを下から撫でていって、小さく立ち上がったそれをつついてきた。

 

ゾクゾクする刺激に肩を揺らすと、リンクの指は味をしめたようにそれを弄ってくる。最初は遠慮するようにつついたり撫でたりするだけだったのに、つねったりこねたり引っ張ったり。好き放題されて少し痛いくらいなのに、私の口からは苦痛の声ではなく甘さの滲む声が漏れてしまう。

 

「ナビィ、こういうの好きなの?」

「そっ、んにゃ、こと・・・ひゃぅっ!」

 

話そうとしたら立ち上がったそれをこねられた。

肩が跳ねてゾクゾクする刺激が身体中に走っていく。

その刺激に応えるようお腹の下の所がきゅうきゅうしちゃって、恥ずかしさから体がもっと火照ってしまう。

 

それを見たリンクは頬を僅かに吊り上げ、私の頬に唇を一つ落とす。ちゅっちゅっとえっちな音をあげながら。リンクは私の体を支えつつ頬から首筋へ、首筋から胸元へと唇を落としていった。

 

「ナビィのここ、美味しそう」

 

小さく呟くとリンクは膨らみの中心にある、赤くなったそれに唇を落とした。

唇が触れた瞬間小さな刺激にゾクリとして、甘い嬌声が口から漏れる。

 

リンクは私の様子を窺いながら、立ち上がったそれを口に含んでいやらしい音をあげながら吸いあげてきた。

少しくすぐったくて、甘い痺れを伴うそれに胸が高鳴る。知らず知らずの内に息も荒くなって、股の所からじわっと熱い物が溢れていってしまう。

 

ちゃぷちゃぷと水が揺れる音に混じりいやらしさに満ちた啜る音が響いてく。鼓膜を揺らすそれが恥ずかしくて仕方ないし、リンクの教育的に止めた方が良いとは思ったけれど━━━━止めようとは思えなかった。胸に顔を埋めるリンクを見てると、何だか胸の所が温かい気持ちになってしまっていたから。少しだけ子供がいたらこんななんだろうか、なんて考えてしまう。妖精なのに。

 

リンクの姿が何だかいとおしくて、思わず頭を撫でればリンクがこちらを見た。何だか不服そうな顔をしてる。

不思議に思いながら頭を撫でているとリンクに唇を重ねられて、そのまま石の囲いへ押し付けられた。湯船に入ってない石の部分はひんやりと冷たい。いきなりだった事もあって少し驚いたけど、火照った体には気持ち良いくらいだった。

 

そんな事を呑気に考えてると股の所に固い物が触れた。視線を落としてみれば、リンクの大きくなったソレが愛液で濡れたそこに当てられている。リンクの顔をみれば今更止められそうには見えなくて・・・・私はリンクのそれを迎え入れる為、指で入り口を押し広げた。

 

「もぅ・・・・いいよ、りんく」

 

物欲しそうにくぱくぱしてしまうそこを見せると、ごくりと喉を鳴らす音が聞こえてくる。

 

「はぁぅっ」

 

しっかり濡れていたのもあって、一息でリンクのそれは私の中の一番奥まで入ってきた。トントンと、リンクのソレが赤ちゃん部屋の入口をノックする。激しくはない。その動きは労るようにゆっくり優しい。

でも執拗なまでに、何回も私の一番奥へ固いそれを押し付けてくる。まるで私を妊娠させようとしてるみたいに。

 

「んきゅぅっ♡!・・・・・んんん♡!!」

 

それに気づくとリンクを咥え込んでる膣が、きゅぅっと固く大きくなったソレを締め付けてしまう。私の女の子の部分が、リンクのソレを受け入れる為に下へ降りていくのが分かる。いつの間にかチュポチュポと吸い付くようないやらしい音に変わってる。

 

奥を刺激される度、身体中に言葉に出来ない甘い痺れが走る。頭の中が蕩けてしまったように何も考えられない。あるのは私の中で動く、その熱い感触だけ。

魔法で作った体は普通の体と違って、大体の事は把握出来てしまう。体を維持する為に常に魔力を通わせコントロールしているから━━━━だから、分かってしまう。私の子宮口がリンクのソレを咥えて離さない姿が。言い訳しようもないくらい、吐き出される物を受け入れようとしてる姿が。

 

「ナビィ、ナビィ。凄い、気持ち良いよ。こんなに締め付けて」

「にゃ♡き、きもちぃの♡?」

「うん、本当に・・・ナビィ顔をあげて。ベロ、見せてくれる?」

 

言われて舌を伸ばすとリンクの唇に食まれた。

リンクは私の小さなベロをしゃぶる、美味しそうに。

舌を伝って溢れていく唾液もじゅるじゅると音を立てて吸われて、私の頭の中はポカポカした物に溢れてもっとふやけていく。

 

「出すよ、ナビィ!」

「んっ、ぅん♡りんく♡んぁぁぁぁ♡!!」

 

押し込まれたソレから熱い物が込み上がってきた。

凄い勢いで私の中へリンクの物が注ぎ込まれていく。

温泉と混じった物はいつものより熱い気がする。

 

注ぎ込まれる感触を流れる魔力から感じてると、リンクのソレでぐりぐり子宮口を刺激された。

 

自然と下がっていた視線をあげリンクの目を見る。

その二つの瞳は少しも満足していなくて、火傷しそうな程に熱が籠ったままだった。引く気配が見えなくて、仕方なく頷けばまた唇を重ねられた。

 

そして、また━━━━━。



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